杉並区議会 2012-03-06 平成24年 3月 6日基本構想に関する特別委員会−03月06日-01号
田中区長は第1回の基本構想審議会の中で、司馬遼太郎さんの「坂の上の雲」という小説から、明治時代の人たちは、幕末から新しい時代が開かれていく中で、おのおのの立場において自分たちがこれから目指すものを見据え、一生懸命汗をかいたということを引き合いに、杉並区でも、区民と行政の目標を共有する、それが基本構想であってほしい旨の話をされました。
田中区長は第1回の基本構想審議会の中で、司馬遼太郎さんの「坂の上の雲」という小説から、明治時代の人たちは、幕末から新しい時代が開かれていく中で、おのおのの立場において自分たちがこれから目指すものを見据え、一生懸命汗をかいたということを引き合いに、杉並区でも、区民と行政の目標を共有する、それが基本構想であってほしい旨の話をされました。
こういう時代の変化の中で、かつて私が非常に印象に残っているのは、「坂の上の雲」を著した司馬遼太郎さんという方がおられましたけれども、あの方が、明治という国家というのは非常にすばらしい国家だ、美しい国家だ、自分はその日本のすばらしさというものを全世界に発信していきたいと。
明治維新以降、ひたすら坂の上の雲を目指してきた我が国がGDP世界第2位となったのは1968年(昭和43年)、自他ともに先進国として認められたのは1975年(昭和50年)前後と言われています。坂を上って雲の中に入ったらそこは霧の中、先進国は常に霧の中でこれからの道を探していかなければなりません。
この戦争は、黒船来航以来、欧米列強に飲み込まれないように、必死で近代化を行い、不平等条約の解消など、真の独立を目指してきた明治日本の一つの大きな帰結でもありましたが、一方で、「坂の上の雲」の作者である司馬遼太郎氏は、日露戦争の勝利が日本と日本人を調子狂いにさせたとも語っています。勝利を境に、以後の四十年間、日本の変貌をどのようにとらえるべきか、百年の節目が問いかけているように思います。