狛江市議会 2021-03-11
令和3年予算特別委員会 本文 開催日: 2021-03-11
検索結果一覧に戻る 検索をやり直す ヘルプ (新しいウィンドウで開きます) 2021-03-11 令和3年
予算特別委員会 本文 文書・発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ
ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ・別
画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール
印刷用ページ(新しいウィンドウで開きます) 別窓表示(新しいウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正
表示形式切り替え 発言の単文・選択・全文表示を切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者の
表示切り替え 全 322 発言 / ヒット 0 発言 すべての発言・
ヒット発言の
表示切り替え すべての発言
ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更 選択表示 すべて選択 すべて解除 発言者一覧 選択 1 : ◎ 委員長 選択 2 : ◎ 委員長 選択 3 : ◎ 委員長 選択 4 : ◎
谷田部委員 選択 5 : ◎ 財政課長 選択 6 : ◎
谷田部委員 選択 7 : ◎ 財政課長 選択 8 : ◎
谷田部委員 選択 9 : ◎ 財政課長 選択 10 : ◎
谷田部委員 選択 11 : ◎ 財政課長 選択 12 : ◎
谷田部委員 選択 13 : ◎ 財政課長 選択 14 : ◎
谷田部委員 選択 15 : ◎ 財政課長 選択 16 : ◎
谷田部委員 選択 17 : ◎ 財政課長 選択 18 : ◎
谷田部委員 選択 19 : ◎ 財政課長 選択 20 : ◎
谷田部委員 選択 21 : ◎ 財政課長 選択 22 : ◎
谷田部委員 選択 23 : ◎ 財政課長 選択 24 : ◎
谷田部委員 選択 25 : ◎ 財政課長 選択 26 : ◎
谷田部委員 選択 27 : ◎ 財政課長 選択 28 : ◎
谷田部委員 選択 29 : ◎ 財政課長 選択 30 : ◎
谷田部委員 選択 31 : ◎ 財政課長 選択 32 : ◎
谷田部委員 選択 33 : ◎ 政策室長 選択 34 : ◎ 危機管理担当理事 選択 35 : ◎ 子ども政策課長 選択 36 : ◎ 学校教育課長 選択 37 : ◎
谷田部委員 選択 38 : ◎ 新型コロナ予防接種室長 選択 39 : ◎
谷田部委員 選択 40 : ◎ 市長 選択 41 : ◎
谷田部委員 選択 42 : ◎ 市長 選択 43 : ◎
谷田部委員 選択 44 : ◎ 鈴木委員 選択 45 : ◎ 財政課長 選択 46 : ◎ 鈴木委員 選択 47 : ◎ 財政課長 選択 48 : ◎ 鈴木委員 選択 49 : ◎ 財政課長 選択 50 : ◎ 鈴木委員 選択 51 : ◎ 財政課長 選択 52 : ◎ 鈴木委員 選択 53 : ◎ 財政課長 選択 54 : ◎ 鈴木委員 選択 55 : ◎ 新型コロナ予防接種室長 選択 56 : ◎ 鈴木委員 選択 57 : ◎ 新型コロナ予防接種室長 選択 58 : ◎ 鈴木委員 選択 59 : ◎ 高齢障がい課長 選択 60 : ◎ 鈴木委員 選択 61 : ◎ 高齢障がい課長 選択 62 : ◎ 鈴木委員 選択 63 : ◎ 市長 選択 64 : ◎ 鈴木委員 選択 65 : ◎ 市長 選択 66 : ◎ 鈴木委員 選択 67 : ◎ 市長 選択 68 : ◎ 鈴木委員 選択 69 : ◎ 市長 選択 70 : ◎ 鈴木委員 選択 71 : ◎ 教育部長 選択 72 : ◎ 鈴木委員 選択 73 : ◎ 学校教育課長 選択 74 : ◎ 鈴木委員 選択 75 : ◎ 教育部長 選択 76 : ◎ 鈴木委員 選択 77 : ◎ 学校教育課長 選択 78 : ◎ 鈴木委員 選択 79 : ◎ 教育長 選択 80 : ◎ 鈴木委員 選択 81 : ◎ 委員長 選択 82 : ◎ 委員長 選択 83 : ◎ 鈴木委員 選択 84 : ◎ 福祉政策課長 選択 85 : ◎ 鈴木委員 選択 86 : ◎ 高齢障がい課長 選択 87 : ◎ 鈴木委員 選択 88 : ◎ 福祉政策課長 選択 89 : ◎ 鈴木委員 選択 90 : ◎ 福祉政策課長 選択 91 : ◎ 鈴木委員 選択 92 : ◎ 保険年金課長 選択 93 : ◎ 鈴木委員 選択 94 : ◎ 保険年金課長 選択 95 : ◎ 鈴木委員 選択 96 : ◎ 保険年金課長 選択 97 : ◎ 鈴木委員 選択 98 : ◎ 市長 選択 99 : ◎ 鈴木委員 選択 100 : ◎ 下水道課長 選択 101 : ◎ 鈴木委員 選択 102 : ◎ 福祉政策課長 選択 103 : ◎ 財政課長 選択 104 : ◎ 危機管理担当理事 選択 105 : ◎ 鈴木委員 選択 106 : ◎ 福祉政策課長 選択 107 : ◎ 鈴木委員 選択 108 : ◎ 危機管理担当理事 選択 109 : ◎ 鈴木委員 選択 110 : ◎ 危機管理担当理事 選択 111 : ◎ 鈴木委員 選択 112 : ◎ 危機管理担当理事 選択 113 : ◎ 鈴木委員 選択 114 : ◎ 危機管理担当理事 選択 115 : ◎ 鈴木委員 選択 116 : ◎ 市長 選択 117 : ◎ 鈴木委員 選択 118 : ◎ 市長 選択 119 : ◎ 鈴木委員 選択 120 : ◎ 市長 選択 121 : ◎ 鈴木委員 選択 122 : ◎ 佐々木委員 選択 123 : ◎ 企画財政部長 選択 124 : ◎ 総務部長 選択 125 : ◎ 市民生活部長 選択 126 : ◎ 福祉保健部長 選択 127 : ◎ 参与 選択 128 : ◎ 都市建設部長 選択 129 : ◎ 教育長 選択 130 : ◎ 佐々木委員 選択 131 : ◎ 市長 選択 132 : ◎ 委員長 選択 133 : ◎ 委員長 選択 134 : ◎ 加藤委員 選択 135 : ◎ 財政課長 選択 136 : ◎ 加藤委員 選択 137 : ◎ 財政課長 選択 138 : ◎ 加藤委員 選択 139 : ◎ 課税課長 選択 140 : ◎ 加藤委員 選択 141 : ◎ 財政課長 選択 142 : ◎ 加藤委員 選択 143 : ◎ 財政課長 選択 144 : ◎ 加藤委員 選択 145 : ◎ 財政課長 選択 146 : ◎ 加藤委員 選択 147 : ◎ 財政課長 選択 148 : ◎ 加藤委員 選択 149 : ◎ 財政課長 選択 150 : ◎ 加藤委員 選択 151 : ◎ 財政課長 選択 152 : ◎ 加藤委員 選択 153 : ◎ 財政課長 選択 154 : ◎ 加藤委員 選択 155 : ◎ 財政課長 選択 156 : ◎ 加藤委員 選択 157 : ◎ 財政課長 選択 158 : ◎ 加藤委員 選択 159 : ◎ 財政課長 選択 160 : ◎ 加藤委員 選択 161 : ◎ 財政課長 選択 162 : ◎ 加藤委員 選択 163 : ◎ 財政課長 選択 164 : ◎ 加藤委員 選択 165 : ◎ 財政課長 選択 166 : ◎ 加藤委員 選択 167 : ◎ 財政課長 選択 168 : ◎ 加藤委員 選択 169 : ◎ 財政課長 選択 170 : ◎ 加藤委員 選択 171 : ◎ 財政課長 選択 172 : ◎ 加藤委員 選択 173 : ◎ 平井委員 選択 174 : ◎ 総務課長 選択 175 : ◎ 平井委員 選択 176 : ◎ 総務課長 選択 177 : ◎ 平井委員 選択 178 : ◎ 総務課長 選択 179 : ◎ 平井委員 選択 180 : ◎ 総務部長 選択 181 : ◎ 平井委員 選択 182 : ◎ 政策室長 選択 183 : ◎ 平井委員 選択 184 : ◎ 政策室長 選択 185 : ◎ 平井委員 選択 186 : ◎ 総務課長 選択 187 : ◎ 平井委員 選択 188 : ◎ 政策室長 選択 189 : ◎ 平井委員 選択 190 : ◎ 政策室長 選択 191 : ◎ 平井委員 選択 192 : ◎ 教育部理事 選択 193 : ◎ 平井委員 選択 194 : ◎ 教育部理事 選択 195 : ◎ 平井委員 選択 196 : ◎ 教育部理事 選択 197 : ◎ 平井委員 選択 198 : ◎ 教育部理事 選択 199 : ◎ 平井委員 選択 200 : ◎ 教育部理事 選択 201 : ◎ 平井委員 選択 202 : ◎ 学校教育課長 選択 203 : ◎ 平井委員 選択 204 : ◎ 教育部理事 選択 205 : ◎ 平井委員 選択 206 : ◎ 学校教育課長 選択 207 : ◎ 平井委員 選択 208 : ◎ 松崎委員 選択 209 : ◎ 財政課長 選択 210 : ◎ 松崎委員 選択 211 : ◎ 財政課長 選択 212 : ◎ 松崎委員 選択 213 : ◎ 財政課長 選択 214 : ◎ 松崎委員 選択 215 : ◎ 財政課長 選択 216 : ◎ 松崎委員 選択 217 : ◎ 政策室長 選択 218 : ◎ 松崎委員 選択 219 : ◎ 政策室長 選択 220 : ◎ 松崎委員 選択 221 : ◎ 委員長 選択 222 : ◎ 委員長 選択 223 : ◎ 吉野委員 選択 224 : ◎ 財政課長 選択 225 : ◎ 吉野委員 選択 226 : ◎ 政策室長 選択 227 : ◎ 吉野委員 選択 228 : ◎ 納税課長 選択 229 : ◎ 吉野委員 選択 230 : ◎ 政策室長 選択 231 : ◎ 吉野委員 選択 232 : ◎ 危機管理担当理事 選択 233 : ◎ 吉野委員 選択 234 : ◎ 地域活性課長 選択 235 : ◎ 吉野委員 選択 236 : ◎ 地域活性課長 選択 237 : ◎ 吉野委員 選択 238 : ◎ 子ども家庭部理事 選択 239 : ◎ 吉野委員 選択 240 : ◎ 福祉政策課長 選択 241 : ◎ 吉野委員 選択 242 : ◎ 施設課長 選択 243 : ◎ 吉野委員 選択 244 : ◎ 環境政策課長 選択 245 : ◎ 吉野委員 選択 246 : ◎ 政策室長 選択 247 : ◎ 吉野委員 選択 248 : ◎ 子ども政策課長 選択 249 : ◎ 吉野委員 選択 250 : ◎ 子ども政策課長 選択 251 : ◎ 吉野委員 選択 252 : ◎ 三宅委員 選択 253 : ◎ 職員課長 選択 254 : ◎ 三宅委員 選択 255 : ◎ 職員課長 選択 256 : ◎ 三宅委員 選択 257 : ◎ 職員課長 選択 258 : ◎ 三宅委員 選択 259 : ◎ 職員課長 選択 260 : ◎ 三宅委員 選択 261 : ◎ 職員課長 選択 262 : ◎ 三宅委員 選択 263 : ◎ 職員課長 選択 264 : ◎ 三宅委員 選択 265 : ◎ 職員課長 選択 266 : ◎ 三宅委員 選択 267 : ◎ 職員課長 選択 268 : ◎ 三宅委員 選択 269 : ◎ 職員課長 選択 270 : ◎ 三宅委員 選択 271 : ◎ 職員課長 選択 272 : ◎ 三宅委員 選択 273 : ◎ 未来戦略室長 選択 274 : ◎ 三宅委員 選択 275 : ◎ 財政課長 選択 276 : ◎ 三宅委員 選択 277 : ◎ 財政課長 選択 278 : ◎ 三宅委員 選択 279 : ◎ 財政課長 選択 280 : ◎ 三宅委員 選択 281 : ◎ 財政課長 選択 282 : ◎ 三宅委員 選択 283 : ◎ 財政課長 選択 284 : ◎ 三宅委員 選択 285 : ◎ 財政課長 選択 286 : ◎ 三宅委員 選択 287 : ◎ 石川委員 選択 288 : ◎ 政策室長 選択 289 : ◎ 石川委員 選択 290 : ◎ 政策室長 選択 291 : ◎ 石川委員 選択 292 : ◎ 政策室長 選択 293 : ◎ 石川委員 選択 294 : ◎ 財政課長 選択 295 : ◎ 石川委員 選択 296 : ◎ 財政課長 選択 297 : ◎ 石川委員 選択 298 : ◎ 財政課長 選択 299 : ◎ 石川委員 選択 300 : ◎ 市長 選択 301 : ◎ 石川委員 選択 302 : ◎ 市長 選択 303 : ◎ 石川委員 選択 304 : ◎ 高木委員 選択 305 : ◎ 総務課長 選択 306 : ◎ 高木委員 選択 307 : ◎ 環境政策課長 選択 308 : ◎ 高木委員 選択 309 : ◎ 総務課長 選択 310 : ◎ 高木委員 選択 311 : ◎ 総務課長 選択 312 : ◎ 高木委員 選択 313 : ◎ 環境政策課長 選択 314 : ◎ 高木委員 選択 315 : ◎ 政策室長 選択 316 : ◎ 高木委員 選択 317 : ◎ 環境政策課長 選択 318 : ◎ 高木委員 選択 319 : ◎ 市長 選択 320 : ◎ 高木委員 選択 321 : ◎ 委員長 選択 322 : ◎ 委員長 ↑ 発言者の先頭へ 本文 ↓ 最初のヒットへ (全 0 ヒット) 1: 午前 9時00分 開会
◎ 委員長 ただいまから
予算特別委員会を開会いたします。
本日の審査順序につきましては,お手元に配付してある会議日程のとおり進めます。
なお,本会議において要求のありました資料につきましては,既に各委員に配付されておりますので,御参照いただきたいと思います。
それでは第1,議案第4号 令和3年度狛江市一般会計予算を議題といたします。
お諮りいたします。
議案第4号については既に提案理由の説明を受けておりますので,これを省略することにしたいと思います。これに御異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
2: ◎ 委員長 御異議なしと認めます。よってさよう決しました。
これより質疑を受けます。
お諮りいたします。
質疑の方法は,総括,歳入,歳出の款ごととし,歳出の2款総務費,3款民生費,10款教育費については項ごとに受けたいと思います。これに御異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
3: ◎ 委員長 御異議なしと認めます。よってさよう進めます。
最初に総括質疑を受けます。
4: ◎
谷田部委員 令和3年予算委員会,自由民主党・明政クラブの総括質疑をさせていただきます。緊急事態宣言中ということで一問一答制で簡潔にしたいと思いますので,よろしくお願いいたします。
令和3年度当初予算は303億2,000万円で前年度比3億9,100万円,1.3%の増となっております。当初予算が300億円台に乗っているのは記憶にないが,令和3年度予算は過去最大でいいのかお伺いいたします。
5: ◎ 財政課長 令和3年度予算は過去3番目に大きい予算となります。過去最大は平成5年度の316億2,700万円で,2番目が平成7年度の314億2,760万円となります。
6: ◎
谷田部委員 平成5年度や平成7年度が過去1番か2番という規模とのことですが,この頃はバブル経済の末期でございます。または過ぎている頃に当たると思いますが,予算規模が大きかった要因を教えてください。
7: ◎ 財政課長 大きな要因といたしましては,普通建設事業費が多くを占めていることです。
決算額での答弁となりますが,平成5年度では約134億円で,主に特別養護老人ホーム整備に約33億円,西河原公民館建設に約21億円,都市計画道路3・4・16号線の整備に約18億円などでございます。また,平成7年度は約158億円で,主にあいとぴあセンター建設に約38億円,市民ホールの建設に約14億円,都市計画道路3・4・4号線の整備に約19億円などでございます。
8: ◎
谷田部委員 駅前再開発や公共施設やインフラの整備がメインであったということが今御答弁で分かりました。普通建設事業費が多くを占めているとのことですが,令和3年度の予算概要の13ページ,歳出予算性質別内訳の表を見ますと,令和3年度の予算で普通建設事業費が全体に占める割合,構成比は6.7%であります。
平成5年度の普通建設事業費の構成比,この当時は幾つだったのでしょうか,お伺いいたします。
9: ◎ 財政課長 平成5年度決算の普通建設事業費の構成比は45.7%になります。
10: ◎
谷田部委員 平成5年度が45.7%で,令和3年度が普通建設事業費が6.7%ということで,平成5年度では令和3年度の約7倍も建設事業費の占める割合が高いことが今分かりました。
では,令和3年度は主にどこに予算を投入しているのでしょうか。
11: ◎ 財政課長 令和3年度予算の構成比に占める割合が最も高いのは扶助費,約96億円,31.7%です。平成5年度は決算額で約19億円,6.3%です。
12: ◎
谷田部委員 普通建設事業費と扶助費が約30年間でおおよそ逆転していることが分かりました。
扶助費は約5倍に増えていますが,要因は何でしょうか。
13: ◎ 財政課長 扶助費は社会福祉費,老人福祉費,児童福祉費,生活保護費,教育費などに分かれます。令和3年度予算と平成5年度決算にて,それぞれ増減をお答えいたします。
社会福祉費約12億8,000万円,335.2%の増,老人福祉費約4億6,000万円,90.6%の減,児童福祉費約47億5,000万円,1121.3%の増,生活保護費約17億5,000万円,343.2%の増,教育費約4億円,1107.1%の増です。
児童福祉費と教育費の増加が大きいですが,教育費の増のうち,ほとんどが幼稚園の施設等給付でございますので,これらは子どもたち向けとなります。
唯一減額している老人福祉費ですが,これは平成12年に介護保険制度が創設され,老人福祉費のほとんどが介護保険へ移行しております。仮に令和3年度の介護保険特別会計の予算額約69億9,000万円を老人福祉費に合算して比較いたしますと,増減は約65億3,000万円,1273.6%の増となり,児童福祉費等の伸びを超え,一番の伸びとなります。
14: ◎
谷田部委員 扶助費では児童福祉費と教育費の伸び率が一番今高いということと,そして一方で老人福祉費は唯一減っておりますが,介護保険制度に移行し,それらを仮に合算した場合,最も増加率が高くなることが今御答弁で分かりました。
それでは,この30年間に人口も増えていると思いますが,総人口と65歳以上の人口,14歳以下の人口の増減,率,構成比で教えてください。
15: ◎ 財政課長 平成6年1月1日と令和3年1月1日の人口でお答えいたします。
総人口は7万3,253人から8万3,268人で1万15人増,率にして13.7%の増,65歳以上の人口は8,077人から1万9,986人で1万1,909人の増,率にして147.4%の増,14歳以下の人口は9,115人から9,880人で765人の増,率にして8.4%の増でございます。
また,構成比につきましては,65歳以上の人口は11.0%から24.0%に,14歳以下の人口は12.4%から11.9%でございます。
16: ◎
谷田部委員 この平成5年,予算規模が一番高いときから30年間の間に総人口が1万人増えましたが,高齢者の人口はさらに2,000人多い1万2,000人増えております。また構成比も倍増しており,人口構造も大きく変わったことだということが分かりました。結果として歳出の状況も大きく変化したことが分かったということでございます。
では,先ほどの予算概要の13ページの予算性質別内訳の表に戻ります。右側の欄,前年度比で1億円以上増減しているものを上から読み上げます。
扶助費が約2億7,000万円,2.9%の増,繰出金が1億4,000万円,4.7%の増,普通建設事業費が1億4,000万円,6.6%の増となっております。このうち繰出金約1億4,000万円の増の内容を教えてください。
17: ◎ 財政課長 繰出金約1億4,000万円の増理由ですが,主に国民健康保険特別会計への繰出金であり,約1億1,000万円の増,介護保険特別会計と後期高齢者医療特別会計への繰出金を合わせますと,合計で1億3,000万円の増となっております。
18: ◎
谷田部委員 そうしますと,この繰出金のほとんどは福祉の特別会計へというもので,扶助費に近いということでよろしいでしょうか。
19: ◎ 財政課長 おっしゃるとおり狛江市では,この福祉の3会計への繰出金と扶助費を合わせた額を社会保障費としております。
20: ◎
谷田部委員 そうしますと,この繰出金の増は,今言ったように3会計は社会保障費の増ということで,1億円以上が増となることは扶助費と繰出金を合わせた社会保障のみということが今分かりました。
では一方で,歳入はいかがでしょうか。市の一般会計予算などは歳入と歳出が同額でありますから,歳出で約3億9,000万円増額しておりますので,歳入もやはり伸ばす必要があります。
予算概要の6ページを見てください。
6ページのところで歳入予算款別内訳の表を見ますと,前年度比の欄に三角印があります。つまりマイナスが目立ちます。こちらも前年度対比で1億円以上の増減を上から読み上げます。
市税が4億4,000万円,3.5%の減,地方交付税が約1億2,000万円,こっちは7.9%の増,国庫支出金が約2億5,000万円,5.1%の増,繰出金が約2億円,45.2%の減,市債が約6億6,000万円,41.9%の増となっております。それぞれの増減理由をお伺いいたします。
21: ◎ 財政課長 市税は,新型コロナウイルス感染症の影響により約123億5,000万円,前年度比約4億4,000万円,3.5%の減となります。
地方交付税のうち普通交付税が,市税収入などの減で市の財源不足が大きくなったことなどにより約13億8,000万円,前年度比約1億2,000万円,9.5%の増となります。
国庫支出金は,個人番号カード関連事務費等補助金,生活保護費負担金,子どものための教育・保育給付交付金,障がい福祉サービス等負担金の増などにより約51億8,000万円,前年度比約2億5,000万円,5.1%の増となります。
繰入金は,普通建設事業費の減などにより公共施設修繕基金繰入金や公共施設整備基金繰入金を減し,約2億4,000万円,前年度比約2億円,45.2%の減となります。
市債は,建設事業債が約7億6,000万円,前年度比約2,000万円,2.8%の増,臨時財政対策債が市税収入などの減で市の財源不足が大きくなったことなどにより約14億9,000万円,前年度比約6億4,000万円,76.2%の増,市債全体で約22億5,000万円,前年度比約6億6,000万円,41.9%の増となっております。
22: ◎
谷田部委員 今新型コロナウイルス感染症の影響で,市税収入が約4億4,000万円と大幅に減しておりますが,その補填となる普通交付税は約1億2,000万円の増にとどまり,臨時財政対策債が約6億4,000万円,76.2%の大幅な増となっています。
予算概要の16ページを見てください。
16ページの下に市債の年度末残高の折れ線グラフがありますが,令和3年度で折れ線グラフが急に上昇しております。先ほど答弁があったように建設事業費はほぼ増えていないということです。この急な右肩上がりのほとんどが臨時財政対策債であると読み取れます。
普通交付税は真水のお金が狛江市に入ってくるものと思いますが,臨時財政対策債は,その償還額が交付税の算定である需要額に算入されるにせよ,借金であることには変わりはありません。これは,
予算特別委員会,決算特別委員会で何度も答弁をもらっております。
なぜ普通交付税が1億2,000万円の増で,借金である臨時財政対策債が6億4,000万円の増になってしまうのかお伺いいたします。
23: ◎ 財政課長 国は地方の財源不足に対して,地方法人税を含む国税5税を財源に普通交付税として配分しておりますが,この財源には法定率が定められており,その分を超える地方の財源不足については,普通交付税ではなく臨時財政対策債として発行可能額が示されます。令和3年度予算においては,国税収入も大きく落ち込み,地方全体で法定率を超える大きな財源不足が発生することが見込まれることなどから,普通交付税に比べて臨時財政対策債が大きく増加しております。
24: ◎
谷田部委員 国税収入の大幅減が狛江市にも大きく影響していることが分かりました。
国の令和3年度の一般会計予算は約106兆6,000億円,前年度比約4兆円,3.8%の増で過去最大であります。市長の所信表明でも述べられておりましたが,歳入を借金でどれだけ賄うかを示す公債依存度が40.9%となり,前年度から9.2%増加しております。歳入全体の4割を借金に依存しているということでございます。これは非常に危機感を覚えますが,狛江市の状況はいかがでしょうか。
25: ◎ 財政課長 狛江市の令和3年度予算の公債依存度は7.4%,前年度比2.1ポイントの増となります。
26: ◎
谷田部委員 前年度比2.1%の増ということで,やはり増加していました。先ほど説明がありました市債全体で約22億5,000万円,前年度比約6億6,000万円,41.9%の増ということが大きく影響したのだと思います。
予算概要の16ページの下段の市債の年度末残高のグラフについて,令和3年度の折れ線グラフが急に上昇しているということに先ほど私は触れましたが,狛江市では平成24年度以降,中期財政計画を策定し,財政の健全化に取り組んできました。26市で高水準だった市債残高も順調に減額できているということは分かっております。
令和3年度は,中期財政計画に定める3つの財政規律の一つでございます市債発行額の基準は達成できるのでしょうか,お伺いいたします。
27: ◎ 財政課長 令和3年度当初予算上においては,先ほど来、御紹介いただいております予算概要のとおり、市債の年度末残高は令和2年度末残高見込みに比べ,約6億4,000万円増加する見込みとなっております。市債発行額の基準の達成は難しい状況ではありますが,令和3年度の執行において,できる限り市債の発行を抑制してまいりたいと考えております。
28: ◎
谷田部委員 当初予算上は増とせざるを得ないということだと思いますが,冒頭質問しました社会保障費に対応するためということでしょうか。また,計上している臨時財政対策債は発行可能額でしょうか。お伺いいたします。
29: ◎ 財政課長 おっしゃるとおり社会保障費はもちろんですが,災害対策や子育て支援など必要な歳出に対応するためであり,臨時財政対策債は予算上発行可能額とさせていただいております。
30: ◎
谷田部委員 狛江市では例年第3回定例会において,臨時財政対策債の限度額を下げさせる補正予算をいつも組んでいて提出しているかと思います。今回もその予定でよろしいのでしょうか。
31: ◎ 財政課長 市税の状況,普通交付税の決定額及び臨時財政対策債の発行可能額の確定の状況,また今後の新型コロナウイルス感染症の状況の見通しは難しいですが,市民生活への支援など必要な歳出を確保した上で持続可能な財政のため,可能な限り減額できるよう努めたいと考えております。
32: ◎
谷田部委員 厳しい財政状況の中でも必要な歳出を確保しながら,将来世代に可能な限り借金を残してはいけないという持続可能な財政運営に努めるということで,やはりバランスが必要だと思います。ぜひそのバランス感覚を大事に,市民生活の支援と財政の健全化に努めていただきたいと思います。
ここまでコロナ禍における令和3年度予算編成についてお伺いしました。
続きまして,歳出の予算の取組についてお伺いいたします。
この厳しい予算編成の中で,市長の所信表明の中でも特に財政のことで力を入れているところ,人権・平和,参加・協働,そしてまた安心・安全,それと子育て,そして教育,この3つの視点から,所信表明にのっとって各課の方向性をお伺いいたします。よろしくお願いいたします。
33: ◎ 政策室長 まず最初に,人権と市民参加・市民協働について答弁させていただきます。
人権につきましては,昨年7月に人権を尊重しみんなが生きやすい狛江をつくる基本条例が施行され,また,この条例による人権を尊重するまちづくりを推進するため,狛江市人権尊重推進会議を設置したところです。
令和3年度につきましては,人権施策を推進するための指針を策定することとしており,現在も人権尊重推進会議で審議いただいているところですが,まずは人権に関する市民意識調査を実施いたします。ここから市民の皆様が感じられている人権に関する課題などを把握した上で,施策の方向性を示した指針を策定してまいります。
また,東京法務局府中支局の多摩東人権啓発活動ネットワーク協議会の幹事市となる年でもありますので,人権尊重に向けた啓発や人権問題に関する正しい知識を深めるための講演会を幹事市として実施いたします。
続きまして,市民参加と市民協働についてですが,狛江市の市民参加と市民協働の推進に関する基本条例が施行されてから17年が経過しておりますので,今までの実績等も踏まえ,また新しい生活様式も視野に入れて制度の検証を行ってまいります。
また,狛江市市民参加と市民協働に関する審議会から幅広い層に向けた市民参加の促進や協働意識の向上,各種制度等の検証について提言をいただいたところですが,特に行政提案型の市民協働事業提案制度につきましては,庁内において応募実績が数年ないことから,試行的にテーマの設定やスケジュール等を見直して実施いたします。
34: ◎ 危機管理担当理事 続きまして,安心・安全でございます。
まず防災面におきましては,機動力を持って排水作業に取り組めるように,排水量が1分間に4立米と15立米の水中ポンプを用途により選択可能な排水ポンプ車の配備,また浸水被害の軽減を図る自助の取組の支援として,止水板設置工事費等の補助制度を創設したいと考えてございます。
一方,防災面につきましては,これまでと同様に特殊詐欺対策をはじめ,市内の犯罪抑止に取り組むところでございますが,市内の犯罪件数の中でも特に件数の多い自転車の盗難に対しまして力を入れて取り組むことで,都内区市におけるトップクラスの犯罪発生件数の少なさを維持してまいりたいと考えております。
35: ◎ 子ども政策課長 それでは続きまして,子育て支援について答弁申し上げます。
まず子ども政策課につきましては,子どもの貧困対策の観点から,ひとり親家庭や低所得の世帯に向けて,それぞれ養育費受け取り支援事業と高校生世代医療費助成事業を新たに始めるとともに,昨年10月に開始いたしましたひとり親学習支援事業も通年化して実施いたします。また,オンライン子育て講座や児童手当の現況届のオンライン化によりまして,昨今の社会環境にも適合した子育て世帯全般の負担軽減に取り組んでまいります。
次に,児童育成課につきましては,保育園ではさつき家庭保育室の小規模保育事業への移行に伴う定員増を図るとともに,東京都のベビーシッター利用支援事業の活用推進など,保育所の新規整備によらない機動的な方策による取組を進めてまいります。学童クラブにつきましては,今後の中長期的な需要数を踏まえ,寺前小学生クラブ及び第六小学校放課後クラブの開設による定員増を図るとともに,第一小学校放課後クラブの施設整備を実施いたします。
最後に,子ども発達支援課では,増加している児童虐待に対応するため,専門職の増員予算を計上しております。また,令和3年度から児童育成課が行っている巡回相談事業を引き継ぐことにより就学後の切れ目のない支援につなげるとともに,児童発達支援センターでは,週5日の通所クラスの定員拡大等,早期療育の需要に対応するための事業の見直しを行っております。
36: ◎ 学校教育課長 それでは,学校教育の部分につきまして答弁させていただきます。
学校教育課においては,災害対策と長寿命化・安心安全な学校環境の整備に向け,昨年度に引き続き小学校の体育館へ空調設置を行い,全ての小・中学校の体育館への空調整備が終了いたします。また,コミュニティスクールの実現に向け,地域学校連携支援マネジャーの予算を計上させていただいております。
続きまして,教育支援課におきましては,中学校に自閉症・情緒障がい特別支援学級を設置することに伴い,時間講師や特別支援教育介助員を配置し,生徒の指導の充実や安全確保を図ってまいります。
次に,指導室におきましては,GIGAスクール構想に基づく児童・生徒1人1台のタブレット端末を活用した個別最適な学びや協働的な学びの充実を図るとともに,hyper-QUをWEBQUとして実施し,迅速な分析に基づく,より効果的な対応を行ってまいります。
そのほか,ドローンを活用したプログラミング教育をはじめ,オンラインスピーキングトレーニングの実施など外国語教育の一層の充実を図ってまいります。
37: ◎
谷田部委員 次に,新型コロナウイルス感染症対策関連についてお伺いいたします。
市長が所信表明でも言及されていた新型コロナワクチンについて確認させていただきます。
先日,市で予防接種計画が決定されましたが,その概要について,また市民への周知についてどのようなことを予定しているのかお伺いいたします。
38: ◎ 新型コロナ予防接種室長 市における新型コロナワクチン接種に関する考え方につきましては,3月2日に狛江市新型コロナウイルスワクチン住民接種実施計画(暫定版)として決定しております。
主な内容としましては,事業コンセプトとして,コンパクトなまちならではの強みを活かした安心で安全なワクチン接種としております。そのほか,現時点でのスケジュール感,接種クーポン券の発送から接種までの流れ,集団接種会場と会場での流れなどをお示しております。
なお,これはあくまで暫定版でございまして,今後の状況変化等に応じて変更,追記しながら事業を進めてまいります。
周知につきましては,現在市のホームページにワクチン接種の特設ページをつくり,随時最新情報やQ&Aを掲載しております。そのほか,広報こまえ3月15日号やSNSでのお知らせ,今月下旬にはワクチン接種を特集しましたチラシを全戸配布する予定です。また,市のユーチューブで市長との対話形式での情報発信も行っております。
39: ◎
谷田部委員 分かりました。
収束したポストコロナの新たな世界,ニューノーマル時代に転換ということを市長も所信表明に書かれております。市長の考え方をお伺いいたします。
40: ◎ 市長 新型コロナウイルスが収束した後のポストコロナ時代に向けた考え方ということですけれども,東京都を含む1都3県につきましては,緊急事態宣言が延長されまして,感染症を抑え込むための大変重要な局面にありますので,引き続き感染対策を徹底してまいりたいと考えております。
また,緊急事態宣言が解除されたからといって気を緩めますと,感染が再拡大し第4波になってしまうおそれがあります。狛江市としては引き続き国・東京都と連携し感染症対策としてできる対応を行っていかなければならないと考えております。現在新型コロナウイルスワクチン予防接種に向けまして準備を進めているところですが,この予防接種が感染の収束に大きな役割を果たすものですので,希望される方が安心して円滑に接種できるように進めてまいります。
御質問いただきましたポストコロナ時代に向けましては,コロナ禍により人々の働き方や暮らし方,過ごし方が大きく変わりました。市といたしましても,こういった人々の生活様式の変化や社会構造の変化に対応していかなければなりません。今後コロナが収束いたしましても,ただ単に元の生活に戻るのではなく,コロナ禍による新しい生活様式を踏まえて,高齢化の進展や人口減少など大きな課題に対応できる持続可能な自治体運営を目指し取り組んでいくことが,誰もがいつでも安心して幸せに暮らすことのできる,人にやさしいまちづくりにつながるものと考えております。
41: ◎
谷田部委員 ニューノーマル時代ということで,市長の考え方が分かったわけです。
それでは,総括質疑の最後に,いま一度市長にお伺いいたします。
市民センターの改修,新図書館の建設についてです。
市民センターを考える市民の会の提案書には次のように書かれております。コンセプトは「SMALL is COOL」(小さいまちの良さを生かして)とされ,狛江市は面積が2番目に小さいところです。これは寂しいことでしょうか。そうではなく,むしろ大事な意味を持つと考えております。
面積だけではなく,人口もおよそ8万人です。10万人未満というのは,市の行政と一人一人の市民の関係のほどよさ,要するに顔が近いということを意味します。人口規模が大きければ,行政活動は一人一人の住民ときめ細かい関係を築くのは難しい。しかしながら,10万人未満の狛江市だからこそ,市民の顔の見える行政が可能になるわけです。市内には4車線道路がほとんどありません。歩道橋は一つもありません。道路の向こう側を歩いている人の顔が見え,声をかけられるというような距離感でございます。市民の会の若者たちによる中間プレゼンテーションの指摘に,その場に参加していた市民も,なるほどと狛江の再発見をしました。
若者たちがまちづくりのコンセプトとして打ち出した「SMALL is COOL」(小さいまちの良さを生かして),顔が見えるまち狛江のよさに改めて注目していきたいということです。市と市民,市民相互のよい関係性を築くこと,市民が輝く生活ができるようになることは,行政が求める市民の参加と自治の力量を醸成する基盤です。そのコアとなるのが,まさに市役所エリアにある市民センターだと思います。以前,市長が自宅に帰られるとき,狛江通りを挟んで私は自宅の前から声をかけたことがありましたよね。それはまさに顔と顔が見える距離だということでございます。まさに,狛江市は顔が見えるまちです。
提案書のコンセプトに「SMALL is COOL」(小さいまちの良さを生かして)とありますが,クールという言葉は,すごい,最高,格好いいという意味でも使われます。小さいことはすごい,小さいことは最高,小さいことは格好いいと言えるのではないでしょうか。
この考え方についてと,併せて新図書館に対する市長のお考えをお聞きします。
42: ◎ 市長 市民センターを考える市民の会からの提案にあるコンセプト,「SMALL is COOL」については,とても共感できるものでございます。市民の会が行った中間報告の際の資料には,「SMALL is COOL」として,歩けるまちづくり,みんなのラウンジ,みんなで育てていくとの3つの柱が示されておりました。狛江市はコンパクトだからこそ,大きな施設ではなくとも,小さな施設をつなぐことで機能を補えます。市民センターは市役所に隣接し,狛江駅からも近く,市の中心部に位置しますので,ここに市民活動支援センターが加わることで様々な可能性が膨らむことが期待できます。
今後市民の皆様の意見を聞きながら検討するものですけれども,例えば市民センターに残す図書館機能として児童図書を中心とすれば,にぎわいのある図書館として,子育て世帯同士のつながりも生まれます。そして,新しい図書館は静かで居心地がよい場所とすることも可能です。西河原公民館の図書室,各地域センターの図書室,市民センターの図書コーナー,そして新図書館ができれば,狭い市内に7か所も図書に触れる場所が誕生いたします。市全体の図書サービスの在り方を整理することで,限られたスペースの中においても機能的で利用しやすい図書サービスが提供できると考えております。
それぞれの場所で小さな発見があります。そして,本と本,本と人,また人と人がつながる世界に進化します。そのことは図書館が地域の知を支えるだけでなく,コミュニティーを形成し,また全体の発展を促していくということです。新図書館が何かを見つけられる場所として,そして市民の皆様の笑顔があふれるような小さなまちの宝箱のような施設となるよう市民の皆様と一緒に考えていきたいと思っております。
43: ◎
谷田部委員 今市長のお考えを伺って,やはり狛江市は小さな市域です。分散型にして顔と顔が見えるまちづくりを目指したいということで,そのためには,市民センター,新図書館についても,市内に7か所も図書に触れられる場所があって,皆さん顔と顔が見えるような「SMALL is COOL」,このことをキーワードに求めながら狛江のまちづくりをこれからも推進していくということが分かりました。ありがとうございます。
今回も
予算特別委員会で緊急事態宣言中,様々な質疑をしましたが,最後にもう1つお願いいたします。
これは私たち自由民主党・明政クラブの諸先輩方,元市の職員からのことでございます。市長の所信表明にあるように山梨県白州町の土地をいかに今後していくかということでございます。狛江市の元市議会議員の飯田氏の父親である飯田敬輔氏が約1,000坪を狛江町に寄附した。昔は白州町,今は北杜市でございます。飯田敬輔氏が約1,000坪を狛江町に寄附して,当該土地は道路に面していないため,道路沿いにある水路の堤防を利用して行き来したのでありますということで,当時の明政クラブの元議員の先輩は,寄附を受けた土地の登記で韮崎法務局出張所まで行った記憶があるということでございます。
今後この白州の,北杜市の土地をどうしていくかということも市長の所信表明でも書いております。これからは庁内にプロジェクトチームを立ち上げて利活用していかなくてはいけないということで,私たち自由民主党・明政クラブもこれからの一般質問で北杜市のこの土地の利活用については質問していきますので,どうかひとつよろしくお願い申し上げまして,総括質疑を全て終了させていただきます。
44: ◎ 鈴木委員 それでは質問いたします。
10年前の東日本大震災では,津波と原発事故により東北4県を中心に壊滅的な打撃を受けました。多くの方々が犠牲になり,心に深い傷を負いました。原発事故による放射能で,今なお多くの方々が故郷に帰れないでいます。当時,私たち日本共産党狛江市議団は石巻市を訪問,アパートの床下の泥のかき出しや,電車が止まっている駅前で支援物資を被災者に配布する活動を行いました。雄勝町の沿岸部や石巻港周辺の被災状況は今も目に焼きついています。犠牲となられた方々に心からお悔やみを申し上げます。
また,10年たってもなお厳しい生活を余儀なくされている方々に心からのお見舞いを申し上げます。被災された皆様の生活と営業が一日も早く再建されますよう願うとともに,政府において継続的な支援が行われるよう求めていきたいと思います。
そして,危険な原発ではなく安全でクリーンな再生可能エネルギーに切り替えていく,そのために頑張る決意を申し上げます。
それでは総括質疑を行います。
地方財政対策と狛江市の行財政運営について伺います。
所信表明では国の地方財政対策について,新型コロナの影響で地方税が大幅な減収となる中においても,地方が安定的な財政運営を行うことができるよう,地方交付税及び臨時財政対策債等の一般財源総額について,前年度を上回る額が確保されていますと述べています。また,初日の質疑で明らかになりましたが,国の第3次補正予算における地方創生臨時交付金については,狛江市への交付額は2億1,772万円であり,これは来年度の補正予算に計上されます。
国の地方財政対策と第3次補正予算を合わせて考えると,新型コロナ禍における住民要望実現のための予算は,十分とは言えないまでも,確保されていると考えてよいか伺います。
45: ◎ 財政課長 令和3年度地方財政対策におきましては,一般財源総額63.1兆円,前年度比0.3兆円,0.5%の減となりますが,普通交付税の不交付団体の水準超経費を除く交付団体ベースでは62.0兆円,前年度比0.2兆円,0.4%の増となっており,前年度を上回る額が確保されております。また,国の3次補正で新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金が1.5兆円確保されたことで,狛江市には2億1,772万7,000円が限度額として示されましたので,一定の財源は国において確保していただいていると考えております。
46: ◎ 鈴木委員 国の地方創生臨時交付金には国庫補助事業の地方負担分について3,000億円を交付するとありますが,これは先ほどの狛江市への交付額2億1,772万円余とは別に交付されると考えていいか,またその交付時期はいつ頃になるのか,交付額は幾らになるのかお伺いいたします。
47: ◎ 財政課長 おっしゃるとおり令和3年度においても国の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金には国庫補助事業の地方負担分について3,000億円が留保されており,このたび狛江市に限度額が示された2億1,772万7,000円とは別となります。
また,交付時期や交付限度額についての御質問ですが,国の通知によりますと,これらの取扱いについては別途通知する予定となっており,現段階においては未定です。
48: ◎ 鈴木委員 今年度中に狛江市が実施した新型コロナ対策全体の収支,見込み分も含めて伺います。国の地方創生交付金を活用した事業,都の交付金を活用した事業,市の一般財源を活用した事業等あると思いますが,全体像についてお伺いいたします。
49: ◎ 財政課長 これまで新型コロナウイルス感染症対策として9回の補正予算を編成し,様々な方々への支援を実施してきております。実施総額といたしましては約103億1,000万円でございます。このうち国の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金といたしましては7億6,224万8,000円,東京都の市町村新型コロナウイルス感染症緊急対策特別交付金といたしましては1億6,772万円を全額計上しております。また,一般財源といたしましては約1億2,000万円,地方債といたしましては約7,600万円となります。
なお,国の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金7億6,224万8,000円は予算計上額の合計であり,交付限度額の合計は7億5,701万2,000円となります。9号補正で計上いたしました地方負担分は見込額で計上しており,その後,国から修正が来たため523万6,000円の差が発生しております。
50: ◎ 鈴木委員 国の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用した事業の不用額とその対応について伺います。また,東京都の市町村新型コロナウイルス感染症緊急対策特別交付金を活用した事業の不用額とその対応についてお伺いいたします。
51: ◎ 財政課長 新型コロナウイルス感染症対策として,国の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金や東京都の市町村新型コロナウイルス感染症緊急対策特別交付金を活用し計上しております各種支援事業において不用額が発生した場合,国や東京都に交付金を返還する必要があります。市といたしましては,これらの交付金を最大限活用し,市民の皆様に各種支援としてお届けできるよう不用額が発生する見込みの事業を整理し,新たな事業への財源に組み替える必要があります。
今定例会にて議決いただきました一般会計補正予算(第9号)においては,乳幼児・児童インフルエンザ予防接種費用助成金や3密対策事業者支援給付金の不用額を整理し,新たに大学生活・学業等応援給付金や市内医療機関事業継続補助金を実施させていただいております。
52: ◎ 鈴木委員 ぜひこうした財源を活用して,市民生活への支援,また無症状者を含めたPCR検査の拡大など感染防止対策の強化に活用してほしいと思います。
国の予算であります公共施設等適正管理推進事業費というものもあります。狛江市の事業で活用できるものはあるのか,活用できる場合に財政運営上どのような効果があるのかお伺いいたします。
53: ◎ 財政課長 令和3年度予算では,第二中学校大規模改修1期工事や市民ホール改修工事において公共施設等適正管理推進事業の活用を見込んでおります。
財政運営上の効果につきましては,交付税算入において有利な起債ができることです。元利償還金の30%から50%を団体の財政力に応じて後年度の基準財政需要額に算入するとされております。
54: ◎ 鈴木委員 ぜひこれも積極的に活用して,財政負担の軽減に役立てていただきたいと思います。そのために地方からも声を上げていく必要があると思います。
次に,新型コロナ感染症対策と市民生活支援についてお伺いいたします。
最初に,新型コロナウイルス感染症の収束に向けて伺います。
新型コロナの収束のためにはワクチンの接種を着実に進めるとともに,無症状者も含めたPCR検査等の拡大など基本的な感染拡大防止対策を一層強化していくことが重要と思います。
まず,ワクチン接種の現状と課題についてお伺いいたします。
55: ◎ 新型コロナ予防接種室長 新型コロナワクチン接種の現状としましては,まず3月2日に狛江市新型コロナウイルスワクチン住民接種実施計画(暫定版)を策定し,現時点でのスケジュール感,接種クーポン券の発送から接種までの流れ,集団接種会場の設置場所及び会場での流れなど,市としての考え方をお示ししたところです。また,現在は高齢者への接種に向け,この接種計画を基に,接種クーポン券,予診票など市民の皆様へ発送する書類の準備,集団接種会場の運営,必要物品や資機材の調達,ワクチン管理・接種予約・接種記録などのシステム関連,個別接種や訪問接種の体制構築に向けた医師会等との調整など準備を進めているところです。
次に,課題としましては,ワクチンの供給が当初の予定より遅れていることや,現時点で継続的・安定的にワクチンが供給されるかどうか見通しが立っていないため,接種時期,接種期間,接種可能人数などの設定が難しいということが挙げられるところです。また,まだ情報に未確定なものがあることや日々内容が更新されていることから,常に不測の事態を想定し,柔軟に対応していく必要があると認識しております。
56: ◎ 鈴木委員 この実施計画で,おおよその様子が分かりました。特に岩戸児童センターと上和泉地域センターのほかに,狛江駅,和泉多摩川駅周辺にも気軽に接種できる体制を取るということで,通勤者など助かると思います。また,高齢者等には4月末からワクチン接種が始まるという予定も分かりました。
もう1点なのですけれども,接種会場の当日の流れでは,接種された方に接種済証を発行するとともに次回の予約を受付とありますけれども,2回目の接種時期についてはまだ分からない状況なのかどうかお伺いいたします。
57: ◎ 新型コロナ予防接種室長 現時点で新型コロナワクチン接種につきましては,1回目の接種後,通常3週間の間隔で2回目の接種を受けるとされてございますが,まだワクチンの供給量や供給時期が見通せていないことから,現時点で2回目の接種時期はまだ未定の状況です。
58: ◎ 鈴木委員 分かりました。
このワクチン接種については,安全性や有効性,また副反応などのリスクについて迅速,徹底的な情報公開を行い,市民の理解を得ながら着実に進めていってほしいと思います。また,市の計画にも接種を希望する対象市民100%の早期接種を目標とするとあるようにワクチン接種は希望される方,あくまでも個人の自由意思で行われるものであります。接種の有無で差別のないようにしていただきたいと思います。
次に,緊急事態宣言が2週間延長されました。3月5日に改定されました政府の基本的対処方針には,「感染が拡大している地域においては,医療・介護従事者,入院・入所者等関係者に対し,PCR検査等による幅広い検査の実施に向けて取組を進めるとともに,院内・施設内感染対策の強化を図る。特定都道府県に対し,感染多数地域における高齢者施設の従事者等の検査の集中的実施計画を策定し,令和3年3月までを目途に実施するとともに,その後も地域の感染状況に応じ定期的に実施するよう求める」と明記されております。
現在市内の高齢者施設の従事者や入所者へのPCR検査等の幅広い検査はどのように実施されているのか,また,その際の費用負担はどのようになっているのかお伺いいたします。
59: ◎ 高齢障がい課長 実施主体は東京都となっておりまして,対象となる施設と東京都が直接やり取りをしながら進められている状況です。
また,かかる費用につきましては,全額を東京都が負担することとなっております。
60: ◎ 鈴木委員 デイサービスセンターや認知症グループホームなど区市町村との共同によるPCR検査等もあると伺っております。こちらは費用負担や取組の方法,どのような仕組みになっているのかお伺いいたします。
61: ◎ 高齢障がい課長 区市町村との共同によるPCR検査につきましては,施設内で感染者が確認された場合に保健所の判断で実施するPCR検査,いわゆる行政検査を実施いたしますが,施設管理者が行政検査に該当しない者を対象としてPCR検査を実施するとした場合に1件当たり2万円を上限に補助するものでございます。施設が行政検査以外の検査を実施するとした場合に,嘱託医などと協力して検査を行った後に,市に対して補助申請の手続を行っていただくこととなります。当市では,現在までのところ補助申請の手続を受けておりません。
62: ◎ 鈴木委員 医療機関とか高齢者施設での集団感染が依然として高い状況でございます。感染状況の下げ止まり状況も続いております。変異株による感染拡大も広がっております。ぜひ対象を絞るなど工夫して,少しでも検査が拡大できるように取り組んでいただきたいと思います。
次に,市民生活支援についてお伺いいたします。
最初に,基本姿勢について伺います。
市長は昨年5月12日付の新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえた当面の市政運営についての通達の中で,「次の2つの柱に沿って当面の市政運営を進めていく」として,1「市民の生命を守る」,2「市民の生活と市内事業者の経済活動を支援する」と述べております。この間,この方針を基に,ひとり親家庭への経済的支援をはじめ,様々な対策が進められてまいりました。
新型コロナウイルス感染症の拡大は,貧困と格差の深刻な拡大や医療機関や保健所体制のもろさと弱さ,また医療,介護,障がい福祉,保育などケア労働の低賃金や人的体制の弱さなど,社会の様々なゆがみを浮き彫りにしてまいりました。5月12日付の市長の通達は,当面の市政運営の方針とされておりますけれども,この間の状況を踏まえると,この方針はコロナ後の社会も含め,市として今後も継続して貫かなければならない方針と思いますけれども,いかがでしょうか。
63: ◎ 市長 新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえた当面の市政運営についての通達において,感染拡大を抑え,市民の安全確保に全力を挙げて市民の生命を守るということは,感染拡大により市民生活や市内事業者の経済活動において多大な影響が生じております。国の施策と連携し,市民の生活と市内事業者の経済活動を支援することを基本方針で2つの柱としているところです。
今後は,市制施行50周年という大きな節目の年であるとともに新たな総合基本計画の初年度であり,これから始まる50年に向けて市民生活がより豊かで充実し,成長していくまちへと進んでいけるよう,新たな一歩を踏み出す年と位置づけをしたところでございます。
日本では,新しい生活様式と言われるようにこれからは徹底した行動変容が避けられない時代となり,生活や仕事,行動等を変えていくことが必要となっております。人権を尊重しみんなが生きやすい狛江をつくる基本条例を市民と共有し,市制施行50周年を機に,これから迎える狛江市の新しい時代,50年の人にやさしいまちづくりを築き上げる機会として捉えているところです。
ポストコロナ時代には新たな対応も必要となる可能性もあるため,方針の継続につきましては将来的には言及できませんが,新型コロナウイルス感染症が落ち着いていない現状において,2本の柱が基本方針であると考えております。
64: ◎ 鈴木委員 将来的には言及できないということであります。
フードバンク狛江の本年1月の学校給食のない時期のひとり親世帯への食料支援事業実施報告書というのがございます。これでは,これまで50世帯から60世帯への支援だったものが,昨年の夏休みは107世帯,冬休みは116世帯へと急増しております。
支援を受けた世帯のアンケートでは,4歳児との2人暮らしの中で自分が感染したら私たちの生活はどうなってしまうのか不安。感染して休むと生活できない。入院になったら子どもの世話を頼める先がない。派遣で勤務していますが,会社がリストラを開始しており,正規雇用でないため,いつ契約が終了するかはらはらしております。春には数カ月仕事の1つが休業になり,ほぼ給料が受け取れませんでした。お金がない。11月で貯金が底をつきましたなど,本当に切実な声が寄せられております。
市長に伺います。せめてこうした方々の生活が安定し一定のゆとりを持って生活できるようになるまで,市民の命を守り,市民の生活と事業者を支援する,この方針を継続して貫いていただきたいと思いますけれども,いかがでしょうか。
65: ◎ 市長 個人向けの主な支援制度といたしましては,社会福祉協議会の貸付,住居確保給付金の対象拡大等の新型コロナウイルス関連の施策が一定の効果を上げていると思われますけれども,新型コロナウイルスの感染症の拡大が長引くほど,さらに生活に困窮される方が増えるということは言うまでもありません。今後も,生活に困窮している方々に対し経済的な自立を支援するために,引き続きこまYELLの体制を強化し,相談支援の充実を図ってまいります。
フードバンク狛江の取組につきましては,活動拠点や食料庫の提供といったハード面の支援を継続するとともに,福祉相談課,こまYELLの3者による意見交換会を定期的に開催するなど,今後も連携を図ってまいります。
また,事業者の支援につきましては,国や都の動向に注視いたしまして,必要なところに必要な支援が届くよう見極めてまいりたいと考えております。
66: ◎ 鈴木委員 ひとり親家庭等,本当に苦境に立たされている方々の生活が本当に安定して一定のゆとりを持って生活できるようになるまで,市民の命を守り,市民生活と事業者を支援する,この方針は継続して貫いていただきたいと思います。
ひとり親家庭の支援について伺います。
市長に伺います。
平成29年度,2017年度狛江市ひとり親家庭等アンケート調査では,暮らしが「大変苦しい」という方が28.1%,「やや苦しい」という方が44.4%に上り,全体の72.5%が暮らしが苦しいと答えております。これがグラフです。「大変苦しい」,「やや苦しい」,7割以上の方が苦しいと答えておられます。
そして,預貯金が「なし」という方が27.5%,「50万円未満」が18.9%,合わせて46.4%が預貯金50万円未満の状況でございます。その中で,過去1年間に電気,ガス,水道,家賃など支払えなかったことが「ある」という方が13.8%,過去1年間に食料を買えなかったことが「ある」という方が44%にも上っております。過去1年間に食料が買えなかった経験のある方,「よくあった」,「ときどきあった」,「まれにあった」ということで全体で44%の方があったと答えております。
今コロナ禍で実質的な失業状態にあるパートやアルバイトの女性は90万人,このうち年収200万円未満の世帯が37.5%を占める,こういう報道もございまして,今もっと厳しくなっていると思います。どのように受け止めるのか,まずお伺いいたします。
67: ◎ 市長 ひとり親家庭につきましては,国等の調査におきましても,一般の世帯と比べて経済的に厳しい状況に置かれている家庭が多いことは私としても承知しているところですし,また今回の新型コロナウイルスの感染拡大により社会的にも雇用環境や就業状況が大きく変化する中で,家庭内に養育者が一人しかいないひとり親家庭には,そこからさらに不安定な状況に陥るリスクが大きいものと認識しております。
実際に,今回のコロナ禍にあって苦しい状況にあるひとり親家庭の方から市長への手紙もいただいておりますし,福祉保健部や子ども家庭部の相談窓口にもそのような方からの相談は日々寄せられていると聞いております。
端的に申し上げまして,今回のコロナ禍におけるひとり親家庭を取り巻く状況は非常に厳しいものと受け止めております。
68: ◎ 鈴木委員 市長への手紙もあったということです。非常に厳しいと受け止めているということです。
NPO法人キッズドアというところが年末年始のアンケート調査結果を発表して報道されております。高校生までの子を持つ世帯1,435人を対象に649人が回答しております。その結果では,昨年末で仕事がなくなる,契約が終わる,こういう方が非常に多いということで,無職または求職中なので就職したいという方が12%とのことです。
アンケートの中では,コロナの影響で今の仕事は年明けも先行きが厳しい。無職になったら3人の子どもをどうしたらいいのか想像もつかない。子どもは受験を控えている。コロナで仕事が減っている。幾つかの職場に応募したが,なかなか採用してもらえない。日中学校へ通う必要を伴う資格取得を目指す場合,その期間収入がゼロになるので受講できなかったなどの声が寄せられております。
新型コロナの下で,子育て世帯の困窮世帯が急増しております。国の児童扶養手当を増額するなど根本的な対策が必要でありますけれども,市としても支援を強化する必要があると思います。
市長に伺いますが,これまで市としてひとり親家庭への給付金等取り組んでまいりましたけれども,引き続きひとり親家庭への家賃補助などの経済的支援,また資格取得を応援する経済的支援など継続的な支援にも取り組んでいただきたいと思いますけれども,いかがでしょうか。
69: ◎ 市長 先ほど答弁させていただきましたとおりひとり親家庭を取り巻く状況は非常に厳しいものと認識しているところです。そのため,これまでの間,国や都の事業と並行いたしまして,応援給付金の支給やプレミア付商品券の配布,エアコン設置費用の助成等,市独自の事業を通じまして,市といたしまして積極的に支援を行ってまいりました。
現在,国におきまして女性の非正規労働者やひとり親世帯等への支援策を今月中にまとめるといったような報道も出ておりますので,引き続き国・東京都の事業の実施状況や市の財政状況に照らし合わせながら,先ほど答弁させていただきましたとおり基本方針の2本の柱をベースに,市といたしましても必要な取組を進めてまいりたいと考えております。
70: ◎ 鈴木委員 先日,金銭的理由で生理用品を買うのにも苦労している学生が2割もいるという報道もされております。新型コロナの拡大が貧困と格差をさらに拡大しております。ぜひ新型コロナ対策としての経済的支援を強めながら,併せてコロナ後の狛江が誰にとっても住みよい狛江になるようにひとり親家庭をはじめ,生活に困窮する市民への継続的な支援に踏み出していただきたい,このことを強く求めたいと思います。
次に,就学援助制度について教育委員会に伺います。
一昨年12月中旬から昨年1月にかけまして行われましたあいとぴあレインボープランに関する市民意識調査では,市民一般調査の中で,全ての子どもが生まれ育った環境(貧困等)によって左右されず,夢と希望を持って成長していける社会を実現するために,狛江市が優先して取り組むべきことはどのようなことだと思いますかという問いに対しまして,小・中学校で児童・生徒の悩みや不安を受け止める相談員の配置の充実50.4%,地域における学習支援(無料塾等)38.3%,子どもに食事の提供などを行う居場所づくり(子ども食堂等)35.8%などと並んで,就学支援の充実35.4%,保護者の就労支援34.6%,低所得世帯の教育費・養育費への助成33.8%と家計を応援する施策を望む声が多くなっております。この自由意見を見ますと,家庭の収入差で子どもの未来が決まるのはやるせないと思いますなどの声も出されております。
また,この調査では小学校5年生と中学校2年生を対象とした子ども向け調査も行っておりまして,この中では,今までにお金がないことで塾に行くことができなかったり,習い事ができなかったことはありましたかという問いかけに,6.2%の子が「ある」と答えております。そして,自分や自分の家族を支援してもらうために必要なことは何ですかという問いかけには,悩みを気軽に相談できることが39.1%,経済的な支援があること31.8%で,特に中学校2年生では,経済的な支援があることが34.4%と一番多くなっております。
これらについてどのように受け止めるのかお伺いいたします。
71: ◎ 教育部長 子どもの現在及び将来がその生まれ育った環境によって左右されることがないよう,また子ども一人一人が夢や希望を持つことができるようにすることは,子どもの貧困対策の推進に関する法律の目的としても掲げられており,その解消に向けて貧困対策を総合的に推進することは重要なことだと認識しております。
教育委員会におきましては,経済的に厳しい家庭状況においても全ての児童・生徒が等しく義務教育を受けることができるよう,就学支援制度に基づく支援を実施するとともに,家庭環境などに左右されず学校に通う子どもの学力が保障されるよう,少人数指導や習熟度別指導,放課後補習などの個に応じた指導,悩みを教職員に相談できるよう教育相談体制の充実を図るなど,きめ細かな指導の推進を行ってまいりました。
72: ◎ 鈴木委員 先ほどの調査で,子どもたち自身が家庭の生活状況を自分で見ながら経済的支援を求めております。ぜひしっかりと受け止めていただきたいと思います。
狛江市が平成30年6月,7月にかけて行いました子どもの生活実態調査集計報告書というものがございます。この中では,1,低所得,2,家計の逼迫,3,子どもの体験や所有物の欠如のうち2つ以上に該当する困窮層にあると思われる家庭は,小学校5年生で5.2%,中学校2年生で6%,またいずれか1つに該当する周辺層が小学校5年生で14%,中学校2年生で12.1%,そして困窮層と周辺層を合わせた生活困難層に当たる家庭は,小学校5年生で19.2%,中学校2年生で18.1%となっております。今新型コロナの下でさらに厳しくなっていると思います。
現在狛江市の就学援助の受給率はどのくらいになっているでしょうか。
73: ◎ 学校教育課長 令和2年度の就学援助の受給率につきましては,3月1日現在,小学校が292名で8.1%,中学校が163名で12.6%となっております。
74: ◎ 鈴木委員 これをグラフにいたしますと,こうなります。先ほどの生活実態調査での生活困難層,小学生が19.2%,中学生は18.1%,それに対して就学援助の受給率,小学生は8.1%,中学校12.6%。生活困難層の方でも受けられていない方が非常に多いということでございます。
教育部長にお伺いいたします。
子どもの生活実態調査では,生活困難層の3から5割が金銭的な理由から食料や衣服が買えなかった経験があり,公共料金の滞納経験は,生活困難層では一般層の4倍多くなっております。また,塾に通わせる,1年に1回くらい家族旅行に行くなどが経済的にできない割合は,一般層では4から7%程度ですけれども,生活困難層では29%から57%と4倍から9倍になっております。
経済的理由で子どもを学習塾に通わせることが「できない」,小学校5年生の世帯では,一般層では5.2%ですけれども,生活困難層では29.1%も通わせることができておりません。中学校2年生は,一般層4%ですけれども,生活困難層で38.5%も通わせることができておりません。
1年に1回くらい家族旅行に行くことが経済的に「できない」,小学校5年生,一般層では6.1%ですけれども,生活困難層では27.3%,中学校2年生では一般層7.4%ですけれども,生活困難層56.4%と,これも大きくなっております。
中学校2年生の保護者へのアンケートでは,経済的理由で子どもが自宅で宿題をすることができる場所が「ない」と答えた方が,一般層では2.6%,生活困難層では10.3%と4倍になっており,同じく,子どもの年齢に合った本が「ない」と答えた方が,一般層で2.9%,生活困難層では12.8%と4倍以上になっております。子どもの年齢に合った本が経済的な理由で家にはないというふうに答えられた方です。小学校5年生では,一般層ではゼロ%,生活困難層では12.7%,中学校2年生は一般層では0.6%,生活困難層では12.8%になっております。
そして学校の成績では「下のほう」,「やや下のほう」と思っている子が,生活困難層では小学校5年生で32.1%,一般層16.5%の2倍になっております。生活困難層,中学2年生では36.9%,一般層26.8%を10ポイント上回っています。
そして中学校2年生,本人の進学希望では「大学またはそれ以上」と答えた割合は,一般層で69.7%ですが,生活困難層では50%にとどまっております。そして,「高校まで」という子が,一般層は2.9%なのに,生活困難層は23.7%と8倍以上にもなっています。
この調査結果を見ますと,経済的な格差が子どもの生活環境,学習環境に影響を及ぼして将来の夢をも奪っているのではないかと感ずるわけですけれども,いかがでしょうか。
75: ◎ 教育部長 先ほども申し上げましたが,子どもの現在及び将来が生まれ育った環境によって左右されることがないよう,また子ども一人一人が夢や希望を持つことができるようにすることは,我々大人にとっても何かしらしっかり対策を講じていくべき課題の一つであり,子どもの貧困対策推進に関する法律も目的でもございます。
しかしながら,私個人の経験上で大変申し訳ございませんが,経済的に厳しい家庭状況のみが学習機会を奪ったり,いわゆる勉強ができるできないを左右するものでもございません。もちろん,全ての児童・生徒が等しく義務教育を受けることができるよう,経済的格差につきましては就学支援制度やその他の子育て支援などの支援制度の中で現在対応しているところであり,就学支援制度に限らず,支援全般の中で考えていく必要があると考えております。
また,困ったときに子どもが相談できる身近な大人,もちろん教員もそうですけれども,そういった相談できる環境を我々大人が整えていくことも大切なことの一つであり,何かがあったときに手を差し伸べられるよう,それぞれの立場で皆さんと一緒に考えていきたいと思っております。
76: ◎ 鈴木委員 個人的な話もされましたが,子どもの生活実態調査で示された結果は,経済的格差が子どもたちの将来にも影響を及ぼしていることを示していると思います。ぜひこの調査結果については率直に受け止めて,施策に生かしていただきたいと思います。
狛江市の就学援助の対象となる世帯の所得基準は,現在生活保護基準の1.1倍ですけれども,これを1.2倍または1.3倍にした場合に必要となる予算は,現在と比較し幾ら増えるのかお伺いいたします。
77: ◎ 学校教育課長 令和2年度の実績に基づく試算では,1.2倍に引き上げた場合,小学校は12名増,約89万円,中学校は8名増約103万円,合計で20名,約192万円の支給額の増加が見込まれます。
また,1.3倍に引き上げた場合には,小学校は24名増,約183万円,中学校は12名増,約158万円,合計で36名,約341万円の支給額の増加が見込まれております。
78: ◎ 鈴木委員 1.3倍に引き上げても約341万円で実施できるということで,財政的には可能な額ではないかなと思います。
最後に,教育長に伺います。
子どもの生活実態調査では,就学援助について,必要であるが申請要件を満たしていなかったので申請しなかった,こういう方が小学校5年生の家庭では40%,中学校2年生の家庭では36.4%もいます。また,申請したけれども認定されなかった方は,小学校5年生の家庭で2.5%,中学校2年生の家庭で13.6%いらっしゃいます。
経済的格差にかかわらず,全ての子どもたちが夢と希望を持って成長していけるように安心して学ぶことができるよう,ぜひ就学援助制度を生活保護基準の1.3倍まで拡大していただきたいと思いますけれども,いかがでしょうか。
79: ◎ 教育長 近年,経済が思わしくなく給与水準が上がらない中にございます。ただ,狛江市の受給対象者の比率はさほど伸びておらず,減少傾向にございます。これは子育て世代の共働き等が増加したことによる世帯収入が高くなっているということが一つの要因に考えられるというように捉えています。現状を鑑みますと,必要な方に必要な支援が届く体制は必要だと受け止めております。
教育委員会では,現在就学援助費支給に加えまして特別支援教育就学奨励費支給による経済的な支援を実施しております。また,市長部局におきましても様々な支援などの施策を展開されているところでございます。そして今般,新型コロナウイルス感染拡大防止に伴います対策の一環といたしまして,家計が急変した世帯への就学援助費支給の認定や全児童・生徒に対しまして,1学期ではございましたが,給食費の無償化など,市長部局と連携を図り,可及的速やかな経済的支援を講じてまいりました。保護者負担軽減施策につきましては,今後も市長部局と連携を図りながら,子育て支援の制度全体の中で検討すべきものというように考えております。
80: ◎ 鈴木委員 子育て支援制度全体でということですけれども,就学援助制度は本当に助かる制度だと思います。修学旅行費から給食費から学用品費から,様々な形で援助を受けることができます。
朝日新聞に声の欄が出ておりました。職場の同僚が嘆いていた。中1の孫が英語でテストで20点だったとのこと。この時期に授業の進度が速くなり,とてもついていけない。塾へ通っている子はいいが,そうでない孫は授業がよく分からず諦めているという。塾に通えるかどうかなど親の経済格差が子どもの学習環境に反映し,学力格差拡大を助長しているのではなかろうか。子どもたちが格差に苦しみ悩んでいるのではと懸念する。義務教育の子どもには平等な学習条件が保障されていなければならないと思う。このように,この声が載せられておりました。
ぜひ就学援助制度を充実して,貧困と格差の下でも安心して教育を受けられるようにしていただきたい,このことを重ねて申し上げます。
81: ◎ 委員長 暫時休憩します。
午前10時20分 休憩
午前10時39分 再開
82: ◎ 委員長 休憩前に引き続き総括質疑を続行いたします。
83: ◎ 鈴木委員 次に,高齢者世帯への支援についてお伺いいたします。
あいとぴあレインボープランに関する市民意識調査では,65歳以上の市民にアンケートを行っております。
その結果,暮らしの経済的状況については「大変苦しい」8.2%,「やや苦しい」20.9%,合わせて29.1%,約3割に上っております。
また,介護や医療にお金が必要になった場合のお金のやりくりに対する不安はありますかという問いかけには69.4%,約7割の方が「ある」と答え,そのうち22.5%の方が「とてもある」と答えております。在宅介護を行っている世帯では72.4%の方がお金のやりくりに不安が「ある」と答え,そのうち29.9%が「とてもある」と答えております。
生きがいはありますかという問いには,経済的にゆとりのある方の81.3%が「ある」と答えていますが,経済的に苦しい方は44.1%,37ポイントも低くなっております。
健康状態については,「よくない」という方が,経済的に苦しい方48.5%が,ゆとりのある方15.7%より33%も多くなっております。
この1か月間,気分が沈んだり憂鬱な気持ちになったことはありますかという問いには,経済的にゆとりのある方が35.9%なのに対し,経済的に苦しい方は65%と約29%高くなっています。
経済的な格差が高齢者の生活や心にも大きな影響を与えていると思います。市として,この調査結果をどのように受け止めているのかお伺いいたします。
84: ◎ 福祉政策課長 令和元年12月から令和2年1月にかけて実施いたしました市民意識調査では,65歳以上の自立者450人,総合事業対象者100人,それ以外の要支援認定者350人,合計900人を対象に日常生活圏域ニーズ調査を,要介護認定1以上の居宅で暮らしている方及びその家族600人を対象に在宅介護実態調査を行いました。
この調査結果に対する受止めでございますが,在宅介護を行っている世帯のほうが,それ以外の高齢者世帯と比較して経済的な不安が大きいこと,特に要介護3・4の高齢者世帯では「とてもある」が40%を超えており,日常生活自立度に応じて介護及び医療に対するニーズが高くなり,その結果,世帯における経済的な負担が増加しているものと推測されます。
したがいまして,中重度の要介護認定者の在宅生活の継続を支援するためには,高齢者のうち生活困窮のある方への経済的な支援も必要であると認識しております。また,経済的にゆとりのある高齢者と経済的に苦しい高齢者とを比較した場合,生きがいや健康状態という点で経済的に苦しい高齢者のほうが低いことが顕著となっております。
高齢者保健福祉計画・第8期介護保険事業計画(案)では,基本目標2といたしまして社会参加と地域貢献による生きがいづくりを,基本目標3として健康づくりと介護予防の一体的実施を掲げておりますが,これらの基本目標を達成するための施策及び事業の実施に当たりましては,こまYELLが実施しております生活困窮者自立支援事業とも十分に連携を図りながら実施することが重要であると認識しております。
85: ◎ 鈴木委員 この調査結果には,高齢者の中でも経済的に苦しい方が多いこと,そして経済的に苦しいことで不安になったり,生きがいを持てなかったり,健康状態が悪くなったり,憂鬱な気分になったりすることが多く,幸せを感じることができないという状況が示されております。ぜひ経済的に苦しい高齢者世帯が普通に幸せを感じられるように,介護保険料等の負担軽減をはじめ経済的支援策を充実させていただきたいと思います。
この調査では,介護保険サービスを利用していない人のうち,4.3%の方が利用料を支払うのが難しいので利用していないと答えております。特に要介護3の方は,18.2%の方が利用料を支払うのが難しいので利用していないと答えております。
介護認定されて介護サービスの必要な方が経済的事情で利用できないというのは,是正する必要があると思います。利用料の軽減制度が必要と思いますけれども,いかがでしょうか。
86: ◎ 高齢障がい課長 介護保険制度におきましては,経済的困難を理由としてサービスを受けられないというようなことがないように,所得に応じた保険料を設定しているほか,食費や居住費の減免,また介護保険サービスを御利用いただいた際には所得の状況に応じて1割から3割の利用料をお支払いいただくことに加えまして,同じ月に御利用いただいた介護サービス利用者負担の合計が高額になり限度額を超えた分が高額介護サービス費として後から給付されることや,介護保険と医療保険の支払い限度額を超えた場合は高額医療・高額介護合算制度によりまして払い戻されるなどの負担軽減があります。
こうした制度上の仕組みを御活用いただきましてもサービス利用が困難な場合につきましては,個別に御相談いただく中で具体的な状況を伺いながら,可能な支援を行ってまいりたいと考えております。社会全体で介護保険を支えるという大原則に基づきまして,一定程度の御負担をいただく必要がございますので,さらなる負担の軽減につきましては検討しておりません。
87: ◎ 鈴木委員 さらなる軽減については検討していないということでございます。また,個別の相談でというお話がありましたけれども,相談したとしても軽減制度という制度がないと,なかなか具体的な支援に結びつかないのではないかと思います。ぜひ調査結果を踏まえて,低所得者に対しては介護保険の利用料を軽減できる制度をつくっていただきたいと思います。
次に,特養ホームの増設について伺います。
あいとぴあレインボープランに関する市民意識調査では,住まいや入所施設の充実について大変強い要望になっております。
在宅で介護されている世帯では,施設等への入所・入居の検討をされている方の36.4%が特養老人ホームへの入所を希望しており,最も多くなっております。自由意見の中でも,特養老人ホームを増やしてください。年金生活者でも無理のない負担の少ない入居施設を増やしてほしい。毎日3食,食事の支度,家事の全て,認知症で何もしない妻の老老介護,特養老人ホームに入ることができたら少しはお互い楽しい余生を送ることができると思うがなど切実な声も寄せられております。
特別養護老人ホームの増設が必要と思いますけれども,いかがでしょうか。
88: ◎ 福祉政策課長 高齢者保健福祉について市民意識調査の調査5,在宅介護実態調査で施設への入所・入居の検討状況について尋ねたところ,入所・入居は検討していないが66.7%と最も多く,次いで入所・入居を検討しているが18.6%,既に入所・入居を申し込んでいるが5.7%となっており,入所・入居を検討していない在宅生活を希望される方が7割弱いらっしゃいます。
また,統計から見る現状,介護保険データから見る現状,高齢者福祉保健計画,平成30年度及び平成31年度の進捗状況の評価,第7期介護保険事業計画値の検証及び制度改正の動向等を踏まえて整理した課題の一つに,在宅生活を継続する体制の充実を位置づけております。これを踏まえ,地域密着型サービスの基盤整備を進めるための新たなサービスの整備を狛江市高齢者保健福祉計画・第8期介護保険事業計画(案)に位置づけていることから,特別養護老人ホームの増設は予定しておりません。
89: ◎ 鈴木委員 増設は検討されていないということでございます。
私の知人は,一人で高齢の母親の介護を行いながら自営業者として働いておられます。そのお母さんが家で転んで入院して,それ以来急速に介護度が上がって,病院から入所施設を探すように求められております。仕事のほうも収入が厳しく,入所施設の費用は月10万円以下に抑えたいとのことで,なかなか適当な施設が見つからないと困っておりました。
在宅での介護が困難な家庭もあります。ぜひ特養ホームの増設をお願いいたします。また,当面利用料の軽減など別の形での経済的支援ができないか検討をお願いしたいと思います。
次に,多世代交流型の居場所づくりについて伺います。
市民意識調査では,今後高齢者の保健福祉関係で市が取り組むべきことなどについて,身近なところに多世代が交流できる居場所づくりについての要望も出されております。前回の調査でもそういう要望が出されておりました。南部地域では特に強い要望となっており,その実現を求めてきましたけれども,この間の取組,また今後についてお伺いいたします。
90: ◎ 福祉政策課長 南部地域での多世代交流拠点の設置に向けて,拠点の運営主体,拠点における事業内容,拠点を月または週当たりどの程度開設するのかなどにつきまして,狛江市社会福祉協議会,狛江福祉会,令和3年度狛江市市民提案型市民協働事業として多世代交流拠点整備アクションリサーチ事業を採択されたcomarchなどと協議を行っております。現在,あいとぴあレインボープラン狛江市第4次地域福祉計画の中間見直しを行っておりますが,本計画案では,本事業の成果を踏まえて,令和4年度にこまえ苑エリアにおいて多世代交流拠点を1か所開設することを予定しております。
91: ◎ 鈴木委員 大変住民の強い要望の施設となっております。ここにコミュニティソーシャルワーカーが配置され,地域住民等と連携しながら多世代の交流や相談,また支援の拠点となるように期待いたします。
次に,新型コロナウイルス対策としての市民生活支援についてお伺いいたします。
一般質問では西村議員が,クリーニング業やお風呂屋さん,また冠婚葬祭業や写真業など新型コロナ感染症で苦境に立たされている事業者への支援を求めました。これらはぜひ実現していただきたいと思います。
また,西村議員も求めた国保の傷病手当金の自営業者やフリーランスへの拡充は市として現時点で対応が困難ということでしたけれども,これは重ねて要望したいと思います。
まず,この間支給された傷病手当金の額についてお伺いいたします。
92: ◎ 保険年金課長 国保の傷病手当金につきましては,これまでのところ申請はございません。
93: ◎ 鈴木委員 申請がまだないということでございます。
新型コロナ感染症に感染したり濃厚接触者等になって仕事を休んだ場合に,この傷病手当金を受けることができます。対象者にはこうした制度があることが知らされているのかどうかお伺いいたします。
94: ◎ 保険年金課長 傷病手当金の対象となりますのは,国保加入者のうち給与収入がある被用者で,新型コロナウイルス感染症に感染し,または感染が疑われるため療養したことにより労務に服することができなくなった日数が4日以上ある方であり,対象が非常に限定されております。また誰が感染したかといった情報については把握をしておりません。
そのため,市といたしましては,どなたでも御覧いただけるように広報やホームページにより周知してきたところです。これまでの周知広報につきましては,広報こまえには4回掲載,また市ホームページでも国民健康保険の情報といたしまして継続的に掲載し,お知らせしております。
95: ◎ 鈴木委員 個別にお知らせする手だてがないので,広く今知らせているということだと思います。
国が示す国保の傷病手当金については,新型コロナに感染したり,濃厚接触者となって仕事を休まざるを得なかった給与所得者に対しまして,直近の3か月間の給与収入を基に1日当たりの給与を算出して,その3分の2に療養のために休んだ日数を掛けて算出し,その額を支給するというものでございます。その費用の全額を国が補填するというものでございます。
ただ,これには自営業者,フリーランスの方が対象になっておりません。新型コロナウイルスの感染症に感染したり,濃厚接触者になったりして仕事ができなくなって収入がなくなってしまうというのは,自営業者もフリーランスも給与所得者も一緒でございます。国保には自営業者やフリーランスの方も非常に多く加入されております。新型コロナに感染したり,濃厚接触者になることは,その方と御家族の日常生活に大きな打撃となります。本来,国が自営業者やフリーランスの方々にも傷病手当金が出せるように予算措置するべきですけれども,そうなっていない中で,市として独自の施策を取るべきと思います。
全国的には,国の地方創生臨時交付金を活用するなどして自営業者等にも傷病手当金を支給したり,傷病見舞金として支給する自治体も出てきております。長野県伊那市では,昨年の10月の臨時議会で国保の傷病手当を事業主まで広げることを全会一致で決めて,10月末から制度を開始しております。予算は500万円,休業日数に合わせて日額5,000円,1,000日分を計上したということでございます。また,埼玉県の朝霞市,新座市,和光市,志木市では,傷病見舞金として事業主に20万円を支給しております。
狛江市でも地方創生交付金等を活用して傷病手当や傷病見舞金を支給できるようにしてほしいと思いますけれども,いかがでしょうか。
96: ◎ 保険年金課長 先日の一般質問の中でも御質問と答弁がございましたけれども,国保の傷病手当金に対する国の財政支援が示されない中で,市の判断と財源でフリーランス等に対象を拡大して国保の傷病手当金を支給することは難しいと考えております。全国統一の制度である国民健康保険制度上の課題につきましては,国の責任において対応を検討していただきたいと考えており,市といたしましては,他の市町村や東京都等とも連携・協議の上,国に対する要望を行うかどうかといったことについても検討していきたいと考えております。
97: ◎ 鈴木委員 市長に伺います。
今の国保制度の中では傷病手当金の制度はないが,政府は新型コロナ感染症の拡大という特別な事情を考慮して,新型コロナに感染したりして緊急・臨時的に仕事を休まざるを得なくなった方を対象に傷病手当金を支給する措置を取っております。ところが,その対象が給与所得者のみとされたために矛盾が出てきております。国保には自営業者,フリーランスの方も多く加入しております。こうした方々が同じように新型コロナに感染し長期間仕事を休まざるを得なくなっても,傷病手当金が支給されない。これは本来国において是正されるべきものであり,それは求めていくということでありますけれども,今,感染するということは本当に大変なことでございます。命を落とすこともあります。
こうした方々に緊急・臨時的に傷病手当金を市として支給するということがあってもしかるべきではないかと思います。傷病見舞金として支給しているところもあります。ぜひ今後交付予定の地方創生臨時交付金等を活用して実施していただきたいと思いますけれども,いかがでしょうか。
98: ◎ 市長 今課長が答弁させていただいたところが基本でありまして,これはやはり国がしっかりと責任を持って対応すべきことだと考えております。様々な制度も使いながら,またこれからコロナの状況がどんどん変化しながら,引き続き大変な方もいらっしゃると思います。そういった部分も踏まえて,いろいろ総合的に考えていかなければいけないと思っております。
99: ◎ 鈴木委員 新型コロナ感染症に感染されたり,濃厚接触者になって仕事を休まざるを得ない,そういう方への支援となります。ぜひ検討をお願いいたします。
災害対策についてお伺いいたします。
来年度予定されております下水道浸水被害対策に関する計画策定について,どのような形で策定されるのか,その具体的内容についてお伺いいたします。
100: ◎ 下水道課長 下水道浸水被害対策に関する計画策定についてですが,令和元年東日本台風により浸水被害がございました猪方排水樋管流域及び六郷排水樋管流域について,専門家に委託し,今年度行った浸水被害の原因究明結果などを考慮するとともに,六郷排水樋管流域につきましては,流域の自治体である調布市とも連携し,それぞれの流域における課題を整理した上で,浸水対策ごとの特性,施工の難易度,対策の組合せなどについて検討し,効率的な対策を段階的に行うための計画を令和3年度に策定していきたいと考えております。
101: ◎ 鈴木委員 調布で被災された方から連絡がございまして,調布市のほうでも今週土曜日に説明会を開くようです。お話によりますと,調布市のシミュレーションでは,多摩川の土砂の掘削で水位が60センチ低下するということが浸水深を低下させる上で最も効果があることが確認されたというふうに言っております。狛江市で猪方排水樋管等を検討する場合,やはりそれは大事なポイントになるかなと思います。多摩川の水位の低下も含めた全体的な検討をお願いしたいと思います。二度と浸水被害を起こしてほしくない,被災者の思いをしっかり受け止めていただき,排水樋管への強力な排水ポンプの設置をはじめ,浸水被害を防止するための具体的対策を確立して実行していただきたい。このことは要望しておきます。
次に,自動起動装置付き防災ラジオの貸出しが予算化されております。事業の概要について伺います。
また,7割が交付税算入される緊急防災減災事業債の活用ができるのか伺います。
同じく,止水板の設置費助成について事業の概要,また財源内訳について伺います。
102: ◎ 福祉政策課長 本事業は,要支援者に狛江エフエムを受信可能なラジオを無償で貸与することにより,災害時における緊急情報等の迅速な伝達を図り,もって安心して暮らせるまちづくりを推進するとともに,平常時における地域のコミュニティー情報等の円滑な伝達を図り,もって地域の活性化を図ることを目的とする事業でございます。
対象者は,個別計画を作成されている在宅の要支援者の方となります。ラジオの無償貸与に当たりましては,対象者に本事業の内容,ラジオの使用方法,貸出しに当たっての注意点などを記載したチラシとともに,ラジオ無償貸与申請書を郵送し,申請のあった先着700人を対象に貸与するものとなっております。
無償貸与するラジオは,狛江エフエムが緊急放送を行う際に特定のDTMF信号を流すことにより,ラジオがオフの待機状態からも信号を受信して起動するとともに,狛江エフエムの緊急放送が流れます。ほかのラジオ局を聞いている場合には,信号を受信すると狛江エフエムの放送に切り替わります。緊急放送終了時には,再度特定のDTMF信号を流すことにより受信状態を終了させることができる仕様となっております。
103: ◎ 財政課長 当該自動起動ラジオの財源につきましては,緊急防災減災事業債ではなく,特別交付税への算定を予定しており,緊急防災減災事業債と同様に7割が措置される見込みとなっております。
104: ◎ 危機管理担当理事 止水板設置工事費等補助金制度ですが,浸水被害の防止または軽減を図るため,過去に浸水被害を受けたことがある,または浸水被害が発生するおそれのある地域にある住宅等を所有する方,集合住宅の管理組合等を対象に,止水板の設置及びその他の関連工事に対しまして実支出額の2分の1,最大で20万円の補助金を交付するものです。
財源としましては,一般財源で対応するものです。
105: ◎ 鈴木委員 それぞれ災害対策として重要な施策です。ぜひ広く市民に知らせて活用できるようにしてほしいと思います。
次に,高齢者,障がい者等,避難行動要支援者の避難について伺います。
内閣府が12月末に,サブワーキンググループによる令和元年台風19号を踏まえた高齢者等の避難のあり方について最終取りまとめを発表しました。この主な内容と,これを受けた狛江市の取組についてお伺いいたします。
106: ◎ 福祉政策課長 内閣府が設置いたしました令和元年台風第19号等を踏まえた高齢者等の避難に関するサブワーキンググループでは,令和2年12月24日付で令和元年台風第19号等を踏まえた高齢者等の避難のあり方について最終取りまとめを公表してございます。この最終取りまとめは,避難行動要支援者名簿関係,個別計画関係,福祉避難所等関係及び地区防災計画関係の4つの項目について課題と背景を整理し,対応の方向性を取りまとめたものとなっております。
対応の方向性の主な内容を説明いたしますが,避難行動要支援者名簿関係の対応の方向性としては,避難行動要支援者名簿に掲載すべき者が掲載されないことを防ぐため,福祉専門職やかかりつけ医などの医療職のほか,地域の鍵となる人や団体との連携を図ることとされてございます。
福祉避難所等関係では,個別計画の策定プロセス等を通じて,事前に避難先である福祉避難所ごとに受入者の調整等を行い,福祉避難所等への直接の避難を促進するとともに,福祉避難所ごとに受入対象者を特定して,あらかじめ指定の際に公示することによって,受入対象者とその家族のみが避難する施設であるということを明確化し,福祉避難所における受入れの促進をすることとされております。
この最終取りまとめを踏まえ,国からは災害対策基本法施行規則の改正及び福祉避難所の確保・運営ガイドライン等の改定をする予定であるとの通知がございましたので,これらの改正及び改定を踏まえ,避難行動要支援者支援制度及び福祉避難所の設置・運営体制について必要な見直しを行ってまいります。
107: ◎ 鈴木委員 あいとぴあレインボープランでの市民意識調査の中でも災害・防災に対するアンケートも行っておりまして,令和元年の台風についてどういう意見があるかということを伺っております。その中で,避難が難しい方々は,今の避難所を想定して,そこには避難できないということで自宅で過ごされた方も非常に多い状況が書かれておりました。ぜひ指定避難所では避難生活が難しい方々に対しては福祉避難所への直接避難を促進していくように,調整するということですので,これはぜひ進めていってほしいと思います。
次です。
東日本大震災では,震災関連死という問題もクローズアップされました。津波の被害は免れたものの,避難所環境が良好なものではなく,長期にわたる避難生活で体調を崩して,不幸にも亡くなってしまうという方が出ております。仙台のNPO法人が行った調査では,避難所となった学校等に施設の規模を超える住民が避難する中で,寝るスペースがない。洗濯機がなく着替えもない。プライバシーが守られない。狭い場所に男女,子どもが一緒ではつらい。歩行困難な祖母を連れていたので,トイレに困った。女性のリーダーがいてほしかったなど様々な声が出されております。
狛江市における避難所の確保と良好な避難所環境の整備について,現状と課題についてお伺いいたします。
108: ◎ 危機管理担当理事 災害時における指定避難所につきましては,現在小・中学校等の公共施設を指定しているほか,民間施設との災害協定により福祉避難所等を確保している状況です。指定避難所の運営につきましては,各種備蓄品の整備を行っているほか,都が作成する避難所管理運営の指針を参考に,狛江市避難所運営基本マニュアルを作成し,避難所運営協議会や施設管理者の御協力の下,訓練を実施しているところです。
しかしながら,備蓄品につきましては,食料や毛布などは確保できているところですが,時代の変化に応じて多様化するニーズに応えるため,必要な品物が増加すると同時に,多方面から多種多様な要望もいただいているところですが,収納スペースや予算にも限界があること,また災害時に避難所を運営して,かつ良質な生活環境を提供するためには,備蓄品のみならず,施設の数に応じて相応の人員が必要となります。このように限られた中でスペースや人員を確保していくことが課題であると考えているところです。
109: ◎ 鈴木委員 施設,スペースや人員の確保が課題ということです。
備蓄品については,避難所となる学校としても児童・生徒のために活用するものも多いと思います。良質な避難所環境を整備するために,各避難所の防災倉庫を拡充して,必要な備蓄品を収容できるようにできないかお伺いいたします。
110: ◎ 危機管理担当理事 備蓄品につきましては,先ほども答弁させていただきましたが,収納スペースに限りがあることから,避難所での生活を少しでも改善できるものにつきましては,優先順位をつけて整備しております。また避難者が御自身で準備していただきたいものにつきましては,令和元年東日本台風以降,避難の際の持ち物として周知を行っているところです。
一方で,時代の変化に応じた様々なニーズに応えるため,拡充すべき備蓄品もありますことから,民間事業者との物資の調達に関しての協定を締結するとともに,施設管理者と協議して備蓄倉庫以外のスペースを使用させていただくなど,収納スペースの確保を行っているところです。将来的には,施設の建て替えなどの際には備蓄倉庫の拡充等も含め,関係課と連携していきたいと考えているところです。
111: ◎ 鈴木委員 ぜひお願いいたします。今学校の大規模改修も始まっております。これに併せて備蓄倉庫の拡充を進める,こういうことも検討していただきたいと思います。
次に,施設に応じた人員が必要だというお話もありました。地域の防災リーダーを養成するために防災カレッジを充実させるとともに,一定のカリキュラムを基にして学習やいろいろな体験ができる防災学校等を開設していただきたいと思いますけれども,いかがでしょうか。
112: ◎ 危機管理担当理事 地域の防災リーダーを養成する取組でございますが,既存の防災カレッジがありますので,こちらで効果的な講座を開催し,多くの方々に御参加いただき,市民の防災力を向上させるほか,既に地域の防災リーダーとして活躍いただいている狛江市防災会の方を対象とした取組として実施しています東京都主催の各種地域リーダー研修会等に引き続き参加していただくなど,防災リーダーの育成を図っていきたいと考えております。
113: ◎ 鈴木委員 新型コロナ感染症の下で避難所のレイアウトをどうするのかというのも課題だと思います。
仙台市では,震災後,地域の防災力を高めていくということが一層重要な課題ということで,NPO法人が中心になりまして,避難所づくりのワークショップをいろいろな場所で,自治会,学校,各種団体等と連携して行っております。避難所となる施設で,そこに避難所を開設した場合にどういうレイアウトが最適なのか話し合いながら,最終的には避難所の設計図を作り上げていくというものでございます。この取組を通じて住民の防災意識の高まりも期待できるということでございます。
避難所の良好な環境を確保するために,間仕切りなどのプライバシーに関する配慮,男女別でのトイレ,更衣室,物干し場,授乳室などの配置など,各避難所ごとに事前に大まかなレイアウトをつくって,少なくとも避難所運営協議会の方々と協議しておくことが必要であると思います。これが,ほかの地域の方々も巻き込んでワークショップという形で実施できたら大変効果的と思います。ぜひ検討してほしいと思いますけれども,いかがでしょうか。
114: ◎ 危機管理担当理事 避難所内のレイアウトにつきましては,新型コロナウイルス感染症の拡大を踏まえ,より多くのスペースを開放するなどの検討を進めてきたところです。この検討の中で,発熱者等と一般の避難者のトイレを分けてあらかじめ指定するなどゾーニングを実施したところです。その他必要なスペースやレイアウト等の検討につきましては,避難所運営協議会や施設管理者と連携して検討しているところです。
115: ◎ 鈴木委員 分かりました。ぜひワークショップなども取り入れていただいて,そうした地域の防災意識を高める,防災リーダーを養成するということにも結びつけていただきたいと思います。
次に,市長の政治姿勢についてお伺いいたします。
市民センター改修問題についてお伺いいたします。
中央図書館・公民館の充実は長年の市民の願いです。特に中央図書館については,毎年の基本計画に関わる市民アンケートで,その充実を求める声が多数出されております。
2013年,平成25年第4回定例会に市民団体から,「耐震補強のみならず,狛江市民センター(中央公民館・中央図書館)の充実と,増床を視野に入れた改築の検討を求める陳情」,4,000筆の署名が添えられた陳情が提出されまして,全会一致で採択されました。その後,様々な経過がありましたけれども,2015年,平成27年2月,市と市民の会が協定書を結んで協働で取り組んでいくことになり,市民の会では本当に精力的に,多くの市民が参加する形での学習会や分科会の開催,先進地の視察,中央図書館・公民館の利用者アンケートなどを進めました。そして2016年,平成28年4月,ゆったりとしたスペースの中で読書を楽しむことができる滞在型の図書館,また多くの市民団体が活動しやすく,子どもたちやお年寄り,青少年も集える充実した中央図書館を目指す市民提案書がまとめられました。
先ほど「SMALL is COOL」ということで,小さいものでもいいかのような表現もありましたけれども,この提案書を見れば分かるように,「SMALL is COOL」というのは小さなまちの良さを生かそうという趣旨でありまして,図書館や公民館の面積が狭くていいということではございません。実際,市民の会の提案書を見ますと,滞在型の図書館などイメージ豊かに表現されておりまして,中央図書館については3倍以上の面積が必要だよとか,中央公民館についても1.7倍ぐらいの面積が必要だよなど,スペースの拡大も含めて提案書が出されているところでございます。
そしてこの提案書につきましては,前高橋市長は2016年,平成28年5月23日の本会議で田中智子議員の質問に,「市民センターについては,その出された案について,最大限尊重していく考えに変わりはありません」と答えています。そして松原市長も2018年,平成30年9月6日の私への答弁で,「皆様方が一生懸命,回を重ねてまとめていただいた提案書でございますので,しっかりと受け止めていきたい」,このように表明され,同じ日の西村議員への答弁では,「今後も引き続き市民の会と協議を続けながらできる限り早期に双方が納得できるように整理をしてまいりたい」,このように答弁されております。
これらについて御確認いただきたいのですけれども,いかがでしょうか。
116: ◎ 市長 市民センターを考える市民の会の提案書の考え方につきましては,私としても共感できるものです。
市の方針を出すに当たりましては,提案書とともに,市民センターを利用されていない方も含めまして広く意見をお伺いするための市民アンケートを実施しているところです。これらを踏まえた上で,市の財政状況や施設などを含め,総合的にまずは施設の配置や規模について決めさせていただいたものです。施設の規模につきましては,提案書の内容に足らないものでありますけれども,施設内をどのようにするかは引き続き検討することとしておりますので,当然提案書の内容についても参考にさせていただきながら考えていくものだと思います。
117: ◎ 鈴木委員 答弁の確認をしたかったのですけれども,こういうふうに答弁されております。市長も市民提案書に共感できるというお話もありました。
こうした長年の取組経過の中で,途中,市長は交代しましたけれども,市と市民の協働で市民提案書をまとめ上げてきた。参加された多くの方々は,実際どこまで可能かは別として,市として市民の会の提案書を尊重してくれるんだな,そのようにずっと受け止めていたのではないかと思います。
そしてこの市民提案書を基に,平成29年,2017年5月まで改築,増築等の5つのパターンごとに整備費用等を明らかにして実現の可能性を調査する委託事業が実施され,昨年の2月から3月にかけましては,市民の会の案も含めて狛江市民センター(中央公民館・中央図書館)に関する市民アンケートが実施されまして,5月に結果がまとめられました。
このアンケートは無作為抽出で行われ,これまで市民センターを利用したことがない方々も含めてのものでしたが,それでも中央公民館・中央図書館をさらに充実させてほしいという回答が中央公民館で45.6%,中央図書館で66.5%という回答で,現状のままでよいという回答を大きく上回っております。そして増改築の方法については,老朽化対応21.3%,改築20.4%,市民の会の案17.2%,前面増築(コンパクト)11.2%,既存改修・別棟改築11.1%,上階に増築5.2%,前面増築4.8%などになっておりまして,全体としては約7割の方々が何らかの形で増改築を求めております。
自由記述欄もありますけれども,この中には,長い目で見て最良の案にしてほしい。図書館をもっと広く明るく,中で読める場所を多く,蔵書を大幅に増やしてほしい。本を読むだけでなく学生や社会人が勉強できるスペースもつくってほしい。魅力あふれる中央図書館を目指してほしい。工事費が多少多くても市民が喜ぶ市民センターをつくってほしいなど,期待する声が非常に多くなっております。
そしてこの時点では,中央図書館については現在地で充実することが全てのパターンで前提となっておりました。ここまでは中央図書館は現在地で充実,これが全てのパターンの前提になっていたと思いますけれども,この点はいかがでしょうか。
118: ◎ 市長 施設の規模によって整備コスト,また蔵書の数など,どのようになるかを示させていただいたところで,それまでにあった整備パターンをアンケートでお示ししたものでありまして,図書館の現在の場所に整備することを前提としていたものではありません。
アンケート結果では充実を求める御意見もいただいておりますが,財政負担の抑制について御意見も多くいただいているところです。そういった中で,人生100年時代に向けた市民活動支援センターとの連携なども含め,総合的に検討させていただいたものです。
119: ◎ 鈴木委員 市民の会の皆さんはもちろん,このアンケートに回答された方々,そしてこの間この問題に関心を持って様々な形で関わってきた方は,少なくとも中央図書館は現在地で充実させる方向だと思っていたのではないかと思います。
そして昨年9月,狛江市民センター改修等基本方針の市民説明会が開催されました。そこでは,中央図書館については商工会館と駄倉地区センターのところに移転するという方針が示されて,しかもこれはもう案ではなくて決定という形で示されました。これには多くの市民が驚いて,商工会館のところでは図書館の床面積はほとんど広がらない。市民の会の提案や市民アンケートの結果が反映されていない。この間,市と市民の協働で取り組んできたのに,いきなり決定というのはおかしいなど,多くの方々から,よりよい中央図書館・公民館にするために,基本方針は決定ではなく案に戻して,再度市民と一緒に考えてほしいという声が出されました。私も参加して聞いておりましたけれども,これはすごく当然の意見ではないかと思いました。
多くの皆さんは,これまでずっと中央図書館は現在地で充実するものだと思っていたけれども,それが違っていた。しかも,移転先はあまりに狭くて,今後60年間使う図書館としては十分なものができない。しかも,これは市の案という形ならまだしも,決定という形で出されている。これは納得できない,何とか案に戻して一緒に考えてほしいという気持ちではないかと思います。
市長に伺いますけれども,市長は市民センター改修基本方針の市民説明会には出席されておりませんでした。でも,ぜひこうした市民の気持ちをしっかり受け止めていただいて対応してほしいと思うのですけれども,いかがでしょうか。
120: ◎ 市長 今御説明があった,そういった御意見もあるということも承知しておりまして,その一方で,この方針に御賛同の御意見もいただいているところです。
狛江市は小さなまちで,各地域には図書室があります。新図書館の規模は大きいものではありませんが,今後市全体の図書サービスも検討していくということですので,各地域の図書室と連携いたしまして,機能的で利用しやすい図書サービスを提供してまいりたいと考えているところです。
121: ◎ 鈴木委員 市長は2018年8月27日の就任後初めての所信表明で,「行政運営の基本は市民参加と協働です」とはっきり述べております。狛江市基本構想の将来都市像は「ともに創る 文化育むまち ~水と緑の狛江~」でございます。財政的な制約はあったとしても,基本方針を案に戻して市民参加・市民協働で検討する形になれば,大きく信頼回復につながると思います。
2019年6月14日に市長が市民の会と懇談しております。市民の会のホームページを見ますと,松原市長がこのように述べたと書いております。「公民館・図書館は働き方改革の中で,いっそう重要性を増すと考えている」,「市民参加と市民協働で推進したい。それが狛江市の活性化につながる」,このように述べております。私は本当にこのとおりだと思います。
朝日新聞の声の欄に読書の本のことで載っておりました。娘が赤ちゃんの頃から絵本は身近なものだった。その娘が幼稚園に入って間もなく,先生のように左手に絵本を持ち,みんなに見せながら読むことを覚えてきた。たどたどしい読み方ながら,丸暗記をしてすらすらと読めるようになっていく姿は頼もしいの一言であった。娘が小学1年生になった頃,本屋さんの子ども向けコーナーの椅子に私と娘で座り,娘が1冊の本を読んでくれた。林明子さんの「こんとあき」の話である。お話の中のこんとあきが離れ離れになってしまう場面で,私はあふれる涙を止めることができなかった。もちろん,その絵本は購入して今でも家の本棚に並んでいる。娘ももうすぐ6年生だ。こういう投書でございます。
子どもにとっても親にとっても本との出会いは人生を豊かにし,生きる力を与えてくれます。それはまち全体を人にやさしく,明るく温かなものにしていく力になるものだと思います。ぜひ基本方針を一旦案に戻して,市民参加と市民協働でよりよい充実した中央図書館・中央公民館をつくるように強く求めます。終わります。
122: ◎ 佐々木委員 狛江市議会公明党を代表して総括質疑を行います。
昨年の令和2年度
予算特別委員会において,私どもは2030年までの10年間が狛江市の将来を決定づけるという認識で予算委員会に臨みました。しかしながら,令和2年度は新型コロナウイルスの影響により,様々な施策の推進が困難な状況となりました。現在も緊急事態宣言が発令されており,コロナとの闘いがいつまで続くのか,決着はつかずにこのままコロナと共存していくのか,いわゆるウィズコロナという状況の中で,私たち一人一人が新たな生活様式を見いだし,これまでとは違う意識変革をしながら今後の生活を営んでいかなければなりません。それと同様に,社会も変革しなければならない中,地方自治体の運営についても大きな転換期であり,ここで大きく意識改革のかじを切らなければならないと考えます。
コロナ禍という国難の状況での難しい市政運営を強いられましたが,地方自治体の運営についての意識改革の認識については,昨年9月15日の令和3年度予算編成方針の中で,松原市長から既に明確に述べられ,指示が出されています。また,松原市長は,感染拡大防止と社会経済活動の両立,コロナ禍でも市民生活をしっかり守り,新しい社会の実現を目指すという令和3年度の取組について具体的かつ丁寧に所信を表明されました。私ども狛江市議会公明党からは,市長が示された令和3年度の取組について,その考え方や方向性を改めて総括的に確認させていただきます。
初めに,新型コロナワクチン接種について,短期間で多くの人にワクチンを接種することは,これまで経験したことのない大事業です。市民の命が関わるこの事業に失敗は許されないとの強い覚悟で,総力を挙げて取り組まなくてはなりません。であるからこそ,この大事業に向けては,理事者側,市職員だけではなく,議会側,議員も全面的に協力し,そして何より医療機関の皆様に御協力賜りながら着実に遂行しなければなりません。万全な体制の整備をどのように進めるのか伺います。
次に,行政分野のデジタル化・オンライン化については,市長が予算編成方針で述べられたように国のデジタル化への加速度の中で,狛江市でも各分野においてAI,RPAなどICT技術を駆使し,市民生活をよりよいものに変革するデジタルトランスフォーメーションを推進するとされています。デジタル推進について,公明党は,豊かな生活と誰一人取り残さない社会をつくるためのデジタル化と考えます。そして,できる限り多くの人が使いやすいように設計するユニバーサルデザインを原則とするという理念も重要であると考えます。
また,令和3年度は狛江市の前期基本計画の2年目になります。重要な政策課題の着実な推進を図っていくことも市の大事な役目です。そしてコロナ禍での未曽有の難局に立ち向かうために,自立した財政運営も必要不可欠な要素です。デジタル化を最優先課題とするものを含め,コロナ禍での時代の転換期に直面する行政改革について,市の取り組む姿勢を伺います。
このデジタル化を進めるという観点には,意味合いとして,人と人との接触,触れる機会を減らすというものも含まれると思います。しかし,その真逆で人と人が直接向き合い,触れ合わないとできないものがあります。それは福祉であり,子育てであり,教育であると考えます。特にコロナ禍での孤独・孤立は深刻な社会問題となり,声にならない窮状の訴えを見つけ出し,手を差し伸べていかなければなりません。また,外出を控え,友人との会話の機会もなくなったことでの認知の進行や様々に影響していることなど,福祉分野ではこれまでの経験からは計り知れない難問を抱えていると推察いたします。こうした状況を踏まえ,狛江市の福祉施策を伺います。
また,コロナ禍の影響で心身ともに健康状態を保つことの難しさは多くの方が感じられています。特にがん検診を控える方が増え,健康上のリスクが高まることへの懸念が指摘されています。また,外出を控えるという考えから,かかりつけ医への受診も控えるなど,高齢者のみならず,幅広い年齢層の市民における健康が脅かされているとも考えられます。狛江市の健康施策を伺います。
コロナ禍の影響は経済にも深刻な打撃を与えています。国では企業経営者に対する様々な支援策も講じられていますが,多種多様な市内業者に支援が行き渡るような対策の必要性を訴えるとともに,市民生活の向上に関しても,特に所得の低い世帯の支援策も講じていかなければなりません。今後の取組として,国や都の交付金等を活用し,大胆な支援策への取り組む姿勢について伺います。
本年は3.11,本日ですが,東日本大震災から10年が経過しました。当時のことは誰もが鮮明に記憶していると思います。先月の13日深夜には,その余震として東北地方で震度6強を記録,狛江市においても震度3の大きく長い揺れを感じました。
地震災害はいつ発生するか分かりません。また令和元年東日本台風では狛江市に大きな爪痕を残し,浸水原因究明の最終報告が取りまとめられた現段階では,その対策を最優先で取り組み,特に被災された皆様の不安を少しでも払拭できるように取り組まなくてはなりません。災害対策をはじめ,狛江市の安全・安心に向けた取組を伺います。
昨年,政府が策定した全世代型社会保障改革の方針には,公明党が20年以上にわたり推進してきた不妊治療の保険適用や待機児童対策などが盛り込まれました。不妊治療については2022年度からの保険適用に向けた工程が定められ,それまでの間は助成金が大幅に拡充されます。流産を繰り返す不育症についても補助金が創設されます。また,待機児童の解消に向けては,新たに14万人分の保育の受皿を確保する新子育て安心プランが策定されました。こうした国の動向に注視しながら,狛江市の施策に取り入れていくべきと考えます。
また,コロナ禍では子どもたちの育ちや子育てにも大きな影響を与えています。現状を踏まえての狛江市の子育て施策を伺います。
まちづくりは狛江市の都市基盤を整え,端的に言えば住みよいまちを形成することを目的とするものです。まちづくりにおける課題を整理し,コンパクトシティーである狛江市でも,その地域ごとの特性を生かしながら,地域住民の要望を踏まえつつ進められるものと考えます。まちづくりへの主な取組を伺います。
教育については,公立小学校の1クラスの人数を2025年度までに40人から35人に引き下げることが決定しました。小学校全体の上限人数の引下げは約40年ぶりとなります。少人数学級の実現は,公明党の長年の主張でありました。狛江市で少人数学級を進めるに当たっては,課題もあろうかと考えます。
また,昨年GIGAスクール構想で導入された児童・生徒1人1台のタブレット端末の活用により,一人一人に応じた学びの実現にもつながると思います。そしてコロナ禍における教育環境の変化に応じていくためには,教職員の意識改革も欠かせないものであり,何より様々な学校イベントがこれまでのように実施できない状況下で,やるせない思いでいる児童・生徒にどう向き合い,励ましを送っていけるか。この時代を生きる子どもたちが将来コロナ禍で過ごした学校生活の苦い経験があったからこそ,その経験をばねに今後の人生に生かしていけるような教育も求められています。未来の宝である子どもたちへの狛江市の取組を伺います。
以上の項目について答弁をお願いいたします。
123: ◎ 企画財政部長 行財政改革の分野について答弁させていただきます。
行財政改革のうち財政に関しましては,近年増加傾向にあった人口は今年度に入り減少となり,令和3年度予算では既に納税義務者の減少を見込んでおります。また,いわゆる団塊の世代が後期高齢者となる2025年も間近に迫っており,その先には団塊ジュニア世代が65歳以上となる2040年問題が待っており,社会保障費が増大し,財政面にとっては厳しい局面に入ります。
狛江市では,平成24年度に中期財政計画を策定し,財政の健全化を着実に進めてきましたが,新型コロナウイルス感染症の影響により一層厳しさが増しております。しかしながら,これは市民生活においても同様であり,支援が必要な方に必要な支援を実施する必要があります。必要な支援を実施するための持続可能な財政が必要不可欠と考えております。コロナ禍においても長期的な視点の下,将来世代にツケを残すことがないよう財政の健全化に取り組んでまいります。
次に,行革につきましては,新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い,狛江市におきましても職員の働き方の見直しや行政手続のデジタル化など新しい生活様式に即した対応が求められているところです。その中でも,行政サービスのデジタル化やテレワークなどの新しい生活様式に準拠した対応とともに,制度や組織の在り方などもデジタル化に併せて変革していく社会全体のデジタルトランスフォーメーションが求められています。
これに対応するため,新年度からデジタルトランスフォーメーションの推進に関することを未来戦略室の事務分掌として加え,また追加提案させていただきます令和3年度補正予算(第1号)で予算計上しておりますが,新たにDX推進監を配置することとしております。
このようなデジタル化の推進とともに,限られた財源の中で多様化する市民ニーズや行政課題に対応し,市民サービスを低下させることなく提供し続けるためにも,社会情勢に柔軟に対応できる組織づくりや人材育成等の行政財政改革に取り組まなければならないと考えております。
124: ◎ 総務部長 防災・減災について答弁させていただきます。
災害対策の取組といたしましては,浸水対策として新たに排水ポンプ車の配備と止水板設置工事費等の補助制度の創設を行う予定でございます。また,風水害対策と並行して引き続き震災対策につきましても推進し,各種訓練の実施や備蓄品の整備,民間事業者との協定締結,想定される災害に応じた対策を関係機関と連携して推進してまいります。
さらに,災害対策のみならず,防犯面についても力を入れて取り組んでまいります。市内の刑法犯認知件数は都内でも上位の少なさを維持しているところではございますが,依然特殊詐欺被害や自転車盗被害が市内で多く発生していることから,引き続き調布警察署等と連携して効果的な対策を推進してまいります。
防災・防犯施策を充実・強化し,災害に強く犯罪の少ない,市民の皆様がこれまで以上に安心して暮らすことができるよう,市民の皆様,各団体,事業者,関係機関と一体となって取組を進めてまいります。
125: ◎ 市民生活部長 経済・市民生活についてです。
新型コロナウイルスの感染症拡大の影響を受けている事業者等に対し,国や東京都,狛江市では様々な支援策を講じております。特に東京都では,令和3年度補正予算におきまして,自治体が実施するプレミアム付きデジタル商品券事業への補助事業をメニューの一つとして提示しており,市といたしましても,こうした事業を活用し,市内事業者の皆様に広く支援が行き渡るように検討を進めてまいります。また,検討を進めていく中では,低所得者世帯への支援も視野に入れ,取り組んでいきたいと考えております。
また,これとは別に,支援のはざまで各種支援が受けられない事業者さんへの支援を見据え,受給要件の緩和を含め,経済支援策を進めております。
併せまして,農地保全の観点から,次期作付に向けて耕作を担っていただくことを目的に,市内農家さんに対しても支援金の給付について検討を進めております。
なお,この2件につきましては,追加議案として提出させていただきました令和3年度一般会計補正予算(第1号)にも計上させていただいております。
126: ◎ 福祉保健部長 ワクチン接種につきまして答弁させていただきます。
今回のワクチン接種につきましては,情報が日々更新されていることや未確定の情報があることなどから,正確かつ最新の情報を常に把握しながら進めていくことが重要であると考えております。そのため,国や東京都,近隣自治体等と情報共有を行い,確実な情報に基づいた接種計画を立てるとともに,狛江市における円滑で安全な接種体制づくりや接種に係る課題解消のために,庁内はもちろんのこと,地域の医療機関をはじめとした関係機関と綿密かつ継続的に連携・協力しながら円滑で着実な接種の実施に努めてまいります。
続きまして,福祉施策についてです。
核家族化や価値観の多様化が進み,人と人とのつながりが希薄化しつつある中,コロナ禍では他者と物理的に距離を取ることを余儀なくされることになりました。この結果,コロナ禍では介護と育児のダブルケア,80歳代の親と50歳代の子どもの組合せによる生活課題,いわゆる8050問題等,複雑化・複合化した課題を抱える世帯,生活困窮者,貧困の状況にある子ども等,新たな地域生活課題を抱えている人・世帯がさらに増えることが予想されます。
また,御質問者の御指摘のとおりコロナ禍での孤独・孤立は現代における非常に深刻な問題で,貧困の問題,自殺の問題,コロナ禍で減っていた自殺者は本年は増加に転じ,特に女性の自殺が増えております。また,最近の報道では児童・生徒の自殺も増えているといったことも報道されております。また,配偶者暴力等のDVの問題,独居高齢者の見守りができない問題,高齢の親がひきこもりの中高年の子どもを支える問題等,また就業機会が損なわれたり,居場所がなくて生きづらさを抱える女性の問題等,例を挙げればきりがありませんが,コロナ禍における3密対策の呼びかけや長引く外出自粛に伴い,他人との接点が減り,社会から孤立する人が増えていると言われております。
このような状況に対応するためには,市民,事業者,行政を含む関係機関が連携し,課題を発見し,支援につながる相談支援体制を構築するとともに,体制の構築においては,その担い手となる人材を確保し,養成・育成する必要があるものと考えております。また,多世代・多機能型交流拠点を住民の身近な地域に設置し,誰もが気軽に立ち寄り,他者との交流を通じて誰もが悩みを共有し,支え合える環境を地域につくり出すとともに,拠点での活動を通して地域コミュニティーを支える担い手を生み出し,その人材が次代の担い手を育てる人材の好循環を実現し,持続可能な地域をつくっていく必要があるものと考えております。拠点の構築に当たりましては,リアルとオンラインの双方の強みを生かし,人と人とのつながりを強め,新たな時代のコミュニティーの在り方を模索してまいります。
続きまして,健康施策について答弁申し上げます。
気持ちをリフレッシュするために外出することなども,緊急事態宣言が発出されたことにより制限されており,健康を維持していくことが非常に難しい状況となっております。
がん検診だけでなく,乳幼児健診,特定健診なども中止となるなど,これまでの施策では対応できないことが多くございました。この状況を改善するため,乳幼児健診などは細かな時間予約を実施して,受診者が一度に多く集まらないような工夫をしたり,がん検診や特定健診は開始時期が遅れたため,終了時期を1か月延長するなどの対応を図りまして,これまでどおりの受診機会を確保できるように対応を図ってまいりました。
また,健康増進室で実施している健康セミナーも中止となる状況もございましたけれども,健康ポイントと連動して運動不足解消足腰強化編,腰痛予防編,膝痛予防編の動画を配信するなど,健康維持対策について対応してきたところです。
127: ◎ 参与 子育て施策についてお話をさせていただきます。
子育て施策につきましては,昨年3月に策定いたしました狛江市子ども・若者応援プランを踏まえまして施策を推進することとしております。その中でも,待機児童の解消につきましては引き続き市の喫緊の課題と位置づけ,重点的に取り組んでいるところですが,令和3年度においては,さつき家庭保育室の小規模保育事業への移行による定員増とともに,保育所の入所申請時点における入所希望内容とのアンマッチングの防止や東京都のベビーシッター利用支援事業の推進,各園における定員の弾力化など,施設整備によらない機動的な方策による取組を進めるための予算を計上しているところです。
一方,学童クラブにつきましては,今後の中長期的な需要数を踏まえ,寺前小学生クラブ及び第六小学校放課後クラブの開設や,令和4年度に開設予定の第一小学校放課後クラブに係る施設整備,松原学童保育所の改修工事,令和5年度の開設に向けました(仮称)根川学童クラブの改修工事設計も実施する予定です。
また,このほかソフト面においては,昨年度から引き続き妊婦面談や産後ケア,ファーストバースデー育児パッケージ,多胎児移動支援等の母子保健事業を福祉保健部において実施するとともに,高校生世代医療費助成事業や養育費受け取り支援事業など子どもの貧困対策の推進に係る新たな取組や,児童虐待の防止に向けた人員体制の強化,児童発達支援センターの週5日クラスの定員拡大など,切れ目のない支援を行うために必要な予算の計上をしております。
なお,昨今新聞等でも報道されているところでございますが,新型コロナウイルスの流行が本格化しました昨年4月以降,妊娠届の届出数が減少傾向にございまして,狛江市においても昨年4月から本年1月までの届出数は昨年度の同時期と比較して10%以上減少しているところでございます。この点につきましては,待機児童対策をはじめとした市の施策に大きな影響を与えるものと考えておりますので,今後の傾向を注意深く見極めてまいりたいと考えております。
128: ◎ 都市建設部長 まちづくりについて答弁させていただきます。
現行の都市計画マスタープランは平成23年度に策定しまして,令和3年度で10年目を迎えます。その間,都市基盤の整備や地区計画の策定,大規模事業の開発,災害の発生等,多くの課題が発生しております。それらを再整理しまして,2040年に向けて魅力あるまちづくりを進めるため,社会情勢や狛江市が置かれている環境の変化にも対応できるよう,現在改定作業を行っております。
また,立地適正化計画についても法改正により住み続けられるまちづくりを進めるに当たり,狛江市に起こることが想定される災害への対応を示すための防災指針の策定が必要となり,その検討を行う中で機能の集約や防災対応等について考慮した将来都市像を位置づけることを検討しております。
そのためには,行政による一方的なまちづくりだけではなく,多くの市民の皆様と意見交換する機会を多く設け,まちづくり条例を活用しながら市民参加のまちづくりの実現を目指しております。それらを踏まえまして,豊富な緑でつながり,安心・安全であり,コンパクトで機能的で誰にもやさしいまちづくりを市民参加と協働により進めていきたいと考えております。
129: ◎ 教育長 教育につきまして答弁申し上げます。
学校教育におきましては,中学校が令和3年度より新学習指導要領の全面実施となります。持続可能な社会の実現やSociety5.0時代の到来,価値の多様化の進展などを踏まえまして,未来を担う全ての子どもたちの可能性を引き出す教育への転換,そして個別最適な学び,さらに協働的な学びの実現が求められております。
そうした観点からも,GIGAスクール構想に加えまして,学級編制基準の引下げは,一人一人の教育的ニーズに応じたきめ細かな指導と可能性を探る体制が整えられると期待しております。コロナ禍にありましても,これまで取り組んでまいりました基礎学力の保障や言語活動及び体験的な活動につきましては,英知を結集し充実を図ってまいります。また,少人数になりましても社会性を育んでいくというような取組は進めてまいります。
課題といたしましては,現行の普通教室だけでは対応が難しくなることが見込まれておりますが,現時点では大規模校の狛江第一小学校も含めまして,校舎増築工事の継続や特別教室などの転用によりまして普通教室の不足分は解消できる見込みです。
現在,新たな教育の変革期にございます。これまで以上に小学校と中学校の連携の強化に加えまして,地域の力を学校教育の推進力にするために,地域学校連携支援を強化してまいります。保護者も地域も学校も子どもたちに願うことは幸せであってほしいということです。子どもは育てたいようには育つものではありませんが,育てたように育ちます。コロナ禍にあるからこそ,狛江の子どもたちは人への思いやる気持ちを行為や行動で表す態度が育まれております。これらのことにつきましては,報道等で御案内のとおりでございます。いかなる状況下にありましても,子どもたちには健やかな心を有し,自分の人生を切り開いていく,しなやかでたくましい力が培えるよう,地域も学校も協働的な教育の場として整えてまいります。
教育全体といたしましては,市民が生涯にわたり学び,活動し続けることができる環境を,市民のニーズはもとより,現代的な課題や必要課題に対応できる機能と役割が果たせるよう推進してまいります。
130: ◎ 佐々木委員 最後に,市長にお伺いいたします。
松原市長は令和3年度編成方針の中で,「令和3年度予算は,今年度からの総合基本計画に基づくとともに,私の任期も折り返しとなり,市長選挙時に掲げた公約,「日本一やさしいまち,狛江」の実現に向けた編成とする」と述べられ,そのための予算編成を指示されました。少子高齢化等の影響を受け,社会保障費の負担増による自治体経営・運営が危惧されている中,国難という言葉ではおさまらない世界難,地球難という新型コロナウイルスとの闘いも加わるなど,前代未聞の難局の中で狛江市を持続可能な自治体としてのレベルの維持,生き残りが問われる時代にもなり得ます。
この難局を乗り越えるために,職員の皆さんの士気を鼓舞し,市民の皆様にも勇気と希望を与えられるようなメッセージ,そしてこの難局に立ち向かう松原市長の強い決意をお聞かせください。
131: ◎ 市長 新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴いまして,狛江市におきましても職員の働き方の見直しやデジタル化の推進など新しい生活様式に対応してきたところですが,市民の皆様や事業者の皆様におかれましても感染対策に御協力いただきまして,新しい生活様式に対応されてきたところだと思います。
令和2年度は市制施行50周年という記念すべき年となりましたけれども,職員におきましては,予定した事業が実施できなかったり,あるいは縮小したりなどモチベーションを保つのが大変であったのではないかと思っているところです。また,職員間でのコミュニケーションの取り方,例えば昼食を職員同士で一緒に取ることで気分転換や歓送迎会などでコミュニケーションを取り,仕事への気持ちの切替えなどもできなかったわけです。そういった中で職員は感染拡大の防止に向けて全力を挙げて取り組み,また多大な影響が生じた市民生活や市内事業者の経済活動への支援に向けて取り組んでいただいたところです。
また,市民の皆様,事業者の皆さんにも大変な御負担をおかけしておりますけれども,今後も国・東京都と連携いたしまして,市としてできる支援を引き続き行ってまいりたいと考えております。
残念ながら,新型コロナウイルス感染症の収束にはいまだ至っておりませんけれども,現在新型コロナウイルスワクチン予防接種に向けて準備を進めているところです。この予防接種が感染の収束に大きな役割を果たすものでありますので,希望される方が安心して円滑に接種できるよう進めてまいります。
これを乗り越えた後,誰もが希望と活力を持って安心して生活ができるよう,もう一頑張り,市と市民,事業者の皆様一丸となって取り組んでまいりたいと考えております。
132: ◎ 委員長 暫時休憩いたします。
午前11時58分 休憩
午後 1時30分 再開
133: ◎ 委員長 再開いたします。
総括質疑を続行いたします。
134: ◎ 加藤委員 本日は2011年3月11日に起こった東日本大震災よりちょうど10年目の節目の日を迎えます。10年前の3月11日,午後2時46分に三陸沖を震源とする国内観測史上最大となるマグニチュード9.0の巨大地震が大地を揺らしました。高さ30メートルを超える大津波が押し寄せ,人々の命とまちを飲み込みました。また,東京電力福島第一原子力発電所事故により避難指示が出され,最大時約16万人以上の住民が避難を余儀なくされました。
警察庁の3月10日時点のまとめなどによると,死者1万5,900人,行方不明者2,525人,その範囲は12都道府県に及んでいます。全半壊した家屋は40万5,161棟,原発事故によって今も人が住めない地域は福島県の7市町村,337平方キロメートル,復興庁によれば避難生活の末に衰弱したり,自殺したりした関連死者3,775人に達しています。そして,今も4万1,241人が避難生活を余儀なくされています。
震災でお亡くなりになられた方々の御冥福を心よりお祈りするとともに,行方不明の方が一日でも早く発見されて,御家族のところに戻れることを願っています。また,今なお避難生活を余儀なくされている方をはじめ,被災された方に対して改めて心よりお見舞いを申し上げます。
それでは,令和3年度一般関係予算についての立憲民主こまえの総括質疑を行います。
まず,財政面についてお伺いいたします。
令和3年度一般会計の予算規模は303億2,000万円で,前年度比3億9,100万円,1.3%の増となっています。
まず,最初に本予算の特徴,概要についてお伺いします。
135: ◎ 財政課長 市長が所信表明で述べましたとおり,新型コロナウイルス感染症の影響により市民税の大幅減,臨時財政対策債の大幅増と厳しい歳入状況ではございますが,令和元年東日本台風による災害等を踏まえるとともに,子どもの貧困対策など,コロナ禍におきましても災害対策の着実な実施と子育て支援の充実を図る予算となっております。
136: ◎ 加藤委員 続いて,歳入からお伺いします。
本予算案での歳入の状況では,市税がマイナス3.5%と大きく減り,地方交付税,国庫支出金,諸収入については前年度5%以上増えると見込んでいますが,午前中の答弁と重なる部分はあると思いますが,それぞれの見込額の算定の主な根拠についてお伺いいたします。
137: ◎ 財政課長 市税は新型コロナウイルス感染症の影響などにより約123億5,000万円,前年度比約4億4,000万円,3.5%の減となります。
地方交付税のうち,普通交付税が市税収入などの減で市の財源不足が大きくなったことなどにより約13億8,000万円,前年度比約1億2,000万円,9.5%の増となります。
国庫支出金は個人番号カード関連事務費等補助金,生活保護費負担金,子どものための教育・保育給付交付金,障がい福祉サービス費等負担金の増などにより約51億8,000万円,前年度比約2億5,000万円,5.1%の増となります。
諸収入は児童発達支援センター給付費や小・中学校給食費の増などにより約4億7,000万円,前年度比3,000万円,5.8%の増となります。
138: ◎ 加藤委員 続いて,年々増しているふるさと納税の歳入への影響についてですが,狛江市ふるさと応援寄附金の本年度予算への影響額と各3年間の推移についてお伺いいたします。
139: ◎ 課税課長 こまえ応援寄附金の令和3年度市税への影響額は約1億9,800万円と見込んでおります。過去3年間の推移につきましては,平成30年度,約1億3,700万円,平成31年度,約1億9,000万円,令和2年度,約1億9,800万円です。
こまえ応援寄附金による市税への影響は,平成28年度以降大きく増加しておりましたが,返礼品の調達費用の額を寄附額の30%以内とする等の税制改正の影響等により近年は増加幅は縮小しております。
これに加え次年度は所得額が減少すること等から,影響額は減少することも考えられますが,コロナウイルス感染症対策への支援,応援のための寄附やステイホーム等によって新たな需要が喚起されることをも想定し,令和3年度の影響額については,令和2年度と同額と見込んでおります。
140: ◎ 加藤委員 次に,臨時財政対策債についてですが,臨時財政対策債は市として発行額の基準は設けていないが,抑制に努めますとしています。
令和3年度予算案の発行額は14億8,700万円で前年度比6億4,300万円,76.2%の増額を予定していますが,その理由について改めて確認させてください。また,令和2年度の発行額は約9億円となっていましたが,発行額が多くなった理由についてもお伺いします。また,臨時財政対策債の発行額と実際の発行額,抑制額について,過去3年と本予算案についてお示しください。
141: ◎ 財政課長 国は地方の財源不足に対して,地方法人税を含む国税5税を財源に普通交付税分として配分しておりますが,この財源には法定率が定められており,その分を超える地方の財源不足については,普通交付税ではなく臨時財政対策債として発行可能額が示されます。
令和3年度予算においては国税収入も大きく落ち込み,地方全体でこの法定率を大きく超える財源不足が発生することが見込まれることなどから,臨時財政対策債が大きく増加しております。
令和2年度の臨時財政対策債の当初予算額8億4,400万円に対し,発行可能額が8億7,491万5,000円となり,3,091万5,000円の増となりましたのは,当初の見込みより増額したためでございます。
発行抑制額が確定しております平成29,30,31年度の発行可能額,実発行額,抑制額をお答えいたします。
平成29年度,10億4,269万3,000円,9億5,000万円,9,269万3,000円,平成30年度,11億5,925万4,000円,8億7,600万円,2億8,325万4,000円,平成31年度,9億6,011万7,000円,7億4,900万円,2億1,111万7,000円です。また,令和2年度は発行可能額8億7,491万5,000円,発行予定額7億円,抑制予定額1億7,491万5,000円です。
なお,令和3年度は未定でございますが,歳入歳出の執行状況を踏まえ,可能な範囲で抑制に努めてまいります。
142: ◎ 加藤委員 過去と同様に令和3年度についても可能な範囲で抑制に努めることと理解しました。
それでは,この臨時財政対策債ですが,借金であるのか,市の見解を改めて確認させてください。
143: ◎ 財政課長 臨時財政対策債は普通交付税の算定を通じて発行可能額が決まります。臨時財政対策債の償還額は借入れの有無にかかわらず,発行可能額にて算入される公債費が後年度に普通交付税の基準財政需要額に算入されますが,地方債として市が借り入れて償還していく借金であることに変わりはありません。
144: ◎ 加藤委員 臨時財政対策債は借金であるので,抑制に努めていることを確認できました。
次に,持続可能な財政運営をしていくことについてお伺いします。
まず,財政調整基金についてです。
あらかじめ積み立てておくことによって市の財政状況の変化に対応し,安定した財政運営ができるようにする財政調整基金ですが,本予算案の積立額は23万6,000円で取崩し見込額は2億円となっています。年度末の財政調整基金の残高についてお伺いします。また,令和6年度末の目標値は20億円となっていますが,達成の見込みについてお伺いします。
145: ◎ 財政課長 令和3年度当初予算上の財政調整基金年度末残高は16億784万9,000円です。また,令和6年度末までに財政調整基金の積立目標額20億円の達成に向けては,新型コロナウイルス感染症の発生など,目標設定時からの状況の変化がありますが,目標達成に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
146: ◎ 加藤委員 ぜひ目標達成に向けて取り組んでいただきたいと思います。
次の質問に移ります。
自主財源とは自治体自らが決定し,収入し得る財源であり,これが多いほど行政活動の自主性,安定性が確保されます。令和3年度当初予算額によれば,市税の構成比が令和2年度当初予算額より2%ほど低下していますが,本予算の
自主財源比率はどのくらいになるのか,また過去3年の当初予算額,
自主財源比率についてお伺いします。
147: ◎ 財政課長 初めに,
自主財源比率の算出方法を説明いたします。
普通会計ベースの歳入予算のうち,地方税,分担金及び負担金,使用料,手数料,財産収入,寄附金,繰入金,繰越金,諸収入の合計額を歳入総額で割り返すことで算出いたします。令和3年度の
自主財源比率は46.2%です。また,令和2年度から平成30年度まで順に49.0%,51.1%,50.9%となります。
148: ◎ 加藤委員
自主財源比率が令和3年度はかなり下がることが分かりました。
そこで,広告収入の拡充など,自治体の努力で行える自主財源の拡充と強化に向けた取組についてお伺いします。
149: ◎ 財政課長 広告収入やふるさと納税など,自主財源の確保は重要であると認識しております。公共施設の屋上への携帯電話基地局アンテナ設置に伴う使用料など,一部で増もありますが,新型コロナウイルス感染症の影響による企業収益の悪化などから,令和3年度予算の広告料収入は減少となっております。
150: ◎ 加藤委員 続きまして,財政規律に関してお伺いします。
規律ある財政運営を行うため,狛江市では3つの財政規律を設定し,財政運営に取り組んでいると思いますが,地方財政法第7条の規定から一般会計決算の実質収支額の2分の1以上を翌年度までに基金に積み立てるよう努めますとしていますが,この目標を達成できる見込みか,お伺いします。また,基金の平成31年度末残高は45億3,700万円でしたが,令和2年度,3年度末の基金残高の今のところの見込みについてお伺いします。
151: ◎ 財政課長 積立てができるよう努めてまいります。また,基金残高につきましては,令和2年度末見込みが約46億7,700万円,令和3年度末見込みが約44億5,000万円です。
152: ◎ 加藤委員 令和3年度予算の市債の発行は22億4,870万円を予定しています。狛江市では連結ベースでの負債残高について,前年度数値を上回らないよう努めますとしていますが,この目標を達成できるのか,改めてお伺いします。
153: ◎ 財政課長 令和3年度当初予算上においては,予算概要の16ページに掲載いたしましたとおり,一般会計,駐車場特別会計,下水道事業会計を合わせた市債の令和3年度末残高見込みは約241億300万円で,令和2年度末残高見込みに比べ約6億7,000万円増加する見込みとなっております。
さらに連結ベースでは一部事務組合等も影響するため,現段階では不透明な部分もあり,連結負債残高の維持は難しい状況ではありますが,令和3年度の執行において,できる限り市債の発行を抑制してまいりたいと考えております。
154: ◎ 加藤委員 続いて,令和3年度から令和5年度における事業債の発行額を計画期間3か年の平均で8億円以内に努めると目標を立てていますが,今後達成できる見込みか,お伺いいたします。
155: ◎ 財政課長 令和3年度当初予算上においては,事業債の予算額は7億6,170万円です。目標を達成できるよう努めてまいります。
156: ◎ 加藤委員 続いて,市債の発行は22億4,870万円を予定していますが,各年度における市債の発行額は,当該年度の市債元金償還以内に努めますとあります。市債全体としてのプライマリーバランスを保つことで市債残高の削減に努め,公債費負担の軽減を図りますとありますが,今後達成できる見込みか,お伺いします。また,令和3年度末の市債残高の見込額と令和6年度末の目標値は185億円となっていますが,今後の推移の見通しについてお伺いします。
157: ◎ 財政課長 令和3年度当初予算上においては,先ほどと同様予算概要の16ページに掲載いたしましたとおり,一般会計の令和3年度末残高は令和2年度末残高見込みに比べ約6億4,000万円増加する見込みとなっております。市債発行額の基準の達成は難しい状況ではありますが,令和3年度の執行において,できる限り市債の発行を抑制してまいりたいと考えております。
また,令和3年度末から令和6年度末までの市債残高の見通しでございますが,令和3年度末残高見込額は約200億3,000万円です。令和6年度末残高は185億円とする目標値を設定しておりますが,新型コロナウイルス感染症の発生など,目標設定時からの状況の変化もあり,大変厳しい状況となっております。しかしながら,目標達成に向けて努めてまいりたいと考えております。
158: ◎ 加藤委員 続いて,財政目標数値についてお伺いします。
経常収支比率90.0以下,実質公債比率2.0以下,将来負担比率17.9以下と目標がありますが,達成の見込みについてお伺いいたします。
159: ◎ 財政課長 臨時財政対策債の発行可能額とその抑制額にもよりますが,達成に向け努めてまいります。
160: ◎ 加藤委員 現在の経済社会情勢では厳しい面もありますが,持続可能な財政運営のために,財政規律で示した目標を達成できるよう御尽力いただきたいと思います。
次に,歳出について伺います。
昨年の9月15日に松原市長が示されました令和3年度予算編成方針では,コロナ禍により,より限られた予算となることから,単に増額を要求するのではなく,大胆な予算の組換えやスクラップ・アンド・ビルドの観点から,めり張りを持った要求をしていただきたいとありますが,歳出の主にどのようなところにこの点が反映されているのか,お伺いします。また,少なくとも今後数年は歳入に関して厳しい状況が続くと思いますが,歳出に関しての基本的な考え方,方針についてお伺いいたします。
161: ◎ 財政課長 今回の予算編成においては,中学校の用務業務の一部集約化により約600万円を捻出しております。このほか採用時職員健康診断委託,在宅高齢者等おむつ支給事業,青少年事業全般,路上喫煙防止の巡回指導業務委託などで見直しを行いました。
団塊の世代が後期高齢者となる2025年が間近に迫り,扶助費や福祉の3会計の繰出金などの社会保障費の増加は避けられません。これらは義務的経費に近く硬直性が高いため,減額の余地はあまりありません。歳入状況が厳しい中においても,社会保障費の増に耐え得る持続可能な財政が必要と考えます。
162: ◎ 加藤委員 次に,積立金についてですが,令和2年度は2,244万2,000円で,本予算案では1,750万8,000円で前年度比マイナス21.9%の大幅減となっています。今後の積立て,基金残高についての見通しについてお伺いいたします。
163: ◎ 財政課長 積立金の前年度比490万4,000円,21.9%の減の多くの部分がまちづくり協力金を財源とする緑化基金積立金です。基本的に当初予算における積立金は,緑化基金以外その利息のみを予算化しており,例年第3回定例会において,前年度の決算剰余金を各基金に積み立てております。
今後の積立て,基金残高についてですが,各基金の積立目標額に向けて決算剰余金を活用し,積み立ててまいります。
164: ◎ 加藤委員 次に,義務的経費についてお伺いします。
義務的経費は法令の規定,あるいはその性質上,地方公共団体に支出が義務づけられている経費であり,市が任意に削減することが困難な極めて硬直性の強い経費です。したがって,義務的経費比率が高いほど財政構造の硬直化に影響するとともに,財政健全化の障害になると言われています。
令和2年度予算の性質別歳出額の内訳では,歳出総額の52.8%が義務的経費でした。本予算の義務的経費の額,義務的経費比率及び今後の推移の見込みについてお伺いします。
165: ◎ 財政課長 令和3年度の義務的経費は160億9,510万4,000円,前年度比3億593万6,000円,1.9%の増です。構成比は53.2%で前年度比0.4ポイントの増です。
今後の推移について,中期財政計画,令和2年度ローリング版の財政見通し,今後の3年間の財政フレームの見通しの歳出から算出し,お答えいたします。
令和4年度,52.2%,令和5年度,51.0%です。
166: ◎ 加藤委員 続いては,一般会計から特別会計に繰り出す経費である繰出金が31億6,731万4,000円と前年度比1億4,343万8,000円と4.7%増えていますが,改めてその理由と繰出金の今後の推移の見通しについてお伺いします。
167: ◎ 財政課長 繰出金の増理由ですが,国民健康保険特別会計への繰出金が大きく増加しており,前年度比1億655万8,000円,11.5%の増となっております。
今後の推移でございますが,先ほどと同様中期財政計画,令和2年度ローリング版の財政見通し,今後3年間の財政フレームの見通しからお答えいたします。
令和4年度,30億9,400万円,令和5年度,31億5,400万円です。
168: ◎ 加藤委員 国民健康保険特別会計への繰出金が大きく増加していることで大きく影響を受けていることが分かりました。
国民健康保険に関しては,制度に根本的な問題があると思いますので,市として都内区市町村や市長会と連携して,引き続き改善を要望していただきたいと思います。
次に,コロナ禍により中期財政計画の財政見通しと実際の経済状況に大きくずれが生じていく可能性がありますが,計画の見直しについてその都度修正を行っていくのか,お伺いいたします。
169: ◎ 財政課長 中期財政計画は毎年度秋に更新しておりますので,令和3年度も令和2年度ローリング版策定後の状況の変化を反映するため,財政見通しの修正を行い,計画期間を延伸するとともに,計画期間最終年度の財政指標目標値を設定いたします。
170: ◎ 加藤委員 午前中も答弁がありましたが,立憲民主こまえとして財政規律を守り,財政健全化を進めながら市政を行っていくべきと考えますが,最後に市の財政運営の方針について改めて見解をお伺いします。
171: ◎ 財政課長 午前中,佐々木委員の御質問に対しまして企画財政部長から答弁がありましたとおり,狛江市では平成24年度に中期財政計画を策定し,財政の健全化を着実に進めてきましたが,新型コロナウイルス感染症の影響により財政運営は非常に厳しさを増しております。これは市民生活においても同様であり,支援が必要な方に必要な支援を実施する必要があります。必要な支援を実施することができる持続可能な財政が必要であると考えます。
コロナ禍においても長期的な視点の下,将来世代にツケを残すことがないよう,財政の健全化に取り組んでまいります。
172: ◎ 加藤委員 将来世代にツケを残すことがないよう,財政健全化に引き続き取り組んでいただきたいと思います。
立憲民主こまえの1回目の総括質疑をこれで終了させていただきます。
173: ◎ 平井委員 10年前の今日,東日本を襲った大震災は2万2,000人余りの死者,行方不明者を出す未曽有の大災害となりました。私の幼なじみもその中の1人におりまして,この時期が来ると非常に思い起こされます。残された2人の子どもたちや御家族の悲しみを思うと今なお胸が潰れる思いです。お亡くなりになった方々に哀悼の意を表し,今なお避難を続け,終わらない災害に身を置かざるを得ない皆様に心からお見舞い申し上げます。
当時被災地へ出向き支援に当たってくださった狛江市の職員の方々,松原市長をはじめ,多くの皆様が当時,そしてその後も大変な思いをされながら被災地を応援してくださっていることに心を打たれます。御尽力に深く感謝申し上げます。
この1年,令和元年台風19号による被害への対策,そして新型コロナ感染症という経験のない災害への対応に追われる中,国会では多くの法案が成立し,狛江市の職員の皆様は本当に大変な1年間であったと思います。
本日は令和3年度
予算特別委員会総括質疑として3つの質問をさせていただきます。
まず,初めに公共施設のネットワーク環境についてです。
1年前,新型コロナ感染症により突然小・中学校の臨時休校が発表されました。その後,2回の緊急事態宣言下において職員の皆さんは通常の行政サービスに加えて,感染症や国が決定する事業のための数々の業務を行わなければならない状況にありました。職員の皆さんが各分野で市民の健康と福祉のために精いっぱい頑張ってくださったことに対して,改めて感謝申し上げます。
感染予防を徹底しながら行政サービスを継続するために,新しい働き方が導入されました。時差出勤や分散勤務,在宅勤務やウェブ会議などです。議会でもタブレットの導入が前倒しされ,議場や控室のWi-Fi環境が整備されたことで,議会で使用する資料の電子化やペーパーレス化が進められています。
庁内のネットワーク環境整備について伺います。
令和2年度に進められたもの,そして令和3年度に予定されているものを教えてください。
174: ◎ 総務課長 庁舎内のインターネット回線の環境整備といたしましては,今年度職員がウェブ会議等の業務で利用できるよう,回線を本庁舎及び防災センターの主な執務室,会議室まで延長するとともに,アクセスポイントを設置することで職員用Wi-Fi環境を整備したところです。
本庁舎及び防災センターにおける環境整備におきましては,令和3年度で予定しているものはありません。
175: ◎ 平井委員 庁内のWi-Fi環境は今年度整備されたとのことですが,市内の各公共施設のWi-Fi環境の整備状況について伺います。
176: ◎ 総務課長 公共施設におけるWi-Fiにつきましては,各施設の所管部署等におきまして取組を進めており,現状では災害時のみに開放するものを含めますと,市庁舎,市民センター,西河原公民館,市民総合体育館,議会棟,各公立小・中学校,地域センター,あいとぴあセンター,西河原公園,前原公園,えきまえ広場におきまして,自動販売機等に機能を搭載する等により設置しているところです。
177: ◎ 平井委員 庁内で回線を使い,アクセスポイントを設置し,安定したネットワーク環境が整備されたことは高く評価すべきことだと思います。一方市庁舎以外の公共施設のネットワーク環境は,自動販売機等に搭載された無線Wi-Fiということですね。
公民館,地域センター,あいとぴあセンター,学校施設など,それぞれの施設で市が主催する講演会や市民の活動,そしてイベントなどにおいてインターネット環境が必要な場面があります。新型コロナ感染症により集まることができない中,一層ネットワーク環境の整備が求められていると思います。
今後のネットワーク環境整備に関する狛江市の考え方を伺います。
178: ◎ 総務課長 無料Wi-Fiは誰でも自由に利用できる一方で,セキュリティー面や同時アクセス数の制限といった課題などもあります。また,急速にデジタル化が進展している中で,行政サービスの在り方等も変化していくことも予想されます。Wi-Fiの環境整備につきましては,こうした点を踏まえつつ,今後の課題として捉えているところです。
179: ◎ 平井委員 今は市民の自由な学びや文化芸術活動にネットワーク環境は不可欠な時代です。新型コロナウイルス感染症のため,市民の活動はオンライン講座やオンライン会議が当たり前になっております。狛江市もコロナ対策として成人式や音楽祭などの行事をオンラインで行ったり,文化芸術活動支援で動画配信を行ったりしてきました。
公民館事業として行われている連続講座では,感染防止のために定員を制限して事業を行ったり,講師や受講者にZoomで参加をお願いしたりしながら講座を行っております。しかし,市民センターのネット環境が自動販売機に搭載されている無料Wi-Fiのため,一定時間で切れてしまい,不安定で連続して使用することができません。それでは事業が成り立たないので,市民が自費でWi-Fiをレンタルし,持ち込んで対応している状況があります。
あくまでも1つの例ですが,昨年の1月,狛江市から後援をいただき,視覚障がい,聴覚障がい,身体障がいのある方々と一緒に2日間にわたって中央公民館でシンポジウムと学習会を行いました。手話と要約筆記を自分たちで行いながらの学習会だったのですが,会場が市民センターの地下ホールだったため,持ち込んだ無線ルーターではネットワークが非常に不安定でした。途中で要約筆記のための音声変換機能が使えなくなり,全て手入力で対応せざるをえなくなりました。また,子育て中の方が親子で保育室で視聴できるようモニターを設置して中継をしていたのですが,頻繁にフリーズしてしまうなど,非常に困りました。
市庁舎に続いてぜひとも公民館や地域センター,学校施設など,市民誰もが利用できる公共施設のネットワーク環境を整備していただきたいと思います。障がいやハンディのある方が排除されることなく,当たり前に学習や活動に参加するための重要な環境整備だと思います。市民を新型コロナ感染から守るためにも公共施設のネットワーク環境整備は急務だと思いますが,いかがでしょうか。
180: ◎ 総務部長 新型コロナウイルス感染症拡大の影響により,行政サービスのデジタル化やテレワークなどの新しい生活様式に準拠した対応が求められている中において,時代に合わせたICT環境の整備に取り組んでいく必要がある一方で,増加するICTコストへの意識も重要であると認識しているところです。
また,先ほど総務課長が答弁させていただきましたけれども,今後のデジタル化の進展やそれに伴う行政サービスの在り方等にも変化していくことが予想されていることから,Wi-Fi環境の整備につきましては今後の課題としてまいりたいと考えているところです。
181: ◎ 平井委員 ぜひとも御対応をよろしくお願いします。
障がいやハンディのある方が当たり前に学習や活動に参加できるよう,障害者差別解消法が定める合理的配慮としてもどうかお願いいたします。
総務省の資料では,国から地域デジタル社会推進費として令和3年度及び令和4年度に地方交付税措置されるそうですので,狛江の地域デジタル社会形成に向けての取組として,ぜひ活用していただきたいと思います。よろしくお願いします。
では,次に狛江市における行政文書,押印の方針について質問させていただきます。
2020年は,働き方改革と新型コロナ感染拡大による在宅勤務の要請により,押印廃止の必要性を求める声が高まりました。押印のためだけに出社しなければならない社員がいることが問題になり,押印による契約を全面的に電子契約に移行する企業も増えています。各省庁でも押印廃止が進められておりますが,狛江市の取組状況をお尋ねいたします。
182: ◎ 政策室長 行政手続における押印の見直しに関する狛江市の取組状況につきましては,令和3年2月9日の行財政改革推進本部におきまして,行政手続等における押印の見直しに関する方針を決定したところです。
見直しの方向性といたしましては,法令や条例等に根拠がない押印は原則として廃止すること,2つ目といたしまして,市の例規で押印を規定しているものは押印の役割や合理性を精査し,廃止する場合は改正を行うこととしております。また,本人確認の手段といたしまして押印と同時,または代替として署名を求めている手続もありますので,押印だけではなく,署名についても見直す方針としております。
現在この方針に基づきまして,庁内の押印や署名を求めている手続を洗い出すための調査を行っておりますが,この調査が完了次第,押印と署名につきまして廃止の検討を行い,改めて行財政改革推進本部で審議を行い,関係例規の整備や市民への周知を経て,市の手続に反映してまいりたいと考えております。
183: ◎ 平井委員 ありがとうございます。
昨年12月に内閣府が公表した地方公共団体向けの押印見直しマニュアルによると,脱判こ対象となるのは確定申告,年末調整,婚姻届,離婚届,出生届・死亡届,それから車庫証明の取得や車検,住民票の転入及び転出など,現在認め印で済んでいるものおよそ1万5,000種類もあるそうです。対象外となるのは法人の登記申請,不動産の登記申請,銀行への届出,自動車の新規登録,住宅ローン申請など,現在実印が必要なもの83種類ということです。
千葉市では2014年から,福岡市では2019年から独自で押印の見直しを実施しておりますが,狛江市の押印廃止に向けてのスケジュールはどうなっておりますか。
184: ◎ 政策室長 押印見直しに関するスケジュールといたしましては,先ほど申し上げましたように現在押印と署名につきまして,各課で調査を行っているところでありまして,3月下旬までに取りまとめして調査結果を整理いたします。その整理しました内容を改めて行財政改革推進本部で審議いたしまして,必要な例規整備と市民への周知を行う予定です。
押印と署名を見直した形での手続といたしましては,例規改正等もありますので,6月以降を想定しているところです。
185: ◎ 平井委員 1万5,000種類の書類の押印見直しを行う自治体は大変だと思いますが,よろしくお願いいたします。
押印による契約から電子契約への移行は印紙税を納める必要がないため,印紙代が不要になる。そして,書類保管スペースや管理に関するコストもカットできるなど,コスト削減が見込まれると言われています。また,業務の効率化,コンプライアンス強化も期待できるそうです。
狛江市の電子契約への移行への見通しを伺います。
186: ◎ 総務課長 現在入札情報の入手,入札参加資格の申請,電子による入札につきましては,東京都内の団体で構成します東京電子自治体共同運営協議会における電子調達サービスを都内58団体で共同利用しているところです。今年度は現行サービスの運用に加え,次期電子調達サービスの実施に向けて電子契約をはじめ,新たな機能として検討すべき項目を協議しているところです。
今後こうした環境整備の状況等を踏まえ,必要な検討を行ってまいりたいと考えております。
187: ◎ 平井委員 狛江市にとっての押印の見直しによるメリット,見込まれる財政効果,市民生活への影響についてはどのようにお考えでしょうか。
188: ◎ 政策室長 押印の見直しによるメリットにつきましては,財政的な効果としては見込んでおりませんが,市で行う手続に押印が不要になれば市民の利便性が向上するとともに,押印を求めなくなることで事務の効率化につながるものと考えております。また,押印の見直しにより電子申請やペーパーレス化も進みやすくなるため,見直しに伴うメリットは大きいと認識しております。
押印廃止に伴う市民生活への影響につきましては,先ほどのメリットに関する御質問でも申し上げましたが,手続における利便性の向上を想定しております。しかしながら,押印を廃止いたしますが,文書の真正性を担保するために署名は必要とした手続の場合,何らかの障がいがあり字が書けないという方に対しましては,別の形での本人確認をするなどの配慮が必要であると考えております。
189: ◎ 平井委員 押印廃止に向けての課題や障害などはありますか。
190: ◎ 政策室長 押印廃止に向けての課題等といたしましては,市の制度における手続であれば,市の判断で押印の見直しを検討できますが,国や東京都の制度につきましては,市だけでの判断で見直しを行えないものもあるかと思います。したがいまして,全ての押印を廃止するということは難しいところでございますが,押印の廃止によるメリットがありますので,積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
191: ◎ 平井委員 ありがとうございます。
警察では車庫証明や道路使用許可など,押印が廃止されるそうです。河野大臣は,2021年度から道路許可などの手続をメールで申請できるように準備を進めていることも表明しています。また,運転免許の取得についても卒業証明書など,押印の廃止や学科教習のオンライン受講ができるよう,関係者と調整を進める方針であると発表されております。
国税庁は,税務関係書類の押印義務を原則として廃止することを発表いたしました。押印廃止は2021年4月1日からの施行となっていますが,それまでに提出するものについても,基本的には押印なしで受け取ってくれるそうです。
メディアでは押印の代わりにゴム印や署名で代用する企業など,無意味で無駄な対応が報道されていますが,狛江市におかれましては業務のプロセスを見直すこと,そして押印廃止に伴うデジタル化推進に当たっては,インターネットを使わない高齢者の方など,業務の効率化の名の下にデジタル弱者が切り捨てられることのないよう,配慮を持って進めていただきますようお願い申し上げます。
では,次の質問,最後です。
狛江市公立中学校長会からの要望について伺います。
新型コロナ感染症による小・中学校の臨時休校,2回の緊急事態宣言,子どもたちも学校の先生方も教育部の職員の皆様も大変な1年だったと思います。感染防止のための努力と子どもたちの心に寄り添い,学びと日々の暮らしを支えてくださったこと,心から感謝いたします。
新型コロナ感染拡大の中,狛江市公立中学校長会より要望書が出されました。
教育の現場からの要望を受け,教育委員会として令和3年度に向けてどのような観点から予算計上を行ったのかをお尋ねいたします。
192: ◎ 教育部理事 令和3年度については,まず第3期狛江市教育振興基本計画の2年目を迎えるということで,その施策を具現化していくための実施計画に基づき具体的事業を推進するための予算計上を行いました。
例えば中学校における新学習指導要領が全面実施となることから,その改訂の趣旨等を踏まえた事業,また今年度前倒しとなりましたGIGAスクール構想に基づいたタブレット端末活用等をはじめとしたICT教育の充実,中学校自閉症・情緒障がい特別支援学級の開設をはじめとする特別支援教育の充実,教職員の働き方改革の一層の推進,学校施設の修繕等,計画に基づいた様々な事業を展開していきたいと考えております。
193: ◎ 平井委員 新学習指導要領が全面実施となるに当たって,その改訂の趣旨等を踏まえた事業を行うとのことですが,狛江市が重点的に行う事業について伺います。
194: ◎ 教育部理事 新学習指導要領で育成を目指す未知の問題にもチャレンジし,他者と協働して課題を解決する力などの育成やプログラミング教育,笑育などの教科横断的な学習の充実を図るとともに,カリキュラムマネジメントの推進を通して確かな学力の定着と個々の能力の伸長を図ります。
また,中学校においては来年度からが新学習指導要領の全面実施となることから,国語,社会,数学,理科,英語の5教科について,デジタル教科書を活用した授業づくりに努めてまいりたいと考えております。
195: ◎ 平井委員 プログラミングに対して,狛江市は非常に先進的で積極的な活動を行っていると伺いましたが,これまでの活動内容と来年度予定している活動について教えてください。
196: ◎ 教育部理事 プログラミング教育につきましては,平成29年度から3年間,Pepper社会貢献プログラムに参加,Pepperを全校に配備し,新学習指導要領全面実施を見据えて先行的な取組を実践してまいりました。また,狛江第五小学校が東京都のプログラミング教育推進校として2年間研究実践に取り組み,昨年度その成果を発表いたしました。今年度はその成果を市内に還元するために,狛江第五小学校が中心となり教員向けの参考資料を提供してまいりました。各小学校においては,GIGAスクール構想により配備したタブレット端末を活用した授業を中心にプログラミング教育を進めております。
さらに,令和3年度は中学校において新学習指導要領が全面実施となることに伴い,小学校におけるプログラミング教育の成果を生かし,発展させるという視点が必要となります。
そこで,ドローンを教材として活用することで生徒の学習意欲を喚起するとともに,実際の社会と学校での学習をつなぐことができるものと考えております。
197: ◎ 平井委員 小学校で行ったプログラミング教育の成果を生かし,ドローンを教材として活用すること,教育部が現場の先生方と意見交換を行いながら進めていらっしゃることを伺い,狛江で学ぶ子どもたちは幸せだなと思いました。
GIGAスクール構想に基づいたICT教育の充実に関して,小学校校長会から教師へのタブレット端末の導入,特別な支援が必要な児童用のソフトなど,導入の要望がありますが,狛江市としてはどのような対応を考えているのでしょうか。
198: ◎ 教育部理事 財源を有効活用するため,内容を精査した上で優先順位をつけ,予算化を検討し,財政当局と調整をいたしました。
教員への1人1台のタブレット端末配備に関する要望につきましては,現在各学校に教員用タブレットを20台ずつ配備するとともに,教員1人ずつに配置しております公務用パソコンを活用することで,授業等の対応が可能と判断しております。また,特別な支援が必要な児童用のソフト導入等につきましては,現状として必要に応じて学校から教育委員会へ要望が上げられており,その必要性や教育的効果等を総合的に判断し,適宜タブレット端末等へのインストール等を行っているところでございます。
199: ◎ 平井委員 よろしくお願いします。
次に,日本語指導員の指導時数の増加について学校からの要望がありましたが,来年度に向けて指導時間をどのように確保されるのかをお尋ねいたします。
200: ◎ 教育部理事 ここ数年海外からの編入等により,各学校からの日本語指導員派遣要請件数が増加しております。特に今年度につきましては,これまで計上していた時間数では対応が十分ではない状況となっており,来年度は時間数を増加する必要があると考えております。
201: ◎ 平井委員 日本語を母語としない子どもにとって,日本語の習得はコミュニケーション,そして学習面で欠かせない支援です。学校内での日本語指導と子ども政策課が行っている学習支援,また公民館事業として行っている日本語教室などと連携し,支援をつないでいただきたいと思います。
次はアレルギー対応を必要とする児童の増加に関して要望があったようです。
アレルギーを持つ児童・生徒の人数の5年間の推移を教えてください。
学校において,加えまして,ヒヤリハットした事故や事例はありますか,教室内でのこうした事故があった場合に一刻を争います。小学校から緊急連絡用の電話を各教室に設置してほしいという要望が出ていますが,市の対応を伺います。
202: ◎ 学校教育課長 アレルギーのある児童・生徒のうち,給食対応を行っている人数の過去5年間の推移につきましては,平成28年度が児童71名,生徒13名,平成29年度が児童88名,生徒23名,平成30年度が児童111名,生徒24名,平成31年度が児童104名,生徒34名,令和2年度が児童108名,生徒31名となっております。
また,過去5年間に狛江市におきましては,給食後にアレルギー症状が発症し,受診もしくは緊急搬送された事例が数件発生しておりますが,直近の2年間につきましては,ヒヤリハット事故及び事例も含め,対応事例は現在のところ発生しておりません。今後も隣接市等の発生情報も収集し,参考とするなど,未然防止に努めてまいりたいと考えております。
次に,教室への電話設置の要望につきましては,既に各学校にはアレルギー対応用の携帯電話を配備しておりますので,駆けつけた職員等がそれを活用することで,現場から必要な連絡,指示等ができるものと考えております。
203: ◎ 平井委員 アレルギー対応用の携帯電話,この要望がありましたが,既に配備してくださっているとのこと,安心いたしました。食物アレルギーのあるお子さんは増加傾向にあり,様々な要因で誰もがアレルギーを起こす可能性があります。教師と生徒がアレルギー講習会を受けるなどの機会を定期的に設けるなど,アレルギーへの理解を深め合うことで事故を未然防止し,アレルギーの子どもたちが安心できる環境をつくっていただきたいと思います。
次に,小学校校長会から図書室にある業務用パソコン1台を2台へと増設してほしいという要望があります。また,児童の調べ学習に対応できる勤務体制を取れるように,図書館司書の勤務日を4日から5日に増やしてほしいという図書館業務の改善についての要望がありますが,狛江市の対応をお尋ねします。
204: ◎ 教育部理事 業務用パソコンは1台配備しておりますが,現状の1台で十分対応が可能と考えております。また,校長会から指摘のあったセキュリティー上の問題は特にありません。勤務日数につきましては,現在週4日であります。児童・生徒の調べ学習等の対応があった場合でも勤務日数を増やすことなく,週休日の変更等を行うことで対応することができると考えております。
205: ◎ 平井委員 子どもたちの図書環境改善に関する要望に対しては,令和3年度予算化されないということですね。業務用パソコンの増設は必要ないとの判断,現在の勤務日数で生徒の調べ学習に対応ができるという教育委員会の判断ですが,どうすればパソコン1台で対応することができるのか,どうすれば生徒の調べ学習に対応できるのか,現場の先生方と連携を取りながら,改善に向けて取り組んでいただきますよう要望いたします。
最後に音楽の街への期待に関して寄せられている先生方からの要望について伺います。
楽器の購入,メンテナンスなど,楽器の整備事業への対応について,小学校からはさらなる楽器の購入が要望されています。中学校からも楽器整備事業の継続が要望されていますが,こちらについてはいかがでしょうか。
206: ◎ 学校教育課長 楽器整備につきましては,平成27年度から31年度までの5か年間を集中整備期間と位置づけ整備を行ってまいりました。期間終了後の今年度からは,整備した楽器のメンテナンスを行う費用を予算化しており,令和3年度につきましても同様の予算を計上させていただいているところです。
207: ◎ 平井委員 5年間の集中整備期間が終了したために,市は今年度からはメンテナンスのみ予算化していくという方針でしょうか。小学校からも中学校からも楽器整備継続の要望が寄せられているということは,それだけ「音楽の街-狛江」への子どもたちの期待が大きいということだと思います。
狛江市は第4次基本構想の中で「ともに創る 文化育むまち」を将来都市像として掲げています。今後狛江市としてどのような取組を行っていくのか,期待したいと思います。
以上で総括質疑を終わります。
208: ◎ 松崎委員 東日本大震災発生から本日で10年の時が過ぎました。お亡くなりになった方々の御冥福をお祈りし,被災された方々に心からお見舞い申し上げます。
災害の傷跡を風化させず,被災の教訓を生かし,災害を乗り越えて新しい未来を築いていくことが今を生きている私たちの使命だと思っています。自然災害は防ぐことができない驚異的な力を持っています。けれど,被害を軽減化する知恵を尽くすことが科学とともにある現代では可能です。東日本大震災,東京電力福島第一原子力発電所事故がなければ,復興も再生ももう少し進んでいたのではないでしょうか。地震大国である我が国では同じ危険を繰り返さないという決断が必要です。この原発事故が核の時代の幕引きへの契機となれば,この災害が風化することなく世界中の人々の記憶に残ることでしょう。地震も風水害も感染症も人為ではあらがいようがないことですが,昨今の被害に対して何を守り,何を排除すべきか,まず守られるべき人の命と暮らしの観点に立って未来を考えていきたいと思います。
それでは,市民生活を豊かにするための低金利時の臨時財政対策債の考え方と市民主体のまちづくり,この2つについて総括質疑をいたします。
コロナウイルス感染症の発生から1年余りが経過し,いまだ収束時期が見えません。令和3年度予算ではコロナの影響により,地方税収入の落ち込みで地方交付税交付金は例年より大きく減額が予想され,それに対して臨時財政対策債は過年度に比べ残額が多いのだと他の議員への御答弁がありました。
国は地方の財源不足に対して,地方法人税を含む国税5税を財源に普通交付税として配分していますけれども,この財源には法定率が定められており,その分を超える地方の財源不足については,普通交付税ではなく,臨時財政対策債として発行可能額が示され,令和3年度予算においては国税収入も大きく落ち込み,地方全体でこの法定率を超える大きな財源不足が発生することが見込まれることなどから,臨時財政対策債が大きく増加しているとのことでした。
この予算で大幅な増加となる臨時財政対策債は,財源として何に使うことを想定されているのでしょうか。
209: ◎ 財政課長 臨時財政対策債は普通交付税を補完する一般財源ですので,何か特定の事業に活用するものではありません。
210: ◎ 松崎委員 予算での臨時財政対策債の利率が0.75%となっているのは,何に基づいて決めているのでしょうか。
211: ◎ 財政課長 特に何かに基づいているわけではなく,予算編成時には利率が確定していないため,仮の数値とさせていただいております。
なお,毎年借入利率が確定した際に公債費補正を組ませていただき,確定利率に変更させていただいております。
212: ◎ 松崎委員 臨時財政対策債の利率ですが,平成31年度予算では0.75%に対し決算での実際の利率0.005%で大きな乖離がありました。平成29年度,30年度は予算での臨財債の利率は1.2%で決算では29年度が0.04%,30年度が0.01%です。
申し上げましたように,平成31年度予算では利率を1.2%から0.75%に落とし,令和2年度も3年度も予算では0.75%ですが,昨今の低金利を鑑みると予算と決算での乖離が大きいと予測されます。予算を立てる上での安全策を取り過ぎているのではないでしょうか。
中期財政計画で起債額は元金償還額を超えないという健全化を進めてきて,財政は安定化してまいりました。
それでは,例えば臨時財政対策債を発行抑制せずに,発行抑制予定だった額を基金に積んだ場合の利息はどのようになりますでしょうか。
213: ◎ 財政課長 発行抑制額が確定しております平成31年度決算にてお答えいたします。
平成31年度決算では2億1,111万7,000円の発行抑制を行いました。仮にこの2億1,111万7,000円を定期預金に1年間預けた場合,現在定期預金の店頭金利が0.002%ですので,定期預金利息は4,222円となります。
214: ◎ 松崎委員 昨年の
予算特別委員会,また決算特別委員会でも提案いたしましたが,今後高齢化に向けて扶助費が増大し,財政難が予想されるのであれば,低金利である今現実でできていない市民要望に借金をしてでも応えるということはできないでしょうかという提案をさせていただきます。
そのために改めて伺いますが,低金利での中期財政計画の臨時財政対策債抑制規律の見直しについてはどのように考えますでしょうか。
215: ◎ 財政課長 臨時財政対策債は,普通交付税の算定を通じて発行可能額が決まります。臨時財政対策債の償還額は,借入れの有無にかかわらず発行可能額にて算入される公債費が後年度に普通交付税の基準財政需要額に算入されますが,地方債として市が借り入れて償還していく借金であることに変わりはありません。金利の状況にかかわらず,今後も抑制できる可能な額を借入れせずにしていきたいと考えておりますので,見直しは考えておりません。
216: ◎ 松崎委員 財政の健全化を目指し,この先の扶助費の増加を理由に長くかなえられなかった夢があります。
昨年末のまちづくりシンポジウムでは多くの子どもたちの参加もあり,学区域ごとに公園を,そしてボール遊びができる公園が欲しいとの要望がありました。もう何年もこの声を聞いております。前原公園以降,子どもたちが走り回れる公園はできていません。ボールが使える公園や広場もニーズに応えられていません。子ども議会で提案しても実現されず,言っても無駄と感じて大人になってしまいます。
防災面からも公園の要望は高まっています。貴重な農地が宅地化される前に緑化基金と併せて市で買い上げ,まちづくりの中心,その一歩となるように早急に公園の計画を進めていただきたいのです。
借金しても利子はほとんどなく,将来を担う世代には長く寄与するという考え方に立てないでしょうか。公園や図書館については,ずっと我慢をしている市民が子どもから大人までいるのです。財源に不安があることは理解しております。中期財政計画による財政の健全化も評価しております。
でも,今は低金利なのです。起債抑制の意味や効果は少なくなります。臨時財政対策債について,狛江市は発行可能額を満額活用しないで起債抑制を続けてきましたが,全国の平均的な市民生活の水準をどこかで下回ることはないでしょうか。狛江市の現状を考えると,図書館や公園面積を見ても社会インフラが期待に応えていないことは明らかです。
そして,またコロナ感染症拡大による困窮問題としての新しい福祉的な問題が顕在化しています。コロナ禍以前から抱えていた問題がコロナによって悪化したと見ることができます。
生活サポート基金によれば,今まで福祉サービスの対象として登場してこなかった人たち,昨年前半は飲食業など自営業の方,タクシードライバー,その方たちが顕著でしたけれども,あらゆる職種に広がっています。特に非正規雇用の女性と若者の困窮化がコロナでの特徴です。若年層で精神的問題を抱えるケースも相談総件数の3分の1を超えているとのことです。
国による給付や融資が終了しても課題が解決されないままなので,今後困窮者支援の中でも家計相談は重要度を増すだろうと予測されています。貸付は生活費,転居費用,医療費に困窮していることが浮き彫りになっているそうです。国の支援策だけでなく,市独自の支援が必要です。小口現金貸出しなどの利用者の状況,年齢や相談内容,就労形態など,分析を行うことが重要です。不安が高まっているときだからこそ,市民と課題の共有化をすることに意味があります。
狛江市としても今後課題に向けてどのような対策を講じることが必要か,検討すべきです。金利が超低利のこのときに起債抑制の効果が本当に市民にとって有効かどうか,基金の積増しも含め見直しをするべきと重ねて指摘しておきます。今だからこそ必要な財政を使うべきところに使うことをぜひ考えていただきたい,このことを申し上げて1問目を終わります。
それでは,次に市民参加と市民協働について伺います。
昨年の8月に市民センター改修方針が出されてから,市と市民との間で市民参加がなされたかどうか,解釈の違いがあり,議会での一般質問や補正予算で取り上げられてまいりました。
狛江・生活者ネットワークでは,9月に行われました説明会が市の市民センター改修方針の枠組みの提案ではなく,決定された上での説明会であったことが市民参加の手続の上で問題があることを訴えてまいりました。
そこで,確認ですが,どのような案件のときにどのような市民参加の手続が取られるのでしょうか,市民説明会,パブリックコメント,公聴会はどのようなルールの下に開かれるのでしょうか。
217: ◎ 政策室長 計画の策定や市民に義務を課し,もしくは市民の権利を制限することを内容とする条例の制定,市が設置する審議会,委員会等で市民参加を行っておりますが,どのような市民参加の手続を行うかはそれぞれの施策に応じまして適正な方法で行うものとなります。
218: ◎ 松崎委員 それぞれの施策に応じて適正な方法ということは,どのような施策に対して市民説明会やパブリックコメントを行うのか,実施の細かいルール化がなされていない。それぞれの場面で市が判断するということですね。
それでは,今年度の市民センター改修方針で市の市民参加の手続がなされていると判断する根拠を教えてください。
219: ◎ 政策室長 市民センターの改修につきましては,最初に平成25年度に検討委員会を設置いたしまして改修案を検討し,市民説明会をまず行っております。そこでの意見や市議会への陳情等も踏まえまして改修を凍結し,その後市民センターを考える市民の会が設置され,提案書を提出いただきました。
基本方針につきましては,これらの市民参加の手続を経て検討したからこそ,その他の行政課題等も踏まえた上で,当初の改修案から大きく見直したものになります。
220: ◎ 松崎委員 大きく見直したということですので,説明会で報告するのではなく,市民説明会とパブリックコメントの両方,あるいは市の案に賛否を明確に市民が考えを述べる公聴会があるべきだったと思います。
御答弁にはありませんでしたが,市民の会の提案書が提出された後に提案書に基づいて出された改修案の説明会は開かれず,一般の市民は市民センター改修についての説明を受けていません。そして,昨年度末に市民センターを利用していない市民の意見を聞くということで,無作為抽出の市民対象のアンケートが実施され,その結果も考慮しての改修方針は提案ではなく決定でした。
今回市民センターの検討の中で市民参加と市民協働について,一丁目一番地と強調されてきた市長や市側と市民サイドでは相当の違和感があると感じています。今後条例の改定に向けて近く始まる審議会で検討していただきたいと考えています。
平成15年5月に策定された狛江市市民参加と市民協働の推進に関する基本条例は,平成24年度に策定後10年間の運用実績を踏まえて,現状で問題点がないか,機能しているか,理念は生かされているか,また参加,協働を推進するために新しい提案はないか,そして他市の動きに参考事例はないか,それぞれについて審議会で見直しが検討され,無作為抽出の意見聴取,ワークショップの開催,モニター制度の導入など,市民参加方法提案制度が追加されました。このときの審議会委員からは,市民の政策提案権も論点としたいという積極的な意見があったと記録で確認いたしました。
今回の狛江市が出した市民センター改修方針についての市民参加の手続は,疑義を感じる市民がいるということは,市民参加と市民協働の推進に関する条例においてどういう案件に対しどのような手法を取るか,様々な解釈が取れてしまうということが大きな問題だと思います。どの段階でどの市民参加の手続をしなければならないということを今後審議会で検討し,条例の見直しを行うことを諮問することを要望します。
以上で総括質疑を終わります。
221: ◎ 委員長 暫時休憩いたします。
午後 2時42分 休憩
午後 3時04分 再開
222: ◎ 委員長 再開いたします。
総括質疑を続行いたします。
223: ◎ 吉野委員 それでは,2021年度
予算特別委員会総括質疑を行います。
市長は所信表明で国の予算案は年々増加し続ける社会保障費に加え,新型コロナウイルス感染症対策もあり過去最大となりました。新型コロナウイルス感染症の拡大による経済の落ち込みを反映し,国税収入は大幅減とし,その財源を国債で賄うため,公債依存度は大幅に上昇しています。
令和3年度一般会計予算は303億2,000万円,前年度比3億9,100万円,1.3%増となり,下水道事業会計を除いた特別会計の総額は166億2,524万6,000円となりました。
歳入では市民税は個人市民税,法人市民税とともに新型コロナウイルス感染症の影響により大きく減額しています。個人消費支出などの減少により地方消費税交付金などは減額しています。これらを反映し,普通交付税は増額しているものの,臨時財政対策債においては大幅な増額となっています。これは国において大幅な財源不足が発生しているためで,普通交付税の交付団体の狛江市にとっても厳しい状況と述べられております。
未曽有の事態となっていまだ収束の見通しの立たない中,人口減少と超高齢社会を踏まえ,狛江市としてどのような未来への展望,戦略を持って今年度の予算編成に臨んだのでしょうか,お伺いをいたします。
224: ◎ 財政課長 新型コロナウイルス感染症の発生により,令和3年度の予算は市税収入の減を臨時財政対策債の大幅増などで賄う厳しい予算編成となりました。社会保障費も大きく伸びましたが,その傾向は今後さらに強くなることが見込まれます。さらには小・中学校の建て替えなど,公共施設の更新時期も待っています。
狛江市では平成24年度以降,中期財政計画に基づき財政の健全化を進めてきたことで,コロナ禍においても市民生活への支援などを実施できる財政基盤を少しずつ確保してきました。新型コロナウイルス感染症の収束はいまだ見通せていませんが,今回の予算編成も同様,長期的な視点に基づき持続可能な財政のため,財政の健全化に今後も継続して取り組んでまいります。
225: ◎ 吉野委員 市民ニーズは多様化し,複雑化しています。これらに対応するため,狛江市としてはどのような視点が重要と考えているのでしょうか。
226: ◎ 政策室長 市民ニーズが多様化しているほか,今後の高齢化の進展や人口減少などの大きな課題がある中で,さらにこの1年間のコロナ禍におきましては,人々の働き方や暮らし方など,生活スタイルは大きく変わりました。狛江市といたしましても,このような大きな変化にも柔軟に対応していかなければなりません。
そのためにも将来を見据えた中長期的な視点を持つとともに,社会状況の変化に柔軟に対応できる行財政基盤の強化が必要でございますが,多様化,複雑化する市民ニーズに対しまして,その全てを行政で対応していくということは,将来的に見ますと厳しくなってくるものと思われますので,行政だけではなく,多様な主体により市民ニーズに対応していくという視点が必要になってくると考えております。
227: ◎ 吉野委員 コロナ禍により市民税などが大幅な減収となります。この数年培ってきた福祉との連携で行っている徴税業務のノウハウはどのように生かされると考えますか。
228: ◎ 納税課長 これまでも納税課におきましては,市民からの納税相談に対しまして,生活状況について把握できる資料等をお持ちいただき,これらを基に丁寧な対応に努めてきたところです。相談を進める中で,失業や多重債務等,生活にお困りの方につきましては,こまYELLや法テラス等の関係部署,関係機関を御案内してまいりました。
御質問者のおっしゃるとおり,新型コロナウイルス感染症の収束が見えない中において,納税に対する御相談は多くなることが想定されますので,御相談に対しましては相談者の生活状況の把握に努め,丁寧な対応をするとともに,福祉保健部等との連携に引き続き努めてまいりたいと考えているところです。
229: ◎ 吉野委員 市民参加と市民協働はまちづくりの要です。制度の検証は具体的にどのように行うのでしょうか,市民参加と市民協働を推進するには人材の発掘,地域資源,場所の確保や提供,財政支援などが必要となってきますが,市の見解をお伺いいたします。
230: ◎ 政策室長 市民参加と市民協働の推進に関する基本条例に基づき設置しております市民参加と市民協働に関する審議会から今年度いただきました提言では,参加しやすい仕組みづくりや新しい生活様式に合わせた市民参加の手続方法などにより,幅広い層に向けた市民参加の促進についてや市民協働事業提案制度や市民公益活動事業補助金の検証,こまえくぼ1234との連携などによる市民協働の推進について提言をいただいております。
これらの提言を踏まえるとともに,条例,制度等の今までの実績等を審議会で検証いただき,推進体制,支援内容等,必要に応じて対応を行うものと考えております。
231: ◎ 吉野委員 防災,防犯の取組についての今年度の特徴はどんな点でしょうか。
釜石の奇跡と呼ばれた住民への防災教育を担当した片田敏孝東京大学特任教授は「1959年,伊勢湾台風以来,行政主導の防災を続けてきた。行政がインフラを整備し,ハザードマップをつくり避難所を準備する。その結果,災害過保護状態になってしまった。広域に膨大な雨が降り,河川の堤防が次々と決壊したとき,行政サービスとして防災レベルを上げることの限界が明らかになった。
私も参加した政府の中央防災会議の報告書では,防災を行政サービスから行政サポートへ転換することが要点で,行政は主体的に避難行動を取る住民を全力で支援すると記した。要援護者の支援を行政は徹底的にやるべきで,めり張りをつけた対応が求められる」と述べています。
災害大国日本では,市民が防災,災害に向かい合うことが必須であり,そのための施策が重要だと思いますが,市の見解を伺います。
232: ◎ 危機管理担当理事 令和3年度の取組といたしましては,まず防災面においては,新たな取組として水害対策を目的とした排水ポンプ車の配備,止水板設置工事費等の補助制度の創設を考えております。また,これらハード対策に加えまして,これまで取り組んできた各種訓練や防災カレッジ,令和元年度東日本台風で被害のあった地域の住民の皆さんとの防災マップづくり等を通じた意識啓発等のソフト対策を継続し,防災力の向上を図ってまいります。
一方防犯面につきましては,調布警察署と連携しながら,依然として被害が多発している特殊詐欺への対策を中心に犯罪抑止に取り組むところでございますが,市内の犯罪件数の中でも特に件数の多い自転車の盗難に対して力を入れて取り組むことで,犯罪件数の減少につなげたいと考えております。
233: ◎ 吉野委員 狛江ロケーションサービスは,市外や特に若い世代の方々から関心を寄せていただけることで,狛江を知ってもらえるよい機会となります。市の魅力としての発信はどのような工夫をしていますか。狛江に来てみたい,住んでみたいという思いは引き出せているのか,手応えはありますか。今年目指していることは何でしょうか。お笑い芸人やミュージシャンも多く住んでいるとの声もあります。狛江市文化芸術活動支援事業の反響はどうでしたでしょうか。ユーチューブを生かして,北口噴水広場やえきまえ広場でライブなど,若い世代に興味を持ってもらえる新しいイベントを催してはどうでしょうか。
234: ◎ 地域活性課長 狛江市観光協会で立ち上げている狛江ロケーションサービスによって,市内での撮影を積極的に受け入れることで,ロケを通じて狛江の魅力発信に努めております。様々な作品に狛江市が使われており,その情報を公開できる範囲で広く伝えられるよう工夫しております。
約7年ほど実施してきている成果といたしましては,昨年放送されました「半沢直樹」のような高視聴率の作品にも活用されるなど,狛江市の魅力の発信として一定の成果を上げてきていると考えております。
令和3年度は狛江市観光協会とさらなる連携を深めて,ロケを中心としたガイドを作成するほか,狛江まるごと美術館などの様々な取組と組み合わせることにより,狛江市の魅力をより一層発信できるよう努めてまいります。
文化芸術活動支援奨励金につきましては,43組,71人に交付決定し,その後御提出いただいた動画につきましても,再生回数約1,000回以上の方もいるなど,大変御好評をいただいております。交付決定をした方々にはあらかじめ申請に合わせて,今後狛江市で実施したいことについての御提案をいただいていることから,改めて本人同意を得た上でデータベース化し,全庁的に活用できるよう情報提供するとともに,今後市でイベントを行う際には協力いただくよう仕組みづくりを考えているところです。
また,イベントを開催するに当たっては,文化芸術活動も1つの観光資源であると捉え,観光協会などとタイアップできることは何かなど,多面的な視野により,観光,文化芸術活動に相乗効果が得られるよう狛江の魅力発信について工夫してまいりたいと考えております。
235: ◎ 吉野委員 小田急SCデベロップメントとの包括協定が締結され,小田急線高架下,和泉多摩川駅のシェアキッチンは飲食業の創業支援という画期的な取組ですが,今後はどのような可能性が期待できるのでしょうか,お伺いします。
236: ◎ 地域活性課長 飲食業で開業するためには様々な機器を準備しなければならず,高額な費用が創業者の大きな負担となってまいります。今回和泉多摩川駅の高架下にできましたフォートマーケットは,飲食業に必要な設備が完備されておりまして,利用料を支払うことで少ないリスクで営業体験を積むことができるトライアルシェアキッチンとしてオープンしております。
創業を考えている方がこのような施設で経験を積みまして,そのお店のファンとして顧客を獲得することを期待しておりまして,市といたしましてもその後創業,家賃補助などの支援を行ってまいりたいと考えているところです。
237: ◎ 吉野委員 令和2年度に開設した子育て教育支援複合施設ひだまりセンターについて,複合施設としてのメリットと課題を伺います。
また,児童発達支援センターとぱるについて,重複または不足している機能や事業はどういったところでしょうか。児童発達支援センターは現在専門性の高い事業を行っていますが,非常勤で働く職員が多いことについてはどう考えているのでしょうか,また将来的にはどのような体制になるのか,お伺いをいたします。
238: ◎ 子ども家庭部理事 ひだまりセンターのメリットは,教育支援センター,児童発達支援センター,子ども家庭支援センターの3つのセンターが1つの建物に設置されており,それぞれの職員が同じ建物で業務を行っているため,相談したいことや連携すべきことが随時円滑に行えるようになったことです。
課題でございますが,切れ目のない円滑な支援を行うためには,さらなる連携の密度を上げていく必要があると考えております。
児童発達支援センターとあいとぴあ子ども発達教室ぱるは,どちらの事業所も障がい児相談支援事業と障がい児通所支援事業を行っておりますが,障がい児通所支援事業につきましては,対象者や事業の実施方法が異なります。ぱるではゼロから3歳児については週1回の集団療育を保護者同伴で行い,親子の関わりの中で基本的な生活習慣の自立を目指すものとなっております。
また,4,5歳児につきましては,親子分離で専門的なプログラムの療育を行う中で自分への自信が持てるよう促すものとなっております。さらに希望する方については,プール療育も実施しているところです。
ひだまりセンターでは,親子関係が構築された2歳児から未就学児までの療育を親子分離で行い,週1回の療育では十分でない,または幼稚園や保育園に通園することが難しい児童に対し,集団療育の中で基本的な生活習慣の自立及び集団生活や社会生活に適応するための支援を行っております。
また,受給者証を持たない場合であっても早期からの療育を希望される場合は,児童福祉法外の市独自の事業として外来訓練クラスで専門職による個別指導を行っております。そのほか保育所等訪問支援事業,学齢期対象事業は児童発達支援センターのみで実施している事業です。
不足している機能につきましては,医療的なケアが必要な子どもの療育支援と考えておりますか,現状受入れは厳しい状況でございます。また,児童発達支援センターの人的体制につきましては,今後も非常勤,常勤にこだわらず,専門性の高い事業が担える職員の配置を行ってまいりたいと考えているところです。
239: ◎ 吉野委員 フラットでフランクな風通しのよい職場環境,こういったことを目指してさらなる改善をお願いしたいと思います。
狛江らしい地域包括システムとは何を示すのでしょうか。地域の拠点づくりを推進していくための施策を数多く展開するようですが,連携と主導のバランスが難問だと思います。庁内の横断的な連携はどのように講じ,施策を主導するのは誰でしょうか。
240: ◎ 福祉政策課長 地域包括ケアシステムとは,高齢期におけるケアが念頭に置かれますが,必要な支援を地域の中で包括的に提供し,地域での自立した生活を支援するという考え方は,障がいのある方への地域生活への移行や困難を抱える地域の子どもや子育て家庭に対する支援等にも応用することが可能な概念です。また,地域共生社会の実現に向けた我が事・丸ごとの包括的な支援体制の整備は,この地域包括ケアシステムの必要な支援を包括的に提供するという考え方を障がいのある方や子どもなどへの支援にも広げたものです。
今後は地域共生社会の実現に向けた包括的な支援体制の構築等の社会福祉基盤の整備と併せて,介護保険制度に基づく地域包括ケアシステムの推進や地域づくりなどを一体的に取り組むことで,地域共生社会の実現を図っていくことが必要となります。その中で今まで構築してまいりました地域包括ケアシステムが基盤となるよう深化させることが狛江らしい地域包括ケアシステムであると考えております。
地域の拠点づくりの推進につきましては,福祉政策課が担当課となり,庁内の関係課の横断的な連携につきましては,狛江市地域共生社会推進会議において福祉政策課が事務局となり総合調整を行い,進めてまいります。
241: ◎ 吉野委員 エコルマホールの大規模改修の内容と予算について伺います。
環境負荷低減や将来世代に歓迎されるような配慮,駅近のホールとしてのメリットについて伺います。狛江の付加価値を高められるのか,市の認識はいかがでしょうか。
242: ◎ 施設課長 エコルマホールの改修内容といたしましては,ホール部分の高天井の耐震化や老朽化した空調設備等設備機器の更新,照明器具のLED化,劣化した内装の改修等です。予算は工事費といたしまして,令和4年度までの債務負担限度額が9億5,300万円となります。工事における環境負荷の低減につきましては,設備機器を高効率なものに更新することや計画的な改修により建物を長期に使用することで,その効果が期待できるものと考えております。
駅近のホールのメリットは,市民団体の利用だけでなく,都内各所の学校等の公演やバレエ団体の発表会等,市外の団体の利用率も高いことが挙げられます。また,著名な歌手や音楽家によるコンサートも定期的に開催され,市内外から多くの来場者がいらっしゃっており,「音楽の街-狛江」の認知度向上にも大きな役割を果たしているほか,駅周辺の商業振興等にも寄与することで付加価値を高めているものではないかと考えており,改修によりいつまでも安心で使いやすい施設を維持することは,将来世代にも歓迎されるものと考えております。
243: ◎ 吉野委員 脱炭素社会に向けての取組として,市民や事業者の省エネ行動の推進とは,具体的にはどのような施策を講じるのでしょうか。市全域が彩り豊かな緑でつながる緑のネットワークとは,聞くだけでも爽やかで美しい取組です。多くの市民,戸建てだけでなく集合住宅でも,また単身世帯や学生など,若い方々にも取り組めるような工夫はしているのでしょうか。
244: ◎ 環境政策課長 令和2年度から令和11年度を計画期間とする狛江市環境基本計画の着実な進捗を図ってまいりたいと考えており,特に重点施策にも位置づけられている脱炭素社会の構築に当たっては,市民,事業者,行政が一体となった取組が不可欠であることから,市民,事業者などへの普及啓発の強化に向けて,関係機関と連携した出前講座や次世代を担う子どもに対象を特化した講演会の実施などを新たに予定しているところです。
市全体の温室効果ガスの削減目標の達成に貢献するとともに,市民や事業者を牽引すべき立場として模範となる姿勢を示していくために,市庁舎へ再生可能エネルギー100%電力を導入するなど,市の事務事業から排出される温室効果ガスの削減を通じた施策推進を図ってまいりたいと考えております。
多摩川と野川,市内を縦断する野川緑地公園と岩戸川緑地公園などを軸として,幹線道路の街路樹植栽や市民協働で行う接道緑化などを連携させて緑化推進を図ることにより,緑のネットワークを市内全域に広げていきたいと考えております。
緑化に関する制度で集合住宅でも取り組んでいただけるものといたしましては,敷地内の樹木や生け垣などを市が保存樹木,保存生け垣などに指定して奨励金を交付する制度があります。若い世代の方々にも保存樹木などの指定制度や敷地の接道部に生け垣や植樹帯,花壇を造成する際に必要な経費の一部を補助する緑のまち推進補助制度を活用いただくことで,御自身が住む敷地の接道部分の緑化を推進していただいたり,緑化について興味,関心を持っていただけるように,SNSなどをも活用して情報発信を行ってまいりたいと考えております。
245: ◎ 吉野委員 ぽかぽか広場の整備は,和泉多摩川駅周辺と多摩川との一体的な活用ということですが,コンセプトとイメージについて伺います。商店街の活性化にはどのように寄与するのでしょうか。
246: ◎ 政策室長 ぽかぽか広場につきましては,令和2年6月に策定いたしましたぽかぽか広場整備基本構想におきまして,多摩川と和泉多摩川駅に近いという地域特性を生かし,ぽかぽか広場ならではの魅力の創出と周辺地域の活性化を実現させるという考えの下,イベントにも利用できる和泉多摩川駅周辺の活性化に資する広場,自然を生かし,多摩川河川敷までのテーマを持った緑道の整備を基本コンセプトとしております。
また,商店街や地域のイベントにも利用できるようステージやキッチンカーの利用スペースを設置するとともに,多摩川をサイクリングやランニングしている方がぽかぽか広場で休憩し,和泉多摩川商店街に立ち寄るといった新たな人の流れが生まれることも期待しているところであり,商店街を含めた周辺地域の活性化に寄与するものと考えているところです。
247: ◎ 吉野委員 最後に若者支援についてお伺いをいたします。
「衣食住が確保されていると,富裕層だわと錯覚してしまうくらい深刻な相談が続きます。生活保護につながっている人は,ラッキーだわと錯覚してしまうぐらいコロナ禍が長引き感覚が麻痺しています。毎回なぜか謝られます。私は運がよかった。もっと大変な人がいるのにごめんなさい。所持金ゼロで生きるのに精いっぱいな若者がいるという現実」,これは大阪府子ども家庭サポーターであり,休みなく支援の最前線で活動されている辻由起子さんのある日の投稿です。狛江市にも何度も講演に来てくださっております。
若者を支援する意味について伺います。また,今年度の若者施策と今後の展開について伺います。
248: ◎ 子ども政策課長 若者支援に係る令和3年度予算につきましては,事業名称をこれまでの青少年自立支援事業から変更いたしました青少年・若者支援事業において,従前から行っておりましたひきこもり支援事業補助金とチャイルドライン事業補助金,こちらに加えまして,現代の若者が抱える様々な問題に関する講座の開催,それと併せまして,また当事者やその家族にとって敷居の低い相談の場となるような個別相談会を令和3年度は年2回開催をすることとしております。
昨年度まで使用していた事業名称にも表れておりますとおり,若者については,これまで市として自立を支援するという視点から事業を行ってきたものと私ども認識をしております。
これは例えばふとしたことがきっかけで,あるときから友人関係がうまくいかなくなりひきこもりとなった若者に対して,1つは就労を前提とした経済的な自立をサポートしていくというストーリーがあったものということなのだろうと思っております。
もちろんこれを否定するわけではございませんけれども,皆様御承知のとおり昨今における若者の問題は,さきのストーリーで言うところの就労ですとか,経済的な自立といったような全員に共通したゴールがあるものではない。また,若者に何らかの問題が生じる原因は,例えば本人の家庭環境の問題であったり,自身の障がいや発達の特性,学校での学習のつまずきだったり,いじめ,からかいなど,それぞれのケースによって当然に異なっているものであり,場合によってはこれらが突発的に発生したり,また複数の要素が絡み合った複雑な状況に起因するといったようなものもあるとの認識を持っております。
また,若者期は思春期とも重なり,精神的に不安定になりやすいとされる若者期は,人によっては第三者の大人と信頼関係を醸成することは非常に難しく,また個人のライフステージを通して見たときにも,若者期は行政の存在が決して身近ではないという時期であり,その点においても若者への支援は難しく,特に高校生以後は状況が一気に見えづらくなるといった点も以前議会で答弁申し上げたとおりでございます。
その意味において,令和3年度は市の予算事業として初めて若者の問題に関する個別相談会を開催することとしておりますので,まずはこの個別相談会で今困っている狛江市の若者,例えば何が問題となっているのか,またそのような相談ニーズが本人,当事者,また家族を含めてどのくらいあるのかという点につきましては,また令和4年度以降の若者支援を考えるに当たっても大きな手がかりとなると考えておりますので,このあたりは特に気をつけて私どもも見ていきたいと思っています。
ただ,いずれにしましても若者支援は,先ほど申し上げたとおり困っている若者のゴールを設定することではないという点につきましては,担当課としても常に留意して事業を進めてまいりたいと考えております。
249: ◎ 吉野委員 今の御答弁,本当に深いものがあると思いますし,辻さんの言っていることを受けての答弁として本当にありがたいというふうに思います。
今答弁にありましたように若者施策,大変乏しく,またアプローチも大変難しいです。しかしながら,若者を支援しなければ高齢者も子どもも支援できないし,未来はなくなります。
社会福祉協議会や児童館の運営事業者などと行政でまず現状認識を共有し,狛江独自の若者支援をスタートしていただきたいのですが,いかがでしょうか。
250: ◎ 子ども政策課長 まず,児童館,児童センターについて,特に岩戸児童センターにおいては,昨年度決算特別委員会でも答弁申し上げておりますとおり,児童福祉法第40条に規定する18歳未満の児童を対象とした児童厚生施設でありながら,それを超える18歳以上の子でも事業を実施するスタッフ側に回った上でその子と関わりを継続していただくなど,やり方を工夫しながら既に若者支援の一部を担っていただいているというふうな認識をしております。
また,社会福祉協議会のコミュニティソーシャルワーカーにつきましても,それぞれの地域の中で行政分野や関係機関をまたがるような問題を受け止めるという特徴は,先ほど申し上げた若者支援の難しさやその特性にも合致してくるものであると考えておりますし,さきに社会福祉協議会のほうで作成をしていただいた子どもの居場所マップですとか,また小金井市の多世代交流の居場所の視察,これは一緒に行かせていただきましたが,そのときにいろいろやり取りをさせていただいた際にも,特に私どもと共有する必要がある課題につきましては,同じような方向性を持たれていると感じております。
これらのことを踏まえまして,担当課としましてもただいま御質問いただいておりますとおり,特に児童館,児童センターや社会福祉協議会のコミュニティソーシャルワーカーとは現状認識も含めて,継続的にコミュニケーションを取りながら進めていくことがこの施策をよりよいものとしていくためにも必要であると考えております。
251: ◎ 吉野委員 以上で総括質疑を終わります。
252: ◎ 三宅委員 総括を大きく2問質問します。
1問目は,この10年先,20年先の狛江市の未来をつかさどっていただける若手職員さん,バリバリと仕事していただかなくてはいけないということの中で,ギャラとか処遇みたいな部分が,もしくは評価といった部分も必要になってくるというような話をしたいと思います。
2問目は,この令和3年度,303億円という一般会計当初予算でありますが,皆さんの質問とちょっと重複してしまうのですが,ほかの自治体との比較という意味で検証して予算審議したいと思います。
予算特別委員会の資料の5ページ目から,まず先に職員意識改革という話をします。
昨日自治体デジタルトランスフォーメーションに関するウェブセミナーがありました。未来戦略室長にも御案内しました。
その中で先進市として神戸市の職員さん,この方は総務省の地方自治体DX検討会の構成員ということですが,こんなことをおっしゃっていました。モグラは地中で生活するようになって,目が見えなくなったということなんですね。しかし,生きて食べていかなくてはいけないので,食べ物を探すために臭覚が異常に発達したと,要は変化に適応するかしないかは,人間族も一緒なんですよと,この新しい動きに適応していく能力は自治体職員の方も一緒だという趣旨のお話をされていました。なるほどなと。
翻って狛江市は今昼夜間人口比率は0.75ぐらいだと思うんですけど,いわんや日本一のベッドタウン,公民問わず市民の方,納税者は法人に勤める給与所得者が多いという特徴があると思います。だからこそ納税者で,かつ福祉サービスを享受する狛江市民の皆様は,当然時代をキャッチアップしているというか,Society5.0やニューノーマルに代表される時代の流れにとても敏感だということを加味して行政運営に当たっていくという必要があると思います。
職員の皆さん,誰を向いて仕事をすべきかと,特に個人市民税頼みの狛江市は現役勤労世代の気分を知ることが大切です。彼らは当たり前のように時代の最先端でお仕事をされています。だからこそ狛江市の職員は新しい時代にアンテナを張って,常にキャッチアップしていかなくちゃいけないと,特に管理職未満,係長までの職員さんは,自分を自分で高めていっていただきたいという思いがあります。
このアンダー50の職員さん,こうした意識改革が必要ではないかというための人事考課,処遇,評価システムを質問してまいります。
この資料を拝見しますと,市職員445人のうち管理職でない方は主事が218人の49%,主任が93人の21%,係長職が68名で15%と,平成11年度,21年度,31年度の職員給の総額を出してもらっていたんですが,ここには出てないんですけど,実は43億円,今から20年,それが平成21年度に29億円,平成31年度は26億円と,平均年齢が44歳から43.7歳,今は41.11歳と,職員の人数も減っているのですが,ラスパイレス指数みたいな話もありますけど,基本的に働いていただいた方は給料を上げてほしいなと私は思うわけです。総額は昔に比べたらうんと狛江市は減っているわけなので,30代,40代の方がバリバリと仕事をしていただきたいということであります。
資料に最短で昇格した場合の試算と書いてありますが,この各階層の給与レンジを係長68名で見ますと,501万円から810万円の幅ということです。これは最短で昇格した場合と書いてありますけど,係長68名の年齢幅は何歳から何歳までなのでしょうか,お答えください。
253: ◎ 職員課長 係長職の年齢は,今年度末時点で33歳から60歳までとなります。
254: ◎ 三宅委員 あと昇任の試験,主任職に上がるときと管理職,課長補佐職に上がるときの2つがあるんですが,該当する試験要資格者の中でこの試験を受けるとか受けないとかはどのように運営されているのでしょうか,教えてください。
255: ◎ 職員課長 昇任試験につきましては,毎年12月に実施しております。11月の庁議において実施の報告をしておりますが,受ける,受けないの判断は各職員によるものです。
256: ◎ 三宅委員 分かりました。
おまえ受けろよとか,私も受けてみようかなと,まちまちなのかもしれません。
係長から管理職に昇任した際のギャラがどのように比較で上がるかということの資料をいただいて,あと管理職として求められる能力,係長までの要素というか,能力というのは当然違うと思うんですね。第2次人材育成基本計画では,役職ごとに階層ごとに求められるスキルが示されていると思うのですが,この管理職として身につけるべきスキルはどのようなスキルなのでしょうか,教えください。
257: ◎ 職員課長 今年度新たに策定いたしました第2次人材育成基本方針では,課長職において身につけるべき主なスキルとして,決断力,統率力,人事評価能力,説明責任,応答能力を掲げております。
258: ◎ 三宅委員 当然ですけど,管理職や課長というのは評価しなくてはいけない。人事評価能力というのが求められるということです。
それで,人事評価制度と目標管理の運用実態を伺います。
259: ◎ 職員課長 狛江市の人事評価制度においては,勤務評価と目標管理を連動して運用しており,年度当初に組織の目標,方針を踏まえ,各職員が自らの職務に関する具体的な目標を設定し,その達成に向けて効率的な業務を遂行することで市政全体の成果の向上を目指すこととしております。
勤務評価につきましては,当初目標に対する業績評価だけでなく,仕事におけるプロセスも併せて評価する総合評価としており,業績評価,勤務評価,規律性評価を併せて総合的に評価しております。
業績評価は目標管理で設定した目標に対し,その達成した成果に着目し評価しております。
勤務評価は仕事における職務行動に着目しており,業績評価を補うものです。
規律性評価は,倫理感や接遇,勤務態度など,職員に求められる基本的要素について適切であったかを評価するものです。
260: ◎ 三宅委員 評価と処遇につきものなのは,目標管理制度という部分で,上司に対して自分はこれだけやりますからこれだけのギャラを下さいということをPRして,それが評価のときに,これだけしかやってないではないかということで,このランクだねみたいな話にえてしてなるわけなのですが,いろいろサブシステムみたいなものがあると思うのですけど,自己申告制度の実態に関して伺います。
261: ◎ 職員課長 自己申告制度には,人事評価制度の中で実施する自己申告と狛江市職員の自己申告に関する要綱に基づく自己申告の2つの制度があります。
人事評価制度における自己申告では,職員個々のキャリアデザインや経歴,業務適性などを把握し,人事異動だけでなく,所属長との面談の際に自身がどの分野で能力を発揮できるのかの意思表示の機会とし,課内の事務分担の参考としているところです。
また,狛江市職員の自己申告に関する要綱に基づく自己申告については,同じ職場に引き続き3年以上在職する職員及び健康上,またはその他の事情により特に本人が希望する場合に申告できる制度です。この自己申告につきましては,人事異動を検討する際に参考にしているところですが,各職員から出される申告全てを人事異動に反映するのは極めて困難な状況です。
262: ◎ 三宅委員 今日は若手の職員がこれからこの狛江市でバリバリ仕事をするために,自分はどうしたらギャラが上がるのかとか,役割が増えるのかというようなことの一助になればいいかなというところであります。
サブシステムの話で,ジョブローテーションというのがあると思うんですけど,その運用実態を伺います。
263: ◎ 職員課長 ジョブローテーションにつきまして,事務系職員においては採用後の一定期間を窓口・管理・事業部門などの異なる部門をバランスよく経験させ,その適性や能力を把握するということにしておりますが,年度ごとの採用人数や退職職員の職層にばらつきがあるために,バランスよくジョブローテーションを行えていないといった状況があります。
264: ◎ 三宅委員 前会社で組合の執行部にいまして,会社の人事制度をいじっていたのですけど,ジョブローテーションは私の会社は職種がばらばらで,10年,15年ぐらいでキャリアを積まなくてはいけないので,2つぐらいの職種を例えば15年たったら必ず違う営業部門からゼネラリスト部門に行くとか,そんなことで10年目ぐらいからおまえ,勝負しろというような人事体系ではあったんですけど,市の場合はこれをやったらずっとそれみたいな人もいるのかもしれませんけど,ある意味バランスよくということをやっているということだと思います。
あとギャラの話で,ラインに上がっている人とライン以外に外れて好き勝手やりながら仕事をしている人みたいのがいるわけで,複線型人事制度というのが普通はあるのですけど,狛江市さんの場合,第2次人材育成基本方針で導入を見送るということになったそうですが,そのいきさつをお伺いします。
265: ◎ 職員課長 これまで総合的な幅広い知識と経験を持ったゼネラリストと専門的な業務の高度な知識や技術を持ったスペシャリストにキャリアコースを設け,職員の特性や能力に応じて長期的な人事配置を行うことでキャリア形成を図る取組として,複線型人事制度の研究を進めてまいりました。
しかしながら,複線型人事制度は優れた能力や経験を持つ人材を1つの職場に長く固定することとなり,今後様々な課題に対し少数精鋭をもって臨む狛江市にとって柔軟な対応を損なうおそれがあるため,制度としての導入は見送ることといたしました。
266: ◎ 三宅委員 民間ではスペシャリストというか,特技を生かして物すごく成果を上げる人みたいのがいて,その人は全然部下のマネジメントをしないわけなので,そういう人をどういうふうにギャランティをつけていくかみたいな話であって,局長代理とか局長補佐,補佐代理とか,何かそういったところでギャラが1,000万円強だったりするみたいなことはあったんですね。役所の場合だとなかなかそういうわけにいかないのかなというところは分かります。
あと人事評価で360度評価とか,例えば他部門からの評価,要は上司と折り合いが悪かったりして,ただ三宅はほかの部門からすると,あいつはなかなかよくやっているんだよという人がいるかもしれないみたいなことで,多面的な評価みたいなことも若手の職員さんにとってはいいのではないかなみたいなことで,その運用を伺います。
267: ◎ 職員課長 現在のところ,人事評価については上司からの評価のみです。
268: ◎ 三宅委員 おいおいそういったことも人事評価制度の中で処遇と結びつくわけですけど,そういったことで若手職員さんのやる気をアップさせるような人事考課制度をお願いしたいと思います。
次に,職員の方へのデザイン教育の必要性ということを伺います。
事業の広報は大事です。職員の皆さんが個々の問題意識をお持ちになって各事業が予算化されていると,その事業が私も何回も言いますけど,市民の皆さんがそんな事業を知らないよというのであれば,それは事業をやってないのと同じことなんですね。すなわち税金の無駄だということも再三申し上げてきました。
あとデザインは愛です。ラブです。私の大切なあなたに見てほしいとか来てほしい。あなたを大切に思いますというのがデザインだと。
今後の管理職に必要なスキルとして,このデザインスキルを追加すべきではないかと思いますが,御見解を伺います。
また,御答弁にありました先ほどの評価の仕組みを総括していただき,人事評価で目標達成度度合いを事前に上司,部下で握り合う等の可能性に関してもお聞かせください。
269: ◎ 職員課長 第2次人材基本方針では,目標管理制度における目標設定については,より発展的な課題への挑戦を促すために目標に難易度を設定し,その取組の結果だけではなく,過程を評価するなどの仕組みを検討することとしております。
先ほど委員のおっしゃっていた360度評価や今後テレワークを本格化した際の評価手法などを研究してまいりたいと考えているところです。その中でデザインスキルについても,職員の備えるべきスキルの1つとして連携してまいりたいと考えております。
270: ◎ 三宅委員 あとデザインを重視した組織という意味では,個別の事務作業,仕様書等に簡単に言うとオリエンシートですね。上司から部下へのこういう仕事をこういうターゲットでこういう目的でやりなさいということに関するデザイン視点を入れられないかということも御検討いただきたいとは思います。
次に,狛江市全体のデザインスキルを上げていただくために,外部の専門家の知見を取り入れる考え方に関して伺います。
短期任用職員等を活用してデザイン職,専門家を登用されることも必要と考えますが,御見解をお願いします。
271: ◎ 職員課長 デザイン職ではありませんが,多摩市では広報専門職を任期つきの職員として採用しているということですので,未来戦略室とも連携してデザイン意識醸成への取組を検討してまいりたいと考えているところです。
272: ◎ 三宅委員 分かりました。
3年前の議会で,さがデザインというお話をちょっと一般質問でさせていただいて,これは佐賀県が推進する取組なんですが,企画財政部長からそのときの御答弁をちょっと言いますね。
「「さがデザイン」とは佐賀県が策定した「総合計画2015の基本理念「人を大切に,世界に誇れる佐賀づくり」を実現するため,施策を推進する上で佐賀らしさを磨く視点の一つです。佐賀らしい「モノ」と「コト」をデザインの視点で磨き上げ,新たな価値を付与することにより,人のくらし,まち・地域を心地よくし,豊かなものにすること」でございます」,政策課さがデザイン担当というセクションですけど,外部のデザイナーやクリエーター,コンサルタント等とのネットワークを構築して事業・施策の相談窓口として福祉,教育,産業など,あらゆる部局にわたるプロジェクトにデザインの視点を導入していくということです。
「さがデザイン」の目指す姿としては,人のくらしやまち・地域を心地よくしして豊かなものにするために,事業に取り組む全ての主体者がデザインの視点で物事を磨き上げることを目標としております。また,それを実現するため,「さがデザイン」の取組についての普及・啓発を行っているという御答弁をいただいております。
未来戦略室の皆さんは,狛江市全体のデザイン意識醸成のために御尽力されていますが,こうした佐賀県の事例に代表されますが,行政組織が取り組むデザイン組織の研究も必要だと思いますが,御見解を伺います。
273: ◎ 未来戦略室長 各分野の専門家の協力を得ながら,プロジェクトごとにデザインの視点を取り入れる佐賀県の取組につきましては,大変参考になる事例であると認識をしておりまして,令和3年度予算で視察に係る旅費について計上させていただいております。
新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえながら,先進自治体の視察を行うなど,デザインに関する取組について調査,研究を進めてまいります。
274: ◎ 三宅委員 分かりました。
新年度予算で佐賀に行かれるということなので,できれば武雄の図書館とか,例のTCCでしたっけ,TTTでしたっけ,ツタヤがやっているものとか,あとは鳥栖フューチャーズというJリーグの,あそこは7万人のまちで,あそこの駅前に2.5万人のでかいサッカーの専用スタジアムがあったりするのですが,そういった行政が関与する佐賀のいろいろな面白い事例があると思いますので,そういったことも見ていただければなと思います。
2問目行きます。
令和3年度予算のつくられ方に関して伺います。
この間ニュースを見ていたら,東京の23区の自治体の令和3年度一般会計予算が今年度よりもショートした予算案がちらほらあるみたいなことがあったんですね。私は政治の信条としては,小さな政府を志向するものなので,かなり渋ちんなのですけど,今年度3.9億円プラスの1.3%増のこの予算の妥当性ということで伺います。
ちょっと素人みたいな質問なのですが,通常予算のつくり方というのは,歳入の見込みをある程度入ってくるものを精査した後にこの歳出総額を決めていく作業ということなのでしょうか,伺います。
275: ◎ 財政課長 予算編成は必ずしも歳入と歳出のどちらかを精査してから進めていくものではなく,歳入と歳出の要求額の乖離を精査する作業です。また,当然歳入には上限がありますので,年末年始の地方財政対策等の状況を踏まえ,最終的な予算案を決定いたします。
276: ◎ 三宅委員 いただいた資料の1ページ目から4ページ目までに,西東京を抜かして25市の新年度の予算書で,当然前年よりオーバーしているとか,少ないとか,各地交付団体だったり不交付だったり,市債がどのぐらいあったりと全然コンディションが違うんですが,ばっと見る感じでは分かりやすいので,この26市比較というのをつくっていただきました。
歳入の市税で,狛江市は三角4.4億円の三角3.5%で,多摩25市が平均が三角4.8%の狛江市なんですけど,狛江市の市税の落ち込み率というのを多摩地区の落ち込み率と相対比較する。市の特徴からどう考えたらいいのでしょうか,伺います。
277: ◎ 財政課長 狛江市の市税の特徴といたしましては,個人市民税が半分以上を占め,3割超が固定資産税であり,法人市民税は2%前後です。市税収入の減少率が対前年度比で多摩25市の平均より低いのは,景気の動向に大きく影響を受ける法人市民税が占める割合が他市に比べて低いからと推察されます。
なお,26市の当初予算の比較資料につきましては,決算ではなくあくまで予算ベースでの比較となりますので,当初予算の過大,過小は考慮しておりません。
278: ◎ 三宅委員 分かりました。予算ベースの比較ということですね。
歳入の普通交付税で狛江市は若干1.2億円プラスで9.5%増と,ほかの多摩の交付団体の平均がプラス7.2%ということなんですけど,増減率を狛江市と多摩地区で相対比較して,この市の特徴からどう考えたらいいのかを教えてください。
279: ◎ 財政課長 普通交付税の予算計上の考え方や各種算定基礎数値は,各市それぞれ違いがあると思いますので,一概には言えませんが,令和3年度は,各種算定基礎数値に使われる人口について,5年に一度の国勢調査人口の改定が行われます。多摩地区の交付団体の5年前との人口の伸びを見ますと,平均で減少しているものの,狛江市においては,約3,000人増加しておりますことから,狛江市の予算上の伸びが他市に比べて大きいものと推察されます。
280: ◎ 三宅委員 資料が続きます。
歳入の市債,臨財債を発行可能額まで借りて,財政調整基金の繰入れ等を増やして対応されていると思うのですけど,立川とか武蔵野とか不交付団体の予算編成と交付団体のこの狛江市では何かいろいろ違っていると思うのですけど,その辺のからくりを教えてください。
281: ◎ 財政課長 おっしゃるとおり,臨時財政対策債は発行可能額で予算計上しております。不交付団体は市税等の歳入減がそのまま市の歳入減に直結いたしますので,財政調整基金などで補填することとなります。
一方狛江市などの交付団体は,普通交付税及び臨時財政対策債で一定程度補填されますので,市税等の歳入減がそのまま市の歳入減に直結するわけではないという違いがあります。
282: ◎ 三宅委員 分かりました。
今までの質疑を総括していただいて,歳入予算をつくる上で御留意されたポイントを伺います。
283: ◎ 財政課長 令和3年度の歳入予算を編成する上で留意したポイントは,見通しが難しいコロナ禍において,予算額より歳入決算額が下回る歳入割れを防ぐことでございます。市税の見込みをつくる上で参考にしましたのがリーマンショックです。
狛江市においてリーマンショックの影響が一番大きかったのは平成22年度でしたが,そのときの個人市民税決算額は前年度比約5億3,000万円,8.1%の大幅減となりました。ここをベースに予算編成をスタートしましたが,令和3年度予算では前年度比約3億1,000万円,4.5%の減としたところです。
これは国や都の見込みを踏まえるとともに,企業業績が業種によっては過去最高との報道があったりと,リーマンショック時のように一様に減収となっていない状況等を踏まえ,リーマンショック時までの減額予算とはしませんでした。必要な歳出を確保するとともに,予算割れを防ぐ線引きをここで引かせていただいております。
284: ◎ 三宅委員 分かりました。
自治体として入ってくるお金の見通しというのは,なかなかこういう状況だと難しいかなと。
何年か前に,狛江でもというよりも,逗子かな。歳入割れが起こって,その期に緊急行動計画みたいなものを出したみたいな市長がこの間西東京の市長選に出ていて落っこちていましたけど,そんなことがあってはいけないなというところでもあります。
最後,令和3年度予算のつくられ方の総括をお聞きします。
285: ◎ 財政課長 令和3年度予算は,新型コロナウイルス感染症により近年増加傾向であった市税収入が大幅な減となり,大変厳しい状況での編成となりました。しかしながら,社会保障費の増傾向は変わらず,扶助費と福祉の3会計への繰出金の合計は約127億円,前年度比約4億円,3.3%の増と大きなものとなっております。必要な歳出に対応するため,臨時財政対策債は14億8,700万円,前年度比6億4,300万円,76.2%の大幅増で,当初予算では過去最大となっております。
予算規模といたしましては303億2,000万円で過去3番目の大きさですが,前年度比3億9,100万円,1.3%の増は社会保障費などが多くを占めており,社会保障費を主とする義務的経費等に苦心した予算編成となりました。
286: ◎ 三宅委員 分かりました。
執行される方としては,予算編成,大変御苦労されているなというのがいろいろな端々からあって,ただ私は基本的にはコロナで手当てしていかなくてはいけない方々が大勢いらっしゃって,国から狛江市だと100億円もの補正予算が落ちてきたわけですけど,300億円が400億円になったという決算になると思うのですが,全部赤字国債で将来の子どもの負担みたいな話で,先ほどの金利が安いからどんどん借りろみたいな話もありましたけど,そんなことを言っている場合じゃないというのがコロナ禍の経済情勢だということは自明の理なわけであります。
最後にそういうことを申し上げまして,質問を終わります。
287: ◎ 石川委員 令和3年度所信表明の最後の部分で市長は述べられました。公共施設等の維持管理,老朽化対策等については,公共施設等総合管理計画及び公共施設整備計画に基づき財政負担の軽減,平準化を図りながら長期的な視点を持って,将来的な市民ニーズの変化にも対応できるよう効果的,計画的に取り組んでまいりますとありました。
総括での質疑として,公共施設政策の展開についてと題し4つの視点からお聞きします。
1,公の施設の管理運営方針について,2,公共施設整備費における世代間負担の公平性の確保という考え方について,3,公共施設整備における市民参加と協働について,4,公共施設マネジメントの方向性について,以上4点であります。
初めに公の施設の管理運営方針についてお聞きします。
公共施設政策においては,様々な機能を持たせた施設を建設しただけでは完全とは言えません。機能を持ち合わせたその施設をどのように管理をし,どのように運営を図っていくのかが最も重要であり,ここまでの部分を含めて私は公共施設マネジメントと捉えています。
そこで,確認の意味も込めお聞きします。
平成17年から平成21年度までの狛江市アクションプラン,公の施設の管理運営方針について,これを策定した経緯,目的についてお伺いをいたします。
288: ◎ 政策室長 平成18年4月に策定いたしました公の施設の管理運営方針は,公の施設の適切な管理運営が求められている中,市民ニーズが多様化,複雑化するとともに,NPOをはじめとする各種団体や民間事業者においても十分な行政サービスを提供し得る能力が認められるものが増えてきておりました。このような状況を踏まえまして,国において全ての公の施設について管理運営の在り方を検証し,その結果を公表することを地方公共団体に求められたところです。
狛江市といたしましては,こうした国の要請に応えるだけではなく,より効果的,効率的な施設を管理運営し,市民サービス向上,経費節減などを図るにはどのような方法が適しているのか,市としてその在り方を検証することを目的に策定したものです。
289: ◎ 石川委員 御答弁にありましたけど,国の要請があったということであります。しかし,国の要請に応えるだけではなく,より効果的,効率的に施設を管理運営し,市民サービスを向上,経費削減などを図るにはどのような方法が適しているかと,市としてその在り方を当時として検証したということであります。
そこで,お聞きします。
この公の施設の管理運営方針の考え方をどのように整理しながら踏襲してきたのか,現在の考え方をお伺いいたします。
290: ◎ 政策室長 公の施設の管理運営方針につきましては,平成21年度を目途として取りまとめたものですが,基本的な考え方は現在も引き継いでいるものです。しかしながら,公共施設の管理運営やサービス提供の在り方もその頃よりも大きく変わっている点もありますので,それぞれの公共施設の役割に応じて対応しているところです。
291: ◎ 石川委員 アクションプラン自体は平成21年度を目途に取りまとめたけれども,基本的な考え方は現在も引き継いでいると,公共施設の管理運営のサービスの提供の在り方もその頃から大きく変わっていると,それぞれの施設の役割に応じて対応しているということで,ここでは公の施設の管理運営方針の考え方は現存するということを確認させていただきました。
このことについては,実は平成26年第4回定例会の一般質問でも当時の考え方が存在するのかどうか,確認の一般質問をさせていただいております。それから6年たった現在においても,この考え方は現存するということであります。
公の施設の管理運営方針であります。地域センター,例えば市直営という結論で当時つくられています。
直営の理由として,地域センターは地域住民や利用団体の代表などで構成される各運営協議会が運営に当たっていると,設立趣旨から市民主体の管理運営が適していると考えられるが,各運営協議会の構成員が1年から2年で交代することなどから,複数年の継続的な管理運営を行うことは現状としては難しい。当面は事業運営のみを補助団体である各運営協議会に委任し,事業運営を主体とした育成を図るとともに,総合的な管理については直営とすると,自発的なまちづくりを進めていくためには事業運営だけではなく,センターそのものの管理運営も任せることで,より効果的,効率的な事業展開が図られると考えられるので,一定の整理ができた段階で各運営協議会の在り方を含め,指定管理者制度への移行について検討をしていくというこれが平成18年当時の考え方,これは現存しているということであります。
また,あいとぴあセンターであります。
あいとぴあセンターは,設置条例の中で健康施設と福祉施設の複合施設として位置づけられており,その役割として市直営による保健センター,狛江市社会福祉協議会,民間団体等に事業運営を委託し,センターからなる委託している障害者福祉センター,老人福祉センター,高齢者在宅サービスセンターからなる。また,複数の福祉団体がセンター内で継続的に事業実施するなど,事業主体が複数にわたっている。以上から,管理運営形態を見直すには委託業務等について一定の整理が必要であり,当面は直営とするが,指定管理者制度の導入等も将来的にはこれは検討課題であるという位置づけで当時されております。
また,ここの段階では保育園や学童,ここについては検討中ということで結論はまだ平成18年のときに出してないんですね。その後しっかりと対応されていると思いますけれども,ここで今度が公民館であります。公民館は地域社会,これは直営でいくという方針です。
公民館は地域社会,家庭,学校などと連携し,地域の学習拠点,家庭教育支援拠点としての機能を果たしながら,学習機会や情報提供を行うという役割を担っている。また,その実現には高度な専門性や地域との密着性を維持,発展させることが必要であることから,現時点では指定管理者の導入はせず,専門知識を持つ人材の育成を図りながら,直営による管理運営を行うこととし,今後打ち出される市の社会教育方針を踏まえ,その在り方を検討していくということ。
図書館,これも管理運営形態は直営です。
図書館の管理運営に当たっては,迅速で的確な現状把握が必要であり,蔵書の充実を図ると同時に,貸出業務だけではなく,レファレンスの業務や学校図書館や地域との連携などの活動が求められる。また,専門知識を持つ嘱託職員の活用や業務委託等により,現在のサービス水準の維持向上を目指しながら,コスト縮減を図ることは可能である。さらに図書収集に当たっては,公平,公正な視点から,より慎重な取扱いが求められることや取り扱う個人情報が利用者の思想にまで及ぶ可能性があることからも,現時点では指定管理者の導入はせず,業務の委託化などを検討しながら直営による管理運営を行うと,これは当時こういうふうに整理して,こういうような考え方でやっているということであります。
私は問いたいのは,現時点がこのままずっとそのままだったのかということなんです。この間策定から約15年たっていると思いますけれども,実際そこに検討された痕跡があるのかどうか,現時点のままなのではないかということもあります。
そこで,ちょっとお伺いしたいんですけれども,公共施設の管理計画,また公共施設の整備計画,また,基本構想,基本計画も変わった現在において,公の施設の管理運営方針は今後見直し,あるいは整理することも必要ではないかと思いますけれども,いかがでしょうか,お伺いします。
292: ◎ 政策室長 公共施設の在り方やニーズが変わってきているところもありますので,検討させていただきたいと思っております。
293: ◎ 石川委員 よろしくお願いします。
当時これがつくられたときは公共施設再編計画という,こうした計画に基づいて様々な管理運営をやられたと思いますけど,大きな公共施設に関わる計画が大きく変わった段階で,私はもう一度そこを点検,検証,こういうことは必要なことだと思いますので,ぜひ整理をお願いしたいと思います。
続いては,公共施設整備における世代間負担の公平性の確保という考え方についてお聞きします。
確認ですけれども,この世代間負担の公平性という考え方はどういうことなのか,お伺いをいたします。
294: ◎ 財政課長 公共施設は長期にわたり使用いたします。現在使用する方と将来使用する方の負担が同じであるかどうかという考え方です。仮にある公共施設を基金や一般財源のみで建設した場合,その公共施設の建設費は現在から過去に納税された方々が負担していることとなります。一方建設事業債により建設した場合,その公債費は現在から将来使用する方々の税金で償還することとなります。
よって,世代間公平性の確保という意味だけにおいては,長期にわたって使用する公共施設の整備には,建設事業債を活用したほうがより公平であるということになります。
295: ◎ 石川委員 分かりました。
世代間公平性の確保という意味だけにおいてはという課長の御答弁がありましたけれども,長期にわたって使用する公共施設の整備には建設事業債を活用したほうがより公平であるということであります。
公共施設を建設するとき,通常その年度に集めた税金ではなくて,地方債を発行することで必要な財源を賄っていくという考え方です。それは1度建設した公共施設はその後も長期にわたって使用するため,施設を建設する年度の住民だけで全て建設費を負担するのではなく,地方債を活用して負担を長期に分割することで,施設を使用して便宜を受ける将来世代の住民にも公債費,元利償還金という地方債の返済を通じて費用を負担してもらうということが公平だという,こういう考え方にもなるんだと思いますけれども,そのため地方債はその調達資金により整備した公共施設等の耐用年数の範囲内で償還すると,こういう決まりもあるみたいですけれども,これにより世代間の負担の均衡を図るということであります。
ちょっとここでお聞きしたんですが,世代間の公平性として将来世代と現世代の負担の分担は適切かどうか,こうしたものを見るにはどのようなものがあるのでしょうか,お伺いいたします。
296: ◎ 財政課長 1つの指標といたしましては,社会資本形成の世代間負担比率,将来世代負担比率があります。
297: ◎ 石川委員 分かりました。ありがとうございました。
社会資本形成の世代間負担比率,将来世代負担比率,これは公共施設だけでなくて,社会資本だから道路等も入ったり,狛江の所有している土地,こうしたものも入る資本という形だと思います。
ただ,この考え方ですよね。この公共施設等もそういったものについては,将来世代の公平性の負担があるということ,将来のこと,ただその施設を造るかどうかは市長及び予算執行は議会で決めるという,その将来世代の方たちは市長を選ぶ選挙権,18歳以下の方は議員を選ぶ選挙権もないし,そういったこともあると思います。
私は,こうした考え方をしっかりと将来世代に伝えていくという必要があるのではないかなと思います。市自身も新たな展開として将来を見据えて,また将来世代を見据えてという意味で未来戦略室をつくり,未来戦略会議をもって様々将来を見据えての展開を図ろうとされています。
そして,例えばこの間もありましたけれども,環境問題も10年,20年後に向かっては,今の子どもたちがどういう思いをされているのかが大事,こうした視点で,将来世代への視点ということでは今予算では地球温暖化対策関連事業においては,子ども向けの地球温暖化講演会も実施をする予定でもあります。
また,50周年の記念事業では「コマエ×ミライ×チャレンジ」,こうしたものの取組もあって,表彰式も参加させていただきましたけど,非常にクオリティの高い,質の高い,こうしたものを子どもたちが考える視点を持っていた。こうしたことも考えられます。
私は,ここでお聞きしたいんですけれども,令和3年度予算には地域課題解決型子ども議会など,狛江の未来を担う子どもたちが行政の仕組みや地域課題について議論する新たな取組,これが計上されております。こういった未来を担う子どもたちへの説明責任として,社会資本形成の世代間負担比率,将来世代負担比率など,財政面においても分かりやすく説明する必要があると思いますが,いかがでしょうか,お伺いいたします。
298: ◎ 財政課長 おっしゃるとおり必要性を認識しておりますので,検討してまいります。
299: ◎ 石川委員 ぜひお願いいたします。
私は改めて市役所の仕組み,お金の使い方,そして市が言う公共という概念,また具体的に例えば市民5人に1人,10人に1人しか利用がないとしても,市が費用,公金を投じて公共施設を建設,設置していく理由,根拠等も分かりやすく伝えていく必要が私はあるというふうにも思いますので,こうしたものも新たな試みとして,その世代,いわゆる中学生世代にも分かりやすい,こうした解説ができるような,また分かりやすい伝え方をしっかりと研究していただきたいと,このように思います。
次に,公共施設整備における市民参加と協働についてお聞きします。
公共施設整備に関する市民参加と協働に関する過去の市長答弁の整合性について,私なりに検証をしてみました。
狛江市の市民参加と市民協働の推進に関する基本条例施行後から3代の市長,矢野裕市長時代,高橋都彦市長時代,そして現在の松原俊雄市長における議会答弁や庁議発言において検証したものであります。
狛江市の市民参加と市民協働の推進に関する基本条例,こうした中での市民参加の手続,市民参加の対象,市民参加の方法,意見などの取扱い,公表の方法等,こうしたものもしっかりと見た上で検証させていただきました。
令和2年第4回定例会で市民参加と協働について,当時の矢野裕市長のまちづくり総合プランに係る市民参加と協働に関して,この答弁の確認をそのときの質問でさせていただきました。矢野市長が市民参加でもいろいろな性格がある。意見集約は個別事業ごとに行っていく。また,矢野市長で個別事業ごとに市民説明をし,市民参加の手続を取っていく。また,矢野市長の中で意思形成過程の段階で市民参加が生きてくる。いわゆる意思形成過程,この中で市民参加が生きてくる。こうした答弁,平成16年の
予算特別委員会でもありました。
今定例会の吉野議員の一般質問で,市民参加と協働に関して矢野市長時代の給食センター建設時のことについても触れられていました。改めて聞いて,当初より手法,手続は変わっていないとの感を私は持ちました。条例制定,施行時の矢野裕市長時代より,その解釈,手続,手法は言ってみればある意味踏襲されているようにも思います。
お聞きします。
狛江市の市民参加と市民協働の推進に関する基本条例は,時の市長によってその解釈や手続,手法は変わるものなのか,松原市長にお伺いします。
300: ◎ 市長 市民参加の手続に関しましては,その当時から変わっているものではなく,対象となる事業に応じて必要な手続を行っていくものだと考えているところです。
301: ◎ 石川委員 分かりました。
最後4点目の視点は,公共施設マネジメントの方向性についてであります。
ここではニーズの捉え方,ニーズへの応え方,そしてニーズの創出という考え方についてお聞きしたいと思います。
公共施設マネジメントにおいて施設ニーズをどう把握し,どう捉えていくのか,そしてそのニーズにどう応えていくのかが重要です。同時に現実の実態としての施設稼働率,施設利用率等の詳細把握も重要です。ニーズを読み誤った結果なのか,またニーズに応え切れなかった結果なのか等を検証する上においても,実態データの把握は大切であります。
このニーズの把握ということで,平成20年第2回定例会でこういった質疑を紹介させていただいたことがあります。私ども狛江市議会公明党で平成19年,行財政改革と民間活力の導入という角度で,福岡県の春日市に当時先進的な取組をしていたので,視察に行きました。そこで民間活力の導入で私たちも目指していた中学校給食,こうしたことについて,ほかのことをたくさん聞いたんですけど,そこもあったので,そこも聞いたんです。
そこで,市民ニーズの把握ということで全般にわたって市民の方にお聞きしたときのお答えの仕方と計画案がある程度固まった段階で聞くのとではお答えの仕方も違ってくる,変わってくるということが結論的には分かった事例がありました。
それはどういうことかというと,中学校給食,選択制で導入をこの市は図りました。ニーズはありました。保護者の皆さんにお聞きしたらぜひやってほしいと,ニーズは間違いなくあったんです。それに応えて,反応して応えようと中学校給食を導入しました。ところが喫食率が50%,半分をなかなか超えなかった。
その理由を分析したところ,実は子どもたちはやはりお弁当がいいという,こういったずっと思いを持っていたわけです。いわゆる好きなものを選べる。量も選べる。そして,学校の先生たちも昼休みの関係なのか,お弁当のほうがいいんじゃないかという考え方を持っていたようですけれども,ニーズは間違いなくお母さんたちに聞いたらあったんだけど,そのニーズの質を読み間違えたという意味,そういう意味では願望と要望の違いという,こうしたものを本当に気をつけていかないといけないかな,保護者はやはり願望です。
そうした意味では,ここの部分のニーズの捉え方というのはすごく私は大事なことだな。そして聞き方もあると思います。全般にわたっての聞き方と計画がある程度固まった段階で聞くのでは,ニーズが反応のお答えの仕方も違ってくると,こうした事例もあります。
一方でこのニーズを捉え,応えていくことも難しくなってきています。それはニーズの多様化とともにニーズ変化の速さということであります。社会事象の出来事や変化に伴い一挙にニーズというものが高まったり,逆に今まであったニーズが急に変わったりするものでもあります。そうした中で,施設設置,施設建設の方針を固め,一旦実行に移すとニーズに変化が生じた場合など,なかなか臨機応変な変更は難しくなるものであります。
私は,これからの公共施設マネジメントにはニーズを創出という視点も重要になってくると考えていますし,戦略的に,積極的に,アクティブに物事を捉え,考えていく中でニーズを掘り起こすという視点でもあります。
そして,私自身はこの公共施設マネジメントのキーワードはスリムということであると思います。決して縮小という意味ではなくてスリム,臨機応変な対応,多様性,チャンネルをたくさん持てる。こうした意味でスリム化というのはすごく重要なキーワードだと捉えております。
午前中,
谷田部委員に対する質疑の中で,市長が市民センターとか図書館のことについての質疑で,市民センターの会からの提案書にあったコンセプトのことについて,「SMALL is COOL」についてとても共感できると,こうした御答弁がありました。「SMALL is COOL」として歩けるまちづくり,みんなのラウンジ,みんなで育てていくという3つの柱,こうしたものも御答弁をされていました。ここで言う「SMALL is COOL」というのは,小さいまちのよさを生かすというこうした視点,コンセプトがあると,このようにも聞いております。まさしく私もこの小さいまちのよさを生かしてというコンセプトには大きく共感をします。
私自身の考えでありますけれども,市役所エリアとよく言われています。また使われてもいますけれども,ほかでは市役所エリアではなく,市役所の敷地内という,私たち言うこの市役所エリアというのは,ほかの市に行ったりすると,そもそもが市役所の敷地内という,こうしたレベルのところもあります。コンパクトシティ狛江での生活に慣れ親しむと,物理的な距離感もコンパクトな枠の中で捉えてくるようになると実感します。例えばコンパクトなまちの中で,自宅から市内のあの施設まではすごく遠いといったような感覚を持ち合わせていくということであります。
狛江において市内の中心部とは感覚的にどこまでの範囲を指しているものなのか,狛江市役所から東西南北,どの方向に行っても直線距離で2キロ行けばそこはもう市外というこのまちで,南北エリアという概念を持つことがスケール感というものをある意味においては錯覚させてしまうような気が私自身はします。
市の中心部と言っても,この狛江がある程度入ってしまうような,こういった概念の市もあります。我が市の中心部はというと大体ターミナル駅から半径1.5キロぐらいを中心部と言います。狛江市自体がすっぽり入ってくるような,こうしたところもあります。この6.39平方キロのエリア内,地域内に何を詰め込むのか,どこまで詰め込むのか,全てを詰め込むのか,将来を見据えた戦略的なビジョンが求められてくると思います。
ニーズの創出,ニーズの掘り起こしの視点からは,機能の分散,それぞれの機能を特化することによって,チャンネルが増える。より広いニーズの受皿になる可能性もあるというふうに私は考えます。
先ほどの午前中の
谷田部委員に対する答弁でも,市長は狛江市はコンパクトだからこそ小さな施設をつなぐことで機能を補える。こうした答弁もありました。例えばという話で,市民センターに残す図書館機能として児童書を中心とすれば子育て世帯同士のつながりも生まれ,新しい図書館を静かで居心地のよい場所とすることも可能,また西河原公民館の図書室,各地域センターの図書室,市民センターの図書コーナー,そして新図書館ができれば,狭いエリアに7か所も図書に触れられる場所が誕生するという意味でも,私は機能の分散,それぞれの機能を特化させることによってチャンネルが増える。より広いニーズの受皿になる可能性があると,このようにも思います。
そして,市長がそれぞれの場所で小さな発見,そして本と人,人と人がつながる世界に進化,そして小さなまちの宝箱のような施設となるよう市民の皆様と一緒に考えていきたいと,こうした答弁もありました。こうした意味では,この機能の分散,こうしたものもある程度は必要な視点だと思います。また,逆に私自身機能の集中,集約,複合化においてもニーズの創出,ニーズの方針についてもつながる可能性があると,このように考えております。
令和元年第3回定例会で,学校プールのことについて私は触れたことがあると思います。小・中学校のプールの時間は小・中学校各学年10時間,大体やっている季節は3週間から約1か月,この期間でやります。
こうした意味では学校プールも集約化していくべきではないか,そして市民プールの稼働率も考えれば,一夏で稼働が少ないとして,そうした意味では全天候型にすれば,もう少し利用ニーズは掘り起こせるんじゃないかという視点があります。健康増進のため,健康づくりのためにプールを利用しよう,こうした市民の方も増えてくる。プールといえば夏,こうしたものではなく,全天候型,こうしたものも市民プールでやって,そして学校の授業のプールも集約化していけば,そうした新たなニーズを創出する,新たなニーズの掘り起こしにつながるのではないかなと,このようにも思います。
当時このこと,そしてプールの授業については,学校の先生じゃなくて民間に委託をしてプロの人たちに指導していただくと,こうした視点も重要じゃないかな,このようにも質問させていただきました。
学校のプール施設の集中・集約化,そして外部委託に対する授業のことについても当時先進事例を参考に研究してまいりますと,こうした御答弁をいただきましたけれども,気のせいか物すごく厳しい視点も感じました。ただ,私はこれは現実のものとしてだんだんこうした視点を持つ自治体が増えてきているんじゃないかなと,このように思います。
というのは,この26市である多摩市が今年度,いわゆる新年度より学校でのプール授業を校外のプールで行うということ,全部じゃありませんけど,市営プール,民間プールの3施設を借りて授業を行うと,こうした取組をいよいよ新年度から始める予算を今回つくったと都政新報で知りました。授業の際にはプロの水泳インストラクターをつけ,教員の働き方改革にもつなげる考えであると,こうしたこともありました。
本当にこうしたもの,当時私言ったときには,まだまだ先のあれなのかなと思いましたけれども,ただこういったことも現実的になってくると思います。そして,このプールの集約化という形で市民プール等,全天候型,そして通年で使用することになれば本当にニーズは掘り起こせる,こうしたようにも思います。
最後にお聞きします。
この公共施設マネジメントの方向性について,ニーズの捉え方,ニーズへの応え方,ニーズの創出という考え方について,市長の見解をお伺いいたします。
302: ◎ 市長 今後の高齢化の進展や人口減少のほか,コロナ禍による新しい生活様式への対応などにより,公共施設の在り方というものが変わってくると思っております。
公共施設を整備するためにはまず市民ニーズを捉え,それに応えるために必要な機能を持った施設を造ることになりますが,市民ニーズというのは多種多様です。狛江市はコンパクトなまちですので,それぞれの施設に特徴も持たせることも多種多様な市民ニーズに応える方法であるとも考えられます。
また,例えば市が直営で運営していた施設を民間に任せることなど,運営方法を変えることなどによっても,同じ公共施設でもこれまでになかった新たな価値,サービスを創出することはできると思いますので,ニーズを創出するという考え方は共感できるものです。
303: ◎ 石川委員 ありがとうございました。
将来ビジョンを見据えた公共施設政策の展開を図っていただきたい。そのような公共施設政策予算の執行を求め,総括質疑を終わります。
304: ◎ 高木委員 大変お疲れのところを恐れ入りますが,本日3月11日ということで,1問だけ環境とエネルギー問題だけ質問させていただきます。
本日3月11日,東日本大震災,福島原発事故からあの日からちょうど10年目となりました。原発立地周辺地域の住民の方々からふるさとを奪ったこの原発事故から,私たちは今と未来を持続可能な社会にするための教訓を得,そしてそのための行動をする使命を負いました。
1番目は原発に依存しない社会をつくるために,また脱炭素社会実現のため,環境・エネルギー問題から質問させていただきます。
私が初めて議会というこの場所に登壇させていただいた日から繰り返し要望してきた本庁舎に再生可能エネルギー100%の電力を導入する予算が新年度に計上されました。3.11から10年目の今日,この施策を確認させていただけることに本当に感無量の思いがいたします。狛江市の御対応に感謝申し上げます。
質問です。
庁舎の電気料金予算額として1,950万円が計上されていますが,この金額は再エネ電力料金としての増額分を見込んでいるものでしょうか,電気契約としては前年度はほかの公共施設と一括入札でしたが,本庁舎だけ切り離しての契約になるのでしょうか,教えてください。
305: ◎ 総務課長 令和3年度予算といたしましては,100%再生可能エネルギー由来の電力導入による増額分を見込み計上しております。契約に関しましては,これまでの一括入札による仕様とは内容が変更されることから,庁舎単独での入札契約とする予定です。
306: ◎ 高木委員 本庁舎だけを再エネ導入と決めた理由は何でしょう。今後その他の公共施設も少しずつでも再エネ電気に切り替えていただきたいと考えますが,電力調達を脱炭素の有効な施策の1つとして考えていかれるのでしょうか。
307: ◎ 環境政策課長 再生可能エネルギー由来の電力への切替えには財政負担増も伴うため,総合的な観点から公共施設の中で最も使用電力が大きい庁舎を対象としたところです。また,環境負荷の低い電力の調達に関しては,市の公共施設から排出される温室効果ガスの発生元の約6割を電気が占めていることや国や東京都においても実施,また活用推奨がなされていることも踏まえ,脱炭素に向けた有効な施策の1つであると認識しております。
他の公共施設への電力等調達につきましては,再エネ由来の電力の活用による温室効果ガスの抑制を実現するため,環境配慮契約法を踏まえて令和2年12月に策定した狛江市電力の調達に係る環境配慮方針の適切な運用を図ることを基本としつつ,財政状況や市場の動向などを注視してまいりたいと考えております。
308: ◎ 高木委員 再エネ由来の電気は,ある程度の電気料金値上がりが見込まれます。値上げ幅に対してコストを抑える工夫はどのようにされたのでしょうか。
309: ◎ 総務課長 再生可能エネルギー導入によりコストの増加が見込まれることから,契約電力が小さい公共施設を一括で入札に付することでコストの低減を図る工夫を行うこととしたところです。
310: ◎ 高木委員 ほかの公共施設をまとめて入札することで値上げ分を少しでも吸収できる工夫をしたということで,御努力に感謝申し上げます。
ちなみに環境省が2020年6月に公的機関のための再エネ調達実践ガイドを出しまして,自治体が再エネ電気の値上げをできるだけ抑え,安価に調達するための手引を作成しております。詳しく載っております。
この中で1つの方法として電力リバースオークション,エネオクの活用を勧めています。今後狛江市は安価な電力調達のために,こうした環境省の実践ガイドも参考にされませんか。
311: ◎ 総務課長 公的機関のための再エネ調達実践ガイドでは,環境省におけるRE100達成に向けた2020年度の取組としまして,リバースオークションサービスの活用事例のほか,共同調達などもコスト低減の取組として紹介しているところです。
庁舎の電力に係る入札結果を踏まえつつ,今後も国や他自治体のコスト低減のための取組について注視してまいりたいと考えております。
312: ◎ 高木委員 本庁舎再エネ100%電気を導入することにより,削減できるCO2排出量や割合を教えてください。また,再エネ電気導入は今後の狛江市の環境政策において大きな意味を持つと思われますが,再エネ100%電気導入をどのように市民にアピールしていくお考えなのか,お示しください。
313: ◎ 環境政策課長 本庁舎を再生可能エネルギー100%の電力に切り替えた場合の温室効果ガスの削減量ですが,平成31年度に庁舎で使用した電力と同じ排出係数を用いて算出した場合では,約367トンCO2となっております。これは市自らの事務及び事業に係る温室効果ガス削減目標を定めた現行の狛江市地球温暖化対策実行計画(事務事業編)の令和12年度の削減目標の約3割に当たるものです。一方狛江市の区域全体を対象とする現行の狛江市地球温暖化対策実行計画(区域施行編)の令和12年度の削減目標の約0.5%となっております。
本取組は市全体,市自身の温室効果ガス削減の目標達成に貢献するとともに,市や事業者に対して模範的な姿勢を示すことで,市全体の取組を促進することを目的としており,家庭や事業所でのクリーンな電気の導入など,日常生活における環境に配慮した行動の推奨と併せて,積極的に周知してまいりたいと考えております。
314: ◎ 高木委員 この算出によりますと,本庁舎の電気に再エネを2030年まで継続して導入すると,2030年には狛江市事業編としてのCO2削減目標値の3倍以上を達成できることになります。ただ,市内全体としては約1年で0.5%相当なので,単純計算すると9年分で僅か4.5%,市内消費電力の6割を占める一般家庭の電気の選び方でもCO2削減目標値に向けて努力する必要があることが分かります。
本庁舎が再生可能エネルギー100%の電力で運営されているということはシンボリックでもあり,市民にとっても再生可能エネルギー電力推進の必要性が伝わると思います。水と緑のまちに加え,脱炭素としての自然エネルギー推進自治体として積極的に周知をお願い申し上げます。
2020年から2029年までの狛江市総合基本計画を具体化する前期基本計画推進プランには,脱炭素社会の推進策が1つも掲示されておりません。
SDGsとの対応においても7,エネルギー,「全ての人々の,安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する」,それと13番,気候変動,「気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる」に応じる具体施策が推進プランとして何も盛り込まれていない現状となっております。
せっかく本庁舎に再エネを導入したからには,これだけでよしとするのではなく,これからの社会,環境に必須の脱炭素施策,また経済活動としての持続可能なエネルギーの視点での施策を後期基本計画で重点項目として考えていただきたいと思いますが,いかがでしょうか。
315: ◎ 政策室長 前期基本計画推進プランは,前期基本計画の中で重点化している施策の方向性につきまして,その取組の主要事業等を示しているものです。
御指摘の脱炭素社会の推進に関しましては,前期基本計画では重点化した項目ではなかったことから,推進プランにはその取組は示しておりませんが,後期基本計画の策定に当たりましては,国や東京都の動きなども踏まえまして,改めて検討させていただきます。
316: ◎ 高木委員 脱炭素社会の推進は,地球環境として最重要課題でございます。しっかり後期基本計画では重点項目として入れていただきますようお願い申し上げます。
次に,2029年度までの狛江市環境基本計画では,温室効果ガス排出削減目標が2030年度に2013年度比36%削減,2050年度に80%削減としております。一方東京都は今年1月に2030年までに2000年度比で50%削減を表明し,大きく前進しました。
近年の豪雨・台風被害の根本的な原因は地球の温暖化と言われております。今すぐ対応しても効果が出るのは何年も経てからでございます。しかし,今すぐ対応しないと10年後の子どもたちはもっと大きな自然災害を受けるかもしれない。2030年まで,この10年間の取組がその後の温暖化を左右するとも言われるほど重要ですが,狛江市として目標値の見直しは検討されますでしょうか。
317: ◎ 環境政策課長 市民,事業者,有識者などの議論を経て設定した現在の目標を軸にしつつも,変化する情勢を注視するとともに,市のポテンシャルも考慮しながら,多様な可能性を視野に入れて取組を進めてまいりたいと考えております。
318: ◎ 高木委員 エネルギー,脱炭素の方策は国際的にも公共,民間ともに著しく進歩しております。裏を返せばそれだけ地球環境の悪化も著しいということでもあります。目標とする数値は行政として大切なので,ぜひ御検討よろしくお願いします。
環境問題は脱炭素にとどまらず,プラスチックやごみの削減,緑の保全や生物多様性等多岐にわたります。そうした環境問題への対応は,持続可能な地球環境,日本の四季,そして狛江を実質的にも水と緑のまちとして子どもたちに引き継いでいくための最重要課題であります。
市長は議会初日の所信表明で脱炭素社会の推進と緑のネットワークなど,市内を緑豊かにすることを環境対策として表明されていらっしゃいます。こうした個別の環境対策の根本となる手だて,多岐にわたる環境問題に対応するための手だてとして最も大切なこと,そして誰でもすぐできることが1つございます。自分の毎日の生活スタイルを見直すことです。
これまでの生活スタイルを続けていけば,私たちは確実に自然の資源を消耗し,次世代に豊かな自然環境を引き継ぐことが難しくなります。環境活動家によると,今の日本でのライフスタイルは1年で地球3個分の資源を消費していると言います。未来の資源を食い潰していると言っても過言ではありません。地球から,個人から,生活の中から意識を変えていかねばなりません。
また,これからは持続可能な環境づくりにつなげる新しい経済活動の視点,クリーンリカバリーやグリーンニューディールという観点からの社会づくりが求められております。
今日の生活が明日も同じように営める保障はないとないことを思い知ったのが今世界全体で苦しんでいるコロナ禍です。環境も同様で,今の過剰消費の生活スタイルが将来において持続できる保障はありません。ポストコロナ社会を見据える中に,環境問題は最重要項目です。
再生可能エネルギー100%の電気を本庁舎に導入する御決断の根っこには,この大きな意識変革の必要性を狛江市でも御共有いただけていると考えますが,市長の御見解,そして今後の環境政策の方向性をお示しください。
319: ◎ 市長 近年の気候変動等の深刻化に加え,コロナ禍による急激な社会変化により私たちのライフスタイル,事業活動や価値観の転換が求められています。また,環境悪化の影響が未来社会に及ぼす影響に強い危機感を感じているところです。
持続可能な環境づくりには市民,事業者,行政が一体となって取り組むことが不可欠であり,特に市民の皆様がそれぞれの日常生活の中で環境負荷の低い行動を実践していただくことが大変重要なものと認識をしているところです。
そのためあらゆる場面で市民,事業者の皆様に対して多様な切り口での働きかけを継続し,持続可能な環境を意識した新たな価値観に基づく生活の定着を促進していく必要があると考えているところです。
引き続き市民の皆様の命と暮らしを守り,将来世代に対する責任を果たすため,持続可能な社会の構築に向けて取組を進めていきたいと考えているところです。
320: ◎ 高木委員 ありがとうございます。
本日10年目を迎える3月11日に,次世代に対する責任として私たちも日々の生活スタイルを変えていく努力をしたいとお誓い申し上げます。
残りの浸水災害対策と男女共同参画,そしてポストコロナを見据えた公共施設については,明日質疑させていただきます。
本日はありがとうございました。
321: ◎ 委員長 お諮りいたします。
本日は以上で打ち切るに御異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
322: ◎ 委員長 御異議ありませんので,本日は以上で打ち切ります。
明日午前9時から
予算特別委員会を開きますので,定刻に御参集お願いいたします。
本日はこれにて散会いたします。
お疲れさまでした。
午後 4時46分 散会
発言が指定されていません。 © Komae City. All Rights Reserved. ↑ 本文の先頭へ...