入善町議会 2013-09-01
平成25年第23回(9月)定例会(第2号) 一般質問
トップページ 検索結果一覧 使い方の説明 (新しい
ウィンドウで開きます) 平成25年第23回(9月)定例会(第2号) 一般質問 2013-09-11 文書・発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ
ヒット発言 前へ 次へ
文字サイズ・別
画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール
印刷用ページ(新しい
ウィンドウで開きます) 別窓表示(新しい
ウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正
表示形式切り替え 発言の単文・選択・
全文表示を切り替え 単文表示
選択表示 全文表示 発言者の
表示切り替え 全 122 発言 / ヒット 0 発言 すべての発言・
ヒット発言の
表示切り替え すべての発言
ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更
選択表示 すべて選択 すべて解除
発言者一覧 選択 1 : ◯議長(
長田武志君) 選択 2 : ◯議長(
長田武志君) 選択 3 : ◯8番(
松田俊弘君) 選択 4 : ◯議長(
長田武志君) 選択 5 : ◯町長(米澤政明君) 選択 6 : ◯議長(
長田武志君) 選択 7 :
◯農水商工課長(竹島秀浩君) 選択 8 : ◯議長(
長田武志君) 選択 9 :
◯健康福祉課長(小堀 勇君) 選択 10 : ◯議長(
長田武志君) 選択 11 :
◯総務課長(大角秀雄君) 選択 12 : ◯議長(
長田武志君) 選択 13 :
◯消防署長(広野 淳君) 選択 14 : ◯議長(
長田武志君) 選択 15 :
◯建設下水道課長(窪野 修君) 選択 16 : ◯議長(
長田武志君) 選択 17 : ◯8番(
松田俊弘君) 選択 18 : ◯議長(
長田武志君) 選択 19 :
◯総務課長(大角秀雄君) 選択 20 : ◯議長(
長田武志君) 選択 21 : ◯8番(
松田俊弘君) 選択 22 : ◯議長(
長田武志君) 選択 23 :
◯消防署長(広野 淳君) 選択 24 : ◯議長(
長田武志君) 選択 25 : ◯8番(
松田俊弘君) 選択 26 : ◯議長(
長田武志君) 選択 27 : ◯9番(大橋美椰子君) 選択 28 : ◯議長(
長田武志君) 選択 29 : ◯町長(米澤政明君) 選択 30 : ◯議長(
長田武志君) 選択 31 : ◯教育長(滝本恒平君) 選択 32 : ◯議長(
長田武志君) 選択 33 :
◯総務課長(大角秀雄君) 選択 34 : ◯議長(
長田武志君) 選択 35 : ◯教育委員会事務局長(岩田 毅君) 選択 36 : ◯議長(
長田武志君) 選択 37 :
◯健康福祉課長(小堀 勇君) 選択 38 : ◯議長(
長田武志君) 選択 39 : ◯9番(大橋美椰子君) 選択 40 : ◯議長(
長田武志君) 選択 41 :
◯総務課長(大角秀雄君) 選択 42 : ◯議長(
長田武志君) 選択 43 : ◯9番(大橋美椰子君) 選択 44 : ◯議長(
長田武志君) 選択 45 : ◯教育長(滝本恒平君) 選択 46 : ◯議長(
長田武志君) 選択 47 : ◯9番(大橋美椰子君) 選択 48 : ◯議長(
長田武志君) 選択 49 : ◯副議長(中瀬範幸君) 選択 50 : ◯2番(笹島春人君) 選択 51 : ◯副議長(中瀬範幸君) 選択 52 : ◯町長(米澤政明君) 選択 53 : ◯副議長(中瀬範幸君) 選択 54 : ◯教育長(滝本恒平君) 選択 55 : ◯副議長(中瀬範幸君) 選択 56 :
◯農水商工課長(竹島秀浩君) 選択 57 : ◯副議長(中瀬範幸君) 選択 58 : ◯2番(笹島春人君) 選択 59 : ◯副議長(中瀬範幸君) 選択 60 :
◯農水商工課長(竹島秀浩君) 選択 61 : ◯副議長(中瀬範幸君) 選択 62 : ◯2番(笹島春人君) 選択 63 : ◯副議長(中瀬範幸君) 選択 64 : ◯教育委員長(柳澤 功君) 選択 65 : ◯副議長(中瀬範幸君) 選択 66 : ◯2番(笹島春人君) 選択 67 : ◯副議長(中瀬範幸君) 選択 68 : ◯教育長(滝本恒平君) 選択 69 : ◯副議長(中瀬範幸君) 選択 70 : ◯2番(笹島春人君) 選択 71 : ◯副議長(中瀬範幸君) 選択 72 : ◯14番(九里郁子君) 選択 73 : ◯副議長(中瀬範幸君) 選択 74 : ◯町長(米澤政明君) 選択 75 : ◯副議長(中瀬範幸君) 選択 76 : ◯副町長(林 榮佐雄君) 選択 77 : ◯副議長(中瀬範幸君) 選択 78 : ◯教育委員会事務局長(岩田 毅君) 選択 79 : ◯副議長(中瀬範幸君) 選択 80 : ◯企画財政課長(梅津将敬君) 選択 81 : ◯副議長(中瀬範幸君) 選択 82 :
◯健康福祉課長(小堀 勇君) 選択 83 : ◯副議長(中瀬範幸君) 選択 84 : ◯14番(九里郁子君) 選択 85 : ◯副議長(中瀬範幸君) 選択 86 : ◯教育委員会事務局長(岩田 毅君) 選択 87 : ◯副議長(中瀬範幸君) 選択 88 : ◯14番(九里郁子君) 選択 89 : ◯副議長(中瀬範幸君) 選択 90 : ◯教育委員会事務局長(岩田 毅君) 選択 91 : ◯副議長(中瀬範幸君) 選択 92 : ◯14番(九里郁子君) 選択 93 : ◯副議長(中瀬範幸君) 選択 94 :
◯建設下水道課長(窪野 修君) 選択 95 : ◯副議長(中瀬範幸君) 選択 96 : ◯14番(九里郁子君) 選択 97 : ◯副議長(中瀬範幸君) 選択 98 : ◯町長(米澤政明君) 選択 99 : ◯副議長(中瀬範幸君) 選択 100 : ◯14番(九里郁子君) 選択 101 : ◯副議長(中瀬範幸君) 選択 102 : ◯町長(米澤政明君) 選択 103 : ◯副議長(中瀬範幸君) 選択 104 : ◯議長(
長田武志君) 選択 105 : ◯1番(野島 浩君) 選択 106 : ◯議長(
長田武志君) 選択 107 : ◯町長(米澤政明君) 選択 108 : ◯議長(
長田武志君) 選択 109 : ◯教育委員長(柳澤 功君) 選択 110 : ◯議長(
長田武志君) 選択 111 :
◯消防署長(広野 淳君) 選択 112 : ◯議長(
長田武志君) 選択 113 :
◯建設下水道課長(窪野 修君) 選択 114 : ◯議長(
長田武志君) 選択 115 : ◯1番(野島 浩君) 選択 116 : ◯議長(
長田武志君) 選択 117 : ◯教育長(滝本恒平君) 選択 118 : ◯議長(
長田武志君) 選択 119 : ◯1番(野島 浩君) 選択 120 : ◯議長(
長田武志君) 選択 121 : ◯1番(野島 浩君) 選択 122 : ◯議長(
長田武志君) ↑ ページの先頭へ 本文 ▼最初のヒットへ (全 0 ヒット) 1: 議事の経過
午前10時00分 開議
◯議長(
長田武志君) 皆さん、おはようございます。
本日傍聴席の方、しっかり聞いていただければと思います。
ただいまより本日の会議を開きます。
日程に先立ち、皆様に御連絡いたします。
本日、全国瞬時警報システム(J-ALERT)の全国一斉の伝達訓練が午前11時ごろと午前11時30分ごろの2回にわたって防災無線を通じて行われますので、よろしくお願いいたします。
これより本日の日程に入ります。
─────────────────────────
町 政 一 般 に 対 す る 質 問
2: ◯議長(
長田武志君) 日程第1 町政一般に対する質問を行います。
私の手元に質問の通告が来ておりますので、順次質問を許可いたします。
まず初めに、8番
松田俊弘君。
〔8番
松田俊弘君 登壇〕
3: ◯8番(
松田俊弘君) 本9月定例会の一般質問のトップを務めます。私どもにとって、この9月議会が任期最後の議会となりました。ぜひとも当局には、明快な答弁を期待したいと思います。
最初に、住民の暮らしと地域経済をどう守るかについて御質問いたします。
リーマンショック前のことですが、政府は、日本が2002年から景気回復期に入って、実に5年9カ月間も好景気が続いたと発表しました。しかし、当時のほとんどの国民は好景気を実感することはありませんでした。なぜなら、働く者の給与は、その間も減り続けていたからです。入善町の経済も改善されたとは言えませんでした。結局残ったものは、都市と地方の格差の広がりでした。
現在の安倍政権も、景気は上向いてきていると述べています。しかし、地域経済にはその実感はありません。県内企業の夏のボーナスも横ばいで、賃金も全く上がっていません。むしろガソリンの値段は上がる、食料品も値上がりし、住民の皆さんはやりくりに四苦八苦されています。一体いつになったらアベノミクスの効果が地域経済に波及するのでしょうか。
来年4月からの消費税増税が議論されていますが、増税は直ちに生活に影響を与えます。消費が落ち込むことは、火を見るよりも明らかです。消費税の引き上げはやめるべきであります。
消費税率が5%に引き上げられるとき、増税の一部は地方財政にも回るので、地方も助かると政府は言っていました。確かに、新たに地方消費税が加わりました。また、地方交付税にも消費税の一部が財源にされました。地方交付税は町の主要な財源であります。しかし、全体として地方交付税は増えていません。それは、地方交付税の主な財源である法人税と所得税の税収が大幅に減ったからです。この間、大企業の法人税率が連続して引き下げられてきました。消費税は、結局は大企業減税の穴埋めにされてきたのです。
所得税の落ち込みは、正社員を減らし、派遣労働などの非正規雇用を大幅に増やしてきたことにあります。正規雇用が当たり前の社会にしなければ、住民の暮らしも地域経済も成り立たなくなります。
大企業は、富を内部にため込むだけではなく、正規雇用を増やすと同時に下請け単価の改善などで働く人に富を分配すべきです。そのことを議会も町当局も、国に言っていくべきであります。
ところで、6月議会でも触れましたが、国土交通省は来年度の黒部川合口用水の水利権の見直しを機に、合口用水の取水量を相当量削減する方針です。入善町の先人たちは、扇状地の水田に水を引くために黒部川の洪水と闘ってきました。その水田の水は、豊かな地下水を生み出してもきました。合口用水の水は、人々の暮らしを支える町民の財産であります。それを国が勝手に削減するなど許されるはずがありません。
町当局は、朝日町、黒部市や土地改良区などと連携を密にしながら慎重に対応していくと述べていますが、どのような連携が図られているのか、答えてください。
昨年、一部の地域で二化メイ虫が発生し、稲に被害を受けました。ことしは昨年の周辺地域に二化メイ虫が広がり、農家の皆さんは緊急に一斉防除を余儀なくされました。これで大量発生がおさまってくれればと願うものでありますが、ことし行った緊急防除対策は効果があったのか、聞かせてください。
二化メイ虫防除は、薬剤の関係上、動力噴霧器を担いで散布しなければなりません。薬の費用もばかにならないと農家の皆さんは訴えておられます。今後も発生に備えて、町は効率的な方法を農協とともに検討する考えはないか、また、財政的な支援も検討すべきと思いますが、答えてください。
次に、TPPについて質問いたします。
御存じのように、TPPは例外なき関税の撤廃が唯一のルールであります。農産物の関税が撤廃されれば、入善町の農業は壊滅的な打撃を受けるのは明らかです。農業だけでなく医療や保険など、あらゆる分野に影響が及ぶものです。ですから、入善町議会は3年前の12月議会で、当時の菅政権に対し、政府のTPP交渉参加反対の意見書を提出しました。また、野田政権になって一昨年度の12月議会でも同様の意見書を政府に提出しました。どちらの意見書の採択も全会一致でありました。私は、この問題では入善町議会の良識が示されたものと思っています。
昨年の総選挙前、安倍自民党総裁は「聖域なき関税撤廃のTPP交渉には反対」と述べていました。しかし政権についた途端、態度を一変させ、交渉に参加しています。
TPPは、一部の輸出大企業とアメリカの利益のための経済協定であることは明らかであります。しかも交渉内容は秘密とされ、国民に一切明らかにされないまま進められています。JAみな穂の本店には「食と農を守れ 国益なきTPP断固反対」と書かれた垂れ幕が下げられています。町の農家の声に応えるためにも、TPP交渉参加はやめるべきだと考えますが、答えてください。
次に、子育て支援についてお尋ねします。
保育所の入所制限について、これを何とかしてほしいと、何人もの若いお母さん方の訴えが寄せられています。「2人目の子どもが生まれ、育児休業に入ったら、これまで保育所に預けていた上の子の入所を断られた」というものであります。仕方なく朝日町の保育所に預けたり、黒部市の施設に入れている人までいます。
これまで町は、保育所職員の人件費を削減するために正規職員の採用を控え、臨時職員に置きかえてきました。今、その臨時職員が確保できず、保育現場に負担がかかっています。
お母さん方の願いに応えるには、正規職員の保育士の数を増やすべきだと考えますが、答えてください。
桃李小学校で学童保育を行っている部屋が手狭で、受け入れる児童を制限せざるを得ない状況になっています。学習室や休憩室もなく、学童保育の施設としては不適当です。また、桃李小学校の学童保育では、夏休みだけの期間限定の児童は受け入れないことになっています。パートで働くお母さん方は、夏休みなど子どもたちが利用できる児童館があればとおっしゃっています。そして今、桃李小学校下に児童館をつくってほしいとの署名運動も行われているようです。こうした保護者の願いに応えて、桃李小学校の近くに児童館をつくり、そこで学童保育を実施してはどうかと考えますが、答えてください。
ところで、入善児童センターでも学童保育が行われています。本来児童館は、学童保育以外の一般の子どもも自由に利用できる施設です。もちろん学童保育の子どもたちと一緒に遊んだりして交流もできます。しかし、入善児童センターでは、一般の児童が利用しにくい状況にあるのではないかと感じていますが、そうしたことはないのか、答えてください。
入善町では、入善児童センターや西部児童館で行われている学童保育は健康福祉課が所管し、小学校で行われている学童保育は教育委員会の所管です。このように所管する課が2つに分かれているのは県内でも入善町だけであり、異常な状況です。保育所や学童保育、児童館など人事を含め、子どもに関して一括して所管する部署を早急に設置するべきと思いますが、答えてください。
最後に、防災・減災対策について伺います。
これまでも指摘してきたように、入善町の防火水利の充足率はわずか14%です。冬場では水路の水が大幅に削減されるために、防火水槽の整備が急がれます。これまでの当局の考えは、1年置きに1基設置していくとのことでありますが、ことしになって、舟見の中心部と古黒部に新たに防火水槽が2基設置されました。1年置きに1基といわず、要望のある地域には積極的に整備をしていくべきと考えますが、答えてください。
以前に町内で起きた火災で、消雪装置のポンプの水が消火に有効であることがわかりました。その後、県との協議でも、県の消雪ポンプを火災消火に利用することは了承されたとのことです。町道での消雪用ポンプは、各地区の住民がつくる組合が管理しています。一部の組合では活用方法が正しく伝わらず、消火に効果があるのかとの疑問の声が上がっているとのことです。各組合の理解が得られているか、聞かせてください。
先日、文部科学省と東京大学地震研究所が、9月に町内の春日から宇奈月まで扇状地を縦断して、断層や地殻の調査を行うとの発表がありました。
これまで私どもは、地震学者は魚津断層帯が入善海岸に達し、宮崎沖から糸魚川沖の海底断層につながっている可能性があると指摘していると述べてきました。今回の調査は、そのことを念頭に置いてされるのか、答えてください。
この調査は、日本海地震・津波調査プロジェクトの一環として行われるものです。さきに述べた宮崎沖から糸魚川沖の海底断層も調査されるのか、聞かせてください。
入善海岸では、毎年のように海岸防災林のマツクイムシ被害が発生しています。県がこれまで整備を進めてきた防災林に関しては、県がこの対応をしてきました。しかし、それ以前から管理用道路から海側の防災林の松枯れには、これまでは国土交通省の海岸工事事務所が対応してきました。しかし、国土交通省は、本来、海岸の松の管理は県が行うものだと主張しています。一体どこが管理の責任を負うべきなのか、聞かせてください。
ここ数年、長時間の集中豪雨があちこちで発生するようになりました。東洋紡績横のJRガード下も、そうした集中豪雨でたびたび冠水し、ときには車の通行規制もされています。下流域に放水路をつくったにもかかわらず、なぜ水があふれるのでしょうか。周辺住民の指摘で、その原因がわかりました。ガードの真下では、部分的に水路の断面積が半分になっており、水の流れを妨げているのです。これではせっかく新設した放水路の機能も生かされません。早急に改善を図るべきだと考えますが、お答えください。
以上が私の質問であります。
4: ◯議長(
長田武志君) それでは答弁を求めます。
まず、合口用水取水削減方針及びTPP交渉について、米澤町長。
〔町長 米澤政明君 登壇〕
5: ◯町長(米澤政明君) 皆さん、おはようございます。
それでは、松田議員の合口用水の取水に関する御質問にお答えをいたします。
合口用水は富山県が申請者となり、黒部川扇状地における農業用水利権として昭和7年、国土交通省から許可され、以来、期間更新を重ねながら今日に至っております。
黒東合口用水の水利権につきましては、平成26年度末で許可期限を迎えることから、町といたしましても、今後の動向について大変注視しているところであります。
言うまでもなく、黒東合口用水の目的は、豊かな水田等へ供給されるかんがい用の農業用水でありますが、実際には水源の涵養、さらには防火用や冬場の流雪などにも利用されており、多面的な機能を有する、まさに町民生活全体を支える大動脈として機能しております。
一方で、昔と比べ農業の形態や生活スタイル等が大きく変化してきている中にあって、そこに必要な水の量が今後もずっと変わらないという保証はありません。
したがいまして、大切な水をめぐっては、これまで以上に真剣な検討を重ね、適切に対応することが求められているところであります。
町といたしましても、町民が安心して暮らしていけるための水の確保、とりわけ不足しがちな冬期間の水の確保に向け、引き続き土地改良区などの関係機関を通じて県に申し入れを行いながら対応してまいりたいと考えております。
なお、実際の水利権の設定に当たっては、黒部市側の黒西合口用水とあわせ、申請者である富山県が国土交通大臣から許可を受ける形で更新されるものでありますが、現在、そのためのさまざまな資料やデータ等を整理しながら、来るべき更新に備えていると伺っております。
町では、今後も県や土地改良区、近隣市町との情報交換を行いながら、さらに連携を密にしながら、必要な水量の確保に向け対応してまいりたいと考えておりますので、御理解と御協力を賜りますよう、よろしくお願いを申し上げます。
続きまして、TPPに関する御質問にお答えをいたします。
新聞報道等によりますと、交渉の焦点でもある関税交渉を9月中に参加国と一巡させ、10月をめどにTPP首脳級会談で協定案の大筋合意を図る予定とのことであります。
参加国からは高い水準の関税撤廃案を求められており、どこまで関税を守れるかが焦点になるものと思われます。与党内では、品目ごとの関税がなくなった場合の国内農業への影響について研究を始められるそうであり、まだまだ先の読めない状況にあります。加えて、交渉参加国に対し、厳しい守秘義務が課せられていることから、国益に関する事項でありながら詳細な情報が開示されていない状況であり、このことが国民の不安につながっているものと考えております。
町といたしましても、再三、基幹産業であります農業をはじめとする各産業や経済において、町民の生活に深刻な影響を及ぼすものであるならば、TPPには反対する立場をとってまいりました。
今後においても、国会での議論の状況等を注視しつつ、可能な限り情報把握に努め、状況によっては、以前にも申し上げましたとおり、全国町村会等の関係機関と連携を図りながら地域の実情を訴えるなど、国益を損なわないように働きかけを行ってまいりたいと考えておりますので、御理解を賜りますようお願い申し上げ、松田議員の答弁とさせていただきます。
なお、そのほかの質問に対する答弁は、担当課長からさせていただきますので、よろしくお願い申し上げます。
6: ◯議長(
長田武志君) 次に、二化メイ虫の緊急防除対策について、竹島農水商工課長。
〔農水商工課長 竹島秀浩君 登壇〕
7:
◯農水商工課長(竹島秀浩君) 松田議員の二化メイ虫の緊急防除に関する御質問にお答えをいたします。
二化メイ虫は稲の育成を阻害し、米の収量に影響を及ぼすものであり、町内では平成23年に被害が発生してから、平成24年は苗箱への薬剤の見直しを行い、また、被害の多い地域においては緊急防除を実施したところであります。
ことしにおいても昨年と同様に、苗箱への薬剤散布を基礎防除として行っていただいているところでございますが、6月の調査において、被害の兆候が昨年に比べて広がりが見られたことと、成虫の発生期間が長くなったことから、防除効果の持続性が高い粒剤による緊急の町内一斉防除が実施されたところであります。
農家の皆様にとっては非常にお忙しい中での一斉防除となり、大変な御苦労があったと思われますが、その後、7月と8月の調査では、被害が抑えられているとの結果であり、皆様の御協力によって一斉防除の効果があったものと伺っております。
一斉防除は、費用的にも、また、労力的にも負担が大きいことは、農家の皆様はもとより、JAみな穂も認識しているところでございます。
今回については、前年のような重点地域への防除ではなく、町内一律の一斉防除ということであり、JAと協議した結果、特段の支援は見送られたところでありますが、薬剤の費用はJAみな穂が価格を抑えるなど実質的な軽減を図られたと聞いております。
二化メイ虫の被害は完全に終息したわけではありませんので、引き続き越冬前後の幼虫の生息調査を行い、次年度に向けた対策を検討してまいります。
あわせて、発生を未然に防ぐことが一番の対応と考えられることから、具体的な対策として、秋の収穫後の耕起と、田植え前の苗箱への薬剤の散布をJAみな穂及び関係機関と協力して、引き続き推奨していきたいと考えております。
また、緊急防除が必要な事態が発生した場合は、JAみな穂と連携して、しっかりと対応してまいりたいと思います。
以上、答弁とさせていただきます。
8: ◯議長(
長田武志君) 次に、子育て支援について、小堀健康福祉課長。
〔健康福祉課長 小堀 勇君 登壇〕
9:
◯健康福祉課長(小堀 勇君) 松田議員の子育て支援に関する御質問についてお答えいたします。
まず、保育士についてであります。
現在、町では11カ所の保育所において64人の正職の保育士を配置し、うち4人が産休あるいは育休で休暇中でありますので、60人の正職が保育現場で勤務しているところであります。
加えて、パートタイム勤務を含め36人の臨時保育士と21人の保育補助員を配置しており、調理業務従事者と早朝・延長パート職員を除くと、現在117人の職員で778人の入所児童の保育業務を行っているところであります。
議員御承知のとおり、少子化が進行する一方で、低年齢児保育ニーズが全国的に高まっており、低年齢児の保育には多くの保育士の配置を必要とすることから、保育士不足が全国的に深刻化しているところであります。
本町におきましても、低年齢児、とりわけ0歳児の保育ニーズの高まりが著しく、0歳児保育には児童3人に1人の割合で保育士の配置が求められております。
町としましては、法令等の定めにより、保育に欠ける児童に対し質の高い保育の提供を維持するため、必要な保育士数の確保に努めてまいりたいと考えております。
なお、議員御指摘の正職の保育士の増員につきましては、今後の保育所行政の展望を的確に見据えながら、住民サービスの向上に資するよう、第3次行財政改革や、第4次職員定員管理計画策定の中で検討してまいりますので、議員各位の御理解と御協力を賜りますようお願い申し上げます。
次に、桃李小学校区での児童館設置に関する御質問にお答えします。
町では、この9月の上青学童保育と黒東学童保育の開設をもちまして、全小学校区での学童保育の設置が完了したところであります。
学童保育につきましては、既存施設を活用しながら整備していく観点で取り組んできたところであり、桃李学童保育については、桃李小学校体育館棟の礼法室を利用し、今年度は28人の児童が登録しているところであります。
桃李学童は、以前からニーズに対し手狭であるとのことで、平成23年度には更衣室を改修するなどスペースの有効活用を図り、改善に取り組んできたところであります。
議員御指摘の夏休み等の期間限定の学童保育について受け入れておりませんのは、桃李小学校学童保育運営委員会では、通年入所をもとにした運営を行っているからであります。
また、児童館の建設など新たな施設の整備につきましては、その用地の確保や建設費用、施設の運営・維持管理などの面から、早急な実施は困難であると考えますので、御理解を賜りますようお願い申し上げます。
次に、児童センターに関する御質問にお答えします。
入善児童センターは平成11年4月に、入善町の子どもたちが遊びを通して心身ともに健やかに、創造性にあふれ、心豊かに育つよう支援することを基本理念に開設したものであります。平成18年度には子育て支援センターを併設し、専門のアドバイザーを配置するなど、町の子育て支援の拠点として利用されております。
平成24年度の利用者数は、延べ1万2,324人で、1日平均40人以上の利用があり、うち学童保育利用の児童は4,798人で、全体の約4割を占めているところであります。
入善児童センターは町全体の児童館でありますので、学童保育への登録の有無にかかわらず、御自由に御利用いただける施設であります。
また、学童保育につきましても、入善小学校児童に限定しているわけではありません。実際、ことしの夏休みの学童保育では、上青小学校と黒東小学校の児童の利用がありました。加えて、スポット的な利用、いわゆる一時保育も実施しており、ふだんは学童保育に登録していない児童でも、必要に応じて御利用いただくことができます。
町といたしましては、今後も児童センターの児童館機能の充実を図るとともに、各校区に開設された学童保育と連携し、双方を補完しながら、より利用しやすいセンター運営に努めてまいりたいと考えておりますので、議員各位の御理解をお願いいたします。
以上、答弁とさせていただきます。
10: ◯議長(
長田武志君) 次に、学童保育所管理部署及び断層調査について、大角総務課長。
〔総務課長 大角秀雄君 登壇〕
11:
◯総務課長(大角秀雄君) 松田議員の学童保育を所管する部署が2つに分かれていることに対する質問にお答えいたします。
町では、核家族化の進行や労働環境の変化などによる学童保育へのニーズの高まりを受け、平成11年に完成した入善児童センターにおいて、入善小学校区を中心とした全町を対象とする学童保育の開始を皮切りに、平成14年に飯野小学校区、平成19年に桃李小学校区、ことしの4月にひばり野小学校区、さらに、先月8月31日に上青及び黒東両小学校区の学童保育を開所し、町内全ての小学校区において、その設置を完了したところであります。
これら学童保育の所管部署が教育委員会と健康福祉課にまたがることにつきましては、各小学校区における地域ニーズの高まりの時期や学童室を設置する施設の違い、さらに国の制度の関係などさまざまな要因によって生じたものであります。こうした要因によって所管部署が2つに分かれておりますが、事業の連携につきましては、平成19年に国が創設した放課後子どもプランに基づき、文部科学省の放課後子ども教室推進事業と、厚生労働省の放課後児童健全育成事業を所管する教育委員会と健康福祉課が緊密に連携協力し合い、円滑な事業の推進を図っているところであります。
今後の学童保育につきましては、行政の窓口が2つにまたがる状況をはじめ、指導員の効率的な運用や開所時間の拡充などを課題として捉えているところであります。
とりわけ窓口が異なる状況につきましては、これから着手いたします第3次行財政改革大綱の策定作業の中で検証を進めてまいりたいと考えております。
さらに、子どもに関して一括して所管する部署を早急に設置すべきとの御指摘につきましても、行財政改革の一環であります組織機構の見直しにおいて、より効率的・効果的な組織の構築を検討する中で、住民サービスの向上につながる組織機構となるよう、町民の皆さんの御意見などもお聞きしながらさまざまな視点から検証してまいりたいと考えておりますので、御理解を賜りますようお願いいたします。
次に、防災・減災対策に関する御質問のうち、地殻調査についてお答えいたします。
文部科学省では、日本海側における活断層の位置や形状などの地殻構造を明らかにするため、東京大学地震研究所を代表機関とする研究チームに委託して、本年9月から8カ年の予定で、日本海地震・津波調査プロジェクトに着手することが計画されております。
このプロジェクトは、これまで日本海側において、地震による揺れの大きさ、津波の高さなどを推定するための観測データが十分に得られていないことから、今回、北海道から九州までの日本海側一帯において年次的に調査することになっております。
具体的には、日本海での津波波源モデルや陸域における震源断層モデルの構築、もう1つは、津波及び強震動の予測、さらに、防災教育をはじめとした地域の防災知識と活用能力の向上などを目的に、今後防災対策を進める上での基礎資料とするものであります。
本年度は、「新潟-北陸沖地殻構造探査」として、新潟県から石川県にかけての沿岸海域及び本町春日地内から黒部市宇奈月町内山地内までの全長約15キロメートルの範囲で、今月14日から現地調査が始まることになっております。また、海域においては、上越-富山沖、能登半島北部、石川県沖南部の3海域において10月中旬までをめどとして、船からの調査が行われると伺っております。
議員御指摘の魚津断層帯が入善海岸に達していることを念頭に置いて、この調査が行われているかどうかについては確認はできておりません。しかし、この魚津断層帯につきましては、これまで国や地震研究者等による調査が行われてきたものの、断層面の地下形状や過去の活動履歴等に関する資料が十分でないことから正確な位置や規模等が明確にされておらず、次にいつ地震が起きるのかについても予測が難しいというのが現状であります。同じく、糸魚川沖、能登半島沖についても、断層そのものの存在や長さなどが明らかには確認されていないということもありまして、町としましては、本町に影響を及ぼすことが懸念される断層の実態がこの調査によって明らかにされることを期待するものであります。
なお、調査結果につきましては、観測データをもとに研究者による解析が進められた後、文部科学省から公表されると伺っておりますので、できるだけ早い時期に公表されるよう県を通じて働きかけるとともに、結果がわかり次第、町民の皆さんに御報告させていただきたいと考えておりますので、御理解を賜りますようお願い申し上げます。
以上、松田議員の質問にお答えしました。
12: ◯議長(
長田武志君) 次に、防火水槽整備について、広野消防署長。
〔消防署長 広野 淳君 登壇〕
13:
◯消防署長(広野 淳君) 松田議員の防災・減災対策についての御質問のうち、防火水槽の整備についてお答えします。
本町では、火災時の消防水利施設として、現在、防火水槽65基、打ち込み消火栓20基、舟見簡易水道消火栓21基を整備いたしておりますが、消防水利施設の数としては十分とは言えないことから、河川水に大きく依存している現状であります。しかし、河川水は連携排砂のときや冬期間には消防水利として必要な水量を十分に確保できないこともあり、常に水量を確保できる消防水利設備の整備が求められております。
これに対応するため、町では総合計画の中で有利な財源を活用しながら、防火水槽の年次的、計画的な整備について位置づけているところであります。
現在、古黒部地区と舟見地区で防火水槽の整備を行っておりますが、これは大変有利な財源であります国の平成24年度補正予算の補助金を活用して今年度に繰り越し、整備をしているものであります。
なお、防火水槽の整備につきましては、設置可能な公共用地の確保ができない場合には、設置場所について地元の協力をいただかなければならないことから、用地が確保できたところから、順次、総合計画の中で位置づけてまいりますので、御理解を賜りますようお願いいたします。
次に、防火水利としての消雪装置の活用について、消雪組合の理解が得られているかとの御質問にお答えします。
平成23年10月に横山地区で発生した火災の際に、河川の水量が少なかったため、緊急的に消雪装置のポンプの水を消防水利として活用し、大事に至らなかったということがありました。
この教訓から、消防水利が確保できない時期や場所であっても、消雪ポンプの水を活用することができれば消火活動に大変有効であると考え、消雪装置を管理する消雪組合や県などの関係機関の御協力をいただき、活用できる体制整備を図ったところであります。
今後とも、町全域における消防水利の確保に万全を期すため、消雪組合をはじめ関係機関の御協力をいただきながら、消雪ポンプの水について円滑な活用を図ってまいりたいと考えておりますので、御理解を賜りますようお願い申し上げ、答弁とさせていただきます。
14: ◯議長(
長田武志君) 入善海岸のマツクイムシ対策及び東洋紡績横のJRガード下の冠水について、窪野建設下水道課長。
〔建設下水道課長 窪野 修君 登壇〕
15:
◯建設下水道課長(窪野 修君) 松田議員の入善海岸でのマツクイムシ対策に関する御質問にお答えいたします。
入善町の防災林には、町が事業主体である県と連携し、海岸線約6.7キロメートルを全体計画として、昭和60年から潮風害による背後地の農地保全を目的に整備した海岸防災林と、入善海岸各地の海岸堤防沿いに数十年前から地域のさまざまな被害から家屋などを守ってきた松林とがあります。
防災林整備につきましては、潮風害からの農地保全だけでなく、東日本大震災後、林野庁の報告のとおり、津波エネルギーの減衰や到達時間を遅らせること、また、漂流物を捕捉することなど津波に対する一定の効果が確認されており、現在では、より多面的な効果が期待されております。しかし、整備の進捗の反面、近年の異常気象なども要因の一つと思われるマツクイムシの大量発生が入善海岸域一帯において深刻な被害をもたらしております。
このマツクイムシ被害は、正式にはマツ材線虫病と言われ、松を枯らす直接の原因であるマツノザイセンチュウという体長1ミリメートルにも満たないセンチュウがマツノマダラカミキリにより健全な松に運ばれ、松枯れが発生するというものであります。
これらマツクイムシ被害につきましては、海岸防災林事業により保安林指定された箇所については、成木になるまでの期間、県が事業主体となって、間伐、枝打ち、下刈りなどの保育事業を進めており、それと同時に、町でも枯損木の伐採を実施しているところであります。こうした被害木の伐採跡地につきましても、県が補植などの整備を継続的に行っているところであります。
また、海岸管理用通路から海側に並ぶ松につきましては、海岸の侵食対策などの工事を実施している国土交通省が、今まではマツクイムシ被害対策として伐採を行ってきたのが現状であります。しかし、海岸法では、海岸の維持管理については県が海岸管理者となることと規定されていることから、現在、国と県との間で協議が進められており、今後の管理について、それぞれの役割分担が明確になるものと考えております。
町では、今後、海岸防災林事業により成木となった保安林について、地域住民の理解と協力をいただきながら、マツクイムシ対策を含む適切な維持管理に努めてまいりたいと考えております。
また、整備中の保安林やその他の海岸保全区域内の松につきましても、森林の有する機能が適正に発揮されるよう、関係機関である国や県と連携を密にしながら対応してまいりたいと考えておりますので、御理解と御協力を賜りますようお願い申し上げます。
次に、東洋紡横のJRガード下の冠水対策に係る御質問にお答えします。
この箇所につきましては、かなり以前から、局地的な集中豪雨により排水が追いつかず冠水したことが何度かあり、現在も大雨となったときのパトロール重点箇所として位置づけているところであります。
町では平成16年度において、排水をしやすくするためバイパス水路を整備し、対応してきた経緯がありますが、このバイパス水路の機能につきましては、被害減少に一定の成果を上げているものと捉えております。それでもなお、近年では特に異常気象とも言える予想外の激しい雨に見舞われ、一時的にではありますが、排水能力を超え冠水してしまうことがまれにございます。このことから、水路のかさ上げ等を行い改善を図るべきではないかとの議員からの御指摘でありますが、このためには、ガード下の高さなど歩行空間の確保の問題、それから排水の技術的確証が得られるかどうかという点、また、JR線の高架下であり、JRとの協議が必要なことなど課題も多く、非常に難しいのではないかというふうに考えております。
そこで、町としましては、ハード面よりもソフト面における対応の充実、例えば寺田川からの取水口にある水門を閉じることによりまして、相当量の水量を減らすことができるということで、被害拡大を防いできたという経緯もあります。こうした水量調整をより迅速に行えるよう、地域との連携やパトロールの強化充実とあわせて対応を図ってまいりたいと考えておりますので、御理解を賜りますようお願い申し上げ、答弁とさせていただきます。
16: ◯議長(
長田武志君) それでは、再質問を受けます。
8番
松田俊弘君。
17: ◯8番(
松田俊弘君) まず、子育ての支援について、特に保育所の問題についてお聞きしたいと思います。
先ほど、小堀課長のほうからは、第3次行財政改革と第4次職員定数の見直しの中で考えていくんだと。それから、将来的な展望、恐らく保育所の統合問題も絡めての話だと思いますけれども、実に悠長な話だなと私は思っているんです。
この保育所の入所制限の問題は、ことしに始まった問題じゃなくて、もう2年ほど前からこの議会でも議論されてきたわけです。保育所の臨時職員がなかなか確保できないということでこの問題が発生しているんですけれども、だったら、正規職員をきちんと増やしていけばどうだと、このことが議論されてきました。これは前の議会でも議論されたんですけれども、これは総務課長にお聞きすべきなんだろうと思いますが、45%も臨時職員で保育業務を運営しているというのは、私は異常だなというふうに思うんです。きちんと正規職員を増やしていくべきだと思うんです。
それで、ことしの採用状況はどうだったのか。新規の採用は何名だったのか。それに対して応募はどれくらい来られたのか。あるいは、これまで非常勤の職員を正規の職員にして改善していくべきだと言ってきましたけども、この辺はどうなっているんでしょうか。
18: ◯議長(
長田武志君) 大角総務課長。
19:
◯総務課長(大角秀雄君) 議員御指摘のとおり、保育所については正規職員と臨時職員が6:4というような割合になっております。
確かに保育士が足りないという、保育士のなり手が少ないという原因もありますが、町のほうでもいろいろなサービスをやっていますので、それに対応する国の基準なりそういうものがあって、どうしても人間が足りないというような状況になっておるかと思います。それらを事務量というものを図りながら、定員計画、いわゆる行財政改革に取り組んで、適正な人員配置にしたいと思っております。
それと、今ほど言われました正規職員採用の問題でありますが、募集が終わりまして、今12人ほど来ております。そのうち2人採用というふうに考えております。
それと、臨時職員から職員にということでありますが、2年ほど前か、去年だったか、臨時職員から優秀な人材ということで職員のほうへ採用しております。今回も2月ごろに採用を予定しておりますので、2人ほど採用ということで、臨時職員から正規職員のほうに考えておりますので、優秀な人材をどんどん職員にしていきたいと思っておりますので、ひとつよろしくお願いいたします。
20: ◯議長(
長田武志君) 8番
松田俊弘君。
21: ◯8番(
松田俊弘君) 臨時職員から正規職員に優秀な人を採用していくというのは、それは大いに評価したいと思います。だけども、なり手が少ないと今言われていながら、12人応募があったわけですよね。そこから2人しか採用していないわけですよ。これは話が矛盾しています。
前にも言われましたけども、非常勤の臨時職員の方で40%を賄ってもらうんだというような話がありましたけども、まだそのことを皆さんはこだわっておられるのか、もっともっと正規職員を採用していかなければ、入善町は要するに臨時職員しか採用しないから、あんな待遇の悪いところは嫌だと、こうなっているわけですよ。そこを根本的に変えていかなければ、私は大変なことになるなと思っています。ぜひ改善していってほしいなと思うんです。
それで、若いお母さん方と、私、何人もお話ししましたけれども、嫌なことに、先ほどもちらっと言いましたが、隣の町や市へ子どもたちを預けに行くんだと、こんなばかなことあるでしょうか。町は、町外から入善町に移ってもらって定住してもらうんだというんで、例えば住宅建築とか優遇施策をとっているでしょう。一方でそうやっていますけれども、子育ての支援に関しては非常に遅れているんだということを、私は認識してもらいたいと思います。
家を建てるお金じゃないんですよ。自分たちがきちんと仕事ができて、働ける場があって、そして安心して子育てができる、そういう環境を今の若い人たちは求めておられるんです。そのことをきちっと認識してほしいと思います。
それから、児童館の問題ですけれども、全くこれも同じです。
御存じだと思いますけれども、桃李小学校の周辺、コスモ21だとかあの辺を中心として、新しい住宅がたくさん次々と建設されていっています。ほとんどが若い人が入ってくるわけです。よその町からも来ておられます。そして、子どもたちが誕生していくわけですけども、今、それについて、特に桃李小学校周辺の学童保育の問題が追いついていっていないということです。
ことし1月、学童保育を望まれた方が入所を断られた。なぜなら、夏休みだけだというふうに希望されていた方だからです。この方は仕事はパートで、ふだんは4時半ごろにはちゃんと家へ帰ってきて子どもを迎えて、子どもの世話をできるんですけども、夏休みはそうはいかないですね。だから、せめて夏休みだけでも学童保育を受けたいんだけどもと言ったけども、夏休みはだめですよと。しょうがないからフルタイムの仕事にかえられたというんです。せっかく子どもの面倒にできる限り時間を割こうというのに、その機会を奪ってしまっているのが現状だと私は思います。児童館があればなというふうに言っておられました。
ほかの女性の方も、実は小学校2年生の子どもがいる。上に4年生の子どもがいるから、何とか家で夏休みは面倒を見てくれると思って仕事をしているけれど、実は心配なんだと、こういうお母さんがたくさんおられるんですよ。ですから、今の桃李小学校の学童保育で夏休みだけ受け入れてくれというのは、これは無理です。ですから児童館が必要だと言っているんです。
先ほど、入善児童センターの、これは児童館ですけれども、その機能についていろいろ健康福祉課長が説明されました。自由にそこへ子どもたちは行くことができるわけですから、夏休みだけでもという方の要望に応えるには、ぜひ桃李小学校の近くに児童館があればと、私は思っています。
確かに入善の児童センターへあちこちから来てもらうのも結構なんですけれども、なかなか友だちの関係で、かつて横山の方が入善児童センターに通わせましたけれども、やっぱり友だちがいないと、知り合いがいないということで、子どもたちはすぐに行かなくなってしまったということもあります。仲のいい友だちと、しっかり遊んだり勉強したりできるように、児童館の設置をぜひ検討していただきたいと思います。これは要望です。
今度は消防のほうに話をかえていきますけど、防火水槽の問題です。
舟見と古黒部に、たまたま1年に2つつくれたというのは、これは平成24年度の国の補正の有利な事業があったからだと思いますけれども、これまでどおり隔年に1個つくっていく計画なんでしょうか。例えば地域から、土地も提供するよと、防火水槽をつくってほしいんだという話があれば、即実行するというわけにはいかないんでしょうか。
22: ◯議長(
長田武志君) 広野消防署長。
23:
◯消防署長(広野 淳君) 防火水槽の件ですが、総合計画で平成25年度と平成27年度に計画しておりましたものを前倒しという形になりまして、平成24年度に有利な補正予算の財源が出ましたので、平成25年と平成27年の分を平成24年度の補正予算を使いまして、平成25年度に繰り越し、建設している次第であります。
防火水槽は、総合計画で1年置きに建設する予定でありまして、要望があれば、また対処したいと思いますので、よろしくお願いいたします。
24: ◯議長(
長田武志君) 8番
松田俊弘君。
25: ◯8番(
松田俊弘君) 隔年にこだわらず、要望があった場合は、連続であってもやっぱりやっていってほしいというのが今の私の要望であります。
やはり、防火水利14%というのは低過ぎますよね。その改善に町当局も力を入れていってほしいと思います。
以上で私の質問を終わります。
26: ◯議長(
長田武志君) 次に、9番 大橋美椰子君。
〔9番 大橋美椰子君 登壇〕
27: ◯9番(大橋美椰子君) おはようございます。
通告に沿い、随時質問いたします。
まず初めに、男女共同参画の視点から、災害時要支援者対策について質問いたします。
8月30日から9月5日まで、全国防災週間でした。9月1日、防災の日には、政府の全閣僚が参加して、南海トラフ巨大地震を想定した防災訓練が実施され、そのほかにも首都圏の9の都、県、市は合同で、首都直下地震を想定した防災訓練を行ったことが報道されております。
90年前、死者、行方不明者10万5,385人という国内災害史上最悪の犠牲者を出した関東大震災。この惨禍を忘れぬように戒めを込めて定められたのが「防災の日」、9月1日です。これまでの90年間にも、昭和三陸地震津波、伊勢湾台風、阪神・淡路大震災、東日本大震災など100人以上の犠牲者を出す災害が実に24回も発生しているということです。平均3、4年に一度は大災害に見舞われる世界有数の災害列島と言われる日本の国でございます。突然誰でも被災者になる危険性があるのです。東日本大震災で被災された方の言葉に、「防災を先送りしていたら、いざというとき必ず後悔する。今できることは今やっておいたほうがいい」と言っておられました。一人ひとりが災害列島日本に住む覚悟をし、自分や家族を守る準備をしておきたいものです。
先月8月19日、内閣府より、災害対策基本法の改正により新たに規定された市町村が取り組むべき具体策が示されました。
指針の内容は、要援護者の避難支援と避難所の整備・運営があり、それぞれ4項目ずつ明記されています。入善町では、要援護者台帳を県内でもいち早く作成されましたが、そこに要支援者名簿の対象要件を柔軟にということで、乳幼児、妊産婦なども対象としています。避難所の整備・運営では、避難所運営準備会議の設置、福祉避難所の整備を奨励とあります。
入善町の福祉避難所は、おあしす新川です。整備は万全でしょうか。また、備品としては、アレルギーに留意した非常食や紙おむつ、ミルクや生理用品などを検討すべきとしております。
このように、指針の主な内容を見ても、女性の意見は大いに必要であります。入善町の運営準備会議には、若い女性も参加できる場を与えていただきたいと切に願うものであります。
要援護者の避難支援と避難所の整備・運営にどのように取り組んでいくのか、お答えください。
また、今日までの町が整備する防災復興計画に、女性の視点がどのように生かされているのか。東日本大震災では、避難所運営など女性の視点が反映されていなかったと指摘されております。多くの女性の意見を取り入れていただき、整備・運営がしっかりと展開できますよう、考えをお答えください。
次に、保健教育の強化について質問いたします。
国民の2人に1人がかかるがんについて、子どものころからのがん教育の重要性が指摘されています。国が平成12年度に定めた、がん対策推進基本計画では、がん教育について健康と命の大切さを学び、自らの健康を適切に管理し、がんに対する正しい知識と、がん患者に対する正しい認識を持つよう教育することを目標に掲げています。
ことし7月、文部科学省でがん教育に関する検討委員会が設置され、2014年度から小中高校で、がんに関する保健教育を強化する方針が決められました。現在の教育現場で、がんは保健体育の授業で、生活習慣病の予防、喫煙などの害を学ぶ際、他の病気とあわせて紹介される程度で、全国的に見ても授業時間も1時間ほどしか確保されていない現状だということです。
入善町の小中学校はどのように取り組まれてきたのでしょうか。平成14年度には全国の学校でどの程度がん教育が行われているかを調査するとしています。がん教育の目的は、子どもたちに、がんは死の病、不治の病というイメージがあり、がんは6割完治する。そして、早期がんは9割治るということをメッセージとして伝えることが大切とあります。また、がんは、生活習慣の改善、がん検診の受診によってがんの予防ができます。中学校で生死について考える授業があると聞いていますが、がんを知ることによって、結果的に生きる大切さを知る、さらには、いじめとか自殺という問題にもよい影響が与えられる、こういった意見が検討委員からも出ております。学校現場での質の高い授業を何としても実現していただきたく、教材、授業時間、教師の研修など、次年度からのがん教育強化への取り組みをお答えください。
次に、アレルギー疾患対策の中には、ぜんそく、アトピー性皮膚炎、花粉症も入っていますが、給食アレルギーの事故防止について質問いたします。
昨年12月、東京都調布市で、食物アレルギーのある女子児童の死亡事故がありました。ことし1月には西宮市7小学校10人の児童のアレルギー発症事故があり、アレルギー事故防止への関心が高まっています。全国どこの学校でも起こり得るとして、教職員はもとより、学校全体で対応することの重要性が指摘されています。
入善町の学校給食では、食物アレルギーのある児童一人ひとりの症状に合わせた学校給食となっており、今日まで何事もなかったようで安心しておりますが、保育児も年々成長し、入所、入学、卒業と、児童生徒の在学は変化しております。新しい症状や少し重い症状を持つ園児や児童がいることも考えられます。
2008年には全学校にガイドラインを配付し、その中には、学校の状況に合わせたマニュアルづくりの促進や、学校管理職のほか、教員、栄養教諭など職種に応じた対応指針が示され、研修への促進も図られていました。
質問の1点目ですが、給食アレルギーの事故防止にガイドラインが十分に活用されていますか、お答えください。
食物アレルギーの中で、牛乳や卵、小麦粉に対してアナフィラキシーと呼ばれる重篤な症状を示すのがアナフィラキシーショックです。この症状を緩和するには、自己注射薬(製品名「エピペン」)を打ちます。学校では教職員も症状の出た子どもに注射を打ってもよく、そのための環境整備なども求められています。平成11年、エピペンも保険適用となりました。
質問の2点目です。
教職員がエピペンを打ちやすくするための環境整備、あるいはエピペン使用法の習得など対応は十分でしょうか、お答えください。
さきに申し上げました避難所の整備・運営の中に、アレルギー対応の非常食などの備蓄が求められています。災害のとき、学校が避難所になる場合が多いと思います。学校にあるとなれば、他の場所に避難していても連携がとりやすいと考えます。
3点目の質問です。
アレルギー対応の非常食の備蓄をぜひ整えていただきたい、お答えいただきたいと思います。
最後に、保健福祉、胃がん予防と撲滅への取り組みについて質問いたします。
入善町の主要死因別の死亡率の推移を見ますと、昭和61年には、脳卒中にかわって悪性新生物、がんが死因の第1位となり、現在に続いております。予防策として、がん検診の受診で早期発見を目指し、また、受診率の目標値の50%を目指し、町は向上対策を図っております。国内では、昭和56年より死因の第1位はがんであり、平成22年には年間約35万人が亡くなっており、今や、がんは国民病とも言える重大な病です。
がん対策基本法が成立され、以来、昨年6月、新がん対策推進基本計画が策定され、がん撲滅のための対策がさまざまに展開されております。中でも、胃がんで亡くなる方は年間約5万人、その90%が
ピロリ菌に感染したことが原因となっています。そして、この
ピロリ菌、正式にはヘリコバクターピロリの除菌対策として、ことし2月、除菌薬への健康保険適用となり、慢性胃炎の症状にも拡大されております。保険適用が拡大されたこととあわせて、
ピロリ菌の検査と除菌により、胃がんで亡くなる人が年間5万人から3万人へ、2万人の命を救うことができた。今後は
ピロリ菌感染者の減少とともに、胃がん発症者数がゼロに近づくと試算されております。画期的なことであります。胃がんを撲滅することは不可能ではないと専門医が語っています。
ピロリ菌感染の有無と、胃の粘膜の萎縮度をAからDまでの4段階に位置づけた採血によるABCリスク検診を胃がん検診に導入すれば、胃がんリスクを判定し、その結果から次への対応ができ、予防と撲滅につながっていきます。ABCリスク検診の導入を求めますので、導入についての考えをお答えください。
国民病であるがん、その中でも胃がん撲滅への取り組みは、早期発見、早期治療につなげていかなければなりません。自己負担額を抑え、多くの人が受診しやすい制度を導入して受診率の向上を目指すべきです。無料クーポン券での公費助成を求めます。考えをお答えください。
以上で質問を終わります。
28: ◯議長(
長田武志君) それでは、答弁を求めます。
まず、要援護者の避難支援並びに避難所の整備・運営に関する指針と町の取り組みについて、米澤町長。
〔町長 米澤政明君 登壇〕
29: ◯町長(米澤政明君) 大橋議員の災害時の要援護者避難支援など国の指針を受けた取り組みについてお答えをいたします。
未曽有の大災害となった東日本大震災では、被災地全体の死者数に占める65歳以上の高齢者の割合が6割に上るとともに、障害者の死亡率が被災住民全体の死亡率の約2倍であったことなどから、要援護者支援体制の一層の強化が喫緊の課題となっているところであります。
また、同じく東日本大震災の教訓から、避難所の生活環境につきましても一定の配慮が求められるなど、避難所運営上でのさまざまな課題が指摘されております。
国では、近年の災害から得られた教訓を生かすため、災害対策基本法を2度にわたって改正し、災害時において被害が最小限となることを目指す減災の考え方を防災の基本方針とするよう明確化しました。
また、避難行動要支援者の避難支援、避難所の良好な生活環境の確保についても、新たに法律に規定されたところであります。8月には、その取り組み指針が内閣府から示されたところでありますが、町におきましても、この減災の考え方を取り入れた形で町地域防災計画の修正を行ったところであり、7月31日に開催いたしました町防災会議において修正案が了承されたところであります。
この町地域防災計画では、町内における要援護者の名簿作成や情報の提供、避難所での生活環境の確保に関する方針についても、国の計画に沿った内容で盛り込んでおります。
議員御承知のとおり本町では、民生委員児童委員をはじめとした地域の皆さんの協力をいただいて、既に要援護者台帳とマップが整備されており、その開示について、あらかじめ本人の同意を得ていることから、支援する側との情報の共有化が図られているところであります。実際に平成20年の高波災害では、要援護者台帳の情報を活用し、迅速な安否確認が行われており、大きな成果があったものと捉えております。この支援体制をさらに実効性あるものにするためには、毎年の台帳更新を確実に進めるとともに、要援護者一人ひとりに対する個別計画の策定や支援する側への支援方法のマニュアル化等が必要であると考えております。また、名簿を活用した訓練の実施や、名簿登載要件の柔軟化などについても、今後、国の指針を踏まえた検討を行ってまいりたいと考えております。
避難所の整備と運営につきましては、町では、福祉避難所の指定や公共施設のバリアフリー化をさらに進めるなど要援護者等にも十分に配慮し、整備を行っているところでありますが、今後は地域と一体となった避難所運営体制の構築あるいは訓練等を行い、万一に備えてまいりたいと考えております。
さて、近年の異常気象により、全国では過去に考えられないような局地的な集中豪雨や竜巻などが相次ぎ、県内でも各地で大きな被害が発生しました。
町といたしましても、いついかなるときでも、避難勧告等の発令を迅速に、かつ適切に行うことができるよう体制整備を図るとともに、要援護者の避難支援体制の一層の強化に取り組んでまいりたいと考えているところであります。
しかしながら、緊急時に要援護者を安全に、かつ円滑に避難させるためには、やはり地域の皆さんの協力が欠かせません。町民の皆さんには、ぜひ日ごろからの声かけなどの交流を大切にし、地域力の向上、きずなを強化することで、災害に強い地域づくりに御協力を賜りますようお願い申し上げ、大橋議員の答弁とさせていただきます。
なお、そのほかの質問に対する答弁は、教育長及び担当課長からさせていただきますので、よろしくお願い申し上げます。
30: ◯議長(
長田武志君) 次に、保健教育の強化、がん教育への取り組みについて、滝本教育長。
〔教育長 滝本恒平君 登壇〕
31: ◯教育長(滝本恒平君) 大橋議員の保健教育の強化のうち、がん教育に係る御質問にお答えいたします。
文部科学省は、小中高校でがんに関する保健教育を強化する方針を打ち出しました。平成26年度からモデル校で先進的な授業や教員研修を実施し、学習指導要領の次期改訂時にがんに関する記述を盛り込み、保健の教科書の内容拡充を目指すものであり、平成26年度予算概算要求に関係経費を計上する方針であります。
平成24年度に策定された国のがん対策推進基本計画では、がんに関する教育や知識の普及啓発を進めると明記されており、その計画に基づき文部科学省は、喫煙などとの関係によるがんの発生原因、治療方法、患者の介護、検診の重要性などについての知識に加え、がんを切り口にした健康問題や医療の現状、命の大切さなどを小中学生のときから総合的に学べる体制を構築することとしております。平成26年度には有識者による検討委員会を設置して、学習内容と指導体制について意見交換し、全国の学校でどの程度がん教育が行われているかを調査するほか、モデル校を選定して、平成28年度までの3年間で先進的な教育を行うとしております。
文部科学省によりますと、モデル校では教材をつくったり、民間企業による教材を活用したりするほか、医療専門家や闘病経験者を招いての授業も検討していきたいとし、あわせて養護教諭を中心に、がんへの知識や理解を深める研修も行いたいという考えも持っているようです。しかしながら、現状では、がん教育に関する委員からの意見をまとめた結果を踏まえ、文部科学省のがん教育に対する方針を示しただけであり、モデル校選定や教材内容、授業方法、教師の研修などの具体的な施策についての情報はありません。
現在、小中学校におきましては、保健教育としての喫煙・飲酒・薬物乱用防止教育や生活習慣病の予防などについての授業や講演会などを活用し、がんという病気の起因となる生活習慣や喫煙等との関係、その予防について学んでおります。教材につきましては、中学校において保健分野全般にわたり整理された文部科学省発行の「かけがえのない自分 かけがえのない健康」をがん教育に活用しております。
がん教育は、子どもたちが自身の健康の大切さを学ぶと同時に、改めて命の大切さを実感し、また、病気の人に対する偏見や差別をなくすための重要なきっかけの一つであり、これらを子どものころから学ぶことによって、その家族にも浸透されるのではないかと考えております。
また、文部科学省の方針をもとにこの事業を実施するには、国、県、町はもちろんのこと、教育現場や専門機関、闘病経験者の方々など多くの指導、助言や協力が必要となることが十分想定されることからも、今後の国の動向を注視しつつ、県の指導や町保健センターの協力を仰ぎながら、教材の作成や授業方法、研修など適宜対応してまいりたいと考えております。
以上で大橋議員の答弁とさせていただきます。
32: ◯議長(
長田武志君) 引き続き、防災復興計画における女性への配慮及びアレルギー対応の非常食の備蓄につきまして、大角総務課長。
〔総務課長 大角秀雄君 登壇〕
33:
◯総務課長(大角秀雄君) 大橋議員の町の防災計画に女性の視点がどう生かされているのか、また、保健教育の強化に関する御質問のうち、アレルギー対応の非常食の備蓄についてお答えいたします。
まず、町の防災計画に女性の視点がどう生かされているのかについてであります。
東日本大震災では、避難所で粉ミルクや紙おむつ、生理用品等の生活必需品の不足、あるいは授乳や着替えをするための場所が確保されていなかったことなどから、女性や子育て中の避難者からは「生活がしにくかった」という声が多かったと聞いております。
このことから、国の防災基本計画の中では、避難所における女性や子育て家庭のニーズへの配慮をはじめ、復旧・復興の場などにも女性の参画を推進することが新たに位置づけられたところであります。
町のほうでも、女性の視点を生かすことが地域や家庭での防災意識の向上に大変有効であると考えており、7月に修正した町地域防災計画の中には、避難所の運営において女性の参画を推進することを位置づけるとともに、男女別のトイレや女性専用の物干し場、更衣室、授乳室等の設置にも配慮することを示したところであります。
また、防災会議の審議の中では、女性委員から、平常時においても自主防災組織の活動等に女性が参画しやすい環境整備を求める意見があったことなどから、計画には、自主防災組織等への積極的な女性の参画と、女性リーダーの育成強化を盛り込んだところであり、今後、地区の出前講座等のさまざまな機会を捉え、女性の参画を促進してまいりたいと考えております。
次に、備蓄でありますが、町では地域防災計画の中で、事業所等との応援協定に基づく流通備蓄で主に対応することにしておりますが、各家庭に対しては、家族構成などに応じた最低3日分以上の非常食、あるいは必要最小限の生活必需品等の備蓄を求めているところであります。
しかしながら、町は、災害時には緊急物資の支援を行う必要があることから、水、食料、粉ミルク、紙おむつなど災害の初期段階において最低限必要となる物資、あるいは女性等にも配慮した物資についても、今後、年次的、計画的な備蓄を検討してまいりたいと考えております。
とりわけ食料の備蓄につきましては、食物アレルギーがある避難者も想定されることから、その対応についても検討してまいりたいと考えております。
また、備蓄場所につきましては、全ての施設に保管することは難しいことから、例えば校区ごとに保管場所を集約する方法が有効でないかと考えております。
現在設計中の町消防・防災センターにおいても、一定の温度管理ができる備蓄庫の配備を検討しているところであり、今後、町全体での備蓄のあり方について前向きに検討してまいりますので、御理解のほどよろしくお願い申し上げます。
以上、答弁とします。
34: ◯議長(
長田武志君) 次に、給食アレルギーの事故防止とその対応について、岩田教育委員会事務局長。
〔教育委員会事務局長 岩田 毅君 登壇〕
35: ◯教育委員会事務局長(岩田 毅君) 大橋議員の給食アレルギー、いわゆる食物アレルギーの事故防止、それから、教職員のエピペンを打ちやすくするための環境整備等についての御質問にお答えいたします。
議員御承知のとおり、食物アレルギーは生命の危機に及ぶこともあり、正確な情報把握や適切な対応が必要不可欠であります。
町では、食物アレルギーのある児童生徒が安全に安心して学校生活を送ることができるよう、文部科学省監修、財団法人日本学校保健会作成の「学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドライン」を活用し、保護者との連携を図りながら、個々の児童生徒の状況に応じた対応に努めております。
小中学校では、年度当初に児童生徒に対し、アレルギーの有無に関する調査を実施し、食物アレルギーの原因となる食材や過去の症状など個々の詳細について確認、把握し、職員会議等により職員間で情報の共有を図っております。給食では、この情報をもとに、食材を変更する、代替品を使用するといった、それぞれの状況に応じた対応を実施しているところであります。
さて、アレルギー反応には、じんま疹だけや腹痛だけなど1つの臓器にとどまらず、皮膚や呼吸器官、消化器官など複数の臓器に症状があらわれるアナフィラキシーがあり、中でも血圧低下や意識障害などのショック症状を伴うアナフィラキシーショックは、生命を脅かす危険な状態として知られております。また、そうした症状があらわれた際に、医師の治療を受けるまでの間、症状の進行を一時的に緩和し、危険な状態を防ぐために使用される補助治療剤としてエピペンがあります。
現在、食物アレルギーを持つ児童生徒は、小学校23名、中学校11名の合計34名おり、そのうちアナフィラキシーに備えてエピペンが処方されている児童生徒は2名おります。万一、児童生徒が学校でアナフィラキシーを発症した場合、先ほど述べましたような重篤な状態に陥ることがあるため、迅速かつ適切に対応することが非常に重要なこととなります。
そうしたことから、学校では校長をはじめとする管理職や担任、養護教諭、栄養教諭等が専門家からの食物アレルギーの基礎知識やエピペンの打ち方といったアレルギーに関する適切な対応について研修を受け、さらに保護者とも十分に話し合うことで、緊急時に対応できる体制を整えております。
今後も、引き続きアレルギーの児童生徒が安心して学校生活を送れるよう努めてまいりたいと考えておりますので、御理解と御協力をお願い申し上げ、答弁とさせていただきます。
36: ◯議長(
長田武志君) それでは、最後の答弁を求めます。
胃がん予防と、その撲滅への取り組みについて、小堀健康福祉課長。
〔健康福祉課長 小堀 勇君 登壇〕
37:
◯健康福祉課長(小堀 勇君) 大橋議員の御質問の胃がん予防と撲滅への取り組みについてお答えいたします。
町では、死亡原因の第1位であるがん対策を総合計画の重点課題として取り上げ、がん予防プロジェクトを実施しております。
その内容といたしましては、町民に対するがんに関する正しい知識と、がんを防ぐための生活習慣改善等の普及啓発による1次予防と、がん検診による2次予防を展開しております。
平成24年度の胃がん検診の受診者数は2,279名で、平成23年度と比べて増えておらず、特に受診率の低い働き盛りの受診率向上に向けての働きかけが課題となっております。
さて、議員御提案のABC検診は、胃がんリスク検診とも言われておりますが、血液検査で
ピロリ菌の感染の有無と胃粘膜萎縮の程度を測定するペプシノゲン検査を同時に行い、胃がんになりやすい状態かどうかをリスクの高低別にAからDの4群に分類する検診法と言われております。
まず、ABC検診の1つである
ピロリ菌検査についてですが、胃がんには
ピロリ菌感染が深くかかわっており、
ピロリ菌感染によって胃粘膜の萎縮が進むほど胃がんが発生しやすくなると言われております。
この
ピロリ菌に関しましては、ことし2月から、従来は保険適用ではなかった慢性胃炎の方の
ピロリ菌の検査及び除菌治療も、胃潰瘍や十二指腸などの病気に加え保険適用に加わりましたので、医師の判断により、今後、除菌治療を受ける方が増え、胃がんにかかる方が減少するものと考えられます。
次に、ABC検診のもう1つの検査項目であるペプシノゲン検査についてですが、胃粘膜の萎縮の程度は、胃から分泌されて消化酵素ペプシンのもとになるペプシノゲンという物質の血液中の濃度を測定することでわかり、基準値以下の人は6ないし9倍、胃がんになりやすいことが判明しております。
このため、このペプシノゲン検査につきましては、町では独自に平成18年度から特定健診と同時に、節目の方を対象に無料で行っております。平成24年度は291名の方が受診され、このうち胃粘膜の萎縮が認められ、精密検査の対象となった方は79名でありました。さらに、要治療と診断された方は12名でありました。
このように、現在、町ではペプシノゲン検査で陽性と判定された方には、内視鏡による精密検査を勧めております。内視鏡検査では
ピロリ菌の発見もできることから、今後、胃がん検診の受診率の向上のほか、がんの予防と早期発見につながるよう、ABC検診の導入についても検討してまいりたいと考えております。
次に、検診の費用に無料クーポンでの公費助成についてでありますが、町では、国のがん検診推進事業補助金を活用し、子宮がん、乳がん検診の無料クーポン券を発行し、受診費用の助成事業を行っております。また、胃がん、子宮がん、乳がん検診は5歳刻みの節目年齢の方に、県のがん検診対策事業費補助金を活用し、受診費用の助成事業を行っております。
議員御提案の胃がん検診の無料クーポン券発行については、国等の助成事業はなく、町の単独事業とするには財政的な問題もあります。また、現行の胃がん節目検診の受診状況は、昨年度の対象者654名のうち115名にとどまっていることから、節目検診の呼びかけが不足しているものと捉え、住民の方が受診しやすい体制づくりに努めていかなければならないと考えております。
また、費用助成もさることながら、自分の健康は自分で守り、また、確認するという意識の高揚が大切であると考えております。検診のみではなく、がんの罹患を減らすために、禁煙や生活習慣について細やかな啓蒙普及に努めてまいりますので、議員各位の御理解をお願い申し上げまして、答弁とさせていただきます。
38: ◯議長(
長田武志君) それでは、再質問を受けます。
9番 大橋美椰子君。
39: ◯9番(大橋美椰子君) では初めに、災害時要援護者の緩和ということで、今回新たに、妊婦、乳幼児も含むという、先ほどの町長の答弁の中では、要援護者の台帳の中の高齢者、障害者のことを言われました。そこにこれからは、若い、それこそ妊娠される方というのは若い女性なんですけれども、そういった本当に若い方の意見も大変必要かなと思います。そしてまた、これから避難所運営会議の設置ということも書かれていたと思いますが、そういったところでしっかりと若い女性の委員の考えも聞くべきだと思います。
そういった面で、これからの避難所運営会議設置、そしてまた、若い女性の登用ということにお答えいただけないかなと思います。
40: ◯議長(
長田武志君) 大角総務課長。
41:
◯総務課長(大角秀雄君) これから行われます避難所運営会議とかそういうことについては、若い女性というか、女性の意見を聞くために積極的に取り入れたいと思っております。
42: ◯議長(
長田武志君) 9番 大橋美椰子君。
43: ◯9番(大橋美椰子君) よろしくお願いいたします。
それから、児童たちのがん教育でございます。そして、これから取り組むことに対して、まだ内容的にはっきりとしていないという教育長のお話でございました。
今まで、平成12年度にがん対策推進基本計画の中で、目標として、がんに対する正しい知識とがん患者に対する正しい認識を持つよう教育することということで掲げておられました。全国的に見ても、授業が平均1時間ほどだったということですが、町ではこれまでどのようにそういったことの学習をされてきたのでしょうか。
44: ◯議長(
長田武志君) 滝本教育長。
45: ◯教育長(滝本恒平君) 実は、御存じのように、現行の学習指導要領というのは、平成23年、平成24年ということで実施されたわけですけども、その学習指導要領に、どの程度までやるかという部分が一応決められているわけです。そこへ今、このがん教育について新たなる指針が出てきたということですから、多分国のほうは、次期の学習指導要領を見越して、こういった部分を含めていかないと浸透していかないのではなかろうかということでありまして、町の学校では、今、入善小学校と入善中学校が県の学校保健会の指定を受けまして、薬物乱用防止教育という一つの研究を推進している学校なんです。ですから、そういった部分でも、今の乱用という部分からいたしましても、がんにかかわる部分についても勉強しておりますし、それから喫煙問題、あるいは飲酒にかかわりましては、これは全ての学校でもやっておりますので、保健の授業を問わず、いろんな学習の中で対応しておりますので、幸いにも子どもたちの生徒指導上に、そういった表立った部分が出てこないということも、ある程度、子どもたち、保護者にも浸透してきているのではなかろうかと思います。
46: ◯議長(
長田武志君) 9番 大橋美椰子君。
47: ◯9番(大橋美椰子君) ありがとうございます。
各自治体の環境に合った計画づくりということでございますので、また今後よろしくお願いいたします。
では、先ほどのアレルギー対応の非常食などの備蓄ということで、これは先ほど言いました防災の中で備蓄するようにということでうたわれているんです。このことに関しましても、前向きに検討ということでございますので、ぜひ取り入れていただきたいなと。そして、先ほど聞きました、結構入善町にも該当の児童の方がおられるということで、本当に気をつけて、保護者ともに気をつけていきたいなと思います。よろしくお願いいたします。
そして、胃がん検診でございます。がんに関しては、私も経験いたしましたので、なおさら質問が多いかと思いますが、節目の方に推進ということで、まだまだ働き盛りの大事な年齢の方、節目でない方にも、ぜひ推進していただいて、受診をしていただきたいと。そしてまた、そういう方には、予算の関係もありますけども、極力無料でやっていただきたいと、そう思っております。
それから、クーポン券の話は、今取っかかりでございますので、財政的にも大変困難だということですが、1年か2年たてば、これも当たり前になってくるかと思いますので、入善町としまして、何でも早くやるというのが入善町の特徴かと思いますので、ぜひ先駆けてやっていただきたい、このことを要望いたしまして、まだ時間は少しありますけども、再質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
48: ◯議長(
長田武志君) ここで暫時休憩いたします。
午後は1時から開議いたします。
午前11時48分 休憩
─────────────────────────
午後 1時00分 再開
49: ◯副議長(中瀬範幸君) 議長が都合により不在となりました。地方自治法第106条の定めにより、私が議長にかわり議事を進めます。
それでは、休憩前に引き続き開議いたします。
町政一般に対する質問を続行いたします。
2番 笹島春人君。
〔2番 笹島春人君 登壇〕
50: ◯2番(笹島春人君) 午後の1番バッターとして質問の機会をいただきました。アクセス入善の笹島でございます。しばらくの間、おつき合いをお願い申し上げます。
ことしも全国各地で真夏日や猛暑日が続き、熱中症などで多くの方々が病院に搬送されたとの報道がございました。また、ゲリラ豪雨も多発しており、日本海側の各地では、道路や鉄路の寸断あるいは浸水や崖崩れなどで多くの被害が報告されております。特にゲリラ豪雨は、これまでの想定を大幅に超える雨量が全国の各地で記録されており、本町においても、雨量など防災に関する想定数値を見直すことが必要ではないでしょうか。
さて、今議会は私ども議員にとって、1期4年間、最後の議会でございます。私にとっては、議員活動を通じて数多くの勉強をさせていただいたあっという間の4年間であったように感じております。町長をはじめ当局の皆様には、さまざまな立場で懇切丁寧な説明や御指導をいただいております。また、貴重な経験をさせていただいた関係の皆様に心から感謝を申し上げます。
私は、この間行われた年4回の通常議会全てで一般質問をさせていただきました。今回が16回目、4年間の最後の一般質問になります。今回はその総括ともいうべき、これまでの15回の質問内容を振り返りながら、幾つかの質問をさせていただきたいと思います。
まず、園家山周辺の観光開発についてであります。
以前の議会で私は、芦崎地区のさわやか海岸から園家山周辺にかけての水をテーマにした観光開発を提案いたしております。内容は、本町の良質な表層水、地下水、海洋深層水など貴重な財産を生かした観光開発に取り組むべきであると。キャンプ場のバンガローや勤労青少年ホームも老朽化し、利用者も減少傾向にあり、この際、キャンプ場を園家山の西側、つまり深層水活用施設の川向かいに移転し、芦崎海岸は海水浴場として活用してはどうかというものでございました。
当時、企画財政課長は、キャンプ場として改善できる点や、周辺施設についても見直すべき点が多いと。園家山周辺全体の見直しと整備については、総合計画の中で、より魅力が高まるように検討したいということでございました。その結果、ようやく本年度予算に、園家山周辺水環境整備構想策定委員報酬や、その策定委託料が計上され、高く評価しております。いよいよ基本的な構想が示され、近い将来へのビジョンが見えてくると思うと、気持ちが高ぶるのは私だけではないと思います。
そこでお尋ねいたします。
まず、今回の整備構想策定委員はどのようなメンバーで構成されているのでしょうか。また、委員会の開催はどの程度進んでいるのでしょうか。どのような議論がなされているのか、お聞かせください。
また、町はどのような指針を持って整備構想を策定されるのでしょうか。その内容と、これまでの進捗状況、そして今後の計画などをお示し願いたいのであります。
御存じのように、ことしは例年を超える猛暑日が続いておりました。この夏休み期間中、芦崎のさわやか海岸には、連日大勢の親子連れ、家族連れ海水浴客が涼を求めて押しかけておられます。また、園家山のキャンパーも、テトラポッドで囲まれた安全な芦崎海岸まで足を運び、海水浴を楽しんでおられたのが印象的でありました。海と親しむさわやか海岸に、シャワー室や更衣室、休憩場などを整備すれば、もっとすばらしい海水浴場になるのではないでしょうか。本町唯一の海水浴場をさわやか海岸で整備する考えはないか、お伺いいたします。
さらにお盆前後は、浜焼き屋もおいしいアワビを求めて待ち時間ができるほどの大盛況であったと聞いております。年々メニューも豊富になり、リピーターも増えつつあるように思われます。
一方、高瀬湧水の庭には、年間を通じて町内外から多くの方々がおいしい良質な水を求めて来られます。本町の隠れた水飲み場である五十里湧水の庭は、海岸防災林整備のため取り壊しを余儀なくされております。したがって、園家山キャンプ場か深層水活用施設周辺に、同様の取水できる施設、水くみ場を整備すべきと考えますが、いかがでしょうか。
芦崎、報徳、園家、高瀬地区というコンパクトなエリアに相当数の観光客が訪れている現状を考えると、このエリアにある幾つもの観光資源をリンクさせることで相乗効果が生まれ、町の数少ないすばらしい観光スポットの一つになるのではないかと思います。園家山キャンプ場を核として、周辺施設と一体となったこれまでの概念にとらわれない新たな観光開発に早急に取り組むべきと考えますが、当局の考えをお聞かせ願います。
次に、農業問題についてお伺いいたします。
ことしも実りの秋、収穫の秋を迎えております。ことしの富山県産米は、早生品種は好天に恵まれ光沢がよく、粒も大きく、昨年よりもできばえがよく、主力品種のコシヒカリの収穫も期待できるのではないかと言われております。
一方、米価は、全農富山県本部が委託販売契約を結んだ生産者に支払う概算金を、コシヒカリ1等米60キログラム当たり1万2,300円、昨年よりも1,700円下回る金額を示しております。ことしは豊作が期待され、米の大幅な供給過剰が見込まれることが米価引き下げの要因であり、米の生産農家にとっては大きな打撃を受けるものと思われます。
国はどのようにして農業を守るのか、豊作貧乏と言われることのないよう、米の価格安定対策も含めて、その動向を注視してまいりたいと思います。
さて、本町は広大な優良農地を有し、コシヒカリを主力品種とする水稲の一大産地であります。しかし、本町農業も、農家の高齢化や後継者不足、農業機械への投資力不足などにより大きな転換期を迎えております。町では農業公社を中心に、農地の流動化を促進し、農業経営の効率化や経営規模の拡大に努めておられます。また、担い手育成にも力を注がれ、認定農業者の規模拡大や複合化、法人化などによる経営管理能力の向上にも努力しておられます。
その結果、平成24年度は認定農業者数が119経営体、そのうち農業生産法人が37経営体、集落営農組織が19組織整備され、まさに本町農業の中核を担っていただいていると言っても過言ではないと思います。
さらに、町全体の経営耕地面積約3,700ヘクタールのうち、認定農業者の経営面積は県平均を大幅に上回る63%を占めるに至っており、町の基幹産業である農業施策に対する取り組みを高く評価するものであります。
今後も、農地の流動化の促進や認定農業者などへの支援に努め、本町農業の安定的な発展に努めていただきたいものであります。
そこでお尋ねいたします。
現在、町内の農業生産法人や集落営農組織で働く就農者が数多くおられます。それらの就農者は、職業としての就農と将来自立を目指す就農と大別できると思います。本町で働く就農者のうち、新規就農者として自立を目指す人たちはどの程度おられるのでしょうか。また、自立を目指す新規就農者に対し、町はどのような支援策を講じておられるのでしょうか、お答え願います。
特に、集落営農組織の構成メンバーは年々高齢化し、後継者不足などから組織そのものの存続を危惧する声が出ております。ある営農組織では、組織を存続させるために集落外から若者を雇用し、農作業の中核を担っていただいていると聞きました。また、今後は、若い彼らに経営も含めて任せざるを得ない状況とも聞きました。
現在、本町の集落営農組織における後継者はどの程度確保されているのでしょうか。どのような指導をされているのでしょうか。また、集落営農組織の後継者の確保に向けた新たな支援策が必要と思われますが、いかがでしょうか。
一方、富山県は農業後継者を育成することを目的に、1年制を基本とする農業研修期間を設置するとの報道がありました。これは、高齢化社会を迎え、県内農業者も高齢化しており、後継者の育成が急務となっていることに加え、経営規模が拡大された農業法人などに就職し、農業経営を目指す新規就農者が増えていることなどから設置が決定されたものであります。
現在、全国には農業の技術や知識を学ぶ高校や大学などのほか、学校教育法に基づく大学とは異なる農業大学校がございます。そのほとんどが2年制で設置されておりますが、富山県や石川県などには設置されておりませんでした。なぜ長年にわたって富山県に研修施設が設置されなかったのか、私には不思議に思えてなりません。そう言いながらも、ようやく本格的な農業研修施設の設置が決定され、農業を基幹産業とする本町にとっても喜ばしいことであります。
現在、県の農業後継者育成確保対策検討委員会では、その研修内容や名称、運営体制、設置場所などを検討しており、年内に最終報告をまとめるとのことであります。
御存じのように、本町には入善高校農業科があります。新規就農者も多い地域であります。何よりも農地の流動化や集積率も高く、新規就農には最適な地域であると思います。また、本町には温かい温泉があり、冷たい深層水があり、豊かな表流水や地下水があります。農業に不可欠なさまざまな水があり、水稲のみならず、ハウス栽培や果樹栽培、花卉、バイオテクノロジー、養液栽培などさまざまな研究が可能な地域であると考えております。
農業を目指す子どもたちが入善高校に集い、農業に対する幅広い知識を習得した上で、研修施設で専門的な知識や技術を身につける、このような新規就農者が本町で数多く育ち、富山県農業の中核を担ってほしいものであります。そのためにも、富山県が進める農業研修施設を本町に誘致すべきと考えますが、いかがでしょうか。また、研修内容や運営体制などについて、現在どのような検討がなされているのかもあわせてお答え願います。
水稲を中心とする本県農業が今後も健全に成長するためには、米の収量を高める技術、1等米比率を高める技術に加え、食味ランクを高める技術が求められております。また、つくれば売れる、売ってもらえる時代ではなく、農家自ら販路を開拓し、経営全体を考える時代になっているのではないでしょうか。
県内の新規就農者が安心して農業に取り組める環境を整備し、今後の農地を守り、安全・安心な農作物を供給できる体制づくりが急務であります。
全国学力調査についてお尋ねいたします。
文部科学省は、全国の小学6年生と中学3年生を対象とした全国学力・学習状況調査、いわゆる全国学力テストの平成25年度の結果を公表いたしました。
このテストは、4年ぶりに小学校6年生と中学3年生全員が参加して行われており、教科は、基礎的な知識を見る国語A、算数・数学Aと、応用的な知識を見る国語B、算数・数学Bの各4教科であります。都道府県別で見ると、秋田県が小学校の国語A、B、算数A、B、中学校の国語A、Bの6教科で1位。福井県は中学校の数学A、Bの2教科が1位で、過去の学力テスト同様、秋田県や福井県の上位は固定しているようであります。
一方、富山県は8教科のうち6教科で順位を落としております。昨年までは、ほとんどの教科で1桁台の順位であり、「教育県富山」と言われてきただけに、残念に思うのは私だけではないと思います。
平成22年度に実施された調査によると、正答率が高い順で、秋田県、福井県に富山県が続き、全国の上位に位置しておりました。平成19年度には富山県は秋田県を超える正答率の時期もあっただけに驚いております。
そもそも全国テストは1960年代から行われておりましたが、学校、地域間の競争が激化し、競争をあおるとの批判から中止となった経緯があると聞いております。数十年ぶりに復活した今回の学力テストは、児童生徒の学習意欲や生活習慣、授業方法などの調査もあわせて、全国の小学校6年生と中学3年生を対象に行われました。一定の教育水準が保たれているかを把握し、課題を明確にして教育指導の改善を図ることが目的のようであります。
私は、児童生徒が自ら学び、考える力をどのように高めていくか、どのように伸ばしていくかが大切であると考えます。
そこでお尋ねいたします。
かつて町長は町P連の会長も務められたわけでありますけれども、将来の富山県を担う小学生、中学生の、この全国学力テストの結果に対してどのような感想をお持ちでしょうか。また、今回の学力テストに関する新聞報道結果を踏まえて、どのように改善し、今後教育現場で生かそうとされるのか、滝本教育長の考えをお聞かせいただきたいのであります。
学力テストの結果は、本町にも報告されていると思いますが、そのデータの結果はどうだったのか、どのような特徴があったのか、またどのように活用し、今後の学力向上につなげようとされるのか、お聞かせ願います。
御存じのように、今回行われた調査の中には、学力テストのほかに生活実態調査がございました。中でも、学校の授業時間以外に1日にどの程度の勉強をするかという質問に対し、2時間以上と答えた県内の中学3年生は23.6%、全国平均よりも12.9ポイント低い結果が出ております。また、小学6年生でも2時間以上と答えたのは、県内が18.6%で、全国平均よりも8.5ポイント低い結果が報告されております。小学校、中学校、いずれも1日の家庭での勉強時間を2時間以上と答えた児童生徒は全国平均の約65%程度の割合でありました。
一方、1日のテレビゲームの時間については、1時間以上と答えた県内の中学3年生は53.3%に上り、全国平均よりも5.3ポイント多いことが判明いたしております。その結果、家庭における勉強時間が確保されていない実態や、小学校の段階から時間を決めて勉強する習慣が身についていない実態が指摘されております。したがって、保護者との連携の中で子どもたちの学習意欲を高める方策を検討することが必要なのではないでしょうか。
今回の調査結果は、県内では富山市や高岡市、氷見市などが公表するとしております。保護者には児童生徒の実態を知ってもらい、理解してもらい、今後の学校教育、家庭教育のあり方を模索する意味も含めて、本町も可能な範囲で調査結果を公表すべきと考えますが、いかがでしょうか。
私は、このような調査で都道府県間や市町村間の順位に固執させてはいけないと考えております。テストのための勉強であってはならず、いかに学年ごとの習熟度、応用力を高めるかが大切であるかと考えております。
今回の結果を踏まえ、教育委員会や各学校はその結果を分析し、適切な指導、改善策を講じていただきたいと思います。そして、家庭との連携の中で、家庭における学習習慣の定着に向けた子どもたちの生活改善にも努めていただきますようにお願いを申し上げて、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
51: ◯副議長(中瀬範幸君) それでは、当局の答弁を求めます。
全国学力テストの結果に対する町長の考え方について、米澤町長。
〔町長 米澤政明君 登壇〕
52: ◯町長(米澤政明君) それでは、笹島議員の御質問の全国学力テストについてお答えをいたします。
文部科学省は先月27日、小学校6年生と中学校3年生を対象に、ことし4月に実施した平成25年度全国学力・学習状況調査の結果を公表いたしました。
今年度は、国語、算数・数学の2教科について、主として基礎知識を問う国語A、算数・数学A及び主として知識の活用力を問う国語B、算数・数学Bを調査するとともに、自分によいところはあるか、将来の夢や目標を持っているか、人の気持ちがわかる人間になりたいか、平日の家庭学習の時間など自尊感情や生活習慣を問うアンケートも同時に実施されたところであります。
報道では、教育県と言われている富山県が、実施された8教科のうち6教科で前年度より順位が後退し、全国平均正答率との差が縮まり、県教育委員会に危機感が広まっているとのことでありました。
また、国は「学力の底上げが進んだ」と分析し、来年度予算の概算要求で、さらに少人数教育を進めるため、公立小中学校教員の増員を求めるとしており、県教育委員会は、改めて授業方法の工夫や指導方法の改善を図るとともに、子どもたちの生活習慣の改善に取り組むとのコメントを発表したところであります。
国は、今までと同様、都道府県別の結果を公表しましたが、市町村別の結果は市町村教育委員会が判断することとなっております。しかし国では、過度な競争や序列化を招くといった懸念や、小さな町村では特定化されるおそれがあることなどから、都道府県が市町村別の成績を公表することや、市町村が学校別の成績を公表することに対しては慎重な対応を求めております。
全国学力・学習状況調査は学力の一部を調査したものであり、結果に一喜一憂することはないものと考えております。調査結果は、子どもたちが毎日の学校生活を健康で楽しく送ることができるよう、生活習慣を見直すとともに、学習意欲の向上や学習習慣の確立などの一助となるものと思っております。
さらに、今回の調査結果に対する私の考えでありますが、子どもの学力は年々向上していると捉えており、今後も町として、子どもたちの学習環境をどのように改善し、支援していけるかなどさまざまな施策の中で、できる限りの取り組みをやってまいりたいと思っております。
以上、思いの一端を述べさせていただき、笹島議員の答弁とさせていただきます。
なお、そのほかの質問に関しましては、教育長及び担当課長から答弁させていただきますので、よろしくお願い申し上げます。
53: ◯副議長(中瀬範幸君) 続いて、全国学力テストの結果と学力向上について、滝本教育長。
〔教育長 滝本恒平君 登壇〕
54: ◯教育長(滝本恒平君) 笹島議員御質問の全国学力・学習状況調査についてお答えいたします。
本調査の目的は、国、県、市町村、学校が児童生徒の学力・学習状況を把握・分析し、教育施策の成果と課題を検証して、その改善を図るとともに、学校における児童生徒への教育指導の充実や学習状況の改善等に役立てることであります。
富山県の結果は、先ほど町長の答弁にもありましたように、小中全8教科のうち6教科で順位が後退し、全国平均との差が縮まりました。現在、県教育委員会において、調査結果が細部にわたり分析されており、いずれ町へ報告される予定であります。
本町でも調査結果を教育センターでデータ分析している最中でありますが、校長研修会において、町全体の傾向等に対し状況把握・分析を行い、共通の改善点を見出し、その対策を検証してまいります。
また、各学校では、今回の学力調査の結果や県教育委員会が作成した分析調査を活用しながら、他の学力調査や各種調査とあわせて分析・検証し、児童生徒の実態の把握、そして課題を明確にした上で、授業改善、指導方法の工夫に取り組むことになっております。その上でやはり教職員が子どもたちとかかわる時間というものが大切であることから、ティームティーチングや少人数指導、習熟度別学習などが重要であると考えており、文部科学省がこのほど発表しました少人数教育の推進について、大いに期待するものであります。
一方、学力の向上はもちろん重要なことでありますが、これからの時代を担う子どもたちには、人格形成としての学び合いや体験を中心とした学習活動、すなわち子どもたちが意欲的に問題を追求できるよう、観察や実験、操作活動、体験的な学習のほか、問題解決に向けた学習や創造的な表現活動などを計画的に取り入れていく必要があるものと捉えております。
調査結果の取り扱いにつきましては、本調査により測定できるのは学力の特定の一部分であることや、学校における教育活動の一側面にすぎないことなどを踏まえると、序列化や過度な競争につながらないよう十分配慮して、適切に取り扱わなければなりません。
国が行う本調査の結果の公表については、これまでも国会等で広く議論が行われてきたところであり、都道府県教育委員会が個々の市町村名、学校名を明らかにした情報を公にした場合、または、市町村教育委員会が個々の学校名を明らかにした場合、その性質上、本調査の適正な遂行に支障を及ぼすことが予想され、慎重に対応することが初等中等教育局長通知で示されております。調査結果を公表している都道府県もわずかにありますが、富山県はこれらの趣旨を考慮し、市町村別の結果は公表しておりません。また、公表している自治体は大都市が多く、対象学校数、児童生徒数が多い自治体であります。富山県内では、富山市、高岡市、氷見市が公表しており、南砺市が検討中ということで、これらを除き、公表をしていないのが現状であります。
私としましては、過剰な点数向上対策に走らないよう注意を払うとともに、結果を分析し、子どもたちの興味を引きやすい授業内容か、一人ひとりのつまずきを丁寧に見つけて指導ができているかなどを検証していくことが大切なことと捉えております。
学力・学習状況調査の結果につきましては、各学校において担任から子どもたちに、個々の達成状況や課題について一人ひとり面接を行い、頑張ったところは称賛し、努力を必要とするところについては、その子に応じたアドバイスを行うなど対応しており、保護者にも子どもを通して伝わっているものと思っております。
しかしながら、子どもの学習習慣の改善には家庭の協力が不可欠であり、あらゆる機会を捉えて意見交換をし、心身ともに健やかな子どもの育成に努めてまいりたいと思いますので、御理解、御支援のほどをお願いし、笹島議員の答弁とさせていただきます。
55: ◯副議長(中瀬範幸君) 次に、園家山周辺の観光開発及び農業問題について、竹島農水商工課長。
〔農水商工課長 竹島秀浩君 登壇〕
56:
◯農水商工課長(竹島秀浩君) 笹島議員の園家山周辺の観光開発についての御質問にお答えをいたします。
園家山の周辺は、高瀬湧水の庭などの湧水環境や海洋深層水活用施設、芦崎のさわやか海岸などが点在するなど黒部川扇状地の豊富な水を象徴する地域であり、県内外から多くの利用客が訪れる入善町の観光拠点であります。それらの地域資源を最大限に活用するため、今年度において園家山周辺水環境整備構想を策定することとしております。
この整備構想の策定や今後の施設整備については、県の歴史と文化が薫るまちづくり事業補助金の活用を予定しており、現在は県と補助金に関する事務手続を経て、モデル地域として選定されたところであります。
整備構想の策定を行うため、今後、町において整備構想策定委員会を設置し、委員の皆様から周辺整備に関し御意見を伺いながら策定を進めてまいりたいと考えております。
その委員会のメンバーについては、地元の飯野地区の区長さんや黒部川扇状地研究所、水環境やまちづくりに関する学識経験者などの方々に依頼して、今後3回程度の委員会を開催していきたいと考えております。
園家山の周辺には、高瀬湧水の庭、五十里湧水の庭、扇状地湧水公苑、海洋深層水活用施設など町が誇るべき水にかかわる施設が多く存在していることから、整備計画の策定に当たっては、これら名水にこだわりを持って、この名水環境を最大限に生かすことのできる構想となるようしっかりと対応していきたいと考えております。
また、園家山にあります勤労青少年ホームや野外舞台などが老朽化しており、近い将来にその取り壊しが検討されていることから、そのかわりとなる施設整備やキャンプ場の再整備、キャンプ場周辺整備もあわせて検討しなければならないものと考えており、短期的に行う整備や長期的な視点に立った整備を織りまぜた構想としてまいります。
短期的に行う整備の内容につきましては、五十里湧水の庭が海岸防災林の事業用地となることによる周辺での再整備、また、好評をいただき連日多くの方が訪れる高瀬湧水の庭の環境整備に加え、点在する湧水環境の関連性を高めるための案内板の設置などを検討してまいりたいと考えております。
また、手狭となっている高瀬湧水の庭に加え、新たな水くみ場として名所となるような水に親しめる公園の整備を行いたいと考えており、委員の皆様から御意見をいただきながら進めてまいります。
短期的な整備のみならず、長期的な視点に立った整備構想を策定し、着実に整備を進めることで、園家山周辺のこの名水環境が町の観光拠点となるよう、策定委員会においてしっかりとした議論を行ってまいりたいと考えております。
次に、海水浴場の整備についての質問でございますが、現在、芦崎のさわやか海岸では、離岸堤や親水性を持たせた護岸が整備されたことから、夏場には大変多くの方が訪れております。近隣の海水浴場を例にすれば、富山県には海水浴場設置に関する条例はなく、海岸管理者から占用許可を受けるとともに、ライフセーバーの設置などの安全対策を施し、海水浴場を開設しているのが現状であり、それらの要件を満たせば、海水浴場の開設は可能なものと思われます。
しかしながら、海水浴場を設置するためには町が設置主体となり、公衆トイレ、シャワー、駐車場、監視塔、救護所などの設置が必要であり、その整備に多額の費用が必要であります。また、海水浴場の設置につきましては、占用許可以外に必要となる許可やランニングコストなどについても、さらに調査を進めなければならないものと考えております。
これらの設置に必要な調査を進めながら、海水浴場の設置の可能性を探ってまいりたいと考えておりますので、御理解を賜りますようお願いをいたします。
続きまして、農業問題についての中の新規就農者と後継者に関する御質問についてお答えをいたします。
新規就農者につきましては、平成22年度から平成24年度までの過去3カ年において、県全体で180人、入善町においては17人が新たな農業の担い手として就農しております。
その内訳としましては、農業法人などに従業員として就農する雇用就農が12人と全体の7割を占めており、自立して経営を行う自営就農については5人となっております。雇用就農が7割を占める状況は、入善町に限らず県全体でも同様の状況であり、農業基盤のない新規参入者が農業にかかわる道筋として、法人への就農は重要な形態と考えられます。
これらの新規就農者への支援は、県や農林水産公社などと連携して取り組んできているところであります。
具体的な例を申し上げますと、農業技術や経営に関する研修の場として「とやま農業スクール」の実施や先進農家での中期・長期の実践研修事業があります。また、県農林水産公社や町が行っている就農奨励金給付制度のほか、就農直後の所得を確保する青年就農給付金制度や雇用就農における農業法人への支援として「農の雇用事業」などがあります。さらに、町独自の取り組みとして、町特産品である入善ジャンボスイカとチューリップ球根について、特産品栽培・新規就農支援事業を実施し、新規就農者の支援を行っているところであります。
これらのソフト面だけではなく、農業機械導入などハード整備に対しても支援制度があり、これらを活用し、JAや新川農林振興センターと連携しながら新規就農者への支援を行ってきております。
次に、集落営農組織について、構成員の高齢化による後継者確保の問題でありますが、議員御指摘のとおり、近年課題となってきているところであります。
町の集落営農組織は現在19団体ありますが、それぞれにおいて地域の農業を支える重要な担い手と位置づけられており、必要不可欠な存在であります。これらの営農組織が今後も持続していくためには、後継者や次世代の人材の確保が欠かせないものと考えております。
近年、集落営農組織において新規に従業員として就農される方々もおられるなど、各組織において後継者の確保に向け努力されているものと考えております。
これらの取り組みに対する支援としては、先ほど申し上げました「農の雇用事業」などが代表的なものと思われます。
この事業は、農業法人などが新規就農者を雇用して栽培技術や経営ノウハウなどの研修を実施する際に、研修に要する経費を助成するもので、最大120万円を最長で2年間支援するものです。今後は、現状の把握と意見交換などを行いながら、実情に合った制度の創設も検討していかなければならないものと考えております。
加えて、集落営農組織に限りませんが、人材の確保とあわせて、収益性の向上に向けた経営の複合化や6次化の推進についても、県やJA、その他関係機関と連携して、引き続き支援を行ってまいります。
次に、農業研修施設の誘致についてであります。
県は本年度、富山県農業後継者育成確保対策検討委員会を設置し、農業研修のあり方について検討を進めております。
設置の背景には、新規就農者の増加に加えて、新規就農者のうち農業教育を受けていない方が約8割を占めていること、担い手への農地集積が進んでいることから約7割が法人経営等の従業員として就農しており、雇用する経営主側の技術指導等の負担が増加している現状があります。
検討会は、これまで4月と8月の2回開催され、今後は10月に第3回の検討会が実施され、中間取りまとめの協議がなされる予定であり、12月には最終報告がされる見込みと聞いております。検討会において、2年制の農業大学校ではなく、1年制の研修期間を整備していく方向で検討が進んでいるようであります。
これは、法人代表者や近年の就農者、就農希望者などに対して行われたアンケートの結果、研修期間については1年以内を希望する回答が約8割となったことや、他県の2年制の農業大学校では定員割れや就農率が低いという実情があること、また、他県の例から新規就農に必要な基礎的知識、技術の修得は1年以内でも可能との考えによるものと聞いております。
なお、研修の内容につきましては、栽培技術・理論、農業機械操作、販売流通知識を中心に体系的に修得できる単一の研修コースを基本とすること、実習作物は、アンケートで要望の高い水稲、大麦、大豆、野菜を中心とすることなどが検討されており、新規就農者だけではなく、既に就農している方々への短期研修も考慮されております。
次に、農業研修施設の誘致についてでございますが、具体的な施設については、今後決定されていくものと考えておりますが、早期に研修を実施するため、既存施設を有効活用することが検討されているとのことであります。
議員御指摘のとおり、入善町は県内でも有数の農業地域であり、先進的な経営体も多数あり、また、入善高校には農業科があることなどから、就農研修に適している地域ではないかと考えております。
先ほど申しましたように、既存の施設の活用といったことになったとしても、多様な先進農家での研修といったものもカリキュラムで想定されているようであり、実地研修の場として町の優位性などをPRしていければと考えているところであります。
新規就農者への支援や後継者対策と研修による資質向上など安心して農業に取り組める環境整備を図ることが、町内の優良な農地を守り、そこから安全・安心な農産物が供給できる体制づくりにつながるものであり、新たな研修機関の設置に大いに期待してまいりたいと考えております。
以上、答弁とさせていただきます。
57: ◯副議長(中瀬範幸君) 再質問を受けます。
2番 笹島春人君。
58: ◯2番(笹島春人君) 丁寧な御答弁をいただきまして、ありがとうございました。
まず、研修施設の誘致ということについてでございますが、県の既存施設を有効活用するというようなことを中心に検討されておるという答弁をただいまいただいたわけでありますけれども、入善町にもJAの支店統合とか、そういった関係の施設もございます。
まずは、研修施設の誘致にぜひチャレンジをしていただきたいなということが1点と、町とJAあるいは農林振興センターあたりが協力をして、例えば誘致が無理であれば、そういった支店などを使って、農閑期に、希望される方々への研修をするというような、そういう体制をつくることができないものかというふうにも思うわけですけれども、竹島課長の考えをお聞かせいただきたいと思います。
59: ◯副議長(中瀬範幸君) 竹島農水商工課長。
60:
◯農水商工課長(竹島秀浩君) 今ほどの御提案といいますか、農業のまち入善らしい、いい御提案かというふうに思いますが、まず、誘致についてのチャレンジというところですが、はっきりと県のほうでもなかなか言ってはいただけないんですが、先ほど申しましたように、来年からでもすぐに実施をしたいということがあって、どうしても既存の施設の活用という方向で進みたいという意向があるようでございます。
ただ、その検討会の中には本町の農業委員会長が出席をしておったり、JAのほうでは穴田会長が出席しておられたりということもありまして、いろんな情報交換がなされている状況でありまして、そういった中で、少しでもPRをしていければというふうに思っております。
あと、町のほうでJAさんの施設等を活用した研修施設などはどうかということでございますが、まずは、今県が行おうとしております研修期間のカリキュラム等々の内容をしっかり見極めをさせていただきまして、必要ということであれば、JAさん、農業者、その他関係の方々と協議しながら、そういったものも検討してまいりたいというふうに思っております。
61: ◯副議長(中瀬範幸君) 2番 笹島春人君。
62: ◯2番(笹島春人君) ありがとうございました。
もう1点、先ほどもちょっと触れましたが、集落営農組織の組織全体がなかなか高齢化が進んで、思うような活動ができていないというようなことで悩んでおられる組織が幾つもあるように聞いております。
先ほどの話では、実情に合った制度をつくっていけばどうかというような話もあったやに聞いておりますが、何かこういった後継者がしっかりと育つ、そういうような入善町独自の制度を考えていただければと、これは要望しておきます。
次に、学力テストの関係についてお聞かせをいただきたいと思うわけでありますけれども、まず、生活実態調査で、富山県の場合、家庭での学習時間が短いというようなこと、あるいは先ほども申しましたが、テレビゲームなどに夢中になって、そういったものをやる時間が長いというようなことで、勉強という点ではマイナス面が出てきているように思っております。当然、家庭での話になりますので、やはりそこは、保護者の皆さん方の協力なり支援をいただかないとなかなか解決できる問題ではないと思いますが、そういった中で、どのようにして家庭との連携をとりながら、子どもたちに学習習慣というものを身につけていくかというようなことを真剣に考えていかなければならないと思いますけれども、柳澤教育委員長、あなたの考えをぜひ聞かせていただきたい。学校と家庭との関係をどのように持っていくべきかということをお聞かせいただければと思います。
63: ◯副議長(中瀬範幸君) 柳澤教育委員長。
64: ◯教育委員長(柳澤 功君) 御質問ありがとうございました。
笹島議員おっしゃるとおり、学力調査はもとより学習状況調査のアンケートは非常に児童生徒の大切な部分のアンケートをしているというふうに思っておりますし、おっしゃったような学校と保護者との連携は非常に重要なことだというふうに私も思います。
この状況につきましては、調査は1つの学年ということもありますし、一応最高学年にはなっておりますけども、学校全体を捉えれば、ごく一部の児童生徒、それからごく一部のアンケート内容であるというふうなことを考えれば、これを踏まえた形で、1つの学年だけでなくて、学校全体に対して、その結果を踏まえた学校の実情に応じて、学校長、そして担任へ、そして担任から児童生徒、そして保護者へ、さまざまな対応、指導というものを考えながら改善をしていくべきかというふうに思っております。数字というのはひとり歩きする可能性もありますので、十分慎重な対応が必要かというふうに思います。よろしいでしょうか。
65: ◯副議長(中瀬範幸君) 2番 笹島春人君。
66: ◯2番(笹島春人君) 公表について教育長にお聞きをするわけでありますけれども、私が求める公表というのは、順位であったり点数であったりということではなくて、本町の子どもたちの現況、傾向などをある程度表に出して、学校、先生方あるいは保護者も含めて、いろんな改善すべき点、あるいは伸ばすべき点というのがあるのだろうと思いますので、そういったものを公表できないかということをお聞きしたわけですが、そういったことも全く外へ出さないという考えなのでしょうか。そこら辺を再度お聞きしたいと思います。
67: ◯副議長(中瀬範幸君) 滝本教育長。
68: ◯教育長(滝本恒平君) 先ほど答弁の中でも、調査結果が学校に届きましたら、担任のほうから個々の子どもに対してその結果について説明があるわけであります。
今、国の正答率、そしてまた県の学力にかかわる部分については公表されておりますけども、町の部分については、それぞれの学校の正答率というものも学校のほうに参っておりますので、町はどうであるかというようなことについても、私のほうから各学校のほうには届けてあります。ですから、学校とすれば、学力だけについても、あるいは生活状況についても、うちの子はどうであるか、先ほども全国的にも、県のほうでも家庭学習が少ないとか、あるいはゲームをやる時間が多いといったような部分については、我が町でも県の傾向とほぼ同じであります。ですから、そういった部分、各学校で、保護者と十分理解しながら、今後のことについて家庭生活を見直すなり、あるいは物事に当たる場合の気持ちといった部分を十分に大人がかかわって、子どもたちが意欲的に取り組むような環境をつくっていくべきだというふうなことで、具体的にはお話はできませんけども、ほぼ県で発表している部分と似通った部分があるということで、今後、個別的に対応して改善していきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
69: ◯副議長(中瀬範幸君) 2番 笹島春人君。
70: ◯2番(笹島春人君) 園家山周辺の整備についてでありますけれども、私も、やはり舟見山、園家山というものが、今後町の大きな観光スポットの一つになるのではないかなというふうに思っております。
そのためにも、今回の構想というものをしっかりとすばらしいものにしていただけたらありがたいというふうに思いますし、できれば、もうそろそろ、構想の策定と同時に年次計画なども示していただければありがたいというふうに思います。
近い将来の総合計画の中で、ぜひともそういった計画をしっかりと示していただきたいということをお願い申し上げて、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
71: ◯副議長(中瀬範幸君) 次に、14番 九里郁子君。
〔14番 九里郁子君 登壇〕
72: ◯14番(九里郁子君) それでは、通告に従いまして、順次質問をいたします。
質問の第1は、ジオパークと地域振興・観光振興についてであります。
入善町において、黒部川が持つ意義は極めて大きいものがあります。黒部川が果たしている大きな役割を改めて考えてみたいと思います。
広く海に向かって開けている扇状地を形成し、その形はまれに見るほど美しい扇状地であると言われています。豊かな水に恵まれ、その水は表流水となって田畑を潤し、地下に浸透した地下水は、飲料水や工業用水として重要な役割を果たしております。
地域経済のかなめに黒部川の水があります。今も一次産業の農業や漁業、二次産業の加工業にも大きな役割を果たしております。入善町の自然、人、歴史は、黒部川扇状地と切っても切り離せない関係にあります。ここに住む住民の皆さんの願いや英知と、この扇状地の特性を生かすことが求められております。私どもが、出し平ダム、宇奈月ダムの排砂の改善などを粘り強く求めてきたのもそうした考えからであります。
私は、17年前、1996年2月に、当時の建設省が開いた宇奈月ダムの建設を問う公聴会で、ヘドロがたまるようなものを2つもつくってもらっては困る。発電優先は許されないとして、ダムは中止すべきだと口述いたしました。その時点で、宇奈月ダムはまだ基礎打ちの段階でありました。しかし、ダム建設は続行され、ダムは完成、連携排砂が始まりました。私どもは連携排砂後の濁りが解消するまで自然流下を続けるよう訴えてまいりました。
黒部川の清流は、訪れる人々に感動を与えるはずです。住民の皆さんから、黒部川・富山湾の環境を守るために、排砂・通砂を6月から8月に限定するのではなく、雪解け時期、梅雨時期、台風時期など雨が多い出水時ごとにやってほしいという要望が出されております。川の濁りを早くなくするために、頻繁に実施することだと考えますが、いかがでしょうか。
さて、杉沢の沢スギの環境整備についてお尋ねいたします。
2009年度に策定された保護管理計画書によると、今後の保護管理は、「常に沢スギの根元付近に光が十分当たり、適度な湿り気を保たれるよう、枝打ち、間伐、除伐をする。(4分割ぐらいが望ましい)」、こう書かれております。計画書どおりに十分な管理がされているのか。検討委員会の中の、特に森林の専門の方はどのような意見を言っておられるのか、答えてください。
県内でも、来年秋にも「大地の公園」と言われるジオパーク認定を目指した取り組みが進められております。杉沢の沢スギや湧水などを見学コースに入れ、地域の特産物を組み込んだジオサイトを考えてはどうかと思いますが、お答えください。
県東部の市町村が連携して認定を目指すことが必要と言われております。これまで、黒部川扇状地の特性を生かし、地域振興・観光振興に結びつけるという意味で、ジオパークを述べてまいりました。この2つの振興、地域振興・観光振興のためにも、町が参加するのは当然だと考えますが、積極的にかかわる考えがあるか、お答えください。
さて、2つ目の質問は、高齢者問題についてであります。
かつて、貧困は自己責任だとされてきました。それを国民のたゆまぬ努力と運動で、個人の努力ではいかんともしがたいものであり、社会の責任で解決しなければならないとして、社会保障制度を確立してきました。公費で賄うのが社会保障の原則であります。
政府は来年の介護保険法改定で、要支援1と2の人を介護保険でのサービスはしない、介護保険の対象から外し、市町村の独自事業の対象とすると、このように考えております。
現在サービスを受けておられる要支援の方は、これまでと同じサービスが受けられるのかと大変心配しておられます。要支援者のサービスを町で対応できると考えているんでしょうか。市町村でサービスが異なり格差が出るのではないか懸念されております。今と同等のサービスを提供できるのか、お答えください。
さらに国は、高額所得者の介護サービスの自己負担を現在の1割から2割にするとの方針であります。報道によれば、夫婦の所得が320万円以上となっております。夫婦で320万円、この額が高額所得者と言えるか、お答えください。
特別養護老人ホームのユニット型個室の利用料は、食費などを含めると、1カ月14万円以上という高額になります。国民年金受給者は、事実上、利用不可能であります。多床室の施設整備にも、国は財政支援をすることが必要と思いますがどうですか、お答えください。
そもそも介護保険制度は、介護の社会化という大義と目的を持って誕生したはずであります。国の責任と負担において維持発展させてこそ、その目的が達成されるのではないでしょうか。
さて、質問の最後は、町営バスについてであります。
公共交通の整備は、単に交通弱者の解消を図るという狭い意義だけではなく、まちづくりの土台としての役割が大きいと言われています。町営バスが3台になりましたが、まだまだ空気を運んでいるとの批判はあります。しかし、利用者は確実に増えております。バスをよく利用するというひとり暮らしの高齢者から、「手押し車(シルバーカー)のまま乗れるようなバス、または、バスのどこかにこれを載せる場所があれば助かるんだが」、そういう声が寄せられました。低床バスを導入する考えはないか、お聞かせください。
さて、土曜日や日曜日、そして長い夏休みなどには、子どもたちだけでショッピングセンターや釣りに行くのにバスをよく利用しているのを見かけます。子ども料金を設定する考えはないか、お尋ねいたします。
また、舟見や野中地区の人たちは、朝日町の公共バスを利用して隣町の病院へ通院すること、見舞いに行くことなどができます。誰もが隣の市や町にも行けるような広域バスの運行をできるだけ早く関係の市や町と検討する考えはないか、お答えください。
基幹バス、地域循環バス、乗り合いタクシーなどを組み合わせた総合交通体系を確立する展望を持つことだと思います。戸口から目的地へ行ける乗り合いタクシー(オンデマンドバス)の検討は現在どこまで進んでいるのか。町内のタクシー業者の協力を得るなど具体化を図ることを考えてはどうか、お尋ねいたします。
73: ◯副議長(中瀬範幸君) それでは答弁を求めます。
ダム排砂について、米澤町長。
〔町長 米澤政明君 登壇〕
74: ◯町長(米澤政明君) それでは、九里議員のジオパークと地域振興・観光振興に関する御質問にお答えをしたいと思います。
黒部川のダム排砂の時期についてお答えをいたします。
連携排砂につきましては、宇奈月ダム、出し平ダム、両施設の機能維持や黒部川水系全体の総合土砂管理を目的とし、一定のルールを定め、それに基づき計画的に行われているものであります。
今年度は6月19日から22日にかけて連携排砂が行われました。また、8月23日から25日にかけまして連携通砂、さらに8月30日から31日にかけまして細砂通過放流が実施されたところであります。
議員御承知のとおり、ダム連携排砂の実施時期や内容につきましては、農業者団体や漁業者団体などで構成する排砂関係機関連絡会議での協議を踏まえ、黒部川土砂管理協議会で協議調整の上、最終的に決定し、実施されております。
その時期につきましては、農業関係では水稲作付時期の4月から5月を外すこと、海面漁業ではホタルイカ漁最盛期の3月から5月を外すこと、内水面漁業ではアユの産卵期である9月及びサケの遡上期となる9月以降を外すこととした上で、かつ年間を通じて河川の水量が多い時期に実施するという考えに基づき、現行の実施計画であります6月から8月が実施期間となっております。
これらのことから、年間を通じて頻繁に排砂や通砂を行うことは、多方面への影響が大きく困難ではないかと考えられるところであります。
一方で、議員御指摘のとおり、清流黒部川の清らかな姿を地域振興や観光振興の武器として活用するとともに、町民の大切な財産として後世にしっかり残していくことは大変重要なことであると思っております。
このことから町としましては、黒部川のきれいな水を守ることを常に念頭に置きながら、今後も最も適切な排砂や通砂等のあり方を関係者の意見を踏まえ、また、地域住民の理解をいただきながら慎重に実施していかなければならないと考えておりますので、御理解と御協力をお願い申し上げまして、九里議員の答弁とさせていただきます。
なお、そのほかの質問に対する答弁は、副町長及び担当課長からさせていただきますので、よろしくお願い申し上げます。
75: ◯副議長(中瀬範幸君) 次に、町営バスについて、林副町長。
〔副町長 林 榮佐雄君 登壇〕
76: ◯副町長(林 榮佐雄君) 九里議員の町営バスについての御質問にお答えいたします。
現在、町では町営バスを3台体制で運行しておりますが、そのうち2台については低床バスを導入しているところであります。しかし、小摺戸横山線を走るバスについては低床バスではないことから、手押し車を利用しておられる方が手押し車をバスに載せるには大変不自由をおかけしているものと考えております。
全ての路線で低床バスを導入することができれば、このような苦労はあまりないものと思われますが、バスの更新には多額の費用がかかることから、全ての路線で低床バスを導入することは困難でなかろうかとも考えております。
ただ、利用者からそのような要望が依然としてあるという状況を踏まえて、運行を委託している入善観光株式会社では、手押し車やつえを使っておられる方については、手押し車を載せることや、乗りおりの介助などの対応をしていただいているところでありますが、そのことが徹底されるよう再度申し入れているところであり、当面はこのような運用で対応してまいりたいと考えております。
次に、子ども料金の設定についての御質問でございますが、昨年、運行ルートの見直しを検討した際に、料金をどうするかについても議論を行っておりますが、まず、負担が多くなると思われる高校生の通学での利用について、低額な定期券制度を導入したところであります。
当面は、この定期券制度での利用状況を見極めるとともに、子ども料金の設定を求める要望が増えてくれば、その料金の設定について柔軟に議会の皆さんとも相談しながら対応していきたいと考えております。
次に、誰もが隣の市や町にも行けるようにするべきだとの質問についてでありますが、町が行ってきたさまざまなアンケートの結果から、隣接市町への町営バスの運行、特に公的病院への運行に対する要望が多いことは承知いたしております。
しかしながら、近隣市町の公的病院への運行となると、町内の医療機関との関係や、独自に送迎バスを運行されている民間病院との兼ね合いもあり、慎重な検討が必要と考えられます。また、実際に運行するとなると、朝日町では公共バスのみの運行であることから、お互いの協議が整えば運行は可能なものと思われますが、黒部市においては、民営バスとの路線の重複といった課題もあり、調整は難しいものと考えております。さらには近隣市町へ町営バスが乗り入れることによって、北陸新幹線開業後の並行在来線への影響も少なくないのではという懸念もあります。
地域公共交通という総合的な視点から見ると、町営バスと今後の並行在来線とは相互に補完しながら運行することが望ましく、また、マイレール意識の醸成という観点からも、お互いのバス事業者が並行在来線と連携した運行を行っていくことも運行方法の一つであると考えております。
しかしながら、北陸新幹線開業を契機とした2次交通の整備や観光周遊バスの広域的な運行の検討が必要となっていることから、今議会の補正予算において、2次交通整備についての基礎調査費用を計上しているところであります。
この補正予算案について議決をいただけますならば、近隣市町と相談しながら最適な2次交通のルートやダイヤの検討を行ってまいりたいと考えております。
また、2次交通の実施に伴う現在の町営バスの運行体制の見直しの必要性についても検討し、あわせて収支シミュレーションを行い、実施の可否を判断するための基礎調査をしてまいりたいと存じます。
現在の6路線を1日4往復する運行体制においては、近隣市町への運行は難しいものと考えておりますが、この調査にあわせて、さらに検討したいと考えております。
また、戸口から目的地へ行けるタクシーについても、交通空白地域の解消に有効な手段であることから、基礎調査とあわせて検討を進めてまいりたいと考えておりますので、御理解をいただきますようよろしくお願いを申し上げ、答弁とします。
77: ◯副議長(中瀬範幸君) 続いて、沢スギの環境整備について、岩田教育委員会事務局長。
〔教育委員会事務局長 岩田 毅君 登壇〕
78: ◯教育委員会事務局長(岩田 毅君) それでは、杉沢の沢スギの環境整備についてお答えいたします。
沢スギの特徴である伏条更新や根元からの萌芽性など沢スギの特異な植生を保つため、平成21年3月に作成した管理マニュアルに従いまして、年次作業計画を立てながら沢スギを4分割に区分し、枝打ち、間伐、雑木伐採、さらに林内の地下水を補うための林内流入や溝掘りなどの保存整備を順次実施してきたところであります。
しかしながら、平成21年度から平成23年度にかけて実施した結果、一部に「伐採し過ぎたのではないか」という声が聞かれたことから、今までの整備方法を見定めるために専門家の意見を聞く杉沢の沢スギ環境整備検討委員会を設置したところであります。
この第1回委員会においては、天然記念物指定当時の、あるべき沢スギの姿をつくることが前提で、そのためにはまず、林内の植生調査などの現況調査を実施し、それをもとに、不要なスギの伐採、繁殖の多い植物の除去等環境の保全にもっと力を入れなければならないとの御意見をいただいたところであります。
今後、現況調査の結果や委員会の意見等を踏まえながら、環境整備に取り組んでいく所存でありますので、御理解のほどよろしくお願いいたします。
79: ◯副議長(中瀬範幸君) 続いて、ジオサイト、ジオパークについて、梅津企画財政課長。
〔企画財政課長 梅津将敬君 登壇〕
80: ◯企画財政課長(梅津将敬君) 九里議員のジオパークへの取り組みについての御質問にお答えさせていただきます。
ジオパークの認定につきましては、ことし1月に、県東部の関係者を中心とした黒部・立山ジオパーク研究会が設立され、現在、平成26年秋の日本ジオパーク認定を目指していると聞いているところであります。
さきの6月定例会以後の経過といたしましては、去る6月28日に、認定条件の1つである日本ジオパークネットワークの準会員に登録され、現在は関係市町村への理解と協力を求めるとともに、ジオパークの地域への認識を深めるために出前講座等を開催されており、当町におきましても、8月18日に開催されました黒部川扇状地研究所の夏季研究例会におきまして講演を実施しているところであります。
これまでも議会において答弁してきたとおり、町では黒部川扇状地を中心とした水と大地の恵みを天然の博物館、いわゆるフィールドミュージアムと位置づけ、地域の魅力の発見、発信や普及啓発に取り組んできたところであります。また、黒部川扇状地研究所や黒部川扇状地フィールドミュージアム事業推進協議会の取り組みにつきましては、まさにジオパーク活動そのものであると捉えているところであります。
町といたしましては、ジオパークの認定ということにつきましては、新たなブランドを身につけるということで大いに期待するものであります。しかしながら、認定に向けた活動に加え、さまざまな面において活動を行っていく必要があるとともに、現在行っている扇状地フィールドミュージアム事業のジオパーク事業における位置づけが不明確であり、ジオパーク事業そのものが経費的な面も含め、屋上屋を重ねるものではないかと危惧するものであります。
一方、議員御指摘のとおり、町がジオパーク認定に向けてかかわっていくとすれば、観光や地域振興のみならず、環境や防災、教育などのさまざまな観点から総合的に見たまちづくりの中でメリットも期待できるものであります。
とりわけ、議員御提案のとおり、入善町には杉沢の沢スギをはじめ町内各地で湧き上がる湧水などジオサイトとして目玉となり得る地域資源や、ジャンボスイカやチューリップなどの県内外に誇ることのできる特産物を数多く有しているところであります。県東部地域が一体的にジオパークとして認定されれば、これまで個々の観光資源として注目されてきた立山・黒部などをジオパークの拠点としつつ、それらを取り巻く広大な自然環境や文化・歴史、生活等を一体の資源と捉え、エリアやコースなど連続的な観光商品へと発展させていくことも期待されます。
また、ジオパーク認定の2次的な効果といたしまして、観光客等の入り込みによる経済的な効果も期待されるところであります。さらには、平成27年3月に開通予定の北陸新幹線による首都圏からの交通利便性の向上等も、この地域への人の流れを後押しするものと考えているところであります。
町といたしましても、このような変化を町活性化の契機と捉え、観光物産協会などの取り組み等も生かしながら、経済的にもメリットを見出すことのできるような受け入れ体制づくりにも努めてまいりたいと考えております。
いずれにいたしましても、多くのジオサイトを有する県東部地域の自治体や関係団体が一致団結する必要があり、連絡を密にしてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
81: ◯副議長(中瀬範幸君) 次に、高齢者問題について、小堀健康福祉課長。
〔健康福祉課長 小堀 勇君 登壇〕
82:
◯健康福祉課長(小堀 勇君) 九里議員の高齢者問題に関する質問にお答えします。
まず、要支援1・2を介護保険制度から切り離し、市町村に任せることにどう対応できるかについてであります。
政府の社会保障制度改革国民会議では、要支援認定者向けのサービスを介護保険の保険給付から切り離す提案をしております。要支援認定者向けのサービスをどのように変えるのか、現在のところ具体的には提示されていませんが、市町村事業に移行された場合、介護予防サービスは市町村の裁量で行うこととなります。地域の実情や住民ニーズに応じた事業、サービスを町独自で行うことができるようになる一方、これまでのサービスを低下させないよう、また、介護予防効果を高めるよう、組織面や財政面の体制整備などが必要となります。
新川地域介護保険組合の資料によりますと、本年6月末現在、本町の要支援1・2の認定者数は397名で、そのうち介護予防サービスを利用しておられる方は277名、約70%であります。利用の一番多いサービスは通所介護、次いで訪問介護、福祉用具貸与となっております。
町といたしましては、これまで以上に介護予防の成果が向上するよう、国の動向を見ながら万全を期したいと考えておりますが、もとよりその内容が単に市町村に負担を押しつけるだけのものであれば、明確に異論を唱えたいと考えております。
次に、国が高額所得者の介護サービスの自己負担分を2割にするとの方針についての御質問にお答えします。
厚生労働省は、現在一律1割となっている介護サービス利用の自己負担割合を、一定以上所得者にあっては引き上げを検討し、第6期介護保険事業計画が開始される平成27年度をめどに必要な措置を講じるとしています。
夫婦の年収が三百数十万円を超える世帯で2割へ引き上げる方向で検討に入っていると報道されているところですが、これは有識者による社会保障制度改革国民会議がまとめた報告書で「一定以上の所得のある利用者の負担は引き上げるべき」との提言を受けたものであり、秋から社会保障審議会で見直し作業を本格化させるとのことであります。
引き上げ対象の年収基準については、典型的な年金収入の水準、会社員OBの夫、平均的な給与で40年間勤務の場合と、専業主婦の世帯では年金収入が年277万円、高齢夫婦世帯の平均的な消費支出は年間286万円であり、こうした家計の実態を考慮し、負担増となる対象者の範囲を定めるとのことであります。
一方で、自己負担が重くなったときや、所得の低い方には負担を軽減する仕組みは引き続き措置されるとのことでありますが、今後の国の動向を注視してまいりたいと考えております。
次に、特養の個室型の利用料は高額であり、国は多床室の施設整備にも財政支援をすべきとの質問にお答えします。
特別養護老人ホームの費用は要介護度や部屋のタイプなどによって異なり、また、居住費、食費、日常生活費が別途負担となります。
御質問のユニット型個室は、共同生活室としてのリビングを併設している個室を示し、多床室とは、定員2人以上の居室を指します。職員の配置は、多床室においては入所者3人に対し1人の職員が配置される一方、ユニット型の個室では入所者2人に対して1人の配置で運営され、介護がより入居者本位で密着した介護が展開できるというメリットがあります。しかし、費用面を見ると、要介護5の方の場合、ユニット型個室では合計13万円程度の負担が必要となります。一方、多床室では合計7万8,000円程度であることから、ユニット型個室では負担増となります。
ただし、介護サービス費及び食費と居住費につきましては、住民税が非課税の世帯を3段階に分けて利用者負担の限度額を設定し、負担を軽減することとされております。
その結果、おおよその目安でありますが、月の利用料は、第1段階ではユニット型個室が4万8,600円、多床室で2万4,000円、第2段階ではユニット型個室が5万1,300円、多床室で3万6,300円、第3段階ではユニット型個室が8万3,400円、多床室で5万3,700円となっております。
国の基準では、多床室を設けることについて都道府県条例での裁量を認めているものの、原則は多床室を認めておりません。
本年4月施行の当該県条例では、低所得の入所者に配慮して例外的に特養に多床室を認めるものとなっておりますが、ユニット型以外の増床については、県の補助金交付の対象とはなっておりません。現行の新川地域介護保険組合の第5期事業計画でも、施設計画はユニット型の整備となっており、多床室の増床計画はありません。
今後、町として何ができるのか、何をやるべきかということなど、次期の介護保険事業計画に向けて構成市町と連携しながら検討してまいりたいと考えておりますので、御理解をお願いして、答弁とさせていただきます。
83: ◯副議長(中瀬範幸君) 再質問を受けます。
14番 九里郁子君。
84: ◯14番(九里郁子君) 沢スギの管理について再度お尋ねいたします。
先ほどの答弁では、平成21年、23年とやったけども、伐採し過ぎだという声があったということから、今手をつけていないようですが、皆さんもよく知っておられると思うんですが、既に退職されたこの入善町の職員の方で、沢スギに大変詳しい方がこうおっしゃっていました。昔、あちこちに沢スギがあったころですが、「よく手入れされた沢スギ林は、林の向こう側が見通せたものだ。それくらいにしっかりと伐採、間伐がされ、光が行き届いていた」ということの表現だと、私はそのときに聞いて思いました。
私たちは何回も杉沢へ足を運んだんですが、適切に間伐して整備されて、光が根元のほうに届いている、そのところにはコケが生えまして、実生の沢スギが何本も生えておりました。これが本来の杉沢の沢スギの姿であったはずであります。
お聞きしますが、今の検討委員会の中の委員の1人、県森林研究所ですか、そこの研究員の方がおられるはずですが、その方は、今の伐採し過ぎだというやり方に対してどのような意見を持っておられるか、聞かせてください。
85: ◯副議長(中瀬範幸君) 岩田教育委員会事務局長。
86: ◯教育委員会事務局長(岩田 毅君) 現実に、今回、環境整備検討委員会をこの6月に発足をしたところでありますが、この中には、富山県の森林研究所副所長の方が入っていただいております。
会議の中の意見といたしましては、地元の方々の意見、それから委員会の中の委員長等の意見もあるんですけれども、本来の沢スギの見通せるくらいのきちんと管理をした沢スギという形に戻すために、まず何をすればいいかというところになりまして、先ほど申し上げさせていただきましたけれども、植生調査をまずやらなければならないということで、実際に町のほうで整備しております沢スギ自然館、それから木道、それから展望台とか展望デッキとかそういうものもあるわけなんですけれども、本来の姿にまず戻す努力を行っていかないとならないのではないかという御意見でございましたので、先ほどの答弁のように答えさせていただいたところでございます。
87: ◯副議長(中瀬範幸君) 14番 九里郁子君。
88: ◯14番(九里郁子君) 植生調査の調査員ですが、一体どういう人たちを考えているんでしょうか。いろいろ耳に入ってくるんですが、私は、こうした森林研究所の先生がせっかくの検討委員会の中の一員ですし、また県などにも依頼して、本当に専門の皆さんに入っていただくと。これは国の天然記念物なんですよ。ただ、立派な林があるな、ここをきれいにせんならんなというものではないんです。ずっと子々孫々まで残していかなければならない責任が、今を生きる私たち、特に行政にはあります。
そういう意味で、この植生調査に真剣に取り組むことがまず基本だと思います。
先ほどの森林研究所の副所長さんの話を聞けば、なおそう思いますが、調査員をそういうところに依頼するなど、きちんと検討されているんでしょうか。
89: ◯副議長(中瀬範幸君) 岩田教育委員会事務局長。
90: ◯教育委員会事務局長(岩田 毅君) 委員の皆様には、地元の常に観察をしていただける方を中心にしながら選考していくということで、今進めておるところでございます。
91: ◯副議長(中瀬範幸君) 14番 九里郁子君。
92: ◯14番(九里郁子君) その方々も、年々時間がたてば年齢も重なります。体も大変苦しい思いをしておられます。そしていろんな仕事もしておられます。
私は、やっぱり本当にもっと元気な人たちで、その人たちに負担がかからないように、補助的にやってもらうのはいいです。中心になってもらうというのは、あまりにも酷な話であります。県の森林研究所の副所長さんが幸い委員の1人ですから、所長さんに、ぜひともお願いをして、県の力をかりる。そして県下のそうした専門的な植物に詳しい人たちを植生の調査員にするよう積極的に対応していただきたいことを、これは要望しておきます。
それから、ジオパークに関してでありますが、排砂の件です。
たしか8月23、24日、連携通砂が行われました。その後、細砂通過放流もありましたけれども、その前にも今もですが、川へ行ってみると濁りが、いわゆるササの葉っぱの裏のようだから「ササ濁り」という言葉もあるんですが、ササ濁りが続いています。しかし、舟見地区を流れる愛本新用水の水、これはほとんど濁っておりません。それはなぜか。これは宇奈月ダムから取水しているのであります。ということは、宇奈月ダムから下流に、連携通砂の後に排砂と同じような自然流下を長くやっていませんから、やはり泥がたまっているのだというふうに考えられないかということです。
それで私が述べたいのは、通砂の後も、排砂時のように一定時間、追加放流が必要だと思いますが、いかがですか。
私の家の前には、あの敷地に流れる愛本新用水の水はほとんど透き透きです。しかし、今来るとき見てきたら、合口から流れてくる入善町の町内を流れる用水の水はササ濁りです。一定期間追加放流、どのようにお考えになりますか。どなたでも答弁してください。
93: ◯副議長(中瀬範幸君) 窪野建設下水道課長。
〔建設下水道課長 窪野 修君 登壇〕
94:
◯建設下水道課長(窪野 修君) ただいまの件につきましては、通砂の後の追加放流をもっとしたほうが、よりきれいな水が今後流れてくるんじゃないかということだと思います。
現在の状況を言いますと、連携通砂の後、連携排砂もそうですけども、連携通砂の後にフラッシュ放流といいまして、3時間300トンの水を流すと。一定の通砂作業が終わった後に、川の掃除をさせるというために、3時間300トンの水を流すフラッシュ放流という作業を行っております。それが現在のやり方ということで、国土交通省、それから関係機関のほうで話し合われてなされているという現状でございます。
95: ◯副議長(中瀬範幸君) 14番 九里郁子君。
96: ◯14番(九里郁子君) 現状はわかりました。だから、ササ濁りなんです。300トンのフラッシュ放流では足りないということが、現実に宇奈月ダムから取水する愛本新用水の水と、宇奈月ダムから下流の黒部川の合口用水から取水する入善町の中を流れる水路の水が明らかに違うんです。比べてみてください。それは、やはりフラッシュ放流の3時間300トンというのは少ないと、足りないと。だから、連携排砂のように一定期間追加放流をすることが、私は、町長、これはあなたが入っておられる委員会できちんと言っていくことがこれから必要ではないかと。ジオサイトだ何だといっても、追加放流をきちんとやらないために清流じゃなくなっているということでは大変悲しいと思いますが、そうした意見をきちんと土砂管理協議会の中で言っていくことが必要だと思いますが、いかがですか。
97: ◯副議長(中瀬範幸君) 米澤町長。
98: ◯町長(米澤政明君) 今ほど聞きまして、私は下流のほうしか見ていないものですから、雨か何かの関係でこのようになっているのかなと思っておりました。上のほうのそういうきれいな水というのは見ていなかったものですから、そういうことになれば、いま一度、見まして、言うべきことは言っていかなければいけないと思っております。
99: ◯副議長(中瀬範幸君) 14番 九里郁子君。
100: ◯14番(九里郁子君) ジオパークのジオサイトの件ですけれども、言ってみれば、ジオパークの見どころ、これがジオサイトと言われるそうですけれども、ありがたいことに入善町にはたくさんのジオサイトがあるなということを思っております。先ほど課長のほうから言われたものは、まさにそのとおりですし、さらに三段階になっている河岸段丘にある坪野遺跡とか、それからバーデン明日などの温泉、じょうべのま遺跡、中世期末の山城跡と言われる舟見山自然公園、あそこの夕日は大変すばらしい眺めであります。それから旧舟見宿の枡形、小摺戸の霞堤、また、たくさんの歴史にかかわりの深い祭りも入善町にはあります。私は、こうしたことを改めて町民が誇りに思う、ジオサイトに誇りを持てる、そのことがジオパークに認定されたときに、単なる世界遺産との違いは地域の人のかかわりがあって初めてですので、やっぱり地域の人にそうしたことをきちんと研修会などでやっていく、そのことをやっていかないと、ジオパークに認定されたとしても大変苦労だけが多くなると思います。
最後に、介護保険関係のことで申し上げます。
要支援1・2の人たちが介護保険のサービスから切り離されるということで大変大きな問題になっているわけですけれども、決まったわけではないんですが、来年の法改正ですると言っておりますけれども、この要支援1・2の人たちが要介護に行かないように、デイサービスやショートステイ、いろんなことをやることが、まさに介護予防そのものだというふうに言われているし、私もそう思います。
特に問題は、多くの人たちが認知症になっていく、そういう時代にあって、認知症の人たちは初期の段階でデイサービスに通うこと自体が重度にならない予防だと言われております。認知症の家族を抱えた人たちは大変な苦労をしておられます。まして要支援1・2、これから要介護1・2では施設にも入れなくするということを国は言っております。そうした家族の人たちは、重度化していく本人もかわいそうなら、抱えた家族も大変、まさに共倒れになることが本当に心配されるわけであります。
そういう意味でも、1つ町長の認識をお尋ねしたいんですが、要支援1・2の人であっても、年金から保険料が天引きされているわけです。それなのにサービスが受けられない。それは、介護保険制度への信頼をさらに損なうことになるのではないかと思います。
町長、あなたは黙ってそれを受け入れるおつもりでしょうか。
私は、先ほど答弁の中で、これではなくてお金のことでしたが、夫婦2人で三百数十万円、これは最初のころ、国は何と言っていたか、去年までは二百数十万円と言っていました。しかし全国から抗議の声が上がって100万円上がったんですよ。そのように、必ず決まる段階までに世論が国の政治を動かしていくと思います。
入善町が本当に要支援の人たちを支え切ることができるのか、そのことを真剣に考えたときに、年金から介護保険料を取られている以上は、必要なサービスを受ける権利があるはずだということを、そして自治体としては、とてもそういう余裕はない、マンパワーも大変だ、そうしたことをそれぞれの市や町の首長さんたちが一致団結して国に抗議の声を上げていく、そのことが思いとどまらせるかもしれません。そういう意味で、町長の見解をお聞きして、私の質問を終わります。
101: ◯副議長(中瀬範幸君) 米澤町長。
102: ◯町長(米澤政明君) 今ほど九里議員から言われたように、確かに大変なことになるような気がいたしております。まだなっておりませんので、これからならないようになるのがいいのか、やはり国の考え方として、それに従うべきなのか、そこら辺を近隣市町村の皆さんとともに話をしながら取り組んでいきたいと思っております。
103: ◯副議長(中瀬範幸君) ここで暫時休憩いたします。
午後3時05分から再開いたします。
午後 2時48分 休憩
─────────────────────────
午後 3時05分 再開
104: ◯議長(
長田武志君) 休憩前に引き続き開議いたします。
町政一般に対する質問を続行いたします。
1番 野島 浩君。
〔1番 野島 浩君 登壇〕
105: ◯1番(野島 浩君) ただいま議長より御指名をいただきました野島です。一般質問初日、最後の登壇者となります。当局、議員の皆様並びにケーブルテレビをごらんの皆様、大変お疲れとは思いますが、いましばらくおつき合いのほどお願いいたします。
早いもので私も、任期中最後の質問となりました。過去を含め16回の質問の機会全てに登壇させていただきましたことは、御支援をいただいた方々や関係者の方々など全ての皆様に感謝するものであります。
それでは、感謝の誠を込めて、以下、通告に従い順次質問に入ります。
まず第1点目は、広域消防の現状とその後の経過についてであります。
消防の広域化については、当入善町議会でも3年有余から5年の長期間にわたり、その構成市町の枠組みや広域消防のあり方について激しい議論がなされ、鳴り物入りで発足した経緯があります。そして平成24年度3月末にスタートして、はや半年が経過するところであります。
東日本大震災などの大規模な災害を想定し、消防行政における財政基盤の強化並びに消防力の強化による住民サービスの向上を大命題として、本町議会においても活発な議論が交わされました。最終的に、黒部市、入善町、朝日町の1市2町の枠組みによる広域消防がスタートしたところであります。
当時、町民の皆様からは、「消防の広域化って何ながけ?」あるいは「消防団が一緒になるだけのことながけ?」などと多くの意見が寄せられ、広域化への関心は非常に高かったことを記憶しております。そして、スタートから半年が経過した今、何がよかったのか、広域化が町民生活にどのようにかかわり合っているのかなど、改めて町民の皆様から生の声を聞くことがあります。
火災や災害はあってはならない。本町においても、無火災を約2年近く継続しております。また、猛暑にもかかわらず、ことしの夏は熱中症による搬送者が昨年よりも若干少ないとの報告も受けております。しかしながら、近隣市町の数少ない火災等の事例を検証しつつ、高機能を持つ消防指令台を中心とした日常業務がいかに住民のサービスの向上につながり、効果が出ているのか。さらに入善署管内では、昨年よりは少ないとはいえ、全国では5万人以上の熱中症による搬送者を記録したということからも、救急救命の現場は、ことしの夏も大変であったことは説明を受けるまでもないところであります。特に、指令業務の一元化による心肺停止などの1分1秒を争う救急救命への初動体制の確立や現着時間の短縮など、半年間にわたる指令台機器類の運用あるいはその経験を継承して、本町にとって広域化における当初の目的が順調に達成されているのか、現時点での総合評価を問うものであります。
さらに、今後建設予定である入善消防防災センターなどについても、広域化がどのようにかかわってくるのかをあわせてお伺いいたします。全て町民の皆様が大変気にしておられる点であります。
次に、2点目の質問は、全国植樹祭についてであります。
全国植樹祭は、毎年、天皇皇后両陛下の御臨席のもとに、国土緑化推進機構と開催地である県の共催で開かれております。4年後の富山県での開催は、2年後に開業を控える北陸新幹線の利便性を全国にアピールする絶好の機会でもあります。
私は、6月議会において、森林の持つ広域的多面性についての森林行政について若干質問いたしました。その際、全国植樹祭については4年後の2017年開催予定とのこともあり、また、それについて触れる時間的な余裕もなく、質問に至ることがかないませんでした。しかし、去る8月9日に、富山県での開催が正式に内定したとの報道がありました。植樹祭については48年前に砺波市で開催されており、春先より、今回は新川地域での開催が望ましいのではないかとの石井富山県知事の発言もあり、また、県では、仮称ではありますけれども、全国植樹祭富山県準備委員会を9月早々に設置し、候補地を新川地域を軸に本年度内に決定するという方針も報道され、入善町での開催も夢ではないという思いから、今回質問通告を出させていただいたところであります。
しかしながら、通告の3日後に、黒部市の新川育成牧場周辺あるいは魚津市の桃山球場周辺の2カ所が候補地として準備委員会にて検討されているとの報道がなされ、今から思いますと、大変に大きなタイムラグがあったなと、非常に残念な思いでもあります。しかしながら、全国から数千人から1万人の来場者が見込まれる一大イベントでもあります。1つの市、町、単独では、受け入れ体制などなかなか対応し切れない行事でもあります。
植樹祭は森林の持つ多面性を再確認し、本町はもとより新川地域一帯の森林整備や里山の保全、緑の森づくりに対する理解を深めるための絶好の機会でもあります。さらに、2017年の開催は、北陸新幹線開業後の初の大型行事でもあり、開催地のみならず新川地域一帯を見据えた広域観光としての起爆剤ともなり得ることが当然考えられます。新幹線新駅、黒部宇奈月温泉駅より数分の距離に位置する我が入善町としても、町としての観光や物産を全国にアピールする絶好の機会と言えるのではないでしょうか。
現在、新川地域内での候補地はあくまでも候補地として、しかし、まだ特定の市、町が正式に決まったわけではありません。1つの市、町、単独で開催にこぎつけるのか、あるいはオール新川で開催に協力するのか、候補地選定に対しての本町の対応を伺うものであります。
最後の質問になります。
最後の質問は、小中学校の学校週5日制の見直しについてであります。
今議会の先ほどの一般質問でも同僚議員が質問しておられましたが、先ごろ公表された全国学力テストの結果では、富山県の総合順位が前回よりも落ち、その学力低下を懸念する声が多く新聞報道されております。現場を預かる教職員の先生方からは、新学習指導要領の完全移行に伴い、毎日がほとんど6時間授業であり、その授業時間の確保すら大変厳しいという声も聞きます。学力の低下自体は、保護者、教職員のみならず、私も町民の一人として大変に気になるところではあります。しかし、現状を見ると、学校は今、ただ勉強するだけのところになりつつあるような気がいたします。
今から約10年前の平成14年に学校週5日制が完全実施されました。当時もゆとり教育の名のもとに、今と同じく「生きる力を育む」というフレーズがありました。しかし、今またゆとり教育の脱却をうたって、新学習指導要領への移行においても、「生きる力を育む」ことを大命題としております。
本町教育現場では、決してそのようなことはないと私は確信しておりつつも、私の全くの私見で大変乱暴な言い方かもしれませんが、ゆとり教育の名のもとに、その間、陰湿ないじめだけが増えてきているような気がしてなりません。本来、「生きる力を育む」とは、子どもたちにどのような環境づくりを提供していけばよいのか。
私は、平成23年9月議会において、また、平成24年9月議会において、新学習指導要領移行に関して、教育一般について質問させていただきました。その中でも、平成23年9月議会において、「生きる力を育む」とは、人間力を養うことであり、地域力を養うとも言えるのではないかと質問をした記憶があります。郷土の歴史や文化、民話や風習など、今は徐々に失われつつあるもの、あるいは完全に失われたものを入善町独自の裁量権で事業化できないものか提案させていただきました。
今、全国的に文部科学省の指導のもと、土曜日の授業再開などが試験的に実施されておりますが、本町ではどのように捉えておられるのでしょうか。
私は、ここで再度提案しますが、隔週、少なくとも月2回程度の土曜日の授業の再開を本町において検討してはいかがでしょうか。学力の向上だけを目的とした開催ではなく、土曜日を利用しての体験学習や、親や地域の人たちがオープンで参加できるような、入善町独自の公開授業などできないものか、あるいは町内外の語り部の方などにも参加していただき、ふるさとや郷土の民話をはじめとする地域密着型の歴史教育としての環境づくりこそが真の「生きる力を育む」ということになるのではないでしょうか。ほかには見られない入善町独自の教育環境づくりこそが、子育て世代の若者定住促進や子どもたちが将来も住み続けたくなるようなまちづくりにつながるような気がしてならないのであります。
ゆとり教育を掲げて学校週5日制がスタートした当時とは、現在、社会環境も変化してきております。土曜日の授業再開についてのアンケートや意向調査なども検討してみてはいかがでしょうか。教育委員会当局の見解を伺い、私の最後の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。
106: ◯議長(
長田武志君) それでは、答弁を求めます。
まず、広域消防の現時点での評価について、米澤町長。
〔町長 米澤政明君 登壇〕
107: ◯町長(米澤政明君) それでは、野島議員の御質問のうち、広域消防がスタートして半年が経過した現時点での評価についてお答えをいたします。
御案内のとおり、さらなる消防力の強化を目指すため、黒部市、入善町、朝日町の3つの消防本部を統合し、本年3月30日に新川地域消防組合が発足したところであります。
広域化を図ったことによって、車両の出動計画の見直しや大規模災害にも対応できる人員の確保、さらには特殊な消防資器材の整備等が可能となり、消防力の強化の面においては大きな効果があったものと考えております。
また、消防の広域化に伴う施設整備に対しましては、大変有利な国の支援制度があることから、消防組合が行う消防救急無線のデジタル化事業、あるいは町が進めております入善町消防防災センター整備事業では、その有利な財源を活用することにしており、財政面においても大きな負担軽減が図られることになります。
さらに、日々の救急業務におきましても、現場到着時間を短縮できることが広域化の最も大きなメリットの一つであることから、これまでの市、町の境界にとらわれない形での出動範囲の見直しや出動体制の強化を図ったところであります。
その結果、現場到着時間が最大で2分間短縮したことにより、救急では確実に救命率の向上につながり、また、火災では延焼防止が図られることから、住民の安全・安心の確保に大きく貢献しているものと考えております。
これらのことから、現時点で総合的に評価させていただくならば、広域化により組織のスケールメリットが最大限に生かされることにより、今後、着実にその成果があらわれていくものと高く評価し、また期待もしており、広域化を行ったことが最良の選択であったと確信をしております。
今後とも消防組合と構成市町が連携し、消防団の御協力をいただきながら、地域住民が安全で安心して暮らせるまちづくりを推進してまいる所存でありますので、議員各位の御理解を賜りますよう、よろしくお願い申し上げ、野島議員の答弁とさせていただきます。
なお、そのほかの質問に対する答弁は、教育委員長及び担当課長からさせていただきますので、よろしくお願い申し上げます。
108: ◯議長(
長田武志君) 次に、小中学校週5日制の見直しについて、柳澤教育委員長。
〔教育委員長 柳澤 功君 登壇〕
109: ◯教育委員長(柳澤 功君) 野島議員御質問の学校週5日制の見直しについてお答えいたします。
議員御承知のとおり、新学習指導要領は、小学校は平成23年4月から、中学校は平成24年4月から完全実施となりました。中でも、授業時数の確保につきましては、各学校とも学校行事を見直し、家庭訪問や保護者面談を夏季休業中などに変更するなどの具体策を講じ、子どもたちや保護者の皆様の負担とならないよう工夫し、取り組んでおります。
学校週5日制は平成14年度から完全実施されましたが、その後、学力低下や地域活動など、当初想定していた土曜日の過ごし方が実現できていないなどとの指摘がされるようになり、土曜授業導入の議論に至っております。
現在、各学校による土曜日を利用した活動につきましては、PTA授業参観や運動会、体育大会、学習発表会や学園祭、親子活動などがありますが、体験学習などの実施までには至っていない状況があります。
土曜授業につきましては、文部科学省が学力向上に向け平成26年度から補助制度を設ける方針であり、3年間で全公立校での土曜授業実施を目指したいとして、新年度予算概算要求に盛り込むとしております。
一方、文部科学省の土曜授業に関する検討チームの中間まとめによりますと、全国一律での土曜授業の制度化については、今後、教育課程全体のあり方の中で検討すべきである。また、質の高い土曜授業実施のための支援策や、土曜日の地域における学習やスポーツ、体験活動などさまざまな活動を一層促進するための方策など、子どもたちの土曜日をトータルとして、より豊かで有意義なものとするための施策についても検討すべきであるという意見が出ております。
土曜授業をどのように行うかは学校の判断に委ねられることになりますが、文部科学省では、例として、地域と連携した体験活動や、豊かな知識・経験を持つ外部人材の協力を得るなど土曜日に実施するメリットを生かしながら、道徳や総合的な学習、特別活動などの授業を行うなどといった工夫を期待しているようであります。
町教育委員会では、土曜授業を実施する場合、どの程度の頻度とするかは、学校や地域の実情、子どもたちの負担等も踏まえながら、今後、適切に判断していく必要があると考えております。
議員御指摘のとおり、生きる力を育む礎は、先人からの地域力・人間力を伝承することであり、小学生で触れ、中学生で知り、そして郷土を愛し、次代へ伝えるシステムづくりが必要と考えております。地域の身近な民謡や地域芸能を皆で見聞きすることも大切な教育の一つであります。
将来を担う子どもたちの根幹には「ふるさと」があります。子どもたちに、入善町にずっと住み続けたい、一旦離れても入善町に戻りたいと感じてもらうためには、ふるさと入善町のすばらしさを体験してもらい、郷土への愛着と誇りを育むことが大切であると考えられます。
学力の向上はもちろん重要ではありますが、これからの時代を担う子どもたちには、社会の形成者として学び合いや体験を中心とした学習活動を通して、郷土を愛する心を培い、心身ともに健全で、情緒豊かな人間に育ってもらいたいと考えます。
そのためにも、通常の授業では十分と言い切れないふるさと教育が必要であり、それが生きる力に結びつくと感じております。
土曜日の授業再開につきましては、アンケート調査を行うことも必要と考えており、国や県、近隣市町村の動向や学校、地域の実情も踏まえ、慎重に対応してまいりたいと考えておりますので、御理解、御支援のほどお願い申し上げ、野島議員の答弁とさせていただきます。
110: ◯議長(
長田武志君) 続いて、広域消防の運用と検証について、広野消防署長。
〔消防署長 広野 淳君 登壇〕
111:
◯消防署長(広野 淳君) 野島議員御質問のうち、2点目の火災、災害の多様化への対応、特に指令業務の一元化による初動体制を検証して、当初の目的が順調に達成されているか、見直す課題はないかという点についてお答えします。
まず、指令業務を一元化することによる火災や災害発生時における初動体制の対応を検証した結果についてでありますが、具体的に事例を挙げて説明いたします。
建物火災については、広域前までは、それぞれ1消防本部でありましたので、初動体制としては、消防署から2台の消防車を出動させ、消火する体制をとっていました。現在は、4消防署から4台の消防車と1台の救急車を出動させ、消火体制の強化と消火までの時間の短縮を図るとともに、火災現場のけが人に備える救急体制となっております。
一般の救急事案については、あらかじめ消防署により出動管轄は決められておりますが、出動が重なる事案が1署で対応できない場合には、随時直近の救急車を出動させることとしております。
また、火災や救急事案については、それぞれの市町の消防署で管轄していた出動区域の一部を見直し、現場到着までの時間の短縮を図りました。
具体的に申しますと、救急出動では、朝日町管内の下山新地区への救急要請に、入善消防署から出動したことによって、出動から現場到着までの時間が約2分短縮されました。同じく入善町管内の古黒部地区への救急要請に、朝日消防署から出動したことによって、現場到着までの時間が約2分短縮されております。また、従来、宇奈月消防署の管轄であった愛本新下区地区への救急要請に、入善消防署から出動したことによって、出動から現場到着までの時間が約1分半の短縮が図られました。
これらの検証結果としては、現場到着までの時間が2分短縮したことは、救急における傷病者の救命率の向上はもとより、火災における延焼の拡大防止が図られるものと考えております。
次に、本町にとって当初の目的が順調に達成されているかについてでありますが、新川地域消防組合運営計画の中に初動体制の強化が挙げられており、この強化策については、災害時には複数の消防署から出動して初動対応に当たるとともに、2次的災害に備えた増援体制を確保することとしております。また、高機能指令システムにより的確に災害地点を検索し、指令を出すことで、現場到着までの時間の短縮や被害の軽減を図っております。
まだまだ発足から日もなく、データが少ない中でのことではありますが、当初の目的に沿って順調に進んでいるものと考えております。
次に、見直す課題がないかについてですが、消防業務全般について定期的に見直していく必要があり、この中で課題を洗い出し、問題点があれば直ちに改善していくことで対応していきたいと考えております。
また、現場活動をスムーズに行うためにも、各市町の消防団との連携が必要となる場合もあるため、正副団長で構成される新川地域消防団連絡協議会と連携し、調整を図っていきたいと考えておりますので、御理解を賜りますようお願いいたします。
御参考までの報告となりますが、発足から8月末までの新川地域消防組合管内で発生した火災は6件、救急件数は1,075件となっております。
入善町では、火災は一昨年から無火災を673日間継続しており、救急件数は発足から同期まで317件、うち急病が209件となっております。また、特に今年の夏も厳しい暑さとなった中、熱中症の発生状況は新川地域消防管内では29件、入善町では8件の事案があり、昨年より9件減少していることを御報告させていただきます。
以上、野島議員の御質問に対しての答弁とさせていただきます。
112: ◯議長(
長田武志君) それでは、本日最後の答弁ということで、全国植樹祭について、窪野建設下水道課長。
〔建設下水道課長 窪野 修君 登壇〕
113:
◯建設下水道課長(窪野 修君) 野島議員御質問の全国植樹祭についてお答えいたします。
全国植樹祭は、豊かな国土の基盤である森林や緑に対する国民的理解を深めるため、毎年春に、天皇皇后両陛下御臨席のもと、公益社団法人国土緑化推進機構と開催県の共催により行う国土緑化運動の中心的な行事であります。これは、1950年4月に、植樹行事並びに国土緑化大会として山梨県で開催されたのが第1回目であります。今年度は鳥取県、来年度は新潟県、そして石川県、長野県と続き、2017年の平成29年度に富山県で第68回の開催が内定しております。
ことし5月、滑川市で開催されました「とやま森の祭典」におきまして、石井知事は挨拶の中で、全国植樹祭は、1969年に砺波市頼成の森で開催して以来、48年ぶり2度目の開催になる。前回の開催地、砺波市選定の経緯や県内のバランスを考えると、今回は新川地域で開催するのが望ましいのではないかという見解を示されました。
このような背景の中、ことしの5月末に富山県全国植樹祭開催計画事前調査チームのほうから、開催候補地の選定のため、会場となる施設や駐車場など既存施設についての調査依頼が各市町にありました。この調査資料をもとに、具体的な内容や開催候補地の選定につきましては、石井知事をはじめ林業関係者や経済団体の代表など31人の委員で構成する全国植樹祭富山県準備委員会で協議を重ねていくものと思われますので、町としましては、今後の動向を注意深く見守ってまいりたいと考えております。
次に、植樹祭の候補地としての条件や立候補に関する御質問についてお答えいたします。
富山県での植樹祭開催は、町にとりましても、森林の有する多面的機能を再認識する絶好の機会と捉えております。
そこで町では、舟川沿いの山裾を中心に、除間伐や枝打ち、下草刈りなど里山の再生整備に取り組んできたところであり、その後、舟見地区住民の皆さんが事業主体となって、舟見山周辺や舟川沿いを整備してきたところであります。さらに、県が事業主体となって舟見地区で進めております、みどりの森再生事業につきましても、人工林などを杉と広葉樹がまざった、いわゆる混交林へ誘導する、そういった事業を継続的に行っていただいているところであります。
このように、富山県内全体が候補地にふさわしい森林整備を行ってきているものと考えておりますが、議員が御提案されております、候補地の一つとして積極的に手を挙げる気はないかという点につきましては、去る9月5日に開催されました準備委員会での初会合の場におきまして、県のほうから、4カ所の開催候補地案が提案されたところであります。
内容につきましては、1つ目が黒部市の新川育成牧場、2つ目は魚津市の桃山運動公園、3つ目は射水市の県民公園太閤山ランド、4つ目は砺波市の砺波総合運動公園であります。
これを受けて委員会では、来る10月にこの4カ所を実際に視察し、駐車場などの施設や周辺の環境の確認などを行って、来年1月までに候補地を1カ所に絞り込むということにしております。
町といたしましては、新川地域での開催を望むものでありますが、来年1月に開催候補地が正式に決定されましたら、県や開催市と連携を図りながら、関連事業や広報活動などの取り組みを積極的に行ってまいりたいと考えておりますので、御理解を賜りますようお願い申し上げ、答弁とさせていただきます。
114: ◯議長(
長田武志君) それでは、再質問を許可いたします。
1番 野島 浩君。
115: ◯1番(野島 浩君) 1点だけ、再質問させていただきます。
学校の週5日制の見直しについてでありますけれども、最近特に新聞等でも話題になっております。
先ほど答弁いただきました。文部科学省等が来年あたりから全国数千校を対象にして、実験的というのでしょうか、やられると。だけど、それはあくまでも学力の低下というか、学力の向上を目指してのものかなと、私はそういうふうに捉えておるわけですけれども、私がきょう提案させていただいたのは、学力も確かに大事であろうことだと思いますけれども、先ほど言いましたように、月曜日から金曜日まで、小学校であっても6時間授業が続いているというようなことも聞きますし、大変タイトな授業時間になっているということで、学校はもちろん勉強するところでありますけれども、何か見ていると、勉強するだけのところになってしまいつつあるのかなと、そういうふうな危惧を私は覚えるわけです。
それで、「ふるさと教育」というのでしょうか、簡単に言えばそういった教育、そういったもの等も、やはり地域と連携した形で子どもたちに必要最低限のものを与えてあげる、そういう環境づくりをする、そういったことが大事だと思います。
それで、恐らくアンケート調査をすると、7割、8割の家庭が早く6日制にしてほしいというようなことになるのではないかなと思うんですね。私のせがれたちも、5日制になったときに、夫婦の会話が、「弱ったな。これから土曜日、子どもたちが家にいる。学校に行ってくれないかな」と。これは親の勝手な都合であります。どうしても、そういう親の勝手な都合で、そういうアンケート調査をすると、7割、8割のアンケートがそういう結果が出るんじゃないかなと思うんですが、私はその辺を冷静に考えて、子どもたちにとってどういう環境づくりが大事なのかなというような意味で、いわゆるアンケートというのではなくても、意向調査というか、そういったもの等を委員会のほうで出されて、そして6日制に、できれば持っていっていただければなと思いますけれども、いかがでしょうか。
116: ◯議長(
長田武志君) 滝本教育長。
117: ◯教育長(滝本恒平君) 先ほど委員長が答えたことと重複するのではなかろうかと思いますけども、平成14年度から約10年間、学校週5日制が完全実施されまして、子どもを巻き込んだいろんな事業、行事等が土曜日に詰め込まれてきているわけであります。
今度、そのような形で土曜授業をやるということになれば、国のほうではもう既に調査をやっておりまして、74%の方々が、やはり土曜授業を再開すべきではないかと。このデータをもとにして、国のほうでは、先ほど委員長が申しましたように、3年間、そういうような推進をさせた後、公立学校において完全に土曜授業再開という運びに持っていきたいという考えを持っているわけですけれども、先ほど言いましたように、土曜日に実施されている諸行事等をどのようにしてやりくりするかと同時に、つい先日、北日本新聞にも、県議会議員の方々、そしてまた15市町村の首長の方々の土曜授業に関するコメントが出ておりまして、米澤町長も一応賛成であるけれども、いろんな諸条件を整備した上でというようなことを言われておるわけであります。
土曜日に授業らしきもの、先ほど体験的な活動が少ないというものの、入善町もそうでありますけども、PTAの授業参観あるいは体育大会、運動会などなどを土曜日を使って、地域の方々を巻き込んだ形での諸活動を持ってきておるわけです。それを今度実施しますと、翌週の月曜日に、やはり振替休業という形をとるわけです。ですからそういった部分をどうしていくか。できたら、土曜日における教員の数をある程度確保して、そして教員にも負担にならないように、子どもたちにも肉体的にも精神的にも負担にならないような形を整えていくことが必要ではなかろうかと思います。
それから、1日の授業時間が6時間にもなっておるというようなことでありますけれども、現行の学習指導要領では、中学生は週29時間、小学校の高学年のほうでも29時間になっておりますので、月曜日から金曜日までの週5日間で考えると、どうしても5時間の日が1日と、あとは6時間になるんですね。学校のほうでは、月曜日から金曜日までは6時間制をしいておりまして、国の学習指導要領よりも1時間多い形で教育活動を展開しておるわけでありますけども、この1時間多いのは、児童会あるいは生徒会の諸活動を持ってくると同時に、あるいは月曜日が振替休日になったことによって欠課になった授業をそこで生き返るということで授業時数を確保するというふうなことで、非常にやりくりに苦慮しておるわけであります。いずれいろんな市町村が現状を打開した上で、5日制が6日制になるという部分がある程度想定されるというようなこともありますので、町といたしましても、そういった動向を見極めた上で対応していきたいということを考えております。またいろいろと御理解、御支援をお願いしたいと思います。
118: ◯議長(
長田武志君) 1番 野島 浩君。
119: ◯1番(野島 浩君) 私も教育長の意見とほぼ同じでありますけれども、横並びで隣の市町村がこうだとか、県がどうだとか、そういうことも大事なんでしょうけれども、そこはやはり入善町独自の教育環境づくりというのが、やっぱり私は必要だと思います。それを教育委員会はできるんじゃないでしょうか、やろうと思えば。私は教育のプロではないので、そこまでは言い切れませんけれども、そのような配慮をしていただきたい。
先ほども言いましたけれども、ゆとり教育が続いて何かいいことがあったのかなと。何かいじめだけがだんだん増えてきた、私は、ちょっと偏見かもしれませんけれど、そのようにどうしても捉えたくなる、そのような気がいたします。もっともっと、教師も子どもたちも親も、ふれあう時間を持つと。それは、休みがあるからゆとりがあるのではなくて、大人も子どもも忙しい。休みはそんなにないけれども、その中で時間をつくってふれあっていくんだと、そこが基本じゃないかなと私は思います。
そういう意味で、6日制にもしなれば、有効に土曜の隔週の授業を使っていただければなと、近い将来はそういうふうになるのであろうなという期待を込めまして、お願いしたいと思います。
あと1点、要望でありますけれども、よろしいでしょうか、議長。
120: ◯議長(
長田武志君) はい、どうぞ。
121: ◯1番(野島 浩君) 植樹祭の件でありますけれども、6月議会に植樹祭のことも取り上げたいなということを思っておったんですが、時間の関係上、なかなかできませんでした。そしてまた、2017年ということで、時間的に余裕があるかなという思いも持ちつつ、9月に入って候補地の選定が、先ほど答弁にもありましたけれども、4カ所挙げられたということで、私としては非常に残念だなという思いであります。
石井知事が新川地区を軸にというお話、そういったものがマスコミ報道されてから、入善町も何かあれば、山林面積はわずか14~15%、ほかの魚津市、黒部市、朝日町は70から80%が山林面積ではないかなと思いますけれども、山林面積は少なくとも、意気込みがあれば誘致できないものかなという思いも私はありましたけれども、これはどういう形になるかはわかりません。しかし、新川で恐らく開催されるのであろうなという期待を込めて、しかしそれは4年後であります。4年後といいますと、役場職員の若い方々も、恐らく管理職になられる方もたくさんおられ、退職される方もおられるかもしれませんけども、何か夢のある話であるような気がいたします。
新幹線の新駅がすぐそこにあって、植樹祭に数千人の方が来られる。そして先ほどジオパークのお話も九里議員からありましたけれども、奈良時代の庄園跡のじょうべのま遺跡へ行ってみようかとか、あるいは全国でも珍しい寄り回り波の海岸へ視察に行ってみようかとか、そういったいろんなことを近隣の町として私は考えられると思うんですね。そういったことを考えると、大変夢のある4年後になるのかなということを願いまして、これから町政運営を進めていただきたい。
私、任期最後の質問でありましたので、そのように要望いたしまして、終わります。
─────────────────────────
122: ◯議長(
長田武志君) 以上で本日の日程を終了し、閉議いたします。
残る町政一般に対する質問は、明日12日木曜日午前10時から続行いたします。
本日はこれにて散会いたします。
議員並びに当局には大変お疲れさまでございました。
午後 3時54分 散会
発言が指定されていません。 © Nyuzen Town Assembly. All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...