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2018年12月04日 平成30年第4回定例会(第2日) 名簿
2018年12月04日 平成30年第4回定例会(第2日) 本文

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  1. 多摩市議会 2018-12-04
    2018年12月04日 平成30年第4回定例会(第2日) 本文


    取得元: 多摩市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-09-16
    2018年12月04日 : 平成30年第4回定例会(第2日) 本文 (210発言中0件ヒット) ▼最初の箇所へ(全 0 箇所) / 表示中の内容をダウンロード  / 印刷ページ          午前10時00分開議 ◯議長(岩永ひさか君) ただいまの出席議員は26名であります。定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。    ──────────────────── ◯議長(岩永ひさか君) 本日の議事日程は、あらかじめお手元に配付したとおりであります。  日程第1、昨日に引き続き一般質問を行います。質問の通告がありますので、順次指名いたします。  初めに大くま真一議員の発言を許します。  10番大くま真一議員。      (10番大くま真一君質問席着席) ◯10番(大くま真一君) 10番大くま真一です。通告に基づき2問質問させていただきます。  1.人権保障のための幼児教育無償化と待機児解消を進めるために  昨年12月、幼児教育の無償化が盛り込まれた「新しい経済政策パッケージ」が閣議決定されました。続いて、本年6月15日に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2018(骨太方針2018)」で無償化の対象などが示されました。経済政策として、「生産性革命」と「人づくり革命」を進めるという中に、幼児教育の無償化を位置づけすることは子どもたちの育ちすら「生産性向上」を至上命題とした国策を基準に評価するというものであり、子どもの育ちの権利、保護者の勤労の権利を保障するとしている憲法に違反するものです。  また、財源を消費税増税に頼り、その増税予定に合わせるために急いで進めるあまり、国民や実施主体となる自治体に対する情報の提供や具体的な事務及び財政措置などのシステムの構築、保育の質に係る保育士等の確保が追いついておらず、見通しがつかない状況が続いています。  こうした点については、全国市長会からも「『子どもたちのための幼児教育・保育の無償化』を求める緊急アピール(以下、緊急アピール)」が出されています。  しかし、もう一方で、幼児教育の無償化が具体的に前に進んだことは、多くの国民が幼児教育の充実を望み、運動を広げてきた成果です。  幼児教育の無償化を「経済政策」や「増税の言いわけ」にしてしまうのか、人権保障という本来の役割に資するものにすることができるのかは、幼児教育や働き方改革に係る制度を、具体的に人権を保障するものにしていくことにかかっています。  今回の質問では、幼児教育の無償化によって、多摩市ではどういったことが起こるのか。現在でも深刻な待機児問題に加えて、増加する保育ニーズに対してどう対応するのかなどを確認し、子どもたちや保護者の人権を保障するために、多摩市が今何をするべきかということを改めて考えていきたいと思います。  以下、質問します。  (1)来年度の保育所申し込み手続が始まっています。どのような傾向かあるのか伺います。待機児がゼロになるのかどうかの見通しも含めてお答えください。  (2)6月議会の一般質問の際には、「保育のニーズについて分析を行う」との答弁がありました。現在の分析状況をお伺いします。
     (3)全国市長会の緊急アピールは、幼児教育の無償化に加え、それに付随する事業やシステム改修、保育人材の育成・確保などについても、国の責任を求めるものになっています。拙速に進められている今回の幼児教育の無償化によって、自治体にはどのような負担があるのか、ご説明ください。  (4)幼児教育の無償化が実現すれば、現在利用を断念している方々の中から新たな保育ニーズが生まれてくると考えますが、市は現在どの程度増加すると分析しているのか。新たなニーズにどのように対応するのか、お答えください。  (5)これまでも一般質問の中で、狭い範囲の待機児だけでなく認可保育園を希望しながら、別の保育サービスを受けている方など、より広い待機児対策や、4月2日以降の待機児対策を求めてきました。市もその必要性を認めてきましたが、この点で新たな対策を具体的に進めたものはあるか、お伺いします。  (6)市立の貝取保育園の廃止について、これまでも中止し、保育園として残すことを提案してきましたが、こうした新たな条件下での再検討は行われているのかどうか、お伺いします。  2.身近な公共施設の再整備に市民意見を反映するために  「地域の公共施設がなくなる!」と市民に大きな衝撃を与えた「公共施設の見直し方針と行動プログラム(以下、行動プログラム)」の発表から5年がたちました。  この間、「一方的に廃止を進めることは許されない」と多く市民が声を上げました。日本共産党多摩市議団は、その市民の声を市議会に届け、議会論戦で「(行動プログラムは)たたき台」との答弁を引き出し、市民とともに地域の公共施設を守るために働いてきました。  こうした運動のもと、市もそれを受け入れ、行動プログラム自身が再検討、更新されていくこととなりました。  10月には、豊ヶ丘複合館に続き、東寺方複合施設でも施設の今後を考える「市民ミーティング」がスタートしました。ゼロベースで市が市民の中に飛び込み、身近な公共施設について協議を進めるという新しい取り組みです。  市民とともに一つ一つの施設の地域での役割や機能をおさらいし、今後のあり方を検討する中では、新たな機能の必要性も含めて協議が進められています。市民ミーティングを重ねる中で、新たな知見など成果と新たな課題なども見えてきたのではないでしょうか。  以下、質問します。  (1)市民ミーティングを重ねる中で、現在見えてきた成果と課題についてお答えください。  (2)市内の公共施設では、市民の多彩な活動が行われています。行動プログラムは公共施設の削減を目指すものですが、利用者の皆さんのお話を伺うと、「なかなか部屋がとれない」という声もあります。健幸都市を目指す多摩市においては、こうした市民の活発な活動とそのコミュニティの力をむしろもっと応援するためにも拡充こそ必要なのではないでしょうか。行動プログラムの策定時、またそれ以降も含めてこうした市民の利用状況及びニーズの把握はどのように行われたのかご説明ください。  (3)市民ミーティングでは、単独の館のあり方市民との協議が行われていますが、地域には複合館だけでなく、コミニュティセンターや公立保育園、学校跡地などさまざまな資産があります。そうした周辺環境を含め、どのように必要な機能を維持し発展させていくのかという視点で、より広い市民と協議・検討を進め、地域を代表する案へ集約していくことが必要です。今後の具体的な取り組みについて検討状況を伺います。 ◯議長(岩永ひさか君) 阿部市長。        (市長阿部裕行君登壇) ◯市長(阿部裕行君) 大くま議員のご質問にお答え申し上げます。  1の(1)についてお答えします。  平成31年度4月からの保育所等の入所申請の第一次受付を本年11月1日から9日まで実施しました。その第一次受付の入所申請数は682人で、昨年度の同受付時期と比べて申請者数は約40人ふえている状況です。  第一次の受付期間の申請状況の傾向としては、1歳児、2歳児の申請数は昨年度よりも多く、3歳児から5歳児は減少しています。  なお、第一次の入所申請受付は、新規転入者については現在も継続し、まだ状況は変化しているため確定ではありません。  認証保育所の定員を一部拡充し、新たに開設を予定している企業主導型保育事業所の地域枠の活用も図っていきますが、見込みでは平成31年4月時点での待機児童ゼロは厳しい状況と考えています。  (2)についてお答えします。  「かがやけ!子ども・子育てわくわくプラン」に基づき、待機児童解消に努めているところではありますが、就学前児童数は減少傾向ながら、保育ニーズの増加傾向は持続しています。  その具体的な要因をつかむために、就学前児童数の推移をもととして、「女性の就業率の増加や転出入などの社会変動要因の影響」、「経年の待機児童数の発生状況と0歳児から2歳児及び3歳児から5歳児の年齢別の入所・待機児童の状況」、「駅周辺エリアと駅から距離があるエリアにおける入所・待機児童の状況」、「保育所の人材不足による駅」など、さまざまな視点から年齢ごとに分析を進めているところです。  (3)についてお答えします。  幼児教育・保育の無償化の実現については、現在、国から示されている概要に照らし合わせると、実施に関する自治体の負担として想定されるものは、大きく分けて財政的負担と事務的負担の2つがあります。  財政的負担としては、無償化の事務に対応するためのシステム改修費及び職員人件費といった行政内部の費用と、保護者に利用料の無償化を図るための補助金等の費用が発生します。これらについては、それぞれの対応に要する費用の具体的な負担割合が示されていません。  事務的負担としては、今まで補助対象としていなかった認可外保育施設への新規利用者補助金の創設が見込まれることや、就園奨励費補助金などといった既存の補助制度の枠を利用しながらも、対象者を拡大することにより支給件数がふえ、さらにそれらを世帯の利用状況で管理する必要があることから、事務量の増加が見込まれます。  また、旧制度幼稚園や認可外保育施設利用者に対して、新たに保育の必要性の認定事務が発生します。  本市としては、全国市長会の緊急アピール等を通じて、必要な財源については全額国の負担とし、制度設計を速やかに明示することやその事務負担の軽減を求めています。  (4)についてお答えします。  幼児教育の無償化は、幼稚園、保育所、認定こども園等を利用する3歳から5歳の全ての子どもと、0歳から2歳の住民税非課税世帯の子どもが対象となる予定です。  平成30年4月1日時点の人口に基づき検証したところ、多摩市では3歳から5歳の子ども3,463人中3,457人が幼稚園や保育所に在園していました。  入園率は99.8%に上るため、3歳から5歳の子どもについては、幼児教育の経済的負担の軽減はありますが、無償化による新たなニーズは発生しないと想定しています。  次に、0歳から2歳の子どもについては、本市では、認可保育所の保育料の設定に当たって、住民税非課税世帯の第1子から0円としており、既に負担軽減を図っています。  また、支給認定を受けた0歳から2歳の認可外保育所等の利用に当たっては、無償化により保育料負担の軽減があります。認可保育所に入園していない住民税非課税世帯の子どもは111人おり、現在の入所率から試算すると、このうちの25人が認可外保育所等の新たなニーズとして発生する可能性があると考えています。  このニーズに対しては、認証保育所の定員拡大や企業主導型保育事業の地域枠の活用により対応していく考えです。  (5)についてお答えします。  認可保育所等に入所申請を行い、第1希望の保育園への入所が保留となった方は、平成30年4月時点で187名おり、新カウントでの待機児童数は83名でした。  より多くの方が第1希望の保育園へ入所できることがより望ましいと考えますが、これまでにも答弁しましたとおり、認可保育施設だけでなく認証保育所、幼稚園など多様な保育サービスを提供し、各家庭の多様な保育ニーズに応えていけるよう、引き続き取り組む考えです。  また、喫緊の課題は待機児童を解消することであり、平成31年度には企業主導型保育所の地域枠の活用など、1歳児、2歳児の受け入れ枠の拡大に鋭意取り組んでまいります。  (6)についてお答えします。  公立保育園の統合を進めるに当たり、幼児教育無償化による影響を検証した結果は、(4)でお答えしたとおりです。認可保育所等の待機児童の入所第1希望園は、市内の駅周辺エリアにある保育所に集中しており、そのエリアの中の待機児童数が多くなっている状況です。  これまでにもお答えしましたが、貝取保育園は築40年を経過して老朽化も著しく、貝取保育園周辺地域の保育ニーズは近隣の民間保育所で吸収可能と考えるとともに、競合を避ける意味もあり、貝取保育園の跡地に新たな民間保育所もしくは子ども関連施設を整備することは考えておりません。  次に、2の(1)についてお答えします。  「豊ヶ丘複合施設の今後を考える市民ミーティング」は、平成28年度の「多摩市公共施設の見直し方針と行動プログラム」の更新時に一旦立ちどまって市民や利用者の皆さんと対話し、検討することとなった豊ヶ丘複合施設について市民とともに一緒に考えていく取り組みです。  市民の集まりである「豊ヶ丘複合館存続の会」との共催により、平成29年8月から現在まで5回開催し、延べ200人を超える参加者とともに施設のあり方などについて対話を続けています。  成果については、行政主導で決めた案を市民が批判するという、これまで見られた「行政対市民」の構図ではなく、案の段階から市民と一緒に考える手法を取り入れたことだと考えています。  平成25年度の行動プログラム策定時に起きた市民の声や、市がそこから学んだことも踏まえて、丁寧に市民参画を進めていく必要があると考えています。  また、課題については、市民との対話を進める中で、数多くの意見や声が出ていますが、その市民の意見をどのように集約し、どのように市民案としての合意形成を図るのかという問題があります。なかなか正解が見えない難しい問題ではありますが、識者など専門家の知見もかりながら、多くの人が納得できる合意形成のプロセスを取り入れたいと考えています。  (2)についてお答えします。  平成25年度に行動プログラムを策定した際は、行動プログラムの基礎データとなる「多摩市施設白書」を更新し、貸室の稼働率なども調査しました。こうした市民の利用状況などをもとに、地域施設のバランスを踏まえ、施設の機能転換や再配置の方針を示した経緯があります。稼働率が高い貸室もありますが、曜日や時間帯が限定されていることもあり、平準化すると施設全体の稼働率は高くないところもあります。  市としても、市民活動の場の確保は重要であると認識しており、今後もこうした市民の利用状況やニーズを十分に把握し、市民の皆さんにもご理解いただきながら、現行の公共施設の有効活用を図っていきたいと考えています。  (3)についてお答えします。  豊ヶ丘市民ミーティングでは、主に複合施設の大規模改修を念頭に対話を行っていますが、ご指摘のように地域にあるほかの公共施設や社会資源も含めて、面的な視点で検討を進める必要があると考えています。また、参加者からもそのような意見が出ています。  豊ヶ丘複合施設の大規模改修時期の目安は平成34年ですが、他の公共施設の更新時期がずれていることもあり一体的な更新には限界もあります。こうした状況ではありますが、地域全体の活性化という目標に向けて面的視点での検討を進めていきます。  また、ご指摘のように世代を超えた多くの市民が参加できる場が必要であると認識しており、今後市民や利用者と一緒に具体的な進め方やロードマップ、合意形成のあり方などについて共有し、対話を進めていきたいと考えています。 ◯10番(大くま真一君) まず、第1問について言っておかなければいけないのは、今回の幼児教育無償化をきちんとした権利保障としての保育、権利保障としての幼児教育の政策として実現しなければいけない。現代版の「産めよ増やせよ国のため」という政策にしてはいけないのだということです。だからこそ、人権保障がどうなっていくのか、具体的に考えていかなければいけませんし、今でも深刻な待機児問題を深刻化させないように対応していかなければいけない。  もちろん国の責任も求めながら、まさに市民と直面する市としてはもっともっと頑張ってもらわなければいけないというのが今回の趣旨ですから、ここをまずしっかりと受けとめていただきたいと思います。  (1)と(2)では多摩市の現状について確認をしました。来年もまだ待機児解消とはならない、申し込みが40人増加ということであれば、なお深刻な事態になることもあり得るということだと思います。ここを確認した上で、この無償化という新たな条件も絡んで、今後の保育や幼児教育をどう保障するのかということについて伺っていきたいと思います。  (3)で幼児教育の無償化について、国が一方的に前倒しということを言ったものの、具体的なことがまだまだわからず、市も苦慮しているということでした。とはいえ対象が示されています。  きのうの質疑の中でも全てが無償化するわけではないということが言われましたが、まず多摩市内の保育園、幼稚園など、どれだけが無償化し、どれだけが上限を設定されるなど無償化にならないのか。その内訳を上限額も含めてお答えいただきたいと思います。 ◯議長(岩永ひさか君) 芳野子ども青少年部長。     (子ども青少年部長芳野俊彦君登壇) ◯子ども青少年部長(芳野俊彦君) 今回の幼児教育、保育の無償化の対象施設ということでございます。幼児教育の無償化対象施設につきましては、幼稚園は全部で9園になります。保育所は認可保育所が21、認定こども園が2、地域型保育施設、内訳として小規模保育施設が2、家庭的保育所が6、事業所内保育所が1、予定ですが、企業主導型保育事業所が3園予定ということでございます。  無償の上限でございますけれども、0~2歳は4万2,000円、3~5歳は3万7,000円、幼稚園は2万5,700円というのが今の発表でございます。 ◯10番(大くま真一君) これだけ大きなことを行われれば、当然保育のニーズは私は拡大すると考えています。まずニーズについてきちんと確認していきたいと思うのです。  市は保育のニーズの拡大ということでいえば、3~5歳については拡大することはないというお答えをいただいております。0~2歳については25名という数が出てきました。しかし、これは非常に少ない数になっているのではないかと私は感じています。全国市長会の緊急アピールでも7月、11月のどちらでも無償化による保育需要な拡大に伴う人材の確保、育成などきちんと対応していかなければいけないと言及されています。全国的にはこれだけ問題になっていることが多摩市内では起こらないと考えているのかどうか、お伺いしたいと思います。 ◯子ども青少年部長(芳野俊彦君) 新たな待機児童の発生に関してそれぞれ全国レベルと同じ都内の中でも都心に近いほうと西側に近いほうで、保育の需要は違う状況があるかと思っています。全国押しなべて考えるとそういうこともあるのかもしれませんけれども、先ほど市長答弁で申し上げましたのは、あくまで理論値でございまして、我々が分析している数値をお披露目したということでございます。  多摩市としては、今現状の分析の中では先ほど申し上げたように3~5歳はそれほどふえることはないだろうと。ただ、0~2歳は新たな需要が喚起されるということはあるかと想定してございます。 ◯10番(大くま真一君) この幼児教育無償化については、0~2歳について25名ふえるところがあると言われました。でも、それだけでは私はとどまらないと考えています。この0~2歳についても内閣府の幼児教育の無償化についてという資料では、0~2歳児についても当面住民税非課税世帯を対象として無償化を進めるとあるわけです。0~2歳についても今進めていこうという政策の方向の中から、拡大ということもあり得ると思うのですが、市としてはどう捉えているのか伺います。 ◯子ども青少年部長(芳野俊彦君) 繰り返しになるかもしれませんが、先ほど申し上げたように0~2歳についてはある一定程度の人数がふえるという予測をしているところでございます。 ◯10番(大くま真一君) 一定程度が少ないのではないかということですが、幼児教育の無償化は少子高齢化への対策として行われるわけです。これは子どもを産み育てることを諦めている方々、第2子、第3子とさらに子どもを諦めている方々の経済的な負担を軽くして、子どもをふやしていこうという政策です。そこの選択はもちろんご家庭によってあるわけですけれども、経済的負担を減らすことでふやしていこうということは間違いないと思います。  先ほどの内閣府の資料でも、理想の子ども数を持たない理由、複数回答ですが、30歳未満では76.5%、30歳から34歳では81.1%が子育てや教育にお金がかかり過ぎるからと回答しているわけです。  こういう方はもちろん多摩市内にもいらっしゃると思うのですがどうなのでしょうか。これを受けてもっと子どもをと思う方が多摩市にはもっといらっしゃるはずだと私は思っています。その上でこういった意向を市として把握すること、また把握をしようと今後考えているのか、もう既に調査を行っているのかについてお答えいただきたい。 ◯子ども青少年部長(芳野俊彦君) 保育のニーズ調査につきましては、今現在ニーズ調査を実施している最中でございまして、早ければ来年には単純集計はまとまるかと思っています。意識調査が近いうちにご報告できるかと思っています。 ◯10番(大くま真一君) 調査は今途中だということで、結果としては出ないと思います。その中には経済的な理由で子どもを持つことができる、できないとわかるような調査になっているのか伺いたいと思います。 ◯子ども青少年部長(芳野俊彦君) 基本的にニーズがあるかないかということで、経済的なものはそこの設問にはございませんので、特にそこはリンクしていないということでございます。 ◯10番(大くま真一君) 現状の中でどういうニーズがあるのかという把握だと。ただし、これから状況が変わっていく中で、ニーズにどういう変化があるのかもしっかりと織り込んでいかなければ、本当に深刻な待機児童の問題がこれから出てくるのだということを申し上げておきたいと思います。  今、多摩市で待機児童の解消に向けてこれまでも計画を進めてきた。ただ、なかなか計画どおりにはいっていない。もちろん近隣市の動向もさまざまな制度の動向など、難しい要素があることは確かですけれども、これまで結果として保育ニーズを過少に評価してきたことはきちんと反省をして、見直していくことが必要だと考えますが、どうでしょうか。 ◯子ども青少年部長(芳野俊彦君) 当初の予定は予定ということで、計画はそれなりの根拠があってされていると考えております。ただ、社会情勢がなかなか変化の激しい中で、計画の数値どおりいかなかったという部分もあるかと思います。その辺は適宜修正していくべきと考えてございます。 ◯10番(大くま真一君) このニーズの問題については本当に状況が変わる中で、子どもを本当に持ちたいという方々がふえていく。そのための政策でもあるわけですから、きちんとそういったことを把握しながら、対策を先手、先手で打っていかなければいけないと申し上げておきたいと思います。ぜひそういう検討をしていただきたいと思います。  (5)に移りますけれども、待機児童対策、狭い範囲ではなくて4月以降もということについては、今の国の制度の中ではなかなか厳しいものがあります。人員配置もぎりぎりであって、さらに定員を年度いっぱいきちんと埋めておかなければ、経営がなかなか成り立たないような状況がある。この制度自体がもっと余裕を見たものにならなければ、定員があいていても年度途中で入ってくる子どもたちを受け入れられる枠を設けていても、経営が成り立つような補助が行われなければ、根本的には解決をしない問題だとは考えています。  ただ、国も4月1日時点での待機児さえゼロにすればいいという立場ではないと思います。この点について確認したいと思います。 ◯子ども青少年部長(芳野俊彦君) おっしゃるように子どもというのは1年じゅう生まれているわけですから、どこで育児休暇の期限が切れるか、当然年度途中もあるわけです。今の制度ですと4月入所、この入所時点で今の多摩市の運用定員も、正直言って4月の時点で使い切っている状況ですので、それ以降入園の希望があっても既にいっぱいだという状況がございます。  当然それについては早く解消したいと我々も考えています。そうでないと年度途中の入所はできないとなってしまいます。ただ、それにはまず最初に、今の待機児童を何とかゼロにするということが第一段階だと考えてございます。 ◯10番(大くま真一君) まずは今ある待機児童を解消してから、しかし、私は並行してやっていかなければいけないと思います。さらに今、国の責任について市としてもきちんとものを言っていかなければいけないという趣旨でお伺いしましたけれども、その点についてはお答えいただけていません。きちんと国にも負担して、それでも枠をあけておかなければ待機児が出るということを市としても言っていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。 ◯子ども青少年部長(芳野俊彦君) その辺に関しましても今回の幼児教育、保育の無償化も含めてこれまでも全国市長会を通して、さまざまな意見を国に申してきたという実績はございますので、引き続きその辺も継続していきたいと考えているところでございます。 ◯10番(大くま真一君) ぜひ引き続き続けていただいて、待機児童をゼロにしてから次にではなくて、本当に並行して今お困りの方々をどうするのか考えていただきたい、それを申し上げておきたいと思います。  国の責任ももちろんあるのですが、ただそれと同時に市民の目の前の困り事を解決するためには、現状多摩市が踏ん張っていかなければいけないのも事実だと思います。資料をいただきましたけれども、10月時点での待機児、旧カウントで0歳児は137名、1歳児が111名、2歳児が63名。新カウントでもおのおの56名、54名、34名となっています。入所申し込みのしおりにある認可保育園の紹介に記載されている定員数で数えると、多摩市の認可保育園の0歳児の定員は226名、1歳児は381名、その差は155名です。そこに先ほど挙げた10月時点での0歳児の入園できなかった方々、137名のうち1歳になる方。また新たに育児休業を終えて申し込みをされる1歳児の申し込みが集中するわけですから、来年の4月の入所申請は本当に厳しいものになることがこれからもわかります。  市としては企業型保育所の地域枠の拡大や認証定員拡大をおっしゃっていますけれども、具体的にどれだけの施設が足りていないのか。こういった話にはなっていません。ここを考えていかなければ、どういう整備を進めていけばいいのか考えていくことができないのではないでしょうか。  6月の一般質問のときには、旧法務局跡に100名規模の保育園ができるということでした。年齢別の定員の内訳といってもまだでしょうから、現在多摩市の同規模の定員の保育園で考えると、多摩保育園の定員118名を参考にすると、0歳の定員が10名、1歳が15名、2歳が18名となっています。今年度の待機児の数で考えれば、4月の新カウントに対応すると考えても3園が必要。10月の旧カウントにとなると14園が必要になる。もっと規模の小さいものであれば、施設数としてはもっと必要になるということになります。  これまで市はニーズの高い駅前での整備にこだわってきました。地理的ミスマッチを駅前集約型でどうにかしようという考え方だったと思います。これだけの数を駅前だけで満たしていくことができるのでしょうか、見解を伺います。 ◯子ども青少年部長(芳野俊彦君) 今、待機児童数をおっしゃいましたが、年度当初と年度途中では上がっていくのは、先ほど申し上げたように運用定員を使い切っている中では、毎年の傾向でございます。最終的に翌年度はどんどん年齢が繰り上がっていく中で、当初の83人という今の数が出ていることでございます。保育所の確保は先ほど申し上げた方針は今のところ変えていない状況でございまして、市長答弁で申し上げましたように、来年度も駅の近くに企業主導型保育所を含めて認証保育所も解消して解消に努めていくという状況でございます。 ◯10番(大くま真一君) 企業主導型保育所、今の定員でいうと0歳、1歳、2歳が確かに2人、2人、3人という定員数だと思うのです。ふやしていって入ってもらえるようにしていくのは当然重要ですけれども、それだけではなかなかうまくいかない。認証保育園の整備でやっていくと言いますが、今新たに25名が出てくることも考えれば、認証保育園を1つ、2つつくっていくことがなければ解消はしない。年度当初で運用定員を使い切っているから10月時点での待機児はふえる、仕方ないことではいつまでたっても解消されないわけですから、きちんと考えていただかなければいけない。  市は地理的ミスマッチがあると言ってきた。それは駅前に集約することで解消してくる、今もそういう方針で進めていると言っていますが、地理的なミスマッチの解消を考えれば、家の近くにどこにでも保育園がある環境をつくらないと実現しないのではないでしょうか。駅前の土地の問題も考えれば、とても現実的ではないと私は感じます。駅前以外にも保育園が必要な状況が必ず生まれてくると私は思うのですが、いかがでしょうか。 ◯子ども青少年部長(芳野俊彦君) 自分の家の近くにあるのが理想は理想だと思います。ただ、交通の利便性や人が集まりやすいところに保育所はできるだけ整備するほうが使い勝手がいいという考えはあります。例えば市の交通の不便なところに置いた場合、保育士が今なぜ集まらないかという原因の1つに、逆に保育士が利便性が悪いということで行きたくないということも、保育士がなかなか集まらない原因と聞いていますので、交通利便性は非常に重要な要素だと考えてございます。 ◯10番(大くま真一君) 交通の利便性が高いところに整備することを否定しているわけではないですが、駅前だけでは十分ではないということです。また、保育士の集まらないということであれば、公共交通をどうしていくのかという問題ですから、ここで取り上げるものではないと思いますが、そのためにも整備をして住んでいただけるように、住宅の補助なども含めて市はやっているのだと思います。  だからこそ、きちんと向き合って駅前だけでは無理だということを捉えていただきたいと思います。
     (6)待機児の問題に移りますけれども、答弁では、貝取保育園を潰しても近隣の民間園で吸収が可能だと言っています。でも、吸収できているのでしょうか。貝取、豊ヶ丘の南側のあの地域に待機児童はいないのか、お伺いします。 ◯子ども青少年部長(芳野俊彦君) ゼロということではないですが、分析、集計によるとほかのところが2桁に対して、その周辺では今のところ我々がカウントしているのは3人という状況で、数的には非常に少ないのではないかと思っているところです。 ◯10番(大くま真一君) 待機児の分布の地図も見させていただきました。永山や落合などの地域に待機児が2桁いることもわかっています。貝取保育園の場所は例えば永山や落合からも当然移動は可能な場所なわけです。今、ゼロではないということもお認めになった。とても吸収できていない、あればそこに入れたいという親御さんは必ずいるのだと思います。  この公共施設の見直し方針と行動プログラムの公立保育園の項では、待機児童数の状況によっては民間保育所による保育機能の確保を図りますとあります。しかし、この公共施設の見直し方針と行動プログラムがつくられた2013年度の待機児よりも現在の待機児数はふえているわけです。当然検討すべきだと思いますが、貝取地域にはニーズがないという言葉しか出てきません。検討はされていないのでしょうか。 ◯子ども青少年部長(芳野俊彦君) 貝取保育園につきましては、市長答弁の中でも申し上げましたように、老朽化や保育士の定年がちょうど重なって大幅な人数が減員になると。それ以外にも駅から遠く使われている人が限られています。  先ほど、どこからでも行けるという話がありましたけれども、あそこは駐車場がないということもあります。あそこに来れる方は限られた方と我々は考えています。例えばバスの便がいいとかそういうことであれば、またそういうニーズというのはあるのでしょうけれども、なかなか交通手段が限られる中で、そこに来られる方も非常に限られているという認識でございます。 ◯10番(大くま真一君) 老朽化や定年と言いますけれども、それは整備をしてこなかったから老朽化がここまで進み、不補充を貫いたからここまで職員がいなくなってしまっている。駐車場については貝取保育園にはあると認識しておりますが、移動して連れていくことは私はできると思いますが、確認してください。 ◯子ども青少年部長(芳野俊彦君) 停車スペースはございますけれども、駐車スペースはございませんので、その辺はよくご理解いただきたいと思います。 ◯10番(大くま真一君) 停車をして送り迎えをしている実態があるわけですから、駐車スペースは停車スペースか、名前の問題ではありません。公共施設の見直し方針と行動プログラムで貝取保育園の廃止が決められたのは2013年です。これがどういう時期だったのか。多摩市の待機児は2007年から増加傾向になり、2010年に200人を超えます。そこから待機児が減って、公共施設の見直し方針と行動プログラムがつくられた2013年には75名まで下がるという時期です。市としても待機児問題は落ちついたと捉えていたのではないでしょうか。  今、貝取保育園の2階はあいてしまっています。先日まで病児保育が入っていましたが、0~2歳の待機児にきちんと対応しなければいけないという問題意識は共有できていると思います。このあいている場所をきちんと生かして待機児対策はできないのか、検討をぜひしていただきたいと思います。例えば病児保育を入れたように、緊急に小規模保育などを入れて対応するということもあり得ると思うのですが、いかがでしょうか。 ◯子ども青少年部長(芳野俊彦君) 1つのご提案とは伺っておきます。ただ、あそこはUR都市機構からの借地ということでご存じだと思うのですが、それについてまた貸しをするとかどこかの保育園にお願いして実施する。また、なぜ1、2歳児かというと、1、2歳児の方はこれからもずっと保育を続けていかなければいけないということですので、行き先も市としては確保してあげないといけないということがございます。  一時的にという話はございます。その辺は先ほど申し上げたいろいろと難しい問題はあると認識しているところですが、いろいろな方法は貝取保育園だけではなくて、先ほど申し上げた企業主導型保育も来年度は予定として47名ほど、0~2歳児は認証保育所並びに企業主導型保育で確保できるという予定がございます。  例えば今年度83名の方が待機児となってございますけれども、もし47名を解消できればあくまでも計算上ですが、残り36名です。先ほど来年度は40名ほど増加です。年齢的にどれぐらいの年齢の方かは分析できていない状況ですけれども、このほかに3歳から6歳児についても全部で58名ほど受け入れることが可能になっていますので、基本的に微分値からいうと今年度の待機児童数を上回るだけの新しい定員を来年度確保することになっていますので、1、2歳児も全部とは言いませんけれども、かなり解消できるのではないかと。  また、今年の待機児の中に育児休暇中の方が19名いるという話もございます。そういう数を引いていくと実際に保育にかかわる人がどれぐらいいるのかとなると、来年度そのようなものを整備することによって、かなり減少できるという見込みを今立てているところでございます。 ◯10番(大くま真一君) 約半分が入れる、それはぜひ進めていただかなければいけないし、緊急の対応としてはやらなければいけない。でも、0歳から2歳児でまだ半分いるわけです。また貸しすることができないということであれば、緊急の対応で貝取保育園をここでやるということも1つの選択肢だと思います。これは申し上げておきます。今、貝取保育園の土地の問題もUR都市機構から保育園用地としてお借りしている土地です。  公共施設の見直し方針と行動プログラムでは、民間による活用または返却となっています。今の状況だと活用が進まないわけですから返却となるのではないでしょうか。私はごく近い将来だと思いますが、改めて保育園が必要だとなったときに返却してしまった場合、この土地を使わせてくださいといっても使える保証がないのではないでしょうか、お伺いしたいと思います。 ◯議長(岩永ひさか君) 佐藤施設政策担当部長。      (施設政策担当部長佐藤稔君登壇) ◯施設政策担当部長(佐藤稔君) 貝取保育園の用地ということで、所管部からのご答弁よりは土地、建物の全体調整ということで、私からご答弁させていただきます。  ご答弁にございましたとおり、土地はUR都市機構からおかりしています。40年近く前、昭和54年に契約されてございまして、保育園として使うために市としてお借りするということで契約を結ばせていただいてございます。  市長の第一答弁、所管部長の答弁もございましたとおり、市としては現在あそこに新たな保育所という考えは今のところないと。公共施設の見直し方針と行動プログラムに掲載されているとおり、これまでの検討の中でそういったことも重ねてまいりましたけれども、現状ではそういったところに到達していないところでございます。公共施設の見直し方針と行動プログラムの考え方に沿っていけば、市が新たな施設整備、用地がどういう契約になるかはございますけれども、非常に慎重に判断していかなければならないところでございますので、基本的には市で解体して、土地所有者のUR都市機構にお返しする事になって来ようかと考えてございます。 ◯10番(大くま真一君) お返しすることになるのだと、今の市の方法ではそうなるのだということでしたが、今、待機児童対策の場合、保育園をつくっていくときの課題としては、土地の確保が大変な問題になります。この土地の確保という問題については、対象となる土地があるかどうかということだけではないわけです。杉並区や武蔵野市でもそうです。全国の多くの自治体で保育園をつくるために土地を取得したものの保育園がつくれないといったことも起こっています。  だからこそ、長年保育園として愛されてきたあの土地に保育園の機能を残すことが必要なのだということを申し上げておきたいと思います。  待機児対策は本当に急を要しています。しかもこの貝取保育園の状況を見れば、そのお尻も本当に近いところまで来ています。ぜひ再検討していただかなければいけない。もう一度お伺いします。 ◯議長(岩永ひさか君) 芳野子ども青少年部長。     (子ども青少年部長芳野俊彦君登壇) ◯子ども青少年部長(芳野俊彦君) いろいろと待機児の分析をする中で、最近わかってきた中では既存の今の保育園の定員枠が必ずしも全部埋まっていないという状況が1つございます。これを例えばもしフルで活用できた場合、例えば0~2歳の場合にはあと31人入所ができるという計算が実はございます。なぜそれだけの定員があいているのかというのは、1つは保育士の確保ができていない状況がございます。  我々はいろいろ分析をする中で、何も建物を建てるだけが解消ではないと考えています。今のスペックをフルに生かすためにどうしたらいいのかということもその中にあるのではないかと。今のように保育士を確保することによって、今現在あきがある保育園のスペースを埋めていくことも非常に重要な政策ではないかと考えています。  何も待機児は貝取保育園で全て決まるわけではなくて、いろいろな分析の中で結果的にできるだけピンポイントで、効率的なやり方で解消していきたいと思っているところでございます。 ◯10番(大くま真一君) 私も何も貝取保育園だけで全て解決するとは言っていないわけです。しかし今解決しない中で貝取保育園をなくしていいのかということをお伺いしているわけです。  多摩市はこの間も待機児対策を行ってきた。しかし、その一方で今公立保育園を廃止しようとしている。保育のニーズがあの地域にはないから廃止という言葉を、今まさに保育園があくのを待っている保護者の皆さんに面と向かって言えるのでしょうか。市民に顔向けができないような政策を進めていていいのか、お伺いしたいと思います。 ◯子ども青少年部長(芳野俊彦君) ここは意見が分かれるかもしれませんが、我々としては駅前にニーズがあることは利用者の調査、ニーズがあるわけですから、そこに力を注いでいくという考えに今のところ変わりはございません。 ◯10番(大くま真一君) 駅前だけではニーズ解消できないでしょうということを今言ってきたわけです。公共施設の見直し方針と行動プログラムは公共施設を減らすための計画です。行財政改革、持続可能性といった言葉で市民の願いや市が取り組むべき仕事の本質がゆがめられてきたと私は捉えています。地域の図書館や市民ホールなどの複合館といった切り捨てることのできない施設を切り捨てようとしたことによって、市民からも批判をされ、見直すに至った。  貝取保育園も同じ性質のものだと思います。状況は変わっているし、決断するには期限が迫っている。ここで諦めてしまえば、あの場所に保育園がなくなってしまうわけです。貝取や豊ヶ丘の南側エリアに子育て世帯を呼び込む魅力が損なわれてしまう、それでいいのかということです。  市の業務は計画に基づいて進められてきています。それはわかっています。でも、ここで諦めるわけにはいかないわけです。ここでこの計画をしっかりと見直していかなければいけない。今、申し上げてきました。決断するのは市長だと思います。  市長、今、このことを受けてどのようにお考えなのか、伺いたいと思います。 ◯子ども青少年部長(芳野俊彦君) 市長ということでございますけれども、私から回答させていただきたいと思います。  ニーズとおっしゃるようにいろいろなところで保育の需要を吸収できればいいのでしょうけれども、限られた財源の中で効率よく待機児を、例えばつくるのはいいのだけれども、将来閉じていかなければいけない。少子化という傾向で、将来保育園も縮小化していく可能性があるわけです。  今回の幼児教育の無償化等において、新たに今までお子さんを持っていない方、第1子しか持っていない方がお子さんを持とうとか、第2子、第3子まで持とうというインセンティブにつながることは可能性としてあって、これから子どもがふえていくという可能性はなきにしもあらず、そこは否定はしません。  ただ、どこにどれだけのもの、例えば法務局の跡地にご存じのように保育所をつくっていくという計画もきちんと我々の中では描いているわけで、総合的な中で保育の希望、待機児の解消を進めていくことを今考えていて、それを実行したいと思っているところでございます。 ◯議長(岩永ひさか君) 阿部市長。        (市長阿部裕行君登壇) ◯市長(阿部裕行君) 今、芳野部長からも話をしましたけれども、私としても待機児を抱えている自治体として、またお子さんを保育園に入園させたいという強い思いを持つ保護者の皆さんの期待にぜひ応えたいと思っています。  ただ、保護者の皆さんからのニーズ、声もしっかり耳を傾けながら、そしてフレキシビリティのある、保育園だけでなくて今、幼稚園でも認定こども園、さらにいろいろな働き方をされる皆さんのニーズにも応えていかなければならないことから、駅近くを求める皆さんの声にもしっかり耳も傾けていかなければならないと思います。  ただ、質問者がおっしゃるように今まであった貝取保育園のよさをきちんといろいろなところで継承させる、あるいは地域の中で子育てができる点もまた必要だと思っていますので、幼稚園、保育園、幼児教育の無償化含めて、これから先の進捗なども検証させていただきながら考えていきたいと思いますが、現段階では先ほど芳野部長が答えたとおり、私どもとしては当面の待機児対策にしっかり力を尽くしてまいりたいと思っています。 ◯10番(大くま真一君) 待機児対策を進めていく、本当に進めていっていただかなければいけない、ありとあらゆる手を使って進めていっていただかなければいけないわけです。そういった中で今、市も取り組みを進めてきました。保育園1つつくるのに、定員を少しふやすのにどれだけ調整に時間がかかるのかということは、私よりもむしろ当局のほうが把握をされているのではないでしょうか。そういったことを考えれば、子どもたちがどんどん生まれてくれば0歳、1歳、2歳、本当にすぐ来るわけです。そういったことを考えて先手、先手で手を打っていかなければいけないということを申し上げておきたいと思います。  だからこそ、今ある、今打てる手段を打たなければいけない。貝取保育園を諦めるわけにいかないですし、あの地域の中でどうやって子育てできるのか、私自身も当事者としてしっかりと申し上げていきたいと思います。そういった中できちんと待機児対策が進むように、私も監視しながら一緒に進められる部分は一緒に進めていきたいと思っております。本当に先手、先手で手が打っていけるような体制をつくっていただきたい、このことを申し上げておきます。  それでは、2番にいきたいと思います。  公共施設の見直し方針と行動プログラム、今言ってまいりましたけれども、公共施設を減らすための計画です。それを市民が押し返して改定となったことは、今の答弁を聞いていても改めてすごいことだと思います。そうした動きの中から市民と市がゼロベースで地域の施設について検討を始める、この市民ミーティングが生まれてきた。結論が出るのはまだこれからということですから、予断を許さない状態だとは思っていますけれども、多摩市の今後にとっても大きな財産になるものだと感じています。  そして、一定の目安になりますけれども、市民との協議の中で決まっていくものですから、今ここでいつまでにどうするのだという性質のものでないことも、ミーティングには参加させていただきましたし、理解をしているつもりです。  この地域の公共施設を本当に守れという声が市民からこれだけ上がってきたわけです。むしろ充実させていくほうが、市の目指す健幸都市のテーマの中でも重要なことだと私は感じています。  しかし、市民と協議が始まりましたけれども、前提となるニーズの把握が私はまだまだ不十分ではないかと捉えています。公共施設の見直し方針と行動プログラムの際には稼働率の調査、ニーズ調査も行ったと答弁をいただきましたけれども、今回公共施設の見直し方針と行動プログラムは減らすための計画だと、施設の稼働率の裏に抽せんで使えなかった団体やそもそも使用を諦めている方々もいらっしゃるわけです。そこについては把握をされていないわけです。稼働率が一定の水準以下だからこれは減らしていっていいのだというのが公共施設の見直し方針と行動プログラムの出発だったと思います。  今回も資料でニーズがわかるもの、調査がわかるものといただきました。その資料を見ても市民ホールは抽せん漏れの団体の数は入っていますけれども、コミセンは入っていません。だからこそ今使われている方たちが例えばどういう曜日、時間帯にどう使いたいのか。これは重なっている時間帯を見ればわかるわけです。それでは埋まらない例えば夜間の時間帯には今使われていないどういった方が入っていけば、この施設が生かしていけるのか、使い切っていけるのか検討していくことが市民の皆さんとは必要だと思います。減らしていくという前提はまずは外して、きちんとどうやって使い切っていくのか考えていかなければいけない。  ですから、しっかりとしたニーズの総量や潜在的なニーズの把握をしていただきたいと思います。この部分は市が協力しないとなかなか難しいところですから、市としてはしっかりとやっていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。 ◯議長(岩永ひさか君) 佐藤施設政策担当部長。      (施設政策担当部長佐藤稔君登壇) ◯施設政策担当部長(佐藤稔君) 豊ヶ丘複合施設、公共施設の見直し方針と行動プログラムにおきまして、平成25年策定当時から非常に多くのお声を寄せていただき、議会への陳情もあり、採択された経過につきましては改めて振りかえらせていただきます。  この間、どういった形にしていくのかというところで、市長第一答弁でもお答えさせていただいてございますけれども、昨年から市民の皆様と一緒に考えていこう。当然今のニーズ、これからのニーズ、参加者の方々からも多くのお声をいただいてございます。特に利用者が多いところでは図書館、児童館、学童クラブ。今から10年後、20年後を見据えてというお声は現在もなお市民の方々から会うたびにお話は伺っています。  公共施設の見直し方針と行動プログラム策定時のニーズでは、議員ご指摘のとおり一定の稼働率は工夫のしようがあるのではなかろうかというところで、隣接の公共施設で賄えるのではないかといったところです。先ほど行革のために地域施設を切り捨てという非常に厳しいお言葉をいただいたところでしたけれども、切り捨てることが目的ではなくて公共施設の更新問題を何とかしていかなければいけなくて、どういうことができるのかでは、1つの切り口、見立てとして稼働率には注目していたところがございました。  今後の稼働率、より多く使っていただけるためにという中で、さまざまな工夫を図っていかなければならないところがございますけれども、現在豊ヶ丘複合施設でいけばそれぞれの施設に職員がおりまして、現場の生の声を伺っているところがございます。利用者である市民の声もさることながら、現場で働いていらっしゃる職員の声もある中で、現状がどうなのかにつきましては、これからさらに回数を重ねていく中で、新たなニーズをより一層見きわめていかなければいけないと考えてございます。 ◯議長(岩永ひさか君) 松尾くらしと文化部長。     (くらしと文化部長松尾銘造君登壇) ◯くらしと文化部長(松尾銘造君) ただいま佐藤施設政策担当部長のご答弁でもございましたが、日々のニーズではコミュニティセンターでは、ご存じのとおりコミュニティセンター運営協議会が年1回ないし2回、利用者懇談会を開いております。また、館によってもいろいろアンケートをやったり、意見箱を置いて日々のご意見を収集している状況がございます。  地域複合館におきましてもそれぞれ利用者懇談会を開き、利用者アンケートを実施し、いろいろイベント等があれば、それが終わった後にもいろいろお話をして、生の声を聞くといった取り組みは行っております。こうした日々の利用者のご意見、問題は把握しながら、また今後に生かしていくことは大切なことだと思っております。 ◯10番(大くま真一君) 利用者懇談会などで今利用されている方のニーズをつかんでいくことは本当に丁寧にやっていただかなければいけない。本当に進めていただきたいと思います。  それと同時に健幸都市との関係で申し上げましたけれども、健幸都市でいえば健康無関心層の皆さんにも健康づくりに参加していただくということがありました。コミュニティの問題でいえば、今は参加をしていないけれども、こういったところに参加をして新しいコミュニティをつくってもらう。今あるコミュニティをさらに活性化していただくといったことも考えていかなければいけないわけです。  潜在的なニーズをどうにかしてつかんでいかなければいけないし、それを喚起していかなければいけないという立場で、ぜひこのことには当たっていただきたいと思います。  今、さまざまな機能が各館にはある。これについては市民ミーティングで議論、協議がされている。しかし、それだけではとどまらないことは市の答弁からも出てまいりました。地域の中で一つ一つの施設のつながりの中でどういった機能をどうやって維持して、発展させていくのか考えていかなければいけない。そのことは市も認識して進めていくと言っていますから、その中できちんと市民の皆さんと考えながらつくっていただきたいと思います。  こういった取り組みとしては、例えばコミセンをつくるときには建設委員会ということで、市民に呼びかけて集まっていただいてつくっていったという過程、計画があります。ですから、役割の違いや今の状況と違う部分もありますけれども、そうした場づくりを市が責任持って進めていくことはぜひやっていただきたいと思います。本当に多摩市の新しい取り組み、新しい財産としてこういった取り組みはもっと伸ばしていかなければいけないし、市民とも合意を形成していくという丁寧なやりとりが求められる。そのスタート地点のかけ違いを解消していくことでも、ぜひ市民とともにこの市をつくっていくという気概を持って取り組んでいただきたいと思います。  そして、今回一般質問させていただきました。市民の声とともに地域をどう発展させていくのか。引き続き市民の皆さんとともに考えながら、私自身も考えながら発信していく。また政治を通して動かしていく決意を申し上げまして、今回の質問を終わりたいと思います。 ◯議長(岩永ひさか君) 大くま真一議員の一般質問は終わりました。    ──────────────────── ◯議長(岩永ひさか君) 次に、藤原マサノリ議員の発言を許します。24番藤原マサノリ議員。      (24番藤原マサノリ君質問席着席) ◯24番(藤原マサノリ君) 地域交通の充実について。  今、地域の足となる交通網(移動手段)をどのように確保していくのか。  ますます高齢化が進み、そのニーズは拡大している現状がある一方で、人口減少もあって地域にはそれを支える経済力・地域力が減少してきています。  また、少子高齢化社会が進む中、鉄道・バスなど民間事業者の約7割が、公営交通事業者の約9割が赤字に陥っているという現状があります。  加えて、全国1,226市町村で導入が進んだコミュニティバスもほとんどが赤字経営であり、今後は事業拡大など到底望めそうにもありません。  多摩市のミニバス運行の現状も今さら申し上げるまでもないでしょう。つまり、公的な財政負担にも限界がある中で、公共交通の担い手にこれまでどおり頼り続けることは難しくなっているのが現状と言えます。  これからは、地域の足の確保は住民みずからが独自の知恵と工夫で進めなければならない時代になったとも言えそうです。  私たちは、全く新しい発想で地域交通のあり方を考え、そのためのネットワークを急いで構築していかなければならないのではないでしょうか。  (1)地域交通とは、地域を行き交う全ての交通機関と位置づけられていますが、その役割を改めて整理した場合、どのような取り組みが求められているでしょうか。ご認識を伺います。  (2)今年の8月22日に生活環境常任委員会と桜ヶ丘地区の皆さんとで「地域の交通手段の向上」について話し合いを持ちました。(詳しくは11月5日号のたま市議会だよりで)その際、地域の方々から事前に提案がなされましたが、それは主に以下のようなものでした。  1)ミニバスをやめてワンボックスカーに入れかえはできないか。2)ワンボックスカーは地域を循環すること目的とし、各バス亭に立ち寄ることで駅へのアクセスを確保する。3)シルバーパスを廃止し、ワンコイン乗車とするなど、主に以上のような具体的な提案内容でしたが、これらについての市側の見解を伺います。  (3)地域の足の確保は高齢社会に対応する上では、単なる移動の手段といった枠を超えて、福祉の観点から総合的に問題を捉え、両者が協働して解決策を模索していく必要があると思います。つまり、今までのような部署単位の縦割り的取り組みでは到底解決できないものと思われます。見解を伺います。  2、尾根幹線道路整備事業の今後について  既に市内では「都営住宅の建て替え」「聖蹟多摩川沿いの土地開発」「関戸橋のかけかえ」「尾根幹線道路整備」などの各事業が進み始めました。次なるインフラ整備目標をあえて申し上げるならば、1つは「尾根幹線道路沿道の土地有効活用」「小田急線を唐木田駅から相模原駅まで延伸」「多摩モノレールを町田や相模原までの南進化」といったところではないでしょうか。  来街者をふやしてこのまちのよさをアピールし、最終的に定住人口をふやしていく。そんな未来志向のシナリオが成り立つのも、人口減少社会にあっても恵まれたポテンシャルを持つ多摩市だからです。  その意味で、尾根幹線道路の早急な整備は、東京西南地域に唯一残された注目のエリアとして、大きな期待に応えなければならない事業と言えるでしょう。  (1)尾根幹線道路の整備は慢性化している交通渋滞を緩和することですが、それは1つの手段であって最終目的ではありません。最終目的は沿道の土地の有効活用です。その認識がどの程度市側にあるのか伺います。  (2)将来、尾根幹線道路とその沿道の土地がどのように活用されるのかは現時点では全く未定ですが、調布市内からリニア新幹線の発着地点となる相模原まで続くこのエリアに公共交通機関が全く整備されない場合、さまざまに考えられる未来の可能性をみずから捨ててしまうことにもなりかねません。整備に向けて今まで東京都との多くの調整をしてきた中で、公共交通(例えばBRTなど)を設置しようとする議論は全く消えてしまったのか、現況を伺います。  3、お口の中の予防と健診に向けて  「かむ・飲む・味わう・話す」など、歯や口の役割は豊かに生きるための原点です。虫歯や歯周病て歯を失うと全身の健康に影響を与えることは今さら申し上げるまでもありません。  特に、高齢者の場合、口腔機能の衰え(オーラルフレイル)は特に滑舌力の低下によって認知を早め、食べこぼしは気分を落ち込ませ、きちんとかめずにむせたりすることは結果的に誤嚥性肺炎につながっていきます。  それぞれの年齢によるお口の中の変化に対し、歯科医院で予防指導を受けることで、口腔機能の低下によるさまざまなトラブルを未然に防ぐことができ、結果的に重篤な病気を防ぐことにつながります。  一方、国民の間では、歯医者は虫歯の治療をするところといった認識がまだまだ強く、お口の中の疾患を予防するといった観点が希薄に思います。  そこで、以下質問します。  (1)歯科疾患の課題は年齢によってそれぞれ異なります。虫歯は子どもの時期における歯科疾患の最大の課題、成人における最大の課題は歯周病です。また一般的には、65歳以上になると多くの方が入れ歯を使っていると推測されるため、入れ歯を含めた口の中の衛生状態が大きな課題となります。よって、かかりつけ歯科医を持つことと定期的に歯科健診を受けることが歯科疾患の予防にとって非常に重要ですが、多くの方が予防のための健診を受けていない現状があります。市の見解を伺います。  (2)介護保険法が改正されるたび、それは予防重視型システムに転換しているともいえます。お口の中の健康を維持・推進するためには、まず高齢者に対して口腔機能向上の意義についての気づきと納得を促し、その上で、高齢者自身が日常的にセルフケアを行うことができるプログラムを提供することが重要であると考えます。
     「言われたからやっている」ではなく、「楽しく取り組んでみたら調子がよくなってきた」と言われるような工夫が必要でしょう。市の見解を伺います。  (3)歯科医院で実施する「口腔機能健診」は、簡単・迅速に口の状態を知ることができます。また、改善点などがある場合、歯科医師や歯科衛生士による専門的なアドバイスを受けることもできます。近隣市でもこの事業の実施が始まっています。市の見解を伺います。  この後、市長から答弁を頂戴しますが、その後の再質問に関しては、私の都合で申しわけないですが、3のお口の中の予防と健診に向けてから再質問させていただきます。 ◯議長(岩永ひさか君) 阿部市長。        (市長阿部裕行君登壇) ◯市長(阿部裕行君) それでは、藤原議員のご質問にお答え申し上げます。  1の(1)についてお答えします。  平成29年度に改定した「多摩市交通マスタープラン」では、公共交通の役割として「人々が日常生活や社会生活を営むに当たり、欠かすことができない通勤・通学・通院・その他の人やものの移動を円滑に行うために必要不可欠なもの」と位置づけています。  また、公共交通、特に地域密着型交通の維持・改善の取り組みを進めるために、マスタープランでは多摩市の交通不便地域の定義を明らかにし、不便地域の解消に向けた「公共交通網再編実施計画」を策定する取り組みを始めています。  現在、地域密着型交通のあり方や課題等を抽出するため、多摩市を8つの地域に分け、各地域でオープンハウス・ワークショップを開催し、地域の課題やニーズを収集するとともに、ワークショップで地域に必要な交通手段についてのご意見やアイデアをいただいているところです。  なお、「公共交通網再編実施計画」については、平成31年度末には策定し、計画の実現に向けて取り組んでいきます。  (2)についてお答えします。  桜ヶ丘地域の皆さんからは、地域の交通課題解消に向けた要望書を本年2月26日付でいただきました。  その内容については、ご質問のある3点の提案を含め、公共交通を補完する交通手段の整備を要望しているものであり、市としても地域の高齢化や地形的バリアの課題解決に向けては有効な手段であると認識しています。  本市では、桜ヶ丘地域の交通課題やニーズをお聞きするため、本年9月に「ゆう桜ヶ丘」においてオープンハウス・ワークショップを開催しました。多くの皆さんの参加があり、貴重なご意見をいただきました。  一方で、新たな交通手段の導入に向けては、「運行主体」、「コース」、「運営方法」、「コスト採算性」などのさまざまな課題があり、慎重な検討が必要と考えています。  しかしながら、地域の移動に関する課題は深刻であると認識しており、課題解決に向けて地域や福祉部門とも連携して、スピード感を持って取り組む必要があると考えています。  (3)についてお答えします。  ご質問にもありますとおり、移動手段の確保については「交通分野」、「福祉分野」と明確に切り分けられるものではなく、相互に情報共有なども含め連携していかなければならないと認識しています。  市では、現在行っている「公共交通網再編実施計画」策定に伴うオープンハウス・ワークショップに、福祉部門の「まるっと協議体移動分科会」の構成員の方に参加していただき、地域の交通や移動に関する福祉的ニーズや課題を直接拾い上げてもらえる場として活用していただいています。  また、交通対策担当課長が「まるっと協議体移動分科会」に参加し、福祉視点での課題やニーズの情報共有を図っています。  今後も交通部門と福祉部門の連携を密にとりながら、それぞれの役割などを踏まえ、お互いを補完できるような移動のネットワーク構築ができるよう取り組みを進めてまいります。  次に、2の(1)についてお答えします。  南多摩尾根幹線沿道の活用は、本市のニュータウン再生において最も重要な要素の1つと捉えており、「幹線道路沿いににぎわいと地元雇用を創出する土地利用の転換」を多摩市ニュータウン再生方針に掲げています。  この方針を踏まえ、多摩市ニュータウン再生推進会議では、尾根幹線の沿道開発をリーディングプロジェクトとして位置づけています。  また、都市計画マスタープランにおいても、まちづくりの方針として南多摩尾根幹線沿道の有効利用を図るため、商業・業務系への土地利用転換などに取り組むこととしています。  現在、南多摩尾根幹線の沿道には戸建て住宅やマンション等が立地している区域もあり、全ての土地について土地利用転換ができるわけではありませんが、周辺環境に配慮しつつ再生方針やまちづくり計画の実現を目指していきます。  (2)についてお答えします。  南多摩尾根幹線の公共交通の設置については、道路整備後の沿道の土地利用と一体的に考えていく必要があると認識しています。  この沿道の土地利用については、多摩市ニュータウン再生方針等を踏まえ、にぎわいと地元雇用を創出するような土地利用転換に向けて、今後、具体的な検討に着手していく予定です。  また、再生方針の中でも、人と環境に優しい交通ネットワークの充実が掲げられており、幹線道路や交通ネットワークの整備はにぎわいや雇用の創出においても重要な課題と捉えています。  これらを念頭に、将来の沿道の土地利用状況なども想定し、また、沿道に立地している事業者のニーズ等も把握しながら、沿道環境にふさわしい新しい交通システムを含めた公共交通のあり方を検討してまいります。  次に、3の(1)についてお答えします。  生涯を通じて口腔の健康を維持するために、継続的に適切な治療や予防的な管理を実施し、いつでも相談に応じてくれる「かかりつけの歯科医師」がいることは市民にとって心強いものと考えられ、健康寿命の延伸に寄与していると認識しています。  本市では、歯周病検診として、30歳、40歳、50歳、60歳、70歳になる市民を対象に、市内の歯科医院の協力のもと個別検診を無料で実施しています。平成29年度には558名が受診し、受診率は5.9%でした。  この歯周病検診は、歯周病のリスクが高まる年代から節目の検診として行っていますが、検診を受けることで早期治療につながり、日ごろからの口腔内ケアの重要性を認識し、かかりつけ歯科医を持つきっかけづくりとしての役割も果たしているため、重要な検診と考えています。  検診対象の方には全員に通知し、勧奨していますが、今後はさらに受診者数が増加する啓発方法を検討したいと考えています。  また、乳幼児期から歯科に関する予防的な管理を推進するために、かかりつけ歯科医を持つ必要性について、乳幼児健診等を通じて啓発しています。  (2)についてお答えします。  市では、今年度より「TAMAフレイル予防プロジェクト」、略してTFPPを実施し、その中で口腔機能のセルフケアに取り組んでいます。  本プロジェクトでは、身体の虚弱、低栄養、認知症、口腔機能、社会参加等のリスクの判定後、加齢による心身の状態を高齢者ご自身に気づいていただき、早期に介護予防活動につなげることを目的としています。  本プロジェクトでは、測定のほかに日常生活に簡単に取り入れることのできる「お口の体験プロジェクト」として、歯科衛生士による口腔ケア、唾液腺マッサージ、飲み込みの改善を図るパタカラ体操を楽しく学ぶことができます。  また、老いを学ぶ多摩市発ライフウェルネス・テキスト『あなたの「生き方・老い方」応援本』の中でも、「しっかり食べる・口腔ケア」の重要性について、今の時代を健幸に生きるための知見・知恵として紹介しています。  さらに、地域介護予防教室で口腔体操を皆で一緒に行い、オーラルフレイルの予防活動を展開しています。  今後も、介護予防事業の中で口腔、栄養に関して庁内で連携し、楽しみながら高齢者の行動変容を促すための取り組みを進めていきます。  (3)についてお答えします。  「かむ・飲む・味わう・話す」など、歯や口の役割は豊かに生きるための原点であり、虫歯や歯周病で歯を失うと全身の健康に影響を及ぼすと言われています。  口腔機能健診は、高齢者の接触・嚥下機能低下を早期に発見し、口腔機能の改善につなげ、フレイルを予防することが目的と認識しています。  現在、口腔機能健診については、本市では実施しておりませんが、毎月1回健康センターで障がい児(者)等歯科診療の場を活用し、食事のむせや飲み込みづらさを感じる方を対象に摂食嚥下機能診療を行っています。  また、歯科衛生士が市内に出張し、低栄養・肺炎予防等の摂食嚥下に関する健康教育や相談を行っています。  今後は他市の事例等を研究し、市の歯科保健事業全体の見直しも含めて、実施方法の検討をしていきたいと考えております。 ◯24番(藤原マサノリ君) それでは、再質問はお口の中の予防と健診に向けてというところから入らせていただきます。  いかに予防と口の中の健康診断が必要かというデータが先日医療関係の本ではなくて、経済誌を読んでいたらおもしろいデータがあったので、紹介しながらいろいろ確認をさせていただきたいのですが、55歳から74歳までの方々1,000名にとったアンケートがありました。多分皆さん1回は目にしたことのある有名な月刊経済誌ですけれども、リタイアする前にやっておけばよかったことトップ20、やっておけばよかったと後悔した20。もう答えはわかっていると思うのですが、1番が何と歯の定期検診だそうなのです。これを受ければよかったという方が断トツ多かった。ちなみに2位は運動して筋肉をつけておけばよかった。3番は日ごろからよく歩いておけばよかった。第4位は腹八分目を守って暴飲暴食をしなければよかったということだそうです。たばこをやめておけばよかったとか、お肌の手入れをしておけばよかったというのもトップ10には入っているけれども、断トツでここの編集者もびっくりしたぐらい歯の定期健診をやっておく。  そういえば、死んだおふくろも、マサノリ、御飯がまずくてまずくてしようがないと言っていたのをアンケートを見たときに思い出したのです。昔の人だから3本か4本しかなくてほとんど総入れ歯だったのですけれども、何を食べてもおいしくないと。なるほど、このことだったのかと思って、このアンケートの結果を見ていました。  いかに健診が大切かということですが、ちょうど30年前に日本じゅうの予防医療の先駆けとなったのが例の8020運動だそうです。全ての定期健診の予防の最初だったのが8020運動で、これがちょうど消費税が導入された1989年、30年前ですが、そのときに80歳になっても20本の歯を持っている人は7%だったそうです。あれから30年たって今は51.2%だそうです。2人に1人が20本の歯を持っていると。そのころからちょうど学校の歯の健診も充実してきて、当時30年前は小学校高学年で虫歯の子は平均4本いたそうです。今は1本切って0.82本。いかに定期健診が必要かということの1つのあらわれですが、まだまだ8020でいうとOECDの中で日本は下のほうで、スウェーデンがそのまま20本残っていて、アメリカが13本で、日本は9.8本でまだ世界主要国の中では下のほうらしいです。何でかといったら、日本人は虫歯になってから歯医者さんに行くという感覚がまだまだ非常に強いですが、この歯の定期健診に対する意識が高くないというのは残念ですけれども、これは所管としてはどんな認識を持っておられるか、お答えいただきたいと思います。 ◯議長(岩永ひさか君) 伊藤保健医療政策担当部長。    (保健医療政策担当部長伊藤重夫君登壇) ◯保健医療政策担当部長(伊藤重夫君) 今、ご質問いただきました定期健診については非常に重要なことと思ってございます。例えば藤原マサノリ議員からご紹介ありましたように、単に虫歯の予防だけではなくて、お口の健康、歯周病があると糖尿病や心疾患のリスクが高まる、あるいは口腔ケアを怠ると誤嚥性肺炎を予防して死亡などのリスクを減らすことができると、さまざまな効果があると伺っておりますので、定期健診をしっかりやっていくことは非常に大事なことだと思ってございます。 ◯24番(藤原マサノリ君) 先ほど市長から第一答弁がありましたけれども、多摩市はいろいろな健診をやって、歯周病がほとんどです。それも30歳、40歳、50歳、60歳、70歳と10年ごとなのです。みんなですすめる歯とお口の健康づくり条例をつくった日野市は5年ごとに切りかえているのです。今回75歳以上の歯周病を来年からなくしたのです。逆だと思うのです。  そういった10年ごとではなくて、第一答弁にもあったけれども、かかりつけ歯科医の中で年齢に関係なく、例えば二十歳以上なら二十歳以上、いつでも健診ができると。歯周病だけではなくてかむ力や飲む力ができるとやっていくまちがそろそろ出始めている。国分寺市や町田市もやり始めて、個人負担が500円や800円で、残りを市が補填してくれると始まっているのです。  私は健幸都市多摩市を名乗るなら、そろそろこういったものを積極的に取り上げて、健康指標、何のデータにおいては多摩市は東京都で1番だ2番だとやらないと、ただ健幸都市、健幸都市と言ったって何をもって健幸都市なのか。市長にアドバイスしているのですけれども、私はそろそろ必要なのではないかと思うのです。10年ごとの歯周病健診ではなくてもう少し細かくできないものですか。 ◯保健医療政策担当部長(伊藤重夫君) ただいまご質問いただきましたところは大きなポイントは2つございます。まずは歯周病健診について、現在10歳刻みで行っているということ。本市の場合は現在70歳までの歯周病の健診は行っているのですけれども、あわせて後期高齢の口腔ケアは実施してございません。その2点につきまして現在他市の状況を踏まえながらさまざま検討しているところでございます。 ◯24番(藤原マサノリ君) 答弁が終わってしまったけれども、これはやるかやらないかですから、あまりしつこく言いませんけれども、厚生労働省が出している健康日本21第二次中間報告書概要の中に、明らかに歯と口腔の健康という項目があって、虫歯は減少している、歯周病はむしろ減っていない、変わらないという結果だそうです。  この中にもはっきり載っていますけれども、定期的な歯科健診が普及するよう各自治体は取り組みをする必要があると明確にうたわれているわけですから、来年度予算もいろいろ構築されてきていると思うのですけれども、何をもって多摩市民は健康なのだということを一番最初のデータも含めて、後悔しないように今からこういったものを導入する時期に私はなってきていると思います。それこそ健幸都市・多摩市というわけです。伊藤保健医療政策担当部長、もう1回答弁していただいて、次の問題に移ります。 ◯保健医療政策担当部長(伊藤重夫君) ただいまお話しいただいた点、非常に重要だと認識しております。国よりも今回7月に高齢者の保健事業と介護予防の一体的な事業という中で、口腔機能評価健診の重要性について、非常に強くお話があったところでございます。  それらを踏まえながら歯科医療機関の皆様とも十分相談しながら、今後のあり方について検討してまいりたいと思います。 ◯24番(藤原マサノリ君) 阿部市長、浦野副市長、伊藤保健医療政策担当部長、井上健康福祉部長もひとつよろしくお願いします。  それでは、次のテーマ、地域交通についていきます。  高齢化が進むにつれて年々足の確保、移動手段、何とかしてほしいという要望はふえてきていると。これは私だけではなくてここにいる議員全員が、それぞれの地域の方々に移動手段何とかしてという話は嫌というほど言われていると思います。  私も新人のころはよくミニバスをふやせないかということをやりました。そのために路線を変えてスーパーや病院を経由して、もっと乗降客をふやせないか、運営経費が大変ならばそういった病院やスーパーから協力もらえないかと新人時代に盛んに質問した覚えがあります。  市側も今までいろいろな努力をされてきましたけれども、時代の変化、ニーズがもっと大きくなってなかなか追いつかなくなっているのが現状だと思います。  さて、そこで先ほど市長から第一答弁の中に、交通不便地域とありましたけれども、改めてここでお聞きしたいと思うのですが、市の定義で交通不便地域とはどういうふうに定義されているのかということと、具体的にどの地域が多摩市の中で交通不便地域と言われているか、お聞きしたいと思います。 ◯議長(岩永ひさか君) 森田都市整備部長。      (都市整備部長森田佳宏君登壇) ◯都市整備部長(森田佳宏君) 今、ご質問がございました交通不便地域でございます。昨年度交通マスタープランを改定する中で、どういったところに皆さんお困り事があるのかも踏まえて、交通問題を考えていかなければいけないだろうということで検討してきたところでございまして、交通不便地域という定義をどうつけていくか、いろいろ議論した結果でございます。  まず最初に、交通不便地域の定義としましては、鉄道駅から500メートル以遠かつバス停から300メートル以遠。今までは水平距離でのお話だけだったのですが、多摩市の特色は高低差も含めなければいけないだろうということで、バス停からの高低差が10メートル以上ある地域で、まず地形的、地域的な定義をさせていただいたところでございます。  続いて、どんなところにあるのかというお話でございました。多摩市ではミニバスを含みます路線バス網が発達しておりますので、バス停がたくさんあるところでございます。交通不便地域としましては、抽出したエリアの多くが都立公園、ゴルフ場、人がなかなか住んでいない場所も多うございました。ただ一方で、起伏の大きい地区、ニュータウン通り沿いの人口が集中している地域にも交通不便地域は存在しています。  具体的にというお話ですが、桜ヶ丘地区の一部、連光寺地区、乞田地区、和田地区のそれぞれ一部が入ってございます。 ◯24番(藤原マサノリ君) 地域密着型交通というと、今全国でいろいろなのが出てきているみたいです。ミニバス、コミュニティバス以外にもいろいろなものが出てきているので、市側としてはどんなものを把握されているのか、その種類がいろいろあると思います。  それから、いろいろな種類の中で共通する課題がどんなものがあるのか、どう認識しているのかお聞きしたいと思います。 ◯都市整備部長(森田佳宏君) 地域密着型交通という意味合い、定義でございますけれども、公共交通には鉄道やモノレールといった幹線交通がございます。この幹線交通に接続して支線の役割を担うのが支線交通、フィーダー交通という言い方をしています。公共交通の利便性を向上させるためには幹線交通だけではなくて、それに接続する、より家に近い、地域に密着した支線交通網を構築することによって、人の移動が円滑に図られ、公共交通網の利用促進につながると言われています。  多摩市では支線交通網はミニバスを含みます路線バス網が担っていると考えておりますので、地域密着交通は何かと言われれば、バス路線と考えてございます。  ただ一方で、今ご質問ございましたように、さまざまな交通手段が出てきております。これからさまざまなご要望、市民の高齢化や都市構造の変化によってニーズが変わってくる中では、例えば新たな地域密着型交通の手段としてはIoTを使った小型のデマンドバスやワンボックスタイプのデマンドタクシー、自動運転を使った小型モビリティーといったものも考えられるかと思っています。これからはそれを運転する人自体が少なくなってきている中では自動運転やIoTの技術革新によりまして、いろいろ選択肢が出てくるかと思っております。  課題でございますけれども、今申し上げました地域密着をどう担っていくかも1つあろうかと思いますし、現状、ニーズの捉え方もこれからよくよく皆さんのお話もお伺いしながら、どういうものが指摘されているのかを捉えていく必要が出てくるかと思っております。 ◯24番(藤原マサノリ君) 自動運転化といってもまだ少し先でしょうから、ドライバーも含めた担い手が大きな課題だと思います。  さて改めて確認をしますけれども、8月22日、生活環境常任委員会と桜ヶ丘の地域の皆さんとのやりとりをさせていただきましたけれども、そのときに事前に出てきた要望書がありましたが、改めてどのような中身だったのかという認識をお聞きしたいと思います。 ◯都市整備部長(森田佳宏君) 今、お話に出てきました要望書でございます。この要望書は桜ヶ丘住宅地区交通アクセス充実に関する要望書で、平成30年2月26日付で多摩市長及び多摩市議会議長宛てに桜ヶ丘自治会長との連名で提出されているところでございます。  要望書の概要としましては、地域の集会所やコミュニティセンター、バス停に自宅から向かうことが困難な人が増加していることから、ワンボックス型乗用車両の導入を図り、桜ヶ丘住宅地域内の交通環境を改善し、地域の交通の利便性の向上と福祉行政充実を実現してもらいたいという趣旨のことが記載されていたところでございます。  これを受けて多摩市がどう考えているかでございますが、桜ヶ丘地域の方々とはいろいろな場面でお話もさせていただいております。地域の方々が地形的なところで大分高齢化が進んで、なかなか思うところに行けない、思うように動けないというお話をお伺いして、切実な問題だと捉えているところでございます。  今回の要望書のご意見については、我々としても真摯に受けとめていくところでございます。 ◯24番(藤原マサノリ君) 先ほどの市長からの第一答弁もありましたけれども、桜ヶ丘地区で実施されたオープンハウス、ワークショップがありました。私はこのときどうしても行けなかったのですけれども、いろいろな意見が出たということは地域の方からお伺いしましたが、市は出た意見をどんな集約をされているのか、改めてこの場でお聞きしたいと思います。 ◯都市整備部長(森田佳宏君) 今、お話の公共交通網再編実施計画策定に向けたオープンハウスというところで、本年9月11日にゆう桜ヶ丘で実施させていただきました。延べ30名以上の方々に参加いただきまして、貴重なご意見を頂戴しております。  主な意見としましては、バス停と自宅の間の坂道の上り下りがきついお話や団地内の勾配がきついので、集会所やコミュニティセンターで開催される催しものにいけない、あるいは交通インフラがバス通り、尾根道に集約されているので、そこまでもなかなか行けない。あるいはミニバスでなくてワンボックスにして、地域内を細かく頻繁に通ってもらいたいというご意見が出ておりました。  こういったご意見につきましては今まとめておりまして、他の地区のワークショップを含めて取りまとめを行っているところでございます。 ◯24番(藤原マサノリ君) 回り道をしたようですが、森田都市整備部長と全国的に共通する課題、地域の課題を今共通認識、共有できたと思うのです。  全国ではいろいろな地域の知恵と工夫でさまざまな取り組みが行われていて、1つ紹介したいと思うのですが、福岡県筑紫野市では自治会による移送サービスが始まりました。これは主に高齢者を対象とした事業だそうですが、自治会で車を所有する。自治会の運営で地域の高齢者を買い物や病院に送迎するサービス。自治会、町内会は車の購入費や維持費に対して一部補助金をもらうと。  これが先行事例なのですが、課題も1つあるということだそうです。1つは運営主体が自治会、町内会ですからいろいろな負担が避けられないということ。例えば車のメンテナンスや駐車場の問題。2つ目は運転手不足だそうです。現実にはシルバー人材センターにドライバーを依頼しているそうです。3つ目の課題は民間のタクシーやバスの経営の圧迫、その経営を圧迫、バッティングしないように地域をうまく上手にやっていくというこの3つが課題だそうであります。  町内会単位で車を買って、シルバー人材センターの方々に運転をお願いする。自分たちで負担はふえるけれども、ワンコインはやめて、大型バスやミニバスが待っていられない、自分たちでやるしかないという話が始まっているのです。ちなみに平成3年に地方自治法が改正されたということで、町内会でも認可団体として法人格を得て、車を取得できるようになったということだそうであります。こんな動きが始まっています。このあたりをどう感想を持っておられるか、聞きたいと思います。 ◯都市整備部長(森田佳宏君) 今、ご紹介いただきました交通手段、手法でございます。地方部、特に中山間地域で公共交通に乏しい地域、例えば1日にバスが数本しか来ない、あるいはバス便がないという地域で自主運行という形で住民の方々が運営している事例があると聞いているところでございます。  今、ご紹介の筑紫野市のバスについても、ちょうど路線バスが廃止になったことをきっかけに、こういった自主運行が始まったというお話を聞いております。こういったこと直ちに多摩市内で実現できるかといいますと、先ほど藤原議員おっしゃっていただきましたように、運営主体の話や運営経費、大小さまざまな解決しなければいけない課題があることで、なかなか容易にはいかないかと感じてございます。
     一方で、新たに地域密着交通の担い手では、地区住民の発意で提案がある可能性もございますので、先進事例などの研究などもしていきたいと思っております。ちなみに少し近いところでは、例えば埼玉県の日高市でもそういった取り組みも行われているようでして、ご紹介させていただきますと、地域自主運行として自治会で5人乗りの乗用車タイプを使ってやられていると。運行を始めてから3年経過しておりますので、大分実績もついてきているので、こういったところも参考にしながら、これからどういうことができるか検討したいと考えております。 ◯24番(藤原マサノリ君) 群馬県伊勢崎市では自治会の運営が成り立たなくなったということで、65歳以上の運転免許のない高齢者の方にタクシーチケットを配ったりいろいろなことをやっているみたいですけれども、今、桜ヶ丘の方々の意見も聞いてもらって、交通再編実施計画の策定作業を進められていると思うのですけれども、新たな発想で進めていかないと、結局は何も動かないことになってしまうと思うのです。  自動運転化によってコストが下がる、担い手が何とかなるといっても、まだ先のような気がするのです。行政がこういうときはしっかりとリードして、時代をつくっていかなければいけないと思うのですが、この再編実施計画の策定においては、どんなところがポイントになるか先にお答えください。 ◯都市整備部長(森田佳宏君) 公共交通網再編実施計画は市民の皆さんの交通のお困り事をどう解決していくかという視点で計画をしているところです。公共交通網、先ほどお話ししたようにバス網もございます。バス路線で国の認可やさまざまなものがあって、一朝一夕でぐるぐる変えられるものではないところで、今回公共交通網再編実施計画をつくるに当たりましては、国や警察の関係者も集まっていただいた協議体も使いながら進めているところで、それを機にバス路線、ミニバス路線も含めましてどういうものがいいのか、少し考えていくとお話ししたところでございます。  そういったものを踏まえまして、例えばミニバス路線を少しやめて、そこに新しいものをつくることも可能性としてはなくはないと思っておりますので、どういう可能性があるのか。自動運転はまだまだ先だというお話でありますけれども、きのうお話ししましたとおり、国のスケジュールではもうすぐ迫っているところもございますので、いろいろ考えていきたいと考えてございます。 ◯24番(藤原マサノリ君) この問題では最後にしますが、常日ごろ私は委員会でも、これからの地域交通の視点には福祉の視点を入れないとやっていけないでしょうと言っています。  先ほど言いましたまるっと協議体との連携での議論はどうなっているのか、ついでにお聞きしますが、社会福祉協議会の協力体制はどうなっているのか、お聞きしたいと思います。 ◯議長(岩永ひさか君) 井上健康福祉部長。       (健康福祉部長井上勝君登壇) ◯健康福祉部長(井上勝君) まるっと協議体でございました。名称もございますので、まるっと協議体は2025年に向けて地域包括ケアシステムの基盤づくりのために設置し、地域の支え合い、生活支援、居場所づくりなど地域に必要なサービスの創出を目指した介護保険法の地域支援事業の生活支援体制整備事業でございます。まるっと協議体では、住民、団体、民間事業者、NPO、地域包括支援センターなど18団体で構成し、4つの分科会で活動しているうちの1つで、移動の分科会ということで取り組んでございます。  この中では、道路交通課の地域懇談会の開催の中に、高齢支援課、まるっと協議体を構成している第1層、社会福祉協議会に委託をしている第2層の職員も参加させていただき、公共交通網の再編計画のために道路計画を主催した先ほどの会に出席しながら、高齢者の状況をパネル展示させていただいたところでございます。  こうした中でも第1層のメンバーの中に、ご紹介のありましたシルバー人材センターや社会福祉協議会も構成メンバーとして入ってございます。ただ、体制としてとなりますと、実際には市で一時、総合福祉センターの送迎の関係でシルバー人材センターに委託していた運転手の問題も、関係法令の関係でその場での指示の難しさもございます。  法令の難しさはございますけれども、福祉輸送運送ではなくて、また何か新たな方法で考えていく、地域の移動支援も必要だろうと一緒に検討させていただいてございます。 ◯24番(藤原マサノリ君) 地域交通の移動手段を主に今回質問させていただいたので、福祉の移動手段となると必ずしも一緒にならない部分があると思います。というのは、車に乗りおりされるのも大変な方もいらっしゃるから、福祉の視点を入れていってやっていただくのは必要なのだけれども、あまり全部を一緒にしてしまうと両方が成り立たなくなるので、そこは上手に連携しながらやっていただきたいということだけ申し上げておきます。  3番の尾根幹線道路の整備について、12時までに終わりそうにありませんので、少しゆっくりいきます。  まず、尾根幹線道路の整備事業についてですが、せっかくの機会ですから、この機に改めて着々と進んでいる工事の進捗状況をお聞きしたいと思います。 ◯議長(岩永ひさか君) 森田都市整備部長。      (都市整備部長森田佳宏君登壇) ◯都市整備部長(森田佳宏君) 尾根幹線道路整備スケジュールのお話でございますが、南多摩尾根幹線の整備は、現在ぐりーんうぉーく多摩付近の仮称唐木田3丁目交差点がございます。そこから仮称大妻女子大学前交差点、これまでの約0.9キロの区間について車道の4車線化工事が進められているところでございます。大分形も整ってまいりました。  また、南野3丁目の総合福祉センター前交差点から聖ヶ丘5丁目の多摩東公園交差点までの約5.5キロにつきましては、現在都市計画変更手続を進めているところでございます。  都市計画変更の内容としましては3点ございまして、1点目は車線を4車線化します。2点目が道路構造の変更です。今まで掘割構造だったものを平面構造に変更します。3点目はちょうど鎌倉街道交差点を立体交差にするということで、立体交差化の部分で3点の都市計画変更の内容があるということでございます。  現在、都市計画変更案の公告縦覧が行われておりまして、多摩市長あるいは、市民の皆さんから提出された意見書を踏まえまして、東京都都市計画審議会でこれから審議されるとなっていくと思います。今年度中には都市計画の変更を決定して、平成37年度の完成を目途に、来年度から工事着手を進めていきたいと東京都からお伺いしているところでございます。 ◯24番(藤原マサノリ君) 多摩ニュータウン再生推進会議では、どんな議論がなされているのか。この4車線の問題と環境アセスメント、沿道の土地の問題やいろいろ出てきていると思いますが、お聞きしたいと思います。 ◯都市整備部長(森田佳宏君) 多摩ニュータウン再生推進会議におきましては、2040年代の多摩ニュータウンのどういうあり方、持続可能なまちにしていくかを中心に議論していただいてございます。  今、平成28年度に作成しました多摩市のニュータウン再生方針においては、尾根幹線の沿道開発はニュータウン再生におけるリーディングプロジェクトの1つと位置づけているところでございます。  多摩市のニュータウン再生推進会議では、現在尾根幹線道路の整備にかかわる情報共有を行っている段階でございまして、今後はニュータウン再生推進会議において、尾根幹線の整備状況の進展も踏まえながら、ニュータウン再生方針に示されている尾根幹線沿道の土地利用に関する検討を進めていくとなってございます。 ◯24番(藤原マサノリ君) 沿道の土地の利用の検討を進めていくとはどういうことですか。土地の利用転換の検討状況は今後どうなるのか、もう少し突っ込んで教えてもらえないでしょうか。 ◯都市整備部長(森田佳宏君) 沿道の利活用、土地利用転換と言われております。現在の住宅地、低・未利用の土地をどう生かしていこうかが、これからの土地利用転換の議論の的なのかと考えてございます。  沿道地区におきましては、将来的には今お話ししたように土地利用転換の可能性が高い、出てくるということで、想定されるのは都営住宅の建て替えによる創出地が出てくるかと思っております。都営諏訪団地の建て替え事業が着々と進められておりますが、まだ、現在創出地がどこになるのか、どれぐらい出るのかは示されておりませんので、我々も確認できておりません。  このため、現在具体的な検討はまだまだでございますが、今後は都営住宅の建て替え事業の進捗、その他の状況も踏まえまして地権者の東京都やさまざまな方がいらっしゃいますが、地権者と一緒に協議体をつくりまして、尾根幹線の沿道をどうしていくか、合意形成も図りながら進めていきたいと考えてございます。  また、東京都のグランドデザイン、東京都のニュータウン再生ガイドラインでも、尾根幹線沿道についてはイノベーションゾーンで、さまざまな先進技術を持った事業者に来てもらいたいというお考えも出ておりますので、そういったことも含めての検討になるかと思っております。 ◯24番(藤原マサノリ君) 実は1つ残念なことがあったんです。森田都市整備部長、渡邊交通対策担当課長、飯島ニュータウン再生担当課長もご出席でしたが、11月12日に第1回都市計画審議会がありまして、そこで出席した私、議員もほかにいらっしゃいましたが、工事に伴って都市計画変更の話や工事の進捗状況の説明が細かくされたのですが、その後の質疑に移ったときに、尾中先生から提案があったのです。どんな提案かというと、今我々がやっているような尾根幹線道路の沿道の土地について、ここは将来有効に活用すべきであるという意見を尾中先生が言われたのです。私も全く同じことをいつも考えていましたから、その日の審議内容とはそぐわないと思って黙っていたのですけれども、尾中先生からそんな発言があったので、そうであるならば尾根幹線道路沿いにはどうしても将来公共交通機関の計画が必要なのではないですかと言ったのです。東京都の中でどんな議論が進んでいるのですかと投げかけたのですけれども、会長代行の西浦先生は非常に理解を示していただいたのですが、残念ながら会長はあまりいい反応ではなかったのです。  会議が終わってから会長のところに行って、どうなのですかと言ったのですけれども、一蹴された、その後議論に全くのせないという話だったのです。冷たいなと思って残念でした。その翌日ぐらいに前都議会議員と夜一緒だったものですから、こんな話があったのですと言ったら、いや、それは違う、間違っていると。紙ベースで東京都と多摩市の議論で残っているわけではないけれども、明らかに沿道の土地の有効活用のためには、公共交通機関の何らかのものは将来計画していく必要がある議論は間違いなく行われてきているということがあったので、今回一蹴するのはおかしいということだったので、今回改めてお聞きしているのです。  もちろん都市整備部長がおっしゃったように、これからどんな施設が来るのか住宅なのかよくわかりませんけれども、土地利用が先なのか、公共交通機関が先なのか、どちらが先なのかという議論はあるかもしれません。ただ、どちらにしても沿道の土地のにぎわい、雇用の創出はどうしても必要でしょうし、そのためには公共交通機関は切っても切り離せない話だと思います。改めて認識をお伺いしたいと思います。 ◯都市整備部長(森田佳宏君) 今、いろいろお話もいただきました。公共交通を考えるときに土地利用が先か、まちづくりを考えるのに公共交通が必要かというお話もあろうかと思います。まちづくりにおいては交通計画が重要な要素でありまして、まちづくりの根幹をなすものと認識してございます。  ただ、公共事業の持続性を考えますと土地利用、土地活用に伴うニーズ発生を受けてから検討していくという方法も1つあると思います。ただ一方で、土地の利活用を事業者等に促していくためには、交通手段を整えていくという方法もあろうかと思います。これを言ってしまうと鶏と卵の話になってしまうのですが、そういったことも踏まえまして尾根幹線の沿道のお話につきましては、沿道土地の利活用の方向性の議論を踏まえて交通手法も一体的に検討していく必要はあろうかと考えております。  沿道のにぎわいや雇用の創出に交通問題は欠かせないと思います。ただ、それがこれからどう利活用、土地利用転換していくのかがはっきり定まっていない中では、今のところまだそういう議論ができないということで、中林委員長もそういうふうなお考えだったのかと思ってございます。 ◯議長(岩永ひさか君) この際暫時休憩します。          午前11時59分休憩     ──────── - ────────          午後1時00分開議 ◯議長(岩永ひさか君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 ◯24番(藤原マサノリ君) 4年前の選挙のことを思い出したのです。4年前の私の選挙のときに、尾根幹線沿いにある、ある会社に挨拶に行きました。私の後援会長は前の収入役の中野氏ということはご存じだと思うのですが、そこの会社の社長を知っている、従業員にも多摩市の方がいらっしゃるというので挨拶に行ったのです。いろいろな話をしていたら、最後に別れ際に社長が、実はここを引っ越したいと思う、と言ったのです。  4年前の話で、中野氏もいました。どうしてですかと言ったら、「帰りに見てください、渋滞していてトラックの出入りができない。トラックが帰ってくるのも出ていくのも日中渋滞、渋滞でどうしようもない。」と、引っ越しを考えているのだと言うので、えっとびっくりして、ちょっと待ってください、実はこれから工事が始まります。うそではありません、何だったら市に電話して聞いてくださいと納得してもらって、そのことがきっかけで残ってくれたかどうかわからないけれども、少なくともそのときには、そこの会社の経営者は尾根幹線の状況を知りませんでした。たまたまタイミングよくてよかったと思います。  もう1つ、10年ぐらい前になるでしょうか、今の小野路のラグビー場のところに宅急便の配送センターが来るという話がありました。地元の地主が先頭になって反対運動が起きて、小野路の静かなところに、ただでさえ目の前の尾根幹線がうるさいのに、トラックが出入りするのは困るといって話が立ち消えになりましたが、そこの間に入ったディベロッパーが私のところにも来て話を聞いたときに、引っ越しを考えている事業所からも、あそこに配送センターを持ってこようと思うのだけれども、目の前の尾根幹線が渋滞しているので、二の足を踏むという空気が出始めているという話があったのです。結局それでだめになりました。  話が長くなりましたが、そういったことは解消できてくると間違いなく思います。先ほど森田都市整備部長の答弁でもあったように、住宅ができるのか、商業施設ができるのか、学校ができるのか、研究所ができるのか、企業が来るのかわかりません。いつも渡辺しんじ議員が言っているように道の駅が来るかもしれないし、成り立つか成り立たないかわからないけれども、何かが来てもどう考えたって公共交通機関は非常に重要だと思うのです。  だから、都市計画審議会の会長がそんなこと知らないみたいな話をしたのは、私はすごくショックでした。例えばBRTが成り立つかどうかわからないけれども、東京都との水面下でのBRTの具体的な計画の話し合いはどうなっているのでしょうか。 ◯議長(岩永ひさか君) 森田都市整備部長。      (都市整備部長森田佳宏君登壇) ◯都市整備部長(森田佳宏君) 今、BRTというお言葉もいただきまして、尾根幹線にBRTが必要かどうか、これからのさまざまな土地利用の形態によって異なってくると思っています。ただ、尾根幹線が今多摩市内で工事していますが、あと稲城市にも移り、最終的には相模原市から圏央道にぶつかって北のほうに延びていくという話になっていきますので、多摩地区の大動脈になっていくと考えております。  そういったところを踏まえますと、必要性が生じた場合には何らかの新しい交通システムも必要になってくるだろうと思っております。東京都でもグランドデザインの中でも道路ネットワークの充実を図るとともに、BRT等の新たな交通モードが導入できる環境を整えますと言っておりまして、尾根幹線にそういうのができるかどうか。今はまだそういう企画がございませんので、現状の需要で導入整理を進めているという状況でございますけれども、東京都の見解もそういうものが計画された段階では、尾根幹線の今の道路敷地内で導入空間が確保できると考えていると伺っております。 ◯24番(藤原マサノリ君) 確保ができるのでしょうか、それならいいですけれども、この間11月12日の都市計画審議会に行ったときに、コンピュータグラフィックで見させてもらいました。私は形がコンピュータグラフィックどおりだったら、BRTの全然余裕がないし、どちらかの歩道を潰すならいいけれども、今だったらモノレールだったらできるかもしれないけれども、輸送量が全く違うし、今つくるに当たっては、将来のことを考えた、余裕を持たせた構造をどうしてつくっておかないのかと森田都市整備部長に帰りがけに言ったと思うのです。  その辺がないとまた卵が先か鶏が先かではないけれども、どういう施設が来るか来ないか。公共交通機関は同時並行で進めなければいけないと思うのです。そういうことを考えていくと、前もってBRTも敷けるような構造をどうせつくるならば、そのときになってまたぶっ壊してつくり直すのは大変だと思うのです。私はそのことを言っているのですが、どうですか。 ◯都市整備部長(森田佳宏君) 道路の構造の詳細な設計は東京都のほうでやられております。私も詳細のところは存じないところですので、東京都のおっしゃる導入の確保はできるというお答えが、どういう趣旨としてやられているのか把握しておりませんけれども、道路幅、道路敷、全体に道路ができている状況ではありません。先ほどお話しした中央分離帯ののり面もあるだろうと、そこを使いながらということかもしれませんけれども、何らかの形で空間の確保はできるだろうと東京都もお考えと認識はしてございます。 ◯24番(藤原マサノリ君) 路線バスをとりあえず敷けばいいではないかと言うと思うのです。路線バスだと2車線ですから、停留所は引っ込めて少し歩道に乗り上げてやるでしょうけれども、どうしてもずうたいの大きなバスですから、発着にどうしてももたもたしますので、後ろに渋滞が来ると思うのです。そういう中途半端なことはしないで専用のバスレーンを設けてはどうかという提案なのです。  きょうはお口の健康から始まって移動手段の問題から、この尾根幹線のBRTも含めた土地の有効活用が5年後、10年後を見据えたときに、ポジティブに動いていかなければいけない話だと思います。今がどうだからということではなくて、5年後、10年後、市長も私も今のことをやっているかわからないけれども、先々を考えたときにはしっかり取り組むべきだと思っています。  お口の問題でもいい、移動手段の問題でもいい、尾根幹線の問題でもいいですが、市長のご意見を伺って私の一般質問を終わりたいと思います。答えられる範囲で結構です。 ◯議長(岩永ひさか君) 阿部市長。        (市長阿部裕行君登壇) ◯市長(阿部裕行君) 何の問題でも結構とは言われましたけれども、最初に質問者がおっしゃられたお口の健康については、本当に経済誌のランキング、口の健康を大切にしておけばよかったという思いがある。それがトップに出ている。私も健幸都市を掲げている、それは私だけではなくて14万8,000市民の皆さんが一番大事に考えていることなので、特に口腔ケア含めてしっかり取り組んでいきたいなと。近隣の自治体などでも条例をつくっておられるところもあると伺っておりますので、そうしたところはしっかり勉強しながら、多摩市がナンバーワン、本当にそのとおりだと思いますので、しっかり進めていきたいと。  それから、交通については待ったなしだと思います。いろいろな全国の事例もありますので、多摩市ならではの、確かに自動運転、時間は若干かかるのかもしれませんし、それも見据えながら桜ヶ丘はじめ自治会の皆さんが具体的に提案されていることもあるので、そうしたことをベースに進めていきたいと思いますし、最後のお話は特に三多摩地域の南北の交通のアクセスには何とか導入していきたいという気持ちもありますし、東京オリンピック・パラリンピックのときにはBRTを含めて実験でいいから、多摩のほうにも来させてみたいという気持ちもありますので、そういうことも含めていろいろとアドバイスと協力をよろしくお願いしたいと思います。 ◯議長(岩永ひさか君) 藤原マサノリ議員の一般質問は終わりました。    ──────────────────── ◯議長(岩永ひさか君) 次に、岩崎みなこ議員の発言を許します。5番岩崎みなこ議員。      (5番岩崎みなこ君質問席着席) ◯5番(岩崎みなこ君) 岩崎みなこです。1つ質問させていただきます。  障がいのあるないにかかわらず全ての子どもが性暴力に遭わないため性的自己決定権の確立を!  昨年、2017年6月、刑法の性犯罪規定が改正され、改正刑法が成立しました。刑法は、2017年まで抜本的改正が全くなされてきませんでしたので、明治時代の制定以来、なんと110年ぶりに初めての改正です。  この改正で、女性に限られていた性被害者がようやく男性も含まれるようになりました。同時に、子どもへの「性的虐待」が厳罰化され、親などが監護者として18歳未満の子に性的虐待を行った場合、被害者の告訴がなくても処罰の対象になることが新たに盛り込まれました。  ベトナムの小さい女の子がPTAの会長に殺されるという事件が日本じゅうを震撼させたことは、まだ私たちの記憶に新しいと思いますが、今回の改正では教師、指導者などからについては含まないという問題が残っています。  先日、会派でワンストップの性暴力救援センター・大阪SACHICOの阪南病院を視察しました。そこの産婦人科、加藤治子医師は、子どもが生きていく上で信頼を寄せるべき相手からの性的な行為が、今の日本社会で多く起こっている。さらに、大人からだけでなく中学生、高校生の中に被害、加害があり、子どもの置かれている環境、社会が安全でない。じゃあどうすればいいのか、加害者を捕まえること以上に大事なのは「子どもたちに力をつけること」と言っています。  加藤医師は、中学生も含む10代の思いがけない妊娠の背景には、望まない性交、すなわち性暴力があることを大人は重く受けとめなければならない。また、報道などされた事件に、大学生が女の子とお酒を飲み性暴力が起きたというのがある。しかし、問題は集団でいても誰もとめない、彼らに基本的な性に関する認識がない、勉強はさせても性について教育せずに大きくしてしまった大人の責任というしかない。  女性に対し、あるいは人に対し自分の思いを押しつけてはいけない。誰かの身体を同意なく触ってはいけない。たとえ同意があっても酒を飲んで酔わせていれば真の同意とは言えないというような基本的なことを親も教師も社会も教えずに育ててしまったことを反省しなければならないとおっしゃっています。  魂の殺人とも言われる人権被害の性暴力を引き起こす未来の大人を生み出さないため、人間は性を理性でコントロールできることを理解することや、「同意」とはどういうことか、大人は全ての子どもに伝えるべきです。  かわいい、好きと優しく言ってくれただけでこの相手と性交していいのか。性的自己決定権の確立がとても大切です。この自分で選ぶ、決める力はそう簡単に身につかないのです。  もし、自分のことを大事にしてもらえないような差別されてきた自己肯定感の低い子どもたちには、性が大事なものであることを社会が丁寧に伝えていかなければならないのです。  社会の子どもたちや、より脆弱で性暴力に遭いやすい障がいのある子どもたちを性暴力から守るために何をなすべきか行政、教育委員会が認識していることが重要です。  私は、6月の一般質問で子どもたちが豊かな人生を送るため、義務教育期間に教育指導要領に頼るだけでない人権教育として性教育を行うことの重要性を訴えました。  今回は、責任ある大人が性暴力の加害、被害を生まないため、さきの質問を踏まえつつ質問させていただきます。  1、健常児以上に障がいのある子どもは性暴力に遭いやすく、望まない妊娠に至る危険も大きいと思うが、認識を伺います。  2、健幸都市を自認する多摩市です。子どもたちの性と生殖に関する健康と権利、リプロダクティブ・ヘルス&ライツ、性的人権の確立のためには、保育園・幼稚園の段階から性教育、人権教育に取り組むべきと加藤治子産婦人科医、オランダの性教育に詳しいリヒテルズ直子氏などが言っていますが、認識を伺います。  3、憲法の法の下の平等、子どもの権利条約の精神にのっとり記載された児童福祉法を踏まえ、今後、多摩市は差別解消条例の取り組みも始まると思うが、リヒテルズ直子氏は「性教育は障がいのある子どもにこそ必要」と言っています。なぜなら、障がいのある子どもの場合、性的な接触や虐待があっても、性的行動と虐待の知識、情報から遠ざけられているため、認識が困難、衣服の着脱、風呂、トイレなどの身の回りの介助があると身体接触が日常化しているためなどがあります。  多摩市教育委員会は、障がいのある子どもたちにどのように性暴力について伝えているのですか。  4、障がいのある子どもたちの性教育はとても重要です。オランダはより本物に近いもので正しい性教育を行っています。  以前、都立七生養護学校で、知的障がいを持つ女子生徒が男子生徒と性関係を持った出来事を受け、「こころとからだの学習」と名づけられた教員と保護者で考えた知的障がい児のための性教育プログラムでは、男性器、女性器の特徴を模型を使ってわかりやすく伝えていました。  障がいのある子どもに対し、視覚、聴覚、知的、精神、身体などそれぞれ異なる障がい、ニーズに合わせたわかりやすい性的発達支援は性暴力防止の点からも必要です。  多摩市の対策、対応は現状どのようなものか伺います。  5、性暴力、性虐待から子どもたちを守るために、前出の加藤先生がおっしゃっている「子どもたちに力をつけること」とはどのようなことと思うか伺います。  6、視察先、性暴力救援センター・ウィメンズセンター大阪の事業として、子どもへの暴力防止プログラム・CAPを提供しています。  性的自己決定権の確立のため、幼保小の連携の取り組みや特別支援教室などで発達年齢を考慮したCAPの就学前プログラムや障がいのあるプログラムなどの実施は有効と思うので提案しますが、いかがでしょうか。  以上、ご答弁をいただいた後、再質問させていただきます。 ◯議長(岩永ひさか君) 阿部市長。        (市長阿部裕行君登壇) ◯市長(阿部裕行君) それでは、岩崎議員のご質問にお答え申し上げます。  1の1についてお答えします。  健常児以上に障がいのある子どもが性暴力に遭いやすく、望まない妊娠に至る危険性が高いかどうかについては、本市では実態把握はしておりませんが、内閣府が実施した実態調査や民間団体の実施した調査報告書等で性暴力を受けたなど、その危険性が高いことについては指摘されているところです。  警察庁の「平成29年度犯罪被害類型別調査・調査結果報告書」では、性的な被害を受けたのは小学生から20代前半が多くなっていると報告されています。  また、障がい児・者への性的虐待の報道は、いまだにたびたび目にするところです。  障がいによっては、被害があったことを訴えること自体が難しい方もいることなどをあわせて考えれば、障がいのある子どもが性暴力被害に遭う危険性が高いと認識しています。  2についてお答えします。
     保育園、幼稚園という乳幼児時期の段階から「自分の心や身体を大切にすること、そのためにも嫌なことをされたらやめて!と言うこと、相手が嫌がることは無理にしないこと、自分も友達の気持ちや身体も大切にすること」を学んでいくことはとても重要なことと考えます。  また、大人たちが子どもたちに対して、幼いころから心と身体に関する正しい知識を適切に教えていくことも重要なことと考えます。  保育園や幼稚園では、日ごろから子どもたち一人ひとりの人格を尊重し、友達と積極的にかかわりながら、喜びや悲しみを共感し、お互いを大切にすることができるよう保育を行っています。  ご指摘いただいたオランダの性教育について、十分に把握しているわけではありませんが、子どものころからの教育が大切とのご意見についてはそのとおりと認識しているところです。  3から6については、教育長がお答えします。 ◯議長(岩永ひさか君) 清水教育長。        (教育長清水哲也君登壇) ◯教育長(清水哲也君) 1の3についてお答えします。  市内小・中学校の特別支援学級では、障害の状態や生活年齢等を考慮し、小・中学校学習指導要領を基本としながらも、特別支援学校の学習指導要領を参考に教育課程を編成し、児童・生徒に指導をしています。  性教育に関しては、性暴力という名称を用いた指導は行っていませんが、関連する内容として、心身の発育状況に応じて性衝動をコントロールする方法の理解を図ったり、性被害に遭わないために見知らぬ人についていかない等の方法を身につけたりする指導を行っています。  4についてお答えします。  性教育に関しては、障害の有無にかかわらず発達段階や特性、指導形態に十分配慮して実施することが重要です。  例えば、小学校の特別支援学級では、自分や友達の性別を理解するために、日常生活の指導において、トイレや更衣等具体的な場面を想定し、適切な対応の仕方や公共施設の使い方になれるための体験的な学習をしています。  また、中学校の特別支援学級では、身体の発達に違いが出たり、男女ともに心身に大きな変化があらわれたりする段階であることを踏まえ、男子及び女子の生殖機能の発達、自分の気持ちや行動をコントロールする方法、対人関係における礼儀作法、支援要請の仕方をロールプレーなどを用いて学習しています。  5についてお答えします。  性暴力や性的虐待から子どもたちを守るために必要な力とは、自己の判断により主体的に行動できる力であると考えます。  具体的には、子どもたちが今後日常生活を営む上で性暴力を含む困難な場面に直面したときに、みずから身の回りの信頼できる大人に助けを求めたり、その場から離れたりするといった危機を回避する力を身につけることが大切であると考えます。  6についてお答えします。  今年度から始まった保幼小連携推進事業では、就学前教育と小学校教育の円滑な接続について検討しているところですが、その中でも子ども自身が困ったことを伝えられる力はとても重要と捉えています。  また、同様に子どもたちのコミュニケーション力や円滑な集団生活を送るための力を整えることも重要と考え、既に「かがやきプログラム」を実践しています。  ご提案のありましたCAPプログラムはロールプレーを取り入れた内容であり、現在、取り組んでいる「かがやきプログラム」や「セーフティ教室」と共通する部分もあります。  子どもたちが「困ったことを伝えられる力を培う」ことは重要であることから、今後も「かがやきプログラム」や「セーフティ教室」の充実を図り、子どもたちの危機回避能力を育んでまいります。 ◯5番(岩崎みなこ君) 再質問させていただきますけれども、1で認識はしているとご答弁があったと思います。どう認識しているなら対処してくれているのかが重要かと思うのですけれども、3に飛んでお聞きしたいですけれども、答弁に性被害に遭わないため見知らぬ人についていかないなどと述べていましたけれども、性暴力に関していえば見知らぬ人よりも見知っている、近しい人のほうが多いのが現実ですけれども、その認識はあるのでしょうか。 ◯議長(岩永ひさか君) 山本教育部参事。       (教育部参事山本武君登壇) ◯教育部参事(山本武君) 性暴力に遭う場合の見知っている人からのご質問ですけれども、私も今回の質問を受けましていろいろと調べてみましたけれども、顔を知っている人からの被害も現状としてかなりあることを把握することができました。 ◯5番(岩崎みなこ君) あることを認識していただいた上で答弁が、見知らぬ人についていかない方法を身につける指導を行っているというのは、いささか矛盾するかと思いますけれども、難しいところもあります。障がいのある子どもに関してはいろいろ偏見、差別があり、例えば教えても効果がないのではないか、必要がないのではないか、そういう目に遭わないのではないかということもありますが、そういう認識があるということでしょうか。 ◯教育部参事(山本武君) 顔を知っている方からの性暴力を受ける可能性について教えていくことは当然必要だと思いますが、すごく難しい問題だと思います。どういうことかというと顔を知っている人も疑わなければいけない、知らない人も疑わなければいけない。誰を信じていいかということになってくるかと思います。  障害の有無にかかわらず、その人との関係性や知っている程度によって、例えばすぐに手をつかまれない対処の仕方を学ぶなどの、連れ去りにつながらない対応をとることは今でも小学校ではセーフティ教室などを通じて教えていますので、そんな形の対応を行っていくことが必要であると捉えてございます。 ◯5番(岩崎みなこ君) 連れ去りではなく性暴力の場合は近しい人で、ある程度信頼関係があったりする場合に起こるという意味でお聞きしましたけれども、いろいろなケースが多分あるからなかなか難しいとおっしゃりたいと思いますけれども、逆に障害がありますと抽象する力、イメージする力、応用する力がなかなかなかったりして、かえって被害に遭いやすいこともあると思いますけれども、教育委員会ではいろいろな差がある、いろいろな人がいる認識の中では、性暴力については今後とも教えていかなければいけないという認識は持っているでしょうか。 ◯教育部参事(山本武君) 連れ去りに関しましては性暴力だけではなく、命にかかわることもありますので、しっかりと伝えていかなければならないと思っています。障害の有無にかかわらず共通して言えることではないかと捉えてございます。  また、障がいのあるお子様が性暴力に遭いやすいこともありますし、他の自治体では性被害という言葉を使っていますけれども、性被害に遭わないためにどういう行動をとるのかロールプレーなどを用いて実践している事例もありますので、参考にさせていただくことは今後必要になってくるかと捉えてございます。 ◯5番(岩崎みなこ君) 先ほど誰を信じていいのかわからないとおっしゃいましたし、誰を信じていいというよりは、そういう人も中にはいるのだと踏み込んで教えていかなければ、暴力に遭っていいことにはならない。性暴力にできないものはある程度諦めるしかないわけにはいかないので、そのことは重々お伝えしたいと思いますけれども、刑法は同意年齢を13歳にしていますけれども、それは障がい者の方も同じでしょうか。 ◯議長(岩永ひさか君) 須田教育部長。       (教育部長須田雄次郎君登壇) ◯教育部長(須田雄次郎君) 大変申しわけありませんが、13歳で同じかというところまでは、今詳しく承知しておりません。 ◯5番(岩崎みなこ君) 私も調べた範囲では13歳以外の数字が出てこなかったので、それ以外があるとは逆に認識しないで、13歳だと思って教育委員会も対処していただきたいと思うのですけれども、次の答弁ではトイレ行為等具体的な場面を想定して、適切な対応の仕方や公共施設の使い方になれるための体験的な学習と書いてありましたところは、性暴力防止のいろいろな障がいがある方が公共施設の使い方を教えることなのか、私の中で理解できなかったので、どう理解していいのかお聞きしていいでしょうか。 ◯議長(岩永ひさか君) 山本教育部参事。       (教育部参事山本武君登壇) ◯教育部参事(山本武君) 先ほどの教育長の答弁に関しましては、性教育を発達段階に応じて行っていく上で、小学校では実施をしていき、だんだんと身体の発達や感情をコントロールすることを伝えていく流れの中での話でございます。 ◯5番(岩崎みなこ君) 私が聞きたかったのは、質問としてわかりづらかったのかわかりませんけれども、聴覚や身体の不自由や知的なことで理解しにくかったりという情緒がしんどい方の場合に、それぞれ対応の仕方が違うのではないかお聞きしたくて、例えば目が見えなかったらこういうものですと言っても見えないわけなので触って感じるとか、耳が聞こえないからといって、いつも池田議員が手話をやってくださっていますけれども、手話も婉曲な言葉でやるのは難しいそうで、なかなかわかりにくかったりするそうです。  あと身体にぐあいが悪かったら、いつもは介助してもらっている中で、これは介助の触り方だけれども、こういう触り方になったら違うという具体的なものが必要なのではないかとお聞きしたかったのですが、そういうことはやっていないという状況で私は認識していいでしょうか。 ◯教育部参事(山本武君) 4の質問だと捉えさせていただきましたが、視覚や聴覚に障がいのある方に関しては、その障害に応じた指導が必要になってくると思っています。先ほど議員がおっしゃられたように、実際に見えない方に関して触覚を用いる形での指導は必要になってくるかと思っております。  ただ、本市は一律の小・中学校は知的障害学級と情緒障害学級もありますけれども、情緒障害の学級に関しましては基本的には通常学級と同じ教育課程を実施しております。知的障がいの子どもたちに対しては、発達の段階、障害の状況によって繰り返し繰り返し指導したり、先ほど教育長答弁にありましたとおり、実際に体験をさせて理解してもらう指導を行っているところでございます。 ◯5番(岩崎みなこ君) 今の状況では、今の年齢で障がいを持っている低学年の年齢のお子さんにとっては、やはり知らない状況が起こっていると思いましたし、そのくらいのお子さんに性教育をしっかり教えることは難しいし、必要ないかもしれないですけれども、だからといって性暴力に遭っていいことはないので、どうしたらいいのか考えていかなければいけないと思います。  障害があるとかないということではなく、できることをやってほしいと思うのですけれども、障がいがあるお子さん、ないお子さんとか関係なく、2の設問に戻ると主体的に行動できる力をやってほしい、信頼できる大人に話して逃げてほしいと私も納得できる答弁をいただいています。  オランダに詳しいリヒテルズ直子氏は、幼少時にとにかく何を教えるかというと嫌だ、ノーということを、子ども自身に嫌なことは拒否する力を身につけてほしい。嫌だということを身につけさえすれば、性暴力に遭う可能性はがくと減るのではないかと私は思って、ノーと言う力はすごく重要ではないかと思っているのですが、その辺はいかがでしょうか。 ◯議長(岩永ひさか君) 芳野子ども青少年部長。     (子ども青少年部長芳野俊彦君登壇) ◯子ども青少年部長(芳野俊彦君) 2で幼稚園、保育園ではいろいろと自分たちの方針があるわけですが、基本的には幼稚園には幼稚園教育要領、保育園には保育所保育指針というものございます。その中で各園がそれぞれ工夫して、自分たちで独自性を生かして教育をされていると思っているところです。  ただ、保育協議会では毎年研修を実施して、常に先進的、最新の知識、情報等も皆で共有するようにして、それがいいか悪いかもあるかと思いますけれども、常に研さんを積んでいる状況でございます。 ◯5番(岩崎みなこ君) それぞれの園でということはあるかもしれないですけれども、とにかく嫌と言えることがいじめでも暴力でも、特に性暴力は知らない、見えないところで起こっていますので、その子が1人で、全身全霊で立ち向かわなければいけないわけです。  何ができるかとなると嫌と言っていいということを体で覚えておく、身につけておくことが私はすごく力になると思います。嫌と言えばいいということは、逆に言えばすごく自己肯定感が必要であると同時に、ハードルが高いのではないかと思っています。ただ嫌と言えばいいといってもなかなかできないからこそ埋もれている、いろいろなことが起こっていることが現実にあるので、どうやったら嫌と言わせられるのかすごく悩ましいところですけれども、今回たまたまこういうのをつくってくださいました。  「かがやけ!たまっこ1年生」。聞いたところでは入学準備のためですけれども、教育委員会と子ども青少年部が合作、力を合わせて結晶としてできていることがありますけれども、この「かがやけ!たまっこ1年生」、簡単に説明していただけたらと思います。 ◯子ども青少年部長(芳野俊彦君) 今回この「かがやけ!たまっこ1年生」を作成させていただいた経緯は、これまで小学校と幼稚園、保育園等が連携していなかったわけではなく、教育長答弁にございましたように、「たまっこ5歳児かがやきプログラム」等に通じて、これまでいろいろと実践してきた経緯がございます。  その中でより幼稚園、保育園、小学校、小1の壁をどうやって打破していくのかについて、どちらかというと「たまっこ5歳児かがやきプログラム」は子どもに直接語りかけるような、全部で18のプログラムがございますけれども、それではなくて今度は保護者に対してもう少しわかりやすく、実は保護者にアンケートをとった上で、この冊子はでき上がっている状況がございまして、小学校に上がるときの不安も保護者に少しでも解消してもらいたい意図で、作成されている状況でございます。 ◯5番(岩崎みなこ君) 芳野子ども青少年部長がおっしゃられたように、保護者、年長者の保護者にアンケートをとったとしてつくったというのは、リリースでも見させていただいたのですけれども、読むのは保護者で、保護者のためのガイドブックなのか、子どものためのガイドブック、どちらに比重があるのかお聞きしたいのです。 ◯子ども青少年部長(芳野俊彦君) 一言で言えば保護者に重点を置いているということでございます。 ◯5番(岩崎みなこ君) そう読み取れる部分が多かったのですけれども、保護者の要望に応えるのもすごく大切だと思いますけれども、せっかくの冊子ですので、読んだ保護者が子どもの視点に立てることが重要かと思いながら読ませていただきました。  例えば人の話を聞くことは学校生活の基本ですと書いてあるのですけれども、まずは大人が子どもの話をきちんと聞いてあげないと、子どもはそういう体験をしていないので、人の話を聞くのはなかなか難しいと思ったりするところで、もう少し子どもの視点、私が言っているのは同じですけれども、そういうことを多く書いていただけるといいなと思ったのと、もう1つは、せっかくつくってくださったものをいろいろ言って申しわけないですが、挨拶の重要性がありました。  知らない人に気をつけるセーフティ教室の部分がありましたけれども、知っている人のことが書いていなくて、先ほどの教育委員会と一緒なのかと思いますけれども、今、こういう文章があるので、読ませてもらうのですが、青木悦氏の『幻の子ども像』という文章があります。幻の子ども像というのは、親や大人が心の中に勝手につくり上げてしまうスーパースターのような子どもです。自分がそうだったとはとても思えないと思いますけれども、朝は1人で爽やかに飛び起きて、前の晩、自分で用意した清潔な衣服を順番間違えなく速やかに身につけて、忘れ物は一切ないかばんを持って元気に家を飛び出し、近所の人に会ったら向こうから挨拶されることもなく爽やかに挨拶し、友達には優しく、校庭の隅っこの小さな花にも気づいて感動し、全教科に関心を持ち、ゲームも少ししかやらず、夜は宿題をやってテレビを見ないで早く寝る。すごいです。  でも、そんな子どもはいないから幻なのですけれども、少なくとも自分がそうならなければいけないと思うと、頑張らなきゃと思ったり、親や先生から言われてしまって、もしかしたらしんどくなってしまうことがあって、学校がつらい、嫌だと思うことがあったときに、これを見るというのがもしかしたら重要な観点かと思うと、今のこの幻の子どもの中には頑張るから嫌はないのです。  でも、「かがやけ!たまっこ1年生」ブックの中にも、嫌だと言っていいとか、疲れたら少し休んでいいということはほとんどなかったのです。知っている人についても書いていなかった。  つまり踏み込まないで保護者の意向を尊重してつくったのはとても聞こえがいいのですけれども、体裁で言うよりは本当に伝えなければいけないことは、保護者に直接直球で伝えないといけないのではないか。そうしないと例えば知っている人のことも本当に起こっています。警察の数字に出てくるのは本当に数%、性暴力はそれ以上に起こっているのが実態だと言われています。  そうなると不安をあおることになるかもしれないけれども、知っている人でもこの先生は嫌い、嫌だ、こんなことを嫌だと言っていいのだと私は思っているのですけれども、どうして知っている人に気をつけなさい、子どもが嫌だと言ってきたら、知っている人でもそういうことがあることを、このページのどこにも書いていないのか。何か意図があったのでしょうか。 ◯子ども青少年部長(芳野俊彦君) これは先ほど申し上げましたように、どちらかというと保護者向けにつくられていることがございます。初めてこれをつくって先ほど市長答弁の中にございましたように、保幼小連携という事業が今年度からスタートで、内容については手前みそながらよくできていると勝手に思ってございますけれども、ご質問者にとってはまだ不十分だというご指摘と受けとめております。  ただ、8ページには例えば5番として「できません!を伝える」、知らない人とは書いてありますけれども、断れるようにしましょうと入ってございまして、これはこれで終わりでなくて、さらに改定していく中ではさまざまな意見があると思いますけれども、これから協議会を立ち上げていく予定にしておりますので、またさらにバージョンアップさせていきたいと考えてございます。 ◯議長(岩永ひさか君) 須田教育部長。       (教育部長須田雄次郎君登壇) ◯教育部長(須田雄次郎君) 補足的に申し上げますけれども、例えば5ページの下にポイントとして、困ったことを伝えられるのはもちろん、嫌な気持ちを伝えられるようになることも大事だといったことをポイントとして挙げてございます。その際の親の心持ちとして、子どもの気持ちを否定的に捉えず、共有してあげられる姿勢が大切ですということもここに記載して、小学校に上がるお子さんをお持ちの親御さんで、1人目、2人目いろいろな方がいらっしゃいますが、ベテランということではない、親になってもベテランということでもないわけですから、ともに育つという視点も含めて、この中では表現をしているところでございます。 ◯5番(岩崎みなこ君) 確かにそういうことは散りばめられていましたし、これからバージョンアップすることもあるので期待したいところですが、性暴力について踏み込まないことは誰がかわいそうな目に遭うかと、当事者は子どもだと思います。性暴力や性教育といってもまだまだ小さい年齢の方に何を力として与えるかというと、誰にも嫌と言っていいということしか言いようがなく、嫌と言えたことを褒めてあげないと、嫌と言うなんてとしてしまえば、嫌と言えなくなるけれども、嫌とよく言えたと伝えられることがすごく重要であると同時に、それが自己決定になって、自己決定の境界線を生むのだと思います。  笑われるかもわかりませんが、私が選挙に出る前に市長にお会いしたことがありました。そのときに生活者ネットワークの人が、ほら、市長よと言ってご挨拶しなさいみたい感じでした。  でも、えっという感じは私もありましたけれども、市長が手を出して握手をしようとしてくれたんですが、私は何で握手しなければいけないのかというのがあったので、拒んでおりまして、ただ、嫌とは言えませんでした。恐る恐る出したところ、市長がだめだ、握手はこれからやることが多いからきちんとやらなければと。  それ以降1回もやったことはないですが、誰とも握手はやれませんでしたが、ただ、そこの部分で握手をする距離は市長だから、市長だと思って近づいていきますけれども、そうでもない全く初めての人に会うときに、あめ買ってくれるかもしれないとか、何かくれるかもしれないと近づくことは危機管理がすごく弱いことになって危ない目に遭う可能性があることだと。もしかしたらその子どもは嫌といつも言って、嫌と言っていいといったらあの人のところに行きたくない、近づきたくないとしっかりとした境界線を育むことができます。  そのためにはこの中に散りばめられた、先ほど須田教育部長がおっしゃってくださった、親にもきちんとしてあげましょうというのではもう弱いと思います。子どもが命かかっている場所にもしかしたら遭遇するかもしれないのだったら、嫌と言える環境を何度も何度もその子に経験させてあげなければいけない。その上で自分の体は自分のものであることを伝えなければならない。自分のものとはどういうことかといってもわからないです。  よくあなたは誰のものというとお母さんのものと言うお子さんがいたりするくらい、自分のものとなかなかわからない子どももいます。そういうときに例えば自分のかばんをあけられるのは誰かと思ったら、人があけることもあるけれども、自分のものだからかばんをあけるのは持ち主、持ち主のかばんを勝手にあけるのは許可がいることを伝えてあげれば、それだけで済むことだし、体も同じだと言えると思います。  自分の体を勝手に誰かが触ることはあり得ないこと。誰かが触ったことは異常なことだとわかりますけれども、先生も親もしょっちゅう触っていたら全然わからなくなるという可能性ある。それくらい神経質に体はリプロダクティブライツと言われるぐらい、性的な自己決定のもとにあるということを子どもたちにはわからせる方法が何も難しい教材を使わなくても幾らでもできると思います。  例えば背中を押して早くと言わなくても、早くおいでと言えばいいことやいろいろなことを知っていれば、それで済むのだと私も思います。  なぜ嫌なのかを優しく触られたら嫌ではないでしょうと言ってしまったら、なかったことになってしまいます。でも、優しく触ろうが、そっと触ろうが、これは嫌だと認知する力は子どもにはあるので、それを大人がきちんとよく言えた、よくできた、逃げたと認めてあげないと、それが言えなかったら、その先にあるのはキスかもしれないし、レイプかもしれないところでは、ますます何も言えなくなってしまう。それくらい最初の最初がすごく大事だと私は思っています。  つまり初めの嫌を受けとめる大人がいて、もし逆に誰かが嫌だと言ってきたら、嫌だと言われることもあると伝える大人がいないと、加害も生まれてしまうと思います。CAPを私はよく言っていますけれども、それが結構網羅されているから、今回は全体の答弁は同じことを考えているという答弁もありましたけれども、最後のところではCAPはしませんという流れになっていました。その中で川崎市に視察に行ったときには、川崎市は権利学習でやってくれているのです。  ほかのプログラムはいろいろあります。人権のプログラムはいじめ防止のプログラムだったり、セーフティ教室のプログラムもあります。ただ、性暴力はすごく難しいので、この「かがやけ!たまっこ1年生」も大人を通して子どもに伝える形ですけれども、直接性暴力をきちんと伝えられるプログラムはCAPは有効だと私は思っています。  そして、障害があってもなくても関係なく、自分の体を絶対に触ってはいけないし、触られるときは許可が必要だということは、すごく上手に伝えられるプログラムだと思っていますし、それをもし私たちの社会は嫌と言うのが本当に言いづらい社会だし、嫌と言われたときになかなか受けとめてもらえない社会。そして、忍耐が美徳になっていたり、弱音を吐くこともできにくい。  しかし、性暴力はその構図をうまく使って嫌と言えないことを利用して、秘密を強要して、黙らせてやっているという実態があります。子どもたちもわくわくする楽しい秘密もある。でも、怖い秘密は話してほしいと言ったりしますけれども、子どもに嫌ということをとことん褒めて、それを親に伝えるような新生「かがやけ!たまっこ1年生」ブックを期待します。  もし頑張ってくださるようでしたら、もう1回答弁をいただきたい。 ◯議長(岩永ひさか君) 芳野子ども青少年部長。     (子ども青少年部長芳野俊彦君登壇) ◯子ども青少年部長(芳野俊彦君) 先ほど申し上げましたように、それぞれ冊子も目的がございますし、冊子をつくった経緯もございますので、先ほど申し上げたようにバージョンアップしていく中で、今後どのようなものを取り入れていくのかは、慎重に検討させていただきたいと思っております。決してご質問者の言っていることが間違っていると言うつもりは全くございませんので、その辺はお間違えないようにしていただければと思っております。 ◯5番(岩崎みなこ君) 子ども時代にいっぱい嫌と言えれば、今、嫌を半分ぐらいに私たちはしているのではないかと思いますけれども、子どもたちがいっぱい嫌と言わせてあげられるような、ぜひ健幸都市・多摩市になってほしいと思います。 ◯議長(岩永ひさか君) 岩崎みなこ議員の一般質問は終わりました。    ──────────────────── ◯議長(岩永ひさか君) 次に、池田けい子議員の発言を許します。20番池田けい子議員。      (20番池田けい子君質問席着席) ◯20番(池田けい子君) 20番池田けい子です。通告に基づき1問質問いたします。  1.急がれるAYA世代のがん対策、がん教育  我が国においてのがん対策は、1984年に制定された「対がん10カ年総合戦略」に始まり、10カ年ごとの戦略を立てて取り組み推進されてきました。  また、2007年4月にがん対策基本法が施行され、同年6月には「がん対策推進基本計画」により、「がん診療連携拠点病院」の整備、緩和ケア提供体制の強化及び地域がん登録の充実が図られ、死亡率の低下や5年相対生存率が向上するなど一定の成果が得られています。  しかしながら、2007年度からの10年間の目標である「がんの年齢調整死亡率(75歳未満)の20%減少」については達成することができず、その原因として、喫煙率やがん検診受診率の目標値が達成できなかったこと等が指摘されています。  今後、がんの年齢調整死亡率を着実に低下させていくためには、予防のための施策を一層充実させていくことが重要と考えます。  また、新たな課題の1つとして、「ライフステージに応じたがん対策」が掲げられ、AYA世代(思春期世代と若年成人世代)の方への支援の必要が言われています。  進学や就職、結婚、出産といった人生の転機を迎えるAYA世代にとって将来への不安は計り知れません。東京都がん患者調査によると、がんと診断されたときに就労していた患者のうち、治療のため24.7%の人が仕事をやめており、働く世代の就労継続等の問題は深刻です。
     また、国立がん研究センターが初めて公表したAYA世代の世代別がんの種類別の中で、30代の第1位は乳がん、第2位か子宮頸がんでした。介助などが必要になった場合、40歳以上の人は介護保険が利用できますが、39歳以下の若年患者は利用できない状況があり、このAYA世代の中には、子育てと治療の両立に大変な思いをされている方がいます。  医療の進歩により、外来治療・在宅長期療養する方がふえ、「治す」から「支える」へ、「病院」から「地域」へとの発想を持った支援の転換が必要ではないかと考えます。  その意味でも、生命と健康の大切さ、がん患者との共生を考え学ぶ、がん教育の充実は欠かせません。  東京都は、今年3月の都議会第1回定例会で、2022年度までに全公立中学・高校で外部講師を活用する方針を表明しました。これは都議会公明党の提案を踏まえ、都が明らかにしたもので、「全公立中学・高校が22年度までに外部講師を活用したがん教育を実施するよう指導する」「その実現に向けて医師会や関係部局と連携して体制整備に取り組んでいく」というものです。また、外部講師の活用について、「小学校はがん経験者の授業も効果的」と明言。さらに、2022年度までの実施に向け、5カ年のロードマップを策定することや、文部科学省によるがん教育の実施状況調査を踏まえ、課題を把握・検証していく考えも示しました。  全ての児童生徒ががんについて正しい知識を学ぶことができたら、健康への意識が高まるだけでなく、他者を思いやる気持ちを養え、検診の重要性など家族で話し合うことも期待されるのではないでしょうか。  どの世代でもがんを患う可能性があるということ、国内では約2人に1人がかかる“身近な病気”であるという視点に立って考えることが必要であることから、以下質問いたします。  (1)多摩市におけるがんの年齢調整死亡率の現状及びその低下に向けて今後どのような取り組みを考えていますか。  (2)がん検診率の目標値に対して、多摩市の現状と課題を伺います。  (3)がんになっても、その人らしく安心して暮らしていけるために、多摩市としてはどのような支援があるのか伺います。  (4)AYA世代のがんについての認識を伺います。  (5)世代別がんの種類別統計を見ると、30代で上位の女性特有のがん対策、その予防に力を入れるべきだと考えますが、見解を伺います。  (6)がん教育における子どもたちへの影響について、どのように考えますか。  (7)モデル校として実施した学校では、医師やがん経験者ら外部講師を登用した授業の教育効果は大きいとの評価があります。多摩市として外部講師を活用したがん教育を行う可能性について伺います。  以上、ご答弁をいただいた後、再質問させていただきます。 ◯議長(岩永ひさか君) 阿部市長。        (市長阿部裕行君登壇) ◯市長(阿部裕行君) それでは、池田議員のご質問にお答え申し上げます。  1の(1)についてお答えします。  年齢調整死亡率は、年齢構成の変化の影響を取り除いて算出したもので、地域や経年的な死亡率の推移を把握する際に用いられます。  平成28年の本市におけるがんの年齢調整死亡率は人口10万人当たり、胃がんは男性41.0、女性26.7、大腸がんは男性31.1、女性30.4、肺がんは男性58.1、女性28.5、乳がんは女性18.8、子宮がんは女性6.3となっています。  26市平均の年齢調整死亡率と比較すると胃がんが男女とも高く、肺がんの女性がやや高くなっています。  また、近年用いられる75歳未満の年齢調整死亡率で比較すると、平成28年の多摩市においては、全がんは男性75.4、女性50.0と、いずれも26市平均の男性85.5、女性55.0より低くなっています。  さらに、がん別に見ると、多摩市では、肺がん男性17.2、乳がん女性11.6であり、26市平均の肺がん男性16.8、乳がん女性9.5より高くなっています。  今後の取り組みとしては、引き続きがんの死亡率減少に効果的な科学的根拠に基づいたがん検診の実施と受診率の向上策を検討していきます。  (2)についてお答えします。  東京都は、本年3月改定の東京都保健医療計画で、5つのがん検診の受診率を50%にすることを目標としています。この目標値は、自治体で実施しているがん検診のほか、職場でのがん検診や人間ドック等も含まれているため、単純に比較はできませんが、最新の平成29年度の多摩市のがん検診では、胃のバリウム検査は1.5%、内視鏡検査は2.8%、大腸がんは38.9%、肺がんは1.5%、乳がんは24.0%、子宮頸がんは26.9%の受診率となっています。  東京都平均と比較できる平成27年度の本市のがん検診受診率で見ると、大腸がんは24.4%、子宮頸がんは30.6%、乳がんは26.1%と東京都の平均受診率を上回っていますが、胃がんは3.4%、肺がんは2.1%と東京都の平均の胃がん4.6%、肺がん6.1%を下回っており、受診率向上が課題と考えています。  (3)についてお答えします。  がんの罹患率は、高齢になるほど年々増加するため、平均寿命が延びていることにより、がん患者の一層の増加が見込まれます。地域において高齢のがん患者が治療と療養を継続するためには緩和ケアを適切に受け、生活の質を保つことができるような医療と介護の連携が重要です。  また、働く世代・子育て世代などに対しては、働きながらがんの治療を継続できる環境づくりや相談体制の充実を東京都が始めており、たとえ「がん」になっても、治療を続けながらその人らしく安心して生活し続けられる支援が求められていると認識しております。  本市においては、現在はがんに特化した支援はありませんが、専門職である保健師等が不安を抱える市民や家族のおのおのの状況に合わせた相談に応じながら、地域の中で利用できる制度やサービスを紹介し、つなぐなどの支援を行っています。  (4)についてお答えします。  AYA世代とは、15歳以上40歳未満の思春期・若年成人世代を指しますが、AYA世代に発生するがんは、この年代特有の悩みや問題を抱えるものと認識しています。  例えば、病気の治療が体に及ぼす影響や通学・通勤に及ぼす影響、思春期という多感な時期に罹患することによるさまざまな精神的ストレス、将来への不安などが考えられます。  AYA世代に発症するがんに対する診療体制が定まっておらず、適切な治療が受けられていない可能性があること、治療後も長期にわたるフォローアップが必要なこと、在宅サービスを利用する際の経済的負担や介護する家族の負担が大きいことなどが課題として挙げられています。  これらの課題を踏まえ、東京都は本年3月に保健医療計画を改定し、その中で支援の充実についての検討が示されました。今後も東京都の動向を注視し、情報の収集に努めたいと考えています。  (5)についてお答えします。  若い世代でがんになるということは、壮年期以降のがんと異なり、進行が速いことや患者の数が極めて少ないため治療が確立していないなどの問題があります。  また、この世代では受診できるがん検診が限られ、人間ドックを受ける人も少ないことから、発見がおくれることもあり注意が必要であると認識しています。  女性特有のがんである乳がん、子宮がんについては、子育て世代が多い30代以降に増加することから、乳幼児健診での啓発活動の実施や、10月のピンクリボン月間には、市内の公共施設で啓発活動を行い、3月初旬の女性の健康週間には女性向けの健康相談を充実させ、実施してきました。  今後もこの世代の特徴を踏まえて、がんに対する正しい知識の普及や適切ながん予防法の啓発の実施、対象者への勧奨方法の工夫などにより、がん検診が受けやすくなるように検討していきたいと考えております。  (6)と(7)については、教育長がお答えします。 ◯議長(岩永ひさか君) 清水教育長。        (教育長清水哲也君登壇) ◯教育長(清水哲也君) 1の(6)についてお答えします。  平成29年度、がん教育を実施した市内公立学校は、小学校5校、中学校6校の全11校です。  実施する上で各校は家族のがんの罹患状況に配慮したとのことですが、授業実施後の児童・生徒の感想からは、「がんにかかった人を支えていきたい」「がんは早期発見で治ることがわかった」「がんは2人に1人がなる病気なので、このことを家族に伝えたいと思った」などの言葉がありました。  このことから、がん教育は児童・生徒ががんについて正しく理解し、自他の健康と命の大切さを改めて考える契機になると考えます。  (7)についてお答えします。  平成30年2月に文部科学省で実施した「がん教育実施状況調査」では、がん教育を実施した学校のうち、外部講師を活用した割合は12.6%でした。平成29年度、市内では外部講師を活用した学校はありませんでした。  第3期がん対策推進基本計画によれば、平成34年度までに「国は、全国の学校でのがん教育の実施状況を把握した上で、地域の実情に応じて外部講師の活用体制を整備し、がん教育の充実に努める」とされています。  また、東京都教育委員会では、がん教育推進協議会を設置し、外部講師の効果的な活用方法や連携体制のあり方について検討しています。  今後は、国や東京都の動向も見据えながら、医師やがんサバイバーの方々を外部講師として協力を得ながら、がん教育を進められるよう取り組んでまいります。 ◯20番(池田けい子君) 今回がんについて取り上げている議員がほかにもいらっしゃいます。それだけ今、問題やさまざまな課題があるのかと思っています。再質問ではさまざまな提案を含めてさせていただきますけれども、きょうはジャブぐらいにして、残りの議員に託したいと思います。  まず(1)と(2)検診率のアップについて伺うわけですが、がんは老化という現象の1つであるという見方もあります。実際にがんの年齢別罹患者数を見ますと、年齢とともに増えて75歳から79歳でピークとなっています。確かに加齢はがんの発症の大きなリスクと言えますけれども、一方で、睡眠不足、仕事のし過ぎ、過度なストレスが要因と考えられて、生活習慣の改善によって確率やリスクが抑えられるとも言われています。  がん対策の評価をするためには、高齢化の影響を除去するための年齢調整が必要にはなってきていまして、ご答弁では、多摩市は男性は肺がん、女性で乳がんが26市の平均より高くなっているので、受診率の向上をしっかりと検討していく必要があると認識をされていて、一方、(2)の検診率は高いほうがいいわけですけれども、胃がんと肺がんで多摩市は東京都平均を下回っている。受診率の向上が課題かと思うので、まずそこの受診率の中で検診について考えたいと思います。  受診率のアップの施策として1つ提案したいのが、特定健診とタイアップした同時実施の推進が効果的だと言われています。例えば特定健診を前年度受けた方に、翌年度のお知らせの中に大腸がん検診キットを同封して送るとか、それを実施した自治体は実に前年度比28.33ポイント増という結果も出しているところもあって、こんなことも検診率アップが考えられると思うのですけれども、その可能性について伺いたいと思います。 ◯議長(岩永ひさか君) 伊藤保健医療政策担当部長。    (保健医療政策担当部長伊藤重夫君登壇) ◯保健医療政策担当部長(伊藤重夫君) ただいまご質問いただきました大腸がんの検診について、特定健診とセットで受けることで受診率アップというのは非常に効果的なことだと考えております。多摩市の場合は、大腸がん検診は男女合わせて41.5%、26市で第2位という状況になってございます。  ご提案も含めて採便のキットについて受診のときにあわせて送るところでございますが、1つ難しいのは各医療機関で使用する容器がまちまちで、統一的な容器をあわせて送るのが難しいところが大きな点でございます。  また一方、一部医療機関では採便の際に容器の使用について説明をしているところで、各医療機関の対応が難しいところから現在採便キットは同時に発送することを行ってございません。 ◯20番(池田けい子君) 実際に行っているところがあるということは、いろいろ工夫をされていると思うのです。特定健診に行きますと受けますか、受けませんかと言われて、持ち帰ってまた後日行かなければいけないところがあるわけです。そこはさまざまやっているところの検証をしていただきながら工夫していただいて、その可能性も探っていただければと思います。  なぜこんなことを言うかというと、実は八王子市がかつて行った調査でおもしろいと思ったことがあって、アンケートであなたはなぜ検診を受けないのか。その問いの理由の第1位は忙しいでした。そこで土日行ってみた。でも、受診率は伸びなかった。  そこで聞き方が悪かったのではないかと思って、では、ほかの人がどうして受けないと思いますかと年度と質問を変えて尋ねたところ、面倒くさいと思っているのではないかと答えた。それが多くを占めたのです。  自分のことはよく見せたいと思う心理が働くので忙しいと答えるのだけれども、ほかの人は面倒くさいのではないかと、そこが本音なのです。みんな面倒くさいと思っていることがわかったと。  八王子市がすごいなと思ったのは、面倒くさいと思ったときに面倒くさくなくするにはどうしたらいいかと考えて、八王子市ではがんの検診コールセンターを設置して、一部のがん検診の受診券を不必要としたとか、思いついたらすぐに受けられる仕組みに変えていった。そこで年々成果も上がってきたということだったのです。私はどうしたら面倒くささをなくせるのかが市民側に立った考え、発想が大切ではないかと思います。  申し込みの方法のことですが、肺がんや胃がんの検診、例えば今月12月に受けたいなと思って、既に締め切りは多摩市は8月17日で終わっているのです。仕方がない、来年1月に受けようと思っても10月10日に締め切っているのです。しようがない、この先2月、3月でもいいと思っても10月5日に申し込みが終わっているのです。  市民から苦情とも言える声をいただいているわけですけれども、この申し込み方法というのは改善できないのでしょうか。 ◯保健医療政策担当部長(伊藤重夫君) 現在ご質問いただいた点につきましては、受付をしている中では電子申請を取り入れた工夫を今後行うことで、受診の申し込みのハードルを少し下げていきたいと考えてございます。  もう1点、検診の関係ですが、受診の申し込みから長くかかってしまっているところですが、10月の上旬に申し込みの締め切りをさせていただいて、名簿等を作成する中、1カ月後には受診日を決定してございます。しかしながら、集団検診になっている中で、受診日を設定するお時間を頂戴して、結果として実際受診するまでの時間がかかっている状況でございます。 ◯20番(池田けい子君) 申し込みをしたときが市民の人は受けたいときなのです。2カ月、3カ月、下手すると4カ月先の予定は立たないではないですか。そこで申し込みはしたけれども、いろいろな予定が入って受けられなくなった現状もあって、市区町村によっては今月申し込めば来月受けられるところもあったりするのです。  多摩市は特に胃がんと肺がんは受診率が低いではないですか。ここは私はぜひ早急な改善を求めたいと思います。検討はしていただけますか。 ◯保健医療政策担当部長(伊藤重夫君) ご質問いただいた点は非常に大事なところでございます。実際に受診までの間に時間がかかってしまっていることは確かでございますので、できる限り早急に受けられる形で検討してまいりたいと考えてございます。 ◯20番(池田けい子君) あとはたしかリコール、再勧奨は行っていただいていると思うのですけれども、どんな内容なのか確認したいのが1点と、例えば受診歴の有無や年代別によって受診勧奨のメッセージを変えたりして送り分けるなどの工夫が私は必要なのではないかと思うのですけれども、そんな工夫をしていただけるお考えがあるのかどうか、2点お伺いします。 ◯保健医療政策担当部長(伊藤重夫君) ただいまご質問いただいた2点でございます。まずは1点目でございますけれども、特に女性の方に多い形で乳がんと子宮がん検診は再勧奨を積極的に行ってございます。さまざまな効果的な勧奨方法を検討している中で、具体的な方法としては平成26年度と27年度に、乳がんは平成26年度、再勧奨の方に送った中で受診率が6.6%。しかし、平成27年度に既に1回でも検診の受診歴のある方に対して勧奨を行ったところ、33.6%で30ポイント以上受診率が上がったところがございます。  子宮がんも平成26年度7.1%の受診率だったものが、平成27年度には36.4%で、25ポイント以上上昇したところがあります。乳がんと子宮がんの再勧奨の効果的な方法を含めまして、ほかのがんも再勧奨を積極的に行っているところでございます。  2点目ですが、乳がん検診、子宮がん検診を受けましょうというはがきを送らせていただいております。先ほど議員からお話がございました、後でと言わずはがきを持って今行こうというメッセージを含めながら送らせていただいてございます。 ◯20番(池田けい子君) そういう言葉1つがとても効果があると統計で出ているようです。ご紹介しました八王子市では、受診勧奨のはがきのメッセージを年代で使い分けをしていて、一度も受診したことがない無関心層の方にはこういうメッセージ、継続して受診いただきたい方にはこういうメッセージと文言、内容自体を変えているのです。  例えば若干危険性を訴えるネガティブな内容やあえて不利益、見過ごしを書いたり、定期的な検診が必要だと訴えるためにわざとネガティブを入れたりするそうです。命を守ることの重要性を訴えた内容という取り組みをしたら、以前より2倍の受診効果が得られたという統計も出ているようなので、ぜひそのことも参考にしていただければと思っています。  今、伊藤保健医療政策担当部長からも女性特有のがんについてお話がありました。実は10月にピンクリボン月間が終わったのですけれども、11月に入ってもピンクリボン活動で、私自身もセミナーやブースでアピールさせていただく機会が多くありまして、検診の大切さや自己触診の方法等発信させていただいたのです。  そのとき多くの人に検診を受けるにはどうしたらいいのかと問いかけてみました。アンケートも実施しました。想像どおり、検診料をただにするという回答が一番多くあったのです。そもそも自治体によって金額が違うわけですが、多摩市としてはどのような基準で自己負担料を決めているのか、基準があるのかどうか伺いたいと思います。 ◯保健医療政策担当部長(伊藤重夫君) ただいまご質問いただきました検診の自己負担の基準では、それぞれのがんの部別の受診率が大きい、低いとございますので、そこも勘案しながら決めているところが現状でございます。  一方、自己負担の率についてはどのがんも一定程度同じ率にすべきだというご意見もありますので、現在多摩市医師会にも相談を持ちかけながら検討を進めているところでございます。 ◯20番(池田けい子君) 多摩市でも八王子市と同じような調査をしたら、有料だから行かないということはないと思うのです。ただ、女性特有のがんでいいますと例えば乳がんのマンモグラフィーだったら1万円以上かかるところを1,500円で受けられるというメッセージ、家族の幸せを思わせるようなメッセージ、共感を得るような、今すぐお電話をといった行動を示唆するメッセージも効果的だと言われていますので、親子で受診や検診という企画もぜひやっていただければと思うのです。そういうイベント的な受診に関しての企画についてはどうお考えでしょうか。 ◯保健医療政策担当部長(伊藤重夫君) イベント的なというところでございます。先ほどお話がございました、多摩市の場合は大きく2つの中で、10月のピンクリボン月間では、図書館と連携しながら、図書館にがんに関する本を並べていただいているところと、乳幼児の検診時にティッシュ等、検診勧奨のチラシをお配りしながらPRしているところでございます。  3月の女性健康週間に関するところ、3月1日から3月8日まで、毎年女性の健康週間として行っているところでは、以前イベント会場等をお借りしながら周知を行ってございますが、今年度は女性の健康相談日を設ける中で、特に女性特有のがんについてのイベントを通じた勧奨を行ってまいりたいと考えてございます。 ◯20番(池田けい子君) ちょうど女性の健康週間の話が出て、後で取り扱おうと思ったのですが、今、せっかく伊藤保健医療政策担当部長から紹介があったので、実は2013年、2014年と京王ショッピングセンターでやっていただきました。女性の健康週間に多摩市がパネル展示を行っていただきました。  これは市の職員の方の手づくりで、当時の部長が職員が創意工夫をして手づくり感いっぱいのパネル展示をやっていますのでぜひ見に行ってくださいと議場でおっしゃったものですから、議会が終わって速攻で見に行った覚えがあります。みんな手づくりでやっていただいて、がんに限らず女性の健康ということでやっていただきました。  本当に華やかにやっていただいて、多くの人が買い物がてら目にしていただいて、いろいろなメッセージも実際に張っていただいたりして、大変に目についたと思うのです。確かに相談会を設けるのもいいのですが、私は多くの人が目につくようなパネル展示をするほうが、女性の健康週間にいいと思うので、こちらをぜひ検討していただきたいと思うのですけれども、いかがでしょうか。 ◯保健医療政策担当部長(伊藤重夫君) お話しいただいてありがとうございます。現在、予算と会場の関係も含めまして検討はしておったのですが、なかなか今年度の実施は難しいのが現状でございます。  しかしながら、引き続き今後もできるだけのことをさせていただきたいと思いながら、検討を進めてまいりたいと考えます。 ◯20番(池田けい子君) 先ほど乳幼児健診というお話がありました。他市ではありますが、子育てセンサスの出前セミナーにお手伝いで時々伺うことがあります。そこの市では、保健師から卒乳の話、サバイバー、アドバイザーからは乳がんの検診の話と触診モデルの体験をしていただくという二本立てでいつも子育て世代のお母さまたちにお話をさせていただくのですけれども、断乳、卒乳の後、乳腺炎になって、がんの心配をしながらも受診をしていないのですけれども、大丈夫ですかといったことや、授乳中の検診は問題ないですか、親族に乳がんの経験者がいるのですけれども、私は大丈夫でしょうかというご不安のお声や多くの相談を毎回いただきます。  会場がいつも子どもたちが遊んでいる場所だということもあって、とても子どもたちも落ちついているし、ママたちも本当に安心してリラックスしてお話を聞いていただけるのですけれども、私は多摩市でも例えばチラシやティッシュを配布することもいいのですけれども、例えば児童館や乳幼児健診のときに保健師、サバイバー、アドバイザーがそこに出前講座みたいな形で伺って、そのときに実際にお話を聞いていただいたり、触診モデルを触っていただいて、自己触診はこうやるのですという具体的なアドバイスができることも、チラシを配布するではなくて、直接的なお話を聞いていただくことも、AYA世代も私も今回テーマにしましたけれども、そういった年代の方たちには効果的だと思うのですけれども、そのお考えはいかがでしょうか。 ◯保健医療政策担当部長(伊藤重夫君) 現在のところ、お話しいただいた児童館、子育て世代が集まるところへの出張教育が、希望があれば啓発で行ってございます。しかしながら、議員ご指摘のとおり現在積極的にPRしてございませんので、今後そうしたお話を受けながら、できるだけ広く皆さんに知らせていきながら、教育を行ってまいりたいと考えてございます。 ◯20番(池田けい子君) がん検診の導入年齢となるのが40歳、その前の方たちなので、大事な入り口なのかと思うのです。出前で出向いていくのを積極的にやっていくアプローチは私はしていくべきだと思いますので、ぜひ考えていただきたいと思います。  (3)と(4)でがんになっても安心して暮らしていけるための支援策をお聞きしました。本市においては特化した支援はないけれども、相談に応じながらつなぐ支援を行っていると言いますけれども、どこにどう相談していいのかわからない、知らない、情報がないのが実は市民の声です。  子育て中の方の中には時間にも体力にも余裕がなくて、自分自身のことは二の次になって、体の不調を感じても病院に行かない、あるいは行けずという方がいます。  先日、もう少し早く受診していれば治療もこんなに長引かなかったかもしれないと後悔をされている方にお会いしました。AYA世代と言われる方です。子育てしながら治療との両立が本当につらくて、1人涙することも多くなったと言います。経済的負担もさることながら、体力的にも術後の化学療法がつらくて、買い物や子どもの送り迎えも大変だと言います。もちろんお金があれば民間の家事代行もお願いできるでしょうけれども、仕事も今やめてしまって、すごく余裕がないと言っていました。この間だけでもせめて公的に生活支援として助けていただいたら本当にありがたいと悲痛なお話をされていました。  がん対策推進基本計画の中には、がん患者が住みなれた地域、社会で生活をしていく、その中で必要な支援を受けることができる環境を整備するとありますけれども、実際にはどうなのでしょうか。国も東京都もまだまだこれからだと私は感じています。多摩市独自の生活支援を考えられないでしょうか。
    ◯保健医療政策担当部長(伊藤重夫君) ご質問いただきましたAYA世代、15歳から30代までの方の中では、数字でございますけれども、15歳から19歳までは約900例、特に男性500、女性400、20歳代では男性1,700、女性2,500の合わせて4,200、30代では男性5,100に対して、女性が2倍以上の1万1,200で、まさしく議員お話のAYA世代のがんは特に女性、妊娠、出産後の方々が非常に多いと認識してございます。  そうした中、介護保険というのは、40歳以上の方々、第2号被保険者が対象という中で、どうしても30代の方々への生活支援等のサービスが抜け落ちてしまっているところが現状でございます。  そうしたことを踏まえながら、各関係機関とそうした具体的な生活支援等がどのように行えるかどうかを検討してございますので、今後引き続きそれらを含めながら取り組んでまいりたいと考えてございます。 ◯20番(池田けい子君) AYA世代だけではなくて、40歳以上は介護保険が使えるといっても末期の方なのです。本当に治療中、例えば化学療法と言いましたけれども、抗がん剤の数日のときがつらいということもあるので、国や東京都を待たず、私は地方自治体、地元がしっかりと市民を支えるという支援策をぜひ考えていただきたいと思っています。  今年の6月、治療によって脱毛などがあるがん患者の運転免許証の写真について、実はウィッグは既に容認されていたのですけれども、医療用の帽子の着用も運転免許証の写真に認められるようになりました。  これはある1人の女性患者から公明党に対して相談が寄せられて、佐々木さやか参議院議員が決算委員会において質疑で取り上げて、患者への統一的な配慮が行われるようにと主張し、実現したものです。  今まで人前で帽子を外すという行為はとてもちゅうちょされて、つらい思いをされた方が多かったわけですけれども、外見の変化は治療、就労の意欲、外出の行動を低下させることもあって、私はウィッグや乳がんの方だったら胸の補正具の外見のケアがとても重要視されているのではないかと思って調べてみました。  全国を見ますと、秋田県、山形県、茨城県、福井県、鳥取県、島根県の6県、あと38の区市町村が既に医療用ウィッグをはじめとする医療用の補正具の助成事業を始めています。このウィッグ等の助成の可能性について伺いたいと思います。 ◯保健医療政策担当部長(伊藤重夫君) ただいまご質問いただきました医療的なかつらやウィッグ等々は、患者様の心理的な負担を少しでも減らすところで非常に有益であると思ってございます。  しかしながら、実際にそちらの助成となりますと予算的な措置もございますので、今現在検討しながらどのような取り組みができるかどうかを考えているところでございます。 ◯20番(池田けい子君) 都内で初は港区ですけれども、私はぜひ港区に続いて三多摩で初となるように、助成を考えていただきたいと思います。  港区では、今年の4月からがん患者、がんを患ったことのある人、その家族が住みなれた地域で安心して療養生活ができる拠点として、都内初の在宅緩和ケア支援センターも開設されました。  私は以前もお話ししたことがあるかと思うのですけれども、がん患者の方いわく、がんは手術が終わってからよかった、よかったではなくて、実は術後からが本当の苦悩や苦痛が始まると言いました。この言葉は決して他人事ではなくて、2人に1人と言われる、私たち自身にかかわってくることかと思うので、多摩市もサバイバーの方に寄り添った支援、施策を考えていただきたいと切に望みます。  がん教育を伺いたいと思います。国は平成34年度までに外部講師を活用したがん教育の充実に努めるとしていましたけれども、東京都の3月都議会定例会においてがん教育の方向性を示しましたが、11月24日、大阪で行われた日本乳癌検診学会学術シンポジウムでも、みずからエントリー発表されて、改めて平成34年度までに全校で外部講師を活用したがん教育を推進するという発言があったようなのです。まずこの認識について伺いたいと思います。 ◯議長(岩永ひさか君) 山本教育部参事。       (教育部参事山本武君登壇) ◯教育部参事(山本武君) 東京都教育委員会でがん教育に関しましては、委員会を立ち上げまして、今、議員がおっしゃったとおり外部の方を講師にお招きして、がん教育を推進していく方向性を示しております。同じように平成34年度までにと示しているところでございます。 ◯20番(池田けい子君) 都内では荒川区が外部講師を取り入れた命の大切さを守るがん予防出前授業を行っているのですけれども、先日、私はがん経験者である外部講師を活用して全国的にも注目を集めている埼玉県熊谷市に行ってきました。  熊谷市は平成26年にくまがやピンクリボンの会から市民協働事業として、「小学生から考える生命の授業~サバイバーが語るがん教育」の提案があってスタートし、想像以上の効果を感じた教育委員会から、ぜひ継続をしてほしいという申し出があって、翌年平成27年、市の事業として対象を原則中学1年生とし、小学生にあっては保護者を対象とした講座を新設して、今現在に至っているというお話を伺ってきました。  がんに関する説明や検診の重要性、命の大切さ、思いやりの気持ちを育んで、患者に対する差別や偏見をなくすことを狙いとしているそうです。  ご答弁の中では、各学校に家族のがんの罹患状況に配慮しながら昨年のがん教育を実施したということですけれども、例えば外部講師を取り入れた、活用した授業、がん教育についての子どもたちの配慮については、どのように考えているのでしょうか。 ◯教育部参事(山本武君) がん教育を進めていく上で、外部講師をお招きして実施する、しないにかかわらず、子どもたちへの配慮につきましては、家族が罹患していて、苦しい思いをしていることについては、考慮しなければならないと考えているところが多いということでございます。  私も実際に現場にいたときには、1年目にがんサバイバーの方に来ていただいて、自分ががんになったときの気持ちなどを子どもたちに、ちょうど学校開放にしておりましたので、保護者の方にも伝えていただきました。  その点が不安な一部分もあったのですけれども、そのときに実際に保護者の1人ががんになって、今はもう社会復帰もしたという方がいて、気持ちを共有できる人がなかなかいなくて、こういう機会があってよかったという話を聞くことができました。  ですから、家族の方にも知ってもらう意味でも、外部講師に来ていただいたときには一緒になってくるのではないかと思っておるところです。外部講師をお招きして授業を実施する際は、子どもたちの家庭環境も配慮すること、保護者等にも呼びかけて実施していき、共通認識を持ってもらうことが大事だと捉えてございます。 ◯20番(池田けい子君) 実は熊谷市でもそのことは懸念されたようで、子どもたちに与える影響、ご家族の方たちの影響も考えて、年度初めに三者、委託されているピンクリボンの会の方、教育委員会、健康センター、主催は健康センター、福祉部門でやっているそうですが、その三者がしっかりと年度初めにすごく協議をして、内容を精査し、ピンクリボンも冊子をつくって、教材として活用しているそうですが、数字なども毎年違ってきますので、毎年これをつくりかえて、この内容を全部三者で確認をして行っている。  今まで子どもたちの影響が懸念されてきたけれども、3年たってみてそれが全く心配なく、命を大切にする授業がしっかりとできているというご感想もいただいてきました。  私はがん教育については、現在は各校長先生や教員の方々の努力に頼っている部分があるのではないかと思っているのですけれども、がん教育、山本教育部参事は先駆けていろいろ取り組まれてくださっているので、ここはリードしていただいて、東京都がこれから全校で始める中では、せっかく日本医科大学多摩永山病院という東京都の診療連携拠点病院もありますし、学校のがん教育、ぜひ受けますとおっしゃっていただいていますので、私は多摩市からまず試行的にも先駆を切って、外部講師を取り入れた授業を先駆的に行っていただきたいと思うのですけれども、いかがでしょうか。 ◯教育部参事(山本武君) がん教育に関しましては、平成33年度、中学校の学習指導要領に明確に位置づけられて実施することになります。また、国立がん研究センターが出していますがんを防ぐための新12カ条の中にも、12番目に正しい情報でがんを知ることからとあります。  国が立ち上げた検討会の資料などを読んでみますと、どんどん情報は変わってきている、新しい情報を子どもたちに伝えていくことは大事だと言われております。教員の多能的な部分に頼るのではなく、そういった理解がある方々か実際に経験された方にお話をしていただくのは、教育効果も高いと捉えてございます。ですので、どういった形でということは今明言することはできませんけれども、いろいろな可能性を探りながら、がん教育は国民の2人に1人がかかる病気ですので、対岸の火事と思わないことが大事だと思いますので、可能性を探りながら実施を考えていきたいと思っております。 ◯20番(池田けい子君) 熊谷市のアンケート、感想も伺ってきました。中学生の感想です。サバイバーの皆さんの話を聞いて、自分は毎日が当たり前に送れない人がいることに気づきました。一日一日を大切に送っていきたいです。  今回の授業でがんイコール死という考え方が変わりました。まずは検診に行くことが大切だと思いました。大人になったらがん検診に行くようにしたいです。  がんは早く見つけないとあっという間に大きくなってしまう、とても危険になってしまうとわかりました。大人になったら1年に1回がん検診を受けようと思いました。  すぐに親に検診に行ってと言おうと思いましたというさまざまな意見が寄せられて、私はサバイバーの方、医療関係者、外部講師によるがん教育がすごく大事だと学んできましたので、ぜひ検討していただきたいと思います。  教育の現場で正しい知識を身につけることは、その後の人生においてとても大きな財産となるので、子どもたちには学ぶ機会をつくりたい。しかし、がん教育は子どもに限ったことではないです。教育を今まで受けてこられなかった人、大人もしっかりと知識を得てもらうことが大事なので、大人のがん教育、先ほどのAYA世代の方たちの出前と言いましたけれども、これは多摩市医師会や日本医科大学多摩永山病院の先生たちにもご協力をいただかないとできないことですけれども、私は多摩市が例えば市内にある会社や大学、希望する地域には率先して出向いて、大人のためのがん教育出前講座の企画もありではないかと思います。  1人でも多くの人に正しいがんの知識、検診の大切さを知っていただいて、健幸都市をうたう多摩市ですので、そんな取り組みを最後に提案して終わりたいと思うのですけれども、市長に最後伺って終わりたいと思います。 ◯議長(岩永ひさか君) 阿部市長。        (市長阿部裕行君登壇) ◯市長(阿部裕行君) 今回は質問者だけでなく、ほかの方もがん検診の質問があるようであります。多摩市内で環境部がグリーンライブセンターでがん哲学外来をやっておりまして、市民の皆さんと一緒に運営をされていて、私も伺ったことがあり、また昨年、健幸まちづくりのほうでも日野先生をお招きして、がんの話も伺いました。  日野先生からも小学校、中学校でのがん教育の重要性などを指摘されていますので、がん教育、学校の中だけでなく普通の方が受診率を高める意味では、いろいろな取り組みをしていかなければと思って、きょう質問を聞いておりました。  周知するだけでなくて実際に受診をしてみよう、どう気持ちを高めていくのか。いろいろなアイデアをきょういただきましたので、しっかり取り組めるところを取り組んで、早期発見、ご家族やご本人が苦しまないようにしていけるようにまちづくりをしていきたいと思います。 ◯20番(池田けい子君) がんは今は本当に治る時代だということのメッセージもしっかりお願いしたいと思って、健康なまち、自慢できるまちづくりをしていきたいと思います。 ◯議長(岩永ひさか君) 池田けい子議員の一般質問は終わりました。    ──────────────────── ◯議長(岩永ひさか君) この際暫時休憩します。          午後2時55分休憩     ──────── - ────────          午後3時18分開議 ◯議長(岩永ひさか君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  次に、伊地智恭子議員の発言を許します。  3番伊地智恭子議員。      (3番伊地智恭子君質問席着席) ◯3番(伊地智恭子君) 伊地智恭子です。通告に基づき1問質問いたします。  1、安心・安全なまちづくりとは──高齢化社会の課題を中心に──  今や「少子高齢化」は先進諸国の枕言葉となっていますが、とりわけ多摩市はそのスピードが世界最速とも言われています。  今後、いわゆる団塊世代が一斉に後期高齢者に移っていくことと考え合わせて、住民の3割、4割以上が高齢者という社会を迎えることは、未曾有の時代の到来と表現しても決して過言ではありません。  行政機関の使命は、まず第一に市民の安心・安全な暮らしを守ることであり、本市においてもそのための対策がさまざまに練られてきたとはいえ、社会構造の変化は私たちに「これまでどおり」以上のアイデアと取り組みを求めているのではないでしょうか。  今回はそういった「高齢化への対応」を念頭に置き、主に2つの観点から議論を深めたいと思います。  (1)交通安全対策  多摩市では、警察・消防などと連携して、「多摩市交通安全計画」を策定しており、現在では第10次計画(平成28~32年度)のちょうど中間地点に当たります。  現時点で目標にどこまで近づいたか、見えてきた課題や新たに考えるべき取り組みがあるのか、以下のとおり質問いたします。  1)5カ年計画の折り返し地点を過ぎて、多摩市の現状や今後の課題をどのように分析していますか。また、次の更新に向けてはいつごろから、どのような形で策定のための作業に入るのでしょうか。  2)市内の交通事故件数は微減傾向にありますが、それでも年間300件前後は発生しています。どういう場所、どのような状況で発生しやすいなど、何らかの傾向はつかんでいるのでしょうか。  3)計画内に「横断歩道の改善」として、高齢者や身体障がい者など歩行困難者向けの対策の1つとして、「歩行者用画像感知器」や「歩行者感応制御化」が挙げられています。具体的な内容と実施例があればお答えください。  4)高齢運転者を対象とした免許証の自主返納制度について、計画には「促進を図る」とありますが、実際にはどのような取り組みがなされていますか。また、免許返納は公共交通網や移動支援の充実とセットで考えないと促進が難しいのではないかと思われますが、その点について市側の見解をお聞かせください。  (2)コミュニティ醸成  安全計画に掲げられた「事故のない社会」を目指すに当たっては、運転者・歩行者の別なく、市民の交通マナーやモラルの向上が必要不可欠と思われます。  市も自治会や老人クラブへの出前教室などを積極的に行う姿勢ですが、自治会の組織率が低いところや自治会が存在しない地域ではどのように取り組みを進めるのでしょうか。  コミュニティの醸成は、交通問題のみならず、防犯・防災・日常及び非常時の助け合い、また市長が強く訴える市民自治・市民協働」や「健幸まちづくり」においても重要な役割を果たします。  特に近年ふえている民間マンションの住民は、地域的なつながりからはともすると距離を置きがちですが、災害対策という切り口から連携を呼びかけていくことも必要ではないかと考えます。  以下、質問いたします。  1)市長の所信表明にあった「地域職員」は、どのような位置づけで、どのような職務を担うものかがよくわかりません。特にさきに述べたような自治会がない、もしくは活発に機能していない地域においては、どのような役割を担うものとイメージされているのでしょうか。  2)非常時対策を現実的なものとするためには、日常的な住民の交流が大きな鍵となります。行政の介入で簡単に解決することではありませんが、地域職員を置くことで住民と行政の関係はどのように変わるのでしょうか。  3)例えばエレベーターのない高層住宅では、ごみ出しや資源回収の荷物おろしなどに困難を覚える世帯もふえています。地域によっては、小学生が手伝うなど困り事を交流のチャンスに変える取り組みも行われていますが、こうした多世代共生を目指し、孤立世帯をつくらないための方策を市としても積極的に推進していく考えはあるのでしょうか。  以上、ご答弁いただいた後、再質問いたします。 ◯議長(岩永ひさか君) 阿部市長。        (市長阿部裕行君登壇) ◯市長(阿部裕行君) それでは、伊地智議員のご質問にお答え申し上げます。  1の(1)の1)についてお答えします。  「第10次多摩市交通安全計画」については、平成28年度に平成32年度までの5カ年の計画として策定しました。  この計画に基づき、各関係機関の理解、協力や取り組みの中で、例えば歩車道の段差の解消、信号機の新設、通学路点検の実施、交通安全施設の整備等の対策が進められています。  一方で、課題としては、道路の乱横断などの歩行者の交通マナーやモラルの低下が起因となる事故等が後を絶たないことから、歩行者向けの教育・啓発という取り組みの充実などが挙げられます。  今後もさらなる交通安全の実現に向け、各関係機関と連携し取り組みを進めるとともに、課題解決に向けた検討を行ってまいります。  なお、次の5カ年に向けた動きとしては、国や東京都が策定する次期交通安全計画の内容を踏まえ、多摩市交通安全対策会議で検討し、平成33年度中に第11次として計画を策定する予定です。  2)についてお答えします。  多摩市交通安全対策会議において、多摩中央警察署から伺った警視庁管内の事故に傾向については、二輪車の事故が増加傾向にあり、また、高齢者の関与する事故が全体の4割前後となっています。  なお、死亡事故については、そのほとんどが歩行中に起きており、特に事故の6割前後が歩行者側の行動が起因になっているとのことです。  また、多摩市内の事故の傾向としては、午前10時から12時及び午後2時から4時の昼間の時間帯での発生が多く、場所については、交差点や交差点付近での車両相互の追突事故や出会い頭の事故が多いと伺っております。  3)についてお答えします。  歩行者感応制御式信号機とは、信号機に歩行者用画像感知器と呼ばれるカメラが装備され、横断する歩行者の状況を感知し、状況に合わせた警告を音声で発したり、青信号の点灯時間を延長するなどの制御機能を有した信号機です。  現在、警視庁管内においては、約20カ所設置され、その全てが23区内とのことです。  4)についてお答えします。  高齢者の事故防止、事故削減を図る取り組みの1つとして、運転免許証の自主返納制度があります。この制度を推進するため、警視庁では高齢者運転免許自主返納サポート協議会を設置し、制度の趣旨に賛同し協力してもらえる企業の参加を働きかけています。  本制度は、原則として65歳以上の高齢者が対象とされ、返納された免許証にかわり交付される「運転経歴証明書」を提示することにより、協議会加盟企業や団体のさまざまな特典を受けられるものです。  本市では、多摩中央警察署と連携し、市内で事業を営む事業者などに制度への参加を働きかけ、今年度からは地元企業の1つである京王グループが趣旨に賛同し、参加をしています。  今後も多摩中央警察署と連携をとりながら、市内の事業者や事業主の方々に機会を捉え、制度への参加を促していきます。  また、返納を促進するためには、移動手段の確保も重要な課題として認識しています。返納促進に限らず、円滑な移動が実現できるよう、交通再編実施計画の策定などにも取り組んでいきます。  (2)の1)から3)について、一括してお答えします。  本年6月議会にお示しした所信表明の中で、「市民主権のまちづくり」に向け、「職員が地域に入って継続的・系統的にかかわり、市民と行政のパイプ役を果たす仕組みを構築するとともに、多摩市の実情に合った地域の自治の仕組みづくりにも取り組む」と申し上げました。  地域防災や防犯の活動、高齢者の見守りや孤立化の防止、子どもの貧困対策など地域の課題を解決していくには、行政と地域が連携、協力して取り組んでいく必要がありますが、一方で、地域の担い手不足が現実の課題としてあらわれてきています。
     元気な高齢者や現役世代などにもご参加いただき、コミュニティエリアや学校区など、一定のエリアの中でさまざまな分野で活動している市民が1つのテーブルを囲んで課題を共有し、地域資源を生かしながら解決手法を検討していく場を既存の枠組みを生かしつくっていきたいと考えています。  このような地域の取り組みに対して、行政側として相談相手となり、地域に入って情報を収集し、課題解決を支援するのが地域担当職員の職務であると考えています。  したがって、地域担当職員には、地域が担うべき業務と行政が担うべき業務を切り分ける役割、縦割りになっている市の組織を横断的につなぐ役割、地域が持っているさまざまな資源を引き出して、つないでいく役割などが求められます。  このような役割を地域担当職員が担うことで、地域と行政とのパイプ役となり、双方の連携・協力関係が築けるようになると考えております。 ◯3番(伊地智恭子君) 実はこの秋のことですが、愛宕と和田の交差点で交通事故が起きています。ここで私の知人が命を落としました。また、落合地区で車が突っ込んで、道路標識をへし折るという衝突事故も起きているのですが、幸いなことに運転手を含めて誰も人身のけがはなかったのです。  それはよかったのですけれども、どちらも運転者はご高齢の方でした。今、社会問題になっていますが、この高齢ドライバーの事故がふえているというのは、私たちの多摩市でも決して例外ではないと感じたところです。また、交通安全計画でもそういった指摘がされていると思うのですが、事故で突然命が奪われることは被害者、ご家族や友人の方々だけでなく、加害の立場に立たされた方にも本当に大きな傷を残すことだと思います。事故を起こさない、事故が起きない社会をつくる観点が今回、私の質問のテーマになりました。  被害者も加害者も生み出さないで、全ての市民が安心・安全な暮らしを送るためにということを今回はまず高齢化社会というフィルターを通して問題提起をしていきたいと思っております。  まず、1の1)と2)をまとめて伺おうと思うのですが、高齢者の事故について自分なりにまとめてみました。簡単なグラフです。これは高齢人口と高齢者の起こす人口の割り合いです。この上の線が高齢者が起こした事故の割合。下は人口の中で高齢者が占める割合です。ほんの5年ほどのスパンですから、当然長期的に見ればいろいろなばらつきはあると思いますが、高齢者もふえている、だけれども、高齢者が起こす事故は少なくとも常に上回っていることが数字の上からも見てとれると思います。  それで先ほどのご答弁では交通安全計画の資料編にも載っていない詳しい分析を幾つか伺いましたが、驚いたのは事故の多い時間帯なのです。夕方から夜が多いのかと思っていましたが、10時から12時、2時から4時、昼間です。こういう時間に事故が多いことを市ではどういった原因と考えていらっしゃるでしょうか。 ◯議長(岩永ひさか君) 森田都市整備部長。      (都市整備部長森田佳宏君登壇) ◯都市整備部長(森田佳宏君) 今、ご質問者おっしゃっていただいた事故を起こさない、事故のないまちづくりは我々もその目的に向かって努力してございます。  今、ご質問は事故の発生の分析で、警視庁から情報を頂戴してご答弁させていただきました。我々も実際驚いたことで、通常トワイライトの夕方の事故が多いのか、あるいは皆さん急いでいる通勤時間、帰って来る時間が多いと考えていたのですが、そうではなくて昼間で少々驚いております。  この正確な分析はさまざまな要因があって、10時から12時、2時から4時に起きた事故の内容もあると思うので、それは我々も詳細には情報を得ておりませんので、何でというのは今正確にお答えできませんが、昼間出かける方の高齢化も一因としてはあるのかと想像はするところでございます。 ◯3番(伊地智恭子君) 憶測は慎まなければなりませんが、少なくともこの時間帯に事故が多いということは、通勤通学の方の事故ではないということは言えると思うのです。  交通安全計画、5カ年計画、私も今回じっくり読ませていただいて、多摩市、多摩警察、消防、さまざまな人たちが一生懸命考えられた計画を改めて知ったのですが、取り組みの一環として道路標示のことを取り上げたいと思います。  上の写真は交差点の進行方向を示す矢印、下は違う場所ですが、同じマークがあるはずで、相当見えづらくなってしまっています。これはさらに見えづらいと思いますけれども、バス停と書いてある。バス停という文字が薄くなっているところも市内に幾つか見られると思うのです。せっかくの取り組みなのですが、こういう状態になっている。こういった市内の現状の把握と対応についてお伺いします。 ◯都市整備部長(森田佳宏君) 路面にさまざまな線、文字が書いてございます。その中に規制標示と道路標示がございまして、規制標示は警察のほうで交通規制をするために書いている。これは「止まれ」や横断歩道、横断歩道を示すダイヤマークといったものが規制標示でございます。先ほどのパネルでいただきましたどちらに向かいなさいというのは、規制標示になります。道路標示は道路管理者が施行するもので、車両の円滑な通行を支援する趣旨での標示となっております。  規制標示は警察で管理しておりまして、警察で定期的に更新、塗りかえを行っているところでございます。  一方、道路標示は道路管理者で行っておりまして、市道は市で対応しているところでございます。市では平成28年度から5カ年計画を立てまして、順次市内の道路標示は塗りかえなどを行ってございまして、平成29年度実績としますと白線の長さとして約14キロ実施しています。また、通学路安全点検によりまして、要望いただきましたグリーンベルトも、平成29年度は600メートルほど実施してございます。なるべく見えやすい道路環境をつくっていくために、引き続き努力をしていきたいと考えております。 ◯3番(伊地智恭子君) 本当に雨風にさらされてどんどん薄くなる事情はわかるのですが、そういったところを細かくチェックして、もし警察の所管部分であれば素早くお話をして対処していただくことは綿密にやっていただきたいと思います。  3)で取り上げました歩行者感応制御化、こんなすごいことが行われていると私は知りませんでした。先ほどのご答弁では、歩行のスピードを感知して、状況にあわせて警告を発する、青信号の点灯時間を延長する。規定の時間内に渡れない方を想定しての、そういう方が本当にふえていることを警察の側もつかんでこういった技術を開発していると思うのですが、例えば単純に延長すると道の交通のバランス、車と人のバランスはどうなるのかと思うのですが、延長以外にも何か機能があるのでしょうか。 ◯都市整備部長(森田佳宏君) 感応式信号機の件です。  歩行者感応式信号機は都内区部で20カ所程度の設置率になっております。ご答弁差し上げたとおり、カメラで交差点を見ながら歩行者がいるかいないか感知して、歩行者がいる場合には青のままでいるという話になります。その結果、車道が赤信号でとめられていることになりますので、車側の渋滞が発生してくるというデメリットも出てきます。  今、ご質問者がおっしゃったようにそれをつなげていくと車の流れが悪くなるのではないというデメリットもございます。これから警察のほうでもどこにつけようかという話になってくると思いますが、車側のデメリットと歩行者側のメリットのバランスも考えまして、設置場所を優先的につけていくと考えてございます。 ◯3番(伊地智恭子君) もちろん車側の状況、渋滞をつくらない大事なことですが、一番の問題は、青になった途端に歩き始めても渡り切れないための装置だと思いますので、市内でどういった場所でどういったところに導入できるか。これは多分警察のマターだと思うのですけれども、今後の技術革新を捉えて、例えば多摩市でもこういうところに導入したいとあれば、まだまだ出来立ての技術だと思うのですけれども、市内でも普及させる申し入れを今すぐやってくれではないですが、考えていってほしいと思います。  例えばきのう萩原議員のご質問の中で、自動運転のお話が出てきました。運転に不安の出てきた高齢ドライバーにとっては自動運転も重要なツールになっていくかと思っています。  4)の高齢運転者を対象とした免許証の自主返納のことです。多くの議員が今までいろいろ聞いていらっしゃるところですが、いきなり自主返納にいく前に年に1回は講習を受けて、自分のブラッシュアップをしましょうと。  TOKYOドライブトレーニングで事業をやっていますけれども、聞くと認知度が低いと思っています。このTOKYOドライブトレーニングで年に1回は受けてみませんかというのはどういう形で市ではアピールしているのかお伺いします。 ◯都市整備部長(森田佳宏君) このTOKYOドライブトレーニングは警察で実施しているものでございまして、警察で講習会をやるということで、TOKYOドライブトレーニングキャンペーンも張りまして、高齢者の方に受講をお勧めしているものでございます。  現在、都内で42カ所の協賛教習所でできるということで、高齢者の方の認知機能検査とまた異なるもので、高齢者の方が有料で自主的に教習所に行って、1時間ほど運転の技術をもう一度習得し直してもらう、スキルアップしてもらうトレーニングと理解してございます。警察のキャンペーンがあるということで、市のほうでは特に周知活動しているものではございません。 ◯3番(伊地智恭子君) 私は何らかの形でそういったことも普及を促すことはやっていってもらいたいと思いますが、特に返納に関して交通安全対策会議でも交通安全協会の方からのご指摘があって、単に返納してくれではなくて、かわりになる移動手段の充実が必要、社会資源の充実という言及がありました。  この移動支援は私たちの会派でもかねて主張していることです。これもぜひ深めていってほしいですが、例ですが、先ほど藤原議員からもいろいろな地域交通のお話がありました。私も調べてみたところ、町田市であいはらシャトルを始めています。今年の2月から3月、短い期間やったのですが、もう一度10月から来年3月末まで平日限定でやると。これはタクシーなのです。町田市も特に交通不便地域はバスや大型の車を走らせるのは難しいということですが、私がすごいと思ったのは半年間時間をかけてやるということ、もう1つ、行う主体が丸山団地という小型乗合交通運行委員会という地域でつくっている。これと飛鳥交通と町田市と三者で行う実証実験だと。ここである程度住民を巻き込んでいくことができているわけです。  もちろん町田市と多摩市でいろいろな事情は違うと思うのですけれども、多摩市でもこれから先いろいろな取り組みをやっていってほしいと思うことでご紹介いたしました。  あともう1つ、新聞で拾ったことですが、違うジャンルです。瑞穂町と福生警察署が協定を結んだと。児童虐待に関しての情報共有をしていこうということです。これも今非常に喫緊の課題である児童虐待の解消のために、情報がただ片一方にだけあっても、きちんと連携ができていないと事件の解明に至らないという危機意識があって、町と警察署が連携する、協定を結ぶことを始めている。これも今すぐ多摩市でやってくれということでは必ずしもありませんけれども、住民を守るためにどうしたらいいか。これまでそれぞれの所管でやってきたことを連携してやらなければいけないという機運が私は高まってきていると思います。  ですから、例えばもしかしたら警察行政との連携、まちの間との連携、先ほどの自動運転のお話もしました。例えば自動運転技術が私たちにとってもう少し身近なものになった暁には、特に高齢者を優先して助成をしていく。多摩市が補助金を出すことが難しいとしたら、国や都でそういう取り組みを進めていってほしいという要望も上げていただきたい。私はそのぐらい感度をよくしてこういった対応をしていただきたいと思っているのですが、いかがでしょうか。 ◯都市整備部長(森田佳宏君) 移動支援はこれまでもいろいろお話をさせていただいてございます。さまざまな移動支援があり、移動手法もこれから出てくるだろうというお話もさせていただきました。  先ほどご紹介いただいたように、町田市などでは自主的な交通手段をつくりながらやっているところで、自主返納を促していくために、車にかわる交通手段をご提供しながら進めていくところについては、まさにそのとおりだと思っております。そのために我々も交通再編実施計画をつくりながら、地域の方々の交通のお困り事、要望もお聞きしてどういうものがいいのかいろいろ考えていこうということで、これを取り組みながら高齢者の方にどういう交通手段がいいのか含めて、実現に向けていきたいと考えているところでございます。 ◯3番(伊地智恭子君) ぜひよろしくお願いします。  先ほど落合で物損の事故があったこともご紹介しましたが、これは地元の自治会や青少年問題協議会で早くも情報を共有しています。この方に関してはひとり暮らしなので家族が見守ることがしにくい。家族と同等にはいかなくても地域で頑張って見守っていかないといけないという意識共有をしているわけです。  先ほどご答弁の中でもマナーやモラルという問題が出ました。そういったことは行政や警察がもちろん何らかのアピールや指導をしていくこともありますけれども、自分が暮らすコミュニティの中で、お互いの顔が見える関係でないとなかなかその意識が醸成しづらいところで、2問目のコミュニティ醸成に無理やりつなげようかと思うのですけれども、まず、地域担当職員ということでご答弁をいただきました。  これは私も通告で触れていませんが、地域委員会も市長の所信表明にありました。これとセットで機能するものと考えてよろしいでしょうか。 ◯議長(岩永ひさか君) 藤浪企画政策部長。      (企画政策部長藤浪裕永君登壇) ◯企画政策部長(藤浪裕永君) 地域担当職員のお尋ねですけれども、地域委員会構想のかかわりの部分では一口でご説明するのは難しいところですが、地域委員会構想の目標を見据えながら取り組む第一歩、試行としての一歩と受けとめていただければよろしいかと思ってございます。  若干お時間いただきながらこの間の経過を少しご説明させていただきますと、第五次多摩市総合計画の3つの重要な取り組みの方向性の1つに、市民がデザインするまち・多摩の創造とございますけれども、この行政評価等も行う中で、特に地域活動の担い手不足や固定化が庁内の各部署で直面する共通の課題である認識、問題意識がある中で、昨年春や夏から内部検討を行ってまいりまして、地縁・知縁による市民主体のまちづくりをテーマに掲げながら地域担当制。昭和43年ぐらいから千葉県習志野市では先行的に進めているということで、お邪魔して研究をしてまいりました。  そうした我々のまとめとして、地域と行政とが一体となって地域課題の解決やまちづくりを進める場、会議体が必要という認識は持つのですけれども、新たな会議体を行政がつくり出すことではなくて、まず既存の組織と協働して、モデルケースとして市の職員が会議体に参加する取り組みを始めて、どのような成果、効果が期待できるかの検証から始めてはどうかという結論にまとめました。  ついては既存の会議に職員がオブザーバーで参加することから始めて、行政と地域のパイプ役として地域でどのような役割を担えるかの可能性を検証していこうということから、改めて地域担当制を考えまして、これは以前から例えば第三期自治推進委員会の報告書の中でも、そうしたものが必要と言われているところですけれども、そうしたものを取り組んでいこうということで、考えさせていただいたものでございます。 ◯3番(伊地智恭子君) 1)から3)までまとめてお答えいただいたので、私もまとめてご質問しようかと思っているのですけれども、今、新たに何かつくるものではなくというご説明があったかと思います。私も地域委員会そのものは多摩市に必要でやっていただきたいとこれまでも主張してきましたが、心配だったのが例えば多摩市は10のコミュニティエリアと言っていますけれども、そのコミュニティエリアは既に社会福祉協議会が地域福祉推進委員会をつくって、民生委員の人やいろいろなところと連携して事業を始めているわけです。  今、そういった細かいものでなくても、例えばこれも先ほどご指摘が出てきましたけれども、まるっと協議体は一層ですから全般のものではありますけれども、シルバー人材センター、生協まで入っていて本当に相当広い。さまざまなテーマの違う人たちが集まっている。  また、テーマということでは、青少年問題協議会は青少年の育成という1つのテーマに絞られていますが、PTA、学校、野球のチームまで入って、地元で活動している。要するにどこに行っても同じ顔ぶれに会うのです。  先ほどもありましたがメンバーの固定化ということはあると思いますので、地域職員が入って地域委員会構想をこれから現実のものにしていくに当たって、一言で言うと屋上屋を重ねやしないか。同じメンバーがきょうは青少年問題協議会、あしたは地域委員会みたいなことになっていると、地域も疲れるし、そのメンバーも疲れるし、職員も大変だと思うのです。そういった交通整理をしながらそこのところは難しいと思うのですが、どのようにお考えでしょうか。 ◯企画政策部長(藤浪裕永君) まさに今、伊地智議員からお話のあったところが課題の部分でもありますので、大事なところは屋上屋になって、さらに皆さんがお疲れになってしまうのはいかがなのかというところでございますので、そういう問題意識を持ちながら、既存の枠組みを活用しながらどう取り組めるか試行の話につながる部分でございます。  今、検討しつついろいろな形で試行させていただけると考えてございますけれども、ご指摘のとおり社会福祉協議会で行っている地域福祉推進委員会は、コミュニティエリア単位で組織されておりまして、若干の違いがあるにしても自治会や管理組合等々、さまざまな団体が入っておりますので、こうした枠組みに加わらせていただくこと。  もう少し発展させることで新たな組織をつくるのではなくて、地域委員会という機能を持たせることができるのではないかと思ってございますので、既に先行している社会福祉協議会やまるっと協議体という話もいただきましたが、健康福祉部と話をしながら、よい形を見出していければと思ってございます。 ◯3番(伊地智恭子君) まさにそういった心配ともう1つは地域委員会の幅広さです。テーマが違う人たちをつなげようというのですから、本当に集まってくる問題、課題は物すごく多岐にわたると思うのです。そこで私は地域委員会や地域担当職員という構想を実現させていくに当たって、今どこまで進んでいるかわからないですが、私はこういったことを所掌して、指揮官として働いてくれるのはどこかの部長ではなくて、副市長の職にある人がしっかりと仕切っていくぐらいでないとやり切れないと思っているのですが、いかがでしょうか。 ◯企画政策部長(藤浪裕永君) こちらもまさに検討している試行ですが、地域担当職員の役割についてキーワードはつなぐことと、分けることかと思ってございます。平たい言葉でいくと地域のさまざまなご要望をお聞きする部分ですが、単に御用聞きになってもいけない部分だと思いますので、どのような課題があるのかしっかり受けとめさせていただいて分けていくことと、行政はよく縦割りと言われますが、しっかりつないでいくところですので、キーワードは繰り返しになりますけれども、分けるとつなぐことと考えてございます。  ついては、こうした課題をしっかりつなぐ、分けるところがかなりの調整能力、ハードルを上げるところですが、そういうところも必要だと思ってございますので、まずはトライしていきたいと思ってございます。そうした運営のところでどんな組織体制がうまく機能するのか考えていきたいと思ってございます。 ◯3番(伊地智恭子君) 市長はこれから副市長2人体制に言及していらっしゃるので、そこのところをしっかりと考えていってほしいと思うのです。地域に入っていったらそんなにおいしい話ばかりできない。市民に怒られたり、市民とごつごつやり合うようなこともあると思うので、相当な力量が求められると思うのです。私は基本的にこの地域委員会構想、地域職員はこのまちに必要だと思っていますし、ぜひ頑張っていただきたい。  あともう1つ、非常に大事だと思ったのは、特に現役世代を巻き込みたいとご答弁にもあったと思うのです。今、働いている人、まちづくりまではなかなか気が回らない、忙しい人たちをどうやって巻き込むか。さらには次世代の地域プレーヤーとして育てていくぐらいのことが必要だと思うので、そのあたりのご見解はいかがでしょうか。 ◯企画政策部長(藤浪裕永君) こちらも非常に重要なテーマで考えておりまして、市長が最初に就任されて地域委員会構想という話が出てきたときにも、まずは組織、仕組みをつくることよりもいかに地域のことに関心を持っていただいて、まちづくりに加わっていただける人をふやせるかということが最初でしょうと、過去になりますけれども、地域別、テーマ別討論会、わがまち学習講座等の機会を通じながら、人材づくりも少し取り組んでいこうということは既に進めてきてございますし、今年はさまざまな部署で市民ワークショップなども開催させていただいています。  市長いわく、今年は本当にワークショップの多い年だったと、どの部署でも今年は1年やってきたと言われたところですけれども、先般、SIMたま2030を実施させていただきました。これはゲーム形式でございましたけれども、参画いただいた市民の皆様からは非常に好評でして、次回こういうことがあったらぜひ参加したいとおっしゃっていただいておりますので、今後加わっていただける可能性のある方がたくさんいらっしゃるのかと思ってございます。  もう既に何度もやってきておりますけれども、無作為抽出という方法、みずから手を挙げる以外の方でも、市からこういう手紙が来たのでやってみようという方が非常に多くいらっしゃるので、こうした手法もとってきてございますので、ついてはこの手法を若い世代の方々にも発信して加わっていただくことによって、活動に結びつけていく工夫もしていきたいと考えております。 ◯3番(伊地智恭子君) 今のお話の中でもいろいろ伺いたいことがあるのですけれども、自治体や自治組織のことを触れたいと思います。  いただいた資料によると、自治会や町会だけでこの多摩市に93、管理組合は109、これだけですごい数だと思いますけれども、住んでいる方はいらっしゃるけれども、自治会のないところ、この数字は多摩市に届出があるところだけなので、届出がない独自に市とは関係なくやっているところがいっぱいあるわけです。  前に市長も指摘していたかと思うのですが、多摩市は長く既存区域とニュータウン、二層がある認識でしたが、近年、民間のマンションがふえて、議員の皆さんが骨身にしみていると思うのですけれども、オートロックでなかなか中へ入れない。この中では何が起きているのかわからない。最近はポストさえ外にないところもふえています。そういった住民の方はそこだけで完結しがち、あまり地域の交流に出てきていただけないのか、それもまちまちではあると思うのですが、そういった方々も防犯や防災では、少なくとも最低限つながらなければいけないし、先方だって建物が倒れた、物流がとまったとなったら市に言ってくると思うのです。  私はこの防犯、防災という切り口で、なかなか地域交流ができないところとつながれるのではないか。そういったところに地域担当職員が何がしか、一足飛びに難しいと思いますが、何とか接着剤の役割を果たしてくれないかと思っています。  それともう1つ、意見交換会で出てきたのですけれども、既存区域の中でもニュータウンもそうですが、転入、よそから入ってこられた方がいらして、そういう方々はともすると孤立していらっしゃる。ただ、交流ができていないからといってしたくないかというと、そのご本人も不安を感じていらっしゃったりするのです。  例えば老人会に集まりたい、行ってみたいけれどもわからない。これも地元の底力、先ほどありました地縁をいかにつくっていくかなので、私は地域担当職員、委員会がきちんと機能してほしいと思っています。  管理組合の例でいいますと、かなり管理組合で話し合いを進めているところがありまして、私が通告で申し上げたごみ出しや資源回収の荷物おろしが困っているというのも、管理組合の寄り合いで出てきたお話なのです。  そこではそういうことがつらいので、お助け隊みたいなのをつくってほしいとか、バリアフリーのことで困難を感じている、ここが上れないところがあるとか、洗濯物を干す、樹木の伸び過ぎの問題、そこに多分地域課題を解決していく大事なヒントやいろいろなものが眠っていると思うのです。  こういったものを一々地域職員が全部のまちに行って拾い上げることは当然あり得ないわけで、いかに地元の自治組織とつながっていくか、つくっていってもらえるかではないかと思っています。  あともう1つ指摘したいのが、例えばこの夏には唐木田で大規模な火災がありました。事故や事件が起きれば警察や消防の問題です。そこまで市が何かやるではないですが、現代、例えばあのときも煙のせいで非常な健康被害が起きたと聞いています。これも第一義的には事故を起こした事業者が対応したと聞いています。例えば本当にこのまちで生きていてどんな困り事、困難があらわれるかわからない。そこを少しでも拾ってつなげて、40年前は寄せ集めのまちと言われたニュータウンも1つのコミュニティ、たくさんのコミュニティが有機的につながったまちにしていっていただきたいと思っているのです。ご見解といっても難しいと思うので、自分の意見、思いとして述べさせていただきます。  まとめに移りましょう。きょうはつたないながら安心・安全のまちづくりを特に今後一層高齢化が進む私たちのまちで、いかに実現していくかという思いでこういう質問にいたしました。  多少バイアスがかかった状態ですが、交通安全からコミュニティ、地域職員や委員会まで何とか駆け抜けてきまして、行政の目標と使命が市民の命や暮らしを守ることがまず第一番から考えれば、そんなに的外れな質問でもなかったかと思っています。  るる述べてきたのですが、手元に平成23年に第三期多摩市自治推進委員会でつくった報告書があるのです。コミュニティ自治推進に向けた検討報告書。読みましたら、今私が言ったことはほとんど全部網羅されています。地域職員の問題、地域のいろいろなまとまりが屋上屋を重ねたらどうするのか、私が考えつくことは皆さん検討してらしたのです。  ここで本当に勉強になったのですけれども、これをまとめたときの当時の所管課長だったのが浦野副市長。まさにリアルタイムで内容もご存じだと思います。私はこの多摩市のコミュニティをつくっていく、自治推進をしていくこと、浦野副市長にやれとは今は言いませんが、副市長という立場の人がこういった部分を所管するにはまさにふさわしいと思っているのですが、この問題について、コミュニティ自治推進について、私は副市長からお話を伺いたいと思うのですが、よろしいでしょうか。 ◯議長(岩永ひさか君) 浦野副市長。        (副市長浦野卓男君登壇) ◯副市長(浦野卓男君) ご指名いただきましてありがとうございます。  今、ご紹介にありました第三期自治推進委員会がつくった報告書でございます。時期は平成21年6月から23年6月までの2年間の任期でつくったものでございます。最初の1年は前市長の時代で、後半の1年が阿部市長になった1年でございました。  自治基本条例と自治推進委員会を所管する課として、企画課長として私が携わらせていただきました。背景は今まで出てきたこともここに全部載っているわけですけれども、2年目に入って阿部市長が市長になられて、ちょうど1年間いろいろな地域の団体と自治推進委員の人たちがヒアリングをしました。2年目には阿部市長と意見交換をしました。それは自治推進委員会が考えてきたことと、阿部市長が地域委員会という公約を訴えた。それとかなり似ている中で1回意見交換し、さらに1年かけてまとめたところでございます。  今、議員からも言われたように先ほどのいろいろなやりとりは、大体この中でも検討してございました。それが9年半前ぐらいから検討し、平成23年にできたわけですが、それ以来いまだ実現できていないところですけれども、私も報告書をいただいてからずっと実現したいと思っていました。  ですから、前職の企画政策部長のときにも、先ほど藤浪企画政策部長が言った庁内での部会を設置したり、習志野市に視察に行ったりというのも、私が担当部長として行かせていただきました。今後の多摩市、オリンピック・パラリンピックの次の年が市制50周年になるわけですけれども、今後の多摩市の50年を見ても、こういった組織は大事だろうという思いがございます。  過去、市民満足度といろいろ言われたときがございますけれども、財政力指数がすごく低いまちでも市民の満足度はすごく高いところがございました。また、山間部の高齢者がひとり暮らしで、1日に交通の便が1本か2本しかなく、医者が近くにないところでも非常に不便を感じたことがないといった記事も新聞に載っていました。  安心・安全と言いますけれども、安心というのは安心感ということです。何かあったときに誰かが助けてくれる、支え合いの環境、地域があることが安心感につながる。それは税によるサービスだけではないところが1つ大きな力になるだろうと思います。そういった礎としても地域委員会、コミュニティ協議会に地域担当職員とセットで多摩市にも定着すると、非常にいいまちになるのかと。  もう1つ、そこである市がそう思って一斉に市の中で制度をつくった事例があったのです。それは市主導でやったものですから、市長がかわった途端みんななくなってしまったところがありますから、これは市の方針だからとつくるのではなくて、地域の中で必要だとみずからの思い、みんなでつくっていこうという機運をつくることが重要かと思います。  市民の力と行政が力を出し合って、さらにいいまちにしていければいいのかということでは、私もいつでも出ていく用意もありますので、ひとつよろしくお願いいたします。 ◯3番(伊地智恭子君) 私はすごく期待しているのです。ただし困難も大きいとは思うのですけれども、ぜひこれを平成23年に報告書ができてからきょうまで実現していない。ここのところをどうやって実現に向けて、しかも市民主体のコミュニティ醸成をしていくのか、最後に市長のお気持ち、意気込みを伺って終わりたいと思います。 ◯議長(岩永ひさか君) 阿部市長。        (市長阿部裕行君登壇) ◯市長(阿部裕行君) 今、浦野副市長が進め方、行政としてのかかわり方などについて話をしていただいたので、本当に言われるとおり意気込みでございます。  健幸まちづくりの「幸」の字は幸せで、いつも言っていることですが、市民一人ひとり、障がいをお持ちの方も妊産婦の方もご高齢の方も認知症の方も全ての人が幸せになる。それを目指していくために顔の見える関係が大切で、顔の見える関係を地域の中でしっかりつくっていきたい。そういう意味ではいろいろ質問者がおっしゃったように、難しい課題もいっぱいありますけれども、そこはやはり地域の皆さんと一緒に、しかも今副市長が言われたとおりであります。上からではなくてボトムアップで一緒につくっていく中で、きっとそういう課題もともに共有しながら突破できていくと思いますので、質問者も含め議員の皆さんの協力もぜひいただきながら進めてまいりたいと思っております。 ◯議長(岩永ひさか君) 伊地智恭子議員の一般質問は終わりました。    ──────────────────── ◯議長(岩永ひさか君) お諮りいたします。  本日の会議はこの程度にとどめ、延会いたしたいと思います。  これにご異議ありませんか。       (「異議なし」と呼ぶ者あり) ◯議長(岩永ひさか君) ご異議なしと認めます。よって本日はこれにて延会することに決しました。
     本日はこれにて延会いたします。          午後4時17分延会...