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平成27年9月定例会 (第2日目) 本文
平成27年9月定例会 (第2日目) 名簿

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  1. 富山市議会 2015-09-02
    平成27年9月定例会 (第2日目) 本文


    取得元: 富山市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-08-02
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 議事の経過             ───◇   ◇   ◇───                開       議                              午前10時  開議 ◯ 議長(有澤  守君)  ただいまから、本日の会議を開きます。  議事日程は、お手元に配布のとおりであります。             ───◇   ◇   ◇───       一般質問並びに議案第112号から議案第135号まで、       及び報告第38号から報告第41号まで 2 ◯ 議長(有澤  守君)  これより、日程第1 一般質問並びに議案第112号から議案第135号まで、及び報告第38号から報告第41号までを一括議題といたします。  これより、一般質問及び議案の質疑を行います。  順次発言を許します。  38番 柞山 数男君。 3 ◯ 38番(柞山 数男君)  おはようございます。  平成27年9月定例会に当たりまして、自由民主党より一般質問をさせていただきます。  まず最初に、都市計画税税率見直しについてであります。  先般、6月定例会におきまして、都市計画税税率見直しについて、総務文教委員会で報告があったところでありますが、改めて質問させていただきます。
     まず、富山市の都市計画税の課税状況、あるいは合併後の税率、課税面積等について、あるいは平成26年度までの決算額について、まずお伺いいたします。 4 ◯ 議長(有澤  守君)  当局の答弁を求めます。  宮本財務部長。 5 ◯ 財務部長(宮本  卓君)  おはようございます。  都市計画税の税率につきましては、合併後の平成18年度から0.25%と定めており、課税区域につきましては、富山地域の市街化区域6,811.2ヘクタールと婦中地域の市街化区域452.7ヘクタール、合わせて7,263.9ヘクタールが対象となっております。  決算額について申し上げますと、平成17年度は、富山地域のみが合併前の0.3%の税率で課税を行い、約40億5,000万円余りでありましたが、平成18年度は、税率が0.25%となり、約31億6,000万円でありました。8億9,000万円余り減ったということです。税率の変更による影響は、そのうちの6億3,000万円余りと見込んでおります。また、平成23年度からは、婦中地域と合わせて約33億1,000万円となっており、平成22年度と比較しますと1億6,000万円ほど増になったということであります。  なお、直近の平成26年度の決算につきましては、約32億3,000万円となっております。 6 ◯ 議長(有澤  守君)  38番 柞山 数男君。 7 ◯ 38番(柞山 数男君)  今回の税率見直しで、ほぼもとの税収に戻るということでありますけれども、この都市計画税については目的税でありまして、使途を都市計画事業などに限定されておりますけれども、本市はこれまでどのような事業に充当されてきたのか、お伺いいたします。 8 ◯ 議長(有澤  守君)  宮本財務部長。 9 ◯ 財務部長(宮本  卓君)  事業の充当につきましては、合併から平成26年度までの10年間の都市計画事業としまして、都市計画道路、公園、下水道など、市民に身近な社会資本の整備をはじめ、市街地再開発事業、土地区画整理事業路面電車環状線化や南北接続などの事業を実施してきており、これらの事業の財源及び事業に伴って発行いたしました市債の償還財源として、都市計画税を活用してきているところであります。  具体的に申し上げますと、1つに、街路整備事業では、富山駅西線綾田北代線など、2つに、公園整備事業では、地区公園、近隣公園、街区公園のほか、城址公園、呉羽山都市緑化植物園など、3つに、下水道事業では、神通川左岸をはじめとした未整備区域の汚水及び雨水の管渠の整備など、4つに、市街地再開発事業では、総曲輪通り南地区西町南地区のほか、現在整備を進めておられます総曲輪西地区、総曲輪三丁目地区、桜町一丁目4番地区など、5つに、土地区画整理事業では、山室第2、下新町のほか、現在整備中の富山駅周辺地区などの都市計画事業を実施しているところであります。 10 ◯ 議長(有澤  守君)  38番 柞山 数男君。 11 ◯ 38番(柞山 数男君)  今ほど報告があったとおり、税額どころか、それ以上の目的税の事業を執行しておられるわけでありますが、さりとてこの都市計画税については、固定的な財源でありますので、やはりこれは重要なものだと思っております。  そこで、現在、都市計画税の税率について、合併協議のときの調整方針はどのようなものであったのか、その後の経過について、今回の税率を見直す趣旨についてお伺いいたします。 12 ◯ 議長(有澤  守君)  宮本財務部長。 13 ◯ 財務部長(宮本  卓君)  合併前の市町村において、市街化区域の土地、家屋に対して都市計画税を課税しておりましたのは旧富山市のみであり、その税率は0.3%でありました。合併後の税率を定めるに当たりましては、固定資産税も含めて検討が行われてきたところであります。  初めに、固定資産税について申し上げますと、合併前の富山市は1.4%でありますが、大沢野町と八尾町は1.5%、大山町、山田村、細入村は1.6%でありました。婦中町につきましては、1.6%でありましたが、平成16年度に0.1%引き下げられ、1.5%とされたところであります。こうした中で、合併協議の調整方針におきましては、税率の一番低い富山市の1.4%と定められたところであります。  都市計画税につきましては、婦中町の市街化区域におきましても新たに課税することとなりますことから、地域住民の方々の理解を得ること、また、できるだけ負担感を緩和するという観点から、富山市の0.3%とするのではなく、合併協議の調整方針におきまして、平成18年度から0.25%と定められ、婦中町の市街化区域につきましては、さらに課税を先送りしまして、5年後の平成23年度から課税することと定められたところであります。  税率の見直しの趣旨につきましては、合併から10年の節目を迎えたことから、合併前の富山市の税率であります0.3%に戻すというものであります。 14 ◯ 議長(有澤  守君)  38番 柞山 数男君。 15 ◯ 38番(柞山 数男君)  さまざまな変遷を経てきておりますが、基本は合併協議で確認してきたところであります。少し懸念があるのは、もともとはこの税率であったわけでありますが、固定資産税都市計画税を足すと、近隣の市と比べて格差ができるようなところがある、企業が進出しようかというときに、やはり懸念をされる点もあるように思われます。  そこで、富山市の中の経緯、状況はわかりましたが、近隣都市の固定資産税あるいは都市計画税の税率──多分都市計画税を導入しているのは本市だけだと思いますけれども、固定資産税の税率等について近隣の市はどうなっているのか、お伺いいたします。 16 ◯ 議長(有澤  守君)  宮本財務部長。 17 ◯ 財務部長(宮本  卓君)  県内の市町村で申し上げさせていただきますが、1.6%が4市、1.55%が2市町、1.5%が6市町村、1.45%が2市、1.4%は富山市だけであります。 18 ◯ 議長(有澤  守君)  38番 柞山 数男君。 19 ◯ 38番(柞山 数男君)  都市計画税を含めると、本市は一番高くなるわけです。地域限定でありますけれども、そういうことになると思っております。  今回、この都市計画税の見直しによって、影響を受ける納税義務者数あるいは影響額について、改めてお聞かせください。 20 ◯ 議長(有澤  守君)  宮本財務部長。 21 ◯ 財務部長(宮本  卓君)  影響が予想されます納税義務者数につきましては、約11万2,000者であります。そのうち個人が約10万8,000人ということで96.3%、ほとんど個人が占めております。法人が約4,000社ということで、率にいたしますと3.7%ということになります。また、影響額につきましては、約6億3,000万円を見込んでおります。その内訳としまして、地域別に申し上げますと、富山地域が約6億円、婦中地域が約3,000万円と見込んでいるところであります。 22 ◯ 議長(有澤  守君)  38番 柞山 数男君。 23 ◯ 38番(柞山 数男君)  少しお伺いいたしますが、固定資産税の基準税率というのはあると思いますが、基準が1.4%であって、固定資産税の税率というのは最高ではどのようなものになっているのか、この固定資産税の税率の基準というものについて、少しお伺いします。 24 ◯ 議長(有澤  守君)  宮本財務部長。 25 ◯ 財務部長(宮本  卓君)  固定資産税につきましては、標準が1.4%で、制限税率はないというふうに理解しています。 26 ◯ 議長(有澤  守君)  38番 柞山 数男君。 27 ◯ 38番(柞山 数男君)  今回の税率見直しに向けて、今後の日程についてですが、事務手続などを今後どのように進めていくのかお伺いいたします。 28 ◯ 議長(有澤  守君)  宮本財務部長。 29 ◯ 財務部長(宮本  卓君)  税率の見直しに向けての事務手続につきましては、平成28年度から都市計画税の税率を0.3%に戻すことにしておりますことから、平成27年12月の定例会におきまして、税率の改定を盛り込んだ富山市市税条例の改正案を提出することとしております。  改正後につきましては、市民の皆様に市の広報紙や広報番組等を活用いたしまして、広くお知らせしてまいりたいというふうに考えております。 30 ◯ 議長(有澤  守君)  38番 柞山 数男君。 31 ◯ 38番(柞山 数男君)  時間のないところでありますが、しっかりと周知をしていただいて、後でいろいろなクレームがつかないように、目的あるいは経過についてお知らせいただきたいと思っております。  ところで、今、国のほうでは、財政健全化、いわゆるプライマリーバランスを2020年までに黒字化させるというふうにお伺いしているわけでありますが、あまり時間のない中で、今のプライマリーバランスを保つということになると、相当年々の歳出の見直しというか、支出されるものが削減されていくのではないかと懸念されます。  一方、本市の合併特例債も本年で終わるわけでありますが、財源について大変危惧しているところであります。この状況の中で、森市長は財源についてどのようにお思いなのか、お伺いいたします。 32 ◯ 議長(有澤  守君)  森市長。 33 ◯ 市長(森  雅志君)  今、議員からも御指摘がありましたように、政府の中には、財政規律派と景気浮揚派という──言葉を乱暴に句切るとそういういろいろなプレッシャーのかけ合い、せめぎ合いがある中で、しかし、ことしの骨太の方針の中でも2020年までのプライマリーバランスの黒字化というのは明確にうたわれていますので、恐らく向こう5年間、そういうことの目標実現のために国の予算編成というもののベースとして、これはぶれないのだろうというふうに見ています。非常に厳しい状況がその結果もたらされてくるだろうというふうに数年前から認識をしております。  税収が大幅に上がれば、プライマリーバランスの黒字化のために歳出の抑制がその分小さくなるわけですけれども、今の状況が必ずしも──特に外国の景気の下振れということ、中国のものなどを考えますと、かえって厳しくなっていくのではないかということも予想しています。  一方、いわば社会保障、年金、医療費、そういうものの歳出額は伸び続けていくわけですので、この中で黒字化をするのは大変難しい、容易なわざではないと思っています。  加えて、東京オリンピックに向けての特別枠というものをどうしても予算の中で見ていかなければいけないのだろうと思いますので、そういうふうに考えますと、国の歳出削減は大変厳しくなって、例えば地方との関係において、交付税その他は大変厳しくなるというふうに見込んでおります。  富山市の税収については、今のところ堅調に回復してきていると思っていますが、やはり地方交付税の所要額が確保されないと、今までと同じような予算編成はなかなか難しいということは事実です。その上で、今も御指摘がありましたが、合併特例債の問題がこれで終了する。さらには、退職手当債が今年度いっぱいで終わるということとなります。  これからもまだまだたくさん退職予定者がいますので、この退職手当の財源に起債ができないということになると、その分も一般税源で見ていく必要が起きてきます。したがって、大変厳しい状況だという認識をしております。これは数年前から大体そういう見通しに立っておりました。  したがいまして、収納率の向上をまず徹底的にやるということ、何とか企業誘致、その他で税収を上げていくということ、それから、国の補助金の中でなるべく有利なものをしっかり活用できるようにしていく──例えば、まち・ひと・しごと創生本部が予定されている平成28年度の交付金は、平成26年度が1,700億円だったところが、1,080億円とか1,070億円とか言っていますが、こういうものについて均等に配当するということから、恐らく事業の中身を精査して、質のいい計画に対して交付金を交付するということに、まず間違いなく変わっていくだろうと見ています。  したがって、いつも準備を怠りなくやって質のいい計画を立てて、そしてそういう交付金が出てきた場合には、積極的に手を挙げていくということなどをやりながら、質のいい仕事をしていくということだろうと思います。  それから、起債についても交付税措置のあるものを優先して使っていって、市の純粋な負債の増嵩にならないようにしていくということ、さらには、いつも言っていますが、歳出についても、事業再点検や事務事業の見直し、民営化や民間委託の推進、職員定員や給与の適正化の推進、さらには、ファシリティマネジメントについてしっかり取り組んでいくことがどうしても避けられないと思っています。  幸い、富山地区広域圏クリーンセンターの起債があと2年程度で終わります。これはかなりの額を富山市が負担していますから、そういったさまざまなところをきめ細かく見ながら、今まで負担していたもので、そこが少し楽になるものがどこで見つけられるのか、そういった視点を持っていくことも大変大事だと思っています。いずれにしましても、見通しとしては大変厳しくなるというふうに思っております。 34 ◯ 議長(有澤  守君)  38番 柞山 数男君。 35 ◯ 38番(柞山 数男君)  大変広範に説明いただきましてありがとうございました。  今の議題は、都市計画税税率見直しでありまして、そういう意味からも、6億円とはいえ固定的な財源でありますから、しっかり取り組んでいただき、今後の市政運営のためにどうしても必要なのだということも訴えていただいて、御理解をいただきたいというふうに思っております。  次の質問に移らせていただきます。  次は、道路や橋梁の老朽化について、いわゆる社会資本整備の維持管理についてお伺いしたいと思っております。  過去に同僚議員も何人か質問されておりますが、改めて平成25年に土木学会から「何らかの対応が必要」と指摘を受けた橋梁について、現在までの対応状況についてお伺いいたします。 36 ◯ 議長(有澤  守君)  俣本建設部長。 37 ◯ 建設部長(俣本 和夫君)  平成25年に土木学会から指摘を受けた橋梁は、八田橋、高熊橋、祢比川橋、神通大橋、古開橋の5つであり、「いずれもすぐに通行を規制するような深刻かつ重大な損傷がある橋梁ではないが、それぞれ対応が必要である」と指摘を受けました。  このうち、八田橋につきましては、ゲルバーヒンジ部のひび割れなどの指摘を受けたことから、今年度から8カ年で、かけかえることとしております。  次に、高熊橋につきましては、鉄筋コンクリートT桁にひび割れや鉄筋の露出が確認されたことから、平成26年度に補修設計を行い、引き続き、桁の断面補修やひび割れ注入などの対策工事を行い、本年6月に補修を完了しております。  祢比川橋につきましては、鉄筋コンクリート床版にひび割れなどが確認されたことから、平成26年度に補修補強設計を行い、今年度、対策工事に取りかかっているところであります。  神通大橋と古開橋につきましては、「調査が必要」とされたことから、平成26年度に目視点検を行ったところであり、今年度、詳細な調査診断を行い、その結果を踏まえ、今後の対応を検討したいと考えております。
    38 ◯ 議長(有澤  守君)  38番 柞山 数男君。 39 ◯ 38番(柞山 数男君)  この問題の発生からいろいろと課題が見えて、本市でも技術力向上のために建設技術管理監の採用もされてきたところであります。  また一方で、橋梁の台帳の不備ということもありまして、その整備も進めてこられたと思いますが、その状況について、特に職員の養成と橋梁の台帳についてお伺いします。 40 ◯ 議長(有澤  守君)  俣本建設部長。 41 ◯ 建設部長(俣本 和夫君)  今ほど議員がおっしゃいました建設技術管理監につきましては、平成26年度に任期付職員として採用したところであり、職員の技術力向上ということで、定期的な職員研修でありますとか、業界の技術力向上ということで、業界の研修などにも出向いており、それぞれ市の職員あるいは受注する業者の技術力向上に向けて努力しているところであります。  また、台帳につきましては、指摘を受けましたことから、直ちに対応させていただいているところであり、順次調査を進め台帳を作成しているところであります。 42 ◯ 議長(有澤  守君)  38番 柞山 数男君。 43 ◯ 38番(柞山 数男君)  今定例会補正予算案に八田橋のかけかえについて、物件補償の費用が計上されておりますが、今ほどの報告にも、8カ年かけて改修するということでありますが、改修に際しての課題や懸案事項がありましたら、お伺いしたいと思います。 44 ◯ 議長(有澤  守君)  俣本建設部長。 45 ◯ 建設部長(俣本 和夫君)  八田橋につきましては、富山駅の北側で、東西を連絡する道路ということで非常に通行量が多いこと、さらには富山ライトレールが運行していて、この運行に支障を与えますと、富山ライトレールの朝晩の遅れということも懸念されますことから、工事には細心の注意が必要ということになろうかと思っております。  さらには、いたち川にかかっているわけですが、この川の水も市街地の排水を処理するということで、梅雨時期などにかなり水位が上がるため、工事期間が限定されるといったことも課題ではないかと思っております。 46 ◯ 議長(有澤  守君)  38番 柞山 数男君。 47 ◯ 38番(柞山 数男君)  スケジュールに従って、一日も早い改修をお願いしたいと思っております。  次に、道路についてお伺いいたします。  私の地元の地域は農村地帯でありまして、多くの市道も県道もあるわけでありますが、とりわけ田畑が連担している市道のり面の除草についてでありますけれども、大概の農家の方々がボランティアでその除草をしておられるわけであります。  しかしながら、今般の農業情勢の中で、農家の方々が高齢化になってなかなかそこまで手が回らないということで、一つも手をつけていないところが散在しているように見受けられるところであります。こうしたところについて、やはり市で管理すべきでないのかと思うわけでありますが、見解をお伺いいたします。 48 ◯ 議長(有澤  守君)  俣本建設部長。 49 ◯ 建設部長(俣本 和夫君)  市道の除草につきましては、安全な通行の確保ということを目的に、市職員による対応に加えまして、業者やシルバー人材センターへ委託して作業を実施しているところでございます。  今議員がおっしゃいました市道のり面の除草につきましては、本来、市で実施すべきものではございますが、財政状況が厳しいことから、今後も、カーブや交差点など、雑草によって見通しが悪くなっている箇所を優先して行い、田畑が連担する市道のり面などの除草については、引き続き、町内会や田畑の耕作者の方々の御協力をいただきたいと考えております。 50 ◯ 議長(有澤  守君)  38番 柞山 数男君。 51 ◯ 38番(柞山 数男君)  現在、ボランティアで除草をされている際、石が飛んだり、あるいはけがをしたりということで、損害賠償を求められているということでありましたが、市では保険制度はなかなか適用しにくい状況にあります。こうした課題について、市で費用負担できるような手法はないのか、お伺いいたします。 52 ◯ 議長(有澤  守君)  俣本建設部長。 53 ◯ 建設部長(俣本 和夫君)  本市では、道路環境を魅力あるものにすることを目的に、平成17年度に「とやまし道路愛護ボランティア制度」というものを設けております。現在、町内会や地域の長寿会など20団体、1,042名の方が登録されております。  この制度は、市が加入する保険で市道の清掃や除草などのボランティア活動中のけがや器物の破損に対する補償を受けることができることから、この制度の活用を御検討いただきたいと思っております。 54 ◯ 議長(有澤  守君)  38番 柞山 数男君。 55 ◯ 38番(柞山 数男君)  ちなみに、今ほどの愛護団体20団体でありますが、愛護している道路の距離はどれぐらいかわかりますか。 56 ◯ 議長(有澤  守君)  俣本建設部長。 57 ◯ 建設部長(俣本 和夫君)  申しわけありません。手元に資料を持っておりませんので、お答えできません。 58 ◯ 議長(有澤  守君)  38番 柞山 数男君。 59 ◯ 38番(柞山 数男君)  ちょっと離れた話になるかもしれませんが、現在、農林水産部の所管で、多面的機能支払制度に取り組んでおられますが、その中で必ずしも当てはまるかどうかわかりませんが、そのグループで除草されているやに思っておりますが、改めて多面的機能支払制度について、農林水産部長からお伺いしたいと思います。 60 ◯ 議長(有澤  守君)  上田農林水産部長。 61 ◯ 農林水産部長(上田 修正君)  多面的機能支払制度は、農業・農村が有する国土保全、水源涵養、景観形成等の多面的機能が、今後も適切に発揮されるための地域共同活動や、農地や農業用施設の質的向上を図る活動に対し、国、県、市で支援している制度であります。 62 ◯ 議長(有澤  守君)  38番 柞山 数男君。 63 ◯ 38番(柞山 数男君)  現在の組織数はわかりますか。 64 ◯ 議長(有澤  守君)  上田農林水産部長。 65 ◯ 農林水産部長(上田 修正君)  現在、活動組織数は166組織でございます。その中には広域化された活動組織もありますことから、集落数といたしましては、282集落において取り組まれております。 66 ◯ 議長(有澤  守君)  38番 柞山 数男君。 67 ◯ 38番(柞山 数男君)  全市の集落のうち、282集落というのはパーセンテージにしたら、どれぐらいのシェアになりますか。 68 ◯ 議長(有澤  守君)  上田農林水産部長。 69 ◯ 農林水産部長(上田 修正君)  282集落は、集落数の比率でいいますと43%でございます。 70 ◯ 議長(有澤  守君)  38番 柞山 数男君。 71 ◯ 38番(柞山 数男君)  実は何を言いたいかというと、先ほど建設部長から道路愛護団体の話がありましたが、農村地域の除草について、やはり生活に近しいというか、こうした多面的機能支払制度を活用している団体の皆さんにお願いしてはどうかと思うわけでありますが、建設部長の見解をお伺いしたいと思います。 72 ◯ 議長(有澤  守君)  俣本建設部長。 73 ◯ 建設部長(俣本 和夫君)  いろいろな制度を御活用いただいて活動していただくというのは、大変ありがたいことだと思っております。  先ほど申しましたように、本来市がやるべきところを皆様にかわってやっていただくということでございますので、活用できる制度は全て活用していただければと思っておりますが、ただ、それぞれの制度には目的がございまして、市道ですと市が管理する道路ということであり、活用できるものにも限界があろうかと思っておりますので、私どもとしては、どんな制度が活用できるのかということに関してまでは、まだちょっと把握をしているものではございませんが、お知恵をおかりしていろいろなことで御協力いただきたいと思っております。 74 ◯ 議長(有澤  守君)  38番 柞山 数男君。 75 ◯ 38番(柞山 数男君)  私は、制度の財源云々と言っているわけではないので、せっかく建設部には道路愛護団体という二次団体があるということでありますが、やはり市域が広いわけでありまして、除草する場所も多いということで、この多面機能の組織に愛護団体になっていただいて検討していただくような形はとれないかということを言っているわけでありまして、改めて建設部長に答弁をお願いいたします。 76 ◯ 議長(有澤  守君)  俣本建設部長。 77 ◯ 建設部長(俣本 和夫君)  「とやまし道路愛護ボランティア」というのは、先ほど申しましたように、保険を掛けているという制度でございますが、そのほかに、軍手やごみ袋などの必要な消耗品をお配りするという制度であります。  しかし、現在の制度では、保険と消耗品の支給というふうに限っておりますので、今議員がおっしゃったような支援ということに関して言うと、やはり若干力不足かというふうに思っておりますので、今後、他都市の状況などを調査いたしまして、見直しなどについて検討してまいりたいと思っております。 78 ◯ 議長(有澤  守君)  38番 柞山 数男君。 79 ◯ 38番(柞山 数男君)  十分検討していただきたいと思います。  そこで、合併後、市道が100キロメートル以上延びていると思っておりますが、やはり、物流なり経済活動なり、どうしても市道としての重要な幹線道、あるいは生活に密着した生活用の道路、あるいは地域の農村地帯の農業関係に使うことが多いような市道、そういうことをいろいろランキングしていただいて、その管理の方法についてもいろいろ知恵を働かせることで、何か手法があるのではないかと思います。  そうした市道のランキングというか、用水であれば市管理河川、あるいは準用ということもありますし、そういう意味合いでの市道のレベルに合わせた管理方法というのはあるのではないかと思います。  この人口減少社会で、社会資本をどんどん増やして、将来管理も何もできないような状況になるよりも、今ある程度、センサー、レベルを勘案しながら、その道路の必要性を問いながら管理していくべきでないかと思いますが、この点について、今後の道路管理について、俣本建設部長の所見をお伺いします。 80 ◯ 議長(有澤  守君)  俣本建設部長。 81 ◯ 建設部長(俣本 和夫君)
     道路の維持管理につきましては、今後、市道の延長、増加を抑制するというのはもちろん大前提だと理解しておりますが、今ほど議員がおっしゃったように、管理レベルといったものを設定することが非常に重要だろうと思っております。  その際には、各路線が持つ役割ですとか使われ方、あるいは交通量といったものをそれぞれしんしゃくいたしまして、それぞれの道路に応じた管理のあり方を検討していかなければならないと思っております。 82 ◯ 議長(有澤  守君)  38番 柞山 数男君。 83 ◯ 38番(柞山 数男君)  どうしても主要な道路については市が率先してやらなければいけないと思いますし、また、生活や農村地帯については、やはり地域の皆さんに協力していただき、自治意識を持ってこの道路を愛していただく、そういう視点で周知していくべきではないかと思っております。  ちょっと時間が押してまいりましたので、都市計画公園の見直しについては、割愛させていただきます。  次に、都市計画区域についてお伺いいたします。  本市は合併後10年を迎えましたが、いまだに合併前の旧市町村がそれぞれ決定した線引き、非線引きの都市計画が併存したままの状況が続いております。  旧富山市と旧婦中町の一部は、線引きを行っている富山高岡広域都市計画区域に属しております。合併後の一体感の醸成を図るためにも、本市は都市計画区域を一つにすることが必要と考えられますが、さまざまな理由から都市計画区域を指定する富山県では、富山高岡広域都市計画区域については、平成26年8月、都市計画地域マスタープランの見直しを行い、当面は現行の枠組みを維持されたところであります。  市当局からは、富山高岡広域都市計画区域のあり方についても、現在も県と富山、高岡、射水の3市による都市計画区域の枠組み検討の勉強会を設け、引き続き検討を進めているとお聞きしておりますが、現在の検討状況はどのようになっているのか、お伺いいたします。 84 ◯ 議長(有澤  守君)  京田都市整備部長。 85 ◯ 都市整備部長(京田 憲明君)  ただいま御指摘のとおり、本市には現在4つの都市計画区域が合併前から引き続きございます。本来は市町村合併にあわせて一つにするというのが原則だと考えております。このことは一体感の醸成ですとか、あるいは「お団子と串の都市構造」のまちづくりを進めるためにも望ましいものと思っております。  しかし、本市の一部が富山高岡広域都市計画区域に属しているため、まずは、その都市計画区域のあり方について検討することを目的に、県と富山、高岡、射水の3市による都市計画区域の枠組み検討の勉強会が設けられ、昨年度は3回、今年度になって1回の勉強会が開催されております。  昨年度の勉強会では、本市の状況と類似する県外の事例などについて調査してきたところであります。今年度の勉強会では、各市のまちづくりに関する取組み方針が報告され、本市からは、今年度に立地適正化計画の策定に取り組むことや(仮称)富山南都市計画区域の再編についての説明を行ったところであります。  しかしながら、現在のところ、3市のまちづくりの考え方には、それぞれに大きな隔たりがあることから足並みがそろわず、なかなか先へ進めない状況にあります。県におかれましても、とりあえず現行の枠組みのままで、富山高岡広域都市計画区域の計画を更新・継続されましたので、あり方の検討を急ぐ状況にはないように感じております。  市といたしましては、次の見直しに向けて、線引き制度の効用、地区計画や特定用途制限地域の活用、新たな土地利用に関する規制や誘導方策の研究、税制との関係や、より実効性の高い広域調整の手法の検討など、検討すべき課題が山積していると考えており、これらの議論が深まるよう、引き続き、県や2市に働きかけてまいりたいと考えております。 86 ◯ 議長(有澤  守君)  38番 柞山 数男君。 87 ◯ 38番(柞山 数男君)  ことしの6月のまちづくりと公共交通対策特別委員会において、市当局より八尾、大沢野、大山都市計画区域の統合にあわせて、婦中地域のいわゆる白地の部分を都市計画区域へ編入して、仮称ではありますが、富山南都市計画区域とする方針が示されております。その背景や目的について改めてお聞かせください。 88 ◯ 議長(有澤  守君)  京田都市整備部長。 89 ◯ 都市整備部長(京田 憲明君)  富山高岡広域都市計画区域の見直しについては、今ほども申しましたように3市で勉強会を設けておりますけれども、どうもこれは検討に時間がかかりそうだということから、県では、富山高岡広域都市計画区域については、現行の枠組みを維持するとされたところでございます。  これを受けて市では、当面の措置として、八尾、大沢野、大山都市計画区域を統合し、(仮称)富山南都市計画区域として再編することが必要と考え、県と協議を始めたものであります。  あわせて、今回、都市計画区域外である婦中地域の一部を(仮称)富山南都市計画区域に取り込むこととしております。これによって、この地域でも都市計画による土地利用のコントロールが一定程度可能となり、住宅、工場、農地などが混在することによる住環境や営農環境の悪化、それに伴う周辺住民のトラブル発生などの懸念が減少されることになると考えております。 90 ◯ 議長(有澤  守君)  38番 柞山 数男君。 91 ◯ 38番(柞山 数男君)  この都市計画区域の再編によって、都市計画法などによる土地利用などの制限は、どの地域でどのように変わるのか、具体的に教えていただきたいと思います。 92 ◯ 議長(有澤  守君)  京田都市整備部長。 93 ◯ 都市整備部長(京田 憲明君)  八尾、大沢野、大山都市計画区域につきましては、一体になることに伴い、都市計画区域の名称などは変更となりますが、都市計画法などによる土地利用の制限に変更はございません。  今回、都市計画区域に編入される予定の婦中地域の一部につきましては、都市計画法や建築基準法による制限が新たに適用されることとなり、建築物の建蔽率や容積率、敷地の接道義務や斜線制限など、防災面や周辺環境への影響を考慮した規定への適合が必要になってきます。  このことにより、建築確認申請手続について、これまでは、病院や大規模店舗などの特殊な用途や構造の建物を建築する際にのみ必要でしたが、編入後は、一般住宅などの建築にも建築確認申請手続が必要となります。  また、工場や商業施設、住宅をつくるため農地などを造成する開発行為では、これまで、1万平方メートル以上の開発行為を行う場合、許可が必要でしたが、都市計画区域になると、3,000平方メートル以上の開発行為から許可が必要となります。  これらのことから、個別の建築や開発行為では、それぞれ申請手続などが必要になりますが、地域の環境やまちづくりの観点からは、建築のルールや土地利用の基準が適用され、無秩序な開発などが制限されることで、良好な環境の維持保全が可能となると考えております。 94 ◯ 議長(有澤  守君)  38番 柞山 数男君。 95 ◯ 38番(柞山 数男君)  富山高岡広域都市計画区域の区域区分、いわゆる線引きの見直しを一方で進めておられますけれども、本市では公共交通沿線に居住誘導を図り、公共交通を軸としたコンパクトなまちづくりをさらに進めることや、不足する企業団地の確保を図るため、現在候補地となっております東富山駅、呉羽駅、鉄道沿線地区や富山西インターチェンジ周辺の地区を市街化編入することは重要なことと考えておりますが、現在、その見直し作業についてはどのような状況になっているのか、あるいは今後どのような見込みなのか、お聞かせください。 96 ◯ 議長(有澤  守君)  京田都市整備部長。 97 ◯ 都市整備部長(京田 憲明君)  現行の枠組みでの富山高岡広域都市計画区域の中で進められております線引き見直しのお尋ねでございますが、これにつきましては、県から富山、高岡、射水の3市に対して、編入要望箇所の取りまとめ依頼がありまして、昨年の7月末に本市として候補地を要望したところであります。  本市の候補地としては、住居系の要望箇所として、公共交通を軸とした拠点集中型のコンパクトなまちづくりを進めるため、今ほど議員からお話がありましたが、鉄道駅周辺での区域を7カ所、合わせて約150ヘクタールを候補地として要望しております。しかし、県と北陸農政局で調整した結果、今回の線引きで見直される住居系の編入面積は、3市合計で約60ヘクタールとなっており、当然ながら全ての地区が編入できるわけではありません。  また、工業系の要望箇所としては、富山西インターチェンジ周辺での区域約30ヘクタールを候補地として要望しております。県では、3市から要望した編入箇所について、地元の開発意欲や農地の状況等を勘案し、さらに候補地を絞り込んだ上で、土地利用の現況や開発計画、市街化区域編入への必要性などを記載した調書を作成し、現在は、県が北陸地方整備局や北陸農政局などの関係機関と協議・調整を行われているところでございます。  市街化区域に編入される具体的な地区については、まだ協議中であり、定まっておりません。関係機関との協議・調整には、もうしばらく時間がかかるようですが、順調にいけば、来年平成28年の夏ごろに富山県都市計画審議会の審議を経て市街化区域に編入する箇所が決定する予定であります。 98 ◯ 議長(有澤  守君)  38番 柞山 数男君。 99 ◯ 38番(柞山 数男君)  来年の夏を目途にしておられるわけでありますが、このことの底辺は、富山高岡広域都市計画区域の中で仕事をするということであります。  一方、合併後、10年たったわけでありますが、1つの自治体については都市計画というのは1つであろうと。今までは、線引き、非線引きを併合して4つあったわけで、加えてまだ白地もあったということでありますが、今回の見直しで2通りになると。線引き、非線引きが同時に存在する、加えて富山高岡広域都市計画区域の中にも入っているという状況があるわけでありますが、少し懸念されるのは、南部地域を一つにまとめるということは、行く行くは全市を線引き区域に入れるための準備作業ではないかというふうにも取られかねないとも思っておりますが、現在考えられることについて、答弁いただけますか。 100 ◯ 議長(有澤  守君)  京田都市整備部長。 101 ◯ 都市整備部長(京田 憲明君)  先ほども申しましたが、市町村合併をした場合には、本来は市域全体を1つの線引き区域にするというのが原則となっております。  ただ、富山市の場合は非常に市域面積も広い中で、必ず1つにしなければならないかというと、それはそうでもないかなという考え方も当然ございます。  それから、1つにしますと、線引き制度をどうするのかという非常に難しい問題などもあります。  線引き制度にあわせては、先ほど冒頭に御質問がありました固定資産税都市計画税の話にもかかわってまいります。いろいろな検討課題がありますので、幸いといいますか、一旦県のほうでは富山高岡広域都市計画区域を当面継続して、今の枠組みでしばらくいくということにされましたので、この機会にいろいろな観点から検討して、恐らく次の富山高岡広域都市計画区域の10年の見直しの中でそれぞれ3市の思いというのが出てくると思いますが、そういうものを総合的に検討しながら、どういう形が一番いいのかということを探していくのだと思っています。今の段階で線引きを前提に1つにするということを考えているわけではございません。 102 ◯ 議長(有澤  守君)  38番 柞山 数男君。 103 ◯ 38番(柞山 数男君)  合併された自治体で線引き、非線引きが共存するところについて、線引き区域に統一されたということについても、期間的には7、8年かかってようやくたどり着いたということがあります。  今ほど部長が言われたように、都市計画税の問題もありますし、一方で、市街化区域にある農地については宅地並み課税ということで、農地にもかかわらず大変高い税金を納めておられるところもありますし、また、調整区域については、自分で建てたいものが建てられないという状況も、私の地元の朝日地区にも見られるわけでありまして、そういうことが共存するわけであります。  そういう意味におきましても、相当の周知期間とどうしていくかという市域全体のマスタープランというものがはっきりしないと、なかなか踏ん切りがつかないわけでありますが、先般の記事で市長は、5年以内に何とかめどを立てたいといったような話をお聞きしたわけでありますが……このことについての森市長の見解をお聞かせいただきたいと思います。 104 ◯ 議長(有澤  守君)  森市長。 105 ◯ 市長(森  雅志君)  線引き制度は昭和46年の都市計画法によって富山高岡広域都市計画区域の中にも導入されて、編入に新たに入ったところ、あるいは舟橋村のようにそこから除外したところもありますし、いろいろな変遷があります。この問題は簡単には結論を出せない大変難しい問題だと思っております。  一方、合併から10年だからということよりももっと大事な要素は、人口が減っていくということです。人口が減っていく中で、市街化区域を拡張していくということが、本当にどこまで妥当なのかということの根本的なところからしっかり議論をしなければいけないと思います。  一方、その外であっても、日々の生活の営みという中に必要な開発ということはどうしてもあるわけで、そのことについての要請というものと、人口減少していく中でのまちづくりの方向性をどうするかという根本からきちんとした議論をしていくということだろうと思いますので、5年や10年で答えが出せるような問題ではなく、もっと複雑でもっと困難な作業だというふうに思います。その間に、そもそも都市計画法自体のあり方というものが変化していくこともあり得るかもしれないというくらいの視点でものを見ていくことが大事なのかなと、個人的には思っております。 106 ◯ 議長(有澤  守君)  38番 柞山 数男君。 107 ◯ 38番(柞山 数男君)  少し安心をいたしました。今の状況の中で、やはりコンパクトシティをはじめ、都市機能をさらに一日も早く進捗させることが肝要だろうというふうに思っております。一層の森市長の手腕に期待をしているわけであります。  次の質問に移りますけれども、富山市農林漁業振興計画についてお伺いいたします。  時間が押し迫っておりますので、まず、平成19年2月に策定された本市の農林漁業振興計画の意義についてお伺いいたします。 108 ◯ 議長(有澤  守君)  上田農林水産部長。 109 ◯ 農林水産部長(上田 修正君)  富山市農林漁業振興計画は、本市における食料の安定供給と市域の環境保全を図ることを目的に、農林漁業の振興策を定めたものであります。  この振興計画における主要な方策としては、1つに、地域特性に応じた段階的な農業構造改革の推進、2つに、地場農林水産物の販売促進活動を市域全体で行うとれたてネットワークの推進、3つに、担い手不足等に対処するための多様な人材の育成を図る営農サポートセンター事業の推進、4つに、市民参加による里山整備の推進などを掲げており、本市農林水産業振興の指針となっております。 110 ◯ 議長(有澤  守君)  38番 柞山 数男君。 111 ◯ 38番(柞山 数男君)  この振興計画については、数値目標を定めていると思いますが、農業に関する主な項目の数値目標の達成状況についてお伺いいたします。 112 ◯ 議長(有澤  守君)  上田農林水産部長。 113 ◯ 農林水産部長(上田 修正君)  農林漁業振興計画の農業に関する分野では、農地の集積による経営の効率化や法人化による組織強化など、ビジネスとしての農業の確立を目指すこととしております。  関連する主な数値目標の達成状況につきましては、法人化された経営体数については、平成28年度目標60経営体に対し、平成26年度末で77経営体、認定農業者数については、目標350経営体に対して346経営体、新規就農者数については、目標20人に対して72人、農業サポーター登録者数については、目標600人に対して577人となっており、既に数値目標を達成済みまたは達成見込みとなっております。  一方、水田農業における認定農業者等の面積シェアにつきましては、計画策定時の15%から平成26度末には39%と増加しておりますが、目標数値の70%の達成は難しい状況となっております。 114 ◯ 議長(有澤  守君)  38番 柞山 数男君。 115 ◯ 38番(柞山 数男君)
     平成28年度が最終年度目標で今ほど言われたとおりでありますが、面積的にはほど遠いということであります。策定されたときは、品目横断、いわゆる個人経営者4ヘクタール以上、営農組合20ヘクタール以上という、ある意味、日本農政の大転換を迎えたときの計画でありました。それ以後、直接支払制度なり、あるいは今TPPが交渉されております。あるいは国の生産調整が廃止されて、農家で調整するということにも変わってまいりますし、農業共済制度も経営の保険制度に移行するということも現在審議されているわけでありますが、こうした状況の中で、次期計画について平成19年に現計画を策定された段階とは大幅に状況が違うわけでありますが、このことについての意識、認識についてお伺いいたします。 116 ◯ 議長(有澤  守君)  上田農林水産部長。 117 ◯ 農林水産部長(上田 修正君)  農業をめぐる情勢は、近年大きく変化しておりまして、「農林水産業・地域の活力創造プラン」では、コメ政策の見直しや日本型直接支払制度の導入など4つの改革が示され、昨年度から実施されております。  また、本年3月には新たな「食料・農業・農村基本計画」が決定され、「農林水産業・地域の活力創造プラン」と同様に、農業や食品産業の成長産業化を促進する産業政策と、多面的機能の維持・発揮を促進する地域政策の2つの視点で今後の農政を進めていくこととされております。  今ほどおっしゃいましたように、このような中で、コメの生産調整の見直しについて制度が大きく変わりそうなことになっておりますし、TPPにつきましても、現在交渉中でありまして、今後どのように進展するか不透明でありますが、妥結内容いかんによっては影響があると考えております。  また、農業共済制度につきましても、今おっしゃいましたように、収入保険制度の導入に向けた調査が行われているところでございます。  これらのことにつきまして今後の国の動向を注視していくとともに、県や農協などの関係団体、機関と連携を図りながら、適切に対応していく必要があるものと考えております。 118 ◯ 議長(有澤  守君)  38番 柞山 数男君。 119 ◯ 38番(柞山 数男君)  押し迫ってまいりましたが、前回の計画については、相当前から周知して計画を立てておられますが、先般31日に総合計画審議会も開催されたわけでありまして、これに呼応するように各部局の一つの本市の農林漁業振興計画もあるわけでございまして、少しスピード感が遅いと思っております。どうかこの激変の時代を迎えて、新しい10年間の計画を真摯に、真剣に取り組んでいただきたいというふうに要望をしておきます。  次に、改正農業委員会法、改正農地法についてお伺いいたします。  今回の改正農業委員会法、改正農地法について、市の農業委員会としての見解をお伺いいたします。 120 ◯ 議長(有澤  守君)  前田農業委員会事務局長。 121 ◯ 農業委員会事務局長(前田 善一君)  農業を取り巻く環境は、担い手不足や農業者の高齢化、耕作放棄地の増加など多くの課題を有しております。このような中、国においては競争力ある農業、魅力ある農業をつくり、農業の成長産業化を実現するため、農業改革が進められてきております。  今回の農業委員会法の改正は、これらの流れを受けたもので、その内容としましては、1つには、農業委員の選出方法の公選制から議会の同意を要件とする市町村長の選任制への変更と、委員の過半を認定農業者とすること、2つには、地域における農地利用の最適化や担い手の育成・発展への支援を推進するための農地利用最適化推進委員の新設、3つには、農業会議の農業委員会ネットワーク機構への組織変更と農業委員会業務へのサポート機能の強化などであります。  また、農地法の改正では、農地の所有が認められている農業生産法人の農地所有適格法人への呼称の変更と、役員の農作業従事要件や、農業者以外の構成員の議決権の割合要件の緩和などであります。  これらの法改正により、農業委員会の主たる使命である農地の担い手への集積・集約化、耕作放棄地の発生防止・解消、農業への新規参入の促進など農地利用の最適化を一層推進できるものと考えております。 122 ◯ 議長(有澤  守君)  38番 柞山 数男君。 123 ◯ 38番(柞山 数男君)  今回の改正の中で、農業生産法人から農地所有適格法人、いわゆる企業参入の要件を緩和したということでありますが、先ほど申されたとおり、農業の成長産業化を目指すための企業参入を期待するものでありますが、本市のそういうことに対しての取組み、考え方についてお伺いいたします。 124 ◯ 議長(有澤  守君)  上田農林水産部長。 125 ◯ 農林水産部長(上田 修正君)  本市では、平成21年の改正農地法等の施行により、企業等の農業参入が容易になったことから、地域が安心して企業等を受け入れ、企業等も継続的な農業活動ができるように、平成22年度から市が立会人となり、農地所有者と参入企業が協定を結ぶ地域営農協定制度を創設したところであります。  これまでは3社が地域営農協定を結び農業に参入しており、その他に参入した事例が5件となっております。しかしながらここ2、3年は、農業参入のための相談件数は減少傾向となっております。今回の要件緩和によって、農地を所有し農業に参入しようとする法人が増加するかどうかはわかりませんが、市としては今後とも、企業等を対象とした相談窓口の設置や農業参入のための講座を開催するなど、支援に努めてまいりたいと考えております。 126 ◯ 議長(有澤  守君)  38番 柞山 数男君。 127 ◯ 38番(柞山 数男君)  あと4分でございまして、今回の改正の中で地方分権改革で農地の転用許可権限がそれぞれの市町村に移譲されるということであります。この指定基準を満たす市町村からの申し出、内容を審査した上で指定するということになっておりますが、その場合、富山市として指定に向けて前向きに進めるのか、市に権限移譲された場合のメリットなど、どのような期待をされるのか、森市長にお伺いいたします。 128 ◯ 議長(有澤  守君)  森市長。 129 ◯ 市長(森  雅志君)  農地転用許可の権限移譲については、地方6団体がこれまでも長く国に対して求めてきたことです。特にこの2年余の間、私は地方分権改革有識者会議の議員として、この問題にかなりかかわってまいりましたので、結果として今国会において、第5次地方分権一括法が可決され、その中でこの権限移譲がなされたことは大変意義深いと思っておりますし、個人的にも非常に感慨深いものがあります。  今までも2ヘクタールまでは都道府県知事に農地転用許可権限があったわけですけれども、2ヘクタールを超え4ヘクタールまでについて、ここも知事に権限があり、農林水産省との協議が必要となされていたわけですが、この部分の協議が要らなくなったということは、大変重要な意味を持っていると思っておりまして、ここが第1点目です。  それからもう1つは、4ヘクタールを超えるものについては、国の許可権限であったものが都道府県知事に権限移譲されると。しかしこの場合は国との協議が必要ということが残っているというポイントです。  したがって、2ヘクタールまでと、2ヘクタールから4ヘクタールまでと、4ヘクタールを超えることについて大分違いますが、少なくとも4ヘクタールまではかなりスピード感が出ると思いますので、都道府県知事でできるということです。  さらに、指定を受けた市町村は、県と同じ機能を有することができるという改正であります。しかし、どういう要件を満たすと指定を受けられるかということはまだ明らかでありませんので、ここは注視していく必要があると思っていますが、必ずしもそうだからといって指定を受けるということに向かってだけ考えていくのではいかがなものかと思っています。つまり、事務量にたえ得るのかとか、経験を持っていない中で、きちんとした対応ができるのか、例えば、知事に権限があったままであっても、今までよりはスピード感が出るわけですので、そのことをどう評価するか、あるいは県と市において事務処理特例をやって、一部で事務を経験していくということなどの手法もあるかなと思いますので、現在のところまず2つあって、1つは手続の要件化というものを見きわめていくことと、そのことによって果たして積極的に手を挙げていくことがいいことなのかどうかということを、あまりはやらず落ちついて考えていく必要があると思っています。 130 ◯ 議長(有澤  守君)  38番 柞山 数男君。 131 ◯ 38番(柞山 数男君)  手挙げ方式というか、来年4月だったと思いますので、腹を決めるのに猶予がないと思いますが、しっかりお取り組みいただきたいと思っております。  質問を終わります。 132 ◯ 議長(有澤  守君)  これで柞山議員の一般質問及び議案の質疑を終了いたします。  21番 宮前 宏司君。 133 ◯ 21番(宮前 宏司君)  平成27年9月定例会に当たり、自由民主党より、一般質問並びに議案の質疑を行います。  ことしの夏はお盆までの記録的な猛暑日が続き、コメなどの農作物被害が心配されましたが、例年よりも収穫時期が少し前倒しにはなったものの、コメの作況指数については平年並みかそれ以上とのことであり、全農富山県本部の概算金が前年よりも引き上げられたことなどもあわせて、農家の皆さんにとって文字どおり実りの多い秋となることを期待していたところでありますが、長引く8月末からの秋の長雨で、せっかく収穫期を迎えているコシヒカリの刈取りができずに気をもんでおられる農家も多い昨今ではないかと心配をいたしております。  いずれにいたしましても、一日も早く、からっと晴れ渡った秋空が顔をのぞかせ、国の農業政策の大幅な方向転換や、米価の立て続きの落込みなどたび重なる逆風の中でも一生懸命に頑張っておられる本市農業の担い手の皆さんが、少しでも報われるような秋の到来を強く期待するものであります。  また、八尾地域から出させていただいている関係もありまして、北陸新幹線開業後初となる、ことしの9月1日から3日のおわら風の盆本番で、富山駅の高架化工事などの影響で、JR西日本の車両調達が例年を下回るとお聞きしていた関係などもあって、富山駅周辺や八尾のまちなかで「おわら難民」とでもいいましょうか、宿泊先や帰りの交通手段が確保できない観光客の方々が難儀をされるのではないかと心配をいたしておりましたが、幸いことしの風の盆の3日間が平日であったこと、あるいは雨が途中降ったりしたこともありまして、そういったトラブルはなく、例年を上回る人出でにぎわう中、無事にことしのおわら風の盆行事が終了できたことを大変ありがたく感じているところであります。  改めて申し上げるまでもなく、おわら風の盆は本市を代表する全国的にも有名な伝統行事であり、本市の観光やシティプロモーションにも大きく寄与しているイベントであると考えておりまして、来年以降、一日一日開催日が週末にずれ込んでいきますので、それらのこともあわせて考えていただいて、せっかく富山を訪れられた多くの観光客の皆さんやおわらファンの皆さんに満足して帰っていただけるよう、関係部局におかれましては、ぜひ地元の観光協会やおわら風の盆行事運営委員会、JR西日本などの交通関係者の皆さんとも綿密な連携をとっていただいて、万全の体制で新幹線時代を迎えた中でのおわら風の盆行事に対応していただくようお願いをいたしまして、以下、質問に入らせていただきます。  初めに、G7環境大臣会合についてお尋ねいたします。  2016年5月26日から27日まで三重県賢島で開催される主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)に先立って行われる閣僚会合のうち、環境大臣会合が平成28年5月15日、16日の2日間の日程で本市の富山国際会議場で開催されることが発表されました。このことは、富山市がこれまで環境モデル都市や環境未来都市、さらには国連のエネルギー効率改善都市に選定され、取り組んできたことが高く評価されたものであり、大変に喜ばしいことと考えております。  そこで、まず初めに、今回環境大臣会合が本市で開催されることに決まったことについて、これまで環境モデル都市施策や環境未来都市構想を先頭となって進めてこられた森市長の所感を改めてお聞かせ願いたいと思います。 134 ◯ 議長(有澤  守君)  森市長の答弁を求めます。 135 ◯ 市長(森  雅志君)  議員も御指摘いただきましたとおりでございまして、G7環境大臣会合の開催地に決定していただいたことは大変光栄なことだと思っております。全国で幾つか担当大臣会合が開かれるわけですが、それぞれの都市にはそれぞれの都市の特徴があって、施策の充実というものがあって、そのそれぞれを国において評価されて選定をいただいたものと思っております。  特に富山市の場合、「環境」という領域での選定をいただいたということは、やはり今お話のあったように、環境モデル都市、環境未来都市として取り組んできたことを、国の施策としてその他やってこられたことの中の、いわばトップランナーとして指定をいただきながら取り組んできたことの評価だろうと思います。  特にコンパクトシティ政策については、OECDから世界の先進5都市の1つとして取り上げていただきました。このことがきっかけとなって、国際会議にしばしば呼ばれるようになりました。そして、そこでの評価をいただいたことから、国際連合SE4Allのエネルギー効率改善都市に指定をされ、さらにはロックフェラー財団の100のレジリエント・シティに国内で唯一選定されてきたわけで、こういった国際機関から高い評価をいただいたことが背景にあると私自身も思っております。  あまり外で言うことではありませんが、個人的な感想としては、去年の9月、SE4Allから帰ります成田空港までの飛行機の中で、隣の席が望月環境大臣でして、いろいろとお話しできたことが、いい印象を持ってもらえたかなと個人的に思っていますが、そんなことで決まるはずがありませんけれども──冗談ですが、しかし、開催に当たってこれからどうしていくかということが大変大事ですので、国、県としっかりと連絡をとりながら、市として果たすべき役割をしっかり果たしていきたいと思いますし、市民の皆さんにもこのことを正面から受けとめていただいて、市を挙げて「おもてなしの心」で運営していくということに尽くしていきたいと思っております。 136 ◯ 議長(有澤  守君)  21番 宮前 宏司君。 137 ◯ 21番(宮前 宏司君)  最後に、市を挙げたおもてなしづくりという大変すばらしいお言葉もいただきました。  今の答弁の中にも出てきましたが、望月環境大臣は、去る8月12日にセントラムに乗車されるなど、本市のまちづくりを視察されたと報道されておりました。  そこで、市長にお伺いしますが、改めてそういった機会を捉えて環境大臣会合の開催地として、望月環境大臣にどのように評価されたのか、市長からお聞かせいただきたいと思います。 138 ◯ 議長(有澤  守君)  森市長。 139 ◯ 市長(森  雅志君)  御指摘のように、8月12日に大臣みずから富山へおいでいただきまして、富山市の環境施策のいろいろなところを御視察いただきました。私も大臣に同行し、例えば公共交通まちづくりインフォメーションセンターにおいて、本市の公共交通を軸とした拠点集中型のコンパクトなまちづくりの説明をさせていただいたほか、セントラムにも一緒に乗車していただいたところであります。  また、郊外の地域をどうするのかといった点において、廃棄物から生まれるエネルギーを有効活用した富山スマートアグリ次世代施設園芸拠点も視察していただきました。そこではフルーツトマトを何個も食べていただいて、取組みの実をしっかり受けとめていただいたと思います。  大臣からは、「富山市の取組みは環境の面から見ても大変すばらしい」という御評価をいただきました。「まさにG7環境大臣会合の開催市としてふさわしい」というお言葉もありました。「世界的に既に認知されている都市である」という御評価もいただきました。そして最後には、「日本全国の自治体が富山市をお手本として取り組んでほしい」といったお言葉もありましたので、富山市のことを随分高く御評価をいただいたものと考えております。 140 ◯ 議長(有澤  守君)  21番 宮前 宏司君。 141 ◯ 21番(宮前 宏司君)  今の市長の答弁にもあったように、大きな期待が富山市に寄せられているわけですが、この後、この環境大臣会合を開催されるに当たって、さまざまな準備や調整など御苦労も多いかと思われます。成功裏にぜひ終わっていただきたいと思うわけですが、今後、市としてどのような準備を行っていかれるのか、お伺いをしたいと思います。 142 ◯ 議長(有澤  守君)  森市長。 143 ◯ 市長(森  雅志君)  基本的には、国において内容を決定されていくわけですので、今詰めの作業を行っておられると伺っております。その中で、まだ、具体的に市の役割はこの部分だということのお話がありませんので、これから順次決まっていくものと思っております。  ただ、過去の例などを調べてみますと、閣僚会合だけではなくて環境関連施設などをめぐるエクスカーションですとか、あるいはサイドイベント、歓迎行事、レセプション、その他やらなければならないことがたくさんあるわけでありますので、今後、国や県と連携しながら市としてしっかり役割を果たしていきたいと思っております。  窓口が何本か複数になっていくと、やはり混乱が起きることが容易に予想がつきますし、警備の問題もありますので、先般大臣に来ていただいたことのお礼を申し上げに行きました際には、まずは、国、県、市というふうに情報が流れてくるという形が望ましいのではないかという意見を申し上げてきました。  それから、職員の派遣についてお話がありましたので、環境省へ「2016年G7環境大臣会合」開催準備室に派遣をするように準備を進めているところであります。 144 ◯ 議長(有澤  守君)  21番 宮前 宏司君。 145 ◯ 21番(宮前 宏司君)  ありがとうございます。ぜひしっかりと準備を整えていただいて、万全の体制で臨んでいただきたいと思います。  次に、環境未来都市構想について、初めに、環境未来都市の国際展開についてお伺いいたします。  森市長は、平成26年3月にプロジェクトチームメンバーである企業の皆さんと一緒に、インドネシア共和国バリ州タバナン県を訪れられ、タバナン県での再生可能エネルギーを活用した農業活性化プロジェクトの事業実施に関する協力協定を締結されました。  この協力協定を機に、プロジェクト構成企業が、独立行政法人国際協力機構(JICA)の中小企業海外展開支援事業の案件化調査の申請を行っておられたところですが、以前の議会でも何度か質問しましたが、なかなか採択がおりなかったのが、ようやくこの7月16日付で採択されたことは大変すばらしいと思いますし、この間の森市長はじめ関係各課の皆さんの粘り強い御尽力に深く敬意を表するものであります。  同時に、今回のJICAの事業採択を受け、今後、タバナン県での事業が順調に推移することで、小水力発電を活用した農村活性化モデルが海外で普及展開することを強く期待しているところであります。  そこで、タバナン県での国際展開プロジェクトについて、今後のスケジュール及び事業展開の見通しについてお聞かせください。 146 ◯ 議長(有澤  守君)
     本田環境部長。 147 ◯ 環境部長(本田 信次君)  今後のスケジュールといたしましては、JICAとこのプロジェクトを構成する共同企業体の代表企業との間で業務委託契約を締結した後、小水力発電設備の設置に向けた現地踏査や測量、ヒアリングなどの調査事業を約1年かけて実施する予定となっております。  その後、この調査事業の結果を踏まえまして、普及実証事業といたしまして、引き続きJICA資金を活用して、現地に環境配慮型の発電機を設置し、小水力発電の効果や維持管理のノウハウ等に関する地元の人々の理解を深めていくこととしております。  市といたしましては、地域経済の振興やタバナン県における電力不足の解消など、双方にとりまして大きなメリットが期待できることから、今後も着実にこの事業を進めてまいりたいと考えております。 148 ◯ 議長(有澤  守君)  21番 宮前 宏司君。 149 ◯ 21番(宮前 宏司君)  ぜひ順調にいくように、今度は普及用のJICAのほうも頑張ってください。  本市とマレーシア国のイスカンダル地域開発庁においても、本年2月に同国ジョホール州ジョホールバル市で開催された環境未来都市構想推進国際フォーラムの際に、協力協定が締結されたと聞いておりますが、この協定に基づき、今後どのような事業を展開されるのか、お聞かせをいただきたいと思います。 150 ◯ 議長(有澤  守君)  本田環境部長。 151 ◯ 環境部長(本田 信次君)  今後の事業展開といたしましては、本市におきまして、来る10月下旬に、富山市、イスカンダル地域開発庁、ジェトロ富山との3者の共同主催によりまして、市内企業等を対象といたしまして、イスカンダル地域への国際展開セミナーを予定しているところであります。  このセミナーには、マレーシアのイスカンダル地域の政府関係者及びイスカンダル開発地域の民間企業が富山市に来訪されまして、本市の環境未来都市プロジェクト関連企業等とのビジネスマッチングを行いまして、地域産業の振興を創出するものであります。  さらに、来る10月27日及び28日に本市で開催を予定しております「環境未来都市構想推進国際フォーラム」及び国連の「SE4Allフォーラム」において、パネリストといたしまして、イスカンダル地域開発庁長官の招聘を予定しているところであります。 152 ◯ 議長(有澤  守君)  21番 宮前 宏司君。 153 ◯ 21番(宮前 宏司君)  立て続けに一生懸命頑張っていただいておりますが、こういった国際貢献をすることは私も非常に大事なことだと思っておりますが、真剣に先頭に立ってやっておられる市長に改めてお聞かせをいただきたいと思うのですが、富山市に対するメリットというものをどのように捉えておられますか。 154 ◯ 議長(有澤  守君)  森市長。 155 ◯ 市長(森  雅志君)  まず、環境未来都市に指定をされたから、それでゴールというわけではないわけですので、幾つものコンソーシアムをつくって、いろいろな事業に取り組んでいますが、一つ一つのコンソーシアムの事業の熟度を上げていく必要があります。  環境未来都市に課されている使命の1つは、国際展開ということがありますので、そのことが着実に歩が進んできたということは大変意義が深いと思っております。これによって、市内にある仮に小さな企業であっても、高い技術水準のものを持っている企業が海外展開されることによって大きなモチベーションが生まれますし、技術が普及することによって、新たなビジネスチャンスというものも生まれてくるだろうということを期待しているわけです。  さらには、環境未来都市としての役割を果たしていくことによって、シティプロモーション効果は大変大きい。今、国際的にも富山市の知名度が着実に広がってきておりまして、その結果、特に最近カップルや少人数での外国人の方の来街者が増えているということを感じておりますので、そういう意味での市にもたらされてくる影響は大変大きいと思います。  そして、そのことによってもたらされる最大の効果が、市民のシビックプライドです。矜持を持つ、自分のふるさとに誇りを感じる、自信を持つ、そして周りの人に語っていく、それが市の底力となっていくと思っております。  一方、東アジアにこれからたくさんの地域で、過去に例のないようなスピードで人口減少、超高齢化ということが現実になってくる都市が生まれてきます。今まさに我が富山市は、世界の中からそのトップランナーとしての対応について評価されているわけですから、このことをさらに磨いていくことによって、そしてあわせてエネルギー効率の改善も含めた取組みということが、いろいろな国の抱える課題解決の一助になる、その役割を果たしていきたいということもあわせて申し上げたいと思います。 156 ◯ 議長(有澤  守君)  21番 宮前 宏司君。 157 ◯ 21番(宮前 宏司君)  市民のシビックプライドの醸成、さらにはこれから起こり得る人口減少、超高齢化時代のトップランナーとして頑張っていきたいという大変すばらしい答弁をいただきました。  そこで次に、ミラノ都市食料政策協定への参加についてですけれども、この食料政策協定については、本年10月にミラノ市において署名式が予定されており、本市も招聘を受けているとのことでありまして、今定例会にもその関連予算が計上されております。  そこで、このミラノ都市食料政策協定とはどのようなものなのか、お聞かせをいただきたいと思います。 158 ◯ 議長(有澤  守君)  本田環境部長。 159 ◯ 環境部長(本田 信次君)  このミラノ都市食料政策協定は、ミラノ市長の提案によりまして、世界の各都市へ参加の呼びかけがなされたものであり、例えば、健康によく、手に入りやすい食料の供給でありますとか、気候変動による農作物等への影響の最小化、さらには、食品の安全性の確保や食料廃棄物の削減などに努めることで、持続可能な食料システムの維持・発展を目指すものであります。  現在のところ、ローマ、パリ、ロンドン、ニューヨークなど40以上の都市が参加を表明しているところであります。この協定に参加する都市は、それぞれが抱える食料課題をみずからの政策で解決していくことを基本としながら、各都市の取組みの成果を相互に共有していくものであります。  なお、来る10月15日には署名式が行われ、翌16日には、世界食糧デーに合わせまして、国連事務総長やイタリア政府関係者などが一堂に会してPRイベントが予定されているところであります。 160 ◯ 議長(有澤  守君)  21番 宮前 宏司君。 161 ◯ 21番(宮前 宏司君)  今ほどの答弁の中にありましたが、各都市がそれぞれのいろいろな施策を進めていくということですが、富山市においては、今後どのような事業展開を考えておられますか。 162 ◯ 議長(有澤  守君)  本田環境部長。 163 ◯ 環境部長(本田 信次君)  今回の協定への参加は、志を同じくする自治体が情報を共有し、連携することによりまして、その取組みを世界に発信していくことが主たる目的であります。  このことから、今後の事業展開につきましては、本市がこれまで進めてきております持続可能な食料関連産業の創出に向けた農業の6次産業化でありますとか、食料廃棄物の資源リサイクルなどに引き続き取り組んでまいりたいと考えているところであります。  また、こうした取組みを進めるに当たりまして、協定参加都市間のネットワークを生かし、食と健康、環境への影響等に関するグローバルな知見を活用してまいりたいと考えております。 164 ◯ 議長(有澤  守君)  21番 宮前 宏司君。 165 ◯ 21番(宮前 宏司君)  ありがとうございます。環境未来都市構想の最後の質問として、今ほどの答弁の中でもありました農業の6次産業化ということで、エゴマの6次産業化についてお伺いをしたいと思います。  本年5月末に、市長をはじめ行政関係者、民間企業の一団がイタリアを訪問され、ミラノ万博において日本館認定イベントの「Peace Kitchen」に参加され、エゴマの6次産業化について紹介をされました。  また、ミラノ市内において、「環境未来都市とやまシンポジウム」をはじめとするイベントの開催や、エゴマをはじめとする富山産食材を使った富山イタリアンを来場者に提供されるなど、本市の取組みを広く発信することができたことは、大変大きな意義があったものと考えております。  さらに、イタリア食科学大学と本市の間で協定が締結されたことで、共同研究などが進められていくことにも期待をしているところであります。  そこでお尋ねしますが、改めて、エゴマの効能、あわせてエゴマのPRや6次産業化に向けて、富山市として今後どのように取り組んでいかれるのか、答弁をお願いします。 166 ◯ 議長(有澤  守君)  本田環境部長。 167 ◯ 環境部長(本田 信次君)  エゴマの効能でございますが、まず葉っぱでございます。ここにはポリフェノールの一種であるロズマリン酸をはじめ、クロロフィル、ビタミンCなど、抗酸化作用を有する成分が豊富に含まれておりまして、老化の原因となる活性酸素から身体を守る効果があるとされております。  また、エゴマの実からとれる油については、必須脂肪酸である「α-リノレン酸」が含まれておりまして、生活習慣病の予防ですとか、アレルギー疾患の改善に効果があるとされております。  エゴマ油におけるこの「α-リノレン酸」の含有割合でございますが、約60%と、オリーブオイルや他の植物油と比較すると、格段に多く含まれておりますことから、その効能と相まって、現在国内で高い注目を集めているところであります。  次に、エゴマのPR、そして6次産業化に向けての今後の取組みでございますが、まず、エゴマのPRにつきましては、これまでも継続的に学校給食などでエゴマを使用いたしまして、子どもたちに親しんでもらえるよう努めてきておりまして、その様子を市広報などで御紹介してきたところであります。このほか市広報番組や各種イベントにおきまして、エゴマの認知度の向上に努めてきているところであります。  今後は、こうした取組みに加えまして、先ほども申し上げましたけれども、本年10月に開催されます「環境未来都市構想推進国際フォーラム」及び「SE4Allフォーラム」において、エゴマに関するブースを出展いたしまして、海外からの参加者にもPRに努めてまいりたいと考えております。  また、エゴマの6次産業化につきましては、本年5月に締結したイタリア食科学大学との協定に基づきまして、今年度からエゴマを活用したヘルシーなブレンドオイルの開発に向けた共同研究を開始したいと考えております。市といたしましては、この研究の成果が、本市の製薬企業等におきまして、サプリメント等へ応用されることなどにより、今後、エゴマの付加価値が高まり、さまざまな商品開発や販路拡大につながることを期待しているところであります。 168 ◯ 議長(有澤  守君)  21番 宮前 宏司君。 169 ◯ 21番(宮前 宏司君)  私もよくわかっていないのですが、エゴマがいいと言って、私のところの家内も毎朝、サラダに入れております。ぜひこの後、露地栽培に取り組んでおられる農家も出てきているところで、今は環境部所管で6次産業化というような形で進んでいますが、特産化とかいろいろなことになると、農林水産部との絡みも含めて市として全体でどう取り組んでいくかということも出てきますので、答弁をお願いします。 170 ◯ 議長(有澤  守君)  森市長。 171 ◯ 市長(森  雅志君)  農林水産部長は答弁を予定していなかったと思うので。  今も説明しましたが、エゴマの弱点は熱に弱いことと酸化が早いということです。したがって、エゴマオイルをなるべく早くソフトカプセルに入れてしまうということが必要で、実は国の交付金を使って今年度中に民間企業が市内で充填工場をつくられます。搾油の作業についても国の交付金を使ってやります。つまり、出口はしっかり用意できていますので、今、環境部長が言いましたように、それのブランディングをするためにおいて食科学大学でのオーソライズですとか、ミラノ市における取組みを生かしながら、ブランディングしたものを将来イタリアを中心とした食生活の中へも提供できないかということを、実は遠く見据えております。  問題は、入口の部分で作付生産量が小さいので、ここをこれからしっかり育てていく必要があります。したがって、環境部だけでなく農林水産部も、あるいは商工労働部も、さまざまな形でお互いがかかわり合いながら、数年かけてしっかりとした成果につなげていきたいというふうに思っております。 172 ◯ 議長(有澤  守君)  21番 宮前 宏司君。 173 ◯ 21番(宮前 宏司君)  中山間地域でもエゴマをつくってみたら、なかなかうまくいくという話もありますので、産業化につながれば大変すばらしいことだと思いますし、しっかりと研究を続けていっていただきたいと思います。  時間の関係で、あとの質問を少し中飛ばしさせていただくこともありますので、よろしくお願いします。  次に、公共施設の利活用の検討状況についてお伺いいたします。  本市では、公共施設の再編は人口減少や超高齢化により一段と財政状況が厳しくなることが予測される中、将来市民に負担を残さないためにも、必ずなし遂げなければならない喫緊の行政課題として、これまでも公共施設利活用検討チームを中心に、平成24年8月に検討チームがまとめた公共施設の利活用に関する報告書に基づいて着実に取り組んでこられたところであります。  そこで、特に報告書で具体的な見直し方針が示されました48の施設について、既に見直しが完了しているものもあると、昨年の9月定例会で私の質問に対して答弁をいただいておりますが、1年が経過して、その後の進捗状況をお聞かせいただきたいと思います。 174 ◯ 議長(有澤  守君)  今本企画管理部長。 175 ◯ 企画管理部長(今本 雅祥君)  まず昨年の9月段階では、温泉入浴施設の年間使用券の見直しなど4件を含めて12施設で見直しを完了したと答弁を申し上げました。ただし、施設そのものの廃止、統合、あるいは通年開館の見直しなどを行ったものは、その時点で48施設のうち8施設でございました。その後、平成26年度中には猿倉コミュニティセンターの廃止、室牧公民館高熊分館のナショナルスポーツセンターヘの用途変更などによりまして、現時点では48施設のうち10施設で見直しが完了しております。  また、平成27年度中には、牧体育館や錬成館、水橋商工文化会館、農業集落センターの廃止など、新たに10施設の見直しを進めることとしております。  さらに、大沢野文化会館は平成28年度末に、大山文化会館は平成30年度末にそれぞれ閉館する方針について、先ごろ地元自治振興会や関係団体の皆さんと一定の合意ができたところでございます。 176 ◯ 議長(有澤  守君)  21番 宮前 宏司君。 177 ◯ 21番(宮前 宏司君)  かなり具体的に進んでいるということだというふうに、今お聞きして思いました。  そこで、本市の施設の中には、文化ホールですとかスポーツ施設等も含めて、合併前のそれぞれの市町村ごとに整備された類似施設がたくさんありまして、それらの見直しも避けて通ることのできない重要な行政課題の1つだと捉えております。  ただ、これらを廃止あるいは再編されるに当たっては、ぜひそれぞれの施設が建設された歴史的な経緯、あるいは個別施設の持っている地域性や地域住民の皆さんの思いにも配慮していただいて、このことについて取り組んでいただきたいということを、これも昨年の9月定例会で同様に強く提言をさせていただいたところですが、このことについて、簡単でいいですから答弁をお願いします。 178 ◯ 議長(有澤  守君)  今本企画管理部長。 179 ◯ 企画管理部長(今本 雅祥君)
     御指摘のありましたことについても、十分に配意して進めることは非常に大切だと思っております。それと同時に、社会環境の変化等によりまして、公共施設でなければサービスを提供できないのかということや、稼働率から見て一定の使命を果たし終えたのではないか、さらには施設をこのまま維持し続けることが、将来市民にとって過度な負担とならないのかといった点なども含めまして、総合的に勘案して見直しを進める必要があると考えております。  いずれにしても、御指摘の点も踏まえながら着実に再編整備を進めていきたいというふうに思っております。 180 ◯ 議長(有澤  守君)  21番 宮前 宏司君。 181 ◯ 21番(宮前 宏司君)  私も全く部長と同じ考え方でありまして、改めてこのことについて勉強すればするほど、関係者の皆さんの思いというものもありますが、一方においては、広く市民目線でどう捉えるかというようなことも非常に重要なことなのだということを改めて最近強く感じております。  そういう意味で、去る8月30日に、昨年の8月に開催された富山市公共施設の再編について考える講演会に引き続いて、富山市公共施設のマネジメントシンポジウムが市の主催で開催されたことを高く評価するものであります。  私も当日、地元自治振興会長のほか、ほかの役員と一緒に参加をさせていただきましたが、今回のシンポジウムは、上谷企画管理部理事による富山市の公共施設と社会インフラの現状と課題の紹介、そして本年6月に開催された本市と富山青年会議所が主催の「とやままちづくり市民討議会2015」の報告、そして東洋大学の根本教授をコーディネーターとする今本企画管理部長を含む4名のパネリストの皆さんによるパネルディスカッションという3部構成で実施されておりました。  各分野の専門家でもあるパネラーの皆さんからは、1つに、今後、公共施設の再編を進めていくに当たっては、施設の利用者だけではなく広く市民の声を聞く、そのために市民向けのアンケートを実施した自治体も実際にある。2つに、丁寧な情報公開と情報提示が必要、3つに、民間活力やPPP方式の導入、4つに、施設の複合化の検討、5つに、市のコンセプトに沿ったドラスティックな対応が必要など、さまざまな意見が出されておりまして、今本企画管理部長からは、まとめという感じで、施設と行政サービスの分離──先ほどの答弁にもありました──それから公共施設の最適化、若い人の負担減という提言をいただいたという旨の御発言がありました。  そこで、次の質問として、参加者が少なかったことや、当日会場で意見、質問等を求められても声が出なかったことについてどう考えておられるかということを聞く予定にしておりましたが、今後説明会などを開いていかれると思いますので、今回のこの事例も参考にしていただいて、あるいはきょういただいたような提言もしっかりと捉えて進めていただくことをお願いしながら、この締めくくりの質問として、今回のシンポジウムでの専門家の皆さんの提言も踏まえて、今後、本市としてどのようにこの公共施設の再編という大変難しい課題に取り組んでいかれるのか、市長の答弁をお聞かせいただきたいと思います。 182 ◯ 議長(有澤  守君)  森市長。 183 ◯ 市長(森  雅志君)  議員も今お話しいただきましたように、ファシリティマネジメントを進めていくことは、基本的には大変重要で大切なことだということは、まず申し上げておきたいと思います。  今回の期が始まる選挙に際しての公約としてこれを初めて打ち出してまいりました。これは、少子高齢化の中で将来負担をする若者たちが減っていく中で、ツケという大きなものを残していくことを何とか避けていくということが、今の世代を生きる我々の責務だと思っているからであります。  このため、平成23年4月からプロジェクトチームをつくってファシリティマネジメントについていろいろ取り組んできたところであります。しかし、ただ、床面積としてなくせばいいということではないことは十分認識をしております。何度も申し上げておりますが、例えて言うと、地区センターの出先がこれだけの数があるという市の体制はできるだけ崩したくないと思います。基礎自治体の使命として、やはり基本はフェイス・トゥ・フェイスだと思っていますので、そういったことは一方でやりながら、先ほど企画管理部長が答えましたように、役割を終えたのではないか、あるいは稼働率はどうなのか、過去の歴史的な背景を含めて地域の方々の理解が得られるのかということなどを総合的に勘案しながら、丁寧に進めていくことが大事ですし、今までもそういうスタンスでやってきたところです。先ほどの話にもありましたが、ステークホルダーや地元の皆さんの一定の合意が得られたのでと申し上げたのは、まさにそのことであります。  また、今回のシンポジウムでは、根本先生からは、施設がなくなっても機能がなくなるわけではない。どうしたら機能を維持していけるかを考えていくことが必要だという御指摘もありました。さらには、土木インフラというのは統合したり廃止したりはなかなかできない、これは維持費が随分かかる。したがって、そうでないところで知恵を働かせる必要があるという指摘もいただいたところですので、そういったことも市民の皆さんに説明をしながら、先ほども言いましたが、あまり焦らず、じっくりと理解をつくりながら、しかし一定程度、将来の市民のために決断をするときはするというスタンスで臨んでいくことが必要だという思いでおります。 184 ◯ 議長(有澤  守君)  21番 宮前 宏司君。 185 ◯ 21番(宮前 宏司君)  大変真摯な答弁をいただけたものと思っております。ぜひしっかりと一緒になって取り組んでいけたらと思いますので、よろしくお願いいたします。  次に、富山市の福祉に関して1点お伺いいたします。  近年、独居高齢者の孤立死が問題となり、本市においても、民生委員やライフライン事業者などの地域見守り活動等によって孤立死の未然防止に努めておられるところですが、ひとり暮らし高齢者世帯等が増加している状況の中で、身寄りのない独居高齢者が死亡された後の対応について心配される声を最近耳にいたします。  先般、ある校区において、民生委員が訪問された際に独居高齢者が自宅で倒れているところを発見され、救急車で病院に搬送されたものの、数日後、病院で死亡されるという事例が発生いたしました。その民生委員は亡くなった高齢者の方と親しかったこともあって、遺体の引取りや葬儀等のため親類関係を調べるも判明せず、自治町内会等と相談して、大変な御苦労をされながら遺留金品を活用して、自治町内会で葬儀等をとり行われたと伺っております。  今回の事例は、病院内での死亡のため警察の介入による身元調査もなく、民生委員の厚意とボランティア精神によって、身寄りのない独居高齢者の死亡後の葬儀まで取り扱うことができた貴重な事例であります。この民生委員の活動については、改めて大変敬意を表するものでありますが、民生委員の全ての方がこのような業務を行わなければならないというものではなく、民生委員の活動にもおのずから限界があると考えております。  そこで、福祉保健部長にお伺いしますが、身寄りのない独居高齢者が死亡され、その後の葬祭等をとり行う者が誰もいない場合、市としてはどのような対応になるのか、お聞かせください。 186 ◯ 議長(有澤  守君)  橋本福祉保健部長。 187 ◯ 福祉保健部長(橋本 勝広君)  民法上の法定相続人や扶養義務者がいないなど身寄りのない方がお亡くなりになられ、死体の埋葬や火葬を行う者がいないときは、「墓地、埋葬等に関する法律」の規定によりまして、死亡地の市町村長がこれを行わなければならないとされております。  このことから本市では、警察や病院からの連絡を受け、御遺体を引き取り、火葬を行った上で、御遺骨を市営長岡墓地の無縁収骨所に納めているところでございます。 188 ◯ 議長(有澤  守君)  21番 宮前 宏司君。 189 ◯ 21番(宮前 宏司君)  今後さらに高齢化が進展していく中で、今回のような事例が多くなってくることも予想されます。そこで、こうした場合に備えて、民生委員の方々が迅速に対応できるようにするとともに、過度の負担がかからないように、その取扱いと、市における最終的な相談窓口を明確にして、民生委員や各地区センター職員に周知をしておく必要があると考えますが、このことについて当局の見解をお聞かせください。 190 ◯ 議長(有澤  守君)  橋本福祉保健部長。 191 ◯ 福祉保健部長(橋本 勝広君)  近年、地域住民が抱える課題が複雑・多様化する中で、議員御指摘のとおり、民生委員が迅速に対応でき、過度の負担が生じないようにすることが必要であります。  本市といたしましては、今後、身寄りのない方がお亡くなりになられたときの相談窓口は社会福祉課であることや、その対応を明記した手引きなどを作成し、民生委員の研修会や校下・地区会長会などの機会を通じて周知を図るとともに、地区センター職員に対しても、改めてより一層、周知してまいりたいと考えております。 192 ◯ 議長(有澤  守君)  21番 宮前 宏司君。 193 ◯ 21番(宮前 宏司君)  ぜひそのようによろしくお願いしたいと思います。  時間がなくなってきました。最後の質問に入らせていただきます。  北陸新幹線開業から約半年がたちました。新幹線開業直後の富山駅は、駅利用者に加えて見学者も殺到し混雑もありましたが、最近では見学者が一段落したこともあり、お盆の帰省時期の数日を除けば、駅高架下駐車場が満車になることはないと聞いております。  一方で、駅利用者は順調に推移していることであり、お土産物や弁当などを買い求められる人たちで、とやマルシェなど高架下の店舗もそれぞれにぎわっているように見受けられます。  しかし、市民の皆さんの中には、いまだに開業後も駅周辺で工事が続いていることについて、疑問や不満を口にする方も多くおられます。私ども議会では、こういった不満や疑問の声をお聞きするたびに、決して工事が遅れているわけではなくて、在来線高架化事業の採択基準の問題や、北陸新幹線の早期開業への配慮から、現在のスケジュールは最善のものであって、予定どおり進捗しているのだということを説明して御理解をいただくように努めているところですが、行政の立場からも市民の皆様にさらに丁寧にこのことについて説明をし、理解をしていただくことが重要ではないかと考えております。  その意味で、去る8月27日に開催されたまちづくりと公共交通対策特別委員会でこの問題が取り上げられ、その当日、並びに翌日の県内マスコミ報道各社で大きく取り上げられていたことを評価するものであります。  そこで、富山駅周辺整備事業への理解はもちろん、ターミナル駅としての富山駅の役割、あるいは富山駅を中心に放射状に延びる地域交通の利用促進について、さらに周知を図る必要があると思いますが、先日の特別委員会でも、私も含め、ほかの委員の皆さんからもこのような意見がたくさん出ておりましたが、改めてこのことについて京田都市整備部長、よろしく答弁をお願いします。 194 ◯ 議長(有澤  守君)  京田都市整備部長。 195 ◯ 都市整備部長(京田 憲明君)  富山駅が大事なターミナル駅であるので、地域交通いわゆる2次交通の利用促進について、周知が必要だというお尋ねだと思っております。  富山駅というのは、そこで結節する交通機関としては、北陸新幹線、JR高山本線、あいの風とやま鉄道、富山地方鉄道の鉄道線、市内軌道線、富山ライトレールのほか100系統を超える路線バスが放射状に広がっておりまして、市全域から富山駅へのアクセスについて、市民の方々の9割以上が、乗りかえの必要がなく、1本の公共交通機関で富山駅にアクセスすることができるという状況にあって、大変利便性の高いターミナル駅と言えると考えております。  さらに、現在進めています路面電車の南北接続が完成すれば、より一層機能が強化されるものと考えております。こうした利便性の高い公共交通機関を使って富山駅へ来ていただく、あるいは将来の人口減少、超高齢化社会において存続ができるようにしていくためには、まずは現在の市民である我々が率先して公共交通を利用し、公共交通に乗って残すことが重要でありまして、そういう意味で、御指摘のとおり、市民への周知と理解は大変重要だと考えております。  そういうことから、お尋ねの周知活動につきましては、市としては、これまで新聞、テレビ、ラジオ、市ホームページなどのメディアの活用のほか、市内転入者や大学入学者へのマップの配布などに取り組んできたところであり、今後も多様なメディアを活用するなど、機会を捉えて市民意識の向上に努めてまいりたいと考えております。 196 ◯ 議長(有澤  守君)  21番 宮前 宏司君。 197 ◯ 21番(宮前 宏司君)  そこで、この駅周辺整備に関して2点ほど気にかかることがありますので、簡単にお答えをいただきたいと思います。  1点目は、富山地方鉄道の連続立体交差事業の認可がいまだにおりていないということですが、このことについて、富山地方鉄道が一生懸命頑張っておられることは理解しているのですが、他の事業への影響等も心配いたしております。このことについての見解をお聞かせください。 198 ◯ 議長(有澤  守君)  京田都市整備部長。 199 ◯ 都市整備部長(京田 憲明君)  富山地方鉄道の線路は、電鉄富山駅から東側に延びておりますので、富山地方鉄道の連続立体交差事業が完了しなくても、南北自由通路、路面電車の南北接続、富山駅南口、西口、北口の各駅前広場の整備など、駅利用者の皆さんが通常利用される主要な部分の整備には直接的な影響はございません。また、直接富山地方鉄道高架化の影響を受ける都市計画道路としては堀川線がありますけれども、堀川線は既存のアンダーパスの道路がありますので、あまり富山地方鉄道高架化の緊急性を感じられない市民の方もあるかと認識しております。  しかし、市としましては、既存の道路ではございませんが、マリエビル、エスタビルの東側を通って駅の南北をつなぐ都市計画道路富山駅横断東線の新設計画がございますが、これは重要な意味があると思っております。この都市計画道路富山駅横断東線の役割は、駅の南北を通過する自動車交通を処理することではなく、富山駅の東西自由通路と直結することで、富山駅高架下の店舗への荷物の搬入や、JR、あいの風とやま鉄道など交通事業者のさまざまな需要など、いわゆる駅のバックヤードに対応することを主目的にした道路であります。  この道路は、富山地方鉄道の線路が高架化された後に富山駅周辺地区土地区画整理事業で富山市が整備することになっておりますが、それが完成するまでは、言い方としては、富山駅のバックヤードは車がアクセスできないような状態で開業しているという状況にございます。  それから、そもそも駅周辺の連続立体交差事業は、富山地方鉄道も含めて高架化されることで、数本の都市計画道路が平面で整備可能ということで事業採択を受けているものでありますから、富山地方鉄道高架化が完了するまでは連続立体交差事業も区画整理事業も終わることができないという状況にございます。  こうしたことから市としましては、一日も早く富山地方鉄道の高架化が完成し、富山駅横断東線の整備などに取りかかれるよう、連続立体交差事業の事業主体である富山県とともに連携して進めてまいりたいと考えております。 200 ◯ 議長(有澤  守君)  21番 宮前 宏司君。 201 ◯ 21番(宮前 宏司君)  7%の事業者負担ですか、そういったこともあると思いますが、ぜひ県ともしっかりと連絡をとっていただいて、全体の工事に影響が出ないように、できるだけ早く当初の計画どおり進むようによろしくお願いしたいと思います。  もう1つは、南西街区ですが、時間がなくなりましたので質問は控えようと思いますが、先日私どもも、この参考事例ということで大分のほうへ行ってまいりました。大変すばらしいものを見てきて感動したのですが、やはりしっかりとしたコンセプトを持って、今の早い時期から構想をしっかり立てておくことが大変重要なのではないかということを改めて思いました。一言だけ、市長もここへ行ってこられたと聞いておりますが、南西街区を含めて、後の質問の関係がありますので、一言でお願いします。 202 ◯ 議長(有澤  守君)  森市長。 203 ◯ 市長(森  雅志君)  行っておられない方は何のことかわからないかもしれません。  南西街区はJR西日本と富山市が区画整理の手続が終了後、保有するということになります。富山市が事業者として、その場所で何かをするということはあまり現実的ではありませんので、最終的には民間に活用していただくこととなると思いますが、隣接地をお持ちなのがJR西日本ですから、まずは第一義的にJR西日本がどういうお考えでいらっしゃるのかということをしっかり固めてもらうことが必要だろうと思います。  大分の例も含めて、このようなことはどうですかというようなアプローチは今やっているところですが、あとはJR西日本と協議を進めていくということだろうと思っております。 204 ◯ 議長(有澤  守君)  21番 宮前 宏司君。 205 ◯ 21番(宮前 宏司君)  現地で説明を聞く中で特に強く感じたのは、やはり「こうしていくんだ」という強い信念と計画性を持ってやっていくことだというふうに思いましたので、ぜひJR西日本の理解も得ながら、森市長のすばらしい指導力でこの事業がうまくいくようによろしくお願いしたいと思います。  次に、本市のモビリティ・マネジメントについて、1点だけお伺いします。  教育委員会では公共交通の活性化、利用促進の一環として、小学校に対する公共交通学習に取り組んでおられるとお聞きしていますが、その内容と今後どのように取り組んでいくおつもりなのか、あわせて教育長の答弁をお願いします。 206 ◯ 議長(有澤  守君)  麻畠教育長。 207 ◯ 教育長(麻畠 裕之君)  平成22年度から、本市独自の取組みといたしまして、小学生を対象に、公共交通に関する学習の1つとして、交通政策課と連携しながら「富山市のりもの語り教育」を行っております。この学習では、次世代を担う子どもたちが公共交通の魅力と必要性を理解し、将来、乗り物を賢く使い分ける意識を持つことを目指しております。具体的には、市教育委員会と交通政策課で作成した指導資料「富山市のりもの語り教育のすすめ」を活用して授業を進めております。  例えば、小学校3年生の社会科では、公共交通の種類や広がりについて調べ、「串と団子のまちづくり」が、自分たちの生活と密接にかかわっていることを学んでおります。また、小学校4年生の総合的な学習の時間には、おでかけ定期券について調べ、それが高齢者の生活を便利にしていることから、富山市の福祉について学んでおります。さらに小学校5・6年生では、車から出る二酸化炭素を減らす方法を調べることから、環境にやさしい富山市の交通政策についての理解を深めております。  こういった学習を通しまして、子どもたちは「市電の魅力を多くの人に伝えたり、よりよいまちづくりを進める人を応援したい」とか、「家族で出かけるときには、父や母に電車やバスを利用するように提案したい」などの感想を述べており、環境や社会に意識を向け、本市の進めている環境にやさしいまちづくりに関心を持つようになってきていると考えております。  また昨年度、本市の公共交通に関する学習の意義や大切さについて、教員に広めることを目的に、富山市交通環境学習フォーラムを開催し、児童の取組みや授業後の感想発表、神田前副市長や私が参加したパネルディスカッションなどを行いました。今年度は、教員の指導法の充実を目的として、富山市のりもの語り推進者育成研修会を市内教員を対象として開催したところであります。  今後、市教育委員会としましては、「富山市のりもの語り教育」の充実を図るとともに、子どもたちが授業で学んだことを実生活の中に生かし、公共交通を活用して、例えば、先日新しく開館しました図書館などに出かけるなど、できるだけ公共交通を使っていこうという意識が高まるよう、各学校に働きかけてまいりたいと考えております。  以上でございます。 208 ◯ 議長(有澤  守君)  21番 宮前 宏司君。 209 ◯ 21番(宮前 宏司君)  ありがとうございます。まさにこのコンパクトシティ構想、公共交通を活用したコンパクトなまちづくりというのは、本市の一丁目一番地の政策でありまして、これからの富山市を担う子どもたちに今ほどおっしゃっていただいたようなことを含めて、しっかりとそのことについても伝えていっていただけたらというふうに改めてお願いするところであります。
     最後の質問ですが、今ほども言いましたように、これまで森市長を中心に進めてこられたコンパクトシティ政策、これは何としてもこの後もしっかりと我々議会も一緒になって進めていかなければならない富山市の最重要施策の1つだというふうに私自身も考えております。  その意味で、パーク・アンド・ライドの駐車場ですけれども、これまでも例えばJR高山本線や国道41号のバス停とかに小規模なものが整備されてきているのですが、みんなで公共交通を使って、例えば富山駅から新幹線に乗っていくというような形に市民の意識を改革するといいますか、そういうふうに高めていく意味でも、今までとちょっと発想を変えて大規模なパーク・アンド・ライドの駐車場を、例えば南富山駅のような準基幹駅に整備をして、そこに車を置いて、市内電車ですとか、上滝線といったものを利用していただいて駅へ行って、次の目的地へ行くと。ぜひ今そのことを考える時期に来ているのではないかということを強く提案したいと思いますが、このことについて答弁をお願いします。 210 ◯ 議長(有澤  守君)  京田都市整備部長。 211 ◯ 都市整備部長(京田 憲明君)  富山駅は、新幹線だけでも一日1万人程度が乗りおりするターミナル駅でございますので、駅を利用される方の多くが自家用車でアクセスされると、送迎の混雑あるいは周辺の道路渋滞が懸念されるところであり、市としては、なるべく公共交通を使ってアクセスしていただくように周知に努めてきたところでございます。  また、富山駅周辺には、民間によるコインパーキング等も増えておりますので、現在のところ、必要な駐車需要は充足していると判断しています。しかし、雨天時や今後冬場の積雪時には、周辺のコインパーキング等も利用しづらくなりますので、相対的に高架下の駐車場等が混雑するという可能性もあります。  こうしたことを勘案しますと、御提案いただきましたように、例えば新幹線を利用するときに、南富山駅で自家用車やタクシーから路面電車に乗りかえて富山駅に向かうというのも、大きな都市のターミナル駅では一般的な方法でございますが、富山市でも、そういうことは一つの検討課題であるというふうに考えています。  具体的には、南富山駅で路面電車と直結していて、傘の要らない駐車場などを整備することができれば、非常にパーク・アンド・ライドとしての利便性は高まると考えられ、そのことが駅周辺の自動車の混雑の緩和にもつながるというふうに判断できると思っています。  とは申せ、南富山駅周辺というのは、地域の拠点でございますので、都心地区の次に位置する団子ということで、御提案のことも含め、地区の将来像について、富山地方鉄道を含めた地区関係者の方々と十分議論することが必要であると考えております。 212 ◯ 議長(有澤  守君)  21番 宮前 宏司君。 213 ◯ 21番(宮前 宏司君)  ありがとうございます。十分に議論をしていただくということであります。  かつて、都心から極めて近い直線距離にありながら、魔の通勤地帯と言われた木更津は、このパーク・アンド・ライドで大きく生まれ変わった事例があります。ぜひ御検討をお願いして、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。 214 ◯ 議長(有澤  守君)  これで宮前議員の一般質問及び議案の質疑を終了いたします。  暫時休憩いたします。                            午後 0時02分 休憩                            ───────────                            午後 1時10分 再開 215 ◯ 議長(有澤  守君)  休憩前に引き続き会議を開きます。  一般質問及び議案の質疑を継続いたします。  33番 針山 常喜君。 216 ◯ 33番(針山 常喜君)  暑い夏も過ぎ去り、八尾おわら風の盆も多くの人々を集め、無事終わられましたこと、先ほどの宮前議員のお話もありました。天高く馬肥ゆる秋、これから過ごしやすい季節へと移ってまいりました。  森市長さんにおかれましては、従来どおり変わらず忙しい日々を送られ、順調に行政運営されていることに対し、大いに評価しているところであります。今日までの本市の取り組んでいる施策等は目をみはるものが多く、国内はもちろん海外からも注視されるなど、大小問わず成功しつつあると思われます。  そして、本年は、北陸新幹線開業や新市合併10周年事業、待望のガラス美術館、新図書館の開業等々、全ての事業がにぎにぎしく順調にスタートしておりますこと、我ら市民も大いに喜んでいるところでございます。  市長におかれましては、今日までの展開について、御自身でどのように評価しておられるのか、加えて、市長に就任されたときはこのような大事業が国際的に羽ばたくと思っておられたかどうかなどをあわせてお伺いいたします。よろしくお願いします。 217 ◯ 議長(有澤  守君)  森市長の答弁を求めます。 218 ◯ 市長(森  雅志君)  何のお返しもできませんが、御評価いただいてありがとうございます。  午前中もちょっと申し上げましたが、私はかねがね基礎自治体はやはりフェイス・トゥ・フェイスを基本としながら、自主的・自立的に発展していくということが大変大事だと思っています。そして、将来を見据えて、その将来の市民にきちんと評価されるような市政を推進していくことが大事だと思っています。  現在市民の声も尊重しながら、将来市民の声もきちんと意識していくということが大事だとのスタンスで取り組んできたところであります。  そういう意味で、公共交通を軸としたコンパクトなまちづくりを政策の基本に据え、環境にも高齢者にもやさしいまちを目指すということに取り組んできたわけであります。その結果、中心市街地に一定程度の元気が出てきて、例えば平均地価が23年ぶりに上昇したとか、あるいは中心市街地における人口が増加に転じたとか、いろいろな形でデータも出てきたところであります。  いずれにしても、バランスよく政策を展開しながら、将来を見据えて持続性の高い、総合力の高い市の構築に努めてきたところであります。  こういった取組みに加えて、例えば中心市街地活性化基本計画ですとか環境モデル都市計画ですとか環境未来都市計画ですとか、さまざまなものについて一生懸命やってきたことを外部から高く評価をいただいたものと思っております。国際的にも一定程度高い評価をいただいていることは大変ありがたいことだと心から喜びたいと思っております。  そういったこともあって、国際機関や国際会議の場でいろいろと発表させていただく機会に恵まれたことも、個人としても大変うれしいことだと思っております。  そういったことが、国連やあるいはOECDや、さらにはさっきも言いましたが、ロックフェラー財団など多くの機関において御評価をいただくことにつながったというふうに思っております。  その結果、市民の多くの方が、このまちに対する愛着や自信もちゃんと持っていただいているということをうれしく思いますし、それを最近いろいろな折に感じることができるわけでありまして、各種施策はその意味では概ね順調に推移してきたと思っております。  もとより、市長就任時にそういうふうになるとは思っておりません。おぼつかない足取りでやってきたわけですが、一生懸命やってきたことがそういう評価につながったと思っている次第でありまして、反省すべき点はいっぱいありますが、とりわけ国際会議に出ると英語力のなさをつくづくと感じておりまして、若いころからの生き方を深く反省をしたりもしますが、しかし、将来につながる、その思いで自分のできる範囲で精いっぱいこれからもやっていきたいと思っております。 219 ◯ 議長(有澤  守君)  33番 針山 常喜君。 220 ◯ 33番(針山 常喜君)  さすがの市長も就任当時はそう思っておられなかったと。ちなみに私も、失礼ですが、これだけ国際的に羽ばたかれるとは想像もしておりませんでした。しかしながら、今日あるのも市長のおかげと言っても過言ではないと思っております。  次に、今後について、「権腐10年」等についてお伺いいたします。  今ほどの取組みに加えまして、今後の取組みについては、次期総合計画──2017年からスタートする、10年間の計画──をはじめ、数々の新規事業が計画されております。加えて、現行施策を継続していかなければならない事項が数多くあります。  特に富山駅周辺整備や念願としておられる日本で初となる富山ライトレールの南北接続事業については、4、5年先に開通するとのことなど、このたび正式に発表がありました。  市長は、いつぞや、これらの事業が実現するまで任務を全うしたいと申しておられました。また、これだけの施策を立案され、実行に移され、成功に導かれる人は、現在ほかに見当たらないと私は思います。  そこで、平成24年12月定例会で、「権腐10年」について危険水域であると申されました。これは笹木議員や私もこのことについて質問いたしました。今ほど申し上げたとおり、今後の取組みに対して、市民の方はもとより、国そして海外からも、関係機関からも大いに期待されていることは御案内のとおりです。  一例ですが、さきに行われた北海道知事選挙において、4期目を挑戦された現職の高橋知事は、今まで公認や推薦を受けていた党へ公認も推薦もされなかったのはなぜか、おかしいなと調べてみました。その党の綱領で知事選挙は3選までで、4選以降は公認等は行わないと取り決めされていました。高橋知事側もこのことを了承していて公認も推薦もされなかったことがわかりました。  その党の綱領や政策で「権腐10年」を意識してのことなのでしょうが、これは県知事選に、あるいは政令都市の首長選に限ってのことであり、市民に直結している市町村長選には当てはまらないと思われます。  よって、「権腐10年」という言葉、あるいはことわざは市長の心から取り除いていただけないか、あるいは切り離してもらえないか願うものであります。どうしても無理であるならば、「権腐20年」などに変えていただけないかと思いますが、市長の考えをお伺いいたします。 221 ◯ 議長(有澤  守君)  森市長。 222 ◯ 市長(森  雅志君)  確かにそういうことを申し上げました。平成25年4月が選挙だから、平成24年の12月定例会あたりかもしれません。細川 護熙さんが述べられたのが大変有名ですが、「権腐10年」というのは韓国の古いことわざで、権力は時間が経過すると腐敗していきがちなものだということでございます。  したがいまして、新市になってから3期目の選挙に臨むということを考えていた時期でしたので、まずそのことの精神、考え方というものをみずからへの戒めとして申し上げたわけであります。その気持ちは現在も変わっておりません。やはり絶えずそういったことを意識しながら身を処していくということは、こういう立場にある者として当然のことだろうと思っております。  もし「権腐20年」というためには大分防腐剤が必要になってくる気もしますが、大事なことは、期間ということを申し上げたかったわけではなくて、どんな時期であれ、どの立場であれ、そういったことを意識していくという心の持ちようが大事だという趣旨で申し上げた次第ですので、ぜひ御理解をいただければと思います。 223 ◯ 議長(有澤  守君)  33番 針山 常喜君。 224 ◯ 33番(針山 常喜君)  市長が戒めだとか謙虚さというような気持ちで言われたということを伺えたということは非常にうれしく思っております。ですから、そういうものはこれから心から切り離していただければと思っております。  次に、ガラス美術館・新図書館の事業等についてお伺いいたします。  すばらしい本市のシンボル的な施設が中心市街地に輝きました。開業後、予想以上の入場者が来場されていると伺っております。誇れる施設が加わり、まちのにぎわいに大いに寄与するものと思われます。  私どもは、他都市へ行きましていろいろな施設を視察しますが、必ずその施設の設計者名やあるいは事業費等について聞きます。  そこで伺います。  西町南地区市街地再開発事業として、愛称「TOYAMAキラリ」の総事業費はどれくらいとなったのか、まずはお伺いいたします。 225 ◯ 議長(有澤  守君)  京田都市整備部長。 226 ◯ 都市整備部長(京田 憲明君)  西町南地区第一種市街地再開発事業の施行者である再開発組合からは、現在決算に向けて作業中であるということで、概算の総事業費でございますが──ちなみに、再開発事業の総事業費というのは、調査設計計画費から土地の整備費あるいは補償費、工事費、借入金の利子、事務費等々を含んだ全ての再開発に関する費用ということでございますが、その概算の総事業費としては、約182億7,900万円と伺っております。 227 ◯ 議長(有澤  守君)  33番 針山 常喜君。 228 ◯ 33番(針山 常喜君)  最終的な数字ではないと言われましたが、結構細かい数字が出てきました。182億円強ということで、概算ですが、わかりました。  次に、ガラス美術館と図書館が取得した保留床の金額はどれくらいとなっているのか、お伺いいたします。 229 ◯ 議長(有澤  守君)  今本企画管理部長。 230 ◯ 企画管理部長(今本 雅祥君)  まず、保留床の取得価格は、約85億4,800万円となっておりまして、内訳としては、ガラス美術館分として約39億3,200万円、図書館本館分として約46億1,600万円となっております。  なお、財源につきましては、国からの補助金として社会資本整備総合交付金30億円のほか、行政改革推進債などの市債が54億7,800万円となっており、市債のうち約9億3,500万円が交付税算入されるものでございます。 231 ◯ 議長(有澤  守君)  33番 針山 常喜君。 232 ◯ 33番(針山 常喜君)  わかりました。  その次に、ガラス美術館と図書館でそれぞれの什器、備品等に要した金額がわかればお答えください。 233 ◯ 議長(有澤  守君)  今本企画管理部長。 234 ◯ 企画管理部長(今本 雅祥君)  什器、備品等の美術館と図書館の合計は、約3億7,100万円となっております。  ガラス美術館分といたしましては、約2億7,000万円で、受付カウンター等の造作家具、展示用の特殊照明、展示用のショーケース、事務用備品等を購入いたしたものでございます。  また、図書館本館分といたしましては、約1億100万円で、閲覧テーブルや収納棚等の事務用備品を購入したものでございます。 235 ◯ 議長(有澤  守君)  33番 針山 常喜君。 236 ◯ 33番(針山 常喜君)  次に、特に目を引いたグラス・アート・ガーデンの整備に要した経費は幾らなのか。また、これまでガラス美術館の展示用として購入または寄附を受けた作品は何点で、総額はどれくらいとなっているのか。さらに今後の備品購入予定はどのように計画されているのか、計画がなければよろしいのですが、お伺いいたします。 237 ◯ 議長(有澤  守君)
     今本企画管理部長。 238 ◯ 企画管理部長(今本 雅祥君)  初めに、グラス・アート・ガーデンの整備に要した経費につきましては、全体で約6億3,400万円となっております。  その内訳は、作品の制作、運搬、設置に要した経費として約3億9,200万円、それから展示室の内装や耐震・免震対策、それから照明に要しました経費が約1億8,700万円、さらに輸入消費税やチフーリ・スタジオとの連絡調整等の事務に要しました経費が約5,500万円となっております。  なお、作品の制作、運搬、設置に要しました経費約3億9,200万円のうち、篤志家からの御寄附などを積み立てました文化事業基金から約3億4,100万円を充当しております。  次に、美術館の展示用として、平成10年度以降、ガラス作品等収集審査会にお諮りいたしまして購入してまいりましたものは272点で、約3億2,300万円となっております。  また、審査会にお諮りした上で寄附物品として受領してきましたものが59点で、評価額は約1億2,700万円となっており、合計で331点、約4億5,000万円となっております。  なお、今後の計画でございますが、現段階で、今後どういう作品をどの時点で購入していくかというような具体的な計画はございませんが、主に1950年代以降に制作されました現代ガラス作品を収集するという本市の収集方針に基づきまして、年度ごとに収集審査会にお諮りして購入してまいりたいと考えております。 239 ◯ 議長(有澤  守君)  33番 針山 常喜君。 240 ◯ 33番(針山 常喜君)  きめ細かくありがとうございました。このほかに、この建物にA棟、B棟というものがあります。ガラス美術館と図書館が、もちろんA棟にも入っておりますが、B棟にも入っていると、こういう一部借受けがあると伺っております。その借り受けておられるB棟の目的とか、どのような事情でそのようになったのか、そしてまた借受けですから賃借料が発生すると思いますので、今後の賃借料は幾らなのか、わかれば教えてください。 241 ◯ 議長(有澤  守君)  今本企画管理部長。 242 ◯ 企画管理部長(今本 雅祥君)  まず、B棟につきまして、美術館では、これはB棟の3階から6階部分に当たりますが、約690平方メートルを作品の収蔵庫として使用しておりまして、月額の賃借料は約120万円となっております。  また、図書館では、これは2階の部分だけでございますが、約185平方メートルを自動車文庫用の書庫として使用しております。月額の賃借料は約32万円となっております。  両館を合わせました年額の賃借料につきましては、約875平方メートルで金額は約1,800万円となっているところでございます。 243 ◯ 議長(有澤  守君)  33番 針山 常喜君。 244 ◯ 33番(針山 常喜君)  きめ細かに伺いました。このようにして、これらを足してまた検討されると思いますが、今も申し上げましたが、本館に来場された人々が周辺のまちに出向かれる、そしてまちのにぎわいがまちづくりに一層貢献されるだろうと願いつつ、私の質問は次に移りたいと思います。  次に、日欧都市交流会議について、中村副市長にお尋ねいたします。  先月末、日欧都市交流会議に出席されて、本市のまちづくり等について講演、紹介されたと仄聞しております。  つきましては、これはどのような会議であったのか、その目的や今後のスケジュール等について、加えて副市長の本市のまちづくりについての考えなどをお聞かせ願えればありがたいです。 245 ◯ 議長(有澤  守君)  中村副市長。 246 ◯ 副市長(中村  純君)  お尋ねの事業でございますが、日欧都市政策対話事業と申しまして、欧州委員会地域・都市政策局、こちらが事業主体となっております。持続可能な都市発展を目的としました日本と欧州連合加盟国の都市間交流事業ということになっておりまして、本市がみずから行う資料作成など、ごく一部の事業費、経費を除きまして、相手方の渡航費ですとか滞在費、そういったものは必要経費全て欧州委員会が負担して実施しているというものでございます。  この事業には、日本からは、本市のほかにも、北九州市、熊本市、そして北海道下川町が、欧州連合からはブルガリアのブルガス市、ラトビアのリガ市、ドイツのライプツィヒ市、スウェーデンのベクショー市が参加しております。  参加自治体は、日欧2都市が1組のペアとなり交流を行っておりまして、本市はブルガス市と交流を行っております。  具体には、ブルガス市との会議あるいは現地視察による交流を通じまして、高齢化や人口減少に対応したコンパクトシティ、また低炭素まちづくりなどに関しまして、課題を共有して相互理解を深め、ともに取り組める施策あるいは取組みの強化の方策について考えていくこととなっております。  この事業のスケジュールでございますが、第1回の交流会議はことし8月31日から9月4日に行われ、全体会議は東京で開催された後、日本の参加都市それぞれに分かれて個別の会議が行われました。  本市には、9月2日から4日までの3日間、ブルガス市の方々などが来られましたので、本市が行っておりますこれまでのコンパクトシティの取組みや課題などを御説明し、また現地も御視察いただきました。まちづくりの実績や本市のまちづくりに対する考え方、こうしたものについて十分お伝えできたのではないかと考えております。  次回2回目の交流会議ですが、ことし11月の下旬、ブルガリアのブルガス市にて開催する予定になっておりまして、こちらに関しましても、視察や会合などを通じまして、ブルガス市の歴史や伝統文化、社会制度を踏まえたまちづくりの課題、取組みについて理解を深めていく予定としております。  第3回目の交流会議は、それまでの成果報告などとなりますが、来年2月下旬に東京で開催予定となっております。本市と共通する課題、高齢化といったものも多いブルガス市でございますので、十分いろいろな情報交換ができて、私どもの市の役にも立ってくれるのではないかと思っております。 247 ◯ 議長(有澤  守君)  33番 針山 常喜君。 248 ◯ 33番(針山 常喜君)  ありがとうございました。そうすると、第3回の来年2月下旬までにいろいろ取りまとめていかれるということになろうと思います。これもひとえに本市のまちづくりについての評価がされたものと理解するところでございます。ぜひこれからも会合等について、私どもの富山市をアピールしていただきたいと思います。  次に、地方版総合戦略について、柳原政策監にお尋ねいたします。  政策監は、本会議は2回目となられまして、本市の取組み状況等については理解されてきたころだと思います。また、さきの当局と議員とのソフトボール交流戦では、当局側の選手としてサングラスをかけ、颯爽としたユニフォーム姿は格好よく見えまして、我々選手一同驚いた次第でございます。  プレーでは2塁手として、ここにおられる有澤議長の痛烈なゴロを難なくさばいてアウトにされる。議長は「俺の球をよくも」──あとは言われませんでしたが……と言って笑って悔しがられました。バッティングも私どもがとれないヒットを打たれるなど、その華麗なプレーは私の脳裏に焼きついております。業務態度とは全く違った一面がわかりまして、本当にいい人が富山に赴任してこられたなとつくづく思った次第でございます。  そこで、政策監が中心になって取り組んでおられます地方版総合戦略については、5カ年計画で目的などを掲げられており、現在この9月末を目途に策定中であると承知しております。  ついては、現在までの進捗状況はどうなっているのか、加えて政策監の地方版総合戦略にかける思いなどを含めてお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。 249 ◯ 議長(有澤  守君)  柳原政策監。 250 ◯ 政策監(柳原 聡子君)  外見をまず褒めていただきまして、ありがとうございます。内容も褒めていただけるように頑張っていきたいと思います。  「富山市まち・ひと・しごと総合戦略」の策定の現在の状況でございますが、これまでに産業界、大学、金融機関、労働界、マスコミなどからの外部有識者15名で構成する総合戦略会議を2回開催してまいりまして、御意見をいただいたところでございます。  現在、「富山市まち・ひと・しごと総合戦略(案)」として、パブリックコメントを実施しているところでございまして、その後、市議会の各派代表者会議に御説明した上で国へ提出してまいりたいと考えております。  私の思いとのことでございますが、政策監就任に際して、市長から地方版総合戦略策定の担当を命じられたところでございまして、この総合戦略は人口減少を抑制し、そして長期的に持続可能なまちを目指すということで、今後5年間に集中して取り組むべき施策を取りまとめる大変重要なものと認識しております。しっかりと職責を果たしてまいりたいと考えております。 251 ◯ 議長(有澤  守君)  33番 針山 常喜君。 252 ◯ 33番(針山 常喜君)  もう9月末でございますので、ひとつよろしくお願いしたいと思います。  政策監、本市の女性職員の活躍についてはどのように感じておられるか、もし御意見がありましたらお伺いいたします。ないと言われれば、ないでもよろしゅうございます。 253 ◯ 議長(有澤  守君)  柳原政策監。 254 ◯ 政策監(柳原 聡子君)  私も、5月から4カ月、富山市役所で過ごしてまいりました。若い職員の方とお話をする機会等々もございましたが、やはり政策的なところでお話をさせていただく職員の方はまだ数名でございまして、若い方との飲み会というのでしょうか、仕事の場でないところで交流した皆さんを見ていると非常に活発で、これからこういう方たちがどんどん活躍されるのだなと頼もしく思っております。  年代での男女比の差もございますので、まだというところもあろうかと思いますが、近い将来、女性が活躍されるなという実感というか予感を感じております。 255 ◯ 議長(有澤  守君)  33番 針山 常喜君。 256 ◯ 33番(針山 常喜君)  ありがとうございました。ある女性も時間外のところで非常に活発にお話ができるということを申しておりました。ありがとうございました。  続きまして、呉羽丘陵についてお伺いしたいと思います。  呉羽丘陵である呉羽山と城山の開発整備等については、長年にわたり続けられてきており、徐々に進捗していると伺っております。  さきの定例会で藤井議員からもこの件に類似した質問がありました。また違った角度で質問してみたいと思います。  最近、呉羽丘陵フットパスと称して散策マップが発刊されております。愛好者に伺うと、非常によくわかりやすいと評価してくれました。  ところで、この呉羽丘陵フットパスについてアピールする魅力的な点や一般の散策コースとの違いなどについてまずはお伺いしたいと思います。 257 ◯ 議長(有澤  守君)  俣本建設部長。 258 ◯ 建設部長(俣本 和夫君)  フットパスにつきましては、さきに藤井議員からの御質問もあったということでございますが、再度お話しさせていただきますと、森林や田園地帯、古い街並みや遺跡といった地域の昔からある風景や自然、歴史文化に親しみながら楽しく歩くことのできる散策路でございまして、この楽しみながら歩くこと自体をフットパスと言っている場合もあるところでございます。  呉羽丘陵は、市街地に近い里山ということで、自然豊かな動植物が観察できるほか、白鳥城址や古墳群などの歴史・文化遺産に触れることができ、さらには雄大な立山連峰の眺望を楽しめるといった、フットパスとしてふさわしい多くの魅力を備えていることから、呉羽丘陵フットパスと位置づけて広く発信することとしたところでございます。 259 ◯ 議長(有澤  守君)  33番 針山 常喜君。 260 ◯ 33番(針山 常喜君)  非常にいいものだということはわかりましたので、呉羽丘陵以外にこのような条件のそろっているところが本市内にあるのかどうか、そしてまた、そういうものをつくられる計画はあるのか、伺います。 261 ◯ 議長(有澤  守君)  俣本建設部長。 262 ◯ 建設部長(俣本 和夫君)  今ほど申しましたように、地域に昔からあるありのままの風景を楽しんで散策するというようなものがフットパスということでございます。  本市におきましては、歴史文化あるいは自然といった豊かな資源に恵まれておりますことから、これに該当するものはたくさんあるものと思っております。例えば、古い街並みということでいいますと、パッと思い出すのが例えば岩瀬ですとか八尾ですとか、これ以外にも各地域に古い街並みが残されております。  さらには自然と申しますと、都心では松川べりですとか、こういうふうな自然が残されているものがたくさんございます。こういったものが、もちろんフットパスの対象になろうと思いますが、それ以外にも我々が気づいていないその地域の資源というものがたくさん残されているのだと思いますので、それらを楽しみながら歩くということがフットパスの大事なことだろうと思います。  これにつきまして、市ではどうするかということもあるかと思いますが、市民の皆様が自分の地域の魅力を発掘していただき、みんながその魅力を発信するといったようなシビックプライドにつながるような活動にも通じてまいりますので、こういった活動を経てフットパスと言われるものが拡大していくのではないかと思っておりまして、市としてはやはり一定程度の協力あるいは支援ということは必要かと思っております。 263 ◯ 議長(有澤  守君)  33番 針山 常喜君。 264 ◯ 33番(針山 常喜君)  はい、わかりました。そうすると、市民の力をまたかりるというか、アイデアをもらったりすることも必要だということですね。  そしたら、この呉羽山と城山が県道で遮断されていると。そこで空中で結ぶ遊歩道となる橋をかけることはできないかという問題なのですが、この件に関しては、以前にも検討された経緯があろうかと思います。当時は南北連絡橋として、このようなかけ橋ができると、この丘陵の魅力が増大する、そして多くの人々が集う、また民間事業者等の進出も予想されて、丘陵の活性化が図られると考えられます。  さらには、いつぞや市長におかれては、「夢になるかもしれないが、橋があれば大変よいことだ」などと申されたこともあったかと思います。これらの事柄を踏まえられた上で、夢をつなぐ事業として、当局の御見解を伺うものですが、いかがでしょうか。 265 ◯ 議長(有澤  守君)  俣本建設部長。 266 ◯ 建設部長(俣本 和夫君)  呉羽丘陵におきます南北連絡橋につきましては、県道富山高岡線で南北に分断されております呉羽山と城山の間に歩行者専用の橋をかけることで散策路の充実を図り、丘陵全体のランドマークとしての役割を担うものとして、平成15年度に計画が立案されたものであり、その後、連絡橋の設置場所や構造等についての検討や周辺の動植物に関する現況調査等を進めてきたところであります。  この南北連絡橋を実現するためには幾つかの課題があると考えておりまして、1つには、富山県では県道富山高岡線について、2車線のため渋滞が激しく4車線化の検討が必要であるとされていること、2つには、連絡橋設置の工事に伴い呉羽丘陵の自然環境への影響が懸念されること、3つには、連絡橋及び連結する散策路の整備あるいは管理に多額の経費が必要であることなどが課題として考えられております。  この連絡橋が実現できれば、呉羽丘陵内の施設の連携やネットワーク機能が高まり、より多くの市民や観光客の方が訪れ、その魅力を感じていただけるようになるものと考えておりますことから、今後とも検討を進めたいと考えております。 267 ◯ 議長(有澤  守君)
     33番 針山 常喜君。 268 ◯ 33番(針山 常喜君)  いずれにしろ、課題が多くなかなか実現しにくいかもしれませんが、夢のかけ橋として検討だけは続けていってもらいたいと、後任の方にもまたよろしく伝えていってもらいたいと思うわけでございます。  次に、博物館等の共通券についてお伺いいたします。  本市の博物館施設等については、通常の入場券以外に共通観覧券として年間共通パスポート及び3日間共通パスポートの2種類を販売し、観覧者の皆さんに喜ばれております。今般、新たにガラス美術館や図書館が加えられ、ますます充実してまいりました。  つきましては、本市の共通パスポート券で観覧できる施設に、本市内にある県の文化施設を加える仕組みづくりは検討に値するのではないかと思われました。県の施設でございますので、県のほうは「俺のところの仕組みに合わせろ」と言われるかもしれませんが、検討するかどうか御見解を伺いたいと思います。 269 ◯ 議長(有澤  守君)  今本企画管理部長。 270 ◯ 企画管理部長(今本 雅祥君)  今ほど御質問にもありました博物館等共通パスポート事業につきましては、科学博物館、民俗民芸村、ファミリーパーク、それから今後はガラス美術館というようなことで、市内の14施設を年間1,000円、10月1日からは1,500円になりますが、そのパスポートを購入することによって、1年間、有効期間中は何度でも観覧できるということで、さらに御質問でも御紹介いただきました700円の3日間パスポートもございます。  また、市や県等の文化施設の観覧に関する優待制度といたしましては、現在、県立近代美術館、水墨美術館、高志の国文学館及び民間の美術館でございますギャルリ・ミレーとの間で、それらのセット観覧券の中に市の文化施設の割引券を一緒に入れて販売する連携事業を実施いたしているところでございます。  なお、現在、このセット観覧券の中に新たにガラス美術館の割引券を追加する準備を進めておりますが、このほか民間施設の楽翠亭美術館や来年開館予定の森記念秋水美術館などとも連携していくことが望ましいと考えておりますので、今後、御提案のありました年間パスポート事業とあわせまして、機会を捉えて県と協議してまいりたいと考えております。 271 ◯ 議長(有澤  守君)  33番 針山 常喜君。 272 ◯ 33番(針山 常喜君)  検討していただけるということで、これは観覧者、例えば一般の方は、県であろうが市であろうが民間であろうが、あまり関係ないわけでございまして、やはり見たいものは一堂にというような意味合いを持っておられる方がたくさんおられます。  そしてまた県議会議員の方々とスポーツ交流などで話ししたときは、ぜひ富山市からも、あるいは県議会からも話ししてみたいとおっしゃっていましたので、ぜひ前向きに検討していただければと思っております。  それでは、次に、学力面、スポーツ面での小・中学生の活躍について、麻畠教育長にお伺いいたします。  今般、全国学力・学習状況調査結果が文部科学省から公表され、これをもとにした本市教育委員会からも結果概要の報告がありました。詳細については、これから分析され報告されるようでありますが、総じて非常によかったのではないかと思われます。本市、特に教育委員会の頑張りがうかがえたものと思います。  一方、子どもたちのスポーツ面での活躍も多くあり、各種のスポーツでの泥まみれ、汗まみれの姿を見ると感動をも覚えます。特にこの夏休み期間中に行われた全国中学校体育大会、これは札幌市で行われたのですが、男子400メートルリレーで富山北部中学校の4選手が見事全国優勝。また、小学生の女子学童野球全国大会、NPBガールズトーナメント大会で、チーム名「アルペンガールズ富山」が、全国の強豪を破り見事優勝するなど、すばらしいできばえでした。これはほんの一例ですが、その他でも数多く頑張っております。文武両道と言える一面を実感できました。  教育長として、最近の子どもたち、裏で支える先生たちの活躍についてどのような見解を感じておられるのか、御所見をお伺いいたします。 273 ◯ 議長(有澤  守君)  麻畠教育長。 274 ◯ 教育長(麻畠 裕之君)  富山市の子どもたちは、針山議員と一緒の感想になりますが、学力面、スポーツ面ともに頑張ってくれておりまして、大変うれしく思っております。  学力面につきましては、今ほどもお話がありました今年度の全国学力・学習状況調査の結果も──結果に一喜一憂するものではありませんが、概ね良好でありました。  とりわけ、中学校3年生の結果は、国語、数学、理科の全ての教科で平均正答率が全国と県をかなり上回っておりまして、大変よい結果だったと思っております。  スポーツ面につきましても、今ほどお話しのありました北部中学校でのリレーチーム、小学生で編成された女子野球チーム「アルペンガールズ富山」の全国大会での優勝、それから県民体育大会中学生の部での35年連続41回目の優勝など、大変輝かしい成績をおさめてくれております。  これら子どもたちの活躍は、学校の教職員の指導はもちろんですが、地域や家庭の協力、バックアップをいただいているからこそ、なし得ているものであると考えております。  今後とも、学校・家庭・地域が連携を強くし、それぞれの立場から子どもたちを支えることで大きな教育効果が生まれ、次の時代を担う人材が育ってくれることを期待しております。 275 ◯ 議長(有澤  守君)  33番 針山 常喜君。 276 ◯ 33番(針山 常喜君)  教育長の所見を聞きまして、実は私どもは教育委員会のほうには苦言や要望ばかり申しておりますので、こういうふうにして、いいことは、先生であろうが、子どもたちであろうが、褒め合ってあげていただければと思っております。  次に、水道事業等の今後について質問させていただきます。  このほど、平成26年度水道事業会計決算が報告されました。収益的収支については純利益が少々生じ、資本的収支の不足額は例年どおり損益勘定留保資金等で補填されております。  当局として、この決算内容をどのように評価しておられるのか、まずはお伺いいたします。 277 ◯ 議長(有澤  守君)  埜田上下水道局長。 278 ◯ 上下水道局長(埜田  諭君)  近年、水道事業を取り巻く環境は、本格的な人口減少社会の到来や節水意識の定着などに伴って、料金収入の対象となる配水量、いわゆる有収水量、給水収益ともに減少傾向にあり、平成26年度の実績でも、前年度と比較して有収水量約1%、給水収益は約1.2%減少しております。  平成26年度の決算では、約3億6,000万円の当年度純利益を確保したところでございますが、そのうちの約3億5,000万円の利益は過年度の国庫補助金等を収益化するなど、会計制度の見直しによるものであります。  このため、今後も水道事業を取り巻く経営環境は、依然として厳しい状況が続くものと考えており、安心・安全な水を提供するという使命を果たすため、継続して健全な事業経営に努めていかなければならないと認識しております。 279 ◯ 議長(有澤  守君)  33番 針山 常喜君。 280 ◯ 33番(針山 常喜君)  決して将来的には明るい見通しではないというのはある程度わかりました。モンドセレクション最高金賞を受けるほどのおいしい水を私どもが利用させてもらっているということに感謝しているわけでございますが、それから平成26年度から新しい会計基準をもとにして適用されましたが、どのような問題点等があったのか、苦労されたところがあったのか、お伺いしたいと思います。 281 ◯ 議長(有澤  守君)  埜田上下水道局長。 282 ◯ 上下水道局長(埜田  諭君)  地方公営企業会計における新会計制度につきましては、資本制度に関する見直しと民間企業会計との整合性を図るための会計基準の見直しを2つの柱として改正されたものでございます。  新会計制度の適用により、1つには、法定積立金の積立て義務が廃止され、議会の議決により経営状況に応じた利益の処分が可能となったこと、それから2つには、資本の部に計上されていた企業債が負債の部に計上移行されたことなどから、地方公営企業の経営の自由度が高まるとともに、経営実態の透明性の向上が図られたものと考えているところでございます。 283 ◯ 議長(有澤  守君)  33番 針山 常喜君。 284 ◯ 33番(針山 常喜君)  それでは、この新しい会計基準を適用されて行われたわけでございますが、それから熊野川の水道用水供給事業からの撤退に伴って本市が負担してきております──詳しい経緯はちょっと略しますが、当初、昭和60年に県と協議しまして、本市の負担額が24億2,600万円、そして追加として9億9,000万円、合計34億1,600万円が分割還元されていると承知しております。  それで、新しい会計制度で、本年度か平成26年度で最終還元であるというふうに伺っておりますので、どのような処理をされたのか、されるのか、お伺いいたします。 285 ◯ 議長(有澤  守君)  埜田上下水道局長。 286 ◯ 上下水道局長(埜田  諭君)  出資金のことであると思っております。今年度、平成27年度が最終の出資金の支出に当たりますので、まずそれであります。  それで、この県営熊野川水道用水供給事業の債務処理につきましては、現在、県では事業の廃止に向け、国と協議を重ねながら、国庫補助金の返還や水利権の放棄など、必要な事務手続を進めておられるとお聞きしているところでございます。  今後、出資者である富山市につきましては、県の手続の進捗状況を注視しながら、適正な対応をしてまいりたいと考えております。 287 ◯ 議長(有澤  守君)  33番 針山 常喜君。 288 ◯ 33番(針山 常喜君)  適正な対応というのはわかるのですが、平成27年度で債務処理が完了するというふうに理解してよろしいでしょうか。 289 ◯ 議長(有澤  守君)  埜田上下水道局長。 290 ◯ 上下水道局長(埜田  諭君)  県のほうからは平成27年度で対応したいというふうには聞いておりますので、それに伴って、市も早ければそういうふうにはしたいのですが、その辺につきましてはちょっと不確定な部分もございますので、御理解願いたいと思います。 291 ◯ 議長(有澤  守君)  33番 針山 常喜君。 292 ◯ 33番(針山 常喜君)  不確定なところもありますけれども、県の対応を待つということでございます。  次に、平成26年度の包括外部監査結果報告書の中で、水道事業の今後についてかなり厳しい指摘があったかと思います。例えば、給水収益に対する企業債残高の割合は、本市は約726%、類似団体の値は約253%であり、これだけ比べるだけでも財務構造は必ずしも改善していないという状態であるというふうに指摘されております。  これについて議論する時間がございませんからやりませんが、本市も他の自治体同様、将来の水需要の縮小あるいは耐震化対応を含めた老朽化した設備の更新投資の時期を迎えている、そしてまたいろいろ計画もされております。  現在、更新計画されている必要な資金を企業債の充当率50%とした場合の財務予測をした場合、近い将来資金不足が必ず生じてくる。その対応策として、料金値上げが必至であるという指摘がありました。本報告書の中には、詳しく採算したケース例が記載されております。  これらの指摘を受けて当局は、水道料金の改定あるいは財務状況の対応についてどのように検討されているのか、見解をお伺いいたします。 293 ◯ 議長(有澤  守君)  埜田上下水道局長。 294 ◯ 上下水道局長(埜田  諭君)  先ほど大変厳しいというところであります。現在、水道料金は平成20年4月に改定いたしまして、7回目の決算を迎えたところでございます。収益的収支では、今までも黒字を確保してきたところでございます。  この間、1つには、東・西上下水道サービスセンターの2拠点化、2つには、流杉浄水場運転管理業務の民間委託、3つには、事務執行体制の見直しによる職員数の削減や超過勤務時間の縮減、4つには、企業債の繰上げ償還の実施による利息の軽減などに取り組んできたところであり、今後とも健全な経営に向けた財政基盤の強化に努めてまいりたいと考えております。  こうした状況の中で、現在のところ料金改定は考えてはおりませんが、今後、水需要の動向や財政状況などを見きわめて適切に対応してまいりたいというふうに考えております。 295 ◯ 議長(有澤  守君)  33番 針山 常喜君。 296 ◯ 33番(針山 常喜君)  上下水道局長の話を聞いて安堵しているのですが、私はあくまで包括外部監査結果の分厚い報告書の中身を読んで質問したわけでございますので、皆さん方と協議しているわけではございませんから、素直にこのような質問をしたわけでございます。  いずれにしろ、あの中ではかなり逼迫した財源不足が生じてくる、緊急の料金改定が必要だというようなニュアンスでも強く掲げておられました。  そういうことで、今おっしゃいましたとおり、いろいろな意味でまだ先であるということ、もちろん料金改定というのは、市民や需要者が非常に過敏に感じるものでございますので、ぜひもし事前に何かわかるものがあれば、どんどん情報を提供していただければと思っております。  このほかに、工業用水や公共下水道事業についても同じようなことが言われてきていると思います。今回はこの程度にとどめまして、次回また工業用水や公共下水道事業について議論させてもらえればと思っておりますので、これで質問を終わらせていただきます。  以上でございます。ありがとうございました。 297 ◯ 議長(有澤  守君)  これで針山議員の一般質問及び議案の質疑を終了いたします。  24番 高田 重信君。 298 ◯ 24番(高田 重信君)  9月定例会、自由民主党より一般質問及び議案の質疑をさせていただきます。  1番目に、まちづくりについてお伺いさせていただきます。  先日、中心市街地の人口が39人純増したという報道がありました。これまで目指してきたコンパクトシティの1つの成果であり、これがきっかけになり、毎年人口が増えていけばと期待しているところであり、ことし行われる国勢調査が楽しみであります。
     そうした中で、ことし8月22日、市民が待ち望んだ「TOYAMAキラリ」が開館いたしました。建物は、外観、内装とも特色あるもので、中に入るガラス美術館、図書館もそれぞれのコンセプトに基づき整備され、全国に誇れる文化施設になりました。これから多くの人が来館され、その魅力をじっくり味わってもらえるものと期待しております。  そこで、市長にお尋ねいたします。TOYAMAキラリ開館の意義についてお聞かせください。 299 ◯ 議長(有澤  守君)  森市長の答弁を求めます。 300 ◯ 市長(森  雅志君)  まず、TOYAMAキラリは美術館と図書館だけがTOYAMAキラリではなくて、あの建物全体を指しての呼称ですので、その観点からまず申し上げたいと思います。  再開発事業が進んできて建物が完成して金融機関が営業を開始されたという時点、そしてその残余の床について図書館と美術館がいよいよオープンしたという時点、つまり最終的な完成のときを迎えたという捉え方からすれば、旧大和の場所というのは、富山市民のみならず県民がひとしく心の重心として位置づけてきた、まさに富山にとっての最重要地点だったと思います。空襲も乗り越えてきた旧大和の建物がこのようによみがえったということの持っている意味は大変大きいものがあると思います。  とりわけ、その地権者の方々の心の中に思いをいたしますと、再開発がまずまとまった時点での大きな心の中での整理があったと思いますが、それがこういう形で見事に完成したということへの思いはいかばかりかというふうに思います。  そして、大和デパートさんにしてみると、長くあの場所で営業してきたものが──西町・総曲輪地区再開発事業の中で店舗を移された後、やはりどこかでまだ終わり切っていないという思いをお持ちだったと思いますが、こういう形できちんと完結したということは、進めてきた再開発事業全体の熟度を上げるという意味からも大変重要な意味があると思っております。  そして、建築物に関して言うと、隈 研吾さんの設計に基づく、この非常に革新的な建物は、アルミとガラスというものを外壁、外観に使いながら、中には県産材を延長で27キロメートル使っていると伺いましたが、新しい時代を見据えた大変ユニークな構造となっております。これは建築だけでも人を呼べる力があるのではないかと思うくらいですので、そういう魅力的なものができたということについてまず高く評価をしたいと思っております。これは再開発事業の組合に対して感謝を申し上げたいと思います。  その上で、本市が取得しましたものについていいますと、ここ30年にわたって続けてきましたガラスのまちづくりの施策の一つの集大成ができ上がったというふうに思っております。人材の育成をする、作家が育つ、工房が増えていく、地場産業として進展していく、その上で収集してきたものを含め、そして作家のこれからの意欲につながるような展示空間を持つということはある種の夢だったわけですので、さらにはこの鑑賞の場が世界への発信力も持てたというふうに思いますので、そういう意味では大変大きな意義があると思います。  図書館について言いますと、今までの図書館のあの場所は、恐らくあれは私が大学へ入ったころにできたのだと思います。昭和46、7年ではないかと思いますが、そのころからずっとあの場所で、まさに知のシンボルとしていい機能を果たしてきたと思います。私自身も、自分の青春時代によく通った思い出があります。3カ月ぐらい毎日通った時期もありました。  そういう意味で、これが果たしてきたものが一層輝きを増して今の場所で改めて知の拠点として動き出すことは大変重要な意義があると思います。そして、その2つが融合している存在ということにもユニークさがあると思います。  先般、岐阜市の新しい図書館に行ってきましたが、これもまたすばらしいものでした。しかし、それとは違うコンセプトで美術館と図書館が階層で分かれるのではなく、各フロアで融合しているという存在は極めて発信力が大きくて、図書館の世界の中でも評価を受けるのではないかと思います。  そして、何よりも最後に申し上げたいのは、中心市街地の大変このシンボル的な場所で誘客力を持つ、あるいは発信力を持つ拠点としてこれから動き出していくわけですので、これがまちづくりや中心市街地のにぎわい、さらには、何度も言いますが、市民の心を動かすという意味での果たす役割は大変大きいというふうに思います。そういったこと全体を含めてTOYAMAキラリの完成というものを捉えております。 301 ◯ 議長(有澤  守君)  24番 高田 重信君。 302 ◯ 24番(高田 重信君)  これから市民の心の中心にもなるし、大きなまちのにぎわいをもたらす中心的な柱、シンボルタワーとなっていくものだと大変期待しております。  来る9月12日には隈 研吾氏による特別講演がTOYAMAキラリで行われるそうですが、ぜひお聞きしたいなと思っております。  次ですが、開館以来大変大勢の人が来館されているということですが、報道によれば、幾つかの課題も出てきているということ、その内容、その対応についてお聞かせください。 303 ◯ 議長(有澤  守君)  今本企画管理部長。 304 ◯ 企画管理部長(今本 雅祥君)  おかげさまで、ことし8月22日の開館以来、多くの方が「TOYAMAキラリ」にあります美術館それから図書館本館に御来館をいただいております。9月6日現在で来館者は約6万5,000人となっておりまして、1日当たり約4,100人となっているところでございます。  御指摘がございました新聞等の報道によりますと、来館された一部の方から「駐車場がなくて驚いた」とか、「駐輪場のスペースが狭くてとめにくい」といったような御意見があるとのことでございますが、美術館、図書館に直接寄せられた同様の御意見につきましては、開館以来数件ということでございます。  このことは、開館前から公共施設でありながら駐車場を整備しないことを説明し、公共交通を御利用いただきますように周知してきたことによるものではないかと考えております。  また、駐輪場につきましては、130台ございますが、夏休み期間中は多いときで50台程度が駐輪場に入り切らない状況があったために、敷地内に臨時駐輪場を設けて対処いたしましたが、9月に入りましてからは、130台あるうちの大体7割程度の利用にとどまっているというような報告を受けております。 305 ◯ 議長(有澤  守君)  24番 高田 重信君。 306 ◯ 24番(高田 重信君)  開館してこれから大きく期待される施設でありますから、いろいろな初期の課題というかトラブルというか問題というか、そういうことには早目に対応していっていただければ、多くの市民の方にもまた安心して使ってもらえると思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。  また、県外から訪れる方で目的が美術館、図書館という方以外にはTOYAMAキラリとはどういう施設なのかわかりにくいのではないかと心配しております。TOYAMAキラリのデザインコンセプトとの兼ね合いもあると思いますが、来訪者にわかりやすく施設を紹介するサインを設置したらいかがか、そのサインは建物に負けないくらいクール、いかしたデザインを採用する、またキャッチコピーも考えたらいいと思うのですが、いかがでしょうか。 307 ◯ 議長(有澤  守君)  今本企画管理部長。 308 ◯ 企画管理部長(今本 雅祥君)  ガラス美術館それから図書館本館の表示、いわゆるあのビルの中にそういう美術館と図書館が入っているということにつきましては、正面出入口から館内に入りました右側に表示がございますが、そのほかには表示がございません。  したがいまして、特に市外・県外からの観光客の皆さんにも、あの「TOYAMAキラリ」ビル内にガラス美術館、図書館本館があることをわかりやすく表示するサインについて、設計者の建物のデザインコンセプトも考慮しながら今後検討してまいりたいと考えております。  また、キャッチコピーについてお尋ねがございましたが、現在、美術館、図書館本館ともキャッチコピーは使用しておりませんが、これにつきまして今後研究していきたいと考えております。 309 ◯ 議長(有澤  守君)  24番 高田 重信君。 310 ◯ 24番(高田 重信君)  これから県外の方も大変多く訪れられていく施設になると思っていますので、ぜひともサインのほうをわかりやすく、格好いいものにしていただければと思います。  また、開館記念セレモニーに参加させていただきましたが、「薬師如来降臨/12の誓願」、これは、建物の特徴である斜めの吹抜け空間をうまく使いながら、演奏と舞とのコラボレーションが何とも言えない雰囲気を醸し出しており、普通の舞台では味わえない降臨する動きが演出されていて、とても新鮮でありました。欲を言えば、照明の演出ができたらもっとよかったなと思いますが、とにかく1回だけで終わらせるのは大変もったいないという思いであります。ぜひどこかのタイミングで再演できないものか。例えば来年5月に開催されるG7の環境大臣会合での披露はどうでしょうか、考えをお聞かせください。 311 ◯ 議長(有澤  守君)  今本企画管理部長。 312 ◯ 企画管理部長(今本 雅祥君)  「薬師如来降臨/12の誓願」につきましては、これは東京芸術大学の松下 功副学長、伊東 順二特任教授、それから映画監督の本木 克英氏、それからキラリビルの設計者である隈 研吾氏らが、ビル内に整備されるガラス美術館や図書館を事前にごらんになった上で、そのイメージをもとに、開館記念セレモニーのためだけに特別にそれぞれ作曲、総合監督、企画、脚本それから空間構成等を行われ、制作をされたものでございます。したがいまして、御提案のG7環境相会合などの別の機会に再演するということは難しいと考えております。 313 ◯ 議長(有澤  守君)  24番 高田 重信君。 314 ◯ 24番(高田 重信君)  そうしたら、あのような大変すばらしい空間なのですが、もし、いろいろな劇団だとか民間の方から、あの場を使いたいという何か要望があったときは、何か対応というものは考えておられますか。 315 ◯ 議長(有澤  守君)  森市長。 316 ◯ 市長(森  雅志君)  基本的に図書館も併設していますので、積極的にそういうことができるかどうかというのはしばらく様子を見ながら考えていく必要があると思っております。  まずは空間を見ていただいて、そういう利用に対しての声がどの程度上がってくるのか、そうは申しながら、御寄附をいただいたピアノがそこに置かれていますので、今話している最中のものは、例えばアンサンブル程度の演奏会については企画をしていくということを図書館も言っていますので、このあたりは利用者の声を聞きながらです。  しかし、演劇をするとかいうことは、やはりなかなか理解が得られないだろうと思います。あまり性急にあれこれ要求されないで、落ちついて、使われ方、市民の声、そういうものを見ながら進めていくことが大事だろうというふうに思います。 317 ◯ 議長(有澤  守君)  24番 高田 重信君。 318 ◯ 24番(高田 重信君)  大変すばらしい環境であるということであって、やはり市民の皆さんの芸術に対する目の肥えている方はそんな感想も寄せられているということでありますので、御理解いただければと思います。  次に、再開発事業等につきまして質問させていただきます。  総曲輪西地区、桜町一丁目4番地区、総曲輪小学校跡地活用の施設、また旧西武デパート跡地の再開発が順次決定し、またその施設が完成していきます。そして、新たにTOYAMAキラリ向かい側にあります西町・総曲輪地区の再開発も立ち上がろうとしているところでありますが、それぞれの施設には特色があり、完成すれば、中心市街地、富山駅前の風景が変わり、人の流れも活発になり、にぎわい創出につながるものと期待しているところであります。  また、国土交通省は、歩道や道の駅などの利用制限を緩和する方針を固めたそうで、歩道でオープンカフェの営業など通行以外でも利用しやすくなります。積極的に活用すれば、魅力ある「まち・とおり」を演出でき、歩行者数も増えてくるものではないかと期待しておりますが、歩行者数やセントラム等の公共交通利用者も含め、どのように予測されているか、お聞かせください。 319 ◯ 議長(有澤  守君)  京田都市整備部長。 320 ◯ 都市整備部長(京田 憲明君)  再開発事業に関連しての歩行者通行量等の御質問でございますが、今ほど御指摘の幾つかの再開発事業の中で、正確に市街地再開発事業とすると、総曲輪小学校跡地というのはそれには該当しないのですが、広い意味で言えば、まちの再開発という意味では再開発だと思っています。  富山市は、おかげさまで非常にたくさんの再開発事業を今まで実施しておりまして、例えばここ10年で言うと、西町・総曲輪地区でグランドパーキングという駐車場の再開発ができましたり、それから総曲輪通り南地区で大和百貨店が入る再開発事業ができましたり、それから今のTOYAMAキラリ──西町南地区、その間にも住居系、マンション系のもので西町東南地区ですとか中央通りF街区など、たくさんの再開発事業を行っています。  地方都市としては非常に珍しい都市でございまして、先ほどちょっと市長の答弁の中でも市長は勘違いされましたが──西町・総曲輪地区、総曲輪・西町地区、すみません、私もどちらかよくわからなくなりましたが──大和が入ったのは総曲輪通り南地区でございまして、西町・総曲輪地区というのはグランドパーキングがある地区でございます。そのくらいにたくさんの数をやっているということです。  御質問のまちなかの歩行者数等でございますが、そういう大きな施設ができたり、あるいは逆に言うと、平成17年に西武が撤退をしましたが、そういう大きな施設がなくなる、撤退するというときに、ガクッと減ったりガクッと増えたり、これまではどちらかというと減るということが多くて減ってきたという状況でございます。  現在どうなっているかといいますと、中心市街地活性化基本計画の目標値は3万2,000人という歩行者通行量の目標を掲げています。昨年の実績では2万1,885人ということで、目標からは大きい隔たりがあるわけでございます。  しかし、ことしの8月にTOYAMAキラリがオープンいたしましたし、それから来年5月には映画館、ホテルを含む複合施設がオープンする予定であります。  こうした新たなにぎわいの拠点が創出されることで、さらなる来街者の増加が見込まれるということから目標値の達成に近づくものというふうに考えております。  それから、路面電車市内線1日平均乗車人数、これも同じく中心市街地活性化基本計画の目標値1万3,000人に対して、平成26年度実績では1万2,179人となっております。  この数値については、まちなかの開発ということにあわせて、北陸新幹線の開業が大きく影響しておりまして、この北陸新幹線開業後、路面電車の乗車人数が飛躍的に増加しておりますので、第2期計画の期間内には目標値を達成できると見込んでおります。  以上でございます。 321 ◯ 議長(有澤  守君)  24番 高田 重信君。 322 ◯ 24番(高田 重信君)  歩行者が4,000人ほど増えるということは大変にぎやかさが増してくるものと思っています。ただ、反面心配な点もあって、総曲輪西地区で新たに駐車場が整備されるということでありますが、結果、交通渋滞が大変心配されるわけでありまして、その点の対応につきましてお聞かせください。 323 ◯ 議長(有澤  守君)  京田都市整備部長。 324 ◯ 都市整備部長(京田 憲明君)  総曲輪西地区では、再開発組合によって約480台収容の自走式駐車場が整備されることになっております。  再開発組合では施設オープン後の交通量の変化を予測して、それをもとに国道41号の管理者である国との協議を行ってこられましたが、その協議の結果、1つとして、交通量の多い国道41号からの直接的な出入りを避け、地区の北側市道に出入口を設ける、2つに、敷地内に入庫車の待機場所を設けるということなど、周辺の交通に極力影響を及ぼさないように対応を行い、国などの関係機関の了解をいただいたところでございます。  とは申せ、国道41号は交通量の非常に多い重要な幹線道路であることから、混雑が予想される日については、入出庫により交通の流れを阻害しないように誘導員の配置等についても指導してまいりたいと考えております。 325 ◯ 議長(有澤  守君)  24番 高田 重信君。 326 ◯ 24番(高田 重信君)  グランドプラザができたときから、つい最近までもああいった混雑状態でありますので、ああいう状態にならないように、また早目早目の対応とかしていただければ、スムーズな──映画を見に行くとか、いろいろな時間のこともあると思いますので、そういったこともしっかり対応していただければと思っています。  また、自転車の利用も、先ほどのお話にもあったとおり確実に増えてくると思っています。周辺駐輪場の確保についてお聞かせください。 327 ◯ 議長(有澤  守君)  京田都市整備部長。 328 ◯ 都市整備部長(京田 憲明君)  中心商店街周辺で本市が整備し来街者に開放している駐輪スペースは、CUBYの中に約30台、それから西町に約150台あり、日中はほぼ満車となっております。  それ以外にも、総曲輪フェリオに約220台、TOYAMAキラリに約130台、市民プラザに約100台など、それぞれの施設が所有する駐輪場もございます。  こうした状況ではありますが、先月には富山市立図書館あるいはガラス美術館がオープンし、来年6月にはシネマコンプレックスがオープンすることなどから、自転車での来街者はさらに増加するものと考えております。  そこで、本市では、総曲輪西地区の再開発の中で、約200台収容の駐輪場を整備することとしたところであり、それでもまだ駐輪場は不足していて十分ではないと認識しているところであります。
     また、自転車利用者は自動車利用者と異なり、駐輪した場所から目的地まであまり長い距離を歩かないと思われることから、目的地に近い場所に駐輪場を設置することが重要と考えております。  このことから、現在、「富山市における建築物に附置する駐車場施設に関する条例」いわゆる附置義務駐車場の条例と言っておりますが、この条例を今年度中に改正し、これまでは車の駐車場を附置する条例でしたが、新たに、その中に駐輪施設の附置を義務化することを検討しているところでございまして、今後の駐輪施設の充実に努めてまいりたいと考えております。 329 ◯ 議長(有澤  守君)  24番 高田 重信君。 330 ◯ 24番(高田 重信君)  そうした対応、今一生懸命検討しておられるということでありますので、少しでも早く決まり次第、皆さんに情報として流していただければと思っております。  また、歩行者数が増えたり、今の自転車が増えたりすることによる事故とか事件、トラブルが増えてくると予想されますが、このことについてどのように対応を考えておられますか。 331 ◯ 議長(有澤  守君)  八幡市民生活部長。 332 ◯ 市民生活部長(八幡 俊彦君)  一般論としてではありますが、歩行者や車の通行量が多くなれば、事件や事故も増加するものと言われております。  このことから、北陸新幹線の開業の際にも、治安情勢が大きく変化することが懸念されましたが、幸い富山駅を管轄する富山中央警察署管内でのことし7月までの刑法犯認知件数は減少しております。  今後、中心市街地における再開発事業等の進展に伴い、さらなる交流人口の増加が予想されますことから、本市といたしましては、中心市街地等の事件や事故などの状況の変化を注視するとともに、必要な対応策について、警察等関係機関と連携してまいりたいと考えております。 333 ◯ 議長(有澤  守君)  24番 高田 重信君。 334 ◯ 24番(高田 重信君)  そうした中で、犯罪を未然に防ぐということで、事件の捜査等にも防犯カメラというものが大変重要視されてきております。  西町周辺、富山駅前周辺での防犯カメラの設置状況と今後の設置予定についてお聞かせください。 335 ◯ 議長(有澤  守君)  八幡市民生活部長。 336 ◯ 市民生活部長(八幡 俊彦君)  再開発事業が行われている西町・総曲輪地区並びに富山駅前周辺における防犯カメラの設置状況につきましては、商店街や自治振興会が設置しているものとして、新富町1丁目や総曲輪通り、TOYAMAキラリに面した太田口通りに計36台、交通事業者が設置しているものとしてセントラムの停留所に4台ございます。  一方、市のほうでは、施設利用者の安全や施設管理を目的に防犯カメラを整備してきており、この地域においては、富山市ガラス美術館、図書館本館あるいは富山駅南口駅前広場、富山駅南第一及び第二の自転車駐車場など14の施設に計207台を設置しております。  この地域における今後の整備につきましては、本市では商工業団体や町内会等を対象とした防犯カメラ設置の補助制度を設けていることから、これらの制度を活用していただくことで、地域全体の防犯力を高めていきたいと考えております。 337 ◯ 議長(有澤  守君)  24番 高田 重信君。 338 ◯ 24番(高田 重信君)  そしたら、今後の設置予定というか台数を増やすことにつきましては……。 339 ◯ 議長(有澤  守君)  八幡市民生活部長。 340 ◯ 市民生活部長(八幡 俊彦君)  今ほど申し上げましたが、この地域における整備につきましては、商工業団体や町内会等を対象とした防犯カメラ設置の補助制度を設けておりますので、これを活用していただきたいと考えているところでございます。 341 ◯ 議長(有澤  守君)  24番 高田 重信君。 342 ◯ 24番(高田 重信君)  富山市としては、今のところは積極的には増やしていかないという方向でよろしいですか。 343 ◯ 議長(有澤  守君)  八幡市民生活部長。 344 ◯ 市民生活部長(八幡 俊彦君)  市のほうでは、施設の安全管理という面で設けておりますので、今のところ、一般的な道路上での防犯カメラの設置は考えていないところでございます。 345 ◯ 議長(有澤  守君)  24番 高田 重信君。 346 ◯ 24番(高田 重信君)  とにかく今いろいろな思わぬ事故が多発──本当に想定外の事故も多発している中で、この防犯カメラの威力というものをまざまざと見せつけているわけでありますので、本当に防犯ということに役立つことを期待しながら、また市のほうでもその管理運営をしっかりしていただきたいと思います。  次に、今、社会におきましては、ノーマライゼーションという考え方を取り入れたまちづくりが進んでおります。障害者や高齢者、妊婦の方たち、いわゆる社会的弱者と言われる人たちも安心して生活が送れるよう施設が整備されてきました。  しかし、その精神・趣旨を理解していない人たちによって安心な生活が脅かされている現実もあります。例えば点字ブロックへの駐車とか駐輪です。今回議案に提出されています障害者等用駐車スペース適正利用推進事業につきまして、この事業を提案された経緯につきまして、お聞かせください。 347 ◯ 議長(有澤  守君)  八幡市民生活部長。 348 ◯ 市民生活部長(八幡 俊彦君)  平成6年9月に施行されました通称「ハートビル法」や、平成12年11月に施行された通称「交通バリアフリー法」、そして平成18年12月に施行された「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」、これは通称「バリアフリー新法」と言いますが、これらによりまして、当市においても、これまでさまざまな施設や設備についてバリアフリー化が推進されてきたところであります。  同時に、バリアフリー新法では、国や地方公共団体の責務を定めるとともに、国民にも高齢者、障害者等の円滑な移動及び施設の利用を確保するための協力を求めております。  しかし、本市におきましても、商業施設等の障害者等用の駐車スペースに健常者が駐車する行為が散見されます。  本事業は、これらの状況を踏まえまして、障害者等用駐車スペースの利用の現状を調査し、適正な利用を呼びかけるものでございます。 349 ◯ 議長(有澤  守君)  24番 高田 重信君。 350 ◯ 24番(高田 重信君)  本当にそういったちょっと心ない人がいるということは悲しいことでありますが、その目的にあります市民のマナー向上につなげるということがありますが、この取組みにつきまして具体的なお話をお聞かせください。 351 ◯ 議長(有澤  守君)  八幡市民生活部長。 352 ◯ 市民生活部長(八幡 俊彦君)  この事業につきましては、まずは実態を調査し、周知・啓発の方法について検討してまいりたいと考えております。  本事業を実施することで障害者等用駐車スペースの適正利用が推進されるとともに、市民一人一人が改めて、なぜさまざまなルールや設備が存在するのかを考える契機となって、さらなるマナー意識の向上と思いやりの心の醸成につながることになればと考えております。 353 ◯ 議長(有澤  守君)  24番 高田 重信君。 354 ◯ 24番(高田 重信君)  今のところ、特に具体的にこうするああするということはないようでありますが、やはりこうしたマナー向上というものが富山市の魅力をさらに高め、選ばれる都市になるものというふうに確信しておりますので、マナー向上に取り組んでいただければと思います。  次に、まちづくりにおいて道路整備は大変重要な位置を占めており、現代の車社会を支え、私たちの生活に多大な恩恵をもたらしております。反面、そうした車社会では交通事故死は避けられず、これまで多くの悲劇を生んできたのも事実であります。  先般、県では、今年度の交通事故による死亡事故者数が昨年を早くも上回った結果を受け、知事名で「交通事故死亡者多発警報」を出されました。ちなみに、昭和20年から平成26年までの70年間で、全国での交通事故による死亡者はおよそ63万人であります。富山市でデータを取り始めたのは昭和31年からで、その年は13人でした。この年に信号機第1号が荒町交差点に設置されています。それから、昨年までの59年間で死亡者数は1,668人となっています。  また、富山市では、平成10年から65歳以上の交通事故死亡者数の統計を開始しましたが、多くの年で全国の割合より上回っています。昨年は死亡者が14人、うち65歳以上は10人であり、割合は71.4%にもなります。昨年の全国の割合は53.3%であります。  このように富山市において高齢者の交通事故死亡者数の割合が全国より高いのですが、その傾向と対応についてお聞かせください。 355 ◯ 議長(有澤  守君)  八幡市民生活部長。 356 ◯ 市民生活部長(八幡 俊彦君)  本市における交通死亡事故に占める高齢者の割合は年ごとに増減が大きく、昨年は全国と比べ高くなっておりますが、過去10年では全国平均を下回っている年もございます。  過去10年の平均で見てみますと、交通死亡事故に占める高齢者の割合は、富山市が54%、全国が48%と、富山市がやや高くなっております。  全国平均より高い原因は明確ではございませんが、1つには、高齢者人口の割合が全国平均より高いということ、もう1つは、歩行中や自転車乗車中に発生した死亡事故に占める高齢者事故の割合が全国平均より高いことなどが要因として挙げられます。 357 ◯ 議長(有澤  守君)  24番 高田 重信君。 358 ◯ 24番(高田 重信君)  今言ったように65歳以上の高齢者の交通死亡事故が大変増えているという中で、交通安全協会とタイアップしながら、たすき、反射材とか、そういったことの運動もしっかりされていると思っておりますが、交通安全協会との連携についてはどのようにしておられるのか、お聞かせください。 359 ◯ 議長(有澤  守君)  八幡市民生活部長。 360 ◯ 市民生活部長(八幡 俊彦君)  交通安全協会とは、春とか秋とかの交通安全運動のときには当然共同してやっておりますし、例えば高齢者薄暮交通安全教室などの開催での協力をいただくといったことなどを行っております。  交通安全協会と高齢者の事故という点で考えますと、競技大会ですが、高齢者の自転車安全教室というものを開催いたしまして、そういった中で地域の交通安全協会を通じて、予選等を通じて、それぞれの高齢者に運転技能の向上などを図ってもらいながら進めているというような事例がございます。 361 ◯ 議長(有澤  守君)  24番 高田 重信君。 362 ◯ 24番(高田 重信君)  高齢者の方も、お元気な方もたくさんおられる中で、やはり交通事故というのは避けられない中での対応は、これからそういう対応策ができる商品というか、いろいろなものが出てくるかと思いますので、市もそういったことを積極的にPRしていただき、高齢者の方々の交通事故の死亡者を少しでも少なくするような努力が必要ではないかと、これは我々もそうですが、そういうふうに思っております。  また、交通事故を防ぐために、今、目の錯覚を利用したイメージハンプや狭窄、パト看板の設置、また道路のラウンドアバウトというシステムも出てきておりますので、そういったことも研究しながら対応していっていただければと思います。  次に、中心地区に星野リゾートが進出してくるという報道がありまして、正直「えっ」と驚いた次第であります。  この星野リゾートに富山市を選んでもらえたのは、これまで取り組んでこられたプロモーションの大きな成果だと思いますが、都市型ホテル事業、まちなかのリゾート開発にどのように取り組んでいかれるのか楽しみであり、富山市内でリゾートという形態が成り立てば、ホテル業界からも注目を浴び、富山市への進出が増えてくるのではと期待いたしますが、そうしたことも踏まえ、富山市をさらにアピールできるチャンスも増えてくるものと思っております。  この星野リゾート進出につきまして、市長の御所見をお聞かせいただければと思います。 363 ◯ 議長(有澤  守君)  森市長。 364 ◯ 市長(森  雅志君)  星野リゾートは、今までリゾート滞在需要や温泉保養需要に対するサービスを提供してこられました。  報道からしかわかりませんが、報道によれば、富山市、金沢市、福岡市、広島市のANAクラウンプラザホテルの不動産を所有している法人の株式を取得されたということでありますので、今までの取組みに加えて都市観光需要に対する都市型ホテルの経営に参入されるということだと推測しております。  ただ、当面の運営は現行のまま継続されるとのことでありますので、何らかの連携ができるかどうかの可能性も含めて現時点ではわからないというのが率直な思いで、交渉も交流もこのことについてあるわけではありませんので、私の理解は実態、現場としてはANAクラウンプラザホテルはそのまま経営されていくのだろうということ。不動産を所有する会社の株を取得されたのであって、その意味ではリーシングされるわけですので、星野リゾートの名前が出たからといって急に変わるということではないというふうに思っています。 365 ◯ 議長(有澤  守君)
     24番 高田 重信君。 366 ◯ 24番(高田 重信君)  星野リゾートのほうもそのように言っておられるわけですが、やはりしっかり準備を整えてというか10年ほどのスパンを考えてみたいなお話もされておりますが、ただ、星野リゾートというブランドが富山に来るというのは1つのインパクトがあるなと思っております。プロモーションのことは削除させていただきます。  次の質問に入ります。  セーフ&環境スマートモデル街区整備事業等につきまして伺います。  このスマートシティとは、市民の生活の質を高めながら健全な経済活動を促し、環境負荷を抑えながら継続して成長を続けられる新しい都市の姿であり、市民が積極的に参加して、それぞれが描く将来像を共有し、それぞれの知恵を出し合いながら形づくっていくものだと言われておりますが、幾つかの都市でもモデル事業を推進されておりますが、本市の豊田地区で取り組まれますモデル街区事業の狙い、特色についてお聞かせください。 367 ◯ 議長(有澤  守君)  本田環境部長。 368 ◯ 環境部長(本田 信次君)  この事業は、旧豊田小学校跡地において、公民館と住宅街区を公民連携いわゆるPPPの手法により整備するものでありますが、本事業の狙いにつきましては、1つには、自然エネルギーの活用や省エネルギー性にすぐれた設備の導入による環境にやさしい低炭素型のまちづくりの推進、2つには、多世代が交流するにぎわい・安全性・快適性を備えた質の高い生活環境の提供、3つには、公共交通沿線地域である当街区への居住誘導によるコンパクトなまちづくりの推進などであります。  次に、特色といたしましては、公民館と住宅街区がエリア内の生活関連施設であります保育所あるいは交番と一体となって、環境への負荷の少ない設備等を導入するとともに、地域住民の交流と学びの場を創出することなどが挙げられます。  市といたしましては、今後公募する民間事業者からすぐれたコストパフォーマンスやエネルギーの活用等に関する先進的なアイデアが提案され、特色あるモデル街区が誕生することを期待しているところであります。  以上であります。 369 ◯ 議長(有澤  守君)  24番 高田 重信君。 370 ◯ 24番(高田 重信君)  今ほど公募ということがありましたが、時期的なもの、いつまでに決まるのかということについてお聞かせください。 371 ◯ 議長(有澤  守君)  本田環境部長。 372 ◯ 環境部長(本田 信次君)  現在の予定では、今月の中旬ごろに有識者と市職員からなる事業者の検討会議というものを開催いたしまして、募集要項ですとか選定基準、要求水準等の検討を行うこととしておりまして、それを経まして、今の予定では10月の初旬から公募を開始する予定にしております。 373 ◯ 議長(有澤  守君)  24番 高田 重信君。 374 ◯ 24番(高田 重信君)  多くの魅力ある提案がなされるよう期待しております。  そうした中で、環境負荷を抑えるエネルギーとして、水素エネルギーに注目が集まっていますが、このたびのモデル街区への導入は難しいと考えますが、環境未来都市を標榜している、またエネルギー効率改善都市富山市にとって、水素社会の実現に向けての取組みが期待されるものと思いますが、本市の考え方、また今後の取組みについて聞かせてください。 375 ◯ 議長(有澤  守君)  本田環境部長。 376 ◯ 環境部長(本田 信次君)  水素エネルギーにつきましては、次世代エネルギーとして貯蔵や輸送が容易であり利便性にすぐれていること、あるいはエネルギー効率が高いこと、さらには利用段階で温室効果ガスの排出がないことなど、すぐれた特徴を有しております。  このことから、国におかれましては、平成26年4月に第4次エネルギー基本計画を閣議決定されるとともに、同年6月に策定されました水素・燃料電池戦略ロードマップに基づき、水素社会の実現を着実に目指すこととしております。  しかしながら、水素エネルギーにつきましては、導入コストが多額なことや取扱いに安全性の確保が必要なことなど解決すべき課題があることから、国や民間企業においては、現在、低コスト化や高耐久化などに重点を置いた技術開発や実証事業が行われているところであります。  市といたしましては、国全体の動向を注視しながら、家庭用燃料電池などの利用推進をはじめ、水素エネルギーの有効活用につきまして調査・研究してまいりたいと考えております。  現段階では、水素エネルギーの有効活用や供給システムの確立に意欲をお持ちの市内の事業者の方と意見交換を行っているところであります。  以上です。 377 ◯ 議長(有澤  守君)  24番 高田 重信君。 378 ◯ 24番(高田 重信君)  その企業の皆さんと積極的に意見交換されながら、富山市にも早く水素社会の実現をお願いしたいと思っております。  次に、レジリエント・シティについてお伺いいたします。  レジリエンス統括監に、市政策参与でもあられるジョセフ・ランゾウ稲田氏が就任されました。「富山市は世界の都市の中でも抜きん出ていると評価されており、モデル都市としての役割を果たしていく必要がある」とロックフェラー財団に選ばれた意義を語っておられます。また、抱負として、「ロックフェラー財団は20年、30年先を見据えた長期的な視野で世界が抱えるショック(急激な危機)とストレス(慢性的な脅威)に対応するモデル事例となることを求めており、その要求を達成できるようにしたい」と述べられております。  初めに、本市の現在のレジリエンス度についてお聞かせください。 379 ◯ 議長(有澤  守君)  森市長。 380 ◯ 市長(森  雅志君)  レジリエンスという言葉の概念はなかなか説明が難しいので、お一人お一人受けとめ方が違うのではないかと思います。言葉だけ言えば、強くてかつしなやかだと、折れない、柔軟性もある、しかし危機に対して毅然と対応できるというような概念をイメージしてもらえばいいと思います。  いずれにしましても、世界の多くの都市はそれぞれの都市ごとに違う意味のストレスやショックを抱えています。あるところでは、テロがショックであったり、例えば今のシリアの難民がヨーロッパに押し寄せているようなことなども大きな危機でありショックであります。それから、海面上昇に当面しているマーシャル諸島とかその他もあります。毎年のように大きなハリケーンが来るところもある。あるいは食糧難、エネルギー不足、水もない、さまざまな事態が世界を取り巻いておりまして、それについて我々人類社会はどう対処していくのかということを考えるときの基本的なスタンスがレジリエントであるということを目指していかないと、将来市民に対して責任を果たせないと、わかりやすく言うとそんなようなことだろうと思います。  一方、富山市も、このことについて例外ではないのであって、ゲリラ豪雨による都市型浸水ですとか、土砂崩落による道路の寸断ですとか、日本でもあちこちで起きております。また、地震や津波への対応ということもあるわけですし、極端な話ですが、現実に能登半島に北朝鮮から船が流れ着くようなことも起きているわけですので、ヨーロッパで起きているようなことが全く可能性ゼロとも言えない時代になってきていると思います。  そういう状況の中で、富山市が抱えているストレスという意味では、人口減少と高齢化ということで、エイジングの問題とディポピュレーションという問題は世界の先頭を走っているのが日本ですから、これに対して将来世代のことを考えて、どうしていくのかということを考えるときに、このレジリエントであることというものは欠かせない側面だと思っています。  また、公共交通がこのまま衰退していくということも大きなストレスです。車に頼れない高齢者が増えていく中で、この方々の安全や安心や健康をどうしていくのかということについてもしっかり考えていかなければいけない。  そういうことに取り組む際に、ロックフェラー財団による「100のレジリエント・シティ」の1つとして選定をされたことによりまして、この財団が提携する企業やシンクタンクなどのいわゆるプラットフォームパートナー──パートナーシップを形成しているプラットフォームの企業が持っている知恵やノウハウあるいは経験、知見、そういったものを提供してもらえることができるわけですので、この機会を絶好の機会と捉えて都市のレジリエンスを高めていくことが今、大変大事な時期だと思っています。  そういう意味で、この片仮名の言葉ですが、レジリエントということ、あるいは名詞形で言うレジリエンスということを受けとめているところであります。 381 ◯ 議長(有澤  守君)  24番 高田 重信君。 382 ◯ 24番(高田 重信君)  今のお言葉で、大体概念とか市長の御所見ということで意見だったと思いますので、そこで、こういったことも含めながら、市長の描かれます20年、30年先の富山市というものをどういうふうに捉えているのか、思いをお聞かせ願えればと思います。 383 ◯ 議長(有澤  守君)  森市長。 384 ◯ 市長(森  雅志君)  いろいろな場で何度も言っていますが、もう一度簡単にまとめますと、日本全体は人口が減っていきます。これはもうとめようがないので、2060年ごろまでに1億人でとめるかとめられないかというのは国の方法ですが、恐らくほうっておくと2050年で1億人を割るのは間違いないわけですから、そういう中で地方都市は都会と比べると激しく減っていくことが容易に想像がつきます。この激しく減っていくことをそのまま放置していくと、そこに若者は来なくなりますし、出ていっていなくなるということだろうと思います。  そういうこのイメージが膨らんできたところに富裕層は来なくなって、あるいは離れていくと、ますます都市の危機、ストレスというものが深まっていくわけですから、そうならないようにしていくために今から何ができるかということが大事で、その意味で20年後、30年後の社会を見据えながら、その時代に向けて、落ちていくにしてもゆっくりとソフトランディングするような社会にしていくということが今の取組みの大事な点だと思います。  富山は基礎的な産業構造はしっかりしています。若者たちが一定程度戻ってくるという確率、ホーミング現象も非常に強いところです。そして子育て環境も今は大変充実した状況にあります。待機児童もいなければ、障害児であっても全て保育所で受け入れるというような体制が維持できています。高齢者福祉施策についても非常に充実しています。こういうものをどうやったら持続性をもって将来につなげていけるかということを考えていくことが大事です。  そのためには、いつも言っているように都市の魅力の総合力を高めていく、教育水準も、犯罪が少ないことも、豊かであることも、所得が大きいことも、さらには災害が少ないことも、そういう意味でレジリエンスであるということが大事で、そういう延長線上に20年後、30年後であっても、今とそう変わらない安心感や豊かさが享受できるような富山市というものを目指していく必要があるだろうと思います。  若い人がやはりここで頑張ろうというふうに反応してくれるようなまち、そして高齢者も、高齢者だから弱者になるのではなくて、いつまでも元気で暮らして光り輝いて働いていけるような、そういうまちというものを目指していきたいと思います。 385 ◯ 議長(有澤  守君)  24番 高田 重信君。 386 ◯ 24番(高田 重信君)  本当にそのとおりだと思っています。若い人たちにも、この富山市にぜひ夢を持って力いっぱい働くというか勉強もしてもらい、またIターン、Uターンの方々も富山市に来てもらえればと思っております。  そうした中で、このレジリエントを達成することについて、未来戦略室というものを立ち上げられております。この部署の役割と現在までの取り組んできた状況等について、また今後の取組みについてのスケジュール等をあわせてお聞かせいただきたいと思います。 387 ◯ 議長(有澤  守君)  今本企画管理部長。 388 ◯ 企画管理部長(今本 雅祥君)  まず、未来戦略室の役割は、将来に向けて持続可能な都市をどのように構築していくのかという観点に立ちまして、市政の重要課題に対し、部局横断的に対応するために、本年4月に設置したものでございます。  その上で、現在は都市の持続可能性を確かなものにしていくためのレジリエンス戦略策定に取り組んでいるところでございます。  現在までの取組みといたしましては、去る7月8日には国際会議場で産学官の関係機関39団体の代表者の出席のもと、ロックフェラー財団との初の公式イベントとして、アジェンダ・セッティング・ワークショップ──これは検討課題を洗い出すという意味のワークショップでございますが、開催したところでございます。  ワークショップの結果につきましては、現在レジリエンス統括監が中心となりまして概要版の報告書の作成を進めているところであります。  このほか、今後の戦略策定過程において有益な助言や提案が期待できるロックフェラー財団が提携する企業やシンクタンクなどとの連絡・調整も行っております。  最後に、今後の取組みとスケジュールにつきましては、先ほど申し上げましたように、ワークショップの内容を踏まえてレジリエンス戦略を策定していくこととなりますが、まずは報告書の概要版を仕上げた上で、詳細版についても年内の完成を目途に取り組み、レジリエンス戦略そのものにつきましては、来年6月ごろの策定に向けて取り組んでまいりたいと考えております。 389 ◯ 議長(有澤  守君)  24番 高田 重信君。 390 ◯ 24番(高田 重信君)  そうした取組みの中で、このプロジェクトに参加する富山市にとっての大きな利点というものについてはどのようにお考えですか。 391 ◯ 議長(有澤  守君)  今本企画管理部長。 392 ◯ 企画管理部長(今本 雅祥君)  メリットという点では何点かございます。このプロジェクトに参加することのメリットにつきましては、例えば世界のほかのレジリエント・シティとさまざまな取組みにかかる情報の交換・収集ができること、それから財団が提携する企業やシンクタンクなどから戦略の策定や実施のためのさまざまなノウハウや支援を直接受けられること、さらにレジリエンス統括監を設置するための財政的な支援が受けられることなどでございます。  さらに、レジリエント・シティの選定後、多くの国際的な企業や組織が本市を視察されていますが、これもロックフェラー財団の国際社会における大きな発信力と影響力によるものと考えております。  具体的に本市を訪問された例といたしましては、世界最大の資産運用会社でありますブラックロック、それから国際的にも高い評価を受けている経営コンサルタント会社のプライス・ウォーターハウス・クーパースやアクセンチュア、それから世界的なIT企業のマイクロソフト社、融資や技術協力を通じて開発途上国の支援を行う世界銀行などでございます。このほか、米州開発銀行が主催する中南米フォーラムへの招聘も受けているところでございます。 393 ◯ 議長(有澤  守君)  24番 高田 重信君。 394 ◯ 24番(高田 重信君)  大変大きな利点があるというか、まさしくまた富山市が大きく世界に羽ばたくものだなと思いますが、統括監が1つ述べておられる言葉でとても印象深く残っているものとしてありますが、「1つ言えるのは、富山市が既に世界的な都市であると誇っていいということだ」とおっしゃっておられます。これを私たちもしっかり肝に銘じて、また活動していければと思っております。  次に、地方創生についてお伺いいたします。  2014年5月に発表されました「消滅可能性都市」896自治体のリストは、改めて日本の置かれている立場を明確にし、そして今それを踏まえながら地方創生を目標に各地方はその実現性を探っているところだと思いますが、まち・ひと・しごと創生法第10条で総合戦略作成が求められています。  そうした中で本市では、ことし7月と8月に地方版総合戦略会議が開催されました。  初めに、この会議の位置づけについてお聞かせください。 395 ◯ 議長(有澤  守君)  今本企画管理部長。 396 ◯ 企画管理部長(今本 雅祥君)  総合戦略会議は、これは戦略策定に際する国のガイドラインに沿って地方版総合戦略の策定に向けて設置したものでございます。
     設置する際には、できる限り産業界や官公庁、大学、金融機関、労働界やマスコミなど各界から幅広く意見を聞くことが望ましいとされているものでございます。  このため、現在15人の外部有識者で構成いたします「富山市まち・ひと・しごと総合戦略会議」を設置し、御意見を伺っているところでございます。 397 ◯ 議長(有澤  守君)  24番 高田 重信君。 398 ◯ 24番(高田 重信君)  そのときにどのような意見が出されて、また市としてそのような意見にどう対応されていくのか、お聞かせください。 399 ◯ 議長(有澤  守君)  今本企画管理部長。 400 ◯ 企画管理部長(今本 雅祥君)  本市の戦略会議、これまで2回開催いたしまして、第1回目につきましては、富山市の人口推計と「富山市まち・ひと・しごと総合戦略」の骨子の素案を、それから第2回目は富山市の人口ビジョンの案及び「富山市まち・ひと・しごと総合戦略」の案をお示しいたしました。  これに対しまして委員の皆さんからは、東京から2時間圏内で新幹線と飛行機が共存する強みを生かすこと、それから富山の優良企業の情報発信をさらに充実させること、農業の6次産業化の推進には強力なコーディネーターが必要であることなど、貴重な御意見をいただきましたので、今後これらの御意見を十分参考にしながら策定作業を進めていきたいと考えております。 401 ◯ 議長(有澤  守君)  24番 高田 重信君。 402 ◯ 24番(高田 重信君)  今後、それを踏まえて、どういうスケジュールで動いていかれる予定でしょうか。 403 ◯ 議長(有澤  守君)  今本企画管理部長。 404 ◯ 企画管理部長(今本 雅祥君)  現在は、「富山市まち・ひと・しごと総合戦略」の案についてパブリックコメントを実施しているところでございます。パブリックコメント終了後、市議会の各派代表者会議にも御説明をいたしました上で、この9月末には国へ提出していきたいと考えております。 405 ◯ 議長(有澤  守君)  24番 高田 重信君。 406 ◯ 24番(高田 重信君)  また議会のほうでもしっかり検討させていただきたいと思っております。  次に、「生涯活躍のまち」についてであります。  去る8月25日に政府の有識者会議におきまして、高齢者の地方移住に関する中間報告がまとめられまして、「日本版CCRC構想」と呼ばれる共同体の正式名称を「生涯活躍のまち」にすることが決定されました。  「生涯活躍のまち」構想は、東京圏をはじめとする地域の高齢者が、希望に応じ地方やまちなかに移り住み、多世代と交流しながら健康でアクティブな生活を送り、必要に応じて医療・介護を受けることができるまちづくりを目指すものであります。  一方、この政府の会議に先立ち、ことし6月、日本創生会議は、東京圏高齢化危機回避戦略を提言されました。東京圏では、今後10年間で75歳以上の高齢者が急増することが予想され、深刻な医療・介護施設の充足に限界があると指摘、この対策の1つとして、東京圏の高齢者の移住を促すよう政府や自治体に求める提言を発表され、医療・介護施設が整っている41地域を挙げられました。  日本創生会議の提言にある医療・介護ともに受入れ能力のある41の地方都市として富山市も入っていますが、医療・介護の現状について、あわせてこの提言についての御所見、対応についてお聞かせください。 407 ◯ 議長(有澤  守君)  橋本福祉保健部長。 408 ◯ 福祉保健部長(橋本 勝広君)  日本創生会議の提言では、ベッド数などを基礎とした独自の推計により、医療・介護の受入れ能力の高い地域を抽出されたものであります。  本市におきましては、平成25年度の病院病床数は人口10万人当たり1,868床であり、中核市平均の約1.3倍となっております。  また、特別養護老人ホームなどの介護保険施設は第1号被保険者1万人当たり424床であり、中核市平均の約1.6倍と、いずれも高い水準にあります。  しかしながら、病院における病床利用率は約86%と高く、介護保険施設については、常に定員を満たす状況が続いており、特別養護老人ホームについては、入所申込者が700人を超えている状況にあります。  続きまして、所見でございますが、将来の移住候補地の1つとして本市が挙げられたことにつきましては、これまで本市が将来を見据え、医療・介護分野などの住民福祉の充実を図ってきたことに対する評価と受けとめております。  しかしながら、医療・介護難民を地方が受け入れるという視点ではなく、移住先自治体の医療・介護保険財政の負担とならないような仕組みが整えられるなど、首都圏、地方ともに安心して暮らせる制度設計やまちづくりが肝要であると考えております。  本市といたしましては、元気な高齢者をはじめ、若いうちから本市で暮らしていただけるよう、都市の総合力を高めることにより、県内外から選ばれるまちづくりの推進に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。 409 ◯ 議長(有澤  守君)  24番 高田 重信君。 410 ◯ 24番(高田 重信君)  何か報道では大変余裕があるのかなと思っておりましたが、今の話を聞くと、やはりすぐ東京圏から受け入れるというのはなかなか難しい中で、やはり富山市に住みたいなという人たちが住んで、その医療なり介護をどうしていくかということの大切さがわかりました。  そこで、次に福祉施策に移りますが、団塊の世代が75歳以上となる2025年を目途に高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援の目的のもとで、可能な限り住みなれた地域で自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう、地域の包括的な支援サービスなど切れ目なく提供される地域包括ケアシステムの構築を推進されておりますが、この4つの柱であります在宅医療・介護連携の推進、認知症施策の推進、地域ケア会議の充実、生活支援サービスの体制整備の現状、課題について簡単にお話しいただければと思います。 411 ◯ 議長(有澤  守君)  橋本福祉保健部長。 412 ◯ 福祉保健部長(橋本 勝広君)  まず、在宅医療・介護連携の推進につきましては、平成29年4月開設に向け、総曲輪地区に地域包括ケア拠点施設として、まちなか診療所や医療介護連携室の整備を進めているところでございます。特に、高齢化率の高い中心市街地において、本市の都市型モデルとしてこの地域包括ケア拠点施設を中心に在宅医療・介護連携の推進に取り組みつつ、富山市医師会をはじめ関係諸団体と連携し、市域全体の推進に広げていく必要があると考えております。  次に、認知症施策の推進につきましては、我が国における認知症高齢者数は約462万人と増加傾向にあり、アルツハイマー型が約7割を占めております。現在、本市における認知症高齢者は、本年3月末現在で1万1,646人となっております。  本市では、「認知症になっても安心して暮らせるまちづくり」を目指しており、認知症について正しく理解し、認知症の方やその家族を地域で温かく見守る応援者として認知症サポーターを養成することが重要であると考えており、本年3月末現在で2万1,838人、対前年比約26%増となっております。  また、今後の取組みとしては、国のオレンジプランの見直しにより、専門職で構成する認知症初期集中支援チームを結成し、認知症の早期発見・早期対応に重点を置くこととされていますが、その体制づくりや人材の確保が課題であると捉えております。  次に、地域ケア会議の充実につきましては、地域ケア会議等を法律で規定したものでありますが、本市においては既に平成24年度から先行して取り組んでおり、引き続き、地域の共通課題を地域づくりや政策提言に具体的に結びつけるなど推進してまいります。  最後に、生活支援サービスの体制整備につきましては、地域の情報共有、連携強化を図ることを目的とした協議体の設置や地域の資源開発やネットワーク構築を目的とした生活支援コーディネーターの配置などにより、地域における課題の整理や資源の開発に取り組むことで、高齢者の社会参加と地域における支え合いの体制づくりにつなげてまいりたいと考えております。 413 ◯ 議長(有澤  守君)  24番 高田 重信君。 414 ◯ 24番(高田 重信君)  今、大変きちんとした対応として進められているわけですが、大きな課題というのは特にないですか。 415 ◯ 議長(有澤  守君)  橋本福祉保健部長。 416 ◯ 福祉保健部長(橋本 勝広君)  充実した施設整備に努めているところでございますが、現場からの声を聞きますと、そこに従事する職員の人材不足等が言われていることでありまして、こういった点についても充実を図っていけばよいのかと考えております。 417 ◯ 議長(有澤  守君)  24番 高田 重信君。 418 ◯ 24番(高田 重信君)  将来の富山市を支える福祉施策の大きな柱でありますので、よろしくお願いしたいと思っております。  そうした中で、国土交通省は、高齢者が安心して生活できる住まいであるサービス付き高齢者向け住宅を地方で増やすため、民間企業などへの整備支援を強化しているそうでありますが、現在の状況と需要についてお聞かせください。 419 ◯ 議長(有澤  守君)  京田都市整備部長。 420 ◯ 都市整備部長(京田 憲明君)  サービス付き高齢者向け住宅でございますが、これは高齢者が安心して生活できる賃貸住宅の供給ということを目的として、平成23年10月に創設された国の制度でございます。  現在、平成27年7月1日時点の本市内での設置状況は、28棟、707戸となっております。  なお、需要について調査したことはございませんが、入居率が約89%となっていることから、この住宅の需要は高いものと考えております。 421 ◯ 議長(有澤  守君)  24番 高田 重信君。 422 ◯ 24番(高田 重信君)  この住宅につきましては、いろいろと富山市も優遇策を設けており、これからも積極的に進めようという思いでありましょうか。お聞かせください。 423 ◯ 議長(有澤  守君)  京田都市整備部長。 424 ◯ 都市整備部長(京田 憲明君)  国のほうでは、国全体の話として、まだ不足しているので増やすという前提で事業を進められております。  市は、認定という手続を通じて国の補助等が使えるようになることから、そういう作業をしておりますが、市としてあと何戸必要だというようなことまでは考えておりませんので、民間の方の建設意欲といいますか、今のところはそれに任せている状況でございます。 425 ◯ 議長(有澤  守君)  24番 高田 重信君。 426 ◯ 24番(高田 重信君)  国のほうでもいろいろと補助金なり優遇策というようなこともまた見直されていくやに聞いておりますし、また市でもいろいろな施策の中で優遇策をとっておられると思いますので、少しでもこうしたサービス付き高齢者住宅というものの価値をもっとPRしてもいいのかなという思いであります。  そうした中で、先ほどお話もありましたが、認知症の中で高い割合を占めるアルツハイマー病でありますが、市民病院におきますアルツハイマー病の患者数及び若年性アルツハイマー病の患者数についてお聞かせください。 427 ◯ 議長(有澤  守君)  泉病院事業管理者。 428 ◯ 病院事業管理者(泉  良平君)  当院におきますアルツハイマー病の患者数は、平成26年度では490名、そのうち若年性のアルツハイマー病が13名となっております。 429 ◯ 議長(有澤  守君)  24番 高田 重信君。 430 ◯ 24番(高田 重信君)  490名、思ったよりは少ないかなというイメージでありますが、とにかくこのアルツハイマーというものはこれからも患者数が伸びていくということで、認知症患者の7割を占めているということでありますので、早期発見ということが大変重要かと思っております。  医療・介護の両面から見ても大変重要であると思っておりますが、市民病院につきましては、どのような対応をとっておられますか。 431 ◯ 議長(有澤  守君)  泉病院事業管理者。 432 ◯ 病院事業管理者(泉  良平君)  当院におきましては、地域の医療機関と連携しまして、アルツハイマー病などの認知症を早期発見・治療するための認知症プロジェクトチームをことし4月から立ち上げました。  このプロジェクトチームでは、認知症の早期発見に有効なセルフチェックシートというのがございますが、これを院内で活用するとともに、地域の医療機関での導入を働きかけて、さらにその普及に向けて検討会や研修会を、認知症サポート医とも言いますが、そういうものの資格を持つ医師が中心となって開催させていただきます。  それから、認知症の確定診断にはMRIやCTの検査を行っておりますが、認知症の疑いの高い紹介患者の受入れや検査を医師や看護師、放射線技師などのスタッフが協働してチーム医療を行うということで、円滑に診断、診療ができる体制を構築して、質の高い医療に取り組んでまいりたいと思っております。
    433 ◯ 議長(有澤  守君)  24番 高田 重信君。 434 ◯ 24番(高田 重信君)  プロジェクトチームという大変心強いチームなのですが、これができましてから現在まで何名の方がアルツハイマーという判定をされたわけですか。 435 ◯ 議長(有澤  守君)  泉病院事業管理者。 436 ◯ 病院事業管理者(泉  良平君)  具体的にチームを立ち上げて、本格的な稼働はこの9月からですので、まだ実際的な数字は出ておりません。このシートは30項目からなるもので、これについて院内に来院される方とか、お見舞いに来られる方、市民の方々に見ていただきまして、その中の項目数を見て4項目以上あればその必要があるということで、院内でそういう方々について適正な医療をしていくということです。今はチーム医療の始まりなので、まだ十分な数字は出ておりません。これから努力してまいりたいと思います。 437 ◯ 議長(有澤  守君)  24番 高田 重信君。 438 ◯ 24番(高田 重信君)  どうも認知症というと、その判断を仰ぐのは控えるということもあるかと思いますが、そうしたプロジェクトチームができたよということもしっかりPRして、たくさんの方が早期に発見できるといったら変かもしれませんが、診療していただけるようにしていただければと思っています。  そうした中で、早期発見の1つとしてMCIスクリーニング検査というのがあります。このスクリーニング検査とは、軽度認知障害(MCI)のリスクを血液中の3つのたんぱく質を調べて推定する方法でありまして、AからDの4段階で表示され、C、Dになるにつれアルツハイマー病の予備軍の可能性が高いというものであります。7ccの血液を採取するということ、ただ保険適用がなく2万円から3万円の費用がかかるというものでありますが、現在、富山県では高岡市と魚津市の4つの医療機関で実施されているところであります。富山市の医療機関でもこのMCIスクリーニング検査を実施することができないかどうか、御意見をお聞かせください。 439 ◯ 議長(有澤  守君)  橋本福祉保健部長。 440 ◯ 福祉保健部長(橋本 勝広君)  今ほど議員がおっしゃったとおり、MCIスクリーニング検査は血液検査でMCI(軽度認知障害)の発症リスクを判定する検査であり、筑波大学を中心として研究グループで開発されたものでございます。  今年度から実用化され、精度は8割程度と聞いており、この検査の実施につきましては、それぞれの医療機関が判断されるべきものと考えております。 441 ◯ 議長(有澤  守君)  24番 高田 重信君。 442 ◯ 24番(高田 重信君)  そうは言っても、少しでもこういった検査もあるよというPRはできないでしょうか。 443 ◯ 議長(有澤  守君)  橋本福祉保健部長。 444 ◯ 福祉保健部長(橋本 勝広君)  今ほど、ようやく実用段階に来たということでございますので、その経過を見守りながら対応していきたいと考えております。 445 ◯ 議長(有澤  守君)  24番 高田 重信君。 446 ◯ 24番(高田 重信君)  精度なりいろいろ高まった場合につきましては、またそういう情報も流していただければと思います。  次に、健康まちづくりについてお伺いいたします。  ことし9月3日、厚生労働省は、2014年度の医療全体に当たる国民医療費が初めて40兆円を超えることが確実となったと発表されました。1人当たりの概算医療費は75歳未満で21万1,000円だったのに対して、75歳以上で93万1,000円にも上ったそうであります。  健康づくりというものがますます重要な施策になってくるものと思われますが、本市では、高齢化の進んだ中心市街地において健康まちづくりマイスター養成に力を注いでおられますが、このマイスターの役割そして位置づけ、どのようにこのマイスターを生かそうとしておられるのか、お聞かせください。 447 ◯ 議長(有澤  守君)  橋本福祉保健部長。 448 ◯ 福祉保健部長(橋本 勝広君)  健康まちづくりマイスターの役割につきましては、1つに、民生委員・児童委員、地域の団体や住民と医療・介護などの専門職及び行政との連携推進、2つに、地域の特色を生かした健康まちづくり活動の企画立案及び推進、3つに、研修などで得た専門的な知見、福祉行政や地域の実情に関する情報提供などを担っております。  これまでに264人の方が養成講座を受講されたところであります。これらの方の中には、既に他職種との連携を深めるため、地区包括的情報交換会への参加や三世代交流会の開催、さらに地域における「仲間づくりの赤ちゃん教室」に高齢者も参加し、知識や経験を若い世代へ伝える事業を行うなど、独自に企画した事業に取り組まれていると伺っております。  本市といたしましては、今後ともこれらの取組みをはじめ、これまでに培った顔の見える関係を生かしながら、専門職や行政との協働のもと、地域における健康づくりを推進する役割を担っていただきたいと考えております。 449 ◯ 議長(有澤  守君)  24番 高田 重信君。 450 ◯ 24番(高田 重信君)  せっかくマイスターの講習を受けても、まだ地域ではどう動いていいのかわからないというマイスターの方もおられますし、横の連携がまだまだ図られていないと思っているのですが、こうしたことは地域の社会福祉協議会なり、そうした団体が主にいろいろと動いてこられるかと思うのですが、地域でもっと活躍できるようにということについて、何か御意見はございませんか。 451 ◯ 議長(有澤  守君)  橋本福祉保健部長。 452 ◯ 福祉保健部長(橋本 勝広君)  健康まちづくりマイスターの受講者数につきましては、平成26年度で140人で、平成27年度で124人ということで、徐々にその数を増やしてきているところでございます。  その皆様方がまずは独自に、地域に至っては関係団体、あと地域におられるそういう各種団体の皆様方と連携を深めながら、その都度PRに努めていただきたいと思っております。 453 ◯ 議長(有澤  守君)  24番 高田 重信君。 454 ◯ 24番(高田 重信君)  マイスターのサポートのほうもよろしくお願いしたいと思います。  次に、がんについてお聞きしたいと思います。  がんは、国民の2人に1人が生涯に経験する病気であることから、がん予防対策だけでなく、仕事との両立や在宅療養の支援などを行う「がん対策加速化プラン」の概要が示され、厚生労働省はいずれも2016年度から実施する方針ですが、「がん対策加速化プラン」の現時点でわかっている内容と今後の取組みについてお聞かせください。 455 ◯ 議長(有澤  守君)  橋本福祉保健部長。 456 ◯ 福祉保健部長(橋本 勝広君)  「がん対策加速化プラン」は、国において、平成27年12月までに策定予定であり、その内容といたしましては、1つに、がん教育やたばこ対策、がん検診を含む早期発見の強化に取り組むがん予防を推進すること、2つに、小児がん、希少がん、難治性がんなどの研究推進に取り組む治療・研究を推進し、死亡数の減少につなげていくこと、3つに、緩和ケア、地域医療やがんと就労の問題などに取り組む「がんとの共生」を進め、「がんとともに生きる」ことを支援することが示されております。  本市では、がん予防健康教育、がん検診等、既に取り組んでいるところではありますが、今後とも、国の動向を注視してまいりたいと考えております。 457 ◯ 議長(有澤  守君)  24番 高田 重信君。 458 ◯ 24番(高田 重信君)  国におかれましては、ハローワークと連携しながら、そうした方々の支援をしていくということもありますので、富山市でも、ハローワークとのいろんな連携をとりながら、そうした「がん対策加速化プラン」にしっかり対応していっていただければと思います。  次に、「がんの教育に関する協議会」におかれまして、昨年度モデル校として東部小学校、広田小学校が選ばれまして授業が行われたと聞いておりますが、どのような効果があったのか、あわせて今後のがん教育についてお聞かせください。 459 ◯ 議長(有澤  守君)  麻畠教育長。 460 ◯ 教育長(麻畠 裕之君)  昨年度から、富山県教育委員会では、文部科学省の委託を受け、「がんの教育に関する協議会」を立ち上げ、がんに対する正しい理解とがん患者に対する正しい認識及び命の大切さに対する理解を深める教育を推進しております。  その中で、昨年度、富山市ではモデル校として2校が指定を受け、外科医や緩和ケア内科の医師、看護師を講師に招いて、がんに関する授業を実施いたしました。  そこでは、現在治療中の患者さんの様子や実際にがんで家族を亡くした子どもの話などをもとにグループで話し合ったり、がんの原因や予防法、そして緩和ケアとは何かについて説明を聞き、理解を深めていきました。子どもたちは、今まで関心のなかったがんについて正しく理解し、命の大切さについて改めて気づく機会となったと聞いております。  授業後、95%以上の子どもが「がん検診が受けられる年齢になったら受けようと思う」「がんについて学ぶことで命の大切さについて考えることができた」と答え、84%の子どもが「がんについて家族や身近な人と話し合おうと思う」と答えるなど、授業を通して、がんへの理解と関心が深まったと考えております。  現在、がん等の病気の発症や進行に生活習慣が深くかかわっていることを、小学校では体育科「病気の予防」の学習で、中学校では保健体育科「健康な生活と疾病の予防」の学習で、発達の段階に応じて学んでおります。  今後につきましては、まず、小・中学校の教科書は4年ごとに採択がえとなっており、今年度は中学校の教科書が採択がえの年でありましたが、来年度から使用する中学校の教科書は、現在使用している教科書と比較すると、がんの治療法や予防法、がん経験者からのメッセージなど、がんについてかなり詳しく記載されており、生徒はがんについて深く学ぶことになると思います。  市教育委員会としましては、がんについて詳しく学習することはもとより、子どもたちが病気について正しく理解することを通して、命や健康の大切さをしっかり学ぶよう指導してまいりたいと考えております。 461 ◯ 議長(有澤  守君)  24番 高田 重信君。 462 ◯ 24番(高田 重信君)  今、一般の人たちの検診率がなかなか上がらないという中で、子どもたちの95%がそのように答えたというのは大変高い率で、このままそうして育っていってもらって、ぜひこのがんというものの撲滅を図ってもらえるような大人になってもらえればと思います。  次に、介護保険事業についてお伺いいたします。  医療介護総合確保推進法により制度改革が行われまして、ことし8月から始まりましたが、その主な変更点そして内容、対象者についてお聞かせください。 463 ◯ 議長(有澤  守君)  橋本福祉保健部長。 464 ◯ 福祉保健部長(橋本 勝広君)  本年8月から実施された介護保険制度の主な変更点と対象者数につきましては、1つに、一定以上の所得がある65歳以上の方の利用者負担が1割から2割となり、その対象者は1,903人、要介護認定者の約9%となっております。2つに、介護保険施設などを利用される際の食費・居住費の負担軽減の判定要件に配偶者の所得と預貯金等の資産が追加され、7月末までに申請があった3,629人のうち、新たに追加された要件により負担軽減の対象とならなかった方は141人となっております。 465 ◯ 議長(有澤  守君)  24番 高田 重信君。 466 ◯ 24番(高田 重信君)  この2割になった方々から何か問合せとか苦情とかはないでしょうか。 467 ◯ 議長(有澤  守君)  橋本福祉保健部長。 468 ◯ 福祉保健部長(橋本 勝広君)  現段階では特にお聞きしていることはございません。 469 ◯ 議長(有澤  守君)  24番 高田 重信君。 470 ◯ 24番(高田 重信君)  この介護保険事業は、だんだん複雑化してきている中で、いろいろな負担も増えるとかいろいろなことも変更が出てくるわけですので、丁寧な説明をしていただければと思っております。  こうした介護予防の拠点施設として、角川介護予防センターには大きな役割があるわけでありますが、その利用状況及び利用者の予防効果の評価についてお聞かせください。 471 ◯ 議長(有澤  守君)  橋本福祉保健部長。 472 ◯ 福祉保健部長(橋本 勝広君)
     角川介護予防センターの延べ利用者数は、平成26年度において7万7,084人であり、対前年比で8,261人、約12%の増となっております。  主な内訳としまして、基本事業であるQOLツアーの延べ利用者数は、平成26年度において1万6,894人であり、対前年比で3,061人、約22%の増、角川運動温泉会員による延べ利用者数は、平成26年度において5万3,574人であり、対前年比で7,557人、約16%の増となっており、利用者数は着実に増加しております。  当施設では、効果的な介護予防運動を実施するため、医師等の専門スタッフが利用者一人一人の筋力や歩行能力、血圧などを測定した上で、利用者の状態に応じた介護予防運動メニューを作成し、温泉水の浮力や抵抗を活用した水中運動等を実践しております。  その運動効果につきましては、概ね7割の利用者において、歩行機能、姿勢保持機能等の身体機能の向上が見られ、気持ちも前向きになるなど、意識面での改善が見られております。  このことから、当施設の利用者が身体機能の維持向上、健康への意識の高まりなど、介護予防効果を実感されているものと評価しているところでございます。 473 ◯ 議長(有澤  守君)  24番 高田 重信君。 474 ◯ 24番(高田 重信君)  利用者数も大変伸びているということで安心いたしました。我々自民党議員会では、今月11日に角川介護予防センターへ行って体験してこようと思っていますので、またそのPRにも努めたいと思います。  最後の質問になりますが、握力というものは筋力のバロメーターであり、死亡リスクの大きさや心臓血管系の病気へのかかりやすさにも関係していることを国際研究チームが医学誌に発表されました。  握力が5キロ弱くなるごとに何らかの原因で死亡するリスクが16%増えたほか、心筋梗塞のリスクが7%、脳卒中のリスクは9%増加していたそうであります。  簡単な握力測定だけで心筋梗塞、脳卒中などのリスクがわかるのであれば、介護予防として各施設で定期的に握力測定をし、その数値を記録しながら、また握力を弱めないプログラム等があれば導入してみて、その効果を確かめたらいかがでしょうか。 475 ◯ 議長(有澤  守君)  橋本福祉保健部長。 476 ◯ 福祉保健部長(橋本 勝広君)  議員御指摘の握力測定による心筋梗塞、脳卒中などの発症リスクを判定する手法につきましては、報道によりますと、海外の大学などで構成された国際研究チームにおいて研究が進められておりますが、その国際研究チームでもさらなる研究が必要であるとされていることから、実用の可能性についてはいまだ不透明であり、導入については考えておりません。  次に、御提案の握力を弱めないプログラムの導入・開発につきましては、本市で実施している多様な介護予防事業を展開する中で、パワーリハビリテーションが、軽い負荷でのマシントレーニングを行うことにより全身の筋力の低下を防ぎ、同時に握力の低下を防ぐ要素も含んでいることなどから、その導入・開発については考えておりません。 477 ◯ 議長(有澤  守君)  24番 高田 重信君。 478 ◯ 24番(高田 重信君)  大変残念でありますが、それはそれで仕方ないと思います。  それでは、以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 479 ◯ 議長(有澤  守君)  これで高田 重信議員の一般質問及び議案の質疑を終了いたします。  暫時休憩いたします。                            午後 3時27分 休憩                            ───────────                            午後 3時46分 再開 480 ◯ 副議長(岡村 耕造君)  議長が都合により出席できませんので、私がかわって議事を進めさせていただきます。  休憩前に引き続き会議を開きます。  一般質問及び議案の質疑を継続いたします。  20番 村山 栄一君。   〔20番 村山 栄一君 登壇〕 481 ◯ 20番(村山 栄一君)  平成27年9月定例会に当たり、自由民主党より一般質問を行います。  初めに、富山市名誉市民についてお尋ねします。  本市では、本市に居住する方や、本市に縁故の深い方で、社会文化の興隆、その他公共の福祉に貢献された人に対し、その功績と栄誉をたたえ、また市民の社会文化興隆等に対する意欲の高揚を図ることを目的として富山市名誉市民の称号を贈っています。  本市の最初の名誉市民は、我が国の国語学の権威として学会の発展に貢献し、昭和32年に文化勲章を受章された山田 孝雄氏で、昭和36年にはコクヨ株式会社の創設者で、教育文化の発展に貢献された黒田 善太郎氏と旧制富山高等学校の創設に寄附するなど、教育事業の発展に貢献された馬場 はる氏、また、近年では、平成14年に文化勲章、ノーベル化学賞を受賞された田中 耕一氏などがおられます。  また、本年7月には、我が国の情報通信技術の発展に御尽力され、富山経済同友会の課外授業講師派遣制度を創設するなど、教育普及活動及び青少年の健全育成に貢献された富山経済同友会特別顧問の中尾 哲雄氏が名誉市民になられました。  本市の名誉市民の方々は本市のみならず、我が国の社会文化の興隆に多大の功績を残され、私たち富山市民の誇りと言えます。  最近、名誉市民の方々の名前や功績をあまりよく知らない方や子どもさんが増えてきているようです。これは名誉市民の方々の功績などをわかりやすく伝えてこなかったことも一因ではないかと考えますが、現在、小学校や中学校の生徒の皆さんへ名誉市民の功績や活躍をどのように教えているのでしょうか、お聞かせください。  また、本市のホームページには13名の方々の名前と功績が簡潔に解説されていますが、もう少し詳しく具体的に功績等について解説するとか名誉市民の方々の情報を市民の皆さんの目に触れやすい場所に展示するなど、広く市民の皆さんへ周知することも必要と考えますが、当局の見解をお伺いします。  名誉市民の方々は、さまざまな体験や功績を持っておられます。御高齢の方や御多忙な方々ですが、ぜひ教育現場などで御講演していただき、貴重な体験談やユニークな考え方を小学生や中学生の皆さんへ直接熱いメッセージとして伝える機会を設けていただくなどの活動を通じて、いつの日か子どもたちが講演の内容を理解するときが来て、改めて尊敬の念と誇りに思う気持ちを持ってくれると信じております。  今後の取組みに期待し、次の質問に移ります。  次に、花と緑のまちづくりについて、富山市の木、花木、草花についてお伺いします。  本市は、市の木としてケヤキ、花木としてツバキ、草花としてヒマワリを定めています。ケヤキは市内の街路や公園など身近な場所に多く植えられており、けやき通りや城址大通りのケヤキ並木は、本市が誇る緑の財産と言えます。将来にわたってしっかりと守っていきたいものです。  しかし、秋の落ち葉の時期になると、街路樹や公園の周辺に住んでおられる皆さんは側溝や庭先の落ち葉の片づけに毎日大変な御苦労をされております。  現在、街路樹や公園の落ち葉の片づけはどのように対応しているのでしょうか、お伺いいたします。  また、ことしも台風の被害が心配になる季節がやってまいりました。毎年、全国で台風や暴風等により街路樹や公園の木が倒れ、けが人が出たり、車に枯れ枝が落下するなどの被害が発生しています。街路樹や公園の近くに住む皆さんからは、強い風が吹くと家の前の木がいつ倒れてくるか心配だといった声もお聞きします。  日ごろからの公園の樹木や街路樹等の枯れ枝処理や枯損木の早期発見と撤去などの適切な管理が事故防止につながると考えますが、日ごろから樹木等の管理についてどのように対応されているのかお伺いいたします。  次に、花木のツバキは、冬から春にかけての花の少ない時期に咲く、数少ない植物です。そして草花のヒマワリは夏に咲く、青空によく映える花です。富山駅前周辺は、観光やビジネスで本市を訪れる方々が最初におり立ち、本市の第一印象を感じていただく空間ですが、ツバキ、ヒマワリともに、富山駅周辺にある花壇や道路の植樹帯等ではあまり見かけません。  本市の花木であるツバキ、草花であるヒマワリをもっと植栽してはいかがでしょうか。また、桜の開花情報と同様、ツバキの見ごろ情報をホームページなどでPRしてはいかがでしょうか。市の花木のツバキや草花のヒマワリをもっと植栽し、またPRし、これからのまちづくりに上手に活用することが大切であると思いますが、当局の考えをお伺いいたします。  次に、フラワーハンギングバスケット事業についてですが、四季折々の花でさりげなくかけられているフラワーハンギングバスケットは、モノトーンになりがちな街並みに彩りと気品を与え、新たな富山らしさを創出しています。春のチンドンコンクール、夏の富山まつりやおわら風の盆に、毎年最高の見ごろになるよう花の手入れをされている方々の努力に心より敬意を表する次第です。  街路にフラワーハンギングバスケットが飾られるようになってから9年になりますが、季節ごとにかけかえられる花々を楽しみにしている市民も多いのではないでしょうか。またビジネスや会議で本市を訪れる方々に対し、富山市のイメージアップにつながっているものと思います。  さて、先月、新図書館やガラス美術館のTOYAMAキラリがオープンし、また西町北・総曲輪地区市街地再開発準備組合が設立されるなど、西町交差点周辺は大きく変化してきております。一日も早く、かつてのようなにぎわいと活気があるエリアが復活するように強く願っております。  現在、フラワーハンギングバスケットは、城址大通り、富山駅根塚線、大手線及び総曲輪線などに設置されていますが、西町交差点から県道富山上滝立山線、そして県道富山停車場線には飾られていません。せっかく富山駅から西町までセントラムの沿線に飾られているのですから、引き続き、西町交差点から富山駅までの区間についても飾っていただき、「花の回廊」として富山市の新たな見どころにしていただきたいと思います。しかし、この道路は県道ですので、当然、県の協力も必要となりますが、県にも御理解いただき、県と市が協力して実施することも必要と思われます。  西町交差点から富山駅までの区間が彩り豊かな花々によって飾られることで、路線全体が「花の回廊」としてさらに美しくなり、ガラス美術館や商店街の品格がさらに向上するのではないかと考えますが、来年度開催されるサミット環境大臣会合までの設置を目標に検討されてはどうでしょうか、当局の見解をお伺いいたします。  次に、農林水産行政についてお尋ねいたします。  まず、主食用米と非主食用米の生産振興についてお尋ねいたします。  民間の調査機関・米穀データバンクによる平成27年産水稲の7月31日現在の収穫予想が公表され、全国の作況が100の「平年並み」、富山、石川、新潟も99から101の「平年並み」と予想されております。  また、全農富山県本部が平成27年産水稲の生産者に先払いする概算金を発表し、コシヒカリ1等米60キログラム当たりで前年比800円増の1万1,300円となったのをはじめ、全品種が3年ぶりに引き上げられました。農家の皆さんには、収量も価格もともに潤う豊作の秋を迎えていただきたいと願っているところであります。  御案内のとおり、国の指導によるコメの生産調整は平成29年度をもって終了しますが、現在は約4割近い生産調整を実施しております。そういった中で、水稲単作地帯で兼業率の高い本市農業にとっては、転作の対象となる政府備蓄米や飼料用米、米粉用米、加工用米等の非主食用米の生産振興については、機械や施設の効率利用の面から積極的な取組みがなされてきたところであります。  そこで、お尋ねしますが、今年度の政府備蓄米の入札状況と本市における取組み状況、農家手取り額についてお聞かせください。また、本市における非主食用米全体の栽培面積と転作面積に占める割合について、ここ数年間どのように推移しているのか、お聞かせください。  また、国が示しているコメ政策の見直しでは、平成30年産より、国の生産数量目標の配分による生産調整から、生産者や集荷団体の主体的な判断に基づく需給調整に移行すること、また恒常的なコスト割れを補填するコメの直接支払交付金、10アール当たり7,500円が廃止されることとなります。  このため、国では飼料用米等の非主食用米の需要拡大とそれに伴う作付面積の拡大を精力的に推進し、主食用米の需給調整を図りたいとしておりますが、飼料用米等の非主食用米の作付拡大が円滑に進まない場合は米価のさらなる低下も予想され、稲作農家の経営に大きな影響が出ることも懸念されております。  非主食用米については播種前契約を基本としており、需要先の確保と拡大の取組みが重要であり、平成30年産米からの作付面積の確保・拡大に向けて関係機関が連携し、いち早い取組みが求められると考えますが、今後の主食用米と非主食用米の生産振興について、市としての見解をお聞かせください。  次に、地域おこし協力隊についてお尋ねします。  御承知のとおり、多くの農山村では、農林業の担い手の高齢化、後継者不足や若者の流出という課題を抱えております。加えて、これまで農山村を支えてきた高齢者の人口も減少に転じており、コミュニティーの維持そのものが難しくなっている集落も出てきております。  一方で、都市に住む若者を中心に農山村への関心が高まってきており、全国的な傾向として、豊かな環境や新たな生活スタイルを求める「田園回帰」の動きや定年退職を契機とした農山村への定住が増加しております。これは、豊かな自然と向き合いながら人間らしく生きたい、安心・安全な環境のもとで子育てをしたい、地方でクリエイティブな仕事にチャレンジしたいといった、いわば田舎に価値を見出す機運の高まりであります。  そこで、機運をしっかりと捉え、富山市の農山村への移住・定住につなげていくべきと思います。東京にあるNPO法人ふるさと回帰支援センターでは、首都圏から富山への移住相談が幅広い年代にわたって増えてきていると伺っております。  そういった背景の中で、総務省、農林水産省が連携して推進している地域おこし協力隊についてお尋ねいたします。  特別交付税を活用した支援事業であるこの事業は、県内市町村でも積極的に取り組まれており、さまざまな地域協力活動に従事されている様子も報道されております。任期が3年間の事業終了後も約6割の方がその地へ定住、もしくは地域協力活動を継続されているとのことですが、本市における地域おこし協力隊の取組み状況についてお伺いいたします。また、地域活性化には息の長い継続した取組みが必要であると考えますが、任期3年間終了後の定住、地域協力活動の継続について、市独自の支援策があればお聞かせください。  次に、有害鳥獣であるイノシシの被害とその対策についてお尋ねいたします。  有害鳥獣対策には、まず野生動物の習性を知ることが大切ですが、本市においても被害が拡大しておりますイノシシに関しましては、昼夜を問わず活動し、雑食性であり、助走なしで1メートルの柵を飛び越える跳躍力を持ち、70キログラムの石を動かすほどに力も強く、かつ学習能力の高い動物であると言われております。  イノシシ被害の中でも特に水稲に対する被害は深刻で、本市では八尾・山田地域を中心として年間数百万円以上の被害額となっており、これは稲穂の被害や踏み荒らしのほか、イノシシ特有の習性である「ぬたうち」と言われる泥に体をすりつける行動による被害であります。  このようなイノシシ被害を未然に防ぐ対策として、電気柵の設置は有効な対策ですが、この電気柵については、鳥獣被害防止総合対策事業による現物支給となっており、その支給要件としては、過去に被害のあった水稲の圃場であること、地区からの要望書の提出があること、3戸以上の受益者があることなどに該当することが必要となっています。  しかしながら、中山間地域にある圃場の現状は必ずしもこれらの要件を満たす圃場ばかりとは限りません。中には集落からの飛び地の圃場もあれば、水利の関係等からの水稲作付が困難な圃場等もございます。  このような圃場に対しては、所有者がホームセンターなどの量販店で買い求めた電気柵での対策を施されている例も見受けられますが、未対策圃場があると、それはイノシシの生育と繁殖を促し、より人里に近い環境への誘導要因ともなります。  身近な成功例として、南砺市では集落で話合いを行い、集落全体に電気柵を設置し、住民がわな免許を取得するなどの効果としてイノシシの被害が激減したと聞いております。  現在の補助事業における電気柵の支給要件では、収穫が間近に迫った水田にイノシシが侵入し被害が拡大することが懸念される場合でも速やかな設置は困難であること、イノシシ被害が近隣の水田で発生していても予防的設置は対象とならないことなどの課題があります。  このような緊急性のある未対策農地の実情を把握するとともに、現在の支給要件に当てはまらないような農地においても電気柵の設置が可能となるような対策の必要性を感じるのですが、市としての考えをお聞かせください。  次に、電気柵の適正な使用についてお尋ねいたします。  本年7月に静岡県で電気柵による感電死事故が起こったことは、社会的にも大きな波紋を投げかけました。これを受けて、農林水産省では、全国の農牧地10万カ所近くの電気柵を調査・点検し、富山県では4,664カ所の電気柵のうち、個人設置の5カ所で危険表示がなされていないなどの不備があり、指導されたと報道されたところであります。  有害鳥獣対策としての電気柵設置は有効な手段ではありますが、適正な使用方法によって効果を発揮し、安全性も確立されるものだと思います。国は感電防止策を周知するよう自治体に通知したとのことですが、安全対策や定期点検などは設置者任せになっているのが現状です。  市としては、さらなる電気柵設置対策の強化を図り、あわせてその適正な使用について地域における学習会の開催などを通じて周知・啓発を実施するとともに、設置者以外の一般市民にも電気柵に近づかないような指導も必要だと思うのですが、いかがでしょうか。  次に、イノシシによる人身被害の危険性について質問いたします。  イノシシは警戒心の強い動物であり、本来ならば人に出会うと逃げる性質を持っていますが、先ほどのような電気柵未対策の圃場や耕作放棄地が人里近くにあった場合、その警戒心は薄れてしまい、人身被害が起こる危険性もあります。  先ほど言いましたように、イノシシは力が強い動物であり、体重は80キログラムを超え、雄は非常に鋭い犬歯を持っています。ここ数年のイノシシ出没状況を見ますと、山手から中山間地域、中山間地域から市街地近郊まで生息域が広がりつつあると感じております。  生息域拡大の要因としては、耕作放棄地の拡大や水稲収穫後の二番穂放置圃場、畑の野菜を残すことなどによって知らぬ間にイノシシを餌づけし、人里に近づける結果を見出していると考えられます。  このような状況に対応するため、猟友会を中心として、わなによる捕獲や猟銃による駆除が行われておりますが、繁殖力が旺盛な動物であることから人身被害の危険性を排除するには至っていないと懸念しております。  つきましては、イノシシが市街地に出没した際の対応や人身被害が発生する危険が予測される場合の対応策及びこのような野生鳥獣とのすみ分けを図る対策について、将来的な予測等を含めてお答えください。  次に、森林整備によるCO2排出権取引についてお尋ねいたします。  本市では、全国に先駆けて平成21年度に富山市カーボン・オフセット検討委員会を立ち上げ、平成22年度には、市、婦負森林組合、立山山麓森林組合で構成する富山市カーボン・オフセット運営協議会を設立し、国のCO2排出権取引制度であるオフセット・クレジット制度を活用し、枝打ちや間伐材等による適切な森林整備により増加した温室効果ガス吸収量をクレジットとして発行し、そこから得られた資金により間伐材の搬出等、森林整備に活用する取組みを進めてきております。  現在は、全国的に取組み団体が増加したことや東日本大震災以降、企業などのクレジット購入意欲が停滞していることなどから、クレジットの売却に御苦労されていると思っておりますが、平成22年度よりこれまでの間に、オフセット・クレジット制度を活用し、クレジット化したCO2排出権の総量とクレジットの売却実績及び売却益の活用状況についてお伺いいたします。  また、新たなCO2排出権取引の手法として今年度から取り組まれている「とやまの森づくり応援商品」について、制度の仕組みと取組み状況についてお伺いいたします。  次に、水産業の振興についてお尋ねいたします。  今年の10月24日、25日には、水産資源の確保や豊かな自然環境を守り育てる豊かな海づくりの取組み等を全国に発信することを目的とする「第35回全国豊かな海づくり大会」が本県で実施される運びとなっております。また、富山湾が「世界で最も美しい湾クラブ」に加入したことや、富山湾では「海を愛するタモリの日本一楽しいヨットレース(タモリカップ)」が開催されるなど、富山湾を全国に情報発信する機会が大変増えてきております。  また、富山湾は「天然の生けす」と呼ばれているとおり、約500種類の魚がいる資源豊かな海として有名であり、温暖な対馬海流と日本海固有の冷たい海洋深層水が層をなすことから、魚の餌となるプランクトンが多く、日本海の複雑な潮流と激しい波浪の中で育ってきた富山の魚は身が引き締まり、脂の乗りも申し分ありません。  加えて、北陸新幹線が開通したことで、富山駅での1日当たりの降客数が増加し、多くの人が本市を訪れるようになりました。本市に来られた方は、ホタルイカやシロエビなど当地ならではの珍しく新鮮な魚介類を期待している方が多いのではないでしょうか。1人でも多くの人に富山湾の幸を味わってもらい、リピーターとなっていただいたり、首都圏の皆さんに情報を発信していただいたりすることで、本市の知名度がさらにアップすることを期待するものであります。
     そこで、お尋ねしますが、北陸新幹線の開業を機に実施している本市水産物の新たなPRの取組みがあればお聞かせください。  また、シロエビやホタルイカなど代表的な魚種の近年の漁獲量の傾向と本市水産業の抱える課題とその対応についてお尋ねいたします。  以上で質問を終わります。ありがとうございました。 482 ◯ 副議長(岡村 耕造君)  当局の答弁を求めます。  麻畠教育長。   〔教育長 麻畠 裕之君 登壇〕 483 ◯ 教育長(麻畠 裕之君)  村山議員の質問にお答えいたします。  富山市名誉市民について、現在、小学校や中学校の子どもたちへ名誉市民の功績や活躍をどのように教えているのかにお答えいたします。  本市の小・中学校ではさまざまな学習等を通して、名誉市民をはじめ富山の偉人について学んでおります。例えば、社会科では、地域の発展に尽くした先人として馬場 はるさんの業績について調べ、「馬場はるの生き方に学ぶ」という劇を学習発表会で行った小学校もあります。  また、市教育委員会では、田中 耕一さんのノーベル化学賞を記念し、より豊かな創造性を持つ子どもを育成することを目的として、平成15年に「ジュニア科学賞・とやま」を創設し、これまで36名の子どもたちを表彰しております。  加えて、市内小学校では、平成24年度から富山青年会議所主催の訪問事業「地域教育推進事業~ふるさとの偉人から学ぼう~」を実施しており、今年度は10校が黒田 善太郎さんをはじめ、富山の先人の業績を学習することを通して、夢に向かって努力することの大切さを学んでおります。  こうした取組みで、子どもたちが地域のすぐれた先人たちの功績を学ぶことにより、他の名誉市民についても関心を持つきっかけになるものと考えております。 484 ◯ 副議長(岡村 耕造君)  今本企画管理部長。   〔企画管理部長 今本 雅祥君 登壇〕 485 ◯ 企画管理部長(今本 雅祥君)  富山市名誉市民についてお尋ねのありましたうち、名誉市民の情報について広く周知することも必要であると考えるが、見解を問うにお答えをいたします。  名誉市民の御功績等につきましては、これまでも市のホームページに掲載するなど、周知に努めてきたところであります。  申し上げるまでもなく、名誉市民の皆様は、社会に多大な御貢献をされた方々であり、市民がその功績に理解を深めることは、郷土愛を育み、富山市民としての誇りや矜持を強く抱くことにつながることからも、今後とも名誉市民の御功績が市民によりわかりやすく広く伝わるよう努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 486 ◯ 副議長(岡村 耕造君)  俣本建設部長。   〔建設部長 俣本 和夫君 登壇〕 487 ◯ 建設部長(俣本 和夫君)  花と緑のまちづくりについてお尋ねのうち、富山市の木・花木・草花について、まず、街路樹や公園の落ち葉の片づけはどのように対応しているかにお答えいたします。  街路樹の落ち葉につきましては、毎年11月に中心市街地の落ち葉の多い路線を対象に路面清掃車を使用し、車道の清掃を行っており、けやき通り、城址大通り、平和通りで週2回、あざみ通り、ひまわり通り、しののめ通り、すずかけ通りで月3回を目安にしております。  さらに、歩道におきましては、毎年10月ごろに地区センターを通じて沿道の町内会の方々にごみ袋をお配りし、落ち葉の収集をしていただくとともに、路面清掃を行う日時を事前にお知らせし、歩道上にある落ち葉を車道に掃き出していただくなど、道路の清掃に御協力いただいているところであります。  また、公園のうち、規模の大きな公園では、必要に応じて管理業務委託の中で落ち葉の収集等の対応をしておりますが、地域に密着した街区公園では、地域で組織していただいている公園愛護会において落ち葉を集めていただき、市が回収・廃棄を行っております。  庭先等の落ち葉につきましては、周辺の皆様に片づけをしていただくなど御負担をおかけしていることとは思いますが、引き続き御協力をお願いしたいと考えております。  次に、事故防止のため、樹木等の管理についてどのように対応しているかにお答えいたします。  街路樹や公園の樹木は、まちに潤いを与え、安らぎと癒やしの空間を提供するものですが、近年、全国で樹木による事故が発生していることから、本市といたしましても、樹木の安全確保に対する意識を高めていく必要があるものと考えております。  本市における街路樹や公園内の樹木の管理については、幹線道路や規模の大きな公園では専門業者に委託して点検を実施しているほか、これら以外につきましては、職員による定期的なパトロールや道路愛護ボランティア、公園愛護会等からの通報により随時点検を行っております。  こうした点検で、倒木や太い枝の落下等の危険性がある樹木については剪定や伐採を実施しており、さらに昨年度は他都市の倒木事故を受け、街路樹や設置年数の古い公園などの高木について集中的に点検を実施し、剪定や伐採を行ったところであります。  今後とも、樹木の点検を適時実施し、適切な管理に努めてまいりたいと考えております。  次に、市の花木のツバキや草花のヒマワリをもっと植栽し、またPRし、これからのまちづくりに活用することが大切だと思うが、市の考えを問うにお答えいたします。  本市では、ツバキは、中山間地において多くの自生地が点在しているほか、約250種類のツバキが植栽されている富山市民俗民芸村や約130種類を集めた営農サポートセンターのツバキ園があり、富山県が選定された「とやま花の名所」にも選ばれております。  ヒマワリにつきましては、平成20年度から立山山麓のスキー場において花のゲレンデ大作戦として植栽しているほか、平成22年度からは城東ふれあい公園において植栽を行っているところであります。  御提案のツバキやヒマワリの植栽を増やすことについては、1つに、ツバキは乾燥に弱く、日陰を好むことや害虫がつきやすいこと、2つに、ヒマワリは風に弱く倒れやすい、双葉や種が餌となりカラス等が集まること、3つに、いずれも管理に手間がかかるが、花の見ごろが短期間であることなどの特性から、道路の植樹帯等にはふさわしくないものであり、今後、道路の植樹帯以外での植栽や他の活用法について検討してまいりたいと考えております。  また、PRにつきましては、これまでも公益財団法人花と緑の銀行が紹介している「花だより情報」や「とやま花の名所見頃情報」にツバキの開花時期等の情報提供を行ってきておりますが、今後はツバキやヒマワリの見ごろの場所や時期、これらを活用したイベントなどの情報を市ホームページ等で広く提供するように努めてまいりたいと考えております。  さらに、ヒマワリのPRにつきましては、新たな取組みとして、本年8月にJR富山駅の南北自由通路において「駅ナカデコレーション」と銘打ち、城東ふれあい公園などで栽培したヒマワリの切り花を展示し、駅利用者の方々に楽しんでいただいたところであります。  今後も、機会を捉えて、ツバキやヒマワリを活用した本市のイメージアップに努めてまいりたいと考えております。  最後に、フラワーハンギングバスケット事業について、西町交差点から富山駅の区間でサミット環境大臣会合までに設置を検討してはどうかにお答えいたします。  フラワーハンギングバスケットは、まちなかを季節ごとの花で彩ることで、市民や観光客の皆様に潤いのある景観を楽しんでいただくとともに、まちなかのにぎわいを創出することを目的に、平成19年度から行っており、富山のまちなかの魅力として定着しております。  これまで富山駅と中心市街地を結ぶ路線に設置することで、まちなかの回遊性を高めることに寄与しているほか、最近では、駅北のブールバールや松川の水辺に設置したところであり、まちの見どころとして、市内外の方々から好評をいただいているところであります。  お尋ねの西町交差点から富山駅に至る県道富山上滝立山線及び県道富山停車場線は、現在でも四季折々に緑や紅葉の彩りが見られる路線となっておりますが、フラワーハンギングバスケットが設置できれば、まちなかの回遊性や魅力をさらに高める効果が期待できるものと考えております。  しかしながら、この路線にフラワーハンギングバスケットを設置することにつきましては、1つに、車道や歩道の幅が狭く、水やり等の日常管理に使用する車両の駐停車が困難であること、2つには、設置する柱から車道までの距離が短く、バスケットが車道側にはみ出し、通行車両に危険が及ぶ可能性があること、3つに、道路の両側に高層階のビルが多く、歩道は日陰になる時間が長いことから、花の生育に適していないことなど、フラワーハンギングバスケットを設置することには多くの課題があると思っております。  以上でございます。 488 ◯ 副議長(岡村 耕造君)  上田農林水産部長。   〔農林水産部長 上田 修正君 登壇〕 489 ◯ 農林水産部長(上田 修正君)  農林水産行政についての御質問のうち、初めに、主食用米と非主食用米の生産振興についての御質問がございました。  まず、今年度の政府備蓄米の入札状況と本市における取組み状況、農家手取り額について問う、また、本市における非主食用米全体の栽培面積と転作面積に占める割合について、ここ数年間どのように推移しているのかにお答えいたします。  富山県における政府備蓄米の入札は、県内農協の委任を受けた全農とやまにより行われており、今年度については、各農協の希望数量を満たす1万6,534トンが落札され、各農協に配分されております。  このうち、本市におきましては、今年度は3,842トンに当たる722.8ヘクタールの取組みがなされております。  また、今年度の政府備蓄米は、県一律の概算金として60キログラム当たり7,200円が全農より示されており、これに生産調整の交付金約1,000円が加算され、さらに農協ごとに単価調整された額が農家手取り額になるものと考えられます。  次に、本市における非主食用米全体の栽培面積と転作面積に占める割合は、政府備蓄米の入札制度のなかった平成22年度において約450ヘクタール、11.8%であったものが年々増加し、平成25年度には約900ヘクタール、21.4%と2倍の面積となり、今年度は約1,150ヘクタール、25.3%まで伸びております。  次に、今後の主食用米と非主食用米の生産振興について、市としての見解を問うにお答えいたします。  本市農業は、コメを中心とした水田農業が基幹となっていることから、国が示しているコメ政策の見直しに対応するには、需要に即した主食用米生産による米価安定と非主食用米や麦、大豆など転作作物生産による水田のフル活用が重要になるものと考えております。  主食用米については、平成30年産からの具体的な需給調整体制が明らかでない中、本市としましては、今後の動向について情報収集に努めるとともに、現行においては生産数量目標に沿った主食用米の最大限の作付を推進してまいりたいと考えております。  また、水田のフル活用には、主食用米と一体的な生産が可能というメリットのある非主食用米の積極的な取組みが不可欠であり、本市としましては、関係機関との連携のもと、品種の選定、生産コストの低減、流通条件の整備等の課題の解消に努め、需要に応じられる生産体制の確立を図ってまいりたいと考えております。  次に、地域おこし協力隊について、本市における地域おこし協力隊の取組み状況及び任期終了後の定住、地域協力活動の継続のための市独自の支援策を問うにお答えいたします。  本市では、平成27年度から地域おこし協力隊事業に取り組んでおり、山田地域において農業活動を行う協力隊員を募集し、選考の結果、2名の隊員を決定いたしました。  協力隊員の活動としましては、1つに、エゴマ等の特産物の生産支援、2つに、特産物の加工・販売、3つには、耕作放棄地対策や農地保全活動の支援などを予定しております。  現在、10月1日からの活動開始に向け、住居などの受入れ準備を進めているところであり、活動実施に当たっては、山田地域の自治振興会や農協などの御協力を得ながら進めてまいりたいと考えております。  地域おこし協力隊員が3年間の活動を終えた後、定住・地域協力活動を継続するための本市独自の支援策は現在のところ考えておりませんが、農業に従事しようとする場合には新規就農者制度を活用した支援を行うこととしております。  その他、市内での定住を希望される場合には、住居や就労についての相談に応じるなど支援してまいりたいと考えております。  次に、イノシシの被害と対策についての御質問のうち、初めに、緊急性のある未対策農地の実情を把握するとともに、現在の支給要件に当てはまらないような農地においても電気柵の設置が可能となるような対策について市の見解を問うにお答えいたします。  現在設置されている電気柵の大部分は、国の鳥獣被害防止総合対策交付金事業を活用して設置されたものであり、実際に被害のあった圃場だけでなく、その周辺の翌年以降被害が発生する可能性が高いと思われる圃場にも電気柵を設置してきております。しかしながら、電気柵設置圃場に隣接する圃場等での被害が後を絶たないというのが実態であります。  次に、緊急性のある未対策農地の実情を把握することにつきましては、イノシシがどこに出没するかを予測することは難しく、緊急に対策をすべき圃場を予測することは困難でありますが、市としては、今後とも農作物被害が発生していない場合であっても、イノシシが出没したとの情報が寄せられた際には、職員による現地調査を実施してまいりたいと考えております。  また、国の交付金事業に当てはまらない農地で電気柵を設置するための補助事業としましては、平成26年度から実施されている県単独の鳥獣被害対策実践モデル事業があります。この事業は国の交付金事業に該当しない地区等を救済するため創設されたもので、被害を未然に防ぐための予防的な電気柵設置が可能となっております。  しかしながら、この補助事業の平成27年度の県予算額が180万円と少額であること、稲の収穫期等に緊急に対応が必要になった場合には、既に予算配分が完了していることから、対応できないことなどの課題があります。  市としましては、この県単独事業の事業費の大幅な増額と事業運用方法の改善を県に働きかけてまいりたいと考えております。  次に、電気柵の適正な使用について周知・啓発を図るとともに、一般市民には電気柵に近づかないような指導が必要だと思うがどうかにお答えいたします。  市では、静岡県で発生した感電死傷事故を受け、獣害対策用電気柵の適正な使用を徹底するためのチラシを、電気柵を設置している111集落に配付するとともに、国等の補助により設置された電気柵749カ所について調査を行い、全て適正に設置されていることを確認いたしました。  市としましては、今後とも電気柵の安全な使用について電気柵設置集落を対象とする講習会を開催するなど、事故防止のための対策を実施するとともに、一般市民にも電気柵には近づかないよう市広報やホームページ等で周知してまいりたいと考えております。  次に、イノシシが市街地に出没した際や人身被害が発生する危険が予測される場合の対応、及びこのような野生動物とのすみ分けを図る対策について、将来的な予測等も含めて問うにお答えいたします。  イノシシは繁殖能力が高く、県内でも生息個体数の増加や生息域の拡大が進んでおり、市街地に出没する事態も想定されます。実際に市街地に出没した際には、県が平成24年に策定した「ツキノワグマが住宅街に現れた場合の警察官職務執行法の適用による捕獲対応マニュアル」に準じて対応することになります。  しかしながら、クマとイノシシでは行動パターンや危険性が異なり、対応方法もクマの場合とは異なったものとする必要があります。  今後、警察や県、市、鳥獣被害対策実施隊の間で協議し、捕獲、追払いなど人身被害防止のための対応を円滑に実施できるよう、具体的対処法を検討する必要があると考えております。  また、イノシシの市街地出没を未然に防止する上でも、野生鳥獣とのすみ分けが重要であります。  市としましては、今後とも、耕作放棄地の解消、里山林の整備、牛等の家畜放牧による緩衝帯の設置などを進めることにより、農耕地や集落周辺でのイノシシ等が生息しにくい環境づくりを推進してまいりたいと考えております。  次に、森林資源を活用したCO2排出権取引についての御質問のうち、初めに、オフセット・クレジット制度によりクレジット化したCO2排出権の総量と売却実績及び売却益の活用状況について問うにお答えいたします。  平成22年度から本市が取り組んでいる、環境省のオフセット・クレジット制度を活用した事業により、クレジット化したCO2排出権の総量は2,617二酸化炭素トンであります。  現在までに15件、114二酸化炭素トンを売却したところであり、売却収入の総額は113万8,200円となっております。  売却収入の活用につきましては、富山市カーボン・オフセット運営協議会の構成メンバーである市内の2森林組合と協議し、これまでの売却収入約113万円のうち、今後の協議会の活動経費を差し引いた約73万円を森林整備に携わる団体等に補助金として交付することになりました。  具体的には、市内の森林組合に8割、残りの2割を「市民参加の森づくり」や「企業の森づくり」等の森林整備活動に取り組んでいただいている12の団体等に交付することとしております。  次に、「とやまの森づくり応援商品」について、制度の仕組みと取組み状況についてお答えいたします。  本市が今年度から開始した「とやまの森づくり応援商品」の取組みは、商品販売価格の一部が富山市カーボン・オフセット運営協議会の保有するクレジットの購入に充てられる仕組みを構築することにより、クレジットの販売と市内の森林整備を促進しようとするものであります。  この応援商品の趣旨に賛同し、取り組もうとする事業者は、まず自社の商品の販売価格のうち幾らをクレジット購入に充てるかを決め、富山市カーボン・オフセット運営協議会と協定を締結いたします。  次に、その商品が「とやまの森づくり応援商品」であることを示す表示を行い、商品を販売し、一定期間が経過するごとに、販売実績に基づきクレジットを購入していただくことになります。  現在までの取組み状況としましては、1事業者がこの制度に取り組むこととなり、7月26日から応援商品の販売を開始したところであり、また、ことし11月の応援商品販売開始を目指して1事業者が準備中であります。  この応援商品に取り組む事業者は、環境貢献に積極的であるというイメージアップになり、また、消費者はふだんの買い物を通して市内の森づくりを応援することができることから、今後「とやまの森づくり応援商品」の認知度を高め、応援商品の数を増やしてまいりたいと考えております。  次に、水産業の振興についての御質問のうち、初めに、北陸新幹線の開業を機に実施している本市水産物の新たなPRの取組みについて問うにお答えいたします。  本市では、北陸新幹線の開業を機に、シロエビやホタルイカなどの富山の水産資源を生かした富山らしい土産品として「食やくオツマミ」や「白えび点心」、「紅ズワイガニ点心」の開発を支援しており、現在、富山駅周辺等の10店舗余りで販売されております。  また、本市と漁協等で構成される協議会においては、本市の代表的な水産資源をPRするため、富山ライトレールにシロエビやホタルイカなどのデザインをラッピングした車両を8月から10月まで運行しているところであります。  さらに、県では、長野県軽井沢町で8月にシロエビやホタルイカなどの加工品をPRし、販売するイベントを開催したほか、富山県漁業協同組合連合会では、富山湾の魚などを紹介するDVDを作成し、市内ホテルに配布するなどPRを実施されております。  最後に、シロエビやホタルイカなど代表的な魚種の近年の漁獲量の傾向と本市水産業の課題とその対応について問うにお答えいたします。
     本市の水産業は、富山湾の地形や魚種に合わせて、定置網ではホタルイカやブリ、小型底引き網ではシロエビ、刺し網ではクルマエビやヒラメなどの魚種を中心に漁業生産を展開しております。  本市の過去5カ年の漁獲量につきましては、シロエビは年間約280トンでほぼ横ばい、ホタルイカは約300トンから約600トンと年によりばらつきがありますが、本年はシロエビが8月末までの速報値で約158トン、ホタルイカは漁期を終了し、約467トンとなっております。  主要魚種であるシロエビ、ホタルイカについては、漁業関係者によるブランド化などの努力が着実に魚価に反映されつつある中で、今後は、フクラギ、アジ、サバのような一般的な魚種について魚価の安定を図るため、荷揚げ後の鮮度の保持や出荷調整の実施に取り組むことが必要であると考えております。  以上でございます。 490 ◯ 副議長(岡村 耕造君)  これで村山議員の一般質問及び議案の質疑を終了いたします。             ───◇   ◇   ◇───                散       会 491 ◯ 副議長(岡村 耕造君)  以上で、本日の日程は終了しました。  明日は午前10時に本会議を開き、一般質問及び議案の質疑を行います。  本日はこれをもって散会いたします。                            午後 4時47分 散会 Copyright © Toyama City Assembly, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...