4)先ほどの「
日経グローカル」誌上の
SDGs先進度ランキングでは、評価方法として経済の豊かさ度7指標、社会安定度36指標、環境保全度31指標と、3つの分野に分けて加点評価されています。多摩市はとりわけ社会(50点満点中25.3点)、環境(36点満点中19.9点)が、他の先進自治体に比べて低い状況になっています。今後これらを補うために、どのような施策に力を入れて取り組むのかお伺いいたします。
5)第五次多摩市総合計画第3期基本計画がスタートしましたが、SDGsの具現化に向けては、本市の長期計画である第五次多摩市総合計画とのひもづけが重要であると考えます。これまでの取り組みを含め、見解をお伺いいたします。
6)SDGsのゴール(目標)の1つに「住み続けられるまちづくりを」という目標があります。多摩市にとって住み続けられるまちづくりを進めるためには、
多摩ニュータウンの再生の課題解決が最も重要な課題の1つと考えます。今後の取り組みの方向性についてお伺いいたします。
2.公文書の和暦・西暦表記について
2019年4月30日、天皇陛下が生前退位され、約30年続いた平成の時代が終わりました。そして2019年5月1日から、新たな元号である令和が始まりました。改元については、システム改修など、国民の混乱を避けるために、1カ月前に事前公表されましたが、公文書の元号表記などの対応は自治体によってさまざまです。そこで、以下質問いたします。
1)今回の改元に伴う公文書の取り扱いについて、どのような検討、整理がなされたのかお伺いいたします。
2)改元に伴うシステム変更の経費、事務量の増加などはどのくらいであったのか。今後の見込みも含めてお答えください。
3)今後、国際化の進展に伴い、公的サービスの対象となる外国人もふえることが予想されます。また、政策の目標時期や長期計画の策定、市民が計画の進捗を理解し、チェックする観点からも、西暦の表記が必要と考えます。見解をお伺いいたします。
3.
多摩中央公園改修基本計画について
第五次多摩市総合計画第3期基本計画がスタートしました。その計画の特徴として、第2期に掲げた
健幸まちづくりをさらに推進していくことを基盤に置くとあります。
健幸まちづくりには、公共施設の見直しやニュータウンの再整備など市民の生活を支えるハード面の整備と、市民の視点に立った施策の展開というソフト面の充実が重要と考えます。中でも、多摩市議会でも時間をかけて検討してきた
多摩中央公園改修基本計画は、これからの文化芸術の発信、並びにシティセールスと新たな
シビックプライドの象徴となる重要なポジションを担っています。そこで、以下質問いたします。
1)これまでも
ワークショップ、
パブリックコメント、地域説明会などによる市民参画の手法を進めてきましたが、
多摩中央公園改修基本計画を進めるためには、さらなる市民参画の形が必要になると考えます。具体的にどのように考えていますか。見解をお伺いいたします。
2)(仮称)
文化芸術振興条例等の設置についてのビジョンをお聞かせください。
以上、ご答弁をいただいた後に再質問いたします。
◯議長(藤原マサノリ君) 阿部市長。
(市長阿部裕行君登壇)
◯市長(阿部裕行君) おはようございます。それでは、しのづか議員のご質問にお答え申し上げます。
1についてお答えします。2)については教育長がお答えします。
初めに3)と5)について、あわせてお答えします。
SDGsの基本的な考え方は、誰1人取り残さない社会を実現するというものであり、持続可能な開発を達成するためには、さまざまな課題に対して経済成長、社会的包摂、環境保護の3つの側面から、統合的に取り組んでいくことが不可欠であるとしています。
昨年の6月議会で申し上げた所信表明の中で、SDGsの17の目標を理解し、共有しながら、子ども、若者たちが未来に希望を持ち続けることができる持続可能なまちづくりに挑戦していくことを誓い、今年3月議会での施政方針でも、未来の子どもたちのためにSDGsに対応し、地球環境への取り組みを積極的に進めていくこと、SDGsの旗を高く掲げ、一人ひとりの人間としての尊厳を大事に、平和と熟議を大切にする社会を目指すことを申し上げました。
これを受けて、この6月からスタートした第五次多摩市総合計画第3期基本計画において、SDGsを推進していくことを位置づけ、総合計画に基づいた各分野別の施策を統合的に推進することで、SDGsの目標達成に寄与していくことを規定しました。具体的には、市として取り組む施策が17の目標のいずれに対応するかを列挙するページを設けることとしました。市としては、どの分野に重点的に取り組むというのではなく、さまざまな分野に係る市の施策を統合的に進めていくことで、その積み重ねた成果がSDGsの目指す目標達成につながっていくものと考え、これはSDGsの趣旨に合致しているものと考えています。
1)と4)について、あわせてお答えします。
今回の「
日経グローカル」に掲載された
SDGs先進度調査でのランキングは、公表されているデータ及び昨年10月の調査により、各分野の評価項目における点数を単純集計して算出したものです。多摩市は調査に回答した全国658市区中119位、26市のうち調査に回答した24市中では8位でした。評価項目は経済、社会、環境の3つの分野に大きく分かれており、環境の分野のみ24市平均を約1ポイント下回っています。あくまで独自の基準に基づくランキングであるために、環境の分野でも身のまわりの
環境地図作品展や、公共施設の屋上に
太陽光発電設備を設置する、いわゆる屋根貸し事業など、市民との協働で実施してきた本市の独自の取り組み、また、学校教育でSDGsにつながるESDを進めてきたことなどは評価の対象となっていないことに対しては、やや残念に感じています。
今回の第3期基本計画において、省エネルギーの推進と
再生可能エネルギーの普及、気候変動対策や循環型社会に向けた取り組みなどを推進していくものとしており、これら取り組みの成果がSDGsの推進につながっていくものと考えています。
6)についてお答えします。
本市では平成28年3月に策定した多摩市
ニュータウン再生方針を踏まえ、平成30年2月にこの方針に掲げる
地区まちづくり計画の第1弾として、初期入居エリアである諏訪・永山地区を対象とした諏訪・
永山まちづくり計画を策定しました。今年度は永山駅周辺再構築推進のため、具体的な再構築手法に関する検討を行うほか、引き続き東京都やUR都市機構と連携した
公的賃貸団地再生の推進、
住宅市街地総合整備事業等を活用した遊歩道、公園、橋梁の改修など周辺環境整備、住替え・
居住支援協議会による住みかえ循環システムの研究など、計画に掲げる各
リーディングプロジェクトを実施してまいります。
また、多摩市
ニュータウン再生推進会議において、
ニュータウン区域全体の将来都市構想の検討をさらに深め、今後の諏訪・永山地区に続く
まちづくり計画の策定などに展開していきたいと考えています。
次に、2の1)についてお答えします。
今回の改元は、天皇の退位等に関する
皇室典範特例法により、天皇の退位に基づくもので、改元日の一月前に新しい元号が公表されました。本市では次年度の事務準備のため、改元の前年には次年度の文書番号、日付の表記方法等の検討に入り、1)元号は国民に広く定着していること、2)市の内部または国と他の地方公共機関との事務の円滑な連携、もしくは統一的な処理を行う上で、国や地方公共団体で元号が使用されていること、3)西暦を使用するには現行のシステムを西暦対応に改修する必要があること等から、改元後も公文書の表記においては引き続き元号を使用することとし、これまでと同様に、市民等が記載したもの、広報やお知らせ、計画等で西暦表記または西暦と元号を併記することがふさわしいものは、これを妨げるものではないとしました。また、新しい元号の呼称が発表されるまでの間、システム等から発出する文書や、既に印刷している文書を除き、平成の文字とあわせて西暦を括弧書きで表記することとしました。
本年4月1日に新しい元号が令和とされた後、国は各省庁に会計年度の呼称を令和元年度とし、予算についても令和元年度予算と表示するとの通知を行いました。これを受け、改めて検討したところ、国の通知、東京都及び他市の対応状況、システム改修の可否、市民の改元に対する受けとめ方等を総合的に勘案し、市の対応として本年度の会計年度等については、令和元年度とすることを決定しました。
2)についてお答えします。
今回の改元に伴い、庁内の
ICTシステムで何らかの変更を要するものが37システム、このうち18システムの改修が必要となり、総額で約2,400万円の支出となりました。また、改修に伴う事務については、各システム業者との事前調整を経て、新元号が発表された本年4月1日から5月の大型連休の時期にかけて、システム改修後の各種帳票への反映など、主にシステムのチェックに係る業務を集中的に行う必要があり、このことによる事務量が増加しましたが、特段の問題なく対応を終えています。よって、今回の元号改正による今後の新たな
システム改修事務は生じないものと認識しています。
3)についてお答えします。
今回の改元に伴い、計画などの中で年や年度を表記する場合には、和暦と西暦を併記することを原則とし、その際、いずれを基本とするかについては、計画期間や内容などを考慮して個別に判断することとしました。今回改定した第五次多摩市総合計画第3期基本計画については、
総合計画審議会からの意見を踏まえ、計画年次が長いこと、市民にとってのわかりやすさの観点から西暦を基本とし、和暦を括弧書きで併記することで統一しました。今後は市民の方への通知文や事業所への許可書などの公文書における日付や、期間表示の表記方法について、他市の事例などを参考にしながら、文書の特性や受け手にとってのわかりやすさの点などから検討していきます。
次に、3の1)についてお答えします。
多摩中央公園の改修に向けては、昨年度より改修基本方針の策定に取り組み、今年4月に決定しました。策定に当たってはアンケートや複数回の
ワークショップを実施し、多くの市民の皆さんの意見やアイデアを取り入れてきました。また、
ワークショップに参加いただいた方の発案で、これまでに出たアイデアを実際に公園内で試行する社会実験を市民の皆さんが主体となって行いました。ここでの参加者の反応も検証しつつ、意見交換会や
パブリックコメントも行い、多くの市民の皆さんの意見を反映しながら方針を策定しました。この基本方針を踏まえ、今年度は基本設計を行いますが、設計に当たっては基本方針策定時に行った社会実験を再度実施する予定であり、市民の皆さんの意見を取り入れながら進めていきます。今後も市民の皆さんの意見を反映できる場を整えながら、
多摩中央公園改修に取り組んでいきます。
2)についてお答えします。
多摩市では、平成21年12月に
文化芸術振興基本法などに基づき、多摩市における
文化芸術振興方針を定めました。この方針では、新たな文化の創造や文化の担い手である市民との協働により、文化施策を総合的に進めることを目的として、市民、市、多摩市文化振興財団の役割などが定められています。平成28年度に行った
パルテノン多摩大
規模改修工事基本計画策定委員会では、平成24年に制定された劇場音楽堂等の活性化に関する法律における公共ホールの役割や社会包摂の考え方、社会状況や市民ニーズの変化、
多摩センター地区のにぎわい、活性化への寄与などを踏まえた議論が活発に行われました。さらに委員会では、市民と行政が文化活動及び施設の意義や文化の必要性について議論し、文化施策を市民と共有するためのルールが必要であるとの意見が出されました。
現在はこうした議論を踏まえ策定された
パルテノン多摩大
規模改修工事基本計画に基づき、市民や専門家を交えた
パルテノン多摩管理運営計画策定委員会を設置し、改修後の管理運営のルールづくりと文化方針の見直しについて、分科会を設け議論を開始しました。文化方針の見直しについては、今年度は現在の多摩市の市民文化活動や市の文化振興事業の展開などを共有する中で、どのように見直していくのか、見直しだけでなく条例化や計画の策定を進めるのかなどの議論を行いたいと考えています。その後の具体化に当たっては、必要に応じて別途委員会を設置するなど、来年度以降の継続した議論に結びつけていきたいと考えています。
◯議長(藤原マサノリ君) 清水教育長。
(
教育長清水哲也君登壇)
◯教育長(清水哲也君) おはようございます。
1の2)についてお答えします。
教育委員会では、2050年の大人づくりをスローガンにESDを推進して、今年で10年を迎えました。市内の各学校においては、環境教育や
国際理解教育等の視点から、身近にある環境や地域を学びのステージとして体験的な活動を充実させるとともに、企業や大学、市民団体等との連携と協力のもとに、特色のあるESDの取り組みを展開してきました。こうしたESDの取り組みをSDGsが掲げる17の目標と関連づけて捉え直し、充実、発展させることで、SDGsの達成に直接的、または間接的につながるものと考えております。
◯9番(しのづか元君) ご答弁ありがとうございました。私、ここに帰ってくるのは10年ぶりでございまして、今回通告を書くのも10年ぶりのことだったのですけれども、実は久々に書いたもので、私の思いと伝わった内容が少しずれてしまったのです。3番なのですけれども、
多摩中央公園改修基本計画、これの中に、実は
クリエイティブキャンパス構想というものが入っていまして、私はそれを括弧づけで入れるのを忘れてしまって、それで設問を書いてしまって、その後に調整をしようと思ったら、これを読み取ると公園のことですよねということだったので、改めてもう1回お聞きしたいと思うのですけれども、現在、この
多摩中央公園改修基本計画において、将来像として誰もが楽しみ誇れる
多摩セントラルパーク、これを掲げています。そしてさらには、今後の進め方として、多摩市民が創造性を育て、発揮していく文化と学びのキャンパスを目指し、具体的には多摩中央公園、
パルテノン多摩、図書館本館が主軸となり、一体的に公園を活用できる仕組みづくりに取り組むとあります。この
クリエイティブキャンパス構想について、今後の進め方をどのように考えているのかお答えください。
◯議長(藤原マサノリ君)
鈴木市民経済部長。
(
市民経済部長鈴木誠君登壇)
◯市民経済部長(鈴木誠君) この(仮称)
クリエイティブキャンパス構想につきましては、現在その実現に向けて庁内のほうで検討を進めているところでございます。3月の
総務常任委員会のほうでも報告させていただいた内容となってしまいますが、この(仮称)
クリエイティブキャンパス構想の実現のイメージとして私どものほうで考えているのは、1点目として、現在多摩中央公園とその公園内の各施設が改修、再整備に向けて動いているところでございますが、各施設の機能を最大限に発揮できる体制を整備していくことが1つ、そして2点目として、
多摩センター地区全体の活性化を
共通ミッションといたしまして、多摩中央公園と公園内の各施設、そして周辺の民間施設が連携して取り組むことを目指すこと、そして3点目としては、運営組織は多摩中央公園及び公園内の施設での連携組織からスタートして、段階的に市民や市民団体、大学、そして
多摩センター地区の企業や団体が参画していくこと、そして4点目として、公園内施設間の日常的な連携と市民、市民団体を含む広範囲な担い手の参画を求めるために、ベースとなる多摩中央公園の至近の場にCMA(
キャンパスマネジメント協議会)の事務局機能を設置していくこととしておるところでございます。
また、スケジュールにつきましても3段階に分けて、多摩中央公園の改修が終わる令和6年には最終段階に進みたいと考えてございます。
今後についてでございますけれども、今回の
総務常任委員会のほうでも報告させていただきますが、このCMA、キャンパスマネジメントアソシエーションを略しておるところでございますけれども、いわゆる
クリエイティブキャンパス構想を動かす仕組みとしておる、このCMAの組織について、具体的な目標といたします活性化した多摩センターの姿、そしてCMAの方針や運営ルール、事業展開の検討、内部の体制・役割分担を検討していく準備会を、今年度中に市の職員や関係施設の管理運営者、大学等をメンバーとした形での準備会を設立して進めていきたいと考えております。
◯9番(しのづか元君) 詳しい答弁ありがとうございます。
今お答えをお聞きした中で、私はやはり注目しているのは市民参画なのです。これをどう担保していくかということなのですけれども、今のお答えの中では、組織のスタート時点、準備会の時点では、この市民参画の仕組みというものが用意されていないようなのですが、このCMAにも市民が今後参画していくようにするべきだと私は考えているのですけれども、いかがでしょうか。
◯市民経済部長(鈴木誠君) 先ほども少しお話しさせていただきましたが、この(仮称)
クリエイティブキャンパス構想を実現していくに向けての考えといたしましては、まず多摩中央公園と公園内の各施設の機能を最大限に発揮できる体制を整備していくということを基本に考えてございます。現在、ご質問者もご承知のとおり、各施設が改修や整備に向けて基本計画の策定、設計などの動きの中で、さまざまな手法で今、市民参画の取り組みを図っているところでございます。このCMAにつきましては、
クリエイティブキャンパス構想の実現に向けて動かす組織として、まずは公園と公園内施設の管理運営者を中心に、運営組織の基盤をつくってスタートさせていただきまして、そして段階的に連携先をふやしていきたいと考えてございます。最終的な形の中で、市民や企業、団体などのさまざまな主体と連携をして進めていきたいということを想定しているところでございます。
今お尋ねの市民参画のところにつきましては、CMAの設立の中で、第2段階の中で市民参画の仕組みにつきましては進めていきたいと考えております。
◯9番(しのづか元君) まずは準備会をつくって、そして骨格をつくって、第2段階で市民参画ということを検討してくれるということなので、ぜひそういうことで進めてください。
そして、私先日図書館の策定の
ワークショップ、傍聴で参加させていただいたのですけれども、私は10年ぶりに多摩市政へ戻ってきたのですが、市民参画、
ワークショップとかいろいろな形で進んでいるなと感じました。それぞれ今、公園の改修とか、パルテノンのほうでも行われていると思うのですけれども、この取り組みに欠かせないのが、やはりそれぞれの拠点における想像力と実行力とか、マネジメント力を発揮する、この市民参画組織であると私は考えています。それぞれ個別にではなくて、まとまって意見を交わしていけるようなことは考えているのでしょうか。
◯市民経済部長(鈴木誠君) 現時点におきましては、
ワークショップなどの市民の方々の声につきましては、やはり各施設の管理運営者が吸い上げていただいて、各施設の改修や再整備に反映させていただくと考えてございます。今後、設立の方向でございますCMAの準備会の場におきましては、やはりこの各施設の管理者の方々が、
ワークショップ等で吸い上げた意見をまずは出していただいた中で調整をしていただければと思っております。今ご提案ございました部分につきましては、やはり第2段階以降での対応になろうかなと、現時点では考えております。
◯9番(しのづか元君) わかりました。
そしてもう一つ、この取り組みを進めるに当たって、まず第1段階では市民参画ということが図られないということですので、やはり市民への情報発信というものが必要になってくるのではないかと思っております。
今、阿部市長になってから結構、この政策情報誌というものが出されていまして、こういったものを活用して
クリエイティブキャンパス構想のようなものをきちんと市民にお知らせして、今後参画していただく人もふやしていくということも考えられると思うのですけれども、これについてご答弁をいただきたいと思います。
◯市民経済部長(鈴木誠君) 今、政策情報誌のご質問がございましたけれども、これまでも
パルテノン多摩の大規模改修や図書館本館の再整備、そして多摩センターの今後のさらなる活性化に向けて、今の取り組み等々につきましては、政策情報誌で広く市民の皆様のほうにお知らせをしてきたところでございます。私どものほうとしても、今後の動きの中で、このクリエイティブキャンパスの動き、そしてCMAの組織等々を動かしていく中では、政策情報誌を活用しながら市民の皆様に広く情報発信をしていきたい。また、それ以外のさまざまな媒体も活用できるのであれば、広くいろいろなものを活用した中で発信をしていきたいと考えてございます。
◯9番(しのづか元君) 今お答えにもありましたけれども、ほかにもいろいろな媒体があると思います。ホームページとか、いろいろな形で、やはり積極的な情報発信、これをしていただきたいと思います。
市民参画というものは、やはり一朝一夕で完成するものではありません。合意形成の蓄積によって醸成されていくものであると私は考えています。まさに今、地域ごとにさまざま、いろいろな市民が参加する固有な形ができている中で、それをなかなか一望できない反面で、それぞれの情報発信、これが弱いのではないかという指摘もあります。内外に対する情報発信というものは、これから進めていくまちづくりに大きく影響して、市民もどう情報発信を担っていくか、これも市民サイドも問われていくと思います。これからさらなる行政のリーダーシップと発信力に期待をしまして、次、文化のほうに行きます。
これでクリエイティブの質問なので、文化なのです。実は。公園のところでいきなり2問目文化と少しおかしかったのです。
実は私、この質問をするに当たってというか、浪人時代に読んだ本で、平田オリザさんという方が書かれた『下り坂をそろそろと下る』という本があるのです。これ、実は何を言いたいかというと、『坂の上の雲』というものがありますよね、司馬遼太郎さんの。あれの逆説的なものの捉え方をしていて、書き出しがまず、「まことに小さな国が、衰退期を迎えようとしている」と。日本はもう『坂の上の雲』のときの開国期のような、そういう状態ではなくて、もう既に山を越えて、成熟期ですね。衰退期と言ってしまうとちょっと私はとがり過ぎだと思うので、成熟期に差しかかっていると。これでこの方が何を言っているかというと、これから私たちは3つの寂しさと向き合わなければいけない。その3つというのは、もはや日本は工業立国ではない。そして、もはや日本は成長社会に戻ることはない。そして、もはや日本はアジア唯一の先進国ではないと。この3つを私たちは現実を直視して、そしてこれからの国づくり、まちづくりに取り組んでいかなければいけないのではないかという提起をされています。
私はこれ、多摩市や
多摩ニュータウンにも通ずる概念だと思っていて、実は
多摩ニュータウンというものは、もう昭和の住宅都市、つくってきた象徴ですよね。そのときにつくってきた時代背景と、今、この
多摩ニュータウンが40年経過した中での時代背景というものが、やはり変わっているし、変わっていなければいけないのだろう。大事なことは、やはりこの今の現実を直視して、これからの身の丈に合ったまちづくりを進めることだなと私は思っています。
この方がこの本の中で、非常に私は印象に残ったことで提起されているのが、文化による社会包摂という概念なのですけれども、ちょっと引用して読ませていただきます。
「私たちはそろそろ価値観を転換しなければならないのではないか。雇用保険受給者や生活保護世帯の方たちが、平日の昼間に劇場や映画館に来てくれたら、失業しているのに劇場に来てくれてありがとう、生活が大変なのに映画を見に来てくれてありがとうと言える社会をつくっていくべきではないのか。そして、そのほうが最終的に社会全体が抱えるコストもリスクも小さくなるのだ。失業から来る閉塞感、社会に必要とされていないと感じてしまう疎外感、中高年のひきこもりは、やがて犯罪や孤立死を呼び、社会全体のリスクやコストを増大させる」。これが、この方が言っている文化による社会包摂ということなのです。
で、さらにこのようなことも言っているのですけれども、今の少子化対策を皮肉った言い方なのですが、要は保育園に預けているお母さんが、保育園に預けた、ちょっとできた時間に劇場や、やはり映画館に行って文化に触れる。こういう機会、これを逆に行っておいでと送り出せる、そういう社会、そして会社とか、そういう組織ですね。やはりそういうものをこれから目指していくべきではないかということを言っているのですけれども、この、私はこれから大規模改修に今取りかかり始めている、このCMAにおける
パルテノン多摩で、やはりこういう文化による社会包摂という考え方というものは、第1答弁でも検討がされたということがお答えありましたけれども、この考え方について、お伺いをいたしたいと思います。
◯議長(藤原マサノリ君) 松尾くらしと文化部長。
(くらしと文化部長松尾銘造君登壇)
◯くらしと文化部長(松尾銘造君) ただいま議員のほうから、平田オリザさんの本をご紹介いただきましたけれども、残念ながら私は読んでいなくて、この後また勉強させていただきたいと思います。
この平成24年に、いわゆる劇場法というものが制定されまして、劇場、また音楽堂等は、社会参加の機会を開く社会包摂の機能を有する基盤として、常に活力ある社会を構築するための大きな役割を担うとされております。誰もが文化芸術を通して心豊かに社会を送るという、そうしたところの考え方というものは、大変今後重要になるとも思っております。
平成30年8月に基本計画を策定いたしました。この中でも、今申し上げましたような考え方、これをしっかり反映させていくということの必要性を随分議論いただきました。その中で、今回
パルテノン多摩の管理運営における基本理念、また基本方針、そうしたものはこの計画の中でしっかりと反映をさせていただいているとも考えております。今現在
パルテノン多摩におきましても、障がい者の方々の音楽を聞く鑑賞の機会を設けるようなコンサートですとか、または社会福祉施設等に音楽家を派遣してのコンサート、こうした社会包摂的な考えに基づいた事業というものも、少しずつ展開をしてきているという状況でございます。
この後
パルテノン多摩につきましては、来年4月から大規模改修工事ということで、約2年近く休館になります。この休館期間を、これがピンチではなくチャンスと捉えまして、財団のほうでも社会包摂事業の拡大というところでの取り組み、これをしっかりこの間にやっていこうということで取り組みを進めるという覚悟でございます。そうした取り組みの中で得られましたノウハウですとか、また経験、こうしたものをしっかりと次の改修後の
パルテノン多摩の管理運営、ここにしっかりつなげていくという考えでございます。また、将来的な
クリエイティブキャンパス構想の実現、これに向けても多摩中央公園を取り巻きます公共施設の一員として、その役割をしっかり果たしていければとも考えております。
◯9番(しのづか元君) 今お答えいただきまして、劇場法ですね。これ、平田さんは劇場法をつくるときの委員さんでもありまして、やはりこの考え方というものはここに浸透しているのだなと思います。それとこの方が経営されている劇場、こういう生活保護の方や休職中の方が行ったときに割引制度があるらしいです。きちんと自分でも実践されているということもあって、私は1つの考え方として、例えば
パルテノン多摩でもそういうことを考えてもいいのではないかと思っております。これは答弁は求めませんけれども、今後検討していただきたいと思います。
それでは2番に行きます。きのう橋本議員がいろいろ聞いてくれるものだと思ったら、橋本議員は歴史認識しか聞いてくれなくて、もう少し具体的に突っ込む質問を私はしようかと思っております。
まず、この計画に関して、これはもう橋本議員への答弁も私への答弁もそうなのですけれども、原則併記ということで、今回第五次多摩市総合計画も西暦、そして括弧づけ和暦ということで、計画についてはそういう原則をもう設けたということで、明快な答弁をいただいたので、これについてはもう何も言いません。
私はやはりこだわっているのは、ではなぜ公文書に関しては併記ができないのだろうという疑問が湧いてしまうのです。今回の改元でなぜ西暦表記や併記ということにしなかったのか、まず理由をお聞きします。
◯議長(藤原マサノリ君) 渡邊総務部長。
(総務部長渡邊眞行君登壇)
◯総務部長(渡邊眞行君) 公文書のほうでなぜ併記ができないかというようなお尋ねでございます。できないということではなかろうとは考えているところではございますが、まだ法律の中にはその様式を定めているものがございます。その様式の中には和暦をそこで用いているものがあるというような中では、一律にそれを併記していくということはやはりなかなか難しいのかなという部分では検討が必要なのだろうと考えているところでございます。
◯9番(しのづか元君) 少し視点を変えて聞きます。この検討状況を聞いたのですけれども、この前の改元ありますよね。昭和から平成の改元のときと今回の改元、この文書の表記や対応について何が変わったのかお伺いいたします。
◯総務部長(渡邊眞行君) 市の考えといたしましては、大きくは変わってございません。
◯9番(しのづか元君) そうなのです。今回整理して変えましたというような答弁だったのだけれども、変わっていないのです、実は。この第五次多摩市総合計画に関しては、市民の意見を踏まえながらそういう整理にしたということは、私は一歩前に進んだのだと思っておりますけれども、実は公文書に関しては何ら今までとルールが変わっていない。しかも今回私、わざと一般質問の通告、西暦(和暦)で通告したのです。そうしたら翌日アップされたものを見たら、令和元年に直ってしまっていたのです。これ何でかというと、要は原則和暦、そして場合によっては併記もいいよというような、きのうの橋本さんの資料要求にある資料にもそういう書き方になっているのです。要は新元号である令和元年を用いる。なお、市民にとってわかりやすさの観点から、西暦による表記を括弧書き等で併記することは差し支えないということなので、職員さんたちの感覚からすると、やはり元号なのです。原則は。だから私が通告で書いたものも元号に、そんたくして直してくれてしまった。これについては私は議会事務局長の答弁は求めませんけれども、やはりこの多摩の公務員さんの今までの仕事の進め方、ルーチンワークというものが、そういう形でもう刷り込まれてしまっているのだろうと思います。
それで少し視点を変えてまた聞きます。多摩市の文書管理システム、これは先ほどお答えにあったのですけれども、三十幾つあって17が今回システム変更しましたよということで、逆に言えばシステム変更しないでも通常に動いている、こういうシステムがあるということもはっきりしたわけです。この多摩市の文書管理システム、これは何種類あって、西暦で表記されて今まで整理されているものというのはどういうシステムなのか、そしてシステム変更は何年周期で行うのか、そして逆に言えば、和暦表記でないと不都合なシステムというものは何なのかお答えください。
◯議長(藤原マサノリ君) 藤浪企画政策部長。
(企画政策部長藤浪裕永君登壇)
◯企画政策部長(藤浪裕永君) 改元にかかわるシステムの関係ということで、まず全庁の庁内の
ICTシステムというものは約120ございます。このうち改元に伴って改修が必要なものが37で、軽微な改修を除いて特にシステム改修しなければいけないものが18ということですので、改修を要しないものというのが約7割あってと。特に保守の範囲で済むようなものというのも相当数ありましたので、つきましては、差し引くと18というふうになってございます。このうち西暦表記でもというところの部分ですけれども、細かくは調べられていないのですが、例えばですけれども、技術系の積算システムですとか、あるいはEメール、それからスケジュール管理などについてはもともと西暦で動いておりまして、そのまま動かしても支障がないので改修をしていなかったということがございますので、そうした意味では既に庁内のシステムの中でも相当数そういった形で、暦の部分は西暦で動いているものがあるという理解でございます。
また、もう1点、改修の周期というところなのですけれども、これも技術革新いろいろあるのですが、今パソコン本体のハードウエアとしての耐用年数等の関係で、おおむね5年程度が更新の周期かなと思ってございますので、これも今120ほどと言いましたけれども、それぞれの更新時期が参りますので、一定の時期については更新が必要になってくるという理解でございます。
また、もう1点、西暦でなければというお話の部分あったかと思いますけれども、失礼いたしました、和暦のところですが、こちらについても先ほど総務部長から話をしていると思いますけれども、和暦で対応しているものの、例えば市民の皆さんに何らかの通知をお出しするだとか、そういうところについての表記上のところは和暦が必要になってくる部分ですが、内部的に処理する部分で支障のない部分は、先ほど申し上げたように西暦で業務をすればよろしいかと思いますので、主にはどちらかというと対外的なもの、例えば戸籍ですとか、税だとか、もともと和暦で動いているもの、これは和暦の対応をしなければいけないと思ってございます。
なお、やや答弁長くなって恐縮ですけれども、今後システムの中でも、もともと西暦で動かしながら表示のところを和暦に読みかえるような形も可能だと思うのです。もともと動かしている暦が西暦でも、和暦でも、どちらでもいいのですけれども、最後の帳票で出すときに和暦に変えるというような対応も可能だと思いますので、今後システムの動向なども見ながら、どれが最適かということを考えていければと思ってございます。
◯9番(しのづか元君) 最後の部分余計だったのですけれども、何でわざわざ西暦で動いているものを和暦に変えなければいけないのかと思うのです。
実は隣の町田市、原則西暦なのです。町田の隣の日野市は原則併記というふうに伺っています。町田市は文書管理規程というものがありまして、第17条の(7)職員が職務上作成する文書等の年の表記は、別に定めるものを除き、原則として西暦を用いると。これでもう仕事を進めているのです。先ほど部長がお答えいただいたように、税の徴収や住民票、戸籍などは和暦で動かしますよということなので、町田市にできて多摩市にできないことはないのです。やはりシステム改修でお金のかかることですから、今後システムを新しくしていくときにそういう要素を盛り込んでいくということは、私は可能だと思うのですけれども、いかがでしょうか。
◯企画政策部長(藤浪裕永君) すみません。システムのあたりのところで、先ほど少しわかりにくいところかなというお話だったのですけれども、もともといろいろなシステムを入れているのですが、それぞれつくっているメーカーさん、ベンダーさんがあるのですけれども、もともとシステムを和暦で動かすようにつくっているものと、西暦で動かすようにしているものがあるのと、それを最終的に帳票に打ち出すときにどちらで打ち出すかというところがございますので、ついては、先ほど120あって7割が既にというところはありましたが、もともと西暦で動かしているので、あとどのように打ち出すかは最後のアウトプットの話なので、そこで整理できるものもあるということです。今後の改修に向けてという部分ですけれども、まずこれは技術的なベンダーさんの話になるかもしれないですが、和暦で対応する業務なのだけれども、動かすベースは西暦ですというようなものも多分出てくるのだと思っていますので、今後はそういう選択も考えたいと思ってはございます。
◯9番(しのづか元君) 私はやはり併記でやっていくべきなのです。きのうの橋本議員の質問でもありましたけれども、やはり私は元号も大切だと思うのです。でも、仕事を進めていく上では、民間も経験したけれども、民間はほとんど併記です。併記じゃない、西暦です。文書の管理などは。むしろ私は昭和生まれですけれども、昭和、平成、令和となったら、3回足し算引き算、しかもダブりのチェックをしなければいけないのです。そういうことも考えて、教育では今ESDとか、SDGsですよね。あと英語教育もやっています。グローバルな人材を育てると言いながら、学校現場ではいまだに元号を使っているという現実もあります。やはり今後きちんと併記にしていくということで、まず検討の俎上にのせていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
◯議長(藤原マサノリ君) 渡邊総務部長。
(総務部長渡邊眞行君登壇)
◯総務部長(渡邊眞行君) 今お話がありましたとおり、町田市等では今西暦を使われているというようなことは存じ上げているところでございます。それらの中でも、文書を送った市民の方々が本当に、先ほどありましたとおり、わかりやすいかどうかというところがやはり大事なところだろうと考えているところでございます。ただ、町田市もやられているということですけれども、それを西暦化したことで法令上の解釈が変わってしまうだとか、または運用上何か難しいものがあるだとかというところの精査はさせていただかなければいけないのだろうとは考えているところです。そのような中で、今ありましたとおりグローバル化している社会の中で西暦を併記していく、または使っていくことについては、十分検討していきたいと考えているところでございます。
◯9番(しのづか元君) よろしくお願いします。時間がなくなってしまいますから、SDGsに入ります。