また、債権管理について、各所管で管理されている市の債権を一体的で効果効率的に管理していく必要があると指摘して、市の対応を求める発言に、第9次
行財政改革大綱に
個別取り組みとして掲げ、
実施スケジュールを示して臨んでおり、これまで課題の整理に努めてきた。令和2年度にはこの課題を踏まえ、
債権管理条例の制定や標準的な管理制度の構築に取り組んでいくとの答弁がありました。
また、
森林環境譲与税について、本市における活用内容を問う発言に、市有林や民有林の整備、市の施設における木材の利用促進、緑の確保及び管理などの事業に係る経費として約1億1,000万円を活用し、事業を推進していくとの答弁がありました。
次は、歳出についてであります。
まず、第2款総務費について、平和推進における取り組みとして、
八王子空襲を体験した方の語り部による証言の映像化や、戦跡マップなどを作成し、毎年平和展などで紹介しているが、さらなる取り組みとして、市内にある私設の
八王子平和原爆資料館の収蔵品や機能を今後設置予定の新
郷土資料館へ移管し、地域の資産として継承してはどうかとして市の見解を問う発言に、新
郷土資料館は、本市の歴史に関する資料について収蔵保管するとともに、広く市民の方々にその情報を発信する拠点施設であるため、資料館の合併はせず、年代別展示や企画展示の中で平和の大切さや戦争の悲惨さを伝えていくとの答弁がありました。
また、
地域づくり推進事業について、基礎単位を中学校区とした理由と今後の展開を問う発言に、さまざまな地域の課題を共有し、合意形成を図り解決していく単位として、市民に身近で日常生活で顔の見える関係性をつくりやすい中学校区を基礎単位とした。令和2年度は、全ての中学校区において、市民や町会・自治会の方などから意見を伺うワークショップを本市の将来像を描いた
長期ビジョンの策定とあわせて実施する。今後は
地域づくり推進会議へとつなげ、地域の歴史や文化、現状などを地域の方と共有しながら、課題解決に向けた取り組みを検討し、
地域別推進計画としてまとめながら
地域づくりを進めていきたいとの答弁がありました。
また、ICT活用に関連して、
市役所本庁舎でしか行うことのできない
窓口サービスに対し、市民部の各
地域事務所と本庁舎をつなぎ各種手続が可能となる
テレビ電話会議システムの導入を求める発言に、行政手続の
オンライン化などの進展により、将来
窓口サービス自体が大きく変わるものと認識しており、
市民サービスのあり方については従来の
サービス提供手法にとらわれることなく柔軟に考えていく。特に由木地域については、地域特性などを踏まえ、ニーズの高い
福祉関連業務の拡充について、早期に実現できるよう検討していくとの答弁がありました。
また、町会・
自治会活動支援について、町会・自治会で設置、管理している
公衆街路灯を市が一括管理することになるが、今後町会等未加入者から
公衆街路灯の新設要望があった場合の対応を問う発言に、地域の実情をよく知る町会・自治会の意見が重要だと考えており、市に移管後も引き続き地域における窓口になってもらい、その意見を踏まえ、設置基準に基づき判断していくとの答弁がありました。
次に、第3款民生費についてであります。人材の確保・定着・育成について、将来的な
介護人材不足に対し、
外国人人材の受け入れが有効であるとして、市の対応を問う発言に、本市では、令和元年度より
外国人介護従事者に対する
日本語学習支援事業を実施しており、47名が受講している。市内の
介護保険サービス事業者へのアンケートによると、現在約50名の外国人が既に市内で働いており、また、
市内事業所の14%が既に採用し、残りの事業所も60%以上が検討していることから、人材不足の解決策の1つとして、引き続き
外国人人材の
受け入れ支援に力を入れていきたいとの答弁がございました。
また、
介護保険施設の整備促進について、本市では、以前より
地域密着型サービスの整備を促進しているが、サービスの拡充などの成果が出ていないとして、今後の市の方針を問う発言に、
地域密着型サービスの課題の1つとして、
事業収益性の問題が指摘されており、これまで行ってきた整備意欲の喚起に加え、経営の安定化を図るため、独自報酬の設定についても検討していきたいとの答弁がありました。
また、
ひとり親家庭の自立促進について、先進自治体では、離婚時の養育費の確保などの支援を行う離婚前後
親支援制度を実施しているとして、本市での導入を求める発言に、養育費の確保は大変重要なことだと認識しており、まずはしっかりとした養育費の取り決めができるよう必要な支援を行い、段階を踏みながら、今後は支援の幅を広げ充実を図っていくとの答弁がありました。
次に、第4款衛生費についてであります。予防接種について、本市独自に4月から始めるロタウイルスワクチンの全額公費による接種を高く評価した上で、今後は
おたふく風邪ワクチン及び
子宮頸がんワクチンについても接種率の向上施策を進めるべきではないかとして、市の見解を問う発言に、
おたふく風邪ワクチンは、本市独自の費用助成に向け準備を進めていく予定である。一方、
子宮頸がんワクチンは、国から積極的な勧奨が差し控えられていることから、保護者の正しい理解を求め、令和元年12月に市の
ホームページの内容を一新した。令和2年度からは、新たな取り組みとして、高校1年生の女子生徒の保護者に対し、公費で接種を受けられる最終学年となる旨を通知し、接種を検討されるよう情報提供を続けていくとの答弁がありました。
また、母子保健について、従来の訪問型に加え、通所型、宿泊型の支援が始まる産後ケア事業の具体的なケア内容を問う発言に、ケアは医療機関で行われるが、内容についてはそれぞれ医療機関と協議、準備を進めているところであるとの答弁がございました。
これに対し、産後ドゥーラの有効性を説き、積極的な活用を求める発言に、妊婦面談時や子育て相談時に、相談内容に応じて産後ドゥーラを紹介しているが、今後も活動の周知を図り、希望者が利用しやすい
環境づくりを進めていくとの答弁がありました。
また、環境教育・学習の推進については、本市では、企業と協働して、
環境プログラムガイドブックを作成し環境分野に関する講座を行うなど、質の高い環境教育が行われていることを高く評価した上で、今後の展開を問う発言に、引き続きこのような取り組みに協力してもらえる企業や団体に働きかけ、環境教育・環境学習の拡充を図りたいとの答弁がありました。
これに対し、環境教育に力を入れている企業、団体、市民と市が協力し、動物園や水族館といった
附属教育的自然体験施設の設置を求める発言がありました。
また、ごみ減量の推進について、
海洋プラスチックごみ流出防止への市の取り組みを問う発言に、地域の美化、清掃活動を通じて、ポイ捨て、不法投棄の撲滅に取り組むと同時に、既存の
プラスチックの収集体制に適正排出及び適正処理を促していくことが必要だと考えているとの答弁がありました。
これに関連し、生ごみの資源化について、新たな施策展開を求める発言に、資源化には、堆肥化、
バイオエタノール化、
バイオガス化による発電といったさまざまな技術があり、引き続き本市に適した処理、
資源化方法について調査研究を進めていくことが必要だと考えているとの答弁がございました。
次に、第7款商工費についてであります。
中心市街地の活性化に関連して、居心地がよく、歩きたくなるまちなかの形成を目指した
ウォーカブルシティの推進について、本市は国土交通省より推進都市に指定されているとして、今後の展開を問う発言に、
社会資本整備交付金などの国の支援制度を活用した事業展開により、まず
中心市街地での取り組みを進めながら他の地域への展開を図っていく。今後は市の
ブランドメッセージと連動させながら、市民へ
ウォーカブルシティについての周知を図っていきたいとの答弁がありました。
また、
八王子東急スクエアからの東急撤退の影響を問う発言に、各テナントについては、現在の条件を継続して営業できるよう配慮されており、大きな影響はないものと考えている。4月に供用開始する
マルベリーブリッジの接続を一つの契機として、活力ある
中心市街地に資する事業等を着実に進めていくとの答弁がありました。
次に、第8款土木費についてであります。仮称、
災害対策センターの整備について、事業の概要を問う発言に、
補修センターは老朽化が進んでいることから、災害時にライフラインが絶たれた際にも対応できる施設として建てかえが必要と考えている。市内全域への
アクセス性が高く、
八王子消防署に近接する旧
市民会館跡地内へ移転し、従来の
補修センターの機能に防災機能を備えた施設として整備していきたいとの答弁がございました。
また、水路の改良整備について、補助事業が行われている
雨水浸透ますの設置は豪雨対策につながるのではないかとして、設置効果と今後の事業展開を問う発言に、市の水循環計画では、
雨水浸透施設等による
雨水流出抑制を進めており、10年後の目標試算では、年間降雨量の約4分の1が地下浸透することになり、降雨時における河川や水路の水位を下げる効果が期待される。浸水対策として、令和2年度は
雨水浸透ます設置補助金の予算を増額しており、目標達成に向けて努力していくとの答弁がありました。
また、
川口土地区画整理事業の進捗状況を問う発言に、令和元年12月に工事が着手され、今後は本格的な造成工事へと進んでいくが、
川口土地区画整理組合では、令和4年より、造成が完了した区画から使用収益を順次開始していく計画である。本市としても円滑に企業立地が進むよう、今後もしっかりと応援していくとの答弁がありました。
また、同事業で設置される調整池について、現在の設計では豪雨時の安全性が保たれないと指摘し、設計の見直しを求める発言に、
防災調節池等技術基準及び本市の
開発許可等の審査基準に基づき設計されているので、容量については適切なものと判断しているが、近年の降雨形態の変化は十分認識しており、今後の動向についても注視をしていきたいと考えているとの答弁がありました。
また、道路の管理に関連して、北野天満社の樹木が市道に越境している問題について、国と市による再三の行政指導にもかかわらず改善が見られないことから、さらに実効力のある方法での対応を求める発言に、今後は道路法など関係法令に基づきさらなる法的措置を講ずるなど、問題解決に向けて取り組んでいくとの答弁がございました。
次に、第9款消防費についてであります。
防災行政ネットワークの整備について、
防災行政無線の放送内容を音声で確認できる
スマートフォンアプリを導入するとしているが、市民への周知方法を問う発言に、市の
ホームページや
災害情報メール等のSNSを活用するほか、
自主防災組織等の
防災関係団体をはじめ、町会・自治会が実施する防災訓練、出前講座など、さまざまな機会を捉え多くの市民に周知をしていくとの答弁がありました。
これに対し、
高齢者世代を含めた全市民に利用してもらえる取り組みを求める発言がありました。
また、災害対策に関連して、
令和元年台風第19号の影響により、市内で内水氾濫による浸水被害が発生したとして、今後の対応策を問う発言に、関係機関との連携や地元との調整を行いながら、現場の状況に応じた対策を進めていくとともに、内水氾濫を反映した
浸水想定データの作成を令和2年度に予定しているとの答弁がありました。
次に、第10款教育費についてであります。情報教育の基盤整備について、教育の情報化を推進するため、小中学校の
ICT環境整備を行うということだが、5G回線を使用するなど、時代に合わせた教育をどのように行っていくのかとして、市の対応を問う発言に、大容量の
高速通信システムや
学習パソコンの整備により、基礎的な内容については
eラーニングを活用し反復学習や立ち戻り学習を行うことで、効率的な定着を図ることができると考えている。令和2年度に情報教育に関する
プロジェクトチームを立ち上げ、これからの時代に合わせた授業について検討していくとの答弁がありました。
これに対し、児童・生徒1人1台の端末の配備により個人単位で情報収集が可能となり、さらに取得したデータを活用することは
個人情報保護の観点から問題ではないかとして、市の見解を問う発言に、市の
セキュリティ運用基準を改定し、これまでと同様に
個人情報保護を順守した上で、個別の児童・生徒の習熟度に応じ最適化された学習の実現のため効果的に活用していきたいと考えているとの答弁がありました。
また、
中学校給食及び
給食センター整備において、施設の整備状況により
中学校給食の提供開始時期に差が生じるのは問題であると指摘し、市のさらなる努力を求める発言に、提供校や生徒数などの現状を的確に把握し、さまざまな配食方法を考え、少しでも早く給食が届けられるよう工夫をしていくとの答弁がありました。
また、教員の働き方について、長時間労働の改善に向けた市の取り組みを問う発言に、教員の勤務実態を正確に把握することは教員の働き方改革を推進する第一歩であるため、ICTの活用により勤務時間を客観的に把握して集計するシステムを構築し、各学校における勤務時間の把握が適正に行われるよう指導していくとの答弁がありました。
また、読書の
まち八王子推進について、本施策の推進には電子書籍の活用が有効ではないかとして、市の対応を問う発言に、本市では平成30年度より電子書籍を導入し、初年度は約1万1,000冊の
貸し出し実績があった。電子書籍は、図書館開館時に来館することが難しい方でも自由な時間に読書に親しむことができる上、
文字拡大機能、読み上げ機能などを活用し、読書の利便性を高め、身近で気軽に読書を楽しめる環境を提供できるものと考えているとの答弁がありました。
また、図書館のこれからのあり方として、さまざまな年代の居場所として会話のできるような
コミュニティスペースや学習室が必要ではないかとして、市の見解を問う発言に、必要性は十分に認識しており、今後計画されている八王子駅南口集いの拠点での実現に向けた調査研究を進めていきたいとの答弁がありました。
最後に、採決の前に本予算案について意見を求めたところ、次のような意見がございました。
まず反対意見としては、令和2年度予算について、現予算編成後に生じた
新型コロナウイルス感染症の影響により予算を一層厳しく見込む必要があり、同時に
災害多発時代における予算編成を長期的に考えていく必要がある。
個別施策について、
介護医療院の開設により
特別養護老人ホーム整備がおくれているが、
介護医療院は新設されたものではなく、既存の
介護療養型施設が移行したものであり、市内1,400人もの待機者を減らすことにはならないため、整備計画により整備していくべきである。
また、
川口土地区画整理事業に関連する
川口物流拠点整備は、工事に着工し事業が進んでいる状況だが、近年の豪雨に対応できない調整池の設計見直しや、異常に高額な交付額である補助金の見直しを強く求める。
また、
国民健康保険税について、地域格差や一般財源からの
赤字繰り入れをなくすため、事業を広域化して毎年値上げをしている現状を是正すべきである。低所得者層への生活環境に影響を与えないためにも、
生活困窮世帯に対する減免の活用と拡充が求められる。
また、
市営駐車場条例の改正について、旭町駐車場の
ビル管理者が変更になるなど不安定な時期であること、駐車場への
利用料金制度の効果が定かでないこと、全体の管理料の低減効果が不透明であることから、
指定管理者に利用料金の決定権を与える改正は認められないとして、令和2年度当初予算案に反対するとの意見がありました。
次に、賛成意見としては、令和2年度予算は前年に引き続き財政の健全性を堅持した予算編成となっており、
臨時財政対策債の発行を縮減し、
財政調整基金と
公共施設整備保全基金の取り崩しを計上しないなど、将来世代に負担を先送りしていない取り組みを高く評価する。今後も新公会計制度による財政の見える化を活用した不断の財政改革の推進を求めるが、一方で、予算編成後に発生した
新型コロナウイルス感染症による税収への影響が懸念され、柔軟な財政運営をお願いしたい。
個別施策について、まず、防災・減災施策では、
防災行政無線の放送内容を音声で確認できる
スマートフォンアプリの導入、従来の
補修センターに防災機能を強化した仮称、
災害対策センターの
整備計画策定に向けた取り組み、
内水氾濫浸水想定データ作成などの施策を評価し、予期せぬ災害に対応できる災害に強い
まちづくりの取り組みを引き続き要望する。
また、
地域づくり施策では、市の将来のあるべき姿を目指す
長期ビジョンの策定とあわせ、各地域において活動団体などが主体的に課題解決に取り組む
地域づくり推進事業を開始するなど、市民の声を多く反映する仕組みが構築されたことを高く評価する。
また、これまで町会・自治会が管理してきた
公衆街路灯と市が直接管理してきた道路照明灯などを一括管理し、
LED化推進により環境負荷の低減を図り、水銀条約に対応した
ESCO事業の導入を高く評価する。あわせて効果効率的な移行への工程作成と、
市内事業者の積極的な活用を求めたい。
また、子ども・
若者支援施策では、幼児教育・
保育センターの設置、学童保育所や
放課後子ども教室の拡充、子ども・
若者施策推進コーディネーターの配置など、幼少期から義務教育以降の若者に対する切れ目のない支援を評価する。また、関連して、子どもの健やかな成長を保障する
食育推進計画の拡充を求める。
また、教育施策では、国が推進する
GIGAスクール構想実現のための
環境づくりや
スクールアドバイザーの配置といった取り組みは、
プログラミング教育に大きな効果が期待できることを高く評価し、今後も国の動きを注視し、積極的な対応を要望する。あわせて
学校給食センターのさらなる整備による全
中学校給食の早期実現を求める。
また、
中心市街地の
まちづくり施策では、八王子駅
北口マルベリーブリッジの
西放射線方面延伸の実現により、まちの
回遊性向上とさらなる活性化へ向けた事業効果が期待でき評価するが、商業地域の
まちづくりにはよりスピード感を重視した実行を要望する。新たな時代の転換点を見据え、首都圏・広域多摩の
中核拠点都市八王子を持続可能な成熟都市へと進化、進展させていくため、令和2年度当初予算に賛成するとの意見がありました。
以上、主な質疑、要望、意見等について御報告申し上げました。
なお、そのほかにも多くの委員から意見がありましたが、総括質疑の詳細については会議録にとどめてありますので、御了承願います。
以上で
予算等審査特別委員会の報告を終わります。
5 ◎【
浜中賢司議長】 委員長の報告は終わりました。
委員長報告に対する質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
6 ◎【
浜中賢司議長】 質疑なしと認め、進行します。
これより討論に入ります。
本案について討論の通告がありますので、順次許可します。
この場合、討論時間は15分以内としますから、あらかじめ御了承願います。
第8番、望月翔平議員。
〔8番議員登壇〕
7 ◎【8番望月翔平議員】 それでは、2020年度一般会計予算及び各特別会計並びに関連議案について、日本共産党八王子市議会議員団を代表し、反対の立場から討論を行います。
国民健康保険、後期高齢者医療保険に関して、消費税増税後のGDPが大幅下落し、新型コロナウイルスの経済への影響が深刻になり、リーマンショック時のような景気悪化が起きようとしている中、
国民健康保険税の値上げ、後期高齢者医療保険の値上げはせず、値下げすべきです。国保の加入者は約6割が年収200万円以下の収入で暮らしており、消費税増税、景気悪化の影響を一番受ける層でもあります。このような状況下で、5.14%の値上げ、5億6,000万円の負担増は市民生活をさらに悪化させます。この3年間で連続値上げをし、年収200万円の世帯では、15%も値上がりしています。今の経済状況のもと、最優先すべきなのは、この景気悪化の市民への影響を最小限にし、市民生活を守ることです。
今も内定取り消しなど深刻な事態が起きていますが、今後仕事を失う人、著しく収入が減る方々が出てくる可能性が高い状況で、特に国保に加入する非正規雇用の方、フリーランスの方など、深刻な影響が出つつあります。リーマンショック時には、3年連続の値上げなど行われませんでしたし、大幅に保険税が低かったわけですが、それでも生活保護がふえました。こうしたことからも、真剣に今日の
国民健康保険税の高騰を見直さなければならないときだと考えます。今の経済不況の影響を中間層、低所得者に与えないためにも、一般財源からの財政投入を行い、経済対策として
国民健康保険税を値下げこそすべきであり、値上げは認められません。
後期高齢者医療保険料も、低所得者の軽減制度をなくしてしまう今回の改定は認められません。
会計年度任用制度の導入で、当初、条例制定時に、市は、パートタイムでも期末手当がもらえるようになるなど
不利益変更はないため、市の費用負担は7億円ふえると説明したものが、本予算では4.4億円に縮減されたことについては、全国の自治体と同様に、従前より勤務時間数を減らす、または、月給を減らされたと考えられます。今の経済状況も踏まえ、市内の1番の優良な働く現場である市役所がこのように賃下げを強行すべきではなく、給与の削減は明らかな
不利益変更であり、法改正の趣旨に反し、認められません。
特別養護老人ホームについてですが、都内の状況を見ても、入所の必要性が高いとされた待機者でさえ、3年間で136人減少しただけです。三多摩各市では、特養の増設が図られていますが、これだけしか減らないのは、それを超える入所希望者がいるということを示しています。本市は、中核市移行後、第6期にて計画した広域型特養の建設が終わった後は、広域型特養の整備計画も持たず、増設もしていません。しかし、特養の待機状況が依然として1,400人もおり、この方々が住みなれた地域で住み続けられるように、特養の整備計画を持ち、整備していくべきであり、計画を持たないことは認められません。
地域づくりに関して、仮称、
地域づくり推進会議を設置し、中学校区を基礎単位として、ワークショップなどを行い、
長期ビジョンと
地域別推進計画を策定していくとのことですが、その事業効果として、公共施設の複合化、多機能化の推進による利便性の向上及び施設維持管理経費の縮減がうたわれており、
市民サービスを支える基礎となる公共施設が大幅に削減されるおそれがあります。今年度、市が示した
地域づくり推進基本方針(素案)は、地域内の公共施設の種類とその耐用年数と残価率などを表にしてまとめられており、ある程度年数が経過した公共施設の再編を促す意図が見えました。しかし、法定耐用年数を過ぎても、30年以上使用に耐える施設も多くあり、再編や削減を拙速に行うべきではありません。
続いて、第二小学校、第四中学校の新たな義務教育学校整備に向けた改築についてです。教育長は、本市の学校設置方針について、一体型校舎として開校することに適した学校は義務教育学校とすることを基本とすると答弁していますが、児童・生徒への影響を懸念する意見も専門家や現場からは出ております。中央大学の都築学教授が行った施設一体型の小中一貫校に通う児童・生徒と、非一貫校に通う児童・生徒とを比較した調査では、小中一貫校の小学4年生から6年生は、自信や自己価値、友人関係、学校適応感、疲労、学業に共通して、非一貫校の小学4年生から6年生と比較してネガティブな傾向にあると指摘をされています。また、小学6年生の問題や施設一体型において生じる心理的、環境的な負荷がこうした傾向につながっているといった懸念も示されております。いずみの森義務教育学校の教育的効果や、児童・生徒の影響について、十分な検証もしない前に新たな義務教育学校の整備を進めることは反対です。
情報教育の基盤整備についてですが、主な経費として、教育の情報化を推進するための
ICT環境整備を実施すること、国が推進する
GIGAスクール構想実現のためGIGA
スクールアドバイザーを新たに配置することなどのために、2020年度当初予算案では約6億7,000万円が計上されております。しかしながら、1人1台のタブレット端末を配備して授業を行って得られる教育的効果について十分検証されておらず、国は、GIGAスクールについて、個別最適化された学びを実現するとしていますが、子どもたちがコンピュータ端末でそれぞれ異なる課題に取り組むようになれば、集団の中で学び、人格の完成を目指す学校教育のあり方が根底から壊れてしまうという指摘も現場から上がっております。
タブレット端末を授業でどのように活用するかも
不明確です。体育の授業で跳び箱をする自分の姿を確認するといった答弁もありましたが、1人1台は不要です。また、閣議決定から予算計上に至る過程も問題です。政府が、昨年12月に閣議決定してから、幾ら国からの補助金を受けるためとはいえ、わずか二、三ヵ月で八王子市も27億円もの補正予算を組んだ上に、当初予算でも巨額な予算を計上することは拙速過ぎると考えます。
これまでの議論を経ても、今後
GIGAスクール構想実現のためにどれほどの予算が必要なのか、運用保守費用などのランニングコストはどのように確保していくのかもいまだ不明です。現時点で国が補助するのは初期投資の予算のみで、今後ランニングコストが本市の財政を逼迫させるおそれも十分あります。何より教育現場においては、教員不足の解消や負担軽減が強く求められております。ふやすべきなのは、タブレットではなく教員であり、児童・生徒ひとりひとりに教員の目が届く教育環境の実現こそが、真に誰1人取り残さない教育の実現につながると考えますし、取り組む優先順位が違うということを明確に述べ、GIGAスクール構想及び予算の計上に反対をいたします。
物流拠点整備は、市長選挙でも争点であると読売新聞でも報じられました。市長は、広報で「里山の風景を未来へ」と題し、里山の中で楽しんだ少年期の体験を書き、「今、里山は、地球温暖化防止や生涯学習の観点から「みどりの機能」を活かす役割が注目され、復活・保全に向けた取り組みが進められています」と紹介しました。川口町の天合峰は、本市だけでなく、東京都にとっても貴重な自然が保全され、都のみどりのフィンガープランでも指定された山であり、まさにザ・里山と称されている山です。里山の保全を呼びかけ、復活、保全に向け取り組んでいるという言葉のもとに、その象徴である里山を物流拠点整備事業で壊しています。この山と親しんできた市民にとっては、市長の言葉と事業執行との隔たりは信じがたく耐えがたいものです。
私どもは、この間、調整池の機能が不十分であることを明らかにしてきました。市も昨年の台風第19号時の雨量があった場合、山入川の洪水を防ぐため、許可をした毎秒放水量を超えた放流がなされることを認めました。工事をすることで現在より安全になるという言いわけは、現在では洪水を起こしていないことからしても通用しません。市長は、国基準の見直しを注視するということだけで、事業者の開発行為を認めています。洪水の危険を除くことは、開発を進める者の最低限の責任です。住民の安全を脅かす開発は認められません。
また、同時に、補助金のあり方についても、異常な交付支援であることを指摘し、見直しを求めましたが、従来の考え方を繰り返すだけでした。税金の使い方の見直しを強く求めます。私どもは、こうしたやり方での計画遂行には反対です。
市営駐車場の条例の変更についてですが、本来、利用料金制は、効果的、効率的な管理及び
市民サービスの向上が見込まれる施設に導入されております。しかし、八王子市駐車場経営戦略でも、市は経営の観点で料金水準を適用することは市営駐車場では難しいとしており、制度導入の根拠がありません。旭町駐車場が抱えている公共性への疑問や赤字体質など、根本的な問題は
利用料金制度で解決できるものではありません。また、管理料の低減との関係も何ら示されておらず、利用料金制導入には反対です。
以上で、2020年度一般会計及び各特別会計並びに関連議案に対する反対討論といたします。
8 ◎【
浜中賢司議長】 次は、第40番、若尾喜美絵議員。
〔40番議員登壇〕
9 ◎【40番若尾喜美絵議員】 無所属の若尾喜美絵です。それでは、2020年度予算等についての賛成討論を行いたいと思います。
本市の予算は、一般会計2,009億円、特別会計1,842億円、総額4,096億円の予算編成となっております。しかし、予算編成当時とは社会環境は激変しました。世界中が新型コロナウイルスの脅威にさらされ、感染者数は世界で41万人以上となり、死者が2万人を超え、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会も来年へと延期となりました。地域経済は大打撃を受けています。緊急融資制度の窓口対応が本市でも行われておりますけれども、企業経営は極めて厳しい状況です。企業倒産、失業、市民の生活困難とならないよう、ぜひ引き続き市民、事業者への情報発信や相談支援体制の充実に努めていただけたらと思います。
新型コロナの感染症では、感染の状況は国や地域によって様相がかなり異なります。イタリア、スペインの両国だけで世界の死者の半分を占め、イタリアでは、死亡率は9.8%と事態は一層深刻になっています。ここに来て、東京でもコロナ感染者数が日々増加し、都知事からは、外出自粛要請が出され、予断を許さない状況です。今後の国や各自治体、個人の取り組みが重要です。治療法が確立していないコロナに負けないようにするためには、ウイルスの性質を知り、正しい予防策と体の免疫力を高めることが重要です。
薬の開発がどんなに進んでも、世界で撲滅できた感染症は天然痘だけです。日本の感染症の抑制の歴史を見ると、学校保健と衛生教育、栄養改善が感染症抑制の重要な要素となっています。免疫力を上げる成分、免疫ビタミンLPSの研究も御紹介させていただきましたが、日本食は炎症を抑える作用が高いと世界的にも評価されており、最新の免疫学の情報を踏まえ、免疫を上げる和食のよさなど、食の重要性など命を守るための発信をしていってほしいと思います。
衛生の感覚は個人差が大きく、先日も目の当たりにしましたが、公的機関での職員の窓口対応でも格差があります。正しい予防策の徹底をぜひ公的機関こそしっかりと、そして、事業者や個人にも徹底することが必要です。市としても引き続き基本の予防策をしっかりと発信し、注意喚起をお願いいたします。市の
ホームページで情報発信の工夫を要望いたしましたが、早速対応していただきありがとうございました。ネット環境にない方にも情報が伝わるよう、ぜひ引き続き対応をよろしくお願いいたします。
健康づくりや自助力アップの取り組みは、今後少子高齢化が進む日本で、社会保障の維持を考えてもとても重要です。今後日本では、2036年には3人に1人が高齢者になると言われ、本市でも、特別会計を見ると、後期高齢者医療特別会計、介護保険特別会計ともに予算が増となっており、後期高齢者が前期高齢者数を上回る中、医療、介護へのニーズが高まっていく傾向は顕著です。本市では、サロン活動など介護予防への取り組みが行われ、一定の効果があったものの限界も見えてきました。今後は、これまで以上に幅広いニーズを踏まえ、食を通した多世代交流や、緑や花を通したコミュニティづくり、八王子市の魅力である自然や農地の活用、また、保健福祉センターの有効活用など、本市の資源を生かしながら、幅広い視点で元気づくりを応援し、八王子市のまちの元気にもつないでいってほしいと思います。
認知症については、一旦発症すると改善が難しい現状があり、本人も家族もつらく大変です。しかし、予防改善の糸口は世界での研究から示されており、市としても情報収集や調査研究を積極的に行い、支援策の充実をしてほしいと思います。家族支援の充実とともに、40代、50代からの認知症予防への取り組みが大切です。また、本市独自の介護予防・日常生活支援総合事業、訪問Cで、食楽訪問が成果を上げていると思いますが、認知症についても総合事業の新メニューとしてつくって進めていっていただきたいと思います。
さて、急速に進む少子高齢化の中で安心をつくっていくためには、本市としても子育てしやすい環境をつくり、子どもたちが健やかに育っていく環境をつくっていくことが重要になってまいります。幼児教育・保育園無償化への第3子への負担軽減措置、産前産後の支援の充実など、さらなる充実に期待をいたします。
次に、食育ですが、家庭の教育力にも格差や課題があることから、学校教育の取り組みが重要です。温かい
中学校給食がスタートしていく中学校でも、伝統的な食の大切さをしっかり伝えていただき、子どもたちの健やかな成長につないでいただきたいと思います。夏休みの小学校給食の調理室を使って、学童の子どもたちの食事提供などの試みもされており、子ども食堂の支援も充実していく流れなど、よい流れができております。今後は地域での食育推進体制、食を通した交流、都市農業の支援、農福連携の視点も入れながら、食で人や団体、そして、地域をつなぐ食育の推進体制をつくっていただきたいと思います。
また、本市の獣害対策に対し、私も新たな体制づくりをお願いしてきましたが、このたび、新たな課を設け、推進体制がつくられることとなりました。取り組みを評価いたします。農地全体の保全と市民の安全の確保につながるよう、生態系や里山の機能などにも目を向けて、専門的知見と市民の方にも力をいただきながら進めていただきたいと思います。
学童保育につきましては、今回のコロナ対策として、小中学校の休校が実施される中、学童保育として、午前中からの開所体制など柔軟対応がとられ、よかったと思います。今後ますます重要になる学童保育の待機児童解消に向け、さらなる取り組みを要望いたします。
また、学童保育と
放課後子ども教室との連携が進められ、重層的な子どもの居場所づくりと活動の保障をしていく取り組みには大いに期待をいたします。しかし、
放課後子ども教室は住民の皆さんの善意に頼る状況であり、緊急時の子どもの居場所の機能としてはやはり学童保育が重要です。そして、
放課後子ども教室の位置づけも見直し機能アップしていくことが重要だと感じております。
学校教育では発達障害を抱える子どもたちもふえており、医療機関では長期の診療待ちが続いています。子どもたちの支援が十分でないと、学習の悩みやいじめなどに直面し
不登校につながる可能性もあり、診断以前に早目に教育相談につないでいく体制づくりを要望いたします。
また、国が外国人労働者の受け入れ拡充の中、本市でも小中学校に通う外国人の子どもたちがふえており、日本語や勉強がわからなくて進学や仕事が困難にならないよう支援体制の充実を要望いたします。
次に、障害者福祉ですが、ここ2年で本市でも精神に障害を抱える方がふえてきています。心のケアを早目にできるよう気軽に相談できる支援体制の充実が求められています。障害者福祉として、地域生活拠点事業が進められ、社会福祉協議会として地域拠点推進事業を展開、来年度は9ヵ所に拠点が拡充となりますが、ぜひ市民にわかりやすく発信し、生活の困り事から気軽に支援につながる流れをつくっていってほしいと思います。
防災については、洪水ハザードマップの見直しの提案をさせていただいてまいりましたが、市は都の調査結果を受け、改定版の総合防災ガイドブックを作成することとし、内水氾濫の浸水想定が反映されていなかったエリアについては市が調査を行い、その結果がまとまり次第洪水ハザードマップに反映していくという道筋が立ち、ほっといたしました。この点については、命と財産を守るための取り組みとして高く評価いたします。更新された調査データをできるだけ早く市民の皆さんに届けられるよう早急に対応していただけたらと思います。
今後、地球温暖化が進めば、集中豪雨はますます激しくなると予想されています。改めて森林や農地の保全により雨水の涵養の力を高めていくことが重要です。川口地区物流拠点整備事業では、29ヘクタールの山林が失われる計画であり、今後洪水や土砂崩れなどの災害のリスクを高めるのではないか、そして、せっかくの洪水ハザードの取り組みを帳消しにしてしまわないかと心配です。市は43億円もの助成を
川口土地区画整理事業に対し支出する計画ですが、物流拠点の計画内容もはっきりしていません。市民に説明責任をしっかりと果たしていく必要があると指摘をさせていただきます。
ごみ行政については、本市では、市民、行政ともに頑張り、50万都市レベルではごみ減量ナンバーワン都市となりました。しかしながら、マイクロ
プラスチックの海洋汚染など、ごみ問題は深刻な状況があります。新たな施策展開が今こそ必要です。ごみ行政は環境行政としても、また、人口減少社会の中で税金の有効活用の視点からも重要です。生ごみを活用しバイオ
プラスチックの原料をつくる新たな生ごみの資源化の手法について提案をさせていただきましたが、ぜひ調査研究をし、新たなごみ行政に道筋をつけていただきたいと要望いたします。
今後、
地域づくり推進事業が進められるとのことですが、地域力、市民力を応援し、人口減少社会に向け、新しい安心の
まちづくりを進めていただけるようぜひ市民の声と知恵を生かす行政に向け、職員の皆さんの英知もしっかり発揮していただけたらと思います。昨年の災害対応や今回の新型コロナウイルス対応など、市としても緊急対応が迫られる状況が続いていますが、職員の皆さんが精いっぱい仕事をしていただいている点については敬意を表したいと思います。
本予算につきましては、物流拠点整備事業について指摘をせざるを得ない状況ですが、大きな流れとしましては、提案をさせていただいたこと、課題を指摘させていただいたことを受け、新たな体制づくりなどに努めていただいており、今後の工夫と知恵にあふれたよりよい市政の展開がされていくことに大いに期待しまして、本予算に賛成いたします。
10 ◎【
浜中賢司議長】 次は、第10番、木田彩議員。
〔10番議員登壇〕
11 ◎【10番木田彩議員】 生活者ネットワークの木田彩です。2020年度一般会計予算及び各特別会計予算について、反対の立場から討論を行います。
まず、学校関係です。GIGAスクール構想関連予算について、専門家派遣自体には反対しませんが、子どもたちに学ばせたい内容がまずあって、そのために必要な環境であるなら整えるという順序で予算立てをすべきと考えます。また、子どもたちの健康面への配慮が必要です。電磁波暴露による成長段階の子どもの体への影響を懸念しています。最近では、洗剤など日用品に添加される合成された香料のボリュームが大きく、子どもの化学物質過敏症もふえています。化学物質過敏症と電磁波過敏症は、あわせて発症することが多く、化学物質過敏症の子どもは、Wi-Fi環境ではみんなと一緒に学習や生活をすることができなくなってしまいます。
義務教育学校についてです。義務教育学校について、これまで当該の保護者、地域の方々に向けて説明会が開かれていますが、知りたいことを知ることができない、丁寧な説明会ではないと保護者の方からも地域の方からも声があります。既に全国で義務教育学校が開校しており、検証も行われております。具体的に上がっている問題に対して、本市ではどのようにそれらを検証し対応していくのか示す必要があります。また、本市の義務教育学校についての検証の項目やスケジュールなど、計画として明示すべきと考えます。
国民健康保険税についてです。国保税には、均等割が多子世帯に大きな負担となっています。地域間の差をなくすため、一般財源からの
赤字繰り入れをなくすため、広域化し、少しずつ保険税を値上げしていますが、構造的な欠陥のある国保税の仕組みを変えていくためにできることを実現していくべきです。国への要請はもちろんですが、本市独自の施策としてできることも含めて検討していくべきと考えます。
川口物流拠点整備についてです。1月から実際の工事が始まりました。工事の進入路の整備が行われ、これから木々の伐採に入るところだと聞いています。もともとここは住宅需要がなくなって貴重な自然林が残った場所です。私たち人間よりも長い年月天合峰で生きてきた木々が、尾根の南側は全て根こそぎ切られ、根も掘削し撤去されてしまいます。川口リサーチパーク計画のころから反対しこの環境を守ってきた市民の思いを考えると、自分の身を切られるようなひどい喪失感だと思います。この環境が激変する地域に隣接した住民への説明は行われないままです。引き続き依頼のある自治会館での説明会の開催を要望します。
ことし1月17日、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律施行令の一部を改正する政令が閣議決定され、2月10日より施行されています。この改正により、特定第二種国内希少野生動植物種の初めての指定種として、里地里山に生息するトウキョウサンショウウオ、カワバタモロコ、タガメの3種が指定されました。トウキョウサンショウウオは、近郊の市でも数の激減が報告されています。かつて多摩ニュータウン19住区の開発の際、トウキョウサンショウウオの移植に失敗し全滅させてしまった経過があり、移植について心配をしています。たとえ希少生物の移植に成功したとしても、それでいいというものではありません。ただでさえ温暖化により生態系が崩れ続けている中、どうやって自然を守るのか、全力で考えなければならないこのときに、時代錯誤の開発と言わざるを得ません。自然災害のおそれのあるエリアで開発をする、自然と引きかえに整備する物流拠点事業、開発型の地域活性策でなく、農業の担い手づくりや、里山の保全、再生など、地域で自給する
まちづくりを進めるべきと考えます。
人材の確保についてです。新総合事業の訪問型サービスA、基準緩和の訪問介護員は、2日間の生活支援ヘルパー養成研修を修了すると、生活支援ヘルパーとして従事できます。現場での研修がなく、座学だけの研修では、実際の現場のことがわかりません。利用者の小さな異変に気づくよう研修の中で伝えていると伺っていますが、経験がなければ早期発見は難しいものです。現場で得た情報を自分で判断し、ケアマネジャーに伝えることは、生活支援ヘルパーには難しいのではと懸念しています。
また、利用者にとっては、訪問型サービスAは必要なケアを受けられて利用料は下がるので、負担が軽くなり、よかったと言っていると伺っておりますが、訪問Aでも、ヘルパーが行う介護予防・訪問介護でも、利用者がやってもらいたいこと、聞いてもらいたい話は一緒で、結局45分という時間の中では終わりません。それをヘルパーは、時間なのでこれで帰りますとはいきません。利用者が制度を理解し切れておらず、何が変わったのかわかっていない現状があります。事業所は登録ヘルパーの確保が難しく、70歳の人を採用しているという現状です。今後、どう管理、育成していくのでしょうか。このままでは、5年後、登録ヘルパーがいなくなる懸念があります。市としてどうしていくつもりなのかが見えません。
今後ますます高齢化が進み、介護現場の人材不足も深刻化する中、
外国人人材の育成も進められていますが、新型コロナウイルスの影響により、予定していた外国人は入ってこられなくなったというところもあります。また、住民同士で支え合いの仕組みづくりも進められてきましたが、この影響により住民主体のサービスの多くがストップしています。また、既に失業、内定取り消し、収入減など、深刻な事態となっています。
こういうときこそ介護や子育てをしている家庭、貧困家庭など、市が積極的にケアを必要とする住民の声を拾い、貧困対策と虐待防止に全力で取り組んでいただきたいということを申し上げ、反対討論といたします。
12 ◎【
浜中賢司議長】 次は、第17番、星野直美議員。
〔17番議員登壇〕
13 ◎【17番星野直美議員】 それでは、令和2年度八王子市一般会計、各特別会計及び
公営企業会計予算について、市民クラブを代表して、賛成の立場から討論を行います。
本予算は、財政収支の均衡及び財政運営の健全性を確保するために策定した中期財政計画を指針とする中で、世代間負担の公平性を確保し、
財政調整基金の取り崩しをせずに組まれました。事業の効率化を図り、積極的な
まちづくりを進める中でも、将来世代に負担を先送りしない予算となっており、健全財政の維持につながったものと思います。今後も持続可能な地域社会の実現、次代を担う子ども、若者応援のために、効果的に事業を実施していただき、将来の八王子市の輝く未来の投資となる重要なプロジェクトへしっかりと取り組んでいただくことを期待しています。
まず、歳入において、一般会計の予算総額は2,009億円が計上され、
固定資産税、
個人市民税及び都市計画税が増収となりました。令和2年度の市税の現年度課税分の収入率は99.3%と、令和元年度予算の市税収入率99.1%と比較すると0.2ポイント増加しています。現年度分の調定額は900億円を超えており、容易に収入率を向上させることは難しい中で、地道な努力をされていることは評価いたします。人口規模からしても、収入率向上は簡単なことではありませんが、市税白書の
個人市民税のあらましには、納税義務者数が増加しているものの、1人当たりの負担額は横ばいと示されています。これは、平均以上の所得の方が伸びていないためであり、所得を伸ばすために地域経済の活性化が必要と考えています。
また、景気の影響を受けやすい税目である
法人市民税は、税制改正の影響により、対前年比で6億6,000万円減となりました。新型コロナウイルス等による地域経済への悪影響が、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催延期も加わり長期化することも懸念されており、国による大規模な経済対策も含め、今後の動向に注視していただきたいと思います。
そして、令和元年10月から消費税率の引き上げが行われ、地方消費税交付金が増収になりました。地方消費税の税率引き上げによる増額分は社会保障費の財源に活用されることが約束されており、社会保障4経費にかかる経費は1,009億円、そのうち必要となる一般財源は434億円と示されています。令和2年度予算では、新たに使用済み紙おむつの園内処理実施や、多子世帯の給食費無償化など、保育サービスの推進に向けた取り組みと、若者総合相談窓口の設置による若者問題対策などに取り組むことになりました。市民に対して、消費税の使途を説明しなければならないため、しっかりと制度を周知していただき、適切に取り組んでいただきたいと思います。
また、国は、歳出全体の3分の1を占める社会保障費などへの対応は依然として国債の発行で賄う厳しい状況であるため、地方にも影響があるものと考えています。そこで、事務と責任に見合う国と地方の税源配分については、引き続き国に対して働きかけていただくよう要望しておきます。
また、財政運営を考えた際に、人口減少や少子高齢化などが進む中で、市税収入が劇的にふえることは考えにくいため、歳入の増加と歳出の削減を一体で考える必要があります。歳出面に目を向けると、徴税コストの縮減はもとより、一般会計全体で76億円を超える政策補助金の見直しなども進める必要があり、中でも毎年7億円もの補助金が交付されている外郭団体については、役割の整理や事業評価の仕組みが課題とのことでした。補助金という手法に限らず、無利子の貸し付けや利子補給といったやり方なども有効ではないかと考えており、補助金の見直しでは、制度の縮小、廃止だけではなく、市民ニーズを的確に捉えた上で事業目的を達成するため、最も効果的な実施手法を判断していただくことを要望いたします。
次に、一般会計の個別の施策についてです。八王子市道路照明灯・園内灯省エネ化整備事業について、市内の
公衆街路灯、道路照明灯、公園灯など、まちの明かりについては、厳正、的確管理の観点から、管理方法を改善するとともに、一斉にLED化するためにESCO方式にすべきだとかねてより提案し続け、多摩地区では最後になりましたが、令和2年度にスタートすることになりました。長い間町会・自治会の皆様に
公衆街路灯の維持を担っていただいておりましたが、今後の負担軽減につながるだけではなく、この整備事業により安全安心な
まちづくりと、環境負荷への低減への期待が持てます。ESCO方式の導入で夜間照明の全容を把握し、効果効率的な照明灯管理に移行するためにも、市内全域にある照明の現状を把握し、それに基づく的確な工程を示し、夜間照明の最適化の実現に向けて取り組んでいただくことを要望いたします。
次に、職員の働き方改革の取り組みについてです。八王子市の職員の働き方の現状、特に時間外勤務や夏季休暇取得実態については、現状を分析し、職場人数の調整や業務の見直しなど、業務の量や質の変化に応じて職員を配置し、業務のプロセス分析を行い、見直しを図っているとのことでしたが、メンタルヘルス不調で療養休暇を取得している職員の数は増加傾向にあり、中でも若い世代が多いのが特徴で、相談件数は年間延べ1,500件にもなっています。働き手不足で業務に追われることを解消するためにも、部門を超えた業務改善の取り組みと、フレックスタイム制の導入の提案をさせていただきました。
市では、職場の働き方を改善し、職員のやる気を高める点からも、業務改善は不断の取り組みと認識されており、フレックスタイム制導入に関しては、職員が勤務時間を選択できる有効な手段と考えているとのことでした。既に夏季は朝方勤務を実施しており、一定の効果も確認できていることから、時間の拡大を検討していくとのことでした。今後は、職員の働き方についてさまざまな課題もありますが、思い切った改革の視点を検討し、よりよい働き方を模索していただき、働き方改革を積極的に進めていただきたいと思います。
次に、多摩ニュータウンの維持補修についてです。多摩ニュータウンには多くの街路樹が植栽され、緑豊かなまちなみは幅広い年代に支持されており、この景観を維持するための予算配分から、維持補修と管理のあり方について提案をさせていただきました。本市の街路樹は2万7,500本、そのうち多摩ニュータウンには1万6,000本であり、植栽への要望の割合も維持管理費も本庁管内に比べて圧倒的に多く、ニュータウン開発から44年が経過している道路の老朽化の進行に伴い、維持費が増加することも明らかです。
このような状況の中で、
補修センターが旧
市民会館跡地に移転する際に、災害センターの整備も同時に行うことが予算計上されています。移転後は、多摩ニュータウンへの対応時間が若干短縮できることや、これまでどおり現地を熟知し、市民との信頼関係が構築できている八王子市
まちづくり公社に維持管理を任せていくとの御答弁がありましたが、今後の予算を含め、適切な管理をすることが災害対応も兼ねた迅速かつ適切な市民対応につながります。多摩ニュータウン地域にも災害センターを兼ねた
補修センターの設置を行っていただきますよう要望いたします。
また、平和推進において、大戦から75年が経過し、戦争の悲惨さと平和のとうとさを伝えていく活動のために、黙祷の実施への推進や、深刻な児童虐待に丁寧に対応、支援に取り組み、地域子ども・子育て支援事業には国からの児童相談所設置市への財政支援の拡充を捉え、多摩のリーディングシティとしてのありようをお示しいただきたいと思います。
最後に、本予算の代表質疑、総括質疑において、私たち市民クラブの議員から指摘した事項に留意の上、なお一層効率的かつ健全な行財政運営に努められることを強く要望して、本予算に対し賛成の討論といたします。
14 ◎【
浜中賢司議長】 次は、第14番、西山賢議員。
〔14番議員登壇〕
15 ◎【14番西山賢議員】 ただいま上程されております令和2年度八王子市一般会計予算及び特別会計予算並びに関連議案につきまして、自民党新政会を代表して、賛成の立場から討論いたします。
令和という新しい時代、そして、改選後初めての新年度予算並びに関連議案審査は、新型コロナウイルスの影響を受け、議会日程の短縮、審議時間の縮小という中で行われました。本市としても、石森市長を本部長とする
新型コロナウイルス感染症危機管理本部を設置し、対策対応を行っておりますが、まだまだ感染リスクは予断を許さない状況であります。緊急時だからこそ、市民の安心安全な暮らしを守るためにちゅうちょすることなく、果断な対策をとっていただくようお願いいたします。
さて、石森市政3期目のスタートとなる令和2年度予算は、中核市移行により与えられた権限のさらなる活用に加えて、次なる100年に向けた大型プロジェクトであるハード面の整備をはじめ、持続可能な成熟都市につながるソフト面での整備などを行い、平成30年に策定した中期財政計画を指針としながらも、令和元年度に計画最終年度を迎えたまち・ひと・しごと創生総合戦略の目標達成状況を踏まえた事業展開となっております。将来につながる事業だからこそ、精査された堅実な財政運営が求められる予算となりました。
本年度の予算規模は、一般会計が2,009億円と、昨年に比べて108億円の減少、また、特別会計でも1,842億円と、昨年に比べ194億円の減少となりましたが、昨年まで特別会計として取り扱っていた
下水道事業が
公営企業会計として管理されることになり、新たに246億円の計上となりました。その結果、4,097億円となり、昨年に比べ56億円減少となっております。
歳入におきましては、歳入の中で最も割合の多い市税収入ですが、昨年度は一昨年度よりも14億円増加の912億円でしたが、本年度も昨年と同額を維持しております。しかし、市税収入の約46%を占めているのが
個人市民税、
法人市民税ですが、昨年よりも5億5,000万円減少となりました。内訳として、
個人市民税は1億1,000万円増加ですが、
法人市民税は税制改正の影響を踏まえ6億6,000万円減少としております。ほかの主要税目であります
固定資産税は、家屋の新増築の影響で今年度も4億8,000万円増加としております。税外収入におきましては、税制改正により創設された法人事業税交付金の計上、そして、消費税率改正に伴う地方消費税交付金の増加、また、地方交付税におきましても、社会保障関連経費の増加を見込み、昨年に比べて1億円増加としております。地方交付税に関連する
臨時財政対策債は、発行可能額60億円に対し50億円であり、昨年同様、
臨時財政対策債を上手に活用し、基金とのバランスを意識しているものと判断いたします。
一方、歳出におきましては、性質別に見れば、投資的経費の減少が目立つものの、これは昨年度計上した大型事業の進捗に伴うものであり、これらの施設がオープンしたことに伴う維持管理運営経費が大幅に増加しております。また、会計年度任用職員制度の導入に伴う人件費の増加や、幼児教育・保育の無償化に伴う運営費、そして、障害者自立支援給付費など、扶助費の増加により義務的経費は増額となっておりますが、経常的な支出は増加するものの、地方公会計制度の活用により設定をした財政指標の負債と純資産の割合は重視されており、財政の健全性は堅持した予算であると判断いたします。
個別の施策に関しては、近年の異常気象に伴う自然災害対策の課題として上がっていた
防災行政無線の内容を聞くことができる
スマートフォンアプリの導入、
中心市街地では、西放射線ユーロード整備の完了や、中町休憩施設のオープンも予定し、にぎわいを後押ししてくれるものと期待します。
また、行政事業イノベーションプロジェクトでは、これからの市役所を牽引する若手職員が組織を横断して行政事業を企画し、市長に提案するプロジェクトもスタートし、市政運営を自分事として捉える機会を得る動きが出始めました。
さらには、地域事情に即した課題解決を図る
地域づくり推進事業や、現在と今後の課題を踏まえ、2040年に向けたあるべき姿と今後の取り組むべき施策を示すための
長期ビジョンの策定も盛り込まれており、まさに次なる100年に向けた取り組みが一つ一つ歩み始めたように感じます。しかし、本市の市政運営に期待をするからこそ、あえて言うならば、現状に満足することなく、将来を見据えるのと同じぐらい地域、そして、町会・自治会にもっと寄り添わなければならないことは改めて申し伝えたいと思います。
東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会につきましては、遅くとも2021年夏までに実施するとの延期が決まりましたが、本市として、今後の動向に注視し、すべきことを怠ることなく進めてほしいと思います。
また、この延期のきっかけとなった新型コロナウイルスにつきましては、現時点、終息も見えていない中、これ以上拡大させないためにも、今は耐えるときです。首都圏の知事は今週末の外出や往来の自粛を要請するなど、経済や市民生活にさまざまな影響を与えています。このようなときだからこそ、市民生活に困難が生じないように、石森市長のリーダーシップを発揮し、迅速な対応対策をとっていただくことを求めます。
そして、本年度予算の討論の最後に、文部科学省が推進するGIGAスクール構想の実現に向けた環境整備について申し上げたいと思います。今後GIGAスクール構想には相当の支出が伴うと予想されます。支出には幾つかの種類があると思いますが、将来を担う子どもたちが心置きなく世界と向き合える環境整備を行うことは何物にもかえがたい先行投資なのではないでしょうか。満足な天然資源を持たない我が国において、人材こそ世界と対等に渡り合える源になり得ると考えるならば、どのような家庭環境に置かれようとも、その限りない学ぶ意欲を満たしてくれる環境整備こそ積極的に推進すべきと考えます。
ただし、そのためにも、あれもこれもということは簡単には認められません。未来へ投資をするならば、本市の財産である子どもたちの将来、希望のためにも、恥ずかしくない財政の健全性を保つ努力を怠らないことを強く求めることをつけ加えさせていただきます。
最後に、私ども自民党新政会所属議員の会派代表質疑、総括質疑を通じて、意見、要望させていただいたことにつきましては、新年度の市政運営に当たり、市民の声として反映していただくことを強く要望して、賛成討論といたします。
16 ◎【
浜中賢司議長】 次は、第29番、安藤修三議員。
〔29番議員登壇〕
17 ◎【29番安藤修三議員】 それでは、私から、立憲民主・市民の会を代表して、令和2年度八王子市一般会計予算案及び各特別会計予算案及び関連議案について、賛成の立場から討論を行います。
令和初の当初予算である今回の予算審議は、新型コロナウイルスの影響を大きく受けることとなりました。八王子市としても、各方面への対応に昼夜を問わず尽力されることに感謝を申し上げます。一方で、現下の状況は日に日に深刻度を増しており、東京都での感染者数も増加しており、一昨日、都知事も、今は感染爆発の重大局面だとして、週末の外出自粛要請を行ったところであります。このまま感染者数の増加傾向に歯どめがかからなければ、首都閉鎖などの措置もとられ得る状況であります。緊迫した状況が続きますが、ぜひ八王子市としては、失敗を恐れず、市民の命を第一に、市長の強いリーダーシップのもと、果断に対処されますようお願い申し上げます。
まず、歳入についてであります。一般会計は、令和元年度当初予算比5.1%減の2,009億円を見込んでおります。一方で、足元の状況を鑑みるに、審議等でも指摘してきたとおり、
法人市民税を中心に、見込みどおりの収入確保が困難になる可能性も高いと考えております。目下の状況を打開するために、国の経済対策の本玉を早く提示していただきたいところでありますが、さまざま報道は出るものの、なかなか最終案が示されません。我が国とは対照的に、米国は早々に約220兆円もの経済対策が議会で可決されました。米国と同様にGDPの1割の事業規模のものを組もうとすると50兆円を超えるものが必要ですが、総括質疑で触れたように、巨額の財政赤字と債務残高、加えて過去2年間マイナス水準にあった長期金利がここに来て急上昇している我が国の状況では、米国のように歯切れよく対策を打ち出せないのかもしれません。
一方で、八王子市の予算案では、市債の発行額が昨年と比べて大幅に抑えられており、堅実なものとなっていると評価すると同時に、
財政調整基金も90億円に上乗せする予算となっており、余力がありますので、予算執行に当たっては、歳入の確保に向けて、その余力を生かした柔軟な対応をお願いしたいと思います。また、国の対策が出た際には、速やかに
市内事業者や市民へ向けて浸透させていただくことをお願いいたします。
次に、歳出についてであります。子育て関連事業について、今回子ども家庭支援センターの人員強化と虐待防止に向けたネットワークづくりなどが予算計上されております。さきの決算審議においても、我が会派として人員強化を要望していたところであり、これを高く評価したいと思います。虐待の認知件数は年々増加し、凄惨な事件も後を絶ちません。東京都の児童相談所との連携を強化し、一人でも多くの子ども、そして、親のケアをお願いしたいと思います。
地域づくり推進事業について、今回中学校区を1つの単位として、住民主体となって地域の課題を議論し、地域の魅力を高めていく取り組みが始まります。このような取り組みが行われることについて高く評価するとともに、まさに今後さまざまに試行錯誤を繰り返しながら、
地域づくり推進会議が住民自治の核として機能し、成熟していくことを期待するところであります。この事業を継続的に、より質の高いものにしていくために、市役所の職員がより地域に入り、住民との顔の見える関係の中で、コーディネーターとしての役割を果たしていかれることを期待いたします。
次に、
中心市街地活性化へ向けた取り組みについてであります。先般、現在建設中の産業交流拠点の建設現場を視察する機会に恵まれました。2年後のオープンに向けて、現在地下構造部分と基礎工事を行っているところでしたが、コンベンションホールについては、平米約4トンもの重量に耐えられる、まさに頑丈で多種多様なイベントに対応できる施設となっております。八王子市としては、この周辺施設、旭町地区と明神町地区の整備をしっかりと行い、産業交流拠点の整備効果を最大限に生かしていかなければなりません。2年後のオープンにしっかりと照準を合わせて、時期を逃すことなく推進していただくことを要望いたします。
このほか、動物愛護センター設置に向けて今回予算計上されております。今まで多くの議員からも指摘があった動物愛護センター設置へ向けて動き出すことに対して高く評価するとともに、会派代表質疑でも指摘したとおり、民間団体とより一層連携を密にして、市民力を生かした効果的で効率的な運営手法を検討していただきたいと思います。
令和2年度は、新たな感染症との闘いの中で幕をあけようとしております。数ヵ月前までは予想し得なかったニューヨークやロンドンなどの都市封鎖などが世界中で次々に起こっております。我が国においても、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会が延期となるなど、これが現実のものとなり、首都封鎖や医療崩壊が危惧される事態にもなっております。今後さらに事態は悪化するという前提に立って、常に最悪の状況を想定し、緊張感と柔軟性を持って事業を展開していっていただきたいと思います。
最後に、我が会派の議員が会派代表質疑、総括質疑などを通じて指摘した点や提案など、新年度予算執行に当たって十分反映されますようお願い申し上げ、賛成の討論といたします。
18 ◎【
浜中賢司議長】 次は、第25番、中島正寿議員。
〔25番議員登壇〕
19 ◎【25番中島正寿議員】 ただいま上程されております令和2年度八王子市一般会計予算、各特別会計予算及び
公営企業会計予算並びに関連する諸議案について、市議会公明党を代表して、賛成の立場から討論を行います。
石森市政3期目のスタートとなる令和2年度予算編成では、八王子ビジョン2022の総仕上げを行うとともに、100年を見据えた
長期ビジョンの策定に入ります。その取り組みに当たっては、37の中学校区において市民から意見を聴取するとしており、今までにない画期的な取り組みになると捉えております。あわせて、市は現在、八王子市まち・ひと・しごと創生総合戦略の計画期間満了に伴い、2022年まで3年延長するための改定をしており、間もなく公表されるところであります。また、翌年には国勢調査が実施されます。その調査結果と、第1期総合戦略全体の取り組み成果を踏まえて、新たに策定される第2期の総合戦略が2023年に始まる
長期ビジョンと一体化をして動き出します。
仕事が人を呼び、人が仕事を呼び込む好循環の確立、また、その好循環を支えるまちに活力を取り戻す取り組みに市は本腰を入れて臨み、交流人口の増加も図りながら、選ばれる都市へと前進する施策を着実に打っていく段階に入りました。新年度予算案では、事業一つ一つの一層の充実と強化に期待をいたしますが、我が会派が行ってきた政策提案、要望についても多数反映されており、予算化がされております。
本予算案では、我が会派が長年訴えてきた温かい
中学校給食をセンター方式で提供する給食センター元八王子、給食センター南大沢が4月からいよいよスタートし、明年9月には、元横山でも配食が始まります。
防災体制の強化については、市民センター体育室3ヵ所、中学校武道場には2ヵ所に空調機が設置をされるとともに、本市初の義務教育学校であるいずみの森教育学校で、学校体育館への空調機設置第1号となる実施設計予算が盛り込まれました。既存の体育館を含む空調機設置につきましては、先日の会派代表質疑で、市長は、早期に考え方や方針を定め、令和2年度中に整備計画を策定してまいりますとの考えを明らかにされました。
また、2月26日の第1回都議会定例会では、都議会公明党が、学校体育館の空調機設置について、令和3年度以降も区市町村の提出する整備計画を補助対象にすべきとの質問に対し、教育長は、今後、区市町村がこれまでの整備計画に新たな学校体育館等を加えて空調機設置をする場合にも整備が行えるよう、具体的な対応策を検討してまいりますと答弁しております。災害時避難所となる体育館は、平時においても、教育面はもとより、地域活動の拠点となります。市は積極的に都補助を活用し、学校体育館への空調機設置の推進をお願いいたします。
急速に進む少子高齢化の対応については、市内21ヵ所の設置を目標とした高齢者あんしん相談センターの整備が当初の計画より前倒しで完了します。センターが中心となり、民生委員をはじめとする多様な関係者と連携して、ひとり高齢者への支援など、高齢者福祉の充実が期待をされます。
また、出産直後の母子を守る産後ケア事業について、我が会派が重ねてその必要性を訴えてきた宿泊型支援の導入を決断され、訪問型、通所型とあわせて市の産後ケア事業が重層的に推進されます。
保育園事業では、多子世帯の負担軽減を図るため、認可保育所等に通う全ての世帯について、第3子以降の給食費を無償化する取り組み、障害者とその家族を守る在宅レスパイト事業も実施されます。
このように子どもから高齢者、障害者まで、八王子市で暮らしやすい
まちづくりを推進する諸事業は、未来を見据えた重要な布石であり、今後も施策の力強い推進に期待をしております。
なお、我が会派からは、今後の中
学校給食センターの建設計画に当たり、中学校間における配食ブランクを縮小する取り組みの推進、産後ドゥーラ利用拡大のための公費助成の実現、学童保育所の拡充、待機の解消、高校生向け医療費助成の実施、予防、保全を含む防災・減災の推進、行政事務の手続を各
地域事務所で完結する
市民サービス提供の展開、また、新たな地域公共交通の整備、充実等についても強く要望しているところであります。市の積極的な取り組みをよろしくお願いいたします。
さて、投資的経費に目を転じると、いずみの森義務教育学校、
給食センター整備、
マルベリーブリッジの西側への延伸、富士森公園陸上競技場の改修工事など、大型事業が進捗したことから、前年度と比べ117億2,000万円の減となり、歳出面における一服感も見られます。今後財政運営においては、こうした施設の維持管理や、幼児教育・保育の無償化の取り組みを支える運営費、障害者自立支援給付費など、扶助費の増について備えるしなやかで強い財政基盤をつくり上げていくことが求められます。
本予算案では、こうした事業進捗に伴う運営費、扶助費の増に鑑み、経常的な経費に比重が移ることを踏まえて、33年ぶりに
財政調整基金の取り崩しによる財源補填を行わず編成をされました。あわせて
公共施設整備保全基金の取り崩しも控え、
臨時財政対策債も将来の柔軟な財政運営に備えるため、前年度比5億円減で50億円を計上しております。これは、いち早く公会計制度改革に着手し、長期的に持続可能な財政運営を目指した市の姿勢をあらわすものであり、中期財政計画で示した負債と純資産の割合を安定的に維持する予算編成であると認識しております。
しかしながら、少子超高齢化により、市民の意識、生活スタイルも急速に変化し、
市民サービスの需要は多様化をしてまいりました。仮に十年一日のごとき刷新の意欲も見られない取り組みでは、市民が鋭敏に感じ取ります。中核市たる本市は、その権限を最大限に活用するとともに、今後も健全財政を維持されながら、将来の財政負担も踏まえ、財政健全化4指標とその他の財政指標全体から、財政のシミュレーションを精緻に行った市政運営を心がけていくことが肝要であると考えます。まず、目下の課題として、第9次
行財政改革大綱に掲げた取り組みを着実に推進していただくようよろしくお願いいたします。
本予算案で示された施策全般については、市民と一緒につくり上げていく取り組みの方向性、また、今後も活力ある魅力あふれるまちとして進化するための各種施策が列挙される中、我が会派の政策要望も随所に反映されております。本予算案を高く評価いたします。
最後に一言申し添えておきます。これから中長期視点に立って動き出す市政運営において、新年度直近の課題は、
新型コロナウイルス感染症の対策であります。周知のとおり、
新型コロナウイルス感染症が世界的に広がり、世界保健機構、WHOが3月11日にパンデミックを表明、これを受けて、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会も1年程度延期することが決定となりました。依然として感染の終息は見えず、予断を許さない状況にあります。
市では、市内での発生に迅速に備えるため、1月30日に同感染症初動対応本部、2月17日に危機管理本部を設置し、全庁体制で市民生活の安定のために緊張感のある取り組みを進めておられます。市の取り組みに心から敬意を表します。心配された保育園、幼稚園における園児への支援、小中学校休校に伴う子どもへのさまざまな対応についても、親御さん、地域、関係者の御理解、御協力をいただきながら、目下取り組んでいる状況であります。
しかしながら、今後も感染の拡大を阻止できず、万一感染者のクラスターが発生した場合には、市民生活や中小企業、商店等への影響ははかり知れず、前例なき対策に踏み込んで果断に実行する場面も必要になると考えます。市は国、東京都と緊密な連携をもとに、市民を守り抜く
不退転の覚悟で対策に臨んでいただきますよう重ねてお願いいたします。
結びに、私ども市議会公明党の議員が、会派代表質疑、総括質疑において要望した提案や意見、指摘につきましては、今後の市政運営において積極的に反映していただきますよう強く求めて、新年度予算への賛成討論といたします。
20 ◎【
浜中賢司議長】 以上で討論を終わります。
これより第6号議案ないし第15号議案及び第34号議案ないし第49号議案の26議案を一括採決します。
採決の方法は記名投票で行います。
議場の出入り口を閉めます。
〔議場閉鎖〕
21 ◎【
浜中賢司議長】 ただいまの出席議員数は39人です。
記名票を配付します。
〔記名票配付〕
22 ◎【
浜中賢司議長】 投票箱を点検します。
〔投票箱点検〕
23 ◎【
浜中賢司議長】 異状なしと認めます。
念のため申し上げます。
原案に賛成の方は 白票
反対の方は 青票
であります。
第1番議員から順次投票願います。
〔投 票〕
24 ◎【
浜中賢司議長】 投票漏れはありませんか。
〔「投票漏れなし」と呼ぶ者あり〕
25 ◎【
浜中賢司議長】 投票漏れなしと認めます。
投票を終わります。
議場の出入り口を開きます。
〔議場開鎖〕
26 ◎【
浜中賢司議長】 開票を行います。
会議規則第31条第2項の規定により、第1番、西室真希議員及び第8番、望月翔平議員に開票の立ち会いをお願いします。
〔開 票〕
27 ◎【
浜中賢司議長】 投票の結果を報告します。