こうした状況にもかかわらず、政府においては、地方交付税算定におけるいわゆるトップランナー方式の導入や、地方公共団体の基金残高が増加していることに焦点を当てるなど、地域の実情に対する配慮が十分とは言えない状況にあります。
中でも、政府では、地方の基金残高が増加していることを理由として、地方交付税の削減といった
地方財政計画の適正化を図る議論が行われていますが、基金は災害や税収変動等の不測の事態、将来の行政需要に備えた財政運営の年度間調整のあらわれであり、積立金の増加をもって
地方財政に余裕があるかのような議論は今後の
地方財政運営に深刻な影響を与えると言っても過言ではありません。
かつて三位一体改革として地方交付税が大幅に削減された際、基金の少ない地方公共団体は直ちに
地方財政の危機に陥り、やむなく社会保障、公共事業を初め住民サービスの切り下げ、職員の給与カット、
議員定数、
議員報酬の削減など、極めて不本意な歳出削減を強いられたのであります。本市においても、中村市政発足以来14年にわたって、厳しい財政再建方策等を実施するなどして財政の健全化に努めてきたところであります。
地方が責任を持って人口減少・地域活性化対策を初め、福祉、医療、雇用対策、防災・減災対策など、地域の実情に沿ったきめ細かな行政サービスを十分に行っていくためには、その基盤となる
地方財政の充実・強化が必要不可欠であると考えます。
よって、このたび
提出する
委員会提出議案第1号、
地方財政の充実・強化を求める
意見書は、2019年度の政府予算や
地方財政の検討に当たって、常態化している地方の財源不足を解消し、山積する課題に対応できる持続可能な財政運営を可能とするため、歳入、歳出を的確に見積もり、
地方財政の安定的な基盤を確立することを国に求めるものであります。
どうか
議員各位におかれましては、ただいま申し上げました
議案の趣旨に御賛同いただきますようお願いして、
提案理由といたします。
○
議長(柊
康弘君) 次に、
議員提出議案第1号について、松本熙
議員。
○16番(松本 熙君)
議員提出議案第1号、
実効性ある「
避難計画」を策定するまで、
島根原子力発電所3号機の新
規制基準適合性審査申請を行わないよう求める決議につきましては、案文の読み上げで御提案にかえたいと思います。
島根原子力発電所のUPZ(30キロ圏)は、
島根県、鳥取県の双方にかかり、
島根県側では県庁所在地の松江市や人口の多い出雲市、中海を挟んで隣接している
境港市・米子市が該当することから、避難対象人口は茨城県の東海第二
原発、静岡県の浜岡
原発に次いで多い。
島根原子力発電所で事故が発生すれば、風向きによっては
境港市は
立地自治体である松江市と同様ないしはそれ以上の被害をこうむるおそれがある。
しかし、現在の
避難計画では、PAZ、
原発から5キロ圏内の予防的防護措置準備区域の住民が先に避難し、その後にUPZ、5から30キロ圏内です。住民が避難をするという2段階の非現実的な
避難計画となっている。
また、災害時要援護者の避難については、避難に伴うリスクを軽減するため十分な準備が必要であり、避難準備が整うまでは屋内退避を行うとされているが、現実的に屋内退避では放出される放射性物質からの被曝を最小限にとどめることは極めて容易ではない。
よって、
境港市議会は、住民の安全・安心を確保する観点から、
原発事故における放射線による住民の被曝を避けることができる
実効性のある
避難計画が策定されるまで、
中国電力株式会社に対し、
島根原子力発電所第3号機の新
規制基準適合性審査申請を行わないよう強く要望する。
以上、決議する。
議員各位におかれましては、読み上げました決議文に御賛同いただきますようによろしくお願い申し上げます。以上です。
○
議長(柊
康弘君) 次に、
議員提出議案第2号について、米村一三
議員。
○3番(米村一三君)
議員提出議案第2号につきまして、
提案理由を申し述べます。
提案理由は本文の読み上げをもってかえさせていただきます。
2025年
国際博覧会の誘致に関する決議。
2025年に「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマとする
国際博覧会を大阪・関西が一体となって開催することは、新たな産業や観光のイノベーションが期待できるなど、大きな経済効果をもたらすとともに、全世界に向けて圏域の存在感を示す絶好の機会となり、極めて大きな意義がある。
また、このような
国際博覧会の開催は、圏域全体のみならず、鳥取県における産業振興や観光文化交流等を促進し、とりわけ県内各地域を訪れる外国人観光客の増加による経済波及効果が大きく期待できる。
よって、
境港市議会としても、大阪・関西における
国際博覧会の開催を支持するとともに、誘致実現に向けた国内機運の醸成など必要な取り組みを国、地元大阪府・大阪市、経済界とともに積極的に推進していく。
以上、決議する。
皆様の御賛同をよろしくお願いいたします。
○
議長(柊
康弘君) 続いて、
議員提出議案第3号について、安田共子
議員。
○15番(安田共子君)
議員提出議案第3号について、提案者を代表し、
意見書案を読み上げて
提案理由の
説明にかえさせていただきます。
セクシュアル・ハラスメントのない社会を実現するための
意見書。
今年4月に発覚した高級官僚による女性記者に対するセクシュアル・ハラスメント問題は、日本社会の課題を明らかにしました。以下、セクハラと略します。
セクハラは、本人の意に反する性的な言動でその人の尊厳を傷つけ、生涯消えないトラウマとなる重大な人権侵害です。「すべて国民は、個人として尊重される」とした日本国憲法にも、女性に対するあらゆる形態の差別の撤廃を目指す女性差別撤廃条約にも違反するものです。
日本政府は、国連女性差別撤廃
委員会など国連の人権機関から、法整備や教育など、性差別やセクハラ・性暴力をなくすための行動を繰り返し勧告されているが、締約国として義務を果たさず、政治的意思を問われ続けています。この姿勢を根本的に変えることなしにジェンダーギャップ指数で144カ国中114位まで落ち込んだ日本のジェンダー平等のおくれも克服することはできません。
勇気を持って告発した女性がバッシングを受けたり、多くの女性が泣き寝入りせざるを得ない現状を変えるため、セクハラはどのような言いわけも通用しない人権侵害であるとの認識を、学びを通じて社会全体で共有し、その根絶に取り組むことが求められています。
よって、
境港市議会は、政府が以下の項目を実行、推進し、セクハラのない社会を実現することを強く要望いたします。
1、閣僚や国会
議員、官僚、地方
議員、公務・民間の職場、地域、学校などあらゆる場で、セクハラや人権、女性差別撤廃条約や国連からの勧告についての研修を行えるよう、推進すること。
2、セクハラ行為者への厳正な対処や再発防止、被害者の精神的ケア強化を徹底すること。
3、官公庁に、被害者がいつでも安心して訴え、解決に向かうことができる相談窓口を
設置し、専門的知識を持った専任の担当者を配置する。職場、地域、学校などにも配置できるよう支援すること。
4、セクハラの禁止を明記し、加害者への厳しい罰則、被害者の保護と救済、支援などを盛り込んだ法整備を行うこと。
5、学校教育において、ジェンダーと人権の視点を重視し、性教育を積極的に推進すること。
以上、
議員の皆様の御賛同をお願いして、
説明とさせていただきます。ありがとうございました。
○
議長(柊
康弘君) 最後に、
議員提出議案第4号について、足田法行
議員。
○13番(足田法行君)
議員提出議案第4号、あらゆるハラスメントのない社会を実現するための
意見書の
提出について、
提出者を代表いたしまして、
意見書読み上げをもって
提案理由とさせていただきます。
子供や障がい者など弱者への暴言や暴行、他人のプライバシーの暴露や立場を利用したセクシュアル・ハラスメントや上司が部下に嫌がらせをするパワー・ハラスメントなどの人権侵害は身近に発生している。さらに、人権侵害(ハラスメント)を同僚や上司など相談したことによって、被害者が相談相手に責められる、社内などで嫌がらせを受けるセカンドハラスメント(二次被害)の問題もある。
人権侵犯事件として対応する体制はあるが、日常生活の場で発生する人権侵害の状況は依然として深刻である。法務省の発表によると、人権侵犯事件として全国の法務局が平成28年度に救済手続を始めた1万9,443件のうち、障がい者に対する差別待遇が286件、インターネット上の人権侵害情報が1,909件で、ともに過去最高を記録した。また、学校におけるいじめが6年連続で3,000件を超え、労働権に関する事件も3年連続で2,000件を超え、高水準で推移している。
弱者を見下すような、また、匿名で発信できるネットを悪用した他人への誹謗中傷が増加していることは憂慮にたえない。互いの人権を尊重することは社会生活の最も基本的なルールである。取り返しのつかない結果になる前に人権侵害に毅然と対処することが必要不可欠である。
人権侵犯事件の事実が認められると、被害者への援助、加害者への説示、さらには文書による勧告、最後は刑事告発に至る7種類の救済措置が講じられるが、難しい問題もある。被害者はいじめなどの事実を相談できない場合が多い。周囲の人が日常の振る舞いの異変からその苦しみを察知し、寄り添うことが大切である。そのためには、一人一人が人権尊重の精神を涵養し、人権尊重の社会を築く必要がある。
政府は、人権侵犯事件と闘うために、相談体制の強化と人権教育の推進などに努めてほしい。本
市議会は、以下の項目を実行し、推進して、あらゆるハラスメントのない社会を実現することを強く要望する。
1、企業・団体でのさらなる相談体制の強化をすること。
2、企業・団体は、ハラスメントの温床とならないよう、従業員間のコミュニケーションの活性化や研修などの人権教育の推進をすること。
3、男女雇用機会均等法上の措置義務を果たしていない企業・団体を公表するなど監督・指導をすること。
4、労働局の相談センターの増設や弁護士との連携などの強化策を講じること。
5、学校教育において人権教育、性教育のさらなる推進をすること。
以上、自治法第99条の規定により
意見書を
提出する。
以上、賛同のほどよろしくお願い申し上げます。以上でございます。
○
議長(柊
康弘君) 討論に入ります。
通告により、安田共子
議員。
○15番(安田共子君)
議員提出議案第2号、2025年
国際博覧会の誘致に関する決議に反対して討論いたします。
私は、「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマとする
国際博覧会が産業や技術の進歩・展望を示し、広く教育的に広げようという理念そのものに反対するものではありません。また、大阪・関西での開催がもたらす鳥取県や本市への経済波及効果や産業振興、文化交流も否定できません。
しかし、大阪府や大阪市が進めようとしている計画には、さまざまな問題点が指摘されています。
第1は、巨額の地元負担や府民へのしわ寄せが懸念されていることです。
万博会場の建設費は約1,250億円、運営費は約800億から830億円に上るとされています。このほかにインフラ整備がさまざま計画されており、鉄道整備と関連事業費だけで730億円と見込まれています。会場建設費は、国、地元自治体、民間それぞれ3分の1ずつの負担で合意したとのことですが、民間400億円の見通しは立っていません。会場予定地の夢洲と舞洲、咲洲をあわせたベイエリアはさまざまな誘致構想が浮上し、ことごとく破綻した地域です。無駄な大型開発の二の舞になりかねません。
第2は、会場予定地が地震などに脆弱な人工島であることなど、安全性について問題が指摘されていることです。南海トラフ大地震が起きれば、夢洲は液状化し、津波にのみ込まれるおそれがあり、なぜこんな危険な場所に
万博来場予定者3,000万人もの人を半年にわたって集めるのかと警告する専門家もいます。
第3に、誘致計画がカジノを中核とする統合形リゾートIRとセットになっており、府民の合意も得られていないということです。埋め立て完成後に390ヘクタールの人工島になる夢洲、これは約100ヘクタールを
万博会場、約70ヘクタールをIR用地にする予定です。松井大阪府知事は、成長の起爆剤としてIRと
万博の相乗効果をうたい、大阪の成長にはベイエリアの活性化が必要と言いますが、そもそも当初は
万博会場の候補でもなかった夢洲は、カジノ誘致が先行していました。カジノは刑法が禁ずる民間賭博ですが、今国会で政府が目指しているカジノ解禁にはさまざまな矛盾があることが明らかになっています。新聞社の大阪府民世論調査では、
万博会場の隣接地にIRを誘致する構想に対して反対が5割を超えています。府民合意がないということは、大阪府外の自治体が支援、協力を決議する場合に十分考慮するべきことではないでしょうか。
さまざま問題が指摘されている中、幾ら本市へのメリットを見込んだとしても、決議を上げてまで誘致を推進する必要があるとは思えません。第一、大阪府民、大阪
市民に対して余りにも無責任なことではないでしょうか。
以上の理由で決
議案には
賛成できないことを表明しまして、反対討論といたします。ありがとうございました。
○
議長(柊
康弘君) 以上で討論を終わり、
採決いたします。
まず、
議員提出議案第1号、
実効性ある「
避難計画」を策定するまで、
島根原子力発電所3号機の新
規制基準適合性審査申請を行わないよう求める決議について、
原案のとおり決することに
賛成の
議員の
起立を求めます。
〔
賛成者起立〕
○
議長(柊
康弘君)
起立多数と認めます。よって、
議員提出議案第1号は、
原案のとおり可決いたしました。
次に、
議員提出議案第2号、2025年
国際博覧会の誘致に関する決議について、
原案のとおり決することに
賛成の
議員の
起立を求めます。
〔
賛成者起立〕
○
議長(柊
康弘君)
起立多数と認めます。よって、
議員提出議案第2号は、
原案のとおり可決いたしました。
次に、
議員提出議案第3号、セクシュアル・ハラスメントのない社会を実現するための
意見書の
提出について、
原案のとおり決することに
賛成の
議員の
起立を求めます。
〔
賛成者起立〕
○
議長(柊
康弘君)
起立多数と認めます。よって、
議員提出議案第3号は、
原案のとおり可決いたしました。
続いて、
議員提出議案第4号、あらゆるハラスメントのない社会を実現するための
意見書の
提出について、
原案のとおり決することに
賛成の
議員の
起立を求めます。
〔
賛成者起立〕
○
議長(柊
康弘君)
起立多数と認めます。よって、
議員提出議案第4号は、
原案のとおり可決いたしました。
最後に、
委員会提出議案第1号、
地方財政の充実・強化を求める
意見書の
提出について、
原案のとおり決することに御
異議ございませんか。
〔「
異議なし」と呼ぶ者あり〕
○
議長(柊
康弘君) 御
異議なしと認めます。よって、
委員会提出議案第1号は、
原案のとおり可決いたしました。
ただいま可決いたしました
意見書については、
議長名で関係する諸機関に送付いたします。
閉 会(10時59分)
○
議長(柊
康弘君) 以上で
今期定例市議会に付議された
議案並びに
陳情の
審査は終了いたしました。
これをもって平成30年第3回
境港市議会定例会を閉会いたします。お疲れさまでした。
地方自治法第123条第2項の規定によりここに署名する。
境港市議会議長
境港市議会議員
境港市議会議員...