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平成28年9月定例会 (第2日目) 名簿
平成28年9月定例会 (第2日目) 本文

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  1. 富山市議会 2016-09-02
    平成28年9月定例会 (第2日目) 本文


    取得元: 富山市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-08-02
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 議事の経過             ───◇   ◇   ◇───                開       議                              午前10時  開議 ◯ 議長(市田 龍一君)  ただいまから、本日の会議を開きます。  議事日程は、お手元に配布のとおりであります。             ───◇   ◇   ◇───               議 員 辞 職 の 件 2 ◯ 議長(市田 龍一君)  これより、日程第1 議員辞職の件を議題といたします。  村山 栄一君から、議員の辞職願が提出されておりますので、その辞職願を朗読させます。   〔職員朗読〕                            (辞職願は末尾に掲載) 3 ◯ 議長(市田 龍一君)  お諮りいたします。村山 栄一君の議員の辞職を許可することに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 4 ◯ 議長(市田 龍一君)  御異議なしと認めます。よって、村山 栄一君の議員の辞職を許可することに決定いたしました。             ───◇   ◇   ◇───
                  議会運営委員辞任の件 5 ◯ 議長(市田 龍一君)  次に、日程第2 議会運営委員辞任の件を議題といたします。  谷口 寿一君から、議会運営委員の辞任願が提出されております。  お諮りいたします。谷口 寿一君の議会運営委員の辞任を許可することに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 6 ◯ 議長(市田 龍一君)  御異議なしと認めます。よって、谷口 寿一君の議会運営委員の辞任を許可することに決定いたしました。             ───◇   ◇   ◇───       一般質問並びに議案第150号から議案第171号まで、       議案第175号、及び報告第34号から報告第39号まで 7 ◯ 議長(市田 龍一君)  次に、日程第3 一般質問並びに議案第150号から議案第171号まで、議案第175号、及び報告第34号から報告第39号までを一括議題といたします。  これより、一般質問及び議案の質疑を行います。  順次発言を許します。  30番 村家  博君。   〔30番 村家  博君 登壇〕 8 ◯ 30番(村家  博君)  おはようございます。  平成28年9月定例会に当たり、自由民主党より一般質問並びに議案の質疑を行います。  冒頭、先日来、私どもの会派に所属しておりました中川元議員並びに先ほど議員辞職が許可されました村山元議員の政務活動費の不正取得などの問題で、多くの市民の皆様、多くの関係の皆様に多大なる御迷惑、御心配をおかけし、また富山市議会の信用を著しく失墜させてしまったことに対し、富山市議会自由民主党会派を代表して、心から深くおわびを申し上げます。まことに申しわけございませんでした。  今回の中川元議員の事案の事実関係については、私ども会派での調査に加えて、公認会計士による厳正なチェックとその監査報告を受けて、中川元議員からも直接事情を聴取し、一昨日、9月7日に市田議長に御報告させていただき、記者会見も行わせていただいたところであります。  また、村山元議員の事案につきましては、会派における調査が進んでいるものについて、昨日、9月8日に記者会見を行わせていただいたところであり、まだチェックを終えていないものにつきましても、今後、会派でしっかりと調査を進めていくこととしております。  このたびの事案を受け、富山市議会として政務活動費あり方検討会を設置し、政務活動費の適正化などについて検討を進めるとともに、我が会派といたしましても、政務活動費の適正な使用についての厳格なチェックを行うなど、全力で再発防止に努めてまいりたいと考えております。  また、私も含めて、各議員が地方政治にかかわることを決意した初心に立ち返り、市民の皆様の信頼回復を目指し、公正・誠実に議員活動に取り組んでまいる所存であります。  重ねて、今回の事案に関して、多くの皆様に多大な御心配と御心労をおかけしておりますことに深く深くおわびを申し上げ、以下、質問に入らせていただきます。  初めに、第2次富山市総合計画前期基本計画(案)についてお伺いをいたします。  昨年度から策定作業を進めておられます第2次富山市総合計画につきましては、ことし5月26日に総合計画審議会から答申があり、その後、市は6月3日に基本構想を決定されました。  基本構想では、平成29年度から平成38年度までの10年間を目標年次とし、富山市のまちづくりの基本理念を「安らぎ・誇り・希望・躍動」とし、目指す都市像については、現計画の都市像である「人・まち・自然が調和する活力都市とやま」を継承されました。  また、都市像を実現するためのまちづくりの目標として、1)すべての人が輝き安心して暮らせるまち、2)安心・安全で持続性のある魅力的なまち、3)人が集い活気にあふれ希望に満ちたまち、4)共生社会を実現し誇りを大切にする協働のまちの4つを掲げ、これらの目標を達成するため、「人にやさしい安心・安全なまちづくり」など14の政策と「出産・子育て環境の充実」など51の施策を位置づけられました。  当局では、この基本構想を踏まえつつ、基本計画(案)の策定を進められ、先月26日に総合計画審議会に対し前期基本計画(案)について諮問されるとともに、市議会に対して2度にわたり計画(案)の概要について説明があったところであります。  基本計画(案)の策定に当たっては、5年間という計画期間を見据え、今後、本市がどのような方向に向かうべきなのかということについて、さまざまな視点から検討されたものと思います。  そこで、お伺いいたします。  まず、今回の前期基本計画(案)の特徴は何であるのか、また計画(案)の策定に当たってどのようなことに配慮されたのか、森市長にお伺いをいたします。  また、今後のスケジュールについて改めてお聞かせください。  次に、PPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ)の推進についてお伺いいたします。  PPPは、1990年代後半に欧米諸国において普及した幅広い官民連携による公共サービスの提供手法であり、公共施設等の建設、維持管理、運営等を行政と民間が連携して行うことにより、民間の創意工夫などを活用し、財政資金の効率的使用や行政の効率化などを図る手法と理解しているところであります。  しかしながら、PPPは、自治体のコスト削減や質の高いサービスにつながると期待されているにもかかわらず、件数等が全国的に思ったほどまで伸びていないとも言われています。  PPPが当初の想定ほど普及していない理由としては、やはり従来の行政主導の発注方法に比べ、スキルや経験の不足、事業実施に一定の期間を要する点などが考えられると思いますが、長年にわたり培われてきた経験豊富な従来の発注方法だけでなく、専門性の高いPPPも選択することができるといった状況では、事業を実施する立場としてなかなか気持ちが吹っ切れないという意識の問題も大きかったのではないかと感じております。  富山市では、これまでも官民連携による取組みを積極的に進めてこられ、統合校の整備事業や学校跡地における定期借地権を活用した整備事業などにおいて、民間の創意工夫を凝らしたアイデアを活用し、整備コストなどの削減や行政サービスの付加価値を高めるなどの効果を上げておられます。  今後、極めて厳しい財政状況が予想される中で、さらに効率的かつ効果的な公共施設の整備等を進めるためには、引き続き公共施設等の建設、維持管理、運営などで官民が連携して行うPPPをさらに拡大して活用すべきであると考えますが、富山市として、今後どのように取り組んでいかれるおつもりなのか、お聞かせください。  また、こうしたPPPをはじめとする官民連携による取組みを進めるためには、行政が率先して意識改革を行い、専門性の高い多様な官民連携のノウハウの取得や案件を形成する能力を向上させる必要があることはもちろんですが、地元の民間事業者の理解不足などの課題を解消するなど、官民双方の理解を深める体制づくりが必要だと思います。  当然、官民連携というものは、行政だけでは成り立たないものであり、官が決めたことを決められたとおりに民が実施するのではなく、官と民がお互いの強みを生かすパートナーであるという認識を持ち、民間にもっと行政のことを知っていただく官民対話が日常から行える仕組みづくりが急務であると考えます。  そこでお尋ねします。こうした官と民の連携を深める体制づくりに向けて、今後、富山市ではどのように取り組んでいかれる予定か、お聞かせください。  また、このたびの議会において、東洋大学アジアPPP研究所賛助会員自治体会員年会費について、補正予算として提案されております。  今回、本市が新たに会員となる東洋大学アジアPPP研究所は、広くアジア圏内における官民連携を目的として設置された専門の研究機関であり、国連のPPP推進局より日本で唯一認定を受けた機関だと伺っております。  こうした機関の会員となられるのは、PPPを通じて国際的な取組みをさらに深めることを狙いの1つとしているのではないかと考えているところであります。  市長は、これまでも、OECDや国連SE4Allなど、各種の国際機関等からの要請やロックフェラー財団の「100のレジリエント・シティ」の選定を受けての取組みなど、富山市としての確固とした狙いを持って国際的な展開を実施する決断をされてきたものと思います。  また、こうした国際的な展開は、本市の都市の魅力を広く伝えるとともに、本市の産業の振興にとっても非常に有効な手段であると考えます。  これからも引き続き、ぜひ志を高く持ち、国際的な枠組みでの官民連携の取組みを進めていってもらいたいと考えておりますが、市長の考えをお聞かせください。  次に、ふるさと納税についてお伺いします。  ふるさと納税制度は、生まれ育ったふるさとに貢献できる制度、自分の意思で応援したい自治体を選ぶことができる制度として平成20年度に創設され、自分の生まれ故郷に限らず、どの自治体にでもふるさと納税を行うことができるものであります。  ことし6月に総務省から、平成27年度のふるさと納税に関する現況調査の概要が発表され、豪華な返礼品を用意する自治体が増えていることなどから、全国でのふるさと納税受入額は対前年度比4.3倍の約1,653億円、ふるさと納税受入れ件数は対前年度比3.8倍の約726万件になったとのことであります。  この昨今の返礼品合戦は、あたかもカタログギフトの様相を呈しており、総務省は、高額な返礼品などの自粛を求めているところであります。  こうした中で、本市では、自治体の側から積極的に寄附を働きかけるものではないとの考えから、社会教育施設の招待券を送付するなど、華美にならないお礼の気持ちをあらわすことにとどめているところであります。  しかし、ことし8月の新聞報道では、県内市町村ふるさと納税の受入額と控除によって失われる税収額の状況が掲載され、本市ではその収支が9,000万円を超える赤字であるとのことでありました。  このような状況が今後も続くようであれば、本市財政への影響が大きいのではないかと懸念されるところであります。  そこで、まず、本市における近年のふるさと納税による寄附金額及び寄附金控除額の状況はどのようになっているのか、お聞かせください。  また、ふるさと納税に対する返礼品に関するこれまでの方針について再検討することも必要ではないかと考えますが、当局の考えをお聞かせください。  次に、大きな質問の4番目として、富山市の福祉について何点かお伺いします。  初めに、介護予防日常生活支援総合事業についてお尋ねします。  2025年には団塊の世代が75歳以上となるなど、要介護リスクが高くなってくる後期高齢者(75歳以上)や認知症高齢者が増加し続ける一方で、生産年齢人口は継続的に減少し、支えられる人と支える人のギャップは拡大し続けると見込まれています。このような中、社会保障制度を維持し、重度な要介護状態になっても、住みなれた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、地域包括ケアシステムの構築を目指すため、介護保険制度については、平成26年度に、平成18年度以来となる大きな制度改正を行いました。  その中では、要支援者に対するホームヘルプサービスとデイサービスを、法定給付である保険給付費から外して市町村事業に移行し、新たに介護予防日常生活支援総合事業を実施することとしています。  また、この事業において、介護予防と生活支援のサービス充実に向けて生活支援体制整備事業を活用しながら、例えば現行サービスの基準を緩和した新サービスや地域の元気な高齢者やボランティアなどを担い手として活用した住民主体による支援など、多様な主体による多様なサービスを提供することが必要であるとされています。  そこで、まず、この事業の実施については、平成29年4月までの猶予期間が設けられていますが、市として、この事業にいつから、どのように取り組んでいく予定なのか、お聞かせいただきたいと思います。  また、この事業実施により、被保険者にどのような影響があるのか、また介護事業者地域包括支援センターについてはどうか、お尋ねします。  国は、これからの介護予防については、自分のしたい活動や普通の生活を継続することで結果的に介護予防になるという発想の転換を行い、本人の「したい」「できるようになりたい」という自発的な参加意欲に基づく継続性のある効果的な介護予防を実施していくとしています。  中でも、住民主体による通いの場は、介護予防に高い効果があるだけでなく、取組みの継続により参加者の生活の場へと変化していくことで、地域の互助を生み出す土壌となることも期待できることから、重要な地域資源と捉えているところであります。  そのため、これまでの機能回復訓練等高齢者本人へのアプローチだけでなく、住民主体の通いの場を充実させ、人と人のつながりを通じて、参加者や通いの場が継続的に拡大していくよう地域づくりを推進することとしています。  多様なサービスの導入に当たり、住民主体の通いの場の充実が期待されますが、本市における現状と今後の取組みについて、お聞かせください。  次に、子育て支援事業のうち、初めに富山市シニア保育サポーター事業についてお伺いします。  保育士不足が全国的に問題となる中、給与水準の見直しによる処遇改善とともに、保育所業務の負担軽減についても早急に解決すべき課題として対策が求められております。  そこで、国においては保育士の処遇改善として、「ニッポン一億総活躍プラン」の中で、これまでに実施した処遇改善に加えて、さらに2%相当(月額約6,000円)の処遇改善と、技能や経験を積んだ保育士の追加的な処遇改善(月額約4万円)を図ることとしているほか、職員配置基準の弾力化や保育補助者の雇用を支援することにより保育所業務の負担を軽減する取組みが行われております。  一方、本市では、保育士を新たに採用した場合に、1名当たり最大で100万円を助成する制度や従来の人件費補助単価を2,000円増額するなど、独自の処遇改善策に取り組むとともに、保育所業務の負担軽減のため、富山市シニア保育サポーター事業を新たに実施することとしました。  この富山市シニア保育サポーター事業は、地域の元気なシニア世代保育所業務の一部をお手伝いしていただくものですが、本事業は単なる保育所業務の負担軽減にとどまらず、保育所という地域資源を活用し、子どもたちシニア世代の交流を促進することができるという点で大変有意義な事業であると認識しております。  そこで、本事業を実施する目的について改めてお答えください。  次に、現在の保育サポーターの登録者数とこれまでの活動内容等についてお聞かせください。  また、本事業によりどのような効果が得られたのか、あわせて今後の課題と取組みについてもお聞かせください。  次に、子どもほっとダイヤル事業についてお伺いします。  小・中学校に通う子どもたちは、進路や親子関係、いじめや思春期特有の悩みなど、両親や親しい友人にも相談することができない思いを抱えている場合が多くあるものと思われます。  全国的に見ると、悩みを抱えた結果、犯行に及んだり、人間関係のもつれから犯罪に巻き込まれるといった痛ましい事件も起こっています。  こうした中、ことし7月から市内の小・中学生を対象に開設した子どもほっとダイヤル事業は、こうした悩みを持つ子どもたちの心のよりどころとなる事業として期待をしているところであります。  そこで、これまでの子どもほっとダイヤルの利用件数とその相談内容の状況についてお聞かせください。  また、これまでの利用実績から見えてきた子どもたちが抱いている悩みなどの傾向と対応策についてもお聞かせください。  次に、観光・商業によるまちづくりと自治体の積極的な支援についてお伺いします。  夏休みを前にして、富山駅の南口に海鮮市場「さかな屋撰鮮」がオープンしました。市が所有する土地を暫定的ににぎわいづくりを進める組織に貸し出して、観光客の皆さんに富山の新鮮な魚を提供・PRする場所にするとのことで大変期待をしていましたが、連日大にぎわいで、観光客以外でも、多くの市民の皆さんが魚を食べに行っておられるようでございます。うまく官民の連携ができた成果だと評価をしております。  とはいえ、北陸新幹線開業から1年半、今年度もゴールデンウイーク、夏休み、おわらなどの季節が過ぎ、これまでの他都市の例から言えば、そろそろ一過性の新幹線ブームが落ちつきを見せ始めるころだと考えられます。また、中心商店街への波及効果も気になるところです。  そこで、まずは、新幹線開業前、新幹線開業直後であった平成27年度、2年目となる今年度を比較して、観光客の入込み数、ホテルの稼働状況、商店街やまちなかのにぎわいの状況など、これまでの動向や実績及び市としての観光面から見た新幹線開業の評価と今後の取組みについてお聞かせください。  さて、新幹線の開業効果は非常に大きなものであったと思います。しかし、場合によっては、地域にとってデメリットもあったのではないかと私は思います。  例えば、お隣の金沢市では、新幹線開業後、観光客があまりにも多く押し寄せ、近江町市場では、地元のお客さんが人の多さから寄りつかなくなり、カニや海産物のお店は繁盛しても、八百屋や花屋が成り立たず店じまいになるという状況があったり、まちなかの飲食店が観光客に占領され、地元住民が郊外の店に流れるという状況があったりしたと聞いております。  地域のお店は地域の人たちによって支えられ、地域の人たちがひいきにするお店に観光客が集まるというのが今日の常識であり、先ほどの金沢のような例は、人が来過ぎることの弊害で持続可能なまちづくりにも反するものであります。  これは新幹線開業デメリットとも言えるのではないかと考えられますが、本市において、そうした状況やその他商業へのデメリットがあったのかどうか、状況をお聞かせください。  また、富山県内の観光面を旅館やホテルなどの宿泊業の観点で見ますと、新幹線開業に前後して、県内の老舗旅館が全国資本の旅館業に経営を譲るという事例が多く見られます。お隣の石川県でもそのようです。そうした旅館の多くは、大規模なリニューアルや経営方針の転換を行い、多くの宿泊客でにぎわっている状況が多いと思われます。地元資本で同じような改革はできなかったのか、それぞれの地元の自治体や県が適切な支援をできなかったのかと残念に思うこともあります。  資金力の問題なのか、経営ノウハウの問題なのか、いろいろと理由はあると思いますし、民間の宿泊施設に自治体がどこまでかかわるかという判断は必要ですが、全国でにぎわいづくりに成功している地域の多くは、こうした取組みにも観光振興の観点から自治体が積極的にかかわって、温泉旅館などの民間施設も含めたマネジメントをされております。  福島県いわき市のスパリゾートハワイアンズが常磐炭鉱の閉鎖から奇跡の復活を生んだ「一山一家」の考えや、熊本県の秘湯黒川温泉を再生した「黒川一旅館」の成功例なども、自治体を含む多様なステークホルダー当事者意識を持った連携が成功の秘訣であると言われています。  宿泊を主体にした温泉旅館ばかりでなく、料理旅館もそうであります。本市の中心市街地では、多くの料理旅館が姿を消しました。「消費者ニーズの変化だから仕方がないし、自治体がかかわる問題ではない」と言ってしまえばそれまでですが、本気でまちづくりを考えるなら、そこまで踏み込んでいかないと、市民にも商業者等にも市役所の本気度が伝わらないのではないでしょうか。  旅館、ホテル、飲食施設などは、観光振興の重要な要素であり、まちの機能としても重要でありますが、富山市としては、観光面などの観点から、こうした施設の現状をどのように捉え、市としてはどのようにかかわっていこうと考えているのか、お聞かせください。  いずれにいたしましても、中心市街地の顔となる商店街の振興は、地域活性化の重要なよりどころであります。中心市街地活性化のもとでは多額の投資がなされ、その受益者は商業者であることが多いのも事実であり、商業者としては、地域商業を支えてくれる地域住民への恩返しをするという気持ちも必要だと思います。  とはいえ、商店街の個別の店舗の商業者に、いきなり「まちづくり、活性化の主役になれ」と言っても無理があります。市のかかわり方にも限度があり、商業者自身が主体的に行うのにも限度があるのだとすれば、外部の専門家と商業者が協働して将来の絵を描き、実現するための仕組みづくり、イノベーションを具現化できるまちづくりプロデューサー、ファシリテーターの発掘と登用も地方自治体が支援すべきことではないでしょうか。観光・商業によるまちづくりについて、富山市の積極的な支援を期待して、次の質問に移ります。  最後に、企業団地造成についてお伺いします。
     富山市は、豊富な水や安価な電力、勤勉な労働力などを背景に、医薬品、工作機械、自動車等の機械関連産業が集積する日本海側有数の工業都市であり、活力ある産業都市として発展してきました。  本市は、これまで企業立地の促進を図るため、企業の設備投資に対する助成や企業団地の造成などを行い、着実に工業の振興を進めるとともに、雇用の確保に努められてきたところであり、特に近年は医薬品生産額が急速に拡大しており、少なからず本市の施策が産業発展の一端を担ってきたのではないかと思っております。  しかしながら、現在、金屋企業団地や呉羽南部企業団地、富山八尾中核工業団地など既存の企業団地は全て入居済みであり、企業からの用地の引合いがあるにもかかわらず、空き工場などの情報を提供するにとどまっている状況であると伺っております。  今後、企業からの需要に応え、用地を提供していくためには、早期に新たな企業団地の整備が必要であると考えており、先日の富山県都市計画審議会にて議決されました富山西インターチェンジ周辺地区の市街化区域編入による開発の動きは、新たな企業団地の造成につながる第一歩であり、私としても大いに歓迎するところであります。  そこで、質問いたします。  今市議会において、企業団地造成に係る各種調査委託業務を行う補正予算が提案されておりますが、造成の規模やスケジュールについて、市の考えをお伺いします。  また、雇用の創出や地域の活性化を図るためには積極的な企業誘致が必要と考えますが、今後どのように企業誘致に取り組んでいかれるのかお聞きして、私の一般質問並びに議案の質疑を終わります。 9 ◯ 議長(市田 龍一君)  森市長の答弁を求めます。   〔市長 森  雅志君 登壇〕 10 ◯ 市長(森  雅志君)  おはようございます。  村家議員の御質問にお答えします。  私からは、最初にございました第2次富山市総合計画前期基本計画(案)についてのお尋ねと、さらにPPPの推進についてお尋ねのありましたうち1点にお答えし、その他の事項につきましては担当部長から答弁申し上げます。  まず、前期基本計画(案)の特徴は何か、また計画(案)の策定に当たってどのようなことに配慮したのかとのお尋ねにお答えします。  初めに、合併協議における新市建設計画を踏まえて策定をいたしました現在の総合計画につきましては、特に平成19年度を初年度とする前期基本計画では、合併直後ということもあり、まずは新市の一体感の醸成と均衡ある発展ということを念頭に置いて策定に努めたものであります。  また、次の平成24年度からの後期基本計画では、目前に迫った平成26年度末の北陸新幹線開業を見据え、交流人口の一層の拡大を図ることや、未曽有の大災害となった平成23年3月の東日本大震災を教訓に、災害に強いまちづくりの推進など、喫緊の課題等に対し、特に優先的・重点的に取り組む施策等を重点プロジェクトとして位置づけし、事業の推進に努めてきたところであります。  こうした中、次期計画である第2次富山市総合計画前期基本計画は、昨年度の国勢調査の結果、大正9年の国勢調査開始以来、初めて本市の人口減少が明らかになった後に策定する最初の計画であります。  また、平成17年4月の市町村合併から10年以上が経過し、普通交付税の合併算定替や合併特例事業債といった国の財政支援措置が縮減または廃止されるなど、歳入構造が一段と厳しくなっていく一方で、医療や介護などの社会保障費の増加、道路や橋梁、学校などの公共施設の維持管理や老朽化対策などに多額の財政需要が見込まれることなどから、これまで以上に厳しい財政見通しの中で策定する計画であると言えます。  このように、人や財源など経営資源の制約が一段と強まっていく中、次期総合計画(案)では、将来を見据え、本市が持続可能な都市として発展していくため、選択と集中により優先的に取り組む施策等を3つの柱からなるリーディングプロジェクトとしたことが特徴であります。  その1つ目としては、出生率の改善と大都市圏への人口流出を食いとめる、いわゆる「人口のダム機能」の強化による人口規模の維持・拡大、2つ目は、都市レジリエンスの推進による災害に強く回復力のあるまちづくり、3つ目は、都市のサステナビリティの向上による持続可能な都市構造への転換の3項目であり、各プロジェクトごとに若者等がいきいきと働き暮らすための雇用の創出と産業振興や防災拠点及び避難施設の耐震化、公共交通を軸とした拠点集中型のコンパクトなまちづくりの推進など、全体で13の重点テーマを掲げ、部局横断的な取組みとして、組織の壁を越え、連携して効果的に展開していくことを目指すものであります。  また、策定に当たりましては、人口減少など時代の変化や地方創生など、社会の要請に的確に対応しながら、それぞれの地域が持つ特性や魅力を高め、人口減少に対して果敢にチャレンジすることで、将来にわたって成長力を確保できる総合力の高いまちづくりを進めることに最大限配意したところであります。  いずれにいたしましても、現在策定を進めております第2次富山市総合計画前期基本計画は、基本構想に掲げた本市のまちづくりの目標の実現に向け、今後5年間において本市が取り組む施策の方向を示すものであるとともに、市民と行政が協働でまちづくりを展開するための指針として大変重要な意味を持つものであります。  今後、総合計画審議会で議論をいただきながら、市議会や市民の皆様の御意見等も踏まえ、前期基本計画が富山市の特徴や富山らしさが十分感じられ、市民の皆様が明るい未来を展望できるような計画となるよう努めてまいりたいと考えております。  次に、今後のスケジュールについてのお尋ねでございます。  前期基本計画の策定に向けた今後のスケジュールといたしましては、まず、先月26日に行った総合計画審議会への諮問に基づき、同審議会に設置されました「人材・暮らし」「都市・環境」「活力・交流」「協働・連携」の4つの分野からなる部会におきまして、今月下旬から来月下旬ごろにかけて審議いただくこととなっております。  また、9月中旬から10月中旬にかけまして、前期基本計画(案)についてのパブリックコメントを実施するとともに、10月23日日曜日には、富山駅前CiCビル5階いきいきKAN多目的ホールにおきまして市民説明会を開催し、市民や企業、団体の皆様に次期総合計画(案)の概要をお示しし、幅広く御意見を頂戴することとしております。  その後、各分野別の部会における意見の調整を行う調整部会の審議を経た上で、年内には審議会としての答申をいただき、平成28年度中に前期基本計画を決定してまいりたいと考えております。  次に、パブリック・プライベート・パートナーシップの推進についてお尋ねのありましたうち、今後も引き続き国際的な枠組みでの官民連携の取組みを進めてもらいたいと考えるが、見解はどうかとのお尋ねにお答えします。  これからの本市の国際的な展開は、本市の都市戦略やまちづくりのノウハウの提供など、より実際的で効果的な交流が中心になっていくものと考えており、海外でさまざまな支援を展開していくことで、例えば本市の企業の高い技術力が世界に発信されるなど、国際貢献のみならず、地域経済の発展やシビックプライドの向上にも寄与するものと期待しているところであります。  これまで本市は、JICAなどの国際機関からの要請や資金提供を受け、1つに、ブラジルのモジ・ダス・クルーゼス市での廃棄物資源化支援事業、2つに、ニカラグアのマナグア市での土地利用計画・都市計画策定に係る事例発表、3つに、マレーシアのイスカンダル地域開発庁との環境未来都市プロジェクト実施に係る協力協定、4つに、インドネシアのタバナン県との環境未来都市構想の実施協力に関する協定に基づく小水力発電設備の設置支援など、本市が培ったノウハウを必要としている海外の都市、地域に対して、課題解決に向けた具体的な協力・支援を行ってまいりました。  このたび、本市が東洋大学アジアPPP研究所へ賛助会員として入会することになった経緯は、同大学PPP研究センター長の根本教授から、本市が持つ先進的な知見や技術を、PPPという手法を使ってアジアの開発途上国を支援してもらいたいと直接依頼されたことによるものであります。  こうしたことから、ことし8月には早速、フィリピンのミンダナオ島にあるブトゥアン市へ山添未来戦略企画監を派遣し、本市の企業とともにPPPとしての事業化の可能性について調査してきたところであります。  来る10月には、本市のほか、埼玉県及び北九州市とブトゥアン市を含む東南アジア諸国の数都市が参加して、国連地方政府PPPセンター都市間連携協定に調印する予定にしております。  折しも、去る7月に、日本の都市が持つ先進的な知見や技術を開発途上国の支援に生かしていく目的で、世界銀行が実施する都市間パートナーシップ・プログラムの参画都市として、本市が北九州市、神戸市、横浜市とともに選定されたところであります。  これを受け、去る8月に、今後の具体的なプログラムの構築に向けて世界銀行の関係者と意見交換を行ったところであります。  今後、このプログラムと東洋大学アジアPPP研究所との連携の可能性も視野に入れながら、本市の国際協力や国際貢献の姿勢を国内外にしっかりと示してまいりたいと考えております。  以上でございます。 11 ◯ 議長(市田 龍一君)  本田企画管理部長。   〔企画管理部長 本田 信次君 登壇〕 12 ◯ 企画管理部長(本田 信次君)  PPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ)の推進についてのお尋ねのうち、初めに、官民が連携して行うPPPをさらに拡大して活用すべきと考えるが、今後、本市としてどのように取り組んでいくのかにお答えいたします。  国は、「経済再生なくして財政健全化なし」を基本に、新たなビジネス機会を拡大し、地域経済の好循環を実現するとともに、公的負担の抑制を図り、経済・財政一体改革を力強く進める1つの方策として、公共施設の整備等に民間の創意工夫を活用できるPPPの推進を重要課題としております。  しかしながら、PPPがいまだ全国的に浸透していない現状を踏まえ、国は昨年の12月に人口20万人以上の地方自治体が公共施設の整備等を行う際は、客観的な基準により、官民連携による手法を従来の一般的な公共事業の手法に優先して検討するため、その手続及び基準等を定めた優先的検討規程を平成28年度末までに策定するよう地方自治体に要請されたところであります。  本市ではこの要請を受け、国が示す規程策定の手引や先進的に取り組んでいる他都市の事例などを参酌しながら、今年度末までに規程を策定してまいりたいと考えております。  本市では、これまでもPPPとして、1つに、旧清水町小学校跡地における公民館やスーパーの整備事業、2つに、旧総曲輪小学校跡地における地域包括ケア拠点施設を中心とする健康をテーマとした多様な民間施設や富山市医師会の看護専門学校の整備事業、3つに、旧豊田小学校跡地における公民館や環境配慮型住宅街区の整備事業、またPFIとして、1つに、芝園小学校及び芝園中学校の整備事業、2つに、中央小学校の整備事業、3つに、新庄北小学校及び公民館の整備事業などにおいて、民間資金を活用して市の財政負担の軽減を図ってまいりましたが、今後は優先的検討規程に基づき、さらにPPPによる公共施設の整備等の活用を拡大してまいりたいと考えております。  次に、官と民の連携を深める体制づくりに向けて、今後、本市ではどのように取り組んでいくのかにお答えいたします。  官民連携による公共施設の整備を行う際には、官の内部による検討だけではスキルやノウハウ不足からの限界があり、また事業の採算性に対する知識は限定的になりがちなことから、事業の発案段階から官民がオープンに情報交換し、意思疎通を図ることが重要であると考えられております。  こうしたことから、国では、地方自治体や地元企業、学識経験者、金融機関などが参加し、事業の構想段階で意見交換することにより、双方が満足できる事業スキームの構築を図ることを目的として、産官学金の連携の場である地域プラットフォームの設置を推進されております。  本市でも、市内の企業や金融機関、大学、地方公共団体等から構成される地域プラットフォームを早期に設置することが重要であると考え、内閣府の地域プラットフォームの形成を支援するモデル事業に応募し、去る7月に採択されたところであります。  本市では、このモデル事業により派遣されるコンサルタントのサポートを受けながら、年内には地域プラットフォームを設立し、まずは事例研究や情報交換などから活動を開始したいと考えております。  本市としましては、地域プラットフォームの活動を通じて、PPPのノウハウ取得や具体の案件形成能力の向上を図るとともに、官民の相互理解を深めながら、具体的な成果としてPPPのプロジェクトを生み出してまいりたいと考えております。  以上であります。 13 ◯ 議長(市田 龍一君)  奥村財務部長。   〔財務部長 奥村 信雄君 登壇〕 14 ◯ 財務部長(奥村 信雄君)  まず、ふるさと納税について、本市における近年の寄附金額及び寄附金控除額の状況について問うにお答えいたします。  個人の方から本市に対していただきました寄附のうち、特定の寄附目的のないものは、ふるさと納税として受領し、ふるさとぬくもり基金に積み立てており、その額は、平成25年度は約211万円、平成26年度は176万円、平成27年度は約233万円でありました。  一方で、富山市民が他の地方自治体等に寄附を行った結果、翌年度課税において、本市の個人市民税から寄附金控除を受けた額は、平成25年分は約889万円、平成26年分は約2,008万円となっておりましたが、平成27年分は一気に約9,921万円へと伸びました。  この結果、寄附金額と寄附金控除額との差である減収額は、平成25年分では約678万円、平成26年分では約1,832万円にとどまっておりましたが、平成27年分では約9,688万円へと急激に増加したところであります。  このように、平成27年に他の地方自治体等へのふるさと納税が増加した要因といたしましては、1つには、平成27年の寄附からは受けられる税額控除の上限額が前年と比較して2倍に引き上げられたこと、2つには、給与所得者が確定申告することなく税額控除が受けられる、いわゆるワンストップ特例制度が創設されたこと、3つには、高額な返礼品を用意する自治体が相次いでいることなどがあるものと考えております。  次に、返礼品に関するこれまでの方針について再検討することも必要ではないかにお答えいたします。  現在、本市への寄附に対しましては、寄附目的にかかわらず、富山市へお越しの際に御利用いただきたいという気持ちから、社会教育施設招待券、ガラス美術館企画展招待券及びオーバード・ホール公演の招待券をお贈りしており、特産品等の返礼品は用意していないところであります。  これは、昨年の6月市議会において吉崎議員の質問に対して市長から答弁がありましたように、「この制度の趣旨は、本市に関心を持っていただく方々に、本市がこれまで取り組んできたさまざまな施策を評価していただき、高く評価していただいた方の発意による寄附という形で応援していただくものであり、自治体の側から積極的に寄附を働きかけるものではない」との考えに基づくものであります。  また、このふるさと納税に係る返礼品送付に関しては、総務省から返礼割合の高いものを送付しない等、良識ある対応を求める通知が出されているところであります。  さらに、地方交付税において、各地方自治体の寄附金控除額が算定されることになっており、先ほど申しました本市の平成27年分の寄附金控除額約9,921万円のうち、概ね75%に当たる額が平成29年度の交付税で措置されるため、本市の実質的な負担額は2,600万円程度となるものであります。  加えて、平成27年度は、個人の方からふるさと納税以外にも特定の寄附目的がある寄附金を約5,298万円いただいているところであります。  なお、法人からの寄附も含めると、約3億1,175万円いただいているところであります。  これらのことから、これまでの方針を直ちに見直し、返礼品を充実したものに変えるということは適当ではないものと考えております。  しかしながら、財務部長の立場からいたしますと、本市の財源確保という観点からは、将来的には検討を要する課題の1つになるものとも考えられます。  以上でございます。 15 ◯ 議長(市田 龍一君)  橋本福祉保健部長。   〔福祉保健部長 橋本 勝広君 登壇〕 16 ◯ 福祉保健部長(橋本 勝広君)  富山市の福祉について9点お尋ねのうち、まず初めに、介護予防日常生活支援総合事業について、本市はこの事業にいつから、どのように取り組んでいく予定なのかにお答えします。  さきの介護保険制度改正に伴い、新たに取り組むこととされております介護予防日常生活支援総合事業については、法の施行日は平成27年4月1日でありましたが、平成29年4月までその実施を猶予できるとされておりました。  このため、本市においては、事業の円滑な実施を図るため、平成29年4月からこの事業を開始することとしたものであります。  また、平成29年度の事業開始時に取り組んでいくサービスについては、現行のサービス内容、負担水準で継続することを基本とし、現行の事業体系から国が示す介護予防日常生活支援総合事業の事業体系への組みかえを行い、この事業の対象者となる要支援者等の事業移行を確実に行ってまいりたいと考えております。  具体的な取組みにつきましては、新たな介護予防・生活支援サービス事業へ現行相当サービスとして移行する介護予防訪問介護及び介護予防通所介護については、サービス内容、利用者負担等は現行の水準を維持し、引き続き要支援者等を対象とするサービスとして継続する予定としております。  また、既存の訪問型介護予防事業、介護予防教室事業並びに運動器の機能向上訓練事業については、専門職による短期集中予防サービスとして事業を組みかえし、引き続き実施する予定としております。  さらに、新たな一般介護予防事業としては、65歳以上の全ての第1号被保険者を対象として、既存の介護予防普及啓発事業や地域介護予防推進事業等を継続して実施する予定にしております。  一方、国においては、要支援者等の多様な生活支援のニーズに対して多様なサービスを提供することが必要であるとして、訪問型と通所型の緩和した基準によるサービス住民主体による支援などの事業を示しております。  このことから、本市においては、今後とも利用者ニーズや事業提供者の意向、さらには、本市で現在取り組んでいるさまざまな介護予防事業の活用も含めた検討を行い、市民の皆さんにとって真に必要なサービスについて、平成30年度以降に導入してまいりたいと考えております。  次に、事業実施により、被保険者にどのような影響があるのか、さらに介護事業者地域包括支援センターについてはどうかに一括してお答えいたします。  まず、被保険者の方にとっての影響は、現行事業を現行水準で継続することを基本としていることから、全体を通して大きな影響はないものと考えております。  ただし、今回の制度改正においては、介護予防・生活支援サービス事業の利用者には、要支援者に加え、新たに事業対象者という利用者区分を設けることとなります。  この事業対象者となるのは、1つに、要支援認定を受けずに基本チェックリストの判定によって、介護予防訪問介護、介護予防通所介護を利用しようとする要支援者に相当する方、2つに、基本チェックリストの判定によって、これまで二次予防事業として実施してきた介護予防教室や運動器の機能向上訓練事業等を利用しようとする方であります。  このため、これまで二次予防事業対象者が介護予防教室や運動器の機能向上訓練事業等に参加する際には、特に事務手続は必要ありませんでしたが、今後はこれらの事業に参加される際には、地域包括支援センター等で基本チェックリストによる判定の上、介護保険被保険者証の区分を事業対象者へ区分変更する手続が必要となります。  次に、介護事業者においては、現行制度を継続することから、事業所の指定やサービス提供に係る手続等に大きな変更はありません。  一方、地域包括支援センターにおいては、これまで要支援者に対して行ってきたサービスを提供するためのアセスメント及び自立支援のためのケアプラン作成などを事業対象者に対しても実施する必要があることから、的確な介護予防ケアマネジメントを行うことが必要となってまいります。  次に、住民主体の通いの場について、本市における現状と今後の取組みについて問うにお答えいたします。  住民主体の通いの場の現状については、平成26年度に国が実施した介護予防に資する住民運営の通いの場の状況の調査結果によりますと、本市の箇所数は1,152カ所、参加者実人数は1万6,054人となっております。  そのうち、週1回以上活動している通いの場は759カ所、参加者実人数は1万715人であり、この活動箇所数については全国で一番多いものとなっております。このことは、本市が取り組んでいる介護予防ふれあいサークル事業が平成26年度実績では820サークルが活動し、その参加実人数は1万3,352人、うち要援護高齢者は2,657人と多くの高齢者の方が活動されていることによるものであります。  このように、元気な高齢者がみずからの生きがいと介護予防のために、また援護が必要な高齢者とともに身近な場所で好きな活動を行うものであり、今回の制度改正が目指す通いの場にも通じるよい取組みの1つであると考えております。  本市といたしましては、今までも、全国に先駆けて介護予防の取組みを進めてきたところであり、住民主体の通いの場についても、これまでの地域での取組みを支援していくことを基本とし、新たな多様なサービスの提供については、地域の実情に合わせて慎重に検討し、導入を進めてまいりたいと考えております。  次に、子育て支援事業についてお尋ねのうち、富山市シニア保育サポーター事業について、本事業を実施する目的について問う、さらに、シニア保育サポーターの登録者数とこれまでの活動内容等についてを一括してお答えします。  まず初めに、シニア保育サポーター事業の目的としましては、1つに、シニア保育サポーター子どもたちが交流することで、地域の方たちへの親しみや子どもたちにいたわりや思いやりの心などを育むこと、2つに、除草や除雪などを手助けすることにより、保育所業務の負担軽減を図ること、3つに、高齢者のマンパワーの活用とシニア保育サポーター自身の生きがいづくりや外出機会を創出することなどを目的として実施するものであります。
     次に、シニア保育サポーターの登録者数は、市立保育所42カ所の合計で275人、1カ所平均6.5人となっております。  また、主な活動内容といたしましては、除草、各種行事の準備、畑や花壇づくり、布巾づくり、さらには子どもたちの教材づくりなどを行っていただいております。  次に、本事業の効果と今後の課題、取組みについて問うにお答えいたします。  まず、効果につきましては、本事業の活動状況を把握するためのアンケート調査を実施したところ、シニア保育サポーターからは、1つに、保育士や子どもたちに喜んでもらえることでやりがいや生きがいを感じる、2つに、保育所に行くのが楽しい、3つに、シニア保育サポーター同士が地域の交流の場となっているといった感想が寄せられ、また保育所長からは、1つに、除草など環境を整備する業務が軽減され、より保育に専念できる、2つに、保育所への関心・理解が深まるといった感想が寄せられております。  このことから、保育所業務の負担軽減はもとより、保育所と地域との結びつきが深まることや、高齢者の生きがいづくり、地域交流の場の創出に寄与しているものと考えております。  一方、課題としましては、保育所内に十分な作業スペースがないことや、保育所によってシニア保育サポーターの登録者数にばらつきがあることなどが課題であると考えております。  今後は、活動しやすいようスペースの確保に工夫を図るほか、登録について引き続き周知に努めてまいりたいと考えております。  また、シニア保育サポーター子どもたちが一緒に食事をとる、ふれあい給食や職員との懇談会を行い、その場での意見も参考にしながら、よりよい取組みになるよう努め、地域に愛される保育所を目指してまいりたいと考えております。  次に、子どもほっとダイヤル事業について、子どもほっとダイヤルのこれまでの利用件数とその相談内容について問うにお答えいたします。  子どもほっとダイヤルは、本年7月より、小・中学生専用の24時間通話料無料の電話相談窓口を開設し、親や友達にも打ち明けることができない悩みの相談を受けることを目的として開設したものであります。  対象者につきましては、市内全ての小・中学校の児童・生徒であり、小学生2万1,472人、中学生1万1,814人、そして特別支援学校323人の合計3万3,609人に電話番号を記載した子どもほっとカードを配布しております。  相談員は、養護教諭のOBや児童養護施設にて勤務経験のある保育士などであり、24時間相談に応じております。  利用件数につきましては、8月末時点で、小学生から37件、中学生から17件、合計54件の電話相談を受けております。  学年別で最も相談件数が多かったのは、小学生では4年生の16件、中学生では2年生の9件であります。  次に、相談内容につきましては、件数の多い順に内容を見ますと、小学生では友達関係の悩みが22件で最も多く、続いて、学校・担任との関係、自分の性格がそれぞれ5件となっております。  中学生では友達関係が9件で最も多く、学校・担任との関係、心身の健康がそれぞれ4件となっております。  次に、子どもほっとダイヤルの実施によって見えてきた子どもたちが抱いている悩みなどの傾向と対応策を問うにお答えいたします。  子どもほっとダイヤル事業がスタートして2カ月になりますが、現時点では、相談内容の状況から、小・中学生とも、友達関係や学校・担任との関係など、身近な人間関係に悩みを持つ傾向があるものと考えられます。  このような相談への対応につきましては、子どもが安心して話せるように親身になって聞くことを心がけ、困っている状況を的確に把握することや、相談者とのつながりが切れないよう配慮しております。  また、緊急を要する相談には、警察や児童相談所などの関係機関と連携し、迅速に対応できるよう体制を整えております。  誰にも言えず悩み苦しんでいる子どもにとって、いつでも親身に受けとめてくれる相談窓口があることは安心感を与え、心のよりどころになるものと考えております。  本市といたしましては、今後も引き続き本事業の周知を図り、子どもたちの身近な心の支えとなるよう努めてまいりたいと考えております。  以上であります。 17 ◯ 議長(市田 龍一君)  上谷商工労働部長。   〔商工労働部長 上谷  修君 登壇〕 18 ◯ 商工労働部長(上谷  修君)  観光・商業によるまちづくりと自治体の積極的な支援についての御質問のうち、新幹線開業前、新幹線開業後2年間を比較して、観光客の入込み数、ホテルの稼働状況、商店街やまちなかのにぎわい状況など、これまでの動向や実績と観光面から見た新幹線開業の評価と今後の取組みについて問うにお答えします。  北陸新幹線が開業した平成27年の市内の主要な観光施設等への観光客入込み数は約671万人となり、前年の約662万人と比べて約9万人、1.4%の増となりました。  平成28年との通年比較はまだできませんが、中心市街地の主な観光施設の4月から7月までの観光客入込み数を比較いたしますと、富山市郷土博物館が、平成26年度、約1万7,500人、平成27年度、約2万6,000人(前年比48.2%増)、平成28年度、約2万9,800人(前年比10.7%増)、佐藤記念美術館は、平成26年度、約4,500人、平成27年度、約8,400人(前年比86.6%増)、平成28年度、約1万300人(前年比22.6%増)、富岩水上ラインは、平成26年度、約1万100人、平成27年度、約2万3,500人(前年比132.6%増)、平成28年度、約2万6,300人(前年比12.2%増)となっており、富山駅に近い施設の入込み数は新幹線開業後に大きく増加し、平成28年度も増加傾向にあります。  また、ホテルの稼働状況につきましては、観光庁の宿泊旅行統計調査によれば、過去3年間の本市の4月から6月の客室稼働率の平均は、平成26年度、約63%、平成27年度、約75%、平成28年度、約72%となっており、北陸新幹線開業直後は約12ポイント増加し、平成28年度は微減となっております。  まちなかのにぎわいにつきましては、本市が8月までに実施しました3回の歩行者通行量調査による延べ歩行者数が、平成26年度、約20万3,700人、平成27年度、約22万2,400人(前年比9.2%増)、平成28年度、約21万8,700人(前年比1.7%減)となっており、北陸新幹線開業直後は約1割増加し、平成28年度は微減となりました。このことなどから、北陸新幹線開業効果は落ちつきを見せ始めたものと考えております。  北陸新幹線開業の評価につきましては、富山県の北陸新幹線開業に伴う経済波及効果(速報値)によりますと、開業後1年間の県内への流動量の増加が約49万4,000人とされていることから、本市においても相当数の交流人口の増加があったものと考えられます。さらには、富山駅前やCiCビルに新たな店舗が出店するなど、本市商業の活性化にも寄与したものと考えております。  今後は、北陸新幹線の開業効果を維持・向上させるため、北陸新幹線沿線都市と連携したプロモーションに加え、路面電車割引利用券の配布やコンベンションの開催助成制度を一層PRするとともに、観光情報ホームページの多言語化など内容の充実を図り、さらなる情報発信に努めてまいりたいと考えております。  さらに、中長期的な取組みとして、滞在型・交流型観光に資する観光資源を発掘・発信し、長期滞在していただく観光客の増加やリピーターの確保に努めるなど、さらなる観光振興に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、新幹線開業デメリットとして、人が来過ぎることの弊害もあると考えるが、本市においてそうした状況やその他商業へのデメリットがあったのかにお答えいたします。  本市では、新幹線開業後、中心市街地の観光施設の入込み数が増加しており、富山駅周辺の飲食店やお土産屋などでは行列ができるほどにぎわっている店舗も見受けられます。  そうした中、議員がお尋ねの、人が来過ぎることの弊害について、中心商店街や富山駅周辺の商業者、商工会議所、商工会に伺ったところでは、金沢市のように、地元の方が観光客の増加による混雑を避けて店から離れていくことで閉店したり、郊外の店に流れたりといったことはないと伺っております。  また、例えば開業前に懸念されました商店街を取り巻く治安の悪化等、その他の商業へのデメリットについても、現在のところは伺っておりません。  次に、旅館、ホテル、飲食施設などは観光振興の重要な要素であり、まちの機能として重要であるが、本市として観光面などの観点から、こうした施設の現状をどう捉え、かかわっていくのかにお答えいたします。  本市の滞在を快適なものにするための宿泊施設や富山湾の海の幸、地酒などを味わえる飲食施設は、観光振興や都市機能の重要な要素の1つであると考えております。  本市には、従来からシティホテルやビジネスホテル、和風旅館、温泉旅館など、さまざまなタイプの宿泊施設が混在しており、観光客やビジネス客は目的に応じた施設を選択し利用されているため、市では、現在のところ、施設への不満や苦情は伺っておりません。  また、北陸新幹線の開業後に、市内中心部において新たにホテルがオープンするなど、客室数についても不足はないと大手旅行代理店から伺っており、宿泊施設に関しては一定程度利用者のニーズに応えられているものと考えております。  飲食施設に関しましては、民間事業者による新たな店舗が次々とオープンし、連日多くの方に利用されており、本市の観光面などの観点からも歓迎すべき状況であると考えております。  本市では、宿泊施設や飲食施設を快適に利用していただくことが利用客の満足度の向上につながるものと考え、ホテル・旅館等宿泊施設のWi-Fi設備の導入や観光施設の外国語表示案内板の設置に対し経費の一部助成を行うなど、施設の利便性の向上を図るための取組みに対し支援を行っております。  今後とも、これらの制度の周知に努め、宿泊施設や飲食施設の受入れ体制の充実につなげてまいりたいと考えております。  次に、企業団地造成についての御質問のうち、新たな企業団地の造成の規模やスケジュールについて問うにお答えいたします。  本市が日本海側有数の工業都市として持続的に発展していくためには、既存企業の振興はもとより、企業立地のためのインフラ整備を進め、新たな企業を誘致することが重要であると考えております。  しかしながら、現在、本市の企業団地は全て入居済みのため、企業誘致を積極的に行えない状況であります。  本市への企業用地に関する問合せは毎年20件程度あり、今年度も現在までに7件あることから、今後も一定のニーズはあると見込まれ、一刻も早く新たな企業団地を整備する必要があると考えております。  このような中で、かねてから本市は富山県に、富山西インターチェンジ周辺地区の市街化区域編入を要望してまいりました。  このたび、当地区の一部農地が工業地域に指定される見込みとなりましたので、約27ヘクタールの企業団地を整備したいと考えております。  整備のスケジュールにつきましては、まず平成28年度中に測量と土質調査、物件移転補償費の算定を行うため、今市議会に補正予算を提案したところであります。  平成29年度以降、用地買収と企業団地造成についての基本設計・実施設計等を行い、造成工事を実施する予定であり、平成32年度を目標に分譲を開始したいと考えております。  次に、今後どのように企業誘致に取り組んでいくのかについてお答えします。  企業誘致を行うことは、新たな雇用の創出と地域経済の活性化を図るためにも、また将来にわたる本市の健全な財政運営のためにも大変重要であると考えております。  現在、本市の企業団地は全て入居済みであり、誘致できる企業用地がありませんので、市内の企業を訪問し、その取引先企業の情報も含めて聞き取りを行い、新たな立地動向の把握に努めるとともに、毎年県が3大都市圏で開催しております企業立地セミナーに参加し、本市への進出を検討している企業の情報収集に努めてきたところであります。  今後は、これまで収集した情報等の活用を図り、本市の充実した企業立地助成制度や融資制度をPRしながら、都市の総合力や整った交通網、自然災害の少なさなどを積極的に発信し、企業誘致に取り組んでまいりたいと考えております。  以上であります。 19 ◯ 議長(市田 龍一君)  これで村家議員の一般質問及び議案の質疑を終了いたします。  ここで、都合により副議長と交代いたします。   〔議長退席・副議長議長席に着く〕 20 ◯ 副議長(金厚 有豊君)  それでは、私がかわって議事を進めさせていただきます。  一般質問及び議案の質疑を継続いたします。  38番 柞山 数男君。   〔38番 柞山 数男君 登壇〕 21 ◯ 38番(柞山 数男君)  平成28年9月定例会において、自由民主党より一般質問をさせていただきます。  私からも、今般の不祥事に対して初心に立ち返り、市民の信頼回復を目指し、公正誠実に議会活動に邁進し、取り組んでいきたいというふうに思っております。  以下、一般質問に入ります。  最初に、日本の農業展望についてお伺いをいたします。  国では、農地中間管理機構による農地集積対策、経営所得安定対策・多面的機能維持による農業者所得対策、農業委員会・企業参入・農協改革による農業規制対策などの3分野における農政改革を進めています。  これらの課題への取組みに成果を上げ、農政改革の実効性を高めることができれば、日本農業の競争力向上や成長産業への転換が進み、農産物の輸出拡大、農業者による加工、直売などの6次産業化への新たな需要創出、日本農業の成長産業化が期待されます。  国が進める農政改革は、本市といたしましても、人口減少が進行している農村地域の活性化に大いに寄与すると思われますが、森市長の大いなるお考えをお伺いいたします。  次に、富山市農業・農村振興計画についてお伺いいたします。  平成18年度に策定いたしました富山市農林漁業振興計画が本年度をもって計画期間が終了することから、本年度において、新たに富山市農業・農村振興計画が策定されております。  当計画は、本年度策定されております第2次富山市総合計画を補完するとともに、今後10年間の本市の農業・農村振興の重要な指針となるものと認識しているところであります。  御承知のとおり、我が国の農業・農村をめぐる情勢は依然厳しいものがあり、農業に関しては、農業者の高齢化や担い手の不足、耕作放棄地の増加、農産物の価格の低迷などに加え、平成30年産米からのコメの直接支払交付金の廃止や生産調整の見直しの影響、さらにはTPP発効による農業への影響など、多くの課題が存在しております。  また、農村に関しては、中山間地域において、少子・高齢化の進行により集落維持機能や地域活力が低下し、地域の存続そのものが懸念される状況となっております。  このように、今後、日本の農業・農村をどのようにするか、大きな岐路に立たされているこの時期に、本市の農業・農村振興の指針となる計画を策定することは大きな意義があるものと考えております。  市当局におかれましては既に計画の策定を進められていると思いますが、このような農業・農村をめぐる情勢や本市における数々の課題を踏まえ、どのようなことに重点を置いて農業・農村振興計画を策定されているのか、お伺いいたします。  また、計画策定に当たっては、本市の農業・農村の実態や農業者の意見を把握・分析した上で振興方針や施策を検討することが重要であると思いますが、どのような方法で農業者等の意見を把握しているのか、さらに、既に農業者の意向を把握するためのアンケート調査を実施されているのであれば、主な調査項目の集計結果をお聞かせください。  次に、コメ施策の見直しについてお伺いいたします。  ことしは天候が全般的に高温で推移したことから、水稲の生育は早まってきておりました。収穫時期を迎えておりますけれども、ここに来て台風の矢継ぎ早の襲来で、主力の品種であるコシヒカリについては、収穫が足どめ状態にあります。  ことし4月17日と5月3日には、日本海に発生した低気圧により強風が発生し、育苗ハウスや苗に甚大な被害が発生しました。また、夏場の高温やカメムシの発生により1等米比率の低下が懸念されているところでありますが、幸い、富山県のわせ種であります、てんたかくは全て1等ということであります。生産農家の努力に見合う、高品質でおいしい富山米であることを期待するところであります。  ところで、平成25年12月に決定された農林水産業・地域の活力創造プランでは、「強い農林水産業」「美しく活力ある農山漁村」を実現するための4つの柱の1つである生産現場の強化において、5年後の平成30年産米をめどに主食用米の生産調整を見直し、行政による生産数量目標の配分に頼らずとも、生産者がみずから経営判断、販売戦略に基づいて需要に応じた生産ができるようにすることが決定されております。これにより、昭和46年から本格開始されたコメの生産調整は、約50年間続いた後、大きな転換を迎えることになりました。  そこで、まずコメの生産調整についてでありますが、生産数量目標の配分を開始して以来、全国的には平成27年度に初めて超過作付が解消されたと聞いております。これまで達成できなかった生産数量目標が平成27年度はなぜ達成できたのか、その理由についてお聞かせください。  次に、本市では、コメの生産調整について確実に生産数量目標を達成してきたものの、主食用米の需要は全国で毎年約8万トン減少していることから、作付面積も年々減少し、生産農家では対応に大変苦慮しているところであります。  国では、主食用米の減少分は非主食用米、特に飼料用米での対応を推進しているようでありますが、本市における飼料用米の取組み状況と課題があればお聞かせください。  また、平成30年度以降、国からの生産数量目標の配分が行われなくなる中で、これまで農業協同組合などに販売を委託している生産農家にとっては、独自で経営判断や適正な生産数量を把握することは大変難しいと考えられます。  今後、需要に応じた主食用米の生産を円滑に行うためにはどのような体制で取り組んでいくつもりか、本市の考えをお伺いいたします。  次に、林業の現状と木材利用の促進についてお伺いいたします。  我が国では、戦中・戦後の木材需要を賄うために大規模な森林伐採が行われ、その後、昭和25年ごろから40年代半ばごろまで大規模な植林が行われました。この時期に植林された木は植林後50年近くとなっており、これまでの間伐中心の保育施業から伐採し利用する時期を迎えつつあります。  しかし、我が国の林業を取り巻く情勢は、1つに、木材価格が低迷していること、2つに、ほかの先進国に比べ生産性が低いこと、3つに、農山村の森林所有者の離村や高齢化など厳しい状況にあり、伐採が進んでいないのが現状であります。  そこで、本市における木材生産量の推移について、主な利用方法の内訳も含めてお伺いいたします。  一方で、国内産木材の利用期を迎える林業を活性化させるためには、木材利用をさらに促進しなければならないと考えます。  国では、平成21年、森林・林業再生プランを作成し、新成長戦略の1つとして林業を成長産業と位置づけ、平成32年までに木材自給率を50%以上にする目標が掲げられました。翌平成22年10月には建てかえ需要が大きく見込まれる公共建築物に焦点を当て、公共建築物等における木材の利用促進に関する法律が施行されております。  富山県においては、県産材利用促進条例案がこの9月定例会に上程されており、来年春には全国植樹祭が県内で開催されるなど、森林・林業に対する関心が高まってきております。
     そこで、木材利用を促進するため、本市の取組みについてお伺いいたします。  次に、土地改良事業の推進についてお伺いいたします。  本年は、冬場に降雪が少なかった上に春先に晴天が続いたこともあり、水量不足を心配しておりましたが、梅雨時期に適量の雨が降り、無事に収穫時期を迎えております。  農業において欠かすことのできない用水は、河川水を頭首工や取水口によって取水する場合や、山の沢水を農業用ダムやため池に貯水し、幹線用水路を経由して網目のように整備された用水路を通り、農業を支える生産基盤へと導いております。  この農業用排水施設は、農用地に用水を安定供給することや雨水を排除する大切な役割を担っており、その機能が確実に実行されることによって、農産物の生産性の向上が図られております。  しかしながら、これらの農業用排水施設は老朽化が進んでおり、また、農業従事者の高齢化や減少に伴い維持管理が十分に行われず、施設の更新や適正な保全が難しい状況となっております。  さらに、近年、農業用排水施設には、混住化に対応した地域用水・排水機能の増進や安全対策の推進など、多面的機能が求められております。  国では、農業を支援するための農業用排水路更新事業を実施しているようでありますが、その採択要件に合わない事業に対して、市ではどのような取組みをされているのか、お聞かせください。  また、土地改良事業を実施していく上で、土地改良区が果たす役割は重要だと思いますが、土地改良施設の老朽化により維持管理費が増加するとともに、農村地域の混住化などにより賦課金への理解不足や負担感の増大が広がり、土地改良施設を管理する土地改良区の組織・運営基盤が弱体化して役割を果たせなくなってきていると伺っております。  土地改良区は、取り巻く変化に対応するため、組織・運営基盤等の体制強化を図る必要があり、その1つの策として、土地改良区が合併することで体制強化を図れると思いますが、市としての取組みについてお伺いいたします。  次に、農業用ため池の安全管理についてお伺いいたします。  農業施設において、毎年のように季節を問わず痛ましい事故が発生しております。原因はそれぞれですが、去る6月4日にも県内の農業用ため池で死亡事故がありました。  新聞によりますと、地域に詳しくない子どもたちが農業用ため池に入ってしまい、一緒にいた兄が助けを求め、高齢の御夫婦が助けに入り亡くなられたということであります。幸い子どもは助かったそうですが、突然の不幸に心が痛むばかりであります。  この農業用ため池は、農業用水の水量を一定期間、安定的に利用できるように調節するためのもので、これらを管理しているのは、土地改良区及びため池施設管理者であるとお聞きしております。  一般的に農業用ため池は中山間地域にあり、一般の人が近づかない場所であることや、多くの人が利用する公共施設と違い、施設管理に手が行き届かない状態だと推察されます。  この農業用ため池での事故を防止するために、本市では管理者に対してどのような指導等を行っているのか、また、管理者が安全施設を設置または改良する場合、経済的な援助はあるのか、再発防止と取組みについてお伺いいたします。  次に、本市の代表的な特産物である呉羽梨については、今年は天候が良好であったことから開花が平年より7日程度早く、出荷についても昨年より5日早い8月5日から呉羽梨選果場で初選果が行われたと聞いております。  現在は、主力品種の幸水の出荷を既に終えたところで、9月上旬からは豊水、続いてあきづきなどが収穫され、10月下旬まで出荷が続くとのことですが、呉羽梨は市内外を問わず毎年楽しみにしておられる方も多く、特にことしのような猛暑の年には甘くみずみずしい呉羽梨は大変喜ばれたものとうれしく思っております。  しかしながら、昨年度、呉羽梨産地では、これまでに前例のない規模で黒星病が大発生し、品質の著しい低下により市場出荷量や販売金額を大きく減らしたところであります。  産地としての信頼性の低下はもとより、栽培農家においては、梨を収穫したものの出荷できずに処分せざるを得なかった落胆は大きく、これからも梨栽培を継続できるのかと心配する声も聞かれました。  本市の代表的な特産物である呉羽梨の安定的な生産出荷を図るため、栽培農家の不安を払拭し、安定的な梨生産を行えるよう、栽培農家が個々では対応できない広域で発生した病害虫防除や鳥獣害対策について積極的に支援することが必要ではないかと考えられます。  そこで、お尋ねいたしますが、昨年大発生した黒星病に対しどのような対策を講じたのか、お聞かせください。  また、それらの対応により、どれだけ黒星病の発生を抑えることができたのか、ことしの黒星病の発生状況とこれまでの出荷状況はどのようになっているのか、お伺いいたします。  例年、カラスの食害は主力品種の幸水の収穫時期である8月中旬から9月上旬にかけて多くなり、比較的販売単価の高い幸水で被害が出ることから、被害額も他の作物に比べて大きいと聞いております。  昨年度は、黒星病の被害により、カラスによる被害はさほど大きな話題になりませんでしたが、恒常的となっているカラスの被害は、ここ5年間は特に拡大していると聞いており、梨栽培農家では、カラスの被害を減らすために対策を講じるものの、カラスの被害はなかなか減らないと聞いております。  そこで、呉羽梨のカラスによる被害状況の推移とことしの被害状況をお聞かせください。また、カラスの被害防止対策について、これまでどのような対策を講じているのか、お伺いいたします。  最後になりましたが、鳥獣被害対策についてお伺いいたします。  近年、イノシシ、猿、カラスなどの野生鳥獣による農作物の被害が深刻化しており、その被害は経済的損失にとどまらず、農家の生産意欲の減退、耕作放棄地の拡大、過疎化の加速などにつながり、ひいては中山間地域の農村の存続を脅かしかねない重大な問題となっております。  また、最近では、大山地域の市営住宅に親子の猿の群れが門柱にとまっていたり、小学校付近に熊の出没情報など、イノシシや熊、猿が市街地にも出没するなど、野生鳥獣による人的被害の発生が懸念される状況となっております。  自民党7地域連絡協議会から、国、県要望に重点要望として新たに取り上げたところでもありますが、本市における今年度の被害状況と対策、今後の取組みについてお伺いいたします。 22 ◯ 副議長(金厚 有豊君)  ここで議長と交代いたします。   〔副議長退席・議長議長席に着く〕 23 ◯ 議長(市田 龍一君)  それでは、議事を進めます。  一般質問及び議案の質疑を継続いたします。  森市長の答弁を求めます。   〔市長 森  雅志君 登壇〕 24 ◯ 市長(森  雅志君)  柞山議員の御質問にお答えします。  私からは、最初にございました日本の農業展望についてお答えし、その他の事項につきましては担当部長から答弁申し上げます。  質問がたくさんあったのに、答弁時間が40分しかないので、少し早口になりますが、御理解ください。  国が進める農政改革は、人口減少が進行している本市としても、うまくいけば農村地域の活性化に寄与すると思うがどうかとのお尋ねです。  我が国は、超高齢化社会、本格的な人口減少社会を迎え、農業者の高齢化や農地の荒廃等が進み、農村コミュニティーの崩壊も懸念されるなど、農業・農村の活性化は重要な課題となっております。  また、TPPの合意を受け、農業者の将来への不安を断ち切り、農業者が意欲を持って農業経営に取り組むことができる環境を整えることも必要となっております。  国においては、平成25年度に農林水産業・地域の活力創造プランを策定して、その中で、農業・農村全体の所得を今後10年間で倍増させることを目指し、1つに、国内外の需要の拡大、2つに、需要と供給をつなぐ付加価値向上のための連鎖の構築、3つに、生産現場の強化、4つに、農村の多面的機能の維持・発揮など、4つの柱を軸として、強い農林水産業と美しく活力ある農山漁村をつくり上げる方針を示し、各種改革を展開してきております。  農業・農村の所得を倍増するということは、極めて困難な道だと思います。恐らく、産業として成立する要素を含む農業というものを全面的にバックアップしていく、集約化を一層進める大規模営農というところが一つの切り口ではないかというふうに思っています。  そこで、こういったことがうまくいけば、結果として本市の農業・農村地域の活性化に大いに寄与することから、国が強い実行力を発揮し、規制緩和を含む大胆な改革を推し進めることが必要だと思います。  新たな国際環境のもとで、次世代を担う農業者が夢と希望を持って経営の発展に取り組めるような、農業の明るい未来が切り開かれるような取組みとなるよう、まずは国の大きな改革に期待をしているところであります。 25 ◯ 議長(市田 龍一君)  篇原農林水産部長。   〔農林水産部長 篇原 幸則君 登壇〕 26 ◯ 農林水産部長(篇原 幸則君)  富山市農業・農村振興計画についてのうち、どのようなことに重点を置いて計画を策定するのかにお答えします。  本市の農業は、従事者の高齢化や担い手不足、農産物価格の低迷、耕作放棄地の増加などの多くの課題を抱えていることに加え、平成30年産米からの生産調整の見直しやTPPの発効による影響が懸念されるなど、先行きが不透明な状況になっております。  このような中、今回策定する計画では、農業の根幹である安全・安心な食料の安定供給はもとより、担い手の育成・確保や収益力の向上、農地・水環境の保全、6次産業化による雇用の創出などを重点に掲げ、力強く成長する農業の実現と活力と魅力ある農村の創造に向けた計画を策定したいと考えております。  次に、どのような方法で農業者などの意見を把握しているのかにお答えします。  意見の把握につきましては、本年2月に、市内の農業者約9,600人及び営農組織約130経営体に対し、今後の農業経営や農業・農村の振興策などをお聞きするアンケート調査を実施しました。  また、本年6月には農業協同組合や農業者協議会などへ聞き取りを実施し、今後の施策に期待することなどについて意見を伺いました。  さらに、本年8月には学識経験者や農業者、消費者などを委員とする富山市農業・農村振興計画策定委員会を開催し、幅広い分野から意見を伺いました。  今月には2,000人を対象とした市民アンケートを実施しており、農産物などの購入や消費、農業や農村の保全活動への興味・関心などについてお聞きしております。  その他、年内にはパブリックコメントや次世代を担う中学生や高校生などを対象としたワークショップなどを行い、本市農業や農村の振興に対する意見を幅広くお伺いし、把握したいと考えております。  次に、農業者の意向を把握するためのアンケート調査を実施しているのであれば、その主な調査項目の集計結果について問うにお答えいたします。  農業者を対象としたアンケートの集計結果のうち、過去3年間における農業経営状況を尋ねる設問では、助成金を含めても赤字であるとの回答が64%となっております。  また、農業後継者の有無を尋ねる設問では、「後継者がいない」との回答が48%、「後継者が従事している」と「農業を継ぐ予定の者がいる」の計が19%、「未定」が25%となっております。  今後10年間の農業経営規模を尋ねる設問では、「離農したい」が39%、「現状維持」が35%、「縮小したい」が13%、「拡大したい」が3%となっております。  今後の農業・農村の振興策を尋ねる設問では、「生産体制の分野」に関しては、担い手の育成・確保と担い手への農地集積、「農業経営の分野」に関しては、経営の安定化に向けた支援、「農村の振興にかかる分野」に関しては、地域ぐるみの農地・水路・農道の保全に対する支援とする回答が最も多くなっております。  続きまして、コメ施策の見直しについてのうち、これまで達成できなかった生産数量目標が平成27年度はなぜ達成できたのかにお答えします。  コメの生産調整は、需給及び価格の安定を図るため、昭和45年度から減反面積が国から配分され、また平成16年度からは減反面積にかわり主食用米をつくる生産数量目標が国から配分され、現在まで続いております。  平成16年度以降、生産数量目標が達成されることはありませんでしたが、平成27年度には、目標とされた751万トンに対し実際の生産量が744万トンとなり、初めて生産数量目標が達成されました。  これは、平成26年産米の価格低迷などにより、コメの需給・価格の安定を図るためには、各産地で売残りが発生しないよう、需要に応じた生産が基本であるという考えが全国的に浸透したためであると考えております。  次に、本市における飼料用米の取組み状況と課題を問うにお答えします。  本市における飼料用米の生産につきましては、平成26年度から飼料用米の収量に応じて10アール当たり最大10万5,000円を支援する水田活用交付金制度が導入されたことなどから、平成26年度には52.8ヘクタール、平成27年度には116ヘクタール、平成28年度には153.8ヘクタールと順調に拡大しております。  また、国では、飼料用米の平成37年度生産努力目標110万トンを掲げ、その確実な達成に向けて水田活用の直接支払交付金などの必要な支援を行うとされていることから、飼料用米がコメの需給調整を行うための中心的な品目になると予想されます。  しかし、今後、飼料用米の生産が拡大すると、市内には畜産農家が少ないことから、輸送費など経費の増大や主食用米と区分するための保管場所が不足するなどの問題が懸念されています。  本市としましては、これまで取り組んできた需要のある大麦、大豆、園芸作物などの作付を推進する一方、飼料用米の作付を県や農業協同組合、富山市農業再生協議会などの関係機関と連携し、進めていく必要があると考えております。  次に、需要に応じた主食用米の生産を円滑に行うためにどのような体制で取り組んでいくのかにお答えします。  現在、コメの需給調整につきましては、毎年国がコメの需要に応じた生産数量目標を各県に配分し、さらに、県から市町村、富山市農業再生協議会、農業協同組合などへと配分されております。  しかし、国では、平成30年産米から生産数量目標の配分を廃止し、生産者などの判断により需要に応じたコメ生産が行われるよう環境を整備することとしたことから、農業者の中にはこの見直しを生産調整の廃止と捉える方もいるなど、混乱が生じております。  このことから、現在、県では、地域の実情を踏まえた米の生産量の目安を提示できるよう、各農業協同組合の生産意向などを集約しているところであります。  本市としましては、富山県における平成30年以降の配分方針が決まり次第、農業者に速やかに提示・周知を図り、生産現場に混乱が生じないよう努めてまいりたいと考えております。  続きまして、本市の林業の現状と木材利用促進についてのうち、本市における木材生産量の推移について、主な利用方法の内訳も含め問うにお答えします。  本市の木材生産量につきましては、市内の2つの森林組合の平成21年度から平成27年度までの7年間の推移を見ますと、多少落ち込んだ年度もありましたが、総じて増加傾向にあり、平成27年度には約1万4,000立方メートルとなり、これは平成21年度の約7,000立方メートルに比べ約2倍に増加しております。  平成27年度の利用方法別の内訳は、主に建材として利用される上質材が約3,000立方メートルで、主に合板に加工される中質材は約2,200立方メートル、発電用チップやペレット、パルプなどの原料となる低質材は約8,800立方メートルであります。  これは、平成21年度に比べると、上質材は約900立方メートル、中質材は約1,200立方メートル、低質材は約4,900立方メートルそれぞれ増加しております。  次に、木材利用を促進するための本市の取組みについて問うにお答えします。  本市では、木造住宅への市内産材の活用を促進するため、平成18年度から木造住宅を新築される個人に、市内産材の使用量に応じて50万円を上限に補助をしておりました。  しかし、平成22年度から県が同様の事業を実施したため、平成23年度からは事業内容を変更し、平成25年度までの3年間は、市内産材を使用した木造住宅の啓発活動を実施する工務店などの事業者に対し、1件50万円を上限に補助をしておりました。  また、平成25年度からは、新築、増築、改築などを対象に、住宅の天井や床、壁などの見える箇所に市内産材を使用した場合、20万円を上限として建築主に補助する「とやまの木が見える家づくり推進事業」を実施しております。  今後とも、「広報とやま」やホームページなどで本事業をPRし、木造住宅への市内産材への活用を促進してまいりたいと考えております。  また、本市では、公共建築物などにおける木材の利用の促進を図るため、平成25年度に富山市木材利用推進会議を設置し、全国や県内での取組み事例や木造化・木質化に向けた国庫補助事業や県単独補助事業の活用について、その情報を関係部局間で共有しており、今後とも公共建築物等における木材の利用促進を図ってまいりたいと考えております。  続きまして、土地改良事業の推進についてのうち、国の採択要件に合わない農業用排水路の更新事業に対して、本市の取組みについて問うにお答えします。  農業用排水路は、農業生産に欠かすことのできない基幹施設であり、その整備・維持管理は土地改良区や地元農家によって行われております。  老朽化した農業用排水路の更新につきましては、国並びに県の補助事業を活用して実施されておりますが、規模が小さいなどの採択要件に合わない箇所につきましては、市単独の補助事業において実施されており、本市としましては、今後とも各事業において支援してまいりたいと考えております。  次に、土地改良区の体制強化を図れる合併について、本市の取組みを問うにお答えいたします。  土地改良区の合併につきましては、経営基盤の強化、事務運営の効率化や人材育成・確保などが図られることから、体制強化に結びつくものと考えております。  このことから、富山県において、平成3年度に土地改良区統合整備計画が策定され、その当時206あった土地改良区が73に統合されました。  本市においても、平成3年度末には51の土地改良区が26年度末には35になり、ことし2月に八尾地域において5つの土地改良区が合併したことにより、現在は31になっております。  市といたしましては、土地改良区の合併について、富山県や富山県土地改良事業団体連合会と連携を図りながら、関係土地改良区間の調整などの支援をしてまいりたいと考えております。  続きまして、農業用ため池の安全管理についてのうち、農業用ため池での事故を防止するため、管理者に対してどのような指導等を行っているのかについてお答えします。
     本市には、農業用ため池が116カ所あり、土地改良区や地元自治会などによって管理されております。  管理者は、県・市と合同で、農業用ため池の安全パトロールを実施しており、堤の異常や安全柵などに不備があった場合には、今後の対応を検討しております。  また、本市では、安全パトロールのほか、日ごろより施設管理者に対して安全柵などの設置状況について点検をするよう注意喚起を行っているところであります。  次に、管理者が安全施設を設置または改良する場合に、経済的な援助はあるのか、再発防止と取組みについて問うにお答えします。  ため池管理者が安全柵や立入禁止の看板などの安全施設を設置または改良する場合は、国・県の補助事業の活用により実施しておりますが、これらの採択要件に合わないような事業に対しては、市の補助事業を活用しております。  本市としましては、安全柵の設置が再発防止に有効な対策と考えており、これらの施設整備の支援をしております。  さらに、県と連携しまして、合同で安全パトロールを行うことや、小・中学生に水の事故防止についての標語やポスターなどを作成してもらうなど、安全管理や危険回避の啓発を行い、再発防止に努めてまいりたいと考えております。  続きまして、呉羽梨について、昨年大発生した黒星病に対し、どのような対策を講じたのかにお答えします。  昨年、呉羽梨産地においては、黒星病の発生により、前年と比較すると出荷量が3割以上も減少するなど大きな被害が発生したことから、梨生産農家、県、農業協同組合などで対策を協議し、黒星病の知識や防除法を習得する研修会の開催や対策指針を作成・配布されました。  梨生産農家においては、昨年秋に越冬する病原菌をできるだけ少なくするために、落ち葉をはき集め、粉砕し、土に混ぜる作業を行われたほか、春以降も発病した葉や幼果を手で取り除く作業を実施してこられました。  また、市と県が農薬の購入費などを補助したこともあり、殺菌剤の散布回数や散布量を増やされ、黒星病の防除作業を例年より丁寧に行われるなど、再発防止に向けて産地一体となった対策が講じられてきたところであります。  次に、それらの対策により、どれだけ黒星病の発生を抑えることができたのか、ことしの黒星病の発生状況とこれまでの出荷状況を問うにお答えします。  今年度の黒星病の発生状況につきましては、県と農業協同組合などが8月1日に行った調査によりますと、主力品種である幸水で発病した果実は1%程度、他品種でも1%未満となっており、非常に少なくなっております。  また、これまでの出荷状況につきましては、幸水の市場への出荷量は1,338トンで昨年比230%、出荷金額は3億6,000万円で昨年比170%となっております。  今後、引き続き、豊水、あきづき、新高と収穫がされてまいりますが、現時点ではどの品種においても黒星病の発生はほとんど見られていないことから、順調に出荷されるものと考えております。  これらのことから、昨年秋から梨生産者が一丸となってさまざまな黒星病対策に取り組んだことが功を奏したものと考えております。  市としましては、次年度以降も黒星病の被害を抑えられるよう、県や農業協同組合などの関係機関と連携し、呉羽梨の安定生産に努めてまいりたいと考えております。  次に、呉羽梨のカラスによる被害状況の推移とことしの被害状況について問うにお答えします。  呉羽梨のカラスによる被害状況につきましては、6年前の平成22年では被害量及び被害額が約30トン、1,000万円余りであったものが、平成23年には約3倍の被害額に急増し、平成27年には131トン、4,780万円となり、5年間で被害量、被害額とも約5倍近い増加を示しております。  また、ことし8月末現在の被害量及び被害額につきましては、富山農林振興センターの調べによると182トン、4,957万円となっております。  次に、カラスの被害防止対策について、これまでどのような対策を講じているのかにお答えします。  梨を食害するカラスへの対策としては、平成23年から平成25年にかけて、電子防鳥機や爆音機などを導入しましたが、導入当初は効果が見られたものの、しばらくするとなれてしまい、十分な防除効果が得られなくなりました。  そこで、平成24年度にはつや消し黒色ワイヤーによる防除方法が有効であるという他県の事例を受けて、平成24年から平成25年にかけてワイヤーを使った防除方法の実証圃を設置し、試験を行った結果、一定の効果が確認できたことから、国の交付金事業を活用し、設置を推進した結果、設置面積は21ヘクタールとなっております。  ワイヤーを設置した園地では被害率が低くなっていることから、今後もより多くの園地に設置できるよう働きかけてまいりたいと考えております。  さらに、カラスの個体数を減らすため、昨年度から被害が多発する7月から9月の期間、呉羽地区においてカラス用の捕獲おりを2基設置しており、今後、捕獲数の増大を図るため、より効果的な設置場所や設置期間などについて継続して検討していきたいと考えております。  最後に、鳥獣被害対策について、本市における今年度の被害状況と対策、今後の取組みについて問うにお答えします。  本市における、ことし8月末現在の有害鳥獣による農作物被害状況につきましては、富山農林振興センター及び富山県農業共済組合の調べによると、被害金額の総額は5,702万円となっております。その内訳は、カラスによる被害は4,957万円、ムクドリは551万円、イノシシは173万円となっております。  有害鳥獣による農作物被害の防止対策につきましては、獣種により被害に違いが見られることから、対策も異なってきます。カラスについては梨の食害がほとんどで、本市では、平成25年度からつや消し黒色ワイヤーの設置を進めております。猿やイノシシにつきましては水稲や野菜の被害がほとんどで、その対策としては、農地の周りに電気柵を設置し、侵入を防止しております。  また、本市では、有害鳥獣の捕獲強化のため、昨年度から富山市鳥獣被害対策実施隊を設置し、銃器やおりによる捕獲活動やパトロールの強化を図るとともに、農業者がみずからわな猟免許を取得する際や新規に狩猟免許を取得する際の経費を助成することで、新たな有害鳥獣対策の担い手の育成・強化を図っているところであります。  一方、有害鳥獣による今年度の人身被害につきましては、熊やイノシシによる被害の報告は今のところありません。しかし、猿については人身被害はないものの、大山地域や大沢野・細入地域において、民家近くまで頻繁に出没するようになっております。  熊の対策につきましては、本市では、富山市熊対策会議において、出没傾向や出没した際の対応などの情報を県や県警、地元住民などと共有しており、また、出没情報が市に入ると、市職員と実施隊員が現場を確認し、必要に応じて地域の関係機関に連絡し注意を促すとともに、周辺地区のパトロールを実施しております。  猿につきましては、頻繁に出没する地域において、実施隊員によるパトロールを行い、捕獲や追払いを実施しております。  本市としましては、今後とも獣種に応じた被害防止対策に取り組むとともに、関係機関と連携を図りながら、有害鳥獣による農作物への被害及び人身被害の防止に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 27 ◯ 議長(市田 龍一君)  これで柞山議員の一般質問及び議案の質疑を終了いたします。  暫時休憩いたします。                            午後 0時04分 休憩                            ───────────                            午後 1時10分 再開 28 ◯ 副議長(金厚 有豊君)  議長が都合により出席できませんので、私がかわって議事を進めさせていただきます。  休憩前に引き続き会議を開きます。  一般質問及び議案の質疑を継続いたします。  4番 橋本 雅雄君。   〔4番 橋本 雅雄君 登壇〕 29 ◯ 4番(橋本 雅雄君)  平成28年9月定例会に当たり、民政クラブより一般質問をさせていただきます。  初めに、民政クラブを代表し、先月から続く一連の台風被害によりお亡くなりになられた方々に謹んでお悔やみを申し上げますとともに、被災された方々に心よりお見舞いを申し上げます。被災地におかれましては、一日も早い復興と皆様の御無事をお祈り申し上げます。  それでは、質問に入ります。  まずは、子ども・子育て支援に関して質問いたします。  先日、西宮市の子育て支援の取組みを視察してきました。西宮市では、子育て支援専門員を「子育てコンシェルジュ」と称して、保育所の所長を務められた方などベテランの相談員を、市役所本庁舎や子育て総合センター等、複数の窓口に配置しています。  本市でも国の制度を受けて、平成27年度から子育て支援課に子育て支援専門員を配置しているところですが、どのくらい市民の皆様に浸透しているのでしょうか。  そこで、まず本市では子育て支援専門員の存在をどのように周知しているのか、そして制度が始まってからどのようなサービスの向上につながっているのか、お答えください。  また、同じ子育て支援専門員でも、「コンシェルジュ」というネームがあることによって、一層頼りがいのある相談しやすい存在になっていると感じます。本市においても、わかりやすいネーミングを検討されてはいかがでしょうか。当局の考えをお聞かせください。  富山市内には12カ所の子育て支援センターがありますが、子育て支援専門員は市役所内の子育て支援課にしか配置されていません。配置されていないところでは、どのように対処されているのでしょうか。  全てにおいて配置されていることが望ましいと思われますが、この制度の充実に向け、今後どのような取組みをしようと考えておられるのでしょうか。当局の御所見をお聞かせください。  西宮市では、平成26年、市役所1階のフロア改修に伴い、正面玄関からすぐの場所に子育て支援の窓口を設置しました。利用者支援事業業務のほか、児童手当、母子手帳の交付や妊婦検診助成の手続も行っています。これによって、お子さん連れの保護者の方でも気軽に訪れやすくなったとお聞きしました。  子ども・子育て支援の窓口を1階に設置することは、将来的に考えていく必要があると考えますが、改修のタイミングでもない限り、なかなか難しいことだと思われます。  本市では、市役所3階の子育て支援課や家庭児童相談課に、保護者の方が小さな子どもを連れていろいろな手続や相談に訪れているのが現状です。順番を待つ間、通路に椅子があるだけで特別なスペースはありません。また、授乳室に至っては、1階まで行かなければなりません。  これまでに苦情やトラブルがなかったのでしょうか。いわゆる子どもの遊び場のような待合スペースの設置や授乳室の併設、さらには、1人で来た保護者が書類を書く間等に職員が子どもを見てあげることができれば子育てがしやすいまちになるでしょう。住民の皆様が当たり前のように子どもを連れてこられるようにするべきと考えますが、当局の見解をお伺いいたします。  次に、とやまこどもプラザに関して質問いたします。  とやまこどもプラザは、平成25年、CiCビル4階にまちなか子育て交流施設として開館しました。先日、平日の昼間に様子を見に行ってきましたが、こどもひろばでは十数組の親子の遊ぶ姿がありました。リピーターも多く、子どもの遊び場としてはもちろんのこと、ママ友同士の情報交換や息抜きの場としても利用されていると聞いております。  とやまこどもプラザは、こども図書館や子育て支援センター等で構成され、さらに子育て支援センターには、こどもひろばや子育てほっとステーション、ことばの発達支援室等が設置されています。開館から3年半が経過しました。こどもひろばには多くの利用者がいますが、その他の施設ではどうなのでしょう。  まずは子育て支援センターにおいて、それぞれの施設のこれまでの利用状況の推移をお聞きします。  また、これによって見えてきた課題やこれからの取組み等があれば、あわせてお答えください。  とやまこどもプラザには、ファミリー・サポート・センターも設置されています。これは育児の援助を受けたい人と援助を行いたい人を結ぶ役割を果たしています。不勉強だった私は、今回調べてみて、よい制度だなと改めて思っているところです。子育てのサポートで悩んでいる人は大いに利用していただきたいものですが、手伝いのできる協力会員がいなければ、この制度も頭打ちになってしまうことでしょう。  また、基本1対1の対応になるかと思われますが、やはり他人に子どもを預けることに多少の不安もあるはずです。その逆に、理不尽なクレームが寄せられることも想定されます。  以上のことを踏まえ、この制度の概要や依頼会員・協力会員の現状をお答えいただき、利点や問題点、今後どのように制度を進めていくのか、当局の見解をお伺いいたします。  次に、児童虐待の防止について質問します。  児童虐待で死亡や重傷につながる重大な事例が後を絶ちません。また、虐待が疑われる件数も年々増加しているのが実情です。虐待を受ける子どもたちを早く助けてあげること、早く見つけてあげることが重要です。  昨年7月、厚生労働省が全国共通ダイヤル「189」の運用を始めました。これは、児童虐待の通報や相談を24時間体制で受け付けるものです。厚生労働省の担当者によると、「虐待かなと思ったら、ハードルを高く考えずにすぐ連絡してほしい」とのことで、「いちはやく」と覚えやすいのが特徴です。  まずは、この制度の運用によって通告・相談件数はどのように推移したのか、お答えください。  「189」ダイヤルについては、今春、使い勝手が悪いと新聞記事で読みました。通話料がかかるほか、一部の電話では使用できず、携帯電話からだと郵便番号を入力する必要があるなど、つながるまで1分以上かかることもあるようです。  当時、厚生労働大臣は、「189」の内容について、使いやすいよう改める方針を示されましたが、現状はどのようになっているのか、お聞きします。  全国共通ダイヤル「189」によって虐待を早期に発見することが、傷つく子どもたちを守ることにつながるはずです。この制度の有効性や課題等について当局の見解をお伺いいたします。  児童虐待については、どこまでがしつけなのか、どこからが虐待なのか、人によってさまざまな見方をするでしょう。ただ、子どもの心や体への影響を考えると、どんなささいなことでも見逃してはいけません。親の意識も随分と変化しています。深夜のファミリーレストランに幼児を連れてくる人、子どもが食事をしている横でたばこを吸う人、それぞれの事情はわかりませんが、私には虐待の1つに思われます。周りの大人たち、社会全体で子どもたちを見守る必要性を感じます。  児童虐待は、新聞やテレビの中だけではなく、富山に住む私たちの身の回りにも起こり得る問題です。多くの方々に問題意識を持っていただき、そしていかにして虐待を防いでいくのか。  本市では、福祉保健部の人たちが名札にオレンジリボンをつけています。私も自家用車にオレンジリボンのステッカーを張っています。  オレンジリボン運動は、「子どもの虐待のない社会の実現」を目指す市民運動です。この運動を広めることによって、市民の皆様に児童虐待防止の共通認識を持っていただきたいと思います。  以上のことを踏まえ、児童虐待防止について、周知の方法を含め、今後の取組みや考え方をお聞かせください。  次の質問に移ります。  私はことしの3月定例会において、障害者雇用についての質問をいたしました。会議録を読み返し、そのうち2点について再度質問させていただきます。  「事業所の収益を上げるよう、販路拡大のために、市役所内や地場もん屋総本店等で商品を販売することができないか」と質問したところ、「市役所内コンビニエンスストアや売店及び地場もん屋総本店において既に販売している」との答えをいただきました。私は、質問するに当たって、なるべく現地を見るようにしています。それらを見落としたこと、そして勉強不足を反省し、再度その3カ所について確認してまいりました。  なるほど、パンや卵を中心に、数カ所の事業所の商品が並べられていましたが、決して品数が多いとは思えませんし、中でも市役所売店の存在を一般の人がどれだけ知っているのでしょうか。これで十分なのか、行政の限界なのかと思い、この春、京都の障害者支援について視察に行ってきました。  京都では、障害のある人たちが自立や社会参加を図れるよう、京都府と京都市、そして府内の授産施設や共同作業所が力を合わせて「京都ほっとはあとセンター」を設立しました。そして、このセンターが、各施設の商品を販売する「ハートプラザKYOTO」や飲食ができる「喫茶ほっとはあと」などの常設店舗を運営しています。商品の販売だけではなく、障害のある人が店舗のスタッフとして働くことで社会参加への一端を担っています。  ハートプラザの1つであり、観光地の真ん中に位置する「ぶらり嵐山」に実際に行ってきました。多くの事業所が参加して本当にたくさんの製品が並べられていました。お話を聞くと、「外国の方が大勢訪れる観光地でもあり、障害者の方がつくったものだから買ってもらうというのではなく、お客さんが買いたいと思えるような魅力のある商品を置く。そのためにも製品の質を上げる努力をしてもらう」とのことでした。「自分でつくった製品がお店に並べられていることがうれしくて、わざわざここまで買いに来られる障害者の方もおられる」とも聞きました。よい施設だなと改めて感銘を受けました。  また、障害者の方が従業員として働く「喫茶ほっとはあと」へも行ってまいりました。ちょうど昼食時でもあり、ランチセットをいただきましたが、心温まる接客でランチもおいしく、大変満足したものです。  こうした私の体験を踏まえて、質問いたします。  まずは、障害者が働くことへの支援は、本年3月に答弁されたもので十分と考えておられるのか、本市においてそれが限界なのでしょうか、当局の御所見をお伺いいたします。  そして、改めて、事業所の販路拡大等、障害者の就労賃金の増額に向けた考え方や今後の取組みについて、あわせてお聞きいたします。  さらには、京都の施策をどのように捉えているのか、また、本市として障害のある人たちが自立や社会参加が図れるようにどのように進むべきなのか、現状や課題、今後の障害者就労支援の考え方等、当局の見解をお伺いいたします。  もう1点は、障害者の通勤助成についてです。  「障害者が事業所へ通勤する場合に、現状の公共交通の割引制度に加え、さらなる助成ができないものか」と質問したところ、「身体障害者手帳等を所持している方については、各公共交通機関の割引を受けることができる」との答弁をいただきました。それは知っています。私が問いたいのは、さらなる助成についてです。障害者の方々は、少ない賃金・工賃の中で、交通費を支払うと幾らも手元に残らないとお聞きしました。通常、働く人たちには通勤手当が出ています。  まずは、本市の障害者就労施設では現状どのような対応になっているのか、お聞きいたします。  その上で、行政として十分な助成をしていると考えておられるのか、また、さらなる助成ができないものか、当局の見解をお伺いいたします。  障害者の交通費助成に関して、もう1点質問いたします。  身体障害者手帳または療養手帳に第1種及び第2種と記載されている方は、JRやあいの風とやま鉄道、地鉄電車、バス、市内電車等を利用される場合、最大で5割の割引を受けることができます。これはこれで評価されるものとは思います。  しかし、65歳以上の方であれば、おでかけ定期券を利用することによって、午前9時から午後5時の間であれば、地鉄電車、バス、市内電車等が100円で乗車することができます。市電やライトレールは割引率が低いものの、例えばバスの通常運賃が1,000円の場合では9割引で乗ることができます。  それに対して、障害者の方は割引をきかせても500円かかることになります。障害者の方の社会参加を促すためにも、おでかけ定期券が利用できる対象者の枠を広げてはいかがでしょうか。障害者への理解が進み、人と人とが支え合う社会を築くことにもつながるはずです。
     森市長は常々、「富山市はさまざまな制度を用意している。その中から市民の皆様が選んでほしい」とおっしゃっています。おでかけ定期券の利用制度の改正を含め、障害者の方々の外出支援について、当局の見解をお伺いいたします。  本年4月1日より、障害者への差別を禁止し、必要な配慮を求める障害者差別解消法が施行されました。施行後、本市にも多くの相談が寄せられているとのことですが、これまでの相談件数や内容、それぞれの対応等についてお聞きいたします。  そして、この法律に対し、公的機関として本市のハード面、ソフト面はそれぞれきちんと対応し切れているのか、課題が残るとしたら今後どのように改善していくのか、当局の御所見をお伺いいたします。  また、障害者差別解消法の施行に伴い、学校現場では障害のある子どもたちに対してどのように対応しているのでしょうか、教育長の見解をお伺いいたします。  次の質問に移ります。  近年、加害者、被害者を問わず、認知症の方がかかわる事故が多いように感じます。はっきりとした統計はないとのことですが、状況から見て認知症の疑いがあるように思えることが少なくありません。認知症の方が引き起こす事故に対して何らかの手を打つ必要があるでしょう。  道路交通法では、75歳以上の運転者が運転免許証を更新する際に、講習予備検査と言われる認知機能の検査を受けなければなりません。この検査で「記憶力、判断力が低くなっている」と判断されても、免許証の更新はできます。ただし、更新前、更新後にかかわらず運転者が法令で定める違反行為をした場合などは、専門医による臨時適性検査を実施します。その結果、認知症と診断された場合には免許証の取消しになります。  まずは、昨年、県内で講習予備検査を受けた運転者の中で「記憶力、判断力が低くなっている」と判断された人数についてお尋ねします。  そのうち、違反行為をして専門医の適性検査を受けた人、その結果、認知症と診断され運転免許証の取消しになった人がどのくらいおられたのか、あわせてお答えください。  本市では、他都市に先駆けて運転免許証の返納制度を取り入れ、一定の成果を上げているとお聞きしますが、今後、増え続けるであろう高齢運転者、認知症が疑われる運転者に対し、今以上に対策をとる必要があります。  今後の取組みについて当局の考えをお聞きいたします。  認知症の方が事故の被害者にならないようにすることも大事なことです。とはいえ、認知症の方を一日中家の中に閉じ込めておくわけにはいきません。認知症の方が歩きやすいまちづくり、環境づくりが必要になってくるのではないでしょうか。  認知症の方の「徘回」ではなく「散歩」だと捉えることが必要だと、ある方に教わりました。  高岡市の医療法人らが、認知症で道に迷った高齢者を速やかに保護することを目指して、「安心オレンジバンド」を開発しました。これは、バンドにつけられた2次元バーコードに連絡先などの情報が入力されており、スマートフォンで読み取れるというもので、実際に効果があらわれているとのことです。  また、夜間の事故に対しては、反射材の着用が有効であることは証明済みであり、認知症の方には靴に反射材を取りつけるのがよいと聞きました。服は着がえるが、靴は同じものを履くことが多いからだそうです。  以上のことを踏まえ、認知症の方の事故対策についてお答えいただき、さらには認知症の方に優しいまちづくり、市民の皆様の理解をどのように進めていくのか、当局の見解をお伺いいたしまして、私の質問を終わります。 30 ◯ 副議長(金厚 有豊君)  当局の答弁を求めます。  橋本福祉保健部長。   〔福祉保健部長 橋本 勝広君 登壇〕 31 ◯ 福祉保健部長(橋本 勝広君)  橋本議員の御質問にお答えいたします。  まず初めに、子ども・子育て支援について7点お尋ねのうち、初めに、子育て支援専門員の周知方法と制度が始まってからのサービスの向上について問う、さらに、わかりやすいネーミングを検討してはどうかについて一括してお答えいたします。  初めに、周知方法につきましては、これまで市広報やテレビの情報番組、また子育て支援ガイドブックなどのパンフレットを通じて、広く市民への周知を図ってまいりました。  また、子育て支援課の窓口には、わかりやすいよう子育て支援専門員の配置を知らせる案内板を設置し、いつでも気軽に利用いただけるよう体制を整えてまいりました。  子育て支援専門員への相談は、相談相手がいない、誰に相談したらよいかわからないという方が気軽に安心感を持って相談できることや、内容や必要に応じて専門の関係機関につなぐなど、他の機関と緊密に連携が図られるという利点があります。  このことから、利用件数は、昨年度の4月から8月までの20件に対し、今年度の4月から8月までは38件と2倍程度に増加しており、サービスの向上につながっているものと考えております。  次に、ネーミングにつきましては、今後、他都市の取組み状況等を調査・研究してまいりたいと考えております。  次に、子育て支援専門員が配置されていないところではどのように対処しているのか、また制度の充実に向け、今後どのような取組みを考えているのかにお答えいたします。  子育て支援につきましては、子育て支援専門員が子育て支援に関する情報を収集・提供することで、市内全域の子育て家庭の相談に対応しているほか、子育て支援課や家庭児童相談課をはじめ、各行政サービスセンターの窓口や子育て支援センター、保健所等においても、それぞれが連携しながら、さまざまなサービスを提供しております。  しかしながら、近年、相談件数の増加とともに相談内容が複雑化していることから、これまで以上に専門的な知識を持ち、子育てに関する助言や適切な施設・サービスの利用に関する情報を提供することが求められており、子育て支援専門員の果たす役割は一層重要になってくるものと考えております。  このことから、本市では、平成26年度に策定した「富山市子ども・子育て支援事業計画」において、計画期間である平成31年度までに、市全体で3カ所に子育て支援専門員を配置することとしており、残りの2カ所につきましても、行政窓口等、市民が利用しやすい場所での配置を検討しております。  今後とも、子育て支援専門員と各関係機関とが緊密に連携し、きめ細かな子育て支援サービスを提供できるよう努めてまいりたいと考えております。  次に、子育て支援課や家庭児童相談課への待合スペース設置や授乳室の併設及び保護者の書類作成時等における職員の子どもへの対応についてにお答えします。  議員御提案の待合スペースの併設につきましては、これまで特段の苦情やトラブルもなく、スペースも限られていることなどから、現時点では考えていないところであります。  しかしながら、子育て支援課・家庭児童相談課では、お子さんを連れた方が多くいらっしゃることから、窓口に子ども用の椅子やベビーベッド、ぬいぐるみや知育玩具などを置き、保護者の方が必要な手続を円滑に行えるよう配慮しております。  また、授乳室の設置につきましては、来庁者の利便性などを考慮しながら検討してまいりたいと考えております。  次に、職員による子どもへの対応につきましては、赤ちゃんが泣いているときやお子さんがじっとしていられないときには、周りの職員が保護者にかわってお子さんをあやすなど協力して対応しており、今後も親切・丁寧で迅速な対応に努めてまいりたいと考えております。  次に、富山市子育て支援センターにおける、それぞれの施設の利用状況の推移と課題や今後の取組みについてにお答えします。  まず初めに、各種講座等を含む富山市子育て支援センター全体の利用状況の推移につきましては、平成25年度は8万2,024人、平成26年度は7万1,287人、平成27年度は7万2,865人となっております。  このうち、子どもの遊び場や保護者の交流の場としての側面を持つこどもひろばでは、平成25年度が最も多く7万5,293人、平成26年度は6万4,015人、平成27年度は6万5,320人と、2年目以降からは6万5,000人前後で推移しております。  子育て相談業務を行っている子育てほっとステーションは、平成25年度は4,112人、平成26年度は4,257人、平成27年度は4,310人と利用者が年々増加しております。  また、言葉の発達相談や指導を行っていることばの発達支援室においても、平成25年度は1,254人、平成26年度は1,324人、平成27年度は1,450人と利用者が年々増加しております。  このように相談業務が年々増加している傾向が見られることから、核家族化等の社会情勢の変化により、祖父母や地域における子育て相談がしにくくなっていることが考えられ、公的機関による相談体制を充実させることが課題であると認識しております。  したがいまして、今後の取組みとしましては、子育て支援専門員の増員や子育て支援センターの増設など、保護者が気軽に相談できる環境を充実させるとともに、関係機関との連携を密にしながら、保護者の育児不安の軽減に努めてまいりたいと考えております。  次に、ファミリー・サポート・センター事業について、制度の概要や依頼会員・協力会員の現状について問う、さらに利点や問題点、今後どのように制度を進めていくのかに一括してお答えします。  ファミリー・サポート・センター事業につきましては、保育所、幼稚園への送迎や学校から帰宅した子どもの預かりなど、子育ての支援が必要になった場合に支援を受けたい依頼会員とお手伝いができる協力会員が相互に支え合う会員組織であり、子育て支援制度の1つであります。  平成27年度末の会員数につきましては、依頼会員が1,839人、協力会員は564人、両方を兼ねている会員は203人、合計2,606人の方が登録されております。  また、援助活動回数につきましては6,026回で、保育所、幼稚園から帰宅後の託児、塾や習い事への送迎等が多くなっております。  次に、本事業の利点としましては、1つに、利用回数を重ねるごとに会員間で信頼関係ができること、2つに、地域の中で孤立しがちな親に対して育児の情報を提供できること、3つに、子育ての悩みの相談に応じることなどが挙げられます。  一方、問題点としては、依頼会員に対して協力会員が約3分の1と少ないことや、協力会員が一人もいない地域もあることが挙げられます。  したがいまして、今後は、協力会員の増加を図るため、地域の会合に出向き、事業の説明を行うほか、街頭でパンフレットを配布するなどPR活動に取り組むとともに、協力会員の専門性の向上を図る研修会を充実させるなど、より一層利用しやすい制度となるよう努めてまいりたいと考えております。  次に、児童虐待防止について4点のお尋ねのうち、全国共通ダイヤル「189」の運用によって、通告・相談件数はどのように推移したのか、国は「189」の内容について使いやすいよう改める方針を示したが現状はどのようになっているのか、さらに、この制度の有効性や課題等について問うに一括してお答えします。  厚生労働省によると、平成26年度に10桁の全国共通ダイヤルを利用され、音声ガイダンスにつながった件数である入電数については2万144件となっております。  その後、平成27年7月から全国共通ダイヤル「189」の運用が開始されたことにより、平成27年度の入電数は23万3,880件で、前年度比11.6倍となっております。  そのうち、実際に児童相談所につながった件数である接続数については、平成26年度は9,912件で、平成27年度は2万9,083件であり、前年度と比べて2.9倍となっております。  一方、入電数の大幅な伸びに比べ入電数に対する接続数の割合である接続率は、平成26年度の49.2%から平成27年度は12.4%となり著しく低下したことから、国では、児童相談所につながるまでの音声ガイダンスの時間の短縮や携帯電話による操作の手間を簡素化し、平成28年4月から児童相談所につながるまでの平均時間を約70秒から約30秒に短縮されたところであります。  全国共通ダイヤル「189」は、3桁の数字で覚えやすく、児童虐待が疑われる場合、すぐに通告できることや、このことが児童虐待の早期発見・早期対応につながることから、有効性は高いと考えております。  しかしながら、全国共通ダイヤル「189」の音声ガイダンスの時間が長く、依然として児童相談所につながりにくいことが課題であることから、国では、今後もほかの3桁番号の対応を参考に、利便性の向上のための抜本的な改善策について検討を続けていくとしております。  本市としましては、今後とも国の動向を見守りながら、全国共通ダイヤル「189」の普及・啓発に努めてまいりたいと考えております。  次に、周知の方法を含め、今後の取組みや考え方について問うにお答えいたします。  児童虐待防止の周知の方法につきましては、1つに、主任児童委員や保健福祉推進員等への出前講座、2つに、虐待の対応について市独自で作成した富山市児童虐待防止マニュアルの配布、3つに、保育所や幼稚園、小・中学校のほか、スーパーマーケットやドラッグストア等へのポスターの掲示、4つに、「広報とやま」への特集記事の掲載、5つに、本庁舎及び保健所における児童虐待防止啓発の大型パネルの展示、6つに、児童虐待防止運動のシンボルであるオレンジリボンの配布を毎年行っております。  次に、児童虐待防止の取組みにつきましては、本年7月に、児童虐待などの小・中学生の悩みに対応するため、電話相談窓口を新たに設置し、市内の全ての児童・生徒に電話番号を記載した「子どもほっとカード」を配布したところであり、通話料無料、24時間体制で小・中学生の悩み相談や心のケアに対応しているところであります。  また、児童虐待の通告や相談を受けた際には、保育所、学校、関係機関を通じ調査を行い、家庭へ直接職員が訪問し、目視による児童の安否確認を行っております。  その上で、児童が虐待により生命の危険が疑われる場合や、児童を親から離し保護する必要がある場合など緊急性が高いときには、児童相談所への連絡や送致を行うなど、速やかに児童の安全確保を行っております。  そのうち、継続的な支援が必要な児童がいる場合は、福祉、保健、医療、教育などの関係機関が富山市要保護児童対策地域協議会において、具体的な支援の内容や役割分担を協議し支援を行っております。  今後とも、児童虐待防止について市民の関心が高まるよう啓発のための施策を行っていくとともに、保護を要する児童については、関係する機関や民生委員をはじめ、地域の方々と連携しながら、その対応に努めてまいりたいと考えております。  次に、障害者福祉について9点お尋ねのうち、初めに、障害者が働くことへの支援について、本年3月に答弁したもので十分と考えているのかにお答えします。  障害者が働くことへの支援については、本年3月定例会の答弁でお答えしたとおり、富山市障害者自立支援協議会就労支援ワーキング等において検討するとともに、就労支援事業所をはじめ関係機関が連携しながら取り組んできております。  本市では、障害者にとっての就労は、経済的な側面だけでなく自立や社会参加、生きがいにもつながる重要なことから、今後も引き続き働くことの支援に努めてまいりたいと考えております。  次に、事業所の販路拡大等、障害者の就労賃金の増額に向けた考え方や今後の取組みについて問う、さらに京都の施策をどのように捉えているのかに一括してお答えいたします。  障害者就労施設等が製造している製品、農産物等の受注機会の増大を図るため、本市におきましては、毎年、「富山市障害者就労施設等からの物品等の調達推進方針」を策定し、調達の推進に努めております。  また、県では工賃向上については、第3期富山県障害者工賃向上支援計画に沿って県全体で官民一体となった取組みを進めており、今年度から福祉と農業分野との連携事業を通じて、県内事業所の工賃向上を図る予定とされています。  本市といたしましては、このような取組みを事業者に対して周知し、事業に参加してもらうことで、販売活動の支援につなげ、障害者の工賃向上を目指してまいりたいと考えております。  次に、「京都ほっとはあとセンター」につきましては、かつての授産施設が整備されたもので、社会就労センター協議会の機能を有しており、障害者がつくった物品の共同販売イベントの開催や共同受注の窓口として活動をされているところであります。  このような取組みは、県においても、同時期に富山県社会就労センター協議会を設置され、75の事業所が加盟し、同様の活動をしております。  本市におきましては、市内の障害者就労施設等は年々整備され増加してきており、障害者が生産した農産物等を農業協同組合や農産物直売所、スーパーマーケット等で販売を行うとともに、障害者が働くカレー店や喫茶店等の運営を行うことで、工賃も向上し、障害者の自立や社会参加の場として有効に機能しているものと考えております。  次に、本市として障害のある人たちが自立や社会参加が図れるように、どのように進むべきなのか、現状や課題、今後の障害者就労支援の考え方等について問うにお答えします。  障害者就労支援につきましては、本年3月定例会の答弁でお答えしたとおり、障害者の働くことへのニーズが高く、障害福祉サービスの事業者数及び利用者数も年々増加しております。  このような中、課題としましては、工賃の向上や一般就労への移行などが挙げられます。障害者就労支援の本市の考え方につきましては、働く意欲のある障害者が適性に応じて十分に能力を発揮するため、身近な人々が障害特性についてよく知り、よく理解することが重要であると考えております。  このことから、障害者が持続的に就業できるよう、今後も関係機関と連携し、それぞれの障害特性に応じたきめ細かな支援に努めてまいりたいと考えております。  次に、障害者就労施設での通勤手当について、本市の障害者就労施設では現状どのような対応になっているのか、さらに行政として十分な助成をしていると考えているのか、また、さらなる助成ができないのかに一括してお答えします。  障害者就労施設は、通常の事業所に雇用されることが困難な障害者に対して、福祉的就労の場として、就労や生産活動の機会を提供しており、また一般就労に向けた支援も行っております。  事業所の種類としましては、事業所と雇用契約を結び労働関係法規が適用される就労継続支援A型事業所、雇用契約を結ばない就労継続支援B型事業所があります。  御質問の通勤手当につきましては、A型事業所の中で就業規則で通勤手当の支給を定めている事業所では通勤手当を支給しております。また、通勤手当の支給を定めていないA型事業所やB型事業所では、最寄りの駅等までの送迎を行い、利用者の経済的負担を軽減しております。  障害者就労施設は、障害者総合支援法に基づく障害者の自立に向けた福祉サービスの施設であり、送迎が必要な方に対して事業所が送迎サービスを行った場合、サービス報酬の中で送迎加算を算定することが制度の中で位置づけられております。この送迎加算については、自立に向けて真に本人の送迎が必要かどうか、相談支援事業所がサービス等利用計画の中で判断し、就労支援事業所がこの加算を算定しております。  このように、本市では一人一人の障害の状況に応じた支援に努めていることから、現在のところ、通勤費のさらなる助成は考えておりません。  今後もこれらの制度を十分活用していただき、自立に向けた支援に努めてまいりたいと考えております。  次に、おでかけ定期券の利用制度の改正を含め、障害者の方々の外出支援について見解を問うにお答えします。  障害者の外出支援につきましては、障害者総合支援法に規定する障害福祉サービスに病院等への通院等の介助を行う居宅介護、外出時における必要な援助を行う同行援護、移動中の介護等を行う行動援護、余暇活動等の外出の支援を行う移動支援があります。  本市では、心身障害者の生活行動範囲の拡大及び社会参加の促進を図るため、外出困難な在宅障害者に対し、タクシー料金または自動車燃料料金の一部を助成する「心身障害者福祉タクシー及び自動車燃料利用券交付事業」、さらに研修会、スポーツ、レクリエーション、機能回復訓練等、心身障害者の福祉増進を図るための行事に利用可能な富山市福祉バスの運行を行っております。  これらのことから、障害者の外出支援につきましてはさまざまな取組みを行っており、御質問のおでかけ定期券の利用制度の改正は考えておりません。  次に、障害を理由とする差別の相談について、これまでの相談件数や内容、それぞれの対応について問うにお答えいたします。  障害を理由とする差別の相談について、本年4月から8月までの相談の実数は38件ありました。内訳は、障害を理由とする差別的取扱いに関する相談が19件、市や事業所の合理的配慮の提供に関する相談が19件であります。  相談の内容につきましては、障害者の駐車スペースや多目的トイレの充実、身体障害者補助犬同伴の理解などが寄せられております。  障害を理由とする差別的取扱いの相談の中には、障害特性に対する理解が不足していることによるものが多く、差別的な取扱いをした相手に対して相談者の障害特性をお伝えするとともに、接し方を説明し、理解を促すことで解決に至っております。  また、市や事業者の合理的配慮の提供に関する相談については、対応を求められた本庁出先機関の各課や外部の事業者に対して情報提供を行い、今後の対応について検討を促しているところであります。  次に、障害を理由とする差別の相談について、公的機関として、本市のハード面、ソフト面は対応し切れているのか、また、今後どのように改善していくのかにお答えします。  障害のある方の利用を想定したハード面の環境整備は、合理的配慮の提供の観点から、実現可能性や費用負担の程度を見極めるなど、計画的に進めていく必要があります。  このことから、担当課と障害者及びその家族が意見交換を行うなど、適切な対応ができるよう努めているところであります。
     次に、ソフト面では、職員の窓口対応など、富山市職員対応要領に基づき、障害特性に配慮した対応に努めているところであります。  ハード面、ソフト面のいずれにおきましても、適切な対応を行うには、障害特性への正しい知識と理解の浸透が課題となっていることから、今後も職員研修を実施するなど、普及促進に取り組んでまいりたいと考えております。  最後に、認知症の方の事故対策について、さらには認知症の方に優しいまちづくりや市民の理解をどのように進めていくのかにお答えします。  認知症の方に限らず、高齢者の交通事故対策としては、高齢者の方が夜間の外出中に交通事故に遭うことが多いことから、交通安全教室や出前講座において、反射材の効果を説明するとともに、参加者に反射材を配布し、着用方法などについて指導をしております。  さらに、昨年度においては、高齢者の総合相談窓口である地域包括支援センターが、県警察本部の依頼を受け、高齢者向けの交通安全情報紙を活用した一口アドバイスや反射材の利用呼びかけを行っており、今後は、認知症の方の交通事故防止という視点からもこれらの取組みを行ってまいりたいと考えております。  次に、認知症の方に優しいまちづくりについて、本市では、認知症の方の意思が尊重され、できる限り住みなれた地域のよい環境で自分らしく暮らし続けることができる社会の実現を目指し、これまでもさまざまな事業に取り組んできているところであります。  具体的な取組みとしましては、認知症高齢者見守り支援事業として、1つに、認知症高齢者見守りネットワークの構築、2つに、認知症高齢者徘徊SOS緊急ダイヤルの運用、3つに、認知症を正しく理解するための啓発活動、4つに、認知症サポーターの養成などを実施しているところであります。  なお、この認知症サポーターの養成につきましては、認知症について正しく理解し、認知症の方や家族を温かく見守り支援する応援者を増やすため、地域包括支援センターが中心となり、地域住民や銀行、郵便局、薬局、企業、小・中・高校生、行政職員などを対象に養成を行っているものであり、平成28年7月末現在では2万6,272人となっております。  また、認知症総合支援事業では、1つに、地域包括支援センターを中心に、介護保険事業所や地域住民の方などが取り組む認知症カフェや普及啓発イベントなどの開催、2つに、認知症の方やその家族のために早期受診の大切さや病気の進行に合わせた対応、利用できるサービス、支援などをわかりやすく紹介した富山市認知症ガイドブックの作成及び関係団体等での活用促進などに取り組んでおります。  今後とも、これらの事業により、市民の皆さんの認知症に対する理解や自助・互助の意識を高めるなど、認知症高齢者等に優しい地域づくりを推進してまいりたいと考えております。  以上であります。 32 ◯ 副議長(金厚 有豊君)  麻畠教育長。   〔教育長 麻畠 裕之君 登壇〕 33 ◯ 教育長(麻畠 裕之君)  障害者福祉についてお尋ねのうち、障害を理由とする差別の相談について、障害者差別解消法の施行に伴い、学校現場では、障害のある子どもたちに対してどのように対応しているのかにお答えいたします。  本年4月、障害者差別解消法が施行されたことに伴い、障害者への不当な差別的取扱いを禁止し、子どもの障害の状態に応じて、人の配置等の体制面や施設の改修等の財政面において、合理的配慮を行うことが求められております。  現在のところ、市教育委員会では、障害者差別解消法による不当な差別的取扱いや合理的配慮に関する相談は受けておりません。  その理由といたしましては、これまでも学校現場では、障害のある子どもが転入学する場合や在学中に障害を有することとなった場合、保護者と個別の相談を十分行い、さまざまな配慮をしてきたことによるものと考えております。  具体的な配慮としましては、1つに、体に障害のある子どもには、玄関のスロープや階段の手すり、多目的トイレ等を設置し、スムーズに学校生活が送れるようにすること、2つに、難聴の子どもには、FM補聴器を貸与し、授業中の教師の声を聞こえやすくすること、3つに、弱視の子どもには、文字を大きくした教科書や拡大鏡を配布し、文字を読みやすくすることなどの対応をしてきたところであります。  また、人的な支援として、学習活動のアドバイスや手助け等を行うスクールサポーターや障害児の活動を支援するボランティアを配置し、支援体制の充実を図っております。  市教育委員会といたしましては、障害者差別解消法の理念や内容を学校に周知するとともに、今後も一人一人の障害に応じて保護者と十分に話し合い、障害のある子どもにとって安心・安全な学校生活を送れるよう努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 34 ◯ 副議長(金厚 有豊君)  田中市民生活部長。   〔市民生活部長 田中  斉君 登壇〕 35 ◯ 市民生活部長(田中  斉君)  認知症の事故対策についての御質問のうち、初めに、昨年県内で講習予備検査を受けた運転者の中で、「記憶力、判断力が低くなっている」と判断された人数について問う、そのうち違反行為をして専門医の適性検査を受けた人、その結果、認知症と診断され、運転免許証の取消しになった人はどのくらいいたのかにお答えいたします。  富山県警にお聞きしたところ、昨年、県内で運転免許の更新に当たり講習予備検査を受けた75歳以上の運転者数は1万9,975人で、このうち「記憶力、判断力が低くなっている」と判断された人は771人、全体の3.9%でした。  このうち、認知機能が低下すると行われやすい信号無視や一時不停止などの違反行為をしていた人は、全て運転免許を自主的に返納しており、専門医による臨時適性検査を受けた人は一人もおりません。したがって、運転免許を取消しになった人もおりません。  次に、高齢運転者、認知症が疑われる運転者に対する今後の取組みについて問うにお答えします。  高齢運転者による交通事故を防止するため、国では、来年3月12日に施行される改正道路交通法により、75歳以上の免許制度を強化されます。  主な変更点として、1つには、免許更新時の認知機能検査で「記憶力、判断力が低くなっている」と判定された場合、現在は、政令で規定する違反行為──信号無視や逆走など──があった場合のみ専門医による診断を求めていますが、改正後は違反行為の有無にかかわらず医師の診断を義務づけることとしております。これにより認知症と診断されれば、免許の取消しまたは停止となります。  2つには、免許の更新時以外にも、75歳以上の高齢運転者が政令で規定する違反行為をした場合には、その時点で臨時認知機能検査の受検が義務づけられ、「記憶力、判断力が低くなっている」と判定された場合は、更新時と同様に医師の診断を受け、認知症と診断されれば免許の取消しまたは停止となります。  本市では、高齢者が被害者にも加害者にもならないために、高齢者交通安全教室や高齢者運転免許自主返納支援事業を実施しており、自主返納される方が増えるなど、制度が市民に浸透し、高齢者の事故件数の減少など一定の成果を上げていることから、継続してまいりたいと考えております。  あわせて、おでかけ定期券、買い物支援などの各種事業により、車がなくても高齢者が外出しやすい環境を総合的に整えていくことで、運転免許の自主返納を促し、高齢運転者による交通事故の防止につなげてまいりたいと考えております。  以上でございます。 36 ◯ 副議長(金厚 有豊君)  これで橋本議員の一般質問及び議案の質疑を終了いたします。             ───◇   ◇   ◇───                散       会 37 ◯ 副議長(金厚 有豊君)  以上で、本日の日程は終了いたしました。  9月12日は午前10時に本会議を開き、一般質問及び議案の質疑を行います。  本日はこれをもって散会いたします。                            午後 2時05分 散会 Copyright © Toyama City Assembly, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...