↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 議事の経過
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開 議
午前10時 開議
◯議長(島田 祐三君)
ただいまから、本日の会議を開きます。
議事日程は、お手元に配布のとおりであります。
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一般質問並びに議案第106号から
議案第116号まで
2 ◯議長(島田 祐三君)
これより、日程第1 一般質問並びに議案第106号から議案第116号までを一括議題といたします。
これより、一般質問及び議案の質疑を行います。
順次発言を許します。
5番 南 俊正君。
〔5番 南 俊正君 登壇〕
3 ◯5番(南 俊正君)
おはようございます。
平成15年12月定例会に当たり、自民クラブより一般質問を行います。
まず初めに、農業振興策に関する質問をいたします。
現在、日本の食料自給率は40%です。穀物自給率だけですと30%以下であります。国は食料自給率を45%まで引き上げることを目標にしていますが、事は簡単でなかろうと推測いたします。農業は経済効率の悪い産業である。しかし、人は生きていくために、食べていくために、どこかでだれかが食物を生産しなければなりません。現在の豊かさの本質と農業の本質を冷静に見つめ直すと、その異常さに改めて驚かされます。交通手段や通信の発達で確かに世界は狭くなりました。グローバルな発想も容易にできるし、自由貿易や経済効果だけを考えれば、日本で農業をすることにどれだけの意味があるのか疑問であるという声に、自信を失う農業関係者も多いのではないでしょうか。平和で、異常気象もなく、工業国として外貨を稼いでいられるうちはそれでよいのかもしれませんが、農業全体の地盤沈下がとまらないにもかかわらず、社会全体の危機感が薄いのが気にかかる昨今、本来、農水産物はみずみずしいものであるはず。しかし、卸売市場では農水産物は商品でしかない。あるべき価値より効率優先、工業製品と差がない。目先の価格ではなく価値を広げていく発想が、今求められているときだと思います。
こういう社会の中で、これからの農業は販売が大きな比重を占めてくると思います。どう売るかで収入が大きく変わる時代であります。自分で販売することで経営感覚が身についてくるもので、朝市や農業祭などで直販するときに、商いの難しさやおもしろさを経験することが可能であり、景気の動向、株価、為替、流行など生産の現場で必要としない情報も、販売を前提にするとその重要さがわかるものであります。農業はただ生産だけを目指すのではなく、販売するために生産するということを忘れないでいきたいと思います。
そんな中、ことしの富山県の稲作は作況指数が県東部でやや不良の95でありましたが、コシヒカリの一等米の比率は市平均で91.3%、うるち米全体としても90.1%と大変よい結果が報告されています。ことしの夏は日照不足と低温続きで作柄が心配されましたが、9月に入り、天候がやや持ち直したことでこのような結果になったものと推測いたします。作柄はともかく、今年度当初の品質に関しての心配は見事に払拭されたわけで、指導関係者のきめ細かな指導と実践農家の方々の御努力に対し、敬意を表するものであります。
また、ことしは市場での富山産コシヒカリの人気も高く、高値で取り引きされているようでありまして、このことに関しましても、大変うれしく思います。次年度以降も富山県産米が高い市場人気を保てるような指導を期待するわけでありますが、平成16年度については、どのような稲作に対する御支援、御指導を考えておられるのか、御所見をお伺いいたします。
次に、グリーン・ツーリズムに関する質問をいたします。
日本の国土の重要な部分を占める中山間地域は、豊かな自然環境、伝統文化など都市には見られないすぐれた資源と多面的機能を担っているにもかかわらず、過疎化、高齢化が進む中で、地域経済の停滞による活力低下が見られます。
一方、都市住民の間では、自然、ふるさと志向の高まりを背景として、農山漁村の豊かな自然や美しい景観に「ゆとり」「安らぎ」「いやし」等を求める動きが強まっています。このような状況の中、グリーン・
ツーリズム等都市と農山漁村の交流を促進することで、農業・農村の活性化を図る動きが各地で活発になっています。
ことし富山市では、農漁業への理解を深めてもらう意味において、小学生と保護者を対象に農漁業ふれあい体験事業として、田植えから稲刈りまでの稲作体験、地引網漁、魚のさばき方講習等の漁業体験、また、「ふるさと再発見ツアー」と称して、市内の農漁業現場をめぐる見学会などが実施されております。これらの体験事業に参加された方は、ふだんの生活ではできない貴重な体験であったと思いますし、農漁業に対する御理解をより深めていただいたものと、農業に携わる者の一人として感謝申し上げる次第であります。これらの事業を実施展開されての成果、課題等について、市当局はどのような見解を持っておられるのでしょうか。また、これらの事業を今後どのように展開していこうと考えておられるのか、御所見をお伺いいたします。
また、富山市では、ことし7月に「富山市グリーン・
ツーリズム推進検討委員会」が設置されております。委員会の目的としては、富山市のグリーン・ツーリズム推進に関する基本方針について検討し、提案することを目的とするとありますが、委員会が設置されてからきょうまでどのような活動をされたのか。また、今後、どのような活動を行おうとしているのか具体的にお示しいただきたいと思います。
次に、ISO14001に関する質問をいたします。
富山市は、豊かな海の幸に恵まれた富山湾、神通川などの河川、豊かな緑など全国有数の自然環境に恵まれています。この豊かな自然環境を次の世代に引き継ぐため、平成10年に「人と環境にやさしい都市とやま」を望ましい都市の環境像とした「富山市環境基本計画」を策定し、環境の保全及び創造に関する施策を総合的かつ計画的に推進しておられます。また、市も一事業者、消費者であるとする立場から、「富山市
環境保全率先実行計画」に基づき、省資源・省エネルギー等の環境への負荷の低減に取り組んでおられます。市では、こうした環境配慮の取り組みを一層推進するため、平成14年4月から、行政運営に国際規格ISO14001に対応した
環境マネジメントシステムを取り入れ、全職員の力を結集し、みずからの事務事業から生じる環境負荷の低減を図るとともに、環境の保全・創造の取り組みを積極的に展開し、よりよい環境の実現に向けて努力されておられます。行政自体の自己認定ではなく、外部の第三者機関の認証取得であるところに大きな意味があると思います。時代の要求の一つとはいえ、非常によい取り組みであると私自身思わせていただいております。
認定から1年と7カ月が経過しており、その間、市長の環境方針に従い、各部局ごとに環境目的、環境目標を設定され、手順書に従い、それぞれの目標に向かって不断の努力をされていることと思います。拝見させていただきました環境目的、目標及び
プログラム登録表から、それをうかがい知ることができました。52項目に及ぶ環境目標、実績の中で特に注視させていただいたのは、
住宅用太陽光発電の導入普及を、平成15年度までに90件の目標に対し、現在までに114件の実績があること。行政事務に伴う廃棄物の排出量を平成15年度までに6%削減の目標に対し、平成14年度で既に12.9%減の実績を残していること。公共工事などで発生する建設副産物のリサイクル、再資源使用の促進が100%目標に対し、平成14年度で既に100%近く達成していること。「広報とやま」などの大量印刷物の古紙配合率を50%から100%にする目標に対し、平成14年度実績で既に100%に高めたことなどが挙げられます。数値目標を設定し、期限を切って関係者が取り組まれた結果であり、非常に喜ばしいことと思います。反対に、削減目標に対し増加した項目もあります。これについては、システムの特徴でありますPDCAをうまく活用されて、今後見直しをしていただき、目標達成に向けた活動を展開していただきたく思います。
そこで、当局にお伺いいたします。
認証を取得してからこれまでの活動、実施されたISO14001に関する職員研修、内部監査員による内部監査、
環境マネジメントシステム推進会議、ことし2月の定期審査等から、どのような成果を得られたとお考えでしょうか。また今後、来年2月の定期審査、平成17年2月の更新審査を経て、このシステムをどのように利用、活用していこうと考えておられるのかについて回答願います。
また、今現在ISO14001の認証を取得しているのは、本庁舎と流杉浄水場のみとなっておりますが、他の部門のISO14001認証取得については、今後どのように考えておられるのでしょうか。関連になりますが、役所の市民サービスの向上という観点から見ますと、最近、各種サービス業の方が取得されております顧客満足ということに主眼を置くISO9001の2000規格がございます。この
マネジメントシステムを導入されるのも一つの選択肢だと思いますが、市当局の見解をあわせてお聞かせください。
次に、金屋企業団地について質問をいたします。
富山市では、
富山西インターチェンジの周辺開発事業の第1期事業として、平成10年10月より金屋地内で企業団地の分譲を行っています。この企業団地は富山市の西南に位置し、呉羽山丘陵と一級河川井田川に囲まれ、また四季を問わず雄大な立山連峰を仰ぎ見る眺望の地と、自然環境に恵まれた大変すばらしいところであります。さらには、
富山総合情報センター、
富山技術交流センター、
工業技術センター、富山大学、富山医科薬科大学などの産業の高度化を支援する機能の集積地帯に近接し、周辺の土地利用環境にすぐれた企業団地であります。分譲総面積19万5,000平方メートル、分譲区画37区画、公園緑地、道路、消雪設備が整備され、光ファイバーによる
インターネットサービスが可能なすぐれた企業団地であります。しかしながら、現在の分譲状況は15区画、分譲率にして41.7%にとどまっております。こうした中、富山市はこれまでの各種助成制度に加え、今年度新たな助成制度を相次いで設け、積極的な誘致活動を展開しておられます。真新しいものでは、
雇用創出企業立地助成金として制約はありますが、新規雇用1人当たり50万円の助成をするというもの。また
分譲成約報酬制度といって、分譲契約が成立した場合の情報提供者に分譲価格の2%を支払うものなどであります。
また、単純には比較できないかもしれませんが、他の地域の情報として、ことし4月から分譲を開始した小矢部市の集積型工業団地「
小矢部フロンティアパーク」では、立地に当たり従来の分譲販売方式に加え、事業用借地によるリース販売方式も用意して、入居希望企業の選択肢を広げて販売しておられます。毎年企業団地内の遊休地の雑草刈りを、地元金屋地区の方々がもどかしさを感じながら行っておられるのが現状であります。今年度からは平成33年度にかけて、いよいよ借り入れに対する償還も始まります。現在の社会情勢、経済情勢からは急激な進展は希薄であるかも知れませんが、懸案の
南部企業団地造成に取り組むためにも、また多くの事業に対する出資者の期待にこたえるためにも、地元の期待にこたえるためにも、さらなる分譲率向上に向けた取り組みが必要と思われます。この件について、市当局の見解及び今後の取り組みについて御回答をいただきたいと思います。
最後に、IT推進に関する質問をいたします。
富山市では、平成11年3月に「富山市
高度情報化基本計画」を策定し、平成15年度までを目標年度として、「市民サービスの向上と新しいニーズヘの対応」「行政事務の効率化」「行政事務の高度化」の3つを目標に、これまで全
庁内インターネットの導入を初め、気象情報、
体育施設予約案内、図書館蔵書案内や、全
庁的地図情報システムの導入など情報化の施策を順次推進してこられました。この間、情報通信分野において、予想以上のスピードで技術革新が進み、いわゆるIT革命の中、さまざまな施策を推進されてきたわけで、関係者におかれましては大変な御苦労があったものと推測いたします。市民がIT革命の恩恵を享受できるように、電子申請やペーパーレス、行政事務の効率化・高度化など行政サービスの積極的な電子化を推進し、さらなる市民サービスの向上を目指す必要があると思います。今年度が計画の最終年度に当たるわけですが、これまでの計画推進の成果はどうだったのか。また、その成果を踏まえ、次のステップとしてどのような方向を目指そうとしているのか。例えば電子申請(
ワンストップサービス)の実現に向けて現状はどうなのか。また、
地図情報システムデータの提供は、平成18年度末が予定されていますが、現段階での進捗状況はどうなっているのでしょうか。また、その地図情報は将来市民が利用できるようになるのでしょうか。さらには今後、情報を安心・安全に活用するため、
情報セキュリティ対策、最も重要な技術基盤の一つデジタル署名、知的財産権の保護、個人情報の保護等、新たな社会ルールを認識、整備することが必要になってくると考えます。いわゆるユビキタス社会への対応が重要と考えます。この件についてもあわせて当局の御所見をお伺いいたします。
以上で質問を終わります。御清聴ありがとうございました。
4 ◯議長(島田 祐三君)
当局の答弁を求めます。
奥井農林水産部長。
〔農林水産部長 奥井 輝男君 登壇〕
5 ◯農林水産部長(奥井 輝男君)
おはようございます。
南議員の御質問にお答えをいたします。
まず、農業振興策について、富山県産米が高い市場人気を保てるよう、平成16年度はどのような稲作に対する支援、指導を考えているのかのお尋ねでございます。
米政策改革大綱に基づく新たな米政策が平成16年度から始まり、一層の市場原理の導入が進められることなどから、産地間競争がますます激化していくと考えられます。
こうしたことから、本市では、1つには、堆肥や珪酸質資材施用による元気な土づくり、2つには、5月10日から15日を中心とした田植えや、直播栽培の拡大による高温登熟の回避、3つには、出穂期から20日間程度の湛水管理の徹底、4つには、病害虫防除の徹底、5つには、1.9ミリメートルふるい目使用による選別の徹底などによる「高品質・良食味なコメづくり」を進めてまいりたいと考えております。また、担い手の規模拡大や
カントリーエレベーター、ライスセンターなどの基幹施設の効率的利用などによる「低コストなコメづくり」、栽培履歴の記帳や農薬使用基準の遵守の徹底などによる「安全・安心なコメづくり」もあわせて進めてまいりたいと考えております。
支援策につきましては、従来から実施しております、堆肥や珪酸質資材などの地力増強資材の散布経費の助成や、集落営農組織の育成並びに機械施設の導入助成などについても、引き続き取り組んでまいりたいと考えております。また、これらの指導、支援策につきましては、
農業改良普及センターや農業協同組合、土地改良区などと連携を図りながら、地域の実情に沿ってきめ細かく対応してまいりたいと考えております。
次に、グリーン・ツーリズムについて2点の御質問にお答えをいたします。
まず、農漁業ふれあい体験事業の成果、課題、今後の展開についてでございます。
近年、物の豊かさよりも心の豊かさを求めるライフスタイルが広がる中で、農山漁村でのゆとりある余暇活動を行う、いわゆるグリーン・ツーリズムヘの関心が高まってきております。そういった中で、御承知のとおり「夏休み・ふるさとツアー」など各種農漁業ふれあい体験事業を実施してきたところでございます。
まず、事業の成果といたしましては、1つには、参加者の皆さんが、地元の皆さんと一緒に農作業や地引き網漁を体験することにより、農漁業の大切さや尊さを理解し、次世代に伝えることの必要性を体感されたこと。また、参加者の皆さんが地元には安心して食べられる新鮮な農水産物が豊富にあることを認識し、地産地消の推進につながったこと。3つには、「夏休み・ふるさとツアー」の参加家族がふるさとを疑似体験し、農村の豊かな自然や食に親しんだこと。4つには、受け入れ側の農漁業者や地域の皆さんが、消費者の皆さんとの交流が地域の活性化や地産地消の推進につながることを、みずから実感されたことなどが挙げられます。
また、今後の課題といたしましては、行政主体の取り組みから地域主体の取り組みへ移行することにより、持続性のある都市と農漁村の交流事業として定着するよう誘導・支援を図ること。2つには、事業の実施が農漁村地域の活性化につながること。3つには、
滞在型体験農家民泊など、収益性が期待できる交流産業としての可能性を検証することなどが挙げられます。
そのため、平成16年度は、重点推進地区である池多・水橋地区を中心として、1つには、地域主体の農漁業体験活動の実践に対する支援。2つには、体験活動実施のための組織と指導者の育成・確保。3つには、NPOなどの民間組織の活用による実践活動への支援など、グリーン・ツーリズムの啓発と、農漁村地域の活性化に努めてまいりたいと考えております。
次に、検討委員会のこれまでの活動と、今後の活動についてのお尋ねがございました。
富山市グリーン・
ツーリズム推進検討委員会では、1つには、グリーン・ツーリズム推進のための地域資源の発掘と再評価。2つには、農漁業体験活動のための企画・運営に当たる指導者などの育成・確保。3つには、体験農家民宿や滞在型農園施設(クラインガルテン)など、受け入れ体制の整備。4つには、グリーン・ツーリズム推進のための市民組織づくりと情報発信などについて検討し、本市のすぐれた農水産物や農村景観を生かした、新しい農漁村地域の交流産業育成に関する「富山市グリーン・
ツーリズム基本構想」を年度内に策定することとしております。
そのための取り組みとして、去る8月には、重点推進地区の池多・水橋地区の現地視察や、関係者との意見交換。去る11月には、日本のグリーン・ツーリズムに詳しい広島大学の
カロリン・フンク助教授―ドイツの方でございます。この方による講演会、12月には長野県四賀村や福井県池田町などの先進事例の調査―これは検討委員会の委員などを予定しております―などを実施しているほか、今年度実施した「夏休み・ふるさとツアー」や農漁業ふれあい体験事業の課題などを検証し、基本構想の策定に資することとしております。
今後の取り組みといたしましては、12月の推進検討委員会において、基本構想の概要を検討していただき、年度内には基本構想を策定することとしております。また、次年度以降につきましては、基本構想実現のための、重点推進地区の具体的なアクションプラン(年次計画など)を委員会において検討するなど、富山市型グリーン・ツーリズムの実現に向け鋭意努力してまいりたいと考えております。
以上でございます。
6 ◯議長(島田 祐三君)
大上戸環境部長。
〔環境部長 大上戸 良一君 登壇〕
7 ◯環境部長(大上戸 良一君)
ISO14001について、認証を取得してからこれまでの活動でどのような成果を得られたか。また、今後、この
環境マネジメントシステムをどのように利用、活用していくのか。さらに、本庁舎と流杉浄水場以外の部門の今後の認証取得について、どのように考えているのかについてお答えをいたします。
本市におきましては、平成13年12月に
上下水道局流杉浄水場、平成14年4月に本庁舎においてISO14001の認証取得を行ったところであります。それぞれ
環境マネジメントシステムを構築し、運用してきているところであり、職員がみずからの役割と責任を自覚し、環境負荷の低減に努めているところであります。
お尋ねの認証取得後のこれまでの活動による成果についてでありますが、1つには、紙類の購入量の削減や、水、電気使用量の削減、また公共工事におけるコンクリート塊のリサイクルなどによる環境負荷の低減及び経費の削減、2つには、職員の環境意識の向上などの効果があったものと考えているところであります。
また、今後、このシステムをどのように利用、活用していくかについてでありますが、環境負荷の低減を実現するためには、継続的な改善が不可欠であることから、今後とも本市のISO14001の環境方針に従って、
環境マネジメントシステムを運用し、各種施策を効率的・効果的に実施してまいりたいと考えております。なお、他の部門におけるISO14001の認証取得につきましては、市町村合併を終えた段階で検討してまいりたいと考えております。
以上であります。
8 ◯議長(島田 祐三君)
杉原企画管理部長。
〔企画管理部長 杉原 信介君 登壇〕
9 ◯企画管理部長(杉原 信介君)
ISO9001を導入することについての見解を問うにお答えをいたします。
ISO9001は、顧客満足を向上させるための
マネジメントシステムであり、行政もサービス業という発想から導入を進める自治体もあると伺っております。本市では、
市民サービス向上の全庁的な取り組みとして、昨年の7月から、「
さわやか窓口サービス推進運動」を実施しており、これまで窓口サービスのアンケート結果などをもとに改善策を検討し、できることから速やかに実行する職場活動を組織的・計画的に展開をしております。
その成果といたしまして、市民課における
フロアーマネージャーの配置、あるいは保険年金課の
窓口受付券発行機の設置、平日の執務時間終了後や土・日及び祝日における住民票の交付などを行い、市民の皆様に満足していただけるサービスの提供に努めているところであります。また、これまでに行ったアンケート調査においても、「職員の応対が従来に比べよくなってきている」という、市民の皆様の声もいただいているところでございます。このようなことから、今後とも、現在取り組んでおります「
さわやか窓口サービス推進運動」を一層充実させることにより、市民サービスの向上に努めてまいりたいと考えており、御提案のありましたISO9001の導入につきましては、現在のところ考えていないところでございます。
次に、IT推進についてのうち「富山市
高度情報化基本計画」推進のこれまでの成果と次のステップについて問うにお答えをいたします。
「富山市
高度情報化基本計画」につきましては、計画のアクションプランとなるIT推進PLANを平成12年10月に策定し、短期的・集中的に進めてまいりました。この結果、庁内LANの整備やパソコン配備といった情報通信基盤の整備を初めとし、ホームページを活用した行政情報の提供、庁内連絡業務の電子化、全庁型地図情報システムの構築、さらにはケーブルテレビ網整備支援など、PLANにおいて早急に推進する施策として定めたものにつきましては、おおむね目標を達成することができるものと考えております。
次のステップといたしましては、市のホームページをより使いやすいものとするとともに、ホームページを行政情報の提供窓口、また、市民との意見交流の場として、機能の拡大、強化に努めること。2つめには、電子入札システム導入に向けた検討を行うこと。3つには、文書管理、電子決裁、申請事務のオンライン化等、各種システムの研究を行うことなどが挙げられるところであります。今後とも、ITを活用した市民サービスの向上と、行政事務の効率化・高度化に努めてまいりたいと考えております。
次に、電子申請についての現状と今後について問うにお答えをいたします。
電子申請につきましては、ホームページ上での申請書類様式類の掲載は既に実現させております。申請事務のオンライン化につきましては、国・県が先行して整備を進めておりますが、本市では現在、県下35市町村等と共同で、汎用システム導入に向けての研究を行っております。その際のセキュリティにつきましては、不正アクセスの検知を行っている総合行政ネットワーク(LGWAN)を活用するほか、公的認証基盤による認証など万全の対策をとることといたしております。
今後、組織認証基盤や公的個人認証基盤の運用状況、また手数料の電子納入制度も見きわめながら、申請書のオンライン化を目指してまいりたいと考えております。
次に、地図情報システムの現状と今後について問うにお答えをいたします。
地図情報システムにつきましては、共通基図データの整備を平成12年度より年次計画で整備してまいりましたが、今年度末に完成の予定であります。完成した共通基図データは、固定資産税業務、下水道管理業務など、個別の地図情報システムに利用することにより、重複投資が解消されるものと考えております。また、全職員がパソコン上でデジタル地図データを閲覧することができる全庁型地図情報システムを昨年度から導入いたしました。今後は、合併による広域地図の整備方法の検討と、市民に公開する地図情報の内容、範囲についての研究を進めてまいりたいと考えております。
次に、
情報セキュリティ対策等、社会ルールの整備いわゆるユビキタス社会への対応について問うにお答えをいたします。
本市のセキュリティ対策につきましては、技術面、制度面からの対策を講じております。まず、技術面におきましては、ファイアウォールの二重化、不正アクセス防止ソフトの導入など、庁内ネットワークヘの不正侵入対策を講じております。また、文書のやりとりにデジタル署名を付与することは、文書の秘匿性や真正性を確保するために重要な技術であると考えており、そのシステム構築に向けて研究しているところであります。
制度面におきましては、富山市個人情報保護条例、富山市電子計算組織管理運営規則などを制定し、個人情報や知的財産権などの個人利益の保護に努めております。また、本年には、
情報セキュリティ対策に関する基本方針や対策基準等を総合的・体系的にまとめた富山市情報セキュリティポリシーを策定することといたしております。
今後、生活や社会の至るところにコンピューターが存在し、ネットワークにアクセスできるというユビキタス社会となっていくことが予想されます。そのような社会になればなるほど、より一層のセキュリティ対策を初めとする新たなルールづくりを進め、より安全で豊かな社会としていかなければならないと考えております。
以上でございます。
10 ◯議長(島田 祐三君)
永森商工労働部長。
〔商工労働部長 永森 勲君 登壇〕
11 ◯商工労働部長(永森 勲君)
金屋企業団地のさらなる分譲率向上に向けた、市の見解及び今後の取り組みについての御質問にお答えいたします。
本市におきましては、企業立地を推進するため、これまで企業団地の整備や各種の優遇措置の充実を図るとともに、1つには県内外への企業訪問及び企業立地動向調査の実施、2つには東京、大阪での「企業立地セミナー」への参加、3つには経済誌への企業誘致広告の掲載などにより、積極的に誘致活動を行ってきたところであります。
また、平成15年度には新たな施策として、1つには
雇用創出企業立地助成金、2つには公害防止設備整備助成金、3つには
分譲成約報酬制度、4つには社有地処分についての不動産関係団体との協定などの制度を創設し、誘致を促進してきたところであります。
このことにより、ことし9月に新たな企業の進出が決定し、現在の金屋企業団地の分譲率は41.7%となっております。御指摘のとおり、呉羽南部地区開発に取りかかるためにも、金屋企業団地の分譲率の一層の向上が必要であると考えております。
なお、企業が進出する際には、土地の取得費、工場の建設費などの初期投資が大きな負担となっており、新規立地における課題となっております。このことから、本市では、企業立地における初期投資の軽減を図るため、従来の分譲方式に加えて、用地のリース方式や割賦方式などの実施に向けて、現在、鋭意検討しているところであります。
今後とも、金屋企業団地への企業誘致促進に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
12 ◯議長(島田 祐三君)
4番 中山 雅之君。
〔4番 中山 雅之君 登壇〕
13 ◯4番(中山 雅之君)
2003年12月市議会に当たり、日本共産党議員団の一般質問を行います。
最初に、富山港線路面電車化について質問します。
検討委員会の中間取りまとめは、全体としては利便性の高い公共交通ネットワークの構築、あらゆる市民層や環境にやさしい交通機関を目指すもので、積極的な内容として評価します。15分間隔での運行、低床車両、現行の市内路面電車と同一水準の運賃体系、市内路面電車との接続など、市民の要望にこたえる具体化が示されています。
市民の総意が生かされる路面電車化の実現を願って質問を行います。
今後の進め方について、中間報告でも広く市民の理解と協力を得ながら早急に具体化を図ることが強調されています。市民の皆さんの取り組みでは、育てる会が結成され、「公共交通をよくする富山の会」や「豊田地域の会」、新ルート案沿線の地権者の皆さんなどが要望、提案を提出しています。私は地権者の皆さんの要望にこたえる地域の懇談会に同席しました。参加者からは「自分たちの意見、質問も出し合えてよかった」と好評でした。引き続き話し合いを深めることが確認されましたが、丁寧に対応されることを要望します。
さて、計画の立案、作成、実施、完成時も含めてすべての過程で、一方通行でなく市民の主体的な参加、双方向で合意形成を図ることが重要です。その具体化のために、市民、利用者、商店街、交通労働者、交通事業者の代表などによる「市民委員会」(仮称)を立ち上げることを提案します。市の所見を伺います。
新設ルートについては、市の案を示しつつも、沿線住民、市民の皆さんの意見をくみ上げて、他についても具体的に検討しながら決定することが大切です。多くの皆さんから、「もっと早い時期に市電と接続をしてほしい」という強い要望が出ています。富山駅高架化工事完成までは、仮設線路などによる市電との連続運行を検討するのはどうでしょうか、所見を伺います。
中間報告での需要予測、収支採算性でも市電との接続が重要になっています。接続が可能であれば、路面電車化によって新設が必要な施設、設備などについて、富山地鉄の現在の施設などを利用することも可能となります。市のルート案については、地元住民、市民の皆さんとの十分な話し合いが必要であり、綾田北代線は道路拡幅なしでの路面電車化とすべきではないでしょうか。自動車優先のまちづくりから、人と環境にやさしいまちづくりへの転換が重要です。所見を求めます。
先月、日本交通学会の役員もされています立命館大学の土居教授が、JR線を路面電車化にする富山港線の現地調査を行われるということで同行させてもらいました。改めて富山港線沿線を1日かけて、各駅と周辺を調査して認識を新たにしました。各駅の施設や駅用地は広く活用することができます。地鉄舟橋駅が成功していますが、駅舎に図書館や簡易集会所を設置するなど憩いの空間となります。駅ごとの利用向上のための施策と、駅を生かしたまちづくりについて、各地域で意見要求をくみ上げることが大切です。市の所見を伺います。
中間報告では、運営主体、経営形態について第三セクターが最もふさわしいという報告になっています。しかし、資産、経営を考える上で最も重要なJR西日本や富山地鉄との連携、協力については、今後の検討課題として明らかになっていません。ホームの改良、信号、変電設備など既存のルートの建設、設備改良で20億円、全体で45億円という説明は、現在JR西日本の資産の買い取りを含むのでしょうか。これらについて明らかにせず、市を中心とした第三セクターの会社設立へと急ぐのであれば、市民の納得は得られません。情報の公開を要望します。
経営形態については、いつどのように決定するのでしょうか。説明を求めます。議会に対しても、市民にも決定前に十分な情報を提供して広く論議すべきです。第三セクターを選択するのであれば、JR西日本が必ず参加すべきです。そして、路線の施設、車両などの富山港線の運行にかかわる一切を、新たに富山港線の運行を引き継ぐ新会社へ無償で譲渡するように市はJR西日本に要求すべきです。市の見解を求めます。
次に、生活保護について質問します。
まず初めに、富山市の生活保護の世帯数、人数、窓口での市民の相談の状況について説明を求めます。資料によれば、富山市の生活保護は、1999年度までの減少傾向から増加傾向に転じています。最も少ない年度と昨年2002年度末との比較では、生活保護世帯数では1999年度の600世帯691人から、752世帯882人へ約1.3倍の増加。新たな保護開始は1997年度の75人から197人へ約2.6倍の増加。面接相談件数では、1995年度の404件から1,138件へ約2.8倍の増加です。財政困難な中でも、市民の命とくらしを守るために、市当局が努力されることについて積極的に評価します。
平成15年12月定例議会に当たり、自民党議員会の一般質問を行います。
まず初めに、資源循環型社会の構築についてお尋ねします。
21世紀は、「環境の世紀」とも言われ、地球温暖化、資源、廃棄物問題等に起因する諸問題を解決するため、環境保全、リサイクル、省エネルギーなどといった言葉を聞かない日はないくらい、私たちにとって環境問題は身近な問題であり、人類史上最大のテーマと認識し、後世の子孫のためにこの地球環境を守り育てていくことが、今生きている私たちの責務であると考えております。
我が国の環境産業の市場規模は、現状で約48兆円と推計され、2010年には約67兆円に拡大するものと予想されており、雇用規模においても、現状の約136万人から、2010年には約170万人になるものと予想されております。このように、社会経済システムが循環型社会経済システムに移行していく中、富山市では先見の明でもって、北陸地域で初めてエコタウン地域としての承認を受け、環境と調和したまちづくりに取り組んでおられますことは、富山市を地域環境型経済社会構築のモデルとして、全国に胸を張ってアピールできることではないかと考えております。環境と経済の両立を図り、厳しい経済情勢の中、新たな雇用を生み出すエコタウン事業は、これからの富山市の発展に大いに寄与する事業であり、今後の取り組みにさらなる期待をしているところであります。
そこで、これからのエコタウン事業への取り組みについてお尋ねいたします。
富山市エコタウンプランでは、平成15年度以降に施設建設着手が考えられる事業として、廃棄物エネルギーセンター事業、発泡スチロールリサイクル事業、バイオマスプランテーション事業、廃家電・電子機器・自販機リサイクル事業、食料用廃油リサイクル事業、繊維リサイクル事業の6つの事業が掲げられております。また、マスコミを通じて、幾つかの事業が富山市エコタウン第2期事業として事業化のめどが立っていると報道されております。
第2期事業として掲げられている6事業の事業化のめど並びに事業化のめどが立っている事業と、その事業化スケジュールについて具体的にお聞かせください。また、事業化のめどが立っている事業について、富山市エコタウンプランに照らし合わせて、事業実施に伴いどのような新たな地域効果を生み出すのかもお聞かせください。
エコタウンハード事業としては、承認年度において1つか2つのリサイクル施設が整備されましたが、その後、整備が進まないエコタウン承認地域が多い中、富山市エコタウンでは、単年度で4つのリサイクル施設が整備されましたことは、全国に誇れることであり、富山市は北九州市、札幌市に肩を並べる3大エコタウンの1つと言っても過言ではないと思っておりますが、このエコタウン事業そのものは、資源循環型社会の構築であり、環境と調和したまちづくりであると考えております。このことは、リサイクルの受け皿であるリサイクル施設の整備だけで達成できるものではありません。エコタウン事業の目的を達成するために、市民、事業者、行政の連携が不可欠であります。今後は、資源循環型社会の構成員である市民、事業者、行政がネットワークを構築し、地域レベルでの取り組みが重要であると考えております。
本年6月議会において、私の「住民協働型の地域づくり」の質問に市長みずからお答えいただきました地域力を生かした施策の展開が重要であり、住民の参加意欲を高めるためには、エコタウンソフト事業を通して具現化することも一つの方法ではないでしょうか。このことについて市長のお考えをお聞かせください。
ちなみに、私が住んでいます堀川南校区では、今年度初めて校区のふれあいフェスティバルにおいて、今まですべて焼却処分されていた可燃物の分別回収に取り組まれました。焼きそば、おでん、焼き鳥などから発生するごみを、トレー等のプラスチック類、割りばしや串などの木質系廃棄物、調理時の野菜くずや食べ残しの食品廃棄物、その他の可燃物の4分別として、校区の自治振興会や保健衛生協議会、体育協会、小学校の保護者会などが中心となり、リサイクルしやすいようトレーや割りばしなどを水洗いしておられました。分別されたプラスチック類、木質系廃棄物、食品廃棄物は、富山市エコタウンの事業会社において、それぞれ資源としてリサイクルされました。小学校においても子どもたちに分別の指導をしていただき、また、子どもたちを通じて家庭でこの取り組みが話題となるなど、地域を挙げての取り組みに発展していきました。このイベントに参加したすべての方が、「混ぜればごみ、分ければ資源」ということを、実践を通して感じ取られたのではないかと思っています。
富山市エコタウンプランでは、「人と環境にやさしい都市とやま」を目指して、エコタウンソフト事業として、啓発事業、エコタウン交流推進事業、環日本海環境交流推進事業の3つの柱を掲げ、エコ産業展の開催や、エコツーリズムの開発、環境学習教材の作成などを行うこととしておられます。
今後、これらの事業をどのように取り組んでいかれるのかお聞かせください。特に、エコツーリズムの開発につきましては、環境と観光を結びつけ、富山市への流入人口を拡大し、地域経済の発展に寄与するものと考えていますが、積極的に取り組まれることを期待しております。
次に、企業間における連携、ネットワーク化についてお尋ねします。
1990年代後半以降、ISO14001の認証取得事業所が飛躍的に増大し、企業が経営に積極的に環境配慮指針を導入し、推進していくことが定着しつつあります。このような社会情勢を踏まえて、企業間連携や異業種間協力によるネットワーク化は、循環型経済社会を構築する上で効果的であり、それぞれの企業が持っている人的資源や、技術的資源などを最大限活用し、共通の課題に向けて協働で事業を実施することで、環境への取り組みを加速化させるものと考えられております。名古屋市では、企業間連携や異業種間協力を推進するため、環境パートナーシップクラブが設立されており、交流会やセミナーの開催、社会貢献や国際交流の推進など、企業間で連携しながら取り組んでおられます。一つの企業だけではできなかったことを、企業が連携することにより、また、一つの業種だけではできなかったことを、異業種が連携することにより可能となります。富山市エコタウンプランにおいても、エコタウン交流推進センターを核として、産学官の共同研究や交流、環境ベンチャーの育成、周辺企業や住民へのサービスの提供など、エコタウン交流推進事業を検討することとなっております。
本市においても、エコタウン交流センターを拠点として、環境パートナーシップクラブをつくり、企業間や異業種間において連携を図りながら環境への取り組みが行える体制をつくり、市はそのためにコーディネート機能を発揮することが必要と考えていますが、市の考えをお聞かせください。
次に、コミュニティ型ビジネスについてお尋ねいたします。
地域において、特色ある地場産業や地場産品を資源として、地域住民による消費活動や分別排出、地方自治体によるグリーン購入など、地域の人・企業・行政という資源を最大限活用したコミュニティ型ビジネスが、まちづくりや地域の雇用拡大の観点からも期待されております。
滋賀県の環境生協が中心となって推進しておられます「菜の花エコプロジェクト」は、休耕田に菜の花を植え、菜種を収穫し菜種油を製造しておられます。この菜種油は料理や学校給食に使い、搾油時に出た油かすは肥料や飼料として利用しておられます。また、廃食油を回収し、バイオディーゼル燃料に転換し、自治体の公用車やごみ収集車、トラクターなど農耕車、漁船などへ利用されております。地域に存在する人・資源を最大限に活用し、地域の中で有機的にサービスを提供し、資源環境の輪を成立させていく取り組みは、富山市エコタウンの基本方針である「地域内循環の優先」に通ずるものがあると考えております。今後、エコタウン事業を推進する中において、このようなコミュニティ型ビジネスの導入、育成が図られないものか、市の考えをお聞かせください。
2番目の質問として、市街地再開発事業についてお尋ねします。
現在、長く続く経済の冷え込みや都市環境の変化、そして消費者ニーズの多様化などにより、全国各地の都市で中心市街地の空洞化が問題となっており、疲弊した中心商店街では老朽化した建物の更新が行われないまま、青空駐車場や空き店舗がさらに増加するという悪循環が続いております。このことは本市でも例外ではないことは御承知のとおりです。
富山市におきましても、中心商店街の皆様はそれぞれ大変な努力をされているものの、郊外大型店の影響や中心商店街におけるとめやすい駐車場の不足などあって、かつての賑わいは昔話となっております。東京銀座の「銀ブラ」をもじって、総曲輪通りをぶらぶらすることを「総ブラ」と呼んだことや、また当時の賑わいを知っている市民がだんだん少なくなってきましたが、中心商店街がもう一度、市民に親しまれる賑わいの拠点として、元気を取り戻すことを強く期待する者の一人です。
そうした中で、富山市では駅周辺や中心商店街周辺において、継続的な再開発事業の誘導を進めてこられ、また現在は総曲輪通りに隣接して、2地区で再開発事業が進められております。それらの再開発事業に取り組んでおられる地元権利者の方々の熱意には、心より高い敬意を表するとともに、新しい百貨店を中心としてビルがどんな姿ででき上がるのか、大きくてとめやすい駐車場がいつ完成するかなど、市民としてもそれらの再開発事業の一日でも早い完成と、それをきっかけとした中心商店街の賑わいの復活を待ち望んでおります。
聞くところによりますと、総曲輪通り南地区では、いよいよ本組合の設立申請が提出され、本組合が設立される予定と伺っております。権利者の方々の構想が始まってから10年がたちましたが、ようやく明るい光が見えてきたような気がして喜んでおります。今後も、権利者の方々が一丸となって工事着手に向けた手続を進めていただきたいものと考えております。また、スケジュールとしては、一歩先に進んでいる西町・総曲輪地区では、650台程度の駐車場を主体とした再開発ビルが、いよいよ年明けから工事着手され、平成17年春の完成と伺っています。中心商店街へ来られる人たちの御意見をいろいろお聞きしましても、駐車場の無料化や広々としたとめやすい駐車場に対する要望をよく伺います。
そこで、西町・総曲輪地区の再開発では、いよいよ工事が開始されようとしている駐車場に関連して幾つか質問をいたします。
まず、市民プラザが取得されます駐車場は、利用者にとって使いやすいことが大事です。それは構造的な使いやすさはもちろんですが、郊外大型店との一番の違いは料金の問題です。郊外の大型店は、それぞれの店舗が費用を負担し合って、無料の駐車場をお客さんに提供していますが、市民プラザが取得されます駐車場においても、そうした仕組みの構築を検討されたらどうでしょうか。
次に、完全無料化は無理でも、買い物をしなくても数時間無料などの仕組みができれば、まちに気軽に来ることができ、減り続けている中心商店街の歩行者数も増加のきっかけとなるのではないでしょうか。
3点目は、行政がそうした駐車場の無料化を支援することについてはどのように考えておられますか。このことは駐車場経営者と商店街と大型店舗だけでなく、そこに行政が何らかの支援をすることによって、一定時間無料化の仕組みが成り立つと思いますが、当局の考えはいかがでしょうか。西町、総曲輪地区で整備される駐車場は株式会社富山市民プラザが取得されるわけですが、この駐車場取得運営をきっかけとして、市民プラザが中心商店街に与える影響はさらに大きくなるものと思います。そこで、TMOである株式会社まちづくりとやまとも連携しながら、せっかくの駐車場が市民に喜ばれる施設として、有効に活用されることを期待しています。
最後の質問に入ります。
中学校部活動における地域指導者の派遣についてお尋ねします。
教員の減少や、高齢化による運動部活動の指導者不足を解消するとともに、部活動の活性化や学校と地域との交流を促進するため、専門的な実技指導力を有する地域のスポーツ指導者を、公立の中学校・高校に派遣するスポーツエキスパート派遣事業が、平成13年度から富山県においても実施されております。この事業は、生徒の多様なスポーツニーズに対応するとともに、運動部活動顧問の指導力向上等運動部活動の充実に資する事業であり、専門的な練習メニューに基づいて適切な指導が行われ、着実にその成果があらわれており、今後、ますますスポーツエキスパートヘのニーズが高まるものと考えております。中学校への派遣については、平成14年度から市町村を実施主体として、国が3分の1、県が6分の1、市町村が2分の1の負担で実施されており、本年3月末現在、スポーツエキスパートの派遣は、公立中学校85校で対象人数は510人であり、うち富山市では75人となっております。派遣種目は、柔道、バレーボール、野球など16種目に及んでおり、派遣回数は年間30回以上、1回の指導時間は2時間程度、スポーツエキスパートヘの謝金は1人当たり年間8万3,520円となっております。現在派遣されていますスポーツエキスパートは、2000年とやま国体で活躍した選手や世界選手権大会出場者、学生時代などに全国的に活躍した実績を持つ選手を初めとする地域のスポーツ指導者であり、登録されたスポーツエキスパートに対して、「生徒の発達段階に応じた指導のあり方」や「スポーツ障害の防止」などのカリキュラムを盛り込んだ研修会も開催され、安全かつ質の高い指導に取り組んでおられます。
そこで、お尋ねいたします。
このように、運動部に対しては、地域のスポーツエキスパートと運動部活動顧問との連携により、総合的に質の高い指導体制が図られるところでありますが、吹奏楽部やコーラス部など、いわゆる文化部といわれる部活動に対しても、スポーツエキスパート派遣事業と同様、地域指導者を中学校へ派遣し、地域で支え合う指導体制を確立することが必要であると考えております。一部、文化部においても、外部のクラブ講師が派遣され、部活動の指導に当たっておられるようですが、スポーツエキスパート派遣事業のようには制度的に確立していないように思われます。中学校への外部クラブ講師の派遣の実情についてお聞かせください。
文化部においても、多様な生徒のニーズに対応し、専門的な指導体制が求められます。中学校の先生の中には、専門的な指導能力を有する先生もおられますが、多様な文化部それぞれに対応するには限りがあります。このことから、スポーツエキスパートと同様、専門的な実技指導を有する地域の指導者を派遣する、例えば、カルチャーエキスパート派遣事業のような事業を制度化したらいいのではないかと考えておりますが、いかがでしょうか。
部活動も学校教育の一環であり、人間としての「生きる力」をはぐくみ、社会生活において良好な人間関係を形成するための基本となり得るものではないかと考えております。このことから、学校教育の場において地域で生徒を支え合う体制づくりに向けて、今後、市としても積極的に取り組まれることを期待申し上げ、私の質問を終わります。
26 ◯議長(島田 祐三君)
当局の答弁を求めます。
石田助役。
〔助役 石田 淳君 登壇〕
27 ◯助役(石田 淳君)
市街地再開発事業に関連して、1つには、市民プラザが取得する駐車場において、店舗が費用を負担し、無料の駐車場をお客さんに提供するような仕組みができないかということ。2つめには、買い物をしなくても数時間無料で駐車できるような仕組みができないか。3つめには、行政が駐車場の無料化を支援することについてどのように考えているか。また、行政が支援することで、一定時間無料化の仕組みが成り立つと思うがどうかという御質問にお答えいたします。
現在、中心地区商店街では、大型店や商盛会などが協力して、買い物金額に応じて各店舗が駐車料金を負担し、1時間から3時間の無料共通駐車券を発行する、いわゆる富山市中心地区共通駐車券システムが運用されております。市民プラザでは、新たに取得経営することになっております駐車場につきましても、このシステムに加入し、中心市街地の商店を利用される方の便宜を図っていく予定にしております。
また、この新たな駐車場において、買い物をしなくても駐車料金を数時間無料とすることにつきましては、1つには、市民プラザの駐車場経営が圧迫されること、2つめには、周辺の駐車場経営にも大きな影響を及ぼすことなどの問題があり、買い物をしなくても駐車料金を一定時間無料とすることにつきましては、市民プラザだけの問題として処理することは大変難しいものと考えております。
しかし、近年、総曲輪、西町、中央通りなどの中心商店街は、来街者が減少し、空き店舗が増加するなど空洞化が進んでいることから、駐車場の料金のあり方についてさまざまな意見が出されております。このことから、今年度株式会社まちづくりとやまが中心となり、商業者、駐車場協会や行政などで構成された「駐車場から中心市街地活性化を考える懇談会」が開催され、駐車場システムや駐車場のあり方などについて検討を行っているところであります。
市といたしましては、中心商店街への来街者の増加につながり、商店街や駐車場経営者が共存できる駐車場システムの構築ができないかどうか、御提案のことも踏まえまして、利用者を初め、商業者、駐車場経営者など、広く関係者の御意見を伺ってまいりたいと考えております。また、これらの取り組みに対して市としてどのような支援ができるかについても、今後研究してまいりたいと考えております。
以上でございます。
28 ◯議長(島田 祐三君)
大上戸環境部長。
〔環境部長 大上戸 良一君 登壇〕
29 ◯環境部長(大上戸 良一君)
資源循環型社会の構築についてのお尋ねのうち、まず、エコタウン第2期事業の具体的な事業化スケジュール及びどのような地域効果があるかについてお答えをいたします。
エコタウン第2期事業につきましては、事業者の提案による、廃棄物から燃料用合成ガスや水素を取り出す廃棄物エネルギーセンター事業、発泡スチロールリサイクル事業、廃食用油リサイクル事業、バイオマスリサイクル事業などについて、事業化の可能性を検討してきており、また、本年度新たに廃タイヤリサイクル事業の提案があったところであります。この中から実現性や熟度が高まってきたものから事業化に向けて具体的な検討を行ってきた結果、2、3の事業については、早ければ年度内にも事業主体が立ち上がるものと見込んでおります。
次に、事業実施に伴う効果についてでありますが、1つには、今日の厳しい経済情勢の中にあって、施設整備に伴う投資効果や相当数の新規雇用が見込めること。2つには、エコタウン産業団地にさまざまな種類の環境産業が集積することにより、リサイクルされる廃棄物の範囲が広がり、資源循環型社会の形成に寄与できること。3つには、団地内での資源廃棄物の循環が促進されることなどが期待されております。
さらに、現在でも県内外から月に約500人のエコタウン視察者があり、今後、エコタウン産業団地の充実に伴い、さらに増加すると見込まれることから、市内での宿泊施設利用や消費の増加による地域経済への波及効果があるものと考えております。
また、エコタウン産業団地にさまざまな種類の環境産業が集積することから、広範な廃棄物のリサイクル状況を市民が実際に見学することができるようになり、ごみ処理や環境問題への理解が一層深まり、地域での環境活動の向上につながるものと期待しております。
次に、住民の参加意欲を高めるためには、エコタウンソフト事業を通して具現化することが必要と考えるがどうかにお答えをいたします。
資源循環型社会を形成するためには、環境問題に対する市民一人一人の積極的な取り組みが極めて重要であると考えております。エコタウンソフト事業を通じて、住民の参加意欲を高める取り組みにつきましては、エコタウン施設の見学、環境学習、出前講座などを実施し、ごみを適切に分別することの大切さを理解するなど、環境問題に対して主体的に取り組む気持ちをはぐくんでいくことができるものと考えております。このようなエコタウンソフト事業を有効に活用していくことにより、市民みずからが環境問題に対する認識と参加意欲を高めることができると考えており、この結果として、地域力を高め、住民協働型の地域づくりを実現できるものと考えております。
次に、エコタウンソフト事業の今後の取り組みについて問うにお答えをいたします。
富山市エコタウンプランでは、資源循環型社会を形成していくためには、環境問題への市民一人一人の意欲的な参加が不可欠であることから、ソフト事業をハード事業と並ぶエコタウンプランの柱として位置づけているところであります。
お尋ねの今後のエコタウンソフト事業の取り組みについてでありますが、啓発事業については、環境フェアなどの開催、エコタウン産業団地を核としたエコツーリズムの実施、エコタウン事業を教材とした環境学習など、生きた素材を基本として実施することとしており、エコタウン交流推進事業については、産学官の情報交換や地域住民の交流事業などを考えております。
エコタウンソフト事業の具体的な内容の検討や、エコタウン施設に多くの視察者があり、その受け入れについてもしっかりとした体制で臨む必要があることから、今年度、富山市エコタウン交流推進センター検討委員会を設置し、交流推進センターの施設面での規模や機能を検討していただいているところであります。また、この委員会で環境産業と観光施設を組み合わせたエコツーリズムについても検討しているところであります。
また、日本海側で初の国連機関であるNOWPAPの本部事務局が本市に設置されることになっていることから、NOWPAP本部事務局と富山市エコタウン、財団法人環日本海環境協力センターなどが連携を深めながら、環日本海環境交流推進事業を進めることにより、本市が環境分野における環日本海諸国との交流拠点となることを目指していきたいと考えております。
次に、エコタウン交流推進センターを拠点として、企業や異業種間の連携を図りながら、環境への取り組みを行える体制をつくり、市のコーディネート機能を発揮することが必要ではないかにお答えをいたします。
資源循環型社会を形成していくためには、各企業の環境問題への取り組みや、環境関連技術の向上を図ることが不可欠であります。このため、環境問題という共通のテーマについて、各企業が情報交換や共同研究を行うことにより、環境技術の向上を図っていくことは望ましいことから、本市がこれからの企業の連携をコーディネートすることが求められていると考えております。
このことから、富山市エコタウンプランでは、エコタウン交流推進センターの機能の1つとして、産学官の共同研究や交流を進めるとともに、環境ベンチャーを育成し、環境産業を発展させたいとしております。この具体的な内容については、学識経験者、エコタウン事業者協議会、地元関係者などで構成する「エコタウン交流推進センター検討委員会」で検討を進めているところであり、今後、検討委員会の意見も踏まえ、企業間のパートナーシップ形成に向けた支援のあり方について検討してまいりたいと考えております。
次に、エコタウン事業を推進する中において、コミュニティ型ビジネスの導入・育成についてお答えをいたします。
コミュニティ型ビジネスは、地域の環境と資源を活用し、地域のまちづくりなどにも貢献する地域密着型の事業活動とされており、その事業範囲は福祉から環境など幅広くとらえられております。富山市エコタウンプランの基本方針におきましても、廃棄物のリサイクルに当たっては、地域内での循環を最優先にしており、市民、事業者、行政がそれぞれ排出者、製品の使用者としての役割を担うこととしております。
エコタウン第1期の4事業では、エコタウン内で生産された土壌改良材やごみ袋などのリサイクル製品は、地元の農家や一般家庭で使われるよう働きかけており、地域内循環が行われるところであります。しかしながら、廃棄物の種類によっては量の確保が難しいことや、製品の付加価値を高めることができないという点において、現時点では事業として成り立たないものが多くあります。
本市といたしましては、コミュニティ型ビジネスは、資源循環型社会を形成する上でも有効な考え方の一つであることから、今年度から大広田環境づくり協議会が取り組んでいる廃食用油モデル回収事業が、コミュニティ型ビジネスとして成り立つかどうか、大広田環境づくり協議会とともに検討してまいりたいと考えております。
以上であります。
30 ◯議長(島田 祐三君)
大島教育長。
〔教育長 大島 哲夫君 登壇〕
31 ◯教育長(大島 哲夫君)
中学校部活動における地域指導者の派遣について、中学校の文化部における外部講師の派遣の実情、それからスポーツエキスパートと同様、専門的な実技指導を有する地域の指導者を文化部に派遣する事業を制度化する考えはないかにお答えいたします。
現在、文化部の外部講師を依頼している中学校は13校であります。依頼している文化部の数は、茶道部が8、吹奏楽部8、手話部1、音楽部1、コンピュータ部1、家庭・文芸部1の計20となっております。
このうち、18の文化部へは、県の中学校非常勤講師が派遣されており、文化部の外部講師はほとんどが県の非常勤講師となっております。その他の学校では、独自に外部講師やボランティアの方に来ていただいているところもございます。御指摘の文化部への外部講師派遣制度につきましては、現在の県の非常勤講師派遣により、中学校の希望にほぼ対応できているのではないかと考えており、市としては新たに外部講師派遣制度をつくることは考えていないところでございます。
32 ◯議長(島田 祐三君)
しばらく休憩いたします。
午前11時56分休憩
────────────
午後 1時10分再開
33 ◯副議長(村家 博君)
議長が都合により出席できませんので、私がかわって議事を進めさせていただきます。
会議を再開いたします。
一般質問及び議案の質疑を継続いたします。
8番 鋪田 博紀君。
〔8番 鋪田 博紀君 登壇〕
34 ◯8番(鋪田 博紀君)
平成15年12月定例会に当たり、自民クラブより一般質問を行います。
まず、富山市住宅マスタープランについて伺います。
本年度は平成7年度に策定された「富山市住宅マスタープラン」の改定時期に当たります。「富山市住宅政策検討委員会」を設置され具体な作業に入っておられますが、現在の進捗状況と方向性についてどのように意見集約されつつあるか、中間報告として答弁を求めます。あわせて市民アンケートの調査結果と分析、住宅・建設関係団体ヒアリングの調査結果と分析、部門別計画である都心居住推進調査の概要についても答弁を求めます。
なお、12月市長定例記者会見で発表があった都心地区の住宅建設の促進に関する施策について質問する予定でしたが、既に答弁がありましたので割愛します。
次に、コンパクトなまちづくりについて伺います。
この議会でも「コンパクトなまち」という言葉がよく使われるようになりました。もちろん古くからある言葉ではありましたが、言葉に具体的な意味が与えられて使われるようになったのはここ最近のことです。
一方で、コンパクトなまちづくりとは郊外のまちを縮小し、中心部にまちをまとめてしまうことだというような誤解も生まれています。このことは、中心市街地の活性化は郊外の切り捨てであるというような誤解ともよく似ています。
「コンパクトなまちづくり」については何度か議会でも説明されていますが、「コンパクトなまちづくり」あるいは「コンパクトシティー」という概念、これは都市設計においては一種の哲学でもあると思っていますが、「コンパクトなまちづくり」の本市における位置づけについて、もう少しわかりやすく御説明ください、答弁を求めます。
また、森市長は、平成14年12月定例会において「庁内組織として市街地中心部などへの人口回帰を理論的に整理するための『コンパクトな街づくり研究会』を設置し、その中で市独自の施策の手段として税制のあり方についても研究していきたい」と答弁されています。
住宅の税制ということで申し上げれば、都心居住というとマンションなどの高層集合住宅に目が行きがちですけれども、都心周辺部という言い方が適切かどうかは別として、そのような都心周辺部ではもともと戸建ての住宅が多いことから、若い世帯が郊外へ流出しないようにするための二世帯住宅に対して、あるいは都心部でお住まいになりながら、そこで商売もなさっているような方の併用住宅に対する固定資産税評価の特例などいろいろ検計すべきだと思いますが、いかがでしょうか。見解を求めます。
また、研究会での議論の、現在の進捗状況について答弁を求めます。
次に、借り上げ公営住宅について伺います。
先月19日に、丸山議員、村上議員とともに公営住宅施策の先進地である横浜市を訪ねてまいりました。
横浜市は、6月定例会でも御紹介したとおり、「横浜リブイン」と称して特定優良賃貸住宅制度、高齢者向け優良賃貸住宅制度を組み合わせたさまざまな公営住宅施策に取り組んでいます。さらには、厳しい財政事情などを勘案して、これら住宅施策の見直しを進めており、今後は、特定優良賃貸住宅制度、高齢者向け優良賃貸住宅制度から借り上げ市営住宅制度へ移行するとのことでした。借り上げ公営住宅とは、民間のオーナーが建てた集合住宅を市場家賃の95%で市が20年間借り上げて市民に市営住宅として転貸しするものです。
また、オーナーに対しては、住宅共用部分整備費として、廊下、階段、玄関ホールなど建物共用部分の整備費用と、共同施設整備費として屋外の通路、広場、緑地などの駐車場を除く共同施設整備費用のうち助成対象部分に対して3分の2の補助があります。加えて、高齢者向け住宅には高齢者用特別設備設置費として、高齢者用浴室緊急通報システムなどの設置費のうち、助成対象部分に対して3分の2の補助があります。また、既存の集合住宅も一定の基準を満たすことでその対象となります。
私たちは、横浜市上大岡に建設中の「エルーチェ上大岡」へお邪魔しました。「エルーチェ上大岡」は、斜面を切り開いて開発した同じ敷地内に、分譲マンションと借り上げ市営住宅が建っています。今回の借り上げ市営住宅は、高齢2人世帯向け2DKと、高齢単身者用1DKの2タイプがありました。
横浜市は、350万人余りの人口に対し、まだまだ住宅供給が行き届いていない面もあり、富山市とは住宅を取り巻く環境が異なる部分もありますが、全国的にも自治体の規模にかかわらず、借り上げ公営住宅制度は、厳しい財政状況を反映してか、普及しつつあります。
借り上げ公営住宅制度そのものを導入することが目的ではありませんし、特定優良賃貸住宅制度とは対象とする入居者層も異なりますが、良好でコストのかからない住環境整備の手法の一つとして、特に高齢者住宅整備や都心居住推進の手法の一つとして、今後、本市において借り上げ公営住宅制度を導入する考えはないか、答弁を求めます。
次に、市営住宅の建てかえについて伺います。
公営住宅ストック総合活用計画の策定については、現在、その作業が進んでいると思いますが、既存の市営住宅に対するエレベーターの設置などの施設改善を盛り込むほか、今後の市営住宅の建てかえにも触れた内容になると思います。そこで、市営住宅の建てかえに当たり、PFIやPFI的手法を用いることの可能性について伺います。
PFIというのはまるで魔法のような言葉です。これまでも議会などでたびたび耳にしてきました。そのたびに何か財政問題などが一挙に解決し、民間の活力も増すのではないかという期待を抱かせ続けてきました。しかしながら、いまだ実現をみていないのが実情です。安易に使ってはいけない言葉なのかとも考えてしまいます。議事録を検索してみますと、平成10年6月定例会に始まり前回9月定例会までの間に、実に18件も該当する質問と答弁がありました。
PFIも手法の一つであり目的ではありませんが、東京都など経済的に収支が見込める大都市部はもとより、地方都市でも実際に活用されているケースもあります。なぜ本市は調査・研究の域を出ないのか不思議だというのが率直な感想です。実際に、これまで調査・研究をされてきた経緯から、市営住宅の建てかえに当たり、PFIやPFI的な手法を用いることの可能性について答弁を求めます。
次に、松川流域の水辺資源を生かした観光振興について伺います。
先月20日から24日にかけて、超党派の市議会議員11名と県議会議員5名、観光や河川改修の専門家である民間の方3名で構成する訪問団で、アメリカ随一の観光そしてコンベンションのまち、テキサス州サン・アントニオ市を訪問しました。このことは新聞各紙にも掲載されていましたし、今定例会でも御紹介がありましたので、市民を初め多くの方が御存じかと思います。
今回の視察目的は、リバーウォークと呼ばれる都市河川の水辺空間を生かした観光とコンベンションの都市づくりと、洪水対策のために日本の民間企業によってつくられた地下貯水トンネルや関連するダム、水門などの施設見学、そしてテキサス州政府のサン・アントニオ川管理局での研修会でした。実質2日間という厳しい日程でしたが、大変実りのある視察でした。
サン・アントニオ市のリバーウォークについては、本年9月に開催された「リバーフェスタinとやま」と、あわせて開催されたサン・アントニオ市の公園管理者リチャード・ハードさんの基調講演により、多くの方が御存じかと思いますので、詳しくは申しませんが、神通川馳越線工事同様に蛇行して流れるサン・アントニオ川の濁流から市街地を守るために直線化工事を行い、ダウンタウンに残った蛇行部の河床を掘り下げ、上流・下流に水位調節水門を設け、川沿いにつくられた遊歩道を人々が散策できたり、川沿いにショッピングセンター、飲食店、ホテル、会議場を配置して、さながらテーマパークのようになったのがリバーウォークです。
人口120万人余りの都市ですが、年間約800万人の観光客が訪れるようになりました。また、コンベンション都市としても、年間800件余りの開催実績を誇っています。市長にもぜひともごらんいただきたいすばらしいまちでした。
蛇足ながら、国際的な観光コンベンション都市ということもあるのでしょう、市長も関心の高い治安についても大変安定しており、安心・安全なまちでした。また落書きのたぐいがなかったこともあわせて御報告します。
市長におかれましては、大変お忙しいこととは思いますが、サン・アントニオ市へ訪問されるおつもりはありませんか。
また、富山商工会議所が本年10月に我々訪問団に先立ち訪問されました。本市は昭和63年に国から国際コンベンションシティ、平成6年には国際会議観光都市の認定を受けておりますが、水辺空間を生かした真の国際会議観光都市への模索と研究を民間レベルでも始めています。
新幹線開業を控え、ストロー現象を懸念する声もありますが、年間約100万人が訪れる立山黒部アルペンルートなど世界有数の観光資源の玄関口として、滞在型観光とコンベンションに適したまだまだ未開発な潜在力を松川を初めとする水辺空間は持っています。また、市民にとっても日常的な憩いの空間として、未開発の魅力を秘めています。これら水辺空間開発の可能性とビジョンについて、市長はどのようにお考えになるか見解を求めます。
また、大きな夢とビジョンを描くことと同時に、現実的にまず今何ができるかについて考え、着実な一歩を踏み出すことも重要です。市民を巻き込んだ、例えば「松川リバーウォークを考えるネットワーク」などの設立も必要と考えますが、市としてこれらの活動に対する支援のお考えはありませんか、答弁を求めます。
もちろんサン・アントニオ市のリバーウォークをそのまま持ってくることはできないし、してはならないことです。富山の歴史や伝統を踏まえた、富山でしかできないリバーウォークをつくらなければなりません。そのためには、城祉公園整備計画を見直して、城祉西側堀を復元し、松川沿いの水辺空間との物理的・歴史的連続性を持たせることも必要だと考えますが、城祉公園整備計画を一部見直す考えはないか、答弁を求めます。
次に、合流式下水道改善計画について伺います。
「富山市上下水道事業中長期ビジョン」に基づき、松川右岸合流式下水道改善計画が策定されますが、合流式から分流式に改善する場合、地下埋設物の問題から大変な困難が予想されると伺っています。現実的にすべての対象区域で分流式への改善が可能なのか、その見通しについて答弁を求めます。
次に、貯留施設について伺います。
多くの大都市では、合流式下水道の改善手段として貯留施設の建設を行っています。本市においても、松川の下へ貯留トンネルを掘ることがトータルコストからみても現実的な合流式下水道の改善手段であると考えます。貯留トンネルなどの貯留施設建設について当局の見解を求めます。
最後に、学校施設の改善、エレベーターの設置について伺います。
光陽小学校の新築により、小学校でのエレベーター設置が始まりました。今後も小学校の改築や統合校の建設によって、小学校でのエレベーター設置が進んでいくものと思われます。そうした中で、障害を持った児童がこれらの小学校で学ぶということが増えてくると思います。また、バリアフリー化されていない小学校でも、障害を持たない児童と一緒に学びたい、学ばせたいとの思いから、実際に、これら小学校へ通学する児童も増えていると伺っています。ノーマライゼーション社会が浸透しつつあることの結果だと思います。また、中学校では部活動などによる骨折といったけがも発生しやすく、大きなけがの場合は学校生活に大きな支障を来すことがあります。
さて、障害を持った児童が6年間の小学校生活を終えて中学校へ進学する時期に、再び大きな壁が立ちはだかります。中学校の施設改善が進んでいないからです。市内の中学校でも、生徒の受け入れに当たって、トイレの改修や車いす昇降機、スロープの設置を行った学校や、これから設置を予定している学校もありますが、体格も大きくなりますし、心の面でも思春期を迎える中学生です。入学する側、受け入れる側双方に負担が生じる可能性があり、根本的な解決にはならないのです。このことは、既に障害を持つ生徒が通学しているトイレ改修、車いす昇降機設置、スロープ設置を行った中学校を訪問しそれらを体験し、また、先生方のお話や、これから中学校へお子さんを通わせようと希望されている保護者のお話を伺い、強く実感しました。
心身の状態や子どもの個性などにより、必ずしも障害を持つすべての子どもたちが小学校、中学校で過ごすことがその子どもにとってよいわけではありませんが、少なくともそのようにすることを選択したいと希望される子ども、保護者の前に立ちはだかる壁を少しでも低くする努力をお願いしたい。
公的施設はもちろん、民間施設のバリアフリー化が進んでいます。将来的には全中学校へ、中期・短期的にはエレベーターの設置が終わった小学校と改築にあわせて導入が計画されている小学校の卒業生が入学を予定する中学校へのエレベーター設置を強く要望します。当局の見解を求め、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。
35 ◯副議長(村家 博君)
森市長の答弁を求めます。
〔市長 森 雅志君 登壇〕
36 ◯市長(森 雅志君)
鋪田議員の御質問にお答えします。
私の方からは、松川流域の水辺資源を生かした観光振興についてお答えし、その他につきましては望月助役及び担当部長からお答えします。
何点かお尋ねがございましたが、そのうちサン・アントニオ市へ訪問するつもりはないか。水辺空間開発の可能性とビジョンについてどう考えているのか。さらには「松川リバーウォークを考えるネットワーク」などについての支援の考えはないかの3点にお答えをします。
神通川は、かつて富山城の北側で大きく蛇行していたため、明治34年に馳越工事が行われ、昭和初期には運河を開削するとともに、その土砂で廃川地を埋め立てるという一大土木工事が行われました。松川やいたち川、そして富岩運河は、こうした先人たちの知恵と富山市の近代化を図るという熱き思いを今に伝える貴重な歴史的財産であります。
市内中心部を流れる松川、いたち川は、都市化の進んだ市街地において、水と緑にふれあえる貴重な空間であり、四季を通じて市民の憩いの場となっております。特に、この流域の桜並木は県内屈指の名所であり、多くの市民、県民や観光客が訪れております。
また、市内の水辺空間を活用したイベントとしては、春には「全日本チンドンコンクール」での幽玄ちんどん夜桜流し、夏には灯篭流し、一年を通しての遊覧船の運行、ノーベル街道ウォークラリー、カヌー体験や運河クルーズなどの運河まつり、とやま湾味覚市、神通川河畔を歩く健康ウォーク、ウォーターフロントコンサートなどがあり、多くの市民、県民や観光客に親しまれているところであります。
御披露もございましたが、この9月には、馳越工事100周年記念行事として、神通川から誕生した街「水の都とやま」の未来を探るとして、「川と街づくり国際フォーラム」が開催されたところでございます。
お尋ねの、水辺空間開発の可能性とビジョンにつきましては、これらの地域にある松川べり彫刻公園、常夜燈、延命地蔵などの歴史的・文化的施設の連携と回遊性を図ること。2つには、城祉公園と一体的な歴史・文化・観光ゾーンとして整備すること。3つには、観光資源の掘り起こしを行う「街なか観光」の推進をすること。4つには、遊覧船を活用した歴史・城下町めぐりなどが考えられるところであります。
これらのことから、本市の松川、いたち川、神通川、富岩運河の周辺は、全国・世界にも誇れる水辺空間としての可能性を秘めていると考えているところであります。
しかしながら、水辺空間の活用に当たっては、まず松川、いたち川は市街地を流れる河川であることから、降雨時には雨が短時間に流れ込み瞬時に増水すること。2番として、設置されている犬走りは橋の下で途切れているところが多い。また両河川ともごみ等が堆積したり、漂流したりしている。さらには、いたち川は勾配が急なため、流速が速く蛇行箇所もあり、遊覧船の運行は難しいこと。3つめに、富岩運河では中島閘門の下流で貯木がされており、遊覧船の運行が難しいなどの多くの課題があります。
次に、「松川リバーウォークを考えるネットワーク」を設立することなどへの支援の考えはないかとのお尋ねでございましたが、設立されるとすれば、設立やその後の推移を見守ってまいりたいと考えております。
なお、サン・アントニオ市への訪問のお尋ねにつきましては、国際観光都市を目指す上からも、機会があれば視察に訪れてみたいと考えておりますが、当面予定はしておりません。
次に、城址西側堀を復元し、松川沿いの水辺空間との物理的・歴史的連続性を持たせる必要があるが、城址公園整備計画の見直しの考えはないかとのお尋ねにお答えをいたします。
城祉公園は、平成11年度に策定しました「城祉公園基本計画」の中で、文化的にも重要性が高く、人々の交流する貴重な場であることから、「歴史がかおる都心のオアシス空間」として位置づけられております。
この計画では、整備方針といたしまして、1つには中央部は「つどいや憩い」の場として芝生広場やコミュニティー広場、さらには四季の庭を設け、郷土博物館と佐藤記念美術館との回遊性を高め、文化性にも配慮した空間としております。2番目には、外周部は隣接する各道路や松川公園との動線的ネットワークを考慮し、公園への誘導を図るため、歩道と一体性を持たせた開放的な空間としております。この方針に基づいて、順次、公園の南側から整備を進めているところであります。
しかしながら、本市の重点施策であります中心市街地活性化の観点から、観光拠点としての活用を図る機運が高まってきたことを踏まえ、今後、城祉公園のあり方について検討委員会を設置し、見直しについて検討いたしたいと考えております。
なお、西側堀の復元につきましては難しいものと考えております。
以上でございます。
37 ◯副議長(村家 博君)
望月助役。
〔助役 望月 明彦君 登壇〕
38 ◯助役(望月 明彦君)
私の方からは、コンパクトなまちづくりについてに関連して、2つの御質問にお答えしたいと思います。
まず第1点、コンパクトなまちづくりについて、本市においての位置づけについて問うという御質問でございます。
本市は、富山平野の中心に位置することもあり、他都市に比べ市街地が広範囲に拡大し、全国の県庁所在地の中でも市街地の人口密度が低く、道路等の基盤整備が郊外市街地まで進んだ自動車依存型都市となっており、住宅や商業施設、生活関連施設などの郊外移転、中心市街地などの空洞化、公共交通機関の衰退などの現象が進んできております。
さらに今後は、急速に進む高齢化による交通弱者の増大、厳しい財政環境の中での医療・介護・福祉にかかる経費の増大とそれに伴う都市基盤整備費の減少、二酸化炭素排出量などに伴う環境負荷への影響などといった課題に直面していくものと考えられます。
このため、本市におきましては、これからのまちづくりの方向性として「コンパクトなまちづくり」を推進し、現在の低密度な市街地の拡大傾向から中心市街地や地域の拠点などの既成市街地の人口を回復させるとともに、生活の諸機能を集合させ再活性化を図り、生活の基本となる衣食住が身近な範囲で満たせる街、多くの人が交流する魅力ある市街地をつくり上げていくことが重要であると考えております。
このことにより、1つとして、厳しい財政状況の中における既存の都市基盤や施設等の有効活用及び公共投資や行政活動の効率化が図られること。2つとして、少子・高齢社会に対応した歩いて暮らせることができ、多世代が交流する住みよいまちづくりが実現されること。3つとして、中心市街地などの都市の「顔」の形成と魅力・活力が創出されること。4つとして、地球環境問題への対応と自然資源の保全などの環境共生のまちづくりが実現することなどの効果が期待できるものであり、本市において「コンパクトなまちづくり」を進めることは極めて重要性が高く、現在、中心市街地の活性化や駅南北一体のまちづくりの推進、さらには都心居住の推進等、「コンパクトなまちづくり」の実現に向けて具体的な取り組みを行っておりますし、今後とも、まちづくりの基本的方向とすべきものと考えております。
次に、固定資産税評価の特例など検討すべきだと思うがどうか。また、研究会での議論について、現在の進捗状況について問うという御質問についてのお答えでございます。
庁内におけるワーキンググループである「コンパクトな街づくり研究会」は、富山市における「コンパクトなまち」とはどういうまちなのか。また推進しなければならない理由や実現に向けての方策といった課題について調査・研究をするための組織として、昨年11月に設置いたしました。
これまで8回の会合を開催しており、その活動内容につきましては、1つとして、富山市の人口、交通、都市機能立地などの現状分析。2つとして、都心部と郊外部での行政サービスの効率性の比較及び市街地拡散に伴う新たな行政費用の試算や市民生活への影響のシミュレーション。3つとして、コンパクトなまちづくりの必要性。4つとして、富山市のコンパクトなまちづくりの基本的な考え方や取り組み方向及び実現するための方策などについて、メンバー職員の自由な発想とそれぞれの専門的な立場からの議論をしてきております。
次に、コンパクトなまちを実現する方策の一つとして、まちなか居住を推進するための誘導策を講ずることが考えられますが、これにつきましては、御提案のありました固定資産税の特例を初めとした税制を含め、さまざまな方面からのアプローチを試み、他都市の事例も参考にしながら、本市における施策の可能性や有効性などについて研究会において議論をしているところでございます。
以上でございます。
39 ◯副議長(村家 博君)
島倉都市整備部長。
〔都市整備部長 島倉 憲夫君 登壇〕
40 ◯都市整備部長(島倉 憲夫君)
富山市住宅マスタープランについての御質問にお答えをいたします。
まず、現在の進捗状況と方向性についてどのように意見集約されつつあるか、中間報告として問うにお答えをいたします。
「富山市住宅マスタープラン」につきましては、住まいや住環境に対する多様な市民のニーズに対応するため、平成25年度を目標年度として、現在、策定案に取り組んでいるところであります。
これまで「富山市住宅政策検討委員会」を2回開催し、アンケート調査や住宅・建設6団体にヒアリングを行った結果などをもとに、富山市の地域特性と住宅事情の現況、住まいと住環境の課題について議論していただいているところであります。
住まいと住環境に関する課題や方向性といたしましては、1つに、少子・高齢化への対応や定住人口の維持。2つに、全国的にも持ち家率が高く、規模が大きい住宅ストックの有効活用を図るためのバリアフリー化や耐震補強。3つに、空洞化が進展する都心部での多様な世代が居住できる住宅供給の誘導や住環境の改善。4つに、市営住宅ストックの有効活用などであります。
現在、これらのことなどを踏まえ、本市の住まい・住環境の将来像、住宅政策の理念・目標・方針や実施すべき施策について検討しているところであり、来年3月までに取りまとめを行ってまいりたいと考えております。
次に、市民アンケートの調査結果と分析、住宅・建設関係団体ヒアリングの調査結果と分析について問うにお答えをいたします。
住宅マスタープランのアンケートにつきましては、20歳以上の市民の皆さん3,000人を対象に実施いたしましたところ、1,719人の方から回答をいただいたところであります。
調査の結果につきましては、まず一戸建ての持ち家が84%で、床面積や敷地面積にゆとりのある住宅が多くを占め、持ち家志向や居住水準の高さを裏づけておりますが、約半数が20年以上を経過した住宅となっております。
個別の調査内容の主なものといたしまして、1つに、実現したい暮らし方につきましては、「高齢者や障害者が安心して自立した生活ができる」が47.1%で、以下「医療・福祉施設のそば」「自然環境の豊かな郊外」などとなっております。2つに、市が取り組むべき住宅支援策につきましては、「リフォームや増改築に対する支援」が34.7%で、そのほか「高齢者・障害者に対応した賃貸住宅の供給支援」などとなっております。3つに、都心部への居住意向につきましては、全体では17.4%ですが、特に30歳代では26.9%と高くなっております。その理由といたしましては「公共交通の利便性」や「病院や福祉施設などの充実」などとなっております。
次に、住宅・建設関係団体のヒアリングの中での御意見は、1つに、市民が住宅を取得する際には価格や車の利便性で判断されることが多い。2つに、家族構成の変化、住宅の老朽化などによるリフォームの需要が増えている。3つに、市民、事業者、行政による意見交換や連携体制づくりが必要であるなどであります。
今後は、これらのことを十分分析し、住宅政策検討委員会で議論していただき、住宅マスタープランに反映させてまいりたいと考えております。
次に、部門別計画である都心居住推進調査の概要について問うにお答えをいたします。
都心居住推進調査は、本市が魅力ある都市として発展していくために、住宅政策の観点から都心部の定住人口の回復を図るための推進方策を検討するものであります。
このため、関連諸計画や統計資料の分析、人口や世帯の動向調査、空き地調査などによる現況把握のほかに、都心にお住まいやお勤めの方、住宅関連の事業者の方などでワークショップを開催し、そこでの御意見といたしまして、1つに、松川、いたち川沿いの雰囲気や個性的な店舗などよい場所がある。2つに、日常生活品の買い物に不便である。3つに、土地所有者に対し土地活用の相談や事業計画の提案を行うコーディネーターが必要であるなどの御意見をいただいております。
また、専門的立場から御提言をいただくために、学識経験者などで構成する都心居住アドバイザー会議を開催し、そこでの御提言は、1つに、都心の未利用地を近代的な空間として活用、整備したらどうか。2つに、よいモデル事業を実施して次の事業を誘発するきっかけをつくったらどうか。3つに、新聞やニュースなどを通じて、都心居住を広く市民に広報する活動が重要である。4つに、都心部の社会ストックを維持・保存し、さらに価値を上げたらどうかなどの御提言をいただいております。
今後は、さらに専門家の方々の助言を得ながら、魅力ある都心環境の整備方策や都心型住宅の供給施策及び支援策などについて、具体的な検討に取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。
41 ◯副議長(村家 博君)
松本建設部長。
〔建設部長 松本 眞人君 登壇〕
42 ◯建設部長(松本 眞人君)
公営住宅について2点のお尋ねのうち、まず借り上げ公営住宅について。今後、本市において借り上げ公営住宅制度を導入する考えはないかにお答えをいたします。
本市の公営住宅につきましては、これまで急速な高齢社会に対応するため、シルバーハウジングや高齢者向け住戸改善、さらにはエレベーター、階段手すりなどの設置を行うなどバリアフリー化を進めるとともに、安心して暮らせるよう整備してきたところであります。また、都心居住の推進につきましては、平成14年度において市街地再開発事業で整備された施設の一部を取得し、中教院モルティハイツとして住宅の供給を行ってきたところであります。
公営住宅の借り上げ方式につきましては、中核市35市のうち6市が初期投資の軽減、建てかえ供給の補完、用地取得の困難性などから導入しており、そのメリットとしましては、1つには、初期投資の軽減が図られる。2つには、公営住宅の規模、地域など必要に応じた供給が可能である。3つには、借り上げ期間が最長20年以内に限定できるなどが挙げられます。
また、デメリットとしましては、1つには、借り上げ終了時の建物修繕における費用負担の判断が困難な場合がある。2つには、公営住宅の必要な地域での事業の応募が確実ではない。3つには、借り上げ期間が20年に及ぶことから、事業者の経営状況により借り上げ住宅の存続が危ぶまれる場合があるなどが挙げられます。
借り上げ公営住宅制度の導入につきましては、トータルコストの把握や借り上げ終了後の対応などの課題があることから、他都市の事例も参考としながら、今後、調査・研究してまいりたいと考えております。
次に、市営住宅の建てかえに当たり、PFIやPFI的な手法を用いることの可能性について問うにお答えいたします。
PFIまたはPFI的事業は、PFI推進法が平成11年7月に制定された後、さまざまな公共施設の整備等に関する手法として全国の自治体に用いられているところであります。本市の公営住宅の整備につきましては、これまではいわゆる従来型の公共事業として整備してきたところでありますが、直面する厳しい財政状況下において、建設コストの縮減がさらに求められております。
若年者の雇用情勢につきましては、全国における10月の24歳以下の若年層の完全失業率は9.2%となっており、また北陸では7.4%と全国の数値に比べるとよいものの、まだ厳しい状況となっております。
最近では、若年者の職業に対する目的意識の希薄化や経済的な豊かさなどにより、学卒後の未就職者や早期離職者を初めとするフリーターの増大や、職業能力の低下などが懸念されているところであります。
お尋ねの、本市における人材育成施策といたしましては、小・中学校の早い段階からの職業観の形成や起業家精神の育成を図るため、1つには、市内小学校で実施する企業活動体感授業―2校で実施しております。2つには、社会に学ぶ「14歳の挑戦」などを実施しているところであります。さらに高校、大学については、在学中に行う就業体験いわゆるインターンシップにより、職業的自立と職場定着が期待されており、富山市役所においても積極的に実習生を受け入れているところであります。
また、若年者の雇用支援策につきましては、1つには若年者緊急雇用奨励金の交付、2つには市内企業や経済団体訪問による若年者雇用の要請、3つには市ホームページによる就職情報の提供、4つには合同就職面接会の開催などを実施しているところであります。
さらに、求職者の雇用のミスマッチの解消を図るため、パソコン技能を習得するIT能力開発講習の実施により、若年者の職業能力の向上に努めているところであります。
若年者の人材育成につきましては、教育機関、民間企業、行政が一体となった取り組みが必要であることから、今後とも、国や県、公共職業安定所など関係機関と連携し、将来の産業と地域社会を支える若年者の支援に努めてまいりたいと考えております。
次に、中小企業の支援策について、3点の御質問のうち、最初に、今後どのような支援策に重点を置くのかにお答えいたします。
最近の経済状況は、緩やかに持ち直しているものの、景気は依然として厳しいものがあり、中小企業への支援策の充実は極めて重要と考え、これまでも経済活性化と雇用拡大の原動力となる中小企業への金融対策や経営支援などに特に重点を置き、きめ細かな支援策を展開してきております。
金融対策としましては、中小企業の事業経営の安定や資金調達の円滑化を図るため制度融資の充実に努め、昨年11月には、緊急経営基盤安定資金いわゆる借換資金を創設するとともに、ことし3月から融資利率を一律年0.2%引き下げたほか、4月からは運転資金の限度額の引き上げ(1,000万円から1,250万円に引き上げ)や緊急経営基盤安定資金の資金枠を拡大したところであります。
このことにより、今年度の融資利用状況は、10月末現在で件数が1,670件、金額は約106億5,000万円と、対前年比では件数で約1.4倍、金額で約1.6倍と、多くの中小企業者に御利用いただいていることから、今後の資金需要に対応するため、今12月議会において融資枠の拡大をお願いしているところであります。さらに、資金繁忙期を迎えるに当たり、中小企業者の皆さんへの金融相談特別窓口を、この年末に開設することとしております。
次に、頑張る中小企業の経営支援策としましては、1つには、中小企業診断士や税理士などの専門家による経営指導。2つには、小規模事業経営支援事業による金融・経営などの巡回指導や講習会などを実施し、中小企業の経営改善を支援しているところであります。また、市役所の融資窓口に中小企業経営相談員を配置し、事業経営や資金計画の相談に親身になって応じているところであります。
本市といたしましては、今後とも、各種中小企業支援制度が効果的に活用されるよう、県、富山商工会議所や3商工会、中小企業支援センターなどと密接な連携を図り、中小企業のニーズに対応した支援に取り組んでまいりたいと考えております。
最後に、創業支援策にいかに取り組んでいるのか。またベンチャー企業への支援と人材育成について問うにお答えいたします。
本市産業が力強く発展していくためには、創業者やベンチャー企業への支援により、新たな成長産業の創造を図ることが重要であると考えております。
このため本市では、これまで創業支援策として、1つには、ハイテク・ミニ企業団地やインキュベータ・オフィスの設置。2つには、ミニ・チャレンジショップの開設により創業の場の提供を行うとともに、中小企業診断士など専門家の派遣や、創業者支援資金の貸し付けなどソフト面の支援にも努めているところであります。
また、ベンチャー企業への支援と人材育成につきましては、1つには、新商品の見本市への出展を促進するための「ベンチャー企業等支援事業」の実施―平成15年度より助成限度額を20万円から30万円としたところであります。2つには、「富山バイオベンチャーフォーラム」や「環境・バイオ研究会」の開催。3つには、富山商工会議所など関係機関と連携した経営・技術に関する研修会やセミナーの開催などを行い、新技術・新製品の開発支援や人材育成に努めているところであります。
さらに本市では、ベンチャー支援環境の形成や産学官連携の推進を図るため、平成14年度に策定した「ハイテク都市基本構想」に基づき、1つには、新たな産業支援体制の構築、2つには、レンタルラボなどを備える新産業支援施設の整備を行い、将来性のある研究開発型ベンチャー企業の中心となる人材の発掘、育成を図ることとしております。
本市といたしましては、今後とも、県、富山県新世紀産業機構、富山商工会議所、県内大学などと連携し、積極的に創業者やベンチャー企業の支援・育成に努め、地域経済の活性化を図ってまいりたいと考えております。
以上でございます。
55 ◯副議長(村家 博君)
これをもって、一般質問及び議案の質疑を終結いたします。
───◇ ◇ ◇───
議案の委員会付託
56 ◯副議長(村家 博君)
ただいま議題となっております議案第106号から議案第116号まで、以上11件につきましては、会議規則第37条第1項の規定により、お手元に配布してあります議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
───◇ ◇ ◇───
陳情の撤回
57 ◯副議長(村家 博君)
次に、日程第2 平成15年分陳情第1号 富山市の福祉医療費助成制度の現物給付(窓口無料)を償還払い(窓口有料化)にしないことをもとめる陳情の撤回の件を議題といたします。
お諮りいたします。ただいま議題となっております陳情撤回の件については、これを承認することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
58 ◯副議長(村家 博君)
御異議なしと認めます。よって、平成15年分陳情第1号の撤回の件については、これを承認することに決定いたしました。
───◇ ◇ ◇───
請願の委員会付託
59 ◯副議長(村家 博君)
次に、日程第3 平成15年分請願第16号を議題といたします。
ただいま議題となっております請願は、お手元に配布の文書表のとおり所管の常任委員会に付託いたします。
───◇ ◇ ◇───
60 ◯副議長(村家 博君)
お諮りいたします。委員会審査のため、12月12日及び15日から17日までの4日間休会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
61 ◯副議長(村家 博君)
御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。
───◇ ◇ ◇───
散 会
62 ◯副議長(村家 博君)
以上で、本日の日程は終了いたしました。
12月18日は午前10時に本会議を開き、委員会審査の結果報告、これに対する質疑・討論・採決並びに一般・特別、企業各会計決算認定の件などを行います。
本日は、これをもって散会いたします。
午後 2時25分散会
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