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2021年03月04日 令和3年第1回定例会(第4日) 本文
2021年03月04日 令和3年第1回定例会(第4日) 名簿

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  1. 多摩市議会 2021-03-04
    2021年03月04日 令和3年第1回定例会(第4日) 本文


    取得元: 多摩市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-09-16
    2021年03月04日 : 令和3年第1回定例会(第4日) 本文 (172発言中0件ヒット) ▼最初の箇所へ(全 0 箇所) / 表示中の内容をダウンロード  / 印刷ページ          午前10時00分開議 ◯議長(藤原マサノリ君) 大くま真一議員から、今日1日欠席との連絡がありました。  ただいまの出席議員は25名であります。定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。    ──────────────────── ◯議長(藤原マサノリ君) 本日の議事日程はあらかじめお手元に配付したとおりであります。  日程第1、昨日に引き続き一般質問を行います。  質問の通告がありますので、順次指名いたします。  初めにあらたに隆見議員の発言を許します。  17番あらたに隆見議員。      (17番あらたに隆見君質問席着席) ◯17番(あらたに隆見君) 17番あらたに隆見でございます。通告に基づき、2問質問させていただきます。  1.多摩市がめざすべきデジタル社会について  新型コロナウイルス感染拡大は、日本のデジタル化の遅れを浮き彫りにしました。国においては、デジタル庁の創設などデジタル社会の構築に向けて加速しています。阿部市長も施政方針の中でも、「ICT活用の恩恵を市民の利便性としてもたらせるよう、行政手続のオンライン化を推進するなど、確実な一歩を踏み出していきます」と、デジタル社会に向けての決意を述べられています。  私たち公明党は以前より目指すべきデジタル社会のビジョンとして、「豊かな国民生活と誰一人取り残さない社会」を訴えてまいりました。  デジタル社会を進めていく上で、我が会派の代表質問でも三階議員より訴えさせていただきましたデジタル格差による情報弱者への取り組みは必要不可欠です。  今回、私のほうからは、デジタル化に対する市の考え方や庁内の働き方改革について及びデジタル化の推進で市民生活がどのように変わっていくのか、また、誰一人取り残さない社会の実現のため、情報弱者への具体的な取り組みについて提案を交えながらお伺いしたいと思います。  (1)2月13日にオンラインで開催されました多摩ニュータウン再生プロジェクト第8回シンポジウムを拝聴させていただきました。「技術が人に寄り添う社会をともに創る」と題した基調講演では、市民中心のまちづくりを支えるデジタル技術の可能性を感じ、さらに講演いただきました企業が何を目指しているのかが非常にわかりやすい講演でした。  民間企業だけではなく、国や都もデジタル社会の構築に目まぐるしいスピードで進む中で、多摩市として受け身ではなく、今まで以上に積極的にデジタル社会の構築を進めていくべきと感じています。今後、多摩市としてどのようなデジタル社会を目指していくのか、多摩市のビジョンを明確にするべきと考えますが、市長のお考えをお伺いします。  (2)従来の情報システム課を4月から情報政策課に変更するとのことですが、専門的な知識を有する新たな人材の投与があるのか、また、市として目的や期待する効果をどのように考えているのかお伺いします。
     (3)今回導入を予定していますシンクライアントパソコンとは、従来のパソコンとどのような違いがあるのか。また、そのメリット・デメリットについてどのように捉えているのかお伺いします。  (4)1月に出されました緊急事態宣言で、都知事より都内の企業に対し「週3日・社員の6割以上」のテレワーク実施や、出勤が必要な職場でもローテーション勤務や時差出勤を要請し、「出勤者数の7割削減」を目指すと言われました。多摩市は要請対象の企業ではありませんが、出勤者数の7割削減には遠く及ばない現状でありました。市民生活を支える市役所の機能を維持するために必要な判断であったことは理解しています。しかし、今後の働き方改革を進める上では、市役所業務についてもテレワークができる環境整備が必要と考えます。その意味で、シンクライアントパソコンの導入には大きな期待をしているところですが、庁内でのテレワークの実施に向けて現状の課題をどのように捉えているのかお伺いします。  (5)最近では、各自治体サービスでLINEを利用したサービスがかなり普及しているとの報告を聞いております。総務省の平成30年度の調べによりますと、国内SNSの利用動向として、82.3%の人がLINEを利用しているとのことです。多摩市でもLINEの公式アカウントを既に取得していますが、市民が使い慣れたこのアプリを利用したサービスについて、多摩市として現在の利用状況と今後どのようなことで市民サービスの向上として活用を検討しているのかお伺いします。  (6)どんなに使い勝手のよいアプリでも、100%の市民が利用しているわけではありません。冒頭にも述べましたが、行政サービスのデジタル化を進めていく上で、デジタル機器に不慣れな人に対する手だては忘れてはならない視点です。国のほうではICT機器の利用をサポートする「デジタル活用支援員」の実証がスタートしていますが、多摩市でも、従来の紙の申請による事務処理の人を実際にデジタル機器での申請方法のサポートに振り分けるとか、動画や画像で申請方法をわかりやすく配信するなどの工夫が必要です。また、デジタル機器を利用されていない方のために、公共施設に申請用の端末やサポートする人材などを配置するなど工夫も必要と考えます。今後、デジタル化を進めていく上で、デジタル機器に不慣れな方への対応について市の考えをお伺いします。  2.新型コロナワクチン接種事業を円滑に進めるために  新型コロナワクチン接種事業は、我が国にとってコロナ禍の収束に向け極めて重要な国民的プロジェクトであります。しかしながら、情報不足により確定できないことも多く、先が見えないままスタートしたというのが現状です。1月27日には全国市長会からも、国に対して新型コロナウイルスワクチン接種に関する提言が出されていますが、いまだに明確な回答はないままです。市長や担当職員をはじめ全ての市職員、また関係する医師・看護師の皆さんも不安を抱えながら現場では走りながら考えるというのが実情ではないでしょうか。  既にメディアから接種時期のスケジュールなどが報道され市民の関心も深まり、私のところにも多くの方から問い合わせや要望が届いています。例えば、持病があるのでかかりつけ医で接種したい、高齢者のいる家族を優先すべきだ、多くの人と接する仕事の方を優先すべきだといろいろなご意見が寄せられています。全てのご要望にお応えすることは不可能ですが、大切な人の命を守る事業だということをご理解いただくことに努めています。  私自身も、国から出される多くの資料や他市での取り組みの報告などを見させていただいていますが、わからないことがたくさんあります。例えば、喫緊に設置予定のコールセンターについて、一般的な接種に対する問い合わせと医療の知識が必要な問い合わせを同じ番号で受けるのか、4万人の高齢者の分の予約受付を同時に始めるのか、仮に電話がつながらない状態になれば、そのクレーム処理に新たに人員が割かれコールセンターが機能しなくなります。さらにクレームがふえていくクレームの連鎖も想定されます。接種希望者には、当日は着脱しやすい服装で来てもらうなど、事前にお願いすべき内容は何が必要なのか、医療機関で接種が始まった場合、ワクチンの種別管理や接種済み台帳の管理、データ入力はどのようにするのか、実施実験をしたところの報告では、経過観察のスペースで人が密になった事例がありますが、十分なスペースが確保できているのか、具合が悪くなった方が横になれるベッドの配置がされるのか、接種場所の駐車場は足りているのか、クーポンを忘れた方の対応はどうするのか、疑問に思う点は多々あります。今回、私に回答する必要はありませんが、今回のワクチン接種事業の難局を少しでも円滑に進めていくには、想定できる課題を一つずつ潰して、担当者だけがわかっているのではなく、情報を共有していくことが大事だと思っています。  既に多摩市としてチーム編成をされ体制づくりもされており安心していますが、庁内の情報共有だけではなく、他市で抱えている課題や解決方法なども情報共有できるような連携もしてください。また、国や都に対して要望がありましたら、情報を共有していただければ、私たちも微力ながら問題解決に向けて働かせていただきます。  今回のワクチン接種事業は、長い間多くの職員の方が関わるようになります。通常業務も大事ではありますが、本事業は人命に関わる事業なので、私は優先度の高い事業と感じています。希望する方が一日も早く接種できるように願っています。市民の方のお話を聞くと、ワクチンに対して不安な思いもあり、接種するか否か悩んでいる方も大勢いらっしゃいます。市長はこのワクチン接種の目的と期待する効果をどのように受け止めているのか、ご自身は接種するのか、接種する場合はどのようなタイミングで接種をお考えなのかお伺いします。  以上、ご答弁いただいた後、必要があれば再質問させていただきます。 ◯議長(藤原マサノリ君) 阿部市長。        (市長阿部裕行君登壇) ◯市長(阿部裕行君) おはようございます。それでは、あらたに議員のご質問にお答え申し上げます。  1の(1)についてお答えします。  本市では、以前より、業務効率化とセキュリティ確保を目指し、業務システムの導入を積極的に進め、現在100を超える業務システムが稼働する状況です。  また、近年ではAIやRPAといった最新技術の活用などにも積極的に取り組んでおり、これからは最新技術も取り入れつつ、稼働しているシステムの統合、連携、共通化といったさらなる効率化に取り組む予定です。同時に、これまでのシステムは主に業務を進める行政側の視点で開発・導入を進めてきましたが、今後は市民側の利用しやすさ・利便性にフォーカスした検討も行います。  こうした取り組みの方向性を、本市としての新たな情報化の方針とするために、今年度は、多摩市情報化推進方針の改定を進めてきたところですが、昨年12月、国から「自治体DX推進計画」が示されたことを受け、両者を合わせた形で、改めて検討を進めていきたいと考えています。  本年4月から情報システム課を情報政策課に変更することとしました。コロナ禍を踏まえた今後の本市の情報政策のあり方、また国や東京都の取り組みの方向性などを受け止めながら、本市としての方向性をビジョンとしてまとめていきたいと考えます。  (2)についてお答えします。  かつては住民情報システムなどを自前で開発し、情報システム課がその運用を担っていましたが、その後、外部委託に切替えを行い、平成20年には、当時の情報技術の流れに合わせ、今後の情報システムの方向性を定めるために、民間からITの専門家を情報政策担当参与としてお招きし、汎用機を廃止するとともに、本市の業務システムの運用を大きく見直しました。さらに平成25年には、情報システム課に情報政策係を設置し、セキュリティ対策情報システムの政策的な導入判断に向けた調査・研究に取り組んできました。  こうした経過を踏まえ、さきに述べました本年4月の組織改正において、情報技術の政策的利活用のさらなる推進を図るために、課の名称を「情報政策課」に変更することとしました。  今後は、コロナ禍を踏まえた本市の情報政策のあり方、また国や東京都の取り組みの方向性などを受け止めながら、本市としての方向性を検討することから取り組みます。  一方、デジタル化を推進するには、お尋ねのとおり、人材や体制が重要な鍵の1つと考えており、本市における取り組み実績を踏まえながら、今後の取り組みの方向性の検討と併せ、専門知識を有する外部人材の登用や庁内の推進体制についても検討を進めていきたいと考えます。  今回の組織名称の改変の第一歩として、他市に負けない本市のデジタル化を進めてまいります。  (3)についてお答えします。  昨年、多摩市議会9月定例会において、補正予算を承認いただき、現在、庁内の業務システム環境の整備を進めており、その1つとして、シンクライアントパソコンの購入を予定しています。シンクライアントパソコンとは、ハードディスクなどのデータ保存領域を持たないパソコンです。  自治体として重視したいメリットとしては、シンクライアントパソコンの端末にはデータが残らないため、万が一の盗難・紛失等の際の情報漏えいのリスクが低減できること、また、災害等による損壊を受けたとしても、大事なデータ喪失の被害を最小限にとどめられることが挙げられます。  一方、デメリットとしては、シンクライアントパソコン自体には、データの保存や業務用アプリケーションソフトなどのインストールを防ぐ設定や、実際のデータ処理などを行う機能はなく、こうしたデスクトップ環境を別途データセンター等に構築する必要があるなど、一般的なパソコン導入と比較すると、技術面のコストが高くなる点が挙げられます。  運用上のメリットとしては、本市においても、自宅を含む様々な場所で職場の自席と同様のシステム環境となり、現下のコロナ禍で求められるテレワークが実現すること、また、より現場や地域に出ることが可能となり、将来的な多様な働き方への対応につながる第一歩となると考えています。来年度第1四半期には稼働予定であり、導入後の効果や課題を今後検討していきます。  (4)についてお答えします。  1月8日に発出された緊急事態宣言下においては、事業者の出勤を7割削減することを要請されたところではありますが、市の職員は、全体の奉仕者として市民生活の安心安全を守るため、ワクチン接種に向けた準備チームの設置とその運営を支える他部署からの応援体制を構築することを最優先とし、必要な業務を確実に実施するため、前回の緊急事態宣言下で実施した2班体制勤務は実施しないこととしました。  しかし、危機管理の面から、非常時においても業務の継続性を確保するための環境や体制を構築していくことは必要であり、平常時からその準備をしておくことで、緊急時においても、円滑に滞りなく業務を行うことが可能となり、市民生活の安心安全につながるものと考えます。  前回の緊急事態宣言の発出以前においては、市の業務は、窓口業務や個人情報を扱う業務等、在宅勤務に適さない業務も多いことから、在宅勤務については、具体的な検討には至っていませんでした。その後、緊急事態宣言発出をきっかけに、感染拡大防止の観点から出勤職員数の削減を目的として緊急的に導入したことから、在宅勤務の環境が準備できておらず、庁内で利用している業務システムに自宅からアクセスできないため、実施できる業務が制限されたことが大きな課題となりました。  このことから、在宅勤務等の導入に向け、システムの環境整備と勤務制度の構築を両輪で進めていき、職員の多様な働き方の実現を図っていきます。  (5)についてお答えします。  昨年9月に自治体向け無料プランを活用し、職員の手作りで開始した多摩市公式LINEでは、災害情報や観光情報等に限定した情報発信を行っています。2月24日時点での登録者数は2,222人でした。  現在、公式LINEの利便性を高めるため、機能拡張を含めたバージョンアップ改修を進めています。改修は年度内に終了し、4月1日にリニューアルする予定です。リニューアル後は、LINE登録者が必要とする情報を選別できる機能や、転入や出生等の手続をチャットボットでお答えする機能、公式ホームページや便利なアプリへのリンク機能などを実装します。  今後は、情報発信にとどまらず、インターネットで展開する情報やアプリとの中継ツールとして機能させることで、利用者ご自身が簡単な操作で欲しい行政情報にアクセスでき、疑問解決や電子申請等による自己解決を支援することが可能となります。  また、民間企業等での活用例も参考にしながら、ターゲットを定めたアンケート等の実施により市民参画を促進する等、幅広く研究しながら、市民サービス向上に向けた検討を行います。  (6)についてお答えします。  近年、急速なICT技術の普及により、多くの方がパソコンやスマホを手にするようになりましたが、ご指摘のとおり、様々な理由や事情により、デジタル機器に触れる機会がない、また困難な方々がいらっしゃることは承知しています。今回示された「自治体DX推進計画」においても、いわゆるデジタルデバイドへの対応として、令和3年度から、国の施策として機器の操作方法などを指南するデジタル活用支援員制度が本格的に実施されると聞いています。本市でも、以前から市民向けスマホ教室などを開催しており、国の事業などと合わせて今後の展開を検討していきます。  また、一例ですが、国ではマイナンバーカードを取得する方法をPRする動画「作ってみた動画」を作成し、公開しています。このように動画を用いた新たな手法も目にするようになりました。こうした取り組みはデジタル化を推進する上でも欠かせない取り組みであると認識しています。国が掲げる誰一人取り残さないデジタル化に向け、本市としてもどのような取り組みが可能か、検討を進めてまいります。  次に、2についてお答えします。  新型コロナウイルスワクチン接種については、昨年の11月より、健康推進課を中心に接種体制の準備に着手する中、今年の2月1日より特命事項担当課長を配属し、庁内各課の強みを生かしたワクチン接種チームを庁内で立ち上げ、全庁一丸となって住民接種の開始に向けて取り組んでいます。  16歳以上の全市民を対象としたこれほど大規模な接種事業は過去に経験がない中、最も大きな課題はワクチンの供給量だと考えています。  ワクチンの供給量について、国は4月以降接種開始できるよう、4月5日から自治体へワクチンを供給する発言がありましたが、当初、供給される量については、限定的で限りなく少量であることから予約枠や接種スケジュールに大きく影響するものであり、国に対しては各自治体が計画している接種スケジュールに見合うワクチンの安定的供給に努めてもらいたいと強く願っています。  刻々と状況が変わり、先行きが見通せない現状ではありますが、ワクチンの供給量を踏まえながら、予約方法、接種会場での運営など、市民の皆さんが混乱しないような工夫をしながら、接種を希望される方が、安全に安心して一日でも早く接種できる体制の確保に全力で努めてまいります。  また、日々情報が更新されますので、公式ホームページや、臨時のたま広報などを通じて、市民の皆さんに随時情報を提供できるよう努めます。議会の皆さんについても、勉強会などを通じて情報共有に努めてまいります。  今回のワクチン接種の目的、効果については、接種することで新型コロナウイルス感染症による死亡者や重症者の発生をできる限り減らし、結果として新型コロナウイルス感染症の蔓延を予防することが期待されています。  なお、私自身の接種ですが、今月の誕生日で65歳以上の高齢者に該当することになります。現在のところ供給量が限られていますので、よりご高齢の方、あるいはリスクの高い方に優先して接種いただきたいと考えています。その上で、接種できるタイミングになれば、市民の皆さんと同様の手続で接種したいと考えています。 ◯17番(あらたに隆見君) ご答弁ありがとうございました。まず、本当に他市に負けない本市のデジタル化を進めていくということで、今回意気込みを聞かせていただきました。今回この質問を取り上げた目的はもう半分達成されたのかなという思いもありますけれども、このデジタル社会というのは、誰一人取り残さない人に優しいデジタル化ということを進めていくということを国は掲げています。  ちなみに、三鷹市が「みらいを創る三鷹デジタル社会ビジョン」というのを既に発表しているのですけれども、河村市長は、今後、あらゆる分野で積極的にデジタルを活用し、利用者中心の行政サービスを提供すると、こういうことを宣言されています。これから多摩市もビジョンというか、方針をしっかりつくっていくのですけれども、市民がわかりやすいようなものをつくっていただければなと思います。  デジタル化を進めていく上では、システムの形成が重要なポイントになるわけですけれども、多摩市でも、答弁でもあったとおり、多くのシステムを利用しています。システム運用については、多摩市では以前から外部監査を受けているわけですけれども、令和元年度情報セキュリティ外部監査報告を読ませていただきました。専門家のほうから17か所の指摘を受けたということだったのですが、今年は残念ながら、新型コロナウイルス感染症の影響で外部監査を受けることができずフォロー監査ということで、これは多分、内部監査なのかなと思うのですけれども、されたということですが、今回、令和元年に17か所ご指摘を受けている部分についての改善状況についてお答えいただけますか。 ◯議長(藤原マサノリ君) 藤浪企画政策部長。      (企画政策部長藤浪裕永君登壇) ◯企画政策部長(藤浪裕永君) まず、システムの監査ということでお話をいただきました。  本市においては、情報セキュリティ監査としまして、平成16年度、2004年度に内部監査からスタートしまして、平成21年度、2009年度から外部、専門家の方をということで、来年度でいくと、今度13年度目に入る形かなと思ってございます。  少し順を追っての話になりますけれども、庁内のシステム、たくさんございますけれども、重要なものから順次、専門家の方に見ていただいてということで外部監査を行って、その上で、その後どうなったかということをフォロー監査というような形で対応をしていただいているところでございます。  その後の令和元年度のフォローの状況ということなのですけれども、数字のほうは今確認して、後ほどお答えさせていただこうかと思うのですけれども、その中でも、いろいろ細かい部分のところでご指摘を受けながら、例えば媒体の整理の話だとか、あと幾つか、このところのシステムの攻撃の関係でいくと、アクセスの関係の履歴を残さなければいけないということで、アクセスログを残しているかとか、いろいろなことを聞かれております。これはシステム改修のところも必要になってまいりますので、そうしたことも確認しながら順次対応して、どうなるのかを確認するような流れを取っているところでございます。 ◯17番(あらたに隆見君) 報告書では、監査のときに指摘をしながら、そこで改善の方向で心証を受けているという報告を受けているので、専門家から見ても、そんなに重大事項ということではなくて、改善できているなという心証を受けているということでしたので安心しています。  少しここからおやじの小言タイムなのですけれども、外からの目ということで大切なことだと思うのですけれども、多摩市のホームページ、皆さん今、タブレットをお持ちだと思いますので、多摩市のホームページを開いてみていただきたいと思うのですけれども、多摩市のホームページを開きますと、アドレスバーのところに「安全ではありません」と表示されます。今、この図を出していますけれども、これはパソコンの画面です。パソコンを開きますと、「セキュリティ保護なし」と表示がされてしまいます。なぜこんなようなことになっているのか。ご説明と、また今後この対応についてどういうふうに考えているのかお聞かせいただけますか。 ◯企画政策部長(藤浪裕永君) ただいまの多摩市の公式ホームページを開いたときの表示のところでございますけれども、一言で言うと、インターネットのいろいろなブラウザというのがございますけれども、その事業者のポリシーによるものと理解してございます。  今お示しいただいたのが、iPadでやっていますので、サファリというソフトになるかと思いますし、その他のところでも、有名なところだと、グーグルですとクロームというようなものがあったりしてということなので、特にこの2つのところが、警告の表示としてはすごく強く出されているところでございます。  また、自分のほうもいろいろと調べさせていただいたのですけれども、ほかの事業者のところ、その他にもインターネットエクスプローラーだとか、それぞれございますが、表示の仕方が違うところで、細かいところですと、その表示の後のところに、このホームページでは機密情報の入力、クレジットカードの入力やパスワードなどはやめてくださいというような表示があっての違いがございます。  また、ちょっと技術的なことになってしまうのですけれども、ウェブサイトについていろいろな攻撃といいますか、ある中では、暗号化というものをしてございまして、ホームページ全体に暗号化をかけているところはこの表示が出ない。多摩市の場合については、全体にはかけていないことからこのような表示が出るということになってございます。  多摩市の場合、ちょっと長くなりますけれども、市民からのお問い合わせをいただくようなところについては暗号化をかけているのですけれども、外側全体にかけていないということでこのような表示が出ているというところでございます。  なお、今後の対応ということですけれども、このところ、改めて新型コロナウイルス感染症の状況、それからまたこの間の災害の状況などで公式ホームページをアクセスする方が非常にふえてきて、心配される声も実はお寄せいただいているところでございます。この辺りは我々としても看過できない状況というようなところで、現在、この改修に着手してございまして、年度末には改修される状況となってございます。 ◯17番(あらたに隆見君) 年度内には改修ということで少し安心しました。  実は、昨年の10月か11月頃に、私、市民の方からこの指摘を受けたのです。会社だったら、ホームページなんていうのは顔に当たる部分なのでさっさと直していると。多摩市は個人情報を扱っているようなところなので、何でこれをさっさと直さないんだということでお叱りを受けたことがあったのですけれども、実際にこのときいろいろ調べてみたら、他市もこんなコメントがずっと残っていたので、徐々に直していけばいいのかなと。慌ててやって莫大なお金をかけてももったいないしというような思いもあったので、しばらく静観していたのですけれども、今日まで残ってしまっていて、気がついてみたら、26市中、23市は既に対策が全部終わっています。残り3市となってしまいましたので、今回取り上げさせていただきました。  そういう意味で、外から見られる目というのですか、実際にはここでクレジットカードの情報とかを多摩市のホームページで入れるわけではないので、見ている人に実害があるわけではないのかもしれないのですけれども、やはり個人情報を扱っている団体、機関だということは重きを置かないといけなくて、こういうようなコメントに対してはもっと敏感に反応していただきたいなという思いがしていますので、今後、同じようなことが起こらないようにお願いしたいと思います。  市のホームページのほうに入らせていただきたいのですけれども、ホームページというか、市のほうでは、転入・転出だとか、お亡くなりになった方のために、非常にわかりやすいチェックリストを作っていただいています。1階のところに行くと色分けされて置いてあります。これは非常に便利な機能でいいなと思うのですけれども、最後のほうに細かく書いてあるところが、多摩市の便利な本の何ページに書いてあるよということが書いてあるわけなのですけれども、市のホームページにこのままこのデータが張りついているのですよね。ホームページを見に行く、せっかくデジタルというか、パソコンを使って見に行っている人が、最後、本を持ってきて参照しないと中身が確認できないというのでは、とても不親切だなと私は思っているのです。本当にデジタル的なことを言ってしまうと、このページのところをクリックするとそこの情報にぽんと飛ぶというような、そういうような仕組みを持たないと、いわゆるパソコンの中で完結しないですよね。これは非常に不親切だなと私は思っています。  それ以外にも、多摩市のメインの政策の健幸まちづくりのサイト、これはおしゃれないいサイトですよね。ここに矢印をつけているのですけれども、「ぶらてくCity多摩」をクリックすると、いろいろこういったところを歩きましょうということで案内が出てくるのですけれども、「ウォーキングマップ」をクリックしますと、このままサイト、こういうのが出る。これはちょっと小さくて見づらいのですけれども、実はこれ、ウォーキングマップそのものを紙ベースで作ったデータをそのまま張りつけているので、下半分は逆さまを向いているのです。切り取って張りつければ、ちゃんとしたマップとして使えるかもしれないけれども、デジタルで見ている人たちから見たら、逆さまを向いているわけですよね。最近はスマホで見ている人なんかもふえているわけですけれども、この6面が一気にだーっと出ているだけなのです。本来だったら、1ページずつ見られるようなサイトに切り替えていかないと、デジタル的な部分では不親切だと思うのですよね。こういったことも、ホームページをいろいろ見ていくと、不備が結構見受けられるなと感じています。  多摩市で、あとメインのページの1つで、「わくわくTAMAで子育て」というおしゃれなサイトがあるわけですけれども、ほかのところから引っ越してきた方に、前に住んでいたところでは、そういう子育ての相談場所だとか病院だとか遊ぶ場所だとかを見られるアプリがあって非常に便利だったのだけれども、多摩市はないのかと問い合わせをされて、その人は多摩市の子育てみたいなことでいろいろ探してみたのですけれども、市のホームページの子育て支援課のページにぼんと行ってしまって、肝心なこの「わくわくTAMAで子育て」の表紙のところにたどり着けなかったみたいで、そういったものが存在しているということを感じなかったみたいなのです。私もそのときやってみたら、なかなかそこに行かなかったのですけれども、今、これは改善されていて、昨日ちょっとやってみたら、このページに飛ぶようになっていましたね。そういったことも日頃から注意しておいていただけるといいなと思っています。  多摩市は、ツイッターだとかLINEも始めているわけですけれども、せっかくこういういいサイトを作っているのですけれども、市民に届いていないというか、情報として伝わっていないということで、私は、こういうことを作って張ったときに1回告知するのではなくて、定期的にこういうサイトに導くような案内を続けていくことが大事だと思っているのです。  昨日、折戸議員も言われていましたね。パンフレットは作って終わりではないと。活用していただくところまでしっかりやっていくということが私は大事なところだなと思っているのですけれども、今後、LINEについても答弁の中でありました。新しいサービスの仕方をやっていくよというようなことで。多摩市は、電子申請なんかも、東京都のシステムとかを使っていろいろやっているわけですけれども、答弁の中でも、申請のほうもこれからできるようにしていくよということであったのですけれども、ぜひこちらから発信していってそういう申請のところへ導いていくというような、こういうようなスタイルをきちんと確立していただきたいなと思うのですけれども、ここら辺の設計というのですかね、技術的にこれから専門的な部分も必要なのかなと思うのですけれども、どういうふうに今考えられているのかお聞かせいただけますか。 ◯企画政策部長(藤浪裕永君) ただいま、小言と言いながら貴重なお話をいろいろといただいて、ありがとうございます。  先ほどブラウザの話をいただきましたけれども、ここ数年を見てみますと、例えば、従来よく使われたインターネットエクスプローラーよりも、先ほど出てきたサファリとかクロームというものが多く使われるようになって、この2つで見ると、5年ほど前に45%ほどのシェアだったものが、今7割近くになっているということになってきています。この辺りというのが、今までは自宅のパソコンから持ち歩いてというようなところだったり、単にインターネットを見るところではなくて持ち歩くというような状況に変わってきているところですので、前段にお話しいただいたところは、打ち出して使っていただくことを意図して、我々、ひとりよがりになってはいけないのですが、よかれと思ってやらせていただくことが逆にうまく使っていただけない状況になってきたというところについては、やはり反省点として今後につなげていきたいと思ってございます。  また、情報についても、皆さんの取得する方法ってすごく変わってきてございまして、やはり年代の高い方は紙をよく使われる方が多いですし、若い方はまさにSNSを使ってということなので。  あと、もう一つ悩みのところは、欲しい情報は欲しいけれども、それ以外の情報は欲しくないといいますか、要らないというところもありますので、例えばツイッターで数多く打てばいいかというと、逆にブロックされてしまったりというところもありますので、今回、一つLINEということでスタートさせていただいて、次のバージョンアップをいたしますけれども、選択いただける機能というところもございますので、そうしたものをうまく工夫して、組み合わせて使っていくということが、まさにこれからの時代に求められているところかなと思ってございます。  そうした辺りについて意識的に取り組んでいくということと、やはり何らかのガイドもしながら、市としてはこういうふうに取り組んでいきましょうというところも共通の理解にする必要があると思ってございます。そうした意味で、今回、情報政策課と名称も変わるということですけれども、1つの課でできることでもないですので、庁内で意識を変えてどう取り組んでいくのか、それをまた市としてのスタンダード、ポリシーにしていくというような取り組みが必要と考えてございます。 ◯17番(あらたに隆見君) ありがとうございます。私、実は一番期待しているのは、今回、本多子ども青少年部長がいらっしゃっているので、子育ての電子申請なんかをそういった形で誘導して、手軽にやっていただくということは非常に大事な視点だなと思うのですけれども、今、残念ながら、子育て支援課が持っているLINEのアカウントというか、使っているという感じではなくて、どちらかというと健康福祉部のほうがやっているのですかね。相談業務とかそういったもので使っているような感じなのですけれども、そこから逆にそういう電子申請に飛んでいくようなサービスもこれからぜひやっていただきたいと思うのですけれども、これは今、子育ての担当としてどういうふうにお考えになっているかお聞かせいただけますか。 ◯議長(藤原マサノリ君) 本多子ども青少年部長。     (子ども青少年部長本多剛史君登壇) ◯子ども青少年部長(本多剛史君) 現在、子育ての情報につきましては、今、健康推進課のほうで行っております「にゃんとも子育てLINE」のほうで情報を流させていただいております。具体的には、タイムラインということで情報を流させていただいておりますけれども、ここでの役割としては、情報をまずお知らせするというようなことに今徹しておりまして、興味があればそこをクリックしていただいて、私どものホームページのほうに飛んで、制度の内容を理解していただいて、そして電子申請で申請できるという、そういう仕組みになっております。ちょっと一手間、二手間かかるのですけれども、内容をよく理解していただいた上でご申請いただくというところに今着目して情報を流しているということでございます。  これから電子申請ということが、かなり新型コロナウイルス感染症の影響でも注目されておりますので、申請する側の立場に立って、いかに手間を煩わせないで簡易に申請できるかという視点で、随時見直しを行っていく必要性があるかなと感じております。 ◯17番(あらたに隆見君) 本当に目に見えるような形で市民サービスがどんどん向上していくということがすごく大事かなと私は思っていますので、早くそういったものをもう少し広めていただきたいなと思っています。  今度は働き方というか、庁内のテレワークについてお聞きしたいのですけれども、私も正直言ってあまりITのことは詳しくないので、IT音痴なので見当違いな質問をしていたら申しわけないなと思うのですけれども、基本的には、庁内のネットワークは住民基本台帳ネットワークシステムというのがあって、あと国や東京都やほかの自治体とつながっているLGWANというシステムがあって、インターネットがあってという3層に分かれていますよということで、このLGWANというなかなか理解できないようなネットワークのシステムがあるわけですけれども、そこを管轄しているというか、J-LISという言葉をよく聞くのですけれども、少しこのJ-LISとかLGWANについてご説明いただけますか。 ◯議長(藤原マサノリ君) 藤浪企画政策部長。      (企画政策部長藤浪裕永君登壇) ◯企画政策部長(藤浪裕永君) J-LISあるいはLGWANということで横文字になりますけれども、J-LISについてが、英語でいくと、Japan Agency for Local Authority Information Systemsということだそうで、足していくとそうなるのですけれども、日本語名でいきますと、地方公共団体情報システム機構というものになります。こちらについては、2014年の4月に地方共同法人ということで設立してございますので、地方団体共同の業務を担っていただく組織になっているということでございます。  また、この役割というところで、この議場でも度々話になっていますマイナンバーカードの発行ですとか、コンビニ交付のサービスを行っていることですとか、また住民基本台帳のネットワークシステム、こうしたものの運用等も行っているというものになりますので、地方公共団体の情報システムの基幹になる部分を大半担っていただいている機構というものでございます。  また、後段のLGWANのところですけれども、こちらについても横文字になりますけれども、いわゆる総合行政ネットワークということでございまして、端的に言いますと、地方公共団体の中で使われる閉域、その中だけで使われるネットワークということですので、このところいろいろ課題になっている情報のアタックといいますか、そういうものについては、インターネットを通じてそこからもたらされるということで、こちらは自治体間だけで結ばれているということですので、よそからアクセスできない仕組みということなので、セキュリティを確保しながら、その中で自治体間の様々なところの情報が連携されるような仕組みになっているというものでございます。 ◯17番(あらたに隆見君) ありがとうございます。実は皆さんのお仕事は、ある意味、LGWANを使ってやる仕事が多いということで、なかなかインターネットとつなぐことができない、テレワークができないと。ここが1つの大きな壁なわけでございますよね。  実は私、先週、地方創生エキスポとか自治体のいろいろなサービスをやっているような展示会が幕張でありまして、いろいろ見学させていただいて、出展している企業とか、いろいろなお話を聞かせていただきました。これは当然ネットワークに関わっているようなところが多かったのですけれども、そこからいろいろ情報を得たのですけれども、J-LISは昨今、テレワークを地方公共団体ができないということで、それについての解決策ということで、庁外の端末からLGWANへ接続するのにLGWAN-ASPサービスというのですか、間にちょっとかませて、インターネットとLGWANのネットとをつなぐようなことの実証実験を始めたということで報告を聞きました。国のほうも今、皆さんが苦労されていることは十分理解していて、その解決策に向けて具体的に動き出しているというところでございます。  私、このネットワークのことは、再三お話があったと思うのですけれども、多摩市はちょうど庁舎の建て替えが迫っている中で、市内の働き方、庁内の働き方というものをきちんとどういう形でやっていけるのだというものを確立していくということが、今回、庁舎の規模とかあり方について物すごい影響のある話で、下手したら何十億というお金がそこで変わってしまうと考えているので、私、ここら辺のことは物すごく大事なところだなと思っているのです。  どうやら国も本格的にそこら辺の課題解決に向けて動き出しているということでひとつ安心しているのですけれども、多分、近い将来、今のこの課題はクリアできていくのかなと思っています。  ただ、1つ、実際にテレワークを始めるようなハードの環境ができましたといった場合に、庁内で出退勤管理だとか、そういったルールがあるのかという疑問があるわけなのですけれども、そこら辺は今どのように考えているのかお聞かせいただけますか。 ◯議長(藤原マサノリ君) 渡邊総務部長。       (総務部長渡邊眞行君登壇)
    ◯総務部長(渡邊眞行君) まさに昨年の非常事態宣言のときには、そういう用意がない中で、2直体制ということでできないだろうかということを始めましたので、そのときは苦肉の策で自宅への出張というような形の中での整理をさせていただいたところでございます。  今お話があったとおり、様々な形でシステムや環境が整ったとしても、服務の問題でありますとか、今ありました出勤、または今、勤務時間に着目した形での働き方というものもございます。そういうものをどう整理していくかというところが車の両輪になるところだと考えてございますので、去年から引き続き検討しているというような状況でございます。 ◯17番(あらたに隆見君) ぜひそこもしっかり早い段階からつくっていただいて、多分、いきなり2チームで交互に勤務なんていうことはなかなかできないかもしれないけれども、徐々にできるところからスタートしていっていただいて、具体的な課題とかを出していっていただければなと思っています。  あと、市のほうでも最近、高齢者を含めてインターネットの利用が物すごくふえているということで理解しているということでありましたが、インターネットの利用状況なのですけれども、たった1年で80歳以上の人の利用が物すごくふえているのです。前年まで21.5%だったのが、去年57.5%です。すごい勢いでインターネットの利用がふえてきているということで、やはりそういったことを条件にこれから行政サービスというのを考えていかないといけないなとつくづく思うのですけれども、ずっと言っているのですけれども、インターネットを使いだしているけれども、さくさく使えるかといったらそんなことはなくて、やはりそういうサポートが必要なわけですよね。そういう国がやっているデジタル活用支援員という形を待っているだけではなくて、市のほうでも今回、これからワクチンの予約などいろいろ始まりますので、そういったインターネットを使った申込みとか、そういったものに対するサポートの仕方ということで、ある意味、今回すごくチャンスだなと思っているので、ぜひ取り組んでいただきたいと思うのですけれども、そこら辺、今市のほうでは、そういうデジタル化に対するサポート支援みたいなことでの陣容というのですかね、そこら辺は今どういうふうに考えているかお聞かせいただけますか。 ◯議長(藤原マサノリ君) 藤浪企画政策部長。      (企画政策部長藤浪裕永君登壇) ◯企画政策部長(藤浪裕永君) 今ご紹介いただいたのは、多分、国の情報通信白書からのことだと思うのですけれども、いろいろ状況も大きく変わってきて、年を重ねた方でもいろいろ使われている状況になっているのだなというのは理解させていただいてございます。  一方で、デジタル化を進めるに当たって、より使っていただくための支援というところは非常に課題だと思ってございます。ただ、一方で、我々の悩みの部分というのが、最初にデジタル活用支援の入り口のところで何かお伝えするということはいいのだと思うのですけれども、その先を使っていただくというところでいくと、やはり我々もそうですけれども、スマホを替えたときだとか、新しいアプリを入れたときにどう使うのと。なかなか使いこなすのに時間がかかったり、人と対話する中でできる部分ですので、行政のほうで何かするというよりも、何か身近なつながりの中でできる方法だったりということが必要ではないのかなと、今時点では思案しているところでございます。  また、一方のところですけれども、例えばマイナンバーカードの交付の会場のところでも、ちょっとしたことを聞かれればお答えするような方法ももしかするとあるのかもしれませんけれども、それにしても、活用を進めていくということはやはり全体で進めていかなければいけないところだなと思いますので、庁内の様々な資源を活用しながら考えていくことが必要ということで、ちょっとこれはお時間をいただくところかなということでございます。 ◯17番(あらたに隆見君) 実は、まだワクチン接種の予約システムについて、市がどういうふうにつくられているのか全然説明を聞いていないのでわからないのですけれども、実際に電話で予約して何日というより、インターネットを使った予約、例えばLINEとかを使って予約をすると、前日に、あなたの予約はあしたですよという通知が来て、忘れていたというようなことを防止できたり、ちょっと都合が悪くなって行けなくなってしまったというキャンセルも、電話でなかなかつながらないとかそんなようなことを待たずして自分の端末のほうからキャンセルして日にちを替えるとかという申込みの仕方もできる、きちんと履歴も残るということで、ある意味、電話で申し込むよりも安全だと思うのです、予約した人たちにとっても。そういう意味では、今回の予約なんかについても、安易に電話の方向に行くのではなくて、高齢者だから電話でということではなくて、少しそういうアプローチの考え方もしていくことのほうが、全体の運営のことを考えたときにはよろしいかなと思いますので、ぜひ取り組みをお願いしたいと思います。  これから私、すごく気になっていることがあるのですけれども、ワクチン接種も今、出だしが遅れていますよね。ただ、これから5月の情報なんか全くない中で、もしかしたら5月辺りからワクチンが物すごい数入ってくるかもしれません。一斉に接種しだす。5月、6月に入ってくると、今度はオリンピックの話も出てきます。7月になれば選挙もあります。職員の皆さん、大変ですよ、これから。私は、そういうことは想定できるわけですので、今から通常やっている業務よりも短期間で委託できる内容であったりとか、会計年度任用職員の枠であったりとか、そういうのに予算をしっかり持って、いざというときに人手を確保できるような仕組みを今しっかり考えておかないと、そのときが来て、大変だ、人足りないというようなことにならないように、今からしっかり準備していく、人の手配をしていくということは大事かなと思っていますけれども、そこら辺はどう考えていますか。 ◯議長(藤原マサノリ君) 渡邊総務部長。       (総務部長渡邊眞行君登壇) ◯総務部長(渡邊眞行君) ワクチンの接種につきましては、多摩市としては、一部の部分で人を確保して、そこが中心となってという形ではなくて、全庁でチーム編成をしてそれに臨もうというような形で、全庁を挙げて今対応しているというような状況でございます。  今後、ワクチンが入ってきて、多くの方が早く接種できるということは望ましいことだと考えてございます。その中でも、やはり全体のマンパワー、ワクチンを打つ方、それから受付をする方、委託のものがあり、また市の職員が対応しなければならない部分も出てくると考えてございます。その中では、全庁を挙げて、人を輩出してそれに当たらせるという形になろうかと考えてございます。 ◯17番(あらたに隆見君) それでも、いろいろなものが重なっていくわけで、気がついてみたら14日連続勤務だとか、残業代が莫大な額になってしまったとか、そういうことにならないように今からしっかり、全庁を挙げてやれば何とかなるんだみたいな感覚ではなくて、やれるべきことは今しっかり用意しておくことが大事かと私は思います。  あともう一点、これからワクチン接種が本格的になってくると、5月、6月忙しいとなってくると、子どもたちの健康診断も6月ぐらいまでびっしり入っているわけですよね。これは医師会がもし悲鳴を上げてきたときに、子どもたちの健康診断を秋にずらすとか、そういったようなことは教育委員会としてできるのかどうか、確認させてください。 ◯議長(藤原マサノリ君) 鈴木教育部長。       (教育部長鈴木恭智君登壇) ◯教育部長(鈴木恭智君) 今年度につきましては、ご案内のように、緊急事態宣言下にありましたので、子どもたちの健康診断、夏の後半から秋にかけて実施をさせていただきました。  今ご質問いただきましたが、新年度につきましても、既に文部科学省から通達が出ておりまして、基本は、法令どおり6月までに、様々な教育活動をする前にしておくべきということは変わらないけれども、各地域の医療状況、そういったものに応じて、年度内まで対応は可としていただいておりますので、今、あらたに議員からいただきましたとおり、市内の接種環境、そういったものを医師会、あるいは学校保健会と密に今も連絡を取り合っております。そういった状況の中で、接種医が厳しい状況があれば、そこは柔軟に対応していきたいと思っています。 ◯17番(あらたに隆見君) ぜひお願いします。今回、このワクチンだけではなく、オリンピック、選挙、いろいろ重なってくるわけですけれども、本当にチーム多摩でこの難局を乗り切っていただきたいなと思います。それを乗り切った後、先ほどいろいろ言われていたデジタル化についてもしっかり取り組んでいただきたいとお願いして、私の一般質問を終わります。 ◯議長(藤原マサノリ君) あらたに隆見議員の一般質問は終わりました。    ──────────────────── ◯議長(藤原マサノリ君) 次に、安斉きみ子議員の発言を許します。  2番安斉きみ子議員。      (2番安斉きみ子君質問席着席) ◯2番(安斉きみ子君) 2番安斉きみ子です。通告に基づき、2問質問いたします。  1.諏訪・永山まちづくり計画について  多摩ニュータウン再生をリードするフロントエリアとして、2018年(平成30年)3月に諏訪・永山まちづくり計画が策定されました。  その目的は「本計画は、諏訪・永山地区の課題や資源を捉え、再生方針を踏まえた目指すべき地区の将来都市構造やまちに求められる機能、まちづくりの考え方を示すことにより、各関係主体の目標の共有と連携、再生に向けた今後の取り組みの促進を図ることを目的に策定するものです」とあります。  また、この計画書の43ページには(2)諏訪・永山地区における取り組みのイメージとして様々なまちづくりの将来構想が描かれており、2040年を目指す長期的な取り組みとはいえ、夢のあるまちの姿が浮かんでいます。  (1)想定スケジュールには、2040年代を目指して駅拠点の再構築、団地型分譲マンションの再生、賃貸団地の再生、尾根幹線沿道の有効利用など、「再生方針」に例示されたプロジェクト等をまちづくりと連携しながら段階的に推進するとありますが、3つの再生及び尾根幹線沿道の有効利用など、今現在どのように進んでいるのか伺います。  (2)団地型分譲マンションの再生について伺います。スケジュールには2020年代は昭和40年代団地の再生、2030年代は昭和50年代団地再生とあります。再生には改修・修繕と建て替えがあると考えますが、12月の私の一般質問では、分譲マンション再生のプロジェクトの基本方針にあるように、準備・検討・計画・実施など各段階において、東京都と連携しながら支援を拡充します、との答弁でした。準備・検討・計画・実施について、現在の状況下を踏まえてどのように考えているのか伺います。  (3)検討・計画段階にある耐震改修工事補助金の活用を利用した管理組合があるのか伺います。また、耐震改修工事補助金の活用における課題を伺います。  (4)多摩市優良建築物等整備事業補助金の構成について伺います。都の補助金との関連についても伺います。  (5)多摩市大規模団地等建替え事業支援実施制度について伺います。  2.乞田川に魚の遡上を実現するには・・その対策について  先日、多摩村生まれの方たちから乞田川に魚を遡上させ、子どもたちに魚が泳ぐ川を見せたいというお話をいただきました。そのためにはコンクリートで埋められた川に魚道をつくりたいということでした。今、永山橋から上流に向かって工事が逐次進められています。乞田川の河川管理は東京都ということもあり、住民の願いが届かないことに気をもんでいるとのことでした。  私も初めて乞田川の上流、下流と歩いてみて、相談された方の気持ちを実感しました。確かに工事後の川底やアンダーパスはきれいにコンクリートで整備され、治水工事としては成功しているのではと見受けました。しかし、私には生活排水路に見えてしまいました。どうすれば、治水と併せて魚が泳ぐ川に戻せるのかご一緒に考えていただければと思います。  (1)ただいま行われている河川改修(今現在はふれあい館の側を工事中)この計画の概要、費用などをお伺いします。  (2)永山橋から下流に向けては改修工事の予定はないのか伺います。また、下流に向けては5か所の落差工が施されていますが、この落差工で2メートルほどの壁が魚の遡上を妨げているのではないかとの声があります。東京都の見解を伺います。  (3)大栗川と乞田川の合流地点は川らしい風情が見られますが、合流地点手前の乞田川には、川底一面にコンクリートの建造物があり、おそらく洪水の際に川底を守るためと考えますが、これでは魚の遡上は望めません。落差工と併せて魚道をつくる手法を取り入れてもらいたいと考えますが、都、市の考えを伺います。  (4)乞田川の源流を訪ねて中沢方面に向かうと、源流は雨水管です。上は住宅地になっています。おそらくその奥には中沢池につながる小川があるのかと思いますが、蛍も飛び交うというこの池とマンホールの乞田川の源流が結びつきません。多摩村を知る方たちは「観光」という視点から、中沢池と乞田川を結ぶ風情を取り戻せないかという要望がありますが、今となっては難しいのでしょうか。市の見解を伺います。  ご答弁いただいた後に再質問をいたします。 ◯議長(藤原マサノリ君) 阿部市長。        (市長阿部裕行君登壇) ◯市長(阿部裕行君) それでは、安斉議員のご質問にお答え申し上げます。  1の(1)についてお答えします。  平成30年2月に策定した「諏訪・永山まちづくり計画」では、2040年代の都市構造を描くとともに、実現に向けた取り組みとして6つのリーディングプロジェクトを示しています。  このリーディングプロジェクトのうち、永山駅周辺拠点の再構築については、令和元年度に、市として「永山駅周辺再構築手法検討調査」を行い、その結果について永山駅周辺の地権者等で構成する永山駅周辺拠点勉強会と共有をしました。  本年度については、新型コロナウイルス感染拡大の状況から勉強会は開催していませんが、多摩市ニュータウン再生推進会議での検討状況等の情報共有を行っています。  次に、分譲団地マンション再生については、住宅を所有される方々の合意形成が最も重要なものと認識しています。このため、諏訪・永山まちづくり計画と併せて、平成30年度より東京都のマンション再生まちづくり制度を活用し、管理組合によるマンションの再生に向けた検討や合意形成等への支援のため、多摩市マンション再生合意形成支援事業を開始しました。  また、令和元年度から建て替え事業だけではなく、バリアフリー改修や省エネ改修等も対象とする、既存ストック再生型の優良建築物等整備事業を開始しました。  次に、公的賃貸団地再生については、東京都により都営住宅の建て替え事業が諏訪団地、愛宕団地において進められています。旧中諏訪小学校グラウンド跡地で建設中の住宅については、令和3年度中に工事が完了する見込みと伺っています。  また、UR都市機構が管理する諏訪団地について、令和2年3月に団地再生事業に着手され、建て替えに向けて検討・準備が進められています。永山団地については、令和2年7月より団地の再生に向けて、永山団地自治会とUR都市機構、多摩市の3者による懇談会を行っており、今後の団地再生に向けて意見交換を進めています。  尾根幹線沿道開発については、本年度より、多摩市ニュータウン再生推進会議の検討テーマとして、本格的な検討に着手しました。本年度は、土地利用方針の目的や導入機能の方向性の検討、現況の分析、沿道エリアの特性把握や事業者へのアイデアヒアリングなどを行いました。令和3年度も引き続き、検討の深度化を進めていきたいと考えています。  (2)についてお答えします。  分譲マンションの再生は、区分所有者の意向を反映して管理組合が主体的に進める必要があります。多摩市では、住宅アドバイザー派遣制度や公益財団法人東京都防災・建築まちづくりセンターが実施するマンション建替え・改修アドバイザー制度を利用した際の費用助成、諏訪・永山地区を対象としたマンション再生合意形成支援事業など、準備・検討段階の支援から、耐震性の低いマンションに対する耐震化促進補助、建て替えや改修工事を支援するための優良建築物等整備事業補助金など計画・実施の段階まで、様々な制度、補助金等の創設、拡充をしてきました。  これらについては、管理組合におけるマンションの管理や再生に向けた検討を進めていただくために、これまでにも対象管理組合に対してご案内をしてきたところであり、引き続き、周知・啓発を図っていきます。  マンションの再生に向けては、まずは、管理組合として再生に向けた方向性を定め、その実現に向けた取り組みを進めていただくことが重要です。  市としては、その準備、検討、計画、実施の各段階に応じ、管理組合の取り組みを支援していく考えです。  (3)についてお答えします。  平成29年度に開始した非木造住宅の耐震改修工事に対する補助制度については、令和2年度現在、利用実績はありません。  利用が進んでいない要因として、耐震診断を実施する管理組合が少ないことや、耐震診断を実施した管理組合では、耐震性があるという診断結果が出ていたことなどが考えられます。  補助の活用に向けては、まずは、診断を行っていただく必要があることから、耐震診断の実施に向けた周知・啓発が課題と考えています。  (4)についてお答えします。  多摩市優良建築物等整備事業補助金は、マンション建て替え型と既存ストック再生型の2つのタイプがあります。  マンション建て替え型は、耐震診断の結果、倒壊の危険性があると判断された建物が対象となります。補助対象経費の3分の2、1戸当たり100万円を上限として補助を行うものです。  既存ストック再生型は、耐震性を有する建物、あるいは耐震補強を同時に行う改修工事であること、60歳以上の方が居住する世帯の割合が5割以上であること、建物の耐用年数の2分の1を経過していることなどの要件があります。補助対象経費の3分の2、1戸当たり50万円を上限として補助を行うものです。  東京都の補助金との関連ですが、市の補助の財源として、25%が東京都都市居住再生促進事業補助金から、また、45%が国の社会資本整備総合交付金の優良建築物等整備事業から充当されています。  (5)についてお答えします。  大規模団地等建替え事業支援制度は、敷地面積1万平方メートル以上の団地等で行われる建て替え事業を対象に実施するものです。  建て替え事業を行う者からの支援要望を受けて、庁内連絡会議により支援内容を検討し、大規模団地等建替え支援実施計画の策定を行います。具体的には、要望を受けてからの検討となりますが、仮住居の確保、保育所・小・中学校の転入、高齢者・障がい者等からの相談、引っ越し等に伴うごみ処理などについての支援が想定されます。  次に、2の(1)についてお答えします。  現在、東京都が実施している乞田川の改修工事は、東京都河川緑化計画に基づき計画的に実施しているもので、都市の貴重なオープンスペースである河川の水辺空間において、水と緑のネットワークを形成することを目的に緑化事業として進めています。  事業に当たっては、平成21年度より諏訪下橋から上流区間で順次整備しており、令和2年度の予算については1億7,000万円となっています。  現在の進捗状況は、諏訪下橋から平戸小橋までの区間が完了し、令和2年度から3年度にかけて、平戸小橋から平戸橋の左岸区間の施工が行われています。  (2)についてお答えします。  東京都河川緑化計画では、大栗川合流点から諏訪下橋の区間についても、今後、緑化工事を実施していく計画となっています。  なお、諏訪下橋から永山橋の区間については、既に工事済みとなっています。  落差工は、洪水時の流速を抑え、河床の洗掘防止を図るための河川管理施設で、一般的に、比較的勾配の急な河川に設置される施設です。  5か所の落差工については、0.9メートルから1.5メートルほどの高さがあり、簡単に魚が遡上できない状況であると認識しています。  (3)についてお答えします。  ご指摘の建造物である護床ブロックは、特に近年の気候変動による局地的大雨、いわゆるゲリラ豪雨や、強大化した台風を想定した場合、治水対策のためには、とても大事な施設と考えています。  一方で、多自然川づくりも大事な視点で、特に川辺の緑や魚道の設置は、生き物に多様な生息空間を与え、地域の皆さんにも都市の中の自然を身近に感じていただくことで、癒やしや憩いの空間を提供できることが期待されます。  これまでも、東京都による河川緑化工事が行われる際には、落差工を改良し、魚道が設置されています。  今回の落差工5か所及び護床ブロックの設置箇所は、今後、緑化工事を実施していく区間となっていますので、引き続き、治水と環境保全のバランスを取りながら、河川整備を進めていただくよう、東京都に対し要望していきたいと考えています。  (4)についてお答えします。  現在、中沢池公園から乞田川上流端までの区間は、雨水管として整備されています。  かつては、情緒豊かな里山の風情を感じることができる場所ではありましたが、現在は宅地化が進み、その面影も少なくなり、当時とは状況が変わってきており、かつての風情を復活させることは、地形的にも困難であると考えています。  しかしながら、少しでもかつての風情を感じられる場所を、将来を担う子どもたちにも伝え残していくため、中沢池公園を中心とした保全は、今後も進めていきたいと考えています。 ◯2番(安斉きみ子君) それでは、諏訪・永山まちづくり計画について、3つの再生と、それから尾根幹線沿道の有効利用があって、それぞれお答えをいただきました。  再質問では、団地型分譲マンションの再生について伺いたいと思っております。既存ストック再生型補助の創設、これは国が始めるということもありますけれども、多摩市がその受け皿をしっかりつくってくれたということは、私は大変先進的だと考えております。エレベーターやスロープなどバリアフリーの改修、そして外壁や屋上断熱など省エネ改修等、既に外断熱ですか、実績も生まれているわけです。  しかし、一方で、資料によれば、昭和40年代、つまり、これは明らかに新耐震基準以前の建物なのですけれども、その建物が多摩市内では4団地あると。そのうちの2つが永山にある分譲マンションだと思っております。こうした団地が築40年を迎えようとしている中で、耐震性はあっても建て替えに進みたいという管理組合も出てくるのではないかと考えます。新耐震基準のマンションの建て替えに対して補助が出ない。耐震性は大丈夫だと言っても、建て替えには補助が出ない。この現行の制度について、市としてどのようにお考えになっているのか伺いたいと思います。 ◯議長(藤原マサノリ君) 佐藤都市整備部長。       (都市整備部長佐藤稔君登壇) ◯都市整備部長(佐藤稔君) ご質問いただきました既存ストック再生型補助につきましてでございます。  現行の考え方というところでございますけれども、やはり安全安心に住み続けられるためにということでは、耐震性の有無というところが非常に重要だと考えてございます。その点から、現状は耐震性がない。ないのであれば、耐震性のある建物とするために建て替えをすると。耐震化をして改修するか、もしくは建て替えをするかと、その2つの選択肢という形になってこようかと思います。それに対する支援を用意しているというところでございます。  新耐震基準で造られたマンションでございますけれども、昭和56年以降ということで、比較的住戸面積が広く、バリエーションなども様々ございまして、良質な住宅というのも多くなってございます。どのような建物であっても、いずれは老朽化していく中で、現状で耐震性を有するマンションに対しては、建て替え補助の対象を拡大するということは、やはり財源、財政的な問題であったり、またマンション、集合住宅に対して、戸建て住宅とのバランスの面からも、ここは難しいものと考えてございます。
     また、今後というところでございますけれども、やはり財政的な問題、それから戸建住宅とのバランスの問題というところもございますけれども、国や都における何らかの新たな動きなどがあれば、それは検討をしなければいけないものだとは考えてございますが、現状の中では、やはり財政的な面や戸建て住宅とのバランスの関係で非常に難しいものと考えてございます。 ◯2番(安斉きみ子君) 現時点ではということでしたけれども、財政的な問題、それから戸建て住宅とのバランスで、耐震性があってそれでも建て替えに進みたいというところについては、いわゆる補助の対象には考えないという答弁であったと思います。今後、また国や都の動きがあるということもあり得ると思っておりますので、その動きをよく注視しながら、市としても、ぜひとも新たな制度をお考えいただくようにしていただきたいと思っております。  私は住宅問題については、住み続けたいと思う人たち、特にこの諏訪・永山に長く住み続けてこられた方たちがいるわけですが、そういう方たちが住み続けられること、これが一番私は大事なことだと思って、これまでも議会の中でUR都市機構の問題や都営住宅の問題と、そしてまた今回は分譲住宅の問題も入れて質問をしてまいりました。ぜひとも、この点を大事にしてお考えいただければと思います。  では、2番目のほうに移ってまいりたいと思います。  まず、今日は私が写真を撮ってきたのですけれども、それを見ながら進めてまいりますので、よろしくお願いいたします。  この写真、上流のほうから行きますけれども、そもそも本当の源流は、私はやはりこの中沢池公園、中沢池、こういったところにあるのではないかと思っているのですが、これは中沢池公園の風景です。  私は2月の中旬の午後、この公園を訪ねましたけれども、駐車場には車がいっぱい止まっておりましたけれども、公園を歩いているのは私ただ1人。中沢池には釣り人が5人。公園緑地課が工事をやっている、そういう中でした。人の手は少々加わっているけれども、とても自然が残された私にとっては非常に味のある公園だなというふうに受け止めました。  そして、その中沢池の下に水車小屋があるわけですけれども、そこから少し下ったところに、山手なのですけれども、この水たまりにカモが2羽水浴びしていました。コンクリートの乞田川にもカモはいるのです。ですけれども、やはりこういう感じが風情があるのではないかなと私は思うわけです。  そして、さらに水をたどってずっと下に下ってまいりますと、中沢池公園というのは、今でも、春は桜のお花見、時期になれば菖蒲の花が咲き、夏の夜は蛍が見られるということで、観光の場所として検討してみてはどうかという地元の声もあるのですけれども、私はせめてこの自然豊かな中沢池公園をもっと市民に知らせてほしいと思っております。  先ほどのカモが泳いでいたところから少し下に下ってまいりますと、とても透明感ある池があったのです。この池のところをよくよく見てみますと、水が落ちているわけです。どこから落ちているのだろうと思ってずっとのぞいてみますと、そこには塩ビ管というのですかね、水たまりが、水が出る場所があるわけなのですけれども、塩ビ管から出るというのはいささかびっくりしましたけれども、おそらく山の清水を集めて流しているのではないかなと思うのです。  この非常にきれいな透明度のある池と、そしてこの流れる水ですね、こういうところもあって、私はこんな豊かな池があるのに、一体この水はどこに流れているのだろうと思って、一生懸命あずまやのところを探してみたのですけれども、わからないのです。どこからどこに行っているのか。担当の課ではご存じかもしれませんけれども、おそらくこの島田療育園、それから多摩南部地域病院の傍らを通って流れているのではないかなと思うのですけれども、暗渠か何かになっていて。先ほど、水が出るところのお話の説明がありました。雨水管になっているということですので。  そして、これがその雨水管。これが乞田川の源流なのです。非常にびっくりするというか、これが源流かと思うわけですけれども、このさらなる上のほうの住宅地の道路のところかな、フェンスに「乞田川」という看板があったように見ました。  この源流から多摩センター駅方面も歩いてみたのですけれども、既に川床も、それから護岸のところも全てコンクリートで固められて、ここに自然の川を取り戻すのはちょっと無理かなと正直思いました。  ただいま工事中のところがここでした、その時点では。ここを工事しているわけですけれども、これが乞田・貝取ふれあい館の側で、おそらく平戸小橋から平戸橋、この辺りの工事ではないかと思います。東京都河川緑化計画ということで、治水と併せて川周辺を整備して、いわゆる緑で彩るというのですかね、そういう工事かと思います。  確かにこの辺りは、本当に桜の花が咲く頃、とてもきれいです。であい橋や上之根小橋ですかね、ここは車が入らない橋なので、備付けのベンチでお茶をしている方もいらっしゃいました。さすがに都会の川、乞田川だなと思うのですけれども、私にとってはやはり自然の川が恋しいという、そんな気持ちがいたしました。  永山1丁目、永山橋を少し上流に上がったところに、近隣住民の方のお話ですと、これが魚道だとおっしゃるわけです。段差があって、スロープがあると。ちょっと水かさが増すと、ここを魚が泳いで来られるということで、こういうものをこれから後の下流のほうにも造ってほしいというのがその方たちの願いだったのです。  私もどうかなと思っていましたら、実は2月の東京新聞の中に、「神田川に魚道、アユ遡上も」というふうな記事が載りました。あまり詳しくは紹介されていないのですが、この魚道の道を見てみますと、やはりこれと同じように階段とスロープがあるのがわかるのです。だから、こういう魚道が欲しいということでは、言えていることかなと思いました。  一番この魚道の欲しい諏訪下橋、それから下に、実はこういう落差工という工事の手法があるわけです。第一答弁でもお話が出ておりましたけれども、これは工事の際に、いわゆる流れが速くなる、激流になることを緩くするには必要との工法だそうで、これを否定するわけではないのですけれども、90センチから1.5メートルの高さがあるということで、これが5つあるわけです。そうすると、魚が上がってくるのをその都度阻害してしまうということで、ここを先ほど言ったような、その手法はいろいろあるでしょうし、東京都もそういう力を持っていらっしゃいますから、それはお考えいただいて、ぜひ造ってほしい、こういう声でした。  それから、もう一つなのですけれども、これは何だろうと私も実際思いました。大栗川との合流点の少し手前です。びっちりコンクリートが敷き詰められていて、そのときは水かさもなかったのでここは乾き切っていました。これは護床といって、川底を守るというのですか、そういうとても大事な工法だと聞きました。ところが、ここに魚が逃げ込むことはできるようですけれども、やはりふだん遡上ができるという状況ではないのではないかと思いました。こうした落差工というのと川底を守る護床があることがネックではないのかなと思っているところです。  実は、川らしいなと思うのは、大栗川と乞田川との合流地点です。ここは本当に川らしい風情があって、しかも、こちらの合流してから多摩川に流れる方向については、本当に皆さんもご存じのように、豊かな水と、そして魚が目に見えるほどたくさんいるわけなのです。ぜひこうした川、コンクリートで固められてきた乞田川なのですけれども、住民の方たち、それから水辺を愛していらっしゃる方たちもあって、市のホームページの「乞田川の恵み」というとてもすてきなネーミングがついているところを見てみたらば、7年ほど前、お魚の種類は大変多かったそうですけれども、今は資料によれば、モツゴとかヨシノボリとかドジョウとかメダカ、こういったものがまだ生きていると、生息していると聞いております。  大栗川に比べれば、資料によって比較してみても明らかに乞田川は少ないです。こういう乞田川に少しでもお魚が戻ってくるようにして、子どもたちが川で遊ぶようなそういう状況が生まれるといいかなと思っております。  そこで、再質問いたしますが、第一答弁で、東京都も多摩市も生物多様性を認めているということは理解できました。そして、自然の川づくりも大事にしたいという見解を持っていましたけれども、改めて伺いますけれども、この自然の川づくりができ得るのかできないのか。そういう見解を都も市も持っているのかということを改めて伺いたいと思います。 ◯議長(藤原マサノリ君) 鈴木環境部長。       (環境部長鈴木隆史君登壇) ◯環境部長(鈴木隆史君) 乞田川の改修工事については、治水対策だけでなく、河川が本来有している生物の生息環境や多様な景観を保全・創出し、治水・利水機能と環境機能を両立させた河川管理の考えである自然川づくりは非常に大事な視点だと考えており、東京都も同様の考えであると認識しています。  今後予定されている改修工事についても、治水対策とバランスを取りながら、できる限り自然環境に配慮した川づくりを進めてもらいたいと考えており、さらに、そうした場所を活用しながら、人と生き物の共生や生物多様性の保全を推進していきたいと考えています。 ◯2番(安斉きみ子君) 前向きなというか、希望が持てる答弁だったと思っております。  さて、この諏訪下橋から下流、大栗川との合流点までの工事はこれからだという第一答弁だったわけですけれども、地域住民の皆さんは、この間の、先ほどお話しした落差工や護床、ブロックの一部改善をして魚道を造ってほしいという願いを持っていらっしゃるわけです。東京都に働きかければこうした改善の余地もあると見ていいのか、再度確認したいと思います。 ◯環境部長(鈴木隆史君) 落差工や護床ブロックが設置・敷設されている大栗川合流点から諏訪下橋の区間についても、今後、東京都河川緑化計画に基づき、改修工事を実施していく計画となっていると伺っています。今後の改修工事においては、財政面や治水面など、魚道が必ず設置されるという確約はできませんが、これまでも落差工を改良し魚道が設置されたケースもございます。東京都に対しては、魚道の設置を含め、環境に配慮した改修工事を要望していきたいと考えています。 ◯2番(安斉きみ子君) 必ず魚道が設置されるという確約はできませんがということでしたけれども、既にこういう落差工を改善して魚道を造るとか、そういうことも実績があるようですので、ぜひともそういう魚の通り道を造るというところにもしっかりと視点を当てていただいて、改修工事について要望を出していただきたいと思います。  さて、ちょっとわかりづらいかもしれませんが、これは油が浮いているのです。ちょっと色がついていると思うのですが、油が。これは川底のコンクリートなのですけれども、これが去年の春でした。私、散歩していて、油の中の流れがずーっと続いていることにびっくりして見て、それでお近くにお住まいの斎藤議員を呼んで、そして一緒に流れのもとまで見に行ったのです。場所は、私が発見したのは、釜沼公園の傍らの乞田川でした。ぎらぎらと浮いていて、ほかの方たちも驚いて見入っていらしたのですけれども。  それで、斎藤議員と一緒にずっと歩いていきますと、乞田川につながる支流、これもコンクリートで固められて、そのコンクリートの上を水がちょろちょろと走っているぐらいですが、そこにやはり流れ落ちた痕があって、そこから道路をずーっと行くと、マンションの下のところに、いわゆる塗料缶らしいものが幾つか置いてあって、斎藤議員が指で、そのついたものと落とされているところのものを合わせて、ああ、これだなというふうにわかったのですけれども、こういうことがあったわけです。  そして、雨でも降らないと、これは流れていかないだろうねという話をして別れて、斎藤議員が環境部の担当のほうに連絡をしていただいたのですけれども、こういう状況があったりとか、それから、実は私にお話しくださった方たちが、川沿いのマンション等の清掃で、自己処理をしないで川に流すということを見たというお話もあったのです。こうした川を汚さない啓発を含めた今後の対策を伺いたいと思います。 ◯環境部長(鈴木隆史君) 水質事故の通報を受けた際は、できる限り速やかに現場へ向かい、発生源の特定に努めます。そして、発生源を特定できた場合は、当事者への厳重注意と始末書の提出を求めています。また、雨水管や河川に汚染物の堆積が確認できる場合はその撤去を、さらに建設工事など事業活動の場合は改善計画書の提出などを指示しています。  さらに、こうした水質事故を未然に防止するための啓発としては、定期的にパトロールや事業者への訪問、さらに事業者を束ねている組合や協会などにチラシなどで注意喚起を繰り返し行っており、今後もこうした活動は継続していきたいと考えております。 ◯2番(安斉きみ子君) パトロールとかをなさったり、見守り活動もしっかりやっていただくということですが、資料もいただいたのですけれども、そもそもこの乞田川の水質が今どうなっているのか、そのことについてもお伺いをしたいと思います。 ◯環境部長(鈴木隆史君) 乞田川の水質については、総合的な評価指標である生物化学的酸素要求量で見ると、例年、環境基準値前後で推移しており、全体的には良好な状態であると認識しています。一方で、衛生指標である大腸菌群数は、例年、環境基準値を超えている状況です。こちらについては、これまで東京都環境科学研究所と合同で調査を行ってきましたが、その結果については、遺伝子検査結果などを見ても、いま一つはっきりとした原因は突き止められていないと伺っております。現在、東京都から詳細な考察なども伺っている最中ですが、今後も土地利用状況などを含め継続した調査が必要で、引き続き東京都のアドバイスをいただきながら、原因解明に努めていきたいと考えております。  なお、今年度の調査結果を見る限りでは、ふん便由来の大腸菌群の有無を判定するふん便性大腸菌群数が水浴場の水質基準を下回っており、大腸菌群数の数値との比較も含め、人や動物のふん便以外のものによる影響が大きいという推測はできるかと考えております。 ◯2番(安斉きみ子君) ただいまのご答弁でも、ふん便性大腸菌群数が水浴場の水質基準を下回っておりというふうにあって、この大腸菌群数の数値の比較も含めると、人や動物のふん以外のものによる影響が大きいという、こうした原因をつかむというのは大変難しいことなんだなという感想を持ちました。  でも、継続的にずっとこうした調査が進められているということでは一安心なのですけれども、やはり問題は、そうさせないために、先ほどの勝手に川に油を捨ててしまうだとか、それからマンションの清掃したような水を自己処理しないで流してしまうだとか、それから昨日でしたかしら、大野議員が言っていたごみが捨てられているだとか、そうしたことに私たち市民ももっと敏感になってやっていかなければいけないのではないかと思います。  市としての対策については、先ほどの答弁で伺ったところですけれども、市民の意識というのですかね、川に対する思いというか、それも非常に大事な視点ではないかなと思いますので、私も正直、乞田川の問題は、前にいらした議員さんが一生懸命やっていらしたので、今回初めて、私も全部の川をぐるっと回って歩いてみて、やはり都会の川というか、コンクリートで埋められた川というふうなところに一種の悲哀を感じながら、でも、可能性があるということが、先ほどの答弁のやり取りの中で、魚が遡上したり、それから自然を取り戻せるというふうなことも少し前向きになれるということがわかってまいりましたので、これからも引き続き川の問題、先輩で水辺の楽校とかをやっていらっしゃる方たちも、関係していらっしゃる方たちもいらっしゃるわけですけれども、私も努力をして参加していきたいなと思いました。  今回、私に声を寄せられた方というのは、多摩に生まれて年を重ねてこられた近隣住民の方たちでした。そのお話を聞いていると、私の家の住まいの下にも、ふるさとの住まいの下にもすぐ川があります。それが昔と変わらない川なのです。少し護岸工事はされていても、変わらない川なのですが、昔に思いをはせられる多摩村生まれの方たちのその熱い思いというのが非常に響いたわけです。私もやはり、治水と併せて自然をきちんと維持できるような川にぜひともなってほしいという思いを強くいたしました。子どもたちに本当に魚が泳ぐ川を見せたいという、その思いですね。  その方たちはどうおっしゃったかというと、こうした乞田川のことを議会では超党派で取り組んでほしいと。市民と議会と、それからまた市と声を上げて、乞田川の魚が遡上できる川というふうなところを目指して取り組んでほしいというメッセージをいただきましたので、この議場をお借りして、市にも、そしてまた議会の皆様方にも呼びかけていきたいと思っております。ぜひ皆さん、応えていただけますようにお願いをいたします。  以上で終わります。 ◯議長(藤原マサノリ君) 安斉きみ子議員の一般質問は終わりました。    ──────────────────── ◯議長(藤原マサノリ君) 次に、いぢち恭子議員の発言を許します。  11番いぢち恭子議員。      (11番いぢち恭子君質問席着席) ◯11番(いぢち恭子君) いぢち恭子です。通告に基づき、2問質問いたします。  1.コロナ禍を経て考える「公助」──非正規公務員の現状を視野に  地震や風水害、感染症など、様々な災害への対応がこれまで以上に重視される時代となりました。防災・防疫においては個々人の意識や振る舞いも極めて重要ですが、それ以上に公共が責任を持って市民生活を守る体制づくりを保障しなければなりません。  また、特にいまだ現在進行形のコロナ禍については、長時間の自粛・自衛による経済的打撃が深刻です。民間への影響も懸念されるところですが、今回は公的サービスを支える公務員の生活保障と働き方にスポットを当てて質問したいと思います。  非常時・緊急時にも、あるいはそういうときこそしっかりと市民生活を支援しなければならない立場であることを考えると、公務員の処遇の安定性は危機対応の大前提です。しかし、現実には非正規公務員の数が増加する一方で、例えば就労支援を行うハローワークの窓口で働く職員の大部分が、不安定な非正規雇用であるという皮肉な状況が全く改善されていません。  昨年4月に始まった会計年度任用職員制度は、もともと法的な規定のなかった非正規公務員を正式に位置づけるためのものです。本市においては、制度導入以前から他市に比べ配慮が行き届いており、新制度のもと、内容も丁寧に考えられていると理解していますが、コロナ禍という長期の異常事態の中で非正規職員の生活と働き方はどのような影響を受けたのでしょうか。  今や、地方自治体公務員の3人に1人が非正規公務員であると言われており、さらにその4分の3は女性です。私たちのまちの公共サービスを担う人たちの現状と、そこから照射して「防災都市・多摩」の実現に向けた課題を掘り起こすため、以下質問します  (1)会計年度任用職員制度が導入されて以降、非正規職員の処遇や雇用環境はどのように変わりましたか。  (2)非常時の職員体制を考えた場合、会計年度任用職員が担う任務や役割はどのように考えられていますか。  (3)コロナ禍の中で、非正規公務員の労働環境と働き方に何らかの変化はありましたか。  (4)前述のとおり、非正規雇用における女性の割合は高く、しかもその業務は介護、保育、教育、学校給食調理、DV・虐待を含む各種相談など、市民の暮らしを直接支える公共サービスの多くに及びます。その反面、意思決定機関における女性の割合の低さが国際的なジェンダーバイアス評価につながっていると思われますが、この非対称性に対する市の見解を伺います。  2.コロナ禍を経て考える「共助」──地域委員会の機能と地域コミュニティ  災害時、行政から見た市民は「守るべき存在」でありますが、同時にコミュニティの維持や復旧に関わる頼もしいパートナーでもあると思います。もちろん平常時においても同様とはいえ、防災機能の強化が強く意識される現在、市民と行政の結びつきや協働のあり方は一層積極的に模索すべきものではないでしょうか。  昨年、永山北公園で行った「多摩市コロナ困りごと相談会」では、相談者としてではなくボランティア、協力者としての参加を申し出た市民も数多くありました。志ある市民と幅広く連携し、点ではなく面として継続的な関係を構築すること、これは市の地域委員会構想と通じる課題であるように感じています。  また一方、コロナ禍の意外な副産物として、テレワーク推進による現役世代の行動変容が挙げられます。ウィークデーの昼間も地元で過ごす機会がふえた市民に、地域活動に興味を持ってもらうまたとないチャンスかもしれません。市長施政方針にあった「まちの再発見」や「楽しみながら地域づくり」は、今後の市の方向性を示すかなり重要なキーワードだと思っています。  多摩市は市民パワーの強いまちですが、新たな地域プレーヤーを発掘し、次世代へと活動を引き継いでいく仕掛けづくりは案外急務ではないかと思っています。市民同士、また市民と行政が支え合う理想的な「共助」のまちをつくるために、市側の考えを詳しく知りたいと思います。  (1)改めて、地域委員会構想が目指す市の未来像と、そのための取り組みについてご説明をお願いします。また、コロナ禍の影響も含め、現時点での到達点も併せて伺います。  (2)ボランティアや市民同士の生活支援に関心のある市民は、地域委員会構想に関わるポテンシャルを持っていると思います。点在している有志を発掘するために、何か計画していることはありますか。  (3)「コロナ後のまちを元気にする取り組み」や「若者を巻き込んだ地域振興」、ひいては「災害に強いまちづくり」といった諸課題と、地域委員会構想は連関し得るものと考えていますか。またその場合、どのような仕掛けが必要だと考えていますか。  以上、ご答弁いただいた後、再質問をいたします。 ◯議長(藤原マサノリ君) この際、暫時休憩します。          午前11時52分休憩     ──────── - ────────          午後1時00分再開 ◯副議長(池田けい子君) 休憩前に引き続き会議を開きます。議長に代わり、私が議事を進めます。  市長の第一答弁からです。阿部市長。        (市長阿部裕行君登壇) ◯市長(阿部裕行君) それでは、いぢち議員のご質問にお答え申し上げます。  1の(1)についてお答えします。  本市においては、恒常的かつ定型的な業務で、常勤職員の補助的な業務や専門的知見に基づく業務については、業務の種類や性質に応じて嘱託職員、非常勤一般職員及び臨時職員の活用を進め、効率的、効果的な行政サービスの提供を行ってきました。  令和2年度の会計年度任用職員制度導入時に、任用形態によってまちまちであった任用の根拠や処遇について、国の非常勤職員との均衡の観点を踏まえ、適正化が図られました。  本市においても、制度移行時に、非常勤職員の任用の実態を踏まえ、それぞれの職の必要性を再精査し、会計年度任用職員として任用根拠の適正化を行いました。  また、勤務条件においては、任用形態により異なっていた休暇制度の統一化を図ったため、今まで無給であった休暇が有給の休暇になるなど、充実した内容に改善されました。給与においても、職務の内容や責任、職務遂行上必要となる知識や技術等の要素を考慮し、報酬額の決定を行いました。  また、在職期間や勤務時間等に応じて、期末手当も支給対象となり、会計年度任用職員制度の導入をきっかけとして、処遇の改善が図られているものと考えます。  (2)についてお答えします。  会計年度任用職員については、非常配備態勢の対象からは除外されており、災害対策本部が立ち上がり、非常配備態勢時になっても、本来業務の勤務時間に間に合うように参集し、本来業務の勤務時間のみ勤務することとなります。  その際に担う任務や役割については、災害対策本部における各対策部の役割を、所属長の指示を受けて担うこととなります。  (3)についてお答えします。  会計年度任用職員について、同じ一般職として公務を担う立場から、労働環境や働き方に不利益な格差があってはならないと考えます。  緊急事態宣言下において、応急対策業務のために延期や中止となった業務に従事する会計年度任用職員については、継続する業務や新たに発生した業務に従事するなどの体制を整えました。  また、働き方においても、業務に支障のない範囲で、在宅勤務を可能とするなどの柔軟な対応を図っています。そのため、コロナ禍において、本市の非常勤職員の働き方については、大きな変化はないと考えています。  今まで在宅勤務が難しいとされていた業務においても、最新のICT技術を活用することにより、市民サービスの向上及び職員の働き方改革につながるものもあることから、今後、在宅勤務の検討をしていきたいと考えています。  (4)についてお答えします。  市民の暮らしを支え、維持するために欠かせない介護・保育、教育、相談などの現場においては、多くの女性の非正規労働者が公共性の高いサービスを担い、支えています。市役所においても、事務補助のほか、福祉や保健衛生、教育など多岐にわたる分野の業務を、多くの会計年度任用職員の女性が担っています。  一方、意思決定に関与する女性の割合についてですが、国際労働機関ILOの調査によれば、管理職に占める女性の割合は、平成30年(2018年)の各国の平均が27.1%のところ、日本では12%であり、G7主要7か国で最下位という結果でした。  また、令和元年12月に世界国際フォーラムが発表した世界のジェンダーギャップ指数では、日本は153か国中、121位という結果であり、その大きな要因として、国会議員をはじめとする政治家や、企業等の管理職における女性の割合の少なさなどが指摘されています。  この背景には、日本においては依然として、家庭生活や職場等における固定的な性別役割分担意識や性差、ジェンダーに関する無意識の思い込みが残っていることが考えられます。  本市では、平成26年に施行した「多摩市女と男の平等参画を推進する条例」において、「すべての人が、性別による差別的取り扱い並びに性的指向及び性自認による差別を受けることなく、固定的な性別役割分担意識に基づく社会制度や慣行を解消されること」や「すべての人が社会の対等な構成員として、政策又は方針の立案及び決定に参画する機会を確保されること」などを、その基本理念として掲げています。  現在策定中の「第4次多摩市女と男がともに生きる行動計画」でも、基本目標の1つに「ワークライフバランスとあらゆる分野における女性の活躍の推進」を挙げ、政策・方針決定過程における女性の参画促進を進める方向性を打ち出す予定です。  女性の「働き方」を考え、意識を含めて変えていくことは、女性だけでなく男性にとっても、人生をより豊かにできることにつながります。本市としては、性別にかかわらず、働きたい全ての人が、その能力や個性を十分に発揮できることが重要と考えますので、これを実現していくための取り組みを一歩一歩、継続して進めてまいります。  次に、2の(1)についてお答えします。
     今後のさらなる高齢化の進行、少子化による人口減少を見据えると、これまでの地域の活動を維持していくのが困難になり、行政の支援にも限界が生じることから、持続可能なまちであり続けるために、多様な市民同士がつながり合い、支え合う「共助」による地域づくりと、それを行政が「公助」として支えていく仕組みをつくることが必要であると考えており、この新たな仕組みを総称して、「(仮称)地域委員会構想」と呼んでいます。  これまで、行政も地域も、課題や対象者ごとに対応してきた仕組みを、複雑化・多様化する課題に効率的に対応するために、組織横断的に対応できる仕組みに変えていくことで、若い世代や子育て世代にも、地域の支え合いの輪の中に入りやすく、多くの主体で役割をシェアし合えるようにしていきたいと考えています。  このような仕組みをつくることが、「健幸まちづくり」をさらに推進させ、「地域共生社会の実現」につながると考えています。  これまで、仕組みの骨格を検討してきた中では、地域の中で活動する人たちをつないでいく点、活動する人材を地域の中で掘り起こしていく点、そして、このような地域の中の支え合いの仕組みを市として支えていく点の、「つなぐ」「掘り起こす」「支える」の3つが新たな仕組みの柱になると考えています。  この仕組みを制度設計していく上で、自治推進委員会や庁内での協議と並行して、今年度から2つのモデルエリアでの実践を始めました。地域の特色の違う2つのエリアを指定し、アンケート調査、エリアミーティング、地域福祉推進委員会と連携した地域イベントなどを計画していましたが、1月、2月は、緊急事態宣言のため事業の実施を延期し、この3月から再開する予定です。  (2)についてお答えします。  構想の3つの柱の1つが、地域の中で人材を「掘り起こす」です。  これまでのように、地域で何役もこなしながら、中核となって活動いただいてきた、地域のリーダー的な存在を新たに見つけていくのは非常に難しいことです。地域の中の多様な主体が、フラットにつながり合い、自分ができる範囲で様々な役割をシェアする仕組みでないと、持続可能にはならないと考えています。  元気高齢者や、在宅ワークなどで多摩市にいる時間がなくなった若い世代、子育て世代などが持っているスキルや経験を地域の活動や課題解決につなげていくための最初のステップとして、公民館や大学などと連携した講座のほか、地域の現状を知り、参画のきっかけとなる場づくりが必要ではないかと考え、モデルエリアにおいて、エリアミーティングや地域カルテづくりを実践しており、これが地域での「掘り起こし」につながるものと考えています。  さらに、このような場の参加者を、次のステップにつなげていく機関や機能を具体的に用意することが重要であると考え、検討しているところです。  (3)についてお答えします。  地域の活性化につなげていくためには、次の世代に、地域に関心を持ち、地域づくりに関わってもらうことが重要であり、このような関係性を日頃から築いていることが、いざという緊急時にも役立つのではないかと考えています。  若い世代の地域参加や行政への参画を推進するために始めた多摩市若者会議では、ここで発掘されたメンバーの様々な活動を通して、現在では、庁内だけでなく、地域の団体や他の自治体、企業などからも、それぞれの施策や事業に若者会議の意見やノウハウを生かしたいとの声がけをいただくようになりました。また、継続して活動しているからこそ、現在も、新たに参加するメンバーがふえています。  このように、何かの目標に向けて活動をしている動きが見え、スキルや実績を多様な主体でシェアできるようにすることで、今後のまちづくりの様々な課題に、地域で連携して対応できる体制を取ることができると考えています。  「(仮称)地域委員会構想」では、多様な主体間での、緩やかでフラットなつながりをつくり、役割をシェアしながら、楽しみながら課題の解決につなげ、このつながりの中に、常に新たな人材に入ってもらうことで、この支え合いの輪を循環させていくために、行政や中間支援組織がコーディネートやマッチングできるよう、必要な人材を育成し、機能やツールを開発していきたいと考えています。 ◯11番(いぢち恭子君) それでは、最初のほうから再質問をさせていただこうと思いますが、まず1問目の(1)、こちらは「会計年度任用職員」というのがちょっと長いので、今回の質問では、できる限り「非正規職員」というような言い方で統一させていただきたいと思います。  この非正規職員の皆さんの働き方ということで、資料をいただいています。No.11-1)です。これを拝見しますと、専門スタッフと補助スタッフというふうに分かれていまして、いただいたご答弁の中でも、最初のほう、恒常的かつ定型的な業務で、さらにそこから補助的な業務や専門的知見に基づく業務と今お答えいただきました。多摩市の中で、こういう細かい職種とは別に、そういったスタッフの分け方というのですか、そこの考え方についてお伺いします。 ◯副議長(池田けい子君) 渡邊総務部長。       (総務部長渡邊眞行君登壇) ◯総務部長(渡邊眞行君) 今、質問者からお話がございましたけれども、専門的なそういうものの知見に基づくものと、それから定型的な業務に当たっているものというのがございますけれども、その中でも、1週間での勤務時間というものもございます。1週間当たりの勤務時間がおおむね30時間以内というところで、原則として1日7時間30分という1つの枠組みがございます。それが専門スタッフというような形になるところでございます。  補助スタッフのほうでは、週当たり24時間から30時間ということで、実際には、短い時間働かれているというような方が補助スタッフという形になってございます。専門スタッフは、おおむね月額という形でのお支払いをしている、お給料についても月額というような形。それから、補助スタッフのほうは時間によってというような形、というような分けがございます。 ◯11番(いぢち恭子君) ただ、先ほどあらたに議員のご質問の中でも出てきましたけれども、例えばワクチン接種の問題で人手が足りないといって雇う、また今、オリンピック・パラリンピックなどでも、やはり臨時に人手を補充するという形で採る場合もあります。そういった短期スタッフの場合の位置づけについても確認させていただきたいです。 ◯総務部長(渡邊眞行君) 今お話の中でございましたとおり、専門的知見を要し、また基本的には一定の時間働いていただくということになれば、専門スタッフとしての雇用もございますでしょうし、ある一定の期間だけ、または今回ロードレース等もございますけれども、そのときの2日間だけ来てもらいたいだとか、週に2日間ずつ来てもらいたいだとかというような形の働き方になれば、補助スタッフというような位置づけになるのではないかと考えてございます。 ◯11番(いぢち恭子君) もう一つ、これからの議論の前提として確認いたしますが、会計年度で任用ということは、基本的に行政の1会計年度ごとに任用をするという考え方ということ、それからその場合に、仕事の更新、当然更新して働きたいという方、またこちらも更新して任せたいという場合もあると思いますので、そういった状況、それから更新の限度が来た場合に、その後はどうなるのかというところを確認いたします。 ◯総務部長(渡邊眞行君) 基本的には今、会計年度任用職員という名前のとおりでございますので、1会計年度、4月1日から始まって3月31日までというような任用の形態になってございます。これは一回試験等で採用されると、4回の更新という形になります。  その後に関しましては、経験者採用というような枠組みもつくらせていただいておりますので、その後も勤務状況、また勤務成績によって延長されるというふうな形になろうかと思います。 ◯11番(いぢち恭子君) ありがとうございます。ただ、今ご説明いただいた1年、単年度ごとの仕事という雇用の切り分け方と、このいただいた資料の職種を見ますと、全然フィットはしていないなというのが正直な感想です。ただ、これは国の制度であるので、当然それにのっとっていらっしゃるわけでしょうけれども、ほとんどが、例えば生活保護だとかいろいろなケアワーク、特に教育にかかっている人たちの数が多いですね。こういう継続的な仕事を何で単年度で切る形にしているのかということが非常に、私はこの制度上の矛盾としてあるのではないかということを一言申し上げます。  それから、(2)のほうへ移りますが、非常時の場合、当然、非常勤、非正規職員の皆さんは、条件を超えた働き方はさせないということでしたが、ただ、今はコロナ禍ですけれども、最近多発している自然災害などの場合にも、例えば何らかのお仕事を担っていただくという場合に、やはり庁舎外の仕事もあり得るかと思います。そういった場合に、こうした時間給で雇われている方々の労務管理というのはどのようにお考えでしょうか。 ◯総務部長(渡邊眞行君) 防災の観点から、計画の中では会計年度任用職員につきましては、本来の勤務時間等の範囲内で勤務をするという形になりますので、お働きになっている場合は、まずはその働いている場所に参集をしていただく。その中で、基本的には上司に当たる者から、管理者に当たる者から、こういうものに従事してもらいたいというような形の中で、災害の状況、または対応しなければならないものに従事してもらうという形になります。  各部はそれぞれ対策部を持ってございます。例えば教育委員会だと、避難所対策だとかという形のものに当たっていたりだとか、物資の輸送に当たるものだとかというところがございますので、参集した中でそういうものに当たっていくという形になろうかと考えてございます。 ◯11番(いぢち恭子君) その中で、今申し上げた労務管理には勤務時間の管理も含まれます。自己申告制にしていただくのかどうなのか。特に混乱の中で、平常時ほどきちんとした管理は難しいとしても、何らか仕組みを考えることが必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。 ◯総務部長(渡邊眞行君) 基本的には、会計年度任用職員だけではなくて、正職と言われる正規の職員でも、勤務時間、災害時にどれだけそれを把握し、記録を残せるかというところは、やはり課題があるだろうとは思ってございます。あくまでも管理者がその方に対して従事を求めているものに従事していただいて、管理をしていくという形になるのだろうとは考えてございます。何か機械的に物が残せるかだとか、記録として残せるかと。最終的にはご自分でこれだけ働いたという自己申告の部分も出てくるのではないかとは考えてございます。そういう部分では、管理者と、それからその方から出てきたものを突合かけながら、どれだけ勤務をしたのかというところを図っていくという形になるのだろうと思ってございます。 ◯11番(いぢち恭子君) 私が言いたかったことを一部先回りしていただきましたが、実はおっしゃるとおりで、正規職員なら際限なく働けるのかといったら、当然そんなことではありません。また、特に大災害の際、東日本大震災の際も、本当に働きづめで過労死のような状況に至ったというケースも幾つもありましたので、非常時は本当に難しいとは思うのですが、この労務管理、特に上の管理職の立場の皆さんが、そこはかなり意識的に考えていただきたい。公助を考える際にもそこをしっかり取り入れていただきたいと思っています。  それでは、(3)に移らせていただきます。  働き方に何らかの変化がありましたかということは、実は私のほうに予備知識というか、先入観がありました。と申しますのは、他市での事例で、コロナ禍で突然、例えば休業、あるいは自宅待機を言い渡されて、結局お給料が入らないというようなことがあったというのを聞いているのです。実際問題、ちょうどこの制度の導入と新型コロナウイルス感染拡大と重なって、本当に食べられないという状況を聞いていました。  実は、そのことで私、市内で働いていらっしゃる非正規職員の方当事者のお話、もちろん、そんなにたくさんの数ではないですが、お話を伺いました。そうしますと、多摩市では、非常にそこは可能な限りの配慮をしていただいたと。残念ながら、4月はちょっと勤務時間が減ってしまった。なので、所得も減ってしまった。でも、その分は次の月に挽回できるようにという配慮をしていただいたという話を聞いていまして、私は本当にほっとしたのです。そういう配慮をしていただける市というのは本当に貴重だと思っています。  ただ、他市の例でありましたのは、正規職員の方が在宅ワークになった分、人手がどうしても足りないところを非正規職員の方に入ってもらう。これは働き方の差による処遇の差別と言ってもいいと思うのです。多摩市においては、私が聞いた限りではそういうお話もないですし、ほっとしたのですけれども、こうした格差を生みかねないということ、こういう制度の悪用を、言わば絶対に多摩市ではしてほしくない。もちろんほかのまちでもしてほしくはありませんが、こうした今後の、特に非常事態での働き方について、今いただいている配慮もさらによりよく組み立てていってほしいなと思っているところです。  それでは、(4)のほうに移ります。  実は女性の問題なのですけれども、これについては、今期、池田議員、また先日は遠藤議員もこの女性の、特に働き方の差の問題を取り上げられていました。女性の多い職場というのは、今、非正規率も本当に高い職場とかなりイコールだと言われています。このいただいた表でもおわかりのとおり、本当に教育ですとか、あるいは育児、そして介護、あるいは、多摩市の場合は、給食は完全に委託なのでここには入ってきませんが、給食など、そういったところでも、本当に非正規率が高いということが言われています。  反面、通告で書きましたけれども、多摩市においても、意思決定機関における女性の数の少なさ。例えば、今ここにあります理事者席にお座りの方で言うと、今は健幸まちづくり政策監と副市長、2名だけが女性で、これは本当に失礼な言い方かもしれませんが、言ってみれば、都や国から来ていただいている方々です。こうした状況をどう変えていけばいいのか。その場合に、先日の質疑でありましたが、ご本人自体が例えば昇任したくない、何らかブレーキがかかってしまう状況、これをどのようにお考えなのか。何がバリアになっているのかについて、繰り返しになりますが、もう一度お考えを伺いたいと思います。 ◯総務部長(渡邊眞行君) 先日もご答弁させていただきましたけれども、仕事と家庭との両立というところでは、やはり女性のほうにまだ負担が多くなっているのかなというところは一つあろうかと思ってございます。また、先日もお話ししましたけれども、やはり管理職になる者が、やりがいだとかそういうものを、次になっていただきたい方たちにしっかり伝えていくということも大切なのだろうと思ってございます。副市長のご答弁にもありましたけれども、魅力があるかというところが非常に大切な部分もあるのだろうと考えているところでございます。 ◯11番(いぢち恭子君) 昨日の田代副市長のお話には私も本当に感銘を受けるといいますか、そういった貴重なお話をいろいろなところでしていただきたいなと思ったのですけれども。今回、私はこの非正規雇用の問題と公助を絡めていますが、ちょっと非正規雇用の問題から離れるのですけれども、女性がいかに意思決定機関に入ってほしいかということは、やはり防災の観点でも非常に大事だと思っています。このことも以前に質問したことがありますが、防災計画にどの程度女性の意見が入っているのか。そこで口を利ける女性が何人いるのかということ。そこのところをどのぐらい自覚的に多摩市は掘り起こして進めていこうとしているのでしょうか。  何で女性、女性と言うかというと、男女同数ということでもそうなのですけれども、先ほどから言っていますとおり、女性というのは特にケアワークと言われるものに携わる比率が高いわけですね。見ただけでわかりますけれども、国全体での調査でもそういう結果が出ています。育児ですとか介護ですとか子育てだけでなく、特に配慮が必要な人たちへのケアというものにも女性の意見、女性の従事者が多いですので、こういった人たちが防災の計画づくりに携わる。このために、以前質問したときから多摩市の中の取り組みはどのように変わったのかを伺いたいと思います。 ◯総務部長(渡邊眞行君) 今、防災会議の委員ということの中でそれらを考えてみますと、25人中3名が女性でございます。そういう部分では、防災という観点で、女性の視点というのは大変大事だと考えてございますけれども、防災会議自体が、交通ですとか、医療、治安、インフラ等の長がそれぞれ充て職という形になってございますので、なかなかそこの割合というのを変えていくのは難しいという状況もございます。  ただ、学識経験者等もその中に入ってございますので、その中には女性もおりますけれども、そういう部分ではまだ工夫ができるかなとは考えているところでございます。  また、防災という観点で、私ども毎年、防災リーダーの研修会をさせていただいております。そこには男性も女性も多くの方がお集まりいただいておりますけれども、特に女性の観点という部分では、男女共同参画の視点を持った防災活動がなぜ必要なのかというようなテーマでありましたり、または災害時の要配慮者の支援、それから災害時の避難所運営におけるLGBTの当事者、女性等への配慮についてですとか、それから災害時の母子を守るというようなテーマで、毎年、女性を守る視点、それから女性がこれから考えていただかなければいけない、男性も考えていかなければいけない、そういう視点についての講演会等もずっと行っているという状況でございます。  意思決定過程に参加できるというところと、それから、そういうものに参加していただき、また声を出していただくというようなところも工夫をしてまいりたいと考えているところでございます。 ◯11番(いぢち恭子君) その部分に、特に多摩市は女性センターというものがあり、第4次多摩市女と男がともに生きる行動計画づくりとか、私は先進市だと思っているのです、多摩市は。だからこそ、今の現状はちょっと悔しいといいますか、物足りないといいますか、そこのところをしっかりてこ入れしていってほしいと思っています。  それでは、1問目のところの大きなまとめに行きたいと思うのですけれども、今の特に女性の多い非正規雇用の現場で、つまり、不安定な働き方をしている人たちというのが公助を担っているということを、私はもう少し危機感を持っていただきたいと思っているのです。何かあったときに、例えばすぐ食べるに困る、あるいはあしたどうしたらいいのかわからない、あるいは1年後どうなるかわからないというような人たちに、今、私たちの公共サービスの多くを担ってもらっている、そのことは通告の文章にも書きましたけれども、育児、教育、また介護、いろいろなケアワーク、給食調理なんかもそうですね。委託も含めて今、非正規職員が多い。  それからもう一つは、今、本当に必要なのが相談業務です。特に新型コロナウイルス感染症に関しては、お住まいのお困り、お仕事のお困り、あるいは子育てやいろいろな虐待などの問題もあります。そういったところでもどうしようという人たちが行き場がないというお話は、先日、池田議員から非常に詳しく話していただきました。  そういった本当に大切な市民と向き合う業務を支える人たち自身が、どのぐらい自分の仕事を安定して、しかも責任感を持ってやれるかというところなのです。この会計年度任用職員の制度は、当然国がつくっていて、国の枠組みというものがあります。ただ、私はその中で、例えば多摩市が今本当に処遇に関しても、他市に比べてきちんとした設計ができているということと同じように、さらに改善を考えていっていただきたいと思っています。  例えばなのですけれども、先日、非正規職員の皆さんとお話しした場合に、正規職員の方々が在宅ワークに入られたときに、代わりに、言ってみれば感染の危険のある出勤をしなければいけない、そんなに数が多かったわけではないですけれども、そういったことがありました。こういうことも考えていただきたいのですけれども、もう一つ、先ほどのご答弁でもありましたけれども、非正規職員といえど、同じ一般職として公務を担う立場だとありました。  ところが、先日伺ってちょっと驚いたのですけれども、非正規職員の皆さんは、正規職員の皆さんのようにはきちんとした研修を受けていないということです。だから、公務員としての意識、公務員としての使命感と言われても、何のことやらわからないというのが正直なところですと。でも、市庁舎にサービスを求めて来る市民からしたら、みんな公務員なのですよ。やはりそこのところはしっかり考えてもらいたい。  それからもう一つ、非正規職員で、多摩市の場合は4回の更新とその先ということもきちんと考えていただいているというのは伺っています。ただ、お互いのニーズをよく突き合わせて、この人もここでずっと働きたい、市としてもこの人はいい人材だ、ずっと働いてほしいと思ったときに、例えば非正規職員からステップアップしていける、ちょっと今、どんな形かはわかりませんが、すぐ正規社員になるならそれは一番いいですけれども。  この2つのこと、研修のこと、それからステップアップ制度をつくれるかどうか、このことについて多摩市としての見解を伺いたいと思います。 ◯総務部長(渡邊眞行君) 実は研修につきましては、しっかりやらなければいけないだろうというところでおりました。コロナ禍でちょっと遅れてございますけれども、やはり会計年度任用職員の関係で働いていらした非常勤職員の方たちとお話しした中で、公務員になるのかならないのかというところがよくわからないという状況が、今あったとおりお話がありました。公務員になりたくないという方もいらっしゃったのですけれども、ただ、非常勤の一般職という形になりますので、そのときにお話ししたのは、今後、休暇や福利厚生も充実させていくけれども、その一方で、きちんと服務規律の部分についても、守秘義務だったりだとか、職務専念義務であったりだとか、そういうものが課されますよ、または処分の対象にもなっていくというところでは、守らなければならない部分もあるということではお話をさせていただいたところですけれども、まだ十分に浸透していないのだろうとは考えているところでございます。  それから、ステップアップ制度ができるかどうかというのは、にわかにお答えできる状況ではないと思ってございますけれども、いずれにしても、働きやすい職場の環境、そういうものを整備していくということは、常勤、非常勤にかかわらず必要なのだろうと思ってございますので、そういう部分では、今後もよりよい職場づくりという部分では取り組んでまいりたいと考えているところでございます。 ◯11番(いぢち恭子君) ありがとうございます。公助の少なからぬ部分を担う非正規職員の皆さんが安心して働けるということがやはり公助の強さにもつながっていくと思いますので、ぜひお願いしたいと思います。  それでは、2問目の、今度は共助のほうです。今回、今の会計年度任用職員の制度にしても、地域委員会制度にしても、本来よりちょっとキャップをはめて防災という観点から私は質問をつくっていますが、ただ、施政方針を拝見したときに、地域包括ケアシステムの構築と地域委員会構想の取り組みを一体的に進めるという記述がありました。今期の質疑の中でも、結構地域包括ケアシステムと地域委員会というお話が出ていましたので、またこれも繰り返しで恐縮ですが、ここのところ、一体的に進めるということの中身をもう少しお話しいただければと思います。 ◯副議長(池田けい子君) 田島市民自治推進担当部長。     (市民自治推進担当部長田島元君登壇) ◯市民自治推進担当部長(田島元君) 施政方針の中で、今質問者がおっしゃられたとおり、健幸まちづくりの次のステップとして、地域共生社会の実現に向けて、多摩市版地域包括ケアシステムの構築と、(仮称)地域委員会構想の取り組みを一体的に進めていくと申し上げたところでございます。  地域共生社会を実現していくために、これまで、例えば福祉の分野が主になりますが、高齢者の方、生活困窮の方、子育て支援、障がいをお持ちの方、こういった対象者ごとにこれまで相談支援体制を持っておりました。これを今進めていっております包括的な相談支援体制に変えていく、シフトしていくことで、今、複合化、複雑化している、そういった困りごとにも対応していきたいと考えています。  それと併せて、地域の中で様々な主体による支え合いの仕組みをつくっていきたいと思っていますが、そういった支え合いによる地域づくりを進めていくと。これを一体的に進めていきたいと思っています。こういったこれまでの縦割りを超えた包括的な相談支援体制をつくっていくということと、地域の中に支え手、受け手、こういった関係を超えた支え合いの仕組みをつくりまして、この中に、我がごととして関わっていただく、そういった市民の方、そういった人たちをふやしていくことで地域を一緒につくっていく社会、これは国が言っている地域共生社会というふうにうちのほうでは把握してございます。  ですので、福祉のほうで中心に進めてもらっていますが、包括的な相談支援体制をつくっていく部分と、今私どもの企画政策部のほうでやっております地域の中の支え合いの輪をつくって、そこに関わっていただく人をふやしていくということは、これはかなり表裏一体、同じ目的、地域共生社会を目指した目的を一つにしているところでございますので、一体的に進めているところでございます。 ◯11番(いぢち恭子君) 今、丁寧にご説明いただきまして、かなりわかりやすくなったと思うのですが、やはり地域委員会と言われると、そういう委員会をつくるのだな、かちっとした何かもう一つつくるのだなと思うのですけれども、それよりは仕組みというか取り組みというような、そういう考え方なのだなというのは非常によくわかりました。  私も常々、この地域包括、特に多摩市版の地域包括ケアシステムと地域委員会構想って非常に近しいところにあるなと思っていたのですが、そういう意味では、我が意を得たりといいますか、施政方針もそういう思いで拝見したのですけれども、そうすると逆に、どうして今までの支援体制ではできなかったのか。これができなかった、こういうところが足りなかったと当然、問題意識があると思うのです。これは地域包括ケアシステムのほうに軸を置いてしまいますが、これまでの相談支援体制では包括的にできなかった。今、縦の流れの中ではできないということがありました。そこのところ。  それから、先日、私どもの会派の代表質問で、相談支援包括化推進員というものについてもお話があったかと思います。ここのところ、一体何を目指してこういった取り組みをしているのかというところのご説明をいただきたいと思います。 ◯副議長(池田けい子君) 小野澤健康福祉部長。      (健康福祉部長小野澤史君登壇) ◯健康福祉部長(小野澤史君) これまでの相談支援体制で対応できないその現状というところかと思いますけれども、様々なケースがこれまでもございました。例えばですけれども、本人の同意が得られずに、支援に当たって、連携すべき関係機関などとの情報が共有できないようなケースですとか、あるいは同一世帯の中に様々な異なる課題を持った方々がいて、別々の相談機関に関わっていて、世帯全体の課題として関係者間で把握、共有されていないケース、いわゆる8050問題というように、50歳代の年代の方がひきこもっていて、80代のご高齢の方がいらっしゃるという世帯ですとか、あるいはダブルケアですとか、または生活困窮世帯の中の児童虐待ですとか、そうしたケースですとか、あるいは既存サービスの活用が困難な課題を抱えているというようなケース、例えば障がい者手帳を取得していないのですけれども、障害が疑われるというようなケースですとか、従来の属性別の相談支援体制では十分にもう支援できない、そういうものが出てきているという状況があるということでございます。そうした複合化、複雑化した課題を包括的に支援するという体制の構築を目指しているというのが1つでございます。  それから、相談支援包括化推進員でございますけれども、こちらについては、厚生労働省のモデル事業として、多機関の協働による包括的支援体制構築事業を実施する際に配置するということになってございます。役割といたしましては、いわゆるコーディネート的な役割というところになりますけれども、この相談支援包括化推進員そのものが単独で相談を受け付けるということではなくて、世帯全体の複合的、複雑化したニーズを捉えて、これらを解きほぐして、本質的な課題の見立てを行いまして、様々な相談支援機関などと連携しながら必要な支援を行うと。そのためのコーディネートをするという役割。それから、関係機関の適切な役割分担を図りつつ、これらと連動して地域全体の包括化を目指すというものでございます。  多摩市においては、令和2年、今年度ですけれども、今年度からこのモデル事業を実施するに当たりまして、関係部署、関係機関の横断連携のコーディネートを行う中核的な機能というのを福祉総務課の担当3のラインに設置をしているというところでございます。具体的な役割等については、まだ検討の途上というところもございます。今後のネットワークの連絡会の中でも検討をしながら進めていきますけれども、基本的には、先ほどご説明いたしました厚生労働省で示されているような機能を担っていくということになると考えております。 ◯11番(いぢち恭子君) この包括という言葉が示すとおり、まさに多摩市でもずっと市長もおっしゃっています、1人もこぼさない。そのために隙間とかグレーゾーンのところにも手が伸ばせるように。特に相談事業の充実というのは非常に大事だと思っていますので、ここのところはぜひしっかりと進めていっていただきたいと思います。  それでは、地域委員会のほうに戻りまして、モデルエリアという言葉を再三伺っています。これについては、もう始動している部分もあるようですけれども、このモデルエリアを設定した目的、それによって今後どのようにこの構想を進めていくのかというところをお伺いしたいと思います。 ◯副議長(池田けい子君) 田島市民自治推進担当部長。     (市民自治推進担当部長田島元君登壇) ◯市民自治推進担当部長(田島元君) 今年度から2つのモデルエリア、東寺方小学区と、諏訪中学区、馬引沢・諏訪地域ですね、こちらの2つのモデルエリアを指定させていただきまして、モデル事業を始めているところでございます。  地域委員会構想を進めていく上で、先進的な事例をこれまでも探してきたのですが、多くは、例えば平成の大合併等で合併した自治体ですとか、かなり過疎化が進行しているような地域、そういったところで総務省が申し上げている地域運営組織のような、そういった地域のつながりで新たな取り組みを行っていくような、そういったことをやっている事例は多くあるのですけれども、なかなかこういった多摩市のような、首都圏ですとか都市部でこういった事例を持っているところは、あまり今のところ多くはない状況にございます。  また、こういった地域の自治を進めていく、市民自治を進めていくというふうに今進めているところでございますけれども、このエリア、地域ごとにいろいろな歴史ですとか成り立ちがございますので、なかなか他市の事例をそのまま多摩市に持ってきて適用していくというところは難しいかなと思っていますので、今回こういった新たな仕組みをつくっていくということでございますので、こういった制度、仕組みをつくっていく上では、市民の方に参画をいただきながら、ご意見をいただきながら検討を進めていきたいと思っているところでございます。  そのため、今回、東寺方と馬引沢・諏訪といった例えばニュータウンとニュータウンでない既存の地域、また既存のエリア内の横断的なそういった組織があるか。具体的には、地域福祉推進委員会のような様々な団体、委員さんが入ったような組織があるかないかといった、そういった違いがあるエリアを2つ選ばせていただきまして、今、モデル事業を幾つか始めたところでございますけれども、そういった中で実践を伴いながら、多摩市なりの新しい仕組みづくりに取り組んでいきたいと思ってございます。 ◯11番(いぢち恭子君) まさに今おっしゃっていただいたとおり、多摩市というのは小さいですけれども、非常に複雑な構造だと思っていまして、私はニュータウンの住人でございますが、例えば既存区域と言われる方々の環境とはやはり大分違うなと思うことは多いです。  また、さらに最近、民間マンションもふえているので、中には、多摩市は2層構造ではなくて3層構造だという意見もあるぐらいですから、そういったところも含めて、いろいろな住民の方の状況、あるいは環境に合わせたモデルエリアというのは、そこまで考えていただいているというのは非常に心強いなと思っています。  また、今ちらりと地域福祉推進委員会などのようなお話も出ましたが、地域委員会と言われたときに、じゃあ、また何かもう一つつくるの? 何かまた役目が出てくるの?と皆さん、これ知っている人は思われたりもするのです。ただ、実際には、もう既にこの多摩市の中で、例えば自治会、あるいは民生・児童委員を務めていらっしゃる方、また地域福祉推進委員会に加わっていらっしゃる方、それからコミュニティセンターの運営協議会などに入って頑張っている方、いっぱい人材はあると思うのです。人材があり仕組みがある。こういった既存の、言ってみれば仕組みや人材をどのように再編成というか、次に生かすかということではないかと思うのですが、その辺りのことをちょっと伺えますか。 ◯市民自治推進担当部長(田島元君) 今幾つか挙げていただきましたが、そういった既存の組織、自治会、民生・児童委員、また地域福祉推進委員会、コミュニティセンターの運営協議会といった組織については、それぞれの目的や設立の経緯、根拠などをもとにして活動していただいているところでございます。そういった既存の組織、委員さん、団体等がこれまで果たしてきていただいた機能、また役割については評価に値するものかと思っております。  ただ、今、いぢち委員からもいただいたように、今の現状でかなりこういった制度に課題が出てきている。例えば1人の方がエリアを見ていただいて、1人の方が複数の役職に就いていただいて、幾つものそういった委員会のほうに出席をしていただいていると。限定された方がかなり支え手、担い手として活動いただいている。ですので、次のそういった方の成り手がなかなか出てきていない、見つけられない、そういったことがかなりいろいろな分野で課題になっていると聞いてございます。  また、実際に、その組織自体も継続していくことが難しいような状況ということも伺っているところです。そういったことが複数の分野で問題がかなり出てきておりますので、これからの新しい仕組みの中では、そういった多摩市内も幾つかのエリアに分けていって、そのエリア単位で、これまで点として様々な分野ごとに活動していたところを面で捉え直せるような、面で協働していくことができるような、そういった仕組みにこれからは変えていかなければいけないのかなと思っているところでございます。  先日、自治推進委員会、今、第7期をやっておりますが、その中で委員さんの言葉に、これまで例えば1人で担っていたことをこれからは10人の方でシェアできる、そういった仕組みがつくれればいいですねというような発言をいただいたところでございます。  今目指しているのは、まさにこういった地域にいらっしゃる多くの人たちが、ご自分の持っていらっしゃるスキルとか経験を少しずつ出し合って、共助のプラットフォームをつくって、それを公助として、市ですとか社会福祉協議会ですとか、そういったところが支えていくような仕組みを目指していきたいなと思ってございます。 ◯11番(いぢち恭子君) 本当に今おっしゃったことは非常に大事だと思っています。といいますのは、例えば私も、自分たちの地域で本当にいろいろな役割を1人で全部こなして、地域の顔といったらその人が出てくるという、今、名前は出しませんけれども、いますよ。ところが、そういう方々がもうお年を召してきたりとか、ご病気だったりとか、役職ではないですし、そういう方が後継者をつくっているかというと、そういうわけではないわけですね。こっちだってそんなことを望めない。だけれども、あの人がいなくなったらすごく困るよねという人は、やはりどの地域にもいらっしゃると思います。  そういったところをどう、それも、言ってみれば、今まではその人の人脈とかで、じゃあ、これはお願いねと振っていたかもしれない。でも、そこに頼っていていいのかという問題意識はありまして、今の市民自治推進担当部長のお答えは本当にそのとおりだと思いますし、何とか、それも結構早くやらないと大変なことになるのではないかとちょっと危機感もあります。  あともう一つは、役割をシェアするということです。そういった地域で頑張っているスターのような人たちはいるのですけれども、じゃあ、あなた次、頑張ってと言われても、私とてもそんなことできません。あんな八面六臂の活躍はできません。でも、シェアだったらできる。  それは先日の新型コロナウイルス感染症の困りごとの相談会でもありました。何か私にできることないですか。そういう方はこの多摩市の中にいっぱいいらっしゃる。でも、そんな大それたことできないし、どこにつながったらいいかもわからない。そういう人たちをいかに、例えば地域委員会構想という仕組みの中ですくい上げるというか、つながって──いい言葉です。つながって、強い共助を多摩市の中でつくっていくという、そういう大事な事業ではないかと私は思っています。  3番のほうになるのですけれども、多摩市では、まちを元気にしよう、あるいは次世代へつなげようという取り組みは今までもいっぱいやってきました。そういったものと地域委員会構想というのはリンクするものかなと考えています。特に私の今回の問題意識で言いますと、非常時に力を持てる、地域委員会構想というのも、そのつながりがしっかりできると、本当に困ったときに力を発揮できるのではないかと私は期待しています。  でも、非常時対応について、ここ数年、皆さん物すごく考えられたと思うけれども、その中で見えてきたのは、結局ふだんやれないことは非常時にはできないのだということです。そういう意味で、私は今回、共助というところ、特に防災や非常時対応の場合の共助というところに意識的にこの地域委員会構想を持ってきました。この地域委員会構想が、こうした非常時、あるいは平常時を問わず、人々の共助のためのプラットフォームになる、そういった意味で、広く言えば、コロナ禍であれば経済対策も今必要になってきます。広げれば切りがないと言われるかもしれませんが、そういった広範な市民を支える仕組みというところを今どのように自覚的に捉えていらっしゃるかを再度伺います。 ◯市民自治推進担当部長(田島元君) 先ほども申し上げましたが、これまで行政も地域も、課題や対象者ごとに対応してきたと。どちらかというと、縦割りで分業して対応してきたと。こういった仕組みを、今もう既に発生していますが、複雑化・多様化する課題に対応していくためには、組織横断的に対応できるような、そういったできる限りエリアを面で捉えて、横断的な横割りの仕組みに変えていきたいと。これが地域委員会構想の大きな考え方でございます。  そうすることによって、様々な世代の方にも、この地域の支えの中のほうに、輪の中に入っていきやすく、また先ほども申し上げた多様な主体でシェアできるようなフラットなプラットフォームをつくっていきたいと思ってございます。  そのためには、先ほどいぢち議員からもありましたように、これまで活動してきたその次の世代の方にこういった地域に関心を持っていただいて、地域づくりの中に入ってきていただいて、できるところから関わっていただく。そういったところが、この仕組みをつくっていく上で重要なところと思ってございます。そういった仕組みをつくっていくことで、日頃から多様な市民の方が緩やかな関係性を地域の中で築いている、そういった地域をつくっていくことで、いぢち議員がおっしゃるように、様々な災害ですとか今回の感染症対策等、そういった緊急時にも対応できる、それぞれがお持ちのスキルや経験をその場で発揮できるような、そういった仕組みをつくっていくことで、安心して暮らし続けられるような多摩市地域づくりをぜひ進めていきたいと思ってございます。 ◯11番(いぢち恭子君) ありがとうございます。大分、結論がもう出てしまった感じなのですけれども、私も、この共生社会の実現というのと防災のまちづくりというのは本当に表裏一体のものだと思っています。特に防災ということで考えると、市内のいろいろなつながりというのは、いろいろなレベルで考えられて、どうかすれば連光寺の人と唐木田の人だってつながっている。  ただ、防災ということで考えたときには、やはり支援というものが一番効力を発揮するかなと思っています。そうすると、私が力強く思うのは、やはり学校単位なのです。学校のお子さんを介したつながりというのはとても広がりがあるし、結構強いなと思うのです。お子さんが卒業してもつながっている方々もいっぱいあります。
     私は、地域委員会というものを考えたときに、やはり学区単位でしっかりと整備していくのがいいのではないかなと思うのですが、これについては、第五次総合計画などにも10のコミュニティエリアというものが前からうたわれています。これと学区の単位というのは大体かぶると思うのですけれども、完全にぴったり来るものなのか、その辺のコミュニティエリアの考え方を伺いたいと思います。 ◯市民自治推進担当部長(田島元君) 今、第五次総合計画第1期の基本計画をつくったときに、基本構想から変えましたが、その中でも、4期からこれを継続しておりますが、今、10のコミュニティエリアを設定しております。これまでの長い歴史の中で、地域的なつながりの強いエリアを、おおむね市内を10に分けてエリア設定をしているところでございます。  いぢち議員がおっしゃられるように、特に私も学区変更を経験してきたので、その辺は承知しているところですが、ニュータウンエリアについては、ほぼ中学校区が、2小1中になっておりますけれども、おおむねコミュニティエリアと重なり合っております。ただ、既存地区は、中学校の数と小学校の数がバランスが取れていないところもありますので、必ずしも学区とコミュニティエリアが重複していないところもございます。  今回、モデルエリアを2つ設定させていただきましたが、既存地区については、東寺方小学区という小学校区、ニュータウン地区については、諏訪中学区、北諏訪小学校、諏訪小学校の学区も含んだ小・中学校の学区に合わせて、今回はまだモデル的な事業でございますが、仮に設定をさせていただきました。  今後、こういった新しい仕組みをつくっていく上では、若い世代の方、子育て世代の方により多く参画しやすいような、そういった仕組みにしていきたい。また、今、既存の、例えば青少年問題協議会みたいなところでも、学区を基盤としてエリア設定をしているというところでは、今のところ、第五次総合計画では、必ずしも学区とコミュニティエリアは合っておりませんが、そういったところも含めて、今回の地域委員会構想の中で、新しいコミュニティエリアの設定を検討していくかも含めて、今後検討していきたいと思っております。 ◯11番(いぢち恭子君) 必要とあらば、ぜひそういったエリアの見直しなどもやって、とにかく市民の実態に即した効果的な構想づくりをお願いしたいと思います。  今回、私は非常時対応を見越した公助・共助のあり方というテーマで質問をつくらせていただきました。繰り返し言いますけれども、ふだんできないことは非常の際にもできないです。また、この新型コロナウイルス感染症の影響というのは、市側の皆さんもご承知のとおり、そう簡単には収まらない。長期的に影響が続くと思われます。こうした中で私は、公助と共助を鍛え直すことが非常に今求められているし、公助・共助が強いまち、安心して暮らせるまちづくりというのは、私は究極のシティセールスだと思っています。この点について市長のお考えを伺って終わりたいと思います。 ◯副議長(池田けい子君) 阿部市長。        (市長阿部裕行君登壇) ◯市長(阿部裕行君) 今、質問者がおっしゃったように、特にコロナ禍を通して、あるいは台風19号のときの災害などもそうなのですが、今日、自分たちで自分たちの地域、家族があり、あるいはひとり暮らしの方であっても、そこのコミュニティを大事にしていく。今、市のほうで進めている(仮称)地域委員会構想でありますけれども、そこの部分のこれから進めようとするメリットと、そしてまた今、まだまだ道半ばである状況などを含めて、いろいろな期待の声も寄せていただいたと思います。  今日の質問者がおっしゃられている共助と公助の関係、これは本当に重要なことで、私自身は、政府とか地方自治というのは、やはり市民があって初めて成り立つ。これは行政だけが動かすものではなくて、当たり前のことですが、そこに住む人たちがそのまちの主人公であり、その主人公であるまちが生き生きとできるかどうかというのは、まさに自分たちがまちを愛する気持ちと、それからこのまちに住む人たちで、いざというときに救い合い、助け合える、そんなまちをつくれるかどうかだと思います。そのことをきちんと行政が支えていく公助の仕組みをきちんとつくっていくということだと思います。  主役は地域に住む市民の皆さんですので、そこの部分を今、大きく働き方が変わってきたり、あるいはテレワークなどによって地域にお住まいの方もふえてきている。そしてまた職住近接で、そんなに遠くまで昔のように通勤するという時代でもなくなってきていますので、改めて地域の中で、また今、教育委員会でもコミュニティスクールということで地域に根差した学校、これを今、全面に掲げて活動に取り組んでいるということもありますので、ぜひその辺りをしっかり踏まえさせていただいて、質問者の期待に応えられるよう、またこれからは、繰り返しますけれども、行政だけではなくて、地域に住む皆さんこそが主人公ですので、その主人公である皆さんの共助を支えていく行政としての仕組みをしっかり築き上げてまいりたいと思っております。 ◯副議長(池田けい子君) いぢち恭子議員の一般質問は終わりました。    ──────────────────── ◯副議長(池田けい子君) 次に、橋本由美子議員の発言を許します。  8番橋本由美子議員。      (8番橋本由美子君質問席着席) ◯8番(橋本由美子君) 通告に基づき、2問質問させていただきます。  1.デジタル化のなかでの地方自治体のありかた     ・・・住民の福祉の向上の視点から考える・・・  昨年9月、国ではデジタル庁が設置されました。菅首相は、デジタル庁創設によって、(1)国と自治体のシステムの統一・標準化。(2)マイナンバーカードの普及促進を通じた各種給付の迅速化。(3)スマートフォンを使った行政手続き。(4)オンライン診療やデジタル教育に関する規制緩和。などを実現すると述べています。一方、東京都は、新型コロナウイルスの感染拡大で遅れが指摘された行政のデジタル化を進めるため、「デジタルサービス局」を新たに設置し、業務の改善や都民サービスの向上に重点的に取り組むとしています。多摩市においても、情報システム課を情報政策課に変更し、デジタル化を促進させようとしています。  人間社会の様々な分野でデジタル化が進むこと自体は、科学技術の応用によって社会的生産力を発展させることであり、人類文明の進歩とも言えます。しかし、雇用形態の変化、情報格差、個人情報の軽視、監視社会など、今までになかった新たな問題が生まれる可能性があります。十分な考察が行われ、マイナス因子に対する対策が取られ、適切なスピードで進められることが必要ではないでしょうか。  日本全体の「デジタルトランスフォーメーション」はまさしくスピード違反状態で進んでいる感があります。誰のための規制緩和なのか、誰のための便利さなのか、もう一度しっかり考え、多摩市政の中に取り入れていくことが、住民の福祉の向上を本旨とする地方自治体にとって必要だと考えます。この観点に基づき以下質問いたします。  (1)他省への勧告権など強い権限を持つデジタル庁設置、東京都のデジタルサービス局設置について市はどのように受け止めているのか。また、情報システム課を情報政策課と変更することの持つ意味、業務の内容の変更について伺います。  (2)政府は、デジタル社会形成基本法などデジタル関連6法案を閣議決定し、国会に提出しています。そこには、マイナンバー利用について、税・社会保障・災害に限定されていた利用範囲を拡大する内容も含まれています。また、J-LISを国機関化するなどの規定も含まれています。マイナンバーに関するこうした動きと、個人のプライバシーに関して市長の考えを伺います。  (3)多摩市にも個人情報保護条例があり、施策展開に当たっても審議会で慎重な審議が行われています。これに関しても、全国的な共通ルールの設定など、自治のあり方を無視する内容が含まれています。市長はどう考えますか。  (4)昨年出された第32次地方制度調査会答申にも、デジタル化に当たっては、国指導による自治体業務の「標準化」を進める方向が示されています。これは地方自治法第1条にある「住民の福祉の増進を図る」ために自治体独自の様々な施策に支障を来すものではないかと思います。考えを伺います。  (5)AIやデジタル化の技術は、職員の代替手段ではなく、職員が「全体の奉仕者」の役割を十分発揮できるようにする補助手段とすべきです。また、市のデジタル化を進める中でも、災害時やトラブルなどのときも職員が的確に、即時対応できる体制を構築する必要があると思いますが、市の計画について伺います。  (6)誰もがパソコンやスマートフォンを持っているわけではありません。情報格差がサービス低下につながらないためにどのような対策を取っていくのか伺います。  2.コロナ禍での保育園・学童クラブ  昨年3月から1年間、医療関係者だけではなく、高齢者施設、保育園、学童クラブなどで働く人たちは、自分たちが新型コロナウイルスの感染を広げるようなことがあってはならないと、職場と自宅、そして最低限の買物しかできない暮らしをしています。昼食は個食、会議も研修もリモートでという状況が続いています。それでも、福祉の様々な場所から感染者は出てしまい、それがまた大きなストレスとなってしまうようです。  特に、保育園や学童クラブは、働く保護者にとってかけがえのない施設であり、学校休校時も開所が求められてきました。コロナ禍の「保育」の現場での問題、次年度以降の待機児問題について考えたいと思います。  (1)2月には、新年度からの保育園・学童クラブの入所決定が行われました。それぞれの待機児状況を伺います。また、次年度以降の見通しについても伺います。  (2)緊急事態宣言下で保育園での保育人数が減った時期、食事もお昼寝も十分な間隔があけられ、家庭へのノート記入も時間を取ることができたという声を聞きました。少人数学級が強く求められているのと同じように、保育の面積基準や保育士配置基準も改善される時期が来ているのではないでしょうか。市としても国に対して改善を求めるべきではないでしょうか。  (3)保育士不足は常に深刻な悩みと言われています。国の賃金構造基本統計調査でも、2019年全産業平均月給33万8,000円、保育士は24万5,000円です。役割から見ても、小学校教諭33万6,000円に近づけるべきです。市の考えを伺います。  (4)昨年発表された「新子育て安心プラン」では、常勤保育士を最低でも1人配置すべきというところを、短時間保育士でもよいと変更するプランが示されました。上記のような保育士の待遇を改善しないまま、規制緩和をすることは「専門職」の位置づけをますます低下させることにつながります。市の考えを伺います。  (5)コロナ禍でも閉館せずに子どもたちを受け入れた保育園や学童クラブの職員に対し、国の補正予算を活用して「慰労金」支給をすべきと思いますが、考えを伺います。  以上、答弁をいただいた後に、再質問をさせていただきます。 ◯副議長(池田けい子君) 阿部市長。        (市長阿部裕行君登壇) ◯市長(阿部裕行君) それでは、橋本議員のご質問にお答え申し上げます。  1の(1)についてお答えします。  昨年7月に示された、国の「経済財政運営と改革の基本方針」いわゆる「骨太の方針」において、デジタル化への集中投資を掲げる「デジタルニューディール」が打ち出されました。  特に昨年初頭からの新型コロナウイルス感染症対策において、マイナンバーシステムをはじめ行政の情報システムが、十分に機能できるよう構築されていなかったことや、国の各省庁、また地方公共団体とも情報システムや業務プロセスが異なり、地域間・組織間で横断的なデータの活用が十分にできないことなど、様々な課題が明らかになったことを受け、こうした行政のデジタル化の遅れに対する迅速な対処とともに、行政サービスの質の向上を目指し、社会のデジタル化を強力に進めるため、本年9月にその司令塔となるデジタル庁を設置するとしています。  また、東京都では、コロナ禍で浮き彫りとなった課題を克服する構造改革を大胆に進め、DX(デジタル・トランスフォーメーション)を一気に加速するとして、新たに「デジタルサービス局」を創設するとしています。  このことについて、本市では、従来より市民サービスの向上と行政事務の効率化を図る観点から情報システムの導入、ICT技術の活用を積極的に進めてきたところですが、今回の国や東京都の動きを捉えながら、本市における取り組みを改めて検討する必要性を感じています。  しかし、国や東京都の動き、そのスピードはかなり速いものと認識しており、慎重に受け止めるべきと考えています。  また、国を挙げたデジタル化の推進には、大きな目標とスピード感が必要なことも理解しますが、一方で、この仕組みを実際に利用する国民の中では、まだまだデジタル化に対する意識や知識、利用環境の違いが少なくない状況です。こうした状況や、国民に一番身近な自治体である市町村の、まさに現場の状況の把握と十分な対話の中で、国や東京都については取り組みを進めていただきたいと思います。  こうした状況の中、本市においては本年4月から、情報技術の政策的利活用のさらなる推進を図るため、情報システム課の名称を情報政策課に変更することとしました。国や東京都の方向性を踏まえつつ、本市としてのこれからのデジタル化の取り組みへの方向性、具体的な取り組み内容、また今後のDX推進に向けた組織体制の検討などを進めてまいります。  (2)についてお答えします。  昨年12月、国において「デジタル社会の実現に向けた改革の基本方針」の決定と同時に、「自治体DX推進計画」が定められ、自治体のDXを強力に進めることが示されました。  この計画では、自治体の行政手続のオンライン化として、子育てや介護関係を中心に31の手続について、マイナンバーカードを用いたマイナポータルからのオンライン手続を可能とする内容が示されています。  また、国の省庁と自治体のデジタル化を強力かつ一体的に進めるため、J-LISの機構改革を行うことも示されています。  マイナンバーカードについては、必要性をまだ感じていない国民が少なくないことや、プライバシーに関する心配など、国による制度の周知不足などに起因する課題が多いと感じていますが、その仕組みや機能については、今後の行政サービス、さらには民間サービスをも大きく変える可能性が期待できるものと言われています。  しかし、全ての国民がカードを保有し、手続をオンライン化に切り替えるには、まだまだ多くの課題が存在していると認識しています。  また、市の役割とされるマイナンバーカードの交付事務についても、現下の自治体の大きな負荷の軽減と市民の利便性の向上に資する方策への転換を強く求めていきたいと考えています。  本市としては、マイナンバー制度の活用の検討をしつつ、市民の皆さんにわかりやすく、安全で真に利便性を感じていただけるよう慎重さをもって進めてまいります。  (3)についてお答えします。  今回の個人情報保護法の改正については、民間事業者、国の行政機関、独立行政法人それぞれで定められている個人情報保護規定の一元化を図るもので、地方公共団体についても歩調を合わせることとなっています。その目的としては、自治体ごとに規定や運用が違い、特に医療や学術の分野で支障が出ていること、条例がない団体もあるなど、適正な保護水準が確保できていないことなどを解消しようとするものです。  このような制度の一元化は、それぞれの自治体のあり方を無視するものではなく、地域で必要なものに関しては、市で条例を制定することが認められています。  本市では、個人情報保護条例のもと、その適正な取扱いについて慎重な対応を行っています。  多摩市情報公開・個人情報保護運営審議会では、外部委託、目的外利用、指定管理者の指定について、きちんと個人情報の保護措置がなされているかどうか精査しています。  新型コロナウイルス感染症対策の様々な事業においても一つ一つ丁寧に行っています。  今後、国からガイドラインが示されることとなっていますので、それに基づき、これまで多摩市が行ってきた個人情報保護のレベルを保ちつつ、市民の利便性向上につながる社会全体のデジタル化に対応できるよう、慎重に制度改正を行ってまいります。  (4)についてお答えします。  昨年6月の第32次地方制度調査会の答申において、「地方行政のデジタル化」が打ち出され、その後、示された「自治体DX推進計画」では、多くの自治体が共通して行う業務、いわゆる基幹業務と言われる住民基本台帳や税関系、年金など17の業務を対象とし、自治体の業務システムの標準化・共通化が掲げられました。このことを通して、業務手法の抜本的な見直しを行うことで、システム改修等に要する経費を削減し、削減された経費やそこに投入されていた人的資源を、他の分野で有効に活用することで、さらなる住民福祉の向上を推進しようとするものです。  なお、多摩市をはじめ、各自治体の業務はこの17業務以外にも多数あり、今回のものをもって自治体独自の施策を全て標準化するものとは受け止めていません。  まず、当面の大きな課題である基幹系システムの検討を進めるとともに、今後の国の方向性についても注視していきたいと考えています。  (5)についてお答えします。  AIやデジタル化の技術については、目まぐるしい速さで技術革新が進んでいる中、その技術を活用し、市民の利便性やサービスの向上が図られることが重要です。  その技術は、職員の働き方を変えるだけでなく、市民の安全安心につながるために、職員が「全体の奉仕者」としての役割を果たし、効率的に業務を遂行するための手段であると考えます。  また、危機管理としては、非常時において、大きな被災により、人員や物資、ライフライン等の利用に制約を受けた場合でも、業務を的確に行えるよう業務継続計画を策定し、体制を整えておく必要があると考えます。  本市においては、大規模な地震による災害発生時において、多摩市が行う非常時優先業務の内容、必要人員、業務目標、遂行順序を明らかにした多摩市事業継続計画を策定していますが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う緊急事態宣言下においては、対応が異なることから、業務体制や環境整備についての課題が浮き彫りとなりました。  課題を克服し、的確に運用できる体制を平常時から準備しておくことで、緊急時においてもスムーズに業務を行うことができると考えており、現在、シンクライアント端末の導入など、環境整備を行うとともに、平常時から準備として在宅勤務制度の構築について検討を行っています。  (6)についてお答えします。  技術の進化により、ICTが生活に入り込み、多くの方がパソコンやスマホを使うようになりました。このことは、今後のデジタル化を踏まえた行政サービスのあり方に大きな期待をするところです。一方で、ご指摘のとおり、様々な理由や事情により、デジタル機器に触れることが困難な方々がいらっしゃることは承知しています。これまで行ってきた紙での手続、電話や窓口での対面による相談対応などのメリットや必要性についても十分認識しています。  今回示された「自治体DX推進計画」では、いわゆるデジタルデバイドへの対応として、令和3年度から、国の施策として機器の操作方法などを指南するデジタル活用支援員制度が本格的に実施されると聞いています。本市でも、以前から市民向けスマホ教室などを開催しており、今後は、こうした既存事業と国の事業を連携した取り組みを含め、誰一人取り残さないデジタル化に向けた検討を進めてまいります。  次に、2の(1)についてお答えします。  保育の待機児童対策として、認可保育所を令和3年4月に永山駅エリアと多摩センター駅エリアに開設し、待機児童の解消を目指しています。  令和3年度4月1次保育入所申請の決定を1月下旬に行い、現在、2次申請の審査を行っているところですが、待機児童数については、現時点の申請状況と空き状況を鑑みると、昨年度と比べ、大きく減少する見込みです。  令和4年度以降の待機児童の動向についてですが、年齢別人口データから今年1月のゼロ歳児数が、昨年同月よりも約100名減少していることや、コロナ禍における働き方の変化があることなど、この先の保育需要はこれまでとは異なる動きを見せるものと考えています。令和3年度の状況を分析し、次年度以降に生かしていく考えです。  また、学童クラブについては、3月19日まで4月入所の申請を受け付けていることから、現在のところ、待機児童の状況はまだ確定していません。2月10日に受付を終了した第2期申請までの状況から、地域によっては、待機児童が発生する学童クラブがある見込みです。  次年度以降については、戸建住宅の着工や、マンション建設中のエリアもあることから、保護者の就労状況によっては、申請者がふえ、定員を超過する可能性があります。  一方で、新型コロナウイルス感染症の影響で保護者の状況も変化しており、なかなか先が見通せない状況にあり、今後も状況を注視・分析していく必要があると考えています。  (2)についてお答えします。  保育士の配置基準は、児童福祉法第45条第1項の規定に基づく、児童福祉施設の設備及び運営に関する基準により定められています。  本市では、市の単独補助を実施して、国及び都が定める面積基準及び職員配置基準の一部を引き上げる取り組みを行い、保育の質の向上を図っています。  保育士の人材確保が難しい中、さらなる基準の引上げは、新たに待機児童を生じさせてしまうことから、待機児童対策とのバランス、また、新型コロナウイルス感染症の動向等を見据えながらの対応が必要と考えます。  (3)についてお答えします。  私立保育所の運営に要する費用として、公定価格が国により定められ、その公定価格の基本分単価は、保育士の給与を年額約394万円を目安として積算されています。  また、基本分単価のほかに、職員の平均経験年数や賃金改善・キャリアアップの取り組みに応じた人件費の処遇改善等加算があります。  加えて、技能・経験を積んだ職員に係る追加的な人件費の加算といった処遇改善等加算があり、使途についても確実に職員の賃金改善に充てるものとされているところです。  本市では、保育の提供に携わる人材の確保や、質の高い保育を安定的に供給していくために、「長く働くことができる」職場を構築する必要があると考え、国へ制度の充実を行うよう働きかけを行っているところです。  (4)についてお答えします。  新子育て安心プランでは、「魅力向上を通じた保育士の確保」の1つとして、短時間勤務の保育士の活躍推進がうたわれています。この短時間勤務保育士は、待機児童が存在する市町村において、各クラスで常勤保育士1名必須の規制をなくし、代わりに2名の短時間保育士を置くことを可能とするものです。  本市における保育士の職員配置については、市の単独補助により、国及び都の配置基準の一部を引き上げ、質の高い保育を提供できるよう取り組んでいるところです。  まずは現行の水準を維持しつつ、私立保育園園長会と連携して、引き続き、保育人材の確保や質の向上を進めていく考えです。  (5)についてお答えします。  昨年4月7日に発出された緊急事態宣言により市内保育園や学童クラブでは臨時休園とはせず、保育の必要性等がある子どもたちについては、受入れを行う登園自粛要請の対応を行いました。  こうした中、本市では、まずは現場の安心を確保すべきとの考えから、国の補助金を活用し、各施設へは感染拡大防止対策として、必要な消毒作業や清掃作業などの通常想定されない業務に対して、消耗品購入や、かかり増し経費等への補助を実施しています。
     引き続き、安心安全な幼児教育・保育サービスの提供するための支援を行っていきたいと考えます。 ◯8番(橋本由美子君) では、子ども青少年部長には通告してありますけれども、2問目のほうを先にやりたいと思います。  私は多摩市の保育環境、さっきの答弁の中にもありましたけれども、実際の国基準より保育士配置とかそういうところで配慮をしていただいている──これは配慮をしていただいているというよりも、私たち子育て、私も随分前に保育園を利用しましたけれども、それよりもっと前の世代からずっと運動する中で、多摩市なんかは、市立の保育園が少なくて私立がほとんどだったのですが、園長会の方とも協力をしながら、保育制度をよくしてきたその名残だと思っています。  アップしていただいても、大体数字がおわかりかと思うのですけれども、日本の保育士の配置基準が書いてありますけれども、実際には、戦後、1948年、本当に戦争が終わって、私たちの先輩が、まだたくさん子どもが生まれた時代だと思うのですが、その頃から保育士の配置基準というのが大きくは変わっていないのです。変わったといえば、昨日も話題になっていましたけれども、ゼロ歳児が多いところは保育士さんがたくさん配置されるということで、多摩市というところに、0歳だったら3人、3対1とかそういう形にもなっていて、その上、下にあるように多摩市はそれぞれの人数に応じて、常勤の保育士とか非常勤の保育士さんの人件費を出していますということで、運営を、そして子どもにとっても豊かな保育をというところになっているわけですが、その一番、五、六歳の30人に1人というのは変わっていなくて、今話題になっている小学校の1年・2年、そしてこれから35人学級と、ほぼそんなに大きく違わない子どもさんたちが、保育されているわけです。1人の保育士に30人の子どもがいるというのがずーっと続いています。  今度は面積の問題です。これは、いろいろな国の面積というのを並べたのですけれども、こんなのを見てもぴんと来ないと思うのですが、一番下に、日本というところに、3歳児以上は1.98平米という、これが基準になって保育園というのは、入る子どもの数とそれから面積、そして整備が進められるのですけれども、これを大体6畳の部屋に換算してみると、6畳の部屋に5人の子ども、12畳に10人の子どもが入って、そしてそれが30人になっても1人の保育士さんで、そして6畳に5人の中で食事をして遊んで、そしてお昼寝をするというそういう基準になっています。  だから、冷静に考えると、とても豊かな保育環境とは言えません。市立の保育園をもしご覧になっても、私立もそうですけれども、食事をしたら片づけて、それでお昼寝パッドを敷いてという、そういうことを繰り返しているわけですから、私はこれからの時代にあっては、子どもたちの数を今は受け入れるのが大変というのがずっと続いてきましたけれども、やはり環境をよくするというところに視点を持っていかなくてはいけないと思いますが、その点についてのお考えをお聞きします。 ◯副議長(池田けい子君) 本多子ども青少年部長。     (子ども青少年部長本多剛史君登壇) ◯子ども青少年部長(本多剛史君) 保育士の配置基準のお話をいただきました。ご質問者がおっしゃるように、現行の保育士の配置基準というのは、昭和23年から大きくは変わっていないと見ております。現行の数字になっているのが昭和44年ぐらいから今の数字になっておりますけれども、4歳以上のところは大きく変わっていないというのが現状でございます。  本市では、市の単独補助というのを実施しておりまして、国の配置基準の一部を引き上げる取り組みというのをまず行っているところでございます。その中で、利用定員数に応じまして、常勤保育士の増配置を行っております。施設によっては、増配置を4歳・5歳のクラスに充てるなどの柔軟な対応を行っているのが実情でございます。  1つの例といたしまして、資料を提出しておりますが、12-3)の資料でございます。とある園ですと、定員が100名の園でございますと、下の表にある真ん中のところ、利用定員91人以上149人以下ということで、保育士2人──すみません、これは誤字がありますけれども、2人です、が増配置されるということでございます。仮に4歳・5歳がそれぞれ18人定員の園で申しますと、それぞれ18人ずつですので、保育士1人ずつ必要ということで、2人さらに増配置ということで、市のほうの補助で2人ということですので、計4人で36人を見るというような、そういう工夫もできるということでございます。  園によっては混合クラスということで、4歳児・5歳児のほかにも0歳・1歳ですとか、1歳から5歳までの混合とかいろいろなクラスがありますけれども、それぞれのクラス形態に合わせて、そういった増配置の市の補助を使って職員の配置を厚くしているというようなこともあります。あくまでも国の基準というのは最低基準を示すということでございますので、各市ともそうした取り組みで質の確保をしているというのが現状でございます。 ◯8番(橋本由美子君) よいことはこれからも継続的にもっとよくするという方向の視点が大切だということをまず申し上げたいと思います。  それから、さっき、規制緩和の問題についても第一答弁でいただいたのですけれども、保育士さんが足りないからいいことはすぐにできない、そして足りないところには、じゃあ、今度は短時間保育士でもいいのだということで、これは東京都の保育園だと、かなり該当してしまうのですけれども、こういうことをやっていくということは、ますます誰でもいいのではないかという議論になっていってしまうと思うのですが、この辺のことに関して、規制緩和は今回だけではなくて1998年から何回も行われているのですが、その辺のことについての見解を伺います。 ◯子ども青少年部長(本多剛史君) 今ご質問の規制緩和というのは、新子育て安心プランのことだと考えております。これが、令和3年度から令和6年度末までという4年間の計画でございますけれども、この中でこの改正のポイントといたしまして、1つ、短時間勤務の保育士の活用促進というのがうたわれております。  私ども、第一答弁でもお答えいたしましたけれども、本市では市の単独補助というのを行っておりまして、国や都が定める基準以上の配置を引き上げるということで、保育の質の確保の向上ということに取り組んでおります。そのため今回、国が示しております短時間勤務の保育士の活用については、今のところ活用する予定はございません。  と申しますのも、これは条件がいろいろございまして、国は待機児がある場合ということで、待機児が発生してしまう場合に限り、暫定的な措置として短時間勤務の保育士の従事について特例的な対応を行っても差し支えないというような文書が出ておりまして、まだ内容も確定はしていないというような情報を昨日確認できております。  それと、本市でも、常勤の保育士の確保が困難な状況を想定した場合ということで、仮に、これは特殊なケースになると思うのですけれども、もしうちが使うとなりますと、これはニュースでも話題になりましたけれども、急遽、保育士さんが大量に一斉に退職するというような場合で最低基準を満たせなくなった場合、こういう場合に使う可能性はありますけれども、今のところそういうことは想定されませんし、今、子育て支援員研修というのをやっておりまして、そういった方の育成も行っている中で、短時間勤務の方の活用というのは今のところ考えていないということでございます。 ◯8番(橋本由美子君) 今の答弁のとおり、だんだん、1人いたところを、それを外して短時間の人を入れようとかいろいろな改正をするのですが、それも、もうそうしないとやっていられないという状況が東京都の周辺のところに生まれてきたということは確かですが、ぜひ子ども青少年部長がおっしゃるように、やはり質の担保というのが本当に大切だと思いますので、その辺を考えていただくのと、保育士の地位の向上ということは経済的な問題も、私、最初に質問しましたけれども、こんな中で今、保育士さん、本当にこの1年間、学童そして児童館の公務員の人たちもみんな大変ですよね。人は出歩くなと言うのに、一番働かなければいけない職場を任されているのですが、そんな中で、1つは、そういうところに対して、さっきの答弁だと3次補正を生かすと、かかり増しという言葉が出てきましたけれども、つまり、国から出ているお金を、ご苦労さんとか、危険手当とか、その法人によって考え方は違いますけれども、そういう人件費的なものに回してもいいという判断になっているのか、その辺もう一度確かめます。 ◯子ども青少年部長(本多剛史君) 国の3次補正ということで、私どももこの3月の議会の最終日に同時補正ということで上げることを今、予定をしております。かかり増し経費というのは、なかなか耳慣れない言葉なのですけれども、今回の国の3次の補正予算の対象といたしましては、消耗品、備品、かかり増し経費、それと委託料ということが条件となっております。  その中のかかり増し経費というのは、職員が時間外勤務をした場合、それも施設内の消毒ですとか清掃を行ったというような場合、超過勤務ですとか休日勤務手当などの割増しに充てていいということです。それと、非常勤の職員を雇用した場合の賃金として、そのかかり増し経費というのを充てていいとなっております。  あとは、職員個人と施設が日常において必要とする物品等の購入ということで、消毒液を使った場合に手が荒れたというようなケースをよく聞きますけれども、そのときのハンドクリームですとか、職員用のマスク、それとゴーグルといったものが対象になっております。  今回の条件としては、そのかかり増し経費を使うという場合には、備品や消耗品を必ず購入した場合に限りかかりまし経費の計上ができるということで、備品・消耗品だけの利用は認められない。必ずかかり増し経費を使ってくださいというような条件が付されておりますので、この点につきましては、園のほうによく内容をお知らせいたしまして、人件費として時間外がかかった場合、また新たな雇用が発生した場合は、そういったものにしっかり充てていただくということをお知らせしたいと考えております。 ◯8番(橋本由美子君) 国の通知書をよく読んでみると、60人以上がマックスで50万円ですよね。多摩市の実態を見ると、60人以上なんて当たり前で、100人とか200人規模の保育園が多いと、結局それって薄まってしまうと思うのですが、それに対しての見解はどうなのでしょうか。 ◯子ども青少年部長(本多剛史君) 質問者がおっしゃるとおりでございますけれども、今回、質問者がおっしゃるように、園の利用定員数に応じて上限額というのが決まっておりまして、19人以下が30万円、20人以上59人以下が40万円、60人以上が50万円ということになっております。私ども、あらかじめ園のほうに調査をかけまして、どのぐらい必要かというのを事前に調査を行った中では、おおむねこの程度の上限額で行けるのではないかという見立てを立てております。  また以前に、今年度についても同じように50万円の補助というのを行っておりますが、そのときにはこの人数の制限というのはない中で、一律に50万円という対応をさせていただきました。そういったものも事前に十分活用している中でさらにということでございますので、この金額の中で何とか対応していけたらなと考えております。 ◯8番(橋本由美子君) 国の出してくれるお金についていろいろあるのですけれども、学童クラブに対して消毒液を買うときは1単位40人の子どもがいると50万円。ところが、保育園は200人いても50万円ということで、現場はすごく、あっちのほうがという形で出ていたわけですけれども、総体的にやはり高齢者に対応する介護福祉士さんはすごく大変ですが、この間も市の公務員である児童館の先生に聞いても、やはり子どもに発生させてはいけないというその緊張感が1年間も続くと本当に大変だということをおっしゃっていました。  ましてや、この間、ある保育園で保育士さんが新型コロナウイルスに罹患していることがわかって、200人規模の保育園でそうなると大変ですよね。濃厚接触者になると、子どもはもちろん休みますけれども、そうすると親のどちらかが休んで、中には、そのお兄ちゃんたちの小学校登校までああだこうだと言われたということで、全市中大きく混乱があって私にも問い合わせが何人かから来たので、基本的には学校まではそんなことはないということもお話ししましたけれども、でも、やはり休むということはお給料が入らないのだということで。  だから、私はこれから、これは国がまず高齢者からとなっていますけれども、私は多摩市の所管課のほうからも、こういう現場の学童、保育園、児童館の先生たちは、早くワクチン接種のほうになっても決しておかしくない。影響がこれだけ大きいのだということを言っていけると思うのですが、その辺のところで市のお考えを最後に、この保育園問題でお聞きしたいと思います。 ◯副議長(池田けい子君) 伊藤保健医療政策担当部長。    (保健医療政策担当部長伊藤重夫君登壇) ◯保健医療政策担当部長(伊藤重夫君) ただいまお話しいただいたのは非常に大事な点と考えてございます。今お話しいただきました市内でも、保育所のほうで新型コロナウイルスの感染者は出ておりました。こうした中、この1年間で、現状、お子さんに比べて高齢者は非常に重篤化しやすいというところが1点と、全国でもクラスターが非常に高齢者施設を中心に起こっている状況でございます。  そうした中、現在わかっている状況でございますけれども、新型コロナワクチンの供給状況ということですが、4月で都内において、1か月間で42箱、4万950人分ということで、全都の65歳以上の方々が310万人程度いらっしゃいますので、率にして1.3%という非常に少ない限られたワクチンという中では、優先順位的には高齢者の方々をまず優先順位の第1と考えてございます。 ◯8番(橋本由美子君) 今の答弁は、今までの答弁で十分理解できているので、国にベルギーから入ってくる量が少な過ぎてこれが起きているのだなということもわかるのですけれども、やはり所管のほうからそういう声を私は、今、伊藤保健医療政策担当部長のほうが答弁になりましたけれども、やはり担当している人たちがそのぐらい理解を示して、ぜひそうだねということを本当に職員の方と共有し合うということが、各児童館なんかの先生たちにとっても、本当に今大変なんだよというその思いを持っているということだけお伝えしたいと思います。  それで、先のデジタル化のほうの問題に行きたいと思います。いろいろシンクライアントとか難しい機械との関係については、今日の最初の質問であらたに議員が聞いてくださいましたので、私はちょっと違う視点でお聞きしたいと思います。  それで、今日の答弁の中でも、私たちは聞いていてわかるのですけれども、DXって、略してデジタルトランスフォーメーション。聞いている人たちが、市長の答弁を聞くと、これは何なのかというのがわからないのですよね。だから、まず略語が多い中では、そういうことから市民への理解を広げていくということでは、非常に例として、この間も部長とデラックスだねという話をして笑いましたけれども、やはり略語の意味をまず市民の方にわかりやすくお知らせする努力が入り口ではないかと思うのですが、その辺はどうでしょうか。 ◯副議長(池田けい子君) 藤浪企画政策部長。      (企画政策部長藤浪裕永君登壇) ◯企画政策部長(藤浪裕永君) 今回、デジタル化のことを取り上げていただきまして、まさにDXと書いて、デジタルトランスフォーメーションと読むとは私も思っていなかったところでございますけれども、まだなかなか耳慣れない言葉でもございます。  この辺りの話ですけれども、ちょっと耳学問的なものになりますけれども、こんな定義をされているようなところがございます。トランスフォーメーションにつきましては、情報技術、ITの浸透によりまして、人々の生活をあらゆる面でよりよい方向に変化させることというような概念ということで、これについては、単に情報技術の浸透を図ることではなくて、これを通じて組織間また他の組織、また社会全体で情報が共有化されたり、それからネットワーク化されたりすることによって様々な主体がつながって、新たなサービスが生まれたり、社会課題の解決に向けた取り組みが進むことというような定義をされていると聞いてございます。  ですので、トランスフォーメーション、変わっていくことですので、単に技術が新しいものが入ってくるということだけではなくて、皆さんが活用されて社会が変わっていくようなこと、そういうふうにつながることを意味しているものと思ってございます。ただ、これについてもなかなか、まだ新しい言葉ですので、浸透させていくには時間が必要かなとも思ってございます。 ◯8番(橋本由美子君) 私も、英語圏では「トランス」というところを「X」と訳すというのが出てきて、それで「DX」ということがつけられたと読みましたけれども、本当にこの入り口から言って、言葉がまず難しいなというのが正直な思いです。  さて、情報政策課のことが答弁の中にもありましたけれども、私はやはり大変重い重責を担ったり新しいものを取り入れたりということで大切だと思っているのですけれども、人数については今までの情報システム課と変わるんでしょうか。 ◯企画政策部長(藤浪裕永君) 現状、情報システム課というところで係が3つございまして、情報政策係と基盤係と、それからシステム係といったことで、ちょっと人数は今手元にございませんけれども、今の人数で進めてございますけれども、今回、組織改編をする中で、係の数を変更するところでもないですので、また人数については、必要な人数を配していただくことかなと思っておりますので、特にこれをもって大きな増員体制にするようなことは予定しているものではございません。 ◯8番(橋本由美子君) デジタル庁という、国、正式には今年ですけれども、東京都のデジタルサービス局なんかも、この間、宮坂学氏のお話も聞きましたけれども、そうすると人もふやして、そして民間からの力もいろいろ入れてということでなっていますけれども、そういう面では多摩市は、名前は変わっても、今いる人たちが頑張っていかなければいけないということでは、今後発展する中で必要な配置は行われると思っておりますけれども、今は情報政策課というふうに少し名前が変わって、やることがいっぱい出てきたという状態ではないかなと思っています。  それで、何度も出てくるデジタルということで、今国のほうでは関連6法案が閣議決定されて、この通常国会に上程されているわけですけれども、その中で一番よく私たちが耳にするのはマイナンバーカード、これももう5年たっているのですけれども、なかなか普及しない。私は意識的に取っていない人間なのですけれども、この中で、もちろん知らないからというのと同時に、今までのこの情報化社会という中で心配を感じる出来事がたくさん起きているということも、やはりマイナンバーカードはどうなのかなという思いにさせていると思うのです。  あんなにCOCOAといって、厚生労働省が私たちに、持ったら、誰かと接触したらお知らせが来ますよと言っていたのに、4か月間も稼働していなくて、何のために持っていたのだろうと。こういうのを聞くと、何か言っていることとやっていることが違うのではないかなという感じがしますよね。  それから、様々なそういうトラブルがあったりということでは信頼度も足りないと思うのですが、そういうところは市としてはどんな形で、国や東京都のレベルとまた違って、市はなかなか克服する手段を持つのは難しいかと思うのですが、その辺、どう捉えていらっしゃるかお答えください。 ◯企画政策部長(藤浪裕永君) 先ほどご質問いただいた情報システム課の人数ですけれども、課長以下で9名というのが現体制でございますので、今後、必要な人数が、また業務の状況なんかに応じた形で、どういう体制になるのかというところをよく相談していくことになろうかなと思ってございます。  また、今のお尋ねのところですけれども、いろいろ国が進めながらシステムを構築されているところではありますけれども、その中でもうまく回っていないというところが具体的に見えてくる中でいくと、本当に大丈夫なのだろうかという心配が出てくるのはやはり同様なところなのかなとは思ってございます。  ただ、一方で、システムなんかについても、やはり大なり小なりバグといいますか、いろいろなものを動かす中でいくと、不具合みたいなものもあり得るところでありますので、必要な改修等もしながらきちんと動くようになってくるものが出てきますので、やはりこの辺はしっかり説明をするということと、それからきちんと動くようになるということが必要だと思っておりますので、この辺の姿勢ですとか、伝え方というところが重要になってくるのかなと思ってございます。 ◯8番(橋本由美子君) それで、実はマイナンバーカードというのは、取得は任意ですよね。でも、片方で、この3月から医療現場で使うところも出てきているのですよね。読み込めば、そういうところで。これから何年か後には、免許証とかどんどん幅を広げるよということは言われているのですけれども、この国のカード交付を国の方向だとどんどん広げて使えますよというところと、マイナンバーカードの取得は任意ですという。しかも、それを出すのは自治体ですよね。こういう矛盾した中に置かれる市として、このマイナンバーカードのあり方について、基本的にどう考えていらっしゃるのかお答えください。 ◯企画政策部長(藤浪裕永君) 昨年末に国のほうで自治体のDX計画、こういうのが出ていながらということで、取り組みの方向性については改めて示されているところでございますけれども、この中で示された国のスケジュール、あるいは工程表の中で行くと、マイナンバーカードの取得についても、令和4年度末までにほぼ全ての国民に取得をしていただきたいというところですので、今からでいくとちょうど2年後になります。現状、国で約4人に1人、東京都で3割程度。多摩市ですと、この2月で27.2%の交付率というところですので、まだまだ、ほぼ全国民に、全市民にというところでは先がまだ大変なところかなと思ってございます。  ただ、この辺り、カードが行き渡ることによりましてカードの利活用に関わる環境が整いますので、サービスの前提が整うということになりますけれども、一方で国として、この取得については義務だということはこれまでも申しておりませんし、今も言われてございません。そうした中で市としても知っていただくこと、あるいは取得方法のPRなどはしっかりさせていただくにしても、取得については任意であるということについては変わらないものと考えてございます。 ◯8番(橋本由美子君) そんな中で、私が今回すごくこのデジタル化の問題の中で、個人情報の問題について、やはりさっきのCOCOAではありませんけれども、様々な形の中で、個人情報って一体どうなるのかなというのを危惧してきました。多摩市は、平成11年に個人情報保護条例をつくっています。1990年代から何人かの方が様々に検討してできた条例です。この条例、皆さんもずっと昔のことなので新しい議員さんはそんなに目を通されたことがないかもしれませんが、第1条「この条例は、自己に関する個人情報の開示、訂正、削除等を請求する市民の権利を保障するとともに、個人情報の適正な取扱いについて必要な事項を定めることにより、市民の基本的人権の擁護と信頼される市政の実現を図ることを目的とする」というのが、第1条です。個人情報はこういうものだとか、それから実施機関は選挙管理委員会であったり、市長であったり、教育委員会、そして私も所属している監査委員とか、そういうところで。  それで、市民の責務もあります。「市民は、相互に基本的人権を尊重し、個人情報の保護の重要性を認識するとともに、個人情報の保護に関する市の施策に協力するものとする」。これが市民の、事業者の責務もあります。  こういうものの位置づけと今の現状を考えたときに、すごくこんなものでいいのかなと思ったのは、一番身近なところで私が思い出したのは、市内の教育機関である、一般的に言われているのでベネッセさんという名前を出しますけれども、情報が漏れて、あれは私の周りでも、何でベネッセに登録していないのにうちの子どもに勉強しなさいというのが届くのだろうというのがどんどん広がってきて、それで調べてみたら非正規職員さんが持ち出していたということがわかって、そのとき落ちがついたのが、500円の商品券が送られてきて、うちの個人情報は500円なんだねと、みんなそう思ったわけです。  それから、数年前にリクルートの新卒者のところで、内定取消しの危険性を企業に教えた。これももともと情報があるから教えられたことです。よく調べてみると、個人情報の漏えいや紛失は、東京商工リサーチセンターが調べたところ、2012年から2019年まで372社で起きて、685件8,889万人分、全人口の7割分の情報が漏れていた。こういう現実があるのです。  私はだから、国はデジタル化にスピードを上げていくと同時に、個人情報保護の委員会をもっと立ち上げ、今もありますけれども、きちんとそういう情報を、本当に漏えいしたり紛失したりしないように。また、紛失してしまったときにはこういう責任を取るのだという裏づけがないのに、どんどんデジタル化だけが進んでいくことに大変危惧を持っているのですが、その辺のところで、これは国レベルでやっていくことに対して、多摩市も個人情報保護条例のある市として、どのような考え方をお持ちになっているのかお聞きします。 ◯副議長(池田けい子君) この際暫時休憩します。          午後3時01分休憩     ──────── - ────────          午後3時20分開議 ◯議長(藤原マサノリ君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  答弁からです。渡邊総務部長。       (総務部長渡邊眞行君登壇) ◯総務部長(渡邊眞行君) 今回の法律改正でございますけれども、やはり個人情報保護の大前提のもとに、情報、データをどんな形で活用、また流通をさせていくか、そのような両立がどうしたらできるかというところを目指しているのだろうと認識しているところでございます。それに当たっては、これまでも地方自治体は様々な形で個人情報の保護をやってきたというレベルを押し下げるものであってはいけないし、押し下げるものではないと考えているところでございます。  これまでもそれぞれの規定、いろいろな自治体ごとにばらばらだったものを、1つは法律のもとにガイドラインをつくって、同じような項目──同じような項目といいますか、共通しているものについては同じように規定をしていくというようなことになるのではないかと考えてございます。また、個人情報保護の保護委員会等も設置されておりますけれども、引き続き、そこがそれらを監督していくという形になるのだろうと考えているところでございます。  いずれにいたしましても、地方自治体で条例を制定することもできることになっておりますので、多摩市でもこれまで大切にしてきた個人情報の保護というような大きな精神でありますとか、根幹に関わるような改正になるというような形にはならないだろうと考えているところでございます。 ◯8番(橋本由美子君) 昨年、子どもたちに1万円とか3万円とか、金券で支給のときに、個人情報の保護の審議会が多摩市でも、そのときだけではなくて、全てのそういうときにかかっているということを改めて感じました。それで、議事録を読んでみても、本当に民間にお願いすることの意味をよく理解されていて、民間で最後にもらった資料を粉砕してなきものとするわけですけれども、そういうことまできちんと目配り・気配りができているということで、私は多摩市においては、この個人情報保護条例があって、審議会の方たちがみんなそれを前向きに捉えていらっしゃるということについて、私は一つの誇りとして持ち、そしてこのようなデジタル化ということで、私、最初に申し上げたように、全面否定ではありませんし、私自身が考えてみると、この議員活動というのも最初は手書きの通告文書とか、それからタブレットを使うとか、そういうことも全然なかったのですが、いろいろなものに使っています。だから、便利に発展するものを使うということについては合意できるのですけれども、やはり注意しなければいけないもの、それから自分の生き方にとってそれは必要ないと判断した人たちを阻害しないということがとても重要ではないかなと思っています。  実は標準化というのも、先ほどもちょっとお話ししましたけれども、私の共産党のある議員が地方の議会で質問をしたのです。というのは、国民健康保険の第3子については均等割をなくしてほしいとか。そうしたら町長さんが、これからの標準化の時代にあると、そういうプラスをするということは、全国のレベルと違ってしまうのでそれはできませんということで、お金がないからではなくて、標準化に相反するからやめましょうという答弁をしたということを聞いて、ここまで素直に国のデジタル庁以下の流れを酌んでいる町長さんがいるのだなというふうにちょっと唖然としてしまいました。そういうふうに使われたら、本当に地方自治のあり方を阻害するものになると思いますが、その辺についてはどうお考えでしょうか。 ◯総務部長(渡邊眞行君) 法律の中で条例等を制定することはできるということになってございますので、今まで多摩市がしっかりと守ってきたものについては、それを厳格に守っていきたいと考えているところでございます。  いずれにいたしましても、今年度も10回、審議会のお話が出ましたけれども、ありました。50件の審議をしていただいております。そういう部分では、今回の新型コロナウイルス感染症の関係で、今手当のお話もございましたけれども、そういうものについても20件に上るというような状況でございます。一つ一つ丁寧に、個人の情報を出すときはどのような形のときにということで厳格にやっておりますので、今後もその立ち位置というのは変わらないと考えているところでございます。 ◯8番(橋本由美子君) 私がスピード違反という言葉を使ったのも、そういうふうに、やはり立ち止まるべきところ、注意すべきところについては、本当に神経を使っていかなければならないし、大きなバックにある企業さんというのはもうけのために存在するので、デジタル庁にも500人の職員さんのうち100人以上はいろいろな会社から入るということを聞いています。そういう中にあっても、やはり行政にいる人は常に、誰のためにそういう政治が流れているのかということを意識しなければいけないという意味で、スピードを出し過ぎてつまずくようなことがあってはならないと思います。  最後に、市長にお伺いしたいので、ちょっと耳を貸していただきたいと思いますが、世界の個人情報に関する動きというのは、自分のデータを完全に消去できたり、自分のデータを確認できたり、個人情報の扱いを自分で決定する権利があったり、それから日本では最高1億円だそうですけれども、EUの国では会社が倒産するほど、何十億円もの補償が求められることもあるわけですよね。今のままだと、個人情報は一部の企業のもうけのために使われるということもあり得るかもしれません。  プライバシーを守る権利は憲法が保障する基本的人権だと私は思っています。デジタルトランスフォーメーション、DXの先走りで大事な基本的人権や住民の福祉の向上を切り捨てるようなやり方は許されないと、私は今回質問することを考えました。最後に市長の考えを伺いたいと思います。 ◯議長(藤原マサノリ君) 阿部市長。        (市長阿部裕行君登壇) ◯市長(阿部裕行君) 個人情報保護と、それからデジタルトランスフォーメーション、DXという本当に耳慣れない言葉で、というか、そもそもデジタル化ということ自体が、何をもってデジタルなのか。アナログとデジタルのバーサスの関係なのか。実は両方ともバーサスの関係というよりは、おそらくこれから先も未来永劫、共存していくものだと思います。  今、最後のところで言われた質問者のことに対してお答えするとなると、私自身もそうですが、いわゆる個人情報というものが、例えば携帯電話、今、スマートフォンを使っていると、いろいろなサービスをダウンロードして使うということになりますけれども、そうしたときに必ず私たちは経験しているはずなのです。この情報をほかで、つまり、例えばアイフォンであればアップルとして使うことを許しますかという表示がいろいろな表現で出てきます。つまり、何を言いたいかというと、私たち一人ひとりが、今迎えているデジタル社会というのは、自分自身の個人情報をどう管理していくのかということは、一人ひとりがきちんと考えていかなければならない時代に入っている。そしてまた、実はもう一方、世の中全体から見れば、個人であってもマーケティングの対象にされているということだと思います。  地方自治体の役割というのは、ちょっとそれとは違います。私たち地方自治体が市民との関係で言えば、マーケティング調査は行いますが、消費者と向き合っているわけではないのです、地方自治体は。あくまでそこは主権者である市民がおられます。したがって、個人情報というのは、これはやはり、先ほど来、渡邊総務部長が話をされているとおり、それぞれの地方自治体において、過去、これまで積み重ねてきた成果と結果に基づいてきちんとやはり個人情報を保護する。そしてまた私たちが扱っている個人情報について、それをむやみやたらに外に出すということではなく、一つ一つチェックをかけている。実はそうしたものが今、アナログ・バーサス・デジタルの中で、しっかりこれからも守っていかなければならないものである。  ただ、問題があります。例えば今回、ワクチン接種について、河野ワクチン担当大臣が、できればマイナンバーを使うことによって、例えばこの人はファイザー社製、アストラゼネカ社製、モデルナ社製、どれを使っていて、そしてまた今どういう状況にあるかということを、マイナンバーを使って全部わかりやすくしたいという話がありました。  しかし、その話がどうしてできないかというと、それは国が個人情報を収集するということになります。しかも、今回のワクチン接種は強制的なワクチン接種ではありませんので、一人ひとりが任意に行うというようなことになります。したがって、そうしたときにおいても、きちんと地方自治体がそれぞれ、これを国に出すことについて、個人情報保護運営審議会に諮らなければならないということになります。  一つ一つ考えていくと、そうしたことはやはり国と地方自治体が、今、実は都道府県、市町村、町村会を含めて、国と協議する場がありますので、全国市長会ではそうしたことを含めてしっかり協議の場で議論をしながら前に進めていくということを私たちも確認しているところでありますので、今日いただいた意見をしっかり受け止めながらこれからも進めてまいりたいと思います。 ◯8番(橋本由美子君) ありがとうございました。この間の議長会主催の、さっきもお話しした宮坂学さんのお話の中で、彼はずっと民間でやってきて、20%の人がターゲットだったらそれはヒット商品だという、そういう概念で進んできたけれども、行政は違うのですよね。東京都庁にいても、やはり都民全体が本当に満足していただき幸せになるという、そういう視点が行政なのだということを学んだとおっしゃっていたのです。  まさしくさっき市長がおっしゃったようなことも含めて、それは一般の会社と、そして行政のあるべき姿、地方自治のあるべき姿とはそこのところで大きく違っているということを改めて私たち議員も考え、そしてこれから本当にDXということがどう進んでいくかわかりませんが、大切にすべきものはきちんと大切にするということでこれからも考えていくことを申し上げ、終わりたいと思います。どうもありがとうございました。 ◯議長(藤原マサノリ君) 橋本由美子議員の一般質問は終わりました。    ──────────────────── ◯議長(藤原マサノリ君) 次に、岸田めぐみ議員の発言を許します。  5番岸田めぐみ議員。      (5番岸田めぐみ君質問席着席) ◯5番(岸田めぐみ君) 岸田めぐみです。今から通告書に基づき、質問させていただきます。  学校に行かない、行けない子ども、不登校の子どもがいると確認されたのは1950年代です。その頃学校は長期に休むことは問題行動だとみなされ、個人的で内面的な問題とされてきました。学校に行くのは当たり前であり、子どもたちの学びを保障するためには、学校復帰が最善であり、大前提だとされ、対策が取られてきました。それから方向転身とも言える、いわゆる教育機会確保法(義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律)では、学校以外の多様な学びの場を含めた個々の状況に合った支援が示され、不登校は問題行動ではないこと、または学校を休む必要性も認められました。  しかし、NHKの取材で「多様な学びプロジェクト」という市民団体の代表を務める生駒さんは、第一子が不登校になったときに、「死ぬくらいなら学校から逃げてもいいよというけれど、学校に行くのも地獄、行かないのも地獄」の状況に追い詰められたと話されています。それは多かれ少なかれ不登校の子どもや保護者も感じていることと思います。日本では統計から、学校が始まる夏休み前後に自らの命を落としてしまう子どもが多いことがわかっています。学校に行けないことが子どもを追い詰めているのです。また、学校に通えていても、ぎりぎりのところで頑張っている子どももいるのではないでしょうか。学校を休んだとしても、学校のある時間の子どもの居場所は家庭以外になく、家の中で子ども親も孤立を感じている、あるいはどう過ごせばいいのか不安を抱えています。  先ほどの「多様な学びプロジェクト」では、鳥たちが「とまり木」を自由に選べるように。子どもたちも、学べる場所、心休まる場所、居場所を自由に選べるように、おうち以外の気軽に立ち寄れる場所づくりをしているそうです。川崎市子どもの権利条例を具現化するためにつくられたフリースペースえん代表の西野さんは、「教育機会確保法ができ、将来的な社会的自立に向けて家庭も含め、どこでも学んでいい学習環境づくりが自治体職員に求められるようになった。自然の不思議と出会い、五感を使って思い切り遊び、非認知能力を高められる遊び場環境の整備とともに、学校以外でも自由に学び、育つことができる環境整備を一歩前に進めるときが来ている」と言われています。子どもたちが自分らしく成長する権利、学ぶ権利が保障されるまちになっていくよう、以下質問します。  1.子ども・子育て支援事業計画策定に係るニーズ調査では、小学生の保護者では子育ての不安や負担を「出費などの経済的不安」52.6%が最も高く、「心身の疲れ」42.7%、「自由な時間がない」26.7%と続いています。学校以外の学び場では、文部科学省の「小・中学校に通っていない義務教育段階の子どもが通う民間の団体・施設に関する調査」によると、月額が1~3万円、3万~5万円とする団体がそれぞれ4割弱であり、平均で約3万3,000円かかっているそうです。家庭の経済状況が、学びの格差につながることになってはいけません。  (1)同じくニーズ調査で、子育てについての不安や負担について不登校・登校しぶりは、平成20年度0.9%だったものが、平成25年には2.7%、一番最近の平成30年度には7.6%とほかの項目に比べて割合は少ないですが、8倍以上にも数値が上がっています。その理由について市と教育委員会はどのように把握しているのか伺います。  (2)ホームエデュケーションやフリースクールなど、学校以外の多様な学び場で学んでいる子どもたちに対し、学びを保障するためにどのような支援があるのか伺います。  (3)就労等により保護者が昼間家庭に不在な場合、特に学童クラブ対象の年齢の不登校の子にとって適切な生活をする場(学び場)は、学校のある時間帯どのようなものがあるのか伺います。  2.居場所とは子どもが自分で行くか行かないかを選び、自分らしく過ごすことができ、安心していられる場所です。
     (1)昨年の突然の休校に伴い、保護者は就労等しているが学童クラブに通っていない子どもたちを対象に、学校の中に居場所をつくりました。その振り返りをどのようにされたのか伺います。  (2)一定の条件を満たし、適切であると校長が判断した場合、指導要録上出席扱いになりますが、出席扱いになる利点、意味について伺います。  (3)新型コロナウイルス感染症の拡大のために、突然の休校時は子どもの居場所が心配されました。学校に通っていない子どもの居場所はどうなっているのでしょうか。  以上、ご答弁いただきまして、再質問させていただきます。 ◯議長(藤原マサノリ君) 阿部市長。        (市長阿部裕行君登壇) ◯市長(阿部裕行君) それでは、岸田議員のご質問にお答え申し上げます。  1の1の(1)及び(2)については、教育長がお答えします。  (3)についてお答えします。  不登校の子が生活する場の一例として、一般的にはいわゆる民間のフリースクールのようなものがあると認識していますが、保護者の就労等によって学童クラブに在籍している児童の場合は、平日は学校が終わった時間帯に、土曜日及び長期休業期間中においては、朝から受入れを行っています。  不登校の児童に対する対応として、これまで学童クラブにおいては、保護者及び学校と調整した上、授業のある時間帯に児童を受け入れたことがありました。その際の過ごし方としては、学校から提供された宿題を行う、読書をして過ごすなど、学童クラブの職員が過度に干渉することなく、過ごしています。  一方、学童クラブに在籍していない児童の場合は、保護者及び学校とも了解の上、一時的な居場所として、午前中から児童館を提供するなどの対応を行っているところです。  2の(1)から(3)については、教育長がお答えします。 ◯議長(藤原マサノリ君) 清水教育長。        (教育長清水哲也君登壇) ◯教育長(清水哲也君) 1の1の(1)についてお答えします。  文部科学省が毎年実施している、児童・生徒の問題行動や不登校など、「生徒指導上の諸課題に関する調査」の結果によると、多摩市の不登校児童・生徒数は、過去10年間で増加傾向にあります。  また、近年は、不登校について要因の多様化・複雑化のほか、長期化が顕著となっており、こうした背景から、不登校児童・生徒の将来に対する保護者の不安や、不登校状況の改善に向けた負担が増大していることが考えられます。  このような状況を踏まえ、教育委員会では、令和2年11月に策定した不登校総合対策の中で、家庭支援の充実を掲げています。今後も各学校が、関係機関や専門家の協力を得て、福祉や医療等、様々な視点から児童・生徒や家庭への支援が行えるよう、学校の対応力の向上に努めてまいります。  (2)についてお答えします。  フリースクール等、学校外の公的機関や民間施設で学ぶ児童・生徒について、各学校では、文部科学省が示す支援のあり方に基づき、学びの保障を含む社会的自立に向けた支援を行っているところです。  具体的には、当該児童・生徒が在籍する学校において、学習支援や進路指導を行うために、家庭訪問や面談等、定期的な対面指導の機会を設けるなどして、学習の状況を把握するよう努めています。  また、民間施設とより積極的な連携を図るために、校長や担任教員が施設を訪問して、指導内容や学習の状況を確認することもあります。  今後も、教育委員会では、児童・生徒の多様な教育機会を確保するため、学校と学校外の民間施設等との連携を進めてまいります。  次に、2の(1)についてお答えします。  3月の臨時休校期間に、学童クラブを利用していない小学校1年生から3年生を対象として市内小学校で「子どもの居場所づくり」を実施しました。  教育委員会では、指導主事が学校を訪問して、子どもたちの活動や教員の指導の様子を確認するとともに、各学校に毎日の参加人数の報告を求めるなどして、活動の状況や利用者のニーズの把握に努めてきました。  この取り組みの振り返りとしては、参加した子どもたちにとって、三密を避けながらも、友達と楽しく関わることができたことから、心理面の安定などに一定の効果があったものと捉えています。  (2)についてお答えします。  不登校の児童・生徒が、適応教室やフリースクールなど、学校外の公的機関や民間施設において相談や指導を受けている場合、当該の機関や施設と、学校・保護者との間で十分な連携や協力関係が保たれており、学習内容が学校の教育計画に照らして適切であると校長が判断した場合は、出席と扱うことができます。  つまり、学校の授業を受けていなかった場合でも、学校外で一定の学習活動を行っている場合は、「欠席」ではなく指導要録上は「出席」と扱うことを意味します。  また、各学校では、出欠席が進学等において児童・生徒の不利益とならないよう扱っており、「出席扱い」になることによる利点は特段ありません。  (3)についてお答えします。  不登校児童・生徒が、学校以外の通える場として、教育センター内に適応教室「ゆうかり教室」を設置しています。  ここでは、教科学習のほか、人との関わりが生まれる集団活動、自分のよさや可能性を発見する体験活動を通して、学ぶ意欲と自己肯定感の醸成につながる支援を行っています。  令和2年7月からは、一人ひとりの習熟度に応じた学習が可能となる「eラーニング」を試行として導入し、ゆうかり教室に通っている児童・生徒だけでなく、ゆうかり教室に通っていない児童・生徒の自宅での学習機会としても活用しています。 ◯5番(岸田めぐみ君) ご答弁と、また資料のほうも作っていただいて、ありがとうございました。  このニーズ調査の1~3位、経済的だったり、心身の疲れというのは、不登校の保護者の場合、特に感じることが多くなるのかなと感じました。特に私たち保護者の世代は、子どもが学校に行くのが当たり前で、学校に子どもは行くべきだと考えておられる方が多いのかなと感じています。自分たちが児童・生徒だったときは、学校に行くように親からも先生からも指導されてきたからかなと感じています。  それで、多くの保護者は、学校以外でどうやって過ごすとか、子どもが不登校になるということを大概の人は考えたこともないのではないかと思っています。そういった中、こういった不安を抱えながら、子どもが不登校になった場合、あしたからどうしていくのか、どう過ごすのかとか、子どもの勉強をどうするのかというのを考えていく必要に迫られていると思います。  保護者や子どもが、学校以外にどのような学びの選択肢があるのか。選択肢が示されるということはすごく大事なことだと思うのですけれども、そのことについてお伺いしたいと思います。 ◯議長(藤原マサノリ君) 山本教育部参事。       (教育部参事山本勝敏君登壇) ◯教育部参事(山本勝敏君) 学校に通えない子どもたちの保護者、また子どもにとっての別の学びの場の選択肢ということですけれども、こちらについては、例えばフリースクールといったもの。そして、フリースクール以外に、自分たちが、例えば心のうちを相談したいと思っているところもあります。そういったときには、例えば大学等のそういった心理面について相談に乗っていただける機関、また本市においては、適応教室「ゆうかり教室」、こういったところが子どもたちにとって学校以外の学びの場の1つとして考えられるものだと捉えております。 ◯5番(岸田めぐみ君) 今ご答弁でいただいたことは、不登校総合対策でも、関係機関だったりとか、支援だったりとかという内容に書かれていることだと思うのですけれども、特に大学であったり民間団体、フリースクール等をもっと具体的に、保護者としたら、子どもとしたら知りたいことだと思うのですけれども、このようなところが市内だったり、近隣だったりというところに幾つぐらいあるのか。あるいはまた、どのようなことが行われているのか等、もし把握されていたら伺いたいと思います。 ◯教育部参事(山本勝敏君) 先ほどご答弁させていただきました子どもたちの学校以外の学び場にどういったものがあるのかということについて、我々教育委員会としてはっきり把握をしているわけではございません。ただ、市内には複数のフリースクールがあること、また近隣の大学において、どの大学がこういった子どもたちの心の悩みの相談に乗っていただけるかということについては把握をしているところでございます。  今ご質問者からもありましたように、こういったものを、こちらの不登校総合対策には具体的な内容を載せずに、広く、例えば大学といったような名称で載せさせていただいているところです。  今後、学校においては、こういった不登校の子どもたちの保護者の方から、他の学びの場というのはどういうものがあるのかというようなご相談が来るかもしれませんので、そういったものに備えて、教育委員会で今把握している情報については、学校のほうにも提供していこうと考えております。 ◯5番(岸田めぐみ君) ぜひ子どもの学びを保障するとか、社会的自立を支援するためには、やはり地域でどのような教育資源があるということを把握していることは欠かせないことだと思いますので、お願いしたいと思います。  また、親の中の不安として──不安というか、例えば子どもが学校に行かなくなると不安を感じてしまって、例えば、学校に行かないと将来仕事に就けなくなるんだからというようなちょっとした脅しとか、学校に行ったらパソコンを買ってあげようという駆け引きだったりとか、子どもの行動に必要以上に一喜一憂だったり、また中学生なら進学についてとか、本当に不登校で進学できるのかという、そういう不登校の子どもの心理的な状態だったりとか、またそういう情報を知らないということが不安につながっているのかなというふうに、保護者の方からお話を聞いていて感じました。  そういったことについても、ぜひ、特に不登校になり始めたときって、学校であったりとか、担任の先生だとかというのをすごく頼りにしているという方が多いので、保護者の方に伝えていってほしいなと思います。  また、不登校総合対策には、相談先も一覧として載っているのですけれども、いろいろな方の不登校になったご家庭のお話を聞いていると、例えば自分の仕事が忙しかったことが子どもを不登校にしてしまったのではないかと思っている父親だったりとか、子どもや妻と家庭の中で、登校することについて意見が対立していただったりとか、母親のほうが父親の態度に不満を感じていたりとか、そういうのも聞きます。  学校に通う通わない関係なく、子どもが学びを積み重ねていくというのには、家庭の中での対話がすごく必要で、同じ方向を家族で向いていくことが大事なのではないかなと、そういう話を聞いたときに思ったのですけれども、だんだんふえてきているとはいえ、父親のPTAの参加だったりとか、保護者会の参加もまだまだ母親に比べて少ない状況だと思います。父親、母親関係なく、必要な方が相談につながれるように、市として何かしていることがあるのであればお伺いしたいと思います。 ◯教育部参事(山本勝敏君) 不登校の改善に向けては、やはり家庭の協力というのは非常に必要だと思っております。学校のほうでも、この不登校の状態は一人ひとり状態が違うわけですけれども、改善に向けて、父親、母親、ご両親と、例えば連携を取りながら、この子の将来を見据えて一緒に何ができるかということを今考えているところでございます。  そういった中で、学校以外にどんなこういった相談の場があるのか、そういったことについては、今現在、多摩市においては、教育センターで教育相談の受付も行っておりますので、そういったところに相談をしていただいたりということもご紹介をしていけると考えております。  それ以外の相談機関は、先ほどご答弁をさせていただきましたが、市内には、例えば多摩市の保健センターもそうですし、それから保健所などももちろん相談に応じてくれるところだと思います。こういったことについて、子どもだけではなくて、保護者の方にもやはり伝えていきながら、家庭でこの問題を抱え込まないようにということが、不登校の改善に向けては一番重要なことかなと認識をしているところでございます。 ◯5番(岸田めぐみ君) もし相談に乗っている中、母親だったり父親だったり、どちらか片方だったりとかした場合に、必要を感じたら、両方来られていいのですよということを伝えていってほしいなと思います。  あと、不安の中には、久しぶりに登校したら、子どものことをどう受け入れてくれるのだろうかということもあると思います。通級に通っていたが、不登校になって在籍実績がなくなったので、来年度から席がなくなるよという話を聞き、子どもにとって通級の必要性がなくなったわけではないので、また、子どもが学校にぽっと行ったときに、どうなんだろう、不安だという悩みを聞きました。実績がないので席がないということは理解いたしましたけれども、子どもが学校に行こうと思ったときに、例えば通級の場に席はないけれども、いることができるなど、何か学校側のほうで配慮していただけることはあるのでしょうか。 ◯教育部参事(山本勝敏君) 不登校の子どもたちの状態というのは一人ひとり異なるところがございます。今ご質問者からもありましたように、例えば通級に通っていて不登校になってしまった。でも、その子にとっては通級というものが、不登校にはなったのだけれども、自分の過ごしやすい場所であったということももちろんあるとは考えております。  今、通級のことをお話しされましたので、まず申し上げますと、例えば通級の1つとして特別支援教室がございます。こういったところに通っている子が不登校になってなかなか通えなくなった。その場合については、特別支援教室の目的がございますので、特別支援教室においては、一人ひとりの学習の困難さというものを主体的に克服していけるように指導・支援をしていくということを目的としております。ですので、そこへ通えなくなるということで、その指導を受けられないという状況もございます。ですので、その場合は、年間を通じて指導を受けられないということになってくると、保護者の方と相談をしながら、来年度どうしていくかということを一緒になって考えていくところでもございます。  一方で、もう一つ、支援が必要な子どもと特別支援が必要な子ども、それから不登校に対する支援が必要な子どもと、そこはやはり切り分けて考える必要があるかなと思っています。  子どもたちの居場所については、学校の中には、特別支援教室だけではなくて、様々にあるのではないのかと思っています。特別支援教室に通う子だけではなくて、久方ぶりに学校に来た子、この子たちについては、学校に教育委員会から指導しておりますのは、やはり温かい雰囲気で迎えてあげるということ。そして、子どもたちに、学校のどこで過ごせるのか、誰とだったら話をしたりだとか一緒に過ごすことができるのか。そういった選択肢を与えて、そして選んでもらうことが必要だと考えています。  当日、特別支援教室のほうでは、例えば指導していて、この先生だったらと思う子がいるかもしれないのですけれども、なかなか対応ができないということももちろんございます。そういった中で、学校でこんな場所がその子にとって提供できるよということを伝えていきながら、そして選択をし、それに対して学校が対応できるところできちんと体制を取って、子どもたちを迎え入れ、受け入れていくということが一連の流れとして必要なことだと捉えております。 ◯5番(岸田めぐみ君) ぜひ保護者や子どものほうにも、学校は温かく迎え入れようと考えているということも、在籍がなくなるということだけではなく伝えていってほしいと思います。  次、1の(2)のほうに質問を移らせていただきます。いろいろな支援のほうは書いていただいたのですけれども、財政的なことについての支援などがあるのかどうか伺いたいと思います。 ◯教育部参事(山本勝敏君) 不登校の子どもたちへの財政的な支援というものについては、今現在ありません。行っておりません。 ◯5番(岸田めぐみ君) 直接的な支援ではないのですけれども、不登校の子どもが学校外の公的機関、多摩市であればゆうかり教室、フリースクールなど民間施設へ電車やバスを使い通っていることもあると思います。定期的に通うとなると交通費も一定かかると思いますけれども、通学定期を利用すると、修学上の経済的負担の軽減が目的なので大幅な割引があります。通学定期のための書類を学校に出してもらえる条件に当てはまる子どもは市内にいるのでしょうか。また、必要かどうかを学校が保護者や子どもに確認されているのか伺いたいと思います。 ◯教育部参事(山本勝敏君) 学校以外の場で学んでいる子どもたちについて、例えば民間なり公的な施設に通うに当たっての通学定期の補助ということなのですけれども、こちらについては、例えば本市のゆうかり教室に通っている子たちも、市内様々な場所から通っております。こういった子どもたちについては、そこで学びを受けているということですので、学校のほうで在籍証明を取りながら、定期券の購入に当たっては、その在籍証明を持ちながら、交通機関のほうに申請をしていくということで、そういった定期券の購入についても、間接的にはなりますけれども、補助という形になっているものと思われます。  ただ、民間の施設等に通っている子どもたちについては、一人ひとり様々な状況がございますので、その一人ひとりについて、どのような状況でその民間施設を利用しているのかということも含めて、個々に応じて、通学定期に関する、例えば在籍証明書の発行だとか、そういった状況は異なると考えております。  その辺りの細かい内容については、今、教育委員会のほうで私のほうからすぐお答えをすることができませんので、またわかりましたらお伝えさせていただくようにいたします。 ◯5番(岸田めぐみ君) 文部科学省のほうが出した、ちょっと昔なので登校拒否という言葉になるのですけれども、登校拒否児童・生徒が、学校外の公的機関等に通所する場合の通学定期乗車券の制度の適用について、出席扱いができる者に対し、必要な書類を在籍する校長先生が出してくれるということが書かれています。このことについては、都が出している「未来を創るかけがえのない子供たちの自立に向けて~不登校の子供たちへの支援のポイント~」にもまとめられて書かれています。その中には、学校のほうが──学校というか、先生たちがそういった出席扱いしている子に対して、要るかどうか確認してくださいねと書かれています。  教育委員会内もそうですけれども、保護者や子どもに接する小学校、中学校には、今回は、さっきのは都の冊子だったのですけれども、国や都から来た情報がどこまで共有されているのか、また学校内でも校長先生1人だけがその情報を知っていてもしようがないので、先生一人ひとりにきちんと情報共有されているのかどうかについて伺いたいと思います。 ◯教育部参事(山本勝敏君) こういった通学定期券等の取扱いについて、保護者等にどのように周知されているのかということでした。今、現行の学習指導要領の中には、こういった支援の必要な子として、不登校の子どもたちへの対応ということが記載されております。その中に、当該児童・生徒の保護者に対してということですけれども、指導要録上の出席の扱いだとか、通学定期乗車券の取扱いについて周知をすると記載されております。学校においては、この学習指導要領に基づきながら教育活動をしておりますので、学校への周知ということにつきましては、こちらの学習指導要領に基づいた教育活動の中で行われていると教育委員会では認識をしております。  また、そのことを保護者のほうにどのように周知をしているかということなのですけれども、学校はそういう相談に乗ったときに、もし、学習指導要領の中にこういった記載があるのですけれども、そういったことでわからないという場合には、教育委員会のほうにも相談が参ります。そういったときには教育委員会のほうから、この定期券の取扱いについて、しかるべき情報をきちんと周知するようにということを指導しておりますので、そういった形で保護者の方に必ずしも不利益にならないようにということで、学習指導要領等、また、先ほどご質問者からご紹介のありました東京都の資料等をもとにしながら、保護者への周知というものを行っているところでございます。 ◯5番(岸田めぐみ君) ぜひお願いします。東京都のではないのですけれども、神奈川県のほうにあるフリースペースの方に話を伺いましたら、保護者とか子どもが通学の証明書みたいなのを出してほしいというのを学校に言ったら、学校からなぜかフリースクールのほうに、一体どこの学校がそういうことをしているのだとか、そういう問い合わせがあったりとか、出席扱いにするということは、そういうフリースクールから出席日数だったり、活動報告というのがされるようなのですけれども、あるとき突然電話が来て、あしたまでに出席日数を出してくれだとか、この出席報告だと実数が足りないので、出してくれということが度々あって困っているのですというお話も伺ったことがあるので、これからそういうことがないように学校のほうにも伝えていってほしいなと思います。  あと、出席扱いの話が出たので伺いたいのですけれども、よくよく読むと、出席扱いの判断というのは、校長先生だけではなく教育委員会と十分な連携を取って判断すると書かれていましたけれども、そうすると、自治体ごとに出席扱いになるかならないかという判断は変わるのかどうか伺いたいと思います。 ◯教育部参事(山本勝敏君) 出席扱いのことについてご質問をいただきました。出席扱いの要件というものについては国から示されているところです。この要件については、自治体が変わっても変わることはございません。ただ、この国から出されている文書の中には、出席扱いの要件は示しているけれども、それをどの基準で出席というふうに扱うかということについて教育委員会で定めることが望ましいとあります。その基準については、教育委員会でも、各自治体の基準が公表されているものを調べたり現在しているところですが、全く同じというものはございません。ですので、その部分については、各自治体によって基準は異なっているものと考えております。 ◯5番(岸田めぐみ君) また、こういった民間団体との連携についてどのようなことが行われているかというのはご答弁いただいたのですけれども、今後について、連携を深めていくためにどのようなことを行っていくかというのを伺いたいと思います。 ◯教育部参事(山本勝敏君) 民間団体との連携ということで、今後の連携の見通しということになりますけれども、まず今年度になりますが、不登校総合対策を策定するに当たって、不登校対策検討委員会というものを開きました。この中には、教育委員会だけではなくて、学校現場の方々だけではなくて、こういった民間施設の方も入れていきながら、そのノウハウや、また知見等をぜひとも教えていただきたいということで入っていただいております。そうしたところから、今後、民間団体、民間施設等との連携を深めるきっかけにしていきたいと教育委員会では考えておりました。  来年度につきましては、同様にこの不登校総合対策を策定しておりますので、この不登校総合対策の見直し・改善、また充実に向けて、同じように不登校対策検討委員会というものを開いてまいります。この中には、委員としてこういった民間施設の方も入れることを今想定しております。そういった中で、民間施設の持っている不登校の子への、例えば支援の仕方、アプローチの仕方、そういったものを学ぶとともに、先ほどご質問がありました民間施設において学んでいる子どもたちの出席の扱いの基準というものを、来年度、教育委員会ではしっかりと定めていきたいと考えております。  こういった中でも民間施設で実際どのような学びが行われていたり、そして学校の教育とどのようにリンクしているのか、こういったところを確認しながら、共にその基準づくりに取り組んでまいりたいと考えております。 ◯5番(岸田めぐみ君) ぜひお願いしたいと思います。また特に、時にそういうフリースクールに通っている子どもたちと接する中で、スクールソーシャルワーカーだったりとか、別の相談機関につなげたほうがいいと思われるご家庭だったりお子さんだったりというのを、民間団体等ならではの着眼点で気づかれることもあると思います。実際にそういった団体さんがいて、ちょっとどうしようかなというふうなお話も伺ったことがあります。不登校になられたお子さんの中には、結構問題がいろいろ複雑化して、またその家庭に重なってあったりとかすると思うので、そういう団体が悩まれないように、そういった部分も含めて連携をお願いしていきたいと思います。  次、1の(3)について伺っていきたいと思います。  多摩市にも学童クラブ対象の低学年の不登校の子がいますし、実際私も、ひとり親で生活をしないといけないので、自分は仕事に行かないといけないのだけれども、不登校の子がいて、子どもを家に残して仕事に行く──これは過去形なのですけれども、通っていたこともあったのだという話を聞いたことがあったので、児童館だったりとか学童クラブにそういった受皿があるということがわかりまして、よかったなと思います。  学童クラブは、学校が休みだと朝8時から開けていて、児童館も通常9時から開館していると思うのですけれども、もし朝からというか、学校のある時間帯から利用したい場合は、その時間から利用ができるのか。また、ぜひそこを受け入れてほしいなと思った場合は、一体どこに相談すればいいのか。直接児童館に行って、子どもは学校へ行っていないのですけれども、朝から行っていいですかという相談等をしたらいいのか、伺いたいと思います。 ◯議長(藤原マサノリ君) 本多子ども青少年部長。     (子ども青少年部長本多剛史君登壇) ◯子ども青少年部長(本多剛史君) 不登校の方の居場所ということで、今現在、児童館、それと学童クラブで実際に受け入れております。児童館につきましては、過去の分も含んでいるのですけれども、5館で15人ほど、ここ3年の間に受入れをしております。様々な日数の方がいらっしゃって、現在進行形の方もいらっしゃいますし、長期間に及んで、既に学校に通っている方、また一日、二日というようなことで児童館をご利用になる方がいらっしゃいます。  また、学童クラブのほうも、同じように一日、二日で来る、週一日、二日利用される方、また長期に利用される方というふうにいらっしゃいますが、基本的には、時間帯にしますと、児童館であれば、開館時間の中で受入れをするということで、今申しました方々についても朝から受け入れてきた実績がございます。  また、どのようにというふうな利用方法につきましては、これまでの実績からすると、児童館の職員と保護者の間、また学校とも連携した中で受入れをしているというのが現状でございますので、直接児童館のほうにご相談があるというのがこれまでの実績でございます。児童館の中でこれまで直接ご相談いただくというような方法で受入れをしているというのが現状でございます。 ◯5番(岸田めぐみ君) では、学童クラブも朝8時から大丈夫だと考えていいでしょうか。 ◯子ども青少年部長(本多剛史君) 学童クラブにつきましては、これまで学童、放課後の時間帯とかに主に受け入れておりますので、朝からとなりますと、職員体制も少ないということがございます。そういった学校の授業がある時間帯に学童クラブをご利用になるという場合は、事前によく相談をしていただいた上でご利用いただくような調整が必要かなと考えております。 ◯5番(岸田めぐみ君) また、児童館の対象年齢は、低学年だけではなくもっと幅広いと思うのですけれども、例えば中学生が多いということなので、利用もあるのでしょうか。 ◯子ども青少年部長(本多剛史君) 児童館につきましては、これまでご利用いただいた方の中には高校生の方もいらっしゃいます。今、実際にご利用されている方でも、高校3年生という方もいらっしゃるという中では、いろいろな年代の方がご利用いただいているということで、児童館のほうとしても、ご相談があれば受入れをしているというような現状でございます。 ◯5番(岸田めぐみ君) ありがとうございます。やはりそういう受け入れてもらえるということを、保護者だったり子どもだったりが知らないと、家に1人で残ってしまうという状態が生まれると思うので、学校のほうとも、学校の先生からも伝えてもらうなど、知らなかったということがないようにしていただきたいと思います。  では、次、2の(1)のほうに質問を移っていきたいと思います。  休校中も多分、混乱期の中で、子どもたちを受け入れてもらい、心理的な安定などに効果があったということで、私自身も子どもが通ったので、ありがとうございました。不登校総合対策にも、学級や学校を居心地のよい場にすることの重要さに触れ、魅力ある学校づくりをより進めていこうとされているのだと思います。  ただ、都政新報のコラムには、「不登校の子が通う学校、不登校特例校をつくる動きが広がっている。一見矛盾するようだが、少人数制など新たな環境で新たなスタートが切れる子も多いようだ。一昔前までは、学校に休まず通うことが絶対的な正義のように扱われていたが、近年、皆勤賞を廃止する学校も増えている。不登校は年々増え続けるが、もはや正しさは変わりつつあるようだ。不登校の増加については、価値観の多様化が理由に挙げられることが多いが、この言葉を免罪符にして課題から目を背けてはいけない。多様化への対応は難しいが、急激な時代の変化の中で、改めて一人ひとりの子に向き合う必要を感じた」というコラムが載っていて、市民の方からも、コロナ禍で学校生活に様々な制約もふえましたし、今の子どもたちが置かれている状態を想像すれば、学校に行きたくないなと思うのは、そうだろうなと思いますけれども、でも、そこで不登校の子が通える学校があるから、そちらへどうぞというのもすごく引っかかると。もっと今ある学校が子どもたちにとって行きたくなればいいのにという声をいただきました。  学校は具体的にこれからまたどう変わっていくのか、魅力ある学校に変わっていくのかというのを伺いたいと思います。 ◯議長(藤原マサノリ君) 山本教育部参事。       (教育部参事山本勝敏君登壇)
    ◯教育部参事(山本勝敏君) 学校が子どもたちにとって魅力ある学びの場となるためにはということでご質問をいただきました。  まず、そのためには、学校の中で一番子どもたちが長い時間を過ごしているのは、学校の学習の時間です。ですので、この学習について、子どもたちが自分の興味・関心について追求していったりだとか、それから主体的に学んでいけるような、そういった授業の工夫というものは行っていくことの必要性があると考えております。  また、今後1人1台のタブレット端末の環境になります。  こういったものを生かしながら、今申し上げたような授業改善というものを進めていくことが一つ必要であろうと考えております。  また、不登校の対応については、先ほどコラムのご紹介もございましたけれども、確かに不登校の要因というのは多様化・複雑化しております。そのことを免罪符としてはやはりいけないと考えております。確かに複雑化・多様化しているのですけれども、そういった子どもたちにいかに支援を届けていくかということが大変重要なことだと思っています。  その学校の対応力を向上するということで、今回、不登校総合対策というものを策定し、各学校に示していったところではございますが、学校だけではなかなかこの不登校の改善に向けて取り組んでいくことというのは難しいところもあります。  今回、この不登校総合対策では、学校ということ、学校を魅力的な場にすること、このこと自体を目的とするのではなくて、学校を核として地域全体が子どもたちにとって魅力ある育ちの場になるように、そのような地域と保護者、また学校とが連携をしながら子どもたちを支えていける、そういった地域づくり、また学校での学校づくり、こういったものにつなげていけることが必要であろうと思っております。  なお、今申し上げました不登校総合対策の考え方ですけれども、新しい学習指導要領で今後の教育の方向性としては、社会に開かれた教育課程と言われております。つまり、学校を、よりよい教育を通してよりよい社会をつくっていくというふうに規定をされているところでございます。こういったものの実現に向けて、ぜひこの不登校総合対策というものを1つの材料としながら、これをもって地域とのつながり、こういったものもより一層強めていけるとよいかと考えております。 ◯5番(岸田めぐみ君) 地域全体で子どもを支えていく、それの核となるのが学校だということで、それについても次に質問させていただきたいなと思ったのですけれども、最初におっしゃられた一番子どもが学校で過ごす中で使う時間は学習の時間だということで、授業の工夫などというお話もありました。子どもも多様化している、先生方も、これから何十年教えていくような若手の先生もいれば、教師生活のゴールが見えてきたベテランの先生もいらっしゃると思います。いろいろな先生がいる中で、ぜひ授業とかそういったことが、子どもたちにとってどうなのかということの視点に立って、今まで試したことのないいろいろな指導方法とかも、柔軟にというのですかね、柔軟により豊かな発想を持って挑戦と判断をしていってほしいなと思います。  また、今回、実はこの不登校について質問をさせてもらいたいなと思ったのは、不登校になった子どもたち、また保護者の方のお話を聞いていると、家で過ごす時間を結構ゲームに費やしている子が多いんだなというのを知ったことがきっかけでした。大好きなゲームがあったりとかして、このゲームがないなら何もしないよとか、ゲーム以外は興味がないねみたいな、そういった子どもの話を聞き、ゲームがその子にとって居場所のようなものになっていて、心のお守りのようなものにもなっているのではないかなと感じました。やはり保護者の方も、一日大半ということになると心配だという話も聞いています。  不登校の要因に、生活リズムの乱れや遊び等というのも高い割合を示しているのですけれども、保護者からゲームについて相談等があるのでしょうか。伺いたいと思います。 ◯教育部参事(山本勝敏君) ゲームに関する保護者からの相談ということなのですけれども、これは決して不登校の子どもに限ったことではなくて、様々な子どもの中に、ゲームにのめり込んでしまって生活リズムが崩れてしまっていると。そのことを心配された保護者の方からの相談というものは複数受けている状況でございます。 ◯5番(岸田めぐみ君) 複数、不登校にかかわらずそういった相談を受けているということを聞いたのですけれども、小児精神科医の方からちょっとお話を伺ったのですけれども、ゲームがいいとか悪いとかそういうことは関係なく、ゲームが結構居場所になっている子とか、ゲームにのめり込んでいるような子に対しては、リアルな世界での居場所を持つことがすごく大事なんだよという話を聞きました。  多摩市の先生が考える不登校の要因の第1位は、無気力と不安なのですけれども、そういう子にとっても、自分が安心できる場所、居場所というのはすごく大切なこと、必要なのではないでしょうか。今学校に行けていなくても、とにかくその子の子どものままを受け取めてくれるような場所が、子どもってそんなに行動範囲が広くないですから、やはりこの市内だったり近隣に必要だと思います。  フリースペースの園の所長、西野さんも、自分の話をしっかり聞いてくれる大人の存在を身近に感じることができたとき、子どもは初めて自分の問題に向き合おうとすることができると話されていました。子どもの居場所ということを考えたときに、多摩市には児童館が他市に比べると数も多く、それなりに地域に散らばっているということもあります。また、児童館の中にいる職員さんが、子どもの権利に対して意識の高い児童厚生員という専門職の方もいると伺っています。  先ほど、既に児童館が幅広い年齢層の子の居場所になるという話も聞きました。児童館の職員の方から話を伺っていますと、不登校になる子で児童館に来られる子は、大概、そうなる前からお母さんと一緒に幼児期に通っていたりだとか、友達と来ていたりとかも多くて、児童館の職員の方は、よく来てくれたねという気持ちで迎えているそうです。  何より児童館は、親も、子どもが乳児だったりとか幼児だったりとか、自分が子育てで大変なときに利用した方も多く、小さなときから我が子のことを知ってくれる、また私もそうですけれども、子どもだけではなくて、親を気遣う言葉、例えば出産後だったら、「夜、寝られてる?」とかそういったことを声をかけてもらい、親も子どもも安心できる場所だと思うのですけれども、ぜひ子育てプランのほうに、不登校の子の居場所について児童館というのを盛り込むべきだと思いますし、逆に、不登校総合対策の連携の欄のほうに児童館も入れたらいいのではないかと思うのですけれども、それぞれにお考えを伺いたいと思います。 ◯教育部参事(山本勝敏君) 児童館が子どもたちの居場所になっているということは、確かに私も副校長を経験しながら、そういった子どもがいたので、存じ上げております。不登校総合対策の中に、居場所として児童館を位置づけてはどうかというご質問をいただきました。  今日、児童館を利用している子どもたちの数だとか、そういったものも、子ども青少年部長のほうからお聞きしたところです。こういった子どもたちがいるということを、まず各学校が知ることが必要なのだろうと思います。先ほど来ご答弁をさせていただいておりますけれども、やはり、子どもが児童館に通っているから、だからもう学校は何もしないだとか、そういうことは決してあってはならないことだと考えております。ですので、児童館という1つの場所があるのだということは、その子の状況に応じて児童館を利用する子もいれば、そうではない子ももちろんいると思います。  ですので、まずは児童館を不登校総合対策に居場所として位置づけることありきではなく、一人ひとりの子どもにとって、どこが今過ごせる場所なのか、そしてそれが学校だけではなくて、地域の中にもあるのかどうか。個々の状態に応じて、そしてその中で今後児童館を利用するということであれば、児童館との連携を進めていくことが必要だと考えております。  ですので、この不登校総合対策の中に、児童館がありますよということを書いてしまうことによって、そのことによる弊害も中には出てくるのではないかと思っております。この不登校総合対策は、あくまでも一人ひとりの状態に応じた支援を今後不登校の子どもたちに対してしていきましょうということを幹としながら策定をしたものでもございます。個々の状況に応じて学校のほうから、例えばその子が児童館ということであれば、児童館を勧めながら、また児童館と連携を取っていくこと、このことについては、今後、我々のほうも、関係部署と連携を取りながら進めていくことが不登校の子どもたちへの支援にもつながるものと考えております。 ◯議長(藤原マサノリ君) 本多子ども青少年部長。     (子ども青少年部長本多剛史君登壇) ◯子ども青少年部長(本多剛史君) 児童館を計画の中に位置づけというご質問でございますけれども、児童館を居場所として位置づけるということは、今私どもが持っている計画の中には、質問者がおっしゃるように、位置づけはされておりません。また、児童館のほうも、年度ごとの事業計画をつくっていますけれども、その中でも位置づけをしていないということで、そこはきちんと役割の整理が必要かなと考えております。  ただ、今、国のほうが改定を進めております子ども・若者育成支援推進大綱、これが今改定の準備をしているのですけれども、この中にもやはり「居場所」というキーワードが新たに入ってくるというようでございます。また、コロナ禍で子どもの居場所というのがやはり重要視されてきているという認識でございますので、流れとしては、家庭、学校以外の第3の居場所というのは、やはり子ども・若者に必要性があるというようなこと、また周囲も必要だという認識があるとは捉えております。  その居場所の1つとして、これまでの活動実績、また地域の身近な施設として児童館がその候補として挙がるということは理解するところでございますけれども、児童館を不登校の居場所とするのは、これはよくよく議論が必要かなと思っていますし、最終的に行き着く先が児童館ということではないと考えておりますので、まずはご意見として受け止めさせていただけたらと考えております。 ◯5番(岸田めぐみ君) 先ほど、地域で子どもを支えていくというご答弁もありましたけれども、一人ひとりの、児童館に行ったら学校に行かなくてもいいとかそういうわけではなくて、やはり子どもだったり、時に低学年だったら保護者だったりとかもするのかもしれませんけれども、子どもが自分に合った場所を選んでいくには、多様な選択肢があるほうがいいのではないかなと私は感じています。  通告書のほうに、多様な学びプロジェクトというプロジェクトについて書かせていただきましたけれども、やはり大事なのは、子どもたち自身がどういったところを居場所にするか。そういったことを選んでいくためには、いろいろなところを選択肢として、プランだったりとか不登校総合対策だったりとか、そういったところに載せていくことかなと感じています。  また、不登校というのを、今は主に教育委員会の教育指導課のほうが動いていらっしゃるというか、もちろん、いろいろなところと連携を取って、決してそこだけの部署がやっているわけではありませんけれども、私はもっと教育委員会と市長部局のほうが連携をして、子どもたちを本当にまち全体で支えていくということが大事だと思います。子どもは、大人の、そのままでいいんだよという優しいまなざしを本当に必要としていると感じています。ぜひ、全ての子どもたちが自分らしく成長して、学んでいけるまちになっていくようになっていってほしいと思います。  以上、一般質問を終わります。 ◯議長(藤原マサノリ君) 岸田めぐみ議員の一般質問は終わりました。    ──────────────────── ◯議長(藤原マサノリ君) お諮りいたします。  本日の会議はこの程度にとどめ、延会したいと思います。  これにご異議ありませんか。       (「異議なし」と呼ぶ者あり) ◯議長(藤原マサノリ君) ご異議なしと認めます。よって本日はこれにて延会することに決しました。  本日はこれにて延会いたします。          午後4時34分延会...