高岡市議会 1992-12-03
平成4年12月定例会(第3日目) 本文
↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 開議 午後1時01分
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開 議
◯副議長(
江尻正洋君) これより、本日の会議を開きます。
なお、議長にかわりまして、私がその職務を行いますので、よろしくお願いいたします。
本日の議事日程は、お手元に配付いたしました議事日程(第3号)のとおりでございます。
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議 題 の 宣 告
2 ◯副議長(
江尻正洋君) 日程第1
市政一般に対する質問並びに議案第 129号から議案第 144号までを議題といたします。
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個別質問、質疑
3 ◯副議長(
江尻正洋君) これより、各議員による
市政一般に対する質問並びに提出議案に対する質疑を行います。
通告に従いまして、発言を許します。9番
柴田陽子君。
〔9番(
柴田陽子君)登壇〕
4 ◯9番(
柴田陽子君) ただいまより、12
月定例議会一般質問を行います。
ことしは、「国連・障害者の十年」最後の年でもあります。高岡市においても、
高齢者福祉とともに障害者に対する
福祉施策への市民の関心と期待が高まってきております。これからは
福祉施策の充実を図るとともに、福祉・医療・教育が一体化した総合的な
福祉計画が必要になってまいります。特に、障害児や障害者の
教育現場では、ゆとりのある教育の実現へ向けて、教育と福祉の連携が大変重要になってくると思われますので、障害児の
教育機関であります
こまどり養護学校について幾つかお尋ねいたします。
まず最初に、
こまどり養護学校の県への移管についてお伺いいたします。
こまどり養護学校を県へ移管するべきであるということは、我が会派でありました
山森議員が昨年の3月議会でも取り上げており、市立より県立にした方がいいという理由を幾つか挙げて質問いたしました。県立にするということで、小・中・高と一貫した教育ができるということ、また、入学児童の約半数の
子供たちが高岡市以外の児童であるということもあり、教職員の充実、施設設備の管理面など、県へ移管することによって改善できるであろうというものでありました。
山森議員の質問に対しまして、佐藤市長は、
こまどり養護学校を
地域福祉教育の拠点施設として高く評価され、将来的には
こまどり学園との絡みもあり、
市民病院の
改築計画にあわせて検討していきたいとの答弁をされましたが、
市民病院の
改築計画もいよいよ
基本設計に入り、平成8年度までには完成する予定になっております。
改築計画も具体的になった今、
こまどり学園また、
こまどり養護学校の県への移管についてどのようにお考えかをお聞かせください。
次に、教育長にお尋ねいたします。
こまどり養護学校の現状の問題点につきましてですけれども、1つは、定員、特に介助員を増員し、教職員の適正な労働条件を確保すべきではないかということです。
現在、
こまどり養護学校では、県の定数に基づく教職員のほかに介助員2名、うち1名は現在病休で休んでおられますけれども、
あとパートの
給食介助員1名が勤務しておりますが、年々重度障害を持つ児童が増加しており、食事や排せつなど全介助の必要な
子供たちも多くなってきております。
特に、先日、見学に行ってまいりましたが、食事時間におきましては、半介助も含め約半数の
子供たちが教職員、介助員のマンツーマンに近い介助を受けているのが現状であります。全介助の子供に対しては1時間近くの食事時間が必要であり、そのため職員は休憩時間は
おろか食事をする暇もないというのが
現場実態となっております。
また、食事だけではなく、排せつや移動、衣類の着脱にも介助が必要ですし、常に細心の注意が必要な
子供たちですので、現在の重度、
重複障害児童3名に、担任、副担任各1名ずつではとても対処し切れないのではないかと思われます。
こまどり養護学校は、確かに障害を持つ
子供たちが教育を受けるための
教育機関ではありますが、今後、
障害児教育を充実させるためにも、福祉行政とも連携を図り、安心してゆとりのある教育を受けることのできるよう、介助員の増員等適正な職員配置が必要ではないかと思われます。
2つには、
学校周辺道路、特に緊急道路の
融雪装置設置についてぜひ検討していただきたいということです。
現在、
こまどり養護学校では、学園との間に児童・生徒のための
スクールバスが運行されております。また、自家用車や車いすで登下校する
子供たちもおり、積雪時の
除雪作業は、通学路の確保だけではなく、緊急通路の確保のためにも大変重要な作業になっております。しかし、先ほども述べましたように、現状の
こまどり養護学校の職員数での
除雪作業には大変困難な面もあり、それが
子供たちへの対応にも少なからず影響があると思われます。市としては、
教育現場の問題としてだけではなく、
障害者福祉、特に障害者に優しい福祉の
まちづくりの一環として、早急に融雪装置の設置を検討する必要があるのではないかと思います。
次に、最近、
教育現場におきまして大変問題になっております
登校拒否についてお尋ねいたします。
平成4年8月に発表されました
県教育委員会の資料によりますと、富山県における
登校拒否は、小学校で平成2年64人が、平成3年90人、中学校では 309人が 310人となっており、特に小学生の
登校拒否の増加が大変問題にされました。
高岡市の
登校拒否の実態を見ましても、確かに中学生は
横ばい状態ではありますが、出現率から言えば 0.7と富山県の0.65を上回っており、小学生におきましては、平成2年が10人、3年では15人と、富山県の40%増よりも多く、出現率にいたしましても、5年前に比べると3倍以上という異常な実態になっております。こういう実態を大変深刻に受けとめなければならないと思うのですが、ただ、この統計は50日以上登校しなかった場合の
登校拒否であり、平成3年にようやく30日以上のものも調査するようにはなりましたが、問題解決には余りにも不十分な資料ではないかと思われますので、
教育委員会としての
実態把握の状況について何点か質問いたします。
1点目は、平成3年、高岡市において、
学校嫌いを理由に年間30日以上を欠席した児童が、小学校18人、中学校58人となっていますが、30日以上だから
登校拒否で、それ以下では
登校拒否ではないとするのもおかしなことで、日数の長さよりも、学校が嫌いで登校しないという事実が重要なのではないかと思います。
登校拒否の問題を本当に重視するのであれは、もう少し詳しい調査が必要なのではないでしょうか。
2点目には、最近、
登校拒否と同様ふえてきております、学校へ登校してきても教室で授業が受けられない、いわゆる「
保健室登校者」と言われる
子供たちについてお伺いいたします。全国にはこういう
子供たちが 5,000人以上もいるという調査結果が出ておりますが、高岡市の
小・中学校では
保健室登校というのはどれくらい把握されているのでしょうか。
次に、
登校拒否はなぜ発生するのか、
原因調査についてお伺いいたします。
今まで、
登校拒否の原因については、家庭環境や
学校生活、また子供自身に何らかの問題があるなど多く議論されてまいりましたが、本市におきましても、
カウンセリング指導員の配置や
適応指導教室などでそれらに対処療法をしてこられたと思いますが、残念ながら
登校拒否はますますふえる傾向にあります。
登校拒否の原因が、家庭や本人にあると考える前に、やはり学校へ行きたくないという
子供たちの訴えを十分理解すべきであり、
教育現場での特に精神的ないじめや画一的な
偏差値教育、
子供たちの名誉を侵害するような校則や体罰を
登校拒否の原因だと指摘する意見も多くありますので、
教育委員会としてはこうした意見も真剣に受けとめていただきまして、家庭や子供に対しての対処療法だけではなく、学校においての徹底した
原因調査が必要ではないかと思います。
学校が楽しいから、先生が好きだから、友達がいるから学校へ行く。こんな単純で簡単なことでも、
子供たちがそう思えるような
学校づくりに努力することが、
登校拒否の対策としては最も重要なことではないかと思われますので、
教育委員会としてのお考えをお聞かせください。
これで質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
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答 弁
5 ◯副議長(
江尻正洋君) 当局の答弁を求めます。市長
佐藤孝志君。
〔市長(
佐藤孝志君)登壇〕
6 ◯市長(
佐藤孝志君) 9番
柴田議員の御質問にお答え申し上げます。
こまどり学園並びに
こまどり養護学校は、
肢体不自由児のための
福祉施設や
養護学校としては、全国的にも例を見ない市立の施設でございます。
また、これらの両施設は、開設以来今日に至るまで、いろいろ運営上の苦労や紆余曲折がありましたものの、御父兄、
病院関係者、
教育関係者の並み並みならぬ御努力と御熱意によりまして運営してまいったものでございます。
このようなことから、今日に至るまでの設置並びに運営上の精神というものを継承いたしまして、現在の
こまどり学園並びに
こまどり養護学校の一層の発展を期することが、これまでの関係者の御労苦におこたえする道ではないかと、このように考えておるわけでございます。
なお、
市民病院の改築との関係につきましては、さきに
市民病院の改築場所は現在の場所で行いたいとの方針をお示ししたのでございますが、幸い
医療機関としての病院、
児童福祉施設である
こまどり学園、
学校教育施設である
こまどり養護学校が、それぞれ至近距離にありますことから、これらの施設が相互に連携を密にすることにより、
肢体不自由児の障害克服のための、いわゆる三者一体となった体制によりまして、引き続き充実した
福祉施策や
福祉教育が期待できるものと考えております。
こまどり学園、
こまどり養護学校につきましては、今後とも設置者として、施設整備の充実を図りながら、
障害者福祉の向上とよりよい
教育内容の確保に努めてまいりたいと考えております。
以上をもちまして、
柴田議員の私に対する御質問の答弁とさせていただきます。
7 ◯副議長(
江尻正洋君) 教育長 篠島 満君。
〔教育長(篠島 満君)登壇〕
8
◯教育長(篠島 満君) 9番
柴田議員の
こまどり養護学校についての御質問にお答えいたします。
まず、介助員の増員についてでありますが、現在、
こまどり養護学校には、小学部に31名、中学部には12名の児童・生徒が在籍しているのであります。これらの児童・生徒が
学校生活を過ごす場合、その持つ障害の程度にもよりますが、いろいろな不都合や不便が生じ、これを補う介助が必要となるのであります。
介助員の主たる職務内容としては、登下校時や治療を受けるための病院への移動のための
スクールバスの添乗介助と
学校生活を送る上での必要な
生活介助とがあるわけでございます。
近年、半介助や全介助を必要とする重度の障害がある児童・生徒が増加したこともあり、平成3年度4月から介助員1名の増員を図り、現在、正規職員2名の介助員と、給食に際しての
非常勤職員1名の配置体制で対応しているのであります。
また、9月から実施された学校週5日制の対応として、
こまどり養護学校には、学校の特殊性から
非常勤職員の介助員2名と指導員4名の配置をいたしたものであります。
ちなみに、
肢体不自由児の
県立養護学校での介助員の配置状況を見ますと、
富山養護学校では、児童・生徒数78名に対し、
校務助手を兼ねた
スクールバス介助員1名と、
生活介助には
非常勤職員2名の体制で行っているのであります。また、
高志養護学校では、児童・生徒数75名に対し、
校務助手1名と
非常勤職員1名により、それぞれ介助業務がなされているのであります。
なお、
こまどり養護学校に併設されております
高志養護学校高等部分教室の介助員の配置もございまして、現在、
県教育委員会に対し1名の配置を強く要望しているところであります。
次に、
学校周辺道路の除雪についてであります。
本市の
道路除雪対策は、
機械除雪を基本としておりますが、消雪施設の設置につきましては、駅や
総合病院等の公共施設への連絡道路や
バス路線等の
主要幹線道路を重点とし、計画的に設置しております。
その水源については、
地下水保全の立場から、現在、主に河川水や
農業用排水等の表流水を利用する消雪施設を設置しているところであります。
しかし、
こまどり養護学校と
こまどり学園の区間を含め、
こまどり養護学校周辺道路については、消雪に要する水源としての河川水や
農業用排水の表流水の安定した水量確保が困難なため、これまで
機械除雪で対応してきておるところでありますが、この点について、
除雪対策本部に対し強く
機械除雪の要望を現在もお願いしているわけでございます。
また、御指摘の校内の
スクールバス到着口、バス車庫前等の
学校周辺の除雪につきましては、これまで教職員による除雪を行ってきましたが、今後、
機械除雪で対処するようその改善を図ってまいりたいということでございます。
次に、
登校拒否の
実態調査についての御質問にお答えいたします。
文部省は、
学校基本調査で、
学校嫌いを理由に30日以上欠席した児童・生徒の調査を行っております。これは、
登校拒否の出現率の推移を見るために、
全国レベルでの
実態調査を行うものであり、本市においても、この
学校基本調査に基づいて調査を実施しておるのであります。これにより、全国、他府県、他市町村の実態と比較・検討することができるということであります。
しかし、今日、
登校拒否は
学校教育の抱える深刻な問題であり、また、その指導面から考えた場合、単に30日以上の欠席者をもって
登校拒否児と定義づけることはできないのであります。したがって、この調査にあらわれない
登校拒否的傾向の児童・生徒に対しても、各学校では、日々の欠席状況を把握するとともに、きめ細かな指導に当たっております。欠席日数の多少にかかわらず、たとえ1日でも欠席した児童・生徒に対しては、
学級担任が電話などにより状況の把握に努めるとともに、欠席が続く場合にはすぐに家庭訪問をするなど、児童・生徒理解に基づく指導の充実に心がけているのであります。また、必要に応じて
教育センターや
児童相談所などの相談機関、さらには
医療機関とも連携し、協力を得ながら適切に対処しているところであります。
次に、
保健室登校の
実態把握についてお答えいたします。
本市においては、現在、小学校で3名、中学校で9名の児童・生徒が、保健室や
相談室等まで登校し、指導を受けているのであります。これらは、
学級担任を中心として、
養護教諭や
生徒指導主事などが根気強くかかわり続けることにより、保健室まで登校できるようになってきた児童・生徒たちであります。これらの児童・生徒の指導に当たっては、保健室や相談室に机を置くなど気軽に登校できる
雰囲気づくりに努めるとともに、指導に当たる
養護教諭や
学級担任と児童・生徒との
人間関係づくり及び相談の持続が最も大切なことであります。さらに、児童・生徒の実態に応じて、
市教育センター適応指導教室の相談員や県の
カウンセリング指導員の指導や協力を得て、
一人ひとりの指導に心がけているのであります。
保健室登校ができるようになった児童・生徒に対しては、最終的にはみずからの意志で問題を克服し、教室に行けるように、
学級担任、
養護教諭などと連絡をとりながら、粘り強くその
指導援助に努めているということであります。
最後に、
原因調査の必要性についてお答えいたします。
先ほど、申し上げた
学校基本調査に基づき、文部省は本年6月に「
登校拒否の状況調査」を実施いたしました。これは、
登校拒否になった児童・生徒をよりよく理解し、指導や治療の見通しを考えるために、その原因を分類して行ったものであります。
この調査によりますと、本市においては、
小・中学校とも
登校拒否の原因は、「不安など
情緒的混乱の型」が最も多くなっているのであります。これは、具体的には「登校の意志があるが、体の不調を訴えたり、不安を訴え、登校しない
情緒的混乱によるもの」であります。次には、「複合型」であり、これは「遊び・非行や無気力、
情緒的混乱などさまざまな要因が含まれているもの」であります。3つ目には、「無気力型」の順となっているのであります。議員御指摘の「
学校生活に起因する型」は
小・中学校とも比較的少ないという結果が出ているのであります。もちろん
登校拒否の原因は一様に断ずることはできない複雑な要因をはらんでいる事実もしっかりと受けとめ、これら
原因調査の結果を今後の指導に生かしていきたいと思っております。
また、本市においては、各学期ごとに
登校拒否的傾向の児童・
生徒一人ひとりについて、
登校拒否に陥った原因、指導の経過と学校・家庭における児童・生徒の状況、
関係機関との連携に関することなどについて調査を実施いたしております。この調査は、状況を把握するとともに、
指導援助に生かすものであります。
各学校では、
県教育委員会発行の
生徒指導資料の手引を生かしながら、市の
教育センターや
適応指導教室の研修を通して、これら
登校拒否の児童・生徒への指導はもとより、
登校拒否を生まない望ましい指導の展開ということについて大変努力をいたしておるわけでございます。また、早期発見、
早期指導にも努めているところであります。
以上、9番
柴田議員の御質問に対する答弁といたします。
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再 質 問
9 ◯副議長(
江尻正洋君) 9番
柴田陽子君。
〔9番(
柴田陽子君)登壇〕
10 ◯9番(
柴田陽子君) ただいまは、市長並びに教育長、大変前向きな御答弁と言っていいのか、ちょっと私何点かわからないことがありますので、再質問という形でお聞きしたいと思います。
まず、市長にお伺いいたしますが、私の今回の
こまどり養護学校のこの質問は、いよいよ
市民病院が改築されることになり、それの
基本設計が来年度できまして、平成8年度には完成するというときに、先ほど言いましたように、昨年の3月議会におきまして、県へ移管してはどうかということ、それは何回も理由を言いますけれども、設備の管理面とか職員の問題もありますし、高岡市以外から来ている児童が大変多いという幾つか理由があるわけなんですが、今の答弁では、
市民病院と学園とそれと
養護学校の関係を今後とも市として責任を持って維持していかれるというような答弁ではありましたが、県への移管については、今の現状では全く考えておられないのかどうなのか、それは市としては無理なことなのかひとつお聞きしたいと思います。
それと、教育長には、今ほどの
こまどり養護学校の介助員の問題なんですけれども、実際おります介助員というのは、午前中はほとんど学校の方にはいないわけで、リハビリに通う
子供たちについてバスに乗ったり、そちらの方へずっとついているわけで、午前中は学校の方にはおりませんし、そして何よりも教育長にお尋ねしたいのは、食事時間の実態を見られたことがあるのか、もしなければ一度見ていただきたいと思います。これだけは、今の介助員で十分ということは絶対ないと思うんです。それで、今ほど教育長が言われました正規の介助員が2名いるとおっしゃいましたけれども、うち1名は現在、病休で休んでおりますし、その補充の分は今まで清掃員だったパートの方が補充という形で充てられている現状ですので、今のこの介助員でも本当に十分ではないと思われますので、もう一度
こまどり養護学校の、特に食事時間の
現場実態を見ていただきまして、それはまた後日感想はお伺いに行きますけれども、この状態では絶対今の教職員の方が労働条件に無理があるということでお尋ねしているわけで、一度介助員の分については検討していただきたいと思います。
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答 弁
11 ◯副議長(
江尻正洋君) ただいまの再質問に対する当局の答弁を求めます。市長
佐藤孝志君。
〔市長(
佐藤孝志君)登壇〕
12 ◯市長(
佐藤孝志君)
柴田議員の私に対する再質問にお答え申し上げます。
現在の
こまどり学園並びに
こまどり養護学校の経緯につきましては、先ほども申し上げたとおりでございますけれども、今を去ること34年前の昭和33年6月に高岡市立の
こまどり学級というものができたわけでございます。当時の状況を見ますと、恐らくこういう
肢体不自由児のための
施設そのものが数としては全国的に少なかったと思いますけれども、それをさらに一つの市が市立のものとしてつくったのは、恐らく高岡市が一番最初でなかったかと思っております。今日においてもそういう例がないわけでございますけれども、開設以降いろんな紆余曲折あるいは御苦労があったわけでございますけれども、今日に至るまで先ほど言いましたように、御父兄の方々、
病院関係者の方々あるいはまた当時の市長、教育長、
担当部長等々関係者の大変な努力によりまして今日まで来ているわけでございます。私は、やはりこういう
福祉施設につきましては、いろんな状況があるかと思いますけれども、やはり高岡市が三十何年前に全国に先駆けてこういう
福祉施策を思い切ってやられたという当時の堀 市長以下のそういう決断に大変な敬意を表しておるわけでございまして、これは何がありましても、一生懸命高岡市が設置者でございますから、責任を持って施設整備の充実を期していきたいというつもりで先ほどの御答弁を申し上げたわけでございます。
13 ◯副議長(
江尻正洋君) 教育長 篠島 満君。
〔教育長(篠島 満君)登壇〕
14
◯教育長(篠島 満君) 今ほどは
柴田議員の方から3つばかりのことについて御指摘がありましたが、まず食事の状況を、実態を知っているのか、見てきたのかということでございますが、何度も足を運んで見ております。そして、先生方を含めて大変な御苦労をしていただいておると、本当に心から頭の下がる思いでおります。単に、こういった給食の状況だけじゃなしに、いろいろな学校での、身体検査のときの状況、普通の学校の場合と違って、はかりの上に
子供たちを
一人ひとり抱えるようにして乗せなきゃならない。そのためにははかりの針がなかなかとまらない。振動がいつまでも続くと、そういう状況も現に見ながら、これではやはり先生方の苦労も大変だろうということで、帰って早速デジタルのものに切りかえる指示をして、それらの取りかえも行ってきておると。私なりに
こまどり養護学校の状況、そういうものをいろいろ見るにつけ、努めて足を運んでそれらの手当てをしてきておるということでございます。
それから、介助員の問題でございますが、必ずしも十分とは言えないということは十分理解しているわけでございますが、先ほど県立学校にすれば教職員や施設の面でよくなるのではないかというお話もございましたが、先ほども申し上げたように、
高志養護学校、富山の
養護学校、同じ不自由児の学校でございますが、七十何人の子供に対して2名ないし3名の対応で、本市の場合は、40名ばかりに対して現在3名の対応というようなことで、決して県立だからそれらがよく行われているということではないというふうに思います。
それから、病休者への対応というのは、これは増員の問題というよりも、病休に対する手当ての問題で、これはこれで一応適切に対処したいというふうに思っております。
以上、答弁といたします。
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15 ◯副議長(
江尻正洋君) 26番 土谷 昭君。
〔26番(土谷 昭君)登壇〕
16 ◯26番(土谷 昭君) 私は、12月議会に当たり、最初に市長の政治姿勢について問いただすものであります。
今、開かれている12月議会は、戦後最大、最悪の金権腐敗の佐川・暴力団疑惑で、全国民の大きな怒りを呼んでいる中で迎えています。過日来の国会での佐川疑惑事件の主役である金丸、竹下、渡辺3氏の証人喚問や尋問が行われましたが、どの問題についても証言がばらばらに食い違っています。まさに真相を隠そうという意図がありありとしています。しかし、その中でも佐川の黒い資金が巨大な流れとなって政界に流れ込んだこと、自民党の首脳部が暴力団と癒着をしていたこと、その暴力団が事もあろうに内閣の成立の問題にまで口と手を出していたということが明らかになりました。この黒い資金がどれだけの規模で流れたのか、自民党の首脳部のだれが暴力団と手を結び、どのような関係を持ったのか、それによって日本の政治がいかにゆがめられたのか、そういう疑惑の全貌を明らかにし、国民の前に示すことなしに日本の民主政治はないのであります。
既に、本高岡市議会をはじめ地方議会の佐川真相究明を求める決議、意見書は、昨日現在 1,850の自治体に及んでいます。日本の全自治体の半数を大きく超えることにも示されています。
佐川事件というのは、佐川は政界に金をばらまいて、それによって行政をゆがめたというところに本質があります。例えば、運輸業にかかわる許認可問題をはじめ運輸行政のゆがみ、労働基準法を無視したひどい長時間過密労働を野放しにしていたことなど、労働行政のゆがみ、佐川の脱税に関して指摘されている大蔵行政のゆがみ、これらについての疑惑を解明する必要があります。あるいは、新潟県などの地方行政についても、佐川がもたらした疑惑が山積しています。佐川事件が、リクルート問題で自民党が「反省」だとか「けじめ」だとか口にしていたその時期に起こった事件だったということであります。金丸氏が佐川急便から金をもらったと言われるそのときは、まさにそういう時期でした。このとき自民党政府の首脳が、リクルート事件で次々と大臣のいすを追われ、「二度と繰り返しません」と言われていたその口の裏で、自民党は新しい腐敗に手を染めていたのであります。まさにとめどもない「腐敗の再生産の構造」とでも言うべき事態であります。
政治腐敗の根源は企業・団体献金にあることは、今やどなたといえども否定できないものとなっております。企業・団体献金の禁止は民主主義の原理であります。アメリカなどでも、企業・団体献金は 100年も前に禁止されています。日本でも選挙制度審議会発足以来、献金は個人に限る、速やかに個人献金にすべきだと30年前から言ってきましたが、実行しているのは日本共産党だけであります。自民党、財界、団体が盛んに言い出している「政治改革を進めたい」「政治に金がかかる」とか言って選挙制度にすりかえています。小選挙区制にしたら金がかからないのか、そんなことは絶対にありません。一番いい例が新潟県の金子知事です。候補一本化のために3億円の佐川マネーが使われたのであります。
私は、3月議会において、企業・団体献金について、企業が社会的存在だとして献金を合理化するのは、政治が企業の代弁者になるのを放置するものであり、同時にこれは憲法で保障された国民の権利を幾重にも侵すものである。第2に、政治活動の自由は、主権者である国民が個人として有している権利であり、企業・団体に献金を認めれば、その資金力で政治を買収することを容認することになり、国民の権利が奪われることになると述べ、市長の見解を求めたのであります。
市長は、私の質問について、企業・団体献金を是認する答弁でありましたが、佐川事件は私の指摘を最も具体的に裏づけているのではないでしょうか。金権腐敗政治をなくするためには、企業・団体献金禁止以外になく、唯一の抜本策であることをこれほど明瞭になっているときはないと考えます。市長にもしそれ以外の方策があればお示しをしていただきたいのであります。
次に、憲法違反の自衛隊のカンボジア派兵問題について問いただすものであります。
ことしの12月8日は、自衛隊のカンボジア派兵が進んでいる中で迎えました。武装した自衛隊が部隊として海外に出兵するのは戦後初めての出来事であります。1941年12月8日に始まる日本の全面的な侵略戦争、さらに言えば、そこに至る戦前史の教訓に何ら学ぼうとしないばかりか、それに決定的に逆らう道を進めようとするものであります。日本の憲法は、戦前の侵略戦争への痛切な教訓に立って、平和原則を明記し、戦争の放棄、一切の軍隊を持たないことをうたっています。自衛隊が創設された際には、参議院で自衛隊の海外出動禁止決議が自民党を含め全会一致で採択され、どんな名目であれ自衛隊を海外に派兵しないことを明確にしたのであります。自衛隊の海外派兵はこの国会決議さえ踏みにじっています。憲法違反の自衛隊を海外に派兵するのは、憲法の平和原則を二重、三重にも踏みにじるものであります。
また、国連平和維持活動協力法(PKO)からして見ても、自衛隊を派兵する条件は全くありません。PKO法は「停戦の合意」や「紛争当事者の受け入れ同意」「中立性の確保」などを協力の前提条件としていますが、今、カンボジアは戦争状態であります。ポル・ポト派が昨年10月のパリ和平協定を破って、武装解除を拒否し、政府軍との戦闘を続けています。
また、去る12月4日付の新聞によれば、ポル・ポト氏直筆の戦略文書が明らかにされていますが、それによれば、国連カンボジア暫定統治機構(UNTAC)は敵であると明確に述べています。国連の機関であるUNTACは、ポル・ポト派の支配地域に入ることさえ拒否されています。自衛隊はポル・ポト派の反発を恐れて国道2号の補修工事を見合わせる方針と言いますが、中止すべきは自衛隊の派兵そのものであります。
このように、今なおカンボジアでは戦争状態となっているのであります。停戦合意が事実上崩れているのでありますから、PKO法を発動する条件はないのであります。自衛隊のカンボジア派兵は明らかに憲法違反であると同時に、PKO法に照らしても違反であると考えるものでありますが、市長の御見解を承りたいのであります。
次に、県西部地方拠点都市地域について質問をいたすものであります。
「地方拠点都市整備・産業業務施設再配置促進法」に基づいて申請されているものであります。同法は、地方都市の整備と東京に集中した事務所の地方分散を2つの柱にしています。建設、通産、自治、国土などの6省庁が施策を持ち寄り一本化していくことになっていますが、最近の若干の動向を見ますと、県は一たん高岡・射水地域を候補地として申請したが、わずか1週間で県西部全体に拡大する異例の変更をいたしました。
さらに、12月6日付の一部新聞は、地方拠点都市地域の目玉とも言える産業業務施設については、砺波市柳瀬を候補地とするとも報じています。私は、これらはこの事業の性格をもあらわしているのではないかと考えるものであります。建設省は、「都市機能を集積させて魅力ある都市づくりをする」と言っていますが、実体は日米構造協議に基づく 430兆円の公共投資計画を推進させる受け皿づくりであります。そのため、「平成版列島改造計画」とも言われております。
拠点都市地域の基本計画は、市町村が共同で作成することになっており、政府は地方の自主性を尊重すると強調していますが、しかし、地域指定は大臣との協議事項であり、事実上国の認める大枠がはめられるのであり、先のことがそのことを示しているのであります。指定地域には、公共事業予算が重点配分されますが、従来型の補助金行政であるという、この実体は変わらないのであります。
次に、地方自治権侵害の危険があるということであります。計画を策定し、事業を実施するのは、市町村が集まってつくる一部事務組合や協議会であります。市町村議会は直接関与できなくなり、住民からそれだけ離れることになるのであります。一部事務組合に県の職員を派遣する規定もあり、県の意向が押しつけられるおそれもあります。
次に、地方財政には負担増となり、大企業へは優遇措置が図られるのであります。産業業務機能が集積するような計画、条件が熟している地域を優先的に指定する方針を示していますが、これでは企業に有利な計画、条件をつくる競争をあおることにならざるを得ないと考えます。そのために地方財政が投入されれば、その一方で、地方の特性、文化や地場産業など地域に合った
まちづくりが犠牲になるおそれがあります。しかも、東京からオフィスが地方に移転する保障は何一つありません。
一方、東京から移転する企業には、土地の買いかえ特例や特別償却、固定資産税や不動産取得税の減免などの優遇措置が与えられております。跡地は公共公益目的に使うとされていますが、大規模工業基地や商業基盤施設などもよいことになっています。結局、大企業のためのもうけの種にされることは明白であり、東京一極集中の解決にもつながらないのであります。
この事業は、事務所や研究所などオフィスの立地のための基盤整備にすぎません。しかも、仮に産業業務施設の再配置が行われたとしても、立地するのは事務所や研究所であり、移転企業は人も一緒に移転をし、地域雇用の創設にはほとんど期待は持てないことになります。結局のところ、自治体、住民負担の強化で、事実上の大企業サービスが行われるおそれがあります。本当に地方都市の自立的発展を図るというなら、大企業の立地の基盤づくりを優先した従来型の地域開発ではなく、農業や地域の産業、文化を発展させる支援こそ必要であります。
地方の自主財源や地域開発の権限委譲がなければ、地域の自主的な計画推進は困難であります。国の地域政策、産業政策を根本的に改めさせるとともに、地方での拠点都市の整備に当たっても、市町村が共同で定める計画についても、住民の意向を反映させる民主的な計画、住民の代表である市町村議会も直接関与することが欠かせぬ条件であるとの考え方をあわせて申し添え、市長の県西部地方拠点都市地域についての、私の4点についての質問について御答弁を求めるものであります。
次に、さきに農水省が発表した「新しい食料・農村政策展開の基本的視点と方向」、いわゆる新政策について農業委員会会長にお伺いをいたすものであります。
我が国の農業は今、文字どおり存亡の危機に直面をしています。自民党政府が進めてきた農産物輸入自由化政策によって、食糧自給率はついに47%まで落ち込んでいます。1960年には全国で12万 6,000人いた新卒の農業後継者は、1990年にはわずかに 1,800人に激減しています。1991年、富山県全体でもわずかに4名にしかならないのであります。これだけでも日本農業と農村が壊滅の瀬戸際にいることは明らかであります。それに加え今、ガット・ウルグアイ・ラウンドを妥結に導くことを口実とした米輸入自由化をはかる動きがこれに拍車をかけています。米輸入自由化を断固拒否し、農業経営を守って、自給率を高め、安全な食糧の安定した供給を実現することは緊急の国民的課題でもあります。
ところが、農水省がさきに発表した新政策は、日本農業の現在の危機を打開する方向を打ち出すどころか、危機を一層深刻化させるものと考えます。新政策の最大の問題点は、米輸入自由化が大前提になっています。「自由化する」という言及は避けているものの、自由化を当然の前提とする立場を随所に示しています。それは「市場原理、競争原理の一層の導入」を強調し、米の「公的管理のあり方」「需要動向と市場原理を反映した米価」「生産者みずからのリスク負担による生産調整」など、もっぱら自由化のもとで必要とされることだけを検討課題としていることは明らかであります。
また、「一定の国境措置」が必要だと述べているが、それは米の自由化を前提にした高率関税などの措置にしかすぎず、米の完全需給はそもそも「競争原理、市場原理」とは相入れないものであります。
農政を進める上での最大の課題である食糧自給率や作物別の生産について新政策が何らの目標も示し得ないでいるのも、米の輸入自由化を大前提にしているからであります。新政策は、こうした前提のもとに、自由化に耐え得る農業の育成をうたっています。「効率的、安定的な経営体」として、稲作では10ヘクタールから20ヘクタールという、日本の現状ではほとんどいない大規模農家に絞り込もうとしています。現在の日本の農家数 383万戸のうち稲作農家 257万戸ですが、10ヘクタール以上の稲作農家は、北海道や大潟村を抱えた秋田県を除けば、全国でわずかに 267戸にすぎないのであります。残りの圧倒的な農家を事実上切り捨てると宣言しているのであります。
我が党国会議員団は、去る9月、1カ月をかけ全国的に新政策に対応し、実施をいたしました農村調査の結果をまとめ、さきに発表いたしました新政策に言う大規模経営体の非現実性が一層明らかになっています。大規模経営になれば、経営が安定するかといえばそうならないのであります。現在でも、県下においても大規模農業者がことしに入っても、砺波市、富山市、大門町など県下の各地で経営困難と過労による自殺、病気で倒れるなどの事故も相次いでいるのであります。
農村生産法人化などに対する問題点についても、現在、進んでいるところでも難しくなっています。農水省のモデル農村でもある大潟村でも、共同経営が壊れていった経過があります。
集落営農の方式ですが、進んでいるところでも、農産物価格引き下げ、減反奨励金廃止、市場原理推進の新政策の方向では、結局こうした集落営農づくりも困難に直面せざるを得ないのであります。
我が党は、米自由化を拒否し、食糧自給率向上を図ることが、日本の主権と農業を守るだけでなく、世界的な食糧不足が予想されるもとでの国際的な日本の役割でもあることを強調をしています。
今、農政に求められているのは、こういった国際的な日本の役割をも重視をした総合的対策であります。アメリカの圧力に屈して、米、農産物の輸入自由化を進めることなど、絶対に容認してはなりません。規模拡大のみを追求し、農業と農村を破壊する道を決して選んではなりません。政府は、新政策を直ちに撤回をし、農政の抜本的転換こそ図るべきであると考えるものであります。農業委員会は、公職選挙法を準用した選挙によって、農業者がみずからの利益代表として選ぶまさに農業、農業者の利益代表機関であります。高岡市農業委員会の会長を長期にわたり担当しておられる中村会長に、新政策についての率直な御所見をお聞かせ願いたいのであります。
次に、市内中学校で本年度採用されている社会の教科書「日本の歴史と世界」、また、来年度採用されようとしている教科書は、いずれも記述が真実を正確に反映したものではなく、是正を教育長に求めるものであります。
日本共産党は、時の権力が教科書にあれを書け、これを書くなと介入する検定制度に強く反対しています。同時に、教科書を教育基本法に基づき、青少年に基礎的な知識や技術などを正しく身につけさせ、社会の主権者としての諸能力を育てるのに真に役立つものとすることが重要との立場から、そのためには学者、教師、父母をはじめ広範な人々の民主的な研究、討論によって教科書の作成、批判や審査、採択が自主的に行われることが必要との立場であります。
市内の中学校で使用されている歴史教科書の記述の誤りは極めて重大なものがあります。日本の歴史と日本共産党の存在意義にかかわる問題であります。本年採用されている歴史教科書の 277ページでは次のように記述されています。「1940年には政党はすべて解散し、大政翼賛会にまとめられ、議会は力を失った。」となっています。また、来年度採用予定の教科書 239ページでは、「1940年には、政党はみずから解散して大政翼賛会にまとまり──」となっております。これは、明らかに歴史的事実に反しています。
他の政党は侵略戦争に賛成し、みずから解党して大政翼賛会に加わりましたが、日本共産党はどんな野蛮な弾圧を受けても戦争反対を貫き通しました。大政翼賛会に合流するどころか、その最大の敵として攻撃されたのであります。この歴史的な事実はどなたといえども否定できないものであります。
自由民主党の党内教科書でもある「自由民主党研修叢書I『日本の政党』」の53ページには次のように記述されています。「日本共産党の結党は、戦前にさかのぼるが、戦時中の弾圧に遭って壊滅し、政党として再建された社会党を含めて他の政党が何らかの形で戦争に協力したのに対し、ひとり日本共産党は終始一貫戦争に反対してきた。したがって、共産党は他党にない道徳的権威を持っていた。」と記述されています。歴史的事実は動かせないのであります。
また、平成4年度、5年度のいずれの教科書にも第2節で「大正デモクラシー期に民主政治が進展していった」という記述も歴史的事実に全く反するものであります。「大正デモクラシー期」と言われるこの時期に制定された治安維持法は、戦争反対や国民主権、基本的人権を主張する運動や思想を、最終的には死刑の最高刑まで定めて弾圧する目的、すなわち、民主主義を弾圧することを目的とした世界にも例のない希代の悪法であったのであります。この法律によって数十万人に上る人々が逮捕され、7万 5,000人を超える人々が送検され、多数の人々が虐殺されたのであります。このような時代を民主政治が進展した時代であるなどということは、歴史の事実を逆さまに描き、絶対主義的天皇制による国民弾圧の事実を隠ぺいするものであります。
主権者として、平和で民主的な日本と世界に参加すべき日本の青少年に、あの暗黒の時代にも、平和と国民主権のために命をかけて闘った日本人の先輩たちがいたこと、その主張が今日では世界史の本流となって生かされている事実などを正確に教えることを通じて、人類社会の発展方向への確信と人間としての尊厳や誇りを身につけさせることは、国民教育としても重要なことであると考えます。本市中学校での社会科教科書の誤った歴史記述について、重ねて強くその是正を求めて、私の質問を終わります。
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答 弁
17 ◯副議長(
江尻正洋君) 当局の答弁を求めます。市長
佐藤孝志君。
〔市長(
佐藤孝志君)登壇〕
18 ◯市長(
佐藤孝志君) 26番 土谷議員の御質問にお答え申し上げます。
まず、いわゆる政治改革の問題についてでございます。
我が国の政治の現状を見ますと、最近におけるリクルート、共和、佐川事件などによりまして、国民の政治に対する不信が著しく増大し、その事態に対処するために政治改革への要望が各方面において高まってきているのでございます。政治に対する国民の信頼を確保することが今日ほど要請されている時期はないと言われているのでございます。
今国会では、衆議院の定数是正案とともに、政党その他の政治団体及び公職の候補者の政治活動の公明と公正の確保や適正な選挙制度の実現を図るため、政治資金パーティーの収支の明確化、政治団体及び公職の候補者の政治資金の運用の規制、違法な寄附の没収、公民権停止の拡大などを盛り込んだ政治資金規制法並びに公職選挙法改正案が、本日、参議院で可決・成立する見込みと伺っております。今後、さらに国会等の場において、引き続き政治の抜本改革に向けて政治資金制度及び選挙制度等の見直しのための審議が十分行われ、国民の信頼を得る政治の確立に向けて努力がなされるものと期待いたしております。
議員は、企業・団体献金の禁止以外に方策はないとの御意見でございますが、このような献金は、ことし3月の議会において答弁申し上げましたとおり、憲法のもとにおいて保障されているものでございまして、要は、法律に基づいて公明かつ公正に受け入れ、支出されるべきものであると考えております。今後、政治の抜本改革のための議論の中で、このような献金の法規制のあり方についても審議がなされるものと考えております。
次に、自衛隊のカンボジア派遣についてでございます。
日本は、第2次世界大戦後の廃墟から再興を遂げ、今や世界第2位の経済大国となっております。このような日本の繁栄は、世界が平和であってこそ初めて実現できるものと考えております。我が国は、もはや自国だけの繁栄のみならず、地球規模で他国の幸福や福祉をも考えるべき大国となったのでございまして、自分の国さえ平和であればよいという考え方だけでは我が国の平和は保つことができないと認識いたしております。
ことし6月に成立いたしました、いわゆる国際平和協力法は、一昨年の湾岸危機を契機として、日本国憲法のもとに、日本が資金面、物質面のみならず人的な面で世界に貢献しなければならないという考え方に基づいて、国連平和維持活動や人道的な国際救援活動に、我が国が人的な側面でも協力を行うことを目的に、国会の場で十分に審議され、制定されたものと考えております。
そして、このたびの自衛隊のカンボジア派遣につきましては、この国際平和協力法に基づいて適法に行われたものと考えております。
第2は、地方拠点都市地域の御質問についてでございます。
このたびの地方の自立的な成長と国土の均衡ある発展に資することを目的としたいわゆる地方拠点都市法は、これまでの経済成長で培われた豊かさを国民が等しく享受できる多極分散型社会の実現や活力と魅力にあふれる地域づくりに寄与するものであると考えております。
この法律は、いわゆる地域振興立法の一つでございますけれども、従来の多くの地域振興立法とはかなり異なった特色を持っていると考えております。
その第1は、地域の自主性・主体性を基本としていることでございます。
第2は、具体的な仕組みにおきましても、これまでの地域振興立法においては、複数の市町村の区域に係る計画は、都道府県または国が作成することとしているのに対しまして、この法律では市町村レベルで、市町村が共同して基本計画を作成することとしております。また、地域の指定についても、国ではなく、都道府県知事が関係市町村並びに国と協議を行って今、指定することとなっているのでございます。
第3に、この法律の目的とするところは、都市機能の増進、居住環境の向上のための措置などによりまして、地域の一体的な整備の促進を図るとともに、産業業務施設の全国的な再配置を図ろうと、そういうことをねらいとするものでございます。
第4に、このような地域の一体的な整備などを図るための施策は、総合的で、相当広範なものとなっておりまして、国におきましても、地域の自主性・主体性を基本とした幅広い施策を、多くの関係省庁がおのおのの有する手段を有効に組み合わせて支援する体制を目指しているということでございます。
このように、このたびの施策は、従来の地域振興立法に見られるような産業振興等だけを目的としたものではございませんで、都市づくりを目的としたものでございまして、また、従来に比べ、地方に権限と自主性をより広く認めようとする姿勢が見られるのでございます。
さらには、この法律に基づいて出されました基本的な方針では、環境の保全、地価の安定、適正かつ合理的な土地利用、国土の保全、災害の防止、農山漁村の整備の促進や地域産業の健全な発展との調和等の配慮すべき事項を掲げております。
地方拠点都市構想は、以上のような考え方や仕組みによって実施していくことになっておりまして、さらには国や関係自治体が法に基づく適切な運用を行えば、かつての列島改造論当時のような事態は生じないものと考えているのでございます。
次に、地方自治権に関しましては、今ほど申しましたとおり、この法律は、地域の指定や基本計画の策定などにおいて、自治体が実施することになっていることなど、地域の自主性・主体性を基本としているものでございます。
また、各自治体ともいわゆる拠点都市法に基づく施策を実施するに当たっては、それぞれ独自の歴史、産業、風土などを大切にした個性ある
まちづくりを目指していくことになるものと思われます。こういうことから、議員御指摘のような御心配は生じないもと考えているのでございます。
また、市町村財政への影響の点でございますけれども、この法律では、指定地域において、公共事業等の整備に当たっては優遇的な財政措置を講ずるほか、地方単独事業につきましても、地方債と地方交付税を活用した特別の地方財政措置を講じることとする国の財政支援策が盛り込まれておりまして、そういう意味で市町村の財政に大きな影響を与えるものではないと考えているのでございます。
次に、地域振興も期待薄で、大企業のサービスとならないかとの御指摘があったわけでございます。
この法律は、今、申し上げましたように、東京への一極集中を是正し、国民が豊かさとゆとりを実現できる生活大国を実現するためのフロンティアとしての地方の可能性を生かし、「職・住・遊・学」の備わった新しい総合的な生活空間を創造することであると認識いたしております。
また、東京一極集中の主要因の一つである産業業務機能とそれに伴う業務人口の過度集中を是正するための産業業務施設の再配置は、事務所、営業所、その他の業務施設、これは工場を除く業務施設でございますけれども、こういうものを過度集積地域から拠点地区への移転または拠点地区における新増設によって、産業の配置の適正化を図るものでございまして、若者に魅力ある多様な就業機会を提供できるものと期待いたしておるのでございます。
法律に基づいて出されました国の基本方針においては、この産業業務施設の移転のもとにあっては、下請企業等の関連企業に、また移転先においては地元企業に不当な圧迫、混乱、摩擦等を与えることのないよう十分留意すること。また一方で、地域産業の健全な発展との調和等の項目を設けまして、中小企業の振興に努めるとともに、情報サービス業や観光業を含めたサービス業、製造業等の発展に努めるなど地域産業の健全な発展との調和が図られるとともに、地域における雇用の促進に十分配慮することが打ち出されておりまして、また国がこのような移転計画を認定する際にも、これらのことについて配慮することになっておるのでございます。
こういうようなことから、議員御指摘のような御心配はないものと私は考えているのでございます。
以上をもちまして、土谷議員の私に対する御質問の答弁とさせていただきます。
19 ◯副議長(
江尻正洋君) 教育長 篠島 満君。
〔教育長(篠島 満君)登壇〕
20
◯教育長(篠島 満君) 26番 土谷議員の中学校社会科歴史教科書の記述についてお答えいたします。
まず、議員御指摘の平成4年度教科書に、「政党はすべて解散し、大政翼賛会にまとめられ」、また、平成5年度採用予定の教科書に「政党はみずから解散し、大政翼賛会にまとまり」とある記述につきましては、大政翼賛会にまとめられた政党の動きについて述べられたものであって、特に共産党とのかかわりについて述べたものではないと理解いたしております。
次に、大正デモクラシーについてお答えいたします。
大正デモクラシーについては、歴史の一般的な見方として、大正時代に政党政治が発達したこと、国民の政治的自覚が高まったこと、大衆的な文化が発生したことなど、国内の政治・社会・文化に新しい進展が見られたと理解しております。このことは、我が国の歴史の大きな流れの中で、民主主義の発達した時代として評価されているものと思われるのであります。
学校においては、これら教科書を使って授業を行うわけでありますが、教科書はあくまでその教科の主たる教材であって、そのことから言えば、学習指導要領に定められた教科のねらいに即し、「教科書を教える」のではなく、あくまでも「教科書で教える」ということになるわけであります。実際、社会科を例にとりますと、中学校レベルの教科書では、歴史の詳細なことまで記述されてはおらず、それを補完するために補助資料を用いて指導しているわけでございます。
以上、26番 土谷議員の御質問に対する答弁といたします。
21 ◯副議長(
江尻正洋君) 農業委員会会長 中村安治君。
〔農業委員会会長(中村安治君)登壇〕
22 ◯農業委員会会長(中村安治君) 私は、農業委員会会長の中村安治であります。よろしくお願いをいたします。26番 土谷議員の私に対する質問にお答えいたします。
土谷議員におかれましては、平成2年次において、農業委員として私どもと一緒にいろんな課題に取り組んでいただき、感謝申し上げる次第でございます。
さて、農林水産省が発表いたしました「新しい食料・農業・農村政策の方向」についての御質問の趣旨によりますと、議員は大変危惧をお持ちのようでございますが、我が国の農業・農村を取り巻く状況については、米の輸入自由化問題をはじめ国内生産者価格の下落、農業後継者の不足、農業収入の低下などまことに厳しいものがあると私も実感しておるところであります。
「新しい政策の方向」の中では、自給率の低下、農業就業人口の減少、耕作放棄地の増大等、さらに、兼業化、高齢化、混住化などの大きな変化を認識した上で、食料の持つ意味と農業・農村の役割を明確に位置づけ、国民的コンセンサスを得ることが必要だと思います。
現在、農業の振興については、それぞれの地域において、地域の特色を生かした施策が取り組まれており、農業の担い手の育成や集落営農の推進、農業特産物の振興など、高度化した消費者ニーズにより的確に対応し得るよう努力されているところであります。
本市では、高能率な都市近郊型農業を目指し、いち早く農業者みずから積極的な話し合いにより、農業施設の近代化や集落営農体制の強化、生産基盤の整備などによって、農業生産の向上と低コスト化に努めてきたところであります。
このたび、示されました新政策によって新しい農業が展開されようとしている中で、私たちは農用地の有効利用と他用途への利用との調和を図り、農村環境を保ちながら地域の発展を目指し行動していく決意であります。
第2点目の、新政策の撤回を求めるべきではないかとのことでございますが、この政策については、我が国の経済社会における農業・農村の重要性とその果たしている役割を位置づけるとともに、今後の政策展開の基本となる考え方を明らかにしたものと思っております。
富山県農業会議では、去る9月28日開催の常任会議員会議において、新政策の実現に関して、1つに、他産業並みの所得が得られること、2つ、食糧自給力の強化を図ること、3つに、担い手の確保と新規就農者の確保、4つに、水源の涵養、美しい景観の保持など、10項目についてその条件整備を図るよう決議をし、農林水産大臣、北陸農政局長、県選出国会議員に要望してきたところであります。
今後、さらに農林水産省の制度、政策の見直しや新たな政策の実施に当たっては、私たちの考え方が十分に反映されるよう、市当局と一体となって国・県に要望していかねばならないだろうと思っております。
本市においては、都市近郊農業の定着に向けて、農業者・農村がより明るさを取り戻すために積極的な政策を講じられますよう、市当局に対し農業委員会としても働きかけていきたいと考えておりますので、御理解を賜りますようお願い申し上げ、私の答弁といたします。
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再 質 問
23 ◯副議長(
江尻正洋君) 26番 土谷 昭君。
〔26番(土谷 昭君)登壇〕
24 ◯26番(土谷 昭君) 私は、教育長に再質問をいたすものであります。
教育長は、1番目の「政党はすべて解散し」あるいは「政党はみずから解散し、大政翼賛会にまとめられた」という教科書の記述、これは歴史的事実に反するという私の質問に対して、これは日本共産党はこの中に含まれない、こういう答弁がなされました。これは明らかに詭弁であります。そして、教科書というものは、「教科書を教える」のではなしに「教科書で教えるんだ」と、こういうことを言っておられます。しかし、私は先ほど申し述べたとおり、自民党の党員を教育する、そういう自民党の党内資料ですら、「あの侵略戦争に日本共産党は断固として反対して闘ってきた」、こういうことを党員、大衆に教えているのであります。こういう事実に目をつぶって、この本には日本共産党は含まれないというのは、これはだれにも説得力はないと私は思います。まさに詭弁であります。
また、「大正デモクラシー期」について、「民主主義が発展した」という、そういう記述、これも歴史的事実に反するというふうに私は質問いたしました。そして、あの大正時代に治安維持法が制定をされて、戦争に反対をし、また国民こそ主人公なんだ、そして基本的人権を主張した、こういう人たちがあの治安維持法の中で投獄され、そして虐殺さえされた、まさに暗黒の時代であります。これを民主主義が発展をした時代という、こういう高岡市の教育長の答弁に私はそら恐ろしいものを感じるものであります。あなたが言う民主政治とはどういう政治なのか、具体的にお答えを願いたいのであります。
以上であります。
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答 弁
25 ◯副議長(
江尻正洋君) ただいまの再質問に対する当局の答弁を求めます。教育長 篠島 満君。
〔教育長(篠島 満君)登壇〕
26
◯教育長(篠島 満君) ただいまの再質問にお答えいたします。
この大政翼賛会の問題については、先ほども御答弁申し上げたとおり、「大政翼賛会にまとめられた」となっているわけですね。私は、共産党は大政翼賛会にまとめられたものではないというふうに考えております。「政党が解散し、そして大政翼賛会にまとめられた」というこの記述については、私は共産党は大政翼賛会に加わっているものでないから、それは共産党についての記述ということとかかわりのないものであるということで理解している。
それから、「政党がみずから解散し、大政翼賛会にまとめられた」と、共産党は大政翼賛会に加わっていないし、共産党自身はみずから政党を解散したものでもないとすれば、これは共産党にかかわる記述ということとは関係のないものということで申し上げたわけでございます。
それから、教科書で云々という問題については、これは、学校の指導では、教科書で教えることのために教師に教材研究がそれだけ大きく負託されるということです。したがって、そのことを申し上げたんです。
それから、大正デモクラシーについて、私はこういった歴史観についてこういった場であえて論議するつもりはございませんが、大正のあの時代というのは、御案内のとおり、日本の歴史というのは世界の歴史を背景にして
子供たちはいろいろそれとの関連で学んでいくわけですが、帝政ロシアが崩壊して、ソビエト連邦が当時できたのもあの大正期なんですね。そして、日本の中では民衆の政治に対する大きな意識の高まりの中で、今おっしゃっている共産党もそのときに結党を見たのはあの大正の時期なんですね。本県では米騒動というものが起きたのもそうです。メーデーというものも始まったのもあの大正期であり、労働組合というものが結成されたのもあの大正期なんですね。そして、今おっしゃる治安維持法というものは1922年に、ちょうど時の国会でもって普通選挙法というものが初めて施行されたのが、あの1922年の国会であり、同じ国会でもって議員御指摘の治安維持法というものが成立した。しかし、治安維持法についていろいろおっしゃっているわけでございますが、今、申し上げた一連の政治の意識の高まりというものを見た民主的なそういううねりというものがあったということは、歴史的に見てもこれはそういった見方が一般になされるというふうに見ていいんではないかなと、それが総称されて大正デモクラシーと言われている。今日の時点から見て、それが完全に成熟されたものであったかどうかということの論議は別でございます。そういった意味で理解しておるということで申し上げたというわけでございます。
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再 々 質 問
27 ◯副議長(
江尻正洋君) 26番 土谷 昭君。
〔26番(土谷 昭君)登壇〕
28 ◯26番(土谷 昭君) 今、教育長は私の再質問に対して、「政党はみずから解散し、大政翼賛会にまとめられた、日本共産党は解散をしていないし、大政翼賛会にまとめられた中に入っていない」、こういう答弁でありました。しかし、ことしの採用されておりますこの教科書によれば、「政党はすべて解散し」になっているんですよ。来年度採用予定は「みずから」ですけれども、「すべての政党が解散し」になっておるんです。70年の歴史を持っている日本共産党は政党として認めていないんですか。政党の中に入らないんですか。この点を明確に答弁願います。
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答 弁
29 ◯副議長(
江尻正洋君) ただいまの再々質問に対する当局の答弁を求めます。教育長 篠島 満君。
〔教育長(篠島 満君)登壇〕
30
◯教育長(篠島 満君) 先ほど来申し上げておりますように、「大政翼賛会にまとめられた」というのが記述の目的なんですね。その中に共産党が入っていないということですので、私は「すべて政党が解散し」という中には、共産党は当然かかわりのない、入ってないものということの認識で理解しておるということを最初から申し上げているわけでございます。
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31 ◯副議長(
江尻正洋君) 1番 畠 起也君。
〔1番(畠 起也君)登壇〕
32 ◯1番(畠 起也君) 12月定例会に当たり、さきに通告いたしました2項目について、当局にお伺いするものであります。
まず初めに、中心市街地の再開発事業等についてお伺いいたします。
本市は、県西部の中核都市として発展してまいりましたが、さらに都市の魅力を高めるとともに、都市機能の充実を図るため、現在、中心市街地において、市街地再開発事業をはじめとする基盤整備事業の実施及び再開発等
まちづくりの計画作成に取り組まれているところであります。特に、JR高岡駅周辺地区の再整備につきましては、御案内のとおり、国の都市拠点総合整備事業の補助指定を受けて、JR貨物ヤード跡地の有効利用や駅前ビル、駅前広場など駅周辺の再整備を推進するための整備基本計画が、本年度の策定に向け鋭意作業中と伺っておりますが、中でも高岡駅前西街区では既に地元では一日も早い再開発事業化を目指して促進協議会が組織され、都市型ホテルと商業施設から成る複合ビルの建設計画のもとに活動が進められております。
私は、これら中心市街地の整備を促進する観点から、今定例会において、去る10月30日に、構想から17年目にしてようやく着工の運びとなった御旅屋第一街区の再開発事業とその隣接地区で開発が進められております御旅屋西通り市街地整備事業について、当局のお考えをお聞きするものであります。
まず初めに、御旅屋第一街区市街地再開発事業についてでありますが、本事業は、御案内のとおり、昭和51年に再開発組合準備世話人会が発足、翌52年1月には再開発促進協議会が設立され、再開発への活動が始まったものであり、53年には再開発基本計画が作成され、事業の具体化へ動き出したものであります。
以来、協議会活動が高まり、61年3月には知事認可を得て再開発組合が設立されたものであります。しかしながら、その後、権利調整をはじめキーテナント問題等多くの課題の解決を前に、事業がなかなか進まなかったことから、平成元年4月に、それまで権利者法人として設立されていた管理会社のオタヤ開発株式会社に、市、商工会議所、大和百貨店などが出資して、第三セクターに組織がえを行い、同社を主体に再開発組合と一体となって事業推進に努められたところ、ようやく着工の運びとなったわけであります。ここに改めて、市当局はじめ関係各位の御努力、さらには権利者各位の本事業に寄せられる熱意に対しまして、心より敬意とお喜びを申し上げる次第であります。
御承知のように、オタヤ再開発ビルは地上9階、地下1階建て、延べ床面積は約2万 9,700平方メートル、中に入る大和高岡店の売り場面積は約1万 6,600平方メートル、現在の3倍以上となり、百貨店を核にした商業ビルとしては、県内最大規模の施設として平成6年3月にオープンする予定となっております。
今さら申し上げるまでもなく、中心商業地の核としての本再開発ビルの建設により、中心商店街全体の魅力アップはもとより、「躍動と創造の日本海都市・高岡」の建設に向けての一大拠点施設となることは間違いないものであり、今からこの完成が大いに待たれるのであります。
そこで、本事業に関連する重要な事項と考えられます次の2点についてお伺いいたします。
第1点目は、駐車場設置計画についての問題であります。
現在、本市では、桜馬場・長慶寺線、西下関・川原線、国道 156号線、槐通りによる都心環状沿いに公共駐車場設置の方針のもとに整備を進められておりますが、オタヤ再開発ビルに隣接する片原町地内においては、500 台収容の市営駐車場の設置計画が取り組まれており、既に建物補償等の調査も終わっていると聞いております。
そこで、大型商業施設であるオタヤ再開発ビルのオープンまでには、当然大きな駐車場施設が必要なことから、本駐車場整備の見通しについてお尋ねするものであります。
また、駅南地区で建設が進められている「高岡サティ」は、売り場面積においては約1万 5,000平方メートルで、オタヤ再開発ビルに比べ狭いものではありますが、駐車場として約 1,260台収容と聞いておりますが、オタヤ再開発ビルはこの収容台数で十分なのか、あわせてお聞かせ願いたいと思います。
さらに、本駐車場の設置及び御旅屋西通り市街地整備事業による槐通りの片原町までの供用開始の際には、坂下町交差点から片原町交差点、そして末広坂通り等周辺一帯におきまして、自動車交通の流れも大きく変化し、相当混雑も予想されるのであります。そこで、万葉線の当該区間の電停を含めた交通計画についても、今後の課題と考えておりますが、どのように考えておられるのかお伺いするものであります。
第2点目は、大和現店舗の跡地活用についてであります。
新聞等にもあるように、再開発ビル完成後は、現店舗を取り壊し、その跡地を市民憩いのコミュニティーゾーンとして再整備し、まちに人が集える魅力ある空間を創出しようという計画があると聞いていますが、例えば、末広坂商店街の一部も含んだものなのか、何か具体的な計画があるのかどうか、なければどのように考えているのかお伺いいたします。
次に、御旅屋西通り市街地整備事業についてお伺いいたします。
本事業は、新横町の槐通りを直線で延長して国道 156号と直結させる幅員18メートルの都市計画道路片原町・伏間江線の整備をはじめ、中心市街地にふさわしい土地利用を促進し、都市型居住環境の整備を図ることを目的に、コミュニティー住環境整備事業と沿道区画整理型街路事業の合併施行により、昭和63年度から平成6年度まで市事業として取り組まれているものであります。
既に、事業地区内では仮換地指定も進み、寺院や建物の移転、道路の築造整備等順次行われており、順調に進捗していると伺っており、関係者の御労苦に感謝申し上げる次第であります。
さて、中心市街地活性化を図る重点プロジェクトとして推進されております本事業は、隣接のオタヤ再開発ビルの完成が平成6年3月であることから、その相乗効果を発揮させる上からも、何としても当初計画どおり平成6年度までの事業完了を願っているものであります。
ついては、今後、さらに、建物移転、道路築造、広場整備等事業量が増大するものと考えられますので、当初計画どおりの完成を期待するものとして、多くの重点事業を推進されている中ではありますが、新年度予算措置並びに職員スタッフの充実強化等について、事業の進捗に十分対応したものとなるよう、市当局としての意気込みをお伺いいたします。
ところで、最近の中心商店街における状況は大きく動いております。例えば、平成元年から高の宮、御旅屋、末広町各通りの商店街では順次アーケードの全面改築とカラー舗装化を実施し、さらにアーケード完成後は個々の商店で店舗改装、シースルーシャッターの導入等、これまで現状維持一辺倒だった商店街が、将来を見据えた設備投資を積極的に図っておられ、オタヤ再開発ビル着工をインパクトとして、ようやく中心商業地にも本当の意味での活性化が見え始めたような気がいたします。
このような意味からも、御旅屋西通り市街地整備事業をぜひとも計画どおり完成させることが重要なことと考えるのであります。そのことが、私が冒頭申し上げた高岡市の顔としてのJR高岡駅周辺の再整備の事業化に連動し、本市の活性化に大きく寄与するものと考えるものであり、重ねて市当局の決意をお伺いするものであります。
次に、第21回国際海洋法学会富山大会の高岡での開催について、当局の考えをお伺いいたします。
本学会の第21回富山大会の高岡開催は、来年9月5日から9日までの5日間高岡文化ホールにおいて、世界約 100カ国から 200人をはじめ国内 200人の計 400人が集まり開催されると聞いております。
この国際海洋法学会は、マルタ共和国の首都バレッタに本部を置く「国際海洋研究所」が主催する世界有数の学会の一つであり、その活動の目的は、「人類の共同財産」である海洋を国際的レベルでどのように管理、利用していくのかを研究するものであります。
また、国際海洋法学会(パチョム・イン・マリブス)はラテン語で「海の平和」を意味し、人類にとって海洋の存在意義とその平和利用に関する国際協力のあり方を探っていくことを目的としております。
この大会は、環日本海時代の到来を目前に控え、国際立県を目指す富山県にとっても未来への扉を開く重大な第一歩をしるすとともに、国際化時代を迎えての日本海の存在意義を再認識する絶好の機会でもあろうかと思います。
世界的に見ましても、バルト海と地中海の海洋環境は悪化の一途をたどっており、特にバルト海ではPCB汚染によってアザラシなどの海産哺乳類が絶滅の危機に瀕し、漁業は壊滅的な状況であります。
日本海においても、中国大陸と日本列島に挟まれ、南を対馬海峡、北を宗谷海峡に閉ざされた形の準閉鎖海であるため、海水の変換率が低く、一度汚染されると簡単に回復できないのであります。
この大会は、毎年開催されていますが、我が国においては、昭和50年の沖縄海洋博を機に第1回世界大会が沖縄県で開催されて以来18年ぶり2度目の開催であり、高岡法科大学の布施 勉助教授の御尽力によって実現することとなったもので、高岡市民にとっても、富山県民にとっても、「国際社会における富山」を考える絶好の機会でもあり、この大会が本市で開催されることは大変意義深く、地域社会にもたらす影響も大きいと考えるものであります。その意味においても、本市の行政面で本大会の成功に向けて積極的に協力していかなければならないと思いますが、当局はどのように考えておられるのかお伺いいたしまして、私の質問を終わります。
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答 弁
33 ◯副議長(
江尻正洋君) 当局の答弁を求めます。市長
佐藤孝志君。
〔市長(
佐藤孝志君)登壇〕
34 ◯市長(
佐藤孝志君) 1番 畠 議員の第21回国際海洋法学会の開催についての御質問にお答え申し上げます。
国際海洋法学会の我が国での開催は、議員御指摘のとおり、沖縄海洋博以来18年ぶり2度目の開催になるわけでございますけれども、日本海側の地方都市である高岡で開催される運びとなりまして、高岡法科大学を中心に現在その準備が進められているところでございます。
近年、世界経済が、アメリカ、西欧、環日本海経済諸国圏を中心といたしまして、経済の国際化が進み、物だけではなく、金融・サービス・情報・労働力が大量に国の枠組みを越えて移動するようになってきているわけでございます。
こういうような世界情勢の中で、日本海を取り巻く諸国の経済活動も大変活発化してきているのでございます。今、議員が御指摘になりましたように、ヨーロッパにおいてバルト海や地中海の環境汚染が進んでおりますように、日本海におきましても両側に海峡があるという準閉鎖の状況にありますことから、今後の環境悪化が予想されておるのでございます。
国際海洋法学会においては、このような諸問題を、そこに生活する人々の問題としてとらえ、人類の共同財産として、国の枠組みを越えて、海の環境管理、海の資源、開発、国際協力等の問題をテーマに議論されることになっております。
また、今回の国際海洋法学会は、高岡の市民にも開かれた会議となるようでございまして、本市にとりましても、また市民にとりましても、まことに意義深い学会であると、このように思っております。
さらに、本学会の開催を通じまして、世界各地から会議出席のため高岡市に大勢の方々がいらっしゃるわけでございますけれども、そういう方々との友好を深める絶好の機会にもなろうかと思っております。
高岡市といたしましては、今後の受け入れ体制の整備などの状況をお聞きしながら、また、市民の皆様の御理解と御協力をいただきながら、本会議の成功に向けまして積極的に御協力していきたいと、このように考えておりますので、議員各位の温かい御支援を賜るようお願い申し上げる次第でございます。
以上をもちまして、畠 議員の私に対する御質問の答弁とさせていただきます。
35 ◯副議長(
江尻正洋君) 助役 藤井 孝君。
〔助役(藤井 孝君)登壇〕
36 ◯助役(藤井 孝君) 1番 畠 議員の御質問にお答えをいたします。
御質問は中心市街地の再開発事業、特に御旅屋第一街区市街地再開発事業に伴う重要事項についてでございます。
高岡市中心市街地の活性化を図るための、核商業施設整備としまして、建設に取り組んでまいりましたオタヤ再開発ビルは、御指摘いただきましたように、去る10月30日に起工式を行い、現在、市民の方々から親しまれ、魅力ある商業ビルとしての商業集積を図り、平成6年3月のオープンに向けまして、既に建築主体工事並びに設備工事の契約も終え、建物除却工事に着手をしているところでございます。
ただいま、御慰労の言葉をいただきまして恐縮をいたしております。担当しております職員、関係者一同を代表いたしまして、厚く御礼を申し上げたいと思います。これも、ひとえに市議会をはじめ関係各位からこれまで賜りました大きな御協力、御支援のたまものでございます。深く感謝を申し上げる次第でございます。
御旅屋第一街区市街地再開発事業、そして御旅屋西通り市街地整備事業、さらに仮称でございますが、市営の片原町駐車場整備事業の3プロジェクトをそろって完成させまして、それによって大きな相乗効果を発揮させてこそ、本市の活性化につながると強く認識しておりまして、さらに議員各位にはこれからの推進に一層の御理解、御協力をお願い申し上げる次第でございます。
そこで、駐車場整備の見通しについてであります。本再開発ビルはもとより、本市中心市街地の活性化を図る基盤施設としまして、ぜひとも推進しなければならないと考えており、既に御案内のとおり、本陽寺を買収し、そこに約 500台収容の駐車場を整備する計画のもとに、建物補償並びに底地の評価等の調査も終わりまして、御住職をはじめ関係者の方々と鋭意移転につきましての交渉を重ねているところでございます。
また一方、移転のための代替地につきましても、地域関係者と協議を進め、大方の理解をいただいているところであります。この駐車場整備に当たりましては、多くの檀家の方々や 100基を超えますお墓の所有者の御了解をいただく必要があることなどから、再開発ビルの完成までにこの駐車場を完成させるということは極めて厳しいスケジュールではございますが、最善の努力をしてまいりたいと考えております。
次に、収容台数は十分であるかということでございます。現在、本市では中心市街地におきます駐車場整備につきましては、中心市街地全体の駐車場需要に対応した駐車場として、適正配置を考慮しながら整備をしてまいりたいと考えております。
具体的な整備方針でございますが、現在、平成3年度、4年度の2年間にわたりまして、駐車場整備計画を作成しております。今後この計画を踏まえ整備を進めてまいりたいと考えております。
オタヤ再開発ビルの駐車場につきましては、先ほど申し上げたこのビルの隣接地に計画中の市営の片原町駐車場が主要なものと考えておりますが、さらに周辺に計画中及び整備済みの公共、民間駐車場合わせて6カ所、約 500台の利用が可能であります。今回建設する駐車場 500台と合わせて 1,000台程度となるものと見込まれており、これら整合性を図りながら運用すれば再開発ビルの来客者はもとより、近隣商店街の対応にもこたえられるものと考えておるところでございます。
次に、交通計画の考え方についてでございます。
第一街区の市街地のこのビル、そして市営駐車場、さらに御旅屋西通り市街地整備事業、これら3事業の整備に伴いまして、議員御指摘をいただきましたが、交通混雑が生ずることが十分予想されます。このことから、本駐車場整備に当たりましては、国道 156号線での交通支障を来さないように、駐車場の出入り口を国道 156号線には設けないつもりでございます。域内に新設されます道路、恐らく南側になると思いますが、そこに入り口を設けるなど、工夫を凝らしたいと思います。あるいは、駐車場へ出入りをする車両の専用レーンを設けることなども検討いたしているところでございます。
また、新たに延長されます槐通りと片原町の交差が当然できるわけでございますが、この交差につきましては、新設されます槐通りに右折専用レーンを設けるなど、この区間の交通渋滞を引き起こさないように、いろいろと方策を考えているところでございます。
しかしながら、これらの方策でこの区間の交通処理は十分とは言えないと考えております。このため、新設されますオタヤ再開発ビル、市営片原町駐車場、延長されます槐通りが十分機能されるよう、交通動線の一体的な確保、さらに現存する、御指摘もいただきました万葉線の停留所及び横断歩道等が総合的に機能されるよう、警察当局並びに建設省、加越能鉄道あるいは地元関係者とも十分協議しながら進めてまいりたいと考えております。
次に、大和現店舗の跡地の活用でございます。株式会社大和からは、既にオタヤ再開発ビルの完成にあわせて現店舗を取り壊し、その跡地に高岡市の活性化に資するとともに、21世紀を目指した再開発ビルと一体となってシンボル的なものとなり、心の豊かさをはぐくむ文化施設を中心とした整備により、有効な活用を図りたいとの意向が明らかにされております。
現在、大和では、同社に関係する東京のコンサルタント等の専門家に委託をしまして検討を進めております。また、地元の関係商店街の方々に対し、現店舗跡地の活用策についてよいアイデアがないかという相談をかけるなど、多角的な構想を練っている段階でございます。また、私ども市並びに商工会議所に対しても、市の活性化のための具体案について提案をしていただきたいとの要請がございます。したがいまして、本市としましても、この場所は、昭和62年度に作成されましたコミュニティー・マート構想において、高岡クロスとして最重要な地点であります。また、中心市街地活性化のための重要な場所として位置づけをしているところでもございます。既に工事に着手しております再開発ビルの魅力を高めるためにも、この開発構想の検討あるいは開発区域等について、大和の意向も踏まえながら跡地活用の具体化に協力してまいりたいと考えております。
最後に、御旅屋西通り市街地整備事業の進捗でございます。
当初計画どおり、平成6年度完成に向け十分な対応をという御指摘でございます。御旅屋西通り市街地整備事業は、都市計画道路片原町・伏間江線の整備とあわせまして、都市型居住環境の整備を図ることを目的としており、隣接する御旅屋第一街区市街地再開発事業と一体となって、中心市街地の活性化に寄与する重要な事業であることから、本事業の推進に鋭意努めてまいっているところでございます。
昭和63年度に事業着手をして以来、平成4年度末までに執行が見込まれる総事業費は、既に約27億円となっております。その進捗率は約50%であります。実施した具体的内容を申し上げますと、宗円寺、本光寺をはじめとする建物買収35件と事業区域全体を9ブロックに分けて進めております仮換地指定につきましては、既に5ブロックで指定を終えたのに伴う家屋の移転補償20件、道路整備費等でございます。現在までのところ、地元権利者の御理解と御協力をいただきながら、順調な進捗を見ているものでございます。
今後の事業見通しとしては、槐通りの延伸部分、すなわち、御旅屋通りから国道 156号線までの間についてでございますが、無電柱化を図ることを既に決めておりまして、平成5年度からこのためのキャブシステム工事に着手する予定にいたしております。この道路をシンボルロードとして整備するよう努力をしているところでございます。しかし、移転を要する建物があと約50件見込まれるところでございます。この移転作業を考えますと、平成6年度末までの完成はスケジュール的には非常に厳しいものがございます。しかしながら、中心市街地活性化のための重要な位置づけのもとに推進している本事業は、ぜひとも早期完成を図らなければならないものでございまして、今後とも所要の予算措置を行うなど、全力を挙げて事業促進に努めてまいる所存でございます。
以上で、畠 議員に対する答弁とさせていただきます。
37 ◯副議長(
江尻正洋君) この際、しばらく休憩いたします。
休 憩
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休憩 午後3時06分
再開 午後3時20分
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再 開
38 ◯副議長(
江尻正洋君) 休憩前に引き続き、本会議を再開いたします。
個別質問、質疑を続行いたします。5番 山沼成敏君。
〔5番(山沼成敏君)登壇〕
39 ◯5番(山沼成敏君) 12月定例会に当たり、さきに通告いたしました3点についてお尋ねをいたしますので、当局の積極的な答弁をお願いいたします。
まず、第1点目は、特別養護老人ホームの拡充についてであります。
本市の将来人口は、平成7年17万 7,700人、平成12年17万 9,000人程度と、ほとんど横ばいの状況になると見込まれております。しかし、当局におかれましては、人口増加対策を最重要課題の一つに掲げ、諸施策を積極的に取り組まれておりますことから、私は、推計人口よりも伸びることを期待しているものであります。
一方、本市の老年人口は、平成7年3万 100人、平成12年3万 5,100人と、また、人口に占める割合も、それぞれ、16.9%、19.6%と推計され、急速な高齢化の進行がうかがえます。
さらに、要援護者数の見通しでは、特に75歳以上の後期高齢者の増加により、寝たきり老人数は、平成7年 1,560人、平成12年 1,880人と、痴呆性老人数は、平成7年 1,720人、平成12年 2,090人と推計されております。
また、核家族化の伸展などにより、高齢者世帯やひとり暮らし老人がますます増加することも予想されます。
本市は、このような長寿社会に対応するため、昨年3月「ふるさと21健康長寿の
まちづくり」基本計画を策定し、各分野にわたる多様な施策・事業の整備目標を掲げております。また、来年度は、老人保健
福祉計画の策定が予定されており、より一層の保健
福祉施策の充実が期待されているのであります。
本市の要援護老人対策事業は、ひとり暮らし老人対策としては、地域福祉を進める全校下・地区の地域総合福祉推進事業をはじめ、ホームヘルプサービス事業、給食サービス事業、緊急通報装置設置事業などに、また、寝たきり老人及び痴呆性老人対策としては、ホームヘルプサービス事業、移動入浴サービス事業、ショートステイ事業、デイサービス事業、在宅介護支援事業などに積極的に取り組まれております。
高齢者福祉対策の各事業は、総合計画の3大柱の一つであります「健康と生きがいにあふれた市民のまち」をつくり上げていくのに重要なものでありますが、前段にも申し上げましたように、要介護老人は確実にふえていくのであります。そのため、市民
一人ひとりが健康で、安心して、生きがいを感じながら過ごせるためには、在宅福祉の充実とともに、施設福祉の整備・充実、とりわけ特別養護老人ホームの拡充が急がれると思います。
このことにつきましては、本年3月定例会におきまして、我が会派の代表質問で、大居会長からお尋ねしているところでありますが、改めてお尋ねをいたしたいと思います。
特別養護老人ホームの整備状況を富山市と比較してみますと、富山市の13施設、680 床に対し、本市は県立長生寮、社会福祉法人鳳鳴苑及び雨晴苑の3施設、190 床であります。人口割合から見ましても、現状では少ない感がゆがめません。現在、市内での入所希望者は、50~60人程度と伺っておりますが、今後も当然ながらふえていくことが予想されています。
総合計画では、平成5年から7年までの間に、特別養護老人ホームの整備計画を1施設50床新設となっておりますが、新年度予算編成の時期でもありますので、既存施設の増床の可能性も含め、整備計画の考え方を担当部長であります福祉保健部長にお伺いをいたしたいと思います。
次に、質問の2点目といたしまして、拠点中核スポーツゾーンの総合体育館の整備及びその周辺の開発についてお伺いをいたします。
拠点中核スポーツゾーンの第1期工事につきましては、平成6年のインターハイに向け、サッカー・ラグビー場、テニスコート、イベント広場など現在工事が着々と進められております。私は、スポーツ愛好者といたしまして、この施設が全国大会可能な施設として、また生涯スポーツの拠点施設として整備されていくことに、大きな期待を寄せているものであります。
また、平成12年の2000年国体に向け、県内の市町村がこぞって体育施設の整備に取りかかっており、先般、県において県西部の拠点体育施設として砺波広域圏において、総合体育館を建設することを打ち出しております。本市は、県西部を代表する中核都市であり、当然中心的な役割を担っていく必要があります。そこで、拠点中核スポーツゾーンの第1期工事の完成とともに、第2期工事であります総合体育館の整備に取りかかられると思いますが、ぜひ21世紀を展望した高岡ならではのユニークな総合体育館を建設されることをお願いし、現時点での整備基本方針を教育長さんにお尋ねをいたします。
続いて、拠点中核スポーツゾーン周辺の開発について、助役さんにお尋ねをいたします。
本市の南部地区は、今、大きく変わろうとしております。この南部地区は、新幹線ルートの決定がなされた地域でもあり、京田を境界として市街化調整区域となっており、幸いにも宅地の乱開発が抑制されております。
現在、南部地区には、高岡テクノドーム、拠点中核スポーツゾーン、済生会病院、食品流通団地に加え、仮称おとぎの森公園の整備も計画されるなど大型事業が進められております。また、昨年8月に地元の企業、自治会、農協などが結集され、高岡市南部地域活性化推進協議会が発足され、当地区の活性化に努められております。
私は、市内の企業が2000年国体に向けてチームを結成し、強化に努められている現在、京田地域から市道佐野・上伏間江線までの区域を
まちづくりの顔として、民間体育施設の誘致や産業の育成・振興の研究ゾーンとして位置づけ、早急に開発整備計画を立てるべきではないかと考えます。当局の考えをお聞かせください。
質問の最後といたしまして、小学校グラウンドの夜間照明についてお尋ねをいたします。
生涯スポーツを推進していくには、それに伴う施設の整備・充実は欠くことのできないものでありますが、身近に利用できる施設として
小・中学校の体育施設があります。当局におかれまして、学校体育施設開放事業に積極的に取り組まれ、市内全
小・中学校の体育施設を 100回から 230回開放へと計画的に拡大されているところであります。
ところで、グラウンドの夜間照明につきましては、既に全中学校に設置され、地域住民に大いに喜ばれているところでありますが、利用者の競合や距離的にやや遠いことから、小学校にもその設置が望まれております。
第6次事業計画では、平成5年度から小学校2校に設置する計画でありますが、学校週5日制が定着しつつある今日、グラウンドを利用した活動、例えば校下単位の三世代交流のミニ運動会なども考えられますので、その整備計画を教育長にお尋ねし、私の質問を終わります。
以上です。
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答 弁
40 ◯副議長(
江尻正洋君) 当局の答弁を求めます。助役 藤井 孝君。
〔助役(藤井 孝君)登壇〕
41 ◯助役(藤井 孝君) 5番 山沼議員の御質問にお答えをいたします。
拠点中核スポーツゾーン周辺地域を
まちづくりの顔として早急に開発整備計画を策定せよとの御指摘でございます。
当該地区の大部分は、現在、市街化調整区域となっております。しかしながら、外郭環状線などの整備に伴いまして、小杉インターチェンジ及び能越自動車道高岡インターチェンジへの利便性がよくなること。また、比較的まとまった用地が確保できることなどから、今後、高岡市にとって最も発展が予想される貴重な地域であり、都市的土地利用の需要が急速に高まることが考えられます。現在、策定いたしております総合計画の中で、土地利用構想を立てておりますが、これでは将来の市街地の進展を考慮して、地域にふさわしい施設の立地誘導を図る計画・開発推進地区と位置づけているところでございます。
当地区の開発につきましては、現在の市街化区域と連係した形で整然とした街区が形成され、さらには、潤いと緑のあふれた都市環境が形成されるよう、農業事業との調整も必要でございます。この調整を図りつつ、計画的で秩序ある市街化の誘導を図るとともに、立地施設につきましても、既存施設や整備中の施設と調和した形での立地誘導が必要であると考えております。
以上のような観点から、本年度は、当地域を含みますJR高岡駅から南側、市道佐野・上伏間江線までのエリアを対象としまして、「
まちづくり計画調査」を行っております。いろいろと進めているところでございます。この調査では、市街化調整区域の部分における将来の土地利用のあり方、さらに幹線道路などの根幹都市施設の計画及び開発整備の手法、手順などにつきまして検討を行うことにいたしております。今後、御提案をいただきましたいろいろの事業項目等につきましても、この中で十分検討してまいりたいと考えております。
以上で、山沼議員に対する答弁とさせていただきます。
42 ◯副議長(
江尻正洋君) 福祉保健部長 榊原知文君。
〔福祉保健部長(榊原知文君)登壇〕
43 ◯福祉保健部長(榊原知文君) 5番 山沼議員の特別養護老人ホームの拡充についての御質問にお答えいたします。
本市の今年1月現在の高齢化率は15.3%でございまして、全国の高齢化率12%と比較した場合、進行は急速でございます。
高齢者の中でも、福祉サービスを必要としている寝たきりや痴呆などのいわゆる要介護老人につきましては、今後、75歳以上の後期高齢者の増加が予測されることなどから、将来的には一層増加していくものと考えております。ちなみに、現在、特別養護老人ホームに入所されている方は、市内外の14施設に 172人でございます。
特別養護老人ホームは、施設機能といたしまして、入所者の処遇はもとよりでございますが、ショートステイやデイ・サービス、ホームヘルプサービスなど在宅福祉サービスの機能も持っておりまして、それから併設いたしますデイ・サービスセンターや在宅介護支援センターは、地域の在宅福祉サービスの拠点として重要な役割を果たしております。このような施設機能の有用性や待機者等要介護老人のニーズを考慮した場合、今後さらに整備拡充が必要であると考えております。
特別養護老人ホーム整備の基本的な考え方につきましては、本年の3月定例会におきまして、市長より申し上げたところでございますが、民間の社会福祉法人による整備をお願いいたし、市は施設整備費に補助金を交付いたしまして、整備を促進していくとの考え方でございます。また、整備費につきましては、設置者の負担を少なくする方向で今後、助成を検討してまいりたいと考えております。
現在のところ、既設の社会福祉法人による増床や新設によるものの計画がございますので、事業内容等の検討や県との協議を行っているところでございます。今後は、さきの基本的な考え方を踏まえまして、整備促進に一層努力してまいりたいと考えております。
以上をもちまして、答弁とさせていただきます。
44 ◯副議長(
江尻正洋君) 教育長 篠島 満君。
〔教育長(篠島 満君)登壇〕
45
◯教育長(篠島 満君) 5番 山沼議員の拠点中核スポーツゾーンの総合体育館の整備基本方針についてお答えいたします。
御承知のとおり、拠点中核スポーツゾーン第1期工事につきましては、平成6年のインターハイに間に合わせるよう現在積極的に工事を推し進めているところであります。したがって、総合体育館の整備につきましては、第1期工事の完工時期である平成6年度から計画策定を進めてまいりたいと考えております。
拠点中核スポーツゾーンの施設整備につきましては、21世紀におるけ富山県西部の中心都市にふさわしい役割を果たす機能を兼ね備えた施設整備にしなければならないと考えております。
このことから、総合体育館は第1に、整備年次を平成12年の2000年国体に照準を置き、国際的、全国的規模の競技スポーツ大会の開催や広域的なスポーツイベントにも対応できる施設として整備する必要があります。
第2には、余暇時間の増大や高齢化社会を迎え、生涯スポーツの一層の振興充実が求められていることから、単に競技専用施設として整備するというだけでなく、幼児から高齢者までがスポーツ・レクリエーションを楽しめる生涯スポーツ活動の拠点施設にしなければならないと考えております。
今後、計画を進めるに当たっては、施設の安全性、経済性のよさ、使用者の利便性等を十分考慮しながら、各界各層の御意見を十分踏まえ、基本計画の策定に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、小学校グラウンドの夜間照明施設の設置についてであります。
生涯スポーツの時代を迎えた今日、地域住民にとって、学校体育施設は最も身近なスポーツ活動の場であるとともに、コミュニティー活動の場でもあるということから、地域スポーツ活動の拠点として開放事業の促進と施設の有効活用に鋭意努めているところであります。
グラウンドの夜間照明施設の設置については、昭和63年度で全中学校の設置を完了し、現在活用されているところであります。しかし、これまでの利用状況を見ますと、必ずしも利用率が高くないことから、各スポーツ団体に対し、その有効な活用について働きかけてきたところであります。その結果、学校ごとに利用のばらつきがあるものの、比較的利用率が高くなっている学校もあるので、今後の利用の状況も見きわめながら、利用率の高い地域について、第6次事業計画の推進計画の中で小学校グラウンドの拠点的な整備について検討してまいりたいと考えております。
以上、5番 山沼議員の御質問に対する答弁といたします。
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46 ◯副議長(
江尻正洋君) 28番 太田一男君。
〔28番(太田一男君)登壇〕
47 ◯28番(太田一男君) 本議会の個別質問の最後になりました。ちょっと例によって時間がかかりますので、ひとつよろしくお願いをしたいと思います。
通告いたしました3点につきましては、きのうからきょうにかけての議会の質問と答弁、つまり議会の討論によって取り上げられましたので、私は、重複する部分もあると思いますけれども、視点を変えたところから質問をしたいというふうに思います。
それから、通告をいたしましてから、具体的な事実について変化があった部分がございます。これはひとつ当局の方に御了解をお願いしたいのでありますが、そのことを後から申し上げますので、それに伴ってひとつ御答弁をお願いしたいというふうに思います。
最初は、環日本海時代と当面の課題という質問でございます。
総合計画第6次事業計画のスローガン、これは基本構想がそういうスローガンなんでありますが、「日本海側を代表する躍動と創造のまち高岡」ということになっております。この言葉は、日本海沿岸の都市間競争に打ち勝つという強い意思のあらわれであると思いますけれども、どうも私にとってはもうひとつはっきりしたどんなまちになるのかというイメージがわいてきません。それは、総合計画が定められた時点より、最近はもう一歩国際化が進行しておりまして、限られたフレームの中で都市間競争を行うという視点ではなくって、環日本海時代における地方都市のあり方という展望を持たなければならないのではないかというふうに思うからではないかと思います。
以下、そのことの理由を若干交えながら、当面の課題ということで私見を開陳させていただきたいと思います。
戦後長い間、私たちの国際関係を規定してきました米・ソの冷戦構造が終結して、世界じゅうに局地的な紛争が噴出してきております。もう最近では、インドのいわゆる宗教戦争の問題、あるいはまたソマリア問題等、さまざまな問題が出てきております。しかし、日本を含む東北アジアの地域では、ソ連邦の崩壊とともに緊張が急速に緩和し、象徴的に日本海の緊張も緩和して「平和の海」に急速に近づきつつあります。「日本海を平和の海に」と一貫して唱えてきた我が日本社会党のみならず、日本海側の各都市にとってもまことに喜ばしい国際環境が現出することになりました。
既に対岸では、国連の最重点開発区域として、国連開発計画・UNDPと言うんですが、そのUNDP豆満江流域開発構想を出し、それが動き始めております。日本海沿岸の各県や市も強い関心を示すようになってきております。この開発地域は、中国の吉林省・琿春(こんしゅん)、それから北朝鮮の羅津、ロシアのポシエトを結ぶ小デルタ地帯と言われているんですけれども、ほかに韓国、モンゴルを加えた5カ国が対象となっています。このUNDPの報告書は、昨年の10月、平壌における国際会議で討論されまして、各国のハイレベル会議に移されることになりました。まだ合意されていない部分としては、もう少し大きなデルタ地帯をという意見があると伝えられておりますが、基本的な方向については一致していることに違いはないのであります。
この地域を中心に環日本海地帯を展望しますと、日本、朝鮮半島、ロシア沿海州に中国東北3省を加えた人口は3億人という巨大な市場となります。20年間に 300億ドルの開発資金が必要であるとも言われます。この開発には、当然のことながら、日本の資金と技術による国際貢献が期待されており、既に金融資本や総合商社の調査が始まっていると伝えられています。ただ、心配されるのは、開発を急ぐ余り、公害の問題がおろそかになりはしないか。日本海が準閉鎖水域であるだけに、工業化による海洋汚染や大気汚染が心配されているのであります。
我が社会党では、かねてから日本海の問題に強い関心を持ち、古くは漁業問題、最近は中国や北朝鮮と友好関係にある立場から、この「豆満江開発」に調査団を送り、現地に入って
実態調査を実施しております。また、日本海沿岸諸国の海外代表を招き「環日本海シンポジウム」を継続して実施しております。一昨年の第1回は新潟で、そして第2回はことし金沢で、いずれも関係国や学会、地方自治体からも高い評価をいただいているのであります。その節は、高岡市からも御協力をいただき、そして御出席も賜りまして、改めて感謝を申し上げるところであります。もし、条件が整い、高岡市でこの「環日本海シンポジウム」が開催されるようなことになりますれば、ぜひ市長さんには御高配を賜りたいものと考えておる次第でございます。
さて、高岡市では、来年9月に「国際海洋法学会」が開催されることになっております。先ほどの畠 議員の質問に詳しく述べられておりますので、私はその部分となるべく重複しないように少しこの問題に触れたいと思います。
この「国際海洋法学会」は、1970年に第1回大会が開かれまして、既に20回開かれ、1993年の第21回富山世界大会はさまざまの意味で画期的な内容を持っていると言われます。高岡法科大学の布施助教授によれば、第1に初めて地方都市で開催されること。第2に、地方自治体が主役になること。第3に、市民参加型になることが特徴である。そのため第3世界の国々からは好感を持って迎えられているということであります。市長は、先ほどの畠 議員の質問に対して大変意義深い学会であり、しかも国際的な友好を深めるよい機会であるしということで積極的に協力をするという御答弁をされました。そういうことでありますので、その前提に立って申し上げますが、もしそうであるならば、やはり事務局体制を確立する必要があるわけです。しかも、こういう国際的な学会というのは、明治以来、高岡はもちろん富山県では開催されていませんし、もしこの世界大会がうまくいかなかった場合にどんなふうになるかと考えた場合には、やはり大変重要なイベントとして位置づける必要があるのではないかというふうに考えるのであります。私はその意味で、9月から逆算をしますと、日程的に余り時間がない。どうしても早急に事務局体制を確立する必要があると思うのでありますが、先ほどの市長の御答弁にあわせてこのことについての前向きな御答弁をいただきたいのであります。
それから、2つ目は、自治体連合の問題であります。先日の私どもの環日本海シンポジウムにおきまして、環日本海時代を迎えて、日本海沿岸の自治体連合を形成する必要があると学者サイドから力説されました。これは9月の国際海洋法学会でも提案されると仄聞しておりますし、高岡市にとっては絶好の機会ではないかと思うのであります。国際的なルールによりますと、提案したものが優先権を持つということになっておるそうでありますから、高岡市がこの環日本海の問題についてリーダーシップをとり得る有利な状況にあります。条件が整えばということになろうと思いますけれども、ここはひとつ積極的に意思表示すべきであると考えますが、市長の御見解を賜りたいと思うのであります。
3番目は、環境保全の問題であります。対岸諸国の開発が無秩序に進みますと、日本海は「死の海」となるということを指摘している学者が多くなりました。沿岸は酸性雨の大きな被害に見舞われるということは必至であると言われますし、その際、環境保全、とりわけ漁業への影響は深刻であります。この被害を回避するためには、開発に関する日本の技術移転が必要とされております。
ましてや、地方拠点都市の指定を受けた場合に、氷見、新湊という漁港を包含することになりますし、具体的なアプローチが必要となってまいります。200 海里時代を迎えまして、領海の確定の問題があって、竹島の領有権問題などを含んで大変国際的には複雑な問題がありますけれども、日本海を沿岸諸国共有の海とするため、対岸諸国、すなわち、ロシア沿海州、朝鮮半島などに姉妹都市あるいは友好都市をつくる必要があると思いますが、この点についてはかねてからの課題でもあり、前向きの御答弁をお願いしたいのであります。
次は、通告に従いまして、地方拠点都市の指定に伴う基本的な問題ということになります。
知事選挙の直後に発表されました地方拠点都市の地域指定が、高岡・射水地区であったことは、高岡市の今後の都市基盤整備のバックアップになるものとして大いに期待されました。しかし、11月19日になって、突然砺波圏域を含む呉西全体19市町村を対象として申請されることになりました。なぜこのような不自然な変更が行われたか憶測の域を出ないのでありますが、一つは、地域指定が知事の権限であるにもかかわらず、何らかの政治的圧力がかかったことが想定されるのであります。
いま一つは、この法案の成立過程で、東京の一極集中是正、つまりは多極分散型国土を主張する建設省と県内一極集中是正を主眼とする自治省とが対立し、妥協の結果、基本方針が抽象的となって、国がどんな都市を拠点都市として位置づけているのかよくわからなくなった点にあると考えられます。
いずれにしましても、高岡市にとっては迷惑な話でありまして、仮に指定されたとしても、自治体間の調整には今までにない困難が予想されますし、発想そのものを変えなければならなくなってくると考えるのでありますが、ここまでは予定の原稿で書いておりましたが、実は先ほど連絡が入りまして、14地区が地方拠点都市地域の指定について協議の結論が出たという連絡が入ってまいりました。その中には、この高岡地区が入っていないのであります。北海道、それから東北3県、中部3県、山陰2県、四国2県、九州3県でありまして、そのための確認事項としては5項目ございまして、ちょっと意味は不明なところもありますが、申し出のあった32地域については最大限尊重して、すべて協議の対象とするということも一つありますけれども、さらに今回、事前協議を行っていない地域についても、今後、申し出があれば、可及的、早期に事前協議に応ずるというようなそんなこともありまして、少し不明の点もございますが、ともかく、そういう連絡が入ってまいりました。
こういうふうにされますと、一応通告しました質問に従って質問をしていくのでありますが、まず一番最初に、指定区域の申請が突然変更されて、しかも呉西全域に広がったことについて、市長は事前に相談を受けておられたのかどうかということが大変心配になってくるわけであります。
それから、2つ目といたしましては、通告は呉西全域に広がったことについて、指定の可能性が高くなったと考えるべきなのかということであったんですが、もう入っていないようでありますので、これは一応御答弁をいただかないことにいたしまして、私はこの法案の趣旨から考えてですね、やっぱり当初案の高岡・射水圏域がはかるかに合理性が高かったのではないか、定住圏としての将来性が期待できたのではないかと考えているのです。事実、昭和39年以来の広域圏施策のほとんどが余り見るべき成果を上げておらないのに、わずかに「高岡・射水モデル定住圏」のみが、例えば、万葉歴史館の建設など、万葉のふるさとづくりに貢献しているという成果を確認できているのであります。このことについてですね、ひとつ市長のお考えをお聞かせ願いたいと思います。
3番目は、法案によりますと、「基本計画は、地方拠点都市地域のすべての市町村が共同で、または地方自治法に規定する協議会もしくは一部事務組合が作成する」ということになっておりますが、19市町村に一部事務組合を加えた事務局が一体どんなワーキングができるのか大変理解に苦しむところであります。この点について、関係市町村の協議はどんなふうに行われているのか、お伺いをしたいと思います。
4番目は、この拠点都市法には問題が多いというふうに言われておるのであります。現在、既に32カ所の申請があると言われまして、後発の希望も含めると50から80カ所も指定されるのではないか。その効果を疑問視する向きが多いと言われるのであります。このままだと、さしたる効果を発揮できなかった新産都市やリゾート法の二の舞になりかねないと危惧されているのであります。そして、失敗の結果が、国の方から「自治体はやっぱり信用できない」という中央官庁の声が高まっていくとするならば、逆に問われているのは自治体の力量であり、市長の力量なのではないかと消息筋は伝えているのであります。
佐藤市長は、この12月定例会に当たり、「地方拠点都市の早期指定に向け──」そして「引き続き努力を続けたい」と所信を述べられました。また、予算措置もなされております。しかし、問われているのが自治体の力量であるとするならば、むしろ指定以後の問題が重要なのであります。市長の御決意のほどを伺っておきたいと思うのであります。
次は、全国都市緑化フェアと「おとぎの森公園」についてであります。
平成8年度に予定されております緑化フェアは、緑豊かな
まちづくりのためには夢多きイベントでありますけれども、一方、財政的には暗雲が立ち込めているというのは言い過ぎではないようであります。
我々社会クラブの調査によりますと、これまで9回開催された全国都市緑化フェアは、いずれも政令都市または人口50万人以上の大都市であり、しかも県が全面的にバックアップしております。来場人数は、最低で熊本市の 125万人、大体一般的には 150万人から 200万人が動員されているところを見れば、
JETとやま博に匹敵する動員が可能でなければ、惨たんたる結果に終わってしまうことは確実なのではないかと思います。
ちなみに、
JETとやま博の場合は、9月30日の常任理事会の資料によりますと、入場者が 164万人余、財政規模76億 4,000万円で、うち県、市町村、民間の分担金を合わせて17億円の規模でありました。
この全国都市緑化フェアは、今や地方における最有力イベントの一つとしての地位を固めつつあると言われまして、今世紀中の開催希望が早くから埋まってしまったと言われております。それだけに高岡市の開催は失敗をしてはならないのであります。しかし、仄聞するところによりますと、富山県は財政援助をはじめ支援体制について余り積極的でないと言われ、高岡市との間で綱引きが行われていると伝えられております。単なる風聞で終わればいいなと念じておるのでありますが、先日の県議会の代表質問において、どうもその杞憂が本当のものになりそうであります。高岡市にウエートを置いたようなつれない返事が県知事から答弁されたというふうに報じられているのであります。
全国都市緑化フェアは、公園都市・高岡の実現のためにもぜひ成功させたいところですが、そのためには富山県の全面的援助がなければならないものと考えられます。また、引き続いて建設される予定の「おとぎの森公園」にしても、平成5年度の高岡市重点要望事項にあるように、県営公園でなければ計画年度のうちに十分なものは望めそうもありません。このような認識の上に立って、以下の質問をいたします。
全国都市緑化フェアについては、県との交渉結果がどのようになっているのか。また、平成5年度から6年度には共同事務局の設置が必要になると考えられますが、その準備はどのように進んでいるのかお聞きをいたします。
2番目は、バブル経済が崩壊して、今後、2、3年は地方交付税、法人市民税が激減することが必至と思われます。第6次総合計画における大型事業がくびすを接しているような現状において、過大な財政負担は全体の計画に支障を与えるだけではなしに、老人保健
福祉計画など、現在、策定中の市民生活に不可欠な福祉や教育にしわ寄せがいくことにもなりかねません。もし、県の対応が不十分なら、緑化フェア事業の返上も覚悟するぐらいの気迫で望むべきではないかと思うのですが、市長のお考えをお聞きしたいのであります。
3番目として、さらに「おとぎの森公園」の建設については、県内の県営公園の配置状況を見るならば、高岡市に一つあっても不思議ではございません。事業費が 100億円を超えて 200億円になんなんとする大事業であってみれば、もし県営公園の採択がならなかった場合、「おとぎの森公園」事業の先送りもやむを得ないものと考えられますが、高岡市にとっては大変な決断になろうと思いますけれども、この点についての市長の御見解をお伺いしたいのであります。
以上、3点について質問を申し上げました。本議会の最後でありますので、市長の真摯な御答弁を期待いたしまして、私の質問を一応終わらせていただきます。
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答 弁
48 ◯副議長(
江尻正洋君) 当局の答弁を求めます。市長
佐藤孝志君。
〔市長(
佐藤孝志君)登壇〕
49 ◯市長(
佐藤孝志君) 28番 太田議員の御質問にお答え申し上げます。
第1は、環日本海時代とその当面の課題についてでございます。
先ほど、畠 議員に御答弁申し上げましたとおり、世界的な学会である「国際海洋法学会」が高岡市で開催される運びとなりましたことは、まことに有意義なことであると考えております。地球的規模の環境問題や海の環境管理等を議論されるなど、国際化時代にふさわしい時宜を得た学会であると、このように思っておるわけでございます。したがいまして、高岡市といたしましても、「国際海洋法学会」を通じまして世界各国との友好を図るとともに、本国際会議が成功するよう、市民の皆様の御理解と御協力をいただいて積極的に働きかけていきたいと、このように思っておるわけでございます。
なお、事務局体制につきましては、これから高岡法科大学におけるところの受け入れ体制の状況をお聞きしながら本市としても対応していきたいと、このように思っております。
次に、高岡市が日本海沿岸の自治体連合形成のリーダーシップをとるべきではないかとの御提案があったわけでございます。
御案内のとおり、世界的な緊張緩和と対岸諸国の経済・社会における潮流の変化は、人・文化・貿易・科学技術などの諸分野における国際間の交流を拡大し、環日本海交流圏とも呼べるグローバルな経済・文化圏を形成しつつあるのでございます。こうした状況のもとで、御承知のとおり、去る8月に富山県とロシア沿海地方の友好提携とか伏木富山港とウラジオストク商業港の友好港湾の調印が行われ、また、富山と韓国に航空路の開設が正式決定されるなど、昨今、日本海側の各道府県におきましては、対岸諸国の諸地域とのさまざまな分野での交流が推進されているのでございます。
本市の対岸諸国との交流につきましては、友好都市中国・錦州市との交流を深めるとともに、日ロ沿岸市長会議や日朝友好貿易促進日本海沿岸都市会議に参加し、その相互理解に努めております。
一方、民間におきましては、高岡青年会議所と韓国・大邱青年会議所が姉妹提携を行い、また、去る11月には、高岡商工会議所の方々が韓国訪問経済視察団として韓国を訪れるなど交流を深めていらっしゃるのでございます。
本市内の伏木港は、古くからアジア大陸との交易・交流の歴史を持っておりまして、現在の伏木・富山港もロシア共和国・大韓民国・中国などの対岸諸国との貿易をはじめとする環日本海交流の中心地域の一つとなっているのでございます。
このようなことから、今後、日本海対岸諸国との間に、経済・科学・文化などの交流が展開できるよう、本市においても将来に向かって環日本海交流の態勢づくりを進めていくことが必要であると考えております。
次に、対岸諸国との間の新たな友好都市の提携についての答弁でございます。
私は、かねがね姉妹あるいは友好都市の提携についての考え方を申し上げておりますけれども、この提携は都市と都市との市民同士の交流を含めた国際交流を通じて、市民の皆様の国際的視野を広げるとともに相互の理解・親善を深め、ひいては友好・姉妹都市が存在するところの両国間並びに世界の平和・友好に大きく寄与すること。また、それぞれ訪問し合うことによりまして、それぞれの都市の持つよさというものがわかりまして、これらを自分の
まちづくりに生かすことによって、都市の相互発展がもたらされるということから、こういう都市提携は大変有意義なことであると、こう思っておるわけでございます。
現在、本市は、ブラジルのミランドポリス市、アメリカ・フォートウェーン市、中国・錦州市との3つの都市と姉妹・友好都市を提携し、交流を深めているほか、その他の国の人々との交流も活発化してきております。こうした中で、新たな対岸諸国との姉妹都市提携につきましては、民間や経済界等における交流の積み重ねやそれぞれの国における今後の状況などを踏まえながら対応していきたいと、このように考えておるわけでございます。
第2は、地方拠点都市についての御質問に対する答弁でございます。
まず、この指定区域の変更に当たって事前に相談を受けていたのかとの御質問があったわけでございます。
御案内のとおり、本市は、いわゆるこの地方拠点法の施行に大きな期待を寄せまして、これまで富山県に対しまして高岡市を含めた地域を拠点都市地域として指定されるよう要望してきたところでございます。このたび、富山県におかれまして、高岡市を中心とする富山県西部地域の19市町村の圏域を、本県における1次指定候補地域とし、国との協議に臨まれたことに対しまして、先般来御答弁申し上げておりますように、心から感謝申し上げている次第でございます。
この法律では、地方拠点都市地域の指定は、各知事が関係市町村並びに国と協議して行うこととなっておりますことから、富山県内の第1次候補地域の選定に当たりましても、事前に県からお話があり、そのお考えをお聞きしているところでございます。
それから、この富山県内におけるところの第1次候補指定地域の範囲の拡大があったことにつきましては、昨日も松井議員に御答弁申し上げておりますように、県とされましては3つほど要因を挙げていらっしゃいまして、1つは、全国32の候補地域のうち、10万ヘクタールを超えるところが14地域あったということ。あるいは、また、この範囲を広げることによって、地域指定のメリットが広範囲に及ぶということ。また、歴史的にも一体となって発展してきた高岡市を中心とする西部地域について、より広域的な見地から地方拠点都市地域の一体的な整備の促進が図られるということを挙げていらっしゃるわけでございます。
この法律に基づくところの基本方針でも、指定地域の要件といたしまして、整備の効果とか地域における中心都市とその周辺地域の密接な関連などを挙げていらっしゃるわけでございまして、そういう意味で県がこのたび拡大をされた理由いろいろございますけれども、まあ歴史的にも一体となって発展した高岡市を中心とする西部地域全域について一体的な整備が促進できるということが、まさにこの指定に当たるところの基本方針の趣旨にも合っておりまして、私はそういう意味では、この範囲が広がったからといって、指定のことについての影響はないんではなかろうかなと、こう思っておるわけでございます。
先ほど、議員から、一つの情報についての御開示があったわけでございますけれども、お聞きしているところによりますと、きょうの夕方、国の関係省庁間で協議した結果を発表されるやに伺っております。したがいまして、まだ内容につきまして確認をしていないのでございますけれども、32地域について全国から申し出があったわけでございますけれども、国としてはこの32地域全体について、この法律に基づくところの協議をしていくと。ただ、いろんな事務の円滑さといいますか、そういうところから1回でこの協議を進めるのではなくて、段階を分けていくというような話も聞いております。具体的に高岡市がその最初の段階に入るのか、あるいはまた後の段階に入るのかはともかくといたしまして、とにかく、国の方におきましては、32全体について協議を進めるということをおっしゃっておるわけでございますので、指定が広がったことが影響がある、あるいはないということはないんではなかろうかと、こう私なりに解釈をしておるわけでございます。
いずれにいたしましても、まだ未確認でございますものですから、夕方ぐらいにはあるいは発表がありまして、どういう形になるのかがはっきりしてくるかと思っております。
それから、この関係市町村の間の協議が行われているのか、あるいはまた、これから十分行われていくのかと、そういう御質問であったかと思いますけれども、県におきましては、十分な調査・検討をなされた上で今回の第1次指定の候補地域の選定がなされたわけでございます。これを受けまして、御承知のとおり、おととい、圏域の拠点都市地域としての一体的整備に向けた基本計画の作成と連絡調整の充実を図ることを目的とした「富山県西部地方拠点都市地域整備推進協議会」を設立したわけでございます。本協議会は、圏域の19の市町村で構成されておりまして、事務局を高岡市に置くこととし、事務局体制としては、高岡市を中心とした5市と県が事実上のワーキング体制をつくっていくことになっております。
また、その他の町村におきましても、重要な部分につきましては、このワーキングに参加していく方向で進めることにしておりますし、また、全体計画につきましては、19市町村全体が協議会の委員となっておりますので、この協議会の中で審議していくということになるものでございます。いずれにいたしましても、圏域市町村、19市町村の連絡調整を密にしながら基本計画を策定することにしていきたいと、こう思っておるわけでございます。
それから、拠点都市構想を進めていくに当たっての市長の決意いかんとの御質問もあったわけでございます。先般来申し上げておりますように、この地方拠点都市法の本旨は、地方の自主性と創意工夫を生かしながら、地方定住の核となるような地方拠点都市地域の一体的な整備を促進するとともに、産業業務施設の再配置を促進し、あわせて他の地域振興法との連携を図りつつ、周辺地域の振興を促すことによって、地方の自立的な成長の促進と国土の均衡ある発展に資しようとするものでございます。言葉をかえて申し上げれば、地域において、「職・住・遊・学」の備わった総合的な生活空間を創出するという都市づくりを目的としたものでございます。
本市は、富山県西部地方都市地域での、まさに文字どおりの中心都市でございますし、また、今、申し上げました協議会によるところの本計画の策定とか、あるいは地方拠点都市構想の実現に当たって、中心的な役割が高岡市に期待されているものと受けとめております。したがいまして、今後、高岡市といたしましては、駅前をはじめとする市街地整備などの都市拠点総合整備事業や新しい産業業務団地の整備ほか、周辺市町村を含めた道路・住宅・公園・緑地等の公共事業や、あるいはまた、教育・文化・スポーツ・福祉・医療等の基盤整備などによりまして、都市機能の集積を図り、活力と魅力にあふれた都市圏を形成することを目指して、一方で、県の御指導、御支援をいただき、他方で圏域市町村との連携を密にしながら、中心となりまして一生懸命力いっぱいの努力をしてまいりたいと考えております。
第3は、全国都市緑化フェアと「おとぎの森公園」についてでございます。
これまでの全国都市緑化フェアは、御案内のとおり、政令指定都市の単独あるいは県と市の共催で開催されているのでございます。また、入場者はすべて 100万人以上となっておりまして、公園等の整備費を含めたフェア開催経費はそれぞれ多額の規模となっております。そうした意味におきましても、会場となる高岡古城公園と「おとぎの森公園」の整備をはじめアクセス道路の整備、フェア開催経費など、フェアの開催に必要となる事業全般につきまして、本市としても応分の負担を行うということを前提にいたしまして、県に対し絶大な御支援を賜るよう要請しているところでございます。現在、県とともにフェア開催の基本的な方向、県・市の役割分担あるいは準備体制等も含めて鋭意協議、検討を進めているところでございます。
準備体制といたしましては、平成5年度には、全国都市緑化フェア開催に向けた体制を強化し、平成6年度当初には、都市緑化フェアの運営母体となります実行委員会を発足させなければならないというように考えております。
次に、県の対応が不十分なら、緑化フェア事業の返上も覚悟する気迫で臨むべきであるとの御指摘、御激励があったわけでございます。平成8年に、富山県と高岡市の共催による開催が予定されております第13回全国都市緑化フェアは、本州の日本海側では初めての開催となり、また、県都以外の都市を主会場とするフェアとしては、ことし行われております相模原市に次いで2回目でございます。そういう意味で、今後の地方都市での開催のモデルとして、新しい方向性を示唆するフェアにしなければならないと、このように考えております。
都市の緑化と花のある
まちづくりを統一テーマとするこの全国都市緑化フェアは、それぞれの都市の特色を生かし、県民・市民の創意と工夫と参加により、その都市にふさわしい規模内容を目指すべきものであると思っております。
この緑化フェアは、「日本一の花と緑の県づくり」を目指されている富山県と、県西部の中核都市として「うるおいと魅力にあふれた快適環境」を目指す我が高岡市が、日本海側から全国に向けて花と緑の情報を発信する好機であり、また、本市の都市基盤整備に大きな弾みとなりますことから、県と市が力を合わせて事業の推進に邁進しなければならないと考えております。先ほども御答弁申し上げましたとおり、本市としても応分の負担を行うことを前提に、県に対し絶大な御支援、御協力を現在お願いしているところでございます。
また、会場の一つとなります「高岡おとぎの森公園」につきましては、このフェアの開催方針とともに、その整備手法について、県と協議を進めているところでございます。高岡市としては、本市の長期的な
まちづくりの展望に立った場合に、この「おとぎの森公園」は、本市の都市基盤施設の核となる重要な公園になると思いますので、最善の努力を傾注してまいる所存でございます。議員各位の絶大なる御支援、御協力を切にお願い申し上げる次第でございます。
以上をもちまして、太田議員の御質問に対する答弁とさせていただきます。
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再 質 問
50 ◯副議長(
江尻正洋君) 28番 太田一男君。
〔28番(太田一男君)登壇〕
51 ◯28番(太田一男君) 市長から大変懇切な御答弁をいただきました。大変波長の合った質疑応答になったのではないかと思うんですが、実は先ほど御披露しましたのは、15時13分にファックスで受け取ったんでありますが、14地域の指定ということで、いわゆる高岡地区が漏れているのでございます。自治省の方は、32地区については最大限尊重しろということで協議することになっているらしいんでございますが、ともかく、第1次からどうも漏れたのは確実らしいのであります。私は、呉西の19市町村になったのはこれは事実ですから仕方がありませんから、やはり次の段階ではできるだけ早期に指定を受けられるように御努力をお願いしたいということが一つございます。
それから、もう一つは、さまざまの問題が私は発生すると思うんです。例えば、一部事務組合の取り扱いをどうするのかという問題もございますし、その場合に、砺波広域圏と高岡広域圏の関係がどんなふうになるかというのも、やはり一つの大きな課題になってくるのではないか。呉西地区の協議会が結成されたとのことでありますが、会長にはたしか佐藤市長さんがなっておられたというふうに記憶しておるんですけれども、ぜひリーダーシップをとっていただきたいというふうに考えているのです。今までの広域圏施策の過ちをもう一度繰り返すというようなことであっては、「自治体はやっぱり信用できない」という中央の声がまた強まってくるという心配もございますので、ぜひ有効な方法を考えていただきたいと思います。
それから、もう一つの問題は、いわゆるこの緑化フェアの問題でございますけれども、先日の県議会における知事と我が会派の中尾議員との議会質疑の中で、どうも知事は少し不穏当な言葉を言っておられるようなのであります。それは、「県と高岡市が仲たがいをするようなことをさらに進めることは余り言いたくはありませんけれども、若干意見の相違があるということは非常に残念であります。しかし──」ということで、「あとはお互いに力を合わせて努力をしていかなきゃならん」と、これは議事録でございまして、そういうふうなことを言っておるわけです。この前提になっております質問というのは、県はもっと高岡市の開催について積極的に協力すべきではないかという質問のことでございますので、もし必要ならこの議事録を今そちらの方に差し上げてもよろしいんですが、そういうようなことで、私はどうも県と市との間に少し、何といいましょうか、考え方の行き違いと言いましょうか、フィーリングの行き違いと言いましょうか、そういうものがあるのではないか。やっぱりほかで開かれた都市緑化フェアの状態を見ますと、どこでも県が積極的に協力をして、市もそれに伴って一生懸命やるという形が成功に導いているのでございまして、そういうことをぜひ県・市との間でつくり上げていただきたいということを佐藤市長にお願いをしたいわけです。そのことについてもしお考えがあれば、聞かせていただきたいと思います。
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答 弁
52 ◯副議長(
江尻正洋君) ただいまの再質問に対する当局の答弁を求めます。市長
佐藤孝志君。
〔市長(
佐藤孝志君)登壇〕
53 ◯市長(
佐藤孝志君) 太田議員の再質問にお答え申し上げます。
一番初めの再質問は、国の方において、全国32の指定候補地域についてどういうふうになっておるのかということに関連する御質問であるわけでございますけれども、先ほど申し上げましたように、国における関係省庁の協議の結果がまだ正式発表されていないわけでございます。したがいまして、私も十分な内容は確認しておりませんが、いずれにいたしましても、今回全国の各県からですか、提案している32地域については全部国の協議対象にすると。ただ、国におけるいろんな事務処理上の手続から段階を分けるということでございまして、今回のものに入ったから合格して、入らなかったら不合格ということではなくてですね、そういう事務処理上のことであるというふうに私どもは理解しております。ですから入っておればよろしいわけですが、入っていないとしてもですね、国の方としても早期にこの手続を進めると考えていらっしゃるようでございますので、第2段階といいますか、第2段階に高岡市を含めたこの富山県西部地域がぜひ入るようにしていただきたいし、また、そうなるものと私どもは確信しておるわけでございます。
それから、今度の富山県西部の協議会の結成に当たりまして、今後、一部事務組合などの動きがどうなっていくのかということでございますけれども、これにつきましては、今後、指定された後、どういう形で実際に事務運営していくかは、いろいろとまた国・県の方針も聞き、また、我々19の市町村が相協議しながら決めていきたいと、こう思っております。今議会に御提案申し上げておりますように、いわゆる従来の高岡広域圏につきましては、従来の協議会方式から複合的な一部事務組合に変えさせていただきたいということを申し上げておるわけでございますけれども、こういうことがこの富山県西部地域についてもさらに拡大をしていくのか、あるいは高岡広域圏、射水広域圏、砺波広域圏のその体制はそのまました上で事実上の協議を進めていくのか、この辺のところにつきましては、これからの各市町村間でのまさに検討課題だと思っております。
いずれにいたしましても、高岡市がこの間できました協議会の会長になっていることでございますし、また、周辺市町村はみんな高岡市に期待されておりますので、大変責務が重いわけでございますけれども、一生懸命高岡市しても有利になるように、また、富山県西部地区全体が発展していくように、そういう気持ちで、一生懸命リーダーシップといいますか、そういう責任におこたえするよう頑張っていきたいと思っております。
それから、全国都市緑化フェアの開催につきまして、富山県と高岡市の間に意見の相違があるんではなかろうかなというような御指摘があったわけでございますけれども、先ほど申し上げておりますように、これはあくまでも富山県と高岡市の共催でやるフェアでございます。財政面のことにつきましては、高岡市も応分の負担をしますので、県において絶大な御支援をお願いしたいということをお願いしているわけでございまして、何分にもこういうものはある程度やはり交渉、調整事でございますので、多額な財政負担も伴うわけでございますので、やっぱりなかなか県としてもいろいろと検討されるという、まず第一段階があるのではなかろうかと思っております。県の方にも十分御検討をいただき、我々はまた強力にお願い申し上げ、妥当な結論がそこに出してくださるようにお願いをしておるわけでございます。そういうことでございますので、県と市がばらばらだからこの緑化フェアがうまくいかないということがあってはならないわけでございまして、富山県、高岡市も、また全県民も高岡市民も相協力して、この都市緑化フェアが成功するように準備の段階から進めていきたいと、かように思っておりますので御理解をいただきたいと思います。
54 ◯副議長(
江尻正洋君) これをもちまして、個別質問、質疑を終結いたします。
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議案の委員会付託
55 ◯副議長(
江尻正洋君) ただいま議題となっております議案第 129号から議案第 144号までの各議案は、お手元に配付してあります議案審査付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
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議 題 の 宣 告
56 ◯副議長(
江尻正洋君) 次に、日程第2 議案第 145号から議案第 157号までを議題といたします。
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質 疑
57 ◯副議長(
江尻正洋君) これより、付議案件に対する質疑に入ります。
通告がございませんので、これで質疑を終結いたします。
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議案の委員会付託
58 ◯副議長(
江尻正洋君) ただいま議題となっております議案第 145号から議案第 157号までの各議案は、お手元に配付してあります議案審査付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
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休 会
59 ◯副議長(
江尻正洋君) お諮りいたします。
明11日及び来る17日は、議案調査等のため休会といたしたいと思います。
これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
60 ◯副議長(
江尻正洋君) 御異議なしと認めます。
よって、11日及び17日は、休会とすることに決定いたしました。
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次会の日程の報告
61 ◯副議長(
江尻正洋君) 次に、議会の日程を申し上げます。
次回の本会議は、来る18日定刻の午後1時より再開し、諸案件の審議を行います。
なお、14日は、午後10時より総括質問を行います。また、15日は、1時30分より民生病院・経済消防の各常任委員会を開催し、また16日は、午前10時より議会運営委員会を、午後1時30分より建設水道・総務文教の各常任委員会をそれぞれ開催いたします。
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散 会
62 ◯副議長(
江尻正洋君) 以上をもちまして、本日の日程は全部終了いたしました。
本日は、これで散会いたします。
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散会 午後4時38分
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