日野市議会 2022-12-02
令和4年第4回定例会(第3日) 本文 開催日: 2022-12-02
↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 午前10時01分 開議
◯議長(
古賀壮志君) 本日の会議を開きます。
ただいまの出席議員24名であります。
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2 ◯議長(
古賀壮志君) これより日程第1、一般質問を行います。
一般質問6の1、認知症と共に生きる希望社会のために
~ジェロントロジーの必要性~の通告質問者、
森沢美和子議員の質問を許します。
〔11番議員 登壇〕
3 ◯11番(森沢美和子君) チームみらい、立憲民主党の森沢美和子です。
日本の高齢化のスピードは世界一です。認知機能の低下は加齢とともに、誰もにリスクの可能性があります。その主な症状として起こる病気の総称が認知症です。超高齢社会を支えていくためには、大切なことは、私は以下の二つであると思います。
一つ目に、認知症状のある方たちが安心してまちに出て、人々が寄り添える環境をつくること。
二つ目は、地域で暮らす全ての人におもてなしの心と認知症の方との関わり方を学ぶ環境をつくること。
それは私の福祉の視点とともに、私自身が高齢家族の支え手として、なってみて改めて感じることでございます。
今日は、この二つの視点を日野市がどのくらい重要と考えておられるかを確認させていただきます。
質問いたします。現在、日野市で行っている
認知症支援について、予防対策、当事者支援、家族支援など、これまで主にやってきたことを時系列に伺わせていただきます。
4 ◯議長(
古賀壮志君) 答弁を求めます。
健康福祉部参事。
5
◯健康福祉部参事(志村理恵君) 市の
認知症支援で行ってきたことを時系列でお答えいたします。
市では
認知症支援として、最初の取組としては、平成18年度、
認知症サポーター研修を開始いたしました。平成19年度には
認知症家族介護者交流会を開始し、家族への支援の取組を始めております。平成26年度からは、
認知症高齢者家族の交流の場として、
認知症カフェを開始いたしました。また、認知症の普及啓発のため、
認知症ケアパスを作成し配布を開始するとともに、認知症を知る月間を設け、市民への普及啓発を図ってまいりました。平成27年度からは、認知症の高齢者や家族への支援、関係機関との
ネットワークづくりを行う専門員として、各
地域包括支援センターに1名ずつ
認知症地域支援推進員を配置しております。平成29年度からは
認知症初期集中支援チームが設置され、認知症の高齢者やその家族に対する専門家による個別支援が開始いたしました。令和3年度からは、
認知症検診を開始しております。
以上でございます。
6 ◯議長(
古賀壮志君)
森沢美和子議員。
7 ◯11番(森沢美和子君) ありがとうございます。
十五、六年前から、日野市では
認知症対策事業が始まっていたということ。認知症という呼び名に変わったのが2016年のことですが、社会的な課題として、国民の健康意識が向上してきた頃から注視していただいていたと思います。
それでは、それらの取組と現状について細かく聞いてまいります。
認知症検診についてです。令和3年度よりスタートいたしましたが、その対象者を70歳から79歳までとしたこと、その目的について、早期診断、早期治療とされた根拠をお示ししてください。
8 ◯議長(
古賀壮志君)
健康福祉部参事。
9
◯健康福祉部参事(志村理恵君)
認知症検診のことについてお答えさせていただきます。
認知症検診については、東京都が認知症の早期診断、対応を促進することを目的に、令和3年3月に
認知症検診推進事業実施要綱を策定し、区市町村での実施を定めました。
市では令和3年4月から実施しており、対象者は当該年度4月1日現在、70歳から79歳までの方としております。認知症の有病率が75歳から急激に上昇することから、認知症の早期診断、対応につなげるため、対象を70歳から79歳までとしましたが、80歳以上の方でも心配な場合には、
地域包括支援センターに相談して受診をすることができるようにしております。
目的については、東京都の
認知症検診推進事業の目的が早期診断、早期対応を促進することとされていることから、市においても認知症状を早期に発見し、早期に専門の医療機関やサービスにつなげることで、症状の軽減や進行を緩やかにすることが重要と考え、早期診断、対応を目的としております。
以上でございます。
10 ◯議長(
古賀壮志君)
森沢美和子議員。
11 ◯11番(森沢美和子君) 発症リスクが低い年齢のときからという早期実施の意図がよく分かりました。ほかにも多くの対策を実施しておりますので、現体制を細かく聞かせていただきます。
第4期日野市
高齢者福祉総合計画のこちらの第4章、高齢者施策の展開と管理目標の柱4には、認知症や
軽度認知障害(MCI)の当事者とその家族を支える仕組みの充実となっております。以下6点、まとめて質問をさせていただきます。
こちら、一つ目ですね。4101は増加の一途をたどっている認知症に関わる支援体制について述べておりますが、詳細と利用者の推移を伺います。
2番目、4102の
認知症地域支援推進員について、その役割とその成果を伺います。
3番目、4103の
認知症支援コーディネーターについて、その役割とその成果を伺います。
4番目、4201の
認知症サポーター養成の目的は、認知症の理解となっておりますが、さきに述べた
認知症地域支援推進員と
認知症支援コーディネーターとの連携支援もあるのか、その現状。また、この養成講座に参加したいという市民の声を多く聞いておりますが、どなたでも受講ができるのか、将来的な展望も含めた養成する目的を改めて伺います。
次に、5番目、こちらの4308、認知症のケアパスについて。こちらですね、2種類あるんですけれども、こちらの活用場面や成果を伺います。
6番目に4309、
認知症かかりつけ医などの充実について伺います。現在の市内の
年間受診者数と何らかの認知症の症状を保有する方の実数はどのくらいか、市として把握はしているのでしょうか。
以上6点、お願いいたします。
12 ◯議長(
古賀壮志君)
健康福祉部参事。
13
◯健康福祉部参事(志村理恵君) 御質問いただきました6点についてお答えいたします。
1点目の認知症に係る支援体制として、認知症の疑いのある方で医療につながっていない方や、医療につながっていても
介護サービスにつながっていない方を支援するため、
認知症初期集中支援事業を行っております。この事業は平成29年度、
認知症疾患医療センターに指定された多摩平の森の病院で実施を開始し、令和2年度からは七生病院が加わり、現在は2チームで
専門スタッフによる高齢者の家に出向いた訪問支援を行っております。
認知症初期集中支援チームの実績としては、令和2年度支援者数は18人、令和3年度は15人となっております。そのほか認知症の方や御家族、地域の方が参加する
認知症カフェの
オレンジ広場を開催しており、家族支援として
認知症家族介護者交流会を
地域包括支援センターが開催しております。
次に、2点目の
認知症地域支援推進員の役割についてお答えいたします。認知症の方が住み慣れた地域で安心して暮らし続けるために、地域の支援者や支援機関の間の連携を担う役割を担っています。市では
地域包括支援センター職員や多摩平の森の病院の相談員が務めており、10名の推進員が活動しております。
成果としては、
認知症地域支援推進員が地域の認知症の現状や市民の声を吸い上げ、
認知症対策推進会議へ検討課題として挙げることにより、認知症施策の充実が図られております。
次に、3点目の
認知症支援コーディネーターの役割についてお答えいたします。各区市町村に1名以上配置することとされており、日野市では高齢福祉課に保健師1名を配置しております。
認知症支援コーディネーターは、看護師、保健師等の医療職と定められており、認知症の個別ケースの早期発見や診断、対応などの支援や支援に関わる関係者の
認知症対応力の向上の役割を担っております。
成果としては、受診に至らない高齢者やサービスにつながらない高齢者の相談について、
認知症初期集中支援チームにつなげるなどの対応を図り、適切な医療や
介護サービス等の導入を図ることができております。
次に、4点目の
認知症サポーター養成講座についてお答えいたします。
認知症サポーター養成講座を受講した方は、
認知症サポーターとなります。
認知症サポーターは地域の見守りを担っており、気になる高齢者がいた場合、
認知症地域支援推進員や
認知症支援コーディネーターへ情報提供をいただくことで連携を図っております。
認知症サポーター講座は、希望する方、どなたでも無料で受講することができますので、お住まいの地域の
地域包括支援センターで講座の日程を御案内しております。
認知症サポーター養成講座は、認知症を正しく理解し、認知症の人や家族を温かく見守る応援者を地域で増やすことを目的に開催しております。
5点目の
認知症ケアパスについては、令和4年度から2種類を作成し配布しております。1冊目は、一般市民に広く認知症について普及啓発を目的としたもので、もう1冊は、認知症の方とその家族向けに作成した当事者用のものになります。一般市民用の
認知症ケアパスは、
認知症検診の対象者に
認知症検診の受診券と一緒に送付しております。そのほか
地域包括支援センターや高齢福祉課の窓口でも配布しております。当事者用の
認知症ケアパスは、
ケアマネジャーを中心に配布しており、認知症と診断された方への支援に活用しております。
成果としては、
ケアマネジャー等から認知症の状態や医療機関等の相談場所についての情報が具体的に明記されているため、説明時に活用しやすいとの意見をいただいており、活用が図られております。
最後に、
かかりつけ医の充実、年間の受診者数についてお答えいたします。
認知症検診を実施している医療機関数は、令和3年度は34機関、令和4年度は38機関となっております。日野市
かかりつけ医認知症研修を実施し、
認知症検診を実施する医療機関を増やす取組を行っております。
今後も医師会と連携し研修を実施して、
認知症医療機関を増やしていきたいと考えております。
認知症検診の令和3年度受診者数は1,084人となっており、検診の結果、要精密とされた方は120人でした。人数としては、第4期日野市
高齢者福祉総合計画策定時点の数値として、市内の要介護、要支援認定を受けている高齢者のうち、何らかの認知症の症状を有する人は4,660人、高齢者人口の10%となっておりますが、現在のところの正確な数字のほうは把握できておりません。
以上でございます。
14 ◯議長(
古賀壮志君)
森沢美和子議員。
15 ◯11番(森沢美和子君) ありがとうございました。
症状を保有する人、4,660人という数字には、本当に今の社会の現実を知るところでございます。
答弁の内容から、日野市は人々が受け入れ寄り添える環境、そして、おもてなしの心と認知症の方との関わり方を学ぶ環境の両方を目的とした事業があることが分かりました。
特に、ここで私が着目したのは、
認知症初期集中支援事業です。80代後半になると、医療につながっていなかったり、
介護サービスを受けていなかったり、様々な事情で中断してしまったりと、発症の気配を感じた頃にはどこにもつながっていない不安が本当に大きいものです。求める家族は多いのではないかと思いますので、周知に力を入れていただきたいと思います。特に80代世代は、検診年齢を超えてしまった方たちが心配になったらいつでも受け入れられる相談体制と情報手段のさらなる構築と強化についてもぜひ考えていただきたいと思います。
超高齢社会となり、高齢者の5人に1人は認知症になり得ると示されている中、それでも認知症に関する人々の意識はまだまだ敬遠しがちで、受診することをためらっている方たちも多い現状です。個人差はうかがえますが、例えばIT化やスマホの普及、変わっていく社会状況の中で、どうせ分からないもんと諦めてしまう方たち、それにより、さらに
認知機能低下のリスクを抱えてしまいます。どんなに努力されても脳の機能に衰えを感じてしまう方もいます。もちろん
シニアICT事業と並行して行っていただきたいことです。
この長寿化社会の中で高齢になるほどリスクが高くなる中、今後は認知症と共に生きていく社会が求められます。
世田谷区は、そんな希望を理念とした長期目標の条例があります。先日、四つの視点を大切にしているという保坂区長のお話を聞きました。その四つとは、今までの認知症の考え方を変える。みんながこの先、備えをする。ここで世田谷区は、予防ではなく備えと言っているところに着目をいたしました。3番目に、一人ひとりが希望を大切にし合い、共に暮らすパートナーとして支え合う。4番目に、認知症とともに今を生きる本人の希望と当たり前に暮らせること、人権、権利を一番大切にしていること。それが四つの視点です。ちなみに世田谷区の人口は92万人、高齢化率は20.33%。区内で認知症で悩んでいる人が10万人いるということを知り、取っかかりになったとのことでした。日野市よりも高齢化率が低い分、人口規模から支える担い手も多いということ。そのためにここまで充実していると思います。まさに障害者の権利条約の「私たちのことを私たち抜きに決めないで」と同様に、当事者の方を交えた条例づくりが行われたとのことでした。
そこで質問です。未来の施策は、子どもの将来を約束することだけではありません。私たち自身の世代の未来の環境を整えることも大切で、それは今の子どもたちの将来負担を減らすことでもあります。日野市の今後の超高齢社会の中で求められるあるべき認知症対策について、条例や要綱について現状をお聞かせいただきたいと思います。
また、一つ提案もさせていただきたいのですが、認知症の方々の環境づくりの一環として、文化、芸術は患者の記憶に残る歌や音楽など、日常にBGMとして流す
受動的音楽療法、または患者さん本人が自ら歌ったり演奏したりしたくなる
能動的音楽療法などの活用について、現在活動されている団体さん、市内でそういった活動をされる方たち、たくさんいらっしゃると思います。そういった方たちと連携するなど、超
高齢社会対策、諸力融合で乗り越えていきたいと思うのですが、そういったことが可能であるか、市の考えをぜひお聞かせいただきたいと思います。
16 ◯議長(
古賀壮志君)
健康福祉部参事。
17
◯健康福祉部参事(志村理恵君) まず、認知症対策の条例、要綱の作成についてお答えいたします。
市では平成29年4月、
認知症施策推進総合戦略、新
オレンジプランを受けて、日野市
認知症高齢者支援事業実施要綱を制定しております。この要綱は、市民が認知症になっても本人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域の環境で暮らし続けられるために、認知症の早期発見、早期対応に向けた支援体制を構築し、認知症の人及びその家族に対する医療、介護、生活支援のサービスなどが効果的に提供される体制を構築するため策定し、この要綱に基づき現在、認知症施策を推進しております。
御提案いただきました
受動的音楽療法や
能動的音楽療法については、活動している団体の活動を調査させていただき、認知症を知る月間等や
地域包括支援センター等の活動で活用できないか検討させていただきたいと思っております。
以上でございます。
18 ◯議長(
古賀壮志君)
森沢美和子議員。
19 ◯11番(森沢美和子君) 日野市の要綱を拝見いたしました。諸力融合で支援体制の構築を整えていることがよく分かりました。プラン等の中にも当事者に対する考え方などが触れていました。高齢社会の変化の現状からも、未来を考えた実施要綱の配慮も求められてきます。人々が受け入れ寄り添える環境、そして、おもてなしの心と認知症の方との関わり方を学ぶ環境。あと、もう一つ、これからの社会は、予防ではなく備えという視点を持って、今後の市民生活の希望となる条例についても、ぜひ参考にしていただきたいと思います。
では、このテーマ、最後の質問です。今の社会、私たちは何を目標にして生きるかなどの文化や教育はありませんでした。
ジェロントロジーという学問は、長寿を前向きに考え、寿命が延びたことを長く生きる時間を贈物として受け取り、どう、その価値を見いだすか考えていく学問です。早い時期から未来の自分を見詰めた学びも大切と考えますが、生涯学習や学校教育で、このような目的を持った教育の実施は今、現状あるのでしょうか。今後の必要性についても市のお考えをお伺いいたします。
20 ◯議長(
古賀壮志君) 教育部参事。
21
◯教育部参事(小林 真君) 生涯学習課では、生涯学習に関連する講座、イベントの案内や
市民活動団体等を紹介する生涯
学習ポータルサイトHi Know!等により、市民に対して様々な学びの場を提供しております。現状では、議員御指摘の
ジェロントロジー、老年学の要素を明確に含んだ講座等は本
ポータルサイトの中では見当たらないところでございます。しかし、人生100年時代となった現在、自らの人生をどのように生きるか、また、その人生を地域や社会でどのように支えていく必要があるのかを学び備えることは、極めて重要であると捉えております。
現状における
ジェロントロジーに対する市民の認知度はまだまだ高いとは言えませんが、今後は福祉部門とも連携を図り、効果的な情報発信を模索してまいりたいと考えております。
以上でございます。
22 ◯議長(
古賀壮志君) 教育部参事。
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◯教育部参事(長崎将幸君) 私からは、学校教育についてお答えいたします。
ジェロントロジーは、加齢に伴う心身の変化を高齢社会における個人と社会の様々な課題を解決することを目的として幅広い分野から研究する学問とされています。
学習指導要領には、
ジェロントロジーに直接触れている指導事項はございませんが、総合的な学習の時間において、福祉と関連づけ、高齢者との交流活動を中心とした授業実践を行っている学校がございます。
市内のある小学校では、総合的な学習の時間において、地域の
介護老人福祉施設との交流として、施設の方から高齢者の暮らしなどを教えていただいたり、児童が高齢者の方のためにできることを考え伝えたりする授業、学習を行っております。具体的には、
介護老人福祉施設の方が来校し、児童が福祉や
介護老人福祉施設に関することなどを学んでいます。また、児童が高齢者の方のためにできることはないか考え、高齢者の方に運動会の演目を披露したり、すごろくや動画を作成して施設の方を笑顔にする取組を行ったりしています。子どもたちからは、高齢者との関わりを通して高齢者の方の暮らしを知ることができた。高齢者の方の様子を想像し、伝えたいことや伝え方を考え工夫することで喜んでもらえた、などの声が上がっております。
教育委員会事務局では、総合的な学習の時間の取組を通して、児童が高齢者との関わりを持つことで高齢者の存在を身近に感じることができ、将来子どもたちが高齢者になったときのイメージを肯定的に捉えられるという効果も期待できると考えております。
今後も子どもたちと高齢者の方との交流などを通して、子どもたちの学びが深まるよう各学校を支援していきたいと考えております。
以上でございます。
24 ◯議長(
古賀壮志君)
森沢美和子議員。
25 ◯11番(森沢美和子君) ありがとうございます。
学問を学ぶということ以上に、共に関わること、一緒に接することで子どもたちの学びも深くなるということを今の答弁にて感じました。
最後の質問は、おもてなしの心と認知症の方との関わり方を学ぶ環境について、若い世代からも理解いただきたいという思いから質問をさせていただきました。
しかし、ケアを学ぶことは人に寄り添うこと、肯定して受け入れることです。例えば、事実でないことを認めるとか、自分の存在を認めてもらえない、そういったことも実際、認知症を対応するときにはあることですが、そういったことなど、子どもたちが行うことについては、もしかしたら様々な困難と混乱を招いてしまうこともあるかと思います。駄目なことを駄目と否定する環境では寄り添うことはできません。その現実を支援者自身も乗り越えていかなければなりません。対等な関係であればあるほど苦しいです。上からの支配では寄り添うことはできません。議論が先行してしまうと、ヤングケアラー支援とある意味対立してしまうかもしれません。
しかし、私が伝えたいのは、若い頃から知識を得るということでございます。認知機能の困難は、誰もがリスクがある課題です。我が事として若い世代から共に支え合っていただきたいと思います。そのことを申し上げて、最後に市長の所見をいただきたいと思います。お願いします。
26 ◯議長(
古賀壮志君) 市長。
27 ◯市長(大坪冬彦君)
森沢美和子議員より、認知症と共に生きる希望社会のために、
ジェロントロジーの必要性というような質問をいただきました。
健康福祉部参事より、この間の認知症対策、時系列的に話をさせていただきました。かなり短い期間に相当いろいろなことをやり始めているなという気がいたします。なかなか認知症の方が医療と、それからサービスにつながらないという方が多くて、医療とつながる方が少ないということで、令和3年度からは認知症の検診を始めたということがあります。その中で認知症の方の暮らし、これからどんどん増えていきます。それに対してどうしていくのかということで、二つの視点で御質問いただいたのかなというふうに思います。
当然、認知症の方もいろいろな方がいらっしゃって、住み慣れた地域で生き生きと自分らしく暮らしていくという地域社会をどうつくっていくかということで視点は変わりありませんが、当然、認知症は認知症特有の症状があって、それに対する特殊な対応も必要であります。そのことを学んでいかなければならないし、そのための進化というのは行政施策としても進んできたし、市民の理解も進んできたというふうに思います。
話を聞いていて一番感激したのは、予防ではなくて備えという言葉が非常に心に響きました。予防という言い方ですと、どうしてもその状態に対する否定的意識がある。だから、そこから守るということがあります。備えということになれば、誰でもなり得るから、それに備えるという。この二つの言葉の意味は、かなり違うのかなと思いました。どういうふうに備えるかということは非常に大切なのかなというふうに感じております。
今後、認知症の方々が増えてくる状況で、行政サービスをいろいろな形でさらに充実させていかなければならないと考えているところでございます。その上で、
ジェロントロジーという言葉をいただきました。調べてみますと、この学問は、アメリカで1930年代からどんどん発達していったわけであります。日本ではまだまだいまいちということらしいですけども。ただ、日本はいわば高齢化の先進国、フロントランナーであります。そういう意味で、逆に言うと、高齢化する社会に対して、個人と社会の関わりをどういうふうにつくっていくのかという意味での
ジェロントロジーというのは、本来は日本で先進的に研究されなければならないというような学問であるのかなと思っております。
そういう視点で提起をいただきました。いろいろな
ジェロントロジーについて、まだまだ我々行政としても、その認知、まだまだであるということではございますけれども、本来的には高齢先進国、認知症の方がこれから多分700万とか、それぐらいになってくるのかな、日本全国で。という状況でありますから、そういう視点でこれからの社会をどうつくっていくのかということを考えていかなければならないというふうに思います。その上で、備え、そして寄り添うという視点、これが必要なのかなというふうに思っております。
今、要綱については御説明させていただきました。今後、条例もというお話であります。ケアのことも含めて、どういうような例規、条例の整備が必要かということ、今のところ要綱でやっておりますが、これからさらに、これからの高齢化社会、とりわけ認知症の方に対する備え、認知症社会への備えということについては、いろいろな条例例規の整備が必要となろうと思いますので、またいろいろと御指導いただきながら、どういうものがいいのかということを考えて、そういう整備もしていきたいと思っております。
以上です。
28 ◯議長(
古賀壮志君)
森沢美和子議員。
29 ◯11番(森沢美和子君) 市長、ありがとうございます。いつも私の一番伝えたいことをしっかり捉えてくれる市長の答弁、ありがたいと思っております。
これで1番目の質問を終わらせていただきます。
30 ◯議長(
古賀壮志君) これをもって6の1の質問を終わります。
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31 ◯議長(
古賀壮志君) 一般質問6の2、希望のもてる組織と環境づくりのために~なぜコンプライアンス違反が起きるの?~の通告質問者、
森沢美和子議員の質問を許します。
32 ◯11番(森沢美和子君) 前の質問と共通するキーワードは希望です。市の職員含め、誰もが希望の持てる未来にしていくことを軸に、次の質問を行ってまいります。
決算特別委員会の私の総括質疑のとき、懲戒リスク事案の相談件数9件の内容が分かる資料を9月21日に請求をさせていただきました。私自身、公の場で請求したのは初めてのことで、いつ回答をいただけるのかと思って待っておりましたが、なかなか回答をいただけず、3週間たったときに議会事務局長に請求をさせていただきました。その後、実際に資料を頂いたのは、その2日後の10月14日でした。既に提出された資料であるのに、なぜこんなに時間を要したのか、最初に伺います。
33 ◯議長(
古賀壮志君) 答弁を求めます。総務部長。
34 ◯総務部長(竹村 朗君) 令和3年度日野市一般会計決算特別委員会の場でも申し上げましたが、当該9件の内容については、その情報の整理、把握が十分にできていない状態でございました。今回、議員からの資料請求を受けて、市の組織として回答するため、その内容を関係各課に確認し、取りまとめたものを提供させていただいたものでございます。そのためにお時間をいただいたものでございます。
以上でございます。
35 ◯議長(
古賀壮志君)
森沢美和子議員。
36 ◯11番(森沢美和子君) 9月の時点で常勤の法曹有資格職員が作成した9件の懲戒案件の報告書があることを私は聞いていたので、それを請求したつもりでおりました。市の組織としての回答とは異なる見解であったということなのでしょうか。公表できない箇所があることは理解できます。黒塗り提供でもよかったのかなと思われます。提出者にとっては、自分の職責として提出した報告書だと思います。新たに書き換えてしまったとしたら、そのような組織の中で、職員は果たして希望が持てる仕事ができるのでしょうか。文書管理の課題として検証いただきたいと思います。
次に、その9件のうち1件は、10月31日付のプレスリリースにて公表された案件であることが分かりました。プレスリリースの内容は、被処分者が業者の見積りを依頼し、その際、他の分の見積りも併せて提出するような依頼をする。複数の業者に対し、メールを一斉送信した不適切な事務処理云々という案件のことです。
令和3年度の懲戒処分案件が今年の10月14日時点でも調査中となっていたのは、とても不自然でした。その案件について、以下、質問をいたします。
まず初めに、提供いただいた関連資料の事実経過は、平成29年から令和3年度のことなのに、職員課の報告は、今年の10月25日と処分が先延ばしになっています。この時期の発表になった理由を伺わせていただきます。
37 ◯議長(
古賀壮志君) 総務部長。
38 ◯総務部長(竹村 朗君) 令和4年10月31日付で行いました、まちづくり部における不適切な事務処理に対する懲戒処分について、経緯を御説明いたします。
発端は、令和3年度に外部からの情報提供があり、内部調査に着手したものでございます。過去数年間にわたる多くの資料の確認に、当然のことながら時間を要したこと、関係者のヒアリング等を慎重に行ったこと、調査の途上において、調査対象となっていた職員の体調不良により一時、調査を中断せざるを得なかったことから、調査に時間を要したものでございます。
また、事案の性質上、非違行為を事実として認定するための考え方や処分量定の妥当性につき、内部での検討のみではなく外部の弁護士の助言も仰ぎながら、慎重に最終的な報告を取りまとめたため、このことも処分決定までに時間を要した一因であると認識してございます。
以上でございます。
39 ◯議長(
古賀壮志君)
森沢美和子議員。
40 ◯11番(森沢美和子君) この回答は、職員への体調配慮や、この後、質問いたしますが、処分の検討のために時間を要したとのことで、理解はいたしました。
では、この案件はいつ、どのような経緯で発覚したのでしょうか。
41 ◯議長(
古賀壮志君) 総務部長。
42 ◯総務部長(竹村 朗君) 先ほどの経緯の点で申し上げましたが、本件発覚の経緯は、外部からの情報提供によるものでございます。具体的に申し上げますと、令和3年4月、警視庁より、元副市長が逮捕された事件に関連して、警視庁に市が押収された資料の中に、今回の処分事案となった職員の不適切な事務処理が疑われる資料があると、市に対し情報提供があったことでございます。その後、複数回にわたり市から警視庁へ関係資料を提出しておりましたが、令和3年10月、警視庁から、本件については市において内部調査を行うよう助言がありましたことを受け、まちづくり部及び職員課が調査を行い、事実関係を確認した後、日野市職員懲戒分限審査委員会にて審査を行い、審査結果を踏まえて懲戒処分に至ったものでございます。
以上でございます。
43 ◯議長(
古賀壮志君)
森沢美和子議員。
44 ◯11番(森沢美和子君) 発覚の経緯は理解いたしました。
それでは、報告書の内容について確認したいことがございますので、以下、四つ質問をさせていただきます。
1番目、これは官製談合防止法に反する行為ではないのですか。
2番目、この案件について、処分内容は非違行為に見合うものであったのでしょうか。
3番目、被処分者は、それを承知して行ったことなのでしょうか。
4番目、それに対する組織内でのチェックや確認はあったのでしょうか。
以上4点、順に御回答をお願いいたします。
45 ◯議長(
古賀壮志君) 総務部長。
46 ◯総務部長(竹村 朗君) 4点について御質問いただきましたので、順次お答え申し上げます。
まず、1点目の入札談合等関与行為の排除及び防止並びに職員による入札等の公正を害すべき行為の処罰に関する法律、いわゆる官製談合防止法に違反している案件であったのかという点についてお答え申し上げます。
官製談合防止法第2条第5項各号において、発注機関の職員が行ってはならないとされている入札談合等関与行為は、大きく分けて4点ございます。
1点目は談合の明示的な指示で、これは事業者ごとの年間受注目標額を提示し、事業者にその目標を達成するよう調整を指示すること等とされております。
2点目は受注者に関する意向の表明で、受注者を指名または受注を希望する事業者名を教示すること。
3点目に発注に係る秘密情報の漏えいで、本来公開していない予定価格を漏えいすることなど。
4点目は特定の談合の幇助で、指名競争入札において、事業者から依頼を受け、特定の事業者を入札参加者として指名し、入札談合を容易にする行為などとされてございます。
一方、本件において不適切であったとした行為は、業者に見積りを依頼する際、他社の見積り分を併せて提出するよう依頼をしたこと及び複数の業者に対し、それぞれのメールアドレスを「To」宛先欄に入れて一斉送信する形で依頼したことでございます。
この行為が先ほど御説明いたしました4点のいずれかに該当し得るかということでございますが、まず、談合を促すような談合の明示的な指示は認められておりません。また、本件においては、不適切な方法で見積りを取った事業所管課と実際に入札に当たり指名業者を決定する総務課契約係の間において、指名業者の選定について、意思を通じていたという証拠は認められていないことから、特定の業者からの依頼に基づき指名業者を選定するというような特定の談合の幇助や事業所管課が実態を伴って受注者に関する意向の表明を行うことは不可能であり、これも認められておりません。そして、発注に係る秘密情報の漏えいも、予定価格の教示と秘密の漏えいに該当する事実は認められておりません。
以上により、本件は官製談合防止法に違反する行為とは認められないというのが市の結論でございます。
次に、2点目の処分内容は非違行為に見合うかどうか、処分量定の考え方でございます。懲戒処分量定を判断するに当たっては、日野市懲戒処分の指針に基づき、これを行うこととしており、本件の場合は、指針に掲げております標準例のうち、不適切な事務処理、「故意又は重大な過失により適切な事務処理を怠り、又は虚偽の事務処理を行い、公務の運営に重大な支障を生じさせた職員は、停職又は減給とする」を適用しております。
実際の量定の決定に当たっては、非違行為の動機、態様、被害の大きさ及び司法の動向など社会的重大性の程度、非違行為を行った職員の職責、過失の大きさ及び職務への影響度など信用失墜の度合い、類似の事案に対する処分量定などを総合的に考慮するものとされており、本件につきましても、これらの事情を総合的に勘案し、減給10分の1、2か月という処分を決定しております。
なお、事実認定や処分量定の考え方については、先ほどの御説明の中でも申し上げましたとおり、内部の検討のみではなく、外部の弁護士にも助言を仰ぎ、このことを踏まえて判断しております。
次に、3点目、被処分者は、それを承知し行っていたのかについてですが、被処分者は、実際に行為があった当時においては、自身の行為の問題点を十分に認識できていたとは言えない状況であったと判断しております。
最後に、4点目の組織内でのチェックや確認についてでございますが、行為があった当時、今回の行為のようなやり方に異議を持っていた職員は存在していたものの、組織内において異議が共有されることはなく、所属長もまた同様であったことから、組織としてのチェック機能が果たされていなかったものと確認しております。
以上でございます。
47 ◯議長(
古賀壮志君)
森沢美和子議員。
48 ◯11番(森沢美和子君) コンプライアンス遵守の側面から、1について申し上げます。
ただいまの答弁にて、発注機関の職員が行ってはならないこととされる入札談合関与行為は、談合の明示的な指示、発注に係る秘密情報の漏えい、特定談合の幇助などとされていると御説明をいただき、それらは認められなかったとのことでした。
官製談合防止法は、入札談合等関与行為と入札等の公正を害すべき行為を規制しています。今の御説明だと、官製談合防止法2号5項の入札談合等関与行為の検証は行われていますが、もう一つの規制である8条の入札等の公正を害すべき行為については行われていないように受け取れます。
次に、2の処分量定について。日野市の懲戒処分の指針は、御指摘の規定の処分はおっしゃるとおりなのですが、ほかに官製談合防止法8条の規定とほぼ同じ規定を設けて、入札等の公正を害すべき行為を行った職員は、免職または停職とすると、私が請求させていただいた資料である職員の非行に関わる事案についても記載されていたことでした。
この法的判断は職員課で行い、弁護士の助言を受けているようですが、全ての事実を総合的に伝えたのか、私は疑問に思ったところです。
次に、個人と組織の関係から起こり得るコンプライアンス違反という側面から、3、4について申し上げます。
被処分者は、行為の問題点を十分に認識していたとは言えなかった状況と判断したとの答弁ですが、日々の業務は、教えられて引き継がれて学んでいくものだと思いますが、報告や相談する環境もないとしたら、業務執行の後先に起こることの考慮もできないと思います。そのような組織だとしたら、職員は不安だけが募り、希望は持てない職場となります。法律に違反することを知らなければ、故意が否定されて過失になってしまうという判断を市がされたことになります。
この案件は、今にたどり着くまで長い時間を要したということは、先ほど来の質疑で多くの資料の確認や関係者のヒアリングを慎重に行ったとのことでした。これだけの時間の中でしたら、関係職員のみならず、対象となる業者さんのヒアリングからも詳細の把握は可能だと思うのですが、提出いただいた資料に業者への聞き取りの実態は読み取れませんでした。
コンプライアンス遵守の側面から申し上げますと、発注者側が当該事業者と接見し見積りを依頼されたという事実は、官製談合法8条の入札等の公正を害すべき行為であることは、公正取引委員会事務局発行の「入札談合の防止に向けて」の51ページに記載されている判例を読むだけで、素人の私にでも分かってしまいます。
行為者への認識が組織として不十分だと思います。何年にもわたり問題の行為を繰り返していることからすると、業者の見積書を総務課契約係に提出すれば、当該事業者が指名業者となることを認識していたと考えるのが合理的です。組織の連携で行う行為、その処分が組織の都合で決められてしまっていないか、今、不信を抱いています。
元副市長問題など、今も疑惑解明を求められている現実の中にいます。市による解決の視点と問題を指摘する方たちの解決の視点が違っていることが、その間に挟まれている立場で正直苦しく、どちらの味方につくのか試されていたような気がしていました。もし争いの組織構造があるとしたら、今朝のワールドカップサッカーのように、本当にフェアに戦っていただきたいと思います。今、分かっている真実を包み隠さないことで、戦いはノーサイドになります。この処分については、法律上の問題など、北川原判決で得た教訓を生かしていただきたいと思います。
次に、組織の行為ではなく、たった1人の職員の非違行為で処分が決まったプレスリリースのもう一つの案件についてです。
こちらは、診断書の偽造で長期休暇を取っていた職員の免職処分の件です。職員課報告書によると、個人の背景から入るのではなく、行った行為の事実とその非違性の検証のみ行われています。当事者はなぜそのような行為を行ってしまったのか、当事者の事情には少しだけ触れていましたが、実際に話しておらず、あくまでも予測の文面にしか私には読み取れませんでした。当事者と面談等で内情を理解する行為があったのか伺います。
49 ◯議長(
古賀壮志君) 総務部長。
50 ◯総務部長(竹村 朗君) 被処分者への事情の確認については、行為が発覚した後、令和4年9月に事情聴取という形で2回、10月に面談という形で2回、対面して話を聞いております。また、これに加え、調査の途上において、令和4年5月には被処分者の自宅を訪問し、また、6月には被処分者が入院中の医療機関を訪問し、面談をしてございます。
本件において診断書の偽造が認められたのは、令和3年12月以降でございますが、これ以前においても被処分者は体調に不安を抱えていたことから、所属の上司は面談や日々の声かけは十分以上に行っておりましたし、業務の割り振りについても、本人の体調や心情にしっかりと配慮をしながら行っていたと認識しております。
以上でございます。
51 ◯議長(
古賀壮志君)
森沢美和子議員。
52 ◯11番(森沢美和子君) 事前に防止できなかったことがとても残念ですが、上司は日々気にかけられていたとの答弁でした。
こちらの懲戒分限審査委員会へ提出した報告書には、職員がここに至ったこれまでの仕事状況や経緯などの記載はなく、非違行為の事実と問題発覚の時期からのやり取りのみでした。この報告書だけでは福祉的支援につなげるような見立てもできませんが、もし一つ申し上げるとしたら、日々体調不良で困難を抱えている職員は、しかるべき部署と連携して水面下での支援に当たる必要を感じます。今、庁内には、職場環境と個人との相互作用に困難を抱える職員は少なくないと思います。たった1人の行為であると、前の事例のように長時間の検討は要さず、免職処分が決定してしまう、このギャップを感じてしまいました。
今回は二つの案件を取り上げましたが、全てのコンプライアンスについて、なぜコンプライアンス違反が起きてしまったのでしょうか。組織として、起こってしまった原因を考えていただきたく、御回答いただきたいと思います。
53 ◯議長(
古賀壮志君) 総務部長。
54 ◯総務部長(竹村 朗君) 令和3年度中の懲戒リスク事案として挙げられております9件については、行為の性質も行為の背景も、それぞれ大きく異なっております。また、いずれも懲戒リスクとされ、実際にそのうちの複数件が懲戒処分に至るほどの重大な出来事であり、当然その背景要因も重く複雑なものですから、一概には申し上げにくいということは御理解いただきたいと思います。
また、9件の詳細な内容は公表していないことや、現時点においても継続中の事案も含まれておりますことから、個々の案件につき詳細な分析をこの場で申し上げるということも難しいということも御理解いただきたいと思います。
その上で、可能な範囲で御質問にお答え申し上げるなら、比較的共通した要因としては、組織として必要な厳しさを欠いていたということが挙げられるのではないかと考えております。9件の事案の多くが、ある一定の時点における単発の非違行為ということではなく、長年にわたり行為が継続されていた、また、組織が長年蓄積していた暗黙のルールや空気が行為を助長していたという側面もあったというように認識をしてございます。
今後、一つ一つしっかりと改めていくことが一番大切なことだと思っております。行為の端緒の段階で、駄目なものは駄目という毅然とした指導がしかるべき立場の人物により行われていれば、懲戒リスクというような事案にならなかったのではないかという特徴は、複数の案件に通ずることと感じてございます。
日野市という組織は、市民のために仕事をする組織であるという基本に立ち返り、必要な判断を必要なときに必要な人が行えるよう職員に研さんを積ませるとともに、それぞれの職員に職務上必要な厳しさを求めていくことで組織規律を確立していくことが肝要であると考えてございます。
以上でございます。
55 ◯議長(
古賀壮志君)
森沢美和子議員。
56 ◯11番(森沢美和子君) 組織が長年蓄積していた暗黙のルールや空気が行為を助長、そう認識されているとの答弁でした。
では、続けて、その再発防止について伺います。また、法曹専門家との関わりをいかに活用するか、そこも伺わせていただきます。簡潔にお願いします。すみません。
57 ◯議長(
古賀壮志君) 総務部長。
58 ◯総務部長(竹村 朗君) 先ほど申し上げましたとおり、各事案、いろいろな要因があり、個人的な要因ではなく、組織としての要因が問題の発生に影響していると考えてございます。これらの既に起こってしまった事例や、また今後、事件が起こってしまった際に、内部統制制度を中心にした再発防止の取組の中で、リスク事例として、その問題発生の原因をそれぞれ整理し、再発防止策を講じてまいります。
また、先ほど申し上げましたとおり、まずは駄目なものを駄目ということを言うべき現場の人物がしっかりと言っていくこと。これを通じて組織規律を再確立していくということが必要かと考えてございます。
もっとも指導とハラスメントという境界というところについて昨今の風潮として、また、これら懲戒リスク案件にも含まれておりますとおり、ハラスメントへの感度が非常に高まっていることから、大変に難しいところではございますが、本来必要な指導が行えないというようなこともないようにしたいと考えてございます。
また、この間、職場に関する各種相談制度については、充実を図ってきたところではございますが、職場内で解決が困難な事案について、早急な組織対応が行えるようにしてまいりたいと考えてございます。
また、法曹専門家の活用については、長年組織内部にいる職員では気づきにくい問題点について、専門家として客観的な視点から御意見をいただくことで、その改善に努めてまいりたいと思ってございます。
日野市として、職場として必要な厳しさを持って組織規律を再確立していくということが不祥事の未然防止につながることはもちろん、働きやすい職場、言うべきことを言える職場、希望を持って働ける職場づくりのために必要と考えてございます。
以上でございます。
59 ◯議長(
古賀壮志君)
森沢美和子議員。
60 ◯11番(森沢美和子君) ありがとうございます。
ちょっと時間がなくなってきてしまったので、市長の所見は割愛させていただき、同じ質問をあと2名すると思うので、そこに託したいと思います。私の意見だけ申し上げます。
答弁に希望という言葉を入れていただきましたが、未来の日野市を考えたときに、今、職員は希望を持った組織となっているのか、本当に考えていただきたいと思います。
必要な指導とハラスメントの境界というのも周知するとおっしゃられていましたが、人それぞれパーソナリティーがある中、指導とハラスメントの境界を周知することは、私は困難であると思います。そこは境界との相互作用の中で、環境との相互作用で各自が判断することだと思います。多様性といえども同じ人間です。支え合っていくために、自分の役割は何かを考えていただきたいと思います。
現在、日野市にはおりませんが、法曹専門家は、組織の中でコンプライアンス違反が起こらぬよう職員の相談を日頃より受け、正しい知識に基づいた法的助言ができる役割です。組織の中で役割を与えられた方は、管理職をはじめ、課長、課員、係員の心理的な安定を守っていくことも役割の一つだと思います。職員が相談しやすい環境の整備を行うのであれば、業務体制の確立ということではリーガルチェックの必要が不可欠です。北川原訴訟、債権放棄議決を受けても、市はその必要性を述べております。その都度、質問の際に述べさせていただきました指摘については、どうか市として考えていただきたいと思います。
この質問に対して、終わらせていただきます。
61 ◯議長(
古賀壮志君) これをもって
森沢美和子議員の一般質問を終わります。
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62 ◯議長(
古賀壮志君) 一般質問7の1、幼児教育の今後の在り方等についての通告質問者、馬場賢司議員の質問を許します。
63 ◯20番(馬場賢司君) それでは、通告に従いまして、この間、日野市立第四幼稚園の閉園計画についての見直しなどについて、在園児や卒園児等の保護者の皆様からのお声をいただいたことを踏まえ、これまでの経緯や経過なども含めて順次質問をさせていただきます。
それでは、まず1点目として、日野市の公立幼稚園が設置された経緯、また適正規模、適正配置等検討委員会の答申を基にしたこれまでの経過についてお伺いしたいと思います。
64 ◯議長(
古賀壮志君) 答弁を求めます。教育部長。
65 ◯教育部長(村田幹生君) 昭和40年代の幼児人口の急増期、私立幼稚園の収容人数を超えた幼児を受け入れるために、昭和40年に第一幼稚園及び第二幼稚園、翌年、昭和41年に第三幼稚園、昭和48年に第四幼稚園、翌昭和49年に第五幼稚園、翌昭和50年に第六幼稚園、昭和60年に第七幼稚園が設置されてきました。幼児人口は昭和50年の1万6,781人をピークに減少に転じ、平成9年にはピーク時の半数程度の8,672人となり、公立、私立幼稚園の双方が定員割れへと転換期を迎えます。
教育委員会は、この状況を改善するため、条例設置の日野市立学校適正規模、適正配置等検討委員会からの平成10年の第1次答申、平成11年の第2次答申を基に、平成12年に公立幼稚園の適正配置に関する基本方針を策定し、平成14年に第五幼稚園と第六幼稚園を統合、平成17年に第一幼稚園と第七幼稚園の統合を行いました。平成20年代以降は、共働き世帯の増加や家庭環境の多様化により、子どもを長時間預けられる保育園等を希望する保護者が増加し、待機児童の解消が社会的な課題となっており、保育園等の希望者の増加に伴って、公立幼稚園、私立幼稚園の定員割れの状況が拡大しておりました。
このような状況の中で、前述の基本方針に定められた第三幼稚園と第四幼稚園の統合を平成29年4月に行いましたが、公立幼稚園の欠員にさらなる増加傾向が見られるため、公立幼稚園の適正配置の検討が必要となりました。
教育委員会は、平成29年11月に日野市立学校適正規模、適正配置等検討委員会に公立幼稚園の適正配置について諮問し、平成30年3月に得た答申を尊重し、令和3年4月に第五幼稚園と第四幼稚園の統合を行っております。これにより、現時点では、公立幼稚園は第二幼稚園、第四幼稚園、第七幼稚園の3園による運営体制となっております。
以上でございます。
66 ◯議長(
古賀壮志君) 馬場賢司議員。
67 ◯20番(馬場賢司君) ありがとうございました。
私は先月、府中市へ行政調査に行き、幼児教育や気になる子どもへの対応等について、お話を伺わせていただきました。府中市では、昭和40年頃から始まった幼児人口の増加による私立幼稚園の定員不足に対応するため、その補完施設として、昭和45年から51年にかけて公立幼稚園3園が設置され、これまで運営されてきたということ。しかしながら、幼児人口の減少や保育施設への需要の高まりなどにより、定員に対する充足率が低下。平成15年度に府中市公立幼稚園教育検討協議会が設置され、閉園の時期などについて検討されたということでした。そして、既に2園を閉園。最後の3園目も今年度末に閉園をするということであります。
こうした他市の状況も踏まえ、次の質問に移ります。
次に、2点目として、第四幼稚園閉園計画の経緯についてお聞きしたいと思います。具体的にどのような計画なのか、お伺いしたいと思います。
68 ◯議長(
古賀壮志君) 教育部長。
69 ◯教育部長(村田幹生君) 平成30年度から令和4年度の5年間を比較しますと、未就学児人口、ゼロから5歳児の情報になりますが、これは年々減少する中でも、保育園等の在園児数は令和3年度まで増加し続けております。一方で、幼稚園の在園児数は、公立、私立を問わず年々減少しております。その中でも公立幼稚園の在園児数は、急激に減少している状況です。
全国的にも保育園等の待機児童が問題となっておりましたが、日野市においても保育所等の整備による対策を進めたことにより、待機児童は一定程度、解消するに至りました。
このように、幼児人口の減少や保育園ニーズの高まりから、保育園の在園児数が増加の一途をたどる一方で、公立幼稚園の在園児数の急激な減少に対応するため、令和3年7月に、市は日野市立学校適正規模、適正配置等検討委員会に諮問し、同年11月に答申を受けました。答申は、幼児人口の減少傾向や定員割れといった現状だけを踏まえて公立幼稚園の件数を論じているものではありません。公立幼稚園は、これまで就学前の幼児教育において、センター的役割を果たしてきたことや、子どもを取り巻く環境の変化とともに、その時代に即した教育の質をアップデートしながら幼児教育を提供してきたことに功績があることについて言及しています。その上で、年々幼児人口が減少しており、今後も減少傾向が継続すると考えられること、また、年々公立幼稚園の在園児数も減少しており、幼児期の発達段階において、集団性と協同性の芽生えを育む観点から、一定数の望ましい学級人数が求められることなどにより、3園を維持継続することは適正数とは考えにくく、1園減らすこと、そして、園舎の老朽化の状況から、第四幼稚園を適正配置の対象とすることなどを結論づけています。
答申の内容については、これまでの教育委員会定例会等での議論にて、妥当であり合理的なものと判断したため、令和4年8月15日、教育委員会定例会にて作成した日野市立学校適正規模・適正配置等の基本方針(素案)及び市立幼稚園閉園計画(素案)は答申を尊重した内容となっております。
計画の素案の内容としましては、第四幼稚園を閉園すること、閉園実施日を令和6年度末の令和7年3月31日とすること、今後の第四幼稚園の園児募集について、最終年度となる令和6年度入園児募集については、転園が必須となる4歳児、すなわち現2歳児の募集を行わないことなどを記載しています。
なお、計画の素案に関する説明会や素案に対するパブリックコメントにおいて、様々な御意見、御要望をいただきました。それらについて、令和4年10月29日の教育委員会臨時会にて、素案の一部を修正することとし、修正の方向性を骨子としてまとめております。素案は今後、保護者の皆様などから御意見を伺いながら、教育委員会において検討審議し、修正した後、改めて説明会やパブリックコメントを行い、保護者、市民の皆様の御意見、御要望をお伺いする予定となっております。
以上でございます。
70 ◯議長(
古賀壮志君) 馬場賢司議員。
71 ◯20番(馬場賢司君) ありがとうございました。
答申では、幼児人口の減少傾向や定員割れといった現状だけではなく、公立幼稚園が果たしてきた幼児教育の役割やその時代に即した幼児教育の提供などについて言及をしているということでした。この辺りの部分は、今後の幼児教育の在り方について、後ほど具体的にお伺いしたいと思います。
次に、3点目として、第四幼稚園及び公立幼稚園、また私立幼稚園の園児のここ数年間の状況や来年度の状況、また、園児1人当たりの経費の状況などについて伺います。
72 ◯議長(
古賀壮志君) 教育部長。
73 ◯教育部長(村田幹生君) 公立幼稚園全体の園児数について、まず、各年度の5月1日現在の状況で比較しますと、平成30年度時点は4園で、全園児数の合計は253人でした。全園児数の合計は、令和元年度196人、令和2年度148人と減少が続き、令和2年度末には第五幼稚園が閉園となりました。その後も減少は続き、令和3年度98人、今年度、令和4年度は79人となり、4年前の平成30年度との比較で、ほぼ3割まで減少しております。今年の11月1日から令和5年度入園児募集を行いました。応募者は、令和4年11月25日現在、3園合計して19名で、内訳は、現3歳児18名、現4歳児1名です。現4歳児と合計した令和5年度の全園児数は57名になることが見込まれております。
この園児数の推移を第四幼稚園の園児数で見ますと、同じく各年度の5月1日現在における比較で、平成30年度時点では、4歳児と5歳児合わせて49人、令和元年度は44人、令和2年度43人と微減傾向が続き、令和3年度29人、今年度は26人となっております。今年11月1日から7日の令和5年度入園児募集では、第四幼稚園の応募者は、3歳児6名、現4歳児と合計した令和5年度の全園児数は18名になることが見込まれております。
次に、私立幼稚園についても同様に減少傾向となっており、園児数は、平成30年度が1,805人、令和元年度は1,769人、令和2年度は1,728人、令和3年度は1,629人、令和4年度は1,500人となっております。私立幼稚園全体の定員の規模はほとんど変わっていないため、欠員数は年々増加していることとなります。今年実施された令和5年度入園児募集については、実際に何人の方が入園されるかはまだ不明ですが、応募者数だけで比較すると、昨年、一昨年よりも減少していることから、園児数の減少、すなわち欠員の増加が見込まれております。
次に、園児1人当たりの経費について御質問いただきました。市では毎年、1点目、当該事業に要する人件費等を含めたコストを明らかにすること、2点目として、当該事業に係る市民の受益と負担の関係や市民税等の一般財源の充当状況を明らかにすること、3点目として、利用者1人当たりのコスト等、単位コストを明らかにすることを目的に、事業別コスト計算書を作成しています。事業別コスト計算書では、市民に身近な行政サービスの提供について、1年間のコストとそれがどのような収入で賄われたか、また、利用者1人当たりなどの単位コストは幾らになるのかなどを明らかにしています。
最新の令和3年度の幼稚園事業を見ますと、公立幼稚園の園児1人当たりにかかる年間の総コストは166万2,324円となっております。このコストは、市民の皆様の税金が園児1人当たりにどれだけ使われているのかというものを示すものになります。一方で、私立幼稚園の園児1人当たりにかかる年間の総コストは38万8,603円となっており、公立幼稚園の4分の1程度となります。園児数が減少しても、公立幼稚園にかかる人件費や管理運営経費といったものは大きくは変わりません。一方で、園児数は減少が見込まれることから、次年度以降のコスト比較では、さらに1人当たりの単価が上がり、私立幼稚園との差が顕著になることが予想されます。
なお、公立幼稚園は、コストの議論で閉園をするものではございません。公立幼稚園に通う子どもたちの学びと育ちにとって望ましい環境を整えることを基本としております。繰り返しになりますが、日野市立学校適正規模、適正配置等検討委員会における答申では、年々幼児人口が減少しており、今後も減少傾向が継続すると考えられること、また、年々公立幼稚園の在園児数も減少しており、幼児期の発達段階において、集団性と協同性の芽生えを育む観点から、一定数の望ましい学級人数が求められることなどから、3園を維持継続することは適正数とは考えにくく、1園を減らすこと。そして、園舎の老朽化の状況から、第四幼稚園を適正配置の対象とすることなどを結論づけております。
答申の内容については、これまでの教育委員会定例会等での議論にて、妥当であり合理的なものと判断いたしました。日野市立学校適正規模・適正配置等の基本方針(素案)及び市立幼稚園閉園計画(素案)は答申を尊重した内容となっております。
以上でございます。
74 ◯議長(
古賀壮志君) 馬場賢司議員。
75 ◯20番(馬場賢司君) ありがとうございました。
第四幼稚園を含めた公立幼稚園及び私立幼稚園も含め、ここ数年間で園児数が減少している傾向、また、園児1人当たりの経費の状況などについて確認をさせていただきました。
それでは次に、ここからは、これまでの説明会の状況などについて質問していきたいと思います。
まず、4点目として、保護者の皆様への説明など、これまでの説明会の経過、状況について伺います。
76 ◯議長(
古賀壮志君) 教育部長。
77 ◯教育部長(村田幹生君) 令和4年8月15日、教育委員会定例会にて作成した日野市立学校適正規模・適正配置等の基本方針(素案)及び市立幼稚園閉園計画(素案)につきましては、広報ひの9月号で周知した後、9月12日に第四幼稚園において、在園児とプレ保育に近い位置づけであるぷちっこの保護者を対象とした保護者説明会を開催いたしました。また、保護者以外の方も対象とした住民説明会につきましては、10月1日の午前に1回、午後に追加してもう1回、さらには10月23日に追加開催し、計3回実施しております。また、9月15日から10月14日までの30日間にわたってパブリックコメントを実施してまいりました。その中で多数の御意見、御要望をいただいている状況です。
全てを御紹介し切れませんが、主なものといたしましては、第四幼稚園の存続を求めるものとして、子どもにとっても保護者にとってもかけがえのない場所。閉園反対。支援の必要な子のよりどころである。インクルーシブ教育が実現しているなどといったものがございます。水害に関する記述につきましては、近隣が住宅地なので理由にはならない。浸水が閉園の理由では納得できないといったもの。第四幼稚園を閉園すると公立幼稚園は西側に偏り、東側に住む市民としては不公平。地域差はあってはならない。車でないと送り迎えは無理であるといったもの。ぷちっこで通う現2歳児が卒園するまで閉園しないでほしいといったもの。集団性や協同性などの芽生えを育む上での望ましい学級人数数などとは具体的にどのくらいの人数なのかといったもの。説明会の日程が疑問。閉園の説明があまりにも急過ぎるといったものなどがございました。
以上でございます。
78 ◯議長(
古賀壮志君) 馬場賢司議員。
79 ◯20番(馬場賢司君) ありがとうございました。
今、御答弁もありましたけれども、保護者以外の方を対象とした住民説明会について、日程が示されたのが10月1日の午前中でした。しかし、この日は隣接する日野第四小学校の運動会や、また仲田小学校の学校公開などがあり、保護者の皆様より、なぜこういう日に設定をするのか、参加したくても参加できないという多くのお声をいただきました。私は、この件についてはすぐに学校課につなげ、説明会を増やすことなど日程調整を求めました。運動会の日程などは前もって分かっているはずであり、それを避けて説明会を行えたはずであります。また、併せて答弁にもありましたとおり、浸水のおそれがある地域にあるため、四幼を閉園するというような市の説明に対し、不信感を持たれた保護者の皆様が多くいらっしゃいました。
そこでお聞きしたいと思います。5点目として、日程の設定や説明内容など、ほぼ最初となる説明会が保護者の皆様の不信を招いてしまったのではないでしょうか。この点について伺っておきたいと思います。
80 ◯議長(
古賀壮志君) 教育部長。
81 ◯教育部長(村田幹生君) 説明会の日程についてですが、まずは在園児やぷちっこの保護者向けの開催を最優先の9月の平日、登園の時間に合わせて第四幼稚園で開催し、これに続いて、幅広い市民の皆様にお越しいただきやすいよう、10月1日、土曜日、午前10時の開催とさせていただきました。しかしながら、第四幼稚園の卒園児が多く通われる日野第四小学校の運動会と日程が重なってしまいました。その点に配慮が行き届かず、結果として保護者の皆様が参加しづらい条件となってしまいました。同様の意見を多数頂戴したことから、同日16時から追加の開催を決定し、そこに出席された皆様に対し、おわびをいたしました。
また、皆様からの御意見を真摯に受け止め、住民説明会は10月23日、日曜日、9時30分からの追加開催を決定し、周知についても、保護者の皆様への学校配信メールや市公式LINEの活用など、改善をさせていただきました。
次に、計画等の素案の中に水害に関する表記をしておりましたが、これについても説明や配慮が至りませんでした。日野市洪水ハザードマップでは、第四幼稚園の浸水想定は3.0~5.0メートルとなっていることから、日野市立学校適正規模、適正配置等検討委員会の答申である「仮に浸水した場合は幼稚園の機能を回復させるまでに時間を要することが想定される」との答申を尊重し、教育委員会において計画等の素案を作成しました。素案の趣旨は「仮に浸水があった場合の機能回復などに時間を要する」というものでしたが、表記の仕方に配慮が足らず、結果として、地域にお住まいの皆様には御不快な思いをさせてしまったことから、こちらも住民説明会に出席された皆様に対し、おわびをいたしました。
また、閉園までのスケジュールに対して日程があまりにも急との御意見を頂戴しました。9月の保護者説明会から11月の園児募集までの期間が短くなり、保護者の皆様には御心配をおかけいたしました。保護者、市民の皆様の御理解をいただけるよう今後も努力してまいります。
以上でございます。
82 ◯議長(
古賀壮志君) 馬場賢司議員。
83 ◯20番(馬場賢司君) ありがとうございました。
どうか市として、あくまでも誠実な姿勢で丁寧な対応をしていただきたいということを強く要望しておきたいと思います。
この市としての説明会など、合意形成を図っていくための取組という部分については、別の角度で最後に質問したいと思います。
次に、6点目として、第1回教育委員会臨時会の修正案の具体的な内容について、また、閉園時期について、なぜ1年間延長したのか伺います。
84 ◯議長(
古賀壮志君) 教育部長。
85 ◯教育部長(村田幹生君) 初めに、教育委員会の修正の具体的な内容、また、なぜ1年延長したのかという御質問でございます。
最初に、素案の修正の骨子等について御説明いたします。説明会及びパブリックコメントでいただいた御意見などを踏まえ、令和4年10月29日の教育委員会臨時会において再度協議を行った結果、計画等の素案については、引き続き検討が必要との判断に至りました。そして、教育委員会では、素案を修正する方向性についての基本的な考え方をまとめました。日野市立学校適正規模・適正配置等の基本方針(素案)及び市立幼稚園閉園計画(素案)の修正案の骨子の内容は、主に3点ございます。
1点目は、第四幼稚園の閉園を令和8年3月31日に延長し、令和6年度入園予定の園児募集は、4歳児及び5歳児ともに行い、応募人数の下限は設けないことでございます。
なお、幼児期の発達段階において、集団性や協同性の芽生え等を育む観点から、学級人数として最低限必要な人数についても、教育委員会臨時会の中で議論し、7人という考え方をまとめましたが、幼児人口の減少と公立幼稚園への在籍児の減少が続いている現状において、応募人数についての下限人数は設定しないことといたしました。
2点目は、公立幼稚園の通園方法について、これまで原則徒歩か自転車としておりましたが、第四幼稚園閉園後の第二幼稚園、第七幼稚園への通園について、一定の条件の下、自家用車による送迎を可能とすることです。この条件については、例えば通園距離や園児、保護者の健康状態等への配慮などを踏まえながら、今後検討を進めてまいります。
3点目は、水害に関する表現を改めることです。経緯は先ほど申し上げたとおりでございます。配慮が至らず、地域にお住まいの皆様には御不快な思いをさせてしまったことから、表記を削除することといたしました。
次に、閉園時期の1年延長でございます。説明会やパブリックコメントの中でいただいた多数の御意見、御要望の中で、2歳児、3歳児を対象としたプレ保育の取組であるぷちっこについて、登録されている方の多くが将来その園に入園させることを考えており、第四幼稚園を卒園させたいとの御意見を多数いただきました。これまでの公立幼稚園の統廃合の際には、閉園する園の最終年度の募集については、4歳児は転園が必須となってしまうため、10名以上の応募がなかった場合には第2希望の幼稚園に入園していただく運用をしておりました。実際に、令和2年度末に閉園した第五幼稚園については、令和2年度入園の4歳児新規募集では2名の応募がありましたが、保護者の皆様に状況を説明すると、ほかの園を希望されたため、結果として、最後の年度は5歳児のみでの保育を実施いたしました。
このたびの市立幼稚園閉園計画(素案)では、閉園時期を令和6年度末としており、現在ぷちっこを利用している現2歳児については、仮に令和6年度に4歳児として入園したとしても、令和7年度に転園することとなってしまうことから、園児への負担などに配慮し、募集を行わないこととしたものです。しかしながら、ぷちっこは、登録されている方の多くが将来その園に入園させることを考えており、入園後も安心して幼稚園生活を送れることができるようにするために大きな役割を果たしております。2歳児でぷちっことして登録されている方は、私立幼稚園の2歳児からのプレ保育ではなく、第四幼稚園に入園させることを選択しているという状況を踏まえ、現在のぷちっこの2歳児が第四幼稚園で卒園できるよう、閉園時期については、現在の素案で令和6年度末、令和7年3月31日としているものを1年延長して、令和7年度末、令和8年3月31日に修正する方針といたしました。
以上でございます。
86 ◯議長(
古賀壮志君) 馬場賢司議員。
87 ◯20番(馬場賢司君) ありがとうございました。
特に、1年間の延長ということについては、ぷちっこに登録する園児、保護者の皆様への最大限の配慮と受け止めさせていただきます。
ここまで、これまでの説明会の状況などについて確認させていただきました。今後、保護者の皆様、市民の皆様の御理解をいただけるようにしっかりと努力をしていただきたいと思いますが、次に7点目として、保護者の皆様が安心できる今後の説明をどのように行っていくのか、お聞きしたいと思います。
88 ◯議長(
古賀壮志君) 教育部長。
89 ◯教育部長(村田幹生君) 令和4年10月29日の教育委員会臨時会では、今後の進め方について、教育委員から様々な意見がございました。地域、保護者を置き去りにしない。仮に全ての解決は難しいとしても、しっかり対応しながら丁寧に進めていくこと。第四幼稚園が最後のとりでになっているという声を真摯に受け止め、行き場のない子どもが生まれることがないよう最大限努力すること。幼稚園の果たしている価値や役割を広く発信し、理解を得られるための努力を続けていくこと。地域にとってかけがえのない大切な施設がなくなることについて、市として地域の思いをどのように受け止められるかについて検討を行うこと、といったことが挙げられております。
今後、改めて計画等の修正素案を策定してまいりますが、保護者の皆様などの御意見を伺いながら丁寧に進めてまいります。そして、修正素案については、改めて説明会及びパブリックコメントを実施した上で、教育委員会として計画等を決定し、その後、市議会において、条例改正について審議していただく予定でございます。
以上でございます。
90 ◯議長(
古賀壮志君) 馬場賢司議員。
91 ◯20番(馬場賢司君) ありがとうございました。
第四幼稚園が最後のとりでになっているという声を真摯に受け止め、行き場のない子どもが生まれることがないよう最大限努力をするという答弁をいただきました。どうか保護者の皆様が安心していただける丁寧な対応をしていただくことを強く求めておきたいと思います。
それでは、ここからは一番重要な部分である今後の幼児教育の在り方について質問させていただきます。
8点目として、私立幼稚園における障害児の受入れに関し、日野市の支援体制の状況、今後の充実に向けた考え方について伺います。保護者の皆様からのお声も強いインクルーシブ教育の環境整備をしっかりと進めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
92 ◯議長(
古賀壮志君) 教育部長。
93 ◯教育部長(村田幹生君) 私立幼稚園にも支援が必要な子どもたちが入園しています。市では、これまで私立、公立幼稚園に臨床心理士等による巡回相談、保育カウンセラーの派遣を行い、保護者及び保育者に対して支援が必要な子どもたちに関するアドバイスをするとともに、子育てに不安を抱かれる保護者へのカウンセリングを行うなど、一人ひとりの子ども、保護者に寄り添った支援を続けております。
これまで日野市が全国でも先進的に取り組んできた幼保小連携の取組などを継続、推進し、多様性に応じた学びの充実を図るとともに、設置主体、公立、私立や施設類型、幼稚園、保育園、認定こども園にとらわれず、幼児教育・保育の質の向上を総合的に推進をしてまいります。
日野市らしい幼児教育の具現化を目指して、これまで公立幼稚園が蓄積してきたものも共有し、日野市全体の幼児教育の質の向上を図るための検討を、委員会を設置して今年度からしっかり進めてまいります。その中で、インクルーシブ教育の環境整備についても、しっかりと考え、整えてまいります。
以上でございます。
94 ◯議長(
古賀壮志君) 馬場賢司議員。
95 ◯20番(馬場賢司君) ありがとうございました。
ここでは私立の幼稚園が障害児を受け入れてもらえるような日野市の支援体制強化を強く要望したいと思います。公立幼稚園が今まで担っていたインクルーシブ教育などをどこまで私立幼稚園が担っていくかということが重要であり、今まで私立が入園を拒んでいた子どもを地域の私立幼稚園で担ってもらうために、市は財政面及び人的な面で支援をしていく必要があります。公立幼稚園を閉園していくということであるならば、私立がしっかりと役割を代行することが重要であると思います。そうしたことも十分に踏まえていただき、幼児教育の質の向上を図るための検討をしっかりと進め、第四幼稚園の閉園の前に早い段階で、しっかり早期に構築をしていただくことを強く要望しておきたいと思います。
次に、9点目として、ここでもインクルーシブ教育の環境整備にもつながりますが、気になる子どもへの対応として、エール、幼稚園のそれぞれにおける状況、今後の充実に向けた考え方についてお伺いしたいと思います。
96 ◯議長(
古賀壮志君) 子ども部長。
97 ◯子ども部長(中田秀幸君) エールは、発達面、行動面、学校生活面において、支援を必要とする子どもや子どもの育ちについて不安のある保護者及び関係機関への総合的な相談支援機関として、福祉の相談だけではなく教育とも窓口を一本化し、福祉と教育が一体となって切れ目なく継続的に支援する体制を取っております。
エールでは、相談を受け付ける際には、保健師、社会福祉士、保育士等が対応し、お子様の状況や御家族の悩みなどを聞き取り、適切な相談、支援につなげるコーディネートを行っております。相談、支援としては、心理士による相談から個別専門指導や集団指導、トレーニングなどがございます。
幼児期の支援では、健診で発達面に関して経過観察が必要とされた子どもへの早期支援の場として、遊びを通して保護者が子どもとの関わりを学び、子育てを楽しみ、子どもの力を伸ばす関わりができることを目的とした1歳7か月から2歳児を対象とした幼児親子グループがございます。
そのほか言語聴覚士による発音や言葉の遅れ、吃音などに関する言語指導や作業療法士による体の動かし方やコミュニケーションの取り方を遊びを通して指導する身体活動指導を行っております。
そのほかに幼稚園や保育園への支援として、心理士による巡回相談を実施しております。各園を年3回心理士が訪問し、子どもの見立てや園職員の対応について、助言、指導を行っております。
また、巡回心理士は、保護者同意の下にエールの心理士と連携をし、園でのお子様の様子を保護者にフィードバックしたり、保護者との面談を行うなど、保護者への支援も実施をしております。
保育園や幼稚園での生活の様子、指導で伸びたことのほか、エールでの療育などの内容を小学校に引き継ぐ仕組みとして、かしのきシートがございます。ゼロ歳から18歳までの子どもの成長記録やサポート内容を1年ごとに1枚のシートにまとめ、保護者同意の上で、記録、保存、引継ぎを行い、切れ目のない支援に取り組んでおります。
エール開設以来、相談支援の充実に取り組んでおりますが、相談件数は年々増加をしており、さらなる相談体制の充実は大きな課題となっており、引き続き子ども、保護者に寄り添いながら、相談支援の充実に努めてまいります。
以上でございます。
98 ◯議長(
古賀壮志君) 馬場賢司議員。
99 ◯20番(馬場賢司君) ありがとうございました。
私は前回、令和4年第3回の定例会の一般質問で、平成17年4月開設後、既に約18年経過しているまんがんじ児童館の老朽化に伴う今後の施設整備について取り上げ、今後の施設の方向性を求めました。市長より、仮設から本設に向けて今、計画を立てていると。具体的には、令和10年度に向けて、その前の段階から準備を始めるということを考えているという答弁もいただきましたが、今、保護者の皆様からは、日野市の東側地域にもエールの機能をというようなお声をいただいている中で、今後、施設の検討に当たっては、さらにすばらしい子育ての拠点となっていくよう、気になるお子様への相談機能なども設けていただくことを、これは要望とさせていただきたいというふうに思います。
次に、10点目として、幼児教育の今後のさらなる充実に向けてお伺いしたいと思います。
先ほどの答弁の中で、公立幼稚園が果たしてきた幼児教育においての役割やその時代に即した幼児教育を提供してきたことなどの答弁もいただきましたが、そうしたことも含め、今こそ市内全体の公私、幼保が連携して、幼児教育の質の向上をさせていくべきではないでしょうか。そして、その際には、公立幼稚園が培ってきたノウハウや成果の活用、そして、現場で幼児教育に携わっていらっしゃる職員の皆様のスキルを活用していただくことも重要であると思います。幼児教育のさらなる充実に向けて、市の考え方、伺っておきたいと思います。
100 ◯議長(
古賀壮志君) 教育部長。
101 ◯教育部長(村田幹生君) 日野市は、全国に先駆けて幼保小の連携の取組を進めてまいりました。交流事業や共通カリキュラムの策定など様々な取組がこれまでも行われてきましたが、幼稚園教育要領や保育所保育指針、小学校
学習指導要領が改訂されるなど、求められている教育、保育の在り方も変わってきています。また、待機児童対策により、保育所等の整備が進むとともに、令和元年10月から幼児教育・保育の無償化が始まり、量の確保から質の向上へ、一層の注力が求められております。これまでの幼保小連携の土壌を基に、各施設の特徴や方針などについて、お互いに敬意を払い尊重することを大切にしつつ、私立の保育園や幼稚園からも現状の課題や取り組んでいきたいことなどを十分にお伺いしながら、目指すべき方向性を共有し、日野市らしい質の高い教育、保育の実現に向けて、公立、私立、幼保小が隔てなく一丸となって取り組んでいけるよう努力をしてまいります。
また、その際、公立幼稚園が培ってきたノウハウ、成果の活用についてということですが、日野市立学校適正規模、適正配置等検討委員会からの答申は、幼児人口の減少傾向や定員割れといった現状だけを踏まえて公立幼稚園の園数を論じているものではございません。公立幼稚園は、これまで就学前の幼児教育においてセンター的役割を果たしてきたことや、子どもを取り巻く環境の変化とともに、その時代に即した教育の質をアップデートしながら幼児教育を提供したことに功績があることについて言及しております。
今後、日野市における幼児教育の在り方を検討する委員会において、具体的な取組の方向性を議論していただくことを考えております。その中で、公立、私立、また幼稚園、保育園を問わず日野市の幼児教育全体として、公立幼稚園が蓄積してきたノウハウや成果、職員のスキルなどを共有し、幼保小の連携のさらなる推進と多様性に応じた学びの充実を図っていきたいと考えてございます。
以上でございます。
102 ◯議長(
古賀壮志君) 馬場賢司議員。
103 ◯20番(馬場賢司君) ありがとうございました。
どうか保護者の皆様の不安を解消していただく、安心していただくために、公立、私立、幼保小が一丸となって日野市らしい質の高い教育、保育の実現に向け、全力を尽くしていただくことを強く要望したいと思います。
それでは、最後の質問になります。前段で保護者の皆様の不信を招いてしまった説明会について質問したことを踏まえ、伺っておきたいと思います。
この先も、市として様々な事業等について説明をしていく場面、説明会を開いていく場面がこれからも多々あるかと思います。そういったときに、その地域の皆様、市民の皆様にいかに合意形成を図っていけるかということが重要であり、今後、説明会の在り方の検討、また、職員の皆様のプレゼン能力の向上などがさらに必要ではないかと感じています。幅広い施策における合意形成を図っていくための取組についてどうお考えか、最後にお伺いしたいと思います。
104 ◯議長(
古賀壮志君) 企画部長。
105 ◯企画部長(高橋 登君) 市民の皆様との適時適切な情報共有を行うとともに、そのプロセスから生まれる様々な御意見、御批判を吸い上げ、これを真摯に受け止め市政に反映することは、地方自治の基本的なサイクルであると認識しております。
また、社会背景の変化、特に、昨今ではデジタル技術の急激な発展とともに、計画や事務事業の在り方について変革が求められており、ひいては市民参画、協働の手法についても、日々改善していくことが行政に必要であります。
その中で、説明会は情報共有の一つの手段となります。互いにそごが生じない説明会の在り方について、庁内部署や他市、企業の取組など、庁内の情報共有を図っていければと考えております。
また、職員の市民対応能力の向上に資するものとして、政策提案、調整力、交渉力の研修を必要とされる職員に参加していただいております。
今後、このような研修にも多くの職員が参加できるよう工夫してまいりたいと考えております。
以上でございます。
106 ◯議長(
古賀壮志君) 馬場賢司議員。
107 ◯20番(馬場賢司君) ありがとうございました。
ぜひこの政策提案、調整力、交渉力など、高めるべき取組にもしっかりと力を入れていただきたいということを要望させていただきます。
今回の質問では、今後の幼児教育の在り方等について質問をしてまいりました。今回の一般質問の前に、改めて第四幼稚園に行き、園舎の様子とともに、保護者の皆様からお聞きしていたサクランボがなる木やおいしい柿の木などを見させていただきました。これまでの公立幼稚園の跡地活用としては、第三幼稚園は私立保育園に、第六幼稚園は子育てひろばなどの跡地活用がされていますが、今、保護者の皆様からのお声として、どうしても閉園しなければならなくなったとしても、隣接する第四小学校の学童保育など、子どもたちのために使っていただきたいということもお聞きしています。
現在、第四幼稚園がある第四小学校周辺地域は、万願寺第二土地区画整理事業も進められており、新しい住宅も増え、子育て世代の若い方々がたくさんいらっしゃる地域であります。今後、四幼の跡地活用ということを考えていく場合は、子育てや教育関連で有効活用できるような仕組みもぜひ御検討いただければと思います。
今回、様々なお声をいただいた保護者の皆様は、これからも子育てや教育に安心できる日野市のまちづくりを強く求められております。そのことを強く感じました。どうか保護者の皆様のお声を丁寧に聞いていただきながら、インクルーシブ教育などを含めた幼児教育の環境整備に全力を挙げていただくことを最後に強く要望したいと思います。
それでは、ここで教育長より御所見をいただければと思います。
108 ◯議長(
古賀壮志君) 教育長。
109 ◯教育長(堀川拓郎君) 幼児教育の今後の在り方について、とりわけ保護者の皆様が安心できる今後の説明、障害を持つ子どもの居場所、インクルーシブ教育の環境整備、そして幼保小の連携や質の向上について御質問をいただきました。
まず、保護者説明会、住民説明会の進め方などについては、四幼の関係者や地域の皆様、とりわけ直接関係をする保護者の皆様を置き去りにしないということは、大切にしなければならない極めて重要な視点であると考えております。
10月29日の教育委員会臨時会では、閉園の方針の決定をすることはせず、引き続きの説明会や再度のパブリックコメントを実施し、その上で再度、教育委員会の場で議論し、方針及び計画を決定することとしています。関係者の皆様の御意見をしっかりと伺い対話をしながら、丁寧に進めてまいりたいと考えております。
次に、障害を持つ子どもの居場所についてでございます。公立幼稚園全体としては、園児数が年に約2割から3割の急激なペースで減少してきており、現時点での次年度の入園希望者については、現在公立幼稚園に通っている年少に当たる現4歳児が計38名であるのに比して、次年度の希望者は、3園合計で18名と今年度の4歳児の半分以下となっているところです。公立園を希望する幼児数の減少自体は、今後も想定をされる中にあって、適正な規模という観点から、どうしても3園の体制を維持することについては、難しいと言わざるを得ない面がある一方で、これまでの説明会やパブリックコメントを通じて、私立幼稚園には断られてしまい、第四幼稚園がなくなったらほかに行き場所がない。今、2歳の子どもは第四幼稚園に通えると思って、ぷちっこに通わせているのに、裏切られた気持ちだ。私立幼稚園に入るためには、2歳の段階でプレ保育に入っている必要があり、行き場がなくなってしまうとの声もいただきました。
こうした声も踏まえて議論を行い、10月29日の教育委員会臨時会では、第四幼稚園の閉園に関する計画の素案について、閉園時期を1年延長し、令和8年3月の閉園とした上で、現在の2歳児のお子様については、募集人数の多寡にかかわらず最後まで第四幼稚園で見させていただくよう、修正の方針を決定したところです。
10月の教育委員会でのこの方針の決定は、簡単な単純なものではありませんでした。今年の11月の園児募集の結果として、現時点で第四幼稚園の新規入園希望者は6名で、前年の12名の半数となり、園児数の減少傾向自体は今後も継続することが見込まれます。一方で、令和3年度の公立幼稚園3園の卒園児の中で、要支援児のうちの約9割は、小学校で通常の学級に入学し、うち4人に1人がステップ教室に入室をしております。すなわち、公立幼稚園を卒園後、多くの要支援児が小学校の入学とともに、35人学級という集団で、また、手厚い支援員のいない状況で基本的に生活をしていることになります。
令和8年3月まで閉園時期を延長するということは、園児数が急激に減少する中で、そのときまで在園する子どもたちに小学校入学後も見据えて、どう集団としての学びの機会をつくっていくかという問いと真剣に向き合っていくということだと考えております。
それでもなお、とりわけ配慮が必要な子どもにとって、四幼が最後のとりでになっているという声を真摯に受け止め、閉園時期を1年延期するとともに、今回のプロセスの結果において、仮にも行き場のない子どもが生まれることがないよう、教育長としてできる最大限の対応を行う所存です。
次に、インクルーシブ教育の環境整備と幼保小連携や幼児教育の質の向上についてでございます。
日野市は幸いにも、これまで培ってきた幼保小連携という土台があり、また、特別な配慮を必要とする幼児の学びという観点からも、多摩26市の中でも、今年度で閉園予定の府中市の1園を除き、唯一公立幼稚園をこれまで継続し、役割を果たしてきたことによる様々な蓄積があります。小学校から見れば、公私、幼保を問わず、子どもたちが入学してくることになりますが、幼稚園、保育園、認定こども園といった施設類型を問わず、市内の幼児教育の質の向上を図っていくためには、教育委員会だけではなく、部局を超えた連携が必要になります。部局間の連携の視点やこれまでの蓄積をどのように生かすことができるかという視点も含め、今後開催予定をしている幼児教育の在り方検討委員会における議論も踏まえ、日野市におけるさらなる幼児教育の質の向上につなげていきたいと考えております。
なお、在り方検討委員会については、第四幼稚園の閉園や公立幼稚園の配置の在り方について議論する位置づけのものではなく、公立、私立、幼稚園、保育所を通じて、特別な配慮を必要とする子どもや幼保小の接続といった観点を含め、日野市の全ての子どもたちの幼児教育の質の向上に向けて議論を行うものとなります。第四幼稚園に関しては、繰り返しになりますが、とりわけ配慮が必要な子どもにとって、四幼が最後のとりでになっているという声を真摯に受け止め、今回のプロセスの結果において、仮にも行き場のない子どもが生まれることのないよう、できる最大限の対応を行う所存です。
今後、教育委員会としての方針等を正式決定するに当たり、改めて保護者の皆様からの意見を伺う場を設け、再度のパブリックコメントを行うなど、保護者をはじめとする関係の皆様と真摯に向き合ってまいります。
以上でございます。
110 ◯議長(
古賀壮志君) 馬場賢司議員。
111 ◯20番(馬場賢司君) ありがとうございました。
教育長からの力強い答弁と受け止めさせていただきます。どうか保護者の皆様が本当に安心していただく幼児教育の環境整備に向けて、しっかりと取組をお願いしたいと思います。期待をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
最後に、市長より御所見をいただければと思います。
112 ◯議長(
古賀壮志君) 市長。
113 ◯市長(大坪冬彦君) 馬場賢司議員より、幼児教育の今後の在り方、四幼のということでございました。
人口減少社会、今朝の新聞では、昨年の出生数が70万人を切るのではないかということで、少子化が急激に進んでおります。そんな状況の中で、この間、例えば保育園については、待機児の解消ということで、どんどん増やしてきた。多分、民間の保育園は30以上あって、公立が今9園ですかね。やがてこれらは人口減少社会、乳幼児の減少によって再編を余儀なくされます。これまでのように存続できるのかどうかということは、当然出てきます。
今回の四幼の問題は、同じように、それが早い段階で出てきている問題かなというふうに思います。その場合に、その再編をどうするか。当然、そこの軸になるのは、先ほど教育長が申し上げたように、新しい幼児教育、公立、私立、幼稚園、保育園の垣根を越えて、幼児教育の在り方、新しい時代に即した、そして、これまでの日野市が蓄積してきた幼児教育の在り方、これを軸にして再編を考える。どういう形になろうと。そうすることを通じて、誰一人取り残さない、そういうような再編に結びつくのかなと思っております。
今回は幼稚園の話でありましたが行く行くは保育園もそういう話になるでしょう。それらも含めて、今後については行政として必要な努力をしていきたいと思っておりますし当然、SDGs未来都市として、誰一人取り残さないということを宣言しているわけでありますから、それについては、この幼児教育の分野においても、その姿勢を貫いていきたいと思っております。そのためには、必要な真摯な話合いについては、当然市民の皆様、保護者の方々ともやっていきたいと思っております。
以上です。
114 ◯議長(
古賀壮志君) 馬場賢司議員。
115 ◯20番(馬場賢司君) ありがとうございました。
以上で質問を終わります。
116 ◯議長(
古賀壮志君) これをもって馬場賢司議員の一般質問を終わります。
お諮りいたします。議事の都合により暫時休憩いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
117 ◯議長(
古賀壮志君) 御異議ないものと認めます。よって、暫時休憩いたします。
午後0時00分 休憩
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
午後1時11分 再開
118 ◯副議長(峯岸弘行君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
これより私、副議長が任を務めますので、特段の御協力をお願いいたします。
一般質問8の1、住民の暮らしの厳しさは限界!~国民健康保険税、連続値上げは許されないの通告質問者、岡田じゅん子議員の質問を許します。
〔2番議員 登壇〕
119 ◯2番(岡田じゅん子君) それでは、通告に従って質問をしてまいります。
9月議会の特別会計決算委員会で、国保税の2年連続の値上げが予定されていることが明らかとなりました。その後、国保の運営協議会で値上げの諮問が行われて、答申を経て、条例案が今議会に提出されています。
10月29日付の朝日新聞デジタルの記事では、第一生命経済研究所の熊野氏が、22年度の生鮮食品を除く消費者物価指数の前年度からの上昇率が2.9%だった場合に、政府の支援策など、ほかの条件を加味しても、2人以上の世帯の家計の負担が前年度から約12万1,000円増えると試算をしています。これは消費税を3%上げたのと同じくらいの影響がある。このように報道されました。
今年の令和4年度4月から強行された値上げについては、市は令和2年度決算の個人市民税、国保税の調定額収納率を根拠に、新型コロナの市民生活への影響が少し落ち着いたことをもって値上げを決定したと言っています。空前の物価高騰が続く下で、2年連続で国保税の値上げをしようと考えた根拠はどこにあるのでしょうか。市民生活が値上げに耐え得ると判断されたデータなどがありましたら教えていただきたいと思います。
120 ◯副議長(峯岸弘行君) 答弁を求めます。市民部長。
121 ◯市民部長(青木奈保子君) 物価の高騰やコロナ禍により、市民の生活に影響が出ていることは認識しております。このような状況は、日野市に限らず全国的なものであるため、国民年金及び厚生年金の支給額にも影響が出ており、令和4年度が減額であることも承知しております。
御承知のとおり、国民健康保険は、制度改革により、平成30年度から都道府県も保険者となり、東京都が医療費を負担する代わりに区市町村が納付金を納め、納付金を保険税で確保するために、各区市町村の被保険者の収入や医療費から計算した標準保険税率を示すこととなりました。日野市の保険税率は全国的に見ても東京都内でも低く、示された保険税率からも乖離している状況であるため、2年連続になりますが、国民健康保険財政健全化計画にのっとり、税率改定が必要と考えるものでございます。
ただし、昨今のコロナ禍及び物価高騰を踏まえて、日野市の改定は、上げ幅を低く抑えており、大幅な値上げにならないように配慮しているものでございます。
東京都では、保険税水準統一に向けたワーキングチームを令和4年度に立ち上げ、都内の区市町村の保険税水準を統一すべく動き出しております。
令和4年度に示された日野市の標準保険税率は、所得割が12.34%、均等割が7万5,671円ですが、令和4年度現行税率で、区部の平均の所得割は11.64%、均等割は7万1,900円。お隣の八王子市の所得割は11.0%、均等割は6万7,600円です。日野市の現行税率は所得割8.8%、均等割5万4,300円であり、改定案は所得割9.4%、均等割5万7,900円であります。
保険税水準の統一において、日野市の現行税率は、東京都が示す標準保険税率からも、また、東京都の平均からも大きく乖離しており、近い将来統一となった場合、被保険者の皆様に大きな負担を強いることがないように、ゆっくりではありますが、確実に改定が必要と考えております。
なお、令和3年度は、コロナ禍の影響が見通せない状況であるとの判断で改定を見送ったため、計画が後ろ倒しになっておりましたが、これにより、本来の計画に修正されるものでございます。
122 ◯副議長(峯岸弘行君) 岡田じゅん子議員。
123 ◯2番(岡田じゅん子君) 御答弁いただきました。
皆さん御存じのとおり、国保は、被保険者のほとんどが退職された方、自営業の方、そして非正規雇用の方であるというのが特徴だと思います。日野市内の国保加入世帯の平均所得は、平成30年度で135万4,812円でしたが、令和4年度は125万2,812円。この5年間で10万円以上減少しています。
昨年度の被保険者資格証明書の発行数は676件。その3年前の593件を大きく上回りました。さらに、所得のない方の割合は、被保険者全体の20%以上を占めることが議会でも明らかにされてきました。
今、新型コロナの影響で収入が3割以上減った方には、国保の減免が適用されています。しかし、物価高騰が生活の全般に影響を及ぼす中で、それを理由にした減免制度はありません。国保に加入をされている皆さんが、今の物価高騰の中でどのような暮らしぶりか、今、述べてきたデータを見ても相当な苦労をされて、切り詰めながら、国保税を何とか支払っている、そういう方が多いであろうことは容易に想像できることであります。
市は、どこまで正確にそれをつかんでいるんでしょうか。値上げができると判断に至るまでに、暮らしの実態調査などが行われたのか伺わせてください。
124 ◯副議長(峯岸弘行君) 市民部長。
125 ◯市民部長(青木奈保子君) 物価高騰及び新型コロナウイルス感染症の影響について、可能な限り、調べられる範囲で、市民の皆様及び国民健康保険被保険者の暮らしぶりを確認した上で、税率改定に向けた検討を進めてまいりました。
市税に関しましては、平成30年度から令和3年度までの決算の状況から、個人住民税、国民健康保険税調定額、保険税現年徴収率等を確認いたしました。どの項目についても、新型コロナウイルス感染症の拡大により、数値が大きく落ち込んでいる点は見受けられず、コロナの影響は限定的だったものと考えています。
また、直近の令和2年度と3年度の個人市民税の課税標準が増額していることから、手取り所得については微増している方が多いことを確認しました。
国民年金及び厚生年金につきましても、支給額の推移を確認しました。年金は、国民の手取り賃金や物価の影響により変動するため、令和3年度及び令和4年度に支給額が下がっておりますが、毎年度検討されるため、下がり続けることはないと認識しました。
ただし、国民健康保険の加入者のうち、非正規雇用の方々や自営業の方々については、新型コロナ減免の申請状況等から推察すると、少なからず新型コロナウイルス感染症の影響があったと推察しております。
影響が大きいのは、前年の収入と前々年の収入の落差が大きい方であります。そのような方々に対しても、国民健康保険では、地方税法に基づき、軽減や減免の一定の手当てを実施しております。軽減としては、前年の所得が一定以上ある世帯に対する課税限度額の設定や、会社都合による離職や雇い止めなどによる離職に対する軽減。世帯の前年所得額に応じた7割、5割、2割の軽減負荷を行っております。
また、令和4年度からは、子どもの均等割軽減も制度化されております。
次に、減免としては、新型コロナウイルス感染症の影響による収入減少世帯に対する減免を令和2年度に新設し、従来の災害困窮等による収入減少などと併せて実施しております。
令和5年度以降も物価や光熱水費の高騰、先の見えない新型コロナ感染症の影響で生活が厳しく、保険税の御納付が困難な方々に対して、軽減や減免など、市として必要な手当てを丁寧に実施してまいります。
それでも納付が難しい方については、納税相談を行い、個々の状況に応じた御相談を引き続き行ってまいります。
126 ◯副議長(峯岸弘行君) 岡田じゅん子議員。
127 ◯2番(岡田じゅん子君) 11月10日に行われた国保運協での値上げ答申案、審議の採決結果についてと、社会保障制度を維持するに当たっての行政の責任について伺ってまいります。
まずは、11月10日の国保運協での値上げ答申案審議の採決結果について。
被保険者代表の委員、4人のうち3人が値上げに反対されました。物価高騰が直撃する暮らしの厳しさが背景にあるのではないかと考えます。被保険者代表の方が、国保運協において、値上げ答申案に反対をされるというのは、今まで異例中の異例の事態だと聞きました。このことを市はどのように受け止めていますか。
128 ◯副議長(峯岸弘行君) 市民部長。
129 ◯市民部長(青木奈保子君) 11月10日の国保運営協議会において、答申審議の際に、被保険者代表の委員3名が反対をされたことは大変重く受け止めております。市民委員の方々の御意見は、市民の気持ちを率直に表現していただいていると認識していますが、新たに委員になられた際に、制度改革等の説明が不十分であったのではないかと反省しております。
市町村独自の運営から都道府県も保険者となり、各自治体が標準保険税率を目指す責任があることなどについて、今後もよく説明をしていきたいと考えます。
また、国民健康保険は、社会保険に移行する方が多くなっていることについての御意見として、国民健康保険は縮小していくだろうから、このまま行き着くところまで進めてみてはいかがかといった御意見もありましたが、社会保障の根幹をなす国民皆保険制度を破綻させることなく、市民の命と健康を守っていくためには、現行制度を維持継続していかなければならないと認識しております。そのような説明も一層してまいりたいと考えます。
先ほども申し上げましたとおり、近い将来予想される東京都内保険税水準の統一に向けて、いざ統一が図られたとしても、市民への急激な負担を求めることがないように、段階的に改定を行い、標準保険税率に近づけておく必要があると認識しています。
以上の考えに基づき、11月に開催されました国民健康保険運営協議会で十分な審議を経て答申をいただき、本市議会定例会の国保税率改定についての議案上程とさせていただきました。
以上でございます。
130 ◯副議長(峯岸弘行君) 岡田じゅん子議員。
131 ◯2番(岡田じゅん子君) 国保は、今、部長もおっしゃいました社会保障制度であり、本来、国が責任を持って支えなくてはならないもののはずだと思います。
しかし、国庫負担が十分ではないために、赤字解消という名目で、被保険者への負担増が行われようとしています。このことについて、もう一度市の認識を伺います。
132 ◯副議長(峯岸弘行君) 市民部長。
133 ◯市民部長(青木奈保子君) 我が国の憲法第25条において、すべて国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない、と規定しています。これに基づき、誰もが平等に医療を受けられる制度である国民皆保険制度を実現しております。
社会保険は、社会政策の実現手段として、最終的には国が責任を持って運営するものであり、民間の私保険とは異なる特質を持っております。
まず、第一に強制保険であること。
第二に保険税は能力に応じて支払い、給付は、拠出した保険税とは必ずしも対応せず、保険制度の中に所得再分配の機能も含まれていること。
第三に、事業運営に要する費用の一部について、必要に応じて国が財政的負担を行っていることです。
基本原理は、自己責任の原理によって、経費の負担に応じる相互共済的な制度であると言われており、このことからも、適正な、そして公平な保険税負担により、健全な事業運営を図ることが大切であると言えます。
実際に、低所得者の数に応じて、保険者支援分繰入金の2分の1を国が、4分の1を東京都と日野市で負担する保険基盤安定負担金や、東京都全体の医療費や後期高齢者負担金等の32%を療養給付費等負担金として国が負担しています。ほかにも、調整交付金や災害臨時補助金、保険者努力支援制度交付金と、国から直接市に入るものや、東京都を経由して入るものなど、様々な形で国からの補助がございます。
また、65歳から74歳の前期高齢者については、財政調整の制度があり、前期高齢者の加入率が全国平均を下回る保険者は、前期高齢者納付金を納付し、前期高齢者加入率が全国平均を上回る保険者は、前期高齢者交付金が交付されます。この仕組みにおいて、社会保険や共済保険などの被用者保険は、前期高齢者納付金を納付し、国民健康保険は、前期高齢者交付金が交付されることが多くなっており、現役世代といわれる
被用者保険加入者の保険料は、45%が後期高齢者支援金及び前期高齢者納付金に使われている現状であると言えます。
このように国民健康保険は、国や被用者保険からの補助を受けながら運営されています。低所得者層が多いため、保険税収入だけで支出を賄えない状況ではありますが、地方においては、一般会計からの繰入金に頼らず運営するため、高い保険税率による賦課を行っております。財政力のある東京だけが税率を低く抑えていることは公平とは言えず、全国的な統一の中で、日野市も一般会計からの繰入金を削減していく必要があると考えております。
以上でございます。
134 ◯副議長(峯岸弘行君) 岡田じゅん子議員。
135 ◯2番(岡田じゅん子君) 自己責任の原理で相互共済だという答弁がありました。これについて、後ほど、私のほうからも意見を述べたいと思います。
その前に一旦、再質問をさせていただきます。
保険税率を改定しても、一般会計からの繰入金額はそれほど変わらず推移してきています。今まで市は、一定程度保険料をなるべく低く抑える努力をされてきたということではないかと思います。今後は、その努力をやめていくということでしょうか。
136 ◯副議長(峯岸弘行君) 市民部長。
137 ◯市民部長(青木奈保子君) これまでも急激な負担とならないように、一般会計からの繰入れを行い、徐々に保険税率等を見直してまいりました。今後も、一般会計からの繰入金を急になくすようなことは考えておりません。
国民健康保険財政健全化計画に基づき、一般会計からの繰入金を減らしていく必要はございますが、日野市は、被保険者の急激な負担増とならないように、改定の上げ幅を小さく抑えております。都内保険税水準統一に向けて急激な改定とならないように、計画的、段階的に確実に税率改定を行っていきたいと考えております。
以上でございます。
138 ◯副議長(峯岸弘行君) 岡田じゅん子議員。
139 ◯2番(岡田じゅん子君) 現在の国保法は戦後にできたものです。戦前の国民健康保険法、旧国保法は、日中戦争突入直後の1938年、昭和13年憲兵調達戦力培養のために制定されました。その旧国保法第1条に、相扶共済の精神に則り、疾病、負傷、分娩又は死亡に関し、保険給付を為すを目的とするものとす、と書かれています。相互扶助、共済の制度である、共助の制度であるとされたため、当時、国庫負担も自治体負担もなく、保険者は主に産業組合や農協の前身であった農業会などだったということです。
しかし、戦後1947年、昭和22年に日本国憲法が施行され、第25条に、すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する、国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない、と定められました。これによって、国は社会福祉、社会保障及び公衆衛生の面で、国民は生まれたときから持つ生存権を保障する義務を負うこととなりました。
1948年、国保法改正によって、保険者は、原則市町村に変えられました。さらに同年に設立をされた社会保障制度審議会が出した1950年の社会保障制度に関する勧告の中で、生活保障、すなわち社会保障の責任は国にあると明言がされました。
翌年の1951年同審議会の医療保障に関する勧告で、医療を受ける機会の不均等や疾病が貧困の最大の原因であると指摘され、この勧告が国民皆保険へとつながります。
1957年国民皆保険制度4か年計画がスタートしました。新国保法は、1959年に施行されました。新国保法第1条には、この法律は、国民健康保険事業の健全な運営を確保し、もって社会保障及び国民保険の向上に寄与することを目的とする、とあります。こうして戦前の国保法に書かれていた相扶共済の精神という文言がなくなりました。そして国保が、社会保障制度であるということが新しく明記されました。
さらに、第4条には、国は、国民健康保険事業の運営が健全に行われるように努めなければならない。そして、都道府県は国民健康保険事業の運営が健全に行われるように必要な指導をしなければならない、となっています。これがつまり国の責務を明記したものであり、国庫負担の根拠となっています。
こうした背景がありながら、自民党政権は、1984年の法改定で、国保への定率国庫負担を削減したのを皮切りに、国庫負担を抑制し続けて、2018年安倍政権の下で、都道府県化を行いました。これによって、一般財源から繰入れを行う自治体独自の国保税軽減策をやめさせて、保険税額を引き上げる取組や、滞納者への差押えなど、収納対策を強化する取組が推進されるようになりました。
国保の赤字は、赤字とあくまでも言われているだけですけれども、こうした国庫負担の削減などによる構造上の問題が原因という認識の下、全国知事会も1兆円の公費負担増をと要求しています。
また、毎年、東京都市長会厚生部局が、東京都への予算要望の中で、重点要望に位置づけて、国に対し、現行の国庫負担割合の引上げ及び国保制度の安定化に不可欠な財政支援の確実な実行とともに、さらなる低所得者対策の実施や保険者努力支援制度における減点項目を廃止するよう働きかけること。また、今般の新型コロナウイルス感染症も含め、今後、新たな疾病により、保険者の負担が増加しないよう、全ての被保険者を対象とした財政支援策を国の責任において講じるよう働きかけることと求めています。
国が行わない以上は、基礎自治体である日野市が、一般会計から繰入れを行って制度を支えるべきです。同時に市民の皆さんに制度の全体と、どこがその責任を負うのかをしっかりと周知する取組も必要です。
日野市のホームページで国民健康保険とはと、国保についての説明が書かれたページを見てみると、国民健康保険はいつ起こるか分からない病気やけがに備えて、加入者の皆さんがお金、保険税を出し合い、必要な医療費に充てる助け合いの制度ですと書かれてあるんですが、市内の被保険者の皆さんに負担が押しつけられることについて、被保険者をはじめ、市民の皆さんに、それで仕方がないと思わせてしまいかねない表現で説明がされています。これでは制度の趣旨が正確に市民の皆さんには伝わらないんじゃないでしょうか。
また、先月行われた国保運協での値上げの答申案について審議の際、一般会計からの繰入れを行うことについて、市は、国保の被保険者ではない方々から、二重負担だとする批判が、あることは事実であると答弁を行いました。
こうした考え方で、国保の被保険者の皆さんと、それ以外の市民の皆さんが分断をされないか、強い危惧を感じます。この点でも誤解を生まないよう、ホームページへの記載を事実に即して丁寧に、事実に即した書き方に変更する必要があると考えます。
以上、空前の物価高騰の下、国保の連続値上げは許されないということ。制度の本来の趣旨に照らして、国に国庫負担割合の引上げなど、財政支援を求めるとともに、引き続き、一般会計からの繰入れを行うこと。あわせて、制度の全体をしっかりと周知していく取組などを求めてまいりました。医療制度を維持するために、市民の皆さんの暮らしが追い詰められる結果となれば、かえって制度を支える被保険者の皆さんの心身の健康を損なうことにもつながりかねません。
昨年度は、市民生活への影響が大きいことを受けて値上げが見送られました。市長に伺います。本当に今、この状況で、値上げを強行して構わないとお考えでしょうか。改めて国民健康保険税の値上げをやめて、むしろ値下げを行うことを強く求めます。市長のお考えをお聞きします。
140 ◯副議長(峯岸弘行君) 市長。
141 ◯市長(大坪冬彦君) 岡田じゅん子議員より、国保の値上げについての御質問をいただきました。住民の暮らし、厳しさは限界、国民健康保険税、連続値上げは許されないということの御質問でございます。
日野市も全国の自治体と同様に、平成30年度の国民健康保険制度改革の趣旨に、これにのっとり、東京都に示している財政健全化計画のとおり、一般会計からの繰入額を計画的に削減するために、標準保険税率を目指していくということは、やらざるを得ないという考えに変わりはありません。
また、今後の国保制度については、今、4年が経過しております。国の制度を基に、財政健全化計画の策定などに取り組んでまいりましたが、今後の社会保険の適用拡大に伴う国保被保険者数の減少など、国保制度を取り巻く構造上の課題等、将来的な国保制度について、検討が必要だという認識は持っております。今のままではどうかと。
今後は、国が指導する全世代型社会保障検討会議など、国、東京都の動向に注視しつつ、必要に応じて市長会などから、国への要望等をお願いするなど、よりよい制度になるように積極的に取り組んでまいりたいと思っております。
11月25日に市長会があって、そこで緊急にですね、緊急要望を東京都知事に出しております。それは、東京都市長会会長名、東京都町村会の会長名ということでございます。
これを出す理由というのは、東京都で示された保険料の算定結果、令和4年度と比較して、令和5年度は8.9%増で、東京都に対する納付金を増やすという話であります。我々市長会の受け止めとしては、とんでもない話だというふうに認識しております。新型コロナウイルス感染症が全国に拡大している中、経済的課題を抱える者が多い被保険者の負担として、これを保険料に転嫁するということについては避けるべきだという認識を持っております。
つきましては、国民健康保険制度が、安定的かつ持続的に運営できるように、負担を被保険者に転嫁することを防ぐために、国に財政支援を求めていくこと。また、国民健康保険財政の責任主体として、東京都独自に必要な財政措置を講じること。これを強く要望するということを申し上げております。
つまり私ども自治体としては、今の制度の中においては、これは赤字解消計画に沿って標準税率は、国保税率をいろんなやり方がありますが、上げていかざるを得ない構造の中にあります。
しかしながら、私どもの立場、今、申し上げました。市長会の都知事に対する要望という、こういう認識の下にやっている。その板挟みになってやっているということはどうか御理解いただきたいと思います。
その中で、日野市の国保税、これやはり制度的にも存続しなければならないし、また東京都、国の中で位置づけられた制度について、全く背を向けるということはできません。したがって、国に対し、都に対し、いろんな要望を出しながら、取りあえずはこの状況の中で、令和5年度は、ここで値上げをせざるを得ないということは御理解いただきたいと思います。
以上です。
142 ◯副議長(峯岸弘行君) 岡田じゅん子議員。
143 ◯2番(岡田じゅん子君) そうした構造上の矛盾の下に置かれた被保険者の皆さんに、一層のしわ寄せが行くということを強調させていただいて、質問を終わります。
144 ◯副議長(峯岸弘行君) これをもって8の1の質問を終わります。
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145 ◯副議長(峯岸弘行君) 一般質問8の2、物価高騰・不安定雇用・社会保障削減が暮らしを直撃~今こそ信頼と安心の生活保護行政を!の通告質問者、岡田じゅん子議員の質問を許します。
146 ◯2番(岡田じゅん子君) それでは、まず、第1問目、質問を伺っていきます。
コロナ禍以降の年間の生活保護申請件数と決定件数の推移、また、そのうち新型コロナ要因の件数も分かれば教えてください。よろしくお願いいたします。
147 ◯副議長(峯岸弘行君) 答弁を求めます。健康福祉部長。
148 ◯健康福祉部長(山下義之君) コロナ禍以降の年度別生活保護の申請件数でございますが、令和2年度が314件、令和3年度が310件、令和4年度は10月末時点で216件となっており、月平均にいたしますと令和2年度が26.2件。令和3年度が25.8件。令和4年度が30.9件でございます。
このうちコロナ端緒の申請件数は、令和2年度が58件、令和3年度が22件、令和4年度が10月末時点で7件でございます。
続いて、決定件数の推移でございます。令和2年度が315件、令和3年度が302件、令和4年度が10月末時点で196件となっており、月平均にいたしますと、令和2年度が26.3件、令和3年度が25.2件、令和4年度が28.0件でございます。
今後も中長期的には、高齢化の進展等の増加要因により、被保護者世帯は引き続き増加していく見込みでございます。
以上でございます。
149 ◯副議長(峯岸弘行君) 岡田じゅん子議員。
150 ◯2番(岡田じゅん子君) 主な要因としては、高齢化を挙げていただきましたけれども、やはり今年に入って月平均で30.9件と申請があったと。そのうちコロナを要因とする件数が減っているという点でもですね、やっぱりある程度、暮らしに物価高騰が影響を受けているということが背景にあるのではないかという見方もできるんじゃないかなというふうに考えています。
本日は、この日野市内の生活保護行政について、詳しく伺っていきたいというふうに思います。
今年の7月に、三菱UFJ銀行日野市役所支店が、立川駅北口の支店と統合されて移転となりました。それに伴って、生活保護受給者の方が立替金を申請し受け取れる、毎週水曜日の特例給付に運用変更が行われたと聞いています。今までどういう形で、この特例給付が運用されていたか。そして、なぜ運用が変わったのか。現在はどのように行われているのか、詳しく御説明いただきたいと思います。
151 ◯副議長(峯岸弘行君) 健康福祉部長。
152 ◯健康福祉部長(山下義之君) 水曜日の特例給付についての御質問でございます。
生活保護費は、毎月5日が定例の支給日になっておりますが、新規で生活保護を受給開始する世帯や、突発的に発生する支給、定例の支給日では間に合わない支払いがある場合への対応として、毎週水曜日に特例払いとして支給日を設けております。
従前は、特例払いの前日である火曜日の15時頃までに、受給者が支給に係る必要書類を生活福祉課に提出していただければ、生活福祉課内の事務処理及び決裁を経て、翌日の水曜日に三菱UFJ銀行日野市役所支店で、その費用を金種別に払い戻し、封入、封緘作業後、その午後には支給することが可能でございました。
しかし、令和4年4月11日に、日野市指定金融機関である三菱UFJ銀行日野市役所支店が立川支店との統合により、令和4年7月11日に閉鎖される旨が周知をされたため、4月中旬から、市の会計課及び三菱UFJ銀行と協議を重ね、従前の特例払いの制度を残せるよう、支給手順の運用変更を行い、日野市役所支店閉鎖1か月前から試行をすることで、受給者には周知を図り、御理解と御協力をお願いして、実施に至ったものでございます。
日野市役所支店閉鎖後の特例払いの新たな支給手順では、水曜日の午後に受給者に現金を支給するには、その前の週の金曜日正午までに支払額と金種を確定させて、三菱UFJ銀行へ報告をしなければならないため、受給者には、木曜日の15時頃までに必要書類を御提出していただく必要がございます。
ケースワーカーも経理担当職員も可能な限り、早めに支給できるよう、受給世帯の状況を把握し、事務処理を迅速に進め、特に新規開始世帯については、その困窮状態に応じて、特例払い支給までの間に、緊急援護事業の食料や物資等の提供も行うなど、受給者の支援に取り組んでいるところでございます。
以上でございます。
153 ◯副議長(峯岸弘行君) 岡田じゅん子議員。
154 ◯2番(岡田じゅん子君) このことについては、ある生活保護受給者の方から、メールで御相談が入って、私も知るところになりました。
その方は、お仕事で使うための靴を購入する必要が生じて、数千円立て替えて支払ったということです。御自身で立て替えて靴を購入した代金を市に申請しようとした際にあったことをメールでお知らせくださいました。
このように書かれていました。今までは金額にかかわらず、火曜日の午前中までに申請すれば、翌日水曜日の午後1時には窓口で受け取れたのですが、今後は少額の申請については、窓口での支給はしにくくなり、保護費の支給日に振り込まれ、窓口支給は、木曜日、午前中までの申請で、翌週水曜日に窓口で受け取れるように変わったということです。ちょっと今の御説明と少しだけずれるところもありますけれども、この方が特に問題だと指摘しているのは、申請してから支給になるまで時間がかかり過ぎることだということを教えていただきました。
たとえ少額であっても、保護費をふだんから貯金して立て替えることは、我々生活保護を受給する者には苛酷な負担です。このようにですね、大変切実なお声をいただきました。
銀行側には、経営上の事情があって、また行政側としても、不本意ながら今の事態に至っていることと理解をいたします。
しかし、必要なお金をすぐに出してもらえないということが、生活保護を受ける方々にとって大変切実であると、この御指摘で改めて気がつかされました。
また、最低限困った方に食料だけを渡せるようになっているといっても、それだけでは全く不十分だというふうに思います。生活保護受給者の皆さんが保護費で購入されるのは、食料品や日用品だけではありません。生活そのもの全てにお金がかかります。この方の場合、健康上の理由からフルタイムの就労ができないという事情がおありです。無理をしたらいけない健康状態であるにもかかわらず、交通費の節約のため、御自宅から何十分もかけて、市役所に歩いてこられたこともありました。三菱UFJ銀行にも改めて事情を分かっていただき、協力をお願いするとか、また、他の自治体では、こういうことがあった場合、どのように対応しているのか調査するなどして、責任を持って何らかの方策を検討いただけないかと思います。
また、我々市議会議員も問われています。困っている受給者の方がいらしたら、お気軽に御相談いただけるよう、広く呼びかけるとともに、市に対して、よりよい対案が提案できるよう、情報収集に努めていかなくてはと思います。
次の質問に移ります。
次は、2点まとめて伺います。
まず一つ目、保護費を多くもらい過ぎてしまったことで、数か月間、保護費の減額が行われた方がいらっしゃいました。数か月にわたって、連続で毎月3,000円ずつ引かれて、その減額がやっと10月で終わったと思っていたら、11月も3,000円引かれてしまった。ただでさえ物価高騰の中、決まった保護費だけで本当に苦労してやりくりをしているときに、3,000円も減額されるというのは、精神的にも大変な痛手を受けると悲痛な訴えをいただきました。このことについて、御本人にどのような説明が行われたでしょうか。
また、次は、一般的なケースについて伺いますが、保護を受けながら仕事をされている方の通勤のための交通費について、受け取れるはずの交通費をもらっていなかった場合、対応はどうなりますか。この2点、教えていただけますか。お願いします。
155 ◯副議長(峯岸弘行君) 健康福祉部長。
156 ◯健康福祉部長(山下義之君) 2点の御質問いただきました。順次答弁させていただきます。
初めに、保護費を多く支給した場合の対応についてということで、答弁させていただきます。
毎月の生活保護費は、厚生労働大臣が定める保護の基準によって計算された最低生活費と保護を受給する世帯の就労や年金等の収入を比べ、収入が最低生活費を下回る場合に、その不足分について保護費として支給をしているものでございます。
そのため、保護申請を受ける際、全ての収入を申告する必要がある旨を説明し、受給開始後はケースワーカーが収入について確認を行い、定期的収入のある受給世帯には、毎月収入申告をしていただいております。
しかしながら、様々な事情で受給者が、収入の申告をされなかったり、収入の増減があるにもかかわらず報告がなかったりする場合には、必要な保護費の計算に際し、見込額で計算をしなければなりません。その後、申告された正式な収入額が収入見込額よりも多かった場合には、本来の保護費より多く支給されていることになりますので、その分を返納していただくか、あるいは、翌月以降の保護費から減額をしなければなりません。保護費の過払いが発生した場合は、ケースワーカーが受給者に生活状況を聴取し、現金で過払い分を返納していただけるのか、翌月以降の保護費から過払い分を一括、または分割で減額することは可能かなどをその世帯にできるだけ負担のかからないよう、その都度丁寧に確認した上で決定をしております。
ケースワーカーは、受給者に対し、訪問活動だけでなく、電話連絡や書面を郵送するなどして、収入や就労などの世帯の状況を把握し、世帯ごとに必要な支援につなげられるようコミュニケーションを図りながら日々の業務に取り組んでいるところでございます。
続きまして、2点目の通勤時の交通費についてございます。ケースワーカーは、毎月の保護費を算定するために、受給者に毎月収入や就労に伴う必要経費の申告をしていただいております。就労収入のある方については、通勤に必要な交通費が発生した場合、その交通費は収入額から控除されるため、受給者の持ち出しはございません。そのため、収入申告があった場合には、必ず交通費発生の有無、交通手段についても確認をしております。
しかし、本来あるはずの交通費について申告をいただけない場合には、ケースワーカーから連絡をしておりますが、連絡が取れない場合や後から申告をされた場合は、その月に必要な控除額を保護費に反映できないこともございます。
ただし、交通費の控除や支給がなされなかったことが、その世帯の生活を逼迫させていることが明らかな場合には、その状況に応じて交通費を遡及で支給することも可能でございます。
受給者には、引き続き、世帯の状況把握のため、定期的な訪問活動や連絡を行い、必要な各種申告書の提出を促し、毎月の保護費に、大きな過不足が発生しないよう、引き続き支援をしてまいります。
以上でございます。
157 ◯副議長(峯岸弘行君) 岡田じゅん子議員。
158 ◯2番(岡田じゅん子君) どうもありがとうございます。
今回の質問を行うに当たりまして、市内の生活保護受給者の方4人に、暮らしの中でのお困り事などお話を伺ってきました。40代から80代まで、年代も性別も異なる方々です。たった4人と人数は少ないですけれども、それだけでも生活保護の制度の利用の仕方というのが、お一人おひとり多様なんだということを実感するに至りました。100人いたら100人、これまで生きてこられた人生、今、営んでいる暮らし、その状況に応じた形で制度を使っていらっしゃるんじゃないかと思います。だからこそ、制度の範囲で一人ひとり、どういう形で受給をしていただくことができるのか、あくまでも制度の枠の中でではありますが、少しでも憲法25条の理想に近くなるように利用していただくためには、ケースワーカーの皆さんの専門性が、大きく問われる、そういう仕事だなというふうに思います。
また、お一人おひとり制度の使い方が異なるわけですから、それぞれに丁寧な保護費の内容についての説明が当然必要となってくると思います。そうした中で、ケースワーカーさんお一人に対して、本来80件までだというところを、大きく超過して平均116.7件のケースを抱えなくてはいけない現状というのは、専門性を発揮していただく上で、かなり無理がある件数だと、誰もが思うのではないでしょうか。
本来ならば、直接会って話さなくてはならないような複雑なことも、電話で済まされるということがだんだん常態化しても無理はありません。私も4人の方にお会いして、お一人ずつできるだけ時間を割いてお話を伺ったつもりでおりましたが、それでも一度に心ゆくまで、お困り事や御要望を伺うということがいかに難しいか、それを痛感いたしました。
日常の中で、そこはかとなく感じる違和感や心配事を整理して的確に説明するというのは結構難しいことです。お一人おひとりの受給者の方の思いを丁寧にすくい取って支援につなげるためにも、複雑な制度について御理解いただくためにも、丁寧なコミュニケーションを図ることが求められています。
そうした中で、やはりケースワーカーの増員は、もうこれは本当に急務だというふうに思います。増員に向けての認識、既に行われている取組などありましたら、改めてお聞かせください。
159 ◯副議長(峯岸弘行君) 健康福祉部長。
160 ◯健康福祉部長(山下義之君) ケースワーカーの増員についての御質問でございます。
生活福祉課の現在のケースワーカー在籍数は20人でございますが、そのうち育児休業中の職員が2人おりますので、実質18人のケースワーカーで業務を行っております。
令和4年10月末現在の保護世帯数は、2,245世帯のため、ケースワーカー1人当たりの担当数は124世帯となっております。このことは、社会福祉法第16条に基づくケースワーカー1人当たりの標準世帯数が80世帯とされていることから、令和3年度の東京都指導監査におきまして、勧告事項とされ、令和4年9月に実施されました令和4年度の東京都指導監査におきましても、実施体制について、引き続きケースワーカーの不足を指摘されているところでございます。
ケースワーカーの不足により、担当職員に業務面や健康面での過度な負荷がかかるだけでなく、訪問活動や適正な事務処理に必要な時間が取れず、受給者への支援に影響が出る可能性があるため、毎月保護受給世帯数及びケースワーカー等現業員数などの状況を総務部職員課に報告してきており、必要性の理解はしていただいております。
今後もこうした情報共有を図ることで、必要な人員確保が実現するよう、引き続き努力をしてまいりたいと考えております。
以上でございます。
161 ◯副議長(峯岸弘行君) 岡田じゅん子議員。
162 ◯2番(岡田じゅん子君) 新卒の方を多く採るなどして、また、丁寧に研修を行っていただいて、日野市ならではの専門職のケースワーカーさんを大切に、気長に育てる、そういう努力が最大限行われてしかるべきなのではないかと思います。基礎自治体としての姿勢が問われるところだと考えます。
9月議会の決算委員会で、生活保護行政について、日本共産党市議団は幾つか要望をいたしました。先ほど申し上げた116.7件というのは、このときの答弁に基づいて申し上げたものになります。さらに、そこからケースワーカーさんが減っていると、育休でお休みをされているというお話でした。
9月議会のその質問の際にですね、日野市のホームページにおいて、日本共産党市議団は、厚労省がやっているように見出しで、生活保護の申請は国民の権利です。生活保護を必要とする可能性はどなたにでもあるものですので、ためらわずに御相談くださいと入れること。あるいは、中野区をはじめとする先進自治体の取組に学んで、ポスターを作成するといったことが必要ではないかと求めています。
あと、私からもう一つ、ホームページに保護申請の際に必要となる書類を明示してあると、より一層申請へのハードルが低くなるかと思いますので、提案をさせていただきます。
それでは、最後の質問に参ります。
制度の趣旨を周知して、申請を促すための市の取組について、私たちの提案をどう受け止めているかも含めて、改めて認識をお聞かせください。
163 ◯副議長(峯岸弘行君) 健康福祉部長。
164 ◯健康福祉部長(山下義之君) 制度の周知についての御質問でございます。
生活保護制度に関しては、制度の仕組みや保護決定までの手続の流れ、申請の窓口などについて、市のホームページや暮らしの便利帳及び知っ得ハンドブックに掲載をし、広く周知をしており、セーフティネットコールセンターの生活相談でも、個別に周知と説明をしているところでございます。
また、市民講座のひの21世紀みらい塾を活用して、申込みに応じて制度説明をさせていただいているところでございます。
これらに加えまして、セーフティネットコールセンターのツイッターによる周知や連携を行うことで、より伝わりやすい情報発信と分かりやすい周知によって、正しい制度理解と相談しやすい体制づくりを進めてきております。
しかしながら、生活保護には、負のイメージやレッテルといった、いわゆるスティグマを持つ方もおりますので、生活保護制度に対しての偏見などをなくし、制度がより正しく理解され、信頼されるものとなるよう、その周知と併せて、生活相談の段階でも、生活保護の申請は、国民の権利であることを御理解いただき、ちゅうちょや遠慮なく生活保護を申請できる体制づくりに引き続き取り組んでまいります。
以上でございます。
165 ◯副議長(峯岸弘行君) 岡田じゅん子議員。
166 ◯2番(岡田じゅん子君) この夏のことですけれども、セーフティネットコールセンターの職員の方から、しばらくの間、浅川近辺に寝泊まりをされている方がいるとのお話を伺いました。ここでは、仮にAさんとお呼びしたいと思いますが、何らかの事情で行政のサービスの利用にすんなりとつながらないで、しばらく路上生活を送られていたということです。セーフティの職員の皆さんの粘り強い働きかけによって、その後、無事に保護につながったと聞いて、大変熱意あるお仕事ぶりに敬服するとともに、ほっとしたところでした。
今、物価高騰で市民の皆さん、大変な思いをされています。出費がどんどん増えるのに収入が上がらない。もしくは、年金が下がって、75歳以上の方の一部は、医療費が2割化になるなど、暮らしの厳しさが容赦なく住民の皆さんを直撃しています。まだ、保護の基準にまではなっていないけれども、非課税世帯であるという方も極力節約のために電気を使わないなどの工夫をしているとおっしゃっていました。政府の出した5万円だけでは足りない。冬を越せるか不安だと、夜中電気代の安い時間帯に、お米を炊いたりされているそうです。
今、生活保護を必要とされている方がいたら、とにかくためらわずに御相談いただきたいと思います。過去行政サービスを受ける上での何らかのトラウマを抱えることがあったりだとか、あるいは、お一人おひとりの特性などから、コミュニケーションに困難を抱えていたり、すんなり行政を頼れない御事情がそれぞれにある可能性もあると思います。
しかし、少しでもバリアをなくすために、既にホームページの改善にも取りかかってくださっていると聞いています。今、行われていることは大切にしながら、ポスターやホームページの抜本的な改善、引き続き、考えて検討をしていただけないかと思います。
特に、ふだんあまりインターネットを使われない方、ホームページを御覧にならない状況の方々にも、孤独にさせないメッセージを確実に届けなくてはならないと思います。それには、やはりポスターや広報などの紙媒体も大いに使って、生活保護はあなたの権利ですと訴えていただくのが、やはり漏れもないし、基礎自治体としての本気度が伝わって、説得力を持つのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
また、昨日、わたなべ議員の一般質問でも既に求めていますけれども、私からも重ねて、困窮されている方々、生活にお困りの方々に、日野市独自の給付金を出していただくことを強く要望させていただきます。
それでは、最後に市長にお考えを伺います。
167 ◯副議長(峯岸弘行君) 市長。
168 ◯市長(大坪冬彦君) 岡田じゅん子議員より、物価高騰、不安定雇用、社会保障削減が暮らしを直撃、今こそ信頼と安心の生活保護行政をということで御質問いただきました。
生活保護の件数、コロナのときには、比較的思ったより、予想よりは増えなかったかなという感覚であります。多分、これは過去と違って、例えば、雇用安定助成金、雇用調整助成金などがあって、一気に雇用から切り離されないということ、休職期間中があるということがあって、少し遅れたのかなということもあります。
ただ、今後の今の物価高騰の中で、やはり保護の件数が増加する可能性はあるかなと思っております。それについて、適切な保護に結びつけるような努力をしていかなければならないと思っております。
水曜特例についてということであります。これについては、本当に銀行との連携があるんですけれども、やはり生活保護の場合は、臨時の支給、また緊急ですぐに保護に至った場合、すぐお金を支給する必要が出てくるといった場合に、5日の定例払いを待つことはできませんから、それに対する柔軟なお金の支給の体制が必要であります。三菱銀行の事情があってということでありますから、じゃあ、その事情はやむを得ないとしても、できるだけ元の形に近いような工夫なり、努力が必要なのかなというふうに思っております。
保護費を支給した場合、支給し過ぎの場合の返還の在り方についても、これはやむを得ないんですけれども、その返還を求める場合についても、当然、保護者の生活実態に併せてお願いするということになりますから、本当に仮に多額の場合には、もう長い年月をかけて分割をするとかというのを実際には、やっているというのが実情であります。
そして、通勤の交通費についても先ほど申し上げたとおりでございます。
一番多分、肝腎なのは人員不足と体制強化かなというふうに思います。日野市でも職員採用試験においては、福祉職の採用をやっていてということで、当然採用した福祉職についての配属職場については、生活福祉課の生活保護のケースワーカーというのも有力な配属先ということでやっております。
ただ、全体として、なかなか職員採用状況も厳しくてということがあって、今、現在に至っております。当然1人80名、1ケース1人80世帯という基準について、これをクリアしていないのはちょっと私の責任として、ずっと東京都の指導監査でも言われております。早く克服するように全力を上げて努力していきたいというふうに思っております。
申請しやすい工夫ということで御指摘いただきました。9月議会、そして今回もということですね。本当に今、生活保護の捕捉率というのは2割ぐらい。本来はもう少し高いはずなのにということはずっと変わっていないと。これは、一つは、いわゆるスティグマということがあって、そして、あともう一つは、申請に至る道筋がなかなか親切でない。逆に、一時期は、水際作戦などによって申請させないようにやっている福祉事務所もありました。そうではなくて、議員がおっしゃるように、申請に結びつく、気軽に申請できるような、そういう広報なり、PRということも必要だろうと思いますし、また、申請の手続が煩雑でありますが、それについても分かりやすくするような工夫ということもやっていく必要があるのかなというふうに思っております。
当然、保護を受けやすくして、保護からも自立できるような、そんな仕組みをつくっていかなければならないし、いずれにしろ、生活保護行政については、この間のいろんな反省も踏まえて、そして厳しい物価高、そしてコロナの中で、今後は生活保護を受ける、受けやすくするような、気軽に受けられるような体制をしいていく。そして、そのための生活保護行政を支えるようなケースワーカーの充実ということについて、努力をしていかなければならないと思っております。
以上です。
169 ◯副議長(峯岸弘行君) 岡田じゅん子議員。
170 ◯2番(岡田じゅん子君) ありがとうございます。
前向きな御答弁をいただいたと思います。引き続き、議員としても、市民の皆さんの暮らしを、市の行政と一緒に守っていかれるように、頑張りたいと思います。
これで質問を終わります。
171 ◯副議長(峯岸弘行君) これをもって岡田じゅん子議員の一般質問を終わります。
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172 ◯副議長(峯岸弘行君) 一般質問9の1、財政健全化に向けた、日野市の本気度を問うの通告質問者、島谷広則議員の質問を許します。
〔12番議員 登壇〕
173 ◯12番(島谷広則君) それでは、今回は財政健全化に向けた日野市の取組というテーマで、一般質問を進めてまいります。
日野市は、2020年、令和2年2月、財政非常事態宣言を発出し、現在に至ることは多くの市民も認識していることかと思います。
発出当時は、新型コロナウイルス感染症が本格的に蔓延する前でした。新型コロナ感染症対策に重点を置く関係から、財政再建計画の立案及び執行を後ろ倒しとした中、本年8月、財政健全化計画兼第6次行財政改革大綱実施計画素案が出され、9月よりパブリックコメントの実施、その内容を精査し、来年度令和5年度4月より本格的に執行される段階へと移っていきます。
しかしながら、財政非常事態に至った背景が、多くの市民から御納得をいただくことはないにしろ、共有が図られたと言える状態かどうかには、まだまだ疑問が残ります。
全国的には人口減少、少子高齢化の進展が顕著と言われながらも、日野市の人口は微増をたどってきたわけで、何が原因で財政非常事態なのというお声は、現時点でもたくさんの市民からいただきます。
2020年2月、財政非常事態宣言の発出当時の市側の答弁では、ふるさと納税制度による歳入減が約3億円、国の税制改正による法人市民税収入の悪化で3.4億円、同一労働同一賃金の考えによる会計年度任用職員制度による人件費歳出増が約7.3億円、日野市の歳入歳出の悪化が継続的に続いていくと、財政調整基金の枯渇も見込まれ、数年後には厳しい状況に陥る。それを避けるための財政非常事態宣言発令だったかと記憶しております。
ただ、これも市民からすると、国の税制改正で悪化が理由であれば、ほかの市も同じではないのかとの御意見もいただきますし、なぜ日野市がという部分に、多少なりとも信頼感が抱けなければ、この状態を脱却に至るまでの市の本気度が伝わってこない。だらだらと中途半端にこれまでどおりの行財政改革を継続し、市にとって都合の悪いときだけ、財政が厳しいのでというような言い訳に使ってしまっては本末転倒であります。
日野市が本気で組織課題に向き合った結果が、財政再建計画に現れていることを期待しつつ、これを乗り越えれば、希望が抱ける、明るい未来が待ち構えているんだというエールを込めた質問と捉えていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、一つ目の質問です。
財政再建計画兼第6次行財政改革の素案を拝読しても、市として、この間分析した原因や組織的な課題など、財政非常事態宣言を発出した背景と目的という部分が非常に不明瞭に感じます。この部分が腹落ちしないと、各項目に対しての懐疑的な視点が拭えません。
昨日12月1日に公表された最新版の日野市財政再建計画・第6次行財政改革大綱実施計画には、追加で記載されましたが、日野市が財政非常事態宣言を発出した背景と目的について改めて共有を図るため、御答弁をいただきたいと思います。お願いいたします。
174 ◯副議長(峯岸弘行君) 答弁を求めます。企画部長。
175 ◯企画部長(高橋 登君) 市では、新たな行政需要、課題に対応するための事業の財源を確保するため、行政サービスの在り方の見直しや、仕事のやり方、仕組みの改革など、行財政改革に取り組んでまいりましたが、市の財政状況は、基金や市債の活用に頼る厳しい状況が続いております。
平成30年度決算では、経常収支比率が市として初めて100%に達し、令和元年度6月に公表した日野市の当初予算概要及び今後の財政収支見通しにおいては、令和2年度から4年度までの3年間で、合計約100億円の財源不足が発生することが明らかとなりました。
令和2年度の当初予算編成においては、都市計画道路の主要工事の先送りなど、新規事業や投資的経費を中心とした歳出抑制を行い、前年度比で財源不足を減らすことができました。
しかし、歳入では、税制改正に伴い、法人市民税が減少し、歳出では、高齢化の進行や保育需要への対応などを背景として、社会保障関連経費の増加、公共施設等の老朽化、耐震化対策などへの対応に加え、当市の特徴として、土地区画整理事業を広範囲で実施していることや、単独市で市立病院を運営していることによる繰出金などの増があり、さらに令和2年度から始まった会計年度任用職員制度によって、人件費が増となった影響などを受け、基金や市債に頼った予算編成から脱却するには至りませんでした。
将来的には、歳入予算は、生産年齢人口の減少に伴い、減収が見込まれる一方、歳出予算は、2025年問題をはじめとする高齢化の進行による社会保障関連経費を中心に増加が続くとともに、公共施設等の老朽化への対応の必要性もさらに増していきます。
いわゆる財政破綻になるような状況ではありませんでしたが、これまでと同様の財政運用を続けた場合、真に必要な行政サービスの提供が困難になりかねないという、市の財政の危機的な状況をお伝えするために、諸力融合の精神の下、市民の皆様と力を合わせて、この状況を乗り越えていくため、令和2年2月に財政非常事態宣言を発出いたしました。
以上でございます。
176 ◯副議長(峯岸弘行君) 島谷広則議員。
177 ◯12番(島谷広則君) 先ほどの答弁でも、平成30年度決算では、経常収支比率が市として初めて100%に達した。令和2年度から令和4年度までの3年間で、合計約100億円の財源不足が発生することが明らかになったとの答弁もありましたが、私は、この点を気づくのが遅過ぎたと、大きな反省として振り返ることが重要だと捉えております。
途中経過で、財政指標の悪化が懸念されるチェックとフォローが機能してこなかった。機能していれば、財政非常事態宣言の発出も避けられたのではないかとの反省も重要だと捉えております。
また、答弁でも、いわゆる財政破綻になるような状況ではありませんというのも、市の答弁も重要なポイントです。総務省の地方公共団体の財政の健全化に関する法律で、各財政指標における財政健全化団体の基準、さらに悪化すると夕張のような財政再生団体と判断される基準が出されておりますが、日野市は、あくまで独自の判断で財政非常事態宣言を発出しているということです。
市民からは、過去の夕張市のような国の関与による再生を求められる財政再生団体の直前に至っているのではないかとの不安を感じている方も多いかと思いますが、あくまで日野市は、その手前の手前、市独自の判断による財政非常事態宣言であることは、改めて認識を合わせたいと思います。
ほかにも、日野市の特徴として、広範囲での土地区画整理事業の長期化及び市単独運営の病院経営が背景として挙げられましたが、これこそ今に始まったことではございません。長期計画の中で定量的に必要と予測できる支出があった中で、待機児童対策など、当時の時代背景における社会的課題の優先度を判断した。その途中経過で、スクラップ・アンド・ビルドをしていかなければならなかったところ、投資する方向、いわゆるビルド部分に偏っていった結果が、今日に至るのではないかと率直に思うところでもございます。
続いての質問に移ります。
項目選定に至るまでの組織内部でのプロセス、その後の日野市行財政改革推進委員会からの意見やその反映点、そして、パブリックコメントの内容や、その後の修正点ということで、決定過程について、一つずつ御答弁をいただきたいと思います。
まずは、先ほどの背景を基にし、四つの指標目標、当初予算編成後の財政調整基金の残高、歳入経常一般会計に、臨時財政対策債などを加えない場合の経常収支比率、公債費負担比率、いわゆる市債発行による借金です。そして、四つ目、標準財政規模に対する人件費比率を令和9年度の達成目標として掲げているわけですけれども、その指標を目標として掲げた日野市の意図について伺いたいと思います。お願いいたします。
178 ◯副議長(峯岸弘行君) 企画部長。
179 ◯企画部長(高橋 登君) 令和3年3月に策定した日野市財政再建方針・第6次行財政改革大綱では、持続可能な財政運営が可能となる状態、必要な行政サービスを安定的に提供でき、かつ災害などの突発時にも対応できる財政運営の状態を財政運営のあるべき姿として掲げ、現状や問題の洗い出しとともに、財政運営のあるべき姿を達成するための数値目標を設定いたしました。
財政運営のあるべき姿として、四つの柱立てをしております。
一つ目は、災害や感染症などの予期せぬ事態に柔軟に対応できる財政運営。
二つ目は、新たな行政需要への対応や市民活動を後押しできる財政運営。
三つ目は、将来世代への責任を果たす負担を持ち越さない財政運営。
四つ目は、事業運営手法の見直しによる適正な財政運営となります。
それぞれ設定に至った課題感や考え方について御説明をいたします。
一つ目の災害や感染症などの予期せぬ事態に柔軟に対応できる財政運営については、経済の悪化等による大幅な税収減や災害等の発生、新型コロナウイルス感染症対策などの不測の事態における財政財源不足への備えとして、財政調整基金の残高を令和10年度当初予算編成後に35.7億円とする目標を設定しております。
市では、当初予算編成の際に生じる多額の財源不足を財政調整基金で穴埋めする運用が続いており、令和4年度当初予算編成後の残高は約28億円で、残高が少ない状況でありました。
なお、令和3年度末における残高は43億円となっていますが、市民1人当たりの金額で見ると26市中21番目で低い水準となっております。こうした課題感から、財政調整基金の残高を一定額確保する目標設定としております。
二つ目の新たな行政需要への対応や、市民活動を後押しできる財政運営については、財政の硬直化を示す経常収支比率を目標値に設定しております。先ほど申し上げたように、近年、高齢化の進行や、保育需要への対応などを背景とした社会保障関連経費の増加が顕著であり、市税等をはじめとする歳入予算の一般財源の増額に比べ、社会保障関連経費をはじめとした歳出予算の扶助費の伸びが大きくなっております。
市の経常収支比率は、平成30年度決算と令和2年度決算で100%を超えております。新たな行政需要へ対応する財源を確保するために、市の平成22年度から令和元年度までの10年間の平均値を基準として、95%以下の維持を目標値に設定いたしました。
三つ目の将来世代の責任を果たす負担を持ち越さない財政運営については、近年の施設の老朽化対策などへの対応によって、増加傾向にある公債費について、将来世代の負担が過度なものにならないよう、公債費負担比率について、目標設定をしております。
近年の公債費負担比率は7%台となっており、警戒ラインとされる15%を下回っている状況ですが、大型工事など借り入れている市債の償還が据置期間の終了後、順次始まるため、公債費は増加が見込まれております。
将来世代へ負担を持ち越さず、持続可能な行政運営を行っていくため、市の平成22年度から令和元年度までの10年間の平均値を基準として8%台で、かつ、プライマリーバランスが黒字であることを目標としました。
四つ目の事業運営手法の見直しによる適正な財政運営については、標準財政規模に対する人件費の割合を目標設定しております。必要な行政サービスを持続的に提供していくためには、事業の廃止や統合など事業の在り方について検討を行うとともに、事業の効率性を上げるための施策を進めていく必要があります。
令和2年度から会計年度任用職員制度が開始されたことによる影響や、職員の年齢構成などの影響から、令和3年度決算において、市の人件費の割合は26市中、24番目、割合の高いほうから3番目となっております。義務的経費となる人件費の増加は、財政の硬直化の一因となるため、財政標準規模に対する人件費の割合を28.0%以下にすることを目標設定といたしました。
以上でございます。
180 ◯副議長(峯岸弘行君) 島谷広則議員。
181 ◯12番(島谷広則君) 続いて、財政再建計画の各項目選定に至る組織内部でのプロセスについて御答弁をいただきたいと思います。お願いします。
182 ◯副議長(峯岸弘行君) 企画部長。
183 ◯企画部長(高橋 登君) 財政再建計画・第6次日野市行財政改革大綱実施計画の取組項目の選定プロセスについて、その考え方から説明いたします。
第6次計画が、これまで第5次以前の行財政改革と大きく異なる点は、表題にも表したとおり、財政状況の改善に主眼を置いたことにございます。
財政状況の改善という困難な命題を達成するため、第6次計画においては、行財政改革において求められる全ての要素に着手するのではなく、効果の高い取組に特化し、集中的に推進していくこととしました。
といいますのは、全ての要素に着手した結果、一つ一つの取組について、進捗管理を行うことが難しくなり、結果散漫となってしまうことが懸念されるからでございます。
そこで、第6次計画の中では、取組を選出するに当たり、用いる視点を二つ設定いたしました。
一つ目は、財政非常事態からの脱却に向けた優先度の高い取組。
二つ目は、長期的な視点から、業務の効率化に効果が見込まれる取組でございます。
二つ目の視点の設定理由については、補足いたしますと、短期的には出資がかさむ取組であっても、長期的には、大きな歳出削減効果を生む取組についても重要であるとの認識から設定したものでございます。一つ目の視点だけでは、こうした長期的な視点に立った取組が損なわれてしまいます。
次に、選定のプロセスについて御説明いたします。
まず、対象とすべき項目について、庁内全体に対して調査を2回行いました。1回目の調査は、第6次計画の基本的な考え方が定まっていない段階で実施しました。
この調査により、第5次計画において取り組んだ項目の中で、第6次計画に引き継ぐべきもの、そして、新たに追加すべき取組について抽出しました。
2回目の調査は、第6次計画の基本的な考え方の案、こちらには、先ほど御説明した取組選出の二つの観点も含まれますが、この考え方そのものと二つの観点に立って取組の精査を実施した結果、改めて庁内全体に対して提示し、意見を受けたものです。
さらに、以上申し上げた調査に基づき、取組対象事業の候補としたもののうち、特に判断が必要と思われるものについては、理事者によるヒアリングを実施し、修正を行っております。
次に、外部の第三者による構成する行財政改革推進委員会の中で案について御意見をいただきました。
最後に、組織全体として案を確定するため、市長をはじめ理事者、各部長で構成する行財政改革推進本部において検討を行っております。その後、パブリックコメントにより、広く市民の皆様に御意見をいただき、再度委員会、推進本部の検討を経て、最終的な計画として確定いたしました。
なお、取組項目については、毎年度実施する計画の進捗管理、内容の検証の過程で必要に応じて、追加修正をしてまいります。
以上でございます。
184 ◯副議長(峯岸弘行君) 島谷広則議員。
185 ◯12番(島谷広則君) 続いて、先ほどの答弁の中でも触れられておりました行財政改革推進委員会の構成員の詳細についてと、その推進委員会の中で出た意見やその反映、パブリックコメントで、市民の方からいただいた件数や特徴的な御意見など、実行前に至る改版の状況について御答弁をいただきたいと思います。お願いします。
186 ◯副議長(峯岸弘行君) 企画部長。
187 ◯企画部長(高橋 登君) まずは、行財政改革推進委員会について答弁いたします。
委員会の構成は、学識者、有識者、公募市民の6名でございます。令和4年度は、3回開催されておりますが、その中でいただいた御意見の一つについて御紹介させていただきます。
ある委員からは、行財政改革の取組項目については、廃止や減額など、どうしてもネガティブに捉えられる表現が多くなるので、適正な制度へ変更するということが伝わりやすいような表現にしてはどうかといった御意見をいただきました。こちらの御意見を受けて、計画書内の表現について、市民の方々の御意見をより反映する旨、表現に追加するなど修正を行っております。
次に、パブリックコメントの結果について御説明します。
9月に実施したところ、14名の方から57件の御意見をいただいております。うち一部の御意見と、その対応について答弁をさせていただきます。
表現として分かりづらい部分がある旨を指摘いただいた部分について、修正を加えさせていただいております。また、表記年度の誤りについて御指摘をいただきまして、その部分を修正させていただいております。
その他、計画策定や進捗管理の進め方に関する御意見も見られ、先ほど議員より御質問いただきましたが、取組項目の選定方法についての御質問や、委員会に対する市民によるチェック体制の創設を望むなどの、計画書に反映いたしませんでしたが、様々な御意見をいただきました。
以上でございます。
188 ◯副議長(峯岸弘行君) 島谷広則議員。
189 ◯12番(島谷広則君) 財政再建計画の目標指標としての市の考え方、また、各項目選定に至った内部プロセスなど、経過を確認させていただきました。
答弁を伺う限り、市の考えは理解させていただきますが、果たして、その考えやプロセスが財政再建計画に表現されているかには、率直に疑問が残ります。取組を選定するに当たっての二つの設定として、財政非常事態からの脱却に向け、優先度の高い取組。
2点目が、長期的な視点から、業務の効率化に効果が見込まれる取組の考えということですが、財政再建計画で選定された項目を見ると、これまで進めてきた第5次行革までと何が違うのか。パブリックコメントでも、市民から同様の指摘を受けているかと思いますが、これまでの行革と、何ら変わらない、かつ、市民サービスの縮小や廃止する方向だけが列挙される内容では、財政再建計画と呼べるのか、自組織の反省や努力、工夫によって生み出される改善が全くといってよいほど伝わってこない内容と、私自身も受け止めており、先ほどいただいた市の考えと大きな乖離が生じていると改めて感じているところでございます。
そこで、次の質問は、この素案の見えない部分、日野市側の工夫や努力により生み出される改善や効果、狙いについて、市の見解を求めたいと思います。
全体として表現されるべきポイントとして、このままいけば廃案せざるを得ない状況、市側の努力や工夫によって、影響を最小限に食い止める、もしくは、ある程度の投資も必要だが、それにより、新たな創出効果を生み出すなど、市側が狙う効果や改善が伝わってくるのであれば、最悪5年間の期間を設ける、この計画も妥当と受け止める市民も増えてくるのではないかと捉えております。
財政再建計画での施策全般における市側の努力や工夫により生み出される改善や効果について、隠れている部分ですね、市側の狙い、御答弁を求めたいと思います。
そして、もう一点、市側の工夫や努力という点においては、これまでの行革の中で、職員提案・業務改善制度の推進を掲げてきたと認識しております。この点は、過去の一般質問でも、年間目標1件。実績ゼロ件が続いてきた日野市の実情や、職員一人ひとりは、実は細かい小さな改善も含めて行ってきていること。その部分を組織として積み上げていくことの重要性、また、現場に出向く職員の日々の努力を評価していない組織から脱却すべきと、課題提起もさせていただきました。
職員提案・業務改善制度の推進を第6次行革から除外した理由について、御答弁をいただきたいと思います。お願いいたします。
190 ◯副議長(峯岸弘行君) 企画部長。
191 ◯企画部長(高橋 登君) まず、市民生活への影響を少なく抑える考え方について御説明いたします。
第6次計画では、効率的、効果的に財政再建、行財政改革を進めるために強化取組の方針として四つの柱立てを行っております。
四つの柱を御紹介させていただきますと、行政サービスのアップデート、公共私のベストミックス、収支バランスの改善、経営基盤の最適化というものでございます。市民サービスの廃止に特化したものではございません。
その上で、議員御指摘の市民生活の影響を少なく抑える努力は、行財政改革を進める上でも重要な観点であり、第6次行革にも反映しております。
四つの柱のうち、公共私のベストミックスは、市民サービスを縮小することなく、現在のサービス提供主体を見直すことにより、支出の削減、さらに市民サービスの向上を狙ったものでございます。
収支バランスの改善の柱のうち、歳入増への工夫については、クラウドファンディングなどの取組により、歳入の増加を狙ったものでございます。
経営基盤の最適化の柱から、例えばデジタルトランスフォーメーションの推進による効率化、市民サービスの向上を図ってまいります。
各取組については、現段階では、まだ調整を終了しておらず、十分に内容を記載できていないものもあります。内容として、不十分に映るかもしれません。今後、各取組について調整を進め、記載内容に反映してまいります。
次に、業務改善創出活動を第6次計画の取組項目から除外した理由について御説明いたします。
第5次計画では、職員提案・業務改善制度の推進を取組項目として言い続けておりました。しかし、第6次計画では、先ほど申し上げたとおり、財政状況の改善に注力するため、取組を選択する視点を設定しております。
職員提案・業務改善制度の推進については、二つの視点、財政非常事態からの脱却に向けた優先度の高い取組、長期的な視点から業務の効率化に効果が見込まれる取組には該当していないことから、第6次計画取組項目から外しております。
なお、職員提案の現状について補足いたしますと、令和4年度、シンヒノシヤクショ~想いをカタチにと題したプロジェクトの中で実施しております。全庁の職員から、様々な提案を受け、意見交換会を開催し、実現に向けた検討を進めております。
業務改善については、職員提案という形式にとどまらず、当然に各職員が日常の業務の中で実践するものでございます。また、6次計画においても、財政再建、行財政改革は、全ての部署、職員が全ての事業業務に関して取り組むものとうたっております。
今後も職員提案は、業務改善については、手法やそれぞれの時代に即した形で工夫しつつ、継続してまいります。第6次計画の中でも、先ほど御紹介したプロジェクトを含め、職員の発意による業務改善の中で、財政再建や業務の効率化に大きな効果を有するものについては、毎年度実施する計画の進捗管理、内容の検証の過程で、新たな取組として追加してまいります。
以上でございます。
192 ◯副議長(峯岸弘行君) 島谷広則議員。
193 ◯12番(島谷広則君) いただいた御答弁のお考えは理解いたしますが、その言葉と、計画の内容がリンクしていないということは改めて申し上げたいと思います。
市民サービスの廃止に特化したものではないとの御答弁もありましたが、どう市民サービスの付加価値につながるのか、財政再建計画から全く読み取れません。デジタルトランスフォーメーションとして例を挙げておりましたが、立川市、三鷹市と行っている3市共同による住民情報システムは、既に始まっており、それによる経費削減効果は、新たな創出とは言えない。既に見込むべき歳出削減だと私は捉えております。
また、窓口業務改善、電子申請の拡充ということも、時代に取り残されないためにも実施すべき必須の項目だと感じますし、国全体の流れで進展していく部分も多くあると思われます。日野市の努力なのか、新たな工夫と言えるのかには疑問が残ります。市民サービスの向上とざっくり記載されておりますが、現在の課題は何なのか。市民は、これまでの市の対応に対して何を求めているのか。窓口業務をどう変えていくのか。例えば5年後は、市役所窓口のたらい回しゼロを目指すなら、イメージがしやすいわけです。旧平山台小学校も、廃止の方向性は明確にうたわれており、生涯学習やコミュニティーなど生活環境へのよい転換はうやむやで、市の努力が全く伝わってこない計画には、非常に残念でなりません。
職員提案・業務改善制度の推進も、行革の項目から削除されました。組織内部のコミュニケーション不足は多くの議員が指摘している日野市の課題であります。
日々の業務で当たり前に実施するとの御答弁でしたが、その当たり前ができていなかった反省こそ、財政再建計画に反映すべき項目だと意見させていただきます。
これについては、令和4年度、シンヒノシヤクショ~想いをカタチにと題したプロジェクトの中で実施するということですので、次回の議会で、効果も含め実績を確認させていただきたいと思います。
それでは、次に、日野市が独自で設けた財政再建計画のポイントでもある、標準財政規模に対する人件費率の考え方について、認識を合わせたいと思います。
正規職員と会計年度任用職員とのベストミックスを目指すことや、会計年度任用職員については、フルタイム勤務やパートタイム勤務など、適材適所の運営で市民サービスの質を維持しながら改革が進められていくのか。ほかにも退職者数を想定した年代バランスや、専門的な職域の人員確保、新たな人材育成の観点、加えて、公務員の定年延長制度に関わる法改正を見据える必要があるなど、人件費全体のパーセンテージだけでははかれない非常に難しい采配を求められる部分と捉えております。
多くの市民から言われるのは、財政が悪化したのは、市の怠慢だ。今すぐ給料を下げろなど、厳しい御意見を伺いますが、私はそれについて、現時点では賛同しかねます。効果的な組織のスリム化、組織の自浄能力を発揮して進めることが第一義的に優先されるべき、財政非常事態の発出が、財政破綻目前ではないかという過度なリスク、イメージ先行が解消された上で、冷静に議論すべきであり、単なる耳障りのよい言葉で軽々に使うものではないと捉えております。
まずは、財政再建計画で人件費比率を掲げた市の考え方について、市として、どの部分にウイークポイントがあり、この計画でどう改革を進めようと考えているのか、計画では具体的に表現されておりませんので、その真の意図を伺いたいと思います。お願いいたします。
194 ◯副議長(峯岸弘行君) 総務部長。
195 ◯総務部長(竹村 朗君) 正規職員、会計年度任用職員、フルタイム、短時間の比率は、令和2年度に、会計年度任用職員制度が導入されて以降、今年度まで比率は、一般会計ベースでは約半々で、1,000人程度ずつ任用されております。昨年度までは、やや会計年度任用職員の比率が高い状況でしたが、令和4年度は、正規職員の比率のほうが高くなっております。
また、会計年度任用職員の中でも、フルタイム勤務とパートタイム勤務の比率は、フルタイムが約2割、200人程度、パートタイムが約8割、800人程度となっております。
正規職員の年齢構成は、現在は40歳代や30歳代後半の職員数が少なく、50歳代が多い状況でございます。これはいわゆる氷河期世代の採用抑制や、その前の時代の大量採用による影響などによるものです。職員の年齢バランスの偏り、また、事業の委託化が進まないことによる非常勤の会計年度任用職員が減少しないことが課題であると認識しております。
任期の定めのない常勤職員を中心とする公務の運営を基本とし、非常勤の職員の活用方法や定年の延長なども踏まえつつ、長期的に現在の職員任用状況は変えていかなければ、持続可能な公務の運営は難しいと考えております。
そのため、新規の採用は定期的に実施してまいりますが、正規職員の各世代のバランスが取れるのは、現在の50歳代が退職する約10年後の令和18年頃になると分析しているところでございます。
以上でございます。
196 ◯副議長(峯岸弘行君) 島谷広則議員。
197 ◯12番(島谷広則君) ありがとうございます。各世代の安定的なバランスが図れるのは、総務部の見立てとして約10年後ということです。
長期的目線に立つ中で、ミッションを達成しなければならない。非常に難しいかじ取りを求められますし、財政再建計画の執行から5年後には結果を出すということを目標として掲げているわけですから、人件費比率という一つの軸だけで指標を掲げることには弊害が生まれるのではないかとも懸念しております。
要は、市民サービスの量や質の観点と、人件費比率と相対的に比較する中で、ほか自治体とのベンチマークに採用しなければ最悪のケース、目標達成するために給料に手をつけるという安易で独裁的な施策に走りかねません。人件費比率に着目したことについては評価いたしますが、その中に、扶助費など提供している市民サービスとの相関的な評価ということが加えられないか、市の見解を伺いたいと思います。お願いいたします。
198 ◯副議長(峯岸弘行君) 企画部長。
199 ◯企画部長(高橋 登君) 議員御指摘のとおり、市全体の財政規模に対する人件費の割合のみでは、他市と比較して、市のどのような分野に人件費がかかっているのか把握することはできません。他市比較をする場合、どの分野において人件費が高いのかを把握することによって、他市との運用の比較につながると考えております。
例えば、予算書の款別で人件費を他市比較、分析し、その結果、人件費割合が高い分野に対して、さらに細かく分析していくことで、人件費割合が高い事業を推定することができます。
こうしたデータを活用することで、業務運用を見直すとともに、職員配置の適正化、業務効率化を図っていきたいと考えております。
以上でございます。
200 ◯副議長(峯岸弘行君) 島谷広則議員。
201 ◯12番(島谷広則君) 人件費比率の改善は重要なミッションですし、それをどう評価するかによって、今後の日野市の持続可能性も、大きく左右されます。次回3月の予算審議では、市民サービスの質と量と人件費の兼ね合いという視点で確認をさせていただきますので、準備を進めていただきたいと思います。
次が、最後の質問になります。
ここまで全体を通じて、財政再建計画兼第6次行革の日野市の見解について確認をさせていただきました。率直に文面では表現し切れていない意図が多々見受けられましたし、ここで審議した内容が組織全体に行き届いていないのでは、5年間で実行すべき本来の意図と離れていってしまい、数値目標さえ達成すればよしという安直な方向性に変わってしまう。結果的に、組織体質が何も変わらない可能性も危惧してしまうわけです。
今回の財政非常事態宣言の状況、市民の混乱を受けて、日野市が学ぶべきこととは何であるのかというのが最後の通告です。
財政非常事態宣言の指標やアラームを出す基準が不明瞭であったり、単年度の決算の結果で右往左往することはもうやめましょう。財政非常事態宣言発出の基準や計画予算上の財政指標を複数年計画として明確に提示し、自治体運営を遂行するというような、財政健全化に関しての条例を制定する必要があるのではないかと私は考えております。
先行事例としては、多くの自治体が進めておりますが、その先駆けとなった岐阜県多治見市の健全な財政に関する条例を参考に御紹介させていただきます。
市側が、予算案を提示する際の財政判断指数の見込みを公表することを条例でうたっております。これは、現在、日野市の3月予算審議時点では議会に提示できないとされてきた指標です。予算時点で目指すべき指標と決算時の差から、その年の社会的背景や日野市の判断を評価していくということは、市民の貴重な税金を預かる自治体として、市民への説明責任を果たす上でも改めて必要ではないかと思います。
ほかにも、財政改革大綱策定における原則、財政向上目標の設定というのもあります。財政向上目標というのは、市長の任期4年間による財政指標の目標値を掲げ、運営すること。4年の任期内の施策スケジュールも分かりやすくなる。中長期目線での施策など、今の日野市では見えにくい点が改善されます。
ほかにも、財政健全基準、財政警戒事態宣言の基準を設定。これはまさに、今、日野市が直面している財政非常事態宣言の在り方です。目標として掲げる財政指標の一つでも逸脱が見込まれる場合の事前のアラーム基準として設けられており、指標の悪化の見込みが判明次第、正常化に向けた計画を都度提示することとなっております。国立市も多治見市の条例を参考に、市民から理解が得やすい財政運営へと、かじを切っております。日野市も財政健全化運営の条例制定に向けて参考にすべきではないかと思いますが、最後に市の見解を伺いたいと思います。お願いいたします。
202 ◯副議長(峯岸弘行君) 企画部長。
203 ◯企画部長(高橋 登君) 予算案を提示する際の財政指標の見込み値について答弁をいたします。
多治見市の取組は、予算の段階で財政判断指数の見込み値を明らかにすることで、予算を議論するときに財政の健全性も議論の俎上に乗せ、議会のチェック機能を活用するものと認識しております。
一方で、あくまで財政指標は決算数値から産出される指標であるため、予算段階での見込み値とでは乖離が生じます。例えば、予算では安全性を見て、歳入を少なく、歳出を多く見積もりますので、経常収支比率は高めに算出されます。
多治見市の令和3年度当初予算と、同年度の決算における、公表されている経常収支比率を見ると、当初予算の見込み値では90.5だったものが、決算では85.8となっていて、5%程度の乖離が生じております。
また、財政指標を算出するための経費の分類などは、決算の段階で行うため、予算の段階では、決算と同等の高い精度は出ません。
このような状況から、予算提出時に財政指標の見込み値を公表した場合、その数値が一人歩きし、必要以上に緊縮財政を招くような懸念もございます。こうした課題や特性を踏まえた検討をする必要があると考えております。
次に、財政向上目標の設定についてお答えいたします。
第6次計画では、市の財政運営のあるべき姿に基づく指標設定について、これらを令和9年度末に全てクリアしている状態を持って財政非常事態宣言を解除するとしております。
よって、現在市では、設定している目標は、多治見市条例の条例上の財政向上目標ではなく、財政健全基準に近いものと考えております。
令和4年第1回定例会の一般質問でも、中嶋議員から経常収支比率について90%を目指すべきといった御意見もいただいております。当市においても、多治見市の財政向上目標に相当する指標は持っておらず、仮に設定するにしても、何をもって財政の向上とするかについては、様々な御意見があるものと考えております。行財政改革推進委員会などにお諮りしながら、対応を検討してまいります。
次に、財政警戒事態宣言の設定などについてお答えいたします。
財政警戒事態宣言は、多治見市条例の中で多治見市が独自に設定している財政健全基準に対して、4か年の中期財政計画期間内に財政判断指数の見込みのうち、一つ以上が基準を満たさなくなったときに発出するものと規定されております。
当市の場合、財政再建に向けて設定した指標が令和9年度終了後に達成されるよう、令和5年度から進捗管理していく段階にあります。よって、令和10年度以降に仕組みとして検討する課題と認識しております。
将来的な財政の見通しを持って、警戒事態を宣言することについては議論がある部分と考えておりますが、中期的な財政の見通しを明らかにすることは、市民の皆様に財政状況を御理解いただく上で重要と考えております。
中期財政計画については、今後、第6次計画を進行管理していく上でも、直近で取り組むべき課題と考えており、作成、公表を前向きに検討していきたいと考えております。
最後に、条例化の考え方についてお答えいたします。
多治見市条例は、制定の経過や、その後、高いレベルで財政規律を維持している状況から見て、有効に機能しているものと評価しています。
一方で、実効性を高めるために、総合計画に財源根拠の記載を義務づけるなど、従来型の行政計画、行政運営をベースとした予算措置に軸足を置いており、昨今の社会情勢の変化に応じた、新たな行政課題への対応が求められる状況には、そのまま当てはめることはできないと考えております。
しかしながら、多治見市の取組には、参考とすべき点が多々ございますので、市が議会に提出している資料の内容や、中期財政計画の作成、公表など可能な部分の見直しや取組に着手しながら、取組の実効性などを整理、検討し、条例化の必要性なども判断してまいりたいと考えております。
以上でございます。
204 ◯副議長(峯岸弘行君) 島谷広則議員。
205 ◯12番(島谷広則君) 御答弁いただきました。
予算時の計画段階での数値の精度など、過度なリスク表現を防ぐ、緊縮財政を招くんじゃないかというような御答弁もありましたけれども、私は、決算のときに、蓋を開けてみたら、歳出が越えていましたというほうが、よっぽど危ないと思うんですよね。緊縮財政で、市民生活が支え切れなかった分は、議会の中でもっとこうすべき、その数値を見て評価すべきという議論ができるわけです。蓋を開けて100%を超えていたというほうが、もう手が打てないわけですよ。ですので、改めて、この条例化の必要性というところは、前向きには受け止めていただいたと評価したいと思いますが、お願いしたいと思います。
予算時の目標値と決算時の差というのは、先ほど申し上げたとおり、発生して当然ですし、何が起因して乖離したのかが大事です。もしかしたら災害対応など、そのときの状況に応じた許容範囲かどうか、これは審議し、評価することが自治体運営の信頼度の向上につながると捉えております。
今、日野市民は、財政非常事態宣言という言葉に振り回され、不安を感じ、なぜ財政が悪化したか、いまいち伝わってこない状態にいます。その基準を設け、審議を尽くし、市民に分かりやすく公表する日野市に生まれ変わるためにも、前向きに検討を進めていただければと思います。
そして、追加でもう一点。日野市の決算、流用の項目が多過ぎませんかということを申し添えたいと思います。
流用とは、ほかの施策で予想以上に支出が抑えられたなどあった場合、予想以上に支出がかさむ科目に付け替える手続ですけれども、本来の理想形は、補正予算として事前に議会に提示され、なぜ支出が抑えられたのか、なぜ想定の支出を超えたのかを審議する過程をたどることかと思います。流用の手続は決算時の結果でしか評価できないわけです。致し方ない流用の判断もあるかと思いますが、財政健全化を目指す日野市の本気度が問われている状況です。大きなコストダウンのみにこだわらず、財政運営に対する組織全体としての意識を高める部分も、漏れなく改善していただくことを申し添えたいと思います。
最後に、本質問に対して、市長から御所見を求めたいと思いますが、御存じのとおり、市長の任期は4年間です。この財政再建計画は、今の任期を超えて宣言を解除、検討するといった、市民からすると少し首をかしげたくなる計画でもあります。現市長として、与えられた期間の中で、どこまで結果を出すのかを含め、御所見をいただきたいと思います。お願いいたします。
206 ◯副議長(峯岸弘行君) 市長。
207 ◯市長(大坪冬彦君) 島谷広則議員より、財政健全化に向けた、日野市の本気度を問うということで御質問をいただきました。
まず、今回出させていただいた第6次行革、財政再建計画について、厳しい評価をいただいたかなというふうに思います。これを乗り越えれば、希望が抱ける明るい未来が待ち構えているんだよねという、そういうようなものになっているのかということですね。
ある意味、行財政改革というのは、無味乾燥な文章が並ばざるを得ないということがあるとは思います。とは言え、そこに込められた意図とか、狙いとか、それから、そういうものについて、こういう御質問をいただかないと、なかなか読み取れないということは、ある意味、市が発出した、この宣言及び計画について、反省するべきところが多々あるのかなというふうに思っております。
この間の財政非常事態宣言、経常収支比率が100%を超えたということでありまして、それをきっかけにということになりました。最後に言われましたように、100%を超えたからという発想って、それって成り行きだし、逆に言うと、受ける側としては何なのそれという話になるということは確かにあるのかなというふうに思います。
この間、先ほど来、企画部長が答弁させていただいたように、財政が悪化した原因は当然、いきなり100%になったわけじゃなくて、いろんな原因があります。区画整理の話、病院の話、前からあるだろうということがありますが、いわゆる投資的経費に関わる部分として、これだけ大きな区画整理をやっている自治体はなかなかないということは御理解いただきたいと思います。
また、この間、この庁舎の長寿命化の工事、それから、ごみの関係の支出もあったということでありますので、そういう意味での大きな投資的経費があってと。そこで、先ほど答弁をさせていただきましたが、一時、平成29年は待機児童は250人を超えていて、保育園の建設誘致ということで、かなりの額を使ってきたということもあります。そういうことがあって、実は経常収支比率が100%になったということ。
ただ、そこの部分についての丁寧な説明も足りないのかなということがあります。当然、人口減少、そして高齢化、どこの自治体も同じ、日本全国同じ状況であります。そんなに楽なところはないんですけれども、一部の自治体を除いてということかなというふうに思います。
その上で、財政指標の悪化が懸念されるチェックというフォローという機能がなかったという話についてもいただきました。その意味で、多治見市の条例を提案していただいたというふうに思います。
多治見市の条例は、かなり厳しい条例でありまして、市長の任期ごとに、それぞれの財政指標について細かくチェックする。これをやっていくと、かなり身動きが取れなくなってしまうということはあるのかなということがあります。大胆な財政出動ができなくなるような、そんな嫌いもありますが、ただ、じゃあ、どういう形で財政の危機、そして指標を考えていくのかといった場合に、言わば、行き当たりばったりではなくてということで、一定の枠組みなり、制度なりというものをつくる必要があるということでは、非常に参考にすべきものかなというふうに思っております。
今後について、これを生かすような、こういうようなものを生かすような財政運営ということを考えていかなければならないなというふうに思っております。
また、質疑の中で、特に、職員一人ひとりの職員提案・業務改善、これについては、前回の質問においてもいただきました。今回も反映されていないのではないかということをいただきました。
今回、ここには書いてありませんが、この間、様々な出来事があって、職員一人ひとりが元気になって働きやすい職場をつくるためにということで、今、新しく赴任していただいた波戸副市長、そして、堀川教育長を中心にですね、シンヒノシヤクショ~想いをカタチにということで、取組を始めております。それを予算に結びつけるということもやっておりまして、令和5年度予算においても、そういうものとして生み出されたものがありますので、これについては、3月議会で御質問いただくとありますので、一定の成果はお話しできるかなと思います。そういうことは並行してやっているということは御理解いただきたいなというふうに思いますね。
また、人件費の話についても、これについては、それぞれほかの自治体と横並びの比較ということは、いろいろ作業としては、やっております。当然、単純に全体のトータルの人件費を比較しても、これはしようがないわけであって、例えば、日野市立病院を持っている自治体と、そうでない自治体を比べてもしようがないですね。そうじゃない形で比べる必要があってという形の出し方というのも必要であったかなというふうに思います。今回のこの出し方については、全体の話を出してしまっているところで、きめ細かさが欠けているのかなというふうに思っております。
その上で、私の任期以降の話ということで、令和10年という話になっております。当然、私自身の任期中ということであれば、当然、私自身の任期は、令和7年4月になりますから、そこまでの計画ということになりますが、やっぱり全体を見据えて、今いる職員が、私じゃなくて、職員が全体の事業を見直す中でどうあるべきかということを考えた場合に、私自身の任期云々じゃなくて、やはり長期的に、今の日野市の実情を一番よく知っている職員が、今ある知恵を絞って考えて、この先どうやっていくかということを考えて、打ち出したのがこの計画であります。
したがって、それは、日野市の未来、誰が市長になろうと、日野市の未来に向けて、今後どうすべきかを考える、そういう財政再建計画でありますから、それは任期を超えて出さざるを得ない部分があったと思います。まして、今回は、当初より財政非常事態宣言を発出したのは令和2年3月であります。その後にコロナがやってきて、全く先行きが見えない状況で、果たしてどうなるか分からない。コロナの正体も分からないし、これによって、どんな財政出動するか分からない。たまたま国や東京都の補助金が豊富に来ました。それを使って乗り切りましたけども、分からない状況でありました。
大幅に財政再建計画も後ろ倒しをせざるを得なかったということがある。じゃあ、後ろ倒しをしたから、じゃあ、2年程度で刻んだ計画を出すか。それは逆に言うと失礼でありますし、当然、練りに練ったものを、ある程度の年限をかけてやっていくことをやらざるを得ない。急激にやるわけに行きませんし、ものによってはやりますけど、当然、長期的な視点に立って財政再建をやっていく、そのための施策をどうするかということを考えていかざるを得ないのかなというふうに思っております。
いずれにしろ、そういう視点でつくってきた計画でありますけれども、いろいろ御批判をいただきました。ごもっともな部分も多々ありますので、今後のこの計画については、多分御覧いただきますと、記載が中途半端になっている。つまり、これから財政再建計画を進めることによってブラッシュアップしていって、記載項目が豊富になっていくという、そういう仕組みになっております。現時点で言えること、それから、今後言えること、現時点でこれからいろんな見直しをすることによって、新たに記入できること、記載できることが出てきますので、それについてしっかりと今回、御評価できるようなものに仕上げていきたいというふうに思っております。
また、今回は、先ほど議員からありましたように、単純に、これこれの金額をカットすればいいという発想では全くつくっておりません。本質的にどうすべきか。例えば、財政的な支援団体があります。いろんな団体に補助金を出している。観光協会も出しているし、商工会も出している。いろんな団体に出している。その出し方について、本質的にどういうふうにすべきかと、単純にそれを5割カットするという話じゃなくて、本来その団体の性格からいって出すべきなのか、どういうふうに出すべきなのか、そこまでの議論をしながら、今回の計画に結びつけているということは御理解いただきたいと思います。
ただ、それがですね、文面ではそれが分からない、伝わらない。だから、厳しい御批判をいただきながら、こういう質問をいただいたということであります。その点は、反省を踏まえつつも、今回こういう形で生み出した財政再建計画については、しっかり実施をしていきたいと思っておりますし、そのために、一日も早く当然この状況を脱却したいと思っておりますが、なかなか厳しい状況であります。簡単にはいきませんけれども、ある程度、長期的な視野に立って、この再建計画に沿って、いろんな事業の見直しを進め、当然スクラップ・アンド・ビルドということでありますから、それを考えていかなきゃならないし、ビルドの部分について、しっかりこの間、出してこなかっただろうという話もいただきました。それも踏まえてですね、この計画については、こういう形で取りあえず出させていただきましたので、これから、これについて、市民の皆様に御理解いただくような工夫が必要でありますし、説明も必要だと思っています。どういう形を取るか、この場では申し上げられませんが、そういう努力をしていった上で、市民とともに、日野市の財政を再建し、日野市を前に進めるための行政運営につなげていきたいと思っております。
以上です。
208 ◯副議長(峯岸弘行君) 島谷広則議員。
209 ◯12番(島谷広則君) 市長より御答弁いただきました。財政再建計画、この第6次行財政改革大綱実施計画は、これからの実施の中でフォローもしていく。先ほど答弁でも、市民サービスの廃止に特化したものではないということで、これからですね、様々な御意見、市民各団体との折衝なり、あると思います。そういったところをですね、定期的に、何年に1回かとかではなく、もっとフィードバックしたものをまた市民に公表する。そういった手続を踏むことで、少しでも理解が得られていく、そういった流れもつくれるのではないかと思いますので、お願いしたいと思います。
あとはですね、最後ちょっと差っ引いたところで、行政の縦割りというところの解消も、あまりこの計画に乗っかってこないですね。一つ一つの部署が目標を掲げて、責任を持ってやるということは大事なのは分かるんですけれども、連携して、同じような仕事を一緒になって、さらにパフォーマンスを上げて、相乗効果を持っていくという提案も、これは私だけではなく、様々な議員が、これまでの改善の中で行ってきていると思うんですね。そういった内容も行財政改革の中に現れてきてないのか、それとも、項目として上がらなかったのかは、もう時間ですので、ここでは問いませんけども、やはりそういったところが、市民から求められている日野市の変わった姿だと思うんですね。その姿が5年後に見えるのか、見えないのか、途中経過でも、変化が期待できるのかというところは、市民はアンテナを高く見ておりますし、私も議員の立場として、引き続きチェックをし、日野市の財政再建に向け、尽力してまいりたいと思っております。
私の一般質問、以上で終わりとなります。ありがとうございました。
210 ◯副議長(峯岸弘行君) これをもって島谷広則議員の一般質問を終わります。
お諮りいたします。議事の都合により暫時休憩いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
211 ◯副議長(峯岸弘行君) 御異議ないものと認めます。よって、暫時休憩いたします。
午後3時11分 休憩
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
午後3時43分 再開
212 ◯議長(古賀壮志君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
一般質問10の1、防災について問う~ペット防災、避難所運営、防災井戸~の通告質問者、伊東秀章議員の質問を許します。
〔5番議員 登壇〕
213 ◯5番(伊東秀章君) それでは、通告に従いまして、質問をさせていただきます。
本日は、ペット防災を中心に質問をさせていただきます。
日野市は、2019年、台風19号の際には、幸いなことに大きな被害は見られませんでした。とにもかくにも、命を守るために避難する、誰もが利用できる場所である指定避難所としての受入体制は、台風19号のとき市役所、あるいは社会福祉協議会、地域防災会や個人の方々の自発的な対応もあり、多くの方が携わってまいりました。大きな水害時に河川沿いの家屋倒壊、河岸侵食、氾濫流、震災時には多摩丘陵地で家屋の倒壊が多く想定されます。その場合、少なくとも1か月以上は多くの市民が避難所生活の場となります。それらに基づき、当面の危機が、ある程度去った後の指定避難所として一定の期間の滞在を見据えた対応、長期間となる避難所運営をサポートできる体制は整っているのか。日野市による市民サポート公助について、答弁をお願いします。
214 ◯議長(古賀壮志君) 答弁を求めます。総務部参事。
215 ◯総務部参事(北島英明君) 避難所における市民サポートについてでございます。日野市におきましては、大地震などの災害が発生した際には市内小・中学校及びふれあいホール、南平体育館が指定避難所として開設されることとなります。突然起こる大地震などの状況によっては、行政がこれら全ての避難所の開設や運営を行うことが困難となる場合も想定され、避難した地域住民など、自らによる避難所運営組織が主体となって、避難所を開設、運営することも想定しているところでございます。
また、そのような事態を想定し、各指定避難所を拠点として地域の自治会などが主体となり、日頃から避難所運営などについて検討を行うため、地域自主防災会が結成されております。
また、近年ではペットの飼育場所や、そのルールなども話合いのテーマとして重要視されてきており、飼い主などの方の参加も求められているところでございます。しかしながら、避難が長期化した場合には避難所運営において様々な課題が生じてくることも予想されております。そのような場合には市が主体となり、国や東京都など関係機関と連携の上、避難所の環境改善、また運営体制の牽引などを行っていく必要があると認識しております。
以上でございます。
216 ◯議長(古賀壮志君) 伊東秀章議員。
217 ◯5番(伊東秀章君) 先日、日本社会福祉協議会主催の災害減災シンポジウムの分科会でペット防災、熊本から学ぶでも講演がありましたが、災害時のペットの問題は、動物の問題ではなく被災者の問題と認識することが、まずはスタート。市の認識を、ぜひ変えていただきたい。人命優先ならば、当然ペットの飼い主も優先となります。ペットや動物を主体に置くのではなく、飼い主を主体に置いた避難を進めるべきです。過去の災害でペットがいるから避難をしない。ペットを迎えにいって災害にあって命を落とした例も数多く報告されております。日野市では、ペットのために命を亡くす、このようなことが二度とないようにしなければなりません。災害時のペット問題は、動物の問題ではなく被災者の問題と考えることが、市の認識の答弁をお願いします。
218 ◯議長(古賀壮志君) 環境共生部長。
219 ◯環境共生部長(小平裕明君) 現状、災害時には人の避難、人命を最優先として考えておりますが、それを前提とした上でペットを飼われている方で避難が必要な状況となった場合に、ペットがいることで避難をちゅうちょするようなことがないように、ペットと同行して避難できる環境整備が必要だと考えております。そのため、災害時にはペットの同行避難ができるように市では各指定避難場所と調整を行い、ペットの同行避難が可能な体制を取っております。
災害時には、地域の共助による支え合いが大切です。人もペットも安全に避難できる環境を整えるためには、共助が重要な役割を担っております。飼い主の方、ほかの避難者の方々にも同行避難について、地域の方に丁寧に説明をしながら御理解をいただくよう努めてまいります。
以上でございます。
220 ◯議長(古賀壮志君) 伊東秀章議員。
221 ◯5番(伊東秀章君) 全ての指定避難場所に地域防災会が立ち上がっていない状況下で、ペットが他人に迷惑をかけないか、健康を壊さないかなど、飼い主が安心して過ごせる整備を、ぜひしていただきたいと思っております。
令和2年6月8日、環境省自然局総務課が交付した事務連絡には、市町村が行う努力義務として、必要に応じ、指定避難所における家庭動物のための避難スペースの確保等に努めることに加え、獣医師会や動物取扱業者から必要な支援が受けられるよう、連携に努めることが追加されました。現在、日野市民の多くからペットの飼い主がペットと同行避難し、一定期間の生活ができる場所を求めている声が上がっております。ペットフード協会が毎年発表しているペットの飼育頭数調査、2012年全国犬猫飼育実態調査では、日本全国で犬猫の頭数が1,605万2,005頭と年々増加傾向です。アンケート調査によると、人口の30%がペットを飼育しているとあります。この人口の30%というのは、全国の高齢化率が29.1%、そして日野市では多分25%だと思いますけれども、そのほぼ同数の割合です。そして、15歳未満の子どもの数は15%よりも多いと考えますので、こういった方々の避難誘導をしっかりと対応していかなければいけないと思っております。
日野市は、人口の30%に当たる飼い主に対し、飼い主がペットと同行避難し、一定の期間、生活できる指定避難所設置ができないか、答弁をお願いします。
222 ◯議長(古賀壮志君) 総務部参事。
223 ◯総務部参事(北島英明君) 一定期間、ペットと同行避難できる指定避難所の設置についてでございます。
現在、日野市では全ての指定避難所においてペットとの同行避難者を受け入れることとしております。ペットとの同行避難の際には、原則としてペットをケージに入れて避難していただくこととしておりますが、家屋の倒壊等、緊急の場合に備えて、今後避難所においてもケージの配備を順次行っていくことを検討してまいります。
また、避難所運営マニュアルにおきましても、ペットの受入れスペースについて特定の場所を確保することとしており、受入環境の整備に努めております。避難が長期間に及んだ場合にはペットスペースの移設やレイアウトの変更など、柔軟な対応ができるよう職員訓練なども行ってまいりたいと考えております。
以上でございます。
224 ◯議長(古賀壮志君) 伊東秀章議員。
225 ◯5番(伊東秀章君) ただいまの答弁で避難所におけるケージの配備も検討していただけるという御答弁をいただきました。これケージだけではなくて、ケージだけではペット飼育はできません。したがいまして、ペットシーツ、あるいは餌を含めたことも、ぜひ検討に加えていただきたいと思っております。地震災害にも何も持ち出せなく、ペットのみ連れて急遽避難される方々の支援も、ぜひお願いします。
ただいまの答弁でも避難が長期間に及んだ場合には、当初、設置したスペースではなく、ペットスペースの移設や、レイアウト変更なども柔軟に考えるという御答弁もいただきました。ぜひお願いしたいと思っております。
また、答弁で日本の高齢化率は29.1%、ペット飼育率が、先ほど言いました30%とほぼ同じです。これは各調査によって違いますけども、大体25%から30%ちょっとという調査結果が多く見られます。高齢者に対する避難対策と同様に、ペットの飼い主に対する避難対策もすべきです。したがって、ペットの飼い主がペットと一定期間生活できる環境整備が必要と考えます。早急に対策を取ることを要望いたします。
日野市は、避難所運営マニュアルの作成におけるペットの取扱いを、その地域の防災会に委ねられておりますが、避難所運営マニュアル策定における現状は、数年で入れ替わる学校長の判断によるところも大きく、地域市民の民意が通らない場合があります。避難所運営は、地域防災計画作成の指針によると、避難所運営は市民主体とありますが、日野市はどこが主体なのか、答弁をお願いします。
226 ◯議長(古賀壮志君) 総務部参事。
227 ◯総務部参事(北島英明君) 避難所運営の主体についてでございます。現在、日野市では原則、市内にある全ての指定避難所の設置主体は市となります。しかしながら、災害時において実際に避難所の運営に当たれる職員には限りがあるため、避難所生活におけるルールの維持管理や救援物資の配付など、避難所内における活動の多くを避難者の皆様に御協力いただく必要があるものと考えております。特に混乱の予想される初動期や、避難所生活が長期化した際などには避難者による主体的な活動が期待されているところでございます。
指定避難所へのペット同行避難につきましても、市の方針として示しておりますが、ペットに関するルールづくりや、その維持管理などは避難者による主体的な活動の一部と考えられております。ただし、さきにも答弁させていただいたとおり、避難が長期化した場合などには様々な課題が生じてくることも予想されるため、そのような場合には市が主体となり、国や東京都などの関係機関と連携し、改めて避難所の環境改善や運営体制の見直しなどを行っていく必要があるものと認識しております。
以上でございます。
228 ◯議長(古賀壮志君) 伊東秀章議員。
229 ◯5番(伊東秀章君) 被害が長期化した場合には、様々な課題が生じてくることも予想されるため、市が主体となって東京都や国などの関係機関と連携し、避難所の整備、運営を引率などを行っていただけるという答弁がございました。これは東日本大震災のときには、愛護センターと水処理センターの間に東京都が大きな避難場所を設置しました。そのようなときにもしっかりと、東京都と連携をして日野市も対応してもらいたいと思っております。
日野市の避難所運営マニュアル、特にペットに関しては地域の防災会に委ねています。しかし、地区防災計画の上流に地域防災計画が存在し、その立ち位置からは行政指導と考えます。市民が平等に一定水準の市民サービスを受領するには、日野市が指導する必要があると考えます。現在、行政指導で市民に対し的確な指針を示していないことが原因で、災害時に避難所に避難することをちゅうちょし、ペット、飼い主が亡くなるケースが発生すると考えられます。実際に、東日本大震災、あるいは熊本地震、熱海豪雨土砂災害、台風19号の川崎市のマンション1階でも、そういった事例が発生しております。これは熱海の土砂災害、土石流の災害のときの一般社団法人民間災害時動物救済本部CDCAという団体がございまして、これは実際に被災地、あるいは災害場所に出向いて動物のレスキューをするという団体です。この団体は、やはりそういったレスキューに入っていますので、様々なケースを目の当たりにします。一つの例として、ここに書きましたが、ある方が動物を3から4匹飼っていまして、この方は一緒に避難するのは無理だと判断して、しかし周りの方から土石流の約30分前に、雨がひどいから親戚の家に避難してと電話があった。しかし、この方は猫がいるから避難しないという決断をしました。その言葉が最後で、この方は土石流にはまってしまったと、亡くなってしまったという例がございます。
そのほかにも、多摩川が氾濫した川崎市のマンションの例もあります。このときも、同じようにペットがいるから避難しない、ペットを連れて避難すると避難所のほうで御迷惑かけるからということで避難しなかった、それによって唯一亡くなってしまったということも事例としてございます。
このような事例が多く発生していますが、日野市が避難所運営マニュアルをペットと長期間生活する場になる指定避難所としての機能を含めて、マニュアルの作成ができないか、答弁をお願いします。
230 ◯議長(古賀壮志君) 総務部参事。
231 ◯総務部参事(北島英明君) 避難所運営マニュアルの作成についてでございます。令和3年度に修正された日野市地域防災計画は、市の災害対策の基本指針を示したものであり、避難所のペットスペースの確保等の詳細につきましては、市職員用の避難所運営マニュアルにおいて規定しているところでございます。
市職員が用いる避難所運営マニュアルでは、全ての指定避難所でペットの受入場所の想定を行っており、同行避難したペットは指定避難所の昇降口を基本として受け入れることとなっております。しかしながら、指定避難所では各施設の様々な条件や事情があり、地域自主防災会にペットスペースの対応を検討いただいているのが現状となっております。
避難所となる学校施設におきましても、学校本来の機能の回復を求められる中で、長期避難となった場合には改めて避難所の運営について、市が主体となって柔軟な対応を行っていく必要があると認識しております。
また、避難所での運営が混乱なく行えるよう、各地域自主防災会でのマニュアル作成につきましても、避難の期間が長期化した場合も視野に入れながら、作成の御支援をさせていただいているところでございます。災害が起こった際にはペットを飼っている方、飼っていない方たちが共存し、災害を乗り越えられるようにしていく必要があるため、相互の御理解によって運営されることが不可欠と考えております。人もペットも安全に避難できる環境を整えるため、引き続き、同行避難について御理解をいただくよう努めてまいります。
以上でございます。
232 ◯議長(古賀壮志君) 伊東秀章議員。
233 ◯5番(伊東秀章君) 避難所となる学校施設も、学校本来の機能回復も求められる中で、長期間避難の場合には市が主体となって柔軟な対応を行っていく必要があると認識なさっていることが確認できました。日野市地域防災計画によると、立ち上げ準備を、準備中も含め、地域自主防災会は日野市指定避難所27か所中13か所にしかありません。つまり、まだ半分以下の避難所にしかマニュアルがない状況です。全指定避難所避難運営マニュアル作成の達成の予定時期がもしあれば答弁お願いします。
234 ◯議長(古賀壮志君) 総務部参事。
235 ◯総務部参事(北島英明君) 避難所運営マニュアルの完成時期についてでございます。現在、市では全ての指定避難所において、地域自主防災会による避難所運営マニュアルの作成を進めているところでございます。しかしながら、地域ごとに防災活動の推進方法は様々であり、完成までの期間を設定することは難しいものと考えております。
また、現時点においては、市内全ての指定避難所での地域防災会の設立には至っておらず、まずは全ての小学校における地域自主防災会の設立を目指し、その後、中学校や公立体育館へと展開していくことを目標に体制づくりを進めているところでございます。
災害はいつ起こるか分からないため、各地域自主防災会における避難所運営マニュアルの作成は喫緊の課題であると認識しており、引き続き、作成支援を進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
236 ◯議長(古賀壮志君) 伊東秀章議員。
237 ◯5番(伊東秀章君) まだ地域防災会、立ち上がっていない指定避難所には、当然日野市にはマニュアルのひな形があると思いますので、そのひな形を利用し、その避難所におかれた状況を対応して、マニュアルを取りあえずつくっておくべきだと思っております。避難市民が混乱するのを避けていただきたいと思います。
現在、日野市避難所運営マニュアルの多くに示されている飼養場所は、昇降口や玄関先でありますが、大勢行き来する昇降口や玄関先は人が交差する場所でもあり、人の思いも多く交差する場所です。トラブルの原因の多くは、個々の思い違いによることが多いと考えられます。その場所にペットが置かれていることによりトラブルが発生する場になることを想定します。東京都の災害における動物愛護管理マニュアル、これ令和元年の改訂版ですけども、3節に区市町村の取組として避難所内における飼養場所を、避難者が飼養場所のそばを通らないと示しております。避難所内における飼養場所は事前に検討しておくこと、特に身体及び精神的な動物アレルギーを持った方等もいることから、ペットと人のゾーニングが重要だと考えます。防災安全課では、指定避難場所に対する初動対応、避難所運営マニュアルのひな形をつくってあると思いますが、指定避難所の主体は市民である防災会だと思いますが、ペット同行避難に対する避難場所は、各防災会の置かれている環境や状況により違いがありますが、防災安全課主導で特別教室、あるいは独立した部屋でのゾーニングができる、暑さ寒さに影響しない環境を提供できるよう、望ましいの一文を、ぜひ入れていただけないか答弁をお願いします。
238 ◯議長(古賀壮志君) 総務部参事。
239 ◯総務部参事(北島英明君) 避難所におけるペットの受入環境についてでございます。現在、市の方針として全ての指定避難所においてペットの同行避難を受け入れることは決まっておりますが、各避難所の施設や地域の状況などが異なること。また、避難所は高齢者や乳幼児などの要配慮者も避難する場所であり、全ての人に適切な環境を提供する必要があることから、受入場所の詳細などについては統一的な条件による特定の場所を定めることは困難であると考えております。
しかしながら、ペットの受入れの詳細につきましては、日頃から地域自主防災会の主要な検討課題となることが多いことから、防災安全課の職員においても日常的に地域自主防災会の話合いの場に参加するよう努め、打合せの中で可能な限り、ペットの受入環境が適切となるよう、調整を図ってまいります。その上で、地域自主防災会の御理解も得ながら、地域自主防災会の避難所運営マニュアルの中にペットスペースの確保等が適切に記載されるよう努めてまいります。
以上でございます。
240 ◯議長(古賀壮志君) 伊東秀章議員。
241 ◯5番(伊東秀章君) ただいまの答弁でも、地域自主防災会の同意を得ながら地域自主防災会の避難所運営マニュアルにペットスペースの確保、これを適切に記載されるよう努力していただけるという御答弁をいただきました。東京都の災害時における動物愛護管理マニュアルの第3節に区市町村の取組として避難所内における飼養場所を設定する記載されております。特に地震災害の場合には避難所生活が長期化することが想定されるため、東京都の指針に従って進めることが必要だと思っております。雨、風、雪等がしのげる、暑さや寒さの対策が行いやすい、犬が係留できるフェンスや柱などがある。部外者の立入制限等の対策が行いやすい、飼い主のいる場所から動物の気配が感じられやすい、動物が苦手な人の居場所から離れている、これは鳴き声や臭い、あるいは抜け毛等の苦情が発生しにくい場所ということになっております。ごみ捨てや物資配分等で避難者が飼養場所のそばを通らない、清掃しやすい、飼養場所の一例としては、人とペットの災害対策ガイドライン、環境省より抜粋しますと、屋内に設置する場合には倉庫やプレハブ、学校の特別教室、あるいは、ちょっとこれ問題あると思うんですけどプールの更衣室、部室等が示されております。
日野市にはドッグラン、わんパークひのがあります。日頃より動物とふれあいの場として活用されております。震災時には安全確認後、例えば、駒形公園内の上田地区センターをペット同行避難の場所にするとか、あるいはわんパークひの内にプレハブ小屋を造っていただき、そこは通常時はボランティアとか、あるいは利用者が利用するための施設にして、災害時にはそこを同行避難の場所にするということはできないかということも考えましたが、答弁お願いします。
242 ◯議長(古賀壮志君) 環境共生部長。
243 ◯環境共生部長(小平裕明君) 駒形公園ですが、こちらは防災マップで地震、大規模火事における指定緊急避難場所となっておりますが、上田地区センターは避難場所の指定はされておりません。また、市としては、現段階ではペット同行避難を推奨しております。同伴避難については災害時には人命が優先となり、動物が苦手な方やアレルギーを持っている人たちへの配慮や、避難者の居住スペースの確保を考えますと、同伴避難によるペットの飼育スペースの確保は難しいかと考えております。
特に、近年は気候変動の影響で今後、台風の強大化が懸念されるところもあり、令和元年の台風19号の際には避難者が最大で8,600名に達するなど、避難者を収容するキャパシティーをいかに確保できるかが優先の課題となっております。
また、駒形公園内は浸水想定区域であることから、洪水ハザードマップでは緊急避難場所からも外れており、プレハブ小屋を建てることは難しい状況かと考えております。
また、ペットを飼っている方へ平成31年度に策定、公表した「~災害時ペット対策の心得と準備について~」を市より自主防災会などを通じて、記載内容についての周知をしていく必要があると考えているところでございます。
以上です。
244 ◯議長(古賀壮志君) 伊東秀章議員。
245 ◯5番(伊東秀章君) 日野市地域防災計画、令和3年度改正版ですけども、この地震災害対策編によりますと、第4章第5節によると、ペット受入体制のルールづくりの担当者として総務部、これは防災安全課、環境共生部、環境保全課、あるいは教育部などが記載されておりますが、例えば、高齢で独り暮らしの方が15歳ぐらいの柴犬を連れて、災害時に持ち出し用ペットフードなどを持って避難所に避難をすることを判断し、避難できる体制づくりは動物愛護を扱う環境保全課だけでは対応ができないと思います。今回のケースは、当然、高齢者ですので高齢福祉課、あるいは障害を持った方が近くにおられれば、障害福祉課というような、様々な課が関わってくると考えられます。今現在、日野市地域防災計画に記載がある各部署との連携はできているのか、答弁をお願いします。
246 ◯議長(古賀壮志君) 総務部参事。
247 ◯総務部参事(北島英明君) 関係部署との連携についてでございます。災害時には様々な方が避難されることが想定されており、防災安全課では日常的に関係各課と、その対応などについて連携を図っているところでございます。
具体的な連携といたしましては、高齢者、障害者など、要支援者の避難対応について高齢福祉課や障害福祉課と連携し、思いやりスペースや福祉避難所での受入れ、個別避難計画の作成などについて、個別の打合せや実践を想定した訓練を行うなど、地域防災計画に準じて推進を図っているところでございます。
その中で、個別避難計画の対象者がペットを飼っている場合など、その対応につきましては関係部署や支援者と別途、個別に協議を行うこととしております。ペットの同行避難を含めた避難体制の構築につきましては、今後も防災安全課を中心に関係各課と連携を密に図りながら進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
248 ◯議長(古賀壮志君) 伊東秀章議員。
249 ◯5番(伊東秀章君) 高齢者がペットを連れて避難する場合には、御本人とペット、そしてケージやペットシーツ、餌など、これを高齢者が避難する場合はペットを連れて避難されますので、これをどの課の誰が避難させるのか、この辺はまだしっかりと打合せができていない状況だと思っております。個別避難計画では関係部署と支援者と協議を行っていくという答弁がございましたが、こういったことはもうあらかじめ、しっかりと打合せをして、そして対応していただきたいと思っております。
環境省の人とペットの災害対策ガイドライン、災害へ備えチェックリストに避難所におけるペット連れ避難者への対応には、ペットと同行避難した避難者への対応として、避難所等を運営する市町村が避難所を設置する際に考えておくこと、準備しておく必要があること。避難がある程度、長期にわたる場合に備え、ペットを預かる施設やボランティア派遣要請等、支援を要請する準備をすること等、具体的な記載があります。日野市は、避難がある程度長期にわたる場合に備え、ペットを預かる施設やボランティアの派遣要請、支援を要請する準備をしているのかどうか、答弁をお願いします。
250 ◯議長(
古賀壮志君) 環境共生部長。
251 ◯環境共生部長(小平裕明君) 災害が起こった場合に、現在は東京都獣医師会南多摩支部と災害時における動物救護に関する協定を結び、動物救護に関する協力要請に関する内容について、協定締結しております。ペットを預かる施設については、環境省が平成30年に公表した人とペットの災害対策ガイドラインにも平常時に飼い主が行うべき対策として、親戚や友人など、複数の預け先を確保しておくよう求める記載があり、市の「~災害時ペット対策の心得と準備について~」も、その改定に合わせて記載できるよう調整をしております。
また、その中でボランティアの派遣要請等についても合わせて反映できるよう、検討をしているところでございます。
ペットの世話やフードの管理、備蓄などは基本的には飼い主の方の責任において行っていただくものであり、飼い主や避難者の方々の理解と御協力が必要です。
このような前提で避難所運営について、必要な準備について、問題意識を持って検討をしてまいります。
以上でございます。
252 ◯議長(
古賀壮志君) 伊東秀章議員。
253 ◯5番(伊東秀章君) ペットを預かる施設については、国からガイドラインのほうに記載があり、ボランティア派遣要請等についても災害時ペット対策心得と準備についてにも記載ができるよう、改定していただけることはよかったと思います。
令和2年6月8日、環境省自然環境局総務課が発行した事務連絡に市町村が行う努力義務として、必要に応じ、指定避難場所における家庭動物のための避難スペースの確保等に努めることに加え、獣医師会や動物取扱業者等から必要な支援が受けられるよう、連携に努めることが追加されたとあります。日野市民の多くから、ペット飼い主がペットと同行避難し、ある一定期間生活できる場所を求めております。環境省自然環境局総務課が交付している事務連絡に関しては、どのようにお考えか、そしてどのように努力をするかを確認したい。また、災害は今、この瞬間にも起こり得ます。その努力はいつまでに行われるのか、答弁をお願いします。
254 ◯議長(
古賀壮志君) 総務部参事。
255 ◯総務部参事(北島英明君) 環境省で発せられました通知への対応についてでございます。令和2年6月8日付において、環境省自然環境局総務課より発せられました通知におきましては、同年5月の防災基本計画の修正に伴い、自治体に対し、努力義務としてペットのための避難スペースの確保、また獣医師会や動物取扱事業者との連携に努めるよう、新たに求められたところでございます。
私からは、1点目のペットのための避難スペースの確保について、御答弁させていただきます。
さきに御答弁させていただきましたとおり、日野市の職員用避難所運営マニュアルにおきましては、全ての指定避難所においてペットとの同行避難を受け入れることとしており、特定のペットスペースの設定も行っているため、既に対応が行われているものと考えております。しかしながら、避難所の運営が長期間に及んだ場合など、状況によってはスペースの変更など、柔軟な対応が求められるため、そのような場合には市が主導となって環境改善の対応を行う必要があるものと考えております。
私からは以上でございます。
256 ◯議長(
古賀壮志君) 環境共生部長。
257 ◯環境共生部長(小平裕明君) 私からは、御質問の事務連絡の中の獣医師会や動物取扱業者等からの支援について、回答いたします。
獣医師会については、先ほども述べましたが東京都獣医師会南多摩支部と協定を結び、動物救護に関する協力要請等について、協定を締結しております。
動物取扱業者については、現段階では連携はできておりませんが、今後、動物取扱業者等との連携、支援協力についても協定の締結等について協議をしてまいります。
以上でございます。
258 ◯議長(
古賀壮志君) 伊東秀章議員。
259 ◯5番(伊東秀章君) 私、過去に一般質問でも言いましたけども、動物の保護ボランティアさん、あるいは動物看護師、トリマーとか、あるいは動物を飼っている方など、動物の取扱いに慣れた方を対象にボランティア登録をしていただき、災害時対応のリーダーとして各指定避難場所で担当していただく、あるいはそのための講習会や意見交換会などを開いていただくことを再度、私からもお願いいたします。先ほどの答弁で動物取扱業者等との連携、これも進めていただける支援協力についても協定の締結について協議をしていただけるという答弁いただきました。ぜひ、これも進めていただきたいと思っております。
ペットの避難できる避難所の公表について、確認をしたいと思います。特に確認したい、以下の項目に関して確認をしたいと思っております。環境省の報告である人とペットの災害対策ガイドライン、災害への備えチェックリストの中に避難所等におけるペット連れ避難者への対応に、ペットと同行避難した避難者への対応で、避難所等を運営する市町村が避難所を設置する際に考えておくこと、準備しておくことが必要であること以下の記載があります。緊急避難所等では、身体障害者補助犬や、ペットの同行避難者を含め、発災初期に緊急避難する全ての被災者を受け入れる準備はできておりますが、2点目がペットの受入可能な避難所は公表されていますかという、そういったことも含めて、ペット同行避難の場所が公表されているかどうか、確認をお願いします。
260 ◯議長(
古賀壮志君) 総務部参事。
261 ◯総務部参事(北島英明君) ペット同行避難場所の公表についてでございます。先ほどの答弁と重複とはなりますが、日野市では全ての指定避難所において、ペットとの同行避難の受入れを行うこととしております。個々の避難所のペットスペースについて、市職員が用いる避難所運営マニュアルでは想定を行っておりますが、災害の発生状況や受入避難者数などの実情がその都度異なることなどから、現在個別のスペースの公表等は控えさせていただいております。ただし、地域自主防災会においてマニュアルが完成しているものにつきましては、ホームページ上で内容の公開を行っており、その中でペットの避難スペースについても記載がされているところでございます。
なお、災害時におきましても実際の避難所の受入状況によりましては、マニュアルに記載されている内容から変更が生じる場合もございますので、あらかじめ御理解をいただければと考えております。
以上でございます。
262 ◯議長(
古賀壮志君) 伊東秀章議員。
263 ◯5番(伊東秀章君) それでは、あらかじめペット受入れのルールを決めることができているのか、答弁お願いします。
264 ◯議長(
古賀壮志君) 環境共生部長。
265 ◯環境共生部長(小平裕明君) ペットの受入れルールについては、各施設の間取りや様々な事情もあることから、一様で統一されたルールを定めることはできないと考えております。各避難所における具体的ルールは、施設ごとの事情を踏まえて各地域の防災会に決めていただくことにしておりますが、まずはペット同行避難の認知向上を図り、飼い主や地域の理解を深めることからではないかと考えております。
その上で互助、それから共助の視点から地区のルールづくりを促していきたいと考えております。そのため、市ではペットの同行避難を基本的な考えとして「~災害時ペット対策の心得と準備について~」をまとめ、公表しております。災害時に各避難所において、滞りなく対応できるよう、飼い主の方、それからペットを飼われていない方にも周知をしてまいります。
以上でございます。
266 ◯議長(
古賀壮志君) 伊東秀章議員。
267 ◯5番(伊東秀章君) 時間の関係で、ちょっと防災井戸に関しては割愛させていただきます。
今回の一般質問で、ケージの配備を順次行っていただける、あるいは避難所が長期間に及んだ場合には、指定場所におけるペットスペースの移設やレイアウトの変更も柔軟に対応していただける、避難所となる学校施設の学校本来の機能を求める中で、長期間には市が主体となって柔軟な対応を行っていただけるというような様々な答弁いただきました。それでは、市長から御所見をお願いします。
268 ◯議長(
古賀壮志君) 市長。
269 ◯市長(大坪冬彦君) 伊東秀章議員より、防災について問う、ペット防災、避難所運営、防災井戸ということで御質問いただきました。質問の前提として、恐らく地震等で長期間避難をするとした場合どうするかということかなというふうに思います。
市の体制については、先ほど申し上げましたとおり、地域防災計画があって、また職員についてはそれぞれが避難所の運営マニュアルを持っています。ただ、自主防災会による避難所運営マニュアルについては、できているところ、できていないところがあってと。実際に避難所を開設する場合、市の職員が手厚く配置できればいいんですが、なかなかそれができない場合に、やはり避難していただいている市民の中の、ある程度、自主的な運営ということに期待する部分が出てきます。その際に、地域自主防災会ができていれば、そのマニュアルに従って、ペットの同行避難についても体制を整えるということかなというふうに思います。
課題としてたくさんございますが、今後避難所におけるケージの配備等も防災担当として考えているというふうにあります。
また、長期化した場合の避難者による主体的な活動をどうするかということ。これについては柔軟な対応が必要でありますし、特定のルールをこういうふうにしましょうと、なかなか難しいことはあると思います。ただ、やっぱり市としては基本的な、言わば守るべき点だとか、そういうところについては一定の方針等は多分つくっていく必要があるのかなというふうには思っております。ただ、避難所それぞれの自主防災会の在り方がありますが、その独自の努力なり、考え方というものは当然、尊重しなければならないというふうに思っております。
全指定避難所運営マニュアルが達成予定時期、なかなか難しい話であります。避難所運営マニュアルについては、先進的な例を参考にして徐々に自主防災会を広げているという、そのプロセスの途中でありますので、ただのんびりはしておられませんので、いつ大きな災害が起きるか分かりませんから、順次急ぐような努力をしていきたいなというふうに思っております。
また、ペットの同行避難の場合の特別教室等の、ゾーンのできる、暑さ寒さに影響しない場所等という話があります。なかなか、できることならそうしたいけれども、やはり特定の場所を定めるのはなかなか難しくて、その都度、そのときの事情によって可能なところというふうにならざるを得ないのかなというところは現在の限界点かなというふうに思っております。
各部署との連携できているかということでございます。当然、防災、そしてペット同行避難、防災安全課だけではなくて複数の主管課が関わることであります。避難をする場合の要配慮者、いろいろおります。高齢者の場合もあれば障害者の場合もある、その方々がペット同行避難する場合、複数の主管課が関わることになっていて、そこが縦割りではどうしようもないので、横の連携が必要であるということで、随時、そういう努力をしておりますが、いざという場合に力が発揮できるような、そんな訓練もしていきたいというふうに思っております。
あと、獣医師会との協定等は締結しておりますが、それ以外の協定についても、これから準備をしていくということで今、随時やっているところでございます。いずれにしろ、現在の到達点、いざ長期における避難が発生した場合の到達点を生かしながら、今後いろいろと足りない点、不足している点を御指摘いただきましたので、それら順次準備をしながら、いざという場合に備えるということで努力をしていきたいというふうに思っております。
以上です。
270 ◯議長(
古賀壮志君) 伊東秀章議員。
271 ◯5番(伊東秀章君) 以前、一般質問で言いましたけども、同行避難するときに、避難が長期化する場合には、ぜひ市の施設で安全性が確認でき、ゾーニングができる施設を、ぜひ再度利用できるよう、再度お願いいたします。飼い主が近くにいて緊急対応できるように、ペット、飼い主の避難所と一般避難者とのトラブルがないような、安心して避難生活ができる指定避難所、あるいは独立した市の施設の提供を、ぜひお願いします。
それでは、この質問を終わります。
272 ◯議長(
古賀壮志君) これをもって10の1の質問を終わります。
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273 ◯議長(
古賀壮志君) 一般質問10の2、乳幼児健診について問うの通告質問者、伊東秀章議員の質問を許します。
274 ◯5番(伊東秀章君) 日野市では、産婦人科・小児科オンライン相談の実証実験を行っています。利用状況と効果について、答弁お願いします。
275 ◯議長(
古賀壮志君) 答弁を求めます。子ども部長。
276 ◯子ども部長(中田秀幸君) オンライン健康相談につきまして、子ども家庭支援センターでの取組を御紹介をさせていただきます。
令和4年8月23日から令和5年3月末までの期間で、産婦人科、小児科、助産師による24時間対応可能なオンライン健康相談の実証実験をしております。この実証実験は、東京都の多摩地域でイノベーションを創出するリーディングプロジェクトで本事業が採択をされ、そのモデル自治体として日野市が運営事業者と協定を結び、実施しているものでございます。利用者から寄せられる相談の内容は、軽微な育児や子育てに関するものが大部分を占め、その他様々な症状への対処方法に関することや、医療機関に受診すべきかどうかなどの相談が寄せられております。
相談方法としましては、ウェブサイト上でのメッセージによる24時間いつでも相談と、平日18時から22時の時間帯で1枠10分、予約制のLINE上でのビデオ通話等による夜間相談があり、産婦人科、小児科、助産師が対応をしております。本事業につきましては実証実験開始の8月からホームページや広報、ぽけっとなびで情報提供を行い、また母子健康手帳交付窓口や乳幼児健診等でのチラシ配布、子育てひろばや児童館、保育園等でチラシ配布を行い、周知に努めており、11月末時点で185名の方に利用登録をいただいております。9月と10月の2か月間のいつでも相談及び夜間相談の合計利用実績といたしましては、産婦人科への相談が20件、小児科への相談が86件、助産師への相談が14件となっております。
また、利用後のアンケートでは98.7%の方がまた利用したいと回答しており、フリー回答では緊急性のないことでも疑問に思ったことをすぐに医師に相談できるのはありがたいなどのお声をいただいており、市民ニーズや満足度が高いと認識をしているところでございます。
このオンライン健康相談は夜間、または24時間、医師、助産師へ相談可能であることから、市の保健師が対応できない時間帯や相談を補完できるもので、実際に府中市では令和3年度に実証実験を行い、令和4年度に本格導入した実績があり、日野市としても早期の本格導入に向け検討し、妊娠期から子育て期の相談体制の充実を目指してまいりたいと考えております。
以上でございます。
277 ◯議長(
古賀壮志君) 伊東秀章議員。
278 ◯5番(伊東秀章君) 本当に非常によい取組だと思っております。ぜひ継続して実施していただきたいと思います。それには、さらなるPRをして、多くの対象者が利用できるよう努力していただきたいと思います。
また、日野市では、プレママ、妊婦さんと乳幼児健康診断にも対面とオンライン相談を行っております。3歳児健診の弱視検査の発見に有効なスポットビジョンスクリーナー、利用状況と効果について、答弁をお願いします。
279 ◯議長(
古賀壮志君) 子ども部長。
280 ◯子ども部長(中田秀幸君) 3歳児健診によるスポットビジョンスクリーナーの利用状況と効果について、お答えをいたします。市では、日常生活では発見されにくい弱視を早期に発見し、適切な治療を行うことを目的として、平成30年度からスポットビジョンスクリーナーを活用した視力検査を実施しております。視力検査の流れは、まず各御家庭で保護者が対象児童に対し、事前に送付をいたします検査用の絵が描いてある指標を用いて視力検査を行い、合わせて目に関するアンケートに御記入いただきます。健診日当日は、スポットビジョンスクリーナーを用いて視力検査を行います。家庭での視力検査及びアンケートの回答内容と、スポットビジョンスクリーナーの結果によりスクリーニングを行い、さらに確認が必要な児童に関しては視能訓練士が再検査を行います。眼科医の検査が必要と判断された場合は、精密健診受診票を発行し、後日、専門医へ受診してもらうよう勧奨しております。
令和3年度は3歳児健診の視力検査実施児童は1,452人となっており、そのうち精密健診が必要と判断され、何らかの異常があると診断された児童は146名でございました。市では早くからスポットビジョンスクリーナーを導入したことで、精度が高く、効果的な健診を実施することができており、引き続き、弱視等の早期発見に努めてまいります。
以上でございます。
281 ◯議長(
古賀壮志君) 伊東秀章議員。
282 ◯5番(伊東秀章君) 日野市は、スポットビジョンスクリーナーを早期に導入し、弱視などの早期発見、早期治療につなげていっていると思います。この弱視には、特に早期治療が有効とされております。引き続き、乳幼児の健康に力を注いでいただくことをお願いいたします。
それでは、最後に市長の御所見をお願いします。
283 ◯議長(
古賀壮志君) 市長。
284 ◯市長(大坪冬彦君) 乳児健診の受診率を上げる取組ということでございます。オンラインの診療、これにつきましては受診手前の段階で気軽に相談ができると。24時間365日、医師、助産師へ相談可能であるというシステムであります。手前の作業ということで、非常にこれは好評でありますので、実験を今しております。今後の導入に向けて準備をしていきたいと思っているところでございます。
スポットビジョンスクリーナーということで、早期の弱視発見に非常に大切な事業かなというふうに思っております。とりわけ3歳児健診、これから発達する子どもに対する弱視ということ、これについては非常に大事な話でありまして、耳の聞こえの問題もありますよね。こういう観点で、この時期の子どもたちに対する健診を行って、今後の成長に支障がないような形を取るということも乳幼児健診の大きな目的でありますので、引き続き、そういう視点で、こういう事業に取り組んでいきたいと思っております。
以上です。
285 ◯議長(
古賀壮志君) 伊東秀章議員。
286 ◯5番(伊東秀章君) 引き続ぎ、乳幼児健診、3歳児健診含めて、しっかりと取り組んでいただき、子どもたちの健康をしっかりと守っていただきたいと思っております。これで私の質問を終わりたいと思います。
287 ◯議長(
古賀壮志君) これをもって伊東秀章議員の一般質問を終わります。
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288 ◯議長(
古賀壮志君) これより、請願第4-8号、国民健康保険税の値上げ中止を求める請願、請願第4-9号、「不登校児童生徒に対して多様な学習機会の確保のための経済的支援制度の確立を求める意見書」の提出の採択を求めることに関する請願の件を一括議題といたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
289 ◯議長(
古賀壮志君) 御異議ないものと認め、一括議題といたします。
請願の要旨はお手元に配付いたしました印刷物のとおりです。請願第4-8号、請願第4-9号の常任委員会への付託は、会議規則第141条の規定により、議長において民生文教委員会に付託いたします。
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290 ◯議長(
古賀壮志君) これより、請願第4-10号、市議会に100条調査委員会を設置し、日野市政の不正・違法を解明することを求める請願の件を議題といたします。
請願の要旨は、お手元に配付いたしました印刷物のとおりです。
請願第4-10号の常任委員会への付託は、会議規則第141条の規定により、議長において企画総務委員会に付託いたします。
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291 ◯議長(
古賀壮志君) これより、請願第4-11号、公立幼稚園(第四幼稚園)閉園計画に関する請願の件を議題といたします。
請願の要旨は、お手元に配付いたしました印刷物のとおりです。
請願第4-11号の常任委員会への付託は、会議規則第141条の規定により、議長において民生文教委員会に付託いたします。
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292 ◯議長(
古賀壮志君) これより、請願第4-12号、インボイス制度の中止もしくは延期を日野市議会として国に対して意見書を提出するよう求める請願の件を議題といたします。
請願の要旨は、お手元に配付いたしました印刷物のとおりです。
請願第4-12号の常任委員会への付託は、会議規則第141条の規定により、議長において企画総務委員会に付託いたします。
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293 ◯議長(
古賀壮志君) 本日の日程は全て終わりました。次回本会議は、12月5日月曜日、午前10時より開議いたします。時間厳守で御参集願います。
本日はこれにて散会いたします。
午後4時44分 散会
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