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平成30年9月定例会 (第2日目) 名簿
平成30年9月定例会 (第2日目) 本文

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  1. 富山市議会 2018-09-02
    平成30年9月定例会 (第2日目) 本文


    取得元: 富山市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-08-02
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 議事の経過             ───◇   ◇   ◇───                開       議                              午前10時  開議 ◯ 議長(村上 和久君)  ただいまから、本日の会議を開きます。  議事日程は、お手元に配付のとおりであります。             ───◇   ◇   ◇───       一般質問並びに議案第117号から議案第144号まで、       及び報告第37号から報告第40号まで 2 ◯ 議長(村上 和久君)  これより、日程第1 一般質問並びに議案第117号から議案第144号まで、及び報告第37号から報告第40号までを一括議題といたします。  これより、一般質問及び議案の質疑を行います。  順次発言を許します。  30番 高田 重信君。 3 ◯ 30番(高田 重信君)  おはようございます。  平成30年9月定例会に当たり、自由民主党より一般質問及び議案の質疑を行います。  質問に入ります前に、このたびの日本列島を襲いました豪雨、台風、地震により大変多くの方々が亡くなられました。亡くなられた方々の御冥福を祈るとともに、被害に遭われました地域の皆様方の一日も早い復興を願うものであります。  しかし、これまでの被害の映像を見ながら、改めて自然の持つパワー、エネルギーに驚愕させられました。と同時に、我々人類がこれまで行ってきた生活を支えるための生産活動や経済活動が災害を大きくさせている要因の1つであることも否定できないことと思っております。
     今後、ますます自然災害がスケールアップし、頻発度が高まることが予想されています。安心・安全な生活を将来も望むとしたら、私たちは今から何をしなければならないのか、危機管理体制も含め議論を重ね、この事態に立ち向かっていかなければならないと考えております。  それでは、質問に入らせていただきます。  初めに、内部統制についてお伺いいたします。  内部統制導入により、地方公共団体は組織としてあらかじめリスクがあることを前提として、法令を遵守しつつ適正に業務を執行することが求められる。そうした組織的な取組みが徹底されることによって、長にとってはマネジメントが強化され、政策的な課題に対して重点的に資源を投入することが可能となる。また、職員にとっても、業務の効率化や業務目的のより効率的な達成等によって安心して働きやすい魅力的な職場環境が実現される。ひいては、信頼に足る行政サービスを住民が享受することにつながることとなると言われております。  また、総務省におきましては、平成29年の地方自治法改正により、内部統制の体制整備の義務づけは都道府県と指定都市にとどまるものの、その他の市町村にも努力義務が課せられており、地方自治法に内部統制の概念が導入されたことを踏まえると、今後、首長の責任のあり方は内部統制を前提としたものに変化していくと考えられるとしております。  今後も地方行政に求められる業務、サービスは多種多様にわたり、リスク管理の重要性がますます増していくものと思います。  内部統制導入についての市長の見解をお伺いいたします。 4 ◯ 議長(村上 和久君)  森市長の答弁を求めます。 5 ◯ 市長(森  雅志君)  人口減少時代がこれからもずっと続いていくわけで、右肩上がりであった時代と行政の姿勢というものも変えていかなければならないという、まず大前提があるというふうに思います。  私は就任以来、いつもそのことを意識してさまざまな方向から施策を考えてきました。とりわけ、最少の経費で最大の効果を上げようとすると、マネジメントが大変重要になってきます。したがって、適正性というものをしっかり確保しながら速やかに成果を出していくということの両方を考えていく必要があります。  結果が出ればそれでいいというものではなくて、適正性・妥当性ということがすごく大事なことで、そういう意味では、首長や監査委員等、それから議会、さらに住民がお互いの役割を意識しながら正しいかじ取りが実現できるようにしていくことがすごく大事です。  そういう状況を踏まえて今もお話がありました平成29年の地方自治法の一部改正によって、この適正性の確保のため、1つには、不祥事や不適切会計を未然に防ぐための内部統制体制の整備、2つには、議選監査委員の選任の義務づけの緩和などの監査制度の充実強化などの見直しがあったところです。  今もお話がありましたが、内部統制については、都道府県知事及び政令指定都市の市長には義務、そしてその他の市町村長には努力義務とされています。しかしこれは言わずもがなのことなので、この地方自治法改正があったから内部統制を意識するということではなくて、そもそも論としてそれは当然のことだというふうに思っています。  この改正に際して、平成29年5月30日に開催されました参議院の総務委員会に参考人として招聘をされました。首長の代表として現場の実務者の立場から意見を述べさせていただいた経緯がありますことから、そのときの発言を要旨として答弁とさせていただきたいと思います。  本来、内部統制といったガバナンスの整備につきましては、自治体として自立的、自発的に取り組んでいくことが長としての当然の責務であり、私は当時──その参議院で申し上げたことですが──平成14年に市長に就任して以来、弁護士や学識経験者から成る行政苦情オンブズマンを設置したこと。さらに、退職警察官、退職自衛官の採用による危機管理統括監、危機管理副統括監の配置をしていること。また、特定任期付職員の活用による情報企画監、法務専門監、建設技術統括監及び未来戦略企画監の採用など、ガバナンスの強化を図るための体制の整備に鋭意取り組んできている。地方でもそういうふうにやっているところはやっているのですよということを国会議員の方々に御披露したところです。  その一方で、今回の内部統制制度の導入は、事務を執行する主体である首長みずからがリスクを評価・コントロールすることで、内部統制体制を整備・運用する権限と責任が長にあることを法によって明確にするものであり、したがって、長のガバナンスを強化し、これまでの本市の取組みを後押しするものとして意義のあることだと申し上げてきました。  また、長が作成する内部統制に関する方針や評価を監査委員が審査し、議会に提出する仕組みが設けられたことによりまして、定型的な業務を内部統制に委ねることにより、監査の実効性が高まること、議会における行政監視のための必要な判断材料が充実するなどといった効果が期待され、監査委員、議会それぞれの役割の強化につながるものと評価しております。  このことから、本市としましては、内部統制が自治体のマネジメントの重要な手法として有効かつ的確に機能することで、市全体として組織的なリスク管理体制が構築できるものと考えており、今後示される省令やガイドライン、さらには他市の状況なども鑑みながら、地方自治法上、本市において努力義務ではありますが、制度が施行される平成32年4月までに組織規模や実態に合った内部統制に関する方針の策定及び体制の整備に取り組んでまいりたいと考えております。  繰返しになりますが、法ができたからとか制度をつくったからということ以前の問題で、当然のこととしてこのことは意識していかなければならないと、根本は思っております。 6 ◯ 議長(村上 和久君)  30番 高田 重信君。 7 ◯ 30番(高田 重信君)  本当に内部統制につきましては、各市町村それぞれの立場で、今までしっかりとそういうスタンスに立ってやってこられたことは十分理解していますが、ただ、今回、全国的に統一的なガイドラインという形の考え方が必要ではないかということでお聞きしたわけでありますが、前向きに取り組んでいただくということも含め、我々会派としても、そのことについてしっかり勉強していきながら、次のステップというか内部統制等について、議員として、また議会としてどうあるべきかについても勉強していきたいと思っておりますので、またよろしくお願いしたいと思います。  それでは続きまして、次の質問に入らせていただきます。  冒頭にも述べましたが、災害に対しての対策が急がれています。これからの秋の長雨、そして本格的な台風シーズンを迎えます。冬にはまた豪雪になるのではないかと心配しているところであります。国土交通省が提言するシビアストームアラートの新設に期待するものであります。  現在起きています世界的規模の気候変動の要因の1つは、地球温暖化の影響であることは間違いないことと思っています。こうした中、このたび市長は地球温暖化対策の長期戦略を策定する政府有識者会議のメンバーに選ばれました。  以下、質問に入ります。  1つ目として、有識者メンバーへの就任要請及び参加に至るまでの経緯をお聞かせください。 8 ◯ 議長(村上 和久君)  森市長。 9 ◯ 市長(森  雅志君)  このたび政府が設置しました「パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略策定に向けた懇談会」ですが、背景は、パリ協定に基づいて各先進国は成長戦略というものを公表しなくてはいけないこととなっていまして、現在これがつくられていないのは日本とイタリアなのです。  来年、G20が日本で行われますので、政府としてはそれまでに日本の成長戦略というものをしっかりまとめ、そして公表したいとの強い思いをお持ちでございます。そのためのある種、懇談会という位置づけだというふうに受けとめておりまして、去る8月3日に総理官邸で開催されました第1回の会合に出てまいりました。  メンバーは、金融界、経済界、というのはイノベーションということがベースにありますので、ものすごく長期的に日本の力が発揮できる画期的なイノベーションをベースとしながら成長戦略をつくろうということです。  したがって、トヨタの会長さんですとか、経団連の会長さんですとか、東京海上ホールディングスの会長さんですとか、新日鐵住金の社長さんですとか、そうそうたる顔ぶれです。それから、160兆円の年金を動かしている政府機関の投資の責任者であります水野さんですとか、初めて官邸から電話をもらったとき、そういう顔ぶれの中で私でいいのですかと正直に申し上げたのですが、そういう中で地方自治体の代表として選ばれ、参加させていただいております。  まず、今言いました長期成長戦略については、まずことし6月4日の未来投資会議において、安倍総理から関係省庁横断的な検討をするための懇談会をつくること、さらに、6月15日に閣議決定された未来投資戦略2018において、G20議長国として引っ張っていく必要があるので、それまでにまとめることなどとされたところでございます。  こうした総理からの指示及び閣議決定を踏まえて関係省庁が連携し、有識者会議の設置が決められ、実際は7月に総理官邸から直接電話がございました。8月3日まで絶対に外に漏れないように言われていましたが、前の日に読売新聞に出たのには若干力が抜けましたけれども……。  私の立場は、恐らくこの国を挙げての100年先、200年先にもつながるようなイノベーションというものを議論していく中で、市民として、生活者として、現場の実務者として発言をすべきだろうというふうに受けとめておりまして、最初の発言の際には、中山間地においてガソリンスタンドがもうほとんどなくなってきていて、20キロメートルほど車を走らせてガソリンを入れて、また20キロメートル帰るみたいな暮らしが現実にあるのだと。そうすると、画期的なイノベーションでなくても既存のEVということについて、汎用性の高い、日本中の中山間地ですぐ導入できるようなEVトラクターとか、EV農機具というものについても投資をしてほしいというようなことを申し上げてきたところです。  この会議は非常に大事だと思っていますので、そういう立場を意識しながらこれからも積極的に発言をしていきたいと思っております。 10 ◯ 議長(村上 和久君)  30番 高田 重信君。 11 ◯ 30番(高田 重信君)  大変重要な会議であるということを認識させられましたが、ただ、少し心配な点というか、大変僭越かもしれませんが、1つには、さきの市長の手術の体調面のことと、2つに、このSDGsとか南北接続事業、これから本当に重要な施策が次々と推進されていく、また予算編成にも絡んでいくという大変富山市にとっても重要な時期にかかっている中で、市政運営に何らかの影響が出ないか心配するものでありますが、この点についてお聞かせください。 12 ◯ 議長(村上 和久君)  森市長。 13 ◯ 市長(森  雅志君)  実は第2回の会議はもうございました。いつだったかというと、去る9月4日、午前10時15分に招集がかかりましたが、9月4日は議会の初日で提案理由説明をしているさなかです。したがって出席することができません。この会議は大事だとさっき言いましたけれども、もちろん市議会、市の日程ということの中で日程調整していくということが大事です。しかし、可能であれば、この会議に参加することを優先していきたいというふうに思っています。  今の日程では、来年3月までにあと何回あるかまだわかりませんが、4回なり5回なりという頻度ではないかというふうに伺っております。  例えば、ことし12月議会のさなかにまたあるとすれば、議長とも相談させていただきながら、出席可能であれば出席させていただき、難しいとなれば出席できないというふうな捉え方をしております。  ただいま体調についても御心配をいただきましたが、ことしの7月は少し、かなり穏やかに体調を意識しながら暮らしていましたが、8月からはほぼフルスロットルで仕事をしております。  議会が終わりました後、来る10月の頭には、恒例の1泊2日での徹底した人間ドックも予定しておりますので、その際、手術した箇所については、CTスキャンを含めて改めて現状についてチェックしていただきながら、あくまで体調に気を使いながら仕事についていきたいと思っております。御心配をいただいてありがとうございました。 14 ◯ 議長(村上 和久君)  30番 高田 重信君。 15 ◯ 30番(高田 重信君)  今の言葉を聞いてちょっと安心しましたが、夏の疲れなどがまた出てくるかもしれませんので、御自愛を願いたいと思っております。  次に、メンバーに自治体の首長として唯一参加することになっておられますが、この懇談会にかける思い、あるいは決意について、いま一度お聞かせください。 16 ◯ 議長(村上 和久君)  森市長。 17 ◯ 市長(森  雅志君)  地方自治体で唯一、知事会も誰もいらっしゃらない、町村会も誰もいらっしゃらないわけですが、しかし全国市長会から選ばれて出席してくださいという選考ではなくて、一本釣り──というと言葉は悪いですけれども──で要請がありましたので、市町村や地方自治体全体の立場は意識しつつも、やはり個人としての思いを一定程度自由に発言をしていきたいと思っています。  しかしベースは、さっき言いましたけれども、生活者の現場という立場で発言していくために選ばれているのだろうというふうに思います。世界的な投資機関でインベストしていらっしゃる方、世界に出ていけるような企業の集まった経団連の会長さんの御発言される立場、やっぱりそれぞれ違うし、大学の研究者の方が御発言される立場はその立場だろうと思っていますので、そういう中で、ある意味、逆に異質な立場で選ばれておりますので、何度も繰返しになりますが、生活の現場というものから、そういう視点で発言をしていくことが私の役割だというふうに認識しています。 18 ◯ 議長(村上 和久君)  30番 高田 重信君。 19 ◯ 30番(高田 重信君)  これまで富山市で取り組んでこられた施策の内容だとか、また知見をしっかりその場で言っていただいて、その成果もまた聞かせていただければと思っていますので、頑張ってという言葉がいいのかわかりませんが、よろしくお願いしたいと思います。  続きまして、環境問題について質問させていただきます。  平成29年12月定例会における私の地球温暖化対策の推進についての質問に対しまして、当局から環境モデル都市行動計画温室効果ガス排出削減目標を2005年度比で現行の2050年度50%削減から80%減へと変更するなどの見直しを検討しているとの答弁がありました。  この80%を達成するためには、いつまでに何を実施するのか、いわゆるロードマップを示していただきたいと思いますが、答弁をお願いいたします。 20 ◯ 議長(村上 和久君)  伊藤環境部長。 21 ◯ 環境部長(伊藤 曜一君)  今年度中に策定をいたします環境モデル都市第3次行動計画につきましては、国の地球温暖化対策計画等を踏まえ、温室効果ガスの排出削減目標を大幅に上方修正するほか、新たに気候変動適応方針を追加するなど、抜本的な見直しを行う予定としております。  今後、行政のみならず市民や企業、NPO等とのパートナーシップを一層緊密にし、互いに地球温暖化に向けた取組みを推進していくことは、低炭素社会からさらに踏み込んだ脱炭素社会を実現する上で極めて重要でございます。  幸いにも、本市には、これまで国のCOOL CHOICEとも連携した市民総参加型のチームとやまし推進事業に取り組んできていることから、今後も行政と市民、企業、団体等が一丸となって環境モデル都市の実現に向けた取組みを推進していくための土壌があるものと考えております。  お尋ねのロードマップにつきましては、これまでの地球温暖化対策を一層推進するとともに、富山市SDGs未来都市計画や富山市環境基本計画との整合性を図ることにより、各種施策のロードマップを見据えたアクションプランをお示しできるものと考えており、今後、関係部局とも連携を図りながら実効性の高い計画になるよう検討してまいりたいと考えております。 22 ◯ 議長(村上 和久君)  30番 高田 重信君。 23 ◯ 30番(高田 重信君)  いつまでという時期的なことは今どうでしょうか。 24 ◯ 議長(村上 和久君)  伊藤環境部長。 25 ◯ 環境部長(伊藤 曜一君)  今年度策定いたします第3次行動計画の中でおのずとそういった文言についても出てくるものと理解をしております。今この場でいつまでにどうということはお示しをすることはできませんが、今年度中に策定するアクションプランの中ではお示しができるものと考えております。 26 ◯ 議長(村上 和久君)  30番 高田 重信君。 27 ◯ 30番(高田 重信君)  本当にこの50%から80%という、大変高い目標だなと思っていますので、しっかりまた取り組んで、富山市の環境に対する名声を上げていただければと思っております。  次に、昨年11月、インドネシア共和国のバリ州タバナン県に設置されました小水力発電システムについては、設置されてから10カ月余りですが、この稼働状況についてお聞かせください。 28 ◯ 議長(村上 和久君)  伊藤環境部長。 29 ◯ 環境部長(伊藤 曜一君)  本市の国際展開プロジェクトの第1号案件でございますタバナン県における小水力発電事業につきましては、来年8月までが実証期間となっており、実証期間終了後には4基の発電システム等はJICAからタバナン県に譲渡されることとなっております。  現在、実証期間中ではありますが、設置されました小水力発電システムは、現地の方々による維持・管理のもと順調に稼働しており、発電した電力は街灯や行事をとり行う際に使用する地域の施設の電灯に供給されるなど、有効に活用されているところでございます。 30 ◯ 議長(村上 和久君)  30番 高田 重信君。 31 ◯ 30番(高田 重信君)  大変順調にということですが、地元の皆さんの評価とか感想とかにつきましてはどうでしょうか。 32 ◯ 議長(村上 和久君)
     伊藤環境部長。 33 ◯ 環境部長(伊藤 曜一君)  現地の評価等につきましては、本年1月にアンケート調査を実施しております。そのアンケート調査の結果によりますと、アンケートに御回答をいただいた約97%──アンケートに意見をいただいたほぼ全員みたいなものでございますが──97%の方が、「電気がなかった地域において夜間に活動ができるようになった」など、生活の質が向上したとの回答をされております。  また、本システムが設置されましたジャティルウィ村は世界文化遺産にも登録されました美しい棚田群の広がる観光地であり、「夜間の景観がよくなり観光客が増えた」という回答もあるなど、現地の地域活性化にも貢献しているものと考えております。  さらに、行政機関や教育関係者の視察は400件を超えておりまして、周辺自治体等からは同様の小水力発電システムの導入についての問合せもあるなど、大変高い関心を集めているとお聞きしているところでございます。 34 ◯ 議長(村上 和久君)  30番 高田 重信君。 35 ◯ 30番(高田 重信君)  思った以上の相乗効果というか、大変効果があるとお聞きしてうれしく思っておりますが、これだけやりながら、ビジネス的にも富山市の企業も入ってきているということをお聞きしていますが、さらに小水力発電システムに続く、今後予定されている国際連携事業への支援等についてお聞かせください。 36 ◯ 議長(村上 和久君)  伊藤環境部長。 37 ◯ 環境部長(伊藤 曜一君)  タバナン県における今後の国際連携事業といたしましては、市内企業により現在高性能な小型精米機の導入に関する調査が進められているところであり、本年10月にはJICAの普及・実証事業への申請が予定されております。  さらに、本年5月には、新たな市内企業でございますが、ごみの減容化や有機廃棄物を活用した堆肥の生成を行うコンポストプラントの導入に向けたJICAの案件化調査の申請を行い、この8月に採択を受けたところでございます。  また、中部ジャワ州スマラン市では、別の市内企業が環境省の補助金を活用した公共バスの天然ガス車への改造事業を展開されておりまして、来年1月に完成予定ということをお聞きしてございます。  本市といたしましては、このような取組みは都市間連携のもと、現地の課題を解決するとともに、市内企業のビジネスチャンスや雇用の拡大など、さまざまな相乗効果をもたらすことから、今後も国際連携事業を推進してまいりたいと考えております。  なお、スマトラ島ブンクル州レボン県では──これはまた別の市内企業でございますが、地元投資家と合弁企業を立ち上げられまして、場所の選定や資金調達等をみずからの力で行い、約13メガワットの小水力発電事業を計画しておられます。  このように自立した事業の展開は、環境未来都市国際展開プロジェクトの1つの完成形ということができると思っているところでございます。 38 ◯ 議長(村上 和久君)  30番 高田 重信君。 39 ◯ 30番(高田 重信君)  大変夢のある事業だなと思っていますが、今東南アジアのほうは、本当にこれから、世界中からも注目を浴びている地域であり、ここに拠点を築いたということは大変大きなことだと思っていますが、何か市長、感想をお聞かせください。 40 ◯ 議長(村上 和久君)  森市長。 41 ◯ 市長(森  雅志君)  取っかかりはどうしてもJICAの御支援をいただいて、例えば小水力発電を設置する費用もJICAが出して現地でつくる。現地の電力が行っていないところで大変喜ばれるという意味で言うと、JICAとしては本来の法人の目的を達成していらっしゃるという、外務省としては大変いい成果だと評価されています。  富山市としては、自治体として向こうの自治体と協定を結んだりすることがJICA事業へのつなぎに大変大きな意味を持っています。それがないと、なかなか日本政府もそこへ出ていこうとしないということですから。しかしその結果、日本の技術が東南アジアへ移転されることになりますので、国際交流という意味だけではなくて、経済という観点からも重要な意味があります。  その結果、富山市内の企業がどんどん今インドネシア、マレーシアなどで具体の事業に着手してきているわけで、この流れをとめないで、横展開を意識しながら、もっともっとビジネスチャンスをつくっていくということを目標にしていかなければならないというふうに思っています。  何度も言いますが、その際に、富山市が向こうの市と協定を結ぶとか、向こうの県と協定を結ぶということが出発点になっていますので、この点についてはこれからも積極的にいろいろな市や県や国からの要請に応じていきたいというふうに思っています。 42 ◯ 議長(村上 和久君)  30番 高田 重信君。 43 ◯ 30番(高田 重信君)  環境部の部長は大変また大きな仕事を持たれたなと思っておりますが、頑張って力を入れてやっていただければと思っております。  次に、今世紀で関心を集めております環境問題の1つが、マイクロプラスチックによる被害であり、プラスチック製品の使用が問題になっています。  富山市では、昨年10月、燃やせるごみとして排出されているプラスチック製品と、リサイクル回収しているプラスチック製容器包装を一括回収することで、減量化と資源化の推進を目指す環境省のプラスチック分別リサイクルモデル実証事業の実施に協力したとのことでありますが、初めに、事業の概要と目的について、あわせてどのように実施されたのかについてお聞かせください。 44 ◯ 議長(村上 和久君)  伊藤環境部長。 45 ◯ 環境部長(伊藤 曜一君)  今御紹介のございました事業でございますが、環境省が全国7都市を選定し、容器包装リサイクル制度における市町村や事業者の負担を低減し、社会全体のコストを合理化する方策として、コスト低減効果や制度的課題を把握するために行われたものでございます。  その方策の1つといたしまして、家庭から排出されるプラスチック製容器包装と容器包装以外のプラスチック製品を一括回収した上でリサイクルを実施し、プラスチック資源をできる限り有用に活用するため、効果的で効率的なリサイクルシステムの構築の可能性について検証が行われたものでございます。  本市で行われました実証事業は、婦中地域の全世帯を対象に昨年10月の1カ月間行われたところでございます。  各家庭では、計4回のプラスチック製容器包装の収集日にプラスチック製容器包装と通常は燃やせるごみで出されているプラスチック製品をまとめて専用袋に入れて排出し、回収が行われたところでございます。  回収されましたプラスチック製品は、民間のリサイクル施設に持ち込まれ、何がどの程度含まれているかを把握するためのサンプル調査を行った後、一括して再商品化ラインに投入し、素材ごとに選別をして再商品化の原料となるペレットの生成及び成分分析を行うリサイクル処理の全般についての実証が行われたところでございます。 46 ◯ 議長(村上 和久君)  30番 高田 重信君。 47 ◯ 30番(高田 重信君)  引き続きでありますが、その事業終了後の調査結果及び評価、あわせて参加した市民からの感想等についてお聞かせください。 48 ◯ 議長(村上 和久君)  伊藤環境部長。 49 ◯ 環境部長(伊藤 曜一君)  一括回収をいたしました約23.5トンを調査した結果でございますが、そのうち約7トンのプラスチック製品が排出されておりまして、その内訳でございますが、プランターですとかハンガーなどの日用品が約8割と、最も多く含まれていたとのことでございます。  また、その後のリサイクル処理の実証においては、前処理として破砕を行う必要があるなどの再商品化工程における細かな課題も明らかにはなりましたが、リサイクル全般としては大きな問題がないということが報告をされております。  次に、実証事業に参加した市民アンケートの調査における、まず分別方法のわかりやすさという設問につきましては、約64%の方が「わかりやすかった」という御回答をいただいております。  また、プラスチックの一括回収の継続という設問では、約76%の方が「継続してほしい」と回答されております。その継続を希望される理由でございますが、「出し方が大変わかりやすかった」「分別の負担が減る」という御意見がございました。  そのほかの御意見といたしましては、「燃やせるごみの量が減ったのでよかった」「高齢者にとっても、簡単でわかりやすい分別が求められる」などの意見が寄せられたところでございます。 50 ◯ 議長(村上 和久君)  30番 高田 重信君。 51 ◯ 30番(高田 重信君)  そうした評価なり今の市民の声からの、引き続いて今後、市独自としてのこのプラスチック回収の取組みについて、何かお考えがあればお聞かせください。 52 ◯ 議長(村上 和久君)  伊藤環境部長。 53 ◯ 環境部長(伊藤 曜一君)  このプラスチック資源の一括回収が導入されれば、今ほどのアンケートの答えにもございましたが、市民にとってはこれまで以上に分別がしやすくなり、本市にとりましても処理コストの削減が図られることから、ごみの減量化や資源化の一層の推進になるものと期待されるところでございます。  しかしながら、現在プラスチック製品は容器包装リサイクル法の対象となっておらず、リサイクルに係る製造業者等の再商品化義務や費用負担もないことから、現在、国において法改正などを含めた制度の見直しに向けた検討が進められていると仄聞しておりまして、この動向を本市としては注視してまいりたいと、このように考えているところでございます。 54 ◯ 議長(村上 和久君)  30番 高田 重信君。 55 ◯ 30番(高田 重信君)  先ほどの会議に出られることも含めてですが、市長、今のこの継続事業について何かありましたら。 56 ◯ 議長(村上 和久君)  森市長。 57 ◯ 市長(森  雅志君)  わかったような、わからないような説明、答弁をしていて、本質的に一体何を言っているのかわかられない方もおられるのではないかと思って心配しながら見ておりましたが、一番最後の答弁にわかりやすさがあって、容器包装リサイクル法の対象となっているものは分別して、それだけで回収してきたわけです。なぜなら、生産している事業者は負担をいろいろしているし、リサイクルする義務もその事業者にあったからです。  その法の対象としている物以外のプラスチック製品は、容器包装リサイクル法の外にいるわけなので、いわば燃えるごみに出されていたり、人によっては不燃物に入れて出したりしていたのが、今度はその枠を超えてプラスチック製なら何でも一緒に出してもいいですよという実験をしたと。そうしたら生活者の市民の人は便利でしたと、分別が楽だったということですが、最後の答弁にあったように、今度負担している生産事業者は、自分たちが法律で義務化されて負担金を出したり、リサイクルを義務づけられたのと、そのほかのと一緒に混ざってリサイクルするということについて、国は調整をしないといけないわけで、新しい法律や制度の検討をしているということなのですが、それはやっぱり早く急いでもらって、実験ではなくて恒常的にプラスチックはプラスチックで出せるという社会にしたほうがいいのではないかというふうに私も思いますので、その動向を見ながら、もしそういうことになれば、富山市も分別方法を改めていくということになっていくだろうと思います。 58 ◯ 議長(村上 和久君)  30番 高田 重信君。 59 ◯ 30番(高田 重信君)  少しでも前向きに進むように努力していただきたいと思います。  このテーマの最後のほうになりますが、持続可能なエネルギーの推進、温室効果ガスの大幅削減、そして気候変動の影響などに取り組み、同時にパリ協定の目標の達成に地域から貢献しようとする自治体の首長がその旨を誓約し、具体的な取組みを積極的に進めていく国際的なネットワーク、世界気候エネルギー首長誓約は本年8月1日から日本の自治体の登録を開始されました。  世界では約7,800の自治体が登録済みであります。SDGs未来都市に選定され、環境先進都市として自他ともに認めるトップランナーである富山市は、この首長誓約に対する参加の意思はどのようなものなのかお聞かせください。 60 ◯ 議長(村上 和久君)  伊藤環境部長。 61 ◯ 環境部長(伊藤 曜一君)  ただいま御紹介ございました世界気候エネルギー首長誓約は、持続可能なエネルギーの推進や温室効果ガスの削減などを目的に、自治体で構成する国際的なネットワークでございます。  本組織へ参加することにより、気候変動等に関する国際情勢などの情報提供を受けられるメリットがあるほか、組織を通して本市の取組みを世界的に発信していくことは、環境先進都市としての重要な責務の1つと考えております。  このことから、本市といたしましては、パリ協定等を踏まえ、持続可能でレジリエントな地域づくりの実現に向け、世界気候エネルギー首長誓約に参加することとしており、現在必要な手続を順次進めているところでございます。 62 ◯ 議長(村上 和久君)  30番 高田 重信君。 63 ◯ 30番(高田 重信君)  大変前向きな姿勢でうれしく思っていますが、ただ世界から見ると、日本政府の施策はなかなか遅れているところもあり、企業自体も含め環境問題に対する取組みは、世界から見ると1周も2周も遅れているという指摘もされている中で、富山市がこうした先進的な事業をやっていくことは大変意義があると思っていますので、市長、検討していただきたいと思っております。  次の質問に入ります。  路面電車南北接続事業につきまして、北陸新幹線の累計利用者数は本年8月14日に3,000万人を突破し、開業以来この利用者のペースは衰えていません。そうした中で、路面電車南北接続事業が本年8月より、いよいよ第2期区間の軌道施設の工事が始まりました。  工事期間中の利便性や安全性の確保も含めた今後の整備スケジュールについてお伺いいたします。 64 ◯ 議長(村上 和久君)  高森活力都市創造部長。 65 ◯ 活力都市創造部長(高森 長仁君)  路面電車南北接続事業の第2期区間につきましては、現在、あいの風とやま鉄道の高架下で軌道や停留場壁面などの工事を進めているところでございます。  残る北口駅前広場部分につきましては、平成31年3月のあいの風とやま鉄道の高架切りかえ後に、路面電車事業用地部分の仮設の線路が撤去され次第、速やかに軌道工事に着手し、平成31年度末の完成に向けて着実に工事を進めてまいりたいと考えております。  なお、高架下での工事期間中は、東西自由通路を利用される皆様には御不便をおかけすることになりますが、一部工事を夜間に行うなど歩行者動線の確保に努めてまいります。  また、北口駅前広場部分の軌道工事を行う際には、オーバード・ホールの前に仮設の富山駅北停留場を設置するなど、利用者の利便性や安全性を確保しながら工事を進めてまいりたいと考えております。 66 ◯ 議長(村上 和久君)
     30番 高田 重信君。 67 ◯ 30番(高田 重信君)  今のスケジュールの中で、やっぱり早く市民の皆様にもお知らせしていただければと思っていますので、よろしくお願いいたします。  次に、富山駅の鉄道高架下の南北自由通路は、南北接続事業と同時期に完成するとお聞きしていますが、南北自由通路の今後の整備スケジュールについてお聞かせください。 68 ◯ 議長(村上 和久君)  高森活力都市創造部長。 69 ◯ 活力都市創造部長(高森 長仁君)  富山駅南北自由通路の延長約75メートルのうち、未整備でありますあいの風とやま鉄道高架下部分の約35メートルの整備につきましては、本議会で提案しております工事契約案件の議決後、工事に取りかかることとしております。  また、本工事は、あいの風とやま鉄道高架下部分において現在進められている高架化に伴う改札口や駅務室等の工事を優先しなければいけないことや、限られたスペースであることなど、厳しい施工環境であることから、これらの工事と綿密に調整を図りながら進捗に努め、平成31年度末の完成を目指してまいりたいと考えております。  なお、来年10月の日本青年会議所全国大会開催時には、南北自由通路工事エリアの一部を通行可能とすることが求められており、遅滞なく工事を進めてまいりたいと考えております。  これによりまして、地下道を通らなくても富山駅の南北を容易に行き来できるようになるものでございます。 70 ◯ 議長(村上 和久君)  30番 高田 重信君。 71 ◯ 30番(高田 重信君)  順調に進めていただければと思っていますが、その中で北口駅前広場とか西口交通広場の今後の整備スケジュールについてもお聞かせください。 72 ◯ 議長(村上 和久君)  高森活力都市創造部長。 73 ◯ 活力都市創造部長(高森 長仁君)  北口駅前広場や西口交通広場の整備箇所の一部は、現在あいの風とやま鉄道の仮設の線路や仮駅舎などに使用されております。  これらの仮施設の撤去工事は、本年度末のあいの風とやま鉄道の高架切りかえ後に着手され、平成31年度末まで順次行われると伺っております。  したがいまして、北口駅前広場や西口交通広場の本格的な工事着手は平成32年度以降になると思われますが、北口駅前広場整備には概ね2年程度、西口交通広場整備には概ね1年半の工期を見込んでおります。  なお、北口駅前広場につきましては、工事着手前に既存のロータリー機能などを確保する必要があることから、平成31年度に富山市営富山駅北駐車場の一部を使用した仮広場を整備する予定としております。  いずれにいたしましても、多くの富山駅利用者の安全性や利便性を確保しつつ、工事を進めてまいりたいと考えております。 74 ◯ 議長(村上 和久君)  30番 高田 重信君。 75 ◯ 30番(高田 重信君)  先ほども言いましたが、今まで説明されましたこうした整備スケジュール等につきましては、やっぱり広く市民の皆さんが関心を持っていることと思っていますので、できるだけ早くそうしたことも広報していただければと思っております。  次に、南北接続後の路面電車の運行について、多くの市民の関心や期待が高まってきていると思っておりますが、本定例会における議案の提案理由説明の中で、市長は、南北接続後の路面電車の運転を富山地方鉄道へ一元化することで合意したと表明されました。  また、富山地方鉄道と富山ライトレールの将来の組織の合併を目指した検討を開始することについても表明されました。このことは、南北接続後の路面電車サービスに加えて、交通事業者の経営の根幹にかかわる極めて大きな事項であると思われます。  そこで、なぜ富山地方鉄道と富山ライトレールの将来の組織の合併を目指した検討を始めることにしたのかについて、その目的についてお聞かせください。 76 ◯ 議長(村上 和久君)  高森活力都市創造部長。 77 ◯ 活力都市創造部長(高森 長仁君)  南北接続後の路面電車の運行形態や運賃体系を含めた事業運営につきましては、本市と富山地方鉄道、富山ライトレールの3者にて、1つに、路面電車サービスのさらなる質の向上、2つに、事業基盤の強化、3つに、富山市民の高質なライフスタイルの享受を共通の目標と位置づけ、この実現に向けて南北接続後の路面電車の運転を富山地方鉄道へ一元化することで合意したところであります。  これにより、1つに、多様な系統での運行や全線均一運賃の導入、2つに、連絡・指示系統の統一による高い安全性と円滑な運行の確保、3つに、効率的な人員配置や経費抑制などによる運営の効率化が図られるものと考えております。  これらの効果に加えて、路面電車サービスや運営効率の一層の向上など、より持続可能な体制を構築することを目的として、富山地方鉄道と富山ライトレールの将来の組織の合併を目指した検討を開始することとしたものであります。 78 ◯ 議長(村上 和久君)  30番 高田 重信君。 79 ◯ 30番(高田 重信君)  市民にとっての本当に大切な公共交通の1つでありますので、そうした中で大変な御苦労があったことと思っておりますが、こうした中で、南北接続後の路面電車の運行形態とか運賃体系に関して、現在の検討状況についてもお聞かせください。 80 ◯ 議長(村上 和久君)  高森活力都市創造部長。 81 ◯ 活力都市創造部長(高森 長仁君)  南北接続後の路面電車の運行形態につきましては、現在のサービス水準を確保しつつ、多様な系統での運行や富山駅停留場での乗継ぎを極力少なくするなど、さらなる利便性向上の観点から、引き続き交通事業者とともに検討を深めていくこととしております。  また、南北接続後の運賃体系につきましては、より多くの市民にとってわかりやすく利用しやすいものとなるよう、全体の運行を担う富山地方鉄道において検討されるものと考えております。  今後は、運行形態や運賃体系について鉄道事業法や軌道法の規定に基づく許認可を受けることになりますが、南北接続後の運行開始に支障のないよう、交通事業者とともに国との協議を進めてまいりたいと考えております。 82 ◯ 議長(村上 和久君)  森市長。 83 ◯ 市長(森  雅志君)  まだたくさん通告を受けていますので、あと16分しかないのでどうしようかと迷ったのですが、運賃体系をどうしていくかということは、今の場合、最終的に運行する富山地方鉄道さんが具体的に検討される事柄で、北陸地方運輸局との調整も経て初めてオープンになってきますので、金額がどうだという御質問をいただいてもお答えできないわけですが、ただし、統一運賃ということだけは3者で合意しているわけです。  この運賃に非常に大きくかかわるのは、さっき言った経営統合の問題なのです。どういうことかというとこのことは富山ライトレールと富山地方鉄道が協議されることであって、市が統合しなさいという立場では全然ないわけですけれども、客観的な見方から何が起きるかというと、市が下を保有して民間が運行する場合は、市が上下の下を持ちますので、減価償却と固定資産税が発生しません。しかし、富山ライトレールが保有して富山地方鉄道が経営する形態は、民間と民間だから同じようにはならないわけです。したがって、全体としては経費全体が膨らむことになってくるわけですので、そのあたりをどう解決していくかというときの1つの解決策として、2人の免許者が共同でやるのではなくて、1つの免許者がやるということのほうが効率性が上がるということが客観的に容易に予測がつきますから、そのことから統合という議論が視野に入ってきているという状況です。  誤解をしていただきたくないのは、それを市がリードして言っているわけではないので、民間企業同士の純粋に経営の効率化という観点から1つの案として今、遡上してきているということです。 84 ◯ 議長(村上 和久君)  30番 高田 重信君。 85 ◯ 30番(高田 重信君)  多少私も勘違いしていたところもあったかもしれませんが、今の説明でよくわかりました。  とにかくこの南北一体化事業、富山市にとって大きな事業でありますので、順調にしっかりと進めていっていただきたいと思います。  続きまして、子育て環境の充実について質問させていただきます。  移住したい都市として富山市が高い評価を得ている、この要因の1つとして、子育て環境の充実があるものと私は思っております。  平成30年度重点事業施策にある出産・子育て環境の充実と女性の活躍推進については、77の事業が挙げられていますが、こども家庭部所管事業の主な事業の進捗状況及び評価についてお聞かせください。 86 ◯ 議長(村上 和久君)  中村こども家庭部長。 87 ◯ こども家庭部長(中村 正美君)  今年度当初予算では、出産・子育て環境の充実と女性の活躍推進を重点施策の1つに位置づけて、保育や子育て支援の充実、ひとり親や多子世帯への支援、妊娠から出産、乳幼児、青少年に至るまで切れ目ない子育て支援に予算を重点的に配分しております。  保育や子育て支援の充実につきましては、保育の受け皿の確保のため企業主導型保育事業所の設置に対する補助制度を今年度新たに創設しておりますが、現在5者より事前協議等があり、企業主導型保育事業所の設置が促進されるものと見込んでおります。  また、公立保育所においては、今月工事が完了いたします堀川保育所が新しい施設へ移転するための議案や、愛宕保育所の移転改築工事の契約案件を本定例会へ提出しているほか、呉羽保育所及び(仮称)婦中熊野・宮川保育所の改築に向けた設計を行っており、着実に整備の進捗を図っているところでございます。  また、ひとり親家庭への支援につきましては、ひとり親家庭学習支援事業に定員を上回る応募があったことから、本年8月からは受入れできなかった受講希望者22人のための追加会場を設けて実施しているところであります。  本年8月末現在では、90人の中学生が登録しており、参加率につきましても、昨年度1年間の平均の約50%と比較して、本年7月末までの平均が約80%と著しく高いことから、子どもの学習意欲の向上につながっているものと考えております。  また、今年度より切れ目ない子育て支援体制構築事業を拡充し、新規事業として富山市ベイビーボックスプレゼント事業を実施しており、本年8月1日から市内7カ所の保健福祉センターで育児用品を詰め合わせたベイビーボックスのプレゼントを開始しております。  本年8月末現在で657人の方が受け取られ、その際には保健師や看護師が全ての方と面談し、育児や健康相談に応じ、必要な支援につなげております。  保護者の方からは、「ささいなことでも相談できてよかった」「子育てを応援してもらい、うれしい」また「必ず使う育児用品であり、助かる」といった声が聞かれ、概ね好評をいただいているものと考えております。  また、昨年4月に開設いたしましたまちなか総合ケアセンターの産後ケア応援室につきましては、平成30年4月から7月末の事前登録者数は149人、そのうち利用された方は61人となっており、デイケアが94回、宿泊が132泊、子育て教室への参加者は延べ189人となっております。いずれも昨年度の同時期と比べ利用者は増加しております。  また、本年4月からは富山市の親元で里帰り出産している母子と、富山広域連携中枢都市圏連携事業によって、滑川市、舟橋村、上市町、立山町に住所を有する母子も利用できるよう対象者を拡充しております。この拡充による本年7月末までの利用実績としては、里帰り出産での利用は4人であり、デイケアが6回、宿泊が2泊となっております。  また、連携市町村からは1人の御利用があり、デイケアが1回、宿泊が2泊となっております。教室への参加者は、里帰り出産の方が6人、連携市町村の方が2人となっております。  本事業の評価としましては、産後ケア応援室を利用された方からは、また利用したいとの声を多くいただいており、実際に再度利用しておられるということからも、産後ケア応援室での心身のケア、また育児サポートに対する満足度というものが高く、親自身のセルフケア能力の向上や育児への自信、安心感につながっていると考えております。  いずれにいたしましても、本市といたしましては、このような子育て環境充実のための各種施策を着実に進めてまいりたいと考えております。 88 ◯ 議長(村上 和久君)  30番 高田 重信君。 89 ◯ 30番(高田 重信君)  お聞きしまして、大変御努力されているということに敬意を表したいと思っております。  やはりこれからの大きな日本の課題でもありますし、富山市の課題である少子化対策また子育てということについて、私自身は、やっぱりネウボラの推進と地域包括ケアの連携をとりながらの施策を十分していくということが大事かなという思いであります。  ただ、そうした中で、私は、ゼロ歳児保育について疑問を感じているところであります。現場に行きますと、よく保育士さんが1人のゼロ歳児をおんぶなり抱っこしながら、もう1人、2人と世話をしている姿を見ますと、これが本当に赤ちゃんにとってよいことなのかなと思ってしまいます。  満1歳までは家庭でお母さんが養育することが大切と考えますが、1歳未満児の保育についてはどう考えるべきと思っておられるのか、お聞かせください。 90 ◯ 議長(村上 和久君)  中村こども家庭部長。 91 ◯ こども家庭部長(中村 正美君)  乳児期は、大人によって生命が守られ、愛され、また信頼されることにより情緒が安定するとともに、人への信頼感が育っていく大切な時期とも言われております。  育児休業制度の普及などにより、満1歳までは家庭で養育する保護者が増えてきているものの、家庭や就労先の事情などにより家庭で養育できず、保育所での保育が必要な方もおられるため、市では、生後8週から保育所において児童を受け入れており、1歳未満のお子さんの約1割が保育所を利用しております。  保育所では、そのような乳児を家庭で養育できない保護者にかわって、その心身の健全な発達がしっかりと図られるよう保育しており、日々、保育現場では、環境面や保健・衛生面、栄養面など細部にわたって十分配慮することはもとより、保育する者が乳児との愛情豊かなかかわりの中で乳児に安心感を与え、一人一人の育ちと向き合った保育を実践しているところでございます。  いずれにいたしましても、家庭においても、保育所においても、乳児期には大人によってその命が守られ、深い愛情や信頼感のもと、心身の健全な発達が図られる環境で保育されることが重要であると考えております。 92 ◯ 議長(村上 和久君)  30番 高田 重信君。 93 ◯ 30番(高田 重信君)  確かにどうしても事情により家庭で養育できないという家庭もあるかとは思っておりますが、ただ、先ほども言われましたように、人格形成の基礎を育む乳幼児期の養育の重要さというものが重々言われている中で、どうもそこが軽視されているという危惧もありますし、また、1歳未満の保育の制度があるからという、そこの根底にあるという何かすごい危険性も感じています。  乳幼児期のそういった養育の重要さをいま一度お母さんたちにしっかり伝える、そして理解を深めてもらうことが大切と思っておりますが、その1つとして、乳幼児期の発達についての内容をママ手帳に記載したらいかがでしょうか。お聞かせください。 94 ◯ 議長(村上 和久君)  中村こども家庭部長。 95 ◯ こども家庭部長(中村 正美君)  本市におきましては、従来から乳児期の養育の重要性というものについては認識しているところでございます。  4カ月児健診や赤ちゃん教室、乳幼児健康相談、家庭訪問などの母子保健事業を通し保護者にお伝えしているほか、母子健康手帳やその副読本、リーフレットなどにも掲載し、保護者の理解を深めるよう努めております。
     ママ手帳は、産後鬱等の予防を図るため、本年7月から新たに実施しております産後2週間と、産後1カ月の産婦健康診査に合わせて作成し、本年6月からお渡ししているものであります。  ママ手帳は、この産婦健康診査の結果や妊娠中から産後までのケアプランなどの記録が主であり、また、母子健康手帳交付の際にお渡ししていることからも、現在のところ、乳幼児期の養育の重要性というものについて、改めてママ手帳に記載することは考えておりません。 96 ◯ 議長(村上 和久君)  30番 高田 重信君。 97 ◯ 30番(高田 重信君)  残念でありますが、ただ、しっかりとそういったことを折あるごとにお母さん方、お父さん方に伝えてあげていただければと思っております。  そこで、この1歳未満児を保育所で預かる経費が1人当たり幾らかかるのか、またその子が卒園するまでにかかる経費についてお聞かせください。 98 ◯ 議長(村上 和久君)  中村こども家庭部長。 99 ◯ こども家庭部長(中村 正美君)  1歳未満児が保育所等を利用した場合の公費負担額を平成29年度の私立施設への施設型給付費の実績から試算したところ、1人当たりの年額は約170万円、卒園するまでは約730万円となっております。 100 ◯ 議長(村上 和久君)  30番 高田 重信君。 101 ◯ 30番(高田 重信君)  思った以上に公費がかかっているということも、また親御さんたちには御理解をいただきたいと思っておりますが、現在、国においては、保育の無償化について検討されておりますが、保育の無償化が実施されれば、家庭で養育している方々との経済的な不公平感がますます拡大するものと考えます。  現在、家庭で養育している家族に対してもっと支援をするべきと考えますが、見解をお聞かせください。 102 ◯ 議長(村上 和久君)  中村こども家庭部長。 103 ◯ こども家庭部長(中村 正美君)  本市においては、乳幼児期の子育て支援を実施する施設といたしまして、育児相談や子育てに関する情報提供などを行う子育て支援センターや、発育・発達に関する相談や健康診査、赤ちゃん教室などを行う保健福祉センターがございます。  また、児童に健全な遊びを提供し、健康増進と豊かな情操を育むことを目的とした児童館を設置しております。  これらのほかに家庭で養育している方に対しては、保育所、子育て支援センター、児童館などで親子の交流を深める遊び方の指導や、子育ての悩み相談を行う親子サークルの実施や、地元の公民館などで保健推進員が母子の孤立化や育児不安の解消を目的とした仲間づくりの赤ちゃん教室などを実施し、支援しております。  今後とも、子育て支援センター及び親子サークルの充実や、保健福祉センターに設置している子育て世代包括支援センターによる切れ目ない子育て支援体制の強化を図るなど、家庭で養育している方が気軽に育児に関する相談を行える環境づくりに努め、支援してまいりたいと考えております。 104 ◯ 議長(村上 和久君)  30番 高田 重信君。 105 ◯ 30番(高田 重信君)  先ほど1人の保育にかかる公費が170万円という数字をお聞きしましたが、少しでも家庭で養育している方々の経済的なというか、なかなか法的にも難しいところがあるのかもしれませんが、私たちも勉強していきたいと思っていますので、その点についてもまた御検討いただければと思っておりますが、国の中で幼児教育、保育無償化が実施された場合、どのような影響が想定されると思っておられるのか、見解をお聞かせください。 106 ◯ 議長(村上 和久君)  中村こども家庭部長。 107 ◯ こども家庭部長(中村 正美君)  まず、影響として考えられるのは、利用希望者が増えることでございます。これまで幼稚園や保育所を利用していなかった人が新たに利用を希望されることが考えられます。  また、幼稚園の利用者が無償化を契機に保育所の利用を希望するなど、利用者のニーズが変わるということも考えられます。これまで本市では、保育所利用者の増加傾向が長く続いていることから、受け皿となる施設の整備や保育士の確保に取り組んでまいりましたが、今以上に保育所の利用希望が増えることになれば、さらなる受け皿の拡大を図っていかなければなりません。  政府で検討されている幼児教育・保育の無償化は、3歳から5歳までの子どもとゼロ歳から2歳までの住民税非課税世帯の子どもに限定されており、急激な変化はないものと考えておりますが、今後の利用申込みの動向を注視し、的確に対応してまいりたいと考えております。 108 ◯ 議長(村上 和久君)  30番 高田 重信君。 109 ◯ 30番(高田 重信君)  最後に、この点について、何か市長、思いがありましたらお聞かせ願いたいと思います。 110 ◯ 議長(村上 和久君)  森市長。 111 ◯ 市長(森  雅志君)  私は意見を別にします。  ママは、赤ちゃんが生まれて、その喜びという大きなものがあって、自分で子育てをしたいというのが多くのママの本音だと思います。やむなく預けなければいけないというのが多くの方の実態ではないかというふうに思っています。  ただだから預けるとか、そんなことではないのだと思います。自分が家庭で子どもと1年なりしっかり育児ができるということの満足度、幸福感ということのほうがはるかに大きいと思いますので、無償化になったから急に預ける人が増えると。もちろん現象としては出てくるでしょう。出てくるでしょうが、保育に欠けない人を預かるわけではないわけだから、育児休暇を取って1年間家で育児できる人は保育所に預けられないわけですよ。預けられないどころか、ものすごくそれは幸せだと感じる人のほうが多いのだと思います。  だから、8週間で預けなければいけない立場ということのつらさというものが、逆にあるのではないかと私はずっと思っています。  ゼロ歳児で預けなければいけない…… 112 ◯ 議長(村上 和久君)  答弁の途中ですが、高田 重信議員の持ち時間が経過いたしましたので。 113 ◯ 市長(森  雅志君)  はい。これで趣旨、言いたいことは伝わったと思います。よろしくお願いします。 114 ◯ 議長(村上 和久君)  これで高田 重信議員の一般質問及び議案の質疑を終了いたします。  20番 成田 光雄君。   〔20番 成田 光雄君 登壇〕 115 ◯ 20番(成田 光雄君)  平成30年9月定例会に当たり、自由民主党より一般質問並びに議案の質疑を行います。  まず初めに、去る8月下旬、前線の影響の大雨により、県内では床下浸水や土砂災害が発生し、鉄道の運休など交通機関に影響が出ました。本市も一時激しい雨が降り、大雨洪水警報が発令されましたが、ことし整備された松川雨水貯留施設のおかげで中心市街地での浸水被害がほぼ解消されており、改めて本市の計画的な浸水対策の成果が着実にあらわれていると感じています。当局には、引き続き浸水被害の軽減に努めてもらいたいと思っております。  それでは、最初の質問に入ります。  近年、本市における人口の社会動態は、都心地区、公共交通沿線居住推進地区を中心に増加しており、しかも全用途の平均変動率が例年上昇していると聞いています。  平成29年度の歳入歳出状況についてお聞かせください。  提案理由の説明にありましたが、歳入では市民税や固定資産税など増収が見込まれ、市税全体として当初予算を上回る収入を確保できるものと説明がありましたが、平成30年度の税収見込みや平成31年度の予算編成についてもお聞かせください。  次に、まちなか医療体制について伺います。  報道では、富山市の中心部にある富山逓信病院が来年4月、日本郵政株式会社から本市に譲渡されることになり、年内に基本合意書を交わし譲渡に関する条件を確定する予定で、まちなかの医療体制の充実・強化につながることが期待されています。  日本郵政は、収益力を高めるために不採算部門の病院事業を整理して、平成26年に全国で14カ所あった逓信病院は順次譲渡や廃止を進め、地元の医療法人などに譲渡されてきましたが、今回のように自治体に譲渡されるのは初めてのケースとなります。  現在、富山市民病院が中心部から離れているのに対し、富山逓信病院は中心市街地に近接し、市内電車も近いので、まちなか居住の推進に力を入れている本市にとっては、市民病院の分院的な医療拠点を中心部に置くことで、ある程度のメリットが考えられます。  また、昨年4月に総曲輪レガートスクエアにまちなか総合ケアセンターを開設し、訪問診療による在宅医療を基本にしたまちなか診療所ができました。まちなかの高齢者にとっても、徒歩で通院できる医療拠点が存続することは大切なことではありますが、本市で買収し、運営し続けていくには、前途多難で大変不安に感じていますので、幾つか質問します。  現在の日本郵政株式会社が経営する逓信病院事業について伺います。  現在、全国に6病院を有していますが、2015年度においては、事業全体で52億円の赤字となっており、当該年度時点では逓信病院は全国に11病院あり、単純計算で1病院当たり約4億円の赤字を抱えていることになりますが、これは単年度の数字であることに注意が必要です。  さらに、富山逓信病院が平成28年度、県に報告された病院の利用実態である病床機能報告では、年間の全入院患者数の在棟患者延べ数は8,758人、1日当たりに換算すると約24人、病床利用率は48%で、一般病院の病床利用率の全国平均が約75%であることから、極めて低い水準にあると言えます。  富山逓信病院の経営状況は極めて悪いことが安易に予想され、これを富山市が買収することになれば、買収金額そのものもさることながら、年間数億円と予想される経常的な赤字を富山市が引き受けることになります。  近年の富山逓信病院の病床利用率や経営状況、また買収金額をお聞かせください。  さらに、巨額な赤字を引き継ぎ、その後の対応について見解をお聞かせください。  現在の富山逓信病院の建物は、建築後相当な年月が経過しており、遠くない時期に抜本的な改修が必要な状況にあり、毎年の経常的な赤字に加え、建てかえなどに係る巨額の資本投下が不可避でありますが、その時点で老朽化している建物の維持管理について見解をお聞かせください。  本市の運営する富山市民病院の平成28年度の病床機能報告では、年間の在棟患者延べ数は13万9,306人、1日当たりに換算すると381.6人となり、精神病床、感染症病床を除く総病床数は539床であり、平均すると1日157床が未利用の状態にあります。これは富山逓信病院の総病床数50床の約3倍の数値です。  平成28年度の富山市公営企業会計決算審査意見書によれば、富山市の病院事業会計は医業収益109億8,400万円に対し、医業費用117億1,500万円、差引き医業損失はマイナス7億3,100万円と、富山逓信病院以上の赤字となっており、この赤字は補助金によって補填されています。  富山市民病院は本市の基幹的な急性期医療機関であり、その収益性には多様な見方はありますが、少なくとも莫大な不稼働病床と7億円にも上る赤字を抱えていながら、さらに巨額の赤字を抱える病院を購入しようとしています。  報道によれば、富山逓信病院は回復期や在宅医療を担い、高度専門医療や急性期医療を提供する富山市民病院と役割を分担するとされています。  医療法の改正に伴い、富山県が平成29年3月に策定した地域医療構想では、富山県全体で現在の病床数1万4,255床(平成26年時点)に対し、将来必要となる病床数9,557床(平成37年予測)と推計しており、差引き4,698床が過剰とされています。特に富山市民病院が担っている高度急性期・急性期の病床機能は3,457床が過剰と考えられています。富山県はこのような状況に対し、過剰となっている病床機能の病床から、リハビリテーションなどを担う回復期機能への転換を促進しています。  国、県の医療政策にのっとれば、まずは富山市民病院で過剰となっている急性期病床を削減した上で、回復期機能に転換するのが本筋であるにもかかわらず、巨額の赤字を抱える病院を買収して、これに対応するのは富山市民病院の組織防衛に市税をつぎ込むことに等しいと思います。  今まで述べたとおり、富山逓信病院は毎年巨額な赤字が発生しており、これをそのまま富山市が買収するとなれば、当初の購入額のみならず、毎年数億円単位の赤字が発生することになり、その赤字は最終的に税金で補填することになります。既に富山市民病院自体が医業収支で約7億円の赤字が生じており、この構造に手当てをせず事業を拡大することは本市の財政に深い傷を与えることになります。  なお、平成29年度には、富山市が新たにまちなか診療所事業を開始しましたが、平成29年度末時点で費用1億871万円に対し、収入は1,954万円にすぎず、単純計算で8,917万円の赤字となっています。  また、富山県では、これまで高度急性期・急性期機能を公的病院が、その後の回復期・慢性期機能を民間医療機関が担ってきた経緯があり、急性期治療後は地域の開業医や民間病院との連携によって対応してきています。仮に急性期治療後の段階まで富山市の病院事業として行うとなれば、これまで積み重ねてきた地域医療のネットワークをみずから破壊することになりかねません。これまで急性期治療後の後方の医療を担当していた民間医療機関の需要を押し出すこととなり、民間の雇用や所得ひいては富山市みずからの税収にも悪影響が及ぶことになります。  さらに言えば、富山逓信病院が立地する鹿島町は富山市の一等地にあり、ここから納税される固定資産税や都市計画税は少なくない額のはずです。富山市の市有地となれば、これらの税収も見込めなくなります。  本市は歳入の約1割、平成29年度は185億円程度を市債で賄っていることを踏まえれば、買収によって得られる事業的・経済的メリットを大きく上回る財政的負担が付随することについて、十分な議論が必要かと考えますが、市長の考えをお聞かせください。  次に、小・中学校のエアコン設置について伺います。  ことしの猛暑を受け、政府も補助金制度の創設など、全国の小・中学校のエアコン設置について財政支援の検討に入り、各自治体が早期の補助金制度導入に向けて動き出したところ、先日の市長会見で、市内の公立小・中学校の普通教室におけるエアコン設置について、国の財政支援の規模にかかわらず事業を進めると積極的な発言をされ、市長が子どもたちへの安心・安全で質の高い教育環境の確保を最優先に考え大英断を下したことは、実現に向けて大いに期待しているところであります。  我々自民党会派が、過去から市立保育園の保育室へのエアコン設置について要望してきた経緯があり、現在では公立、民間合わせてほぼ全部の幼稚園やこども園などの保育施設に整備され、残りの小・中学校に導入されると全ての子どもたちをはじめ教職員の快適な教育環境が確保されます。  エアコンが未整備の施設を抱えている他の自治体にも影響を与え、一層早期導入に向けて進むと期待しています。  また、導入方法についても同じく注視しているところですが、今定例会に提案された小・中学校の空調整備事業費債務負担行為についてお伺いします。  エアコン設備の設置は莫大な費用がかかることに加え、ランニングコストも大きな財政負担となることから、当初より民間資本を生かした方法など、より効率的に整備できる方法があるかと思います。  昨年度から進めていた導入に向けた調査結果から、現在の状況を踏まえ、改めて今後の導入について見解をお聞かせください。  例えば、民間資本を活用した方法になれば多額の事業費がかかることから、資本力や信用力のある大手企業が参入してくることが予想されます。しかし、この整備事業については長期的な運用、維持管理が必要となり、アフターフォローが重要ですし、地域の意見もくみ上げてくれる地元企業の資本活用が必要かと考えますが、当局の見解をお聞かせください。  最後に、選ばれるまちづくり事業について伺います。  今年度、定住・交流人口の拡大を図る目的で、選ばれるまちを目指し戦略的に情報発信を行い、本市の認知度向上や本市に対する愛着や誇りを持つため「AMAZING TOYAMAプロジェクト」を展開しているシビックプライド醸成事業や、ANAグループと協定し、国内外に発信しているとやまイメージアップ事業などさまざまな取組みを行っています。  その中でもメーン事業となる東京ガールズコレクション富山2018が本年7月に市総合体育館で開催され、本市はその開催費用を3,000万円負担しております。このイベントは2009年より地域産業活性化プロジェクトとして地方都市で開催し、地域産業の活性化に貢献しており、2015年に東京ガールズコレクション地方創生プロジェクトを発足、地方創生にも一役を担っており、今回北陸で初めての開催となり、このイベントと合わせて富岩運河環水公園で行われたグルメフェスティバルと花火大会では、たくさんの方が訪れ盛大に行われたようですが、このイベントでどのような成果があったかお聞かせください。  以上で一般質問並びに議案の質疑を終わります。 116 ◯ 議長(村上 和久君)  森市長の答弁を求めます。   〔市長 森  雅志君 登壇〕 117 ◯ 市長(森  雅志君)  成田議員の御質問にお答えします。
     私のほうからは、問2、まちなか医療体制についてのお尋ねのうち1点、問4、選ばれるまちづくり事業についての1点をお答えし、その他の事項については病院事業管理者及び担当部局長から答弁申し上げます。  答弁に入ります前に、まず2点申し上げたいと思います。  議員は本質的に自治体運営の一番大事にしなければいけないところを忘れてしまった質問になっています。  まちなか診療所が採算が合わないのは当たり前です。最初から。民間の開業医が小見までどうやって診療に行きますか。しかし、そこにも独居老人で病院へ通えない高齢者がいるわけです。それを補うのが自治体の使命です。それも収支を議論していたら、そういう事業はできないことになります。  自治体の運営というのは、1つ1つを切り取って収支が合っていないではないかという議論は全くナンセンス。全体として持続性を持つ運営、経営をしていくことが大事なのだということを申し上げておきたいというのが1点。  2点目は、富山逓信病院との協議は優先交渉権を得たところなので交渉中です。したがって、合意できなければ話はなかったことになるという段階であることをまず申し上げておきたい。それから、富山逓信病院が4億円の赤字だとは誰も言っていないし、勝手にどこかから出てきた数字で、それを断定的に発言されるのは極めて富山逓信病院に対して失礼な態度だと思いますので、私は決してそういう言い方はしないということを付言しておきます。腹を立てているのです。  まず、富山逓信病院の譲り受けの理由については、一番大事なポイントは、まちなかに立地する唯一の公的な病院である富山逓信病院が閉院となった場合に、市民生活への影響が大きいと判断したからであります。したがって、譲り受けに当たっては、慎重な交渉をしていくことは当然ですが、最終的には一定程度はのみ込んで、まちなかのこの公立病院がなくならないようにしていくことを優先していきたいという思いではおります。  現在、富山逓信病院の経営状況を申し上げることはできませんし、公表されておりませんが、交渉の過程においては一定程度突っ込んだことのやりとりは起きてくるということは否定はしません。しかし、最終的に債務があったとしても、それを引き継ぐことはありません。富山逓信病院という組織がなくなって、新たな医療機関が生まれると考えていただければわかりやすいと思います。  しかしその結果、医師や看護師や作業療法士やその他のレントゲン技師やさまざまな専門的職能者を、人材を引き継ぐことになるわけですから、この人たちの勤務していたことの意義は大変大きいし、雇用の確保という観点からも大変重要な意味があると思っています。  何よりも、病院事業は、経済性の発揮と公共の福祉の増進を経営の基本原則としており、独立採算制を原則としながらも、救急医療や不採算であっても市民生活に必要な診療を提供する責務があるわけです。ここが民間の病院経営と公的病院との根本的な違いです。したがって、収支だけをもって事業の是非を判断するものではないというふうに考えております。  公立病院の役割は、地域に必要な医療のうち、採算性等の面から民間医療機関による提供が困難な医療を提供することが基本であります。これは、急性期医療は公的病院、急性期後は地域の開業医や民間病院が担うという考え方ではなく、地域において真に必要な医療を官民がともに知恵を出し、協力しながら提供し、地域医療を守っていくということであると考えております。  現在、富山医療圏においては、高度急性期・急性期病床、慢性期病床は過剰となる一方、回復期病床が不足し、在宅医療の需要も大幅に増加するという課題が顕在化しております。こうした状況を勘案すると、今回の富山逓信病院の譲り受けに際し、病院事業全体として病床機能や病床数の適正な見直しを図ることで公立病院の再編・ネットワーク化や医療圏内の病床機能の転換といった国、県が示す医療政策に本市が率先して対応することになるものであると考えております。  富山医療圏全体での適正なあり方というものを、きちっと関係の病院等で議論する、市や県も交えて議論する、そういったことのきっかけにもなるだろうというふうに思っております。  この点において、市が富山逓信病院を引き継いで担うべきは、現在、富山県地域医療構想で示されている不足する回復期病床の確保と在宅医療の支援であると考えており、在宅医療を担う開業医の皆さんの後方支援病院としてまちなか診療所と連携しながら、市民の皆様が住みなれた地域で安心して暮らすことができるまちづくりを進めてまいりたいと考えております。  最後に、まちなか居住を推進する本市の施策において、まちなかに病院や学校、スーパーマーケットといった生活に必要な都市機能は不可欠であり、効率的な病院経営を前提とし、市民が安心して暮らせる、子育てができるといったまちづくりを行うことは、病院の譲り受けに十分な合理性があるものと考えております。もちろん交渉に当たっては経営感覚を忘れてはいけません。何でも受けると言っているわけではありません。  しかし、今言いました大事な使命をまず大前提に譲り受け後の経営がきちっと健全化するような交渉をちゃんとやっていくということだろうと思っています。  また、病院自体一つ一つの文化があります。その文化というものについても、市民病院の文化に合わせてもらうような病院にしていくことが大事だろうというふうに思っています。  次に、最後のTGC富山2018の成果についてのお尋ねにお答えします。  若い女性に人気を誇る国内最大級のファッションイベント、東京ガールズコレクションが、総勢70名を超える一流モデルやタレント、アーティストを迎え入れ、TGC富山2018として北陸地方では初めて、去る7月21日に盛大に開催されたところであります。  東京ガールズコレクションを主催する実行委員会──株式会社W TOKYO代表取締役の村上さんが実行委員長ですが──この委員会では、ファッションコンテンツにあわせ、食文化や観光資源などの地域の魅力を全国に発信し、観光客誘致や地域経済の活性化を図ることを目的としたTGC地方創生プロジェクトを2015年からスタートさせており、本市での開催は、このプロジェクトに基づき北九州市、広島市に次いで3番目の地方都市での開催になるものであります。  当日会場である富山市総合体育館には、厳しい猛暑の中、市内、県内はもとより県外からも着飾った多くの女性や若者が列をなして集まり、主催者側の報告では、来場者数は延べ約6,850人とされております。また、サイドイベントとして、会場に隣接する富岩運河環水公園で行われたグルメフェスと花火大会にも約4万人の集客があったとされています。  今回、主催者である東京ガールズコレクション実行委員会や県内のスポンサー企業などの多大な御協力のもと、本市においてTGC富山2018を開催できましたことは、富山で最先端のガールズファッションや若者文化に直接触れることができる機会があることを、地元に暮らす多くの女性や若者に実感してもらえたという意味でも、大変大きな意義があったものと考えております。また、東京などから北陸新幹線を利用してこのイベントに参加された若者も多かったものと見込んでいるところであります。  その上で、今回のイベントの成果といたしましては、本市のアートや食文化などの魅力をTGCというブランドを通して全国に発信できたこと、質の高いライフスタイルが実現できるおしゃれなまちとして、本市の都市イメージを向上させることができたこと、若者をはじめ多くの市民がファッショナブルなまちに暮らしているということを自覚することで、富山市への愛着心を抱くシビックプライドの一層の醸成につながったことなどが考えられるところであります。  なお、情報発信による成果として、新聞、テレビなどの各種メディアに大きく取り上げられたことはもとより、会場内の様子が携帯電話アプリのLINEで生中継され、延べ約70万人が視聴したほか、数多くのフォロワーを持つ出演モデルやアーティストによるSNSでの発信では、「いいね」の数が300万件を超えたなどと伺っており、全国の女性や若者の関心の高さやイベントの影響力の大きさを改めて感じております。  本市といたしましては、今回のTGC富山2018の開催を1つの契機として、次世代を担う若者や女性にとって、暮らしたいまち、住みたいまち、住み続けたいまちとして選ばれるまちとなるよう、今後より一層、シティプロモーションの推進とシビックプライドの醸成に努めてまいりたいと考えております。  また、東京ガールズコレクションは、ファッションイベントなどを通じて若い人たちに国連が提唱する持続可能な開発目標であるSDGsを知ってもらう活動をも行っておられ、ことし5月にはニューヨークの国連本部において、SDGsを推進するためのイベントとしてファッションセレモニーを開催されております。  SDGs未来都市に選定された本市といたしましては、このSDGsの理念や女性活躍などSDGsの17の目標などについて、今後さらに市民や企業の皆様に知っていただく取組みを積極的に展開してまいりたいと考えております。  以上でございます。 118 ◯ 議長(村上 和久君)  泉病院事業管理者。   〔病院事業管理者 泉  良平君 登壇〕 119 ◯ 病院事業管理者(泉  良平君)  まちなか医療体制について、近年の富山逓信病院の病床利用率や経営状況、買収金額について問うにお答えいたします。  富山逓信病院の病床利用率につきましては、医療法で報告が義務づけられている病床機能報告の数値から試算いたしますと、平成28年7月から平成29年6月までの期間では53.3%程度と見込まれます。  次に、経営状況につきましては、運営主体である日本郵政株式会社では、病院ごとの経営状況については公開しておりません。  また、現在、市は基本合意書を締結し、優先交渉権を得て協議を進めている段階であり、公開しないことを前提に開示されている富山逓信病院の経営状況については、企業の機密情報に該当するため、お答えすることはできません。  病院の譲り受け金額につきましては、現在、日本郵政側と協議中であるため、現時点でお答えすることはできませんが、事業譲渡契約書を締結するため、本年12月にはお示しする予定としております。  なお、譲り受け金額の算定に当たっては、不動産鑑定や固定資産税評価額、今後の経営予測等を総合的に勘案し、病院事業会計に過度な負担とならないよう協議を進めているところでございます。  次に、富山逓信病院の巨額な赤字を引き継ぎ、その後の対応について見解を問うにお答えいたします。  富山逓信病院の事業の譲り受けにおきましては、現在の富山逓信病院は一旦閉院され、市が新たな病院を設置することとなるため、その負債については一切引き継ぐことはありません。  譲り受け後の病院運営につきましては、現在の急性期病床から富山医療圏で不足するとされる回復期病床に転換し、さらに、市民病院との連携を強化することによる相乗効果により経営改善を図り、病院事業全体として黒字化を達成してまいりたいと考えております。  最後に、富山逓信病院の老朽化している建物の維持管理について見解を問うにお答えいたします。  富山逓信病院の譲り受けに当たっては、日本郵政株式会社が作成した建物状況等の調査報告書や現地調査の結果などにより、これまで計画的な修繕が行われていることを確認しており、喫緊に大規模な修繕は必要ないものと考えております。  しかしながら、昭和39年7月の病院開設後、既に50年以上経過しており、改築の検討も行う必要があることは認識しているところでありますが、まずは、患者さんの診療等に影響を与えることのないよう、日常点検をしっかりと行い、現在の施設の維持管理に努めたいと考えております。  以上でございます。 120 ◯ 議長(村上 和久君)  太田会計管理者。   〔会計管理者 太田 泰文君 登壇〕 121 ◯ 会計管理者(太田 泰文君)  歳入歳出について御質問のうち、平成29年度の歳入歳出状況について問うにお答えします。  平成29年度の決算については、監査委員の審査を経て今議会に認定の提案をさせていただいたところでありますが、一般会計及び16の特別会計を合わせた予算現額は3,169億円余りであり、これに対する歳入決算額は3,035億円余り、歳出決算額は2,976億円余りとなっております。平成28年度決算額と比べ、歳入で39億円余り、率で1.3%、歳出で39億4,000万円余り、率で1.3%それぞれ増加しております。  このうち一般会計においては、歳入決算額が1,639億円余り、歳出決算額は1,607億円余りで、歳入から歳出を差し引いた収支は32億円余りの黒字となっております。  さらに、この収支額から翌年度へ繰り越すべき財源の11億1,000万円余りを差し引いた実質収支額も20億9,000万円余りの黒字であります。  なお、一般会計の歳入決算額のうち44.8%を占める市税、733億7,000万円余りで、平成28年度と比べ10億3,000万円余りの増加でありました。  一方、歳出決算額のうち35.3%を占める民生費は、567億8,000万円余りで、平成28年度と比べ22億9,000万円余りの増となっております。  次に、特別会計の実質収支は、後期高齢者医療事業や国民健康保険事業、競輪事業など6会計で黒字となり、公債管理など10会計で収支均衡となっております。  以上であります。 122 ◯ 議長(村上 和久君)  奥村財務部長。   〔財務部長 奥村 信雄君 登壇〕 123 ◯ 財務部長(奥村 信雄君)  歳入歳出についてお尋ねのうち、平成30年度の税収見込みについて問うにお答えいたします。  平成30年度の当初予算において、市税は地方財政計画、税制改正などを勘案し、総額で727億7,000万円余りを計上しております。  現時点における今年度の税収見込みを当初予算と比べて申し上げますと、まず、個人市民税は納税義務者数の増加や給与所得の伸びが見込まれ、法人市民税は企業収益の改善による法人税割額の増加が見込まれ、市民税全体で増収が見込まれます。  次に、固定資産税は、土地では、増減は小さく、家屋では新築・増築件数が増加したこと、償却資産では、製造業の設備投資が盛んであることなどから、固定資産税全体で増収が見込まれます。  一方、市たばこ税では、喫煙人口が減少していることなどから減収が見込まれます。これらのことから、市税全体では、今年度の税収見込みは当初予算を上回るものと見込まれます。  次に、平成31年度の予算編成について問うにお答えいたします。  先日の提案理由説明で市長から説明がされましたが、平成31年度の歳入につきましては、市民税において給与所得の増加や企業収益の改善など、固定資産税においては、新増築家屋が着実に増加していることなどにより増収を見込んでおり、市税全体としては、本年度の当初予算を上回るものと見込んでおります。  しかしながら、地方交付税は市町村合併に係る支援措置の段階的な縮小により減収が見込まれることから、一般財源総額は、大きな伸びが期待できないものと見込んでおります。  一方、歳出につきましては、公債費は減少するものの、扶助費等の増加が見込まれるとともに、第2次総合計画やSDGs未来都市計画をはじめ各種計画に位置づけた事業の着実な進捗、路面電車南北接続事業の完了、小・中学校のエアコンの設置、公共施設の老朽化対策など大きな財政需要が見込まれており、極めて厳しい予算編成になるものと考えております。  こうしたことから、平成31年度予算編成に当たりましては、事務事業評価などを行いながら、予算の重点的・効率的な配分を行ってまいりたいと考えております。  このことにより、「人・まち・自然が調和する活力都市とやま」の実現を目指し、市民一人一人が将来に希望を持てるような予算編成に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 124 ◯ 議長(村上 和久君)  立花教育委員会事務局長。   〔教育委員会事務局長 立花 宗一君 登壇〕 125 ◯ 教育委員会事務局長(立花 宗一君)  小・中学校エアコン設置についてお尋ねのうち、まず、昨年度から進めていた導入に向けた調査結果から現在の状況を踏まえ、改めて今後の導入について見解を問うにお答えします。  小・中学校普通教室のエアコン設置につきましては、昨年度、中学校において設置に向けた電源設備等の調査を実施いたしました。  この夏の記録的な猛暑を受け、小学校の調査につきましては、中学校の調査結果を活用することで期間の短縮を図ることとし、全体計画としては、平成31年度2学期を目途に全ての中学校、平成32年度2学期を目途に全ての小学校の普通教室にエアコンを設置したいと考えているところであります。  事業実施に当たりましては、市の直接工事やPFI方式、リース方式等が想定される中で、全ての普通教室に一括して早急にエアコンを設置するためには、現在のところ、リース方式が最適ではないかと考えております。  財源としましては、国の補助金を活用したいと考えておりますが、従来の制度ではリース方式には国の補助が適用されないため、去る8月10日に議長、市長及び教育長が国に対して柔軟に事業手法を選択できるよう支援要請を行ったところです。  今後は、国の補助制度の動向を注視してまいりますが、本市としましては、できる限り早期の設置を目指していることから、国の補助採択がない場合でも、平成32年度の設置完了に向けて、事業の促進に努めてまいりたいと考えております。  次に、アフターフォローができ、地域の意見もくみ上げてくれる地元企業の資本活用が必要と考えるが見解を問うにお答えします。  小・中学校普通教室のエアコン設置を行う事業者につきましては、13年間の維持管理費も含めて事業費約50億円という非常に大規模な事業であること、また、短期間での設置が必要であることから、工事を着実かつ効率的に適正な価格で実施でき、さらに安定的に維持管理を行う能力のある事業者を選定することが重要であると考えております。  こうしたことも踏まえた上で、事業者につきましては、提案競技により受託者を選定する予定でありますが、提案競技の実施に当たっては、地元企業の参加も考慮し、適切に対応してまいりたいと考えております。  以上でございます。 126 ◯ 議長(村上 和久君)  これで成田議員の一般質問及び議案の質疑を終了いたします。  暫時休憩いたします。                            午前11時41分 休憩                            ───────────                            午後 1時10分 再開 127 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  議長が都合により出席できませんので、私がかわって議事を進めさせていただきます。  休憩前に引き続き会議を開きます。  一般質問及び議案の質疑を継続いたします。  21番 松尾  茂君。 128 ◯ 21番(松尾  茂君)  平成30年9月定例会に当たり、公明党より一般質問をさせていただきます。
     初めに、子どもの安心・安全について伺います。  本年は記録的な猛暑となりました。本市においても、命にかかわる異常気象であったと言っても言い過ぎではないというふうに思います。  ある小学校1年生の女の子から電話をいただきました。「教室にクーラーをつけてください。死にたくないです」という内容でした。市長にも電話したのだと言っていましたけれども、森市長も早急な学校教室のエアコン設置に向け尽力をいただき、本当に感謝を申し上げたいと思います。  先ほどは設置の財源に関する質問がありましたけれども、中学校は来年度2学期からの設置、小学校は2020年度と伺っております。しばらく時間がかかります。  そこで、気温35度以上は臨時休校にするなど、エアコン設置までの間の対応が必要と考えますが、見解を伺います。 129 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  当局の答弁を求めます。  立花教育委員会事務局長。 130 ◯ 教育委員会事務局長(立花 宗一君)  小・中学校における暑さ対策につきましては、1つに、扇風機を教室に設置して空気を循環させ、室内に熱がこもらないようにすること、2つに、屋内の風通しのよい場所や直射日光の当たらない場所などへ移動して活動すること、3つに、既にエアコンが設置されている特別教室で、各学級ができるだけ多くの授業ができるよう時間割を工夫することなどを行っており、こうした上で、さらに小まめな水分補給などを呼びかけるなど、子どもの安全に配慮しております。  市教育委員会といたしましては、こうした取組みに加え、校外学習や部活動など、熱中症が心配される教育活動については、実施の有無や時間の短縮などを検討するなど、暑さ対策を十分行うよう各学校に対して引き続き指導してまいりたいと考えております。 131 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  21番 松尾  茂君。 132 ◯ 21番(松尾  茂君)  今おっしゃられたわけですけれども、学校の規模にもよるのかなと思います。エアコンが設置されている特別教室で賄える学校は大丈夫ですけれども、そうではない大規模校になりますと、なかなかそういうわけにもいかない。扇風機というお話もありましたけれども、もう熱風が吹き荒れるだけだというような御意見も聞いておりますので、お伝えをさせていただきたいと思います。  埼玉県の加須市では、最高気温35度以上かつ最低気温が28度以上になることが見込まれる場合は、市内の公立小・中学校だとか幼稚園を臨時休校にされているというふうなことも伺っております。  天気予報をもとに、3日前までに判断するということも実際に行われているということでありますので、いろいろと検討をいただいて、最善を尽くしていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。  それでは次に、児童虐待防止について伺いたいと思います。  昨年、児童福祉法、児童虐待の防止等に関する法律──児童虐待防止法──が改正されました。児童の権利の明確化、そして児童の最善の利益を守るための国民、保護者、国、地方公共団体の責務と続きます。  市町村は、在宅支援を中心となって行うなど、身近な場所で児童や保護者を継続的に支援し、児童虐待の発生予防等を図らなければなりません。しかし、残念ながら、子どもの虐待は増加しているのが現実であります。  東京都目黒区で虐待を受けたとされる船戸 結愛ちゃん(5歳)が本年3月に死亡した事件は、本当に悲しい、許せない事件でありました。  本市における養護相談件数の推移についてお聞かせください。 133 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  中村こども家庭部長。 134 ◯ こども家庭部長(中村 正美君)  養護相談件数には、身体的虐待、性的虐待、心理的虐待、ネグレクト、いわゆる育児放棄が疑われる児童虐待相談と、子どもの養育が心配される家庭の情報などのその他の相談の2種類がございます。  まず児童虐待相談件数につきましては、平成27年度は153件、平成28年度は206件、平成29年度は210件で、その他の相談件数につきましては、平成27年度が111件、平成28年度は116件、平成29年度は372件とどちらも増加傾向にあります。 135 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  21番 松尾  茂君。 136 ◯ 21番(松尾  茂君)  今、相談件数の中にその他ということを言われましたけれども、要するに、このその他ということも虐待に関する相談ということで受け取ってよろしいでしょうか。 137 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  中村こども家庭部長。 138 ◯ こども家庭部長(中村 正美君)  必ずしも虐待に結びつくといったものばかりではないとは思います。発育だとかいろんな面で子どもの養育が心配される、そういう御家庭の情報などといった相談でございます。 139 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  21番 松尾  茂君。 140 ◯ 21番(松尾  茂君)  今言われました発育だとか、親が心配することによって親が精神的にいろいろと悩むということによる虐待、そういったことも考えますと、やっぱり虐待にかかわることになるのかなと自分は今思いました。違いますか。  いずれにしましても、相談件数がかなり増加しているのかなというふうに思いましたけれども、実際どのように分析をされていますか。お伺いします。 141 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  中村こども家庭部長。 142 ◯ こども家庭部長(中村 正美君)  今の養護相談件数の増加の要因といたしましては、1つには、毎年11月の児童虐待防止推進月間の啓発活動やマスコミ報道などによりまして、市民や学校などの関係機関の児童虐待防止への意識が高まったこと、また、2つには、保健・医療・福祉・教育などの関係機関が、支援が必要と判断した事例の相談が増加するなど、情報共有や連携強化が図られてきていることなどが考えられます。 143 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  21番 松尾  茂君。 144 ◯ 21番(松尾  茂君)  これまでさまざま、啓発活動だとか一生懸命に取り組んでこられたと思いますし、また、今言われた連携強化などが増えたことに関しましては、これまでの取組みによってそういったことがわかってきたということなのかなというふうに思っております。  政府は、児童相談所や市町村の体制強化のために、新たな児童虐待防止対策体制総合強化プランを年内に策定するとしております。  この中に、児童相談所で保護者や子どもの相談、支援業務に当たる児童福祉司を2022年度までに約2,000人増員することや、相談などに対応する子ども家庭総合支援拠点の設置を促進するということが盛り込まれております。  本年7月に、仙台大学教授、厚生労働省母子家庭自立支援事業評価委員でもある千葉 喜久也先生の児童虐待防止の取組みについて講義を受けてきました。先生は、児童相談所をいくら充実させても、そこに至るまでの過程で適切な支援が行われなければ支援は困難を極める、要するに、初動である市町村の体制を充実させることが重要であると言っておられます。  今後、児童相談所との適切な連携と役割分担が必要になると思われますが、国では子ども家庭総合支援拠点の設置の促進を求めておりますけれども、市の見解を伺います。 145 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  中村こども家庭部長。 146 ◯ こども家庭部長(中村 正美君)  国では、市町村における児童、家庭への支援の水準には地域ごとにばらつきがあり、格差が生じているなど基盤が十分に整備されていないことから、相談体制の強化を図るため、平成28年に児童福祉法が改正され、平成29年度より市町村は子ども家庭総合支援拠点の設置に努めるものとされたところでございます。  このような中、先ほど議員からもお話がありましたが、本年、東京都目黒区で起きた事案のような虐待を防ぐため、国においては、この7月20日に開催された児童虐待防止対策に関する関係閣僚会議において、緊急総合対策が取りまとめられたところであり、その中の緊急的に講ずる対策の1つとして、児童虐待防止対策体制総合強化プランを年内に策定することとされております。  このプランについては、その骨子が既に公表されておりまして、その中では、児童相談所の体制強化とともに、市町村の体制強化として、子ども家庭総合支援拠点の設置促進などが盛り込まれております。  一方、本市では、平成18年度から毎年、県の児童相談所に職員を派遣しており、人材育成に努めるとともに、平成25年度には体制強化のため児童相談係を設置して、各種相談業務への対応や要支援児童、要保護児童への支援業務を行ってきたところでございます。  今回、国が子ども家庭総合支援拠点を設けることで期待している機能につきましては、本市としては、実態として概ね備えているものというふうに認識はしております。  こうしたことから、議員の御質問にありました子ども家庭総合支援拠点の設置につきましては、年内に策定される児童虐待防止対策体制総合強化プランの内容など、その動向も注視しながら検討してまいりたいと考えております。 147 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  21番 松尾  茂君。 148 ◯ 21番(松尾  茂君)  要は、体制強化が一番の目的だということが今わかりました。拠点の設置については、またプラン策定後に検討していくということでよろしいかと思います。  今、さまざま、市の体制強化の話も出ていましたけれども、実際に、現在の人員組織体制で適切な対応が可能なのか、改めて見解を伺います。 149 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  中村こども家庭部長。 150 ◯ こども家庭部長(中村 正美君)  児童虐待防止など児童相談に関する業務に関しましては、現在、こども家庭部こども育成健康課の児童相談係が担っております。  この係では、行政職の係長のもと、児童相談所で児童福祉司としての実務経験のある保育士と保健師のほか、社会福祉士、家庭児童相談員の計5名を配置しております。  職員は平日日中の相談業務はもちろんのこと、平日夜間や休日においても家庭を訪問し、保護者の子どもに対する思いといったものを十分に聞きながら、困ったときに相談できる関係機関の窓口を紹介したり、また、何度も面談を重ねることで親との信頼関係を築き、虐待の防止に努めております。  このような対応には非常に多くの時間が必要なことから、職員の負担も年々大きくなってきております。  また、先ほどの御質問にもお答えしましたように、最近の社会情勢を反映して、年々、養護相談件数が増加していることや、相談内容が複雑化し、また困難な事例も増加してきております。  このような中、現在のところ、相談や対応の質といったものが低下することのないように努めておりますが、今後、さらに相談件数が増加することも想定されることや、業務に当たっては、より高度な専門性といったものが求められることから、心理に関する専門職員の増員や、今ほど申し上げました子ども家庭総合支援拠点の設置などの体制強化について、今後の課題として検討してまいりたいと考えております。 151 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  21番 松尾  茂君。 152 ◯ 21番(松尾  茂君)  虐待の背景には親の要因、生活の要因、子どもの要因があるかと思います。特に親の経済苦、病気等、親側の支援について家庭を孤立させない、そして継続的に支援することが重要と考えますけれども、本市の取組みについてお聞かせください。 153 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  中村こども家庭部長。 154 ◯ こども家庭部長(中村 正美君)  児童虐待の要因には、保護者側の要因、子ども側の要因、そしてまた環境による要因などさまざまな要因が考えられるとされております。  児童虐待相談の対応に当たる際に、保護者については健康状態や経済状態、家族関係も含めて把握するように努めており、必要な場合には支援を行っております。  具体的には、健康状態に問題のある場合には、医療機関との連携を図りまして、必要な場合には受診するように働きかけております。  また、経済的に困窮している場合には、児童手当や児童扶養手当の受給手続や生活保護の申請手続など本市の担当窓口へつないでおり、また就労を希望している場合には、ハローワークに案内するなどといったことも行っております。  また、家族や親族、近隣との関係が希薄で、身近に相談者がいない場合については、相談できる機関を紹介するなどしております。  このように、保護者についても必要な支援が継続して受けられるよう、関係機関と密接に連携して対応しており、保護者を孤立させることのないように努めております。 155 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  21番 松尾  茂君。 156 ◯ 21番(松尾  茂君)  相談を待つだけではなくて、訪問による早期発見が重要と考えます。本市の取組みについてお聞かせください。 157 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  中村こども家庭部長。 158 ◯ こども家庭部長(中村 正美君)  本市におきましては、安心して子育てができるよう、また子どもが健やかに育つよう、適時、必要な家庭に対して家庭訪問による訪問指導事業を実施しております。  具体的には、1つには、新生児・未熟児・妊産婦訪問指導事業、この事業では母親からの出生連絡票により、助産師や保健師が生後28日以内に訪問しております。  2つ目ですが、乳児全戸訪問事業(こんにちは赤ちゃん事業)では、保健推進員が生後2カ月から3カ月の乳児がいる全ての家庭を訪問しております。  また、産前産後・養育支援訪問事業では、養育を支援することが特に必要と認められる妊産婦や保護者に対して、保健師、助産師に加え、臨床心理士が訪問しております。  そのほか、母親からの相談や保育所、教育機関、医療機関からの連絡を受け、子どもの養育が心配されたり、虐待の疑いがある場合においては、平日夜間や休日においても家庭を訪問し、状況の確認を行い、必要な支援につなげております。
     このような訪問指導事業を通して問題の早期発見に努め、必要な支援につなげており、こういったことが子どもの虐待の予防にもつながっていると考えております。 159 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  21番 松尾  茂君。 160 ◯ 21番(松尾  茂君)  虐待の兆候が見られてからの対応はもちろんですけれども、日ごろからアンテナを張りめぐらせて、家庭環境を確認するような取組みが重要かというふうに思います。  大阪府大東市の家庭教育支援事業について、具体的には、教育委員会事務局学校教育部に市が単独雇用したスクールソーシャルワーカー4人を中心に、民生委員児童委員、青少年指導員、市民サポーターらで相談・訪問チームを構成して、市内の全小学校1年生の全家庭を年2回訪問するというもので、児童虐待の早期発見につながっているということでありました。  本市においても、こういった取組みができないか見解を求めます。 161 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  立花教育委員会事務局長。 162 ◯ 教育委員会事務局長(立花 宗一君)  児童虐待をはじめ、いじめや不登校等、生徒指導上の問題の背景には、子ども自身が抱える問題に加えて家庭環境に起因することが多く、問題の解消や未然防止には家庭環境への支援や働きかけは必要不可欠であると考えております。  さらに、議員御指摘の大東市におけるスクールソーシャルワーカーをはじめ、さまざまな分野の人材で構成した、チームによる家庭教育支援につきましては、おのおのの経験から得た知識やスキルをもとにした多面的な支援や働きかけが期待できることに加え、家庭訪問においては、訪問した家庭に潜んでいる問題の発見にもつながるものと認識しております。  本市におきましては、10名のスクールソーシャルワーカーを小学校16校、中学校19校に配置するとともに、学校からの要請があれば、市教委からも迅速に派遣できる体制を整えております。  このスクールソーシャルワーカーが行う支援につきましては、学校からの要請を受け、問題を抱える子どもはもとより、その家庭や子どもを取り巻く環境に対して児童相談所や病院等、関係機関と連携・調整を図りながら、常に家庭訪問を中心とした支援や助言を行う体制をとっており、各学校においては、問題の改善や解決に向けての大きな力となっております。  市教育委員会といたしましては、本市の3,000人を超える小1児童の家庭をスクールソーシャルワーカーが全て訪問することは困難であると考えておりますが、スクールソーシャルワーカーのスキルアップを図るとともに、配置の工夫や確保、拡充に努め、生徒指導上のさまざまな問題の解決や未然防止に取り組んでまいりたいと考えております。 163 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  21番 松尾  茂君。 164 ◯ 21番(松尾  茂君)  ありがとうございます。  現在の社会環境の変化に伴って、こういった家庭的な問題というのはますます増加することが予想されます。本当にスクールソーシャルワーカーの人材確保といいますか、確保するには役割の明確化ですとか、待遇の改善ももしかしたら必要かもしれないなというふうに思っております。何とぞよろしくお願いをいたします。  最後に、この児童虐待につきまして、市長に答弁を求めたいと思います。  直接現場にかかわって、相談を受けて、地域の方とともに継続的な支援をしていくことは市の役割と考えます。今後、児童虐待防止をしていくための組織体制強化について市長の見解を求めます。 165 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  森市長。 166 ◯ 市長(森  雅志君)  質問を聞いていて違和感を感じたのは、何かの根拠がないと家庭訪問はできないわけです。学校関係者、教員等を伴って、学校教育法に基づいて家庭訪問をするということはできますが、市の職員がごく普通の家庭生活が営まれているところへ行って、「もしもし、お宅の事情を聞かせてください」なんていうことは、そこの同意がないとできないわけですよ。だから、外からの情報があった場合に、疑われる場合に動くということはできるわけです。あるいは医療機関から情報があったとか、そういうようなことに基づいて動くしかないわけなのです。  お気持ちはわかります。しかし、一人一人の個人の生活というのがあるわけで、いくら市役所だからといって、一軒一軒全ての家に調査に行くなんていうことはできないわけです。そこがこの問題の難しさの本質です。  児童相談所は、児童福祉法、その他の法律を根拠としながら最終的には立入りだとか、わかりやすい言葉で言うと、隔離して施設に入れるとかということができますけれども、それはそれぞれの法律がなければいけないわけなので、市の児童相談係にできることにはおのずから限界があるわけです。  ですが、地区センターが79カ所もあったり、包括支援センターが32カ所もあったり、7つの保健福祉センターがあったり、そういうところへお母さんたちがおいでになるときに得た情報というものが少しずつ集約されていくような体制というものは、やっぱりつくっていかなければいけないと思っています。  そして今、質問のありました現場で対応する職員の資質を向上するということは大変難しい課題です。だから、平成18年度から県の児童相談所へ毎年職員を送って、帰ってきた者もそういう職についたりしながら、全体としてのスキルアップをしているわけですけれども、そこは人数さえ増やせばいいというものではない。去年採用された人をいきなりそこへ持っていったからといって全然間に合うわけではないので、世の中の変化に追いついていけているかどうかは別として、問題意識としてはそう思っている中で、職員のスキルアップに努めていくということです。  採用に当たっては、社会福祉士という枠を別枠で採用したりということも始めているわけなので、それでも大学を卒業したばかりの社会福祉士がどこまでできるかというと、要するに座学しかないわけなので、あるいは在学中に現場へ行って経験してきたことしかないわけで、真に現場で起こっていることにどこまで経験しているかというと、そこはやっぱり数さえ増やせばいいというものではないという認識でいます。  しかし、マンパワーが不足しているのはそのとおりなので、時間はかかりますけれども、経験者を増やしていくということが大事かなと思います。 167 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  21番 松尾  茂君。 168 ◯ 21番(松尾  茂君)  ありがとうございました。  それでは次の質問に入りたいと思います。  自殺防止対策について伺います。  本日9月10日はWHO(世界保健機関)が制定いたしました世界自殺予防デーであります。自殺死亡率が全国に比べ高いこと、1つに、自殺死亡者数が総数では減少傾向にありますけれども、10代、20代の若年層では増加傾向であること、また70歳以上の高齢者の自殺率は全国的に増加傾向にあります。  現在、自殺対策計画を策定中だと思いますが、計画策定の進捗状況と課題についてお聞かせください。 169 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  酒井福祉保健部長。 170 ◯ 福祉保健部長(酒井 敏行君)  本市の自殺死亡率は、平成28年は16.2と4年ぶりに全国の自殺死亡率16.8を下回ったものの、若者の自殺率は減少傾向が見られないなど課題がございますので、市として今後もできることを着実に行ってまいりたいと考えております。  こうしたことから、本市では国の自殺総合対策大綱に基づきまして、平成29年度、平成30年度の2カ年で富山市自殺対策計画を策定することとしたものでございます。  平成29年度は、計画策定に当たっての課題などを整理するために設置しました、本市の関係課と富山市医師会、富山県ひきこもり地域支援センター、ハローワークなどの関係機関で構成するワーキング会議での協議を踏まえまして、本年3月に開催いたしました医療、福祉、産業、教育等の関係者で構成いたします富山市自殺対策推進連絡会議において、計画の骨子の検討を行ったところであります。  今年度は、これまで本市の高齢者生きがい対策事業や地域子育て支援事業をはじめとする既存の事業の中から自殺対策につながるような事業の洗い出しを行ってきたところであり、現在、それらの事業に自殺対策の視点を加えながら、計画における事業案を作成しているところでございます。  今後は、保健所保健予防課やこども育成健康課などの関係課とともに、労働基準監督署や民生委員児童委員協議会などの関係機関、団体などの協力を得ながら、計画の素案を作成し、その後、富山市自殺対策推進連絡会議の御意見をお聞きするなどして、今年度中に策定することとしております。  次に、本市の自殺対策における課題につきましては、昨年度に実施いたしましたワーキング会議における協議では、まず1つに、子どもや若者に関しまして、児童・生徒が悩みを抱え込まないようにするための支援体制づくりや、困難を抱えた若者への切れ目ない支援体制づくりなど、2つに、高齢者に関しまして、高齢者の孤立の予防や介護疲れによる心のストレス、鬱病などの病気など、3つに、仕事面に関しまして、特に20代、30代の働く若者のメンタルヘルス対策や、業種・規模別の自殺対策、職場内で相談しやすい環境づくりなどといった課題が挙げられたところでございます。 171 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  21番 松尾  茂君。 172 ◯ 21番(松尾  茂君)  いずれにしましても、現在、生きづらさを感じている方に対しての早急な支援、そして未来に向けての予防策、この両面の対応をしなければならないのかなというふうに私は感じております。  保健予防課が中心になって、今、当事者の声も聞きながら大変御苦労いただいていることは承知しております。何とぞよろしくお願いいたします。  先日、高崎市の自殺対策の取組みについて行政視察に行ってまいりました。高崎市では、精神疾患を抱えた人が不安を抱え続けることで病状の悪化や自殺念慮、自殺企図の危険性が高くなることのないよう、気軽に相談できる相談体制の整備を図っています。  本年5月より高崎市障害者支援SOSセンターが開設され、相談体制が拡充されました。また、精神障害者は周囲の無理解、非協力による孤立の無価値観から自殺の危険性が高くなるため、交流の場や居場所の提供も行っております。  本市では、NPO法人など民間団体が中心になり、こうした生きづらさを感じている若者たちが集える居場所をつくり、さまざまな相談に対応しております。  そこには自殺未遂をした若者、親から虐待を受けて育った子、また統合失調症、鬱病、発達障害などの精神障害を抱え、治療を継続しながら何とか自立したいともがいている若者たちです。居場所を求めてくる若者は増加する一方で、居場所のスペースが足りない状況であります。  こうした精神障害を持った若者の孤立を防ぐ本市の取組みについてお聞かせください。 173 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  酒井福祉保健部長。 174 ◯ 福祉保健部長(酒井 敏行君)  精神障害がある若者の多くは外出すらままならない、いわゆるひきこもりの状態にあり、本市におよそ2,000人いると推定されますひきこもり状態の方々の中からこうした精神障害がある方々に対し、適切な医療や支援をいかに届け、社会からの孤立を防ぐかということが最も優先すべき重要な課題であると考えております。  このことから、本市では、電話等による家族からの相談を受けるだけでなく、必要に応じまして家庭訪問を行うなど、積極的にかかわりを持つよう努めているところでございます。  また、精神障害がある方々が気軽に訪れ、ゆったりとした時間を過ごせる場を提供することを目的といたしまして、平成23年度から中央保健福祉センターと大沢野保健福祉センターにおいて、ひだまりサロン事業を実施しております。  このひだまりサロンは、参加する仲間やメンタルヘルスサポーターとの交流を通して、生きることの促進要因となります自己肯定感や信頼できる人間関係を養うことのできる身近な地域社会の居場所の一つとなっているものと考えております。 175 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  21番 松尾  茂君。 176 ◯ 21番(松尾  茂君)  現在ひきこもり状態の方ではなくて、ひきこもりから何とか踏ん張って表に出てきた方、そういった方の居場所を何とかつくっていかなければならないかなというふうに思っております。  今、ひだまりサロンというお話もありましたけれども、本来、こうした居場所というのは、市が提供するべきではないかというふうに考えますけれども、見解を伺います。 177 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  酒井福祉保健部長。 178 ◯ 福祉保健部長(酒井 敏行君)  若者の孤立を防ぐ居場所につきましては、本市のひだまりサロン事業だけでなく、現在、精神障害に限らず、多様な事情や背景を持った若者などを支援するためにさまざまな民間団体が、それぞれの活動の中でさまざまな形でそうした場を提供しておられます。  こうした活動は、本市が目指します地域共生社会の実現に向けても大変有意義なものであると考えており、若者の孤立を防ぐことも含めて、地域の課題の解決に向け、地域と官民が一体となって取り組むことが大事であるというふうに考えております。 179 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  21番 松尾  茂君。 180 ◯ 21番(松尾  茂君)  今おっしゃられましたけれども、本当に民間団体の方が一生懸命取り組んでおります。また、今、福祉保健部長もおっしゃられましたけれども、市と民間団体がしっかりと協力し合って進めていく必要があるのかなというふうに思います。  ただ、今、そういった居場所をつくっておられる民間団体の方によりますと、なかなかその居場所に関して、相談者、来館者といいますか、そういった若者たちが非常に増加していて、キャパオーバーになっているといったようなお話をいただくのですけれども、この点について何か対応できることはありますでしょうか。 181 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  酒井福祉保健部長。 182 ◯ 福祉保健部長(酒井 敏行君)  まずは、そういった方々に対して必要な支援を提供するとともに、キャパオーバーになるということはそれだけたくさんの方がいらっしゃるということですので、今ほど申し上げましたように、これはひとつ行政だけの問題ではなくて、我々市民、地域なりが一体となって対応すべき課題だというふうに考えております。 183 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  21番 松尾  茂君。 184 ◯ 21番(松尾  茂君)  ありがとうございます。  もう1つ、NPO法人などのそういった民間団体では、相談に対応する看護師さんだとか社会福祉士さんだとか、ほとんどがボランティアで対応しておられるわけでありますけれども、なかなかですね、実際のところ限界がきているといいますか、ボランティアという部分でそういった人材が不足しているという事態となっております。行政からそういった専門員を派遣するなどの対応というのは可能かどうか見解を伺います。 185 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  酒井福祉保健部長。 186 ◯ 福祉保健部長(酒井 敏行君)  NPO法人などの民間団体におかれまして、生きづらさを抱えた若者たちが集う居場所や相談対応などの活動をされていることは、本当に大変な御苦労があるものと認識しております。  本市では、保健所保健予防課において、若者の自殺に関する相談はこれまでも精神科医ですとか保健師などの専門職が相談に対応してきており、必要に応じて、市民だけではなく医療機関と連携を図るなどの対応を行っているところであります。  また、住民に限らず、医療機関、民間団体などからも自殺に関する相談があれば、本市の相談機関が積極的に対応しておりますので、本市のほうに相談をいただければ、できる範囲での協力はしてまいりたいと考えておりますので御理解をお願いいたします。 187 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  21番 松尾  茂君。 188 ◯ 21番(松尾  茂君)  こうした民間団体のボランティアということで、もちろんボランティアではあるのですけれども、そういった方へのある程度の対価は必要なのではないかなというふうに思うのですけれども、いかがでしょうか。
    189 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  酒井福祉保健部長。 190 ◯ 福祉保健部長(酒井 敏行君)  本市では、今年度策定いたします富山市自殺対策計画に位置づける事業など、民間団体の協力を得ながら取り組まなければならない事業などについては、その助成あるいは支援などのあり方については検討したいと考えておりますが、今ほどおっしゃられた人件費、その他事務的経費については、これはそれぞれの法人において対応すべき事柄であるというふうに考えております。 191 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  21番 松尾  茂君。 192 ◯ 21番(松尾  茂君)  精神障害のある方は、疲れやすく、波があります。個人でそれぞれの担当部局に足を運ぶことは困難な場合が多く、誰かが寄り添ってか、誰かがかわりに相談するしかないわけであります。  高崎市障害者支援SOSセンター、通称ばる~ん高崎では、日常生活に関すること、就労に関すること、障害をはじめとする福祉のサービスのこと、将来の生活に関することなど、あらゆる不安や心配事、悩み事にワンストップで対応しておられます。障害があるか否かなどの不安な状況でどこに相談したらよいかわからない方が声を上げることができず、真に必要となる適切な支援が受けられない現実を解消することが大きな目的であります。  本市においても、こうした土日を含めたワンストップでの相談体制を確立すべきと考えますが、見解を伺います。 193 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  酒井福祉保健部長。 194 ◯ 福祉保健部長(酒井 敏行君)  お尋ねの高崎市障害者支援SOSセンター「ばる~ん高崎」は、本年4月に設置されました基幹相談支援センターに併設して開所されたものであり、障害に関するさまざまな相談をワンストップで受け付け、適切な支援を受けられるよう関係機関等につなぐコーディネートを行う総合相談窓口というふうに伺っています。  本市におきましては、平成25年1月に、基幹相談支援室を富山市障害者福祉プラザ内に設置し、地域における相談支援の中核的な役割を担う機関として、障害に関するさまざまな相談に応じてきているところであります。  さらに、恵光学園など市内7カ所にある委託相談支援事業所と連携しながら、土日を含めた相談支援体制を整備しているところであります。  なお、基幹相談支援室では、緊急時など必要があれば、休日・夜間を問わず対応しております。  また、地域の身近な相談窓口として、市内7カ所に設置しております保健福祉センターにおいても、ワンストップで相談対応をしているところであり、高齢者の総合相談窓口としては、市内32カ所に地域包括支援センターを設置しております。 195 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  21番 松尾  茂君。 196 ◯ 21番(松尾  茂君)  ワンストップの相談窓口ということですけれども、ワンストップというのは、その方が仕事をしたい、就労支援が必要だといえば、その就労に関する支援を受け付けるハローワーク──高崎市ではハローワークもその中に入っているわけですけれども、そういったことですとか、その場で全ての支援を──助言になるのかもしれないですけれども、そういったものを受けられるというのがワンストップというふうに考えているのですけれども、そういった点からいったらいかがでしょうか。 197 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  酒井福祉保健部長。 198 ◯ 福祉保健部長(酒井 敏行君)  今ほど申し上げました各窓口におきましても、相談者をいろいろな窓口に案内するのではなく、その場で対応したものについてはその場で処理しております。 199 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  21番 松尾  茂君。 200 ◯ 21番(松尾  茂君)  ありがとうございます。  ゲートキーパーのことで伺いたいと思います。  ゲートキーパーの養成は重要な取組みです。ゲートキーパーとは直訳すると門番ですけれども、死にたいほどの悩みを抱えている人に気づき、声をかけ、話を聞いて、必要な支援につなげる、見守る人のことでありますけれども、悩みを抱える子どもは教師や保護者の前では平静を装って心配かけまいとする一方で、子どもが友人の危機に最初に気づく可能性が高いと考えられます。  そこで、学校教育の中でゲートキーパーを招聘した学習を児童・生徒にするべきと考えます。児童・生徒にゲートキーパーの役割を知っていただく、また、命の大切さやSOSの出し方を学ぶことは、未来を担う子どもたちの命を守ることにつながり、いじめ対策にもなると考えますが、見解を伺います。 201 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  立花教育委員会事務局長。 202 ◯ 教育委員会事務局長(立花 宗一君)  文部科学省の生徒指導提要によりますと、近年、児童・生徒の命にかかわる深刻な事件や事故が続いており、児童・生徒たちの命の重みに関する感受性が弱まっているというふうに報告されております。  命の大切さについては、各学校において、各教科や道徳教育、特別活動など全教育活動を通して指導しているところでありますが、助産師等から命の尊さについて学ぶ「いのちの授業」や、乳幼児と直接ふれあう保育所訪問など、多様な体験活動なども適宜取り入れて、子どもに考えさせております。  こうした中で、ゲートキーパーを招聘した学習につきましては、悩んでいる人への声のかけ方や相談の受け方、SOSの出し方や捉え方などを学ぶ中で、子どもたちが命はかけがえのないものであることを考える機会となると考えております。  このことから、市教育委員会といたしましては、ゲートキーパーを招聘した学習についても命の教育の有効な手段として、教職員の研修などの機会を捉え、各校に紹介してまいりたいと考えております。 203 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  21番 松尾  茂君。 204 ◯ 21番(松尾  茂君)  まさに子どもたちの未来のために、自殺のない社会をつくるために取り組んでいただきたいと思います。  精神障害者の自立支援は、就業支援なくしてあり得ません。先日、NPO法人ここらいふが主催する「精神障がい者と企業のパイプを絆ぐ」に参加いたしました。精神科医の講演、企業側と精神障害当事者側とのディスカッションがありました。障害を持つ若者たちは何とか自立したい、仕事をしたいと思っています。企業側も何とか雇用したいと制度を整え、第2号ジョブコーチも企業内に整備されるようになってきています。あとは本人と企業とのマッチングです。  企業側が抱える問題として、現実、どう接していいのか、どこまで接していいのかがわからないといいます。企業としても、当事者とかかわりのある専門家が第三者として間に入っていただけることを望んでおられます。市の見解を伺います。 205 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  酒井福祉保健部長。 206 ◯ 福祉保健部長(酒井 敏行君)  精神障害者の方が職場に定着して働くには、従業員の理解だけでなく、企業としての支援体制を整えることが重要であります。  このことから、国においては、職場でのコミュニケーションや作業の進め方、障害者本人が力を発揮しやすい作業の提案や障害特性を踏まえた仕事の教え方などの助言を行うことを目的として、平成14年度に職場適応援助者(ジョブコーチ)支援制度を創設されたところであり、この制度には、配置型、訪問型、企業在籍型の3つのジョブコーチ支援形態があります。  本市にあっては、市内中心部にあります北日本桜橋ビル──旧住友生命富山ビルでございますが──この中にある独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構の富山障害者職業センターにおきまして、1つには、センターに所属しているジョブコーチが事業所に出向いて支援を行う配置型、2つには、セーナー苑などの就労支援を行っている社会福祉法人等に所属するジョブコーチが事業所に出向いて支援を行う訪問型の窓口となっており、3つ目に、今ほど申し上げました訪問型のジョブコーチや企業の職員がジョブコーチとしてその企業で雇用する障害者の支援を行う企業在籍型のジョブコーチの養成研修(実技研修)を行っておられます。  この制度につきましては、障害者雇用の推進に向けて、ハローワークにおいて周知に努められているところであり、本市の障害福祉関係の窓口でも制度の周知に協力をしてきており、また、本庁7階の富山市無料職業紹介所(JOB活とやま)においても周知に努めているところでございます。  なお、精神障害者の方が福祉的な就労から一般就労への移行を支援する現場では、就職に至るまでの活動が円滑に行われるように、まず1つには、本人の適性や希望職種に応じた作業訓練、2つに、応募書類の書き方やビジネスマナーの習得、あるいは通勤の訓練、3つに、ハローワークや面接会への同行、さらに4つとして、就職後の相談支援などをサービス事業所の職員が常に障害者に寄り添う形で実施し、就職までのステップを一つ一つクリアできるよう、きめ細やかなサポートが行われてきております。  しかしながら、小規模な事業所にはそうした対応が困難なケースもございますことから、本市では、本年4月、基幹相談支援室に就労移行コーディネーターを配置し、そうした活動の支援に努めているところでございます。 207 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  21番 松尾  茂君。 208 ◯ 21番(松尾  茂君)  実際には難しいということはよくわかっておりました。実際、精神障害の当事者のことをよく知り、日ごろからかかわっている方でないと間違いを犯しかねないと。しかし、そういう人がいないと障害者の就労支援はできないということを御理解いただければと思います。  今、行政の障害者雇用水増しの問題が発覚して大きな問題になっております。だからこそ、真面目に頑張る企業をしっかりバックアップできるような体制をつくっていけたらなというふうに願っております。よろしくお願いいたします。  次に、精神障害者、発達障害者を採用する企業が増える一方で、職業に定着できずやめてしまうケースが多いのが現状です。こうした精神障害者を職場で応援する「精神・発達障害者しごとサポーター」の役割が重要と考えます。  本市においても、こうした「精神・発達障害者しごとサポーター」の養成を積極的に推進していくべきと考えますが、見解を伺います。 209 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  酒井福祉保健部長。 210 ◯ 福祉保健部長(酒井 敏行君)  お尋ねの「精神・発達障害者しごとサポーター」の養成につきましては、精神障害者や発達障害者が安定して働き続けられるよう、ともに職場で働く同僚や上司を対象として、障害特性に対する理解を深め、職場における応援者となっていただくための事業として、国が昨年度から取り組んでおられるものでございます。  富山県においては、富山労働局がこの養成講座を、ことしは10月30日に高岡市内で、富山市においては11月20日に県立富山高等支援学校──これは旧の県立大沢野工業高等学校でございますが──で開催されることになっております。  本市といたしましては、この「精神・発達障害者しごとサポーター」の養成は、障害者にとって働きやすい職場環境づくりを推進し、職場定着に寄与するものと考えており、国において、今後とも推進されることを期待しているところでございます。 211 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  21番 松尾  茂君。 212 ◯ 21番(松尾  茂君)  「精神・発達障害者しごとサポーター」になったからといって、初めから障害者のサポートを完璧にこなすことは困難かもしれませんけれども、講習等を通じて、障害者の行動や考えを理解できる方をどれだけ増やせるかということを考えますと、非常に重要かなと思っております。  本制度によって、身体障害者や知的障害者だけではなく、精神障害者についても企業で受け入れられる基盤づくりが少しでも進むことを願っております。  それでは最後の質問に入ります。  終活支援について伺います。  今後、高齢化が進み、ひとり暮らしの高齢者が増加することが懸念されます。また、核家族化により、身内がいてもわからないことが多く、生前の意思が伝わらないのが現実であります。全国的に引取り手のない遺骨が増加しており、そのほとんどが住民登録もあり、預金もあって、死をみとられている一般市民であります。  また、葬儀社と生前契約するが、実際に当事者が亡くなっても葬儀社ではわからない現状があります。せっかく書いておいた終活ノートの保管場所やお墓の所在地さえわからなくなる事態が起きています。  また今後、倒れて入院や、徘徊して保護など、緊急時に連絡を受けるのは市役所であると思います。「わたしの終活登録」は、大切な終活情報を登録いただき、いざというとき本人にかわって市が病院、消防、福祉事務所、警察、本人が指定した方からの問合せにお答えする制度であります。  例えば、登録する情報といたしましては、エンディングノート──本人が残された家族のために意思を書きつづったノートになるかと思います──だとか、そういった保管場所や預け先を登録するだとか、葬儀や納骨、遺品整理などの生前契約──今、非常に全国的にも生前契約というのが行われているみたいですけれども、要は、残された家族に迷惑をかけたくないという方が増えているということであります。遺言書の保管場所だとか、また、残念ながら、本人のお子さんですら自分の墓がどこにあるかわからないという方も増えてきているというそういった残念な話もあります。ですから、お墓の所在地だとか、そういったものを登録いただいて、本人が指定した人から問合せがあった場合に市が回答するといった情報を登録するという制度であります。  住民登録と同様に、こうした終活情報を登録しておくことは、市民が安心して生活していく上での行政の役割と考えます。緊急時に本人が指定した方からの問合せに本人の意思を伝えられるようにするべきと考えますが、見解を伺います。 213 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  酒井福祉保健部長。 214 ◯ 福祉保健部長(酒井 敏行君)  今ほど御質問にありました事業につきましては、職員提案で、横須賀市のほうで事業化されているというふうにお聞きいたしましたので、横須賀市のほうへお問合せをさせていただきました。  そうしたところ、横須賀市では、まず背景ですが、引取り手がない御遺骨を取り扱った事例が、平成15年度の16件から、平成26年度には60件に増えてきたことから、ひとり暮らしで身寄りがなく、生活にゆとりがない高齢者の支援を目的として、平成27年7月に、葬儀や納骨などの計画を協力葬儀社とともに作成するエンディングプラン・サポート事業を創設されたとのことでございます。  その後、このエンディングプラン・サポート事業の対象とならない高齢者の方々から、親類との交流や地域とのつながりが薄く、将来への不安を感じているといった問合せが寄せられたことや、今ほど質問にもありました御本人が倒れたり、亡くなられた際に終活ノートの保管場所やお墓の所在地がわからなくなるなどの事態が起きていることなどから、希望される方は誰でも終活関連情報を登録できる「わたしの終活登録」として、本年5月から事業を拡充されたとのことでございました。  この「わたしの終活登録」事業につきましては、緊急連絡先や終活ノートの保管場所、お墓の所在などの情報を市に登録して、万一の場合に、病院、消防、警察、福祉事務所や本人が指定した方に開示し、本人の生前の意思の実現を支援するものであります。  一方で、本市におきましては、引取り手がない御遺骨を取り扱った事例は、平成27年度は4件、平成28年度は8件、平成29年度は7件と少ない状況にあること、親類縁者との交流や結びつきがいまだ強く残っていること、地域コミュニティーなども十分に機能していることなどから、現在のところ、横須賀市の「わたしの終活登録」のような事業を行うことは考えておりませんが、本市においても、今後、ひとり暮らし高齢者や高齢世帯が増えていくことが予想されますので、横須賀市や他都市の今後の取組み状況などを注視してまいりたいというふうに考えています。  なお、人生の終末を迎えるに当たり、前向きに準備することで今をよりよく生きる活動、いわゆる終活に関する相談につきましては、近年、本市におきましても、本庁の福祉関係窓口をはじめ、地域包括支援センターや富山市社会福祉協議会などにも寄せられるといったことも見受けられております。それぞれの窓口において、丁寧な対応を心がけているところでございます。  以上でございます。 215 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  21番 松尾  茂君。 216 ◯ 21番(松尾  茂君)  今、部長がおっしゃられましたけれども、確かに横須賀市では引取り手のない遺骨が増えてきたという、それをきっかけに始められたという事実はあるのです。そういった身寄りのない高齢者が増えていくことは事実だと思いますけれども、そうではなくて、全市民を対象としたこういった終活情報登録、情報を登録する制度、エンディングノートだとか、遺言書だとか、遺骨ではなくて、情報を登録していくそういった制度として、市として対応できればなというふうに思いました。  実際には、各部局がかなりまたがるといいますか、どういった部局が対応すればいいのかということも非常に難しい問題ではあるのですけれども、どうか必要性を何とか実感していただいて、例えば、この後もプロジェクトチームを立ち上げるなどしっかりと調査・研究をしていただきたいと思います。見解を伺います。 217 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  森市長。 218 ◯ 市長(森  雅志君)  個人的に皮膚感覚で言うと、富山市において、そういう社会的要請があるとは思いません。今のお話を伺うと、それはどう考えても民業として成立しそうな気配がありますので、そのうちそういうことを民間が始めるかもしれません。  結論から言うと、現時点で、市の行政責務として取り組むというほどの社会的要請がある事柄ではないというふうに思います。したがって、プロジェクトチームをつくって勉強するというようなことについても、その考えは今のところありません。
     ただ部長が言ったように、身寄りのない高齢者が確実に増えていく、入院しようにも身元保証人の判こを誰も押してくれない、そういうさまざまな問題が顕在してくるということについては十分認識をしています。  したがいまして、例えば遺産の管理だとか、遺言をどうするとか、信託銀行を中心にさまざまなことがとり行われているわけです。あるいは葬儀社が積極的にそういうことをあらかじめビジネスとして始めるということも、恐らく調べるとどこかにはあるのだろうというふうに思いますので、その民業との兼ね合いも考えなければいけませんので、結論としては、今すぐにということのお尋ねについては、今のところその考えはないというふうにお答えしておきます。 219 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  21番 松尾  茂君。 220 ◯ 21番(松尾  茂君)  ありがとうございました。  いずれにしましても、高齢化が進んでいくといろんな問題が出てくると思いますけれども、またしっかりと自分も勉強させていただきますし、またこの場で質問をいろいろとさせていただきたいというふうに思います。  以上で質問を終わらせていただきます。 221 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  これで松尾議員の一般質問及び議案の質疑を終了いたします。  10番 舎川 智也君。 222 ◯ 10番(舎川 智也君)  平成30年9月定例会に当たり、自由民主党より一般質問をさせていただきます。  災害時の情報伝達と地域防災活動について伺ってまいります。  ことしは全国的に災害が多く発生し、各地域で復興、復旧がなされる前に、また新たな災害が発生するという事態となっております。  本日の質問トップに、富山市議会自由民主党を代表しまして高田 重信政調会長のほうから哀悼の思いを述べられましたが、本日、防災関連の質問をさせていただくに当たり、私のほうからも、九州や西日本、また先日、北海道の地震によって被災されました方々に対しまして、それぞれの地域が一日も早く復興されるように、遠い富山からではございますが、お祈りを申し上げる次第でございます。  さて、ことしの富山市は、年の初めから記録的な豪雪に始まって、短い梅雨が終わったと思ったら災害レベルの夏の猛暑、またそれに加えて、局地的な豪雨に見舞われるという大変な異常気象を経験しております。  富山市はこれまでに人的被害も少なく、最小限にとどまっておりますが、今回の豪雨を受けて、今後の教訓としても、改めて地域防災を見つめ直すきっかけとなったのではないかと思い、今回このテーマを挙げさせていただいております。  そこで、本日は防災関連の質問一本ということでございますので、質問の流れをちょっとお伝えしておこうかと思っております。  まずは、災害時の情報伝達についてでございます。次に、その情報伝達を受けて、避難所対応などを含めた地域の自主防災組織の取組みについて、最後に、これらを踏まえて、地域防災を牽引する防災士をサポートして、各地域で策定される地区防災計画を富山市がしっかり後押ししてほしいという質問の流れで進めていきますので、ぜひ所管以外の方におかれましても、災害を想定してお聞きいただければと思っております。  まず、災害時の情報伝達について伺ってまいります。  ことし7月5日の17時50分に水橋地区全域、その後、19時20分には大沢野・大山地域の山間部と細入地域全域に避難準備・高齢者等避難開始の発令がなされましたが、いろいろと課題があったと思っております。  そこで最初の質問でありますが、7月豪雨時の避難準備・高齢者等避難開始の発令に至るまでの経緯について教えていただきたいと思います。 223 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  当局の答弁を求めます。  中田建設部長。 224 ◯ 建設部長(中田 信夫君)  本市では、降雨時においては気象台が発表する大雨警報に対応して第1非常配備体制をとり、河川の水位情報や土砂災害警戒情報などの客観的な情報をもとに、避難勧告等の情報を発令することとしております。  当日の経過といたしましては、7月5日16時20分に、県管理河川である上市川の交観橋水位観測所において、避難判断水位を超える3.41メートルを観測し、同日16時40分に、白岩川の交益橋水位観測所においても、避難判断水位を超える4.15メートルを観測したことから氾濫の危険が高まったと判断し、17時50分に水橋地区全域に避難準備・高齢者等避難開始を発令いたしました。  一方、土砂災害の対応といたしましては、同日16時53分に、県から富山市山間部東に土砂災害警戒情報が発表されました。これを受け、本市では、大沢野・大山地域の山間部及び細入地域全域の気象予測や雨量情報の推移を注視しておりましたが、19時20分に土砂災害の発生のおそれが高まったと判断し、避難準備・高齢者等避難開始を発令いたしました。  さらに、停滞した梅雨前線の影響により降雨が続いていたことなどを総合的に判断し、20時5分に八尾・山田地域の全域及び婦中地域の山間部に避難準備・高齢者等避難開始を発令したところでございます。 225 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  10番 舎川 智也君。 226 ◯ 10番(舎川 智也君)  さまざまな情報をもとに情報の発令に至ったということで、時系列に丁寧に説明していただきました。  そこで、情報の発令について1つ確認させていただきます。  ことし7月5日、6日の豪雨の後に発表されております国土交通省の資料を見ておりますと、7月5日、6日の豪雨で神通川の避難判断水位が超過したことに伴い、富山河川国道事務所と自治体との間で構築されていたホットラインの活用により、富山市に合計2回の情報提供を実施したと明記してあります。  ちなみに、ここでいうホットラインとは、市町村長が行う避難勧告等の発令の判断を支援するための情報提供の一環として、河川管理者から必要に応じて市町村長へ直接電話で行うというものでございます。  今回7月6日の午前0時50分に1回目、同日午前1時10分に2回目のホットラインを富山市が受けておりますが、そのホットラインの後には富山市から市民に向けての避難情報の発令はなされておりません。国土交通省からどのような情報を受けて、結果、避難情報を発令しなくてもいいという判断に至ったのか、その理由について伺います。 227 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  中田建設部長。 228 ◯ 建設部長(中田 信夫君)  富山河川国道事務所からのホットラインによる情報につきましては、今ほど議員さんがおっしゃられたとおりでございまして、7月6日午前0時50分に、富山河川国道事務所長から神通川大沢野大橋観測所での水位が避難判断水位の6.1メートルに達する見込みとの水位情報の提供がありました。  また、それから20分後の同日午前1時10分のホットラインでは、避難判断水位に達したが、これがピークの水位であると思われ、今後、水位は低下する見通しであるとの情報提供を受けております。  本市では、このような情報を避難情報発令の判断の目安としておりますが、ホットラインの情報が、河川水位が低下する見通しであったことに加え、降雨が小康状態であることを総合的に判断し、今回は避難情報を発令するには至らなかったところでございます。 229 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  10番 舎川 智也君。 230 ◯ 10番(舎川 智也君)  ホットラインはあくまでも国からの情報提供でございまして、決定するのは、最終的には首長、市長でございます。  答弁をいただいたとおり、気象状況の変化等、見通しも見きわめた上で慎重に判断されたと確認いたしました。今回は大きな被害には至りませんでしたが、多様な手段を使って、これからも正確な判断をしていただいて、市民の命を守っていただきたいと思います。  今回発令された避難準備・高齢者等避難開始をはじめ、避難勧告また避難指示の意味や内容について理解しておられない方も残念ながらいらっしゃいます。平常時から周知活動を実施すべきと考えておりますが、これまでの周知方法を振り返って、今後どのような取組みが考えられるのか、答弁を伺います。 231 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  中田建設部長。 232 ◯ 建設部長(中田 信夫君)  避難情報の種類や意味につきましては、これまでもテレビなどで繰り返し報道されてきたほか、本市でも各種ハザードマップや市ホームページ、「広報とやま」やタウンミーティング、職員による出前講座などにより周知に努めております。  また、例年秋ごろに、「広報とやま」において「いざという時に備えて」という特集記事を掲載しており、本年も10月5日号において、御指摘の避難情報の発令や避難の際の持出し品の準備に関する情報を加えた記事を掲載することとしております。  今後とも、災害時に市民の皆様に適切な避難行動をとっていただくため、さまざまな機会を捉えて、広く周知してまいりたいと考えております。 233 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  10番 舎川 智也君。 234 ◯ 10番(舎川 智也君)  きょうも大雨洪水警報が朝から発令されておりますが、けさの雨で、音川地区で土砂災害、土砂崩れが発生しております。朝から我が会派の先輩議員も対応に追われておりましたが、所管課におかれましても、早朝から対応していただいているということでございますので、いつ何どき避難情報を発令しても市民の方が理解できるように、改めて徹底していただきたいというふうに思います。  そこで、避難に際し、残念ながら自分がどこの避難所に行けばいいのかわからなかったという方々もおいでになられました。現在、中山間地を主体に整備を進めています防災行政無線については、今回の激しい雨音で聞き取れなかったためか、あまり有効ではなかったと感じております。  緊急速報メールも活用していますが、前回6月議会で尾上議員の災害に関する情報伝達についてという質問を受けて、その答弁では、Lアラートの運用や衛星携帯電話も導入されたということでございます。今回それらの運用が有効に機能したのか答弁を伺います。 235 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  中田建設部長。 236 ◯ 建設部長(中田 信夫君)  平成28年度から報道機関等と災害情報を共有するLアラートの運用を開始しており、今回の豪雨時においても、本市から避難情報や避難場所の開設状況などをLアラートに配信したところ、テレビのデータ放送において瞬時に反映されていることを確認しており、的確に運用できたものと考えております。  また、衛星携帯電話は、災害時に孤立するおそれがある集落などに設置しているものですが、今回の豪雨時においては、電話や携帯電話等の通信手段が利用できたため、活用するには至りませんでした。  本市ではこのほかにも、緊急速報メールやツイッター、スマートフォンアプリなどによる情報伝達手段の多重化・多様化を推進してきたところであり、今後とも的確な災害情報の伝達に努めてまいりたいと考えております。 237 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  10番 舎川 智也君。 238 ◯ 10番(舎川 智也君)  今ほどの答弁で、当日は携帯電話を利用できたということで、衛星携帯電話等の取組みはなかったということでございますが、現在、その衛星携帯電話も現地ではまだ持出しができないというふうになっていると聞いております。地域によってはせっかくの導入もまだまだ今後、検討の余地があると思っております。それぞれの災害によって、防災に対する答えというものはなかなかございませんが、経験と教訓を積み重ねて、取り組んでいただきたいと思っております。  続きまして、中山間地対応について伺いますが、富山市の合併前にそれぞれの旧町村部にあった建設課、農林課が大沢野行政サービスセンターに集約されております。河川の警戒や農地災害また土木災害などの対応がこの大沢野行政サービスセンターに集約されたことによって、情報伝達や、警察や消防との連携が遅れたというような課題もあったかと認識しておりますが、この広域にわたる地域の体制について課題をどのように認識されておられるのか、答弁を伺います。 239 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  中田建設部長。 240 ◯ 建設部長(中田 信夫君)  中山間地の広範囲に及ぶ情報収集や連絡指示につきましては、情報を集約する防災対策課と地域に密着した行政サービスセンターや中核型地区センターとが情報共有を図り、地域の状況を把握し、避難情報の発信や避難所の開設など市民の安全確保に努めているところであります。  また、河川や道路などの災害等の情報については、国や県、警察、消防、土木事務所と情報共有を密にし、現場状況を把握し、災害発生当初から連携して迅速に現場対応を行っているところであります。  ことし7月4日から8日にかけての降雨の際には、日ごろから救助や防犯など市民の生活に密着した消防や警察などの関係機関と緊密な連絡をとり合い、的確に現場対応に努めており、適正に対応できたものと考えております。 241 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  10番 舎川 智也君。 242 ◯ 10番(舎川 智也君)  適切に対応されたということでございます。  人口減少によって、公共施設の統廃合については、施設自体に公共性がないとなれば、これは議論を進めていかなくてはならないと思っております。  しかしながら、この行政機関の集約によって、その集約された地域での、今回であれば災害時の連絡体制や機能、この公共性が失われてはいけないというふうに思っております。  対応については、今回スムーズになったということでございますが、中山間地などの広域にわたる災害時の情報伝達についてしっかりと検討も進めていただきたいと思っております。  そこで今回、細入地域では避難する際に国道が通行規制され、避難場所に行けなかったということですとか、大山地域では県道の2カ所で土砂崩れが発生し、どんなルートで避難場所に行けばいいのかわからなかったという声もお聞きしております。  これらの意見を踏まえて、今回のような通行どめに対する対応が必要と考えておりますが、避難経路を確保する体制について見解を伺います。 243 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  中田建設部長。 244 ◯ 建設部長(中田 信夫君)  本市では、日ごろから道路工事や雨量規制などの情報については、道路管理者である国や県をはじめ、警察や消防などの関係機関と情報共有しており、災害が発生した際には相互協力による迅速な現場対応を行い、道路を利用する方々の安全確保に努めてきたところであります。  また、通行規制に関する情報については、当該規制区間内にお住まいの方にとって生活圏域における必須情報であり、その内容を正確かつ速やかに把握していただく必要があるものと認識しております。  こうしたことから、本市では、地域に密着した地区センターの連絡体制を活用して、当該地区の自治会長や住民の皆様に通行規制に関する情報を迅速にお届けしてまいりたいと考えているところでございます。 245 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  10番 舎川 智也君。 246 ◯ 10番(舎川 智也君)  自治会長との連絡を密にとる、その方法も考えていただきたいと思っております。  まずは、地域で日ごろから災害時の避難経路について確認し合うことも大変重要でございますが、国道や県道の通行規制によって住民が孤立状態になるということはどうしても避けなければならない、また一方的な周知にとどまらず、避難経路の確保については、先ほどあったLアラートですとか、衛星携帯電話などの運用を見直すなど、いろいろ工夫しながらやっていただきたいと思っております。
     また、そのほかに情報伝達の徹底といたしまして、7月豪雨の際の倉敷市真備町の小田川や愛媛県肱川の氾濫は、ダムの緊急放水による因果関係が指摘されております。富山市でもそのようなことがないように、行政機関以外が管理する、富山でいえば有峰ダムなどの貯水量やカメラ画像等の情報を富山市とも共有することや、河川の水位計が夜間でも見られるように関係機関と調整することが必要と思いますが、富山市の見解を伺います。 247 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  中田建設部長。 248 ◯ 建設部長(中田 信夫君)  行政機関以外が管理するダムの情報につきましては、神通川、常願寺川の河川管理者である富山河川国道事務所がダム管理者と協定を締結し、ダムの水位や流入量、放流量などについて情報提供を受けていると伺っております。  河川管理者はこれらのダム管理者からの情報、気象台からの気象予報及び現在の河川水位などを分析することにより、河川水位の予測を行い、そのデータを水防管理者である関係市町村に提供することで、市町村は住民の避難に関する判断を行うことになります。  このことから、お尋ねのダムの水位やカメラ画像の共有につきましては考えておりません。  また、河川の水位計が夜間見えにくいことにつきましては、河川管理者に改善されるよう働きかけてまいりたいと考えております。 249 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  10番 舎川 智也君。 250 ◯ 10番(舎川 智也君)  それぞれの役割がやはりありまして、取組みが必要ということでございます。連携も改めて見直すなど、しっかり対応をとっていただきたいというふうに思っております。  さらに、神通川の河川水位が上昇した際には、それに流れ込む支川側の雨水がなかなかはけないということも以前から課題となっております。  さきの7月の豪雨では、バックウオーター現象という、いわゆる逆流現象によって被害が大きくなったとも言われております。今回の豪雨では、支川側の水門──土川や井田川──など6カ所で、市が所有する排水ポンプ車で排水作業が実施されておりますが、今回もかなりの時間を要したと伺っております。排水ポンプ車の台数や設備が十分でない、この現状の認識についてどのようにお考えでしょうか。答弁を伺います。 251 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  中田建設部長。 252 ◯ 建設部長(中田 信夫君)  本市が所有する5台の排水ポンプ車は、大雨などによって発生する浸水から住民の生命・身体の安全確保や財産を保護するため、浸水が発生する箇所や排水ポンプ場の補助的・応急的な排水作業を行い、被害の軽減を図るために、平成17年度から順次配備してきたものでございます。  その特徴といたしましては、移動が容易で小回りがきき、狭小な箇所などさまざまな場所で排水作業ができるなどすぐれた機動性を有することから、これまで内水排除を目的として、主に雨水幹線の仲井川排水水門や水橋辻ヶ堂第一排水水門などに出動し、浸水被害の軽減に努めてまいりました。  しかしながら、排水ポンプ車の排水能力には限界があることから、被害を完全に防ぐことはできないことや、近年の異常気象による豪雨の頻発化を考えると、排水ポンプ車の配備のあり方を検討すべきであると考えております。  なお、現状としては、応援が必要な場合には、富山河川国道事務所に排水ポンプ車の出動を要請しており、今回の大雨の際にも出動をいただいたところでございます。 253 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  10番 舎川 智也君。 254 ◯ 10番(舎川 智也君)  国の協力も得ながらというところでございますが、それらを踏まえて、今後、ポンプ車の機能強化、もしくは効果が高いと思われる常設のポンプの設備など排水施設の対策を早期に検証し、富山市としても国や県に強く要望していくべきではないでしょうか。見解を伺います。 255 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  中田建設部長。 256 ◯ 建設部長(中田 信夫君)  今ほども申し上げましたとおり、排水ポンプ車は移動が容易で、小回りがきくことから、状況に応じた柔軟な配備が可能であり、これまでも浸水被害の軽減に貢献してまいりました。  しかしながら、排水ポンプ車は排水能力や台数に限りがあるため、根本的な浸水対策として排水ポンプ場などの大規模なハード施設の設置が求められており、浸水被害が繰り返し発生している地域の住民から、国や県に対し排水ポンプ場の設置を要望されているところであります。  本市といたしましては、こうした地元の意向を踏まえ、今後も重点要望として必要な整備を国や県に対して継続的に働きかけてまいりたいと考えております。 257 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  10番 舎川 智也君。 258 ◯ 10番(舎川 智也君)  引き続き、要望していただきたいと思います。  この神通川や常願寺川などの一級河川は国が管理しておりまして、また県管理の河川も多くあると。しかしながら、この水防については富山市の管理でございます。これについては、私は富山市民の一人といたしまして、大変ジレンマを感じるところでございますが、このようなことについて、市長、何か御見解があればよろしくお願いします。 259 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  森市長。 260 ◯ 市長(森  雅志君)  1つは、神通川のダムは電力会社、それから、山田川、上市川は県の企業局という、まずダムの管理者と河川国道事務所との連携というものがスムーズにいくということが大事なポイントです。  その上で、県管理河川と国管理河川も含めて、河川の堤防を含めた浸水被害のための取組みは、国、県においてしっかりやっていただく。  あと残ってくるのは、水門を早く閉めると内水に水がたまるわけですから、内水排除というのはやっぱり市の責任である程度やっていかなければいけない。農業用水の排水などは、ポンプ場を国や県が中心になって整備しながらやってもらうという役割分担です。上下水道局の雨水対策ということも含めてです。  今、答弁にありましたが、平成16年に神通川の水位が上がって、内水が随分ついて被害が大きく出ました。そのことの反省に立って、平成17年から排水ポンプ車を市の単独事業として取り入れてきて、何年もかかったのですが、5台、今あるわけです。  住宅の張りつき方だとか、流れ方とか、いろんなことも変化しています。例えば、水墨美術館の駐車場には地下に貯留施設がつくられています。平成16年のころはなかったわけです。それをつくってかなりよくなっていたのですが、この間ちょっとした、何軒か床下浸水が起きました。そういうふうにやっぱり変化している。そのことを見ながら、市としての内水排除ということの対応力というものをどうしていくかというのは、ここに来て喫緊の課題かなというふうに思っています。  排水ポンプ車を、例えばもう少し増やすというようなことも1つの選択肢です。ところが、あまり能力のあるものを入れてしまうと車が大きくなって機動力がない。国土交通省のものは排水能力がものすごくあるのですが、狭い道路には入れない。そういうことがありますので、国とも連携しながら、お互いの役割分担の中で、どこが弱いのでそこをどう補強するか、そのために市はどの部分を受け持つかという観点で議論していくことが大事なのかなというふうに思っていますので、少し建設部を中心に検討していきたいと思います。 261 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  10番 舎川 智也君。 262 ◯ 10番(舎川 智也君)  市長、ありがとうございます。  富山市が担う水防については、やはり富山市がやっていくというような認識でこれからもいきたいと思いますが、国、県にもしっかりと要望していただきたいと強く思っております。  それでは、続きまして、避難所対応について伺ってまいりたいと思います。  今回の避難準備・高齢者等避難開始の発令に伴いまして、富山市の指定避難場所として主に小学校の体育館が開設されておりますが、ここでも課題が生じております。  現在、学校の体育館には毛布や飲料水、非常食品等の備蓄が進んでいない状況と思われます。  平成29年9月の定例市議会で、当時の建設部長の答弁では、これらの備蓄を第1次避難所となる小学校への配備を進めていくこととしているというような答弁がございました。その答弁から1年がたっております。現状は一部の学校の空きスペースに若干の備蓄があると聞いてはおりますが、備蓄の状況が進んでいないように思われます。今後、小学校への備蓄を進められるのでしょうか。部長もかわられましたので、当時の見解と方針に変更があれば答弁を伺います。 263 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  中田建設部長。 264 ◯ 建設部長(中田 信夫君)  結論から言いますと、方針には変わりはございません。  本市では、近年発生した震災を教訓として、備蓄の拡充と分散化を推進しております。具体的には、市内を14ブロックに分け、各ブロックの小学校の倉庫等を活用し備蓄食料等の配置を行うことにより、被災住民に最も近い場所での供給を目指すものであります。  現在のところ、4つの小学校で備蓄が完了し、今年度には2つの小学校に備蓄を行う予定としております。  本市といたしましては、引き続き、ブロック単位での備蓄の充足に努めるなど、災害への備えを推進してまいりたいと考えております。 265 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  10番 舎川 智也君。 266 ◯ 10番(舎川 智也君)  少しずつではありますが、着実に備蓄をされるということでございます。毛布については、被災地に今回も送られましたので対応は大変かと思いますが、着実にお願いしたいと思います。  また、避難情報が発令され、避難された際に、多くの住民の方々は手に何も持たず体育館などに避難されております。一度は避難場所に来たけれども、食料や毛布、また生活用品を家に取りに帰られるという方もいらっしゃいました。  まずは、みずからのことはみずからで対処するという自助の精神が求められるものでございますが、場合によってはそうもいかないこともあります。富山市が備蓄している毛布、非常食などは避難してからどのぐらいをめどに届けられるのかということも含めて、避難所に避難された方に対する現在の富山市の対応について伺ってまいります。 267 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  中田建設部長。 268 ◯ 建設部長(中田 信夫君)  本市では、大雨や台風等に起因する事前避難や災害が発生した後の避難の際には、非常持出し品といたしまして、衣類やラジオ・懐中電灯等の道具類、医薬品、飲料水・非常食、貴重品などを持参されるよう、各種ハザードマップや市ホームページで案内しているところでございます。  本年7月5日の集中豪雨のように、本市が開設した避難場所への事前の避難においては、滞在時間が短い時間にとどまる見込みであり、かつ気候も温暖な時期であったことから、今回は市からの非常食や毛布等の提供を行わなかったところでございます。  なお、本市では、避難に際しては、特に緊急でその暇がない場合を除き、非常持出し品とともに、必要となる当座の食料や飲料水、簡単な寝具などを持参されることや、避難場所等での過ごし方などにつきまして、改めて周知に努めてまいりたいと考えておりますが、避難が長期化することが見込まれる場合や、災害の状況や天候等により必要と考えられる場合には、可能な限り迅速に非常食や飲料水、毛布などを避難所等に配送したいというふうに考えております。 269 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  10番 舎川 智也君。 270 ◯ 10番(舎川 智也君)  今回のような一時避難と被災避難というのは若干の違いがあるというふうに私も思っておりますし、しかしながら、まだ市民の方は、行ってすぐ何かしてもらえるのではないかというふうな思いを持っている方もいらっしゃるように思います。市長の見解を伺います。 271 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  森市長。 272 ◯ 市長(森  雅志君)  そこがすごく大事なところなのです。いろんな被災地の映像が頭の中にすり込まれているものだから、ほんの2時間ほど避難してくださいというようなときにも、行ったらジュースとか水をもらえると思っている人がたくさんいて、ここはぜひ誤解を解いておきたいと思います。  そういう一時避難の意味と、長期にわたる避難所での対応というのは全然違うので、したがって、毛布だって、水だってちゃんと備蓄してあります。備蓄してありますから、必要なときにはもちろん持ち出すわけですけれども、今の場合の対応というものはそこまでの段階ではなかったという現場の判断でそうなっているわけです。  このあたりはぜひ議員のほうからも、周りの皆さんにお伝えをいただければ大変ありがたいと思います。  人間、でも、そういうものなのですよ。北海道ではこうだったとか、岡山でこうだったという映像がどうしても頭に残ってしまうので、でも現場の避難というのはそうではないということについてぜひ御理解を願いたい。 273 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  10番 舎川 智也君。 274 ◯ 10番(舎川 智也君)  市長のおっしゃるように、改めて我々自身もその違いについて伝えていきたいと思いますし、富山市としても、またその違いについて、避難された方々に配慮しながらお伝えいただきたい、対応していただきたいというふうに思っております。  次に、高齢者対応もさることながら、現在、富山市には外国人の労働者も多くいらっしゃいます。平成30年8月末現在で7,534人の外国人の方がいらっしゃいまして、年々増加しております。  避難所での対応において、外国人への情報伝達も重要な課題となってくるのではないかと思います。今後、多言語で案内できるような環境が必要と考えますが、富山市の見解を伺います。 275 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  中田建設部長。 276 ◯ 建設部長(中田 信夫君)  発災時には多くの外国人が避難所に避難することが予想されるため、避難所において多言語による情報伝達が重要となります。このため、避難所内のトイレなどの看板や生活情報等の掲示板などを複数言語で表示する必要があると考えております。  対応策といたしましては、多言語を表示したシートの活用が考えられますが、本市には201カ所の避難所があるため、まずは第1次避難所から順次実施してまいりたいと考えております。  また、富山市民国際交流協会などの協力により、外国人ボランティア等による避難所の巡回や外国人避難者のための生活情報等の電話相談窓口を開設することなどを予定しております。  なお、富山市民国際交流協会では、富山市総合防災訓練の際に、避難所等における外国語伝達表示シートの掲示による生活情報等の伝達訓練や、英語、中国語、韓国語、ポルトガル語の通訳窓口を設けての受付対応訓練などを実施しておられます。 277 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  10番 舎川 智也君。 278 ◯ 10番(舎川 智也君)
     いろいろな取組みがなされる予定ということでございますので、ぜひ推進していただきたいと思います。  文化も違えば、言葉も通じない中で、もしもの際の避難となれば、外国人の方にとっても大変不安であるというふうには思います。今後、外国人の労働者を受け入れる企業への啓発も含めて、情報伝達と避難所対応についていろいろな視点からみんなで考えていければというふうに思っております。  次に、避難場所となった小学校では、施設管理のために教職員が数名来られる、もしくは平日であれば、そのまま残られるというわけでありますが、今回、大雨警報や土砂災害警報の解除に伴って、その教職員の方が帰宅されてしまうということもあったかと思います。そのために情報がなかなか伝わってこなくて、不便が生じたという場所もあったと伺っております。  そこで、学校を避難場所として開設している間は、施設管理側の学校教職員の方が最小限度の人員でとどまっていただいて、学校側の施設や、状況によっては備品の使用など臨機応変に対応できるようにしていただきたいと思いますが、お考えを伺います。 279 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  中田建設部長。 280 ◯ 建設部長(中田 信夫君)  本市の地域防災計画においては、避難所の運営管理を避難所管理者、施設管理者、町内会や自治会代表者等による避難所運営管理チームにより行うこととなっており、施設管理者は施設の避難所利用に対して協力することと定めております。  本年7月豪雨時の学校での避難場所の状況につきましては、18校、87名という多くの教職員の皆さんが夜間にもかかわらず登校され、避難所管理者である本市の職員と協力し、避難してこられた住民の人数や状態を確認しながら、避難者がおられる間は避難所の運営に当たっていただいたところであります。 281 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  10番 舎川 智也君。 282 ◯ 10番(舎川 智也君)  その先生が途中で帰られるというような事実はなかったというふうに答弁ではありますけれども、私も情報の収集がどこまでなのか、自分もちょっと不安ではございますが、対応が悪かった、よかったという問題ではなくて、私がお伝えしたいのは、避難所運営については、いろんな所管もまたがるということもありますので、しっかりとルールを決めて対応していただきたいという思いでございます。  次に、地域の自主防災組織の対応について伺ってまいりたいと思います。  今回の避難準備・高齢者等避難開始の発令に際しては、同じ地域であっても自主防災組織や自治会組織の対応が地区ごとに違っております。幾つかの組織のリーダーからはどのような行動に移ればよいか判断できなかったという声も上がっております。これが本音かなというふうに思っておりますが、本来、地域防災は、住民の自発的な活動で醸成されることを目的とすべきでありますが、なかなかうまく機能していない地域も少なからずあるというのが現状でございます。  富山市として、これから組織に対して、災害に対しどのように備え、どのような行動をすべきかというような指針について示すべきと考えておりますが、お考えを伺います。 283 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  中田建設部長。 284 ◯ 建設部長(中田 信夫君)  本市では、自主防災組織に対しては、組織編成の標準例や代表的な活動例などを取りまとめた手引を作成し、毎年送付しております。  また、地域の防災リーダー向けの研修会を開催し、具体的な災害シナリオのもと、その時々における活動や組織のあり方について参加者にグループ討議していただくなどして、今後の活動の参考にしていただいております。  本市といたしましては、自主防災組織の活動は住民の善意と自主性に基づく活動が原則であると考えており、おのおのの地域特性なども異なることから、市から一律の指針等を示すことよりも手引や研修会などを参考とされ、自主防災組織が主体的に十分に議論を行うことによって、みずからの活動計画を定めることが重要であると考えております。 285 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  10番 舎川 智也君。 286 ◯ 10番(舎川 智也君)  市民への意識づけですとか、研修は今までも実施してこられたというふうに思います。今ほど部長もいろんな施策をおっしゃいましたが、今まで以上に市民の方とかかわりを持って、行政のほうも取り組んでいただければというふうに思います。  続きまして、自主防災組織について、町ぐるみで活発に避難訓練などを実施し、地域に大きな貢献をしている自主防災組織もありますが、大部分が役所からつくってくれと言われたからつくったというような形式的な自主防災組織もなくはないというふうに思っております。もしくは活動が形骸化しているという組織も多くあります。  平成29年6月定例会では、竹田議員から、自主防災組織の活動実態を問うという質問に対しまして、前の建設部長は、自主防災組織は地域ごとに特徴を生かしたさまざまな活動が行われており、全ての活動実態は把握できませんとしております。補助金事業でもありますので、現場確認など自主防災組織の活動実態をしっかりと行政としても把握していただきたいと思いますが、答弁を伺います。 287 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  中田建設部長。 288 ◯ 建設部長(中田 信夫君)  本市では、活動の継続とさらなるレベルの向上を目的とし、自主防災組織が行う防災訓練の実施費用等への補助を行っており、富山市補助金等交付規則等に基づく実績報告書の提出により実績を確認しております。  しかしながら、自主防災組織の活動は住民の善意と自主性に基づくものであり、補助を伴わない訓練や研修等の活動実態に関しましては十分に把握できていないところでありますが、本市といたしましては、今後、機会を捉えてアンケート等を実施するなどして実態を把握し、自主防災組織の活動の支援の参考にしてまいりたいと考えております。 289 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  10番 舎川 智也君。 290 ◯ 10番(舎川 智也君)  自主防災組織は、それぞれいろいろな活動を行っておりまして、それぞれの活動規模も全然違ったりしております。私はその活動規模に応じて、やはり補助等がなされるべきというふうに思っておりますので、またそういったことがあれば、それぞれの組織の活性化につながるものというふうに思っております。活動について、ぜひまた機会を捉えて、足を運んでいただきたいなと思うのが本音でございます。  今回の避難に際して、どしゃ降りの夜間に避難する際の危険性ですとか、避難場所への距離についてというふうな課題が上げられております。これらを踏まえて、例えば自治公民館を避難所とすることですとか、第1次避難所となっている小学校を第2次避難所にするというような、地域ごとに避難体制を見直すことも考えていかなくてはならないのかなというふうに思っております。  前回6月の定例会で中田建設部長は、今年度から富山県防災士会の全面的な協力を得て、地区防災計画の作成を支援するための防災士をアドバイザーとして複数の候補地区で検討しているといった旨の答弁をされておりますが、校下単位の地区防災計画の策定について富山市の見解を伺います。 291 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  中田建設部長。 292 ◯ 建設部長(中田 信夫君)  地区防災計画は、地域コミュニティーにおける共助による防災活動の推進を目的として、地区住民等により自発的に行われる防災活動に関する計画であり、内閣府の地区防災計画ガイドラインにおいても、地区の特性に応じて自由な内容で計画を作成することが可能としております。  本市といたしましては、地区防災計画の策定に対しましては、行政機関や他の団体等との連携、地区内住民との相互理解、訓練の実施などを通した自主的で継続的な改善がなされるよう支援に努めてまいりたいと考えております。  なお、現在のところ、2つの小学校区の自治振興会の皆様が、本市から派遣したアドバイザーの支援を受けながら、地区内の危険箇所の把握や災害時の対応に関する勉強会を開催するなど、策定に向けて取り組んでおられると伺っております。 293 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  10番 舎川 智也君。 294 ◯ 10番(舎川 智也君)  活発な地域は、防災士の方と手を組みながら、地域の防災について常に考えておられるということでございまして、新たな地域の、また本当にささいないろんな部分で防災について取組みが図られるというのは大変すばらしいことと思っております。  公明党の佐藤議員も防災士として活躍しておいでになられますので、こういったところへさらに皆さんの顔を出していただきまして、地区防災計画の策定を支援していただければというふうに思っております。  そこで次に、各地域の地区防災計画の策定に合わせて、現在、第1次避難所に指定されている小学校でありますが、その小学校にも災害時に児童が避難するための危機管理マニュアルがそれぞれ存在すると思います。  しかしながら、現在、危機管理マニュアルについても以前から運用されているものでございまして、体育館が災害時の第1次避難所となっている小学校などは現状の災害に対応したものにはなっていないというふうに思っております。  地域の避難住民も学校に避難することを想定した上で、児童を安全に避難させるための学校の危機管理マニュアルを見直す必要があると考えておりますが、答弁を伺います。 295 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  立花教育委員会事務局長。 296 ◯ 教育委員会事務局長(立花 宗一君)  各学校の危機管理マニュアルについては、子どもが学校にいる時間帯、いわゆる課業中を想定して作成しており、まずは子どもの安全の確保を最優先とすることを目的にしております。  そのため、人員点呼を確実に行い、保護者へ子どもを直接引き渡す確認がしやすく、かつ安全が確保できる体育館やグラウンドを避難場所としております。  これまで、課業中に避難所開設となった例はありませんが、もしそうなった場合には、子どもたちと地域の方との避難が重なり、人員点呼等に支障を来すことも予想されます。  市教育委員会としましては、各学校で作成している危機管理マニュアルの実効性がより向上するように、適宜見直しを行うように指導しておりますが、課業中に避難所を開設した場合に起こり得る状況にも対応できるマニュアルとなるよう、引き続き指導してまいりたいと考えております。 297 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  10番 舎川 智也君。 298 ◯ 10番(舎川 智也君)  ありがとうございます。  まずは児童の安全ということは大変重要でございます。それぞれの地区防災計画と整合性を合わせながら改善を図られることを願っております。  今ほどの学校の危機管理マニュアルを見直すことになれば、学校防災アドバイザーとなっている防災士の支援が必要となってまいります。防災士は近年、富山市の出前講座の講師や地域防災の牽引役として、求められる役割は大変大きくなっております。  そこで現在、富山市では、防災士養成研修事業を実施していますが、この事業は補助対象となる募集条件が各校下1名であることに加えて、自主防災組織の隊員を優先するというものとしております。  自主防災組織の隊員も町内役員であることが多いことから、町内役員が終われば、残念ながら多くの場合は自主防災組織からも離れる現状を鑑みて、隊員以外でも意欲ある防災士を育てるために、防災士養成の推薦枠を拡充すべきと思いますが、見解を伺います。 299 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  中田建設部長。 300 ◯ 建設部長(中田 信夫君)  本市では、地域における防災リーダーの養成を目的とし、1校区に1人以上の防災士の養成を目指しており、地域からの推薦を受けた方の受講費用の約4割を県と市で負担し、富山県が開催する防災士養成講座に参加していただいているところであります。  現在のところ、78校区中41校区で防災士がおられますが、まずは、残る37校区に防災士の方が配置できるよう、防災士養成講座の受講機会の拡充について県に要請してまいりたいと考えております。 301 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  10番 舎川 智也君。 302 ◯ 10番(舎川 智也君)  ありがとうございます。  県のほうに要請していただけるということでございます。この事業拡充に対して、大変前向きな答弁をいただいたわけでございますが、あわせて、関連で御検討いただきたいことが1つございまして、現在、富山県で年に1回防災士の講習会が行われておりますが、希望者が多く、これに漏れた方はみずからの費用で首都圏の会場に行って講習を受けないといけない。これも防災士の資格を取得するために一つのハードルとなっているというふうに思っておりますので、この講習会の回数を県内でも増やすことも、先ほどの前向きな答弁の中にぜひ含めていただき、県に対して、あわせて要望していただくことは可能でしょうか。 303 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  中田建設部長。 304 ◯ 建設部長(中田 信夫君)  今ほど議員がおっしゃられましたとおり、防災士養成講座を県外で受講するということは、例えば旅費ですとか、宿泊費ですとかを伴いますので、大変負担が多いということだと思います。  このことから市では、県が県内で開催している講座の受講対象者や人員の拡大をお願いしてきたところでございまして、県では拡大について検討しているとの御回答をいただいております。  市といたしましては、先ほども申し上げましたとおり、県に対して引き続き要請してまいりたいと考えております。 305 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  10番 舎川 智也君。 306 ◯ 10番(舎川 智也君)  ありがとうございます。  防災士は地域枠も大切でありますが、これからは企業枠や学校、またはその他団体からも防災士を推薦できるようなことも大変重要ではないかと思っております。  現在、富山市には310名の防災士の方がいらっしゃいます。県全体では、防災士の方は平成30年6月末で1,238名でありますが、全国47都道府県で見れば下から10番目の認証者数となっております。  防災士の数を増やすことが防災や減災に直接つながるわけではございませんが、意欲ある防災士を広く養成し、地域防災の担い手を育てることは地域防災、減災の意識を根づかせる上で大変有効であるというふうに思っております。  それらの重要性をお伝えいたしまして、これで私の質問を終わらせていただきます。長らくの御清聴ありがとうございました。 307 ◯ 副議長(鋪田 博紀君)  これで舎川議員の一般質問及び議案の質疑を終了いたします。  暫時休憩いたします。                            午後 3時01分 休憩                            ───────────                            午後 3時20分 再開 308 ◯ 議長(村上 和久君)  休憩前に引き続き会議を開きます。
     一般質問及び議案の質疑を継続いたします。  14番 高道 秋彦君。   〔14番 高道 秋彦君 登壇〕 309 ◯ 14番(高道 秋彦君)  平成30年9月定例会に当たり、自由民主党より一般質問をいたします。  最初に、学校における職員用トイレについてお伺いいたします。  職員用トイレは、来賓用トイレと兼用でき、児童らの視線を気にせずトイレに行くことができるため、教職員が勤務時の排せつにストレスを感じることなく働けることが最大のメリットです。  さらに、大人も子どもも含め、多様な性への対応にも効果的と考えられ、教職員による性犯罪を防ぐこともできます。  職員用トイレは、文部科学省の小学校施設整備指針の中で、学校のトイレ事情について「教職員用や外来者用の便所は、児童用とは別に、適切な位置に計画することが重要である」と明記してあります。つまり、国としては、児童用のトイレとは別に職員用トイレも設置することが望ましいとしています。  子どもたちが私たちの宝であるのであれば、その子どもたちに教育を行う教職員も貴重な宝であります。働き方改革の一環として、労働時間だけではなく、トイレの環境も整備するなどの教職員を取り巻く環境に目を向けることが大事と考えます。  加えて、学校は教育現場だけではなく、災害時の避難所や市民生活における地域の交流の場としての役割を担う重要な施設であることより、学校におけるトイレ問題というのは大変重要な問題であります。  実際に、最近建設されている小・中学校の設計・建設・維持管理事業特記要求水準書の中で必要諸室リストに職員用トイレが存在している一方で、職員用トイレがないと思われる小・中学校があります。小・中学校の耐震強度や防犯カメラの設置などの改築が進む中、市内における職員用トイレの設置はどのような状況でしょうか。  また、設置されていない学校について、職員用トイレの新設について、当局としての見解や今後の予定をお聞かせください。  次に、働き方改革に関する外国人労働者についてもお伺いいたします。  政府は、経済財政運営と改革の基本方針の原案をまとめました。深刻な人手不足による労働力不足の解消に向け、人手確保の難しい業種の拡張などの新たな在留資格の創設により、海外の人材の受入れを促すことを目的としています。  さらに、民間企業も労働力確保に向けて技能実習生を受け入れるための制度や組合をつくるなどと関心が高まりつつあります。  世界規模での人材確保への競争のさなかに、外国人労働者は働きたい国を選択できるため、その中で日本を選んでもらい、日本人と共生する社会をつくっていくには、日本語教育や外国人労働者対応の充実が必須となります。  政府が検討する外国人支援策としては、相談窓口の一元化、日本語教育の充実、医療情報の多言語案内、災害時の支援などが上げられます。これを受けまして、まず本市では、外国人技能実習生の受入れの際には、申請により研修などの市立公民館の使用や行政関係資料の提供などの支援を行っておられますが、平成29年度におけるこの支援を受けた外国人技能実習生の受入れ機関の数及びこれら受入れ機関での外国人技能実習生の数、受入れ企業数についてお伺いいたします。  また、技能実習生に限らず、本市で暮らしている外国人に対する支援について、現在実施している取組み及び今後の施策などがありましたらお聞かせください。  先日、市内で暮らすベトナム人向けの生活ガイドが新たに作成され、ハンドブックを読んだところ、当局が精力的に取り組んでいる姿勢を感じました。各国の生活ガイドを出版していますが、反響はいかがでしょうか。  しかしながら、ガイドブックを持っていない方もいるため、現実問題として、ごみ出しルールがわからず、誤ってごみを出してしまうケースもあります。放置されたごみには、お持帰りお願いシールが張られますが、日本語表示だけでは理解できないと思います。シールはもとよりごみ分別ポスターを多言語表示することで、よりお互い快適に生活できると思います。  それでは、今後、これらの市民生活に密着した場面での多言語表示の導入や計画はありますでしょうか、お聞かせください。  次に、防災計画についてお伺いいたします。  平成16年の国民保護法の観点により、災害・防災における危機管理専門の部署の設置が各自治体において進みました。そこは、災害時における市から私たち市民までの情報伝達や各種連携を行う部署のことを指します。政令都市における危機管理を担う部署は市長直属の部署であることが多く、その理由として、トップである市長の指示に迅速に対応し、スピーディーに次の部署へつなげることができるからです。  しかしながら、このような専門部署を消防局内に設置しているところもあり、この消防局内における部署の設置は、24時間体制でスピーディーな初期対応が可能である一方で、情報の収集・分析、各種機関との連携調整などの業務の集中化による対応に追われ、消防局の業務負担増のため、本来の消防局が持つ能力を最大限に発揮することができないことから、大半の自治体は採用していません。  本市の場合、市長部局の建設部防災対策課がその役割を担っているため、指揮命令上の問題はないと考えておりますが、一方で、昨今の異常気象で頻発化している豪雨への対応という面では、消防組織とともに水防活動の中核を担うべき建設部が防災対策課の業務を行うという状況にあるのは、先ほどの消防局の例に当てはめると、本来の役割を十分に果たすことができる状況にあるのかという疑問が残ります。  さきの7月豪雨の際も、本市において、しばらくの間降雨が続き、河川水位が徐々に高まる中で、危険水位に近づく支流河川の排水作業など、土木事務所をはじめとした建設部が消防局や上下水道局とともに最前線で頑張っておられたと聞いております。  そういう状況のさなかに、河川の氾濫や土砂災害の危険が高まった地域に避難準備・高齢者等避難開始を発令し、その後は住民の避難を支援する業務に関しても防災対策課が中心となって行っておられます。もちろん他の部局からの応援体制はあると思いますが、豪雨への対応に関して言えば、日ごろの浸水対策事業や降雨時の水防活動などのハード面、そして日ごろの防災意識の啓発や緊急時の避難支援などのソフト面まで、市が担う業務が山積みする中で、市の組織内での役割分担や部署単位での負担の適正化などは、7月豪雨のようなほかの地域で大規模災害があった際に、その状況を本市に当てはめて検証してみる必要があると思います。  市の組織に関することなので、まずはぜひ市の内部で御検討いただくとしまして、先ほどの舎川議員の質問と重複する点がありますが、本市の災害対策対応に関する計画についてお尋ねいたします。  災害対策基本法に基づく地域防災計画がありますが、この計画書は、災害の種類ごとに多岐にわたる事例が網羅されています。しかしながら、なかなか目的にたどり着けず、内容的にも一般市民には読みづらいものとなっております。  また、地域防災計画では、実際の災害時の対応の流れが書いてありますが、実際に災害が起きたとき、具体的にこの地区にはどのような判断で、どこからどのような経由で救援物資がどれくらい来るのか、どの場所にどれくらいの種類の備品がこの避難所に備わっているのか、この避難所にはどういう設備があるのか、対応する職員の人数や内訳などの具体的な部分や計画を、対応する職員はもとより、その地域の方々も知っておきたいのではないかと考えます。あまり災害のない富山ではありますが、これこそ大事なことではないでしょうか。具体的な内容こそが私たちの安心材料で、非常時にも冷静に地区住民同士で初期対応ができると考えます。  災害時に対応しなければならない各部署並びに職員は、このようなマニュアルの災害時の対応の周知徹底は実施されているとは思いますが、実際の災害時における各地区への連携の観点より、実際の備蓄状況や避難所への配置人数はどのようになっているのか、お伺いいたします。  次に、防災面でも効果的な防犯カメラ設置についてお伺いいたします。  最近、当市におきまして、奥田交番襲撃事件という大変痛ましい事件が起こりました。このような犯罪や事件は市民生活を脅かすため、犯罪や事件を未然に防ごうと防犯カメラを設置する団体も全国的に増え、行政も補助金制度の整備などの対策へ乗り出しています。  防犯カメラの設置によって確実に防犯や事件を減少させ、特に車両関連犯罪にも有効であります。さらに水害のある地区においては、防災にも活用できる例もあります。また、当市にて発生した富山市北西部──和合地区の外国人による転売目的の作物被害つまり泥棒被害はもとより、鳥獣による作物被害にも効果が期待できます。さらに、地域の防犯意識の向上への醸成も図れます。  また、万が一犯罪が起きてしまった場合でも、防犯カメラの映像が証拠となり、速やかな捜査につながり、解決へのスピードが速くなると考えられます。大阪での防犯カメラ設置による効果を調査した記事によりますと、空き巣のような住宅関連窃盗は、設置した地域では減少し、まだ設置されていない周辺地域で増えています。また、ひったくりなど路上窃盗は、設置地域もその周辺地域の両方とも減少が見られるとのことでした。  また、防犯意識や自治体における補助金制度の整備により、町内単位の防犯カメラの設置や設置したいという意欲が増加傾向に見られる一方で、維持費等の問題で計画をちゅうちょする町内会があるのも事実です。といいますのは、当局の現在の制度では、設置の工事費を負担いたしますが、毎年かかる維持費への補助はないとなっています。  ある市の補助金制度では、防犯カメラ維持費補助金の申請方法は、補助実績報告書と電気料金などの関連書類を添付したものを市長に提出いたします。防犯カメラ維持費補助金額の内訳には、管理費用として電気料金、記録媒体交換料、道路占用料及び修繕費用が対象とされています。  自分たちの地区を自分たちで守るという意識や行動を持続可能なものにしていく手助けをしていくのは私たちの役目であります。  そこで、現在稼働している防犯カメラの設置によって、設置箇所並びに周辺地区の犯罪数の推移などを含めた防犯への効果の検証結果をお聞かせください。また、設置による問題や課題はありますでしょうか。また、奥田交番襲撃事件の発生後より防犯カメラ設置の申請数は増えているのか、現時点での状況をお聞かせください。そして富山県警との連携事例があるのかということもあわせてお聞かせください。  犯罪が多い地域団体に補助金申請のためのインセンティブを付与する仕組みとして地域の犯罪率に応じた補助率や、当市の管轄である利用の多い市道での設置費用や維持費や管理費の金額の見直しがあってもよいと考えています。  また、小学生の通学路の防犯灯をLEDにかえる工事と同時に防犯カメラを設置することは、工夫次第では双方の経済的負担が減り、通学路を使用する人たちや周辺地域の方々がより安全・安心な暮らしができると思います。  市民や観光客の安全を確保する強い基礎づくりによって当市が推進するコンパクトシティかつSDGs未来都市計画が健全に形成されるための基盤として重要であります。  それを踏まえて、維持費等の助成や、犯罪が発生している市道における補助制度の優遇などを含め、防犯カメラ制度についての市としての見解や今後の具体的な動向、計画をお聞かせください。  最後に、富山市公設地方卸売市場の再整備についてお伺いいたします。  卸売市場は、県内ばかりではなく国内外からさまざまな多品目の生鮮食料品などを集荷、分荷し、スーパーや小売店などに迅速に流通させる機能を持っています。さらに、その取引から消費者にとって適正な価格形成がなされることにより、新鮮、安全な生鮮食品を供給するための機能として、これからも大変重要な施設であると認識しています。  そのような中、富山市公設地方卸売市場では、青果や水産の卸売市場などは昭和48年の開設から45年経過し、老朽化が著しく、耐震診断では大規模地震で倒壊する危険性が高いとされたことにより、卸売施設の再整備に向け、昨年度卸売市場の再整備構想が策定され、再整備の基本的考え方が示され、今年度は基本計画を策定中と伺っております。  今後も、市場関係者との調整やPFIなど民間活力の導入等も検討されているとのことですが、市民への生鮮食料品の安定供給のためにも、一日も早い再整備が必要と思います。  そこで、基本計画の策定中ではありますが、今後のスケジュールも含め、市場再整備にどのように取り組んでいかれるのか、お聞かせください。  また、最近は大型店舗による市場外流通の増加やインターネットを通した直接販売などの食品流通が目まぐるしく変化しつつあります。国では、食品などの流通における多様化を受け、卸売市場における規制の廃止や緩和により、市場ごとの自由度を高めるとともに、食品の流通が生産者と一般消費者をつなぐことになるため、本年6月の国会では、卸売市場法や食品流通構造改善促進法の一部が改正されたところであり、これら卸売市場は物流コストの削減や取り扱う生鮮食品の品質や衛生管理の強化など、流通の合理化に重点が置かれています。  そこで、今回の再整備に当たり、これからの流通ニーズに対応するための新たな機能について、どのような考えがあるのかお聞かせください。  これで質問を終わります。 310 ◯ 議長(村上 和久君)  当局の答弁を求めます。  立花教育委員会事務局長。   〔教育委員会事務局長 立花 宗一君 登壇〕 311 ◯ 教育委員会事務局長(立花 宗一君)  高道議員の御質問にお答えします。  学校の職員トイレについてお尋ねのうち、市内における職員用トイレの設置はどのような状況か、職員用トイレの新設についての見解や今後の予定について問うにあわせてお答えします。  教職員用トイレにつきましては、小学校は65校中62校、中学校は26校全てに設置しております。  教職員用トイレがない学校につきましては、比較的職員室から近いトイレを主に教職員が使用しているところです。  教職員用トイレが未設置の3校のうち2校につきましては、現在計画中の工事において新設される予定であり、残り1校につきましても、早急に改善してまいりたいと考えております。  以上でございます。 312 ◯ 議長(村上 和久君)  大場商工労働部長。   〔商工労働部長 大場 一成君 登壇〕 313 ◯ 商工労働部長(大場 一成君)  外国人に対する支援についてお尋ねのうち、平成29年度における外国人技能実習生の受入れ機関数及び受入れ機関での外国人技能実習生数、受入れ企業数を問うにお答えいたします。  外国人技能実習生の受入れにつきましては、複数の企業で組織された協同組合が受け皿となっております。平成29年度は3つの協同組合が受入れを行い、外国人技能実習生の数は、ベトナム126人、中国4人の計130人、受入れ企業数は市内企業が18社、市外企業が32社の計50社となっております。  以上でございます。 314 ◯ 議長(村上 和久君)  西田企画管理部長。   〔企画管理部長 西田 政司君 登壇〕 315 ◯ 企画管理部長(西田 政司君)  外国人に対する支援についての御質問のうち、残り3点について答弁を申し上げます。  初めに、本市で暮らしている外国人に対する支援について、現在実施している取組み及び今後の施策についてお答えをいたします。  本市では、外国人にとりましても暮らしやすく住みよいまちづくりを推進するため、1つに、日常生活にかかわりの深い情報を掲載した外国語の生活情報ガイドブックや防災マップの配布、2つに、観光パンフレットや避難場所表示板の多言語化、3つに、国民健康保険に加入している外国人留学生の保険料負担に対する助成、4つに、富山市民国際交流協会による外国人に対する相談窓口の開設や日本語習得支援事業などさまざまな事業に取り組んでいるところであります。  さらに今年度は、近年特に増加しているベトナム国籍の方に対応するため、ベトナム語版の生活情報ガイドブックや家庭ごみの分け方・出し方に関するリーフレットの作成、また、富山外国語専門学校の夏季集中講座として、市内企業で技能実習に従事する外国人などを対象とした日本語初級講座の開設を新たに行ったところであります。  さらに今年度中には、市ホームページの多言語化対応として、自動翻訳機能を搭載したシステムの導入を図ることとしております。  次に、生活情報ガイドの反響についてお答えをいたします。  市内に在住する外国人向けの生活情報ガイドブックにつきましては、これまで英語、中国語、韓国語、ポルトガル語の4カ国語版を作成しておりましたが、先ほど申し上げましたとおり、今年度新たにベトナム語版を作成したところであります。  この生活情報ガイドブックにつきましては、本庁及び各行政サービスセンターや各地区センター、さらには国際交流センターなどの行政窓口のほか、市内の大学や外国人技能実習生の受入れ機関などにも配布しており、そのほか要望があった企業や個人にも無償でお配りをしております。  お尋ねの生活情報ガイドブックについての反響ということにつきましては、今年度新たにベトナム語版を発行したことにつきまして、先月末に報道発表した直後に、「どこでもらえるのか」などの問合せが電話やメールなどで十数件寄せられ、関係者の関心の高さをうかがい知ることができます。  さらに、小さな子どもを持つ保護者からは、生活情報ガイドブックに記載されている情報の中で、子どもの医療費助成や予防接種に関する情報、また外国の運転免許証を持つ方からは、日本の運転免許証への切りかえや更新手続に関する情報が非常に役立ったという声などが富山市民国際交流協会の相談窓口などに寄せられていると伺っております。  こうしたことから、市といたしましては、今後とも、市内に暮らす外国人に生活に必要なさまざまな情報をよりわかりやすくお伝えできるよう努めてまいりたいと考えております。  最後に、市民生活に密着した場面での多言語表示の導入や計画についてお答えをいたします。  ごみの分別方法など市民生活に密着した情報につきましては、今ほども申し上げましたように5カ国語対応の生活情報ガイドブックに詳しく掲載しているほか、家庭ごみの分け方・出し方やごみ収集カレンダーに関するリーフレットを作成・配布しているところであります。  また、生活情報ガイドブックには、ごみの分別等に関する情報以外にも、市役所での各種手続をはじめ本市で生活を始めるに当たって必要な電気やガス、水道などの利用申込み方法のほか、火事や事故など緊急時の対処方法、外国語で診察が受けられる医療機関など、外国人が生活する上で有益な情報を多数掲載しているところであります。  今後とも、国や県、国際交流団体などとも連携・協力を図りながら、市内に暮らす外国人が快適に安心して生活していけるよう、市内の避難場所を表示した防災マップや地震などに対する備えを記載した防災マニュアルなどの多言語表示の拡大のほか、生活情報ガイドブックの内容のさらなる充実にも努めてまいりたいと考えております。  以上であります。 316 ◯ 議長(村上 和久君)  中田建設部長。   〔建設部長 中田 信夫君 登壇〕 317 ◯ 建設部長(中田 信夫君)  本市では、近年発生した震災を教訓として、備蓄量の拡充と備蓄場所の分散化を推進しております。  具体的には、市内を14ブロックに分け、各ブロックの小学校の倉庫等を活用し、備蓄食料等の配置を進めており、これまで4つの小学校で備蓄が完了し、今年度には2つの小学校に備蓄を行う予定としております。  今後は、このように被災住民に最も近い場所での備蓄の推進を目指すこととし、この進捗状況をわかりやすく情報発信したいと考えており、順次、市ホームページなどで広報するよう努めてまいります。  また、避難所の運営に係る職員の配置人数につきましては、地区によって異なりますが、通常は二、三名程度であるため、施設を管理する学校側や自治会等の住民の皆様と協力し合って運営していただきたいと考えており、避難所運営訓練などの機会を設けるなどして連携の強化を図ってまいりたいと考えております。  また、避難所運営の仕組みにつきましても、市ホームページや各種マニュアルなどを活用したわかりやすい広報に改め、地域の皆様からの理解と協力を得られるよう努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。
    318 ◯ 議長(村上 和久君)  中田市民生活部長。   〔市民生活部長 中田 貴保君 登壇〕 319 ◯ 市民生活部長(中田 貴保君)  防犯カメラの設置についてのお尋ねのうち、初めに、現在稼働している防犯カメラの設置による設置箇所並びに周辺地区の犯罪数の推移などを含めた防犯への効果の検証結果についてお答えいたします。  防犯カメラの設置が犯罪抑止に有効な手段とされておりますことから、本市では、平成26年度より町内会や自治振興会等が主体となった防犯カメラの設置に対する補助事業を実施し、これまでに17団体に対しまして補助し、48台設置されております。  このうち、平成27年度までに防犯カメラを設置した地域の刑法犯認知件数を県警察に確認いたしましたところ、平成26年度補助分では、設置前の71件から48件へ、また、平成27年度補助分では設置前の172件から160件へ、それぞれ減少しております。  なお、当該地域においては、防犯カメラの設置以外にも、自主防犯団体による防犯パトロール、学校通学路の安全対策や各種防犯キャンペーン等犯罪抑止に関するさまざまな取組みが展開されていることから、刑法犯認知件数の減少の要因は必ずしも防犯カメラ設置のためとは言い切れませんが、犯罪抑止の1つの要素となり、防犯への一定の効果を上げているものと考えております。  次に、設置による問題や課題等はあるのかにお答えいたします。  町内会等が防犯カメラを設置するに当たっては、設置する機器、設置後のランニングコストや修繕などの費用面のみならず、設置の方法や場所の選定のほか、プライバシー及び個人情報の保護に十分配慮が必要であり、これらについて住民の合意形成などの問題があると伺っております。  市はこれらの問題を解決し、設置を進めていただけるよう積極的に相談に応じており、地域の皆さんの御理解を得て申請していただけるよう努めているところでございます。  次に、奥田交番襲撃事件の発生後より防犯カメラ設置の申請数は増えているのか、現時点での状況についてお答えいたします。  本市の防犯カメラ設置補助事業については、例年、申請に基づき、概ね5団体に対し補助金を交付しております。今年度は現時点で3団体からの申請を受け付けており、このほか2団体が申請に向け検討を進めておられます。  なお、今年度受理したものは、いずれも奥田交番襲撃事件発生後に申請されており、また、事件発生後は例年より問合せや相談が増えているところでございます。  次に、富山県警との連携事例はあるのかにお答えいたします。  本市の防犯カメラ設置事業補助金の交付申請に際し、町内会等はその地域を管轄する警察署の支援を受けております。  具体的には、犯罪等多発地帯に該当するか否か、防犯カメラ活用方法の指導・助言、防犯カメラの設置方法や設置場所の検討、防犯カメラ管理運用規定の作成協力などでございます。  また、県警察では、本年10月から地域防犯設備効果体感事業を開始されます。この事業は、防犯カメラを6カ月間レンタルすることにより、その効果を体感していただき、町内会等での導入の促進を図っていく事業であります。本市では、防犯カメラ設置に向けた問合せや相談の際に、この事業について御案内しております。  このように、地域、県警察、市の3者が相互に情報共有、支援を行い、犯罪抑止の取組みについて連携しているところでございます。  最後に、維持費等の助成や犯罪が発生している市道における補助制度の優遇などを含め、防犯カメラ制度についての市としての見解や今後の具体的な動向、計画についてお答えいたします。  本市の補助制度は、町内会や自治振興会等が治安向上のために自主的に取り組んでいただいている防犯活動の一環として、防犯カメラの設置を希望される団体に対して市が支援するものでございます。  また、補助率や補助限度額の設定に当たりましては、他の中核市等の制度を参考に決定したものであり、現在も他の中核市と比較して遜色のないものとなっております。  このため、それぞれの団体において防犯カメラの設置を検討される際には、現行の補助制度を前提に維持管理等も含めて判断していただきたいと考えており、制度の拡充については考えていないところでございます。  以上でございます。 320 ◯ 議長(村上 和久君)  松島農林水産部長。   〔農林水産部長 松島 十三男君 登壇〕 321 ◯ 農林水産部長(松島 十三男君)  富山市公設地方卸売市場についてお尋ねのうち、初めに、今後のスケジュールも含め市場再整備にどのように取り組んでいくのかにお答えいたします。  本市場の取扱量は、青果はピーク時の約2分の1、水産は約3分の1に減少し、人口減少等の要因により、将来的にも大きな回復は見込めないことから、今後も市場を取り巻く経営状況は厳しいものと考えております。  一方、これからの市場には、消費者の安全意識の変化や量販店のニーズ等、社会情勢の変化に対応することが求められております。  このため、市場再整備につきましては、1つには、施設全体をコンパクト化し整備費を抑えるとともに、それにより生じた土地を有効活用する、2つには、食の流通を支えるインフラとしての役割を果たすために必要な耐震性や鮮度保持機能の確保、物流機能等の強化を図る、3つには、整備に際して各施設の必要性や費用対効果を精査するなどの点に留意して取り組んでまいりたいと考えております。  また、具体的な施設や設備の概要を協議する場として、卸売業者や仲卸業者で構成されたワーキンググループ等を開設したところであり、この会議において市場内事業者の意見等を集約してまいりたいと考えております。  次に、今後のスケジュールにつきましては、今年度策定する市場再整備基本計画の中で、1つには、設計のもととなる市場施設、整備の概要の決定、2つには、整備におけるPFI手法と従来手法の比較検討調査、3つには、コンパクト化により生じた空間を有効活用するための調査などを行うこととしております。  今後は、整備手法により異なりますが、PFI手法の場合には事業の審査、事業者公募となり、従来手法の場合には市において基本設計を行いたいと考えております。  次に、これからの流通ニーズに対応するための新たな機能についてどのような考えがあるのかについてお答えいたします。  これからの流通ニーズに対応するための新たな機能につきましては、1つには、生産者から消費者まで一貫して温度管理を行い、生鮮食料品の鮮度を維持するコールドチェーンに対応した卸売場や倉庫、2つには、量販店との取引に対応するための配送センター、3つには、付加価値を高めるための加工施設などが考えられます。  これらの新たな機能の整備につきましては、卸売場など食の流通を支えるインフラとして必要な機能は市が開設者の責務として整備する必要があると考えております。  また、財源等の問題により、市場関係者が整備・運営することが困難な冷蔵庫施設などについては、第三セクターを設置して対応することも必要と考えております。  一方、配送センターや加工施設など卸売業者等の競争力強化や収益増加につながる機能につきましては、卸・仲卸業者がみずからの経営判断により整備されるものと考えております。  いずれにいたしましても、開設者と市場関係者が協調し取り組むことで、本市場が将来にわたり市民に安全で安心な食を安定的に供給するコンパクトな流通拠点となるよう再整備を進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 322 ◯ 議長(村上 和久君)  これで高道議員の一般質問及び議案の質疑を終了いたします。  16番 東   篤君。 323 ◯ 16番(東   篤君)  平成30年9月定例会に当たり、社会民主党議員会、東 篤より一般質問をさせていただきます。  初めに、災害に強いまちづくりについて伺います。  ことしは梅雨明けが早く猛暑となり、全国的に台風や線状降水帯による水害が多発しました。また先週は、北海道胆振東部地震という大きな災害がありました。これら災害の犠牲者となられた皆さんに哀悼の意を表しますとともに、被災された皆さんにお見舞いを申し上げます。あわせて早期の復旧を願うものであります。  本市におきましても、ことしは7月5日深夜から6日未明にかけて、畑中と五福新町にまたがるエリアでは、住宅2棟が床下浸水しました。先ほど舎川議員に対する市長の答弁にあったとおりです。  この地域では2004年の台風23号の際に、近くの仲井川に、増水した神通川が逆流し、多くの家屋が床上・床下浸水したことなどから、仲井川雨水幹線の改修あるいは2006年には仲井川第1貯水池──4,500立米ございますが──これがつくられるなどの対策が実施をされております。  そこで質問ですが、これまで水害対策をされてきた中、この畑中、五福新町にまたがるエリアで今回浸水した原因をどう分析していらっしゃるでしょうか。また、今後の対策についてお伺いいたします。 324 ◯ 議長(村上 和久君)  当局の答弁を求めます。  黒田上下水道局長。 325 ◯ 上下水道局長(黒田 和幸君)  今回浸水した地域は、周辺に比べ低い地形であり、また付近では仲井川雨水幹線と神通川が合流していることから、豪雨時には神通川から雨水幹線への逆流に起因する浸水被害が生じやすい地理的条件を有しております。  このため、本市では、これまでも雨水貯留施設の整備や雨水幹線の改修を実施するとともに、逆流発生時にはポンプによる雨水の迅速な排水に努め、浸水被害の軽減を図ってきたところであります。  しかしながら、今回の豪雨では、神通川上流のダム放流による急激な水位の上昇により、仲井川雨水幹線の排水流下速度が低下し、道路や宅地内に降った雨が十分に排水できず、神通川からの逆流が発生しなかったにもかかわらず浸水が生じたものと考えております。  今回のことを教訓に、今後の対策として、今年度中に排水ポンプを追加し、排水能力の増強を図ることに加え、来年度には監視カメラを増設し、雨水幹線の水位をより的確に把握すること、また、排水ポンプの常設電源装置を整備し、排水作業開始の迅速化を図ることにより、今まで以上の浸水被害軽減に努めてまいりたいと考えております。 326 ◯ 議長(村上 和久君)  16番 東   篤君。 327 ◯ 16番(東   篤君)  ありがとうございます。引き続きさらなる対策をお願いしたいと思います。  続きまして、ことし5月、中心市街地に松川雨水貯留施設──これは2万200立米でございますが──が完成しました。以降、これまで相当量の降水量となったときでも、この施設がカバーするエリアでは床上・床下浸水被害が出ていないというふうに認識をしております。  この松川雨水貯留施設が完成してからまだ4カ月でデータが十分ではないかもしれませんけれども、施設をつくった効果をどう分析しているのか、現状のところをお伺いいたします。 328 ◯ 議長(村上 和久君)  黒田上下水道局長。 329 ◯ 上下水道局長(黒田 和幸君)  松川雨水貯留施設の本格稼働以降、時間雨量が最も多かったのが本年8月31日、この日は1時間当たり41.5ミリメートルの降雨を記録しております。  当日の貯留施設の稼働状況といたしましては、一時的に貯留量が貯留容量の100%、2万200立方メートルに達しましたが、同時に排水も行うことにより、貯留量の調整を行う運転方法をとっておりました。  この貯留施設の効果につきましては、今回と同程度の時間雨量がありました平成25年には、合流式下水道区域内において10件の床下浸水が生じていることに比べ、今回は浸水被害は確認されておりませんので、貯留施設は十分に機能し、浸水被害の軽減が図られているものと考えております。 330 ◯ 議長(村上 和久君)  16番 東   篤君。 331 ◯ 16番(東   篤君)  平成25年は10件浸水したけれども、今回同様の降雨量でも浸水がなかったということで効果があったということのようであります。これからもしっかりとこのデータも分析しながら、適切な運転管理をしていただくよう、よろしくお願いいたします。  続きまして、1000年に一度の豪雨を想定し、浸水区域図の改定が行われており、富山市を流れる河川では、先月、神通川水系の熊野川、いたち川、土川、坪野川、山田川について公表されました。この改定は2015年の水防法の改正を受け、想定し得る最大規模の降雨を対象につくり直したとのことです。浸水のおそれがある区域が熊野川では従来より7倍、坪野川では5倍など、どの河川でも拡大しております。報道によると、県河川課の担当者は「各自治体とも連携して区域図や対策の周知に努めていきたい」と述べたというふうになっております。  そこで質問ですけれども、このたびの県による浸水想定区域の改定を受けて、本市として新たに洪水ハザードマップを作成し、市民に周知することが必要だと考えますが、見解をお伺いいたします。 332 ◯ 議長(村上 和久君)  中田建設部長。 333 ◯ 建設部長(中田 信夫君)  議員がおっしゃられましたとおり、平成27年の水防法の改正により、国及び県においては流域面積が広く、洪水により大きな損害が生じるおそれがある河川について、想定される最大規模の降雨による浸水想定区域を指定されることとされました。  また、市町村はその浸水想定区域を反映した洪水ハザードマップを作成することが義務づけられており、本市では現在、今回の新たな浸水想定区域の指定を機に、指定緊急避難場所の見直しのほか、水害に備えた事前の心構えや河川の水位と避難情報の関係などの避難に関する情報の充実を図った新たな洪水ハザードマップを作成しているところであります。  なお、白岩川など浸水想定区域の指定が遅れている県管理河川も一部あることから、今年度はまず暫定版の洪水ハザードマップを市ホームページに掲載し、来年度以降全ての河川を対象とした洪水ハザードマップを市民に配布したいと考えております。 334 ◯ 議長(村上 和久君)  16番 東   篤君。 335 ◯ 16番(東   篤君)  今とりあえず暫定版をつくるということですが、やはり1000年に一度というとめったなことはないだろうというふうにこれを考えるのか、それともやっぱりこれがいつ起こるかわからないと考えるかによってもまた作業のスピードも変わってくると思うのですけれども、現状として、温暖化による異常気象が当たり前だという時代になっているのではないかというふうに思っております。できるだけ早目につくっていただくようによろしくお願いをいたします。  続きまして、改定された浸水区域図では、富山市役所本庁舎、ここの周辺においても、0.5から3メートル未満の浸水が想定されるというふうになっております。この市役所本庁舎の地下階には、電気室ですとか消火設備、機械室といった重要設備のある部屋もございます。あるいは災害用物資備蓄倉庫もあるというふうに思っております。  そこで質問ですけれども、この県が発表した神通川水系、熊野川等の洪水浸水想定では、先ほど申し上げましたとおり、ここ本庁舎周辺で0.5から3メートル未満の浸水が想定されておりますけれども、これに対して、新たにこの本庁舎1階や地下階の浸水対策を講ずるべきだと考えますが、見解をお伺いします。 336 ◯ 議長(村上 和久君)  奥村財務部長。 337 ◯ 財務部長(奥村 信雄君)  市の本庁舎は平成4年5月の竣工以来、洪水には見舞われておりませんけれども、本庁舎の1階は窓口業務を行っており、また地下には電力の供給が遮断された場合に起動します非常用発電機などがある電気室をはじめとする、庁舎機能を維持するための重要な設備がありますことから、これらの施設への浸水を防止しなければなりません。  このため、平成28年度に本市が作成しました洪水ハザードマップから予想される最大水深1.2メートル程度の洪水による浸水を防ぐことができる止水板等を設置するために必要な工事を、地下に通じる1階の全ての開口部で行ったところであります。また、この止水板の機能を有効に発揮するため、毎年職員による止水板の設置訓練を行っております。  こうした中で、先月、県から発表された熊野川、いたち川などの1000年に一度の洪水による浸水予測では、本庁舎周辺においては最大で3メートル程度と想定されているところであります。  この対応のために県は、今後、本市と同様の止水板を設置することを検討されているという報道がされておりますが、先ほども申し上げましたとおり、本市では既に最大水深1.2メートル程度の洪水への対応を行っているところであります。  今後、1000年に一度起こり得る浸水対策として、さらにどのようなことを行う必要があるかについては、調査・研究をしてまいりたいと考えております。 338 ◯ 議長(村上 和久君)  16番 東   篤君。
    339 ◯ 16番(東   篤君)  1000年に一度ということを先ほども申し上げましたが、やはりこの温暖化による異常気象ということでいろいろと災害も増えております。またしっかりと調査・研究をして対応をとっていただきたいというふうに思います。  次に、浸水対策として、河川にたまった土砂を取り除くしゅんせつによって流れをよくすることは、河川の拡幅や堤防のかさ上げと比べ、費用と時間を要さず比較的簡単に効果を発揮できると考えます。  国や県とも連携を密にして、本市を流れる河川において適宜しゅんせつを実施することが水害対策において重要だと考えますけれども、ここ2年間の実績についてお伺いをいたします。 340 ◯ 議長(村上 和久君)  中田建設部長。 341 ◯ 建設部長(中田 信夫君)  河川管理や浸水対策の観点から、しゅんせつを行うことにより河川の流下能力を確保しておくことは非常に重要であると考えております。  お尋ねのここ2年間のしゅんせつの実績につきましては、市管理の準用河川では、昨年度、蜷川川など4河川においてしゅんせつを実施したほか、今年度も4河川を予定しております。  県管理河川では、昨年度は山田川や磯川など12河川においてしゅんせつが実施されたほか、今年度も3河川において実施予定と伺っております。  また、国直轄河川では、昨年度は神通川において河道掘削を実施されたほか、常願寺川と井田川において民間の砂利採取と連携した河道掘削が実施され、今年度も井田川で実施されたと伺っております。  本市といたしましては、今後も適切な管理に努めるとともに、国や県に対しても河川の適切な管理を実施していただけるよう働きかけてまいりたいと考えております。 342 ◯ 議長(村上 和久君)  16番 東   篤君。 343 ◯ 16番(東   篤君)  今ほど丁寧に市としてどんなことをやっているのか、また県の状況、国としての神通川の対策等々についてもお答えいただきました。市といたしましても、引き続き県、国としっかりと連携をとって、水害対策としてのしゅんせつを継続していただくことを要望いたします。  次の質問ですけれども、緊急避難場所のことを聞こうと思っておりましたが、先ほど舎川議員から質問がございました。重複を避けたいというふうに思います。  実は、私も市民の方から、緊急避難場所になった小学校に避難した市民の方が、毛布を準備されていなかったということでお伺いをいたしました。  この避難箇所の関係については、平成25年6月に改正された災害対策基本法において、切迫した災害の危険から逃れるための緊急避難場所と一定期間滞在して避難者の生活環境を確保するための避難所が明確に区別され、本市でもこの法に基づき区別をしているということを知りました。  ぜひとも、昨年も11月5日号の広報で、「いざ!というときに備えて」ということで、この避難の関係も広報に載せておりました。先ほど答弁で、ことしもまた広報に載せるということなのですが、こういう緊急避難場所と避難所は違うのですということなども含めてしっかりと、できるだけ必要なものを持って避難してくださいという啓発が必要だろうというふうに思いますし、1つ要望ですけれども、こういう避難をしてくれということになると、どうしても気が動転するとかあるいは慌てて非常持出し品も持たずに避難をしてしまうという市民もいらっしゃると思います。今回の避難も、夕方から始まって解除されたのが明け方の4時ということだったようですけれども、やっぱり一昼夜になる、夜通しになるということですと、やはりそういう方のために一定程度の飲料水ですとか毛布などの物資も必要だというふうに思います。検討いただけたらというふうに思います。  続きまして、今ほど申し上げたものの中の避難所に関してお伺いをいたします。  避難所は、災害の危険性があり、避難した住民等を災害の危険性がなくなるまでに必要な間滞在させ、または災害により家に戻れなくなった住民等を一時的に滞在させるための施設として市が指定をするということになっております。  避難所では、長期にわたる避難生活になることも想定されます。とりわけ高齢者のことを考えますと、足腰に障害を持っていらっしゃる方ですとか、足腰の機能が低下している方も多くいらっしゃって、避難所で床に座り続けることは苦痛を伴います。  岡山県倉敷市では、このたびの豪雨災害に際し、事前の生産業者との防災協定に基づき、避難者全員分の段ボールベッドの配備を要請したと伺っております。  そこで質問ですけれども、本市においても、避難が長期化する場合、避難所に段ボールベッドを配備することで、高齢者の環境改善につながると考えますが、見解をお伺いいたします。 344 ◯ 議長(村上 和久君)  中田建設部長。 345 ◯ 建設部長(中田 信夫君)  本市では、市内の段ボール製造企業と平成29年10月31日に、「災害時における緊急用資材の供給に関する協定」を締結しており、避難が長期化することにより段ボールベッドや簡易間仕切りなどが必要となった場合に、迅速に供給を受けられる体制を整えております。  また、平成29年度に避難所での段ボール活用訓練を実際の避難所となる小学校の体育館において行っておりますが、地域住民に実際に段ボールベッドの組立てなどを体験してもらったところ、地域住民からは「少人数でできるなど、簡単に組み立てられた」「思ったより寝心地がよく、ストレスの軽減につながりそうだ」などの意見がありました。  本市では、今後とも地域住民や協定先の企業の協力を得ながら段ボールベッド等を活用するなどし、災害時の避難所の環境改善に引き続き努めてまいりたいと考えております。 346 ◯ 議長(村上 和久君)  16番 東   篤君。 347 ◯ 16番(東   篤君)  既に市内の企業との間で話もされているということで安心をいたしました。万が一、避難所が開設されるような事態となったときに、速やかに段ボールベッドですとか、あと必要な物資ですね、これらが配備されるよう、改めて体制をチェックしていただくよう要望いたします。  続きまして、富山市郊外地域では、水田などから住宅団地あるいは大型商業施設などへの転換がどんどん進んでおります。結果として、水田がなくなり、アスファルト化、コンクリート化されることにより、保水力の低下につながり、ゲリラ豪雨時や長時間にわたる降水時、本市の平地部や河川下流地域での水害につながっていると考えられます。  そこで質問ですが、水田などの農地の開発が行われるときに、浸水対策の観点から開発事業者に対する指導の現状がどうなっているのかについてお伺いをいたします。 348 ◯ 議長(村上 和久君)  高森活力都市創造部長。 349 ◯ 活力都市創造部長(高森 長仁君)  住宅団地や商業施設などの建設を目的として農地を宅地とする場合には、その位置や規模に応じて都市計画法に基づく開発行為の許可が必要となります。  開発行為の許可に当たりましては、都市計画法の許可基準に基づき、道路や公園等の適切な配置を行うことに加え、開発区域内の雨水を適切に排水することが必要となります。  この都市計画法の規定に従い、開発区域で想定される降水量や放流先の状況などを勘案し、開発区域やその周辺の地域に浸水等による被害が生じないよう排水施設を整備するとともに、必要に応じて調整池を設置させるなどの指導を行っているところでございます。 350 ◯ 議長(村上 和久君)  16番 東   篤君。 351 ◯ 16番(東   篤君)  今ほど指導等の現状について説明されましたけれども、やはり豪雨時にたびたび水害が発生している地域があります。そのためにその地域では、自治振興会の皆さんですとかが昼夜を問わず見守りや対応に追われております。やはりこういう現状を見まして、さらなる浸水対策を実施していただくことを要望いたします。  続いて、介護現場の人材確保対策と認知症初期集中支援チームに関してお伺いをいたします。  厚生労働省の推計によると、団塊の世代が全員75歳以上となる2025年度には、全国で約245万人の介護職員が必要となりますが、このまま何もしなければ約33万7,000人が不足するというデータが出ております。  富山県内でも、2016年度には介護職員が約1万7,000人いましたが、2025年度には約5,000人多い2万2,000人が必要になるとされております。しかし、実際に確保できるのは2万人と見込まれ、充足率は92%です。全国平均の86.2%を上回るものの、県内においても介護職員の人手不足が進むのは避けられない状況だと予測をされます。  そこで質問ですが、本市として、人手不足が予測されるこの介護人材の確保に向けて独自の支援などを実施しているでしょうか、お尋ねいたします。 352 ◯ 議長(村上 和久君)  酒井福祉保健部長。 353 ◯ 福祉保健部長(酒井 敏行君)  我が国においては、高齢化が進む一方で、緩やかな回復基調が続く景気状況もありまして、求人状況も売り手市場が続いていることなどから、全国的に介護職員の人手不足が深刻化しております。  こうしたことから、現在、富山県では、学識経験者や行政機関として本市──私もメンバーでございますが、高岡市、その他ハローワークや富山県介護福祉士会、富山県老人福祉施設協議会などの関係団体で構成する富山県福祉人材確保対策会議を設置し、福祉・介護人材の確保のための効果的な方策を検討されており、去る8月24日に今年度の初会合が開催されたところでございます。  もとより、介護人材の確保につきましては、県や県内市町村、関係機関、関係団体等が連携協力して取り組むべき課題であると考えておりますので、本市といたしましては、今後とも県や関係機関と連携を図りながら介護人材の確保に努めてまいりたいと考えております。  お尋ねの本市独自の支援につきましては、この富山県福祉人材確保対策会議において報告した内容を申し上げますと、1つには、介護分野への就職に結びつくようハローワークと連携し、介護分野への就職を希望している方などを対象とした介護職場の就職説明・面談会を年5回開催しており、直近のことし5月23日の実績として、参加した31名のうち9名が就職に結びついたこと、2つに、今年度からの新規事業といたしまして、福祉・介護の職場の環境改善と人材の定着を図ることを目的に、公益財団法人介護労働安定センターの協力を得ながら、介護保険事業所を対象とした働きやすい職場づくりセミナーを年5回開催することとしており、去る8月10日に「人が辞めない事業所が実践していること」をテーマに開催したセミナーには、定員50名を超える54名の参加があり、介護保険事業所からも好評であったことから、今後、介護人材の定着化や離職の防止に向けた事業所の取組みに期待をしているところでございます。  3つとして、子どもの健全育成や貧困の連鎖を断つことを主目的として、高校卒業後の修学を支援するため、生活保護世帯や児童養護施設などの子どもを対象に実施している富山市福祉奨学資金給付事業において、福祉・医療・介護などの国家資格を取得することも支援の対象としており、その財源は全額寄附で賄っていることの3つの取組みを紹介してきたところでございます。 354 ◯ 議長(村上 和久君)  16番 東   篤君。 355 ◯ 16番(東   篤君)  市としても、介護人材確保のためにいろいろと工夫をしておられるということもわかりました。国ももちろん大変危機感を持っておりまして、「第7期介護保険事業計画に基づく介護人材の必要数について」というような資料も出していらっしゃいます。  その中で、国において例えば「外国人材の受入環境整備など総合的な介護人材確保対策に取り組む」というのがございまして、しかし介護の世界では一定程度の日本語での日常会話能力も求められ、入国に関しては、ことしは7月時点で中国からの2人だけと、実は2020年夏までにベトナムから1万人を受け入れる数値目標を国として掲げているのですが、まことに少ない日本への実習生の状態となっております。  やはり国がいろいろとこの介護人材を確保するために計画を立てていても、それがハードルが高くて達成困難というものも見られるわけでありますので、本市としても、この国の事業計画の進捗状況を見ながら、またしっかりと人材確保対策も考えていただきたいというふうに思います。  続いて、今ほどありましたように、今、介護人材を取り合う状況で、本年6月の有効求人倍率は全職種1.92倍に対して介護関連では4.96倍と大変高い数字になっています。しかし、介護福祉士を養成する学校は県内に4校ございますが、今春入学した生徒は180名の定員に対して87名しかいませんということでした。介護職員を確保するには、やはり低賃金ですとか重労働という実態を抜本的に改善することが必要になるだろうなというふうに思います。  そこで質問ですが、富山市内の介護福祉士を養成する学校数と定員、また定員に対する入学者数はどうなっているのか、また、本市で働く介護福祉士を確保するためにも、本市として学校とタイアップして生徒を確保するということも必要だろうと考えます。何らかのことを実施しているでしょうか、お伺いします。 356 ◯ 議長(村上 和久君)  酒井福祉保健部長。 357 ◯ 福祉保健部長(酒井 敏行君)  介護福祉士は、介護施設等で高齢者の生活を支える国家資格で、その養成課程を備える教育機関としましては、市内に富山短期大学、北陸ビジネス福祉専門学校の2校があります。  それぞれの平成30年度の定員と入学者数を申し上げますと、富山短期大学は定員60名に対して入学者数31名、北陸ビジネス福祉専門学校では、定員40名に対しまして入学者数12名であったとお聞きしており、定員に占める入学者数の割合──定員充足率は全体で43%となります。  また、本市では、学生の確保に向けて養成校との連携や直接的な支援は行っておりませんが、学生の確保には、小・中・高生の年代からの介護職に対する理解を深め、将来就労したい職業の選択肢に加えてもらうことが重要であると考えており、これまでも地域の介護施設に協力をいただきながら、中学校での14歳の挑戦事業においての就労体験や小学校での総合的な学習の時間を活用しての交流活動などを実施しているところであります。  ちなみに、富山県においては、小学生親子夏休み福祉の仕事バスツアー事業、中学生への出前講座事業、高校生介護人材発掘事業などが実施されております。 358 ◯ 議長(村上 和久君)  16番 東   篤君。 359 ◯ 16番(東   篤君)  どうもありがとうございます。  最後に、認知症初期集中支援チームに関してお伺いをいたします。  認知症は早い段階での対応が重要ということで、政府はこの認知症初期集中支援チームを全国の市町村に設置する方針を打ち出して、富山市でも昨年このチームができました。  そこで質問なのですけれども、設置されてから先月8月までで1年5カ月が経過しました。この間のこの認知症初期集中支援チームの活動実績はどうなっているのか、また、本事業を市民の皆さんに普及するために実施している啓発などの活動についてお伺いいたします。 360 ◯ 議長(村上 和久君)  酒井福祉保健部長。 361 ◯ 福祉保健部長(酒井 敏行君)  国では、高齢者の増加に伴い、認知症の方の増加が見込まれることを踏まえて、平成27年に認知症施策推進総合戦略、いわゆる新オレンジプランを策定されまして、認知症初期集中支援チームは、この新オレンジプランの具体的な施策の1つに位置づけられたものでありまして、認知症の方などの家庭を訪問して、医療機関の受診や介護保険サービスの利用につなげるための支援を行う認知症サポート医と保健師などによる専門チームであります。  本市では、昨年設置したところであり、その対象者は40歳以上で自宅で生活している方…… 362 ◯ 議長(村上 和久君)  答弁の途中ですが、東議員の質問時間を過ぎております。簡潔にお願いいたします。 363 ◯ 福祉保健部長(酒井 敏行君)  そうした方に対して、地域包括支援センター等に相談のあった家庭を訪問し、概ね6カ月間で集中的に自立生活をサポートするものであります。本年8月までの活動実績は11件でありましたが、それぞれ必要な医療や適切な介護サービス等につなぐとともに、介護者であります家族の方々の負担軽減にも寄与しているものと考えております。 364 ◯ 議長(村上 和久君)  これで東議員の一般質問及び議案の質疑を終了いたします。  7番 竹田  勝君。 365 ◯ 7番(竹田  勝君)  平成30年9月定例会に当たり、自由民主党より一般質問並びに議案質疑をいたします。  私からも、本年7月上旬の西日本豪雨で亡くなられた方々の御冥福をお祈りするとともに、御遺族の皆様へのお悔やみと被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げます。  加えて、先日の台風21号並びに北海道胆振東部地震で被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げます。一日も早い復興をお祈りいたします。  本市も本年7月5日から7日の間、集中豪雨に見舞われましたが、幸い人的被害はなく、安堵いたしております。とはいえ、一部の地域では浸水や冠水が発生し、避難準備情報や大雨洪水警報、山間部においては土砂災害警戒情報が発令されるなど、大変不安な思いを抱かれた市民も多かったのではないでしょうか。  まず、今回の豪雨について質問いたします。  本市における総降水量、避難場所への避難者数及び被害の状況について答弁を求めます。
    366 ◯ 議長(村上 和久君)  当局の答弁を求めます。  中田建設部長。 367 ◯ 建設部長(中田 信夫君)  富山地方気象台の観測では、降り始めの本年7月4日0時から7月8日24時までの5日間の総降水量は、富山観測所で192ミリメートル、猪谷観測所で403.5ミリメートルであり、降雨の多かった7月5日には、秋ケ島、大山、八尾、猪谷の観測所において、日降水量が統計開始以来の最高値を記録したとされております。  こうした状況の中、県管理河川の白岩川、上市川の水位が上昇し、氾濫の危険が高まったことから、7月5日17時50分に水橋地区全域に避難準備・高齢者等避難開始を発令しました。  また、同日16時53分に県から、山間部東に土砂災害警戒情報が発表され、市では、大沢野・大山地域の山間部及び細入地域全域の気象予測や雨量情報の推移を注視しておりましたが、19時20分に土砂災害が発生するおそれが高まったと判断したこと、また八尾・山田地域の全域及び婦中地域の山間部では、降雨が続いていたことから、20時5分に総合的な判断により、それぞれ避難準備・高齢者等避難開始を発令いたしました。  避難場所に避難された方は、水橋地区で57名、大沢野地域で37名、大山地域で14名、八尾地域で5名、婦中地域で4名、山田地域で8名、細入地域で10名、合計135名の方が避難されました。  被害状況につきましては、住宅の床下浸水が3棟、事業所の浸水が1件、河川の堤防や護岸の欠損が県管理河川で5件、国管理河川で2件、土砂崩れなどによる通行規制が市道で10件、県道で5件でありました。 368 ◯ 議長(村上 和久君)  7番 竹田  勝君。 369 ◯ 7番(竹田  勝君)  次に、豪雨時の常願寺川、神通川、井田川、熊野川、各河川の水位観測所における最高水位並びに水位危険度レベルについて答弁を求めます。 370 ◯ 議長(村上 和久君)  中田建設部長。 371 ◯ 建設部長(中田 信夫君)  各河川の水位観測所における最高水位と水位危険度レベルにつきましては、常願寺川大川寺観測所では、7月5日18時20分にレベル1である水防団待機水位を超え、最高水位は4.37メートルに達しております。神通川大沢野大橋観測所では、7月6日1時にレベル3である避難判断水位を超え、最高水位は6.13メートルに達しております。神通川神通大橋観測所では、7月6日2時20分にレベル2である氾濫注意水位を超え、最高水位は7.22メートルに達しております。井田川杉原橋観測所では、7月5日18時にレベル1である水防団待機水位を超え、最高水位は2.14メートルに達しております。熊野川熊野橋観測所では、7月5日17時50分にレベル2である氾濫注意水位を超え、最高水位は3.13メートルに達しております。 372 ◯ 議長(村上 和久君)  7番 竹田  勝君。 373 ◯ 7番(竹田  勝君)  今の御答弁を伺いまして、皮膚感覚としては数値はもっと高いと私は思っていたのですが、今のような答弁のとおりだったと思います。避難判断水位を超えた場合、水防計画により的確な対応をお願いいたしたいと、このように思うわけでございます。  今回の豪雨で農道や取水施設、農地や林道等が被災しましたが、最も甚大な損害をこうむるのは洪水、氾濫だと思います。熊野川、神通川の堤防欠損並びに緊急復旧状況、本復旧工事について答弁を求めます。 374 ◯ 議長(村上 和久君)  中田建設部長。 375 ◯ 建設部長(中田 信夫君)  本年7月豪雨による被害について各河川管理者に確認いたしましたところ、国管理の神通川では、大沢野地域の葛原地先などにおいて堤防の欠損や護岸・根固めブロックへの被害が発生しており、現在、盛り土や袋詰め玉石による仮復旧状態であり、本復旧工事については、本年度下半期に工事の契約を行う予定と伺っております。  また、県管理の熊野川では、青柳新地先をはじめ3カ所において護岸の欠損等が発生しており、1カ所は現在、コンクリートブロックや大型土のうによる仮復旧を完了しており、残り2カ所を含めた全ての箇所の本復旧工事については、今後準備を進めると伺っております。 376 ◯ 議長(村上 和久君)  7番 竹田  勝君。 377 ◯ 7番(竹田  勝君)  今の御答弁を聞いていまして、やはり劣化が進んでいるなと、それとともに非常に今回の豪雨はやはり威力があったのだな、こんなように思っています。  神通川左岸堤防の欠損については、川底で堤防が滑り落ちないように支えている木工沈床が増水で強まった流れに耐えられずに崩壊したことが原因だと言われております。言うまでもなく、一級河川を中心に河川整備を一層強化し、洪水、氾濫を未然に防ぎ、災害への備えを万全にしなければなりません。  次に、今回の豪雨で避難準備・高齢者等避難開始情報が発令された二級河川白岩川並びに平成29年に同情報が発令された一級河川山田川は、県において整備計画に基づき整備中でありますが、進捗状況について答弁を求めます。 378 ◯ 議長(村上 和久君)  中田建設部長。 379 ◯ 建設部長(中田 信夫君)  白岩川につきましては、県において河川計画に基づき整備が進められ、昭和49年に白岩川ダムが完成したほか、平成28年度までに河口から水橋大橋までの区間で河川改修が完了し、平成29年度からは水橋大橋のかけかえを含む区間に着手されたところであります。  今年度は引き続き水橋大橋の設計を進めるとともに、水橋柳寺地内において用地買収及び護岸工事を行う予定と伺っております。  また、山田川につきましては、県において平成22年度に策定された整備計画に基づき、まずは過去に浸水被害のあった山田小島地内において河川改修が実施されており、昨年度までにボトルネックとなっていた小島橋のかけかえが完了したところであります。今年度は引き続き山田小島地内に置いて護岸工事を行う予定と伺っております。 380 ◯ 議長(村上 和久君)  7番 竹田  勝君。 381 ◯ 7番(竹田  勝君)  加えて、流域で浸水・冠水被害が頻発している一級河川磯川、田島川において整備計画の策定が求められますが、見解を求めます。 382 ◯ 議長(村上 和久君)  中田建設部長。 383 ◯ 建設部長(中田 信夫君)  井田川の支流である磯川及び田島川は、井田川の増水時にはその水位上昇の影響を受け、川の水があふれることなどによる浸水被害が近年繰り返し発生しております。  しかしながら、県管理である磯川及び田島川につきましては、現在、河川整備計画策定の予定はないと伺っているところであります。  本市といたしましては、河川管理者である県が雨水などを安全に流下させ、災害が発生しないよう河川を整備すべきであると考えており、まずは河川改修を実施するための計画の策定を求めるとともに、本市の来年度の重点要望にも新たに掲げ、国や県に対し強く要望しているところであります。 384 ◯ 議長(村上 和久君)  森市長。 385 ◯ 市長(森  雅志君)  今、県に対して田島川、磯川という話が出ましたし、さきに竹田議員の御質問の中にも、国の常願寺川や神通川の問題もありましたが、一番ベースにある大きな問題は予算なのです。河川国道事務所はわかっているわけです、ここが弱いとか。しかし、国全体で河川改修に確保できる予算総額、それを北陸地方整備局が幾ら取ってこられるか、そして北陸地方整備局の中でそれぞれの河川ごとにどうなっていくのかということなのです。  今、総裁選のさなかですから、こういう質問をしていただくと大変ありがたいので、国全体としては、プライマリーバランスの問題もいいですけれども、やっぱりこういう生活の、命にかかわるようなこういう事業について、しっかりと予算を確保するということが大事です。  今回の中国地方のこと、北海道のことなどを踏まえて言いますと、国土交通省の中でも、北陸地方整備局がどの程度確保できるかというのは大分大きな応援の声がないと難しいというふうに思っていますので、県にしても計画がないと──本当はしたいに決まっているわけです。ですけれども、一番基づくものがそういう状況です。国中で予算の取り合いになるだろうと思っておりますので、今回御質問いただいたことを踏まえながらしっかりと要望をしていきたいというふうに思います。 386 ◯ 議長(村上 和久君)  7番 竹田  勝君。 387 ◯ 7番(竹田  勝君)  大変力強い御答弁ありがとうございました。  次の質問ですが、前の東議員とダブっておりました。しかしながら、かいつまんでお話ししますと、洪水浸水想定区域を改定して、本年8月17日に9河川について発表したわけですね。公表された本市内の河川は、熊野川、いたち川、土川、坪野川、山田川の5河川です。  それで、27平方キロメートルにも被害を受ける区域があって、富山市役所も0.5から3メートル未満の浸水が想定され、先ほど御指摘があったとおりでございます。  国直轄の常願寺川、神通川、庄川、小矢部川、黒部川の各水系では、国土交通省が区域図を公表しており、県作成分と合わせた一体的なデータに基づき、豪雨災害への対応が進められることになります。  これを受けて洪水ハザードマップの更新が必要になってきますが、先ほどの御答弁と同じであれば、御答弁は結構ですが、何かプラスすることがありましたらお願いいたします。 388 ◯ 議長(村上 和久君)  中田建設部長。 389 ◯ 建設部長(中田 信夫君)  先ほどの答弁と一緒になりますが、とにかくまだ策定されていないところがございますので、それを早くやっていただいた上で全体が見えるような洪水ハザードマップを作成していきたいというふうに思っております。 390 ◯ 議長(村上 和久君)  7番 竹田  勝君。 391 ◯ 7番(竹田  勝君)  さて、大庄、月岡、熊野の熊野川右岸側の各農業用水の取水については、それぞれの地域が熊野川河川内に導水路等を設け、頭首工を経由して必要水量の確保を図ってきております。大庄土地改良区が関係する湯の口用水、大浦用水、月岡土地改良区が関係する九ヶ村用水、四ヶ村用水、榎木用水、熊野土地改良区が関係する牧田用水、五番筒用水、杉瀬・上熊野用水、辰尾用水、安養寺用水、下熊野用水の11カ所に及び、その用地面積は580ヘクタールに上っています。  本年7月の豪雨によって、今申し上げました多くの用水において導水路や側溝に大量の土砂が堆積し、水門にもうずたかく堆積するなど、取水ができない状況に至りました。取水路が短い用水においても土砂が流れ込み、水門付近では水深が非常に浅くなりました。  私は、7月7日土曜日に、ある用水の地区代表から現場を見てほしいと連絡を受け、駆けつけました。その地域の導水路並びに河川内の100メートルも続く深さ1メートルの側溝は土砂に埋まり跡形もなく、その惨状に言葉も出ませんでした。  7月9日月曜日に改めて市当局並びに土地改良区職員も同行し、再度現地並びに他の9カ所の用水をそれぞれ現地確認いたしました。この時期は水田に水が欠かせません。水がないと水稲の生育に重大な影響があるばかりでなく、最悪枯死することさえあり、復旧は時間との戦いでもあります。  それぞれの用水では、緊急に重機等を手配し、総力を結集して復旧工事に当たったのは言うまでもありません。復旧費用については、多くの取水用水の団体では、結果的に多面的機能支払交付金を充当したようであります。  次に質問ですが、各用水の復旧工事の概況、費用について答弁を求めます。 392 ◯ 議長(村上 和久君)  松島農林水産部長。 393 ◯ 農林水産部長(松島 十三男君)  用水管理者等が行われました復旧工事の概況につきましては、豪雨により河川内の導水路及び取水門周辺に堆積した土砂を大型機械や人力にて除去されております。また、その費用につきましては、導水路4カ所及び取水門周辺5カ所の計9カ所で約100万円と伺っております。 394 ◯ 議長(村上 和久君)  7番 竹田  勝君。 395 ◯ 7番(竹田  勝君)  この課題は緊急だったのですが、豪雨による用水閉塞の費用負担に関して、緊急措置として公的補助が適用できないのか、答弁を求めます。 396 ◯ 議長(村上 和久君)  松島農林水産部長。 397 ◯ 農林水産部長(松島 十三男君)  豪雨災害による公的補助には、国庫補助災害復旧事業と市単独災害復旧事業があります。  国庫補助災害復旧事業の採択条件は、24時間雨量80ミリメートル以上または時間雨量20ミリメートル以上の気象条件を満たし、かつ事業費が40万円以上の場合となります。また、市単独災害復旧事業の採択条件は、同じく気象条件を満たし、事業費が13万円以上40万円未満の場合となります。  今回の熊野川右岸側の豪雨災害の9カ所のうち、1カ所は市単独災害復旧事業にて対応しております。 398 ◯ 議長(村上 和久君)  7番 竹田  勝君。 399 ◯ 7番(竹田  勝君)  今質問いたしましたのは、やはりこれからももっと大規模な被害が想定されるかもしれないということでお聞きしているわけでございます。この用水閉塞についての今後の対応について答弁を求めます。 400 ◯ 議長(村上 和久君)  松島農林水産部長。 401 ◯ 農林水産部長(松島 十三男君)  農業用用排水路等の豪雨による被害を軽減させるためには、日常の適切な維持管理が最も重要と考えており、施設管理者の方々へ、見回り、点検、江ざらい等の管理の徹底を引き続きお願いしてまいりたいと考えております。  また、豪雨災害に備え、関係土地改良区や生産組合等と気象情報を共有し、防災・減災に向けて水門操作等を適切に行われるよう、連携強化を図ってまいりたいと考えております。 402 ◯ 議長(村上 和久君)
     7番 竹田  勝君。 403 ◯ 7番(竹田  勝君)  熊野川右岸側の湯の口用水から下熊野用水までの11カ所の取水口では、日常的に河道の変化や水路の土砂堆積等、安定的な取水が困難な状況であり、施設の老朽化も進行しております。熊野川から取水する大庄、月岡、熊野の土地改良区等は、農業用用水の各取水口を合口化し、安定的な用水確保及び各取水施設の維持管理の軽減を目的として、熊野川合口事業推進準備委員会を平成23年2月に設立し今日に至っています。  昨今の農業用水は、農業のみならず多面的機能として、生活用水や防火用水等、地域の環境用水としての重要な役割も担っています。今回の用水閉塞を機に、合口化事業が大きく前進するよう期待しているところです。  現在の取水環境は時代遅れと言わざるを得ません。県では、土地改良区等の要望を受け、当該合口化事業にかかわる調査や先進地視察等を実施し、合口化構想の概要を示しています。今後、新規事業計画策定に向けて着実な進展を願っております。  熊野川合口化事業について、当局の見解を求めます。 404 ◯ 議長(村上 和久君)  松島農林水産部長。 405 ◯ 農林水産部長(松島 十三男君)  熊野川右岸地区は、一級河川熊野川から11カ所で取水しており、河川内に導水路を設けるなど必要水量の確保に努めておられます。  しかしながら、洪水時には導水路に土砂が堆積するなど安定した水量が得られず、維持管理に支障を来している状況でございます。  このことから、熊野川右岸合口化事業は、新たに設ける取水施設から安定した用水量の確保が可能になることや、水門の数が大幅に減ることなど、河川内の導水路が不要になることなど、大幅な維持管理費用の軽減を図ることが可能となります。  本市といたしましては、熊野川右岸の取水口を合口化する構想は大変有意義であると考えております。 406 ◯ 議長(村上 和久君)  7番 竹田  勝君。 407 ◯ 7番(竹田  勝君)  御理解をいただき、それでは県の働きを一層強化するとともに県・市一体となった推進をよろしくお願いいたします。  今ほど農林水産部長の御答弁にありましたように、合口化のメリットは、堰上げ水門の設置により、河川水位低下時においても容易に取水できること、頭首工で本川流量、取水量の把握が可能になることから、熊野川ダムと頭首工が連携することにより効率的な水管理が可能になるなど、安定的な取水が可能になります。  加えて、各用水で必要であったしゅんせつ費用、草刈り等の賦役が削減されるとともに河川内導水路等に要していた維持管理は不要になるなど、維持管理の負担軽減につながります。  また、合口化を契機として、この水利整備を中心経営体への農地集積・集約化につなげるための農地の圃場の大区画化、1ヘクタールが推進されることを強く願っているところでございます。  合口化に合わせた農地の大区画化について見解を求めます。 408 ◯ 議長(村上 和久君)  松島農林水産部長。 409 ◯ 農林水産部長(松島 十三男君)  熊野川から取水している大庄、月岡、熊野地区は、受益面積が概ね580ヘクタールあり、昭和47年から平成3年までにほとんどの地区で30アール区画への圃場整備が完了しております。  今後、熊野川右岸の取水口の合口化と合わせた農地の1ヘクタールの大区画化を行えば、意欲ある担い手への農地の集積が進み、コメの生産コスト低減やキャベツ、バレイショなどの高収益作物への転換など、農業経営の効率化と安定化を図ることが可能になり、さらには合口化による安定した水量が確保されることで、ICTを活用した水管理の自動化など、スマート農業を実現できるものと考えております。  本市といたしましては、農地の大区画化事業は、県営土地改良事業や団体営土地改良事業等があり、事業を行うためには地元のまとまりと機運の高まりが重要であると考えております。 410 ◯ 議長(村上 和久君)  7番 竹田  勝君。 411 ◯ 7番(竹田  勝君)  今ほど御答弁がありましたように、農地の大区画化については、流域全体の合意とともに強い熱意と盛り上がりが極めて重要であると考えております。本件につきましても、県・市一体となった推進あるいは国をも動かす推進をよろしくお願いいたしたいと思います。  次に、森林・林業の課題並びに振興について質問をいたします。  西日本豪雨と森林の防災機能の関連について、管理不足の里山や山林は雨水を蓄える効果が低下し、本来の防災・減災の機能が損なわれ、土砂災害などの要因になったと指摘されています。また、手入れ不足の人工林の増加が、豪雨による流木被害拡大の一因になっていると言われています。  本市の森林面積は8万6,355ヘクタールで、市全体面積の約7割を占めており、そのうち人工林は1万4,010ヘクタールです。木材価格の低迷や過疎化及び高齢化などを背景に林業の担い手の減少は続き、放置された森林の管理が問題になっています。  また、木材等の生産機能の低下のほか、土砂流出、山地崩壊防止、温暖化防止、水源涵養、さらには「森は海の恋人」と言われる水産業との連関など森林の公益的機能の低下が懸念されております。  本市における森林の働きに係る公益的機能別の評価額について答弁を求めます。 412 ◯ 議長(村上 和久君)  松島農林水産部長。 413 ◯ 農林水産部長(松島 十三男君)  森林の公益的機能につきましては、水源涵養、土砂流出防止、土砂崩壊防止、大気保全等があり、平成13年に日本学術会議が試算したこれらの機能の貨幣評価額は、日本全体で年間約70兆円とされております。  本市における森林の公益的機能の年間の貨幣評価額は、県によると3,318億円と示されており、その内訳は水源涵養機能が1,621億円、土砂流出防止機能が966億円、土砂崩壊防止機能が289億円、大気保全機能が161億円、その他の機能が281億円となっております。 414 ◯ 議長(村上 和久君)  7番 竹田  勝君。 415 ◯ 7番(竹田  勝君)  今ほど答弁がありましたが、森林の働きについて金額に換算しますと、大きな金額を占めるわけでございます。平成13年度算定で3,318億円ということでございますから、今、平成30年でございます。この評価額というのは現在はさらに上がっているのか下がっているのか、部長の答弁をお願いいたします。 416 ◯ 議長(村上 和久君)  松島農林水産部長。 417 ◯ 農林水産部長(松島 十三男君)  平成13年に日本学術会議が試算されて以降、試算はされておりませんけれども、私の肌で感じる感覚で見ますと増えているように感じております。 418 ◯ 議長(村上 和久君)  7番 竹田  勝君。 419 ◯ 7番(竹田  勝君)  部長、急に質問したのですが、もっと増えているということですか。私は逆に森林が荒廃しているから減っているかなという印象──印象です。これはそう思うのです。  それはさておいて、次に、11齢級以上となる主伐期を迎える人工林の割合並びに主伐期を迎えた人工林の直近5年間の平均蓄積増加量と主伐による原木の供給量について答弁を求めます。 420 ◯ 議長(村上 和久君)  松島農林水産部長。 421 ◯ 農林水産部長(松島 十三男君)  林業では、植栽から主伐までの期間が数十年と長期間に及ぶことから、植栽後の年数を5年単位で齢級と呼んでおり、11齢級とは植栽後51年から55年までを示すこととなります。  本市の人工林のうち、平成29年3月末現在の11齢級以上の面積は約5,600ヘクタールで、人工林全体の約40%となっております。  また、11齢級以上の人工林の直近5年間の平均蓄積増加量は、約20万9,000立方メートルとなっております。  主伐による原木の供給量をあらわす素材生産量の直近5年間の平均量は、約4,800立方メートルで、平均蓄積増加量の約2%の量となっております。 422 ◯ 議長(村上 和久君)  7番 竹田  勝君。 423 ◯ 7番(竹田  勝君)  今の御答弁では、主伐期を迎える人工林の割合は40%、それで実際主伐期を迎えたものについては2%ぐらいしか主伐をしていないと、こういう理解をしたわけでございます。いまだ成長量のほとんどが利用されていない状況にあるということですね。条件のよい人工林においては主伐が行われていますが、ほとんどが利用されていない。そうすると宝の持ち腐れということなのです。しかしながら、現実には、主伐──原木ですから、そのまま12齢級、13齢級として森に置いても腐るわけではなくて、さらに成長するわけですから、そういう比較はちょっとできないとは思いますが。  次に、本市の在村所有者、不在村所有者別の私有林面積とその構成比並びに所有者所在不明の私有林面積について答弁を求めます。 424 ◯ 議長(村上 和久君)  松島農林水産部長。 425 ◯ 農林水産部長(松島 十三男君)  本市の在村所有者、不在村所有者別の私有林の面積につきましては、市町村別の統計資料がないため把握しておりませんが、国による2005年農林業センサスによりますと、富山県全体では在村所有者の面積は約9万8,000ヘクタール、不在村所有者の面積は約2万8,000ヘクタールで、それぞれの構成比は8対2となっております。  また、所有者が所在不明の私有林面積につきましては、平成24年度から「森林の土地の所有者届出制度」が新設され、森林所有者の変更等の情報が市に届け出されるようになったことから、所有者の所在情報がわずかながら把握できるようになりましたが、それ以前はこのような制度がなかったことから、面積は把握しておりません。 426 ◯ 議長(村上 和久君)  7番 竹田  勝君。 427 ◯ 7番(竹田  勝君)  そうすると、所有者所在不明の森林、私有林面積については把握されていないということでございますね。それから、在村所有者、不在村所有者の構成比で言うと8対2──在村所有者が8で不在村所有者が2と、こういう理解をさせていただきます。  いずれにしても、所有者所在不明の私有林面積が不明だということでもありますし、不在村所有者の保有が2割に及ぶと、そうしますと、不在村所有者並びに所有者不明の林地をどのように管理していくのか、これについて質問をいたします。 428 ◯ 議長(村上 和久君)  森市長。 429 ◯ 市長(森  雅志君)  今答弁しましたのは、在村所有者と不在村所有者の所有している面積、およそ推測できる面積の割合が8対2なのであって、人数は一体何人で持っているかというのはわかっていないわけですから、人数が8対2だと受けとめられたとしたら、そうではないということだけ訂正をさせてください。  いずれにしても、森林・林業に関しては、市町村というのはものすごく弱いのです。県だってわかっているかというと、正確にはわかっていないわけです。つまり林業センサスというのは、わかっている関係者にアンケートを出して返ってきたもので数字を出して、推計値を出して、こうだろうと言っているわけです。  したがって、今最後におっしゃったように、不在地主もたくさんいると、境界もわからない、手も入っていない、それが森林の多面的機能を破壊していて、洪水その他や土砂崩れになっているということをどう解決するかということは、国の対応も少し遅きに失しているというふうに思っていますが、私は個人的には思い切った法体系をつくって、わからないところの所有権を一部限定する、制限するぐらいの思い切ったことをやらないと、大きな禍根が将来に残るだろうというふうに思っています。  それから、伐期を過ぎてもう80年もたっているというような森林がいっぱいあって、分収林事業というのは大失敗だったわけです。県の森林公社も国のやってきたことも。分収林がもう伐期を迎えたときに木材価格が下がってしまっているから、切りに入ると赤字になるだけで、誰も負担する人がいないから放置してある。100年になってもいいじゃないかという議論はありますが、そうすると繁茂し過ぎていて、地表にまで光が入りません。したがって、低木が育たない。低木が育たないというのは、土をつかむグリップ力が落ちるわけで、だから崩れるわけです。ということなのです。皆わかっているのですが、どこから手をつけていいかわからないというのが実は日本の林業という山林政策の現状だろうというふうに思っています。  かつて林野庁がいろんなことがあって力を落としたということも原因だと──今のはちょっとマスコミに書かれると困るな──つまり私個人的には、抜本的に農林水産省が取り組まないといけないと思っています。したがって、この領域にも思い切って予算をつけていかないといけないだろうと思います。  特に富山県の林業の抱える問題は、例えば飛騨のヒノキとか能登のアテとか、あるいはクサマキとか高く売れるもので、そう高地ではないところは林業が立派に成立しているわけですが、富山県の林業の難しさは、重い雪が降って曲がるということです。したがって、柱材になるいい材がなかなか取れないということ。それから、冬期間、施業ができない。したがって、新規就業者を林業について求めようとしても、四国とか中国地方ならちゃんと来ても、あるいは奈良とか和歌山だったら大丈夫でも、北陸の難しさはそういうところにあります。  したがって、若者を中心とした新規就業者を確保できない林業は、高齢化に伴って全体の作業量が減ってきているということになっているというのが現状です。 430 ◯ 議長(村上 和久君)  7番 竹田  勝君。 431 ◯ 7番(竹田  勝君)  所有者不明の森林等への対応として、平成23年及び平成28年の森林法改正により、新たに森林の土地所有者となった者の市町村長への事後届出制度や森林所有者や林地の境界に関する情報を一元的にまとめた林地台帳を整備し、所有者情報を把握、一元化する仕組みを創設しております。  一方で、森林所有者を確知することができない場合でも、間伐の代行や林道等の設置が可能となる仕組みや、共有林の所有者の一部が不明で共有者全員の合意が得られない場合に、都道府県知事の裁定手続等を経て伐採、造林ができるようにする仕組みを創設し、所有者不明森林での効率的な森林整備を促進できることになっています。  そこで、林地台帳の整備状況について答弁を求めます。 432 ◯ 議長(村上 和久君)  松島農林水産部長。 433 ◯ 農林水産部長(松島 十三男君)  本市の林地台帳の整備状況につきましては、平成29年度に県の森林簿データをもとに登記簿情報や森林所有者情報、森林の経営管理のための森林経営計画や間伐を行う際の境界明確化調査情報等の基本データを作成してきたところでございます。  現在は、市へ提出された「森林の土地の所有者届出書」の情報や、森林組合からの森林整備情報に関する変更点を修正する作業を進めているところでございます。 434 ◯ 議長(村上 和久君)  7番 竹田  勝君。 435 ◯ 7番(竹田  勝君)
     次に、管理されず放置されている人工林、里山林の面積について答弁を求めます。 436 ◯ 議長(村上 和久君)  松島農林水産部長。 437 ◯ 農林水産部長(松島 十三男君)  管理されず放置されている人工林及び里山林の面積につきましては、放置されていると判断する基準が難しく、具体的な面積は把握しておりませんが、県の森林簿で確認できる森林の管理履歴から推計しますと、枝打ちや間伐等の森林整備が全く行われていない本市の人工林の面積は、約9,300ヘクタールではないかと考えております。 438 ◯ 議長(村上 和久君)  7番 竹田  勝君。 439 ◯ 7番(竹田  勝君)  それでは、林業の担い手数と林家の保有山林面積並びに保有面積10ヘクタール未満とそれ以上の保有面積の林家数の割合について答弁を求めます。 440 ◯ 議長(村上 和久君)  松島農林水産部長。 441 ◯ 農林水産部長(松島 十三男君)  本市の林業担い手数につきましては、県の調査では、平成28年度末で99人となっております。  林家の保有山林面積につきましては、市町村別の統計データがないため把握しておりませんが、国の2015年農林業センサスによると、富山県全体では保有面積が1ヘクタールから10ヘクタール未満の面積は約1万4,000ヘクタール、林家数は5,451戸であり、全体に占める割合は約91%となっております。  また、保有面積が10ヘクタール以上の面積は、約1万8,000ヘクタール、林家数は553戸であり、全体に占める割合は約9%となっております。 442 ◯ 議長(村上 和久君)  7番 竹田  勝君。 443 ◯ 7番(竹田  勝君)  このように本市の林家の保有面積は、約9割が10ヘクタール未満であり小規模です。ずっと今までやりとりしてきましたが、今までの質疑を通じて、本市の林業が明らかになったのか明らかにならないのかちょっとわかりませんけれども、まずまず明らかになったのではなかろうかなというように思っています。  さて、農林水産省2015年農林業センサス等によると、国内の森林所有形態は零細であり、多くの森林所有者は森林経営の意欲が高くないとされており、一方で、多くの林業経営者、素材生産業者等は、事業規模の拡大意欲があるものの、事業地の確保が課題になっています。  このように森林所有者と、意欲と能力のある林業経営者との間のミスマッチが生じているとして、国では来年度から林業政策として意欲と能力のある林業経営者に森林経営を委託する新たな森林管理システム、森林経営管理制度を構築し、森林の管理運営の集積・集約化を推進することとしています。  新たな森林管理システムでは、林業の成長産業化と森林資源の適切な管理の両立を図るため、森林所有者に適切な森林管理を促し、伐採後の造林及び適正な保育、間伐の確保といった森林管理の責務を明確化するとともに、森林所有者みずからが森林管理を実行できない場合に、市町村が森林管理の委託を受け、意欲と能力のある林業経営者につなぐスキームを設けることになっています。  再委託できない森林、自然的条件から見て、経済ベースでの森林管理を行うことが困難な森林、及び再委託に至るまでの間の森林においては、市町村が管理を行うことになっています。意欲と能力のある林業経営者の森林管理のための条件整備として、路網整備の一層の推進や集中的な高性能林業機械の導入、主伐、再造林の一貫作業システムの復旧が課題になっています。  本市では、新たな森林管理システムにどのように取り組むのか、見解を求めます。 444 ◯ 議長(村上 和久君)  松島農林水産部長。 445 ◯ 農林水産部長(松島 十三男君)  平成31年度から始まる新たな森林管理システムにつきましては、年内に国から詳細なガイドラインが示される予定であることから、このガイドラインに基づいて取り組んでまいりたいと考えております。  しかしながら、本システムの対象森林面積が約5,000ヘクタールと大変多く、また相続登記されていない森林が多いことが想定され、現在の所有者の把握に時間を要すると考えられること等から、本市といたしましては、対応できる業務から一歩一歩進めてまいりたいと考えております。 446 ◯ 議長(村上 和久君)  7番 竹田  勝君。 447 ◯ 7番(竹田  勝君)  それでは、意欲と能力のある林業経営者、素材生産業者等ですが、これは県が公募などをするというように承知をしておりますけれども、本市では林業経営者の見通しについてどのように考えていらっしゃるのか答弁を求めます。 448 ◯ 議長(村上 和久君)  松島農林水産部長。 449 ◯ 農林水産部長(松島 十三男君)  意欲と能力のある林業経営者につきましては、国のガイドラインが示されておりませんので、どれだけの林業経営者が県に認定申請を出されるかは不明ですが、対象となり得るのは、市内で実際に活動している6つの林業経営体や市内で林業施業を行っている事業者等が考えられます。 450 ◯ 議長(村上 和久君)  7番 竹田  勝君。 451 ◯ 7番(竹田  勝君)  来年度から新たに導入する森林管理システムは、市町村がみずから管理するなど、市町村の役割を高めることになります。林業に詳しい職員はごく一部に限られると思いますが、本市における体制強化について答弁を求めます。 452 ◯ 議長(村上 和久君)  松島農林水産部長。 453 ◯ 農林水産部長(松島 十三男君)  新たな森林管理システムは、本年5月に成立した森林経営管理法に基づき、来年度から実施されるものであり、この法律の中で市町村が取り組むべき内容として、1つには、森林所有者に対する森林の管理に関する意向調査の実施、2つには、森林所有者が森林の経営管理をできない場合に、市が森林の経営管理を受託、3つには、受託した森林のうち林業経営に適した森林は、意欲と能力のある林業経営者に再委託、4つには、林業経営に適さない森林や林業経営者に再委託するまでの間の森林は市で管理とされております。  このシステムの実施に当たっては、相続登記されていない森林が多いことが想定され、意向調査対象者の特定や、委託を受ける森林の境界や面積などの確定に時間を要することなどから、可能なところから実施していくための体制づくりを図ってまいりたいと考えております。  一方、市の責務が非常に大きくなることが予想され、これに伴う財源の手当てのめどがついていないことなどから、大変困難が伴うものと認識しております。 454 ◯ 議長(村上 和久君)  森市長。 455 ◯ 市長(森  雅志君)  今の答弁をもう一度わかりやすい言葉で言いますと、先ほど来説明していましたように、専ら県に台帳があったり、林業センサスのデータも県にあるわけです。市町村は、推計して市の面積はこれくらいだろうと言っている、それほどに今は手元の資料がない段階です。登記簿を見ることはできても、本当にその人が生きているのか、相続が必要なのか、相続が可能なのかということもわからないわけです。  そういう状況の中で、ことし5月にできた森林経営管理法というのは、平成31年から新しい管理システムが始まって、誰も何もしないところは市の責任で管理しろという法律なのですよ。こんなことできるわけがないです。  さっきから部長が、できるところからとか言っているのは、例えば最近になって制度ができて所有権の移動があった場合、届け出がある、それは市町村に来ますから、それはわかる。そういうところから確実なところを、できるところからやっていく、そして財源もない、こういう状況でありますことをぜひ御認識をいただきたいと思います。  これは全国市長会でも大きな問題にしなければいけないと思っておりまして、農林水産省に対して、この法律の執行が本当に基礎自治体の意向も踏まえてなされたものかどうかということについて、しっかり議論していきたいと思います。もし市町村に大きな責務というのであれば、とんでもない大きな予算をつけてもらわないとできません。マンパワーだけの問題ではないというふうに認識しています。 456 ◯ 議長(村上 和久君)  7番 竹田  勝君。 457 ◯ 7番(竹田  勝君)  次の質問をいたします。  富山市森づくりプラン、富山市森林整備計画において推進することになっている路網整備、林業機械導入の進捗について答弁を求めます。 458 ◯ 議長(村上 和久君)  松島農林水産部長。 459 ◯ 農林水産部長(松島 十三男君)  富山市森づくりプランにおいて推進することになっている平成24年度から平成29年度の路網整備や林業機械の導入につきましては、県が整備した林道の延長は約3キロメートル、市が整備した林道の延長は約7キロメートルで、森林組合等が整備した作業道の延長は約193キロメートルとなっており、合計で約203キロメートルを整備しております。  林業の機械の導入につきましては、市内の2つの森林組合が国、県、市の補助を受け、立木の伐倒、枝払い、玉切りといった複数の機能を備えたハーベスタ等の林業機械13台を導入されております。 460 ◯ 議長(村上 和久君)  7番 竹田  勝君。 461 ◯ 7番(竹田  勝君)  一方、木材需給については、これまで木造化が進まなかった中高層建築物やオフィスビル、商業施設等の低層非住宅建築物の木造化・木質化、住宅での県産材の利用促進により木材利用を拡大していくことが重要です。本市の公共建築物の木造化推進施策について答弁を求めます。 462 ◯ 議長(村上 和久君)  松島農林水産部長。 463 ◯ 農林水産部長(松島 十三男君)  本市では、平成24年に富山市公共建築物等木材利用推進方針を策定し、市が整備する公共建築物については、防災や構造上の観点やコスト面等を検討した上で、可能な限り木造化・木質化を推進することとしたところです。  この方針に基づき、本市では、平成25年に庁内の関係課で構成する富山市木材利用推進会議を立ち上げ、公共建築物の木造化・木質化の推進を図っており、施工実績といたしましては、市立図書館やガラス美術館のある複合施設のTOYAMAキラリ、市営住宅月岡団地等の内装の一部木質化、南部中学校等の学校施設の改築に伴う教室内装の木質化等を行ってきたところであります。  本市といたしましては、今後も公共建築物に関して、木造化・木質化を推進してまいりたいと考えております。 464 ◯ 議長(村上 和久君)  7番 竹田  勝君。 465 ◯ 7番(竹田  勝君)  最後に、森林環境税を取り上げます。  森林環境税は、パリ協定の枠組みのもとでの我が国の温室効果ガス排出削減目標の達成や災害防止を図るため、森林整備等に必要な地方財源を確保する観点から、さきの第196回国会で成立した森林経営管理法を踏まえ、創設されることになっています。  森林環境税は、地方の固有財源として、その全額を譲与税特別会計に直入した上で、市町村及び都道府県に対して森林譲与税として譲与するものです。森林環境税については、消費税10%への引上げが平成31年10月に予定されていることや、震災復興税の課税が平成35年度まで行われること等を考慮し、平成36年度から課税が予定されています。  一方で、森林現場における諸課題には、できるだけ早期に対応する必要があり、新たな森林経営管理制度の施行と合わせ、森林環境譲与税の譲与は平成31年度から行うことになっています。  森林環境税の意義、活用について市長の見解を求めます。 466 ◯ 議長(村上 和久君)  森市長。 467 ◯ 市長(森  雅志君)  改めて、森林の多面的機能について申し上げることは避けます。森林の多面的機能については、お互いに認識しているとおりです。  ただ、CO2の吸収については、植林をしないとだめなのです。伸びていくときに吸収するので、伸び切ってしまった森林がたくさんあっても、切って燃やせばCO2が出るわけです。その面においては、手を入れていかないと、CO2の削減には森林が直接働かないということです。  しかし、森林のもたらす一人一人への便益というのは大きいわけなので、それは都市生活者であれ、地方の生活者であれ、森林の中に住んでいる人であれ、海岸に住んでいる人であれ同じだということを広く国会で議論されて、結果として森林環境税(仮称)が成立する見込みとなっております。  問題は、東京都民の人も1人幾らと払うわけです。これをどう配分するかということが大変大きなポイントであることが1つ。それは人口割と面積割、人工林割というようなことで、今議論されています。  それから、都道府県が全体のどれだけで、市町村がどれだけだというようなことの議論もこれから詰めていかなければならないという問題があります。  その上で、しかし、その税を使って実現していく目的は、あくまでパリ協定に基づくCO2排出量という環境への寄与ということが1つの柱です。そして、そのためにいろんなことが影響するではないかということの1つに、森林の保全ということがあるわけですから、森林環境税の使途は全て森林の保全に行くわけではないということです。恐らく市町村へ来る分は市町村の判断に任せられるということになるのではないかというふうに思っています。  これを環境省はずっと長く、森里川海の恵みを将来にわたって享受し、都市や地域づくりに生かしていこうという運動として展開してこられました。そのために、全国の首長で組織しています「地域から森里川海のつながりの回復に取り組む首長の会」というのがございまして、私はその会の会長をしております。事務局は富山市環境部にありまして、ずっとこの取組みをしてきました。そして、これを森林環境税というところに今具体化してきたというふうに受けとめていますので、思いは非常に大きいものがございます。この背景には、林野庁も総務省も環境省も一緒になってこのことの実現に取り組んできたということがございます。  いずれにしても、来年度から譲与される森林環境譲与税につきましては、今言いましたように、もう少し制度設計がきちんとしないといけない部分がありますけれども、したがって、富山市に幾ら入る予測ですかと聞かれても、今はお答えのしようがない状況です。1億円になるのか1億5,000万円になるのかわかりませんが、しかしそれは今言いましたような趣旨にかなうように、来年度の予算の中でしっかり議論をしていきたいというふうに思っています。 468 ◯ 議長(村上 和久君)  7番 竹田  勝君。 469 ◯ 7番(竹田  勝君)  災害を防ぎ、空気を清浄化し、心に癒やしをもたらす、多面的機能を維持しながらみんなで森を生かし、豊かな森林を次世代につなぐ、これは私たち市民の責務であることを申し上げ、私の一般質問を終わります。 470 ◯ 議長(村上 和久君)  これで竹田議員の一般質問及び議案の質疑を終了いたします。             ───◇   ◇   ◇───
                   散       会 471 ◯ 議長(村上 和久君)  以上で、本日の日程は終了いたしました。  明日は午前10時に本会議を開き、一般質問及び議案の質疑を行います。  本日はこれをもって散会いたします。                            午後 5時30分 散会 Copyright © Toyama City Assembly, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...