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令和3年3月定例会 (第5日目) 名簿
令和3年3月定例会 (第5日目) 本文

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  1. 富山市議会 2021-03-05
    令和3年3月定例会 (第5日目) 本文


    取得元: 富山市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-08-02
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 議事の経過             ───◇   ◇   ◇───                開       議                              午前10時  開議 ◯ 議長(舎川 智也君)  ただいまから、本日の会議を開きます。             ───◇   ◇   ◇───           東日本大震災被災者への哀悼とお見舞いの辞 2 ◯ 議長(舎川 智也君)  まず初めに、10年前の今日、平成23年3月11日に発生した東日本大震災により、多くの方が死傷、被災されました。  富山市議会として、犠牲になられた方々に深甚なる哀悼の意を表するとともに、被災された多くの方々に改めて心からお見舞いを申し上げます。  ここで、震災の犠牲になられた方々に対し、謹んで黙祷をささげたいと思います。 3 ◯ 議事調査課長(野嶽 誠司君)  全員御起立をお願いいたします。  黙祷。   〔黙 祷〕 4 ◯ 議事調査課長(野嶽 誠司君)  黙祷を終わります。  御着席ください。             ───◇   ◇   ◇───
    5 ◯ 議長(舎川 智也君)  本日の議事日程は、お手元に配付のとおりであります。             ───◇   ◇   ◇───         一般質問並びに議案第2号から議案第124号まで、         及び報告第5号から報告第7号まで(質疑) 6 ◯ 議長(舎川 智也君)  これより、日程第1 一般質問並びに議案第2号から議案第124号まで、及び報告第5号から報告第7号までを一括議題といたします。  これより、一般質問及び議案の質疑を行います。  順次発言を許します。  2番 松井 邦人君。   〔2番 松井 邦人君 登壇〕 7 ◯ 2番(松井 邦人君)  おはようございます。  東日本大震災が発生してから今日で10年がたちますが、今なお復興は道半ばです。  被災された皆様と地域での生活が一日も早く安穏に暮らせるようお祈り申し上げ、3月定例会に当たり自由民主党より一般質問を行います。  まず、あいの風とやま鉄道の富山駅・東富山駅間新駅について伺います。  あいの風とやま鉄道と富山県、富山市が連携しながら、富山駅から東富山駅の間に位置する下冨居地内において、新駅や駅前広場、さらにその周辺では民間による開発が行われています。先月、新駅の名称が「新富山口」と発表され、富山市中心市街地への新しい玄関口として新駅とその周辺がこれからますます発展することを期待しています。  本市では、人口減少と少子・超高齢社会の進行や過度な自動車依存による公共交通の衰退、市街地の低密度化などが課題となっています。これらの課題に対応し、将来にわたって持続可能な都市を構築していくために、本市では公共交通を軸とした拠点集中型のコンパクトなまちづくりを政策の基本に据えています。また、新駅と駅周辺開発の整備は、本市の目標の1つである駅の徒歩圏への居住や都市機能の誘導に対しても大きく貢献すると考えます。  新富山口駅は令和3年10月に開業予定でしたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響により工事用の資機材や作業員の確保などが困難となり、令和4年3月に延期されました。現在、令和4年3月の春ダイヤの改正に間に合うように工事を進めていると伺っていますが、依然、新型コロナウイルスが蔓延している状況下では、新駅の開業がさらに延期される可能性もあると考えます。改めて新富山口駅の開業までのスケジュールについてどのように伺っているのかお聞かせください。  国土交通省では、東京オリンピック・パラリンピックの開催を契機として、高齢者や障害者などの自立した日常生活及び社会生活を確保するために、開催都市の東京のみならず、全国の鉄道駅においてもユニバーサルデザイン化を推進しています。また、まちづくりと一体となったユニバーサルデザイン化の成功事例として、本市が取り組んでいる公共交通を軸としたコンパクトなまちづくりが取り上げられています。  ユニバーサルデザインとは、年齢や障害の有無、体格、性別などにかかわらず、多くの人が利用しやすくなるように環境を整える考え方です。新駅の利便性を高め、地域住民をはじめとする多くの人々が安全で安心して駅を利用できるようにすることは、公共交通の利用促進につながります。加えて、本市が目指している公共交通を軸としたコンパクトなまちづくりの推進にもつながります。  これらのことからも、本市が整備する新駅の東口広場やあいの風とやま鉄道が整備する西口広場は、年齢や障害の有無などにかかわらず、多くの人々が使いやすい空間となるように整備することが求められています。両広場の整備計画はどのようになっているのかお聞かせください。  従来の駅などは、交通施設として健常者を念頭に置いて旅客の流動を円滑にすることに主眼が置かれていました。今後はこれに加えて、多くの人が交流する拠点やまちの顔、玄関口としての駅、ユニバーサルデザインによる整備なども考慮した誰にとっても快適な空間である駅として、駅を含む周辺地区を整備していくことが求められています。  駅を快適な空間にしていくには、移動のしやすさや使いやすさ、心地よさなどを考えて整備していく必要があります。しかし、あいの風とやま鉄道としては、鉄道車両に車内トイレが設置してあることもあり、新駅には利用者などが使用できるトイレを設置する必要がないと考えていると伺っています。  そもそも新駅にトイレが整備されないという状況は利用者にとって明らかに不便で、新駅の利便性を大きく損なうものであり、今後求められる誰にとっても快適な空間である駅にはなり得ないと考えます。  本市として新富山口駅のトイレ整備についてどのように考えているのかお聞かせください。  次に、新駅周辺の開発による効果について伺います。  新富山口駅の整備に伴い、駅の東側に隣接する県有地約8万平方メートルがオダケホームに売却され開発されることになりました。新聞報道によれば、その敷地内に住宅を約200戸、集合住宅が6棟、スーパーやクリニックなどを整備し、駅前に80台止められるパーク・アンド・ライド駐車場を設ける計画と伺っています。  このように、新駅や駅周辺の都市基盤の整備、さらに民間による開発などにより、本市が進めるお団子と串の都市構造でいうお団子部分のまちが形成されようとしています。  新富山口駅周辺の開発が本市にどのような効果をもたらすと考えているのかお聞かせください。  次に、駅周辺の雨水浸水対策について伺います。  駅東側の県有地である広大な面積の開発を行うことにより、これまで雨水が地面に浸透していた面積は大きく減少します。この影響で、その地域に降った雨水が一挙に排水路などに流れ込み、下流水域で浸水被害が発生する可能性が高くなると考えます。  特にこの開発区域の下流水域に当たる下冨居地内は、多くの雨が降った際に、これまでも排水路が対応し切れずに浸水被害が起きています。この地域に住んでいる人は、県有地の開発が行われることにより、さらに浸水被害が拡大するのではないかと不安を感じています。  本市の目標の1つである駅の徒歩圏への居住や都市機能の誘導を実現するためにも、駅と駅周辺開発を整備する上で住民が抱く不安を取り除く必要があると考えます。駅東側の県有地の開発に伴い、その雨水対策についてどのように考えているのかお聞かせください。また、下流水域の新駅西側の下冨居地内における浸水被害対策をどのように考えているのかお聞かせください。  次に、公共交通を軸としたコンパクトなまちづくりについて伺います。  本市では、人口減少社会の到来や急速な少子・超高齢社会の進行を見据え、将来にわたって持続可能なまちづくりの実現のため、鉄軌道を中心とした公共交通を活性化させながら都市機能を充実させる公共交通を軸とした拠点集中型のコンパクトなまちづくりを推進してきました。  平成18年4月、全国初の公設民営化による本格的LRTとなる富山ライトレールの開業をはじめとし、平成21年12月、路面電車事業では全国初の上下分離方式による市内電車の環状線化、令和2年3月の路面電車南北接続事業の完成に至るまで、多くの公共交通活性化施策を実施してきました。特に路面電車南北接続事業の完成は、明治41年の富山駅開業以降、南北に分断されていた市街地の一体化も図られ、市民100年の夢が実現しました。  本市において自動車利用が普及して公共交通が衰退していた中で、市長が未来の都市像を見据えた明確な目標を示し公共交通を活性化させたことは大きな功績だと言えます。  これからも続く人口減少、少子・超高齢社会において持続可能なまちづくりを実現していくためには、公共交通が果たす役割は一段と重要になっていくと考えます。  これまでの公共交通活性化施策を通じて、その成果や現時点での課題、今後に期待することについて市長の見解をお聞かせください。  以上で質問を終わります。 8 ◯ 議長(舎川 智也君)  森市長の答弁を求めます。   〔市長 森  雅志君 登壇〕 9 ◯ 市長(森  雅志君)  おはようございます。  松井議員の御質問にお答えします。  私のほうからは、最後にございました公共交通を軸としたコンパクトなまちづくりについてお答えし、その他の事項につきましては担当部長から答弁申し上げます。  これまでの公共交通活性化施策を通じて、その成果や現時点での課題、今後の期待などについてのお尋ねであります。  本市では、本格的な人口減少社会の到来や少子・超高齢化の進行などを見据え、持続可能な都市構造への転換を図るため、公共交通の活性化、公共交通沿線地区への居住推進、中心市街地の活性化を3本柱にコンパクトなまちづくりを推進してきたところであります。  とりわけ公共交通の活性化に関しましては、まちづくりと連携した公共交通ネットワークの形成を図るため、富山市地域公共交通網形成計画を策定し、1つに公共交通軸の活性化によるコンパクトなまちづくり(都心部・地域生活拠点)、2つに地域特性に応じた多様な生活交通の確保(郊外部・中山間地)、そして3つは公共交通利用促進、この3つの基本方針の下、交通事業者等と連携し、路面電車の南北接続等のLRTネットワーク形成をはじめJR高山本線富山地方鉄道不二越・上滝線の増便運行やパーク・アンド・ライド駐車場の整備、生活バス路線民間赤字路線)への支援による運行の維持、モビリティ・マネジメントの推進など、様々な公共交通の活性化施策に取り組んでまいりました。  その中でも、民間交通事業者により交通サービスが提供されない公共交通空白地域においては、地域の住民や企業が連携・協力して運行する地域自主運行バス生活交通確保のための重要な取組と位置づけ、必要な支援を行っているところであります。既に地域自主運行バスを導入されている呉羽や水橋地区などでは、地域が主体的にルートやダイヤを検討し、世帯負担金を集めることでマイバス意識が醸成され、利用促進に取り組まれた結果、安定的に運行を継続しておられます。  また、人口や施設の集積が少ない中山間地域においては、生活交通の確保を図るため、大山、八尾、山田地域における市営コミュニティバス大沢野地域でのデマンド型のシルバータクシーを運行しているところであります。  こうした取組によって、現在、鉄軌道の駅や停留、路線バス等のバス停から半径750メートルの公共交通の利用が可能な圏域には市の人口の98%が居住しております。また、公共交通の1日平均利用者数の人口当たりの割合は、平成26年度の13.7%から令和元年度は15.7%へ2ポイント増加しております。  一方、地域公共交通における課題としましては、人口減少、少子・超高齢化の進行により利用者が減少する中での事業の継続、車を自由に使えない高齢者の移動手段や郊外部における生活の足となる交通手段の確保、運転手が不足する中での路線や運行本数等の交通サービスレベルの維持などがあり、地域公共交通を取り巻く環境は今後ますます厳しいものになると考えております。  本市では、公共交通は市民の生活や経済活動に必要不可欠な公共財であり、その役割や重要性がこれまで以上に高まっていることから、関係機関が連携し持続可能な公共交通の実現に向け、さらなる公共交通の利便性向上に向けた施策や事業者への支援について検討し実施していく必要があると考えております。  こうしたことから、今後も引き続き、富山地方鉄道上滝線と市内電車との連携強化やJR高山本線における増便運行、生活バス路線地域自主運行バスへの支援などの公共交通の活性化施策について、交通事業者と連携し取り組んでいく必要があると考えております。  さらに、公共交通空白地域地域自主運行バスの導入が困難な地域においては、新たな移動手段として、地域が主体となって運行するデマンドタクシーやNPO等のボランティアによる無償輸送サービスなどの導入について、地域の方々と共に検討していくことが重要であると考えております。  また、5Gの普及などデジタル技術の革新を背景に、IoTを活用し利用者のニーズに応じて最適な移動サービスを提供するMaaSのほか、AIオンデマンド交通や自動運転などの新たなモビリティーサービスについては、今後ますます必要性が高まるものと考えております。  本市としましては、これまでの公共交通活性化の取組をさらに深化させるとともに──深めるです──こうした最先端技術を活用した新たな公共交通の活性化施策にも積極的に取り組むことにより、必ずしも車に頼らなくても住みやすく、健康で歩いて暮らせる活力ある都市を実現し、市民一人一人の生活の質、クオリティ・オブ・ライフを向上させることで、本市がより多くの方々に選ばれるまちとなることを期待しております。 10 ◯ 議長(舎川 智也君)  中村活力都市創造部長。   〔活力都市創造部長 中村 雅也君 登壇〕 11 ◯ 活力都市創造部長(中村 雅也君)  あいの風とやま鉄道の富山駅・東富山駅間の新駅についての御質問のうち、初めに、新富山口駅の開業までのスケジュールについてどのように聞いているのかにお答えいたします。  新富山口駅の開業時期につきましては、昨年12月に開催されたあいの風とやま鉄道利用促進協議会において、あいの風とやま鉄道が新型コロナウイルス感染症の影響により関係機関との調整に日数を要したことから、新駅の開業目標を令和3年10月頃から令和4年3月に延期することを発表されたところであります。  あいの風とやま鉄道では地域からの早期開業の要望を踏まえ、新駅が来年春のダイヤ改正に間に合うよう鋭意工事を進められているところであります。あいの風とやま鉄道からは、現在、駅舎やホームの基礎工事を行っており、今後は駅舎、ホーム上屋、跨線橋などの建築工事やエレベーター設置工事などを行うとともに、運行システムの改修など開業に向けた準備を着実に進めることとしており、令和4年3月の開業予定に変更はないと伺っております。  次に、新富山口駅の両広場の整備計画はどのようになっているのかにお答えいたします。  新富山口駅の東口広場、西口広場の整備につきましては、あいの風とやま鉄道と県、市の協議により、東口広場については本市が整備を行い、西口広場については本市が整備に係る費用を負担し、あいの風とやま鉄道が整備を行うこととなっております。  本市が整備を行う東口広場につきましては、広大な県有地の開発による新たなまちづくりが進められ多くの利用者が見込まれることから、徒歩、自転車、自家用車など誰もが使いやすい広場となるよう、広場面積は約2,400平方メートルとし、広場施設として送迎車両の乗降を5台分設け、駅舎を挟んで2か所の駐輪場(約90台分)を配置する計画としております。  広場の車道部は、県が整備するアクセス道路都市計画道路富山新駅停車線)より多くの送迎車両が進入することから安全性の確保のため一方通行とし、駅舎に最も近い乗降には、高齢者や障害者などが優先的に使用できるよう、視覚的にも分かりやすい案内表示板を設置する計画としております。  広場の歩道部は幅員4メートル以上のゆとりある歩行空間とするとともに、視覚障害者誘導用ブロックを設置し、ベビーカーや車椅子、視覚障害者の方も安全に通行できるよう整備する計画としております。  次に、あいの風とやま鉄道が整備する西口広場につきましては、新富山口駅の西側は狭隘な道路が多く家屋が密集していることから、徒歩や自転車による利用が中心となることを想定し、駅舎まで安全で円滑にアクセスできるよう通路の幅員を4メートルとし、視覚障害者誘導用ブロックを設置することとされており、また、駅舎に近接して駐輪場(約60台分)を整備する計画とされております。  広場整備につきましては隣接する駅舎整備と工事がふくそうすることから、あいの風とやま鉄道と十分に調整をしながら、令和4年3月の駅舎開業に合わせて供用開始できるよう進めてまいりたいと考えております。  次に、本市として新富山口駅のトイレ整備についてどのように考えているのかにお答えいたします。  本市としましては、鉄道利用者のためのトイレの整備については第一義的には鉄道事業者において検討、判断されるべきと考えておりますが、鉄道利用者以外の利用も想定される場合には公益的な観点から判断する必要もあると考えております。  本市では、これまでも呉羽駅や越中三郷駅などにおいて、通学に駅を利用する高校生などを送迎する家族からの要望を受け、市の事業としてトイレの整備を行っており、新富山口駅のトイレにつきましても、市民の安心・安全な暮らしを守るため一定の役割を担う必要があると考え、トイレについては本市が設置し、あいの風とやま鉄道が管理を行うことで協議を開始したところであります。  なお、トイレの整備に当たっては、駅周辺の開発による道路や上下水道などの整備と密接に関連するため、整備時期については開発事業者も含め協議を進めてまいりたいと考えております。  最後に、駅周辺の開発が本市にどのような効果をもたらすと考えているのかにお答えいたします。  新富山口駅周辺の開発については、県有地の利活用を目指して県が実施した公募により昨年10月に県有地売却優先交渉権者が決定し、11月県議会の議決を経て正式に県有地が民間開発事業者へ売却されたところであります。  現在、民間開発事業者では詳細な施設計画やスケジュールについて関係機関などと協議を進めていると伺っており、現段階の計画によれば約1,000人程度の居住人口が見込まれ、この開発により公共交通沿線への居住が推進され、公共交通利用者の新たな創出にもつながるものと期待しております。さらに、スーパーマーケットやクリニックなどの生活利便施設も計画されていることから、開発区域の新たな住民だけではなく、周辺の住民にとっても日常生活の利便性が向上するものと考えております。  また、これまで税収を見込めなかった約8ヘクタールの県有地が新たな固定資産税や都市計画税などの税収源となることで、市の歳入増に大変大きな効果があるものと考えております。さらに、土地取引が活発化することで周辺の地価の維持や上昇につながると考えております。  今回のような新たな駅の整備をきっかけとした駅周辺の民間開発は、未利用地を開発し都市生活に必要とされる都市機能を適正かつ計画的に集約、配置することで、車に過度に頼らない、歩いて暮らせる本市のまちづくりの考え方を具体化するモデルケースとして大変意義深い事業であると考えております。さらに、この取組が広く波及し、さらなる民間投資が喚起されることで、本市の目指すコンパクトなまちづくりがより一層推進されるものと期待しております。  以上でございます。 12 ◯ 議長(舎川 智也君)  舟田建設部長。   〔建設部長 舟田 安浩君 登壇〕 13 ◯ 建設部長(舟田 安浩君)  私からは、新富山口駅周辺の雨水浸水対策についてお尋ねのうち、駅東側の県有地の開発に伴う対策についてどのように考えているのかにお答えいたします。  議員御指摘の下冨居地区の浸水被害につきましては、上流に当たる鉄道東側の鍋田、中冨居新町地区などの都市化の進展に伴い下冨居排水路への雨水の流入が増加したことにより排水路があふれ、排水路周辺の地盤が低い箇所に雨水が集まり浸水被害が発生しております。  このことから、同じく上流に当たる新駅東側の県有地の売却に先立ち、土地所有者である県と協議を行い、県有地の売却に係る公募型プロポーザルにおいて下流側の浸水被害の拡大を防ぐための雨水流出抑制策を講じることを要項に記載いただき、それを踏まえて県は昨年11月にプロポーザルを実施し、決定した優先交渉権者と12月に売買契約を締結したと伺っております。  今後は、開発許可申請前に行われる富山市開発許可連絡協議会において開発業者に対して、開発地からの排水により下冨居地区に浸水被害が発生しないよう、調整池による雨水の流出抑制や排水先の分散などの対策について指導してまいりたいと考えております。  次に、下流水域の駅西側の下冨居地区における浸水被害対策をどのように考えているのかにお答えいたします。  下冨居地区の浸水対策につきましては、これまでも、1つに、水路勾配の調整、2つに、水路の表面を滑らかにするコンクリート製パネルの設置、3つに、水路断面を狭くしている構造物の撤去などの排水路の能力を向上させるための対策を実施してまいりました。  これらの対策を進める中、平成29年度に新駅整備に伴う大規模開発が発表され、下冨居地区の上流域で大規模な雨水の流出が見込まれたことから、本市では平成30年度に下冨居地区及びその上流の鍋田、中冨居新町地区の排水計画を見直し、これまでの対策に加え、調整池やバイパス管の整備、がめ川への流入部における水路の拡幅などの対策をまとめた下冨居地区全体基本計画を策定したところであります。  本市といたしましてはこの計画に基づき順次対策を実施していくこととしており、来年度は調整池を整備するための土質調査及び実施設計を予算案に計上しているところであります。  以上でございます。 14 ◯ 議長(舎川 智也君)  これで松井 邦人議員の一般質問及び議案の質疑を終了いたします。  1番 久保 大憲君。
    15 ◯ 1番(久保 大憲君)  令和3年3月定例会に当たり、自由民主党より一般質問いたします。  10年前の3月11日、東日本大震災が発生しました。10年目の節目に改めて被災された方に心からお見舞い申し上げます。  復興は道半ばです。今後も復興のために被災地をはじめ全国で活動されている皆様に心から敬意を表しますとともに、一日も早い復興を祈念しております。  それでは、質問に入ります。  富山市の財政のうち、まずは債務負担行為について整理をしていきたいと思います。  行政の予算は、歳入歳出均衡の原則から単年度主義となっています。つまり、予算は年度ごとに作成し、翌年度以降の予算を拘束してはいけないということです。  その例外の1つとして債務負担行為があります。債務負担行為は、議決を経て将来の財政支出を約束する行為です。債務負担行為を設定すると、設定された事項、期間、限度額の範囲内で債務負担行為契約を締結することができます。さらに、その後の年度における予算計上は義務費となり、議会はこれを削除することができません。つまり、債務負担行為の設定は将来の支出を拘束する重い行為であるということです。  債務負担行為による翌年度以降支出予定額の過去5年間の推移について答弁を求めます。 16 ◯ 議長(舎川 智也君)  当局の答弁を求めます。  中田財務部長。 17 ◯ 財務部長(中田 貴保君)  久保議員の御質問にお答えいたします。  平成27年度末時点で設定されておりました債務負担行為に基づく翌年度以降の支出予定額は約247億円であり、同様に平成28年度は約295億円、平成29年度は約248億円、平成30年度は約442億円、令和元年度は約465億円となっております。 18 ◯ 議長(舎川 智也君)  1番 久保 大憲君。 19 ◯ 1番(久保 大憲君)  平成27年から約218億円、私の任期が始まってからですと170億円と、債務負担行為の支出予定額が大幅に増加しているということになります。  この数年で大幅に増加した、その理由について答弁を求めます。 20 ◯ 議長(舎川 智也君)  中田財務部長。 21 ◯ 財務部長(中田 貴保君)  本市ではこれまで債務負担行為につきましては、指定管理者制度や給食調理業務委託、翌年度工事の前倒しなどといった案件に設定してきたところでございます。  そうした中、近年債務負担が増加した要因には、民間の創意工夫を取り入れ公的負担の抑制を図ることを一層推進するため、平成27年12月に国が地方公共団体に対し、公共施設の整備に当たりPPP/PFI手法の導入を優先的に検討するよう要請したことがその背景にあると考えています。  本市はこの要請に応じて規程を設け、平成29年度以降、事業費が10億円以上の公共施設の整備等の際にはPPP/PFI手法を従来型手法に優先して検討しており、その結果、PPP/PFI手法の活用が拡大し、事業者選定に当たり設定が必要となります債務負担行為も増加しております。  この具体的な事例といたしましては、平成30年度に設定いたしました富山市斎場再整備事業費は22年間分として約74億円、八尾地域統合中学校設計・建設・維持管理・運営事業費は15年間分として約59億円、本庁舎北側公有地活用事業建物賃借料は30年間分として約31億円、また、令和元年度では中規模ホール官民連携推進事業費は20年間分としまして約77億円となっております。  なお、富山市総合体育館やオーバード・ホールを建設した当時──平成11年とか12年とか、そのあたりになりますが──そのときにはPPP/PFIや指定管理者制度といった手法がなく、複数年にわたる建設事業は継続費を設定し、管理運営費については年度ごとに必要額を計上しておりました。さらに、当時は預金金利も高く基金の運用益が見込まれた時代でもあり、大型の公共施設の整備に際しては基金を設置して資金を積み立て、建設費の一部として活用しておりました。  一方、近年の債務負担行為は建設費や管理運営費を一括して設定するものが多く、限度額だけを見ますと事業費が大きく見えますが、PPP/PFI手法を活用することにより、民間事業者の創意工夫によって財政負担の軽減や平準化を図ることができているものと考えております。  また、公共施設は将来にわたり多くの市民の方に利用されるものであります。そのため世代間負担の公平性を確保する観点も必要なことや、特に現在は預金をしても金利がつかない、いわゆるゼロ金利の状況にありますことから、喫緊の課題への対応や都市の総合力を高めるために必要な投資につきましては、基金を設置し財源を確保してから事業に着手するのではなく、借入金利が低いこの機会を捉えて、ちゅうちょせず交付税措置のある有利な市債を活用し推進していくことも必要であるというふうに考えております。 22 ◯ 議長(舎川 智也君)  1番 久保 大憲君。 23 ◯ 1番(久保 大憲君)  債務負担行為を設定し支出予定額の総額が増加することは決して悪いわけではありません。今ほど御説明にあった富山市斎場再整備などは今後必ず必要となる事業費、これは通常は予算化する段階で見えてくるわけですが、債務負担行為を設定することで全体の事業費が明確になって、中長期的な点で私たちも審議することができるというメリットがあります。  債務負担行為を設定した後、契約や事業の進捗に応じて支出がされるわけですが、債務負担行為による支出額の過去5年の推移と令和3年度以降5か年の支出予定額についてお伺いします。 24 ◯ 議長(舎川 智也君)  中田財務部長。 25 ◯ 財務部長(中田 貴保君)  債務負担行為による支出額は、平成27年度はガラス美術館、図書館本館の保留床取得等により約155億円であり、その後の3年間は50億円から60億円台で推移しておりましたが、令和元年度は小・中学校の空調整備等により約92億円となっております。  次に、今後の支出予定額の推移につきましては、令和3年度はPFI事業であります富山市斎場や八尾地域統合中学校が完成する等の理由から約154億円となり、令和4年度は中規模ホールの整備や大沢野公共施設複合化事業の進捗等により約130億円、令和5年度から令和7年度までは50億円から60億円台で推移すると見込んでおります。 26 ◯ 議長(舎川 智也君)  1番 久保 大憲君。 27 ◯ 1番(久保 大憲君)  令和3年度は市税全体が本年度の当初予算を大きく下回り、一般財源も大きく下回ると、一方で大きな財政需要が見込まれるという大変厳しい予算編成をされていたはずです。骨格予算を立てて、この後、市長選後に政策的な判断をするというようなお話もありましたが、市長選後の補正予算を組む前に、債務負担行為が来年度ピークを迎えるということになります。  今後の予算編成等にどのような影響を及ぼすと考えておられるのか答弁を求めます。 28 ◯ 議長(舎川 智也君)  中田財務部長。 29 ◯ 財務部長(中田 貴保君)  債務負担行為につきましては、先ほど議員からもお話がございましたとおり、将来の一定期間にわたって支出を行う契約をするための予算を設定する方法であり、一度にまとめて支出を行うものではありませんが、それぞれの契約に基づく各年度の支出額が重なりますと、当該年度の財政運営に一定程度の影響を与えることになるものと考えられます。  しかしながら、債務負担行為を設定した事業はいずれも本市の喫緊の課題に対応するためにどうしても取り組まなければならない事業でありますことから、今後、実際に支出を行う各年度の予算編成におきましては、事業の優先順位を見極め、取捨選択や事業費の精査など事業の不断の見直しを行うことで財源を確保し対応してまいりたいというふうに考えております。 30 ◯ 議長(舎川 智也君)  1番 久保 大憲君。 31 ◯ 1番(久保 大憲君)  来年度は新市長が誕生して、補正予算であったり予算編成をされていく中で、今部長の答弁にも一言あったように一定程度の影響はあるのだろうと。その影響は、私たちがこの任期もしくはその前から必要だと思って認めた、そういった債務負担行為の設定がその背景にあると。これはもちろんこの後選ばれる議員も市長も、こういった背景を十分踏まえて今後の予算編成や審議に当たっていく必要があるのだろうというふうに思います。  地方公共団体の財政の健全化に関する法律に、早期健全化や再生の必要性を判断するために健全化判断比率という指標が定められています。その中の1つに将来負担比率があります。将来負担比率というのは、地方公共団体の借入金など現在抱えている負債の大きさをその地方公共団体の財政規模に対する割合で表したものです。  早期健全化基準は350%というふうに定められておりまして、平成30年度の全国の中核市の平均は62%、富山市は118.9%と高い水準になっています。ただ、将来負担比率に関していえば単に低ければいいという、そういった指標ではありません。先ほど部長の答弁にもありましたように、富山市はPFI等を積極的に採用したことで、債務負担行為が、将来必要なものがもう既に数値に反映されているということになりますので、ほかの中核市の状況を知りませんが、私の予想ではほかの中核市よりも実態を反映した数値になっているのだろうというふうに思います。それを踏まえて現在の数値を見てみても十分許容範囲なのではないかというふうに個人的には思っています。  債務負担行為による将来負担比率への影響と今後の推移予測について答弁を求めます。 32 ◯ 議長(舎川 智也君)  中田財務部長。 33 ◯ 財務部長(中田 貴保君)  将来負担比率に算入される債務負担行為に基づく支出予定額は、少し細かい説明をさせていただきますと、地方財政法第5条に規定する地方債を財源とできる事業の経費のうち、1つに、PFI事業に係る公共施設建設事業費等、2つに、国営土地改良事業に対する負担金、3つに、森林総合研究所や水資源機構などの事業に対する負担金、4つに、土地開発公社による公共用地先行取得に係るもの、5つに、社会福祉法人が施設の建設に要する資金に充てるために借り入れました借入金の償還に要する費用の補助に係るもの、6つに、その他これらに準ずるものなどが対象となります。  これまでに設定いたしました債務負担行為のうち直近の令和元年度の将来負担比率の算定に算入されている主なものを申しますと、1つに、PFI事業に係る建設事業費で、中規模ホール整備官民連携事業や八尾地域統合中学校整備事業、富山市斎場再整備事業など162億6,000万円余り、2つに、市土地開発公社による公共用地等先行取得事業で55億3,000万円余り、3つに、その他準ずるもので、とやま自遊館や富山国際会議の施設整備に係る元利償還金補助金や北側庁舎──Toyama Sakuraビルでございますが──そちらの賃借料など56億9,000万円余りなど、合計で278億2,000万円余りとなっており、その多くをPFI事業に係る建設事業費が占めている状況でございます。  本市の将来負担比率につきましては、平成30年度から上昇に転じまして令和元年度では125.5%となっておりますが、これは様々なPFI事業が重なり、これらの債務負担行為に基づく支出予定額が大きく増加したことが主な要因でございます。  将来負担比率の今後の推移につきましては、新たな財政需要の発生や経済情勢の変化により変動しますことから見通すことは困難でございますが、現時点で見込み得る範囲で申しますと、本年度においては大沢野地域公共施設複合化事業、また令和3年度においても大山地域公共施設複合化事業や公設地方卸売市場再整備事業の債務負担行為の追加などに加え、市債現在高の増加も考え合わせますと、令和3年度までは比率の上昇が続くものと見込んでおりますが、少なくとも本市で将来負担比率が最も高かった平成22年度の191.4%を超えることはないと考えております。 34 ◯ 議長(舎川 智也君)  1番 久保 大憲君。 35 ◯ 1番(久保 大憲君)  191%を超えることはないだろうという予想でした。  財政の話は大変難しいと思います。当然、経済の状況であったりいろんなその他の事業、社会の構造が変わってくると大きく左右されます。  ただ、そうは言うものの、今私たちが将来に向けて責任を持って審議して承認・可決をしていかなければならない立場にいるわけでして、今後もこういった見通しについては都度見直しを図りながら、当局の皆さんの中で想定され得るいろいろな情報を開示していっていただきたいなと思います。  次に、実際に市の借金である市債残高、これについて今後の推移とピークを迎える年度、その年度の残高についてどのように把握をされているのか答弁を求めます。 36 ◯ 議長(舎川 智也君)  中田財務部長。 37 ◯ 財務部長(中田 貴保君)  一般会計における市債の借入額は平成30年度から増加傾向にあり、特に令和3年度においては、先ほど申し上げました債務負担行為による大型事業の進捗や臨時財政対策債の増などにより、当初予算での借入額は平成17年度の市町村合併以降で最大となっております。また、令和4年度も引き続き中規模ホールや大沢野、大山地域の公共施設の複合化事業、そうした整備が続くことなどによりまして元金償還額を上回る市債の発行が想定されます。  こうしたことを踏まえまして一般会計の市債残高につきましては、これまでに借り入れた市債の償還予定や現在整備を進めております大型事業に係る借入れ見込み等を基に、現行の総合計画の期間であります令和8年度までについて推計いたしますと、現時点では令和5年度に約2,520億円でピークを迎えると見込んでおります。 38 ◯ 議長(舎川 智也君)  1番 久保 大憲君。 39 ◯ 1番(久保 大憲君)  令和5年にピークを迎える。私たちもしっかりそのことを頭の中に入れながら、今後も皆さんと一緒に事業の取捨選択であったりとか財政について考えていかなければならないというふうに思います。  一般の家庭に置き換えてみますと、借金の総額ももちろん重要なのですが、月々の返済額のほうが生活に直結します。  そこで、富山市の市債の償還額、つまり返済額について確認をしたいのですが、実は市債を発行しても、起債の種類によって2年から3年の据置期間が設定されているものもあります。すぐに返済が始まるわけではないということになりますので、場合によっては起債残高がピークを迎えた年よりも数年たってから償還額がピークを迎えるということも予想がされるわけです。  市債償還額の今後の推移とピークを迎える年度、その年度の償還予定額についてどのように考えておられるのか答弁を求めます。 40 ◯ 議長(舎川 智也君)  中田財務部長。 41 ◯ 財務部長(中田 貴保君)  市債の元金の償還額につきましても、先ほどお答えいたしました市債残高と同じ条件で令和8年度まで推計いたしましたところ、令和3年度予算に計上しております市債の元金償還が始まります令和7年度から償還額は増加いたしまして、令和8年度に約213億円で最大になるものと見込んでおります。  また、利子の支払いにつきましては今後の金利動向に左右されますけれども、現時点では令和8年度に15億円程度になるものと見込んでおります。 42 ◯ 議長(舎川 智也君)  1番 久保 大憲君。 43 ◯ 1番(久保 大憲君)  このピークは新しい市長、新しい議員の任期の途中にやってくる予想になっているわけです。単年度会計とはいうものの、しっかりとこういったことを踏まえた上で予算の審査を私たちもしていかなければならないですし、新しい議会もしっかりとこのことを踏まえた議論が必要なのだろうというふうに思います。  減債基金という基金があります。公債費、つまり借金の返済によりほかの経費を圧迫するような場合に、この減債基金を取り崩して返済に充てることができると、こういった基金です。  この市債償還のピーク時に減債基金の活用を想定すると、計画的に決算剰余金を減債基金に積み立てておくほうがいいのではないかというふうに私は考えます。その点についての当局の見解と、積立てが望ましいというふうにお考えであれば、どの程度の金額をピークまでに積み立てておくことが望ましいと考えているのか見解をお伺いします。 44 ◯ 議長(舎川 智也君)  中田財務部長。 45 ◯ 財務部長(中田 貴保君)  今ほど決算剰余金の話がございました。決算剰余金につきましては地方財政法第7条の規定により、2分の1を下らない金額を積立てまたは償還期限を繰り上げて行う地方債の償還の財源に充てることとなっております。  このことから本市では、これまでも決算剰余金の一部を減債基金や財政調整基金等の残高に留意しながら積み立ててきたところであり、さらには、昨年度からは市債の償還が済んでいる企業団地の売却収入等につきましても減債基金に積み立てております。  減債基金の望ましい額につきましては、将来的な市税や交付税などの一般財源の状況により異なるものでございますので一概には申し上げられませんが、減債基金を活用して公債費の平準化に取り組むことは重要なことであり、今後も各年度の予算編成におきまして財政状況を勘案し基金の活用額を検討していくとともに、決算剰余金等を積み立てることにより減債基金の残高の確保に努めてまいりたいと考えております。
    46 ◯ 議長(舎川 智也君)  1番 久保 大憲君。 47 ◯ 1番(久保 大憲君)  具体的な金額については言及がなかったわけです。ここは答弁しづらいということなのだろうと思いますが、私たちよりも皆さんのほうが財政に関するいろいろな情報を多く持っておられるわけです。経験もノウハウもあるわけで、私たちとしては今後決算剰余金をどれぐらい積み立てていけばいいのか、来年度の積立てのときには議会もしっかりとそこに注目しながら、幾ら積み立てるべきなのか、当局の皆さんからの提案をしっかりと審議しながら将来に向けて積み立てていく必要があるというふうに思います。  先ほど取り上げた健全化判断比率の1つに実質公債費比率という指標があります。これは借入金の返済の大きさを地方公共団体の標準財政規模に対する割合で指標化したもので、これが18%を超えると市債を発行するためには許可が必要になります。  直近の富山市の実質公債費比率は減少傾向にあり平成30年度では9.6%となっていますが、直近の減少傾向は金利の低下による影響が大きく、これは決して楽観できるわけではありません。  さらに、この指標の注視すべき点は3か年平均で算出をされると。つまり、起債償還額がピークを迎えてもすぐに数値が悪化するわけではなくて、その後じわりじわりと悪化していくことになると。  そこで、この実質公債費比率の今後の推移とピーク時の数値についてどのように今把握をされているのか答弁を求めます。 48 ◯ 議長(舎川 智也君)  中田財務部長。 49 ◯ 財務部長(中田 貴保君)  本市の実質公債費比率は、平成24年度の13.9%、これをピークに年々減少し続けており、令和元年度は8.5%となっております。これは合併特例債の活用や新幹線関連の整備、再開発事業への補助等を積極的に行ってきました一方で、過去に集中して整備してまいりました公共下水道事業に係る償還金や広域圏事務組合への負担金が減少している、こうしたことが要因でございました。  今後の推移につきましては、近年の大型施設整備により市債残高は増加傾向にあり、据置期間を経てその償還が始まると比率を押し上げる方向に作用しますことから、償還額が上昇に転じます令和3年度から比率も上昇していくと見込まれますが、先ほど議員から御紹介がございました、実質公債費比率は直近の3か年の平均値で算定いたしますことから、実際の比率は令和4年度から上昇に転じるものと見込んでおります。  その後のピークの数値につきましては、償還額以外に詳細な数字を見積もることが難しい算定要件がございますことから、具体的な数値を予測することは困難でございますが、少なくとも現行の総合計画の計画期間であります令和8年度までは、本市で実質公債費比率が最も高かった平成24年度の13.9%を超えることはないと考えております。  なお、市債の発行に当たりましてはこれまでも交付税措置のある有利な市債を活用してきており、令和3年度末の一般会計の市債残高見込みは2,492億6,000万円余りとなっておりますが、交付税措置を加味いたしますと実質的な市債残高はこのうちの44%に当たる1,085億9,000万円余りとなります。  また、現在市債の借入金利は非常に低いことから、本市の喫緊の課題の解決や将来市民にとって必要な投資に対しましては、市債を積極的に活用してまいりたいというふうに考えております。 50 ◯ 議長(舎川 智也君)  1番 久保 大憲君。 51 ◯ 1番(久保 大憲君)  今までのこの質問の中で、来年度以降、いろいろな形で財政的に厳しい状況が生じてくるということがはっきりと分かってきたわけです。  大切なことは、今部長も答弁されていましたとおり、これが異常な数値ではなく、冷静にその数値の推移を見守りながらこの予算について審議をしていくと、そこに備えていくと。また、そこに経済状況等が加味されれば、やはり単年度ごとに議会と当局がしっかりと議論を交わしながら、将来のあるべき姿を考えていかなければならないというふうに強く感じました。  次に、ブールバール再整備事業についてお伺いします。  令和2年度の当初予算にブールバールの道路空間利活用検討について2,300万円が計上されました。  その核を担うブールバールエリアマネジメント富山の開催実績と協議事項について答弁を求めます。 52 ◯ 議長(舎川 智也君)  舟田建設部長。 53 ◯ 建設部長(舟田 安浩君)  ブールバールエリアマネジメント富山につきましては、ブールバール広場周辺の民間企業6者に市を加えた7者により構成されており、ブールバールの新たなにぎわいを図ることを目的に昨年5月に発足いたしました。  今年度の当団体における会議の開催実績につきましては、全体会議を7月と11月に2回、若手社員による意見交換会を7月と9月に2回開催したところであります。  また昨年度においては、当団体の発足前ではありますが、再整備や利活用に関する御意見をいただくなど、現在のブールバールエリアマネジメント富山のメンバーと15回にわたり意見交換会を開催し、貴重な御意見をいただいております。  主な御意見としましては、1つに、現在の街灯が暗く防犯上も危険なため、明るい街灯を設置してほしい、2つに、ムクドリによる鳥害への対策が必要、3つに、日差しが強い日でも来街者が滞在したくなるように日よけがあればよい、4つに、広場のような使い勝手のよい空間とするため街路樹の配置を見直したほうがよい、5つに、キッチンカーなどの飲食イベントでの利用可能な電気・給排水設備があればよいなどが挙がっており、今年度の詳細設計に反映してきたところであります。 54 ◯ 議長(舎川 智也君)  1番 久保 大憲君。 55 ◯ 1番(久保 大憲君)  今お伺いしました。大変羨ましいなと。私の地元というか南富山も、こんなような形で市が入って一緒に協議をしていただければなおありがたいなと思うのですが、このブールバールエリアマネジメント富山の今の開催実績と協議内容をお伺いすると、個人的にはまだまだブラッシュアップできるのではないかなと、そういった余地があるというふうに感じました。また、先日、ブールバールにあるケヤキの木について、普通のケヤキではなく大変珍しいケヤキだと、これは植樹のときには大変な御苦労があったというような声もいただきました。そういった背景にも配慮しながら、ブールバールの再整備については慌てずに時間をかけて検討してみてはどうかなと私は思うわけです。  繰り返しになりますが、来年度は歳入歳出ともに大変厳しい状況にあります。なぜこのタイミングでブールバール再整備を行うのか答弁を求めます。 56 ◯ 議長(舎川 智也君)  舟田建設部長。 57 ◯ 建設部長(舟田 安浩君)  ブールバールにつきましては、路面電車南北接続を契機とし、富岩運河環水公園や富山県美術館、富山市総合体育館など、多くの文化、芸術、スポーツ施設等が集積している富山駅北地区の魅力をさらに高めるとともに、居心地がよく歩きたくなる空間を再整備し新たなにぎわいの創出を図るため、令和元年9月議会においては、老朽化した水景施設の撤去費用及び再整備に向けたデザイン等の検討業務に係る委託料について補正予算の承認をいただいたところであります。  また、令和2年3月議会においては、本市のまちづくりが次のステージへ踏み出すための諸課題に対応するために設けられたまちづくりネクストステージ特別枠において、再整備に向けた詳細設計に係る委託料について当初予算の承認をいただき進めてきたものであります。  なお、国ではコロナ禍においても休息・余暇にも活用できる居心地のよい空間となる公園等のオープンスペースへのニーズが高まるものとしており、現在、本市においても多くの市民の方々が稲荷公園や布瀬南公園などの公園を利用されているところであります。  これらのことから、来年度は厳しい財政状況ではありますが、路面電車南北接続を契機として、富山駅北地区の商業者や企業の皆様のブールバールへの期待感や、コロナ禍においても居心地のよい空間となるオープンスペースへのニーズの高まりなどを踏まえ、本市のさらなる発展や市民一人一人の生活の質の向上を図るためにはブールバール広場の再整備は重要であることから、来年度から着実に進める必要があると考えております。 58 ◯ 議長(舎川 智也君)  1番 久保 大憲君。 59 ◯ 1番(久保 大憲君)  まちづくりネクストステージ特別枠については、今年度の予算編成方針の中からは省かれていたわけです。今年度の予算編成方針、要するに、一昨年に出されたときには確かに新型コロナウイルス感染症の状況もなく、まちづくりネクストステージ特別枠というものを設けたけれども、今回は大変厳しいのでそこは表記がされなくなったと。  本市のさらなる発展ということになると、やはり私たちが思うのは、議員の立場に立つといろんな地域から来ているものですから、本市の均衡ある発展というものをやはり重視したいというふうに思うわけです。  令和3年度の予算編成方針では、当初予算に計上しなくても市民生活に支障を来さない事業については市長選後の補正予算において計上することとし、令和3年度当初予算はこれらの事業を除いた骨格予算として編成をするというふうに、まずあります。新規拡充事業については例年以上に事業の重要性、緊急性の観点から十分に検討した上で要求することというふうにあります。  先ほど部長がおっしゃられた事業の重要性、これは私もよく分かるわけです。富山グラウジーズの試合があったりすると県外からもたくさんのお客さんが──今年は新型コロナウイルスでなかなか来られませんでしたが──来られて、富山駅に降り立って、あの市総合体育館まで歩いていく。その空間がよりすばらしいものになれば、やはり富山市ってすばらしいところだなと、富山県っていいところだなと県外の皆さんにも伝えることができるのではないかと。これはよく分かるのです。  ただ、ブールバール再整備事業は、まず予算編成方針の中にある市民生活に支障を来さない事業であると言わざるを得ませんし、先ほどの繰り返しになりますが重要性についてはよく分かるのですが、緊急性という観点から見るとどうしても私はそこまであるとは言えないのではないかなというふうに思います。  今回、建設部が予算要求をされて財務部、市長が予算を編成していかれたということなのですが、そもそもこの予算編成方針と整合性が取れていないのではないかなというふうに思うのですが、当局の見解をお伺いします。 60 ◯ 議長(舎川 智也君)  舟田建設部長。 61 ◯ 建設部長(舟田 安浩君)  令和3年度予算編成方針では、新型コロナウイルス感染症により社会経済活動が甚大な影響を受け、税収の落ち込みが見込まれることや社会保障費の伸びが見込まれるなど、極めて厳しい財政見通しとされておりますが、こうした中においても感染症の拡大防止と地域経済対策を最優先としながら、本市が未来に向かって発展し、市民一人一人が誇りと希望を持てる予算とすることとしております。  現在ブールバール広場においては、昨年10月にグリーンスローモビリティ「ビービー」の運行が始まり利用者から好評を得ていることや、本年3月20日には3x3バスケットボールコートが完成するなど、路面電車南北接続後における富山駅北地区のにぎわい創出に向けた機運が高まっているものと考えております。  また、先ほども申し上げましたが、公園などのオープンスペースへのニーズの高まりや、今回の再整備によりブールバールに魅力ある空間が創出され、多くの市民やブールバール沿線企業の皆様に御利用いただくことで、ブールバール広場におけるシビックプライドの醸成が図られることへの期待に加え、先ほども申し上げましたとおり、これまで令和元年度補正予算、令和2年度当初予算においてブールバール広場整備に係る費用の承認をいただき継続的に取り組んできており、さらには国土交通省のまちなかウォーカブル推進事業を有利な財源として活用できることからも、令和3年度予算編成方針に合致しているものと考えております。 62 ◯ 議長(舎川 智也君)  1番 久保 大憲君。 63 ◯ 1番(久保 大憲君)  建設部の皆さんには、特に道路関係の要望、通学路の安全確保であったりとか本当に生活に密着した要望が市民から多く出されているわけです。その中で、予算編成方針の中では十分に検討してから要求するということ、これはもう部局内で検討されると。やはり地元の生活道路がなかなか事業着手された後、進んでいかない。一方で、今回ブールバールのほうの予算がどんとつくと。皆さんとお話をさせていただくと、財源が違うんですよとか、こちらのほうが有利なものですよとか、これは比較するものではないですよという御説明を受けるのですが、やはり私たちの立場からすると、市民全体の目から見て納得できるような予算にしてほしいと。偏重せず、しっかりと地域一人一人のという言葉も使われましたけれども、だとすればもっと地域に密着した事業にも目を向けて予算編成に当たっていただきたいなというのが私からの強い思いなわけです。  特に建設部にはそういった情報が集まってきています。過去の予算編成方針からも、どうしてもシーリングをかけていくと建設部が非常に削りやすいというところもあって、皆さん大変苦しい思いをされながら、市民への説明も苦慮されているというふうに思います。だからこそ建設部からこのブールバールが上がってきたことについては、私は若干の驚きとちょっと残念な思いがするわけです。  この事業着手時期なのですけれども、予算編成方針を見れば新市長はやるかどうかと。やることは構わないのです。今やるべきかどうかということ、来年度やるべきかどうかということは新市長に委ねてもいいのではないかなというふうに思いますが、その点について見解をお伺いします。 64 ◯ 議長(舎川 智也君)  舟田建設部長。 65 ◯ 建設部長(舟田 安浩君)  本市では森市長の下、人口減少や超高齢社会の到来を見据え、将来にわたって持続可能な都市構造への転換を実現するため、公共交通を軸としたコンパクトなまちづくりの推進を政策の柱に据え、各種施策に取り組んでまいりました。  昨年3月においては、本市が進めるコンパクトなまちづくりの1つの到達点である路面電車南北接続事業が完成し、南北に分断されていた市街地が一体化する市民100年の夢が実現いたしました。  今年度のブールバール広場再整備に係る詳細設計につきましては、先ほども申し上げましたとおり、昨年度の予算編成方針で示された、本市のまちづくりが次のステージに踏み出すための諸課題に対応するために設けられたまちづくりネクストステージ特別枠により予算配分されたものであり、来年度からはこの詳細設計を踏まえ、国の有利な財源であるまちなかウォーカブル推進事業を活用して工事に着手する予定としております。  また、ブールバール広場の再整備は富山駅北地区のさらなるにぎわい創出に大変重要な施策であると考えており、これまで進めてきたコンパクトなまちづくりの3本柱の1つである中心市街地の活性化に大いに寄与する事業であること、加えて、令和元年度補正予算、令和2年度当初予算においてブールバール広場整備に係る費用の承認をいただき継続的に取り組んできており、引き続き切れ目なく事業を継続するためにも、令和3年度予算に計上することが最もふさわしいものと考えております。 66 ◯ 議長(舎川 智也君)  1番 久保 大憲君。 67 ◯ 1番(久保 大憲君)  昨年度、今年度も予算を承認したではないかと。まさにそのとおりなのです。ただ、状況が変わってきているところがあると、新しい市長にも替わると、予算編成方針にもその旨が記載をされていると、そういったことを総合的に勘案すると、どうしても部長の感覚と私の感覚が合わないところがあるわけです。  ただ、今後さらに経済状況が悪化することもあると思いますし、これは3期──何年間でやるとは書いてありませんが──全部整えると全体で12億円の事業ということになっています。やはりこういったものについては、皆さんも予算編成方針も大胆にしっかりと見直していくんだと、必要なものを必要なタイミングでやるんだというようなことを徹底されているはずなので、今後もしっかりとそういった財政の部分、市民の部分、特に建設部におかれてはあまたある市民からの要望を待たせている部分も十分に踏まえた上で、この事業の優先順位についてしっかりと市民に説明できるように予算要求をして、そして、皆さんはその予算についてしっかりと編成をしていっていただきたいなというふうに思うわけです。  最後に、雪害対策について質問をいたします。  本年1月7日から降り出した大雪により市内は大混乱に陥りました。車が至るところでスタックし、交通障害が市内全域で起きました。自宅に帰ることができず、車中で一夜を明かす市民もいました。物流が止まり企業活動が停止し、小売店では品薄となりました。市内全ての小・中学校が数日間にわたって休校となりました。農業用のビニールハウスは170棟が全壊しました。119番通報は、昨年度の1日当たりの平均が58件だったのに対し、1月7日から14日の間に日平均で108件ということで、通報件数が倍増しました。さらに、これは全県の数字になるのですが、110番通報、これは通常は1日132件程度だということなのですが、1月7日から14日の間に実に5,140件、日平均で640件と5倍まで増加したわけです。ピークの1月9日には1,495件ということで、これは通常の10倍を超える110番通報が警察に寄せられているわけです。雪害によって亡くなった方もいらっしゃると。これは昨日の江西議員への答弁でも明らかになりました。雪害はあった、これは今定例会の複数の部局長の答弁からも明らかなわけです。  当時の富山市は非常事態に陥っていたことは誰の目から見ても明らかだと思うのですが、ところが市は除雪については平常対応とし、雪害対策本部を立ち上げませんでした。建設部長は我が会派の代表質問に対し、集落の孤立や雪崩による災害などの雪害がなかったことから雪害対策本部の立ち上げには至らなかったというふうな答弁をされました。  まず、災害対策本部設置の根拠法となる災害対策基本法の第23条の2、ここには、市町村の地域について災害が発生し──ここが大事なのです──または災害が発生するおそれがある場合において、防災の推進を図るため必要があると認めるときは、市町村長は市町村地域防災計画の定めるところにより市町村災害対策本部を設置することができるというふうに書いてあります。つまり、災害発生のおそれがある場合でも災害対策本部は立ち上げることができるわけで、災害が発生していないから雪害対策本部を立ち上げるに至らなかったという答弁は、法の趣旨を十分に理解できていないのかなというふうに言わざるを得ません。  さらに、災害対策基本法で位置づけられた富山市地域防災計画において雪害対策本部の設置基準を明記されています。その要件は、1つに、市内各地で雪害の発生が予想され、その対策を要するとき、2つに、市内の一部の地域に雪害が発生し、その規模及び範囲から見て雪害対策本部を設置しその対策を要するときとあります。ここでも、孤立集落や雪崩が起きていないので雪害対策本部を立ち上げるには至らないという答弁は、この地域防災計画の基準からも整合性がないというふうに思います。  さらに、あの状況下で孤立集落が発生するおそれがない、さらに雪害が発生しない、していないというふうに判断をされたのだとしたら、これは危機管理の考え方そのものに問題があったというふうに言わざるを得ないのではないかなと思います。  さらに、道路除雪実施計画には気になる記載があります。平常時の道路除雪については、11月15日から3月31日まで常設される実施対策本部がこの除雪に当たるということになっています。ただし、実施対策本部は降雪状況によって平常態勢から警戒態勢、緊急態勢へ移行するというふうに書いてあります。警戒態勢への移行の目安は積雪深が90センチを超えたとき。本年1月7日からの雪害では、もう既に90センチを超えました。さらに緊急態勢への移行は、警戒する積雪深を大幅に超え、主要路線における降雪状況、降雪強度、今後の降雪予測などから緊急事態に陥るおそれがある場合に、災害対策本部長が県と協議の上で決定するというふうにあるわけです。緊急態勢という言葉があるのですが、これにおける措置の1つとして、委託業者の除雪機械やオペレーターの総動員というのが緊急態勢の中での措置というふうに書いてあるわけです。当時、除雪機械やオペレーターは総動員で除雪に当たっていました。これはもう完全にこの計画上は緊急態勢の措置を取っているわけです。計画では緊急態勢に入るときには、まず災害対策本部を立ち上げないと災害対策本部長はいませんから、災害対策本部を立ち上げて、その対策本部長が県と協議した上で、それで総動員の措置が取れるというふうに読み取れるわけです。これを平常時の除雪の延長で行ったのは、組織としてのガバナンスが本当に大丈夫だったのかなというふうに思うわけです。  さらに、竹田議員の質問に対して地域防災計画の見直しについて言及をされていますけれども、同じ状況になったとしても雪害対策本部や災害対策本部を立ち上げなかったら、この法にのっとった計画、この権能を発揮できないわけです。これを見直す必要があるということは、同じ状況になったときには雪害対策本部もしくは災害対策本部を立ち上げるということにほかならないというふうに思うわけです。そうしないと今回の教訓を生かすことはできない。計画を見直してもですよ。  改めて、当時、雪害対策本部を立ち上げるべきではなかったのかというふうに考えますが、当局の見解をお伺いします。 68 ◯ 議長(舎川 智也君)  舟田建設部長。 69 ◯ 建設部長(舟田 安浩君)  今ほど久保議員からもお話をいただきましたとおりでございますけれども、まず、先日、村家議員にもお答えしました内容のとおりであります。  それで、1つ私が思っておりますのは、雪害対策本部と申しますのはあくまでも防災対策課のほうで所管している組織であります。私は道路除雪実施本部のほうの本部長でございます。私は道路除雪に専念する職務で本部長に就いているわけでありまして、ここは誤解のないようにお話ししておきたいのですが、私が災害対策本部を立ち上げるわけではないというところを御理解いただきたいなと思います。ですから、先ほども議員からのお話の中にもあったと思うのですが、私が道路除雪実施本部でやっていても、もしかしたら災害対策本部は立ち上がっていない場合もあるということです。  道路除雪実施計画の中に整合性の取れない部分があるというのは私も十分承知しておりまして、地域防災計画だけを直すというだけではなく、併せて道路除雪実施計画も直したいというふうには考えております。不整合性があるということは十分認識しております。 70 ◯ 議長(舎川 智也君)  1番 久保 大憲君。 71 ◯ 1番(久保 大憲君)  設置するかどうか、設置すべきではないかというところの答えになっているのか、私にはちょっと今聞いた限りでは分かりませんでしたが、公務員の皆さんは法と計画にのっとり判断、行動するのが大前提です。融通が利かない、マニュアルどおりだと言われたとしても、法と計画といった根拠をないがしろにしては行政組織としてのガバナンスが崩れてしまうわけです。  今回の対応について、いま一度、法と照らし合わせて妥当だったのか、また、自らつくった計画とのそごがなかったのかどうなのか、これはしっかりとチェックをしていただきたいと思います。  今回の見直しのときに無理に正当化せずに、チェックをゆがめずに、今回の対応が先例となってもきちっと対応ができるように、もしくは先例としては難しかったということであれば、しっかりと対応ができるように考えていただきたいと。割を食うのは市民なわけですから、ここについては十分御理解をいただきたいと思います。  その上でお伺いをします。  本年1月の大雪で市民からの問合せが1,600件あったという答弁がありました。問合せの状況は私なりに理解をしているつもりでしたが、想像した以上でした。  私のところにも昼夜を問わず市民や町内会の役員の方から電話で除雪の要望が届きました。道路管理課に電話すると、回線が複数あるにもかかわらず話し中でなかなかつながらない。やっとつながって状況と要望を伝えた。そのときに職員の方は大変丁寧に対応してくださいました。ただ、その声からは相当な疲労感が伝わってきました。その電話の奥では別の電話の応対をする職員の声や鳴り止まない電話の着信音、こういったものが聞こえました。
     市民や除雪業者に頭を下げて相当厳しい叱責や苦情にさらされ続けた職員は、さぞつらかったろうと思います。対応に当たった道路管理課の職員の皆さん、そして応援に入った建設部の職員の皆さんは本当に大変だったろうと思います。心から感謝と敬意を表します。  当時がいかに異常な状態だったか、これは現場にいれば分かったはずです。これを通常の除雪体制で対応しようとしたことは私には到底理解ができないわけです。  建設部長は先日の代表質問や柞山議員の質問に対して、問合せが相次いで除雪が遅れたと、市民への情報伝達が不十分であったということを陳謝されました。  そもそも災害対策本部を立ち上げていれば、富山市地域防災計画、これはよくできているんですよ。皆さん1回読んでいただきたい。当然読んでおられると思いますが、市民からの通報や問合せの処理は企画管理部や市民生活部が組織的に対応することになっているのです。除雪への影響も最小限に抑え、市民への情報伝達も本当なら改善できた。対策本部を立ち上げていれば。市民に共助を求める以前に、市役所内での共助の意識が欠けていたのではないかなというふうに思います。  市当局内で災害という認識が不足したことで、情報収集・共有並びに市民対応に苦慮することになった。今後は災害のおそれがある段階で対策本部を立ち上げるべきと考えますが、当局の見解をお伺いします。 72 ◯ 議長(舎川 智也君)  前田企画管理部長。 73 ◯ 企画管理部長(前田 一士君)  大規模な自然災害や重大事故などの危機事象への対応につきましては、法に基づく災害対策本部のほか、今般の新型コロナウイルス感染症や先般の鳥インフルエンザなど、危機事象ごとにそれらの業務を所管する部局が中心となって組織体制を構築するとともに、国や県、市などが作成したマニュアル等に基づき危機対応業務に当たることが基本であると考えております。  その中で企画管理部の役割としては、いずれの危機事象に対しましても担当部局と密接に連携しながら、全庁的な調整が必要な事項、例えば人員の応援態勢や市民への広報活動などについて調整を行うなど、言わば危機対応業務が円滑に推進されるよう下支えする役割を担うものであると考えております。  また、ちょうど10年前の東日本大震災の際には、福島県などからの被災者を受け入れるため、住民票の転入手続や市営住宅への入居、児童の小学校転校手続、その他非常に広範にわたる業務について富山市の窓口を一元化するなどの全庁的な調整を企画管理部が担ってきたところであります。  私ごとで大変恐縮ですが、当時私も企画調整課の一員として、平成23年2月22日に発生した富山外国語専門学校の学生12名が被災したニュージーランド地震への対応に引き続き、3月11日の東日本大震災の発生によって原発事故被災地周辺から避難されてきた方々の受入れ態勢の確保にほかの職員と一緒に奔走しておりました。  35年ぶりに積雪が1メートルを超える状況になった今年1月の豪雪は、多くの市民、県民をはじめ除雪を請け負う事業者、本市職員もしばらく経験してこなかったような災害級の大雪でありました。気象庁は連日、マスコミ等を通じて市民、県民に厳重注意を呼びかけていて、市でも気象予報士を中心に情報を全部局で共有してきたところであります。また、企画管理部からは各部局に対して、大雪に伴う交通渋滞の解消に協力するため、職員は年次有給休暇の取得に努めるようにも通知したところであります。  いずれにいたしましても、今回の災害級の豪雪を前に市の対応だけではおのずと限界があったものと考えておりますので、今後、建設部はもとより、企画管理部としても市の内部体制に課題がないか点検し、改善すべき事項があれば必要な対応を行ってまいりたいと考えております。  加えて、今回、久保議員からいただいた私どもに対する激励の意味を込めた御質問を励みに、今後とも部の職員一丸となって企画管理部に課せられた役割をしっかりと果たしてまいるよう努めてまいりたいと思います。 74 ◯ 議長(舎川 智也君)  これで久保議員の一般質問及び議案の質疑を終了いたします。  38番 五本 幸正君。   〔38番 五本 幸正君 登壇〕 75 ◯ 38番(五本 幸正君)  令和3年3月定例会に当たり、会派不羈より一般質問及び議案の質疑を行います。  まず、東日本大震災の発生から10年を迎えました。震災でお亡くなりになられました方々、あるいはまだ行方不明の方々及び家族の方々に心から御冥福をお祈り申し上げるとともに、まだ道半ばの復興が一日も早く完了いたしますように心から御祈念申し上げ、質問に入ります。  私ごとでございますが、今任期をもって富山市議会議員を引退いたしますが、私は昭和54年4月に合併前の富山市議会議員に42歳で初当選させていただきました。以来、旧富山市で7期、新富山市で4期、通算11期、およそ42年の長きにわたり市議会議員を務めさせていただきました。  この間、合併前と合併後のそれぞれの富山市議会議長のほか、富山県市議会議長会会長、北信越市議会議長会会長、さらには全国市議会議長会会長など数々の要職にも就かせていただきましたことは、私にとりまして非常に身に余り過ぎる光栄でありました。特に、平成22年、平成23年は全国市議会議長会の会長として公務が多々増えてまいりました。議会事務局の皆さんには大変な御迷惑をおかけし御無理を申し上げてまいりましたことにつきまして、心から感謝と御礼を申し上げます。  昭和、平成、令和と3代にわたり議員活動を務めてこられましたのも、ひとえに私を支援していただきました多くの市民の皆様、さらには市議会議員の同志、そして森市長をはじめ旧富山市の改井 秀雄市長、塩谷 敏幸市長、正橋 正一市長、4代市長に当局の皆様の絶大な御支援と御協力のたまものであると深く感謝申し上げる次第であります。  私は、今年1月4日に84歳を迎えました。まさに今年、年男でございます。議場の演壇に立つのもこれが最後かと思います。長い議員活動の締めくくりとして質問に入ります。  私の42年間に及ぶ議員活動の中には、数え切れないほどの様々な出来事がありました。その中でも今なお私の脳裏に強く残っていることは、平成17年4月の市町村合併についてであります。  いわゆる平成の大合併により、平成11年3月31日時点で全国に3,232あった市町村は、現在は1,718となっております。富山県内でも35市町村から15市町村へと大幅に減少いたしました。  現在の富山市は、神通川の流域とその周辺に広がる旧富山市と旧上婦負の6町村がこの地域全体の輝く未来を切り開くため、各首長と議会が意を決して大同合併に踏み切る決断を行い誕生したものであります。この合併が成し遂げられたのは、およそ2年にわたり富山地域合併協議会の会長として合併協議を主導し、2,000を超える膨大な事務事業の一元化に関する調整など、数々の困難な課題を克服し協議をまとめ上げられた森市長の卓越した手腕と強いリーダーシップに負うところが極めて大きいことは、今さら申すまでもありません。  私は当時、富山市議会における市町村合併対策特別委員会委員長として、富山地域全体の将来を見据えた大同合併を成し遂げるため、全身全霊で職務に取り組んでおりましたが、過去を振り返り、多くの方々の御理解や並々ならぬ御努力、そして痛みがあったことを思い起こしますと、この合併に御尽力いただきました全ての皆様に対する敬意と感謝の思いが今でも自然と湧き上がってまいります。  先日の自由民主党、村家議員の代表質問に対して森市長は、これまでの市政運営を振り返り、決して諦めることなくやり抜くという強い決意と覚悟を持って取り組んだことの1つに市町村合併を挙げられました。  平成17年4月には7市町村の合併による新富山市の初代市長に就任された森市長は、新市の一体感と均衡ある発展を目指し、旧町村地域に行政サービス提供の窓口となる地区センターなどの行政機関を配置されたほか、保育所や小・中学校並びに公民館の改築、小見及び山田、細入地域の各常備消防拠点施設の整備、中山間地域における携帯電話不感地帯の解消、里山整備の促進、おでかけバス事業の全市域への拡大など、今日に至るまで旧町村地域において数々の施策に取り組んでこられたものと考えております。  この市町村合併から間もなく16年が経過いたします。合併後に生まれた子どもたちがこの春から高校生になるなど、合併前の富山市や旧町村の時代を知らない市民が今後ますます増えてくる時代になってまいりました。  そして、森市長が強い決意と覚悟を持って取り組まれたもう1つの政策である公共交通を軸としたコンパクトなまちづくりについては、今さら私が述べるまでもありませんが、人口減少時代に対応した持続可能なまちづくりを推進するため、森市長が市の基本政策として一貫して取り組んでこられた政策であり、今や国内においてコンパクトシティは富山市の代名詞と言われるまでになっております。  昨年3月には、森市長自身が富山市のコンパクトなまちづくりの1つの到達点と捉えておられた路面電車の南北接続事業が完成し、富山駅による市街地の南北分断の解消という市民100年の夢がようやく実現を迎えたわけであります。  そして、来年春には富山駅南西街区に富山の新たなシンボルとなるホテルや商業施設を備えた複合ビルが完成し、さらに1年後の令和5年春には、富山駅北のオーバード・ホールに並んで多くの市民が待望する中規模ホールが完成することなどによって、富山市が魅力的な都市へとさらに大きく進化することになります。  このように森市政において、富山市は日本海側有数の中核都市として将来にわたり飛躍、発展を成し遂げていくための揺るぎない土台をしっかりとつくることができたものと私は考えております。  来月23日の任期満了をもって退任される森市長におかれましては、就任当時から今日までの富山市の歩みを振り返り、現在の富山市の姿をどのように受け止めておられるのか、市長の所見をお聞かせください。  次に、水産業への支援について質問いたします。  本市の水産業は、天然の生けすと呼ばれる富山湾において定置網や小型底引き網などの様々な漁法を用いて多様な魚介類を水揚げするとともに、市民に新鮮でおいしい水産物を提供しております。また、シロエビやホタルイカといった珍しい水産物は、常に県内で1位か2位の水揚げを誇っており、本市の特産品として全国的に周知されております。それを目的に観光客が本市に訪れるなど、観光資源としても重要な役割を担っています。  ところで、これらの漁業活動の中心は、組合員177名を有するとやま市漁業協同組合が担っております。とやま市漁業協同組合は平成14年に岩瀬漁業協同組合、四方漁業協同組合、水橋町漁業協同組合が合併して新たに設立されたものですが、漁港施設については、四方及び水橋については農林水産省所管で市が管理する漁港となっております。岩瀬漁港については国土交通省所管の港湾の一部を利用した船だまりになっており、県が管理する施設となっております。  いずれの施設も県あるいは市の用地を使用していることから占用料が発生しておりますが、四方、水橋漁港においてはとやま市漁業協同組合が支払うべき市への占用料については、公益性が高いことから基本全額減免としていただいております。一方、岩瀬船だまりについては、県に支払う占用料の半分は減免いただいているものの、残りはとやま市漁業協同組合が支払っております。こうなりますと私の考えでは、四方漁協と水橋漁協が、岩瀬漁協と合併してとやま市漁協に参加したことからこういう負担が発生するという思いがあるかもしれません。  ついては、とやま市漁業協同組合において、近年の魚価及び消費の低迷や資材や人件費の高騰により大変経営が圧迫されていることから、占用料の負担がなくなるよう市の支援をお願いできないか見解を求め、私の42年間にわたる議員活動の最後の質問とさせていただきます。  どうも長い間ありがとうございました。                                  (拍 手) 76 ◯ 議長(舎川 智也君)  森市長の答弁を求めます。   〔市長 森  雅志君 登壇〕 77 ◯ 市長(森  雅志君)  五本議員の御質問にお答えします。  私のほうからは、私が思い描いた富山市像はどういうものなのかということについての御質問にお答えし、その他の事項については担当部長から答弁申し上げます。  40数年にわたる五本議員の長い御経歴と若い頃からの思いやいろんなことについて心からのお話がございまして、胸が熱くなる思いでございました。このを借りて、真情を込めて感謝やらお礼やら敬意やらを申し上げなければなりませんが、今伺いますと今会期内に御勇退される議員の皆様方への御挨拶の機会があるそうでございますし、閉会の挨拶でもそのことを述べることになると思いますので、今日は答弁時間の都合もありますのでお許しをいただきたいというふうに思います。  さて、今定例会の代表質問でも申し上げましたが、私は市長就任以来、あるいはその前の初めて市長選に臨むに当たって作成した公約集の中でも掲げておりましたが、行政は都市経営であるということをこれまで絶えず意識してまいりました。  私が市長に就任した平成14年当時の富山市は、市街地は薄く郊外に広がり、道路整備の進んだ郊外で広い家を構えて複数の車を持つライフスタイルが、ある意味豊かさの象徴となっておりました。  人口集中地区(DID)の人口密度は県庁所在地の中で最も低い都市構造であり、車がなければ生活しづらい典型的な車型のまちとなっており、このためバスや鉄軌道などの公共交通は衰退の一途をたどっておりました。小泉改革の影響もあってバス路線は事業者だけの判断でやめられるということも拍車をかけました。  こうした状況の中、私は本格的な人口減少社会の到来や少子・超高齢社会の進行などを見据え、将来世代に責任の持てる持続可能な都市構造への転換を図るため、従来の拡散型のまちづくりから大きく方向転換し、全ての鉄軌道と運行頻度の高いバス路線を公共交通の軸として設定し、その沿線に居住や商業、文化など都市の諸機能を集積させることにより行政管理コストの増大を抑制するだけでなく、過度な自動車依存の暮らし方から、公共交通も自動車も賢く使うライフスタイルへの転換を図ることが重要と考えておりました。  当時は交通は公共財という概念がまだ希薄で、交通というのはそれ単体で黒字で経営されるべきもの、赤字になれば減便、廃止というのが当たり前の時代だったわけです。しかし、そういう状況を変えていくことこそが人口減少という中での将来を明るくする、あるいは持続性をつくるためのまず出発点だと、このように当時考えていました。  こうした私の考えを具現化するため、市長に就任した平成14年の秋から早速、市の若手や中堅の職員20名余りに、本市が今後目指すべきまちの姿を描き、それを実現するための施策について調査・研究を開始してもらい、この若手・中堅職員による研究会──コンパクトなまちづくり研究会──では、当時国土交通省から出向していた望月助役の指導等を受けながら、調査開始から約1年後の平成15年度にはその研究成果を取りまとめてくれました。このときの職員による検討内容等に基づき、市は公共交通を軸とした拠点集中型のコンパクトなまちづくりを本格的にスタートさせることになったものであります。  本市のコンパクトなまちづくりは、車の利用を厳しく制限したり郊外居住を否定するものではありません。包括的施策の展開により居住地の選択肢を広げ、市民自らの意思で公共交通の便利な地域へ居住を緩やかに誘導するという手法であることに大きな特徴があります。  コンパクトなまちづくりを推進した結果、公共交通の便利な地域に住む人口の割合は、平成17年の約28%から令和2年6月末時点では39.7%と10ポイント以上増加しており、令和7年(2025年)までの目標である約42%に近づいてきたことは、この限りにおいて将来市民の負担を軽減することにつながったものと考えているところであります。  また、本格的な人口減少社会の中においても、本市が将来にわたって一定の人口を維持しながら持続可能な都市を築いていけるよう、雇用や教育、子育て、福祉、環境、文化など様々な施策に取り組み、都市の総合力を高めるとともに上質なまちを形成することで都市の格を上げ、そのことにより企業経営者や従業員、その家族からも選ばれるまちづくりを進めてまいりました。  これは本市に事業所を構えられたある女性経営者からお伺いした話ですが、本市へ進出された理由の1つとしてまちなかの至るところに花が飾られていたことを挙げられ、このような都市であれば従業員や家族にも安心して暮らしてもらえると思われたとのことでありました。  このように選ばれるまちづくりを進めた結果、住民基本台帳上の人口動態では平成20年以降13年連続で転入超過となり、中でも県外からの転入超過が平成24年以降9年連続で続いております。今日の朝刊でしたか昨日でしたか、県全体の転出超過が激しいという記事がございましたけれども、それでも富山市は県外との関係において9年連続転入超過であります。したがって、県の転出超過を和らげてはいるということだろうというふうに思います。  また、本市の地価は県の地価調査において、全用途の平均変動率が平成26年から7年連続で上昇しているところであります。こうした地価の上昇が市固有の財源である固定資産税や都市計画税の税収に反映され、中山間地域における単独事業等への財源が生み出されるといった市域全体への税の還流が起きていることは、本市がこれまで地道に取り組んできたまちづくりの大きな成果であり、努力の表れであると考えております。  また、私は人を動かす要素として、おいしい、おしゃれ、楽しいの3つのキーワードを意識しながら、ヨーロッパのような洗練された町並みを目指してまいりました。現在、新型コロナウイルス感染症の影響でイベントの開催は自粛が相次いでおりますが、大手モールで開催されるトランジットモールのように、車を通行止めにしてバナーフラッグやハンギングバスケットで飾られた通りを近未来的なトラムが行き交い、市民がまち歩きを楽しみながら店先のテラスでお茶を楽しんだり、街角では自然発生的に音楽が奏でられ、その音色が心地よく響くといった質の高いまちに少しずつ変化してきたことで市民のクオリティ・オブ・ライフが以前と比べ格段に向上したことは、私自身大変誇りに感じているところであります。  今後さらに富山駅周辺では、今から1年後には富山駅北口駅前広場が完成し、また2年後には中規模ホールが完成を迎え、ブールバールや呉羽丘陵フットパスなども今後順次整備され、都市の魅力が高まっていくことで市民のQOLが向上する環境がさらに整っていくものと思います。  私はこの19年余りの市政運営を通して、何よりも富山市民が自分の住むまちを愛する心、すなわちシビックプライドが醸成されてきたことが、自分自身にとって最もうれしく思う事柄であります。これからも富山市に住んでみたい、住み続けたいと誰からもいいまちだと思ってもらえる都市になっていくことを強く願っております。  以上でございます。 78 ◯ 議長(舎川 智也君)  山口農林水産部長。   〔農林水産部長 山口 忠司君 登壇〕 79 ◯ 農林水産部長(山口 忠司君)  とやま市漁業協同組合について、占用料の負担がなくなるよう市が支援できないか見解を問うにお答えをいたします。  岩瀬については、以前、漁船の係留場所として岩瀬運河の一部を利用していましたが、一般貨物船と航路を共用していたことから、より安全な操業等のため昭和63年に国土交通省管轄の港湾施設の一部として県管理の船だまりが建設されました。  一方、四方、水橋については、昭和26年に農林水産省から漁港施設として指定を受け、本市が管理をしております。  とやま市漁業協同組合は、平成14年に岩瀬、四方、水橋町の3つの漁業協同組合が合併し新たに設立されましたが、それぞれの拠点で荷さばき施設や倉庫などに対し占用料が発生しております。  岩瀬船だまりの占用料につきましては、県の条例に基づき50%の減免措置が講じられておりますが、年間78万余円となっております。一方、本市で管理する四方、水橋漁港においては、公益性が高いことから占用料は100%減免措置しており、港湾施設と漁港施設において占用料に違いが生じております。  当漁協においては、かねてから岩瀬船だまりを国土交通省管轄から農林水産省管轄への所管替えの要望があったと聞いておりますが、本市といたしましては、当漁協の3つの拠点は同等に公益性を有していることから、占用料の取扱いを同等とすることが望ましいと考えており、今後、支援について検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 80 ◯ 議長(舎川 智也君)  これで五本議員の一般質問及び議案の質疑を終了いたします。  暫時休憩いたします。                            午前11時56分 休憩                            ───────────                            午後 1時10分 再開 81 ◯ 議長(舎川 智也君)  休憩前に引き続き会議を開きます。  一般質問及び議案の質疑を継続いたします。  36番 高見 隆夫君。   〔36番 高見 隆夫君 登壇〕 82 ◯ 36番(高見 隆夫君)  令和3年3月定例会に当たり、議員活動30年の締めくくりとなる一般質問及び議案の質疑をいたします。  今回は、平成3年4月の初当選以来、私の議員活動の大きな柱としてきましたテーマに基づいて質問をいたします。  まず、忌まわしいイタイイタイ病についてであります。  昭和43年3月9日、風土病ともやゆされたイタイイタイ病の患者9人と遺族19人が、イタイイタイ病の原因は神通川上流にある三井金属鉱業株式会社神岡鉱業所から流されたカドミウムなどの重金属であるとの主張で、萩野 昇医学博士の協力の下、被害団体代表、小松 義久氏が中心となって三井金属鉱業株式会社を相手に、正力 喜之助氏を団長に236人の弁護団を構成し、富山地裁に損害賠償の請求を提訴して以来今日まで、被害地域住民の強力な結束の下、揺るぎない地道な運動を続けてこられたのは、科学者や弁護士の皆さんの文字どおり手弁当での大きな御支援、そして、後になって後ればせながらではありましたが行政の一部の支援があったものと思います。そして、提訴2か月後の昭和43年5月に厚生省がイタイイタイ病は公害病であるとの見解を出されたのであります。  その後、昭和47年8月9日、名古屋高裁金沢支部第1号法廷で患者、遺族の完全勝訴となり、提訴以来約4年5か月の長い裁判に終止符が打たれたのであります。  このときに、故小松 義久氏を中心として患者や遺族の家族団体が三井金属鉱業株式会社本社で徹夜での団交を行い、イタイイタイ病の賠償に関する誓約書、土壌汚染問題に関する誓約書、公害防止協定などを勝ち取ったのであります。これを基に患者救済や汚染土壌の入替え、神岡鉱業所への住民立入調査を全面的に認めさせることができた画期的な行動であり、住民立入調査については本年で50回目を迎えることになります。  ちなみに、私の祖母がイタイイタイ病要観察患者であった関係で、10代の頃よりカドミウムによるイタイイタイ病については関心があり、現在は神通川流域公害対策協議会の役員として、微力ではありますが活動させていただいているところでございます。  裁判勝訴後に、イタイイタイ病被害団体の行動が全国の公害撲滅運動団体の手本となって、現在の全国公害被害者総行動になったと先人の皆さんより聞かされております。  その後、イタイイタイ病患者認定については、我々被害団体からは十分とは言えないですが、中には認定審査時に自分の体内の骨の一部を削ってサンプルとして提出し、県においてイタイイタイ病認定の行政手続が行われるようになり、今日この認定審査事業が継続されています。しかし、患者として認定されるのはまれであります。
     また、平成23年に被害農地約863ヘクタールを、工事費約407億円で33年間の時間を費やし、被害農家の悲願でありました汚染農地の完全復元がなされ、平成10年頃には神通川の水質も自然界値まで戻すことができました。  これを受けて平成25年12月に三井金属鉱業株式会社と神通川流域被害団体との長年の闘争に終止符を打ち、これからは緊張ある信頼関係をとの精神で、公害問題を二度と繰り返すことがないことを確認する意味での全面解決に調印することができたことは、まさに画期的なことでありました。これは、公害病原因究明に日夜尽力された故萩野 昇医学博士や、多くの被害住民や被害地域住民のまとめ役として自分の戸籍をかけて献身的な活動をされた故小松 義久氏をはじめ、科学者の先生方や故正力 喜之助弁護士や故近藤 忠孝弁護士などの多くの弁護団の皆さんの協力も大きなものでしたが、何より三井金属鉱業株式会社神岡鉱業所の経営者をはじめ従業員の皆さんが、あの甚大な公害を出した加害企業から「人間本来の心を持った無公害企業を目指す」との強い社訓の下、日々の懸命な努力があったものと思います。先人の皆様方の涙と汗と苦悩の結集のおかげにより、本年が裁判勝訴50周年の大きな節目の年になったのであります。  繰り返しますが、日本の四大公害病、皆さんは御存じだと思いますが、まず熊本水俣病、新潟水俣病、四日市ぜんそく、そして我が富山市で発生したイタイイタイ病でありますが、現在、素直な形でのイデオロギー抜きの被害撲滅運動としてイタイイタイ病の被害団体と加害企業との解決に至ったような例はなく、他のモデル的運動と言っても過言ではありません。  富山市では、これまでにも環境部長にお願いして住民立入調査に市職員の同行をお願いし、実際に神岡鉱山の現状や住民の活動を体験していただき、多少なりとも公害の実態や公害撲滅運動については御理解をいただいたものと理解しておりますが、このことについては関係者の皆さんには心より感謝を申し上げるところであります。  そこで、今までの被害住民としての活動を振り返り、環境モデル都市や環境未来都市である富山市としての考えを幾つかお尋ねいたします。  まず1つ目は、神通川の水質汚濁検査を約50年間、被害団体が多大な労力をかけて行っていますが、この事業を被害団体に代わって富山市で行うことができないのか、まずお尋ねいたします。被害団体ではカドミウムだけでなく、水銀をはじめ他の重金属類を含めて行っていますが、それらを含めてであります。  住民の生命、財産を守るのは行政の最も大きな責務であると思います。また、環境モデル都市、環境未来都市として認定を受けていることからも、ぜひとも市行政としての役割と考えて行動を起こしていただくことを願っております。  次に、イタイイタイ病の恐ろしさを後世にしっかりと伝える意味でも、市内の小・中学生の富山県立イタイイタイ病資料館での研修を行うことができないのかなどについて何点かお尋ねいたします。  1点目として、市内小・中学校におけるイタイイタイ病資料館の活用状況はどのようになっているのかお聞かせいただきたいと思います。  2点目は、イタイイタイ病資料館の活用も含め、子どもたちが公害問題に向き合うためにどのような教育を行っていこうと考えているのかお聞かせください。  3点目として、教育現場の先生方はイタイイタイ病資料館を利用してどのような研修を行われているのかお聞かせいただきたいと思います。  この県立イタイイタイ病資料館の建設につきましては、被害者家族の中心となっておられた故小松 義久氏や故江添 久明氏、それに弁護士の故近藤 忠孝氏などの先人の皆さんが強く願っておられ、私に建設実現のために汗をかけと強く話されておられたところ、合併前の婦中町、八尾町、細入村、そして富山市の各議会の皆さんに働きかけ、各議会の資料館建設促進の請願採択の議決の力強い御協力もいただきました。このことを受け、森市長には平成14年9月にお願いし、当時の石井県知事に直接陳情するなどの大変なお力添えをいただきました。本当にありがとうございました。  また、私たちは東京まで出向き、当時の斉藤 鉄夫環境大臣──現在は公明党副代表になっておられますが──にも直訴させていただき、イタイイタイ病の悲惨さを改めて御理解いただき、力強い御指導の下、資料館建設が難航しているところを何とか実現にこぎ着ける努力をしていただいたことは大変ありがたく、私からすればつい昨日のことのように思えてなりません。これには、公明党富山県本部のお力添えもあったことは心より感謝申し上げるところでございます。また、設置にかかる費用については三井金属鉱業株式会社に全面的に協力していただいたことを披露しておきます。  ちなみに、斉藤 鉄夫大臣はその後、資料館を視察においでになっておられます。また山口代表も視察に来ておられるとのことです。  また、この県立イタイイタイ病資料館建設を契機として、被害住民の遺族の皆さんを中心として語り部などのボランティア協力をしていただいております。ちなみに、私も僅かですが解説ボランティアをさせていただいております。  しかし、県立イタイイタイ病資料館での研修については、市内の一部の学校では取り入れられていることは承知していますが、イタイイタイ病及びカドミウム被害市としては少し残念なところもあります。  この施設については、平成27年10月に天皇皇后両陛下──現上皇上皇后両陛下──が御訪問された資料館でもあります。富山市が環境未来都市としても他のモデルとなるくらいの力強い取組が必要と思っておりますので、ぜひとも市内全校での研修となりますよう、教育長の心の叫びである無公害環境教育前進のためにも積極的な答弁をお願いします。  現在は清流環境作文応募については、教育委員会の皆さんには大変御協力いただいていることに感謝を申し上げます。この資料館に富山市としても大変な御支援をいただいておりますが、今後さらに力強い御支援をお願いするところであります。  3つ目としては、いまだに患者の発生の可能性が出ている状況であるということにぜひとも認識を深めていただき、患者救済に積極的な行動を起こしていただきたいのであります。  現状は、前段で申し上げましたが、患者さんが自分の体内の骨の一部を削って骨生検をしてもらわないと認定審査会のテーブルに乗せてもらえない場合もあり、非常に悲惨な現状であります。認定審査については、今ほど申し上げましたように、かつては患者さんに大きな負担と苦痛を与える骨生検が行われておりました。  現在では認定に際しては必ずしも骨生検が行われているわけではありませんが、今後とも先進的な医療技術や医療情報などの取得に努めていただき、患者さんの立場に立って、さらなる安全で安心な手法による認定審査が行われることを願いますが、見解をお伺いいたします。  また、この認定審査会の所管は富山県であることは十分承知しておりますが、現在、石田病院事業管理者が認定審査会の会長代行を務めておられますので、ぜひとも石田病院事業管理者の御答弁をお願いいたします。  これは、富山市民の生命を守る立場からの質問と捉えていただきたく、積極的な御答弁をお願いいたします。  次に2点目の質問として、今後の市政運営についてお尋ねいたします。  これまでも私は、日本の伝統的家族制度の再構築について幾つかの観点からお尋ねしてきましたが、ここに来てさらに新型コロナウイルスの猛威的な感染により、日本国の財政再建が遠のく状態に陥ってきたことは誰しも感じ取っていることと思います。  我が富山市においてもこの影響が顕著に出てきており、歳入面や感染対策事業費などの支出面に大きな変動が出てきていることが今議会の予算の中から強く感じます。  このことから、国において各種税体系の見直しが近々図られることになるのではとの思いも持たざるを得ない状況と推察するところでありますが、本市の現状と将来展望の考え方についてどのように考えているのかお聞かせください。  また、このことから富山市においても各種事業の抜本的な見直しが迫られるものと感ずるとともに、この日本の伝統的家族制度の再構築に基づいての子育てや高齢者福祉事業の在り方を真剣に考えさせられる時期になるものと思います。  基本的には子育ては親の責務であり、親も含め高齢者の介護は子どもの責務ということがはっきりと出てくることになると思います。この環境に当てはまらない方々についてのみに行政の手が差し伸べられるものとなってくるのではないかと思います。  人間それぞれのわがままでの生活には、それぞれが責任を持って対応することが求められてくる時代にならざるを得ないものと考えます。このことについての当局の考えをお聞かせください。  今、この新型コロナウイルス感染症によって我々に教えてくれたことは、家族の大切さや絆の大切さであったと思います。このことから、全ての皆さんはいま一度、この日本の伝統的家族制度の役割の大きさを考え直してみることが大事ではないかと強く感ずるところでありますが、改めて今任期で勇退される森市長の1人の人間としての考えをお聞かせいただきたいと思います。  3点目として、水道施設の改築計画についてお尋ねいたします。  富山市上下水道局では、これまで整備してきた施設の長寿命化や老朽化対策、耐震化の推進に重点を置いた平成29年から令和8年までの10年間を計画期間とする第2次富山市上下水道事業中長期ビジョンを策定し、次世代へ安全・安心を引き継ぐことを基本理念とした事業運営に取り組まれているところと考えております。  災害や事故対策の観点からも、市民生活へ直結する重要なインフラとして水道水を安定的に供給するためには、老朽化した水道施設の計画的な更新など、事業を着実に推進していくことが極めて重要であります。  そこで、重要施設である流杉浄水の旧浄水施設は、第2次中長期ビジョンの期間中は改築せず、設備などの更新によって延命化を図るとされていますが、改築について将来どのように取り組んでいこうと考えているのかお尋ねいたします。  議長の許しを得て、私ごとになりますが、今までの議員生活を振り返り、心の思いの一端をお話しさせていただきたいと思います。  私は平成3年4月に富山市議会議員として認知をいただき、今日までいろんな立場で活動させていただいてまいりましたが、今議会を最後に富山市議会議員という舞台から降りることを決断し、地元校区の方々をはじめ多くの温かいお心をお寄せくださいました皆様に、ここに改めて心から厚く感謝と御礼を申し上げます。  この間、二度も議長を務めさせていただきました。中でも森市長と二人三脚で成し遂げることができたものの1つが、平成16年10月の台風23号での甚大な被害に遭ったJR高山本線の廃線案を覆しての復旧事業や、富山市角川介護予防センターの小学校統合跡地での建設地の変更、そして、難航していた平成の市町村合併事業を議長として推進することができたことなどをはじめ、平成16年に発生した新潟県中越地震や平成28年に大火の被害に遭った糸魚川市への富山市議会を代表しての見舞いなどや、県都富山市の多くの生活基盤整備のための都市建設の大きな事業推進に関わることができたことなどが思い出となっています。  また、これまで芸術文化のまち政策を進められた元市長の故塩谷 敏幸氏や故正橋 正一氏、また、その後、環境と人口減少問題からのコンパクトシティ政策を指揮された森 雅志現市長をはじめ、市民の生活環境整備充実の尊い思いで努力された歴代の部局長さんや、県都富山市の顔づくりをはじめ将来展望をしっかりと見据えての行政運営を積極的に前進させるべく、格段の御努力をされてきた現管理職の皆さんや全職員の皆様方に心よりの拍手を送ると同時に、私の議員活動に対しましても心温かいお力添えをいただきましたことを、僣越ではありますが、心より厚く感謝と御礼を申し上げる次第であります。  さて、終わりに一言御挨拶申し上げます。  一昨年12月議会において私に対し政務活動費流用疑惑を理由として糾弾決議が発議されましたが、誠に残念なことであり、私はいまだに得心できないでいます。  私の政務活動費に係る問題については、過日、司法の公正な調査により不起訴処分が確定したところでありますが、この決定を待たず、また、私に弁明の機会が与えられずさきの決議が出されたことは本当に残念至極であると同時に、このことについて御迷惑をおかけいたしました皆様方には心よりおわび申し上げます。  さて、本年4月には市議会議員の改選が行われますが、新しい富山市議会はフレッシュな感覚を持った新人議員と豊かな知識と経験を持ち合わせたベテラン議員が互いに協力し、その能力が最大限に発揮されることを強く期待いたします。  終わりに、この先、「真実一路」のことわざのとおり富山市のますますの御発展を心より願い、そのために一市民として微力ではございますができ得る限りの御協力をさせていただきますことを申し述べ、演壇を降ります。  最後までの御清聴、誠にありがとうございました。どうもありがとうございました。                                  (拍 手) 83 ◯ 議長(舎川 智也君)  森市長の答弁を求めます。   〔市長 森  雅志君 登壇〕 84 ◯ 市長(森  雅志君)  高見議員の御質問にお答えします。  私のほうからは、今後の市政運営等についてお尋ねのありました1点にお答えし、その他の事項につきましては、教育長、上下水道事業管理者、病院事業管理者及び担当部長から答弁申し上げます。  午前中の五本議員への答弁でも申し上げましたが、最終日に御勇退される議員の皆様方へ私のほうから御挨拶をさせていただく予定がございますので、御慰労やら感謝やらということについてはその際に申し上げさせていただきます。  日本の伝統的な家族制度の役割についての考えのお尋ねにお答えします。  以前にも同趣旨の御質問をいただいておりますが、そのときから私の考えは変わっておりませんが、改めて申し上げたいと思います。  私は常々申し上げておりますが、社会の最小ユニットは家族であると考えております。  戦後の個人主義というものが曲解誤解された形の中から日本中に蔓延していることの1つに、子どもの部屋に鍵をつけるなどということがあります。我が家では現在もあり得ませんが、家族の間でも個人としての権利やプライバシーがあるというような風潮が一般的になっており、若い頃からそのような考え方は間違っていると思っております。  社会と個という場合の個は家族であり、家族が最小単位だと思っておりますので、そうした意味から言いますと、人間社会の原点は家族であり、個人ではないということです。対社会との関係において、一人一人の個人も責任を果たさなければなりませんが、家族もまた1つの責任主体としてある。権利の主体としてもあるということだろうと思います。  したがいまして、家族を親子、孫も含めて一緒に同居する家族として捉えますと、祖父母による子どもの見守りや育児の協力が得られること、育児や家庭など様々な暮らしの知恵や知識が継承されていくこと、看護や介護を経てみとりに至るまで連綿と育まれる家族の絆や命に対する畏敬の念が醸成されることなど、少子・超高齢社会が進行し家族、地域の絆やアイデンティティーの希薄化が危惧される中にあって、3世代同居などの多世代同居は大きな役割を持つものであると考えております。  私の子どもたちも祖母が自宅で亡くなるのを経験しております。昨夜一緒に晩御飯を食べたのに朝は冷たくなっていたというようなことなどを経験しております。そうやって家族の思いがつながっていくものだと思います。  あえて申し上げますが、私がここで言う家族というのは一族という意味とはまた違います。イギリスのロイヤルファミリーに代表されるような王家一族という意味での家族ではありません。ましてや、中国や韓国社会のように血縁という意味での家族を言っているわけでもありません。朴さんと李さんが結婚するとしても2人とも朴さんと李さんで、それぞれ朴家に属して朴家の血縁の一員だという意識を持っている社会です。そういう意味での家族を言っているのではありません。夫婦があって、子をなして親子ができて、あるいは祖父母がいるという、そういうユニットとしての家族というものが社会との関係において一番の基礎の基礎なのだ、基本の基本なのだという認識をずっと持っております。  一方で個人の居住形態は、それぞれの考え方やライフスタイルがあることに加え、多世代同居以外の暮らし方は望ましくないとは決して言えません。多様な暮らし方を尊重する必要があると考えております。妻を亡くしてからいつまでも独身でいるのも1つの生き方だというふうなことを申し上げたいわけです。  こうした中にあっても私は、例えば介護が必要になっても住み慣れた家で家族で暮らすという選択ができるような施策を充実させてまいりましたし、近年は家族単位では解決できない問題も増え、行政に求められるものも多岐にわたり複雑化し、地域の役割もますます重要になってきておりますことから、基礎自治体として地域をしっかりと下支えしていかなければならないとも思っております。その考えに変わりはありません。  あまり長く話をすると、話題になっている選択的夫婦別姓制度などに触れていきそうなので、退任する前にあまり波風を立てないようにと思いまして、先ほどの答弁で行間を読んでいただくと私の考えを御理解いただけるのではないかというふうに思います。  ありがとうございました。 85 ◯ 議長(舎川 智也君)  宮口教育長。   〔教育長 宮口 克志君 登壇〕 86 ◯ 教育長(宮口 克志君)  イタイイタイ病について、市内の小・中学校の富山県立イタイイタイ病資料館における研修についてお尋ねのうち、まず、市内の小・中学校におけるイタイイタイ病資料館の活用状況についてお答えいたします。  市内の小・中学校では、四大公害病の1つであるイタイイタイ病の発生と被害や病気の原因、農地をよみがえらせるための先人の苦労や努力を学ぶことを目的として、富山県立イタイイタイ病資料館に足を運び、当時の資料や写真を見たり語り部の講話を聞くなどして学習を進めております。  今年度、資料館を利用した学校は小学校23校、中学校2校であり、児童・生徒数にして1,274人となっています。小学校の利用はそのほとんどが社会科で公害問題を学ぶ5年生となっております。  次に、イタイイタイ病資料館の活用も含め、子どもたちが公害問題に向き合うためにどのような教育を行っていこうと考えているのかにお答えいたします。  市内の小・中学校では、小学5年の社会科「環境を守るわたしたち」や中学3年の社会科「公害の防止と環境の保全」の学習において、日本の高度経済成長期に重化学工業化が進み、環境汚染が拡大したために引き起こされたイタイイタイ病や水俣病などの公害問題について学んでいます。  イタイイタイ病については、市内の小学5年生と中学2年生に配付している資料館発行の「よみがえった美しい水と豊かな大地~イタイイタイ病に学ぶ~」を副読本として活用するとともに、資料館の訪問を通してより詳しく学び、公害問題を身近な問題として考える学習を行っております。  なお、市内の小・中学校の全教職員に配付している富山市学校教育指導方針にはイタイイタイ病資料館を取り上げており、学校で学んだことを実感を伴って体験できる施設として紹介しております。  子どもたちは、イタイイタイ病をはじめ四大公害病についての学習を通して、公害の被害やその恐ろしさに加え、社会の発展と自然との共存の双方の重要性について学んでおります。今後もイタイイタイ病資料館の活用や社会科、理科、総合的な学習の時間をはじめとする全ての教育活動において、日本の将来を担う子どもたちが環境保全の重要性を認識し、自分たちにできることを実践していく態度を育むよう努めてまいりたいと考えております。  最後に、イタイイタイ病資料館を利用してどのような研修を行っているのかにお答えいたします。  市内の小・中学校の教員は、子どもたちに公害問題と環境保全について指導するに当たって、教科書や副読本を使ったり、イタイイタイ病資料館を訪問するなどして教材研究を行っております。  資料館を利用した研修については、1つに、資料館が主催する研修に参加し、教員の実践事例発表を聞いたり多様な指導方法について協議する、2つに、市内の小・中学校の教員で組織する小学校教育研究会、中学校教育研究会などが資料館を訪れ、イタイイタイ病への理解を深めたり、資料館の効果的な活用方法について学ぶ、3つに、教科書や副読本、公害関連の書籍を使っての教材研究に加え、資料館のホームページにあるバーチャル展示室を利用したり、メールマガジンから情報を得るなどを行っております。  市教育委員会といたしましては、今後も環境保全に向けて自分たちが今できることに意欲的に取り組もうとする子どもを育てるために、イタイイタイ病資料館も活用しながら、教員が主体的に研修を行っていくよう指導してまいりたいと考えております。  以上でございます。 87 ◯ 議長(舎川 智也君)  西田上下水道事業管理者。   〔上下水道事業管理者 西田 政司君 登壇〕 88 ◯ 上下水道事業管理者(西田 政司君)  私からは、流杉浄水の旧浄水施設の改築について、将来どのように取り組んでいくのかにお答えをいたします。  流杉浄水は第1期改築工事により平成21年に供用を開始した新浄水──この施設につきましては日量10万トンの浄水能力を有しております──と、昭和50年に供用を開始した旧浄水──これにつきましては日量の浄水能力が5万3,000トンでございます──これらの2系統から本市水道水の74%を供給している最重要基幹施設であります。  このうち旧浄水につきましては、施設の適切な維持管理により現在のところ良好な状態を保っておりますが、供給開始から45年が経過し、今後施設の大規模な改築が不可欠であることから、流杉浄水の第2期工事として将来求められる施設の規模や改築時期などについて現在検討を進めているところであります。  まず施設の規模につきましては、これまでの供給実績や将来の人口推計による水需要予測に加え、自然災害への対応や施設のメンテナンス時に必要となる予備能力を考慮いたしますと、現在と同等程度の能力を有する施設が必要となってくるものと考えております。  また改築時期につきましては、構造物の耐震診断及び劣化診断や機械・電気設備の更新周期を見極めながら、引き続ききめ細やかな予防保全型の修繕による延命化を図ることで、耐用年数の60年までは健全性を確保できるものと見込まれることから、令和17年を改築の目途として検討しております。  今後は、改築費用や具体的な改築方法などの検討を進め、継続的かつ安定的な事業経営に努めてまいりたいと、このように考えております。  以上でございます。 89 ◯ 議長(舎川 智也君)  石田病院事業管理者。   〔病院事業管理者 石田 陽一君 登壇〕 90 ◯ 病院事業管理者(石田 陽一君)  イタイイタイ病について、先進的な医療技術や医療情報の取得に努め、安全で安心な手法による認定審査が行われることについて見解を問うにお答えいたします。  議員からもお話がありましたが、私は現在、富山県公害健康被害認定審査会におきまして腎臓内科専門の委員として任命され、令和2年10月より会長代行を務めておりますが、審査会は県の設置した機関であり、あくまでも中立的に専門的判断を行う立場でありますので、答弁に限りがありますことは御理解をお願いいたします。  イタイイタイ病の認定につきましては国の通知により審査基準が示されておりますが、これを要約しますと、1つには、カドミウム濃厚汚染地域に居住し、カドミウムに対する暴露歴があること、2つには、先天性でない腎尿細管障害の所見があること、3つには、先天性でない骨粗鬆症を伴う骨軟化症の所見があることとなっております。
     このうち骨軟化症の判断には、1つには、骨格の変形や疼痛、歩行障害等の有無を確認する臨床症状、2つには、血中の血清カルシウムや血清リンの低下等を確認する生化学検査、3つには、骨の萎縮や硬化等を確認するエックス線検査などにより診断されるものでありますが、これらの検査等だけでは診断が確定できない場合には、申請者からの申出に基づき骨の一部を採取し、その状態を調べる骨生検を行う場合があります。  骨軟化症は基本的に骨の石灰化障害であり、骨生検ではその石灰化の状態が確認しやすくなり診断が確定しやすくなるものの、他の検査に比べて身体への負担が大きいため、実施する際には申請者の主治医に検査の可否を照会することとされております。  このように認定に当たっては骨生検は必ずしも必要とされておりませんし、認定審査会には複数の整形外科分野の著名な専門医が委員となっており、今後とも骨軟化症の最新の知見等に基づき審査が行われるものと考えております。  なお個人的な思いでは、私自身臨床医の1人として、身体の負担がより少ない方法で診断が確定することができれば患者さんにとっても望ましいことだと思っております。  また、本市では県からの委託を受けて、カドミウム汚染地域の住民全体の健康状態の傾向を知るための神通川流域住民健康調査を実施しております。富山市民病院でもこの健診の実施機関として協力しているところです。この住民健康調査は昭和50年までに20年以上の居住歴を有する方が対象となっております。私は昭和30年生まれでありまして、私と同じ世代がイタイイタイ病のリスクを負う最終世代と考えており、個人的にも少しでも患者さんの被害救済につながればとの思いもあり、審査会の委員を一生懸命務めさせていただいております。  以上でございます。 91 ◯ 議長(舎川 智也君)  伊藤環境部長。   〔環境部長 伊藤 曜一君 登壇〕 92 ◯ 環境部長(伊藤 曜一君)  イタイイタイ病についての御質問のうち、私からは神通川の水質汚濁検査を被害団体に代わり市が行うことができないかにお答えをいたします。  神通川流域の水質汚濁検査につきましては、被害4団体と原因企業の公害防止協定に基づき原因企業が実施しております。さらに、被害4団体を含むイタイイタイ病対策関係団体など7団体で構成される神通川流域カドミウム被害団体連絡協議会においても、自らの立場でその測定値を確認するため検査を実施しておられます。同協議会の検査につきましては、牛ヶ首用水において原因企業が毎日自動採水器で採取した水を、協議会の職員の方が1週間に一度、採水現場まで受け取りに行かれ、カドミウムと亜鉛の濃度について実施されていると伺っております。  一方、本市においては、神通川の水がカドミウムなどに汚染されていないことを監視し続けていくことが重要であると考えております。  このことから、原因企業の排水が流入する神通川水系の水質を確認するため、神通川の新猪谷橋と牛ヶ首用水の2か所においてカドミウムや亜鉛などの重金属類の水質検査を年4回実施しております。  そこで、議員からお尋ねの本市が神通川流域カドミウム被害団体連絡協議会に代わって水質検査を行うことにつきましては、まず1つに、協議会が実施している検査場所の近傍において、今ほど申し上げましたように、本市がカドミウムや亜鉛など4項目の重金属類の水質検査を実施していること、2つに、本市が実施した水質検査では、維持されることが望ましい基準として国が定めた環境基準を検査開始から一度も超過していないこと、3つに、本市の測定頻度は富山県が定める水質測定計画に沿って行っており、現状の水質では妥当な頻度であることから考えてはおりませんが、何よりも協議会によって行われております水質検査は、被害団体の長きにわたる多大な御労苦によって築き上げられた原因企業との緊張感のある信頼関係の下に成り立っている取組であり、本市が代わってその役割を果たすことは決してできないと考えております。  しかしながら、本市といたしましては、神通川流域カドミウム被害団体連絡協議会などの関係団体と連絡を密にするとともに、これまで実施してまいりました神通川水系の水質検査や原因企業において協議会が実施される全体立入調査への市職員の同行など、被害の再発を防止する取組を継続し、本市としての責務を果たしてまいりたいと考えております。  以上でございます。 93 ◯ 議長(舎川 智也君)  中田財務部長。   〔財務部長 中田 貴保君 登壇〕 94 ◯ 財務部長(中田 貴保君)  今後の市政運営等についてお尋ねのうち、本市の現状と将来展望についてお答えいたします。  本市の財政面での現状につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が甚大であり、まず歳入面においては、社会経済活動の停滞により当初予算における税収の落ち幅がリーマンショック時を超え過去最大となる一方で、感染の拡大防止と社会経済活動の両立のための経費が必要となるなど、大変厳しい状況にあります。  次に将来の展望についてですが、まず何よりも感染症拡大により低迷している経済状況が感染症発生前に戻るまでどれほどの時間を要するのか予想するのは極めて困難であります。また、現時点で言えることは、今後、歳入面では人口減少により税収の伸びが期待できないことや、国の財政状況も厳しいことから地方交付税についても伸びが期待できないこと、歳出面では、少子・超高齢社会の進展による社会保障費の増加や、道路、橋梁や公共施設の老朽化による維持補修費及び更新費用の増加が見込まれるなど、今後も厳しい財政運営が続くものと考えております。  その中で財政運営としてやるべきことは、市税等の歳入の確保に努めながら既存の事業を絶えず見直し、見込み得る財源の範囲内で予算を編成すること、これに尽きると考えております。その上で、都市経営の視点に立って投資を行い、市民や企業から選ばれるまちを構築することで投資を呼び込み税収を増やす、この取組については今後もぶれずに進めていくべきであろうと考えております。  以上でございます。 95 ◯ 議長(舎川 智也君)  酒井福祉保健部長。   〔福祉保健部長 酒井 敏行君 登壇〕 96 ◯ 福祉保健部長(酒井 敏行君)  私のほうからは、今後の市政運営等についてのうち、人間それぞれのわがままでの生活にはそれぞれが責任を持って対応することが求められてくる時代にならざるを得ないものと考える。このことについての高齢者福祉事業における当局の見解についてお答えを申し上げます。  今日の人口減少、少子・超高齢社会の中にあって、高齢者介護は家族で抱えるのではなく社会全体で支える必要があるとして介護保険制度が創設されたものでありますが、我が国の高齢化は加速度的に進展してきたことに伴い、地域のつながりの希薄化などの社会情勢も変化し、高齢者を取り巻く地域の課題は複雑化、複合化してきていることから、地域における支え合いや地域力というものがますます重要になってきております。  こうしたことから今後は、行政はもとより地域に関わる全ての人が地域の課題を「我が事・丸ごと」として受け止め、子ども、高齢者、障害者など全ての人々が、地域、暮らし、生きがいを共につくり高め合うことができる地域共生社会の実現に向け取組を進めていくことが重要であります。  いずれにいたしましても、誰もが住み慣れた地域でいつまでも健康で自分らしく、生きがいや安心感、幸福感を抱きながら暮らしを営み、尊厳を持って人生の最期を迎えられる富山市であるよう、行政、地域住民、関係する方々が手を携えて協働していくことが大切であると考えております。  以上でございます。 97 ◯ 議長(舎川 智也君)  田中こども家庭部長。   〔こども家庭部長 田中 伸浩君 登壇〕 98 ◯ こども家庭部長(田中 伸浩君)  私からは引き続き、人間それぞれのわがままでの生活にはそれぞれが責任を持って対応することが求められてくる時代にならざるを得ないものと考えるが、このことについての当局の見解についての御質問のうち、子育てについてお答えをいたします。  議員御指摘のとおり、子どもの保育や教育など子育ての第一義的な責任は保護者が有するものであり、各家庭において責任を持って子育てを行っていただくことが基本であると考えております。  家庭における子育てにおいては、かつて多く見られた3世代同居などの家族形態が、祖父母による育児の協力や子育ての知恵や知識が継承されていくことなど、家庭の絆や家庭の養育力を育てるために大きな役割を果たしてきたものと考えております。  しかしながら、個人の価値観や生活様式の多様化、また、核家族化が進んできたことによる家庭や地域の結びつきの希薄化など、子どもや家庭を取り巻く環境は大きく変化しており、各家庭だけでは解決できない問題が増えていることから、子育てを社会全体で支えることができる環境づくりが重要となってまいりました。  こうした状況の中で国は、保護者が子育てについての第一義的責任を有するという基本的認識の下に、家庭、学校、地域、職域、その他の社会のあらゆる分野における全ての構成員がおのおのの役割を果たすとともに、相互に協力して子育て支援を行わなければならないということなどを基本理念とした子ども・子育て支援法を平成24年に制定いたしました。  本市といたしましても、この法律の理念の下、地域や企業等と共に社会全体で子育てを支えていくことが重要になってきているものと認識しており、これまでの取組に加え、子どもや家庭を取り巻く環境の変化に対応した子育て支援を総合的に推進してまいりたいと考えております。  以上でございます。 99 ◯ 議長(舎川 智也君)  これで高見議員の一般質問及び議案の質疑を終了いたします。  8番 上野  蛍君。   〔8番 上野  蛍君 登壇〕 100 ◯ 8番(上野  蛍君)  令和3年3月定例会に当たり、日本維新の会、上野より一般質問並びに議案質疑を行います。  冒頭、東日本大震災から10年たち、改めて被災されました方々に心からお見舞い申し上げますとともに、一日も早い復興をお祈り申し上げ、質問に入ります。  令和元年6月定例会に松尾議員の質問に対し環境部長から、平成28年度に家庭ごみの組成調査で排出されました燃やせるごみの中に、生ごみ、いわゆる食品廃棄物と言われるものが34.5%含まれていた。この生ごみのうち19%が手つかずの食品や食べ残しなどのいわゆる食品ロスであるという答弁がございました。  生ごみを削減することが燃やせるごみの削減に寄与することと考えます。  市では平成18年から生ごみの分別収集を五番町地区をモデル地区として開始し、現在13地区で分別収集を行っておられます。地区の増加は予定されておらず、課題として収集体制や受入先の富山市エコタウンの処理能力が挙げられています。  改めて、この生ごみリサイクル事業の取組についてお聞かせください。  助成金の内容や上限金額は市町村によって異なりますが、生ごみ処理機購入助成制度を県内他市町村で行っておられます。  生ごみ処理機の助成を行ってはどうか、見解をお聞かせください。  金沢市では生ごみ段ボールコンポストを推進しておられます。この段ボールコンポストは安価に始められ、引換券を発行し堆肥の回収も行うため、ごみの減量としても対策効果が高いと考えます。  段ボールコンポストを推進してはどうか、見解をお聞かせください。  次に、鳥獣対策についてお伺いします。  「農林水産業の動き」によりますと、令和元年の鳥獣別農作物被害状況はカラスが1,028万円、ムクドリが114万円、イノシシが1,295万円となっております。有害鳥獣捕獲状況ではカラスが2,756羽、ムクドリが51羽、イノシシが527頭といった状況です。  富山市の鳥獣被害防止計画(平成29年度)の今後の取組方針の計画期間は平成30年度から平成32年度となっており、今後の取組方針として富山市では被害防止計画を策定するに当たり、被害軽減目標を平成29年の被害額3,696万円の約10%減の3,326万円とする。なお、イノシシについては対策を強化することとし、被害金額、被害面積ともに30%の減とするとされていますが、富山市鳥獣被害防止計画における被害の軽減目標の達成状況をお聞かせください。  また、これまで出てきました課題と今後の市の方針についてもお聞かせください。  富山市鳥獣被害防止計画の中でも課題として取り上げられていますが、狩猟者及び捕獲実施隊員の減少及び高齢化に伴う後継者の育成が課題となっております。  近年、注目を浴びているのが女性ハンターです。しかしながら、猟友会に入っている方は全国に約10万5,000人、うち女性は2,127人と2018年度現在ではなっています。全国的に女性による専門部があるのは和歌山県のほか福井県や大分県などごく僅かであり、継続して活動を行える土壌が必要と考えます。  狩猟者担い手育成事業についてお聞かせください。  有害鳥獣捕獲隊員育成事業がある中で、女性向けの事業とした理由をお聞かせください。また、狩猟免許取得時や取得後に女性が参加しやすい取組も必要と考えますが、今後の展望をお聞かせください。  次に、男女共同参画についてお聞かせください。  2019年ジェンダー・ギャップ指数では、我が国は153か国中121位となっています。  国の第5次男女共同参画基本計画では、我が国における取組の進展がいまだ十分でない要因としては、1つに、政治分野において立候補や議員活動と家庭生活との両立が困難なこと、人材育成の機会の不足、候補者や政治家に対するハラスメントが存在すること、2つに、経済分野において女性の採用から管理職、役員へのパイプラインの構築が途上であること、そして3つに、社会全体において固定的な性別役割分担意識や無意識の思い込みが存在していること等が考えられるとされています。  総務省の平成28年社会生活基本調査によると、諸外国に比べ日本における夫の家事・育児時間が1時間23分と短く、また、それ以上に富山県の夫の家事・育児時間が1時間5分と短い状況です。また、厚生労働省の第12回21世紀成年者縦断調査によりますと、夫の家事・育児時間が長くなるほど第2子以降の生まれる割合が高いという結果がございます。  「家事ダン」マイスター認定事業について、これまで取り組んできた成果と課題をお聞かせください。  「家事ダン」マイスター認定事業では、男性であれば既婚、未婚を問わず、また単身世帯の方、年齢も幅広く参加をされています。一方で、御参加の方のアンケートを拝見していますと家事技術にばらつきがあり、きっかけになる方もいれば物足りない方がいらっしゃるのは改善すべき点ではないかと考えます。事業の目的やターゲットをより明確にされれば、参加者も御参加を検討しやすいのではないかと考えます。  そこで、入門編と実践編に講座を分けてはどうか、見解をお聞かせください。  家事は、家族構成やライフスタイルにより人それぞれ様々なやり方があると考えております。  日々の生活の中で家事をどこまでやるのか、何を優先するのか、家庭内での家事の役割分担やアウトソーシングなど、自分が無理せず心地よく生活を送るためにはどのように工夫をして家事を行っていけばいいのか、掃除や料理のやり方といった個々の技術的なものだけではなく、日常生活の中でスケジュールを立て、家事内容を決め家事に取り組むなど、それぞれのライフスタイルに合った家事のやり方を見つけていく上でのヒントになるようなものとして、自分に合った家事を考える企画をしてはどうでしょうか。見解をお聞かせください。  社会全体において固定的な性別役割分担意識や無意識の思い込みが存在しているということが考えられていると、先ほどの国の第5次男女共同参画基本計画上でも言われていますが、富山市の男女共同参画に関する市民意識調査報告書によると、地域活動における平等感では、平等が27.7%に対して男性優遇が54.7%、女性優遇が4.6%という結果になっています。また、地域活動における男女の役割分担については、主な役職には男性が就き、女性は補助的役職に就く習慣があるとされているのが61.3%、女性自身が役職に就きたがらなかったり発言しない、もしくは少ないといったものが53%という結果になっていました。  全国の自治会長に占める女性の割合は、2020年度では6.1%となっています。  そこで、市の男女共同参画推進地域リーダーの活動内容と成果についてお聞かせください。地域活動についての市民意識調査の結果についてどのように捉えているのか、見解もお聞かせください。また、自治振興会等の地域活動における女性参画を進めることの必要性について見解をお聞かせください。  次に、子育て支援についてお伺いします。  今定例会に新規事業として提案されております産後のママ・レスパイトモデル事業についてお伺いします。  平成28年12月定例会で私も質問させていただきました産後ケア応援室や、現在実施されている産前産後等養育支援訪問事業など、市の取組は承知しております。  平成28年当時にも、産後は肉体的にも精神的にもバランスが崩れやすく、10人に1人が産後鬱になると言われていると私も申し上げておりましたが、市の施策が母親の産後鬱への対策やワンオペ育児の解消、希望する家族形成をできるようにする必要があるのは、将来にわたり暮らしやすいまちをつくり、富山市民にとっても重要なことですし、また、新型コロナウイルス感染症の対策として面会や立会いの制限などがある環境の中、心細い産婦の方への支援につながると私もこの事業に期待しているところです。  そこで、市の産後2週間及び1か月の産婦健康診査の傾向についてどのように捉えているのかお聞かせください。また、産後のママ・レスパイトモデル事業の内容と期待する効果についてお聞かせください。  次に、ファミリー・サポート・センター事業についてお伺いします。  このファミリー・サポート・センター事業は、生後2か月から小学校6年生までのお子さんを持つ方が利用でき、仕事や家事の都合で子育てを手伝ってほしい方と子育てのお手伝いができる方を会員として登録し、相互間の仲介をしておられます。  子ども・子育て支援事業に関するニーズ調査によると、就労している母親の割合は平成25年と比較して、就業前児童では7.7ポイント、小学生では5.9ポイント上昇しており、今後も体調不良の際や送迎等のニーズが継続的にあると考えます。  一方で、新型コロナウイルス感染症により利用を控えるといったことにならないよう、依頼会員と協力会員の相互に安心・安全に利用ができる環境が必要と考えています。  「富山市の社会福祉」によると、援助回数は平成29年は7,881回、令和元年が7,614回という状況です。  新型コロナウイルス感染症により利用件数に影響があったのかお聞かせください。  子育て世代を支える取組としては比較的安価に依頼できることもあり、この事業は大変好評であると考えております。「富山市の社会福祉」によると、平成29年度には協力会員が614人、両方会員が189人登録しておられましたが、令和元年には両方会員が158人と減少していますが、協力会員自体は634人で増加しておられます。  協力会員を増やすためにどのような取組をしているのかお聞かせください。  ファミリー・サポート・センター事業は実際に御利用された方から好評である一方で、その存在自体を御存じない方が周りにたくさんいるとのお声を多数頂戴いたします。  依頼内容の例示の掲載は市の広報でもホームページでも確認できますが、内容の詳細や実際に利用された方々や協力会員の体験談をホームページでは確認することができず、情報不足が否めません。体験談等を掲載することで会員の方の登録や利用の促進につながるのではないかと考えます。  依頼内容や体験談を市ホームページ等に掲載してはどうか、見解をお聞かせください。  以上で私の質問を終わります。 101 ◯ 議長(舎川 智也君)  当局の答弁を求めます。
     伊藤環境部長。   〔環境部長 伊藤 曜一君 登壇〕 102 ◯ 環境部長(伊藤 曜一君)  上野議員の御質問にお答えをいたします。  私からは、生ごみリサイクル事業について3点のお尋ねのうち、まず、生ごみリサイクル事業の取組についてお答えをいたします。  本市では脱焼却、脱埋立てによる循環型まちづくりを目指し、議員からも御紹介をいただきました平成18年度の五番町地区を皮切りに対象地区を順次拡大し、現在市内13地区において燃やせるごみの日に、燃やせるごみとは別に専用ケースに生ごみのみを分別して排出していただくことでごみの減量化と資源化を図る生ごみリサイクル事業に取り組んでおります。  回収した生ごみでございますが、富山市エコタウン内の富山グリーンフードリサイクル株式会社において、レストランや飲食店等から回収されました事業系の食品残渣等と合わせ、細かくすり潰し発酵させた後、ガス化技術によりバイオガスを作り、近隣の工場に売却されボイラー等の燃料として直接利用をされております。また、同社にて作られましたガスで発電を行い、自社施設等の電気エネルギーとしても利用されております。  次に、生ごみ処理機の助成を行ってはどうかにお答えをいたします。  生ごみ処理機の助成につきましては、市民による生ごみの自家処理を推進し、ごみ減量と資源再利用の意識高揚を図ることを目的に、平成4年度からコンポスト型容器、平成7年度から電気式生ごみ処理機の購入補助事業を実施しておりました。  しかしながら、1つに、臭いが発生するなどの理由から生ごみ処理機を置く場所が限られること、2つに、堆肥を作っても、結果として使う場所がない世帯は燃やせるごみとして排出せざるを得ないこと、3つに、生ごみを堆肥化するための管理が難しいことなどの理由により補助申請が減少したことから、平成22年12月をもって補助事業を廃止したところでございます。  このような事情があったことに加えまして、本市では──先ほども御答弁申し上げました──現在は家庭から分別排出していただく生ごみリサイクル事業に取り組んでいることから、生ごみ処理機購入に対する助成につきましては再開することは考えておりません。  次に、段ボールコンポストを推進してはどうかとのお尋ねでございます。  お尋ねのありました段ボールコンポストは、段ボール箱に生ごみと土壌改良剤を入れ、微生物の力によって生ごみを分解し、3か月から4か月をかけて生ごみを堆肥化する段ボール箱を利用した生ごみ処理器でございます。  平成25年度から段ボールコンポストの普及促進に取り組んでおられます金沢市では、市民団体へ委託し段ボールコンポストにより堆肥を作成する講座を開催しているほか、指導者育成の研修会など、新規利用者の充実を図るための出前講座を実施しておられます。  また、市民が作った堆肥については、市から委託を受けたJA等の協力店で回収し、その店舗での商品の引換えや買物に使用できるポイントを付与しているほか、回収した堆肥を熟成させ市民農園や公園ボランティアへ配布し、野菜や花の生産に活用する取組を実施しておられます。  しかしながら、本市におきましては金沢市では実施されていない生ごみリサイクル事業に取り組んでいること、また、先ほど来申し上げましたとおり、コンポストを含む生ごみ処理機の購入補助については様々な事情を踏まえた上で終了していることなどから、同じような役割を持つところの段ボールコンポストの推進については考えておりません。  以上でございます。 103 ◯ 議長(舎川 智也君)  山口農林水産部長。   〔農林水産部長 山口 忠司君 登壇〕 104 ◯ 農林水産部長(山口 忠司君)  鳥獣対策についてお尋ねのうち、まず、富山市鳥獣被害防止計画における被害の軽減目標の達成状況についてお答えいたします。  本市では、法に基づき富山市鳥獣被害防止計画を3年ごとに作成しており、現在の計画につきましては平成29年度に作成し、平成30年度から令和2年度までの計画となっております。  この計画では、有害鳥獣による農作物被害軽減目標として被害総額を3,326万円、被害面積を21.3ヘクタールに軽減するとしており、これは平成29年の農作物被害総額及び被害面積を10%減少させるものであります。  この計画に基づき、国交付金を活用してカラスの梨園地への侵入を防止する艶消し黒色ワイヤーの導入など被害防止対策を実施してきた結果、計画最終年の令和2年の本市の有害鳥獣による農作物被害は、被害総額が1,953万円、被害面積が11.5ヘクタールとなり、いずれも被害軽減目標を達成することができたところでございます。  そのうち、特に被害防止計画の中で被害対策を強化するとしているイノシシにつきましては、被害軽減目標として被害総額を1,306万円、被害面積を13.6ヘクタールに軽減するとしており、これは平成29年の農作物被害総額及び被害面積を30%減少させるものであります。  イノシシにつきましても被害軽減を図るため、電気柵などの侵入防止柵の積極的な導入や捕獲おりの増設等により捕獲強化を図るとともに、地域ぐるみの生息環境管理などを推進するなど対策を実施した結果、令和2年のイノシシによる被害金額は313万円、被害面積は6.8ヘクタールとなり、いずれも被害軽減目標を達成することができたところであります。  次に、これまで出てきた課題と今後の市の方針についてお答えをいたします。  本市の鳥獣対策でこれまで出てきた課題といたしましては、まず、令和元年に市内で豚熱感染イノシシが発見されて以降、養豚施設への感染防止の観点から、有害捕獲された個体は埋設または焼却処分が必要となりましたが、富山地区広域圏エリアには焼却できる施設がないため、捕獲されたイノシシは全て市内で埋設処分しなければなりませんでした。  この対応が長期化する中で、新たな埋設場所の確保が困難なことや埋設場所が山間地のため冬期間の埋設が難しいことが課題となっており、これは富山地区広域圏構成市町村共通の課題ともなっておりました。  このことから、富山地区広域圏事務組合と広域圏構成市町村が協議を行い、富山地区広域圏事務組合が事業主体となって令和3年度に立山町地内に有害鳥獣焼却施設を整備し、令和4年度より供用開始することとなりました。  本市といたしましては、この焼却施設の完成に伴い埋設を行うことなく、年間を通してイノシシの焼却処分が可能となることから、より一層の捕獲強化に努めてまいりたいと考えております。  その他の課題といたしましては、市町村境界付近を移動しながら市街地へ出没する熊や、市町村境界を越えて活動するイノシシなどの有害鳥獣に対する市町村連携に関することであります。  有害鳥獣の捕獲に関しましては、現在、捕獲許可は市町村単位で出されており、捕獲は市町村ごとの対応となっております。このため、人身被害の危険がある熊を捕獲するため追跡しても、他市町村域に逃走した場合は捕獲することができず、逃走先の市町村が捕獲を行うことになりますが、現時点では市町村間の連携体制や情報共有が十分とは言えない状況にあります。さらに防除対策につきましても、市町村の連携体制が構築されれば、防護柵の設置計画などについてより効果的な対応が検討できるのではないかと考えております。  このことから本市では、県が本年1月19日に開催されたワンチームとやま連携推進本部会議において、有害鳥獣の市町村による連携捕獲の推進について提案したところであります。早速2月17日に県と県内市町村による検討ワーキンググループが立ち上げられ検討が始められたことから、今後、市町村間の有害鳥獣対策に関する連携が推進されていくものと期待をしているところであります。  次に、狩猟者担い手育成事業についてお尋ねのうち、まず、有害鳥獣捕獲隊員育成事業がある中で女性向けの事業とした理由についてお答えをいたします。  本市では、有害鳥獣の捕獲活動を担う市内猟友会の会員の高齢化が進む中で、有害鳥獣捕獲隊員育成事業として狩猟免許取得費用の2分の1を支援するなど、新規の狩猟登録者の確保に努めておりますが、仕事の関係などから平日の日中などに捕獲現場に出動していただく人員の確保に苦慮している現状がございます。  このことから、平日の対応が可能な仕事に従事されている方やフルタイムの職に就いていない方、仕事をリタイアされた方など、今までと違った視点での担い手対策も検討していく必要があると考えているところであります。  このような中、猟友会の全国組織である大日本猟友会では、女性会員が令和元年度末で2,458人とこの5年で倍増し、会員全体に占める割合も2.4%となるなど全国的に女性ハンターが増加してきている状況であり、他県では女性ハンターが有害捕獲やジビエの推進に積極的に活躍されている事例も伺っております。  一方、市内猟友会では令和2年度の女性会員は2人で、会員全体に占める割合は0.9%となっております。  このことから、今回本市でも狩猟者の担い手の裾野を広げるという観点から、まずは新たに女性を対象とした狩猟ガイダンスを開催しようとするものであります。  このガイダンスでは、他県で活躍されている女性ハンターを講師に招き、実際の体験談などを通して狩猟の魅力やジビエの楽しさ、有害鳥獣駆除の必要性などを知っていただくとともに、猟銃による射撃の疑似体験ができるビームライフルを使用した試射会なども行い、参加者に狩猟への興味を持っていただく機会を提供することで女性ハンター育成につなげてまいりたいと考えているところであります。  最後に、狩猟免許取得時や取得後に女性が参加しやすい取組も必要と考えるが、今後の展望を問うにお答えいたします。  狩猟免許取得時につきましては、これまでも有害鳥獣捕獲隊員育成事業として狩猟初心者講習会受講料や狩猟免許申請手数料など、免許取得に係る経費の2分の1を支援しているところであり、引き続き支援してまいりたいと考えております。  また、免許取得後の女性が参加しやすい取組等につきましては、他県では自ら狩猟に携わりながらジビエ料理教室の開催や革細工の加工・販売などに取り組まれるなど、活躍されている女性ハンターの事例も複数あることから、このような先進事例を調査するとともに、実際に狩猟免許を取得され活躍されている女性ハンターの方や市内猟友会等の御意見を伺いながら検討を進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 105 ◯ 議長(舎川 智也君)  岡地市民生活部長。   〔市民生活部長 岡地  聡君 登壇〕 106 ◯ 市民生活部長(岡地  聡君)  男女共同参画についての御質問として「家事ダン」マイスターについて3点お尋ねのうち、初めに、平成30年から取り組んだ成果と課題を問うにお答えいたします。  「家事ダン」マイスター認定事業は、男性の家事参画を促し女性の負担を減らすことにより、女性活躍推進のための環境づくりを目的に平成29年度から実施しております。男性を対象とした全6回の連続講座で4年間で132人が受講され、全部の講座を受講された64人をマイスターとして認定しました。  成果としましては、受講をきっかけに家庭での家事の時間が増えた、改めて料理教室に通い始めた、家事を通して夫婦や家族とのコミュニケーションが増えた、家事の大変さを実感し家族への感謝の気持ちが大きくなったなどの御意見を多数いただき、男性が家事に対する理解を深め家事に参画するきっかけづくりとなったと考えております。  課題としましては、若い世代の参加が少ないため、どのようにその世代を取り込んでいくかということや、特定の講座のみを受講される方がおられるという点が挙げられます。  次に、入門編と実践編に講座を分けてはどうかにお答えいたします。  「家事ダン」マイスター認定事業は、男性の家事参画を促し女性の負担を減らすことにより、女性活躍推進の環境づくりを目的として、料理、洗濯、掃除など家事全般に係る基本的な講座を実施しております。  この事業は、男性が家事に触れることで家事に対する理解を深め、また考えるきっかけづくりとして実施するものであり、スキルアップを目指すのではなく、まずはより多くの男性に様々な家事を体験する機会を提供していくことが重要であることから、御提案のような講座を設けることは考えておりません。  次に、自分に合った家事を考える講座を企画してはどうかにお答えいたします。  繰り返しになりますが、「家事ダン」マイスター認定事業は男性が家事に参画するきっかけづくりと考えており、幅広い家事を経験し家事の基本を理解するために、現在の衣食住に関する基本的な講座を継続して実施していくことが重要と考えております。  しかしながら、家事の役割分担や家事の効率化により時間を有効活用していくことは、ワーク・ライフ・バランスの観点からも重要なことであると考えます。  無理のない家事スケジュールの立て方や苦手な家事のアウトソーシングなど、それぞれのライフスタイルに合った家事の取組方を考えるきっかけやヒントを提供する機会となることから、御提案いただきました企画については調査・研究してまいりたいと考えております。  次に、地域コミュニティーへの女性参加について3点お尋ねのうち、初めに、市の男女共同参画推進地域リーダーの活動内容と成果について問うにお答えいたします。  本市では、地域から男女共同参画意識の醸成を図ることを目的として、自治振興会等により推薦を受け男女共同参画推進地域リーダーを配置し、地域密着型の啓発活動を推進しております。  この地域リーダーの活動といたしましては、おのおのが居住される地域において男女共同参画をテーマとした講演会や男性を対象とした料理教室を開催するなど、男女共同参画に関する活動を主体的に実施するほか、地域リーダー全員で組織する富山市男女共同参画推進地域リーダー連絡協議会による男女共同参画に関する講演会や寸劇等を行うイベントとなります男女共同参画推進フォーラムin富山の開催、男女共同参画だより「ハーモニー」の作成・配布、市内を8か所に分けたブロック単位でのイベント開催などがあり、独自に工夫を凝らした様々な活動を展開してまいりました。  次に、地域リーダーの活動の成果につきましては、現在では男女共同参画に関する普及啓発事業が様々に行われていることから直接的な効果をお示しすることは困難でありますが、例えば富山市男女共同参画に関する市民意識調査を見ますと、男性は仕事、女性は家庭という考え方に賛成とする割合は、平成22年度には47.3%でありましたが、令和2年度は22.9%に減少するなど、徐々にではありますが地域リーダーによる取組の成果が現れているものと考えております。  次に、地域活動に関する市民意識調査の結果についてどのように捉えているのか、また、自治振興会等の地域活動における女性参画を進めることの必要性について見解を問うの2点に併せてお答えいたします。  我が国の少子・高齢化が進展する中、男女ともに希望に応じて安心して働き子育てができる男女共同参画社会の実現に向けて、地域の果たす役割はますます重要になっております。  しかしながら、令和2年度の市民意識調査では、地域活動における男女の平等感は男性優遇と回答された割合が多いこと、また、男女の役割分担において主な役職には男性、補助的な役職には女性が就く慣行がある、女性自身が役職に就きたがらなかったり発言しない、発言が少ないとする回答が多いことから、地域活動の分野ではまだまだ男女共同参画意識の浸透までには至っていないものと考えております。  性別を問わず全ての人が様々な経験や多様な視点を通して得られた気づきや意見、アイデアを積極的に生かすことのできる男女共同参画の推進は、自治振興会などの運営や地域活動においても大切であると考えていることから、地域における女性のさらなる活躍を進めるためにも、性別によって一律に役割分担する考え方や慣行などを見直していただくとともに、女性自身の意識も変わるよう引き続き周知・啓発に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 107 ◯ 議長(舎川 智也君)  田中こども家庭部長。   〔こども家庭部長 田中 伸浩君 登壇〕 108 ◯ こども家庭部長(田中 伸浩君)  私からは、子育て支援についての御質問にお答えをいたします。  まず、産後のママ・レスパイトモデル事業についての御質問のうち、市の産後2週間及び1か月の産婦健康診査の傾向についてどのように捉えているのかについてお答えをいたします。  本市では、4か月児健診、1歳6か月児健診、3歳児健診の際に子どもの健康状態などを確認するとともに、母親の心身の状況についても相談に乗っているところでありますけれども、産後鬱や新生児への虐待の予防等を図る観点から、産後2週間と産後1か月において産婦の身体的機能の回復や授乳の状況及び精神状態を把握するため、平成30年7月から新たに産婦健康診査を産科医療機関に委託して実施したところであり、精神状態の把握については産後鬱病質問票を用いて行っております。  産後鬱は産婦の10%から15%程度に見られ、産後4週間以内が最も出現率が高いと言われております。また、産後鬱が産婦の自殺や子どもとの心中にもつながることが報告されており、産後鬱の早期発見や重症化予防が大変重要になってきております。  令和元年度における産後鬱病質問票の調査の結果、本市では産後鬱の可能性が高いと判定された産婦は産後2週間では約9%、産後1か月では約4.1%でありました。この結果から本市の産後鬱の割合は、一般的に言われている10%から15%と比較すると若干少ない傾向となっております。  また、産後2週間と産後1か月の結果を比較した場合、産後鬱の可能性が高いと判定された産婦の割合は産後1か月のほうが低くなっており、これは母体の回復に伴い家事や外出なども可能になり、気分転換ができることも1つの要因ではないかと考えております。  次に、産後のママ・レスパイトモデル事業の内容と期待する効果についてお答えをいたします。  本市が平成29年度に生後4か月までの子どもを持つ保護者約1,000名を対象として実施した子育てや産後の支援に関するニーズ調査では、子育てにおいて特に大変だと感じる時期については産後1か月から2か月との回答が最も多く、産後の必要な支援については、保護者が急に病気になったときに子どもを預ける施設が必要との回答が最も多いという結果でした。  本市では、産後の母親がゆっくり休養でき、育児不安を解消し安心して育児に取り組むことができるよう、産後ケア応援室を母子ともに利用してもらい支援をしているところでありますが、これまでの取組に加え、生後2か月までの子どものみを一時的に預けることができる事業として、令和3年度から新たに産後のママ・レスパイトモデル事業を実施することとしております。  事業の内容につきましては、対象者は市内に住所を有する生後2か月未満の子どもとその母親で、家族などから十分なサポートが受けられない、あるいは一時的に育児から離れ心身の休養が必要な方などとし、支援内容は、生後2か月未満の子どもを産後ケア応援室で預かり、その間、母親は子どもと離れ心と体を休めていただくものであります。また、母親の子育ての悩みや育児方法について、助産師等が相談支援も行うこととしております。利用回数は週3回以内で1回当たり4時間、利用料金は、モデル事業の実施期間中は無料とすることとしております。  なお、利用に当たっては、出産された産科医療機関や保健福祉センターの保健師等が保護者に事業を紹介した上で、希望があった場合は保健福祉センターを通じて申請していただくこととしております。  本事業に期待する効果といたしましては、1つには、母親が一時的に子育てから解放されることで日頃の心身の疲れを回復し、再び子育てに向き合うことができること、2つには、助産師等による相談支援を受けることで子育ての不安が軽減され、家庭や地域からの孤立感を解消し、子育てに自信を持つことができること、3つには、母親の心身の不調を確認し早期受診につなげることができることなどにより、産後鬱の予防や重症化予防、さらには児童虐待防止にもつながるものと考えております。  なお、令和3年度はモデル事業として実施し、利用される方のニーズ等の調査・分析を行った上で利用料金や利用回数等を検討し、令和4年度以降の本格実施につなげてまいりたいと考えております。  次に、ファミリー・サポート・センター事業についての御質問のうち、新型コロナウイルス感染症により利用件数に影響があったのかについてお答えをいたします。  ファミリー・サポート・センター事業は、議員からも御紹介がありましたように、保育所等への送迎や学校から帰宅した子どもの預かりなど子育ての支援が必要になった場合に、支援を受けたい依頼会員とお手伝いができる協力会員を結び子育て支援を行う制度であります。  この事業の利用件数につきましては、新型コロナウイルス感染症による国の緊急事態宣言が出され、小学校が休業していた4月と5月の小学生を支援するための利用件数が、令和元年度の906件に対し令和2年度は99件と大きく減少しており、また、同時期の未就学児を支援するための利用につきましても493件から154件に減少しております。  令和2年6月では全体の利用件数が前年同月比で62.1%であったものが、同年12月には73.5%となり徐々に回復してきましたが、富山県が新型コロナウイルス感染症の警戒レベルを行動制限を伴うステージ2へ移行した令和3年1月には、大雪の影響も相まって前年同月比54.8%に減少したことから、新型コロナウイルス感染症による影響があったものと考えております。  次に、ファミリー・サポート・センター事業の協力会員を増やすためにどのような取組をしているのかについてお答えをいたします。  ファミリー・サポート・センターの会員数につきましては、令和3年2月末時点で協力会員が662人、依頼会員は1,788人、両方を兼ねている会員は132人で、合計2,582人となっており、5年前の平成27年度末と比べて依頼会員は96人の減、両方会員は84人の減となっておりますけれども、協力会員につきましては113人の増となっております。  本市では、協力会員はもとより依頼会員等の増加を図るため、市広報や市ホームページに募集記事を掲載するとともに、職員や協力会員が地域に出向き事業の説明を行い、加えて保育所や地区センター、学童保育施設にチラシを配布するなどPR活動に取り組むほか、協力会員を養成する講座も開催しております。  本市といたしましては、引き続きPR活動や養成講座を実施することで協力会員の増加を図ってまいりたいと考えております。  次に、ファミリー・サポート・センター事業の依頼内容や体験談を市ホームページなどに掲載してはどうかという御質問についてお答えをいたします。  ファミリー・サポート・センターにおける援助内容や利用料金、また会員の条件や会員募集等につきましては、現在、市ホームページや市広報で案内しているところであります。  また、本事業を身近に感じていただくとともに、利用時のイメージを持っていただくことで本事業を利用していただく契機とするため、協力会員がサービスを提供した際の体験談などを掲載しているファミリー・サポート・センターだよりを年2回発行し、会員に配付するとともに地区センターなどに配置しているところであります。  議員御提案のファミリー・サポート・センター事業の体験談などを市ホームページに掲載することにつきましては、より市民に関心を持っていただき事業の利用促進につながるものと考えられることから、現在発行しているファミリー・サポート・センターだよりを市ホームページにも掲載してまいりたいと考えております。  以上でございます。
    109 ◯ 議長(舎川 智也君)  これで上野議員の一般質問及び議案の質疑を終了いたします。             ───◇   ◇   ◇───                散       会 110 ◯ 議長(舎川 智也君)  以上で、本日の日程は終了いたしました。  明日は午前10時に本会議を開き、一般質問及び議案の質疑などを行います。  本日はこれをもって散会いたします。                            午後 2時42分 散会 Copyright © Toyama City Assembly, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...