南砺市議会 > 2012-06-11 >
06月11日-02号

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  1. 南砺市議会 2012-06-11
    06月11日-02号


    取得元: 南砺市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-07-15
    平成24年  6月 定例会(第4回)議事日程(第2号)                平成24年6月11日(月)午前10時00分開議 日程第1市政一般に対する質問      議案第62号 平成24年度南砺市一般会計補正予算(第1号)      議案第63号 平成24年度南砺市バス事業特別会計補正予算(第1号)      議案第64号 平成24年度南砺市簡易水道事業特別会計補正予算(第1号)      議案第65号 住民基本台帳法の一部を改正する法律及び出入国管理及び難民認定法及び日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法の一部を改正する等の法律の施行に伴う関係条例の整備に関する条例の制定について      議案第66号 南砺市体育施設条例の一部改正について      議案第67号 南砺市こども医療費助成に関する条例及び南砺市妊産婦医療費助成に関する条例の一部改正について      議案第68号 南砺市特別養護老人ホーム条例及び南砺市デイサービスセンター条例の一部改正について      議案第69号 南砺市営住宅条例の一部改正について      議案第70号 南砺市賃貸住宅条例の一部改正について      議案第71号 南砺市協働のまちづくり支援センター条例の一部改正について      議案第72号 富山県後期高齢者医療広域連合規約の変更について      議案第73号 財産の取得について      議案第74号 市道路線の変更について      報告第3号 平成23年度南砺市一般会計継続費繰越計算書の報告について      報告第4号 平成23年度南砺市病院事業会計継続費繰越計算書の報告について      報告第5号 平成23年度南砺市一般会計繰越明許費繰越計算書の報告について      報告第6号 平成23年度南砺市一般会計事故繰越し繰越計算書の報告について      報告第7号 専決処分の報告について      報告第8号 債権放棄の報告について-----------------------------------本日の会議に付した事件 議事日程に同じ-----------------------------------出席議員(29人)      1番  古軸裕一議員        2番  岩崎 修議員      3番  赤池伸彦議員        4番  水口秀治議員      5番  脊戸川義之議員       6番  山本勝徳議員      7番  助田幸雄議員        8番  長井久美子議員      9番  水上成雄議員       10番  榊 祐人議員     11番  中島 満議員       12番  山瀬悦朗議員     13番  齊藤光一議員       14番  向川静孝議員     15番  池田庄平議員       16番  (欠員)     17番  川邊邦明議員       18番  山田 勉議員     19番  岩崎 誠議員       20番  石崎俊彦議員     21番  前田美好議員       22番  才川昌一議員     23番  蓮沼晃一議員       24番  浅田裕二議員     25番  片岸 博議員       26番  西井秀治議員     27番  香川俊光議員       28番  水木 猛議員     29番  城岸一明議員       30番  且見公順議員欠席議員(なし)-----------------------------------説明のため出席した者 市長        田中幹夫     副市長       中山繁實 教育長       浅田 茂     教育委員長     梅木一男 代表監査委員    高桑俊介     会計管理者     山畔勝博 市長政策室長    高山博文     総務部長      下田正佳                    地域包括医療・ 民生部長      三谷直樹               仲筋武智                    ケア局長 産業経済部長    大浦章一     建設部長      上坂吉明 教育委員会理事   永井 厳     市長政策室次長   長澤孝司 総務部次長     一二三敦司    総務部次長     豊川 覚 民生部次長     清水哲郎     民生部次長     大西毅彦 産業経済部次長   裏田 親     産業経済部次長   原田 司 建設部次長     宮本博之     建設部次長     浦田昭一 監査委員事務局長  中川 正職務のため出席した事務局職員                    局長補佐 事務局長      松田泰彦               小森 典                    議事調査係長 議事調査係主任   松本 恵----------------------------------- △開議 午前10時00分 △開議の宣告 ○議長(西井秀治議員) ただいまから本日の会議を開きます。 議事日程は、お手元に配付のとおりであります。----------------------------------- △市政一般に対する質問並びに議案第62号から議案第74号まで、及び報告第3号から報告第8号について ○議長(西井秀治議員) 日程第1、市政一般に対する質問並びに議案第62号から議案第74号まで、及び報告第3号から報告第8号までを議題といたします。 これより、会派代表による市政一般に対する質問並びに提出議案に対する質疑を行います。 通告がありますので、発言を許可いたします。 24番、浅田裕二議員。   〔24番 浅田裕二議員登壇〕 ◆24番(浅田裕二議員) おはようございます。 おとといから北陸地方が梅雨入りしたと見られると、気象台が発表しました。何かとうっとうしい季節が始まりました。梅雨空を吹き飛ばすような議論が展開される6月定例会になることを期待し、自民クラブを代表して質問に入りたいと思います。 まず、最近の国会情勢の中から論争になっています社会保障と税の一体化改革について質問いたします。 2014年4月から8%、2015年10月から10%に、消費税が引き上げられることが閣議決定されました。それを受けて、この5月の連休明けから国会で審議が行われている社会保障と税の一体化改革について、この国会会期中の成立を目指そうと、政府がなりふり構わずの姿勢が見られます。社会保障の論議を巻き込んだこの増税案、ヨーロッパの経済が危機的な折、円高がまたも再燃しており、デフレ経済からの脱却の糸口が見出せない今、市民生活に多大な影響を与える消費税増税は、導入時期について疑問が残るものであります。社会保障の論議を含め、市長はどのような見解・見識をお持ちかをお聞きします。 続いて、市有施設の統廃合についてであります。 この6月議会で、スキー場の損失補償費が計上されています。かつて福光のスキー場でも、インターハイのための売り上げ減少のために多額の損失補償がありました。それでは、利益が生じたときにはどうなるのか、あるいは指定管理料の決定には影響があるのではないかなど、市民感覚で考えると少なからず疑問が感じられます。 一方、先日行われました井波地区の地域づくり談議で、「少子化やスポーツに対する取り組みの多様化などの影響で、利用者がめっきり少なくなった閑乗寺スキー場を廃止し、公園としての本来の姿に立ち返ればよいのでは」との意見に対し、「市有施設の廃止を含めた検討が急がれるときであり、6月にも行財政懇談会を開催し、スピード感を持って対応したい」との市長の答弁がありました。合併特例債の期間や起債制限枠が残り少なくなった今、市の施設やその跡地利用問題を含め緊急を要する案件が少なくありません。行財政懇談会に提示される具体的な内容について、また、その方向性についてお伺いいたします。 次に、3月に制定されましたまちづくり条例についてお聞きします。 周知期間を設けて、地域づくり談議ホームページなどを通じて、市民の皆様にしっかり理解していただくために鋭意努力されておられるところでありますが、先日、ある地域談議の会場で、個人的見解を持った方が町名の問題に触れ、大きな声で、周りの人の80%がその意見に賛同・賛成していると述べられて、それに対して、2、3のパラパラの拍手があったところであります。大きな声が、いかにも全体の意見のように、無言の理解ある市民を押さえつけることになりかねないかと危惧されるところであります。これからのさまざまな計画立案において、公募委員やパブリックコメントの募集において、同様な危惧を感じるのは私だけではないと思います。また、市の職員にとっても、この条例の取扱いに対して非常に神経を使うところではないかと思います。これからの運用に対しての市長の思いをお尋ねいたします。 続いて、エコビレッジ構想についてお聞きいたします。 5月2日の記者会見で、市長は、「環境省からグリーンニューディール基金として富山県に7億円の配分が行われ、プロジェクトチームを立ち上げた」と発表されました。地域が限られたエコビレッジ構想が聞こえてきます。本来なら、新しいエネルギー資源の開発として、市内全域を視野に入れての取組が大切ではないかと思います。その概要と予算規模、また、将来に向かっての構想の展望についてお聞きします。 続きまして、先日、議会に素案を示された(仮称)南砺市山間過疎地域振興条例について質問いたします。 当初、南砺市過疎地域振興条例を制定する話から入ったと考えますが、この条例の目指すところは何か。海抜200メートルを超える地域だけの限定の条例でよいのか。時間をかけるばかりが能ではありませんが、もっと南砺市全体を見据えて、入り口論からしっかりと議論するべきではないかと考えるものであります。市長のご意見をお伺いいたします。 次に、市の道路整備についてお伺いいたします。 後期総合計画の策定がなされましたが、合併支援のあめ玉的であり、県が約束してくれた旧4町4村を効率的に結ぶ有機的な道路として位置づけられた合併支援道路の整備が、いまだに遅々として進んでいないありさまであります。現状を見つめると、市民にとって公共交通の期待度が上がらないこの車社会の中で、特にこの支援道路の整備が必要不可欠であります。県に対しての早急な働きかけ、対処をお願いするところであります。 また、金沢福光連絡道整備促進期成同盟会あるいは利賀ダム工事用道路の完成後の八乙女トンネルを経て砺波インターへの道路の建設促進に向けての運動の展開が行われているところでありますが、新しく市民から要望のある、市の域を越え、市民にとって有益性の高い道路である南部スーパー農道から、砺波市庄川地内を通って庄川左岸道路を利用し、富山新港へ通じる高規格道路のアクセス道路の整備の必要性を感じているところであります。 高岡市でも、新しくできる高岡スマートインターの利用価値の向上に向けての庄川左岸道路へのアクセス道路の建設計画が推進されています。砺波市でも、庄川左岸道路へのアクセス道路の建設そして左岸道路の全線高規格化の運動が起こっていますが、私ども南砺市にとっても有益な道路であると思います。その実現に向けて、大きな視野に立っての展開、広域のスクラムによる取り組みが大切ではないかと思います。南砺市としても、高岡市、射水市、砺波市と胸襟を開いての市民の要望実現に向けて前進するべきだと思いますが、いかがでしょうか。市長のご意見をお伺いします。 次に、文化財保護について、市の姿勢についてお伺いいたします。 今、善徳寺と瑞泉寺で、億単位の浄財を集めて修復の工事に向けての努力がなされております。かつては、宗教を通じての信仰心が浄財集めの原動力としてそれぞれの日本を代表する木造建築物を支え、建築物の建立からその後の大きな修繕まで、先人の力で大切な地域の財産を受け継いでこられ、現在に至っています。残念ながら、昨今の信心離れや無関心が蔓延し、なかなか資金集めに苦慮なされているとのことであります。今、新しく建立するとなると、今日、その材料の調達さえも困難であり、大変巨額な費用がかさみ、到底かなうものではないと言われております。 先人が残してくれた貴重な財産を後世に引き継いでいく責務が、我々に課されているといっても過言ではありません。朽ち果てる前に、恒常的に貴重な財産の修繕や管理維持が必要不可欠でないかと思います。そのための経費は多額を要し、一市民や宗教団体の力だけでは到底賄えるものではありません。当然、市としてもそれらの要求に十分こたえられるほど財政が充実しているわけではありません。当然、国や県の助力が必要かと思われます。そのためにも、市としても率先して県の文化財指定そして国の文化財指定に向けての一日も早い取り組みが肝要かと思います。市としてのお考えをお聞きいたします。 最後になりますが、この秋の11月に、市長及び市議会議員の4年間の任期が切れるわけでございます。市長が就任されて初めての平成20年12月定例会の議事録をひもときますと、「南砺市のために働ける喜びと幸せを感じるとともに、5万7,000人の暮らしを守るという重大な責務を持っていることを日々実感し、身が引き締まる思いです」の言葉から始まり、今後の施政方針ということで、5つの項目について決意を述べられております。 まず、第1に「トップセールスの展開」、次に、「奉仕サービスの徹底」、3番目に「衆智の結集」、続いて「徹底的な情報公開」、最後に「果敢に挑戦」を挙げられております。当時行われた市長選に対するそれぞれの思いの中、議会の大半を占める最大会派、南砺市議会自民クラブとしては、時折々に是々非々の思いの中、市長と対峙したり、胸襟をともにしたり、南砺市政に一緒に取り組んできたと自負しているところであります。 在任期間があと5カ月ほどになったところでありますが、この4年、市長はその若さと行動力そしてバイタリティーを前面に出して市政一般に取り組まれ、市民からの評価あるいは市外からの評価もしっかりと高いところであります。先月末の記者会見でも、今度の選挙に向けた熱い意欲もにじませておられるとお聞きしました。今秋行われます市長選に向けての熱い思い、決意をお聞かせいただきたいと思います。 以上で私の質問を終わります。 ○議長(西井秀治議員) 田中市長の答弁を求めます。 田中市長。   〔田中幹夫市長登壇〕 ◎市長(田中幹夫) おはようございます。 自民クラブの浅田議員の代表質問についてお答えを申し上げます。 野田首相が、今国会で政治生命をかけて取り組むと明言をしております社会保障と税の一体改革でございますが、特に消費税率の引き上げ関連法案について、小沢一郎元代表との会談が不調に終わったため、消費税法案に賛成する自民党、公明党との修正協議へ大きくかじを取りました。参議院では、問責決議を受けて国会の会期中に内閣改造が行われ、民主党マニフェストの根幹をなす社会保障分野をめぐる法案修正協議に入っております。 この法案の中で政府が掲げます最低保障年金制度創設や被用者年金の一元化、後期高齢者医療制度の廃止の3点について、自民党のほうは非現実的だと、撤回をしたほうがいいというような声もありますし、子ども・子育て新システム、待機児童解消が期待ができないというようなご意見もあり、まだまだ先が見通せない状況かと思っております。 この一体改革に関する我々地方の意見を集約しております全国市長会の意向は、さまざまな皆様方にもご意見があるかと思いますけれども、地方6団体に集約をされております。消費税増税分、消費税の増収分の地方配置についても年末に政府と合意しておりますし、一体改革は社会保障の機能強化と財源確保など、国と地方が協議をして推進すべき改革だとしております。 したがいまして、国会の場で十分議論をいただくことはもちろん、また、市民にしっかりと、きちんと説明をいただくことをさらにつけ加え、少子高齢化に伴ってひずみの目立つ社会保障制度を持続可能なものにするために、また、1,000兆円を超える国家の借金を抱える財政を健全化する、そういったことのために、長期的な展望に立った国民本位の政策として、議論をさらに深めてもらいたいと私は思っております。 次に、市有施設の統廃合についてお答えをいたします。 公共施設の再編については、平成23年度に策定、公表いたしました南砺市公共施設再編計画のとおりでありますけれども、特に地域振興に貴重な役割を担ってきましたスキー場と温泉宿泊施設の売却・譲渡については、各施設の管理団体や地元関係者との個別協議の基礎資料とするために、専門家による公共施設経営分析調査を行い、その結果については市議会にもご報告をさせていただいたとおりでございます。 中でもクロスカントリー場を含む6つのスキー場施設については、現在、指定管理者制度を導入しており、4つの団体、企業によって管理運営されておりますけれども、スキー場の再編の方向性につきましては、平成25年度中に全施設の経営を統合・一本化し、平成28年には売却・譲渡によって民営化をするとしていたところであります。 しかしながら、経営分析調査の結果を見ますと、経営統合のメリットは限定的であり、施設の事業価値及び行政投資によって生まれる経済波及効果を見ても、今後とも将来にわたってすべての施設を維持するための行政投資を続けることは困難であり、施設や機材の大規模更新を迎える前に、廃止の判断をすることが適切であるとの分析結果が出ております。このことから、スキー場の再編につきましては経営統合としていた再編の方向性を見直すことにし、今月下旬に開催を予定しております市の行政改革懇談会に議題として提出したいと考えております。 提案の内容としましては、行政投資に見合う経済波及効果が得られないとされているスキー場については、廃止の方向で提案させていただき、そのほかのスキー場についても行政の財政支援条件を付して民間経営に移行することとし、移管できなければ廃止・休止もやむを得ないとするものであります。 ただし、スキー場は地域振興を担ってきた基幹施設でありますので、廃止ということを結論づけるにとどまらず、廃止された場合の代替の地域振興策を模索していく必要があると考えております。スキー場経営にかわるより効果的な地域振興策については、いわゆる既得権益をゼロベースにしたところから、まずは地域の皆さんとともに検討を始めることが重要であると思っております。行政改革懇談会でご意見を伺った後、早急に各地域の地域審議会で検討していただくための条件整備を進めてまいりたいと考えております。 一方、温泉宿泊施設については、現在、社会福祉協議会が所有し、市が経営補助をしている福光温泉を含む10施設の売却・譲渡することにしており、福光地域の温泉施設「ぬく森の郷」については、現在、指定管理者である株式会社ぬく森の郷と、施設の売却・譲渡に向けた個別交渉を始めております。 ほかの温泉宿泊施設についても、経営分析調査で、市の財政支援条件を付して売却・譲渡が可能との結果が出された施設については、民間経営に移行後の初期投資を軽減するための施設修繕経費の負担などについて条件を整理し、順次、個別交渉に入りたいと考えております。 なお、社会福祉協議会が所有する福光温泉については、施設が市へ移管された場合は、他の施設と同様に売却・譲渡する。売却・譲渡できなければ廃止するとの方向性が示されております。しかしながら、今後、地域における福祉施設の需要が高まることが想定されることから、宿泊機能を廃止した上で、介護予防や高齢者の集いの場などの役割を担う福祉サロンとして、社会福祉協議会の保有で存続させる方向性も含めて再検討したいと考えております。 続きまして、南砺市まちづくり基本条例の市民の皆様への周知の状況や、地域づくり談議における市民の皆様からの反応並びに市職員への研修に関する質問にお答えをいたします。 4月9日から、市内31の自治振興会単位に開催をお願いしております地域づくり談議において、直接私から市民の皆様にご説明申し上げております。なぜ、今、まちづくり基本条例が必要なのか、基本条例では何を定めようとしているのか、制定すると何がどう変わるのかなどについて説明し、市民の皆様にご理解をいただけるように努めております。 地域づくり談議では、本日開催します福野南部地区で22地区での開催となります。これまでに参加をいただいた市民の皆様は、1,500人を超えております。同条例に対する市民の皆様の反応でございますけれども、3月議会で議決を賜りまして以来、おおむね良好と感じております。これまで市の持つ情報が、十分に市民の皆様に伝わっていないことがありました。この条例を行政側がしっかりと遵守し、市民の皆様と行政の情報の共有を図り、市民が主体となって市民満足度の高いまちづくりが実現できるようにしていかなければならないと決意を新たにしております。 6月26日の利賀地域での地域づくり談議が最終日となりますけれども、7月1日からの施行に向けて、本条例制定の意義やその概要等について、引き続き市民の皆様へ周知に努めてまいりたいと思います。 また、4月末に配布をいたしました広報なんと5月号と同時に、南砺市まちづくり基本条例概要版を市内全戸に配布させていただきました。さらに、広報なんと6月号と7月号にも、この条例を逐条的に解説した特集記事を掲載し、より詳しい形でのご説明に努めております。今後は、市政出前講座等も活用させていただいて、広く市民の皆様への周知を図ってまいります。 続きまして、市職員への周知と条例遵守の徹底に関するご質問についてお答えをいたします。 基本条例が施行されまして大きく変わるのは、行政側でございます。同条例では、「市民が主体」、「情報の共有」、「市民協働」をまちづくりの基本原則と定めており、これまで行政側の対応として十分とは言えなかった市民参画や情報共有に関しまして、その仕組みやルールを明確にした上で実践・実行していかなければなりません。また、政策等の計画立案から実施評価までの各段階においても、これまで以上にしっかりと市民の皆様や議会の皆様への説明責任を果たしていかなければなりません。そのために、新年度に入りまして早々に、副市長を本部長とする協働のまちづくり庁内推進本部において、市民参画と情報共有を中心とした同条例の運用指針を策定し、職員研修を実施いたしました。 4月25日には、課長職以上を対象に、私から訓示を含め研修会を開催し、条例の説明と管理職員の意識改革に努めました。また、5月の7日から10日にかけて、福野、井波、城端、福光の4庁舎において一般職員を対象とした研修会を開催いたしました。5回の研修会で326名が参加しております。この研修会だけで同条例に定めた行政運営が可能になるとは考えておりませんが、今後は同条例の内容や運用に関する実務的な内容で、Q&Aを職員共有のファイルに掲載し、共通認識を図りながら条例の遵守を徹底してまいります。 また、会議の公開、会議録・会議資料の公開、委員の公募、公聴会や説明会の開催、パブリックコメントの聴取等といった同条例の規定に関しましては、市のホームページを改修し、新たなコーナーを設けて対応をしてまいりたいと思っております。いつでも、だれでも、どこからでも、市民の皆様が市の持つ情報を取得され、市と共有できるように努めてまいります。 ご質問の中にございました、一部の声の大きい市民の意見を全体の意見ととらえることのないよう、多くの市民の皆さんと情報の共有を図りながら、公平・公正な行政運営を行ってまいります。引き続き議員の皆様方のご指導とご協力をお願い申し上げます。 次に、エコビレッジ構想の概要と今後の展望についてお答えをいたします。 近年、人口減少やグローバル化の影響等により地域社会の再構築が急務となっております。これまでの右肩上がりの経済発展と効率化のまちづくりから、自然と共生の循環のまちづくりである自立循環型社会を目指す考え方が、東日本大震災の復興を契機に、全国的に展開されるようになってきております。このことから、市では自立循環型の社会を構築していくために、「なんとエコビレッジ構想」を打ち出し、「環境保全・エネルギー」、「農林漁業・食」、「保健・医療・介護・福祉」、「教育・次世代人材育成」の、この4つを命の4分野として、さらにこの中に自立循環型のソーシャルビジネス等も連携をさせ、構築させ、小さな循環の連携を進めながら、総合的なまちづくりに取り組んでいきたいと考えております。 この構想による桜ヶ池モデルの展開については、山林資源や森林体験等を活用する「いのちの森の創造」、農産物直売所や体験農場・農業等を活用する「元気農業の創造」、小水力、地中熱、太陽光、バイオマス等の再生可能エネルギーを活用する「自然エネルギーの創造」、そしてそれらを宿泊施設や温泉等の観光施設とあわせて活用する「にぎわいの創造」の4つを柱にしております。 その柱の一つである「自然エネルギーの創造」では、貯水量145万トンの桜ヶ池を利用した小水力発電を初め地中熱を利用した発電やヒートポンプシステム、間伐材や廃材、畜ふんなどを使ったバイオマスボイラーや発電、そして太陽光や太陽熱を利用した発電、熱利用システムの活用等の可能性について検討をし、実現していくこととしています。そこでつくられたエネルギーは、宿泊施設や農産物直売所、農業や森林の体験施設へ供給し、さまざまなエネルギーの最適化を図りながら、エネルギーの自給自足、地産地消を目標としております。 予算規模につきましては、グリーンニューディール基金として7億円が環境省から富山県に配分されており、今後は市町村配分や基金事業での取り組み内容等について県と調整をしながら、詳細な検討を進めていくこととなります。また、この構想は、再生可能エネルギーの活用の最適化を目指すもので、今後、農林、商工、観光、福祉、教育、環境等、多岐にわたって予算を確保していかなければなりません。 将来展望につきましては、今回、モデル地域として設定した桜ヶ池周辺は、東海北陸道の城端サービスエリアに隣接し、南砺市の玄関口であり、交流人口が多いこと、里山と田園とがまじり合う場所で、南砺市の縮図ともいえる場所でございます。この桜ヶ池モデルを先例として、市内の他地域に波及し、自立循環型社会の構築を目指すものであり、今後の総合的なまちづくりの重要な施策の一つとして考えております。 この構想は、市民の皆さんがどんな地域にしていきたいのかということを話し合い、みんなで知恵を出し合いながらつくり上げていくものであります。まずは、桜ヶ池モデル構想策定のための市民会議の設置を予定しております。8月に委員の公募を行い、9月から市民会議の中で、市民の皆様みずからの構想として具体化していきたいと考えておりますので、議員各位のご理解とご協力をお願いいたします。 続きまして、(仮称)南砺市山間過疎地域振興条例についてお答えをいたします。 南砺市が誕生して以来、市の人口は減少を続けており、最新の平成22年度国勢調査では5万4,724人の、合併直後の平成17年度国勢調査の5万8,140人からわずか5年で3,416人減少し、5.9%の減となっております。これは1年間で700人近くの人口が減っている計算になります。 このように人口が大きく減少している南砺市の中でも著しく減少しているのが、当市の面積の多くを占める標高200メートル以上の山間部であり、高齢化も含めて大変深刻な状況となっております。とりわけ平地域、上平地域、利賀地域の五箇山の3地域の人口減少は物すごいスピードで、同じく国勢調査によると5年間で五箇山地域の人口は2,923人から2,432人と、市全体の減少率5.9%に対し、16.8%もの減少となっております。高齢化率についても、平、利賀地域では40%を超え、全国的に見ても高い南砺市全体の高齢化率31.1%を大幅に上回っております。 人口減少、少子高齢化は市内全域に進んでいることから、総合計画後期基本計画の中でも、全市にわたる定住化対策として各種施策を重点的に取り組むことといたしております。しかし、中でも五箇三村並びにそれ以外の山間地域などの山間過疎地域はその進度がさらに早く、人的支援を含めた過疎対策を行うことにより、過疎化の進行を抑制することが喫緊の課題となっております。 これらの地域は、大幅な人口減少と高齢化によってさまざまな分野の担い手が不足し、林業、農業を初め各種産業の衰退や伝統芸能、文化、祭りの継承、地域コミュニティの維持が困難となり、地域の活力がますます低下してきております。南砺市における山間地の過疎化による集落機能の低下は、山間地の荒廃を招き、鳥獣害、病虫害の発生拡大や土砂災害の発生など、市内全域に影響を及ぼすことが危惧されるところであります。水源涵養や洪水等の災害防止、水や大気の浄化等の環境の保全、自然や文化との触れ合いを通じた教育の場や、心身をいやす安らぎ空間の提供等の公益的機能は、市民共有の財産であり、市民全体で理解し、守っていかなければならないものと考えております。 以上のことから、市民全体が南砺市における山間地域の重要性を理解をし、市民全体で山間過疎地域の振興に取り組むことが、市民の安心安全で豊かな暮らしにつながることを共通認識として、(仮称)南砺市山間過疎地域振興条例が制定されることによって、山間過疎地域の振興がより積極的に図られるものと考えております。 次に、合併支援道路についてのご質問にお答えをいたします。 合併支援道路の整備促進につきましては、議員各位には日ごろより各整備促進期成同盟会等を通じてご尽力を賜り、この場をおかりして厚く御礼を申し上げます。 合併支援道路は、市においては旧4町4村を相互に結び、地域連携軸となる道路でございます。本年度の主な工事といたしましては、福野と福光を結ぶ主要地方道砺波福光線では、寺家バイパス及び都市計画事業区間、田中遊部区間が完了予定でございます。引き続き、吉江中地内の工事が行われる予定となっております。また、福光と井波を結ぶ主要地方道金沢井波線は、田屋地内の工事が本年度で完了する予定となっております。 ほかの路線では、城端と福光を結ぶ国道304号の高宮バイパス、井波と利賀を結ぶ国道471号の利賀バイパス、井波と城端を結ぶ主要地方道井波城端線の北野橋のかけかえなどが進められる予定となっております。 合併支援道路の平成23年度末までの進捗率は約65%となっており、合併後の8年を経過してもなかなか思うようには進んでいないのが現状であります。県の予算も大変厳しい状況ではありますけれども、重点的に予算配分をいただけるよう強く要望してまいりたいと考えております。 次に、庄川左岸堤防道路を利用するアクセス道路の質問についてお答えをいたします。 庄川左岸堤防道路構想については、これはすばらしいアイデアだなというふうに思っております。市民提案の動きもあるように聞いております。その構想は、伏木富山港から庄川左岸堤防を利用して、砺波市庄川地内までを広域的に結ぼうという道路整備構想でございます。市といたしましては、射水市、高岡市、砺波市に関係する道路であり、県の交通体系の中での位置づけがどのように計画されていくのかを見きわめていかなければならないと考えております。今後とも関係市の動向を見きわめながら、連携できるところはお互いに連携をとり、適切に対処してまいりたいと考えておりますので、ご理解をお願いいたします。 次に、市内の文化財保護の取り組みについてお答えをいたします。 善徳寺は、山門・本堂・鐘楼・太鼓楼の4棟、瑞泉寺は山門1棟が県指定文化財で、それ以外は大部分の建造物が市の指定文化財となっております。国や県の助力を受けるためにも、国県文化財指定に向けた一日も早い取り組みをということでございますが、国県は独自に指定の基準を持っており、それに合致するものでないと指定を受けることはなかなか困難な状況でございます。たびたびお話をしておりますけれども、近世の大規模な浄土真宗伽藍については、既に高岡市の勝興寺が国の指定を受けており、善徳寺が同じ理由で指定を受けることはないようであります。 そこで市では、善徳寺独自の特徴的な事例を探すために、平成20年から善徳寺建造物等調査を行っております。一方、瑞泉寺はたびたび大火に遭って復興しており、明治、大正、昭和初期の寺社建築技術の粋を凝らした建築といえます。このような近代の寺社建築の評価はまだ始まったばかりで、評価を高めていくには長い目で見ていく必要があると伺っております。重要文化財指定、県指定というのは、現在のところ時間がかかる、難しいと考えております。とはいえ、両寺院とも価値のある建造物であることには間違いはございません。国や県の文化財調査が始まったときには、すぐに対応できるように積極的に準備を進めてまいりたいと考えております。 寺離れ、信心離れについては、日本全体における状況でありますが、むしろ南砺市の場合、受け継がれる年中行事などから、まだその心が失われていないといえるのではないでしょうか。しかしながら、現在、瑞泉寺、善徳寺において進められている保存修理工事については、議員ご指摘のとおり厳しい状況であるとお伺いをしており、市といたしましても財政支援について精いっぱいの助力をしております。関係の皆様におかれましても、今後とも力を合わせて守っていただくことをお願いしたいと思っております。 次に、この秋の市長選挙に向けての私の思いについて質問をいただきましたのでお答えをいたします。 質問にありましたように、就任当初の私の施政方針、トップセールスの展開、奉仕サービスの徹底、衆智の結集、また、徹底的な情報公開、果敢に挑戦ということは、一日も忘れることなく、さらに市民主体、市民目線の行政運営、市政運営ということも含めて、一日も忘れることなく、さらにはマニフェストで掲げました「生まれてきてよかったまち なんと」、市民幸福度、市民満足度の向上とともに、具体的な施策を通して真剣に取り組んでまいりました。課題はまだまだ多いものの、おおむねはまずは順調に進めさせていただけたものと思っております。これもひとえに議員各位を初め市民の皆様方の温かいご支援、ご理解、ご協力のたまものでございます。この場をおかりいたしまして、心より御礼を申し上げる次第でございます。 そして今、4年前のモチベーションはあるのか、初心を忘れていないのか、ぶれてはいないか、市民の皆様のために、南砺市のために、さらに利他の心で市政運営に臨めるのか、そう自問自答を繰り返してまいりました。大きな決心をいたしました。 南砺市まちづくり基本条例の施行、総合計画後期5カ年基本計画など本年よりスタートさせていただきましたが、公共施設の再編や事務事業の見直しなど行財政改革はまだまだ道半ばであり、より一層の推進が必要でございます。また、エコビレッジ構想地域包括医療・ケアの充実など、安心安全な社会の実現に向けて、市民の皆様と一体となって取り組むべき事業が数多くあると考えております。地方行政を取り巻く環境は年ごとに厳しさを増す中、将来の南砺市を見据えた諸施策を、現場主義で市民の皆様と協働で取り組み、さらに活力あふれる南砺市をつくるために、最大限の努力をすべきと考えております。 次期市長選挙に際しましては、議員各位並びに市民の皆様のご支援が得られるならば、私はその付託にこたえ、南砺市のさらなる発展、市民福祉の向上に全身全霊を捧げる覚悟でございます。ここに改めて初心を貫く勇気と情熱を持って、将来・未来に向かって責任ある自治を構築するために、全力で市政を担う決意であります。議員各位並びに市民の皆様の多大なるお力添えを心からお願いを申し上げ、自民クラブ浅田会長の代表質問の答弁とさせていただきます。 ○議長(西井秀治議員) 以上で、会派代表による市政一般に対する質問並びに提出議案に対する質疑を終わります。 これより、各議員による市政一般に対する質問並びに提出議案に対する質疑を行います。 さきの議会運営委員会での申し合わせにより、質問時間は答弁を含めて1人30分といたします。 なお、答弁に対する確認、疑義、また、答弁漏れに対して、自席で答弁を含め5分間の再質問を許可いたします。 通告がありますので、順次、発言を許可いたします。 2番、岩崎修議員。   〔2番 岩崎 修議員登壇〕 ◆2番(岩崎修議員) 議席番号2番、自民クラブの岩崎修です。 通告に従いまして質問をいたします。 登校中の児童が犠牲になる交通事故がことしの4月から全国で相次いで発生していることに、大変悲しい思いをしているところでございます。何の罪もない未来ある子供が、若い母親が、突然命を奪われてしまうとは、想像を絶することであります。先月からの地域づくり談議でも多くの意見があり、南砺市内の危険箇所の点検をすると、市長から記者発表があったところであります。 市内においても危険な交差点、歩道が整備されていない通学路、見通しの悪いカーブ、横断歩道標示がない道路、電柱が道路にはみ出ている狭い路側帯、街路樹の枝により交通安全標識が確認できないなど、多くの危険箇所があります。通学時間帯には多くの地域で子供たちの事故防止、安全確保のため、「こども見守り隊」の方が活動されています。朝の通勤時間と重なる通学路、特に国道を横断してスクールバスの停留所に行かなければいけない交差点は、大変危険なものであります。運転手は会社のことしか考えていないのか、遅刻しそうなのか、見守り隊の方が横断歩道の旗を上げても、お構いなく猛スピードで追い越していくということがありました。 どこまで出来たか!<市民要望>の中にも、各地域から安全対策、歩道新設の要望が数多くありますが、信号機、横断歩道、道路標識の設置・移設は富山県公安委員会の所管であり、自治体は行えないことから、「警察署交通課と協議願います」あるいは「多額の一般財源を必要とする事業です。今後、検討させてください」との理由が書かれています。これではいつになったらできるのか、全くわかりません。 過去に、南砺市内においても、大雨のときに道路の側溝に転落した小学生が死亡した事故を忘れてはいけません。現在、危険箇所の点検を行っておられると聞いておりますが、あのときの教訓を踏まえ、危険箇所の改善をどのように進められるのかお伺いします。 次に、冬期間の通学路の除雪についてですが、子供たちが安全に、かつ登校時間に間に合うように歩道除雪の改善をどのようにされるかもお伺いします。 消雪の水と雪がまざったぐちゃぐちゃの雪で、毎日のように長靴がびしょ濡れになって登校している子供がいると聞いています。特に国道の歩道は道路除雪の雪が山となり、安全に歩くことができないときが多々あります。近くの住民の方が、ボランティアで子供たちのために除雪をされている現状があります。国や県との協議、連携を図り、冬期間の通学の安全確保を実施すべきであります。 次に、同じく冬の間のひとり暮らしの高齢者、高齢者のみ世帯の安心安全についてですが、除雪、屋根雪おろし、排雪の費用を支援する事業がありますが、幾つかの要件があり、民生委員さんの大事な仕事の一つとなっています。要件の柔軟な対応と手続の簡略化に取り組むべきではないでしょうか。 地域によっては、ケアネット事業で見守りや除雪を協力して行い、ひとり暮らし高齢者や高齢者のみ世帯を支えておられます。村部では、除雪された市道から玄関までの宅道が大変長く、何日も雪が降り続くと、毎日除雪をしなければいけません。デイサービスの送迎車が通行できなくなったり、訪問看護、支援員さんの自動車が行けなくなったりもします。 今年度も地域ぐるみ除排雪機械促進事業で5つの団体が予定されておりますが、多くの地域から要望があり、3年、4年待ちという状態です。富山県の事業を活用しているだけではなく、市単独の事業として予算化することにより、地域ぐるみで高齢者宅の除雪、通学路、生活道路の除排雪ができるようになり、南砺市総合計画、後期基本計画の基本目標「美しく住みよいまち」、「安全で快適なまちづくり」の実現のためにつながると考えますが、市長の見解をお伺いいたします。 ○議長(西井秀治議員) 田中市長の答弁を求めます。 田中市長。   〔田中幹夫市長登壇〕 ◎市長(田中幹夫) 岩崎修議員の質問についてお答えをいたします。 私からは、通学路の安全対策についてお答えをいたします。 冬期間の高齢者支援等々については、それぞれの担当部長から答弁をさせていただきます。 通学路の安全対策についてでございますが、危険箇所の把握とその改善策についてでございます。 新学期早々、議員の質問にもございましたとおり、全国各地で発生した通学時の児童等を巻き込んだ大変痛ましい交通事故は、決して特別な地域で起こっているのではなく、いつ私たちの身の回りの通学路で発生してもおかしくないところに、保護者の皆様を初め私たちのだれもが感じている不安や恐怖があるのだと思います。 市では、早速、教育委員会から各学校に対しまして、通学路の安全点検と危険箇所について報告をするよう指示をいたしました。現在、その結果を取りまとめ中でございます。歩道がない道路や川沿いの通学路で柵がない箇所、横断歩道が必要な箇所、見通しの悪い箇所などの事例が上がってきております。もちろんこの中には、市独自で解決できないものや、多額の費用や年月を要するものもあります。しかし、危険箇所として報告された箇所については、改善に向けた行動を起こす必要があります。 市といたしましては、まず、報告された危険箇所について現地確認を行い、市道については危険性・緊急性をもとに計画的に改善に進めてまいりたいと考えております。また、県道や国道についても、各道路管理者に対し、これまで以上に改善に向けた要望を行っていきたいと思っております。あわせて信号や横断歩道、標識等の交通安全施設については、県の公安委員会に必要な箇所への設置を働きかけていきたいと考えております。 子供たちを通学時の危険から守るためには、これらハード面での整備はもちろん必要でございますが、どうしても限界があります。それを補うために、学校や家庭における安全教育と地域の方々のサポートが必要です。学校では、これまでも安全指導に努めてまいりましたけれども、引き続き指導を徹底することとし、家庭においても日常生活の中で交通ルールを守るよう教えていただきたいと思います。 一方、各地域では、岩崎議員からもお話がありました、子供たちの通学時の安全をサポートする学校安全パトロール隊が組織されており、その数は19隊、19団体、隊員数は2,400名余りに上ります。自治会やPTAを初めとする地域の方々が中心となって、毎日通学路で児童の見守りをいただいて、行っていただいております。このほかにも県から委嘱されたスクールガード・リーダーや、自発的に協力いただいている地域の保護者の方々などの積極的な取り組みにより、子供たちの安全が支えられています。今後とも、各地域におけるこれらの取り組みをぜひ盛り上げていただきたいと願っております。行政や学校の取組と地域の方々のサポートにより、子供たちを交通安全から守ってまいりたいと思います。 次に、歩道除雪の徹底についてお答えをいたします。 除雪路線の国道、県道の管理区分といたしましては、国道156号の清水明から山斐までは、国土交通省が直轄の区間として管理しております。それ以外の路線は、富山県が管理をしております。毎年、県と市とでは降雪期前に連絡調整会議を開き、道路除雪及び歩道除雪の要望や検討事項を話し合い、安全かつ円滑な通行が確保されるように努めているところでございます。 議員ご指摘の歩道が雪山になる原因としては、車道除雪の雪が歩道内に入り込むため、歩道除雪は車道除雪の後に行わざるを得ないということ、歩道除雪は細かい作業が多く、作業スピードが上がらないということなどが挙げられております。通学時間帯に間に合わず、歩行者の皆さんには大変ご迷惑をおかけしております。 県が除雪モニターに行った歩道除雪に対するアンケート結果にも、「どちらかといえば不満」、「歩道除雪が遅い」、「作業時間が不明」などといった不満の声が聞かれます。これらのことから、歩道除雪につきましても、歩行者の多い路線を重点的に早朝除雪を行うような体制としておりますことを、ご理解いただきたいと考えております。 また、ご質問の中で、近くの住民の方がボランティアで除雪をしておられるということがありましたけれども、このような市民の皆様による歩道除雪活動を支援するために、県ではハンドガイド式ロータリー除雪の貸出し制度を設け、報償費の支払いや燃料の補助を、補給を行っており、地域での活動をご検討いただければというふうに思います。また、市といたしましても、地域内の除雪を推進するために、小型除雪機械の貸与や、小型車両系建設機械特別教育講習会などの支援を行っておりますので、ご相談いただきたいと思います。 今年度策定予定の「みんなで無雪害まちづくり計画」の中でも、小型除雪機械の貸与を含め地域ぐるみの除排雪活動について、地域の皆様と協議をさせていただきたいと考えております。いずれにいたしましても、歩道を含めた除雪については、国県とも連携をとりながらしっかり取り組む所存でありますが、行き届かない点等がありましたらご連絡をお願いいたします。また、市民の皆様におかれましても、通学路などの安全確保に引き続きご協力をお願いしたいと考えております。 ○議長(西井秀治議員) 三谷民生部長の答弁を求めます。 三谷部長。   〔三谷直樹民生部長登壇〕 ◎民生部長(三谷直樹) 私から、高齢者等除雪支援事業についてのご質問にお答えをいたします。 現在、市が実施する高齢者の在宅生活支援サービスの一つとして、住居の屋根雪おろしや家周りの除雪に係る費用の一部を助成しておりますが、平成23年度の屋根雪おろし支援の実績は、前年度に引き続き豪雪となったこともあり、300世帯で、延べ除雪実施回数にして358回のご利用があり、約350万円を予算執行したものであります。この制度は、1回当たり1万円を限度に、1降雪期2回までを上限とした助成制度でありますが、平成22年度では特別豪雪対策本部を立ち上げたことから、1降雪期4回までに引き上げて実施し、柔軟な対応を行ってきたところであります。 申請につきましては、高齢弱者の方もいらっしゃることから、代理者による申請や提出でも受け付けております。ただし、申請には領収書のコピーや民生委員・児童委員の方々の確認の署名が必要になり、民生委員・児童委員の方々にはご苦労をおかけしておりますが、最低限の必要事項等を明記していただく様式となっておりますので、ご理解くださるようお願いするものであります。 また、家周りの除雪に対する支援でありますが、屋根雪除雪とは別に、軽度生活援助事業の中にシルバー人材センターを利用し、年間支援限度額は1万円となっておりますが、除雪費用の5割を支援する事業もありますので、このサービスも利用していただければと思っております。 今後、市といたしましても在宅福祉の充実に努めなければならないのは当然のことと考えておりますが、行政と市民の皆様がともに知恵を出し合い、地域社会全体で支え合う市民協働の体制づくりこそ最も重要であると考えております。 ○議長(西井秀治議員) 上坂建設部長の答弁を求めます。 上坂部長。   〔上坂吉明建設部長登壇〕 ◎建設部長(上坂吉明) 私からは、地域ぐるみ除雪機械購入事業の拡充についてのご質問にお答えを申し上げます。 市では、地域ぐるみで除排雪を行う自治会に対し、10%の地元負担で小型除雪機械を貸与してきており、合併以降、平成23年度まで全体で26台ご支援をしてまいりました。しかしながら、5月末での各地区からのご要望台数は、今年度分を除き26台と多く、多額の費用が必要となっております。市では、これまで毎年約1,000万円の予算を計上して努めてまいりましたが、本年度は少しでも多くのご要望におこたえをすべく、ほぼ倍額の予算を計上したところでございます。 なお、この事業は補助金3分の1の県の事業を活用しておりますが、南砺市への助成は県全体の30%近くになってきたこともあり、県としましてもこれ以上の増額はなかなか難しいとも伺っております。 ご質問の市単独の事業としての予算化につきましては、多額の費用が必要なことから、新たな財源として有利な起債や補助金がないか、検討してまいりたいと考えております。いずれにいたしましても地域ぐるみ除雪機械は、冬期における地域社会をみんなで支えるものとして大変有効なものでございます。少しでも早くご支援をさせていただきたいと考えておりますので、これまで以上の地域のご協力をお願い申し上げます。 ○議長(西井秀治議員) それでは、ここで暫時休憩いたします。 議場の時計で11時20分から会議を再開いたします。 △休憩 午前11時10分----------------------------------- △再開 午前11時20分
    ○議長(西井秀治議員) 会議を再開いたします。 各議員による市政一般に対する質問並びに提出議案に対する質問を継続いたします。 13番、齊藤光一議員。   〔13番 齊藤光一議員登壇〕 ◆13番(齊藤光一議員) 冒頭、浅田議員からもエコビレッジ構想の質問があったわけですけれども、私もエコビレッジ構想の取組について質問させていただきます。 南砺市と歴史的に縁の深い福島県南相馬市は、いまだに復興に向けての道のりは遠いものがあります。地震、津波に加えて福島第一原子力発電所の事故が地域に深い傷跡を残し、復興計画を立てにくいばかりか、農業、漁業を初めあらゆる産業の、そして市民の生活の前途が見えない状況にあるといっても過言ではありません。この春には、20キロ圏内の一部が立入禁止を解除されましたが、あくまで復興計画を進めるための解除であり、住民は泊まることすらできないのが現実であります。「原発マネーを一円も受け取っていないのに」という桜井市長の言葉は、無念の思いに満ちています。 電気事業法の改正により、1995年に電力の自由化制度がスタートしました。しかし、発送電一体の全国10電力会社の地域分割構造の中での新規参入は非常に困難性に満ちており、電力の自由化にはほど遠い実態にありました。日本の電力料金は先進国の中では高額であり、国内産業の空洞化の原因であるとも言われてきました。 今日、エネルギー政策が大きく転換するもとで、ローカルサミットの宣言を踏まえ、市長はいち早くエコビレッジ構想を示されました。これは高く評価できます。富山県は三方を山岳に囲まれ、そこに降った雨は日本海にかけ下ります。南砺市は山林が多くを占め、庄川、小矢部川の大河川を初め中小の河川が流れているわけですが、この有利な条件を生かし、ローカルなエネルギーをローカルに活用する仕組みづくりが、これからの時代にマッチした構想であると思っています。 また、原発の事故は食の安全についても問題を提起しました。安心して食べることのできる食材を、この南砺の地から消費者にどのように供給していくのか、その場合、ローカルなエネルギーをどのように農業分野に活用していくのかも大きな研究課題として挙げられると思っています。 この南砺市のエコビレッジ構想は、関係団体などから大変な関心を持って見られています。私のもとへも「ラジオで聞いたが、」と、新エネルギーに取り組んでいる県内の事業所から問い合わせがありました。この構想の実現を通して、南砺市がエコなまちづくりに積極的に取り組んでいることを全国にアピールできたら、そして地域がより元気になればと思います。市長の思いもその一点にあるのではないかと思っています。今後の取組を通して、どのように展開されようとしているのかお聞きします。 まず、1点目、市長は、この構想に先進的なものと地域社会本来のあり方を感じ、熱い思い入れで取り組む決意をお持ちでしょうが、その思いをお聞きします。 2点目です。エコビレッジ構想を構成する基本ポイントは何なのかという点であります。 5月の全員協議会で、グリーンニューディール基金と桜ヶ池エコビレッジ構想のゾーニングの2枚のペーパーが示されましたが、この資料からは何をしようとしているのかよく見えません。この7月から施行されるまちづくり基本条例では、計画作成の段階から市民に情報を提供し、情報共有をしながら計画を作成することを基本的な柱の一つとしていますが、市民からの意見が上がってくるのを単に待っているだけでは、まちづくり基本条例の趣旨に沿ったものとは言えません。行政が把握しているあらゆる情報をもとにベース部分を示すこと、いわゆるたたき台を示すことが必要かと思います。桜ヶ池エコビレッジ構想を取り組む目的は何なのか、構想を構成する基本ポイントは何なのかをお伺いします。 3点目は、エコビレッジ構想と市民協働の関係についてお聞きします。 当面は、庁内のグループによって構想を練り上げるように聞いていますが、実態としては、行政は国なり県なりの指示を待っている面もあるのかなと感じております。補助事業ですから、当然、国の基準に限られた事業内容になることは承知していますが、単に国の基準に基づき「モデル事業をやりました」で終わらせるとしたら、非常に残念な気持ちが残ります。市内でもさまざまな事業所や団体、個人がエコな取り組みを展開し、また、研究や実験を展開していますが、これらの人々の思いや知恵をこの構想にどのように生かしていくのか。 南砺市は、新エネルギービジョンに始まりエコタウン構想策定では実践的取り組みをしている市民も参加の上でつくり上げてまいりました。この知恵を桜ヶ池エコビレッジ構想に生かして、この周辺で何ができるのか、補助事業の枠を超えた形で練り上げることが大切ではないかと考えています。このテーブルは、必ず次のステップ、全市的な取り組みに発展的に結びついていきます。 4点目は、この全市的エコビレッジ構想の展開をという提言でございます。 今回の事業は、桜ヶ池周辺での展開を目的としていますが、バイオマスタウン構想に沿った事業本来の目的からいうならば、市内全域でエコ事業を展開することだろうと思っています。例えばごみ処理施設の更新が、計画俎上に上がってきています。建設費の削減、ランニングコストの低減を目指すことが必要ですが、では、ごみの減量化をどのように図っていくのか。ファーストステップはごみ袋の有料化でしたが、セカンドステップは生ごみの資源化、再利用が当然視野に入ってきます。また、市内の山林の有用活用を目指すなら、未利用の森林資源のエネルギーへの転換活用の仕方が模索されます。 小水力発電や太陽光発電で起こした電気エネルギーは、公的施設で活用されることになるでしょう。あるいは一部売電も視野に入れてよいのかもしれません。構想を全市的な視点で見るならば、地区、地区に応じた構想が浮かんでまいります。農業、観光、林業などの地域産業創出、地域雇用の新たな展開にも結びついていきます。桜ヶ池周辺にとどめることなく、今後、全市的にこの構想を展開すべきものと考えていますが、市長のご見解をお伺いします。 5点目であります。産・官・学そして市民連携の取り組みをという提言でございます。 全市にエコビレッジ構想を拡大する場合に、再生可能エネルギー事業において大きな課題ができたことも事実であります。2003年にRPS制度により、再生エネルギー発電の一定量買い取り義務づけ制度がスタートしました。しかし、目標が低く設定されたため、欧米先進国が飛躍的に伸びたのとは対照的な日本の結果となっております。 この7月から、FIT再生可能エネルギー発電電力の固定価格買い取り制度が始まります。例えば、農業用水を使った発電に多い200キロワット・パー・アワー未満では35円70銭キロワット・アワーと、既存買い取り価格に比べて大幅増となります。これによって、新エネルギー事業も経営の見通しが立ってきたのです。しかし、一方、施設の建設を支援する補助金を経済産業省は打ち切るようです。現場にとっては、初期投資が大きな課題となってまいります。また、水利権の弾力的な運用も検討課題となるかと思います。この課題をどのように解決するのか、その場合に、「産・官・学・民」の連携による資金的、経営的、技術的な試算や実験などさまざまな検討が必要になってくると考えますが、この連携に対する見解をお伺いします。 桜ヶ池周辺のエコビレッジ構想は、壮大な実験のワンステップであります。これをセカンドステップにどのように結びつけていくのか、そのことを前提にワンステップに取り組んでいただきたいというのが、先駆的にエコに取り組んできた市民の思いであります。市内はもちろんのこと、市外からも熱い視線を浴びていることを意識しながら、この事業に取り組んでいただけたらと思っております。 ○議長(西井秀治議員) 田中市長の答弁を求めます。 田中市長。   〔田中幹夫市長登壇〕 ◎市長(田中幹夫) 齊藤議員の、桜ヶ池エコビレッジ構想の取り組みを通して目指すものは何かという質問についてお答えをいたします。 まず、私がエコビレッジ構想実現にかける思いについてでございますが、3月11日以降の東日本大震災の惨状そして現場で感じたこと、それはそれ以前からやはり循環可能な地域社会もしくはエネルギーも含めて、食も含めて、地産地消等々の議論の中でずっと感じてきたところでございますが、まさに3月11日以降の被災地を見たときに、改めてこの復興の道筋の中に、いろんな今まで我々が文明社会を築く中で忘れ去られたものをいかに戻していくかということが重要なのではないかというようなことを感じてきたのであります。 その中で、昨年の9月に南砺市でローカルサミットが開催されました。その中では「土徳の里」この南砺から、いのちの紡ぎ直しというテーマの中で、さまざまな分野での議論がなされました。もちろんエネルギー、環境保全のみならず、まさに医療、福祉、健康、さまざまな点での議論の中で、我々は都会というものが、今まで自立をしていたんではないかという錯覚をしていたということを改めて感じました。 先日、水道水にもさまざまなものが混入されると、全く都会では水は飲めなくなります。エネルギー、電力もまさにそうでございますし、食料もそうだというふうに思っております。都会というのは、都市というのは自立していないという思いを、この日本を再構築するためには、もう一度我々地方が、地域が、小さな循環かもしれませんが、自立できる形をモデルとして、そのことを全国に発信をしていくべきではないかなと、こういった決心をローカルサミットの首長サミットの中で感じたことが発端だったと記憶しております。 いろんなお話の中に、今回のエコビレッジ構想というお話をさせていただきますが、具体的に今後さらに詰めて進めていく事業だというふうに思っていただきたいと思います。現在、さまざまな状況の中で、財源も含めての調整もしくは人的な進め方、いろんなものを今まさに協議をしておるという現状でございます。 ただ、私の思いとしては、このことからさらなる南砺市の飛躍の一つの道筋につながるものだというふうに思っております。そのことも含めて、私のほうからももう少し突っ込んだ説明をさせていただきたいと思います。 地域の自立ということがあります。まさに地域再生の考え方でございまして、これは今ほど言ったとおりでございます。その中で、先ほど浅田会長のときの答弁にも入れましたけれども、命の4分野ということを考えておりまして、これは「農林水漁業の分野」、そして「健康・医療・介護・福祉の分野」、「教育・次世代育成の分野」、そして「環境保全・エネルギー分野」と、この4つの分野をどう連携し、どう連動させるかということによって、経済中心の「お金のものさし」から、少しずつ「いのちのものさし」へと導くことが大切である。多様性あふれる豊かな森と水、そして自然に抱かれた日本の原風景であるこの地域から、自立循環型の社会を構築していかなければならないという考えでございます。 こうした考えに基づいて地域の自立と連携を深めながら、進めながら、総合的なまちづくりにつなげていく手段としてエコビレッジ構想を位置づけており、今後の新たな暮らし方についての取り組みは、南砺市の重要な施策の一つと考えていきたいとこのように思っております。議員各位のご理解とご協力をさらにお願いを申し上げます。 次に、エコビレッジ構想の目的と、構想を構成する基本ポイントでございますが、エコビレッジ構想の目的は、毎回、今も申し上げました持続可能で自立循環型の社会を南砺市において再構築をするということでございます。 浅田議員の代表質問でもお答えいたしましたけれども、エコビレッジ構想を構成するポイントは、「自然エネルギーの創造」、「いのちの森の創造」、「元気農業の創造」、「にぎわいの創造」、この4つの柱で構成をし、この桜ヶ池のエコビレッジモデル構想がさらなる広がり、市内全域もしくは国内へ広がっていく、そういったモデル地域に、モデルにしていきたいというふうに考えております。また、その創造を含めて、小さな地域でのソーシャルビジネス、地域コミュニティ等を連動・連携させることによって、農産物の地産地消や都市住民との交流、そして教育環境や介護福祉の取り組みにも生かせる総合的なまちづくりを、「循環」という考え方のもとに再構築をしていきたいとこのように考えておるわけでございます。 また、エコビレッジ構想と市民協働社会についてのご質問でございますけれども、一人ひとりが市政に参画をし、市民の皆様が主体となって協働でまちづくりを進めていることについては、南砺市まちづくり基本条例の前文にも記しております。エコビレッジ構想においてもその理念を尊重し、実行するものでございます。 具体的には、8月に市民の皆様から委員を公募して、「なんとエコビレッジ志民会議」、志の民会議と書くわけですが、立ち上げたいと考えております。市民の皆様からエコビレッジ構想の具体的な計画または実践までのすべてに参画をいただき、地域全体で目的の実現に向けてつくり上げる会議にしていきたいと思っております。積極的なご参加をお願い申し上げます。 次に、全市エコビレッジ構想の展開と実現を目指した取り組みについてお答えをいたします。 地域の自立循環型社会を構築するために、潤滑油的な役割を担う小水力発電、太陽光発電等の再生可能エネルギーは、既存エネルギーと比較して経済性でまだ怠っていること、安定的に電力を供給する能力が不十分であること、ネットワーク技術を利用して供給側・需要側を同時に制御をし、安定した電力供給を行うスマートグリッド技術の実用化を検討する必要があることなど、今後、克服すべき課題があります。このような課題をモデル的な実証により解決した上で、市内全域での取り組みに波及できる展開を目指すことにより、効率的で確実な今後の事業展開につながるものと見込んでおります。 また、今回、モデル地域として設定した桜ヶ池周辺は、小水力、太陽光、地中熱、バイオマス等の多様な再生可能エネルギーが、適度なコミュニティの中に存在していること、また、活用上も、南砺市の代表的な里山の原風景が残っており、懐かしい未来、真の日本を具現化できるエリアではないかなというように思っております。また、交通の要所として観光のポータルサイトとしてもいいのではないかと、こういうふうにも思っております。先ほども述べました4つの柱を連動させながら、自立循環型社会構築の過程を市民の皆様にわかりやすく説明、お示しすることこそが、実証地として最適と判断をしたものでございます。 「産・官・学・民」連携の取り組みについてお答えをいたします。 本構想は、計画策定から実践まで、市民の皆様の思いが深くしみ込んだものでなくてはならないというふうに考えております。地域の未来をどのようにデザインをし、そして何ができるかをみんなでまずは話し合い、地域全体で計画をつくり上げ、それに向けて実践するものであります。そのため、「志民会議」のメンバーとして地域住民だけではなく、地域団体、農業者、商工業者等多種多様な立場の方々に参加をお願いしたいと考えております。 また、エコビレッジ構想実施のための財源として、従来型の国県からの補助金、交付金だけではなく、この構想に賛同していただける方々からの支援金、寄付金またはふるさと納税等を原資とする(仮称)エコビレッジファンド等を設立し活用できないだろうか、現在、検討に入らせていただきました。 また、議員ご指摘のように固定価格買い取り制度等の施策上の問題、先ほど述べましたように再生可能エネルギーの導入に当たっての技術上の問題等解決しなければならない課題はありますので、必要に応じて企業、大学等の有識者会議を設置することも今後検討したいと考えております。 いずれにいたしましても齊藤議員の申されますとおり、市民の皆様の思いをしっかりと取り入れ、それに対してこたえていかなければならないものと考えておりますので、議員各位のご理解とご協力をお願い申し上げます。 以上であります。 ○議長(西井秀治議員) 暫時休憩いたします。 午後1時から会議を再開いたします。 △休憩 午前11時43分----------------------------------- △再開 午後1時00分 ○議長(西井秀治議員) 会議を再開いたします。 各議員による市政一般に対する質問並びに提出議案に対する質疑を継続いたします。 12番、山瀬悦朗議員。   〔12番 山瀬悦朗議員登壇〕 ◆12番(山瀬悦朗議員) 12番、山瀬悦朗でございます。 きのうの午後、井口の椿館で、自分にとってものすごい刺激的な集まりがありました。県内外から60名余りの方が集まって受講された「ほめ達検定」、褒める達人になるための講習とその検定を受けました。何とか3級の認定証をいただきましたので、きょうの質問はそのほめ達を心がけて質問したいなというふうに思っております。 さて、今、策定過程にある(仮称)南砺市山間過疎地域振興条例、私は平成18年12月議会に、京都府綾部市の水源の里条例を例に挙げて、山間過疎地域の振興について取り上げ始め、田中市長になってからも22年3月、9月、12月と条例化の提案をさせていただきました。そして、平成23年度の予算で条例策定の予算が組まれ、昨年10月より着手されました。自分にとっては念願のという思いで進捗を注視してまいりました。 そして、5月に議会に示された条例、素案ですが、これはすごい、早い、しかし惜しい。条例の項目、条文は、上越市の中山間地域振興基本条例とほぼ同じであります。ここで上越市の事例を紹介いたします。 上越市は人口約20万人で、旧上越市を中心に14の市町村が一緒になった市であります。南砺市と同じように、妙高高原など山間地域を背後にして、山際山間集落を数多く抱える市であります。その策定過程は、議会において平成20年に中山間地対策特別委員会を設置したことから始まり、市当局もそれに対応して、2回の集落の実態調査に職員が入り、ヒアリングし、議会では策定までに作業部会14回、委員会28回、全議員説明会4回、市民の意見を聞く会9会場などの過程を経て3年間経過し、平成23年6月議会に議員提案で上程されて制定されました。 上越市の策定過程を見てみると、すごいなと感じたのが、2回行われた行政職員の集落へのヒアリングそれと条例の前文であります。やはり生活の実態を、そして住民の思いをつかむということがしっかりなされ、その思いが前文に入っているのだなと感じております。ここで上越市の中山間地域振興基本条例の前文を紹介させていただきます。 「私たちのまち上越市は冬になると雪が降ります。積もる量は日本屈指、ここは豪雪地帯です。雪の中で暮らす人たちは助け合い、人としてのやさしさとたくましさをもって生きてきました。 山々に降った雪や雨は、大地にしみ込み、里へと流れ、日本海に注ぎます。その水を含んだ大地は、私たちにとって大切な命の源であり、郷土の誇りコシヒカリや多くの野菜を実らせ、日本海の豊富な海の幸を育み、私たちの暮らしを支えています。 山があり、海があり、大地がある私たちのまち上越市は、私たちにとって地球上の他の地域に求めることのできない心のふるさとです。 しかし、市域の多くを占める中山間地域では、社会経済構造の変化の中で人口減少や高齢化が進み、農地は荒れ、集落の存続が危ぶまれる状況が広がってきています。 こうした流れに歯止めをかけなければ、上越市の未来はありません。私たちは中山間地域の資源やそれらが産み出す恩恵が市民共有の財産であることを理解し合い、市民みんなで中山間地域を支え、市民が安全に安心して住み続けることができる地域社会の実現を目指すことを決意し、この条例を制定します。」 以上が前文であります。すばらしい思いのたくさん入った前文であります。 さて、南砺市の策定過程は、昨年10月より市長政策室内の策定準備委員会、策定検討委員会で計5回、そして公募市民も含めた検討等市民委員会で3回条例案が検討され、この後、パブリックコメントを経て9月議会にもという話を聞いております。当然、初めてつくるときには時間と回数がかかります。2回目以降は時間がかからずにということは当然でありますが、しかし、この山間過疎地域振興条例という、今まで行政サービスの平準化を求めてきた南砺市が大きくかじを切って、同じじゃないよ、いろんなところがあるんだということを認め、それに対して何らかの施策をするための条例をつくろうとしている今、これまでの策定過程に私は不安、心配を感じるわけであります。そんな思いを持ちながら、質問をさせていただきます。 1つ目には、条例の素案は、見事に上越市の上越市中山間地域振興基本条例そのままの項目で、条文もほぼそのままでありますが、南砺市と上越市をどう比較検討されたのか。 2つ目に、2年余りの時間と、多数の市民が参加して策定したまちづくり基本条例、このやり方でできるのか。 3つ目に、昨年10月から準備委員会、検討等市民委員会、策定検討委員会が開催されて進められていますが、その情報の公開はどうなっているのか。 4つ目に、過疎地域だけでなく、それ以外の地域の市民が認識して同じ思いを持つことが大事だと思いますが、その方策はどのように進めるのか。 そして5つ目に、9月議会条例案上程では、つくっただけの条例になる可能性が高いと思います。今後の進め方の再検討を求めたいというふうに思っています。 市長のまちづくり条例にかける思いは、すごい、さすが、すばらしい。その結果、あれだけ実のあるものになって、今後の南砺市のベースとなっていくと確信しています。そしたらこの山間過疎地域振興条例、いろいろたくさん違いがあって楽しい、おもしろい、また来たくなる、生まれてきたよかった南砺市、この思いが市民みんなに広がる過程を経て、条例として上げましょう。9月まで急ぐ必要はないでしょう。先ほどの力強い出馬表明もありましたので、エネルギーはたくさんかかりますが、そのエネルギーは人を育てます。やっていきましょう、田中市長。 ○議長(西井秀治議員) 田中市長の答弁を求めます。 田中市長。   〔田中幹夫市長登壇〕 ◎市長(田中幹夫) ただいま山瀬議員の質問をいただきました。さすがすばらしいパワーで質問をいただきました。私もほめ達の3級でございますので、冒頭にこのことをお知らせをしたいと思います。 上越市の条例との比較また策定方法や情報公開についてということでございますが、そのことについては市長政策室長から答弁をさせていただきます。 私からは、まず、過疎地域以外の市民の皆様が認識して同じ思いを持つための方策についてお答えをいたします。 山瀬議員のおっしゃるとおりでございまして、この条例は、過疎地域とそうでない地域の市民全員が山間地域の公益的機能が南砺市民の共有財産であり、南砺市民全員で守っていかなければならないものであるという意識を持つことが条例の目的でもあります。したがって、振興策の対象外となる地域の市民の皆様に、山間地域の重要性をどう理解していただくかがポイントであり、今後は、過疎や山間地域の重要性をテーマとしたシンポジウム等々を開催するなどして、市民の皆さんにさらに広くご理解をいただくよう、また、情報を発信していきたいと、このようにまずは考えております。 次に、今後の進め方についてのお答えをいたします。 この条例の策定は昨年度から取り組んでおりますけれども、南砺市の山間地域の過疎化は日に日に進んでおり、少しでも早く条例を制定したいという思いで取り組んでまいりました。昨年は総合計画の後期計画と同時期にスタートさせた分、総合計画の後期計画がお認めいただいた、そのことも受けながらこの条例の策定について検討を進めたものだというふうに思っております。 先日の議会の皆様方にご説明をしましたとおり、現在、素案がかたまりつつあります。9月の議会で条例案上程を目指して準備を進めてきたところでもあります。この条例は、今後、山間過疎地域の振興を図るための基本的な考え方を、まずは定めるものであり、直接施策についてどう展開していくかということは、今後のさらなる検討になるわけでございます。したがって、この条例をつくれば終わりということではなくて、同時に作成、同時にさまざまな施策についても今後検討をしていかなければならないというふうに思っております。 過疎地域の各種振興施策については、本当に幅広い、そしてそのことについてはさまざまな情報収集をして、きちんと山間地域、過疎地域以外の方にもご理解をいただくものをつくっていかなければならないというふうに思っています。このあたりに、今後、非常に時間も労力もかかるのではないかと私は思っております。したがって、この条例が制定された後さらなる取り組みがあって、初めて山間過疎地域の振興につながるものだとも思っております。 今後、議員の皆様方のこの条例制定のご意義をさらにご理解をいただくとともに、条文についてのご意見をいただき、再度、策定検討委員会、検討等市民委員会、策定委員会にて協議を行い、パブリックコメントの実施の後、市民の皆様への説明を経て条例案の上程をしたいとこのように考えております。 ○議長(西井秀治議員) 高山市長政策室長の答弁を求めます。 高山室長。   〔高山博文市長政策室長登壇〕 ◎市長政策室長(高山博文) 私のほうから、上越市中山間地域振興基本条例との比較検討等についてお答えをいたします。 上越市中山間地域振興基本条例は、今ほど山瀬議員さんのほうからこれまでの経緯をご説明をいただいておりますけれども、特に22年9月の定例会において、一般質問の中で議員さんのほうから、参考すべき取り組みということでご紹介をいただいたところでございます。当時はまだ策定途上ということでもございましたが、今ほどお話あったように、議員さんが中心となって進めている先進的な事例というお話でございました。 その後、今ありますように条例は制定をされまして、そしてまた、議員提案による中山間地域振興基本条例の制定というこういうことで、マニフェスト大賞最優秀成果賞を受賞されるということなど、全国で高く評価をされておるということでございますし、地域振興に関する条例としてお手本とすべきすばらしい条例であるというふうに考えているところでございます。 当南砺市におきましては、議員提案という形ではございません。今ほどあったように、各議員さんのほうからご提案をいただいて、市長のほうでこれに取り組むということで今まで進んできたということでございますが、市職員による策定検討委員会での素案作成の段階で、この上越市中山間地域基本条例というものを今ほど言いましたように参考とし、南砺市の現況、状況と照らし合わせて条文を検討いたしてきました。 その過程で、上越市の状況、今ほど議員さんのほうからもご紹介ございましたが、上越市というところは14市町村による合併ということでございますし、山間部から平野部までの地理的条件そして山村部から都市部までの過疎の状況が全く違うという市町村の合併でございます。このことは、8つの町村が合併した南砺市の状況と非常に似ておるというところもございますので、参考にすべき点が多々あるというふうにわかったところでございます。 上越市の条例の検討過程で挙げられました中山間地域が抱える問題として、人口減少、後継者・担い手不足、耕作放棄地の増加、コミュニティ機能の低下などがありましたが、それらは若干状況が違うというところもございますが、ほぼそのまま当市の山間地域にも当てはまるということでございますし、言ってみれば日本の過疎地域の大部分に共通する問題でもあるというふうに考えております。そして、それらの地域の振興が、その自治体の住民全体の安心安全で豊かな生活につながるという、目指す点でも共通する部分がございます。 以上のことから、上越市中山間地域基本条例を素案作成の際に参考といたしたということでございます。そういうことで、似た部分もあるかというふうに思いますが、今ほど言いましたように策定段階の中で策定検討委員会、検討等市民委員会、策定委員会での協議の中で、それぞれ条文一つひとつに対して南砺市の状況はどうかということもかんがみながら素案を策定したということでございます。結果的に似通った部分はございますが、上越市の条例をそのまま置きかえたということではないということはご理解を賜りたいというふうに思っております。 次に、まちづくり基本条例のやり方でできないのかという、ご提言をいただいております。まちづくり基本条例は、市民全体で共通の問題意識、共通の目的を持ってつくられた条例で、すべての市民がその対象となりますので、市民の皆様による策定過程は大変すばらしい取り組みであるというふうに議員さんのほうからご評価もいただいたということでございます。 しかしながら、今ほど議員さんのほうでおっしゃいましたように、いわゆる平準化から差別化という部分もあるというこの仮称ではございますけれども、南砺市山間過疎地域振興条例は、市民全体が南砺市における山間地域の重要性を理解し、市民全体で山間過疎地域の振興に取り組むことが、市民の安心安全で豊かな暮らしにつながることを共通認識をするという点においては、すべての市民がその対象となります。しかし、振興策の対象となる山間過疎地域に住む市民の皆様と、いわゆるそうでない地域に住む市民の皆様とでは、過疎に対する危機感とか思いとか、大きく違うということも想定されるところでございます。そういうことから、今回はすべて公募委員による市民の皆様による策定という形には、いたしてはいないというところでございます。 ほかの地域の地域振興に関する条例の先進事例等を調べましても、議員提案による制定事例はございましたけれども、住民による事例というのはなかったというふうに思っております。 こういうことから、この条例案は行政側からの最初の提案というふうになっておりますが、今ほどご紹介申し上げたように、検討の段階から市民の皆様の意見を反映するため検討等市民委員会を組織し、そして振興策の対象外とされる、想定される地域も含めた南砺市全域で地域づくりや地域振興に活躍されている方、そして過疎地域に関連する各種団体等で推薦をいただいた15名の委員の皆様から、さまざまな意見をいただいております。また、今後、案ができましたら、今ほど言いましたようにパブリックコメントも実施する予定でございますので、その際に多くのご意見をいただきたいというふうに考えております。 次に、仮称ではございますが、南砺市山間過疎地域振興条例の策定過程における各委員会の情報公開についてということでございますが、準備委員会、策定検討委員会、そして策定委員会について、そういう委員会については、これまで市の職員による部内会議ということもありましたので、これまで会議の公開とか議事録のホームページ等への掲載は行ってこなかったということでございます。また、検討等市民委員会につきましても、傍聴とか議事録の公開は今まで特に実施をしておりませんでしたが、議員の皆様には市民委員会での主な意見をまとめ、そして資料を配付させていただいたところでございます。 今後、まちづくり基本条例が施行されるということもございますし、また、積極的に情報を公開していくということから、会議を公開し、会議録についてもホームページ等に掲載して情報の共有を図ってまいりたいと思いますので、よろしくお願いします。 ○議長(西井秀治議員) 次に、3番、赤池信彦議員。   〔3番 赤池伸彦議員登壇〕 ◆3番(赤池伸彦議員) 通告に従い、有害鳥獣対策と地域活性化策について質問します。 最初に、有害鳥獣対策についてお尋ねします。 鳥獣被害については、これまでに私を含めて何人かの議員からさまざまな視点で質問があり、対策もなされてきましたが、より効率的な対策を検討していただきたく、改めて質問いたします。 現在、農作物の被害や耕作地への侵入を防ぐための電気さくは、かなり広範囲に設置されるようになり、箱わなによる捕獲や銃による捕殺も含め、昨年は予想していた被害を大きく下回る結果になりました。これらの方策が効果をもたらした要因の一つであることは明らかであり、事業の継続を強く望むものであります。 しかしながら、現在実施されているこの方法では、設置・維持管理・撤去に大変な時間と労力を必要とします。これを解決する対策の検討を3月定例会でも質問いたしましたが、現在、それなりの効果が上がっているとの理由により、より効力のある方法や装置が開発されるまで、電気さく中心に進めていくとの答弁でした。 しかし、被害の多い中山間地域では、高齢化や過疎化が深刻な問題となっており、対策が開発されるのを待っているだけでは遅過ぎるのです。作業負担が軽く、効果の高い新しい方法をみずからが研究していくなど、より積極的な検討を早急に進める必要があると考えます。 先日は、近所の方から、「イノシシちゃ、ラベンダーのにおいが嫌いながやって、さっきラジオで言うとったよ」という話を伺いました。調べてみますと、それなりの効果はあるのですが、どれくらいの量で、どの程度の面積まで効力があるのか、数値的なデータに不足するということで、忌避剤としての実現化までにはまだ少し時間を要するとのことでした。 また、先月26日の北日本新聞には、「トウガラシで鳥獣被害防止」という記事があり、ソバ畑の周りにさくのようにトウガラシを植えたところ、鳥獣による被害はなかったとありました。このほかにもまだまだ実証実験に近いもの、ある程度の効果が見られるもの、さまざまな忌避装置や忌避剤がありますが、市として今後どのような忌避の方策を考えておられるのか、お答え願います。 次に、地域の活性化策について、3点お聞きします。 まず、スポーツを通じての地域活性化策について提言します。 幾つかの大学や専門学校の学生が、夏季休暇を利用し、市内の体育施設で合宿を行っている、また、今後予定しております。そこで、その合宿に来ている学生たちと婚活倶楽部会員との交流により、新しい出会いの場を設けたいと考えます。婚活支援事業も担当課を中心に、おせっ会の協力のもとで精力的・積極的に進められていますが、さらに活動の輪を広げ、より多くのカップルが誕生し、地域が元気になるよう期待しての提言であります。 合宿期間は1週間から1カ月とさまざまで、滞在期間中での実施の可能性や学生という対象年齢の限定、また、倶楽部への登録など、制度的にもクリアしなければならない部分もあろうかと思いますが、どのようにお考えでしょうか。 2点目は、地域の伝統や文化を生かした特色ある大学の創設・設置についてお尋ねします。 お隣の金沢市にある金沢大学について少しお話しします。以前は金沢城址にあり、世界的にも珍しい城郭内キャンパスで、自然の中で歴史あるアカデミックな雰囲気があふれる「お城のキャンパス」として、市民や観光客にも親しまれていました。しかしながら、学生数の増加やそれに伴う施設の拡充により手狭になり、1989年、文学部・法学部・経済学部を皮切りに、角間地区へと順次移転し、薬学部・工学部を最後に、2005年移転を完了しました。 移転前の角間地区周辺、鈴見・田上地区には住居が少しある程度で、山林・田畑がほとんどでありました。移転に伴い周辺道路が整備されまして、学生受け入れのアパートや集合住宅、ショッピングセンターや店舗、飲食店などがすさまじい勢いで次々と立ち並び、今では昔の面影が全く感じられない、大変にぎやかなまちになりました。金沢大学は、加賀百万石のネームバリューや、世界的にも珍しい城郭内キャンパスという特異性も追い風となり、周辺の開発・整備が加速度的に進められたと推察されます。 南砺市にも、歴史に培われた井波彫刻や五箇山民謡などの伝統の技や文化、美しい散居村の広がりや世界遺産の合掌集落とそれを取り巻く豊かな自然、そくさいネットの情報通信網など、誇れる分野がたくさんあります。それらを対外的に周知させるという意味でも、地域特性を生かした芸術系・技術系の学部や学科を持つ大学あるいは専門学校の設置が有効であると考えます。実現すれば、施設建設や道路整備による公共工事の発注、交流人口の増加や、ゆくゆくは定住人口もふえ、生活関連施設拡充のため各業種の動きも活発になり、地域活性化につながっていくと推察されますが、お考えをお伺いします。 3点目に、元気な高齢者の方のパワーを活用した施策の推進についてお尋ねします。 高齢化の目安となる65歳以上の人口いわゆる高齢化率は年々上昇して、ことし4月1日現在、総人口5万4,836人に対し、1万7,236人と31.4%に達しています。地域別で見ると、平地域が40.35%で最も高く、一番低い福野地域でも28.57%となっています。今後は少子化も影響し、ますます高齢化率の上昇が予想されます。ただ、ありがたいことに、65歳から75歳の方の年代は精力的に活動されている方が多く、総人口に占める比率も高いために、シルバーパワーを十分に発揮している地域も多く見受けられます。 しかしながら、その勢いはいつまでも続くわけではありません。次に続く世代人口は確実に減少していきます。今、元気な高齢者の方が多い間に、このパワーを最大限活用できるような施策の基礎づくりをお願いするものであります。シルバー世代の方々は、それぞれの地域で、その地域の特色を生かしたさまざまな活動に力を注いでおられます。地域ごとにはしっかりと取り組まれておりますが、さらに地域同士が連携し合うことで、お互いの地域が弱い面、不足している部分を補完し、強化できるというメリットが生まれると考えます。ぜひともそういう仕組みづくりに向けた施策の展開をお願いし、私の質問を終わります。 ○議長(西井秀治議員) 田中市長の答弁を求めます。 田中市長。   〔田中幹夫市長登壇〕 ◎市長(田中幹夫) 赤池議員の質問についてお答えをいたします。 私からは、地域活性化策における高齢者世代のパワーの有効活用ということについてお答えをして、ほかの件についてはそれぞれの担当部長のほうから答弁をしますけれども、幾つかのご質問で、私の考えを少しだけ冒頭に述べさせていただきます。 それぞれの鳥獣害の対策、それぞれの地域で取り組んでいただいております。心から感謝を申し上げるところであります。そしてまた、忌避対策につきましても、全国的にいろんなことを取り組んでおられる方がいらっしゃいます。そのことを行政としてやるときには、ある程度実証済みのものをどうしても取り組まざるを得ないというところがございますので、地元農家の地域の皆様方に、ぜひ先進的にこの忌避対策を、ぜひトライをしていただきたいな、こういった私の思いを持っています。 また、婚活の話もおっしゃるとおりでございますが、大学生、相手の大学生が合宿に来て、婚活という言葉がいいかどうかということ、いろいろありますので、こういったことはいろんな交流を通して結果的に定住につながればいいなというふうに思っておるところでございます。 元気な高齢者の方々のパワーをどう活用するかということでございますが、まさにそのとおりだと私も思っております。今までは社会に価値を生み出すと言われております生産年齢人口いわゆる15歳から64歳までの方々が老年人口を支えてきたと、こういった社会構造であったかと思っておりますが、今日では60歳代、60代から新しい仕事を始める方、70代でも地域活動に励んでいただく方、要介護者となっても何か人の役に立ちたいと考える方々が大勢いらっしゃいます。これがまた南砺のすばらしさだとも思っております。 例えばシルバー人材センターでございますけれども、契約実績については県下で2番目、会員数では3番目ということになります。これは我々南砺市が誇る、南砺市のシルバー人材センターはすばらしいというふうに思っております。会員が1,031名でございまして、まさに元気でさまざまな技、さまざまな皆さんの腕を我々に教えていただいておる、そんな機会をつくっていただいておることもあります。 また、南砺市の社会福祉協議会では、ボランティア活動に3,764名、3,764名の方が登録をいただいております。連携をとりながらケアネット活動などにも参加をしていただいておるということでございます。本当に感謝をしております。これらの活動を通して、長い人生の中で培われた知識や経験、技を生かして、長寿社会をより活力あるものに築いていただきたいというふうに思っております。 私もシルバー運動会だとかゲートボール大会、ペタンク大会等々参加をさせていただいておりますし、さまざまな地域での活動も見させていただいておりますが、やはり高齢者の方は大変元気でございますけれども、これから我々が考えていくのは、年代、年代を超えてお年寄りと子供たち、若い人たち、女性も含めての交流をしながら、もしくは一緒に取り組めるような事業をやはり考えていくべきではないかなと、こんなことも実は考えておるところでございまして、今後とも市社会福祉協議会等々と連携をとりながら、高齢者の方々の生きがいの確保と健康づくりの増進を図る事業などに積極的に支援を行ってまいりたいと考えております。 ちなみに南砺市は、今後、外側にはある程度ターゲットを絞った形での、おみやげだとか旅行商品を販売していきたいと考えておりまして、これはまさにGS世代、これはゴールデンシックスティーズと言われておる日本の一番今幅の広い、そして貯蓄高の高い年代層、そういった方々がまた南砺に来ていただく。また、そのことによって南砺市の高齢者の方、南砺市民がさまざまな交流の中で健康になっていく、そういったことも考えていくべきだというふうに思っております。 ○議長(西井秀治議員) 大浦産業経済部長の答弁を求めます。 大浦部長。   〔大浦章一産業経済部長登壇〕 ◎産業経済部長(大浦章一) 私からは、有害鳥獣対策の今後の忌避の方策の質問についてお答えいたします。 イノシシは、ご承知のとおりその生息地は年々北上しておりまして、現在では日本全土で確認している状況でございます。農産物の被害額も全国で68億円となっており、今後も増加していくものと考えております。 このような中、市内においては平成23年度末までに総延長163.3キロに及ぶ電気さくを設け、あわせて箱おり及び有害鳥獣駆除隊による捕獲により、平成23年度の農作物の被害は、ピークであった平成21年度の1,264万円から87%減となる167万円まで減少し、農作物の被害軽減に大きな効果があったものと考えております。本年度につきましても、新たに地域からの要望のありました電気さく約20キロと、箱おり5基を追加設置するために予算化したところでございます。 議員ご質問の忌避剤につきましては、猛獣の体臭やトウガラシ、ハーブ、ニンニク、ミョウガ、シソなど、比較的においのある作物などがテレビ等のマスコミでいろいろと紹介されておりました。しかしながら、その効果については多くの研究所、大学等で実証研究がなされておりますが、においで完全に撤退させるのは残念ながら難しいとの結果であると伺っております。 イノシシは大変警戒心が強く、憶病で注意深いが、学習能力は高い動物であります。したがいまして、先ほど申し上げましたにおいのある作物に対して、最初は警戒します。が、危険でないとわかると全く効果がないばかりか、忌避剤を体にこすりつけ、自身を害虫から守るための防御にすることさえ確認されております。こういったことから、イノシシに対する忌避については、3月定例会の一般質問でもお答えしましたが、その後、さらなる有効な手段についての研究事例や、他県の先進地に問い合わせるなどの調査も行いましたが、囲む、捕獲することが最大の防御であることも判明したところでございます。 したがいまして、このことから、ご質問のラベンダーやトウガラシについても一定の効果はあると言われておりますが、持続的な効果を考えますと、やはり現在推進しております電気さくや箱おりを設置し、管理していく方法が最も有効な手段と考えております。したがいまして、市といたしましては、今後とも集落における電気さくによる被害防除や箱おり、有害鳥獣駆除による個体数整理の取り組みに対し、引き続き支援を行ってまいりたいと考えております。 また、えさとなる果樹や収穫物を残さないこと、山際の草刈りなど、イノシシが出没しない環境づくりに地域ぐるみで取り組んでいただくことなどを周知徹底していき、被害防止対策を徹底してまいりたいと考えておりますので、今後ともイノシシ対策に関する取り組みに対して、ご理解とご協力をよろしくお願いいたしたいと思います。 ○議長(西井秀治議員) 高山市長政策室長の答弁を求めます。 高山室長。   〔高山博文市長政策室長登壇〕 ◎市長政策室長(高山博文) 私のほうから、市内で合宿等を行う大学生や専門学生との、市内の若者との交流の中における婚活への発展性に関する質問等についてお答えをします。 市では、平成23年度から、市内で学会、大会、会議、合宿等を実施される主催者に対して、参加者の宿泊費補助として1人1泊1,500円を助成する南砺市コンベンション支援事業を実施しております。条件といたしましては、第1に、大会等が市内で開催されるものであること、第2に、2日以上連続した日程で開催されるものであること、そして、市内の宿泊施設で延べ宿泊人数が30人以上であること、参加者に公務員以外の方が含まれていること、市からほかの補助事業を受けていないこと等が要件というふうになっております。 それで、平成23年度の実績でございますが、大学生の合宿が5件で約180人、社会人が1件で約20人、合わせまして200人の方がご利用されております。多くの場合が3泊4日の日程でございました。本年度も幾つかの大学から申し込みや問い合わせが入っておるというふうにお聞きをいたしております。 この事業を利用して、南砺市で合宿等を実施される大学生等の皆様と、婚活倶楽部なんと会員との出会いの場を提供し、婚活応援団なんとおせっ会の皆様の協力のもと、新たな婚活の輪を広げ、地域の活性化につなげてみてはどうかというご提案をいただきました。 赤池議員さんにおきましては、100名を超える婚活応援団なんとおせっ会の中で、会員番号6番ということで、早くからご加入いただきまして、日ごろから本当にさまざまな婚活事業にご支援、ご協力をいただいております。厚くお礼申し上げます。 先ほど当コンベンション事業の実績と本年度の予定を申し上げましたが、ご参加いただいております方のほとんどが大学生でございます。いわゆる結婚適齢期を迎えた方ではございません。したがいまして、直接的な婚活事業の展開は現段階では難しいかなというふうに考えております。しかし、数ある合宿先の中から南砺市を選んでいただいたという、そういうご縁を大切にし、このご縁や人と地域、人と人とのつながりを深めていくことで、今後、南砺市のファンや応援団となっていただけるよう、そういうような仕掛けをこの事業で展開していくことが重要ではないかなというふうに考えております。 参加された方がリピーターとなって何度も南砺市を訪れていただく中で、議員ご提案の婚活事業への参加、ひいては結婚、定住、子育てへとつながっていく可能性があるものと考えております。引き続きこのコンベンション支援事業の周知、宣伝に努めまして、数多くの皆様方に南砺市を訪れていただき、南砺市のよさを体験していただけるよう努力してまいります。 続きまして、地域性を生かした特色ある大学の創設についてお答えをいたします。 議員ご指摘のとおり、大学の設置が実現すれば、公共工事の発注増とか交流定住人口の増加、そして関連産業業種への波及効果などいろいろな面で地域活性化が期待できるというふうに考えております。 しかしながら、大学1年生であります18歳人口の推移を見てみますと、昭和51年に154万人で底を打った後、増加に転じ、平成4年に205万人ということでピークを迎えました。以後、減少しておりまして、平成22年には122万人となっております。そして、平成43年には100万人を切るという見込みがございます。 このような少子化と、一方では大学・学部新設等による大学全入時代を迎え、一部の大学を除くほとんどの大学で、少ない学生を奪い合いをしておると、これが定員割れや教育の質の低下を招くなど、大学経営は大変厳しい状況にあるというのが現状でなかろうかなというふうに考えております。このような状況におきまして、現段階では高等教育機関や専門学校の設置は大変厳しいものがあるというふうに考えております。 一方では、市内には伝統ある井波彫刻の発展・技術の継承のために設立されました井波木彫刻工芸高等職業訓練校があり、また、利賀芸術公園には、鈴木忠志先生の演劇指導を受けるため、北京の大学生25名が訪れるなど、芸術や文化を介した交流も幅広く行われております。また、一昨日には、鈴木忠志先生が中心となって、利賀アジア舞台芸術センターが設立され、今後、南砺市利賀村を世界の演劇文化の拠点と位置づけ、そしてアジアの若手演劇人や演出家を発掘、育成していくこととされております。 さらに、南砺市には、ほかに誇れる優れた伝統の技や、特色ある産業も数多くあることから、今後、それらの産業を生かした交流人口の増加について検討していくことも大変大切なことだと考えております。 ○議長(西井秀治議員) 暫時休憩いたします。 議場の時計で、午後2時から会議を再開いたします。 △休憩 午後1時49分----------------------------------- △再開 午後2時00分 ○議長(西井秀治議員) 会議を再開いたします。 各議員による市政一般に対する質問並びに提出議案に対する質疑を継続いたします。 7番、助田幸雄議員。   〔7番 助田幸雄議員登壇〕 ◆7番(助田幸雄議員) 大変短い質問でありますが、1点についてお伺いいたします。 総合墓地公園及び総合納骨堂建設についてであります。お墓のことであります。 南砺市は、本年度、南砺市まちづくり基本条例は7月1日より施行され、「私たちはこのまちに生まれてよかった」、「住んでいてよかった」、「これからも住み続けたい」と思えるまちづくりを目指す宣言をいたしました。また、人口減少その他の生活環境等の変化を踏まえ、南砺市総合計画、平成24年度から28年度後期基本計画が施行されました。そこで、平成24年度事業施策、安全で快適なまちづくり事業の中で、環境衛生対策の充実の施策があります。その中において、私は、お墓、墓地について質問と提案を申し上げたいと思います。 南砺市は、市営墓地3カ所、城端、井波、福野の運営、維持管理をしています。本年度、井波墓地の既に取得済み用地に、井波墓地造成が進められますが、墓地取得者にとっては、墓地には当然お花や水を利用されます。墓地近くには大きな用水の水の利用もございますが、非常に危険であります。井波墓地造成とともに、安心安全な水利用の場所の確保をお願いしたいと思います。また、環境美化を思うときに、廃棄物収集場所の増設と、その景観美化を考えてもらいたいと思う、市民の願いを考えていただきたいと思います。 南砺市、特に井波には、信仰の地として大谷派井波別院と浄土真宗本願寺派西別院を持つ信仰の土地環境です。今後、少子高齢化が進み、ひとり暮らしの人がふえると思われる中、また、家族の変化、家族環境の変化と墓地に対する思い、環境の変化が出てきております。お墓は、基本的にはこれは個人の問題でございます。しかし、安心安全で住みよい環境づくりを目指し、先取りした南砺市を進める中において、今後、南砺市はもとより、県下広域的な発想のもとに、美しい環境の中、県下最大と申しては大げさでございますが、総合墓地公園と納骨堂の建設を強く提案したいと思います。 また、逆に、一方の報道などには、ふるさとにお墓をつくろうという思いの人が多くなっているということもございます。確たる証拠はございませんが、新しい南砺市の発信をなされる一つの考えとして、注目される一つの施策ではないかというふうにも思っております。 質問は短いわけでありますが、南砺市民の皆様に、僧籍を持たれる田中幹夫南砺市長のご意見をお伺いいたします。そして私の質問を、短い質問を終わります。 ○議長(西井秀治議員) 田中市長の答弁を求めます。 田中市長。   〔田中幹夫市長登壇〕 ◎市長(田中幹夫) 助田議員の質問にお答えをいたします。 私からは、総合墓地公園等の建設についての質問にお答えをし、井波墓地造成等の件については民生部長から答弁をさせていただきます。 まず、総合墓地公園の建設でございますけれども、市内には市営墓地そして自治会単位の墓地、地区、町内会単位の墓地、また個人で設置管理されている墓地がございます。墓地公園とは、墓地そして園路、緑地等が総合的に整備をされ、墓地の機能だけではなく、墓地への参拝と同時に、緑の中での散歩、休憩等の静的レクリエーションの機能を持つ公園と定義づけられております。 総合墓地公園の建設をとのご質問でございますけれども、井波墓地の周辺はまさに東に八乙女山を拝し、緑豊かなすそ野は井波墓地と一体化しています。西には古城公園や井波八幡宮そして瑞泉寺があり、井波の歴史を感じさせる一帯が今も広がっているわけでございます。北には大門川河川公園やいなみ木彫りの里、また、井波彫刻総合会館が立地をしております。これらの施設は散策道路等でつながっており、これら一体を一つのエリアと考えれば、議員のおっしゃる総合墓地公園の機能は既に確保されているのではないかと私も考えておるわけでございます。 議員がおっしゃいました、最近の個人的な話ではございますが、やはり先祖を敬う気持ちそして宗教を考える気持ち、いろんなところで昔ながらのという考え方が薄くなってきている、これは現実だと思っておりますし、また、日本で無縁仏という方が3万体以上になったということもお聞きをしておりますし、家族だとわかっていても墓を持たない家庭がふえているということも聞いてはおります。 こういったときに、そのことも含めた墓地、納骨堂の建設の提案だというふうに思いますけれども、我々も、私も僧籍を持っておるといいながらも、本当にこのあたりが大変難しい点ではございますけれども、こういった世の流れもしくは先ほどエコビレッジ構想の中でもお話をさせていただきましたが、我々の本当に豊かに考えていた未来というのは、もしかしたら違った方向に向いていた、それを改めてもとに戻す、もしくは心のきずな、家族のきずなをしっかりともう一度取り上げる、そういった家庭をつくる、そういった地域をつくるということが、我々の今後の仕事だと思っております。 いろんな形で今後の問題点も出てくる、そしてまた、そういったことは注視をしつつ、民間の皆さんそしてさまざまな方々と大きな問題が出る前に取り組んでいかなければならないとは思っておりますが、現在のところは納骨堂をつくるという計画はございませんけれども、さらに今後の動向等を注視をしながら、また、皆様方にもさまざまな意味でご相談をさせていただきたいというふうに思っております。 ○議長(西井秀治議員) 三谷民生部長の答弁を求めます。 三谷部長。   〔三谷直樹民生部長登壇〕 ◎民生部長(三谷直樹) 私からは、井波墓地造成等の質問にお答えをしたいと思います。 まず、井波墓地造成と水利用の確保でありますが、井波墓地には旧墓地に1,493区画と、また、自治会に管理をお願いしております丸山墓地がございます。また、平成18年度には、新たに第1期区画造成工事として82区画を整備しましたが、多くが購入され、現在のところ10区画を切っております。このような状況を踏まえ、今年度は7月末までに第2期区画造成工事として50区画を増設しました。多くの皆様にご利用いただけるよう整備するものであります。 また、墓参時の花等に利用する水のくみ上げ場の確保につきましては、現在は側溝に仕切り板を入れて水を使用するようになっておりますが、くみ上げが困難なため、水量の多い農業用水を使用される方がおられ、大変危険であると伺いました。 このような状況から現地を調査し、区画造成工事にあわせて使いやすい施設として、議員が申されている安心で安全な水利の確保に努めるものといたします。 次に、清掃ごみ収集場所の増設と美化でありますが、井波墓地については、現在、施設内の2カ所に収集場所を設置しております。清掃については年2回、お盆と彼岸の後に清掃業者に委託して美化に努めてきたところでありますが、年間を通じての清掃は行っておりません。今後は、墓参に訪れる方にもご協力を呼びかけ、ごみの持ち帰りによる減量化とか、また、美化に努めていただくよう啓発をしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。 ○議長(西井秀治議員) 1番、古軸裕一議員。   〔1番 古軸裕一議員登壇〕 ◆1番(古軸裕一議員) 自民クラブの古軸裕一です。 通告に従いまして、本日最後の一般質問をさせていただきます。 富山県では、2015年度に北陸新幹線の開業を控え、それにあわせるかのように大きなプロジェクトが整いつつあります。2014年度に能越自動車道が灘浦インターチェンジから七尾インターチェンジまで開通し、東海から北陸にわたるルートがほぼ完成します。このルートは、ことしの辰年にあわせて、国の観光戦略として「昇竜道」いわゆるドラゴンルートと名づけ、伊勢神宮から名古屋城、高山、金沢などの観光名所をつなぎ、能登半島を頭に「昇り竜」に見立てて、中国を中心に誘客を図るプロジェクトがスタートしております。中部運輸局では、この取り組みを通じて、外国人観光客を2010年の約200万人から、3年間で倍の400万人までふやしたいと考えております。 また、ことしの秋には、日本海側最大級の斜張橋となる新湊大橋の供用も予定されており、利便性だけではなく、観光スポットとしても注目が注がれるものと思われます。 昨年の11月には、富山港、富山新港、伏木港の3港いわゆる伏木富山港が、中国や韓国、ロシアなどの経済成長を取り込み、日本経済の発展に寄与することが見込めるという点で、国の総合的拠点港に選ばれました。今後は、富山県の経済発展に大きく貢献をしていただけるものと期待を寄せております。 そして、ことしの4月16日には、富山台北の定期便就航が実現し、ソウル便、北京大連便、上海便の4路線となり、富山県では陸・海・空の三拍子そろって、交通基盤が大きく変革しつつあります。 南砺市としても、東海北陸自動車道の福光インターチェンジ、今後整備される南砺スマートインターチェンジ、五箇山合掌造り集落の世界遺産や数多くの観光資源を抱えており、観光にとってもビジネスにとってもビッグチャンスであると期待を寄せております。そして、このチャンスを生かすことこそがこれからの課題であり、今こそ準備をしていかなければならない大切な時期だと思います。やり方次第では、東海北陸自動車道の4車線化や企業誘致などの実現とともに、商業・工業・観光業や農業などの振興を促進し、しいては少子高齢化の歯どめにつながるものと期待を寄せております。 それでは、まず、東海北陸自動車道の4車線化についてお伺いいたします。 富山県は、今後10年あるいは20年後を見通した場合、少子高齢化が進む現状の打開策として、成長が著しい中国、ロシア、ASEAN、インドなどの国々と交流連携し、そのパワーを取り込んでともに発展していく方向で事業を進めております。また、中京圏でも外国人観光客をふやす事業を展開しております。 そんな環境下にあって、東海北陸自動車道は、将来、東海方面と北陸方面のパイプを太くし、伏木富山港を利用して、ロシア、中国、韓国を船でつなぐためにも大切な大動脈となるでしょう。観光を進めるにしても、企業誘致を進めるにしても、今後、富山県が発展していくためには、東海北陸自動車道の4車線化が必要であります。また、東海北陸自動車道は、近年、交通事故もふえてきており、対面交通でトンネル部分が長いという特徴から、トンネル内で事故が起きると大きな事故につながるのではと心配をしております。 ことしの4月にも、関越自動車道で高速ツアーバスが防音壁に激突し、7名の尊い命を失うという大変悲しい事故が発生しました。事故が起きてから防音壁の改善などさまざまな対策をとっておられますが、起きる前に安全なものにしなければなりません。安全面からも、東海北陸自動車道の4車線化は大切であると、強く望むものであります。 ことしの4月20日に、国土交通省は上信越道など5区間を4車線化する事業を正式に許可し、東海北陸自動車道、岐阜白鳥から飛騨清見間が4車線化することが決定されたことや、NEXCO中日本の経営計画2012、2012年度から2016年度までの5カ年を対象とする経営計画の「チャレンジⅤ」には、「より安全・安心・快適にご利用いただくため、東海北陸自動車道、飛騨清見から小矢部砺波ジャンクションなど、対面通行区間暫定2車線を4車線化する検討を進めます」と明記しており、新しい動きも出てきております。 現在、北陸自動車道は、費用対効果、B/Cがまだ見込めないことや、1日1万台という交通量の目安が達成できないという理由で、事業認可へ向けての作業が進まないとお聞きしておりますが、南砺スマートインターチェンジが供用開始され、交通量の動向が見えてからとか、大きな事故が起きてからではなく、道路工事というのは、元来、先行投資的な要素を大いに含んでおりますので、事前に将来の展望をシミュレーションして、地域の発展や安全性の確保のためにも先見性を持ってできるだけ早期に進めていっていただきたいと思うのですが、今後の南砺市としての国やNEXCO中日本へのアクションをどうお考えかをお伺いいたします。 次に、観光事業についてお尋ねいたします。 富山県を代表する観光地に、立山黒部アルペンルートがあります。2010年の観光地の入り込みでは約100万人、県内では10年連続の1位であったそうです。2位は、南砺市の世界遺産合掌造り集落、そして海王丸パークや高岡古城公園も人気のスポットであったそうです。しかし、近隣の他県と比較した場合、昨年の数字で長野県の善光寺が609万人、石川県の兼六園が170万人、福井県の芝政ワールドが158万人で、岐阜県の白川郷合掌造り集落が149万人というデータもあり、数字的にかなりの開きがあるのが現状です。観光客数をふやすことだけを目的に事業を進めることが大切だとは思いませんが、南砺市において、今後さらに少子高齢化が進み、人口が減っていくことを考えた場合、交流人口をふやすことや観光資源を活用して観光収入を拡大すること、また、そのことで人と人とのつながりが広がり、人口減少の歯どめになることも期待できます。 ところで、これからの観光のかぎとなる外国人観光客の動きは、2009年宿泊旅行統計調査、観光庁によると、富山県が5万7,000人で全国の30位だったそうです。そのうち台湾が38%、韓国が20%、香港11%、アメリカ、中国が8%というデータもあります。この数字を見た場合、まだまだ集客を伸ばせる分野だと思います。南砺市において世界遺産合掌造り集落があるということは、観光産業を考えた場合、大変大きな財産であり、特にこれからの時代において外国人観光客を誘客するには、四季を通じて大変魅力的なスポットであると感じております。 それでは、南砺市の観光事業についてお尋ねいたします。 1つ目、富山県では、陸・海・空の交通基盤が大きく変わろうとしておりますが、南砺市ではこの変化に対応してどういった施策を考えているのか。 2つ目、今後、南砺市の観光事業の拡大を考えた場合、外国人観光客の誘客を考える時期に来ておりますが、外国人観光客についてどのような対応をしていくのか。 3つ目、南砺市の観光の目玉は、何といっても世界遺産合掌造り集落にあると感じておりますが、観光事業と文化遺産保護事業という、ある意味相反する性格の事業の両立が求められます。観光事業を進めるに当たって、今後、どのような対応を考えているのか。 4つ目、世界遺産をめぐる道として、「合掌・さくら」飛越道、南砺市から岐阜県高山市荘川村のエリアが、「日本風景街道」として、県内では「ブリ街道」に次ぐ2カ所目に昨年認定されましたが、今後の観光資源としての取り組みはあるのか。 5つ目、現在、(仮称)観光戦略アクションプランを作成していると伺っておりますが、戦略には数字的な目標が大切と考えます。南砺市の観光における宿泊人数とか入り込み数やお土産、観光事業としての収入などをつかんだり、利用することは考えているのか。 6つ目、近年の観光客はインターネットなどを利用して、自分でプランを立て、旅行する観光個人客数もかなりふえてきていると伺っております。南砺市での個人客への集客方法や観光ガイドなどの対応は、現在どのようにしているのか。 最後になりましたが、県内の観光事業を取り巻く環境は大きく変わろうとしております。将来に向けたすばらしい(仮称)観光戦略アクションプランを作成して、今後の事業展開につなげていっていただくことをお願し、私からの質問を終わります。 ○議長(西井秀治議員) 田中市長の答弁を求めます。 田中市長。   〔田中幹夫市長登壇〕 ◎市長(田中幹夫) 古軸議員の質問にお答えをいたします。 議員ご指摘のように、東海北陸自動車道には、観光地への入り込み客数の増大のほか、まさにアジアにつながる企業誘致そして物流促進等の経済波及効果も大変大きく、21世紀の拠点づくりに欠くことのできない自動車道でございます。また、東日本大震災を踏まえまして、東海・東南海の地震などの大地震に対し重要な役割が期待されており、医療関係へのアクセス面からも必要性が叫ばれているところでございます。 しかしながら、交通集中時には、片側一車線のために大渋滞を引き起こしているほか、1月30日には真木トンネル内で車両5台が絡む多重衝突事故が起き、7人が重軽傷を負い、上下線で5時間にわたって通行どめになるなど、ことしだけで3件の人身事故が発生しております。対面通行による安全面の不安が、現実のものとなっております。 ことし4月20日、白鳥インターチェンジから飛騨清見インターチェンジ間約41キロが、国土交通省の事業許可を受け、平成30年の完成に向けて工事が進められることとなりました。引き続き、飛騨清見インターから小矢部砺波ジャンクション間約68キロについて、砺波広域圏、富山県、東海北陸自動車道整備促進期成同盟会等と一体となっての要望はもちろんでございますが、ことし11月の24日には金沢市で開催が予定されている、ミシュランで三つ星を取得した3市1村で構成する広域観光会議、金沢市、高山市、白川村、南砺市においても、力強いアピールをしてまいりたいと考えております。 一方、事業の経済的効果を評価する手法として、議員申し上げられましたが、費用便益、B/Cの分析が行われております。走行時間の短縮、走行費用の減少、交通事故の減少のこの3便益によって判断されております。 市といたしましては、この3便益にプラスして救急医療、観光地へのアクセスの向上、大規模災害時における緊急輸送道路としての便益等をぜひ追加をしていただき、早期に事業許可をいただけるように促進期成同盟会と富山県等との連携をとって、要望を強くしてまいりたいと考えております。 さらに、企業誘致、イベント等の開催により、あらゆる手段を講じて交通量をふやし、1日当たり交通量1万台の達成に向けてさらに努力を続けてまいりたいとこのように思っています。議員各位の格別のご協力をさらに賜りますことをお願い申し上げます。 次に、観光事業の質問については、産業経済部長から答弁をいたしますので、私からは観光に対する基本的な考えを少し述べさせていただきます。 私は、最近、いわゆる観光という言葉が、この南砺市に合っているのかというようなことを考えるようになりました。南砺市の観光というのは、やはり交流産業ではないだろうか、交流のほうがしっくりくるのではないか、そういうふうに考え始めておるところでございます。そして、すばらしい観光地、すばらしい宿泊施設も必要かもしれませんが、そこにいる人もしくはその地を好きな人こそが大切なんではないかなというふうなことも、最近感じておるわけでございます。 近年の旅行者のスタイルやニーズの多様化により、観光というのは団体旅行から個人旅行へ、そして周遊型から体験交流型へと観光を取り巻く環境が大きく変化をしてきております。また、観光振興の役割とか目的も、交流人口の拡大による地域経済の活性化にとどまらず、ファンやリピーターをつくり、深い交流を通じて強いきずなをはぐくみ、やがては定住へとつなげることにまで広がっておるのではないでしょうか。 現にアニメのファンが、「true tears」のファンが何度も南砺市を訪れて、その中のお一人がもう4月から定住されたというようなニュースも聞いておるわけでございます。まさにそのことが現実に起きてきているというふうに思います。 最近の旅行者は、暮らすようにして旅をすると言われております。その土地の料理を食べ、そこに暮らす人たちと触れ合い、その人たちの生き方に影響を受ける。そのような旅にこそ、旅行者は高い満足感を感じ、そこに住んでみたいというふうに思うわけであります。 南砺市には世界遺産や緑豊かな自然はもとより、三つ星級の豊かな暮らしがあります。四季折々の食材を使った郷土料理を初め脈々と受け継がれてきた祭りや郷土芸能、普通に営まれている農業や山菜取りなど、ありふれた暮らしに旅行者は非日常を感じ、感動するのです。この豊かな暮らしぶりを体験交流できる観光資源として磨き上げていくことが、今求められている南砺市の観光交流のあり方だと考えております。 また、地域の住民が心から誇れるまち、我々が誇れるまちこそが、観光客が訪れてみたくなるまちでもあると思います。言いかえれば、住民が魅力を感じない地域には観光客は訪れないということでもあります。南砺里山博を初め市民と行政の協働による取り組みを推進することにより、人が人を呼ぶ観光と交流のまちづくりが実現するものと確信をしております。 ○議長(西井秀治議員) 大浦産業経済部長の答弁を求めます。 大浦部長。   〔大浦章一産業経済部長登壇〕 ◎産業経済部長(大浦章一) 私からは、南砺市の観光産業についての6点のご質問にお答えいたします。 議員ご指摘のとおり、富山県の陸・海・空の交通基盤がダイナミックな変化を遂げようとしております。この変化を大きなチャンスととらえ、交流人口の拡大による地域経済の活性化を図らなければなりません。 まず、最初に、陸の交通への対応ですが、北陸新幹線開業までの課題として取り組まなくてはならないのが、二次交通及び広域公共交通体系の整備でございます。新高岡駅から南砺市へのアクセスルートとしてのJR城端線の活用促進はもとより、終着駅となるJR金沢駅からの交通利便性の向上は、最重要課題の一つであると言えます。 そこで市では、ことし1月から3月にかけて、金沢発着のツアーバスを15便実験運行したところ、100人を超える利用者があり、利用者アンケートからの結果を見てみますと、ほとんどの方が充実した旅で満足したと回答されています。今年度も金沢発着のツアーバスや、新たに金沢市や越中・飛騨観光圏と連携した高速バスの実験運行を計画しており、観光ニーズの掘り起しと利用者の動向調査を行うこととしております。このような事業を継続して実施していくことにより、民間バス会社の本格運行につなげていきたいと考えております。 また、ことし2月から、金沢市、高山市、白川村そして南砺市を初め、金沢、高山、高岡の民間バス事業者及び観光事業者等による二次交通連絡会議を開催し、広域交通体系の整備促進に伴う課題の整理や周遊ルートの構築及び滞在時間の延長等について検討しているところでございます。そして、ことし7月上旬に2回目の会議を南砺市で開催する予定であり、今年度の広域連携事業などについて協議を行う予定であります。 さらに、広域連携による情報発信の取り組みとして、国内初となる北陸広域観光チャンネルネット構想を金沢市、珠洲市などとともに立ち上げ、JR金沢駅におけるワンセグサービス放送を試験的に行っているところでございます。 次に、海の交通対応について申し上げます。 昨年11月に伏木富山港が日本海側拠点港に指定され、外航クルーズ船の寄港が実現することとなりました。これまでに韓国の旅行会社が運航するクルーズ船2隻が寄港しており、立山黒部アルペンルートや黒部峡谷などを観光するオプショナルツアーが実施されております。今後の寄港予定は発表されておりませんけれども、南砺市の観光資源をオプショナルツアーのコースに組み込んでいただき、乗客の来訪につながるよう観光協会とともに積極的にセールスをしていきたいと考えております。 また、南砺のかぶら寿しやさば寿しなど、南砺特有の発酵食品あるいは乾麺等の南砺の食材を船内で提供することができないか、検討しているところでございます。 また、空の交通対応については、富山台北便がことし4月から週2便で就航しておりますが、7月3日からは月・火・金曜日の週3便就航することが決定しております。さらに、ことしから来年にかけての冬場の搭乗率が順調であれば、来春以降には週4便化も検討されているようであります。この機会に、再度、富山県や高岡南砺郡上台湾誘致協議会との連携により効果的なインバウンド事業を展開し、台湾からの誘客を図りたいと考えております。 次に、外国人誘客、外国人観光誘致への対応についてお答えいたします。 市内で外国人の入り込み統計を行っている五箇山和紙の里における外国人の年間体験者数は、平成21年に3,318人、平成22年は4,301人と、欧米系の観光客を中心に順調に伸びてきておりましたけれども、平成23年は東日本大震災の影響で激減し、前年比85%減の649人までに落ち込んでいます。しかし、今年度から徐々に外国人観光客が訪れるようになってきており、震災前の入り込み状況に回復しつつあります。 ご質問の市の外国人観光客誘致対策につきましては、特に東アジアに向けた取り組みを行っております。今年度も昨年に引き続き韓国誘客の対策として、8月上旬にソウル及び釜山にトップセールスに向かい、大手旅行代理店等を訪問する計画であります。また、台湾につきましては、先ほど申し上げましたけれども、高岡南砺郡上台湾誘致協議会による3市連携の誘客事業を強力に展開しているところであります。 また、中国につきましては、昨年、北京においてトップセールスを実施し、ことし2月には大手旅行代理店の社長を初め旅行雑誌記者等の一行10人を招へいし、中国の方に喜んでいただける周遊コースの調査を行っていただいたところでございます。早速7月には、北京からの第一陣の団体がモデルツアーとして計画中であると伺っており、市内に宿泊滞在していただく予定となっております。 さらに、議員ご指摘のとおり国の観光戦略として「昇竜道」つまりドラゴンルートと称して、中部と北陸を大きな昇り竜としてとらえ、中国を中心とした誘客事業に取り組む協議会が立ち上げられました。協議会では、各国の観光ニーズや動向に合った誘客戦略を図ることとしており、積極的な事業展開、事業が展開されることを期待しておるところでございます。 次に、世界遺産を活用した観光振興についてお答えします。 世界遺産マスタープランの策定に向け、世界遺産の未来を考える会を初め相倉・菅沼における住民会議等を重ね、ことし6月定例会においてプランの報告を行う予定となっております。 「合掌造り集落の生活文化や合掌造り家屋を守るためには、住民の暮らしを守らなければならない」という理念により、世界遺産を活用して観光振興を図り交流人口をふやすことによって、合掌造り集落の活性化につなげていきたいと考えております。しかしながら、この両集落で観光客を受け入れるには限界があることに加え、滞在時間が短いため、大きな経済効果が期待できないなどのまだ課題があります。 このようなことから、集落のみならず周辺地域や農業及び林業と連携した棚田や赤カブオーナー制度、トレッキングなどグリーンツーリズムやエコツーリズム等の多様な観光資源を開発していかなければならないと考えております。単に入り込み客数のみを増大するのではなく、滞在時間を延長し、深い交流と強いきずなをつくることによってファンやリピーターをふやし、将来的には定住につなげていきたいと考えております。よく言われますけれども、ファンはつくるものだと、ブームは去るものだと言っておりますので、ファンはどうしてもつくっていかなければならないというふうに考えております。 次に、「合掌・さくら」飛越街道を活用した取り組みについてお答えいたします。 東海北陸道の全線開通により、中京方面から多くの観光客が南砺市を初め富山県内を訪れるようになりました。しかしながら、高速道路による広域移動のため、市内の観光スポットを通過してしまうマイカーが多くなっているという側面があります。 そこで、国道156号や304号の沿線には、桂湖や桜ヶ池あるいはイオックス・アローザを初めまた祭礼など、多くの魅力ある観光資源があることを広くアピールするために、荘川インターチェンジから福光インターチェンジ間において、関連のある富山県、岐阜県、高山市、白川村そして南砺市及び各観光協会等が連携して、昨年、「合掌・さくら」飛越街道として登録されたものであります。 両国道のいわゆる下道の振興につきましては、地元組織の世界遺産合掌街道実行委員会との連携のもと、自然文化を生かした地域づくり活動を行っていきたいと考えております。 なお、砺波広域圏においても下道連携が課題となっており、今年度は富山県観光連盟砺波地区会とタイアップし、ふるさと街道活性化事業として、写真愛好家をターゲットとした観光資源の再発掘事業を実施することにしております。 次に、観光戦略プラン策定において、数値目標等の利用はあるのかについてお答えいたします。 平成18年に策定した南砺市観光マスタープランは、基本的な観光振興策を、短期・中期・長期的な視点でまとめたものであります。その後、東海北陸自動車道の全線開通を初め北陸新幹線開業予定や、(仮称)南砺スマートインターチェンジ開設への動き、主要地方道金沢井波線の全線2車線化など、交通環境が劇的に変化をしております。また、インターネットやスマートフォンの普及による情報発信の多様化、越中・飛騨観光圏等の広域連携、南砺里山博の開催など、ソフト面での変化も著しいものがあります。そこで、今年度は、観光戦略アクションプランとして、環境の変化に対応したより具体的な実効性のある計画を策定していきたいと考えております。 議員ご指摘のとおり、観光統計は観光客の動向を初め市の観光資源の強みや弱みを把握するためには必要不可欠であります。しかしながら、現行の観光統計につきましては地域ごとに集計をしているため、入り込み数が重複してカウントされております。実数との差異があり、例えば1人の観光客が市内の3カ所また3地域を訪れた場合、市内の入り込み数は3人としてカウントされます。そこで、プランの策定にあわせて実態調査を行い、重複係数を割り出すことにより統計の精度を上げ、客観的な指針として活用できるようにしなければなりませんので、観光を取り巻く環境の変化をしっかりととらえ、数値目標を含め具体的な戦略を明確に示していきたいと考えております。 次に、多様な個人客に向けた対応につきましては、ターゲットを絞った取り組みは重要であると考えております。昨年は、「家庭画報国際版」に市の自然、歴史、文化などを紹介する特集記事を、美しい写真とともに掲載し、海外や国内の知的富裕層にターゲットを絞って誘客を図ってきました。本年度は、本物志向の実年層向けの旅行雑誌「ディスカバー・ジャパン」にありのままの南砺市を掲載するほか、南砺市の自然や人々の暮らしを切り取った写真集「行きたいまち・なんとビジュアルブック」を作成しました。また、ツイッターやフェイスブックなどを積極的に活用し、インターネット全盛時代に対応した情報発信により、多様な個人客への誘客を図りたいと考えております。 また、多様化する観光ニーズの対応として、南砺里山博やなんと里山元気塾を通して、体験プログラムの発掘と磨き上げを行っております。今年度は、丸の内朝大学と連携した若者たちの目線で、南砺の魅力を首都圏に向けて発信する新規事業にも取り組んでおり、その事業効果に期待を寄せているところでもございます。 また、観光ガイドにつきましては、市内に7つのボランティア団体があり、約120名の会員が活動されています。毎年、観光協会が中心となって、おもてなし研修会や情報交換会を行い、ガイドグループのネットワーク化を進めております。来る8月1日、2日に、「第2回観光ボランティアガイド北陸大会in南砺」が開催されることから、観光ガイドの皆様方にはその実行委員として準備を進めていただいているところでございます。大会では、北陸3県からお越しになる約150名のガイドの皆様との意見交換や交流を深めて、さらなるスキルアップをされることを期待しております。 このように、観光を取り巻く環境の変化に対応するとともに、南砺市の自然や文化、歴史、産業等のあらゆる地域資源を最大限に活用し、農商工連携などによるさまざまなビジネスモデルが生まれるなど、実効性のある観光戦略アクションプランとして策定をしていきたいと考えておりますので、議員の皆様方のご協力とご理解をよろしくお願いいたします。----------------------------------- △散会 ○議長(西井秀治議員) 以上で、本日の日程は終了いたしました。 6月12日は午前10時に本会議を再開し、市政一般に対する質問並びに提出議案に対する質疑を引き続き行います。 本日はこれをもって散会いたします。 ご苦労さまでした。 △散会 午後2時43分...