武蔵野市議会 2021-03-26
令和3年第1回定例会(第6号) 本文 開催日: 2021-03-26
↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 ○午前10時00分 開 議
◯議 長(小美濃安弘君) これより本日の会議を開きます。
直ちに議事に入ります。
本日の議事は、日程第6号をもって進めます。
日程第1 議案第26号 武蔵野市教育委員会教育長の任命の同意についてを議題といたします。
提出者の説明を求めます。
2 ◯市 長(松下玲子君) ただいま上程されました議案第26号 武蔵野市教育委員会教育長の任命の同意について御説明申し上げます。
本議案につきましては、教育長の任命の同意をお願いするもので、竹内道則現教育長が本年3月31日をもって任期満了となりますので、引き続き任命いたしたいと考え、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第4条第1項の規定により、議会の同意をお願いするものでございます。
竹内教育長の経歴につきましては、お手元の参考資料を御参照賜りたいと存じますが、人格、識見とも教育長にふさわしい人物と考えておりますので、何とぞ御同意のほど、よろしくお願いいたします。
3 ◯議 長(小美濃安弘君) お諮りいたします。本案は委員会付託を省略したいと思いますが、これに異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
4 ◯議 長(小美濃安弘君) 異議ないものと認めます。よって、本案は委員会付託を省略することに決しました。
お諮りいたします。質疑、討論を省略して採決に入りたいと思いますが、これに異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
5 ◯議 長(小美濃安弘君) 異議ないものと認め、採決に入ります。
議案第26号 武蔵野市教育委員会教育長の任命の同意について、本案に同意することに賛成の方は起立願います。
(賛成者起立)
6 ◯議 長(小美濃安弘君) 起立全員であります。よって、本案は同意することに決しました。
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7 ◯議 長(小美濃安弘君) 次に、日程第2 議案第15号 令和3年度武蔵野市一般会計予算、議案第16号 令和3年度武蔵野市
国民健康保険事業会計予算、議案第17号 令和3年度武蔵野市
後期高齢者医療会計予算、議案第18号 令和3年度武蔵野市
介護保険事業会計予算、議案第19号 令和3年度武蔵野市水道事業会計予算、議案第20号 令和3年度武蔵野市
下水道事業会計予算、以上6議案を一括して議題といたします。
予算特別委員長の報告を求めます。
(予算特別委員長 堀内まさし君 登壇)
8 ◯予算特別委員長(堀内まさし君) ただいま議題となりました令和3年度武蔵野市一般会計予算及び3特別会計予算、水道事業会計予算並びに
下水道事業会計予算に関する予算特別委員会における審査の概要と結果について御報告いたします。
本予算特別委員会は、3月2日の本会議で議長指名された12名の委員で構成され、3月15日、議長招集による第1回の委員会が開かれ、委員長及び副委員長の互選を行いました。その結果、委員長には、私、堀内まさしが、副委員長には、深沢達也委員が選出されたことを御報告いたします。
また、
新型コロナウイルス感染症に係る緊急事態宣言を受け、委員会開催時間に配慮し、3月15日の委員長及び副委員長の互選後、全ての予算についての説明を一括して受けることといたしました。
なお、議案審査は3月16日から23日まで、実質5日間にわたり、慎重に行いました。
それでは、これより審査の概要とその結果について御報告いたしますが、審査は詳細にわたったため、逐一網羅できませんことをあらかじめ御了承願います。
初めに、人件費を含めた総括の審査に入りましたので、その概要から御報告いたします。
主な質疑は、次のとおりでした。
1)令和3年度予算はどのような予算編成であったか、苦労した点などについて伺う。答え、市税が30億円減になった上に、令和元年度、2年度に組んだ債務負担が30億円あり、難しい予算編成となった。例年行っている概算要求をやめ、経常経費と政策的経費を同時に査定したり、事務事業の見直しやシーリングにより経常経費を削減しながら、市債や基金を例年よりも積極的に活用することで、財源を確保した予算編成を行った。2)
高校生等医療費助成事業は新規事業であるので、
パブリックコメントを募集するなど丁寧に進めるべきだったと考えるが、見解を伺う。答え、自治基本条例に基づく規則において、市で実施するパブコメの対象を定めており、それに該当しないため行わなかった。3)予算編成の前提として、
新型コロナウイルス感染症はこの先どうなっていくと考えるか伺う。また、コロナ対策として令和3年度予算で組まれている事業と、その後も続く事業はどのようなものがあるか。答え、
新型コロナウイルス感染症は、ワクチン接種が始まったとしてもすぐに収束するものではなく、長期的な考えで市政運営を行っていかなければならないと考える。令和3年度はコロナ対策として、国の法定受託事務と市独自のものとで9億4,000万円ほど計上している。生活支援に当たるようなものは予算化できていないが、国の交付金等の動きを見て必要なときに予算計上したい。その後の事業については、その時々の状況を見ながら必要性などを判断し、編成していく。4)学校施設等の公共施設の大更新時代に突入したと考えるが、今後の財政運営の基本的な考え方を伺う。答え、財政を一番大きく左右する建築事業について、令和3年度の
公共施設等総合管理計画の改定の際に事業費を算出し、市税や人口状況等も踏まえ、第六期長期計画・調整計画で
財政シミュレーションをつくっていく。その中で今後の財政をどう運営していくか議論することになると考えている。5)国の緊急事態宣言は当初2月までだったが3月まで延長された。予算編成はその前に行われたと思うが、延長による影響について伺う。答え、今すぐ予算編成に影響があるということはない。コロナの状況によっては、また来年度も補正予算や臨時議会が必要になるかもしれないが、その都度、議会に相談させていただく。6)財政援助出資団体の人件費については、この先増えていくのか。また団体にはなるべく自立を促すべきだと思うがいかがか。答え、今後新たな行政課題が出てきて、それを市がやるのか、財政援助出資団体がやるのか、あるいは民間とともにやっていくのかについては、その都度検討していくことになるので、今の段階で事業の規模や人件費を予測することは難しい。自立についてはそれぞれの団体の置かれている状況に応じて促していく。7)コロナ禍における生活困窮者に対する支援が当初予算に盛り込まれていないように思うがどうか。答え、苦しんでいる方や弱い立場の方を支援するということが非常に重要だと認識している。給付的なものは国や都の役割であって、市の役割は主に相談支援体制の充実だと考えている。その中で不安や苦しみを受け止め、現状を把握して、今後機動的に施策を行っていきたい。8)財政調整基金の取崩しの理由を伺う。また、令和3年度は10億円を取り崩し、年度末に50億円に減るが、その後の積立てをどのように想定しているのか伺う。答え、財政調整基金は、災害時への備えや経済情勢の変化等による年度間の財源の調整のためにあり、今回はコロナ禍における財源の調整のために取り崩すこととした。今後は来年度末補正予算を組む中で、財源が生み出された場合に積み立てていく。9)長期計画と
国土強靱化地域計画と地域防災計画と震災復興に関する基本方針の4者の位置関係を伺う。答え、市の政策は原則として長期計画に基づき、立案、実施される。
国土強靱化地域計画は、長計に掲げた個別施策を展開するに当たり、国土強靱化に関わる指針性を与える計画である。
国土強靱化地域計画が策定された後は、次期の長期計画・調整計画策定の際に強靭化の観点で反映されていくということになる。地域防災計画は、大震災などのリスクを特定し、そのリスクに対する対応をまとめたもので、
国土強靱化地域計画は、あらゆる大規模自然災害等を想定し、最悪の事態を明らかにし、そこに至らないための事前の取組の方向性を取りまとめるもので、震災復興に関する基本方針は、災害時の復興に当たり必要となる業務内容や分担をあらかじめ確認し、円滑な業務遂行に向け備えることを目的とするものである。所管課は別々だが、それぞれが共管し、整合を図って進めていく。
以上で人件費を含む総括の質疑を終わりました。
続いて、歳入の審査を行いました。
主な質疑は以下のとおりでした。
1)本市の歳入のおよそ6割を占める市税収入について、令和3年度は市税全体で29億8,400万円程度の減を見込んでいるが、そのうち個人市民税及び法人市民税の減収見込額の根拠を伺う。答え、個人市民税については、リーマンショック時の平成22年度決算額の前年度比がマイナス6%であったことをベースに、令和3年度の税制改正による基礎控除と給与所得控除の見直しが本市にはプラスに働くこと、また納税者数が若干伸びていることを加味し、5億6,000万円ほどの減を見込んでいる。法人市民税は、平成20年度と21年度の平均である25%程度の減少に加え、事業者の業績低下というマイナスと、税制改正による地方法人課税の偏在是正として4億2,800万円ほどマイナスがあることの影響を考慮し、全体で7億3,000万円強の減を見込んでいる。2)都市計画税の減免について、コロナの影響で先が見通せない状況の中、今後も策を講じなければならないことがあるのではないかと考えるが、現在の考え方を伺う。また、都市計画税減免に対する市民からの評価について把握しているか。答え、様々な根拠に基づいて厳しく予算の見積りをしており、実際に市税が確定する6月頃に状況を見ながら、その先の対策を行っていきたいと考えている。また、減免のニュースが出た後には二十数件の歓迎の声をいただいた。3)令和2年度に
ふるさと応援寄附事業を産業振興課に所管替えをしているが、本市の
ふるさと応援寄附事業に対する現在の考え方について伺う。答え、通常のふるさと納税の考え方ではなく、武蔵野市の3つの基本コンセプトである、市の魅力発信、地域産業振興の充実、市政の充実と未来への財源確保という考え方に基づき、産業振興課が事業を担っており、今後も
シティプロモーションを含め、この制度をうまく活用していきたいと考える。
以上で歳入の質疑を終わりました。
続いて、第1款議会費の審査を行いました。
主な質疑は以下のとおりでした。
1)調査旅費108万円を縮小しているが、今後もこの調査旅費の縮小は経常的に行われるのか。答え、今回は、令和2年度から開始した常任委員会のインターネット中継を令和3年度以降も継続して行うために、事務事業の見直しを行い、削減したものであり、経常的に行うことは考えていない。
以上で第1款議会費の質疑を終わりました。
続いて、第2款総務費の審査を行いました。
主な質疑は以下のとおりでした。
1)
外国籍市民意識調査を実施するとのことだが、現状ではどういったニーズがあるか把握しているか。また、多
文化共生推進プラン(仮称)策定に向けたスケジュールを伺う。答え、平成28年度に実施した外国籍市民への意識調査の結果から、情報入手の困難さや言葉の壁を感じている方が多いと認識している。多
文化共生推進プラン(仮称)の策定に向けては、令和4年度に外部有識者を含めた委員会を立ち上げ、今回の意識調査の結果を踏まえて施策の方向性を定めていきたい。2)令和3年度には小・中学生に
学習者用コンピューターが貸与されるため、
コミュニティセンターでタブレットを使った学習ができるよう、Wi-Fi環境の整備を急ぐべきではないか。答え、Wi-Fi環境の整備は、感染症と共存する
コミュニティセンターの在り方として、
コミュニティ評価委員会の報告書でも提言されている。
コミュニティセンターは公共施設であり、自主管理原則との関係を整理した上で、整備については前向きに検討したい。3)本市では、
マイナンバーカードが必須となるサービスの実施は検討しているか。また市報では、手続の際は
マイナンバーカードをお持ちくださいと記載しているが、代替手段もある以上、カードの所持を強制するような案内は不適切ではないか。答え、住民票等のコンビニ交付には
マイナンバーカードが必要だが、それ以外のサービスでカードを必須とすることは考えていない。また市報の記載は、身元確認のためにマイナンバーの分かる書類の提示を求める趣旨であり、マイナンバーが記載された住民票の写しでも確認できるため、案内の仕方は工夫したい。4)旧赤星邸の利活用について、登録有形文化財の認定に向けた見通しを伺う。また、活用方法として建物内の自由な見学を認める方向なのか。答え、文化財認定の基準には合致すると考えており、令和3年度は登録に向けた建物の調査を行い、登録後は検討委員会を立ち上げて、利活用に向けて検討を進めたい。なお、内部の公開については、耐震性やバリアフリーの観点で改修が必要なため、活用方法についての御意見として承りたい。5)RPAの導入について、現段階で課題と捉えている点を伺う。答え、どういった業務に導入するべきか、シナリオ作成を外部委託ではなく内製化するかという点のほか、導入自体が目的とならないような進め方も課題だと考えている。6)子どもの権利条例は条例である以上、地域社会での約束事を定めるものである。高校生等の医療費助成事業は、子どもの権利条例を制定した後に、子どもの支援の在り方を議論した上で実施すべきと考えるが、なぜ医療費助成を先行して実施するのか。答え、子どもの権利条例は、子どもの権利条約の理念を条例化して恒久的に保障することが目的である。一方医療費助成は、
新型コロナウイルス感染症の拡大を踏まえ、急ぎ実施する必要がある。いずれもこれまでの議論を踏まえ、第六期長期計画や第五次子どもプランに従って推進するものであり、子どもの権利条例を先に制定すべきという関係にはないと考える。7)武蔵野公会堂は、平成12年に策定した市施設の耐震安全性能基準における耐震安全性の分類ではII類の建築物に該当するが、構造耐震指標であるIs値は基準を満たしていない。このような状況でも公会堂の延命化を行うのか。答え、本市の基準は、既存建築物については様々な制約要因があるため、新築時とは異なり、できる限りの対応をするという趣旨だと理解している。武蔵野公会堂はコンクリートの中性化が想定よりも進んでいないことが判明したため、延命化も一つの選択肢として、耐震性能も含めた調査やシミュレーションを令和3年度に行いたい。8)障害者を対象とした会計年度任用職員の任用は、第六期長期計画に記載のとおり、有為で多様な人材の知見を役立てていくという考え方の下に進めるべきではないか。答え、障害者である職員の任用継続によって、多様な価値観の中で付加価値が生じると考えており、そのような目的も意図して進めたい。
以上で第2款総務費の質疑を終わりました。
続いて、第3款民生費の審査を行いました。
主な質疑は以下のとおりでした。
1)
成年後見制度地域連携ネットワークの構築と
成年後見利用支援センターの運営について、運営委託料の内訳を伺う。また、意思決定支援の考え方やマッチング支援等について伺う。答え、運営委託料の主なものは人件費である。意思決定支援は
成年後見利用支援センターが中核機関となり、利用者本人や家族等の意思を把握した上で成年後見につなげていく。マッチング支援等については、様々な意見を踏まえながら検討を進めていく。2)福祉総合相談窓口(仮称)の設置について、役割や想定される相談件数、配置される職員について伺う。答え、どこに相談してよいか分からない方の窓口を明確にし、多部署にわたる相談を途切れないように調整する役割を担うもので、担当する部署が分からないまま寄せられる相談は、年間60件程度であると見込んでいる。窓口には保健師や相談支援業務の経験者を配置し、
生活福祉課生活相談係1名増員の5人体制で対応する。3)
生活困窮者自立支援事業について、令和3年度予算は大幅な増額になっているが、支援事業別の利用傾向について伺う。答え、
生活困窮者自立支援事業予算の増額は、
住居確保給付金事業の申請件数が増えており、申請支援を行う福祉公社に1名増員する人件費を計上しているためである。就労準備支援事業や学習支援事業は、
新型コロナウイルスの影響で利用件数が減っている傾向にある。4)子ども・子育てを包括的に支援する体制の整備が予定されているが、整備に伴ってどのように予算が変化するのか伺う。答え、今まで
子ども家庭支援センターが所管していた産前・産後支援ヘルパー事業、
ショートステイ事業が子ども・子育て支援事業に移管されるほか、桜堤児童館で行う
子育て支援サポーターや母子保健型の利用者支援事業の人件費などにも、国や都から補助金が交付されるようになる。5)0123施設の四、五歳児受入れは事業としてなかなか難しいのではないか。また、設置当初の理念から外れるのではないか。答え、以前よりアンケートなどで、四、五歳児受入れを要望する声があったため、小さな敷地で構造上可能かどうか、安全に受入れができるか等を、幼稚園が夏休みとなる6月から8月頃に試行する。制度設計を行った当初から、幼稚園にも保育園にも行っていない、保育に欠けている方々の施設として設置したので、基本的な理念に差はない。6)保育士等人材の確保について、アクションプランには、人材確保のため会計年度任用職員の活用を図るとあるが、保育の質の向上を図ることとの関係に影響はないか。答え、現在も保育現場で会計年度任用職員に活躍していただいており、会計年度任用職員の活用により、保育の質の向上を図る取組は現在も行っている。
以上で第3款民生費の質疑を終わりました。
続いて、第4款衛生費の審査を行いました。
主な質疑は以下のとおりでした。
1)エネルギー地産地消プロジェクトで行った市内小・中学校への電力託送事業の実績を伺う。また、災害時のシミュレーションについて伺う。答え、令和元年度の自己託送実績は3万6,420キロワットで、夜間電力を市内18小・中学校へ送っている。災害時に拠点となる市役所エリアには、一般家庭で半年分のエネルギー容量である1,620キロワットの蓄電池があり、災害対策は取られていると認識している。2)
新型コロナウイルスの影響により、ごみの排出量、組成分析の結果にどう影響が出たか伺う。答え、令和2年度の4月から1月までのデータではあるが、事業系可燃ごみが19.6%減り、家庭系可燃ごみが4%、不燃ごみが12.7%、粗大ごみが15.9%、資源ごみが6.1%増えている。資源ごみの中にプラスチックごみとして、プラ容器が5.9%、ペットボトルが10.5%増えている。組成分析の最新の結果は出ていないが、食品ロスの問題が顕著になってくると考えられる。3)
フードバンク活動団体支援事業について、市民社協と連携しながら場所の貸出し、保冷庫の設置を行うとのことだが、事業の詳細や補助金の活用について伺う。答え、
フードバンク活動団体と市民社協が連携し、エコreゾートのバックヤードに設置する保冷庫を活用し、事業を行う。東京都の地域福祉推進区
市町村包括補助事業の補助金を活用し、10分の10の補助を受ける予定である。4)
新型コロナウイルスワクチン接種事業について、高齢者や保育士、幼稚園等の先生に対する優先接種は行うのか。また、今後の周知方法はどうするのか伺う。答え、供給されるワクチン量を鑑み、高齢者の中でも施設入所者から接種を始めていき、施設入所者以外の施設利用者等については、今後の状況を見ながら検討していく。また、基本的には国の基準にのっとっているため、保育士等に対する優先接種は考えていない。まだ確定している情報が少なく、正式決定した段階で市民に周知していく。
以上で第4款衛生費の質疑を終わりました。
続いて、第5款労働費、第6款農業費、第7款商工費について、一括して審査を行いました。主な質疑は以下のとおりでした。
1)
都市農地保全プロジェクトの補助金は令和3年度の予算計上がなく、令和2年度限りの補助金に見えるが、これはどういうことか。また、都市農業に関しては相続による農地の減少が課題と考えるが、今後の対策を伺う。答え、令和3年度は
都市農地保全プロジェクトに応募する農業者がいなかったため、予算計上していない。また農地減少については、農地を農業者に有効に活用し続けられる場所にできるよう、制度の構築等で農業者をサポートしていきたい。2)
ふるさと応援寄附事業は、市の魅力発信、地産産業振興の充実、未来への財源確保という目的があるが、この目的を達成できるのか、方向性を伺う。答え、目的の達成については、市政に寄与できるよう市内の事業者と連携して目指している。また、返礼品がない医療機関支援を応援寄付という形にできたことは、制度として有効であったと感じている。3)緊急経済対策の効果検証のため、予算を803万円計上しているが、どのように検証を進めていくのか。答え、令和2年度の緊急経済対策を利用した全ての事業者に対し、アンケート調査を実施する。まちの経済状況の整理、地域の特性や産業構造等を把握した上で、今後どのような事業が検討できるか、展望を含め検証していきたい。4)観光振興事業として、オリンピック・パラリンピック需要を踏まえた多言語でまちの魅力発信等、観光事業を通じた地域の活性化を促すとしているが、オリ・パラは海外からの来客を受け入れない方向で動き出しているのが現状である。どのように事業を進めるのか伺う。答え、インバウンドも視野に入れつつ、国内での様々なプロモーションに転換できる仕組みを考えたい。5)
アンテナショップ麦わら帽子は経営状況が黒字化した点を評価する。経営方針や方向性を示しながら経営していただきたいが、いかがか。答え、アンテナショップは、本市も含め友好都市が寄り添って、それぞれの魅力を発信していくことを目的としている。そうしたコンセプトを改めて認識しながら進めていきたい。
以上で第5款労働費、第6款農業費、第7款商工費の質疑を終わりました。
続いて、第8款土木費について審査を行いました。
主な質疑は以下のとおりでした。
1)公園整備のバリアフリー化や遊具のユニバーサルデザイン化はどの程度進んでいるのか。また、その先のインクルーシブ化についての考えは。答え、入り口の段差解消など、ハード面でのバリアフリー化は令和3年度で一定程度達成されるが、遊具のユニバーサルデザイン化は今後の研究課題である。インクルーシブ化に向けては、市内の狭小な公園と都立公園などの大型公園との役割の違いを踏まえながら、何ができるのか個別に検討していく。2)管理組合が機能していない分譲マンションに対してはアドバイザー派遣事業などを含め、どのように対応していくのか。答え、東京都の条例に基づいて管理組合の届出制が実施されており、機能していないと思われる組合へ優先的にアプローチし、今後の方策を検討していきたい。3)三鷹駅北口交通環境基本方針の策定に向けた考え方を地域に展開していくに当たり、多様な立場の方々とどのように意見交換していくのか。答え、交通体系を変えなければ課題の抜本的な解決は難しいことを丁寧に説明していく必要がある。土地所有者へ個別に説明していくほか、駅周辺の商業者や交通事業者、子育てや障害者の団体など、様々な立場の方とワークショップ等を開催しながら意見交換をしたい。4)第2次の景観整備路線事業計画に基づく整備事業について、令和3年度の見通しを伺う。また、かねてより特定緊急輸送道路でもある市道17号線の早期事業化を要望しているが、進捗状況を伺う。答え、早期事業化路線のうち、文化会館通りは整備を進めており、令和3年度は水道部庁舎付近の電線共同溝本体工事を行う。亜細亜大学通りは、来年度は詳細設計に入る予定である。また、市道17号線は東京都のチャレンジ支援事業を活用しながら、当初の計画を前倒しして検討に入っている。5)今後も国からの交付金を確保するためにも、
国土強靱化地域計画の策定が急務とのことだが、具体的にどのような事業が対象となっているのか。答え、景観整備路線での無電柱化の推進や道路の延命化を図るための補修工事等が対象となっている。6)長期にわたって使用を制限している御殿山地区の中央高架下公園について、今後の整備方針を伺う。答え、バリケードで閉鎖している部分と西側の避難広場とを含めて整備する方向性を定めた。具体的には、健康遊具等を設置するエリアや幼児が遊べるエリアなどに区分けすることを考えており、令和3年度以降に整備方針を立てていきたい。7)大型街路灯のLED化事業によって、経済面や環境面でどのような効果を見込んでいるのか。答え、令和3年度からの2か年で計520基を交換することで、コスト面では、電気料金が基本料金ベースで年間600万円の減となるほか、耐用年数が10年から15年と水銀灯よりも長いため、維持管理費の軽減も図ることができる。環境面では、従前の大型水銀灯に比べ、CO2排出量を7割削減できると見込んでいる。
以上で第8款土木費の質疑を終わりました。
続いて、第9款消防費の審査を行いました。
主な質疑は以下のとおりでした。
1)地域防災計画の見直しになぜ2年間を要するのか。答え、防災会議で発議した後、市民調査を実施し、市民が災害にどのように備えているのか、現状を把握するほか、市民との意見交換を行う。その上で最終的に東京都との調整も必要となるため、全体で2年間ほど要するものと想定している。2)コロナ禍という制約がある現状において、大きな災害が起きたときの初動体制はきちんと取れているのか。答え、コロナ禍においても避難所運営訓練は実施しており、市の初動要員も参加している。
新型コロナウイルス感染症に対応した避難所運営に必要となる衛生用品も新たに購入しており、それらの使い方も含めて訓練したところである。3)防災活動拠点電源確保事業において、配備される蓄電池の蓄電量はどの程度か。答え、スマートフォンであれば60台分、ノートパソコンであれば20台分の充電が可能である。4)消防団員の確保に関し、女性団員も含め、その確保に困難を生じているが、どのように対策されているのか。答え、各分団で募集ポスターの掲示や、のぼりを立てるなどの方法でPRしたり、防災イベントで広報したりしている。地域防災のリーダーとして、その地域についての知識やリーダーシップも必要であり、各分団の役員も地域で募集活動を行っている。
以上で第9款消防費の質疑を終わりました。
続いて、第10款教育費の審査を行いました。
主な質疑は以下のとおりでした。
1)
学習者用コンピューターの準備状況及び導入に伴う教員の負担増への対応について伺う。また、
学習者用コンピューターの使用による子どもたちの健康被害やデータ保護の問題についてどう考えているか。答え、学校へのタブレットの配置は完了しており、現在、保護者説明会の準備や教員への研修を進めている。今後はICTサポーターに加え、端末導入支援員を配置して、体制を整備していく予定である。また各学校でICT活用推進リーダーを選任し、情報交換等を行ってもらっているが、1人の教員に負担がかからないように、複数での対応をお願いしている。子どもたちの健康問題については、文科省の通知も参考にしながら、目の健康や使用時間への配慮事項について周知したい。また、データのログは本人、学校、教育委員会のみが使用でき、卒業後、アカウントを削除すればログも削除される。
学習者用コンピューターの使用を通じ、情報の活用の仕方について学べる環境を整えていきたいと考えている。2)
学習者用コンピューターの活用に当たり、図書館のWi-Fi整備状況について伺う。答え、今年1月に中央図書館にWi-Fiを設置し、全館整備が完了した。それに併せICTの活用を図るため、パソコン等ICT機器が使える席の拡張を検討している。3)インクルーシブ教育の理念を踏まえて、交流共同学習支援員を中学校にも配置するということだが、どのような評価がされて配置拡充となったのか、また配置の体制について伺う。答え、特別支援学級と通常学級との連絡調整や情報交換が密になり、非常に効果があると評価している。令和3年度は、特別支援学級設置校である第四中学校に、小学校と同様の体制で配置する予定である。4)ふるさと歴史館について、コロナ禍におけるオンラインイベントの取組や、小・中学生の利用に対する工夫を伺う。答え、おうちで歴史館という動画サイトを作成し、子ども向けのものや、市民以外の方にも見てもらえるような、専門性のある特殊なテーマを扱った動画などを配信した。また、密にならないような形のワークショップや、学芸員による出張授業の開催をするなどの工夫を行った。5)中学校の改築はどのような段取りで進むのか、また、最終的に学校施設整備にどれだけのコストがかかるのか伺う。答え、昨年度、学校施設整備基本計画を策定し、今年度、第一中学校、第五中学校について、個別の改築基本計画を策定した。来年度はこの2校の基本設計に入り、その中で事業費を算定していく。学校施設整備基本計画で示している743億円という費用は、あくまで全体の規模感を示すための参考試算であり、適正な費用はその都度検討していきたいと考えている。6)次の学習指導要領が改訂されるまでの10年間、また、その先の学校教育の在り方について展望を伺う。答え、知識の習得だけではなく、学ぶ意欲や学ぶ方法を知り、正解のないところでいろいろな人たちと話し合い、答えを見いだしていくことが必要になっていく。また、長い人生の中で年代に応じて知識を更新していく、生涯の学び手としての力につなげるための教育に変わっていかなければならない。個別最適化、協働的な学びの両方が求められる中、様々な課題に日々向き合って考えていきたい。
以上で第10款教育費の質疑を終わりました。
続いて、第11款公債費、第12款諸支出金、第13款予備費まで一括して審査を行いましたが、質疑はありませんでした。
続いて、特別会計予算の審査に入りました。
まず、
国民健康保険事業会計予算の審査を行いました。
主な質疑は以下のとおりでした。
1)令和3年度の療養給付費に関し、
新型コロナウイルスの影響で例年と異なる見込みを立てているのか。答え、令和2年度は4月と5月に給付費がやや減少したが、それ以外の月は例年どおりの水準であり、また、高額療養費はほぼ同じ給付額であった。そのため、令和3年度においても大きな変化はないと見込んでいる。2)特定健診未受診者への受診勧奨事業において、令和3年度は知見を有する事業者に委託するとのことだが、勧奨方法をどのように工夫するのか。答え、健診のデータを活用して、未受診者全体を細分化し、それぞれに合わせた勧奨通知を発送する。受診勧奨業務の経験を有する事業者に委託することで、より効果的な勧奨を行い、受診率の向上につなげたい。3)
高校生等医療費助成事業の開始により、国庫負担金の減額調整措置が想定され、これは国民健康保険事業会計の歳出抑制の方針と矛盾する。この点は医療費助成に係る改正条例の可決後、国民健康保険運営協議会にどう説明したのか、また、市としての見解を伺う。答え、令和3年1月に報告し、保険者代表の方から、医療費増加への影響があり得るとの意見もいただいた。必要な方が必要な医療を受けることが基本だと考えており、適正受診を求める周知活動が必要である。
以上で
国民健康保険事業会計予算の質疑を終わりました。
続いて、
後期高齢者医療会計予算の審査に入りました。
主な質疑は以下のとおりでした。
1)保険料の滞納理由として、年金収入のみで負担感が大きいことが挙げられているが、このような滞納者へは市としてどのように対応しているのか。答え、基本的には納付を求めているが、相談を受ける中で事情を伺い、分割納付などを提案している。
以上で
後期高齢者医療会計予算の質疑を終わりました。
続いて、
介護保険事業会計予算の審査に入りました。
主な質疑は以下のとおりでした。
1)令和2年は
新型コロナウイルスの影響で、全国的に介護事業所の倒産数が過去最高となったが、市内事業者への影響を把握しているか。答え、市内35事業所のうち、2か所において、昨年の緊急事態宣言時にサービス提供を一時休止したが、現在はサービス提供を再開している。2)
新型コロナウイルスの影響により、認知症高齢者の実態が把握しにくくなっていると思われるが、市ではどのように把握しているか。答え、地域の見守りが重要であり、認知症サポーターの方を含め、どう地域で支えていくかを考えたい。また第8期の介護保険事業計画でも、認知症の早期発見のために医療と介護の連携を重要な施策と位置づけている。
以上で
介護保険事業会計予算の質疑を終わりました。
続いて、水道事業会計予算の審査に入りました。
主な質疑は以下のとおりでした。
1)東日本大震災から10年となるが、本市の水道水における放射性物質検査の実施状況を伺う。答え、震災以降、継続して検査を行っている。現在は月に1回、放射性セシウム値を検査し、ホームページで公表している。結果としては放射性物質は検出されておらず、安全な水道水を提供できている。
以上で水道事業会計予算の質疑を終わりました。
続いて、
下水道事業会計予算の審査に入りました。
主な質疑は以下のとおりでした。
1)石神井川排水区雨水幹線切替等事業に関する契約について、令和元年に入札不調による多額の補正増をした経緯があるが、それ以外に不調は起きているのか。答え、過去5年間において東京都都市づくり公社との業務委託契約を行ったのは4件で、そのうち不調となったのは本件1件のみであり、それ以外に不調は起きていない。
以上で
下水道事業会計予算の質疑を終わりました。
続いて、締めくくり総括質疑に入りました。
主な質疑は次のとおりでした。
1)現在の耐震性能基準を満たしていない公会堂について、武蔵野市耐震改修促進計画の計画期間の4年間、なぜ改修の検討がされなかったのか伺う。答え、この4年間様々に議論し、整理をしてきた。公会堂は昭和60年に耐震補強を実施し、既に耐震性を確保しているが、不特定多数が利用する施設であるため、改めて令和3年度にシミュレーションを行い、延命化も一つの選択肢として検討していきたい。2)公会堂について、令和3年度に行うシミュレーションはどのようなものか、また実施時期について伺う。答え、シミュレーションは耐震診断や設備等の劣化状況を調査し、更新手法の比較検討を行うものである。年度早々に入札を行い、秋頃をめどに結果をまとめていきたいと考えている。3)エコreゾートのロゴマークの色について、茶色と緑色には意味があると説明を受けたが、建物の外壁につけたロゴマークはなぜ白にしたのか、白い色に意味はあるのか伺う。答え、デザイナーに相談したり、様々な施設を整備する際に議論し、隣のクリーンセンターと一体感のあるデザインにするため、入り口のガラス部分と合わせて白にした。あの場所に立って芝生の緑、木、空、施設の壁の色などを眺め、やはり白が適しているというふうに考えている。4)自治基本条例第13条の個人情報の保護や第12条の説明責任、第14条、第15条の市民参加と機会の保障について、この条例に基づいて必要な措置を講じるかどうか伺う。答え、自治基本条例により市政の基本ルールを定めたので、この条例を制定した趣旨に基づき、今後も武蔵野市政を進めていきたいと考えている。
以上で締めくくり総括質疑を終わりました。
以上で一般会計及び3特別会計、水道事業会計並びに下水道事業会計の審査を終わりました。
引き続き、討論に入りました。まず、宮代一利委員の討論概要は、ワクワクはたらくを代表し、令和3年度一般会計予算、3特別会計予算、水道事業会計予算、
下水道事業会計予算に賛成する。令和3年度は歳入が大幅に縮小することを前提に考えなければならず、基金を取り崩すことは致し方ない。コロナの影響をいかに施策に反映するか、20年、30年先をどう設計するか、早期に現状の解析、シナリオ分析を実施していただきたい。自殺対策については、特に高校生世代への施策をまとめていただき評価する。自分事と捉え、早急な対応をお願いする。インクルーシブについては、無意識にカテゴリー分けすることにより起こっている分断をなくすことで、本当のインクルーシブ社会が実現できると考える。持続可能な社会づくりに共に取り組んでいきたい。コロナはもう未知と言ってはいられない。将来につながる1年になることを願い賛成するというものでした。
次に、大野あつ子委員の討論概要は、市議会公明党を代表し、令和3年度一般会計予算、3特別会計予算、水道事業会計予算、
下水道事業会計予算に賛成する。新規事業として、子どもの権利条例の検討や、福祉総合相談窓口をはじめとしたワンストップ窓口の拡充を評価する。
新型コロナウイルス感染症が拡大する中、弱い立場の方がどのような困難を抱えているか、行政からは見えにくい。基礎自治体としてどのような方が困っているかを調査し、相談事業の拡充にとどまらず、的確な支援を行っていくことが必要である。また、行政のデジタル化が急がれるが、内部の人材を育てつつ、外部の優秀な人材からも学びながら推進していくこと、あわせてデジタルディバイドの解消も常に意識した対応を要望する。詳細は本会議で述べるというものでした。
次に、藪原太郎委員の討論概要は、立憲民主ネットを代表し、令和3年度一般会計予算、3特別会計予算、水道事業会計予算、
下水道事業会計予算に賛成する。
新型コロナウイルス感染症により生じた課題にも積極的に向き合っており、命を守るという決意を感じた。今回はワクチン接種の予算が含まれており、非常に重要な審査であった。ソーシャルディスタンスが求められ、また小・中学校に
学習者用コンピューターが貸与される中で、Wi-Fi環境の整備はしっかりと進めてほしい。学校教育の分野では、子どもたちの人権に関わりかねない課題もあったが、真摯に受け止めるとの答弁があり、納得できた。全体として「誰もが安心して暮らし続けられるまちへ 命を守り次世代へつなぐ予算」として編成されていると判断し、賛成するというものでした。
次に、橋本しげき委員の討論概要は、日本共産党武蔵野市議団を代表し、令和3年度一般会計予算、3特別会計予算、水道事業会計予算、
下水道事業会計予算に賛成する。消費税増税、
新型コロナウイルス感染症の感染拡大で、暮らしや経済の状況が厳しさを増す中、自治体が役割を発揮することが重要であり、本予算が市民の暮らしを支える予算であるかを基準に審査に臨んだ。市税減収見込みの中で、新規事業や拡充事業に多く取り組むことは評価するが、国が進める行政のデジタル化には多くの課題がある。また、PCR検査の社会的検査拡充については検討を求めたい。介護保険事業会計については、4月からの介護保険料が12年ぶりに据置きとなることを評価する。3特別会計に共通して、経済的理由で保険料の支払いが困難な方に対しては丁寧な対応を求める。本予算が市民生活を支え、武蔵野市の発展に寄与するものとして適切に執行されることを求め、賛成するというものでした。
次に、内山さとこ委員の討論概要は、令和3年度一般会計予算、3特別会計予算、水道事業会計予算、
下水道事業会計予算に賛成する。自治基本条例の理念に基づき、また、第六期長期計画の着実な執行を念頭に審査をした。コロナ後の社会に向け、新たな価値観へ転換しなければならない中、きめ細やかな施策がちりばめられており評価する。一方で
高校生等医療費助成事業は、市長公約実現のために行政計画をゆがめたものと考える。民主的な手続を踏み、合意形成を図るプロセスが重要であり、改めて自治基本条例を今後の市政運営に役立てるようにしてもらいたい。東日本大震災から10年の節目であり、今後も市民の安心・安全な生活を支えるために努力し、
新型コロナウイルス対策においては柔軟で機動的な財政出動をするよう要望し、賛成するというものでした。
次に、木崎 剛委員の討論概要は、自由民主・市民クラブを代表し、令和3年度一般会計予算、3特別会計予算、水道事業会計予算、
下水道事業会計予算に賛成する。予算審査においては、市民から預かった大切な税金を使う上で、最小限の額で最大限の効果を上げられるか費用対効果を確認し、議論を深めることが必要であると考える。このような観点から、根拠や数字を明確に答弁いただけるよう強く要望する。子どもの医療費無償化の対象拡大については市民との議論の手法や、エコreゾートのロゴマークの色と使用デザインには問題があり、本来ならば反対に値する予算とも言える。しかし
新型コロナウイルス感染症への対応は待ったなしの状況であり、4月1日からしっかりと執行していただかなければならないと考え、賛成するというものでした。
次に、深田貴美子委員の討論概要は、改革武蔵野・都民ファーストを代表し、令和3年度一般会計予算に反対、3特別会計予算、水道事業会計予算、
下水道事業会計予算に賛成する。今回の予算審査では、老朽化する都市を複合災害から守ること、市民の命を守るという重点施策をどう実現するかに着目していた。その観点から、武蔵野公会堂の耐震性について市の基準を満たしておらず、既存不適格であると指摘したが、それを否定し、不誠実な答弁が繰り返されたことは非常に残念である。新規事業や制度を幾つも提案しているが、立法事実に乏しく、先人の取組を軽視し、説明責任を果たしていない。大事なことは市民の命を守ることである。市長は公約を後回しにしてでも、市民の命を本当に守るまちづくりに専念すべきであった。先人のたゆみない努力や、今も懸命に頑張る職員のことを思うと、到底一般会計予算を容認することはできない。詳細は本会議で述べる、とのことでした。
以上で討論を終わり、採決に入りました。
採決の結果、議案第15号 令和3年度武蔵野市一般会計予算は賛成多数で原案のとおり可決すべきものと決し、議案第16号 令和3年度武蔵野市
国民健康保険事業会計予算、議案第17号 令和3年度武蔵野市
後期高齢者医療会計予算、議案第18号 令和3年度武蔵野市
介護保険事業会計予算、議案第19号 令和3年度武蔵野市水道事業会計予算、議案第20号 令和3年度武蔵野市
下水道事業会計予算は、いずれも全会一致で原案のとおり可決すべきものと決しました。
以上で予算特別委員会の審査の概要と結果の報告を終わります。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
9 ◯議 長(小美濃安弘君) これより予算特別委員長の報告に対する質疑に入ります。
10 ◯22番(山本ひとみ君) 予算特別委員会委員長からの御報告ありがとうございます。私は会派に属さない議員でありまして、会派の人に私の質問をお願いすることはできない立場にあることは御理解いただいていると思います。それで、予算特別委員会の委員長に大きく2点質問をしたいと思います。これは、インターネット等、また現地で傍聴しておりまして、なかった問題について質問をいたしますので、ない場合は、私としては、ぜひ理事者、担当の部長からの御答弁を委員長からお願いしていただきたいというふうに、初めにお願いしておきたいと思います。
1点目は、商工費であります。商工費の中で、例えばDVの被害者等で住民票がない人がいるが、この件に関しては、DV被害者という質疑はありましたけれども、住民票がないけれどもくらし地域応援券を手渡した人がいた、94件あったという報告はありました。では、この中に路上生活をしている人、路上生活者がいたかどうか、本当に生活に困窮している、路上で野宿して生活をしている人がいたかという質問はありませんでした。これは確認しております。ですので、この94件の中に路上生活者がいるのかどうか、そういう方に渡したのかどうかということについて質問をしたいと思います。その場合は、どのような理由でそうしたのか、どのようにやったのかということを伺いたいと思います。
続きまして、2点目です。教育費であります。教育費に関して私はずっと、不登校状態にある児童生徒への経済的支援ということを訴えてまいりました。武蔵野市でも、小・中学校の段階、義務教育の段階で不登校にある方が増えているということは、予算特別委員会の資料でも明らかになっていると思います。このたび来年度の予算で、滋賀県の草津市教育委員会が、草津市内在住の不登校の小・中学生の保護者を対象に、フリースクールの費用を助成するということが報道されました。これは、居場所ですとか学びの確保、将来の社会的自立等に備えて投資をするほか、家庭の経済的な負担を和らげるのが狙いというふうに報道でも書かれております。関係者からは、こうした助成は画期的であるということもお話がありました。
私も度々経済的支援については実施することをお願いしておりますが、その中では、例えば塾があるとか、フリースクールもいろいろあるとか、公平性ということを考えなければいけないとかという答弁もあって、現時点では経済的支援に踏み込んでいただいていないことを私は残念に思っております。この草津市の事例についても、教育費の質疑の中ではなかったというふうに私は覚えておりますので、これについて委員長から答弁を求めたいと思います。
11 ◯予算特別委員長(堀内まさし君) 2点質問をいただきました。前段にあったとおり、委員会では、2点については質疑はなかったということを伝えたいと思います。ですがコロナの状況下で、両方とも関連するような事項で確認ということですので、関係部署から御答弁があればお願いしたいと思います。
12 ◯市民部長(渡邊昭浩君) 1点目のいわゆる路上生活者の方にお渡ししているかどうかということです。答えから言いますと、お一人いらっしゃいます。ただ、まず私どもの基本的な考え方ですけれども、今回のくらし地域応援券の配付の対象者は、御案内のとおりですけれども、令和3年1月1日現在の住民基本台帳に登録されている在住市民の方です。ただ、様々な事情によって住民登録台帳に登録できていない方に対しては、個別の対応でお配りするということをしております。
先日のときもお答えしましたように、その中にはDVの関係で避難されている方ですとか、東日本大震災の避難者の方、あとは児童養護施設等にいらっしゃる方、こういった方々がいます。詳細な件数と人数は控えさせていただきますけれども、そういった方々にはお配りしております。また生活保護受給者の方でも、やはり事情があって住民登録台帳に登録のない方についても出しております。
御質問いただきました、いわゆる住所不定者、路上生活者の方ですけれども、やはりこういった方々に対しても、必要に応じて施策等を通した支援というのは必要だろうなとは考えております。ただ考え方の整理としましては、このくらし地域応援券の交付のみが、その支援なのかという点につきましては、市としてはそうではなく、やはり生活の支援、医療の保護、その他必要な様々な支援が必要であれば、関係課に引き継ぐという形で、その方に合った総合的な支援の中でというのをベースに考えております。
具体的には、今回やはりそういった方からの御相談がありまして、先日の御質問をいただいた中では、お一人に対しては結果的には受給をしております。その件数には1人います。というのは、いわゆる路上生活者という方ではありましたけれども、その後、生活保護のほうの担当者と、私どものくらし地域応援券の担当と、その方のところにお話しに行きまして、結果的にその方は、生活保護受給証明書をお持ちいただくことになりました。ですのでそういった点も含めて、やはり生活福祉課の市の所管での支援の対象となる方ということでお配りさせていただきました。
また、同様の路上生活者の方でも、同じような形で、私どもの所管、産業振興課と生活福祉課でその方に御説明に伺った中では、逆に、そういうことでしたら私はくらし地域応援券を希望しないという方もいらっしゃいましたので、その方についてはお配りはしてございません。
なお、先日の答弁後に、実はもう一名、路上生活者の方から御相談がありまして、その方につきましても同様に、生活保護受給証明書を今お持ちになっていらっしゃいますので、そういった点で、生活福祉課のほうの支援の対象ということになりますので、その方にはお配りをしているということになります。
以上でございます。
13 ◯教育部長(福島文昭君) 議員の質問の中にもあったとおり、フリースクールと一言に言いましても、どこまでがフリースクールなのか、様々な形態のいろいろな場が設けられているのが実情でございます。これらについては、基本的には不登校であるからそこに行けるというような場所、それから自ら希望しているような方が行っている場とかもございますので、一概に広いくくりで、フリースクールだということで経済的な支援をするのは困難だということは、これまでもお答えをしているところでございます。この辺を行っていくとすれば、国や都の広域的な支援が必要なのかなというふうに考えているところでございます。
一方で武蔵野市においては、不登校対策としてはクレスコーレを開設し、新年度予算においてもクレスコーレの体制充実のための予算をお願いしたところでございますので、そちらで充実を図っていきたいと考えております。
14 ◯22番(山本ひとみ君) 予算特別委員会の委員長から担当部長にこの答弁を依頼していただきまして、誠にありがとうございます。ぜひこうした姿勢を今後の委員長にもお願いしたいと私は思います。
さて、今御答弁があった件なのですけれども、1点目のくらし地域応援券の配付に関してなのですが、今の話ですと、例えば路上生活者の場合は、生活保護の受給者となった方には渡すことができるようにも受け取れたのですけれども、現状、私もこの前の一般質問でも述べましたが、生活保護の制度、これは日本全国、国の制度でございますけれども、ハードルが幾つかあって、例えば、今全国的にも、いわゆる水際作戦といって、申請の段階で事実と違うようなやり取りがあって、実際上、希望者が生活保護を受けられないような事態もあったり、人によって同行があったりなかったりで、言うことが異なっていたりという例もあれば、今でしたら扶養照会という制度が大きなハードルになって、自分の今一緒にいない家族にこういう事態が知られるぐらいだったら、生活保護を受けないほうがいいと思う方もかなり多くいらっしゃいます。
それが大きなハードルになっていて、それを全国的にも署名運動などをして変更していこうという動きが出ていますので、今現在、生活保護を受けるということについて困難を感じる人がおります。そういうことについてどのように考えているのかという点を、部長には伺いたいと思います。
ちなみにDV被害者の件なのですけれども、例えば私に連絡があった方の中で、DV被害は受けているが、DVの被害を証明する、つまり例えばこういうけがをしたとか、そういうことでない場合もある。例えば言葉でひどいことを言われたとかいうのもありますので、そういうことに関しても今後は配慮していただきたい。これは要望として言っておきたいと思います。
質問としては、生活保護を受けづらい方のことはどのように考えているか。現状ではそういう人がいることが事実だということを伝えたいのですけど、これについて見解を伺いたいと思います。
続きまして、教育費のことです。不登校の状態にある方に対して、滋賀県の草津市というところではフリースクールの費用を助成することを決めたことについて、どのようにお考えですかということを伺ったわけですけれども、草津市の事例自体は、私が聞くところ、ちょっとはっきりとは受け取れませんでした。
つまりこれについては、フリースクールはもちろんいろいろなフリースクールがあると思います。また武蔵野市でクレスコーレという制度が昨年の夏にできて、それを利用されている方がいるということで、それは私も大変よかったというふうに思っております。それ以外にやはりフリースクールに通っている人もいらっしゃいます。市外のフリースクールに行っている人もいるし、もちろんそれは経費もかかります。交通費もかかるし、フリースクールの経費もあるわけです。
ですからそれについて、義務教育で近隣の公立小・中学校に行っていたらかからない費用を、その御家庭は支払わざるを得ない状況にある。ここに不公平があるし、ここは教育委員会として改善する必要があると、私は今でも思っております。ですからずっと一貫して、経済的支援の実施ということを訴えてまいりました。このことは、例えば当事者も大変注目をしていると私は思うのです。これまで大きな問題、課題になっていた点について、滋賀県の草津市は、フリースクール費の助成をすることに踏み込んでやるということを、来年度予算で決めたわけです。
ですから、少なくとも今の御答弁だと、武蔵野市の態度とは違ったことをやろうとしているわけです。だったら武蔵野市も、やはり学校教育の面で、よりインクルーシブな、様々な状況にある多様な人たちに対する支援を拡充していくという方針を、この場でもやっていただきたいし、これは教育各課の法律の例にも載っていると思うのですけれども、再度、草津市の事例、フリースクール費用を助成する、こういう例について、武蔵野市としてはどのような検討をして、今度どうやっていくのかを伺いたいと思います。御答弁をお願いいたします。
15 ◯議 長(小美濃安弘君) これは商工費の再質問ですか。御答弁がありますか。一応委員長が振られましたので、それに対する再質問ということで理解をしておりますので、答弁を執行部のほうからしていただきたいと思います。
16 ◯教育部長(福島文昭君) 草津市は草津市の判断ということで、フリースクールの範囲をどのように規定されたのかまでは存じてございませんが、武蔵野市については先ほど述べたとおりでございまして、交通費等については一部国のほうでも支援を始めておりますので、本市においてはクレスコーレという施設を開設し、これらの充実を図っていきたいということでございます。
17 ◯副市長(笹井 肇君) 生活保護申請に当たっての扶養照会につきましては、既に山本ひとみ議員からの一般質問で市長が答弁しているとおりでございます。武蔵野市においては扶養照会を義務化しておりませんで、ケース・バイ・ケース、御本人の承諾等を得た上で行うということになっておりますし、厚生労働省の見解としても、そういう方向で通達、事務連絡が、令和2年の9月以降、順次出ているという状況でございます。
なお、くらし地域応援券を含めた、今年度における武蔵野市の経済支援対策につきましては、予算委員会でも御審査いただいたとおり、来年度経済施策に対する効果検証を予算化しておりますので、それらの中で総合的に判断し、評価すべきものであろうというふうに認識をしているところでございます。
18 ◯議 長(小美濃安弘君) これにて質疑を終局したいと思いますが、これに異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
19 ◯議 長(小美濃安弘君) 異議ないものと認め、質疑を終局いたします。
これより討論に入ります。
(6 番 宮代一利君 登壇)(拍手)
20 ◯6 番(宮代一利君) ワクワクはたらくを代表し、令和3年度の一般会計並びに3特別会計、水道事業会計、下水道事業会計に賛成の立場で討論いたします。
令和3年度は歳入が大幅に縮小することを前提に考えなければならず、大変苦しい状況だったことがうかがわれましたが、コロナ禍に翻弄された令和2年度に得た知見を生かし、予算案を作成いただきました。当然のことながら、短期的に収支に不均衡が生じましたので、基金を取り崩す選択をしています。これは基金の性質上、あるべき姿とも言えます。このことにより、積立てを続けてきた基金は単年度で減少となりました。このコロナの影響をいかに施策に反映するか、ここ数年の変化、そして20年、30年先をどう設計するのか、足元の緊急的対策を取りながらも、できる限り早期に現状の解析、シナリオ分析を実施していただきたいと考えています。未来世代のことを自分事として捉えてください。
予算特別委員会のさなかの3月16日に、警察庁と厚生労働省が2020年の自殺者数の確定値を発表しました。全体として、11年ぶりに増加に転じたこと、女性が増加していること、20代が19.1%増で最大の増加率となっていることが分かりました。高校生世代、20歳代の若者、小・中学生のそれぞれに対する対策について議論させていただきました。その中で、高校生世代への施策をまとめていただき感謝しております。明確な対策はなかなか見つからないと思いますが、喫緊の問題として御認識いただき、市としての対応が必要であるとのコメントもいただきました。自分の身の回りで自殺を選ぶ人が出てしまってから後悔しても遅いです。自分事と捉え、早急な御対応をお願いいたします。
3つ目です。インクルーシブについてです。公園整備と教育にまたがるテーマでした。議論が深まるにつれ分かってきたことは、我々が目指すべきはインクルーシブ社会であり、公園はハード、教育は手段である。これらを整えることが目的ではないということです。市は特別支援学級、特別支援教室などを運営することにより、連続性のある、多様な学びの場を提供することに重点を置いているとの説明をいただきました。さらに、通常学級と特別支援学級との交流及び共同学習の機会の拡充を図るとしています。これらの施策は大変充実していると感じる一方で、アンコンシャスバイアス、無意識の偏見について指摘したとおり、特別支援学級という線引き、女性相談という名称など、制度の利便性などから、無意識にカテゴリー分けをすることにより起こっている分断をなくすことが重要で、本当のインクルーシブ社会が実現できるものと考えます。このことにより、本市がこれから取り組み続けようと決めた、SDGsにおける多様性の受容による持続可能な社会を構築することに資すると考えます。
第2款総務費において、市のホームページのイベントカレンダーに、パブコメ、意見交換会が掲載されていないことを指摘させていただきました。ホームページのさらなる改善に期待しています。
また、押印廃止に関連し、本人確認をいかにするのかという問題があり、セキュリティ対策でもあるので、調査、検証をお願いしたいです。
第3款民生費においては、多様な保育ニーズについて、コロナの影響で傾向を見極めるのが難しいが、拡大すると見込んでいるので今後も進めていきたいとの前向きなお考えを伺うことができ、今後に期待しています。
第7款商工費で、緊急経済対策の効果検証について、アンケート調査を外注するための予算であることを確認しましたが、データの分析、理由の解析には職員の皆様が参加をすると伺いましたので、安心し、この結果が未来に生かされることを望みます。
また、応援券の送付に際し、死亡届をチェックした上でお悔やみの手紙を同封したことを伺いました。すばらしい配慮だと感動しました。
第10款教育費では、有償ボランティアと地域の教育力の活用による指導員謝礼で、不定期依頼の契約について、コロナ禍での補償対象になっていないことが確認されました。日頃から子どもたちのために貴重な力を貸していただいている皆様に報いることができないか、再度検討をお願いいたします。
主な論点のみピックアップしました。いまだコロナは収束していませんが、もう未知とは言っていられません。令和3年度が確実に将来につながる1年になることを切に望みます。
以上、令和3年度の一般会計並びに3特別会計、水道事業会計、下水道事業会計に賛成の立場での討論といたします。ありがとうございました。
(4 番 深田貴美子君 登壇)(拍手)
21 ◯4 番(深田貴美子君) それでは、改革武蔵野・都民ファーストを代表して討論させていただきます。
武蔵野市は、昭和22年(1947年)、都内で3番目の市として生まれ、今年で74年目を迎えます。真の住民自治のまちを目指して、早くからコミュニティ政策を導入しました。自主三原則の下、
コミュニティセンターを自主運営とし、住民の日常の参加の機会を担保し、地域課題を市との連携により克服し、協働の実績を積み重ねてきました。この積み重ねが地域に宿る精神性となり、地域の文化へと継承されて、今日の武蔵野での地域ごとの住民自治が表出していると言えます。自治の根幹は多様性の中での信頼と承認にあります。決してトップダウンではありませんことを冒頭に申し述べておきます。
款ごとの個々の事業の積み上げが、総体として市の課題解決につながっているとは限りません。単発の箇所づけで終わるものもあり、取り下げられるものもあり、合成の誤謬を生じる可能性もあります。予算審議は、本市で現実を生きる方々から頂く税金という浄財を原資とし、今の課題解決にインパクトしているか、また将来を生きる市民のためになるかどうかを見据えて、政策形成過程のエビデンス重視とアウトカムを指標に、本市が全国に冠たる自治体として積み上げてきた実績と伝統と技術の蓄積から判断することが重要です。
令和3年度は、昨年同様に
新型コロナウイルス感染症との戦いとなります。緊急事態宣言を発出してもなお、連日300名を超える下げ止まりの様相、一方で経済的自粛要請も限界に来ており、今後の感染再拡大、リバウンドを、地域ごとに真剣に取り組むべき様相でもあります。
このたびの本市のコロナ対策においては、国、都の責任という答弁に終始し、独自の判断をちゅうちょし、一方で、国や都の不作為を責める場面が幾度もありました。その結果、昨年末から本年2月にかけて、武蔵野市は爆発的な感染拡大予防が必要なステージ4となっており、極めて危険な状況にありました。情報提供も行わず、啓発も行わず、ステージ4への具体の政策も行わず、結果、1月以上の危険な状況に多くの市民をさらした、その不作為、怠慢への批判は、真摯に受け止めていただきたいと思います。
代表質問でも申し上げましたが、危機管理における自治体の役割は、国や都の判断を待つ理由はありません。結果責任を負いたくないという首長の覚悟の欠如であるという指摘もあります。くらし地域応援券については、昨年夏給付されました定額給付金を市中に引き出すということが重要であり、国の地域未来構想20を活用して、デジタルプレミアム商品券に挑戦することを提案してきました。感染が収束しない今、買物喚起は避けたいとの御答弁でした。緊急事態宣言最中にクーポン券を配付したことと筋が通りません。本市はまさに証文の出し遅れでありました。
東京都が4月から、プレミアム率30%のデジタルプレミアム商品券を実施する自治体に補助を行いますが、その事業が遅いとは本市は言える立場ではございません。そもそも本市は前代未聞の事業です。地方自治法第2条14項に定める、住民の福祉の増進に努めるとともに、最少の経費で最大の効果を上げるようにしなければならないという、地方自治法の義務を果たしているとは到底思えません。事業実施に当たり、EBPM(エビデンスに基づいた政策形成)が行われたとの答弁を確認できませんでした。
原資の6億円は
新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の残金であり、本来は困っている事業者さんが受け取るべき交付金でありました。一人一人にお見舞金を配付したような様相を呈しており、このような大衆迎合施策は、今後自治体の品格としても厳に慎んでいただきたいと申し上げます。
地域経済対策については昨年来4回にわたり、コロナ緊急対応要望書を提出させていただきました。柏市が早々に着手しましたクラウドファンディング事業など、多くの提案を実施していただきましたが、同時並行して、地元の金融機関のシンクタンクと連携して、地域経済動向をデータで把握するという作業を行っていただきたかったと思います。緊急経済対策の効果検証においては、仮説を立てること、アウトカムで評価すること、データをもって指標化する客観性がなければ、調査は実証性に乏しいものとなり、今後の判断基準とはなりません。承認欲求を満たす自画自賛の調査だけは厳にお慎みください。
ワクチン接種体制の見通しがいまだ不確かな状況の中、変異株の拡大、オリ・パラの縮小実施など、吉祥寺という繁華街を抱える今後の感染拡大のあらゆる危機を想定し、エッセンシャルワーカーや感染弱者への配慮ある予算措置を講じ、ワクチン接種体制を一日も早く確立できる、日頃からの協力体制を構築していくことを求めておきます。
コロナに加えて、首都直下型地震、南海トラフ地震に見舞われる可能性が極めて現実的になってきている今、優先されるは都市再生事業であります。冒頭に申し上げましたとおり、本市は市制74年目を迎えており、多くの公共施設が老朽化しています。また、基幹インフラである下水道は、他の自治体に比して早くに整備をしたことから老朽化が課題であり、上水道については、東京都との一元化が結実できておらず、本管耐震整備率は2.9%のままであります。首都直下型地震に見舞われれば、そこここで本管が損傷し、断水、漏水に見舞われる事態です。飲料水はもとより、消防水利も不確かな事態です。
平成29年に策定した
公共施設等総合管理計画は、データベース化し、都市の機能更新を図る基礎資料であり、基本計画へと進化させなければなりません。令和2年に予算化されていた都市機能再構築のための検討、この事業は結局外部に委託をせず、庁内で情報共有を図ることになり、事業そのものが方向転換されたにもかかわらず、行政報告もせず、予算の取下げを行っていることが明らかとなりました。一体何を情報共有したのでしょうか。
経営会議の要録を開示請求したところ、令和2年2月16日に唐突に
国土強靱化地域計画を策定すると記されていました。そもそも
国土強靱化地域計画は、地域ごとに異なる脆弱性を克服し、防災・減災、強靱化へとつなぐ趣旨での策定を求めています。昨年来、政府は国土強靱化政策を5年間延長し、総予算15兆円を追加する報道がありました。自治体の総合計画の上位、もしくは同列に位置づけられる計画であります。
質疑を伺いますと、緊急輸送道路沿道建物の耐震化等と電柱の耐震化という部分的な耐震を想定しておられるようで、吉祥寺駅周辺、三鷹駅北口周辺の再整備を位置づけない、駅周辺の電源確保、DX、インフラ整備とをひもづけないという、喫驚なる答弁がありました。まさに予算資料にあるとおり、補助金目当ての箇所づけ事業であります。これが後世に継承する武蔵野市の面的なまちづくりなのでしょうか。
本年2月1日の総務委員会行政報告において、主管する副市長は、昭和39年竣工の武蔵野公会堂については、唯一の公有地とした上で、更新するのか、リニューアルするのか、様々な面的なまちづくりと合わせて検討していくとの趣旨の答弁をされていますが、まず市が説明すべきは以下の2点です。
1つは、武蔵野公会堂は昭和59年に耐震診断を行い、会議棟が、国が求める新耐震基準であるIs値0.6を全く満たしておらず、昭和60年に0.6を要求水準として耐震補強を行ったものの、評定を行っておらず、恐らく0.62となっているであろうという事業であること、2つ目は、阪神・淡路大震災で神戸市役所の都市整備中枢機能である6階がクラッシュした経験から、国は平成8年、官庁施設の総合耐震診断・改修基準を定め、本市でもこれに倣い、平成12年に市施設の耐震安全性の基準、いわゆる市基準を定めました。武蔵野公会堂はIs値0.6に1.25の重要度係数を乗ずる、0.75の耐震性能を求める施設と分類されています。しかしながらその後、耐震補強は施されず、武蔵野市内の公共施設耐震性能基準に照らせば、既存不適格施設になっている事実でございます。
問題は、一般の耐震性能を保持している可能性があればよいではないかということではありません。なぜならば、武蔵野公会堂は日常不特定多数の人々が利用する集会所、その他これに類する施設であるばかりか、本市の地域防災計画では帰宅困難者の避難所に指定されているということです。かてて加えて、平成12年の市基準に沿って、市役所本庁舎を1.25で補強し、西棟を1.5で建設し、平成20年からは、公会堂同様にII類施設として分類した学校施設を、1.25の乗数を掛けた耐震補強を行っているということです。
平成17年、18年の議事録には、当時の市長、担当部長、歴代施設課長が、劣化度の詳細なデータを議会に示し、議会も一生懸命に議論している様子が残されています。このことと整合性がつきません。文化施設の在り方検討委員会の中間報告や
公共施設等総合管理計画改定の行政報告の前に、この事実を議会にお示しいただくことが筋である。まさに議会軽視、市民代表への説明責任の欠如は、どのような理由があっても許されるものではありません。そして、今この瞬間にも巨大地震に見舞われる可能性がある中で、武蔵野公会堂は使用され続けていることです。万が一のときに、誰がこの責任をお取りになるのでしょうか。説明がつきません。
平成8年に定められた官庁施設の総合耐震診断・改修基準は、平成23年の東日本大震災を受けて、平成25年には官庁施設の総合耐震・対津波計画基準へと進化をしており、その第3章には、既存官庁施設の耐震化では、1つ、この基準の制定以前に設計、建設された官庁施設で、この基準の規定を満足していない可能性のある官庁施設については、その耐震安全性の確認のため、官庁施設の機能、社会的影響度、地域的条件等を考慮して、緊急度の高い官庁施設から優先的に耐震診断を実施する。2つ、耐震診断の結果、官庁施設の耐震安全性が目標に達していないと判断された場合は、官庁施設の機能、社会的影響度、地域的条件等及び診断結果を考慮して、緊急性の高い官庁施設から優先的に改修等の必要な措置を講ずる。3、耐震改修後の官庁施設の耐震安全性の目標は、原則として、第1章官庁施設の耐震安全性において定められた性能とすると記されており、なおのこと武蔵野公会堂は、その緊急性を帯びた施設に該当していると言えます。
質疑の中で、官庁施設の総合耐震診断・改修基準は国の施設のことを定めているので、法的根拠も何でもないと御担当からの御発言がありました。一般的な建物の耐震性能等については、建築指導課が最低限守るべき基準を定めた建築基準法に準じて確認に努めていただいていますが、市民の命と安全を第一と考えるならば、むしろその法の根拠と趣旨を生かしてこそが、施設課や資産活用課の責務ではありませんか。武蔵野市が築き上げてきた技術の継承を、マイルールでねじ曲げることは断じてあってはいけません。それは明らかに技術の後退を意味するからです。
境南コミセンは、このほど1.25の耐震性能で改修を終えました。八幡町コミセンは1.25の性能で新築しました。昭和46年に竣工した中央
コミュニティセンターは、公会堂同様に喫緊の課題がある施設です。さらに、昭和56年、新耐震基準以降、平成12年までに竣工した御殿山、桜堤、吉祥寺南、緑町、西部、吉祥寺西本館・分館、けやき、本宿コミセンも、市の基準の耐震性能を満たしておらず、いまだ手つかず施設です。災害時に市民の方々に救援活動をいただくにも、安全性に不安があります。
公会堂周辺の面的まちづくりと申されるならば、南口の都市計画決定された交通広場だけでなく、公会堂を含めた再整備の構想をまずは示すのが筋ではないでしょうか。交通広場として都市計画決定されたエリアの方々は、平成12年に都市計画法、建築基準法、道路法の網をかけられ、財産の活用もできないまま、我慢をされてきた方々です。本来であれば訴訟になってもおかしくない事案です。商業地域の高い課税に耐えながら、武蔵野市のまちの発展に多大な貢献をされてきた方々です。市もどれだけお世話になってきたでしょう。
南口再開発準備組合様は、本市のまちづくり条例に沿って、まちづくり協議会を経て、合法的に進化されてきました。この間本市は、武蔵野市開発公社を窓口として話合いを重ねる期間もありながら、突然容認できないと遮断し、用地買収に転じました。青空天井の交通広場にすることが、吉祥寺駅周辺、87.5ヘクタールの容積率に、今後どう影響するでしょうか。そのためにも、公会堂を活用した面的整備を検討、提示し、このまちを愛し、育んできたお心に報いることこそ、交渉の礼儀ではないでしょうか。
いずれにせよ、今この時点で武蔵野公会堂は既存不適格です。突然予算最終振り返り総括で、早々に耐震診断をし、秋には結果報告をすると申されましたが、0.6で設計した耐震性能は、経年劣化こそすれ、市の基準である0.75には育ちません。どうしても耐震診断をなさるならば、客観的、公平に判断いただける日本建築防災協会などの公的機関や日本ERIに評定を委託することを強く望みます。
次に、2025年に団塊世代が後期高齢者となられ、いよいよ少子高齢・人口減少時代を迎えます。全員参加の大介護時代が始まります。本年3月に開設予定だった特別養護老人施設の計画の頓挫は、誠に残念でなりませんでした。令和3年度には、看護付小規模多機能施設等、在宅介護を支える事業が予算化されていないことも極めて遺憾に思います。ぜひ予算化を急いでいただきたいと思います。
2000年の地方分権一括法の下、介護保険制度導入を機に、社会福祉法第107条に基づき、地域福祉計画策定が自治体の義務となり、同法の第109条では、この実行計画である地域福祉活動計画を社会福祉協議会が策定することを定め、住民参加の福祉のまちづくりがスタートし、福祉支え合いのコミュニティ政策に取り組む自治体も増えました。また学校を地域の核として、コミュニティスクール構想を基盤として、地域に広く学校を開いて、子どもを真ん中に、コミュニティ政策に着手する自治体も増えています。
本市はコミュニティ政策のパイオニア的位置づけであります。いずれにせよ、ウエルビーイング、誰もがよりよく生きる、福祉共生社会を目指すコミュニティへと進化しなければなりません。その全貌と具体の構想が、この予算委員会の中では見えませんでした。
子育て支援については、人口増加要因の分析を年代別、地域別に詳細に把握することが重要です。平成19年以降の桜堤2丁目、中町1丁目、2丁目、3丁目、御殿山1丁目のマンション開発によって、就学児童世代は増加しました。就学世代の特徴は、小学校では年間270名の転出、転入がそれぞれあります。中学校では50名程度の転出、転入がそれぞれあることをお伝えしておきます。一方ゼロ歳から4歳の人口減少は、この4年間、年々人口推計から乖離していることが明らかとなりました。残念ながら保育政策は、優位にインパクトしなかったということです。増加しているのは50代以上の世代で、シニアライフプランとして、最後は武蔵野市で暮らす夢をかなえておられると読み取れることです。
公立保育園の在り方は、平成15年に最終報告されたものと、ほぼ逆の方針転換をされました。コストの削減、武蔵野方式とした子ども協会による人材育成と配置の効率化、保育所における子育て支援と家族のコンサルテーションでした。公立保育園改革は、まさに聖域なき改革として、先人が汗をかいて丁寧に再構築した、この武蔵野方式の方針でした。公立保育園ありきの既定路線に向かう前に、本来武蔵野方式の検証が必要ではないでしょうか。これも具体性と財政計画は不明でした。
そして最後に、松下市長に苦言を申し上げたいと思います。住民投票条例、子どもの権利条例は、耳触りのよい、かつ予算にも明らかなように、コストのかからない、公約実現事業です。とはいえ、制度ですので、その立法事実は丁寧に構築しなければ、後々禍根を残します。
住民投票条例については、自治基本条例策定での議論の中で、むしろ専門家の方々から抑制的にと議論されていました。多国籍国家や多文化政策に葛藤する英米諸国の現状を鑑み、市民権をめぐって分断と闘争の現実があることを、よくお考えになったほうがよろしいかと存じます。子どもの権利条例については、都議会で議決されたことを踏まえて、実態的な計画にまで落とし込んでの制度設計を求めます。
18歳医療費無料化については、国の社会保障と税の一体改革を踏まえていただきたい。公平性を担保される制度設計であることを求めます。およそそのような状況にはないということが予算委員会の質疑でも分かりました。新たに有権者となる18歳への印象操作との指摘を市民の方からいただきました。代表質問でも申しましたように、絵に描いた餅の画餅条例であってはいけません。大衆迎合、ポピュリズムとの御指摘を受けないよう、しっかりと中身を詰めていただきたいと思います。市民の方々はしっかりと見ています。
そして保護主義も程々にしていただくほうがよろしいのではないかと思います。認可保育園の増設も、認証から認可への転用も、武蔵野市民枠を広げることが目的です。人口減少が始まった武蔵野で、小さなすてきな保育をされている認証や幼稚園への影響とバランスをどうお考えになっておられるのでしょうか。0123施設での4歳、5歳枠の拡大は、必然的に市外利用者を排することにはならないでしょうか、心配でなりません。
他の事業においても、市民優先を積極的に導入されておられると聞こえています。自らの承認欲求を満たすために強引な政策を実施することは、市政の私物化と、この第1回定例会でも他の議員が指摘をしています。こうした指摘を受けないように、しっかりとバランス感覚を持って、事業の実現、事業の実施内容を決めていただきたいと思います。ただ一言申し上げております。本市は、他の自治体に大変お世話になっていることがたくさんあります。下水道しかり、ごみ処分しかりです。
議会には全く経過が説明されず購入してしまう、総額26億4,000万円の2か所の修道会の土地については、昨年1月5日の代表者会議の後、議会は全く報告をいただいておりません。資金計画も補助金の活用も、そもそも購入経緯の説明もございません。オープンガバメントの大前提は全ての情報公開です。先祖返りも甚だしいと思います。昨年の特命随意契約といい、遵法精神の欠如は議会の責任でもあります。後々連帯責任を問われかねないことを指摘しておきます。
さらに事務事業の見直しに、前代未聞の企画調整会議や進行管理会議の縮小とありました。日頃から縦割り行政をやゆされ、水平な情報共有が課題となる行政組織に拍車をかけかねないと危惧します。時間の節約、合理的なメールでの情報共有と申されますが、その名のとおり調整と進行が求められる会議です。
過日も重要な財政援助出資団体の統廃合事案が、100日も遅れて議会に報告されるという事案がありました。結果的に、組織の目詰まり、セクションごとに分断されて、トップダウンの支配構造が生まれてしまいませんか。行政組織がそのような状況で、市民との対等な参加と協働が実現できるのでしょうか。
職員の健康管理については、休めるような職場環境にすればよいとの御答弁に、身も蓋もないと思いました。市役所は人で成り立っています。健康も心もおもんぱかってこそ、上司の務めであります。内部統制の緩みは全て組織のトップの責任です。予算委員会では調査を行うとの答弁がありましたが、本日まで結局御報告はございませんでした。
松下市政1期最後の予算編成は、「誰もが安心して暮らし続けられるまちへ 命を守り次世代へつなぐ予算」とのタイトルでしたが、公会堂事案に象徴されるように、命を守る大前提の情報が隠蔽され、不作為のまま技術の後退まで及んでいるということから、一般会計に反対、3特別会計、水道・下水道会計には賛成の討論といたします。
(12番 内山さとこ君 登壇)(拍手)
22 ◯12番(内山さとこ君) 自治と共生の会派を代表し、2021年度(令和3年度)武蔵野市一般会計、3特別会計、水道事業会計、下水道事業会計に賛成の討論をいたします。
冒頭、2度にわたり
新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言が発出され、国の定額給付金事業や、外出自粛要請に伴う予想外の業務が押し寄せる中、例年とは異なる予算編成過程を経て、着実に業務を遂行された職員の皆さんに敬意を表します。
一般会計は、本市の歳入の根幹をなす市税収入について、29億8,400万円、7.3%の減収を見込み、事務事業補助金の見直しなどで10億9,200万円の歳出抑制を図る一方、投資的経費に基金と市債を積極的に活用するなど、結果的に前年度より2.8%増の695億3,900万円という、過去最大規模となりました。新規事業の実施、政策立案に際しては、自治基本条例の理念に基づき、民主的な合意形成のプロセスを大切にするよう留意していただきたいと思います。
幾つか長期計画の分野ごとに意見と要望を申し上げます。
まず、健康・福祉について。何よりも長期化するコロナ禍により、気力や体力の衰えが心配な市民のため、とりわけ認知症や要介護者とその御家族、高齢者のフレイル予防、障害者の活動や農福連携も含めた就労支援など、施策の充実強化をお願いいたします。あわせて新たな福祉の総合相談体制により、複合的な課題の解決に向けて各機関が連携を深めるとともに、生活に困窮する方々の相談、伴走支援に注力していただきたいと思います。
子ども・教育について。この1年余りの間、突然の学校休校など、人と人との関係性を途絶され、行事の中止や変更などにより、充実感や達成感を得る機会も失われて傷ついた子どもたちの心のケアを、地域の方々の協力も得ながら、総力を挙げて丁寧に行ってください。そうした地域社会全体で子どもの育ちを応援する共通意識を育むことは、新年度から検討に入る子どもと子育て家庭の包括的な支援の在り方の実態づくりでもあり、また子どもの権利条例への合意形成にもつながります。
中でも、特別な支援を必要とする子どもたちが、学校で地域で共に生きるために必要な合理的配慮の浸透をしていただきたいと思います。
平和・文化・市民生活では、今年度中止となった長崎市への青少年平和交流派遣団の事業が、平和の日条例10周年の年に、無事達成できるよう願っております。
今年、東日本大震災と福島原子力発電所の事故から10年という節目を迎えました。亡くなられた方々の無念、御遺族の悲しみ、被災された方々の日々に思いを寄せつつ、自治体として、当時の経験を決して忘れず、日常からの防災・減災の取組に生かし、地域防災計画の充実に当たっていただきたいと思います。
緑・環境では、温室効果ガス削減に向けて足元から取組を進めるとともに、エコreゾートを中心に、あらゆる活動を通じて環境の視点での行動変容を促すよう、市民との協働の深化に期待をします。
また、武蔵野の原風景を後世に引き継ぐため、ナラ枯れ被害への対策を継続し、周辺自治体とも情報共有、連携するよう、お願いいたします。
都市基盤について。三鷹駅北口駅前広場については、交通量調査、需要を見極め、人間中心のまちづくりを柱に据え、多様な当事者、関係者の参加を得て、丁寧に協議を進めてください。
14万7,000人市民の生命の源である市直営の水道事業については、引き続き施設の点検と更新を着実に行い、深井戸からの地下水8割という安心・安全な武蔵野の水の供給に努めてください。
行財政分野では、いよいよ学校施設16校の計画的な更新が始まることから、公共施設の大更新時代に突入するという明確なビジョンを持って、早急に中長期的な財政計画を示すよう求めます。
なお、今国会に提出されているデジタル関連法案の行方によっては、自治体の保有する住民の個人情報が容易に民間活用されることが心配されます。市として、自治基本条例に基づき、可能な限り最大限、住民の個人情報を保護する施策を講じるように強く求めます。
いまだ
新型コロナウイルス感染症の収束の見通しは立ちませんが、我々がこの1年を通して得た知見と実践を生かし、法的根拠、科学的根拠をよりどころに、自治体政府として果たすべき公共の役割を十二分に発揮するように求めまして、賛成討論といたします。ありがとうございました。
(3 番 大野あつ子君 登壇)(拍手)
23 ◯3 番(大野あつ子君) それでは、市議会公明党を代表して、令和3年度一般会計、3特別会計、水道事業会計、下水道事業会計、各予算の委員長報告に賛成の立場から討論をいたします。
令和2年度は、
新型コロナウイルス感染症が大きく社会を揺るがした1年でした。やっとワクチン接種が始まるというところまで来ましたが、いまだ感染の収束が見えない状況であります。今回の予算審査に当たっては、コロナショックへの支援をどうしていくのか、また財源をどうするのかという視点、そしてデジタル化、自治体デジタルトランスフォーメーション(DX)を進めるという、2つの視点を中心に質疑をさせていただきました。
令和3年度予算は編成段階から、
新型コロナウイルス感染症の影響による約30億円の歳入減があることを見込んでおり、例年とは異なる形で事業見直しを細かく行い、財政規律を保ちながら、やるべきことは進めていくという姿勢は賛同するところであります。一方で、当初予算は本市の方針を示すものであるという視点から、生活困窮に対する具体的な支援が入るべきだったのではないかと考えます。
まず、1つ目のコロナショックへの支援についてですが、支援すべき方が誰なのか、行政側からは見えにくいということ、事業者についても同様で、支援すべき事業者が本市全体の産業のどの部分に当たるのか、全貌は分からないということでありました。これらが明確にならないと、的確な支援を繰り出していくということが難しいのではないでしょうか。引き続き、サイレントマジョリティも含めて、広く市民の声を聞き取る姿勢を拡大していただき、かゆいところに手が届く市政運営をお願いいたします。
財政調整基金の取崩し方については、財調だけを崩すのではなく、市債と特定目的基金も活用し、また、先送りできる事業は先送りしていただいたことで、財調の取崩しが必要最低限に抑えられていることも了解しました。今後さらなる経済対策が必要になった場合には、災害対策として、財調の取崩しも含めて、積極的に取り組んでいただきたいと考えます。
また、本市の特徴であり課題でもある物件費については、今回、派遣職員の人件費分を物件費から取り出し、人件費に入れることで、人件費を見える化していただいたことは評価いたします。今後も物件費がブラックボックスとなってしまわないよう、委託費の見せ方は研究していただきたいと思います。
2つ目のデジタル化については、御答弁いただいたとおり、内部人材を育てつつ、外部の優秀な人材からも学ぶ、両面からの推進をお願いいたします。その際に、ICT戦略会議を仕切る部門として、情報管理課を市長直属とし、最高デジタル責任者(CDO)をトップに、横断的に動ける体制を要望しておきます。
また、デジタル化を進める一方で、デジタルディバイドの解消については常に意識していただきたい。市役所で待っているのではなく、行政側から市民に情報提供する、プッシュ式の支援を進めていただけるようお願いいたします。事業者支援「ほっとらいん」の電話回線を継続していただいていることは感謝申し上げます。
以下、各分野について申し上げます。
1番目、健康・福祉分野です。
まず福祉総合相談窓口(仮称)の開設について。私ども公明党は2015年より、福祉関連窓口の水先案内人となる福祉コンシェルジュの設置を求めてまいりました。今回設置に踏み切っていただいたこと、感謝申し上げます。多部署にわたる御相談に対してワンストップ窓口で対応していただけるということは、相談する側からすると大変にありがたいことだと思います。
また、コロナ対応として、コミセンの利用を柔軟に考え、いきいきサロン事業への活用を認めていただいたことは、市民の声を聞いていただき感謝いたします。
介護職・看護職Reスタート支援金については、介護人材の不足が続く中、現場の人材確保のための支援を評価いたします。
次に、2番目、子ども・教育の分野です。
子どもの権利条例(仮称)の検討について。2019年12月の定例会にて、子どもの権利条例について一般質問で取り上げさせていただきました。これまでほかの多くの議員からも必要性が訴えられており、具体的に進み始めたことは評価いたします。教育部局ともしっかり連携し、募集型ではなく訪問型も活用し、子どもたちに真剣に向き合い、本当の声を聞き取り、子どもたちと共に条例を組み上げていってください。
子ども・子育て支援センターの設置については、妊娠期からの切れ目のない支援として、ネウボラの必要性を訴え続けてまいりましたので、子ども・子育て支援センターが、機能としてではありますが、設置されたことは評価いたします。
子どもと子育て家庭への支援に関する新たな複合施設の検討については、報告書には多くの必要性、有効性が記載されており、私も切れ目のない支援体制を構築するためには、複合施設の存在は大きいと考えます。今後の検討の中で、本当に必要であるという結論に至った場合には、様々な困難を乗り越え、設置していただきたいと考えます。必要なものはつくるというのが、武蔵野市政の大きな方向性であると考えます。必要なら新たな複合施設の設置をお願いいたします。
不登校対策の総合的推進について、スクールソーシャルワーカーが6人体制になり、中学生の居場所、クレスコーレも開設されたことで、支援が大きく拡充していることは評価いたします。今後も子どもたちの多様化する悩みに柔軟に寄り添っていってください。
教員の多忙化解消については、コロナ禍の1年を通して教員の在校時間は減少しているので、これらを参考に業務内容の精査を行い、多忙化解消を推進していってください。教員に時間的な余裕があることは、子どもたちの学習環境としてもとても大事なことだと考えます。
学習者用コンピューター活用の推進については、教員の皆様の負荷にも配慮しながら、学校間で密に情報共有し、試行錯誤しながら、楽しく進めていっていただくことを望みます。
交流共同学習支援員については、中学校にも配置を拡充していただくことを評価いたします。インクルーシブ教育の推進をお願いいたします。
3番目、平和・文化・市民生活の分野です。
コミュニティセンターについて。コミュニティ構想策定から50年の歴史を再認識するとともに、次期担い手の発掘については引き続き研究していっていただきたい。行政の関わりが必要という課題については、自主三原則を守りながら、適切な関わりをお願いいたします。
外国籍市民への支援について。外国籍市民の意識やニーズなどを知るため、
外国籍市民意識調査をされることは評価いたします。外国籍市民の言葉の壁、情報の壁を取り除くため、多言語翻訳機の導入やピクトグラムで、災害時にも迅速な対応ができるよう支援することなど、ニーズに応じて支援を続けていっていただきたいと思います。
防災対策について。防災拠点に太陽光パネルつき蓄電池を拡充していただいたことは評価いたします。従前より求めている液体ミルクや、感染症という災害に対してマスクや消毒薬が必要になることも予想されるため、物資協定をドラッグストアにも広げるべきではないでしょうか。また協定情報は、現在、地域防災計画の別冊としてPDFにアップされているだけですが、リアルタイムの情報をより分かりやすく市民に伝えるため、ホームページ上に、防災に関する協定等一覧として、カテゴリー別に表記していただくことを要望します。また、避難所の開設状況や混み具合をリアルタイムで見える化するため、アプリの導入を要望します。
コロナ禍での生理の貧困への支援として、東京都の防災備蓄の入替え分である生理用品27万3,000枚を市区町村に送っていただけるということなので、これらを有効に活用し、コロナによる生活困窮などで必要な生理用品が購入できない方の元へ届くよう、配布方法を工夫していただけるようお願いいたします。
総合体育館大規模改修工事基本計画の策定について。市営プールの在り方を検討する際には、市民ニーズをしっかり調査し、改修計画を策定していただくよう望みます。
武蔵野ふるさと歴史館については、管理運営費として令和3年度増額されている約2,700万円が、建物の劣化保全のための費用であることは大変に驚きました。当初からの契約とのことでしたが、公に資する事業なので、引き続き東京都の理解を求めてください。ふるさと歴史館が、オンラインも活用しながら興味深い事業をコロナ禍でも開催していただいたことは、高く評価いたします。より多くの方が参加できるよう、広報に努めてください。
図書館については、令和2年度予算特別委員会において要望していた電子書籍を導入していただいたことは、感謝申し上げます。緊急事態宣言下で、一時図書館を休館した時期がありました。電子書籍であれば、今回のような場合でも書籍を御利用いただくこともできるので、今後とも紙の書籍同様に充実されることを望みます。
むさしのサイエンスフェスタについて。令和2年度は中止となってしまいましたが、令和3年度は2部制での開催を計画されているということは評価いたします。対面開催が困難な場合には、オンライン開催なども含めて御検討ください。
緊急経済対策の効果検証について。くらし地域応援券については、市民の皆様、また小規模店舗の方々から喜びの声を頂いております。緊急経済対策に対する効果検証はもちろん大事ですが、冒頭に述べたとおり、このコロナ禍においてどういう産業が傷んでいるのかを広く調べ、次の支援につなげていっていただくことを望みます。
ふるさと応援寄附について。武蔵野赤十字病院や市内緊急病院の医療体制を支援する寄付を立ち上げていただいたことは評価いたします。今後もまちの魅力発信の一助となるよう、創意工夫をお願いいたします。また、本市の考え方に賛同いただき寄付をいただく、ガバメントクラウドファンディングについても御検討ください。
4番目、緑・環境の分野です。
環境部動画啓発プロジェクトについては有効な事業であり、費用対効果も高いと考えるので推進していってください。
一方で、
フードバンク活動団体支援事業については、食品ロスの削減のためということではありますが、一部の市民団体の活動に使われる食料保管庫が、環境啓発施設であるエコreゾートのバックヤードに設置されることには違和感を覚えました。
公園の整備については、オープンスペースである公園緑地は、コロナ禍で市民生活を大変豊かにしていると感じます。財政規律も大事ですが、公園整備もよろしくお願いいたします。
5番目、都市基盤の分野です。
景観道路事業について。市道第17号線は特定緊急輸送道路でもあり、防災拠点となる市役所前の道路であるので、早期に事業化してほしいということを従前より申し上げております。計画を前倒しし、調査を行っていただいていることは評価いたします。埋設物が多く、大きな桜の並木道であるため、困難な点が多数あるとのことでしたが、断念することはできない事業であると考えますので、新しいテクノロジーも活用しながら事業化をお願いいたします。
三鷹駅北口交通環境基本方針の地域展開について。三鷹駅北口の目指すイメージを示していただいたことは、第一歩を踏み出したことと評価いたします。今後は丁寧な意見交換をお願いいたします。
放置自転車対策業務については、労務単価が上がる中、事業内容を改善し、約2,000万円の経費削減をされたことは評価いたします。今後とも放置自転車がなくなるよう御努力をお願いいたします。
6番目、行財政の分野です。
AI、RPA等活用について。試行導入を拡大し、業務の効率化を進めていることは評価いたします。今後も適切にテクノロジーと人が、適材適所で業務を遂行していただけるよう望みます。
仮想化基盤更改計画、住民情報システム更改計画策定については、サーバーをどこにどう持つかは、本市の防災対策に大きく影響する事項でありますので、専門家の意見も聞きながら、適切に判断していってください。
冒頭にも述べましたが、デジタル化をどううまく使うかが、これからの行財政改革の大きなファクターになっていくと考えますので、ICT人材の育成をお願いいたします。
女性管理職の登用については、令和2年度、11.7%ということでありました。ワーク・ライフ・バランスを重視した働き方改革を進めていただき、目標達成に向けて、女性管理職のさらなる登用をお願いいたします。
最後に、今回の予算は、命を守り次世代へつなぐ予算との方針が記されています。市民生活を守るためには、コロナという災害で本市に何が起きて起こっているのかを、まず知ることが重要ではないかと考えます。市民の声に耳を傾け、必要なところに適切な支援を大胆に投入していただけるようお願いいたします。
結びに、予算編成に御尽力いただいた皆様、また、今春で退職なされる皆様の御尽力に深く感謝を申し上げまして、賛成の討論といたします。大変ありがとうございました。
24 ◯議 長(小美濃安弘君) 暫時休憩をいたします。
○午後 0時04分 休 憩
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
○午後 1時10分 再 開
25 ◯議 長(小美濃安弘君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
(20番 橋本しげき君 登壇)(拍手)
26 ◯20番(橋本しげき君) 私は日本共産党武蔵野市議団を代表いたしまして、2021年度の一般会計予算、3特別会計予算、水道事業会計予算、
下水道事業会計予算に賛成の立場で討論いたします。
今回の予算案は、「誰もが安心して暮らし続けられるまちへ 命を守り次世代へつなぐ予算」と題して編成されました。
2019年10月に消費税の10%への増税が強行され、その後の
新型コロナウイルス感染症の感染拡大で、暮らしはますます大変になっています。
新型コロナウイルス感染症の影響を受けた昨年4月以降は、前年同月比で雇用者数は毎月平均66万人も減っています。非正規雇用が大きく減少し、特に女性の非正規雇用者数が大きく減少しています。また、日本の資産1,000億円以上の富裕層は、コロナ禍の中で、約12兆円から約22兆円へ、総資産を10兆円も増やしています。2020年に売上高を上方修正した上場企業は551社で、上方修正の合計額は、売上高で約2兆8,200億円、最終利益で7,953億円に上ります。大企業がいち早く業績を回復させる一方、国内の中小・小規模事業者は事業存続の危機的な状況です。
菅政権によって格差と貧困が拡大し、暮らしがますます大変になっている中、市民の暮らしを支える自治体の役割を発揮することが極めて重要だと思います。日本共産党は、「誰もが安心して暮らし続けられるまちへ 命を守り次世代へつなぐ予算」と題して編成された2021年度の予算案が、市民の暮らしを支える予算であるかどうかを基準に、審議に臨んでまいりました。松下市政4年目の下で、全体として市民の暮らしを支える施策が進められていると評価できます。
以下、今回の予算案で評価できる主な点を述べたいと思います。
まず、一般会計について述べます。
1点目に、健康・福祉についてです。
新型コロナウイルスのワクチン接種事業が行われます。菅政権の対応が後手後手に回っているため、ワクチン接種が遅れています。市として最善の体制が取れるような準備を求めます。また
新型コロナウイルス感染症予防事業については後で述べます。
福祉総合相談窓口の開設によって、多様かつ複合的な課題を抱える方からの相談体制が強化されることが期待されます。引き続きの市民相談体制の充実を求めます。
特別養護老人ホームの多床室等整備補助金の支給が行われます。日本共産党は、年金でも入れる特別養護老人ホームの整備を求めてきました。2021年度に対象となる多床室は9床ですが、今後さらに対象となる多床室が増やせるように、市としても努力されることを求めます。
ほかにも、高齢者等緊急訪問介護事業(レスキューヘルパー事業)、在宅人工呼吸器使用者等への災害時個別支援計画の作成、障害者福祉センターあり方検討委員会の設置、若年層健康診査事業、特定健康診査未受診者に対する受診勧奨事業などが盛り込まれています。菅政権による社会保障改悪に対して、市民の暮らしを守る立場から、福祉都市宣言を行っている武蔵野市にふさわしく、さらなる社会保障の充実を求めたいと思います。
2点目に、子ども・教育の分野についてです。日本共産党は、認可保育園の増設を一貫して求めてまいりました。昨年4月に、長年の懸案だった待機児童の解消が実現しましたが、これは邑上市政、松下市政の下で、認可保育園の増設を積極的に行ってきたことの結果だと考え、評価をしております。今後は待機児童ゼロを維持し、希望する保育施設に入所できるようにするため、認証保育所の認可化移行などが進められます。
18歳までの子どもの医療費無償化は、日本共産党も求めてきたことでした。都内では先駆的な取組となります。このことを大いに評価いたします。
子どもの権利条例(仮称)の検討については、子どもの権利条約を踏まえ、武蔵野市において子どもの権利が守られ、子どもの最善の利益が尊重され、武蔵野市の子ども施策が国際水準に合わせたものとして展開されることを期待します。
2020年度から公立保育士の採用が始まり、2021年度も継続されます。武蔵野市に9園あった市立保育園は、5園が子ども協会立となり、4園が市立保育園として残りましたが、この4園を引き続き市立保育園として残していくことが決まりました。これを受け、公立保育士の採用を再開したことを評価いたします。武蔵野市の保育水準を維持し、保育の質を支える公立保育園の役割に期待します。
ほかにも、子どもと子育て家庭への支援のあり方の検討、子どもの支援に係る地域連携強化事業、新学校給食桜堤調理場(仮称)の建設事業などが盛り込まれています。引き続き、子ども子育て応援宣言を掲げている松下市長にふさわしい施策を、さらに進めていただきたいと思います。
3点目に、平和・文化・市民生活の分野です。予算特別委員会の審査中の3月17日、同性婚を認めないのは憲法14条で定めた法の下の平等に違反するという、画期的な判決が札幌地裁で出されました。2021年度武蔵野市予算には、パートナーシップ制度導入の検討が盛り込まれています。多様性が認められる社会の発展を望みます。また、コミュニティ構想50周年記念事業、地域防災計画の見直し、緊急経済対策の効果検証なども行われます。
国土強靱化地域計画の策定も行われますが、災害対策は市民の関心の高い分野であり、大型開発ではなく、市民の命を守る行政の役割を発揮する計画の中身を求めます。
また、平和・憲法啓発事業については、2020年度に
新型コロナウイルス感染症の感染拡大によって中止になった、長崎市への青少年平和交流派遣団について、2021年度はぜひ実行できることを願っています。2021年度は武蔵野市平和の日条例制定10周年に当たります。改めて平和の大切さを認識する年にしたいと思います。
4点目に、緑・環境の分野です。受動喫煙防止の推進について。三鷹駅北口に設置された閉鎖型喫煙所が、吉祥寺駅と武蔵境駅周辺にも設置されます。予算特別委員会でも指摘いたしましたように、三鷹駅北口周辺の屋外での受動喫煙状況の改善を求めます。
ほかにも
フードバンク活動団体支援事業、武蔵境駅前のミカレット移設事業、吉祥寺ウエストエリアの交通環境改善調査などが盛り込まれています。地球温暖化の問題が、まさに気候危機として人類の生存を脅かしかねない中、原発ゼロの日本を実現する取組を、引き続きこの武蔵野市から発信していくことを強く求めます。
5点目に、都市基盤の分野です。小型街路灯LED化事業が2020年度で完了することを踏まえ、2021年度から大型街路灯LED化事業が開始されます。引き続き、公共施設照明のLED化なども進めていただきたいと思います。
景観道路事業について、2021年度は、市道第16号線(かたらいの道)の電線共同溝工事、つまり電線類の地中化が行われます。災害に強いまちづくりの観点からも、引き続き計画的な電線類の地中化の推進を求めます。
ほかにも自転車のルール・マナー向上と自転車利用環境の整備も行われますが、これに関連する駐輪場の利用体系変更の点については後で述べます。
6点目に、行財政の分野です。2021年度は第六期長期計画2年目の年です。市民福祉向上の観点からの計画執行を求めます。
住民投票条例(仮称)の制定に向けた検討が引き続き行われます。昨年4月に自治基本条例と議会基本条例が同時に施行されましたが、市民自治の推進にふさわしい住民投票条例となることを求めます。
公共施設等総合管理計画の改定も計画されています。公共施設の縮減を進めるのではなく、安全性を確保した上で、市民に必要な公共施設を維持していくことを求めます。
2021年度の事務事業見直し、補助金見直しの総額は10億9,272万7,000円で、そのうち事務事業見直しが9億2,309万円となっています。この9億円余りの事務事業見直しのうち、8億円余りは2022年度以降に事業を先送りするものです。先送りした結果、今後その事業が実施できるのか、予算を確保できるのかという課題が出てくる可能性があります。この点は注視をしていきたいと思います。
以上述べてきたように、全体として暮らしを支え、平和を発信する市政が大きく発展してきたことを評価したいと思います。今回の予算案では、都市計画税減税など市民税が減収の見込みの中で、新たに実施される事業や拡充される事業も多くあることについても評価をいたします。
しかし課題もあります。時間の関係で質疑の中で指摘できなかった点も含めて、幾つかの点についてまとめておきます。
1つ目、
新型コロナウイルス感染症対策についてです。ワクチンの接種が始まりますが、集団免疫の獲得には時間がかかります。また変異株の動向も心配な状況です。感染者数も再び増加傾向になってきていると指摘されています。感染拡大を防止するためには、無症状の感染者を含め、感染者の早期発見と保護を図ることが必要です。そのためにPCR検査の社会的検査を抜本的に拡充することを求めます。
2つ目、菅政権が進めようとしている行政のデジタル化についてです。菅首相は今年9月にデジタル庁を設置することを目玉政策としています。規制改革断行の突破口だとして、規制緩和をコロナ禍に乗じて一気に加速しようとしています。科学技術の進展により、社会のデジタル化は時代の流れではありますが、総括質疑や総務費の審議で指摘したように、菅政権が進めようとしている行政のデジタル化には多くの問題があります。
強引なデジタル化の推進による混乱の問題、使えない人は置いてきぼりという、いわゆるデジタルディバイド、デジタル格差の問題、デジタル化と裏腹の行政サービスの後退の問題、
自治体システムの統一や標準化による自治権の侵害の問題、個人情報保護の後退の問題、個人情報漏えいの危険や情報の勝手な利用の危険が高まる問題、これらの問題が指摘されています。恐るべき監視社会がもう始まっています。
またマイナンバーの推進についても、市報の3月15日号では、マイナンバーを提示しなければ市役所で様々な手続ができないかのような、誤解を与える記述がされています。この記述の訂正を求めます。市としては市民の個人情報を守り、自治体の利益を損なわないようにすることを求めます。
3つ目、
学習者用コンピューター活用の推進についてです。
新型コロナウイルスの感染拡大で学校が休業し、子どもたちの学習権や教育を受ける権利が保障されないという事態が生じました。今後、
新型コロナウイルス感染症の感染拡大については予断を許しません。子どもたちの教育環境を整備する上でも、こうした
学習者用コンピューターの活用は必要と言えます。ただ、コロナ感染症の拡大という平時ではない状況のときと違う、平時の場合について、
学習者用コンピューターをどう活用していくかについては、よく議論する必要があります。
私は予算特別委員会の質疑の中で、子どもたちの近視が進んでいることを挙げました。慶応大学医学部の発表で、小学生の近視が学年平均で76.5%、中学生の近視が学年平均で94.9%になっており、中学生の11%が強度近視、強い近視になっているということが明らかになっています。強度近視は将来10%の人が失明の危険があると言われています。また目にとどまらず、他の疾患を誘発する、病的近視手前の状況であります。
学習者用コンピューターの活用に当たっては、子どもの健康に配慮する観点が重要です。
また、教員の負担増に配慮したサポート体制の充実が必要です。さらに菅政権は、教育のデジタル化を推進し、学習データを蓄積し利活用する、オンライン学習システムの開発など、GIGAスクール構想を進めています。子どもの個人情報の保護も改めて求めておきます。
学習者用コンピューターが、子どもの最善の利益のための活用のされ方をすることを求めます。
4つ目、耐震助成関連については、この間制度の充実が図られてきていることは評価します。ただ、予算特別委員会でも指摘しましたように、耐震助成関連の幾つかの予算が2020年度よりも減額となっています。首都直下型地震が今後30年以内に70%の確率で起こると言われており、建築物の耐震化が非常に大事となっています。耐震化率の向上に向けて、引き続きさらなる啓発の実践を求めます。
5つ目、指定管理者制度についてです。2021年度予算には、指定管理者制度の効果的な運用の検討についての予算が盛り込まれています。予算参考資料の説明では、指定管理者制度に関する基本方針の次期改定に向け、公募制を導入する上で必要な選定基準や選定方法をまとめたガイドラインを作成するとあります。指定管理者制度は、公の施設の管理運営に営利企業が参入することを狙ったものです。武蔵野市において公募制の導入は慎重にすべきです。市民の利益を第一に考えた運用を求めます。
6つ目、駐輪場の利用体系変更についてです。私はこの点について建設委員会で質疑し、昨年12月と今年3月の一般質問でも取り上げました。一時利用駐輪場に2時間まで無料の制度を統一的に導入することや、定期利用駐輪場の使用期限の適正化を導入することは評価をいたします。
しかし一時利用駐輪場について、100円で利用できる時間を短縮することや、定期利用料金を市民で大学生の場合、月額最大3.5倍も値上げすることなど、大きな問題があります。また定期利用料金について、3か月、6か月の長期割引を廃止する。大学生などを学生割引から外して、障害者等も負担増にする。市外居住者はさらに大幅な値上げになる。これらによって、隣接自治体に比べても高い定期利用料金になるという点があります。
3月の私の一般質問に対して、1か月単位の支払いをまとめてできるようにすることや、大学生や専門学校生の学割を復活させることなど、必要な見直しの検討を考えたいとの答弁がありました。定期利用料金の引下げも含めて、ぜひ検討を進めることを強く求めます。
7つ目、基金の問題です。2020年度末の見込額で493億円の基金が積み立てられており、前年度よりも24億円も増えています。医療や介護、子育て、地域振興や災害対策など、取り組むべき課題が山積しています。こうした課題の解決、住民要求実現にこそ、基金を活用することが大事であると考えます。基金を計画的に活用して、市民サービスの拡充を図ることを求めます。
次に、特別会計について述べます。
国民健康保険事業会計についてです。現在、国民健康保険財政健全化計画が実行されております。高過ぎる国保税の最大の責任は、国が国保財政に対する責任を放棄してきたことにあります。国が財政責任を果たすことが必要です。日本共産党は、全国知事会も提案している公費1兆円の投入で、高過ぎる国保税をせめて協会けんぽ並みに引き下げることを提案しています。武蔵野市においては、日本共産党などが求めてきた多子世帯への均等割額の軽減が実現しています。一般会計から必要な繰入れを行うことなど、市の財政力を生かして、国保税を引き上げないことを求めます。引き続き市の努力を求めます。
介護保険事業会計についてです。2021年度は3年ごとの制度見直しの年に当たり、3年間の第8期介護保険事業計画が始まります。厚生労働省は省令を改定し、要支援者が要介護者へ進んでも、本人が希望し、市区町村が認めれば、介護予防・生活支援サービス事業の住民主体のサービス、つまり総合事業の訪問通所型サービスを継続的に利用することを可能としました。これには、要介護者からの保険給付を外す布石ではないのかという批判が出ています。財界や財務省が要求している、2021年度からの要介護者の全面的な介護給付外しは断念した格好ですが、今後の動きを注視しなければなりません。武蔵野市においては介護給付費等準備基金を活用するなどし、4月からの介護保険料は12年ぶりに据置きとなります。このことを評価いたします。
また、中町3丁目の国有地活用による地域密着型特別養護老人ホーム等整備事業が、財務省関東財務局から提示された地代の概算額が、当初事業者が想定していた金額よりも高額となったために、計画が中止になってしまいました。中町3丁目の国有地活用については、ぜひ引き続きの努力をお願いいたします。武蔵野市において、引き続き現状のサービス水準を維持し、充実させていくことを求めます。
最後に、下水道事業会計についてです。下水道事業会計は公営企業会計に移行されました。2021年度は、下水道総合計画の見直しが行われますが、市民負担の増大につながらないよう、経営努力を進めることを求めます。
以上述べてまいりましたが、この2021年度予算が、市民の命を守り、暮らしを支え、武蔵野市の発展に寄与するものとして適切に執行されることを求めまして、私の賛成討論を終わります。
(22番 山本ひとみ君 登壇)(拍手)
27 ◯22番(山本ひとみ君) 会派に属さない議員の山本ひとみです。2021年度の一般会計、特別会計、事業会計に対して、賛成の立場で討論をいたします。
まず初めに今回の予算案ですが、第六期長期計画の2年目となりまして、「誰もが安心して暮らし続けられるまちへ 命を守り次世代へつなぐ予算」と位置づけられました。財政は、一般会計で695億3,900万円と増加し、基金残高が、2021年度見込額で453億円と減少に転じました。今回のこの予算案の特徴は、
新型コロナウイルス感染症拡大に対応したこと、そして新しい制度をつくる方向をはっきりと打ち出したことになると私は思います。
さて、その特徴の1点目の財政について申し上げます。一昨年の10月1日、消費税の10%の引上げがありました。それに加えて
新型コロナウイルス感染症の拡大によって、今もちょっと危険な状況があると思いますけれども、日本全体で大きな景気の落ち込みが見られました。私は、新型コロナ災害緊急アクションというのに参加して活動しておりますが、日本全体で格差、差別、貧困が増大して、女性や若い方も含めて、仕事や住まいをなくしたり、収入の減少に直面した人が本当に激増した1年だったと思います。私の知人も支援活動をやっておりますが、本当に困って困ってやっと連絡が取れたり、所持金が1,000円もないという方も珍しくないと聞いております。
さて来年度の予算に関して言えば、市民税が減少する中でも都市計画税を減免して、基金を活用するという方向を打ち出したことは、時宜にかなったものだと評価をしております。また、私自身は昨年の4月から様々な形である基金を活用することや、市が徴収する税金などは、免除や減額、猶予するということを訴えてまいりまして、この件について行政も様々に対応されてこられたことを感じております。これまで積み上げてきた基金を、財政調整基金だけではなくて、今こそ活用するということが、来年度も引き続いて重要だと思います。まだまだ感染の収束は見通せない中で、税金の免除、減額、そして様々な支援の継続、拡充が必要であるということを申し上げたいと思います。
来年度予算の特徴の2点目といたしまして、住民投票条例(仮称)、子どもの権利条例(仮称)の制定や、パートナーシップ制度の導入の検討、18歳までの、つまり高校生世代の医療費の無償化などが挙げられておりまして、こうしたことは意欲的な取組であると評価をいたします。2021年に市長選挙があるからこうした条例をつくるのだろうという意見もありますが、選挙で選ばれる市長をはじめとした政治家が公約を尊重するということは、大変重要なことです。政治家はもちろん状況の変化を見極めたり、特定の支援者への利益とならないように検討していくことは必要だと思いますが、自分の掲げた公約に真摯に向き合っていくことは重要であり、これは行政をゆがめるものではないと私は思います。
この項の最後のほうに、昨年も言ったわけなのですけれども、私は1年前の討論でも、今こそ、武蔵野市は、これまでの蓄積を生かし、多様性を認め合うまち、人権を尊重するまちを実践することが求められており、そのために、自治の力を生かすことが必要だというふうに述べました。
そしてそれまでも政府や政権与党は、土地の活用、介護、保育、教育と様々な分野で規制緩和や民間への委託を進めてきておりまして、これが私的企業の利益拡大のために、多くの国民、中でも生活に困窮する人々への政策の内容を後退させるということに対して、自治体は現場から政策を磨いて、意見を述べていく必要があるということも申し上げてまいりました。まさに、コロナ禍がコロナ災害と言われる状態になって、これまでの政策の見直しの必要性が社会的にも明らかになっていると私は思います。
具体的なことに入る前に、今年、3月11日は、あの10年前の東日本大震災と福島第一原発の事故から10年目に当たったということを、私は振り返りたいと思います。甚大な被害を風化させることなく、あの経験を引き続いて広げるということが大切だと訴えたいと思います。3月1日の市報での市長のコラムへの意見もありましたが、あのとき、東京都の水道のみならず、口に入るものを、多くの市民、とりわけ幼いお子さんがいる保護者の方から、本当にたくさん、心配だ、不安だという声をいただきました。こうした心配の声を受け止めるということが政治家には求められており、行政もそれを受けてどうするかを考える必要があると思います。
私自身は、水や食料の安全のためには、精度のよい放射能測定器を、当時で言えばゲルマニウム半導体測定器を市で購入することが必要だと強く思い、そのように行動してまいりました。今後の防災を考えても、原発(原子力発電所)が存在することは大きなリスクを抱えることであり、一刻も早い原発ゼロが望まれると思います。
さてこの後は、款ごとに評価と課題を指摘していきたいと思います。
まず総務費です。総務費では、住民投票条例(仮称)、子どもの権利条例(仮称)、この検討が計上されているということを強く評価いたします。
また、パートナーシップ制度導入を目指す男女平等施策推進もあります。私自身はパートナーシップ制度導入を条例でやるべきだということを求めてまいりましたので、この方向で制定ができるように力を尽くしたいと思います。パートナーシップ制度に関わる中間のまとめによっても、同性でも異性でも、お互いを人生のパートナーとして、日常生活において、互いに協力し、扶助し合うことを約束した2人が、安心して暮らし続けられることを目的としているというふうに書いており、この内容を私としても評価しております。
また、この制度とは一定別の概念とはなりますが、男女平等に関しても進めていただきたいと思っております。国レベルでも、選択的夫婦別姓の制度もまだできていないという状況であって、実際でいっても、今よりもさらに男性の育児休業の取得などを求めていきたいと私は思っております。武蔵野の男女平等推進センターの事業は、私も度々参加いたしますが、大変優れた内容があり、もっと広報を進めてよいと感じております。女性の貧困、就業での格差など、現実に男女の格差はありますので、この差別を見詰めて解消に努めていただきたいと思います。
さらに、吉祥寺本町4丁目にある旧赤星邸、この利活用検討調査もありました。この施設は市内の中央部にあり、市民の期待も高いと思いますので、市民参加の仕組みを考えて取り組んでいただきたいと思います。
外国籍市民の意識調査が計上されております。必要なことだと思います。武蔵野市には、私の知る限りでも、戦中から在日コリアンの方が住み、働いていたという歴史もあります。この方が帰国するという経験も持っています。こうした経験も生かして広げていき、ヘイトスピーチがないまちにと望んでおります。
続きまして、民生費です。昨年は、保育園の待機児童がゼロになるという大きな前進がありました。ここ数年間、様々な形で保育園の増設に取り組まれてきたことが一つの結果として出たと思っております。また、公立保育園や公立の保育士さんに関して議論がありました。私はこのことに関して昨年の議会でも、公立保育園や公立の保育士さんの必要性を訴えておりましたので、これから公立保育士さんが活躍することを期待しております。医療的なケア、あるいは障害がある、こうした方の保育に関して、経費と効果だけでは測れない、そういう保育があるということを私も訴えておきたいと思います。
そして今回は、福祉の総合相談窓口の開設があるということを評価したいと思います。武蔵野市独自の医療機関がない状況ではありますが、私はこの民生費では、医療と福祉の連携の強化、あるいは各種の会議での当事者の参加の促進について、今よりも進める方向で現状を変えていただきたいということを、ここで訴えておきたいと思います。また施設サービス、これはなかなか困難もあるかと思いますけれども、やはり施設がなければ生きていけない、生活ができない方もいるということを心に留めて、これからも充実に努めていただきたいと思います。
民生費では、生活保護に対しても訴えたいと思います。生活保護の制度は、今後ますます重要になると私は思います。大きなハードルとなっている扶養照会に関しては、事前に生活保護の受給申請者本人が希望し、かつ明らかに扶養の履行が期待できるという場合に限定するような制度の変更が望まれます。生活保護は国全体の制度ではありますが、この武蔵野市でも、この前の一般質問で伺ったところ、4年間で実際の扶養につながった件数はゼロ件で、全くなかったということは、関心がある市民の方を含め、他市からも注目を集めているということを、ここでも申し上げておきたいと思います。もちろん厚生労働省も今対応していますが、決してそれは十分とは言えない状況の中で、ぜひ蓄積があるこの武蔵野市としても、対応をお願いしたいと思います。
子どもの医療費無償化に関連して、高校生世代の無償化が来年度から実施されます。2021年度から入院のみ、その翌年からは通院もということで、3年かけて実施されるこの制度については様々な議論があり、反対する議員の方もおられますが、私は、これは子育て支援策のみならず、税収の裾野を広げて、まちの将来にも貢献する大切な政策であり、武蔵野市がこうした方向を財源も含めて実施していくことは重要なことであると、高く評価をしております。
続きまして、衛生費です。衛生費には
フードバンク活動団体支援事業が計上され、エコreゾートに保冷庫を設置することが明らかになりました。12月議会の一般質問でも、私はフードバンク設置を訴え、もしそれを設置するのであればエコreゾートがよいということを訴えておりましたので、この点も高く評価をしたいと思います。また、武蔵境駅南口の公衆トイレの移設検討の予算の計上も、住民の要望に沿ったものであると評価をしております。
続いて商工費です。商工費には緊急経済対策の効果の検証が計上されているということは、私も評価をしております。3月31日が期限となっているくらし地域応援券ですけれども、今回郵送で送るという方法を採用したことは、商品券を発売してそれを取りに行くというやり方に比べて、公平で効果もあった、優れた制度であるということを評価しております。
一方で、使用するときに500円の現金を最低用意することが必要ですけれども、これが用意できない人がいるということも事実でした。また、住民票がないけれども市内に住んでいる、そういうDVの被害者の方や路上生活を送っている方もいらっしゃって、こうした方が武蔵野市に住んでいる以上、確実に受け取れる方法を、私としては取っていただきたいと思います。
また送付に関して、これは12月も訴えましたが、やはり世帯単位ではなくて個人単位であるということが、この世帯で力がある人、お金があったり、あるいは言うことを聞かせたりみたいな人がやはりいるわけですから、そういう人にお金が集中することを避けるためにも必要であると思います。実際に、今は別々に住んでいるけれども私のところには来ないという女性の方から連絡もありまして、この点はぜひ考えていただきたいと私は思います。
続きまして、土木費です。土木費には、都市計画道路3・4・27号線の調査検討の予算が、道路名も挙げて計上されました。衛生費の武蔵境駅南口のトイレ、ミカレットの移設設計と併せて考えれば、これは都市計画道路3・4・27号線の見直しにも大いに関係するものと、私は期待をしております。この件は12月議会の一般質問で私も取り上げましたので、早急な対応だというふうに感じ、評価をしております。
続きまして、教育費です。2021年度は、学習者用のコンピューター導入が大きな節目を迎える年となります。私自身も、コンピューターの導入が必要であるということは当然だと思っております。一方で、いまだ十分な事実が知らされていない保護者もあれば、御家庭でパソコンを接続する環境がない場所もやはりあり得ます。教師の方も忙しい業務をしている中で、教師の様々な業務、そして保護者の負担軽減につながるように求めたいと思います。その意味では、人的なサポート体制のさらなる推進が必要です。そして、コンピューターだけでは可能ではない社会の様々な人権、これに触れる機会をやはりつくっていっていただきたいし、教師それぞれの個性を生かす内容となるように、全国一律の画一的な教育ではないようにということを、私としては要望したいと思います。
不登校対策については総合的推進が挙げられておりますが、やはり各校へのスクールソーシャルワーカーの配置が今よりも必要だと思います。増やしていただきましたけれども、6名ではやはり少ないと私は思います。経済的な支援も長年訴えておりますが、草津市など踏み込んだ対応を始める自治体もありますので、ぜひ実施していただきたいと思います。
インクルーシブ教育に関して言えば、交流共同学習支援員の配置が計上されておりますが、交流や共同は必要でありますが、社会全体で、障害があるないにかかわらず、生活し学び働ける環境を整備する中で教育があると思います。その意味では、いまだ学校に保護者の付添いが必要である場面もあります。これは大変残念であり、付添いが困難な家庭もあるわけです。これは多様な選択肢を生かすのではなく狭めていることになりますので、希望すれば、保護者の付添いがなく、障害児が通常学級、あるいは普通学校、そういうところで勉強や生活ができることを求めていきたいと思います。
最後に、特別会計です。
国民健康保険に関してです。医療保険の役割は、新型コロナ災害が大きな問題となる中でますます重要だと思います。私自身は、社会保険と国民健康保険の負担が異なっているということはやはり問題であり、全国一律の医療保険制度が必要であると思います。そして財政健全化計画も、本当は見直していく必要があるというふうにも思っています。
一方で武蔵野市の場合、一般会計からの繰入れもあり、また今回大きな裁量の余地がないということも考えまして、問題点がある制度ではありますが、来年度予算は賛成といたします。
水道事業です。私自身は、都営水道と武蔵野市の水道との一元化に、現状では賛成ではありません。残念ながら国政では民営化に道を開くコンセッション方式ということが決定して、こういう方式を導入している自治体も出てしまいました。都営水道と一元化することに関しては見合わせて、慎重に考えていくべきだということを申し上げたいと思います。
最後に、今回の予算審査に多くの議員の皆様、職員の皆様が当たられました。感謝を申し上げます。そしてこの3月で退任される職員の皆様には、本当に長い間お疲れさまでした。今後もお元気で御活躍くださいと申し述べまして、私の賛成討論といたします。
(18番 与座 武君 登壇)(拍手)
28 ◯18番(与座 武君) それでは、自由民主・市民クラブを代表して、令和3年度の一般会計、3特別会計、2企業会計の各予算に、賛成の立場で討論をさせていただきます。
まず冒頭に、2月26日に行った、私のというよりも、我が会派の代表質問において、過去の委員会での市長答弁について、その発言の真意を尋ねたところ、質問に対する答弁というのは、その質問者に対してその質問の前文の趣旨を含めた質問に対しての答えである。その答弁に対して問題があったり疑問があれば、質問者がその場でしていただくことが、そこで議論を深めることが大前提であるとの御認識を示されました。正直驚きましたし、残念でした。
確かに発言の一部を切り取り、歪曲して語ることは間違いであるし、建設的な議論を阻害するものであります。でも、このときはそうではなかった。仮にこのまま市長発言を了とし、受け入れてしまうと、議会での議論の積み重ね、共有ができなくなり、ひいては今回の予算委員会そのものも成立しなくなるとの危機感を持ちました。
予算委員会での総括質疑を通して、市長は我々の指摘内容を納得いただいたようであります。ならば、これからも自治基本条例第21条1項に規定された「議会と市長等とは、市政の課題に関する論点及び争点を明らかにし、合意形成に向けて審議を尽くすよう努めなければならない」との共通認識を持ち、武蔵野市政発展のために、お互いに大いに議論を交わし、すばらしいまちを創造していこうではありませんか。
さて、今回の予算内容の一部には、我が会派として到底容認できない事業も含まれています。しかしコロナ禍という非常事態下で、いかに市民の命と生活を守っていくのかということを最優先に考え、予算案に賛成するとの決断に至りました。その上で、以下10点に絞り、問題点、課題点の指摘、そして評価をさせていただきます。
1点目は、18歳までの医療費無料化についてです。コロナ禍の影響で財政見通しが厳しくなる中で、本当に今やらなければならない事業なのでしょうか。市長はコロナ禍の今だからこそとの旨の御見解を述べられていますが、今は、もっと広く生活に困窮している子育て家庭に支援の手を差し伸べることを考えるときではないでしょうか。
また市長は、子育て支援策とおっしゃいますが、この制度は明らかに医療保障制度です。15歳までの義務教育課程の児童生徒に対して、東京都が半額負担し支援している制度を、基礎自治体である武蔵野市が単独で単純に18歳まで対象年齢を延長することは、憲法25条に規定された社会保障制度の原点に立ち返っても疑問です。基礎自治体の責務として、仮に重篤な疾病治療で高額な医療費支払いに追われ、生活困窮に陥っている人を救済するならば、入院費を補填する制度を構築するなどの救済措置を別途考えるべきです。
また、意見交換会や
パブリックコメントを実施しないなど、広く市民の声を聴取しないことは、市民参加を規定した自治基本条例15条2項違反ではないかとの疑義も持ちます。我が会派のメンバーの目には、公人市長としての行政行為ではなく、政治家としての公約実現が第一で、長期計画などの行政計画に18歳までの医療費無料化を書き込み、がむしゃらに突進して、十分な熟議を無視しているようにしか見えません。
2点目は、市立保育園と公務員保育士についてです。市立保育園を4園も運営する必要があるのでしょうか。また、その市立保育園を維持運営するために、公務員保育士を新規に採用する必要が本当にあるのでしょうか、疑問です。保育水準の向上を図ること、保育の質を担保していくこと、医療的ケアを必要とする子、障害を抱える子などの保育を充実していくことは当然であります。ならば、平成22年4月に公益財団法人として公益認定を受けた子ども協会の設立趣旨を鑑み、子ども協会を中心に民間保育所と連携しながら様々な対策を講じていくことが、本来あるべき姿ではないでしょうか。
平成22年からこの10年間、何をやってきたのでしょうか。今この時点で公務員保育士の新規採用など、時代に逆行していると思います。また、保護者負担を除き、民間保育園の運営費は国、都、市が負担し、市立保育園は全額市負担です。それならばなおさら市税単独投入の意義をはっきりさせ、市税投入金額と武蔵野市の目指す保育行政の成果を見える化し、考察、議論できるようにする必要があると考えます。予算委員会で金額提示を求めましたが、明確なお答えがなかったことは非常に残念です。
3点目は、エコreゾートのロゴマークについてです。環境啓発施設エコreゾートの運営には期待しています。しかし、シンボルとしてのロゴマークを、数百万円の税金をかけてプロのデザイナーに依頼し、商標登録し、民法上の対抗要件を整えたにもかかわらず、色使いについての統一感のない無頓着な対応には、大いなる疑問を抱きます。市民にこのロゴマークが愛着を持って浸透していかないのではないかと危惧しています。
4点目は、0123施設での4歳、5歳児受入れ試行についてです。まず、0123施設の設置思想は忘れないでほしいと思います。0123施設検討当時、4歳、5歳児のほとんどは保育園か幼稚園に通っている。ゼロ歳児から3歳児の約3割が保育園を利用している。約7割の人たちが各家庭で子育てをしている。この7割の家庭に子育て支援の行政サービスの手を差し伸べるべく開設されたのが、ノンプログラムプログラムを標榜する0123施設であります。
当時としては、法の想定外の画期的な乳幼児施設でありました。しかし時代とともに子育て環境が変化しているので、施設運営については柔軟に対応していく必要性は感じています。しかし、決して原点は忘れないでいただきたいと思います。
また、過去にゼロ歳児の娘と4歳児の息子と共に利用させていただいた親の体験的実感として、ゼロ歳児から5歳児までが同じフロアで遊び回ることは、非常に危険だと感じています。あのときは我が息子の動き回る姿を見て、他のお子さんにけがをさせてしまうのではないかと、恐怖すら感じました。正直、4歳、5歳児の利用については懐疑的であります。しかし試行ということですので、安全対策には十分配慮して行ってください。
5点目は、福祉総合相談窓口(仮称)についてです。長期計画にも健康福祉総合計画にも重点項目として記載されている、相談支援ネットワークの連携強化実現に向けた一つの施策としての生活困窮者支援総合相談窓口開設であります。一歩前進です。しかし将来的には、高齢者福祉、障害者福祉、児童福祉、そして生活困窮者自立支援など、各制度に精通し、柔軟に分野横断的な対応ができる、本当の意味での福祉総合相談窓口に昇華していってもらいたいと思います。そのためにも、エキスパート職員育成の一環として、福祉スペシャリストの育成に力を注いでいってほしいと思います。
6点目は、
学習者用コンピューター活用の推進についてです。新学期から市内小・中学校で
学習者用コンピューターが1人1台貸与されます。さらに文部科学省では、デジタル教科書の本格導入に向けた検討が進んでいます。コロナ禍の中、子どもたちの学びの保障を確かなものにするために、ITと学校教育の融合が加速度的に進んでいます。教育委員会内に活用検討委員会が設置されました。正直なところ、社会状況の変化に学校教育現場が追いついていないのが現況ではないでしょうか。ハードの整備とともに、教材開発、ITの授業活用、そして教員の指導力向上など、ソフト面の整備もスピード感を持って対応してもらいたいと思います。
7点目は、三鷹駅北口交通環境基本方針についてです。三鷹駅北口ロータリーの問題点については、この間繰り返し指摘してきました。三鷹駅北口交通環境基本方針を読むと、駅前ロータリーを通過する車両については、周辺幹線道路を整備しつつ、補助幹線道路に迂回、誘導させていく。また、駅前ロータリーを使用する路線バスやタクシーなどの公共交通や一般車両については、駅前広場隣接地を拡張し、駅前ロータリーを改修していくとの方向に、正式にかじを切ったと理解しました。
しかし長期的整備方針はできたとしても、駅前ロータリーの課題が解決されたわけではありません。長期的な展望を持ちつつも、短期、中期対応として、暫定的にでもできる整備は進めていくべきです。さらに民有地の土地取得、民有地を中間的領域として公共的に活用できるようにしていく交渉には、かなりの覚悟と胆力が必要です。市長のリーダーシップと職員の力強い突破力に期待をしています。
8点目は、学校改修事業についてです。教育費審査当日の朝刊に、文部科学省が2021年度に改訂する小・中学校の整備方針で、感染症対策やオンライン授業への対応を進めるよう、自治体や学校法人に求める方針を固めたとの記事が掲載されていました。心配していることは、武蔵野市学校施設整備基本計画を改定する必要に迫られるのではないか、そして新年度基本設計に入る一中、五中の改築基本計画に影響を及ぼすのではないかということです。
じっくりと新聞報道と一中、五中の改築基本計画を読み合わせると、教室と廊下の壁をなくして3密を回避するとか、グループ学習に適したオープンスペースを設置するということについては、教室と廊下の可動式間仕切り壁を設置することや、ラーニングコモンズの整備をするなどで対応できるとの認識を持っています。しかし今後も文部科学省の動向を注視し、丁寧な情報収集に努め、時代の先端を行くセンチュリー校舎建設を進めていってほしいと思います。
9点目は、セカンドスクールについてです。武蔵野市長期宿泊体験活動検討委員会報告書に、5年生のセカンドスクールを6泊7日から5泊6日に、宿泊日数を1日減らすとありました。理由は、5年生の総合的な学習の時間が年間70時間、そのうち約6割強を占める40時間を充てている。武蔵野市民科の学習活動が始まり、総合的な学習の時間が圧迫されてくる。また教員の働き方改革として、長時間勤務が課題になっている。そしてこれらのことを前提に、宿泊日数を減らすことを前提にシミュレーションが行われています。
これでは結果ありきの議論です。学校教育計画に記載されている教員の意識調査では、自然体験活動、長期宿泊体験の充実が十分に取り組めている、まあまあ取り組めていると、肯定的な評価が合わせて95%と、他の項目から飛び抜けて高い評価を得ています。保護者の意見も大半が日程を短くしてほしくないというものであります。
そして何より児童同士がわがままをぶつけ合い、けんかをし、本当の意味での信頼関係を築けるのが5日目以降であるということは、宿泊先のお父さん、お母さん、そして引率している先生方の共通した見解であります。まさにここに豊かな人間関係を築くとの長期宿泊体験学習、セカンドスクールの目的と意義があるのではないでしょうか。宿泊数を減らすことで、この教育効果が期待できにくくなりませんか。
また、学校教育計画に記載されている武蔵野市民科の学習テーマの内容例には、長期宿泊体験活動も含まれています。総合的な学習の時間と他の授業とのやりくり調整や、セカンドスクールと武蔵野市民科とのやりくり調整など、宿泊数減ありきでシミュレーションするのではなく、現在の6泊7日でセカンドスクールを実施することを前提に、様々な可能性と方策を追求していくことを強く求めます。
小学校の卒業式で卒業生に、小学校生活で一番何が思い出に残っていると聞くと、多くの児童がセカンドスクールと答えます。教育長、武蔵野市が全国に誇る、特色ある学校教育の中核、セカンドスクールは守っていってください。
10点目は、新型コロナワクチン接種事業についてです。今、市民が一番関心と期待を寄せているのは新型コロナワクチン接種です。医師会や薬剤師会と連携しつつ、武蔵野市役所全庁を挙げての非常に困難を伴う取組になると予測されます。万般遺漏なく取り組んで遂行してほしいと思います。歴史に残る一大事業です。よろしくお願いいたします。
急遽もう1点。予算委員会で、そして本日の質疑を聞いていて、おかしいなと感じたこと、それはくらし地域応援券の配付基準についてです。本来ならば、令和2年度の事業なので次の決算委員会でやるのが筋ですが、一言苦言だけは呈しておきます。12月8日火曜日、総務委員会の席では、住民基本台帳に登録されている、基本的には世帯単位で、特別郵便で配付するとの説明でした。しかしこのとき、特例基準や特例扱いがあることは説明はありませんでした。配付の是非の議論もありますが、それ以上に議案審査に当たり議会への説明が不十分であり、不親切であると厳しく指摘をさせていただきます。
最後になりましたが、予算編成に御尽力いただいた皆様、また、今年度で退職される職員の皆様、中には引き続き職務に従事される方もいらっしゃいますが、まずはこれまでの御功績に深く感謝を申し上げ、賛成の討論とさせていただきます。
(26番 深沢達也君 登壇)(拍手)
29 ◯26番(深沢達也君) 立憲民主ネットを代表し、令和3年度予算に関する予算特別委員長報告に対し、つまり全ての予算に対し、賛成の立場から討論を行います。
このたびの予算審査は、コロナ禍による緊急事態宣言期間中に始まり、喫緊の課題であるワクチン接種の取組を進める渦中に行われました。この時局を踏まえ、予算書各款の説明の時間を先立って別日に設けるなど、執行部の業務を鑑み、時間の効率配分に工夫をしたところでありますが、執行部の皆様におかれては、市長を先頭に、日々のコロナ諸対策を執行しながら予算審査に臨まれたことに対し、冒頭感謝と慰労の意を表します。
本予算には喫緊のワクチン接種に関わる予算が含まれるため、前例のない重要な予算審査であったと認識します。発生以来、多大な御協力をいただいている医療従事者の皆様、関係者の皆様と共に、ワクチン接種の滞りない執行の実現と、一日も早い収束を願い、さらに歩みを進めるよう提案します。
このたびの予算案は、「誰もが安心して暮らし続けられるまちへ 命を守り次世代へつなぐ予算」と位置づけられ、
新型コロナウイルス感染症により新たに生じた、暮らしや福祉、地域経済の課題にも積極的に向き合う内容が盛り込まれるとともに、皆が命の危険にさらされる中で、執行部を挙げて市民の命を守るという、一貫した姿勢と強い意志を感じました。
一方、この間、人と人との物理的な距離を保つソーシャルディスタンスの重要性が求められる中で、これを安全に履行できるインフラとして、インターネットが欠かせない存在となってきました。今回の審議では、そのニーズに応えるため、各款を通してWi-Fiの整備について会派の委員よりただしました。また、本令和3年度から子どもたちに
学習者用コンピューターが貸与されることで、学習を取り巻く環境の変化も想定されます。加えて、このWi-Fi環境の整備は学校教育にとどまらず、市民生活の多くの場面で必要とされる事象が発生していることから、コミセン、図書館、学童クラブなどでも、これに応えるための検討、整備を提案します。
振り返れば、昨年の予算審査も
新型コロナウイルス感染症の広がりの中で行われましたが、今なおその脅威は続きます。ワクチンの迅速で確実な接種に期待します。この機を一つのターニングポイントとして、これまでの人類の歩み、人間の生活を振り返り、総括しつつ、新たな時代の創生へ希望を見いだし、立ち向かうことを期待するものであります。
以下、各分野にわたり意見や指摘を述べますが、本予算の全体像は、さきの会派代表質問において、るる展開した理念に基づく諸施策が盛り込まれ、要諦をなしていることから、さらに付言すべき点など特記事項について述べ、討論といたします。
子ども・教育について。本令和3年度は、18歳までの医療費自己負担分無料化の第1段階として、入院時の無料化が実施されます。本施策をめぐっては、条例改正の際、時期の問題など賛否の議論があり、今でも議論はありますが、私たち会派は、松下市長が子育て支援政策は市政運営上効果があるとの旨の答弁をしたことについて検証したところ、これが人口増の要因の一つとなり、結果として税収増になっていることが明らかでした。さらに先行き不安な時期だからこそ、子育て家庭の不安を少なくすることも子育て支援策となると評価し、今だから必要と判断し賛成をいたしました。
あわせて、公務員保育士が10年ぶりに採用されます。平成23年に採用して以降採用ゼロが続き、現在4園ある公立保育園の存続ができなくなること、民間園のみでは急遽閉園してしまうケースもあり、公立園があれば、民間では限界のある障害児や医療的ケア児の対応も可能であります。また、市の職員として現場の経験を子ども政策に生かせるメリットもあるため、会派としてこの採用を評価します。さきの代表質問でも主張しましたが、コロナ禍で分かったことの一つは、緊急事態時における公助の役割の重さであり、公務員という存在の重要性であります。保健所がその象徴であり、人件費削減の流れの見直しが必要と考えます。
次に、子どもたちを取り巻く環境に関して、審議を通じて何点か指摘をいたしました。本市の学校教育の取組と水準に対する基本的な信頼を踏まえつつ、今回は小学校の入学のしおりにある体育着の使い方など、日々の学校生活における指導に関し、子どもたちの人権に関わる点で懸念すべき課題があることを指摘いたしました。質疑を通じて指摘を真摯に受け止められ、対応される旨の答弁があり、安心いたしました。教育委員会に対し議会の立場から、子どもが伸びやかに育ちゆくよう対応されることを提案いたします。
インクルーシブ教育については、その進捗を評価します。障害のあるなしにかかわらず、共に学ぶ機会を増すための支援員が、昨年から特別支援学級に配置されましたが、今回はさらに中学校に配置するため予算が増額されました。これは武蔵野市独自で前進される取組と認識します。今後通常クラスと特別支援学級との協働にとどまらず、通常クラスに在籍する障害のある子どもたちへの措置を含め、インクルーシブ教育の理想へ向け、歩みを進められることを提案します。
平和・文化・市民生活について。平和の問題について松下市長は極めて積極的であり、これを評価します。社会の意見のマジョリティが戦争にしないという意思であれば、戦争への道は開けないものと確信します。したがって、国と自治体等問わず平和運動は必要と考える。本年度予算では、中・高生の長崎市への派遣事業の再開など、平和啓発の事業が盛り込まれています。新型コロナ感染症の状況を踏まえつつ、前へと進まれることを提案します。
平和運動を進める団体の一つである世界連邦運動協会について、審議の中で触れました。昭和35年、武蔵野市議会で議決した世界連邦に関する宣言を根拠に、市が助成し、長年にわたり子どもの作文や絵画のコンクールなどを地域で取り組まれ、子ども世代からの啓発に貢献されています。これを踏まえつつ、今回の審議では、団体の理念と現況とを再確認いたしました。その運営において、団体本部から公開される情報が更新されていないことなどを指摘いたしました。物事全てそうですが、原点の再確認とともに、運営の在り方については常に検証が必要であることを付言しておきます。
多様性について。これは社会の活力の源泉と考えます。ジェンダーの問題が議論されるところですが、100人いれば100の個性がある。自分らしく生きる、これが社会で花開く姿を目指し、その障壁は取り除き、環境整備を充足させることが求められます。折しも審議期間中の報道で、同性事実婚も法的保護の対象と認める最高裁の決定がありました。性的少数者の権利保護に司法が見解を示した初の事例であり、歴史的な決定と言える。国の法整備が求められるところですが、まずは自治体ができることとして条例制定があります。現在進められている武蔵野市のパートナーシップ制度条例を早期に提案します。
ペット対策については、震災時などの避難所の受入れ体制の整備など、これまでも指摘をしてまいりましたが、日頃から協力いただく武蔵野市獣医師会はもとより、市内にある日本獣医生命科学大学との連携、協働を、より生かすことを求めるものであります。
都市基盤について。本定例会において、長く懸案であり、会派としても早期にグランドデザインを作成するよう求めてきた三鷹駅北口の将来像について、三鷹駅北口交通環境基本方針の策定に向けた考え方が示され、2030年代に実現していくための目標となる将来イメージも明らかになりました。これらに向けた諸問題解消に着手され、玉川上水の緑を生かした歩行空間の充実、駅前の2ロータリー化など、安全確保とともに、武蔵野市の中央玄関口としてふさわしいまち並みへ向け、取組を進められることを期待します。
LED化事業については、学校、コミセン、市庁舎などで着実に進み、2016年以降で消費電力が、改修前の54%に削減できているということが分かりました。街路灯については、2018年に出された整備化計画に沿って小型の取付けをほぼ終了し、本年度から2か年で大型の整備が進められる計画となっています。まちがより明るくなるだけでなく、CO2削減、そして電気料金の削減に大きく貢献するものであり、都の補助金が僅かな中での市の着実、積極的な取組を評価します。長期計画に沿って今後もさらに進めていただきたいと思います。
公園の整備については、インクルーシブ公園、インクルーシブ遊具についても積極的な検討を提案します。
行財政について。障害者雇用について法定雇用率が達成されました。民間は2.2%から2.3%へ、国と地方公共団体は2.5%から2.6%へ改正されました。武蔵野市は現在、雇用率2.62%とクリアできているとの資料が出ており、障害者受入れの努力を評価します。本年度も増員の予算が盛り込まれておりますが、今後とも、会計年度任用職員、正職員の適宜適切な採用に積極的に取り組まれることを求めます。
DXについては、さきの代表質問で述べたとおり、ICT機器を活用することが目的ではなく、従来の人、物、金に加えて、デジタル技術を活用することで、市民生活がより便利で豊かになること、市の業務が効率化されることで、市民との対話、接する時間を増やすことにつなげていくことがその目的と考えます。これは改めて強調しておきます。
公共施設の総合管理については、武蔵野公会堂について、耐震基準に適合していないかのような質問がありましたので、耐震強度について重ねて確認したところ、執行部の答弁は、昭和56年の新耐震の基準に基づいて、診断、耐震改修し、耐震性を確保しているとの内容で一貫していました。あたかも法に違反していると受け取れるような発言が繰り返されることは、市民の不安をあおるだけになると考えます。
審査途中で資料請求があり、提出はされましたが、この資料の意味も不明でございました。予決算の審査の資料請求は、かねてから議会と執行部の取決めによって、事前に委員会として取りまとめし、請求を行い、審査前に配付されることで、審査時間を有効ならしめてきた。審査中の請求によって、取扱い、そして取り寄せにかかった時間を考えると、貴重な時間を空費したと感じます。
公会堂について直近の調査は、令和2年度のコンクリート強度試験で、結果は基準を上回っていた。また、全体として中性化の進行はないとの答弁でした。この調査を基に、本令和3年度早々、つまりこの予算が成立した後の4月1日以降、耐震性と給排水管等の劣化度調査を行う。加えてエレベーター設置やバリアフリーへの改修などを含めたシミュレーションを行い、武蔵野公会堂の最終的な耐用年数を設定していく、こう答弁されました。一連の取組の中で強度がより確実になることを期待します。
そこで、昭和56年の建築基準法改正によって定められた新耐震基準以来、今日に至るまでの経過を振り返ると、昭和60年の補強工事以来、診断調査に着手したのは、今述べた令和2年度のコンクリート強度調査、そしてこの4月からの建物調査となります。言い換えれば、松下市政になって着手された。
思い返せば、私が初当選した昭和58年からの1期目に、公会堂の改築について議会での議論がありました。所管は、当時教育委員会でした。そしてまた当時は、吉祥寺駅南口のまちづくりとは切り離して、施設単体として議論されていて、実は私も質疑をしたことがあります。当時の土屋市長は、この建物が極めて頑強なものであることを力説したことが今も記憶に残ります。
当時の議事録──これは手書きです──を一通り調べてみましたが、残念ながら私の質疑は探し切れませんでしたが、その後の議事録を年次ごとに調べると、昭和62年の決算委員会、つまり昭和61年度予算の決算で、議員の質問、「公会堂改築の考え方は」との問いに対し、当時の市長より、「建築して20年余だが中は構造上問題はない」との答弁があります。所管は教育委員会から、これは平成元年に文化事業団に替わっています。
続いて、平成4年から5年にかけて行われた第三期基本構想審査特別委員会で、公会堂の改築問題が議員から出され、市長答弁では、「もう30年近くたっているんですけれども、あのころは全国から注目された施設でした。全国から注目された施設だけあって、かなりまだしっかりしていて、びくともしないんです。昔の建物ですから、コンクリートも厚いし、しっかりして剛構造になっている」と、この議事録の中にあります。
平成12年、つまり2000年基準が定められた年には、市は耐震性能の目標値を内規で定めています。同年の議会議事録には、公共施設の計画的保全と整備について一般質問がありますが、これは公会堂についての言及はなく、一般的な問題としてのやり取りとなっています。
その後、平成17年からの第四期長期計画で、施設の老朽化が目立ち始め、バリアフリー化の要望にも対応できていないことから、建て替えも含めて研究を行うとあり、その後の議論に移行していきます。
平成30年度になり、総合政策部に新たに資産活用課が設置され、公共施設の再構築の取組が進められているものと認識するものであり、令和2年度に実施した躯体の健全度調査もその一環と受け止められます。
以上が経過のアウトラインですが、今日に至る間のメインポイントとして、平成23年に武蔵野市公共施設白書が示されました。ちなみに白書62ページにある「耐震化状況【適合基準:新耐震基準】」の表において、武蔵野公会堂は耐震基準に適合とあります。これを受け、平成28年、議会は
公共施設等総合管理計画策定に関する特別委員会──これは平成28年11月から29年5月までの9か月のタームであります──を設置、行政との議論と調査──これは他市への視察などを行っております──を重ね、同年11月からはパブコメを行っています。
このプロセスを経て、翌平成29年、武蔵野市
公共施設等総合管理計画が策定されます。したがってこの策定は、市民参加を含め、議会、行政の合作と言える。本計画書によれば、12、13ページの図表2-7、2016~2045年度(平成28~57年度)において築後60年目(更新時期)を迎える公共施設(建物)の一覧と床面積の中に、2023年度(平成35年度)、つまり令和5年度にちょうど公会堂と記載が位置づけられております。
そして策定の翌年、平成30年、これは松下市長になってからでありますが、資産活用課が新設され、公共施設の再構築の取組が進められるという流れになっています。
一方、吉祥寺駅南口、パーク吉祥寺まちづくりとの関係では、平成24年度から10か年の第五期長期計画の中に三駅周辺まちづくりの推進があり、吉祥寺地区の実行計画に公会堂の在り方や利活用の検討が位置づけられ、その後の吉祥寺グランドデザインやNEXT-吉祥寺戦略で議論となってきたところと認識します。吉祥寺南口周辺のまちづくりについては、今プランが決まっているのは広場計画だけであり、したがって今執行中であります。
全体的なプランの形成となると、私自身再三この場で一般質問において私見を繰り返しておりますが、井ノ頭通りを挟んで公会堂も含む広い範囲となることが想定されることから、これはおのずと時間はかかる。この地域の大きな特性は、井の頭恩賜公園を擁していることであり、単に近世、江戸期からの400年の歴史だけでなく、縄文土器の発見される場所でもあります。このまちづくりプラン作成は大変なだけに、腰を据えなければならない。ローマは一日にして成らずであります。
公会堂については、新年度の調査、更新シミュレーションの結果が待たれるところなので、執行部には適宜適切な取組を早期に行うことを提案します。そしてそのためにも、本予算を成立させることが必須である。
以上、審議を通じて評価すべき点を評価し、細部において課題点など指摘をいたしましたが、全体として、「誰もが安心して暮らし続けられるまちへ 命を守り次世代へつなぐ予算」として編成されているものと判断します。指摘した課題など、今後執行に当たり十分留意され、市民福祉のさらなる向上へ向け、一層研さん、尽力されることを期待します。
最後に、予算編成に御尽力いただいた皆様、今年度で退職なされる職員の皆様の長年の労苦勉励、御功績に対し、深く敬意と感謝の意を表し、賛成の討論といたします。
30 ◯議 長(小美濃安弘君) お諮りいたします。これにて討論を終局し、採決に入りたいと思いますが、これに異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
31 ◯議 長(小美濃安弘君) 異議ないものと認め、採決に入ります。
採決は1件ずつ行います。
まず、議案第15号 令和3年度武蔵野市一般会計予算、本案の委員長報告は原案可決であります。本案を委員長報告のとおり決することに賛成の方は起立願います。
(賛成者起立)
32 ◯議 長(小美濃安弘君) 起立多数であります。よって、本案は委員長報告のとおり決しました。
次に、議案第16号 令和3年度武蔵野市
国民健康保険事業会計予算、本案の委員長報告は原案可決であります。本案を委員長報告のとおり決することに賛成の方は起立願います。
(賛成者起立)
33 ◯議 長(小美濃安弘君) 起立全員であります。よって、本案は委員長報告のとおり決しました。
次に、議案第17号 令和3年度武蔵野市
後期高齢者医療会計予算、本案の委員長報告は原案可決であります。本案を委員長報告のとおり決することに賛成の方は起立願います。
(賛成者起立)
34 ◯議 長(小美濃安弘君) 起立全員であります。よって、本案は委員長報告のとおり決しました。
次に、議案第18号 令和3年度武蔵野市
介護保険事業会計予算、本案の委員長報告は原案可決であります。本案を委員長報告のとおり決することに賛成の方は起立願います。
(賛成者起立)
35 ◯議 長(小美濃安弘君) 起立全員であります。よって、本案は委員長報告のとおり決しました。
次に、議案第19号 令和3年度武蔵野市水道事業会計予算、本案の委員長報告は原案可決であります。本案を委員長報告のとおり決することに賛成の方は起立願います。
(賛成者起立)
36 ◯議 長(小美濃安弘君) 起立全員であります。よって、本案は委員長報告のとおり決しました。
次に議案第20号 令和3年度武蔵野市
下水道事業会計予算、本案の委員長報告は原案可決であります。本案を委員長報告のとおり決することに賛成の方は起立願います。
(賛成者起立)
37 ◯議 長(小美濃安弘君) 起立全員であります。よって、本案は委員長報告のとおり決しました。
ここで市長より発言を求められておりますので、これを許します。
38 ◯市 長(松下玲子君) ただいま、令和3年度一般会計並びに3特別会計、水道事業会計及び下水道事業会計の予算案につきまして可決をいただき、誠にありがとうございました。また、さきの予算特別委員会におきましては、長時間にわたり御審査をいただきましたことを重ねて御礼申し上げます。
今回可決いただきました令和3年度予算は、「誰もが安心して暮らし続けられるまちへ 命を守り次世代へつなぐ予算」と位置づけ編成いたしました。予算執行に当たりましては、
新型コロナウイルス感染症により新たに生じた課題にも対応しながら、限られた財源を重点的かつ効率的に活用し、各分野の施策を着実に推進してまいります。多様性を認め合う支え合いのまちづくりや、未来ある子どもたちが希望を持ち、健やかに暮らせるまちづくり、コミュニティを育む市民自治のまちづくりの実現を目指した施策など、誰もが安心して暮らし続けられる魅力と活力があふれるまちを目指し、市民の皆様と共に全力で取り組んでまいる所存でございます。
このたび、代表質問、一般質問、そして予算特別委員会、また、本日の討論などを通じましていただきました御意見、御要望につきましては、今後の市政に生かしてまいりたいと存じます。引き続き、予算執行に当たりましても御指導を賜ることをお願い申し上げまして、御礼の御挨拶といたします。ありがとうございました。
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39 ◯議 長(小美濃安弘君) 次に、日程第3 議員提出議案第1号 東京外かく環状道路に関する意見書を議題といたします。
東京外かく環状道路に関する意見書
東京外かく環状道路計画について武蔵野市議会では、コミュニティの分断、環境悪化など、住民生活へ重大な影響を及ぼすとして、都市計画決定の翌年、昭和42年に「外環道路反対特別委員会」を設置し、計画の白紙撤回を主軸に継続して反対してきた。国、都からの大深度地下方式が公表された平成15年度以降は「外環道路特別委員会」を設置し、現在に至るまで、一貫して、必要性の有無を含めて正確な情報の公開を求めるとともに、住民の不安と懸念を払拭する対策を講じるよう再三要請してきた。
東京外かく環状道路については、「対応の方針」の履行が十分に行われているとは言い難い状況にある。野川や白子川で発生した気泡の問題については、シールド工事が行われる沿線全体に関係する事象であるにもかかわらず、原因と対応方法について、沿線住民に対して十分な説明が行われていない状況である。「緊急時の対応」についても、内容が不足していることを含め十分な説明が行われていないことから、沿線住民の不安が払拭されていない状況である。加えて、令和2年10月18日、調布市東つつじケ丘2丁目の東京外かく環状道路(関越~東名)本線トンネル(南行)工事現場の直上において、調布市道等が陥没する事象が発生し、トンネル直上で相次いで空洞が発見されている。
これらの事象は、周辺住民の安全を脅かす重大な事態であり、今後掘進予定である武蔵野市内における安全性の確保について、強く懸念する。
外環の2については、「武蔵野市における地上部街路に関する話し合いの会」の「中間のまとめ」が進められているが、取りまとめに時間を要している状況であり、その後の進め方についても詳細が示されていない。また、自動車交通量に対する見通しについても、必要性の説明が不足しており、社会情勢の変化を反映したものとは思えない状況である。
沿線住民にとっては、国、都の施策によって翻弄されてきた積年の忍耐を重ねて、地域で安心して暮らし続けることができるかどうか見通しが立たない状態が続いている。
以上の経緯から、武蔵野市議会は、武蔵野市民の良好な生活環境の維持と沿線住民の安心な生活と財産を守るため、下記のとおり、国及び都に要望する。
記
1 東京外かく環状道路については、「対応の方針」を着実に履行すること。また、都市部におけるか
つてない規模の大深度地下方式の事業であり、陥没事故の発生や地下空洞の発見でこれまで以上に安
全性の確保が求められる。詳しい地盤調査や工事に伴う振動問題への対応も必要であり、大深度地下
方式は、地上に影響を与えないとは言い切れない。今後予想されるシールドトンネル工事の影響や再
発防止対策等について徹底的な検証の上、検討過程も含め十分な情報公開・事前調査の計画と沿道住
民に対する安全性の確保の説明を行い、不安解消を図ること。
2 平成30年12月27日付で事業者が発した「東京外環(関越~東名)トンネル工事の緊急時の対応につ
いて」の記載事項について、今回、陥没した緊急事態を踏まえ、実効性のある内容となるよう見直す
こと。
3 外環の2については、現在進められている「武蔵野市における地上部街路に関する話し合いの会」
の「中間のまとめ」において構成員の声を十分に反映したものとすること。「中間のまとめ」以降の
事業検討、住民への周知、参加のプロセスについて明らかにすること。
4 「東京における都市計画道路の整備方針(第四次事業化計画)」において外環の2は計画内容再検
討路線に位置づけられており、検討に当たっては、武蔵野市及び市議会、沿線住民の意見を十分に尊
重すること。
5 今後も武蔵野市及び市議会、沿線住民が求める正確な情報の公開と説明、必要に応じた協議を行う
こと。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和3年 月 日
武蔵野市議会議長 小美濃 安 弘
内閣総理大臣┐
国土交通大臣├あて
環境大臣 │
東京都知事 ┘
40 ◯議 長(小美濃安弘君) 提出者の説明を求めます。
(20番 橋本しげき君 登壇)
41 ◯20番(橋本しげき君) ただいま議題となりました議員提出議案第1号 東京外かく環状道路に関する意見書について御提案申し上げます。
お手元配付のとおりでありますけれども、記書きのところだけ朗読させていただきます。
1 東京外かく環状道路については、「対応の方針」を着実に履行すること。また、都市部におけるかつてない規模の大深度地下方式の事業であり、陥没事故の発生や地下空洞の発見でこれまで以上に安全性の確保が求められる。詳しい地盤調査や工事に伴う振動問題への対応も必要であり、大深度地下方式は、地上に影響を与えないとは言い切れない。今後予想されるシールドトンネル工事の影響や再発防止対策等について徹底的な検証の上、検討過程も含め十分な情報公開・事前調査の計画と沿道住民に対する安全性の確保の説明を行い、不安解消を図ること。
2 平成30年12月27日付で事業者が発した「東京外環(関越~東名)トンネル工事の緊急時の対応について」の記載事項について、今回、陥没した緊急事態を踏まえ、実効性のある内容となるよう見直すこと。
3 外環の2については、現在進められている「武蔵野市における地上部街路に関する話し合いの会」の「中間のまとめ」において構成員の声を十分に反映したものとすること。「中間のまとめ」以降の事業検討、住民への周知、参加のプロセスについて明らかにすること。
4 「東京における都市計画道路の整備方針(第四次事業化計画)」において外環の2は計画内容再検討路線に位置づけられており、検討に当たっては、武蔵野市及び市議会、沿線住民の意見を十分に尊重すること。
5 今後も武蔵野市及び市議会、沿線住民が求める正確な情報の公開と説明、必要に応じた協議を行うこと。
以上であります。よろしく皆さんの御賛同をお願いいたします。
42 ◯議 長(小美濃安弘君) お諮りいたします。本案は委員会付託を省略したいと思いますが、これに異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
43 ◯議 長(小美濃安弘君) 異議ないものと認めます。よって、本案は委員会付託を省略することに決しました。
お諮りいたします。質疑、討論を省略して採決に入りたいと思いますが、これに異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
44 ◯議 長(小美濃安弘君) 異議ないものと認め、採決に入ります。
議員提出議案第1号 東京外かく環状道路に関する意見書、本意見書に賛成の方は挙手願います。
(賛成者挙手)
45 ◯議 長(小美濃安弘君) 挙手全員であります。よって、本意見書は可決されました。
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46 ◯議 長(小美濃安弘君) 次に、日程第4 議員提出議案第2号
新型コロナウイルスワクチン接種事業に関する意見書を議題といたします。
新型コロナウイルスワクチン接種事業に関する意見書
2020年初頭に始まった
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大は、国内感染者数45万人、死亡者数8,800人を超え(3月22日現在)、変異型による第4波への懸念もあって、いまだ終息への道筋が見えていない。
確立された治療法が見つからない中、ワクチン接種への期待が高まっているものの、ワクチン自体の数量確保や搬送方法に関する課題があり、接種事業の実務を担う自治体は具体的な事業見通しを明確に立てられず、市民の不安に応えにくい状況に陥っている。
このような状況の下、武蔵野市は2021年1月7日から、ワクチン接種推進本部を設置し、一刻も早い接種実施に向けて、最大限の努力をしているところである。
よって、武蔵野市議会は、国に対し、ワクチン接種事業の確実な実施のため、下記のような対策強化を求める。
記
1 医療関係者等の関係機関との連携を一層強化し、確実な接種事業の実施に努めること。
2 ワクチンの供給時期と量、資材類の供給など、自治体への迅速で的確な情報提供に努めること。
3 国民の健康を守るため、自治体と国民に対し、副反応への対応など的確で十分な情報提供に努める
とともに、必要な財政的措置を行うこと。
4 ワクチン接種事業を確実に実施するための人員配置に必要な財政的措置を行うこと。
5 全国の自治体間で格差が生じることのないよう、公正で公平な配分を行うこと。
6 やむを得ない事情により、住民票所在地以外での接種を希望する国民に対しても公平な配分を行う
こと。
7 接種を希望する国民と、体質などの理由で接種を希望しない国民の間で、人権侵害が起こらないよ
う、配慮に努めること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和3年 月 日
武蔵野市議会議長 小美濃 安 弘
衆議院議長 ┐
参議院議長 │
内閣総理大臣 │
総務大臣 ├あて
厚生労働大臣 │
内閣府特命担当大臣 │
(
新型コロナウイルス感染症ワクチン接種担当)┘
47 ◯議 長(小美濃安弘君) 提出者の説明を求めます。
(24番 西園寺みきこ君 登壇)
48 ◯24番(西園寺みきこ君) それでは、議員提出議案第2号
新型コロナウイルスワクチン接種事業に関する意見書を御提案申し上げます。
内容は、お手元の書面のとおりであります。時間短縮のため、7項目の記書きを読み上げさせていただきます。
1 医療関係者等の関係機関との連携を一層強化し、確実な接種事業の実施に努めること。
2 ワクチンの供給時期と量、資材類の供給など、自治体への迅速で的確な情報提供に努めること。
3 国民の健康を守るため、自治体と国民に対し、副反応への対応など的確で十分な情報提供に努めるとともに、必要な財政的措置を行うこと。
4 ワクチン接種事業を確実に実施するための人員配置に必要な財政的措置を行うこと。
5 全国の自治体間で格差が生じることのないよう、公正で公平な配分を行うこと。
6 やむを得ない事情により、住民票所在地以外での接種を希望する国民に対しても公平な配分を行うこと。
7 接種を希望する国民と、体質などの理由で接種を希望しない国民の間で、人権侵害が起こらないよう、配慮に努めること。
以上でございます。皆様の御賛同、よろしくお願いします。
49 ◯議 長(小美濃安弘君) お諮りいたします。本案は委員会付託を省略したいと思いますが、これに異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
50 ◯議 長(小美濃安弘君) 異議ないものと認めます。よって、本案は委員会付託を省略することに決しました。
お諮りいたします。質疑、討論を省略して採決に入りたいと思いますが、これに異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
51 ◯議 長(小美濃安弘君) 異議ないものと認め、採決に入ります。
議員提出議案第2号
新型コロナウイルスワクチン接種事業に関する意見書、本意見書に賛成の方は挙手願います。
(賛成者挙手)
52 ◯議 長(小美濃安弘君) 挙手全員であります。よって、本意見書は可決されました。
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53 ◯議 長(小美濃安弘君) 次に、日程第5 陳受3第5号 国民保護計画に基づいた核攻撃に対する避難訓練の実施を求めることに関する陳情を議題といたします。
本件につきましては、お手元に配付してあります付託表のとおり、所管の委員会に付託いたします。
お諮りいたします。ただいまの陳情につきましては、閉会中も継続審査とすることにいたしたいと思いますが、これに異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
54 ◯議 長(小美濃安弘君) 異議ないものと認めます。よって、さよう決定いたしました。
以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
会議を閉じます。
これをもって令和3年第1回武蔵野市議会定例会を閉会いたします。
○午後 2時53分 閉 会
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