第15番議員 土 方 長 久
第16番議員 伊 藤 義 男
第17番議員 寶珠山 琢
第18番議員 大須賀 浩 裕
第19番議員 佐々木 功
第20番議員 前 当 悦 郎
第21番議員 雨 宮 幸 男
第22番議員 任 海 千 衛
第23番議員 安 部 宝 根
第24番議員 漁 郡 司
第25番議員 山 口 茂
第26番議員 鈴 木 正 昭
第27番議員 藤 塚 昭 子
第28番議員 白 井 貞 治
第29番議員 元 木 勇
第30番議員 富 澤 稔
欠席議員(2人)
第 8番議員 伊 藤 学
第10番議員 杉 崎 敏 明
──────────── ── ────────────
出席説明員
市長 吉 尾 勝 征
助役 加 藤 哲 朗
助役 松 本 嘉 郎
収入役 鈴 木 信 幸
教育長 田 村 貞 司
政策室長 板 橋 宏 之
総務部長 神 成 久 敏
財務部長 清 水 和 夫
生活文化部長 五 嶋 幸 弘
子ども生活部長 渡 辺 進二郎
福祉部長 倉 田 繕 箕
環境部長 中 根 義 雄
クリーンセンター所長 岩 崎 文 雄
都市整備部長 鈴 木 忠
街づくり推進担当部長 新 谷 景 一
教育部長 中 倉 勲
監査事務局長 森 本 昌 宏
──────────── ── ────────────
事務局職員出席者
事務局長 小 林 忠 司
事務局次長 大 釜 博 美
議事係長 小 倉 純
書記 持 田 照 夫
5月31日 議事日程(第2号)
第 1 一 般 質 問
8 22番 任 海 千 衛 議員
9 9番 荻 窪 貞 寛 議員
10 24番 漁 郡 司 議員
11 23番 安 部 宝 根 議員
12 7番 石 井 良 和 議員
13 6番 内 藤 良 雄 議員
14 1番 福 山 めぐみ 議員
午前 9時16分 開議
○鈴木正昭 議長 おはようございます。ただいまより平成14年第2回
調布市議会定例会を再開いたします。
ただいまの出席議員の数は27人であります。したがいまして、定足数に達しておりますので、会議は成立いたしました。
直ちに会議を開きます。
日程に入る前に、本日も
政策室広報担当並びに議会事務局による本会議場の写真撮影を許可しておりますので、御了承をお願いいたします。
これより日程に入ります。
─────────── ── ───────────
△第1 一般質問
8 22番 任海 千衛議員
○鈴木正昭 議長 日程第1 一般質問。
質問通告の順序により質問を許します。
22番、
任海千衛議員。
〔22番 任海
千衛議員登壇〕
◆22番(任海千衛 議員) 日本共産党の任海でございます。まず、有事法案について市長の見解をお伺いいたします。
今、国会で審議されている有事法制3法案は、これまでアメリカから強い要請を受けながらも、
歴代自民党政府もちゅうちょし、踏み出すことのできなかった法案であります。それは、アメリカ軍と武力行使で
共同作戦体制を可能にし、その行為を遂行するために、平和、人権、地方自治など戦後憲法の原則を否定し、国民を戦争に動員する憲法違反の法案であるからであります。
小泉内閣があえてこの時期に危険な法案成立に踏み出した背景は、テロ問題や不審船問題で世論が支持してくれるかと思ったようでありますが、とんでもない勘違いであります。
審議中の有事法制は、
武力攻撃事態法案、
自衛隊法改正案、
安全保障会議設置法改正案の3つでありますが、そのうち、
武力攻撃事態法案が全体を総括する基本的な性格を持ち、事態の定義や基本的理念、首相の権限などを定めているわけであります。また、この法案が成立しますと、今後2年間にわたり整合性を図るための法改正が次々と提案されることになっていますが、その内容はまだ明らかにされておりません。
以下、
武力攻撃事態法の問題点に触れながら、市長の見解を求めます。
第1は、
武力攻撃事態についてであります。小泉首相は、今日、客観的に見て、日本本土が直接外国からの武力攻撃を受けることはあり得ないということを認めながらも、有事法制については、「備えあれば憂いなし」と言って強行しようとしております。日本本土に外国から武力攻撃がなくても、アメリカの起こした戦争に自衛隊が加担し、法律が動き出し、国民への強制が可能になるという事態は最も現実的な危険であります。法案では、武力攻撃の定義を第2条で、「我が国に対する外部からの武力攻撃」と定めていますが、問題は我が国の範囲です。政府答弁では、公海上や他国領地内で活動する自衛隊への攻撃も武力攻撃と言い、
福田官房長官は、インド洋など公海上の自衛隊艦船に対する攻撃が、組織的、計画的なら
武力攻撃事態に当たる場合があると答弁をしています。
自衛隊は現在、アフガニスタンに展開する米軍の
テロ対策支援で補給艦をインド洋に派遣いたしております。99年に、いわゆる
日米ガイドラインの一環として強行した周辺事態法では、自衛隊の活動は戦闘地域と一線を画している地域だから武力攻撃はしない。支援活動中に攻撃される危険が生じたら活動を中止し、撤退すると言っておりましたが、
武力攻撃事態法では、その場にとどまり、応戦することを可能にしているわけであります。
今日、アメリカの
ブッシュ政権は、幾つかの国を一方的に悪の枢軸と決めつけ、武力行使もやむなしとの強硬姿勢をとっております。次の軍事目標はイラクとされているわけであります。
小泉政権に限らず
歴代日本政府は、世界の中で最も忠実にアメリカに従ってまいりました。しかしながら、これまで憲法上の制約からアメリカ軍との
軍事的一体体制に歯どめがかけられていましたが、この法律によって歯どめが外されることになります。派遣先で自衛隊が武力攻撃を受ける、また、受けるおそれがあったり、予測されると判断されるときは、この法律が発動されることになります。このような想定は十分考えられることであります。
第2の問題点は、
武力攻撃事態とその対応についてであります。法第3条の2で、事態が急迫し、武力攻撃が予測されるに至った事態と規定し、現に武力攻撃を受けた場合だけでなく、そのおそれや予測の段階まで含んで、法律全体が動き出す仕組みができ上がっております。法3条の3では、武力の行使について定めていますが、小泉首相は、おそれや予測で武力行使は必要ないとはいうものの、法案では武力を禁止する根拠や明文の規定がないことは、
中谷防衛庁長官も認めているところであります。武力行使という極めて重要な事柄をあいまいにして、幾らでも拡大解釈ができる余地が残されているわけであります。
第3には、国民総動員への義務づけであります。法第5条で、
地方公共団体の責務、6条で、
指定公共機関の責務──
指定公共機関というのは、
独立行政法人、日本銀行、日本赤十字社、
日本放送協会その他の公共機関及び電気、ガス、運輸、通信その他の公営的事業を含む法人だということでありますから、大変広範に上ってるわけであります。また8条で、国民の協力を明記しています。戦争遂行のために国民への強制であります。また、
武力攻撃事態法3条の4では、日本国憲法の保障する国民の自由と権利に制限を加えると書かれているわけであります。
憲法第11条は、「国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与えられる」。憲法19条は、「思想及び良心の自由は、これを侵してはならない」。憲法21条は、「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない」。このように定められているわけであります。
憲法をも制約することのできる法律など、戦後は存在したでしょうか。22条では戦争遂行に必要なさまざまな措置を記載してありますが、その中でも、社会秩序の維持に関する措置というのがあります。
福田官房長官は、集会や報道の自由が認められるのは、公共の福祉に反しない限りだと言明し、
戦争反対集会や報道の自由まで権利制限の対象になり得るとしました。戦争反対を犯罪とした戦前の治安維持法を連想させます。また、自衛隊法の改正では、協力を拒んだ国民に刑事罰を処する内容を初めて盛り込みました。
第4に、
地方自治体についてであります。第1に、
武力攻撃事態法は、14条で
地方公共団体の長などに対処措置を義務づけるとともに、第15条1項で
内閣総理大臣は、関係する
地方公共団体の長などに対し、所要の対処措置が実施されないときは実施すべきことを指示する。2項で、
内閣総理大臣は、
該当対処措置を所掌する大臣を指揮し、対処措置を実施することができると総理大臣の指揮権や代執行権を明記しているわけであります。これは、
地方自治体が自主的に判断し、対応するという地方自治の基本的な
仕組みそのものを否定するものであります。これら関係を乗り越えた強力な上下関係を
地方自治体に強いるものであり、
地方自治体の本来的な役割を否定するものと言わざるを得ません。憲法で保障されている
地方自治権の侵害であることは疑いありません。
第2には、自衛隊の関与が強まるということであります。法律では、自衛隊の武力行使、部隊等の展開その他の行動、自衛隊及び米軍に対する物品、施設または役務の提供指定など対処措置として実施すると第2条6項で書かれているわけであります。そして、対策本部──これは総理大臣が本部長になるわけでありますが──から委任をされた
指定公共行政機関や
指定地方行政機関の職員が
地方自治体との相互調整を行う。しかし、これを担当する職員というのは、自衛隊の各方面や師団の幹部らになることは想像できることであります。このようにして、自衛隊が
地方自治体の組織や施設に関与し、あるいは影響を与える状況が想定されるわけであります。
第3には、自治体は非協力を許されないという仕組みであります。自衛隊法の改正では、道路、河川、海岸、公園などについて、知事や市町村長との事前協議や許可手続などの適用を除外できる特例を設けております。例えば、
地方自治体が管理している道路について、管理者である知事や市町村長の承認がなければ工事もできないわけであります。道路法で決められてるわけであります。実際、まだ道路になってないようなところ、こういうところの許可権もあるわけであります。しかし、今度の改正案では、道路法の規定について適用除外し、承諾なしで自衛隊の部隊が通行できるようにするために道路工事をしたり、施設を建造するなど、さまざまな工事ができるようにしているわけであります。
第4には、自治体の施設や職員も動員されるということであります。物品や土地の収用、従事命令などは、一般国民をも対象にしているわけでありますが、とりわけ
地方自治体の財産や職員は、一般国民より優先して対象になることは明らかなことではないでしょうか。つまり、有事法制のもとでは、自治体はそれに有する財産も職員も、軍事最優先で動員されることになるわけであります。
以上、この法律の主な問題点を述べてまいりましたが、今、開かれている通常国会で成立を目指している与党三党に対して世論は批判的であります。各世論調査では、今国会で成立させることに反対する人が主流であります。NHKの世論調査では、有事立法が必要とする人は相当ありましたが、「今国会で成立でなく十分審議すべきだ」が70%に達しています。先日の朝日新聞では、
全国世論調査の結果として、「有事立法の内容を知らない」が6割、「小泉内閣が法案の説明を果たしていない」とする人が7割に上っております。長野県の
田中康夫知事や徳島県の太田正知事などが反対の意思表明をしているところであります。また、東京国立市の
上原公子市長は、法案に関するさまざまな問題点に対する自治体の長としての考え方が求められているとして、小泉首相に対し質問状を送付し、その内容を公開いたしました。質問状には、有事法制と日本国憲法との関係、
武力攻撃事態、
地方自治体の責務など6つの柱で44項目にわたり、この法律で危惧される問題を詳細にかざしているわけであります。
以上を踏まえて市長に質問いたします。
この法律は、憲法、地方自治法を無視するものであると私は考えるものでありますが、市長の見解をお伺いいたします。第2には、特に法案での
地方自治権に対する記述についての見解を求めるものであります。第3には、首長としての法案に反対する立場から、市民と協議し、政府機関に対し意思表示をすべきだと思いますが、御見解をよろしくお願いいたします。
次は、
調布飛行場問題についてであります。
初めに、昨年新たに調布に飛来を承認した
ビーチクラフト機についてであります。
調布飛行場が
正式コミューター空港化されたのは昨年の3月でありますから、1年ちょっとということがこの間経過いたしました。東京都が初めて
調布飛行場の
コミューター空港化を提案したのは平成2年でありましたから、昨年正式化されるまでの間、13年を要したわけであります。この間、住民説明会、公聴会を初め、市議会では特別委員会を設置し、平成3年から8年までの6年間の審議が行われたわけであります。この委員会では、関東のほかの地域にある小型飛行場の視察とか、東京都の担当者に来ていただいて質疑をするなどを積み重ねてまいりました。この議事録は、先日議会事務局からお借りをいたしましたけれども、30センチほどの、積み重ねるとこんな高さにもなります。貴重な記録として、先日改めて読ませていただきました。
さて、今度の質問は、昨年、東京都が新機種の飛行機の
調布飛行場の使用を求め、それを市が承認した
ビーチクラフト機についてであります。一言で言えば、この決定は、正式空港化したときの都の提案の趣旨、約束事、また審議経過を無視し、逸脱した驚くべき事態となりました。今度の質問の趣旨は、その対応と正式空港に際しての
基本的考え方について、改めて問うものであります。
ビーチクラフト機の導入の決定経過でありますけれども、正式空港化したのが昨年の3月31日でありますが、それからわずか2ヵ月後の6月、東京都に申請が出され、都は市に対して協定に基づく協議を行い、承認を求めてきたわけであります。
この自家用機は、会計、
経理専用コンピューターの設計、開発、製造、販売を主とする会社でありまして、定置場は仙台空港、使用の予定は平成13年9月1日から月10回とされて、使用理由としては
調布飛行場での整備、給油ということになっているわけであります。
この使用を承認するか否かを協議した8月23日の
調布飛行場対策協議会では、給油が調布でなくてはならない理由がわからないとか、給油でなく営業目的の使用ではないかなどの意見が出されました。そして、協議の結果、会長の取りまとめとして、
ビーチクラフト機の導入については、
使用予定回数及び使用目的についての質疑、意見が多く出され、結論を出すに至らなかった。使用の諾否については結論を出さなかったとの協議結果を
調布市長あてに提出しているわけであります。
これを受け取った市の態度でありますけれども、次の理由により了承することにしたとして、了承の可否の判断は東京都
調布離着陸場の整備及び管理運営に関する協定書及び同覚書に定めるところであるけども、この定めがない。以上により、協定による定める基準の範囲内であると判断せざるを得ない。こういうものであったわけであります。しかし、これは木を見て森を見ない判断であります。
正式コミューター空港化に至る経過、約束事が無視をされているわけであります。
問題点の第1は、
コミューター空港設置の目的に反するということであります。平成3年7月、東京都は
調布飛行場整備方針をつくり、調布市など関係市に提案をいたしました。当時は、
場外離着陸場であり、管理も運輸省が行っていたものであります。いろいろな論議の結果、21項目の条件をつけて、管理を東京都に移すということを決定いたしました。同時に、
コミューター空港化については、さらに協議をするという態度でありました。平成7年の7月、東京都は、さらに
調布飛行場の整備方針及び同
整備基本計画を提示してきたわけであります。
この中で、
調布飛行場をどういう位置づけにするかということを書いたのが空港機能についてであります。空港機能、平成3年のときも7年のときも、大体同じような内容でありますけども、1番目には
コミューター空港機能。本土と島しょを結ぶ
離島航空路線の拠点とする。また、都市間路線や羽田、成田両空港へのアクセスについては今後の検討課題とする。2番目に、
コミューター空港以外の
地域空港機能として災害発生時に有効な機能を発揮する飛行場として明確に位置づけるほか、医療、消防等の緊急時も対応可能な公的航空の拠点とするというものでありました。今度の給油による飛来が、この空港機能から見ても合致しないことは明らかであります。
2番目には、自家用機に対する扱いであります。先ほどの航空機能では、自家用機については、これまでの経過を踏まえ、段階的に移転、分散を図ること、公共性の高い
航空機使用事業の飛行機は存続をさせる。つまり、自家用機は
調布飛行場に飛来を遠慮してもらうんだ。そして、今いる飛行機についても出ていってもらうというこの方針を立てたわけでありますが、このことにもそぐわないのではないでしょうか。平成7年の東京都の提案を受けて、調布市は27項目の条件をつけたわけでありますけれども、その中でも、とりわけ、飛行場機能の制限として自家用機は積極的に分散、移転させるとうたったわけであります。議会の審議でも、不要不急の利用をどのように減らすか。このことが真剣に当時論議されました。常駐機の自家用機を分散させることをスタンスとしながら、一方で、自家用機が給油のために飛来することを認めるというのは、大きな矛盾ではないでしょうか。
第3には、このことを担保するために、
年間離着陸回数を減らすことを約束させたわけでありますけども、このことにも違反するわけであります。
年間離着陸回数は、2,300回程度を上限とし、さらに削減に努めることと当時条件をつけたわけであります。
以上は、
コミューター空港化したときの基本的なスタンスとしての約束事でありますけれども、決定的なのは、給油目的は認めないとの約束を東京都がしていた、この事実が明らかになったということであります。
当時、市内各所で住民を対象に東京都が説明会を行ったわけでありますけれども、その説明会の内容をビデオに撮っていた方がいらっしゃいました。先日、そのビデオを私も見せていただきましたけれども、そのビデオによりますと、不要不急の飛行抑制策の質問に対し、東京都の当時の責任者が、その例示として給油を目的としたものを禁止すると考えてもよい。こういうように明確に述べられているわけであります。このビデオには、当時、この問題を担当しておられました加藤助役も一部に──これはほかの場面でありますけれども、写っているものであります。
また、このことは、改めて議事録を読んでみますと、議会で説明をされているわけであります。平成7年8月7日行われた
市議会特別委員会では、21項目の調布市の条件に対しての履行状況が、当時政策室主幹をしておりました、今部長さんをやられてます岩崎さんによって述べられているわけでありますけども、議事録ではこう書いてあります。「離着陸回数の制限ということで、飛行目的をチェックし、例えば、単に給油のみの場合は認めないなどの処置をとっている」ということでございます。岩崎さん、覚えていらっしゃいますか。要するに、27項目の協定文にないというだけで給油飛来を認めたということは、大変な誤りであります。
ビーチクラフトの飛来は、正式空港化に際して都が示した給油飛来を認めないという方針に反しているのではないでしょうか。そのことをお伺いいたします。また、そういう立場から、市は、この飛来を承認すべきではなかったのではないかと思いますが、見解を求めます。
さて、こうした誤りの根源であります問題の本質は、東京都がみずからの約束を過去のものとして、給油目的の飛来を認める立場から、調布市に協議を持ってきたところにあります。そして、さらに大きな問題は、正式空港化に際して、
調布飛行場運営要綱を昨年3月31日付で東京都が制定をいたしましたけども、その中の6、常駐的に使用しない飛行機という欄に、外来機の飛行場の使用目的は整備または給油を原則とし、離着陸回数は1機1日離着陸各1回以内。明確に東京都の運営要綱で給油による飛来を認めてるということであります。これは住民と市に対する明確な約束事項からの逸脱であります。
実は飛行場問題は、正式空港化しても、さまざまな問題が今後起こるということが心配をされて、特に住民の人たちを中心に飛行場問題を考える会という自主的な住民組織が今もって継続をされ、いろいろな問題点を東京都との話し合いで行っているわけであります。
昨年の秋以来、このビデオテープの存在も明らかにしながら、出先の
調布飛行場の所長さんなどとも話を行い、所長の段階ではないということで、本庁からも来ていただき、話し合いもしているわけでありますけども、東京都の回答は全く支離滅裂であります。大体こういうはっきりしているものでありますから、明確な回答ができないのは当たり前のことであります。
そこで、今後の市の対応について調布市にお伺いをしたいと思います。東京都にこの要綱の改正を要求すべきであります。特に、運行要綱の中の給油飛来を認める部分は破棄するように都に要求すべきだと思いますが、見解を求めるものであります。
次は、正式空港化に際しての
基本的考え方と今日の実態についてであります。東京都や市が審議経過を約束することを無視したことの責任は重大でありますけれども、担当者に際して言えば、余り悪意はなかったかと思います。しかし、恐ろしいことは、時が流れ、東京都も市も担当者が変わる中で、経過が引き継がれない。風化しているということであります。私は、このことは、さきも言いました東京都との話し合いの中で非常に強く感じたことであります。東京都の言い分は、事業者や自家用機を所有している方々からのいろいろの苦情、意見を並び立てて、
調布飛行場は正式空港化したんだけども使いにくいと言われている。何か自分たちが被害者のような、こういう感じであります。
こういう例え話もいたしました。東京に差しかかった小型機が夕方になって、燃料切れを起こしそうだから、ぜひ
調布飛行場に、時間外になるんだけれども、着陸させてくれないか。こういう通報が入ったけれども、時間外の飛行は認められない。そういうことで強くお断りした。非常に切迫した事態であったわけであります。幸いにして、この飛行機は、関東地方のほかの飛行場に着陸して無事だったわけでありますけど、もし、これが事故になってれば大変なことになるわけであります。こういう実態もあるんですよという東京都の説明でありますけれども、しかし私は、そのときに言いました。問題は、
調布飛行場が正式空港化したときの条件が、自家用機の所有者や事業者に徹底されていない。そこに最大の問題があるのではないでしょうか。調布空港側のいわゆる板挟み論、このことには、大変問題があるわけであります。初めから制約された空港である。たくさんの約束事があるんだ。このことは使用する人たちに徹底してもらわなくては困るわけであります。
そこで質問としては、
コミューター空港化に当たって都が示した空港機能について、その原点があいまいになってるんではないかと私は感じるわけでありますが、そのことについての見解をお伺いいたします。
ビーチクラフト機の問題に戻りますけれども、実は、昨年の9月から月10回ほど、給油のために飛来すると言ってたこの飛行機は、認可後もまだ一度も調布にはあらわれておりません。東京都の方は、この飛行機の承認を出すに当たって、「とりわけ飛行場協議会の中でいろいろ意見が出た。営業目的はないでしょうね。こういうことについて、監視があるんですよ」ということで、業者の方には牽制をしていたそうであります。そのことがきいたかどうかわかりませんが、もともと、この飛行機の給油は、埼玉県の本田エアポートでこれまでも行っていましたし、整備は仙台で行っていましたから、
調布飛行場を利用しなくてはならないような理由はないわけであります。いわゆる不要不急の申請であるということが明らかになったわけであります。
今、自家用機の削減、不要不急の利用を遠慮してもらう、こういう毅然とした態度が求められているわけであります。空港機能で示されている
コミューター空港機能及び公的な公共性の高い航空事業以外の取り扱いについて、削減、制限の交渉を改めて東京都とするべきだと思いますが、見解をお伺いいたします。
次に、27項目にあります離着陸回数の制限についてであります。27項目の内容につきましては、先ほども紹介いたしましたように、
年間離着陸回数は2万3,000回程度を上限とし、さらに削減に努めること。こういうように言ってるわけであります。ちょうどこの問題を論議した特別委員会が開かれた時期では、2万回前後が当時の実績でありました。住民の皆さんからも、また当時の特別委員の議員の皆さんからも、2万回に上限を制限すべきではないかという強い要望、意見が述べられていたわけであります。
このことでは、当時の岩崎主幹との関係など、いろいろなところとのやりとりが出てまいっておりますけども、議事録上これも明らかにいたしました。岩崎さんの方は、落ちたというのは5年と6年の2年のことであって、経済状況だとか天候だとか、その他の影響が今後予測されると。だから、これが上がったときは、それで困ると言われてもいけないんだから、だから、2万3,000回必要なんだ。そういうことで一生懸命委員会の中で答弁に努めていたわけであります。それのときは2年間の実績ということでありました。しかし、現在どうでしょうか。今や1万6,000回に減ってきてるわけであります。2万3,000回と上限を定めているところから見ると、30%減少をいたしました。いつまでも2万3,000回が上限として担保されている。このことは、もうやめるべきときに来たのではないでしょうか。東京都に対して、
年間離着陸回数の上限の削減を求めるべきだと思いますが、見解をお伺いいたします。
以上です。
○鈴木正昭 議長 答弁を求めます。吉尾市長。
◎吉尾勝征 市長 おはようございます。きょうから一般質問でございますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。
ただいま任海議員から大きく2点にわたって御質問がございましたが、私からは、有事立法についての御質問にお答えをいたします。
本年4月国会に提出されました3つの法案は、今後、
武力攻撃事態という国及び国民の安全にとって、最も緊急かつ重大な事態が生じた場合における対処を中心に、国全体の基本的な危機管理体制の整備を図るものとされております。
こうした法制は、緊急な事態が起こってから慌てて整備するのではなく、国家の基本となるものとして、あらかじめ整備しておくことが重要であると考えます。恒久的な平和を願う憲法の理念からいたしましても、独立した国家が自衛のための手段としての手続を定めておくことは必要なことでございます。
また、
地方自治体には、住民の生命、身体、財産を守る使命がございます。このため、法案では、有事の際には、国の方針に基づき、国やその他の機関と協力し、法律に基づいて必要な措置を実施する責務を有するとともに、適切な役割を担うことが基本とされております。
私は、この調布市に住まう住民の皆様の平和と安全を守ることが第一の義務でありますから、しかるべきときには必要な対応をとることになります。
現在議論されている
武力攻撃事態の対処の際は、1つの市だけの問題ではございません。国としての対応でありますから、今回の法制定以降、具体的に決められるであろう調布市に求められることや、調布市の地域としての必要なことを、国や他の
地方公共団体と協力して進めていくことにより、平和の実現を図っていくことが大事であると考えております。
また、代執行や私権の制限等は必要最小限のものとされ、さらに公正かつ適正な手続のもとに行われるよう、また地方自治の本旨を尊重して慎重に審議されることを望んでおります。
今後において疑念が生じた場合には、市長会等を通じ要請等を行ってまいりたいと考えております。
第2点目につきましては担当からお答えを申し上げます。
以上です。ありがとうございました。
○鈴木正昭 議長 板橋政策室長。
◎板橋宏之 政策室長 私からは、
調布飛行場に関する御質問についてお答えいたします。
まず、
ビーチクラフト機についてでございます。平成4年に
調布飛行場の存続を認めるに際し、本市と東京都が確認した条件の1つに、事前協議システムがございます。この事前協議する対象項目の1つに、新たな機種の航空機の飛行場使用に関することということがございます。
御質問の
ビーチクラフト機は、この新たな機種として東京都から事前協議のあったものでございます。協議につきましては、調布市
調布飛行場対策協議会の協議結果を踏まえ、本市と東京都で結んでおります東京都
調布離着陸場の整備及び管理運営に関する協定及び同覚書の規定に照らして、了承といたしております。
このことにつきましては、平成13年9月及び平成14年3月の総務委員会で既にお答えをいたしているとおりでございます。
今後の対応についてでございますが、受け入れ条件にいわゆる外来機を想定したものが明確ではなく、また、東京都港湾局においても外来機に対する定めが旧来からあったものではないというようなこと等の状況を踏まえて、市民の安全確保の向上の観点から検討、協議してまいりたいと思います。
次に、基本的考えと実態についてであります。
飛行場の存続、
場外離着陸場から飛行場への正式化を認めるに当たりましては、現にあるものは必要最小限認め、拡大に歯どめをかけながら、市民の安全確保に最大限の努力をすることがより現実的な方法ということで、これを是としてまいっております。
特に市街地の中の飛行場であることから、市民生活への影響を最小限にとどめることを基本に据えております。そのため、年間の総離着陸回数や日祭日の飛行制限、航空保安施設の充実等々、飛行場を受け入れるに当たり27項目の条件を示し、この条件の受諾を前提に受け入れを了承しているところであります。
次に、いわゆる自家用機の削減、また年間総離着陸回数につきましては、それぞれ正式飛行場化に対する受け入れ条件でございますが、この間、駐機機数や離着陸回数は減っておりまして、協定は守られております。協定遵守の実績の上に、整備計画どおりの正式飛行場化があるものと受けとめております。
平成13年3月に正式化したばかりでございますので、
年間離着陸回数の上限回数を削減すること等につきましては、いましばらく推移を見守った上で検討すべきことだと考えております。
東京都の要綱につきましては、私どもの受け入れ条件、あるいはその遵守に反する場合などには要求する必要があるものと考えております。よろしく御理解のほどお願いを申し上げます。
以上でございます。
○鈴木正昭 議長 22番、
任海千衛議員。
〔22番 任海
千衛議員登壇〕
◆22番(任海千衛 議員) 御答弁ありがとうございました。再質問させていただきたいと思います。
市長の有事立法に対する答弁は、今、法案が審議されているその内容について、大方是とする内容からの答弁と私は受けとめさせていただきました。私が指摘したように、今度の法案についての最も大きな点は、憲法上の解釈、憲法と国民との関係、憲法と地方自治との関係についてであります。市長に改めてお伺いいたしますが、有事立法が発動されるという有事の際には、いわゆる憲法で定められている地方自治、これがいろいろの歯どめになるような文書があるからということはありますけども、制限されるということがあってもいいという御認識なのか。
また、国民との関係では、先ほども紹介しましたように、
武力攻撃事態法第3条の4で日本国憲法の保障する国民の自由と権利に制限を加える。これも間にいろいろ入っているんですよね。代用してはならぬとかなんとか、そういう言葉が入っているんです。しかし、言葉を端的にいうと、国民の自由と権利に制限を加えると明確に書かれている法律であります。このことは、いかなる事態であっても憲法を遵守しなきゃならない日本国民の立場からすれば、守らなくてはならない大切な点だと思いますが、憲法と国民との憲法解釈について、また憲法と地方自治という問題について、再度答弁をお願いしたいと思います。
次に飛行場の問題についてであります。答弁では、いわゆる給油飛来を認めることがよかったのか悪かったかという肝心の点の答弁が欠落しているわけであります。受け入れ条件に外来機を想定したものになっていないとおっしゃいましたけれども、履行条件のチェックの上に27項目ができたわけであります。先ほど当時の岩崎主幹、今、出世しましたけれども、主幹が当時言われていることは、21項目の履行状況の問題として給油を遠慮してもらっているという東京都の約束事項であります。これは議事録にもあることです。東京都から来た記録文書にちゃんとあるんです。それからテープもあります。
ですから、私が言っている27項目の協定文書だけじゃないんだ。こういうことについては理解していただいたんでしょうか。いただいたのか、いただかなかったのか、そこを端的に。それが1つ。
それから、もう1つは、答弁には東京都との検討、協議をするとおっしゃいましたけれども、この検討、協議をするスタンスなんです。市は給油は認めないといったこの立場を明確にして協議をするのかどうか。明確にして協議をするというように私はとりたいんですけれども、私はそういう解釈をしていいかどうか。その2点についてお伺いいたします。
○鈴木正昭 議長 答弁を求めます。吉尾市長。
◎吉尾勝征 市長 再質問いただきましたので、お答えを申し上げます。
有事立法関連でございますが、再質問の内容は、有事の際、市長の答弁は、今、国会で審議されている法案を大方是としての答弁ではなかろうかと。憲法遵守、地方自治を守るという立場から、いま一度その辺を伺いたい。こういうことでよろしいですね(「はい」と呼ぶ者あり)。
今、国会で法案が3法案出されまして審議されております。これは御案内のとおりでございますし、また、それぞれ見解もございますし、国民の反応というものも既に伝えられてきております。ただ、政府が今法案を出しましたのは、先ほど答弁でも申し上げましたけれども、
武力攻撃事態という国及び国民の安全にとって最も緊急かつ重大な事態が生じた場合における対処のあり方を、我が国としてはどうしたらいいだろうかと。その基本的な危機管理体制というものを事前に手続として、こういう場合にはこうやらなきゃいけないということを決めておくことが必要なのではないかという提出の仕方になっていると思います。
そういう意味で申し上げますと、私は、やっぱり独立した1つの国で、そういう対応の手続というものを、こういう平常時に少し時間をかけていろいろ議論しながらやっていくということは、大事なことではないだろうかと思っております。
議員のおっしゃるように、ここは国会のように保証された場ではございませんけれども、今回の法案が明らかに憲法違反の法案であるという言い方が果たしてできるのかどうか、これだって問題になると私は思いますよ。憲法違反になるものを国で法案として出して、国会議員が審議しているのかどうか。絶対憲法違反だという、どういう裁定が下っているのかどうか。そういうことではなく、やはり国の安全、国民の安全ということのために、手続論を整備しようということでありますから、その中身の一つ一つについて、つまびらかに私が知っているわけでもありませんし、また、それは国会で御議論いただいている内容でございます。
あくまでも憲法遵守の意味でという御質問でございますが、もちろんこの3法案の審議の中では憲法を遵守するというスタンスの中で、国会の中で審議がされているものと信じております。
以上です。
○鈴木正昭 議長 板橋政策室長。
◎板橋宏之 政策室長 給油飛来の是非について再質問をいただきました。端的に答えろということでございますので、端的にお答えさせていただきます。
御指摘の記録等の、あるいはビデオ等の記録があるということは事実でございまして、私どもも承知いたしております。検討、協議のスタンスということでございますが、御指摘の点も踏まえながら、こういう事実もあるということを前提に、協議をしていくというふうにお答えをさせていただきます。
以上でございます。
○鈴木正昭 議長 22番、
任海千衛議員。
〔22番 任海
千衛議員登壇〕
◆22番(任海千衛 議員) それでは、質問は先ほどで終えまして、若干まとめの意見を述べさせていただきたいと思います。
有事立法のことでありますけれども、有事の際にそういう法体系が必要かどうかというとこは、国民の中でも意見の分かれているところであります。しかし、その必要だと言われている人も、今度国会で提出している有事立法には大変危惧をしているわけであります。今国会での成立を望まないとする人の方が多いわけであります。きょうの新聞がどういう見出しかと思ってちょっと来る前、見てきたんですけども、「今国会成立困難か」、こういう端的な見出しをつけている、それも一面トップで、新聞もありました。
問題は、やはり憲法上に遵守がされていないからでありまして、市長は遵守している、守っているというように信じていると言うわけでありますけども、そこは見解の相違になりますから、私もきょうはそれ以上のことは言いません。しかし、先ほど紹介した国立の市長のように、憲法上の問題があるということを明確にして、政府機関に質問状を出しているという首長もいらっしゃるわけでありますから、その点は吉尾市長の1つのスタンスだと私は受けとめさせていただきました。
若干つけ加えますと、これは朝日新聞の社説を2つ持ってまいりましたけれども、こんな質疑では困るということで、政府答弁では
中谷防衛庁長官が、およそあらゆる事態が対象となっている。どういう事態か、千差万別と答弁している。米軍支援をする周辺事態との境も混然としたままだと言っておりますし、またその後の社説では、なぜそんなに急ぐのかということで、このままでは将来に禍根を残すというように書いているわけであります。
私は、私の質問の中で述べましたように、むしろこの問題が、今、アメリカとの一体体制、アメリカから強く要請されているというこの背景に、大変恐ろしいものを感じるわけであります。
飛行場の問題でありますが、板橋室長の答弁は明確でありますので、願わくば、一番初めの答弁でその給油については問題だということを触れていただきたいと思います。私もこの問題をいろいろ議事録探すのにかなり時間を費やしましたし、余り答弁が食い違っちゃ困ると思いましたんで、事前にお話もさせていただいているところでございますけれども、ぜひ調布市民の立場に立って原点を大切にしていく。だんだん人がかわっていくと、風化されていくということを最後にもう一回繰り返したいと思いますけれども、そういうことにならないように、ひとつお願いしておきたいと思います。ありがとうございました。
○鈴木正昭 議長 以上で22番、
任海千衛議員の質問は終わりました。
ここで傍聴の方にお願いいたします。議場の秩序維持のために、携帯電話等の電源はお切りいただくようにお願いいたします。
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9 9番 荻窪 貞寛議員
○鈴木正昭 議長 続いて9番、荻窪貞寛議員の質問を許します。
9番、荻窪貞寛議員。
〔9 番 荻窪 貞寛議員登壇〕
◆9番(荻窪貞寛 議員) おはようございます。公明党の荻窪貞寛でございます。議長より発言の許可をいただきましたので、一般質問をさせていただきます。
私の質問は、多摩の将来像2001・NTT通話料金の多摩格差是正についてであります。
本年3月の定例会において、我が党の杉崎議員の代表質問の中で、通話料金など是正のため、市外局番統一への市の取り組みについてお尋ねしております。また、さかのぼること平成元年第4回定例会でも、我が党の佐々木議員から市外局番統一について一般質問をしております。今定例会で私は引き続き関連して一般質問をさせていただきたいと思っております。
NTT通話料金の格差是正問題は、多摩のそれぞれの市民が東京23区民に比べ、同じ東京都民でありながら、NTT通話の利便性と通話料金に不利益を受けているということであります。この実態が長年続いておりました。昨年、東京都は、多摩の将来像2001を策定しておりますが、その格差是正を新たな多摩の行政課題の1つとして、私たち多摩地域の公明党全議員が連携して、今、精力的に勉強しているテーマであります。
昨年の8月、多摩の将来像2001が、多摩地域のあるべき姿を総合的、体系的に描いたビジョンとして10年ぶりに策定されました。多摩の自立と連携という基本理念のもと、区部との格差是正の観点から脱却し、みずからの個性を伸ばしながら、主体的な発展を目指すというものであります。それは、これまでの格差是正という消極姿勢から、独自の個性と活力を目指すという積極的な転換を求めているものであり、その意味で大いに評価をしております。多摩新時代の幕あけと感じているところでございます。
多摩の将来像2001では、義務教育施設、公共下水道など、多摩格差8課題は既にかなりの部分で解消したと数値を上げられて記述してあります。これは昭和50年以降、東京都、また市町村が解消に向けて取り組んできた結果でありまして、行政の関係各位の御苦労のたまものであります。感謝を申し上げます。しかし、昭和50年当時設定された8課題の解消をもって、この多摩地域と区部との格差はおおむね解消されたといっても、まだ多摩都民の感情にそぐわないものがあることも事実であります。さらに、この間の社会経済状況の変化や地域の変貌により、これまでの格差問題とは異なった少子・高齢化、IT革命に対応した施策の推進など、新たな行政課題も生じてきております。そうした中で、私たちは新たな理念に基づき、古くて極めて新しい課題ととらえ、通話料金などの格差是正、市外局番統一問題に取り組んでいるところであります。
市外局番統一問題は、冒頭申し上げたよう、23区は1つの単位料金区域で、多摩地域は6つの単位料金区域が存在しております。単位料金区域を超えて通話した場合には市外通話料金が発生するという、23区民に比べ多摩都民は多大な不利益を受けております。その上、調布市は、1つの行政区域の中に03の東京単位料金区域、0424、0422の武蔵野三鷹単位料金区域、そして042の国分寺単位料金区域と3つの単位料金区域が存在していますので、同じ市内同士の通話でも単位料金区域を超えると市外通話料金が加算され、通話するには改めて市外局番を回さなければならない不便を来しているわけであります。
今、私たちの中では、通話の格差是正のために多摩地域も同じ都民なのだから03にするべきだ。また、多摩の将来像2001年を掲げ、新たな多摩の自立と連携して第一段階に042にして、多摩の新たなブランドとして04にするべきだとの議論が行われております。
市外局番統一は、当然、調布市だけの努力では解決できないことは明らかでありますが、こうした課題こそ広域自治体としての東京都が、関係の市と協力しながら、強力な指導力を発揮して、東京都の責任を果たしていただきたいと思うところであります。また、第一義的には通信事業者の判断を待つところでありますが、国では所管の旧郵政省、現総務省でありますから、ぜひ調布市長におかれましては、東京都市長会での御努力をお願いしたいと思います。
ただ、この議論を慢性化させてはいけないと思っております。これだけ急速に社会環境や都市構造が変化していく中、いわば通信というものはその生命線をなすもので、すぐれて社会的な存在であるからであります。
その意味で、まずお尋ねしたいことは、是正を求められている通話料金の実態は何か、一体何が問題で、技術的にどういう隘路があって、この問題が解決されないのか。それを克服するための方策というものが何かということを、市民に周知していただきたいと念願するところであります。今、多摩の新しいスタートに当たって、これまでの議論から一歩進んだ施策と行政の努力が必要であります。市長の御見解を伺います。
次に、3点質問をいたします。最初に、市外局番問題については、平成3年度以前から東京都市長会などから東京都に継続して要望されてきたと伺っております。そこで、これまでの市外局番問題についての経緯をお尋ねします。あわせて、具体的なことになりますが、例えば市外局番が統一された場合、市内の事業所として調布市役所の年間の電話料金がどのくらいになるのか、また一般家庭ではどのようになるのかお伺いをいたします。
2番目に、昨年9月の都議会総務委員会で、多摩の将来像2001の質疑の中、我が党の提案で市外局番統一に向けた三多摩地域における市外局番検討会が設置されました。検討会は11月に東京都と多摩の30市町村の代表、そしてNTT東日本が初めて同じテーブルに着き、議論に入ったと聞き及んでおります。また、検討会に関する新聞報道では、「同一市内で複数市外局番多摩地区番号で検討会」というタイトルの記事や、「多摩地区の市外局番わかりにくい、11市で混在、改善目指し都が検討会」、このような内容の報道が行われていました。このように注目されています市外局番検討会の今後の動向をお聞かせください。
最後になりますが、調布市民の不利益解消のための課題を市として明確にしていただきたいと思います。そして、課題の一つ一つを一歩ずつ着実に克服していくことが必要と考えます。さらには、調布市長には、電話における市民サービス向上の意思を大いに示していただき、多摩の30市町村の先導的な役割を期待しているところであります。
以上、多摩の将来像2001・NTT通話料金の多摩格差是正について質問させていただきました。御答弁をよろしくお願いいたします。
○鈴木正昭 議長 答弁を求めます。吉尾市長。
◎吉尾勝征 市長 ただいま荻窪議員から、多摩の将来像2001・NTT通話料金の多摩格差是正についてということで御質問いただきましたが、私からは、是正を求められている通話料金の実態は何なのか、技術的にどのような隘路があってこの問題が解消されないのか及びそれを克服するための方法は何かについてお答えさせていただきます。
御案内のとおり、既にこの問題はこの議会、本会議場でたびたび御質問も各会派を含めていただいておりますし、都議会でも論議をいただいているところでございますが、今日までのところ、なかなかうまくいかないというのが実態でございまして、市長会等で頑張れと言われましても、相手もあることでございまして、なかなかうまくいっていないことを御理解いただきながらも、なお努力をするというところでございます。
御指摘のとおり、23区は1つの単位料金区域になっておりますし、多摩地域は6つの単位料金区域が存在しておりまして、同じ市内でありましても異なる単位料金区域に通話をした場合には、市外通話料金が適用されることになっております。このように多摩都民は23区に比べまして多大な不利益を受けているのが現状でございます。一般の市民生活、家計においてもそうでありますが、IT時代の事業活動にとりましては、見逃すことのできない経費負担の差がございます。
その不利益を解消するため、多摩地域を含め、東京都全体を1つの単位として扱っていただけるように、東京都市長会としても、東京都を通じ国や、またNTT東日本に対して要望してまいりました。しかしながら、現実には解消がされておらないのでありまして、これは、原因は後ほどいろいろ御説明を担当から申し上げますが、技術的な問題というよりは、むしろNTTの経営上の問題と認識いたしておりまして、多摩地域全体の問題でもございますので、御指摘にもございましたが、東京都市長会等を通じながら粘り強く訴え、交渉してまいりたい。ただ、ちょっと微妙な時期でもございますけど、交渉を続けてまいりたいと思っております。
○鈴木正昭 議長 板橋政策室長。
◎板橋宏之 政策室長 私からは、市外局番問題についての経緯、局番統一に向けての都検討会の動向及び調布市民の不利益解消のための課題と市の取り組み、この3点につきましてお答えをさせていただきます。
まず、1点目の市外局番問題についての経緯でございますが、平成3年度以前から東京都市長会において、東京都を通しNTTに対し統一化を要望してまいっております。平成13年度には東京都議会でもこの問題が取り上げられ、その結果、多摩地域市町村を初めとする三多摩地域における市外局番検討会が設置されました。現在は、この検討会によりまして課題整理が図られており、検討結果を踏まえ、適切な処理がなされていくものであると考えております。
また市外局番が統一された場合、市役所の年間電話料が幾らになるのか、一般家庭ではどのようになるのということでございますが、昨年3月に発信状況を調査した結果からの数値に基づきますと、平日昼間の料金を適用して推計した場合、平成13年度の実績で約390万円の負担が軽減されると見込まれております。なお、一般家庭につきましては推計が不可能でございますので、御理解のほどお願いをいたしたいと思います。
次に、市外局番検討会の今後の動向についての御質問でございますけれども、この検討会の中で既に明らかになっておりますことは、行政区域と単位料金区域が不一致となっているところは、多数を占めている市外局番に統一化することが可能であるということでございます。言いかえれば、調布市内全域の市外局番を0424に統一することは可能であるということでございます。しかしながら、主として23区に生活圏を置く03地域の市民や事業者の方々にとってはメリットが感じられないということで、理解を得ることは大変困難であると考えております。
また、市外局番検討会における現在の課題といたしましては、武蔵野三鷹単位料金区域の042化でございます。具体的には、0424と0422を042に統一するというものでございます。しかしながら、市外局番を042に変更しても、通話料金は変わらないどころか、看板の書きかえ、名刺の印刷などの費用負担を市民及び市内事業者の方々に強いるということになるというふうに思われます。将来の多摩地域の統一化が約束されたものではございませんので、理解は難しいものだろうと考えております。
最後に、調布市民の不利益解消のための課題についてでございますが、先ほど市長が申し上げましたとおり、NTTの経営上の問題と考えておりますので、引き続き東京都市長会を通して、03化の要望をしてまいりたいというふうに考えております。
以上、よろしく御理解のほどお願いを申し上げます。