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令和2年第1回定例会(第3号) 名簿 開催日: 2020-02-27
令和2年第1回定例会(第3号) 一般質問 開催日: 2020-02-27

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  1. 府中市議会 2020-02-27
    令和2年第1回定例会(第3号) 一般質問 開催日: 2020-02-27


    取得元: 府中市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-08-01
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1              午前9時59分 開議 ◯議長(横田 実議員) ただいまから本年第1回府中市議会定例会を再開いたします。  定足数に達しておりますので、直ちに本日の会議を開きます。        ────────────── ◇ ──────────────  1.一般質問 2 ◯議長(横田 実議員) 本日の日程は、昨日に引き続きまして一般質問であります。  初めに、高津議員の質問を許可いたします。4番、高津議員。       〔4番高津みどり議員登壇〕 3 ◯4番(高津みどり議員) おはようございます。議席番号4番、公明府中の高津みどりでございます。通告に従って、2件、一括質問させていただきます。  1件目、府中市立学校の働き方改革のさらなる推進を。  文部科学省が令和元年12月に公表した教員人事行政状況調査では、平成30年度に鬱などの精神疾患で休職した公立学校の教員数が5,212人(前年度5,077人)に上り、2年連続で増加したことがわかりました。長時間勤務による過労、保護者対応のストレスなどが一因と見られます。文部科学省によると、精神疾患による病気休職者数は男性が2,333人、女性が2,879人。約92万人の全教員に占める割合は0.57%(前年度0.55%)。学校種別では小学校教員2,421人、中学校教員1,361人、高校教員756人、特別支援学校教員657人などでした。年齢別では50代以上が最も多く1,785人。校長、副校長など管理職も96人、主幹教員も79人が休職し、ベテランでもストレスなどに苦しんでいる実情がうかがえます。  東京都では、平成29年度に実施した都内公立学校教員の勤務実態調査の結果、教員の長時間労働の実態が明らかとなったことから、平成30年2月、都教育委員会は「学校における働き方改革推進プラン」を策定しました。本市におきましても東京都のプランにのっとり、平成31年2月に「府中市立学校における働き方改革推進プラン」を策定し、教員の長時間労働の改善に早急に取り組み、教育の質の維持向上を図ることといたしました。本市では、平成27年度より副校長等校務改善支援員を配置し、働き方改革に積極的に取り組んでいただいておりますが、さらなる推進を願って以下質問させていただきます。  ア 「府中市立学校における働き方改革推進プラン」の目標達成状況について。  イ 副校長等校務改善支援事業の成果と課題。  ウ 長期休暇や休職している教員の状況について。  エ 休職中の教員の補充についてはどのように行われていますか。  オ 小学校の特別支援教室の運営状況と教職員の配置状況について。
     2件目です。子どもや高齢者の居場所づくりの充実を。  厚生労働省は本年1月、平成30年の国民健康・栄養調査の結果を公表しました。同調査は、健康増進法に基づき毎年実施されているものですが、低所得層ほど栄養バランスのとれた食生活ができていないことが浮き彫りになりました。  具体的には、主食・主菜・副菜を組み合わせたバランスのとれた食事の頻度について「ほとんどない」と答えた割合が、年間所得「600万円以上」の人に比べ、「200万円未満」の人は2倍程度高くなっておりました。  こうした、いわば栄養格差の影響を特に受けやすいのが子どもと高齢者です。バランスを欠いた食生活は、子どもの心身の健全な成長に支障を来し、高齢者には病気やけがのリスクを高めることにつながります。  国も対策に乗り出し、厚生労働省が進める健康増進運動「健康日本21」では、貧困など生活条件への配慮や健康格差の縮小を掲げ、バランスのよい食事がほぼ毎日できる人の割合を、令和4年までに8割にする目標を立てています。  そうした中で、地域の子どもたちに無料または安価で食事を提供する「子ども食堂」が広がりを見せています。貧困世帯の子どもの栄養確保に加え、多くの住民との交流の中で人間性が育まれる利点もあります。さらに最近ではひとり暮らしの高齢者の孤食を防ぐ「おとな食堂」という試みも生まれています。  今回の調査では、バランスのとれた食事の頻度が低い理由として、時間や手間がかかることをあげた割合も多くありました。ひとり親世帯や、家族に要介護者がいるといった事情も考えられます。  昨年6月にNPO法人「全国こども食堂支援センター・むすびえ」が行った調査によると子ども食堂は、現在、全国に3,718カ所にまで広がり、訪れた人数は、推計で延べ約160万人にも上ります。  ここまで急速にふえた理由について、「むすびえ」の理事長で東京大学の湯浅 誠特任教授は、「貧困対策だけでなく、地域の交流拠点という認識が広がっているためだ」と指摘。また「子どもの声を聞く機会が減った」、「地域で知り合う機会が減った」と感じている人がふえているのも背景にあると言われています。  今では、多くの子ども食堂は子どもから高齢者まで幅広い世代に利用され、利用者の9割が高齢者という子ども食堂もあります。さらに食事提供だけでなく、学習支援や就労体験など多様な役割も担うことから、地域住民から人気を集めています。  本市におきましても子ども食堂が定着し、年々その数もふえてきました。さまざまな工夫を凝らしながら取り組まれていますが、本来支援したいと思っている子どもに食事の提供ができないなど、課題も耳にしております。子どもや高齢者の居場所としての子ども食堂がさらに充実したものとなるよう以下質問させていただきます。  ア 市内で開催されている子ども食堂の状況について。  イ 子ども食堂の事業に対して市の支援はどのようなものがありますか。  ウ 子どもの居場所づくりとして子ども食堂のほかにはどのようなものがありますか。  エ 高齢者の居場所づくりの中で、食事を提供しているものはありますか。  以上、1回目の質問となります。よろしくお願いいたします。 4 ◯議長(横田 実議員) 順次答弁願います。教育部長。 5 ◯赤岩 直教育部長 それでは、1の府中市立学校の働き方改革のさらなる推進について順次お答えします。  まず、アの府中市立学校における働き方改革推進プランの目標達成状況ですが、本プランでは、教員の在校時間の現状等を踏まえ、当面の目標を、週当たりの在校時間が60時間を超える教員をゼロにするとしています。学校行事など教育課程の実施状況により、月ごとに集計ではばらつきがある状況でございますが、平成31年4月から令和元年12月までの期間で、週当たりの在校時間が60時間を超える教員が一人も出なかった学校は、小・中学校合わせて1校です。引き続き教員が行うべき業務に取り組む時間の確保のための支援策を講じるなど、教員の在校時間の削減に取り組んでまいります。  次に、イの副校長等校務改善支援事業の成果と課題ですが、成果としましては、副校長等校務改善支援員が副校長の業務の一部を担うことにより、副校長に時間的余裕が生み出され、人材育成や教育課程の管理、府中版コミュニティスクールの実現に向けた地域との密接な連携など、学校経営を直接推進する職務に力を注ぐことができるようになったことや、学校経営を強力に推進する意識の向上が見られるなど管理職の育成につながったことなどがあげられます。  次に課題ですが、支援員が複数体制になり、教員への支援も広がりが見られるようになった一方で、人材の安定的な確保が課題と捉えております。  次に、ウの長期休暇や休職している教員の状況についてお答えします。今年度に病気休暇を1カ月以上取得した教員は、その後病気休職に入った方を含めて12人で、そのうち精神疾患は11人です。なお、令和2年2月1日現在、休職している教員は12人で、そのうち精神疾患は8人です。  次に、エの休職中の教員の補充についてですが、基本的な考え方としまして、当該年度の年度末まで休職することが明らかな場合は、東京都教育委員会に対し、正規教員の補充を希望する申請を行います。その後、教員名簿に登載されていて配置されていない者もしくは期限付任用の者がいる場合は、その者が配置されることとなりますが、配置可能な者がいない場合や年度内の復帰が見込まれる等の場合は、非常勤講師で対応することとになります。  最後に、オの小学校の特別支援教室の運営状況と教職員の配置状況についてお答えします。本市では、平成30年度から22校全ての市立小学校に特別支援教室を設置しており、そのうち5校を拠点校として教員を配置し、教員は拠点校から各小学校に出向き、在籍学級担任と相談の上、児童の状態に応じた指導を実施しています。なお、本年度は36人の教員を配置しています。  以上です。 6 ◯議長(横田 実議員) 子ども家庭部長。 7 ◯沼尻 章子ども家庭部長 続きまして、2件目の子供や高齢者の居場所づくりの充実に関する御質問に順次お答えいたします。  初めに、アの子ども食堂の状況についてでございますが、子ども食堂は、人々とのつながりが希薄化し、孤食が社会問題として進む中、子供たちにとって、地域のさまざまな世代と接し、多様な体験ができる場所となっております。現在、市民団体が定期的に開催している子ども食堂は9カ所あり、地域の公会堂を中心に福祉施設などを利用して、特定の曜日に月1回、平日の夕方や休日の昼の時間帯に活動しております。  次に、イの子ども食堂への本市の支援でございますが、安定的な子ども食堂の運営を支援するため、経費面では、開催1回当たり1万円、年間24万円を上限として運営費の補助を行い、また、本市は、子ども食堂運営団体と各関係機関との連携会議を開催し、情報や課題の共有を図っております。  本年度の連携会議では、各子ども食堂の近況報告や課題に対する意見交換とあわせ、子供や家庭を支援する際に必要な情報を取り上げ、生活支援や養育支援の業務紹介、地域子育て支援センター「はぐ」の保育士による講話などを企画し、実施したところでございます。  次に、ウの子供の居場所づくりとして子ども食堂以外のものについてでございますが、放課後等に小学校の余裕教室等を活用して実施している放課後子ども教室のほか、各文化センターに設置している児童館や中央図書館の児童室及びヤングアダルト、略してYAルーム並びに地区図書館のYAコーナー、また、市民活動センタープラッツに設置されている青少年が優先的に利用できるスペースなどがございます。  以上でございます。 8 ◯議長(横田 実議員) 福祉保健部長。 9 ◯村越功一郎福祉保健部長 最後に、エの高齢者の居場所づくりの中で、食事を提供しているものについてでございますが、まず、市の事業といたしましては、介護予防推進センターにおいて、65歳以上の高齢者を対象に、世代間交流の一環として、光明高倉保育園のトワイライト事業を利用する子供たちと一緒に食事をしながら交流する事業を実施しております。  また、市民が主体となっている高齢者が多く集うサロン活動において、食事を楽しみながら地域での交流を深める活動が行われております。  以上でございます。 10 ◯4番(高津みどり議員) それぞれに御答弁ありがとうございました。  1件目から質問順に進めさせていただきたいと思います。  初めに、働き方改革推進プランの目標については、週当たり60時間以内の目標に対して達成できた学校が1校のみであることがわかりました。プラン1年目でもありますが、今後の目標達成に向けては、御答弁にもありましたとおり、早急に支援策を講じることが重要であると考えます。  副校長等校務改善支援事業については、確実に業務負担の改善につながっていることがわかりました。事務作業などにより教員の負担軽減も図られていると聞いておりますので、役割分担を明確にして、支援の充実に努めていただきたいと思います。  次に、今年度1カ月以上の休暇取得者は12名、そのうち精神疾患が11名、休職者は12名で、そのうち精神疾患が8名ということで、本市においても、病気休暇に占める精神疾患の割合が大変高いことがわかりました。そして、休職者の補充については、休職が明らかな場合は正規職員の補充が可能であることがわかりました。  しかしながら、短期休暇を繰り返し、結果的には、年に数カ月休むような場合には、副校長や、また在校しているほかの教員がその穴埋めをせざるを得ないというようなことにもつながります。子どもたちのためにという使命感で対応していただいていることも承知しておりますが、負担は大きいものと察します。こうした事態を防ぐためにも相談体制の整備が必要であると感じます。  最後に、小学校の特別支援教室については、今年度36名の教員が配置されたとのこと、児童10人に対して教員1人の体制と聞いておりますので、対象の児童数はおおむね360人ということになります。これだけの児童が移動しなくても在籍している学校で支援が受けられるようになったことは大変よかったことだと思っております。全校実施は平成30年度から始まったばかりですので、現場の職員、教員の声も聞いていただき、今後の特別支援教室の支援の充実をお願いいたします。  ここで、教員の働き方改革の2回目の質問として、1)、残業の主な理由と、週60時間超えの教員の割合について。  2)、副校長等校務改善支援員の具体的な業務内容について。  3)、学校経営支援事業としての人材バンクの設置、人材確保についてどのようにお考えですか。  4)、休職している人数の推移について。  5)、スクールロイヤーの配置など、相談体制のお考えはありますか。  6)、小学校への特別支援教室を全校実施しての成果と課題、来年度、中学校への導入に向けての課題について。  続きまして、2件目に入ります。  1回目で、子ども食堂の現状について伺いました。市内で定期的に開催されている食堂は9カ所で、月に1回程度のペースで行われていることがわかりました。事業支援については、運営費の補助が行われているほか、運営会議を通して情報や課題の共有が図られているとのことでした。不定期で行われているところや、今後、開設を予定している子ども食堂もあると聞いておりますので、情報提供や子ども食堂同士での連携についても推進していただきたいと思います。  また、子ども食堂以外の子どもの居場所づくりとしては、放課後子ども教室や児童館を初め、図書館やプラッツなどがあることがわかりました。  高齢者の居場所づくりとしての食事の提供については、介護予防推進センターでの世代間交流の一環として行われていることがわかりました。サロン活動でも、食事の提供につながることを期待いたします。  長崎市立城山小学校放課後子ども教室、城山スクールでは、城山小学校の児童を対象に週2回、放課後の学習支援を実施する中で、企業から寄せられた食品を無償提供するフードバンク団体や、九州調理師専門学校などと連携し、子どもが自分で食事をつくって食べる料理体験と食育を兼ねた子ども食堂を月2回開催しています。  また、埼玉県では、平成30年6月に、「こども応援ネットワーク埼玉」を設立し、こども食堂を地域の人々の交流の場として、開設を後押ししています。こども食堂に関する情報提供のほか、開設希望者と空き家の活用を考える個人や、食材を提供したい企業などをつなげるマッチングも進めてきました。現在、ネットワークの登録者数は約300の団体・個人に達し、今後もふえる見込みだといいます。こうした取り組みが実を結び、県内のこども食堂は1年間で164カ所から230カ所にふえ、昨年6月からは、こども食堂の開設を希望する人に運営経験者や専門家を派遣するアドバイザー派遣事業も実施しております。  これらの活動などから、コミュニティや貧困対策だけではない子ども食堂の可能性も見えてきます。  ここで、2回目の質問として、1)、各子ども食堂が抱える課題について、2)、子ども食堂と民間企業との連携について、3)、子ども食堂の今後の展望について、4)、介護予防推進センターでの事業の詳細及び介護予防推進センター以外で高齢者が食を通じて多世代交流をしている取り組みについて。  2回目となります。よろしくお願いいたします。 11 ◯赤岩 直教育部長 それでは、1の府中市立学校の働き方改革のさらなる推進についての2回目の質問に順次お答えします。  初めに、1)残業の主な理由と週60時間超えの教員の割合についてですが、残業の主な理由は、小学校では、授業準備、行事準備、事務処理。中学校では、部活動、校務分掌、授業準備となっております。  週60時間超えの教員の割合については、平成31年4月から令和元年12月までの期間のうち、夏期休業期間中である8月を除いた平均でお答えいたします。小学校の平均が8.3%、中学校が15.2%、全体の平均が10.6%となっております。  次に、2)副校長等校務改善支援員の具体的な業務内容ですが、文書の発送、交換便の仕分け、ファイルのラベル等の作成などの文書関連事務補助、出勤簿や休暇処理簿の管理などの人事関係事務補助、各種調査、報告、届出などの作成等補助、会議等の会場準備などでございます。  次に、3)学校経営支援事業としての人材バンクの設置、人材確保の考えについてですが、学校では、副校長等校務改善支援員を初め、多くの支援員が学校経営を支える重要な役割を担っていますが、安定した人材の確保が校長会からも要望があるなど課題となっています。  現在、支援員を希望される方を教育委員会で登録していますが、それにあわせて、支援員の適正な配置を検討するほか、職務にかかわる技能、知識の獲得のための研修や他校の支援員との情報交換会の実施など、支援員の質の向上を図る人材バンクの設置を検討しています。  次に、4)休職している人数の推移についてですが、平成27年度から令和元年度の5年間の状況をお答えします。平成27年度10人、平成28年度11人、平成29年度22人、平成30年度24人、令和元年度は2月1日現在までですが12人です。  次に、5)スクールロイヤーの配置など相談体制の考えについてですが、教員の働き方改革やいじめ問題や不登校問題、新学習指導要領で求められている教育の質的な向上など、学校を取り巻く環境は大きな変革期を迎えています。  このような状況の中で、学校が教育の質的な向上を図っていくことに専念するためには、学校で生じるさまざまな問題を教職員だけで対応するのではなく、専門スタッフとともに「チーム学校」という組織づくりを行うことが必要となっています。  その一助として、スクールロイヤーを配置することは、いじめ・不登校などの子供にかかわる問題や学校における事故等の問題について、弁護士が学校側からの依頼により内部的に助言を行い、学校は法的根拠を踏まえて問題解決に当たることができるものと認識しています。  なお、弁護士による定期的な法律相談、教員の質的向上のための研修などの実施を令和2年度に予定しております。  最後に、6)小学校への特別支援教室を全校実施しての成果と課題、来年度中学校への導入に向けての課題についてですが、成果としましては、情緒障害等通級指導学級であった平成28年度と令和元年度を比較すると、在籍児童数は1.7倍に増加しています。理由としては、保護者の送迎負担が軽減されたことや全小学校に特別支援教室が設置されたことにより、保護者への理解が広まったものと捉えております。  次に、課題ですが、児童・生徒一人一人に適した指導内容、指導方法の一層の充実と考えております。  中学校での導入に向けての課題については、拠点校を2校としてスタートしますが、拠点校1校当たりの巡回校が自校を含めて6校ないし5校となり、教員の移動等の負担がどの程度になるのか、また、中学生の発達段階に応じた指導を工夫していく必要があることが課題であると捉えています。  以上です。 12 ◯沼尻 章子ども家庭部長 続きまして、2の子供や高齢者の居場所づくりの充実に関する2回目の御質問に順次お答えいたします。  初めに、各子ども食堂が抱える課題でございますが、各子ども食堂は、それぞれの特徴や経験年数の違いがあり、抱えている課題もさまざまであると伺っております。  例えば、開設から間もない食堂では、子供たちへの周知や会場運営に課題があり、また、経験年数が長い食堂でも、スタッフ同士の打ち合わせ時間の確保に課題があると伺っております。連携会議では、こうした課題の解決に向けて、各団体が工夫している取り組みの紹介やそれぞれの経験を踏まえたアドバイスをいただき、ほかの団体が参考になる事例を共有しながら、居場所づくりの充実に取り組んでいるところでございます。  次に、子ども食堂と民間企業等との連携でございますが、現在、子ども食堂では、地元のスーパーや保育園などに開催案内を掲示し、周知に御協力いただいているほか、地域の商店や企業、農協からも、食材やお土産用に調味料などを御提供いただいております。御支援いただいている企業等につきましては、子ども食堂の案内チラシに掲載して、利用者の方へ御紹介していると伺っております。このほか、企業からは本市に対してまとまった量のカレー粉を提供したいとのお問い合わせをいただいた例がございました。本市では、各子ども食堂へ提供企業の申し出内容を伝え、利用希望を募り、食材提供の調整を図ったところでございます。  次に、子ども食堂の今後の展望でございますが、子ども食堂は、子供たちの未来を応援したいという地域の方たちの熱意に支えられて広がってきた活動であると認識しております。本市といたしましては、今後も子ども食堂が地域の居場所として安定的に運営できる環境整備に努め、子供たちが地域のさまざまな世代と交流し、多様な体験ができる場所の支援を、活動されている方たちとともに、しっかり連携をとりながら進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 13 ◯村越功一郎福祉保健部長 最後に、4点目の介護予防推進センターの事業及び食を通じた多世代交流の取り組みについてでございますが、介護予防推進センターにおける世代間交流事業は、「ふれあいトワイライト食堂」として、平成30年度実績で36回実施しており、今年度は、このほかに光明高倉保育園の園児とのサツマイモの苗植えや収穫、敬老会の実施、月に1回程度行う「たまごといっしょ体操」、この「たまご」は他人の孫という意味ですが、この体操などを実施しているところでございます。  次に、それ以外の多世代交流についてでございますが、市民主体の活動といたしまして、高齢者が多く集まるサロンに子育て世代の親子が参加して食事をするなど、幅広い年齢層が集まる活動もあると聞いております。  このほかにも、災害に備えた炊き出しを想定して、カレーをつくり、地域の方で一緒に食べる活動や、わがまち支えあい協議会の取り組みとして、参加者で食事をつくり、一緒に食べる活動を新たに始めた地域もあるなど、多世代が食事を通じて交流する機会がふえているものと認識しております。  以上でございます。 14 ◯4番(高津みどり議員) 御丁寧に御答弁ありがとうございました。  3回目になりますので、意見・要望を述べさせていただきます。  初めに、1件目の教員の働き方改革について、残業の主な理由は、授業準備のほか、小学校では事務処理、中学校では部活動などがあげられておりました。特に中学校では、15%以上の教員が週60時間を超える残業をしていることもわかりました。個人差はあると思いますが、長期にわたって残業が続いている教員などに対しては、過労につながらないよう、適切な対応を検討していただきたいと思います。  次に、副校長等校務改善支援員は、事務作業全般にわたっての業務を担い、教員の負担軽減に努めていただいているわけですが、教員の残業や在校時間を考えると、支援員を効率よく配置する必要性は感じます。この支援員の年間の就業時間も決まっていると伺っておりますので、なおさらのことだと思います。  東京都における公立小・中学校の正規職員の定数は、各学校の学級数を基礎として算出されているため市で加配することはできません。しかしながら、東京都では、加配教員として、習熟度別指導や不登校加配、小学校の英語専科加配などの制度があると伺っております。業務分担による負担軽減は、何より多くの目で子どもたちを見守ることが可能になります。推進プランでも加配制度の効果的な活用があげられておりますので、積極的な活用をお願いいたします。  さらに、学校支援事業については、人材バンクの設置は検討中とのことでした。団塊の世代が定年を迎える時期にもなりますので、教員経験者などの人材確保に努めていただくとともに、校長会からも安定した人材確保の要望もあるとのことですので、早期の設置を要望いたします。  休職者は、この5年間で毎年10名以上、中には20名を超える年もありました。年度途中での補充を考えると非常に厳しい状況であると思います。弁護士による定期的な法律相談や、教員の資質向上のための研修が来年度実施予定とのことですので、相談しやすい環境づくりもあわせてお願いいたします。  学校という限られた空間の中では問題が起こったときに相談する場所がない場合、一人で問題に向き合わなければならなくなります。保護者との問題に限らず、同僚や管理職との問題などは外部に漏らすわけにもいかず、誰にも言えない結果、精神的に病んでしまうことにもつながります。精神疾患での休職や休暇取得者が多いことを考えると、法律問題だけでなく、気軽に相談できる体制の確立を検討していただくようにお願いいたします。  特別支援教室については、通級のときに比べて、在籍児童が1.7倍にふえたことがわかりました。自校で指導が受けられることは、児童にとっても、保護者にとっても安心で安全な体制が整ったことと感謝申し上げます。中学校での導入に向けては、巡回校が五、六校になり、教員の移動負担などが課題であるとのことでした。小学校と違い、移動距離も長くなるので、状況に応じて対応を考えていただきたいと思います。  教員が元気でなければ、児童・生徒の健全な育成もできません。教員が授業の充実に力を入れ、一人一人の子どもに寄り添えるよう労働環境の改善を図っていただき、働き方改革のよりよい推進を要望して1件目の質問を終わります。  続きまして、2件目の子どもや高齢者の居場所づくりについてですが、各子ども食堂によって課題はまちまちのようですが、連絡会議が課題解決にもつながっていることがわかりました。企業等との連携は、それぞれの子ども食堂で、地元の企業などから食材の提供を受けているほか、市も問い合わせのあった企業から食材提供もしていただいているとのことでした。  今後の展望として、多世代交流や安定した運営ができるよう環境整備にも努めたいとのことですので、先ほど紹介した「こども応援ネットワーク埼玉」のように、大規模な支援はできないかもしれませんが、連絡会議等を通じて、協力してもらえる企業や個人とのマッチングもぜひ進めていただきたいと思います。  また、昨年の第4回定例会で、前川議員の一般質問でも、子ども食堂、子どもの居場所づくりの新たな地域活動の場として文化センターの活用も検討していくとの御答弁もございましたので、環境整備のためにも推進をよろしくお願いいたします。  そして、高齢者の食を通じての多世代交流は、介護予防推進センターでの「ふれあいトワイライト食堂」のほか、サロンや、わがまち支えあい協議会などでも取り組みが始まっていて、ふえていることがわかりました。国立社会保障・人口問題研究所が昨年公表した2040年までの都道府県別世帯数の推計結果によると、東京都内の高齢者世帯の45%はひとり暮らしになると見ています。都は、昨年12月に発表した「未来の東京」戦略ビジョンで、高齢者の居場所づくりとして「おとな食堂」仮称ですが、の創設を推進する方針を示しました。具体的には、都営住宅などの交流スペースを活用し、2030年度までに100カ所を整備、都営住宅や周辺に住む高齢者の利用を見込んでいます。都は高齢者世帯の単身化を念頭に、公的住宅での導入などを通し、先導して居場所を整備していく考えです。  高齢者への食事のサービスとしては、見守りも兼ねたお弁当の宅配は定着していますが、デイサービスなどを利用しない限り、大勢で食事をとることは余りないと思います。そうした中で、冒頭でも触れたひとり暮らしの高齢者の孤食を防ぐ大人食堂は各地で広がりを見せています。東京都豊島区のフレイル対策センターで行われているおとな食堂は、特定非営利活動法人ワーカーズコープが昨年6月から始めました。1食300円で「低価格で栄養が摂取できる食事」をコンセプトにメニューをつくっています。こうしたおとな食堂は各地に浸透している子ども食堂からヒントを得て、家にこもりがちなひとり暮らし高齢者の社会参加を促す場にもなっています。このフレイル対策センターには中・高生の活動拠点もあり、今後、連携した取り組みも予定されております。  今回は、子どもや高齢者の居場所づくりの充実を願って質問させていただきましたが、私も子ども食堂に携わる中で、子どものことを相談したいという若いお母さんにも出会いました。また、大勢で食べられて楽しかったというアンケートの結果も多く見られております。地域の中で、間違いなく必要とされている居場所になっていると感じています。今後は、居場所としての子ども食堂の充実を図るとともに、多世代交流の場としてのおとな食堂も視野に、居場所づくりの支援を充実させていただくよう要望して、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。 15 ◯議長(横田 実議員) 以上で、高津議員の質問を終わります。
           ─────────────────────────────── 16 ◯議長(横田 実議員) 次に、遠田議員の質問を許可いたします。23番、遠田議員。       〔23番遠田宗雄議員登壇〕 17 ◯23番(遠田宗雄議員) 議席番号23番、公明府中の遠田宗雄でございます。  今回の一般質問は、誰も置き去りにしないSDGsの理念を生かしたまちづくりを求めての1件です。  高野市長は「誰も置き去りにしない福祉の充実を目指し、4年間しっかりとまちづくりを進めていく」と、府中市長選挙戦を振り返り抱負を語られました。  2011年の東日本大震災や昨年の台風19号による避難勧告など、災害対策の強化を初めとする喫緊の課題は山積しており、「市の経営は予断を許さない状況であり正念場を迎えている」との判断から発せられた高野市長の考えるまちづくりの根幹は、持続可能な開発目標を掲げた国連のSDGsの理念を共有するものと受けとめています。  私たち公明府中は、「小さな声を聴く」、「寄り添う」との姿勢、そしてユーストークの展開で若者の声をテーマ別に検討するなどSDGs達成に向け取り組んでおります。  また、内閣府はSDGs達成に向け先進的な取り組みを進める「SDGs未来都市」として今後5年間で新たに150都市を選定して後押しするなど、関連施策を進めるとしています。  SDGs推進の中で男女ともに貧困と教育分野に関心が高く、さらに男性は働きがいや経済、女性はジェンダーに関心が集まっていますが、SDGsを知らない人の割合が5割を超えています。  また、SDGsの17の目標が、人類が直面する現状を改善するために重要と感じながらも個人としてどう携わっていけるのかわからない人が多いのも実情です。  このような現状を把握する中で、府中市が抱える課題の解決はSDGsの考え方と一致するものと考えますので「SDGs未来都市・ふちゅう」を目指し、以下質問いたします。  ア 市長の掲げる誰も置き去りにしない政策はどのように実現されようとしているか3期目にかける思いをお聞きします。  イ 国連が2030年までに実現を目指す17項目の持続可能な開発目標(SDGs)は地方自治にどのような影響を与え、一自治体として府中市は何をなすべきと考えていますか。  ウ 内閣府はSDGsの達成に向けたすぐれた取り組みを行う自治体を「SDGs未来都市」に選定するなど取り組みを支援していますが、先進的に取り組んできた自治体についてどのように評価されていますか。  エ 本年東京2020オリンピック・パラリンピックを府中市としてどのように迎え、未来へつなげようとされていますか。また、SDGsにつながる具体的な取り組みは令和2年度にどのように反映されますか。  以上、1回目の質問です。一括質問形式にて伺いますので、御答弁、よろしくお願いいたします。 18 ◯議長(横田 実議員) 順次答弁願います。高野市長。 19 ◯高野律雄市長 遠田議員の御質問、アの誰も置き去りにしない政策の実現に向けて、3期目にかける思いにつきましてお答えいたします。  本市では、これまで、高齢者の生きがいづくりや就労支援、さらには介護保険制度の円滑な運営など、高齢者福祉サービスのより一層の充実を図るとともに、地域住民同士による支え合いの取り組みに対する支援など、高齢者の皆様が住みなれた地域で安心して暮らし続けることができる住みよいまちづくりに取り組んでまいりました。  合わせて、居宅介護、生活介護、就労継続支援などの障害者福祉サービスの提供を初め、児童発達支援や障害者差別解消への取り組み、さらにはバリアフリーの推進に関する施策の推進など、障害者サービスの充実にも取り組んできたところでございます。  その上で、私は3期目となる今後の4年間におきまして、引き続き市民の皆様との対話を重視し、府中市らしい協働をより一層推進することにより、誰も置き去りにしない、市民の誰にもやさしいまちづくりの実現に向け、全力で取り組んでまいりたいと考えております。  その他の御質問につきましては担当部長からお答えいたします。 20 ◯議長(横田 実議員) 政策総務部長。 21 ◯遠藤弘美政策総務部長 続きまして、イのSDGsが地方自治に与える影響と、府中市は何をなすべきかについてお答えいたします。  国が定めるSDGs実施指針では、地方自治体に期待する取り組みといたしまして、自治体が策定するさまざまな計画にSDGsの要素を反映することや、関係団体との連携を強化するなど、SDGs達成に向けた取り組みを促進することがあげられております。  また、昨年12月に国が策定した、第2期まち・ひと・しごと創生総合戦略において、SDGsは、持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現を目指して、経済・社会・環境をめぐる広範な課題に統合的に取り組むものであり、この理念に沿って取り組みを推進することにより、政策全体の最適化、地域課題解決の加速化という相乗効果が期待でき、地方創生の一層の充実・深化につなげることができるなど、地方自治に影響を与えるとされています。  本市といたしましても、今後策定予定の次期府中市総合計画にSDGsの要素を反映することを検討するなど、持続可能なまちづくりに向けて取り組みを進めてまいりたいと考えております。  続きまして、ウの先進的に取り組んできた自治体を、府中市はどのように評価するかについてでございますが、これまでSDGsの達成に向けて先進的に取り組んできた自治体につきましては、SDGsの理念に沿った取り組みにより、経済・社会・環境の三側面における新しい価値創出を通して、持続可能なまちづくりの実現に取り組むとともに、多様な関係団体との連携により、地域において自主的、主体的な好循環の実現を目指していることから、本市といたしましても、参考にすべき点があるものと認識しております。  最後に、エの東京2020オリンピック・パラリンピックをどのように迎え、未来につなげるか等についてでございますが、初めに、東京2020大会を市としてどのように未来につなげていくかについてでございますが、本市では、昨年のラグビーワールドカップ2019及び東京2020大会を地域活性化の契機とし、持続的な発展へとつなげるため、府中市東京オリンピック・パラリンピック競技大会等関連事業推進アクションプランを策定し、スポーツや文化、観光、教育など、さまざまな分野での取り組みを実施しており、レガシーの創出に努めております。これらの取り組みを通じて創出された価値あるレガシーを、大会後、未来につなげることが重要であると認識しております。  次に、SDGsにつながる取り組みについてでございますが、東京2020大会は、世界最大規模のスポーツイベントであり、環境、社会、経済などの分野で世界的に影響が及ぶことから、持続可能性コンセプトを「Be better,together/より良い未来へ、ともに進もう。」として準備、運営が行われています。本市がアクションプランに基づき実施する大会関連のさまざまな取り組みは、総じて「平和と公正をすべての人に」や「パートナーシップで目標を達成しよう」などといったSDGsの17のゴールに通じているものと認識しておりますので、いよいよ本番を迎える東京2020大会に向けて、アクションプランに基づく各種取り組みを積極的に推進してまいります。  以上でございます。 22 ◯23番(遠田宗雄議員) 御答弁、ありがとうございました。  初めの質問で高野市長より御答弁をいただきましたが、対話を重視し、府中市らしい協働をより一層推進することにより、誰も置き去りにしない、市民の誰にもやさしいまちづくりの実現に向け、全力で取り組むとの決意を改めて語っていただきました。ありがとうございます。私も市長の思いを共有させていただきたいと思っております。  日本はSDGs達成ランキングで156カ国中15位、気候変動対策など17の目標のうち達成されていると評価されたのは、目標4の「質の高い教育をみんなに」の一つのみで、他の目標は未達成となっています。  SDGs、17の目標、ゴールと、169のターゲット、目標をより具体的にしたもので構成されていますが、その一つ一つは身近な生活の中でどのように取り組んでいくのかとのレジリエンス、困難を乗り越える力の強化が必要となっています。  例えば障がい者は世界人口の15%を占める最大のマイノリティ、社会的な少数派です。ジェンダーに関しても、目に映らない存在にされてきた人々を目に見える存在にすることの大切さなどがあります。  発言内容の要旨でも述べましたが、SDGsの第一の目標は貧困をなくすことです。オーストラリアの大規模火災など温暖化と異常気象により災害の被害が拡大する中で貧困に苦しむ人々や社会的に弱い立場にある人々、女性、子ども、高齢者に多く見られる生活の立て直しが困難な状況に陥った人々を、誰一人取り残さない、誰も置き去りにしないとのSDGsの理念は、どんなにグローバルな課題であっても一人一人の命と生活と尊厳を大切に考え、弱者の側に立つ、今の生活から「悲惨」の二文字をなくす、そのための政策を、昨年の台風19号への対策などのように、私たちにとって、より身近な視点から捉えていくことが求められています。  SDGsを先進的に取り組んできた自治体については、自主的、主体的な好循環の実現を目指していることから参考にすべきと評価し、東京2020オリンピック・パラリンピックについて、レガシーを、大会後、未来につなげるとの御答弁と、アクションプランに基づく取り組みを積極的に推進するとの決意もいただきました。  今、府中市が抱える公共施設マネジメントの最適化や教育環境の整備、災害対策など市政運営のあらゆる面でSDGsという新たな視点で持続可能なまちづくりに取り組むべきではないかと考えます。  このような思いから、2回目の質問に入ります。  1、国は、第2期まち・ひと・しごと創生総合戦略において、SDGsは政策全体の最適化、地域課題解決の加速化という相乗効果が期待できるとしていますが、このことを受けて、府中市ではSDGsの要素の反映について検討する次期総合計画の策定をどのようなスケジュールで進めますか。  2、先進自治体においては、多様な関係団体との連携により地域における好循環の実現を目指しているとの答弁をいただきました。SDGsに関連して具体的に取り組んできた団体や企業、またその内容がわかれば教えてください。また、さまざまな大学がSDGsについて取り組んでいるのですが、把握されていますか。また取り組んできた内容も含めお答えいただけるとうれしいです。  3、SDGsを知らない、知っていてもどう取り組んでいいかわからない人たちに向けて、認知度向上のための情報発信、普及活動をどのように考えていますか。  4、こうした活動は楽しくやれるかが大事なポイントになると思います。私が視察で訪問した北海道ニセコ町のイベント、マルシェでは、SDGs17の目標をピクトグラムで表したボードで羊蹄山をバックに記念写真が撮れるインスタ映えのするボードを展示しておりました。簡単に楽しくSDGsを知ることができるイベントの開催やグッズ等の作成の考えはありませんか。  5、最後に、内閣府が「SDGs未来都市」を今後5年間で新たに150都市を選定し、後押しをするとの方針を出しましたが、「SDGs未来都市」の考えはないか、2回目の質問といたします。  よろしくお願いいたします。 23 ◯遠藤弘美政策総務部長 2回目の御質問にお答えいたします。  初めに、1点目の次期総合計画の策定スケジュールについてでございますが、来月、令和2年3月に、府中市総合計画審議会を設置し、5月からは公募市民と市職員で構成する府中市総合計画市民検討会議を開催するほか、適宜、タウンミーティングやグループインタビューなどを実施する中で、市民の皆様の御意見や御要望などを丁寧にお聞きし、これらを踏まえて府中市総合計画審議会においてさまざまな視点や角度から御議論をいただきます。  そして、令和3年度には当該審議会から答申を受け、同年12月を目途に総合計画を策定してまいりたいと考えております。  続きまして、2点目の、SDGsに具体的に取り組んできた団体や企業、取り組み内容の把握についてでございますが、SDGsに取り組む企業や団体の数は徐々にふえているものと認識しており、その具体的な取り組み内容としては、温室効果ガスの排出を抑制することで、目標13の気候変動対策に取り組んでいる事例や、高齢者を積極的に雇用することで生涯現役社会の実現を目指し、目標8の働きがいと経済成長に取り組んでいる事例など、企業やNPO法人、教育・研究機関などが、環境・経済・社会課題の解決に貢献するため、それぞれの団体が持つノウハウを活用して、持続可能な社会の実現に向けた活動を展開していることを把握しております。  次に、大学連携の考えについてでございますが、パートナーシップの推進をうたうゴール17は、SDGsの目標の一つでもありますことから、次期総合計画にSDGsを導入する際には、大学を初めとするさまざまなパートナーとの連携も視野に入れてまいりたいと考えております。  続きまして、3点目のSDGsの認知度向上のための情報発信、普及活動の考えでございますが、先進自治体では、ポスター掲示やチラシの配布、ホームページでの告知、イベントなどの機会を通じてのPRなど、市民の皆様にSDGsに関する情報発信を行っていると伺っております。これらの取り組みは、SDGsの認知度向上や普及、啓発のためには有効な手法であると考えております。  続きまして、4点目の簡単に楽しくSDGsを知ることができるイベントの開催やグッズの作成についてでございますが、本市といたしましては、これからSDGsの要素を次期総合計画に反映することを検討していく段階でございますので、イベントの開催やグッズの作成などは現時点では考えておりませんが、先進市の取り組みにつきまして注視してまいりたいと考えております。  最後に、5点目の「SDGs未来都市」の考えはないかについてでございますが、持続可能なまちづくりのために、自治体がSDGsの達成に向けたすぐれた取り組みを提案する「SDGs未来都市」は、昨年度から始まった新しい取り組みであり、内閣府は、今後2024年末までに150都市を選定することとしております。本市といたしましては、まずは、次期総合計画にSDGsの要素をどう位置づけるのかを検討した上で、市の目指す方向性と取り組みの内容が「SDGs未来都市」の基準に適合するか見きわめてまいりたいと考えております。  以上でございます。 24 ◯23番(遠田宗雄議員) 政策総務部長より2回目の答弁をいただきました。ありがとうございます。  今回の質問のきっかけとなったのは、教育者、牧口常三郎の著書にありました。みずからの体験を通して次のように述べています。子どもが生まれて母乳が得られなくなったとき、粗悪な脱脂粉乳に悩まされたが、医師の勧めでスイス産の乳製品にたどり着くことができ、事なきを得た。スイスのジュラ山麓で働く牧童に感謝する思いだった。また乳児が着ている綿着を見ると、インドで綿花栽培のために炎天下で働く人の姿が思い浮かぶ。平凡な一人の乳幼児も、その命は生まれた時から世界につながっていたのだと。出会ったこともない世界への人々への尽きせぬ牧口の感謝の思いは、世界は本来、多くの人々の営みが重なり合い、影響を与え合う中で成り立っているにもかかわらず、その実相が見失われる形で競争が続けられることになれば、深刻な脅威や社会で生じたひずみの中で苦しんでいる人々の存在が目に映らなくなってしまうとの、党創立者の言葉につながっています。  SDGs17の目標が、府中市緑の基本計画2020の中で紹介されました。御答弁にありましたように、総合計画の策定までは2年近くかかることになりますが、次期総合計画にSDGsを導入する際には、大学を初めとするさまざまなパートナーとの連携も視野に入れたいとの考えを示していただきました。  昨年の12月、食品ロスや海洋プラスチックごみの削減などにつながる環境に配慮した消費行動、エシカル、倫理的消費を推進するため、高校生が課題解決への取り組みを発表する「エシカル甲子園」が徳島県で開催されました。また、今月15日にはSDGsの達成に向けて活動する大学生らを応援するコンテスト「大学SDGsACTION!AWARDS」が渋谷キューズで開催されるなど若い世代の活動が展開されています。  他市での取り組みの中には、国連広報センターと協力関係を築く取り組みの一環として、市立図書館でSDGsを特集した書架の設置などがあります。名古屋市にある国際協力機構中部センターの「なごや地球ひろば」ではSDGsを学べる体験型展示が好評とのことでした。北九州市では市民や団体、企業、学校など950を超える会員が交流や情報発信を続けています。  府中市でも、SDGs推進の中心拠点の役割を担う、大学との連携や、地域住民向けのセミナー開催、そしてSDGsの認知度向上のための普及・啓発に力を注いでいただくことを強く要望いたします。  最後になりますが、SDGs達成に取り組む自治体は全体の13%、241団体にとどまることが昨年12月公表の内閣府の調査でわかりました。その一方で、SDGsに関心があると答えたのは約58%に当たる1,044団体にも上ります。SDGs達成に向け、先進的な取り組みを進める自治体を「SDGs未来都市」として210都市を選定すると御答弁の中にもありましたので、ぜひ「SDGs未来都市」への検討を期待します。  高野市政3期目の、この4年間の中で、SDGsの理念を生かしたまちづくりが推進されることを願い、質問を終わります。  ありがとうございました。 25 ◯議長(横田 実議員) 以上で、遠田議員の質問を終わります。        ─────────────────────────────── 26 ◯議長(横田 実議員) 次に、増山議員の質問を許可いたします。17番、増山議員。       〔17番増山あすか議員登壇〕 27 ◯17番(増山あすか議員) 議席番号17番、自由民主党市政会の増山あすかです。通告に従い、2件、一問一答で質問いたします。  公園管理における市民協働導入と公園遊具について。  市内には、約350カ所の公園があり、子供からシニアの方まで幅広い世代に安らぎと憩いの場、余暇の場を提供している大事な公共施設の一つです。本市は、市民協働都市宣言を行っておりますが、公園の利用・管理について、市民協働はどのように取り入れているか、また、今後はどうしていきたいのか、市の考えを教えてください。  続いて、2件目です。府中市長選挙における投票率について。  本年1月に府中市長選挙が行われ、1週間の選挙期間中、2名の立候補者がそれぞれの主張のもと、激しく舌戦を繰り広げました。1月26日の投開票の結果、投票率は31.92%となりました。昨年4月に実施された市議会議員選挙の投票率46.64%、7月の参議院議員選挙の投票率53.17%と比較しても、投票率の低さが見てとれます。  また、4年前の投票率である32.79%と比較しても、投票率はさらに低下しており、自分が住んでいる市に直接関連がある選挙であるにもかかわらず、投票率が低下していることが懸念されます。  そこで、今回の選挙について振り返り、今後の投票率を向上させるために、以下お伺いいたします。  投票率を向上させるために、どのような対策を行ったか教えてください。特に、4年前の府中市長選挙のときと今回の選挙における違いを教えてください。  以上2件、よろしくお願いいたします。 28 ◯議長(横田 実議員) 1件のみ答弁願います。高野市長。 29 ◯高野律雄市長 1件目の御質問につきましてお答えいたします。  都市の緑として、私たちに安らぎや潤いを与えてくれる公園は、多くの市民が集う空間としてコミュニティの形成に寄与する機能や、スポーツやレクリエーションの場として余暇活動を充実させる機能、さらには、災害時の避難場所や防災活動の拠点として都市の安全性を高める機能など、重要な役割を担っているものと認識しております。  現在、市内の公園につきましては、基本的に市職員の定期的なパトロールによる管理を行っておりますが、インフラ管理ボランティア制度などを通じまして、地元自治会等に日常の清掃活動を行っていただいている公園もふえてきており、市民の皆様との協働による公園の管理に向けて取り組みを進めているところでございます。  なお、新たに策定いたしました府中市緑の基本計画2020では、緑育のまちづくりの視点から、市民や民間事業者との協働による公園や緑地等の維持管理・運営・活用をより一層進めることとしておりますので、今後はインフラ管理ボランティア制度の拡充を初め、官民連携手法の導入に向けた検討を進めるなど、地域の特性や利用者のニーズを的確に捉えた、質の高い公園管理に取り組み、誰もが愛着を持ち、安全で快適に利用していただける、魅力ある公園を目指してまいりたいと考えております。  以上でございます。 30 ◯17番(増山あすか議員) 市長から答弁いただき、ありがとうございました。  現在は清掃活動の分野で市民協働を取り入れているということですが、今後は、それをさらに一歩進めて、維持管理、運営、活用の分野においても、市民協働を進める旨、御答弁いただきました。  まず、現在、市民協働として導入されている清掃活動、これは「府中まちなかきらら」のことだと思いますが、この制度についてお伺いします。  現在登録されている団体は幾つで、登録している団体からはどのような感想が寄せられているか教えてください。  また、今後改善してほしいという要望が来ていれば、その内容も教えてください。 31 ◯議長(横田 実議員) 答弁願います。都市整備部長。 32 ◯塚田雅司都市整備部長 お答えをいたします。  まちなかきらら制度に長期登録をいただいている登録団体等は、現在35団体ございます。登録団体からは、たばこのポイ捨てをなくす対応を考えて欲しいですとか、不法投棄を何とかしてほしいですとか、もう少し活動範囲を広げたいなどの相談や要望をいただいているところでございます。  以上でございます。 33 ◯17番(増山あすか議員) 御答弁いただき、ありがとうございました。  現在、まちなかきららに登録されているのは35団体ということで、以前聞いたときよりも、年々ふえているなというのを実感いたしました。多くの市民の方に愛着を持って清掃活動に御協力いただいているということだと思います。  また、要望につきましては、ポイ捨ての対策や不法投棄について相談があるということで、市民かどうかわかりませんけれども、一部のマナーの悪い方が悩ませているという状況もわかりました。私も市民の方から御相談を受けて、そのときは「不法投棄禁止」と書いた貼り紙を貼っていただいたところ、ぴたっと不法投棄がとまったこともございましたので、引き続き公園に合った対応をしていただきたいと思います。  その他の要望でございます。もう少し活動範囲を広げてという点ですが、公園については、特に近隣に住んでいる市民の方の愛情が強く、清掃だけでなく、よりよいものに積極的に改良したいとの要望を聞いております。具体的には、砂ぼこりが立つし、小さい子どもが素足で遊べるように芝生を張りたいという改良や、四季折々の花を植えられる花壇をつくりたいなど、市民の皆さんは趣向を凝らしたいろいろな案をお持ちでございます。  一方で、さまざまな年代の市民が、それぞれの目的を持って公園を利用しますので、ある人にとっては価値のある改良も、ほかの人にとっては違うものを望むかもしれません。  そこで、今後、市民との協働で維持管理、運営、活用を行う予定とのことでしたが、この点はどのように整理されているのか、考えを教えてください。 34 ◯塚田雅司都市整備部長 お答えをさせていただきます。
     今後、市民との協働による公園の維持管理、運営、活動につきましては、行政と市民との役割分担を明確にし、参加しやすい仕組みを、市民、事業者等の意見や意向を踏まえながら検討するとともに、緑育のまちづくりの活動や、各主体の連携、協働をサポートする中間支援組織の導入に向けて取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 35 ◯17番(増山あすか議員) 確かに同じ「花を植える」という行動でも、公園の位置や大きさ、遊具の配置の有無によって何が最適か異なりますし、花を植えるなら、私も参加したいという市民がいるかもしれません。  公園での市民協働を通じて、人とのつながりがふえるのは人生を豊かにします。コーディネーター役となる中間支援の方がいて、市民協働をサポートしていただけるのは、さらなる協働の拡大につながると思いますので、ぜひともよろしくお願いいたします。  次に、今後の協働は市民だけではなく、先ほどの御答弁では、民間事業者との協働や、官民連携手法の導入も検討されるということですが、具体的にはどのような方法があるとお考えでしょうか。お願いいたします。 36 ◯塚田雅司都市整備部長 お答えをさせていただきます。  具体的な官民連携の手法につきましては、指定管理者制度ですとか、パークアンドPFI、これは公募設置管理制度といいますか、包括的民間委託といった手法を比較し、検討し、適正な管理手法を検証し、維持管理、運営を進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 37 ◯17番(増山あすか議員) 幾つかの管理手法を検討されているということがわかりました。担当課は違いますが、現在、道路管理についても包括管理が導入されておりますので、その結果もしっかりと検証して、公園管理についても生かしていただきたいと思います。  次に、公園に設置されております遊具についてお伺いいたします。公園遊具は、公共施設と同様、老朽化が見られるものも多く、数年前より安全点検を行っていたと思いますが、その結果のランクづけ状況はどのようになったのか教えてください。 38 ◯塚田雅司都市整備部長 初めに、遊具の健全度判定に係る評価の基準でございますけれども、AランクからDランクの4段階に分けまして、その内容につきましては、Aについては健全、Bについては健全ですが部分的には劣化が進行している、Cについては全体的に劣化が進行している、Dについては全体的に顕著な劣化が生じているというふうな4段階に評価をしております。そして平成28年度から平成30年度にかけまして、市内の公園のうち、開設から25年以上経過した153公園について、公園施設長寿命化計画を策定する中で健全度調査を行い、設置している遊具731基のうち、A判定は15基、B判定は237基、C判定は402基、D判定は77基となってございます。  以上でございます。 39 ◯17番(増山あすか議員) 評価の結果、わかりました。全部で731基のうち、C判定とD判定を合計すると479基ということで、つまり調査したうちの約65%が全体的に劣化しているという状況がわかりました。  公園遊具の安全確保は絶対に必要なことでございますから、今後かなりの予算が必要になってくるとは思いますが、適切な更新をお願いしたいと思います。  劣化しているC判定とD判定についてですが、当該遊具については、更新するのか、それとも撤去するかの判断はどのような基準で行っているのか教えてください。 40 ◯塚田雅司都市整備部長 更新か撤去かという判断でございますが、健全度がC及びD判定の遊具の更新にすることとしております。原則的にはCもしくはDについては更新をするというのは、現状を見た中での判断をしているところでございます。  しかしながら、現在の安全基準によりまして更新ができない遊具については撤去をすることとなります。更新ができない遊具というのは、遊具の基準が変わりまして、ある程度、既存の公園施設内に設置ができる、できない、そういったところも勘案をいたしまして判断をしている状況でございます。  以上でございます。 41 ◯17番(増山あすか議員) 現在の安全基準に照らして、新しいものに更新ができない場合に撤去するという基準があるということが今の答弁からわかりました。  今年度、ある遊具の更新予定であった、若松町にある、とある公園では、更新する際に自治会の役員から、更新ではなくて撤去してほしいというような要望が強く主張されてしまい、後から、遊具がなくなったことで、子どもたちが、どうしてあの遊具がなくなったんだと、残してほしいというような要望と対立してしまったということがございました。  そこで、更新の際に、設置場所の変更を伴う場合や、撤去する場合は、どのような市民への周知を行っているのか教えてください。 42 ◯塚田雅司都市整備部長 遊具の更新につきましては、遊具の更新を行う際に、周辺の自治会、それから子ども会等につきまして十分周知をしているところでございます。  時期につきましては、ある程度、工事の積算を行う前に、遊具の配置について、自治会、子ども会とPTA会、そういったところの関係者の方の意見を伺い、配置の調整を行っている状況でございます。その後、ある程度の配置が決定いたしましたら、工事着手の1週間前ぐらいまでには工事のお知らせを配布をいたしまして実施している状況でございます。  以上でございます。 43 ◯17番(増山あすか議員) 更新、撤去する場合には、自治会などの意見を聞いてから配置も調整しているということで、市としては、地元の意見を取り入れながら安全対策を進めているというような状況がわかりました。  しかしながら、現在、府中市内にある自治会、町会は任意団体であるため、その地域全ての住民が加入しているわけではなく、また、運営方法が、自治会ごと、さまざまでございます。そのため、市から自治会の会長を経由して伝えた場合でも、その情報が、果たして役員まで回っているのか、その下の一人一人の会員にまで回っているのか、市の方ではなかなか把握できないところでございます。もちろん、きちんと会員一人一人まで周知を図っている、きめ細かな自治会や町会運営を行っているところも多いと思いますので、今までどおり自治会と事前に調整をする必要はありますが、それとは別の周知方法も検討する必要があると思います。  例えば、実際に利用している子どもや、その保護者にもわかるように、一定期間、滑り台などの遊具自体に貼り紙をしておくですとか、立て看板を立てるなど、なるべく利用者に多く知らせることができるような通知手段も検討していただきますよう要望いたします。  最後に、郷土の森総合体育館の前にある交通遊園についてお尋ねします。ここは近所の方だけではなく市内全域の子どもたちが遊びに来る公園です。また、ほかの市だけでなく、都心の子どもたちの遠足ルートにも組み込まれるような府中を代表する公園となっております。しかしながら、大分老朽化が進んでおり、手すりも塗装が剥げて無残な状態となっております。ゴーカートについても、そろそろ大規模な修繕をしてもよい時期かと思いますが、交通遊園の修繕について、お考えをお聞かせください。 44 ◯塚田雅司都市整備部長 御案内のとおり、交通遊園につきましては、昭和44年5月に開園し、これまで多くの子供たちに利用されてきた施設である一方、老朽化が進んでいる状況でございます。修繕につきましては、事後保全型の対応となっている状況でございます。  御指摘のゴーカートにつきましては、平成30年度にエンジンゴーカート制御システムを導入し、利用者の安全性の確保に努めている状況でございます。  遊具については、健全度調査の結果、11基のうち4基がC判定、1基がD判定となっていることから、今後、当該施設の修繕計画に基づき、修繕等につきましては、現時点では公園施設長寿命化計画の中で更新を行っていく予定でございます。  以上でございます。 45 ◯17番(増山あすか議員) 交通遊園は昭和44年に開園ということで、すでに50年、半世紀たっております。特にゴーカートは休日は行列ができるほど人気の高い公園ですので、ぜひとも早急に更新を行っていただくようお願い申し上げます。  また、健全度調査の結果も、約半分の5基が更新が必要な状況となっていることがわかりましたので、早急な対応をお願いいたします。  これで1件目の質疑を終わります。  続いて、2件目の答弁をお願いいたします。 46 ◯議長(横田 実議員) 2件目、答弁願います。選挙管理委員会委員長。 47 ◯相原 博選挙管理委員会委員長 選挙管理委員会委員長の相原でございます。  このたび、増山議員より御指名ございましたので、私から2件目の質問についてお答えをさせていただきます。  このたびの府中市長選挙は、今後の府中市政を託す、新たな市長を選ぶ選挙でありますので、選挙管理委員会では投票率向上に向けてさまざまな啓発活動を行ってまいりました。  初めに、広告物等でございますが、この啓発といたしましては、公共施設や市内の広報掲示板、商業店舗などに啓発ポスターを展示したほか、庁用車、ゴミ収集車、コミュニティバスにボディパネルを貼りつけたところでございます。  また、くるるの大型ビジョンでのCM放映、コンビニエンスストアのPOSレジに広告画面の表示、市公共施設や府中駅周辺におけるのぼり旗の掲示などを行ってまいりました。また、投票日当日は啓発放送を行うため、広報車2台を走らせております。  次に、広報紙等での啓発といたしましては、広報ふちゅう、市ホームページへの記事の記載のほか、テレビ版広報まるごと府中による周知やツイッターを活用し、投票状況等を発信しております。また、市内スーパー等に店内放送を依頼しております。  次に、街頭啓発といたしましては、明るい選挙推進委員の協力により、成人の日記念「青年のつどい」での投票参加の呼びかけや、さらには府中駅周辺及び地域での投票参加の呼びかけを行ってまいりました。  また、その他といたしましては、18歳から29歳までの投票立会人や投開票事務に従事する学生の募集を行っております。  次に、4年前との違いでございますが、啓発ポスターの市内の鉄道の駅や特定郵便局での掲示、コンビニエンスストア1社による投票参加の呼びかけ、店内放送を行ったところでございます。そのほかに市と協定を結んでおりますコンビニエンスストアの市内店舗に啓発ポスターを掲示いたしました。  また、府中駅周辺での街頭啓発といたしまして、明星高校の生徒18名に参加をいただいたところでございます。  以上でございます。 48 ◯17番(増山あすか議員) 2件目、選挙管理委員長に御答弁いただきありがとうございました。  本市の市議会議員選挙は、全国的に期日を統一した統一地方選挙で実施され、37名の候補者が市内をくまなく、選挙カーを含めて街頭活動をいたします。また、国政選挙は、テレビや新聞などのメディアでも大きく取り上げられますので、これから選挙が実施されること、それ自体、市民の関心も一気に高まります。  それに比べて、府中市の市長選挙は統一地方選挙と同時に行われる選挙でもなく、また、選挙が行われること自体が余りメディアで取り上げられない環境にございます。また、本市に限ったことではございませんが、立候補者の数も2名から3名であることを考えると、選挙期間中も、この広い府中市内を走る選挙カーの数も少なく、比較的静かな状態となってしまいます。  実際、選挙期間中に候補者と駅周辺に立っていると、「何の選挙ですか」と聞かれることがたびたびあるほどでした。つまり、特に市長選挙は、ほかの選挙と比較しても有権者の意識が高まりにくいと考えられます。  そこで、投票率を上げるためには、より一層PRが必要だと、今回の投票率を見て実感し、質問いたしました。  ただいま委員長から御答弁いただいたとおり、投票率向上のため、ポスターを初めとした視覚的なPRのほか、街頭でのキャンペーン活動なども実施していることがわかりました。特に今回の選挙においては、4年前と比較して、ポスターの掲示場所については、郵便局や鉄道駅などに拡大され、さらなる取り組みが出されたこともわかりました。このうち、私が1番目について効果的に感じたのは、府中駅周辺におけるのぼり旗でした。ペデ上には幾つもの同じ旗が立っているので、何のイベントだろうと、いやが応でも目につく効果的なものでございました。  そこでお尋ねしますが、市内には、府中駅以外にも13の駅があります。鉄道事業者にも協力していただき、府中駅以外の駅周辺にも同様ののぼり旗を立てることはできないか、考えを教えてください。  また、各文化センターに掲げていたのぼり旗も、一つではなく、複数枚、入り口のところに立てることで目立つと思いますが、ここもふやすことができないか、考えをお聞かせください。 49 ◯議長(横田 実議員) 選挙管理委員会事務局長。 50 ◯山崎信孝選挙管理委員会事務局長 お答えいたします。  のぼり旗につきましては、これまで市の施設に設置をしておりますが、市内の鉄道駅への設置につきましては、のぼり旗が通行等に支障なく安全面に配慮して設置できるかなど、鉄道事業者との協議が必要であると考えます。  また、文化センターに設置しておりますのぼり旗を増設することにつきましても、同様に文化センター主管課との協議が必要ではありますが、いずれにいたしましても、のぼり旗の設置場所の拡大等につきましては、選挙管理委員会において検討してまいります。  以上でございます。 51 ◯17番(増山あすか議員) のぼり旗はポスターと比べてすごくひらひらしておりますので、ある意味、景色になじまずに目を引く効果があると思います。  駅や文化センターは、市内くまなくございますので、府中駅以外でも、ぜひ本数をふやすよう検討していただきたいと思います。  次に、投票率向上を考える上で、どの年代にターゲットを絞って対策を講じていくかを検討するために、年代別の投票率を教えてください。 52 ◯山崎信孝選挙管理委員会事務局長 お答えいたします。  選挙管理委員会では、投票日当日は、当日の投票システムを導入していないことから、紙の選挙人名簿抄本を使用しまして投票事務を行ってございます。  このため、年代別の投票率につきましては、50投票所のうち投票率が平均、最高、最低の3カ所を抽出し、集計しておりますので、平均投票率に最も近い投票所、第46投票所、栄町体育館でございますが、こちらの年代別投票率でお答えをいたします。  初めに、10代、25.45%、20代、12.75%、30代、20.85%、40代、26.01%、50代、37.06%、60代、36.79%、70歳以上、42.52%でございます。  以上でございます。 53 ◯17番(増山あすか議員) 御答弁ありがとうございました。  結果の予測はしておりましたが、やはり年齢が上がるにつれて投票率も上がっていく傾向がよくわかりました。そのうち20代の投票率が一番低く、さすがに12.75%という低い投票率はかなり深刻な状況だと思います。  自分が住んでいるまちの市長を決める選挙であり、社会人になっている人も多いであろう20代が投票に行かないという現状は問題があると思います。  投票率を上げるためには、特に若い年代にターゲットを絞って対策を考えなくてはいけないということだと思います。  最初に御答弁いただいた中で、今回の選挙では明星高校の生徒に参加していただき、街頭活動を行ったと答弁していただきましたが、今回参加いただいたきっかけと、参加した生徒からの感想を教えてください。 54 ◯山崎信孝選挙管理委員会事務局長 お答えをいたします。  選挙管理委員会では、18歳選挙権となったことを踏まえまして、若年層の啓発事業の一環といたしまして、市内の高校に選挙時の街頭啓発に参加を依頼する文書を送付してございます。今回の府中市長選挙におきましては、明星高校から参加の回答をいただいたものでございます。参加していただいた生徒の感想といたしましては、「啓発物品をなかなか受け取ってもらえず恥ずかしかったが、このような機会はなかったので勉強になった」、また、今回の市長選挙で初めて有権者となる生徒は、「自分たちの将来にかかわることなので、選挙権のある人は行くべきだ」とのコメントをいただきました。  以上でございます。 55 ◯17番(増山あすか議員) 実際に選挙にかかわる活動をしてみることで、ぐっと政治や選挙を身近な問題に感じることができると思いますので、とてもよい取り組みであったと評価したいと思います。ぜひ、次回の選挙でも多くの生徒に参加していただけるよう、また、明星高校以外の高校や大学でも協力していただけるよう、働きかけをさらにしていただきたいと思います。  これに関連しまして、若年層にもっと政治に関心を持ってもらうためには、小さいうちである小学生、中学生のころからの主権者教育が不可欠だと考えますが、将来の主権者教育として、小学校、中学校ではどのような教育をしているか教えてください。  また、主権者教育をする際に大事な政治的中立性はどのように担保しているか教えてください。 56 ◯赤岩 直教育部長 お答えします。  主権者教育について、教科の学習では、主に社会科で扱っており、小学校六年生では、国民主権や政治の仕組みと国民の参加について、中学校三年生では、公民的分野において民主政治と政治参加について学習しております。教科以外では、学校生活の充実と向上を図る自主的、実践的取り組みである児童会活動や生徒会活動を通じて、集団や社会の形成者としての資質の育成をしております。  また、政治的中立性の担保については、小・中学校ともに、教育基本法第14条及び第15条の規定に基づき適正に行うよう、特に慎重に配慮し、政治及び宗教に関する教育を行っています。  以上です。 57 ◯17番(増山あすか議員) 教育部長から答弁いただき、授業ではカリキュラムどおりに政治の仕組みについて勉強し、授業外では、生徒会活動などを通じて勉強しているような状況であるということがわかりました。自分も学生時代を振り返るとそうでしたが、政治制度の概略や、抽象的な話は、どこか自分とは関係のない話に感じました。自分に関係のない世界だと思ってしまうと人は興味が湧きにくいものだと思います。  先ほども1件目で公園のことについて質疑を行いましたが、実は、この市議会は生活する上でとても身近にある問題を取り上げているということは、意外と大人の市民の方にも知られていないものでございます。もっと身近に、自分の住んでいる市の市長は何をしているのか、市議会はどのような役割があるか、興味関心を持つには、もっと具体的な事例を学ぶことも大切ではないかと思います。  現在、お仕事紹介などの授業もありますように、中立性を保った上で、実際の議員が2人、3人、4人と、別の立場でディベートをするなど、もう少し積極的に政治を身近に感じてもらえる教育を組み込んでいただきたいなということを要望いたします。  数年前に、府中工業高校で実施した模擬選挙を見に行ったことがございました。生徒の中から3名が市長に立候補し、それぞれ子育てや防災など、違う公約を述べて模擬選挙を行うという、とてもわかりやすい内容でした。そのときの学生からの感想はどのようなものであったか教えてください。その後は開催していないようですが、今後開催しないのか教えてください。 58 ◯山崎信孝選挙管理委員会事務局長 お答えいたします。  府中工業高校で実施した模擬選挙でございますが、平成27年度に東京都選挙管理委員会と共同で行ったものでございます。そのときの生徒の感想でございますけれども、投票のイメージがつかめて、来年度から投票できることにワクワクした、今まで選挙に対して興味がありませんでしたが、クイズや動画によって楽しく身近なものだと学べたことで、選挙は国民の義務であり、日本をよりよくしていくためには、私達の若い世代がやるべきことなのだと自覚を持てる授業でした。  また、一方、投票については理解できたが、もう少し身近に感じる話をしてほしかったなどの感想がございました。  その後、高校における模擬選挙につきましては、実施はしてございませんが、小・中学校などに社会科の授業、生徒会選挙時などに投票箱等の用品の貸し出しをしてございます。  選挙管理委員会といたしましては、投票の意義や投票の大切さなどを伝えるには、用品の貸し出しだけではなく模擬投票などが有効ではないかと考えておりますので、他市の先進事例を参考としながら、関係機関などと協力し、実施していきたいと考えております。  以上でございます。 59 ◯17番(増山あすか議員) 生徒は、毎年入れかわりますので、ぜひ定期的に開催していただくことを要望いたします。よろしくお願いいたします。  模擬選挙を通じて、市長の仕事がどんな内容で、自分たちの生活にどんな影響があるのか、考えるきっかけを提供していただきたいと思います。  続きまして、最初の答弁で、明るい選挙推進協議会が出てまいりましたので、この協議会についてお尋ねします。  明るい選挙推進協議会は、年間を通じて何回、どのような活動をしているのか教えてください。  また、推進委員の活動に対する報酬の有無、推進委員の人数と年齢層を教えてください。 60 ◯山崎信孝選挙管理委員会事務局長 お答えいたします。
     明るい選挙推進協議会は、有権者の投票参加、きれいな選挙などを目指して活動しておる団体でございます。全体での会議や地域ごとに分けたブロック会議、話し合い活動のほか、推進委員を対象といたしました研修会の開催や、東京都市明るい選挙推進協議会連合会などが開催する研修会に参加をしております。  また、選挙時における啓発、地域や地域まつりでの啓発、成人の日記念「青年のつどい」における啓発活動を行うほか、児童・生徒に選挙に興味を持ってもらうため、東京都選挙管理委員会、また、本市選挙管理委員会が実施している明るい選挙ポスターコンクールにおける優秀作品の選考などをいただいております。  なお、活動実績でございますが、平成30年度でお答えをいたしますと、延べ74回となっております。  次に、報酬でございますか、活動の実費弁償といたしまして、月500円を支払ってございます。  最後に推進委員の人数、年齢層でございますが、本年2月現在で88名の委員がおります。年齢ですけれども、40歳代が1名、50歳代が5名、60歳代が12名、70歳以上が70名となってございます。  以上でございます。 61 ◯17番(増山あすか議員) 推進委員の皆様には、延べ74回に及ぶ活動に参加していただき、投票率を上げる活動していただいておりますことを、まずもって感謝したいと思います。  その上で申し上げますが、年齢層にはかなり偏りがあり、構成員の80%の方が70歳以上というのは、組織として硬直化が否めないかと思います。  先ほどお答えいただいた投票率が、70代以上42.52%に対し、20代は12.75%であることを考えると、投票率の低い20代の心に刺さるような新しい取り組みなども検討していく必要があるのではないでしょうか。ぜひそれぞれの年代によって考え方は異なりますので、構成員の年代についてはバランスよく、その年代に合った柔軟な発想で投票率向上に向けた取り組みをお願いしたいと思います。  最後に、投票率向上の対策として、市政世論調査や、市民に意見募集をしたことはあるか教えてください。 62 ◯山崎信孝選挙管理委員会事務局長 お答えいたします。  市政世論調査におきましては、平成28年度第48回市政世論調査におきまして、投票環境の向上についての設問といたしまして、期日前投票・不在者投票の内容を知っているか、投票所の環境改善のために希望するもの、若者の投票率向上のために行うべき取り組みについての設問を設けております。  なお、そのほか市民に意見募集したことはございませんけれども、明るい選挙推進協議会の部会などにおいて意見交換等をしてございます。  以上でございます。 63 ◯17番(増山あすか議員) 平成28年度に市政世論調査をしたことがあるということがわかりました。投票率向上は有権者である市民一人一人が考えるべき問題でもあります。ぜひ意見の募集を通じて、市長選挙、ひいては市政そのものに関心を持っていただけるよう、きっかけづくりをしていただきたいと思います。  また、有権者は20万人以上いるわけですから、私たちには考えつきもしない、よいアイデアをお持ちの市民もいるかもしれません。そのような声の掘り起こしをしていただき、市民一人一人が市政に関心を持ち、投票率が向上することを願い、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。 64 ◯議長(横田 実議員) 以上で、増山議員の質問を終わります。        ─────────────────────────────── 65 ◯議長(横田 実議員) 次に、杉村議員の質問を許可いたします。11番、杉村議員。       〔11番杉村康之議員登壇〕 66 ◯11番(杉村康之議員) 自由クラブ、杉村康之です。3件質問いたします。  これからの4年、市長の考えは。  さきの市長選におきまして、高野市長はめでたく3選を果たされました。今回の選挙をどう捉え、これからの4年間、どのように市政運営をされていくか、お考えをお聞きいたします。  1) 今回の市長選の結果をどう受けとめていますか。  2) これからの4年間のお考えを具体的に教えてください。  ア 市長は、初当選以来、「市長と語る会」を継続実施し、市民の声に耳を傾けてきました。8年間続けてきて、どう感じていますか。選挙公報にあった「市政に生かす」とはどのような思いからですか。選挙公報には市長と語る会を継続実施し、意見や要望に直接耳を傾け、市政に生かすとありました。  次、イですが、これも選挙公報には、伊勢丹撤退後の空洞化を早期に解消する民間事業を支援し、地域経済の発展を図るとありました。この選挙公報にあった、民間事業の支援とは何でしょうか。伊勢丹跡も含め、地域経済の発展を図るために必要な政治的リーダーシップをどのように考えますか。  ウ ノーベル賞を受賞した吉野彰さんは「持続可能な社会は技術革新によって間もなくやってくる」、「環境は攻めの姿勢で」とおっしゃいました。今後、蓄電池が急速に普及し、エネルギー環境は大きく変わるでしょう。府中の環境事業も、単に太陽光パネルを並べるのにとどまらず、次世代に対応したスマートコミュニティを目指して一歩先へ踏み込むべきと考えますが、市長の考えは。  エ 市は、年度末に多額の基金を積む一方で、年度当初には財政を均衡させるために歳出カットに取り組んでいるが、その一環で市民負担が増大するものが散見されます。今後も市民負担の増大はやむを得ないと考えますか。  オ 「ラグビーのまちづくり」に続いて、これからの4年間で市長が特に力を入れて取り組みたい具体的な施策があれば教えてください。  2件目、情報公開条例の「不当に」の解釈。  情報公開条例第7条第5号、「率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれる」の「不当に」をどのように解釈しているか。  3件目、市民相手の裁判で上告する際の判断は。  市内の学校におけるいじめに関する裁判の結果を受け、市長が上告をしなかったのは英断であったと思います。敗訴に際して、控訴、上告するか否かの判断についてお聞きします。  1) 過去、府中市が裁判で敗訴したのは何件で、そのうち控訴または上告したのは何件か。  2) 敗訴した事案では、裁判で指摘を受けた点について、検証し、責任の所在を明らかにしてきたか。  3) 敗訴した場合、その裁判費用や損害賠償費用は全て税金で支払われてきたか。  以上3件、1件ずつお願いします。 67 ◯議長(横田 実議員) 1件のみ答弁願います。高野市長。 68 ◯高野律雄市長 それでは、1件目の御質問につきまして、一括してお答えをいたします。  私は、1月26日の市長選挙の結果、多くの市民の皆様からの御支持により、市長として3期目の市政を担わせていただくこととなりました。今回の結果につきましては、これまでの2期8年間の実績や、私が選挙期間中に掲げました公約について、市民の皆様から評価をいただいたものと考えております。あわせて、直面する諸課題に対し、スピード感を持って対応してほしいという期待が寄せられたものと受けとめております。  その上で、今後4年間の市政運営に当たりましては、選挙期間中に市民の皆様とお約束いたしました各施策について強力に進めていく所存でございますが、ここでは御質問の5点についてお答えをいたします。  まず、1点目の市長と語る会につきましては、市民の方々からさまざまな御意見や御要望、御提案を直接伺うことができる大変貴重な機会と捉えており、お一人お一人の声の重みを実感しているところです。そして、これらの声を真摯に受けとめ丁寧に対応していくことで、本市のまちづくりの根幹である市民協働のさらなる推進につなげてまいりたいとの思いから、「市政に生かす」と表現させていただいたものであります。  2点目の中心市街地活性化に関しましては、伊勢丹府中店の撤退による中心市街地の空洞化を、民間事業者間の問題ではなく、行政的課題として捉え、早急に対策を講じる方向で検討しておりましたが、ここで、当事者間で和解が成立し、改めて民間事業者において取り組みを進めていくとの報告を受けましたので、この動きを注視しつつ、一日も早い中心市街地のにぎわいの創出と、持続的な地域経済の発展に向けてリーダーシップを発揮してまいりたいと考えております。  3点目のスマートコミュニティの構築に関しましては、環境分野における技術革新を注視しながら、再生可能エネルギーの利活用を中心として、身近なところにあるさまざまなエネルギー源の複合的な活用などについて検討し、次期環境基本計画に盛り込めるよう検討するほか、府中基地跡地留保地の利用など、今後、さまざまな取り組みを進める際に留意してまいりたいと考えております。  4点目の財政と市民負担のあり方に関しましては、引き続き、質の高い市民サービスを維持するためには、バランスのとれた財政運営が不可欠であることから、事業の原点を振り返りながら評価・分析を行い、必要に応じて事業の見直しや公私負担の適正化を図ってまいりたいと考えております。  最後に、今後4年間に注力する施策につきましては、来年度から広く多くの市民の皆様の声を聞きながら、次期総合計画の策定に向けて本格的に取り組んでまいりますので、これらの取り組みの中で、本市の持続的な発展に必要となる施策等を見きわめてまいりたいと考えております。  以上でございます。 69 ◯11番(杉村康之議員) 全て市長からお答えいただきまして、ありがとうございました。  まず、1件目の選挙の関係でありますが、実績や公約を市民の皆さんから評価をいただいたということでございます。スピード感を期待されているということだろうと思います。私もこの結果は率直に8年間の実績に対する評価だと思っております。  沖縄の県民投票の投票率が50%だから云々という話もありましたが、私は選挙というのは投票率が50%だろうが30%だろうが勝ちは勝ちだろうと思っております。  今、増山議員から投票率の質問がありましたが、もちろん投票率が高くなければいけないと私も思いますが、それに関わらず、勝ちは勝ちだということで8年間の評価がされたものと思います。ただし、前回は高野市長に入れて、今回は入れなかったという人がいたのも事実だと思います。30%という投票率の中で、つまり浮動票が余りない中で4,000人以上の投票行動が変わったということは、その意味を真摯に受けとめるべきかなと思います。もちろん、そういうことを市長はよくわかっていると思うんですが、私はむしろ、これを役所の皆さんにぜひ言いたいと思います。これは市長への評価であると同時に役所の皆さんへの評価でもあると思いますので、ぜひそのことを受けとめていただきたいと思います。  2番目の、4年間のお考えということでお聞きしました。  アについて、市長と語る会を8年間継続してきたということはすばらしいことだなと思っております。大変貴重な機会で、市民の声の重みを実感していると、市民協働につなげていきたいと、そういう思いを答えていただきましたが、その言葉は市長の本心の言葉だろうなと思っております。8年間継続してきたという、その事実が、何よりもそれを物語っているのかなと思います。ぜひこれからも直接声を聞いていただきたいと思いますし、すばらしい活動だなと思っております。ぜひ市長を見習って、我々議会も、「議会と語る会」をやるべきではないかなと思っております。  次、イです。伊勢丹撤退後のお話を聞きまして、答弁にあったように、市長のリーダーシップが見られるかなと思って多少期待もしていたのですが、意外に早く和解となりまして、よかったと思います。市長が乗り出すまでもなかったということかもしれないんですが、私は争い云々にかかわらず、市長はもっと積極的にまちづくりに乗り出してもよいのではないかと思っております。ラグビーのまちづくりのときのように、もっとリーダーシップを発揮していいかなと思っているんですが、民間のことだからという遠慮があるのかもしれませんが、ただ、再開発には国や都を除いて市が一番お金を出しているわけなんですが、市がお金を出しているということは、市民が出しているということでありますから、市民の代表として、市民の代弁をして、市長はどんどんまちづくりにも口を出してほしいと思います。  ぜひ遠慮なくリーダーシップを発揮していただきたいと、発揮すべきだと思いますので、よろしくお願いいたします。  次、ウです。再エネの利活用、さまざまなエネルギー源の複合的な活用、こういったものをこれから検討していくということであります。次期環境基本計画に盛り込む、それから、その前になると思いますが、基地跡地留保地などにも留意をしていくということですので、ぜひ期待をしていきたいと思っております。  吉野さんがおっしゃったように、近い将来、国全体のエネルギーの仕組みが大きく変わるのは間違いないと思います。府中のまちにもこれらの仕組みがいずれ、こういった仕組みをまちに組み込んでいかなきゃいけないと、組み込んでいくことになるだろうと思うんですが、基地跡地は、そのモデル都市としてちょうどよいんじゃないかなと思います。時期的にも、規模的にも、そして、先ほど遠田議員もおっしゃっていた持続可能な社会という理念にもかなっていると思いますので、ぜひ、できるだけ組み込んでいっていただきたいと思います。  府中市の今の再エネ施策は、まだ太陽光パネルを並べるといった程度のレベルなんですが、ぜひ基地跡地をきっかけにして、次世代スマートコミュニティを目指して一歩踏み込んでほしいと思います。  こういったことは、担当課の判断でできることではないので、市長マターですので、ぜひお考えをいただきたいと思います。よろしくお願いします。  エです。市民負担の増大もやむを得ないと考えますかということを聞きましたが、バランスのとれた財政運営として公費負担の適正を図るということであります。これについては何回かやりとりもしていますが、多少市長と考え方の異なる部分ですが、もちろん公費負担の適正を図るということは市民負担の増大ということもあるということをおっしゃっていると思うんですが、それはもちろん私も市民負担の増大が全てだめと言っているわけではありません。保育料の値上げなども賛成しましたし。ただ、12月にも議論しましたが、受益者負担の原則、これだけはいただけないなと思っております。12月にも議論したように、受益者負担の原則は論理的に破綻をしていると。これを突き詰めていくと、例えばパブリックビューイングは公益性が高いけれども、社会教育は公益性が低いと、こういうようなことになってしまうので、受益者負担の原則というのは無理があると思っております。  市民負担の増大が必要なときはもちろんあるだろうし、そういうときは本当に必要な理由が必ずあると思うんです。受益者負担の原則というのを持ち出すときは大した理由がないということだと思うので、例えば文化センターの有料化とかはそうだと思うので、ですから、受益者負担の原則というものに頼らずに、しっかり考えていただきたいと思います。  ですから、今後、受益者負担の原則というものが出てきたときには、私はその議案には賛成しません。市民負担の増大がどうしても必要なときには、ぜひしっかりと本当の理由を話してほしいと思っております。こういうことも根本の問題として、ぜひ市長には受益者負担の原則の見直しを求めたいと思います。  オとして、ほかに何か施策があればとお聞きしましたが、次期総合計画策定の中で見きわめていきたいということですので、時間をかけてじっくりとお願いしたいと思います。  最後に、市長のリーダーシップという意味で一つ要望しておきたいと思います。私の方からも新型コロナ対策について要望したいんですが、早速本部を立ち上げて、国や都の方針に沿って万全を期していると思います。こういった点は、府中市及び府中市の職員に対しては非常に信頼をしています。方針にのっとり、きっちり行政事務を遂行していくということについては信頼をしております。  ただし、一つ気になる点が、万が一、国や都の想定を超えた場合です。想定を超えて患者がふえたら受け入れるベッドをどうするかという問題が生じてくると思います。今はまだ市内では発症者がいないようですが、検査していないだけで、もしかしたら既に発症している人がいるかもしれないし、国や都の想定でおさまるかもしれないけれども、もしかしたら想定を超えて感染者が拡大して、府中市でもふえるかもしれないということは想定されるわけです。  けさも検査体制というのが、国が発表していた、毎日3,800人検査できますよというのが、実際には900しか行われてないというようなことがニュースでやっていましたけれども、国が準備したものも全部クリアできないという可能性もあるし、いろいろな場合が想定されると思うんですが、今の方針では、府中で患者が出た場合は、東京都に連絡して、東京都が受け入れ先を調整するとなっているそうなんですが、万が一想定を超えて、都の調整機能がパンクしたら、市民である患者は自宅で待機するか、市が独自で受け入れ先を確保するかしかないと思います。  今の政府が後手後手であると思うので、万が一でなくなる可能性も高いと思いますので、そういったときにはぜひ、これも担当課では判断し切れないことだと思うので、市長マターで判断するしかないと思いますので、頭の中でよいので、ぜひ考えておいていただきたいと思います。  以上です。1件目、これで終わります。 70 ◯議長(横田 実議員) 2件目、答弁願います。政策総務部長。 71 ◯遠藤弘美政策総務部長 続きまして、御質問の2、情報公開条例第7条第5号、率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるの「不当」をどのように解釈しているかについてお答えをいたします。  本市では、情報公開に当たり、東京都の情報公開事務手引を参考に、本市における事務手引を作成しております。御質問にある条文は、行政における内部的な審議、検討または協議が円滑に行われ、適正な意思決定が損なわれないようにする観点から定めたものでございます。不開示情報の要件を、この「不当」に該当するかどうかについては、審議、検討または協議に関する情報の性質に照らし、検討段階の情報を開示することによる利益と不開示とすることによる利益を比較衝量して実施機関が判断することとしております。  以上でございます。 72 ◯11番(杉村康之議員) ありがとうございます。  今、不当かどうかを誰が判断するかというような、実施機関が判断するという、手順のことをお答えいただいたんですが、そのことについては知っているんです。お聞きしたかったのは、「不当」という言葉の意味をどう解釈するかということをお聞きしたかったんです。一般的には道理に合わないとか、そういう意味ですが、法律用語なので違う意味があるかもしれないので、意味についての市の解釈をもう一度お聞きいたします。 73 ◯遠藤弘美政策総務部長 お答えいたします。  辞典、辞書では、「不当」の一般的な意味として、道理に合わないこと、適当でないこととされており、法律、法令で用いられます不当の意味としては、違法ではないが、法規定の趣旨・目的に照らして妥当でないこととされております。  本条例の「不当」は後者の意味として用いられているものと考えております。  以上でございます。 74 ◯11番(杉村康之議員) 意味はわかりました。  先ほど御答弁いただいた実施機関ということ、今、法の趣旨、目的に照らして妥当でないというようなことを判断するのが実施機関ということですが、実施機関とは何でしょうか。 75 ◯遠藤弘美政策総務部長 お答えいたします。  文書等を所管する機関によって区別されており、地方自治法上の市の執行機関として、市長、教育委員会、選挙管理委員会、監査委員、農業委員会、固定資産評価審査委員会が、また、議決機関として議会がございます。  以上でございます。 76 ◯11番(杉村康之議員) わかりました。行政機関では市長ということですね。しかし教育委員会は、教育長ではなくて教育委員会が判断する。議会では議長でなくて議会が判断するということでした。独任制の機関と合議制の機関との違いがここにあるんだと思います。  つまり、先ほどの最初の、全部の答弁から言うと、議事録などの開示によって率直な意見交換が不当に損なわれるか否かという、これを判断するのは議長ではなく議会だと、教育長ではなく教育委員会だと、こういうふうに答弁は言っているということです。ということで理解をいたしました。  以上です。  3件目。 77 ◯議長(横田 実議員) 3件目、答弁願います。 78 ◯遠藤弘美政策総務部長 続きまして、3の市民相手の裁判で上告する際の判断はについての御質問に順次お答えいたします。  初めに、1)の、過去、府中市が裁判で敗訴した件数、そのうち控訴または上告した件数でございますが、府中市が裁判で敗訴した案件は過去4件で、そのうち控訴または上告した案件は2件でございます。  続きまして、2)の敗訴した事案では、裁判で指摘を受けた点について検証し、責任の所在を明らかにしてきたかについてお答えいたします。  初めに、平成元年6月に提起された市道補修工事に係る損害賠償請求事件でございます。この件は、市道の補修工事現場で刺し傷を負った市民から市と工事請負事業者に対し損害賠償を求められたもので、市に対しては工事請負事業者に当該工事を請け負わせたため工事請負事業者の注意義務違反は市の過失によると判示されています。市としては、その後は工事発注時に事業者に対し必要な指導を行い、再発防止に努めております。  次に、平成17年5月に提起された総合健康診査に係る損害賠償請求事件でございます。この件は、当時の市民医療センターで総合健康診査を受けた市民が、医師が肺がんを見落としたため手術が遅れ、肺がんが進行し、生存率が下がったとして、市及び医師に対し損害賠償を求めたもので、市が控訴した後、控訴審で和解を行っています。和解でございますので指摘はございません。  次に、平成22年2月に提起された固定資産評価審査決定取消等請求事件でございます。この件は、府中市固定資産評価審査委員会が行った決定の取り消し等を求めたもので、最高裁判所の上告棄却の決定を受けたことにより、東京高等裁判所の判決が確定し、府中市固定資産評価審査委員会の決定が取り消され、改めて府中市固定資産評価審査委員会が裁決を行い、新たな裁決を踏まえ、市長が評価方法の見直しを行い、対象の市民に対して固定資産税及び都市計画税の還付及び返還を行っています。  最後に、平成28年6月に提起された国家賠償請求事件でございます。この件は、市立小学校の児童であった者とその母親が、当時の教職員の対応に義務違反があったとして、市に対して損害賠償を求めたもので、令和2年1月22日に相手方の主張の一部を認容する判決が言い渡されたものでございます。判決内容を重く受け止め、今後のいじめ対策に努めてまいります。  続きまして、3)の敗訴した場合、その裁判費用や損害賠償費用は全て税金で支払われてきたのかについてお答えいたします。  初めに、裁判費用については、公費で負担しております。  次に、損害賠償費用については、原則公費で負担しますが、損害賠償保険に加入している場合は保険会社で負担することもあり、また、委託事業者との契約に従い、委託事業者が負担することもあります。  以上でございます。
    79 ◯11番(杉村康之議員) 3件お答えいただきまして、一つ目、敗訴が4件で、控訴または上告が2件だということでした。車返の関連の裁判についていろいろとやりとりをしているときに、負けがわかっているのに何で上告するのかと聞いたことがあるんですけど……、上告する前ですね。そうせざるを得ないんだというような声があったんですが、それで、今回は、いじめの裁判では上告しないということがあったので、こういう質問をしました。車返の時には何が何でも上告しなければいけないのかなと、基本は上告するものなのかなと思っていたので今回聞いたんですが、今、聞いた感じだと、4件のうち、控訴、上告は2件だったということなので、必ずしも上告が基本ということではなく、車返の裁判については固有の事情があったのかなと理解をいたしました。  いろいろ御答弁いただいて、それぞれのケースについてどういう事情だったかというのをお聞きしました。一般的に裁判費用や損害賠償費用はどうしたかということで、裁判費用は公費であり、賠償費用は契約や保険で賄うこともあるということでした。その部分について、具体的に、先ほどお答えいただいた4件について、裁判費用は誰が払い、損害賠償費用は誰が払ったのかということを教えてください。  また、あわせて、担当職員に対する何らかの処分があったのかどうか、それも教えてください。 80 ◯遠藤弘美政策総務部長 お答えいたします。  初めに、裁判費用については、敗訴した4件の費用、全て市が負担しております。  次に、損害賠償費用については、市道補修工事に係る損害賠償請求事件については工事請負事業者が支払っています。総合健康診査に係る損害賠償請求事件については和解金を、市が加入していた保険から支払っています。固定資産評価審査決定取消等請求事件については損害賠償の支払は命じられておりません。国家賠償請求事件については、市が支払いの手続を今進めております。  次に、担当職員に対する何らかの処分などがあったかという点については、市道補修工事に係る損害賠償請求事件については主に工事請負事業者に責任があり、総合健康診査に係る損害賠償請求事件については主に医師に責任があり、固定資産評価審査決定取消等請求事件については府中市固定資産評価審査委員会の裁決の取り消しの判決のため、いずれも担当職員の処分は行っていません。また、国家賠償請求事件については、職員の処分について東京都教育委員会に具申する予定はないと教育委員会から聞いております。  以上でございます。 81 ◯11番(杉村康之議員) いろいろと金銭的な支払いや処分について一応お聞きしましたが、私の意図は、職員個人に対して金銭的な支払いや処分を求めるというものではありません。それらは必ずしもよいやり方ではないと思います。ただし裁判に税金を使った以上、市民に対して直接何らかの形で責任の所在を明らかにするという必要は少なくともあるのではないかということです。責任の所在を明らかにというのは、必ずしも金銭支払いや処分ではなく、なぜそのような誤りが起こったのか、原因を明らかにし、今後二度と起こらないよう対策を講ずるというようなことを広報などで公にすることではないかと思います。  特に市が控訴、上告した場合は、そもそも裁判を起こされた原因となった政策判断の間違いについての責任が一つあります。それと、さらに控訴上告をし、判断した責任という二つの責任が問われると思いますが、車返の裁判はまさにそれでした。車返裁判の後、広報などで一般市民に対して責任を明らかにするということは行われたでしょうか。 82 ◯遠藤弘美政策総務部長 お答えいたします。  車返事件に関する訴訟であった固定資産評価審査決定取消請求事件の裁判の結果については広報等で周知することは行っておりませんが、市民に対して裁判で敗訴した責任を広報等で明らかにするということについては、事案の性質や市としての対策を整える必要もあることから、今後、調査、研究させていただきます。  以上でございます。 83 ◯11番(杉村康之議員) そういうことで、広報周知は行っていなかったけれども、市民に対して裁判で敗訴した責任を広報等で明らかにするということについては、今後調査、研究をしていくということです。その必要性については御理解をいただけたかなと思います。ぜひこれは考えていただきたいと思います。誤りを繰り返さないために必要なことだと思います。  ただ、今回のいじめの裁判については、公にすることがなじまないということ、今回の裁判のように、そういう場合もあると思いますので、お答えいただいたような事案の性質によっては配慮が必要かなと思いますが、基本的にはそういった特別な事情がない限り、市民の前に責任を明らかにするということを今後考えていただきたいと思います。よろしくお願いします。  以上で終わります。 84 ◯議長(横田 実議員) 以上で、杉村議員の質問を終わります。        ─────────────────────────────── 85 ◯議長(横田 実議員) ここで、1時間程度、休憩いたします。              午後0時14分 休憩        ────────────── ◇ ──────────────       〔議長退席・副議長着席〕              午後1時15分 開議 86 ◯副議長(須山たかし議員) 休憩前に引き続き本会議を再開いたします。  都合により議長の職務を代行いたしますので、よろしくお願いいたします。        ─────────────────────────────── 87 ◯副議長(須山たかし議員) 次に、にしみや議員の質問を許可いたします。16番、にしみや議員。       〔16番にしみや幸一議員登壇〕 88 ◯16番(にしみや幸一議員) 議席番号16番、にしみや幸一でございます。一般質問順も今回は16となりました。通告に基づき、一問一答で1件、お尋ねをいたします。  福祉圏域の見直しに伴う諸課題についてでございます。  平成27年度から平成32年度と計画上、なっておりました、つまり、令和2年度までを期間とする現在の府中市福祉計画では、みんなでつくる、みんなの福祉を基本理念に、1)、「自助」「互助」「共助」「公助」を柱に据えて総合的な福祉施策に取り組むこと。2)、市民を主体としたコミュニティケアを確立するとともに、切れ目ない包括的ケアを推進して、福祉課題を有するあらゆる人のための地域包括ケアを実現させることを目指しています。  そうした中、1月26日を投開票日として府中市長選挙が実施されました。このとき、3選を果たされた高野律雄市長は、文化センターを中心に福祉圏域を変更することを公約に掲げておられます。  私は、よりきめ細かく機動的な福祉施策を進めるには、文化センター圏域を基盤とする方が、多様な人的ネットワークも生かしやすく、効果的と考えております。その意味で、市長の姿勢には大いに期待をさせていただきます。  とはいえ、圏域の見直しは福祉行政の基盤を大きく変えることでもあり、住民に身近な地域福祉づくりへとつなげていくには課題も存在します。そこで、市長選後初となる今議会では、この問題を一般質問に取り上げた次第です。まず、以下お尋ねをいたします。  (1) 今般の市長選で、文化センター中心に福祉圏域を変更することを公約のトップに据えた理由は何か。実現への決意とともに、高野市長のお考えをお聞きしたい。  (2) 福祉圏域の見直しについて。  1) 府中市における福祉圏域とは、そもそもどういったものか。また、現行で福祉圏域を六つに分けているのは、どういった基準や考え方に基づくのか。  2) 福祉圏域の見直しを検討するに至った背景と課題には、どういった点があるか。また、見直しの検討作業はどのように進められたのか。  3) 文化センター中心に福祉圏域を変更するにおいては、文化センターの役割も問われてまいります。文化センターが地域福祉に果たしている現在の役割・機能をお示し願いたい。  (3) 福祉施策の現状について。  1) 「自助」「互助」「共助」「公助」のそれぞれについて、府中市における基本的な考え方と主要な取り組みの進捗状況はどうなっているか。  2) 府中市の目指す府中市版地域包括ケアシステムはどのようなものか。市ならではの特徴とともにお示しを願いたい。  3) 広義の福祉施策の一つとして、専門スタッフ等による看護及び医療的な支援が必要な方が生活をされる福祉避難所に関し、現在の設置状況並びに昨年の台風19号豪雨災害時における対応の様子をお示し願いたいということでございます。  一問一答方式での質問とさせていただきますので、よろしくお願いいたします。 89 ◯副議長(須山たかし議員) 順次答弁願います。高野市長。 90 ◯高野律雄市長 にしみや議員の御質問のうち、(1)の文化センターを中心に福祉圏域を変更することの考えにつきましてお答えいたします。  私は、このたびの選挙におきまして、安心して暮らし続ける地域の支え合い、安全で快適、活力といきがい、笑顔、希望、協働などをキーワードとして公約をまとめるとともに、その実現に努めることを市民の皆様とお約束をさせていただきました。  中でも、市民生活に直結する福祉施策の充実は非常に重要なものの一つと捉えており、市民の方々に安心して暮らし続けていただけるよう、今後ますます進行する少子高齢化など、社会の変化を見据えたまちづくりに取り組むことが肝要であると考えております。  また、近年は、高齢者の孤立化や災害時における避難行動要支援者への対応など、行政だけでは、十分な支援や迅速な対応を行うことが困難な課題も生じていることから、人々が住みなれた地域で安心して暮らせるようにするためには、地域全体で相互に支え合う体制を確立し、充実させていくことが求められているものと認識しております。  これらのことから、本市の福祉圏域につきまして、住民に身近な生活圏域である文化センター中心の圏域に変更し、個人が地域とつながりやすく、かつ地域のさまざまな主体がより連携・協働しやすい体制を構築することにより、地域力を高め、誰もが安心していつまでも暮らせる、支え合いのまちの実現に取り組んでまいりたいと考えております。  その他の御質問につきましては、担当部長からお答えいたします。 91 ◯副議長(須山たかし議員) 福祉保健部長。 92 ◯村越功一郎福祉保健部長 続きまして、(2)の1)の福祉圏域の基準や考え方についてでございますが、初めに、福祉圏域につきましては、平成3年に策定した府中市地域福祉計画において、地域に密着した福祉サービスの計画的な供給を展開していくため、市内の福祉施設などの配置の基準として区分された圏域でございます。また、介護保険計画の日常生活圏域として位置づけ、介護サービスの基盤整備の基準としても活用しております。  次に、六つの区分につきましては、記録はございませんが、市を東部、中部、西部に分け、さらにそれを北部と南部に、つまり六つに区分し、福祉資源やサービスが偏在しないようにしたものと推測しております。  続きまして、2)の福祉圏域の見直しを検討するに至った背景と課題、また、見直しの検討作業についてでございますが、初めに、福祉圏域の見直しを検討するに至った背景と課題につきましては、少子高齢化や地域社会における人と人とのつながりの希薄化などから生じる、高齢者などの社会的な孤立、また、行政だけでは対応し切れない、複合的な課題が生じてきており、その解決には個人の困り事を地域の課題として捉え、地域で解決していく仕組みづくりが求められているといった背景がございます。  また、課題解決に当たっては、地域に根差し、住民が主体的に活動できる圏域とすることが地域における支え合いの仕組みをさらに推進することができることから、住民に身近な生活圏域とする必要があり、現行の福祉圏域では広域過ぎるといったところがございました。  次に、見直しの検討作業につきましては、福祉圏域の見直しにおける影響について各課に照会をかけ、影響の範囲を調べるとともに、今年度から設置しております府中市福祉計画検討協議会において、福祉圏域の見直しについてを議題とし、御審議をいただいております。  続きまして、3)の文化センターが地域福祉に果たしている現在の役割、機能についてでございますが、現行の福祉エリアにある六つの文化センターにおいて、地域福祉コーディネーターによる困りごと相談会を実施しておりますが、地域の相談窓口を、住民に身近な文化センターに設けることができておりますことから、地域の相談体制の充実を図る役割を有していると捉えております。  また、文化センターは、公民館や高齢者福祉館、児童館、図書館などの機能を有する複合施設であることから、幅広い世代の方々に御利用いただいており、介護予防事業を定期的に実施する場として、また、住民相互の支え合いの仕組みづくりにつながる活動の場としても重要な役割を果たしているものと捉えております。  続きまして、(3)の1)、「自助」「互助」「共助」「公助」についての考え方と主要な取り組みの進捗状況でございますが、まず、府中市の基本的な考え方でございますが、日ごろの問題を個人の努力で解決するものを「自助」、個人で解決できない問題を地域や住民同士で助け合うものを「互助」、制度的な助け合いを「共助」、そして、行政による福祉サービスの仕組みなどを「公助」として捉えております。  次に、主要な取り組みの進捗状況でございますが、「自助」としては、市民の健康管理では、みずからの健康について主体的に考えていただき、介護予防に積極的に取り組んでいただくなど、市は機会や場を提供しております。「互助」といたしましては、高齢者の生きがいとしての就労やボランティア活動を関係機関が連携して支援しております。「共助」といたしましては、介護保険制度などにおいて、相互扶助の考え方のもと、保険料と公的負担金を財源とする福祉サービスを提供しております。「公助」といたしましては、主に市の独自サービスなど、公的制度に不足するサービスを提供し、高齢者や障害のある方の地域での生活を支援しております。  なお、取り組みの進捗状況につきましては、おおむね計画どおりとなっております。  続きまして、(3)、2)の府中市の目指す府中版地域包括ケアシステムについてでございますが、市ではニーズに応じた住まいがあることを基本とした上で、生活上の安全・安心、健康を確保するために、医療や介護のほか、さまざまな生活支援サービスが日常生活の場で適切に提供される地域の体制、地域包括ケアシステムを、2025年までの構築を目指し、取り組んでいるところでございます。  本市ならではの特徴につきましては、平成18年度に他市に先駆けて介護予防の拠点として設置した介護予防推進センターや、活発なシニアクラブの活動への支援など、元気な高齢者をふやす取り組みとともに、要介護状態になった場合の在宅生活を支える高齢者福祉サービス事業のほか、高齢者住みかえ支援事業の開始によるニーズに応じた住まいの確保など、住みなれた地域で暮らし続けることができる基本的な体制の充実に取り組んでまいりました。  今後も、自治会加入率が26市で2番目に高いことや、文化センターを中心とした地域のコミュニティが形成されているなど、地域のつながりが強いといった本市の特徴を生かしつつ、平成28年度から順次、地域に立ち上がっている、わがまち支えあい協議会とも連携しながら、本市ならではの地域包括ケアシステムの構築を推進してまいりたいと考えております。  以上でございます。 93 ◯副議長(須山たかし議員) 行政管理部長。 94 ◯矢部隆之行政管理部長 3)の福祉避難所に関し、現在の設置状況並びに台風19号時における対応についての御質問にお答えいたします。  福祉避難所の設置状況についてでございますが、現在、高齢者施設12カ所、障害者施設1カ所で合計13カ所でございます。  また、昨年の台風19号時における対応につきましては、台風が過ぎ去るまでの間の避難ということで、少しでも多くの避難者を受け入れることを優先して避難所を開設いたしました。本市におきましては、幸い大規模な災害とならなかったことから、福祉避難所の開設までに至らなかったところでございます。  以上でございます。 95 ◯16番(にしみや幸一議員) ありがとうございました。答弁をお聞きしまして、まず、福祉圏域のことですが、従来は福祉サービスに偏在がないようにするためのもので、まあ、便宜的なものであったということなのかなと理解をします。  それに対して、今般、市長は、文化センター圏域中心に見直すという方針を示されました。これによって、文化センターが地域コミュニティの人的ネットワークをつなぐ結節点となっているという府中市の特性を生かして、地域力が発揮された支え合いのまちを実現させていきたいと、そういう意欲を持たれているのだろうと御答弁から御理解をいたしました。  私が属する立憲民主党という政党でございますが、ここでは党の綱領というのがありまして、冒頭に書いてあるのが、「多様性を認め合い、困ったときに寄り添い、お互いさまに支え合う社会」というのを打ち出しております。その意味からも大変、市長の方針には心強いものを感じております。  具体的な福祉圏域の見直し作業は、これは言及のありました福祉計画の検討協議会ですか、そちらの方で今後作業をされるようであります。今般の一般質問では、そうした検討の際に御考慮いただきたい課題ですとか視点、そうしたものをちょっと提起させていただきたいなと思いますので、御参考にしていただければと思います。  まず、最も大きな課題になりますのが地域包括支援センターのエリアとの調整ではないかと思います。そこで、11あります包括支援センターの圏域に関する質問を二つさせていただきます。  一つは、仮に現在の文化センター圏域をそのまま福祉圏域とした場合に、二つ以上の福祉圏域にまたがることになる地域包括支援センターがふえるように思うんですけれども、その実情はいかがなものでありましょうか。  もう1点、地域包括支援センターの担当エリアをほかのセンターに移す場合、実務上や地域コミュニティとの関係性などにおいて、クリアすべき課題にはどういった点が想定されるのでしょうか。そうした課題への対応策に関するお考えとあわせてお示しいただければと存じます。 96 ◯村越功一郎福祉保健部長 お答えいたします。  文化センター圏域が福祉圏域となった場合、現在の地域包括支援センター圏域は、ほぼ全てが2カ所以上の福祉圏域にまたがることになります。また、二つの福祉圏域で地域包括支援センターが重複して所在することになるほか、二つの福祉圏域では地域包括支援センターが所在しないという状況となります。  次に、クリアすべき課題といった点、それから対応策についてでございますが、福祉圏域の見直しに伴い、地域包括支援センターの担当エリアが変更となりますと、地域の方にとって、電話などの相談先が変更となるほか、個別ケースにおける担当者が変更となることから円滑な移行が課題と捉えております。このことから、地域包括支援センターの圏域が変更となる際は、チラシや広報、ホームページへの掲載、民生委員の協力を得ながら周知に努めるとともに、個別ケースの担当者の変更に当たりましては、新旧の担当者が訪問して丁寧に説明し、引き継ぎを行ってまいりたいと考えております。  地域コミュニティとの関係につきましては、新たな関係構築が課題と捉えておりますが、これまで地域の方々や団体と築いてきた実績やノウハウを生かすことで、その課題はクリアできるものと認識しております。  以上でございます。 97 ◯16番(にしみや幸一議員) 新たな福祉圏域と包括のエリアをずれなく同じにすると、包括の方で、いわばエリアの線引きをし直すと、つまり、担当エリアをほかに移すという必要が多く出てくるということがわかりました。  御担当の方とお話をさせていただいてお聞きしたんですが、以前に地域包括支援センターを直営から委託に移行させるときに、今、お答えがありましたけれども、支援、サービスを受けている方に対して個別訪問を行ったという経緯があるとお聞きしております。ただ、そのときと違って全市的になりますので、恐らくその訪問数というのもかなり膨大になるのかなと思います。  しかし、支援サービスを現実に受けられている皆さんが、包括支援センターのエリアの移動に安心されるには、やはり訪問活動というのは欠かせないんだろうなと思います。その意味で、今後、福祉圏域への、いわば福祉圏域を移す、あるいは地域包括支援センターのエリアを移しかえるという、そのための実務的な移行期間というのをある程度しっかり持って、訪問する期間もしっかり持って、いわば、ゆとりを持った新たな福祉圏域移行のスケジュールというのでしょうか、そうしたものをゆとりを持って設定していただきたいということをまず、お願いを申し上げます。  また、新たな福祉圏域では、包括支援センターの建物が圏域内に所在しないところが二つ想定されるということでございます。これも御担当にお聞きしますと、最近は電話によるいろいろな相談が主なので、必ずしもその地域包括支援センターの担当エリア内に包括支援センターの建物自身が必ずなければならないというわけでもないようなんですけれども、ただ、地域の皆さんにとっては、やはりそのエリアに、自分たちのエリアの中に担当している包括支援センターがあるということが、センターに対しての安心感とか、親しみとか、そうしたことにもかかわってくる面があるんだろうと思います。  包括支援センターには民間に委託されているところもあるので、そうした部分はなかなか難しいかもしれないんですが、例えば一例としてということで、サテライトオフィス的なものをちょっとエリア内に設けるなどをして、担当エリアに暮らしておられる皆さんにとって包括支援センターが身近に思えるような、そうした所在地のあり方ということも今後ぜひ御検討いただければと思います。  続いて、地域包括支援センターが中核になってくるだろうと思います地域包括ケアシステムの今後についてお尋ねいたします。  府中市版の包括ケアシステムについてお答えいただきました。いろいろな書類も見たんですけれども、イメージはともかくとして、では、何をもって地域包括ケアシステムが実現したと言えるのか。具体的な到達点とか、あるいは到達状況をはかるための指標的なものがちょっとはっきりしないのかなという印象を持っています。  例えば、介護予防推進センターやシニアクラブの支援ということが地域包括ケアシステムの目指す像の中に書かれていたりするんですけれども、福祉計画の中で。ただ、これは従来から行われている事業メニューでございますし、あるいは、高齢者の建てかえ支援といった問題ももちろん大切ではありますけれども、地域包括ケアシステムの中で実現した方がより望まれる取り組みの一つということであって、これがあったから地域包括ケアシステムと言えるんだということとはちょっと違うかなと思います。  ただ、その一方で、2025年と到達目標を市は明確にされておられます。だからこそ、新たな福祉圏域への見直しを契機に、これが地域包括ケアシステムだというような姿をはっきり組み立てることが望まれます。  そこで、2点お尋ねをいたします。一つは、地域包括ケアシステムが構築されたと見なせる具体的な事業や指標について、あるのかどうか、改めて御説明願いたいと思います。  二つ目として、地域包括ケアシステムでは、医療との連携が重要な要素になってくると考えております。医療分野における今後の課題に関して、福祉圏域の見直しなど今後の状況変化も視野に置いて、どうお考えか、市の認識をお示しいただきたいと思います。 98 ◯村越功一郎福祉保健部長 お答えいたします。  地域包括ケアシステムは、住みなれた地域で暮らし続けることができるよう、各自治体でそれぞれ高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画を策定し、各施策事業を展開するもので、国の示す具体的な指標もないことから、特定の事業、指標をもって地域包括ケアシステムの構築を示すことは難しいものと捉えております。  しかしながら、本市の地域包括ケアシステム構築の進捗状況を把握することは重要でございますので、府中市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画における各事業の取り組み状況の評価を行う中で、継続的に構築に向けた進捗を把握し、検証してまいりたいと考えております。  次に、2点目の医療との連携にかかる御質問でございますが、医療分野における今後の課題といたしましては、大きなものとして、後期高齢者人口が急増する一方で、若い世代の人口と労働力が減少することで需要と供給のバランスが大きく崩れ、病院数の減少や医師不足が生じることがあげられます。
     高齢者が住みなれた地域で安心して暮らすには、地域に密着したところで医療と介護が連携して支えることが大切であることから、福祉圏域を見直した場合であっても、こうした課題を踏まえつつ、限られた資源を効率的に活用する方策を、福祉関係団体、医療機関、その他多くの関係者とともに協働しながら、地域の実情に応じた地域包括ケアシステムを構築してまいりたいと考えております。  以上でございます。 99 ◯16番(にしみや幸一議員) 地域包括ケアシステム、システムという名前になっていますけれども、どちらかというと確かに理念的なものなので、いわゆるPDCAサイクルにのっとって評価していくということが難しいのかなとも思います。  しかし、年次も明示されておられることですので、一例として申し上げれば、例えば地域包括ケアシステムに関するモデル事業とか重点プロジェクトを設定して、より具体的なシステムづくりへの動きを進めるということも考えられるかと思います。  中でも身近に受診できる医療環境の整備というのは、地域包括ケアの大きな柱だと思います。これまでも在宅医療の療養に関して、医師会など3師会との連携ですとか、昨日の一般質問で、会派同僚の清水議員が口腔衛生の分野を例に指摘をされましたけれども、かかりつけ医の受診率の向上、こうした問題などは今後とも恐らく重要になってくるんだろうと思います。  今後の福祉計画等の検討に当たって、こうした医療分野の取り組みについて、地域包括ケアの重点的な事業と位置づけて具体的なプロジェクト等を御検討いただければと思いますので、御参考としていただければと思います。  それから、福祉圏域の見直しの背景をお聞きしました。「孤立化」とか、「つながり」とか、「困りごと」といったような、そうしたキーワードがあがってきております。府中市は、「自助」「互助」「共助」「公助」という福祉の施策の4本柱があるわけですけれども、そのうち、とりわけ地域や住民同士の支え合い、活動団体や当事者団体の新たな関与というものが重要になってくる「互助」の分野で、文化センター中心の福祉圏域に変えていくニーズ、それから意味合いというのが強いのかな、高いのかなと、全体の御答弁をお聞きして感じたところでございます。  「互助」を支えるために大きな役割を果たしてこられたのが民生・児童委員の皆さんでございます。そこで、この民生・児童委員について2点お聞きをいたします。一つは、文化センター中心への福祉圏域変更において、民生・児童委員との連携をどう進めようとされているのか。  それから、ますます重要になる民生・児童委員の皆さん及びその活動を市として今後どのようにサポートされるお考えなのか、お尋ねいたします。 100 ◯村越功一郎福祉保健部長 お答えいたします。  福祉圏域の変更に伴う民生委員との連携でございますが、民生委員・児童委員は、福祉圏域を意識した活動だけではなく、地域包括支援センターの圏域や小・中学校の学区域など、幾つかの区域で活動しております。  しかしながら、民生委員・児童委員の基本的な活動は、民生委員が居住している区域で行われておりますので、福祉圏域の変更は連携先の変更という変化を生じさせることとなりますが、新たな連携が育つことで支障が生じるようなことはないものと捉えております。  次に、2点目の民生・児童委員へのサポートの関係でございますが、民生委員・児童委員が活動しやすい環境を整えることは大変重要なことと認識しておりますので、今後のサポートといたしましては、民生委員・児童委員活動の負担増加にならないよう、市から依頼している業務の見直しのほか、定数の見直しなども含め、民生委員・児童委員の皆様の声を聞きながら、その活動を支援してまいりたいと考えております。  以上でございます。 101 ◯16番(にしみや幸一議員) 福祉圏域は変更があったとしても、民生・児童委員の皆さんの活動自体に大きな変化はもたらされないだろうという御認識と承りました。  とはいえ、文化センター中心に圏域が変わるとなりますと、福祉の拠点は、文化センターが一つこれから大きな役割を果たしてくるということにもなってきますので、住民の皆さんと民生・児童委員の皆さんがより顔の見える関係に近づくという点はあるのかなと思います。  現在でも、後ほどの質問で触れますが、わがまち支えあい協議会では紅葉丘文化センターの場合ですと、民生・児童委員の皆さんが、協議会で生まれた新たなつながりを生かして子ども食堂の取り組みを始められているとかいったような例も生まれてきております。  民生・児童委員の皆さんの活動に対する地域の期待というのが今後一層高まると考えられますので、御答弁いただいた内容も含めて、市として民生・児童委員の皆さんへの多様なサポート策を、その御意見を十分にお酌み取りいただきながら、できることを一つずつ積み重ねていっていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。  ところで、地域主体での課題解決を目指し、地域力を高めようという取り組みとして今申し上げましたが、この間のわがまち支えあい協議会の動きがあるだろうと考えております。福祉圏域の見直し、さらには次の福祉計画では、わがまち支えあい協議会の中間総括というのか、これまでの評価の内容を検討作業に反映させていくということが大切だと考えております。  そこでお聞きをいたします。わがまち支えあい協議会のスタートは、地域での支え合い活動や支え合いの担い手となる新たな人材、団体の発掘などにどういった影響を与えたか、また、こうした点で何かしら課題が存在するんでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。 102 ◯村越功一郎福祉保健部長 お答えいたします。  わがまち支えあい協議会は、地域で活動する自治会、町会、民生委員・児童委員、サロン運営者など、地域においてさまざまな貢献活動を行いたいと思う方や団体の方々が参加しております。個人や一つの団体では解決できない地域課題を、さまざまな方や団体が参加することで、そしてその輪が広がることにより、新たな人材や団体の発掘につながることが期待されております。  しかしながら、課題といたしましては、地域のつながりの輪が広がらずに参加者が固定化されてしまうことがあげられます。このことから、本事業を行う社会福祉協議会とともにさまざまな広報活動及び地域活動を通じ、一人でも多くの方が気軽に参加できるよう、地域における支え合いの仕組みづくりの推進を支援してまいります。  以上でございます。 103 ◯16番(にしみや幸一議員) 市民の自主性に期待するという取り組みでは、しばしば、いろいろな市民団体、NPOでも見られたりすることですが、参加者の固定化ということがどうしても起きてしまうことがございます。そのために常に支え合いの活動に対しての参加の輪を広げていく、そのためのエンジンといいましょうか、推進役というのが求められていくんだと思います。もちろんそれが市民であることがより望ましいんだと思うんです、市民協働という考え方からすれば。ただ、市民主体だとしても、そうした動きをバックアップしていくのはやはり行政の役割なんだろうと思います。  ちょうど5年前の平成27年第1回市議会定例会の一般質問でも同じような趣旨でお尋ねを申し上げているんですが、改めてお尋ねいたします。新たな福祉圏域において支え合いの輪を広げるために、やはり文化センターの体制充実が必要なのではないかという観点からの2点のお尋ねでございます。  一つは、福祉圏域の見直しに伴い、地域福祉コーディネーターを全文化センターに配置する必要性は高まったと考えております。その実現を目指すべきと考えますが、市の御見解はいかがでしょうか。  2点目として、福祉圏域の見直しにより、住民相互の支え合い活動が充実されるよう、文化センターにおいて協働の担い手の発掘とコーディネートをしていく役割を強化することが不可欠だと考えております。この点に対して認識と今後の方針、事業展開など、お考えをお聞かせいただきたいと思いますが、こちらは福祉担当分野でもよろしいですし、市民協働の方でも結構でございますので、お答えいただければと存じます。 104 ◯村越功一郎福祉保健部長 2点の御質問のうち、1点目についてお答えいたします。  地域の課題は、地域住民の構成や地域資源の配置状況などの違いにより、差異があることから、地域のニーズに応じた、地域における支え合いの仕組みづくりが求められております。  このことから今後、現在配置している地域福祉コーディネーターの活動状況や、地域におけるニーズ等を踏まえつつ、新たな福祉圏域の全てに配置することも見据えた、より効果的な配置について庁内の関係課や府中市社会福祉協議会と検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 105 ◯副議長(須山たかし議員) 市民協働推進部長。 106 ◯堀江幸雄市民協働推進部長 次に、文化センターにおいて、協働の担い手の発掘とコーディネートの役割を強化することについてお答えいたします。  従来から文化センターでは、各文化センター圏域を単位としたコミュニティ協議会を初めとする関係団体や地域住民、地域のさまざまな主体が連携、きずなを深め、地域のコミュニティづくりに努めてまいりました。また、福祉施策として文化センターを拠点に、困りごと相談会や、わがまち支えあい協議会など、地域で支え合う活動が推進されていると認識しております。  福祉圏域も文化センター圏域と同一となることにより、各圏域コミュニティ協議会や関係団体などの既存の団体に加え、わがまち支えあい協議会、それから地域包括支援センターなどが同一圏域で協働、連携しながら活動することや、市の関係部署との連携により、新たな住民相互の支え合い活動の担い手を発掘することができるものと捉えております。それぞれの協働の担い手を結びつけるコーディネートの役割が強化されることを期待しているところでございます。  以上です。 107 ◯16番(にしみや幸一議員) 地域福祉コーディネーターの全文化センターへの配置というのは、私どもの会派、市民フォーラムが継続的に要望してきていることでございます。一般質問でも村崎啓二議員なども再々取り上げさせていただいております。今後、福祉圏域の見直しに当たって不可欠な要素だと思いますので、ぜひとも御検討いただければと思います。今の御発言も前向きな御答弁と受けとめをさせていただきます。  あわせて、文化センター内で地域の困り事を相談していくような、常設の相談スペースの確保ということも御検討いただいてもいいのかなと思います。地域福祉コーディネーターが地域に根づいていく、そのアシストになると思います。やはりそこに行くと相談があると、受けられるという場所がはっきりしているというのは、やはり住民の皆さんにとって心強いことでもございますので、こうしたことも含めて、文化センターの地域福祉を支える役割の強化、充実を御検討いただければと思います。文化センターが、担い手発掘のコーディネートの一翼を担っていく動きということがさらに加速されますよう、改めて期待を込めて要望させていただくところでございます。  質問としては最後とさせていただきます。地域の支え合いにとって欠かせない動きとして、防災と福祉の連携、こうした点についても1点お聞きしたいと思います。市長は、文化センター圏域での自主防災組織の創設推進に意欲的に取り組んでこられました。災害時要支援者の避難対応など防災と福祉との連携が求められてくる場面、今後ますますふえてくるだろうと思いますし、活動の担い手というのは、福祉と防災、それぞれ圏域内において重なっていくといったようなケースも考えられるかと思います。  そこでお尋ねをいたします。文化センター圏域において、自主防災組織の活動といったことを初めとして、防災分野と福祉分野の連携の動きはこれまでどうなってきたかということと、あわせて、福祉圏域の文化センター中心のものへの見直しによって、福祉と防災のコラボレーション、連携に新たな可能性が見出せるんじゃないかと思うのですが、この点についての御認識をお伺いしたいと存じます。 108 ◯村越功一郎福祉保健部長 お答えいたします。  初めに、防災分野と福祉分野の連携の動きといたしましては、文化センター圏域自主防災連絡会においては、さまざまな主体との連携について検討を行う中で、社会福祉協議会や地域包括支援センター、民生委員、児童委員など、福祉分野と連携していきたいとの意見も出ており、福祉関係者が自主防災連絡会に参加し、意見交換をさせていただいたことがございます。  次に、福祉と防災の協働につきましては、防災を検討する場合には、必ず弱者の支援が課題となり、福祉の検討においては、災害時の支援が課題となることから、これまでも両者には深い関係性がありましたが、福祉と防災の圏域が一致することにより、これまで以上に交流が図られ、相乗効果による新しい協働が生まれる可能性があるものと考えております。  以上でございます。 109 ◯16番(にしみや幸一議員) お答えを聞きまして安心させていただいたところでございます。やはり相互の連携というのは今後ますます重要になってまいりますので、それぞれの御担当課で、つまりは福祉の分野だけではなくて、防災の御担当の方も含めて、要は縦割りを乗り越えてこうした動きを進めていかれますよう要望いたします。  それから、先ほど福祉避難所についてもお尋ねしました。お答えにはありませんでしたけれども、福祉避難所の指定、どういう形で進められているかというと、避難所の協定を締結するということにまず御同意をいただいた施設から、順次、避難所協定を結んでいるということであって、必ずしも、現状でも福祉圏域間のバランスが考慮されているというわけではないとお聞きしております。  再質問を行いませんけれども、次の福祉計画や、その下位の事業計画などで、難しい点はあろうと承知しておりますけれども、エリアバランスを考慮した福祉避難所の整備ということもぜひ計画の中で位置づけていただければと思います。  殊に、障害者対応の福祉避難所、先ほどお答えがありましたように現在一つだけということで、今後、若干ふえるようでありますけれども、このあたりも今後の課題と思いますので、格段の御配慮で今後とも避難所の増設に向けて御努力をいただければと思います。  最後に、文化センターを中心とした福祉圏域への再編、この成果をもたらすかどうかは、福祉の御担当だけではなくて、今回、言及させていただきました防災ですとか、あるいは市民協働など関係する各課の連携の強化、もっと言えば縦割り行政をいかに克服できるかということが重要なのではないかと思います。  今議会の一般質問で市長のリーダーシップについて再々質問がございました。ぜひとも市長公約のトップに掲げられております今回の福祉圏域の見直し、こちらにつきましても、ぜひ縦割りを克服した形で、より効果的な福祉圏域の設定、さらにはそこから先の地域包括ケアシステムの実現に向けまして市長がリーダーシップを発揮されますよう、私からも強く御期待を申し上げさせていただきまして、一般質問を終わらせていただきます。 110 ◯副議長(須山たかし議員) 以上で、にしみや議員の質問を終わります。        ─────────────────────────────── 111 ◯副議長(須山たかし議員) 次に、奥村議員の質問を許可いたします。3番、奥村議員。       〔3番奥村さち子議員登壇〕 112 ◯3番(奥村さち子議員) 議席番号3番、生活者ネットワーク、奥村さち子です。  通告に従いまして1件、住宅確保要配慮者のニーズに届く居住支援を求めてと題しまして質問いたします。  いわゆる住宅セーフティネット法(住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律)が2017年に改正されました。改正の背景としては、同法を担当する国土交通省によると、高齢者、障がい者、子育て世帯、低額所得者、被災者などの住宅の確保に配慮が必要な方は今後も増加する見込みですが、住宅セーフティネットの根幹である公営住宅については、大幅な増加が見込めないという状況にあること、一方で、民間の空き家、空き室は増加していることがあげられております。  改正の内容は、増加する民間の空き家、空き室を有効活用することで、同様に増加傾向にある、住宅確保に困難を抱える方への対策を行うことが意図されております。その対策としては、住宅の確保に配慮が必要な方の入居を拒まない賃貸住宅として、賃貸人が都道府県に登録する登録制度や、居住支援協議会の活動の中核となる居住支援法人を都道府県が指定する制度が新たに創設されました。  居住支援法人は、登録されたセーフティネット住宅の入居者への家賃債務保証、賃貸住宅への入居にかかわる情報提供、相談、見守りなどの生活支援を行うこととされ、行政ではなかなか支援が及ばなかった福祉政策と住宅政策との連携を担う役割として、民間事業者の参入が図られております。  2018年度に府中市が取り組んだ高齢者住替支援事業の成果について、昨年9月の決算特別委員会におきましては、高齢者支援課への相談件数が41件に上がったということで、さらに高齢の方の住みかえの相談のみならず、子育て世帯や障がいをお持ちの方の相談も多かったという報告がありました。このことから、高齢者の住みかえの必要性だけにとどまらず、いわゆる住宅確保要配慮者への対策が府中市でも必要ではないか、それを民間だけに任せておくのではなく、行政として対策が必要ではないかと考えております。  府中市では、今年度に居住支援協議会設立準備会を設置し、2020年度からは居住支援協議会として取り組みを進めていく予定とのことです。厚生労働省の示した資料によると、自治体が設置する居住支援協議会は、住宅部局や福祉部局、民間事業者との話し合いによる連携が求められております。府中市における住宅確保要配慮者の現状と、府中市が考える居住支援のあり方と目標、それに向けての居住支援協議会の取り組みについて質問いたします。  (1) 市の福祉部署や住宅担当部署への、住まいの確保に困難があるなどの住まいに関する昨年度の相談件数、相談内容を教えてください。また、住宅確保要配慮者について市はどのような見解を持っておりますか。  (2) 住宅セーフティネット法が改正されて以降、市民が住まいの相談をどの法人に何件行ったかを把握していますか。  (3) 府中市の空き家、空き室の状況とセーフティネット住宅の登録状況を教えてください。登録の推進については、どのように考えますか。また、今後の取り組みについて教えてください。  (4) 居住支援協議会設立準備会について。  1) 設立準備会の目的と活動内容を教えてください。  2) 府中市における居住支援の取り組みについてどのように課題を捉えましたか。  (5) 2020年度の居住支援協議会の取り組みについて。  1) 協議会の委員構成を教えてください。事務局はどこの部署ですか。  2) 協議会における組織連携をどのように進めますか。  3) 居住支援の相談窓口体制を教えてください。  4) 住みかえた後の生活支援をどこにどのようにつなげていきますか。  以上、一問一答方式で御答弁いただきますよう、よろしくお願いいたします。 113 ◯副議長(須山たかし議員) 順次答弁願います。生活環境部長。 114 ◯古森寛樹生活環境部長 それでは、御質問に順次お答えをいたします。  初めに、(1)の住まいの確保に困難があるなどの住まいに関する昨年度の相談件数、相談内容についてでございますが、福祉部門における高齢者の住まいに関する相談件数といたしましては、地域包括支援センターを含め、平成30年度は958件で、相談内容といたしましては、立ち退きのためや、他市に住んでいる親を府中市に住まわせたい、家賃が高いなどの相談を受けております。  次に、障害者の住まいに関する相談につきましては、件数の統計はございませんが、内容といたしましては、保証人が見つからない、障害があるので、契約に結びつかない、バリアフリーに対応していないなどの相談を受けております。  次に、生活保護受給者の住まいに関する相談につきましては、こちらも件数の統計はございませんが、内容といたしましては、立ち退きを求められている、生活保護法で定められている基準内の物件が見つからない、近隣とのトラブルが生じており、転居したいなどの相談を受けております。  続きまして、住宅部門における住まいに関する相談件数といたしましては、公営住宅に関する相談を除きますと月に数件程度となっており、相談内容といたしましては、大家が、老朽化した建物を除却するため、立ち退きを迫られている、体の状態が悪くなってきており、階段の昇降が不便なため、1階に住みかえたいなどの相談が寄せられております。  また、住宅確保要配慮者についての見解でございますが、住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律では、低額所得者や高齢者、子育て世帯など、幅広く定義づけされておりますので、本市におきましても同様の考え方でございます。  続きまして、(2)の住宅セーフティネット法が改正された以降、市民が住まいの相談をどの法人に何件行ったかを把握しているかについてでございますが、令和2年1月時点で東京都から指定された居住支援法人は26法人あり、そのほかにもさまざまな民間団体がございますので、詳細の把握はしておりません。  続きまして、(3)の府中市の空き家、空き室の状況とセーフティネット住宅の登録状況、登録の推進についての考えや、今後の取り組みについてでございますが、初めに、本市の空き家、空き室の状況でございますが、平成30年住宅・土地統計調査の値でお答えいたします。本市の空き家、空き室の総数は1万5,030戸となっており、このうち、賃貸のために空き家になっている住宅の戸数は1万780戸でございます。  次に、セーフティネット住宅の登録状況でございますが、住宅セーフティネット法に基づく登録住宅は、市内に1住宅2室でございます。  最後に、登録推進の取り組みにつきましては、居住支援を進める上で大変重要になってまいりますので、今後、居住支援協議会において、その方法等につきまして協議してまいりたいと考えております。  続きまして、(4)の1)の居住支援協議会設立準備会の目的及び活動内容についてでございますが、居住支援協議会設立準備会につきましては、来年度に設立を予定しております居住支援協議会の円滑な運営に向け、組織しているものでございまして、令和元年8月に第1回設立準備会を開催し、住宅セーフティネットの概要説明や居住支援協議会の設立に向けた意見交換を行ったところでございます。  次に、2)の居住支援の取り組みの課題についてでございますが、何よりも関係団体相互の協力体制が必要不可欠と考えておりますので、居住支援協議会におきまして情報共有に努め、一体的な取り組みとして推進できる連携体制の構築が課題になるものと捉えております。  続きまして、(5)の1)の居住支援協議会の委員構成と事務局を担う部署についてでございますが、協議会の委員には、福祉関連団体から2名、不動産関係団体から2名、建築関係団体から1名、居住支援法人から1名の計6名に加え、市の関係部署職員も委員としており、事務局は住宅を所管する部署が担う予定でございます。  次に、2)の協議会における組織連携をどう進めるかについてでございますが、連携を密にするため、協議会の中に実務担当者が協議できる部会のような場を設けてまいりたいと考えております。  次に、3)の居住支援の相談窓口体制でございますが、他の自治体におきましては、福祉団体が窓口となることが多く、居住支援法人が窓口となる例もありますので、そうした先例を参考に、今後、居住支援協議会におきまして協議してまいります。  最後に、4)の住みかえ後の生活支援をどこにどのようにつなぐかでございますが、住みかえられた方が望まれる支援内容によって異なってまいりますので、一概には申し上げられませんが、必要に応じて連携体制がとれるよう、制度設計してまいります。  以上でございます。 115 ◯3番(奥村さち子議員) 御答弁いただきまして、質問を続けさせていただきます。  最初の質問では、府中市の福祉部署、住宅部署で受けている住まいの困難に関する相談件数と内容について御答弁をいただきました。  住まいの相談の中には、立ち退きを求められている、障がいがあり、契約に結びつかないなどの切実な相談が数多くあることがわかりました。高齢者の相談については、地域の相談窓口である地域包括支援センターの機能により、相当数の相談を受けていることがわかります。障害者福祉課や生活援護課では統計的な数字が出ていないとのことですが、多様な相談があることがうかがわれました。  国土交通省では、法改正によって、住宅確保要配慮者として高齢者、障がい者、低額所得者、子育て世帯、被災者など幅広く位置づけました。国がそのような状況の人たちの増加を認め、その人たちに対しての住まいの支援が必要だと認識した背景に鑑み、市は、昨年は住宅確保要配慮者あんしん居住推進事業を行い、一方で居住支援法人と居住支援協議会を立ち上げるということは、国のそれらの施策を市場化させたことに市も倣うということですから、そのことに対し、市としてどのような見解があるか、質問したいと思っております。  高齢者を支援している現場からは、同居家族、いわゆる8050問題の生活困窮を抱える若者や中高年の方々も、住宅確保要配慮者として、今後、課題として膨らむであろうとおっしゃっておりました。  また、貧困やDVなど困難な状況を抱えた女性たちに寄り添い、住まいの確保と自立を支援している近隣市の支援団体にも先月お話を伺いました。住まいを定め、地域で暮らし、地域とつながることが自立を支援するためには必要であり、そのためにも安心できる住まいの重要性を、支援をされる方は訴えておりました。  知的障害や精神障害を持つ方は、社会環境や社会制度の不備から望む選択ができず、住みなれた地域から離れた施設で暮らす方も少なくはありません。地域に多様な支援があれば、地域で自立して暮らすことを望む人も大半です。  住まいは人権です。今回の答弁からも、市は、家賃が高い、保証人が見つからない、契約に結びつかないといった声を認識しておられます。住宅確保要配慮者、また、そのような事情がある方に対して対策を市としてとることが改正セーフティネット法の趣旨であると思っております。改正セーフティネット法に基づけば、居住支援法人、または居住支援協議会が要配慮者に対して居住支援を行う中核となります。
     しかし、先ほどの御答弁では、府中市民がどれぐらい法人に相談している状況にあるかは把握していないということでした。  そこで次の質問をいたします。住まいの確保に困難がある方の把握について、今後の取り組みの考えを教えてください。 116 ◯古森寛樹生活環境部長 お答えいたします。  住まいの確保に困難がある方の把握につきましては、地域包括支援センターや地域生活支援センターなどでの住まいの困り事の相談を直接受けることで把握することができるものと想定しております。  また、こうして把握した状況につきましては、居住支援協議会の構成員である居住支援法人と共有し、連携して取り組んでまいりたいと考えております。あわせて、関係各課の窓口でチラシを配布するとともに広報へ掲載するなどして制度を周知し、居住支援法人との連携が円滑に行えるように努めてまいります。  以上でございます。 117 ◯3番(奥村さち子議員) 市内のそれぞれの機関では相談が多数あるということはわかりましたが、高齢者支援課、障害者福祉課、生活援護課、子育て支援課、そして女性の相談を受けている男女共同参画センターなどに住まいの困難について相談した方々の実態の把握から、実態に見合った支援体制を構築していくことが必要だと思います。  その支援体制の一部を任せることができるという位置づけが居住支援法人であり、居住支援協議会です。市が、実態把握と支援の状況を把握することがなくてもよいという解釈では、市としての責任が果たせないと考えます。居住支援協議会については、後ほど質問をいたしますので、改めて協議会の取り組みについて意見を述べさせていただきたいと思っております。  次の質問にいたします。改正セーフティネット法に基づく登録住宅は、住宅の確保に配慮が必要な方の入居を拒まない賃貸住宅として居住支援の制度を進める上で有効ですが、府中市では、賃貸のための空き家が1万780戸ある中で登録住宅はわずか2部屋ということでした。府中市としてもその登録推進は重要であるという見解ですが、登録が進まない理由をどう捉えていらっしゃいますか。 118 ◯古森寛樹生活環境部長 お答えいたします。  登録が進まない理由でございますが、他市の居住支援の状況をお聞きしますと、住宅確保要配慮者に入居していただくことにつきまして、貸主として不安が払拭できず、メリットが感じられないことが大きな要因になっていると伺っております。  以上でございます。 119 ◯3番(奥村さち子議員) 不動産業界や貸主の方に社会的課題や制度を理解してもらうことが大きな課題であるということは、他市の状況からも困難であるとのことです。  他市の事例ですが、平成25年に居住支援協議会を設立した大牟田市では、協議会において空き家の実態調査を進めるとともに、翌年の平成26年には不動産関係の方、また、市民の方も含めて制度や社会的な課題の理解を深めるセミナーやワークショップ、フォーラムを開催して、また、不動産関係者への相談会を開催しており、市民からの空き家の利活用への相談や空き家の登録が進んだという成果があったとのことです。大牟田市の居住支援協議会では、そのような取り組みで具体的なマッチングや居住支援に向けての土台を築いております。  登録住宅をふやすための手法としては、国の住宅セーフティネット制度の中の登録住宅の改修や入居者への経済的支援があります。国と地方公共団体による改修費の補助と家賃の低廉化への補助がありますが、府中市として、このセーフティネット住宅の登録の推進に向けて、耐震補助や家賃補助などの取り組みを行う考えはありますでしょうか。 120 ◯古森寛樹生活環境部長 お答えいたします。  耐震改修や家賃に対しての補助を行うことは、貸主に対して登録住宅を推進する一つの材料であると考えておりますので、今後、費用対効果をよく検証した上で、導入の必要性について居住支援協議会において協議してまいりたいと考えております。  なお、耐震改修を行う際には、国が貸主に対して直接補助する制度がございますので、必要に応じてこの制度の紹介も行ってまいりたいと考えております。  以上でございます。 121 ◯3番(奥村さち子議員) 市としても、契約に結びつかないといった声を聞いているわけです。特に高齢やひとり親などに対する貸主の不安が多い中で、入居を拒まない登録住宅は必要不可欠です。しかし、登録住宅の要件を満たすためには、改修などの貸主の経済的負担があり、登録が進まないのも現状としてあります。また、国と東京都の家賃の低廉化の制度があることは、家族が多い世帯にニーズがある、例えば部屋数が多い空き家や戸建てを借りることが可能となり、それによって登録住宅として空き家を貸す貸主がふえると思われます。  住まいの確保を円滑に行うためには、登録住宅の改修や入居者への経済的支援の制度を府中市として取り入れていただくことを要望させていただきます。  最初の質問で居住支援協議会設立準備会について質問いたしました。設立準備会は、居住支援協議会の円滑な運営に向けての組織とする位置づけとのことでした。居住支援の取り組みに向けては、関係団体相互の協力体制のもと、一体的な取り組みができる連携体制の構築が必要であるとの御答弁でした。  居住支援は、住宅部局、福祉部局の連携のみならず、福祉的な地域資源、住まいの地域資源との連携で空き家、空き室の課題と住宅確保要配慮者の課題の解決を目指す制度となっており、御答弁のとおり、連携体制こそが制度のかなめとなると考えております。  そこで、来年度の協議会に向けての具体的な連携体制について質問いたします。連携体制とは具体的にどのような体制を想定しておりますか。連携体制の構築に向けてどのように取り組んでいきますか。 122 ◯古森寛樹生活環境部長 お答えいたします。  初めに、連携体制の具体的な想定でございますが、居住支援協議会の委員相互の情報共有に努め、共通理解を得るとともに、相談を受けた窓口がその相談内容によって適切な所管先へつないでいくことや、その結果を居住支援協議会で共有することなどを想定しております。  次に、連携体制の構築に向けての取り組みでございますが、既に居住支援協議会を立ち上げて支援を行っている他の自治体の例を参考にしながら、団体ごとの役割分担を明確にしてまいりたいと考えております。  以上でございます。 123 ◯3番(奥村さち子議員) それぞれの部署または外部団体が行っている事業や、その中の課題を相互理解することは必要ですが、それだけでは連携体制とは言えないと思います。  連携体制の構築に向けては、私は、協議会の中の市が担う事務局体制がかなめになると考えます。居住支援は、国土交通省が担当する住宅セーフティネット法に根拠を置いているため、住宅政策という位置づけだと解釈されていますが、生活や住宅に配慮を要する方の住まいの確保や生活の安定、自立の促進にかかわるセーフティネット機能の強化に向けて、福祉行政と住宅行政の緊密な連携が求められているということは当然であると考えます。そのために地域の資源と市場機能を活用する視点が必要となります。  先ほどの御答弁にもありましたが、市の福祉部署や関係団体には多様な住まいの困難に関する相談も寄せられ、対応している現状です。福祉の現場では、日常的に当事者に寄り添ったケースワークがなされています。福祉部局や地域の福祉団体だけではなく、居住支援のために住宅部局がこれからその役割の一端を担うということになりますが、事務局という中核の実務を担うためには、より福祉部局との連携が必要です。  望ましいのは、協議会のかなめである事務局には、住宅部局だけではなく、福祉部局にもともに担う体制をしていただきたいと考えます。千代田区や杉並区などでは両部局で事務局をつくっています。府中市においても、住宅部局、また福祉部局共同での事務局体制をぜひ検討していただきたいと思っております。  来年度の居住支援協議会についての御答弁について、さらに質問いたします。既に協議会の組織間の連携について質問いたしましたが、その中で、連携を密にするために実務担当者が協議できる部会を設けたいと考えているとのことでした。その部会について質問いたします。部会とは、具体的にどのような分類になりますか。実務担当者とは、具体的にどの範囲を想定していますか。部会では、どのような取り組みを検討していきますでしょうか。 124 ◯古森寛樹生活環境部長 お答えいたします。  部会につきましては、協議会の下部組織に位置づけるもので、実務担当者には福祉部門、住宅部門のそれぞれ係長級以下の職員、また、外部団体につきましては、住まい探しの相談の実務にかかわっている方を想定しております。  なお、部会では、それぞれ持っている情報の共有や抱えている課題などについて具体的に話し合い、円滑な住みかえに結びつくよう努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 125 ◯3番(奥村さち子議員) 住宅に困難を抱える方への対応は、部会の場で協議され、進められるというもので、想定しているということはわかりました。  現状でも多くの相談が各所に寄せられています。その課題に丁寧に対応していくためには部会のあり方が重要です。地域には社会福祉協議会や地域包括支援センター、社会福祉法人やNPOなどさまざまな福祉団体や市民活動があります。そのような地域資源の機能や強みを生かした組織構成で、相談、住まい、そして必要な生活支援に向けて、当事者の声にも応えられるように部会運営を進めていただきたいと考えております。  居住支援の制度の中に位置づけられている相談窓口についてですが、制度上では、居住支援法人、あるいは自治体の居住支援協議会に相談窓口を設定し、支援につなげていくものとされています。最初の御答弁では、府中市における居住支援の相談窓口は、福祉団体あるいは居住支援法人が窓口となっている先進事例を参考に検討していくとのことでした。  そこで質問です。福祉団体や居住支援法人が相談窓口になった場合は、市との情報交換、連携はどのように行っていきますか。 126 ◯古森寛樹生活環境部長 お答えいたします。  居住支援協議会では、住宅部門や福祉部門等で行っている各種事業を掲載したチラシを作成し、協議会の中で情報を共有していきたいと考えておりますので、相談の内容に応じて、受け付けた窓口から担当する部署や団体へ円滑につなぐことが可能になるものと考えております。  以上でございます。 127 ◯3番(奥村さち子議員) 居住支援にかかわる関連団体の事業を掲載したチラシを作成して、協議会で情報共有することで、相談窓口となる法人や福祉団体と円滑につながるとの御答弁ですが、そのような仕組みだけでは、個々の多様な住まいの困難の解決につながるとは思えません。  住まいに困難を抱えた方は、住まいだけにとどまらず、ほかの課題を抱えた方も多く、伴走型の支援なしでは、もとの状態に戻る方も少なくありません。居住支援の中核を担う相談窓口が福祉団体や居住支援法人と想定するならば、全てを任せる体制になることを懸念いたします。居住支援体制の制度の中での相談窓口の役割がきちんと定められていないために懸念しているわけですが、市としては、相談窓口が行う支援の実務を管理し、より効果的な支援につなげるための検証が必要であると考えます。  次の質問をいたします。相談から住みかえ、そして生活支援まで、具体的にどのような連携体制を想定しておりますか。 128 ◯古森寛樹生活環境部長 お答えいたします。  居住支援協議会につきましては、もともと横断的な組織として連携することを目指しておりますので、例えば、居住支援法人から福祉の担当部署へ直接連絡することや、場合によっては福祉団体と居住支援法人が連絡を取り合うことなども想定をしております。  今後は、市や福祉団体が行っている支援制度に加え、居住支援法人が提供する見守りサービスなどの活用も選択肢として考えられますので、必要な方に必要な支援が行き届くように、具体的な連絡方法や連携のあり方につきましては、居住支援協議会におきまして検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 129 ◯3番(奥村さち子議員) 協議会での検討に委ねられていますが、より具体的に御答弁いただきました。  協議会の中の居住支援法人との関係について、さらに質問いたします。現在、26団体が東京都から指定されている居住支援法人ですが、法人の形態や支援範囲、活動範囲などはさまざまであり、法人によって支援の手法なども違っています。居住支援が必要な方が適切な支援を受けられるよう、その状況に応じてふさわしい法人に相談をつなげていく考えはありますか。府中市として、居住支援法人に求めるものは何ですか。 130 ◯古森寛樹生活環境部長 お答えいたします。  居住支援法人に関しましては、得意分野など、それぞれ特色があると伺っておりますので、近隣区市の動向にも注視しながら、他の法人に相談をつなげていく取り組みを研究してまいりたいと考えております。  また、本市といたしましては、居住支援法人に関しまして専門機関としての知見を生かしながら、住宅確保要配慮者の居住支援を図ることや他自治体の取り組みに関する情報を収集し、その情報を提供していただく役割を担っていただけるものと期待しているところでございます。  以上でございます。 131 ◯3番(奥村さち子議員) 先日、立川市と町田市の居住支援法人を訪問し、お話を伺いました。地域に密着した福祉事業を居住支援事業に取り組む前から行っており、その福祉事業を行う中でさまざまな地域との関係性、信頼、ネットワークを築いておられました。その強みを生かして、住まいに困難を抱える方への支援を、住みかえた先の近隣の方、自治会、大家など、地域総出で行うことができていました。  住宅を必要とする方の切実な思いを、貸主に1件ずつ丁寧に話しながら契約につなげていたり、また、反対に、貸主の方の相談も受けていて、長く住み続けて高齢になった方を継続して住み続けられるように、見守りや生活支援につなげるといったこともされていました。新たなところに住みかえても孤立させない居住支援を実現しておられました。  居住支援法人はわずかに26団体、府中市に拠点を置く法人はありません。しかし、府中市にも住まいに困難を抱える方、単に住まいがないということではなく、住居の中での孤立、例えばごみを出すことすら困難だという方、そういった支援の必要な方が多くいらっしゃいます。  根本的には地域の課題の解決は市の責務です。居住支援の中核となる居住支援法人の得意分野や特色などを見きわめ、地域のさまざまな資源とネットワークをつくり、誰もが住みなれた府中で、地域とつながりながら暮らし続けられるための府中市の居住支援制度の構築を、市として居住支援協議会をきっかけに、ぜひ進めていただきたいと思っております。  来年度の居住支援協議会の設立に向けて、居住支援協議会の事務局体制と連携体制、そして居住支援法人と地域とのつながりの強化を課題としていただき、住宅確保要配慮者のニーズに届く居住支援の構築を要望いたしまして、私の一般質問を終了させていただきます。 132 ◯副議長(須山たかし議員) 以上で、奥村議員の質問を終わります。        ─────────────────────────────── 133 ◯副議長(須山たかし議員) 次に、西の議員の質問を許可いたします。2番、西の議員。       〔2番西のなお美議員登壇〕 134 ◯2番(西のなお美議員) 議席番号2番、生活者ネットワークの西のなお美です。  通告に従いまして1件、質問をいたします。  医療的ケアが必要な子どもの数は、近年増加傾向にあると言われています。子どものケアは医療行為に当たり、家庭以外では医療従事者が行うため、看護師が配置されていない施設では、医療的ケア児の受け入れが進みづらいという状況があります。  2016年の児童福祉法の改正では、地方公共団体は、医療的ケア児が適切な支援を受けられるよう、保健、医療、福祉、教育等の関連機関との連携の一層の推進を図るよう努めなければならないとしています。医療的ケア児への支援について、初めて具体的に法律に明記され、対応が求められています。児童福祉の理念に基づけば、保育や教育は子どもの健全な発達を保障するために認められる権利です。障がいがあっても、地域社会の一員としてともに安心して過ごすことができるように、一人一人の多様なニーズに応じた支援体制を充実させることが必要です。  子どもの最善の利益の尊重という視点から、医療的ケアが必要な子どもたちへの支援の充実を求めて質問します。  (1) 医療的ケアを必要とする子どもについてどのような対応をしていくのか、市の考えをお聞かせください。  (2) 市内に医療的ケアが必要とされる子どもはどのくらいますか。  (3) 医療的ケア児について保育所や幼稚園、市立の小・中学校での受け入れの状況を教えてください。また、受け入れについてはどのような相談がありますか。  以上、一問一答方式でお願いいたします。 135 ◯副議長(須山たかし議員) 順次答弁願います。高野市長。 136 ◯高野律雄市長 西の議員の御質問、(1)、医療的ケアを必要とする子供の対応に関する考えにつきましてお答えいたします。  平成28年の児童福祉法の一部改正において、地方公共団体の努力義務として、医療的ケアを必要とする児童が、その心身の状況に応じて適切な支援を受けられるよう、保健、医療、福祉その他の各関連分野の支援を行う機関との連絡調整を行うための体制の整備に関し、必要な措置を講ずることが求められるとともに、サービスの提供体制を計画的に確保できるよう、障害児福祉計画の策定が義務づけられることとなりました。  このことから、本市でも平成30年度に策定いたしました障害児福祉計画(第1期)において、保健、医療、福祉、保育、教育等の関係機関との連携を図るための協議の場の設置を目指すことを位置づけ、取り組むこととしております。  今後につきましても、まずはこの取り組みを着実に進め、その上で障害児支援のニーズの多様化にきめ細かく対応できるよう努めてまいりたいと考えております。  その他の御質問につきましては担当部長からお答えいたします。 137 ◯副議長(須山たかし議員) 福祉保健部長。 138 ◯村越功一郎福祉保健部長 続きまして、(2)の市内の医療的ケアが必要とされる子供の人数についてでございますが、医療的ケア児につきましては、身体障害者手帳等を取得した場合におきましても、その記載がないことから、把握はできておりません。そのため、国の「医療的ケア児に対する実態調査と医療・福祉・保健・教育等の連携に関する研究報告書」において平成28年度に推計した数字をもとにお答えさせていただきます。全国の医療的ケア児は1万7,058人、東京都では2,140人で、この東京都の人数に対し20歳未満の人口で除した割合で算出した場合、本市におきましては48人と推計されます。  しかしながら、本市には都立小児総合医療センターや、都立の特別支援学校があることから、人口割で算出される人数よりも多くの医療的ケアが必要な子供がいるものと認識しております。  以上でございます。 139 ◯副議長(須山たかし議員) 子ども家庭部長。 140 ◯沼尻 章子ども家庭部長 次に(3)、医療的ケア児の受け入れ状況でございますが、現在、幼稚園3園に3名、小学校3校に3名、中学校1校に1名在籍しております。  受け入れについての相談では、保育所の例で申し上げますと、すくすく保育の受け入れ対象児童も、原則として保育時間内に医療的ケアを必要としないこととしております。このため、保護者より、施設から受け入れの了承をもらっているので、入所の申し込みをすることはできるのかなどの御相談がございます。  個々の児童の状況はさまざまでございますので、医療的ケアは比較的軽度であっても、そのほかの身体的、精神的疾患が重度であるために、安全な集団保育を行うことが厳しく、受け入れが困難となるケースもございます。  以上でございます。 141 ◯2番(西のなお美議員) 御答弁ありがとうございました。  医療的ケア児とは、たんの吸引や人工呼吸器の使用、経管栄養など、生きていく上で必要な医療的援助を日常的に必要とする子どもたちのことです。こういった子どもたちは、家庭や限られた関係者としか関係を築くことができない環境で幼少期を過ごさなくてはならないという現状があり、保育や教育の場でほかの子どもたちと触れ合う機会も少なくなってしまっています。それは一方で、障がいのない子どもたちが医療的ケア児について理解をする機会も奪っていることになります。  高野市長からは、取り組みを着実に進め、その上で支援のニーズの多様化にきめ細かく対応していくとの御答弁をいただきました。とても大切なことだと思います。よろしくお願いしたいと思います。  二つ目の御答弁からは、そもそも医療的ケアが必要な子どもたちが府中市内にどのくらいいるのかは、把握できていないということがわかりました。統計上の推計値では48人程度ではないかと、しかも府中市の場合は、都立小児総合医療センターや特別支援学校などがあることから、もっと多くの医療的ケア児がいるのではないかという御認識でした。今後、医療的ケア児の福祉施策を進めるなら、府中市に実際にどのくらいの人数がいるのか、どういったニーズがあるのかということを把握することが必要だと思います。医療的ケア児の人数の推計については、20歳未満までが対象となっていますが、未就学児の場合は家庭にいたり、療育に通っていたりしますし、就学後については特別支援学校などに入学した場合は、市として人数を把握はできないということです。  そこで、次にお聞きします。市では乳児健診を定期的に行い、ほとんどの乳児については健診などを通して状況を把握できていると思います。こういった乳児健診などで、医療的ケア児の人数や状況は把握できているのでしょうか。 142 ◯沼尻 章子ども家庭部長 2回目の御質問にお答えします。  初めに、乳児健診等で把握している医療的ケア児の人数につきましては、保健センターで実施する集団健診に訪れる医療的ケア児の受診は極めて少なく、病院施設で健診されることが多い状況でございます。また、病院施設から健診の情報が送られてくることがないため、医療的ケア児の人数を正確に把握することは困難であります。  参考として、保健センターでは、健診未受診の保護者に対し、未受診の理由や乳児の成長などに関するアンケート調査を行っており、その中で医療的ケア児や心身障害が理由で受診できなかった方を把握しておりますので、限られた情報内でお答えいたします。平成30年度実績で3・4カ月健診は10名、1歳6カ月健診では8名、3歳児健診は16名となっております。  以上でございます。 143 ◯2番(西のなお美議員) 限られた情報の中でということで、3・4カ月健診で10名、1歳半健診で8名、3歳児健診で16名という数です。医療的ケア自体が成長とともに必要なくなる子どももいますので、一概には言えませんが、やはり推計より多くの子どもたちがいるのではないかと思いました。こういった過程でどのような悩みや要望があるのかを確認したかったのですが、病院からの情報が送られてくることもないとのことでした。障害福祉サービスを利用せず、障害者手帳を持っていない子どもは、市として把握することはできず、乳児健診も医療機関で受けている場合には市には情報がないわけですから、なかなか状況を把握することはできない現状がございます。
     松戸市では、2017年にニーズ調査を行っています。松戸市は、市立総合医療センターで充実した小児周産期医療が行われているために、一定程度の医療的ケア児がいると考えられていながら、数や実態が把握できていなかったということでした。このあたりは府中市の環境と似ているかと思います。そして、医療的ケア児の支援のための連携推進会議の設置に伴い、支援について、より実効性のある対応策を検討するためには状況把握が必要ということで、ニーズ調査を行ったということでした。医療機関を通じて、医療的ケア児が受診する際にアンケートを依頼したり、教育委員会や保健所、特別支援学校などにも、それぞれに把握している世帯にアンケートを配付して調査をしたということです。その結果を見ますと、例えば未就学児の子どもで、保育園と児童発達支援事業所に通う18名に、今の就園先が希望どおりかということを聞いたところ、保育園に通う5名全員は希望どおりと答えた一方で、児童発達支援事業所に通う13名のうち6名が希望どおりではないと回答。保育園に通わせたかったと答えているとの報告が出されています。保護者の思いが伝わってきます。恐らく府中市でも、同様の傾向が出るのではないでしょうか。  1回目の質問の3つ目の答弁からわかるように、府中市では保育園の入所の申し込みについて保護者から相談があっても、医療的ケアが必要とされないことが条件となっているために、保育園へは受け入れてもらえません。具体的に、医療的ケアが必要な子どもを育てる保護者の方から、府中市では医療的ケアが必要だと、保育園に申し込むことも相談に乗ってもらうこともできない、仕事に復帰できなくて困っているという声も寄せられています。松戸市では、既に保育園での受け入れも行っていましたが、その上でニーズ調査の結果を受け、子どもたちがみずからに最も適した療育や教育の機会を得られるように、これまで以上に障害部門と保育部門との連携を図っていきたいと、医療的ケア児支援促進モデル事業の報告書の中で述べられています。  ほかには、調布市で2018年に、障害福祉課で把握できている医療的ケア児について行ったアンケート調査では、利用できるサービスや支援が不足しているということや、家族が地域の中で孤立しているという不安を持っていたり、包括的な相談先がなく、どこに相談したらよいかわからないという回答がありました。市として施策を行う上で、当事者とその家族の状況を把握することをまず行っていただきたいと思います。  厚生労働省は、保育所等における医療的ケア児保育支援モデル事業を行っています。2018年度は全国で37カ所、昨年度は申請ベースで72カ所の市町村が事業を行っているそうです。昨年10月に厚労省が行った、医療的ケア児等の地域支援体制構築に係る担当者合同会議の報告を見ますと、モデル事業を行うことで、庁内の別の部署との連携推進会議を行い、医療的ケア児支援の推進の必要性と重要性を認識できた。また、保育所における医療的ケア児の受け入れは、本人も子どもの集団の中で一緒に生活し、遊び、かかわり合うことができ、乳幼児期に必要な発達支援を受けることができた、周りの子どもたちにとっても多様性を受け入れる素地につながるとして、行政側にも子どもたちにとっても高い評価が出されています。  次にお聞きしたいと思います。本市でも、モデル事業を行いながら医療的ケア児の支援を行っていく方法もあると思いますが、ハードルとなるような課題はありますでしょうか。 144 ◯沼尻 章子ども家庭部長 次に、医療的ケア児保育支援モデル事業を行う上でハードルとなる課題でございますが、児童を安全に受け入れるために最初に取り組むべきことは、医療、保健、福祉等の関係機関との連携協力や、専門家を交えた協議の場を整えることと捉えております。そのため、こうした協議を経て受け入れ体制や支援の方針を決定する上では、医療的ケア児保育支援モデル事業である保育所等における看護師の配置や、保育士がたん吸引等を行うための研修費用などに対する補助事業の活用についても検討してまいりたいと考えております。  今後、医療的ケアが必要な児童を受け入れていくためには、施設整備や看護師・保育士の配置、人材育成等、ハード、ソフトからの体制整備が必要となります。体制整備を行う上では、個々の児童の状況に応じた安全な保育を確保するため、関係機関との協議において、どのような支援を行っていくかを検討することが大変重要であると捉えております。  以上でございます。 145 ◯2番(西のなお美議員) 子どもを安全に受け入れるために協議の場をつくり、看護師の配置や保育士への研修費用など、補助事業の活用についても検討していただけるとの御答弁でした。医療的ケア児保育支援モデル事業については、多くの参考になる事例がございますので、ぜひ参考にし、施策に取り入れていただくことを要望します。  今後の市としての対応として、医療的ケア児とその家族を支援するために、保健、医療、福祉、保育、教育等の関係機関との連携を図るための協議の場を整えることが、最初に取り組むべきとの御認識でしたので、この点について次にお聞きします。  協議の場を整えることの目的はどのようなことでしょうか。具体的に目指すことがあれば教えてください。また、近隣市における協議の場の設置状況はどのようになっていますか。 146 ◯村越功一郎福祉保健部長 協議の場は、医療的ケア児が心身の状況に応じた適切な支援を受け、地域において安心して生活を営むことができるように、保健、医療、福祉、保育、教育などの関係機関が連携を図るために設置するもので、現状把握・分析、連絡調整、支援内容の協議等、地域全体の医療的ケア児の支援に関する課題と対応等の検討などを行うことが求められております。近隣市の状況でございますが、令和元年7月現在、26市中12市が設置しております。  以上でございます。 147 ◯2番(西のなお美議員) これまで、医療的ケア児については、保健や医療、福祉の分野と、保育や教育の分野との情報が分断されていたこともあり、結果的に支援がおくれていたのだと思いました。関連機関との連携とともに、現状把握や分析も行うことが求められているとの認識を確認いたしました。当事者である子どもの声や保護者のニーズなどを踏まえて、協議の場で議論が進むことを望みます。近隣市26市中12市は既にそういう場ができているということですから、府中市においてもすぐに取り組んでいただきたいと思います。  ところで、厚生労働省は、児童福祉法改正に伴って、障害者福祉計画を全自治体が策定するに当たり、障害児の通所支援や相談支援体制の整備を円滑に行うための基本指針を2017年に明らかにしましたが、そこでは、市が検討しているという協議の場を設置するということとあわせて、医療的ケア児に対する関連分野の支援を調整するコーディネーターの配置を定めています。コーディネーターの配置についての考えについてお聞きしたいと思います。コーディネーターに求める役割について考えがあれば、具体的に教えてください。 148 ◯村越功一郎福祉保健部長 医療的ケア児等コーディネーターは、保健、医療、福祉、子育て、教育等の必要なサービスを総合的に調整し、医療的ケア児等とその家族に対しサービスを紹介するとともに、関係機関と、医療的ケア児等とその家族をつなぐ役割を担うものと認識しております。本市における配置や具体的な役割については、その協議の場において検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 149 ◯2番(西のなお美議員) コーディネーターの配置や役割についても、協議の場の中で検討していくとのことでした。障害児福祉計画の中では、市町村においては、関連分野の支援を調整するコーディネーターとして養成された相談支援専門員の配置の促進が必要であるとしています。ならば、必要かどうかは協議に委ねるだけではなく、市としての見解がまず示されるべきかと思いました。そして、コーディネーターも協議の場の中に入り、保育や教育の場とも連携する体制づくりを要望したいと思います。  次に、教育との連携についてお尋ねします。1回目の3つ目の答弁から、現在、市内の小・中学校に4人の医療的ケアが必要な子どもたちがいることがわかりました。この子どもへの看護師の配置状況について教えてください。そして、受け入れている中でどのような課題がありますか。また、保護者の付き添いを求めている場合もありますか。 150 ◯副議長(須山たかし議員) 答弁願います。教育部長。 151 ◯赤岩 直教育部長 お答えします。小・中学校における看護師の配置状況ですが、小学校1校で合理的配慮支援員として配置しています。1日4時間の配置で、3人の支援員が交代で対応しています。  次に課題ですが、医療行為が可能な人材の安定的な確保であると捉えています。医療的ケアが必要な子供については、命の安全が保障されることが最優先となりますので、医療行為の内容や子供の状態により、保護者との話し合いの中で付き添いをお願いすることもございます。  以上です。 152 ◯2番(西のなお美議員) 4人のうち1校でのみ、合理的配慮支援員として看護師が配置されているということです。全ての子どもに対して看護師が配置されているわけではないということ、そして保護者の付き添いについては、医療行為の内容や子どもの状態により、保護者との話し合いの中でお願いすることもあるということがわかりました。  学校に通う医療的ケア児への対応として看護師が必要だということを、親と学校双方で確認ができれば、保護者の付き添いを前提とせずに、看護師の配置を行えるようになるとよいと思っています。その中で課題としては、医療行為が可能な人材の安定的な確保だということでした。現在は、教育委員会が合理的配慮支援員などの配置を決めていると思います。この課題を解決するためには、どのような検討をしていきますか。 153 ◯赤岩 直教育部長 お答えします。医療行為が可能な人材の安定的な確保については、地域の社会資源などの活用につきまして検討してまいりたいと考えております。  以上です。 154 ◯2番(西のなお美議員) 保護者の付き添いを前提とせずに、看護師の配置を行えるようになればよいなという思いで聞いています。人材の確保については、専門性も必要となりますので、なおのこと難しいのかもしれません。地域の社会資源の活用以外にも検討していく必要があると思います。  保護者の付き添いについてこだわっているのは、親の都合のことだけを言っているのではありません。子どもたちが同世代の友達と育っていく中で、親が一緒にいることで、友達同士の関係性を保ちづらいということや、親からの自立の段階として、保護者と離れて学ぶことも大切だと考えています。子どもの育ちのためにも、学校生活の中で、校外学習なども含めて保護者の付き添いがなくてもよいことを原則とする支援員の配置を望みたいと思います。  子どもたちにとって地域の保育園や学校に通えることは、地域のコミュニティの中で子どもたちが育つことができ、地域の人間関係を継続的に維持できる効果も大きいですし、災害時や、また、障害児家庭が課題を抱えたときもコミュニティが支えやすいといった大きな利点があります。障害者差別解消法から鑑みても、医療的ケア児への保育や教育の提供に当たっては、子どもの権利、子どもの最善の利益の尊重という視点で求められるべきです。協議の場では実態調査を行い、本人や保護者のニーズを把握すること、それを教育や保育の場で保障するために支援体制を構築することが、今回の私の要望となります。  看護師の配置については、人員の配置不足が課題とされていますが、2011年の社会福祉士及び介護福祉士法の一部改正に伴い、研修を受けることで、たん吸引や経管栄養などの特定の医療ケアを、保育士等の職員が行うことができるようになりました。また、医療的ケア児に対する訪問看護の適用範囲は拡大されており、切れ目ない支援体制整備充実事業として、看護師の派遣を訪問看護ステーションに委託することも可能としています。体制については、市が看護師を採用して、必要な保育園や学校に巡回するということも検討の1つとなると思います。  年々ふえている医療的ケアを必要とする子どもたちに対して、現状把握ができておらず、本市では対応がなかなか進んでいませんでした。医療的ケアが必要な子どもたちが、地域でともに過ごし、遊び、学ぶことができる、そういった保育や教育の場を享受することができることを要望しまして、質問を終わります。ありがとうございました。 155 ◯副議長(須山たかし議員) 以上で、西の議員の質問を終わります。        ─────────────────────────────── 156 ◯副議長(須山たかし議員) 次に、西村議員の質問を許可いたします。12番、西村議員。       〔12番西村 陸議員登壇〕 157 ◯12番(西村 陸議員) 議席番号12番、公明府中の西村 陸でございます。通告に従いまして1件、一括して質問をいたします。  1 日本語の指導が必要な子どもたちへの支援の充実を。  文部科学省が平成30年5月に行った調査では、全国の公立小・中・高校などに在籍する外国籍など、日本語指導が必要な児童・生徒は5万759人と、前回調査から6,812人、15.5%増加との結果が報告されております。日本語指導が必要な児童・生徒というのは、日本語での日常会話が十分にできなかったり、学年に応じた学習に支障がある子どもたちであり、具体的には、学校の授業がわからない、日本の学校になじめない、進路や将来が見えないなど問題があり、中学卒業後に高校進学したとしても、学校生活や授業になじめず、退学などを余儀なくされ、やがて社会に適応できずに貧困につながったり、社会における治安悪化など、負の連鎖につながることなどが懸念をされております。  全国の、日本語指導が必要な外国籍の児童・生徒の母語別在籍状況は、多い順にポルトガル語、中国語、フィリピノ語、スペイン語で約8割を占め、言語、人種も多様であることがわかっており、平成31年4月に施行された改正出入国管理・難民認定法で新たな在留資格「特定技能」が創設されたことによって、今後さらに外国籍の子どもはふえると言われております。また、義務教育年齢で不就学の可能性がある子どもは1万9,654人との調査結果もあり、文部科学省では、こうした子どもたちが就学できるよう支援を検討していると聞きますが、就学率の向上にとどまらず、学校生活の充実や進学に向けた、充実した支援が必要であります。  本市の義務教育年齢に当たる外国籍の子どもの就学状況は、令和元年5月1日現在で211人、うち132人が府中市立小・中学校に就学と聞いておりますが、外国籍でも日本語で学習できる子どももいれば、日本国籍であっても日本語指導が必要な子どももいます。国や人種を超えた交流や、人権の尊重、また将来の我が国の未来をつくる次の世代の人材が、国籍を問わず育っていける、その観点から、以下質問いたします。  (1) 市内在住で、日本語の指導が必要な義務教育年齢の子どもの人数、就学していない子どもの人数、また、これらの子どもの母語の国、地域の傾向は。  (2) 日本語の指導が必要と思われる子どものいる世帯が市内へ転入した際の就学案内のプロセス。また、中学生・高校生に相当する年齢で転入した子どもの人数の推移。  (3) 市立小・中学校での受け入れ後の日本語の指導、授業やその他学校生活における指導等、取り組みの現状と課題は。また、中学三年生の受験への取り組み、卒業後の進路と進学率の現状と課題は。さらに、卒業後の状況は。  (4) 学校以外で、日本語が不自由な子どもやその家庭に対する支援にはどのようなものがあるか。  以上、御答弁のほどよろしくお願いいたします。 158 ◯副議長(須山たかし議員) 順次答弁願います。教育部長。 159 ◯赤岩 直教育部長 初めに(1)、義務教育年齢の子供の日本語指導が必要な人数、就学していない子供の人数、母語の国、地域の傾向の御質問から順次お答えします。  市内在住で市立小・中学校に通う、日本語の指導が必要な義務教育年齢の子供の人数は、小学生29人、中学生3人となります。うち、小学校3人、中学校2人が、日本語指導が必要な日本国籍の児童・生徒となります。  次に、就学していない人数につきましては、府中市立小・中学校に就学してない外国籍の子供の人数でお答えします。令和2年1月末現在、本市に在住している義務教育年齢の外国人が218人、そのうち82人が府中市立小・中学校に就学しておりません。なお、出身国の内訳は20カ国程度で、中国が88人で最も多く、韓国の29人、米国の22人、フィリピンの19人がそれに続いております。  次に(2)、日本語の習得が必要と思われる子供のいる世帯が市内に転入した際の就学案内のプロセスですが、就学年齢の子供がいる外国人世帯の転入時に、就学に関する案内文書をお渡ししております。その後、教育委員会において就学の意思や就学希望日などを確認した上で、必要な手続の御案内をしております。  また、中学生・高校生に相当する年齢で転入した外国籍の子供の人数の推移ですが、過去3年でお答えします。平成28年度、82人、平成29年度、93人、平成30年度、99人です。  次に(3)、学校生活における指導等、取り組みの現状と課題ですが、市立小・中学校に通学する海外からの帰国及び外国籍の児童・生徒のうち、日本語の指導が必要な児童・生徒を対象に日本語指導助手を配置して、日本語の習得や学校生活への適応を図るための指導、助言を行っております。日本語指導助手の指導期間は6カ月となりますが、さらに継続した日本語指導を必要とする児童・生徒に対しては、教育センターにおいて日本語適応指導教室を実施しています。児童・生徒の実態に合わせながら、きめ細かに学校生活に適応させていくことや、多様な言語に対応していくことなどが課題として挙げられます。  また、日本語指導を受けた生徒たちの受験への取り組みとしましては、海外帰国生徒対象枠や、在京外国人生徒対象枠などで受験をする生徒もいますが、一般の生徒と同様に学校を選択し、受験しております。なお、東京都立高等学校を受験する際には、ルビを振った学力検査問題等での検査を実施するなどの特別措置がございます。日本語指導を受けた生徒に限定した卒業後の状況などは把握しておりません。  以上です。 160 ◯副議長(須山たかし議員) 市民協働推進部長。 161 ◯堀江幸雄市民協働推進部長 続きまして(4)の、学校以外での支援につきましてお答えいたします。府中国際交流サロンでは、市内在住の小・中学生を対象に、東京外国語大学の学生ボランティアが日本語の学習や学校の勉強のお手伝いをする学習支援を、毎週金曜日の午後5時から実施しております。また、日本語が不自由な子供の家庭を対象としているわけではございませんが、同サロンの学習者として登録していただいた市内在住の外国人を対象に、市民ボランティアが日本語学習支援、文化交流活動、生活情報支援を行っているところでございます。  以上でございます。 162 ◯12番(西村 陸議員) 教育部長、そして市民協働推進部長より、それぞれ御丁寧に答弁をいただきました。ありがとうございました。  それでは2回目の質問に入りたいと思います。4点にわたって質問させていただきました。順に入りたいと思います。まず1つ目の、日本語指導が必要な子どもの実態についてということでお答えをいただきました。市立の小・中学校に通う、日本語指導が必要な義務教育年齢の子どもは、外国籍と海外からの帰国などを合わせて、小学生29人と中学生3人、その中で日本国籍は小学生3人と中学生2人とのことでありました。  もう一つ、就学をしていない子どもの人数を知りたかったわけでありますが、外国籍の子ども218名中、府中市立小・中学校に就学していない外国籍の子どもとして82名、つまり4割弱の子どもたちが、府中市立小・中学校以外のところに行っているということでお答えをいただきました。この、「以外の子ども」については、以前、一般質問ではないんですが別の質疑の中で、インターナショナルスクールや私立、都立、国立学校などに通っているとも伺っておりますが、私が気になっておりますのは、就学自体ができていない子どもがいるのかいないのかがわからないという点であります。たしか今年度から、府中市立小・中学校以外に就学する場合に、就学先の届け出をお願いして、外国籍の子どもの就学状況の把握に努められていると伺った記憶がありますが、改めて確認をさせていただきたいと思います。  ちなみに外国籍の子どもの出身国は、約4割程度が中国。韓国、アメリカ、フィリピンが続き、この4カ国で全体の7割以上を占めており、そのほか16カ国で60名という状況でありました。全国の傾向とはまた異なるようでありますが、単純に言語別にしますと、中国語、ハングル、またフィリピンは第2外国語として捉えるならば、英語の3カ国語が多くを占めるということになるわけですが、最近ではベトナムや、あるいはウズベキスタンなど中央アジアから来ている方のお話を聞くことも多く、人数はともあれ多様化していることは間違いないかと思います。  そこで質問ですが、府中市立小・中学校以外に就学する場合、就学先の届け出をお願いするなどして、外国籍の子どもの就学状況の把握はされているのでしょうか。また、その上で就学できていない子どもを把握することはできないでしょうか。  続いて2点目です。転入時から就学までのプロセスなどについてお聞きいたしました。就学年齢の子どもがいる外国人世帯の転入時に、就学に関する文書をお渡しして教育委員会へ御案内をし、就学につなげているということでありました。ちなみにこの案内文書ですが、日本語メーンの英語併記というバイリンガル仕様となっているようです。昨今のグローバル化、また、ラグビーワールドカップやオリンピック・パラリンピックを迎えて、公共のコミュニケーションの多言語化が進み、何より市内の外国人人口も、この5年間で1,000人程度増加していることも踏まえて、教育分野から率先して取り組むべきではないかと考えます。  一方、中・高生に相当する年齢、12歳から18歳で転入した子どもの人数もお聞きいたしました。進学にかかわる世代でもあります。就学前から小学生低学年に当たる小さなころ、そのぐらいの世代であれば言葉になれるのも早いと思いますが、中・高生の年代では日本語習得の上で、さらに授業や受験といった日本での学習内容の習得まで、かなりハードルが上がってくるわけでありまして、特に支援が必要になるのではないかと考えます。本来、高校生については府中市教育委員会のマターではありませんが、高校進学後の中退率の高さや、就業など彼らの将来に関して、困難な課題に直面している市民に手を差し伸べるという意味で、中学卒業後の足取りが何らかの形で把握できた方がよいのではないかと感じております。  そこで2回目の質問です。  2つ目のア、外国人など日本語がわからない人を対象にした、この案内文書などの重要な文書について、多言語表記に変えることは可能でしょうか。  2つ目のイ、中学校卒業時点で、日本語の指導が必要な状態の生徒がいたケースは今までにあったのでしょうか。また、もし今後そのような生徒がいた場合に、児童青少年課や協働推進課など、関係課につなぐなどの対応はできないでしょうか。  3つ目の、日本語指導の取り組みと進学の件では、府中市立小・中学校に通っている、日本語指導が必要な児童・生徒への指導や取り組みについて、最初の半年間の学校での日本語指導助手の配置と、さらにその後は教育センターでの指導教室が実施されているということでありました。対応すべき言語の多様化や、授業以外での学校生活全般にわたるフォローなどの課題のほか、人手もやや厳しい中、やりくりされているとも現場からは伺っております。指導室、また各校の関係者の皆様には、さまざまな御苦労の中で取り組まれていることについて、改めて感謝を申し上げたいと思います。  さて、そうした課題解決に向けた考え方として、例えば担任を受け持つ教員を初め学校関係者の理解を深め、レベルアップを目的に、文部科学省による日本語指導アドバイザーの活用や、東京都教育委員会では、日本語の習得を目的として授業を行う通級指導学級の設置をする自治体に対する認証を行っているようでありますが、実際に23区や多摩地域では、八王子市、調布市、武蔵村山市、福生市など、全て把握してはおりませんが、各市で日本語教室が設置されていると伺っております。  また、今回のテーマは対象の生徒の受験から先、進学後が最も重要なポイントと捉えておりまして、小・中学校での指導・支援の充実は、彼らを希望ある将来に導いていくための大事なプロセスと考えます。御答弁にありました在京外国人生徒対象枠での受験ができるのは、都立高校では全都で7校、その中で多摩地域で唯一、府中西高校がそれに当たります。日本の中学生の進学率に対し、日本語が母語でない子どもの進学率は、少しずつ高くはなっているようでありますが、在京外国人生徒対象枠で受け入れている学校の、限られた定員枠でようやく入学しても、授業内容や読み書きに課題がある生徒は常に一定の割合で存在し、勉強だけでなく学校生活になじめず、入学後の支援が行き届かず、中退率は依然高いままと聞いております。これは国や東京都の課題ではありますが、市内から通っている生徒もいるかもしれないと考えれば、実際にはわからないわけですが、義務教育年齢の段階から卒業後までしっかりと把握をして、また、義務教育期間中の支援についても、より充実したものになればと考え、以下質問をいたします。  3つ目のア、日本語指導助手、また日本語適応指導教室の実施サイクルや時間、また、取り組みの成果について伺います。日本語適応指導教室については、利用者数についてもお答えください。  3つ目のイ、担任など学校関係者の理解促進やレベルアップなどを目的として、文部科学省による日本語指導アドバイザーの活用や、通級指導学級としての日本語教室の設置に対する市の考え方を伺います。  最後、4点目です。学校以外での支援について伺いました。市民協働推進部よりお答えをいただきました。市内在住の外国人の増加により、府中国際交流サロンの存在とその活動は、今後ますます重要になると思います。先ほど御提案した日本語教室などとの有機的な連携により、ますますレベルアップした日本語の指導と学習支援ができるとよいのではないかと考えます。東京外国語大学の存在も非常に大きいと思います。現在、既に取り組まれている学習支援などのサポートとともに、一昨年に一般質問で取り上げましたが、市内各大学との協定により生まれ、継続している事業も数多くあると思います。教員と市民活動、大学などとのさらなる協働のレベルアップを図り、府中市だからこそできる支援がさらにあるように思います。  より多くの子どもたちやその家族などとつながりながら、さらなる支援拡大を図るためには、市民活動を補完する要素として、SNSやICTを活用したコミュニケーションの充実は必須であると考えます。当サロンなど、市民団体が自発的に取り組めればよいですが、そういったことが苦手な場合も考えられますので、市が支援する、あるいは別の団体がサポートできるようマッチングさせるなど、子どもたちの支援環境の充実を図るためにも、市民協働のネットワークを駆使して取り組めないかと思います。そこで質問です。  4つ目のア、府中国際交流サロンが行っている児童学習支援などへの、対象となる子どもの参加状況は。  4つ目のイ、市民協働の強みを生かし、教育、市民団体、大学など各関係機関と連携をし、児童学習支援の拡充やICTの活用支援など、利用する側と支援する側をサポートするような取り組みを検討する考えはないか。  以上、2回目の御答弁、よろしくお願いいたします。 163 ◯赤岩 直教育部長 初めに1つ目の、外国籍の子供の就学状況の把握に関する御質問ですが、外国人学校や国立、私立学校などの府中市立小・中学校以外に就学される場合も、就学先の届け出をしていただき、把握に努めております。  次に、就学できない子供の把握につきましては、現在、新小学一年生になる外国籍の子供がいる全世帯に対しては、就学の案内文書をお送りしております。なお、教育委員会に就学先の届け出のない外国籍の子供の世帯に対しては、関係課との連携をとりながら、就学先等の状況把握について調査などをしてまいりたいと考えております。  次に2つ目のア、重要な文書の多言語表記についてですが、昨今、外国籍児童・生徒の転入がふえてきていることから、今後、就学に関する重要な文書につきましては、英語の表記に加えて多言語化を進めていけるように検討してまいります。  次に、イの中学校卒業時に日本語指導が必要なケースの有無ですが、近年、日本語指導助手や学校経営支援員等を効果的に活用し、卒業時まで日本語指導を必要としている生徒は少なくなってきているとの報告を学校から受けております。過去には、中学校への編入から卒業までの期間が短く、中学校卒業時でも日本語の指導が必要な生徒がおり、対応していた事例もございます。また、今後そのような生徒がいた場合には、児童青少年課や協働推進課など、関係課につなぐ対応を図ってまいります。  最後に3つ目のア、日本語指導助手または日本語適応指導教室の実施サイクルや時間、また取り組みの成果ですが、日本語指導助手の指導時間は1日2時間、週6時間としており、期間は6カ月を上限としております。また、日本語適応指導教室は、日本語指導助手の指導期間を終了し、さらに継続した日本語指導を必要とする児童・生徒に対し教育センターにおいて実施しています日本語適応指導教室の指導期間は、年度の前期、後期で受け付けており、夏季休業日等を除く水曜日に実施しています。指導期間について制限はありません。  次に、日本語適応指導教室の通室実績ですが、平成30年度は前期、後期の合計人数、令和元年度は前期の人数でお答えします。平成30年度、小学生2人、中学生3人。令和元年度前期、小学生3人、中学生4人となっています。  次に、日本語指導アドバイザーの活用等に関する御質問ですが、外国人児童・生徒等の教育についての研修を実施する場合には、日本語指導アドバイザー等を活用することも研究してまいります。  次に、通級指導学級としての日本語教室の設置に対する市、教育委員会の考えですが、現在本市では、日本語指導が必要な児童・生徒がおおむね5人以上いる学校については、日本語指導加配教員を東京都に申請しており、府中第一小学校に1人配置されています。また、日本語学級等については、日本語指導助手の活用及び教育センターにおける日本語適応指導教室を通して支援してまいります。  以上です。 164 ◯堀江幸雄市民協働推進部長 続きまして、4つ目の質問のア、府中国際交流サロンが行っている児童学習支援の参加状況につきましてお答えいたします。現在、児童学習支援に参加している対象者は10人です。昨年度は年36回実施し、延べ271人が参加しております。  次に、イの質問、市民協働の強みを生かした支援についてですが、児童学習支援の関係機関との連携につきましては、現在実施している東京外国語大学の学生ボランティアの協力による支援に加え、市民団体や大学など、新たな担い手や実施場所について研究してまいります。  ICTの活用支援につきましては、市民協働のさらなるネットワークを構築するため、来年度リニューアルを行う市民活動センタープラッツのポータルサイトにおいて、個人や市民団体などを支援する側と利用する側、双方のマッチングを図る機能を充実させる予定であり、児童学習支援につきましても、こうしたICTの活用によりマッチングを検討してまいります。  以上でございます。 165 ◯12番(西村 陸議員) 2回目の御答弁、引き続きありがとうございました。3回目は意見、要望としてまとめさせていただきたいと思います。  今回の質問のポイントの1つは、日本語指導が必要な子どもの中で、もし就学していない子どもがいたとしたらという心配であり、懸念であります。基本的にはいないものと信じておりますが、しかし、府中市立小・中学校に就学していない子どもの状況が、まだ明確にされていないように感じたことからお聞きしたところ、就学先の届け出をもらうようにされていることがわかりましたので、ここからさらに、届け出のなかった世帯に対しても、改めて状況把握に向けて関係課と連携をして調査をしていただけるとの御答弁をいただきました。どうかよろしくお願いいたします。  続いて、日本語が母語ではない外国人の子どものいる世帯に、転入された際お渡しする就学案内など必要な文書については、現在の英語併記のものから多言語化への対応を御検討いただけるとの御答弁でしたので、実際に子どもたちの国別の比率も、府中市においては中国、韓国、アメリカと、一般的な4カ国語と合致しているようでありますし、できれば新年度に向けて、間に合うかどうかわかりませんけれども、ぜひ御準備をいただけたらと思います。あわせて、それ以外の国の子どもも多くいることも踏まえて、市のホームページやメール、PDFなどの電子文書などを活用して、オンラインで翻訳できるような形式で情報提供することなども考えられるかと思います。また、転入の子どもの年齢もそれぞれと思います。必ずしも幼少期に転入してくるとは限りません。さまざまな事情により、小学生高学年や中学生に当たる年齢での転入もあるかもしれませんので、中学卒業の段階で日本語指導が必要な生徒が転入された際には、関係課と連携をしながらしっかりと掌握をしてつながり、必要なサポートにつなげられるような体制をとっていただきたいと思います。  府中市立小・中学校での日本語指導については、各学校での指導助手と、教育センターでの指導教室での実施状況がわかりました。最初の質問で、日本語指導が必要な児童・生徒の人数を伺ったわけですが、教育センターの指導教室まで通っているのは、小学生は29人中2人から3人と、ごく一部であるのに対し、中学生は3人から4人、全員が通っているということになろうかと思います。やはり年齢が上がるにつれ、日本語学習と、受験も意識した勉強が厳しくなっていくことが想像できます。一方、文科省の日本語アドバイザー活用については、今後の状況に応じてということだと理解をいたしましたが、研究されるということでしたので、必要に応じて活用されることを願います。  また、日本語教室については、教室の設置よりも教員の加配により、実際に一小に配置されていることがわかりました。現在の指導助手と指導教室、そして日本語指導加配教員とを組み合わせながら、引き続き対応していくとの考え方も理解をいたしました。  最後に、市民協働マターでの府中国際交流サロンでの児童学習支援については、学校を終えた児童・生徒が週1回、年間36回というのは、多分、夏休みや冬休みなど長期の休みを除く毎週開催ということだと思いますが、10人の参加があるということでした。私も、学習支援の様子を見に行かせていただいたところ、参加している子どもたちの学力まではわかりませんが、真面目な子たちが多く、日本語も上手、日本人以上に漢字の書き取りが上手な子もいたのが大変印象的でありました。東京外国語大学の学生の方々がフレンドリーに接していて、学校や塾の先生と生徒というよりは、年の離れたきょうだい、お兄さんお姉さんのような関係で、楽しみながら宿題などをやっておりました。本市において東京外国語大学の存在は非常に大きいと、改めて実感したところであります。主催する府中国際交流サロンも、ボランティアや大学生、また通ってくる外国人や子どもたちとのコミュニケーションや募集なども含めまして、ICTをうまく活用できると、さらなる活性化につながるように思います。サロンとしてのお考えもあるでしょうから、ここはよく議論しなければならないところですが、御答弁の中で御紹介いただいた、市民活動センタープラッツのポータルサイトのリニューアルによって加わるマッチング機能には、来年度、期待したいと思います。  子どもたちにとって、国籍にかかわらず、ITは重要なツールとなります。SNSの活用やeラーニングなど、日本語を学びたい外国人やその子どもたち、さらに障害を持つ方々にとっても有効なツールとして活用されていくことを願うものであります。いよいよ到来するソサエティー5.0の時代では、さまざまな社会問題も解決が可能になると聞いておりますが、学校教育においても、国としてGIGAスクール構想が打ち出され、ICT環境も劇的に変化することにより、子どもたちの日本語習得に対しても大きな後押しになることを期待しております。  最後に、言葉が不自由でも、日本で生活することはできるかもしれませんが、もしもそのまま日本での生活を望んでいる、あるいは余儀なくされるのであれば、日本語の習得の有無が学力、進学、就業、さらにその人の人生にまで大きく影響を与えることになります。少子高齢化と人口減少が進む我が国において、働き手や地域の担い手として外国人の方々に対する期待が高いだけでなく、その外国人にとっても住みやすく、希望が持てる社会でなければなりません。しかし、日本で暮らす上で最大の不安は言葉の壁と言われております。日本語教育と指導の充実を図ることは、外国人の方々にとって安心につながり、子どもにとっても希望が持てるようにもなります。将来の働き手不足、犯罪抑止、人権など、広い視野で考え、誰もとり残さないとの言葉に象徴される、持続可能な開発目標SDGsにおける、1、貧困をなくし、8、働きがいも経済成長も目指しながら、10、人や国の不平等をなくしていくなど、言葉の自由がその人の自由や希望を奪うことのないよう、社会でしっかりと守り育てる、そのセーフティネットを府中市においてもしっかりと張っていただくようお願い申し上げまして、質問を終わります。ありがとうございました。 166 ◯副議長(須山たかし議員) 以上で西村議員の質問を終わります。
           ─────────────────────────────── 167 ◯副議長(須山たかし議員) ここで、30分程度休憩いたします。              午後3時25分 休憩        ────────────── ◇ ──────────────       〔副議長退席・議長着席〕              午後3時55分 開議 168 ◯議長(横田 実議員) 休憩前に引き続き本会議を再開いたします。        ─────────────────────────────── 169 ◯議長(横田 実議員) 次に、結城議員の質問を許可いたします。10番、結城議員。       〔10番結城 亮議員登壇〕 170 ◯10番(結城 亮議員) 議席番号10番、共産党の結城です。一括形式で2件、お願いいたします。  1件目、府中市の自殺総合対策計画の施策について。  府中市では自殺対策基本法に基づいて、庁内及び関係機関とともに対策を推進し、昨年6月に府中市自殺総合対策計画を策定しました。今「自殺対策は地域の時代へ」、NPO法人自殺対策支援センターライフリンク代表、清水康之さんのお言葉でありますが、こういう状況であります。自殺対策とは包括的な生きる支援という考え方が柱となっており、今日においては自治体における福祉政策の一つとも言える課題ではないでしょうか。そこで以下5点について伺います。  1) 市は自殺総合対策計画(以下「計画」)を推進する上で、地域との連携を方針に掲げ、その中で地域包括ケアシステムの構築と住民相互の支え合いの仕組みづくりの考えを柱としていますが、その具体策について伺います。  2) 市は自殺対策関係者連絡会において、自殺事例の情報共有を初め、自殺された方の家族に対する支援策、また医療機関や警察との連携促進を図る方針を掲げています。そこで具体的な取り組みの状況について伺います。  3) 市は計画を推進する中で、生活福祉、高齢者福祉、障害者福祉、子育て支援などとともに取り組むという方針のもと、自殺対策関係課長会議を開催していますが、具体的な取り組みの状況について伺います。  4) 相談者からの相談受け入れ体制の現状について伺います。  5) 地域、市民に対する自殺防止に向けての相談体制、その啓発活動の現状と課題について伺います。  2件目です。東京高裁によるいじめ判決問題について。  1月23日付毎日新聞朝刊の社会面において、「小学校校長「いじめ隠し」東京高裁認定、府中市に賠償命令」、また2月7日付読売新聞多摩版には「いじめ 府中市賠償確定、東京高裁 市と原告側上告せず」という記事が掲載されました。毎日新聞の記事では「小学校在学中にいじめを受けていたのに校長や教諭に放置され、心的外傷後ストレス障害を発症したとして、20代女性が学校の設置者である府中市に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、1月22日、市に756万円の支払いを命じた」と報じております。この判決及び案件に関して、以下5点伺います。  1) 今回の裁判の一連の経過と判決内容について伺います。  2) 原告側の主張と根拠について伺います。  3) 市と学校側の主張と根拠について伺います。  4) 東京高裁判決を受けて市教委の認識について伺います。  5) 今回の事件はさかのぼって重大事態の案件として認定し、今後の教訓に生かすべきと考えるけれども、市の認識を伺います。  以上でございます。 171 ◯議長(横田 実議員) 順次答弁願います。福祉保健部長。 172 ◯村越功一郎福祉保健部長 初めに、1件目の自殺総合対策計画についての御質問にお答えいたします。  1)の住民相互の支え合いの仕組みづくりについて、その具体策についてでございますが、まず地域包括ケアシステムにつきましては、市民が住みなれた地域で安心して暮らすことができるよう、介護や医療、住まい、生活支援などのサービスを一体的に提供できる、さまざまな主体や社会資源などとの連携強化を進めているところであり、2025年を目途に構築を目指しております。また、地域における住民相互の支え合いの仕組みづくりにつきましては、地域において福祉課題を抱える人に対する相談や、わがまち支えあい協議会の運営・立ち上げ支援を行う地域福祉コーディネーターの配置を行っております。地域住民や地域の多様な主体が、地域の課題を他人事ではなく我が事として捉えることで、地域課題の解決力を高める活動を市は支援しております。  次に、2)の自殺対策関係者連絡会での具体的な取り組みの状況についてでございますが、自殺対策関係者連絡会は、自殺対策に関連する庁内19課及び多摩府中保健所、社会福祉協議会の職員で構成し、自殺対策に関する事業の情報共有や円滑な連携体制を構築することを目的として、年2回開催しております。また、分科会として、各課でかかわっている事例の具体的支援に関する検討を目的に、庁内7課及び多摩府中保健所、社会福祉協議会で構成される検討の場を設け、年2回程度開催しております。具体的な内容といたしましては、自殺未遂者及び自殺既遂者の遺族に接するときに心がける点や、緊急対応を視野に入れた警察への連絡体制の検討、継続支援のための対応方法について医療保健分野の専門家からの助言を受けるなど、職員のケース対応能力向上や連携強化に取り組んでおります。  次に、3)の自殺対策関係課長会議についてでございますが、自殺対策にかかわる事業を実施する部署24課の課長職で構成する会議として設置しております。具体的な取り組み状況についてでございますが、当該会議は平成29年度から各年度に1回開催し、国や東京都の状況を初め、市の自殺の現状や推移について情報共有しているほか、自殺総合対策計画策定に向けた検討を行いました。令和元年6月に自殺総合対策計画を策定した後は、各重点施策の取り組みについての情報交換などを行っております。  次に、4)の相談者からの相談を受ける体制についてでございますが、市民からの相談は、各部署で相談対応する中で、自殺のおそれが強まった場合や、死にたい、消えてなくなりたいなどの訴えがあった際は、各部署での対応に不安がある場合は健康推進課の保健師に相談する流れとなっております。また、緊急を要すると判断される場合は、状況を把握し、それまでの経過の中で相談に対応してきた職員が警察と連携して安否確認を行うなどの対応をしております。  なお、職員を対象にしたゲートキーパー研修を毎年開催しており、自殺対策についての理解を深める取り組みを行っているほか、窓口での対応のための自殺対策マニュアルを関係課に配布し、相談スキルを高めているところでございます。  次に5)の地域、市民に対する自殺対策に向けての相談体制、その啓発活動の現状と課題でございますが、自殺に関する相談体制では、民生委員や地域包括支援センター職員等を対象にゲートキーパー研修を行い、自殺対策を支える人材を育成しております。また、いのちの電話等のカードを庁舎及び保健センター内のトイレに置くほか、「相談ほっとLINE」やNPOによる相談センターの案内などを庁内各部署や一部の公共施設に置き、相談機関の周知に努めております。  主な啓発活動といたしましては、年2回講演会を開催するほか、9月と3月の自殺対策予防週間・月間にあわせて保健センターや女性センターなどに特設コーナーを設置し、自殺の現状の展示やリーフレットなどを配布しております。また、中央図書館では、心の健康に関する「あなたにおすすめする本」をリストアップし、特設コーナーであわせて配布しております。  最後に、課題でございますが、相談にしても啓発活動にしても、さまざまな取り組みをいかにして多くの人に届けられるか、そして、自殺はその多くが追い込まれた末の死、自殺はその多くが防ぐことのできる社会問題ということなど、自殺に対する認識を深めていただくことと捉えております。  以上でございます。 173 ◯議長(横田 実議員) 教育部長。 174 ◯赤岩 直教育部長 続きまして、2のいじめ判決問題についての御質問に順次お答えします。  初めに、1)の今回の裁判の一連の経過と判決内容についてですが、本裁判は、約17年前に市内の小学校児童が他の児童からいじめを受け、不登校になり、いまだ健全な精神状態に回復していないことが学校教員の安全配慮義務や安全確保義務違反によるものだとして国家賠償請求を求められたものでございます。  判決内容は、第一審では、教員に安全確保義務等の違反はないものとして原告の請求は棄却されました。第二審では、学校が不登校後にもいじめを認めず、医師と情報を共有して当該児童の安全を確保しなかったという安全確保義務違反の一部を認め、求められていた約3億円の損害賠償額のうち、過失相当分約756万円と訴訟費用の10分の1等について支払いを市に命じたものでございます。  次に、2)と3)をあわせてお答えいたします。  まず、2)の原告側の主張と根拠についてですが、学校側の義務違反による損害額として、国家賠償法に基づき、安全配慮義務や安全確保義務違反に対する約3億円の賠償を求められたものでございます。  3)の市と学校側の主張と根拠についてですが、原告の主張に対して、当時の学校の行った指導や対応を踏まえ、安全確保義務等の違反はなかったとの立場で主張を行いました。  次に、4)の東京高等裁判所の判決を受けての市教育委員会の認識ですが、市教育委員会としましては今回の判決を重く受けとめ、今後の小・中学校におけるいじめ予防、早期発見、早期対応等に一層努めてまいります。  上告しなかったことにつきましては、重大な人権にかかわる案件であり、元児童の方の長年にわたる苦しみに寄り添い、裁判所の示した設置者としての責任を受けとめることが適切であると判断されたものと認識しています。  次に、5)の、今回の事件はさかのぼって重大事態の案件として認定し、今後の教訓に生かすべきと考えるがについてですが、いじめ重大事態は、平成27年に策定された府中市いじめ防止基本方針に基づくものであり、平成14年の本案件について過去にさかのぼって認定する別段の事情があるとは認識しておりません。今後については、繰り返しになりますが、市教育委員会としましては、判決を重く受けとめ、今後の小・中学校におけるいじめの予防、早期発見、早期対応に一層努めてまいります。  以上です。 175 ◯10番(結城 亮議員) では、2回目、続けたいと思います。  まず、1件目の自殺対策の件であります。これは昨年、9月議会、稲津議員が取り上げられまして、このときの質疑の到達も踏まえ、今回取り上げた次第であります。自殺に関する全国のデータでは、警視庁調べで、2018年度は年間2万840人、1日平均で57人。また、これは2016年のデータでありますが、日本財団という団体によれば、自殺意識調査というのをされ、過去1年以内に自殺未遂を経験した人の数にして年間53万5,000人という、こういう数字が公表されました。私も、ぜひこの問題を改めて深めるという意味で今回取り上げた次第であります。今後、自殺対策は地域レベルの実践的な取り組みを中心とする対策へと転換を図っていくというのが国策であります。  府中市における自殺の現状でありますが、その昨年9月の質疑の中で、府中市は平均年間45人程度の方が自殺でお亡くなりになり、性別では、7割以上が男性、年齢別では、30代から50代が多いということであります。職業別に見れば、無職の方が最も多く、次に被雇用、勤め人となっておるそうであります。昨年9月の部長答弁では、本市の自殺実態プロファイルでは、勤務・経営、高齢者、生活困窮者、無職者・失業者の四つの分野が重点施策として取り組むべきであるとの分析結果が示されていると、こういう福祉保健部長の答弁がありました。  いわゆる府中市の場合、こういう自殺をされたハイリスク群などと呼んでおりますが、このハイリスク群の方々、特に現役世代の方々でありまして、どうも一般には地域社会から孤立している状態だということが推察をされます。ですから、いかにこの孤立している状況から相談窓口へつなげていくかが大変重要ではないかと思うわけであります。  そこで、2回目のまず一つ目の質問として、こうしたハイリスク群の方々に対して、関係機関が連携し総合的な支援を実施すること。無職者であれば、失業生活苦、多重債務、鬱病、こういう複雑な要素を抱えながら、問題が既にわかっているわけでありますので、それらの問題に対応するため、弁護士、保健師、ハローワーク、福祉事務所などが連携をして、総合的な相談会などを共同で常時実施をして支援に当たる、こういうことをぜひ検討できないかというのが一つであります。  市の自殺総合対策方針、また自殺問題にかかわる書籍の事例などからの教訓によれば、自殺対策とはいろんな幾つかの要因が複雑にかかわり合ったものではないだろうかと思うわけです。ですから、個々それぞれの要因に対して、国や自治体あるいは民間団体、専門家の方々がさまざまな対策はやってるんだけども、どうもお互いに連携している状況とは言いがたいというのがこの分析であります。  そこで、二つ目には、市が民間任意団体とか市民運動団体などとも協力をして、地域でセーフティーネットを構築する関係機関をつくることを検討できないか。特に、自殺に至る前に生活困窮者に支援する団体、医療機関との連携が重要であると考えるわけであります。あわせて、市民団体、NPO団体などが市と、市民協働事業の一つとしてでもいいと思うんですが、積極的に支援する施策を求めたいと思うのでありますが、検討はどうでしょうか。  三つ目は、自殺対策の相談窓口は行政だけではやっぱり対応できないというのも現状であろうかと思います。そこで、NPOとか民間団体とか市民団体とか協力して、ワンストップの相談窓口体制の確立の充実、これを求めたいと思うのであります。とりわけ夜間、休日の対応、誰に相談していいかわからない方への支援の入り口をいかに見つけてもらうか。行政が果たすべきことはないだろうかと、こういう認識で三つ目伺います。  四つ目は、市民への啓発活動促進について、この際、自殺という問題をタブー視することなく、地域への啓発活動を積極的に展開することが必要ではないだろうかと思うわけです。例えば、市の公共施設に自殺対策のパネル展示を行う。コミュニティバスに相談会のポスターを掲示する。あるいは、全世帯に配布する市報などでこうした自殺対策の特集を組んだりする。あるいは、府中市の場合、民間のコンビニエンスストアとも包括連携協定などを結んでおりますから、こうした店舗等も活用するということも有意義ではないだろうか。この点をお伺いします。  五つ目は、自殺対策推進条例の制定を求めたいと思うのでありますが、認識はいかがでありましょうか。「自殺のない社会づくり市区町村会」という自治体の集まりがあります。300の自治体が加盟しているそうでありますが、ぜひこうしたところへの積極的な施策を求めたいと思うのですが、認識はどうでしょうか。  六つ目、府中市内にある企業や事業所、民間団体などに対し、この総合計画の施策をぜひ周知徹底を求めたいことであります。この際、市内にあるハローワーク、商工会議所、労働組合、民間任意団体あるいは医療機関などとも協力をして取り組んで、大いにできることは多岐にわたるのではないかと思うのでありますが、市の認識はいかがでしょうか。  これが1件目の2回目の質問であります。  続いて、いじめ問題であります。  私は、2016年の第1回定例会で府中市におけるいじめ対策について質疑をいたしました。そして、今回こうした判決が出ましたので、改めて取り上げる次第であります。  1回目の質疑で、原告側と市教委、学校側の主張についてそれぞれ伺いました。答弁にもありましたが、東京高裁二審判決では、不登校後にもいじめを認めず、医師と情報を共有して当該児童の安全を確保しなかった安全確保義務違反を一部認めという答弁がありました。この児童の安全確保義務という点で問わなければいけないのは、学校現場の教員の方々によるいじめの情報共有と適切な協議が行われていたのかどうかということであります。  私は4年前の定例会でこの質問を行い、その答弁で、当時の部長は、教員間でのいじめに関する情報交換、情報の共有は小・中学校ともに職員部会や生活指導部など、いじめの状況や指導の経過などについて報告する場や対応を協議する場を設けていると答弁がありました。やはり学校側が児童の安全確保を図る上で重要なことは、いかに現場で児童に対するいじめの情報共有、対応協議が適切に行われていたのかということであります。  そこで、当時の市教委、校長、担任及び学校の教員間の情報共有、交流、協議というものはどうだったのだろうか。この点を伺いたいと思います。  特に、この問題で、学校の全国でのいじめの問題が時折マスコミで取り沙汰されますが、その傾向として、校長先生と担任の間で情報を抱えてしまって、教育委員会や周りの教員になかなか真実の情報が伝わらない。こういう対応が結果的にマスコミをしていじめ隠しなどと指摘されることが多々多いわけであります。その結果、保護者あるいは児童の方からの訴えに対して具体的な対応が前に進まず、大きな形で表面化したときには手おくれになっている。こういうことがよく見受けられるのであります。  2016年の一般質問の答弁で、学校は保護者に対して早期に事実関係や学校の具体的対応、指導や経過の進捗状況について適時、適切に説明をしているという答弁でありましたが、それに照らして当時の学校の対応はどうだったのか。そして、この事件で学校側のいじめ対応策とその後の経過について、いじめられている子供、その保護者に対し、詳細の知る権利を学校側は保障していたと言えるのかどうか。この点も伺いたいと思います。  それから、いじめ防止の問題、市教委の方針でもありますけれども、学校全体でいじめをなくそうというこの方針、この体質というのは非常に重要であろうと思います。その点ですれば、当時の、17年前でありますが、学校現場の教員の方々がいじめに遭っている子供の様子をしっかり捉え切れていなかったのではないだろうか。  私も幾つか、この間、お子さんを小学校に通わせてる保護者の方から相談があり、教育委員会の担当者の方に御相談したことがあります。我が子がいじめられてるんだけど学校側の適切な対応がされていない、どうしたらいいだろうかと、こういう相談がありました。私は、今回のこの東京高裁判決を受けて問われなければいけないのは、やはり、市教委は今回の判決からどういう教訓を導き、いじめ防止の対応策について、その改善策をどう考えているのか。今、学校現場にいる校長あるいは教員の方々に対しても、今回の件について、指導上、どのような改善を図るのか。あわせて、今回の判決を受け、市教委は今後、当時の学校現場の教員の方々、今もまだ現場で教員をしている方々もいると思いますが、こうした方々に、道義的責任を感じて指導上の改善を図ることを求めるべきであると私は思うのでありますが、市教委の考えを伺いたいと思います。  この件でもう1件、いじめ防止を制度上の改善という視点から伺いたいと思います。いじめ防止の条例化、独立性の高いいじめ対策の第三者機関の設置についてであります。  前回の質問時にも紹介をいたしました。当時、都政新報という新聞に、東京教育庁の指導企画課のコメントがありました。条例がない自治体に対して、機能として問題はないと指摘をしながら、しかしながら、住民の代表である議会を通じた条例で設置した対策機関と比べて透明性がない。さらに問題が発生した際には、条例設置の機関が対応することで、より中立性、公平性を保つことができる、このようにコメントし、条例化による優位性をあげ、さらには、専門家の集まる条例設置の委員会だからこそ、教育行政に対する信頼を得ることができる。このようなコメントがあったことを紹介いたしました。  私は、今回、府中市においてもこういう事態があったわけでありますから、改めて条例化、あわせて、いじめを保護者が訴えることができる機関として、独立性の高い第三者機関の設置を求めるものでありますが、見解を伺いたいと思います。  以上、2件目です。 176 ◯村越功一郎福祉保健部長 2回目の御質問にお答えいたします。  初めに、自殺対策にかかわる御質問の一つ目の自殺のハイリスク群に対する総合的な相談会を常時実施することができないかについてでございますが、市内では毎年、東京税理士会武蔵府中支部が主催する事業と暮らしの無料相談会が開催されております。直近では、昨年10月にルミエール府中で行われました。同相談会では、弁護士、司法書士、社会保険労務士などが相談に当たっております。市健康推進課では、こころといのちの相談・支援窓口一覧を相談会会場に配架させていただいております。今後は、相談会に保健師を配置できないかを検討するとともに、総合的な相談会開催の情報提供に努めてまいりたいと考えておりますが、多職種による相談会の常時実施については調査・研究してまいります。  次に、二つ目の地域でセーフティネットを構築する関係機関をつくることと、自殺対策に取り組む市民団体などへの支援についてでございますが、従前より生活困窮者を支援する団体からの相談や支援の依頼については、生活困窮の担当部署が丁寧に対応し、必要な支援につないでおり、庁内の関係部署間の連携とあわせてネットワークが形成されているものと捉えております。今後はさらに自殺対策の視点が意識されるように、団体等への情報提供、連携に努めてまいります。  また、市民団体との協働事業といたしまして、昨年11月の市民協働まつりに、プラッツを活動拠点とする自死遺族支援グループ「雨宿り」と協力して、こころといのちを支え合うまちを目指してをテーマに出展し、残された人への支援事業を協働事業として実施しております。今後も引き続き市内の自殺対策に取り組む団体との連携を推進してまいりたいと考えております。  次に、三つ目の市民団体と協力して夜間や休日に対応できるワンストップの相談窓口体制の確立等についてでございますが、市では健康相談、高齢者介護、労働、子育て、生活の各分野の相談窓口を一覧にした、こころといのちの相談支援窓口一覧パンフレットを作成し、公共施設やハローワーク、警察署などのさまざまな窓口で配布しております。その中に、夜間も相談できる窓口の一覧を掲載しており、夜間や休日の相談体制を周知しております。各窓口で相談できる内容について一例を挙げますと、NPO法人が運営する東京自殺防止センターの電話相談は、年中無休、夜8時から翌朝6時まで相談に応じております。支援の入り口がわかるようにすることは大変重要なことと認識しておりますことから、今後も相談窓口一覧を広く配布し、情報が必要な人のところに届くように工夫してまいりたいと考えております。  次に、四つ目の公共施設や包括連携協定を締結する店舗等を活用したり、全戸への配布物などで地域への自殺に関する啓発活動を積極的に展開することができないかについてでございますが、これまでのところ、パネル展示につきましては、市民向け自殺対策講演会の際に会場に展示するなどいたしましたが、御提案のありました積極的啓発活動につきましては、他市の取り組み事例などを調査し、研究してまいりたいと考えております。  次に、五つ目の自殺対策推進条例の制定についての認識と、自殺のない社会づくり市区町村会への加盟についてでございますが、自殺対策に関する条例を制定している自治体は、自殺総合対策推進センターの調査によりますと、全国の市区町村で、平成28年度は9自治体、平成29年度は17自治体とのことでございます。本市といたしましては、まずは昨年策定した自殺総合対策計画に基づき、全庁的に自殺対策の取り組みを強力に進めてまいりたいと考えております。なお、自殺のない社会づくり市区町村会への加盟については、本市は自殺総合対策計画の策定を機に、令和元年5月に加盟し、同年10月に都内で開催された総会に市職員が出席いたしました。  次に、六つ目の市内の企業や事業所、民間団体と協力した取り組みについてでございますが、現状では、商工会議所や府中市勤労者福祉振興公社が発行する会員向けの情報誌やメールマガジンなどに心の健康に関するコラムなどを掲載しているほか、ハローワークや市内医療機関の窓口等において相談窓口一覧を配布するなど、周知に努めているところでございます。今後もさまざまな団体や機関に本市の取り組みを御理解いただき、連携・協働のもと、こころといのちを支え合うまちを目指し、施策を推進してまいりたいと考えております。  以上でございます。 177 ◯赤岩 直教育部長 続きまして、2のいじめ判決問題についての2回目の御質問に順次お答えします。  初めに、当時の学校の協議の状況についてですが、判決文及び新聞記事からは、当時の学校の校長、学年主任、教員全体でこのいじめの事件を協議していなかったという記載はございません。市教育委員会で行った当時の教員への聞き取り及び指導記録からは、当時の校長が全職員にその都度、本件の内容と対応について説明し、当時、担任や学年教員も含めた全教職員で共通理解していたことが伺える状況はございます。  次に、当時、学校側の保護者への対応ですが、平成14年にいじめを訴えた児童、保護者に対し、担任を初め、複数の教職員でその都度、対応しており、保護者への説明もあったものと認識しております。  次に、今後のいじめの対応策に向けての改善策についてですが、当然のことながら、いじめは、いじめられた側の立場に立った理解と対応をしていくことが重要であること、府中市いじめ防止基本方針や各学校の学校いじめ防止基本方針にのっとり、引き続き子供の心に寄り添い、適切に対応できるよう指導をしたところでございます。  次に、市教育委員会はどう考えるかということですが、本裁判の結果につきましては、個々の教員ではなく、市が訴えられたものであり、教育委員会と学校全体で今後のいじめの適切な対応につなげてまいりたいと考えております。  最後に、いじめ防止の条例化、保護者が訴えることができる第三者機関の設置についての御質問ですが、現在、いじめ防止対策推進法及び府中市いじめ防止基本方針のもと、いじめ防止対策を推進しているところであり、いじめ問題対策委員会を設置しているほか、必要に応じ市長が独立して調査を行う体制があることから、この体制の中で、いじめ防止に向けた適切な対応を行ってまいります。  以上です。 178 ◯10番(結城 亮議員) では、3回目でありますので、意見・要望という形にします。  まず、自殺対策の件でありますが、るる答弁がありました。やはり自治体における自殺対策では、その入り口ともいえる相談窓口の対応次第で、相談者の方のメンタル面に大きな影響を与えるということは間違いないと思います。ぜひ相談窓口職員の人材育成問題、またの機会に再度詳細に取り上げたいと思います。  また、自殺対策の積極的な啓発活動については、私が申し上げた点、ぜひいろんな各地の事例なども研究して取り組んでいただきたいと思います。  条例化の点でありますが、これは隣の日野市で自殺対策推進総合条例という検討委員会をつくって案が作成をされ、制定されております。市の相談窓口設置あるいは市内の事業者や教育機関への責務も設定をしております。また、対策委員会も設置をして、実務的な対策を実施するコーディネーターなども設置をしているそうであります。ぜひ本市においてもこうした自殺対策、本腰を入れた構えを強く求めたいと、この際、思います。  人が暮らすのはまさにこの地域でありまして、その自治体でこそ自殺対策に積極的に取り組むことで、結果的に自殺される方が減少する事例が各地で報告されております。まさにこの課題、本当に福祉の一環ではないかという問題意識で私は取り上げました。また引き続き取り上げていきたいと思います。  2件目のいじめの問題であります。  るる答弁がありました。17年前のことでありますから、なかなかその当事者の方も、今、教育委員会にはいないわけでありますが、やはり私はこの問題を通じて、改めて子供の人権を守るという理念についても市は本腰を入れるべきではないかということをどうしても主張したいわけであります。  また近隣では、例えば西東京市というところで子ども条例というのを制定をして、その中で、いじめや権利侵害への対応、子供の権利侵害を救済するために子供権利擁護委員というのを設置をして、相談室も設けて、丁寧な対応を本腰を入れてやっているということもぜひ主張したいと思います。  いろいろ言いたい点はありますが、最後に、市の1回目の答弁にもありましたが、元児童の方の長年にわたる苦しみに寄り添い、という答弁がありました。まさに、この寄り添うという言葉を、学校現場の方も市教委の方もどうか本気で感じていただきたい。この訴訟を起こされた女性の方、二度と御自身の小学生時代は戻らないわけであります。今回のこうした訴訟結果を受け、私は市教委の方あるいは学校現場の教員の方が自分のお子さんが同じ目に遭ったらどう思うだろうか。こういうことを本当に強く感じてほしいし、今後のいじめ防止対応策について、今回のことを教訓にして改善策を図ってほしい。このことを強く主張するものであります。
     以上で終わります。 179 ◯議長(横田 実議員) 以上で、結城議員の質問を終わります。  この際、お諮りいたします。議事の都合により若干の時間延長をしたいと思いますが、これに御異議ございませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 180 ◯議長(横田 実議員) 御異議なしと認め、さよう決定いたします。        ─────────────────────────────── 181 ◯議長(横田 実議員) 次に、竹内議員の質問を許可いたします。1番、竹内議員。       〔1番竹内祐子議員登壇〕 182 ◯1番(竹内祐子議員) 議席番号1番、日本共産党、竹内祐子です。通告に従いまして2件質問いたします。  1件目、水の安全性の確認と有機フッ素化合物による水質汚染について。  東京都水道局が発表した「水道水における有機フッ素化合物について」に関連し、府中市の武蔵台浄水所では比較的高い値の数値が検出されたこと、同所にて2011年から2019年分まで検出された値がホームページ上で公開されました。そこからはいずれも高い値が検出されていたことがわかります。  有機フッ素化合物とは、約5,000種にのぼる化学物質の総称であり、報道ではPFASとも表記されています。PFASの中で主に知られているのはPFOS、PFOAと言われる物質です。このような化学物質が検出される経緯は、現代における利便性の向上といった経済生産活動が大きく影響しています。例として、フライパンなどの焦げつきを防ぐテフロン加工や防水はっ水加工を施した製品、ファストフードなどの食品を包んでいる包装紙、空港や米軍基地・自衛隊でも用いられている泡消火剤といった多岐にわたる製品で使用されていることが原因にあがります。深刻な問題になっているのは人体への影響と長期間環境の中で変化せずにとどまることです。PFOS、PFOAの毒性は、低体重出産やがん、コレステロール値異常、肝機能等への悪影響が指摘されています。微量であっても体の中に入ると蓄積性が高く、人のみならず生態系にも悪影響を与えている状況です。4000年もの長期間分解されることがなく、永遠の化学物質「フォーエバー・ケミカル」とも呼ばれ、世界的な問題になっています。そのようなことから国際条約で、PFOSは2009年に製造・使用が禁止になり、PFOAについても2019年に製造・使用が禁止されました。しかし、各国での規制にはWHOでの一定の基準値がなく、残念ながら日本においても法的に制限する基準値が定められていません。  このような状況の中で、府中市は市民の健康を守る義務を有し、市民の暮らす土地の環境について調査・把握する必要があると考え、質問いたします。  (1) 水道水の安全性について。  1) 安全性の基準、どのようにして安全性が確保されているのか。  2) 市内にあるそれぞれの浄水所からの給水区域、給水人口について。  (2) 有機フッ素化合物(PFOS・PFOA)について。  1) 市の認識と検出に対する見解について。  2) これまでの高濃度検出値に対して市はどの程度報告を受け、把握していましたか。また市民への周知はどのように行われましたか。  3) これまでに市が独自で行った水質調査等はありますか。  2件目にまいります。府中市の選挙啓発と主権者教育の取り組みを求めて。  さきの府中市長選挙では、地方自治体の首長選挙であるにもかかわらず、投票率31.92%という惨たんたる結果でした。2019年の4月、市議会議員選挙では、46.64%、7月の参議院選挙では53.17%という数字も決して高いとは言えません。地方自治体の長である市長選挙です。そもそも地方自治体は二元代表制により、抑制と均衡が保たれるべきであります。せめて市議会議員選挙と同率の40%強、行く行くは50%を超える数字を目指すべきではないかと責任すら感じます。投票率の低下は民主主義の危機です。そう言えます。民主社会の基礎をなすものです。我々議員にとっても、務める上で軽視できない問題であります。  以前より市民からは低投票率であることを懸念する声があり、議会に選挙啓発や投票率の向上を求める陳情も出ております。期日前投票所の増設や投票環境の改善、選挙権年齢が二十以上から18歳以上に引き下げられたことでの若い世代への主権者教育政策など、府中市選挙管理委員会や関係する協議会のさらなる取り組みを求めて質問いたします。  (1) 府中市選挙管理委員会として昨今の選挙投票率への評価。  (2) 市長選挙の主な広報について。  1) 啓発ポスターの掲示場所と設置数。  2) 広報車の運用期間と稼働時間、当日の棄権防止について。  3) 公開討論会などで候補者の政策や公約を市民が確認する機会を適切につくったか。  4) ローカルテレビ、ラジオを通じた選挙啓発は行われたか。  (3) 期日前投票所の設置箇所数と開設期間。他自治体との比較でお願いします。  以上2件、答弁は1件ずつお願いいたします。 183 ◯議長(横田 実議員) 1件のみ答弁願います。生活環境部長。 184 ◯古森寛樹生活環境部長 それでは、1の御質問に順次お答えをいたします。  初めに、(1)の1)の水道水の安全性の基準及びどのように安全性を確保しているのかについてでございますが、東京都水道局では最高水準の水質管理を目指し、「TOKYO高度品質プログラム(東京都版水安全計画)」を運用しており、さらに国の水質基準よりも高いレベルで独自のおいしさに関する水質目標を定めるなど、より安全でおいしい水の安定的な供給に努めているとのことでございます。  次に、安全性の確保に向けましては、都水道局では水道水の水質検査計画を定め、水道水における水質検査を、水道法で検査が義務づけられている毎日検査となる51項目の水質基準項目、将来にわたり水道水の安全性を確保するため、水質管理上必要と判断した26項目について実施する水質管理目標設定項目及び情報や知見の収集が必要である要検討項目や浄水処理対応困難物質など、水質管理上必要と判断した項目について行うその他の項目につきまして適宜検査を行っていると伺っております。  次に、2)の市内にある浄水所の給水区域と給水件数についてでございますが、市内にございます浄水所といたしましては、幸町浄水所、府中武蔵台浄水所、若松浄水所、府中南町浄水所の4カ所でございますが、幸町浄水所につきましては平成28年5月13日から令和3年9月末までの間、また、府中南町浄水所につきましては令和元年10月3日から令和2年3月下旬までの間、それぞれ施設改修工事中のため、現在、東村山浄水場からの給水によりまして対応しているとのことでございます。  なお、市内それぞれの浄水所の稼働時の給水区域と給水件数といたしましては、幸町浄水所の給水区域は府中市のみで、給水件数は3万1,300件、府中武蔵台浄水所の給水区域は府中市、国分寺市及び国立市で、府中市分の給水件数は2万5,300件、国分寺市の給水件数は500件、国立市分の給水件数は200件、若松浄水所の給水区域は府中市、三鷹市及び調布市で、府中市分の給水件数は4万300件、三鷹市分の給水件数が300件、調布市分の給水件数は200件、府中南町浄水所の給水区域は府中市のみで、給水件数は2万5,600件となっていると都水道局から伺っております。  続きまして、(2)の1)の有機フッ素化合物が検出されたことに対する市の認識と見解についてでございますが、有機フッ素化合物PFOS、PFOAにつきましては毒性評価が定まっておらず、WHOや日本において環境基準や目標値が不存在の状況にあるものと認識しております。また、一部諸外国では、有機フッ素化合物PFOS、PFOAの飲料水に関する目標値が定められているものの、その値は各国で異なっている状況でございます。  こうした状況を踏まえ、都水道局では、井戸を一時停止する等の暫定的な対応を行い、世界で最も厳しい値であるアメリカの目標値PFOS、PFOAの合計値70ng/Lを下回るレベルにあることを確認しておりますので、現在、水道水の安全性が担保され、供給がなされているものと捉えております。  続きまして、2)の市はどの程度の報告を受け、把握しているか、また、市民への周知はどのように行われたかについてでございますが、本市では令和元年9月に、都水道局からの文書、水道局における有機フッ素化合物への対応についてを受け取り、井戸を水源とする多摩地区の一部浄水所にて有機フッ素化合物PFOS、PFOAが検出され、府中武蔵台浄水所においては、平成28年度以降、アメリカの目標値を上回っていたことから、井戸を一時停止する等の暫定的な対応を行い、現在、世界で最も厳しい値であるアメリカの目標値を下回るレベルになっていること、また、今後、国が目標値を新たに定めた際には、改めてこれに従い、適切に対応を行うという都水道局の取り組みにつきまして把握させていただいております。  その後、隣接市である国分寺市や国立との情報共有、また、東京都多摩環境事務所及び都水道局に対する情報収集や内容確認等を行ってまいりましたが、令和2年2月に都環境局から有機フッ素化合物PFOS、PFOAに係る都内地下水中の濃度調査等についての説明があり、厚生労働省では、令和元年7月に水質基準逐次改正検討会で水道水質に関する目標値の検討を開始。令和2年4月ごろに目標値を設定する予定であること。また、環境省では、令和元年12月に有機フッ素化合物評価等に関する検討会で水環境中における目標値等の設定について検討を始め、PFOS・PFOA全国存在状況把握調査を150地点程度で実施し、令和2年春以降に調査結果を公表するということが示されております。また、都環境局では、平成22年度から平成25年度に都内237地点で井戸水の測定を実施した結果、全調査地点の平均濃度は、PFOSが約12ng/L、PFOAが約10ng/Lとなったものの、アメリカの目標値、PFOSとPFOAの合計値70ng/Lを超過した地点が19カ所と都内に広く分布していたことから、このうち現在3地点におきまして濃度変化の調査を実施中であるとのことでございます。  なお、市民への周知につきましては、令和2年1月8日に新聞報道がなされたことを受けまして、翌日に本市のホームページ、都水道局の問い合わせ先などを掲載したところでございます。  最後に、3)のこれまでに市が独自に行った水質調査等はあるかでございますが、先ほども御答弁させていただきましたが、有機フッ素化合物PFOS、PFOAに関しましては毒性評価が定まっておらず、WHOや日本において環境基準や目標値が存在しておりません。また、日本では有機フッ素化合物PFOS、PFOAについて国が知見・情報収集に努めるものとされておりますことから、これまでのところ本市が独自に調査は行ってきておりません。  以上でございます。 185 ◯1番(竹内祐子議員) 東京都水道局では、水のおいしさを追求するとともに、安全性確保のための検査が適宜行われているということです。水道水水質基準は水道法第4条に基づいて厚生労働省令によって定められています。三つの項目があるんですけれども、御説明いただいたとおり、これらは最新の知見により常に見直しをしていくということになっております。今回問題になったPFOS、PFOAが答弁の中での検査項目の中でどれに該当するのか教えてください。 186 ◯古森寛樹生活環境部長 お答えをいたします。有機フッ素化合物PFOS、PFOAにつきましては、現在、水質基準等の体系の中で要検討項目に位置づけられており、情報・知見の収集に努めることとされております。先ほどの水質検査項目におきましては、その他の項目に位置づけられているものと認識しております。  なお、令和2年2月19日に開催された厚生労働省令和元年度第2回水質基準逐次改正検討会におきまして、有機フッ素化合物PFOS、PFOAにつきましては、国から水道事業者等に対しまして水質基準に準じた検査等に努め、水質管理に活用することを要請する水質管理目標設定項目への位置づけに変更されることが示されております。  以上でございます。 187 ◯1番(竹内祐子議員) これまでの基準の体系の中では、義務度の低い要検討項目でした。ようやく国も基準の引き上げを検討しまして、2月19日開催の水質基準逐次改正検討会では、PFOS、PFOAの合計目標値を50ng/Lにするという暫定目標値の設定が承認されました。  これにあわせて、答弁にもありましたとおり、PFOS、PFOAは水質基準では2番目に厳しい水質管理目標設定項目に位置づけられるということです。国が水道事業者に対しては水質基準に準じた検査を努めることと求められることにはなりますが、引き続き法的な拘束力や目標値を遵守する義務はないのが現状です。より高い義務度を課す水質基準項目として厚生労働省が引き上げをするように、都議会や国会とも連携をして要望していきたいと思っています。ぜひ府中市でも東京都の水道局、厚生労働省への意見をこの機に伝えていただきたいと要請したいと思います。厚生労働省ではパブリック・コメントを行うということですので、市民の皆様からぜひ積極的に意見を寄せていただき、その声が反映されるように世論を動かしていければいいと思っています。  それぞれの浄水所の給水件数についてはわかりました。府中市の武蔵台浄水所出口の水質調査ではPFOS、PFOAが検出されており、2011年から2018年までのアメリカの目標値70ng/Lを超える高い値でそれが出ていたと、ホームページの方でも出ておりました。2019年に井戸からの取水をとめたことで数値が下がりました。この高濃度での検出については、東京都水道局から市に対してはどのような報告が行われていたのでしょうか。市は数値を把握していたのでしょうか。お答えください。 188 ◯古森寛樹生活環境部長 お答えいたします。府中市武蔵台浄水所に係る平成23年から令和元年までの浄水所出口の水質検査結果につきましては、令和2年1月8日のトピックスとして都水道局のホームページで公表されたことにより初めて承知をしたものでございます。したがいまして、それ以前に本市への報告や情報提供はございませんでしたので、数値は把握しておりませんでした。  以上でございます。 189 ◯1番(竹内祐子議員) この高濃度での検出を私も知ったときはすごいショックというか、大丈夫なのだろうかというような不安もありましたし、そして、率直になぜ報告が今までなかったのか、情報提供がなかったのかという疑問もありました。東京都水道局水質管理担当課長に直接お聞きしたところ、明確な基準や数値目標がなく、国際的にも数値がばらばらで、2011年当時はアメリカでは200ng/Lから400ng/Lといった数値を目標にしており、その数値が多いのか少ないのかも判断ができない。それぞれ該当する自治体への通知は報告をしていなかったという回答でした。調べると、2016年にアメリカが200ng/Lだったものを70ng/Lに強化したことで、武蔵台浄水所での検出値がアメリカの目標値を上回ったということですが、そのときも報告はしなかったそうです。  2019年の国会質問で省庁の答弁を受け、ようやく動き出したということでしたが、きっかけとしては、沖縄県でのPFOS、PFOAの高濃度検出問題が発端ではないかと思います。沖縄県では、米軍基地による深刻な水質汚染が問題になっております。その原因は、米軍が訓練時に使用している泡消火剤による汚染だということは明らかになっております。低体重出産などの健康被害が著しく、汚染度が高い地域だけでなくても、湧き水や水道水、土壌といった広域に影響が拡大をしております。  大阪では、ダイキン工業の汚染問題で、汚染原因のPFOS、PFOAをとめたことによって低体重の出生率が全国平均に戻ったという、そういった結果も出ています。健康と生命にかかわる問題ですので、こういった知るべき情報は、機関が検証をせずに知らせずにいたというのは大変許しがたいことだと思います。飲用していたことも、実際にそれを市民が飲んでいたということもありますので、今後きちんとした調査を行っていっていただき、検査義務のある基準値の確立を求めていきたいと思います。  次に、有機フッ素化合物についてですが、都の答弁の中でも、水道水が今、安全であるということは確認ができました。ですが、その根拠は、あくまで現段階ではアメリカの目標値を下回っているレベルだからというもので、問題がないという見解というようなところだとは思いますが、確かに世界各地でもその目標値は異なっておりますし、高いところだと1,000ng/Lに近い数字が許容されているというところもあります。ですが、科学的な知見から見ても、基準をより厳しくする必要があると断言をしている研究者もいらっしゃいます。  京都大学で環境衛生学を専攻している、そして長年PFOS、PFOAについて研究をしていらっしゃる小泉昭夫京都大学名誉教授によると、厚生労働省案の1リットル当たり50ナノグラムを10ナノグラムにするべきだと提言をされております。厚生労働省案はアメリカの計算基準をそのまま日本人の体格や生活習慣、水を飲む量などに当てはめた安易なものであるという指摘がされております。  答弁の中でありました、世界で最も厳しい値であるとされているアメリカの目標値の70ng/Lはアメリカの環境保護庁の生涯健康勧告値です。あくまで健康勧告値であり、化学物質を規制している基準とは意味合いが異なっています。水道水中に含まれるべきではないと認められておりますが、健康勧告値に対しては強制力がないのが現状です。しかし、アメリカでも専門家や環境にかかわる団体からはより厳しい基準にするべきという議論があり、一部の州では既に20ng/L以下に、また、アメリカの環境保全局への報告では、さらに厳しく、PFOSは7ng/L、PFOAは11ng/Lの含有上限を求める勧告が出ております。  日本が参考にしているこういったアメリカでも対応されている中で、厳しい目標値を設定して健康と安全を守っていくべきだと思います。これはちょっと意見として言わせていただきます。  次に、井戸を水源としている多摩地区の浄水所からPFOS、PFOAが検出されているということで、先ほどもありました。府中市にある井戸については調査をする必要があるのではないかと考えますが、その井戸についてお聞きします。  井戸との関係性について。  1)、検出値の高い武蔵台浄水所への対応は現在どのように対処されているのでしょうか。また、その原因は特定されているのでしょうか。 190 ◯古森寛樹生活環境部長 お答えをいたします。都水道局に確認しましたところ、現在、府中武蔵台浄水所につきましては、比率として、東村山浄水場からの給水が65%、地区水が35%としており、地区水につきましては、5本の水源井戸のうち3本を停止し、2本を稼働させているとのことでございます。また、有機フッ素化合物の検出に係る原因につきましては特定されておらず、わからないとのことでございます。  以上でございます。 191 ◯1番(竹内祐子議員) 武蔵台浄水所で取水を停止した井戸の周辺にある民間井戸の調査は行われているのでしょうか。こちらもお願いします。 192 ◯古森寛樹生活環境部長 お答えをいたします。風評被害につながるおそれがありますことから、詳細な調査箇所は不明であり、また、府中武蔵台浄水所の周辺が含まれているかどうかもわかりませんが、現在東京都では、地下水における有機フッ素化合物PFOS、PFOAの水質調査に関しましては、環境局が都内地下水に関し、福祉保健局が八王子市、町田市を除く多摩地域において飲用井戸専用水道等に関し、水道局が水源井戸に関し、それぞれ地下水の濃度等の調査を実施していると伺っております。  以上でございます。 193 ◯1番(竹内祐子議員) さまざまな調査が今、行われているということなんですけども、現在、市内には何種類か飲用井戸ですとか地下水の水源井戸とかあるんですけれども、井戸がどのくらい設置されているかというのは市は把握されているのでしょうか。 194 ◯古森寛樹生活環境部長 お答えをいたします。本市では、井戸の設置に関しまして、地盤沈下を防止するため、井戸の構造基準や揚水量に制限が設けられていることから、都条例である都民の健康と安全を確保する環境に関する条例に基づき、揚水機の出力が300ワット以下の一戸建て住宅の家事専用の揚水施設等を除く井戸の設置者より、設置及び揚水量に係る届け出を受けている井戸につきましては、現在83件と把握しておりまして、また、都環境局への届け出となるそれ以上の設備や揚水量となる井戸につきましては、3事業所内に設置されていると把握しているところでございます。また、飲用井戸につきましては、都環境局の平成30年度の資料によりますと、市内には46件あるとされております。  以上でございます。 195 ◯1番(竹内祐子議員) 井戸の設置に当たっては、さまざまな基準や届け出の性質上、東京都や市に対して報告が上がってくるということなんですけども、やはり東京都や市は調査をするべきではないかというような考えもあります。井戸の調査については今、どのように行われているでしょうか。 196 ◯古森寛樹生活環境部長 お答えをいたします。井戸の水質につきましては、都条例においても基準は設けられておりませんので、原則として井戸の水質調査は所有者個人で行うこととなりますが、都福祉保健局におきましては、飲用に供する井戸等の衛生管理指導要綱に基づき、飲用井戸の設置者に対しまして、井戸の設置時及び年1回の水質調査を義務づけており、水質調査結果につきましては届け出及び報告を行うこととされております。  水質調査の項目といたしましては、水質基準に関する省令に基づき、一般細菌、大腸菌を初めとした51の調査項目となっております。このため、本市における水質に係る調査義務などはございませんが、平成4年度から、民間の井戸につきまして、所有者の御協力を得て、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、トリクロロエタンの有機塩素系化合物3項目につきまして、平成30年度には9カ所の水質調査を実施しております。また、都環境局におきましても、本市内において、平成30年度には2カ所の地下水定期モニタリングが行われており、本市と同様、有機塩素系化合物3項目について調査が行われております。  以上でございます。 197 ◯1番(竹内祐子議員) 都福祉保健局における飲用井戸にかかわる51調査項目に、このPFOS、PFOAは対象として含まれてはいるのでしょうか。お願いします。 198 ◯古森寛樹生活環境部長 お答えをいたします。都福祉保健局に対しまして届け出及び報告を行うこととされております飲用井戸に係る水質調査項目の中には、有機フッ素化合物PFOS、PFOAは含まれておりません。  以上でございます。 199 ◯1番(竹内祐子議員) 武蔵台浄水所が井戸からの取水を停止したことで検出値が低下したことから、地下水や土壌の汚染があるのが原因ではないかと疑うのは自然なことだと思います。土壌の汚染というのは、そこに水が染みこんでいくと地下水にまで影響していきますし、その汚染除去は最低の条件ではありますけれども、その汚染がなぜ起こったのか、汚染の原因を特定しない限りはこの問題の根本的な解決にはなってきません。  先ほども御答弁でいただきましたように、府中市は過去にトリクロロエチレンの検出ですとかカドミウムの検出があったこともありました。水は人の生活にとって欠かせない資源であります。水質の汚染には、よりきめ細かい調査や情報収集を行うこと、過去の実例を教訓とすべきではなかったのでしょうか。市独自の調査が行われてこなかったことや、数値について知らなかったとはいえ、放置されてきた事実には変わりはありません。国際的な基準がなく、法的な拘束力もないという中では、やはり判断が難しい問題ではあると思いますけれども、ぜひ先例となるように、市長がリーダーシップを発揮し、現地調査等を行うなど、東京都水道局の動向なども厳しくチェックしていくことが市民の健康を守る市の役目ではないでしょうか。一概には言い切れませんが、横田基地周辺の多数の地域からも高濃度の値が検出されていることから、さまざまな角度から調査が行われるべきだと思っています。  現在、環境庁や福祉保健局、水道局が調査を実施しているということですので、府中市では引き続き情報収集するとともに、状況に応じて市独自の調査にも踏み出していただくよう要望いたしまして、1件目の質問を終わります。  2件目の答弁をお願いいたします。 200 ◯議長(横田 実議員) 2件目、答弁願います。選挙管理委員会委員長。 201 ◯相原 博選挙管理委員会委員長 竹内議員の御質問で、私から、2件目の選挙投票率の評価につきまして御答弁させていただきます。  このたびの市長選挙は、今後の府中市政を託す新たな市長を選ぶ選挙ということから、投票率は前回以上となりますよう期待しておりましたところでございますが、前回を下回る結果となってしまいました。市長選挙は基礎的な地方公共団体の選挙であり、最も市民に身近な選挙であると言われます。このことから、投票率が31.92%ということは非常に残念な結果となってしまったと考えております。  低投票率の原因を分析することは非常に難しいことでございますが、一般的に申し上げますと、若年層の投票率低下は著しいと言われており、また、自治体市政に関する関心度も低いことがあげられます。さらに、投票率の高い低いは、そのときの社会経済情勢や政治状況などによって変わってくると言われておりますが、争点、候補者数の多い、少ないなどの点、さらには当日の天候などが結果的に投票率を低くした原因とあげられているのではないかと思っております。  その他の質問につきましては、担当局長よりお答えさせます。  以上です。 202 ◯議長(横田 実議員) 選挙管理委員会事務局長。 203 ◯山崎信孝選挙管理委員会事務局長 続きまして、(2)の市長選挙の主な広報の1)、啓発ポスターの掲示場所と設置数でございますが、啓発ポスターは市施設、広報掲示板など176カ所のほか、鉄道駅15カ所、商業施設37店舗、特定郵便局、また、本市と協定を締結しているコンビニエンスストア39カ所などに合計で340枚を掲示してございます。  次に、2)の広報車の運用期間と稼働時間でございますが、投票日当日に広報車2台で午前10時から午後7時までの間運行し、投票参加を促す放送を行っております。また、市内商業施設には、期日前投票の期間から投票日当日まで投票参加を呼びかける店内放送を依頼をしてございます。  次に、3)の候補者の政策や公約を市民が確認する機会を適切につくったかでございますが、選挙管理委員会では、候補者の政策や公約を掲載した選挙公報を全戸配布するとともに、補完施設による配布のほか、市ホームページにも選挙公報を掲載し、市民が確認する機会を適切につくっております。なお、選挙期間中は公職選挙法の規定により、公職の候補者以外の者が2人以上の候補者の合同演説会を開催することを禁止しておりますので、公開討論会を開催することは公職選挙法に抵触するおそれがあるものと考えております。  次に、4)のローカルテレビ等を通じた選挙啓発でございますが、ケーブルテレビで放送しているテレビ版広報「まるごと府中」の中で府中市長選挙の周知を行いましたが、ラジオを通じた選挙啓発は行っておりません。  次に、(3)の期日前投票所の設置箇所数と開設期間でございますが、期日前投票場は、公職選挙法の規定により、1カ所につきましては告示日の翌日から投票日前日まで午前8時半から午後8時まで開設することとされております。本市では、市役所市民談話室、市政情報センター、東西出張所の4カ所を設置をしてございまして、それぞれの開設期間は、市役所は全日、市政情報センターは6日間、東西出張所は3日間でございます。  次に、他の自治体との比較でございますが、近隣の自治体の開設状況でお答えをいたします。調布市でございますが、4カ所開設しておりまして、市役所は全日、そのほか2カ所で平日4日間、1カ所は平日2日間開設をしております。多摩市につきましては4カ所設置しており、市役所は全日、そのほか2カ所は平日3日間、1カ所は土曜日を含めて4日間開設をしております。また、稲城市は3カ所設置しており、市役所は全日、そのほか1カ所は平日3日間、1カ所は平日2日間開設をしております。  以上でございます。 204 ◯1番(竹内祐子議員) 選挙管理委員会としても残念だと感じる点はとても理解しております。選挙というのは票にひもづけができないもので、何をやったからこうなったというような明確な検証ができないのも十二分に承知しております。結果に結びつきにくい。だからこそ日々の活動をしっかりと行って、有権者に示していく必要があるのだとも思います。選挙の期間だけ何かをやればいいというものではなく、もちろん有権者もそういったところを見ているのだと思います。  さまざまな社会情勢やその日の状況によって投票率にも影響があるということもわかりました。その上で、選挙啓発を毎日どうしていけばいいのか。これは選挙管理委員会だけの問題ではなく、市政にかかわる一人一人が日々に疑問を持ちながら、問題意識を感じながら考えていく必要があるのだと思います。御答弁いただきました相原委員長を筆頭に、市政をより身近に感じてもらえる取り組みをお願いいたします。  では、選挙が近づいてきているということをどう訴えかければいいでしょうか。人の思考に訴えかけるのは、まずやはり視覚です。必要なのは広告宣伝といった広報活動だと思います。市長選の啓発ポスターを選挙管理委員会で拝見しました。ですが、まちなかで探すとなかなか見つからなくて、結局、2枚くらいしか発見できませんでした。駅には貼っていただいているということなんですけれども、人の歩く動線上に、目のつく場所に適宜枚数を貼るというような工夫もあってはいいのではないかなと思いました。  一方、市役所の談話室横のスロープには、壁面におびただしい数の啓発ポスターが貼ってありました。期日前投票にあわせて貼ったのだと思いますけれども、物すごいインパクトでした。片側だけ数えてみましたところ、12枚貼ってありまして、これが両面にあったので、恐らく合計で24枚は貼り出してあったのではないかと思うんですけども、あのくらいインパクトを持ってまちなかでやっていただければというような気もしました。具体的に言いますと、駅改札付近を中心に連なるように貼りめぐらせたりですとか、通路の柱に合わせてサイズを大きくするなど、また、デジタルサイネージの活用もぜひ御検討ください。
     広報車について、運用期間が投票日の当日のみということでしたが、こちらについては理由はありますでしょうか。また、市内商業施設での店内放送の頻度はどのくらいなのでしょうか。お願いします。 205 ◯山崎信孝選挙管理委員会事務局長 お答えをいたします。昨今の選挙では、期日前投票の投票率は上がっておりますが、当日の投票の割合は下がる傾向にありますことから、広報車の運行を当日のみとしてございます。なお、庁用車やごみ収集車、ちゅうバスについては、選挙をお知らせするマグネットシートを貼付し、告示日以前から走らせてございます。  また、市内商業施設につきましては、店内放送の依頼はしてございますが、放送につきましては各店舗の判断にお任せをしております。  以上でございます。 206 ◯1番(竹内祐子議員) 広報車も店内放送も音で、聴覚に呼びかける部分です。人の耳から入った情報というのは、繰り返さないと記憶として定着しないとも言われております。投票日の当日のみ広報車2台ですと、1回も聞かずに選挙が終わってしまうのではないでしょうか。総務省の調査では、棄権を決めた時期が投票日当日という方が32.8%もいらっしゃるそうです。投票当日の投票行動につなげる努力には、広報車の台数をふやすことも視野に入れ、選挙期間中の運用をぜひ御検討いただきたいと思います。  庁用車、ごみ収集車、ちゅうバスのマグネットシートも確かに啓発ではあります。何度もお見かけをしておりますが、とてもシンプルなデザインですので、その点を工夫してはいかがかなと思います。  店内放送について、頻度はわからないということですけれども、施設側に負担にならないように、録音済みのスポットなどを配布して対応できるように、音声媒体も現在の技術的にはとても活用しやすく、便利になってきております。  先日のニュースでは、八王子市で防災行政無線の内容をスマートフォンで聞くことのできるアプリを新たに導入したというものがありました。防災行政無線での選挙啓発に関しては、赤野議員、結城議員ともに活用の要望をしてきております。今後こういったアプリの活用がふえるようであれば、府中市としてもぜひ導入していって、音での広報にも積極的に力を入れていってください。  次に、公開討論会等政策や広報、こちらの点ですが、全国では公開討論会というものが行われております。東京ですと小金井市や立川市、最近ですと松本市ですとか、告示前に行われております。問題なく開催されております。幅広く政策について知ることができますし、候補者の政策を直接、演説では聞きたいけれども時間が合わない、こういった要望にも応えられます。府中市でも衆議院議員選挙の際に行われたということですので、適切な時期に主催の方が中立・公正な立場で開催をすればいいということです。答弁の中では、公開討論会が公職選挙法に抵触するもののように表現されておりましたが、そうではないという主張をさせていただきます。  過去に、民放のニュース番組で市長選挙が取り上げられていたのをユーチューブで拝見しました。本来であれば、メディアが進んで選挙を取り上げることが望ましいのではありますが、昨今ではそういった報道が少なくなっていると思います。例えば、ジェイコムの放送で府中の政策について検証してみる、予算を分析するなどして、市民が市政運営についてより深く知り、触れてもらう啓発があってもいいのではないかなと思います。ラジオでも、声の選挙広報の放送や期日前や当日の投票行為を促す取り組みなど、可能な限りさまざまな方法を検討してみてください。  厚木市のホームページでは、表示された文書をマウスで選択すると、選択された部分を聞くというボタンが表示されて、特別な操作や設定の必要がなく、その場で文書が音声で読み上げられるというふうになっている、そういうサービスがあります。これは物すごく感動しました。これについては、選挙啓発とは直接的には関係ありませんが、とてもいいものだと思いました。府中市のホームページでもこういった音声で表示できるようなシステムがあるといいなと思いましたので、お知らせさせていただきます。  期日前投票所の設置数と開設期間については把握ができました。では、この期日前投票所を仮に1カ所増設した場合の経費はどのくらいかかるのでしょうか。お答えください。 207 ◯山崎信孝選挙管理委員会事務局長 お答えをいたします。期日前投票所を仮に1カ所ふやした場合の費用でございますけれども、設置場所を市の施設といたしまして仮定し、試算いたしますと、期日前投票システムなどの初期費用として約53万円、また、端末借り上げなどの費用に約6万7,000円、また、人件費など1日当たり約8万円が見込まれます。なお、施設の状況によりましては回線敷設工事などの費用が増加するものと考えられます。  以上でございます。 208 ◯1番(竹内祐子議員) 先ほども御答弁いただきましたとおり、期日前投票が定着をしてきて、期日前の投票率が伸びる一方で、投票日当日の投票率が伸びていないという答弁もございました。結果として相乗的に投票率が伸びるという結果になっていないのも、これは事実です。  そこで、これまで投票に行っていなかった人への啓発活動がやはり必要なのだと。そこが課題になってくると思います。投票率向上の手がかりとしては、府中市の選挙の記録からもわかるように、先ほどの増山議員の質問からもありましたとおり、10代、20代の投票率、若年層の投票率を上げる取り組みではないでしょうか。その際には、SNSの活用が必須条件になってくるのではないかと感じます。  また、当日までに投票に行くことを決めていない有権者も多いということがありまして、インターネットやスマートフォン等で閲覧できる選挙用のサイト、ツイッターなどでの呼びかけ、動画配信など、より身近なデバイスの活用が求められてくるのではないかと思っています。  そこでお尋ねします。SNSの活用は今回積極的に行われましたでしょうか。 209 ◯山崎信孝選挙管理委員会事務局長 お答えいたします。今回の市長選挙では、告示日後に市長選挙の投票日をお知らせするツイートを、また、投票日には一定の時間ごとに投票率をお知らせするツイートや開票速報などをツイートしてございます。SNSの活用については積極的に行ったと思っておりますけれども、他市の事例を参考にするなど、今後ともSNSを活用してまいりたいと考えております。  以上でございます。 210 ◯1番(竹内祐子議員) 次の質問と若干関連しますので、先に質問を続けさせていただきます。二つの質問に対して意見をまとめます。  次に、市が若年層のアプローチとして考えている提案などがあれば教えてください。 211 ◯山崎信孝選挙管理委員会事務局長 お答えいたします。本市選挙管理委員会では、若者に対する啓発といたしまして、例えば選挙時におきまして、18歳から29歳までの方を対象としました当日投票所の投票立会人の募集や選挙事務に従事いただく学生を募集しております。これらの募集も市広報、ホームページのほか、近隣の大学に求人広告をしたり、ツイッターを活用し募集をしてございます。今回の市長選挙では、18名の方から立会人の応募が、また、約100名の学生から選挙事務従事の応募がございました。  以上でございます。 212 ◯1番(竹内祐子議員) SNSは、仕掛ける側が発信する以外にも、受け手がみずから発信することで拡散していく効果というのもあります。それが実際にどのようなものかという例を挙げてみますと、例えば、府中駅の市広報ブースを利用しまして、模擬選挙のブースをそこに設置をしてみます。若年層をターゲットの中心としてインスタ映えするような空間を撮影してもらって、その写真をSNSにアップして拡散してもらう。その際は、ハッシュタグで、#府中ですとか、#市長選挙などをつけてアピールをしてもらう。楽しみながら選挙に親しみを感じてもらうという、こういったことは、アイデア次第ではないでしょうか。費用もさほどかからないと思います。受け手の方が拡散してくれるので。  もし予算をつけていただけるのであれば、市制施行65周年の際に京王線の新宿駅を中心として行っていたようなラッピングや街頭のアドフラッグなどで府中市長選挙があることをアピールすることも提案をしたいと思います。  投票行動につなげていくためには、ふだんから当事者として政治を見る目を養っていく必要があります。そういった意味では、投票立会人や選挙事務に積極的に若い世代が参加してくださっていること、いいことだと思います。参加者からの意見や気づきを大切にして、さらに広い層への啓発につながることを期待しております。  次に、選挙啓発としての主権者教育への取り組みについて質問します。府中市が考える主権者教育とはどのようなものでしょうか。 213 ◯山崎信孝選挙管理委員会事務局長 お答えをいたします。選挙管理委員会では、主権者教育とは、社会の出来事に関心を持ち、みずから考え判断し、主体的に行動する主権者を育てるものと捉えております。  以上でございます。 214 ◯1番(竹内祐子議員) 先日、大阪では、実際に政治家が中学生を前に各党のマニフェストをレクチャーするという画期的な取り組みがありました。18歳選挙権を前に、自分で考えて自分の意思を表明することの大切さを実感してほしいと企画されたものです。府中市の主権者教育の考えにも近いと思います。より具体的な取り組みだったと思います。学校教育でもぜひ主権者教育を進めていっていただきたいと思います。このことは、ぜひ今後、教育委員会にもお聞きしていきたいと思っております。  先ほど、明るい選挙推進協議会について増山議員からも詳しく説明がありました。明るい選挙推進協議会への取り組みについて、主権者教育について取り組み状況というものがありましたら教えていただきたいと思います。また、学習会などは実施されているのでしょうか。 215 ◯山崎信孝選挙管理委員会事務局長 お答えいたします。明るい選挙推進協議会では、明るい選挙を推進するため、選挙時の街頭啓発などを初め、お住まいの地域や地域まつりでの啓発活動、成人の日記念「青年のつどい」での啓発活動などを行っております。また東京都選挙管理委員会、また本市選挙管理委員会が行う明るい選挙ポスターコンクールに協賛いただいております。明るい選挙ポスターコンクールでは、市内小・中学校から児童・生徒の作品の応募が多数あります。今年度につきましては、市内の小・中学校9校から162名の応募があり、優秀作品を表彰をしてございます。  また、東京都市明るい選挙推進協議会連合会が開催する研修会などに積極的に参加するほか、研修会も実施しており、平成29年度につきましては、多摩市選挙管理委員会から講師をお招きし、多摩市が実施している出前授業の手法について講演をいただいております。  以上でございます。 216 ◯1番(竹内祐子議員) いろいろ取り組みをされているということで、引き続きお願いいたします。  総務省のホームページには、各地、地方公共団体等の主権者教育の取り組み状況というものが公開をされています。東京では、近隣の調布市を初め、14自治体と東京都の取り組みが公開をされております。残念ながら、府中市の取り組みはそこにはありませんでした。こうした事例を参考に、小学生から高校生への模擬選挙や出前講座など、ぜひ、以前にはやられたということもあります、今後やっていっていただきたい、取り組みをしていっていただきたいと思います。  それでは、最後に二元代表制について言及をして、質問を締めくくりたいと思います。  二元代表制とは住民が直接選挙で首長と議員を別々に選ぶ制度です。首相を議員から選ぶ議院内閣制の国政とは異なり、市民がその代表を選ぶものです。首長は予算や条例などの議案を議会へ出したり、人事を決めたりする、そういった権限を持ち、議会は議案の議決などで首長の行政運営を監視する。互いに相対しているものではございますが、その根幹には、住民福祉の増進を求めていく、そのためのものであります。  さきの府中市長選挙が、市民から見て二元代表制の抑制と均衡が著しく保たれていないと判断されかねない状況、議会制民主主義における課題であるとも感じております。市民から付託された議決権をもって行政運営を監視することが議員の務めであると述べまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 217 ◯議長(横田 実議員) 以上で、竹内議員の質問を終わります。        ─────────────────────────────── 218 ◯議長(横田 実議員) 次に、赤野議員の質問を許可いたします。20番、赤野議員。       〔20番赤野秀二議員登壇〕 219 ◯20番(赤野秀二議員) 議席番号20番、日本共産党、赤野秀二です。通告に従って2件質問します。  1件目、都立病院などの地方独立行政法人化の中止を求めて。  小池東京都知事は、昨年12月3日、都議会第4回定例会の所信表明で突然に、「都立病院と東京都公社病院合わせて14病院を一体的に地方独立行政法人に移行すべく準備を開始する」と表明しました。  そして、12月25日、病院経営本部は「新たな病院運営改革ビジョン(素案)」を発表し、3月中にも地方独立行政法人化、以下、独法化とします、の方向を決めようとしています。  さらに、ことし1月24日に発表した2020年度予算案には独法化のために6億3,800万円を計上しました。  都立病院は、災害・感染症医療、周産期・小児医療、高度な精神科医療、難病、特殊救急医療など民間では採算がとれない医療(行政的医療)を担っており、独法化されれば、これらの医療が不安定になり、都民の命を守る医療が後退するのが必至です。実際に、全国各地で独法化された病院では、経営の効率化や採算性が重視され、病院廃止、病床削減や差額ベッド料の引き上げなど患者・利用者の負担増が起こっています。  都立病院の果たすべき役割の議論が十分になされずに、独法化ありきの都の動きであり、対象となる多摩総合医療センター、神経病院、小児総合医療センターが所在している府中への影響は多大です。  そこで今回、独法化に反対の立場から以下質問します。また、昨年第4回定例会での一般質問で取り上げた都立神経病院の統廃合問題へのその後の対応についても確認を求めて質問します。  (1) 都立神経病院の統廃合問題について地域調整会議での議論と市の対応について。  (2) 今回の都知事の地方独立行政法人化発言は、唐突と思えるものですが、市の受けとめは。  (3) 「新たな病院運営改革ビジョン(素案)」について、市の受けとめは。  (4) 多摩総合医療センターなどの独法化が行われれば、府中市民にとっても大きな影響があると考えるがいかがか。  2件目です。国保税滞納者への差し押さえ処分について-悪質とは思えない滞納者への差し押さえや生計費相当額の差し押さえの中止を求める-。  昨年の第1回定例会の一般質問の中で、国民健康保険税の滞納状況と差し押さえ処分について取り上げました。  その中で、国税徴収法で生計費相当分は差し押さえ禁止財産となっており、国保税についても預金口座の生計費相当額も含めた全額差し押さえは、改めるように求めました。また、悪質とは思えない滞納については、滞納処分の執行停止を行うことも提案しました。  その後、差し押さえ処分などの改善はなされたのか以下質問します。  (1) 差し押さえ処分の件数と、総額の推移。  (2) 滞納処分の執行停止件数と金額の推移。  (3) 滞納し、差し押さえ処分、また執行停止に至るまで、どのような手順を踏んでいるか。  (4) 滞納した保険税の分納が実行されている最中に、差し押さえが行われる例がある。なぜか。  (5) 昨年9月26日大阪高裁で給与が振り込まれた2日後の口座預金差し押さえを違法とする判決が出たが、どのように受けとめているか。また、府中市での生計費相当額も含めて全額差し押さえするやり方は改めるべきだと考えるがどうか。  以上、一問一答方式で、最初の答弁は1件目のみお願いします。 220 ◯議長(横田 実議員) 1件のみ答弁願います。福祉保健部長。 221 ◯村越功一郎福祉保健部長 1件目の御質問、都立病院などの地方独立行政法人化の中止を求めてについて、順次お答えいたします。  初めに、(1)の都立神経病院の統廃合問題について地域調整会議での議論と市の対応についてでございますが、令和元年12月に開催された北多摩南部保健医療圏域での地域医療構想調整会議では、都立神経病院が担う医療は一般の医療機関では対応が困難な医療であるといった意見が圏域の医師会から多くありました。市職員も当該会議の委員となっておりますが、都立神経病院の果たしている役割は地域住民にとって重要であり、特に難病患者の医療の確保という点で大きな役割を果たしているという趣旨の意見を述べております。  次に、(2)の今回の都知事の地方独立行政法人化発言についての市の受けとめについてでございますが、平成30年に東京都病院経営本部が策定した都立病院新改革実行プラン2018は、平成30年度から令和5年度までの6年間を計画期間としており、具体的な実施計画は、前半の3年間と後半の3年間に分け、後半の3年間の計画については、情勢の変化を踏まえ、改めて策定するものと捉えておりました。このことから、当初の予定を前倒しして改革ビジョンの素案が作成されたことについては、予想しておりませんでした。  次に、(3)の新たな病院運営、改革ビジョン素案についての市の受けとめでございますが、当該ビジョンは、第1章において、都立病院を取り巻く現状と経営形態のあり方を検討し、第2章において、都立病院が直面する課題を整理し、第3章において、都立病院にふさわしい新たな経営形態として、地方公営企業法の全部適用、地方独立行政法人、指定管理者の三つの制度を検証した結果、地方独立行政法人が最もふさわしい経営形態と判断し、都立病院の独立行政法人への移行に向け準備を進めると結論づけたものと認識しております。本市といたしましては、パブリック・コメント手続や都議会での審議などを経て、都民にとって最も適切な選択がなされ、都立病院の運営が行われるよう、その動向を注視してまいりたいと考えております。  最後に、(4)の多摩総合医療センターなどの独法化が府中市民に及ぼす影響についてでございますが、今回の改革ビジョン素案の策定に当たっては、高齢化のさらなる進展、生産年齢人口の減少という2040年代を見据え、行政的医療の提供や持続可能な病院運営の実現という課題を解消するため、病院運営の改革が必要であり、検証の結果、運営形態として地方独立行政法人への移行が最もふさわしいとしたものと認識しております。運営体制や方法の変更は多かれ少なかれ影響があるものと考えますが、どのような影響があるかについては、運営方法等の詳細な内容がわからない現時点で言及することはできかねます。  以上でございます。 222 ◯20番(赤野秀二議員) 1件目、まず、前回質問での都立神経病院を含む都内10病院、全国では424医療機関になりますけれども、公的な病院の再編・統廃合問題、これが発表されてから各市議会でも、地方議会でも取り上げられ、非常に大きな批判が出たと思います。  今回の1件目の答弁で、地域調整会議での議論と市の対応について伺ったところ、議論としては、地域の医師会から懸念する声があった。また、市としても意見を申し述べたということで、わかりました。  この問題で、厚労省が全国的な批判や公表リストの撤回を求める声を無視して強引にこの統廃合を進めるという姿勢を改めずに、この1月、さらに440病院に修正拡大した病院リストを各都道府県に通知しています。この問題での再質問は今回しませんけれども、今後も市民と都民の命、健康を守るために、病院の再編と統廃合問題については、とんでもない、反対だという意見をしっかり上げていただきたいと思います。  さて、今回の質問の主テーマ、都立病院などの独法化問題です。この問題では、今回の1件目の答弁の中で、今回の都知事の独法化方針の発言は唐突ではないかということで、市の受けとめを聞いたんですけれども、市としても、都立病院新改革実行プランに基づいて、平成30年度から6年間の計画期間で考えておられたので、平成30年度から2年目の発表ということですよね。だから、唐突だということのような、予想していなかったという答弁がありました。本当にそのとおりだと思います。当然の答弁だと思います。  この独法化の表明後、立て続けに新たな病院運営改革ビジョン素案、以下、ビジョン素案としますが、これが出されました。この素案は、発表前に都議会の説明さえ行われませんでした。同ビジョンのパブリック・コメントも2月7日まで行われましたけれども、これも都議会の了解のないまま進められました。ビジョン素案については、ようやく2月18日になって都議会で説明されたようですけれども、都議会を無視したという手続的にも問題があるやり方です。  加えて、都議会での都知事の独法化推進の発言、何と病院の経営の本部長が知らなかった。知ったのはこの本会議の場だということを私たち日本共産党の都議の代表質問の答弁で答えました。こういう問題について、都知事は以前の都議会の質疑の中で丁寧に検討するとしていたんですけれども、議会や都庁内の説明もないまま所信表明演説やビジョン素案発表で、本当に全く丁寧に進める姿勢は見られません。  そもそも都立病院は、都民にとって必要な医療を保障するために東京都が直営でやってきた。都立は現在8病院ありますが、さまざまな分野で高度な医療ができる体制をつくり、都民の命を守ってきました。この都立病院を乱暴に独法化を進めることは到底許されるものでありません。  次に進みます。3の質問で、ビジョン素案について市の受けとめをお聞きしましたが、都立病院にふさわしい新たな経営形態として、独立行政法人化への移行に向け準備を進めると結論づけたものということで、ビジョンのことについて答弁されました。  しかし、ビジョンの素案には、現行の経営形態である地方公営企業の一部適用の経営形態については検討されていない。これは大きな問題だと思います。現行の経営形態も含めて、都の今度のビジョンに含まれた三つの制度も含めて検討するということをしてこなかった。これは重大な問題だと思います。  次に、4で、独法化による府中市への影響を聞きました。答弁では、多かれ少なかれ影響があるものと考える。どのような影響があるかについては、運営方針、運営方法等の詳細がわからない現時点で言及できないという答弁でした。  そこで再質問です。この独法化について、地域医療構想調整会議などで案件に出てくるのでしょうか。また、市として意見を出せる機会はあるのでしょうか。  以上、お願いします。 223 ◯村越功一郎福祉保健部長 お答えいたします。都立病院などの独立行政法人化につきましては、地域医療構想調整会議における協議案件とはならないものと捉えております。今後はパブリック・コメント手続を経た後、今年度末までに改革ビジョンを確定する予定と聞いております。なお、最終的には、総務省の認可と東京都議会における議決が必要なものと認識しております。  以上でございます。 224 ◯20番(赤野秀二議員) 市として発言できる公的な場はないとのような答弁でした。  そこで続けて質問します。新ビジョン素案では一般会計繰入金、すなわち都民の税金が投入されており、賢い支出を図る、さまざまな工夫によって費用を削減するとしています。しかし、この一般会計繰入金はいわゆる行政的医療を提供するための経費であると思っています。必要な費用と考えますが、市としてどう思いますか。答弁ください。 225 ◯村越功一郎福祉保健部長 改革ビジョン素案には、国民医療費の急速な増大に対して国が医療費の適正化を進めており、診療報酬のマイナス改定が続くなど、厳しい経営環境となっていること、そのため、行政的医療を担う都立病院も持続可能な病院運営のためにこれまで以上に効率的、効果的な経営が求められるという記述がございます。このことから、行政的医療を今後も安定的に提供するために検討した結果の独立行政法人化の準備と理解しております。  病院経営の経営形態や財源はどうあるべきか等につきましては、東京都における検討と都民の代表である東京都議会において慎重審議の結果、決定されるべきものと考えます。  以上でございます。 226 ◯20番(赤野秀二議員) 今の答弁では、行政的医療を安定的に供給するためという答弁でしたけれども、一般会計からの繰入金については、独法化を推進する立場の人の議会での、都議会での議論では、赤字補填だと、削減が必要だということで、そういう趣旨の議論が一部に出ています。日本共産党の都議団の質問に対して、経営企画部長は、一般会計からの繰り入れについては採算の確保が困難な行政的医療を提供するための不可欠な経費だと、赤字補填というものではないと明確に答弁しています。  独法化による都の一般会計繰り入れ削減は、行政的医療を含む公的医療の大幅後退を招くものと思います。これに直結すると思います。独法化の目的は、都の財政支出の削減であることは明白だと思います。独法化されると経済性が優先され、独立採算となり、議会の関与もほとんどなくなります。都民のチェック機能が後退することになります。  また、ビジョン素案には、独法化で医療が充実するかのように述べていますが、さきに独法化された全国の病院では大変なことがさまざまな形で起こっています。  そこで再質問です。全国の独法化された病院で病床削減や病院などの廃院が相次ぎ、差額ベッド料の引き上げなど患者負担増も起こっています。市としてこの事実を把握していますか。 227 ◯村越功一郎福祉保健部長 新聞報道等によれば、独立行政法人に移行した病院の中に、病院の廃止、病床数減少、差額ベッド料の改定などがあったと把握しております。  以上でございます。 228 ◯20番(赤野秀二議員) 新聞報道などで把握しているということでしたが、私の方で少し紹介したいと思います。  大阪府立病院、独法化前、有料個室が7,500円だったのが、1日最高5万9,000円に上がっています。分娩料は9万3,000円が18万円になるなど、急激な患者、利用者の負担増が生じています。長寿医療センターでは、病床の25%が差額ベッドとなっています。最高1日2万6,000円になるベッド料ということです。有料個室を利用する場合、入院保証金も10万円が必要になるなどが新たに起こっています。この長寿医療センターは、独法化後、都の補助金が年々減って、2013年、96億円あったのが、2016年では46億円と半減しています。
     こういう状況が明確に先行事例であります。府中市でも、今回独法化の対象となっている多摩総合医療センター、これは789床、小児総合医療センター、561床、神経病院もありますけれども、都全体で5,118床の都立病院を直営でなくするというとんでもない方針です。  本件最後の質問です。都民の命と健康を守る公立病院の根本にかかわる問題を変更するにしては、手続が拙速過ぎるのではないでしょうか。市として意見を上げるべきではないでしょうか。お願いします。 229 ◯村越功一郎福祉保健部長 お答えいたします。本年2月4日に東京自治会館において東京都市福祉保健主管部長会が開催され、報告案件の一つとして、改革ビジョン素案の説明が東京都担当職員からありました。その際、私から、実行プラン2018では検討期間がもっと長かったように記憶しているが、この時期の素案作成は実行プランと整合性がとれているのかという質問をいたしました。それに対する都からの回答は、平成30年1月から有識者会議において2年かけて検討したものであり、2040年代を見据え対応するものであり、整合性は図られているという趣旨のものでした。私からは、都民の医療、福祉の向上となるよう最善の選択を行い、運営に努めていただきたいと要望申し上げました。  以上でございます。 230 ◯20番(赤野秀二議員) 2月4日の説明の場で質問、意見をしたということで、要望をしたということなんですけれども、質問した先ほどの答弁は、言葉こそ違うけれども、今回のプランというのがちょっと早過ぎるのではないかというふうな意味合いだと思います。  本当に、今回突然、まだ改革の議論が始まってわずか二、三年というときにこういうものを打ち出す。都知事の突然の独法化発表、そして来年度予算への計上、さらにはビジョン素案など、こういったことでどんどん進めるというやり方、絶対に許してはならないと思います。  市としてほとんど関与できないような、これまでの答弁でしたけれども、市民、都民の命を守る都立病院の問題です。府中市にも3病院ありますから、問題点をしっかり受けとめて、市長会などを通じて反対意見を、少なくとも拙速に進めるなと意見を上げていただきたいと思います。  以上、要望して、1件目を終わります。  この独法化の問題については、さまざまな問題、今度の3月、第1回定例都議会でもありますので、それを踏まえてまた別の機会に質問したいと思います。  1件目を終わり、引き続き2件目の答弁をお願いします。 231 ◯議長(横田 実議員) 2件目、答弁願います。市民部長。 232 ◯村野良男市民部長 それでは、続きまして、国保税滞納者への差し押さえ処分について、悪質とは思えない滞納者への差し押さえや生計費相当額の差し押さえの中止を求めるについての御質問に順次お答えいたします。  初めに、(1)の差し押さえ処分の件数と総額の推移でございますが、過去3年間の推移を、総額につきましては千円単位でお答えいたします。平成28年度、1,300件、2億8,932万4,000円、平成29年度、1,303件、2億764万9,000円、平成30年度、1,062件、1億5,394万8,000円でございます。  次に、(2)の滞納処分の執行停止件数と金額の推移でございますが、過去3年間の推移をお答えいたします。平成28年度、1,464件、平成29年度、794件、平成30年度、924件でございます。なお、滞納処分の執行停止金額は把握しておりません。  次に、(3)の、滞納し、差し押さえ処分、また執行停止に至るまで、どのような手順を踏んでいるかについてお答えいたします。初めに、差し押さえに至るまでの経緯でございますが、納期限後に未納になっている場合は、まず督促状を送付いたします。それでもお支払いがない場合には、電話催告や催告書等の送付により納付を促しており、こうした催告をしてもなお御連絡や御相談をいただかなかった場合には、やむを得ず差し押さえを実施するなど、接触の機会をふやしながら納税改善指導に取り組んでいるところでございます。  次に、執行停止に至るまでの経緯でございますが、財産調査や滞納処分などを行う中で、本人の生活を逼迫させることなく、慎重に資力・財力を見きわめた上で執行停止処分を行っているところでございます。  次に、(4)の滞納した保険税の分納が実行されている最中に、差し押さえが行われる例がある。なぜなのかについてでございますが、分納誓約を交わした後に不履行になり、御連絡や御相談をいただけない方については、やむを得ず差し押さえを実施しているところでございます。  最後に、(5)の大阪高裁での判決をどのように受け止めているか。また、生計費相当額も含めて全額差し押さえるやり方は改めるべきだと考えるがどうかについてお答えいたします。初めに、大阪高裁での判決をどのように受けとめているかについてでございますが、昨年9月に大阪高裁の判決が出ておりますが、最高裁での判決が出ていない状況でもあり、特段の方針も示されておりませんので、現時点では特に対応が変わるものではないと捉えており、引き続き今後の動向を注視してまいりたいと考えております。  また、差し押さえの方法につきましては、連絡や御相談がない場合などは、これまでどおり、一度全額を差し押さえいたしますが、すぐに換価するわけではなく、御本人からの連絡を待ち、納税相談を行った上で、必要に応じて差し押さえの一部解除を行う方法で実施してまいりたいと考えております。  以上でございます。 233 ◯20番(赤野秀二議員) 本件、昨年の第1回定例会で取り上げたときに、十分な資力や能力あるのに税金などを払わない人には、悪質な滞納とみなし、きちんと払ってもらうよう適切な手だてをとるということは当然だと申しました。  しかし、生活の急変などで払えなくなり、滞納することは誰でもあり得ると思います。そのような滞納の場合に、仮に差し押さえするとしても、生計費相当額は口座に残置しておくべきだと改善を求めました。それから1年を経て、また、9月26日に、給与が振り込まれた口座の全額差し押さえを違法とする大阪高裁判決もあり、市の対応が是正されたのか、確認するために今回取り上げたものです。  2回目以降に進みます。  (1)と(2)で差し押さえ件数と金額、また執行停止の推移について確認しました。実はこの差し押さえについて質問をしようと考えていたところ、1月下旬に、1月末日ですけども、市民から相談がありました。それは、給与が振り込まれたと連絡あったんだけれども、その後すぐに差し押さえられたようで当惑しているというものでした。この市民の方は滞納がありますけれども、分割で、定額ではないが毎月のように振り込んでいました。通常の給与振込日の月末日、1月31日にお金を引き出そうとしたが引き出せない。銀行窓口はもう閉まっている時間。そこに、1月31日付で差し押さえましたという市からの書類が発送されてきたというのです。その日は金曜日です。したがって、市役所に行こうとしても、翌日、翌々日は土日、閉庁日です。やっていない。そういう日で差し押さえが行われたということだったんです。  (3)で、差し押さえや執行停止に至る手順について確認しました。差し押さえなどで接触の機会をふやし、納税改善に取り組んでいる。そのための差し押さえだというように受け取りました。紹介した相談の方も、休み明けの月曜日、市役所納税課窓口で相談。改めて分納誓約後、差し押さえの一部解除はなされました。  ここで本件の最初の再質問です。差し押さえの結果、滞納者が窓口に来て、相談後、一部解除した件数と総額の推移はわかりますか。お答えください。 234 ◯村野良男市民部長 差し押さえの結果、滞納者が窓口に来て、相談後、一部解除した件数と総額の推移についてでございますが、件数・総額の推移は集計しておりませんが、滞納者のほとんどの方に納税相談に来庁していただいているところでございます。  以上でございます。 235 ◯20番(赤野秀二議員) ほとんどの方が窓口に来ているということで、納税相談や一部解除の集計を行っていないということでしたが、これからでも記録を残して、きちんと集計すべきだと思います。差し押さえを行った結果、その後どうなったのか。調査も含めて……、そういう調査も行うように求めておきます。  次です。質問4で、分納誓約後、分納不履行になり、連絡や相談がない場合の差し押さえは回答いただきました。しかし、私が聞きたかったのは、今回相談されたように、毎月のように納入している最中の差し押さえです。  そこで再質問2です。納付が行われていても、連絡がない場合、必ず差し押さえ処理をするのか。お答えください。 236 ◯村野良男市民部長 お答えいたします。納付が行われていても、連絡がない場合は必ず差し押さえするのかについてでございますが、御連絡や御相談もなく、分納手続がされていない状況のときには、一部納付があった場合であっても、財産調査の上、差し押さえをすることになります。  以上でございます。 237 ◯20番(赤野秀二議員) ちょっと驚いたんですけれども、納付しても差し押さえるんだよと。連絡がなかったということですね。  それで、この相談者は、年一、二回は滞ることがあったが、毎月のように入金していました。まさか差し押さえられるとはと驚いていました。私は、これは悪質ではないと思うんですけれども、今回のような分納が行われてる場合、相談がなくても差し押さえは行うべきではないと求めておきます。  その上で先に進めます。今回の紹介例では、閉庁となる土曜日の前日、金曜日の差し押さえで、当面の生活費もなく、途方に暮れたとのことです。  そこで聞きたいんですけれども、再質問です。土日などの閉庁日の直前の差し押さえはしないなど、特段の配慮はされているのでしょうか。お答えください。 238 ◯村野良男市民部長 お答えいたします。土日などの閉庁日の直前の差し押さえはしないなど、特段配慮されていないのかについてでございますが、特段の配慮はしておりませんが、繰り返しになりますが、納期限後に未納になっている場合は、まず督促状を送付いたします。それでもお支払いがない場合には、電話催告や催告書等の送付により納付を促しており、こうした催告をしてもなお御連絡や御相談をいただけなかった場合には、やむを得ず差し押さえを実施するなど、接触の機会をふやしながら納税改善指導に取り組んでいるところでございます。  以上でございます。 239 ◯20番(赤野秀二議員) すぐに窓口に行けない休み前の差し押さえ、特に配慮してないということで、ちょっとこの辺は、土日とか祭日、ゴールデンウイークなんかだったら悲惨だと思うんですけども、こういうところでの配慮というのはするべきだと思います。  私が取り上げているのは、悪質とは思えないような方に対して行われている差し押さえもあるので、これも含めて取り上げています。  続いて再質問です。差し押さえられる、滞納される市民の方の中には、子育て世帯や病気療養中の市民、高齢者世帯などのところもあると思います。こういったところについても特段の配慮は納税課の方では行っていないということなんでしょうか。お願いします。 240 ◯村野良男市民部長 お答えいたします。子育て世帯、病気療養中の市民、高齢者世帯などの差し押さえは特段の配慮の仕組みがあるか、配慮されているかについてでございますが、御相談がない場合には、生活状況などの詳細な把握ができないため、特段、一定の仕組みは設けておりませんが、御相談があった場合には状況に応じた対応を行っております。  以上でございます。 241 ◯20番(赤野秀二議員) 滞納世帯の生活状況は特段配慮していないと、要するに、納税課としてはわからないので把握していないという答弁です。  しかし、連絡や相談がないという状況で、やはりその中には、なかなか精神的な思いから相談をためらう人とか、電話でコンタクトがつかないという方もいると思うので、訪問による対応は以前、行っていたということで、今、どういう状況かわからないですけども、そういう方には直接訪問するなどの方法で生活の状況をつかむ努力をしてもらいたいと思います。  次に、1回目の(5)の質問で、大阪高裁判決、つまり給与が振り込み直後の口座預金全額差し押さえを違法とする判決の受けとめと、生計費相当額について差し押さえることは改めるべきと聞いたんですけれども、最高裁での判決が確定判決ではないので、控訴しているということでしょうかね。なので、現段階では市としての対応は変わらないということでした。そして、口座全額の差し押さえについても、すぐに換価しないので問題ないと受け取れる答弁でした。  ここで再質問します。生計費相当額を含めて差し押さえ、その後、大半が納税課窓口にいらっしゃっているということでしたが、閉庁日直前の差し押さえはしないような配慮も現時点ではないという、このような中での生計費相当額、何も残さない差し押さえは市民が生活していく上で大きな問題ではないか。差し押さえを相談のきっかけづくりというように聞こえますが、生活権を無視した懲罰的なものになっていると私は思うんですけれども、その認識を伺いたい。 242 ◯村野良男市民部長 お答えいたします。差し押さえが相談のきっかけづくりというように聞こえるが、生活権を無視した懲罰的なものになっていないかについてでございますが、あくまでも懲罰的なものではなく、納税相談を行った後で、必要に応じて一部差し押さえの解除をするなど、状況に応じた対応を行っております。  以上でございます。 243 ◯20番(赤野秀二議員) 連絡がないとしても、その人の生活状況がわからないもとで、当面の生計費も残さないで差し押さえる。そんなことをしていいんでしょうかね。人道的な立場で意見を申し上げているんです。  今回、相談例では、不安な土日を過ごすような状況も起きました。これまでの答弁を聞いていますと、督促状などの手続はしている、連絡や相談に来ないのが悪いんだ、事の始まりなんだというようなことを言ってるような気がしてなりません。滞納している人の中には、負担能力があるのにわざわざ納めない人はそんなにいないと思っています。滞納者の多くは、本当に困っている状況に置かれている。そんな状況を映している滞納ではないのでしょうか。差し押さえたら、さらなる厳しい状況に突き落とすことになる。大変なことになります。  また、本当に困っている市民の中には、精神的な重圧などで、みずから連絡ができない人も多い。連絡をする踏ん切りがつかないということはあり得るのではないでしょうか。一律に口座を押さえて相談に来させるだけでよいというやり方では、解決に結びつかないと思います。丁寧な対応を求めるとともに、当面の生計費相当額については差し押さえから外すようぜひ改めていただきたい。  また、払えない状況があれば、滞納処分の執行停止を行い、その資力に応じた現年分、当年分の保険料を払うようにすることが大切だと思います。  以上、市の対応改善を求めて質問を終わります。 244 ◯議長(横田 実議員) 以上で、赤野議員の質問を終わります。        ─────────────────────────────── 245 ◯議長(横田 実議員) ここで、15分程度休憩いたします。              午後6時14分 休憩        ────────────── ◇ ──────────────              午後6時28分 開議 246 ◯議長(横田 実議員) 休憩前に引き続き本会議を再開いたします。        ─────────────────────────────── 247 ◯議長(横田 実議員) 次に、奈良崎議員の質問を許可いたします。22番、奈良崎議員。       〔22番奈良崎久和議員登壇〕 248 ◯22番(奈良崎久和議員) 議席番号22番、公明府中の奈良崎久和です。通告に従い1件、一括質問をさせていただきます。  LGBTなど、性的マイノリティーへの対応の一歩となる、同性パートナーシップ宣誓制度が、三多摩では初めて昨年4月に施行されてから、間もなく1年が経過します。  パートナーシップ制度の導入では、平成30年の第2回定例会で福田議員が強く求めてきました。会派としては、その後当事者からのパートナーシップの承認制度創設・導入への協議開始を求める陳情採択をリードしてきました。  陳情採択を受けて、高野市長のリーダーシップのもと宣誓制度実施に至ったことを、改めて評価し感謝いたします。  しかしながら、自分の性自認や性的指向に悩んでいたり、周囲の無理解や偏見などにより、さまざまな苦痛を味わっているケースなど、カミングアウトも難しく、マイノリティーの方々が生きづらい状況が少なからず続いています。  また小・中学校において、成長の過程で、徐々に自身の性に対する違和感や、それに伴い生活のさまざまな場面で苦痛を感じているケースもあります。  そんな状況から、このところの予決算や一般質問などを通し、何人かの議員からも質疑が行われております。  市では、第6次男女共同参画計画にも人権の尊重の視点から位置づけました。そこで改めて、マイノリティーに対する偏見や差別の解消、多様性を認め合う共生社会の実現に向けて、性的マイノリティーへの支援と配慮について-府中市としてできること-と題し、以下質問いたします。  ア 府中市の性的マイノリティーに対する基本的な考え方、位置づけと、現在の対応についてお伺いいたします。  イ 市職員の意識啓発・研修など、LGBT等への対応と配慮についてお伺いいたします。  ウ パートナーシップ宣誓制度の施行から約1年、制度の周知や宣誓の状況など、現状と今後の課題についてお伺いいたします。  エ 教育委員会としての性的マイノリティーに対する基本的な考え方と課題、教職員や児童・生徒への教育的アプローチについてお伺いいたします。  オ 青少年への対応として行っていること、また相談などがあればお伺いいたします。  カ 東京都など広域で取り組んでいることについてお伺いいたします。  以上、1回目、御答弁よろしくお願いいたします。 249 ◯議長(横田 実議員) 順次答弁願います。高野市長。 250 ◯高野律雄市長 奈良崎議員の御質問のア、性的マイノリティーに対する考え方等につきましてお答えいたします。  近年、性の多様性については徐々に社会的な認識が進みつつあるものの、依然として、出生時に判定された性と性自認が一致し、かつ性的指向は異性というパターンに当てはまらない、いわゆる性的マイノリティーの方々に対する偏見や差別が存在し、当事者の方々がさまざまな困難を抱える状況は少なくないと言われております。  このため、本市では、性自認・性的指向を理由とする偏見や差別について、同和問題や外国人の人権など多様な人権問題の一つとして捉え、国や東京都の動向を注視しながら、解消に向けた啓発等に取り組んでまいりました。  とりわけ、平成31年4月1日からは、東京都が東京2020オリンピック・パラリンピックの開催に向けて制定したオリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例の趣旨を踏まえ、多摩地域では初となるパートナーシップ宣誓制度を実施し、当該制度の周知等を通じて、性の多様性に対する理解の促進、さらには人権意識の醸成に努めているところでございます。  その他の御質問につきましては、担当部長からお答えいたします。 251 ◯議長(横田 実議員) 政策総務部長。 252 ◯遠藤弘美政策総務部長 続きまして、イの市職員の意識啓発・研修など、LGBT等への対応と配慮についてお答えいたします。  初めに、市職員の意識啓発・研修につきましては、一般職員を対象に、平成28年度、平成29年度はLGBT等の性的マイノリティーをテーマとして、さらに平成30年度は、研修テーマにパートナーシップ宣誓制度を追加して実施するとともに、パートナーシップ宣誓制度の実施に向けた庁内説明会を実施するなど、職員の意識啓発・理解促進に努めたところでございます。なお、今年度につきましても、昨年度に引き続き、性的マイノリティー・パートナーシップ宣誓制度をテーマとした研修の実施を予定しており、一般職員に加え、管理職に対しましても積極的な受講を呼びかけております。  その他の取り組みといたしましては、性の多様性に配慮し、申請書等における不要な性別欄については削除するなど、継続的に帳票類の見直しを行っております。  今後につきましても、引き続き職員研修を実施するとともに、係長級の職員で組織する府中市人権啓発等推進委員会を中心とした啓発活動等を通じて、性的マイノリティーへの配慮を含む人権意識の醸成に取り組んでまいります。  続きまして、ウの制度の周知や宣誓の状況など、現状と今後の課題についてでございますが、市民や市内事業者等に向けた制度の周知につきましては、昨年4月1日からの制度の開始に向けて、3月21日号の広報ふちゅうで周知を図るとともに、市のホームページに要綱や宣誓の流れなどをわかりやすくお示しした手引きを掲載することで、パートナーシップ宣誓制度の実施について広く周知を図り、本市の人権尊重に向けた取り組みに対する理解を求めてまいりました。また、医師会、商工会議所に対して依頼文書を送付し、制度の実施について御理解と御協力を求めてまいりました。制度開始後につきましても、12月の人権週間など、適時・適切なタイミングを捉えまして、広報紙を活用しながら性的マイノリティーにかかわる理解の促進等に努めているところでございます。  次に、宣誓の状況でございますが、昨年4月1日から制度を開始いたしまして、令和2年2月14日の時点で6組の方々が宣誓されております。  なお、今後の課題でございますが、当該制度は、市が公的に2人の関係を証明することで、性的マイノリティーの権利擁護につなげ、広く市民の人権意識の醸成を図ることにございますので、まずは市民・事業者等の理解を得られるよう、着実な啓発に努めてまいります。その上で、国や東京都の動向を注視するとともに、先進自治体の取り組み例等を参考としながら、より宣誓をしやすい環境づくりに努めていくことと認識しております。  以上でございます。 253 ◯議長(横田 実議員) 教育部長。 254 ◯赤岩 直教育部長 続きまして、エの教育委員会としての性的マイノリティーに対する基本的な考え方と課題等の御質問ですが、基本的な考え方としましては、個別の事案に応じ、児童・生徒の心情等に配慮した対応を行うこととしております。  また、課題としましては、性的マイノリティーに係る児童・生徒への配慮と、他の児童・生徒への配慮との均衡を図りながら支援を進めることの難しさであると捉えております。
     教職員や児童・生徒への教育的アプローチとしましては、教員は全ての児童・生徒の人格を尊重し、それぞれが持つ個性を伸長するとともに、一人一人がかけがえのない存在であり、互いに尊重し合って生活することの大切さを日常の指導や教科等で指導しております。また、児童・生徒が自分らしさを発揮し、生き生きと学校生活を送ることができるようにするためには、教職員が性的マイノリティーを含めた子供たちの個性を尊重するとともに、発達段階に応じた多様性に対する正しい理解と認識を深めることが大切であると捉えております。  以上です。 255 ◯議長(横田 実議員) 子ども家庭部長。 256 ◯沼尻 章子ども家庭部長 続きまして、オ、青少年への対応と相談などについての御質問にお答えいたします。現状、青少年への対応としては、19歳から29歳の方を対象とした子ども・若者総合相談において、青少年自身の悩みなどについて相談を受けつけておりますが、性的マイノリティーに関してはこれまで相談実績はございません。  以上でございます。 257 ◯遠藤弘美政策総務部長 続きまして、カの東京都など広域で取り組んでいることについてでございますが、東京都では、東京2020オリンピック・パラリンピックの開催の機会を捉え、人権尊重の理念が社会に浸透した都市となることを目指す、東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例を平成30年10月に制定しており、この条例に基づき、性自認及び性的指向を理由とする不当な差別の解消並びに啓発等の推進を図ることを目的とした東京都性自認及び性的指向に関する基本計画を昨年12月に策定しております。この基本計画では、東京都を中心として、東京都と区市町村、または区市町村相互の円滑な連携を図るため、連絡会を設置するとともに、各区市町村が実施する取り組みに関する情報提供や課題の共有を積極的に行い、連携の強化を図っていくこととしております。現在のところ、具体的な取り組みまでは想定できておりませんが、今後、連絡会を通じて得られる情報等を活用し、東京都や各区市町村との連携を図りながら、人権尊重の理念をより広く伝えられるよう努めてまいります。  以上でございます。 258 ◯22番(奈良崎久和議員) それぞれに丁寧に御答弁を頂戴いたしまして、大変にありがとうございました。順次2回目に入ります。  アで、市長より御答弁をいただきました。性的マイノリティーの方々に対する偏見や差別は、まさに人権問題であり、この4月1日施行の都条例の趣旨の上からも、性の多様性や人権啓発にさらに取り組む必要があります。  イで、市としての研修や配慮について伺いました。宣誓制度の実施を踏まえて、LGBT等や制度の研修を実施していること、申請書類などへの性別欄の削除など、具体的な見直しを行っていることを評価いたします。誰もが当事者に適切に寄り添えるよう、今後も積極的に取り組んでいただけますよう要望いたします。  ウでは、パートナーシップ宣誓制度について改めて伺いました。制度化に向けたパブリック・コメントで、近年実施したパブコメとしては多くの反響があり、賛否はあったものの、関心の高い課題であることがわかりました。  また、実際に宣誓し、受領証を交付された方々が6組とのことで、昨年8月までで3件とのことでしたので、確実にふえていること。制度そのものの周知に努める中で、少しずつでも市民の理解促進につながっているものと捉えております。さらに理解が得られ、宣誓につながるよう、人権啓発等に取り組んでいただければと思います。  また、オとカでは、青少年への対応、また、広域での取り組みについて伺いました。東京都がオリンピック・パラリンピックを前に制定したオリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例、また、東京都性自認及び性的指向に関する基本計画に基づき、広域的な連携を図るとしております。連絡会の設置もされるということですので、先進自治体の一つとして、府中市が情報提供や課題解決への連携強化をリードし、積極的に取り組むことを期待しております。  答弁は前後しましたけれども、エでは教育委員会における取り組みを伺いました。学校での対応は個々の状況や他の生徒との関係など難しいことがよくわかりました。子どもたちが自分らしく伸び伸びと学校生活が送れるよう、個性を尊重し、きめ細かい配慮をお願いいたします。  また、答弁であった、先生に対しては正しい理解と認識を深めることが大切ということでしたが、発達段階に応じた適切な配慮につながる教職員への研修などにも今後積極的に取り組んでいただきたいと思います。  先日、白糸台小学校で、性の多様性について、学校の理解と対応とのテーマで校内OJT研修会が行われたと伺いました。西村議員が参加をされて、資料もいただきました。資料は、主任、養護教諭の方のオリジナルレジュメと、現在、宝塚大学看護学部教授の日高教授作成のもので、学校の先生方に向けたものであります。日高先生は、厚生労働省エイズ対策研究事業の研究代表者であり、文部科学省が2016年4月に発表した性的指向と性自認に関する教員、教職員向け資料の作成協力や、法務省による国家公務員人権研究と国や自治体のセクシャルマイノリティー理解促進啓発事業に従事されている先生です。性的マイノリティー当事者の意識調査、2016年の7月から10月にかけて行ったオンライン調査では、1万5,000人を超える方から回答を得ており、また、今回いただいた資料作成でも、先生のこれまでの研究成果や、2011年11月から2013年2月にかけて行った保育所や幼稚園、小・中・高の先生方、約6,000人からのアンケート回答に基づいて資料作成されております。  ここでは詳細は触れませんが、統計上、5.2%とも、あるいは7.6%ともされることから、少なくとも20人に1人、クラスに1人から2人は性的マイノリティーの子どもが存在するという現実と、先生方の正しい理解から始まる学校での取り組みや、先生の言葉によって子どもたちの人生が変わるというメッセージです。  いずれにしても、性的マイノリティーの方々は生活のあらゆる場面で困難を抱え、生きづらさを感じ、孤立していることが多いと言われます。生きづらさを象徴するデータとして、2007年の日高先生のゲイ、バイセクシャル男性の健康レポートでは、約65%が自殺を考えたことがあるとされ、うち15%程度が自殺未遂を経験しているとのこと。また、別のデータでも10代のゲイ、バイセクシャル男性の自傷行為は17%、首都圏男子中・高生の平均7.5%を大きく上回っております。  こうした困難さや生きづらさは、ハード面ではトイレや更衣室、制服や男女別になっている施設など、またソフト面では呼称、呼び方や健康診断において、あるいは宿泊行事への参加や、書類上の性別の記載など、さまざまな課題があります。法的に婚姻関係にないパートナーにおいては、夫婦や親族とみなされないことに伴うさまざまな不利益があります。2014年、国連の自由権規約委員会からの勧告として、啓発の強化や差別、偏見の防止とあわせて、自治体レベルで同性カップルに対し適用される公営住宅の入居条件の制限の除去が求められています。  また、困難、生きづらさの要因として、無理解や誤解、偏見や差別など、自分の周囲、外からの要因と、そうした環境から来る心理的な問題、孤立やカミングアウトへの不安や悩みなど、自分の内面、内なる要因があげられます。だからこそ地域や学校、そして職場など、社会のあらゆる場面で課題を共有し、向き合い、支援や配慮をする必要があります。  そこで、自治体として、府中市として何ができるのか。一つは、困難さや生きづらさの原因となっているハード・ソフト両面の課題の抽出と解決への具体的な取り組み。二つ目は、外的な要因や内なる要因を取り除く対策。パートナーシップ宣誓制度でもそうですが、性的マイノリティーの方々への正しい理解促進と支援、相談体制の充実や適切な寄り添い、意識啓発など、社会環境の変化による心の変化につながる取り組みなどです。これからは都条例や基本計画の理念、目的実現に向け、一歩ずつ具体的に取り組む必要があると思います。  そこで2回目の質問ですが、2の1として、パートナーシップ宣誓制度の施行から1年が経過し、啓発中心の取り組みから一歩踏み出して、具体的に何らかのアクションを起こすべきだと考えますが、市として、答弁にあったより宣誓しやすい環境づくり、これがそのまま生きやすさにつながると思いますので、今後どのように取り組んでいくのか、お考えをお伺いいたします。  2回目の2として、市内小・中学校の生活における児童・生徒への配慮など、具体的な対応や取り組み、課題についてお伺いいたします。  1)として、性的マイノリティーの児童・生徒の実態把握。  2)として、現在行っている対策や課題、市内全体と各校の対応。  3)として、今後の対応、方向性。  4)として、トイレなど施設設備面、ハード面での課題や方向性。  以上、2回目の質問です。よろしくお願いいたします。 259 ◯遠藤弘美政策総務部長 順次お答えいたします。  最初に、1件目のより宣誓しやすい環境づくりに向け今後どのように取り組んでいくかについてでございますが、本市のパートナーシップ宣誓制度につきましては、東京2020オリンピック・パラリンピックの開催を一つの契機と捉え、まずはLGBTを初めとする性的マイノリティーへの権利擁護につなげるとともに、市民の人権意識の醸成に寄与することを目的として実施をいたしましたので、現時点におきましては、宣誓された方々に対する行政サービスに係る取り組み等は実施していない状況です。  一方で、パートナーシップ宣誓制度を実施している自治体の状況を見ますと、宣誓者に対し、公営住宅の入居条件の緩和や公立病院における入院時の面会・手術の同意など、行政サービスの提供等を行っているほか、民間事業者に対し、性的マイノリティーへの適切な理解と対応を求めるとともに、新たなサービスの提供を促すガイドブックを作成するなど、さまざまな工夫を凝らした取り組みがふえてきているものと認識しております。  このため、本市におきましても、性的マイノリティーへの支援について、これら自治体における取り組み例の研究を深めるとともに、引き続き民間事業者等に対する周知・啓発も進めながら、より具体的な取り組みへと展開していけるよう努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 260 ◯赤岩 直教育部長 続きまして、2件目の御質問の1)、性的マイノリティーの児童・生徒への実態把握についてですが、性的マイノリティーに係る児童・生徒やその保護者は、性に関する自己認識等について、他の児童・生徒だけでなく教職員に対しても秘匿しておきたい場合があると捉えております。また、みずから明らかにする準備が整っていない児童・生徒に対し、了解なく調査や確認が行われると、当該児童・生徒は自分の尊厳が侵害されている印象を持つおそれもあることから、教育上の配慮の観点からは、申し出がない状況で具体的な調査は行われておりません。そのため、学校や保護者からの申し出により、性的マイノリティー等の配慮が必要な児童・生徒を把握し、学校や保護者から聞き取り等において可能な範囲で実態を把握しております。  次に、2)、現在行っている対策や課題についてですが、性的マイノリティーに係る児童・生徒の支援につきましては、最初に相談を受けた者だけで抱え込むことなく、組織的に取り組むことが重要であることから、学校内外にサポートする体制をつくり、ケース会議等を適宜開催しながら対応を進めております。  また、各校の対応としましては、性的マイノリティーの児童・生徒に対するいじめや差別、偏見などの人権問題を起こさせないために、教職員意識を高め、全教育活動を通じて実施する人権教育において、自分の大切さとともに他の人の大切さを認めることといった人権教育の理念を踏まえ、自他の人権を尊重し、多様性に対する肯定的評価や違いを認めて受容する能力を育んでおります。  課題としましては、性的マイノリティーに係る児童・生徒についての特有の支援は多岐にわたり、性的マイノリティーといった概念は学校において着実に認知されてきているものの、学校生活に必要な細かな対応や個々に応じた対応を通して、円滑に学校生活につなげていくことなどがございます。  次に、3)、今後の対応、方向性ですが、性的マイノリティーとされる児童・生徒は、自身のそうした状況を秘匿しておきたい場合があること等を踏まえつつ、学校においては、日ごろより児童・生徒が相談しやすい環境を整えるとともに、学校生活の各場面における細かな対応の支援についても、性的マイノリティーの児童・生徒だけでなく、多様な個性を持った児童・生徒の支援となるよう、学校とともに環境を整備してまいります。  最後に、4)、トイレ等の設備の整備ですが、性的マイノリティーに係る児童・生徒への対応は重要ですが、その対応に当たっては他の児童・生徒への配慮も必要となります。トイレの使用につきましては、多機能トイレの使用以外にも、職員用トイレの使用を認めるなど、他の児童・生徒や保護者にも配慮した対応を図る必要があると考えております。また、更衣室につきましても同様の考えのもとに対応する必要があると認識しております。  課題につきましては、対応する児童・生徒の状況、施設の状況などを総合的に判断して施設の使用の仕方を決めていくものと認識しておりますが、施設改修については、多機能トイレの設置が困難な場合があると捉えております。  以上です。 261 ◯22番(奈良崎久和議員) ありがとうございました。3回目になります。  まず、答弁のことについて触れる前に、1回目で性的マイノリティーをLGBTなどというふうに表現をいたしました。最近では、LGBT(Q)というふうに表現することが多いようです。Qとは主にクエスチョニングのことで、自分の性別がわからない人や意図的に決めていない人、決まっていない人、模索中である人のことで、性自認や性的指向についてまだ決まっていないと思う、わからない、違和感がある、一つに決まるものではないと思うなどに当てはまるのがこのクエスチョニングです。また、似たようなものになりますが、Xジェンダーのように、男女どちらでもないと性自認している、決めている方もいます。まさに多様性であり、認められるべき性的指向と言えます。  御答弁では、性的マイノリティーへの権利擁護、市民の人権意識の醸成のため、正しい理解につながる情報提供、発信を継続的に行うとともに、公営住宅の入居要件の緩和等々を例示されましたが、そのほかにも、例えば災害時では避難所における家族単位での扱いや、安否確認などにおける個人情報の取り扱いでの配慮など、パートナーシップ宣誓制度の目的にかなった行政サービスが提供できるよう早急に検討し、できるところから始め、それをアピールしていただければと思います。  また、民間事業者にも適切な理解と対応を求めるとともに、新たなサービスにつながる情報提供などを行うとされました。医療機関において、パートナーとしての病状説明や面会での制限の緩和や、また、商業施設等での家族割等の適用、例えば映画館での夫婦割引の適用など、取り組める分野はあると思いますので、積極的なアプローチを期待しております。  2の2でございますが、1から3については、学校における実態把握や個々の対応は難しいと答弁にもありましたが、理解をしております。ただ、一人で悩んで誰にも相談できないケースや、心ない言葉などによって日々傷ついているケースなども潜在的にあることを考えると、授業で少しずつでも取り上げていくことや、機会を捉えて性の多様性について話題にしたり、正しい情報や肯定的なメッセージを送ることが大切だと思います。そのことがどれほど当事者に安心感や自己肯定感を生むか、はかり知れないと思います。  2回目で白糸台小での校内研修会のことを少し紹介させていただきましたが、先生方が自信を持って当事者を含む児童・生徒に寄り添いながら取り組めるよう、また、子どもたちにとって最も信頼できる大人としてさらなるスキルアップを目指し、教育委員会や学校で研修や学校間における情報共有などを積極的に進めてください。  また、御答弁では触れられませんでしたが、例えば、自認している性の違和感から、どうしても制服を着られない、着たくないと悩んでいるケースなども少なくないと思いますので、マイノリティーの子どもたちに限らず、自由に選択できるようにすることは喫緊の課題だと捉えております。  4)のトイレなどハード面での対応ですが、多機能トイレや職員用トイレの使用などで対応とのことでした。さきの学校トイレ改革の質問をしたときにも、LGBT等への配慮について触れさせていただきましたが、体育館を含め、施設改修は本当に大きな課題だと捉えております。昨日のそなえ議員の質疑の中で、だれでもトイレの設置は、小学校で8校、中学校で6校とのことでした。設置が困難な場合があるとの御答弁でしたが、これからの改築時はもとより、どうか積極的に改修等を進めていただければとお願いをいたします。  今回は大きく二つの視点で質問をいたしました。一つは、パートナーシップ宣誓制度の施行を受けて、より積極的、具体的なサービス提供を求めること。また、それに伴い、市民への正しい情報提供、情報共有、意識啓発により、少しでも性的マイノリティーの方々の困難や生きづらさを解消すること。  二つ目は、ある小学生のお母さんから……、女の子ですが、お母さんからの切実な御相談がきっかけで、学校での性的マイノリティーの理解促進、多様性を認め尊重できる環境と、制服の選択やハード面の改善など、適切な対応が市内の全ての学校でなされてほしいとの思いからでした。  性的マイノリティーに代表される多様性、一人一人の個性や人間性がありのままで受け入れられ、尊重され、理解され、認められる社会、学校を目指し、平和と人権を掲げる府中市として市内外にその姿勢をアピールしながら力強く進んでいけるよう心から願い、私の質問を終わります。ありがとうございました。 262 ◯議長(横田 実議員) 以上で、奈良崎議員の質問を終わります。        ─────────────────────────────── 263 ◯議長(横田 実議員) 次に、前川議員の質問を許可いたします。5番、前川議員。       〔5番前川浩子議員登壇〕 264 ◯5番(前川浩子議員) 議席番号5番、立憲民主党、市民フォーラム、前川浩子でございます。今議会最後の質問をさせていただきます。  1番として、いじめの対応について。  いじめは被害者の人権を侵害し、その尊厳を奪う重篤な行為です。  昨年10月に文部科学省は「2018年度児童・生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」の結果を公開しました。  この調査によりますと、いじめの認知件数は前年度比12万9,555件増の54万3,933件。  過去最高を更新するという憂慮すべき事態です。  この調査結果が出た2カ月後の本年1月23日に、「いじめによりPTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症したとして、学校設置者である府中市に損害賠償を求めていた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は22日に市に756万円の支払いを命じた」との報道がありました。  1) この判決に対する府中市の対応をお知らせください。  2番目、妊産婦・乳幼児を守る災害時の対策について。  昨年10月の台風19号の襲来の際、自主避難所となった第二中学校で一晩過ごしました。  午後3時を過ぎるころから、怒涛のように多くの方が避難してきました。その中に、新生児、乳児を抱いた御家族、幼児を連れた方、妊娠している方の姿もありました。  避難場所となっていた中学校武道場は、多くの人でごった返し、空気もよどんできました。その中に、新生児を含む乳幼児、妊婦の方がいらっしゃることに危機感を覚えました。  幸いにも、避難時間は短く、また保育士、保健師の方々の献身的な御努力により、事なきを得ましたが、災害はいつあるかわかりません。早急な対応、方策の必要を痛感し、質問いたします。  東京都は平成26年に妊産婦・乳幼児を守る災害対策ガイドを策定しています。  府中市地域防災計画の要配慮支援者の中に、妊産婦、乳幼児との記載はありますが、具体的な方策はありません。  自然災害の多い今こそ、縦割りではなく横断的に子どもの命を守ることに力点を置いた施策が必要だと考えます。  以下質問いたします。  1) 地域防災計画の中で、妊産婦・乳幼児に特化した項目はありますか。  以上です。 265 ◯議長(横田 実議員) 1件のみ答弁願います。浅沼教育長。 266 ◯浅沼昭夫教育長 それでは、私から1件目の御質問の1)、この判決に対する府中市の対応についてお答えします。  これまでも学校からのいじめやさまざまな報告に対し、関係機関等とも情報を共有しながら連携し、学校に対して組織的に指導・助言を行っております。本事案が起きた17年前から現在に至るまで、いじめに対する考え方は大きく進んでおり、現在、いじめ問題については高い感度を持って指導を行うとともに、いじめられた側に立ったいじめの認知や対応、支援等を学校とともに行っております。  いじめは子供の生命や心身の健全な成長及び人格の形成に重大な影響を及ぼすものであり、絶対に許されない行為であるとの認識のもと、いわゆる「いじめ」と一括りにするのではなく、軽微なものでも、行為を受けた側が心身の苦痛を感じている場合はいじめに該当する。暴行・暴力・金銭要求などの触法行為など、その様態を的確に把握して対応策を変えながら対応を図っております。  本事案につきましては、国家賠償請求という事案ではありますが、判決後も改めて当時のいじめの状況や背景等を分析し、いじめはどの学校でもどの子供にも起こり得るという現在の認識のもと、今後の教訓とするべく対応しております。  時間はたっているものの、今なお当事者がそのことに悩んでいることを真摯に受けとめ、いじめた者もいじめられた者も自校の子供であるといういじめ対応の難しさがあるところでございますが、関係した子供たちがともに成長できるような指導に取り組んでほしいということを校長会でお願いしております。  本事案を重大なものと受けとめ、児童・生徒に温かく寄り添い、いじめを許さない、見逃さない学校教育に今後も一層努力してまいります。  以上でございます。 267 ◯5番(前川浩子議員) 教育長、御答弁ありがとうございます。再質問はございません。  いじめの問題に関しまして、当初、この報道に驚愕いたしましたけれども、よくよく読みましたら、私の下の息子が小学生のころと同じころのことでございました。  報道もきちんと平等にされたかと思うと、そこはちょっと首をかしげたくなるところもあるんですけれども、確かにいじめはわかりづらいです。巧妙に行われます。今はSNSもあります。  令和元年度上半期の市立小・中学校児童・生徒の善行、事故等についての御報告も頂戴いたしました。私のもとに年度末にはいつもいじめ、不登校の御相談が入ります。いじめはどこにでも誰にでもあるというその認識のもとに、いじめの認知度を上げ、感度を上げて、学校、民生委員、スクールカウンセラー等々といろいろな方が一丸となり、またアウトリーチのできるスクールソーシャルワーカーが入り対応していくこと、これが肝心かと思います。  いじめられている御本人、御家族も心を痛め苦しんでいるという現実の前で、私は言葉を失うことがままございます。でも教育長、この府中市の教育は高い質を誇り、そして平成28年度に先生がおつくりになった合理的配慮支援員は、この府中にインクルーシブ教育の扉を開きました。そして、昨年12月の議会の協議会では、先生が力強く不登校の対策を行うとおっしゃった。  それともう一つ、今、奈良崎議員が御質問なさっていたパートナーシップ制度、府中はどこの市よりも人権を大事にするまちです。市長も常々おっしゃってる平和と人権、この平和と人権を大事にする府中に、子供一人一人に寄り添ってまいりたいと私は思っております。  この件に関しては、これで質問はいたしません。みんなの力を合わせ、ワンチームでこの府中からいじめをなくしてまいりましょう。  以上です。 268 ◯議長(横田 実議員) 2件目答弁願います。行政管理部長。 269 ◯矢部隆之行政管理部長 2件目の妊産婦・乳幼児を守る災害時の対策についての御質問にお答えいたします。  地域防災計画の中で、妊産婦・乳幼児に特化した項目についてでございますが、妊産婦・乳幼児に特化した項目はございませんが、地域防災計画の第9章、避難者対策において、一次避難所での生活に支障がある方を受け入れる二次避難所や福祉避難所についての記載があるほか、多様な避難者ニーズへの配慮として、女性や子育てのニーズについての配慮についての記載がございます。具体的には、おむつ、粉ミルク、哺乳瓶、離乳食などの提供や授乳室などの子育てに資する環境の整備、妊婦については、病院・産院への搬送など、特段の配慮を行う必要があることを記載しております。  なお、昨年10月の台風19号の際の避難所につきましては、台風が過ぎ去るまでの間の避難ということで、少しでも多くの避難者を受け入れることを優先したため、妊産婦や乳幼児への配慮に欠けるところもあったことは今後の課題と認識しております。  以上でございます。 270 ◯5番(前川浩子議員) 御答弁ありがとうございます。  地域防災計画の中なんですけども、確かに乳幼児・女性という言葉はあります。御答弁の中にあったように、確かにあります。対策の方針、女性の視点など、二次避難所、福祉避難所、乳幼児、管理運営体制の整備、管理責任者に女性を配置する等、女性の参画を推進する、男女のニーズの違い、男女双方の視点、女性専用の物干し場、女性用下着、女性による配布、女性・子ども・家庭のニーズに配慮した避難所の運営に努める。4の3、女性や子どものニーズ、子育てに資する環境の整備に努める。風水害編の第5章にも同じような記載がございますが、この地域防災計画の中に「妊産婦」という言葉は出てきません。  昨年12月議会で私は災害対応について質問いたしておりますが、今回は妊産婦、乳幼児に特化して聞きたいと思っております。  東京都は、妊産婦、乳幼児を守る災害対策ガイドラインをつくっております。ここには、災害時に妊産婦、母子をどのように守るか。妊産婦の有症者には適切なトリアージがなされるべきであり、また、妊産婦は環境の激変化における脆弱性が強いとの認識から、災害弱者として明確に位置づけ、適切に支援していくことが望ましいとあります。
     胎児と乳幼児の生命は母親である妊産婦の安全・安心と相互に深くかかわっています。母子に配慮した防災対策は、子どもを守る防災対策です。  御答弁の中に、昨年10月の台風19号の際には十分な配慮ができなかったことは今後の課題と認識しているとございました。今まさに、今こそ現場からの生きた声を生かしていくときではないかと思います。  妊産婦、乳幼児はハイリスクです。何があるかわからない予測できないリスクもある。そうならないためには、発災前からの丁寧なプランニングが肝要です。災害時の母子支援について、12月よりずっと考えておりましたが、母子に配慮した防災対策、子どもを守る防災対策を推し進めるべきと私は今、考えております。  以上を前提にいたしまして、2回目の質問させていただきます。  妊産婦、乳幼児の支援についてのお考えは。また、その際の課題は何でございましょうか。よろしくお願いいたします。 271 ◯矢部隆之行政管理部長 お答えいたします。妊産婦、乳幼児の支援につきましては、災害時の避難行動や避難生活に関するニーズについての配慮が必要であると捉えておりますが、支援物資としておむつや粉ミルクなどの備蓄を行っております。避難所において生活を余儀なくされた場合につきましては、子育てに資する環境の整備が必要であることを認識しているところでございます。  しかしながら、授乳室や更衣室などの確保が十分でない現状を課題であると捉え、避難所における間仕切りの配備を進めるとともに、避難所となります学校の体育館のほかに開放できるエリアの確保に向け検討し、関係部署とも調整を図っていきたいと考えております。  以上でございます。 272 ◯5番(前川浩子議員) 御答弁ありがとうございます。  妊産婦、乳幼児の支援につきましては配慮が必要であると捉えられてるというお言葉、まことにありがたく思っておりますが、備蓄、避難所での環境整備の必要性を認識しているとのことです。ありがたいと思っておりますが、まず、要配慮者としての母子、妊産婦、乳幼児の特性を明確にしていくことが必要ではないかと思っております。  妊婦とはどのような状態にあるか。産婦とはどのような状態にあるか。乳児は、そして幼児は。簡単に妊婦と言いますが、初期、中期、後期で大きく心身の状態が変わり、胎児の成長に伴い、体重の変化、体型の変化、ホルモンバランスの変化により新陳代謝が活発になる。疲れる。つわり。長時間立っていられない。重いものを持つことができない。腰、背中等の痛みが出やすい。精神的にも出産への不安、感情の起伏が激しくなる。ほかにもいろいろバリエーションはあるかと思うんですけれども。  産婦とは何か。出産したら終わりじゃないんです。6週間から8週間は産褥期で、母体の回復のために休養が大切です。分娩からの疲労、腰痛、排せつ障害が起こることもございます。授乳になれるまでの負担、乳腺炎を起こす方もいらっしゃる。育児に対する不安が強くなり、マタニティーブルー、産後鬱になる方もいるので、ここは非常に注意が必要なところです。  さて、生まれた赤ちゃん。乳児とは1歳未満の子どもです。人生で1番大きく成長する時期です。体重当たりで1日成人の3倍の水分量が必要。腎臓の機能が未発達なので、脱水症状を起こしやすいんです。ここは災害が起こったときの避難所においてすごく大事なところだと私は思っております。体温調節が未熟。免疫抵抗力が弱い。新陳代謝が激しいため肌が汚れやすい。排せつのケアが必要。言葉で意思を伝えられないので泣く。  幼児。運動面、精神面、情緒面の発達が著しい。身体発達が顕著。運動能力が高まる。体重当たりの栄養所要量は成人より多い。そしゃく、消化機能、排せつが発達する。言葉が話せるようになり社会性が出てくる。  妊婦とは。産婦とは。乳児とは。幼児とは。何かの全く一部でしかありませんけれども、ここで妊産婦、乳幼児は非常にリスクが高いという認識を持っていただきたいです。授乳室、更衣室のレベルの話ではございません。  また、要配慮者としての母子特有の特徴が東京都のガイドラインに述べられています。同じ妊婦であっても、妊娠週数の違いで、体型や心身の状態、ニーズ、必要とする生活環境は異なります。  乳幼児も同じです。生活上の留意点が月齢等で大きく異なります。個々の人の心身の状態の差が大きい。  妊婦はまた、同じ週数であっても、心身の状態、つわり、体型は一人一人異なる。乳幼児も、同じ月齢であっても成長の度合い、排せつ頻度などはそれぞれ異なる。継続した観察と時期に応じたケアが必要です。  母体と胎児の安全、妊娠経過、乳幼児の心身の発達の把握、ハイリスク妊娠、乳幼児の疾病の予防のための継続的な受診、健康診断、産後ケア、離乳支援などが必要となります。これらを含んでの支援です。  そして、栄養及び水分、衛生の確保が幼い命の存続に大きな影響を与えます。これらは母子ならではの特徴であり、それに対応した防災対策上の配慮が必要だと私は考えます。  母子には、粉ミルク、おむつ、生理用品など母子特有の必要な物資があります。生活物資の備えは、一義的には各人が最低3日間の準備をすることは重要ですが、母子が避難する際に持ち出せる量には制約があります。大きなおなかで大きな荷物は持てません。幼い子どもがいたら荷物の量は限られます。子どもの人数が複数であれば、さらに困難です。母子が生活する上で、生命・健康を維持するために、必要性の高い物質は自治体が支援物資を確保することが重要となるのではないでしょうか。  備蓄についてお聞きいたします。地域防災計画の資料編に備蓄の一覧があります、粉ミルク、おむつの備蓄の積算根拠は何でございましょうか、お聞かせください。 273 ◯矢部隆之行政管理部長 お答えいたします。現在の備蓄につきましては、震災時の避難生活者数の推計で4万人をもとに本市の年齢構成割合で乳幼児の人数を算定し、備蓄を行っております。なお、ミルクやおむつに限らず、本市の備蓄につきましては基本的に3日分の備蓄を行っているところでございます。  しかしながら、人数についてはあくまでも被害想定によるものであることから、日ごろから市民の皆様には最低でも3日分以上の備蓄を行っていただくようお願いをしているところでございます。  以上でございます。 274 ◯5番(前川浩子議員) 御答弁ありがとうございます。  粉ミルクは緑町の倉庫に400缶あるということはお聞きしております。おむつは、それぞれの避難所や朝日町に全部で3万4,490枚あるとお聞きしていますが、ミルクが1缶300グラムと聞いたんですけれども、300グラムだと、計算すると、2日もたないんですよね。2020年2月11日現在の人口は、ゼロ歳児が1,867人、1歳児が1,982人、ここの年齢がミルクが必要な年齢だとして算出いたしましたけれども、3,849人が2歳未満、全人口が26万188人。全人口に対する乳児の割合が0.015%と出まして、被害が最大とされる立川断層地震では長期避難者3万9,980人。ここから割り出すと、長期避難者の中の2歳未満は約600人となりました……、推計のお話でございますが。  ミルクの必要量というのは、100ミリリットルのミルクをつくるのに13.5グラム。1日に780ミリリットル飲むとしたら105グラム。これで計算していきますと、1缶300グラムだと、2日弱しかもたないという計算が出たので、ちょっとこれは見直していただけますでしょうか。(「基本的に備蓄品でしょう。自分で用意するんだよ」と呼ぶ者あり)(「母乳じゃないの」と呼ぶ者あり)母乳はとまる人もいますから、3日間、72時間の命をつなぐためにも粉ミルクは重要なんです。そこをもう一度確認していただきたいのと、ミルクをつくるには、緑町に一緒に入ってるとお聞きしていますが、ミルクと哺乳瓶と水、でも、この水は80度以上のお湯にしなければいけないので、熱源も要る。これがセットでちゃんと必要な人に届くような、そんな方策を立てていただきたいと思います。  水が備蓄の一覧には入っていないんですけれども、その辺も調べておいていただけるとありがたいんですけれども。  次の質問をさせていただきますけれども、12月議会でも二次避難についてお聞きいたしましたけれども、その後、二次避難の整備について進捗はいかがでございましょうか。お聞かせください。 275 ◯矢部隆之行政管理部長 お答えいたします。本年度、備蓄品の充実を図ったところでございまして、食料、水、毛布、カーペット、投光器及び発電機等を二次避難所となる各文化センターに配備したところでございます。  なお、乳幼児に必要なミルクやおむつにつきましては、今、御指摘いただきました防災倉庫や一次避難所等から申し込むこととなっております。  以上でございます。 276 ◯5番(前川浩子議員) ありがとうございます。12月にも聞きましたが、その後、さらなる備品の充実を図ったということですけれども、12月にも申し上げましたけれども、人員の配置が全く見えない。二次避難所は、要配慮者、ケアが必要な方が二次避難所に行くのであれば、そのための知識・経験のある人間を配置なくてはならない。ここのところが、時間の中のフローの中で何を誰がどのように整えているのか全く見えないので、きちんとしたプランを立てていただきたいです。  ミルクの話ですけども、粉ミルク400缶が緑町の倉庫にあるのを、誰が一次避難所へと持っていくのか。それをまた二次避難所に持っていくのか。そういう時間の中でのフローの役割分担を大きく考えていただきたい。でなければ、二次避難所と言ってみても、二次避難所というのは全く存在しないのも一緒です。今、福祉避難所のほうが着々と整備されているような気がいたします。協定に向かっているところもありますし、この辺のところは、二次避難所の開設に当たっては、それこそ自主防災会議がございますので、その辺の御協力もいただいて、ぜひともケアが必要な人が行く二次避難所というをきちんと確立していただきたいと思います。これはお願いでございます。  今回の妊産婦、乳幼児を守る災害時の対策についての質問ですけれども、母子救護所について、文京区等では母子の支援に特化した対策をとっておりますけれども、府中市では母子救護所というのは考えられないかどうかというのを聞かせください。 277 ◯矢部隆之行政管理部長 お答えいたします。本市におきましては、福祉避難所につきましては、高齢者施設及び障害者施設のみの配備となっていることから、現在、妊産婦や乳幼児向けの福祉避難所の確保に向けて関係機関と調整を進めているところでございます。  以上でございます。 278 ◯5番(前川浩子議員) では、府中市においても新生児、乳幼児向けの福祉避難所の確保に向けて進んできているという理解でよろしいのでしょうか。  文京区では、2011年の東日本大震災後に被災地へ赴任した職員、医師会からの提言、大学、助産師会の協力のもとに、文京区の地域防災計画に基づき、2012年より妊産婦、乳幼児の災害対策、災害時、おなかの中の赤ちゃんを守るプロジェクトを行い、四つの大学を妊産婦、乳幼児救護所と指定しています。対象は妊婦、乳児、ゼロ歳児とその母親。スタッフは区の職員、大学の教職員が運営を担い、妊産婦のケアは助産師会から派遣される助産師、看護師、医師などが行っています。開設は区災害対策本部の決定により、発災から最大7日間。備蓄は、非常食、毛布、新生児用ミルク、非常用の分娩セットなど。また、世田谷区では、私立学校などと乳幼児の避難所となる協定を結んでいます。  市内にある社会的資源を最大限に活用し、妊産婦、乳幼児の命を守る施策をぜひとも府中でも進めていただきたいです。  文京区、世田谷区のほかにも、港区、北区、江東区、この近くでは、三鷹市、調布市、日野市、小平市、福生市などが災害時の母子に特化した避難所の確保を行っているところでございます。  さて、子どもが多い場所と言えば、保育所、保育園、幼稚園がございます。平成29年6月に水防法が改定され、河川の氾濫により浸水が想定される地域における要配慮者利用施設は、洪水時における利用者の円滑、迅速な避難の確保を図るため、避難確保計画の作成が義務づけられました。要配慮利用施設とは、社会福祉施設、学校、医療施設、その他防災上の配慮を要するものが利用施設です。保育所、保育園、幼稚園も含まれています。  子育ての現場にお聞きします。昨年10月に大型の台風19号が猛威を振るいましたが、台風や大雨に伴う災害に対して保育施設ではどのように備えていますか。よろしくお願いいたします。 279 ◯議長(横田 実議員) 答弁願います。子ども家庭部長。 280 ◯沼尻 章子ども家庭部長 水害に対する保育施設での備えといたしましては、水防法の規定に基づく多摩川の高水位時における避難確保計画案を今年度末までに作成いたします。この計画では、具体的な避難行動や取り組みを想定し、児童の命を守り、安全に避難させることができるよう、発災時の対応に備えております。  以上でございます。 281 ◯5番(前川浩子議員) 避難確保計画をおつくりになっているっていうことで、子どもの命を守る御努力をなさってるんだなというのをひしひしと感じておりますけれども、多摩川の洪水時における避難確保計画の主な検討内容を少し教えていただけますでしょうか。よろしくお願いいたします。 282 ◯沼尻 章子ども家庭部長 お答えいたします。当該計画につきましては、水害時浸水想定区域に所在する保育施設及び幼稚園がそれぞれ作成することとなっており、その内容といたしましては、施設が所在する地域の水害リスクの把握、警戒レベルに応じたタイムスケジュール、避難先に向かう経路図や避難時に持ち出す備蓄品の一覧などを定めております。なお、避難先につきましては、台風19号が発生した際の避難所の状況を勘案し、児童が少しでも落ちついて過ごせる環境に避難することを目的として、公立保育所間で避難することなどを想定しております。  以上でございます。 283 ◯5番(前川浩子議員) 御答弁ありがとうございます。リスクの把握、警戒レベルに応じたタイムスケジュール等々、本当に細かく、備蓄や持ち出しまで一覧になさって、子どもたち一人一人が災害に巻き込まれないように、その命を大事にしようという方々の、保育士また幼稚園の先生のお心と緊張感が見て取れるこの計画でございますが、さて、これは水害でございますけれども、地震災害が発生したとき、30年以内に70%と言われながら、どんどん過ぎて、あれからもう12年たっておりますけれども、地震災害が発生したときの対応はどのように想定していらっしゃいますか。お聞かせください。 284 ◯沼尻 章子ども家庭部長 お答えいたします。公立保育所では、保護者が帰宅困難となり、児童を引き渡すことができない場合を想定し、災害時非常用備蓄物品として、常時3日間の食料、水、ミルクのほか、ライト、カセットコンロ、紙おむつなどを備蓄しております。また、公立保育所では、午睡中や園外活動中などの保育の場面ごとに必要な対応を定めた防災マニュアルを作成しており、発災時の保護者への連絡方法や引き渡し方法、児童の心理的、身体的な状況に応じた職員の具体的な対応を想定するなど、迅速かつ安全に避難行動ができるよう備えております。  以上でございます。 285 ◯5番(前川浩子議員) 御答弁ありがとうございます。2011年、東日本大震災のときに、府中市の市内の保育園、保育所では、保護者の方が帰ってくるまで、朝まで万全を期して子どもたちを守ったと聞き及んでいます。今回も、この防災マニュアルを作成し、子どもたちが保護者のところにきちんと安全に引き取られていくまで、保育所、幼稚園、保育園は頑張ってくれるのだなと思って、必要なときに必要な事柄が機能していき、災害を乗り切っていくことができるという力強い思いを感じております。  災害に対しては、計画も大事なんですけれども、そこにいる子どもたちとともに何か災害に関することで取り組んでいることがあれば、お聞かせください。 286 ◯沼尻 章子ども家庭部長 お答えいたします。保育施設では、毎月、火災や地震などを想定した避難訓練を必ず実施しており、こうした訓練を通じて災害に対する意識啓発が図られているものと考えております。また、公立保育所では、年に1回、消防署職員をお招きし、消防車の見学や消防士による火災予防指導なども実施しております。  以上でございます。 287 ◯5番(前川浩子議員) ありがとうございます。子どもたちへの啓発というのは、言葉がすごく固いような気がするんですけれども、保育施設で避難訓練をしている、私の知り合いの孫が2歳なんですけれども、ぐらぐらと来ると、「ばばちゃま、テーブルの下」と言うそうなんですね。子どもたちは本当に学ぶことが早くて、柔軟に学んでいくことで自分たちの命も守られていくのかなと思っております。消防車は大好きですよね。その消防車が自分たちの命を守ってくれるものだと、できれば大きくなって消防団に入ってくれればいいなと思いながら見ておりますけれども、子どもたちにとってはとても消防車が大事なんです。本当に好きなんです。なので、そんなこともあればいいなと思っております。  今までるるいろいろ聞いてまいりましたけれども、母子保健を担当している部署では幅広くなさっていると思いますけれども、どのような取り組みを行っているかお聞かせ願いますでしょうか。 288 ◯沼尻 章子ども家庭部長 お答えいたします。母子保健に係る業務では、平成28年に妊産婦支援活動に関する協定を助産師会と締結し、災害時には、妊産婦がいる避難所の巡回や都が指定する後方医療機関への搬送の要否に関することなどの協力体制を整えております。  また、通常業務においては、妊娠届け出時にお渡ししているマタニティーサポートブックに妊娠中や出産後に必要な災害用品を紹介しているほか、離乳食教室の中で災害時に備えた食料の備蓄などについて説明しているところでございます。  以上でございます。 289 ◯5番(前川浩子議員) 御答弁ありがとうございます。母子保健というのは本当に子育ての大きなかなめでございます。府中市は生まれる前からずっと切れ目のない子ども・子育て支援をしていて、その核の一つである母子保健の担当が防災上いろいろお取り組みをなさっているというのは、本当に心強く思います。今、おっしゃっていたマタニティーサポートブック、この中にちゃんと、いろいろ注意するところの中に防災も入っているというのはすごくありがたいことだと思います。  助産師会と協定を結んで災害時に巡回をなさる。これは文京区等々でも行われている妊産婦、乳幼児への支援の一つの大きなかなめなんですね。だから、母子救護所がないとしても、ベースにあるシステムとしては、府中市は助産師会とともにつくり上げてきていると私は感じております。ここはとても大きなところです。場所がなくても、巡回してくださるんだったら、本当にそれが安心ですので。  また、通常業務において、このマタニティーサポートブック、ここに防災のことが書いてございますけれども、そのほかに食料の備蓄などを教えてくださる。私は、いろいろなアンケートや調査結果、そして先日ございましたママチャーリーズの学習会、子育て中のお母さんたちが来るんですけれども、皆さん、まず備蓄に何を持って行っていいのかわからない。何をどうしたらいいかというのがわからない。子どもがこれから生まれるという人はもっとわからない。そこのところを誰かが伝えていくということが非常に大事なんです。備蓄は3日、備蓄は3日と簡単に言いますけれども、いいですよ、男の人は。自分の好きなものをためておけばいいかもしれない。でも、私たち女は赤ん坊のものをまずそろえなければいけないというところから始まる若いお母さんたちがいる。私はそこに手を差し伸べたい。そういう思いでおります。母子保健を担当しているところは、そのようなことも着々となさっていらっしゃるということは、とても大きなことだと思います。  とにかく、いろんなことがわからないというお声が多く、災害の前に準備しておけばよかったというお声が多かったです。なので、やはり啓発というものが非常に必要であって、今回このマタニティーサポートブックを拝見いたしましたけれども、このほかにも子育て支援グループが府中市の中にさまざまございます。そこで何か学習会のようなこととか、お話し合いのようなこととか、そのときに災害のこと、そして備蓄のことを伝えていきたい。  また、保育所、保育園、幼稚園等々は保護者の方に定期的にお知らせする、防災訓練をなさるということで、防災への気づきというのがございます。それ以外の方たちのところに、私は子ども食堂にもかかわっておりますので、そこに来る子ども、親、そういう方々ともお話をしていきたい。いつまた大きな地震があるかわからない、水害があるかわからない。そのときに命が失われるようなことがないように、市の広報でもさまざまなさっているのは知っておりますけれども、普及活動をしていきたいと思っております。  市が行う普及活動の中に、ぜひとも液体ミルクを入れていただけたらと思います。12月議会で遠田議員も私も液体ミルクについてお話しを申し上げましたけれども、まだ調査中ということでした。乳幼児の健診の際に、液体ミルク、サンプルのようなことでお渡しする等々していただくことができましたら、とてもありがたいと思います。東日本大震災のときに、3日間、72時間何も支援物資が来ずに、生まれたばかりの赤ちゃんに冷たく冷えたおにぎりの米一粒を口でよくかみ砕いて与えて命をつないだ母親がいるんです。この府中でそんなことにならないように、液体ミルクを取り入れることも一つの手法です。子どもたちの命が守られるような府中をつくってまいりましょう。  今回、この質問をするに当たって、子育て関連の方々にいろいろお話を伺いました。さまざまお聞きする中で、個々に対策を立てて、重層的に行っているということが大変よくわかりました。そして、これからその対策、計画を横断的につないで、時間のフローの中で有機的な動きをいかにつくっていくか。全庁あげての取り組みを防災、災害対策の中枢を担う防災危機管理課が推進していくことを強く要望いたします。  あと2週間ほどで3月11日、東日本大震災から丸9年になります。近年の大規模な自然災害の頻発、さまざまな対策が求められているのは承知しておりますが、地域防災計画にぜひとも妊産婦、乳幼児の支援を位置づけ、明記し、施策を進めることを強く求めます。  妊娠している方のおなかにいるのは未来を担う命です。生まれたばかりの幼子は未来へとつなぐ命です。この小さな命を守ることに力を注いでいきたい。そんな府中であってほしいと願い、私の一般質問を終わります。ありがとうございます。 290 ◯議長(横田 実議員) 以上で、前川議員の質問を終わります。        ────────────── ◇ ────────────── 291 ◯議長(横田 実議員) これをもちまして本日の日程は終了いたしましたので、これにて散会いたします。              午後7時41分 散会 Copyright © Fuchu City, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...