富山市議会 > 2003-09-04 >
旧富山市:平成15年9月定例会 (第4日目) 名簿
旧富山市:平成15年9月定例会 (第4日目) 本文

ツイート シェア
  1. 富山市議会 2003-09-04
    旧富山市:平成15年9月定例会 (第4日目) 本文


    取得元: 富山市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-08-02
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 議事の経過             ───◇   ◇   ◇───                開       議                               午前10時  開議 ◯議長(島田 祐三君)  ただいまから本日の会議を開きます。  議事日程は、お手元に配布のとおりであります。             ───◇   ◇   ◇───         一般質問並びに議案第72号から議案第86号まで         及び報告第37号から報告第40号まで 2 ◯議長(島田 祐三君)  これより、日程第1 一般質問並びに議案第72号から議案第86号まで及び報告第37号から報告第40号までを一括議題といたします。  これより、一般質問及び議案の質疑を行います。  順次発言を許します。  29番 佐伯 光一君。  〔29番 佐伯 光一君 登壇〕 3 ◯29番(佐伯 光一君)  おはようございます。  平成15年9月富山市議会定例会の自民クラブの一般質問を行います。  人はだれもがいつまでも健康で生き生きと自分らしく自立した生活を送りたいと望んでいるものであると思います。聖路加国際病院の名誉院長で、90歳を超えた今も現役の医者として活躍されている日野原重明さんは、「命を大事に、自分らしく生き、最後には生きたことに感謝できたら最高の人生」であると述べておられますが、非常に共感を覚える言葉であると思います。
     一方、将来の社会保障制度に対する不安、あるいは自分や配偶者の健康に関する不安、また要介護状態になることに対する不安など、高齢期の生活に対して多くの人が不安を抱いていることも事実であります。  厚生労働省によれば、日本人の平均寿命は平成14年の調査では男女とも過去最高を更新し、男性が78.32歳、女性が85.23歳であり、男性が世界第2位、女性が世界第1位となっております。  一方、女性が生涯に生む子供の数を示す合計特殊出生率が平成14年には1.32人と過去最低を更新しており、厚生労働省が昨年1月に発表した将来推計人口の予測数値1.33人を下回り、少子化傾向に歯どめがかかっていない状況であります。  急速に進む高齢化と核家族化の進展の中で、21世紀の高齢社会に向けた新しい社会連帯のシステムとして介護保険制度が導入されてからことしで4年目を迎えました。在宅重視を理想に掲げてスタートした介護保険制度でありますが、依然として施設サービスの需要が高いのが現状です。この理由としては、在宅の場合には家族の肉体的、精神的負担がずっと大きいことなどが挙げられると思います。  しかし、現在のように国及び地方の財政が非常に厳しい状況においては、需要量に見合うような施設サービスの絶対量を確保することは困難であり、また施設サービスを充実させることは必然的に保険給付費を増やし、結果的には介護保険料を値上げすることにもつながることから、在宅福祉へのシフトを加速させることが重要であると考えます。  ところで、内閣府が2002年12月に65歳以上のひとり暮らしの男女3,000人を対象に行った調査によりますと、「日常生活を送る上で介護を必要とするようになった場合、どこで介護を受けたいか」について聞いたところ、「自宅」が29.0%と最も高く、次いで「病院などの医療施設」23.1%、「老人ホームなどの福祉施設」15.8%、「子供の家」8.2%。「老人保健施設」4.1%の順となっており、自宅での介護を望む割合がやはり高い結果になっております。  一方、「今後、だれかと一緒に暮らしたいか」という問いに対しては、ひとり暮らし高齢者の71.0%が、今のままひとり暮らしでよいと答えておられます。この結果を見ても、私は高齢になっても住みなれた家や地域の中で、自立した生活を送りたいというのが、多くの高齢者の思いであるということを改めて感じたところであります。  このように、多くの高齢者が望んでいる在宅での生活をかなえるためには、介護保険などの福祉サービスの充実に加え、地域コミュニティーの中で相互扶助による介護の補完が広く実行されることが不可欠なことであると考えます。  そこで、高齢者が住みなれた地域で生き生きと住み続けることができるにはどうしたらいいかという観点で、以下、質問を行います。  まず最初に、地域福祉計画についてお尋ねいたします。  地域福祉の目的は、地域社会の場において援助を必要とする個人や家族の自立を図ることにあると言われております。核家族化の進展、個人の権利意識や生活様式の多様化など、一般的に現代は地域社会とのつながりが希薄化した社会となっております。  しかし、福祉に限らず地域で発生するさまざまな問題は、本来、その地域で解決されることが最も望ましい姿であると思います。しかし、地域の人々の個人的な善意だけでは限界があり、また地域の民生委員さん、福祉団体だけでは問題は解決しない場合があります。私たちの住んでいる地域社会そのものが、もっと福祉の機能や教育力、生活を守り合える力などを持たなければならないという大きな課題が、今、私たちに課せられているのではないでしょうか。  生活上の問題を抱えた当事者とその周囲の人々が、ともに住みなれた地域で安心して生きがいのある生活を送れる方策を探し出し、その実現を目指すところに地域福祉の出発点があると考えます。  さて、平成12年6月に施行された社会福祉法の改正により、市町村は地域福祉計画を策定しなければならないことから、本市でも地域福祉計画の策定作業が進められているものと推察いたしますが、現在までの進捗状況と策定の時期、及び地域福祉計画の中でうたわれる地域福祉に関する富山市の理念、並びに地域福祉計画と他の計画、例えば高齢者福祉計画介護保険事業計画などの計画との関係について、まずお尋ねをいたします。  次に、地域福祉計画の策定において、住民が参画することは非常に重要で意義のあることと考えます。なぜなら、地域の現状を最もよく知っているのが住民自身であり、そうした住民の皆さんが計画づくりに参画することにより、住民の持つ社会福祉意識が変わり、また地域の力やエネルギーを再発見することにつながるとともに、行政と住民との新しいパートナーシップを創出する絶好の機会となると考えるからです。そこで、地域福祉計画の策定にどのように地域住民が参画されているのかお尋ねいたします。  次に、地域福祉計画を新たに策定するに当たり、これまでの地域福祉の現状とその課題の具体的な分析と整理が重要であると思います。そこで、これまでの地域福祉活動の現状をどうとらえておられるのか、また解決を要すると思われる課題、例えば介護者である家族の疲労蓄積を防ぐための援助策、在宅介護機器などの利用や介護技術の体得をどうしたらいいかなどについて、どのように認識しておられるのかお尋ねいたします。  また、そうした課題の分析から浮かび上がってくるところの地域福祉活動の実践目標、及び目標達成のための具体的な方策について、現段階で答えられる範囲でお答えいただきたいと思います。  今日、介護が必要な高齢者を放置したり、暴言を吐いたり、ときには暴力にまで至る高齢者虐待が深刻な社会問題となっていると言われております。こうした新たな問題に対する対応について、地域福祉計画の中でも対応策を盛り込むことが必要であると考えますが、高齢者虐待に対する行政としての対応やその予防策について御意見をお聞かせください。  また、地域福祉の推進とともに、介護予防やひきこもりの防止ということが在宅福祉の実現にとりまして、重要な課題であると認識をしております。富山市では、保健所において機能訓練事業、健康教室など身体機能の維持や健康づくりのための各種事業が実施されるほか、地域の在宅福祉の拠点である各保健福祉センターにおいて、地域内をきめ細かく巡回し、介護予防教室などを開催しておられます。  また、在宅介護支援センターでは、要介護認定を受けた結果、非該当になった方や要介護認定を受けるには至らないが、何らかの援護が必要な方を対象に高齢者一人一人に合った介護予防プランを作成し、家事援助などの自立支援サービスを提供しています。  さらには、外出支援として移送サービスや趣味活動などを行う、生きがい対応型デイサービス事業を実施され、多くの高齢者が利用されていると伺っております。  こうした事業は、要介護状態への進行を遅らせ、結果として介護保険事業に係る費用の抑制に大きく貢献していると考えますが、介護予防やひきこもりの防止について、改めて当局の御見解をお聞かせください。  今後、高齢者などの要援護者を地域の中で総合的に支える地域ケアシステムの構築が最重要課題の一つであると考えますが、このことについての御見解をお願いします。  次に、在宅介護支援センターについてお伺いします。  御案内のように、在宅介護支援センターは老人福祉法において、市町村が行うべき老人福祉に関する情報の提供並びに相談及び指導などの実施機関として位置づけられており、市町村行政の代替機能を担っている機関でありますが、介護保険制度が実施されて以降、在宅介護支援センター居宅介護支援事業所を併設して、みずから介護保険サービスケアマネジメントを行うほか、居宅介護支援事業者に対する指導、支援の実施などその役割は大きくなっております。  こうした大きな役割を持つ在宅介護支援センターの現状をどのように認識しておられるのか、またセンターの課題は何であるかについて初めにお尋ねをいたします。  ところで、ニーズを抱えているにもかかわらず、相談窓口に出向いたり、サービスの利用を申請したりすることができない高齢者が存在しているといった指摘がなされております。また、ひとり暮らしの孤独死、家族からの虐待や介護放棄など痛ましいケースも後を絶ちません。在宅介護支援センターは、こうした広く援護を必要とする高齢者を地域の中で発見し、見守りを含めた適切なサービスにつなげていく役割を果たすことも必要ではないかと考えます。また、痴呆性高齢者については、今後増加することが予想されており、早期発見、早期対応によって地域社会での生活を長期に継続できるよう支援することは重要な課題であることから、こうした要援護高齢者の発見、支援、保護、あるいは痴呆性高齢者の早期発見、早期対応という視点から、在宅介護支援センターの現状と今後のありようについて当局の考え方をお聞かせください。  また、在宅介護支援センターには、相談者の範囲を要介護の高齢者に限定することなく、広く生活問題を有している高齢者に対して積極的に相談援助を行い、サービス利用の調整を実施するという高齢者への総合相談機能が求められます。このことから、相談に応じる職員自身が福祉に関する幅広い知識を持つとともに、調整能力を高めることが重要であり、そのための研修、指導、支援を行政としてしっかり行う必要があると考えますが、当局の考え方をお聞かせください。  さらに、地域内の個人や団体などと日常の連絡調整を密にするなど、連携を強化することにより、サービスを円滑に提供できる体制づくり、すなわち地域ケア体制の充実が重要であると考えますが、そのために在宅介護支援センターの果たす役割について考え方をお聞かせください。  高齢者ができる限り要介護状態にならないように、また要介護状態となった高齢者の心身の状況ができる限りそれ以上悪くならないようにするには、介護予防の取り組みが重要であります。要介護となるリスクの高い高齢者を効率的に把握し、それぞれの高齢者の状況を踏まえて、効率的な介護予防サービスに的確につなげていく活動は、今後ますます力を入れて取り組んでいかなければならない活動であると思います。そこで、在宅介護支援センター介護予防サービスをコーディネートし、高齢者ができる限りケアを必要とする状態にならないパワーリハビリを取り入れた予防事業を実施していくことも必要であると考えますが、当局の考え方をお聞かせください。  次に、社会福祉協議会について質問いたします。  富山市社会福祉協議会は、市からの補助金や委託料、共同募金の配分金、会費収入などをもとに、地域住民、ボランティア団体、福祉関係者などと連携をしながら地域福祉の推進を目指したさまざまな事業に取り組んでおられます。  また、各校区においても、自治振興会や民生委員、児童委員、婦人会、各種ボランティア団体などが中心となり校区社会福祉協議会を組織し、地域に根差した特色ある地域福祉活動を展開しております。  さまざまな事業活動の中で、私は、「ふれあいサロン事業」や「地域福祉推進員の設置事業」などは、地域福祉を推進する上で大切な事業であると思います。  「ふれあいサロン事業」は高齢者や障害者、子育て中の親子などと住民が気楽に、無理なく、楽しく、自由に集い、それぞれの興味や関心に合わせた活動を行ったり、一緒にお茶を飲んだり食事をしたりすることを通じてふれあいを深め、地域での仲間づくりを行うものですが、高齢者の孤独感やひきこもりなどの問題、また子育てへの不安を抱える親が増えていることや、児童虐待、あるいは青少年の非行の問題など地域で発生している課題が多い中にあって、お互いに支え合うネットワーク活動を展開し、明るく楽しく集える「ふれあいサロン」を多くの地域でつくり出すことは、地域の持つ潜在能力を高めることにもつながることから大切なことであると考えます。  また、「地域福祉推進員の設置事業」については、ひとり暮らしの高齢者や福祉サービスを必要とする人に対する日常的な見守り活動や声かけなどを通じて、潜在する福祉ニーズを早期に発見し、専門機関につなぐ地域ボランティアとして地域福祉推進員の存在は大変重要であると思います。そこで、「ふれあいサロン事業」及び「地域福祉推進員設置事業」について、各地域での取り組み状況についてお聞かせください。  次に、社会福祉協議会の活性化という視点から何点か質問を行います。  第1は、市と校区の社会福祉協議会の連携、協働をいかに図っていくかが大きな課題であると思います。当局の御見解をお聞かせください。また、同じサービスメニューであっても、校区ごとの実情や違いに応じ、各地区が柔軟にサービスを提供することができるよう、各地区の裁量にゆだねることが効果的なサービス提供体制につながると思いますがいかがでしょうか、御見解をお聞かせください。  第2は、地域福祉ニーズを掘り起こすため、地域での座談会などを積極的に展開することが必要であると考えますが、御見解をお聞かせください。  第3は、社会福祉協議会についての市民への広報についてであります。市民の中には、町内会などを通じて会費を徴収されていることも知らない人がいるなど、社会福祉協議会についてあまり認識しておられない方もいらっしゃることから、その役割や活動内容、予算などについて、市民の理解と認識を深めてもらうよう努めることが大切であると思いますが、御見解をお聞かせください。  第4は、行政と社会福祉協議会との役割分担を整理し、社会福祉協議会の性格を明確化することについてであります。現在、社会福祉協議会の事業は市からの委託事業が中心となっており、社会福祉協議会の独自性が発揮されていないのではないかと感じております。社会福祉協議会の性格を生かし、行政の下請的な立場でなく、自主、自立性を発揮した活動をもっと展開する必要があると思いますが、御見解をお聞かせください。  また、現在の社会福祉協議会の財政状況について、自主的な財源をもっと増やすよう検討すべきではないかと思いますが、御見解をお聞かせください。  5つめに、現在、富山市社会福祉協議会では地域福祉活動計画の策定作業を進めておられることと思いますが、基本理念及び計画に盛り込む内容についてお聞かせください。  さて、今、日本は世界に類を見ない急速な高齢化や少子化に伴う生産年齢人口の減少、さらには、経済の低成長化などにより、戦後の高度経済成長を背景として形成されてきた年金、医療、福祉などのさまざまな社会保障制度の見直しを余儀なくされております。持続可能な将来につなぐことのできる制度へと再構築するため、今、国において給付と負担のあり方や給付水準などについて見直しが行われております。  また、本市においても、さきに発表されました「富山市財政危機回避緊急プログラム」において、歳出構造全般の見直しを行う中で、福祉サービスのあり方についても再構築する必要があると指摘されております。これにつきましては、本会議でもいろいろと議論がなされているところでありますが、私は将来に禍根を残さないよう、この期を逃さずに、しっかりとした対応をとることは非常に大切なことであると思います。福祉サービスの分野におきましても、一律の、ばらまき的なサービス提供ではなく、真に必要としている方へ必要なサービスを提供することへの転換が求められていると思います。ある意味では、結果の平等ではなく、機会の平等ということがこれからの時代においては必要であると思います。  一方、このような時代だからこそ、地域の福祉力を充実させることが一層重要であると感じております。今後とも、相互扶助精神に基づき良好な地域コミュニティー形成のために、行政が積極的に役割を果たしていくことをお願いして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 4 ◯議長(島田 祐三君)  森市長の答弁を求めます。  〔市長 森  雅志君 登壇〕 5 ◯市長(森  雅志君)  おはようございます。  佐伯議員の御質問にお答えします。私の方からは、地域福祉計画についてお尋ねのありましたうち1点についてお答えし、その他につきましては担当部長から答弁申し上げますので御理解をお願いします。  まず、1番最初にありました地域福祉計画の進捗と策定時期及び地域福祉計画にうたわれるであろう地域福祉に関する考え方、並びに他の計画との関係についてのお尋ねでございます。  地域福祉計画につきましては、社会福祉法第107条の規定により、住民、社会福祉事業者社会福祉関係者の意見を十分に反映させながら、地域福祉の推進に関する事項として、1番目に地域における福祉サービスの適正な利用の推進、2番目には地域における社会福祉を目的とする事業の健全な発達、3番目に地域福祉に関する活動への住民参加の促進を一体的に推進することを盛り込んで策定することとなっております。  地域福祉計画の策定に当たっては、地域住民等が積極的に参加し、それぞれの地域で、自分たちのまちにふさわしい福祉とはどうあるべきかを考え、その地域の特徴を踏まえてつくり上げるものとされており、今後の地域福祉を総合的に推進する上で、大きな柱となるものであります。  もとより我々日本の社会は、地域地域でお互いが支え合うということを原則的、基本的な姿としながら発展してきたものだと認識しております。したがいまして、地域における福祉の中身を充実させるときに、住民の皆さん方お一人お一人の積極的な参加や関与というものは、当然、大変大切なものであるというふうに思っております。そういう意味では、今後策定される地域福祉計画は、1つには「住民参加」、そしてひとり高齢者のみならず、あらゆる援護が必要な方々を対象としているという意味で、「総合性」というこの2つの特徴を持つことになっていくのではないかと思っております。  今述べましたようなことを踏まえ、本市では、地域福祉計画を平成15年度から平成17年度までの3カ年で策定してまいりたいと考えております。  具体的なスケジュールにつきましては、1.平成15年度では他都市の状況調査や資料の収集、福祉関係団体へのアンケート調査、関係部局との調整を行い、策定委員会の設置に向けた準備を行う。2.平成16年度では策定委員会の設置、市民意識調査の実施、地域住民との座談会の開催などを行い、意見の取りまとめをいたします。3.平成17年度では、地域ブロック懇談会の開催を行い、住民の意思が反映されるように地域福祉計画を策定することとしております。  次に、地域福祉計画と他の福祉分野の個別計画との関係につきましては、相互に密接に関連したものとしなければならないと思いますし、お互いに整合性のとれたものとしていくことが大切だと思いますが、今後の策定の中でしっかりとこのことについては図ってまいりたいと、このように思っているところでございます。  以上でございます。 6 ◯議長(島田 祐三君)  森福祉保健部長。  〔福祉保健部長 森   彰君 登壇〕 7 ◯福祉保健部長(森   彰君)  まず、地域福祉計画についての質問にお答えいたします。最初は、地域福祉計画の策定に地域住民がどのように参加するべきかという質問でございます。  地域福祉の推進に当たっては、地域住民の主体的な参加が大前提であることから、地域福祉計画の策定においても、地域住民の参加とその意見を反映していくことが重要な要素となっております。  本計画の策定に当たっては、住民の意見を反映させるための具体的な方策として、1番目に策定委員への一般公募委員としての参加、2番目に住民座談会の開催、3番目に市のホームページを用いてのパブリックコメント、4番目に市民意識調査、福祉関係者へのアンケート、5番目に出前講座や社会福祉協議会が行っている住民座談会などで出された意見の集約などの実施について検討しているところであります。  次に、地域福祉活動の現状とその課題についてと、地域福祉活動の実践目標、それから目標達成のための方策についての質問であります。  少子・高齢化、核家族化、都市化の進展に伴い、かつて地域にあった助け合いの機能や家庭内における扶養機能といった両面の機能が低下してきているところであり、失われつつあるこれらの相互扶助機能の補完、代替をいかにして図っていくかということが、これからの地域福祉活動にとって重要な課題であると言われております。  そこで本市では、従来から、地域住民の自主的な福祉活動に要する経費の助成を行い、「地域ぐるみ福祉活動推進事業」や「移送サービス事業」「配食サービス事業」などにより、だれもが住みなれた地域で生きがいのある生活を送れるための取り組みを行っているところであります。  また、地域型在宅介護支援センターにおきましては、従来から、より身近な在宅介護や介護予防の相談窓口としての役割を果たすとともに、高齢者の実態把握、介護予防プランの作成、介護予防教室の開催、介護保険の代行申請などを行ってまいりました。  さらに、平成15年度から、在宅介護支援センターに地域ケアコーディネーターを配置し、要援護者や高齢者の在宅生活を支援するために、1番目として要援護高齢者支援のネットワークづくり、2番目に介護ボランティアの育成支援、3番目に介護予防、福祉情報の提供、4番目に介護予防ふれあいサークル活動の結成といったような活動を行う「地域ケア体制推進事業」を展開しております。  これによって、民生委員・児童委員、町内会、医療機関、警察、郵便局など地域を取り巻くさまざまな人々が連携し、地域全体で助け合い、支え合う体制を構築することにより、地域、家庭においてだれもが安心して暮らすことができる社会が実現するものと考えております。  続きまして、高齢者虐待に対する対応、その予防策でございます。  在宅介護の現場では、家族が介護負担によるストレスなどから、介護の放棄や暴力を振るうなどの虐待が発生すると考えられますが、本市では、高齢者虐待の相談は基幹型在宅介護支援センターや保健所、長寿福祉課などで相談を受けているところであります。  その支援方法については、精神科医師の意見を参考にしながら、保健、福祉の専門家からなる地域ケア会議で検討し、虐待をする人と受ける人を分離するために介護保険施設に入所させたり、虐待をする人の心理的ケアを行ったりしております。  虐待の発見については、実際に高齢者と接触する機会が多いケアマネジャーやホームヘルパーなどからの通報のほか、地域の高齢者を見守る活動として、1つめに保健師、民生委員、高齢福祉推進員などによる訪問活動、2つめに地域型在宅介護支援センターの実態把握や相談、3つめに長寿会の友愛訪問活動などを推進する中から虐待の発見や防止に努めております。  今後、虐待の効果的な早期発見や予防方法を確立し、カウンセリング技術の向上やサービス計画の見直しを図っていくことが重要であると考えておりますので、国で実施される虐待の実態調査や虐待防止のモデル都市の状況を調査しながら研究してまいりたいと考えております。  続きまして、介護予防、ひきこもり防止についてでございます。  介護保険制度は「在宅重視と自立支援」を基本理念として、介護給付事業の実施とともに、高齢者の要介護状態の軽減や悪化の防止を図り、要介護状態となることを予防するために必要なサービスを提供するものであります。  本市の介護保険サービスの利用状況は、全国平均に比べ、在宅よりも施設志向が高くなっております。一方、高齢者の多くは介護が必要となっても、在宅で生活することを望んでおり、在宅介護サービスの利用の拡大を図ることが重要な課題となっております。  高齢者が要介護状態になることを予防するとともに、要介護状態となった場合においても、可能な限り在宅で自立した日常生活を営むことができるよう、在宅でのサービスの充実と地域の連帯により、お互いが支え合う仕組みづくりの構築が重要であると考えております。  このため、要介護認定においても「自立」と認定された方や、閉じこもりがちな高齢者を要介護予備軍としてとらえ、これらの方々に要介護状態とならないための介護予防サービスや生活支援サービスなどを提供していくことが大切であると考えております。  続きまして、地域ケアシステムの構築が最重要課題でないかという質問でございます。  地域ケアシステムの構築に当たりましては、介護保険制度が密接に関連してくるものであり、ケアマネジャーや介護サービス事業者、在宅介護支援センターの機能を活用することが重要なことと考えております。  介護保険制度の基本理念は、在宅重視であり、住みなれた地域で可能な限り自立した生活を送ることができるよう、地域社会で介護を支えることであります。  本市におきましては、介護保険制度創設後、22カ所の地域型在宅介護支援センターは、居宅介護支援事業所の機能をあわせ持ち、居宅サービス事業者や介護保険施設等との介護保険サービスネットワークを形成し制度の基盤を支えてきております。  しかしながら、住みなれた地域で在宅生活を継続していくためには、介護保険サービスだけでは十分対応できない部分もあり、それを補うために家庭や地域の相互扶助が必要であります。一方、今日では核家族化や都市化の進展により、家族介護が困難となっており、地域の互助機能も低下してきている状況であります。このような中で、本市では、本年4月に各在宅介護支援センターに地域ケア推進コーディネーターを配置し、町内会や近隣、ボランティアなどが援護を必要としている高齢者の方を地域で支える要援護高齢者地域支援ネットワークの形成を核とする地域ケア体制推進事業に取り組んできております。  そこで、本市が地域福祉計画の中に、地域ケアシステムの構築を盛り込むに当たっては、地域の皆さんを主体とし、介護保険のケアマネジメントと社会福祉のソーシャルワークの2つの機能を持つ在宅介護支援センターの役割は大変重要であると考えております。  地域ケアシステムの仕組みとしましては、要援護高齢者を「発見・相談するシステム」、地域での「見守り、助け合い、支え合うシステム」を初め、安全で安心した生活環境などが必要と考えております。これらのシステムは、縦割り的に画一的に構築できるものではなく、地域に住む人の思いを尊重し、地域の特性に合った柔軟な形で構築していくことが大切だと考えております。  続きまして、在宅介護支援センターの現状と課題でございます。  本市における介護保険サービスの利用状況につきましては、全国平均と比較いたしまして、在宅サービスの利用に比べ施設サービスの利用が多くなってきております。しかしながら高齢者の方々は、在宅または住みなれた地域で生活することができるよう支援することが重要であると考えております。  そこで、地域型在宅介護支援センターにおきましては、より身近な在宅介護や介護予防の相談窓口としての役割を果たすとともに、高齢者実態把握、介護予防プランの作成、介護予防教室の開催、介護保険の代行申請などを行ってまいりました。  さらに、今年度からは本市独自の事業として、地域ケア推進コーディネーターを地域型在宅介護支援センターに配置し、要援護高齢者を地域で支え合う地域ケア体制推進事業に取り組んできております。また、基幹型在宅介護支援センターにおきましては、施設入所者の在宅復帰を支援するための研究会を設置し、意向調査を行うなど「施設入所者在宅復帰支援モデル事業」に取り組んでおります。このように在宅介護支援センターの役割はますます重要になってくるものと考えております。  介護保険制度では、基本理念として在宅重視と自立支援を実現することが掲げられていることから、本市におきましては、在宅介護支援センターが中心となって地域の介護力を高め、高齢者の在宅での自立した生活を支援することが課題であると考えております。  続きまして、要援護高齢者あるいは痴呆性高齢者への対応策としての在宅介護支援センターの現状と今後のあり方についての質問であります。  地域型在宅介護支援センターでは、介護福祉士などの専門職員が65歳以上のひとり暮らし高齢者の方を中心に家庭訪問を行い、実態把握を行っており、要援護高齢者の発見あるいは痴呆性高齢者の早期発見に努めております。  また、実態把握の結果に基づき、要援護状態にならないように必要に応じて介護予防プランを作成し、地域ケア会議で検討を行うとともに、各種福祉サービス介護保険サービスの申請代行を行っております。  今後は、地域ケア推進コーディネーターが中心となって、ネットワークを活用しながら、よりきめ細かく地域に入り、高齢者の実態を把握できる仕組みをそれぞれの地域に合った形でつくり上げ、要援護高齢者の早期発見、早期対応に努めてまいりたいと考えております。  続きまして、在宅介護支援センターの職員の能力を高めること、そのための研修、指導、支援が必要ではないかとの御質問でございます。
     本市では、在宅介護支援センターの職員の資質の向上を図るための研修として、1つめに、富山市在宅介護支援センター職員研修会の開催、2つめに、ケアプラン作成技術の向上を図るためのケアプラン指導研修チームによるケアプランの検証、3つめに、ケアマネジャーの実態に応じたケアマネジャー研修会の開催、4つめに、ケアマネジメントリーダーによる個々のケアマネジャーへの相談や指導・援助などを行ってまいりました。  さらに本年度は、有能なコーディネーターを育成するため、地域ケア体制を推進するためのソーシャルワークの援助技術の向上を目的とした地域ケア推進コーディネーター会議を開催するとともに、中堅ケアマネジャーの研修会を開催し、ケアプラン検証マニュアルを作成したいと考えております。  在宅介護支援センターの職員には、福祉に関する幅広い知識と調整能力が必要であり、今後も研修や指導、支援をしっかり行ってまいりたいと考えております。  続きまして、地域ケア体制の充実、このために在宅介護支援センターが果たす役割についてであります。  地域ケア体制の充実を図るための在宅介護支援センターの役割といたしましては、高齢者の方々が住みなれた地域で安心して在宅生活ができるよう、援護を必要とする高齢者と地域の方を結びつけ、地域の実態に応じて地域の皆さんと一緒に「地域ふれあい 助け合い 支えあい活動」を推進していくことが重要であると考えております。  そのために本市では、本年の4月より、各地域型在宅介護支援センターに地域ケア推進コーディネーターを配置し、地域での説明会の開催、要援護高齢者地域支援ネットワークづくり、介護ボランティアの育成支援、介護予防、福祉情報の提供、介護予防ふれあいサークルの育成などに取り組んでいるところであります。  これまでに154会場での説明会を開催し、57の要援護高齢者地域支援ネットワークと、33の介護予防ふれあいサークルが結成されており、今後とも、地域型在宅介護支援センターが中心となり、地域ケア体制を推進していきたいと考えております。  続きまして、在宅介護支援センター介護予防サービスをコーディネートするときに、パワーリハビリを取り入れた予防事業が必要ではないかという御質問でございます。  高齢者ができる限り要介護状態にならないように、また、要介護状態になった高齢者の心身の状態がそれ以上悪くならないよう、在宅介護支援センターにおける介護予防の推進が重要であると考えております。  現在、地域型在宅介護支援センターにおきましては、地域の高齢者の皆さんの実態を把握し、必要に応じた介護予防プランの作成、転倒防止や閉じこもり予防の介護予防教室の開催、介護予防ふれあいサークルの育成を行っております。  御質問のパワーリハビリテーションは、虚弱な高齢者を要介護状態にしないために、また、要介護状態になっている人はもう一度自立を取り戻すことをねらいとしております。主な手段としてマシントレーニングを用い、日常生活に必要な身体的パワーを増大させ、これをもとに活動への自信・安心感をもたらして、活動的な日常生活を再び取り戻すという行動変容を最終目的とする大変有効なリハビリテーションと言われております。このことから、今年度は、基幹型在宅介護支援センターが実施しております施設入所者在宅復帰支援モデル事業の一環として、施設入所者の方を対象にパワーリハビリテーションを導入することとしております。  今後は、高齢者の方々が利用しやすいよう、介護保険施設、民間事業者にもパワーリハビリテーションの普及を図り、介護予防事業のより一層の推進に努めてまいりたいと考えております。  続きまして、社会福祉協議会に関する質問でございます。  最初は、「ふれあいサロン事業」、「地域福祉推進員設置事業」についての取り組み状況、また、市社会福祉協議会と校区(地区)社会福祉協議会との連携、協働について、さらに各地区の裁量にゆだねることが効果的でないかという質問でございます。  富山市では、だれもが住みなれた地域において、生きがいのある生活が送れるよう、地域での福祉ニーズを地域の中で解決できる地域福祉ネットワークを構築するため、「地域ぐるみ福祉活動推進事業」を実施し、地域での土壌づくりに努めているところであります。  この事業は、富山市社会福祉協議会を事業主体とし、地域住民の自主的な福祉活動に対して助成するものでありますが、「ふれあいサロン事業」、「地域福祉推進員の設置」もその活動の一つであり、平成14年度、「ふれあいサロン」は10校区で実施されており、「地域福祉推進員」は平成14年度、8校区で設置されております。  富山市社会福祉協議会校区社会福祉協議会の連携につきましては、これまで「地域ぐるみ福祉活動推進事業」などを通して、地域福祉の推進に努めてきたところであります。  現在、市が展開しております地域で高齢者などの要援護者を支え合うための「地域ケア体制推進事業」などを効果的に推進するためには、校区社会福祉協議会が地域住民とともに地域の特性を生かし、要援護者などのニーズに応じた地域福祉活動を推進していくことが必要であると考えております。  続きまして、地域福祉のニーズを掘り起こすための各地域での座談会などについての質問でございます。  富山市社会福祉協議会では、地域での福祉ニーズを把握するために、平成14年度から、校区の社会福祉協議会ごとに地域福祉座談会を33校区で開催し、幅広い住民の方々との意見交換を行っておられます。本市といたしましても、座談会には職員を派遣するなど地域住民とともに福祉活動の推進に努めているところであります。  このように、地域住民の方々から直接意見を聞くことは、地域住民の福祉への関心を高め、また要援護者を地域で支え合う体制づくりにつながる大変有効な手段と考えております。  続きまして、富山市社会福祉協議会の会費、役割、活動内容、予算などの周知についての御質問であります。  富山市社会福祉協議会は、富山市における社会福祉事業の健全な発展及び社会福祉に関する活動を活性化することにより、地域福祉の推進を図ることを目的としているものであります。社会福祉協議会は、地域で支え合う地域福祉活動を推進するために会員制度を設けております。会員となるのは、富山市民、社会福祉協議会の趣旨に賛同した福祉団体、施設及び事業所でその会費は年額、一般会員(一般市民)1世帯当たり50円、団体会員(福祉団体)1団体当たり5,000円、施設会員(福祉施設)1施設当たり2,000円、賛助会員(各事業所)1口当たり1万円となっております。  社会福祉協議会では、その役割、予算などについて、市民の皆さんに知っていただくため年4回広報誌を全戸に配布されているところであります。  また、今年度からは社会福祉協議会のホームページがリニューアルされ、詳細な事業案内のほか、ボランティア情報についても掲載されているところであります。社会福祉協議会の活動内容を市民の皆さんに理解していただくことは大変重要であることから、今後ともPRに努めていただく必要があると考えております。  続きまして、社会福祉協議会の性格を生かし、自主性を発揮した活動を展開するためには、社会福祉協議会の自主財源を増やす必要があるのではないかという質問でございます。  社会福祉協議会は、社会福祉基礎構造改革により、地域福祉の推進の中核として位置づけられております。このことから、地域のニーズにこたえた福祉サービスを展開するためには、地域に根差した事業活動と組織づくりをさらに強く推し進めていく必要があると考えております。  社会福祉協議会の財源につきましては、市や県の補助金・委託料と会費収入、寄附金、共同募金の分配金及び基金の運用益などの自主財源並びに事業収入によって構成されております。しかしながら、平成14年度では、自主財源の占める割合は4.5%にとどまっているところであります。  社会福祉協議会基盤強化部会においても、会員制度、組織体制の充実、財政基盤の強化が検討されており、自主財源の確保は、社会福祉協議会の本来あるべき地域福祉を推進するために必要なことでありますが、現在の社会経済状況のもとでは大変厳しい課題であると考えております。  最後に、社会福祉協議会が策定中であります地域福祉活動計画の基本理念、それに盛り込む内容についてであります。  地域福祉活動計画は、全国社会福祉協議会が制定した「新・社会福祉協議会基本要項」の中で策定することが規定されております。本計画の策定に当たっては、地域住民や各種団体とともに住民総参加で、地域福祉の推進を図る仕組みづくりを盛り込みながら策定するものとなっております。  富山市社会福祉協議会においては、平成14年度に設置された地域福祉活動計画策定委員会の地域福祉部会、福祉サービス部会、社会福祉協議会基盤強化部会の3部会で検討を重ねるとともに、地区座談会で住民の意見を聞きながら、平成15年度末をめどとして「富山市地域福祉活動計画」の策定に取り組んでおられるところであります。  平成15年3月には、策定委員会において中間報告をとりまとめられ、計画の趣旨、基本理念、基本構想が示されたところであります。  計画の趣旨につきましては、策定の背景や基本的位置づけのほか、地域の歴史、環境を生かし、保健・医療・福祉サービスが一体的に結びついた地域社会の構築といった計画の目的、意義が示されております。  基本理念につきましては、「だれもが住みなれた地域で安心して生きがいをもって生活できる福祉のまちづくり」を掲げております。  基本構想につきましては、1つとして福祉活動の推進とネットワークづくり、2つめに住民の立場に立った福祉サービスの推進、3つめに地域住民の理解と参加による社会福祉協議会の基盤強化の推進が挙げられているところであります。  また、この計画に盛り込む内容につきましては、現在、策定委員会において検討されているところであります。  以上であります。 8 ◯議長(島田 祐三君)  2番 佐藤 則寿君。  〔2番 佐藤 則寿君 登壇〕 9 ◯2番(佐藤 則寿君)  平成15年9月定例会に当たり、公明党より一般質問させていただきます。  9月5日付の広報とやまに掲載された、「電気仕掛けの食生活」という市長の「ほっと・エッセイ」が目にとまり、大変興味深く拝見させていただきました。また、我が党県本部では、この17日、「富山を食の安全先進県に」を求めた12万890名の署名簿とともに、食の安全確保を知事に申し入れたところであります。  そこで、初めに食の安全に関する質問をさせていただきます。  一昨年、日本初のBSE、いわゆる狂牛病感染牛の発見が公表され、以後、食品の偽装、虚偽表示、食品添加物、残留農薬問題など国民の不信、不安につながる事件が相次ぎ、食の安全に対する信頼は大きく崩れました。こうした状況を解消し、食の安全を確保するため、我が党は政府に対し、新たな食品行政の構築に向けて消費者重視農政への転換に関する申し入れや、リスク評価機関の設置などを求めてまいりましたが、さきの国会で食の安全に関する法整備が進み、食品安全基本法のほか関連7法案の成立をみたところであります。  そこで第1の質問ですが、「食品安全基本法」は食の安全と国民の健康を守ることを目的にした法律で、いわゆる食の憲法ともいうべきものと評価しておりますが、同法に対する市長の御所見をお聞かせください。  国民の健康を守るために、欧米では、既に常識化しているリスク分析、リスク評価、リスク管理、リスクコミュニケーションの実現と、不正を厳しく監査する食品安全委員会がこの7月に内閣府に発足しました。リスクとは、望ましくないが起こる可能性があり、それを完全に予想できないことを意味します。世界中の新食品が洪水のようにあふれ、国際化、情報化が加速する不測の現代において、絶対確実というゼロリスクはあり得ない。これを消費者にきちんと説明し、伝えるのが情報開示というリスクコミュニケーションです。リスクコミュニケーションはドッジボールではなくキャッチボール。対決ではなく、ちゃんと向かい合う対話であるべきと考えます。  また、食の安全は生産者、流通業、小売業、料理人、消費者にとっての共通目標であり、老若男女、貧富、職業、価値観の差を超えた最大関心事の一つであり、行政、産業、企業、メディア、家庭、学校、地域社会がみんなで連携し真剣に取り組まなければならない重要課題であります。  そこで、第2の質問ですが、以下5点について当局の見解をお答えください。  1.現在の残留農薬検査の実施状況と今後の強化策について。2.食品検査体制の現状とその強化、拡充について。3.農薬適正使用や、品質と衛生の管理、表示の適正化を指導し、また消費者にも対応する専門相談アドバイザーの配置を検討してはどうか。4.食生活に対するトレーサビリティシステムの推進について。5.食の安全に対する市民への市独自の情報提供を検討してはどうか。  さて、いつでも、どこでも食べたいものが食べられる社会、飽食の時代と言われる現代にあって、食の基となる農業への関心は薄れる一方です。以前、ある民間調査機関が東京都内の小・中学生に、「農業」と言われて思い浮かぶ光景を描いてもらったところ、農業が身近にある子供たちが田畑などを力強く描いたのに対し、そうでない子の絵には魚や野菜の絵、中には農業の意味がわからないと書いた子もいたとの驚くべき報告がありました。  私は、「食」や「農」をないがしろにすることは、自分自身の生命を軽視することにも通ずると考えております。  かつて、日本の学校カリキュラムに体育はあっても食育はなく、保育所には交通安全教育は存在するが、食の安全学習に役立つ台所育児はほとんどありませんでした。食育という言葉は、明治後期ごろまで広く知られていて、食・体・知・才・徳と5育があり、食育はその基本だったといいます。明治のベストセラー「食道楽」の著者村井弦斉は、その中に「小児には徳育、智育、体育よりも食育が先。体育、徳育の根源も食育にある」と書いております。  食とは私たちの元気と健康のもと、命の源は食であり、食育は幼児期から食を賢く選び、自分の健康は自分で守る生涯学習、食育こそ高い配当が期待される未来への健康投資であり、最良の予防医学であるとも言われます。  そこで第3の質問ですが、農林水産省では「食を考える月間」「食育推進委員会」が設置されていると伺いましたが、本市といたしましても、食卓から生産者まで顔の見える信頼関係の構築、食料自給率の向上を目指し、食に関する地産地消、旬産旬消など産直、原産地表示を含む市民啓発が必要と考えますが、当局の所見をお答えください。  第4に、幼児から児童・生徒まで食育に対する教育の取り組みをお聞かせください。  第5に、地産地消を学校給食で推進する宇都宮市では、独自の農産物供給システムを構築し、全小・中学校で地域農産物を使った給食を始めると伺いました。これは地域の農畜産物を使用することで地元の自然や農業などを理解し、郷土愛をはぐくみ、また児童・生徒に新鮮で安全な食を供給できるメリットもあると思います。本市においても同様のシステムの構築を図るべきと考えますが、当局の所見をお答えください。  私が、PTA会長を務める中学校では、6月に保護者による給食の試食会を開催いたしました。同校では本年4月から、市として初めて委託方式で開設した南学校給食センターの利用を開始したこともあり、その関心も高く、昨年の倍の20名ほどが参加され、安全対策に関する質問のほか、栄養士や職員による献立の作成過程から施設の概要説明に至るまでさまざまな苦労話などを聞き、大変好評でありました。また後日には、保護者と同センターとの相互理解をさらに図るための広報誌を作成するため、数名の広報委員とともに同センターの取材にも同行いたしました。そこでは、子供たちに必要な栄養のバランスを考慮しながらも、食べやすくかつ安全な給食をいかにつくるかなど、陰で働くスタッフの方々の不断の努力を目の当たりにし、取材を兼ねた有意義な研修会となりました。これらの経験を通し、私は改めてこのような学校給食の保護者への試食会などの開催の必要性を痛感させられました。  そこで第6の質問ですが、現在、保護者による給食の試食会の開催は各学校の主体性に任せて行うと伺いましたが、さきにも述べた食育の観点からも、市内全小・中学校での開催を毎年行うよう積極的に指導するべきと考えますが、教育長の見解を求めます。  また、給食センターでの試食会、見学会、また、説明会の開催なども積極的に企画啓蒙するべきと考えますが、あわせてお答えください。  第7に、近年、給食を児童・生徒とともに食する教諭さえ給食を残すことが多いのではないかとの声もよく耳にいたします。さまざまな個別事情もあるとは思いますが、この際、現場教諭の食育に関する再認識の必要もあると思いますが、教育現場の実態掌握もあわせ当局の所見を伺います。  第8に、各家庭に配布される給食だよりでは、食材の生産者や栄養士、調理者の顔も見えるような、さらなる工夫もするべきと考えますが、当局の見解を求めます。  第9の質問として、市内で生産された野菜や果物、水産物などの産品を学校給食や旅館、飲食店等でさらに使用しやすくするためのネットワークの構築を図るべきと考えますが、現在の取り組みも含め当局の所見をお伺いいたします。  次に、学校週5日制について2点お尋ねいたします。  第1に、同制度については、多方面からさまざまな御意見をいただくことがあると思いますが、導入から1年が過ぎた今、当局の率直な所感をお聞かせください。  第2に、全国的にも学校関係者や保護者、地域住民の代表で構成する「学校評議員制度」をスタートさせ、子供の立場に立った学校運営を市民参加型で推進しております。メンバーは、学校関係者や保護者、地域住民の代表者数名で構成され、定期的に会合を開催し、学校週5日制の中にあって、クラブ活動や土曜日の体験活動への支援体制など、地域住民を巻き込んだ学校運営を検討しているようですが、本市での取り組み状況と今後の展望をお聞かせください。  次に、若者の雇用対策についてお伺いします。  デフレの重圧に苦しむ日本社会に、もう一つ経済活動を収縮させる問題が浮上しております。それが若年者の雇用問題です。6月の完全失業率調査では、15歳から24歳の若年層が12.2%と全世代の中で突出しているとの結果もありました。  若い人たちと話をすると、やはり話題になるのが仕事のことが多く、「自分に合った仕事をしたい」「就職先が見つからない」「正社員になりたい」等、長引くデフレ不況の影響で若年層の雇用環境が悪化し、やる気のある多くの若者たちが自分の力を発揮する場所を見つけられないでいることを感じます。深刻な若年者の雇用対策を積極的に推進することが必要と考えます。  そこで、以下、質問をいたします。  第1に、全国の自治体では行政のワークシェアリングによる若年者の雇用対策が行われていると思いますが、本市の今後の取り組みをお答えください。  富山市では、国の若年者トライアル雇用事業を活用し、引き続き常用雇用した事業主に対し、市独自の「若年者緊急雇用奨励金」交付制度を設けております。  そこで、第2の質問ですが、同制度の活用状況とその効果に対する当局の所見をお聞かせください。  2003年度の国民生活白書によると、このまま雇用悪化が続くと若者の職業能力は高まらず、経済全体の生産性を低下させると危惧しております。  一方、「若者自立・挑戦プラン」が6月26日、政府の経済財政運営基本方針に盛り込まれました。来年度予算の概算要求では、このプランに基づき、若者の就業や人材育成を進める関連施策に、前年度予算比で2.65倍増額の重点配分がなされ、高どまりが続く若年失業率の改善に期待が寄せられます。中でも特に、若年の就業促進や職場の定着の効果が期待できるのが、企業実習と教育訓練を組み合わせて、即戦力となる職業人を育てる日本版デュアルシステムの導入であります。  そこで、第4の質問ですが、1.デュアルシステムに類似または付随した施策の検討はないか。2.学生、生徒が実際にオフィスや工場などで就業体験をするインターンシップの推進について。3.若年者ジョブサポーターによる、新規学卒者等のマッチングの強化策について。4.若者の進路、就職相談を専門的に行う若者キャリアコンサルタントの導入について。5.定職のないフリーターなどの就業を支援するため、相談、研修から職業紹介までの一貫したサービスを提供するワンストップサービスセンター、通称ジョブカフェ設置を図れないか。6.その他、若年雇用対策に取り組む当局の姿勢と具体策について。以上、6点に対する当局の見解をお答えください。  最後に、聴覚障害者支援策についてお尋ねいたします。  我が党青年局では、この夏、携帯電話の契約会社を変えると番号も変えなければならない不便な状況を解消するため、会社を変えても番号はそのまま使える番号ポータビリティー(持ち運び)制度の導入を求める署名運動を展開し、富山県で7万人、全国で1,000万人を超える署名簿とともに政府に要望書を提出いたしました。  ところで、私たちはこれまでも、さまざまな角度から聴覚障害者支援策を提言してまいりました。私も聴覚障害を持つ方や聾唖の方とお会いする機会も多く、障害者のための先端技術の開発を望み、特に携帯電話の進歩には大きな期待を寄せてまいりました。御存じのとおり、今やその機能は音や声だけの情報交換ツールではなく、光や振動、メールによる文字、また画像による情報伝達が有効に使えます。今後はさらなる機能の搭載も予想されます。  そこで過日、松山市において最先端技術を導入した「災害要支援者向け通報システム」を全国で初めて採用したとの報道を目にしました。これはすべての市民がいつでもどこでも119番通報できる体制を築くことを目的としたもので、携帯電話からのメールによる緊急通報が可能になるだけでなく、聴覚障害者や声で119番通報することが難しい人が、カーナビなどで使われるGPS機能を内蔵した携帯電話で発信した緊急通報を、即時にキャッチし素早く対応できるというシステムです。  富山市では、現在、音声で通報できない方への緊急通報はFAXによる対応がなされております。そこで、本市においても全市民の生命を守るため、また障害がお有りの方々や御家族の不安解消のためにも、将来的な利便性をも見据えた新システムの研究とその導入を緊急に図るべきと考えますが、当局の前向きかつ積極的な答弁を期待し、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。 10 ◯議長(島田 祐三君)  森市長の答弁を求めます。  〔市長 森  雅志君 登壇〕 11 ◯市長(森  雅志君)  佐藤議員の御質問にお答えします。私の方からは、最初にございました食の安全についてお尋ねのうち1点についてお答えし、その他につきましては担当部長から答弁申し上げます。  「食品安全基本法」に対する所見を問うとのお尋ねにお答えをいたします。  「食品安全基本法」は、食品の安全性の確保に関し、国、地方公共団体及び食品関連事業者の責務並びに消費者の役割を明らかにするとともに、施策の策定に係る基本的な方針を定めることにより、食品の安全性の確保のために必要な施策が総合的に推進されることを基本理念として新たに制定されたものであります。  このことは、輸入食品や残留農薬の問題、BSE発生問題、さらには食品取扱業者による偽装事件等による国民の不安解消を背景に制定されたものであり、食品の生産から供給の各段階における安全を確保する体制づくりが必要であると考えております。  このことから、検査体制のさらなる充実やいろいろと御指摘もいただきましたように、トレーサビリティによる食品情報管理の徹底などを図るとともに、中でも地元の安全でおいしい食品を推奨するという地産地消を推進すること、そして一層の食の安全の確保をしていくことが重要であると認識をいたしております。  また、この「食品安全基本法」の制定を受け関連する法律も改正されたところであり、富山市におきましても「食品安全基本法」を柱として、従来からある「食品衛生法」を初めとした法律を活用することにより、食品の安全性を確保し、市民の健康を守ることに努めていく必要があると考えております。  もとより、食の安全を確保するということは、今も申しましたように極めて重要なことでございますけれども、その際、我々消費者一人一人の姿勢もまた重要な問題なんだと、このように思っております。一時期ありました、カイワレ大根の事件のときの風評被害でございますとか、偽装表示に関連してその当該商品でないものも含めて、そのメーカーの食品が一切市場から消えるなどといったことは、果たしていかがなものかなとの思いも持っております。風評被害に惑わされることなく、また過剰な反応に流されることなく、生産、流通、商品、あらゆる段階で落ち着いた対応をしながら、もって食の安全を確保していくという体制づくりが大変大事ではないかということも思っていることを申し添えて答弁とさせていただきます。 12 ◯議長(島田 祐三君)  森福祉保健部長。  〔福祉保健部長 森   彰君 登壇〕 13 ◯福祉保健部長(森   彰君)  食の安全について、その取り組みについてのうち、最初は残留農薬検査の実施状況と今後の強化策についてでございます。  食品に残留する農薬については、「食品衛生法」で229種の農薬について、132の野菜、果物及び穀類の種類ごとに計約9,000の残留基準が定められており、国内を流通する食品については、都道府県の衛生部局や保健所が中心となり監視指導を行うことになっております。  残留農薬の検査につきましては、富山市特産の呉羽ナシを定期的に収去検査をしているほか、小松菜の依頼検査を受けるなど、昨年は延べ4検体40項目の検査を実施しております。
     今後、富山市におきましては、富山県と連携をとり、情報交換をしながら計画的、効率的な収去検査を実施するとともに、新しい検査への対応を図るなど、食品の安全性の確保に努めてまいりたいと考えております。  続きまして、食品検査体制の現状とその強化、拡充策についてであります。  富山市保健所では、「食品衛生法」に基づき、市販されている食品の安全性を確認するため食品検査を実施しております。この検査では、食品添加物、残留農薬、残留動物用医薬品、食中毒菌などを分析し、同法で定められている規格基準に適合するか判定するものであり、市民の健康被害を未然に防止するため重要なものであります。  なお、平成14年度の食品についての検査件数は、収去検査434検体中延べ項目数2,218件、依頼検査84検体中延べ項目数192件でありました。  食品検査体制については、中核市となった平成8年度以降も、検査項目の拡充に努めるとともに、高度測定機器の整備に努め、食品中の重金属測定のための誘導結合プラズマ質量分析計、食品微生物検出のための自動免疫蛍光測定装置、残留動物用医薬品を測定するための高速液体クロマトグラフなどを配備してきたところであります。  今後も、引き続き検査機器の充実を図り、検査体制の強化に努めてまいりたいと考えております。  続きまして、食の安全に対する市民への情報提供の方法でございます。  食の安全に関する市民への情報の提供につきましては、これまでも食中毒予防に関するパンフレットの全戸配布や市民に対する出前講座などを通じて食中毒や食品衛生に関する知識の普及・啓発に努めているところであります。  食の安全に関する情報の提供につきましては、富山市の食中毒の発生状況や、家庭でできる食中毒予防対策並びに富山市食品衛生監視指導計画やその実施状況など、幅広い食の安全に関する情報を富山市ホームページなどを通じて積極的に提供してまいりたいと考えております。  以上です。 14 ◯議長(島田 祐三君)  奥井農林水産部長。  〔農林水産部長 奥井 輝男君 登壇〕 15 ◯農林水産部長(奥井 輝男君)  食の安全について、5点の質問にお答えをいたします。  まず、食の安全に対する取り組みについての中で、農薬の適正使用や品質、衛生管理、表示の適正化を指導し、また消費者にも対応する専門相談アドバイザーの配置を検討してはどうかというお尋ねでございます。  農薬の適正使用につきましては、県の農業改良普及センターや農協など関係機関とともに、生産団体や出荷組合などに対して、標準防除歴や防除履歴の記帳についての説明や指導を行ってきているところであります。また、品質と衛生の管理や表示の適正化につきましては、保健所の食品監視員が夏季及び年末食品一斉取り締まりや市場監視時において、食品の製造施設や販売施設などを巡回し、食品の表示を初め、保存状態、取り扱い状況などについて監視及び指導してきているところでございます。  また、これらに関する苦情、疑問には、農林水産省や、厚生労働省、県で設置している「食の安全ダイヤル」や「食品表示110番」「各指導機関のホームページ」や、おのおのの相談窓口、市内では国の農政事務所、県厚生センター、県食料政策課、市保健所など、それぞれ対応が図られております。  本市でも、県や近隣の保健所などと情報交換をしながら地域の実情に応じた食品衛生監視指導計画を策定し、計画的、効率的な監視指導を実施してまいりたいと考えております。また、本年7月に設立された「富山県食品安全推進本部」などの関係機関と連携を取り合って新しい情報の収集を図り、担当職員の的確なアドバイス能力の向上に努めてまいりたいと考えております。また、食の安全に関する出前講座も積極的に取り組んでおりますので、御利用をお願いしたいと思います。  これらのことから、今のところ各機関とも現体制で対応してまいりたいと考えているところでございます。  次に、食品に対するトレーサビリティシステムの推進について御質問がございました。  トレーサビリティとは、食品の生産、加工、流通などの各段階で原材料の出所や食品の製造元、販売先などの記録を記帳、保管し、食品とその情報とを追跡できるようにすることで、農林水産省では、BSEの反省からすべての牛の耳に出生地・生年月日・品種・飼育歴などの基礎情報を書き込んだ耳標をつけて管理することを決め実行しております。しかし牛以外では、このシステムは、生産者または事業者が自発的に取り組む任意のものとされております。  本市では、米や生鮮野菜などの栽培履歴の記帳については、ことし春から県や農協などと連携して生産者の指導に当たっており、現在、生産者段階では確実に実行されてきております。  お尋ねのすべての食品にこのトレーサビリティシステムを導入するには、生産から小売り段階までの多数の関係者の連携が不可欠でありますが、今のところすべてを包括したシステムは確立されておりません。  このことから、国を先頭に流通も含めた関係者が、システムの開発と普及に積極的に取り組んでおられます。しかし、このシステムの構築にはまだまだ時間がかかると思われますので、今後の進展に期待をしているところであります。  次に、食卓から生産者まで顔の見える信頼関係を構築し、食に関する地産地消など原産地表示を含む市民啓発が必要と考えるがどうかという点でございます。  本市は、雄大な立山連峰を背景に富山湾に至るすばらしい自然に恵まれ、これらの自然は澄んだ空気と水、海や山の幸においしいお米や野菜など、多くの恵みをもたらしております。さらに、この豊かな食材と先人のすぐれた知恵により、彩り豊かな郷土料理や富山ならではの独自の食文化がはぐくまれてきております。  しかしながら、今日飽食の時代と言われるようになって、輸入食材の増加、生活様式の多様化などからくる、食習慣の乱れやそれらが原因で起こる生活習慣病などが増加し、また、ファーストフードや外食、中食の増大とともに食と農の距離が拡大するという問題を招いております。  このため、地産地消運動の推進を通じて、本市の多くの食材と伝統的な食文化を市民の皆さんに認識してもらうとともに、安心・安全な顔の見える農林水産物の生産拡大と販売促進による市民の健全な食生活の実現、さらに地域の自給率向上の意識を持ってもらうことは、大変重要であると考えております。  このことから市といたしまして、これまでも市民の皆さんへの地産地消における普及・啓発活動として、1つには、田植えや稲刈り、地引き網など農漁業ふれあい体験事業でございます。2つには、ふるさと農漁業見学バスツアー事業、3つには、「食彩とやま」などイベント事業、4つには、小・中学生の食農教育として田植え、稲刈り、ナシの摘果、収穫体験、5つには、小学校5年生の農業副読本「大地のめぐみ」配布などを実施してきたところでございます。  さらに、「広報とやま」「農政だより」などの広報誌や朝市活動のパンフレット配布、インターネットへの掲載、マスコミへの情報提供も頻繁に行ってきており、今後とも幅広くPR活動を続けながら、市民啓発に努めてまいりたいと考えております。  次に、学校給食を推進するために、宇都宮市の農産物供給システムを富山市でも構築できないかというお尋ねでございます。  富山市におきましては、平成15年2月に生産者団体、流通業者、農業協同組合、学校給食会、教育委員会で構成される「富山市地場農産物の学校給食への消費拡大連絡協議会」を設置して、相互に情報交換をしながら、学校給食の献立に合わせた農産物の計画的な供給が図られるよう協議を進めているところでございます。  現在、学校給食で使用する食材につきましては、種類、数量、使用時期などの一覧表を学校給食会から事前に市場に提示し、毎月市場との打ち合わせで、使用可能な品目はすぐに取り入れるよう取り計らっており、徐々に地場産の使用量が増えてきているところでございます。  今年度は農産物の規格、荷姿、出荷体制の検討を踏まえて、少しでも供給量を増やすため、8月下旬に賛同を得た生産農家によって、学校給食で使用する秋冬野菜の播種が行われました。9月に入って協議会の生産体制検討部会では、ほ場の状況確認も行ったところでございます。  今後、さらにこの協議会で相互に情報交換を重ねながら検討を進め、学校給食での消費拡大を目指し、献立に合わせた地場農産物の計画的栽培、供給の推進に努めてまいりたいと考えております。  最後でございますが、市内で生産された野菜や果物、水産物などを学校給食や旅館、飲食店などでさらに使用しやすくするためのネットワークの構築を図るべきと考えるが、現在の取り組みも含めてどうかとのお尋ねでございます。  現在、本市では、地場産消費拡大の取り組みとして、特に学校給食におきましては、米、牛乳、豚肉は100%地場産を使用しており、野菜や果物では、ミニトマト、ネギ、キュウリ、ナシなど現在17品目について質、量、価格などを考慮し、最大限学校給食で使用しているところでございます。  先ほど申し上げましたとおり、「学校給食消費拡大連絡協議会」が中心になって、白菜、大根、カブ、ネギ、ブロッコリーなどの野菜の供給実施に向けて現在準備を進めているところでございます。  また、学校給食も含め旅館、飲食店などでさらに使用してもらうために、ネットワークの構築を図ることにつきましては、現在、農協、漁協関係者、流通団体や消費生活グループ、PTA関係者、食品業界の方々で構成している「とやま地産地消推進会議」が中心となって、1つには地場産食材の増進として、富山の食文化の伝承と創造についての普及啓発、2つには生産者の顔の見える流通販売の促進として、直売活動や量販店及び外食産業などにおける地場産品の販売促進、3つには健全な食生活の普及として、食生活や食に関する教育への地場産品の活用などの目標を掲げ、地産地消を推進しており、今後とも、関係機関と一体となって、地場産の普及・啓発に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 16 ◯議長(島田 祐三君)  大島教育長。  〔教育長 大島 哲夫君 登壇〕 17 ◯教育長(大島 哲夫君)  食の安全についてのうち、まず、幼児から児童・生徒までの食育に関する教育の取り組みについてお答えいたします。  子供たちが生涯にわたって心身ともに健康な生活を送るための基礎を培う健康教育の一環として、食に関する指導の果たす役割は非常に大きなものがあると考えております。  このようなことから、各学校では担任、養護教諭、学校栄養職員が中心になって、総合学習や給食時間に望ましい食事の取り方や、食品の生産や流通に関すること等、食に関する指導を行っております。また、子供たちが感謝の心をはぐくむよう、コメづくりりや芋掘り等の農作業体験の実践活動も実施しているところであります。  今後、幼児・児童・生徒が食に関する指導を通して、豊かな心を持ち、自分の健康は自分で管理ができるよう、あらゆる機会を通して指導してまいりたいと考えております。  次は、学校給食の試食会について。保護者の試食会は市内全小・中学校での開催を毎年行うよう指導すべきと考えるがどうか。あるいは、給食センターでの試食会、見学会または説明会の開催を積極的に企画啓蒙すべきであると考えるがどうかというお尋ねでございます。  保護者の給食試食会は、平成14年度では小学校39校、中学校5校、幼稚園2園で実施しております。  試食会を開催することは、保護者が参加して家庭での望ましい食生活について話し合いを行うため、食への理解を深めるよい機会になると考えており、今後とも保護者が主体となって、試食会が開催されるよう働きかけてまいりたいと考えております。  また、給食センターでの試食会や見学会につきましては、保護者においては給食センターの衛生管理の厳重さが理解され、生徒においては調理員や配送、配膳時に携わる人々の仕事を理解する等、食生活に関する社会の仕組みを学習する機会となると考えております。  ことし開所したばかりの南学校給食センターは、保護者の関心の高いこともあり、既に3校、試食会や見学会を実施あるいは計画されております。今後とも、積極的に試食会等を受け入れ、学校給食センターの役割について理解を深めてもらうよう努めてまいりたいと思っております。  次は、現場教諭の食育に関する再認識の必要性について尋ねるということでございますが、子供たちの食生活が乱れやすくなっていることに対しましては教職員も心配しており、日々の給食指導については、栄養面だけでなくマナーや準備、後始末の面でも力を入れているところであります。教職員の食事の状況につきましては、学校給食は成長期の子供向けにつくられていること、また、ときには給食中の指導に追われ、落ち着いて食べることができないこともあったり、教師個人の健康上の問題もある場合も考えられます。  教職員は、子供の食事や健康、運動面の指導の重要性は十分認識しているところでありますが、学校においては生涯にわたる健康教育の基礎段階として、食に関する指導を十分行うよう教職員に指導してまいりたいと考えております。  次は、生産者の顔が見える給食だよりの作成など、学校から保護者への配布物の工夫をするべきと考えるがというお尋ねでございます。  現在、地場農産物につきましては、小松菜、ネギ、里芋、カキ、ナシ、リンゴなど17品目を献立に取り入れております。各学校におきましては、納入業者から提供を受けた、生産者の顔が見える地場農産物に関する資料や学校栄養職員が野菜の産地で取材し、知り得たこと等を地場産マップとして掲示したり、給食時間の校内放送用資料として活用しております。  また、毎月発行の給食だよりにもそれらの情報を掲載し、児童・生徒や保護者に地場農産物について啓発しているところであります。  今後とも、児童・生徒が地場農産物についての知識を一層深められるよう、掲示用資料や給食だより等をさらに工夫するよう指導してまいりたいと考えております。  次は、学校週5日制について。1点目は、導入から1年が過ぎた今、率直な所感をというお尋ねでございます。  学校週5日制の実施に当たっては、学力低下が論じられたり、また休みの日の生活が不規則になるのではという懸念も出る中でスタートし、1年余りがたちました。  学校ではそのような声を真摯に受けとめながら、一人一人に応じた細かな指導や体験的、問題解決的な学習を取り入れた授業の工夫、放課後や夏休み中の個別指導の充実、家庭学習の充実、各種競技大会や文化祭等の土日開催など、さまざまな手だてを講じて、授業時数不足や学力低下に対する不安を取り除く努力をしてまいりました。  また、土日の過ごし方についての実態調査を行い、それをもとに休日の過ごし方についてアドバイスをしたり、保護者や地域の協力により子供たち参加のイベントを計画していただいたりしながら、子供たちが自分の手で休日を含めた日々の生活づくりができるように努めてまいりました。  学力低下や休日の過ごし方への心配が完全になくなったというわけではありませんが、学校週5日制について、地域や家庭の一定の理解と協力を得られつつあるのではないかと感じております。  これからも、地域や保護者の声を大切にしながら、一人一人の主体性を育てる取り組みを行っていきたいと考えているところであります。  次に、学校評議員制度についての取り組み状況と今後の展望のお尋ねでございます。  本市では、従来から、学校運営についてPTAや自治振興会など地域の方々の御協力をいただきながら進めているところであります。  学校評議員制度は、開かれた学校づくりや特色ある学校づくりを目指し、校長がよりよい学校運営を行うために相談や助言を受けるための仕組みであり、富山市においては、平成13年度から小学校1校、中学校2校の研究校を指定し調査・研究を進めてきているところであります。  また、本制度につきましては、学校の教育目標や地域との連携、生徒指導などそれぞれの学校が抱えている問題によって、そのことに造詣の深い方を評議員としてお願いし、人選するのが適当であろうと考えているところであります。  したがいまして、従来から自治振興会など地域との連携が密接に進められているところでは、すべての小・中学校に学校評議員を置くことが必要かどうかを見きわめながら、その導入について検討していきたいと思っております。  以上でございます。 18 ◯議長(島田 祐三君)  杉原企画管理部長。  〔企画管理部長 杉原 信介君 登壇〕 19 ◯企画管理部長(杉原 信介君)  若年層の雇用対策についてのうち、ワークシェアリングに関する本市の今後の取り組みについてお答えをいたします。  本市では、現下の厳しい雇用情勢を踏まえまして、本年6月、緊急・臨時的な雇用対策として、高校、大学、専門学校などを新規に卒業し、就職を希望しながら就職先が決まっていない若者を臨時職員として採用したところであります。  具体的な職務といたしましては、来年3月までの雇用期間で、小・中学校の図書館の図書整理補助業務に5人、埋蔵文化財の発掘や出土品の整理補助業務に4人、それぞれ従事していただいており、現在、職務に精励される中、就職活動に取り組み、その中には就職が内定された方もおられます。  お尋ねの今後のワークシェアリングの取り組みでありますが、公務内でのワークシェアリングにつきましては、自治体での勤務がその後の民間での就職に当たって評価されるという意見もある一方で、市職員の業務が高度化、専門化する中で、期間を定めた臨時職員にどのような業務を分担させることができるのかといった課題もあります。  また、市職員の超過勤務を減らしてのワークシェアリングの導入につきましては、超過勤務をこれまで以上に縮減することは難しい状況にあることから、直ちに導入することは困難であると考えております。  しかしながら、依然として厳しい社会経済状況の中、本年実施した新規卒業者の緊急・臨時的な雇用対策につきましては、今後の若年者の雇用状況等を見きわめて対応してまいりたいと考えております。 20 ◯議長(島田 祐三君)  永森商工労働部長。  〔商工労働部長 永森  勲君 登壇〕 21 ◯商工労働部長(永森  勲君)  若年者の雇用対策について7点の御質問のうち、まず最初に「若年者緊急雇用奨励金」の活用状況とその効果に対する市の所見を問うにお答えいたします。  若年者の雇用情勢につきましては、全国の7月の完全失業率は5.3%でありますが、24歳以下の若年者層の完全失業率は9.4%であり、大変厳しい状況となっております。  御案内のとおり、本市では国の若年者トライアル雇用事業を活用し、本採用した中小企業の事業主に奨励金を支給し、新規学卒者等の雇用促進を図る「若年者緊急雇用奨励金」(1カ月1万円で6カ月交付)の交付制度を、平成14年度より実施しているところであります。  この制度の支給状況につきましては、平成14年度は17事業所で対象者19人であり114万円を交付、平成15年度は8月末現在において、7事業所で対象者7人であり42万円を交付しております。  本市としましては、この制度の実施により、若年者の雇用の促進に一定の効果があるものと考えており、この制度は国の制度と連動していることから、今後とも、国、県や富山公共職業安定所など関係機関と協力しながら制度の一層の普及・啓発に努めてまいりたいと考えております。  次に、「若者自立・挑戦プラン」についての御質問のうち、「デュアルシステム」に類似または付随した施策の検討についての御質問にお答えいたします。  「デュアルシステム」は、深刻化する若年層の雇用対策の柱として、本年6月に国の「若者自立・挑戦プラン」に盛り込まれ、平成16年度に導入が検討されているところであります。  本事業の対象者は、就職先が決まっていない若者やフリーターであり、1つには、専修学校や各種学校で勉強しながら、企業実習やパート勤務を経て正社員への雇用を目指す教育訓練型、2つには、企業と一定期間のパート契約を結んだ若者が、企業と教育機関での訓練を同時に受ける企業雇用型があり、いずれも即戦力となる職業人を育てることを目的としております。  現段階では、具体的な事業計画がまだ発表されていないため、市といたしましては、その動向を注視しているところであり、本事業に類似または付随した施策につきましては、今後、国、県、関係経済団体とも連携し、どのような役割が担えるのか研究してまいりたいと考えております。  次に、学生・生徒が実際にオフィスや工場などで就業体験をするインターンシップの推進についての御質問にお答えいたします。  インターンシップの制度につきましては、教育段階から就業体験を行うことを目的としており、その取り組みにより、若年者の職業的自立と職場定着が期待されるものであります。県内のインターンシップ実施状況としましては、平成14年度3,618名で、その内訳は高校3,343名、大学など275名が就業体験や現場実習を経験したと伺っております。  主な事例としましては、富山商業高校の生徒が平成13年度から中央通り商店街に弟子入りし、小売店等での実習や出店などを行ったところであり、生徒からは「商売の難しさや大切さに気づいた」また「多くの人との出会いに感謝したい」などの声を聞いており、生徒一人一人の貴重な体験の場となっております。  また、富山市役所においても、平成14年度から大学のインターンシップ実習生を受け入れており、今年度は、観光振興課や中心市街地活性化推進室などで7人が、「富山まつり」の運営や中心市街地のまちづくりなどを実習したところであり、実習生からは「興味を持っていた仕事ができた」「自分の進路を見つめる上で大変勉強になった」などと聞いており、職場体験は大変有益であったものと考えております。  このことから、本市としましては、インターンシップを推進することが、学生、生徒の職業意識の形成や就労意識の醸成に大変有効であると考えており、今後とも、国、県や関係機関と連携を図りながら、インターンシップ制度の普及・啓発や受け入れ先の拡大に努めてまいりたいと考えております。
     次に、若年者ジョブサポーターによる、新規学卒者等のマッチングの強化策についての御質問にお答えいたします。  若年者ジョブサポーター、いわゆる就職支援相談員につきましては、在学中の早い段階から就職支援を行うものであり、平成14年度に設置されております。  この若年者ジョブサポーターにつきましては、県内では、富山と高岡の公共職業安定所においてそれぞれ1名が本年2月から4月までの3カ月間配置され、高校への出張相談を初め、就職活動から職場定着までマンツーマンによる一貫したきめ細かな支援が行われてきたところであります。  本市としましては、この制度は若者の就職支援に大変効果があるものと考えており、これまで以上に新規学卒者などのマッチング(求人側の意向と求職側の希望を一致させ就職に結びつけること)が強化されるものと期待しているところであります。  次に、若者の進路、就職相談を専門的に行う、若年者キャリアコンサルタントの導入についての御質問にお答えいたします。  国においては、若年者の適性や経験に合った職業選択ができるよう助言する専門の相談員(若年者キャリアコンサルタント)を、学校や公共職業安定所に配置し、若年者の職業的自立に向けた支援機能の充実を図ることとされております。  本市といたしましては、この制度により、生徒が自分に適した職業選びのための適切なアドバイスを受けることができ、これまで以上にきめ細かな職業指導、進路指導が行われるものと考えており、雇用のミスマッチの解消についても大きく寄与するものと期待しているところであります。  次に、フリーターなどの就業を支援するため、相談、研修から職業紹介までの一貫したサービスを提供するワンストップサービスセンター、いわゆるジョブカフェの設置を図れないかという御質問にお答えいたします。  若年者のためのワンストップサービスセンター、いわゆるジョブカフェは若者の生の声を聞き、能力開発や就職情報の提供、就職相談など就職支援を一体的に行う施設として、県が主体となって設置することとされております。このワンストップサービスセンターは、地域の実情に応じた職業指導や就職支援に寄与するものと考えております。しかし、現段階では、具体的な設置計画などについて国からはまだ示されていないところであり、本市といたしましては、引き続き情報の収集に努めてまいりたいと考えております。  最後に、その他、若年者雇用対策に取り組む市の姿勢と具体策についての御質問にお答えいたします。  若年者の雇用対策については、国の「若者自立・挑戦プラン」に盛り込まれた各種施策により、やる気のある若年者の職業的自立が促進され、その雇用環境の改善が図られるものと考えております。  本市では、地域社会を担う若年者の雇用対策は重要な課題と考えており、今後とも、1つには若年者緊急雇用奨励金の交付、2つには市ホームページを通じての就職情報の提供、3つには市内の企業や経済関係団体への訪問を行い、若年者の雇用の要請、4つには富山公共職業安定所との連携による合同就職面接会の開催などの施策の充実を図り、若年者の雇用の促進に努めてまいりたいと考えております。  なお、雇用対策につきましては、雇用対策法や職業安定法などにより、国の施策、地方公共団体の施策、事業主の責務、また民間などの行う職業紹介などについてそれぞれ機能、役割が定められておりますが、市民ニーズが多様化してきている今日、地方公共団体における職業紹介などその領域を拡大していくことも求められており、雇用施策の総合的な推進が必要ではないかと考えているところでございます。  以上でございます。 22 ◯議長(島田 祐三君)  山本消防長。  〔消防長 山本 秀光君 登壇〕 23 ◯消防長(山本 秀光君)  聴覚障害者支援策についての御質問で、聴覚障害者や声で119番通報することが難しい人が、GPS機能を内蔵した携帯電話で緊急通報できるシステムの導入を緊急に図るべきと考えるがどうかについてお答えいたします。  聴覚や言語に障害のある人からの緊急通報受信対策として、一部の都市ではメールによる受信体制も導入されておりますが、この場合、通報場所を特定することが困難な状況であります。  このことから、本市においては、本年度末の運用開始を目指し、現在構築中の「消防総合指令情報システム」の中で、GPS機能を有している携帯電話からの緊急通報を受信できるよう整備を進めているところであり、障害のある人などからの緊急通報受信体制に万全を期してまいりたいと考えております。 24 ◯議長(島田 祐三君)  しばらく休憩いたします。                              午前11時49分休憩                             ────────────                              午後 1時10分再開 25 ◯副議長(村家  博君)  議長が都合により出席できませんので、私がかわって議事を進めさせていただきます。  会議を再開いたします。  一般質問及び議案の質疑を継続いたします。  6番 矢後 正孝君。  〔6番 矢後 正孝君 登壇〕 26 ◯6番(矢後 正孝君)  2003年富山市議会9月定例会に当たり、日本共産党の一般質問を行います。  最初に中小企業に対する支援策について質問したいと思います。  日本経済は、大きな曲がり角に立っています。十数年に及ぶ不況は、依然として出口は見えません。中小企業も大きな困難に直面しています。これは1999年に中小企業基本法が改定されたことも大きく影響していると考えられます。それ以前の基本法は、中小企業の近代化や高度化、また、大企業との格差是正を大きな目的としていました。しかし、新基本法では、格差はなくなっていないが生活が豊かになって、格差は実質的に意味を失ったとして、専らその重点を、経営革新と新規創業を行える、そういう中小企業の支援に移しているからです。2002年度、負債1,000万円以上の倒産は富山県内で157件、負債額470億7,800万円です。そのうち、富山市内では48件です。  ことし、2003年度8月末では、県内で49件、うち富山市が19件の倒産で、高水準が続いています。事業所数も従業員数も減少しています。平成14年度版の『富山市の商工業』という小冊子によりますと、記録は古いですが、平成8年と平成11年を比較して事業所数で7.4%、1,609事業所、従業員数で14.5%、3万555人の減少となっております。それ以降、小泉内閣によって、不良債権処理や構造改革政策がとられましたので、厳しい状況がさらに深まっているのは間違いありません。中小企業は全企業数の99%、そこで働く労働者は全体の8割を占めます。30人未満の事業所は95%、労働者は53%です。このように中小企業は、生産、流通、サービスなど各分野で多種多様な役割を果たし、雇用の大きな担い手であり、物づくりの基礎をなしています。経済社会の土台、地域経済の主役といっても過言ではありません。今の深刻な不況のもとで、行政に求められているのは、中小企業の実態に即した本格的な対策、支援を行うことではないでしょうか。  富山市でも多くの支援事業が実施されておりますが、融資対策が中心で、国の補助事業とイベント事業が目立ちます。もっと実際的な支援が必要だと考えます。  そこで、質問いたします。  東京の墨田区や大阪の東大阪市などでは、市や区の職員が一丸となって、中小企業や商店街の実態調査に取り組み、産業、商業政策で大きな成果を上げています。本市においても、中小企業がどういう状況であり、どういう要望を持っているか、まず調査に取りかかることが重要だと思いますが、見解を伺いたいと思います。  次に、中小企業を担当する部門を強化し、系統的な支援に取り組むことが大切です。経済教育委員会の視察で、北九州市へ行ってきました。北九州市では、総合的な中小企業支援センターが活動しており、さまざまなメニューが用意されて、中小企業の振興に大きな役割を果たしておりました。まず窓口相談があり、ことしの4月から7月までに285件の相談に応じております。  また、専門家を派遣する事業として、46社へ112回の派遣を行っております。さらに、大学との提携促進のために、400名近くの専門家の一覧リストがつくられておりました。そのほかにもいろいろな事業が実施されております。本市でも、こういう支援センターを本当に検討すべき時期にきているのではないかと思いますが、市の見解はどうでしょうか。  次に、地域経済の振興策について質問いたします。  地域経済を元気にすることは焦眉の課題です。しかし、一番の眼目は、よそではまねのできない特徴のある産業を育成することではないでしょうか。どんなにグローバル競争が激しくなっても、それに左右されないように、地域産業を形成することが重要だと思います。市当局でも、商業振興ビジョンやハイテク都市構想の策定が進められていますが、なるべく地域内で金が回るようにすることも考慮すべき重要な点だと思っております。株価が上昇し始めていますが、国内総支出の6割を占める個人消費が少しも伸びません。それどころか、過去2年間で勤労世帯の収入が32万円減少したという調査も発表されております。その結果、今、全国民の67%が将来に対する不安を感じながら生活しているという状態であります。  そこで、質問いたします。  財政が厳しいとはいえ、個人消費のこれ以上の縮小を避けるために、公共料金の引き上げや福祉施策の後退は避けるべきだと思います。景気の回復には、何よりも消費の拡大が必要です。地域経済に与える影響から見ても市民の懐を直撃する公共料金の引き上げなどは慎重にすべきだと思いますが、どう考えておられますか。  また、公共事業を大型プロジェクト中心でなく、福祉、暮らし型に重点を移していくことが求められていると思います。長野県の発表によれば、大型公共事業は、その8割が県外企業、地元企業が2割しか受注できない。せっかくの工事が地元を潤さない。したがって、見直しをしているということが言われております。地元業者の仕事を増やし、新たな福祉、環境の産業を興し、雇用を守り増やす上からも、公共事業を福祉、暮らし、生活密着型に変えていくことが必要だと考えますが、見解を求めます。  次に、地域金融のあり方の問題です。  制度融資については、市と金融機関と保証協会の三者で協議することになっていますが、実際は、銀行が主導権を持っていて、保証協会がOKを出しても、銀行の判断で融資が断られるケースが出ています。私のところにも相談がありました。本来、制度融資は金融機関の厳しいハードルは越えられないが、返済能力は十分にある中小企業、商工業者に保証協会の保証をつけて融資する仕組みであります。その趣旨をないがしろにして、銀行が自分の都合で貸付をしないなどとは許されるものではありません。是は是、非は非として、銀行の行き過ぎは改めるように要請していただきたいと思います。市の見解を求めます。  さらに、ネットワークの問題です。各種団体との連絡会議、諮問会議はよく行われています。私は、その上を行ってほしいと思います。元請が生産を海外に移したために、仕事が減った企業や時代の動きに乗れない企業はつぶれてかまわないということにはなりません。それぞれの技術力やノウハウを生かして、新製品を開発したり、共同受注をして、売り上げも雇用も増やすという形のネットワークづくりが全国各地で取り組まれています。東大阪市に「ロダン21」という官設民営の異業種グループがあります。1997年13社で出発し、現在150社が参加しています。水深の浅い川からでも消防車が給水可能な給水ホース用のアダプターを開発して一躍有名になり、今では年間1,000件以上の相談やアイデアが寄せられています。それらを企画会議し試作品を作り、マーケティングを経て250件を商品化しました。行政は2年間に行ったことは50万円の補助金を交付したことと、当初、連絡調整を担当して、グループが動き出すのを援助したことだけです。今では法人化して、全国にネットワークの仲間をつくろうとしています。そういう仕組みをつくるに当たって、行政も大いに支援をしていくことが重要だと思います。富山でもぜひそういうネットワークづくりを行政が先頭になって、行っていただきたいと思います。見解を求めます。  呉羽ナシの被害対策については、一昨日岡村議員が質問されましたので、割愛いたします。  最後に、70歳以上の無料入浴券について質問いたします。  70歳以上の高齢者に、市内浴場の月2回利用できる無料入浴券と、年1回「白樺ハイツ」か「古洞の湯」が利用できる入浴券、「常願寺ハイツ」の入浴券とプールの入場券が配布され、大変喜ばれております。半数以上の方が利用され非常に効果を上げていると思います。実際に利用している方に聞きますと、「この券のおかげで銭湯に入れて大変ありがたい。いろんな人と話をしたり、お互いの健康を確認し合ったり、とても助かっている」という声が返ってきます。銭湯は地域社会において、お年寄りや住民のコミュニケーションと元気づくりなどに大きな役割を果たしております。そのことは、市当局も十分認識されて、今年度から、「ぬくもりの湯サロン事業」を新設されたところであります。  日本人と風呂は切っても切れない関係にあります。余談ですが、裸で銭湯や温泉に入るのはローマ帝国のローマ人と日本人だけだと言われております。それくらいお風呂好きな民族なのです。  いま、財政危機の折から、この入浴券の見直しが検討されています。数年前から、敬老福祉金の削減や介護手当、おむつ支給の制限など高齢者福祉費が削られており、今度、入浴券も見直しの対象にするのは、住民の福祉の増進を図るという地方自治の本旨からもますます逸脱していくものと言わなければなりません。この無料入浴券は、ぜひとも継続すべきだと思いますが、答弁をお願いいたします。  以上で、私の質問を終わります。 27 ◯副議長(村家  博君)  当局の答弁を求めます。  永森商工労働部長。  〔商工労働部長 永森  勲君 登壇〕 28 ◯商工労働部長(永森  勲君)  矢後議員の御質問にお答えいたします。  最初に、中小企業支援策についての御質問のうち、中小企業の状況と要望を把握するため、調査に取りかかることが重要と思うが、見解を問うという御質問にお答えいたします。  中小企業や商店街の実態や要望を調査し把握することは、本市の商工業振興施策を進める上で極めて重要であると考えております。  国においては、1つには、「商業統計調査」、これは5年に1回、経済産業省が行います。2つには、「工業統計調査」、これは毎年、経済産業省が行っています。3つには、「事業所・企業統計調査」、これは5年に1回、総務省が行います。これらの基本的な調査が実施され、本市の商工業振興施策を図る上での基礎資料となっているところであります。  また、本市では独自に、1つには、商店の経営実態等を把握する「商店経営基本調査」、2つには、製造業などの実態等を把握する「中小企業等実態調査」、3つには、市内中小企業の景況の把握及び経営指導、支援策を検討するための「中小企業景況調査」、4つには、操業・設備投資等の動向を把握する「企業動向調査」などを行い、本市商工業の現状と動向の把握に努めているところであります。  さらに、富山商工会議所や富山市商工会連絡協議会、富山市商店街連盟などから毎年要望を受け、富山市商工議員連盟を交えた意見交換会などを通じて、中小企業等の実情を把握しているところであります。  本市では、これらの調査結果や要望等を踏まえ、これまで、制度融資の拡充や各種中小企業支援策の充実など商工業施策に十分反映させているところであります。  本市といたしましては、今後とも、中小企業や商店街の現状と要望を的確に把握し、商工業の振興に努めてまいりたいと考えております。  次に、本市でも、「北九州市中小企業支援センター」のような支援センターを検討すべきではないかという御質問にお答えいたします。  景気の低迷が長引く中にあって、中小企業の多様な課題に対する対応や、新たな産業分野の開拓などを行うための総合的な支援は重要なことと考えております。  このため、本市におきましては、これまで、1つには、「ハイテク・ミニ企業団地」や「とやまインキュベータ・オフィス」の入居企業に対する経営診断などの支援、2つには、新商品の見本市への出店を支援する「ベンチャー企業等支援事業」などを実施し、積極的に中小企業への支援に努めているところであります。  現在、財団法人富山県新世紀産業機構内に、中小企業総合相談窓口として「富山県中小企業支援センター」が設置されているほか、富山商工会議所と富山県商工会連合会内に中小企業の身近な支援拠点である「地域中小企業支援センター」が設置されております。  これらの機関では、専任の相談員などを配置し、技術、経営、金融、ITなどの相談を受け、適切な助言を行うとともに、それぞれの企業に、課題に応じた専門家を派遣しております。  市では、これらの機関と情報交換や連携を図り、1つには経営や金融、マーケティングなどの相談、2つには技術指導などの専門家の派遣、3つには中小企業支援制度や技術動向などの情報提供、4つには創業や経営革新などのセミナーや講習会の開催などにより、中小企業の支援を進めているところであります。  現在、本市では昨年度策定しました「富山市ハイテク都市基本構想」の具体化を図るため、新たな産業支援組織の設置による中小企業等の研究開発活動などの支援について検討しているところであります。  今後とも、関係機関との連携を密にしながら、中小企業の多様な課題にこたえるため、経営・技術力の向上、異業種交流、販路開拓などへの支援に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、地域経済振興策についての御質問のうち、銀行の都合だけで貸付をしないなどの行き過ぎは改めるように要請していただきたいとのことについて、市の見解を問うの御質問にお答えいたします。  本市では、平成14年1月から融資窓口に中小企業経営相談員を配置し、中小企業の経営や金融に関するさまざまな相談に応じているところであり、中小企業者の事業経営の安定化や市融資制度など各種融資制度の効果的な活用により、資金調達の円滑化に取り組んでいるところであります。  さらに、昨年11月に緊急経営基盤安定資金、いわゆる借換資金制度を創設し、信用保証協会、富山商工会議所や三商工会と連携し、長期的な視野に立った中小企業者の経営体質の改善への取り組みについて支援しているところであります。  金融機関の貸し渋りへの対応については、県や北陸財務局などで相談窓口が設置されており、また、本市でも融資窓口で対応しているところでありますが、積極的に経営改善に取り組む中小企業者に対する貸し渋りについてはあってはならないものと考えております。  市といたしましては、本年4月に、金融機関や信用保証協会などの融資担当者で構成される「富山市融資事務担当者会議」、8月には、銀行や信用保証協会などの融資責任者で構成される「富山市金融対策連絡会議」を開催し、貸し渋りなどがないよう、金融機関に強く要請したところであります。  今後とも、県や信用保証協会など関係機関と連携を取りながら、中小企業者を取り巻く金融環境の改善や資金調達の一層の円滑化に努めてまいりたいと考えております。  最後に、技術力やノウハウを生かした新製品の開発や共同受注を行うネットワークづくりを支援することが重要だと考えるがどうかという御質問にお答えいたします。  お尋ねの企業のネットワークづくりにつきましては、企業が同業種または業種を超えて、技術面や販路拡大、雇用など経営全般にわたって情報交換や技術面での提携をすることによりネットワークを構築されることは、大変有意義なことと考えております。  現在、財団法人富山県新世紀産業機構や富山県工業技術センターを中心に「とやま技術交流クラブ」や「若い研究者を育てる会」が組織され、異業種間の技術交流や共同研究開発などへの取り組みがなされております。  また、ベンチャー企業が資金や販路、技術、経営ノウハウなどの経営資源を獲得するため、ビジネスプランを発表する場としての「ベンチャープラザとやま」も開催されているところであり、本市の企業も多数参加しております。  さらに、富山市団地運営連絡協議会を構成するそれぞれの団地内の協同組合などにおいても異業種交流が行われているところであり、本市も支援しているところであります。  今後とも、財団法人富山県新世紀産業機構など中小企業を支援する関係機関と連携を図りながら、総合的な支援を行うとともに、このようなネットワークづくりを支援してまいりたいと考えております。  以上でございます。 29 ◯副議長(村家  博君)  小池財務部長。  〔財務部長 小池 武彦君 登壇〕 30 ◯財務部長(小池 武彦君)  地域経済振興策についてのうち、まず、市民の懐を直撃する公共料金の引き上げなどは慎重にすべきだと思うがどうかという御質問にお答えをいたします。  先般、赤星議員にもお答えしましたように、使用料・手数料などの公共料金は、行政財産や公の施設の使用、利用、あるいは地方公共団体が特定の人のために提供する公の役務に対し、その使用者、利用者から徴収するものでございます。  このため、長期間見直しがなされていない使用料・手数料もあることから、見直しが必要なものについては、適正な受益者負担を求め、全体として市民負担の増加を避けることが重要なことであると考えております。  見直しに当たりましては、受益に対してどの程度のコストがかかっているのかという受益と負担の関係を明確にして、市民の皆さんに御理解を得るように努めてまいりたいと考えております。  次に、地元業者の仕事を増やし、新たな福祉、環境の産業を興し、雇用を守り、増やす上からも、公共事業を福祉、暮らし、生活密着型に変えていくことが必要だと考えるがどうかという御質問にお答えをいたします。  公共事業の発注に当たりましては、地元中小企業の育成や地域経済の活性化のために、これまでも積極的に分離・分割発注を行い、業者選定に当たっては、市内業者を最優先とするよう配慮し、地元中小企業者への受注機会の確保に努めてきております。
     その結果、平成14年度の本市公共工事における市内の中小企業者の受注状況につきましては、件数では1,240件で全体の約98%、契約額では約233億円で全体の約92%を占めております。  また、これまで本市が実施してきた公共事業は、国の補助事業や経済対策などを活用しながら、市民生活に身近な事業を中心に取り組んでおり、その主な内容は、1つには、道路、河川水路、市営住宅、下水道整備など市民生活の安心と安全を図る社会資本の整備。2つには、少子・高齢化に対応する特別養護老人ホームの建設補助や保育所などの福祉施設の整備。3つには、学校の増改築や大規模改造などの教育環境の整備・充実であります。  今後とも、公共事業につきましては、厳しい財政環境ではありますが、債務負担行為などの活用による切れ目のない発注や、分離・分割発注などを行い、地元業者の受注機会の確保に配慮してまいりたいと考えております。  以上でございます。 31 ◯副議長(村家  博君)  森福祉保健部長。  〔福祉保健部長 森   彰君 登壇〕 32 ◯福祉保健部長(森   彰君)  70歳以上の無料入浴券について、これを継続すべきと思うがどうかという御質問です。  公衆浴場などの無料入浴券の交付は、地域とのふれあいや語らいの場の提供による社会参加と心身機能の維持向上を目的として実施しております。  平成14年度の利用状況は、公衆浴場につきましては、交付枚数の56.9%が使用されており、当事業の決算額は1億8,700万円余りとなっております。  この制度そのものの目的につきましては、市民の皆様に概ね理解していただき、定着してきているものと考えており、利用状況も5割を若干上回っているところでありますが、無料入浴券の交付や使用方法において問題があるなど、多様な意見が寄せられているところであります。  したがって、この事業につきましても、「富山市福祉サービス給付事業等検討委員会」で見直しを検討いただいているところであり、その中では、すべての給付対象者に均一に給付が実施されている施策は大胆に見直す必要がある。また、福祉施策はすべて無料で利用できるということではなく、利用者の一部負担などの導入を検討することが必要であるとの御意見をいただいているところであります。  今後、この検討委員会での提言を踏まえて、総合的な観点から見直しを図ってまいりたいと考えております。 33 ◯副議長(村家  博君)  18番 丸山 治久君。  〔18番 丸山 治久君 登壇〕 34 ◯18番(丸山 治久君)  平成15年9月定例会に当たり、一般質問を行います。  先日、北東アジア交流プロジェクト・富山シンポジウムに参加しました。テーマは、「環日本海の環境保全~『緑の国土軸』形成を目指して」であり、作家のC.W.ニコル氏の基調講演「森を通じて海を育てる」を拝聴して、深い感銘を覚えました。  ニコル氏は、長野県黒姫に住み、みずから荒れた森を購入し、生態系の復活を試みる作業を18年間継続しておられます。日本人以上に日本の国土を愛し、緑豊かな森と美しい日本の再生のために取り組んでおられます。氏は森と海のサケによる循環の仕組みを熱く語り、自然環境の大切さを訴えられました。  森で降った雨が十年かけて海底湧水となって海に湧き出る。まさに、「森が海を育て、海が森をつくる」自然の神秘に感動いたしました。  8月初旬、日本列島を襲った大型の台風は、日本に大きなつめ跡を残しました。自然の脅威の前に私たち人間はただひれ伏すのみであります。しかし、その自然を私たちは長い間、冒涜し、破壊してきたのであります。化石燃料の膨大な消費とともに、地球環境汚染を拡大してきたのであります。今、緑の大地を取り戻すために、英知を結集して努力を注がなければなりません。現代社会が排除してきた人間特有の優しさや慈しみの感情を持って、持続可能な社会、循環型社会の実現に向けて行動することが大切であります。  環日本海時代の到来も現実味を帯びてきました。ことしの暮れには、NOWPAPの本部事務局が富山市に開設され、青地の国連旗が富山の空にはためきます。我々は、勇気をもってその旗に恥じない、人として当然の義務を果たさなければなりません。  以上の認識のもと、「環境にやさしい循環型のまちづくり」について当局の見解をお伺いします。  以下、質問に入ります。  まず初めに、地球温暖化対策についてお尋ねします。  二酸化炭素の排出実態把握調査の現状と対策についてお尋ねします。  8月下旬、ロシアは地球温暖化防止のため、いわゆる「京都議定書」について、批准に向けた議会審議が開始されることを明らかにしました。ロシアの現在の議会勢力から見て、批准は確定的であり、既に批准している欧州連合や日本と合わせると、温室効果ガス排出量の合計は、京都議定書の発効に必要な量に到達することが確実となりました。平成9年、京都での歴史的合意から6年、一時はアメリカの離脱により危ぶまれましたが、ようやく議定書の発効が確実となりました。しかし、喜んでばかりいられないのでありまして、これからが本番、具体的に数値目標達成のために努力をしなければなりません。しかし、現状は大変厳しく、温室効果ガスの国内総排気量は2003年度で12億9,900万トンであり、1990年比5.2%増であります。京都議定書が義務づける2008年から2012年に1990年比6%削減を達成するには、約11%の削減が必要となります。本年政府は、現行大綱の対策ではこれを達成できないとし、新地球温暖化対策推進大綱案を決定しました。その中には、新エネルギー対策の強化や家庭の省エネ推進など45の新規対策を追加しました。また、富山県も「県地球温暖化対策推進計画(仮称)」の策定に向け、県環境審議会に地球温暖化対策小委員会を新設し、今年度内の策定を目指すとしています。国、県の動向を受けての、富山市の温室効果ガスの排出抑制等地球温暖化対策についてお答えください。あわせて平成15年度の事業である二酸化炭素の排出実態把握調査の進捗状況についてもお答えください。  近年、家庭における二酸化炭素排出量の増加が顕著であり、市民の意識向上と実践が不可欠であります。おいしいものを腹いっぱい食べ、クーラーの効いた涼しい部屋で、明るい照明をつけ、パソコンやテレビを楽しんだり、浴室でシャワーを湯水のごとく使用したりという生活が環境破壊を起こしていることの罪の意識は、私たちにはありません。これまで行ってきた対策では、増加する一方で不十分であります。地球温暖化防止活動推進員の設置や、地域・町内ぐるみの活動の実践等、新規の活動を考えるべきだと思いますが、御見解をお聞かせください。  次に、(仮称)環境保全税の導入については、先日、同一趣旨の御質問がありましたので、質問は省略します。  現在、庁内に研究会を立ち上げ、数項目にわたって法定外目的税の導入を検討していることは、環境施策の推進にとって大変心強いことであり、評価するものであります。  一般的に自治体の長を初め、財政を預かる者が税財源の確保を図ることはごく当たり前のことであり、まして今日の富山市にとっては最大重要課題であるといえます。先日の質問もそういう立場での質問であったと思います。環境新税を立ち上げることの必要性は、環境施策を実施するための特定財源を確保することはもちろんですが、環境税を課すこと自体、富山市全体のごみ減量につながること、このことのほうがこれからの循環型社会にとって重要であります。  今日、環境の利用は無料、ただであります。そのツケは大きく、将来必ず私たちに回ってきます。環境新税はそういう意識を喚起し、32万富山市民が引き起こす自然破壊を抑制するものです。国は2年後に炭素税の導入を予定しています。抵抗勢力の反論も予想されます。時間はあまりありません。市長におかれては、好機を失することなく、いつも口癖のスピードをもって循環型社会の構築のための新たなる財源確保に指導力を発揮されんことを期待いたします。  次に、表彰制度(仮称)「環日本海環境大賞」創設についてお尋ねします。  環境対策は、自治体だけで推進できるものではありません。民間の事業所や市民の協力があり、初めてできるものであります。また21世紀は環境の世紀とも言われ、新しい環境事業や環境産業の出現が多数予想されます。また、これからの環境保全対策には地域の諸団体の協力が欠かせません。循環型社会のさらなる構築に向け、郷土富山の緑の自然を守り育てることを目的として、(仮称)「環日本海環境大賞」を創設することを提案いたします。この表彰制度は富山市の事業所、各種団体、学校、個人のうち、その年に最も地球に優しい取り組みをした方を顕彰するものです。どのように思われますか、お答えください。  次に、富山市エコタウン事業についてお尋ねします。  まず、エコタウン第1期4事業の問題点についてお聞きします。  富山市エコタウン事業は、富山市民はもとより、北陸圏の人々の熱い期待を担って、本年4月に華々しく船出をいたしました。廃棄物をゼロにし、資源循環型社会の形成を目指すゼロエミッション構想に基づいて実施されたものであります。8月より新たに1事業加わり、当初予定の4事業がすべてそろったわけですが、5カ月間の操業の中での問題点をお聞かせください。処理廃棄物の回収量、回収量と処理能力との比率、リサイクル製品の販路、事業の採算性等についてもお聞かせください。  次に、エコタウン交流センター基本構想についてお尋ねします。  この事業は北陸初のことであり、非常に注目され期待されています。これからの時代、環境産業は花形産業であるといえます。ここを拠点として北陸の循環型社会が形成され、環境産業が進展していくのであります。本年は、検討委員会を設置して基本構想を策定することになっており、普及啓発事業、産学官の産業の共同研究、指導者育成、情報発信機能等の事業を推進すべきだと思いますが、御見解をお伺いします。加えて、基本構想の進捗状況についてお答えください。  次に、エコタウン第2期事業可能性調査についてお尋ねします。  富山市のホームページには、検討中の事業として6事業掲載してあります。先般の新聞報道によれば、8事業に絞り込んだとあります。削除されたもの、新規に浮上したものがありますが、それぞれの事業には特色があり、選定は大変な作業であるとお察し申し上げます。選定に当たっては、富山地区の産業形態に十分配慮し、また21世紀の環境産業の牽引車たるべき事業とすることが重要であると思います。また、富山市は、エコタウン事業基本方針において、「エコタウン事業を推進するに当たり、(中略)事業者の募集、工場の建設、運営に至るまで住民合意のもとに推進していきます。また、環境情報の公開を行い、事業の安全性と信頼性の確保を図ります」としています。2期事業可能性調査に当たり、事業選定基準、2期事業開始日程、調査の進捗状況についてお答えください。えこひいきのない選定をお願いいたします。  次に、一般家庭ごみ収集業務の民間委託実施の検討についてお尋ねします。  さきの「富山市財政危機回避緊急プログラム」の中で、歳出の硬直化の一因をごみ収集等を直営方式で行ってきたことを挙げ、民間活用により効率的な行政サービスを確保できる業務については、民間委託を検討していくとされています。  比較検討材料として、トン当たりの収集経費と職員一人当たりのごみの収集量について、直営と民間委託した場合の数値についてお聞かせください。  また、プログラム発表から日が浅いのですが、現段階でのごみ収集の民間委託についての問題点と、今後の取り組み姿勢についてお答えください。  次に、地域新エネルギービジョンの策定についてお尋ねします。  まず、策定進捗状況についてお尋ねします。  地球温暖化防止対策として、未利用エネルギーを活用することは、大変有意義なことであり、重要な課題であります。本市は、太陽光発電の設置補助制度に、他都市に先駆けて取り組んでこられたことは大変心強いことであります。新エネルギーの活用計画策定に際しては、富山の地域特性を考慮しなければならず、多種多様なエネルギーがある中で作業を進めておられます。新エネルギービジョンの策定方針と策定状況をお聞かせください。また市民と事業所を対象にしたアンケートの実施計画についてお聞かせください。ちなみに、先般のアメリカの停電は、現代の人間の電子生活がいかにもろい基盤の上に成り立っているのかを暴露しました。地球環境だけのためでなく、不測の事態も想定して、個別の発電装置の必要性を感じたところでございます。  次に、本庁舎に太陽光発電を設置することについてお尋ねします。  本市は、太陽光発電を光陽小学校に設置し、改築中の岩瀬小学校に導入予定であり、このことは環境教育の点からまことにすばらしいことであります。そこで提案いたしますが、来庁者への普及・啓発と、本市の環境問題に取り組む決意表明のために、本庁舎に太陽光発電を設置すればどうでしょうか、お答えください。  設置費用の回収よりも地球温暖化の優先を考慮すべきだと思います。沖縄の糸満市では、庁舎に約195キロワットの太陽光発電を設置しました。御英断を期待いたします。  次に、消化ガス発電システム導入調査についてお尋ねいたします。  下水道汚泥処理から得られるメタンを使って、「燃料電池コジェネレーション」を設置し発電する方式は、山形市等、他都市でも導入されています。本年度、新規事業として導入調査をしておられますが、導入の可能性についてお答えください。  次に、都市廃熱利用エネルギー活用の促進についてお尋ねいたします。  未利用エネルギーのうち、都市廃熱を利用する方式は、省エネルギー効果が大きいのですが、利用度は少ないのが現状であります。これからのエネルギーとして活用の促進を図ることが重要であると思いますがどのように思われますか、お答えください。また、促進対策についてもお答えください。  次に、廃棄物減量とリサイクルについてお尋ねいたします。  まず初めに、富山市環境保全率先実行計画についてお尋ねいたします。  本市は、市民・事業者に対し、環境基本計画で示す環境配慮指針の自発的な行動を求めるためにも、市みずからが率先して環境に配慮した取り組みを着実に実行していくために、環境保全率先実行計画において、紙類使用量、水道・電気使用量等について具体的な削減目標値を定め、平成10年度から平成14年度までの5年間取り組んでこられました。使用量実績表を見てみると、目標を達成できたものとできなかったものとがあります。紙類については、本庁では5年間で約18%削減していますが、市民病院では約2.5倍に増加しています。各部局に計画の推進幹事と各職場に推進員を設け、進捗状況を推進会議に諮るとされています。この5年間は果たして何であったのか疑問であります。市民の範たるべく、文字どおりの率先事業であったはずなのにとても残念であります。このような結果に終わった原因についてお答えください。また、その対応策をどのようにとられたのかお聞かせください。  また、この実行計画のうち、目標を達成できなかった項目がまだあります。新たな計画を早急に策定し、取り組むことが市民に対しての説明責任を果たすことにつながると思いますがいかがでしょうか、お答えください。  次に、月刊タウン誌「みどりさん」についてお尋ねします。  今年度から民間報道機関より発行され大きな成果を上げています。財政の見通しの立たない現状ですが、今後も事業の継続と予算額の堅持をお願いいたします。ごみ減量の啓発のためと負担額軽減のため、広域圏の他の市町村にも事業の参加を要請すればいかがでしょうか、お答えください。また、ごみ減量対策だけでなく、地球温暖化防止等、環境問題全般にわたる内容とすればよいと思いますが、いかがでしょうか。  次に、学校給食の牛乳パックの資源回収についてお尋ねいたします。  未来を担う子供たちの環境教育のため、現在ごみとして処分されている牛乳パックを資源回収すれば、資源を大切にする気持ちが醸成され、大変よいことであると思われますが、御見解をお聞きいたします。  また、牛乳容器をリターナブルびんとすることについて、あわせて洗える食器を牛乳容器とすることについてどのように思われますか、お答えください。  最後に、今後のダイオキシン対策事業についてお尋ねいたします。  平成12年、富岩運河の底質において、高濃度のダイオキシン類が検出されたことを受け、富山市ダイオキシン類調査対策委員会が設置され、原因究明、調査及び対策の検討がなされました。  また、運河の管理者である富山県は、富山県富岩運河等ダイオキシン類対策検討委員会を設置し、底質の汚染対策の検討を進めています。富岩運河は延長5.1キロメートルで、汚染土砂量は13万7,700立方メートルと推定されています。本年3月、県は汚染土砂の減量化実験を行い、実験結果はこの秋に報告されます。結果によっては汚染土砂を半減でき経費節減につながります。国土交通省は8月、底質ダイオキシン類無害化処理技術の確立に向けて調査委員会を設け、今年度は民間から技術を募集し、来年度は富岩運河をモデルケースに実証実験に着手し、技術の実用化を目指すとしています。  富岩運河環水公園は周辺の川とともに水辺空間を形成し、将来のまちづくりの核をなすものであります。また、富岩運河は重要文化財の中島閘門や、馬場記念公園、岩瀬の街並みなど歴史文化を結ぶ、まさに水の道であります。観光資源として非常に有望視されています。  このように、県民、市民にとって大きな財産の富岩運河の無害化処理事業は大変重要なことであり、と同時に莫大な経費が見込まれます。運河管理者は県であり、当然事業主体となることを理解してお尋ねいたします。今後の事業日程と、事業費の負担者、考えられる財源についてお答えください。  これで私の質問を終わります。 35 ◯副議長(村家  博君)  当局の答弁を求めます。  大上戸環境部長。  〔環境部長 大上戸 良一君 登壇〕 36 ◯環境部長(大上戸 良一君)  地球温暖化対策についてのお尋ねのうち、まず、富山市の温室効果ガスの排出抑制等、地球温暖化対策と二酸化炭素の排出実態把握調査の進捗状況についてにお答えをいたします。  地球温暖化対策推進大綱では、「京都議定書」で日本に義務づけられた温室効果ガスを、2008年から2012年の間に1990年レベルの6%を削減する目標を達成するために、国、地方公共団体、事業者、国民といったすべての主体の役割を定めております。  このことから、市といたしましては、市民、事業者に二酸化炭素の排出削減のための環境にやさしい取り組みを進めていただくため、1つには、地球温暖化に関する啓発パンフレットの配布、消費生活展・環境フェアの開催、地球温暖化問題に関する講演会や職員の出前講座の実施、2つには、温暖化防止施設や低公害車導入などに対する融資制度の運用、3つには、住宅用太陽光発電システム設置補助、4つには、ごみの分別回収の推進など各種施策に取り組んでいるところであります。  さらに、市みずからの二酸化炭素排出量削減の取り組みとして、市役所本庁舎などにおけるISO14001に基づく環境マネジメントシステムの運用を行っているところであります。  また、本年度においては、地域新エネルギービジョンの策定などに取り組んでいるところであり、今後とも積極的にこれらの事業を推進してまいりたいと考えております。  次に、二酸化炭素の排出実態把握調査につきましては、平成13年度の調査結果、これは対象が平成11年度でありますが、1人当たり2.45トンとなっており、1990年比4.6%の増加となっております。本年度におきましては、平成12、13年の排出量の算定作業を行っているところであり、年内を目途に調査結果をとりまとめたいと考えているところであります。  次に、地球温暖化防止活動推進員の設置や、地域・町内ぐるみの活動実践など、新規の活動を考えるべきと思うがどうかについてお答えをいたします。  県では、「地球温暖化対策の推進に関する法律」に基づいて、世代と地域を超えた地球環境問題に対応するため、地球温暖化防止活動推進員を養成されているところであります。本市の市民においても、既に20人が養成講座を受講しているところであり、この中から本年度中に県から地球温暖化防止活動推進員として委嘱されることになっております。  本市といたしましては、県から委嘱された推進員を支援するため、活動に必要な環境に関する情報を提供してまいりたいと考えております。  また、地域・町内ぐるみの実践活動など新規の活動についてでありますが、市民の環境保全に対する意識の向上のためには、大変有意義な取り組みであると考えております。地域の取り組みといたしましては、ごみの分別・資源回収などすでに取り組んでおられるところでありますが、今年度から大広田校区において校区ぐるみでの廃食油の回収など、環境に配慮した実践活動に取り組んでおられるところであり、今後とも地域において取り組まれる活動につきましては、活動に必要な情報提供などの支援をしてまいりたいと考えております。  次に、表彰制度(仮称)「環日本海環境大賞」を創設することについて提案するがどうかについてお答えをいたします。  地球環境問題への取り組みについては、市民や事業者の参加が不可欠であります。このことから、優れた環境保全活動に対し表彰することは、これを実践する市民や事業者の励みになるとともに、環境保全活動に対する市民などの参加の促進につながるものと期待されることから、意義のあることと考えております。  このような観点から、市といたしましては、環境保全に関し優れた活動や地道な努力をしている市民や事業者に対する表彰のあり方について、他都市の取り組み状況などを参考にし、調査・研究してまいりたいと考えております。  次に、富山市エコタウン事業についてのお尋ねのうち、まず、第1期4事業における処理廃棄物の回収量、回収量と処理能力との比率、リサイクル製品の販路、事業の採算性などについてお答えいたします。  本年4月から廃プラスチックのリサイクル事業など3事業、8月から使用済み自動車のリサイクル事業が操業を開始したところであります。  各事業者はそれぞれ約3カ月から6カ月間の試運転、調整、熟練期間が必要とされているところであり、現時点ではおおむね計画どおり順調に操業を行っているところであります。  次に、処理廃棄物の回収量などについてでありますが、8月の実績は、廃プラスチックリサイクル事業については、処理能力が月580トンに対して446トンの受け入れで約77%。木質系廃棄物リサイクル事業については、月910トンに対して438トンの受け入れで約48%。生ごみ及び剪定枝リサイクル事業については、生ごみ月610トンに対して367トンの受け入れで約60%。剪定枝が月350トンに対して330トンの受け入れで約94%となっており、平均稼働率は約70%となっております。  また、自動車リサイクル事業につきましては、10月から本格稼働に向けて、現在、試運転、調整、操作の訓練を実施しておられるところであります。  各事業者のリサイクル製品の販路や事業採算性についてでありますが、各事業者はサンプル提供や品質の優位性などについてPRを行い、販路の確保に努めておられるところであり、稼働率の向上とあわせて事業採算性につきましても、その確保が図られるものと考えております。  市といたしましては、10月からのリサイクル製品の販売に向けて、事業者を支援するため、これまで消費生活展などでリサイクル製品の展示をするなど、市民への普及啓発に努めてきたところでありますが、今後は市での購入はもとより農業団体や建設業界、県など行政機関へ積極的に購入を働きかけてまいりたいと考えております。  次に、エコタウン交流推進センター基本構想についての見解などについてお答えをいたします。  エコタウン交流推進センターにつきましては、富山市エコタウンプランの中でエコタウンソフト事業の中核として位置づけられており、その事業内容として環境産業の振興のための技術開発や人材育成、環境学習、情報発信を推進する機能が必要であるとしております。  今年度は、基本構想の策定作業を進めておりますが、これにあわせ、地元住民代表、学識経験者、事業者などからなるエコタウン交流推進センター検討委員会を設置し、必要な機能、規模、運営方法などについて意見を求めているところであります。
     今後、エコタウン交流推進センター検討委員会の検討結果を踏まえて基本構想をまとめてまいりたいと考えております。  次に、エコタウン第2期事業可能性調査に当たり、事業選択基準、事業開始日程、調査の進捗状況についてお答えをいたします。  エコタウン第2期事業につきましては、第1期事業の推進と並行して事業者の提案による廃棄物エネルギーセンター事業、発泡スチロールリサイクル事業、廃食用油リサイクル事業、バイオマス事業などについて事業化の可能性を探ってきたところであります。  また、本年度に入って廃タイヤリサイクル事業など幾つかの事業提案があり、調査を行っております。  事業の選択基準につきましては、エコタウン事業の基本方針であります地域内での循環を優先した取り組み、素材の有効利用と廃棄物エネルギーの有効活用、事業採算性の考慮などに加えて、既存事業者との連携や競合の回避、地域との共生を考えているものであります。  第2期事業の開始日程及び調査の進捗状況についてでありますが、廃棄物エネルギーセンター事業については研究会を設置し検討を進めているところであり、その他の事業についても事業化可能性調査を進めているところであります。  近年、各種リサイクル法が整備される中で、廃棄物の量の確保など、事業化に向けての課題もありますが、事業化が可能なものから着手を目指しており、市といたしましては、資源循環型社会の形成、環境産業の振興、雇用の確保などに向けて、平成17年度から順次事業開始を目指してまいりたいと考えております。  次に、一般家庭ごみ収集業務について、トン当たりの収集経費と職員1人当たりのごみの収集量について、直営と民間委託の場合のそれぞれの数値、現段階でのごみの収集の民間委託についての問題と今後の取り組みなどについてお答えいたします。  まず、トン当たりの収集経費と職員1人当たりのごみの収集量につきましては、平成14年度は、直営における可燃ごみ・不燃ごみの収集に係る経費は約14億3,500万円、収集量は約8万1,600トンであったことから、直営の収集・運搬原価はトン当たり1万7,574円となります。また、職員1人当たりの収集量は571トンとなります。なお、民間の収集運搬業者の収集コスト、職員1人当たりの収集量などにつきましては、把握していないところであります。  次に、ごみ収集の民間委託についての問題点でありますが、廃棄物処理法では、一般廃棄物の処理は市町村の義務とされており、一般廃棄物処理計画に従って業務を遂行することとされております。これに基づいて、直営収集や直営にかわっての委託収集が困難な場合には民間業者に許可を与え、処理を行っているところであります。このような中で、さらに民間委託を進めるに当たっては、収集のための人員とか車両などの直営の収集体制の変更や民間業者の育成などの問題があります。  このことから、ごみ収集業務につきましては、基本的には、可燃ごみ、不燃ごみは直営収集とし、資源ごみは民間委託で進めておりますが、今後の一般家庭ごみの収集方法につきましては、検討課題であると認識しております。  次に、地域新エネルギービジョンの策定の方針と策定状況、市民と事業所を対象としたアンケートの実施結果についてお答えをいたします。  本市では、化石燃料にかわるクリーンな新エネルギーの導入策について検討するため、「富山市地域新エネルギービジョン」の策定に取り組んでいるところであります。  ビジョン策定の方針といたしましては、富山市の自然環境や産業構造、行政の方針などの関連を踏まえ、富山市の地域特性や優位性を最大限に生かすと同時に、富山市の独自性を前面に打ち出すことに留意していくこととしております。  ビジョン策定の状況についてでありますが、有識者、エネルギー供給関係者などの意見を踏まえ、事業を進めていく必要があることから、「富山市地域新エネルギービジョン策定検討委員会」を設置し、7月末に第1回の会議を開催したところであります。  現在、本市におけるエネルギー需要量や新エネルギーがどれだけあるのか、その量の調査などを実施しているところであり、今後は、それらをもとに重点プロジェクト、新エネルギー導入の推進計画を策定し、本年度中に「富山市地域新エネルギービジョン」としてとりまとめることとしております。  なお、市民と事業所を対象としたアンケートにつきましては、市民1,000人、事業所500社、公共機関23カ所を対象として調査を実施し、9月10日現在で717件の回答を得ており、現在はその分析を行っているところであります。  次に、都市廃熱利用エネルギーの活用促進や導入促進対策についてお答えをいたします。  ごみの焼却場、工場、下水などの廃熱、いわゆる都市廃熱をエネルギーとして活用し、発電、給湯や冷暖房、消雪などに有効に利用することにより、石油などの化石燃料の消費を抑えることができることから、地球環境の保全を図っていくためには、その導入が必要と考えられております。  既に、本市におきましては、富山駅北地区における河川水を活用した熱供給事業や下水道の処理水を利用した消雪など、都市廃熱を利用した事業が実施されているところでありますが、今後、さらに都市廃熱エネルギーを活用していくことが必要となっていることから、その活用の可能性について、現在、進めている地域新エネルギービジョンの策定の中で検討してまいりたいと考えております。  次に、廃棄物減量とリサイクルについてのうち、「富山市環境保全率先実行計画」において、目標の達成できなかったものがあるが、その原因と対応策についてお答えをいたします。  本市におきましては、環境保全率先実行計画を策定し、紙類や水道・電気などの使用量削減に努めてきたところであります。計画の最終年度であります平成14年度におきましては、水道、灯油、廃棄物排出量が目標値を達成したところでありますが、紙類、電気、ガス、自動車燃料において、基準年である平成8年度に比べて使用量は減少したものの、目標値を達成することができなかったところであります。  御指摘のように、市民病院においては、紙類の使用料が大きく増加しておりますが、その原因としては患者の皆様への治療方針を説明しその同意を得る行為、いわゆるインフォームド・コンセントを文書により徹底して行い、質の高い医療サービスの提供に努めてきたことなどによるものと分析しているところであります。  また、この対応策につきましては、次長会議を通じて各職場に結果を周知し、数値目標を達成するためのさらなる削減努力を行うなど、今後の環境配慮の実行を要請したところであります。  次に、新たな実行計画を早急に策定し取り組むことが市民に対する説明責任を果たすことにつながると思うがどうかについてお答えいたします。  本市の環境保全率先実行計画に基づき、各種の環境配慮への取り組みが実行された結果、先ほども申し上げましたとおり、水道使用量など3項目においては目標を達成したところでありますが、その他の項目につきましては、目標の達成ができなかったものの平成8年度と比べて使用量は減少しております。  これは、各職員が環境配慮に努力したにもかかわらず、事務量やサービスの増加により達成できなかったものと考えておりますが、今後は目標達成に向けて、さらなる削減努力を求めていきたいと考えております。  新たな計画を早急に策定し、取り組むことについてでありますが、本市といたしましては、現在、前実行計画の結果を踏まえて、地球温暖化ガスの排出抑制を盛り込んだ(仮称)「新環境保全率先実行計画」の策定に取り組んでいるところであり、本年中に計画をスタートさせたいと考えているところであります。  次に、月刊タウン紙「みどりさん」の発行に当たって、広域圏の他の市町村にも事業の参加を要請すればどうか。また、掲載内容をごみ減量対策だけでなく、地球温暖化防止対策など、環境問題全般にわたる内容とすればどうかについてお答えいたします。  市では、本年5月から、市内全世帯に配布する月刊タウン誌「みどりさん」に、ごみの分別やリサイクル、環境美化活動などの身近な取り組みや地球温暖化など幅広い環境に関する情報を掲載し、市民一人一人の環境問題や循環型社会の形成に向けた意識の啓発に努めております。  そこで、ごみ減量の啓発と負担額軽減のため、広域圏の他の市町村にも事業の参加を要請すればどうかとの御提案でありますが、1つには、月刊タウン誌「みどりさん」は、全世帯への配布を前提とした北日本新聞社との共同事業であることから、広域配布について検討が必要なこと。2つには、市町村によっては、ごみの分別や環境施策の内容に違いがあることなどから、広域的な取り組みにつきましては、慎重に検討してまいりたいと考えております。  次に、掲載内容などの御提案ですが、先ほど申し上げましたとおり、月刊タウン紙「みどりさん」は、ごみの分別やリサイクル、環境美化活動などの身近な取り組みや地球温暖化など、幅広く環境に関する情報を掲載することとしており、御提案の趣旨を盛り込んだ紙面づくりを行ってきております。  最後になりますが、ダイオキシン類対策について、事業の今後の日程と事業費の負担者、考えられる財源についてお答えいたします。  平成12年度に本市が実施したダイオキシン類環境調査の結果、富岩運河の水質が環境基準を超え、また底質も高い測定値が検出されました。  このことから、河川管理者である富山県では、「富山県富岩運河等ダイオキシン類対策検討委員会」を設置し、富岩運河の浄化対策について検討を進め、これまでの委員会の検討内容をもとに、今年度以降は、1つに原位置処理方式と掘削除去方式の有効性についての確認、2つには汚染範囲及び汚染土量の確定などについて取り組んでいくこととされております。  また、国におきましては、今年度より2カ年の予定で富岩運河をモデルケースとした汚染土の無害化処理技術の開発に取り組み、全国的に汎用性のある安全、確実、安価、大量に分解無害化できる技術の確立を目指しております。  これらのことから、河川管理者の県といたしましては、今後、国の無害化処理技術開発の動向や県の各種調査の結果に基づき、実用的な浄化対策工法が決まった時点で、事業費や原因者の負担割合、財源対策などについて検討されると伺っております。  以上であります。 37 ◯副議長(村家  博君)  小池財務部長。  〔財務部長 小池 武彦君 登壇〕 38 ◯財務部長(小池 武彦君)  地域新エネルギービジョンについてのうち、来庁舎への普及・啓発と、本市の環境問題に取り組む決意表明のために、本庁舎に太陽光発電を設置してはどうかといった御質問にお答えをいたします。  太陽光発電につきましては、二酸化炭素などの温室効果ガスを排出しないクリーンな新エネルギーであり、地球環境保全対策の一環として、市では住宅用太陽光発電システム設置補助制度を設け、一般住宅への普及に努めているところであります。  市の施設における太陽光発電システムにつきましては、国のエコスクール事業への採択を受けて、平成14年度から光陽小学校を初め、南学校給食センター、岩瀬小学校で稼働中であり、現在、建設中の市営住宅上赤江団地3号棟にも設置することといたしております。さらに、流杉浄水場の改築の際には、太陽光発電システムの導入を計画しているところであります。  御提案の本庁舎に太陽光発電システムを設置することにつきましては、費用面から大規模な太陽光発電システムの導入は難しいと考えておりますが、市民への普及・啓発を図るための設備について、今後、調査・研究をしてまいりたいと考えております。 39 ◯副議長(村家  博君)  伊藤上下水道局長。  〔上下水道局長 伊藤 泰雄君 登壇〕 40 ◯上下水道局長(伊藤 泰雄君)  地域新エネルギービジョンについてのうち、消化ガス発電システムの導入の可能性を問うのお尋ねにお答えいたします。  本市では、循環型社会、新エネルギー利用の観点から、浜黒崎浄化センターで発生する消化ガスを活用した、公害のないクリーンな消化ガス発電システム、燃料電池の導入は有意義なものと考えております。このことから、上下水道局におきましては、経営戦略会議、計画財務ワーキンググループにおいて、調査・研究を進めているところであり、この8月にはシステムを導入しております山形市の状況を視察してまいりました。  山形市におきましては、平成14年度に100キロワット2基を導入し、現在、稼働中でありますが、システムを導入して間もないことなどから、建設・管理コストの検証ができていない状況であります。  本市でも、将来のシステム導入に向けた準備として、今年度に消化ガスに含まれているメタンや水素などの有効成分と、硫化水素やアンモニアなどの不純成分を検査し、ガスの特性を考慮したシステムの検討を行うこととしております。  今後も引き続き他都市の状況等を参考にしながら、技術開発の推移、建設・管理コスト及び費用対効果などについて調査・研究を行い、導入の可能性について検討を進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 41 ◯副議長(村家  博君)  大島教育長。  〔教育長 大島 哲夫君 登壇〕 42 ◯教育長(大島 哲夫君)  廃棄物減量とリサイクルについてのうち、学校給食の牛乳パックの資源回収について、また牛乳容器をリターナブルびんとすることについて、さらに洗える食器を牛乳の容器とすることについてお答えいたします。  牛乳パックの資源回収を実施することは、日常的に資源の循環を体感できるため、環境教育の生きた教材として意義があることと考えております。牛乳パックの回収は、現在、市内の中学校1校で、生徒の発案により自主的に実施されておりますが、飲用後、速やかに洗浄し、乾燥させ、切り開くことが必要であることから、給食時間や乾燥場所等幾つかの課題があります。  このことから、牛乳パックの資源回収については、他都市の状況等も含め、その方策について、今後、調査・研究してまいりたいと考えております。  また、牛乳容器をリターナブルびん、回収して利用できるびんということでしょうが、リターナブルびんとすることについては、資源の消費と廃棄物が抑制でき、環境負荷が軽減できるよい容器だと思っております。  しかしながら、学校では、重い、割れるなど取り扱いに注意が必要なため、現実には使用しにくい面があり、また市内の製造業者にはリターナブルびんの設備がないのが実情であります。  次に、洗える食器を牛乳の容器とすることについては、牛乳が学校に納入された後、クラス用のミルクポットに移しかえ、さらに個人の食器に配膳する必要があります。  牛乳は非常に汚染されやすい物資でありますので、移しかえることにより、細菌の汚染が懸念されることから、洗える食器の使用は難しいと考えております。 43 ◯副議長(村家  博君)  11番 高田 重信君。  〔11番 高田 重信君 登壇〕 44 ◯11番(高田 重信君)  平成15年9月定例会に当たり、自民クラブより一般質問をします。  初めに、中心地区の小学校統合について質問します。  中心地区の星井町、五番町、清水町の3小学校の統合が決定しましたが、ここに至るまで、多くの人々の努力と苦労があったことは十分推察していただけるものと思います。しかし、小学校がなくなることに対して、まだ納得ができない方もおられることも事実です。そうした中、住民にとって関心の的になっているのは、いつから統合校が建設されるのかであります。「財政的問題があり、なかなか進まないのではないか」と心配される声も聞かれます。統合については、多くの時間をかけ、3校区の責任者がそれぞれ誠意をもって対応した結果、合意に至ったわけです。その点を踏まえていただき、以下、質問しますので、誠意ある回答をお願いいたします。  初めに、統合に関しての予算(補正も含め)はいつから組み込まれるのでしょうか。そして、統合校の建設はいつから始まり、いつ開校できるのか、お聞かせください。  次に、星井町小学校、五番町小学校では、来年度からの児童の減少に対応して、2校先行統合し、統合校を星井町小学校とすることで合意し、市へ要望しました。そのことに関して、3点お尋ねいたします。  1.時間が少ない中、解決すべき課題も多く、統合までのスケジュールはどのように検討されているのでしょうか。2.清水町小学校は、統合校ができるまで単独でいるわけです。その間は、交流学習を積極的に推進していただきたいと思いますが、一般教科も含め、どの程度の交流学習を予定されているのでしょうか。3.統合すれば教職員の定数は減るわけですが、統合してからの一定期間、教師を加配してもらえないでしょうか。以上の点についてお聞かせください。  星井町、清水町の両校区は学校の跡地利用について今後協議していかなければなりませんが、富山市にとっても跡地は中心地区にある大切な土地であると思います。つきましては、学校跡地の活用法について、市として検討しておられるのか、または今後検討していくものと考えておられるのかお聞かせください。  次に、学校2学期制等について質問します。  昨年の3月に、中村議員より2学期制について質問がありましたが、教育長は、「現段階での実施は必ずしも望ましいとは考えておらず、他の都市における2学期制実施による状況等の結果を見て検討するのが適当である」と答弁されています。しかし、2学期制を導入する公立小・中学校は増えてきております。2学期制の効果として、1.充実した教育活動の実践が可能になり、基礎・基本の定着が確実に図ることができる。2.時間的なゆとりを持って、連続性のある学習活動を展開することができる。3.児童・生徒個々の学習内容の理解や習熟等、個々に応じた指導と評価の一体化を図ることができる。4.学校行事の柔軟な設定により、児童・生徒の自主的・実践的な活動を図ることができる。まとめて言えば、1つの学期を長期化することで、ゆとりの中での児童・生徒への指導・支援を充実するということになります。  実施校からは、課題も報告されていますが、メリットの方が大きいように思えます。ぜひ、富山市でもモデル校を指定し、21世紀にふさわしい新しい教育に挑戦すべきだと思いますがいかがでしょうか。  また、最近よく言われる小・中連携教育ですが、小学校から中学校への情報伝達をより深めるために、また、子供たちの個性がよりよく理解できるよう、教育カルテを小学校1年生から作成したらどうでしょうか。記入する内容等については、マニュアルを作成し統一する。そうすれば、どこの中学校へ行ってもその子供の様子がわかり、中学校もスムーズに受け入れることができます。もちろん、保護者から要望があれば、開示することにすればよいと思います。お考えをお聞かせください。  土曜活動を含め、子供たちの健全育成のためにも「児童館を建設してほしい」という要望をよく聞きますが、学校をもっと有効利用できれば児童館にかわる施設として活用できるのではないでしょうか。もっと地域に開放できるよう「学校開放マニュアル」を作成し、地域と教育委員会で管理・運営等について契約を結ぶようにすればよいと思いますが、いかがでしょうか。  次に、性の健康について質問します。  8月31日の新聞に、「人口減と文明の衰退」という文がありましたので、抜粋して御紹介します。  「フランスの歴史家フェルナン・ブローデルは、文明と人口は互いに支えあっていると説いている。文明の隆盛は人口増に、衰退は人口減に結びつく。文明システムは、技術や制度に見合う固有の人口支持力を持っているともいう。この考えによれば、日本文明は、今日、隆盛期から衰退期に向かっていることになる。これを食いとめるには新しい技術や制度の導入が必要となる。ところが、現行の社会制度や経済は人口増を前提としているので、阻止するには大きなシステムの転換が迫られる。  先進国で最初の文明衰退が日本で始まったとは信じたくないが、少年による凶悪犯罪や自殺者の多さ、会社倒産など暗いニュースの連続はその証とさえ思えてくる。今後、少なくとも30年間は出生率が低下するという。その間の政治はまた、日本文明存続の正念場となる。願わくば人口減を克服した文明国家のモデルケースとして世界から注目されたいものである」というものです。読んでなるほどと思いました。とにかく最近の数々の事件を見ていると、「日本は大丈夫なのか」という不安を覚えます。日本人のモラル低下が言われて久しいのですが、このことが日本文明衰退の引き金になるのではないでしょうか。そこで、市長にお尋ねします。この文を読まれての御所見をお聞かせください。  モラル低下を象徴する社会問題の1つとして、「性行動の低年齢化」があります。厚生労働省HIV社会疫学研究班の調査によれば、2001年にある地方A県・B県の公立・私立全校の高校2年生1万1,227人を対象とした性行動調査では、地方といえども性交経験率は都会とあまり変わらず、A県、男子25%、女子27%、B県、男子20%、女子26%、東京都については男女とも約30%でありました。また、両県の生徒とも、性交渉の相手の数が4人以上いると答えた生徒が男女とも約20%も存在するのに対して、性感染症の予防と避妊のため必要であるといわれるコンドーム常用率は低率で、A県約20%、B県約30%であることがわかりました。  このような性行動の結果、若者たちの間で性感染症、性器クラミジア、性器ヘルペス、HIVなどが急激に広がってきています。クラミジア感染症で病状が出るのは、女性で2割程度であり、感染にとても気づきにくい病気です。感染すると卵管の通過障害による不妊症、子宮外妊娠、ことに切迫流産のため低体重児が生まれることが多いことが注目されています。無事出産したとしても、母子感染を起こし乳児にも影響を及ぼします。また、感染は肝臓の周囲に炎症を起こすこともあります。このようにクラミジア感染症は、女性の性の健康を犯す重大な問題のある感染症と言っても過言ではありません。また、最近では、性感染症による子宮がんの増加が目立つようになってきました。  富山県内の10代のクラミジア陽性者の推移を見ると、右肩上がりで増え続けています。特に、女性の増加が目立ちます。1997年、女性23人、男性13人だったのが、2001年、女性160人、男性32人で、女性が約7倍にもなっている状況です。実際に感染している女性はもっと多く、20人に1人が感染しているとも言われています。それだけ10代の性行動が活発化したと言えます。しかし「クラミジア感染症は致命的な病気ではないので、それほど大騒ぎをしなくてもよい」という人がいますが、本当に重大視しなくてよいのでしょうか。当局のお考えをお聞かせください。  性感染症増加の状況に対応するため、1999年4月から施行された「感染症新法」では、性病は性感染症と呼び名を変え、性感染症の扱いは、第6条第5項において、エイズと同じく「性器クラミジア感染症、梅毒」として「4類感染症」と位置づけられました。ところが、富山市保健所事業概要報告書の感染予防事業の発生状況に、クラミジア感染症が記載されていませんが、なぜなのでしょうか。  クラミジア感染症にかかっていると、エイズに3倍から4倍もかかりやすくなるという深刻な事態も報告されているのです。エイズというと、皆さんは「もう解決した問題で脅威ではない」と考えている方も多いと思いますが、決してそうではなく、これからが深刻な社会問題となってきます。  国内で報告されたエイズ患者は2,600人以上、HIV感染者は約5,200人で、2010年には5万人との予測もあります。日本では早期発見の遅れのために、発病してから発見されるケースが多く、検査体制の不備が指摘されています。なお、HIV感染者1人当たりの治療費は1カ月当たり約20万円で、生涯医療費が5,000万円以上と見積もられています。しかし、今、新たに薬の効かない「耐性HIV」が急増してきています。治療費はますますかさんできています。エイズ流行が我が国社会にどれほどの医療経済的ダメージを与えるかについても、現実的な認識を深め、手遅れにならないためにも予防への投資を強めるべきであると言われています。この点についての御所見をお聞かせください。  世界でもエイズは深刻な問題であり、患者は昨年末時点で約4,200万人にも達しました。アメリカでは、5月に「エイズ対策緊急計画」が成立。これはエイズ被害が深刻な南部アフリカ諸国とカリブ諸国に対し、5年間で150億ドル、約1兆8,000億円を支援するものです。その予算の3分の1は自己抑制、結婚するまで性交渉しないという予防教育の推進に充てられるということです。日本も予防教育を徹底すべきだと思います。HIVの拡大を食いとめるには、治療中の感染者に対する生活指導を欠かさないとともに、性感染症の予防教育に努める。エイズの偏見をなくし、対策を進めやすくするなどが挙げられます。  富山市でも、エイズ対策事業を行っていますが、報告では相談件数、検査件数は載っていますが、結果が出ていません。現在のHIV感染者、エイズ患者は何人ですか。また、現在何人が治療を受けているのでしょうか。献血の推進事業も行っていますが、献血時にはエイズ検査が行われていると聞いています。陽性の結果が出ても本人には通知がいかないということですが、それはどうしてなのでしょうか。あまりにも危機意識が欠落しているのではないでしょうか。また、その血液はどのように処分されているのでしょうか。通知をされない感染者は、何度も献血をするのではないでしょうか。そのたびに血液を処分するのでしょうが、とても非合理に感じます。どのように考えておられるのでしょうか。また、エイズ健康教育では、児童・生徒・学生の受講が増えていますが、その反応はどのようなものなのでしょうか、あわせてお答えください。  高知県の場合、10代の人工妊娠中絶率が全国平均の約2倍。15歳から19歳までの女性約50人に1人が人工妊娠中絶を行っていることになり、性器クラミジアなど4つの性病感染率は、2002年の調査で、10歳から14歳の女子が全国平均の約7倍、男子は約22倍にも上ったということです。もはや、「寝た子を起こすな」的な考え方の教育では解決できないとし、より気軽に相談できる場所として8月24日、高知市の中心街の空き店舗を借り上げて思春期相談センター「PRINK」を開設しました。  目的は、「若年層の望まない妊娠による人工妊娠中絶の増加や性病感染の蔓延など、思春期における性に関するさまざまな問題について、総合的で効果的な支援を行うため、若者が気軽に立ち寄り、性の悩みなどについて相談したり、ともに学んだりすることができる場所として設置・運営するものである」となっています。  富山市の人工妊娠中絶は、2001年で766人、そのうち20歳未満は101人で2000年より8人増加しています。富山市でも「思春期相談センター」が必要だと思います。  以上、述べてきたように、子供たちを性の対象とする環境が広まり、子供たち自身もテレビや雑誌などの影響で性行動をとても安易に考えています。性感染症などにかかれば、その被害は精神的にも経済的にも大きなものになると考えます。この輪を断ち切るためにも、行政の積極的なかかわりが必要であると考えます。  以下、取り組むべき対策を提案いたします。1.富山市の若年層の実態を把握する必要があり、アンケートを実施する。そこから対応策を探る。2.性教育というのではなく、性感染症にかかる危険性、体に及ぼす悪影響などをしっかり教え、自分を大切にする心をはぐくむことや、性道徳を身につけさせることに重点を置いた性の健康教育とし、小学生から実施する。3.病院と学校との情報交換を密にして連携を深め、正しい性に関する知識や子供を産むための知識を児童・生徒に伝え、性に関するさまざまな悩みに適切に対応できるシステムを構築する。4.高知県のように、中心街に思春期相談ルームを開設する。5.現在行っているエイズ検査などの利用率が上がるようPRするとともに、利便性が図れるよう工夫する。6.性の健康週間(11月25日から12月1日)を活用し、市民に積極的な普及・啓発を呼びかける。
     性産業は2兆円もの利益を稼ぎ出す巨大ビジネスとなり、子供たちにまでその触手を伸ばしてきています。子供たちを守るためにも、正面から問題に取り組み、その問題をオープンにし、市民一人一人が自覚を持てるよう、以上のような対策を至急とるべきです。お考えをお聞かせください。  次に、新しい自治体について質問します。  富山市が、今行おうとしている財政危機回避緊急プログラムの中にある取り組みについては、ローカル・ガバメント、自治体が自立的な地方政府になるために必要な施策であると考え、賛成するものです。  今、地方分権改革により、行政にマネジメントが求められ、その優劣が問われる時代になってきたと思います。緊急プログラムの中にも、「施策評価を推し進めるとともに、組織の目標の明確化や組織における成果を確認できる行政マネジメントシステムへと発展させることも今後検討していく必要があります」と書かれています。施策評価シートのフォーマットはできているようであります。今後は、事務事業評価シートや事務事業改善シートとも連動しなければならないと思いますが、いかがでしょうか。また、それらはどのように生かされるのでしょうか。そして、その情報はどのような形で公開されるのでしょうか。あわせて、それぞれのシートについてだれが見ても理解できるような記入マニュアルまたは解説書などを作成し、市のホームページから取り出せるようにしていただきたいのですが、いかがでしょうか。  今後の地方自治制度のあり方についての中間報告には、地方分権時代における基礎的自治体の体制を構築していく上での重要な視点として、新しい公共空間という考え方を打ち出しています。それは、地域における住民サービスを担うのは、自治体のみではないということであり、分権時代の基礎的自治体においては、住民や重要なパートナーとしてのコミュニティー組織、NPO、その他民間セクターとも協働し、相互に連携して新しい公共空間を形成していくことを目指すべきである。つまり、自治体の行政を思い切って地域や民間活動へ移転させ、公共サービスの担い手となってもらうという考え方だと思うのです。  例えば、富山市は各自治振興会の組織もしっかり根づいていることから、行政広報誌等の配布だけでなく、これからは自治体とパートナーシップとしての領域を増やし、関連する予算もつける形で富山市と契約を結ぶ。そうすることで自治会の活性化につながり、地域力も高まると考えますがいかがでしょうか。  また、一方で、地域公共問題を解決するために、ローカル・ガバメントと、企業、NPO、ボランティア団体地域コミュニティーなどとのローカル・ガバナンス(協働関係のネットワーク)の形成を図るべきだという考え方も出てきています。ローカル・ガバナンスや新しい公共空間という考え方をどのようにとらえていますか。また具現化の可能性はどうですか。お聞かせください。  こうした分権時代の流れの中では、行政マンとしてふさわしい人材を育成することが大切だと思いますが、富山市の人材育成基本方針、人材育成計画、人材マネジメントはどのようになっているのか、お聞かせください。  以上で質問を終わります。 45 ◯副議長(村家  博君)  森市長の答弁を求めます。  〔市長 森  雅志君 登壇〕 46 ◯市長(森  雅志君)  高田重信議員の御質問にお答えします。  性の健康についてお尋ねのありましたうち、8月31日付の新聞に掲載された文を読んでの所見を問うとの御質問にお答えし、残りは担当部長から答弁させていただきます。  引用いただきました文章が、同日付の新聞で確認をしましたところ、市の職員が私的に投稿している文章ですので、この投稿文全体に対して見解や評価をこの場で述べるのはいささかどうかと思いますので、その中で引用されていますフランスの歴史家の方の見解ということと、とらえてお話を申し上げさせていただきますので、お許しをいただきたいと思います。  この方の考え方は、この文章の中からしか読み取れませんので、詳しくわかりませんので、理解違いもあるのではないかというふうに思いますが、表面的に文明が隆盛すると人口が増え、衰退すると人口が減少するということが仮に正しいとすると、毎年7,000万人も9,000万人も人口が増えているインドはすばらしい国にきっとなるのだろうと思いますし、人口増に歯どめをかけようとしている中華文明はどうなるのかということを率直に心配をいたします。どうもそういうこととは少し違うのではないのかという印象を持っております。ただ、文明が進展をして爛熟状態になってきたときに、後段で議員も御指摘の、モラルという面でいろいろな問題が起きてくるのではないかという印象は持っているところでございます。  いずれにしましても、御引用のありました文明の衰退が人口減につながるのかどうか、そのことが日本文明にどう影響するのかということにつきましては、後世の歴史家の方々の考察にお任せをしたいと思っております。  ただ、現象としては、日本社会が着実に人口減少と高齢化の時代へ向かっているということは周知のとおりでございます。そのことと関連があるかどうかは別として、他方、我が国社会は物質的な豊かさを追求してきた20世紀の時代、そこから成熟した社会を迎えて、さらにそれを踏まえた上で発展していこうとしている、その過渡期にあるのだろうと思っております。その現実の一つとして、人口減少を所与のこととした上で、例えば環境問題への対応でありますとか、国際化に対してどう対応していくか。さらには20世紀が物質的豊かさを追求したということに対して、精神的豊かさを求める社会というものをどうやってつくっていくのか、そういったさまざまなことにこれから対処していかなければならない大変難しい時代に入っているというふうに思います。  そういう意味では、議員からるるお話がありましたコミュニティーの活性化などを含めて、さまざまな観点から社会の仕組みを抜本的に見直す変革が求められているのだろうと思います。  そのようなことを踏まえて、本市におきましても、必要な改革を推し進め、地方分権時代にふさわしい、活力にあふれ、個性あふれるまちづくりを進めていかなければならないものと考えております。  以上でございます。 47 ◯副議長(村家  博君)  大島教育長。  〔教育長 大島 哲夫君 登壇〕 48 ◯教育長(大島 哲夫君)  中心地区の小学校統合について、統合に関しての予算はいつから組み込まれるのか、それから統合校の建設はいつ始まり、いつ開校できるのかというお尋ねでございます。  先般、星井町小学校、五番町小学校、清水町小学校の3校の統合の場所は、五番町小学校とすることで合意がなされ、「3校下統合問題連絡協議会」から市に対し、統合についての要望書が提出されたところであります。  3校下住民の皆様を初め、協議会役員の皆様には大変御苦労をおかけしたところであり、深く感謝申し上げる次第であります。  お尋ねの統合に関する予算につきましては、市では財政状況も大変厳しいものがありますが、一日も早く子供たちによりよい教育環境を確保するため、できる限り早く建設ができるよう、今後の予算編成の中で検討してまいりたいと考えております。  なお、統合校の建設・開校につきましては、今までの小学校の建設では、設計に2年程度、建設に2年程度かかっており、開校までには、最小限その程度の期間が必要であると考えております。  次に、星井町小学校、五番町小学校の2校先行統合について、統合までのスケジュールはどのように検討しているかということでございます。  統合までのスケジュールにつきましては、1次統合校の校名、校歌などを早期に決め、12月議会には、学校設置条例の改正をお願いする予定にしております。  また、1次統合を行う両校においては、教育目標や教育課程の作成、子供たちの交流学習など、平成16年4月の開校に向けての具体的な準備を進めているところであり、3月には閉校式をとり行う予定であります。  なお、教育委員会内においても、統合の準備のため「統合小学校開校準備委員会」を設置し作業を始めており、また、地元においても協議会組織を強化されたと伺っております。今後とも、地元と連携を図りながら進めてまいりたいと考えております。  次は、清水町小学校は統合校ができるまで単独でいるが、どの程度の交流学習を予定しているのかというお尋ねであります。  現在、来年4月の星井町小学校と五番町小学校の統合について準備を進めており、この1次統合が大きな課題でありますので、今これに全力で取り組んでいるところであります。  1次統合校と清水町小学校との交流については、この統合がスムーズにスタートした後において、取り組んでいかなければならないと考えております。  なお、野外教育活動センターでの宿泊学習などについては、現在の3校の同時実施が可能であると思いますし、その他の交流についても、1次統合校と清水町小学校の間で具体的に協議を進めてまいりたいと考えているところであります。  それから、統合すれば教職員の定数は減るが、統合してからの一定期間、教師を加配してもらえないかというお尋ねであります。  小・中学校の教職員の配置については、法律に基づいて県教育委員会が定めた教職員配置基準に従い、学級数に応じて配置されております。統合される小学校の教職員数については、その学級数に応じて配置されるわけであり、統合校に対する特別な措置は基本的にはありません。  しかし、統合に伴う教育課程の編成や学校環境の整備等、他校に比べて学校運営に負担が生じることが予想されますので、県教育委員会に対して当該校にかかわる状況を説明し、県の配置基準のもとで教職員の配置増ができないか、要望してまいりたいと考えております。  次は、学校2学期制等について、まず、モデル校を指定し、21世紀にふさわしい新しい教育に挑戦すべきと思うがどうかというお尋ねであります。  2学期制は、ゆとりある教育活動を推進するための方策の一つとして、体験的な学習や問題解決的な学習、反復の伴う学習などにじっくり取り組む時間が確保できるというねらいがあるようであります。  しかし、通知票が2回になることへの児童・生徒や保護者の不安、また、学期途中の長期休業で学習意欲をどう持続させるか、学期と学期の間の児童・生徒の精神的な区切りをどうつけるかという課題もあります。さらに、一部の学校で実施した場合、対外的な行事の期日の調整が難しいなどの問題も挙げられているようであります。  これまでの3学期制において、1学期は学年・学級づくり、2学期は学習や生活の充実、3学期はまとめという大きなサイクルの中で、学校の行事や学習が根づいております。特に、最終学年の児童・生徒にとっては、3学期は学校生活の総仕上げという大きな意味があります。また、長期休業の前にまとめの評価をして一つのけじめをつけることも意義があることであります。  このようなことから、これまでの3学期制のもとで、一部の地域で2学期制が導入された理由や実施状況を十分参考にした学校づくりを行っていくのが適当ではないかと考えております。  次は、教育カルテは小学校1年生から作成したらどうかというお尋ねであります。  小学校では、教育カルテに相当するものとして指導要録の抄本を作成し、中学校での指導が適切に行われるように情報伝達を行っているところであります。また、その際には、事前に連絡会を持ち、必要に応じて指導要録について補足説明をしたり、互いの教育内容について理解を深めたりする機会を持っているところであります。  さらに、中学校によっては、生徒の入学後の様子について連絡を取り合う機会を設けているところもあり、小・中学校間で適切に児童・生徒の理解を深めるためのさまざまな配慮がなされております。  今後とも、小・中学校において、互いの教育に関する情報を提供し合い、児童・生徒の教育指導の充実が図られるよう努めてまいりたいと思います。  次は、学校をもっと地域に開放できるよう学校開放マニュアルを作成し、地域と教育委員会で管理・運営について契約を結んではどうかというお尋ねであります。  親子のふれあいや世代間交流など子供たちの活動の場、また、放課後における児童の健全育成の場などとして、学校施設を地域に開放し有効に活用することは大切なことと認識しております。  このため、学校開放の推進を総合計画新世紀プランに位置づけ、学校教育に支障のない範囲で、余裕教室や特別教室などを地域に開放できるよう、子ども元気活動支援モデル事業を現在7校区で実施し、規約を設けるなど実践研究に取り組んでいるところであります。  特に、開放に当たっては、利用される地域の方々が主体となって、自主的に管理運営されることが望ましく、管理面からは開放する施設の範囲や時間、利用できる団体など一定の条件が必要になると考えております。  そこで、モデル事業をもとに、自主管理を行う上での運営のあり方について検討を進め指針を示すなど、地域の実情に合った創造的な学校開放が行われるよう、その支援に努めてまいりたいと考えております。  最後に、性教育についてのうち、性の健康教育を小学校から実施することについてお答えいたします。  富山市の各中学校におきましては、保健体育の授業において感染症の予防等の性に関する指導や、産婦人科医による講演会を実施いたしております。  中学校においては、産婦人科医を講師として、最近の社会情勢を踏まえ、エイズや性の逸脱行動、大切な生命に関する内容を含んだ講演会を開催いたしており、その中で、正しい性に関する理解や、自分を大切にする心が育つよう努めているところであります。  お尋ねの、小学生から性の健康教育を実施することにつきましては、3・4年の保健学習において「育ちゆく体とわたし」の中で、性に関する指導を行っており、性感染症につきましては、成長過程の個人差も大きいことから、中学生の段階から学習することとしているところであります。  以上であります。 49 ◯副議長(村家  博君)  杉原企画管理部長。  〔企画管理部長 杉原 信介君 登壇〕 50 ◯企画管理部長(杉原 信介君)  中心地区の小学校統合についてのうち、学校跡地の活用についての御質問にお答えいたします。  星井町、清水町の両小学校の学校跡地については、都心地区における大規模で大変貴重な土地であります。このことから、これらの跡地の活用方法につきましては、本市の将来展望を見据え、全市的な視野に立つとともに、学校統合に関する地元協議会や市民の皆様の御意見、御要望を聞くなどしながら検討を進めてまいりたいと考えております。  次に、新しい自治体についての御質問のうち、施策評価は事務事業評価シートや事務事業改善シートも連動しなければならないのではないか。また、どのように生かされ、どのような形で公開されるのか。シートについての解説書等をつくって、ホームページから取り出せるようにすべきではないかとの御質問にお答えをいたします。  これからの地方自治体は、一層の行財政改革の推進と行財政能力の充実に取り組み、分権型社会に対応できる行政体制の整備・充実を図ることが必要であります。  その方法の一つとして、行政評価システムは、政策や施策の目標を定め、行政活動の有効性を確認し、新たな施策につなげていくための有効な方法であると考えております。  本市では、平成10年度の予算編成から事務事業評価を行っており、さらに、平成13年度からスタートした「総合計画新世紀プラン」において、成果指標の考え方を導入したところであります。  事務事業評価では、これまで、事務事業数の5%以上についての見直しを目標に、予算編成のための内部事務として、事務事業の改善の方向性・方法や、次年度からの見直しの内容などの項目を設けた事務事業評価内訳表等を作成するなどし、取り組んでおります。  また、施策評価については、新世紀プランにおける評価指標や市民意識調査結果を活用し、施策は事務事業の目的であるという関係から、これまで実績のある事務事業評価の取り組み内容を踏まえ、施策を構成する事務事業の個別評価を集約することにより、今年度から試行することとし、先般、各部局へ記入マニュアル等を付し、通知したところであります。  評価の活用については、翌年度予算編成や総合計画実施計画への反映、行財政改革の推進に活用するとともに、市ホームページなどによる公表を考えております。公表に当たりましては、評価結果のほか、評価の趣旨、目的、対象、評価の観点、公表項目についての解説なども盛り込んでまいりたいと考えております。  今後は、本年度試行する施策評価の結果を見ながら、さらには、他都市の実施状況や内容、効果も参考にし、より本市に合った評価システムにしてまいりたいと考えております。  次に、ローカル・ガバナンスや新しい公共空間という考え方をどのようにとらえるか、また、具現化の可能性はどうかとの御質問にお答えいたします。  地方分権の進展により、住民に身近な行政は、できる限り地方公共団体にゆだねることとされ、住民に一番身近で総合的な行政主体である市町村の役割は、ますます重要なものとなっております。  一方、近年、文化や福祉、環境などのまちづくりのさまざまな分野において、NPOやボランティア団体地域コミュニティー等の市民の活動が活発になってきており、これらの団体は、行政の重要なパートナーであるとともに、これからの地方分権の重要な担い手の一つであると考えております。  このことから、これからの地方行政を推進するには、地方公共団体だけが活動主体となるのではなく、地方公共団体とこれらの団体とがお互いの長所や能力を認め合い、短所を補完することにより、ローカル・ガバナンスを実現させ、地域における新しい公共空間をつくり出すことが重要であると考えております。  本市におきましては、「富山市総合計画新世紀プラン」に基づき、市民と行政とが協働でまちづくりを進め、市民の参画でつくる社会の実現を図るため、パブリックコメント手続制度や、あるいは審議会等の原則公開、委員公募の促進などの施策に努めているところでございます。  今後とも、御指摘のローカル・ガバナンスや新しい公共空間の具現化に向けて、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、富山市の人材育成基本方針、人材育成計画、人材マネジメントはどのようになっているかについての御質問にお答えいたします。  分権型社会においては、地方公共団体がみずからの責任において社会情勢の変化に柔軟かつ弾力的に対応できるよう、時代認識を持って果敢にチャレンジする人材の育成を図ることが重要であると考えております。  このことから、本市では、職員一人一人が全体の奉仕者であることを自覚し、意欲と情熱を持って職務に取り組むことはもとより、幅広い視野と柔軟な発想を持って、積極的に政策の立案・実行に取り組む人材を組織的、計画的に育成することを基本方針といたしております。  その方策といたしまして、政策形成能力や経営感覚の養成を図る特別研修や高度な専門的知識・技術習得のための研修専門機関への派遣研修などを体系的、計画的に実施するとともに、職員の自主研修に対し支援を行い、自己啓発意欲の喚起に努めているところであります。  ところで、御案内のとおり、国においては、「公務員制度改革大綱」を策定し、能力・実績主義の導入、あるいは、民と官との人事交流の促進など、人事管理全般にわたる抜本的な改革の方向を示しているところであります。  本市においても、地方自治新時代に的確に対応していくために、この改革大綱を踏まえた国の動向を見きわめながら、職員の能力開発を効果的に推進するための総合的な方針や、昇進管理を初めとする人事管理全般のあり方について研究を進めているところであります。  以上です。 51 ◯副議長(村家  博君)  森福祉保健部長。  〔福祉保健部長 森   彰君 登壇〕 52 ◯福祉保健部長(森   彰君)  性の健康についての御質問のうち、最初は、クラミジア感染症は致命的な病気ではないが、本当に重大視しなくていいのかという御質問です。  昨今の社会現象として、青少年の周りには性情報が氾濫し、性体験も低年齢化しており、望まない妊娠や性感染症の増加が深刻な問題になってきております。  性感染症の中では、性器クラミジア感染症が増加しております。性器クラミジア感染症は不妊の原因になり、エイズの原因となるHIV(ヒト免疫不全ウイルス)にも感染しやすくなります。また、無症状で経過する場合もあり、症状の重症化と感染拡大の防止を図るためにも、正しい知識の普及及び感染予防方法についての周知を図るとともに、きめ細かい啓発普及活動の推進が必要であると考えております。  続きまして、クラミジア感染症が保健所事業概要報告書に記載されていないという質問でございます。  感染症の患者発生届出は、全医療機関から報告される赤痢、コレラ、腸管出血性大腸菌感染症などの全数報告と、指定届出機関から報告されるインフルエンザ、麻しん、風しん、性器クラミジアなどの定点報告があります。保健所の事業概要報告書には、全数報告感染症のみを掲載し、定点報告感染症については、問い合わせがあればお答えしてきたところであります。今後は、クラミジア感染症などの指定届出機関から報告される定点感染症についても掲載してまいりたいと考えております。  なお、指定届出機関から報告されましたクラミジア感染症は、平成12年が76件、平成13年が89件、平成14年が106件と増加傾向にあることから、憂慮しているところであります。  続きまして、エイズ流行が医療経済的ダメージを与えるわけですけれども、これへの予防の投資を強めるべきではないかという御質問でございます。  国のエイズ動向委員会のHIV感染者・エイズ患者の報告件数は、平成8年以降増加傾向にあり、平成14年はHIV感染者614件、エイズ患者308件となっております。また、先進諸国の中では、日本だけが増加傾向にありますことから、今後とも、感染の予防対策をさらに力強く進めていく必要があると考えております。
     このことから、本市におきましては、厚生労働省のエイズに関する特定感染症予防指針に基づき、エイズ対策促進事業として、1つには医師、保健師による電話相談、2つめにエイズ予防啓発パンフレットの全戸配布、3つめに高等学校、各種学校に対する健康講座の開催などを実施し、エイズ予防対策の充実、強化に努めているところであります。  続きまして、HIV感染者・エイズ患者の数、そのうち治療を受けている数についての御質問でございます。  HIV感染者・エイズ患者数は、感染症法に基づき国のエイズ発生動向調査により都道府県単位で発表されております。  富山県では、調査が始まりました昭和60年から平成14年まで累積すると、HIV感染者が13人、エイズ患者が10人と発表されております。HIV感染者及びエイズ患者の治療者数については、エイズ発生動向調査の中では、治療の有無の調査がなされていないことから実数は把握できないものであります。  次に、献血時のエイズ検査についての御質問です。  まず、1つは、検査結果が通知されないのはなぜか。次に、エイズ検査結果が陽性になった方の血液がどのように処分されているか。それから、通知されない感染者は何度も献血することになるけれども、それは非合理ではないかという御質問でございます。  献血の実施主体である日本赤十字社によりますと、献血された血液のエイズ検査結果については、陰性・陽性にかかわらず通知はされておらず、その旨、献血者にも事前に説明し、了解を得て献血が行われているとのことであります。  これは、中には、献血の機会を利用してエイズ検査を受けようとする方が残念ながらいらっしゃるため、こうした検査目的の献血者を排除するための措置であると伺っております。  また、献血された血液でウイルス感染などにより、輸血用として患者さんに使用できないものは、医療廃棄物として適切に廃棄処理がなされているとのことであります。  日本赤十字社では、こうした対応は、検査結果を通知されない感染者の方が何度も献血をされる可能性はありますが、献血事業の目的が、何よりも安心して患者さんに使用できる安全な血液を確保することであり、やむを得ないものとの見解であると伺っております。  続きまして、エイズ健康教育とその反応についてでございます。  平成14年度において、高等学校、短期大学、各種学校の生徒・学生を対象にしたエイズ健康教育は、12校1,370人に実施してきたところであります。  講演後に生徒の感想をアンケート調査した結果、1つは、エイズを身近な疾患として感じ、かからないようにしたい。2つめに、エイズや性感染症がどのようなことで感染するかわかった。3つめに、日頃からの心がけで感染が予防できる。4つめに、決して人ごとではなく、しっかりとした知識を身につけたいなどの感想があることから、エイズ健康教育を実施することにより、正しい知識の普及を図ることができるものと考えております。  続きまして、性感染症への対策ということで、若年層の実態を把握する必要があるのではないかという御質問です。  性に関する意識につきましては、健康づくりに関する市民意識調査の中で、思春期における性教育を充実させるためのニーズや、思春期の子供が相談しやすい環境づくりなどの項目を設けて実施しているところであります。  なお、性感染症の実態については、現在、感染症法に基づく指定届出機関からの定点報告をもって把握しているところであります。したがって、特に性感染症だけをとらえたアンケート調査については考えていないところであります。  続きまして、性に関するさまざまな悩みに適切に対応できるシステムをつくることの質問でございます。  小・中学校においては、平成4年から産婦人科医6名の協力を得て、専門的な相談をすることができる専門医制度を設けており、個々の性に関するさまざまな悩みに対応するために、直接電話や面接などいつでも相談ができるようになっております。  保健所では、性に関するさまざまな悩み相談を電話や来所により1次相談で対応し、さらに必要な場合は精神科医、婦人科医、泌尿器科医の専門医による2次相談を受けることができます。  このように、性に関するさまざまな問題について、児童・生徒や保護者一般市民が気軽に相談できるよう、学校、保健所、医療機関による体制を整えております。今後、さらに性に関する悩み相談についてPRしてまいりたいと考えております。  続きましては、高知県の「思春期相談ルーム」についての御質問でございます。  高知県で実施されています中心街における「思春期相談ルーム」では、性についての正しい情報の提供、若者の性の悩みや相談の受付、性のピアカウンセラーによる啓発活動をしているものであり、その利用状況及び運営状況について調査してまいりたいと考えております。  続きまして、エイズ検査などの利用率が上がるようPRすること、それから利便性をもっと図る必要があるのではないかという御質問でございます。  保健所で実施しているエイズ検査は、匿名・無料で毎週月曜日に実施しております。  エイズ検査の利用率を上げ、利便性が図られるようにするために、1つには、毎年12月に実施するエイズキャンペーンの際に、中央保健福祉センターで、夜間エイズ相談・検査の実施。2つめに、市役所多目的ホールでパネル展示やパンフレットの配布。3つめに、市内のショッピングセンターでパネル展示やパンフレットの配布を実施しているところであります。今後とも、利便性や利用率の向上に努めてまいりたいと考えております。  最後ですが、「性の健康週間」についての御質問でございます。  性の健康についての普及啓発につきましては、1つには高等学校、各種学校に対する健康講座の開催、2つめに医師、保健師による電話相談、3つめに保健所窓口において「性感染症を予防しよう!」というパンフレットの配置、4つめに成人式におけるパンフレットの配布などを行っております。  お尋ねの「性の健康週間」については、性の健康医学財団が平成13年に毎年11月25日から12月1日の期間を「性の健康週間」とするように提唱しておられるところでありますが、富山市では、これとは別に世界エイズデーにあわせたエイズキャンペーンを実施してきたところであります。  今後は、「性の健康週間」をも活用し、世界エイズデーとあわせた形で普及啓発に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 53 ◯副議長(村家  博君)  渡辺市民生活部長。  〔市民生活部長 渡辺 邦保君 登壇〕 54 ◯市民生活部長(渡辺 邦保君)  新しい自治体についてのうち、行政とのパートナーシップの領域を増やすことなどにより、自治会の活性化につながり、地域力も高まると思うがどうかとのお尋ねにお答えをいたします。  現在、本市から各地区の自治振興会やふるさとづくり推進協議会などの団体に委託している事業といたしましては、市広報など書類配布委託のほかに、ごみ減量化・資源化推進事業、ふるさとづくり推進事業や、児童健全育成事業、高齢者いきいきクラブ事業などがあります。  また、補助事業といたしましては、校区成人式の開催事業、学校体育施設開放事業、まちの環境美化推進事業などに助成を行っているところであります。このように、数多くの事業を実施していただくことで、地域の活性化につながり、地域力も高まってきているものと考えております。  今後とも、これらの事業の実施やさまざまな地域団体の活動への支援などを通して、市民と行政による協働のまちづくりをさらに推進し、地域と行政との緊密なパートナーシップの構築に努めてまいりたいと考えております。 55 ◯副議長(村家  博君)  これをもって一般質問及び議案の質疑を終結いたします。             ───◇   ◇   ◇───                議案の委員会付託 56 ◯副議長(村家  博君)  ただいま議題となっております議案第72号から第86号まで及び報告第37号、以上16件につきましては、会議規則第37条第1項の規定により、お手元に配布してあります議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。             ───◇   ◇   ◇───               請願・陳情の委員会付託 57 ◯副議長(村家  博君)  次に、日程第2 平成15年分請願第11号、請願第12号及び平成15年分陳情第1号を議題といたします。  ただいま議題となっております請願、陳情は、お手元に配布の文書表のとおり、所管の常任委員会に付託いたします。             ───◇   ◇   ◇─── 58 ◯副議長(村家  博君)  お諮りいたします。委員会審査のため、9月22日及び24日から26日までの4日間休会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 59 ◯副議長(村家  博君)  御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。             ───◇   ◇   ◇───                散       会 60 ◯副議長(村家  博君)  以上で、本日の日程は終了いたしました。  9月29日は午前10時に本会議を開き、委員会審査の結果報告、これに対する質疑・討論・採決、並びに一般・特別・企業各会計決算認定の件などを行います。  本日はこれをもって散会いたします。                              午後 3時21分散会 Copyright © Toyama City Assembly, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...