富山市議会 2004-12-03
旧富山市:平成16年12月定例会 (第3日目) 本文
↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 議事の経過
───◇ ◇ ◇───
開 議
午前10時 開議
◯議長(高見 隆夫君)
ただいまから、本日の会議を開きます。
議事日程はお手元に配布のとおりであります。
───◇ ◇ ◇───
一般質問並びに議案第120号から議案第141号まで
及び報告第34号から報告第40号まで
2 ◯議長(高見 隆夫君)
これより、日程第1 一般質問並びに議案第120号から議案第141号まで及び報告第34号から報告第40号までを一括議題といたします。
これより、一般質問及び議案の質疑を行います。
順次発言を許します。
15番 志麻 愛子さん。
〔15番 志麻 愛子君 登壇〕
3 ◯15番(志麻 愛子君)
おはようございます。
12月定例会の一般質問を行います。
まず、少子化対策についてです。
昨年の出生率は、ついに1.29にまで落ち込みました。内閣府が行った世論調査では、出生率の低下について、さすがに我が国の将来に危機感を感じると答えた人は76.7%にも上っています。少子化がこのまま進むと、社会の活力を低下させ、税や社会保障における負担の増大など深刻な問題であることは、共通の認識になっています。
少子化については、長い間、女性が高学歴になり、社会進出が増え、それが晩婚化を招き、その結果、出生率が低下していくと語られてきました。しかしながら、女性の社会参加が進んだ国の出生率が日本よりも高いことが知られるようになって、そうした見方もようやく変わろうとしています。
ある調査によれば、今の日本は子どもを育てやすい社会だと思わないと答えた女性が77%も占めています。この育てにくい部分を解決していかない限り、少子化に歯どめはかかりません。
私は、少子化の大きな要因は、子を生み育てることを社会がきちんと評価していないこと、子育てが女性のハンディになっているためであると思います。
例えばAさん。
男女雇用機会均等法のもと、男性並みの長時間労働と仕事優先の生活を送ってきました。ところが、結婚・妊娠すると行動が制約され、産休・育休をとることで仕事の前線から退かざるを得なくなりました。職場復帰しても、子育てをしながらは、妊娠前のようにやみくもに働くことは不可能です。2人目を妊娠すると、産休・育休をとりにくい職場の雰囲気を感じて、退職。出産後、経済的にも大変なので再就職先を探すけれども、これはと思うものに出会えず、結局は以前の仕事よりもやりがいも報酬も待遇も悪いパート勤務についています。多くの女性が同じような経験をしてきました。
男女の差別なく働けるようにと均等法ができ、出産後1年間は子育てに専念できるようにと育休法ができましたが、均等法も育休法も適用されるのは正社員、正職員だけです。法が整備されてから、だんだんと女性の非正規社員が増え、昨今は不況も影響して、新卒でも派遣社員やパートとして働く女性が多くなっています。今や女性の正社員は少数派であるとさえ言われています。
若い世代の8割以上がいずれは結婚したいと望み、子どもは2人から3人欲しいという人が9割もいるという調査報告があります。しかし、そんな望みさえかなえることができない現実。出生率1.29の数字から、女性たちの嘆きが聞こえてくるようです。
国では、
次世代育成支援対策推進法を整備し、また、少子化社会大綱を策定するなど、少子化の流れを変えようと懸命ですが、これからは、地方が国を変えるという意気込みが必要です。
私は、少子化の流れを変えるためには次の4点が大きな課題ではないかと思いますが、市長のお考えをお聞かせください。
1.子育ての経済負担の軽減。
子育てにかかるお金が負担となり、第2子をあきらめている親も多いのです。国と地方をあわせた社会保障給付のうち、児童手当や保育所など児童・家庭向けは4%にしかすぎません。児童手当を増額し、子育てにかかる経費はできるだけ社会全体で負担することについて、どのように思われますか。
2.企業への子育て支援策。
子どもは社会の財産であり、社会全体で子育て支援をしていかなければなりません。しかし、現状では、企業にとっては子育て支援をしていくのは負担、できればしたくないというのが本音です。企業にとって、子育て中の社員を雇用していると税制上などでメリットになるような制度が必要ではないでしょうか。
3.子育てが評価される社会。
今の日本は、子育ての義務や負担を押しつけ合っているようです。子育てはすばらしいことであり、夫婦がともに協力して家事・育児をすることは、本来、楽しいことです。子育ての経験が仕事上に生かされれば、豊かな社会を築いていく大きな力になります。子育てが社会的にきちんと評価されることが、子育て期間中の労働時間の縮減や育休取得の推進につながるのではないでしょうか。
4.多様な働き方の実現。
現在はやむなく非正規社員になっている人が多いのですが、子育て、介護、修学、技能習得などをしながら、短時間だけ働きたいという選択もあります。同一労働同一賃金の実現、社会保険の運用拡大など、多様な働き方が可能になる環境整備が急務だと思いますが、いかがお考えですか。
以上、すぐに解決するには難しい課題ですが、市が今年度中に策定する予定の
次世代育成支援行動計画には、ニーズ調査の結果を踏まえ、さまざまな支援策が盛り込まれるものと期待しております。
調査結果を見てみると、保育・保健のサービスのうち充実してほしいといった要望の多いものは、
地域児童健全育成事業、
放課後児童健全育成事業です。今議会で、旧ひまわり保育所を活用して
放課後児童健全育成事業を実施するために必要な整備を行うと提案されたことをうれしく思っています。
ところで、
地域児童健全育成事業と
放課後児童健全育成事業のそれぞれの長所を生かして、一体化したものにならないかという声もありますが、市はこれからどのようにこの2つのサービスを進めていこうとお考えなのでしょうか。
仕事と子育ての両立支援の面から見ると、閉所時間は5時半以降、長期休暇期間の開設は基本的な要望だと思いますが、その要望を満たしているのは、留守家庭対策として
放課後児童健全育成事業を行っている5カ所だけです。
平成14年に出された富山市
地域児童健全育成事業検討委員会の報告書では、「当面の間は、
地域児童健全育成事業の中で地域が継続して留守家庭対策を図っていくことが必要である」と述べられていますが、まだまだ不十分です。
地域児童健全育成事業が、留守家庭児童の保護者のニーズに対応してもらえるよう、市として働きかけてほしいものですが、いかがでしょうか。
次に、教育センターについてお尋ねします。
中心部の小学校の統合で、来春には八人町小学校と総曲輪小学校が第一次統合をすることになり、今議会で開校に向けた整備等の経費が計上されています。空き校舎になる八人町小学校は、教育センターとして使用されるとの新聞報道を見ましたが、どのような計画なのでしょうか。これからの時代に合った教育センターを目指しておられるものと期待しています。
そこで、ぜひ参考にしていただきたいのが金沢市
教育プラザ富樫です。もともと市内に点在していた
教育研究センター、保育研修所、
市総合教育相談センター、
子ども相談センターを1カ所に寄せて一体化しました。省庁の縦割りで分断されてきた教育と福祉のいろいろなサービスを横につないで、子どもにとって最適なサービスを提供することを目的にしたものです。子育てと教育の各分野の専門家たちが一堂に集まっているので、お互いに助け合うことができます。例えば、「発達に障害のある子どもが小学校へ入学するが、発達について理解してもらえるか不安だ」という悩みには、保育士、幼稚園や小・中学校の教諭、保護者、心理士、医師などが一つのテーブルにつき、「子どもの心や発達をどう理解し、どう支援するか」を一緒に考えます。スタッフの方々は、いろいろな専門家と一緒に働くことに喜びと緊張感を感じておられるとのこと。富山市でも取り入れてはいかがでしょうか。
もう1つ、教育センターに設置を提案したいのが、不登校児童・生徒の適応指導教室です。
教育プラザ富樫にもあり、効果を上げていました。
富山市では、新庄に適応指導教室がありますが、小学生が幾つもの公共交通を乗り継いで遠くから通っていることを知り、「市の中心部にも適応指導教室を」と、議会でも要望したことがあります。
教育プラザ富樫の中の適応指導教室は、金沢市で2つめのものだそうです。市の中心部で交通の便もいい八人町小学校跡の教育センター内にも適応指導教室を設けることについて、お考えをお聞かせください。
次は、いじめ問題についてであります。
1988年12月21日、奥田中学1年の岩脇 寛子さんが、4階にある自宅のベランダから飛び降り自殺をしました。寛子さんの御両親は、1996年に、学校でのいじめは子どもの学習権を侵害するものであるとして、富山市を相手に岩脇いじめ訴訟を提起、ことし6月に最高裁が上告不受理の決定をし、裁判上は終止符が打たれました。
先月、岩脇さん御夫妻の活動を支えてきた会の方から、市議会議員あてに「-岩脇 寛子さんのいじめ自殺と裁判を教訓とする
-いじめ問題懇談会」を開催したいとの案内があり、私も出席しました。
岩脇御夫妻からは、寛子さんの遺書にはいじめの苦しみのほかに、いじめをなくしてほしいという願いが書かれてあり、「学校でのいじめをなくしたいという一念で最高裁まで闘ってきたが、いじめは今も多くの子どもを苦しめている。裁判では法的義務違反はないとして負けたけれども、裁判の証言の中で、学校や教育委員会の対応の誤りや問題点もいろいろと明らかになった。学校、教育委員会は一つ一つ検証し、この裁判に学んでほしい」と話されました。
市がこの裁判から学ばれたことをお聞かせください。いじめ根絶に向けて取り組んでこられたことについても、具体的にお教えください。
また、一連の裁判ではっきり示されたことの一つに、報告義務があります。「公立中学校の設置者は、生徒の生命・身体・精神等に重大な影響を及ぼすおそれがある場合や、現にこうした事態が発生した場合は、事態の状況やその原因、経緯、学校がどのような対応をとったか、あるいはとろうとしているか等について、親権者に対して報告すべき義務を負っている」「生徒が死亡した場合には、前記の報告義務も存続する」と、判決で述べられています。
ある日、突然に娘が自死。「ねえ、この気持ちわかる? 組中からさけられてさ、悪口いわれてさ、あなただったら生きていける? 私、もう、その自信ない。」と書かれた遺書。娘の苦しい気持ちを知りたい、共有したいと思うのは親として当然のことです。
岩脇御夫妻は、すぐにも知りたいという気持ちを、受験期の同級生たちを動揺させてはいけないとじっと我慢し、同級生たちが高校を卒業した6年後に事故報告書の開示を請求されました。娘に対してどんないじめがあり、学校はどう対処したかを知りたかったのに、報告書の内容は乏しく、この事件から何も学んでくれなかったら娘の死がむだになってしまう、遺書に書かれていた「もう、だれもいじめないで」という願いを親として実現させなければという思いで裁判を決意されたといいます。
報告義務についての御所見をお聞かせください。
ところで、岩脇御夫妻が懇談会の席上で強く問題にされたのは、生徒の作文についての取り扱いです。
寛子さんのクラスでは、死の翌日、級友たちに寛子さんを追悼して別れの手紙を書かせています。御両親が寛子さんの七回忌に仏前に供えたいと思って開示を求めたところ、担任の手によって焼却されたという回答でした。
この作文は、自死3日後の新聞に写真や内容の一部が掲載されています。級友たちが寛子さんのことを思って書いた作文を、新聞社には見せているのに、なぜ遺族には見せなかったのでしょうか。作文の所有権はだれにあるのですか。生徒の作品の取り扱いはどのような規定になっているのですか。書いた当人たちにも返却しないで、担任はなぜ焼却したのですか。焼却の判断は担任だけでできるのですか、お答えください。
何よりも、いじめの根絶を願うなら、しっかりとした検証が必要で、作文はいじめの検証のための大切な資料です。仮にひどい内容のことが書かれていても、しっかりとそのことに向き合わなくてはいじめ問題は解決できないのではないでしょうか。教育的見地からの御所見をお聞かせください。
ところで、12月5日から12日まで、岩瀬のにしのみや画廊で、岩脇 寛子さんの生きた13年間と死後の16年間に向き合う回顧展及びトークの集いが開催されています。いじめに対してそれぞれの立場で向き合い、いじめのない社会をつくっていくことを考え、語り合う機会になればという趣旨です。ぜひ皆様もお出かけください。
次に、
循環型まちづくりについてお尋ねします。
11月29日に開催された
エコタウンシンポジウムin富山は、エコタウンの先進地北九州市からの報告、富山市エコタウンの現状、経済産業省の取り組みなど、中身の濃いもので、勉強になりました。
この中で指摘されたのは、リサイクル事業では材料確保、採算性、需要確保の3つが大きな課題とのことでした。富山市エコタウンでは、この3つの課題に対する現状、見通しについてどのようになっていますか。
また、リサイクル品を市場に乗せる方法についても話題になりました。品質はいいけれどもコストが高くつくのでなかなか売れないものがあります。例えば、富山では、
木質系廃棄物炭化リサイクル事業が該当します。建築廃材からつくった木炭ボードは公共の建築物で積極的に利用するとか、活性炭に近い高品質のリサイクル木炭の床下調湿炭は、床下・床上浸水をした家屋が購入する場合は補助をするとか、行政の関与も必要ではないかと思いますが、考えをお聞かせください。
ところで、北九州市では、環境NPO等が活発に活動し、そうした市民たちが主体となって「
北九州市民環境行動10原則」をつくり、250ほどのプロジェクトの取り組みが進められているということです。
先日、県のNPO講座の講師として来県された方が、エコタウンの食品廃棄物の
メタン発酵処理施設を視察し、余分の発酵液が下水道へ流されていることを知って、「ヨーロッパでは液肥として畑にまかれているもの。有機農業に取り組んでいる農家に持っていけば喜ばれる」と話しておられました。環境に関心のある市民やNPOが
エコタウン事業者と協働すれば、
循環型まちづくりはさらに進みます。
富山市民環境行動10原則も近いうちにつくれるかもしれません。
来年4月に供用開始する
エコタウン交流推進センターが、そうした環境NPOとの協働を推進する拠点になればいいと思いますが、センターの運営方針や役割、事業内容などについてお聞かせください。
最後に、防災対策についてお聞きします。
まず、台風23号の被害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げます。
予定していた質問のほとんどは、昨日の議会で質問されておりますので、その部分は省きます。
今回の経験で、市民にとっても大雨のときの河川の水位状況は気になるところです。河川を管理している国土交通省では、雨量や河川の状況などを逐一コンピューター化した情報を「防災ネット富山」で提供しています。市民に河川情報を知ってもらうためにも、市のホームページからリンクできるようにしてはどうでしょうか。
ところで、今回、神通川の水位は計画高水位8.61メートルにあと28センチメートル。もう少し雨が降り続いていたら決壊していたかもしれません。このような高水位を回避する方法はあったのか。また、決壊した場合のシミュレーションなども行われたのでしょうか。いろいろな想定をしておくことが防災対策の基本であると思います。さまざまな反省点や気づきを取り入れ、よりよい防災対策を立てていきたいものです。
以上で私の一般質問を終わります。
4 ◯議長(高見 隆夫君)
森市長の答弁を求めます。
〔市長 森 雅志君 登壇〕
5 ◯市長(森 雅志君)
おはようございます。
志麻議員の御質問にお答えします。
私の方からは、少子化対策についてお尋ねのありましたうち2点、それから
循環型まちづくりについてお尋ねのありましたうち1点についてお答えし、その他につきましては担当部長から答弁いたしますので、よろしく御理解をお願いします。
まず、一番最初にございましたが、児童手当を増額し、子育てにかかる経費はできるだけ社会全体で負担することについての所見を問うとのお尋ねにお答えします。
子どもを生み育て、自立した社会人に育てていくことについては、第一義的には親を中心とした家庭が責任を負うものだと思っております。しかしながら、高齢化社会や核家族化が進行する中で、御指摘のとおり、合計特殊出生率が1.3を切るような少子化時代が到来している我が国においては、幼児虐待や犯罪の低年齢化などが顕在化するなど、社会的に大きなゆがみが生じてきている状況であります。
こうしたことから、子育て支援策の実施に当たっては、
児童手当支給事業や
乳幼児医療費助成事業等の経済的な負担を軽減するような施策をさらに拡大するだけでなく、子どもを生み育てる役割を親や家庭だけにとどめないで、社会全体に広げ、あらゆる方面から総合的に子育て支援を推進することが重要であると認識しているところであります。
次に、子育てが社会的にきちんと評価されることが、子育て期間中の労働時間の縮減や育休取得の推進につながるのではないかとのお尋ねでございます。
少子化傾向がこのままのペースで推移することは、家庭や地域社会はもとより、経済や社会全体の活力を低下させ、将来の生産基盤や社会システムに大きな影響を及ぼすものと懸念されております。この少子化の流れを変え、子どもを生み育てやすい社会の実現に向け、社会全体で総合的な子育て支援策を講じるため、昨年7月に、
次世代育成支援対策推進法が制定されたところであります。この法律においては、地方自治体が行動計画を策定することは当然ですが、301人以上の従業員を雇用する企業についても、子育て支援策を具体的に推進するための行動計画を策定することが求められております。
このように、企業に対して行動計画の策定を求めていくことは、これまで、親、家庭、地域社会や行政だけで子育てに取り組んできたことから一歩踏み出し、今後、企業を含めた社会全体で子育て支援を推進していくことが重要だと社会的に認識されてきたことのあらわれであり、社会的に子育てを評価することにつながるものだと考えております。
次に、
エコタウン交流推進センターの運営方針や役割、事業内容についてお尋ねがございました。
エコタウン交流推進センターは、市民、事業者、行政が協働した循環型のまちづくりを推進する拠点施設とし、その役割といたしましては、
エコタウン事業を中心とした情報を発信する役割、環境に関する啓発活動を実践する役割、環境に関する市民活動や企業活動を支援する役割を考えているところであります。
事業内容といたしましては、当面、見学者への案内業務を主とし、あわせて環境に関する啓発を行い、将来的には、環境を中心とした学習や市民活動の支援などに努めてまいりたいと考えております。特に、今年度、市民参加によるワーキング会議を設置して、このセンターを積極的に活用する手法について、調査・研究を進めているところであります。
今後、このワーキング会議での意見を集約して、
エコタウン交流推進センターの運営に反映するとともに、循環型のまちづくりを推進する市民活動の輪が広がるよう努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
6 ◯議長(高見 隆夫君)
永森商工労働部長。
〔商工労働部長 永森 勲君 登壇〕
7 ◯商工労働部長(永森 勲君)
少子化対策についての2点の質問にお答えいたします。
初めに、子育て中の社員を雇用した場合、税制上などのメリットとなる制度も必要ではないかにお答えいたします。
働きながら子どもを生み育てやすい雇用環境を整備し、仕事と子育ての両立の負担を軽減することは、経済社会の活力を維特していく上でも重要となっております。
税制上でメリットとなる制度についてでありますが、企業に対して課税されている法人市民税は、法人の企業活動に伴う所得に対して課税されるものであり、その算出に当たっては、企業が支給している扶養手当などを必要経費として算入しております。このことから、既に税制上の措置が講じられているところであります。
現在、国においては、
育児休業取得促進奨励金、育児・介護費用助成金、
育児休業代替要員確保等助成金、
育児両立支援奨励金などのきめ細かな助成制度により、子育てをしやすい環境づくりを行う企業を支援しております。
また、本市におきましては、国とともに、仕事と家庭の両立に十分配慮し、多様でかつ柔軟な働き方が選択できるような取り組みを行う企業、いわゆるファミリー・
フレンドリー企業の普及の促進を図るとともに、特に優秀な企業についてはファミリー・
フレンドリー企業表彰を実施しております。
今後とも、企業訪問を通じての啓発や、市広報によるPRなどにより、これらの国の制度やファミリー・
フレンドリー企業の普及に一層努めてまいりたいと考えております。
次に、同一労働同一賃金の実現、社会保険の運用拡大など、多様な働き方が可能な環境整備についてお答えいたします。
少子・高齢化が進む中、男女労働者が仕事と家庭を両立し、多様で柔軟な働き方を可能とする環境を整えることが重要なことと考えております。
国では、同一価値の労働についての男女労働者に対する同一の報酬に関するILO条約を批准しておりますが、国内関係法令については十分整備されていないことから、正規労働者とパート労働者などとの雇用形態や賃金形態が異なっているところであります。このため、国においては、柔軟で多様な働き方を可能とするため、
パートタイム労働者と正社員との処遇の均衡、ワークシェアリングの導入など、雇用環境の整備を推進しており、また、同一労働同一賃金の実現や社会保険の運用拡大については、社会全体の機運が醸成されることが必要であるとされております。
本市といたしましても、雇用環境の整備を図るためには、地域社会や事業主の理解と協力が必要であると考えており、市広報や市ホームページなどを十分に活用するとともに、企業訪問などを通じて周知・啓発に努め、だれもが安心して働ける環境づくりに取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。
8 ◯議長(高見 隆夫君)
森福祉保健部長。
〔福祉保健部長 森 彰君 登壇〕
9 ◯福祉保健部長(森 彰君)
少子化対策についてのうち、地域児童・
放課後児童健全育成事業の2点の質問にお答えいたします。
最初は、それぞれの長所を生かして一体化したものにならないか、それから、これからの進め方の御質問。もう1点は、
地域児童健全育成事業が留守家庭児童対策にも対応できるよう働きかけができないかという御質問でございます。
地域児童健全育成事業は、小学校に通うすべての子どもたちを対象として、子どもたちが自主的に参加することができる遊び場の提供を目的として実施しております。一方、
放課後児童健全育成事業は、小学校1年から3年の留守家庭の児童を対象として、保護者が労働等により昼間家庭にいない間、家庭にかわる生活の場の提供を目的として実施しております。
このように、それぞれ設立の趣旨が異なることから、両事業の一体化は考えていないところであります。
なお、留守家庭児童への対応については、昨年度より開始した
放課後児童健全育成事業が担うべきものと基本的には考えておりますが、実施箇所数がいまだ少ないことから、
地域児童健全育成事業における開設時間等については、柔軟に対応してまいりたいと考えております。
また、両事業の今後の進め方につきましては、
地域児童健全育成事業については、全小学校区での実施を目標とし、
放課後児童健全育成事業については、来年度の数カ所の新規開設を初めとして、さらなる普及に努めてまいりたいと考えております。
以上です。
10 ◯議長(高見 隆夫君)
吉川教育長。
〔教育長 吉川 實君 登壇〕
11 ◯教育長(吉川 實君)
初めに、教育センターについての3つの御質問のうち、まず、空き校舎となる八人町小学校を教育センターとしてどのように使用するのかにお答えいたします。
今回の市町村合併によりまして、現在4つの町にある教育センターを富山市教育センターに一本化することから、現施設では手狭となるため、八人町小学校跡に移転することを考えております。新しい教育センターになれば、施設面積が約2倍となり、研修室、相談室の拡充や、駐車場スペースの確保が可能となり、研修や教育相談の一層の充実を図ることができると期待しております。
次に、教育と福祉が連携し、子どもにとって最適なサービスを提供することを本市でも取り入れてはどうかにお答えいたします。
近年、子育てに関する不安や悩みは多様化し、専門家の助言を必要とするものも多くなってきております。この状況に対応するため、御指摘のように、各専門家が問題点を共通理解し、それぞれの立場から助言したり一緒に考えたりすることは必要なことであると認識しております。教育センターでは、保護者に対し、主として臨床心理士による相談を進めておりますが、必要に応じて医師や保育士、幼稚園・小・中学校の教諭と連絡をとり合って保護者に対応しております。
今後、金沢市
教育プラザ富樫等の先進的な施設を参考にし、子育てと教育に関して、各関係機関が連携した多機能を備える施設の構想について研究してまいりたいと考えております。
次に、八人町の教育センターに適応指導教室を設けることができないかにお答えいたします。
新市においては、適応指導教室は新庄、大沢野、婦中の3カ所に引き続き設置する予定と合意されております。今後、通級児童・生徒数の推移や設置場所等、全市的な観点で状況を見ながら検討されていくことが適切であると考えております。
続きまして、いじめ問題についての3つの御質問にお答えいたします。
まず、市がこのいじめ訴訟裁判から学んだことを問う、いじめ根絶に向けて取り組んできたことについても具体的に問うにお答えいたします。
いじめの問題は、子どもたちの生命・人権にかかわる重大な問題であると受けとめており、今回の裁判から、いじめはあってはならないものとの認識を改めて強く持ったところであります。
本市では、従来から豊かな人間性を育てる教育活動を推進することを指導方針の柱としており、各学校では子ども一人一人が人間としてかけがえのない存在であることを自覚し、互いに尊重し合う心を育てることを目的に、全校体制でいじめ防止に取り組んでおります。
いじめ等への対応としては、早期発見、早期対応に努めること。担任だけで問題を抱え込まずに、教師がそれぞれの役割を果たし、全校体制で真剣に取り組むこと。いじめられている子どものつらさ、悲しさ等を共感的に受けとめ、全力で支えてやること。いじめている子どもに対して、相手の心を深く傷つけたことに気づかせることなどに努めております。
さらに、教育委員会としましては、教職員を対象に、人権教育推進に関する研修会やいじめに関する講演会の開催など、いじめの早期発見や早期対応が適切に行われるよう研修を行っております。
また、いじめの対応には、教育相談体制の充実を図ることが肝要であることから、市教育センターにいじめテレホン相談を開設するとともに、臨床心理士3名を配置しております。学校にはスクールカウンセラーやカウンセリング指導員等を配置し、子どもたちや保護者からのいじめの訴えや相談の対処にも努めており、今後ともスクールカウンセラーの増員等、教育相談体制の一層の充実を図ってまいりたいと考えております。
続いて、親権者に対する報告義務についての所見を問うにお答えいたします。
学校は、保護者から子どもを預かって教育を行っている以上、子どもの安全を守る義務があるとともに、学校での子どもの行動や様子、指導の状況を必要に応じて保護者に報告する義務があると考えております。そのため、日ごろから保護者との信頼関係づくりが不可欠であり、連絡を密にしながら、問題によっては学校のみで解決することに固執することなく、家庭や地域と連携・協力して解決を図ることも大切であると考えております。
特に、いじめの問題では、各学校に対し、子どもと教師との信頼関係を大切にしながら、いじめられた子どもの立場に立った親身の指導を、また、保護者に対しては、親としての不安感や苦しみなどに謙虚に耳を傾けるなどの誠意ある対応を求めてまいりました。また、これまでも教育的配慮のもと保護者の方々に情報を提供してまいりましたが、一層、開かれた姿勢での学校運営を進めるよう指導してまいりたいと考えております。
続いて、いじめ問題での生徒の書いた作文の取り扱いについて所見を問うにお答えいたします。
今回の裁判の判決において、「本件の作文については、同組の生徒らにいじめがあったことを反省させ、今後、同様の事態が生じないよう認識させることを主な目的として書かせたものと認められるものであるから、本件作文が追悼文であることを理由として、直ちに開示請求を認めることはできない」とありますので、このたびの作文の扱いにつきましては、教員の裁量の範囲であるものと考えております。
教育委員会といたしましては、学校現場と一体となって、二度とこのような不幸な出来事が発生することのないよう、その防止と解消になお一層真摯に取り組んでいきたいと考えております。
以上でございます。
12 ◯議長(高見 隆夫君)
水上環境部長。
〔環境部長 水上 雄二君 登壇〕
13 ◯環境部長(水上 雄二君)
循環型まちづくりについてのうち、まず、富山市エコタウンでの材料確保、採算性、需要確保の3つの課題に対する現状、見通しについて問うにお答えします。
エコタウン産業団地4事業者の最近の稼働状況は、平均約72%となっており、各事業とも約1年半の稼働実績を踏まえて、おおむね計画どおりに推移し、本格的な稼働を目指していると伺っております。しかしながら、材料確保、採算性、需要確保につきましては、事業ごとに季節変動、設備改善、商品販売など若干の課題があると聞いておりますが、これらにつきましては、廃棄物を原料とする資源循環型事業の特性として、事業者が解決に努力されているところであります。
市といたしましては、今後とも、事業者の設備改善に対する資金計画、商品販売の販路拡大などの支援に努めてまいりたいと考えております。
次に、木炭ボードや床下調湿炭の公共建築物での積極的利用及び行政関与も必要でないかにお答えします。
建築廃材からつくった木炭ボード、木炭ボード入り畳につきましては、既に富山県のリサイクル製品の認定を受けており、富山市パークゴルフ場センターハウスで使用したところであります。引き続き、現在整備を進めております
エコタウン交流推進センターに使用するとともに、今後、公共建築物(松若保育所、大広田小学校や岩瀬公民館)などへの利用の拡大に努めてまいりたいと考えております。
また、床下調湿炭等の木炭製品の利用につきましては、今後、市施設での活用を初め農業団体や建築業界、さらには、他行政機関へ働きかけるなど、PRに努めてまいりたいと考えております。
以上であります。
14 ◯議長(高見 隆夫君)
松本建設部長。
〔建設部長 松本 眞人君 登壇〕
15 ◯建設部長(松本 眞人君)
防災対策に関連して、河川情報の収集について2点の質問にお答えします。
まず、国土交通省の「防災ネット富山」を市のホームページからリンクできないかにお答えします。
防災関係機関は、発生が予想される災害に対し初動準備を行うことは当然のことでありますが、市民の方々にも河川情報を知っていただくことは大変重要と認識しております。
このことから、市のホームページの防災情報をよりわかりやすく、また、内容の充実などの見直しを図るとともに、国土交通省の「防災ネット富山」へのリンクもできるようにしてまいりたいと考えております。
次に、高水位を回避する方法はあったのか。また、決壊した場合のシミュレーションなどは行われたのかにお答えします。
神通川の高水位を回避する方法につきましては、上流のダムが電力用の利水ダムであることから、対策が見当たらないのが現状であります。
神通川のはんらん予測につきましては、平成14年9月に国土交通省が浸水想定区域設定条件―おおむね150年に1回起こる大雨で、2日間総雨量が264ミリメートル、破堤箇所右岸17カ所、左岸13カ所、これをもとに、はんらんした場合に想定される浸水状況をシミュレーションにより求めた「浸水区域想定図」を公表し、この中で、区域と水深、流速が示されております。
本市では、この「浸水想定区域図」をもとに、平成17年度から調査を始め、避難の安全な手引書となる「洪水ハザードマップ」の作成に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
16 ◯議長(高見 隆夫君)
15番 志麻 愛子さん。
17 ◯15番(志麻 愛子君)
1点、再質問させていただきます。
教育長にお尋ねいたします。いじめの問題でお聞きしたところですが、追悼文につきまして、教育長の答弁は裁判での判断をお話しされたわけです。私は幾つも具体的に質問しましたが、そのことについては全く御答弁がなかったので、私の質問一つ一つに答弁をよろしくお願いいたします。
18 ◯議長(高見 隆夫君)
吉川教育長。
19 ◯教育長(吉川 實君)
作文は、教育指導のもとに生徒たちが思いをつづった文書でございます。したがって、本来、開示の対象ではなく、また、その取り扱いにつきましては学級担任の裁量の範囲であると、そのように考えております。
20 ◯議長(高見 隆夫君)
15番 志麻 愛子さん。
21 ◯15番(志麻 愛子君)
私が聞いたのは、作文の所有権というのはだれにあるのかとか、作品の取り扱いはどのような規定になっているとか、そういうことをお聞きしたのですけれども、今の答弁もそういうことについては全くお答えになっていないので、もう一度お願いします。
22 ◯議長(高見 隆夫君)
吉川教育長。
23 ◯教育長(吉川 實君)
作文そのものについては、公文書としては考えられないと、そのように考えております。
24 ◯議長(高見 隆夫君)
24番 中川 勇君。
〔24番 中川 勇君 登壇〕
25 ◯24番(中川 勇君)
平成16年12月定例会の一般質問を行います。
中心市街地の活性化についてお伺いします。
本市の中心市街地は、戦災復興土地区画整理事業によって道路、公園、下水道などが整備されてきました。この整備の過程で、本市は自動車を利用した生活者にとって利便性の高いまちへと変化していき、現在は自動車を利用したライフスタイルを極限まで推し進めた都市と言ってよいでしょう。しかし、自動車への依存が高まったことで地価の安い郊外へ機能拡散が進展した結果、人口も富山市の中心から郊外へ、さらに周辺の市町村へと流出し、中心市街地のにぎわいと魅力は失われてしまいました。
中心市街地を活性化するためには、失われた人口と機能を再集積させ、人が住み、働き、学び、遊ぶ、憩うといった人間の生活行動すべてをカバーする場として再活性化することが重要であります。
現在、本市は中心市街地の再開発を積極的に支援し、大きく変わろうとしています。
一方で、中心市街地の活力の一翼を担ってきたものに、富山駅から中心部に集積している賃貸オフィスビルがあります。昨今、この賃貸オフィスビルの空洞化が進み、空室率64.4%を最高に、空室率50%を超えるビルも3カ所、全体の空室率の平均は25.6%となっています。このような空洞化の背景にはビルの老朽化や駐車場のスペースの問題があり、より条件のいいオフィスを求めて、働く場所も郊外へと流出しているのであります。このような空室率の増大は、今後さらに拍車がかかるものと予想されます。
このようなオフィスビルの空洞化対策として、お隣の金沢市ではビル所有者と入居者の双方を対象とした全国初の助成制度を10月に創設しました。中心部の活性化を図る上でもオフィスビルの空洞化に対する取り組みが必要だと思われますが、本市の取り組みをお伺いいたします。
また、総曲輪通りの北側にある総栄通りを整備する必要もあるのではないでしょうか。
まちをつくるには、物を売るだけでなく、食堂など歓楽街も併設することで終日にぎわいを創出することができます。
帯広市に北の台地という屋台村が平成13年7月に20店舗でオープンして以来、本年7月末までの総売上額が約7億円となっています。また、総来客数は約46万6,000人となっています。北の起業広場協同組合の久保氏によれば、空洞化していく帯広のまちを何とか元気にさせたいとの思いから、富山のチャレンジショップを見学し、この屋台村を思いついたとのことであります。総栄通りの現状は飛び地に駐車場や空き地が目立つことから、こうした屋台村などを誘致することも一つの手段ではないでしょうか。いずれにせよ、この区域を再生させることが中心地区の活性化につながるものと考えますが、当局の考えをお伺いいたします。
また、中心市街地については、西町・総曲輪地区再開発事業が来年4月の完成に向けて工事が進められており、富山大和を核とした総曲輪南地区再開発事業も平成18年の開業に向けて鋭意努力されています。
一方、西町南地区再開発協議会は昨年7月に発足し、富山大和の周辺約4,400平米の利用策が検討されました。その結果、ことし8月10日に富山大和移転後の跡地利用策として、商業、図書館などの公共施設、住宅機能を一体化した19階建て複合ビルの建設計画がまとめられ、国や自治体の補助金を導入した再開発事業での実施を求める案が富山市に示されました。
この提案を受けて、市では都心地区まちづくり推進本部を中心に利用策を検討していくとされていますが、これまでどのような検討がなされたのかお伺いいたします。
また、ことし10月には、西町商店振興組合からバスターミナルを核とした跡地利用策が提案されました。現在、本市のバス路線は、富山駅を中心に郊外へ向け放射状の路線で構成されています。そのため、郊外から中心部へのバスは中心地区、いわゆる西町地区を経由することなく富山駅に向かい、中心地の衰退の一因ともなっています。中心地にバスターミナルを配置することで公共交通の核ができ、にぎわいを創出することができると思います。
一方で、バスターミナルに関しては排気ガスの問題を懸念する声もあります。
私は、平成14年10月に名古屋市栄にオープンしたオアシス21の半地下に建設されたバスターミナルを視察いたしました。このターミナルは1日900台のバスが発車し、約1万8,000人が利用していますが、バスの停車場は空気がスムーズに流れるように設計されています。また、排気ガス対策と乗客の安全対策として、ターミナルの待合室と停車場がドアで仕切られ、バスの運転手によりドアの開閉が行われています。なお、待合室には大型の空気清浄機や冷暖房が完備されており、清潔で明るい室内は利用者からの評判も非常に高いものとなっております。このオアシス21には26店舗ものテナントが出店し、併設されているイベント広場の利用や乗降客も含めると1カ月に約100万人の人出があり、大変なにぎわいとなっております。
本市においても、ライトレールが平成18年に運行され、その後、西町地区を経由して市内電車への乗り入れが計画されていることやコミュニティバスとの接続などを考慮すると、今が西町を中心とした公共交通の流れをつくる絶好の機会だと考えます。バスターミナルと公共施設、例えば市立図書館や、都心居住・テナントなどの複合ビル建設の提案については検討の余地があるのではないかと思いますが、当局の見解をお伺いします。
次に、今話題となっております総曲輪地区再開発における駐車料金についてお伺いします。
中心市街地の駐車料金の低廉化や無料化は、中心地の活性化を図る上で大変重要なことであります。株式会社まちづくりとやまでは、「来街者利便性向上検討委員会」を設置して議論が行われ、来年4月からの実験事業として、l.一定の金額の買い物を条件として2時間の駐車料金無料、2.現在の駐車料金の1時間300円をワンコイン(100円)30分にするという内容で行うとのことであります。
商店街にとって何よりも大事なことは、お客様に来ていただくことにあります。単に時間を費やすだけでもいいのです。お客様に来ていただいて、楽しんでいただいて、いろいろなものを見ていただいてにぎわいをつくり出すことが消費につながるのであります。
これを実践しているのが郊外店であります。郊外店では、買い物の有無を問わず、来客してもらうことを第一に考えて、大規模な駐車場を設けているのであります。無論、これはお客様において無料なだけであり、各商店が負担しているのであります。
市では、再開発事業で650台収容の大規模駐車場の建設に支援しています。これは、中心市街地の駐車場不足を補うものでありますが、中心市街地に来街していただいて、中心市街地を活性化し、富山のまちの顔を取り戻すためのものでもあります。にもかかわらず、駐車場の利用については従来どおり買い物を前提にしています。条件は緩和されたとのことでありますが、無条件ではありません。これで来街者の増加につなげることができるのでしょうか。今後、お客様の獲得をめぐって争おうとしている郊外店が実践していることを実践しないで、本当に結果が得られるでしょうか。私は、最低でも1、2時間は無条件無料のシステムが必要であると思います。
今まで多額の投資をし、再開発事業を進め、中心市街地の活性化と言い続けてきたのは、来街者を増やすためであります。受益者負担という見方もあると思いますが、この場合の真の受益者は商店の経営者にあるのではないでしょうか。少なくとも郊外店はそういう考え方に立ってお客様を引きつけています。駐車場無料化について、市の支援のあり方を検討すべきであると思いますが、当局の考えをお伺いします。
次に、
エコタウン交流推進センターと廃棄物エネルギーセンターについてお伺いします。
本市では、ゼロエミッション構想を基軸に、地域の振興を図りながら環境と調和したまちづくりを目指して、昨年4月より4つのリサイクル施設が順次稼働を始めました。また、新たに古タイヤのチップ化事業が国の認可を受けて参加することになり、先進的なエコタウン団地として全国的にますます注目されているところであります。
その結果、現在でも全国各地からの施設見学者が殺到しています。今のところ、週2日に限って見学を受け入れていますが、ある事業者からは見学を拒否したいという声も上がっています。殺到する見学者への説明は各社の社員が受け持っているため、これらの社員の人件費は事業者が負担していることになっており、見学を拒否したくなるのもやむを得ないと思います。
これを受けて、来年3月に、エコタウン団地に隣接している旭化成の事務所を交流推進センターとしてオープンする運びとなっており、この交流推進センターに事業者は大いに期待しているところであります。
このような交流センター機能を設置している北九州市
エコタウン事業では、第三セクターによる「ひびき灘開発株式会社」を設立し、視察や見学に対応するため、説明員11名を配置し、年間延べ8万7,000人の見学者に対応しています。
そこで、お伺いいたしますが、本市の交流推進センターの運営方法はどのような手法を考えておられるのでしょうか。また、産学官の共同研究や、環境産業と観光を組み合わせたエコツーリズムの推進を図るために大きな役割を担うこの交流推進センターの機能に、エコタウンの視察者、見学者に対応するための説明員の配置を行うべきと考えますが、当局の見解をお伺いします。
また、エコタウン内でリサイクルが困難な廃棄物やエコタウン各事業所から排出される残渣を、発電、熱、合成ガスなどに活用するサーモセレクト方式の廃棄物エネルギーセンターの建設計画がありましたが、市では費用対効果が得られず困難との見解を出されました。しかし、廃棄物処理施設の建設が急がれており、建設費と採算性にすぐれている余熱利用方式の廃棄物エネルギーセンターの建設が検討されているとのことですが、建設計画はどのようになっているのでしょうか、お伺いします。
次に、土地開発公社保有地の有効活用についてお伺いします。
去る11月12日、市職員による政策課題研修の成果発表会が実施されましたが、今年度のテーマの中に「未利用地の活用について」という発表がありました。この未利用地というのは、もちろん富山市、富山市土地開発公社の保有する土地であります。これらの保有する財産は貴重な市の財産であり、行政の適正な執行のために欠くことのできない物的手段として行政運営上重要な地位を占め、その利用の状態によっては行財政に大きな影響を及ぼすものであります。したがって、公有財産はそれぞれの所有の目的に応じて最も効率的に運用するとともに、常に良好な状態で管理する必要があります。現在、本市の公社所有地は62件で、約36万平方メートルであり、平成15年度分の支払い利息は約27億9,600万円となっております。この中には、景気の停滞などによる公共事業の繰り延べや事業の見直しなどにより、長期間利用されていない、いわゆる塩漬けの土地が累積するなど、さまざまな問題を抱えています。
土地開発公社は全国で1,500を超える組織があり、総務省の平成15年度の発表によると、保有後に10年以上経過した土地は金銭に換算すると約2兆円弱と聞いています。これらの土地の有効利用は全国的な課題であり、和歌山県では「新ふるさと創り特区」として、企業が県土地開発公社の造成した土地を長期的に借り、非農地での大規模なトマト栽培を行っています。和歌山のような未利用地の有効活用により、市民福祉の向上を図ることは急務であると思います。
そこで、公社の保有実態、有効活用についての考え方、買い戻し計画、また、特区として有効利用する取り組みがあるのかどうかお伺いいたします。
次に、ペイオフについてお伺いします。
いよいよ来年4月から、普通預金等についてもペイオフが解禁されます。現時点では、金融機関が破綻した場合、円預金のうち当座預金、普通預金などについては全額保護され、定期預金については預金者1人当たり元本1,000万円までとその利息が保護されています。それを超える部分については、破綻金融機関の財務余力によって支払われる額が決定されることになります。
しかし、来年4月以降は、全額保護されるのは利息がつかない当座預金などの決済用預金となっており、その他の預金などについては定期預金と同様、預金者1人当たり元本1,000万円とその利息が保護され、それを超える部分については預金カットの可能性があることになります。
本市でも、12月、市長の記者会見の席上、これまで利息のつく普通預金で保管してきた支払準備金は決済用預金に移しかえ、歳入、歳出に関する現金や、債権運用以外の基金現金は、金融機関の経営破綻時に借入金債務と相殺すると発表されました。
野村総合研究所が平成16年2月に全国の主要自治体に対して実施した「ペイオフ全面解禁に向けた公金管理の取り組み状況調査に関するアンケート」では、公金管理の体制の充実が進む自治体もある一方、多くの自治体で取り組みが遅れていることが明らかになりました。いち早く対応を決定されたことを高く評価するものであります。
地方自治体の公金は、公共の福祉を実現するための市民共有の財産であり、これを失うことは市民生活に大きな影響をもたらします。
そこで、3点について収入役にお伺いします。
1.金融機関に関する情報収集や評価はだれがどのように行うのか。2.金融機関に関する財務分析スキルの向上への取り組みはどうなのか。3.市職員の金融機関に関する評価能力やノウハウの継承をどのように行うのかについてお伺いいたします。
次に、入札制度改革についてお伺いします。
入札・契約制度については、平成18年度から導入が予定されている電子入札制度を視野に入れた取り組みとして、平成16年6月から、建設工事の一部を対象に郵便入札による「条件付き一般競争入札」が実施されています。
この入札方法では、今後増加が予想される入札参加業者に対応するため、入札会場での紙による入札を改め、郵便による入札への変更と、参加資格の審査を入札後に行う事後審査方式を導入するとしています。これにより、受注機会の拡大、公告から入札までの期間が短縮できることがメリットとして挙げられていますが、一方で、受注を得るために常識外の低額での入札が起こり得るのではないかと懸念されています。非常識なダンピング受注で適正な成果品が確保できるのかということは、公共事業の実施主体として最も注意が必要であると思います。
そこで、以下4点についてお伺いします。
1.この新しい取り組みについては、低入札の状況や制度執行の状況はどのようであったのか。2.だれでもが参加できるような入札方式で、不良、不適格業者を排除できるのか。3.将来、電子入札を実施した場合には、一層混乱が予想されるのではないかと思うが、ダンピング受注の防止や公正な市場環境の整備についてどのように評価されているのか。4.低入札で受注された案件について、適正な成果品の確保という観点からどのように監視していくのかをお伺いいたします。
最後に、監査制度についてお伺いします。
現在、国では地方分権へと向かう大きな改革の方向が示され、国と地方公共団体との従前の関係を見直し、地方公共団体の自立を促す諸方策(国の機関委任事務の廃止、権限移譲、国の関与のルール化など)が講じられるとともに、地方公共団体自身の問題として地方行政の体制整備の必要性が論じられています。こうした地方行政の強化になくてはならないものが、行政を監視する監査制度であります。
従来の地方公共団体の監査は、戦後すぐに制度化された監査委員制度によって担われており、会計監査のみならず、行政監査も実施され、監査の対象も徐々に拡大されるなど、監査制度強化の一途をたどってまいりました。
さらに、平成9年の地方自治法改正によって、地方公共団体の監査に新たに外部監査制度が導入されることになり、本市でも平成11年度から外部監査制度が導入されています。また、住民監査請求も住民訴訟の前段の手続とされていることもあり、全国的に数多く提起されており、監査委員には住民からの監査要求にこたえる役割も期待されています。
住民監査請求や外部監査制度など、外からの鋭い監視の目は、行政に対する的確な評価を下すために有効であり、また住民の行政に対する信頼向上のためにも重要であります。ただし、これらの新しい監査方法の有効性を高めるためには、既存の監査委員との関係を明確にしておくことが不可欠であります。
そこで、以下4点についてお伺いします。
1.近年の監査、外部監査の状況はどうか。また、どのような指摘事項があったのか。2.外部監査制度をどのように評価しているのか。また、今後改善すべき点があるのか。3.住民監査請求の実施はどうか。また、事務の処理方法はどのようになっているのか。4.住民監査請求以外の特別監査も一部実施されているが、さらに充実させていく考えがあるのかお伺いして、私の質問を終わります。
26 ◯議長(高見 隆夫君)
森市長の答弁を求めます。
〔市長 森 雅志君 登壇〕
27 ◯市長(森 雅志君)
中川議員の御質問にお答えします。
私の方からは、エコタウンについてお答えし、その他につきましては収入役及び代表監査委員、担当部長からお答えを申し上げます。
まず、
エコタウン交流推進センターの運営方法並びに見学者に対応するための説明員の配置等についてお尋ねがございました点にお答えします。
エコタウン交流推進センターは、市民、事業者、行政が協働した循環型のまちづくりを推進する拠点施設として、先ほどもお答えしましたが、
エコタウン事業を中心とした情報を発信する役割や環境に関する啓発活動を実践する役割、そして、環境に関する市民活動や企業活動を支援する役割などを期待しているところでございます。
事業内容としましては、当面、見学者への案内業務を主とし、あわせて環境に関する啓発を行い、将来的には、環境を中心とした学習や市民活動の支援に努めてまいりたいと考えております。特に、今年度、市民参加によるワーキング会議を設置して、このセンターを積極的に活用する手法について調査・研究を進めているところであり、今後、このワーキング会議での意見を集約して、
エコタウン交流推進センターの運営に反映をし、もって循環型のまちづくりを推進する市民活動の輪が広がるよう努めてまいりたいと考えております。
このことから、
エコタウン交流推進センターの運営方法につきましては、直営による施設管理体制とし、当面、所長を含めスタッフ4名の人員体制で、1つには、見学者への館内案内や説明、2つには、リサイクル施設への見学受付、案内、説明、3つには、会議室の貸し出しなどの業務を行ってまいりたいと、このように考えております。
次に、廃棄物エネルギーセンターの建設計画についてお尋ねがございました点にお答えします。
廃棄物エネルギーセンターにつきましては、エコタウンプランの第2期事業に位置づけており、エコタウン産業団地内のゼロエミッション化を目指し、県内で処分に困っている廃棄物や、埋め立て、焼却されている廃棄物をエネルギーとして回収、減量化しようとするものであります。
現在、2つの事業者から新たな事業化に向けた提案を受けているところでありますが、それぞれの事業化の可能性について、コンサルタントへ委託し、鋭意、精査・検討を進めているところであります。
今後の建設計画、スケジュールにつきましては、引き続き、環境影響調査などを行う中で、事業化計画の熟度を高めるよう努力してまいりたいと考えております。
以上でございます。
28 ◯議長(高見 隆夫君)
金井収入役。
〔収入役 金井 保君 登壇〕
29 ◯収入役(金井 保君)
ペイオフについて、3問の質問にお答えいたします。
最初に、金融機関に関する情報収集などはどのように行うのか。また、財務分析スキルの向上や、市職員の金融機関に関する評価能力やノウハウなど、その継承はどのようになっているのかにお答えいたします。
平成17年4月からのペイオフ全面解禁に備えて、本市では、平成13年6月に「ペイオフ解禁対応策研究会」を、また、平成14年4月には「富山市公金預金管理検討委員会」を設置し、公金を安全・確実かつ有利に保管・運用する方法について検討を重ね、先般、新たに「富山市公金管理方針」などについて策定したところであります。
金融機関に関する情報収集や評価につきましては、財政課と出納課が中心となって、1つには、決算期ごとに、健全性―これは自己資本比率などでございますが、それと収益性―これは総資産業務純利益率などでございます。それから、流動性―これは預金量でございますが―をはかる各種指標の時系列推移や、同規模の金融機関との比較を行うこと。2つには、随時または日常的に株価や格付機関による格付を注視すること。3つには、必要に応じて、直接、金融機関にヒアリングを実施することなどによって行ってまいりたいと考えております。
次に、金融機関に関する財務分析のスキル向上についてでございますが、これまでも、ペイオフに関するさまざまな研修会に参加したり、本市と取引のある証券会社より金融機関の財務分析や各種指標の見方などについて指導・助言を受けるなど、金融機関に関する評価能力の向上に取り組んできたところでございます。
また、こうした評価能力の職員間における継承についてでございますが、1つには、金融機関の経営状況については、先般策定した「富山市金融機関の経営状況判断基準」の中で、内部規程として自己資本比率や不良債権比率などの健全性を判断する目安を定めたこと。2つには、今後とも、金融アナリストを講師としたペイオフに関する研修会などに定期的に参加することなどによって、職員の異動があっても金融機関に関する評価能力が損なわれることがないよう努めてまいりたいと考えております。
30 ◯議長(高見 隆夫君)
永森商工労働部長。
〔商工労働部長 永森 勲君 登壇〕
31 ◯商工労働部長(永森 勲君)
中心市街地活性化についての3点の御質問のうち、初めに、オフィスビルの空洞化に対する取り組みについてお答えいたします。
中心市街地における賃貸オフィスビルの空洞化対策は、重要な課題であると考えております。このため、本市では、中心市街地などでの賃貸オフィスへの入居促進と、大きな雇用効果が期待できるコールセンターなどの情報通信関連企業の誘致を図るため、平成15年度からオフィス賃借料や通信回線使用料などに対する助成制度を創設したほか、新規雇用に対しても助成しているところであります。
この結果、平成16年1月以来、4社が富山駅周辺のオフィスビルで事業所を開設し、約400人の雇用を創出するなど、雇用機会の拡大と市街地のにぎわい創出に大きく寄与しているものと考えております。
本市としましては、中心市街地の活性化を図るため、今後、不動産関連団体との情報交換をしながら、助成制度のPRやオフィスの空き状況などの情報提供を行い、立地促進に努めるとともに、オフィスへのさらなる入居促進策についても検討してまいりたいと考えております。
次に、総栄通りの再生が中心地区の活性化につながると考えるがどうかにお答えいたします。
本市では、「中心市街地活性化基本計画」を策定し、重点的かつ緊急に整備を進める中心商店街地区を重点区域として位置づけ、歩行者空間の充実とともに、地区の特性に応じた業種の誘導などによってまちのにぎわいを創出していくこととしております。
御指摘の総栄通りは、この重点区域の中にあり、現在、駐車場になっている空き地があるものの、飲食店などが集積していることから、新たなにぎわいを創出できる可能性を持った地区であると考えております。
総曲輪地区では、2つの再開発事業が進められており、この再開発事業と一体となって、景観と環境に配慮し、にぎわいの創出を目的とした「暮らしのみちゾーン」整備事業に、総栄通りなど地元商店街と協働で取り組んでいるところであります。
また、中心商店街地区の活性化を協議するための組織である「富山CAM会議」の設立準備会が、総曲輪通り、中央通り、西町の各商店街や、2つの百貨店及び商工会議所、まちづくりとやまにより設置されております。
市としましては、この「富山CAM会議」やまちづくりとやまの「まちづくり公房」を通じて、総栄通りの活性化策について御意見、御提案をお聞きしてまいりたいと考えております。
また、みずからの手で商店街の活性化を図り、魅力ある商業集積を形成しようとする中心地区の商店街に対し、商店街の統一したコンセプトによる既存店舗のショーウインドーなど外装整備に対する支援や、商店街が空き店舗を借り上げ、出店する事業者に貸し出す場合の家賃や内装工事費に対する支援策について検討してまいりたいと考えているところであります。
最後に、駐車場無料化について、市の支援の考え方についてお答えいたします。
中心商店街は、来街者が減少し、空き店舗が増加するなど空洞化が進行し、その原因の一つである駐車場料金などについては、中心市街地の活性化を図る上で大きな課題であると考えております。このことから、本年4月に株式会社まちづくりとやまにおいて、総曲輪通り、中央通り、西町の各商店街や、百貨店及び商工会議所、駐車場経営者により「来街者利便性向上検討委員会」が組織されたものであります。
この検討委員会では、新しい駐車場システムについて、駐車料金の無料化、基本料金の時間の見直し、駐車場システムの運営財源などについて、鋭意検討がなされてきているところであります。
現在検討されている新しい駐車場システムは、買い物客への無料駐車サービス時間を延長することによって、来街者のまちなかでの滞在時間が延び、消費の拡大やにぎわいが図られるとして、平成17年4月からの試行を予定されているものであります。
市としましては、これまで調査・検討を行うための取り組みに対し支援してきたところであり、この新しい駐車場システムの試行につきましても、第一には商業者の自発的、自主的な取り組みが重要であると考えておりますが、商業者や駐車場経営者の試行への参加促進を図るため、新しい駐車場システムの策定や料金システムの変更などの環境整備への支援については、検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
32 ◯議長(高見 隆夫君)
島倉都市整備部長。
〔都市整備部長 島倉 憲夫君 登壇〕
33 ◯都市整備部長(島倉 憲夫君)
中心市街地活性化についてのうち、大和移転後の跡地利用について「西町南地区再開発協議会」の案が示されたが、市では利用策についてどのように検討してきたのかにお答えをいたします。
大和跡地の利用策として、「西町南地区再開発協議会」から、商業・住居機能と併設して図書館や駐車場などの公共施設を市街地再開発事業として整備し、その床を市が取得するという案が示されたところであります。
この地区では建物の資産評価が大きく、市街地再開発事業で行われる従前資産を従後の資産に置きかえる権利変換の手法では、再開発ビルの床の価格が高くなるなど事業を進めるには課題が多いことから、各種制度等を組み合わせるなど、新たな仕組み、新たな発想で、中心市街地全体のまちづくりの中でどのように利用するか、慎重に検討を進めているところであります。
次に、大和跡地利用として、バスターミナルと公共施設や都心居住・テナントなどの複合ビル建設は検討の余地があると思うがどうかにお答えをいたします。
西町周辺地区の公共交通の現状につきましては、西町を経由いたしますバスは市内全路線の半分以下であることや、バス停が分散していることなどから、市電や「まいどはやバス」「おでかけバス」との連携も便利とは言えない状況となっております。
このような状況の中、公共交通による西町へのアクセス向上は大変重要な課題であると考えており、交通マスタープラン策定協議会では、より便利にアクセスできるバス路線の再編や利便性の高い乗降場の配置など、交通結節機能の強化について検討を行っているところであります。
御提案のバスターミナルを核とした複合ビル建設につきましては、中心市街地へのアクセス性が向上するとともに、公共施設や都市型住宅、商業施設などと複合して整備をすることでにぎわいが創出されることから、中心市街地の活性化にも有効な手法の一つであると考えております。
このことから、公共交通の結節機能の強化のためのバスターミナルや複合施設につきましては、需要があるのか、また、にぎわいの創出につながるのかなどについて意識の醸成や合意形成が必要であり、幅広く、市民や関係者の皆様の御意見を伺い、名古屋市の事例なども参考としながら、その可能性について議論を深めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
34 ◯議長(高見 隆夫君)
小池財務部長。
〔財務部長 小池 武彦君 登壇〕
35 ◯財務部長(小池 武彦君)
土地開発公社保有地について、公社保有地の実態、有効活用についての考え方、買い戻し計画、特区としての取り組みについての4点にお答えをいたします。
土地開発公社は、公有地の拡大の推進に関する法律に基づき、地域の秩序ある整備を図るために必要な公有地となるべき土地等の取得及び管理などを行うことを目的として設置しております。
平成16年3月末現在の公社保有地の状況につきましては、道路・公園などのための事業用地として62件、面積では約36万平方メートル、金額では263億余円となっております。このうち、5年以上10年未満保有している土地は、道路・公園などのための事業用地として15件、面積では約10万平方メートル、金額では114億余円、10年以上保有している土地は、道路・公園などのための事業用地として5件、面積では約5万4,000平方メートル、金額では60億余円となっております。
全国的に土地開発公社は、長期にわたる景気の低迷や国・地方に通じる財政状況の悪化等を背景とし、事業の繰り延べなどにより長期間保有する土地が累増しております。
本市の土地開発公社においても、保有期間の長期化に伴い、金利負担等が大きな課題となっていることから、本年8月に、庁内の関係職員で構成する「富山市土地開発公社保有地の有効活用検討委員会」を設置し、1つには、公社保有地の公共事業用地としての活用見込みの整理、2つには、当面活用見込みのない土地の民間売却等を含めた有効活用方法の検討、3つには、活用する見込みのある土地の財源確保策の検討、4つには、今後の用地先行取得の運用指針の検討などの方策について検討を始めたところであります。
今後、この検討委員会の検討結果を踏まえ、公社が保有する土地については、長期的視野に立って、財源確保の見通しを見きわめつつ、各事業の進捗状況を勘案しながら計画的に買い戻しを行ってまいりたいと考えております。
次に、特区としての取り組みにつきましては、現在、総務省が特区に限って認められている公社保有地の賃貸の実施について、全国的に認める方針で、公有地拡大推進法の施行令を年度内に改正することを検討していると仄聞いたしており、今後、この改正が実施されることになれば、本市の土地開発公社においても公社保有地の賃貸が可能となることから、国の動向を注視してまいりたいと考えております。
次に、入札制度の改革について、4点の御質問がございました。
まず、郵便入札において、低入札の状況やその執行の状況についてお答えをいたします。
本市では、公共工事の執行については、限られた財源を効率的に活用し、適正な価格で、かつ、工事内容の成果、品質を重視する入札・契約制度となるよう、これまでも契約制度検討委員会において検討し、改善を行ってきたところであります。
入札・契約制度の改善策として、本年度は、受注機会の拡大及び受発注者双方の事務の効率化などを図るため、土木・建築工事についてはおおむね2,000万円以上1億円未満、電気・管工事についてはおおむね1,000万円以上5,000万円未満の工事を対象に、郵便入札による「条件付き一般競争入札」を20件以上試行することとしたところであります。
郵便入札に係る低入札の状況につきましては、10月末までに実施した25件のうち6件は調査基準価格を下回る低い額の入札でありました。このため、低入札価格調査制度に基づき、入札価格の内訳書、資材の量、調達及び労務者の供給見通し、入札者の経営状況などについて審査し、その結果、契約の内容に適合した履行がなされると認められたことから、すべて落札を決定しております。
また、郵便入札の執行状況につきましては、10月末までに試行した25件の平均落札率は82.89%、1件当たりの平均参加業者数は13.3者となっており、受注機会の拡大などが図られていると考えております。
次に、だれもが参加できる入札方式―これは郵便入札でございますが―で不良・不適格業者を排除できるのかについてお答えをいたします。
郵便入札による「条件付き一般競争入札」につきましては、その入札参加資格として、市内業者であること、同種工事の施工実績等があること、資格を有する技術者を配置することなどを工事ごとに要件としており、だれもが参加できるものではございません。
また、入札方式は、開札後に審査する事後審査方式であり、入札書とあわせて郵送される入札参加申請書に記載された入札参加資格が要件を満たさない場合は、最低の入札価格の者であっても失格となるものであります。
郵便入札につきましては、今後とも引き続き施工実績や技術者の配置などの入札参加要件を的確に設定することにより、不良・不適格業者を排除してまいりたいと考えております。
次に、将来、電子入札を実施した場合のダンピング受注の防止や公正な市場環境の整備についてお答えをいたします。
電子入札については、入札参加資格の確認、入札執行、入札結果の通知などがインターネット上でやりとりできることになり、受注機会の拡大、公共工事等の情報の積極的な提供や公開による透明性の向上、移動コストの削減やペーパーレス化による受発注者双方の事務の効率化などの効果が期待されるところであります。
電子入札を実施した場合のダンピング受注の防止につきましては、ダンピング受注は、建設業などの健全な発達を阻害するとともに、工事の手抜き、下請へのしわ寄せ、労働条件の悪化、安全対策の不徹底などにつながりやすいことから、低入札価格調査制度などを適切に活用し、ダンピング受注の排除を徹底してまいりたいと考えております。
また、公正な市場環境の整備につきましては、公共工事における不正行為や、不良・不適格業者を排除するため、施工実績のある業者や資格を有する技術者を配置できる業者が入札参加できるよう、的確な入札参加資格を設定するとともに、今後、契約制度検討委員会において、より一層、公正な競争の促進及び適正な施工の確保などが図られるよう、その方策について検討してまいりたいと考えております。
最後に、低入札で受注された案件について、適正な成果品の確保という観点からどのように監視していくのかという御質問にお答えをいたします。
通常、請負金額500万円以上の工事につきましては、「工事施工体制点検要領」に基づく点検―これは工事現場における主任技術者の配置や現場代理人の常駐の確認などでございますが、この点検を行っております。
低入札の工事につきましては、これに加えて、中間検査を実施するなど、監督業務や検査業務の強化を行っており、工事の品質の確保に取り組んできたところでございます。
今後とも、低入札の工事につきましては、市工事監督員等による工事現場の確認回数を増やすなど、監督業務や検査業務の強化に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
36 ◯議長(高見 隆夫君)
才木代表監査委員。
〔代表監査委員 才木 勝治君 登壇〕
37 ◯代表監査委員(才木 勝治君)
監査制度について4点の御質問がありましたので、私からは4点目の、住民監査請求以外の特別監査も一部実施されているが、さらに充実させていく考えがあるのかについてお答えを申し上げます。
まず、本市では特別監査といたしまして、御質問にあります、1つには住民監査請求に基づく監査、2つには住民からの直接請求に基づく監査、3つには議会からの請求に基づく監査、4つには市長からの要求に基づく監査、5つには財政的援助を与えている団体等の出納その他の事務について行う監査、6つには市長からの求めによりまして、職員が保管する現金・物品等の亡失または損傷などで市へ損害を与えたと認められるとき、その事実の有無や賠償責任の有無、賠償額等の決定を行う監査の6つの監査を位置づけているところでございます。
これらの監査のうち、監査委員がみずからの判断で実施するのは、財政的援助団体等に対して行う監査でありまして、1つには資本金等の4分の1以上を出資している、いわゆる出資団体、2つには市の公の施設の管理を受託しているもの、3つには市が補助金や貸付金、損失補償、利子補給その他の財政的援助を与えているもの、この3つが監査の対象となります。
つきましては、昨今、全国的に出資団体の経理事務の不祥事が相次いだこともありまして、その事業運営の内容について住民から厳しい目が向けられてきております。このことから、監査事務局職員の資質向上に一層努めながら、これまでも監査の実施に当たっては、1つとして、正確性、合規性を基本にしつつ、その事務が最少の経費で最大の効果を上げているか。また、組織・運営の合理化に努めているかなど、経済性、効率性、有効性等についても重視する。2つとして、監査事務局職員が監査対象出資団体に出向いて書類等を事前に調査する。3つとして、当該対象出資団体の事務局長等の会計責任者から直接説明を受けるなど、当該団体の適正な財務会計事務の執行に特に配意しているという現況でございます。
今後、出資団体以外の対象団体につきましても、出資団体と同様に、監査事務局職員が出向きまして書類等の事前調査を行い、また、会計責任者等から直接説明を受けるなど、財政的援助団体等に対する監査のより一層の充実・強化を図ることが必要であると、このように考えている次第でございます。
以上でございます。
38 ◯議長(高見 隆夫君)
村尾監査事務局長。
〔監査事務局長 村尾 吉幸君 登壇〕
39 ◯監査事務局長(村尾 吉幸君)
監査制度についての御質問のうち、2点についてお答えします。
まず、近年の監査の状況及び指摘事項についてお答えいたします。
平成11年度から年度ごとに申し上げます。
平成11年度には、定期監査として農政振興課等121所属、財政的援助団体等監査として財団法人富山勤労総合福祉センター等45団体、工事監査として準用河川中川改修など4件の監査が行われました。
監査の結果、市税の滞納整理状況における未納額の減少についての意見1件を付しております。
平成12年度には、定期監査として秘書課等141所属、財政的援助団体等監査として財団法人富山市舞台芸術パーク財団等41団体、工事監査として横内西ノ番線道路改良工事など4件の監査が行われております。
監査の結果、補助金交付事務における誤り、備品台帳の記載漏れや押印漏れ等19件の指摘及び意見を付しております。
平成13年度には、住民監査請求が2件ありましたが、定期監査として市民生活相談課等63所属、財政的援助団体等監査として財団法人富山市駐車場公社等39団体の監査が行われております。
監査の結果、特命随意契約における特命理由書、見積書等の不備、貸付金の滞納額の増加等62件の指摘及び意見を付しております。
平成14年度には、定期監査として企画調整課等112所属、財政的援助団体等監査として財団法人富山市ファミリーパーク公社等40団体、工事監査として公営住宅布目団地2号棟新築主体工事(その2)など2件の監査を行っております。
監査の結果、道路占用料の減免手続の誤りや、処務事務について基本的な共通した誤りが多く見られるので、全庁統一的な処務事務マニュアル改定の検討等72件の指摘及び意見を付しております。
平成15年度には、今まで部の定期監査を2年に1回の監査サイクルとしておりましたが、これを見直し、原則として、部については毎年監査することや、必要に応じて毎年監査する課を設けるなど、改善を図っております。定期監査として保険年金課等99所属、財政的援助団体等監査として富山市自治振興会連絡協議会等28団体、工事監査として岩瀬地区街路修景工事など2件の監査が行われております。
監査の結果、行政財産の目的外使用許可手続の不備、市営駐車場の稼働率の低下、公有財産の未利用地の活用等54件の指摘及び意見を付しております。
次に、住民監査請求の実施、事務の処理方法についてお答えいたします。
昭和50年以降20件の住民監査請求がなされていますが、平成11年度以降になされた住民監査請求の請求内容及び監査結果について申し上げます。
平成11年度には、議員等の海外行政視察に対する公金の支出についての住民監査請求がありました。
監査結果は、海外視察の成果の還元が期待できること等から棄却となっております。また、この請求では、法定の請求期間の1年間を経過している事項もなされておりましたが、このことについては却下となっております。
平成13年度には2件の住民監査請求がありました。そのうちの1件は、防水工事、防食工事の談合行為で発生した市の損害賠償請求権の行使についてで、監査結果は、法定の請求期間の1年間を過ぎていたことから、却下となっております。
また、もう1件は、市の公共財産である水路が住民に不法占拠されており、是正措置をとることについての請求がありましたが、監査結果は、水路が不法占拠されている事実はないとの判断から棄却となっております。
平成14年度には、寝具賃貸業務の談合行為で発生した市の損害賠償請求権の行使について住民監査請求がありました。その対象となる行為については、平成9年度から平成12年度までに発生したものでありますが、平成14年11月の最高裁判決において、談合行為に係る損害賠償請求権の不行使については、財産の管理を怠る事実として1年間の法定の期間制限の適用を受けないとされたことから、請求を受理し、監査が行われております。
監査結果は、公正な競争があった場合より高い価格で契約が行われたとの判断から、市へ損害賠償請求権を行使することを勧告しております。
以上でございます。
40 ◯議長(高見 隆夫君)
渡辺企画管理部長。
〔企画管理部長 渡辺 邦保君 登壇〕
41 ◯企画管理部長(渡辺 邦保君)
監査制度についてのうち、外部監査の状況と指摘事項。そして、外部監査制度をどのように評価しているのか、また、今後改善すべき点があるのかにお答えをいたします。
外部監査制度につきましては、地方分権に対応し、地方公共団体の体制を整備するとともに、適正な予算執行の確保を図るという観点から、平成11年度より、中核市等に導入されたものでございます。
まず、この制度の評価についてのお尋ねでございますが、地方公共団体の組織に属さない外部の専門的知識や資格を有する公認会計士などが監査することにより、監査機能の独立性や専門性、透明性が一層高まるなどの効果があると考えており、行財政改革や開かれた市政の推進といった観点から、高く評価しているものであります。
次に、外部監査の状況及び指摘事項についてでございますが、これまでの状況を年度ごとに御説明いたしますと、平成11年度は、市民病院事業、下水道事業、市の出資団体が監査対象となり、病院の経営改善や出資団体における会計制度の運用改善などについての指摘がなされております。
平成12年度は、水道事業、競輪事業、市税等の歳入事務が監査対象となり、延滞金の徴収や減免の事務処理などについての改善の指摘がなされております。
平成13年度は、出資や運営費補助金などを受けている、いわゆる財政援助団体に対する補助金及び土地・基金に関する事務が監査対象となり、一部の財政援助団体に対する補助金及び未利用土地などについて改善の指摘がなされております。
平成14年度は、公共事業の執行・管理、中央卸売市場事業が監査対象となり、入札制度の改善や中央卸売市場の施設使用料の算定などについて改善の指摘がなされております。
平成15年度は、市の出資団体が監査対象となり、理事の定数の適正化や評議員会の設置などについて改善の指摘がなされております。
平成16年度は、病院事業、介護保険事業が監査対象となり、現在、監査が行われているところでございます。
次に、この外部監査制度について、今後改善すべき点ということでございます。
現在のところ、特段のものはないと考えておりますが、市といたしましては、今後とも、外部監査人からの指摘事項を真摯に受けとめ、より効果的かつ効率的な事務事業の執行に努めてまいりたいと考えております。
42 ◯議長(高見 隆夫君)
しばらく休憩いたします。
午前11時46分 休憩
────────────
午後 1時10分 再開
43 ◯副議長(長尾 憲二君)
議長が都合により出席できませんので、私がかわって議事を進めさせていただきます。
会議を再開いたします。
一般質問及び議案の質疑を継続いたします。
14番 堀田 松一君。
〔14番 堀田 松一君 登壇〕
44 ◯14番(堀田 松一君)
平成16年12月定例会に当たり、自民クラブより一般質問並びに議案の質疑を行います。
まず、第1の質問は、新市の森林保全についてであります。
富山県土の67%、28万ヘクタールを占める本県の森林は、木材の生産を初め、県土の保全や水資源の涵養に加え、保健休養など多面的な機能を有しています。
そこで、本市は、平成14年度に、向こう10年間の富山市森林整備計画が策定されました。本市の森林面積は、呉羽丘陵など総面積の3.3%と非常に低く、富山市の良好な水の安定供給を確保する観点から、水源涵養または山地災害及び防風防止機能の維持増進や森林とのふれあいを通じた森林と人間との共生を図るため、森林施業を推進するとありますが、現状では本市には水土保全林区域や森林と人との共生林は該当するものがない状態であります。しかし、新市になれば総面積の69.2%が森林で占められることになり、これまでの森林整備計画が具現化されることと思います。
そこで、質問の第1点は、現在、本市では森林整備に係る担当部署は農林水産課が窓口となっておりますが、現実は林に係る仕事は皆無と言っても過言ではないと思います。先ほど述べた本市全体面積に占める森林面積が小さいこともありますし、新市に加わる町村においても婦負森林組合、立山山麓森林組合に依存している状況であります。しかし、これらの施策を講じていくためには、新市の本庁機能を充実する観点から林業専門の部署が必要と思いますが、総合行政センターとの関係も含めて御所見をお伺いします。
また、土砂流出危険地区など山地災害危険地区数も、本市の8地区を含め合併する新市では731カ所も数えられ、これら危険地区を自然災害から守るための予防策を新市において取り組んでいかなくてはならない重要課題であると思いますが、いかに対応されるのかお伺いします。
次に、第2点として、県産材の利用促進についてお伺いします。
本年9月1日、合併する細入村・大沢野町役場へ行き、森林整備状況をお伺いするとともに、現富山市としてどのような支援を差し伸べればよいのかお聞きしました。
その際、森林の整備された箇所と荒廃箇所を視察させていただきました。県産材の利用不振からくる価格低迷による林業の採算性悪化、そして森林所有者の林業経営意欲の衰退と後継者不足が続き、森林組合に管理を委託すれば費用もかさむことから、民有林に全く手入れがされず、一段と荒廃が進む現状を見させていただきました。
そこで、間伐材を公共事業に活用することで林業や山村が活性化し、山林の荒廃を防ぐ効果が期待できることから、富山県は平成15年度から県発注の治山林道工事について、受注業者に県産材の使用を義務づけました。
現在、県は間伐材の普及拡大を図るため強度等について研究中でもありますが、本市として公営住宅など一部で利用されているところであり、今後、公共施設や工事資材、観光物産品などまだまだ利用できる範囲は未知数にあると思いますが、庁内で連絡会議を設置して利用促進策を検討されてはどうか、お伺いします。
次に、第3点として、森林ボランティアの育成についてお伺いします。
私も数年前から、とやま緑化推進機構内の「とやま森林づくりボランティア」の会員として、ボランティア仲間とともに森へ入り、植樹や間伐、下草刈り等をして森林浴に浸っている一人です。
先ほどから述べております民有林が荒廃している現在、災害発生時には、河川流域に住む住民や下流に住む我々富山市民に何らかの悪影響を与えます。また、本年の熊騒動の際に指摘されたように、人工林の間伐や、実のなる広葉樹の植樹が必要とされますが、すべて行政に求めるのもいかがかと思います。行政で補えない部分はボランティアの力に頼るとともに、森林の果たす役割と同時に、その恩恵を我々川下住民にも肌で感じてもらうことも大切なことと思います。
現在、富山市内において「花と緑の少年団」が昭和53年に1小学校31人で結成されて以来、団の結成がなされておりません。児童のころから環境保全の大切さを体験する機会の創出や、大人のボランティア組織も必要とされます。
そこで、第159回国会に提出されていた「森林法の一部を改正する法律案」は、本年3月31日に可決成立いたしましたが、この改正案の趣旨は、森林の有する多面的機能を持続し、地球温暖化防止を推進していくため、健全な森林の整備、国民参加の森林づくり等を総合的に推進しようとするものです。
この改正により、民有林において取り組まれる森林ボランティア活動について、NPOなどと森林所有者が協定を結び、これを市町村長が認可する制度(施業実施協定制度)が新しく創設され、認可された活動については、森林ボランティア団体等が森林整備事業補助金の交付申請を行うことができるようになったということです。このような制度の実施によって、今後、民有林における整備や保全が促進されることが期待されます。このことから、ボランティアの育成について積極的に取り組んでいただきたいと思いますが、今後の方針をお伺いします。
また、婦負森林組合へ訪れた際、組合関係者の話によれば、山林所有者はほとんど森林組合に加盟し、森林の手入れや木材の売却も組合に委託しておられますが、現状では採算がとれるどころか持ち出しすることもあることから、放置する所有者も多いと言われました。
そこで、林業労働者の不足が著しく、森林保全が行き届かない現状を考え、森林の保全活動に当たる市民ボランティア育成のため「森林ボランティア養成講座」を開講し、環境面で森林の恩恵を受けている市民が、間伐や枝打ちなど森林管理の専門知識や技術を身につけ、森林の保全に活用してもらうことも必要ではないですか、御所見をお伺いします。
次に、第2の質問は、環境美化活動についてお伺いします。
富山市内の武道の有段者たちで編成する夜間の市中心部の防犯パトロール隊「ホタルの会」に有段者の一人として入会し、これまでパトロール中に気づいた幾つかの点について質問いたします。
まず、質問の第1点として、たばこやごみのポイ捨てであります。
これまで私も何げなしに道路を歩行していたものの、環境美化を意識して歩行していると、市内中心部のたばこやごみがいやに目につきました。ごみ袋を提げてたばこ一本一本拾いながら歩いているさなかも、平気でたばこを捨てる人や、我々の容姿を見てごみを手渡す人、歩行喫煙者に配布した携帯の灰皿が、使用後、無残に捨てられたりします。
このことから、たばこについては、全国初の罰則付き路上禁煙条例として話題になった東京都千代田区の生活環境条例の例を見ましても、条例施行後、落ちているたばこの本数が見る見る減り、路上喫煙者はほぼ皆無であると言われております。このことは、単に罰則があったからではなく、住民を初め企業や学校にも呼びかけ、ごみ清掃や合同パトロールを実施してまち全体を巻き込んだことで地元意識が生まれたのが大きな原因になっていると言われており、また、区長ら幹部職員がたすきがけで街頭に立ち、啓発ティッシュを配るのは、条例制定から2年たった今も続けられ、役所全体が真剣に取り組んでいるんだということを職員も意識するし、区民にもわかってもらえたと言っておられます。
本市においては、これまで学校や企業にも呼びかけていますが、本市の美化推進重点地区はもとより、各校区においても美化推進重点地区を定め、住民、企業、商店等にも協力を呼びかけるなどして、まず、自宅周辺、そして自分の職場の身の回りの美化を率先して行うことが求められます。
以上のことから、本市の環境美化条例制定後1年半を振り返って、今後、たばこやごみのポイ捨てと、歩行中の喫煙防止に対する市民への意識啓発活動についての取り組み施策をお伺いします。
また、本年4月から新庄小学校において、児童・生徒に何らかの影響があるからと、これまでの喫煙室を廃止し、校長みずから長年の喫煙を断ち、学校内全面禁煙を打ち出し、教職員でヘビースモーカーの人もやむなく受け入れ、今では学校へ訪れる外部の住民も協力して、児童・生徒の受動喫煙防止に取り組んでおられます。
そこで、以前に市庁舎内のコピー室でコピーをしている女子職員のそばで、部長を初め数人の男子職員が、今こそとばかりにモクモクとたばこを吸っている光景を見て、まさしく受動喫煙であり、たばこをやめればよいのにと男子職員に問いかける私に女子職員が、笑みを浮かべておりました。上司の喫煙に対して我慢せざるを得ない状況下にありましたが、先月25日、再度、各階のコピー室を見て回ると、以前と何ら変わることなく、健康増進法の趣旨とはかけ離れたものでありました。
昨年5月に、国が「職場における喫煙対策のための新ガイドライン」を策定し、受動喫煙を確実に防止する観点から、喫煙室の設置を推奨しました。職員の健康確保と快適な職場環境を保持する意味からも、だれにも迷惑をかけない喫煙場所を整備するべきであります。お考えをお伺いします。
また、妊婦及び呼吸器・循環器等に疾患を持つ来庁者に配慮するため、喫煙される来庁者に対しては、禁煙対策への理解と協力を求める看板等を設置して、喫煙コーナーではなく喫煙室を設置して受動喫煙を防止すべきと思いますがいかがお考えですか、お伺いします。
次に、第2点として、ホームレス対策についてお伺いします。
同じくパトロール中、富山駅北口で、いつも見る顔のホームレスのおじさんたちが段ボールで囲み、寝泊まりし、また、高校生と思われる女子生徒2人が敷布団の上で座り込んでいる姿を目にしました。
ある日、パトロールの途中、富山駅前交番で休憩していると、ホームレスの1人が自分の居場所を占領されたとのことで、交番署員に相手の退去をお願いに来るありさまです。
また、富山駅南口にも傘で囲って寝泊まりしているホームレスも見受けられ、いずれ都会から観光客をいっぱい乗せた新幹線が到来するというのに、都会と同じくするホームレスが駅構内にたむろしている光景を想像すると悲しくなります。
そこで、各都市では、平成14年8月7日公布・施行された「ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法」に基づき、ホームレスに対して一定期間、宿泊場所を提供した上、健康診断、身元確認並びに生活相談及び指導を行うとともに、就業の相談、あっせんなどを行い、自立を支援する施策が講じられております。
本市においては、富山駅舎改築とあわせ、今後の富山駅周辺のまちづくりと連動した駅舎構内の環境美化推進を図る上で、ホームレスの自立に向けて何らかの対策を講じていく必要があると思います。そのためには、県や関係機関と協議を進めていただきたいと思いますが、御所見をお伺いします。
次に、第3点として、公衆トイレについてお伺いします。
同じくパトロール中に、公衆トイレ内のピンクチラシをはがしていたところ、トイレの汚染が目にとまりました。
平成9年12月定例会で、他の議員が城址公園の公衆トイレを含め、整備の必要性を指摘した際、本市では清潔で快適なまちづくりを進める上で、市民が利用しやすいように「きれいさ」「明るさ」「ゆとり」「まちの景観」などに十分配慮しながら整備に努めていると答弁されておりますが、早速、環境部所管の街路公衆トイレがある市内中心部5カ所と、建設部所管の公園トイレがある市内中心部18カ所、計23カ所を現地調査いたしました。
こんな臭い、汚いと思うところに県外からの来訪者が利用されたならば、「環境と創造のゆめ舞台」を掲げる新富山市のイメージダウンどころか、二度と新富山市へ足を向けないであろうと思うところもありました。
トイレの改修には、古いところから順次整備されるのも必要ですが、最低限の公衆トイレの衛生面、便器等の修繕を徹底し、レベルアップを図っていくことが必要であり、将来、城址公園整備計画の中で検討していく、また、富山大橋架けかえの際に整備していくと言って、その間2年近くも何ら手だてもせず、悪臭を漂わせて、その間に県外からの来訪者が利用されたとしたら、どう感じられるでしょう。我が身に振り返って考えていただきたいと思いますが、最低限の維持管理についての御所見をお伺いします。
また、共通して思ったことは、消火栓の標識とは言わないまでも、公園利用者や付近住民だけのものという観点ではなく、富山市民あるいは富山市へ訪れたすべての人たちに使っていただくという観点から、歩行者、運転者からもわかるような表示板を設置してはどうですか。そのためには、建設部、環境部所管の縦割り行政を見直し、窓口の一元化を図るべきであります。御所見をお伺いします。
また、マイカーや観光バス乗車中にトイレの使用を要求された場合のために、「公衆トイレマップ」あるいは「道の公衆トイレ」を記した冊子を市民及び旅行業者、観光事業者などへ配布して周知してあげれば、もてなしの心が伝わると思います。
現在、本市の広報課で発行している「とやまっぷ」、まちづくりとやまが発行している「シティー・ウォーカー」などには公衆トイレが掲載されておりません。ぜひ、公衆トイレを示すマップ作成をお願いしますが、御所見をお伺いします。
次に、第3の質問は、富山東インターチェンジ設置についてお伺いします。
平成15年3月に富山西インターチェンジが完成し、その当時において、今度は富山市東部地区にインターチェンジが期待されたところです。そこで、市長も、通常のインターチェンジを設置すれば財源の確保が難しく、財政も逼迫しているさなかであることから、簡易なインターを設置する方法が必要とされました。
そこで、国土交通省は本年7月23日、高速道路のサービスエリア、パーキングエリアなどをノンストップ料金収受システム(ETC)専用のインターチェンジとして使う実験地を、全国から名乗りを上げた35カ所の中から20カ所を発表し、県内からは入善パーキングエリアと城端サービスエリアが選ばれました。そして、本年度予算に約15億円を盛り込まれました。
その後、高速道路の利用が増えることで、一般道での交通事故の減少や排気ガス抑制につながる上、地域経済への効果もあるとして、8月21日、国土交通省は国と地元自治体の負担でETC専用インターチェンジを設置するため75億円を来年度予算の概算要求に盛り込むことを決め、毎年25カ所ずつ整備していく方針が示されました。
そして、8月26日、本年秋からETC利用車に限定して深夜早朝割引と通勤割引を導入し、乗用車への割引規模を全体で現行の5.5倍に増やすとされました。
以上のことから、本市において以前に指摘されておりました流杉パーキングエリアのETC化については、高速道路と一般道との高低差や付近の農村地帯の車の騒音と交通安全対策など、費用対効果と付近住民の理解等を考えると問題も多々ありますが、富山市東部地区の物流の促進や人口が増大する東部地区住民の利便性とともに、アルペンルートに向かう観光客の乗り入れ地点として重要と考えますが、新市の誕生を間近に控え、将来を展望し、いかにあるべきか、御見解をお伺いして私の質問を終わります。
45 ◯副議長(長尾 憲二君)
森市長の答弁を求めます。
〔市長 森 雅志君 登壇〕
46 ◯市長(森 雅志君)
堀田議員の御質問にお答えします。
私の方からは、新市の森林保全についてお尋ねのありましたうち1点についてお答えし、その他につきましては担当部長から答弁申し上げます。
新市の本庁機能を充実する上からも林業専門の部署が必要と考える。また、総合行政センターとの関係も含めて考え方を問うとのお尋ねにお答えします。
新市における森林保全施策の実施に当たっては、各町村の森林整備計画を踏まえ推進する必要があると考えており、各町村との合併協議において、本庁及び総合行政センター間の事務分担等の検討を行っているところであります。
その中で、森林保全施策を一体的に進めるためには、本庁に、新市の森林保全、林業関係事務を所掌する部署を設置するよう各町村から要望が出されているところであります。
こうしたことから、新市の組織協議においては、各総合行政センターの農林担当課で森林保全、林業関係の実務を行う一方、本庁においては、新市全体の森林計画、山村振興計画等の取りまとめや国・県との連絡、さらには、今後の新市の森林政策の方向性を検討する組織が必要であるとの基本的な認識のもと、最終的な調整を行っているところであります。
47 ◯副議長(長尾 憲二君)
鍋谷農林水産部長。
〔農林水産部長 鍋谷 隆夫君 登壇〕
48 ◯農林水産部長(鍋谷 隆夫君)
新市の森林保全についてのうち、山地災害危険地区等について新市でいかに対応していくのかについてお答えいたします。
我が国は、地形が急峻で、地質が脆弱であることに加え、集中豪雨の発生、地震や火山活動が活発な国であり、山崩れや土石流、地すべり、雪崩などの山地災害の危険を常に抱えており、水土保全、人との共生、資源の循環など、森林の公益的機能の維持・向上とあわせて、山地災害から市民の生命、財産を守ることは極めて重要な国土保全政策であります。
御指摘の土砂流出危険箇所につきましては、山腹崩壊箇所が予想される地区、地すべりが予想される地区、崩壊土砂流失が予想される地区のほか、雪崩危険箇所を含めると、新市全体では731カ所が指定されております。これらの地区につきましては、地域住民の生活環境を守るため、国及び県事業、県補助事業などにより、災害の未然防止のための予防治山事業、災害時の復旧のための復旧治山事業などが進められております。
これまでも、これらの危険箇所において集中豪雨などで山腹に亀裂や地割れなどが発見され、災害が予想される場合には、それぞれの市町村において、直ちに県の担当課と現地立ち会いのもと、予防治山事業による手当てや、災害が発生した場合には復旧治山事業を進めてきており、合併後におきましても、関係地域の方々と連絡を密にし、適時適切な対応に努めてまいりたいと考えております。
次に、間伐材の利用促進で、庁内の連絡会議についてお答えいたします。
近年、公共施設などの整備に当たっては、経済性や合理性の追求だけでなく、環境や人に配慮した整備が求められており、地球環境に負荷をかけることなく、循環できる再生可能な資源としての木材が見直されてきているところであります。
本市におきましては、既に平成14年度に整備した市営住宅や、平成16年度完成予定の小学校の腰壁部に県産間伐材が使用され、大きな評価を得ているところであり、構造体としての耐久性などに課題があるものの、森林の荒廃防止の観点から、多様な用途における需要拡大が図れるよう努めてまいりたいと考えております。
なお、新市におきましては、森林面積が著しく増加することから、林業振興を推進するためにも県産材の消費拡大に努めることが大切であり、森林政策を担当する部署で、引き続き、PRや公共施設などでの使用拡大に努めてまいりたいと考えております。
次に、森林ボランティアの育成とボランティア講座の開講について、一括してお答えいたします。
森林ボランティアの活動は、下流域の都市生活者も含め、山村や林業の現状に関心を持ち、林業関係者とともに森を守り育てるという意識の醸成を図るためにも大切なことであると考えております。
近年、このような森林ボランティア団体が全国的に増加しており、「里山林などの身近な森林の保全」「地域づくり、山村と都市との交流」などさまざまな面からの取り組みが行われており、既に市内では8団体が、県内全体では20団体が活動され、大きな成果を上げていると伺っております。
現在、これらの活動に対し、県や森林関係団体では、技術習得のための講習会や指導者養成のための研修会を開催するなどの支援を行っているところでございます。合併後においては、森林組合や林業従事者などのニーズを把握し、森林の持つ多面的な役割について一層のPRを図るとともに、森林ボランティア活動が有効に機能するよう、関係団体と連携を図ってまいりたいと考えております。
49 ◯副議長(長尾 憲二君)
大上戸市民生活部長。
〔市民生活部長 大上戸 良一君 登壇〕
50 ◯市民生活部長(大上戸 良一君)
環境美化活動についての御質問のうち、たばこやごみのポイ捨てと歩行中の喫煙防止に対する市民への意識啓発活動についての取り組み施策についてのお尋ねにお答えをいたします。
市では、昨年7月から「富山市まちの環境美化条例」を施行し、道路などの公共の場所での無秩序な喫煙や吸い殻、空き缶のポイ捨てなどを防止し、清潔で健全な生活環境の確保に努めてきたところであります。
これまでの主な取り組みといたしましては、1つには、美化推進巡視員を各校区に配置し、啓発活動や清掃活動を通じて地域の環境美化意識の向上に努めてきたこと。2つには、美化推進重点地区において、自主防犯組織「ホタルの会」や「ティ・エンジェルス」など、市民ボランティアの方々に積極的に環境美化活動に取り組んでいただいたこと。3つには、年4回、美化推進デーを設け、市内各地で清掃活動や啓発活動を実施するとともに、「街角クリーン活動」として、市職員による月1回の定期的な清掃活動を実施してきたこと。4つには、市広報、ケーブルテレビ、新聞の特集号などを通じて、喫煙マナーの向上や吸い殻のポイ捨て防止を呼びかけてきたことなどを実施してきたところであり、市民の皆さんの環境美化に関する意識は高まってきているものと認識しております。
市といたしましては、引き続き、これまでの取り組みを継続するとともに、さらに広範な美化活動を推進するため、企業や小・中学校などにも呼びかけ、清潔で魅力ある安心・安全なまちづくりに努めてまいりたいと考えております。
以上であります。
51 ◯副議長(長尾 憲二君)
小池財務部長。
〔財務部長 小池 武彦君 登壇〕
52 ◯財務部長(小池 武彦君)
環境美化活動についてのうち、たばこやごみのポイ捨てについて、関連しまして職員の健康確保と快適な職場環境を保持するため、また、来庁される方に配慮するため、喫煙室等を設置すべきではないかについてお答えをいたします。
職場における喫煙対策につきましては、労働安全衛生法に基づき設置している本市の衛生委員会の提言を受け、平成12年4月から喫煙場所に空気清浄機を設置し、この場所以外での喫煙を禁止するなどの対策を講じ、職員の健康と快適な職場環境の確保に努めているところであります。
平成15年5月には、健康増進法の施行により、公共施設などの施設を管理する者に対し、受動喫煙防止の対策を講ずることが努力義務化されるとともに、厚生労働省の「職場における喫煙対策のためのガイドライン」の改正によりまして、具体的な喫煙対策が示されたところでございます。
この改正後のガイドラインでは、受動喫煙を確実に防止する観点から、可能な限りたばこの煙が漏れない喫煙室の設置や、たばこの煙が拡散する前に吸引して屋外に排出する方式の喫煙対策を推奨しており、本市といたしましても、職員の健康と快適な職場環境を確保するため、今後、このガイドラインの趣旨に沿った効果的な喫煙対策を検討してまいりたいと考えております。
次に、市庁舎に来庁される方々に対する喫煙対策についてでありますが、平成7年から1階の喫茶ラウンジ内に、空気清浄機を設置した喫煙場所を設け、分煙対策に取り組んでいるところでございます。
現在の喫煙場所は、定期的に実施しております空気環境測定において、ガイドラインで示されている浮遊粉じんや一酸化炭素濃度の基準値はクリアしておりますが、この場所を利用される方が多人数の場合には、オープンスペースに設置していることや窓の開閉による換気ができないことなどから、完全な分煙化とはなっていない状況にあります。このことから、来年度において、受動喫煙防止対策の充実・強化を図るため、1階フロア内に強制排気装置を備えた喫煙室の設置などについて検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
53 ◯副議長(長尾 憲二君)
森福祉保健部長。
〔福祉保健部長 森 彰君 登壇〕
54 ◯福祉保健部長(森 彰君)
環境美化活動についてのうち、ホームレス対策についてお答えいたします。
ホームレス対策について、国では平成14年8月に「ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法」を施行し、平成15年7月に「ホームレスの自立の支援に関する基本方針」を告示したところであります。
国の基本方針では、都道府県が実施計画を策定した場合、関係市町村が必要であると認めたときは実施計画を策定することになっております。現在、県において実施計画が策定されていないことから、本市においても実施計画の策定については検討していないところであります。
しかしながら、ホームレスの人たちを地域社会の中に迎え入れていけないかという観点から、平成13年度に「庁内ホームレス対策連絡会議」を設置し、ホームレスに関する調査・研究を行うとともに、平成14年度からは、県や警察と十分協議しながら、毎年、ホームレス実態調査を合同で実施し、ホームレスに至った要因や支援の方策など、個別に聞き取り調査を行っているところであります。
この実態調査を契機として、養護老人ホームや民間のアパートで新たな生活を開始された人は、平成14年度で4人、平成15年度では5人、平成16年度は11月末現在では1人となっております。
このことから、本市においては、実態調査を通じて、生活に関する相談を実施し、生活保護による救済などによりホームレス対策を進めてまいりたいと考えております。
以上です。
55 ◯副議長(長尾 憲二君)
松本建設部長。
〔建設部長 松本 眞人君 登壇〕
56 ◯建設部長(松本 眞人君)
環境美化活動に関連して、公衆トイレについて2点の御質問にお答えします。
まず、公衆トイレの最低限の維持管理についてどのように考えているかにお答えします。
現在、富山市では、65公園に83カ所のトイレと、その他9カ所の公衆トイレを設置し、維持管理しております。これらのトイレの管理につきましては清掃業者に業務を委託しており、公園のトイレについては週1回から4回、他の公衆トイレについては週2回から毎日、利用の頻度に応じて清掃を実施しております。
また、施設の故障や破損につきましては、職員の点検や清掃業者からの報告により修繕を行っております。しかしながら、一部のトイレにつきましては、衛生面も含め問題があると認識しております。
このことから、維持管理につきましては、施設を利用していただく方々に不快感を与えないようにし、特に衛生面に対しては、今以上に注意を払っていく必要があると考えております。
その対応策としましては、1つに、中心市街地の利用の多いトイレの清掃回数を今までより増やす。2つに、施設の状況把握に努め、早期に修繕を行う。3つに、施設に対する落書きやいたずらがなくなるよう啓発していく。4つに、古くなった施設については計画的にリニューアルしていくなどを検討し、利用者の方々に快適に使っていただけるよう努めてまいりたいと考えております。
次に、歩行者や運転手からもわかるようにトイレに表示板を設置してはどうか。そのために縦割り行政を見直し、窓口の一元化を図るべきでないか。また、公衆トイレを示すマップを作成してはどうかにお答えします。
公園などのトイレを表示するサインにつきましては、これまで個々の施設で表示してきましたが、今後は、表示を大きくするなどして、より認識しやすいサインとなるよう工夫をしてまいりたいと考えております。
また、窓口の一元化につきましては、施設の設置、管理目的に応じて各所属で運営管理していることから、困難ではありますが、利用しやすい施設となるようサインを統一するなど所属間で連携を図ってまいりたいと考えております。
次に、公衆トイレを示すマップの作成につきましては、本市で広報用に作成しております「とやまっぷ」の中心市街地の地図に公衆トイレの位置を掲載し、利用しやすくなるよう努めてまいりたいと考えております。
また、まちづくりとやまが発行している「シティー・ウォーカー」には一部掲載していただいておりますが、引き続き、補完し、掲載をお願いしてまいりたいと考えております。
以上であります。
57 ◯副議長(長尾 憲二君)
島倉都市整備部長。
〔都市整備部長 島倉 憲夫君 登壇〕
58 ◯都市整備部長(島倉 憲夫君)
富山東インターチェンジ設置について、流杉パーキングエリアのETCインター化は、新市の将来を展望し、いかにあるべきか見解を問うにお答えをいたします。
新市建設計画において、大都市圏との交流を担う広域交通の柱となる北陸自動車道は、観光や広域物流を支える上で重要な国土連携軸として位置づけており、富山東インターチェンジの設置は、新市の発展や産業振興の上から、また、北陸自動車道の利便性向上などが図られることから、必要なものと考えております。
しかしながら、北陸自動車道と現在計画されております地域高規格道路富山外郭環状道路の整備に合わせた従来型のインターチェンジの設置につきましては、地域高規格道路整備の見通しが立たないことや多大な建設費を要することなどから、早期の実現は大変難しいものと考えております。
一方、国土交通省が本年度より社会実験として取り組みを開始されたETC専用インターチェンジは、料金所の無人化や既存のパーキングエリアを利用することでインターチェンジが小規模となり、建設費も削減できることなど、大変有効な取り組みであると考えております。このことから、流杉パーキングエリアにおきましても、ETC専用インターチェンジの社会実験の候補地として検討しましたが、1つに、パーキングエリアの用地が限られていることから、ETC設置距離の確保が困難なこと。2つに、一般道との接続道路の改良が必要となること。3つに、用地買収を行わず実施することから、接続道路の幅員で小型車だけに制限されるとともに、交差点形状などで安全面が確保できないことなどの課題があり、候補地としてはならなかったものであります。
今後は、ETC普及の状況を見ながら、また、国の社会実験の結果なども参考とし、流杉パーキングエリアを利用したETC専用インターチェンジの設置について、先ほどの課題の対応や地区の環境対策、利用予測などを調査し、実現の可能性について検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
59 ◯副議長(長尾 憲二君)
16番 小沢 正明君。
〔16番 小沢 正明君 登壇〕
60 ◯16番(小沢 正明君)
平成16年12月議会に当たり、公明党の一般質問をいたします。
我が公明党は、昭和39年11月17日、東京・日大講堂において結党大会を開催、ことしで40年の歳月を刻みました。去る10月31日、東京ビッグサイトにおいて結党40年を記念する第5回公明党全国大会を開催いたしました。今大会は、重要政策課題として「地域の再生」に取り組むことを決議して、次への出発をいたしました。
産業構造の転換、経済のグローバル化で地方経済は疲弊し、景気回復も地域によってばらつきがあります。そうしたばらつきは、産業構造など地域固有の要因に基づいており、全国一律の政策だけでは解消することは難しいものであります。地域の自発性を発揮し、それぞれの処方せんを生み出していくことが必要であるとして、「地域再生」は地域がみずからの成長のエンジンを持つことから始まると意義づけました。私たち富山市議会公明党は、新市「富山市」の誕生へ大きく踏み出すこのときに当たり、「地域再生」に向けて全力で取り組んでいく決意でございます。
以下、質問に入ります。
第1に、中心市街地の活性化、公共交通の再生、高齢化社会に対応したまちづくりなどを目的として、本年5月から本格運行をしております「おでかけバス事業」について伺います。
現在、「おでかけ定期券」の有効期限は明年3月31日までとなっており、平成17年度の定期券発行の業務をいつから開始される予定でありますか。富山地域7市町村の合併を控えて、広がる市域の対応について検討がなされていると思いますが、現時点の検討の状況をお聞かせください。
おでかけバス事業については、今年度は協賛事業が中心市街地の各商店で実施され、さらに、本年8月には北陸信越地域 二次交通活性化プロジェクトの認定を受けるなど、全国的にも注目される事業となりました。「地域再生」に向けての今後の取り組みを大いに期待するものであります。
第2に、観光振興について伺います。
富山市議会観光振興議員連盟では今年度の取り組みとして、講演会の開催、各地の視察などを行うことになっておりました。静岡市の第13回大道芸ワールドカップの視察を提案いたしましたところ、賛同をいただき、去る11月4日、5日の両日、視察してまいりました。当日はウイークデーでありましたが、静岡市のイベント推進課職員の説明を受け、その後、駿府公園の演技会場とつじつじで演じられるパフォーマンスなどを観賞してまいりました。世界の各地から招請されたグループ、自費参加のパフォーマーなど七十数組が一流の演技を披露。その演技に歓声が沸き、多くの見物者が投げ銭をいたしておりました。関東、中部から毎年楽しみにして来る人も多く、各テレビ局は特集をしておりました。
私は、個人的な用事もございましたので、11月6日まで滞在をし、土曜日の午前中の人出を見てまいりましたが、大変な人だかりでありました。
このイベントを支える力として、ボランティアの支援は欠くことができないもので、毎日680名のメンバーがスタッフジャンパーを着てJR静岡駅から各演技会場に至るまで活動をしておりました。ことしは11月3日から7日までの5日間、天候にも恵まれて219万人を超える人出、経済効果は25億円以上と推計されました。とかく、乗らない、踊らない、出たがらないといわれた市民気質の変化が醸成され、この市民パワーがまちづくりにおいて大きな力になると位置づけられております。観光振興は「地域再生」の最も有効な手段であること、ボランティア活動はそのまちの人づくりにつながることなど考えさせられました。
総務委員会で視察いたしました山形市の花笠踊りは90万人の人出があるとのことであります。新市「富山市」の観光振興策、コンベンション、祭りのあり方などをしっかり議論すべきであると考えます。当局の率直な見解を求めます。
次に、「地域再生」の3点目として、富山海岸の侵食対策と、古志の松原「白砂青松」の再生について伺います。
私は、平成11年12月定例会の一般質問で、国が取り組む「自然豊かな海と森の整備事業」について取り上げました。全国23カ所の地域で採択されましたが、残念ながら富山海岸では実現することができませんでした。現在、地元大広田校区、浜黒崎校区の有志の皆さんは、このすばらしい景観を守るため、定期的に清掃活動を行っております。また、日常的に個人で海岸と松原の清掃、草刈りを行っている人もいます。私も地元の皆さんが立ち上げた清掃ボランティアのメンバーと一緒に清掃活動に汗を流しておりますが、夏の時期は心ない若者や釣り人のマナーの悪さを痛感いたしております。
本年は、たび重なる台風の襲来があり、特に台風23号により、再び大変な量のごみ、流木が漂着いたしました。
平成14年度から16年度まで漂着したごみ処理と雇用創出を目的として、緊急地域雇用創出特別交付金事業を活用して、富山海岸クリーン事業を民間に委託して継続してまいりました。平成14年度の実績として558万6,000円、平成15年度の実績として546万円、平成16年度の事業計画で549万3,600円となっており、3年間継続された富山海岸クリーン事業についての今後の方向性と、あわせて海岸浸食のための取り組みについて、富山市の見解を求めたいと思います。
次に、緊急地域雇用創出特別交付金事業に関連して、同事業の評価を伺います。
平成13年度から実施された同制度は、平成14年度30事業、1億6,490万909円、平成15年度23事業、1億2,335万3,869円の実績であります。平成16年度は23事業、1億2,632万3,865円の事業計画により雇用創出を図ると同時に、本市にとりまして有効な事業が推進されたと思います。
平成16年6月議会で、宮城県仙台市議会など71議会におきまして、緊急地域雇用創出特別交付金制度の継続と改善を求める意見書を採択しております。これは、今日の雇用情勢が依然として厳しく、とりわけ中高年や若者の就職難は深刻な問題であり、同制度の事業期間が平成16年度までとなっていること、その継続を求めて現行制度や事業内容に制限や要件の緩和で有効な雇用対策となるよう改善を求めたものであります。当局の見解を求めます。
次に、雇用問題について伺います。
長引く不況からようやく景気の回復は見られ、完全失業率は低下傾向を示しつつありますが、雇用情勢は依然として厳しいものがあります。
厚生労働省は長期失業者対策として、平成16年度から民間委託による長期失業者の就職支援事業を実施しております。概要は、長期失業者に対して雇用の安定を図るため、職業紹介を初めとする就職支援から就職後の職場定着指導までを民間業者に包括的に委託するものとしております。しかし、実施地域が大都市圏に限られているのが現状であります。現在の雇用情勢を打開するため、明年4月の新市「富山市」の誕生を契機に、こうした制度の設置についての検討をすべきであると思います。
この委託費の財源は緊急地域雇用創出特別交付金を活用しているため、本年度は国からの委託費であり、地方の負担はないとのことであります。当局の見解を求めます。
次に、若者の雇用環境並びに教育環境のあり方について伺います。
終身雇用が前提だった時代は、職場でのチームワークが重んじられていたこともあり、勤労を美徳とする気風を社会全体で共有することができました。しかし、昨今はリストラや過重労働など、労働者にとって逆境の時代であるといえます。職場でのストレスが健康障害や過労死につながるとの指摘もなされております。
そうした状況の中で、義務教育が終わっても進学しようとせず、働かず、職業訓練にも参加しない「ニート」と言われる若者がおります。2004年度版労働白書によりますと、15歳から34歳までの若年者のうち52万人が「ニート」になったと報じられました。
若者が求職活動をしない理由の中で最も多いのは、「人づき合いなど会社生活をうまくやっていく自信がない」で4割を占めると言われております。つらいことを避けて通りたいのが人情でありますが、困難の中で自己を磨いてこそ、この厳しい時代を生きていけると思います。
以下、質問をいたします。
今後の雇用環境と教育環境の整備に全力を挙げる必要がありますが、本市における実態を掌握されておりますか。
親の経済的援助がなくなれば、若者のホームレスを生むことになります。相次いでみずからの家族を殺傷するという、私たちが想像もできないような悲惨な事件が起きております。教育長並びに当局の見解を求めます。
次に、母子家庭の母の就業支援について伺います。
母子家庭の母は、厳しい経済情勢の中で一層不利な状況に置かれ、母子家庭の平均年収は一般世帯に比べて著しく低い水準にあります。平成10年全国母子世帯等調査によりますと母子家庭の平均年収は229万円、平成10年国民生活基礎調査による一般世帯の平均年収は658万円、平成10年国民生活基礎調査による高齢者世帯の平均年収は323万円であります。
平成15年8月11日に「母子家庭の母の就業の支援に関する特別措置法」が、平成20年3月末までの時限立法として成立いたしました。この法律の施行に伴い、母子家庭の母の福祉増進を目的とする社会福祉法人、NPO法人などに対して、母の就業のために受注する業務が増えるよう特段の配慮をすべきであります。
同特別措置法5条及び6条によって、母子福祉団体等の受注機会の増大への配慮は、国や地方自治体の努力義務であると明文化されました。母子家庭の就業支援を積極的に推進すべきであると考えます。当局の見解を求めます。
次に、子どもたちを守るための安心と安全のまちづくりについて伺います。
再び、小学生が犠牲となる悲しい事件が奈良県で起きました。私たちが子どものころは、学校から帰って日の暮れるまで外で遊んでいても、親たちは日々の生活に追われながらでありましたが、全く安心をしていたように思います。また、このような悲惨な事件はほとんどありませんでした。今は少子化の時代でもあり、まちから子どもの遊ぶ声がほとんど聞こえなくなっています。
GPSによる位置確認のための補助金の支給実施及び検討する自治体があると報道されました。また、昨日ですが、午後4時半ごろ、山室小学校に脅迫電話があったと伺いました。子どもの安心と安全に取り組まなければなりません。富山市としての見解を求めます。
次に、今や国民病となっているアレルギー疾患対策について伺います。
現在、国レベルでは、病態解明や治療法の研究が鋭意進められておりますが、地域レベルにおいては、患者にとって最も必要な正しい情報の取得や、気軽に相談・受診できる体制整備が求められております。
アレルギー疾患で苦しむ人が増え続けることが危惧されております。平成14年度の学校保健統計調査によりますと、ぜんそくを持つ子は、幼稚園で1.3%、小学校では2.7%、中学校2.2%、高校1.4%となり、10年前の2倍になっております。また、平成15年11月発表の厚生労働省研究班の調査では、アトピー性皮膚炎にかかっている幼児は1歳半で10人に1人、3歳児の有症率は1.7倍となり、症状は幼児よりも児童の方が重い傾向が見られます。
また、花粉症は小児でも増加、より低年齢化する傾向にあります。15歳までに発症する子は親の世代の倍に上ることが明らかになりました。
国立成育医療センター研究所の斉藤博久免疫アレルギー研究部長らの調査では、アレルギー疾患になりやすい体質の若者が急増して、20歳前半では9割近くが既に発症しているか、アレルギー予備軍であることが明らかにされました。
最新の治療ガイドラインに沿った診断・治療を受ければ、大半の人が症状をコントロールできるはずであるのに、不適切な治療のために苦しみ、アトピー商法に食い物にされる患者もいると聞きました。
慢性疾患の苦しみから、我が子を虐待し、家庭崩壊、自殺へと追いやられるケースも生まれています。
今月1日、大阪府大東市で、子どものアトピーを苦にする無理心中がありました。何とかならなかったかという思いが沸いてまいります。また、ごく最近では、アトピー性皮膚炎に悩むお子さんを抱える御夫婦からの相談も受けました。
去る、11月27日付の一般紙の夕刊でも「食物アレルギーを大幅に軽減するワクチンの研究が、アメリカ・スタンフォード大学の研究チームが犬を使った実験で確かめた。ワクチンの人間への応用が期待される」と報道されておりました。
アレルギー疾患対策は、研究段階から、研究成果を生かした新しい治療を受けられる体制づくりを一体となって取り組むべき時代に入りました。これらのことを踏まえ、以下、アレルギー疾患対策について伺います。
アレルギー疾患患者の最大の悩みは、困ったとき、あるいは病状が好転しないまま皮膚科での治療は行われるものの、どこの病院の、どの医師に受診すればよいかという情報がアレルギー疾患を持つ子どもを抱える親に届いていないということであります。富山市民病院と市内の皮膚科などの病院との連携が大切と思います。当局の見解を求めます。
次に、学校でのアレルギー疾患対策の体制づくりについて伺います。
ぜんそくを持つ子の急増、アトピー児童の増加、食物アレルギーを持つ児童の給食など、最も対応が迫られているのが学校であります。校長や担任の判断が優先され、校長を初め全教職員に、実効性のある研修などが必要であります。学校健診にアレルギー検診の実施の有無、検診の結果を他疾患と同様家庭にお知らせするなど、また、慢性化して経過がよくないときは専門医との連携が必要と思います。
食物アレルギーは、主治医の指示に基づき一人一人の対応が異なり、担任、養護教諭、専門医が直接連携して対応する体制が必要であります。学校は、保健所や保健福祉センターでは手の届かないすべての子どもを掌握できます。予防啓発のためにも、また、アレルギー疾患を持つ子に対する差別をなくすためにも、総合学習や保健科目などを通じて理解を深めることも必要であります。PTA主催の専門医による講演会の開催など、学校と医療機関の連携を検討すべきであります。
建材や芳香剤だけでなく、学校内の農薬散布、使用する教科書、学用品などが原因のシックスクール症候群が疑われる子どもから訴えがあった場合、素早く対応ができるように教職員などを対象にした研修などが必要と思いますが、当局の見解を求めます。
最後に、NPO等の自家用自動車による有償運送の許可について伺います。
本日の一般紙でも大きく取り上げておりましたが、高齢化の進展に伴い、要介護者や障害者などみずから外出・移動することが困難な人々は急速に増加しております。これらの人々の移動を容易にし、より豊かな生活を支援するため、輸送手段の整備は喫緊の課題であり、鉄道やバスなどの交通機関のバリアフリー化が進められております。しかし、駅等への輸送手段の確保や、自動車によるドア・ツー・ドアで移動するための個別輸送手段の確保も不可欠であります。
平成14年末のタクシー業者が提供できるSTS(スペシャル・トランスポート・サービス)の車両数は、1.車いすやストレッチャーに対応した特殊車両によるものが1,594業者3,244両、2.ホームヘルパー資格を有する運転者を擁したタクシー車両によるものが595業者2,554両、両者合わせて5,798両で、タクシー総数の25万9,000台のわずか2.2%にすぎません。そのため、要介護者、障害者が最も利用の多い時間帯においては、十分な対応となっておりません。
時間がございませんので、この許可手続について、問題点、運営協議会の設置、並びにますます増える要介護者及び障害者の移動手段の確保のため、構造改革特区の申請を行い、取り組みを推進すべきであると思いますが、当局の見解を求めて私の質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。
61 ◯副議長(長尾 憲二君)
当局の答弁を求めます。
永森商工労働部長。
〔商工労働部長 永森 勲君 登壇〕
62 ◯商工労働部長(永森 勲君)
小沢議員の御質問にお答えいたします。
「地域再生」についての5点の御質問のうち、まず最初に、「おでかけバス事業」についてでございます。
平成17年度の定期券発行業務はいつから開始の予定か。また、7市町村の合併を控えて、広がる市域の対応について、現時点での検討の状況についてお答えいたします。
「おでかけバス事業」は、単に福祉の観点のみではなく、公共交通の利用促進と中心市街地の活性化に寄与することを目的として、昨年8月から10月に試行運行を行い、本年5月から本格実施しているところであります。
11月末現在、定期券申込者数1万2,797人、1日当たり延べ利用者数897人―全体の延べ利用者数は19万1,971人でございます―と、試行時に比べ申込者数、1日当たり利用者数とも大幅に伸びている状況であります。
一方、中心商店街では、「おでかけバス事業」の本格実施に合わせ、現在、70店舗が「おでかけ定期券」利用者に商品の割引サービスなどの協賛事業を実施されるなど、「おでかけ定期券」利用者の来街促進に努められております。
このように、「おでかけバス事業」は、高齢者の交通手段の一つとして定着しているほか、中心市街地の活性化に大きな効果を上げている状況にあることから、平成17年度は、年度当初の4月からの継続実施を検討しているところであります。
次に、7市町村の合併を控えて、広がる市域の対応についてのお尋ねでありますが、合併に当たっての調整方針として、平成17年度以降は「現行のとおり新市に引き継ぎ、新市において調整を行う」こととしております。
なお、この事業を新市全域を対象として実施することにつきましては、バス事業者の協力と理解が得られるか。また、それぞれの地域では、公共交通機関(バス)の運行状況、利用状況などが違っていることや、合併前の町村にも中心商店街が存在することなどの課題があることから、拡大することに全市的な理解を得られるのかということについて、十分検討しなければならないと考えております。
次に、観光振興は「地域再生」の有効な手段であることから、新市「富山市」の観光振興策、コンベンション、祭りのあり方についての見解のお尋ねでございます。
観光振興は、交流人口の増加を促し、その経済波及効果は地域の活性化に大きく資するものと考えております。
本市では、春の「全日本チンドンコンクール」、夏の「富山まつり」、秋の「とやまの味覚市」、冬の「とやまスノーピアード」などのイベントや、富山国際会議場を中心としたコンベンションの開催などで、交流人口の増加に努めてきているところであります。
また、観光ボランティアやコンベンションサポーターの充実、「おもてなしの心」の醸成を図るなど、観光客の受入体制の充実に努めてきたところであります。
現在、社会経済情勢も急速に変化してきており、観光客の旅行形態も、少グループ化、短期化、広域化などの傾向にあり、観光客のニーズに対応した観光施策の展開が必要となってきております。
このような中、合併により、新富山市は、豊富な自然や多様な顔を持つ特徴のある市となり、山岳観光やスキー場を初め、温泉施設やゴルフ場、伝統的な「おわら風の盆」など、魅力ある観光資源を擁することとなります。また、近年、自然環境への関心の高まりを背景としたグリーンツーリズムやエコツーリズムなどの新しい観光分野の展開ができるものと考えております。
今後、このような魅力ある観光資源を活用し、地域経済の活性化を図るために、高山市、松本市、飛騨市などと連携した広域観光の推進や、外国人観光客の誘致に努めてまいります。また、全国規模のコンベンション誘致や夜型イベント、地域特性を生かしたイベント、多様な自然を体験・観察するイベントなどを実施し、市民一人一人が郷土に対する誇りと自信を持てるような観光振興施策の展開に努めてまいりたいと考えております。
新市においては、それぞれの地域における観光協会や観光関連団体、交通、飲食、ホテル・旅館などの各種民間団体と連携し、観光振興の具体的な取り組みなどについて議論を深めてまいりたいと考えております。
次に、緊急地域雇用創出特別交付金事業についてのお尋ねであります。この事業の評価についてと、この制度の継続と改善についての御質問にお答えいたします。
本市におきましては、緊急地域雇用創出特別交付金事業として、平成13年度から平成15年度までの3年間で延べ57事業を実施し、500人の新規の雇用者を創出してきたところであります。さらに、本年度は、新規分として4事業、継続分と合わせて25事業を実施しており、本年度末までに新規の雇用者数195人を見込んでおります。このことから、この交付金事業の評価につきましては、地域の実情に応じた緊急かつ臨時的な雇用の創出に大きな成果が得られたものと考えております。
本市といたしましては、県や全国市長会などを通じて、平成17年度以降の交付金事業の継続及び要件の緩和について働きかけてまいりましたが、国においては、景気回復による雇用情勢の改善傾向が続いていることから、事業の継続は行わず、本年度末をもって終了されると伺っているところであります。
なお、本市としましては、この制度の活用により常用的な雇用につながっているか、また、制度がなくても実施しなければならない職種なのかなど、その必要性について検証してまいりたいと考えております。
次に、雇用問題についての2点の御質問のうち、最初に、長期失業者の就職支援制度の設置についての御質問にお答えいたします。
全国の雇用情勢につきましては、10月の完全失業率が4.7%となっており、国の見解では、景気回復を受け、雇用の改善傾向は続いていると分析しております。一方、ハローワーク富山管内における月間有効求人倍率は1.41倍、全国は0.88倍となっており、富山労働局では、当面、改善の動きが続くと見ております。
お尋ねの国の長期失業者の支援対策については、全く新しい一形態として、民間事業者の創意工夫を活用する事業として、財団法人高年齢者雇用開発協会がハローワークの就職支援業務の一部を民間に委託するものであります。この事業は、今年度、試行的な取り組みとして大都市圏において実施されたものであり、今後、この制度が地方へ普及・拡大されることを期待するものであります。
最後に、本市における若者の雇用環境並びに実態を掌握しているかの見解についてのお尋ねであります。
若年者の雇用情勢につきましては、企業の雇用抑制や即戦力志向が強い中、職業にも学業にも職業訓練にもついていない、無職の「ニート」と呼ばれる若者が増加傾向にあると言われております。
お尋ねの本市の「ニート」の掌握につきましては、国においては、総務省労働力調査をもとに、年齢が15歳から34歳、卒業者、未婚者であり、かつ、家事、通学をしていない者を集計し、若年無業者(ニート)として、全国では52万人と公表しておられますが、地域別の数値は公表されていないことから、市単位のニート数は把握していないところであります。
さらに、この「ニート」の増加は、経済社会の維持、発展という観点からも憂慮すべきことであり、キャリア教育やインターンシップの推進による職業意識の醸成、また、ヤングジョブとやまでのカウンセリングや職業訓練などにより、若者の事情に応じたきめ細やかな対応が求められることから、労働局や県など関係機関と連携して若者の雇用対策に取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。
63 ◯副議長(長尾 憲二君)
松本建設部長。
〔建設部長 松本 眞人君 登壇〕
64 ◯建設部長(松本 眞人君)
「地域再生」についてのうち、富山海岸クリーン事業の今後の方向性と海岸浸食のための取り組みについてどうかにお答えします。
富山海岸クリーン事業につきましては、平成14年度から、海岸に漂着したペットボトルや空き缶などのごみを収集することを目的に、富山公共職業安定所を通じて就業者を募集し、新規の雇用―これは毎年3人でございましたが―に努めてきたところであります。この結果、海岸の美化に大きく貢献し、地域住民の皆様や海岸を散策される方々に大変喜ばれてまいりましたが、御指摘のように、緊急地域雇用創出特別交付金事業は本年度で打ち切られることとなりました。
なお、八重津浜や岩瀬浜、浜黒崎海岸などでは、現在、地域住民や有志の方々、そして地元企業などにより、定期的に清掃ボランティアを実施されていることから、今後ともこうした皆様方の御協力を得ながら、環境美化に努めてまいりたいと考えております。
次に、富山海岸の浸食対策につきましては、県において、昭和41年度から離岸堤、人工リーフ、緩傾斜護岸の整備が進められており、砂浜の回復など整備効果があらわれてきておりますが、浜黒崎地区の離岸堤は、設置後20年が経過しているものの、砂州の形成が認められず、逆に浸食が進んでいる状況であります。しかしながら、この地区には海水浴場やキャンプ場、広域自転車道があり、市民の利用が盛んであることから、市といたしましては、浜黒崎海岸保全促進期成同盟会とともに、環境保全、海岸利用、景観の調和に配慮した浜黒崎海岸の整備促進を、国及び県に対し、引き続き要望してまいりたいと考えております。
以上であります。
65 ◯副議長(長尾 憲二君)
吉川教育長。
〔教育長 吉川 實君 登壇〕
66 ◯教育長(吉川 實君)
まず、雇用問題について、本市における職業観を育成するための教育環境の実態と整備について見解を問うにお答えいたします。
「ニート」と言われる若者たちが増えてきていることは、大変憂慮されるところであります。その背景には、若者たちが個々に応じた職業観や専門性を十分に身につけていないことも原因の一つであると考えております。子どもたちに求められているのは、これまで身につけた能力や態度を自分の将来の生き方にどのように生かしていくかということであり、このためには、小学校からの無理のない職業観や勤労観の基礎づくりが大切であると考えます。
現在、小学校では、生活科や家庭科の学習において家庭での仕事の理解と役割分担に関する学習を行っており、総合的な学習の時間でも、家の近くの商店街などで実際にいろいろなお店の仕事も手伝いながら、将来の自分の生き方について考えるきっかけとなる活動も実践されております。また、経済産業省の「起業家教育促進事業」に、市内小学校で平成15年度は2校、平成16年度は1校が指定を受け、企業経営者から講話を伺ったり、事業所での体験学習などを行ったりして、チャレンジ精神や創造性、自己責任、問題解決能力をはぐくむことに取り組んでおります。
中学校では、勤労生産・奉仕的行事において、職業や進路にかかわる啓発的な体験やボランティア活動を実施し、また、社会に学ぶ14歳の挑戦や、雇用・能力開発機構の「中高生に対する仕事ふれあい活動支援事業」は、大人から望ましい勤労観、職業観を学ぶよい機会となっております。
今後も、子どもたちの発達段階に応じた勤労観、職業観を学べる教育環境の整備に努めるとともに、困難の中でも自己を磨いて、厳しい時代を生きていく力をはぐくむ学校教育の一層の充実を図っていきたいと考えております。
続いて、子どもたちを守るための安心と安全のまちづくりについて問うにお答えいたします。
奈良県奈良市の小学校1年生女子児童の誘拐殺人事件は、まことに痛ましく、大変胸が痛む思いでございます。また、昨日は富山市内の小学校で児童に対する卑劣なおどしの電話がありまして、学校では夜遅くまで一軒一軒の家庭と連絡をとりながら、児童全員の安全を確認したところでございます。
子どもの安全確保の観点で一番大切なことは、「自分の安全は自分で守る」という意識の高揚を図ることであり、各学校では子どもの意識を高めるための指導を徹底しているところであります。
具体的には、登下校や放課後等における不審者対策として、これまでもPTAや地域関係機関の協力を得て防犯教室を開催するなど、見知らぬ人への対応について具体的な訓練を行い、子どもたちの安全確保を図るための取り組みを進めてきております。また、子どもたちには、見知らぬ人の誘いや呼びかけには応じないよう注意を払うとともに、人目につかない場所で単独行動をしないなど、自分で自分の身の安全を守るよう指導しております。
御提案の全地球測位システム(GPS)の活用につきましては、今後、効果や費用などさまざまな観点から研究を進めていきたいと考えておりますが、被害防止という観点からは、子ども自身に自分の安全を守るための意識を持たせることや地域ぐるみの安全対策などがより重要であり、現時点では導入については考えていないところでございます。
最後に、学校でのアレルギー疾患対策の体制づくりについて問うにお答えいたします。
児童・生徒のアレルギー疾患への対応につきましては、就学時健康診断等の結果に基づき、養護教諭や保健主事、学校栄養職員が中心となり、症状や疾患の程度、療養の経過などについて、校長を初め教職員全体の共通認識が図られるよう努めております。
さらに、個々の児童・生徒への対応につきましては、校長を初め各担任及び養護教諭が、保護者の了解のもと、主治医と緊密な連絡をとりながらその対応に当たっているところであり、今後とも、保護者、医療機関、学校の連携を強化しながら対処してまいりたいと考えております。
また、ホルムアルデヒドやトルエンなど、いわゆる揮発性化学物質の影響により、目やのどの痛みが生じるシックスクール症候群への対応につきましては、日ごろから児童・生徒の健康観察に十分配意するとともに、教職員に対しては、引き続き、原因となる化学物質の種類やその影響による症状などについて、学校医や学校薬剤師と連携を図り、共通理解を深めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
67 ◯副議長(長尾 憲二君)
森福祉保健部長。
〔福祉保健部長 森 彰君 登壇〕
68 ◯福祉保健部長(森 彰君)
雇用問題についてのうち、母子家庭の母の就業支援についてお答えいたします。
近年、離婚の増加等に伴い母子家庭が急増している中で、母子家庭の母が自立するためには就業機会の確保は極めて重要であります。しかし、最近の経済情勢の変化により、母子家庭の母の就業は一層困難で厳しい状況にあります。
このような状況に対応するため、国においては、「母子及び寡婦福祉法の一部改正」とともに、「母子家庭の母の就業の支援に関する特別措置法」を制定し、母子家庭の母が自立するための総合的な支援策を推進することとされたところであります。
こうしたことから、本市では、昨年10月1日に富山県と共同で「富山県・富山市母子家庭等就業・自立支援センター」を設置したところであります。
以下、少し実績を述べさせていただきたいと思います。
1点目、個々の母子家庭の状況、職業適性、就業経験に応じた就業相談については、就職希望者283名、このうち富山市分が146名ございます。採用者は61名で、そのうち富山市分が32名であります。2点目、ハローワークと連携した求人情報については、約600人に対して情報提供をしております。3点目、就業準備セミナーやパソコン研修、ホームヘルパー養成講座については、セミナーは11回開催し、約400名が受講しております。パソコン研修は23名が受講しております。ホームヘルパー養成講座は62名が受講しております。4点目、弁護士による特別相談については、16回開催し、うち富山市では2回開催しております。
このように、さまざまな就業・自立支援策を行ってきております。
さらに、母子家庭の母の就業を促進するため、母子家庭自立支援給付金事業も同時に創設したところであり、これまでに、1点目、職業能力開発のため教育訓練講座を受講した場合の受講料助成については、申請が8件ございまして、支給5件で21万3,000円の実績がございます。2点目、経済的自立に効果的な看護師等の資格を取得する際の生活費の負担軽減助成については、申請が8件ありまして、支給も8件、463万5,000円の実績がございます。3点目、母子家庭の母を新規に短期雇用した後、常用雇用に転換した事業主に対する奨励金については、申請が3件ございまして、支給1件で30万円の実績がございます。
このようなことから、これらの制度を活用しながら、母子家庭の母が自立するための支援を積極的に推進していきたいと考えております。
次は、NPO等の自家用自動車による有償運送の許可について、中でも構造改革特区の申請についての御質問にお答えいたします。
NPO等の自家用自動車による福祉有償運送については、法的な位置づけが明確に示されていなかったため、市内でも要介護者や障害者を対象にNPO等が実費程度の低価格の運賃で有償運送を実施しております。しかし、低価格の運賃でも有償運送することは白タク行為に当たることから、平成16年3月に国土交通省と厚生労働省が取扱方針を定めたところであります。
この取扱方針では、一般旅客自動車運送事業―これはタクシー事業者としての許可のことをいうわけです。この基準緩和を図り、NPO等が有償運送を行う場合には、3点ございますが、1点目、対象者を要介護高齢者や障害者等に限定すること。2点目、2種免許を取得した運転手がいること。3点目、車いすのリフトやスロープなどを整備した福祉車両を1台以上所有することなどの一定の要件や手続のもとに許可されることになりました。
ただし、この要件によらない場合には、2点ございまして、1点目、移動制約者の安全確保が図られること。2点目、その地域がタクシー等の公共交通機関だけでは十分な輸送サービスができない状況にあるときには、地方公共団体が学識経験者やタクシー事業者等を構成メンバーとした運営協議会を設置し、協議の上、合意が得られた場合は、運輸局の有償運送の許可対象となります。
このことから、まずは、一般旅客自動車運送事業の許可申請の推進を図ってまいりたいと考えております。
次に、運営協議会の開催を経た許可申請について努力してまいりたいと考えております。
お尋ねのセダン型特区―構造改革特区のことですけれども―については、運営協議会の合意を得て、運輸局の有償運送の許可を受けた後に申請が可能となるため、運営協議会の動向を見て、その後、検討してまいりたいと考えております。
以上です。
69 ◯副議長(長尾 憲二君)
前崎市民病院事務局長。
〔市民病院事務局長 前崎 豊作君 登壇〕
70 ◯市民病院事務局長(前崎 豊作君)
アレルギー疾患対策推進について、情報の周知、市民病院と市内の皮膚科などの医療機関との連携が大切と思うが、それについてお答えいたします。
アレルギー疾患には、気管支ぜんそくやアトピー性皮膚炎、花粉症などがありますが、この疾患で小児から大人まで多くの方が苦しんでおられます。ちなみに、アレルギー疾患にて市民病院を受診された平成15年度の患者数が4,022人であり、平成11年度に比べてその数は約1.4倍となっております。
これらの疾病に対応するため、市民病院においては、皮膚科や小児科にアレルギー専門外来を設け、患者の皆様の治療に応ずるとともに、他の診療科と協力して適切な治療に当たっているところであります。アレルギー専門外来については、市民の皆様により一層知っていただけるよう、ホームページや病院広報誌「市民病院メールマガジン」などで周知してまいりたいというふうに考えております。
一方、疾病ごとの病診・病病連携も求められてきております。特にアレルギーなどの慢性疾患で治療を受けておられる方々には、地域の医療機関との連携で治療を行う地域完結型の治療が求められております。このようなことから、本年4月からは地域の医療機関ともさらに連携を深め、地域医療連携室を設置し、紹介患者を積極的に受け入れているところであり、また、逆紹介も行うなど、医療連携を強化しているところでございます。
71 ◯副議長(長尾 憲二君)
しばらく休憩いたします。
午後 2時38分 休憩
────────────
午後 3時00分 再開
72 ◯副議長(長尾 憲二君)
会議を再開いたします。
一般質問及び議案の質疑を継続いたします。
19番 赤星 ゆかりさん。
〔19番 赤星 ゆかり君 登壇〕
73 ◯19番(赤星 ゆかり君)
日本共産党議員団の一般質問をいたします。
初めに、このたびの7市町村合併のあり方について。
投票形式の住民意向調査で合併反対多数となった婦中町で、町長により廃置分合の専決処分が行われたことは、まことに驚きに耐えません。森市長はこれを受けて、「婦中町当局の苦渋の決断。決定を重く受けとめる」と述べられたと報道されました。しかし、本当に苦渋な心境なのは、多くの住民ではないでしょうか。
本当にすっきりしない合併だと私は思います。その後、直ちに7市町村そろって県へ申請を行われたことにも納得がいきません。富山市民からも、「合併してあんな大きなって大丈夫か」「効率悪なって隅々まで手回らんかろう」などの意見が今でも寄せられます。
市長はこの決定を重く受けとめ、今後、どのようにしていこうとお考えなのか、7市町村で住民の理解が十分得られているとお考えなのか、率直な御見解を伺います。
次に、新市建設計画では、合併後10年間で総額3,300億円の投資計画のうち、富山市分の主要事業は1,879億円ですが、今後、計画にない新規の大型事業が10年以内に出てきた場合はどうなりますか。例えば、城址公園整備に伴い検討されている新図書館は、調査費として100万円計上されているだけです。中心市街地の再開発等、いつ、どう行われるかもはっきりしていません。
そこで、市長に伺います。
富山市区域の新規事業が膨らんでも、主要事業の投資的経費は1,879億円で抑えるのですか。
大島婦中町長は9月町議会で、婦中町区域の334億円は「保証・担保は間違いなくされていると断言できる。その上、地域審議会で新市建設計画をチェックするので、決して計画倒れにはなり得ない」と答弁しておられますが、自治体間で認識に食い違いがあるままだとしたら、大きな問題です。これは本当に断言できるのかどうか、改めて伺います。
八尾町の「駆け込み予算ではないか」といわれた3つのコミュニティセンターは、新市の主要事業費の中に入っているのですか。入っていないとすればどのように調整されるのか、現時点での考えを伺います。
次に、呉羽南部企業団地の造成に富山市土地開発公社が着手することについて伺います。
なぜ、工業団地造成事業特別会計で造成してきたこれまでと違い、公社が主体となるのですか。公社の平成15年度末の長期借入金は257億円余りあり、企業団地造成が市民に見えにくい新たな負担となっていくおそれを感じます。総事業費と費用調達はどうなる見通しですか。
新市建設計画の主要事業の中には、「呉羽南部企業団地の整備促進事業」として概算事業費が58億円余り計上されていますが、公社の資金で整備すると、これとの関係はどうなるのですか。
県外からの企業誘致は、いつ撤退するかもわからないというリスクがつきまとい、これ以上の受け皿拡大は慎重にされるべきです。企業立地の見通しはあるのですか。
産業振興策は、内発型、地域循環型を基本にし、西インターチェンジ整備にかかった費用の返済方法の変更を含め、広大な企業団地をまずつくるというやり方は見直すべきではないでしょうか。以上についての見解を伺います。
次に、まちづくり政策のうち、まず、中心市街地の再開発と景観について伺います。
富山市景観まちづくり条例に基づくワークショップの結果発表でも、まちなかで趣のある建物の一つに大和が挙げられています。大沢野町の住民と話した折にも、30代の男性が、「西町のあの場所にあの建物がないと嫌だね」と語られました。
先月視察した盛岡市では、「盛岡の原風景」を大切にするため、建物所有者に何度もお願いに出向いて御理解をいただき、公共の建物だけでなく、旧の銀行や酒蔵、個人邸等を今年度までに22軒、保存建築物に指定しており、今後新たに数軒を指定する予定と聞きました。
やはり、西町の電車通り角に建つ大和の姿は、富山の原風景としても、富山らしい景観としても、多くの県民、市民にとっても大切な存在であることは間違いないと思います。難しいとあきらめる前に、所有者と相談し、御理解をいただき、保存し、改修して、活用できる道を探るに値するのではないでしょうか。改めて市長の見解を伺います。
「西町南地区再開発協議会」から、地上19階建ての再開発ビルの案が市に提案されていますが、仮にこの19階建てが建つとすると、立山連峰の眺望の新たな阻害要因となってしまいます。また、今後の中心市街地での建築等についても、一定の高さを超えないような指導が必要と思いますが、どうお考えですか。
次に、富山市の市街地においては、低層の住宅が多く、静かなまちの中に、良好な住環境を売り物にした高層分譲マンションが次々と建設され、住民が不安や怒りを訴える事態が相変わらず起きています。
これに対して、3月議会で制定された富山市景観まちづくり条例では、「低層住宅の多い地区内に大規模な高層マンションの建設はやめてほしい」という住民の根本的な願いにこたえた対応ができていません。一方、景観法が本年6月に公布され、12月17日に施行されることになっており、この景観法が一定の効果を果たすものと考えられます。
富山市は中核市なので、景観法の施行により景観行政団体となります。景観まちづくり条例制定時においては上位法がなかったことから、地方自治法に基づく自主条例として制定されましたが、景観法という条例の根拠となるような法律ができたことにより、景観まちづくり条例が法的根拠を持った、すなわち、民間開発事業者に対して計画に基づいた指導が可能となることになります。
そこで、景観法の活用についてはどのようにお考えですか。特に、景観まちづくり条例の改正の考えはあるかどうか、伺います。
次に、富山市景観まちづくり条例に基づく景観基本方針と、景観法に基づく景観計画との関連をどのように考えますか。
景観法を適切に運用するためには、景観法で委任されている条項について条例の制定が欠かせないものになると思います。その点についてのお考えをお聞かせください。
また、景観法の活用とともに、先ほど述べたマンション問題等に対応するためには、都市計画法の高度地区の活用を図ることが必要と思います。景観まちづくり条例の前文にもあるとおり、立山連峰の眺望などすばらしい自然景観の宝物を持つ富山市だからこそ、一定の地域あるいは市街地全域に高度地区の指定をかけるなど、思い切った対応が必要と考えます。この点についての考えをお聞かせください。
次に、新潟県中越地震の被災地へは、全国からさまざまな支援が行われ、富山市からも市民ボランティアや、職員派遣、防災物資などの支援が行われ、御苦労をねぎらい、敬意を表します。
日本共産党としても、ボランティアや救援募金の活動を進め、現地では被災者の皆さんの要望を直接伺い、自治体の方々とも連携を強めて、国政を動かすためにも全力を挙げました。
その結果、1.仮設住宅はコミュニティ単位に設置。不十分だが庭先にも簡易住宅が設置される。2.医療スタッフを緊急に配置し、破壊された地域医療機関再建のための公的支援を行う。3.住宅の被害認定の基本は、住居機能が損なわれているかどうかにあることを改めて政府に認めさせ、実態に即した被害認定への足がかりができたこと。4.水害被害でも、床上浸水家屋に対しても被災者支援法の適用が図られることが明確にされたこと。5.住宅本体の再建や産業再建への支援で、自治体が独自の措置をとった場合には、国が財政的に支援すると政府に約束させるなどの重要な成果がありました。特に、住宅本体の再建への公的支援(個人補償)という問題は、阪神・淡路大震災に際しても一貫して求め続けてまいりましたが、一連の災害の現地被災者の皆さんの声、自治体の声、国会での論戦等の力が合わさって、小泉首相も「検討課題」と言い、防災担当大臣も「自治体への支援」を言明されたことは重要です。
新潟県知事や、被災された各市町村長たちがそろって、これを国の制度とするよう強く要望されるところまで広がり、前進しました。引き続き、日本共産党の重要課題として取り組んでいく決意です。
さて、富山市としても国や県に対して、災害被災者への公的支援を強めるよう強く発言していかれたいと思います。そこで、今述べたような公的支援についての問題をどのように考えておられるか、市長の見解を伺います。
また、新潟県の被災者の方々への励ましの一環として、富山市内や周辺の公共の宿、温泉などに、保養、越冬のための宿泊や、一時的または中長期滞在などに招待し、また、これに希望する人がいないか呼びかけてみてはどうでしょうか、見解を伺います。
次に、11月25日に、「富山市内軌道線をはじめとする富山地方鉄道の活性化方策検討会」の初会合が開かれ、国土交通省の公共交通活性化プログラムの一つとして、来年度までに利用促進計画をつくり、地鉄電車の上滝線で沿線住民が気軽に利用できるコミュニティ電車としての可能性を探るために、電車の増発や、料金一律100円、ワンコインとする実験を行う。また、実験でニーズが確認されれば、路面電車乗り入れも検討するなどのことが新聞報道されました。
富山港線路面電車化と連動して、鉄軌道を富山市の公共交通の主軸とし、市民全体の公共交通を便利にする重要な取り組みが前進することは大変歓迎します。市としても、市民全体の「交通権」を保障する立場に立ち、一層努力されることを期待しております。
この検討会で話し合われた内容、ワンコインのコミュニティ電車実験の詳細、路面電車の乗り入れ、南部への延伸やLRT化についての可能性などについて伺います。
長崎市では市電路線が充実しており、料金一律100円。乗りかえ券もくれて非常に便利でした。こうした他都市の利用状況や経営上はどうなのかを研究し、富山市でも市電や地鉄電車、富山港線路面電車の100円ワンコイン化や、乗りかえ券発行などの方法も本格的に検討できないか、考えを伺います。
地鉄電車で沿線住民が気軽に利用できるためには、本数が多く、料金が手軽だということに加えて、駅の利用しやすさや安全性はどうかという問題があり、駅の改善は、利用者増を図る上で欠かせない問題です。現在、片側からしか利用できなくしてある駅は、向かい側の住民や乗降客が利用する際には大変不便で、危険な実情があり、「両側から安全に使えるようにしてほしい」という強い要望があります。
こうした駅については早期に改善されるよう、利用者の生命、安全を守る立場から市としても積極的に支援されたいと思いますが、どのようにお考えですか。
次に、子どもをめぐる政策について伺います。
今、子どもたちはさまざまなストレスやいら立ちを抱え、また、地域で犯罪や事件・事故に巻き込まれるという社会問題も深刻です。また、保護者たちの多くは、厳しい雇用・労働条件の中で、身体的にも精神的にもゆとりのない状態に追い込まれています。子どもたちの安全が保障される遊び場の確保と、放課後の遊び及び生活の場としての学童保育所の量的・質的充実がますます求められています。
しかし、富山市では、
放課後児童健全育成事業―以下、学童保育と呼びます―の大規模化が進み、新学期を迎えるに当たり新1年生の入所希望が多く、現在でも待機児童が出ている状況があります。
一方、留守家庭児童の放課後対策を兼ねている校区の
地域児童健全育成事業―以下子ども会と呼びます―も大規模化し、1カ所で1日の利用者が平均93.8人という校区もあり、3年生以上を断るところも幾つも出てきています。
また、子ども会の地域ボランティアの指導員の皆さんからは、「ボランティアでは7時まで」「夏休みもと言われても限界がある」と悲鳴が聞こえています。
大規模な子ども会に行っている小学校2年生の女の子の働くお母さんの声を紹介しますと、「うちの学校の子ども会は2年生までなので、来年からかぎ持たせんならんね。多少お金を出してもいいからきちんと見てほしいと、保護者同士話し合っている」「狭い部屋に大勢押し込められ、子どもが嫌がり、自然に行きたがらなくなる」「3年生以上の子どもは、かぎを持って、仲間同士の家でゲームなどして遊んでいる」「赤ちゃんのいるお母さんたちにこの話をすると、正規で働けなくなる。保育所のときの方が助かると言って不安がる」とおっしゃいます。
全国学童保育連絡協議会は、昨年6月に発表した提言の中で「1学童保育は40人が限度」とし、ことし2月の厚生労働省の委託研究調査報告でも、学童保育の適正規模は30人とする結論を出しています。
まず、この大規模化についてはどのように認識されていますか、見解を伺います。
必要とする小学校区単位に40人以下の適正規模の学童保育を複数設置して、待機児童と大規模化を解消していくことが緊急の課題です。どのようにお考えですか。
市長が直接市民の声を聞かれて、学童保育の必要性を認められ
放課後児童健全育成事業を事業化されたことは大変評価しています。しかし、事業化から2年目となりますが、まだ5カ所しかできていません。完全民営方式にしていることで担い手が増えていないことが問題なのではないでしょうか。
合併対象の自治体ではさまざまな形の学童保育所があり、「合併したらどうなるのか」との不安の声も出ていると聞きます。民間社会福祉法人やNPOに限らず、運営主体を多様化し、「学童保育が欲しい」という人がいるところには、市が音頭をとって地域に運営協議会を立ち上げるなどして、学童保育所の数を一気に増やすことが急務です。この点についてのお考えを伺います。
最後に、動物介在療法、いわゆるアニマルセラピーは、欧米に比べて立ち遅れていると言われますが、近年、日本でも、実際の取り組みを通じて、医療・福祉・教育現場におけるセラピー犬及びリハビリ犬の果たす役割が大きいことが注目されてきています。
富山市内では2001年に、過去に警察犬協会日本チャンピオンを数度獲得された方が中心となって、医療や福祉にも犬たちを活用したいと呼びかけられ、ボランティア団体「セラピー犬富山」が結成されました。セラピー犬は、子どもたちには命を大切にすることや社会におけるルールを教え、障害を持つ人々には心のいやしと生きる希望を見出してもらうことを大きな目的としています。
市内では、市立愛育園や堀川南保育所等を訪問。県立高志養護学校では、ふだんほとんど動けず、表情のない難病のお子さんが、犬を見て思わずほほ笑んだり、犬にさわろうと上体を起こそうとしたり、先生や看護師さんたちも「奇跡が起きた」とおっしゃっていました。
富山赤十字病院の痴呆病棟には一昨年から定期的に入り、国立療養所富山病院等でも、障害を持ったお年寄りや子どもたちの心の治療のサポートをしています。このような活動は100回を超え、私も何度か同席する機会がありましたが、その効果は本当に目を見張るものがあります。
この犬たちは、すべて家庭で飼われている普通の犬を訓練したもので、中には、捨てられて殺処分される寸前に救い出された犬もいます。一般家庭の犬たちが病棟に入れたのは全国初であると聞き、特筆すべきことです。
こうした効果を医学的に解明しようと、「セラピー犬富山」と医療、福祉、
動物愛護関係者らで「リハビリ犬を研究する会」が去る10月に立ち上げられました。高岡のある民間病院では、医師の指導のもとにリハビリ犬の効果について検証し、精神内科学会において来春ごろ発表することを目標に取り組まれています。
小さな犬たちが車いすを引く動作や聴導犬の動作を、障害を持つ人たちが見て感動し、何かをしようという前向きな意欲を見せ始めているといいます。
私は、昨年1月、日本共産党の木島 日出夫前衆議院議員とともに「セラピー犬の育成と普及に国の積極的な支援をお願いしたい」と要望した際、厚生労働省の担当者から「医療の一環ですから関係部署と調整して、セラピー犬独自の育成制度ができないか検討していきたい」と回答をいただきました。
また、本年10月の参議院本会議では、小泉首相が「高齢者や障害者のケアの現場でも、動物が一定の役割を果たしていくことは意義のあること。今後、有効性が認められれば、その普及方策をさらに検討してまいりたい」と答弁されています。現場での有効性の検証についても、まさに、この富山で市民ボランティアによって自発的に取り組まれていることはすばらしいことではないでしょうか。
こうした市民のセラピー犬やリハビリ犬活動に対する富山市としての評価を伺います。
今後、さらに、医療・福祉・教育の現場に市としても積極的に取り入れていかれるべきと考えますが、見解を伺います。
富山市では、昨年度分だけでも犬59頭、猫418頭、合わせて約240万円の税金が犬や猫の殺処分、つまり、殺すために使われています。税金は、命を殺すためでなく、生かすために使われたいと思います。
セラピー犬やリハビリ犬のボランティア活動に対して、さまざまな面から積極的に支援されたいと思いますが、いかがでしょうか。
なお、あす9日、この「セラピー犬富山」は新潟県の被災地を訪問することになっております。
以上で私の質問を終わります。
74 ◯副議長(長尾 憲二君)
森市長の答弁を求めます。
〔市長 森 雅志君 登壇〕
75 ◯市長(森 雅志君)
赤星議員の御質問にお答えします。
私の方からは、7市町村合併と新市建設計画にお尋ねのありましたうち1点、高層マンション建設と住環境、景観政策等についてお尋ねのありましたうち1点、加えて、新潟県中越地震被災者への支援についての御質問にお答えして、その他につきましては担当部長から答弁申し上げます。
冒頭にございました婦中町当局の決断への受けとめ方、加えて、7市町村で住民の理解をどうとらえているのかとの御質問にお答えします。
御案内のとおり、婦中町議会におかれましては4回にわたって議会が開会されなかったことから、大島婦中町長におかれましては大変な苦渋の末に専決処分の御決断をされたものと推察され、私といたしましても大変重く受けとめているところでございます。
市町村合併は、住民に最も身近な行政体である市町村の枠組みが変わることから、合併に伴う不安や懸念を持つ方も富山地域において一部におられることは事実であると思っております。
これまで富山地域7市町村では、住民の皆さんに富山地域の合併協議の状況等を積極的に情報提供し、合併することによる不安等の解消に努めてまいりましたが、合併までの限られた期間も引き続き、新市の誕生に向けて、住民の皆さんにより一層の御理解を深めていただくよう努めてまいりたいと考えております。
さきにも申し上げましたが、まさしく真の合併は、新市の住民が一体感を持てるようになって初めてなし得たと言えるものであり、合併のスタート台である4月1日以降、新市の持続的な発展と、都市部と中山間地域や農山漁村が共生する新しい基礎自治体の構築に向けて、住民と行政が一体となって邁進していくことこそが重要であると、このように考えております。
次に、大和富山店を保存し活用できないかと考えるが、見解を問うとのお尋ねにお答えします。
大和富山店を保存し、改修して活用することにつきましては、ことしの6月議会でもお答えいたしましたように、県内最大の百貨店として富山のまちに溶け込み、多くの市民がなれ親しんだ経緯があり、大切な建物として将来に残したい気持ちは同じであります。
しかしながら、同店の規模が相当大きく、建築後70年の経過で老朽化が進んでおり、1つには、所有者の理解が得られるかどうか。2つには、耐震改修が行われると現在の外観が残るかどうか。3つには、耐震改修では、鉄筋コンクリート造のため、新しく建てかえるくらいの莫大な費用の負担を強いられるなどの厳しい課題があります。
これらのことを踏まえて、建物の所有者がどうされるかを決められるわけですが、議員の御質問にもありましたように、大和が参加されている西町南地区再開発協議会から施設計画構想が提案されてまいりました。このことを素直に受けとめれば、所有者の御意向は、大変残念ではありますけれども保存して残すということをお考えではないと受けとめざるを得ないと、このように思っております。その意味では、心残りではございますが、保存して残すことは断念しなければならないものと、このように考えております。
次に、新潟県中越地震被災者への支援について、2点お尋ねをいただきました。
国や県に公的支援を求めてはどうかという点、さらには、被災者を市内の公共の宿や温泉などに招待してはどうかとのお尋ねでございます。
10月23日夕方から新潟県中越地方を襲いました未曾有の大地震により、多くの方々が被災され、今なお、3,500人余りの人が自宅に帰れず、不安な避難所生活を強いられている状況でございます。この地域は日本でも有数の豪雪地帯で、被災者の住宅問題が当面対応すべき最優先課題となっております。しかしながら、今回の震災の被害規模や実態は、自治体の自助努力の範囲をはるかに超えており、被災者の方々が冬期間安心して住めるよう、住居の復旧費用に対し、国の迅速かつ強力な支援が不可欠となっております。
このようなことから、私は北信越市長会長の立場として、去る11月19日に、全国市長会に対して「新潟県中越地震による被害に対する国への緊急要望書」を提出し、このことを受け、全国市長会では、11月30日に、被害者生活再建支援法の柔軟な運用や国の財政支援に係る特別法の制定など、復興支援に万全な措置を講ずるよう国に強く要望されたところであります。
また、本市といたしましては、被災地の一日も早い復興を支援するため、緊急消防援助隊の派遣、給水車による応援給水、被災建築物応急危険度判定士の派遣、避難所運営の職員派遣、保健師の派遣、救援物資、特に要請がありました下着の支援、ごみ収集支援、見舞金・義援金の支援などを行ってきたところであります。
御提案の被災者の公共の宿や温泉などへの招待につきましては、考えていないところでありますが、一時または中長期の滞在者のため、市営住宅や職員会館「スクエア中野」などの一時使用の申し入れをしてきているところでございます。
以上であります。
76 ◯副議長(長尾 憲二君)
渡辺企画管理部長。
〔企画管理部長 渡辺 邦保君 登壇〕
77 ◯企画管理部長(渡辺 邦保君)
7市町村合併と新市建設計画及び今後の大型事業等についてのうち、まず1つめが、富山市区域の投資的経費は1,879億円で抑えるのか。2つめが、婦中町の334億円は保証・担保されるのか。3つめが、八尾町のコミュニティセンターは主要事業に入っているのか。入っていないならば、どのように調整するのかにお答えをいたします。
新市建設計画は、市町村合併に際して、新市におけるまちづくりのマスタープランとしての役割を果たすものであり、新市の主要施策として、基本方針に沿って施策の方向性を体系化し、新市の建設の根幹となるべき事業を主要事業として位置づけております。
この新市建設計画策定の参考資料とするため、合併協議会では昨年9月に、構成各市町村の総合計画に位置づけている事業や、これから予想される事業等についての調査を実施し、本市では、普通会計で約1,879億円を含め、合併後10年間で事業費総額約3,204億円と報告したものであり、お尋ねの婦中町を含め各町村におかれましてもそれぞれ報告されたところであります。
新市建設計画の主要事業につきましては、個々の事業について、構成市町村である程度大まかに積算したものを持ち寄って、主要事業の項目と総額を表示しているものであります。
このように、主要事業として積算されている金額は、各市町村のおおむね10年間の予定について、新市建設計画に掲げる将来像「環境と創造のゆめ舞台」の実現に向けて、こういうものは必要であり重要な事業であろうという観点から記載されているものであります。このことから、それぞれの事業の決定は、合併後、この新市建設計画を下地として、新市における総合計画の策定の中で具体的な手続で事業計画を決定していくことになるものと認識しております。
また、八尾町の地区コミュニティセンターにつきましては、平成16年度の建設を予定されていたことから、合併協議会への報告には含まれておりませんが、本年6月に開催した構成7市町村長会議において、当時の町長より、新市に移行した平成17年度以降の着工を目指したいとの説明を受け、第15回の合併協議会で報告しているものであります。
いずれにいたしましても、新市においては、新市建設計画との整合性を図りながら、合併後、新市の新たな策定方針に基づき策定される新市の総合計画に基づいてこれらの事業が推進されていくものと考えております。
また、実際の事業の執行につきましては、新市における予算編成等の中で位置づけられていくものでありますので、御理解をいただきたいというふうに思います。
78 ◯副議長(長尾 憲二君)
永森商工労働部長。
〔商工労働部長 永森 勲君 登壇〕
79 ◯商工労働部長(永森 勲君)
呉羽南部企業団地開発につきまして5点の御質問のうち、最初に、これまでの工業団地造成と違って、なぜ公社が主体になるのかについてお答えいたします。
市はこれまで、工業団地造成事業特別会計により5つの企業団地を造成し、企業立地の促進に努めてきたところであります。
呉羽南部地区の開発につきましては、5点ございますが、1つには、土地開発公社の定款において工業団地造成事業を実施することができると規定されていること。2つには、他の中核市や市町村合併を予定している八尾町、婦中町においても公社による造成事業を行っていること。3つには、現在、特区に限って認められている公社保有地の賃貸の実施について、国では全国的に認める方針で検討されていること。4つには、民間的手法を取り入れることにより、効率的な事業の実施ができること。5つには、用地面積や区画の形状などの多様な企業ニーズに機動的、弾力的に対応することができることなどから、土地開発公社で事業を実施することとしたところであります。
造成事業の総事業費と費用調達について、また、新市建設計画での概算事業費と公社で整備することの関係についてお答えいたします。
呉羽南部地区開発につきましては、これまで事業化を前提として基本計画、基本設計、環境保全調査、地形測量などを実施してきたところであります。これらの調査・設計により、用地取得費、造成費などの総事業費は、当初の概算で約58億円程度と見込んでおりますが、今後、実施設計を行うことにより、事業費が増減するものと考えております。
費用調達につきましては、土地開発公社の造成事業として実施することから、公社の借入金により対応し、立地企業からの分譲代金を償還財源に充当してまいりたいと考えております。
なお、新市建設計画は、各構成市町村の総合計画やこれから予想される事業などについての調査を通して報告されたものであることから、今後、新市の新たな総合計画の策定の中で、事業費や実施主体などの変更や見直しがあるものと考えております。
次に、企業立地の見通しについてお答えいたします。
呉羽南部地区につきましては、インターチェンジの隣接地であることから、高速道路を活用した先端技術産業の集積及び広域物流の拠点とするため、流通・工業団地の形成を目指し、整備を行うものであります。
企業立地の見通しについてでありますが、この地区は、企業の立地場所として大変利便性の高い場所であり、これまで行っている全国4,500社へのアンケート調査や企業訪問などにおいて新たな設備投資の候補地として位置づけている企業もあることから、見通しはあるものと考えており、今後とも誘致に努めてまいりたいと考えております。
最後に、富山西インターチェンジ整備にかかった費用の返済方法の変更を含め、広大な企業団地をつくるというやり方の見直しについての御質問にお答えいたします。
本市が魅力的な中核都市として発展していくためには、産業基盤の整備、雇用拡大の促進、流通関連産業や先端技術産業の集積などを図ることが最も重要なことと考えております。このため、市ではこれまで、市内の既存企業の活性化、高度化を支援するとともに、市内企業の生産拡大のための移転促進や市外からの高付加価値型企業の誘致を図るため、環境の整った企業団地の整備に努めてきたところであります。
呉羽南部地区の企業団地開発につきましても、富山西インターチェンジの整備費に充当する目的もありますが、市内外の企業に条件の整った生産・流通の場を提供するため、整備を図ろうとするものであります。
以上でございます。
80 ◯副議長(長尾 憲二君)
島倉都市整備部長。
〔都市整備部長 島倉 憲夫君 登壇〕
81 ◯都市整備部長(島倉 憲夫君)
高層マンション建設と住環境・景観・まちづくり政策についてのうち、中心市街地での建築物等についても、一定の高さを超えないような指導が必要と思うがどうかにお答えをいたします。
建築物等の高さの制限につきましては、中心商業地では都市の活性化やにぎわいの観点から、土地の一定の高度利用による機能集積が重要であり、一律に制限すべきではないと考えております。このため、今後、景観まちづくり条例に位置づけました協定区域制度や推進区域制度を運用していく中で、まち並み形成と眺望の確保のあり方などについての合意形成が必要と考えており、市民や事業者の皆さんの意見も伺って研究してまいりたいと考えております。
次に、景観法の活用の考え方、特に景観まちづくり条例の改正はあるかにお答えをいたします。
景観法は、本年6月18日に成立し、一部が12月17日に施行される予定であり、中核市は景観行政団体とされていることから、景観計画を定めることができ、国の支援制度などの活用が期待されるものであります。
一方、本市は、平成16年3月に富山市景観まちづくり条例を制定し、本年7月の一部施行に続いて、平成17年4月に全面施行する予定で、条例で規定する制度の運用に最大限努めてまいりたいと考えております。
本条例は、景観法と基本的な考えは同じであり、市民や事業者の皆様にかかわる各種制度を設けていることから、運用に当たっては、これらの制度を理解していただけるよう積極的に啓発に取り組んでまいりたいと考えております。したがいまして、現時点では、景観法に基づく条例の改正を考えていないところであります。
次に、富山市景観まちづくり条例に基づく基本方針と、景観法に基づく景観計画との関連をどのように考えるのかにお答えをいたします。
富山市景観まちづくり条例では、本市の景観まちづくり基本方針を定めることにしており、現在、策定に取り組んでいるところであります。
一方、景観法でも、景観計画の中で「景観計画区域内における良好な景観の形成に関する方針」を定める規定が設けられております。
富山市景観まちづくり条例に基づく「景観まちづくり基本方針」は、市民、事業者、市が共通の考えを持って、景観まちづくりを進めるための基本的な事柄をあらわすものであり、将来、本市が景観法に基づく景観計画において「景観の形成に関する方針」を策定したとしても、「景観まちづくり基本方針」の趣旨は変わらないものであります。
次に、景観法で委任されている条項について、条例の制定が欠かせないと思うが考えを問うにお答えをいたします。
富山市景観まちづくり条例については、本年7月から一部施行しており、平成17年4月からは大規模な建築物の届け出の運用を加えて全面施行する予定としております。
一方、景観法で規定している形態・意匠などの変更命令を運用するためには、当該法に基づいた条例に委任することになっております。しかし、本市では、景観まちづくり条例の規定により、事業者の皆さんへは自主的にルールに従っていただくよう理解を求めていく考えであり、景観法に基づく条例の制定は現時点では考えていないところであります。
次に、一定の地域あるいは市街地全域に高度地区の指定をかけることの考えを問うにお答えをいたします。
都市計画法では、高度地区は、用途地域内において建築物の高さの最高限度または最低限度を定める地区であるとしております。本市における建築物の高さの制限につきましては、住宅地の良好な居住環境の確保の観点から、第一種低層住居専用地域においてのみ最高で10メートルの制限を定めているところでありますが、建築物の高さの制限をその他の用途地域に広めて定めることは権利に制限を課すものであることから、住民の合意形成が図られることが重要と考えております。このため、住民みずから議論していただき、まちづくりの意識を醸成するとともに、建築物の高さの制限などについても考えていただくことが重要と考えております。
次に、ワンコイン電車・市電延伸等、公共交通の拡充について、3点の御質問にお答えをいたします。
最初に、富山地方鉄道でのワンコインコミュニティ電車の可能性などについて問うにお答えをいたします。
国土交通省北陸信越運輸局では、富山地方鉄道の鉄道線及び軌道線のサービスを改善し、魅力を向上させることにより利便性の向上を図るため、「富山市内軌道線をはじめとする富山地方鉄道の活性化方策検討会」を設置され、去る11月25日に第1回の会合が開催されたところであります。
この検討会では、1つにコミュニティ電車の運行、2つに駅施設の利活用、3つに市内軌道の整備、4つにパーク・アンド・ライドの促進の4点に絞り、今後検討していくこととされたところであります。
まずは、沿線住民が気軽に利用していただくためのコミュニティ電車の運行の提案がなされ、その内容は、地鉄上滝線の一定の区間を往復する電車を1時間に1ないし2本増発し、この増発電車に限り運賃を1乗車100円にするというものでありますが、検討会では、料金や運行区間が異なる通常の電車とのすみ分けや実験費用の負担などが課題に挙げられ、今後、ワーキンググループで詳細な検討をすることとされたところであります。
また、駅施設の活用が乗客増にもつながると考え、駅施設を市民の交流スペースとして貸し出す仕組みについても議論され、課題は多いものの、実施に向けて前向きに考えていくこととされたところであります。
次に、路面電車が上滝線へ乗り入れて南部地区に延伸することやLRT化などにつきましては、今後、検討会として引き続き議論し、2カ年をかけて検討結果をまとめていくこととされております。
次に、市電や富山港線路面電車のワンコイン化や、乗りかえ券発行などの方法も本格的に検討できないかにお答えをいたします。
乗りかえ券などを含めた料金の低減策は、長崎市のほか広島電鉄や岡山電気軌道でも、市内の一部の区間で取り入れられており、一定の効果を上げているところであります。このように、全国的に100円のワンコインがコミュニティバスなど公共交通の魅力増につながっていることから、本市の交通マスタープラン策定協議会でも、乗りかえ抵抗の低減や、料金も含めたサービスの向上などが公共交通の利用促進に重要な要素であるとしております。
本市の市電にワンコインや乗りかえ券を導入することにつきましては、事業者が決断して実施されることと考えておりますが、経営状況や利用状況などが他都市と異なることから、需要や事業採算などについて調査が必要であり、交通事業者とともに研究してまいりたいと考えております。
次に、片側からしか利用できない駅については早期に改善されるよう、市としても支援してほしいと思うがどうかにお答えをいたします。
片側からしか利用できない鉄道駅の改善につきましては、富山駅以外のほとんどの駅が対象となり、新たな踏切の設置、ホームの改善、アクセス道路の整備などが必要なことから、早期に改善することは困難であります。
以上でございます。
82 ◯副議長(長尾 憲二君)
森福祉保健部長。
〔福祉保健部長 森 彰君 登壇〕
83 ◯福祉保健部長(森 彰君)
子どもをめぐる政策についてのうち、最初に、地域児童及び
放課後児童健全育成事業について、2点の質問です。
最初は、両事業の大規模化に対する見解、それからもう1点は、小学校区単位に、学童保育とおっしゃいましたけれども、
放課後児童健全育成事業を複数設置すればどうかという御質問です。
近年の共働き家庭の増加、核家族化や少子化、都市化の進展は、家庭や地域の連帯感を希薄化させ、家庭や地域の相互扶助機能を低下させてきているものであります。中でも子どもたちの世界では、世代間の交流が不足してきたことから、地域における集団での遊びが減少するとともに、子どもたちの遊び場や居場所も少なくなってきているものであります。このことが、
地域児童健全育成事業の存在意義を浮き彫りにし、一部の校区において大規模化につながっているものと認識しております。
その対策については、多くの課題が残されていることから、関係機関と協議してまいりたいと考えております。また、
放課後児童健全育成事業につきましては、まだ大規模化に至っていないものと考えております。
放課後児童健全育成事業においては、施設の面積と児童1人当たりの基準面積によって定員を定めるとともに、適正な指導員の配置によって児童の安全を確保することとしております。また、児童の登録状況におきましても、定員に達している施設は1カ所もないことから、現在のところ、問題はないものと考えております。
続きまして、
放課後児童健全育成事業の運営主体を多様化して増設していったらどうかという御質問です。
放課後児童健全育成事業については、留守家庭児童対策を図るため、平成15年度より、これまでの
地域児童健全育成事業とは別に新たに事業を開始したものであり、子育て支援体制の一層の充実を図ったところであります。
事業の実施箇所数については、昨年度は4カ所で開始し、今年度新たに1カ所を増設したところであり、来年度も数カ所開設を予定するなど拡充に努めてきているところであります。
放課後児童健全育成事業の運営主体については、児童を安全に管理でき、確実な事業運営が期待でき、責任体制の整った社会福祉法人、NPO、学校法人等の協力を得ながら、着実にこの事業を推進してまいりたいと考えております。
続きまして、医療・福祉・教育現場におけるセラピー犬及びリハビリ犬の活用についての御質問のうち、2点ございます。このような活動の富山市の評価について、それから、医療・福祉・教育の現場に積極的に取り入れるべきではないかという御質問です。
アニマルセラピーは、動物と接することで人の心がいやされ、ストレスや孤独感が和らぎ、心身の障害を緩和するとの考えから、療養中の高齢者の方などの心理療法の一つとして注目されております。
市民がセラピー犬やリハビリ犬活動に取り組むことに対する評価としては、人と動物とのふれあう機会が多くなり、人と動物が共生する社会の中で、動物への親しみと命の大切さを知ることができる観点からは好ましいことと考えております。
医療・福祉・教育の現場にセラピー犬やリハビリ犬を取り入れることについては、3点ございます。1点目、アニマルセラピーによる人への有効性や効果については、医学的にも科学的にもいまだ検証されていないということ。2点目、動物の習性や感染症に対する知識を踏まえて対処する必要があること。3点目、犬の健康管理や施設の衛生管理についても十分注意する必要があるという点などから、今後、さらに有効性の検証を見守っていく必要があると考えております。
以上です。
84 ◯副議長(長尾 憲二君)
大上戸市民生活部長。
〔市民生活部長 大上戸 良一君 登壇〕
85 ◯市民生活部長(大上戸 良一君)
医療・福祉・教育現場におけるセラピー犬及びリハビリ犬の活用についての御質問のうち、セラピー犬やリハビリ犬のボランティア活動に対し、さまざまな面から積極的に支援したらどうかにお答えをいたします。
行政がボランティア活動の支援を行うことにつきましては、ボランティア活動は自発性、無償性などの特性を持つことから、その主体性を尊重しながら、間接的、側面的な条件整備を図り、市民のボランティア活動が促進される環境づくりに努めることが重要であります。このことから、本市では、情報の収集・提供、活動の広報・啓発などの支援を行うこととしております。
セラピー犬やリハビリ犬のボランティア活動に対する支援についてでありますが、本年3月に発行した「とやまボランティアだより」において、セラピー犬の活動内容などを紹介したところであります。
今後とも、このような特色のある活動につきましては、機会をとらえ、ボランティア情報紙やボランティア専用ホームページを通して、市民の方々に情報を提供するなど、支援をしてまいりたいと考えております。
以上であります。
86 ◯副議長(長尾 憲二君)
19番 赤星 ゆかりさん。
87 ◯19番(赤星 ゆかり君)
合併にかかわる新市建設計画と、学童保育、
放課後児童健全育成事業に関することについて、再質問させていただきます。
最初の新市建設計画の質問で、部長の答弁は大変わかりにくかったのですけれども、富山市の新規事業が膨らんでもこの金額で抑えるのかと、私は大変わかりやすく聞いたつもりだったのですが、部長の答弁はどういう意味なのか、ちょっと理解ができませんでした。それで、もっとわかりやすくお答えいただきたいのと、2番目もそうですが、これを飛ばしまして、3番目の八尾町のコミュニティセンターが主要事業に入っているのかどうかとお聞きしたのですが、それも明確なお答えがなかったように思います。その点をお願いいたします。
それから、学童保育、
放課後児童健全育成事業ですけれども、これは事業化されたことについては大変喜んでおりますし、もっともっと増やす、その方針も大歓迎しております。ただ、増えていく間まで、当面の間、放課後児童対策を兼ねている
地域児童健全育成事業においても、いっぱいになり過ぎて2年生までしか預かれないよという状態が起こっている。ということは、3年生以上の留守家庭児童のお子さんがどうしているかということが全くフォローされない状況があちこちで起きています。
それは、きょうの議会でも教育長などの答弁にもありましたけれども、子どもたちがいろいろな状況に置かれております。それから、本来、
地域児童健全育成事業は小学校に通っているすべての児童を対象としているのに、そういう状況が起こっている。お母さんたちはきちんと6時、7時、春休み、夏休み、冬休みと見てくれる学童保育を求めていらっしゃる。ですから、学童保育は民間事業者の協力を得ることはもちろんですけれども、必要なところにどんどん市が音頭をとって
地域児童健全育成事業をつくったように、運営協議会なども立ち上げていく必要があるのではないかというふうにお聞きしましたが、その点についてのお答えがなかったのではないかと思いますので、よろしくお願いします。
88 ◯副議長(長尾 憲二君)
渡辺企画管理部長。
89 ◯企画管理部長(渡辺 邦保君)
まず、合併関連での富山市区域の部分でございますけれども、先ほども丁寧に御説明したつもりでございます。
本市の主要事業費でございますが、一つ一つの事業の内容を精査して計上したものではなく、先ほど申しましたが、昨年9月の段階で総合計画に位置づけている事業等を中心に大まかに積算したものでございます。この建設計画に掲げる事業が、コンクリートのように10年間固定されているというふうには理解をいたしておりません。それぞれの事業が、今後、新市で策定される総合計画に基づいて、市民のニーズですとか、あるいは財政状況などを勘案しながら形づくられていく、そのように理解をいたしております。
それから、2点目の八尾町のコミュニティセンターの関係でございますが、これは建設計画には入っておりません。
90 ◯副議長(長尾 憲二君)
森福祉保健部長。
91 ◯福祉保健部長(森 彰君)
放課後児童健全育成事業について、いろいろ述べられましたけれども、再質問の趣旨は、運営主体がどうかという質問というふうに受けとめてお答えいたします。
先ほどお答えいたしましたように、この運営主体については、放課後児童健全育成という性格上、児童を安全に管理できること、それから、確実な事業運営が期待できて責任体制の整っている社会福祉法人やNPO、学校法人など、法人格を持ったところにお願いしていきたいという趣旨でございます。
92 ◯副議長(長尾 憲二君)
19番 赤星 ゆかりさん。
93 ◯19番(赤星 ゆかり君)
新市建設計画ですけれども、ただいまの部長の答弁の、コンクリートのように10年間固定されたものではないということからしますと、富山市の分が膨らんだり、あるいは婦中町の334億円というのが保証されなかったり、そういう事態も起こり得るという理解でよろしいのでしょうか。
それと、八尾町については、入っていない場合はどう調整するのかということを最初にお聞きしたのですけれども、入っていないというお答えはいただきましたが、どう調整されるのでしょうか。その点についてのお答えをお願いします。
94 ◯副議長(長尾 憲二君)
渡辺企画管理部長。
95 ◯企画管理部長(渡辺 邦保君)
先ほど申しましたように、昨年の段階での積み上げでございまして、新富山市の将来がどうあるべきかという基本構想と申しますか、新市建設計画における都市将来像というものを踏まえて、それぞれで持ち寄ったものでございますので、今ほど申し上げましたように、きちんとその額が、10年先のことは私どももなかなか保証するといいますか、できない状況でございますけれども、皆さんで新しいまちがどのようになっていくかということを踏まえて積み上げたのがこの建設計画の額であるというふうに理解をいたしております。
それから、八尾町の部分は入ってございませんが、これにつきましても、今後の新市の総合計画の中で議論をされて、きちんと予算の中で位置づけされていくだろうと、そのようには思いますが、現時点でそれをどうしていくかという部分については、今後、新市になってから、新市の市長がきちんと整備をされていくものだと、そのように理解をいたしております。
96 ◯副議長(長尾 憲二君)
17番 神名 進君。
〔17番 神名 進君 登壇〕
97 ◯17番(神名 進君)
平成16年12月定例会に当たり、自民党議員会の一般質問を行います。今までの一般質問の中に重複する点もあるかと思いますが、よろしくお願いしたいと思います。
北陸3県の景気について、先日、日銀金沢支店は「引き続き着実に回復しているが、そのテンポは幾分緩やかになっている」と判断し、生産面を見ると「これまで増勢基調だった主力の電気機械が横ばいとなり、生産全体として増勢テンポは鈍化した」と指摘。輸出も増加の伸びが鈍くなってきた。雇用面は改善傾向が続き、個人消費も持ち直しの動きが続いていると発表しました。
質問に入ります。
三位一体改革について。
平成12年4月1日に地方分権一括法が施行され、地方分権は新たに実行段階を迎えています。平成16年度末で719兆円、うち地方の分は204兆円、1年間で約25兆円ほど長期債務残高が増えています。国民1人当たり約600万円の金額になっていると見込まれています。
国・地方を通じた財政状況は極めて厳しい状況となっています。将来の世代の負担を考えると、財政構造改革の実行は大変重要な課題となっています。これまで地方自治体の行財政を支えてきた地方交付税は、現在の厳しい財政状況の下で国が進めている三位一体の改革―1.国庫補助負担金の改革、2.税源移譲、3.地方交付税の見直しを一体として進めている改革であります―により、平成16年度初年度では6,500億円の税源を移譲するかわりに、1兆円の補助金と実質2兆9,000億円の地方交付税が削られたのです。富山県でも、平成16年度は255億円、平成17年度もさらに増額されるのではないかと聞いています。
先日、政府・与党は協議会を開き、平成17年度、18年度で総額2兆8,380億円の補助金削減を柱とする全体像を決定しました。このうち、地方への税源移譲額は1兆7,600億円で、平成16年度分と合わせ2兆4,160億円、いずれも3兆円の目標には届かなかったのです。また、補助金削減で約4,700億円は事業廃止、約6,000億円は交付金となり、計1兆円余りが税源移譲されなかったのです。この政府・与党三位一体改革に対し、市長はどのように受けとめておられるのか。また、今後、県や他市町村とともに国に対し地方の声をどのように伝えていかれるのか、お聞かせください。
次に、北陸新幹線について。
北陸新幹線は21世紀における高速交通体系の柱として、日本海国土軸の形成や国土の均衡ある発展に不可欠な国家プロジェクトであり、国にとっても北信越地域の飛躍的な発展に大きな効果をもたらすものであります。
北陸新幹線の整備については、長野・富山間が平成13年度からおおむね12年後の完成を目指し、富山県では朝日トンネルが完成し、第一魚津トンネルが着工され建設中です。また、黒部市内、魚津市内も工事が進行しています。今年度より滑川市から富山市の用地取得も始まり、富山市内でも高架橋工事が建設されています。
北陸新幹線の延伸をめぐる政府・与党協議が大詰めを迎えています。富山から金沢(松任車両基地)間は新規着工に対し他の九州新幹線、北海道新幹線と比較した場合、収支採算性、経済波及効果、財源問題、また、並行在来線の取り扱い等について、現在の見込みをどのように推し進められていくのか、当局の考えをお聞かせください。
また、在来線を高架化する富山駅周辺連続立体交差事業も進行させなければなりません。
先日の富山駅周辺整備協議会で、富山駅周辺の交通施設等について検討されていると聞きましたが、どのように実施させようと方針を立てているのか、当局の考えをお聞かせください。
次に、産業の活性化について。
富山市においても、新しい時代にふさわしい産業の活性化が最も重要ではないかと思います。豊かで活力ある地域社会を実現していくため、ベンチャー・研究開発型企業の育成・支援や産業支援基盤の整備・技術開発の強化と時代に即応した人材育成・企業団地の整備を促進し企業誘致を推進しなければなりません。富山県でも、中小企業経営者との対話においても産業活性化を県政最大の課題と位置づけると発表しました。企業の誘致を促進するため、企業立地助成制度をつくり、企業誘致に成果を上げています。
富山市における産業の活性化について、今までどのように展開されていたか。また、今後、どのように推し進めるのかお伺いいたします。
また、富山市での企業団地における助成制度や多様な供給方式の導入などの事業についてお聞かせください。
金屋企業団地や上条工業団地、ハイテク・ミニ企業団地について、今年度の状況はどのように進んでいるのかお聞かせください。
また、呉羽南部地区開発については、先日も報道されていますが、今後の計画、見通しについて当局の考えをお伺いいたします。
岩瀬地区の活性化支援について。
大正13年に富岩鉄道、現の富山港線岩瀬浜から富山口までが開通し、昭和3年に富山駅まで延伸し、国鉄と連絡しました。昭和18年には国鉄に移管され、現在の富山港線と名称が変わりました。かつては貨物輸送も行われておりましたが、現在では通勤・通学等の地域の重要な交通手段となっています。この富山港線が新しい路面電車に生まれ変わり、平成18年の春に開業を迎えることは、まことに待ち遠しいことであります。
一方、富山港線の沿線地区で、とりわけ岩瀬地区では自治会が中心となって歴史的なまち並みを生かしたまちづくりに取り組んでおり、一部では古い民家等を再生したにぎわい施設の整備に始まり、行政としても道路の修景工事に取り組んでいるところであります。また、路面電車の開業まで1年半足らずになった今、地元では、公共交通を生かしたまちの活性化について真剣に議論されているところであります。まちの魅力を高めることが路面電車の乗降客を増やすことにつながり、また、逆に路面電車の利用者が岩瀬を訪れ、まちを観光して回るということになります。
これまでの観光客を迎えてきた経験から、地元では、カナル会館の飲食機能の充実、古いまち並み地区への誘導案内、主要施設のインフォメーション、男女別公衆便所の整備、民家の修景、空き家から店舗への改修などの必要性が高まっておりますが、これら岩瀬地区の活性化についてどのように支援していくのかお伺いいたします。
次に、自主防災組織について。
ことしは過去最多の台風上陸や集中豪雨、そして新潟県中越地震と、大きな災害が相次ぎ、被害者の皆様方には心よりお見舞いを申し上げます。
県内でも防災意識が高まっています。この機会を逃さず、地域の防災力を高めることが重要です。「自分たちのまちは自分たちで守る」という考えに基づく地域住民による自主防災組織の整備です。町内各単位として防災会の組織化を進めるのが理想的と思います。平時は防災訓練や啓発活動を行い、災害時は情報の伝達、住民の避難誘導、負傷者救出など。全国平均は61.3%、県内では36.3%、富山市は43町内で25組織で、この実情は早急に改善しなければいけないと思いますが、当局の考えをお伺いいたします。
自主防災組織は、阪神大震災が契機となって高まりました。新潟県中越地震は活断層による直下型地震。日本中いつどこで起きるかわからないという現実を突きつけました。富山は比較的災害が少ない県という認識は改めなければなりません。現に呉羽山断層もあり、富山市においても自主防災組織をつくるよう、また、現在の組織にも重要視していくよう行政が指導していくべきだと思いますが、当局の考えをお聞かせください。
次に、乳幼児健康支援一時預かり事業について。
保育所に通園している乳幼児が風邪などの日常的な病気にかかると、母親は仕事を休んで子どもの看病をせざるを得ないのが実情であります。
国は、就労と子育ての両面支援の一つとして、乳幼児健康支援一時預かり事業を平成7年度にスタートさせました。この制度は、定員4人以上に保育士と看護師2人が配置されるという手厚い処遇環境にあり、嘱託医の管理のもと、病児の保育を行うものであります。厚生労働省は平成12年度からその受け皿を保育所まで拡大を図り、利用しやすい制度に改善しております。
本市では、乳幼児健康支援一時預かり事業として、病気回復期のため集団保育が困難で、保護者の勤務などの理由により家庭での保育が困難なお子さんを一時的に預かる事業としております。施設は、県立乳児院の「病後時保育室」では月曜から金曜までの午前8時から午後5時30分まで、また、私立のわかくさ保育園「もみじの家」では、月曜から金曜までの午前8時30分から午後6時まで、土曜は午前8時30分から午後0時30分までとなっております。
働く母親への支援は、少子化対策からも大変重要であります。これらの施設の利用状況や利便性の向上のために実施箇所を増やす考えはどうか。また、民営化された保育所において取り組む予定があるかお伺いいたします。
次に、シルバー人材センターについてお伺いいたします。
シルバー人材センターの事業理念は、「自主、自立、共働、共助」という言葉で端的に言いあらわされています。急速な人口高齢化の中で発想された新しい就業システムであります。この事業は3つの理念のもと運営されています。
1.地域の高齢者が、自主的にその生活している地域を単位に連帯して、ともに働き、ともに助け合っていくこと。2.高齢者の就業を促進することにより、高齢者自身の活動的な能力を生み出すとともに、その家族や地域社会に活力を生み出し、ひいては地域社会活性化につなげていく。3.働く意欲と能力を持った高齢者であればだれにでも参加の道を開き、自主的な組織参加と労働能力を発揮することにより、豊かで積極的な高齢期の生活と社会参加による生きがいの充実を図るとされています。
社団法人においては、高齢者である会員はまさに組織の一員として位置づけられており、センターの運営は基本的に会員の総意によって決定され、実質的にはセンターの運営に当たる役員も原則的には会員から選出されるようになっています。これによって会員は高い参加意識を持つことができるなど、会員の自主的で自立的な役割を期待することができます。
ところで、本市のセンターの状況といえば、平成14年度実績会員数912名、中核市で下から2番目。就業延べ人員は6万2,935名、下から4番目。受注件数は2,913件、下から3番目。高岡市の7,964件、黒部市4,235件、砺波市3,069件よりも低く、契約金額も3億28万5,000円と、奈良市、和歌山市、秋田市に次いで4番目となっています。また、高岡市の4億7,136万6,000円から見れば、ほど遠い数字であります。このような実績をどのように評価されておられるのか、お伺いいたします。
また、本市はこの財団へ平成15年度決算で約4,259万円を補助金として組み入れていますが、それに見合った活動と受けとめているのかお伺いいたします。
会員がその豊富な人生経験、社会経験を生かし、会員の自主的、創意的な活動が十分生かされるようなセンターでなければなりません。高齢者の就業機会の拡大を図り、あわせて活力ある地域社会づくりに寄与していただくためにも、シルバー人材センターの役割は大きいものと理解していますが、今後の取り組みをお伺いいたします。
以上で私の質問を終わります。
98 ◯副議長(長尾 憲二君)
森市長の答弁を求めます。
〔市長 森 雅志君 登壇〕
99 ◯市長(森 雅志君)
神名議員の質問にお答えします。
私の方から三位一体改革についてお答えをし、その他につきましては担当部長から答弁いたしますので、よろしくお願いします。
まず、三位一体改革に対してどのように受けとめているのか。また、国に対して地方の声をどのように伝えていくのかとのお尋ねでございます。
さきに松本議員にもお答えしましたように、三位一体の改革につきましては、去る11月26日に政府・与党において全体像についての合意がなされたところでございます。地方が改革案を取りまとめたり、国と地方がテーブルを挟んで議論するということは、これまでの地方自治の中ではなかったことであり、その取り組みは画期的なことだと思っております。
また、これまでの陳情による補助金要請スタイルでありましたものから脱却をし、国と地方が「上下・主従」の関係から「対等・協力」という、地方分権の推進に向けての新たな一歩を踏み出したものと高く評価しております。
この政府・与党の合意についてはさまざまな評価があるわけですが、何度も申し上げてきましたが、まず、所得税から個人住民税への税源移譲を明確化したことの意義は非常に大きいと思っております。また、地方交付税の縮減が俎上に上がっておりましたが、地方交付税の総額確保が盛り込まれたことも評価できる面だと思っております。しかしながら、個別に見ていきますと、国庫補助負担金改革の具体的内容やその財源措置など未確定な部分も多く、全体としては問題を先送りした感があり、満足できるものとは言えません。
さらに、議員御指摘のとおり、約2兆8,000億円の国庫補助負担金改革では4,700億円が事業廃止などによるスリム化の改革であり、6,000億円の交付金化については地方の裁量の余地が拡大するとはいえ、引き続き国の関与や規制が残るものであります。このため、税源移譲につながるものは残りの約1兆7,000億円でしかなく、税源移譲額は平成16年度分を含めた2兆4,000億円程度であり、おおむね3兆円規模を目指すとした目標額に達しておりません。このことは、地方の自由度を高めるために、税源移譲に見合った国庫補助負担金の廃止を求めた地方の改革案に反するものであり、国の財政再建を優先させたものとしか言えません。
一方、地方交付税については、総額確保などが盛り込まれているものの、財務省が大幅削減を視野に入れているとの報道もあり、予断を許さない状況であると考えております。このため、全国市長会を初め、先月、県内の首長や議長などが構成員となって設立されました「富山県地方分権推進会議」などと連携を図りながら、議員各位とともに、あらゆる機会を通して地方分権の推進や地方財源の確保を図るため、さらに強く国に働きかけていきたいと考えております。
また、各省庁におかれては、三位一体の改革の理念を再認識され、国・地方ともに財政の健全化を目指した真の改革を実現されるよう強く望んでおります。
以上でございます。
100 ◯副議長(長尾 憲二君)
島倉都市整備部長。
〔都市整備部長 島倉 憲夫君 登壇〕
101 ◯都市整備部長(島倉 憲夫君)
北陸新幹線等について、3点の御質問にお答えをいたします。
最初に、新規着工区間の収支採算性、経済波及効果、財源問題について現在の見込みはどのようになっているのかにお答えをいたします。
北陸新幹線を初めとした整備新幹線建設基本計画の見直しについては、現在、整備新幹線に係る政府・与党ワーキンググループで議論が進められており、先般、「新しい区間」についての収支採算性及び経済波及効果について、国土交通省から試算結果が示されたところであります。
試算における収支改善効果では、北陸新幹線富山・金沢(松任車両基地)間は年間約80億円となり、北海道新幹線新青森・新函館間の年間約45億円や、九州新幹線長崎ルートの年間約45億円よりも収支改善効果が大きいとされています。さらに、予想される1日当たりの利用者数においても、北海道・九州新幹線の2倍以上である1万6,000人程度(北海道が6,500人、九州が6,100人)が見込まれているなど、北陸新幹線の優位性が改めて示されたところであります。また、経済波及効果においては、北陸新幹線では約6,500億円、費用対効果でも北陸新幹線が2.3と示され、いずれも他の新幹線と同様、新たな区間の着工の基本条件が満たされたところであります。
一方、財源問題については、資金の借り入れや開業後のJRの増収分などについて、現在、政府・与党ワーキンググループにおいて議論されているところであります。
今後の見込みにつきましては、3線の中でも最も優位性が高い北陸新幹線富山・金沢(松任車両基地)間は新規着工区間として、政府・与党の申し合わせで合意され、平成17年度政府予算案に盛り込まれるものと考えていますが、引き続き、北信越市長会や北陸新幹線関係都市連絡協議会を通じて、国など関係機関に強力に働きかけてまいりたいと考えております。
次に、在来並行線の取り扱いについて、現在の見込みを問うにお答えをいたします。
北陸新幹線整備に伴う並行在来線につきましては、新幹線開業時にJR西日本から経営が分離されることとなっております。
そこで、並行在来線に対する県の基本方針といたしましては、1つに、地域住民の通勤・通学の足を確保するために、関係市町村、経済界等の協力を得ながら、県が責任を持って存続を図る。2つに、並行在来線の経営主体については、関係市町村と協議して決定する。3つに、経営分離に係る関係市町村の財政負担は、過大とならないように配慮する。また、列車の運行形態については、沿線住民の意向を踏まえながら、関係市町村と協議し決定する。4つに、並行在来線は、経営分離後も日本海側を縦貫する鉄道輸送の幹線であることを踏まえ、経営主体の健全な経営を確保するため、国に対し必要な施策を積極的に講ずるように関係市町村などとともに強く要望するとされているところであります。
このことから、県では、九州や東北などの先行事例を調査し、検討されており、今後、富山以西の整備方針の明確化の状況を踏まえながら、隣接県や関係市町村と協議していきたいと考えておられます。
本市といたしましては、並行在来線の取り扱いについて県がリーダーシップを発揮され、一日も早く協議が始められることを期待しているところであります。
次に、富山駅周辺整備協議会で富山駅周辺の交通施設等について検討されているが、どのような方針を立てているのかにお答えをいたします。
11月1日に開催されました第5回富山駅周辺整備協議会では、駅前広場などの交通施設配置計画や高架下を含む駅周辺の土地利用のあり方について、関係交通事業者との協議や、富山駅前広場等整備計画(素案)についてのパブリックコメントなどの結果を踏まえて議論され、それらの方向づけがなされたところであります。
具体的な交通施設等の整備計画につきましては、1つに、バスやタクシーが利用する南口、北口交通広場と、一般車が利用する高架下での西口交通広場の配置。2つに、路面電車を鉄道高架下に乗り入れることによる南北鉄軌道軸の強化。3つに、駅周辺の円滑な交通の確保や駅へのアクセスの改善、駅周辺の土地利用の促進を図る都市計画道路牛島蜷川線などの整備。4つに、駅南北間の歩行者ネットワークの軸を形成するとともに、にぎわい空間としての鉄道高架下での幅広の南北自由通路の設置。5つに、高架下を含めた周辺地区の駐車場、駐輪場の設置などであり、今年度中に県が事業主体となる富山駅付近連続立体交差事業と合わせて、駅前広場や都市計画道路、土地区画整理事業についての都市計画決定を行い、早期の事業化を図ってまいりたいと考えております。
今後とも、県都富山市の玄関口にふさわしい、にぎわいのある、拠点性の高いまちづくりの実現に努めてまいりたいと考えております。
次に、産業の活性化等についてのうち、富山港線の路面電車化に合わせて、岩瀬地区の活性化についてどのように支援していくのかにお答えをいたします。
岩瀬地区は、大町新川町通り沿いに国指定重要文化財「森家」を初めとした旧廻船問屋群のある歴史的風情が残る地区であり、国内初の本格的なLRTの実現を起爆剤として、これらの貴重な観光資源を活用した活性化を図ることは、本市の観光振興にとっても大変有意義なことであります。
このため、観光客に多く訪れていただくための魅力向上には、1つに、魅力ある街並みの保全や形成、2つに、ゆったり時間を過ごせる飲食機能の充実、3つに、わかりやすい誘導や休憩施設の整備、4つに、人にやさしい施設整備や「もてなしの心」などが重要と考えております。
これまでは、地元の皆さんによる「まちづくり構想」に基づき、平成14年度から市では街路修景工事を行うとともに、民間では土蔵や板塀の復元など、建築物などの修景も行われているところであります。
このように、まちの活性化について地元で十分議論していただき、地元が主体となってまちの活性化に寄与する活動をされることが重要と考えており、LRTの開業まで1年余りとなった今、さらに官と民が協働して行動に取り組むことが必要であります。このことから、古い街並み地区への誘導案内や民家の修景など、御指摘の活性化事業に対しては、まちづくり交付金制度などを活用して支援することを検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
102 ◯副議長(長尾 憲二君)
永森商工労働部長。
〔商工労働部長 永森 勲君 登壇〕
103 ◯商工労働部長(永森 勲君)
産業の活性化についての4点の御質問のうち、最初に、富山市における産業の活性化について、今までどのように展開し、今後どのように推し進めるのかについてお答えいたします。
新しい時代にふさわしい産業の活性化を図ることは、本市にとって非常に重要なことと考えております。このため、これまで製造業、流通業、コールセンターなどの誘致の推進、制度融資や経営相談など中小企業経営基盤の強化、また、ハイテク・ミニ企業団地やとやまインキュベータ・オフィスなどによる創業者支援、また、新商品の見本市への出展を促進するための「ベンチャー企業等支援事業」の実施などの施策を進めてまいりました。
また、市内の製造業17社の経営者から工業振興などについて御意見をいただくため、先月末に「第1回富山市企業懇話会」を開催したところであります。その中で、小・中学校での職業意識の育成、研究施設の誘致、設備に対する助成制度の充実などについて御意見、御提言をいただいたところであります。
今後の取り組みとしては、引き続き企業誘致の推進に努めるとともに、バイオ・IT・ナノテクなど成長分野の研究開発型ベンチャー育成のための「ハイテク都市基本構想」の推進に努めてまいりたいと考えております。
本市といたしましては、今後とも、これらの産業活性化策を積極的に展開しながら、「活力ある産業振興のまち」の実現に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、企業団地における助成制度や多様な供給方式の導入などの事業について、また、金屋企業団地や上条工業団地、ハイテク・ミニ企業団地について、今年度の状況についてお答えいたします。
企業が進出する際に土地の取得費などが大きな負担となっていることから、初期投資の軽減を図るため、本年4月から従来の一括分譲方式に加え、借地方式など新たな用地供給方式を導入したところであります。また、助成制度では、大規模投資に対する助成限度額について、大幅な引き上げ―これは限度額2億円を30億円にしたものでございます―これを行うとともに、借地方式の賃借料助成制度も創設したところであります。
企業団地の今年度の状況につきましては、6月に上条工業団地が完売となったほか、金屋企業団地ではこれまで7社と契約を締結し、入居率は平成15年度末の41.7%から、11月末現在で58.7%になったところであります。さらに、現在6社と協議を進めているところであります。
また、創業者を支援するためのハイテク・ミニ企業団地につきましては、新たに2社が入居し、現在、28社が独立に向け事業に取り組まれているところであります。
最後に、呉羽南部地区開発についての今後の計画、見通しについての考えについてお答えいたします。
呉羽南部地区開発につきましては、富山市総合計画において富山西インターチェンジ周辺開発事業として位置づけており、本市産業をリードする製造業や先端技術産業の集積及び広域物流の拠点として整備することとしております。
インターチェンジ周辺開発事業の第1期事業である金屋企業団地の入居率は、いまだに50%台にとどまっているものの、地元の強い要望もあることから、第2期事業の呉羽南部地区につきましても、開発に向けて準備を進めていかなければならないものと考えております。
今後の計画につきましては、整備の前段階として、1つには、地権者との用地取得についての協議、2つには、市街化区域編入のための手続、3つには、具体的な整備内容の検討などを進めてまいりたいと考えております。
なお、造成整備につきましては、立地に対する企業ニーズに機動的、弾力的に対応できるよう、土地開発公社において実施することとしており、企業の進出動向を見きわめながら、立地に合わせた段階的な造成やオーダーメード方式などの手法も含め、整備方法を検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
104 ◯副議長(長尾 憲二君)
松本建設部長。
〔建設部長 松本 眞人君 登壇〕
105 ◯建設部長(松本 眞人君)
自主防災組織について、まず、自主防災組織は25組織しかなく、早急に改善しなければならないがどうか。また、自主防災組織の結成や現在の組織を行政が指導していくべきだと思うがどうかにお答えいたします。
災害発生時において、自助、共助、公助による対応が重要でありますが、中でも自助、共助による初期活動は、とうとい命を助ける第一の手段であります。このことから、市民による初動体制の確立を図るためには、「自分たちのまちは自分たちで守る」という趣旨で結成される自主防災組織は極めて重要であると認識しておりますが、現在、結成は25組織であり、組織世帯数9,311世帯の全世帯数12万1,492世帯に占める割合は7.7%と低い状況となっております。
他市では、校区単位の組織とし、組織率の高いところもありますが、本市では、組織が円滑に活動できることが何より重要であることから、住民の顔が見え、実効性のある「町内会」を基本として結成を呼びかけており、今後もこの方針で結成を図ってまいりたいと考えております。
また、ことしは、台風や集中豪雨、新潟県中越地震と、大きな災害が相次いで発生したことや、災害はいつどこで起こるかわからないことから、市民の災害に対する認識に変化があらわれてきております。この機会をとらえて、自主防災組織の結成を促進するため、防災資機材購入費や訓練費への助成を見直すとともに、出前講座や、広報誌、富山市総合防災訓練などの場を通じて結成を呼びかけてまいりたいと考えております。また、自主防災組織の訓練や研修会の折には、さらに災害の認識を深める啓発活動にも努めてまいりたいと考えております。
以上であります。
106 ◯副議長(長尾 憲二君)
森福祉保健部長。
〔福祉保健部長 森 彰君 登壇〕
107 ◯福祉保健部長(森 彰君)
乳幼児健康支援一時預かり事業、いわゆる病後児保育と呼んでいるものですけれども、この実施箇所を増やす考えはないか。それから、民営化された保育所において取り組む予定があるかという御質問でございます。
乳幼児健康支援一時預かり事業については、病気回復期の児童を適切に保育するとともに、他の児童への感染防止を図るため、国の基準を満たした専用の保育室や安静室等を確保できる施設において実施するものとされております。
本市では、平成10年度から県立乳児院において、また、平成13年度からは社会福祉法人わかくさ保育園との2カ所でこの事業を実施しているところであります。
この乳幼児健康支援一時預かり事業の実施箇所数については、現在、策定作業を進めております
次世代育成支援行動計画において、平成21年度までに、現在の富山市地域では3カ所で実施することを目標とする予定にしておりますが、合併により市域が拡大することから、病院や私立保育所の御協力をいただきながら、事業の実施箇所数をさらに増やす必要があろうかと考えております。
また、民営化保育所におけるこの事業の取り組みについては、国の施設基準等を満たし、事業を適切に実施することが可能であると認められれば、支援してまいりたいと考えております。
続きまして、シルバー人材センターについて、3点の質問です。
1点目は、シルバー人材センターの実績の評価、2点目は、市から交付しております補助金に見合った活動と受けとめているかどうか、3点目は、今後の取り組みでございます。
富山市シルバー人材センターの契約金額等の実績については、県内の各市と比較しますと、高岡市の契約金額が4億7,000万円余りと、富山市の3億円余りを上回っております。また、人口の規模を考慮しても、県内各市よりも低いものであります。
中核市の中では、会員数が912人で、少ない方から2番目、契約金額でも4番目に位置づけられます。しかしながら、人口30万人台の県庁所在地である中核市の契約金額の平均は3億1,500万円余りで、富山市とほぼ同等となっております。
シルバー人材センターは、営利を目的とする団体ではなく、高齢者が自己の労働能力を活用し、追加的収入を得るとともに、みずからの生きがいの充実や社会参加を図ることを目的としております。また、今後の高齢社会においては、高齢者みずからが社会の担い手として大きな役割を果たしていくべきものであり、その点でシルバー人材センターは大きな役割を担うものと考えております。
こうしたことから、シルバー人材センターの受託事業に係る経費については、主に受託事業収入をもって賄う性質のものでありますが、人件費を含む管理費などについては、シルバー人材センターの育成の観点から、地方公共団体が助成することは必要なことと考えており、平成15年度は4,259万円余りを補助金として支出したものであります。
多くの高齢者の方々が、それぞれの経験、知識、能力に応じた就業を通じて積極的に社会参加され、生き生きとした生活を送ることができるようにするには、シルバー人材センターの占める位置は大きく、さらに活性化を図っていく必要があると考えております。今後、合併を契機に、新たなシルバー人材センターとして、新規事業の展開や要援護高齢者のための軽度生活援助事業など福祉事業の受託の拡充、会員の確保などに努めてまいりたいと考えております。
以上です。
───◇ ◇ ◇───
108 ◯副議長(長尾 憲二君)
お諮りいたします。議案調査のため、12月9日、1日間休会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
109 ◯副議長(長尾 憲二君)
御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。
───◇ ◇ ◇───
散 会
110 ◯副議長(長尾 憲二君)
以上で、本日の日程は終了いたしました。
12月10日は午前10時に本会議を開き、一般質問及び議案の質疑などを行います。
本日はこれをもって散会いたします。
午後 4時36分 散会
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