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平成30年第3回定例会(第6日) 本文 開催日: 2018-09-11
平成30年第3回定例会(第6日) 名簿 開催日: 2018-09-11

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  1. 日野市議会 2018-09-11
    平成30年第3回定例会(第6日) 本文 開催日: 2018-09-11


    取得元: 日野市議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-08
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1              午前10時01分 開議 ◯議長(西野正人君)  本日の会議を開きます。   ただいまの出席議員、24名であります。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2 ◯議長(西野正人君)  これより日程第1、一般質問を行います。  一般質問21の1、西日本豪雨災害に学ぶの通告質問者、田原茂議員の質問を許します。     〔21番議員 登壇〕 3 ◯21番(田原 茂君)  それでは、改めましておはようございます。  それでは、通告に従いまして一般質問をさせていただきます。  今回は、7月の西日本豪雨災害を教訓に今後の災害に備えようと題しまして、一般質問をさせていただきます。  まずは、6月の大阪府北部地震及び7月の西日本豪雨災害、さらに、9月4日の台風21号並びに9月6日早朝の北海道地震等、相次ぐ自然災害におきまして被害に遭われました全ての被災地域の皆様方にお見舞いを申し上げるとともに、亡くなられた方々に心から哀悼の意を表するものでございます。  今回の一般質問では、西日本豪雨に関連して多くの議員が災害対策について質問しているところであります。一部重複するところもあるかとは思いますが、御容赦いただきたいと思います。  さて、今回の西日本豪雨は、災害が発生した範囲が超広域で膨大な雨は長時間続き、河川の氾濫と土砂崩れが同時に多発的に発生し、各地に甚大な被害をもたらし、200人を超える犠牲者を出したわけであります。これまでになかった災害の形態であり、今までの常識や経験則が通用しない新しい気象条件、また、災害のあり方というふうな認識を持った次第でございます。そういう意味では新たな課題も突きつけられていると思うわけであります。今後、避難情報をどう避難に結びつけていけるのかが大きく問われているわけであります。  さて、西日本豪雨災害では、なぜここまで被害が拡大したのか。いろいろ要素は当然ありますけれども、その一つには、最大に挙げられている一つは、何といっても避難者が少なかったことが挙げられているわけであります。  総務省消防庁によると、今回の豪雨で広域に出された避難指示勧告の対象は最大860万人を超えたわけであります。しかし、自治体が指定する避難所に来たのはわずか3万人にすぎないと言われています。読売新聞社が被災各県や警察に取材し、犠牲者の死亡状況を調べたところ、自宅で亡くなった割合は広島県で約7割、愛媛県で約6割、岡山県の割合はわかっておりませんが、多くは自宅と見られるとのことです。いわゆる逃げおくれが多かったために、ここまで被害が甚大になったというのであります。  なぜ多くの人が逃げなかったのか。テレビでも大雨警報や数十年に一度の大雨になる場合に発令される特別警報まで出し、行政側も避難勧告や避難指示を発令していたにもかかわらず、なぜ逃げなかったのでしょうか。  災害で逃げおくれが繰り返される原因について、東京女子大の広瀬弘忠名誉教授は、いわゆる正常性バイアスという一つの法則、また、経験の逆機能という二つの人間心理が関係していると指摘しております。  人間は日常生活で、小さな異常はあっても一定レベルまでは大したことはない。正常な範囲内と解釈する性質がある。毎回物事などに驚いていては精神にバランスが保てず、心の平静を保つために、本来人間に備わっている機能がこの正常性バイアスということであります。これが災害時には悪く作用し、危機を楽観的に捉えてしまうわけであります。このリスクはたびたび指摘をされてきたわけであります。  一方で、倉敷市真備町の住民らの行動に影響したと見られるのが、経験の逆機能だという、こういう分析であります。以前の水害では余り浸水しなかったという、自分が経験をしているがゆえに、記憶に縛られ、より大きな危機に気づけない心理であり、東日本大震災でも注目された心理状態といわれているわけであります。要は、このような心理状態に陥ることを前提に対策を練らなければならないということであります。  東京大学大学院特任教授の片田敏孝氏は、避難行動の例で言えば、自分だけが避難するとなれば対応が遅くなる。しかし、足腰が弱い近所の高齢者と一緒に逃げると日ごろから決めておけば、おのずと行動が早くなる。キーワードは「みんなで逃げる」、このことだとおっしゃっています。
     ここで重要なのが、地域コミュニティーの構築であります。2013年に改正された災害対策基本法では、共助による防災活動推進の観点から、地区防災計画制度が盛り込まれました。地区防災計画は、町会や自治会、企業などが実情に応じた防災活動の計画を立て、市町村の地域防災計画の一部として提案するものであります。  そこで、まずお聞きいたしますが、日野市におけるこの地区防災計画の取り組みについて、お聞かせいただければと思います。 4 ◯議長(西野正人君)  答弁を求めます。総務部長。 5 ◯総務部長(小平裕明君)  平成25年に災害対策基本法が改正され、市町村内の一定の地区内の居住者などが災害に備えた自発的な防災活動に関する計画を定め、それを各市町村の地域防災計画に記載することができる地区防災計画制度が創設されました。この制度は、計画作成を通じて日ごろから地域防災における共助の意識をさらに向上させるとともに、共助の手順等を明確にすることにより、発災時の初動対応等を迅速に行えることとするものです。  近隣市においては、特に国分寺市が地区防災計画の策定を広く進めておりますが、当市では、本制度創設以前より地域防災の核である自主防災組織の設立及び活動の充実を推進し、国の進めるこの制度と同様な取り組みは既に進めているところです。今後も地区防災計画の枠にとらわれることなく、さらなる地域防災力の向上に努めてまいります。  ただし、現在、地域の特殊性などを鑑み、地区防災計画に関する議論を市とともに進めている地域もあります。このように地域独自で実施している防災訓練等も踏まえ、地域防災計画の新たな展開も図ってまいります。  以上でございます。 6 ◯議長(西野正人君)  田原茂議員。 7 ◯21番(田原 茂君)  ありがとうございました。  確かに、自主防災組織は136組織に及んでおります。しかし、防災時に誰が何をどれだけどのようにすべきか等の地域の防災活動の計画を立て、きめ細かい取り決めをしているところがどのくらいあるでしょうか。自主防災組織の結成が目的ではなく、いわゆる地区防災計画を多くの地域住民を交えてつくり、地域の備えをどれだけ築き上げることができるかが最重要な課題であります。自主防災組織の結成は大変喜ばしいことでありますけれども、その次にすべきものがそういう計画なのであります。  いわゆる災害対策基本法による本来の地区防災計画を策定しているのは、26市中では国分寺市だけであります。難しい課題ではありますけれども、ぜひとも本来の国が自治体につくったほうがいいということで推奨しているこの地区防災計画、ぜひとも今後の取り組みに期待をするものでございます。  次にお聞きしたいのは、タイムラインの導入の件でございます。  昨日も大塚議員のほうからも取り上げておりましたけれども、タイムラインに関連しては要望しておきたいことがありますので、改めて私からもこのタイムラインについてお聞きしたいと思います。 8 ◯議長(西野正人君)  総務部長。 9 ◯総務部長(小平裕明君)  国土交通省は、同省が管理する河川が存在する市町村に対し、洪水時タイムライン作成の指導を行っております。市では、風水害時に市内に広範囲で被害を及ぼす可能性がある多摩川、浅川の氾濫危険水位等を踏まえた市各部署のタイムラインを作成し、平成28年12月には、そのタイムラインに基づく全庁的な災害図上訓練を実施しました。  風水害は地震での災害に比べて気象状況等の事前情報により時間的猶予があるため、今後もタイムラインに沿った訓練等を繰り返し実施し、職員の災害対応力向上に努めてまいります。  以上でございます。 10 ◯議長(西野正人君)  田原茂議員。 11 ◯21番(田原 茂君)  ありがとうございました。  西日本豪雨では想定を超える雨量に見舞われ、タイムラインがうまく機能しなかった例も見られるようであります。国交省は、関係機関による検証をしながら運用の改善が必要というふうにも指摘をしています。西日本豪雨での検証結果をしっかりとまた見ていただき、状況を部署間で検証していただきたいというふうに思います。  さて、タイムラインを住民にも広げている動きがあります。鬼怒川流域などにある茨城、栃木両県の24市町では、16年から住民一人ひとりに則したいわゆるマイタイムラインを作成しております。昨年度は約2,000人が講座や出前授業に参加し、実際にタイムラインを作成したとのことであります。ぜひ参考にしていただきたいと思います。  さて、西日本豪雨の犠牲者の8割が、避難に困難が伴う高齢者や障害者でありました。倉敷市真備町では、市が身元を確認した死者50人のうち、約8割の42人が避難行動要支援者名簿に掲載されていたことがわかりました。しかし、名簿に基づき一人ひとりの支援役や避難手段を決めておく、いわゆる個別計画が未策定であり、避難行動要支援者名簿を避難に役立てることができませんでした。  そこで、日野市における避難行動要支援者名簿の策定状況と、それに基づく個別計画は策定されているのかどうか、お聞きしたいと思います。 12 ◯議長(西野正人君)  健康福祉部長。 13 ◯健康福祉部長(赤久保洋司君)  避難行動要支援者名簿と個別計画の策定状況についてでございます。順次答弁させていただきます。  まず、避難行動要支援者名簿の策定状況でございます。  日野市では、平成27年度から当該名簿を作成し、おおむね年に1回程度、名簿情報の更新を行っております。  また、名簿につきましては、更新の都度、日野警察署、日野消防署、日野市消防団、民生委員、地域包括支援センター、市と協定を締結した自治会、自主防災組織等に提供し、最新の情報を関係機関と共有するよう努めているところでございます。  なお、直近で集計した8月31日現在の名簿登載者の総数は4,714人となってございます。  次に、個別計画の策定状況でございます。  個別計画の策定につきましては、市と協定を締結し名簿を提供している18の自治会等に対し、名簿を活用した取り組みの一環として、可能な範囲で要支援者の個別計画を策定いただくようお願いしているところでございます。  また、個別計画を策定した場合には、その情報を市と共有させていただくようあわせてお願いしているところでございますが、現時点で市と自治会等で情報を共有している個別計画はないというのが実情でございます。  個別計画策定の課題として、対象となる避難行動要支援者の方が4,700人以上いること。そして、支援の担い手となる地域の支援者を特定することが難しいことなどがあり、個別計画の策定に関しては、特定の支援者に負担が集中しない方法等を工夫しないと現時点では難しいと考えているところでございます。  以上でございます。 14 ◯議長(西野正人君)  田原茂議員。 15 ◯21番(田原 茂君)  ありがとうございました。  個別計画はまだ作成されていないということであります。確かに難しい面はあると思いますが、あらゆる機会に担当者が出かけていって、強く粘り強く訴え続けていただきたいと思います。当面は浸水想定地域の自治会などにピンポイントで働きかけるなど、全体的な角度というよりもより危険度が高まっている、そういう地域の方々はそれなりに意識も高まっていると思いますので、そのようなピンポイントでの対応、そしてまた、18自治会には一応名簿が渡されているわけでありますので、そういう自治会には、もう一押しすれば、そのような形での細かい、誰がいつどのようにという、このような計画を立てられるのではないかというふうに思いますので、もう一押しの力添え、また、後押しをお願いしておきたいと思います。  次に、冒頭で避難情報をどう避難に結びつけていけるのかが課題と申し上げましたが、そこで、避難情報が住民に迅速に正確に詳細に伝わっているかについて、お聞きしたいと思います。  まとめてお聞きいたしますけれども、商業施設や各駅にも情報を流すべきと思いますが、いかがでしょうか。  外国人への災害情報の発信についてはどうでしょうか。  警報の意味を理解してもらう努力はしているでしょうか。  また、今後、避難情報をより簡明な言葉で伝えることが必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。御所見をお聞きしたいと思います。 16 ◯議長(西野正人君)  総務部長。 17 ◯総務部長(小平裕明君)  まず、駅や商業施設等への情報伝達についてお答えします。  市内主要駅には、相互の応答が可能な地域系防災行政無線を設置しています。また、市では児童館、学童クラブ、私立保育園、福祉避難所及び郵便局等に防災行政無線放送内容が直接伝達される戸別受信機を設置していますが、商業施設等への設置は一部にとどまっております。現在の防災行政無線システムには数量に限界があるため、集客施設への情報発信について、今後、新たな方策を調査・研究してまいります。  次に、外国人対応としまして、現在、市では英語、フランス語、中国語、スペイン語及び韓国語の5カ国語の日野市防災マップ洪水ハザードマップの翻訳版を作成し、希望者に配布しています。また、市内の避難所案内版等はピクトグラムを表示し、言語を問わず認識可能とすべく配慮しています。今後は産業スポーツ部と連携し、外国人来訪者に対する災害情報発信について調査・研究をしてまいります。  続いて、避難情報について御説明いたします。  平成29年1月31日付で、避難準備が避難準備・高齢者等避難開始に。避難指示が避難指示(緊急)となりました。これは、一昨年の北海道東北豪雨災害での教訓を踏まえ、国が市民にわかりやすい呼称として改めたものですが、いまだわかりづらいとの御意見があることも承知しております。市としては、今後もあらゆる機会を通じて呼称の浸透等を図ってまいります。  以上でございます。 18 ◯議長(西野正人君)  田原茂議員。 19 ◯21番(田原 茂君)  ありがとうございました。  商業施設と集客施設での情報発信について、ぜひとも早急なる対応をお願いしておきたいと思います。  また、東日本大震災の津波被害の教訓から防災無線の呼びかけを、今までのですます調から命令調へ変えた自治体もあると聞いています。避難してくださいではなくて、避難しろという強い口調であります。そこまでやらないとなかなか逃げてくれないという、こういう状況でそういうふうに変わったところもあるそうであります。それも一つの参考であります。  また、勧告と指示の違いがわからないという声も多く聞きます。市民に理解しにくい行政用語で何度呼びかけても実感が湧かないというのが実情ではないでしょうか。簡明な言葉でわかりやすく、意味が理解できるような創意工夫が必要ではないでしょうか。住民の意識を高めるには、行政側の真剣度を示す必要があります。いわゆる伝えるではなくて、伝わる。しっかり伝わっている。この伝わるということを念頭に避難情報を流していただきたいと要望しておきます。  次に、大雨と地震では避難場所が違うということをどれだけの市民が御存じでしょうか。皆さん、御存じでしょうか。徹底して知らせるべきと思いますが、どうでしょうか。  さらに、災害を自分の問題として捉えられるように、自分の家は何メートルまで浸水するかということを、研修会などを実施して、個別的に知らせる工夫が必要ではないでしょうか。公共施設、例えば、電柱や時計台などにここまで水が来ますよという印をつけておく、こんな工夫も必要ではないでしょうか。御見解をお聞かせいただければと思います。 20 ◯議長(西野正人君)  総務部長。 21 ◯総務部長(小平裕明君)  市では、本年2月に多摩川、浅川の浸水想定区域の変更など反映しました日野市防災マップ洪水ハザードマップを全面改訂し、3月に市内全戸配布を行い、災害ごとの避難所等について周知を行いました。  また、毎年9月に自治会・自主防災組織の長を対象とした安全・安心まちづくり研修会を開催し、日ごろからの防災意識の向上について啓発を行っております。  また、自治会・自主防災組織からの個別の要望に対して防災安全課職員を地域に直接派遣する防災出前講座を実施しており、昨年度は30回の実績がありました。これら取り組みについては、今後についても継続して取り組んでいきたいと考えております。  次に、浸水予想の表示盤についてお答えいたします。  多摩市では、多摩川沿いの地域に、この地域は何メートルまで浸水するかということを表示する想定浸水深表示看板を電柱に設置しております。日野市においても今後導入の検討を行います。  以上でございます。 22 ◯議長(西野正人君)  田原茂議員。 23 ◯21番(田原 茂君)  ありがとうございました。  表示板については峯岸議員も何回か取り上げていると思うんですけれども、多摩市では想定される浸水の表示看板を設置しているということであります。このような表示看板は賛否両論があろうかと思いますが、住民の意識喚起にはかなり有効と考えられますので、浸水想定地域の住民と丁寧に粘り強く話し合っていただき、ぜひとも早期での表示看板設置を要望しておきたいと思います。  次に、今後の防災訓練では、実際に避難所へ行く訓練等々、住民をさらに巻き込んだより実践的な訓練が必要ではないでしょうか。私ども公明党の要望により、昨年からは防災訓練がキャラバン方式に変わったことは高く評価をするところでありますけれども、さらなる実践的防災訓練を要望するところであります。  また、浅川等が決壊したことを想定した実践的な訓練もこれからより必要になってくるのではないでしょうか。御所見をお聞かせいただきたいと思います。 24 ◯議長(西野正人君)  総務部長。 25 ◯総務部長(小平裕明君)  平成28年度までは、市役所本庁舎前の日野中央公園にて総合防災訓練を実施しておりましたが、平成29年度からは、訓練会場を固定化することなく、地域をできる限り広くめぐるキャラバン方式で実施することが市全体のさらなる防災力向上につながると考え、市内をおおむねね8分割し、地域ごとの特色を生かした地域との連携に着目した訓練を実施しております。  また、昨年度の総合防災訓練は、会場となった豊田小学校に近接する特別養護老人ホーム豊かな里と連携して実施し、今年度の総合防災訓練では、会場となる日野第五小学校に近接する包括支援センターあいりんと連携する予定です。  また、合同水防訓練においては、今年度及び昨年度ともに会場に近接する特別養護老人ホーム浅川苑及び介護老人保健施設カトレアと連携し、避難行動要支援者などに配慮した実践的な訓練を実施しております。  また、先月には、浅川の一部が決壊する大雨が降る想定のもと、決壊3日前からの各部署の対応について、専門家を講師として招き、ディスカッション形式で議論を行う職員対象の災害図上訓練を実施いたしました。  以上でございます。 26 ◯議長(西野正人君)  田原茂議員。 27 ◯21番(田原 茂君)  ありがとうございました。  今後ともより実践的な防災訓練をお願いしておきたいと思います。  また、浅川の決壊を想定した職員の図上訓練を実施したということであります。今後、浅川が決壊することも十分あり得ると思っています。そういった意味では、今後、図上訓練だけではなくして、住民も巻き込んだ、そういうリアルな訓練が必要ではないかと。市長も、今までの災害の質問に対して、真備町に似た日野市のこの状況、いつ決壊するかわからない、こういう状況であるということも述べておられます。そのためには、それを実際に想定した訓練を住民も巻き込んだ形で、今、雨が降り始めた。あと70分後には、30分後には決壊するかもわからない、どうするかということを実際にやってみないと、本当に避難行動に結びつかない。そういった意味では、より今後は、まさに決壊を想定したこういう訓練が、日野市でも、もうまさに目の前に迫った危機としてやっていかなければならないと、強くお伝えしていきたいと思います。  次に、快適な避難所を目指してという観点で質問をいたしますが、西日本豪雨災害でも段ボールベッドなどが話題になりましたけれども、このような用意はできるのかどうか。ちなみに窪田議員の尽力で全国の畳協会と協定を結んで、畳を5日間で5,000枚持参していただけるようであります。  また、簡易型トイレの備蓄計画の推進状況はどうでしょうか。  さらに、ことしの8月8日に、待望のいわゆる液体ミルクが、国内での製造・販売が解禁をされました。この乳幼児液体ミルクの備蓄計画についてはどうでしょうか。お考えをお聞かせいただきたいと思います。 28 ◯議長(西野正人君)  総務部長。 29 ◯総務部長(小平裕明君)  市では平成26年に日野市災害時備蓄計画を策定し、立川断層帯を起因とする地震による帰宅困難者を含む最大約6万4,000人に対する食料のほかに、毛布、パーテーションの公的備蓄を行っております。  また、全国の畳業の方で立ち上げた5日で5,000枚の約束プロジェクト実行委員会と協定を締結し、発災後に避難所となる体育館に畳を敷き、快適性の確保を進めることとしておりますが、現状では、段ボールベッドの備蓄については、検討はしておりません。  また、簡易型トイレを含むトイレの備蓄計画について、避難者が1日5回トイレに行くことを想定し、備蓄を進めております。  液体ミルクにつきましては、防災備蓄倉庫の気温環境など保管状況に課題があるため、今後の検討課題と考えております。  以上でございます。 30 ◯議長(西野正人君)  田原茂議員。 31 ◯21番(田原 茂君)  ありがとうございました。  災害時の備えとして期待される乳児用液体ミルクにつきましては、公明党女性委員会が国内の製造販売の早期の解禁、普及を推進してきました。申すまでもなく、液体ミルクは常温で保存ができ、ふたを開けて吸い口を装着するなどすれば、すぐに飲めるわけであります。夜間や外出時の授乳が手軽になり、水や燃料が確保できない災害時にも有効とされているわけであります。東京都では流通大手と協定を結んで、災害時に液体ミルクを調達する体制をしいておりますので、東京都とも連携を密にしていただき、また、市においても、常温で保存可能な液体ミルクを創意工夫のもと何とか備蓄できないかどうか、もしくは、市内及び近隣のスーパー等との連携で液体ミルクを調達する体制が築けないかどうかを検討していただきたいと思います。先ほどの答弁ではかなり簡単な答弁でちょっと残念でありますけれども、今、各自治体でも、この液体ミルクはかなり注目をしているんです。これを何とか災害時に役立てようという、そういう工夫を今、各自治体でも始まっておりますので、どうか他人事でなくして、さらりと答弁していただきましたけれども、これは非常に重要な観点と、これからのいわゆる避難所において、備蓄する中でも、これからこの液体ミルクは必須のものとなってくると私は思います。日野市だけが備蓄していないということがないように、しっかりとこれから対応をお願いしておきたいというふうに思います。  次に、災害が発生したときに、自治会や自主防災組織などがどこまで責任を持てばいいのか。一定のガイドラインなどを策定しておくべきと考えますが、御所見をお聞かせいただきたいと思います。 32 ◯議長(西野正人君)  総務部長。 33 ◯総務部長(小平裕明君)  市内自治会・自主防災組織の中には独自の防災マニュアルを策定し、発災時の情報連絡体制、一時避難所への避難方法、安否確認、避難行動要支援者対応等を明確にし、そのマニュアルに基づき日ごろより防災訓練を実施している地域もあります。発災直後は公助が行き届かない場合が多いため、自治会・自主防災組織などの共助の力は必要不可欠となっています。ただし、地域の高齢化や地域特性により市内自治会・自主防災組織の温度差は否めない状況であり、市全体の共助の底上げについては今後の検討課題となっております。  以上でございます。 34 ◯議長(西野正人君)  田原茂議員。 35 ◯21番(田原 茂君)  ありがとうございました。  確かに、地域差はあるのはわかります。高齢化が進んでいるという、こういう状況の中で、一律にはいかないのは当然だと思います。しかし、ある自治会長からすると、災害が起こったときにどこまでやればいいんだという、そういう問いが発せられております。そういった意味では、意識を持っている自治会もあるわけであります。ですから、そういったところは頑張ってもらう。頑張るところは頑張ってもらう。だけれども、最低ラインというかですね、ここまではやってくださいよというところまでは、私はある程度これからは共助という、こういう観点で、先ほど、地域コミュニティーの構築をずっと言ってきました。そういった意味では、やはりそういう中でも、ここまでやってくださいよというようなところもある程度市が示していく必要もこれからあるのではないかな、こんなことも考えて質問として取り上げさせていただきますので、今後の取り組みをお願いしておきたいと思います。  次に、先日の質問でも、池田議員、また、大塚議員からもありましたが、日野市は倉敷市真備町に似ている河川状況であります。非常に参考になると。そういった意味では、職員を派遣して、教訓をしっかりと学んでくるべきと、こういうふうに考えますが、御見解をお聞かせいただきたいと思います。 36 ◯議長(西野正人君)  総務部長。 37 ◯総務部長(小平裕明君)  市では、東京都市長会を通じて、倉敷市に防災安全課事務職員1名を8月8日から8月16日の9日間派遣いたしました。従事内容は避難所運営でありましたが、倉敷市内の状況等も視察をしており、一級河川を多く抱えている当市が学ぶべき事項も多くありました。現在、被災状況及び初動応急普及等について、倉敷市の最終的な取りまとめ等がまだ完了していないことから、今後改めて情報を収集し、検証結果を職員間で共有し、当市の防災施策に役立ててまいります。
     以上でございます。 38 ◯議長(西野正人君)  田原茂議員。 39 ◯21番(田原 茂君)  ありがとうございました。  職員1名を派遣してですね、避難所運営など中心に仕事、お手伝いをしてきたと、こういうお話でございました。その中でも、9日間いたわけですから、それなりに学んだところはあると思います。そういった意味では、実感としてどういう状況であったか。または、どういうことが参考になったか。勉強になったか。わかれば、具体的なものがあれば教えていただきたいと思います。 40 ◯議長(西野正人君)  総務部長。 41 ◯総務部長(小平裕明君)  倉敷市での避難所では、避難者自身が避難所運営にはほとんど携わっておらず、自治体職員、福祉支援団体、ボランティア等が中心となって運営を行っており、被災自治体の受援体制の事前構築の必要性を感じたところです。また、倉敷市の避難所運営マニュアルでは、避難所運営委員会を発災後に設置することとしており、今回の災害における避難所運営について、当初は少なからず混乱があったように聞いております。  当市の地域防災会方式による避難所運営は、日ごろから顔の見える関係が構築されているため、よりスムーズな運営が可能であると考えており、今後も継続して推進をしてまいります。  以上でございます。 42 ◯議長(西野正人君)  田原茂議員。 43 ◯21番(田原 茂君)  ありがとうございました。  今後また真備町での検証結果等も出てくると思いますので、そのようなこともしっかりと日野市も情報を共有し、また、検証結果を学んで今後の日野市の状況に的確に適応できる、そういう体制を築いていっていただきたいことを要望しておきたいと思います。  次に、用水路の氾濫対策についてお聞きしたいと思います。  先日も新聞に用水路を守るという、前の職員だった方が中心になって、そういう会も立ち上げたということで、用水路は日野市の宝、水都日野の宝と、こういうふうにも言われているわけですけれども、これもやはり、河川と同じように、大雨が降れば、これもある意味では大いに脅威となるわけであります。洪水ハザードマップは完璧なものといっていいかどうかはわかりませんけども、ある程度のものが完成と言いたいでしょうけど、できていると。だけども、この用水路については抜けておるわけであります。洪水ハザードマップには入っておりません。そういった意味では、河川については、そのとおりの、恐らくあの洪水ハザードマップのとおりの浸水がなされるのでしょう。だけれども、用水路については何の情報がない。浸水状況は何も書かれていない。そういった意味では、これはある意味ではブラックホールというかですね、抜け落ちているということで、今回、この用水路の対策について、お聞きしていきたいと思います。  滋賀県では、大きい県単位でありますけれども、あそこは用水がいっぱいあるんです、滋賀県は。そういった意味で、条例でですね、大河川だけではなく、身近な水路の氾濫なども考えた地先の安全度マップというのを作成しています。これがある意味、洪水ハザードマップに変わるものでございますね。このような取り組みが日野市でもできないかどうか、お聞きしていきたいと思います。 44 ◯議長(西野正人君)  環境共生部長。 45 ◯環境共生部長(小笠俊樹君)  水路の氾濫対策、また、滋賀県の地先の安全度マップ等についてですね、お答えをさせていただきたいと思います。  ここ数年多発している集中豪雨や大型の台風につきましては、気象情報の収集、水門等の管理に万全を期すとともに、雨雲の接近を知らせるアプリなどで雨雲の状況を随時確認しております。  用水路の初動体制といたしましては、雨雲レーダーによって雲の流れを想定しながら降雨状況を予想し、多摩川や浅川から取水する水門を調整しながら、河川からの流入を抑制し、市内を巡回しながら降雨に備えております。  水路内のスクリーンの点検や清掃、可動堰の転倒、取水門の締め切り、排水ゲートの開門など、早目の対応を行い、水路の氾濫対策に努めております。  多摩川、浅川、程久保川などの河川につきましては、国土交通省の防災情報で水位を注視し、また、現地での目視を行っているところでございます。  国土交通省が設置しておりますライブカメラにつきましては、浅川の高幡橋上流左岸に加え、高幡橋下流右岸、平山橋上流右岸が増設され、また、多摩川につきましても、既存の日野橋に加え、栄町二丁目右岸が増設され、計5台のライブカメラによって市内の河川の現状把握を随時行っているところでございます。  滋賀県が公表をいたしました地先の安全度マップについて、お答えいたします。  滋賀県が作成、公表を行った地先の安全度マップにつきましては、自宅などの地先がどのくらいの水害リスクを有しているのかをシミュレーションにより示した図であり、雨が降ったときに自宅周辺の川や水路があふれ、浸水するおそれがあるのか、あふれた場合にどの程度の被害とあるかを明示したものでございます。  地先における身近な用水などの氾濫や浸水の可能性を示し、地域住民と情報共有するとともに、命を守るための避難行動や住まい方にもつなげてもらうために重要な情報であると認識しております。  今後、この滋賀県の情報や国土交通省が整備している洪水氾濫シミュレーションなども参考に、関係課と情報共有等を行い、調査・研究をしてまいりたいと思います。  以上でございます。 46 ◯議長(西野正人君)  田原茂議員。 47 ◯21番(田原 茂君)  ありがとうございました。  計5台のライブカメラ等においてですね、用水等、管理する河川との関連も含めて注視をしているという、そういうお話でもございました。しかし、この身近な用水路については、河川の状況と連動するとともに、地域の本当に身近なところでの危険度、こういったものをやはり今後、河川だけではなくて、用水路についても今まで以上に対策をしていかなければならないと、こういうふうにも思っている次第でございます。そういった意味では、この滋賀県がつくったこのような安全度マップ的なものを、ぜひ日野でもつくっていただきたいということを再度要望しておきたいと思います。  再質問でございますけれども、いわゆる用水等は、先ほど申し上げたように、増水してくると、これは皆様も御存じのとおり、柵があるところもあります。ほとんどは柵はないのが現状であります。そういった意味では、用水があふれてくると、道路と用水が全く区別がわかりません。実際にふだんからでも、落ちたという、こういう事例も多々あるわけでございます。これは雨が降ってくれば余計危険度が増してくるわけであります。そういった意味では、用水と道路の境をしっかりと示すようなものを、例えば全部とは言いませんけれども、要所、要所にポールを立てておくとか、そのような、いわゆる用水と道路をしっかりとたて分ける、そういったものを今後設置していく必要があるのではないかと思いますけれども、再質問としてお聞きしたいと思います。 48 ◯議長(西野正人君)  環境共生部長。 49 ◯環境共生部長(小笠俊樹君)  用水路の転落防止対策について、お答えしたいと思います。  最近の事例でございますと、石田地区でございますけれども、水路への転落事故が発生し、地元の自治会から水路整備要望が出され、自治会と協議し、約70センチの高さのロープ柵を設置した事例がございます。この転落防止対策につきましては、平成29年度と30年度の2カ年で実施中でございます。  また、栄町でございますが、老朽化した水路沿いの木柵が壊れ、転落事故が発生したことがございましたが、このことを受けまして、木柵の交換作業を平成28年度から順次進めてきております。今後も、水路の幅や深さなど、水路特性に応じて、安全面、浸水面、景観面などに配慮しながら、モデル的にも水路の転落防止柵の設置を進めてまいりたいと思います。  以上でございます。 50 ◯議長(西野正人君)  田原茂議員。 51 ◯21番(田原 茂君)  ありがとうございました。  個別の水路特性に関してというか、危険箇所を優先的にということでしょうけどもね、景観もあります。余りぽんぽん立てる、用水がある意味ではまちの景観になっているという、こういうものもありますので、それは配慮しながらも、やはり要所、要所の危ないところ、こういったところについては、深みがあるところですとか、そういったところを優先的に、しっかりと選択をしていただく中でも、必要なところについては満遍なくこういった注意喚起するポール等などを、また、木柵などをしっかりと今後もつけていただきたい。モデル的にもですね、しっかりとつけていただきたいと強く要望しておきたいと思います。  それでは最後に、防災教育について、お聞きしたいと思います。  あるところでは、小学生みずからが避難訓練計画をつくったり、まちの人に避難場所を知っているかと尋ねて、ビデオ番組をつくったりとかをしている、こういう学校も現にあります。そういった生徒・児童みずからが行動して、そして危険度という、実際の災害時での危険度、こういったものを身に感じるという、こういった、座学じゃなくして動いて、肌で感じて、または、目で、口で、聞いて、こんな形でですね、相手にも伝えてとかという、こういう実際の訓練を踏まえた教育、こういったものがこれから非常に重要になってくると思いますので、それを踏まえた防災教育について、今後の取り組みをお聞かせいただきたいと思います。 52 ◯議長(西野正人君)  教育部参事。 53 ◯教育部参事(宇山幸宏君)  子どもたちが災害時にみずから考え行動できるよう指導し、いざというときに行動できるような力を身につけさせることは大変重要だと考えています。  日野第一中学校区では、震災で保護者が帰宅困難となって学校に引き取りに来ることができない場合を想定し、一小、仲田小、四小に兄弟姉妹がいる生徒が各小学校まで迎えに行き、安否を確認する小中合同防災訓練を実施しております。御提案いただきました、小学生みずから避難訓練計画を作成している学校は、現在のところありませんけれども、子どもたちが主体的に考え行動していくことはとても大切なことであると考えております。  今後、児童・生徒が助けられる立場から、自分たちができることを考え、できる限りサポートする立場に立った行動ができるよう指導してまいります。  また、平成26年度に始まりました被災地に学ぶ生きる力プロジェクトにおきましても、生徒が気仙沼を訪問し、気仙沼中学校との交流を通して、自分たちにできることは何かを考えてきました。平成27年度は、全中学校で生徒会役員を中心に、地域のハザードマップを作成したところでございます。  今年度は5年目を迎える節目に当たりまして、初めて宮城県気仙沼市の中学生を日野に招いて、市内中学校全校の代表生徒と交流学習を実施したところでございます。  8月8日には、新町交流センターにおいて、伝えよう未来へ 創ろう未来へをテーマに気仙沼の中学生、日野の中学生、被災地に学ぶ生きるプロジェクトに中学校時代参加した高校生、気仙沼市の語り部の方、日野の保護者、地域の方々を交えた交流会を開催しました。  今年度は、本プロジェクトで学び考えたことを、中学校の校内だけではなく、中学校区内の小学校に出向いて発信するなど、新たな取り組みを実施する中学校もございます。  今回の西日本豪雨災害を受け、改めて防災教育を見直し、子どもたち一人ひとりが小学校段階から発達段階に応じてみずから考え、災害時に対応できる力を身につけることができるよう指導していきたいと考えております。  以上でございます。 54 ◯議長(西野正人君)  田原茂議員。 55 ◯21番(田原 茂君)  ありがとうございました。  日野第一中学校校区での小学校へ出向いての安否確認や、また、被災地に学ぶ生きる力プロジェクトの小学校に出向いて発信する取り組みなど、一歩進んだ防災教育をされていることがわかりました。大変すばらしい取り組みだと思います。このような取り組みは、今、第一中学校等で始まっているところでございます。全中学校校区へもぜひとも広げていっていただきたいことを要望しておきたいと思います。  それでは最後に、市長より御所見をお聞きして、終わりにしていきたいと思います。 56 ◯議長(西野正人君)  市長。 57 ◯市長(大坪冬彦君)  田原茂議員より、西日本豪雨災害に学ぶということで御質問いただきました。かなり細部にわたり問題提起をいただいたかなというふうに思っております。  冒頭に議員が述べられましたように、避難勧告860万人に対して実際避難したのは3万人にということでございます。多くは自宅で亡くなられた。正常性バイアスの問題、これを前提に対策をということで御指摘、御指示をいただいたところでございます。キーワードは、みんなで逃げるような地域コミュニティーをどうつくっていくのかということでございます。  地区防災計画について御質問いただきました。日野市としては、自主防災組織をつくり、それを中心に地域のコミュニティーをつくっていく。そのコミュニティーの力で、いざという場合にみんなで避難できる体制をつくるということでございます。御指摘のように、自主防災組織をつくること自体が目的になっていないかという御指摘は、改めて鋭い御指摘をいただいたと思います。実際にそれぞれの自主防災組織が具体的に先ほど御指摘いただいたような地区防災計画を担う担い手にまでするような、そんな取り組みがこれから必要かなと思っております。それについては、しっかりと各自主防災会に対し、必要な公的な立場での支援、そして、指示等をしていきたいと思っているところでございます。  タイムラインにつきましては、先ほどありました答弁にありましたように、以前に比べて一定のタイムラインの備えを持ち、今現在、実際に昨年も使いましたし、今、実際、図上訓練でも試しているというところでございます。  避難行動要支援者名簿についての御質問をいただきました。名簿をどう生かすかというところです。実際に名簿を配布する。そして、各自治会、自主防災組織を持って、それをどうするかということ。このテーマは、要は避難行動要支援者について、誰がその方をおぶって避難するのかという、あえて言えば、おぶると限りませんけれども、一言で言うとそういうことかなと。そこをきめ細かく実際どうするか、誰がその人をという話まで決めるかというところが、まだまだ決め切れていないことがあるかというふうに思います。私どもは、名簿については、自治会・自主防災組織が一定の条件で計画的なものを出した場合、それを条件に名簿を提供しているわけでございますが、そこから先の組み立てというのは、やはりそれだけでは、机上の計画だけではだめで、実際に日ごろからそういう訓練を時々する、また、そういう方がいなければそういう方を探し出して、避難行動要支援者の支援者として指定するなどという、きめ細かい行動が必要であります。それについては、まだまだこれからしっかり支援していかねばならないというふうに思っているところでございます。  それから、避難情報の伝達の方法についての御指摘をいただきました。防災無線について、なかなか今、密閉した家屋の中では聞こえづらい。聞こえる工夫もしているということは先ほど答弁をさせていただいたとおりでございます。声の調子を変えるとか、また、意味がわかる工夫というものがこれからますます求められているのかなというふうに思っています。その点でもまだまだ工夫が必要かなというふうに思います。  大雨と地震では避難場所が違うということをどれぐらい周知できるのかというのは非常に大切かなというふうに思います。そのための工夫として、多摩市のような想定の浸水の表示看板など電柱に設置するということについては、これから検討した上で、日野市でも実際にやっていきたいなというふうに思っております。  実際に防災マップを配っただけではなかなかわからない。それを見える化するという工夫も必要かなというふうに思います。  そして、実践的な防災訓練ということをいただきました。先ほど答弁させていただいたように、今、八つの地区に分けてということで、キャラバン方式で訓練を行いましたし、以前に比べると、いわゆる演出というか、セレモニー的な防災訓練から、実践的な具体的な訓練に徐々には姿を変えていると思います。この間ありましたように、ペットの同行避難等についても、新しい訓練ではやっていく方向もありますし、さまざまな創意工夫をし、実際に役立つ防災訓練ということで、少しずつ進化しているかなと思います。これからもさらに御指摘を受けて、実践的な訓練にしていきたいというふうに思っているところでございます。  備蓄について御指摘をいただきました。とりわけ今、大きな話題を集めている液体ミルク、これにつきましては、普通の通常の防災倉庫ですとかなり暑い中で劣化してしまいますので、そこに入れるというよりは、先ほど御指摘ありましたように、スーパー等、そういう業者から臨機応変的に供給してもらうような、そんな協定の締結なども検討していかねばならないというふうに考えております。  その上で、ガイドラインをというお話をいただきました。これは先ほどの問題と多分共通していますけれども、実際に自主防災組織・自治会がどこまでやるのか。先ほど申し上げましたように、誰が誰をおんぶしていって、どのように避難させるのかというようなことについてのガイドラインというものをこれからつくっていくのかなというふうに思います。自主防災組織をつくってきた。そして、それぞれが訓練を始めているけれども、さらにもう一歩進めなければ、迫り来る災害については乗り切れないというふうに思っております。  倉敷市の派遣については、この間、職員を派遣しました。これからこれについては学びながらいろいろな教訓を引き出してということで、しっかり対応していきたいというふうに思っているところでございます。  そして、滋賀県の地先の安全度マップについて御指摘をいただきました。早目早目の対応ということで、既に取り組みを始めておりますし、5台ライブカメラもつけております。ただ、この滋賀県の例というのは、先ほど申し上げましたハザードマップの見える化という点ですぐれた実例かなと思いますので、これも工夫していくのかなと思います。防災マップを配って終わりではもう対応できないのは西日本豪雨災害の教訓でありますので、それをしっかり御指摘を生かしていきたいなというふうに思っています。  用水について、用水については、先ほど答弁しましたように、早目早目の対応で、ある程度水害ですから予想がつきますので、事前に対応して、あふれないようにできているということはあります。ただ、そうはいっても、人間がやることでございますので、もしあふれた場合に、先ほど御指摘がありましたような措置を、ロープ柵を設置するなどについては臨機応変にやっていく、そんな工夫も必要かなというふうに思います。  それから、防災教育についての御質問もいただきました。この中で一番大きいのは、もちろん、一つは、いざというときに行動できるような力を子どもたちに身につけさせるということ。もう一つは、やはり中学生がキーになるかなというふうに思っております。高校生になるとほかのところに行ってしまいます。要は、昼間は、昼間であれば市外の高校に行く方も多いし、しかし、中学生はほとんど市内にいます。しかも、体も心もかなり大人になっておりますので、中学生については、答弁にありましたように、助けられる立場からできる限りサポートする立場に立ってということで、中学生の方々をいい形でサポートする立場でどう位置づけていくのかというのが、これから大きなポイントになるかなというふうに思っております。  いずれにしろ、いろいろ御指摘をいただいて、以前に比べれば、大分日野市の地域防災の体制も整備されてきましたけれども、まだまだ、今回の西日本豪雨災害を受けて、御指摘いただいたように、細かいところで詰めるべきところ、至らないところ、課題がたくさんございます。これらを早急に整理した上で災害に備える、それが私の責務でありますので、御指摘、御指導をいただきながらこれからも頑張っていきたいと思っております。  以上でございます。 58 ◯議長(西野正人君)  田原茂議員。 59 ◯21番(田原 茂君)  力強い、また、前向きな御答弁をありがとうございました。  以上をもちまして私の一般質問を終わります。 60 ◯議長(西野正人君)  これをもって田原茂議員の一般質問を終わります。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 61 ◯議長(西野正人君)  一般質問22の1、市民の理解が広がり、より実効性ある障害者差別解消条例の制定を願って!の通告質問者、中野昭人議員の質問を許します。     〔16番議員 登壇〕 62 ◯16番(中野昭人君)  それでは、通告に従いまして質問をさせていただきます。  日野市では、2年前の2016年8月から、障害当事者の皆さんとともに、障害者差別解消へ向けた取り組みを積極的に進めてきています。昨年3月には日野市障害者差別基本方針を策定し、差別解消基本方針を策定し、現在は障害者団体の代表、障害者の相談員、家族会代表、交通事業者や産業経済団体への代表、小・中学校の代表などの参加も得て、障害者差別解消へ向けた条例づくりが行われております。  そうした中、日野市において、障害者雇用促進法に基づく雇用率の暫定基準に照らして、14人にも及ぶ障害者雇用の水増し報告が行われたことが明らかになりました。障害者差別解消問題で積極的な取り組みを進めているこの日野市で、なぜこんなことが今日まで是正されることなく続けられてきたのか、質問に入る前に一言申し上げておきたいと思います。  この問題は、みずから法を遵守しなければならない率先垂範の立場にある日野市、行政による市民、障害者とその関係者に対する極めて重大な背信行為であり、重大な問題だと考えます。障害者の皆さんの働く権利、日野市という公的機関で働く機会を奪い、しかも、そうした重大問題との認識もなく、水増し、虚偽の報告を行っていたわけであります。  障害者の皆さん、市とともに条例づくりを進めておられる皆さんに走った衝撃、ショックは本当にはかり知れないと思います。この事態に対し、日野市からは、法令遵守への意識が希薄となっていた。算定条件の認識が甘かった。認識を改めて今後採用を進めるとの見解が示されております。しかし私は、なぜこの法令違反の水増しが放置され続けてきたのか、根本的な解明が必要だと考えます。2年前の4月、障害者差別解消法とともに施行された改正障害者雇用促進法実施の段階で、研修や検討は行われなかったのか。気づく職員は誰もいなかったのか。昨年3月の日野市障害者差別解消基本方針の策定、職員向けのハンドブックの策定と、その後の実践の中で、この問題に気づき、疑問を感じる職員は誰一人いなかったのか。さらに、昨年2月から3月に行われた障害者手帳保持者へのアンケートで、働く場、一般就労へのたくさんの切実な要望を把握しながら、市の職員障害者雇用のあり方になぜ目を向けることができなかったのか。  私は、改正障害者雇用促進法の条文においても、また、厚労省の障害者雇用率制度を開設しているホームページ上においても、手帳の保持者を算定対象としていることは、容易に確認できることだと思います。  これまで、市の職員の誰一人、算定の誤りに気づかなかったのか。気づいて疑問を呈した職員がいたのではないか。そのとき、組織内部での検討、対応はどうだったのか。改めて申し上げたいと思います。  私はこの問題の重要性を深く受けとめ、その原因を徹底的に調査・解明し、障害者、市民に全面的に明らかにすることは、市の重要な責任だと考えます。さらに、障害者、関係者、市民の参加で原因の究明と検証作業を行うことが欠かせないと考えます。そうした作業、取り組みが再発防止につながり、障害者雇用をめぐる行政の信頼回復への道を切り開き、さらには、本当に実効性のある生きた障害者差別解消条例へと必ずつながっていくと確信するからであります。心から重ねて求めておきたいと思います。  それでは、より実効性ある障害者差別解消条例の制定を願い、質問させていただきます。  この問題は、何度か、障害者団体、家族会、事業者、小・中学校、代表公募市民、市職員で構成されている条例づくりの検討会を傍聴させていただいてきました。とにかく丁寧で、皆さんの理解と合意を大切に進められて来ており、本当にいい条例をつくろう、つくりたいという思いがひしひしと伝わってまいりました。心より敬意を表するものです。その上で、よりよい条例づくりへ、議会、議員としても積極的に問題提起したり、提案したりすることは大切だと思い、今回、取り上げさせていただくことにいたしました。  私がこの条例づくりで大切だと感じている考え方、論点、具体的な政策に絞って、質問、提案をさせていただきます。  第1は、障害者の差別解消という条例の必要性についてであります。国で法律が、東京都で条例がつくられている中で、日野市として条例をつくる意味をどう考えるか。その意義について市はどう考えているのか、改めて確認をさせていただきたいと思います。 63 ◯議長(西野正人君)  答弁を求めます。健康福祉部長。 64 ◯健康福祉部長(赤久保洋司君)  条例の制定に至った必要性と、個別の条例を制定する意義についてでございます。  市では、障害者基本法に基づく障害者計画を平成17年度より策定しており、最初の計画から障害者差別の禁止や共生社会の実現に向けた施策を掲げ、障害者週間等を活用して、障害理解の浸透に努めてまいりました。  一方、国では、平成25年の障害者権利条約の締結を機に、障害者基本法の改正や障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律、いわゆる障害者差別解消法が制定され、施行されてございます。市では、この差別解消法の施行を受けて、平成23年3月に日野市障害者差別解消基本方針を策定し、障害者への差別解消の推進に関する市の方針を示してございます。  この基本方針の策定には、市民、障害当事者、学識経験者、市職員で活発な意見交換がなされ、その議論の中で健常者が当たり前のこととしていることが障害者にとっての差別であること。また、具体的な差別内容を広く市民に知ってほしいといった共生社会実現を目指すために超えなければならない課題の提起がされてございます。  また、この部分は、障害者団体との対話の中においても団体から意見として伺っていたことから、市として障害者への差別をなくし、誰もが分け隔てなく生活できる共生社会を創造するためには、基本方針より一歩進んだ形での取り組みがないと障害者への差別はなくならないと、こういった危機感から、条例の制定の必要性を認識したところでございます。  以上でございます。 65 ◯議長(西野正人君)  中野昭人議員。 66 ◯16番(中野昭人君)  改めて私のほうからも提起をさせてもらいたいと思いますが、なぜ日野市という基礎自治体レベルでの条例が必要なのか。そのことを基礎自治体のそもそも論に照らして、あるいは、実態に照らして整理、理解しておくことは、この条例の正確な中身を定めていく上で非常に大切だと感じているからであります。
     個々人の権利、基本的人権が毀損され、さまざま侵害されるような場面は、市民生活の日常の中で起こり、よって、その把握や対応も、当たり前ですが、市民に最も身近な基礎自治体において行われております。  身近なところで個別具体的に起こっている差別や権利侵害に対しては、できるだけ具体的な基準、物差しをつくって対応していくということが必然的に求められてくるということだと考えます。  実際に国で法律がつくられ、東京都で条例がつくられてきましたが、国の法律では、障害者差別の解消をめぐる大きな一般原則が、東京都の条例では東京全体という大きなフィールドにおける共通基準が定められている限りであり、具体的な日々生起する差別や虐待をめぐる課題に対応する基準としては、その具体性、実効性に欠ける、どうしてもそうならざるを得ないし、そうなっているというふうに思います。  ですから、日野市でつくる条例というのは、障害者差別をめぐる当事者、関係者の参加で、できるだけ具体的で実効性のあるものにすることが求められるし、そこにこの条例の最大の意義があるというふうに考えます。  その上で市の考えを伺いたいと思います。私は、この条例は、いかに実効性を持たせるか、どのような実効性を持たせるべきか。いずれにしても、市民生活の日常に根差した、より実効性ある条例にしていく必要があると考えます。市はどんな問題意識、目的でこの条例づくりを進めておられるのか、改めて伺っておきたいと思います。 67 ◯議長(西野正人君)  健康福祉部長。 68 ◯健康福祉部長(赤久保洋司君)  実効性がある条例とするため、市としてどんな問題意識を持って取り組んでいるかについてでございます。  条例の検討に当たっては、平成29年11月に、(仮称)日野市障害者差別解消推進条例策定検討委員会を設置し、平成30年8月までに8回の委員会を開催しております。委員会には学識経験者、市民、障害当事者、関係団体、交通事業者、産業経済団体、教育機関、市職員など18名の委員により、条例素案について検討を進めているところでございます。  この委員会での検討に当たり、まず、市内で発生した障害者への差別事例の共有や、先進市などの条例の比較など、基礎知識の共有を図りながら、さらに、条例素案全般にわたる視点を理念として定め、共通の考え方を確認しております。  また、本委員会は、各委員から御意見をいただき、適宜条例素案に修正を加え、十分議論ができるよう、丁寧に委員会を進めているところでございます。  このため、条例制定、施行までには時間を要する見込みですが、実効性のある条例とするために委員会で十分に条例素案を検討し、障害への理解も深めながら、よりよい条例素案となるよう、現在、検討してございます。  特に、健常者が理解不足のために無意識に差別をしていることなど、改めて認識してもらえるよう、分野別に差別内容等を盛り込むことで、誰にも理解できてわかりやすいものとして、実効性の高い条例にしたいと考えております。  また、障害者差別解消法では、事業者の合理的配慮は努力義務とされていましたが、東京都では平成30年10月から施行される東京都障害者への理解促進及び差別解消の推進に関する条例で、事業者への合理的配慮を義務としております。  東京都の義務化に伴い、市でも条例素案の中で事業者への合理的配慮の義務化を検討しておりますが、事業者の方にどのように周知し、理解を深めていただくのか、東京都とともに、今後、対応等について検討、調整していく必要があると考えております。  また、市としてこの条例について重要と考えていることは、条例が制定されることで、市民、事業者への障害理解、差別解消に向けた取り組みや配慮が浸透し、市が共生社会の実現に向けて継続して取り組みを進めることが障害者の差別解消に向けて何より重要なことであり、今の社会は健常者にとって生活しやすい環境となっていますが、障害者にとっても生活しやすい環境にしていかなければならないところにあるというふうに考えてございます。  以上でございます。 69 ◯議長(西野正人君)  中野昭人議員。 70 ◯16番(中野昭人君)  東京都の義務化された条例についても御紹介がありました。日野市もそういう方向でということなんですが、東京都がなぜ民間事業者に対する合理的配慮の提供について義務化をしたのか。努力義務から一歩踏み込んだのかということについて、その背景は、東京2020大会、オリンピック・パラリンピックの主催する都市としてのありようと深くかかわっております。当然、国際的水準となっている社会的障壁の除去という問題は、このオリンピックを開催する東京においてはクリアしなければならない前提中の前提ということだと思います。私はこの方向は非常に大事なことだと思いますが、同時に、この義務化した中身についてよく見てみると、限界というか、課題も抱えております。パブリックコメントを読ませていただいて、東京都の回答を見ると、義務化したとはいっても、施設の整備等々、要するに、バリアフリー化を進める等々については義務化の対象ではないと。あくまでも個別の対応で、過重な負担にならない範囲において行われるべきものだというふうにとどまっているところです。  ここ、地方自治体、市町村、日野市として、どういうふうに理解をし、進めていくことが求められるのか、検討が必要な中身でもあります。そのことを踏まえて、私は、日野市の条例を市民の日常、現実に根差した実効性ある中身にしていく上で大事だと思っている論点、あるいは、制度設計について、3点提案をさせていただきたいと思います。  一つは、具体的な差別事案に対する対応、取り組みに関する制度設計についてです。  人に対する差別というのは、人間的にも、法のもとの平等をうたっている憲法に照らしても、決して許されない行為、犯罪であります。その認識を持ち、共有することは、絶対に欠かせないことです。同時に、差別意識や偏見というのは、そうした罪への認識、あるいは、強力な罰則を科すことによって取り除かれ、解消が進むというものでもないことも明らかだと思います。そうした処罰手法は、かえって差別感情を増幅させ、憎悪の念を駆り立てることにもつながりかねないと考えるからです。  大事なのは、人間の尊厳とは何か、差別とは何か、なぜ差別がだめなのか、許されないのか、日々の生活の場面で日常的に学び合うこと、いわゆる交流教育にとどまらず、日常の学校教育、あるいは社会教育の中で、障害を持つ人と、持たない人がともに生活する中で学び、育んでいくこと、そうした環境をつくることが非常に大切だと考えます。  この間、処罰を科すことで、あるいは、厳罰化で人の心や行動をコントロールしようという手法が、司法の分野においても教育、生活保護のさまざまな領域においても広がってきているように思いますが、私は、この条例というのは、そうした考え方、手法とは最も遠くにあってほしい、あるべきだと考えます。真に教育的で啓発と利害促進によって差別をなくしていく、そうしたベースの上につくられるべきだと思います。そのベースの上に問われる差別事案への対応も相談、調査、あっせん、勧告、公表という警報罰等によらない手法で制度が設計されることが望ましいと考えるものであります。  第2に、障害者差別解消の取り組みについて、どう継続し、解消を進めていくのか、その仕組み体制をつくるという問題です。この点では、私ども市議団として、この7月に視察した別府市の条例と、その制定後の取り組みは大変示唆的だと感じました。市役所の各ボードに障害者の差別解消に向けた取り組み方針、計画をつくり、その結果と課題について検証を行い、翌年の計画に反映させる、そうした継続的で粘り強い推進体制を条例に明記し、構築し、実践している。非常に大切な視点だと感じました。  市も、条例に障害者差別解消支援地域協議会を位置つける方向を打ち出していると思いますが、この協議会を、差別事案への対応協議にとどめず、毎年の差別解消の策定、計画の策定、そして実行、検証を行う場と位置づけて、条例の実効性を確保していただきたいというふうに思います。  第3に、民間の事業者等による合理的配慮の取り組みを誘導、支援する助成制度をつくることをぜひ提案したいというふうに思います。  先ほど紹介した東京都の条例、合理的配慮の提供については、そうした施設整備、バリアフリー化については対象外となっていますが、私は、民間事業者の方々がそうしたバリアを取り除くための取り組みをバックアップしていく、支援していくことが大変大事だというふうに思います。コミュニケーションボードやチラシの翻訳など、コミュニケーションツール作成への支援。筆談ボードや折り畳みスロープなど、物品購入への補助。スロープや手すりなどの設置工事への補助など、誘導施策を日野らしくぜひ導入し、進めていただきたいというふうに思います。  以上、3点提起をさせていただきました。市の考えをお伺いしたいと思います。 71 ◯議長(西野正人君)  健康福祉部長。 72 ◯健康福祉部長(赤久保洋司君)  3点の要望をいただきました。それぞれ答弁をさせていただきます。  まず、条例の制度設計についてでございます。今回の条例素案では、障害者差別に関する相談があった場合、その受付窓口を市及び市が指定する相談機関に相談できるよう検討しております。また、相談があった後は、障害福祉課が情報を集約し、有識者等からアドバイスをもらい、その対応方針を定めて、速やかに差別の解消に向けて、事業者等への情報提供、調査及び助言、関係者間の調整等ができる体制、仕組みとすることを検討しているところでございます。  また、条例を実効性のあるものとするため、市が調整や助言等を行っても、事業者等の差別解消に向けた対応が進まない場合には、市長が専門機関へ諮問し、答申を経て、あっせんを行う仕組みを考えており、さらに、市長が行ったあっせんにも従わなかった場合の勧告、さらに、勧告にも従わなかった場合には公表までしていくといった仕組みを今回の条例に取り入れていく素案を提示する予定でございます。  2点目の、条例制定後の、差別の相談事例や、差別解消の取り組みなどの点検についてでございます。  条例制定後の相談事例の点検と差別解消の取り組みの点検については、障害のある方を含む関係事業所等で構成する(仮称)日野市障害者差別解消支援地域協議会を設置し、毎年点検等を行っていきたいと考えております。  相談事例については、協議会において、情報共有と協議を通じて、事案の解決の取り組みや改善等についての意見を伺い、公表していく予定でおります。  また、条例制定後の取り組みについては、取り組み内容を障害者計画等に落とし込み、計画のPDCAサイクルで管理し、進捗状況を当該協議会に報告し、意見を伺い改善を図っていく予定でございます。  今後、この協議会の役割等についてさらに検討を行い、差別解消の取り組み、施策が確実に推進されるよう仕組みづくりを行ってまいりたいと考えております。  最後に、明石市のように小規模事業者への合理的配慮に対する助成ができないかという点についてでございます。  明石市では、商業者などの民間事業者、自治会などの地域の団体、サークルなどの民間団体に対して、合理的配慮の提供支援に関する公的助成としてコミュニケーションツールの作成費、筆談ボードや折り畳みスロープ等の物品購入費、簡易スロープや手すりの取りつけ等の工事費の助成を行っております。  東京都では、平成30年10月から、条例により事業者への合理的配慮が義務となることから、市においても事業者への合理的配慮の義務化を条例素案として検討しております。  この条例素案の中では、事業者等への合理的配慮に対し、必要に応じて支援することを掲げておりますので、東京都や多摩地区の取り組み状況、先進市等の情報収集を行い、事業者が行う合理的配慮に対して具体的な支援の内容等について検討し、条例がより実効性の高いものとなるよう考えていきたいと思ってございます。  以上でございます。 73 ◯議長(西野正人君)  中野昭人議員。 74 ◯16番(中野昭人君)  最後に、市長にお伺いしたいと思います。  市長も、2年ほど前の議会でも、この条例は理念条例にとどまっては意味がないと。いろいろな形で事業所レベルにおいてどう実現していくのか、そのことに問題意識を持って条例づくりに励みたいという趣旨の答弁をされております。実効性といった場合、強力な強制力を持たせることによって担保しようとするのが通常の考え方ですが、この条例においては、私は、実効性の確保のあり方はよく考えなければならない問題だというふうに考えています。  日常生活での啓発による理解の促進や学校教育や社会教育の日常の場面における理解の促進を重視していくこと、あるいは、毎年毎年粘り強く差別解消計画を策定し、実行し、検証する、この営みを繰り返していくこと。そして、民間事業社へのバリアフリー化促進に向けて積極的な支援を行っていくことなどが、この条例の性格や位置づけにふさわしい実効性のあり方、担保のあり方ではないかというふうに感じております。  市長の見解を最後に求めたいと思います。 75 ◯議長(西野正人君)  市長。 76 ◯市長(大坪冬彦君)  中野昭人議員より、市民の理解の広がり、より実効性のある障害者差別解消条例を願ってということで御質問をいただきました。  冒頭、日野市の障害者雇用における問題に御指摘をいただきました。なかなか、共生社会を目指すこの条例を進める上で、なかなか厳しい心理状態でここに立っているところでございます。  この差別解消条例をつくる前に、ちょうど2年前ですかね、明石市の条例が既にありました。その条例をつくった車椅子の方が担当課長さんでしたが、日野市に来ていただいて講演会を開いております。すばらしい内容だなと思ったところでございます。  日野市で、この問題、差別解消の取り組みを始める場合に、当然条例でいくべきであるし、条例でいくならば明石市の例を参考にせよという形で職員に指示をして、今までここまで来たというのがこれまでの経過でございます。  その上で、先ほど部長答弁にありました、この差別解消条例にかける思いということ。そして、実際にかなり幅広い当事者を含むメンバーでこの話を進めております。そして、条例制定から施行までには時間を要するし、また、急いでつくる条例ではない。当然、2年条例でありませんから、実効性のある条例をつくりたいということで、時間をかけてやりました。その上で、同時並行で東京都のほうも条例ができたので、それとの連携も意識しながら、鋭意条例案を今、精査しているところでございます。  その上で、議員からいただきました、共生ではなく、あっせん、勧告、公表ということでございます。言うまでもなく、罰則等を前面に出す気はございませんし、この問題はやはり、この条例が効果を上げるためには、条例によって一定の働きかけをすることと、もう一つは、議員が言われましたように、日常的な学校生活、市民生活、企業の活動、いろんなところでの差別解消の意識が高まっていくこと、この両方が相まって初めてこの条例は実効性を持つというふうに考えております。  ただ、やはり、あっせん、勧告、公表などについては、先ほど部長の答弁にありましたように、しっかりやっていきたいと思っております。というのは、やはり、障害者の方と日常生活における企業、そして、お店の方、いろんな市民同士の民民のやはりトラブル、そして、合理的配慮をめぐる差別の問題が多分多発、今も多発しているし、それが問題になって、それをどうするのかという相談が当然来ます。それに対してどう答えるかということがあります。当然そこは罰則ではないけれども、先ほど申し上げたような対応をしっかりしていくということは必要かなというふうに思っております。  その上で、実際に明石のような合理的配慮を提供する市政の仕組みがということでございます。これにつきましては、先ほど部長答弁にもありました、同等にできるかどうかはわかりませんけれども、この形もとっていかなければ、やはり条例が形骸化したものになってしまいますので、行政としても当然必要な支援というものは、ある程度の財政支出はしようがないかなというふうに思っております。  その上で、御指摘いただきました大分県別府市のような計画の点検作業、そしてチェックですね。それについてはしっかりやっていくということになります。単なる計画、条例の形式的なチェックではない実質的な点検等を行っていく。そんな形で単に条例をつくるだけではなくて、条例を策定にお力をいただいた方々のお力を引き続きおかりしながら、そういうこともやっていきたいと思っております。  いずれにしろ、来年度を目指して、今現在、策定作業中でございますので、ただ、いろんな問題を克服していかねばなりませんけども、引き続き御指導をいただければと思います。  以上でございます。 77 ◯議長(西野正人君)  中野昭人議員。 78 ◯16番(中野昭人君)  以上でこの質問を終わります。 79 ◯議長(西野正人君)  これをもって22の1の質問を終わります。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 80 ◯議長(西野正人君)  一般質問22の2、黒川清流公園内の水路の白濁問題についての通告質問者、中野昭人議員の質問を許します。     〔16番議員 登壇〕 81 ◯16番(中野昭人君)  黒川清流公園内にある湧水群は、文字どおり日野を代表する湧水群であり、早くから親水公園として整備され、ホタル、カルガモ、カワセミほか、さまざまな生物が生息し、保育園や学童クラブ、学校の子どもたちの学びと遊びの場、親子連れの市民の憩いの場として多くの人々に親しまれてきました。この地域にお住まいの人の中には、黒川清流公園の環境のもとで暮らしたいと移り住んできた方も少なくないと伺っています。  そんな緑と清流のまち日野の象徴であり、多くの市民に親しまれている黒川清流公園の湧水に重大な影響を与えかねない事態がこの夏、発生いたしました。段丘上部の高層マンション建設事業に起因するものと考えられています。  それでは、先日の新井議員の質問と答弁を踏まえて、この問題の一連の経過における日野市の対応と認識に絞って伺っていきたいと思います。  最初に2点伺います。一つは、白濁などの現象が確認されて以降、市はどんな対応を行ってきたのか、御説明いただきたいと思います。  いま一つは、当初から懸念されていた高層マンション建設事業について、計画の段階から今日の事態に至るまでの日野市自身の対応について、どう市は認識しているのか、率直なところをお聞かせいただきたいというふうに思います。  以上、2点伺います。 82 ◯議長(西野正人君)  答弁を求めます。環境共生部長。 83 ◯環境共生部長(小笠俊樹君)  このたびの黒川清流公園内の白濁の発生したことについて、お答えしたいと思います。  まず、7月21日にですね、白濁水の発生ということで、大きな異変が黒川清流公園の湧水池で行われました。ただし、そのことを7月25日に黒川清流公園の湧水池の白濁水の発生という報道発表を行いましたが、その前兆といたしまして、7月3日、4日、5日の3日間でございますが、カワセミハウスに近い黒川清流公園の西にございますあずまや池で薄い白濁りがございました。この通報を受けて現地を確認し、その後、7月6日には薄い白濁りが治まったことから、状況を経過観察してまいりました。  崖線上部で行われているマンション建設工事による影響が考えられたため、7月13日、あずまや池の薄い白濁りに関して、マンション開発事業者と協議し、どのような施工上の対策が考えられるのかを協議してまいりました。その後、7月14日になって再度湧水量の減少の通報を受け、現地確認してまいりました。3連休の中でも該当箇所の湧水量の減少を確認し、湧水減少への対応状況については状況の観察をしてきたところでございます。  しかしながら、7月21日になりまして、黒川清流公園の中央部に位置する湧水池の白濁が発生し、さらに、7月22日には、湧水量が減少していた箇所が枯渇している状況を確認いたしました。この間、7月3日から7月21日までの間の水質汚濁に対する初動対応につきましては、庁内での情報共有を行っておらず、マンション開発事業者とのくい打ち工事の一時的な中止の協議など、わずかな兆候でも迅速に対応すべきことを怠ったことにつきましては、まことに申しわけなく思っている次第でございます。  その後、7月21日の湧水池の白濁以降、庁内での情報共有、理事者報告を行い、東京都と連携し、7月25日の黒川清流公園湧水池での白濁事故の報道発表、その後の原因究明のための水質調査などの実施につきまして、マンション開発事業者と協議を行っており、9月6日に報道発表したとおり、白濁水の原因はマンション開発事業者のくい基礎工事が原因であることが明らかになりました。今回の初動対応につきまして、しっかりとした対応がとれず、事態が深刻化したことについて、初動体制の不備については反省しているところでございます。  今回の教訓としまして、わずかな兆候でも迅速に庁内で情報共有を図り、その上で対策を立てていくことを今後徹底してまいります。その中で、再発防止として湧水の保全を図るため、専門家の入った検討委員会を立ち上げ、くい基礎工事に伴って、白濁の発生しない工法の選定、湧水枯渇に至った原因の調査。その結果に基づく対策を検討する準備を進めているところでございます。  以上でございます。 84 ◯議長(西野正人君)  中野昭人議員。 85 ◯16番(中野昭人君)  今、プレス発表と異なる事実の答弁がありました。プレス発表では、7月21日9時30分ごろ、住民の方から日野市に対し水路が白濁しているとの通報があったと。これを受けてこういう対応になったというプレスリリースになっているわけですが、事実は7月3日、4日、5日から日野市は把握をしていたということで、初動の対応の不備について部長から答弁がありました。  しかし、私たちが聞くところによると、この白濁の現象というのは、さらに、6月下旬から発生していたと関係者からの情報、話も出てきております。6月後半から濁り始め、その濁りは東へと移っていったと。また、そもそも事業者とは、ことしの2月の時点で異変が起きたら工事をストップすることになっていたが、結果として7月22日までとまることはなかったんだと、そんな話も伺っているところです。結果、湧水水路が一部枯渇をするという事態にまで事態が深刻化するというふうになったわけであります。  私は、この問題も、日野市の法例というか、条例に対する姿勢が問われているというふうに思います。御存じのとおり、日野市は水辺の環境を守るために、1976年に全国初の注目の清流条例、いわゆる清流条例を制定し、2006年には、湧水や地下水も含めた水辺の保全を目的に条例が全面改正され、清流保全条例へと位置づけ直したわけであります。それほど湧水や地下水の保全を図るんだという立場を、市は内外に明らかにしてきています。  清流保全条例第14条ではこうなっています。水辺の異常対応ということで、市は、市内の水辺に異常が認められたときは、速やかに対策を講じるとともに、必要に応じて国や関係地方公共団体に連絡し、協力を要請するものとする。また、15条において、水質汚濁が明らかに認められるときは、事業者に対して速やかに水質汚濁防止の措置を講ずるよう指導しなければならないと。こうした日野市の条例に照らして、市の初動対応はどうなったのか、検証が必要だというふうに思います。  次の質問に移りたいと思います。  計画が持ち上がった当初から黒川湧水群への影響が懸念されていた段丘上部の高層マンション建設事業は一体どういう規模、中身の事業なのか、マンション建設の総戸数、マンションの棟数、基礎のくいの総本数、くいの直径、くいとくいの間隔、くいの長さ、支持層はどの層に設定されているのかなどについて、御説明いただきたいと思います。 86 ◯議長(西野正人君)  まちづくり部長。 87 ◯まちづくり部長(宮田 守君)  開発事業の詳細、特に区域層のことについての詳細でございます。  計画戸数は世帯向けの住戸が637戸、計画棟数が6棟でございます。また、基礎くいについてでございます。基礎くいの本数は全部で142本となってございます。また、基礎くいの直径でございますが、軸の部分で、主に1,400ミリメートルのくいが多く設置されております。  続いて、くいとくいの有効間隔でございますが、代表的なところで4,600~4,850ミリメートルの箇所が多くなってございます。  続いて、くいの長さでございますが、34から38メートルとなってございます。  最後にくいの指示地盤でございますが、上総層群、第二砂層ということで計画がされております。  以上でございます。 88 ◯議長(西野正人君)  中野昭人議員。 89 ◯16番(中野昭人君)  段丘上部のマンション建設事業に当たっては、基礎くいが何と142本も打たれる計画になっていました。くいが平均で1.4メートルということですので、くいとくいとの間、恐らく軸を中心に設定するとすれば、先ほど4メートル50ぐらいと言われましたけども、もっと間自体は狭くなっているのではないかと想像できます。こうした事業だけに、地下水に与える影響はいかばかりかと懸念が、関係している市民からも出されてくるのは当たり前だというふうに思います。  恐らく日野市もそうした懸念があったはずです。ですから、日野市も、まちづくり条例に基づく事前協議の手続の段階から、この湧水群や地下水を保全するためにさまざまな指導協議事項を設けて、指導を行ってきました。  まちづくり条例第71条の開発事業に関する協定の中の事業者との指導事項履行確認書、これが出されております。条例上の位置づけと効力を持った確認書です。この確認書で、湧水や地下水を保全するために12項目にわたる事項が定められております。この事項で、特に私が大事だと思っている3点に絞って伺いたいと思います。  この事項の第1番目に、現在計画している建物計画の位置を北側に変更し、東豊田緑地保全地域に隣接する黒川清流公園の湧水群の湧水保全に努めることとあります。この指導事項履行確認書のこの確認事項はどうなったのでしょうか。どういうやりとりが行われたのか。結果はどうなったのか、確認をしたいと思います。 90 ◯議長(西野正人君)  まちづくり部長。 91 ◯まちづくり部長(宮田 守君)  まちづくり条例に基づく市としての指導の一部ということで、答弁をさせていただきます。
     まず、事業者との協定書の締結までの対応について御説明させていただきます。  平成30年2月26日に、まちづくり条例に基づき、事業者との協定書を締結しております。その中で都市計画課では、まちづくり条例に基づく協定の締結前に、平成29年3月から1年をかけて、豊田駅周辺まちづくり協議会での御意見や市としての考え方に基づき、事業者に対し、公開性の高い土地利用とするよう、既存樹木を保全しながら、街区の中心部を貫通する緑の回廊及び回廊と周辺道路を結ぶ歩行空間を確保することや、緑地通り沿いに長大な建物が建つことによる圧迫感を軽減することなどを求め、住棟配置について協議を行ってまいりました。  この協議では、事業者のほうでは一部配当計画を変更するなど多くの点で合意することができましたが、建物配置を北側に変更することに関する協議は成立しなかったところであります。しかしながら、今後、事業者が何らかの理由で事業計画を変更する場合に、建物配置計画の変更の可能性を消すことなく、可能な範囲で建物配置計画の変更に努めていただくよう要請を続けるために、このことを指導事項として協定書に記載したところでございます。  以上でございます。 92 ◯議長(西野正人君)  中野昭人議員。 93 ◯16番(中野昭人君)  この指導事項は、私は極めて重大、重要な意味を持つというふうに思っております。一般的に言って、工事の影響に伴う地下水の変化や水位の低下は、施工現場に近いほど当然大きくなるわけですし、遠いほど影響は小さくなる、これは当たり前のことで、だからそういう指導を、離せと。黒川湧水に近い南側に配当計画がなされているのを、北側へと離せと、離すべきだと、そう指導事項で求めてきたわけでありますが、これが実らず今日に至っているということであります。  さらに伺いたいと思います。6点目にあります、事業者は、基礎くいの設置について、地下水への影響を最小限にとどめるような工法を選択するとともに、水質汚染のないよう配慮するというふうになっております。この工法をめぐって、今回白濁という形で発生したベントナイトの使用をめぐっては、どんな協議が行われたのか。適切な対応が行われたのかどうかを確認したいと思います。 94 ◯議長(西野正人君)  環境共生部長。 95 ◯環境共生部長(小笠俊樹君)  平成30年2月に結びました指導事項履行確認書に至る以前の協議といたしまして、平成29年11月から事前協議を行い、くいの材質、くい打ちの工法、観測井戸の設置箇所や設置数、工事着手前、施行中、完成後の地下水のモニタリングや湧水の流動モニタリングなどの協議を行ってまいりました。特に、くいの材質や工法につきましては、場所打ちくいをエコくいなどの既存くいに変更し、地下水への影響を最小限に抑えるなど、協議をしましたが、マンション開発事業者のこれまでの経験から、事業者が検討しているくい基礎工法は湧水などに影響を与えないとの説明があったため、市もこれを容認して、工事が始まった次第でございます。  以上でございます。 96 ◯議長(西野正人君)  中野昭人議員。 97 ◯16番(中野昭人君)  市としての見識が、私はここは問われているのではないかというふうに思います。実は、この計画に先立って、多摩平団地の建て替え事業が行われております。都市基盤整備公団が行ったわけでありますが、2000年に環境影響調査、環境アセスが行われています。その中で、湧水や上水道、用水、地下水を保全するために、市としてのやりとりを踏まえて、公団はこう説明をしております。水質汚濁の危険についてどう対応するかと。工事中には地盤改良に伴う薬液注入工法は採用しないと。くい工事は、オールケーシング工法を採用することにより、白濁の発生するおそれはないと。ベントナイト等の溶液を使用することによるリスクについて懸念がある中で、それを使用しないんだと。オールケーシング工法でいくから大丈夫なんだというふうに、細心の注意ややりとりを踏まえて、こうした環境アセスの報告書が上がっているわけであります。  私は、事業者が大丈夫だからといって、そのままそれを受け入れるのか。市としての主体的な見識が、あるいは判断が問われたのではないか。2000年にこうした見識も、公団ですけれども示されて、日野市もこれを把握していたわけであります。はずであります。どうしてこんな事態になったのかも、改めて検証が必要だというふうに思っています。  いま一つ、最後に伺いたいことがあります。この12項目のうち、私がゆるがせにできない大変重大な問題だと感じている項目です。  3番目になっていますが、地下水に影響がないよう観測井戸を設置し、継続的な調査と調査結果の検討を行った上で建設工事を行うこと。また、調査資料を提出することとあります。工事が行われる前に調査資料が提出されたのか。あるいは、調査を行われたのか。含めて確認をしたいと思います。 98 ◯議長(西野正人君)  環境共生部長。 99 ◯環境共生部長(小笠俊樹君)  先ほど述べさせていただいたとおり、マンション開発事業者とは平成29年の11月から事前協議を行っているところでございます。そして、地下水に影響がないよう、観測井戸を設置し、継続的な調査と調査結果の検討を行った上で建設工事を行うこと。また、調査資料を提出するなどの指導事項履行確認書を交わしているところでございます。  事前協議の段階で、協議の後に控える各種許認可手続の前に協議を行って、適合性の審査を行うものであるため、未確定な部分を含んだまま協議を進めざるを得ないことがございます。例えば、協議に必要な図面などが不足していた場合、必要に応じて事業者に対して不足していた図面を追加提出させるものでございます。  本開発事業に関しましても、事前協議の受付後、清流保全条例に基づく協議を並行して行っております。  そして、平成30年3月にくい基礎に関する資料の提出を受け、協議を行ってまいりました。今回は、事業者に計画変更の余地を残し、黒川清流公園の湧水への影響に関する協議の期間を長く確保し、地下水のモニタリング調査などについてしっかりと対応させながら計画を進めることが本市にとってもよいのではないかと判断いたしました。  しかしながら、市とマンション開発事業者との間で、地下水の状況を測定するモニタリング開始時期につきまして、くい打ちの開始前からなのか、もしくは、くい打ちと並行してから行うかなど、双方の認識に差異があったことなど、協議での履行事項について疑義が生じていた課題解決の対応についても反省すべき点があったと思っております。  以上でございます。 100 ◯議長(西野正人君)  中野昭人議員。 101 ◯16番(中野昭人君)  私の質問に答えていただいていないんですが、観測井戸は工事に設置されていたのか。設置されていないと、工事による影響について検証しようがないわけですね。だから、それを求めているわけです。しかも、調査結果を検討して、その資料を行政に報告するようにと求めているわけです。先ほど清流保全条例のことを紹介されていましたけれども、清流保全条例も、第12条でこのことを明確に求めているんですね。工事着工によって地下水へ影響を与えかねない事案について、それを防ぐために調査をやる必要がある。観測井を入れて、地下水がくいを打つことによってどういうふうに影響するのか、一般的には水位が下がるというふうに考えられるわけです。水位が下がれば、湧水が湧き出ているところよりも、水位が低くなれば、当然湧水が沸き上がってこないわけです。そのリスクがあるからこの調査をしっかりやるようにと、これが前提だと表明しているわけです。  もう一度確認したいと思います。調査は行われたのか、行われずに工事着工に至ったのか、そこを確認したいと思います。 102 ◯議長(西野正人君)  環境共生部長。 103 ◯環境共生部長(小笠俊樹君)  地下水の状況を測定するモニタリング開始時期につきましては、くい打ちと並行して行い始めたものでございます。  以上でございます。 104 ◯議長(西野正人君)  中野昭人議員。 105 ◯16番(中野昭人君)  何をおっしゃっているんですか。私は資料を見せてもらっているんですけど、一番大事な下流側、くいを打った下流側の地下水位の低下が懸念されるので、下流側に2本観測井を設けていることが明らかなんですが、いつ設けたのか。7月22日以降ですよ。(「うそをついたらだめだよ」と呼ぶ者あり)私はごまかしてはいけないというふうに思います。これは、湧水を保全する日野市を初め、あるいは国分寺市の条例を見ても、肝中の肝として、必ず観測井を設置させて調査をやる。その結果だめだったら変更させる。そうでなければ着工させない。そうした条例もつくっているわけです。日野市も同様の条例をつくっているはずです。履行確認書まで定めているわけです。なぜこれがほごにされたのか、もう一度答弁をお願いします。 106 ◯議長(西野正人君)  環境共生部長。 107 ◯環境共生部長(小笠俊樹君)  市とマンション開発事業者との間で地下水の状況を測定するモニタリングの開始時期につきましては、くい打ちの開始前からか、もしくは、くい打ちと並行してからなどの双方の認識に疑義があったことなどがございました。協議での履行事項につきましては、疑義が生じていたことについての問題解決への対応について反省すべき点があったと思っております。  以上でございます。 108 ◯議長(西野正人君)  中野昭人議員。 109 ◯16番(中野昭人君)  問題の重要性に対する認識が本当に希薄だというふうに言わざるを得ません。この指導事項履行確認書というのはどんな意味を持つのか。協定書10条にこうなっています。  協定及び指導事項の遵守。乙は、この協定及び指導事項を遵守するものとすると。開発事業者は、この指導事項確認書を遵守する義務があるんですよ。そのことを協定書を定めて拘束をさせているわけです。これについて、解釈について疑義があって、そのまま推移してしまったと。こんな無責任な市としての監督責任、問われる事態ではないかというふうに思います。  それだけにとどまりません。私は、こうした協定義務違反が行われた場合にどう日野市は対処すべきなのか。まちづくり条例100条でそのことを定めております。  条例100条はこうなっています。市長は、事業者または工事施工者が次の各項のいずれかに該当するとき、当該事業者、工事施工者に対し、工事の停止、中止、その他必要な措置を講じるよう勧告することができる。3項でこうなっています。第71条第1項及び3項に規定する協定の内容と異なる開発事業に関する工事に着工したときと明らかに協定の内容、協定に基づく履行確認書の内容に反する工事が着工されたわけですから、このときには日野市は、100条に基づいて中止の勧告を行う必要がある。中止の勧告に答えなければどうなるのか。102条でこの事業者に対して、あるいは事業に対して中止の是正命令を出すことができる。この是正命令に従わなかった場合、どうなるのか。第8、9条で罰則。6カ月以下の懲役に科すこともできる。ここまで制度設計をして、協定履行確認書の実施を求めているわけですね。なぜこうした措置がとられなかったのか。振り返ってみて、日野市の対応はどうだったのか。部長、いかがですか。 110 ◯議長(西野正人君)  まちづくり部長。 111 ◯まちづくり部長(宮田 守君)  まちづくり条例に基づく指導ということで、もう一回確認をさせていただきたいと思います。  本件指導事項にあります、今、議員から御指摘ありました、開発事業の実施に伴い、湧水及び地下水の水質、水位及び流動に影響を与えるおそれがあると認められる場合、事業者は速やかに原因を解消し、影響を最小限にとどめるための措置を講じるということが指導事項にうたわれておりまして、このことについては、事業者は現在、履行しているところでございます。  市では専門家の入った第三者委員会を立ち上げまして、現在の指導事項履行確認書に記載されている項目の精査。あとは、くい基礎工事に伴って白濁の発生しない工法の選定、湧水枯渇に至った原因の調査、その結果に基づく対策を検討する準備を進めております。また、このことについて、市としては事業者に協力を求めたところでございます。  先ほど環境共生部長から答弁ありましたとおり、しかしながら、指導事項の一部において、担当課と事業者の間で解釈にずれがあったことは事実ということで確認がされております。今後こういったことがないように、履行時期を明確に明記するなどの改善が必要であると考えております。この辺のことについては、今後改善に向けた努力を務めてまいりたいと考えてございます。  以上でございます。 112 ◯議長(西野正人君)  中野昭人議員。 113 ◯16番(中野昭人君)  私は、条例に基づく適切な対応を怠ったと。市の明確な不作為ですよ。初動における誤り、指導事項履行確認書に基づく指導の誤り、法的な条例的な裏づけを持たせながら、そのことを日野市が指導し切れなかった誤り、その結果、白濁と一部枯渇という深刻な事態が生まれたわけです。  私は市長に伺いたいと思います。市は清流保全条例、そして、まちづくり条例を一体何のためにつくってきているのか。市はこの条例の意味をどう考えているのか。私は、ほかの事例でも広がっておりますけれども、日野市の法令遵守とは一体どうなっているのか。同時に、日野の環境行政、日野が歴史的に守り育んできた緑と清流の行政の根幹が問われる事態だと思います。根本的な検証が必要です。検証を行って、なぜこうした事態に至ったのか、市民に明らかにして、環境行政への信頼を回復していく、そのことがこの問題で求められている。同時に、黒川湧水を守り抜く断固たる決意と対策を求めたいと思います。  市長の見解を求めます。 114 ◯議長(西野正人君)  市長。 115 ◯市長(大坪冬彦君)  中野昭人議員より、黒川清流公園内の水路の白濁問題についてということでの御質問をいただきました。  答弁にありました、そして、御指摘いただきました初動の誤り、初動については、白濁の問題が発生したときに対する問題。それから、2月にさかのぼった協定、そして、指導事項履行確認書についてのこれに基づいた指導について。そして、条例の運用について、御指摘いただいたとおり、大きな市の対応の瑕疵がございました。これについては深刻に反省し、申しわけないと思っているところでございます。  先ほど、議員から条例100条、そして102条ということで、当然そういう、いわば伝家の宝刀を私ども行政は持っておりますので、それをどうするかということはありますけども、今は、とりあえず工事が中止した上で、東京都、そして日野市、そして、専門家を交えた専門委員会を立ち上げます。その上で今後の方策について対応を図るということでございます。それを待ってのことになります。最終的には、議員がおっしゃったような100条、102条ということもあるかもしれませんけれども、その手前の段階で現在の工事を中止させて、事業者としてもその対応策を今これから講じるということもありますので、それは少し待つ必要があるかなと思っています。  その上で、必ずこの工事による黒川清流公園に対する悪影響というものは排して、そして、当然緑と清流を守る日野市として、黒川清流公園を再び復活させるということのために、全力を挙げていきたいと思っておりますし、そのためには、この問題の原因の追求、そして、この間の組織としての条例対応等については深刻に反省し、1から再構築をし直す、そういう覚悟でこれから取り組んでいきたいと思っております。  以上でございます。 116 ◯議長(西野正人君)  中野昭人議員。 117 ◯16番(中野昭人君)  私がまちづくり条例100条、102条、107条を提起したのは、今後のことについて提起したわけではありません。指導事項履行確認書が守られずに工事が着工されたときに、この100条に基づいた対応、適切な対応がとられてしかるべきだったんだ。なぜとられなかったのかということについて検証と根本的な反省が求められる、そんな観点から指摘と提案をさせていただきました。  以上で終わります。 118 ◯議長(西野正人君)  これをもって中野昭人議員の一般質問を終わります。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 119 ◯議長(西野正人君)  これより議案第75号、平成30年度日野市一般会計補正予算(第4号)の件を議題といたします。  理事者から提案理由及びその趣旨の説明を求めます。市長。     〔市長 登壇〕 120 ◯市長(大坪冬彦君)  議案第75号、平成30年度日野市一般会計補正予算(第4号)の提案理由を申し上げます。  補正額は歳入歳出それぞれ275万9,000円を追加し、歳入歳出予算の総額を682億9,515万5,000円とするものであります。  本補正は、平成30年6月に発生した大阪府北部地震によるブロック塀倒壊を受け、通学路等のさらなる安全確保を図るため、小学校の通学路、ブロック塀点検の結果に基づき、民有地におけるブロック塀等の安全対策を進めるものであります。  歳入につきましては、財政調整基金繰入金275万9,000円を増額するものであります。歳出につきましては、土木費において相談点検員の雇い上げ81万5,000円、ブロック塀等の撤去及び改良工事補助金194万4,000円を計上するものであります。  以上、概略について申し上げました。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。 121 ◯議長(西野正人君)  これより質疑に入ります。     〔「なし」と呼ぶ者あり〕 122 ◯議長(西野正人君)  なければ、質疑を終結いたします。  お諮りいたします。これをもって議案第75号の件は関係各常任委員会にそれぞれ付託いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 123 ◯議長(西野正人君)  御異議ないものと認め、それぞれの委員会に付託いたします。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 124 ◯議長(西野正人君)  本日の日程は全て終わりました。  9月13日から始まります常任・特別委員会は、お手元に配付いたしました日程表のとおりです。委員の皆様には日程表に基づき御参集願います。  次回本会議は9月28日、金曜日、午前10時より開議いたします。時間厳守で御参集願います。  本日はこれにて散会いたします。              午後0時01分 散会 Copyright © Hino City, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...