多摩市議会 > 2021-06-07 >
2021年06月07日 令和3年第2回定例会(第5日) 本文
2021年06月07日 令和3年第2回定例会(第5日) 名簿

  • マイクロプラスチック(/)
ツイート シェア
  1. 多摩市議会 2021-06-07
    2021年06月07日 令和3年第2回定例会(第5日) 本文


    取得元: 多摩市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-09-16
    2021年06月07日 : 令和3年第2回定例会(第5日) 本文 (218発言中0件ヒット) ▼最初の箇所へ(全 0 箇所) / 表示中の内容をダウンロード  / 印刷ページ          午前10時00分開議 ◯議長(藤原マサノリ君) ただいまの出席議員は26名であります。  定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。    ──────────────────── ◯議長(藤原マサノリ君) 本日の議事日程はあらかじめお手元に配付したとおりであります。  日程第1、前回に引き続き一般質問を行います。  質問の通告がありますので、順次指名いたします。  初めに、橋本由美子議員の発言を許します。  8番橋本由美子議員。      (8番橋本由美子君質問席着席) ◯8番(橋本由美子君) おはようございます。通告に基づき、2問質問をいたします。  1.コロナ禍だからこそ子どもたちに最高の教育環境を ・・少人数学級実現と教員増は教育充実の要・・  国立育成医療研究センターが2月に発表した「コロナ×こどもアンケート」では中等度以上の鬱症状の子どもは、小学校4年~6年生で15%、中学生で24%、高校生では30%もいました。「コロナを理由に何でもかんでも中止にしないで」、「電車通学がこわい」、「友達ができない」など苦悩の声が寄せられたそうです。その後センターはアンケートの継続や子どもたち、教育機関への発信を行っています。最近は、変異株は「子どもたちにも感染する」ということが言われるようになり、子どもたちの間からも「このまま普通に暮らしていて大丈夫かな」という声が出ているということです。  私は、2020年12月議会で「コロナ禍での子どもたちのくらしと健康を守るために」という趣旨で質問を行いました。あの時点では、来年度は予定した行事も普通に行えるであろうという前提でしたが、その後のコロナ感染の急拡大、そしてこの春の再びの拡大と続く中で、改めて教育現場での問題、そして今何が必要なのかを考えていきたいと思います。  (1)子どもたちの心の「変化」に対しては、機敏にSOSをキャッチし、心を寄せた解決の取り組みが必要です。教育現場での対応、多摩市の子どもたちの実態を伺います。  (2)昨年6月の子どもたちの登校再開に当たって、多摩市教育委員会は、1時間の授業時間の短縮、1日の授業のコマ数の増加、夏休み短縮など、例年にない取り組みを進めました。実施後の成果及び問題点をどのように分析しているのか伺います。  (3)子どもたちの心の動きを受け止め、学びを充実させるためにも「少人数学級」の早期実現は早急な課題です。国は、順次35人学級にすること、また中学校でも実施する方向性を示すなど動きはありますが、今成長し続ける子どもたちにとっては、1年1年が重要です。  国、都の動きを伺うとともに、多摩市としてより積極的な動きを取る考えはないのかお聞きします。
     (4)GIGAスクール構想に沿って多摩市でもタブレットの配布、そして小学校1年から既に利用が始まっています。GIGAはGlobal and Innovation Gateway for Allの略です。デジタル化の中で次々に頭文字を取った言葉が使われていますが、GIGAスクール構想、タブレット配布と利用について子どもたちと保護者にはどのような説明が行われているのでしょうか。  各学校のICT担当教員への講習、校内研修、家庭利用も視野に入れたWi-Fi環境の整備、また今後通信費の公費負担などと、どのような考えを持っているのか伺います。  (5)現時点では、東京オリンピックパラリンピック開催が予定されており、都内では幼稚園児から高校生まで約81万人を「学校連携観戦」として実施する予定です。都は関連経費41億円も計上しています。コロナ禍という以前に、炎天下、公共交通の移動など課題があります。  東京都は多摩市教育委員会にどのような伝達を行っているのか、また市教育委員会としてどのような考えを持っているのか伺います。  (6)一般的に学校として守らなくてはならない「決まり」を「校則」という名前で呼ぶことがあります。時には過度な決まり事は人権侵害にもなりかねません。不登校の原因にもつながる例もあります。  多摩市教育委員会は「決まり」「校則」についてどのような見解を持ち、現場での実施が行われているのでしょうか。  (7)3月議会で女性議員を中心とする動きを受けて、学校のトイレに生理用品が置かれました。教育委員会だよりにも紹介され、コロナ禍で貧困対策という記載になっていますが、コロナの発生状況が好転した折には配備は続けないということでしょうか。各家庭への連絡、また男子生徒への理解を進める対応はどのように取られたのでしょうか。  2.子ども・若者総合支援条例少年法改正問題  現在多摩市が制定に向けて準備を進めている「子ども・若者総合支援条例」は、その制定過程において、現在の子ども・若者が抱える問題の深刻化・複雑化についても意見が交わされ、子ども・若者を見守り支えるためには、行政だけでなく、市民、関係団体、事業者等を巻き込む取り組みが必要不可欠であり、そのための下支えとして、条例を制定する必要があるとしています。  一方、国では「少年法改正案」が出され、既に衆議院を通過し、通告時は審議中でしたが、参議院でも5月21日、改正法が通過しています。  18歳、19歳を「特定少年」と位置づけ、20歳以上と同じ刑事手続にかける対象を拡大するなど、明らかに厳罰化の方向に進もうとしています。  コロナ禍で虐待や性暴力、貧困などが増加し、虞犯になりかねない少年がふえています。少年法改正を急ぐことは、子どもたちの立ち直りのチャンスを大幅に減らし、最後のセーフティーネットを外すことになるのではないでしょうか。実名公表が行われると、現状のネット社会では、本人を取り巻く多くの人たちがSNSで拡散され住んでいられないなど、ひどい状況に追い込まれる危険性もあります。  多摩市として今回の「少年法改正」について、どのような考えを持っているのか伺います。  以上、答弁をいただいた後に再質問を行います。 ◯議長(藤原マサノリ君) 阿部市長。        (市長阿部裕行君登壇) ◯市長(阿部裕行君) それでは、橋本議員のご質問にお答え申し上げます。  1については、教育長がお答えします。  2についてお答えします。  今回の少年法改正は、令和3年4月に成人年齢が18歳に引き下げられ、民法上18歳、19歳は新たな成人とみなし、「特定少年」として、20歳以上と同様の刑事事件手続の対象とするものです。  この結果、現行の少年法では、全ての事件は家庭裁判所の案件とされ、家庭裁判所から検察官に送致(原則逆送)する対象は、殺人や傷害致死などに限定されていましたが、その範囲が強盗、強制性交など拡大され、刑罰も科せられることになりました。  また、これまで少年法61条で、少年保護の観点から実名や本人と推定される報道は禁止(推知報道)されてきましたが、この縛りも解禁され、実名報道も可能となります。  この少年法改正は、そもそも公職選挙法で選挙権年齢が18歳以上となったことから論議が始まったものですが、未成年の凶悪犯罪で、少年犯罪被害当事者などから加害者保護に偏り過ぎているとの声が上がり、一方で少年の立ち直りを重視する立場の学者、弁護士らは厳罰化につながると反対した経緯があります。  法務大臣の諮問機関である法制審議会は、賛否両論の中、双方に配慮する形で、18歳、19歳を「特定少年」としたものです。  衆議院では、本改正案の決議に当たり、原則逆送対象事件の判断については、その事情を十分に考慮した上で運用することや、推知報道禁止の一部解除については、少年の健全育成と更生の妨げとならないよう十分配慮するよう周知することなどの附帯決議案が可決されています。  改正少年法について、本市として見解を申し上げることは差し控えますが、「基本的人権の尊重」は自治体の役割として、とりわけ大切にしていることをこれまで申し上げてきました。  全ての個人が個人として尊重される社会をつくることが大切であることを前提に、子ども・若者の成長を支援する基礎自治体の長として、今後の国の動向に注視していきたいと考えています。 ◯議長(藤原マサノリ君) 清水教育長。        (教育長清水哲也君登壇) ◯教育長(清水哲也君) 1の(1)についてお答えします。  各学校では、コロナ禍における児童・生徒の心身の健康状況を把握するため、日常的な観察に加え学校生活に関するアンケートを定期的に行っています。  これらの取り組みから、一部の児童・生徒については、感染症への恐れや、学校や家庭生活の変化による不安やストレスを抱えていることがわかっています。  また、こうした児童・生徒の実態をもとに、各学校では、スクールカウンセラーによる面接や、「SOSの出し方に関する教育」を実施するなど、一人ひとりの心に寄り添う対応を基本として、早期発見・早期支援に努めています。  (2)についてお答えします。  前年度に限り実施した1単位時間の短縮と、1日当たりの授業こま数の増加等により、各学校において指導内容の精選や指導方法の工夫等が進み、授業時数の確保、ひいては児童・生徒の学びを保障することができました。  こうした経験を生かし、今年度、各学校では、コロナ禍において指導方法を工夫し、柔軟に教育活動を進めているところです。  一方で、前年度の取り組みの課題としては、十分な個別指導の機会を確保できなかったことが挙げられます。各学校では、個別の学習支援を今後も継続して行い、確かな学力の育成に取り組んでまいります。  (3)についてお答えします。  本年4月1日に、義務教育標準法の改正が行われ、小学校の35人学級制が施行されました。  現在、多摩市教育委員会では、来年度の小学3年生を35人学級に編制するよう準備を進めています。また、小学4年生以上の学年についても、各年度ごとに、順次、35人学級で編制する予定です。  ご質問にありました「少人数学級」に関する国や都の動きですが、国の教育再生実行会議が現在、中学校の35人学級化について提言案をまとめていると伺っていますが、東京都については、特段の動きはありません。  多摩市教育委員会は、中学校の35人学級制について、東京都市教育長会を通じて、今後も引き続き東京都に要望してまいります。  (4)についてお答えします。  多摩市教育委員会では、GIGAスクール構想に沿った整備を始めて以降、整備内容やタブレット端末の適切な使い方などに関する記事を教育委員会だよりに毎回掲載しています。  また、今年の4月に各学校宛てに発出した通知の中では、タブレット端末の使用ルールや各家庭から収集するクラウドサービス利用等に関する同意書を通じて、児童・生徒や保護者がタブレット端末の適切な使い方について共有してもらえるように記載しています。  教員に対する研修では、タブレット端末の使用方法に関する動画を都合のよい時間に視聴できるようにしたほか、ICT推進担当者連絡会において作成予定の1人1台タブレット端末の活用実践事例集などを通じて、各学校へICT機器の活用方法を周知しています。  今後、タブレット端末を家庭学習でも活用できるように進めていく上では、インターネット環境が整わない児童・生徒への対応も課題として認識しており、引き続き対応について検討してまいります。  (5)についてお答えします。  現在、市内小学校9校、中学校9校が、東京2020大会の「学校連携観戦」を予定しています。  この観戦について、東京都からは、今後、観戦者数の上限が決定次第、観戦予定の学校に対して、最終意向調査を実施すること。  また、学校は市教育委員会と相談の上、当日までの観戦取りやめが可能であることが連絡されています。  市教育委員会としては、コロナ禍において、感染症や熱中症対策などが十分講じられた上での大会観戦が実現できれば、それは児童・生徒一人ひとりにかけがえのないレガシーを生む上で意義のあるものと考えています。  (6)についてお答えします。  教育委員会では、児童・生徒が安心・安全な学校生活を営むために、一定の決まりや校則は必要であると考えています。  各学校では、児童・生徒の実情等を踏まえ、社会通念に照らして、年度ごとに決まるよう見直し、年度当初に児童・生徒への説明と指導を行うことで共通理解を図っています。  また、最近では、コロナ禍に伴い、感染症予防として、中学校では体育着やジャージでの登校を認めるなど、社会状況を踏まえ、学校の決まりや校則を柔軟に見直しています。  (7)についてお答えします。  市内学校での生理用品の提供は、市議会女性議員の皆様の緊急要望を受け、コロナ禍において、1人でも多くの困っている児童・生徒を支援すべく、市長部局と連携し始めた取り組みです。  この取り組みは、コロナ感染状況にかかわらず、当面の間続けることとしており、教育委員会では、すぐにでも児童・生徒に手を差し伸べようと、学校メールにより各家庭に通知しました。  また、男子児童・生徒へは、今後、各学校において、保健分野を中心に、体の発育・発達に関連させ、生理に関する理解・啓発に取り組んでまいります。 ◯8番(橋本由美子君) どうもありがとうございました。そして、教育委員会からはたくさんの資料を提供していただいたことにもまず感謝申し上げます。  今日は、まず2問目の少年法の改正問題について触れたいと思います。  答弁の中にもあったように、これはかなり弁護士さんや家庭裁判所に関わっている人から声が高まって、そして一部附帯決議もあったわけですが、市の観点として本当に今凶悪な犯罪、それはマスコミを通しては一部とても信じられないような事件もあるのですが、本当に増加していると考えているのか。そして、今、市が制定しようとしている子ども・若者総合支援条例との関連については、どのように対応していくお考えか、伺いたいと思います。 ◯議長(藤原マサノリ君) 本多子ども青少年部長。     (子ども青少年部長本多剛史君登壇) ◯子ども青少年部長(本多剛史君) まず、少年が関係する事件の件数でございますけれども、これは警視庁管内で申しますとかなり減ってきているということでございまして、半分ぐらいになっているのではないかということで見ております。  ですので、先日立川市でああいう事件がありましたけれども、全体的には減っていく、減少傾向にあるという状況でございます。  それと私どもが今進めております子ども・若者総合支援条例との関係でございますけれども、先ほど第一答弁でも申し上げましたけれども、基本的人権の尊重というのが一番大切にされなければいけないかという認識でございます。  また、現在策定中の子ども・若者総合支援条例の視点もそうした困難を抱える全ての子ども・若者のやり直しや立ち直りといったものを重要視していまして、新たなことに挑戦、新たな道に進んでいくことを温かな目で支援していくことが必要であること、また、重要であるとしております。  そうした点では、ご質問者がおっしゃるように、将来に向けた健全育成、更生の妨げとなってはいけないと、そういうものであってはならないといったところでは考えが一致しているものかと考えております。 ◯8番(橋本由美子君) 私自身も今回多くの弁護士さんからお話を聞きました。その中では本当に16、17歳から非行に走った方も18、19歳でかなり凶悪の犯罪を起こしてしまったときにも、その人の育成や様々な生活環境を考えて、立ち直りという点で弁護士は頑張るし、家庭裁判所で対応している、保護している保護司の方もそうだと。  でも、今回そういう特定少年になってしまって、原則罰が強くなったり、この間の立川市の例とか、15歳の少年がというのも昨日もテレビで報道されていましたが、15歳は違いますが全部名前が出てしまうということで、そういう中で本当に今凶悪犯罪が減っている中で、来年4月から民法上の18歳というのをめどにして、急いで変えてしまったことに私は問題を感じています。  市長に伺いたいと思います。私は今の子ども・若者総合支援条例をつくること、その自体は賛意を表しています。先ほど子ども青少年部長の答弁にもありましたけれども、やり直しが利く社会、そしてそれを理解をしていく周りの市民であり、また、いろいろな関係諸団体があってこその立ち直りの社会だと思うのですが、そういうところについて市長は、その条例制定を求める側としてどのように考えていらっしゃるのかを伺いたいと思います。 ◯子ども青少年部長(本多剛史君) 市長ということでありますけれども、私ども今進めております子ども・若者総合支援条例、具体的には子ども・若者を見守り、支えていくという点では、行政だけではこれは難しいという考えでございまして、市民と関係団体等、周囲を巻き込みながら進めていかなければいけないかなということで、その下支えの条例だと考えているところでございます。  どういう困難、生きづらさがあるのかといったことを、本人の希望する支援、また必要となる支援を一緒に考えて、本人の意見を聞くということを大切に進めていくということでございます。  また、少年が罪を犯してしまう背景というのも非常に重要かなと見ておりまして、子ども・若者の困難を早期に発見すると。それをまた支援につなげていくということからも、罪を犯すことのないように、その手前で子ども・若者が抱える困難を見つけ出して、早期に支援のつてを差し伸べるという点が今回の子ども・若者総合支援条例の理念の1つとしてございます。そういった点を重要視しながら、今後も検討を進めていきたいと考えております。 ◯議長(藤原マサノリ君) 阿部市長。        (市長阿部裕行君登壇) ◯市長(阿部裕行君) 今回、少年法改正ということに絡めてという話であったのですが、今、子どもの総数そのものはかなり減ってきていますので、ただ、その発生件数だけで比べるというのは非常に難しいのかなと思ったりもしています。  そもそも今回少年法改正、私どもいろいろな事件があるのですが、例えば2000年に西鉄高速バスジャック事件というのがありました。もう20年以上前になります。実はそのときも、17歳の少年が逮捕されるということになりましたが、日本の史上初めてバスジャック事件で亡くなる方が出るという事件でありました。  ただ、そのときも当時ネット上で2ちゃんねるというのがありまして、そこで実は加害者がこの事件を起こす前に、ネット上でやり取りをしていたということも明らかになりました。  当時から、現在質問者もお話のように、実はその少年を取り巻く環境というのが時代環境、情報環境を含め大きく変わってきています。これは少年だけではありませんが、犯罪そのものにはやはり偶発的な犯罪もありますが、一方、犯罪を起こすにはそれなりの要因、原因があります。実は私自身も保護司会というところで、形は市長でありますが、保護司としても任命を受けています。  実はその保護司会で、今大きなテーマになっているのが再犯防止であります。これは少年だけではなく、あらゆる人たちが、どのようにしたら犯罪を再び起こさないようにできるのか。実はそうした観点から見ていくと、今回特定少年ということで、18歳、19歳、成人とみなすということでありますが、やはりこれは少年である、少年でないということにかかわらず、きちんと更生する、そしてそのことの一番大事なことは教育であります。  特に少年については現在鑑別所であったり、少年院の送致をどうするのかということがありますが、一方で質問者ご指摘のように、場合によっては実名ということになってくると、その後の更生に大きな影響が出てくる可能性もあります。  したがって、これは本当に難しい話です。もし私自身が被害者の遺族だったと想定したときには、私自身だって許せないのだと思います。子どもの年齢にかわわらず、実名できちんと責任ある処分をしてほしいと、私はもしかしてそう思うかもしれません。  だから、この話というのは物すごくデリケートで、なおかつセンシティブな話でありますが、ただ、その基本は更生をしていく、先ほど申し上げたとおり、これは少年、大人にかかわらずきちんと更生していくということが前提にありますので、そうしたところを含め、今回多摩市でつくっていく子ども・若者総合支援条例では、これは今本多子ども青少年部長も話したとおり、言ってみれば子どもの権利条約、子どもの権利条例の中に定められている子どもの権利を大切にしながら、そしてその上で、子ども・若者誰しもがたとえ貧困と格差、あるいはたとえ今厳しくてもきちんとその社会の中で生きていく、そのようなことをお互いに支え合っていくという条例でありますので、その精神からきちんとこれからも取り組んでまいりたいと思っています。 ◯8番(橋本由美子君) 最初のほうに市長の答弁を求めたというのは、これからお聞きする教育の問題についても様々な環境の中で、いろいろな困難を抱えている公立小学校の、そして、中学校の子どもたちをどう向き合うかということを前提に考えたいからです。  私はエレベーターに乗るたびに、皆さんもご覧になって、スーパーマーケットの事務室で3人の女性が殺されたあの家族だったらどう思うかなということは、それはもう本当にひしひしと毎日のように感じますが、ただ逆に、二十歳で何か犯罪を犯した人も、その後60年、70年、日本人として、またこの多摩市にいれば多摩市民として生きていくという中では、そういう人たちをどうやって社会がやり直しの利く社会として見守っていくかということがとても重要だということを申し上げて、教育の問題、1番のほうにいきたいと思います。  さて、これも順番どおりというのではなくて、一応、担当の方にもお話ししてありますが、まず、GIGAスクール構想についてお話を伺いたいと思います。  今回タブレットの持ち帰り問題については、もう松田議員のほうから質問がありました。それで本当に保護者には、このGIGAスクールというか、タブレットを子どもたちに与えてどういう教育をするのかということを、教育委員会として理解してもらえるような説明がされているのかということが1点と、それから、よくこのGIGAスクール構想の中では、Society5.0という概念、これは前に山本教育部参事も議場でもお話しになっていましたけれども、これについても本当にみんなが理解できるような状態になっているのかお聞きします。 ◯議長(藤原マサノリ君) 山本教育部参事。       (教育部参事山本勝敏君登壇) ◯教育部参事(山本勝敏君) GIGAスクール構想についてご質問いただきました。  まず最初に、保護者に理解をしてもらえるようなGIGAスクール構想の取り組みについて説明ができているのかということですけれども、第一答弁でもご答弁させていただきましたように、昨年令和2年の8月から、市議会のほうで、このGIGAスクールに向けての予算をお認めをいただいた後に、毎回教育委員会だよりのほうで、具体的な内容についても発信をするようにしております。  また、各学校においても、学校の中でどのように1人1台タブレット端末を活用していくのかということで、こちらも具体例を示しながら、子どもたちの写真等と一緒に保護者のほうに発信をしながら、言葉だけではなくて具体的な取り組み、また、具体的な事例をもとにしながら、イメージを共有するように努めているところでございます。  また、ご質問にありましたSociety5.0という言葉ですけれども、やはり言葉だけが先行してしまって、よくわからないという状況になってはならないと考えております。  我々教育委員会のほうでは、Society5.0、学校にもお伝えをするときには、社会生活の中で今まで以上にICTを日常的に活用することが当たり前の世の中になってくると。そういった社会の中で、今後子どもたちには情報活用能力を身につけていくことが必要になりますということでご説明をしているところです。一度の説明ではなかなか伝わらないところもあると思います。  現在、教育委員会では各学校のほうを訪問いたしまして、この1人1台タブレット端末の活用等について取材を行っているところでございます。こういったものを定例の教育委員会でご報告をしたり、また、定例校長会のほうでも報告をするなどして、各学校とこのGIGAスクールについてイメージを共有し、また、学校からも保護者に向けて、このGIGAスクール構想の具体的な取り組みについて発信をこれからもしてまいります。 ◯8番(橋本由美子君) 流れとしては、その情報機器を活用する能力も身につけなければいけない時代ですし、それはベースとして必要だと思うのですが、ICT担当教師という方がいて、それで資料の中では今年度の研修計画を出していただきましたけれども、1人の方が学校に持ち帰って、そして、20人、30人という多くの先生がいる中で、それを皆さんに徹底したくても、自らもわかってしまっている人もいるかもしれませんけれども、その辺のところでなかなか困難性があるのではないかと思うのですが、この辺のところと、それから私が気にしているのは、Wi-Fi環境というのは去年貸し出しとかいろいろありましたし、今回もまだ引き続き検討してまいりますという答弁ですけれども、通信費とか家庭の中で本当に子どもがたくさんいたり、そういう環境がないとか、いろいろなことがあると思うのですが、その辺のところは引き続き検討ということですが、どの程度のスピードでどういう検討をしていくのかお答えください。 ◯教育部参事(山本勝敏君) 2点ご質問いただきました。まず最初に、学校の教員のこのGIGAスクール構想についての理解ということです。
     資料のほうでもご提供させていただきましたが、ICT担当者連絡協議会というものを年5回行うことにしております。確かにご質問者からありましたように、出席している教員についてはGIGAスクールについて、また、その具体的な内容について情報共有等ができて、理解は進むものと考えます。  ただ、我々教育委員会といたしましてはそれだけではなく、全ての教員がこのGIGAスクールについて理解を深めていくことが必要だと考えております。  ですので、ICT担当者連絡協議会で代表者、ICT担当者がそれぞれ各校から1名出てくるわけですけれども、協議会で話された内容については、学校で簡単な情報共有をしてもらうこと、これをお願いをしているところです。  また、もう1点としましては、このICT担当者連絡協議会で話された内容を、実践事例集という形でまとめながら、それを各学校に今後配布をすることを考えております。こういった取り組みを通じながら、各教員の理解というものを深めていきたいと考えております。  また、家庭でのデジタル環境というものは、確かに違うものだと考えております。ご質問者おっしゃいましたように、家庭でのこういったデジタル環境について、差が生じないようにしていくことは重要であろうと考えております。  現在、教育委員会では、タブレット端末の持ち帰りについて、検討を進めているところです。その中で家庭にインターネット環境がない家については、どのような対策を取っていくことができるのかということを、現在こちらもまだ検討をしている段階でございます。  どのぐらいのスケジュールでというお話もございました。今のこのコロナ禍において、いつ学校がコロナによって休校に入るということもあるかもしれません。また、コロナが不安で欠席をしている子、コロナウイルスの陽性者になって欠席をしなければならない子たちもいます。こういった子どもたちの学びを保障していくためには、できる限り早くこのタブレット端末の持ち帰りについて、検討を進めていく必要があろうと考えております。  具体的な期間について、今ここでどうということはなかなか申し上げられないところがございますが、直近のところで現在動いているということを今ここで申し上げさせていただきます。 ◯8番(橋本由美子君) この問題については使い始めて2か月で、私も全てああだこうだという時期ではないと思っていますので、今後しっかり見守っていきたいと思っています。  タブレットは、紙に鉛筆で書くこと、鉛筆が減っていくとか折れるとかそういうことがないし、間違えたら消しゴムで消すという作業もないのですけれども、基本が学べない、1年生には基本を身につけるということはこの場でも何度も申し上げたと思うのですが、それから停電になったら動きも取れませんよね。そういうことで本当にタブレットは1つのツールとして、使い回せるようにしつつも、振り回されない教育、そういうものをしっかりと検討していただきたいということをこの項では申し上げておきます。  次は、(5)のオリパラの学校連携観戦のことなのですが、私はフェイスブックでこのことを質問するのだということを取り上げたら、週末、随分お電話もいただきました。  それで、先ほども答弁で小学校9校、中学校9校が登録しているということはいただいて、資料でもあるのですが、その保護者の方が私の学校は対応する学校なのかというところからお聞きになるということは、親の方にはもしかしたら8月末にそういうところに行く学校なのかということも周知が徹底されていないのかなという思いを感じたのですが、その辺のことについてはどうなのでしょうか。 ◯教育部参事(山本勝敏君) 東京2020大会の学校連携観戦についてご質問いただきました。  ご質問者がおっしゃいましたように現在小学校9校、中学校9校が観戦について希望しております。保護者のほうにどのように説明をしているかということですが、これは非常に学校としても、今困っている状況でもございます。と申しますのもオリンピック・パラリンピックが、本当に行われるのかどうかということと、もう一つは観客を入れるのかどうかということが、組織委員会のほうからはっきりした見解が示されていないということ、また、そちらのほうがこの連携観戦に関わりまして、各学校のほうまたは多摩市教育委員会に情報がもたらされていないという状況がありますので、不確定な情報の中で、保護者のほうになかなか伝えられていないという学校もございます。  ただ、多くの学校につきましては、今回の連携観戦については教育活動として位置づけて行いますので、年度当初に各家庭に年間の行事予定のほうをお渡しをします。その行事予定の中には、この連携観戦について位置づけている学校もございます。 ◯8番(橋本由美子君) 具体的なところなのですが、既にスタジアムのほうの実地踏査は終わって、多摩市内の先生もそこに参加している方がいるわけですが、子どもたちは公共交通網を使っていくということなのですが、下車に当たっての、こういうところで降りなさいとかそういう指定というのは、現状ではどうなっているのでしょうか。 ◯教育部参事(山本勝敏君) 学校連携観戦に当たりましてはこの希望している学校、もし実施をするという場合は、公共交通機関を使いまして移動を行います。  この移動をした場合に、電車で移動することが各学校多くなるのですけれども、下車する駅については、東京都教育委員会のほうから指定された駅に降りることになります。ただ今我々のほうで情報を得ておりますのは、一番会場に近い駅というのは、そこを全員が使ってしまうと非常に混雑をしてしまうということもありますので、一つ手前の駅に下車をして、そこから徒歩で会場まで向かうと聞いております。 ◯8番(橋本由美子君) 答弁の中で、これはやるときのことのケースですけれども、感染症や熱中症対策が十分講じられた上という答弁があって、その中で東京都教育委員会は最初は2つ駅の前ということで、千駄ヶ谷駅だったら新宿駅で降りて歩きなさい。最近熱中症のことも考えると、代々木駅から歩きなさいという指示を出していると思うのですけれども、私はコロナのことについては、もう先ほどの答弁であるかないかもわからない、それで誰が行けるのかどうかもわからない状況の中ですけれども、もしやっても本当に熱中症対策、しかも水筒はだめとか実地踏査の中で様々な問題があると思うのです。  私はコロナが起きなくて2018年に連れていくというときには、そういうこともあるかなという思いでいましたけれども、この1か月後という時点になって、これだけ心配が出ているというところでは、これは学校長の判断になるのかというところをお聞きしたいのと、児童・生徒は欠席扱い、先ほど教育課程には含まれているけれども、多摩市はコロナで心配な子は休んでも欠席にしませんと去年言っていましたけれども、それと同じ扱いになるのかを確かめておきます。 ◯教育部参事(山本勝敏君) 2点ご質問いただきました。  まず、この希望している9校につきまして、最終的なこの学校連携観戦に参加をするかどうかというものは、校長の判断となります。ただ、校長の判断となっておりますが、我々多摩市教育委員会からも、また、東京都教育委員会のほうからも、当日までこの観戦についてキャンセルができると。その際には教育委員会と相談の上となっております。  教育委員会のほうからは各学校に対して、この判断にやはり悩まれるところがあると思います。そういった部分では相談をした上で、校長とともに判断をしていきたいと考えております。  また、この観戦について欠席した子どもたちはどうなるのかということです。今、私、欠席と申し上げましたが、教育課程上位置づけておりますので、その日は授業日ということになります。  ですので、休んだ場合は欠席という扱いになりますが、先ほどご質問者からもありましたように、現在コロナ禍において、子どもたち様々な理由から欠席をすることがございます。コロナが不安で保護者の方が登校を見合わせる場合、こういったものもございます。  こういったコロナに関する理由ということがあったときには、欠席という扱いではなく、出席停止という扱いを取らさせていただきます。 ◯8番(橋本由美子君) 医師の多くが危惧するような中、また、医療機関とかそういうことで、今の答弁にもあったように、当日までキャンセルできますということ自体は、その子どもたちの夏休みや8月末とか、そういうときの計画の中でも非常に混乱を来していると思うのです。  こういう中で、確かに教育委員会とも相談してということですが、この時点において、学校連携観戦のあり方について、教育長はどのようなお考えを持っているかを最後にお聞きしたいと思います。 ◯議長(藤原マサノリ君) 清水教育長。        (教育長清水哲也君登壇) ◯教育長(清水哲也君) 東京2020大会ということで、2年ほど前には、子どもたちにこのオリンピックのレガシー、パラリンピックのレガシーということで、大分意気込んでいたわけでございますが、ご説明の必要はありませんけれども、コロナという状況の中で、今、こういった課題が出てきております。  非常に苦しい答弁になるのですが、子どもたちと教職員の安全確保ということが、私の立場としては一番かなと考えて、この大きな行事には臨みたいと思っています。  そういう中でありますので、教育長会としても、例えばラストワンマイル、先ほどご指摘のありました1駅前で降りてというところ、これを何とか会場前、例えば本市の場合はオリンピックスタジアムでの観戦が多いものですから、1つ前の駅で降りてというのを、一番最寄りの駅で降りさせてもらえないかということを、教育長会として、東京都には今要望しております。  また、もし可能であるならば、バスの配置もしてもらえないかということをお願いをしています。ただ、このバスの配置に関しては、セキュリティ上の問題で、23区内へのバスの進入というのは厳しく制限されていると。これはいろいろセキュリティ上の問題ですから、簡単にいかないかもしれませんが、今はバスの配置もお願いできないかということを、東京都にも要望しております。  それからもう一つ、熱中症の問題で、当日もし行けたとしても、子どもたちの座る場所を日陰にしてもらえないかという、細かい点も要望を入れているところです。  いずれにしましても、私、今年度の大きな目標に、校長先生方にお話ししているのは、臨機応変に対応するということを目標にしてほしいと年度当初にお話をしています。この件も様々な条件がこれから組み合わさってくると思いますが、臨機応変に対応する、そういう校長先生方であってほしいし、教育委員会もそれをバックアップしていきたいと思っております。 ◯8番(橋本由美子君) 私の質問はこの場ではこれで終わりますけれども、教育委員会にも個人的にお電話をかけている方もいらっしゃると思いますし、まだ一定の期間があるので本当に慎重に、そして子どもの幸せにとって何が重要なのか、そしてまた、そうなったことを子どもにきちんと理解をしてもらうということも重要だと思うのです。行くにおいても行かないにおいても、何だか知らないけれどもこんな苦労してとか、それから、子どもたちは観戦もずっとできるわけではなくて、遅く入って早く出るのですよね。  だから、本当にちょっと見て出てくるというのが実態になるということを、東京都教育委員会からもこんなにたくさん来ているということは、私も資料で全部読ませていただいて、それはそれ、子どもの立場で東京都教育委員会だって考え始めたのだけれども、今のこの現実をしっかりと受け止めて判断をしてもらいたいと思います。  それから、次の校則、決まりのことなのですが、これもたくさん資料をいただいて、9校の中学校の全部読ませていただきました。細かいことについてはもう今日はここでは、何点かに絞ってだけ伺いたいと思います。  なぜこんな決まりがあるのかという子どもたちに説明はしていると言うのですけれども、子どもたちから疑問の声というのが上がらないのかどうか、お答えください。 ◯議長(藤原マサノリ君) 山本教育部参事。       (教育部参事山本勝敏君登壇) ◯教育部参事(山本勝敏君) 校則について、なぜこんな決まりがあるのかという子どもの疑問の声が上がるかどうかということでご質問いただきました。  市内中学校に確認をしたところ、こういった声はあるということは聞いております。また、教育委員会のほうにも校則に関わって、保護者のほうからなぜかということで直接問い合わせがあることは、我々のほうでも聞いています。  ただ今ご質問者おっしゃいましたように、校則については各学校において必ずその内容、なぜこの校則が必要なのかということを子どもたちに説明をしており、こういったなぜという声を聞くことは少ないと今学校からは聞いております。 ◯8番(橋本由美子君) 現場の先生、そして親に聞いてみました。子どもたちにとってなぜ必要かって聞かれたときに、高校生になっていくためには必要なのですという答えが一番多いのだそうです。  つまり高校の入学に向けて、赤いゴムでとめているとか、いろいろカチューシャをしているとか、そういうのはプラスかマイナスかどちらかですと言われると、子どもたちはやはり黒いゴムで、先生が言ったとおりにやればよい。  私はそういう1つの決まり事についての納得性はとても問題があるというのを今回感じました。ルールは上の人が決めるものではなくみんなで決めて、おかしいと思ったら声を上げて、子どもたちが主体的に変えることができる。  こうした教育的な見地で、この校則、決まりの問題については小学校も含めて、次の機会に現場の声を生かして取り上げていきたいと思っていますが、やはり自主性を育てると言いながら、自主性を消して、せめてジャージ登校はよいというのは1つの改善だと思いますが、5月まで帰りのときには必ず校門を出るときには上着を着ていこうとか、そういう学校もあったりして、何か少し変だなと思いました。  トイレの生理用品のことです。私は個室に全部置かれたのかなと思ったのですが、どうもそうではないらしいのですが、実態をお調べになっていると思うのですが、その辺はどうなのでしょうか。 ◯教育部参事(山本勝敏君) トイレの生理用品については、3月17日から各校において無償配布を始めております。  その際に教育委員会のほうでは、子どもたちが申出がなくても使っていけるようにということで、トイレの個室、パーソナルなスペースになりますので、そちらのほうで必要な子が自由に取っていってよいという環境をつくっていきたいということで、各学校にお願いをしてまいりました。  各学校でこのトイレの個室に置くことから始めまして、今現在このコロナの状況や子どもたちの状況に合わせて、個室以外にも子どもたちが生理用品について受け取れるような場所での配布、また設置も行っております。  具体的には保健室が一番多くなりますけれども、これまでも保健室のほうに生理が突然来た場合等、また生理用品の持ち合わせがない場合には、保健室のほうに申し出て、その際に養護教諭のほうからもその状況だとかを聞き取りながら、困り感に寄り添った対応をしてまいりました。こういったこれまでの関わりもありましたので、保健室のほうに置いている学校も、ここでふえてきているということは聞いております。  ただ、教育委員会では繰り返しのお願いを学校にしているところですが、保健室になかなか生理用品を欲しいということを要望できない子どもたちもいます。そういったときには様々な場所で、子どもたちが自由に手に取れるようにということで、トイレまたはトイレの個室に置いていただくようお願いをしているところでございます。 ◯8番(橋本由美子君) このことについては、池田議員が細かく質問をされていますので、それも私は聞いていますが、子どもたちが本当に使いたいときに使えるようにしてあげないといけないと思います。ある学校は、個室には棚がないから、下に落ちてしまうと汚くなるからという学校もありました。  そうするとどこに置くのと、水道の上にうまく棚があるところはそこに置けますけれども、だから細かいことはこれからの配慮だと改めて思いました。  そして、池田議員のお話の中に、持って出るのがちょっと恥ずかしいから1日中同じようなナプキンを使っていたりする場合もあるということもありましたし、この答弁の中では、これから男子生徒に教えていくという答弁でしたけれども、この生理を教えることは、人間の体の構造から性について教えることであり、望まぬ妊娠を防ぐためにも、どうしても欠かせないと思うのです。  こういうきっかけになると思いますし、高校では比較的やっているのですが、全ての子どもが高校に行くわけではありませんし、通信制なんかだとそういう配慮もないのです。だから中学校が、全ての子どもにこうしたものも学べる最後のチャンスだと思うので、よく寝た子を起こすからという都議会議員がいたり、いろいろ時代もまだ感じ取っていない方もいらっしゃるのですけれども、そうではなくて本当に真面目なこととして、そしてお互いを思いやる、まさしく人権尊重の思いで、ぜひ市が対応していただきたい。  それについての答弁をいただきたいのと、最後に先ほども教育委員会はこのまま続けていきたいということですが、市の財政の支えがないと教育委員会だけではできないですよね。その辺のところについては、どのように市長部局とやり取りをなさっているのか、2点について伺って終わります。 ◯教育部参事(山本勝敏君) では、私のほうからまず最初に男子生徒へ、この生理について理解を深めていくことが必要ではないかというご質問についてご答弁させていただきます。  ご質問者おっしゃいましたことは、我々教育委員会としても同様に重要なことであろうと考えております。もちろんこの生理用品を配布をするときに、この生理用品を無償提供する中で、それに起因するような例えば冷やかしやからかい、こういったものはあってはならないと思っております。  何よりも、これもご質問者おっしゃいましたが、生理用品に関わって学校で無償提供するときには、我々教育委員会のほうからも、子どもたちの人権にしっかりと配慮してほしいということを伝えてまいりました。その中には、この生理用品の配布が性について考えるきっかけになると我々も考えております。  現在、この男子生徒に何か焦点を当ててという教育については、特別に行っているものはございませんが、第一答弁でも述べさせていただきましたように、性に関する教育については、これまで中学校については保健体育、また小学校については体育の学習の中で取り扱っております。  こういった学習内容と関連をさせながら、この生理用品の無償提供等も併せて教育を進めていくことが、子どもたちにとって、互いの性に関する理解の深化にもつながってくるでしょうし、また、このことがとりわけ今後共生社会の実現にもつながっていくものと我々教育委員会では考えております。 ◯議長(藤原マサノリ君) 須田くらしと文化部長。     (くらしと文化部長須田雄次郎君登壇) ◯くらしと文化部長(須田雄次郎君) 今後もこの生理用品の関係を進めていくというところで財政的な裏づけということで、私は財政担当ではございませんが、TAMA女性センターの所管というところで対応していくということになります。  池田議員のご質問にもお答えしたとおり、現状では、市内市外の企業も含めて、あるいは医療機関含めて寄附をいただけた、あるいは防災備蓄を活用している、それから民間企業の防災備蓄があって、それも回していただいたりといったご好意で、今ストック自体は結構あるのかなというところでございますが、今後これを継続的に担保していくといったことについては、今まだ課題だと思っております。  今後については、まだ庁内的に整理がされているわけではございませんけれども、まずはいろいろな理解促進ということを進め、それは市内の民間企業も含めて理解促進ということでの啓発、そういったことも併せて行いながら、それで今後どういった形で協力していただけるのかということも念頭に置きながら、そういうお願いも念頭に置きながら、庁内的にどう対処できるかということは、今後整理をしていくと考えております。 ◯8番(橋本由美子君) 継続のためにみんなが考えていく。そして、この議場の中でも性教育とかというのは非常に概念的なものであって、本当に女子が困るという、何で困るのかということを男性にも理解してもらいたい。明日来ますとかというのは、前兆は確かに本当にいらつくというのは私自分の経験から言っても、自分なのに自分でコントロールできないいらつきがあったりということで、大人になるとそれもわかりますけれども、中学生くらいだと突然訪れるというのがすごく困る。そういうときにどきどきしているのです。  そういうことも含めて、先生も男子生徒もみんなが同じように理解できる、そういう社会をつくっていく1つのきっかけにしていただきたいと思います。  それから(1)(2)のことで、特に(1)のことについては、ここでも不登校の生徒のための学校教育のこと、やり取りがありました。  私も数字を見せていただいて、決して少ない数ではない、4.85%というやり取りもありましたけれども、やはり200人のうち5人の方がそういう状況になっているというところも含めて、それはそこに至るまでの教育現場でのいろいろご苦労は、先生も家庭にもあったと思うのですが、それと含めて去年やったことに対して、私は確かに教育がどのくらいできたとかというのは全部100を超えていて、子どもたちこんなに大変な中でも履修ができたのかなという数字は出ていますけれども、例えば2期制にして、そして今年も2期制にした学校が多いのです。2期制は何がよくて続けるのかとか、それから、そういうものをある意味俯瞰的に見える教育委員会からそういうことを発信して、私たちにも伝えていただけるようなものにしていかないと、何かあったときにやったことがどうだったのか、とても教育は重要だと思うのですが、この辺のところについては、この2期制のこと、そして時間が短くなってどうだったのかというところについて、具体的にどのような総括を持っていらっしゃるか、お答えください。 ◯議長(藤原マサノリ君) 山本教育部参事。       (教育部参事山本勝敏君登壇) ◯教育部参事(山本勝敏君) 昨年度、コロナウイルス感染症の対応ということで、まず2期制についてですけれども、今年度も続けて2期制を取る学校、小学校については、ほぼほとんどの学校がこの2期制というものを取ってまいります。この2期制を実際に小学校のほうでは、また中学校のほうでも実施をしてみて様々な成果、また、課題というものも出てまいりました。  学校からは、特に2期制を今年度も継続をする学校については、2期制にすることによって、教育課程について非常にゆとりを持って計画を様々なものをしていくことができること、また、子どもたちのそれぞれよさを捉えていく中で、これまで3学期制ですと、短い期間で子どもたちのよさというもの、また変容を捉えてきておりました。  こういったものを余裕を持って子どもたちの変化、また、変容を捉えながら、そしてその内容を評価につなげていくことができるということで、2期制を選んだということで聞いております。  一方で、中学校につきましては、この後高校受験が控えております。受験に当たっては、それぞれ進路を決定をする中で、保護者との面談をしていったりだとか、それから、様々な成績が影響をしてまいります。  そういった中では3学期制のほうが、子どもたちに対して進路選択の1つの資料となる成績、または評価を介していきながら、保護者とも共に面談等をして進路を決定していくことができるということで、今回中学校のほうについては、3学期制を全校取っているというところになります。  また、資料にもおつけをしておりますけれども、国のほうで標準授業時数というものが決まっております。こちらについては、各学校において標準授業時数を全て超えながら、授業または子どもたちの学びを確保できたところでございます。  ここについては、第一答弁でも述べさせていただきましたように、1単位時間というものを短く設定をしました。その結果、10分短縮をしたことにより、子どもたちが中に今まで10分短くするのではなくて、1単位時間45分で例えば学習内容について理解ができていた子どもたちもいたのですけれども、10分短くなることによって理解が深まらないという子どもたちもおります。こういった違いについては、それぞれ子どもの習熟はコロナ禍にかかわらず、やはり違いがあったと教育委員会でも捉えております。  こういった違いを補っていくための補習教室等が、なかなか実施ができなかったということについては、今回課題として挙がってきているところです。  こういった前年度の成果や課題を教育委員会でも分析をしております。このことを持ちながら、今年度各学校、教育課程を編成しておりますので、その実施状況を我々のほうでは確かめていきながら、かつ教育委員会の定例会等で報告をしてまいりたいと考えております。 ◯8番(橋本由美子君) 資料にも出していただいたように、小学校では17校中14校がいわゆる2期制、2学期制というので、9月の末に成績表をもらったり、そこで区切りをつける。10月1日からすぐに授業が始まるという戸惑いはあるかもしれませんが、でも、3校は3学期制を取っているので、私は実感としてはよいこともあった。みんな最初は10月に行くのに休みがなくて、すぐに2学期になるなんてというその新しいものへの抵抗があったと思うのです。  私はこれからもしっかりと考えて、保護者の方や子どもたちとか、いろいろなことを総合的に考えて、多摩市は2期制はよいということだったら、そういうことを校長会でも交流をするとか、そういうこともあるかなと思うのですが、どのように教えたかということも数字として出していただいて、達成率ということで多分100%以下のところは、総合的な学習の時間というところに、中学校の2年生に出ているだけで、あとはみんな100%超えているし、教える側としては教え切ったと。それから最後のところ、いつも時間が足りなくなるのが、割合時間に余裕ができたということもあるのですが、先ほど山本教育部参事がおっしゃったように、理解に時間がかかる子どもにとっては何とも駆け足な授業だったということを、これは聞いています。  だから、子どもたちに本当にその子どもたちの立場として、これでよいのかなということをしっかりと考えていただきたいというところから続けて、その最後のこの少人数学級、やはり現場では少人数学級が6月にあったわけです。実質的によいか悪いかは別にして、クラスの半分の子どもしか来なかったというときには遅れが見える。これは現場の先生の言葉でした。やはりそういうふうな形で、ぜひ少人数学級に進んでいけたらよいなと思っています。  とてもわかりづらい表なのですが、私から言うところの左側のは、世界のよくOECD並みの教育をとかいろいろ国もおっしゃいますけれども、一番下でクラスの人数が多いのが少し黒くなっているのが日本で、真ん中がOECDの平均値で、上のほうが進んでいて十数人学級とか、だから、日本はとても学級の1人の子どもが多いというのを、本当に改めて確認をできる表です。  それから、私から見てこの右側の数字というのは、国家財政における教育費の占める割合です。今度は日本は一番下、OECDの半分以下、非常に先細りしているのです。つまり国家予算の中で教育をどのくらい大事にしているか。これは少人数学級と本当に合致するのですよ。だって国がお金を出して、そこに東京都がお金を出して先生たちを雇用するのですから、クラスがふえればふえるほど、先生たちに対する人件費も当然ふえていくというのが現状だということを理解していただきたい。  もう一つの表、これもアップしていただくとわかると思うのですが、日本の予算の中でぐっと伸びているのが防衛関係予算、何だかだんだんだんだん落ちてきているのが教育予算というこれが実態だということで、今年度ですから、決して古い数字ではなくて、今どうなっているかということを表したものです。  そんな中でお聞きしていくわけですけれども、スクールサポートスタッフやピアティーチャーとかいろいろな名前で補充しようとして、これは安斉議員がピアティーチャーでもぜひ置いてほしいのだということの切実な声を伝えましたけれども、1日6こまの授業をしている先生もいるわけです。1時間目から6時間目まで教えっ放しの先生もいるという中では、先生の過重労働はなかなか解決されません。  それで教師の不足がよく問題になります。ここの場でも小林議員が少人数学級を求めたときに、先生はそんなに急にはふえません。それも資料もいただきました。確かに3.数倍という東京都教育委員会の募集に対して来る人の数は減っています。  でも、それはどうしてかというところでは、先生たちが本当に誇りを持ってきちんと働けるようにしないといけないと思うのですが、今の先生のあり方、そして、ブラックな仕事と言われるこの状況についてどうお考えか、お答えください。 ◯議長(藤原マサノリ君) 細谷教育部参事。      (教育部参事細谷俊太郎君登壇) ◯教育部参事(細谷俊太郎君) それでは、ご質問にお答えしたいと思います。  私も長く教員として働いてまいりました。今も教員としての身分を有しております。これでブラック、自分の職場がブラックであったのかと問われますと若干の違和感を覚えつつも、でも、そのような風潮もあるということについては、認識をしております。  今、働き方というところもございましたけれども、まず私たち自身、私などはどちらかというと個人的なお話で恐縮ですけれども、これまで働いてきて、教職の現場で自分の職場がブラックだなとか、働きがいがないなということは、正直思ったことはございません。  ただ、大変私自身は恵まれた職場、また、環境の中で働いてきたのだろうなというふうにも思うところでございます。
     その中で、私のようなものが教職の魅力というものを十分に学生に伝えることができなかったのだろうなというところも反省しているところでございます。学校には教育実習やスクールインターンシップ、また、ピアティーチャーという様々な形で教職を目指す学生の方にお手伝いをいただいているところがございます。  教育実習はお手伝いではございませんけれども、そのような折に、ぜひ教員のほうからも教職の魅力について伝えられるというふうになってもらいたいなと思っているところです。  そのためには働き方というところも大きな点であろうと思いますし、市教育委員会として支援ができるところはこの働き方改革を一層推進していくことであろうなと考えております。  これは昨年度との比較で、今年度コロナ禍でありますので、必ずしも正確な比較はできないとは考えておりますけれども、令和2年度の時間外在校等時間の月平均についてここでご紹介をさせていただきます。  校長の月平均が33時間26分、令和元年度に比べますと6時間51分マイナスでした。副校長が58時間19分、こちらは令和元年度と比べてマイナス3時間36分。その他の教員は月平均37時間9分。これは月平均のマイナスでいうと、前年度からマイナス8時間27分ということでございました。  また、全体の傾向としましても、9月、10月というのは、教員ですと50時間ちょっと、51時間とか53時間というところで、令和元年度とほぼ同じでしたけれども、ほかの月につきましては休校中を除いてほかの月、6月以降ですけれども、月単位でも5時間から15時間削減をされているというところがあります。  この辺のところを見ますと、コロナ禍において様々な会議の縮減や行事の精選が行われる中で、働き方改革というものも着実に進んできているのではないかなと思っております。  これらが着実に進み、全ての教員が誇りを持って教壇に立つことによって、学生にもそのことが伝わり、教職を志望する学生がふえてくるというふうにも考えているところでございます。 ◯8番(橋本由美子君) 細谷教育部参事の個人的な思いも私は理解できます。私の配偶者も教師でしたが、みんな真面目にやっていて自分が働き過ぎだということすら自覚がないくらい、学校の先生は一生懸命やっているのです。でも、この時代にあって本当にやりがいのある仕事なのだということを、それをつくり上げていくのは、現場の教師と教育委員会の大きな仕事ではないかと思います。  最後に東京都教育委員会は、そして、国は中学のこともやっていますが、東京都教育委員会は段階的な少人数35人学級の実施しか今のところ考えていません。私は、オリンピックと比べるわけではありませんけれども、いろいろなお金の使い方がありますけれども、5年でやっていくというのではなくて、ぜひ早く一斉にやれる。多摩市の教育の現場の数を出してもらいましたが、それが可能な状況になっていますが、その辺についてこれからどのように対応していくか、最後にお聞きします。 ◯議長(藤原マサノリ君) 鈴木教育部長。       (教育部長鈴木恭智君登壇) ◯教育部長(鈴木恭智君) 個別最適化あるいは子どもたちの求めに寄り添った教育というのは、ご質問者の本日の議論の中でも確認ができたのかなと思います。  現在、東京都は5年をかけて少人数学級、小学校の実現しようとしておりますけれども、多摩市教育委員会としては、第一答弁でも申し上げました。中学校についても35人学級を実現していきたいということで、他市とも協調しながら、教育長会等からお願いをしているところです。  一方で、多摩市が先んじて5年かけているものを前倒ししてといったところには、第一答弁にもありましたが、教職員の確保であったり教育環境が大きく変わることになりますので、やはり我々はしっかり準備をしながら、この5か年で確実に小学校の少人数学級を実現していきたいと考えています。 ◯議長(藤原マサノリ君) 橋本由美子議員の一般質問は終わりました。    ──────────────────── ◯議長(藤原マサノリ君) 次に、いぢち恭子議員の発言を許します。  11番いぢち恭子議員。      (11番いぢち恭子君質問席着席) ◯11番(いぢち恭子君) いぢち恭子です。通告に基づき1問質問いたします。  1 公務の担い手について再度考える──非正規雇用や民間委託、女性の活用など  前回3月議会の質問で、公助に携わる人材の一定割合を占めるものとして、非正規公務員の問題を取り上げました。今回はさらにそれを掘り下げ、より本質的な観点から同じテーマで質問したいと思います。  「新型コロナウイルス感染症」という誰も予想だにしなかった災害に、私たちの社会は根底から激しく揺さぶられました。ウイルスそれ自体の脅威もありますが、それによって社会を変えられたというよりも、感染拡大によって社会の脆弱性があらわになったのだという実感があります。  実際、「官製ワーキングプア」という言葉が生まれたのはコロナ禍のずっと前でした。これは公務の分野に非正規雇用や外部委託がどんどん導入され、低収入かつ不安定な働き方を余儀なくされる人たちがふえた結果です。  昨年来、コロナ災害による経済活動の極端な萎縮もしくは一時停止が、余裕や安定性の乏しい労働者に与えた打撃は深刻です。このようなとき、困っている市民を支援する立場の公務員においてすら、安定した働き方ができない人たちが存在するという現状を放置していていいのでしょうか。  放置してはならない、という考えに基づいて、以下質問します。  (1)会計年度任用職員制度と公共サービスの“中身”  法的な位置づけのない非正規公務員を各種整理し、一定の枠組みを与えるためにこの制度は始まりました。ほぼ時を同じくしてコロナ禍が起こったわけですが、体制の切替えはスムーズに行えたのでしょうか。  市民から見れば、公務員は全て均等なサービス提供者です。そこに正規非正規の差はないので、改めて「制度前」と「制度後」の違いと、それが公共サービスに与える効果もしくは影響について質問します。  1)制度について、非正規職だけでなく正職員の側、特に管理責任を持つ立場の職員に対してどのような周知と研修がなされたかを伺います。  2)スキルアップのために有料の外部研修を受けるケースがあると思いますが、非正規の職員も正職と同じようにそうした研修を受けられるのでしょうか。  3)会計年度任用職員の立場から、無期雇用の正職へと移行できる制度を自治体に設けることは可能ですか。可能である場合、本市においてその検討はなされていますか。  4)ある仕事・事業を外部委託してしまうと、市は直接の労務管理ができなくなります。保育士や司書の業界では、民間業者の低賃金や処遇の悪さが問題となることがありますが、本市ではそうした事態を防ぐためにどのような対策を取っていますか。  (2)女性労働者の問題  非正規公務員の4人に3人は女性であると言われています。なぜこのような偏りが発生するのでしょうか。  DVやハラスメントのみならず、雇用の不均等もジェンダー問題の大きな焦点ではないかと思います。女性センターを持つ本市として、どのように考えておられますか。一自治体としてどのような取り組みが可能でしょうか。以下質問します。  1)公務員の職種の中で非正規率が高いのは保育士、看護師、給食調理員など「女性職種」と言われる分野です。これらは95%以上が女性です。いわゆるケアワークの従事者に女性が多く、しかも賃金が高くないということは大きな社会問題ではないでしょうか。市の見解を伺います。  2)スウェーデンでは1960年代に女性の労働力を上げるため、保育所や介護施設をふやし、女性の家庭内労働を減らした結果、担税力のある女性公務員がふえて税収が上がったということです。国策レベルの対策が必要とは言え、基礎自治体が黙ったままでは住民の困難は解決できないと思います。コロナ禍の今、多摩市ならではの取り組みが考えられるかどうかを伺います。  以上、ご答弁いただいた後、再質問いたします。 ◯議長(藤原マサノリ君) 阿部市長。        (市長阿部裕行君登壇) ◯市長(阿部裕行君) それでは、いぢち議員のご質問にお答え申し上げます。  1の(1)の1)についてお答えします。  会計年度任用職員制度の導入においては、地方公務員法の改正に伴い、非常勤職員の任用の実態を踏まえ、それぞれの職の必要性を再精査し、会計年度任用職員として任用根拠の適正化を行いました。  制度の構築時には、職務の内容や責任、職務遂行上必要となる知識や技術等の要素について十分調整を行い、報酬額や勤務条件の決定を行っています。制度の移行に当たっては、庁内への通知や説明会を開催し、制度理解を深めるための周知を行っています。  2)についてお答えします。  現在、会計年度任用職員については、担当する業務の専門的な知識や技術を習得されている方を雇用しているという考え方から、従来から外部研修の対象外となっていることと、長期継続任用を前提としたものではなく、会計年度内の雇用とされていることから、外部研修の対象とはなっていません。  しかし、公務能率向上の観点においては、常勤、非常勤にかかわらず、スキルアップが必要なことから、職場におけるOJTの改善や、今後必要な研修について検討していきます。  3)についてお答えします。  地方公共団体の常勤職員については、競争試験による採用が原則とされています。これは広く人材を選抜し、長期継続任用を前提とした人材を確保する観点と人事の公正を確保し、情実人事を排する観点から、厳格な成績主義が求められているものです。  このため、会計年度任用職員として任用されている職員についても、競争試験による常勤職員としての能力実証が必要となります。  4)についてお答えします。  市では、労働者の適正な労働条件を確保し、労働者等の生活の安定を図るため、「多摩市公契約条例」を制定しています。  この条例では、受注者の責務として、業務に従事する者の適正な労働条件の確保、その他の労働環境の整備に努めなければならないとしており、また、労働者等の賃金についても、下限額を定めています。  この条例は、学童クラブの運営など一部の業務委託にも適用されており、この条例により、労働者の勤務条件や賃金を守るとともに、ひいては公共工事や公共サービス等の質を守っていると考えています。  (2)の1)についてお答えします。  ご質問のとおり、公務労働のうち保育、介護、看護、給食調理など、市民の暮らしを支え、維持するために欠かせない、いわゆる「ケアワーク」の現場では、多くの女性が非正規労働者として、低賃金でこれに従事している実態があるとされています。  その要因の1つとして、「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである」といった、従来からの性別役割分担意識が影響しているとの指摘があります。  内閣府の調査によれば、これに肯定的な回答は年々減少し、否定的な回答が上回るようになってきているものの、令和元年度でも女性は31.1%、男性は39.4%が肯定的な回答をしており、性別役割分担の意識が根強く残っていることがうかがわれます。  この性別役割分担意識は、いまだに多くの女性が家事、育児、介護など、家庭内労働を担う現実につながっており、そして、主に女性が家庭内労働を担っている現状では、その時間を確保する必要から職場での労働時間が制約され、あるいは出産や育児のために離職せざるを得ない状況につながっているとされています。  日本弁護士連合会では、性別役割分担の影響として「家庭内労働は女性が無償で担う」という意識が生じ、これによりその価値が低く評価される一因となって、家庭内労働の延長線上にある保育や介護などのケアワークが、女性に適した専門性の高くない職業であるとみなされ、他の職種と比べ、低賃金となっているとの見解を示しています。  家庭内の私的な仕事も、所得を得られる公的な仕事も社会基盤を支える上で必要不可欠であり、いずれもがその価値を適正に評価されるべきと考えます。  そのためには、いまだ根強く残る固定的性別役割分担意識を解消し、男女の経済格差も是正することが重要であると捉えています。  2)についてお答えします。  女性の労働力を上げ、経済的自立も果たすためには、安心して働ける環境づくりや、ライフスタイルに合わせた多様な働き方を推進していくことが重要です。  多様な働き方が求められる背景には、例えば「育児や介護と両立しながら働きたい」、「自分の好きな時間・場所で働きたい」、「複数の仕事をしたい」などニーズの多様化があり、これを進めるためには、長時間労働慣行を是正し、ワーク・ライフ・バランスを実現することが重要であると捉えています。  令和2年1月に実施した多摩市民意識・実態調査では、「『仕事』と『家庭生活』の両立」または「『仕事』と『地域・個人の生活』の両立」のいずれかを望む回答が男女とも55%前後でしたが、実際は、女性は「家庭生活を優先している」、男性は「仕事を優先している」が最も多くなっており、「仕事と両立」しているのは、男女ともに約3割にとどまっている状況でした。  本年4月からスタートした「第4次多摩市女と男がともに生きる行動計画」では、「ワーク・ライフ・バランスの意識啓発と情報提供」を前期5年の重点取り組みの1つとして各施策を展開することとしています。  市では昨年、TAMA女性センターと健幸まちづくり推進室の共催講座として、仕事・子育て期の女性の健幸をテーマとした健幸まちづくりシンポジウムを開催しましたが、企業が掲げる健康経営や女性活躍、SDGsといった理念は、本市の進める健幸まちづくりと共通する部分が多く、ワーク・ライフ・バランスの情報発信に当たっても市内企業と連携することが有効であると考えています。  昨年度のシンポジウムに引き続き、女性を含めた働き盛りの世代をターゲットとした「健幸!ワーク」の取り組みなど、社会全体で誰もが働きやすい環境を整えていくことが重要であることを前提に、市民及び事業所がワーク・ライフ・バランスの考え方の理解を深められるよう、引き続き意識啓発と情報提供を進めてまいります。 ◯11番(いぢち恭子君) それでは、1問目から再質問をしてまいります。  実は今回の質問に当たって前回同様に、またこの多摩市内で非正規雇用、会計年度任用職員として働く方々とヒアリング、インタビューなどの機会を持つことができました。  その際にやはり言われたのですが、この(1)の1)、昨年の4月からこの制度が始まって何が変わるのかということを、実はその方々はよくわからなかったと。何を言われたかというと、もっといろいろなことをこれからやってもらいます。責任を持ってもらうようになります。  この言い方で終わられて、一体私たちはこれまでと違う公務員としての働きを求められるというのはどういうことなのか。もっと言ってしまうと、責任を持ってもらうと言われて、今まで私たちはそんな無責任な仕事をしていたのかとか、いろいろなお声があったのです。  それを聞いた私の印象としては正職、それから、非正規の皆さんどちらにもこのコロナで大変だったこともあって、なかなか研修できていなかったのではないかと。これに関しては前回質問させていただいた際にも、きちんとした研修の必要性をたしかお答えいただいていたと思います。ここを繰り返しになって恐縮ですが、再度、市側の認識と今後どのように対処していくかについて伺いたいと思います。 ◯議長(藤原マサノリ君) 渡邊総務部長。       (総務部長渡邊眞行君登壇) ◯総務部長(渡邊眞行君) 今回の制度改正で、会計年度任用職員制度というものが入ってまいりました。  それをつくる段階では、様々な形でご意見等を伺いながらつくってきたところでございますけれども、いざその制度が始まるというところで、昨年もありましたとおりコロナが出てまいりまして、皆さん多くの方が集まってご説明するという場面ではなかなか難しい部分もあったのだろうと考えてございます。  その中でも、これまでと違うというところで皆さんにご説明したのは、休暇や福利厚生、手当等も会計年度任用職員になることで充実をさせていただきます。それと一方では、服務規律、守秘義務や職務専念義務が適用されます。また、懲戒処分の対象にもなるというところでは、地方公務員法が適用されてくるという部分が入ってきますというご説明をさせていただきました。  そういう部分では、今までも一生懸命働いていただいたわけでございますけれども、その上に、そういう義務や権利が拡充されてくるというご説明はさせていただいたところでございます。  その後もコロナがなかなか収束しないというところでは、個別具体的なご質問やお問い合わせは、人事課のほうでお答えをさせていただいてきたわけでございますけれども、必要に応じて再度、まだこの中では皆さんを集めてというわけではございませんけれども、必要に応じてそういうものには対応してまいりたいと考えてございます。 ◯11番(いぢち恭子君) 服務規定や様々なお給料の違いとかもあるのですが、やはり今後この研修をしていただく際にはもう少し皆さんが知りたいのは、これまでの自分たちが今まで働いてきたこととの質の違いというのですか、公務員としての仕事を求められるのだと言われて、それは単なる服務規程、決まりがどうとかというより働き方の意識がどんなに違うのだろう。そして、私たちはこれからこれまでと違う何を求められるのだろうということ、それが非常に不安といいますか、わからないという感覚をお持ちだという感想は残っています。  そこのところ忙しい中とは思いますが、再度丁寧に伝えていってほしいと思うのですが、いかがでしょうか。 ◯総務部長(渡邊眞行君) 先ほども答弁をさせていただきましたけれども、今までも一生懸命働いていただいてきたというところがございます。また、今回はそういう位置づけをしてきた中で、公務員という形での非常勤の一般職で働くという形になろうかと思ってございます。  その中では、より一層公務員としての公平性や市民に対する公平性や、また、どなたにも平等に様々な形で対応するというところは、さらに求められてくる部分だろうと考えているところでございます。 ◯11番(いぢち恭子君) 繰り返しになりますが、これは非正規の方々のみならず、そういった方々に対して、ある程度管理責任を持って接する正職の方々にも再度いろいろな周知の徹底をお願いしたいと思います。  それでは、2)のほうへ移ります。  このお答えの中でほとんど完結しているのですが、担当する人をそもそも専門的な知識や技術があるという前提で雇っているから、研修が要らないというのは非常に乱暴な考え方で、それだけ聞いたら幾らでも突っ込めるなと思いましたが、きちんとこのご答弁の中で公務能率向上の観点においては非常勤であろうと研修、スキルアップが必要だと言っていただいていますので、ここのところもきちんと対応していただきたいと思います。  先ほどとつながりますけれども、非正規の皆さんも責任を持って、また、ご自分のお仕事に誇りを持って、そして多摩市のために働いてくださっています。そういった方々が正職の人は自分でお金を出さずに、きちんと自分が受けたい研修が受けられる。でも、私は業務時間外に時間をつくって、お金を自分で出して働かなくてはいけないというのは、そういうものだと言われても感情的といいますか、そこは納得しづらいものがあると思うのです。  これは本当にご答弁いただいたとおり、丁寧に進めていっていただきたいと思います。  こうしたことが起こる背景の1つには、やはり公務員、特に正規の公務員というのは基本的に異動が前提であるということも大きいかなと思っています。皆さんはスペシャリストではなくゼネラリストとして、様々なお仕事、様々な所管の仕事を経験するということが、特に中間管理職以上になると求められてくる。  ただそうすると、現場では一方、そういった専門職を長年携わってプロとしてのスキル、経験を磨いていく人たちが非正規の方々に偏りがちということも、多摩市に限らず様々な自治体で見られていることです。  これについては、他市の取り組みも後段紹介していきたいと思いますが、私は幾らでも改善の余地はあるし、多摩市ならそれができると思っています。  それでは、先に3)のほうに移ります。  こちらはお答えの中で、私の書き方が悪かったのかもしれませんが、スキルアップのための道を今非正規で働いていただいている方々のために開いてほしいというのは、別にえこひいきをしてほしいとか、何か無試験でも優遇できる措置を考えてくれという意味ではありません。情実人事を排するというのはそのとおりです。  ただ、一定の期間働いていて、この人ならば多摩市のためにもっと働いていってほしい、一緒に仲間として仕事を続けていっていきたいということを感じたときには、そういった方々に何らかステップアップ、無期雇用への転換ということは、何か多摩市の制度として求められないかなと思ったのですが、ただ、いただいたご答弁はそういった特別な仕掛けをつくらないでも、今、有期雇用されている皆さんにも試験を受けるなどして、ステップアップしていく道は開かれていますという意味で捉えてよろしいのでしょうか。 ◯総務部長(渡邊眞行君) 現在、採用が多様化しているところでございます。新卒の一括採用というものが主流だった時代から、今様々な形で一定の年代を区切って30代までとか40歳までだとかという形で幅広の採用をしてございます。その中では氷河期世代の方たちやコロナで離職された方たちを、去年はそういう採用も行っているところでございます。  そういう部分では、年齢層も多様な採用をしているというところでございますので、そういう採用があったときには、そういうものにトライしていただくということもできるのだろうとは考えているところでございます。
    ◯11番(いぢち恭子君) そこのところをぜひ積極的といいますか、特にもう日々の仕事でいっぱいいっぱいになっている、働いて帰る、それだけの関係にならずに、非正規の皆さんにもその働き方、意欲に応じて、例えばこういうことがありますよ、来年こういった試験を受けてみませんかとか、そういうお声がけでもいいので、そういったことを職場の中できちんと情報共有や交換ができるようにということを願っています。  前回も申し上げましたが、会計年度任用職員制度導入に当たっては、各自治体で相当ばらつきがありました。私が調べた範囲内でも結局年収アップどころか、トータルで見ると減につながったとか、雇用条件がかえって悪くなったというお声も、残念ながら少なからず耳にしています。  ただ、その中で先ほど申し上げた、今回新たにインタビューさせていただいた皆さんも、多摩市では非常にそこは働きやすいといいますか、待遇はよくなったと。そういう意味ではご満足いただいている、私はそういった多摩市の姿勢を非常に評価しています。  4)なのですが、そこのところと関連して、この公契約条例のことについてご答弁で触れていただきました。これももう本当に多摩市は東京都で一番に、この条例を制定したわけですし、その背景にはまさにここにあります適正な労働条件のもとで、つまり適正にこの多摩市の中では働いていただく、そういう考えで制定された。  その裏には経済問題、経済状況の悪化に応じて、コストカットなどの対象になりやすいのが例えば人件費、そういう背景もやはりあったかと思うのです。  実際、本当に民間では様々劣悪な条件で働かされ、雇用も自在に調整弁として扱われる例はもう枚挙にいとまがない状況です。それはこのコロナで一層深刻化しているわけですが、ただ、いただいたことでもう一つ掘り下げて、労務管理ということ。これは公契約といえど、民間の事業者さん相手ですので、なかなか難しいことだと思うのですが、1回条例に基づいて契約を結んだらオーケーではなく、一体どのような条件で皆さんに気持ちよく働いていてもらっているのでしょうか、多摩市の仕事をどんな形で担っていただいているのでしょうかということを一定の間隔を置いてきちんとリサーチできる。私たちもつかんでいてちょっとこういう働き方をなさっているのは困りますと、そこまで言うのは難しいとは思うのですけれども、何らかの取り組みを私は期待しているのですが、そこのところいかがでしょうか。 ◯総務部長(渡邊眞行君) 今、公契約条例ということでご紹介していただきました。  公契約条例の制定の意義という部分では、業務に従事する者の適正な賃金や労働条件を確保していくことが、労働者の生活の安定につながり、ひいてはそれが公共のサービスの質の向上につながるのだろうというもとにやったものでございます。  それらを検証できるのかというところでございますけれども、また、賃金については賃金台帳の提出を求めてございます。これらについては、2次の下請まで求めてございます。労働者の氏名等もその中に入れさせていただいて、また、職種等も入れさせていただいているところでございます。それらの方々にきちんと労務下限額の賃金が払われているのかどうかというところもチェックをさせていただいております。  また、労働者のほうから、実際にはそういう賃金は払われていないということがこちらのほうに連絡があれば、私どものほうから、事業者に対してきちんとそういうものを出しなさいという形での勧告というものもできるという制度になっているところでございます。 ◯11番(いぢち恭子君) ぜひよろしくお願いします。  私も今回質問するまで、この公契約条例のことを非常に狭く考えていまして、ほとんど建築関係のところでの契約かなと思っていましたら、ご答弁をいただいたとおり、学童クラブの運営や様々なところにも適用されるということで、私はこれは大いに活用していただきたいと思っています。  先ほども申し上げた非正規で働いてくださっている方々との話し合いの中で、これも何回か耳にしたのですが、本当に多摩市で働けてよかったと言ってくださっているので、それはうれしいのですけれども、業種は今伏せますけれども、民間のほうで、つまり委託の仕事が結構あると。ケアワークですけれども、ただ、自分はそこには行きたくない、本当に大変な思いで働いているからだと。やはり賃金が高くない、処遇も不安定だし、とてもよい労働条件ではないということを耳にします。  私はそういった民間のことには、即座に私たちがどうこうできるわけではないですけれども、この多摩市が公契約条例というものをつくり、そして私たちがこの多摩市の中できちんと気持ちよく働いていただくために、こういう環境整備していますということを公共のものがしっかり示すということは、非常に社会的に意義があると思っているのです。  また、そうして多摩市で働けてうれしいと言ってくださっている方々に、本当に充実した労働と生活の人生続けていっていただきたいと思っていますので、こういった部分についても、公契約条例もさらなるブラッシュアップを望みたいと思っています。  非正規の問題全般について、できれば最後にもう1回振り返りたいと思っていますが、まず(2)女性の労働者のほうの問題に移りたいと思います。  (2)の1)、こちらも丁寧にご答弁いただきましたとおり、このケアワークの分野に本当に女性が多く占められていて、そしてしかも、あまりよい処遇ではなく働いているという問題、これもコロナ禍で一層その現実が加速しています。  それについては、昨年12月、野村総研が「パート・アルバイト女性の実態に関する調査」というものを、5万5,889人対象で行っています。これは今年1月に集計結果が出ました。  この中でも本当に深刻なのですけれども、もちろん限られた対象ではありますが、シフトを減らされた人は25.7%、シフトゼロ4.2%、ただ、3割~9割のシフト減はもう55.3%に上る。そしてさらに、休業手当を受け取れた人が25.3%、74.7%は受け取れなかったという回答です。  また、シフト減という部分休業の場合にも休業手当が出るということを、この調査で初めて知ったという人が56.3%、またシフト減、あるいはそういった休業で収入が減ったわけですが、どうしたか。貯蓄に回すのを減らしたという、貯蓄分を減らしたという方が66%、食費を減らした方62%、貯蓄を取り崩した55.5%、水光熱費・通信費を削った43.2%。当たり前ですけれども、生活費を削るしかない、あるいは貯蓄を削るしかない。  もう一つの問題は、この野村総研の調査の結論として出されているのが、パート・アルバイトの仕事が半分以下になって、休業手当が支払われていない。こういう方々は実質的には失業者とみなしてよい。ただ、こうした実質失業者、パート・アルバイトだけで90万人はいるだろうと野村総研は結論づけていますが、問題はこれが公式統計上は失業者としてカウントされないということです。  女性の貧困、様々な形で今ネット難民からこうした非正規労働、あるいは風俗で働いて搾取される方々に至るまで、様々な場面で大分可視化されてきましたが、結局こうした括弧つきの失業者はカウントされない。だから、今、国もこのコロナの問題、経済に与えた打撃、生活に与えた打撃を重く見てはいると思うのですが、実態はより深刻ではないかと思うのです。  特にその深刻さが女性に偏っている。女性と男性の失業率を比べても、本当に男女で格差があるのです。非正規女性は前年同月比68万人減の1,407万人、この減少幅は男性の3倍強と言われています。女性の休業数も136万人で男性の1.3倍。こうした実態について、市はこれまでどのように把握し、また、問題意識をどのように持っているかについて伺います。 ◯議長(藤原マサノリ君) 須田くらしと文化部長。     (くらしと文化部長須田雄次郎君登壇) ◯くらしと文化部長(須田雄次郎君) 私からは、TAMA女性センター、女性の働き方、そういったような観点での捉え方といったことでご答弁申し上げたいと思いますけれども、今このコロナの状況もそうです。その前からもいろいろな事情によって働くことができなくなる。そういう方の状況ということは、統計上の話というものは当然正式に発表されたり、あるいは今ご紹介のように、民間の機関のいろいろな調査も一定程度承知をしているところでございます。  そういう中で今のお話ですと、パート・アルバイトの方の調査ということであれば、その数として、女性がその中でも多くを占めるといった実態がございますので、女性の働き方が非常に厳しくなっているということは、そういった今ご紹介いただいたところからもうかがわれるのかなと思ってございます。  そういう中では、より正しく把握をするということも一方では必要だと思います。統計の仕組みというのは、課題としてはきっとあるのかなと思いながら、市として、そこについて具体的に何か対処するというところまでは至りませんけれども、まずは詳しく状況を確認をし、それをまず認識をする、そういうところから始める必要があるのかなと思っています。 ◯11番(いぢち恭子君) まさにそこのところ、私は再三言っていますが、女と男の平等参画を推進する条例があり、女性センターのある多摩市でぜひ率先してそこのところ、もちろん多摩市だけ頑張って解決できる問題ではないですが、まずそこの問題認識を掘り下げ、そして何ならもう国へも提言していくぐらいの、そういった姿勢を強く望んでおります。  特にこの女性の貧困の問題です。女性だけならよいではないかとか男性が頑張ればよいではないかなんて、そんな乱暴なことを言う人はさすがにもういないと私は信じていますが、特に、女性の収入が減るということはシングルマザーの家庭はもちろん大打撃ですし、今、共働きのご家庭も多いので、そこであっても生活費の激減が見込まれるわけです。  この問題は、もちろんその当事者、お父さん、お母さんの問題でもありますが、と同時にお子さんの問題にもなってくる。これ以上子どもの貧困を進めてはならない、改善しなければならないというときに、こういった問題を手をこまねいて見ているわけにはいかないと思います。  こういった問題について非常に詳しく調べていらっしゃる労働政策研究・研修機構の研究員さんの周燕飛さんという方がはっきり提言なさっているのですが、やはり今、1つにはコロナ禍でも伸びている業種というものはあるので、そういったところへの転職支援、または公的職業訓練を公共が提供する、また、国が積極的に雇用を創出するということが必要であろう、また、女性が非正規雇用となりやすい、これはご答弁でもいただいたとおりの構造的な問題です。こういったことを根本から変えていく必要があるだろうとおっしゃっています。  まずはそういった現状を踏まえて、自治体として、これをどう取り組むか、あまりにも大きな問題なのですが、まずは市としてどのように問題意識を持ち、そして取り組んでいくのか。女と男がともに生きる行動計画というものを示されていますけれども、そういった中でもう少し展開の余地はあるのだろうか、そこのところをお伺いします。 ◯くらしと文化部長(須田雄次郎君) 今ご紹介いただきましたとおり、まさしく女性の貧困という言い方がよいかどうかわかりませんけれども、そういったことでその次の世代への負の影響というものがやはりつながっていくと、これをしっかりと断ち切る必要があるだろうということを思っております。  それで市として、こういった問題に対してどう対処するか、非常に難しいなと思いながら今伺っておりました。1つは目の前ですぐに対応できること、それから、先を見ながら仕組みとしてどう変えていけるかといったこと、この両にらみで対応していく必要があるだろうと思ってございます。  目の前の話で言うと、例えば福祉の所管といったことを含めてどう対応できるかといった話にもなろうと思いますし、少し先を見てといった仕組みの話とすれば、TAMA女性センターという機関がある多摩市においては、民間企業に対する啓発も含めて、それはワーク・ライフ・バランスのこともそうですし、先ほど市長答弁でも申し上げた性別役割分業の市民あるいは都民の意識の問題にしっかりと訴えかけていく、それが少しずつでも変わっていくといったことにつながるような啓発を地道に重ねるほかないのかなといったことが今、私が考えているというか、この場で申し上げられることだと思ってございます。  市長答弁で健幸まちづくりとの関連で、昨年度催しを行ったといったことがございました。これはもうご案内かもしれませんが、元事務次官の村木さんと、それから、サンリオピューロランドの社長の小巻さん、この対談を中心にといったことでございます。  仕事人としても我々の先輩でもあり、そして女性として、いろいろな制度がまだまだ不十分な時代からしっかりと働いて、いろいろな壁を突破してきたお二人、そういったお二人のお話を伺って、大変刺激も受けたわけですが、こういう取り組みも、市民あるいは企業に対する啓発の1つだと思ってございますし、こういうことを地道に重ねていくということをまず我々としてはやっていきたいと思っております。 ◯11番(いぢち恭子君) (2)の2)でも答えていただいていますワーク・ライフ・バランスの問題だと思うのです。固い言い方をすれば、これも本当に人権の問題にもつながるのですけれども、どなたも自分らしく、そしてゆとりを持って働いていただき、生活をある意味古い言い方でエンジョイしていただくというか、どなたも自分の幸福を追求する権利を持っているわけですから、それを何とか公共団体としてしっかり支えてほしい。  特に、今回私は1つはっきり提案したいのは相談体制を強化していただきたい。先日来、様々な議員からの質問の中で、それは児童相談であったりTAMA女性センターの女性の相談もそうですが、多摩市は様々な部署で相談のツールを持っていますし、それは永山の今外部委託している部分もそうです。それでそういった相談体制の強化というのは、例えばもちろん時間数をふやすとかこま数をふやすでもよいのですけれども、今、民間でもかなり市民団体を中心に相談会をどんと開いて、困っている人とアピールしています。私は例えば多摩市だってそういうことをしてよいと思う。  方法はいろいろ考えられると思いますが、今困っている人たちにまずどうやったらアクセスしたらよいかを考える。その目的は2つありまして、1つにはもう直接的にお困りの方とつながって支援につなげるということです。でも、もう一つは、集められたご相談を、それは市政をよくする材料にもなるわけです。今、多摩市もコロナのことに関しても、お困りの皆さんを支えるためにいろいろな事業を考えてくださっています。経済的にも医療や介護的な意味でも、そういったところで今何が必要なのかということ。  私は、そういったことを積極的にもっとつかんでいってほしい、そういう取り組みをお願いしたいと思っているのですが、今直接これをやりますとはなかなか言いづらいと思うのですけれども、とにかく相談体制の強化、そして、お困りの方々とどうやってつながるかというところ、そこのところ、お考えを伺いたいと思います。 ◯くらしと文化部長(須田雄次郎君) 市として誰が答えたらよいのかなと今逡巡しましたけれども、トータルでという話には私の立場ではなかなかいかないわけですけれども、今の相談に必要な方が相談を受けやすくなるようなことも含めて、対応強化といった話でございます。  また、相談の内容からいろいろな課題が見えてきて、それは個人のいろいろな相談だったかもしれないけれども、それが市トータルで課題認識にもつながる。それをどう制度化して、そこに対する対応を打っていくかといったことにつながる。そういうことで相談から市の施策につなげていく、そういったことができないだろうかというお話かなとも受け止めさせていただきました。  そういう点では非常にその視点というのは必要なのだろうと思います。ただ、今おっしゃっていただいたとおり、そういうことを具体的にどこがどうするといったところは、今日のお話を伺って、その上で今後どういう対応ができるか含めて、検討するといったことが今日この場でのご答弁かなと思います。 ◯議長(藤原マサノリ君) 渡邊総務部長。       (総務部長渡邊眞行君登壇) ◯総務部長(渡邊眞行君) 個々の相談にはそれぞれの所管がございますので、そちらのほうで強化していくということになろうかと思いますけれども、人材育成の観点で、私どものどこの窓口、または職員に話してもそれがしっかりとお困り事を扱っている所管につなげていく、その相談が一定の解決をしていく形でのしっかりとした職員を育成してまいりたいと考えてございます。 ◯議長(藤原マサノリ君) この際暫時休憩します。          午前11時59分休憩     ──────── -────────          午後1時00分開議 ◯議長(藤原マサノリ君) 休憩前に引き続き会議を開きます。一般質問を続行します。再質問からです。  いぢち議員。 ◯11番(いぢち恭子君) 先ほどの相談業務のことに話が偏りましたので、他市の例を紹介したいと思うのですが、1つは足立区、ここは自殺対策のことで「つなぐシート」というものをつくって、事実上ワンストップサービスを実現させているのです。  多摩市もかなりワンストップに向けて全ての窓口が所管、相談を受け付けたらきちんと横へつなぐということは言われていると思いますが、足立区ではもうこれがつなぐシートというものを介して、例えば税金の未払いのことでいらしても、その背後にある福祉的な課題あるいは子育てや教育に関してもこういった支援が必要だというところへつなげられるということをしています。  それからもう一つ、先日、あらたに議員も話していらっしゃいましたが、滋賀県の野洲市、ここは庁内連携というものが非常に発達させていて、どういったお困り事、あるいはお金のことであっても、入り口がどこであっても必ず必要な支援ができるように、もう庁内でそれをしっかり連携するのだという取り組みができているところなのです。  そういったところを多摩市も目指していただきたいのですが、この取り組みで注目すべきなのは、こういった庁内連携で相談を受け止めるということを、専門職の職員さんがやっているということなのです。  足立区の場合はもともと保健師だった方、それから、野洲市の場合は消費生活相談員をしていた方が、今専門職の専門知識を持つゼネラリストとして働いていらっしゃる。ですから、今まで例えば専門は非正規に偏り、正規の職員はゼネラリストとしてどこでも行くという、こういった働き方というものも1つ見直す時期ではないかと私は思います。これだけ多様化した市民の困り事を支えるということに柔軟に対応するということを、多摩市も今ある程度できていると思うのですが、さらに積極的に進めていっていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。 ◯議長(藤原マサノリ君) 渡邊総務部長。       (総務部長渡邊眞行君登壇) ◯総務部長(渡邊眞行君) 今の全体的にゼネラリストということと、それからスペシャリストというお話だと思います。  人事サイドにしてみましても複線型の人事というのも必要なのだろうと考えてございます。ある一定の職域のところに長くいますと、そのスキルというのはだんだん上がってまいりますので、そういうものも生かした形で、その後へつなげていけるようなことも考えてまいりたいと考えてございます。 ◯11番(いぢち恭子君) ぜひお願いします。  また、こうした取り組みの中で着目できるのは、今まで行政に対して縦割りということはよく、むしろ批判的に使われてきたと思うのですが、もしこういった庁内連携がうまくいけば、この縦割りがそれぞれの専門を生かす、しかも幅広い市民のニーズに応えられるということで、非常に有機的でまさに包括的な取り組みができると思うのです。そういったことをぜひ今後も工夫していっていただきたいと思います。  最後にもう一度、非正規職という働き方の問題に移ります。  多様な働き方ということはご答弁でも何か出てきたと思うのですが、ただ、この多様性というのは、働き手が選べるのかというと必ずしもそうではない。実は私がまだ子どもの頃に「クロワッサン」という雑誌があって、それをよく読んでいた人たちは「クロワッサン世代」なんて言われています。  どういうことかというと本当に働き方が多様化して、例えば非正規やフリーランスということがその頃すごく言われるようになって、新しい働き方。ただ、実はそういう人たちが今になって、そうは言っても非常に流動的な仕事ということで、逆に困窮しているという話も聞くのです。  そのときに多様性と言っても、私が非正規か正規か選べるのか、私はパートで働きたい、私は正規でということが普通労働雇用のときに認められるというケースは少ないと思います。大概はもう本当にこちらで雇う側が設定している。そのことを別に、そのこと自体を悪いとは言いません。もちろんパートで働きたい人もいて、パートでお願いしたい職がある。そのマッチングというのが前提ではあると思うのですが、今の社会は本当に先ほど女性の働き方に関する野村総研のアンケートのところでも申し上げたように、非常に大きな偏りができていて、しかもそこには性差の偏りもあるということ、これをしっかり自治体として考え、そして問題解決のために、市民に一番近い自治体としても努力をしていっていただきたいというのが私の今回の質問の趣旨でした。  話がいろいろ飛びましたけれども、要はこの多摩市で働く人も、そして支えられる市民も元気に自分らしくということを私は理想として追い求めていただきたいと思っています。このことに関して、最後に市長に何かご意見、思いがあれば伺って終わりにしたいと思います。 ◯総務部長(渡邊眞行君) 市長ということでございますけれども、今お話がございましたとおり、やはり任用の形態や職責や役割等については、それぞれ異なっていると思いますけれども、同じ公務職場でお互いの働き方を認め合いながら、市民サービスを支え、担う職員として、生き生きとやりがいを持って働くことができる環境整備をしてまいりたいと考えているところでございます。 ◯議長(藤原マサノリ君) 阿部市長。        (市長阿部裕行君登壇) ◯市長(阿部裕行君) この10年ぐらい、多摩市の中でも例えば専門職採用というのがふえてきました。例えば弁護士の資格を持っている人に、専門的に法務の担当になっていただくとか、図書館等についても、中央図書館建設に向けて図書館司書資格を持っている人、専任的に働いていただく。そういう意味ではその分野は広がってきています。  今日質問者もおっしゃっていただいたように、さらにそうした専門的資格、それはゼネラリストの育成も大切だと思いますが、一方で、スペシャリストとして仕事をしていただく。ただ、そのスペシャリストの人も、市のほかの部門の仕事も経験をしていただきながら、さらにそのスペシャルな部分で専門知識を広げていただく、そういう時代に私も来ていると思います。  一方、正規、非正規についてはご指摘のとおり多摩市単独で全て解決できるかといったらなかなかそうではないと思います。ただ、本当に日本全体が今終身雇用から大きく変わりつつある中で、ただ、それを支えている年金、健康保険、いろいろな仕組みも今大きく変わってきています。そうしたところもきちんと捉えながら、多摩市として安心して、また、働く人が安定して働ける、そういう職場環境も目指していきたいと思っています。 ◯議長(藤原マサノリ君) いぢち恭子議員の一般質問は終わりました。    ──────────────────── ◯議長(藤原マサノリ君) 次に、斎藤せいや議員の発言を許します。  10番斎藤せいや議員。      (10番斎藤せいや君質問席着席) ◯10番(斎藤せいや君) 10番斎藤せいやです。通告に基づき2問質問いたします。  1 コロナ禍における体力の保持増進について。  いまだに猛威を振るい続けている新型コロナウイルスの感染ですが、第4波が押し寄せ、東京都においても度重なる緊急事態宣言が発出されるなど、社会経済への打撃や市民生活の不安がなかなか解消されません。  このような状態を打開すべく始まったワクチン接種ですが、こちらも全国で様々な課題が浮き彫りとなっており、当初の予定よりも進捗状況が進んでいないのが現状です。  多摩市においても例外ではなく、予約受付開始時前後で多くの課題が見つかり、迅速に対応していただいているところではあります。日々ワクチン接種でご尽力いただいている医師や看護師、医療スタッフ、職員の方々に感謝申し上げます。  昨年初めて緊急事態宣言が発出され、私たちの生活様式はがらっと変わってしまいました。特に変わってしまったのが、不要不急の外出を自粛するということです。緊急事態宣言発出直後はどこまでが不要不急の範囲なのかの議論も多くされ、連日報道されていました。その中で懸念されていたのが外出自粛による運動機会の減少です。実際に次のような心身の不調を感じる人が多かったのではないかと思います。  「なぜか体が疲れやすい」「一日中ダラダラと過ごしてしまう」「よく眠れない」「睡眠時間はたっぷりだが、ぐっすり眠れない」「何をするにも億劫」「集中力がなく、考えがまとまらない」など、これらの“不調”が生じる理由について、順天堂大学大学院スポーツ健康科学研究科、町田修一教授は、「そもそも私たち人間は“動く生き物”。新型コロナウイルス感染症の拡大防止のために外出を自粛した影響により、昼も夜も家にいて体を動かさなくなったことで、心身ともに不調が出やすくなったのです」と、あるコラムの中でコメントしています。  一度失われてしまった習慣を取り戻すには相当の努力と時間が必要になり、そのことも運動不足に拍車をかける要因となり、体力低下を助長することになってしまいます。  特に高齢者は筋力が低下する以前の状態に戻すのが困難な場合が高く、心身ともに元気がなくなってしまうことも心配されてきました。  ここまでは第1波のときに挙げられた課題で、その後はよくも悪くも自粛生活・新しい生活様式にも慣れて、運動習慣も取り戻しつつありますが、まだまだ足りないのが現状です。  多摩市では2017年に身体面での健康だけではなく、誰もが幸せを実感できることを目指し「多摩市健幸都市宣言」を出しました。この宣言の中には、「いつまでもこの地でいきいきと暮らし続けること」という文章があります。いきいきと暮らし続けるためには、やはり体力の保持増進が不可欠であると思います。多摩市で暮らす私たちが協力し、健やかで幸せいっぱいの健幸都市を実現するために、以下質問をいたします。  (1)自粛による市民の体力の低下は、健幸都市を掲げる多摩市においては見過ごせない課題の一つであると思いますが、市としてどのような考えをしているのかを伺います。  (2)昨年度は新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、市内の様々なイベントが中止となってしまいました。今後コロナ禍において、市民の体力の保持増進のためどのような取り組みを行っていくつもりなのかを伺います。  (3)子どもの体力低下も大きな問題となっているが、実態把握することが必要だと思います。多摩市教育委員会として、体力に関する調査やアンケートなどは行ったのか、また、どのような対策を行っているのか伺います。  2 道徳授業について  道徳の授業の歴史を見ると、第二次世界大戦以前は「修身」という名で、学校での道徳教育が行われていました。終戦後、GHQの民主化路線によって、極端な国家主義・軍国主義的だった修身は撤廃され、特定の道徳の時間は持たず、学校教育全体を通じて道徳教育が行われることになりました。  内容においても、幸福や理想を目指して共同社会の一員として働く自覚を持たせ、普遍的な国際性を持った人格を形成しようとするものになり、戦前と戦後で道徳教育は大きく変化しました。  1958(昭和33)年、戦後10年以上を経て学習指導要領が改訂されました。公立の小・中学校では、週1時間の道徳の時間に、学校全体を通じて行われる道徳教育を補充・深化・統合することになりました。これが、今日まで続いてきた教科外の特設時間「道徳の時間」の始まりです。  戦後、高度経済成長を経て、日本は大きく変化し、近年においてもグローバル化や情報通信技術の進展、少子高齢化の進行など社会は激しく変化しています。それに伴い様々な課題も生まれ、人として求められる資質も少しずつ変容し続けており、道徳教育の内容も変わることを余儀なくされてきました。
     昔はなかった「情報モラル」に関する指導もその一つです。近年、小学生でも携帯電話やスマートフォンを所持することが多くなりました。インターネット等の普及が急速に進む中で、携帯電話の小さな画面が世界中にリンクしていることを理解しないまま利用する子どももふえています。  その結果、インターネット上の掲示板への書き込みによる誹謗中傷や、携帯電話のメールによるいじめといった、いわゆる「ネットいじめ」が多発するなどの課題が生まれており、時代に即した情報モラルに関する指導の必要性が高まっています。  今までの道徳の授業は「教材を読むことに終始している」と、形骸化を指摘する声も少なくありませんでした。それを踏まえ、小学校では2018(平成30)年度、中学校では2019(平成31)年度から「道徳の時間」を「特別の教科 道徳」に変更し、問題解決や体験的な学習などを取り入れ、「考え、議論する」道徳教育を実現していくことが示されました。  また、「何を知っているか」だけではなく「知っていることを使ってどのように社会・世界と関わり、よりよい人生を送るか」の資質・能力にまで引き上げることを目指すとしており、教員には今まで以上に多様な展開と指導方法の工夫が求められています。  いじめなどの重大な問題も少なくない昨今、円滑な社会生活を営むためには、様々なルール・マナーを身につけ、善悪の判断を行う必要があり、ますます高まる道徳教育の必要性は高まっていくと思います。多摩市の子どもたちがよりよい道徳感を養っていける環境を整えていくために以下、質問いたします。  (1)小・中学校で道徳が教科化されて数年がたちましたが、実際の現場ではどのような変化があったのか伺います。  (2)教科化の前後で大きく変わったこととして挙げられるのが評価についてだと思います。この道徳の評価についてどのように考えているのかを伺います。  (3)道徳の授業を行っていく上で様々な課題があると思いますが、現状の課題と今後の改善策等があれば伺います。  以上、ご答弁いただき再質問させていただきます。 ◯議長(藤原マサノリ君) 阿部市長。        (市長阿部裕行君登壇) ◯市長(阿部裕行君) それでは、斎藤議員のご質問にお答え申し上げます。  1の(1)についてお答えします。  長引くコロナ禍により活動量や社会参加の頻度が低下し、それに伴って体力の低下、基礎疾患の悪化、認知機能の低下など、いわゆる健康二次被害が発生することは非常に大きな課題だと認識しています。  実際に感染拡大の影響を受けて休止していた地域介護予防教室参加者の体力測定結果では、過去3年間の結果を比較すると、歩行に関係する項目において低下が見られます。これは外出機会が制限され、歩行機会が減ったことが影響していると考えられます。また、生活状況においては、活動量や人との交流の減少が見られ、今後、さらなるフレイルの進行が懸念されるところです。  本市では、昨年4月に最初の緊急事態宣言が発令された当初から、コロナを正しく恐れ、必要な感染症対策を取った上で、健康にも目を向けることの重要性を広報やホームページを通じてお知らせしてきました。また、ウオーキングコースを活用した少人数でのウオーキングの推進、家でもできる体操の動画配信など、適度な運動を確保するための情報発信を行っています。  引き続き、コロナ禍にあっても、暮らしの安全・安心を保ちながら市民の元気を維持し、健幸まちづくりをさらに推進するため、健康二次被害を防止する取り組みを推進していきます。  (2)についてお答えします。  2回目の緊急事態宣言以降、公共施設や市の事業については、一律の閉館や中止ではなく、時間短縮や、徹底した感染予防を取った上での実施など、市民の活動の場や居場所の確保に努めてきました。  併せて、現在新型コロナウイルスワクチン集団接種会場に高齢者の皆さんがおこしになる機会を捉えて、コロナに負けない体づくりに関するチラシ配布やビデオ上映を通じて、健康二次被害防止の呼びかけを行っています。  今後はさらにより若い世代に向けて、コロナ禍での心身の健康についての情報発信を行う必要があると認識しています。  一方で、市民の皆さんには、日々変化する感染状況から、活動についての不安やためらいの気持ちも依然としてあるものと考えます。この点についても、市民の心情に寄り添いながら、様々な情報の発信、活動の場の確保等を通じて、引き続き感染予防と両立した市民の健康づくりの支援を行っていきます。  (3)及び2については、教育長がお答えします。 ◯議長(藤原マサノリ君) 清水教育長。        (教育長清水哲也君登壇) ◯教育長(清水哲也君) 1の(3)についてお答えします。  コロナ禍における児童・生徒の体力低下については、学校現場からも指摘されており、看過できない課題と認識しています。  例年児童・生徒の体力等を把握するため、国及び東京都による調査を実施していますが、昨年度はコロナ禍のため、東京都調査のみ希望する学校で実施しました。  こうした調査結果を本市「体力向上推進委員会」で、参考提示するとともに、感染症対策を講じつつ、工夫を凝らした各校の体力向上の取り組みについて情報共有し、1校1取り組み等、学校や児童・生徒の実態を踏まえた体力向上策を進めることにしています。  次に、2の(1)についてお答えします。  道徳の教科化に伴う変化としては、各学校の道徳教育推進教師を中心に、「考え、議論する道徳」を目指した授業の質的な転換が図られたことが挙げられます。  具体的には、読み物教材の活用にとどまらず、ロールプレイなどを取り入れた体験的な学習や、児童・生徒が道徳的な問題を主体的に解決する問題解決的な学習などを積極的に取り入れ、教員の授業改善が進んできています。  (2)についてお答えします。  道徳科の学習評価は、児童・生徒の学習状況や、道徳性に関わる成長の様子を様々な手法で捉え、個々の児童・生徒一人ひとりの成長を促すとともに、教師自らの指導を評価・改善するものと考えています。  つまり、児童・生徒にとっては、自らの成長を実感し、意欲の向上につなげていく「認め・励ます評価」であり、教師にとっては、目標や計画、指導方法の改善と充実につなげるための「指導に結びつける評価」であると捉えています。  (3)についてお答えします。  道徳授業の課題としては、「考え・議論する」学習活動を効果的に位置づけ、授業の狙いを達成すること、また、各学校の重点とする内容項目とのつながりを意識した授業を展開することの2点が挙げられます。  このような課題を改善するためには、よりよく生きるために必要とされる道徳的価値について、教材研究を十分に行い、狙いに即した学習活動を工夫し、計画する必要があります。  また、各学校の重点とする内容項目を意識するために、学校で作成した道徳教育の全体計画や年間指導計画を適宜見直し、一人ひとりの教員が、学校で目指す道徳教育の実現に向けて、授業実践を進めることが必要であると考えます。 ◯10番(斎藤せいや君) それでは、1問目の体力の保持増進についてから幾つか再質問をさせていただきたいと思います。  まず、(1)(2)からお聞きしたいと思いますが、答弁の中で、健康二次被害が発生することが大きな課題だと認識していることや、実際に歩行機会の減少によるフレイル、健康な状態と要介護状態の中間に位置し、身体的な機能や認知機能の低下が見られる状態の進行が懸念されているということについては、確認できました。  人の体というのは実に素直で、頑張って運動すればそれに応えてくれて、現状維持からやや体が絞られますが、だらけると実にだらしない体になってしまいます。私が学生時代、ばりばりに陸上競技をやっていたときに、恩師や先輩方から言われたのは、1日練習をサボると、そこまで積み上げられてきたところに戻すまでに3日かかる。2日で10日以上、3日サボると1か月の時間が必要になるから、練習を真面目にやるようにということでした。  これは多分少し大げさに言ったのかなと思うのですが、やはり一度中断してしまうと再開するまでに多くの時間を費やすことになってしまうと思います。  改めて、新型コロナウイルスの影響は様々なところに出ているのだなというのが、思い知らされたわけなのですが、昨年、緊急事態宣言発出から度々ニュースになっていたのが、高齢者の運動不足についてでした。  次に、多かったのが子どもの運動機会の減少、働く世代の運動機会の減少については、ほかの世代に比べてあまり多くなかったのかなと記憶しています。  そこで今回は、この働く世代の方々に焦点を当ててみたいなと思います。昨年度は、新型コロナウイルスの影響で、リモートワークする人もふえました。そのことで、運動習慣にも変化があったと思うのですが、そのことを示すような調査は行われたのでしょうか。また、行われていたとしたら、その結果をどのように分析しているのかを伺いたいと思います。 ◯議長(藤原マサノリ君) 小林オリンピック・パラリンピック(兼)スポーツ振興担当部長。     (オリンピック・パラリンピック(兼)     スポーツ振興担当部長小林弘宜君登壇) ◯オリンピック・パラリンピック(兼)スポーツ振興担当部長(小林弘宜君) 働く世代の方の運動の状況について、どのような影響があったかということでございますけれども、市としての調査ということは行っておりませんが、東京都が2年に一度実施しております都民生活に関する世論調査が昨年の9月に実施されているところです。  そちらの中では、新型コロナウイルス感染症によるスポーツ、運動習慣の変化についての調査も行われておりました。全世代では、運動量が変わらなかったという回答が25.3%であったのに対して、減ったとの回答が41.4%あり、やはり全体として運動を控える傾向にあったということが見られます。  それから年代別で見ますと、60歳代では減ったと答えた方が46.6%で、全体よりも5ポイント高く、ふえた、変わらなかったという方も20.4%で、全体よりも5ポイント低くなっているということで、60歳代では、運動を控える傾向がほかの年代よりも顕著だったということが見てとれました。  一方、ふえたと回答した割合が多かったのは、20代、30代の人たちでした。全世代ではふえたと回答した方が9.6%であったのに対して、20歳代が17.9%、30歳代が14.9%と、それぞれ5ポイント以上高くなっているという結果が出ております。  また、運動・スポーツをした理由について、前回の調査と比較したところ、健康維持、体力づくりのためが4.8ポイント、運動不足解消のためが10.9ポイント、美容や肥満解消のためが6ポイント増加する一方、友人、仲間との交流の機会としてが4.8ポイント、家族との触れ合いの機会としてが3.6ポイントそれぞれ減少しているということがありますので、このようなところから新型コロナウイルス感染症による影響が運動習慣にも影響を及ぼしているということが見てとれるかと思います。 ◯10番(斎藤せいや君) 一定の分析を行っているということがわかりました。少なからずこの新型コロナウイルスの影響、運動習慣に変化があったのかなというのがわかったのですが、そこでお聞きしたいのが、市として働く世代の運動状況についてどのような課題があって、どのような対策が必要だと考えているのかを伺いたいと思います。 ◯オリンピック・パラリンピック(兼)スポーツ振興担当部長(小林弘宜君) 多摩市スポーツ推進計画を策定するに当たり、平成30年度に実施した多摩市民のスポーツ活動に関する意識調査というものがございます。  その調査の中でスポーツをしなかった理由について18歳以上の市民の方にお尋ねしたところ、3割以上の方が、仕事や家事が忙しく時間がないから、機会がなかったからと回答されていらっしゃいます。スポーツ推進計画では、働く世代が手軽にできるスポーツの普及啓発を重点施策の1つに定め、通勤途中や家事などの合間を利用して気軽にできるプログラムを紹介する取り組みや、市内事業所に社員の健康維持増進に向けた活動の実施を呼びかけるなどの取り組みを進めると掲げているところでございます。  また、昨年つくりましたこの「for40」という小冊子の中では、コロナの対応もありますので、その中に「運動のこと」というページの中では、「テレワークは運動不足になる?」という項目をつくって、運動に心がけていただきつつ、食生活にも気を遣ってもらいたいという情報を提供しているところでございます。 ◯10番(斎藤せいや君) 今、テレワークという言葉も出ました。先ほど私もリモートワークという言葉を出しましたが、自宅から職場までの通勤や、営業職の方であれば取引先までの移動、終業後の帰宅等、公共交通機関を使用されている方は、1日の歩行数も意外と多くて、それが適度な運動になっていたと感じる方も多くいたのではないかなと思います。  また休日には、屋外体育施設を利用して、運動習慣を維持していた方もおられるのではないかなと思います。まず、先日いいじま議員の質問でも一ノ宮公園の球技場についての質問もありましたが、屋外体育施設について聞きたいと思います。  現在も3回目の緊急事態宣言中なのですが、昨年度のときと違って、最初の答弁でもありましたが、市内の屋外体育施設は利用を継続しています。今回この対応について所管として、体力保持増進の観点から見てどのように評価しているのかを伺いたいと思います。 ◯オリンピック・パラリンピック(兼)スポーツ振興担当部長(小林弘宜君) 現在も3回目の緊急事態宣言が発出されているところでございますけれども、昨年は初めて新型コロナウイルスに対処するということで、その実態もよくわからなかったというところもあります。  まずは、感染機会を少なくするということを目的として対応し、体育施設、これは屋内屋外ともに休館したというところがございました。  実際、昨年期間中、公園などを見て回ったときも、屋外体育施設に限らずでしたけれども、多くの方たちが公園に出ていらっしゃって、ご家族などでスポーツなどを楽しんでいらっしゃるという光景も見られたところでした。  今回は、屋外での運動については、健康維持の面からも制限されていなかったということもございます。このことから、通常とは少し異なって、市外団体の利用や対外試合などの実施については自粛を求めつつも、利用を継続したところでございます。  屋内施設は休館したものの、屋外での運動を継続することができたことで、スポーツや運動ができる環境の提供を維持することができたのではないかと考えております。 ◯10番(斎藤せいや君) 屋外体育施設、開いていることでの賛否も多々あったのかなと思いますが、この体力保持増進の観点から考えると、今回の措置は間違いではなかったのかなと思いますので、今回このようなご対応していただき、ありがとうございました。  今後も逆風に負けず取り組んでいただきたいと思うのですが、この運動機会の確保という観点からもう一つお聞きしたいのですが、昨年9月に健幸まちづくり政策監から、オクトーバー・ラン&ウォークのイベントのご案内があり、私もアプリをダウンロードして参加させていただいたのですが、これは毎日の歩行数によってランキングが出て、今日は何位だったからあしたはもっと頑張ろうとか、そういう目標を立てやすくて、また、そのほかの人と競う形になりますので、ゲーム性もあって、継続しやすいのかなと思いました。  このときは多摩市としてもスポーツタウンとして、イベントに参加して市として盛り上げようとしていましたが、今後、このようなイベントに自治体として参加する予定などがあるのかを伺いたいと思います。 ◯オリンピック・パラリンピック(兼)スポーツ振興担当部長(小林弘宜君) 先ほどご紹介いただきましたオクトオーバー・ラン&ウォークですけれども、こちらにつきましては、急な実施ということでございましたが、約60名の方にご参加いただいたところでございます。  アプリでは、東京都内、全国でのランキング、また、さらに多摩市内でのランキングも出るということで、運動の目標にもなることから、その後の運動を継続されるのにご利用されている方もいらっしゃるかと思います。  昨年は試しの利用ということで、無料で利用させていただくことができましたけれども、実際には費用が発生するということもございまして、今年度は実施する予定は今のところございません。  なお、スマートフォンのアプリなどについては、一度ダウンロードしていただきますと、活用していただくということもできますので、それらなども紹介していければと考えております。 ◯10番(斎藤せいや君) この費用のかかることなので、今年度は実施しないということだったので残念ではあるのですが、若い世代というのはゲーム性があることで、興味を持ってのめり込みやすいと思いますので、誰もが楽しく運動する習慣が確保できるような取り組みをぜひ考えていただき行っていただきたいと思います。  では今回、働く世代を中心に、今お聞きしているのですが、通告でも子どもたちのことについても触れて答弁をいただいていますので、1つ、子どもたちのことについて聞きたいと思います。  先ほどの答弁の中で、学校現場からも体力の低下の指摘があったということ、あと、体力調査の実施状況についてもご答弁いただきました。  高齢者や働く世代の方々とは違って、子どもたちは学校生活の中で、一定程度の運動機会というのは確保されていると思います。しかし、新型コロナウイルスの影響で、学校生活にも様々な変化がありました。学校生活の中で、体力の保持増進の要となるのは、保健体育の授業だと思います。  この保健体育の授業においても、緊急事態宣言後は内容の見直しというものが余儀なくされてしまって、先生方は大変なご苦労があったのかなと思います。  これまでも体育の授業の中で、補強運動など、メインの授業内容以外の運動は行ってきたと思うのですが、コロナ禍において、この体力低下を意識して補強運動の強化を行っているような実践例などあるのでしょうか。 ◯議長(藤原マサノリ君) 山本教育部参事。       (教育部参事山本勝敏君登壇) ◯教育部参事(山本勝敏君) コロナ禍における、体力の向上の取り組みということですけれども、まず、このコロナ禍において一番気をつけなければならないのは、感染症対策として3つの密を避けていくということです。  どうしても学校の授業の中で3つの密を避けるとなったときに、運動としては、まず空間としての校庭やそういう場所は確保することができます。また、体育の授業等で時間も確保することができます。そして、仲間も確保することができます。  3つの空間、時間、仲間といったものを確保しながら、学校の中で体力向上を図っていくわけですけれども、その中でも、仲間と一緒に体を動かすという機会には、やはり密接というものを避けていかなければなりません。そして、空間も開かれた場であるということが必要となってきます。  こういった感染症対策を意識をしながら、現在各学校で取り組んでおります体力低下を意識した取り組みといたしましては、例えば個人でできる縄跳びといったものを導入をしたり、従来より本市の中で課題となっておりました投げる力を育んでいくために、休み時間に的当てを行ったり、また、ゲーム的な要素を入れた鬼ごっこを、体育の授業の導入のところで行ったりしています。  なお、鬼ごっこについてはやはり接触があります。そういったところで各学校で工夫をしながら例えば手袋をして、体育の時間に鬼ごっこを最初にしてみるだとか、また、先ほど質問者からもございましたように、いわゆる筋力トレーニング、筋トレと言われるものですけれども、腕立て伏せや腹筋等を入れたり、そして、準備運動としてラジオ体操をしっかり行ったりということで、このコロナ禍における子どもたちの運動を確保しつつ、体力の向上を目指しているところでございます。 ◯10番(斎藤せいや君) 学校現場でも様々な対策を行って、この運動機会の確保に努めていただいているということがよくわかりました。勉強する、仕事をする、健康に日々の暮らしを行う、何をするにもまずは体力が必要だと思います。スポーツ選手は、それが仕事なので意識的に体を動かしますが、それ以外の人はそうではないのかなと思います。意識して運動する習慣をつくるというのは、あくまでも自分自身だと思います。  ただ、この何かきっかけがないと、一歩を踏み出すのに二の足を踏んでしまうということも多いと思いますので、多摩市は健幸都市を掲げていますので、ぜひこの市民の方の運動機会の確保、また、体力の保持増進を念頭に入れて、しっかりと取り組んでいただければなと思い、この質問は終わりにしたいと思います。  次に、2問目の道徳授業について、幾つかお聞きしたいなと思いますが、まず、通告でも触れましたが、今の子どもたちは小さい頃から、インターネットに触れる環境の中で育ってきていますので、特に遊び方についても大きく変わったのかなと思います。  でも、私が子どもの頃は既にテレビゲームが普及してきておりましたので、大体放課後、誰かの家に集まってゲームして遊ぶとか、家に集まれなければもう外に出て、サッカーや鬼ごっこをして遊ぶというのが大きく2パターンあったのかなと思います。  しかし、今の子どもたちというのは、先ほどもインターネットが普及してきたという話もしましたが、自宅でオンラインゲームをして遊ぶとか、外で集まってゲームをして遊ぶとか、あとは外でゲーム以外の遊びを行う子どもたちもいますが、いつでもどこでもゲームで遊ぶという環境になってきているのかなと思います。遊び方の多様化はあってよいのかなと思いますが、そこで、問題になってくるのは情報モラルを持つことが、大切なのかなと思います。  オンラインでのコミュニケーションというのは、顔が見えない相手とのやり取りを行うため、人と接するときにはおとなしいのに、オンラインだと気持ちが大きくなって、発言も過激になってしまうということもあると思います。  この顔が見えないというのは、相手が知り合いであっても厄介なことで、このSNS等を使ったいじめというのが昨今の問題になっていると思います。  実際ピアティーチャーとして現場で働いていたときに、生徒からこういう相談を受けたことがありまして、そのときの内容を少しかいつまんで話しますと、SNS、実際にお互いメッセージのやり取りの中での誹謗中傷ではなくて、いわゆるプロフィールコメント、一言コメントみたいなところを利用して、表面的には証拠が残らない形で、友達同士で誹謗中傷している。そういうのを見かけてしまったという相談を受けたことがあります。現在、学校では情報モラルに関するセーフティー教室なども定期的に行っているのかなと思いますし、このSNS等のオンライン環境の正しい使い方の指導は行っているのだと思います。  しかし、この正しい使い方を知っているだけでは、根本的な解決にはならないと思います。そこで重要になってくるのが道徳教育だと思います。ここでお聞きしますが、教育委員会として、道徳教育の要となる道徳授業の必要性についてどのように考えているのかを伺いたいと思います。 ◯教育部参事(山本勝敏君) 学校で取り組んでおります道徳教育の一番要となりますのが、道徳の授業の時間になります。  今ご質問者からもありましたように、現在子どもたちが過ごすこの社会というのは非常に変化をしてきておりまして、その中の1つにSNS上でのいじめ問題もございます。  今回、道徳が教科化されるに当たって、一番大きな要因としてありましたのは、このいじめ問題への対応ということがあります。そういったことを踏まえますと、いじめ問題だけではないのですけれども、道徳の授業を通じて、子どもたちにいじめは絶対してはならないという心情や態度、また、実践力というものを育てていくことが非常に重要だと考えております。  ですので、道路教育というものを全教育活動を通して取り組んでおりますが、特にその要となる道徳の授業というものが重要であると捉えております。 ◯10番(斎藤せいや君) そもそも道徳教育、特に現在行っている「特別の教科 道徳」というのは、文部科学省のほうで「よりよく生きるための基盤となる道徳性を養うため、道徳的諸価値についての理解を基に、自己を見つめ、物事を多面的・多角的に考え、自己の生き方について考えを深める学習を通して、道徳的な判断力、信条、実践意欲と態度を育てること」を目標に掲げています。
     この目標を達成するために、主として、自分自身に関わること、主として、人との関わりに関すること、主として、集団や社会との関わりに関すること、主として、生命や自然、崇高なものとの関わりに関することの4つの視点で指導していくことが学習指導要領には示されていますが、このそれぞれの視点の詳しい内容までには触れませんが、この「生きる力、学びの、その先へ」、今回の学習指導要領のテーマと思うのですけれども、これを育むために必要な3本柱の1つとして、学びに向かう力、人間性などを育むのに道徳教育は期待されているのかなと認識していますので、その点を忘れることなく、取り組んでいただきたいなと思います。  この(2)の道徳評価については、ほかの教科とは違って数値で出せるものではありません。他人の考えをしっかり受け止めるなど子どもが成長した様子を担任が見定め、励まし、伸ばすことを行い、ほかの子どもと比較することはせず、子どもの個性や成長に着目したポジティブな評価をすることで、それを読んで、子どもが自信を持てるようなものにしていただければよいのかなと思います。  この件に関しては教育委員会のお考えも知れましたので、今回は、私の思いを告げて終わりにしたいと思います。  次に、実際に学校で行っていることについて、お聞きしたいと思うのですが、東京都では平成10年度から、学校、家庭及び地域社会が一体となって、子どもたちの豊かな心を育むとともに、小・中学校などにおける道徳教育の充実を図ることを目的として、道徳授業地区公開講座を毎年行っていると思います。  この道徳授業地区公開講座というのは、前半は授業参観形式で家族の方や地域の方々に授業を公開して、後半は教員、保護者、地域の方による協議会形式の意見交換などが行われていて、そこで道徳教育の推進を図っているものだと思います。しかし、このコロナ禍でいわゆる先ほどもご答弁の中でありましたが、3密を避けるということが求められている中で、今までの開催というのはちょっと難しいのかなと思いますが、昨年度の実施状況と、今年度以降の実施についてどのように考えているかを伺いたいと思います。 ◯教育部参事(山本勝敏君) 道徳授業地区公開講座ですけれども、昨年度は方法を工夫しながら、全校で実施をしております。  ただ、今、ご質問者からもありましたように、コロナ禍においてやはり密を避ける、感染症対策を徹底をするということで、多くの学校では、保護者や地域の方の来校は控えていただいて授業公開、また、第2部でこの公開講座を実施するわけですけれども、その第2部については紙面で行ったり、また、オンラインを活用して行ったりしたところです。  今年度は、各学校1人1台のタブレット端末を入れました。その中にグーグルのそれぞれアプリケーションを入れているところですが、こちらを使ってオンラインでの授業参加ができるようにしたり、また、道徳授業地区公開講座が行われるようにしたりと、ICTを活用した実施についても、今後計画をして取り組んでいくところでございます。 ◯10番(斎藤せいや君) これまで市内の小・中学校で行ってきた道徳授業地区公開講座なのですが、単なる公開授業となることなく、また、単なる道徳の時間の1こまとなることのないようにしていただいて、この1日を通して、家族で道徳について考えられるようなものにしていただければなと思います。  次に、教員の視点から少しお聞きしたいのですが、教育活動として道徳を指導して、子どもたちがよりよい道徳観を育んでいくためには、日々の研究や研修、研さんが必要となると思いますが、現在の教育制度の中では道徳を専門とする教員というのはいないと思います。  小学校ではほかの教科と同様、学級担任が行いますし、中学校においても、教科担当ではなく学級担任が主として授業を行っていると思いますが、この授業を行うとどうしても先生によって学びの差が生じてしまうのかなと思うのですが、道徳授業に関する教員の研修などを行っているのかお聞きしたいと思います。 ◯教育部参事(山本勝敏君) 道徳に関する研修会ですけれども、教育委員会が主催をいたしまして、年2回、各学校の道徳教育の中心となります道徳教育推進教師を対象として研修会を行っております。  なお、研修会の内容につきましては、例えば東京都から指定を受けております道徳教育のモデル校、研究発表等をされていると聞いておりますので、そのモデル校の校長先生から講師になっていただいてお話を聞いたりだとか、あと市内にも指導教諭、この指導教諭というのは高い専門性、優れた教科指導力を持つ教員ですけれども、道徳に関して指導教諭がおります。この指導教諭による模範授業や公開授業、また、講師となっていただいて、それぞれ講義を行っていただくという研修を取り組んでいるところでございます。 ◯10番(斎藤せいや君) 年に2回、各学校の道徳教育の担当の方が集まって、研究や研修を受けていて、各学校に持ち帰って知識の共有がされているということがわかりました。  こういうことが行われているのであれば、若干の差はあると思いますけれども、共通認識として、一定のレベルでの指導が行われるのかなと思いますので、その点については安心しました。  今ご答弁でもありましたが、多摩市には道徳教育に対して非常に深い知識を持って、東京都の道徳教育の中心でも活躍されている先生もおられるということなので、多摩市では、質の高い道徳教育が行われているのかなと思います。  先ほどの答弁の中で、「考え・議論する」学習活動を効果的に位置づけることなどが課題であると挙げていますが、特にコロナ禍では議論する部分というのは、どのように展開していくのかということが道徳の授業だけではなくて、全ての教科にわたって課題になると思うのですが、このことについて考えをお伺いしたいと思います。 ◯教育部参事(山本勝敏君) コロナ禍において学校が教育活動で一番悩んでいるところは、この議論をするということ、つまり対話的な学びをどのように展開をしていくかということについて、非常に苦慮しておりますし、また、工夫もしているところでございます。  今お話にありましたように、「考え、議論する道徳」を進めていく上で、考えることは一人ひとりが自分を見詰め直すということを道徳では行っております。  その中で議論するという活動については、対面で話すということだけではなくて、例えばICTを活用して、タブレット上に子どもたちの意見をそれぞれ映し出して、それをもって意見交流をしていったり、あとワークシートに書いたものを回しながら互いに見て、意見を交流していく。このような取り組みをしながら、自分の考えだけではなくて他者の考えや価値観に触れながら、自分自身の考えを道徳の授業においても深めているところでございます。 ◯10番(斎藤せいや君) 今回、この多摩市の道徳教育について質問させていただいたのは、この新しい生活様式の中で、学校生活で子どもの心の変化を感じる場面があったので今回取り上げさせていただきました。  昨年、全国公立学校が一斉休校して、そこから学校行事の中止や延期、部活動に関する制限など子どもにかかるストレスは非常に多かったのかなと。その中で、心の成長を見る道徳教育、道徳の授業は今まで以上に重要なものになってくるのかなと思います。  このストレスをためると、それを発散するために、様々なことを行うと思うのですが、間違った方向に行ってしまうと、その発散がいじめにつながるのかなと思います。このいじめをなくすためには子ども一人ひとり、道徳観を養うことが非常に大きくなるのかなと思います。  最後に、このことについて教育長のお考えをお聞きして終わりにしたいと思います。 ◯議長(藤原マサノリ君) 清水教育長。        (教育長清水哲也君登壇) ◯教育長(清水哲也君) 私も30年ぐらい前、30代後半ぐらい、道徳の授業を一生懸命研究していた時期がありますが、ただ、この頃もいじめに関わる内容を多く取り上げていたなというのを、今、ご質問を聞きながら思い出していました。  しかし、その当時、どんな授業をしていたかというと、多分、山本教育部参事に叱られてしまうような授業。例えば読み物教材で登場してくる人物の心理の理解ができていたかどうかというのを聞いたりとか、わかり切っていることを子どもたちに言わせたり書かせたりしていたというのがあったなと改めて反省をしているところですが、その現実のいじめの問題に対応できていなかったのではないかなというのは改めて思います。  そういう中で言えば、まさに君ならどうする、あなたならどうしますかという正面から問う、そういういじめを自分事として考え、議論していく道徳というのが今求められている。これはコロナ禍であろうが、コロナ禍でなかろうが、こういったところというのは大事にして、これから考えて、議論をしていくという、ここを教員もきちんと研修をしながら、追求していく必要があるなということを改めて感じているところです。 ◯議長(藤原マサノリ君) 斎藤せいや議員の一般質問は終わりました。    ──────────────────── ◯議長(藤原マサノリ君) 次に、渡辺しんじ議員の発言を許します。  16番渡辺しんじ議員。      (16番渡辺しんじ君質問席着席) ◯16番(渡辺しんじ君) 16番渡辺しんじです。通告に基づいて、2問質問をさせていただきます。  1 疲れ果てる子ども ヤングケアラー支援へ  厚生労働・文部科学両省は病気などの家族の介護や世話を担う18歳未満の子ども「ヤングケアラー」に関する初の実態調査結果をまとめました。公立中学校と全日制高校の2年生や通信制高校の生徒を対象に調査した結果、中学2年生の約17人に1人(5.7%)、高校2年生では24人に1人(4.1%)が世話をする家族が「いる」と回答しました。これは1学級に1人から2人のヤングケアラーがいるということになります。  世話の内容は、祖父母の身体介護、きょうだいの保育所への送迎、料理や掃除、洗濯などの家事全般を1人で担うといった、手伝いと呼べる範囲を超えたものが大半です。また、世話をする頻度では、「ほぼ毎日」が中2の45.1%、高2で47.6%に上り、中2、高2ともに平日1日平均で約4時間を世話に費やしていて、「7時間以上」という負担が過度に重い生徒も1割程度いました。  家族の世話に長時間費やすことで宿題をする時間がない、学校を遅刻、欠席しがちになり、疲労を抱え、学業に大きく影響が出てしまいます。これでは、勉強はもちろんクラブ活動や友人と遊ぶことも難しい状況で、進学や就職を考える際もケアのことを念頭に置いて考えざるを得ません。また、親が働けないなどの理由で、経済的に困窮する家庭が多いことも事実です。  調査結果にある「今の状態はしんどい」との生徒の声が悲痛です。心身の影響も心配されます。  さらに深刻なのは、4割近くが自らをヤングケアラーだと自覚できていないことです。ひとり親世帯のため本人が世話を当たり前だと思っていたり、過度な負担を強いていることに親が気づいていないといった要因が指摘されています。また、介護する家族の状況によっては命に直結することもあり、”断れない””やらないわけにはいかない”といった心情もあり、学校をはじめ誰にも相談できずに抱え込んでしまっているケースが大半です。  ヤングケアラーの問題がこれまで表面化しなかったのも、一つにはこうした背景があると考えられます。  「ヤングケアラー」という言葉はイギリスが発祥で、18歳未満が「ヤングケアラー」、18歳から24歳ぐらいまでが「ヤングアダルトケアラー」と分類されています。イギリスでは自閉症、アルコール中毒などの問題を抱えている労働者階級が多く、かねてから彼らが子どもたちに与える悪影響が問題視されていました。  このような背景から、イギリスでは1980年代後半より国を挙げてヤングケアラーの支援に取り組んできました。介護するに当たり子どもの教育を受ける権利が奪われてしまうという危機感から率先して、実態調査と対応策が取られてきました。  1995年には、家族介護者に対する支援策である「ケアラー法」が制定されました。その後、2014年の法改正時にはヤングケアラーに対する支援策も盛り込まれ、教育や就労支援、財政面での援助などが強化されました。  現在、イギリスの学校では、放課後にヤングケアラーの生徒たちが集まり、情報交換など交流を図るプログラムが実践されています。その場には、NPOなどの支援団体、学校の担当教員、地域ボランティアといった大人たちも参画し、ヤングケアラーたちをサポートしています。同じような境遇の仲間を見つけることで勇気づけられ、自分自身がヤングケアラーであることに誇りを持てるような土壌づくりがなされています。  一方、支援対策が遅れている日本も徐々に認知度が向上し、実態が浮き彫りになってきたことから、各自治体で対策に乗り出しています。  埼玉県では昨年、ケアラー支援条例が施行され、鳥取県でも今年4月、児童相談所にヤングケアラー相談窓口が、神戸市でも4月に担当部署、6月からは相談窓口を設置する予定で、全国的に支援の動きが広がりつつあります。  日本では、介護者の精神的な負担を減らす目的などから「日本ケアラー連盟」が2010年に創設されました。同連盟がヤングケアラー問題について実施した調査によると、学校の教員が生徒の介護負担に気づいた原因で圧倒的に多かった理由は「本人からの話」でした。  一方で、「学校を休みがちになる」「家庭訪問で判明した」などの理由はさほど多くありませんでした。貧困問題では、自治体のケースワーカーの自宅訪問により初めてその事実が判明することが多いのですが、ヤングケアラー問題では、周囲の大人が能動的に察知して発覚するケースは比較的少ないのです。介護者である子どもが周囲に悩みを打ち明けることがいかに重要であるかを示している結果とも言えます。  事実を知ることによって、教員や友達などはヤングケアラーを微力ながらサポートすることができます。家庭内の介護はプライバシーに関わる問題ゆえ、なかなか人に話すことをためらう人も多いとは思いますが、子どもの将来を左右する問題だけに、信頼の置ける人にきちんと現実を話す勇気も必要です。何でも気軽に相談できる環境づくりも求められていると思います。  青春は一度きりです。この現状を踏まえ、多摩市の積極的な対策を求め、以下、質問します。  (1)数年前の一般質問で、岩崎議員がヤングケアラーについて取り上げたことがありました。実態の把握を求めていましたが、検証するという答弁にとどまりました。検討した結果、何か取り組んだことはありますか。  (2)前段で申し上げたとおり、経済的な困窮や家族の世話に時間を費やすことで、友人関係が希薄になることから、いじめの要因につながるケースがあります。家では家族の世話に追われ、学校ではつらい思いをし、どこにも安心できる居場所がない。やはり担当の教員やスクールソーシャルワーカーなどがアンテナをしっかり張り、学校現場での気づきが必要だと思います。市の見解を伺います。  (3)一口に相談窓口と言っても、10代の子どもがいきなり行政の窓口に飛び込むことは、心理的にハードルが高いと思います。これからはSNSなど、オンラインの相談体制が肝要です。市の見解を伺います。  2 子どもの医療費助成、拡充へ  平成31年4月、多摩市は義務教育就学児(小・中学生)の医療費助成制度において、保護者の所得制限を超える方は、健康保険が適用される医療費の3割の自己負担となっていたものを、所得制限を撤廃し、通院1回につき上限200円の自己負担のみと助成が拡充されました。  そこでもうひと踏ん張り! 高校3年生までの拡充を求めます。  以上、ご答弁をいただいた後に再質問させていただきます。 ◯議長(藤原マサノリ君) 阿部市長。        (市長阿部裕行君登壇) ◯市長(阿部裕行君) それでは、渡辺議員のご質問にお答え申し上げます。  1の(1)についてお答えします。  本市では、これまでヤングケアラーの把握を目的とした調査は行っていませんが、令和元年度に在宅で生活する65歳以上の要支援・要介護認定者を対象に実施した「在宅介護実態調査」では、主な介護者の年齢が20歳未満である割合が0.6%という状況の把握をしているところです。  今回の国の調査で調査対象となった子ども家庭支援センターでは、把握している16件の該当者を報告しており、把握したヤングケアラーは支援につなげていますが、国の調査結果からはさらに潜在的なヤングケアラーが存在しているものと認識を新たにしたところです。  ヤングケアラーは家庭内の状況を他人に知られたくない気持ちや、本人自身に自覚がないなどの理由から、表面化、顕在化しにくい構造となっており、実態を把握することが非常に難しい側面が指摘されています。  こうしたことから、市職員を含む周囲の大人や当事者である子ども本人へのヤングケアラーに対する認知度を向上させる取り組みをはじめ、その子どもを見つけ出す力を向上させることが重要と考えます。  このようにヤングケアラーについての普及、啓発、気づきの目を広げ、いかに早く困難を抱えている子どもを見つけ出し、支援の手を差し伸べることができるかが重要であり、各部署が連携を深め、取り組みをさらに進めていく考えです。  (2)は教育長がお答えします。  (3)についてお答えします。  昨年度に実施された国の「ヤングケアラーの実態に関する調査報告書」では、世話をしている家族が「いる」と回答した中高生のうち、約6割が「家族の世話について相談したことがない」と回答しています。そのため、子ども自らが気軽に相談できる環境づくりが必要であると認識しています。  現在、市では、教育センターにおいて匿名による電話相談や子ども家庭支援センターにおいて、子どもたちからの直接の相談を受けていますが、相談は少ない状況です。  今後は、ヤングケアラーに限らず、支援を必要とする子どもが気軽に相談できる窓口となるよう、既存の市の相談窓口や東京都によるSNSを利用した相談窓口などのツールも活用しつつ、市民活動団体等の民間の相談との連携も含めて、どのようなものが必要とされているのか、様々な面から検討していきたいと考えています。  また、子どもたちや子どもに関わる関係機関がヤングケアラーと思われる子どもからのサインを見逃さないように、福祉と教育部門等が連携し、広く「ヤングケアラー」という概念から普及啓発を図り、かつ市の職員もヤングケアラーの問題について意識を強く持ち、早期発見・早期支援につなげていきたいと考えています。  次に2についてお答えします。  本市は平成31年4月より、義務教育就学児医療費助成制度において、保護者の所得制限を撤廃して助成対象を拡充しました。これにより、令和元年度は新たに2,041人が助成対象となり、約4,000万円の一般財源を充てています。  高校3年生までの年で拡充については、扶助費が大きく増加することや、東京都制度の対象年齢から外れるため、東京都と東京都医師会等との間で交わされている医療証の使用ができなくなります。  そのため、仮に18歳まで対象を拡大した場合、改めて市内の医療機関・調剤薬局・歯科医院等と個々の協定を取り交わす等の調整が必要であるとともに、市及び医療機関双方に医療費請求等に関わるシステム改修が必要となる可能性等、幾つかの課題もあります。  年齢を拡充することについては、引き続き東京都や近隣市の動向を見ながら、慎重に検討する必要があると考えています。 ◯議長(藤原マサノリ君) 清水教育長。        (教育長清水哲也君登壇) ◯教育長(清水哲也君) 1の(2)についてお答えします。  学校は日頃から、教員による細やかな観察やスクールカウンセラーによる面談、学校生活に関するアンケート調査等により、不安や悩みを抱える児童・生徒の把握に努めています。  今後は国の調査結果も踏まえ、市内の小・中学生の中にもヤングケアラーがいるとの認識のもとに、家族のケアに負担を感じている児童・生徒の早期発見に取り組む必要があると考えています。  身近な大人である教員が児童・生徒の抱えるつらさに寄り添い、関係機関と連携した適切な支援につなげられるよう、ヤングケアラーの問題について、教員への啓発を図ってまいります。 ◯16番(渡辺しんじ君) ご答弁ありがとうございましたと言いたいところなのですけれども、先週の水曜日に同じ答弁をいただいた覚えがございます。質問内容がほぼ一緒なので無理もないわけなのですけれども、ご存じのように、岩崎議員と質問がかぶってしまったわけなのですが、少し気になったのが、岩崎議員さん、少し元気がなかったかなと思います。  ただ、これで岩崎議員さんの気持ちがわかるのです。このヤングケアラーを取り上げていくと、いろいろ調べていろいろなヤングケアラーの事例を見ていくと、気がめいるというか、落ちるというか、そんなことも私もありました。  特に動画配信サービス、ユーチューブ、動画で検索するとそういうものが見れるのですけれども、見ていると関連動画がいつの間にか変わっていて、例えば介護だったら老老介護だったりダブルケアだったり、子どもの場合だといじめ、虐待、ネグレクト、不登校とどんどん何か違う動画に変わっていって、ついつい私も見てしまって、果たしてこのヤングケアラーだけ取り上げてもどうなのかなと、これだけではだめなのではないかなと思ったりして、一般質問をやめてしまおうかなぐらい思ったのですけれども、ただ、関連動画が流れるということは、それだけもうこのヤングケアラーに全部関係してくるのだなと気持ちを切り替えて、今日この場に臨んでいるわけなのですけれども、そういうことで岩崎議員さんの気持ちはよくわかります。  先日の岩崎議員の話の中に、一地方議員が声を発してもだめかもしれないという発言がありましたけれども、私はそんなことはないと思います。4年前の岩崎議員さんの小さな声が、訴えがうねりとなって国も動いたかもしれません。ぜひ誇り、自信を持っていただきたいと思います。  それから、ネット・社民の会の皆さん、どうか岩崎議員さんケアをよろしくお願いします。  それから、岩崎議員の通告書にもあったのですけれども、この厚生労働省の山本副大臣は、公明党の副大臣でございまして、今回のこのプロジェクトチームの共同議長も務めました。それから、このPTの立ち上げをいの一番で提案推進したのは、公明党の伊藤孝江参議院議員でございます。ですので、後はこの渡辺しんじにお任せいただければと思います。  さて、まず初めに、皆さんにお聞きしたいことがございます。ご自身の10代の頃を少し思い出していただきたい、思い返してもらいたいのです、この議場にいる市長部局の皆さんと議員の皆さん、それから、理事者控室にいる方も、全部皆さん少し思い出してください。  そこで所管の部長さんと教育部参事に、ご自身の10代の楽しかったこと、それからつらかったこと、そういうのをぜひ話していただきたいと思います。順次指名します。  初めに、本多子ども青少年部長。 ◯議長(藤原マサノリ君) 本多子ども青少年部長。     (子ども青少年部長本多剛史君登壇) ◯子ども青少年部長(本多剛史君) 私の10代のときというお話ですけれども、今振り返りますとずっと部活動に明け暮れていたかなということで、私はずっと野球をやっておりました。  小学校の2年生から高校生までやっていたのですけれども、今思うともうユニフォームがもう泥だらけになっていまして、それを家に持って帰って洗うのが私の母でして、いつも嫌な顔して洗っておりましたので、今思うとすごく申しわけなくて、何で自分がやらなかったのかなと反省しているところでございます。  楽しかったことというのは、好きなことをずっとやっていましたので、非常に練習なんかもつらかったのですけれども、何とか楽しいことをやっているということと、あとはいろいろ目標があったので、それに向かっていくということで、モチベーションをすごく維持できたかなと思っております。 ◯16番(渡辺しんじ君) 次に、山本教育部参事
    ◯議長(藤原マサノリ君) 山本教育部参事。       (教育部参事山本勝敏君登壇) ◯教育部参事(山本勝敏君) 10代の頃ということで、楽しかったことは、本当に私自身は体を動かすことが大好きで、先ほどの本多子ども青少年部長ではありませんけれども、非常に部活動、中学校のときも熱心にやっておりました。小学校からもスポーツを熱心にやっていました。  そういうことで、高校受験前に、担任の先生からおい、山本、おまえ、このままでは行ける高校がないぞと言われて、中学校3年生の1学期に中学校1年生の勉強、中学校3年生の2学期に中学校2年生の勉強、そして、3学期に中学校3年生の勉強ということで、担任の先生が熱心に放課後付き合っていただいて、勉強して、自分でスポーツの学校に進学できたこと、そしてそこでスポーツに励むことができたこと、これは本当に私の中では楽しかったですし、勉強するのが本当に嫌いだったのですけれども、そこでわかるって楽しいのだなというのが非常に感じました。  つらかったことは様々あるのですけれども、その中でも我が家は決して経済的に裕福ではありませんでした。中学校また高校のときに、担任の先生から、山本、給食費が払われてないぞということを言われました。それを自分の親に言うのが非常につらくて、何て言ったらよいのかなと思いながら、その当時、手紙ではなくて口頭で子どもに伝えて保護者に伝えるということになっていました。保護者というか自分の親に伝えたときに、それまで、父親のほうが怖い父親だとずっと思っていたのですけれども、父親が一言、今でも覚えていますけれども、居間に座って、そこですまんのうと、目にちょっと涙を浮かべていたのかと思いながら、そのときに一言謝られたことが一番私の中ではつらい思い出としてあります。  その後、結局私自身は、家計の少しでも足しになればと思って、高校生のときにも1年生から3年生までスポーツは大好きだったのですけれども、毎日アルバイトに励み、ただ、その後やはりつらいなと思ったのは、大学に行きたいなと思ったのですけれども、なかなか大学に行くお金がないと。自分でお金を何とか学費を工面しながら行ける大学と考えたときに、夜間の大学しかありませんでした。なので、私は夜間の大学に行ったのですけれども、選択肢がないというのが自分の夢に向かったり、自分の希望がなかなか実現できないのだなということを感じたときが、自分の無力感とともに非常につらかったなと記憶しております。 ◯16番(渡辺しんじ君) 続いて鈴木教育部長、お願いします。 ◯議長(藤原マサノリ君) 鈴木教育部長。       (教育部長鈴木恭智君登壇) ◯教育部長(鈴木恭智君) それでは、手短にと思います。  私は楽しかった思い出といえば、私、生まれ育ちが北多摩の東大和だったものですから、なかなか裕福な家庭ではありませんでしたので、小学校のときは学校が終わると、ランドセル放り投げて、いつも多摩湖まで自転車で近所の友達と遊びに行って、日が暮れるまで魚をとったり、ドングリを拾ったり遊んでた記憶が楽しかった思い出かと思います。  つらかった思い出というのも瞬間的には多分いろいろあるのだとは思うのですけれども、記憶としてあるのは、両親が共働きでしたので、土曜日、昔は学校が午前中ありました。家に帰ってきたときに、お昼が用意はされていないのです。小学校1、2年生ぐらいのときは多分あったのだと思うのですけれども、3年生ぐらいからは、インスタントラーメンが置いてあったりだとか、材料がぽんと置いてあって、特に指示、メモがなく、自分で料理をして食べなさいと。兄が5つ離れて上にいるのですけれども、兄の分もなぜかおまえが作れというメッセージがありまして、今思うと、非常に家事力がついたと感謝をしていますけれども、その頃は、母親が作ったものを食べたいなとは思いました。 ◯16番(渡辺しんじ君) すいません、いろいろありがとうございました。市長と教育長には、この質問の最後に聞きますので、よく思い返しておいてください。それぞれ青春時代というのがあったと思います。  私もつらいこともたくさんありましたけれども、楽しかった思い出の上につらいことがあったのかなと、今思い返してみるとそう思います。私の思い出の詳細については、あまり話せることでもないので、割愛をさせていただきます。  私が言いたいのは、本当に過度の家族の世話をしている子どもはそういう楽しい思い出が1つもないのかなと。ないままこの青春期を過ごしていくのかなというのが、非常に心が痛むところでございます。友達と遊んだり、先ほど言った部活だったり、それから恋愛もあるでしょう、それと修学旅行に行けない、このヤングケアラーで行けないということもありますので、そういう思い出もつくれない、そういった誰にでもある一生に残るであろう、この思い出が思春期や青春期でつくれないということが非常に心苦しいというか、心が痛みます。そして進学や進路も選べないという状況もあります。  自分の将来、今、教育部参事が言っていましたけれども、自分の将来になかなか希望が持てない、そういう子どもがヤングケアラーということだと思うのです。まずはそこのところを、皆さんに強く感じてもらいたいなと思っております。  今回の調査を受けて、政府は5月17日に、支援策を盛り込んだ報告書を取りまとめました。支援策の中の2つを取り上げて質問をいたします。  1つ目は、自治体による現状把握の推進ということがございます。先日の一般質問では、調査などを行うかどうかというはっきりした答弁が聞けなかったのですけれども、まず、ここの見解を伺いたいと思います。 ◯議長(藤原マサノリ君) 本多子ども青少年部長。     (子ども青少年部長本多剛史君登壇) ◯子ども青少年部長(本多剛史君) 先月、国から示されました報告書、この中に3つの大きな取り組みということで、そのうちの1つの中に、地方自治体における現状把握の推進という項目がございます。  今後私たちとしては、国から何かしら通知文なりが出てくるのかなと思っているところでございますけれども、併せてその準備といったものも必要かなという認識でございます。  また、実際にこの調査を行うということに際しましては、その調査の目的をどこに置くのかということが重要かなと考えておりまして、具体的にはこのヤングケアラーの数を把握するのか、子どもの数、その把握なのか、また、もう少し深掘りして、誰がヤングケアラーなのかというレベルまでということもあろうかと思います。  数の把握という点であれば、先日、国の調査で行われましたので、代用できる面もあるかなと思っております。一方、誰がという点につきまして、子どもへの特別な配慮というものも必要になってくるかという認識でございまして、調査の仕方というのも、よく練る必要があるかなと思っております。  我々も支援するには支援の対象者がはっきりわかっていると、早期の支援に結びつくということでございますので、その辺りは課題として捉えておりますけれども、実際に実施するにはよく教育委員会とも協力を得る必要がございますので、手法についてよく教育委員会とも意見交換しながら、どういうやり方が一番適しているのか、子どもたちにとってどういうふうに配慮したやり方なのかという点を、一緒に検討していきたいと考えております。 ◯16番(渡辺しんじ君) この件に関しては岩崎議員も質問をしていて、また、先日、あらたに議員がこの件で結構エキサイトして質問をしていましたが、まさかかぶせられた上に、また身内からかぶせられるとは思いませんでしたけれども、これからしっかりと教育委員会と連携や横串で取り組んでいくのかなと私は思っております。いろいろ模索しながら検討していって、アンケートなんかも、またその1つの手段なのかなと思っていますが、ヤングケアラーがどこからなのか、どこまでがお手伝いなのかというこの線引きが結構このヤングケアラーの場合はなかなか難しいですよね。  当事者が、私はそうは思ってないという方もいっぱいいるということもあるし、全然平気だという子もいると思います。例えば週に何回か皿洗いをする、洗濯物を取り込む。これは私が今コロナ禍でやっていることなのですけれども、渋々やっています。  ここで少し1つ例を挙げて、ある中学生の女子、仮に名前をケイコさんと言います。ケイコさんは家が母子家庭です。ケイコさんには少し離れた保育園に通う妹のトシエちゃんがいます。朝はお母さんがトシエちゃんを保育園に送っていきます。帰りはお母さんが仕事遅くなるので、ケイコお姉さんがお迎えに行くわけです。お母さんが帰ってくるまで、妹の面倒を見ながらある程度自分の宿題だったり、自分のこともできる状態です。トシエちゃんはわがままであまり言うことを聞かないのですけれども、ケイコお姉さんにとってはとてもかわいい妹。そういう家庭で、お母さんが7時頃帰ってきて、しっかりご飯も作ってくれる。なかなか友達と遊んだり、部活なんかもできないケイコさんですけれども、さて、この場合、このケイコさんはヤングケアラーと言えるかどうか。本多子ども青少年部長、どうお考えですか。 ◯子ども青少年部長(本多剛史君) 非常に難しい質問をいただいたと考えております。  そのケアの濃淡というのがいろいろあるかと思いますので、お手伝いのレベルから大人が担うようまでということで、非常に線引きが難しいのですけれども、本人が負担と思ってそのことを周囲に発せられないような状況が1つ線引きとして考えられるかなということで、このケイコさんがもしつらいと思って、周囲にも相談できないということであれば、私はヤングケアラーに該当するのかなと考えております。 ◯16番(渡辺しんじ君) 非常に難しいところです。ひょっとしたら線引きなんかはないのかもしれないし、定義というのもないのかもしれないです。  それでは、この妹がもし障がいがあったらどうなのかということになるのです。そうすると状況はもう一変するわけです。とてもではないけれども、楽しい夕食なんかも取れない状態、宿題もできないという状況に陥ってしまうのかなと思います。  先ほど言ったように本人が大変かどうか、これは個人個人の感じ方も違うということもありますし、また、アンケート調査だけだと、なかなかこの実態が見えにくい。ちょっとしたお手伝いが大変と思う子もいれば、もうかたくなにこれは私の仕事なのだ、家族の世話をするのは当たり前なのだと思っている子もいるかもしれないです。  先日、岩崎議員の多摩市の中学生の中で、ヤングケアラーは何人いるのですかというところで、調査結果を踏まえて90人いますということになったのですけれども、ただ、この結果の数字をそのまま反映するのは、私、乱暴なのかなと思っています。やはり現場でしっかりその状況を見極めるということも大事なのかなと思っていますので、そこで2つ目の支援策、福祉、介護、医療、教育などの関係機関や専門職らへの周知や研修とあります。この支援策に関してどう取り組んでいくのか、見解を伺います。 ◯子ども青少年部長(本多剛史君) 研修でございますけれども、今、私どもの部署では子どもの虐待対応マニュアルというのを持っていまして、これを近々改定する予定でございます。このマニュアルにつきまして、保育園や幼稚園、小・中学校の関係機関向けに虐待の早期発見のために、その基礎知識や児童虐待のサインを見逃さないように、関係機関の気づきの視点や通告のプロセスというのを掲載したものでございます。  これを9月に改定する予定なのですけれども、その改定項目の1つとして、ヤングケアラーがこういう方だ、こういう状況の方がヤングケアラーだという気づきの視点を盛り込んだものを策定したいと考えております。  場合によってはネグレクトという場合もございますので、そのための概念や気づきの視点を盛り込んだものを新たに改定するということと併せて、研修につきましては、今年の10月に庁内の窓口職場の係長職以下の方を対象にした、子どもの虐待対応についての研修というのを予定しております。  この中で、先ほど申しましたマニュアルを使いながら、各窓口での気づきの視点を中心に研修を行いたいと考えております。  それともう一つ、今度は11月なのですけれども、11月は児童虐待防止推進月間ということで、毎年いろいろな取り組みを行っております。今回、ヤングケアラーにも触れた形で、理解を促進するような取り組みです。講演会またはパネル展示、それとこの児童虐待防止推進月間ということで、毎年10月20日号のたま広報の1面でご紹介をしているところで、併せてヤングケアラーについても少し触れさせていただけたらと考えております。 ◯議長(藤原マサノリ君) 山本教育部参事。       (教育部参事山本勝敏君登壇) ◯教育部参事(山本勝敏君) 私のほうからは、学校現場でということでお話をさせていただきます。  まず、今回、ご質問者からもありましたこのヤングケアラーについては、やはりその認知度が低いということがあります。  まず、教育委員会といたしましては、今後、定例校長会がございますので、校長会の際にこの議場でやり取りをさせていただきましたこと、また、ヤングケアラーについて、我々教育委員会として危惧していることもありますので、こちらのほうをまず周知をさせていただきたいと考えております。  また、管理職だけではなくて教員のほうも、このヤングケアラーについて、そういった視点を持ちながら、子どもたちの様子を見ていくということは非常に重要なことだと捉えております。  ですので、教員研修について、改めてヤングケアラーについて特化したものを何か行うということではなくて、今現在1から3年次までの若手教員の研修、生活指導主任を対象とした主任会といったものがございます。こういった中で、このヤングケアラーということについて話題としながら、こういったヤングケアラーがひょっとしたら学校にはいるかもしれないという認識を持ちながら、今後も子どもたちの観察等をしっかりと行っていくこと、また、SOSをキャッチをするアンテナの感度を高めていくこと、このことについて研修を進めていきたいと考えています。 ◯16番(渡辺しんじ君) 私、子どもたちと直接関わっている学校現場、教育現場の先生たちが、今教育部参事がおっしゃっていたように、まずは意識を高く持って、研修などを通してしっかりと取り組んでいただきたいなと思っています。  また、これも話に出ましたけれども、この問題に関して学校の管理者、校長先生が率先して先頭に立って、周知や研修などを推進していってもらいたいなとも思っております。何とか先生方の意欲というか、そういうものを発揮していただいて頑張ってもらいたいなと思います。  先ほどのアンケート調査だといろいろなケースがあるので、実態がなかなか見えづらいということもあったのですけれども、ただ、ある程度この数字を浮き彫りというか、あぶり出すというか、そういうことは大事なのかなと思っています。  その上で、先生たちがこの現場力をしっかり生かして、そして実践力を発揮していただきたいなと思っています。ここは本当に何としてもお願いしたいところなのですけれども、今こうしている間にも、本当に苦しんでいる、悩んでいる、そういう子どもが現にいるわけでございます。早急に手を打っていただきたい。  そして、これはコロナ禍関係なく、もう以前から子どもたちが孤立をしているわけですよ。本当にこれはスピード感を持ってやってもらいたいなと思いますけれども、もう一度教育部長に明確な答弁を聞きたいと思います。 ◯議長(藤原マサノリ君) 鈴木教育部長。       (教育部長鈴木恭智君登壇) ◯教育部長(鈴木恭智君) 今、ご質問者からいただきましたとおり、実際に、今、市内の1万人いる子どもたちの中に、少なからずヤングケアラー、こういったことで苦しんでいる子どもたちがいるという前提に私どもも立っております。  ご質問者からもいただきましたが、管理職を先頭に、学校管理者、意識を変えてということですけれども、やはり先生方、日々子どもたちと毎日向き合っているわけです。その中ではたくさんの気づきがあると思いますし、ただ、その中でやはり相談しやすい。子どもさんが、児童・生徒が自分から相談できる場面がもちろんつくれれば、それにこしたことはないと思うのですが、なかなか自分から発信できない。そういったところも周りの大人がおもんぱかって声をかけるなり、あるいはこれまでの私の教育部での経験の中では、単にヤングケアラーということだけではなくて、ご質問者からもありましたが、例えば複数のネグレクトや虐待、あるいは問題行動と絡んで我々も把握する場面が多々ございます。  そういったときに、ヤングケアラーというキーワードをしっかり念頭に置いて、苦しんでいるということが背景にないのか、そういった対応を積極的にしていきたいと考えています。 ◯16番(渡辺しんじ君) ぜひお願いしたいと思います。あとはいろいろな調査だったり、先生方の努力だったり、いろいろな形でヤングケアラーという実態がわかったということで、どこに支援を求めるのだということになると思うのですけれども、この具体的な支援策が何があるのかなというところなのですけれども、現在行っているこのサービス事業で、ヤングケアラーの支援ができるというものは何かございますか。 ◯議長(藤原マサノリ君) 本多子ども青少年部長。     (子ども青少年部長本多剛史君登壇) ◯子ども青少年部長(本多剛史君) まず、そういうご相談があった場合、子ども家庭支援センターが中心となって、全体の調整に入るかと思います。  例えば保護者が精神疾患で体調が悪く家事ができない。併せて経済的にも困窮しているような場合ですと、まずはその生活保護につなぐというのが1つあろうかと思います。それと家事全般を行うヘルパーも必要になるかと思います。そういったものであれば、私どものほうにヘルパーの派遣事業というのがありますので、そういったものを使うとか、あとは関係機関とも調整して、また別のサービスというのもあるのかということを調整をするのと併せて、手続もいろいろ必要になってくるかと思いますので、同行の支援というのを行っていくことになろうかと思います。  また、子どもがおりますので、学校での見守りの依頼、それと下にもし弟や妹がいるということになれば、どこか保育園、幼稚園に入ってないようでしたらば、そういった方の保育所や幼稚園の入所の申請の手伝いを行うということも具体的にあろうかと思います。  その後も保護者支援ということで、定期的な家庭訪問、面接などを行うということと、子どもとも定期的に面接を行って生活の実態の状況の確認をするということ。それとおそらく重複した課題がある方が多いかと思います。そういった場合の家庭を支援していくということでは、1つの機関だけではなくて複数の機関が集まって、この家庭にはどういう支援が必要なのかという情報共有と連携しながら、具体的にはどういうサービスを使っていくと、この家庭が支援に結びついていくのかということを議論しながら進めていくということになります。 ◯16番(渡辺しんじ君) 現状のサービスでも、何かしら当てはまってくるのかなというところがわかりましたけれども、大体皆さんヤングケアラーになってしまっているお子さんというのは、通告にも書きましたけれども、家庭の状況が経済的に厳しいところが一番多いのかなと思うのです。以前、私が予算決算特別委員会の質疑の中で『AERA』を用いて、2回ほどやりましたけれども、高齢者のおむつ支援をこの若年性認知症の方にもぜひお願いしたいという要望をしたのです。  そしたら昨年度の4月からスタートしていただいたという経緯があります。本当に高齢支援課の皆さんには大変感謝をしているところなのですけれども、ここで話が出た多摩市在住のある青年の話を、この『AERA』が取り上げているわけです。内容は以前話したので、ここでは割愛しますけれども、もう1回ヒアリングをするのにこの間この方と会ってきました。今読売新聞が、去年取り上げて記事に載せました。最近では朝日新聞も、この方の記事が載ったそうです。そして今、毎日新聞の取材も受けたということで、いずれ毎日新聞でも掲載されるのではないかなと思っているのですけれども、彼が言っていたのは経済的に非常に厳しかったということなのです。ですので、彼ももちろん学校は、大学は通信制、そうせざるを得ないという状況です。  本当に家が経済的に厳しいということで友達からもいじめがあったり、それから、高校の先生になりますけれども、勉強がうまくいかないのは親のせいにするな、家族のせいにするなというちょっと心ない話もされたということなのです。全くその先生には想像力というものが一かけらもないのかと私は思いました。本当にヤングケアラーで困っている子どもに何でそんな言葉がかけられるのかなと憤りも感じるのですけれども、そういうことでしっかりこの経済的支援というのも視野に入れていただいて、これからいろいろな取り組みをしていただきたいなと思っております。  彼が言っていたのは、今回私の3番目の質問でSNSということも書かせてもらったのですけれども、SNSの相談事業はどうかなと言ったら、あまり使わないかもしれないと逆に言われてしまって、だから(3)はこれ以上話しませんけれども、人によってはいろいろな相談の仕方というか、やりやすい方法があるのかなと思っていますので、SNSもしっかり活用することも大事かなとは思っております。  時間もあまりないので、市長と教育長は後で最後にまた聞きますので、2番に移りたいと思います。  高校生の医療費無償化ということで、実は都議会公明党が、今チャレンジ8ということで、政策目標を掲げております。そのうちの3つが3つの無償化ということで、まずは高齢者向けの肺炎球菌ワクチン接種費用の無償化、保育園の第2子の保育料無償化、そして3つ目に、この高校3年生までの医療費無償化というのを掲げさせていただいております。  今、近隣市では2つあるということで、それの状況がもしわかるようでしたら教えていただけますか。 ◯子ども青少年部長(本多剛史君) 近隣市の状況ということでございます。まずは武蔵野市が、今年の3月から入院に要した医療費の自己負担分の助成を開始ということが決まっているということです。併せて来年の4月からは、外来に要した医療保険の自己負担分の助成を開始するということで、2か年でやっていくということが決まっております。  それと狛江市が、今年の10月から通院と入院にかかる自己負担を助成していくということでございまして、それ以外には府中市がもう既に行っているということでございます。 ◯16番(渡辺しんじ君) 東京でも26市の中でも3市あるということと、それから都内の23区内でもやっているところがあるということでございます。全国的にも徐々に高校生までの医療費無償化が進んできてはいるのですけれども、兵庫県なんかは、たしか四十七、八の自治体がある中で、12ぐらいもう医療費無償化を行っているということもありました。  ですので、第一答弁の内容を見ると少し厳しい状況はわかります。システム上の問題や財源の問題ということがありますので、厳しいのはわかるのですけれども、実現力公明党ですので、都議会公明党は頑張ると思います。いずれは何かしらの形で、東京都のほうから連絡が来るのかなと思っていますので、しっかり心構えと準備だけはしていただきたいと思います。ここで2番も終わります。  それから、最後になりました。それでは、市長と教育長に先ほどの10代の思い出を話していただいて終わりたいと思います。まず、清水教育長。 ◯議長(藤原マサノリ君) 清水教育長。        (教育長清水哲也君登壇) ◯教育長(清水哲也君) 大分前のことなので忘れてしまっている部分もあるのですが、総じて楽しい青春だったなと思うのですが、つらかったこともいろいろあったと思います。私自身、結構高校生時代ははじけていましたので、そういう面で言うとつらかったのは両親かなとも今思っているところです。  そんなような状況で、ただ、つらかったこともあったのですが、もちろん自分の中にもあるのですが、それ以上に楽しかったことが大きかったかなとは今になっては思います。  ヤングケアラーについても、お話をさせていただきたいと思います。今議会で、このヤングケアラーについて、改めて私自身も恥ずかしながら勉強させていただいたところもあります。  子どもらしい暮らしができずにつらい思いをしているこういったヤングケアラーというのも、今申し上げた私もそうですけれども、青春は一度だけなのだということを改めて意識して、スピード感を持って今回両ご質問者からもご意見ありましたけれども、関係機関、連携しながら進めていくということが大切なのだということを改めて意識したところです。 ◯16番(渡辺しんじ君) それでは、最後に市長、ヤングケアラーのことについてもお願いします。 ◯議長(藤原マサノリ君) 阿部市長。        (市長阿部裕行君登壇) ◯市長(阿部裕行君) 何か最後だと緊張しますね。青春時代の思い出というといろいろあります。  つらかったことというのは小学校、中学生のときに失恋ばかりしていて、これはなかなか親にも言えないのですけれども、友達にもなかなか言えなかった話なのですが、やはりつらいのです。一方的に思いを、スポーツが好きなできる子に奪われてしまいましたね。すごいつらい、これはなかなか本当につらい思い出であります。  高校生のときはですから、もう恋愛はしませんでした。もう本当につらい思い出でありました。ただ、そんなことを言うとあれなのですが、今でも楽しい思い出というのは深夜放送を聞いているときだけが、「セイ!ヤング」とか「オールナイトニッポン」、特に「天才・秀才・バカシリーズ」これは面白かったです。もう本当にそれを聞いているとき、だから考えると午前1時、2時まで聞いてて、翌日中学校に行っているわけですから、本当に授業をまともに受けてたのかどうか不安であります。  さて、そんな青春時代でありましたけれども、今日質問を受けて少し思い出したことがあったのです。実は教育長は、小金井市の第二小学校、第一中学校です。私が小金井第一小学校と第二中学校なのです。本当に身近なところですから、実は私も教育長ももしかすると学校の統廃合の前なのです。それで、その頃を思い出すと私が小学校の昭和30年代の頃でありますが、ヤングケアラーの話というよりまだ戦争が終わった後、私の小学校の友達たちの中でも、いろいろ家に行って遊びに行ったりしたときに、家の中でもう本当に戦争から帰ってきて、傷痍軍人として親がいる家がありました。もちろん遺族年金等あったのでしょうが、非常に厳しくて、これは家庭によっていたり、どこの先生にいっていたかによっても違うのだと思いますが、子ども心につらい思い出というのは、すごくその場は楽しいのですけれども、ヤングケアラーではないかもしれませんが、今思えば思い出すことがあります。  当たり前ですけれども、介護もしない限りは生きられないのです。そういう友達の家に行ったり、それから、友達が農家の家で、一緒に帰りがけ、もう小学校低学年の頃でありましたけれども、いわゆるその養豚の世話を子ども自身がやっている。なぜしなければならないのかということの背景を考えたときに、思い当たることが、急に思い出しました。  ただ、実はその統廃合と言ったのは、小金井も村から町へ移り、そして住宅がどんどんふえていきます。そうした中で、学校がいわゆる既存の地域の学校と新しい住宅エリアの学校では全然雰囲気が違っていて、私が経験したようなことというのは、実はその新設の学校で起きなくなってきます。  そういうふうに考えたときに、本当に多様性というのは子どものうちでもいろいろな方が一緒に生活して暮らしているということの中がすごくよいのだなと。ただ、今日質問者が言われるまで、思い出せなかったことがあったのを急に思い出して、本当に昔そういうことがあったなと。  今で言うとヤングケアラーということに該当する友達がいたのだということ、そのことも実は友達同士で話ができなかったぐらい、そんなことを思い出しました。  ということでヤングケアラーについては、本当にこれは今の時代だからこそ見えてくること、また、今の時代だからこそ、子どもに絶対にそういうことを背負わせてはならない。  やはり子ども自身が知らないうちに、当たり前ですけれども、どこからどこまでが自分としての気持ちで、どこからがもう本当に自分自身の心も踏みにじられるぐらいのことになっているのかという、その子どもにしかわからないことだなということを、私自身も昔のことを思い出して感じました。ということで、以上楽しいこと、つらいこと、そしてヤングケアラーのことをお話しさせていただきました。 ◯16番(渡辺しんじ君) それぞれ貴重なお話をありがとうございました。  昔は本当にいろいろな形で子どもが苦労していたという現実があると思うのです。ただ、今はもうそういう時代でもないですし、しっかりとしたサポートができる体制もあると思います。ですので、ここは皆さんでしっかりと団結して、そういう子どもたちを救っていきたいと思います。  市長と教育長は、人の痛みがわかる人だと思っていますし、同じ苦しみと書いて同苦と言いますけれども、同苦できる人だと思っています。そして、涙を流せる人なのかなとも思っています。ただ、行政のトップ、それから教育機関のトップとして、泣いているだけでは前に進みません。  ここはしっかり、これは仏教用語になりますけれども、抜苦与楽、苦しみを取り除いて楽しみを与える。これができるかできないか、これがやはり真のリーダーのしっかりとした証明になると思いますので、ぜひこのヤングケアラーのことに関して、後押しをよろしくお願いします。 ◯議長(藤原マサノリ君) 渡辺しんじ議員の一般質問は終わりました。    ────────────────────
    ◯議長(藤原マサノリ君) この際暫時休憩します。          午後2時59分休憩     ──────── - ────────          午後3時20分開議 ◯議長(藤原マサノリ君) 休憩前に引き続き会議を開きます。一般質問を続行します。  次に、岩永ひさか議員の発言を許します。  13番岩永ひさか議員。      (13番岩永ひさか君質問席着席) ◯13番(岩永ひさか君) 岩永ひさかです。通告に基づき1問質問いたします。  「多摩市気候非常事態宣言」から1年。その取組みについて。  昨年度、市長の施政方針において地球規模での気候危機に対する多摩市としての取り組みを強化すべく、「気候非常事態宣言」を行う意欲が示されました。それを受け止めた形で、私たち市議会でも昨年3月、宣言に関わる決議を全会一致で可決しました。その後、昨年6月、市長と議長と連名で「多摩市気候非常事態宣言」が行われました。  全国を見渡せば、ほかの自治体より先行した形で「気候非常事態宣言」を行い、市内外に対し、私たちの問題意識の高さが大々的にアピールされたように思います。しかし、新型コロナウイルスを背景に、当初、宣言後に計画されていた事業や取り組みが思ったようには進まず、宣言だけが独り歩きしてしまったような印象が否めず、残念です。新型コロナウイルスに対して、今、私たちはステイホームやワクチンなどでの抑え込みに四苦八苦し、社会生活の基盤が揺るがされていますが、私たち人間のつくってきた社会環境による長い年月をかけての地球の温暖化が及ぼす影響は計り知れないものになると言われており、私たち一人ひとりの危機意識が一層問われています。  国は「脱炭素化」に向けて、大きくかじを切ったところですが、2050年の温室効果ガス排出実質ゼロを目指す政府目標に向けて「脱炭素電源」である原発の有用性を主張する意見も出されています。こうした動きに対し「非核平和都市宣言」のある多摩市はどのように向き合い、対応していくのでしょうか。2011年3月11日の東日本大震災と原発事故の教訓を忘れることはできません。多摩市気候非常事態宣言と非核平和都市宣言がパフォーマンスだと言われないように遅滞なく、多摩市行政や議会をはじめ、私たちの取り組みを重ねていくことが求められます。  年々、地球温暖化による影響が深刻化し、四季折々を穏やかに、豊かに感ずることができた日本の風土も徐々に変化していることについて、人それぞれ強弱はあるとはいえ、日々の暮らしを通して、私たち自身もうすうす実感するところではないかと思っています。  「多摩市気候非常事態宣言」から1年が経過した今、取り組みの進捗状況を確認するとともに、今後に向けた課題を共有し、子どもたちの未来に私たちが果たすべき責任を考えてみたいと思います。  (1)多摩市みどりと環境基本計画の改定の時期が先延ばしとなりましたが、計画策定のためには現状の把握と分析が必要だと考えております。当初計画策定時、中間見直し段階、最新値の具体的データ、数値を踏まえた総括について、「気候非常事態宣言」の各項目  1)エネルギー消費の現状について  2)廃棄物の現状について  3)生物多様性、生き物環境の現状について、それぞれ伺います。  また、毎年、環境施策に対する外部評価をどのように受け止めているのか伺います。  (2)改めて「気候非常事態宣言」を行った意義、手応えについて伺います。  (3)「気候非常事態宣言」に基づく昨年度の取り組みについて、(1)と同様に各項目に対する成果をどう総括し、評価しているのか伺います。また、今年度はどのような目標を掲げ、取り組みを進めていくのか伺います。  (4)「脱炭素化」に向けた国の方針を踏まえ、地球温暖化対策実行計画の見直しは急務だと考えています。  1)国や東京都の目標をどのように受け止め、多摩市の計画に生かしていくのか伺います。  2)現在の「公共施設編」(事務事業編)の見直し予定とゼロ・エネルギー建物を目指した新庁舎づくりに向けた情報収集などについて伺います。  3)「区域施策編」の策定やその必要性は認識されていますが、どのように対応していくのか伺います。  (5)地球温暖化の防止については、市民一人ひとりの地道なところからの取り組みも必要とされており、「暮らしの見直し」が求められます。市民一人ひとりが「自分のこと」として考えていくためには消費者行政の立場からのアプローチも求められると思います。消費生活センターは「気候非常事態宣言」に対し、昨年度、どのような取り組みを実施してきたのか、また、今年度の計画や今後の進め方についても伺います。  (6)各小・中学校で展開されているESDによる環境学習の中で、「気候非常事態宣言」を意識した取り組みがどのように実施され、実践されてきたのか伺います。  以上、ご答弁の後再質問いたします。 ◯議長(藤原マサノリ君) 阿部市長。        (市長阿部裕行君登壇) ◯市長(阿部裕行君) それでは、岩永議員のご質問にお答え申し上げます。  1の(1)の1)についてお答えします。  多摩市みどりと環境基本計画では、市内からのCO2排出量により目標を設定しています。  計画策定時の目標値については、平成21年度の基準年から6%削減し、令和3年度にCO2排出量を53万5,800トンとしましたが、東日本大震災後の火力発電増加によるCO2排出係数の上昇に伴い、現時点の最新値では、平成29年度のCO2排出量が70万3,000トンとなっています。  なお、CO2排出量では、東日本大震災の影響で排出係数による変動が大きく、省エネルギーへの取り組みが表れにくいことから、中間見直し時に新たにエネルギー消費量削減を目標項目に追加しました。  基準年である平成21年度7,789テラジュールから、中間見直し時の平成26年度は7,383テラジュール、現時点の最新値では、平成29年度7,217テラジュールとなり、エネルギー消費量は基準年より約7.3%減少しており、一定の成果を上げていると考えています。  現在の温暖化への取り組みは喫緊の課題であり、日本はもとより全世界で温暖化防止のため、CO2の大幅な削減を目指しています。  本市でも2050年にCO2排出を実質ゼロにするため、最大限の省エネルギー対策や再生可能エネルギーの導入などを行い、消費するエネルギーのCO2ゼロ化を進めなくてはならないと考えています。  2)についてお答えします。  廃棄物の現状については、3つの管理指標を掲げ、評価しています。  「家庭系ごみ排出量」の削減は、当初計画策定時、平成22年度の1人1日当たり459.3グラムを基準に、10年後の令和3年度までに420.4グラムまで減らす目標を立て、取り組みを進めてきましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大による生活様式の変化等を受け、令和2年度末時点で、1人1日当たり447.4グラムにとどまっています。  2つ目の「再生利用率」の目標は、当初計画策定時34.9%で、令和3年度までに40%まで引き上げる目標を立て、取り組みを進めてきましたが、令和2年度末時点で35%にとどまっています。  3つ目の「スーパーエコショップ認定数の数」は、当初計画策定時にはなかったものを、令和3年度までに36店までふやす目標を立て、取り組みを進めてきましたが、令和2年度時点で14店にとどまっています。  なお、いずれの管理指標とも、目標達成は難しい状況です。コロナ禍での新しい生活様式も踏まえ、ごみ減量施策の見直しも必要であると考えています。  3)についてお答えします。  当初計画策定時に掲げた観察会等を通じた普及啓発や庁内の体制づくりに、中間の見直しにおいて、当時策定した多摩市生物多様性ガイドラインに基づく取り組みも追加しながら、生物多様性への理解が深まるよう取り組みを進めてきました。  これまでの総括としては、水辺の楽校やグリーンボランティア活動など、子ども向けのイベントや雑木林の保全活動などを多数行い、幼少期から大人まで、生物多様性について興味、関心が持てるような普及啓発活動を継続するとともに、市民団体と連携した市内の河川や用水路等の生き物の把握などを行い、市民への生物多様性の理解と浸透を進めてきましたが、その度合いはまだ十分ではないと感じています。  次に、環境施策に対する外部評価については、多摩市みどりと環境審議会の中で、審議がより効率的かつ効果的になるよう、平成26年度より7つの施策方針を対象にして、その中から毎年1つまたは2つの施策を重点評価対象として選んで行っています。  なお、令和元年度は「エネルギーの有効利用について」、令和2年度は「身近なみどりの創出と公園緑地の再生について」評価を行っていただいています。  また、評価方法は、施策ごとに必要性、取り組み度合い、効果の各評価項目を評価ポイント、評価基準により判断し、数値化したものを合計して5段階の評価をしており、これまで実施した延べ8回の評価は、Aの「目標に対して大きく進展した」またはBの「目標に対して進展した」のどちらかという結果になっています。  施策ごとに、全体の進捗状況を見える化するメリットがある一方、施策間では各評価項目の点数に偏りがあるもの、目標に十分達していても、社会的な要求はさらに高いレベルへと変化しているものなどもあり、次期計画では評価方法の全般的な見直しが必要と考えています。  (2)についてお答えします。  昨年6月に、市民の皆さんに気候危機を自分のこととして考え、行動を開始していただけるよう多摩市気候非常事態宣言を行いました。  宣言後には、気候危機についての講演会が市民団体の主催で8月と12月に開催され、講演会には議会とともに行政も参加し、宣言について説明を行いました。また、市内の児童が自主的に宣言について庁舎まで尋ねに来るほか、聖蹟桜ヶ丘駅前広場で、近隣の小学校児童が実施した再生可能エネルギーによるイルミネーション点灯も、地域から市内へと広がりを見せているなど、市民の皆さんが自分のこととして考え、行動を始めていると考えています。  多摩市気候非常事態宣言における他の自治体との違いは、市議会との共同宣言であり、また、生物多様性の重要性についても宣言内に盛り込んだことで、新聞、雑誌の記事として取り上げられ、他の自治体からも問い合わせをいただいています。  また、本市と同様に、水やみどり、生物多様性の重要性を表記した宣言等も出てきており、議会の皆さんとともにつくり上げた宣言が、広がりを見せていると考えています。  (3)についてお答えします。  多摩市気候非常事態宣言後の取り組みについては、当初は市民の皆さんと一緒に宣言を行うイベント等を計画し、この宣言を市民、議会、行政が一体となってスタートする予定でしたが、コロナ禍で市民の皆様と直接集まるイベント等が難しいことから、コロナ禍でも可能な取り組みを進めました。  具体的な取り組みとして、気候危機を共有し、2050年までに二酸化炭素排出実質ゼロを目指す取り組みについては、市民周知の啓発冊子の全戸配布、公式ホームページでの周知、図書館での企画展示などを行いました。  一方、事業所としての多摩市役所の取り組みでは、市の低圧受電施設71施設で、使用する電力を再生可能エネルギー由来の電力に切り替えました。また、庁舎等の省エネを推進するため、設備の運用改善を3か年で行うエコチューニング事業を開始しました。  今後の展開ですが、各項目について、計画改定までの先行的取り組みとして、令和3、4年度の2か年で、現状の把握と共有、市民との協働の基盤づくり、具体的な行動を促すことを目的に取り組みを進める予定です。  今年度は市民周知のための市民団体や専門家によるトークリレーを動画発信し、気候危機の共有を図ります。また、市民の皆様が気候危機を自分のこととして考え、行動を始めていただくために、エコアクション宣言を実施します。  「環境配慮型おうち消費促進事業」などと連携し、自分のできることから取り組みを始めるきっかけづくりとなるよう進めてまいります。  また、本庁舎等で使用する電力から排出されるCO2をゼロにする取り組みについて検討を進めるとともに、庁舎設備の運用改善を行うエコチューニング事業の2年目として、昨年度検証した項目の検討を進めます。  次に、使い捨てプラスチックの削減については、昨年度、多摩市役所プラスチック削減方針を定め、市の施設や事業で使われるプラスチックの削減を進めています。また、7月から始まったレジ袋有料勤務化開始に合わせて、ごみ減量情報誌アクタを利用して、制度改正の周知を図りました。  今年度は「環境配慮型おうち消費促進事業」として、コロナ禍で事業継続を図る市内事業者を応援しながら、テイクアウトなどで使われるプラスチックを削減するとともに、事業者と連携して消費者にマイバッグ持参を呼びかけるなど、環境配慮を促す取り組みを行うほか、庁内でも、職員一人ひとりの自主的な取り組みや組織的なアクションを起こし、多摩市全体を対象にしたプラスチック削減方針を策定する予定です。  また、世界的にも問題となっているマイクロプラスチックによる海洋汚染についても、市内からその解決方法を市民と考えていくため、まずは実態把握として、市内の河川の清掃活動を開始しています。今後は河川ごみマップ作りや、集められたごみを使って視覚的に訴える取り組みなどについても行っていきたいと考えています。  最後に、生物多様性や生き物の環境の保全については、昨年度は新型コロナウイルス感染症の影響で、ほとんどのイベントを中止せざるを得ませんでした。  今年度は観察会などのイベント以外でも、日常的にもっと広く生物多様性の考え方を浸透させていくための取り組みとして、市民が身近な生き物を見つけて投稿する参加型のアプリ「いきものログ」の活用や、さらに気候変動について考えるきっかけとする「いきもの季節観測」なども今後始めていく予定です。  また、データバンク化やマップ作りはまだ十分目標達成できていない状況であるため、今年度連光寺若葉台里山保全地域で、市民団体と連携した雑木米周辺の植物マップ作りなども進めており、さらにこのノウハウを蓄積して、今後は市内の生き物把握の取り組みにも生かしていきたいと考えています。  昨年度は気候非常事態宣言に掲げたいずれの項目についても、新型コロナウイルス感染症拡大により事業の縮小、中止をせざるを得ませんでしたが、そのような状況下であっても、創意工夫しながらできる限りの取り組みを行ってきたものと考えています。  (4)の1)についてお答えします。  「脱炭素化」に向けた取り組みは喫緊の課題であり、2030年までの10年間が極めて重要であると言われています。  国や都においても、2050年CO2排出実質ゼロを目標に掲げ、国では2030年までのCO2排出量削減目標を、2013年度比46%減とする新目標を発表し、また、都は2019年12月に策定した「ゼロエミッション東京戦略」を2021年1月に改定し、当初掲げた2030年までの都内温室効果ガス排出削減目標を30%から50%へと修正しました。  本市においても、次期計画策定時には、国や都の目標を踏まえ、2050年CO2排出実質ゼロを達成するための削減目標及び目標達成に向けた取り組みを検討していきます。  2)についてお答えします。  地球温暖化対策実行計画の公共施設編では、法に基づく市役所の事務事業についての温暖化対策の計画として策定しているものです。  現在の計画は令和4年度までの計画となっていますが、みどりと環境基本計画の改定と併せ、改定時期を1年延期することで見直しを進めています。  市有施設の環境配慮については、この計画に基づく建築物の環境配慮技術導入マニュアルを作成し、個別に検討することとしているほか、第五次多摩市総合計画第3期基本計画においても、建築物新築時にはZEB化の検討を行うこととしています。  市役所本庁舎については、令和11年度の建替えを目指して、今年度基本構想の策定に着手し、様々な課題への検討を開始します。市として、地球温暖化対策を進める上で、環境に配慮した庁舎となるよう、最新の環境配慮技術の情報収集を行いながら検討していきたいと考えています。  3)についてお答えします。  地球温暖化対策実行計画の区域施策編では、市の地域全体の温暖化対策の計画を定めるものです。策定は努力義務となっていますが、市全域の温暖化対策を進めるため、本市では、次期みどりと環境基本計画策定と併せ策定する予定です。  気候非常事態宣言で掲げた2050年までに市内から排出されるCO2を実質ゼロにするための道筋を検討していく予定であり、令和4年度から基礎データ等の収集、検討を開始し、令和5年度に策定作業を行い、令和6年4月から、これまで推進してきた先行的な取り組みなどを加えた区域施策編としてスタートしたいと考えています。  (5)についてお答えします。  多摩市消費生活センターでは、契約上のトラブルなどの消費者被害に関する相談のほか、消費者関連の市民団体等への活動支援や、種々の情報提供などを通じて、市民のよりよい暮らしを支える取り組みを行っています。  消費者に関する問題は、商取引以外にも、食の安全やごみの減量、廃プラスチック、大気汚染、消費者教育など多岐にわたり、また、時代とともに、新たな課題が顕在化するなど、常に私たちの生活に深く関わっています。  その意味では、消費者行政は多様なテーマに関連する非常に間口の広い取り組みだと考えています。  ご質問の環境問題も、もともと消費者に関する問題の1つでしたが、ごみの減量やリサイクルなど、市民による積極的な取り組みが進む中で、特に大きな課題として明確になっていったという経緯があると捉えています。  昨年度、消費者問題と環境問題に関連した取り組みとして、多摩市消費生活フォーラムとエコ・フェスタを合同で開催しました。これはもともと環境問題と消費者問題に親和性がある中で、両イベントに参加している団体が一部重複していたことや、両方の事務局に参加している方がいること、また、パルテノン多摩が休館中であったことなどもあり、合同で実施することになったものです。  その結果として、参加団体相互の交流が深まったこと、活動内容に新たな可能性が期待されることなど、前向きな感想が多く聞かれました。こうしたことを踏まえ、今年度も合同で開催する方向で検討しているところです。  消費生活センターは、今後も市民の「くらし」の視点から、様々な問題を捉え、市民自らが「よりよい暮らし」に向けた行動を起こすことにつながるよう支援していきます。  (6)は教育長からお答えします。 ◯議長(藤原マサノリ君) 清水教育長。        (教育長清水哲也君登壇) ◯教育長(清水哲也君) 1の(6)についてお答えします。  市内小・中学校では、環境教育を中心とし、ESDの取り組みの中で「気候非常事態宣言」を意識した教育活動を展開しています。  具体的には、総合的な学習の時間を中心に、子ども自ら再生可能エネルギーから発電をしたり、学校林を学びの場として、身近な環境から気候変動や生物多様性について考えたりしています。  このような活動を通して、各学校の子どもたちが地球環境について関心を持ち、自分たちのできることを主体的に考え、発信するなど、実践の充実を図っております。 ◯13番(岩永ひさか君) 大変一つ一つ、本当に丁寧に回答していただきまして、多摩市の環境行政を担ってくださっている担当部の皆さんの真摯な姿勢が感じられるなということで大変感謝をしております。
     今私たちは、目の前には新型コロナウイルス対策ということで、取り組みを進めていかなければいけない一方で、将来を見据えながら、そこだけに目を向けるわけではなくて、長期的な視点で今のこのパンデミックという状況を捉えながら、アフターコロナやポストコロナ、そんな時代に向けてどんなまちづくりをしていかなければいけないのかということを議論しなければいけないのではないかなと思います。それで今回は気候非常事態宣言のことを取り上げました。  まず、皆さんにはこちらの図をご覧いただきたいなと思っています。上のほうは、皆様もよく見慣れたSDGsの17の目標なのですが、私はこの下の図をぜひ皆さんと今日は共有したいなと思っています。  これはSDGsの17の目標を横並びにして捉えるのではなくて、一つ一つの目標の関係性を構造的に捉えたウェディングケーキになぞらえてということで、SDGsウェディングケーキモデルと呼ばれるものなのです。  これはスウェーデンのレジリエンス研究所というところで考案されたものなのですけれども、詳細は省きますけれども、結局、端的に言うと私たちの暮らし、営み、今、皆さんからも先ほどもヤングケアラーや人権や平和とか、本当に様々な問題があったと思いますけれども、全て私たちの生活というのが健全な地球環境の上に成り立っているということを示す図なわけでございます。  改めて私もこのウェディングケーキモデルを拝見しまして、地球環境を今、私たちは本当に真剣に守っていかなければいけないのだろうなということを感じているわけです。  これから、多摩市も第五次多摩市総合計画第3期基本計画を見直していくと思っているのですが、これからの時代は健幸都市の実現以上に、昨年の気候非常事態宣言を意識して、多摩市のまちづくりに取り組む必要があるのではないかなということを私は今強く思っております。  まず、その点について、私は阿部市長が環境部を復活したというのは、大変本当に先見性があったなと今でも思っているわけですけれども、そのときまず部長を託されたのが、浦野副市長ではないかなと思っておりますけれども、ぜひ浦野副市長からこの点に関してご答弁をいただきたいと思います。 ◯議長(藤原マサノリ君) 浦野副市長。        (副市長浦野卓男君登壇) ◯副市長(浦野卓男君) ちょうど20年前、平成13年に第一次多摩市環境基本計画でございますけれども、これができました。ちょうど私が課長補佐として、この策定に携わりました。この計画の背景や位置づけにも書いてあるのですけれども、今、SDGsと言われていますけれども、SDGsの前身であるアジェンダ21というものが当時ございまして、そのアジェンダ21の中には今で言う貧困や飢餓というのも世界の課題と捉えられていて、そのベースとなる環境分野をしっかり取り組んでいこうということで、当時、多摩市の環境基本計画というのを策定したところでございます。  まさしく今議員が説明してくださったウェディングケーキモデルの基礎部分の計画でございます。この環境の分野は、生命や人類にとっての存続の基盤というところで、自分としては、多摩市のローカルアジェンダという思いで、当時策定した思いがございます。  当時から言われてきたことに、「Think Globally、Act Locally」という言葉がありました。地球規模で考えて足元から行動しましょうという意味なのですけれども、最近では気候変動の影響が身近に感じられるようになってきたというところでは、「Think Globally」だけではなくて、考えることも「Think Locally」ということも必要な時代になってきてしまったと感じています。  地球環境の悪化が一層と進んできてしまいました。まさしく待ったなしという問題で、世界的に取り組みの強化が必要と私自身は考えております。そんなことをその当時の部長になったときから考えて、今にも至っているという思いでございます。 ◯13番(岩永ひさか君) そんな今の副市長のお答えも含めて、気候非常事態宣言にはその思いも込められているのかなと思うのですが、改めて平成13年の環境基本計画です。私は平成14年4月に初めて市議会議員になりまして、この環境基本計画を見たときに、多摩市のこの環境基本計画の一番の特徴は、市民と一緒に進めていくのだ、市民と一緒に環境政策を育てていくのだというところにあって、非常に当時から市民自治ということは大事にしたいなと思っていたので、とてもよい計画だなと思ったのを、懐かしく今急に思い出しました。  今、本当に地球環境の問題待ったなしということなのですけれども、ここに私、『地球に住めなくなる日』というタイトルの本を持ってきましたけれども、本当にこの本のタイトルを笑って受け流せないぐらい、今、深刻な状況にあるのではないかなと思っていて、これまでとは違って、きちんと本当にもっともっと真剣に、私はこの環境行政に多摩市が取り組んでいくべきではないかなと思っておりますので、まず、その考え方を共有しながら再質問していきたいと思います。  (1)のところなのですけれども、ご答弁は残念ながらといいますか、今どんな現状かという結果の報告だったのかなと思います。私は、結果というのはいろいろな資料でも随分公表、情報公開されていますので、資料を探せばわかることであって、大切なことは得られたデータ、状況からどんなふうにその結果を読み込んで、次の政策に生かしていくのかだと思っているのです。  エネルギーの消費量ということから見ますと、毎年環境報告書の年次報告ということで、おつくりをいただいているのでそれも拝見しましたけれども、ご答弁のように、全体にはエネルギー消費量は減っていると思います。  ただ、詳細データを見てみますと、民生部門に関しては減少ではなくて増加傾向にあることが読み取れるのではないかなと思っているのですけれども、改めてその要因について分析を伺いたいと思います。 ◯議長(藤原マサノリ君) 鈴木環境部長。       (環境部長鈴木隆史君登壇) ◯環境部長(鈴木隆史君) 岩永議員ご指摘のとおり、エネルギー消費量については総量で減っていますが、民生部門では増加している状況です。また、民生部門は、市内エネルギー消費量全体の約77%を占めており、さらに詳しく見ると、民生部門の中でも家庭系と業務系に分かれており、家庭系は減少傾向にありますが、業務系では増加傾向になっています。  民生部門の業務系はオフィスビルなどの業務施設が使用するエネルギー消費量となりますが、市内では、大規模データセンターなどの進出もあり、こうしたものがエネルギー消費量の増加につながったものと考えています。 ◯13番(岩永ひさか君) 今最後のところで、企業の進出がエネルギー消費量の増加を押し上げたということがありました。確かに人がふえることはうれしいし、企業が進出してくれることもありがたいことだと思います。活動量がふえれば当然ながらエネルギーがふえるということになるのですけれども、それを仕方がないと捉える。これはもう時代としては、通用しないのではないかなと思っているのです。  環境分野では、デカップリングという考え方もあるかと思うのですけれども、今後はぜひ多摩市の政策や計画づくりの中にも、このデカップリングの考え方をしっかり落とし込んでいく必要があるのではないかなと思っているのですけれども、お考えを伺いたいと思います。 ◯環境部長(鈴木隆史君) これまでの社会では、経済成長に比例して企業活動が活発になり、電力やガスといったエネルギー消費も当然ふえるものとされてきましたが、一方、これに対して、一定の経済成長や便利さを維持しつつも、エネルギー消費を減らしていく方法がデカップリング、切り離すという考え方になります。  海外の例では、ドイツは、過去20年の間、日本以上に高い経済成長を続けつつ、一次エネルギー消費や温室効果ガスを減らしてきています。  日本は世界で最も省エネが進んでいると言われてきましたが、エネルギー消費がふえ続けてきたことも事実です。デカップリングの実現は社会の仕組みを変え、経済成長のあり方を改めることにつながるものと認識しています。今後の業務系のエネルギー消費については、大企業を中心に積極的な温暖化対策が始まっており、その上で、持続可能な経済成長を目指しています。  市内の大規模事業者でも大幅なCO2削減などを新たに企業の目標とした取り組みも示されています。今後、市としましても事業者との連携も含めた形で温暖化対策に取り組んでいきたいと考えております。 ◯13番(岩永ひさか君) 企業も多分、国の流れが大きく変わってきましたので、企業の取り組みも当然ながら変わっていくのだろうと思うわけですけれども、経済成長のためには、エネルギー消費がふえてもやむを得ないという立場をしっかり否定をしていく。それが多摩市だということを打ち出してほしいなと思っております。  次に、廃棄物の現状についても伺うのですけれども、答弁の中では、市民の協力で着実に推進しているけれども、目標達成が難しいということだったのですけれども、このことについても改めて要因について伺いたいと思います。 ◯環境部長(鈴木隆史君) 第一答弁のとおり、家庭系ごみの減量については、計画が残り1年を切った今、目標達成は非常に困難な状況にあります。  家庭系ごみの減量が進んでいない主な要因は、一昨年頃から下げ止まり傾向が見られ始めたことに加えて、昨年は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う、いわゆる巣籠もり消費で可燃ごみがふえたこと、そして、家で過ごす時間がふえたために、家の片づけによる粗大ごみがふえたことが挙げられます。  また、これに加えて昨年度は大勢の市民の皆さんにお集まりいただいたり、駅頭などで直接ごみ減量を呼びかけるような形のごみ減量啓発活動は感染防止の観点から断念せざるを得ないなど、市民の皆さんに対して、ごみ減量の働きかけが思うようにできず、このような状況は現在も続いているところです。 ◯13番(岩永ひさか君) 今、お答えいただいたように、コロナ禍で巣籠もり消費がふえているということも含めて、ごみの廃棄物の排出量とも影響があるのかなと思っているのですが、それだけなのかというところはぜひ検証してほしいなと思っているのです。  基本的にはごみになるものは買わないという消費者意識が、どれぐらいこの地域の中で育っているのかということを、把握していくことも必要なことかなと思っています。  たしか先週末には、国会のほうでもプラスチックに係る資源循環の促進等に関する法というものが成立しているかなと思うのですけれども、きっとこの廃プラの問題についても、これから国を挙げてさらに取り組んでいかなければいけないのだろうなと思っています。  先ほどデカップリングという考え方を紹介したのですけれども、ここでも住む人がふえても、あるいは外から来るこの交流してくる人口、たくさんの人がここのまちに来たとしても、でもごみはふえないよということを意識していかなければいけないのではないかなと思いますし、ぜひこの次の廃棄物減量の計画の取り組みにも生かしていただきたいなと思っています。  では、次、3)の生物多様性のことについても一言申し上げたいと思っています。  これについてもご答弁の中では、ガイドラインに基づきながら、市民と一緒に取り組みを進めてきたというお話だったのですけれども、残念ながら全体的には認知度が低いというお話がありまして、私もそこについては同感です。今後、啓発については、さらに取り組んでほしいなと思うのですけれども、それとともに、先ほど生き物調査の話もあったかと思うのですが、私はこの生き物調査、ただやっているだけ、ただやっただけに終わっているのではないかなということを大変気になっています。  単に生き物の種類と数を確認するだけでよいのかということについては、改めてこの計画改定の時期に合わせては議論していただきたいなと思っています。その先にあるその生き物の種類あるいは数、その先の分析ということが非常に重要になってくるのではないかなと思っておりますけれども、お考えを伺いたいと思います。 ◯環境部長(鈴木隆史君) 今、岩永議員からご指摘いただいた点は、市も課題であると認識しており、現在の調査をしてそのデータを提供するだけでは、興味、関心を持ってもらうには一定の効果はあると思いますが、ただ、そこまでの啓発にとどまってしまうのかなと思います。  今後は、生物の種類や数といった生態系の構成の分析をはじめ、そこから、その場所の自然環境の特性を把握して、それらを取り巻く地域として、生物多様性を保全していくためにどのような取り組みが必要であるかなど、市民の皆さんと一緒になって考えていく必要があると考えています。 ◯13番(岩永ひさか君) 今それぞれ各項目についてお話をさせていただいたのですけれども、結果をただ受け止めるだけではなくて、その結果から読み取れることは何なのかということをみんなで議論することがとても大事だなと思っておりますので、ぜひそのことを意識して、次の計画づくりにも反映させてほしいと思っています。  それからもう一つ、この市のこの生物多様性のガイドラインのことで1つ気になっていることがあるのですけれども、このガイドラインの中では、主な生き物の生息地について、既存区域の4つのエリアが対象として例示されているのが示されているのかなと思っています。  私たち3月の市議会の代表質問のときにも、鶴牧西公園のことを取り上げまして、水辺のある公園にも豊かな生態系が認められるのではないかなという状況も紹介をさせていただいたのですけれども、既存区域だけではなくて、ニュータウン地域の公園、特に水辺環境のある公園なんかについては、このニュータウンができてから50年たって、生態系が非常に豊かに育っているのではないかな、育まれているのではないかなと思っておりますので、ぜひこの生き物調査の場所をふやす検討なんかもしてほしいなと思っているのですけれども、ご見解をいただきたいと思います。 ◯環境部長(鈴木隆史君) 気候非常事態宣言において、生物多様性の保全についてもその大切さを訴え、今まで以上に取り組みを進めていくとしています。  今年のフェアな市政の代表質問の中でも、鶴牧西公園のカエルについてご指摘をいただきましたが、生物多様性の保全を進めるためにも、市内の現状をもっと把握し、保全活動が市民、そして、私たち職員についても同様に自発的な行動として広がっていくことが大切ではないかと考えています。ご指摘いただいた部分では、既に市民団体による活動が継続して行われている地域もあるため、そうした市民団体との連携を図りながら、市内の定点観測も広げていきたいと考えています。  また、気候非常事態宣言で掲げた取り組みは待ったなしであるため、みどりと環境基本計画の改定を待たずとも、今できるところから取り組みを始めていきたいと考えています。 ◯13番(岩永ひさか君) とても前向きに取り組んでいきたいという姿勢が示されましてよかったなというか、ぜひ頑張っていただきたいなと思っているのですけれども、やはりこの生態系といいますか、この生物の多様性というのは、ぜひ次の世代に向けてもつないでいってほしい大切な価値ではないかなと思っています。  特にニュータウン地域で言えば、公園というのは、子どもたちにとってもとても身近な場所なのかなと思っておりますので、ぜひ学校とも連携を進めながらよい取り組みを企画して実行してほしいなと思っているのですけれども、教育委員会のほうからもご答弁をいただきたいと思います。 ◯議長(藤原マサノリ君) 山本教育部参事。       (教育部参事山本勝敏君登壇) ◯教育部参事(山本勝敏君) 今ご質問者からありました市内の公園というのは、本当に豊かな生態系が見ることができます。子どもたちにとって校内の中では、もちろん学校林も含めて学ぶ場たくさんあります。でも、この多摩市の特徴を1つ生かすのであれば、市内の緑豊かな公園の中に、学びの場としてそこを活用していきながら、ESDの取り組み等を通じて、この豊かな生態系を学ぶ中で、命のつながりについて、子どもたちが捉えていったりまた考えていける、こういった非常に豊かな学びの場になるのではないのかと考えております。  また、環境部のほうでこういった生物多様性について、調査を行われているということですので、先ほど来ご質問者からもありますように、この結果をぜひ子どもたちが自分たちで調べることも必要でしょうし、調べ切れないところで、様々な生物がいてつながり合っているということで、また、活用させていただきながら、子どもたちがこの生態系というものを広く捉えていく、そんな取り組みを環境部とも連携をしながら今後取り組んでいきたいと考えております。 ◯13番(岩永ひさか君) ぜひ教育委員会には、ESDを進めていくためのコンソーシアムというものもあったのかなと思っているのですが、そうした官民連携でみんなで進めていこうという場もきちんと動かしながら、子どもたちに向けて、この生物多様性のことを伝えていってもらいたいなと思っています。  実はこの生物多様性というのは、この議場にいらっしゃる皆さんも、どのぐらい重要なのかということについては、どういうふうにお考えなのかなと思うのですけれども、とっても重要で、国を挙げても取り組まなければいけないような状況にあるのではないかなと思っているのですけれども、改めてそのことに対してはどのように感じておられるのか、ご意見、ご見解を伺いたいと思います。 ◯議長(藤原マサノリ君) 鈴木環境部長。       (環境部長鈴木隆史君登壇) ◯環境部長(鈴木隆史君) 現在世界で取り組まれている生物多様性の保全は、2010年に名古屋市で開かれたCOP10、生物多様性条約の第10回締約国会議で採択された愛知目標が基本になっていますが、あれから10年、国連による評価では、世界的に目標が達成できていないとする残念な結果が示されています。  さらに、この反省を生かし、昨年ポスト愛知目標として、次の10年の取り組みを決めるはずであった第15回締約国会議も、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、今年10月に延期となり、新たな目標づくりについても遅れている状況です。  このような状況から、種の絶滅は年々加速していると言われており、地球温暖化対策と同じく生物多様性の保全についても、これから10年の取り組みが極めて重要と言われています。また、今年秋に開催予定の国際会議に先駆け、2020年9月の国連生物多様性サミットにおいて発足したリーダーによる自然への制約、いわゆる持続可能な開発のために、この10年間で自然の損失を反転させるための10の行動を取ることを約束するものですが、先月、これに日本も参加を表明し、生物多様性、気候、人間のための行動を強化することを宣言したところです。  さらに最近では、人と動物、生態系の健康を1つと捉え、これらを保全するワンヘルスという考え方や、自然を活用した気候変動の適応策など、生物多様性の保全は、新型コロナウイルスなど新たな感染症対策とともに2050年カーボンニュートラルに関連する取り組みとしても、その重要性がますます増してきています。こうした動きを受けて、国も東京都も国際会議と歩調を合わせ、早急に生物多様性保全の戦略を改定する予定となっており、市もそれを受け、次期みどりと環境基本計画の中で、生物多様性地域戦略を策定していきたいと考えています。 ◯13番(岩永ひさか君) 今ご説明というかお話をいただいたように、本当にこの生物多様性の取り組みについては、国連からも非常に遅れているという指摘がされているわけなのです。  もともとこの気候変動枠組条約と、この生物多様性条約というのは双子の条約と言われるほど密接な関係にあるものだったのですけれども、地球の温暖化については、非常にメディアなんかにもたくさん取り上げられて話題にもなるし、私たちもうすうす認識をしているのですけれども、一方のこの生物多様性のことについては、少し取り上げられないこともあって、本当に認知度が薄いのかなと思っています。ですので、先ほど教育委員会との協力でということもお願いしたのですけれども、温暖化と並んで、この生態系の問題は一緒に考える必要があるよということも含めて、ぜひ子どもたちにも伝えていただきたいということを改めてお願いをしておきたいと思っています。  さて、この後の外部評価のところに話を移したいのですけれども、これについては第一答弁の中で、全般的な見直しについてご答弁をいただきましたので、ぜひその方向で取り組んでほしいなと思っているのですけれども、環境政策はとても分野ごとに専門性が問われるのではないかなと思っておりますので、審議会の中にも、必要に応じて専門部会を設けるということもぜひ検討していただけないかなと思っておりますけれども、お考えについて伺いたいと思います。 ◯環境部長(鈴木隆史君) 第一答弁で説明したように、現在の市民認証は3つの評価の合計点で評価しており、最終的に点数として推進できているように見えても、実態として、課題となっている取り組みもあるような状況です。  次期多摩市みどりと環境基本計画では、評価の可視化やわかりやすさは継続させながらも、適切な評価と翌年の改善につなげられるような仕組みに見直していく必要があると認識しています。  なお、この議論については、学識、行政、事業者、そして市民の委員で構成されたみどりと環境審議会の中で進めていきたいと考えています。 ◯13番(岩永ひさか君) これに限らずですけれども、本当に事業を評価するというのは評価表をどうつくるのかということについても、とても難しいのかなと思っているのですけれども、ぜひこの環境分野については、非常に目標が明確に設定できるということがありますので、評価の手法も進化させてもらいたいと思っています。  いずれにしても、私がこの(1)のところで申し上げたいことは、これまでと同じトーンで環境行政に取り組んでいても、私たちが得たいと思うような結果が得られないということを改めてこの場で共有しながら、次の取り組みを考えていってほしいということですので、ぜひそのことについては、もう一度強調させていただきたいなと思っています。  では、(2)のほうに移りたいと思います。  先ほど(2)のお答えの中では、何か市民の皆さんが宣言を踏まえて、自分事として行動し始めているという何か手応えが述べられたような感じだったのですけれども、私は別に市民は、去年は気候非常事態宣言は関わりなく、レジ袋が有料化になったから行動を変えたのだなと思っているのです。  先ほどの答弁の中で、私がとてもこれはと思ったのは、子どもが自主的に宣言についてヒアリングに来たという話だったのですけれども、その子どもが、市を訪問したきっかけについて把握されていれば伺いたいと思います。 ◯環境部長(鈴木隆史君) 今回訪ねてきてくれた児童は授業などでの訪問ではなく、たま広報を呼んで、環境問題に興味を持ち、学校の先生に相談し、学校の先生から所管課へ連絡があり、授業終了後の放課後に訪ねてきてくれたものでした。児童からは、宣言の経緯やCO2削減の方策などについて積極的に質問していただきました。 ◯13番(岩永ひさか君) わざわざ市まで来てくれるなんて、何て子どものアンテナが高いのだということで驚くわけですけれども、これはESDの成果かなと思ったりもしています。  その一方で、大人はどうかなということを考えてみたいのですけれども、残念ながら私の周りの方に聞いても、ほとんど気候非常事態宣言について知らない人のほうが多いのです。確かにコロナ禍だったからということでうまく啓発ができなかったりしたのかもしれませんけれども、もう少しPRには力を入れて頑張ってほしいなと思っています。  そこでまず、今年はたしか世論調査が行われると思うのですけれども、ぜひこの気候非常事態宣言の認知度を調査してほしいなと思っています。  そのときに併せて今後有効なPRと啓発を考えていく必要があるなと思っているのですが、どこでこの気候非常事態宣言のことを知ったのかについても併せて調査をしていただけるとよいのではないかなと思っておりますけれども、いかがでしょうか。 ◯環境部長(鈴木隆史君) 今年度予定されている市政世論調査では、気候非常事態宣言の認知度について、新たに加える方向で調整しています。また、宣言の認知度以外にも、市民の皆さんが地球温暖化対策のために日々取り組んでいることや、市に求めている事業などの調査も行いたいと考えています。今回いただいた意見などは、今後の参考にさせていただくとともに、気候非常事態宣言の内容や市の理解については、これからも啓発を進め、温暖化対策を推進していきたいと考えています。 ◯13番(岩永ひさか君) 市民にきちんと届く広報ができたのかという点では、後から検証ができるように、そういうときに世論調査なんかは今後も工夫して活用できるのではないかなと思っておりますので、よろしくお願いいたします。  それから、市のホームページについて一言申し上げたいと思います。新型コロナということもあるのかもしれませんが、今トップページ見ても、多摩市が気候非常事態宣言をしたという気配すら感じないという大変残念な状況になっているように思います。  やはり市議会と一緒に宣言したということも大きいし、先ほど申し上げたように、多摩市の気候非常事態宣言というのは、温暖化だけではなくて、生物多様性のことも設けたと非常に注目がされているということもございます。  そういう意味で、市の顔としてのこのトップページ、ここでPRの優先順位を上げる必要があるのかなと思っているのですけれども、企画政策部のほうからお答えをいただきたいと思います。 ◯議長(藤原マサノリ君) 藤浪企画政策部長。      (企画政策部長藤浪裕永君登壇) ◯企画政策部長(藤浪裕永君) 気候非常事態宣言、公式ホームページのほうでしっかりPRすべきではないかというお話かと思ってございます。  ご案内のとおり、多摩市の公式ホームページにつきましては、多摩市の公式な情報発信ツールであり、情報の玄関口として、その時々の課題、問題をはじめ、市政上全体の様々な情報を掲載してございます。  ご指摘のとおり、目下のところ最大の関心どころ、新型コロナウイルス関連でありまして、これをどうわかりやすく伝えるか苦心しているところでございます。  お尋ねの気候非常事態宣言ですけれども、まさに地球規模で進めていく、迅速に進めていく必要がある取り組みについて、その着実な一歩をまずここを多摩市からということで、昨年、市議会と行政が共同で宣言を出したものと理解してございます。  つきましては、気候非常事態宣言からちょうど1年目の節目に当たると考えておりますので、公式ホームページをはじめとして、たま広報その他の様々なツールを効果的に使っていくことが必要ではないかと考えてございます。  既に少しずつ検討を始めている様子でありますけれども、どのような内容をどのぐらいの期間、どうやって発信していくのかということでしたり、例えば公式ホームページのトップページの使い方であれば、どのような形が効果的なのかなというところもございます。技術的な部分もいろいろあるかと思ってございますので、このあたり一義的な牽引役である環境部門ともよく相談をしながら、様々な工夫をしていきたいと考えてございます。 ◯13番(岩永ひさか君) 前向きに工夫をしていただきたいなと思っています。それから先ほどご答弁の中では、啓発に冊子を全戸配布したということで、クールシェアのパンフレットのことかなと思っているのですが、全戸配布したもの、どこまで市民の方、読んでくださっているのかなということもあると思います。  そういう意味では、市内の身近な公共施設、小・中学校も含めてなのですけれども、掲示ってとても大事かなと思っているので、ポスターなんかの工夫もしていただけたらよいのかなということで、これは提案をしておきます。  では、次、(3)にいきたいと思います。  昨年はコロナもあって、なかなか思うように取り組めなかったということで、今年もその延長線上にあるのかなとそんな気配を感じるのですけれども、着実に進めてほしいし、やり切れないところについては、それはそれで仕方がないというわけではないのですけれども、丁寧に取り組むということを心がけてほしいと思っています。  ご答弁では、多摩市役所のプラスチック削減方針を策定したというのがあって、できることからの取り組みということでは前進だなということを評価したいと思うのですけれども、改めてその内容と成果について伺いたいと思います。 ◯議長(藤原マサノリ君) 鈴木環境部長。       (環境部長鈴木隆史君登壇) ◯環境部長(鈴木隆史君) 昨年5月に策定した多摩市役所のプラスチック削減方針では、業務内での環境配慮を定め、取り組みを進めています。具体的には、使い捨てプラスチックの使用削減のため、グリーン購入ガイドラインを改定し、物品の購入への環境配慮のほか、啓発物品、イベントや会議などでの環境配慮についても規定しました。  本方針については、策定時の周知のほか予算編成時、また年度当初の予算執行方針においても、プラスチック削減など環境配慮の意識を持って業務を進めるよう、全職員に対して周知も行ってきているところです。
     そのような中、各所管においても環境配慮について検討いただき、これまで事業で使用していたプラスチック製品などについて、環境配慮を行う場合どのようにしたらよいのか環境部へ相談があり、プラスチックからの切替えや切替えができない場合、バイオプラスチックや再生プラスチックへの切替えなど、環境配慮を意識した業務への取り組みが進んできている状況です。 ◯13番(岩永ひさか君) 市民にやってくださいと求める前に議員も含めてかなと思っているのですけれども、意識も行動もしっかり私たち自身から変えていくことが必要だなと思うのですが、やはり方針だけでは弱いかなと思っていて、例えば職員のマイボトル使用率をふやすとか、市役所の中の自動販売機や売店にはペットボトルを置かないという具体的な目標をつくって、さらに取り組みを進めてほしいと思っているのですけれども、この辺りについては環境部だけではなくて、総務部も一緒に進められるのではないかなと思っておりますけれども、お考えを伺いたいと思います。 ◯議長(藤原マサノリ君) 渡邊総務部長。       (総務部長渡邊眞行君登壇) ◯総務部長(渡邊眞行君) 職員一人ひとりが自ら自分事として、これらの自分の行動の変容をしていくという視点も大変大切だろうと考えてございます。  また、組織的、具体的な取り組みというところにつきましても、環境所管と十分連携を取りながら取り組んでまいりたいと考えているところでございます。 ◯13番(岩永ひさか君) コロナのワクチン接種の会場で、職員の皆さんに市民が直接会って、すごく頑張ってもらっているという声を私も聞くのです。職員の方やあるいは議員もそうかもしれませんけれども、動いているな、頑張っているなという姿が市民を動かすことにもつながっていくのかなと思っているので、ぜひここについては、目標を設けて取り組んでもらいたいと思っています。  夏になると、市役所のごみ箱にペットボトルがあふれるということがないように、ぜひチェックしてほしいなと思っています。  あと先ほどの鈴木環境部長からのご答弁の中では、啓発グッズについても、バイオプラスチックや再生プラスチックで対応をしているということもあったのですけれども、バイオプラスチックだからよいのか、再生プラスチックだからよいのか。それもなくしていくという考え方に立つことが、本来は必要ではないかなということだけ指摘をしておきたいと思います。  では、(4)の計画のほうに少しお話を移したいと思います。  東京都や国とかそんな動きを待つまでもなく、多摩市は自らCO2ゼロを宣言したわけですから、早く取り組んでほしいと思っているわけなのですけれども、この区域施策編については、次の多摩市みどりと環境基本計画の改定時期と合わせるということだったのかなと思っているのですが、少しのんびりし過ぎかなと思っています。  今、この策定について、都内26市の状況はどんなふうになっているのか伺いたいと思います。 ◯議長(藤原マサノリ君) 鈴木環境部長。       (環境部長鈴木隆史君登壇) ◯環境部長(鈴木隆史君) 今年の3月末の時点で、都下26市の区域施策編の策定状況は、策定済み16自治体、未策定10自治体となっています。 ◯13番(岩永ひさか君) 今確認したように、策定していない自治体が10ということで、策定しているほうが多いわけです。多摩市は気候非常事態宣言をやっているわけですから、ぜひここについてはしっかりと早めに取り組んでもらいたいと思っています。  国も自治体への支援策を強化していると聞いていますけれども、そういう動向は把握されているのでしょうか。 ◯環境部長(鈴木隆史君) 国においても、自治体が地球温暖化対策を実施していくため、様々な支援策が始まっており、多摩市の状況に合わせた支援を得られるか、情報収集を進めているところです。  環境省の支援メニューでは、再エネ導入目標の策定支援があり、内容としては基礎情報の収集、温室効果ガスに関するデータ推計、削減施策の調査検討、再エネポテンシャル調査、温室効果ガス排出量将来推計、再エネ導入目標設定、実現に向けたシナリオ作成などがあります。このような支援を活用し、地球温暖化対策実行計画の区域施策編を策定し、多摩市全域の温暖化対策を進めていきたいと考えております。 ◯13番(岩永ひさか君) いろいろ情報を集めていただいていることがわかりましたので、ぜひこれを活用して、多摩市の取り組みを加速させてほしいと思っています。  それからぜひこの計画策定に当たっては、もう2050年ゼロの目標がありますから、2030年、2040年までにはどうするかということで、バックキャストの考え方を柱にした取り組みをしっかりと進めてほしいと思っておりますけれども、お考えを伺います。 ◯環境部長(鈴木隆史君) 岩永議員ご指摘のとおり、2050年までの道筋を検討するためには、5年、10年先だけでなく、その先を見据えた目標設定が必要であり、具体策の検討には現状を認識し、2050年にCO2実質ゼロを達成するため、何をすべきか、バックキャストの考え方に基づく検討が必要と考えております。 ◯13番(岩永ひさか君) ぜひSDGsでもこのバックキャストの考え方は非常に重要になっておりますので、生かしてもらいたいなと思っています。  では、(5)に移りたいと思います。とても前向きなご答弁をいただけたかなと思っています。昨年の消費生活フォーラムとエコ・フェスタの合同開催というのは、少しコロナで集客が難しかったなと思いましたけれども、方向性としては、とてもよかったなと思います。  改めて、環境部のほうからもお答えいただきたいと思います。 ◯環境部長(鈴木隆史君) これまで別々に開催していたエコ・フェスタと消費生活フォーラムを合同で開催することで、参加団体同士の新たな交流ができたほか、さらに昨年度は、2050年二酸化炭素排出実質ゼロに向けたトークイベントなども開催し、新たな視点で環境と暮らしを融合させながら、消費者の立場から環境問題に取り組めることを考える、そういうきっかけを主催者だけでなく来場された多くの市民にも、提供できたものと考えています。今年度の実行委員会の立ち上げはこれからですが、引き続きお互いが相乗効果で推進していけるような連携をこれからも進めていきたいと考えております。 ◯13番(岩永ひさか君) 私、相乗効果を発揮するってとても大事だなと思っています。これから予算も限られてくる中ではますます求められることだと思っています。  今回「環境配慮型おうち消費促進事業」の取り組みでも非常に工夫が感じられたなと思っておりますけれども、ぜひこれからも相乗効果ということを大事にした取り組みを、全庁挙げて進めてほしいと思います。  それから1つだけ気になっているのですが、消費生活センターのことについては、ベルブ永山の「はらっぱ」の空きスペース、あそこの活用はどうなっているのかなと思っているのですけれども、お尋ねをしたいと思います。 ◯議長(藤原マサノリ君) 須田くらしと文化部長。     (くらしと文化部長須田雄次郎君登壇) ◯くらしと文化部長(須田雄次郎君) 今お尋ねいただきました、ベルブ永山にあります「はらっぱ」でございますが、これはもともと多摩市消費生活センターが所管をしておりまして、もともとは多摩市消費者団体等連絡会の活動の場として、リサイクルショップや売店の運営のほか、環境に優しい商品を実際に使ってもらうことでそのよさを理解してもらう、そういった情報発信の場として、活用をされてきましたけれども、運営の担い手である多摩市消費者団体等連絡会の活動状況が厳しくなってきたといったことなどもあって、平成30年度をもって、運営を終了しているというところでございます。  半分のスペースは現在も、あしたや共働企画さんがエコ関連の売店というのでしょうか、そういうもので運営をしておりますが、ただ、もう半分はいっときは消費者問題関連の掲示なんかをしたりといったようなことございましたけれども、現状では月に1回程度、環境部関連の生ごみのリサイクル、段ボールコンポストの普及啓発関連ということで、ダンボくらぶさんによる啓発活動、あるいはあしたや共働企画さんによる「裂き織り体験」、古くなった布をひもにして、それをまた新たな用途に使うと、そういったことの体験が実施されているものの、いずれも活動する日数というのは非常に少ないというのが現状でございます。 ◯13番(岩永ひさか君) 今も少しは活用努力しているのかなと思うのですけれども、市民の方からもスペースもったいないなというお話を聞いています。やはり環境と消費の親和性ということもご答弁にあったかなと思っておりますので、ぜひ消費生活フォーラムとエコ・フェスタ、相乗効果があったということですので、こういう実行委員会の皆さんとも一緒に、活用方策を検討していったらどうかなと思うのですけれども、お考えを伺いたいと思います。 ◯くらしと文化部長(須田雄次郎君) 先ほど申し上げたとおり、現状ではなかなか十分な活用には至ってないというところでございますが、もともと多摩市消費者団体等連絡会によるリサイクルショップなども含む情報発信の場所ということですし、そもそも環境問題と消費者問題というものはお互い切っても切れないテーマだといったことでございます。  この場所の今後については、今申し述べたようないろいろな経緯や背景も改めて押さえるとともに、エコ・フェスタと消費生活フォーラムの合同開催の状況や、そこに参加してくださっている団体の状況なども踏まえながら、市民による市民のための情報発信の拠点といった形で有効に活用されることが非常に望ましいと思っておりますので、この管理運営の方法の見直しなども含めて、今後さらに関係団体の皆さんと、検討をしてまいりたいと思っております。 ◯13番(岩永ひさか君) 個人的にはぜひこの気候非常事態宣言の発信基地にしてほしいなと思っておりますので、前向きに検討していただけるとうれしいです。  それから最後、教育のことです。お答えでは、気候非常事態宣言は意識しているということだったのですけれども、少し確認しておきたいのは、教育振興プランの中に気候非常事態宣言という言葉が盛り込まれているのかどうか、これについてまずお答えいただきたいと思います。 ◯議長(藤原マサノリ君) 鈴木教育部長。       (教育部長鈴木恭智君登壇) ◯教育部長(鈴木恭智君) 第二次教育振興プランにつきましては、令和2年4月から令和12年の計画期間として策定をしております。気候非常事態宣言をしたタイミングから、文言として気候非常事態宣言という単語は入ってはおりません。 ◯13番(岩永ひさか君) そうはいっても、令和3年度の取り組みということの冊子の中にも、一言も気候非常事態宣言と触れられておりませんでしたので、ぜひ今後、きちんと冊子の中にも明記していただければよいのかなと思っています。  ぜひこれからESD、民間なんかとも連携して進めていくということでは、先ほどコンソーシアムなんかのお話もさせていただいたのですけれども、このSDGsのウェディングケーキモデル、とても大事ではないかなと思っています。これからさらにESDを進めていくという立場から、清水教育長のご見解を伺っておきたいと思います。 ◯教育部長(鈴木恭智君) 今、ご指摘いただきました、別冊として教育振興プラン、令和3年度の取り組み、こちらの中にはご指摘のとおり個別表記がされていないのを私も確認をしています。  ESDあるいはSDGsということで、教育委員会は取り組んできました。本日の冒頭、浦野副市長からも「Think Globally、Act Locally」ということで、これは教育委員会が掲げるESD、ここの部分でもこの教育振興プランの中で、同じ単語、フレーズを用いて振興していこうとしております。  今後留意をしていきたいと思いますが、決して教育委員会として、気候非常事態宣言を軽んじていることはなくて、公式ホームページの中で各部の取り組み、5月の連休のところで、企画政策部のほうで張り出しをしていただいていますけれども、教育委員会の部の取り組み方針の中で、気候非常事態宣言に対応した環境配慮型の取り組みを、今年度取り組んでまいりますとさせていただいております。そんなことでご理解もいただければと思います。 ◯議長(藤原マサノリ君) 清水教育長。        (教育長清水哲也君登壇) ◯教育長(清水哲也君) ESDは持続可能な社会の担い手づくりですから、子どもたちの成長を支える大人たちの関わりが、まさに多摩市のESDコンソーシアム、連合体ということで、これは大人たちの子どもたちのための会議というふうに現在も行っております。今後は地球温暖化や再生エネルギーをテーマとして、ESDを推進する学校にとっては、例えばNPOや民間企業の支援がかなり大切になってくるかなと思っています。特に地球環境や環境教育に関心の高い団体の皆さん、こういった方にコンソーシアムへの参加を促していきたいなと思っております。  また、こうした点からも、今日も冒頭お話がありました健全な地球環境をベースに、社会や経済の活動が成り立っているのだということを示している、今日ご提示のあったSDGsウェディングケーキモデルというのは新たなSDGsのモデルとして、ぜひ学校でも活用を図っていきたいと改めて思っています。 ◯13番(岩永ひさか君) とても前向きなお答えいただけて本当にありがたいし、うれしいなと思っています。  このESDというのも、子どもたちから親に、そしてまた大人にということで、多摩市の中では広がっていったのかなと思っているのですが、ぜひこの気候非常事態宣言も、子どもから保護者にということで、さらにこう広げていけるように、ぜひ教育委員会を挙げてきちんとリーダーシップを取りながら、学校、子ども、そして地域ということで、この気候非常事態宣言を、私たち市民のものにしていただきたいなと思っています。  最後に、これについては、冒頭でも環境部を市長が復活したということもお話をしましたけれども、これからの時代、もっと危機感を持って取り組んでいかなければいけないと思っておりますけれども、最後、市長にご意見を聞いて、私の質問を終わりたいと思います。 ◯議長(藤原マサノリ君) 阿部市長。        (市長阿部裕行君登壇) ◯市長(阿部裕行君) 本日SDGsのウェディングケーキモデル、これをベースに考えていくべきではないか、質問者のまさにそこが結集された部分だと思います。全く私もそのとおりだと思います。今年3月に施政方針演説の中で、コロナ禍のことを冒頭に掲げ、次にはこの気候非常事態宣言と地球環境問題を掲げました。  ただ、そうは言っても、あのときの予算決算特別委員会の総括の中でも、それがどこにお金で表れているのか、事業としてどうなのか。また、多摩市として何ができるのかという厳しい指摘もありました。  しかし、本当にこれは不退転の決意で臨んでいかなければいけないと私も思っています。2018年、19年と、グレタ・トゥーンベリさんを中心に世界の若い人たちが、コロナ禍に来るまですごい勢いで全世界でデモをし、声を大きくし、大人たちに呼びかけてきました。  これは2050年、パリ協定の2050年ではなく、今や言われていることは2030年、もう10年後です。10年後までに1.5度の気温上昇を許したら、地球はいわゆる灼熱地球になってしまう。そして、それは取りも直さず、今日、質問者、岩永議員がご指摘されてきたようなこと、つまりウェディングケーキモデルの肝は、言ってみればSDGsの中で、6番目に安全な水とトイレ、13番目に気候変動、14番目に海の豊かさ、15番目に陸の豊かさがあります。この4つがあって初めて、まさにご指摘のように健幸まちづくりもあるし、また、ある意味で福祉であったりあらゆる教育もそうです。全てある、これはまさにおっしゃるとおりです。  ただ、私たちが考えなければならないこと、例えば私も最近でもいろいろな各テレビ局が地球環境問題を取り上げたりしています。牛1頭生まれるのに、一体どれだけの量の穀物を作っているのか。私も知りませんでしたが、全世界の農業生産量のうちの約3分の1が、牛が食べる穀物、トウモロコシである。つまり牛を私たちが消費しているということは、それだけ多くのトウモロコシを実は消費をしている。このこと自体が、今、先進国含めて、全地球に大きな影響を与えている。  また一方、プラスチックについても、先ほど来マイクロプラスチックの話もありましたが、海洋汚染、生態系を考えるとここもどうやら人間が、海の中ではシャチであったり、そういう哺乳類が頂点に立っているのでしょうが、結果として、人間が生態系のトップに立っているとすると、言ってみれば、捕食の連鎖、生態系の連鎖によって、人間自身にも有害物質が蓄積されていくということになってきます。  あらゆることを考えると、この10年、物すごく大切な10年であって、きちんとCO2削減努力する。そして、マイクロプラスチックはじめ海洋汚染を食い止めていく。そして生物多様性。議会と一緒に宣言をした多摩市の気候非常事態宣言は、まさにこの3つのポイントを押さえている日本全国でも唯一の気候非常事態宣言でありますので、先ほど教育長からもお話ありました、子どもたちとも連携し、そして今日何回も指摘されていますが、そうは言ったって気候非常事態宣言、多摩市の圧倒的、おそらく9割以上の市民は知らないよということだと思いますので、そうしたPRも含め、コロナ禍の中ではありますが、きちんとこれに取り組んでいかないと、何しろコロナ禍で地球のエネルギー、かなり抑えられたとはいえ7%しか抑えられていません。  この後、ただ単に復活するだけではなくて、地球環境そのものにもきちんと思いも来たしながら進めていくということが、未来の地球を守っていくということになると思います。改めてそのことを学ばさせていただきました。ありがとうございました。 ◯13番(岩永ひさか君) 私たち議員一人ひとりや議会もそうだと思っているのですけれども、子どもたちの未来に責任を持つまちづくりをどうつくっていくのかということなのだろうなと思っています。  市長と副市長と、そしてまた教育長、ぜひこの環境行政をさらに引っ張っていただきたいということを最後に申し上げまして、一般質問を終わりにしたいと思います。ありがとうございました。 ◯議長(藤原マサノリ君) 岩永ひさか議員の一般質問は終わりました。  これにて一般質問を終了いたします。    ──────────────────── ◯議長(藤原マサノリ君) 以上で本日の日程は全部終了いたしました。  本日はこれにて散会いたします。お疲れさまでした。          午後4時40分散会...