日野市議会 > 2022-09-06 >
令和4年第3回定例会(第3日) 本文 開催日: 2022-09-06
令和4年第3回定例会(第3日) 名簿 開催日: 2022-09-06

  • "本件工事"(/)
ツイート シェア
  1. 日野市議会 2022-09-06
    令和4年第3回定例会(第3日) 本文 開催日: 2022-09-06


    取得元: 日野市議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-08
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1            午前10時01分 開議 ◯副議長(峯岸弘行君)  本日の会議を開きます。  ただいまの出席議員23名であります。  私、副議長が任を務めますので、特段の御協力をお願いいたします。(「頑張れ」「子どもの……」と呼ぶ者あり) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2 ◯副議長(峯岸弘行君)  これより日程第1、一般質問を行います。  一般質問6の1、加齢による難聴を早期に発見し、適切な対応で豊かな人生を-補聴器購入費補助について問うの通告質問者、わたなべ三枝議員の質問を許します。(「頑張れ」と呼ぶ者あり)      〔1番議員 登壇〕 3 ◯1番(わたなべ三枝君)  おはようございます。(「おはようございます」と呼ぶ者あり)それでは、通告に従い、質問させていただきます。  昨年9月の第3回定例会で、補聴器の購入費補助制度を求める請願が市民から上げられ、全会一致で採択をされました。そのことを受け、市長は、来年度から制度を立ち上げることを表明されました。市は、制度設計に伴い、具体的な内容を検討しているところだと思います。聞こえの支援制度として、よりよい制度となることを願い、先行自治体の経験を踏まえて質問、提案をさせていただきます。  それでは、まず初めに、今、市は来年度の制度立ち上げに向けて、様々な調査や検討が行われていると思います。制度設計での問題意識、また現在の調査検討状況、今考えておられる制度立ち上げの開始時期やそこまでのスケジュール、流れについて、現段階での状況をお伺いいたします。 4 ◯副議長(峯岸弘行君)  答弁を求めます。健康福祉部参事。 5 ◯健康福祉部参事(志村理恵君)  高齢者補聴器補助制度の立ち上げの状況について、お答えいたします。  現在までの準備状況としては、東京都で既に実施している自治体の制度内容について、聞き取りを実施いたしました。市内耳鼻咽喉科の先生からは、補聴器の必要性や制度内容への御意見をいただいております。  補助制度の実施に向けては、東京都の補助を受けることを予定しておりますので、東京都へは補助について相談を行っているところでございます。  補助制度の早期の実施に向けて、現在、準備を進めているところでございます。  以上でございます。 6 ◯副議長(峯岸弘行君)  わたなべ三枝議員。 7 ◯1番(わたなべ三枝君)  ありがとうございます。  それでは、次に質問させていただきます。
     補助の仕組み、制度をつくる上で重要なことが3点あると考えます。  まず初めに、一つ目に、難聴の人が相談や検診を通じて、できるだけ早期に必要な聞こえの支援、補聴器の必要性を認識し、医療、診断につながるようにすること。  二つ目、所得に関係なく、補聴器を必要とする人が補聴器を購入、確保できるような補助制度とすること。  三つ目、購入した補聴器を利用、装用し続けることができるよう、フィッティングの調整やトレーニングアフターフォローなどの支援の仕組みを整えること。  この3点の視点で検討することが、よりよい制度にしていく、とても重要な点だと考えます。  3点目に申し上げました購入した補聴器を利用、装用し続けることができるよう、フィッティングの調整やトレーニングアフターフォローなどの支援を検討する上で、大変参考になる取組が市立病院の補聴器外来での取組だと思います。日野市市立病院で取り組まれている4点について、お伺いいたします。  一つ目、補聴器外来の患者数及び年代などについて。  二つ目、言語聴覚士を配置してきた経緯とその位置づけ、具体的な取組について。  補聴器の購入、確保におけるフィッティングの調整やトレーニングの取組、支援について。  四つ目、購入後のアフターフォローの取組の支援について。  以上4点の取組状況について、御説明をお願いいたします。 8 ◯副議長(峯岸弘行君)  病院事務長。 9 ◯病院事務長(赤久保洋司君)  市立病院の耳鼻咽喉科による補聴器外来について、順次答弁させていただきます。  耳鼻咽喉科の外来では、内耳障害を中心として、耳の聞こえが悪く日常会話が不自由な方に対しては、精密検査をした上で、患者様ごとに適した補聴器の装用をお勧めすることで、患者ごとの生活の質の向上に努めているところでございます。この時点で補聴器外来につながるというような状況になります。  この補聴器外来は、半日を1こまとして、週4日6こまを予約制で実施しており、診療結果に基づく補聴器指導及び定期的なケアなどを行っているところでございます。  まず、その補聴器外来の実績でございますが、令和3年度の延べ患者数は1,759人でございます。年代別では、60歳以上が患者数の9割以上を占めている状況となっており、補聴器装用の定着状況は、それぞれの疾病や症状により異なっている状況にございます。  次に、補聴器外来の体制でございますが、医師、言語聴覚士臨床検査技師等が連携して対応することで、補聴器製作に関する相談や機器の選定等を進め、再診時には、医師、言語聴覚士補聴器業者による補聴器のお試し、調整、指導などを行っているところでございます。  また、言語聴覚士を中心に、専門的な知識を活用した、細やかな聴覚に関する聞き取りや補聴器の調整、丁寧なケアフィッティング対応や指導をおおむね2週間ごとに行い、必要時には補聴器適合検査等を実施して、補聴器を最長で3か月間無償で貸し出すことなど、患者が長く使える補聴器の選定を心がけているところでございます。  次に、フォローアップについてでございますが、おおむね3か月から6か月の間隔で、補聴器外来再診として行っておりますが、状況によっては、調整等に1年を要する場合もございます。また、予定の再診時以外でも、患者からの相談で、補聴器の調整が必要なときなどは、その都度対応しているところでございます。  以上でございます。 10 ◯副議長(峯岸弘行君)  わたなべ三枝議員。 11 ◯1番(わたなべ三枝君)  ありがとうございました。  今の御報告いただきましたことをまとめますと、言語聴覚士の配置による丁寧な支援が行われていること。そして充実した調整とトレーニング期間を確保し、補聴器購入支援まで一連のことを患者本位で考えて実践されていること。そして三つ目に、補聴器購入、装用後、定着するまで丁寧にアフターフォローが行われていること、これら3点が補聴器の装用に欠かせない重要な点だと考えます。  それでは、次に質問させていただきます。  調整、トレーニングアフターフォローの取組支援を制度化することの必要性について、市はどのようにお考えでしょうか。 12 ◯副議長(峯岸弘行君)  健康福祉部参事。 13 ◯健康福祉部参事(志村理恵君)  アフターケアの取組について、お答えさせていただきます。  補聴器については、本人の聞こえの状態に合わせるため、定期的な調整が必要なものであることは、市内の耳鼻咽喉科の先生からも御意見をいただいているところでございます。  補聴器は管理医療機器となるため、購入の際には、補聴器相談医認定補聴器技能者と相談の上の購入が必要とされております。補聴器相談医の受診を義務づけるため、医師による意見書の提出を必須とすることを制度の中に盛り込む予定でございます。  補聴器相談医に受診することにより、その後の補聴器の調整、アフターケアを進めていけると考えているところでございます。  以上でございます。 14 ◯副議長(峯岸弘行君)  わたなべ三枝議員。 15 ◯1番(わたなべ三枝君)  ありがとうございます。市も制度化に向けて、今検討していることを伺いました。  紹介ですけども、板橋区でも、今、補助制度を行っていますが、アフターフォロー補聴器購入アフターケア証明書というものを発行して、5週間にわたってアフターケアを行っているということでした。  また、日野市市立病院の補聴器外来にかかっている方の話を伺うことができました。少し具体的なことになりますが、御紹介いたします。受診から聴覚検査、補聴器装用、調整、その後のケアの様子など、御紹介いたします。  その方は、今、84歳になります。市立病院の補聴器外来に受診してから2年になるといいます。まず、耳鼻咽喉科にてドクターの受診後、補聴器外来に回り、聴力検査を行い、どのぐらいの大きさの音が聞こえるか検査し、次に言葉がどれだけ聞き取れるか検査をするために、語音明瞭度測定を行ったということです。これをスピーチオージオグラムと言うそうです。このスピーチオージオグラムは表になって表され、これを基に御自身の聞こえの状態が説明され、また補聴器の効果を確認できるときも、この表が使われるということです。  そして、自分の耳の形に合った補聴器の型を取るということです。これはとても大切なことで、自分の耳の形に合うことによって、装用時にフィット感があり、それが聞こえへの影響に大切であること、また補聴器が抜けて、落としてしまうという予防にもなるといいます。補聴器の選定は6か月かけて行い、その間3週間に1度、調整のため通院したとのことです。  その方は、普通ではほとんど気にならない、紙をめくるカサカサというこういう音、ドアの音など耐えられず、必要なときだけしか使っていなかったそうですが、装用頻度は補聴器をパソコンにつなぐことで分かってしまい、そのことを指摘されたようです。言語聴覚士から励まされながら、6か月間の調整を経て、ようやく自分の補聴器が決まったということです。その後もアフターフォローに3か月に1度通院し、状態を見てもらっているということです。今は徐々に雑音などにも慣れ、毎日装用ができているということです。  このような例からも、補聴器装用の定着にはこの調整、トレーニングアフターフォローが非常に大切であることが分かります。  では、次の質問に移ります。  所得に関係なく、補聴器を必要とする人が、補聴器を購入、確保できるように、補助制度を整えること、この視点でどう補助制度をつくるかが大事だと思いますが、市は補助の意義をどう位置づけ、補助の額や仕組みの設計についてどのように考えておられるか、お伺いいたします。 16 ◯副議長(峯岸弘行君)  健康福祉部参事。 17 ◯健康福祉部参事(志村理恵君)  補助の対象年齢、対象所得制限について、お答えさせていただきます。  補助の対象年齢、所得制限を設けることについては、東京都の補助を受けるための必須条件となっておりますので、年齢制限、所得制限は設ける予定でおります。  年齢については、聞こえづらくなった早期の段階での補聴器の装用が、その後の生活の質の向上にもつながるため、対象年齢については聞こえに心配が出始める65歳以上を考えております。  所得制限については、現在、既に実施している東京都の自治体の状況を参考に検討しておりますが、できるだけ多くの高齢者が利用できるような所得の設定を考えているところでございます。  以上でございます。 18 ◯副議長(峯岸弘行君)  わたなべ三枝議員。 19 ◯1番(わたなべ三枝君)  ありがとうございます。  江東区では、扶養家族なしの世帯では257万2,000円、扶養1人では300万5,200円、2人扶養の世帯では343万2,000円です。かなりの方が補助制度の対象となっていると思います。日野市でも必要とする人が補聴器を購入できる制度設計にしていただくよう、心から求めます。  では、次の質問です。  補聴器は大変高額なことから、購入が大変困難な状況です。補聴器の額と補助額との差が大きく、自己負担が重過ぎて購入できないということが想定されます。このことから、必要な人が補聴器を確保できるよう、より充実した制度設計として、補助と現物給付とを選択できる制度設計が必要と考えますが、市はどのようにお考えでしょうか。 20 ◯副議長(峯岸弘行君)  健康福祉部参事。 21 ◯健康福祉部参事(志村理恵君)  現物給付について、お答えさせていただきます。  東京都内で既に実施している自治体の調査の結果、二つの自治体が現物給付を実施しておりました。現物給付を行うには、市が補聴器を購入し、保管する必要が出てまいります。開始時には利用者数の見込みを立てることが難しいことと、また医療機器を保管、管理していくことも難しいと考えております。  日野市では、耳鼻咽喉科の先生の御意見や高齢者等の意見から、補聴器には様々な種類の補聴器があるため、本人に合った補聴器について医師等と相談して決められるように、現物給付ではなく、補助制度の実施を考えているところでございます。  以上でございます。 22 ◯副議長(峯岸弘行君)  わたなべ三枝議員。 23 ◯1番(わたなべ三枝君)  市のお考え、承りました。  都内で、今御紹介されましたように、新宿区と江東区が現物給付されています。  江東区の方からお話を伺いました。江東区では、現物支給を選択される方が圧倒的に多いということです。令和3年度、現物支給が522人、購入費補助が134名ということでした。  江東区では、区が指定している耳鼻咽喉科に補聴器をストックしてもらっております。補聴器の値段は、市販で4万5,000円の商品をまとめ買いするために、一つの値段が3万円程度で購入でき、購入費補助額も3万円で、同額にしているということです。ぜひ前向きな検討をお願いしたいと思います。  では、次の質問に移ります。  さきに補聴器の仕組み、制度をつくる上での3点の重要な点を挙げました。その1点目に申し上げました難聴の方が相談や検診を通して、できるだけ早期に必要な聞こえの支援、補聴器の必要性を認識し、医療、診断につなげることが非常に大切だと考えます。  そこで、今、市が行っている聞こえの相談会の目的と取組状況、また今後どのように考えておられるかお伺いいたします。 24 ◯副議長(峯岸弘行君)  健康福祉部参事。 25 ◯健康福祉部参事(志村理恵君)  聞こえの相談会について、お答えいたします。  聞こえの相談会については、日野市地域包括支援センターに御協力いただき、開始しております。既に1回が終了しており、8月25日に多摩平の森さくら集会所にて開催いたしました。20名程度の参加者がおり、70代の方の参加が多く見られました。当初は、耳の聞こえについての悩みを相談できる場として言語聴覚士による個別相談の開催を検討しておりましたが、高齢者の耳の聞こえについて対応できる言語聴覚士の確保が難しいため、補聴器業者による、加齢による難聴と補聴器についての講演会となりました。令和4年度については、別の地域の包括支援センターで、今後、3回、実施が予定されております。  聞こえの相談会は、高齢者が耳の聞こえについて早期に相談できる場と考えておりましたが、今回の講演会の様子から、聞こえについて考えるきっかけづくり、また、補聴器について知る機会となるような場も必要であると考えているところでございます。  以上でございます。 26 ◯副議長(峯岸弘行君)  わたなべ三枝議員。 27 ◯1番(わたなべ三枝君)  第1回目、やられて、20名の参加があったこと、そして耳について、難聴について知るきっかけづくり、補聴器について知る、そのような場になったと伺いました。  現段階では、加齢者難聴では、治療する方法はないということです。進行してからの補聴器の使用では、十分な聞こえの改善が得られないことから、中等度以上の難聴と診断されてから、なるべく早く補聴器をつけることが大切だと言われています。多くの皆さんが早期に御自身の難聴に気づかれ、医療へと結びつく相談会の設置をしていただきたいと思います。  また、相談会とともに実態把握のためにはつらつ・あんしんアンケートなどのアンケート項目に、聞こえにくさに対する項目を入れていただくことや、特定健診や後期高齢者健診に聴覚検診を加えていただくことを要望いたします。  では、次に質問させていただきます。  聞こえの相談を進める上で、補聴器の調整、トレーニングアフターケア支援を進める上で、専門家、そして言語聴覚士の役割が重要だということ、今までも伺いました。そのことは市立病院補聴器外来での取組からも明確です。聞こえの支援を進めていく上で、市として言語聴覚士を確保、配置していくことが必要不可欠だと思いますけども、市の認識をお伺いいたします。 28 ◯副議長(峯岸弘行君)  健康福祉部参事。 29 ◯健康福祉部参事(志村理恵君)  言語聴覚士を市で配置していくことについて、お答えいたします。  聞こえの支援ということで、言語聴覚士を日野市で採用し、確保していくことについては、高齢者の耳の聞こえに対応できる言語聴覚士が少ないこと、補聴器に関する経験や技術等も必要になるため、市の職員として育成していくことは難しいと考えております。言語聴覚士協会等へ相談し、経験豊かな言語聴覚士を相談会に派遣していただく方向で、今後も考えているところでございます。  以上でございます。 30 ◯副議長(峯岸弘行君)  わたなべ三枝議員。 31 ◯1番(わたなべ三枝君)  ありがとうございます。  言語聴覚士が、これから高齢化社会になって、さらに求められている専門職だと思います。今後、市で採用することは難しいということではありましたけども、追求をしていただければと心から願います。  次に、都の補助制度について、お伺いいたします。  都の補助制度はどのようなものなのか、そしてまた、都に対して補助制度の拡充を求めていくことが必要だと考えますが、いかがお考えでしょうか。 32 ◯副議長(峯岸弘行君)  健康福祉部参事。 33 ◯健康福祉部参事(志村理恵君)  東京都の補助制度について、お答えいたします。  高齢者の補聴器購入費用の助成については、東京都の高齢社会対策区市町村包括補助事業において、事業内容が限定されないその他の事業区分として、2分の1の補助率の補助事業となっております。東京都は、各区市町村からの問合せが多くなっているため、令和2年1月に高齢者への補聴器支給等に関する補助の考え方を示しておりますが、年齢制限、所得制限など対象者が限定されることなどが補助要件とされております。  東京都への問合せの結果、相談会や講演会については、直接補聴器の購入につながる目的ではなく、心配な方については医療機関の受診につなげていくものであることから、言語聴覚士の人件費も含めて、補助制度の活用は難しいとの回答でございました。  補助制度の内容の拡充については、高齢福祉分野の課長会として東京都に要望していくことも検討していきたいと考えております。  以上でございます。 34 ◯副議長(峯岸弘行君)  わたなべ三枝議員。 35 ◯1番(わたなべ三枝君)  ぜひ要望を上げていただき、今の2分の1の補助額ということですけども、所得制限があるということですけども、その制限、補助額の制限がもっと高ければさらに利用される方が増えるということ、そして言語聴覚士が確保できるような補助制度の拡充にしていただければ、さらにこれからの高齢化社会に対応し、皆さんが豊かな生活ができるその一つになるのではないかと思います。ぜひ、今後とも声を上げていただきたいと思います。  では、最後に市長にお伺いいたします。  高齢者になって難聴を抱えている方がたくさんいらっしゃり、不自由な生活をされている方がたくさん見えます。補助の仕組み、制度をつくる上で重要だと考える3点を述べさせていただきました。  難聴の人が相談や検診を通じて、できるだけ早期に必要な聞こえの支援、補聴器の必要性を認識し、医療、診断につながるようにすること。  そして二つ目に、所得に関係なく補聴器を必要とする人が補聴器を購入、確保できるよう、補助制度にすること。  三つ目、購入した補聴器を利用、装用し続けることができるよう、フィッティングの調整やトレーニングアフターフォローなどの支援の仕組みを整えること。  補聴器を必要とする方々が全員装用できるよう、充実した補聴器補助制度が必要です。それには、都の包括補助を使いながら、もっと充実した制度にする必要があります。しかし、補聴器は高いので、補助率を上げていくことが大切だと考えます。そのことによって、市町村がもっと使いやすくなるのではないかと思います。  都の補助の増額や拡充を求める声を上げていただきたいと思います。そして、国はまだこの加齢性難聴による補聴器補助制度は確立されていません。各自治体と連携をして、声を上げていただければと思います。市長の見解をお伺いいたします。
    36 ◯副議長(峯岸弘行君)  市長。 37 ◯市長(大坪冬彦君)  わたなべ三枝議員より、加齢による難聴を早期に発見し、適切な対応で豊かな人生を、補聴器購入費補助について問うということで、御質問をいただきました。  支援制度ということで、補聴器、加齢に伴う難聴の方に対するフォローということで、単純に補聴器を補助するということではなくて、その方の相談に乗って、その方についての適切な補聴器を購入補助、支援することによって、今後のその方の生活の質を上げていくというのが事業の目的であります。そういう意味で、耳鼻咽喉科の先生方も連携しながら、使いやすい制度にしていきたいというふうに考えているところでございます。  この制度は、昨年の議会の議決をいただいてという話が、請願の議決をいただいてということがありますが、東京都でも区部が幾つかやっていて、三多摩もまだ、本当にこれからですね。本当に始まったばかりの制度ということになります。取りあえずは先ほど参事が答弁しましたように、東京都の補助要件に従って、今、準備を進めているところでございます。その上で、当然、単に補聴器を補助するだけではなくてという部分についてもあります。アフターフォローも含めて、しっかり体制を整えていくことが必要かなというふうに思っております。  その上で、導入する自治体の数、どんどん増えていく中で、やはり使い勝手ということもあります。それぞれ自治体の条件も違います。もちろん、財政力も違いますけども、やはりそこは同じ加齢性難聴の問題についてでありますから、当然、必要な方については、必要なものが行き渡るような制度にするように、東京都にも各自治体と連携して、働きかけていかなければならないなというふうに思っています。  言語聴覚士も、なかなか確保が大変であります。多分、かなりかなり厳しい競争の中で奪い合いになるのかなと思っておりますし、その中でできるだけ相談会等に来ていただくような、そんな工夫と努力もしていかなければならないし、当然この制度をより普及するためには必要不可欠な有資格者でありますから、その確保についても、東京都や国に要望していくということもやっていきたいなと考えております。  以上です。 38 ◯副議長(峯岸弘行君)  わたなべ三枝議員。 39 ◯1番(わたなべ三枝君)  ありがとうございます。  日野市で相談会からアフターフォローまで、一連とした補助制度を今つくっているということを伺いました。市長もこれからも都への要望、そのことも伺うことができました。たくさんの方が、今、補聴器の補助制度ができること、心待ちにしています。ぜひ、三多摩で二つ目となる予定ですけども、ぜひ、よい制度にしていただけることを願います。  これで質問を終わります。 40 ◯副議長(峯岸弘行君)  これをもって6の1の質問を終わります。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 41 ◯副議長(峯岸弘行君)  一般質問6の2、子どもの貧困-お腹をすかせた子どもへの支援は急務!の通告質問者、わたなべ三枝議員の質問を許します。 42 ◯1番(わたなべ三枝君)  質問させていただきます。子どもの貧困について、今回は食に絞って質問をさせていただきます。  厚生労働省が行った令和元年国民生活基礎調査では、平成30年の日本全体の相対的貧困率が15.4%、子どもの相対的貧困率は13.5%になっており、約7人に1人が貧困だと結果が出ました。国においては、子どもの将来がその生まれ育った環境によって左右されることのないよう法整備が行われ、子どもの貧困対策の推進に関する法律が施行されました。日野市においても、平成29年3月に、日野市子どもの貧困対策に関する基本方針を策定し、この間、方針に基づき、取組を行ってまいりました。  令和2年及び3年度において、改めて日野市子どもと保護者の生活実態調査及び貧困率の推計を行い、第2期子どもの貧困対策に関する基本方針の案が策定されました。子どもの貧困は、日常生活においては、食生活の貧困として現れることが多く、また、食生活の貧困は、食事の内容の貧しさとなって現れ、栄養価を満たすことができず、身体的な発達の影響や病気へとつながりやすい状況をつくることになります。子どもの食についての対応を図ることは、急務と考えます。  それでは、お伺いいたします。  市として、学校や学童、児童館など、実際の現場でどのような実態を把握されているでしょうか。また、さらにそうした実情にどう取り組もうとしているのか、お伺いいたします。 43 ◯副議長(峯岸弘行君)  答弁を求めます。健康福祉部長。 44 ◯健康福祉部長(山下義之君)  初めに、私からは、市全体における子どもの貧困に関する食事や食育について、市の取組をお答えをいたします。  食生活の充実は、子どもの健全な発育にとって不可欠なものでございます。令和2年度に行った子どもと保護者の生活実態調査の結果からは、朝食をいつも食べない、あるいは食事の満足度が低いといった子どもたちがいる状況が見えてきたところでございます。  このような結果につきましては、経済的な困窮も原因の一つと考えられ、フードパントリーなど食のセーフティーネットを強化することが重要だと考えております。  また、市では、全市民に向けまして、平成20年に日野市食育推進計画を策定、平成21年には日野市みんなですすめる食育条例を制定し、食育を推進しているところでございます。  計画策定当初より、家庭が食育を推進する上で最も重要な場の一つであるという認識の下、朝食欠食率の低減を目標に各課が連携して、現在でも朝食を欠食する子ども、市民の割合を減らせるよう取組を進めております。  さらに、第2期子どもの貧困対策に関する基本方針の素案においては、食習慣の改善、食事提供等の支援として、食育の推進及び子ども食堂や市内施設でのフードパントリーなど、食習慣の改善等に取り組む団体等への運営等支援、さらに、朝食を欠食した子どもに対する軽食の無料提供の検討を施策として設定しているところでございます。  私からは以上でございます。 45 ◯副議長(峯岸弘行君)  子ども部長。 46 ◯子ども部長(中田秀幸君)  続いて私からは、児童館での状況についてお答えをいたします。  児童館へ来館する児童の中には、空腹な状況にあると思われる児童が一部見受けられ、職員との信頼関係ができてくる中で、親が食事を作ってくれないとか、朝遅かったから食べていないなど、話をしてくれるようになりますが、周りに知られないように隠そうとする状況もございます。  児童館では、フードパントリーの窓口としての役割も担っており、必要とする御家庭へ、基本的には保護者に対して食材をお渡しをしております。また、日頃よりフードパントリーのPRに努めております。  児童の気持ちを大切にしながら、食材の提供を通じて、児童やその保護者が必要な支援につながることを目的として取り組んでおります。  私からは以上でございます。 47 ◯副議長(峯岸弘行君)  教育部長。 48 ◯教育部長(村田幹生君)  続きまして、私からは、学校での状況についてお答えいたします。  先ほどの健康福祉部長の答弁にて、子どもと保護者の生活実態調査の結果、朝食をいつも食べない、また食事の満足度が低いといった子どもたちがいること、また、その中には、経済的な困窮も原因の一つと考えられるとありました。  市教育委員会も同様の認識でおり、市長部局と連携して、第2期子どもの貧困対策に関する基本方針の施策を推進し、解消に向けた取組を進めていきたく考えています。  なお、学校では給食を実施しており、子どもたちの育ちを支える重要な1食となっています。食の支援という観点からも、引き続き安定的な運用に努めてまいります。  以上でございます。 49 ◯副議長(峯岸弘行君)  わたなべ三枝議員。 50 ◯1番(わたなべ三枝君)  ありがとうございます。たくさんの深刻な状況を伺いました。  私も、昨年、社会福祉協議会に聞き取りに伺ったときに、児童館には、おなかをすかせて、ふらふらしている子がいるということを伺いました。最近でもこのようなことを伺ってきました。本当に、おなかをすかせて困っている子どもをなくすための支援策が求められていると思います。  しかし、貧困層にだけターゲットを当てても、自分が貧困であることを友達に知られることを避けるために、手を差し伸べていくことが難しいと聞いています。貧困層と分断するのではなく、全員を対象にする施策を講じる必要があるのではないかと思います。  そこで、2点、まとめて提案をさせていただきます。  まず1点目、夏休みに、特に子どもたちの食事が気になります。夏休み期間に希望する子どもたちへの給食の提供はできないでしょうか。栄養価の高い学校給食は、子どもの成長にとって大変重要な役割を担っています。その給食がないことから、子どもたちは夏休みの期間、悲しい思いをされている子どもたちがいるかと思います。日野市では、自校方式を使って、この施設を生かして、夏休みに給食を提供することを検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。  次に二つ目、子ども食堂についてです。第2期日野市子どもの貧困対策に関する基本方針の案にも、家庭、学校、保育施設などでの給食の推進と併せ、フードパントリーや子ども食堂の活動により、食のセーフティーネットを強化する必要がありますと、計画が載っています。子ども食堂の取組をされている方々をもっと支援する仕組みづくりと、子どもたちを支えていく仕組みを充実させていく必要があると考えます。現在の子どもの食堂の実情と、市の姿勢を伺います。 51 ◯副議長(峯岸弘行君)  子ども部長。 52 ◯子ども部長(中田秀幸君)  まず私からは、夏休みの学童クラブの状況についてお答えをいたします。  学童クラブでは、一日育成となる夏休みの期間、昼食は各家庭でお弁当などを用意していただいております。保護者からは、お弁当などを用意する負担の軽減として、配食サービスの要望もいただいております。コロナ禍において、令和2年度の夏休みに、市内飲食事業者と連携した配食サービスを試験的に実施をいたしました。実施後、保護者よりいただいたアンケートにおいては、感謝の声とともに、金額や栄養面での御要望が多く寄せられました。  一方で、実施に当たっては、個数の確認やアレルギー等の対応を含め、現場の学童クラブ支援員にはかなり大きな負担がかかりました。学童クラブといたしましては、夏休み期間中のお弁当づくりの保護者の負担軽減については、引き続き検討してまいりたいと思います。  また、子どもの貧困と食については、引き続き関係部署等と連携してまいります。  ひとまず、私からは以上です。 53 ◯副議長(峯岸弘行君)  教育部長。 54 ◯教育部長(村田幹生君)  続いて私からは、学校における昼食支援についてお答えいたします。  学校給食を調理し、提供するためには、栄養士による献立作成や食材発注、調理員による調理、教職員による喫食時の立会いなど、様々な対応が必要となります。特にアレルギー対応は人命に関わるため、関係者全員で役割を分担し、組織的に事故防止に取り組んでいます。  夏休みの昼食提供については、平成28年度から30年度にかけて、一部の学校において、2日間から5日間実施した経験がございます。実施した経験から、アレルギーなどの事故時の緊急対応に課題があると認識しています。そのほか、給食調理室等のメンテナンスや学校の閉庁期間もあり、休業期間の全体を通じた昼食提供が難しいこと、食数の把握、集金、キャンセル対応等の現場負担が大きいことなどが課題としてあります。  また、無償提供の場合は、食材費の予算確保も必要となります。市教育委員会といたしましては、学校単独での昼食提供の実施は難しいと認識していますので、学校給食室を使用した昼食提供にこだわらず、子どもの貧困に関わる関係各課と連携し、必要な子どもに必要な支援が届くよう、協力、対応していきたく考えております。  以上でございます。 55 ◯副議長(峯岸弘行君)  子ども部長。 56 ◯子ども部長(中田秀幸君)  市内の子ども食堂の実態及び支援の必要性についてお答えをいたします。  市が活動を把握しております子ども食堂は、現在四つございます。お弁当、軽食の配付形式での実施が3団体、食堂形式での実施が1団体あり、各団体とも月1回程度、子ども食堂を実施されております。  感染対策として、食堂形式ではなく配付形式での実施に切り替えられた団体や、休止していた活動をここで再開された団体、コロナ禍において活動を始められた団体など、おのおの状況や方針等は異なりますが、子どもの居場所支援、子どもの食の支援として活動をされております。  市では、子ども食堂を実施する団体への支援として、子ども食堂連絡会を開催し、情報の提供や共有を図り、団体間の橋渡しなどを行うとともに、子ども食堂開催のチラシの配布など、広報面での協力を行っております。  連絡会でいただいた御意見や課題等を参考に、今後も子ども食堂を実施する団体の自立した運営を支援してまいります。  以上でございます。 57 ◯副議長(峯岸弘行君)  わたなべ三枝議員。 58 ◯1番(わたなべ三枝君)  ありがとうございました。  大変様々に、何をやるに対しても困難がつきまといます。しかし、子どもたちはおなかをすかせている、この現状は事実です。早急に市として、どのような対応をしたら子どもたちが安心して、明日食べるものがないという不安をなくして豊かに生きていける、そのような環境をつくっていくこと急務だと思います。これからもさらに連携をして、子どもの食についての対応を切に願います。よろしくお願いいたします。  それでは、市長に最後にお伺いいたします。  コロナ禍の中、そして物価高騰の中、貧困はますます深刻な状況になっています。このことが、今まで皆さん述べられたように、子どもの貧困として現れています。全ての子どもがおなかをすかせて、悲しんでいることがない社会をつくっていくことが、私たち大人の役割であると思います。子どもたちが食事の心配をせず、安心して楽しく生活ができるよう、市として取り組み、今後どのようにするか、市長のお考えをお願いいたします。 59 ◯副議長(峯岸弘行君)  市長。 60 ◯市長(大坪冬彦君)  わたなべ三枝議員より、子どもの貧困、お腹をすかせた子どもへの支援は急務ということで、御質問をいただきました。  貧困の問題、相対的貧困と絶対的貧困があって、日本においては絶対的貧困というよりは相対的貧困なんだろうけども、子どもの貧困率、高止まりはしているかなというふうには思っております。その中で、今日は食に当てて御質問をいただきました。  この間、かなり前からやはり、十分な食事ということでそれが保障されず、ただただ学校の給食でそれを補ってということ。そうすると、夏休みを経てかなり痩せてしまうという子どもがいるということは、かなり問題になってきていて、恐らくまだそういうことがあるんではないかと思います。かてて加えて、貧困ではないかもしれないけれども、親が忙しくて十分に食事の配慮ができないような子どももいらっしゃる。いろんな問題をはらんでいるかなというふうに思います。  日野市においては、食育について、この間、日野市食育推進計画を平成20年に策定して力を入れてきたところでございます。それに加えて、子どもの貧困対策に関する基本方針の中で、子どもの食の問題というのは正面から取り上げております。新しい第2期の子ども貧困対策の基本方針についても、基本的な方向性2の中で、その全施策項目の1として、食習慣の改善、食事提供等の支援ということで四つの柱立てをして、しっかりこれから取り組んでいくということを考えております。  その中で、いろんな努力をしていかなきゃならないし、特に、先ほど議員から言われました夏休み中の問題ということで御提案をいただきました。日野市としてもいろんな試みはやってきた。今後どういう形を取れるかということは、いろいろ工夫しながら考えていかなければならないと思っております。  そして、子ども食堂、四つあります。その団体との連絡会を開きながら、今なかなかコロナで難しい状況はありますけども、今後もそういう活動については支援をしていかなければならないというふうに思っております。  いずれにしろ、食の問題というのは、子どもの貧困の問題に現れやすいものであります。そこをしっかり支援することを通じて、子どもの貧困の問題にしっかり取り組んでいく。新しい第2期の子どもの貧困対策基本方針も出来上がりますので、これに沿って、さらにこれまでの子どもの貧困対策、より充実した形で取り組んでいければと思います。  以上です。 61 ◯副議長(峯岸弘行君)  わたなべ三枝議員。 62 ◯1番(わたなべ三枝君)  ありがとうございます。  日野市の子どもたちに限らず、多くの子どもたちが、今、貧困に苦しんでおります。社会がよりよく、豊かな社会になることを願い、今日はこれで質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 63 ◯副議長(峯岸弘行君)  これをもってわたなべ三枝議員の一般質問を終わります。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 64 ◯副議長(峯岸弘行君)  一般質問7の1、次々に明らかになる市政をめぐる不正の事実、重大な疑惑!~不正腐敗の一掃へ、断固たる決意で真相の全面的解明を~の通告質問者、中野あきと議員の質問を許します。(「頑張れ」と呼ぶ者あり)      〔15番議員 登壇〕 65 ◯15番(中野あきと君)    それでは、通告に従って、質問させていただきます。  最初に、川辺堀之内区画整理事業をめぐる問題で、6月議会後の動きと市の対応について、4点、簡潔に確認をさせていただきたいと思います。  1点目は、今年3月末時点において、区画整理組合で確定された6億7,400万円の不適切な報酬、手当に関して、その返還状況について伺います。  2点目、堀之内元副市長が受け取っていたとされる不適切な報酬、総額1,100万円の返還の有無と市の対応について伺います。  3点目、3月末時点では確定はできていなかったものの、不適切な手当の支払いがあったとされる組合事業の委託先、企業公社対象10人への調査、ヒアリングの状況について伺いたいと思います。  4点目、組合の残事業、残りの事業の確認状況と事業計画、資金計画の見直し、見通しなど、今後の方針、市の、あるいは都の対応について、伺っておきたいと思います。  まとめて4点、確認をさせていただきます。 66 ◯副議長(峯岸弘行君)  答弁を求めます。まちづくり部長。 67 ◯まちづくり部長(岡田正和君)  組合雇用の弁護士及び公認会計士が不適正とした人件費6億7,474万円の回収の6月以降の状況についてでございます。  回収できた、または返還していただくめどが立った支出については、前回答弁させていただいたとおりでございます。それ以外の不適正額のうち1億9,450万2,575円は、元理事長相談役に対するものであり、現在組合が訴訟中で、非公開の弁論準備手続は11回になりました。引き続き裁判所において、双方の主張を基に事実確認を行っております。  なお、被告である元理事長相談役から令和4年1月26日に4,500万6,062円の供託があったとのことは、前回報告させていただいたとおりでございます。  令和4年7月30日に開催予定であった第27回の組合総会が、新型コロナウイルス感染症感染拡大に伴い延期されたこともあり、6月議会以降新たに判明した事実について、組合よりの報告はございません。  また、今回の不適正額に含まれていないものとして、日野市企業公社元代表取締役であった堀之内元副市長に対するものと、元日野市企業公社職員ら10名に対するものがあるとのことでございます。  堀之内元副市長に対する不適切な報酬の額及び返還については、双方の代理人弁護士間で今後協議していくと聞いております。
     元日野市企業公社職員ら10名に対しては、組合が企業公社に支払った業務委託報酬の業務と重複している可能性があるので、現在、本人との面談を行いながら、事実関係の整理を行い、不適正額を判定しているとのことでございます。組合雇用の公認会計士からは、次回の総会までに整理を終えて、報告したいと聞いております。  面談においては、支給された支出の内容、組合が置かれている状況、調査で判明した内容を丁寧に説明し、自主的に返還してもらうことを目指しているとのことでございます。  続きまして、組合区画整理事業の残事業の状況、資金計画の見直し、市との対応についてでございます。  現在の組合の事業計画書による事業期間は令和5年3月末までとなっており、現在、組合は、事業完了を見据えた残事業費の収支のバランス及び施行期間延長を考慮した第7回事業計画変更に向けた作業に取り組んでいるところでございます。  収入においては、不適正な支出の組合会計への返還を含め、事業費の確保に注力しているところであり、支出においては、残事業の課題を整理しております。  今後は、これらを含め、最後まで事業完了できる資金計画を構築していくことが必要であると考えております。  日野市といたしましては、組合事業を確実に完了に導くことを最優先に考え、引き続き東京都と連携し、事業完了に向けた手続を進めてまいります。  以上でございます。 68 ◯副議長(峯岸弘行君)  中野あきと議員。 69 ◯15番(中野あきと君)  6億7,400万円の不適切な報酬手当のうち、河内元副市長・理事長相談役が裁判で訴訟中の1億5,000万円を超える額を除いて、ほぼ返還されているという状況だということです。  さらに、堀之内元副市長あるいは企業公社職員10名に関する不適切な報酬については、まだ明確になっていない、対応が途上であるということが確認されました。ちょっと時間がないので、これは、今日はこの辺でこの問題については終わっておきたいと思います。  本題に入っていきたいと思います。6月議会最終日に報告をされました旧たかはた保育園の機能移転に伴う一連の疑惑に関する第三者委員会報告において、不当とされた事項の自主検証報告書、市が行った報告について、改めて質問をさせていただきたいと思います。  言うまでもなく、この日野市自身による自主検証は、昨年末に出された第三者委員会報告において、不当とされた3点、一つは新保育園までの進入路整備に関する補助金の妥当性。二つは、市と地主の方々との土地交換の妥当性。三つは運営法人の家賃、家賃助成の妥当性。この3点について行われたものであります。それぞれ伺っていきたいと思います。  まず家賃の妥当性についてです。第三者委員会の報告書は、不当とした理由について、こう述べています。「前払い家賃助成については、前賃料補助を行ったにもかかわらず、本件賃料は本件土地所有者が借り入れる建物建設費用に対する金利相当額が反映された額になっていることや、賃貸借契約書上、社会福祉法人Mから本件土地所有者に対して支払われる前渡金が契約期間満15年分とされ、本件土地所有者にとって有利になっていると思われる点については、不当であると考える」としています。  さらに、「賃料の妥当性について、建物内装工事費を含んだ建物建設費等を土地所有者が負担することが前提になっていること、進入路については、市補助金1億円が支出されて、拡幅された道路幅員が前提となっていること、この2点によって、賃料の妥当性の十分な検討がされていない」と指摘をされました。  以上のことを踏まえて、市は、月額賃料390万円の妥当性について、不動産鑑定業者2社に鑑定を依頼し、A社は250万円だったものの、B社が397万円と鑑定し、よって、390万円の月額賃料は妥当と判断しました。  改めて伺いたいと思います。日野市自身がこの2社の鑑定をどう捉えて、どう妥当と判断したのか、御説明をいただきたいと思います。 70 ◯副議長(峯岸弘行君)  子ども部長。 71 ◯子ども部長(中田秀幸君)  月額賃料390万円の、妥当と判断した理由についてお答えをいたします。  むこうじま保育園への家賃補助につきましては、社会福祉法人に対する助成の手続に関する条例及び同施行規則に基づき、支出をしております。施行規則第3条(1)エ、賃貸料補助金では、新たに不動産の貸与を受けて児童福祉施設を運営する場合、その賃貸料の一部に相当する額を予算の範囲内で助成することができると定めており、ただし書において、賃料補助の要件として、賃貸料は地域の水準に照らして適正な額以下でなければならないと定めております。  第三者実態調査委員会の報告書においては、月額賃料390万円の補助金について、賃料は地域の水準に照らして適正な額以下でなければならないという補助要件は違反していないと認定しながらも、補足意見を3点ほど述べております。こちらについては、先ほど議員が御指摘をされた部分でございます。  それを踏まえ、第三者実態調査委員会の報告を受け、市は賃料補助の要件である地域の水準に照らして適正な額以下であったか、賃料補助の金額の妥当性について、改めて検証することとし、賃料に関する不動産鑑定評価を実施したところでございます。  鑑定に当たっては、第三者実態調査委員会の指摘を踏まえ、建物内装工事費が市の補助対象となっており、貸主が負担していないことから、賃料の算定に入れないこと、進入路拡張に当たって市の補助金が支出されていることから、進入路整備前の4メートル道路に接続しているものとして評価を行うこと、以上2点を考慮することを新たに条件に加えるとともに、公平を期すため、2社へ賃料額の鑑定を依頼いたしました。その結果、鑑定額に差は生じているものの、本件賃料は、2社の鑑定額の範囲内に収まっていることが確認をできました。  また、両社の鑑定結果については、第三者による検証を行った結果、考慮要素等に違いはあれど、各社の判断事項であるから、妥当な鑑定結果であると評価をいただいたところでございます。  以上の検証を踏まえて、本件の月額賃料390万円は、賃借料の地域の水準に照らして適正な額以下であったと言うことができ、補助要件を満たすことを改めて確認し、妥当と判断したところでございます。  以上でございます。 72 ◯副議長(峯岸弘行君)  中野あきと議員。 73 ◯15番(中野あきと君)  今の2社の鑑定結果が数字として出てきたと。しかも、その鑑定についてはセカンドオピニオンでさらなる鑑定を行って、妥当と判断された。よって、鑑定は、つまり390万円の月額賃料は妥当と判断したということを説明されている状況だと思います。  私はその鑑定が妥当なのかどうかも含めて、市が自らどう判断するのか。数字が間に入っているから妥当だということを、今、説明されているんですけど、やっぱりこの鑑定についてですね、私も素人なりに鑑定について検討を加えました。やっぱり主体的な検討、判断がなければ、市民にだって議会にだって、まともに説明できないんじゃないか、(「そうだ」と呼ぶ者あり)ということだと思います。  絞って伺っていきたいと思います。ちょっと紹介させてもらいますが、これ、A社とB社が鑑定しているわけですが、今、B社が397万円と鑑定したということです。B社は、この鑑定と、もう一つ鑑定を取引事例比較法ということでやっております。こちらの鑑定は不採用になって、こちらはB社の採用された鑑定です。こちらとこちらを比較して、家賃は入れないんですけど、390万円は入っているから妥当と判断されたということです。  私、こちらのほうを少し確認しておきたいんですけども、405万円と判定した取引事例比較法についてです。私は、土地の売買をめぐって、理論上の鑑定方法である積算法ではなくて、実際の取引状況を踏まえて評価をするというのが最も効果的な評価方法じゃないかということで、賃貸取引事例比較法、これも検討すべきだということを12月議会でも確かに提案をさせてもらいました。しかし、この比較法に合致した比較が行われたのかどうかということが気になります。実はこの405万円の鑑定を行った比準法、比準賃料は、こう結論づけています。保育所と類似用途に係る賃貸事例を採用できなかったため、説得力の面でやや劣るとして、この比準法に基づく405万円は採用しないというふうに判断しました。比較事例としてふさわしい事例がない、と。保育所の用途で比較できるような物件がなかったということで、具体的には居住物件と比較をしています。しかも、日野市内ではありません。小金井であったり、あるいは国立であったり、東村山であったり、そういうところの案件と比較がされています。私は、採用されなかったといっても、405万円のこの比較法、比準法に基づく鑑定というのは、そういうものだと捉えておく必要があるということだと思います。  もっと言っておきますと、この当該保育所の地域は、第一種低層住居専用地域で、建蔽、容積、40、80になっています。この点においても、その事例比較をしたほかの自治体での同様の案件では、第一種住居専用地域ではなくて高度利用地域、中高層であったり、あるいは商業系であったり、建蔽、容積も60、200であったり、そういうところと比較するということになっている状況です。私は、だから、この405万円という鑑定結果、それ自体は努力をされて、比準比較してほしいという市の求めによって比較されたものだと思いますが、実態はそういうことだと。  もう一つ確認をさせていただきたいことがあります。この事例比較法ですね、事例比較による鑑定というのは、果たして市が鑑定依頼の条件とした、先ほど言った2点ですね。保育所部分の内装工事費は、所有者が負担したんじゃなくて税金で負担したんだと。その分を賃借料に転嫁するのはおかしい。この辺について、前提を整えて条件をつけました。道路もそうですけども、この条件がこの鑑定ではクリアされているのか、満たされているのかということについても、参考資料を全部見ましたけど、読み取ることができませんでした。この点はどういうふうに判断されたのか、伺いたいと思います。 74 ◯副議長(峯岸弘行君)  子ども部長。 75 ◯子ども部長(中田秀幸君)  比較賃料を算定するに当たって内装工事の考慮をしているのか、していないのかという御質問だと受け止めました。  で、第三者の意見書によりますと、まずA社、B社、ちょっと逆になっちゃっていたら申し訳ございません。  A社が対象不動産と同種の賃貸事例を収集することが困難なため、居住用不動産に係る賃貸事例を採用せざるを得なかった、賃貸事例比較法を参考にとどめ、投下資本に対する回収の観点から、説得力の高い手法である積算法による積算賃料を採用しているとなっています。  B社は、対象不動産の用途が保育所と特殊で、規範性のある賃貸事例を収集することが困難であったため、賃貸事例比較法の採用を断念しており、積算方法による積算賃料のみ採用しておると。各社の採用した手法の判断過程は妥当と考えられるというのが第三者の意見でございます。  市としても、2社とも依頼どおり多面的な検討をしていただいた結果について、不動産鑑定評価書に記載いただいたと認識をしており、第三者意見書に記載されているとおり、各社の採用した手法の判断過程は妥当であると考えております。比較法は両社とも最終的に採用はしておりません。御質問の内装工事を考慮するとかしていないとかという話ではないのかなというふうに考えております。  以上でございます。 76 ◯副議長(峯岸弘行君)  中野あきと議員。 77 ◯15番(中野あきと君)  時間がないのであれなんですけど、この採用されなかった405万円の比準法に基づく鑑定も、鑑定書の中にちゃんと明記をされています。それは一つ、事実上鑑定したということの表明かもしれませんけれども、この鑑定自体が実は日野市が条件として付した二つの条件、中でも内装工事費については、所有者負担ではないということについて考慮すべき条件として付されているわけですけど、それがクリアされていないんじゃないかということを私は質問しているわけです。  だから、ここは改めて確認をしていただきたいと思います。ちょっと時間がありませんので、先に行きたいと思います。  こちらの比準法については、そういうものだということだと思います。だから、不採用になっています。こちらの積算法に基づく397万円について、絞って、いろんな論点があるんですけど、絞って伺っておきたいと思います。  この積算法について、土地や建物の、ここは複合施設ですので、複合施設の割合はどういうふうに判断していくのかということについて、配分率というのがあります。診療所部分と保育所部分の評価、割合を出すということで、配分率を、B社は61.5%、A社は58.16%としています。保育所部分が61.5%、58.16%ということですけども、この理由について、どういうふうな根拠に基づいて、これが61.5%と決められたのか。市はどういうふうにこの61.5%について根拠を確認しているのか、伺いたいと思います。 78 ◯副議長(峯岸弘行君)  子ども部長。 79 ◯子ども部長(中田秀幸君)  A社が採用しました61.5%につきましては、園庭の部分の専用の構造上の観点からそのように判断されたものが反映して影響しまして、両社の違いが出ているものというふうな認識でございます。  以上です。 80 ◯副議長(峯岸弘行君)  中野あきと議員。 81 ◯15番(中野あきと君)  鑑定書では、保育所がある部分については、他の専用部分と異なり、園庭部分があると。園庭というのは独占的利用ができる構造となっていることから、それによって価値が上がると。他の専用区分建物の15%増しということで判定をしたと。それが反映されて61.5%というふうになったということであります。  確かに、私、面積、イメージとしては、園庭部分が多いから、なるほどそういうことなのかなというふうに最初は理解したんですが、ここの土地建物については、もう一方で診療所部分の駐車場などが存在をしております。駐車場の面積は、園庭部分と同等かそれ以上だという状況なんです。主に、駐車場も御存じのとおり、そういう利用、診療所の利用者の皆さんの利用に供しているわけです。実際、私も比較してみると、むしろ独占利用あるいは専用利用部分では、同等か、あるいは保育所の部分のほうが少ないぐらいではないかというふうに判断せざるを得ない状況にあると思うんですけど、市はどういうふうにお考えか、伺いたいと思います。 82 ◯副議長(峯岸弘行君)  子ども部長。 83 ◯子ども部長(中田秀幸君)  今、駐車場部分の御質問でございますけれども、まず、園庭ですが、A社の鑑定評価書におきましてはですね、「保育所については他の専用部分と異なり、園庭部分を独占使用できる構造となっているとして、対象不動産はその持ち分割合を超える専用使用権を有している。この割合を超えた部分の効用を位置別効用と判断し、他の専用区分建物の15%増と判定した」と、このように評価書に記載をされております。  そのため、駐車場部分については、独占使用できる構造ではない。このように判断されたというふうに思われます。使用実態というよりは、その構造ということでございます。  なお、第三者の意見によりますと、各社の考え方は妥当であり、保育所部分の土地建物の基礎価格においても妥当というふうに意見が付されております。  以上でございます。 84 ◯副議長(峯岸弘行君)  中野あきと議員。 85 ◯15番(中野あきと君)  位置別効用比率という基準で、15%、それが上乗せされているんですね。マンションなんかでも、どこの、角部屋だったり、あるいはエレベーターの近くだったりすると、同じようなフロアで同じような面積であったとしても、位置別効用比率ということで、そこは価値が上がる、評価が上がるということで、購入価格が高かったりするわけですけども、そういうものとして園庭が独占的に利用できるからということで15%上乗せされたわけです。  しかし、実態としては、駐車場部分も同様の専用的な利用がされていると。先ほど構造の問題であって実態は違う、実態の評価はされていないという、それを前提にしたものではないというふうに言われましたけど、やっぱり実態に即してこういうものは判断、検討されて鑑定されるというのが私は筋だというふうに思います。  時間がありませんので、さらに伺いたいと思います。  B社の鑑定、あ、先ほど部長が言われたのは私のあれと逆で、A社がB社になっていますよね。B社のほうが397万円という鑑定結果を出しました。この鑑定について、先ほど来話があります二つの条件が、市が発注する条件として出されています。先ほどはこちらを言いました。こちらにおいても、鑑定において二つの条件のうちの重要な一つの条件、つまり道路部分ですね。前面道路部分が、実は6メートル、6.5メートルになっているんだけれども、それは市の税金が入って4メートルから6.5メートルに拡幅されたものだから、その分をこの賃料に反映させてはならないんじゃないかということが第三者委員会から指摘をされて、そのことを踏まえて、市としても使用の条件に定めたわけです。  ところが、A社は4メートルで鑑定したんだけども、B社、397万円を鑑定したB社は、6メートル、6.5メートルで市道算定をしています。私は市の条件、市が条件に付したこの条件を無視されて、応じずに、6メートル、6.5メートルで鑑定をしたということだと思うんですが、これはおかしいんじゃないか。しかも、その鑑定に基づいて出された397万円があるから、家賃390万円は妥当としたということは、一層おかしいんではないかというふうに思いますが、いかがですか。 86 ◯副議長(峯岸弘行君)  子ども部長。 87 ◯子ども部長(中田秀幸君)  今回、不動産鑑定評価を2社に依頼する際に、まず1点目として、この本件建物のうち、保育所部分の内装工事費は所有者ではなく賃借人が負担をしているということ、そして、この進入道路拡張整備工事、4メートルから6メートル、これには市の補助金が投下されていますということの2点、これを考慮することを条件に依頼をしております。  ただ、一方で、不動産鑑定に当たっては、この条件を付すことがあり得ることなのか。少し専門的なことですので、両鑑定士に相談をしながら進めた経緯がございます。その中で、A社、議員のB社ですが、については、本件物件の経緯を踏まえても、現況主義を原則とするべきであり、価格時点と異なる条件で評価することは妥当ではないということで、6メートルを採用したという旨の記載がございます。  他方で、B社、議員のおっしゃるA社でございますが、進入道路を市の依頼どおり4メートルとして評価をいただいているということでございます。  こうした結果についてどのように受け止めるべきかという部分で、内容の専門性から難しいところがございましたので、第三者に意見を求めた次第でございます。その結果、両社とも考え方は妥当であるとの意見を付されており、またこの第三者の意見では、「各社の鑑定評価書は、基礎価格、期待利回り、必要諸経費などに相違があるため、鑑定評価額に差が生じているが、これらの各要素は各社の判断事項によるもので、不動産鑑定評価書における各種手順については、特段問題ないものと考えられる」と。「よって、各社の鑑定評価書による結果は、おおむね妥当と考えられる」というふうに意見を付していただいております。  市としては、この第三者意見をも踏まえまして、各社の鑑定評価書の結果は妥当であると評価をしたところでございます。  以上でございます。 88 ◯副議長(峯岸弘行君)  中野あきと議員。 89 ◯15番(中野あきと君)  時間がないんですけどね、市が何のために、今回、鑑定を依頼したのか。第三者委員会から指摘をされた二つの論点は、ちゃんと踏まえなければならないと。だから、使用の条件、あるいは契約の条件に付したわけです。その使用の条件、契約の条件が、この鑑定は無視されているわけです。鑑定の仕方としては、それは鑑定はできないんだと、現況主義なんだと言われるわけです。だったら、こういう市の条件に求めた契約はすべきではなかった。一方の社は、ちゃんと、A社は鑑定しているわけです、4メートルと。もし、B社がこのことを前提に、条件に付したもので契約をしているわけで、この契約どおりに履行できないということであれば、契約取消しですよ。(「そうだ」と呼ぶ者あり)110万円も鑑定料が入っているわけです。(発言する者あり)それを事情があるからということで、鑑定会社の、鑑定業者の言い分を、あるいはセカンドオピニオンの妥当という言い分を基に、これを妥当だと判断する。じゃあ何のために鑑定することになったのか。そもそもが問われる重大問題だというふうに思います。  ちょっと時間が押していますので、次の質問に行って、最後に市長に、これも聞いておきたいと思います。第三者委員会が不当と指摘した2点目なんです。土地交換についてです。御存じのとおり、土地交換は2社にこれも鑑定を出して、2社とも地主側に有利に、A社は1,338万円、B社においては4,159万円、地主に有利に交換されていたという鑑定結果が出されました。6月議会の最終日の報告に対する質疑では、この件に何人もの議員から疑問が出され、市長も、とりわけ土地交換の評価については、「各議員から御指摘がありましたので、当然、これについては詳細なプロセス、なぜこうなったのかということについては御説明をしなければなりません。それが残っているところであります。」こう答えておられます。伺います。なぜ、こうした不当な土地交換が、どういう背景で、経過で行われたのか、どういう検証が行われたのか。御説明いただきたいと思います。 90 ◯副議長(峯岸弘行君)  総務部長。 91 ◯総務部長(竹村 朗君)  第三者実態調査委員会報告書において、土地交換については、親水路整備確認書で対象とされていた範囲外の私有地が交換の対象とされた経緯及び等価交換ではなく等積交換とされていることについて、その妥当性を検討した資料が市に保管されていないことから、土地交換の具体的内容については不当と考えると指摘されているところでございます。  当該土地交換は、保育園を開設するに当たり、通園時等の登園の際の安全を確保するため、進入路の拡幅は必須であると判断し、その用地を確保するために行ったものでございます。その際、当該排水路敷及び第三者実態調査報告書で指摘された親水路整備確認書で対象とされていた範囲外の土地については、進入路の拡幅整備を図る中で、相手方との間で、長年にわたり、交換の協議の俎上に上がっていた親水路整備確認書の土地交換に加えて、この機会に当該区分も含めて交換の対象としたものでございます。  当該土地交換にかかる価格算出については、国・都の評価基準を準用し、当時の土地活用推進室において、一体評価による等価、等積での評価案を作成し、平成26年3月に行われた日野市財産価格審議会において、当該土地交換について承認されたところでございます。このプロセスについては、第三者実態調査委員会においても正当とされているところでございます。  しかしながら、土地交換の内容については、時間的に切迫する中、その妥当性について詳細に検討することなく、元副市長の影響も相まって、それぞれの部署で事務を行った形跡が伺われます。  今後については、今回のような不透明な関与は断固阻止することは当然の前提として、市のコンプライアンス体制を再構築し、内部統制制度、内部通報制度を整えたところでございます。そして、このような体制を外部的にも担保するため、このたびの議会でお諮りする外部委員から成るコンプライアンス委員会を設置するところでございます。  以上でございます。 92 ◯副議長(峯岸弘行君)  中野あきと議員。 93 ◯15番(中野あきと君)  伺います。この不当な土地交換が地主の方と日野市との調整の中で持ち込まれたわけですが、誰が持ち込んで調整を行ったのか、市はどう認識しているのか、伺いたいと思います。 94 ◯副議長(峯岸弘行君)  総務部長。 95 ◯総務部長(竹村 朗君)  お答えにつきましては、残存する記録から見る限りということになります。平成7年3月に、市と土地所有者との間で、市が土地所有者の所有地の中に有する排水路敷と相手方が市の親水路脇に有する土地を等価交換する旨の確認書が取り交わされておりました。平成25年1月には、進入道路拡幅整備用地及び水路護岸擁壁等整備用地の一部は、土地所有者側が確保して、市に交換提供し、寄附をする旨の確認書が両者で交わされております。  確認されたこのような記録を見る限り、もともと本件土地及び隣接地に所在する双方所有の土地の一部について、市と土地所有者との間で交換する旨の確認があり、進入道路の拡幅整備を図る中で、これらの土地を含め、一体的に交換する形で調整が進んでいったものと思われます。  以上でございます。 96 ◯副議長(峯岸弘行君)  中野あきと議員。 97 ◯15番(中野あきと君)  私の質問に答えていただきたい。誰がこの調整を行い、持ち込んできたのかということについて、部長は6月議会でも答弁されているんです。いかがですか。 98 ◯副議長(峯岸弘行君)  総務部長。 99 ◯総務部長(竹村 朗君)  すみません。お答えにそぐわないかもしれませんけれども、私が申し上げたかったことは、それぞれの状況を踏まえた中で調整をしながら進めていったということで、誰が持ちかけたかということではないのかなというふうに思ってございます。  以上でございます。 100 ◯副議長(峯岸弘行君)  中野あきと議員。 101 ◯15番(中野あきと君)  平成7年当時に、排水路敷の部分の市と地主の方との交換という合意は一定程度あったと。その下で、平成24年以降も調整がされていたんだけれども、道路拡幅を地主の方負担でやるということが方向性が決まる中で、その拡幅部分についても交換の対象にしようと。そうすることによってどういう効果があるかというのを推して知るべきだと思いますが、そうした動きも含めて、あるいは最終的に市の補助金全額入ることによって、さらにこの土地交換部分が足し算、引き算された。ここに明らかに政治的な働きかけや介入があった。  部長は、6月議会の最終日で、この土地交換をめぐる質疑について、恐らく河内氏主導でこの件は進んだんだと思われますと、こう明確に答弁されています。  もう一つ伺いたいと思います。この土地交換に関して、河内氏がいろんな働きかけを行った、あるいは調整を行ったことが今回のヒアリングで明らかになっていますが、河内氏の意向を受けて、地主との調整や取りまとめに動いていたのは、行政サイドでは一体誰だったのか。行政サイドですね。誰だったのか、いかがですか。 102 ◯副議長(峯岸弘行君)  総務部長。 103 ◯総務部長(竹村 朗君)  当時、土地交換については、土地活用推進室が担当しておりました。関係者のヒアリングでは、土地交換の内容について確認されて、報告を河内氏にしているという証言がございました。  ただし、(発言する者あり)河内氏から市への直接の指示、関与を伺わせる資料というのは、現在のところ確認できておりません。  以上でございます。 104 ◯副議長(峯岸弘行君)  中野あきと議員。 105 ◯15番(中野あきと君)  証言でいろいろ出てきていると思います。市の自主検証の中で、関係職員へのヒアリングが行われています。これを見ると、いわゆる用地拡幅等、あるいは全額補助に変わっていくという方針になったとき、道路課から交換の対象地、交換する予定地から外してくれと。税金で全部やることになったから、交換じゃなくて、もう、そこに入れようという動きになったと。それは誰からその話があったのかという質問に対して、ある職員は、Nさんだったかもしれないと。Nさんは河内さんの指示を受けて、土地所有者の側に立って調整している人という認識があったと、こう、話をされています。(発言する者あり)
     また、この話をされている当の職員も、市立病院に行って河内さんに報告に行った記憶があると言われているわけです。だから、Nさんあるいは室長を含めて、いろんな方が河内氏と話をされたり調整をされたりしてきたということだと思います。  私は、行政組織の一部が、何の資格も権限もない人物に言わば乗っ取られて、人事も財政もいいように使われていた。本当に異常なことが行われていたんではないかと言わざるを得ません。地方自治法147条あるいは148条で規定されている長の統括、事務管理執行の権限が事実上剥奪され、これに反する状況がつくられていたのではないか。  いずれにしても、二度とこうしたことが起こらないようにするためにも、この土地取引をめぐる行政対応の問題点、異常さを、事実に基づいて、まず全面的に解明して、教訓を導き出すということが改めて必要だと。ヒアリング録も読ませていただいて、そのことを痛感いたしました。  さらに伺っておきたいと思います。この土地交換をめぐって明らかになった事実は、法的にも問われる重大な問題であります。地方自治法237条の2に反し、結果的に議会の議決を経ずに土地交換を行ったということであり、本来、交換契約自体の有効性が問われる重大な法令違反だというふうに思います。市はどう受け止めているのか。さらに、この法に反し、市有地、市民の財産を不当、違法に安く処分した。この問題の是正、解決へどう対応しようとされているのか。まとめて伺いたいと思います。 106 ◯副議長(峯岸弘行君)  総務部長。 107 ◯総務部長(竹村 朗君)  本件土地交換について比較検証を行うため、不動産鑑定業者2社に不動産鑑定を依頼したところ、本件交換については、市側に評価損が出ているという鑑定結果を得たところでございます。  依頼した不動産鑑定については、本件交換時点で、その鑑定業者であればどう評価するかという前提で、鑑定をお願いしたものでございます。したがって、2社については鑑定条件を個々に設定し、それぞれの鑑定方法で価額を算定しているため、算出された価格には御案内のとおり、大きな開きが出ております。このため、さらに1社にセカンドオピニオンを求めたところ、両社の算定結果はいずれも妥当であり、いずれの値づけも成り立つという回答を得てございます。両社の算定方法について共通するのは、それぞれの交換部分について個別に価格を求め、それを合計する手法を取っていることでございます。民間の売買については、このような手法を取ることが一般的であるとのことでございます。  本件交換について、市の価格算定の方法は、当該土地を一体として捉え、等価として等積交換しております。一体交換については、本市独自のものでなく、国や都においても標準的に行われているものでございます。  今回の検証により、民間の算出方法による価格とは差異があるということは判明いたしましたが、土地の価格の算定については、一義的に決定されるものではなく、様々な方法により異なる価格算定があり得ることから、このことをもって直ちに市で決定した算定価格が不当であったというものではないと考えてございます。  以上でございます。 108 ◯副議長(峯岸弘行君)  中野あきと議員。 109 ◯15番(中野あきと君)  何のために鑑定をしたのか。先ほどの鑑定は、家賃については鑑定結果を根拠にして正当だと言い、今回の鑑定は、市にも地権者にも不利になっているために、この鑑定に一律に従う必要がない、民間の鑑定のやり方だ。こう言って退ける。一体どういう姿勢なのかというふうに思います。市自身も、やっぱりこの結果はまずいという認識を私はお持ちだと思うんです。明確に237条の2に反する。議会の議決を経ていなかった。もちろんその時点では条例でクリアできると思ったわけですけど、しかし条例でクリアできないことがこの鑑定で明らかになった。6分の1条項で。だとするならば、議会での議決を経なければならなかった案件ということが浮き彫りになっているわけです。この事実を前に、鑑定がおかしい、民間鑑定だと。公共の一体的鑑定で考えることも一つ、筋としてあるんだと言って弁明をされる。本当に不誠実な対応だというふうに思います。  ちょっと時間が押していますので、3点目に入りたいと思いますが、まとめたいと思います、3点目は。補助金についてです。進入路整備に関する補助金について、伺いたいと思います。  これは、この間、議会でも議論させてもらってまいりました。総額1億999万円が補助事業者である地主に全額支払われています。このことについて問題はなかったというふうに、現時点で考えておられるのか。  もう一つ、まとめて伺いますので。私はこの間、6月議会でも指摘してきました。特に、この1億999万円は、2段階で補正が組まれています。後段の補正は、前段の補正から3か月後に補正されたものですが、1,000万円追加補正となっています。この追加補正の中に、請求だけで領収書がないもの、あるいは工事の図面がないものが散見されるということは、この間、指摘をさせてもらってまいりました。  2点。拡幅関連工事122万円について、これ、業者に払われたのか。領収書等の必要な書類はなく、決裁が行われているわけですけども、そのことを確認できているのか。あるいは、諸経費517万円。何の支出の根拠となる書類がないのに決裁されていることが明らかになっています。その後の調査。この2点について、調査はどうなっているのか、まとめて伺います。(「市民の税金……」と呼ぶ者あり) 110 ◯副議長(峯岸弘行君)  子ども部長。 111 ◯子ども部長(中田秀幸君)  まず1点目、保育園への進入道路拡幅整備補助金の支出に関する認識についてお答えをいたします。  保育園への進入道路の拡幅整備補助金は、日野市立たかはた保育園機能移転に伴う移転場所周辺道路等整備事業補助金交付要綱に基づき、支出されております。本要綱第4条では、補助対象経費として、周辺道路整備費、仮設道路整備費、測量調査設計及び施工管理費、その他日野市長が特に必要と認める費用としております。第三者実態調査委員会の報告書においては、進入道路整備への補助は、要綱上、市に広範な裁量が認められることから、違法性は認められないと認定をしております。  一方で、補助対象の工事費の妥当性の確認がなされていないこと、道路拡幅用地買収費が補助対象となった経緯が不明であり、かつ用地買収費の妥当性の確認がされていないこと、そして、本件土地所有者と企業公社との契約内容が不明であることから、補助額について不当と指摘をされております。  これを受け、市は、事実経過を改めて確認をし、再発防止を図っていくことといたしました。まず、補助対象の工事費の妥当性の確認がされていないことにつきましては、事実経過を改めて確認をしたところでございます。本件補助金については、事業者側の要望も踏まえ、当該工事費の全額について100%補助したものと考えられますが、実態調査委員会の指摘のとおり、補助金の支出に際しては、市では整備工事費の妥当性について確認していないことが改めて確認をできました。  そこで、当時の妥当性を事後的に確認をするため、工事費の再積算を行ったところでございます。結果は、当時の支出額とほぼ同額の結果となったため、本件工事費は妥当であることが確認をできました。  次に、道路拡幅用地買収費が補助対象となった経緯が不明であり、かつ用地買収費の妥当性の確認がされていないことにつきまして、改めて確認をしたところ、土地売買契約のときから市が代行買収を依頼したことが推測される記述の文章がございましたが、詳細は不明であり、用地買収費の妥当性は確認できないことが改めて確認をできました。  そこで、この用地買収費の妥当性を事後的に確認をするため、市は2社の不動産鑑定業者に土地の鑑定評価を依頼したところでございます。結果は、鑑定額に差は生じているものの、用地買収費は2社の鑑定額の範囲内に収まっており、妥当な金額であったことが改めて確認をできました。  また、この両社の鑑定結果については、第三者による検証を行い、各社の判断事項、違いはあれど、妥当な鑑定結果であったとの評価をいただいております。  そして、進入道路整備費補助金の対象経費となっている土地所有者と日野市企業公社との契約内容についてでございます。残された資料から、日野市企業公社は、事業者からの依頼に基づき、保育所進入道路拡幅整備に伴う仮設道路、本設道路などの設計業者、仮設道路工事などの施工業者の選定、支障移転の見積りなど、業者選定や契約書の作成、施行の点検業務などの技術的事務に関して、所有者のサポートを担っていたことが確認をできました。  次に、進入道路整備における補助金の支出の手続と経過について、改めて確認をしたところ、補助金の交付決定時及び実績報告時の補助対象となる経費の特定、確認において、一部不十分な点が認められました。具体的には、平成26年3月31日付の交付決定時に、一部経費の使途が不明確であった点や、平成26年7月1日付であった実績報告時において、実際に経費として整備工事施工者が費用を支出した点について、請求書や支出伝票等の書類により確認をしていた事実が保育課に残された資料からは確認ができませんでした。  以上、大きく5点について、改めて事実関係を調査した結果、整備工事費や用地買収費などは妥当であったことが確認できましたが、補助当時において対象経費の妥当性の確認が十分に行われていたかを確認する資料が残されていないことも確認ができました。  一般的に補助金制度においては、補助対象経費として妥当であるか、補助事業に適切に使用されたかどうかを十分に確認することが必要と考えております。本検証結果を踏まえまして、今後の市の補助制度の在り方の見直しを含め、適切な運用方法について検討を進めてまいります。  こちらが現在の認識でございます。  続いて、追加補助の決定の御質問だったかと思います。進入道路の整備に関わる補助金では、日野市立たかはた保育園機能移転に伴う移転場所周辺道路整備等整備事業補助金について、平成26年の3月補正予算にて、プラス1,045万6,000円の増額補正を行い、合計は1億999万1,000円の補助となっております。  具体的には、道路拡幅工事費が2,800万円を2,897万1,000円に、水路土留め等改修工事費が500万円から525万円に、工事用仮設道路工事が456万9,000円が617万円に、そして測量費が240万2,400円が497万9,400円に、そして諸経費が523万7,000円追加をされております。  補正の理由といたしまして、当時の補正予算見積書によりますと、建設資材等の高騰により増加した工事費分について増額する旨の記載があります。そのほか、保育課に残された資料を確認した結果、12月議会における補正予算見積り段階では、未契約だった工事等が契約による工事費の確定をし、対象とする経費が固まり、補助金額を再考した結果、追加の補助が必要になり、補正予算を計上したものと推測をしております。  以上でございます。 112 ◯副議長(峯岸弘行君)  中野あきと議員。 113 ◯15番(中野あきと君)  質問にしっかり答えていただきたいと思うんですが、幾つか質問があったんですけど、まとめます。  今、ちょっと提起した問題は、追加補助の1,000万余の補助について、中でも道路拡幅関連工事122万円、これについては、その後の調査でどうだったのか。内訳書が出てきたというけれども、内訳書を見せてもらったら、南側の園庭部分の盛土、これがカウントされている。あるいは、北側道路改修工事とあるけれども、改修工事がどこでやられたかも分からないということが判明している。請求書だけで領収書がないわけで、工事図面もないわけです。分かったことは、園庭の盛土。関連工事とは全く無関係なことがここに入っています。ましてや、諸経費517万円は、全く分からないものだと。私、このまま放置してよいのか。一体どこへこの税金が、補助金が流れていったのか、適正に使われたのか分からない状況になっているわけです。本当にこのまま放置して、ずるずると行くのが許されるのかということだと思う。ちゃんと調査して、解明していただきたいというふうに思います。  市の補助金要綱じゃなくて、補助金の交付に関する規則、これでは市長の権限、責任、あるいは補助事業者の責務、返還や、あるいは調査の権限まで明記されています。もう7年も8年もたった昔のことだからできるのかじゃなくて、この規則を踏まえて、照らして、あくまでもこの不明な部分については調査をやり切ると。市長自身も議会の最終日に、「地権者の方には御迷惑をかけているけれども、それはそれだ」と。「ただし、未解明な部分、必要な部分については、協力をお願いしなければならない」というふうに言われているわけです。その立場にしっかり立っていただきたいと思います。  追加補助の件は、私は起案の段階と決算の段階における問題点を質問として出しておりました。お答えいただく時間がありませんので、1点だけ伺いたいと思います。  その前にちょっと読ませていただきたいところがあったんで。ヒアリング録です。  ヒアリング録で、保育課の職員はこう言っています。「道路の関係は、自分で金額をはじいたことはない」。これは予算に関わった職員です。「道路の関係は、自分で金額をはじいたことはない。言われた金額をそのまま入れた。河内さんからのメモを打ったのだと思う。支出するだけで中身は分からないし、交渉の結果もタッチしていない」という証言。また、別の保育課職員は、「初めから無理を通している話という認識はあった。追加の補助の件については、少しおかしいと思っていた」。こういうふうに証言をしています。つまり、この補助金自体がどういった背景の下でやられたのか。市の職員は、河内氏の命に身動きが取れなくて、ただ言われたものを打つだけ、予算化するだけ。チェックのしようがない。そんな状況に追い込まれていた。生々しい証言が出されているわけです。これを、今、部長は、適正だと言わんばかりの説明を延々とされました。本当にこの問題について真剣に受け止めているのか。問われる問題だと思います。  最後に、この決算について、一言確認したいと思いますが、この1億円に及ぶ決裁、最終決裁権者は誰ですか。決裁が行われたのは誰かということです。 114 ◯副議長(峯岸弘行君)  子ども部長。 115 ◯子ども部長(中田秀幸君)  最終決裁権者は市長でございます。  以上でございます。 116 ◯副議長(峯岸弘行君)  中野あきと議員。 117 ◯15番(中野あきと君)  補助金の実績報告書の中での決裁権者は誰ですか。最終決裁者。 118 ◯副議長(峯岸弘行君)  子ども部長。 119 ◯子ども部長(中田秀幸君)  実績報告書の最終決裁権者という御質問でよろしかったでしょうか。 120 ◯15番(中野あきと君)  はい。 121 ◯子ども部長(中田秀幸君)  はい。当時の子ども部長でございます。 122 ◯副議長(峯岸弘行君)  中野あきと議員。 123 ◯15番(中野あきと君)  私は、この決裁が、補助の交付及び事業報告の決裁がなぜ部長止まりになっているのか。事務決裁規定においては、6,000万円以上の事務事業、あるいは支出負担行為については、市長の決裁になっています。それがなぜか部長止まりになっている。これは、決裁規定に照らしておかしいと思いませんか。総務部長でもいいです。いかがですか。 124 ◯副議長(峯岸弘行君)  総務部長。 125 ◯総務部長(竹村 朗君)  決裁権限については、内部で規定がありますので、それに沿った処理をしているものと考えております。  以上でございます。 126 ◯副議長(峯岸弘行君)  中野あきと議員。 127 ◯15番(中野あきと君)  内部の規定ではないんです。事務決裁規定というのは法規です。事務決裁規定の法規に該当するものです。内規ではないんです。 128 ◯副議長(峯岸弘行君)  総務部長。 129 ◯総務部長(竹村 朗君)  私が申し上げましたのは、規則、要綱、規定等は、内部の事務を定める規定なので、すみません、内規と申し上げました。そういう意味で内規と申し上げたものです。  以上でございます。 130 ◯副議長(峯岸弘行君)  子ども部長。 131 ◯子ども部長(中田秀幸君)  この事務決裁規定、まず支出負担行為を伴う決裁、これにつきましては、昔はたしか500万以上だったかと思います。現在では6,000万円以上は市長ということになっておりまして、こちらの当該補助金の支出に当たっての交付決定時には、市長決裁をその規定に基づいて取っております。  実績報告については特段の定めはなかったというふうに思いますが、一般的に補助金事務の実績報告は部長決裁であるというふうに記憶しております。  以上です。 132 ◯副議長(峯岸弘行君)  中野あきと議員。 133 ◯15番(中野あきと君)  もう最後に、市長に一言伺いたいと思います。(「しっかりしろ」と呼ぶ者あり) 134 ◯副議長(峯岸弘行君)  市長。 135 ◯市長(大坪冬彦君)  第三者委員会の報告を受けて、市の独自調査を受けてということで、幾つかの疑問点について、議員から報告いただきました。それぞれの補助金の認定事務等について、職員が根拠なしで言われたままに決裁するという、これは形式的に見れば、当然、事務の懈怠であるし、おかしなことになります。  ただ、問題は、そうせざるを得なかったような雰囲気がつくられ、醸成されてきた。そのことについて、トップの私が、その点について是正をするということをやらずにその流れをそのまま受け入れてしまったということが、こういう結果になってしまったのかということであります。もちろん事後調査において、妥当な点等については、これは妥当な点というふうに申し上げますが、問題はそこよりもそういう動きがあって、そういうことをやらせてしまったということが大きな問題点なのかなと思います。  今後、コンプライアンス、内部統制、いろいろありますけど、そういうような経験、そういう大きな動きに対して抗えないような、組織全体が右に倣えをしてしまうような、そういうことをこれからどう排していくのかということが問われていくのかなというふうに思います。そのための努力をしていかなければならないし、幾つか御指摘いただきました疑問点については、しっかりと解明し、答えていきたいと思っております。  以上です。 136 ◯副議長(峯岸弘行君)  中野あきと議員。 137 ◯15番(中野あきと君)  本当に不十分な質疑に終わってしまったんですが、この不正は二度と繰り返さないし、起こさない。そういう決意に立てば、今回指摘した点を含めて、疑惑や疑問には絶対に目をつぶらない、あるいは曖昧にしない。徹底的に調査し、解明し尽くすと、そうした姿勢を貫いていただきたいと思います。そのことが市政への信頼回復にもつながりますし、職員の、真面目な職員のやっぱり誇りとやりがいと働きがいを取り戻していく上でも、大事なことだというふうに思いますので、今後とも全面的な、底をつくまでの解明をやり切るという決意で頑張っていただきたいと思います。  議会も問われているというふうに思います。市がまとめた報告書でよしとするんではなくて、検証をしっかり議会としてやる。この立場が今問われているし、求められているというふうに思います。  以上で質問を終わります。 138 ◯副議長(峯岸弘行君)  これをもって、中野あきと議員の一般質問を終わります。  お諮りいたします。議事の都合により暫時休憩いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。      〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 139 ◯副議長(峯岸弘行君)  御異議ないものと認めます。よって、暫時休憩いたします。            午前11時47分 休憩 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━            午後1時11分 再開 140 ◯議長(古賀壮志君)  休憩前に引き続き会議を開きます。  一般質問8の1、保育は「量の確保」から「質の向上」が問われる時代へ、いよいよ始まる小学校に円滑に接続する『幼保小の連携』の通告質問者、新井ともはる議員の質問を許します。(「頑張れ」「よろしくお願いします」と呼ぶ者あり)      〔4番議員 登壇〕 141 ◯4番(新井ともはる君)  現在、市内におけます保育園の園数と受入れ人数でございますが、公立保育園では9園859人、民間保育園では32園で3,049人、公立と私立を合わせまして、3,908名の園児をお預かりしているという状況でございます。  まず初めの質問でございますが、保育園の充足状況の現状について、市の考え方と、それに対する対応についてお伺いしたいと思います。 142 ◯議長(古賀壮志君)  答弁を求めます。子ども部長。 143 ◯子ども部長(中田秀幸君)  保育園の充足状況につきましては、転入、転出等により日々変化をしておりますが、令和4年4月1日時点で申し上げますと、待機児童数はゼロ歳児が1名、1歳児10名、2歳児5名で、合計16名となっておりますが、一方で保育所の入所可能人数はゼロ歳児15名、1歳児5名、2歳児22名となっており、年齢によっては待機児童数を超える空き定員が生じている状況にございます。  入所可能枠に空きが生じているものの、通勤の利便性等を理由に入所を希望しない場合もあり、こうしたミスマッチの解消に向けて入所申請の際には可能な限り選択肢を増やしていただくように努めております。また将来の未就学児童人口の推移や、保育所の入所申込み数の減少状況などから、長期的には保育事業は減少すると考えております。  現在、待機児童の半数以上が1歳児であることから、日野市緊急1歳児受入事業を実施することで、待機児童の解消に努めているところでございます。  以上です。 144 ◯議長(古賀壮志君)  新井ともはる議員。 145 ◯4番(新井ともはる君)  地域性の問題としまして、比較的保育園の受入れ可能となっている状況になっているのが、駅から離れているところだったり、また京王線の沿線沿いで山のほうであったりとか、個の事情により、そこの保育園の場所まで通うことができないといった園となっているという状況です。  また、市のホームページを見ますと、毎月の受入れ可能人数を確認できます。10月におきます受入れ人数でございますが、ゼロ歳児は空きがないという状況。1歳児におきましては2名、2歳児におきましては16名の空きがございます。比較的保育ニーズの高いと言われていますゼロ歳児から2歳児におけます受入れ可能の空きが多いというエリアでございますが、平山、上田、南平となっているという状況でございます。  また、受入れ園としての課題でございますが、分園の場合では、現状では2歳までの受入れしかできない状況なので、3歳になった時点で転園をしなければならない。そういった子どもの環境の変化についても、課題だと認識をしています。  また、保護者の方々と面談をする中、お車を利用されている保護者の方がいれば、お持ちの点数によって、その保護者の方の希望される園の優先順位から決まるという旨を十分この説明をして、そして希望の枠を広げていただくような、そういったこと。また、場合によってはですね、この育休を延長したい、そういった希望される方もいらっしゃいます。そういった場合に保育園を受入先が決定してからキャンセルされるという状況もございますので、そういった場合には、この、ほかの利用できる方への影響もございます。そういった事情もなるべくヒアリングで、しっかりですね、この状況を把握できるよう、工夫をしていただきたいと考えています。  次に、保育の量の確保の面で、公立の保育園は昭和41年から昭和53年に建設されたというふうにお伺いしています。既に建設をされてから44年から56年経過をしておりまして、老朽化や、また昨今考えられます都営住宅の建て替えの問題の課題がございます。公立保育園の老朽化や都営住宅の建て替えについて、市の考え方についてお伺いいたします。 146 ◯議長(古賀壮志君)  子ども部長。
    147 ◯子ども部長(中田秀幸君)  都営住宅の建て替えに伴いまして、あらい保育園とみなみだいら保育園について、園舎が入る建物の取壊しが決定をしております。  公立保育園の老朽化に伴う修繕や建て替えなどについては、市の財政状況を踏まえ、安全面を考慮しながら計画的かつ慎重に対応していく必要がございます。  一方で、今後も安定した保育所運営を行っていくために、第5次行財政改革大綱における市立保育園運営の在り方の見直しに基づきまして、公立保育園の民営化について検討を進めてきたところでございます。  市といたしましては、今後の未就学児童人口の推移や待機児童数、保育需要の減少傾向を踏まえ、公立保育園全体の在り方について、保育の質を担保し、向上させていくことを第一に考え、安定した保育所運営を継続するために、財政負担も考慮しながら引き続き社会情勢を見極め、慎重に判断していきたいと考えております。  以上でございます。 148 ◯議長(古賀壮志君)  新井ともはる議員。 149 ◯4番(新井ともはる君)  老朽化していく公立保育園に関しまして、新規で保育園を建てていくということは、現状は大変難しいという状況です。  また、日野市立みさわ保育園等で公立保育園の民営化に対しまして、現状では既存の民間保育園から、その受皿として積極的に手を挙げて協力をしてもらえるという状況ではないということが、ヒアリングによって浮き彫りになりました。民営化の厳しさが明らかになっているという状況でございます。老朽化する公立保育園について、市は課題認識を持って、今後の対応を検討していただきたいと思っています。  公立保育園をゼロにすることはできませんが、民営化により、市の財政負担は、現状よりも、規模によりますが、2分の1から3分の1程度まで削減できると言われております。将来にわたり安定かつ継続的に保育サービスを提供するためにも、まず次の世代の負担をかけないためにも、これまで行革の中で市が触れておりますが、民営化について市民の皆さんや、この児童の皆さんの影響が出ないように、継続的に様々な検討をしていただきたいと思っております。  次に、先日、市内の認可保育施設における園庭の確保について新聞報道がありましたが、保育課に確認したところ、国の設置基準を求めている屋外遊戯場のうち、自前で園庭を持たない園は、市内41園のうち7園が自前の園庭を持たず、別に3園は園庭があるものの、面積不足により近隣の公園等を屋外遊戯場として利用しているとお伺いいたしました。園庭の有無にかかわらず保育の質は確保されていると認識をしておりますが、市の見解についてお伺いします。 150 ◯議長(古賀壮志君)  子ども部長。 151 ◯子ども部長(中田秀幸君)  園庭は国や都の制度上、屋外遊戯場の一つと定義をされております。屋外遊戯場にはおおむね徒歩5分圏内の近隣公園などの代替施設も含まれるとされ、満2歳児の幼児1人につき3.3平方メートル以上の面積が必要となります。したがいまして、園庭を備えている場合も近隣公園を使用している場合でも、市内認可保育所は全て認可に必要な屋外遊戯場は備えているという整理になります。  なお、市では保育の質の確保向上のため、市内民間保育園を巡回し、指導監査を行っておりますが、様々な助言、指導を行う中で、園庭の有無を理由とした助言、指導を行ったことはございません。  園庭がない園は園庭がある園と比較して、散歩などの屋外活動を行う回数も多く、園庭がない中での保育方針を定めて取り組んでいる様子がうかがえます。代替施設としては、市内の公園や平山台健康・市民支援センターの校庭などの公共施設が設定されており、自然豊かな環境を生かし、季節の移り変わりを感じることができる保育を行ったり、地域の方とのふれあいや他の保育園児との交流を行うなど、代替施設ならではの特徴を生かした保育が行われております。移動に手間がかかるなどの課題はありますが、担任保育士のほかに引率保育士を増やし、安全に最大限配慮し、事故防止に努め、実施をしていると伺っております。  園庭の有無ではなく、屋外遊戯場での園外活動を適切に行っていくことが保育の質の向上につながるものと考えております。  以上でございます。 152 ◯議長(古賀壮志君)  新井ともはる議員。 153 ◯4番(新井ともはる君)  園庭を持たない園が園庭を確保するのは非常に難しい状況でございますが、代替施設として市内の自然豊かな公園を利用したり、また平山台健康・市民支援センターであります旧平山台小学校の校庭など、公共施設を設置している園もございまして、それぞれが代替施設の特徴を生かしながら、保育の質を担保しながら実施しているということを確認させていただきました。  園庭が狭い園に対しましても、園舎の屋上や敷地内の形状を有効活用しながら園児が様々に動き回れる空間の活用などをしていただきたいと思っております。  保育の質の確保向上のために、市内の民間保育園も巡回するということでございますが、工夫を凝らした取組事例で、他園でも取組可能なものが確認できた際には、情報提供を行いながら、市全体の保育の質の向上に取り組んでいただくことを要望したいと思います。  次に、それぞれの園で保育の質の向上につながる対応をされているということでございますが、大人と異なり、子ども自身がストレスを感じている、その自覚をできないというケースが多いかと思っております。外遊びなどができていなかったり、何かしら原因でストレスを感じている子どもがいないのか、また、そういった子がいる場合にはどういう対応をされているのか、お伺いしたいと思います。 154 ◯議長(古賀壮志君)  子ども部長。 155 ◯子ども部長(中田秀幸君)  保育園では園児のストレスに関しては、ストレスの要因が何かを見極め適切に対応しております。けんかをしたり、言葉遣いがきつくなるなど、日々の気づきの中でも対応をしております。  梅雨の時期などは、雨天が続き、外遊びができない場合でも、ストレスがたまらないように室内ので遊びを工夫するなど、状況に応じた対応を検討、実施をしております。  また、様々なストレスの要因を確認していく中で、慎重に対応することを心がけながら、園児や保護者との関わりを持つようにしているところでございます。  以上でございます。 156 ◯議長(古賀壮志君)  新井ともはる議員。 157 ◯4番(新井ともはる君)  子どものストレスというのは、大人のストレスと違いまして、言葉で表現したり、また自ら対処したりすることができないケースが多いため、そのままにして放置していますと、心身の成長に大きな影響があるとも言われています。子どものストレスサインは、その子によって違いがございます。早い段階で気づいてあげられるような、そういった工夫もしていただきたいと思っています。  次に、コロナ対策を講じながら園外の活動の対応を行ってきたことから、ストレスを感じたり、運動不足の園児もいたかと推測をしております。保育所の保育指針として、保育時の保育内容や保育に関する考え方を定めています。  それらの保育指針に基づいて、確認や助言をしているというものでございますが、どのように実施しているのか。また保育の質を高める施策として運動習慣などを身につかせるために、どういった工夫をされているのか、お伺いいたします。 158 ◯議長(古賀壮志君)  子ども部長。 159 ◯子ども部長(中田秀幸君)  保育所保育指針第2章、保育の内容におきましては、一人ひとりの発達に応じて、はう、立つ、歩くなど、十分に体を動かすことや、走る、跳ぶ、上る、押す、引っ張るなど、全身を使う遊びを楽しむことが定められており、その方針に沿ってカリキュラム等を作成しております。  また、3歳以上の保育に関する狙い及び内容では、いろいろな遊びの中で十分に体を動かすとされており、これらを踏まえ、カリキュラムの中でリトミックや器具を使っての運動を取り入れたり、日々の生活の中で、鬼ごっこ、坂道の散歩、ボール遊びなど、身体機能の発達を促すようなものも取り入れております。  これらの取組につきましては、保育園の指導監査を実施する中で、各園の保育カリキュラムや保育日誌などから園の取組や実施状況などを確認し、運動能力の向上、コミュニケーション能力の向上など、園児の個々の状況に応じて取り組んでいただいていることなどを確認をしております。  各園の取組を尊重しながら、より質の向上につながる取組が紹介できるように、保育園だけでなく幼稚園や小学校とも連携を図りながら、情報収集にも取り組んでおります。  以上でございます。 160 ◯議長(古賀壮志君)  新井ともはる議員。 161 ◯4番(新井ともはる君)  子どもの運動が大切な理由として、神経機能などが6歳児までに約80%発達すると言われています。この時期の運動習慣によって体力、運動能力の差がつき、判断力、集中力、勝利への執着心など、学習の面にも前向きな作用があるとお伺いしています。市から各園に対しまして、運動習慣の定着に向けた働きかけをぜひお願いしたいと思っています。  運動習慣を身につかせるための取組として、幼稚園では課外活動としてサッカー指導をしている園もございます。幼児教育と保育の大きな違いとして、保育園だと預かりや午睡などをしなければならないなど、カリキュラムの中で限られたことをやっていかなければならないので、一つに特化したことが大変難しいと思われますが、そういった運動習慣を身につかせるような取組もぜひ検討していただくことを要望いたします。  次に、これまで幼保小連携教育推進委員会というもので、教育委員会の中で市内の小学校や先生や、公立の保育園、幼稚園の先生方が集まり、小学校へ入学したばかりの1年生の授業参観を5月に開催したり、保育園、幼稚園の取組をみんなで見学をしたり、小学校1年の担任の先生と5歳児の担任の先生による交流会や情報交換をしたり、公立、私立の全ての先生方が参加できる研修会の実施をしてきたとお伺いをしております。  昨今、幼保小の連携について、国のほうでも推奨をしていますが、日野市がこれまで積み上げているものを活用しながら、幼保小連携をどのように今後実施していくのか、お伺いをいたします。 162 ◯議長(古賀壮志君)  教育部参事。 163 ◯教育部参事(長崎将幸君)  日野市は全国に先駆けて、幼保小の連携を進めてまいりました。幼保小の連携とは、幼稚園、保育園から小学校への学びの接続期に、一人ひとりの子どもの発達段階に応じた学びを支援することで、幼児教育と小学校教育とを滑らかにつなぐための取組であると認識しております。  そのような中で、小学校との接続に関しては、平成29年3月告示の幼稚園教育要領において、新たに幼児教育において育みたい資質・能力及び「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」が10項目にわたり、具体的に示されました。  これは保育所保育指針においても共通している事項です。幼児期はそれぞれの子どもの発達段階に応じ、園での生活や遊びを通して、子どもたち自身が試行錯誤したり、創意工夫をしたりしながら、豊かな資質能力を育む時期であると考えております。  また、幼稚園、保育園での学びが次の小学校でも生かされるよう、また小学校教員が幼児教育への理解を一層深め、学びの連続性が相互に確保されていることが重要であると言われております。  日野市には公立幼稚園3園と保育園9園、合わせて12園、私立の幼稚園10園と保育園32園の合わせて42園、合計で54の子育て施設があります。そのそれぞれに理念や建学の精神があり、それぞれの教育保育方針をもって、子どもたちの学びと育ちを支えています。  幼児人口が減少していく中で、これからの幼稚園、保育園は量から質への転換がより求められてくると考えております。公立、私立、幼稚園、保育園のそれぞれの教育保育方針を大切にしながら、さらには小学校教員と一緒になって日野市の未来を担う子どもたちに対して、より質の高い教育、保育を提供できるよう、教育委員会としても、子ども部としっかりと連携して取り組んでまいりたいと考えております。  そのためにも、連携については行政だけでなく各施設とも連携を図れるように、市内公立、私立の保育園や幼稚園などからも話を聞きながら、今後の対応、体制について検討を進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 164 ◯議長(古賀壮志君)  新井ともはる議員。 165 ◯4番(新井ともはる君)  本定例会の補正にて、市として初めて予算計上され、幼保小連携に向けた委員会の審議がスタートし、今後の幼保小連携のことについて、まず在り方から入っていくことをお伺いをしています。様々な検討がされると思いますが、幼保小連携の中で、これまでの日野市の取組も参考にしながら、考えられる取組を進めていただきたいと思っております。  最近では、配慮の必要なお子さんも多くなってきています。これまでも特別な配慮が必要なお子さんに対しましては、この障害をお持ちのお子さんたちに対しまして、エールが関わったり、日野市のかしのきシートで情報の共有をしたり、外国につながりのあるお子さんの方や帰国子女の支援を実施しながら、日野市独自の工夫をしてきました。新しい環境になじめない、この小1プロブレムをできる限り減らす対応をしてきたというふうにもお伺いしています。  また、保育園では配慮が必要なお子さんだと分かれば、加配という対応を実施していますが、その加配された先生方が専門的な勉強をしているかといいますと、残念ながら、現状では専門的な勉強をしたり、そういった知識がある方が加配されているという状況ではないというふうにお伺いしています。今までの日野市のよい取組を引き継ぎつつ、改善できるところはしっかりと工夫をしていただきたいと思っています。  厚生労働省、文科省より、小学校との接続に関して、幼児期が終わるまでに育ってほしい姿として10項目、具体的な姿が示されております。幼稚園、保育園、こども園でそれぞれの指針などがあり、それが共通しているものになりますが、その姿というものを個々に対応するために、どうカリキュラムを作成していくのか、これが本当に難しいというふうにお伺いをしています。  一方、小学校のほうでも、幼稚園、保育園でどう過ごされてきたのか分からなければ、カリキュラムの作成が難しいです。そういうところの共通認識を、今いる幼稚園、保育園の子どもたちがスムーズにつながる、学びの連続性へつながるためにも、お互いの共通のカリキュラムを、共通の考えの下で、これからつくり上げていただきたいと思っております。  これまで幼稚園、保育園で学んできたものは、ゼロから小学校で再スタートすることが多い状況だったと聞いています。そうではなく、幼稚園、保育園で積み上げてきた、個々に応じたものを大切にしながら小学校へつなげ、幼稚園、保育園で大切にしていた共通のものを共有しながら、幼保小の連携として、小学校に円滑に接続するカリキュラムをしっかりとつくり上げていただくことを要望いたします。  最後に、今後の保育の質を高めるためにも、市の考え方についてお伺いいたします。 166 ◯議長(古賀壮志君)  子ども部長。 167 ◯子ども部長(中田秀幸君)  市では、東京都のキャリアアップ補助金などを活用し、研修などを通じて、保育士の質の向上に向けた取組を行っております。  また、新型コロナウイルス感染防止対策に必要な消耗品等の購入や、設備等の修繕費用に対する補助金も活用し、保育所や幼稚園の施設環境の質の向上に取り組んでおります。  そのほか、市内保育所が集い、毎年10月頃に市民に対して保育所の活動状況を紹介し、新しくお子様を預ける保護者や在園児保護者、その他一般市民の皆様に保育所の活動状況を知っていただくことを目的に、保育フェアを実施しております。令和4年10月21日から23日の3日間、イオンホールで開催をいたします。  この保育フェアには市内の多くの保育士が参加をしており、他園の保育実施状況などを知る機会となり、質の向上につながる取組の一つと考えてございます。  また、園児の個々の状況に応じた対応として、配慮を必要とする園児には保育士を補充し、必要な支援を行う中で、通常の保育とは違った視点を持って保育に取り組む経験を積むことで、保育士の質の向上につながっております。  さらに市内保育施設に対して指導監査の実施をすることで、各園の取組状況を確認し、質の向上に向けた取組に対する助言や情報提供等の共有を行っております。  令和2年度から始めた指導監査も、コロナ禍の影響を受けましたが、令和4年度は民間認可保育施設32園全てを巡回する予定でございます。そのほか、市内全ての保育施設を対象とした集団指導としての研修も予定をしてございます。  今後もこれらの取組を引き続き実施をし、保育士や環境面など様々な質の向上に向け、取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 168 ◯議長(古賀壮志君)  新井ともはる議員。 169 ◯4番(新井ともはる君)  保育の質を高めるための指導監査につきましては、令和元年から始まった取組で、昨年はコロナの関係で書類検査だけになっております。民間施設での保育状況を確認しながら、よいところを伸ばし、悪いところを改善していく、助言や情報共有など、積極的に質の向上に向けた推進を進めていただきたいと思います。  次に、教育長と市長へ所見をお伺いします。  まず、教育長へ。幼保小の連携は全国的な課題です。日野市は全国に先駆けて幼保小の連携を進めてきたと認識しています。幼保小の連携はますます重要性が増すかと思いますが、教育長の幼保小連携に対する所見をお伺いいたします。 170 ◯議長(古賀壮志君)  教育長。 171 ◯教育長(堀川拓郎君)  保育は量の確保から質の向上へ、そして幼保小の連携ということで御質問をいただきました。  令和元年10月から幼児教育・保育の無償化が始まり、待機児童対策による保育所等の整備が進む中にあって、議員御指摘のとおり、幼児教育、保育のアクセスや量の確保から、質の向上への一層の注力が求められている段階を迎えているというふうに承知をしております。  また、幼児教育、保育の質を考えていく上では、御指摘をいただきました幼保小の連携というのが大変重要な一つの柱となる視点であるというふうに考えております。この点、議員の御指摘にもありまして、また、教育部参事からの答弁にもありましたけれども、日野市は交流事業や共通カリキュラムの策定など、全国に先駆けて、幼保小の連携を進めてまいりました。  このような幼保小の連携に関するこれまでの蓄積、土壌を大切にしつつ、また、民間の保育園や幼稚園からも、現状の課題や、これから取り組んでいきたいことなどを十分に伺いながら、日野市らしい、質の高い幼児教育、保育の実現に向けて取組を進めてまいりたいというふうに考えております。  以上です。 172 ◯議長(古賀壮志君)  新井ともはる議員。 173 ◯4番(新井ともはる君)  最後に市長から所見をいただきたいと思います。 174 ◯議長(古賀壮志君)  市長。 175 ◯市長(大坪冬彦君)  保育の質の向上ということでございます。  現時点で日野市は公立保育園が9園、それから民間保育園、私立の保育園が32園ということで、随分増えてきた。この間の待機児解消のために、とにかく量、とにかく待機児をつくらない、待機児を解消するということで全力を挙げてやってきたということでありました。  しかし、乳幼児人口の減少傾向があらわになり、先ほど来答弁にありましたように、今の現状の保育園において空きができているということがあるのかなと。今後、これをどうしていくかということがあります。そういう背景の中で量から質へということが問われているのかなというふうに思っております。  部長のほうからは指導監査等を通じてというお話もありました。この中で配慮を必要とする園児の話もありました。今、医療的ケア児という言葉、これが大きな課題になっている。これを受け入れる保育園をどうするということで、先進的な保育園は受け入れているということもあります。これも一つの保育の質を担保するといいますか、質の確保ということにつながるのかというふうに思っております。いきなりは難しいですけれども、こういう方を受け入れる。また配慮の必要なお子様を受け入れる、それができる力量というのは、基本的にほかのお子様に対する保育の質も高まっていくのかなというふうに思っているところでございます。  さらに、今現在、これから乳幼児人口が減っていく中で、今までの保育に欠けるという視点での保育園の受入れだけにこだわる必要がなくなってくる可能性もあります。そうした場合に、子どもたちに保育所保育指針を基本にして、どういう保育を提供していくのかという場合に、保育に欠けるだけではない、そうではないお子さんも含めて、その対象になっていくような未来も見えてくるのかなというふうに思います。  そんな未来を見据えて保育の質をどうしていくのかということが、これから問われてくるのかなと思っております。そういう視点で、既に今現在これだけ増えている保育園でございますが、言わば転換期に向かって、そういう方向に向けてどうできるのか、その点のかじ取りをしっかり行政としてはやっていきたいなと思っております。  以上です。 176 ◯議長(古賀壮志君)  新井ともはる議員。 177 ◯4番(新井ともはる君)  これで質問を終わりまして、次の質問に移りたいと思います。 178 ◯議長(古賀壮志君)  これをもって8の1の質問を終わります。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 179 ◯議長(古賀壮志君)  一般質問8の2、先進的な取組の補助金活用による分野横断的な課題に挑戦・進化を続ける日野市。補助金制度の適正な運用に向けたガイドラインの策定へ!の通告質問者、新井ともはる議員の質問を許します。 180 ◯4番(新井ともはる君)  都は、7月より、デジタル技術を活用し、都の全ての補助金を誰もが簡単に検索できる「TOKYO補助金サーチ見える化ボード」を新たに公開いたしました。  これまでは、補助金を探すためには、ファイルに記された一覧表などから探すといったものでございましたが、分野やキーワードを入力し検索ができ、そもそもどういった補助金があるのか分からない方も多いかと思っていますが、このボードは大変分かりやすくなってきていると思います。  都の補助金は令和4年度は約1,500種類あり、今後積極的に活用をしていただきたいと思っています。補助金といっても、かなり種類がありますので、今回の質疑では先進的な取組に対する補助金、これに主眼を置いたものについて質疑をさせていただきます。特にテーマとして、官民連携による社会課題解決の取組について、これまでも課題として認識しつつも、なかなか取り組んでこれなかったことに関して、どう対応してくるかについて、確認させていただきたいと思っています。  まず、先進的な取組に対する補助金にはどういったものがあるのか、お伺いいたします。 181 ◯議長(古賀壮志君)  答弁を求めます。企画部長。 182 ◯企画部長(高橋 登君)  先進的、先駆的な取組は、主体の考え方によっても異なると思っております。一般的には社会背景に沿うテーマ設定であるとか、解決方法の新規性や効率性などが他地域のモデルとなり得るかなどが共通した要素だと認識しております。時代によって変化する要素もありますが、現状、日野市においては、官民協働や政策間の連携など諸力融合の要素、効率化など経営感覚の要素などを含む取組が、先進的、先駆的な取組に該当すると考えております。  該当する東京都の補助金としましては、子供・長寿・居場所区市町村包括補助事業、通称3C補助事業や、市町村総合交付金などが考えられます。
     以上でございます。 183 ◯議長(古賀壮志君)  新井ともはる議員。 184 ◯4番(新井ともはる君)  地方創生関係交付金の活用のように、日野市の直面する大きな課題に対し、官民一体となって取り組み、市の特徴を生かした、自立的で持続的な社会を創生するような、分野横断的な取組を推進すべきだと考えております。  一つの課だけでなく他の部署も含めたり、日野市だけでなく、他市と連携したり、行政だけでなく、団体や企業を含めた分野を超えた多方面の方々から、連携を取りながら解決をしていただきたいと思っています。  先ほどの答弁に先進的な取組に対する補助金として、通称3C(Community.Children.Choju)補助事業や、市町村総合交付金などが該当するということでございましたが、それらの例示された補助金の活用実態についてお伺いします。 185 ◯議長(古賀壮志君)  企画部長。 186 ◯企画部長(高橋 登君)  活用実績でございます。  令和3年度の3C補助事業は、企画経営課、地域協働課、環境保全課、生涯学習課の4課合同でコミュニティー分野において事業提案を行い、私にとっての居場所に出会えるtotteプロジェクトが採択されました。  令和4年度は昨年度の経験を踏まえて、企画部門と事業部門で連携しながら、事業構築を行いtotteプロジェクトの継続に加えて、新たに子ども部門に、集え!未来を担うひのっ子たち、日野市の子育てランドマークづくりプロジェクトと、学校体育施設等を拠点としたスポーツを楽しむ子ども・子育て支援事業の二つの事業提案を行い、両方採択をされております。  市町村総合交付金については、特定地域課題等に対する支援のうち、広域的な連携支援として、日野市という枠を超えた、三鷹市、立川市、日野市の3市で住民情報システムの共同利用に関する協定を結び、基幹系システムに関して、クラウドを利用した共同システム構築に活用させていただきました。  また、東京都の政策的な動きに連動して、各自治体が取り組む事業に対して支援を受けられる政策連携枠のうち、令和3年度より新設された行政のデジタル化の中で、キャッシュレス対応のレジ導入や庁外拠点無線LANの設置に対して支援をいただいております。  引き続き東京都の政策的な動きを注視し、市の取組と合致するものについては、積極的に活用をしていきたいと考えております。  以上でございます。 187 ◯議長(古賀壮志君)  新井ともはる議員。 188 ◯4番(新井ともはる君)  今、答弁いただきました活用実態につきまして、市はどのように評価をしているのか、お伺いいたします。 189 ◯議長(古賀壮志君)  企画部長。 190 ◯企画部長(高橋 登君)  市が先進的に推し進めていきたい事業において、市費のみの投入とならなかったことは、市の財政状況からは効果があったと考えております。また、補助金があることにより、採択された部署はもとより、採択に至らなかった部署においても、課題解決に向けた新たな手法を検討する機運が高まるなど、事業検討のために関係各所にヒアリングを実施したり、新たなシステムを調べたりすることは、その部署にとって財産となり、大きな意味があります。  一方、分野横断的な事業の場合、都の事業構築や評価が部門ごとであるため、全体的な評価や事業マネジメントが難しい側面もありますが、市としては関係者が複数いることから、課題感の差異など、事業化する機会が難しいという課題を解決する手段にもなったと考えております。  以上でございます。 191 ◯議長(古賀壮志君)  新井ともはる議員。 192 ◯4番(新井ともはる君)  これまでの活用実績を踏まえて、市は今後の先進的な取組をどのように考えているのか。市の政策目標でございます全体構想、基本構想、長期ビジョン等を実現し、政策効果を上げるために、どのように結びつけていくのか、また、そういった施策をどのように都へ要望しているのか、お伺いいたします。 193 ◯議長(古賀壮志君)  企画部長。 194 ◯企画部長(高橋 登君)  先ほど述べたとおり、日野市としては先進的、先駆的な取組として、官民協働、政策間の連携、広域での連携、経営感覚の追求などがあると考えております。予算編成の際には、庁内全体に事業に取り組む視点に加えてもらうよう周知しております。  実際の3C補助金においては、企画部門に情報が入り、各課から取組を募集しました。同時に企画部門から複数課に声かけを行い、事業提案までをフォローアップしております。  補助事業に関する分野横断に課題を包括的に解決する流れは、我が国全体のトレンドであるように認識しております。国においても地方創生に資するような交付金や補助事業は、先駆性、自立性などを満たしながら、地域課題を解決するものが補助対象となっております。  提案を待つだけでなく、行政から課題をオープンにしていく、対話していくという視点も重要です。例えば、本年7月には、東京都において実施しているスマートシティの取組と連携し、行政が課題解決のアイデアを民間から募るガバメントピッチに福祉政策課が登壇しました。テーマとしては、国において整備を促進することとされている重層的支援体制構築を見据え、デジタルを活用した情報共有プラットフォームづくりとしています。  本取組だけで課題が解決するものではございませんが、イベント当日は500名以上の参加があったことから、一定の問題提起にもなったと認識しております。ガバメントピッチなど先進的な取組は本市においても、まだ端緒についたばかりではありますが、他地域の事例も学びながら、効果的な取組を検討してまいります。  東京都への予算要望につきましては、市長会を通じての予算要望や都知事への意見交換などの機会の中で要望をしてまいります。  以上でございます。 195 ◯議長(古賀壮志君)  新井ともはる議員。 196 ◯4番(新井ともはる君)  答弁の中にございました、都が主催しましたスマートシティをどのように実現するかというものでございますが、今年の7月にガバメントピッチへ日野市の福祉政策課が登壇したというものがございました。過去の日野市におけますガバメントピッチの実施の有無につきましても企画課のほうに調べていただきましたが、今回が初めての実施というものを確認させていただきました。経済産業省の中でも、ガバメントピッチに参加、希望する自治体を募集しています。  ガバメントピッチは、通常は行政が提案を受ける場合が多いんですが、この行政側がこういう課題がありますよというものを、外へ出ていって、そしてプレゼンをし、それに応じて民間のほうから、こういった課題を解決するためにこういったソリューションがございますといった手挙げをしてもらうような、アイデアをもらうようなものでございます。  官民連携によるサウンディング型といったものよりも、もっと広く実施をされるというものでございます。今回、都が主催したもの、スマートシティ東京では、会場に出席された方に加えて、ウェブでリアルタイムに視聴する方を加えて500名以上の方が参加したということでございまして、この新たな先進の取組として、今後も積極的に参加をしていただきたいと思っています。  先ほど先進的な取組に対する補助金に対して、企画部門へ情報が入るという答弁をいただいていますが、この中で、企画部門として補助金を受け入れるところまで、幾つかの事業提案を行うに当たって課題があるかと思っています。企画部が主管課と一緒に事業構築をするに当たって、具体的にどのようにフォローアップをしているのか。複数課に声かけをし、情報の入った段階から事業提案まで持っていくために企画部として気をつけている部分について、お伺いしたいと思います。 197 ◯議長(古賀壮志君)  企画部長。 198 ◯企画部長(高橋 登君)  企画部門に補助金に関する情報が入ってから、事業提案に至るまでの課題としては、大きく2点ございます。1点目は企画部門から庁内への情報伝達について、2点目は具体的な事業提案に関することです。  1点目としては、企画部門に入った情報を、どのように対象課、あるいは全庁に周知するかが課題となっております。庁内掲示板への掲載と併せて、該当すると思われる部署には個別に連絡をして、活用できるような事業案がないかを確認しております。そのため、補助金の情報が入る前から、各課とコミュニケーションを取り、事業内容や今後の課題などを把握することに努めております。  2点目としては、具体的な事業提案についてです。企画として事業継続ができるのかを検討する際、地域の課題をきちんと認識しているのか、事業の目的は明確かなど、確認しております。コスト面においても、単純にイニシャルコストだけではなく、ランニングコストが多いのであれば、安易に手を出さないといったように、先を見据えた部分を考慮し、補助金の申請に向けて、主管課と一緒に事業構築をしていきます。  それぞれの主管課で積み上げてきたものと事業が合っているかをすり合わせて、課題解決するため、幾つのもの手法がある中で、より最大の効果があり、最低限の予算でできるよう、補助金の活用を検討しています。  さきの答弁で申し上げた都の3C補助事業を例に挙げますと、事業周知段階では4件の相談がありました。先進的な補助事業は主管課や担当者にとっても新たなチャレンジですので、想定ターゲットとして、市民等にヒアリングを行いたくても接点がない場合もございます。その場合、企画経営課において、主管課と市民や地域団体などの現場をつなげるといった活動を行います。  また、担当者が迷った際の相談役を引き受けております。主管課の担当者を中心としながら多角的な検討を進めていく中で、事業趣旨が明確となり、別の補助金を目指す、またはあえて事業構築をしないという結論を得ることもあります。これらも成果の一つと考えています。  3C補助事業では、当初4件の提案がありましたが、こうした取組を通じて2件に絞り込み、応募する運びとなっております。実際に事業を実施して対応するのは主管課となるため、それを回すだけの余力も見ながら事業構築をしなければなりません。提案して採択するまでがゴールではなく、継続性も鑑み、丁寧な支援をしなければ考えてございます。  以上でございます。 199 ◯議長(古賀壮志君)  新井ともはる議員。 200 ◯4番(新井ともはる君)  補助金について、この企画部門で情報が入ることが多いので、それぞれの部署に声かけをしており、日々その仕事量で本当に時間のない中、本当に仕事に追われている部署も多いかと思っています。この事業構築をしましたら、その時間がない中でも主管課がしっかり実施をしてもらわなければ、この事業構築をしても意味がないので、そういった確認のほうもぜひお願いしたいと思っています。  主管課だけでなく、いろんな部署との間で、この企画部のほうでも対応し、この事業構築をするに当たって、きちんと課題として認識をしっかりされているのか、それぞれの主管課で積み上げてきたものと、その事業がそもそも沿っているのか、そういったものも確認することが大変大切だと認識をしています。  課題を解決するに当たって、幾つかのこの支障がある中、より最大の効果を上げて、最低限の予算でできるような補助金の活用をしっかり進めていただきたいと思っています。  次に、国・都からの補助金に対しまして、会計検査院や監査事務局の監査委員から、会計の検査がされています。日野市で補助金の要綱等をしっかりと読み込んだ上で、本当に補助対象となるのかといったものをしっかりと要綱等から判断していくことが大切だと思っています。  市が補助金を活用するに当たって、補助金額の妥当性について検証をどのように実施しているのか、お伺いいたします。 201 ◯議長(古賀壮志君)  企画部長。 202 ◯企画部長(高橋 登君)  補助金や交付金を申請する際には、どのような条件なのか、補助金要綱等から読み込むことが大切となります。疑義が生じる場合は、東京都等に該当するかを確認を行います。また、実際に補助金の交付が下りてからも、契約行為、支出行為、成果物等、補助金要綱等に記されているとおりになっているか、随時確認を行っているところでございます。  以上でございます。 203 ◯議長(古賀壮志君)  新井ともはる議員。 204 ◯4番(新井ともはる君)  一方、逆の立場で日野市が市民や企業に対して、補助金を出す側の場合がございます。その場合、出し手として妥当性の確保が必要となります。昨今の元副市長問題を受けて、補助金額の検証で文書管理、事務の改善によって、公平性、透明性、そして妥当性の確認について、再発防止も含めて、補助金制度の見直しが必要だと思いますが、どのように考えているのか、お伺いいたします。 205 ◯議長(古賀壮志君)  企画部長。 206 ◯企画部長(高橋 登君)  補助金額の妥当性については、各所管部署において受け付けた申請書類の内容が適正か、また補助要綱などが根拠例規に照らして適正かを審査しております。しかし、いわゆる元副市長問題を受け、その再発防止の観点から、全庁における適正な事務執行を確保するための取組が必要であると認識しております。  現在、内部統制の枠組みとして、市の補助金制度の適正な運用におけるガイドラインの策定作業を行っております。例えば、補助金制度の新規策定時点に補助対象とすべき範囲、補助額算出等が適正に設定されること、申請の際に提出いただく書類は何かなどがしっかりと検討できるように示していきたいと考えております。また、運用の時点で作成すべき文書や、保存管理、一定期間ごとの補助制度の見直しなども盛り込んでいく予定でございます。  現在の作業としては、庁内の多数ある補助制度について、運用状況、制度の見直し状況などを総ざらいする調査を行っている段階であり、今年度中の策定を目指し、議員御指摘のような点も含め、ガイドラインにしていきたいと考えております。  以上でございます。 207 ◯議長(古賀壮志君)  新井ともはる議員。 208 ◯4番(新井ともはる君)  内部統制の枠組みとして、市の補助金制度の適正な運用に向けたガイドラインの策定作業を行うという答弁でございました。ぜひ、しっかりと策定をしていただきたいと思っています。  その中で、この補助金が助成された施策でも内容を柔軟に考え、市の補助がなくても、持続的に運営可能な規模を見直し、将来的に続くような取組というものも必要だと思っております。市はそういったことに対してどのように考えているのか、お伺いします。 209 ◯議長(古賀壮志君)  企画部長。 210 ◯企画部長(高橋 登君)  先ほど申し上げたガイドラインの策定において検討している事項の中に、補助制度の行政上の役割についても盛り込む予定がございます。  補助金は公益に資するために支出するものではありますが、例えば特定の団体等に恒常的に支出していると、いつしか本来の公益の範囲を超え、当該団体の経営そのものの基盤となってしまうことがあります。そのような行政への依存が生じてしまわないよう、補助制度の新設時に制度の終了時期を設定するよう、また既存の補助金についても定期的に見直しを図れるよう、ガイドラインで提示する予定でございます。  こうした広い意味での補助金の適正化も一つの視点に盛り込み、ガイドラインを作成していきたいと考えております。  以上でございます。 211 ◯議長(古賀壮志君)  新井ともはる議員。 212 ◯4番(新井ともはる君)  行政の依存が生じてしまわないように、補助金制度の新設時に制度の終了時期を設定し、また、この既存の補助金についても定期的に見直しを図っていく、ガイドラインのほうで提示をしていくという答弁をいただきました。今後、市の全体の施策を考慮しますと、一部の施策ばかり補助しますと、新規での施策に対して補助することができなくなりますし、補助金が当該団体の経営そのものの基盤になってしまわないようにしなければならないと考えております。  これから新規の制度で、参加、協力いただける方々にも、初めの段階でそういった助成金制度についてしっかり伝えることが、その後の関係性の維持のためにも大変重要だと認識をしています。  今回の質疑で「TOKYO補助金サーチ見える化ボード」のことを切り口に、三つのC事業などを絡めて、近々で東京都が上げている手挙げ式の施策に対して市がどういった努力をしてきたのか、都助成金にフォーカスして質問をさせていただきました。市の助成金制度の適正な運用に向けたガイドラインの策定を進めていく今後の方向性についても示していただきました。これまでの単発的な施策では、課題一つだけに注目をし、その一つの課題を解決するだけでは、課題は山積したままで、何も変わらないことが多かったと思っております。  今後は、一つよりも複数の事業を同時展開することによって、同時の複数課題を解決する、その複数組合せによる相乗効果により、幅広い課題を解決する、より難解な課題を解決することにつなげていただきたいと思っています。  最後に市長から見解をお伺いしたいと思います。 213 ◯議長(古賀壮志君)  市長。 214 ◯市長(大坪冬彦君)  新井ともはる議員より、先進的な取組の補助金活用による分野横断的な課題に挑戦・進化を続ける日野市。補助金制度の適正な運用に向けたガイドラインの策定へ、ということで御質問をいただきました。  大きく分けて、国・都からもらえる補助金の活用において分野横断的にどう展開するのか。また逆に市がいろんな団体、市民に出す補助金の適正化という二つの柱があるかなというふうに思っております。  分野横断的な補助金の例は、企画部長から話があったとおりでございます。分野横断的というのは、基本的に行政は縦割りであります。例えば高齢福祉課、児童福祉課というふうに、割れてしまっています。で、これを分野横断的にするためにはどうしたらいいか。これは一つの共通なテーマ、縦割りを排したテーマを設けて、そこにどう乗るかという仕掛けがなければ、なかなかできない話であります。  例えば、ヤングケアラー、ケアラーという課題がこの間ありました。そしてひきこもりという課題もあった。そして、子どもの貧困、今日午前中、話題に出ましたね。それから、6月議会でお悔やみという一つのテーマがあった。いずれも特定の課の事業じゃなくて、いろんな課がそれぞれの資源と、いろんなものを、それからそれぞれの職員の能力を持ち寄って、事業によっては、場合によっては、市民やNPO、いろんな団体が持ち寄ってということになるのかなと思います。  ある意味、そういう縦割りを超えたテーマというのは、一つのプラットフォーム。そのプラットフォームにどれだけいろんな社会資源、それは、社会資源は行政だけではなくて、当然行政の主管課もそうですが、いろんなNPOや外の市民、そして団体、いろんなステークホルダーが乗っかってという形になるのかなと。それが真に分野横断的な展開をするための補助金活用になるのかなというふうに考えております。  最近の補助金については、そういう仕掛けを国や東京都も考えていて、そこにどう乗っていくかということが問われていて、そこにおいて優れたものが採択されるというふうになりつつあります。東京都の三つのCというのも、そういうような発想でできているものであります。  その中で、先ほどガバメントピッチの話もありました。これについては行政が課題を持っていて、そこに、例えばベンチャー企業なんか、その課題についてはうちが手を挙げるよと、そういうようなマッチングの場ということで、東京都だけではなくて、全国的に結構流行になっていますね。これもある意味でそういうものの現れかなというふうに思っております。課題について、いろんな形で幅広いプラットフォームという形での課題を設定して、そこにどう乗るかということが大きなテーマだというふうに思っております。それをどう進めていくかということで、日野市もいろいろやっております。まだまだ課題がたくさんありますけども、この方向をますます強く進めていきたいと思っております。  その上で、補助金の在り方については、元副市長問題を通じて、いろんな点を指摘されております。基本的なことをやっておくべきでありますが、まだまだそこにおいて、いろんな課題があって、そこのガイドラインをつくっていくということは大きな課題だろうと思っています。  その場合に、基本的にはガイドラインをつくることも大事でありますが、そのガイドラインに沿ってやるべきことというのは、当然、なぜそうするかという使命感があります。そのためには、市が補助金を出すということは市民や企業、いろんな方々と共に日野のまちをつくり上げていく、そのためにどうすればいいかという視点、それからそのために適正な補助金の在り方が当然あります。そこを意識してどうつくっていくか。このことと併せてガイドラインをつくっていかなければならない。  そんなことを考えながら、これからしっかりと、国、東京都からの補助金の活用、そして市が出す補助金についてのガイドライン、しっかりとした補助金の適切な運用、これを考えて、日野のまちをつくっていきたいと思っております。  以上です。 215 ◯議長(古賀壮志君)  新井ともはる議員。 216 ◯4番(新井ともはる君)  これで質問を終わりにします。ありがとうございました。 217 ◯議長(古賀壮志君)  これをもって新井ともはる議員の一般質問を終わります。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 218 ◯議長(古賀壮志君)  一般質問9の1、地下壕のある三沢八幡神社脇斜面地問題を問う~市長は住民と力をあわせ安全確保を!の通告質問者、ちかざわ美樹議員の質問を許します。(「頑張れ」と呼ぶ者あり)      〔8番議員 登壇〕 219 ◯8番(ちかざわ美樹君)  三沢三丁目三沢八幡神社脇6,655平米の斜面地の樹林の伐採というのは、昨年6月頃から大がかりに始まりました。周辺住民の皆さんには、地下ごう調査を開始いたしますという、このペーパー1枚のお知らせがあった切りで、周辺住民の皆さんには全く調査の計画も経過報告もない状態で、皆さんが不安な思いを抱え、昨年、私、9月の議会で最初の質問をさせていただきました。その際は、特殊地下ごうとはどういうものなのか。その経過をたどって、三沢八幡神社脇の斜面地でこの間行われていることは、そもそも適法なのかということを中心に質疑をさせていただきました。  その際、市からは、この箇所は宅地造成規制区域であり、この場所を宅地造成する場合には、宅地造成等規制法の許可が必要であること。現時点では事前調査を行っている段階であり、このまちづくり条例の手続には、現在ではまだ入っていない。事業者が調査を実施するに当たり、東京都の指導の下、宅地造成等規制法第15条第2項による工事などの届出を準用して届出を行っている。この調査終了後には、現地立会いや報告書を東京都に提出する予定となっていると、このような答弁でした。  その後も依然として事業者から地下ごう調査に関する住民の方への経過報告などは一切なく、しかし樹林の伐採、伐根というのはさらに進んで、斜面全体の赤土が露出した状態を、目の前に暮らす住民の皆さん、毎日眺める状態で、不安は日々高まるばかりとなりました。  今年の5月にはある住民の方が、家鳴りがする、湧水が多く地盤沈下などで家鳴りと関係があるのではないか、崖地開発は今どうなっているのか、現段階で何を行っているのか、説明会の開催、また地下水と湧水との関係についても調査を求めました。  これに対して市からあった答弁は、現在、当該地では、事業予定者により、これまで伐採した樹木の搬出を行っている状況です。樹林の伐採や搬出については開発行為等には該当しないため、許認可等の手続は不要となります。しかしながら、当該地は地下防空ごうが存在すると想定されている場所であり、また、これまでも周辺住民の方から数多く要望や意見をいただいているため、東京都と連携し、日頃より現状把握や情報共有に努めているところですと。つまり、まあ、連絡は取り合っているというだけで、住民の不安解消には到底つながらない回答でした。  今年5月の終わりには、たまりかねた周辺住民の方40名もの連名で、市に要望書が提出されました。そこには、既に一部崖地が崩れている箇所もあり、今後、梅雨に入ると土砂災害などの発生のおそれがあるのではと大変不安に感じていますと書いてあり、地下ごう調査に関する指導内容、計画、進捗、結果の開示、説明会の開催の働きかけが求められていました。私も6月議会で2回目の質問をさせていただきました。  この5月の終わりに周辺住民の方々が出した要望書に対する回答書には、このようにありました。まちづくり条例に基づく手続に入ったら事業の進捗状況についてお答えできるかと思いますといったことであって、これもまた住民の皆さんの不安に正面から答えているものではなかった。そしてまた、樹林の伐採によって以前湧水がなかった場所に湧水が発生したので計測してほしいと、このように住民の方は求めている、こうした項目が入ったにもかかわらず、それに対する回答は、昨年度までのデータにおいて特異な数値は示しておりません。つまり全くかみ合わない。今現況に対して求めている要望と、昨年度までの湧水のデータは何の異常もないという、全くかみ合わない回答が住民の皆さんの下に届いたという状況でした。  改めて住民の方は御自身で、今まで出ていなかったところから水が大変な量が出ている、そこに御自身でボールを受けまして、1時間に720ミリリットルの湧水が樹林の伐採の前には流れ出していなかった箇所から流れ出していることを動画で撮影をして、そして雨が降ったときには大量の濁流が道路に流れ出していることを、この動画を撮影して、動画ファイルを添えて、市に調査の要望を提出いたしました。  こうした住民の皆さんのこれまでの働きかけによって、現在は週に3回、3課にわたって、市に現場へ足を運んでいただく。現場を取りあえずチェックしてもらえるという状態までやってまいりました。しかし、住民の皆さんにとって依然として土砂災害の不安というのは解消されないままとなっています。
     それで、住民の皆さん、また相談をいたしまして、7月25日にこの不安を市に理解いただいて、市長のお考えを伺うべく近隣住民と直接面談させていただく機会を設けていただきたいと、こういう要望書を提出いたしました。これに対して、回答が届いたのは、1か月ちょっとたった、9月2日です。7月25日に出した。それで、8月はもう、雨が降るたびに肝を冷やしていた。それで、市に出した。市長宛に出した。この要望の回答が届いたのは9月2日です。回答では、今の段階で市から周辺住民の皆さんに説明を行う予定はありませんが、今後の状況に応じて関係各課と連携し、説明会を開催するなど丁寧に情報提供や共有を図ってまいりますと。  この回答を御覧になった住民の皆さんは、市と、今、日野市は、住民の不安を本当に我が事として考えてもらっているんだろうかと、そうした思いを今も強く持っている。こういう状況になっています。  最初の質問をさせていただきますが、市は当該地の現在の安全状態というのをどのように認識しているのかということを、まず聞かせてください。 220 ◯議長(古賀壮志君)  答弁を求めます。環境共生部長。 221 ◯環境共生部長(小平裕明君)  市では、関係各課によりまして、先ほど議員からもお話ありましたが、7月から週3回、当該地の確認調査を実施しております。この現地確認調査においては、三沢八幡神社内の湧水調査、開発計画区域内からの排水量調査2か所、神社側と東側土留め擁壁でございます。開発計画区域内の状況調査、斜面の崩れ、斜面上部の水たまりの有無、倒木のおそれなどを確認しております。  結果に関しましては、調査を開始した7月から記録を取りまして、データを集積しているところでございます。この調査の中で、調査項目にあります斜面の崩れや倒木のおそれにつきましては、現在のところ、顕著な現象については確認されておりません。また、7月下旬には市長も現場を確認しております。  また、8月13日の台風8号接近時には、市に危険性の調査などの要望を御提出していただいております近隣住民の代表の方に対して、荒天時には市が現地調査することを連絡いたしまして、実際に台風が来たときには現地の状況確認を複数回行いました。台風通過後に異常がなった旨を御報告させていただいております。  今後も定期的な現地確認に加えまして、台風接近時等には現場パトロール等を実施いたしまして現地の異変をいち早く察知することで安全対策につなげて、市民の皆様の不安解消に努めていきたいと考えております。  以上でございます。 222 ◯議長(古賀壮志君)  ちかざわ美樹議員。 223 ◯8番(ちかざわ美樹君)  ありがとうございます。不安解消に努めているとのこと。市が週に3回、現場の安全状態を確認してくださっていること。2か所の水を見ていただいていること。台風の際の対応などについては、住民の方々も、要望してよかった、一つの前進があったというような評価をしておられます。しかし、斜面の間際にお住まいの方はお独り住まいのために不安で、台風の際、また雨が降った際などはホテルに宿泊をされています。御自宅から離れています。  また、ある方は、市が現地を注視してくれるようになったのはいいけれども、目視だけではなくて土砂の動きや変化などを常時確認できるセンサーのような器具を設置してもらうことはできないだろうか。このような要望も出ています。そして、いざ土砂災害の危険性といったときに、その避難をどうしたらいいのか。こういう声も伺いました。こうした住民の皆さんの思いを直接共有して相談して懇談する場、こうしたものが今必要なのではないかと思いますが、市のお考え、いかがでしょうか。 224 ◯議長(古賀壮志君)  まちづくり部長。 225 ◯まちづくり部長(岡田正和君)  先ほど議員からも御紹介ありましたとおり、前回の答弁でもお答えしておりますけれども、現在については、開発行為の許可前の段階でございますので、今後まちづくり条例の手続が始まった段階で、必ず事業者のほうから地元に対して説明をするように指導していくことになります。  以上でございます。 226 ◯議長(古賀壮志君)  ちかざわ美樹議員。 227 ◯8番(ちかざわ美樹君)  許可前であっても、ここまで住民の皆さんの不安が大きくなっているので、この問題は深刻ですよということを、私は何回も繰り返しているんです。まちづくり条例の手続に入って住民の皆さんに説明するのは当然です。しかし、地下ごう調査という名目で全く住民の皆さんに安全防護策もされない。調査の計画も知らされない。そして、1年3か月たったけれども、その間何をやっていたかも全く知らされない。こういうことは、日野では、まず起きたことがないと思います、私は。この住民の皆さんとちゃんと正面から向き合うこと、懇談の機会については、市長から後ほどお考えを伺わせていただけたらと思います。  次の質問に入らせていただきます。  そもそもこの土地の取引をめぐって、現在の事業者というのは、前の事業者や所有者から特殊地下ごうがあることは伝えられて把握していたことと思います。前の開発のときには、住民の皆さんに、途中まで、まちづくり条例に基づく手続の途中までいきましたので、地下ごうがあって不安だという声を住民の皆さんからもいただいて、前の開発、ちょっと開発のスペースというか量は違っていたんですけども、前の段階ではちゃんとそうしたものが市にも寄せられています。  それで、事業者もそうしたことは把握していたんじゃないかと思うんですけども、そういった土地を調査するんだと言って、抜根、伐採、盛土、切土。空いていた穴を塞いだり、土を盛ったり、こういうことがされて、既に1年3か月たっているということなんです。  ここしばらくは作業は止まって、今はもう草が生え始めているという状態になってしまっていますけれども、ここで私一つ確認したいのは、市並びに都、許可権者である都ですけれども、直接許可権者は都ですけれども、地下ごう調査や埋め戻しについて今、事業者から情報を得ているのかどうかということの確認をさせてください。 228 ◯議長(古賀壮志君)  総務部参事。 229 ◯総務部参事(北島英明君)  事業者からの特殊地下ごう埋め戻し情報についてでございます。  当該開発予定地における特殊地下ごうにつきましては、令和3年3月の時点におきまして、事業者より現地での調査の結果、特殊地下ごうと思われる空洞2か所を確認したとの報告を受けております。しかしながら、その後、事業者より地下ごう調査実施報告書が市に提出はされましたが、内容に不十分な部分があることから、現在改めて正確な調査結果の提出を求めているところでございます。  また、今後、当該地における特殊地下ごう対策を行っていく上において、市との連携をしっかりと図った上で実施していただくよう、令和4年8月16日付で、市より事業者に対し文書を通知しております。  本通知の主な内容につきましては、対策工事着手前に対策実施計画書を市に提出する。また、事前に周辺住民に対し、対策に関する説明会を開催する。対策工事完了後には対策工事実施報告書を市に提出するといったことや、これらの資料などを東京都に情報提供することを了解するといった内容となっております。  なお、その後、事業者との協議によりまして、本通知の対策工事着手前の周辺住民説明会とは別に、地下ごう対策工事完了後においても事業者による工事完了報告説明会を開催することを確認しております。  以上でございます。 230 ◯議長(古賀壮志君)  ちかざわ美樹議員。 231 ◯8番(ちかざわ美樹君)  ありがとうございます。報告書が一旦出ながら不十分だったのでやり直しだということは、私も初めて聞きました。このことすら、情報は住民にも、私も何度か伺っているつもりなんですけれども、こうしたことは一切聞かせていただいていませんでした。  6月議会で、まちづくり部長はこのようにお答えになっています。特殊地下ごうの調査結果や埋め戻しなどの計画内容については、まちづくり条例の趣旨にものっとり、周辺住民に丁寧に説明するよう、土地所有者等に指導してまいる考えでございますと。このように6月では御答弁いただきましたが、今の事業者に対する指導については、取りあえず通知もしたと。それから、ちゃんと報告して、ちゃんとした報告や計画がなければ先には進めないというような指導をしていただいているということは、分かりました。  そして、地下ごう調査の完了の、私は完了じゃなくても、今すぐ説明会をやっていただいたらいいと思うんですけれども、事業者についてはそれなりの指導をしているということが分かったんですけれども、住民の皆さんの今の最大の不安というのは何も分からないがゆえに生じている不安だということなんです。先ほどね、空洞2か所あってというのも、全く住民の皆さん、聞いていないですからね。それで、私はここまででも、速やかに事業者とのやり取りについて、市も説明されたらいいんじゃないかと。今まで議会で答弁されていることはちゃんと遂行してくださっていると、一定遂行してくださっていると私は思うんです。  ですから、なぜこんなに住民の皆さんに説明会と、説明するというのを、直接説明するというのをなぜこれだけ避けているのか、ちょっと分からないんですけれども、私は速やかに事業者から住民の皆さんに明らかにするように指導すべきだと思うんですが、いかがでしょうか。 232 ◯議長(古賀壮志君)  総務部参事。 233 ◯総務部参事(北島英明君)  ただいま申し上げましたとおり、事業者に対しては通知文で、文書でもって、しっかりと住民のほうに説明するようにお願いをしているところでございます。  以上でございます。 234 ◯議長(古賀壮志君)  ちかざわ美樹議員。 235 ◯8番(ちかざわ美樹君)  後で市長にもお答えいただきたいと思うので、三つ目の質問に入らせていただきます。  この場所というのは、これまで何度も開発の話が持ち上がってきましたけれども、それに対して、その都度、市は対応してきたということになると思います。  それで、私の疑問なんですが、そもそも日野市は、この地域の開発をしたいと、その相談が持ち上がったときに、特殊地下ごうがあるということはもちろん認識していたと思うんですけれども、位置であるとか大きさであるとか、私が頂いた資料ではその斜面にもう3本のごうを掘ったと。で、横にもあるんじゃないかという、私、これは防災安全課に頂戴した資料ですので、そうしたものであるので、市としてもこの位置や大きさというのをどういうふうに認識していたのかということを、ここでは確認したいと思います。 236 ◯議長(古賀壮志君)  総務部参事。 237 ◯総務部参事(北島英明君)  特殊地下ごうの位置や大きさについてでございます。  市では、平成19年に東京都により作成されました特殊地下ごうの全体想定図を基に、これまで三沢三丁目の住居地域において、特殊地下ごう対策事業を実施してまいりました。当該想定図では、今回の開発予定区域内の特殊地下ごうは4本を想定しておりますが、市にはそれ以上の情報はなく、現在事業者からの特殊地下ごう実施調査報告書も未提出のため、当該地の特殊地下ごうの正確な位置、大きさ、設置状況を把握できてはおりません。  以上でございます。 238 ◯議長(古賀壮志君)  ちかざわ美樹議員。 239 ◯8番(ちかざわ美樹君)  梅が丘団地で最初に陥没が起きたこの地域の特殊地下ごうというのは、陸軍航空本部、立川航空工廠の疎開先で計画は4.2キロメートル。当時の新聞報道によると、入り口は高さ、幅ともに3メートルから5メートル。トラックがそのまま出入りできるほどの大きさ。二つの変電所まで造られたが、工事完了間際に終戦となって、工事は打ち切られたと。これは、当時の新聞報道によります。  平成23年からは、梅が丘団地の充填工事が行われてきました。しかし、梅が丘団地に隣接する、いわゆる939自治会と呼ばれるこの住宅でも明らかに地盤が原因と思われる不具合が生じてきた。そして、調査を行ってきたところ、939自治会の地下の箇所にも地下ごうがあるということが明らかになった。そちらも現在埋め戻しをしている最中だということだと思います。  このようにこの三沢三丁目の特殊地下ごう問題というのは、この地域の防災、安全安心な地域づくり、これを考える上では極めて重要な問題として考えなければならないんじゃないかということなんです。市には、その認識があるんでしょうかと。ほかの開発とは全く違う性質を持っている。この認識があるのかということを伺いたいんです。事業者がこの地域を開発したいと相談があったときに、その相談に市はどのように相談に乗ったのか。地下ごうの存在は極めて重要な問題として対応するというようなつもりがあったのか。先ほど何本でしたっけ、何本かがあるといったことで詳しいことは分からないというふうにはおっしゃっていたんですけれども、それでも現在の所有者は開発したいと考えて相談に来たわけですから、市はこれに対してどう対応しようと考えているのか、このことを改めて確認しておきたいと思います。 240 ◯議長(古賀壮志君)  まちづくり部長。 241 ◯まちづくり部長(岡田正和君)  当該地については、特殊地下ごうが存在しているというところの認識は当然ございますが、市街化区域であって、また例えば急傾斜地の崩壊危険区域でもないというところで、開発ができないというような法の規制はございません。ただ、特殊地下ごうがあるということ自体は踏まえた上で開発を計画していただくというような指導はしてきたところでございます。 242 ◯議長(古賀壮志君)  ちかざわ美樹議員。 243 ◯8番(ちかざわ美樹君)  私が何度もお伝えしたいと思っているのは、詳細の分からない大きな穴が、何メートルもある穴が空いているということは分かるんだけれども、そこは開発をしようとしたらば、非常に危ないし、レアケースだし、大変な作業になるんじゃないかということは、私なんかも想像されます。このレアケースだということですよね。特殊地下ごう、法律もないし、そのガイドラインもないと。そのあるところを開発しようということについては、ガイドラインがないということで、この特殊な開発にしっかり対応できる法規や基準というのはないがゆえに、計画をどうチェックして安全性を担保していくのか、これが極めて重要になっているんじゃないかということなんです。今、これからこの土地をどうするのかということについては、本当に慎重で、かつ確固たる行政の対策や対応が求められると思います。先ほど現時点での業者への指導の内容は防災のほうからお答えをいただきました。  現在の安全対策とともに、市はこの地域の安全、地下ごうのあるこの箇所の安全ということをどのように担保しようと思っているのかということを伺わせてください。 244 ◯議長(古賀壮志君)  総務部参事。 245 ◯総務部参事(北島英明君)  私からは、地下ごう対策について御答弁させていただきます。  令和4年8月16日付で、先ほども申し上げましたとおり、事業者へ通知した文書において、市は特殊地下ごうの上で住民が日常生活を営む既存住宅地の特殊地下ごう対策を実施しているが、開発行為に合わせた特殊地下ごう対策を市が実施するものではない。また、開発行為を行う上で、宅地の安全を確保するのは事業者の責務であり、特殊地下ごう対策は事業者の責任と負担で行うものと通知をしております。  特殊地下ごう対策につきましては、引き続き事業者に地下ごう実態調査結果の提出を求めるとともに、当該通知に基づき特殊地下ごう対策を実施するよう、東京都と連携し、指導をしてまいります。  私からは以上でございます。 246 ◯議長(古賀壮志君)  まちづくり部長。 247 ◯まちづくり部長(岡田正和君)  まちづくり条例の観点からでございます。  今後まちづくり条例に定める開発事業が行われた場合、市は事業者に対して開発行為の許可権者である東京都と連携しながら、関係法令等を遵守するだけでなく、周辺住民の皆様に対する説明会や十分な話合いによって不安の解消に努めるよう指導してまいります。  以上でございます。 248 ◯議長(古賀壮志君)  ちかざわ美樹議員。 249 ◯8番(ちかざわ美樹君)  市長も現場を御覧になったと伺っています。住民の皆さんは、現場の安全対策、今後どうすればこの場所の安全の担保ができるのか。私は、市長と住民の皆さんが直接現地を見て、そこで向き合って一緒に考えていく、このことが必要だと思います。許可権者は東京都ですけれども、現場があるのは日野市です。危ないと分かるのは日野市ですので、ぜひ、市長のお考えを伺いたいと思います。 250 ◯議長(古賀壮志君)  市長。 251 ◯市長(大坪冬彦君)  ちかざわ美樹議員より、地下ごうのある三沢八幡神社脇斜面地問題を問うということで、御質問をいただきました。  地下ごう、この全体像、私どもも毎年、国の補助金を受けて埋め戻し工事をやっておりますけど、全貌までつかめているわけではありません。想定でこれぐらいだろうという話であります。ある意味、自治体としてはとんでもないお荷物を国の責任で処理すべき部分を背負わされているということであります。そういう意味で非常に苦労しているというところであります。  この間は、既存の住宅の下の地下ごうをどうするかという話で埋め戻しやってきた。その上で開発ということについては、今回初めてのケースでありまして、当然、住民の方々は不安でいっぱいであるのはもちろんであると思います。  先ほど参事、そしてまちづくり部長から答弁させていただきましたように、この間の対策はしっかりやっておりますし、現在地下ごう調査実施報告書についてはしっかりとしたものが出てきておりませんので、これを待っているということであります。当然、業者の責任によって地下ごうの埋め戻しはやらせますし、またそれが適正な形で安全な形でやっていただくということが前提になるのかなというふうに思っております。  その前段において生じた斜面地の木の伐採等によって生じた問題について、住民の皆様に大変な不安を与えていることは申し訳ないと思っております。当然、自治体として、その辺の解消に努めるために全力を挙げていかなければならないと思っております。今、答弁させていただいた手続を進めながら、適宜必要に応じて私のほうでも住民の方々に必要な説明を行う機会はつくっていきたいなと思っております。  以上です。 252 ◯議長(古賀壮志君)  ちかざわ美樹議員。 253 ◯8番(ちかざわ美樹君)  住民の皆さん待っていますので、ぜひとも説明、市長自ら説明いただく機会をつくっていただくことを要望いたしまして、この質問は終わらせていただきます。 254 ◯議長(古賀壮志君)  これをもって9の1の質問を終わります。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 255 ◯議長(古賀壮志君)  一般質問9の2、災害は待ってくれない~洪水時の「避難計画・体制づくり」を住民参加での通告質問者、ちかざわ美樹議員の質問を許します。 256 ◯8番(ちかざわ美樹君)  2019年台風19号対応概要最終報告が今年3月31日に出されました。職員の皆さん、市民の皆さん、本当に大変な避難経験をしたということになります。今回、私は、果たしてこの日野市による台風19号の対応の中に検証が求められるような点がないのかどうか、当時の危機についてちゃんと対応できていたのかどうかということについて、幾つかの点で伺わせていただきたいと思います。  最初に伺いたいのは、避難指示の発令、避難指示などの解除、災害対策本部の解散時期についてです。台風19号の避難指示の発令、避難指示勧告の解除、災害対策本部の解散について、それぞれどのような根拠に基づいて行われたのか、その対象、タイミングは適切であったと市は考えておられるのかということを、まず最初に聞かせてください。 257 ◯議長(古賀壮志君)  答弁を求めます。総務部参事。 258 ◯総務部参事(北島英明君)  令和元年台風19号の対応についてでございます。  まず初めに、台風19号における避難指示の発令についてでございます。  洪水に関します避難指示に関しましては、河川管理者である京浜河川事務所より滝合橋及び平山橋付近にて越水の可能性がある旨の通報が事前にあったこと、及び15時以降に降水のピークを迎えることから、それに先行し、対策本部の決定として14時に浅川流域の1万1,000世帯、約2万7,000人に対して、避難指示を発令いたしました。  次に、避難指示勧告の解除についてでございます。  22時以降、雨が小康状態となり、河川の水位が減少し始めたこと。また、気象庁からの情報により気象警報等が解除の見込みであったことから、10月13日午前0時30分をもって、避難指示、避難勧告を解除したものでございます。  以上でございます。 259 ◯議長(古賀壮志君)  ちかざわ美樹議員。 260 ◯8番(ちかざわ美樹君)  ありがとうございます。  台風19号の対応概要によれば、第11回災害対策本部の会議開催時間というのは、13日の0時から0時20分となっています。しかし、同じ概要の5ページ、図8の台風19号対応経過には、13日00時30分、ただいまも00時30分とお答えいただいたのかと思いますけれども、全ての警報解除、第11回災害対策本部会議、全ての避難指示などを解除、災害対策本部会議解散と記述されています。  もう一度ちょっとお答えいただきたいんですが、災害対策本部が解散されたのは何時何分なのかということを教えてください。ごめんなさい。すみません。 261 ◯議長(古賀壮志君)  総務部参事。 262 ◯総務部参事(北島英明君)  災害対策本部の解散時間についてでございます。  災害対策本部の体制が解除されたのが、13日の0時30分となります。  以上でございます。 263 ◯議長(古賀壮志君)  ちかざわ美樹議員。 264 ◯8番(ちかざわ美樹君)  すみません、ちょっとお伝えしていたこととプロセスと少し狂ってしまうかもしれませんけど、順にやっていきたいと思います。  体制の解除がされたというんですけども、解除というのは、これは本部長の宣言なんじゃないかなというふうに思いますが、そうしますと、00時30分ということで考えさせていただきたいと思います。  もう1点ですね、第11回最後の災害対策本部の会議の時点では、避難所にはまだ6,000人の方が避難中。避難所全体で多くの職員の方が対応している、真っ最中だったと思います。真夜中の12時の時点ですね。12時半に解除されたというふうに今おっしゃっていますね。まだ、6,000人の方が、職員の方々はもう本当に対応真っ最中。避難所にも6,000人の方がいた。これ、早かったんじゃないんですかと。12時30分解除というのは早かったということはないですかというのが、私の問題意識なんです。  それで、もう一つなんですけれども、災害対策本部の解散の条件についてなんですけれども、10月12日10時半から10時55分に開催されていた、解散の際の1個前の第10回災害対策本部会議では、避難指示の解除は各種警報が解除されてからとなる。それは大雨特別警報、土砂災害警戒情報、洪水警報、強風警報ということ。このことが確認されているんですが、それから1時間5分後、12時の時点で開催された第11回、最後の災害対策本部会議では、次のような河川情報が報告されたと記録されています。  大雨特別警報から大雨警報にランクダウン、強風警報から強風注意報にランクダウン、雷注意報は解除になったと。そして、土砂災害特別警報から土砂災害警報にランクダウンしたと。こういう報告がこの報告書には記述されております。  しかし、これらの報告の中に、第10回災害対策本部会議において確認されて条件とされていたんだろうなと考えられる洪水警報の解除、この文字は存在しません。洪水警報の解除というのは、第11回本部会議で条件とされなかったんでしょうか。先ほど解除の見込みというふうにおっしゃっていたんですけれども、解除は条件だったんじゃないかというふうに考えるわけです。
     気象庁の資料によれば、日野市の地域における洪水警報が解除されたのは、翌日の13日の4時52分です。また、第11回災害対策本部会議が開かれていた13日の0時0分から0時20分の間は、多摩川における基準水位観測所である青梅市の長淵に設置されている調布橋洪水予報区の受け待ち区間に出されていた氾濫危険情報、指定河川洪水予報とも言うようですけれども、この氾濫危険情報が調布橋の洪水予報区の受け待ち区間には出されていた。これが発令中だったわけです。それで、浅川、浅川橋においても氾濫危険情報の発令でした。  また、確かに大雨特別警報というのは12日の23時55分に大雨警報にランクダウンしています。これは第11回会議開催の直前です。しかし、大雨特別警報が大雨警報に切り替わったことをもって避難指示解除の条件をクリアしたと判断したのは、早まった考えなんじゃないかと考えるわけです。災害対策本部は、第10回の会議で避難指示の解除は各種警報が解除されてからとなると、ここに書いてあるんです。  また、第11回本部会議においては、土砂災害特別警報から土砂災害警報にランクダウンと報告されているんですけれども、これは大雨特別警報が大雨警報にランクダウンしたことを繰り返しているだけで、そもそも気象庁が発令する警報などには土砂災害特別警報や土砂災害警報というのは存在しません。取り上げるべきは、土砂災害警戒情報だと思います。  東京都気象庁の予報部の共同発表による土砂災害警戒情報は、10月12日、避難していた4時52分に日野市の地域に発表されて、これに基づいて災害対策本部は土砂災害警戒区域などに対して避難勧告を発令しています。これが解除されたのは、13日の00時7分、夜中の12時7分です。つまり11回目の会議を開いているその真っ最中に、これは解除されました。つまり会議が始まったのは12時なんですけど、会議をやっている最中、その7分後に土砂災害警戒情報が解除されているんです。会議の最中だったと。ですけど、これが解除になったことは、11回の災害対策本部会議記録には全く記録されていないんです。この12時7分に解除になったということ。ここに書かれていることは、00時30分、全ての警報解除、そして00時30分、第11回災害対策本部会議が開かれた。全ての避難指示等を解除、災害対策本部会議解散と、これに記述されているんです。この記述は本当なのかというふうな疑問が生じるわけです。  で、これが本当だとしたらば、やっぱり明らかにこの解散というのは拙速な部分があったんじゃないかということを聞きたいんですけれども、いかがでしょうか。 265 ◯議長(古賀壮志君)  総務部参事。 266 ◯総務部参事(北島英明君)  災害対策本部の解散の判断についてでございます。  第11回の災害対策本部の時点では、雨は小康状態となり、河川の水位も低下し始めたことから、対策本部において、これ以上の災害危険はないと判断し、避難指示等の解除とともに、災害対策本部の体制も解除したものでございます。  ただし、災害対策本部の解散後につきましても、本部体制を危機管理事業所対策本部体制に移行し、継続して避難所運営や関係機関との連絡、調整など対応を行ってきたところでございます。  なお、第10回会議において解除条件といたしました洪水警報につきましては、継続して発令をされておりましたが、気象状況、河川水位などから、第11回の会議において、今後の危険性がないと判断したものでございます。  一方で、避難指示等の解除時間が深夜であったため、避難所は継続して開設し、危機管理事業所対策本部の体制の下、情報収集、市の対応についても継続としていたところでございます。  市の災害対応体制につきましては、その時点での災害状況でありますとか、市の対応状況など様々な条件により判断していくべきものと考えており、今後も災害時における体制検討の際には関係機関とも密な連携を図り、慎重な判断をしてまいりたいと考えております。  以上でございます。 267 ◯議長(古賀壮志君)  ちかざわ美樹議員。 268 ◯8番(ちかざわ美樹君)  ありがとうございます。  まだ、記憶がありますけどね、本当に大変な状況でしたので、そのときの熱みたいなことを私もまだ思い出しますけれども、一般論として、災害対策本部は、先ほど御答弁では、今後は災害の危険はないと判断したということだったんですけど、本来は現地の災害情報に最も詳しくて、現地の防災活動の経験の蓄積などから、各種の警報と現地の状況で冷静に評価や検討をした上で、首長の、すなわちそのときの本部長の判断と責任において避難指示などの解除を決定するということはあり得ることだというふうに私も思います。しかし、各種警報が発令中であったと。それから、避難指示解除とするこの根拠が明らかにされて災害対策本部の多くの構成員が「よし、大丈夫だ」と、これを確信できたということは、それは重要ではないかというふうに思います。これを見るとですね、そういったプロセスはちょっと分からないんですね、全く。  それで、市長が災害対策本部の解散を宣言した第11回災害対策本部会議において市内の状況については、次のような報告がされています。  高幡市営住宅は冠水が引いていない。三沢三丁目で土砂崩れが発生している。まちづくり部は、第10回会議記録で、0時の時点で市内全域を回るとありましたが、11回会議記録には、こっちには、あしたも作業が必要。交代要員ができるような体制を取っているとなっています。環境共生部は、流域下水道対応としたが、引継ぎができていない。崖崩れ対応もあり、現場に職員を残している。教育部は、避難所全体で職員114名が対応中であり、引き続き避難所運営の指揮を執ると。市民部も教育部と同じ状況だと。消防団は、282名が詰所待機。以降、支援は不要としたいと。これは防災担当参事からですけれども、そういうふうにありました。  さらに、多摩川はどうなっていたのか。多摩川の日野橋、浅川橋、いずれも0時時点では、水防警戒発令中であったんですって、実はね。それで、水防警戒の解除がされたのは、それぞれに多摩川、浅川、翌朝、朝になって、6時半と8時50分です。  なお、周辺自治体において、避難指示の解除と災害対策本部の解散とが同時に行われたというようなのは日野市だけだというふうに私どもの調査ではなっています。災害対策本部の解散の決定、これについては改めて検証していただいたほうがいいのではないかというのが、私の考えです。災害対策本部長は、市長でおられました。それで、事業所本部になったことによって、その次の瞬間からの本部長は総務部長ということになったということだと思います。こういう状態になったということについて、改めて検証が必要なのではないかというのが、最初の質問です。  次に、多摩川の氾濫に対する警戒について、2点伺いたいと思います。  1点目です。台風19号対応概要、災害対策本部資料には、日野市災害対策本部での多摩川に関する情報報告というのは、全てが日野橋での水位となっています。日野市の基準水位観測所は、先ほど申し上げましたが、青梅市長淵にある調布橋観測所です。名前が調布橋とついていますけれども、これは青梅市長淵です。ここでの水位情報というのは、ここには見当たりません。  また、皆さんが避難した12日、朝9時に発令された避難勧告、14時に浅川流域に出された避難指示ですね。これは浅川流域1万1,000世帯、2万7,000人というふうにこれには記述されているんですが、正確には1万1,675世帯、2万7,445人であったというふうに伺いましたが、レベル4の発令というのは、つまり浅川流域の方だけ。多摩川流域の住民の皆さんに対しては、避難指示も避難勧告も発令されていない。ただし、朝、レベル3のときには全域に出ていたというふうに伺います。9時になった時点ではレベル4、それは浅川の方々だけ。  それで、ちょっと確認したいんですけれども、この12日午前8時、避難準備・高齢者等避難開始発令、つまりレベル3の発令をされたと。そして、報告の50ページには、避難準備情報の発令時における自動電話について、対象者を絞れずに全域に連絡したため、終了まで11時間かかったという記述があるんです。2019年12月6日の議会で、市は、この対象は浅川周辺にお住まいの方1,800人であったと、このように答弁がありました。確認させてもらいたいのは、避難準備・高齢者等避難、つまりレベル3の発令対象地域というのはどこだったのか。  そして、もう1点、河川管理当局である京浜河川事務所からは、12日の3時50分に多摩川氾濫警戒情報が、また同じ日の5時50分には多摩川氾濫危険情報が発表されています。そして、周辺自治体においては、多摩川沿いの浸水想定区域の住民に対して避難勧告、避難指示が出ています。12日の4時から4時半に開かれました第6回の災害対策本部会議には、日野橋において氾濫危険水域マイナス74センチという記述がありますが、調布橋水位観測所での水位、多摩川氾濫警戒情報、多摩川氾濫危険情報について報告された記録は一切ありません。  私がお伺いしたいのは、多摩川の氾濫に対する警戒、その判断根拠というのはどうなっていたのかということなんです。なぜ、日野市では多摩川沿いの浸水想定区域の住民に対しては、避難指示も避難勧告も発令されなかったのかということを確認をさせてください。 269 ◯議長(古賀壮志君)  総務部参事。 270 ◯総務部参事(北島英明君)  多摩川の氾濫に対する警戒についてでございます。  災害対策本部におきましては、常時、多摩川の調布橋水位観測所での情報も監視しておりましたが、台風19号においては、多摩川の水位は計画高水位に達していなかったため、避難勧告、避難指示の発令を行いませんでした。台風19号では浅川の水位の上昇が著しく、本部会議では直近に危険の迫った浅川の水位についての議論がまずは最優先されていたため、会議録の資料にも調布橋水位観測所の記載がないものであります。  ただし、多摩川の状況につきましても、随時京浜河川事務所と連携を図りながら災害対応を行っていたものであり、多摩川も浅川と同様に警戒を行っていたところでございます。  以上でございます。 271 ◯議長(古賀壮志君)  ちかざわ美樹議員。 272 ◯8番(ちかざわ美樹君)  ありがとうございます。  調布橋では計画高で見ていたということでした。それでよかったのかということも検証していただきたいと思うんですけれども、もう1点伺わせてください。  多摩川の警戒についてということなんです。日野市では、洪水ハザードマップ、防災マップの、こちら側は洪水になっていますよね。何度も、本当に、いろんな建設的な、これについては御意見を出していただいていると思いますけれども、ここには、家屋倒壊等氾濫想定区域というのは書かれていないんですね、今のこれは。  それは、国交省が2015年9月に関東・東北豪雨において堤防決壊に伴う氾濫流による家屋が倒壊、流出したことや多数の孤立者が発生したことを踏まえて住民等に対して家屋の倒壊、流失をもたらすような堤防決壊に伴う激しい氾濫流や河岸侵食が発生することが想定される区域、すなわち家屋倒壊等氾濫想定区域を公表したわけなんです。日野市では9,000世帯、1万9,000人という方々がそこに該当するとされています。  私ども共産党都議団の調査によりますと、この多摩川水系で家屋倒壊等氾濫想定区域がある自治体というのは28の区市、そのうち洪水ハザードマップにそのことが記載されているのは12区市。立川、多摩、世田谷は早期の立ち退き避難が必要な区域であることをハザードマップに記載しています。家屋の倒壊、流出、つまり、ここにあるのは、自分の家のどこまで水が来るかということだけなんですね。ですから、水ですので、流れがあるわけです。昨今のニュースなど報道を見れば分かると思うんですけども、川が海の津波のようになっているということが起きているということがあるということなんです。  それで、家屋の倒壊、流出をもたらすような堤防決壊に伴う激しい氾濫流や河岸侵食が発生することが想定される区域は、家の2階などへの垂直避難ではなく、その区域からの退去、水平避難が求められているんです。このことを認識して、必要な地域の方々は、あらかじめ安全な場所へ逃げなければならないということです。  ですから、今のハザードマップを見ていて3メートルとか5メートルといった場合には、5メートルだとぎりぎり2階建ての屋根に上ればいいかなというふうな判断はあるかもしれないんですけれども、家屋倒壊というのを考えたときには、水の速さということが加わってきますので、それがないハザードマップでは、もうほかの地域では書いてあるので、それがないハザードマップでは不十分じゃないかということなんです。命を守るために浸水した場合の想定される水の深さを知ることだけでなく、流速、水の流れる速さも考えなければならない。  家屋倒壊等氾濫想定区域を洪水ハザードマップ、今書換えしているというところだと伺っていますが、これは危険性の周知ということについては欠かせないことではないかと思いますが、このことについてはいかがかということを伺わせてください。 273 ◯議長(古賀壮志君)  総務部参事。 274 ◯総務部参事(北島英明君)  家屋倒壊等氾濫想定区域のハザードマップの記載についてでございます。  現在進めておりますハザードマップの改定作業において家屋倒壊等氾濫想定区域についても記載可能かどうか、現在検討しているところでございます。  以上でございます。 275 ◯議長(古賀壮志君)  ちかざわ美樹議員。 276 ◯8番(ちかざわ美樹君)  ありがとうございます。ぜひとも、これ、記載していただきたいと思います。  気候変動に伴う異常気象というのは、線状降水帯の発生などこれまでの想定を覆すような災害を引き起こしています。日野市における多摩川の洪水、私先ほど多摩川をちゃんと見ていたのか、多摩川をどういう判断しているのかということを先に聞いて、今また多摩川が、つまり大規模に決壊したときのクライシスというのを考えて、住民の皆さんにちゃんと情報提供必要ですよということをお伝えしたつもりなんですね。日野市における多摩川の洪水というのは、必ずしも日野市の範囲の中での堤防の決壊から起こるということではないということを確認したいと思うんです。日野橋を見ていたということ、まあ、日野橋のところはここに記録されていたということなんですけれども、多摩川はどうなっていたのかということが、やっぱり私たちも、皆さん頑張って、本当にずっとデータを見てやっていたわけですから、そのことも知りたかったなということがあるということなんです。  この間、全国で起きているように、多摩川のはるか上流部分で堤防が決壊したとしても、多摩川の流れと一体になって家屋を倒壊させるような速い流れが地域を襲う危険性はあるということを考える必要があるんじゃないかということです。あんまり考えたくないですけどね、こんな最悪の事態は。本当に考えたくはありませんけれども、実際に報道などを見れば、その危険性をゼロとしてしまうことはできないんじゃないかということなんです。  多摩川流域の全住民に対して避難指示は出されなかったと、先ほどの計画高を見ていたらば大丈夫だというふうに判断したんだということ。もう浅川が本当にシビアだったということ。そうしたことを聞かせていただいたんですけれども、改めてこれらについては、多摩川の氾濫に対する警戒が正しかったのか。  そして、ハザードマップには、家屋倒壊等氾濫想定区域は必ず入れていただきたいなということを求めたいと思います。  三つ目の質問、最後の質問です。台風19号の際の住民の避難の実態についての解明をお伝えしたいと思います。  最終報告の資料4には、日野市の自主防災会を対象に実施したアンケートの要約というのが掲載されています。報告の58ページ、ここで考えたいのは、避難しなかった理由の回答に避難しなくても大丈夫だと判断したからだと、48人の方が答えているんです。17か所の避難所にたどり着くことができた8,600人の方々が、本当に無事でよかったと。ですが、避難対象者であった残りの方々、その方たちは避難したくてもできなかったのか。避難する気がなかったのか。それとも、避難勧告や指示の発令は認識することができていたのか、いなかったのか。それから、避難情報をどうやって得ていたのか。それから、避難対象地域がどこだということをちゃんと分かっていたのか。こうしたことを明らかにする必要があると思いますし、それからそもそもの避難者数の想定、新しい防災計画の中に想定の人数がありますけれども、本当にそれでいいのか。また、避難行動、避難をするという行動、また避難体制について、さらに追跡の調査を行って検証していく。日野市における洪水の危険が発生したときの避難体制ということを根本的に考えていく必要があるんじゃないかというのが、私の最後の質問なんです。伺わせてください。 277 ◯議長(古賀壮志君)  総務部参事。 278 ◯総務部参事(北島英明君)  避難指示等につきましては、浸水想定区域内の方に対して発令されるものですが、対象区域を丁目単位で公表するため、同じ丁目内の浸水想定区域に含まれていない地域にお住まいの方にも避難を促してしまう可能性があることは否定できないものと考えております。  今後は、避難所の混雑情報と併せて、日野市災害情報共有システムにおいて発令区域が目で見て分かるような配信が可能になるよう、システムの改良を進めているところでございます。  また、市民を対象としました防災講話や防災訓練などを通じまして、日頃からハザードマップを御覧いただき、自身が避難の必要のある地域に住んでいるか否かをあらかじめ御確認いただけるよう、周知啓発を継続してまいります。  なお、令和元年台風19号の状況につきまして、追跡調査という形では把握を行っておりませんが、報告書にございますとおり、自主防災組織へのアンケート調査や庁内調査によりまして、避難所の確保や避難情報の発信など多くの課題が指摘されておりますので、台風19号の教訓としてそれらについて対応を行ってきたところでございます。  それらと並行して、東京マイ・タイムラインや日野市版簡易マイ・タイムラインを活用した日常的な避難行動の周知啓発も継続していき、避難の必要な方による適切な避難を促してまいります。  以上でございます。 279 ◯議長(古賀壮志君)  ちかざわ美樹議員。 280 ◯8番(ちかざわ美樹君)  それでは、市長から御見解を伺いたいと思います。 281 ◯議長(古賀壮志君)  市長。 282 ◯市長(大坪冬彦君)  ちかざわ美樹議員の災害は待ってくれない、洪水時の避難計画・体制づくりを住民参加でという御質問をいただきました。  台風19号時の災害対策本部会議の解散のタイミングということでの指摘をいただきました。まあ、あのとき、無我夢中で、本当に避難指示、避難勧告を出したということでありまして、ある意味本格的な災害対応は多分初めてやる話でありまして、当然そこにおいては、判断の、ミスまではいかないけど、判断におけるいろんな瑕疵等があるかもしれないなというふうに思っております。  今後は、そういう指摘をいただかないような形で、しっかりと安全安心の確保として必要な警戒情報が解除した時点での本部の解散ということ、また解散後のフォローもやっていかなければならないなというふうに思っております。  多摩川の警戒について御指摘をいただきました。確かに多摩川、我々本部解散した後に日野橋の損壊が報告が入りました。遅い時間ですよね。あと、それから多摩川グラウンドが流出しました。これを見た場合に、多摩川への警戒がどうであったかということは、ちょっと捉え直す必要があるかなというふうに思います。御指摘のとおり、日野橋というのは上流から来ますので、多摩川、日野橋が大丈夫でも上流の青梅のほうの調布橋のほうがどうなのか。そこから来るわけです。当然、浅川を考える場合も上流から来ますから、直近の場所じゃなくて、八王子の奥から来ますので、そういう警戒をしなければならない。そんなことは考えていかなければならないなというふうに思っております。その点において、前回の台風19号教訓については、しっかり生かしながら、御指摘を生かしながら、次の災害に備えていかなければならないというふうに思っております。  ハザードマップについても御指摘いただきました。家屋倒壊等氾濫想定区域。やっぱり以前とどんどん違っていて異常気象の中で新しい想定、新しい悪い想定をしていくという形でないと、今後の災害に備えられないということがあります。  避難所体制につきましては、予備的避難所も含めて、コロナもありましたので、前回に比べれば、一定の整備、拡充を図っております。当然、それだけで足りるかどうかということも含めて、しっかり対応していかなければならないというふうに思っております。  いずれにしろ、今、これから、今9月です。9月、10月、台風の季節。台風11号が沖縄、九州から非常に大きな被害をもたらしていますが、これから太平洋高気圧が後退した場合には、こちら関東地方が台風の襲来の状況になりますので、しっかりと今回の御指摘を生かしながら、しっかりとした災害対策を市としてもやっていきたいと思っております。  以上です。 283 ◯議長(古賀壮志君)  ちかざわ美樹議員。 284 ◯8番(ちかざわ美樹君)  ありがとうございます。  以前と違っていて悪い想定をしなければならないというのは本当につらいことなんですけれども、地震がある日突然起きるのと異なって、ある程度の難を避けることができる。治水をしっかりする。そして、そこ、危険なところから去っていると。そのことによってこの水害については、避難、災害を避けることができるという状況があるということで、私は改めて自分自身も考え直さなければならないことがたくさんあるなというふうに思いました。  今回の問題意識というのは、ある住民の方からお寄せいただいた問題提起を基にして、私も勉強させていただきました。大変な知識を持った方でした。住民の皆さんの中には、こういう大変な専門知識を持っておられる方もおられる。こうした方々の力を大いに借りて、住民の皆さんと大いに学んでいく。何度もこの、本当にハザードマップについては、議会でも本当にいろんなアイデアが出されてきたことも、私もこの8年、9年でよく分かっているんですけれども、なかなか自分も、本当に今回のように学ぶということまで至っていなかったことも反省しながらですが、やっぱり住民の皆さんと一緒に学んで、どうやって、命、財産を守るのか、公共の責任をどうやって果たすのか、しっかり考えていきたいなと思います。  以上で質問を終わらせていただきます。 285 ◯議長(古賀壮志君)  これをもってちかざわ美樹議員の一般質問を終わります。  お諮りいたします。議事の都合により暫時休憩いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。      〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 286 ◯議長(古賀壮志君)  御異議ないものと認めます。よって、暫時休憩いたします。            午後3時10分 休憩 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━            午後3時41分 再開 287 ◯議長(古賀壮志君)  休憩前に引き続き会議を開きます。  一般質問10の1、だれ一人取り残さない 子ども支援についての通告質問者、窪田知子議員の質問を許します。(「頑張れ」「頑張れ」「ありがとうございます」「紅一点」「どうぞよろしくお願いいたします」「公明党紅一点」と呼ぶ者あり)      〔19番議員 登壇〕 288 ◯19番(窪田知子君)  現在、第2期の日野市子ども貧困対策基本方針の策定に向けて、最後の作業が行われているところだと思います。  子どもの貧困対策については、市議会と日野市の両輪で取り組んでいかなければいけない重要な政策との思いで、平成28年、公明党、自民党、当時の市民クラブの皆様と子どもの貧困対策議員連盟を立ち上げ、市長に対し、子どもの貧困対策の具体的な提言書「ひのっ子ハピネス」プランを提出させていただきました。そして、翌年、平成29年、この第1期の基本方針の策定がなされました。この中に書かれております76事業のうち32事業で、この私たち議員連盟で提言させていただいた32事業がハピネスプランの中から、ここの中に整合性が図られました。ありがとうございます。今日は、これまでの取組を確認させていただきながら、さらに子ども支援を充実させていくために質問をさせていただきます。  まず初めにいじめなど、子どもたちの悩みにどのように寄り添い支援をしているのか。学校や教育委員会の取組を確認させてください。 289 ◯議長(古賀壮志君)  答弁を求めます。教育部参事。 290 ◯教育部参事(長崎将幸君)  子どもたちが信頼できる大人に安心して相談できるようにするため、学校では日常の活動を通して、担任をはじめとする全教員が子どもたちから信頼され、気軽に相談できる人間関係を構築することが必要です。そのために教員は子どもたちの細やかな心の動きを把握するとともに、日々の学習や学校生活を充実させることが求められていると考えております。  東京都教育委員会は、いじめや自殺、犯罪、非行などの問題行動の未然防止、早期発見、早期対応を図るために、6月、11月、2月をふれあい月間と定めております。  日野市立小・中学校では、ふれあい月間に合わせてアンケート調査を行い、子どもたちが困っていることや不安なことなど、様々な問題の把握に努めております。  また、日野市立小・中学校全校でSOSの出し方に関する教育を、小学校では5・6年生で1回、中学校では1年生を中心に在学中に1回以上実施しております。このSOSの出し方に関する教育を通して、学校は悩みを抱えたときに、どのように周囲に助けを求めたらよいかを子どもたちに伝えています。加えて、長期休業日前には、不安や悩みを相談できる電話相談やネット相談の窓口一覧を全児童・生徒に紹介し、家庭や学校以外にも相談できる大人はたくさんいるのだということを伝えています。  そのほか、日野市立小・中学校では、毎月のアンケート調査や個人面談の実施など、学校ごとに様々な方法を用いて、子どもたちの心の動きの把握に努めております。  これらの手段で子どもたちの不安や悩みを捉えた際には、生活指導部会や校内委員会等で組織的に対応し、保護者や関係機関と連携を取りながら早期の問題解決を図っております。 291 ◯議長(古賀壮志君)  窪田知子議員。 292 ◯19番(窪田知子君)  ありがとうございました。  第2期の基本方針、しっかりとこのパソコンから全部見させていただきました。日野市の現状の中では、小・中学校におけるいじめの認知件数は平成29年度以降でいずれも大きく増加し、不登校の件数についても小・中学校共に増加傾向となっていると報告されております。これについては、昨日もそういったお話がありました。  子ども・若者貧困研究センターのセンター長も務められ、都立大学の阿部彩教授は、東京都の子どもの生活実態調査から、いじめられた経験は生活困窮者のほうが多く、困窮者の6.5%が「よくあった」、19.2%が「時々あった」。合わせると25.7%、困窮層の4人に1人がいじめに遭っていたと報告をしております。現在の相談体制でいいのか。それをよしとせず、相談体制を強化していかなければと私は思います。  東京都教育委員会では、中学生と高校生を対象にして、無料通話メールや通話メールアプリを活用したSNS教育相談窓口を設置し、子どもたちが気軽に相談できる環境を整えております。
     また、鎌倉市教育委員会では、いじめ相談ダイヤルやいじめweb相談、心理士による電話相談等を行っておりましたけれども、新たな相談手段の一つとして、児童・生徒が学校で使用している学習用端末を活用した子どもSOS相談フォームを始めました。こうしたSNSなどを使った取組は、全国で少しずつ増えてきております。日野市でも、いじめを早期に発見し、早期の対応につなげるため、児童・生徒が学校で使用している学習用端末を活用した相談を行っていただきたいと思います。市の御所見をお伺いしたいと思います。 293 ◯議長(古賀壮志君)  教育部参事。 294 ◯教育部参事(長崎将幸君)  対面での相談や電話での相談など、自分の気持ちを話すことが苦手な子どもたちがいることも現状にあります。子どもたちが対面以外で気軽に相談できる窓口として、日野市教育委員会事務局は、学習者用端末にTOKYOほっとメッセージチャンネルにつながるブックマークを設定しております。このTOKYOほっとメッセージチャンネルを活用することで、学校が対応できない場面や時間帯でも子どもたちは不安や悩みを相談することができます。  そのほか、東京都人権擁護委員連合会の「子どもの人権SOS-eメール」などオンラインで子どもたちが気軽に相談できる様々な窓口について、児童・生徒に周知し活用を進めていきます。  日野市教育委員会事務局は、教員と児童・生徒の信頼関係構築を基盤とした上で、今後も学習者用端末での相談を有効に活用するなど、様々な方法で子どもたちが相談したいときに相談できる体制を整えてまいります。  以上でございます。 295 ◯議長(古賀壮志君)  窪田知子議員。 296 ◯19番(窪田知子君)  ありがとうございます。  先ほど言いました鎌倉市の取組は、一人ひとりの学習用端末に、こういったハートのマークをアイコンとして載せてあります。そして、これをタップしていくと、相談フォームに入っていけるというものです。今、教育委員会のほうからお話をしていただきましたTOKYOほっとメッセージチャンネルというのは、対象者は中学生以上から高校生相当の年齢でございます。小学生は入っておりません。早く、早い時期に気がつき対応していくということが大事だと思っております。  私は、この子どものいじめ相談などの体制について、2016年に、今から6年前にも質問をさせていただきました。今、御答弁の中で、学校でそうしたペーパーも配りながらやっていますよと。これは今も教育委員会で使われている、いろんな相談が行われていますよと。これを児童・生徒に説明しながら、これからいろんなところに相談ができるんだよということを伝えているということなんですけれど、実は6年前に質問したときも、今ほどこのメニューは多くないですけれど、同じだったんですね。私は、やはり子どもたちに寄り添うメッセージが大事だと。子どもたちの心に本当に相談できるというような、心に届くメッセージを日野市として発信してほしいと。そのとき、ちょうど日野市では子どもたちの自殺があったりしたときでありました。  そうしたことでですね、鎌倉市は、実は私が2016年に質問した前の前年の2015年に、皆様も覚えているかもしれませんけれども、鎌倉市の図書館がちょうどこの時期、「もうすぐ2学期、学校が始まるのが死ぬほどつらい子は学校を休んで図書館へもいらっしゃい」とか「9月から学校に行くくらいなら死んじゃおうと思ったら逃げ場所に図書館も思い出してね」というメッセージをツイッターで発信をすると、何と13時間で4万回以上のリツイートがあったということで、これも、当時、ニュースにもなりました。  やはり子どもたちの心に届くメッセージというのは人の心を動かします。私はこのことを通しながら、鎌倉市というのは、今から2015年の7年前にこういったメッセージを発信し、そして、なおかつ今回、鎌倉市の教育委員会が、今までやっていたけれども、新たに学習用端末でこういった子どもたちが入りやすいアイコンを作り、相談体制をさらに充実させているという、本当に子どもたちのことに真剣なんだなということが伝わってきます。  今回質問するに当たり、私はいじめなどで不登校になった方々が苦しみから抜け出せたきっかけなどが書かれた特集記事を読みました。共通していたのは、いじめを受けて、もういいやと投げやりになってしまったり、人間関係がうまくいかないで心がパンクしてしまったり、様々な家庭の中で不登校になったり、そして、ひきこもりになったと。恐怖感から考えることを止めて言葉を失ってしまう。自分の思いをどう言葉にすればいいのか分からない、つらい状態が続く。こうした状況であります。  私は、こうした子どもたち、そこから立ち上がっていく共通のこの方々は、最初の一歩は心の中の思いを文字や言葉にできたとき。そして、声を出して人とつながっていけた時が第一歩だったと。不登校だった子どもが、今、1人1台の端末を使ったオンライン授業なら参加ができたという、そうした日野市のよき事例としても伺いました。  直接会うこと、直接話すことができない子も、端末を使った相談ならば、一歩前に踏み出せるかもしれません。簡単に操作ができる仕組みに整えてあげれば、誰にも相談できずに悩んでいる子どもも、心の中の思いを言葉にできるかもしれません。文科省の教育デジタルトランスフォーメーションの推進室にいらした教育長に大きく期待をするところでありますが、御所見をお聞かせいただければと思います。 297 ◯議長(古賀壮志君)  教育長。 298 ◯教育長(堀川拓郎君)  だれ一人取り残さない子どもの支援についてとして、学習用端末を活用した相談についての御質問をいただきました。  子どもたちの苦しい声をできるだけ早期に把握をして、早期に支援や対応につなげるということは極めて重要なことであるというふうに考えております。  子どもたちの不安や悩みについては、まず第一には、近くにいる信頼できる大人に直接伝えられる環境があることが大切であるというふうに考えております。  他方で、昨年10月に公表されました不登校に関する文科省の調査の結果によりますと、不登校の子どもたちが休み始めるまでに誰にも相談しなかった割合が、小・中学校でそれぞれ約4割となっているなど、初期段階から声を把握し支援につなげていくということが全国的にも課題になっているものと承知をしております。  このような状況において、議員御指摘のとおり、1人1台端末を活用するなど児童・生徒の一人ひとりの状況に応じて相談できる手段を多様化していくということが重要であると考えております。教育部参事の答弁にもありましたけれども、教育委員会では、1人1台端末から東京都が設置しているSNSの相談窓口等に容易にアクセスできるように充実をした上で、全ての児童・生徒に周知を図り、活用を進めてまいりたいというふうに考えております。その上で、御指摘をいただくメッセージの在り方、そういうのも含めて他市の取組についても、研究をしていきたいというふうに考えております。  第3次日野市学校教育基本構想にある「すべての“いのち”がよろこびあふれる未来をつくっていく力」を育んでいくという言葉には、誰一人取り残すことなく学校教育を営んでいくという日野市の強い思いが込められているものと考えております。子どもたちの苦しい声を受け止めて支援につなげていけるよう、学校を支援するとともに、関係機関とも連携をしながら取組を進めてまいりたいというふうに考えております。  以上です。 299 ◯議長(古賀壮志君)  窪田知子議員。 300 ◯19番(窪田知子君)  教育長、ありがとうございます。ぜひよろしくお願いをいたします。  次に、ほっともについてお話を伺いながら、課題を見つけながら、そして次につなげていきたいと思います。  平成27年に1か所目のほっともができ、7年間で4か所できました。厚生労働省が昨年9月調査した中で、東京26市の中でのこの4か所というのは一番多いんですね。日野市と関係者の皆様の熱意と御努力に、心から感謝申し上げます。  そこで直近の現状として、受入れ児童・生徒の状況、支援状況、推薦機関の状況など、そして、これまでの成果や見えてきた課題についてお伺いしたいと思います。 301 ◯議長(古賀壮志君)  健康福祉部長。 302 ◯健康福祉部長(山下義之君)  ほっともについて答弁させていただきます。  ほっともは平成27年7月の事業の開始後、本年、令和4年度で8年目を迎え、現在4か所の事業所を運営しております。  現在の利用状況ですが、令和4年8月末の利用者が、4か所の合計で67名。内訳は小学生32名、中学生21名、高校生14名となっております。  世帯の内訳では、独り親世帯が47世帯、そのうち母子世帯37世帯、父子世帯10世帯、生活保護世帯が24世帯となっております。  また、兄弟で通っている世帯が17世帯、38名。情緒や行動面などに困難を抱えている子どもが11名。虐待のリスクがあり、見守りを要する子どもが17名。外国にルーツを持つ子どもが21名。不登校の子どもが4名となっており、経済的な困窮に加え、それぞれの子どもたちが複数の問題や課題を抱えているのが現状でございます。  ほっともの利用につきましては、関係機関からの推薦としており、推薦機関別の内訳は、子ども家庭支援センターが45件。生活福祉課が16件。発達・教育支援課が4件。その他の2件につきましては、セーフティネットコールセンターへの生活相談から利用につながっている状況でございます。  続きまして、これまでの支援の成果についてでございます。ほっともでは学習支援や居場所支援に加え、保護者への相談や助言などをきめ細かに行っており、それぞれの子どもたちが着実に学習習慣や生活リズム、社会性を身につけ、成長していく姿が見られてまいりました。また、保護者への相談や助言によって、各家庭の教育環境や生活環境の改善にもつながってきたものと考えております。  具体的には、他者とのコミュニケーションに不安を抱え、学校を休みがちだった子どもが学校に行けるようになった事例や、学習習慣がなかった子どもが自宅で学習ができるようになった事例などが挙げられます。中には、ほっともを高校生まで利用し、専門学校生になった事例では、その後、就職先が決まったことをほっともに報告に来た方もおりました。また、これまで65名の中学3年生の支援実績があり、その全員が高校進学を果たすなど、事業の成果が出ているところでございます。  続きまして、課題でございます。  ほっともを利用している子どもについては多くの課題を抱えている場合が多く、その支援には教育及び福祉の専門的な知識や高度な支援技術が求められております。したがって、支援に当たる人材の確保には各委託先事業所において苦労しているところでございます。また、支援に当たっては、関係機関としっかり連携し、長期に伴走した支援を継続的に行っていくことが重要な課題となっております。  以上でございます。 303 ◯議長(古賀壮志君)  窪田知子議員。 304 ◯19番(窪田知子君)  ありがとうございました。  これまで支援を受けた中学校3年生の65名全員が高校進学ができた、就職が決まった。本当にうれしいニュースです。改めて子どもたちに関わってくださった関係者の皆様に、心から感謝申し上げます。  答弁を受けて、指摘も含め、3点要望したいと思います。  1点目は、子どもの貧困対策推進委員会の議事録を読ませていただきました。その中に事業に関わってくださっている委員の方が「中学から利用する子どもの課題が重篤化している」、「受験というタイミングに合わせて、どのように支援を持っていけるのか悩んでいる」というふうに事業者が一人ひとりに合った支援ができるよう非常に悩み、また工夫をしたいというふうに思ってくださっていることが分かりました。  こうした事業者の要望があれば、開催日数など、現在週2日と決められておりますけれども、柔軟な運営ができるようにしていただきたいことを要望します。  2点目は、ほっともの事業は生活困窮家庭の子どもに学習支援を行い、社会的自立を目的にした生活困窮者自立支援法に基づいた事業というふうになっております。令和3年度の生活保護世帯は2,217世帯、2,782人。独り親で児童扶養手当の受給者数は令和3年度は917人です。こうした子どもたちの中にほっともの支援を必要としている子どもはいないのか。制度につながっていない子どもたちを今後どのように支援していくのか。教育委員会とも連携しながら、ぜひ検討をしていただきたいと思います。  3点目は、受入れの際の推薦機関から見えることです。子ども家庭支援センターが45件、生活福祉課が16件、エールが4件、セーフティネットコールセンターが2件という御答弁の中から分かりました。今後子ども包括支援センターみらいくでの取組も始まってまいります。第2期基本方針の89ページに事業No.5103番に、子ども貧困対策を担う組織体制の検討が新規事業として挙げられておりますが、ほっともの事業の窓口がセーフティネットコールセンターのままでよいのかどうなのか。また、健康福祉部のままでいいのか。子ども部なのか。むしろ新たな組織として、例えば子ども未来部みたいなものをつくるのか。ほっともの事業も含め子どものこうした体制をどのように組織として担っていくのかという検討を、ぜひよろしくお願いをいたします。  次に、先ほどのほっともの答弁の中から見えてきた保護者への相談や助言によって、各家庭の教育環境や生活習慣の改善につながり、子どもたちへもよい結果が出ているというふうに言われておりました。リスクのある家庭へは、早い時期から関わっていくことが重要であることが分かります。日野市は、現在、子育ての不安や育児の支援として、赤ちゃん訪問事業などを通して支援が必要な家庭には個別的な支援を行っていただいております。  まず初めに、その現状を伺います。 305 ◯議長(古賀壮志君)  子ども部長。 306 ◯子ども部長(中田秀幸君)  私からは新生児訪問指導について、お答えをいたします。  母子保健法に基づき、保健師または助産師が出生から3~4か月児健診までの間に各御家庭を訪問する新生児訪問指導は、新生児及び産婦の健康状態を確認し、疾患や異常の早期発見、早期治療について助言し、産後のメンタルヘルスに重点を置いて、育児上の不安を軽減し、安心して育児に臨むことができるよう支援し、子どもが健やかに育つことを目的に実施をしております。  新生児訪問の実績といたしましては、令和2年度1,133件、令和3年度1,150件の御家庭への訪問等を実施しており、そのうち支援が必要な御家庭の割合は、令和2年度が14.3%、令和3年度が14.6%程度となってございます。新生児訪問後、継続した支援が必要と判断した場合は、子ども家庭支援センター母子保健係の保健師が個別の支援を行っており、電話や家庭訪問などで母子の状況を確認し、必要に応じ産後ケアや妊産婦サポートなどの適切なサービスの紹介や、身近な相談窓口につなぐことで寄り添った支援を実施しております。  併せて、3・4か月健診などの乳幼児健診やその他母子保健事業では、子どもの発達、発育、養育・生活環境を確認し、変化する課題に都度対応できるよう子ども家庭支援センターケースワーカー、エールなど他の相談窓口とも連携しながら就学前まで包括的に支援をしており、その後も関係部署とは連携を広げながら切れ目なく支援をしております。  また、母子保健の視点で実施をする新生児訪問以外にも、子育ての悩みや不安、孤立感を解消するための取組として、地域福祉的視点で地域と行政のパイプ役である民生・児童委員が乳児のいる御家庭に訪問しており、子育て支援を包括的に行っております。  私からは以上でございます。 307 ◯議長(古賀壮志君)  健康福祉部長。 308 ◯健康福祉部長(山下義之君)  私からは、民生・児童委員による赤ちゃん訪問事業について御説明をいたします。  この事業は、新生児訪問で保健師が訪問した後に、同じ地域の住民である民生・児童委員が訪問し、子育てに関する悩みや心配事をお聞きする事業でございます。  身近な存在である民生・児童委員が、乳幼児がいる家庭との対話を通して、気になる家庭があれば必要に応じて関係機関につなぎ、そうした家庭の孤立防止につながることを目的としており、平成27年より民生・児童委員による自主的な子育て支援の取組として実施されている事業でございます。新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため活動が一部制限されてはおりますが、毎月100世帯程度の乳児がいる家庭への訪問が行われております。  民生・児童委員の皆様から伺ったところでは、この事業を通じて大きな問題が判明した事例は今のところはないとのことでございますが、様々な主体が重層的に支援を行っていくためにも貴重な取組であり、市としても引き続き事業への支援を行ってまいりたいと考えております。  以上でございます。 309 ◯議長(古賀壮志君)  窪田知子議員。 310 ◯19番(窪田知子君)  ありがとうございました。  東京都の子ども生活実態調査で、親の抑鬱傾向の調査では、困窮者の保護者の66.2%、一般の保護者は27.9%、これは小学校5年生の保護者で困窮家庭の親がですね、66.2%、一般の世帯の約3倍弱あるわけですね。16歳、17歳の子どもがいる困窮層の保護者では65.7%。一般層の保護者においては25.5%と、日本のデータにおいても相対的貧困との関連性が実証されているものとして、親の抑鬱、DV、虐待が挙げられております。  第2期の日野市の基本方針の中に、31ページに児童虐待の注目ポイントというのがありまして、そこには、子どもや家庭からのSOSにいち早く気づき、地域住民も含めたネットワークにより早期対応を図っていくことが重要、とポイントのところには書いてあります。しかし、88ページの基本的方向性の目標の4の中には、子育て家庭の悩みへの支援強化と生活の質の向上に取り組みます、と書いてはありますが、新規事業は挙げられておりません。  そこで私は新たな取組として、傾聴ボランティアによる家庭訪問型子育て支援ホームスタートを提案させていただきたいと思います。  ホームスタート、初めて聞かれた方もいるのではないかと思いますが、研修を受けた地域の子育て経験者のボランティアが週に1回2時間程度、無償で訪問する家庭訪問型子育て支援ボランティアです。母親、保護者に友人のように寄り添いながら親の気持ちを受け止めて話を聞く傾聴や、育児や家事や外出を一緒にする協働の活動を行っていく。利用は無料です。イギリスで始まり、世界22か国、日本でも29都道府県、東京では8区5市で行われております。厚生労働省の地域子育て支援拠点の加算事業や利用者支援事業、育児支援家庭訪問事業などで活用をされております。また、ホームスタートの実践方法は、文部科学省の訪問型家庭教育支援事業として、学齢児家庭への訪問支援にも取り組んでおります。  清瀬市では、学齢児家庭支援のモデル事業も始めております。ほっともの現状の中で、外国にルーツを持つ子どもが増え、学習面や生活面で支障が出てきているというお話がありました。日野市でもホームスタートのような家庭訪問型子育て支援に取り組んでいただきたいと思いますが、市の御所見をお伺いをいたします。 311 ◯議長(古賀壮志君)  子ども部長。 312 ◯子ども部長(中田秀幸君)  ホームスタート事業でございます。議員御紹介のとおり、特定非営利活動法人ホームスタート・ジャパンが進める家庭訪問型子育て支援活動で、研修を修了した子育て経験者が未就学児を持つ家庭を訪問し、傾聴と協働をキーワードにして、親子と一緒に過ごすことで孤立感の解消や心の安定を図る家庭訪問型子育て支援ボランティアで、委託により実施をしている自治体もございます。  本事業は、様々な支援の隙間を埋め、子育て家庭の不安を解消する取組と捉えてございます。今後、近隣市の状況を参考にしながら、必要性や既存事業との関係について整理し、財源や人員の観点も考慮しながら研究をしてまいります。  以上でございます。 313 ◯議長(古賀壮志君)  窪田知子議員。 314 ◯19番(窪田知子君)  ありがとうございます。  ホームスタートは、誰もが気軽に利用できる訪問型の子育て支援です。先ほどお話ししました外国にルーツがある子育て世帯は、二親が日本人の世帯に比べ不利を抱えている確率が高く、貧困に陥っている確率が高いと言われます。見えない支援層として積極的に手を差し伸べていく必要があると思います。  ぜひホームスタートのことを研究していただき、これはボランティアですので、これは、例えば子育てが終わった私なんかのこの世代がですね、自主的に子ども、この後に質問しますけれども、子ども食堂のように、本当に自分たちで子どもたちを何とか支援したいという熱意のあるお母さんや、そういう人たちが集まって立ち上げる団体であります。そこにホームスタートが、ホームスタート・ジャパンが様々なアドバイスをしてくれたり研修を行ったりしていくもので、この団体にかかるのは年会費3万円だけで、あとは全く自分たちでやっていくといったものでありますので、様々研究をしていただきたいというふうに思います。  次に、食の支援について伺ってまいります。現在行われている食の支援の中で、子ども食堂とフードパントリーの現状と成果。そして、そこから見えてきている課題についてお伺いいたします。 315 ◯議長(古賀壮志君)  子ども部長。 316 ◯子ども部長(中田秀幸君)  私からは子ども食堂の課題について、お答えをいたします。  子ども食堂を実施されている団体からは、活動する際の拠点となる調理可能な場所の確保や、希望する食材等の安定確保といった物理的な問題や、コロナ禍による食堂形式での開催の難しさ、いかに地域に根差して継続していけるかなどに加え、支援を必要としている子どもへのアプローチも、支援を受けることへの抵抗感の払拭が活動をする上での課題として伺っております。  市では子ども食堂を実施する団体の自立した運営を今後どのように支援していけるか、そこを課題と考えており、引き続き他市の事例なども参考に、団体の皆様と意見交換を行いながら支援の在り方を模索してまいります。  私からは以上でございます。 317 ◯議長(古賀壮志君)  健康福祉部長。 318 ◯健康福祉部長(山下義之君)  私からはフードパントリーについてお答えをいたします。  食の支援を行っている事業の一つとして、フードパントリー事業がございます。フードパントリー事業は、経済的事情等により支援を必要とする方に対して無償で食材などを提供するとともに、生活上の困り事を適切な相談支援機関等につなげる事業でございます。  日野市においては、NPO法人フードバンクTAMAにより令和元年11月に事業を開始され、令和4年8月現在、社会福祉協議会など市内7か所の福祉関係施設のほか、児童館10か所で実施をしている状況でございます。  利用者数は令和2年度よりコロナ禍により急増し、令和3年度には1,456件の利用があり、今年度、令和4年度においても、物価高騰が重なって、さらに多くの利用がある状況でございます。特に、子育て世帯、単身世帯の利用が多く、そうした世帯の生活が逼迫している状況がうかがえるところでございます。  当該事業に対しては、令和元年度より運営を支援するため、年額60万円の補助を開始しておりましたが、コロナ禍による利用者の大幅な増加に対応するため、令和3年度より特例として補助額を150万円に増額し、令和4年度も継続して補助をしている状況でございます。  今後も事業の安定継続のため、市として支援をしていく必要があるものと考えているところでございます。  以上でございます。 319 ◯議長(古賀壮志君)  窪田知子議員。 320 ◯19番(窪田知子君)  ありがとうございました。先ほど質問の中で現状と成果とか伺いましたけれど、申し訳ありません、今日の午前中の中で現状については触れていらっしゃいましたので、課題を伺わせていただきました。申し訳ありません。  食べることは生きるための基本であります。2018年、平成30年6月の定例会で、私はやはり子どもの貧困対策の支援として、この食の支援として、文京区のふるさと納税を活用したクラウドファンディングで支援が必要な家庭に定期的に食品を届ける取組を紹介しながら、日野市でも同様の取組を要望させていただきました。  その際、市の答弁では、子どもの貧困解消につながる施策であるとともに、返礼品に頼らない取組として、ふるさと納税、クラウドファンディングを活用した支援につながると考えますと。今後この事例を参考に寄附者に対し、分かりやすく共感を集めることができるようにストーリーを工夫するとともに、効果的な周知、PRについても検討していくというふうに答弁してくださいました。  第2期の基本方針の新規事業の中に、子ども宅食事業の検討とあります。だからまだ検討は続いているんだなというふうに、よきふうに理解はいたしますが、この間、この検討と、そしてふるさと納税「子供が輝くまちづくり」の現状についてお伺いをしたいと思います。 321 ◯議長(古賀壮志君)  健康福祉部長。 322 ◯健康福祉部長(山下義之君)  私からは子ども宅食事業の取組についてお答えをいたします。  子どもがいる家庭へ食材などを配達する事業については、市は現在実施はしておりませんが、食習慣の改善などと併せ、家庭環境などを把握し、適切な支援につなぐことができる支援の一つになり得るものと考えているところでございます。
     そのため、平成30年度には先進事例である文京区の子ども宅食プロジェクトの視察を行い、事業の調査や研究を行ってきたところでございます。また、これらを踏まえ、第2期日野市子どもの貧困対策に関する基本方針の素案におきまして、新たに子ども宅食事業の検討を施策に加え、具体的な検討を進めていくこととしているところでございます。  私からは以上でございます。 323 ◯議長(古賀壮志君)  企画部長。 324 ◯企画部長(高橋 登君)  私からは、ふるさと納税とクラウドファンディングの取組について御説明をさせていただきます。  ふるさと納税を活用して寄附を頂いている方の中で、使途を「子供が輝くまちづくり」に指定して寄附を頂いている金額は、平成28年度から令和3年度の総額で1,657万5,000円となっております。頂いた金額は全額福祉あんしん基金に積み立てており、翌年度以降の事業の財源とさせていただいております。  実績としましては、令和3年度は(仮称)子ども包括支援センター建設経費の一部に活用させていただいております。  より使途を限定した手法として、ふるさと納税制度を利用したクラウドファンディングがございます。日野市では、令和元年度に土方歳三没後150年の中で行い、目標額150万円のところ157名の方から182万円の寄附を頂きました。また、今般のウクライナ危機を受け、ウクライナ人道支援を実施するためのクラウドファンディングを実施しているところでございます。  子どもの貧困対策事業においても、寄附者に対して分かりやすく共感を集めることができるようなストーリーを工夫したふるさと納税など、財政的なサポートが行えるよう、健康福祉部、子ども部と連携して取り組んでまいりたいと考えてございます。  以上でございます。 325 ◯議長(古賀壮志君)  窪田知子議員。 326 ◯19番(窪田知子君)  ありがとうございます。  私も日野市のふるさと納税のホームページを見させていただきました。「子供が輝くまちづくり」というところに、そのタイトルの下には、「子供の貧困対策による子供たちの将来が生まれ育った環境に左右されることのない社会の実現や待機児童の解消など」。これだけ書かれているだけであります。これを読んで、本当に子どもたちのために何か自分も役に立ちたいと思ってふるさと納税をされる方が、しようというふうに、思っている方がいてくださるから1,657万円余りがふるさと納税として、この「子供の輝くまちづくり」に寄附をしていただいているわけでありますけれども。  1年に1回、民放テレビで、夏休みの最後に、本当に、人に支えられた、それから励まされた、障害を持っていても、困難を抱えていても、みんなに励まされながら自分は今こうやって頑張っているという、そういうテーマの下で毎年放映をされているテレビを見るとですね、ティッシュが一箱なくなっちゃうぐらい感動します。本当に自分も何かしなければというふうに思います。  先ほどから、最初から、やはりメッセージ性が大事だということを思いましたが、このホームページからは、市の職員の、市の熱意が全く、申し訳ありません、感じられません。やはり子どもたちのために何とかしなければという、そういった熱意のある職員がいっぱいいらっしゃると思います。もう少し工夫を、工夫というか改善をしていただきたいというふうに思います。食は、子どもにとって健全な心と体を培い、生きる力の源であります。食べられない苦しみを我が事として感じ、本気になって対応策を考えていただきたいということを強く要望します。  先ほどフードパントリーでの実績のお話をしてくださいました。令和3年度は1,456件の利用で、令和4年度はさらにそれよりも増えているんではないかと。実は私の近くにフードバンクTAMAさんの事務所があります。そこを通るたびに個人の方だろうと思う方が自家用車に、この間はお米をいっぱい積んで、5キロ袋のお米をいっぱい積んで、その事務所に寄附をされているのを目の当たりにしました。また、私の所属していたある自治会は、農家さんが、これは売り物にならないからと言って、ジャガイモを籠に何十箱と寄附をしてくださって、私もそのお手伝いをさせていただきました。みんな、そういう子どもたちがいるんだ、何かしたいということをお伝えすると、こういうところがあるよというふうに教えてあげると、じゃあやるわよ。そうやって善意の輪が広がっていきます。今日食べる物がない。その子どもたちの元にどうやって届けていくか。もっと真剣に考えていただきたい。  ふるさと納税も、一部、子ども包括支援センターのほうの建設費に充てられている。これも大事な拠点であります。だけれども、現実にそうした支援を待っている人たちの下に、この1,657万円をすぐにでも活用していただきたいというふうに思いますし、朝食の支援については、子どもの貧困対策の議員連盟では、どうしたらいいかという回答は出ませんでした。しかし、今回の第2期の方針では、またそれについては検討ということもありましたけれども、ずっと続いているわけですね。朝が食べられないという子どもたちがいる現状は続いています。その思いを、どういうふうに形にしてあげられたらいいのか。それを本当に心ある方々に言うと、こうするよというふうに、すぐいろんなお答えを言ってくださいます。でも、それを形にしていくのはなかなか大変だと思います。  ある会社の社長さんが、毎年、児童養護施設に、クリスマスにクリスマスケーキを届けているそうであります。そうすると、子どもたちから、ありがとうといったお礼のメッセージがいっぱい返ってくる。そうすると、また来年もやってあげようという気持ちになると。本当に子どもたちの心と共感し合っている、そういう輪を日野市の中で一日も早く形にしていけるように要望したいというふうに強く思います。  食の支援については、ぜひ、具体的な形にしていただくことを要望して、次に進めさせていただきます。  次は、少し角度を変えて、リトルベビー支援ということについて伺わせていただきます。  皆さん、リトルベビーという言葉を聞かれたこと、ありますでしょうか。これはその名のとおり低出生体重児のことであります。医学的には2,500グラム未満が低出生体重児。中でも、1,500未満グラムは極低出生体重児。より未熟に未成熟な1,000グラム未満は超低出生体重児というふうに、医学的には分けられています。小さく生まれた赤ちゃんのことであります。  今、リトルベビーを支援するリトルべビーハンドブックという取組が大きく広がって、読売新聞では、5月、6月に調査をすると、全国の8県で運用されていて、今年度26府県で導入を目指しているそうであります。  通常の母子手帳は1,000グラム以上で生まれた赤ちゃんの成長しか記録ができず、それ以下で生まれた赤ちゃんを持つ親にとっては、記録ができない。そして母子手帳には、「お話をしましたか?」。「はい」、「いいえ」と、こう、印をつけていくんですか、そこにも至らない。そうしていくと、だんだんその当事者、保護者は落ち込んでいく。そういう精神的につらい思いをされているということで、今、全国に、その支援が広がっております。  日野市の現状と支援内容、そして、ぽけっとなびでの取組状況をお伺いしたいとおります。 327 ◯議長(古賀壮志君)  子ども部長。 328 ◯子ども部長(中田秀幸君)  いわゆるリトルベビーと呼ばれる小さく生まれたお子さんを育てる御家庭への支援についてお答えをいたします。  日野市の出生数は、令和2年1,352人、令和3年1,258人となっており、うち2,500グラム未満で出生している低出生体重児の出生数は、令和2年で115人、令和3年で106人となっております。  低出生体重児については、退院の際に医療機関から子ども家庭支援センターへ連絡があり、これを受けて新生児訪問を実施いたします。新生児訪問では、新生児の発育状況や身体状況、家庭での養育状況を確認します。状況に合わせて、母子が家庭や地域で生活していく上で必要なサービスの提供、または窓口をつなぎながら個別の支援をしております。その後、お子さんの発育や身体の状況が安定してきたら、3~4か月健診等の乳幼児健診で、成長、発達を定期的に確認しております。  子育てモバイルサービスぽけっとなびは、令和3年4月にリニューアルし、スマートフォンのアプリ化を行いました。その際に新たに追加した成長記録の機能では、身長、体重などを入力し、成長曲線をグラフで記録することができます。このグラフ作成機能については、リトルベビーにも対応し、小さく生まれたお子さんが実際に生まれた日ではなく、出産予定日を基準とした成長曲線が表示されるようになっております。  ぽけっとなびのアプリ化に当たっては、東京都の子供家庭支援区市町村包括補助の子供手帳モデル活用支援事業を活用いたしました。補助の条件として、東京都の推奨する母子健康手帳の独自様式である、子供手帳モデルに準拠した内容をアプリに取り入れることが求められており、ぽけっとなびにおいても、子供手帳モデルの主な内容である低出生体重児等に対応する成長記録、学齢期にも対応する記録欄等、妊娠や育児の不安の解消に資する情報、父親の育児参画の促進に資する情報を取り入れた形で作成をいたしております。現在は補助率2分の1の事業ですが、当時は補助率10分の10、全額都補助の先駆的事業として実施をしたところでございます。  グラフにつきましては、現在もリトルベビーへ対応したものとなっておりますが、より当事者に寄り添った情報やメッセージを届けるため、他自治体の事例を参考にアプリ内の情報ページの充実を図り、リトルベビーにも対応した成長記録機能があることなどを周知していくようにいたします。  以上でございます。 329 ◯議長(古賀壮志君)  窪田知子議員。 330 ◯19番(窪田知子君)  ありがとうございます。日野市はいち早くですね、内容も工夫していただきながら、東京都の包括補助事業を活用したリトルベビーにも、ぽけっとなびが対応してくださっているということであります。心から感謝申し上げます。  あとは、先ほど答弁の中でも言っておりましたけれども、私は、このリトルベビーハンドブックが一番最初にできた、静岡県のこのリトルべビーハンドブックをネットで拝見をいたしました。そうするとですね、小さな赤ちゃんを産んだ母親の不安に寄り添う先輩ママさんたちからの励ましのメッセージが、もう各ページに全部書いてあります。一番下の欄に書いてあるんですね。そしてまた、リトルベビーで生まれた本人が成長して、そして、今、その当事者である子どもたちに保護者にメッセージを送るという、もう、まさに当事者に寄り添った温かな内容を当事者の方々と一緒に作り上げてくださっていました。ぜひ、こうしたものを参考にしながら、また周知もね、ぽけっとなびでは取り組んでいるけれども母子手帳はそれに取り組んでおりませんので、ぜひこうしたものを利用してもらえるような周知と、そして、その寄り添ったメッセージなどにも工夫をしていただきたいというふうに思います。  それでは、最後に、基本方針、第2期の日野市子どもの貧困対策基本方針の見直し案と、これからできる子ども包括支援センターの基本計画との整合性はできているかどうかということを伺っていきたいと思っております。  子どもの貧困対策基本方針は、対象者を妊娠期から17歳までの子どものうち困難を抱える家庭の子どもとし、その子どもの保護者についても対象とされております。また若者支援については17歳を超える年齢も対象としています。また、子どもの包括支援センターのほうも、計画の中では、支援対象者は18歳未満の全ての子どもとその家庭及び妊産婦とされております。この二つの基本方針の整合性が取れているのかどうか、まずこの点をお伺いしたいと思います。 331 ◯議長(古賀壮志君)  健康福祉部長。 332 ◯健康福祉部長(山下義之君)  日野市子どもの貧困対策に関する基本方針は目指すべき姿を「全ての子どもたちが、夢と希望を持って成長していけるような地域」を目指すとしており、その目標に関連した事業や施策を集約し、それらを一括して進行管理していくものでございます。  したがいまして、子ども包括支援センター設置に向けた基本方針のうち義務教育終了後の継続した支援など、子どもの貧困対策に関連する施策につきましては、子どもの貧困対策に関する基本方針においても、施策として盛り込んでおり、それぞれの方針が相互に連結、連動し、整合性が図られた内容となっております。  以上でございます。 333 ◯議長(古賀壮志君)  窪田知子議員。 334 ◯19番(窪田知子君)  ありがとうございました。  確かに施策項目の86ページ、第2期の基本方針の86ページには義務教育終了後の継続支援というふうにはあります。ただ、子どもの包括支援センターの計画の中にはですね、これ、同じものなんですけれども、基本施策の4番に、義務教育が終了しても、その児童を取り巻く課題は解決されないことも多く、中学校卒業後も継続的な支援が必要です。そこで現状把握と課題抽出を行っていくというふうに、具体的にどういったことをやっていくかということの中身に触れてくださっております。具体的な施策、こういったものについても、基本方針も5年間というスパンで基本方針の中の事業も組み立てていかれますので、ぜひ、この子どもの包括支援センターの計画の中にある現状把握と課題抽出というのも、子どものこの第2期の方針の中にも、事業の中に入れていくということがいいのではないかなというふうに思っております。  ここまで、本当はもっといろんなことを子どもの貧困対策としてはですね、例えば、今、ジモティーとの協働で何かいろんなことをやっていただいておりますけれども、子どもたちの生活用品の支援とか学校の制服の支援とか。教育委員会にも伺いましたら、中学校に行くと制服のリサイクルは各学校で全校取り組んでいるということだったんですね。であるならば、それを例えば小学校6年生が卒業して、中学校が決まった段階で、その春に入学をする前の1月ぐらいに学校説明会があるというふうに伺いました。そのときに、例えば制服とか学校用品なんかのリサイクルも、こうやって学校では用意していますよというところに保護者が入っていけて、必要なものが頂けるということになれば、例えば中学校の制服を買うのも大変だと思っている人、また卒業式に、この制服を着せて小学校の卒業式に参加ができるということになれば、より有効にそのリサイクルも活用されるのではないかなというふうに思います。(発言する者あり)細かいところですけれども、一つ一つ当事者の心に寄り添って何ができるか、何が必要なのかということを、教育委員会も市長部局も、これからしっかり考えていただきたいということを最後にお願いしながら、市長より全体を通しての御所見をいただければと思います。 335 ◯議長(古賀壮志君)  市長。 336 ◯市長(大坪冬彦君)  窪田知子議員より、誰一人取り残さない子ども支援についてということで御質問をいただきました。  第2期子どもの貧困対策に関する基本方針が出来上がりつつあることを受けて、第1期からの引継ぎを兼ねて、両方見てどうなのかということでの問いかけをいただいたかなというふうに思っております。現状については、各部長、参事から答弁したとおりだというふうに思っております。  その上で、とりわけ子どもの心に届くメッセージは、という質問を冒頭いただきました。この点については、クラウドファンディングということでいただいた「子供が輝くまちづくり」に対する熱意が感じられるようなホームページなのかということに通じているかなというふうに思っております。  第1期、第2期通じて、基本的に第1期を踏まえながら第2期ということで、幾つかは新規の事業もあります。新しい項目として、例えばフードパントリーの生理用品の配布だとか、また新しいインターネットを活用したとか、子どもオンブズパーソンの項目が載っているとか、ヤングケアラーの話、載ってはいますが、これはこれで確かにやっていく必要があるんだけども、言わば子どもの相対的な貧困率がいまだにある中で、どれぐらい真剣にやっているのと、またやるのかというところについて意見をいただいたかなというふうに受け止めさせていただいております。  提案も三ついただきました。失礼しました。そして、ほっともについても提案いただきました。まず、日数の増ですね。それから、生活困窮者、たくさんまだいるでしょうと。で、漏れ落ちがないのかなと。真に必要としている人が十分に届いているのかというお話もありましたし、そんな話をいただきました。この辺についてはしっかりと今後も考えていく。  また、担い手がセーフティネットコールセンターのままでいいのかという御質問いただきましたね。これについては、子どもの貧困対策の組織についてどうするかということも考えていく段階に来ているかなというふうに思います。健康福祉部なのか子ども部なのかということも含めて、いろんな御提案をいただきました。  まあ、食の問題についても、いろいろいただきまして、未解決でしょうということもいただいたかなというふうに思います。  そして、新しい事業として、ホームスタート事業ということであります。現在やっているファミリー・サポート・センターは有料事業。それに対して、これは無料ということでありますので、新しいメニューとして今後検討していかねばならないなというふうに思っております。  いずれにしろ、真剣に子どもに対する取組、子どもの貧困、子どもを誰一人取り残さないという視点に立ち切れているかどうかということを、この質問を通じていただいたのかなというふうに思います。いろいろと多々、至らない点は多々ありますし、本気度が問われるかなというふうに思っております。  いずれにしろ第2期が始まりますので、その中で走りながら、いただいた視点を取り入れながら、本当に真剣にやっていかなければならない。とりわけクラウドファンディングはストーリーです。こちらの熱意とそれから訴えかけ、これによって集まります。議員の引用していただいた文京区のクラウドファンディング。当初は500万円ぐらいかなと思ったら、数千万集まった。これは、その熱意がそういうような効果を生んだということであります。今、日野市、2期目に入って、ちょっとその熱意が少し失せているといいますか、少し弱いかなというところで御指摘いただいたと思いますので、その、もう少し頑張れということをいただいた上で、熱意を持って誰一人取り残さない子ども施策について、これからしっかりと考えていく、そして実行していきたいと思っております。  以上です。 337 ◯議長(古賀壮志君)  窪田知子議員。 338 ◯19番(窪田知子君)  ありがとうございました。これからも、このテーマについては議会と市と両輪でしっかりと取り組んでいきたいと思います。ありがとうございました。(「お疲れさまでした」と呼ぶ者あり) 339 ◯議長(古賀壮志君)  これをもって窪田知子議員の一般質問を終わります。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 340 ◯議長(古賀壮志君)  これより請願第4-5号、新型コロナウイルス感染に伴う介護事業所への減収補填を国や東京都に求める請願の件を議題といたします。  請願の要旨は、お手元に配付いたしました印刷物のとおりです。  請願第4-5号の常任委員会への付託は、会議規則第141条の規定により、議長において民生文教委員会に付託いたします。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 341 ◯議長(古賀壮志君)  これより請願第4-6号、傷んだ道路舗装の改修を急ぎ、歩行者の安全確保を求める請願の件を議題といたします。  請願の要旨は、お手元に配付いたしました印刷物のとおりです。  請願第4-6号の常任委員会への付託は、会議規則第141条の規定により、議長において環境まちづくり委員会に付託いたします。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 342 ◯議長(古賀壮志君)  これより請願第4-7号、市議会に調査特別委員会を設置し、日野市政の不正・違法を解明することを求める請願の件を議題といたします。  請願の要旨は、お手元に配付いたしました印刷物のとおりです。  請願第4-7号の常任委員会への付託は、会議規則第141条の規定により、議長において企画総務委員会に付託いたします。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 343 ◯議長(古賀壮志君)  本日の日程は全て終わりました。  明日の本会議は午前10時より開議いたします。時間厳守で御参集願います。  本日はこれにて散会いたします。            午後4時44分 散会 Copyright © Hino City, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...