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  1. 八王子市議会 2019-09-05
    令和元年_第3回定例会(第3日目) 本文 2019-09-05


    取得元: 八王子市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-06-11
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1                                     〔午前10時00分開議〕 ◎【浜中賢司議長】 ただいまから本日の会議を開きます。   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2 ◎【浜中賢司議長】 日程に従いまして進行します。  つきましては、日程第1、一般質問を行います。  順次、質問を許可します。  第13番、岩田祐樹議員。                    〔13番議員登壇〕 3 ◎【13番岩田祐樹議員】 おはようございます。自民党新政会の岩田祐樹です。それでは、通告に基づきまして一般質問に入らせていただきます。  今日に至るまで、国や東京都、または八王子市を含む基礎自治体では、市民生活の維持にとって欠かすことのできないさまざまな行政サービスを行っており、その中にあって、本来行政が行わなければならない業務についても、入札制度を活用することで行政に成りかわって業務を履行する業者を決定することで、各種の行政サービスが滞ることなく遂行され、市民生活の維持向上が図られております。  そこで、このたびの一般質問では、行政のパートナーとも言える業務代行者を決定する入札制度について、現在までの取り組みについてと今後の市の方針について、順次お尋ねをいたします。  改めて言うまでもございませんが、市民の暮らしの安心・安全のためには、市はさまざまな業務を遂行し、市民生活の維持向上に対して、日々各方面にわたり努めております。時代の変化とともに、その業務は極めて多岐にわたっており、また、その業務量についても膨大な量でもございます。その中にあって、行政がみずからの能力でこなし切れない専門性の高いものや、民間が行うよりも行政が行うことで、かえって非効率になってしまうものについては、民間の知恵や能力を活用し、行政の責任のもと民間企業の力を最大限活用しながら行政運営を行っております。  そのための手法として用いられるものには、例えば一般競争入札指名競争入札、随意契約や指定管理者制度といった幾つかの制度を活用することで、いわば行政の業務代行者を決定し、各種の行政サービスの安定運営に努めているわけでございます。  競争入札制度では、売買、請負契約などにおいて最も有利な条件を示す者と契約を締結するために、複数の契約希望者に内容や入札金額を書いた文書を提出させ、内容や金額から契約者を決定する方法でございます。  随意契約制度では、競争入札による契約とは異なり、業者から見積書を提出してもらい決定するもので、複数者の競争見積もりによる場合と一者のみの見積書で決定する場合があります。一者見積もりによる随意契約は競争性が働かないため、特定の者でなければ行えない業務や、契約の性質、または目的が競争を許さない場合などに限定して認められる例外的な取り扱いとなっており、その他の随意契約が認められる例としては、急を要する契約時における緊急随意契約や予定価格が少額な契約における少額随意契約など限定的なものとなっております。  また、指定管理者制度では、元来、地方公共団体やその外郭団体に限定していた公の施設の管理運営を、株式会社を初めとした営利企業や財団法人、NPO法人や市民団体など法人もしくはその他の団体に包括的に代行させることができる制度です。  このように、さまざまな契約形態の中から最適と思われる契約手法を用いて、行政サービスの安定供給に資する取り組みを行っているわけでありますが、とりわけ一般競争入札指名競争入札と言われる競争入札制度において、昨今の時代背景に伴い懸念点が散見されるため、順次お尋ねをしていきたいと思います。  我が国における競争入札の起源は、今から約400年ほど前の16世紀末の安土桃山時代と江戸時代をまたぐ豊臣政権がおさめた慶長の時代が起源とされており、入札制度の改革は、既に江戸時代から幾たびも行われているそうであります。  その後の明治23年、1890年4月に会計法が施行され、一般競争入札が原則とされました。さらには、明治33年、1900年6月には、談合によって優良な業者が排除されるので、むしろ優良な業者を指名して入札する指名入札制度を導入せよとの声が大きくなったことから、指名競争入札制度が新設され、時代の変遷とともにさまざまな改革が行われ、現代に続いている制度であります。  時に現代社会における入札制度で懸念されることは何かと考えたときに、まずもって過去の入札制度改革における改善せねばならない内容が、現代とは大きく異なる点ではないかと思います。過去においては、粗悪な工事に直結する可能性が極めて高くなるおそれの生じる低価格入札の防止、競争原理が機能しなくなるおそれの生じる談合が対処しなければならない課題であったのに対し、これからの入札制度改革では、現代社会が抱える少子高齢化、人口減少社会の中で、労働力確保が企業命題になってきている点であり、このままの状態が長期化すれば、いずれ業務履行そのものが困難になる場面に直面する可能性がある点でございます。
     そこでお尋ねをいたしますが、近年、生産年齢人口の減少とそれに伴う人手不足を背景に、最低賃金の引き上げが続くほか、各企業の人員確保に要する人件費も著しい上昇を見せております。こうした中、本市が発注する委託業務契約は多岐にわたっておりますが、これらの委託業務契約において、人件費の上昇が適切に反映されていないように思えます。直近5年間の委託契約において、市の予定価格と市場の実勢価格の乖離により、入札不調となった件数はどのように推移しているのか、お尋ねをいたします。  また、あわせて、これまで市が入札契約制度に対して、どのような見直しを行ってきたのか、入札契約制度改革の現在までの経過をお聞かせをください。  以上で1回目の質問を終わります。 4 ◎【浜中賢司議長】 財務部長。 5 ◎【立花等財務部長】 建物管理や清掃などの業務委託における予定価格超過による入札不調の件数でございますが、平成26年度が4件、27年度が8件、平成28年度から30年度まではいずれも13件となってございます。  なお、契約総数に占める割合は、平成26年度で2.33%、ピークとなります平成29年度で3.95%まで増加しておりますが、30年度は2.80%とやや減っている状況でございます。  それから次に、制度の見直しについてですけれども、適正な価格で適正な履行をしていただくことを基本として、これまで総合評価方式の導入ですとか、最低制限価格の設定上限の引き上げ、あるいは業務委託に対する変動型最低制限価格の導入など、ダンピング抑止と品質の向上を目的といたしまして、さまざま改革、見直しを行ってきたところでございます。 6 ◎【浜中賢司議長】 第13番、岩田祐樹議員。                    〔13番議員登壇〕 7 ◎【13番岩田祐樹議員】 それでは、2回目の質問に入らせていただきます。  ただいまの財務部長の答弁の中に、建物管理や清掃などの業務委託における予定価格超過による入札不調件数は、平成26年度が4件、翌年度が8件、平成30年度には13件と増加、加えて契約総数に対する入札不調の割合について、現実的に平成26年度の2.33%から平成30年度は2.8%に増加しているとお聞きいたしました。これは何が原因であると推察されているのか、後ほど改めてお伺いをさせていただきたいと思います。  また、先ほど御答弁いただいた内容は、これまでの本市の状況についてでありましたが、令和の時代に入ってから行われた近隣自治体の物品契約に関する入札経過を調べると、町田市においては、市域を5地区に分割して委託される業務委託契約において、実に4地区が予定価格未到達のため入札打ち切り。内訳としては、打ち切りとなった4地区のうち3地区が2回目の札入れが行われたが、残念ながら結果的に打ち切り。残る1地区は、2回目の参加者があらわれず打ち切りという状況であります。  また、福生市においては、市域を4地区に分割して委託される同種の業務委託契約を随意契約において発注。本市においても、令和2年度から2ヵ年の契約で締結される同種の委託業務契約の入札が、つい先日まで行われておりました。  本市が発注する契約案件の入札経過は、22案件中、1回目の開札で落札決定した案件が3件、2回目の開札で落札決定した案件が1件、2回目の開札後、価格交渉にて決定に至った不調随契が14件、不調打ち切りが4件という状況であり、不調随契と打ち切りを合わせた割合は、22案件中18件であり、実に81.8%にも達しており、異常な事態であると言わざるを得ないと思います。  同種同類の案件といえども、各自治体によって業務内容に多少の差が生じるため、一概に比較対象とするのは困難な点があるのは承知しておりますが、なぜ同種の案件において、町田市や八王子市において入札不調が続いているのかという点については、共通する点があるようにも思えます。それは、先ほどの財務部長の答弁にもありました建物管理や清掃業務等の業務委託に関しては、多くの人手を要する業務であるという点や多額の設備投資を伴う点などの共通点があることであります。加えて、業務履行に当たっては、効率化や簡素化の目的から何らかの先端技術を導入しようとしても、オートメーション化が困難な職種ということが挙げられます。  1回目の質問でも触れましたけれども、現在までの人件費の上昇に関して触れますと、東京都の最低賃金は、平成15年708円、平成25年では869円、平成30年985円、そして、さらには本年10月より1,013円と、ついに1,000円を突破いたしました。あわせて、昨年可決した働き方改革関連法案によって労働基準法の一部が改正され、本年4月より全ての正社員に最低5日間の有給休暇を取得させなければならないとの改正がなされるなど、中小企業の労働力不足に拍車がかかっている点についても否めません。加えて、生産年齢人口の減少や運転免許制度改革に起因する、そもそものドライバー職に従事することのでき得る方々の減少や、人員の確保に要する求人広告費の増加等の結果、先ほど御紹介させていただいた直近で見られるような入札経過につながったものと思われます。  また、公共工事設計労務単価の上昇に対する対応策として、建設工事請負契約書第25条第6項に基づき、予期することのできない特別の事情により、工期内に日本国内において急激なインフレーションまたはデフレーションを生じ、請負代金額が著しく不適当となったときには、請負代金額の変更を請求できる措置であるインフレスライド条項の適用がありますが、残念ながら、委託業務契約においては適用されないことから、複数年契約中に人件費や材料費、また燃料費等の業務履行に対する直接経費や間接経費に急激な上昇が仮に見られたとしても、これら各種経費の負担増について緩和される救済策がないことも一因ではないかと思われます。  なぜならば、救済策がないわけですから、入札時においてはリスクテークをしながら経営を行わなければならない民間企業では、積算に当たっては当然のごとく、現在の経費とあわせて、現在までの増加率を参考とした将来にわたっての経費も想定しなければならない構造となっているものと思われます。  わかりやすく限定的に人件費だけに絞ってお話をしたとしても、当然のことながら、積算時に当該年度の人件費だけを見る行政と、将来にわたる人件費までをも考えなければならない民間企業との設定する人件費における乖離が見られるのではないでしょうか。  公契約中における人件費については、最低賃金の上昇だけを見ればいいわけではなく、単に最低賃金が上昇したから、その分の予算を上げればいいという、そう単純な話ではないと思います。確かに、先ほども東京都における最低賃金の変遷については触れましたけれども、業務を履行するに当たっての積算業務は、直接人件費、原材料費、物品費等の直接経費に加え、間接人件費や燃料費、消耗品費等各種間接経費を積み上げて積算が行われることからも、各種経費が上昇傾向にある現在においては、各項目の実勢価格の把握に努め、それら各項目に対する適正な予算措置がまずは重要ではないかと思います。  また、建設工事請負契約におけるインフレスライド条項に相当するような委託業務契約にも、何らかの救済策についても、今後の人口減少社会においては必要な検討課題と考えますので、近隣市においても同様の理由による入札不調が見られる昨今、他市の状況も同様であることを鑑みれば、決して本市だけの課題ではありませんから、ぜひとも東京都市長会や中核市市長会を通じて、国や東京都に対しても新たな救済策の構築を目指し要望活動を行っていただきたいと思います。  今日のような事態に陥った原因が一体何なのか、入札をとり行う所管としての財務部、そして発注所管である資源循環部としてしっかりと考察した上で、今後の安定した行政サービスに努めていただきたいと思います。  そこでお尋ねをいたします。建物管理や清掃などの業務委託における予定価格超過による入札不調件数は、平成26年度が4件、翌年度が8件、平成30年度には13件と増加、加えて契約総数に対する入札不調の割合についても、ピークアウトしたようにも見えますが、現実的に平成26年度の2.33%から平成30年度は2.8%に増加傾向にあると先ほど御答弁をいただきましたが、一体原因は何と考えるのか、財務部長の見解をお聞かせをください。  次に、人手不足が深刻化し、年を追うごとに人件費や材料費、燃料費や光熱費等のあらゆる経費が上昇傾向にある現在の社会情勢を鑑みれば、特に多くの人手を必要とする労働力に大きく依存する業務委託については、慎重な設計や積算が望まれると思いますし、契約期間中の人件費等の上昇を適切に予算や契約額に反映させることが重要であるとも考えますが、こうした状況に対して、市はどのように考えているのか、あわせてお聞かせをください。  また、先般実施された業務委託契約の入札では、入札不調となった上で最低価格入札者との交渉により契約に至っているものが多く、不調随契と打ち切りを合わせた割合は、先ほどもお話をいたしましたが、22案件中18件であり、実に81.8%にも達しております。  このように、多くの人手を要する業務委託において、入札不調が続いたことに対して、担当所管としてどのように受けとめているのか、お考えをお示しください。  次に、入札契約制度について、これまでに適正な価格で適正な履行が見られるよう、ダンピング抑止とそれによる品質向上を目指して制度改革に取り組んできたとのお答えをいただきましたが、市の積算価格と市場の実勢価格に乖離があり、予定価格自体が低過ぎるというような場合には、残念ながら総合評価や最低制限価格といったダンピング抑止の仕組みは効果が発揮いたしません。  生産年齢人口の減少に伴い、将来にわたって労働者不足が長期的に継続する可能性が極めて高い現代社会の状況を鑑みると、市の業務代行者として継続した業務履行に際して、重要なファクターとなる労働者の安定確保に向けては、適正な設計や積算が重要となってくるかと思います。今後、どのようにして積算の精度を高めていくのか、担当する所管の見解をお示しをください。  以上で2回目の質問を終わります。 8 ◎【浜中賢司議長】 財務部長。 9 ◎【立花等財務部長】 入札不調が増加した理由でございますけれども、過去5年間の状況を調べましたが、特定の業務で入札不調が多いといったような明確な傾向が見られず、入札の経過から予定価格超過の具体的な理由を推しはかることは困難でございました。なお、一般的には、予定価格超過による入札不調が増加した場合には、事業者の見積もり額と市の積算額に乖離が生じた可能性があるということも一つの要因であると考えられています。  それから、人件費の上昇を業務委託の予算や契約にどのように反映するかということでございますが、御質問者おっしゃられたとおり、工事請負の場合には、統一的な積算基準や積算単価に基づいてインフレスライド条項を適用し、人件費等の変動に対応することが可能ですけれども、今お話のある業務委託については、統一的な積算基準などが存在しないため、インフレスライドの仕組みが適用できません。そのため、基本的には、予算編成時に将来の社会経済情勢の変動を見越して、その積算をすると、この精度を高めることが重要であるということで考えております。  なお、その上で委託期間中に当初の契約額が実態に合わない状況が生じた場合には、契約約款に基づきまして、発注者と受注者が必要性を判断し、契約変更について個別に協議することになると、このように考えております。 10 ◎【浜中賢司議長】 資源循環部長。 11 ◎【木下博文資源循環部長】 2点の御質問にお答えをいたします。  まず初めに、入札不調について市はどのように受けとめているかという御質問でございますが、まず委託費を積算するに当たりましては、収集量をもとに必要台数をまず算出し、国の統計資料等から人件費を算出しております。そのほかに燃料費であるとか車両の減価償却、法定点検の費用等の直接経費、一般管理費等を加えた設計額としているところでございます。  今回の不調につきましては、全国的に人手不足の状況が続いている中で、人件費が大きく高騰していることが大きな要因であると考えてございます。  次に、今後どのように積算の精度を高めていくかという御質問でございますが、事業者から提出されております委託業務内訳書の人件費や物件費の項目を詳細に分析するとともに、他市の契約事例を参考とするなどいたしまして、実勢価格を踏まえた積算となるように検討をしてまいりたいと考えております。 12 ◎【浜中賢司議長】 第13番、岩田祐樹議員。                    〔13番議員登壇〕 13 ◎【13番岩田祐樹議員】 それぞれに御答弁いただきまして、ありがとうございました。  それでは、3回目の質問に入らせていただきます。  先ほど資源循環部長から、人件費については国の統計資料等をもとに算出しており、また全国的に人手不足の状況が続いていることから、各業者とも人が集まらず人件費が高騰していることが今回の要因であると考えているとお答えをいただきました。また、その他の積算項目に関しては、過去の委託業務の実積から、業務履行に要する時間や移動距離などの経費を算出した結果、仕様書中に記載される業務履行に当たっての推奨数量として記載されているとの説明もお伺いをさせていただきました。  業務履行に対して必要となる設備や人員数に小数点以下を含むというのは、いささか無理のある仕様設計ではないのでしょうか。仮に想像してみてください。パン屋に皆があんパンを買いに行ったとします。私は、あんパンを半分だけ食べたいので、1個は多過ぎて必要ないから半分の金額で半分だけ食べさせてくださいとお願いしたら、私はあんパンを食べることができるでしょうか。それぐらい現在の仕様書の設計は無理のある設計内容だと思います。  あわせて、人件費については国の統計資料をもとにとお答えをいただきましたが、北は北海道、南は沖縄までを含めた厚生労働省発表の労働統計では、都道府県によって最低賃金に乖離があることからも、根拠として適用すること自体が適正に反映できていないと言わざるを得ないと思います。  東京都と沖縄県では、平成30年度の金額ベースで、最低賃金に223円の開きがあることを御存じなのでしょうか。残念ながら、設計や積算の算出根拠が余りにも曖昧で、現状の社会情勢にそぐわないものと言わざるを得ないと思います。本市に限った話ではなく、生産年齢人口の減少に伴う税収の伸び悩みと社会保障関連経費の増加により、財政を取り巻く環境は一層厳しさを増している状況を鑑みれば、当然限られた予算の中でどう効果・効率的に行政運営を行っていくのか、厳しい判断を迫られるものと思われます。  我が国の多くの基礎自治体における行政運営は、今日まで戦後一貫した人口増加が続く中にあって、これに合わせる形で多くの公共施設整備が行われたり、人口増加に伴う諸課題をどう解決するかに奔走してきたものと思います。その一方で、市民生活の多様化が進み、行政サービスの領域も拡大傾向にあったのだと感じております。今後の行政に求められるものは、市民の安心・安全の確保、市民福祉の向上など成熟型社会に対応した行政運営の見直しも必要になってきているのだと思います。その大きな原因の一つは、人口減少時代の到来であります。  本市の人口減少の速度は、現在は微減にとどまっておりますが、長期的に見ると、今後については現在の横ばいに近い状態から減少に転じることが予測され、こうした将来的な人口構造の変化に備えた行政のあり方を検討するときが到来したのだと思います。  地方自治体では、厳しい財政状況の中でも安全かつ良質な公共サービスが確実かつ効果・効率的に実施されるよう、簡素で効率的な行財政システムを構築するとともに、みずからの行財政運営について透明性を高め、公共サービスの質の維持向上に努めることが迫られております。今後の厳しい財政見通しなどから、これまでの取り組みに加え、勇気ある決断を行うことで無駄を廃し、本当に必要な分野への選択と集中に徹しなければならないものと考えます。  このたびの質問では、業務委託契約を一例に挙げ、現在の入札執行状況の問題点について、他市の状況も紹介しながら問題提起をさせていただきましたが、これは何も当該業務のみを指して言うのではなく、時代が変化しようとも技術革新が進もうとも、人の手でしか業務の履行が困難な業務全般に言えることであると思っております。我々日本人が直面したことのない人口減少社会が到来し、今後、今までと同じような状況を維持することが困難な分野の共通課題だと思っております。  このたびの令和2年度の入札案件のうち、一部の業務委託契約に関して言えば、当該業務の全ての地区において、現在、不調打ち切りと聞いております。なぜこのような状態に陥ったのか、しっかりと検証していただき、実態に即した設計、積算に努めていただきたいと思います。  かねてから申し上げているように、現場力強化のためのプロ職員の育成については、我が会派の他の議員からも要望させていただいておりましたけれども、早期の育成に取り組んでいただけることを切に願います。また、適正な設計や積算につなげるための改革としては、例えば民間企業がどのような環境のもと、どのような状況で市が発注した業務の履行に取り組んでいるのか、実態把握に努め、課題のあぶり出しや、その結果得られた課題意識の共有化も一つの試みと思いますので、各担当所管においては、固定概念にとらわれることのないさまざまな形態において、新たな取り組みを見出していただきたいと思います。市民が安心して生活できるのは、ほかならぬ市職員のたゆまぬ行政運営のたまものであり、あわせて行政の右腕となって、行政の足らざるところを補完してくれる民間企業の力でもあると思います。  厳しい指摘もさせていただきましたが、決して各所管を否定しているのではありません。これからの人口減少社会の中で、行政も時代の潮流に取り残されることなく、変化をいち早く察知し、柔軟に対応する機敏さや臨機応変な対応こそが求められるのだと思います。加えて、変化を恐れず、時として無駄な事業を切り捨てて、選択と集中する決断力と勇気ある判断が不可欠であろうかと思います。  それでは、最後にお尋ねをさせていただきます。現在、市の業務を民間事業者に委託する委託契約は、極めて多岐にわたっており、このような委託業務により提供される公共サービスについても、市がみずから提供するサービス同様、安定的に運営されることが市民生活にとっては大変重要だと考えております。業務委託の安定的運営を確保するためには、適正な積算に基づき適正な価格で契約することが不可欠である、そのように思いますけれども、今後について市の考えをお聞かせをいただいて、一般質問を終わります。 14 ◎【浜中賢司議長】 財務部長。 15 ◎【立花等財務部長】 市民サービスを安定的に提供していくためには、適切な履行期間の設定、それから適切な作業条件の設定と並びまして、社会経済情勢の変動を踏まえた適切な委託費の積算も重要な要素であるものと考えております。  事業費の積算に当たりましては、これらの諸条件について十分な調査検討を行い入札不調により各種事業の執行に支障を来すことがないよう、予算編成などの機会を捉えて関係所管に助言してまいります。 16 ◎【浜中賢司議長】 次は、第11番、小林秀司議員。                    〔11番議員登壇〕 17 ◎【11番小林秀司議員】 おはようございます。自民党新政会の小林秀司です。発言通告に従いまして一般質問をさせていただきます。  テーマは、大きく分けて2つでございます。  我が国は、人口減少、高齢化社会などさまざまな変化が予測され、それに対して国、基礎自治体は、さまざまな制度が実施されようとしています。将来に向け、現在取り組まれている政策についてお伺いさせていただきます。  1つ目は、立地適正化計画についてでございます。  2つ目は、本市における多文化の共生社会についてです。  まずは、立地適正化計画についてお伺いいたします。  これからの八王子市のまちづくりの現状について、課題についてお伺いします。  本市は、昭和16年の小宮村の合併に始まり、近隣町村との合併により市域を拡張し、昭和39年には人口19万人、面積188平方キロメートル、多摩地域最大の都市となりました。当時、我が国は経済成長の中で、市内には工業団地がつくられ、農地は工場や住宅となり、道路、鉄道交通網、都市基盤の整備が進みました。  私が育ちました横山地域においても、狭間では工業団地化され、田畑は工場、住宅へ、幅2メートルでありました農道は、25メートル幅の幹線道路となりました。里山は公団に開発され、館ヶ丘団地やグリーンヒル寺田といった大規模な団地開発へと変貌していきました。  昭和40年代に始まった多摩ニュータウン事業に端を発し、さまざまな開発行為が進み、大規模な住宅団地の開発が行われ、首都東京のベッドタウンとして市街地は郊外へ拡大し、人口は急激に増加いたしました。市街地の郊外拡大にあわせて、道路や交通機関も発展を促し、合併した旧町村のそれぞれの旧来からの都市機能を有する地域も利便性が向上し、それまでは農村であった地域は都市化され、農地は次々と宅地化されていきました。  都市計画は、人口の増加や成長、拡大が前提となる中で、将来の都市像がある程度予測可能な状態の中で、土地利用の規制やインフラの整備で都市をコントロールしてまいりました。多摩ニュータウン事業、さらには昭和60年代より八王子ニュータウン事業、それぞれが平成18年、20年までに収束し、本市の人口は平成22年には58万人までに増加しました。これは昭和38年時から現在の市域となってから、人口は45年をかけ成長し続け、3倍にまでなりました。都市のあり方も一変いたしました。  一方で、これまで続いてきた人口増加から少子高齢化、人口減少社会へと進む予測がなされ、平成22年、2010年の国勢調査の予測では、令和4年、2022年が最大の人口値となり、そこから減少が始まるとの予測でありました。今日も民間による小規模な宅地開発や分譲住宅の供給はございますが、ついに平成27年、2015年より本市は人口減少へと転じ、これは当初予測より早いことでございます。  まず1つ目にお伺いいたします。このような状況下、都市計画において人口減少により生じる課題について、市はどのように捉えているかを確認させてください。  本市は、都市計画法のもと、都市計画地域の整備、開発及び保全を方針として、平成15年に八王子市都市計画マスタープランを策定しました。現在は、平成27年、2015年に都市づくりビジョン八王子、第2次八王子市都市計画マスタープランを策定し、まちづくりはこれに基づき行われています。都市づくりビジョン八王子では、人口減少、高齢化社会の進展を予想し、都市の持続性に焦点を当て、規模、密度を維持し、移動しやすく安心して暮らし続けられる新しい未来の都市構造の考えを示しております。  さらには、地球環境や災害へのリスク等の対応も踏まえ、20年後の都市をイメージできるように目指すべき20年後の都市ビジョンを定め、これを都市計画や都市づくり、事業実施の根拠としましてまちづくりを行っていると認識しております。  国は、平成26年、2014年に都市再生特別措置法の改正に伴い、立地適正化計画制度を制定いたしました。この計画は、地方自治体に向けた制度であり、この制度の概要は、人口の急激な減少と高齢化を背景とした都市拡散を制御、そして行政と住民、民間業者が一体となったコンパクトなまちづくりを推進する、そのための制度とあります。本市においては、平成29年度、2017年度から策定に関し検討を開始、今年度の策定に向け進めておると伺っております。  それでは、お伺いいたします。この立地適正化計画でございますが、全国的な導入実積を見ると、地方都市が先行して導入しております。東京都内の他の自治体では、人口減少が進展していないとの理由から、立地適正化計画には着手していない自治体が多いと思いますが、そのような状況の中、なぜ八王子市は立地適正化計画の策定に着手したのかを教えてください。また、本市における立地適正化計画の役割は、どのようなものとなるのでしょうか。また、現在の都市計画マスタープランの目指すべき都市構造とこれらとの関係はどのようなものなのでしょうか。お示しください。  続きまして、多文化共生社会についてお伺いいたします。  日常の生活の中で、コンビニや飲食店で店員の方が外国人である、八王子市内においても当たり前の風景となったのは、いつごろなのでしょうか。出入国管理法及び難民認定法が平成21年に改正の運びとなり、翌年より施行され、外国人留・就学生に対する入国管理政策の緩和が行われました。在留管理制度を導入することを踏まえ、入国審査の手続を簡素化、迅速化し、在留資格も延期する、また外国人学生の負担を減らすため、就学の在留資格を廃止し留学に一本化されました。  法務省によりますと、就学による不法就労者が減っていることや、改正入国管理法で導入する在留管理制度により適切な管理を維持できると判断し、22年に実施しました。具体的には、選抜や在籍管理による学校への留学生の管理は、提出書類を減らすなどしてビザの発給審査を大幅に短縮し、また、留学の場合には1年から2年の在留資格を延長するといったように、この改正においては日本語学校の通学も留学となり、結果として留学生が増加したことが考えられます。  留学生は、週に28時間までのアルバイトをすることが可能となっており、一般的には留学生は上限いっぱいの時間までアルバイトをします。これらの制度改革の起因により、私たちも日常の中で外国人に出会う機会がふえたこととなったと言えるでしょう。  八王子市の外国人の人口は、平成2年、1990年、2,536名でありました。年々増加し続け、平成29年には1万2,219人となりました。また、平成30年には1万2,737人と現在も増加傾向にあります。平成24年7月には、外国人登録者数となっておりますが、法改正により住民基本台帳制度へ移行し、また、現在、八王子市の外国人の在留資格は、留学生の割合が多くなっております。これは21年の法改正によるものだと思われます。全国統計においても、平成22年以降、外国人の登録者数は急激なカーブを描いております。本市も平成24年から29年の間には、留学生の数は倍増とふえております。  このように、出入国管理法及び難民認定法の改正により、在留外国人はデータからも増加したことがうかがえます。さらには、2015年の技能実習生による在留制度が始まり、外国人労働者としての制度が新たに設けられ、本年には特定技能制度と外国人労働者の受け入れを拡大する制度が4月に始まりました。  このように、国の制度改革が行われるたびに在留外国人の増加がなされてまいりました。国は、ことし制度の導入で外国人の在留がこれまでより多数になるであろうと予測し、自治体への支援を打ち出しました。対策の目玉に据えたのは、地方自治体の外国人向けの相談窓口の体制の拡充を、国により財政支援を行うことです。特定技能を取得した外国人労働者が今後さらにふえていくものと考え、この制度では、国は雇用主が受け入れ機関として主体的な支援を行う仕組みを整えつつも、全国に100ヵ所の一元的な窓口を設置し、外国人受入環境整備交付金を自治体に交付したと聞いています。  八王子市においても、さきの議会において補正予算案の提出があり、可決成立し、実施されたと承知しています。本市の外国人の相談窓口はどのようになっているのでしょうか。本市の取り組み状況と東京都内における外国人受入環境整備交付金のこととあわせて教えてくださいませ。  以上で1回目の質問を終わります。 18 ◎【浜中賢司議長】 都市計画部長。 19 ◎【太田國芳都市計画部長】 立地適正化計画について、3問の質問をいただきました。順次お答えをさせていただきます。  初めに、人口減少により生じる課題についてでございますが、長期的に人口減少が進展すると、特に生産年齢人口の減少による税収の減少や、地域あたりの人口密度の低下により、公共交通や生活利便施設などのサービス水準を維持できなくなることや、空き家の増加等により地域活力の衰退等の問題が顕在化するものと予想されます。また、市街地が拡散を続けた場合には、中心市街地の空洞化や市街地のスポンジ化が進んでしまうことも考えられ、健全なまちとしての形態を維持運営することができなくなる可能性も生じるものと認識しております。  次に、本市が立地適正化計画の策定に着手した理由についてでございますが、将来において健全なまちを維持していくために必要な事柄を考える上で、本計画では人口が50万人を下回る2050年以降に本格的な人口減少期を迎えると捉えております。その上で、人口減少時代の都市計画を進めるに当たっては、直面する都市課題を解決しながら本格的な人口減少期に備えることとし、いち早く本計画の策定に着手させていただきました。  最後に、立地適正化計画の役割と都市計画マスタープランとの関係についてでございますが、本計画は、都市計画マスタープランで示す将来都市構造である拠点・沿道ネットワーク型都市構造を具現化するための基本的な考え方を示すことを役割として、その関係性については、都市計画マスタープランの一部として位置づけ、持続可能な都市構造への再構築に向けた取り組みをあらわすものでございます。 20 ◎【浜中賢司議長】 市民活動推進部長。 21 ◎【小峰修司市民活動推進部長】 私には、外国人の相談窓口に関する本市と都内の状況について御質問いただきましたので、御答弁申し上げます。  本市におきましては、外国人の一元的な相談窓口として在住外国人サポートデスクを設置しております。今回、国が創設した外国人受入環境整備交付金を受けまして、今月から相談員の増員や窓口カウンターを改良するなど、さらに充実させております。  国の交付金は、運営費と整備費の2種類あり、両方の交付金を得て実施している自治体は、都内では本市と新宿区の2ヵ所となっております。 22 ◎【浜中賢司議長】 第11番、小林秀司議員。                    〔11番議員登壇〕 23 ◎【11番小林秀司議員】 それぞれ御回答いただき、ありがとうございます。  現在、顕在化しています人口減少問題に対し、立地適正化計画に着手することで、2050年以降の本格的な人口減少期を見据えたこの問題に対し、本市の取り組みの具現化をつなげるお考えということでした。  立地適正化計画は、多くの自治体が掲げる都市計画マスタープランにおいて、コンパクトシティ、そういった言葉もございます。本市においては、この単語を使用していませんが、規模の密度維持や移動しやすいまちと将来に掲げる目標が具体的な政策となり、推進することを目的として創出されたものであります。都市計画区域内の市街化区域に、居住誘導区域、都市機能誘導区域を定め、従来の土地利用に加え、居住機能、都市機能をそれぞれ定めた区域へと誘導し、まちづくりを推進しようとするものであります。  それではお伺いします。都市機能誘導区域を導入することにより、本市にとってどのような効果が得られるとお考えでしょうか。また、国はこの立地適正化計画を強く押し進める立場であると思われます。この計画策定によって、国からの補助など本市にとってどのようなメリットが得られるのでしょうか、お示しください。また、人口減少時代を迎えています。だからこそのこの制度の導入を端に、工夫により八王子市をさらに活性化する必要があると思うが、市はどのように考えているかをお示しください。
     また、平成28年より、全国各地の自治体で立地適正化計画の作成・公表が始まっております。全国で477の都市が具体的な取り組みを行い、令和元年7月31日現在、全国272の都市が計画の作成・公表を行っています。この計画を導入するに当たり、成功事例、懸案となる事例を含め、メリット、デメリットなど参考にした都市があれば教えていただけますでしょうか。  続きまして、多文化共生についてお伺いします。  八王子市は外国人の割合が多く、ある意味において国際化が進んでいるということでございました。しかしながら、今回導入された制度は、これまでとは少し趣が違います。高齢化による人口減少を背景に、幅広い分野で需要が高まっている外国人人材、その受け入れを拡大促進する仕組みが政府から打ち出されています。これらの制度の中で、今後、日本への人の流入と日本で生活を営み、その基盤を築く外国人は着実に増加することでしょう。さらには、生活が安定して一定の要件を満たせば、家族を呼び寄せ移り住むこともできます。日本社会は、より一層、多文化、多民族社会へ進展することが予想されます。  そのような中で、外国人を地域社会の構成員として位置づけ、そのための多文化共生の地域づくりの推進が必要であるとされています。来日し、本市に労働者として定住し、生活者となる者が増加することが予想されます。八王子に生まれ育っていくその子弟が就職、就学できるためには、家族を含めた日本語の習得や、また、社会統合政策が必要であると考えられ、外国人との共生社会を実現するために、利害関係者が連帯して政策に取り組む必要があると考えます。  それではお伺いいたします。本市のこれまでの対応について、都内でも先駆的な取り組みであることは伺いましたが、外国人に安心して暮らしてもらい、就学や納税、地域への貢献などさまざまな面で地域を支える一員となるためには、本市の日本人市民の意識において多文化意識の醸成は不可欠です。現在、八王子市がどのような取り組みを行っているか教えてください。また、共生意識の啓発は、特に子どもの段階、教育における対応が極めて重要と考えます。小中学校ではどのような対応があるか、実際の指導ではどのような配慮を行っているのかをお示しください。  以上で2回目の質問を終わります。 24 ◎【浜中賢司議長】 都市計画部長。 25 ◎【太田國芳都市計画部長】 それでは、4問の質問をいただきましたので、お答えさせていただきます。  最初に、立地適正化計画における都市機能誘導区域の導入による効果についてでございますが、公共施設の最適化を図り施設マネジメントを行うことで、投資の分散化を避けられ税収効果の活用が可能となることはもとより、計画導入により人口密度の維持を図ることで、公共交通や生活利便施設のサービス水準を維持し、郊外における活力衰退を避ける効果を期待しております。  次に、立地適正化計画の策定による補助金等のメリットについてでございますが、現在、国は本計画を作成していることを条件に補助金等の優遇措置を行っており、計画を導入した上で都市機能誘導区域を設定し、区域内で実施される公共施設整備や都市基盤整備事業を位置づけることで、事業実施の際に補助金のかさ上げ等のメリットが得られるとともに、民間投資へのインセンティブともなります。近年、社会資本整備に関する国の支援制度の活用については、本計画の策定が絶対的な条件になっており、本計画を策定することで国の補助金等の効果的な活用ができるというメリットがございます。  次に、人口減少時代だからこその工夫による本市の活性化についてでございますが、誰もが経験したことのない人口減少時代のまちづくりを行う上では、立地適正化計画を活用し、既存ストックを生かしながら生活のしやすさと移動のしやすさを長期的に維持するため、居住と都市機能の誘導を通して都市をマネジメントするものであります。本市のさらなる活性化に向けては、各所管と連携を図りながら、既存の施策の見直しや再構築など知恵と工夫を最大限に使い、八王子のさらなる活性化に寄与していきたいと考えております。  最後に、立地適正化計画の策定に当たり参考にした都市についてでございますが、市街地の形状や高齢化率等の人口動態など都市構造が近似している都市として、札幌市や北九州市を参考にいたしました。また、既に1980年から2015年の35年間で、全人口が約22.9%、生産年齢人口が約10.4%減少し、高齢化率が30%を超え、本市より30年早く人口減少、超高齢化している函館市を参考にしております。  これらの都市では、居住誘導区域の設定に苦労されたり、一方では計画策定を契機として公共交通再編への取り組みを進めており、本市も参考にさせていただいたところでございます。 26 ◎【浜中賢司議長】 市民活動推進部長。 27 ◎【小峰修司市民活動推進部長】 私には、多文化共生意識向上の取り組みについて御質問をいただきましたので、御答弁申し上げます。  今年度の取り組みとしましては、多文化共生意識を醸成するために講演会のほかワークショップの開催を予定しております。また、広く市民に対し意識を啓発する事業として、外国人市民や留学生の活動の様子をまとめた映像制作やパンフレットの作成を行ってまいります。 28 ◎【浜中賢司議長】 学校教育部長。 29 ◎【設樂恵学校教育部長】 私からは、多文化共生を進める上での小中学校における取り組みや対応についてお答えをいたします。  外国籍の児童・生徒への支援につきましては、就学時における支援者の派遣や日本語巡回指導のほか、日本語学級での通級指導を活用することで、日本語の習得だけでなく学校生活における不安を早期に解消し、クラスになじめるよう努めているところでございます。  また、令和元年度からは通訳デバイスを導入し、多くの言語に対応できるようにすることで、児童・生徒だけでなく、学校と保護者とのコミュニケーションのさらなる円滑化を図っているところでございます。 30 ◎【浜中賢司議長】 指導担当部長。 31 ◎【斉藤郁央指導担当部長】 学校での実際の指導ではどのような配慮を行っているかということについてでございますが、学校においては、基本的人権についての理解を深め、外国人に対する偏見や差別の解消について考える活動を通して、異なる習慣、文化を持った人々とともに生きていく態度を育てる授業を行っております。  一例として、外国籍の児童・生徒の母国の文化や生活習慣について調べたり、日本の文化を伝えたりする活動を通して、お互いに相手を認め合う態度を育てております。 32 ◎【浜中賢司議長】 第11番、小林秀司議員。                    〔11番議員登壇〕 33 ◎【11番小林秀司議員】 それぞれ御回答いただき、まことにありがとうございます。  本計画の導入により、国の補助や経済メリットが得られることが理解できました。策定に当たっては、参考とした都市の事例にもあるように、居住誘導区域の設定には、慎重に行っていただきたいと思います。また、策定後の運用の中では、将来の公共交通の再編についても、しっかりと調査研究し取り組んでいただきたい、そう思います。  本計画導入後の展望について、述べたいと思います。  都市計画法のもとの都市計画マスタープランを都市再生特別措置法のもとの立地適正化計画の導入をすることにより、自治体が定めるそれぞれのマスタープランを実現に向けどう取り組むかであります。人口の増加や成長、拡大が前提の将来の都市像が予測可能な状態、その中での土地の規制やインフラの整備、それにより都市をコントロールしてまいりました。  今後は、人口維持あるいは減少する可能性が大きい中で、持続可能で安心・安全にして暮らせる都市づくりを進めることはできません。これまでの土地利用規制等で都市をコントロールするだけではなく、都市の住民、企業活動等にこれまで以上に着目し、量ではなく質の向上を図り、掲げる目標を達成するといった、都市をマネジメントするといった新たな視点を持って取り組んでいく必要があります。  誘導地域の設定においては、一極集中となる懸念や区域外になることの不安、また区域内になることで住環境の変化や土地建物といった不動産の価値の変化、市民や民間の企業の方々へもしっかりとした制度への理解を促すことが必要であります。そのためにも、どのようなまちづくりを目指すのか方針を明確にし、市民の生活や経済活動を支える上で、都市がどのような課題を抱えているかを集約し、課題解決のための施策、持続可能な都市としてどのような姿を目指すかを描かなければなりません。  都市機能誘導区域や居住誘導区域の設定は、八王子市の歴史から合併前の旧町村の中心部等、地域の成り立ち、都市機能や居住が一定程度集約している地域、また開発によってつくられた住宅団地など都市基盤の整備がしっかりと行われている区域など、広い市域の中でしっかり調査研究をし、さまざまな角度から検討し、適宜な設定をしていただくよう要望いたします。  誘導区域の設定は、新しい仕組みであります。これまでの用途地域の仕組みは、用途地域を指定するだけで、具体的な立地はいわゆるお任せの状態であります。今制度では、立地させたい施設を選んで記述し、誘導することができます。そのため、医療、福祉、地域経済などほかの分野と連帯し、各分野の施設の立地の動向や方向性の共有がなくては、誘導施設を設定することはできません。そのためには、担当部局はもちろん、誘導施設を整備する民間事業者や交通事業者とさまざまな関係者が参画する協議会を設置するなど、都市計画部局と他の部局が連帯して都市が抱える課題、ターゲットを共有して解決に取り組んでいくことが重要であると考えます。  2015年から始まった人口減少、人口が50万人を下回ると予測されるのが、本市においては2050年ということでございます。そこを見据え、持続可能な都市となるような計画があり、本市には、これまでの都市計画の結果から都市の成長の過程において得られた都市基盤があります。中央道、圏央道、市内に複数のインターチェンジを有し走る高速道路、国道20号、16号、八王子バイパス、新滝山街道等、整備された幹線道路網、JR、私鉄、複数の路線が走り、多数の駅を持つ鉄道網。東西南北への道路網、整備された鉄道網、まさに交通の要所の機能を有している八王子であります。  さらには、多くの都市農地を有し、市街地の中にも農地や多くの自然があります。都市にあるべきものの加わった都市農地のまちづくり農業振興政策と連帯することによって、景観形成や防災上の向上、また自動運転、スマートシティなど技術革新の分野とさまざまな関係施策を連帯、新しいまちづくりの可能性を持つのが、この計画であります。そして、この計画に大きな期待をいたします。  本計画の策定により、人口社会への対処と同時に、八王子が持つポテンシャルを引き出し、市民の皆様が安心・安全に暮らせるまち、そして、多くの人々が八王子に住みたい、住み続けたいと思えるようなまちづくりの政策が、この導入により展開されることを期待いたします。  それではお伺いします。この立地適正化計画の導入後、どのように進められるのかをお示しください。また、長期的な将来、人口減少が始まる、50万人を切る2050年を見据えて、立地適正化計画を導入して実行されるとのことでした。導入の効果をどのように生かしていくのか、今後の市の展望を教えてください。  また、多文化共生について質問します。  この制度から、将来的に地域の中に多数の生活者としての外国人が増加することを想定して、さまざまな取り組みが既に行われているということでした。自治体だけで理解を深めるための政策を進めたとしても、効果は不十分で継続することは難しいと考えます。自治体が把握した情報を地域の日本住民や外国人住民に対し共有し、地域の理解を醸成していくことが必要となるでしょう。外国人住民について、しっかりと情報を把握し、共生社会の実現のため、将来的に地域に定着し活躍するような仕組みづくりをすることも考えていかなければならないでしょう。地域の中で活躍の担い手となり得る外国人住民となり得るよう、しっかりと、まずは準備段階として外国人住民と外国人住民を取り巻く状況を把握し、理解を深めることが必要でございます。  これまで我が国の市民の皆様が暮らす地域の環境は、これから目指す多文化共生社会とは少し距離があるものと感じます。ひとりひとりの意識はもちろんのこと、市民の皆様が生活する地域の中で多文化共生を推進することは、容易なことではございません。自治体、地域が一体となり推進していかなければならないでしょう。  その中では、まず制度を通じて定住する外国人に対して、労働を補完する存在ではなく同じ社会を形成する一員であるという意識の醸成を、地方自治の中からも強く発信していくことが必要であることを要望いたします。  それでは最後にお伺いします。今後もふえていくことが予想される外国人との共生をどのように進めていくのか。来年は東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会も開かれるなど、大きな節目の年でございます。外国人にも開かれた地域づくりを目指した今後の多文化共生推進の方向性をお示しください。  以上で私の一般質問を終わります。 34 ◎【浜中賢司議長】 都市計画部長。 35 ◎【太田國芳都市計画部長】 立地適正化計画導入後の進め方についてでございますが、これまでどの都市も経験したことのない人口減少、超高齢社会の都市計画をどのように進めていくかということが、本計画の一番の難しさでもあります。  本市としては、まずは市民の方々に本計画をしっかり周知し、今後の方向性を示した上で、本計画を八王子の都市特性、都市課題に合わせて各所管や関係団体とも連携し、しっかり個々の施策に反映させながら、さまざまな都市問題が顕在する前に取り組みを進めていきたいと考えております。  次に、立地適正化計画導入効果を生かした将来展望についてでございますが、既にまち・ひと・しごと創生総合戦略でも明らかになっているように、社会構造の変化は始まっており、社会の制度、仕組みも動き始めております。本計画策定後は、市民ひとりひとりにしっかりこの計画の趣旨を理解していただき、今後の施策に反映することで、新たな令和の時代にふさわしいまちづくりとして、本市が目指す輝き続けるまちの実現が可能になるものと考えております。  特に、近年急速に進展している技術革新については、IoTやAIの普及による産業構造の変化に伴い、質の高い生活の実現が想定されることからも、自動運転技術の市場化の動向を注視しながら、路線バスの維持や高齢者の移動手段の確保などの課題解決に向けて、積極的に取り組んでいきたいと考えております。 36 ◎【浜中賢司議長】 市民活動推進部長。 37 ◎【小峰修司市民活動推進部長】 今後の多文化共生推進の方向性についての御質問ですが、本市の多文化共生推進プランに基づきまして、コミュニケーション支援では、易しい日本語の普及や日本語教育の支援を、生活支援では、相談窓口の充実などに取り組んでまいります。  また、来年の東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会を契機に、外国人観光客へのおもてなしマインドの推進や語学ボランティアの育成、多言語の観光案内などの施策を一層進め、多文化共生意識を高めていきたいと考えております。 38 ◎【浜中賢司議長】 次は、第6番、久保井博美議員。                    〔6番議員登壇〕 39 ◎【6番久保井博美議員】 市議会公明党、久保井博美でございます。通告に従いまして一般質問をさせていただきます。  まずは、介護予防の充実についてです。  少子高齢化が進む社会において、今、重要なのは介護予防の考え方です。厚生労働省によりますと、これからの介護予防は、高齢者が要介護状態等となることの予防、または軽減、もしくは悪化の防止を目的として行うものである。生活機能の低下した高齢者に対しては、リハビリテーションの理念を踏まえて、心身機能、活動、参加のそれぞれの要素にバランスよく働きかけることが重要であり、単に高齢者の運動機能や栄養状態といった心身機能の改善だけを目指すものではない。日常生活の活動を高め、家庭や社会への参加を促し、それによってひとりひとりの生きがいや自己実現のための取り組みを支援して、QOL、クオリティー・オブ・ライフ、つまり、その人がどれだけ人間らしい生活や自分らしい生活を送り、人生に幸福を見出しているかの向上を目指すものであるとあります。  ここで言う生活機能とは、人が生きていくための機能全体のことで、次の3つの要素から構成されます。1、体の働きや精神の働きである心身機能。2、ADL、家事、職業能力や屋外歩行といった生活行為全般である活動。3、家庭や社会生活で役割を果たすことである参加です。  本市におきましても、介護予防・日常生活支援総合事業を平成28年より実施しており、地域の高齢者の方々を対象に、その方の状態や必要性に合わせたさまざまなサービスを提供しています。総合事業になったことで、これまで全国一律の基準で提供されていた介護予防訪問介護と介護予防通所介護などが、市区町村ごと独自に多様な支援が提供できる仕組みに変わりました。高齢者の皆様の介護予防と自立した日常生活を支援しているわけですが、地域の実情に合わせて、よりきめ細かいサービス提供ができるようになりました。  現在、全国的に一般介護予防事業として、有償ボランティア活動事業を実施する自治体がふえておりますが、2008年7月、我が会派の先輩議員の提案で、本市の高齢者ボランティア・ポイント制度がスタートしたときは、このような制度を取り入れていたのは全国でまだ4自治体のみであったと伺いました。  本市は、この制度においては先駆的に取り組まれており、以来この11年間でその内容もさまざま改善がなされ、多くの御高齢者がやりがいを持ってボランティア活動に積極的に参加できるように支援してこられましたことを評価させていただきます。  そこで伺います。現在、高齢者ボランティア・ポイント制度を利用されている御高齢者の人数、また、その利用者数の変化をお示しください。ボランティア活動の効果は、ただ単に外出をし体を動かすことで、筋力の低下が抑えられ体力を保持するということではありません。社会に貢献し、誰かの役に立てるという喜びは、自分自身の生きる意味を実感することであり、それが心身ともに健康な状態を保ち、さらなる健康増進のため非常に有効であるといえます。  現在の本市における高齢者ボランティア・ポイント制度の参加対象者は、市内にお住まいの65歳以上の方ですが、要介護、要支援認定者、事業対象者を除くとあります。65歳以上でお元気であっても要支援1や2と認定されている方は、この制度を利用する資格はありません。では、要支援1や2の認定を受けた方というのは、どのような状態の方でしょうか。  要支援1は、居室の掃除や身の回りの世話の一部に何らかの介助、見守りや手助けを必要とする。立ち上がりや片足での立位保持などの複雑な動作に何らかの支えを必要とすることがある。排せつや食事はほとんど自分一人でできる。要支援2は、さらに歩行や両足での立位保持などの移動の動作に何らかの支えを必要とすることがあるが加わる状態です。  このボランティア・ポイント制度を利用して行うことができるボランティアの内容はさまざまで、行事を盛り上げる合唱や体操の指導などをされる方もいらっしゃいますが、基本的に軽微かつ補助的な作業ばかりです。例えば高齢者施設や高齢者サロンでは、レクリエーションの補助、お茶出しや配膳の補助、散歩、外出の補助などです。さらに、市内の高齢者のお宅でのお話し相手などの活動内容があります。受け入れ施設もふえてきており、多くの方がボランティア活動に参加しやすくなっています。この社会参加の活動により多くの高齢者の方が参加できるよう、制度を利用できる方の枠を拡大することはできないでしょうか。  そこで伺います。要支援の認定を受けている御高齢者は、何らかの介助を必要とはしますが、まだまだ御自分の力で生活できる方々です。本制度は現在、要支援、要介護を受けていない方が対象ですが、要支援者までぜひ対象を拡大していただきたいと思います。御所見を伺います。  この高齢者ボランティア・ポイント制度は、本当にすばらしい仕組みになっています。具体的に申し上げますと、この制度に登録している御高齢者が、高齢者ボランティア活動受け入れ機関等でボランティア活動をすると、1時間当たり1個のスタンプを1日2個まで押してもらえます。たまったスタンプは、年に一回評価ポイントに転換され、そのポイントに応じて、10ポイント1,000円、上限5,000円までの交付金や八王子夢パックへの交換、これは八王子市内で利用できるお買い物券や優待利用券のことで、10ポイントでおよそ1,200円相当になり現金よりお得です。1年間の御努力に応じて、このような特典がついてくるという仕組みです。  例えば週1回のボランティア活動をしていると、年間で50ポイントがたまります。さらに、週2回活動をすると年間100ポイントためることができますが、実は100ポイントに達しても交付金や共通券に交換できる上限は60ポイントまでとなっており、現金では50ポイント分までしか交換できず5,000円、残り10ポイントを共通券に交換し、1,200円分までの、合わせて6,200円分の交換が上限となっております。  ここで、より多くの高齢者の方々にやりがいを感じて、この制度を利用していただけるように幾つか提案をさせていただきながらお伺いいたします。  ボランティア登録者の中で、年間60ポイント以上ポイントを集めている方は何人ぐらいいらっしゃいますでしょうか。また、10月からの消費税増税に伴い、交付金の上限額を上げることを検討していただきたいという声が、私のもとには多数届いております。市の御見解をお聞かせください。  さらに、八王子夢パックの共通利用券について、現在取り扱われていないオリンパスホールやいちょうホールなどの市内の施設で行われている芸術鑑賞に使えると大変充実した八王子夢パックになると考えますが、いかがでしょうか。  この高齢者ボランティア・ポイント制度、少しずつ進化を遂げながら昨年で10年となり、10年間継続された方々は表彰をされ、市長から直接表彰状を受けることができて大変喜ばれたと伺いました。登録ボランティアにとって、大変励みになる取り組みだと思います。今後も継続していただきたいと思いますが、市の御見解を伺います。  次に、長房地区まちづくりについて伺います。  私は、第2回定例会での一般質問で、長房団地を有する長房地域の課題について質問させていただきましたが、この10月から工事も着手するとのことでございますので、確認という意味で改めて長房地域のまちづくりについて質問いたします。  現在、東京都において長房地区のまちづくりに資する事業として、長房地区まちづくりプロジェクトが進められております。超高齢化が進んでいる都営長房団地内で、商業施設、医療、福祉、交流スペースが合わさった複合施設の建設が、都営長房団地内の長房小学校の西側、団地の建てかえ跡地にていよいよ始まるところでございます。地域での説明会も行われており、住民の皆様の関心はますます高まっております。  そこで伺います。今後どのようなスケジュールで進んでいくのか、また、このまちづくりが進み完成していくことで、どのような効果が期待できると考えておられるか、改めてお聞かせください。  長房団地の住民のみならず、他地域からの来訪者も期待され、まちの活性化につながる効果が期待されますが、一方で周辺道路の整備が課題になってくると予想されます。例えば児童館前バス停付近の信号からスーパーさえき跡地に至る道路は、これまでも国道20号線方面への抜け道として、居住者以外の利用者も多くあり、今後はさらに交通量の増加が見込まれますが、道路は片側1車線と狭く信号もないため、大きな混雑が予想されます。また、平成31年1月31日には、さえき跡地前交差点内での死亡事故も発生しています。  今後、このような整備が行われると周辺の交通環境が大きく変化するため、今まで以上に周辺の安全対策が重要になってまいります。この地域の安全対策を市はどのように考えておられるのか伺います。  これで1回目の質問を終わります。 40 ◎【浜中賢司議長】 福祉部長。 41 ◎【石黒みどり福祉部長】 それでは、高齢者ボランティア・ポイント制度についてお答え申し上げます。  まず、高齢者ボランティア・ポイント制度の登録数でございますが、平成30年度末で2,781人となっております。制度を開始した平成20年度の登録者数494人から5.6倍に増加しております。  次に、高齢者ボランティア・ポイント制度の対象者についてですが、この制度は、ボランティア活動を通じて要支援、要介護状態にならないようにすることを目的とした介護予防事業として実施しております。実際、ボランティア登録を行いたいという理由で、例年、要支援認定を取り下げる方が一定数いらっしゃいます。この制度が生きがいの創出につながっているものと考えております。引き続き、一般高齢者を対象に社会参加への意欲を喚起し、介護予防につなげてまいります。  次に、年間60ポイント以上を集めている方の数と交付金の見直しについての御質問です。  60ポイント以上の方は、平成30年度で551人いらっしゃいました。また、交付金の見直しについてですが、10月に控えている消費税率改正は、社会保障の充実、安定化のための安定財源確保と財政健全化を目的とされております。高齢者ボランティア・ポイント制度は、介護保険の財源を活用した介護予防の取り組みであり、消費を喚起することを目的としたものではないことから、現状では消費税率改正に伴う交付金の増額は予定しておりません。  次に、共通利用券の使い道についてでございます。  令和元年度から新たに大手喫茶チェーン店やスポーツ用品店などに用途を広げるとともに、既に八王子市学園都市文化ふれあい財団とも共通利用券の取り扱いについて調整を行っているところです。共通利用券の取り扱いについては、事業者側の御理解も必要なことから、引き続き拡大に向けて調整を行ってまいります。  最後に、高齢者ボランティア・ポイントの表彰制度についてです。  平成20年に制度を開始して以来10周年を迎えた平成30年度に、新規事業として10年表彰及び最高ポイント獲得者の表彰を実施いたしました。令和元年度も11月13日に表彰式を予定しており、30名の登録ボランティアに受けていただける見込みです。  表彰制度は、ボランティア登録者にとって活動の励みになることから、今後も継続してまいります。 42 ◎【浜中賢司議長】 都市計画部長。 43 ◎【太田國芳都市計画部長】 それでは、私は長房地域のまちづくりについて、2点についてお答えをさせていただきます。  長房地区まちづくりプロジェクトのスケジュール及び事業効果についての御質問ですが、スケジュールについては、現在、事業主体である東京都からは、全体の建設工期が令和元年10月1日から令和3年4月30日までとなっており、予定どおり本年10月から工事着手するという予定を聞いております。  事業効果については、新長房地区地区計画の趣旨にのっとり、商業、医療、福祉等の機能を有する複合施設となることから、地域の利便機能や生活支援の強化など、地域コミュニティの維持に寄与するものと考えております。  続きまして、安全対策についてもしっかり考えてほしいとの御要望でございますが、まず事故の起きた交差点につきましては、警視庁からも要望書が提出されており、今後、交通管理者と調整しながら交差点の改良を行っていく予定でございます。  また、大型商業施設開発の際の安全対策についても、工事中及び開店後、周辺道路の渋滞や安全性の低下など、地域の交通環境に大きな影響が生じないよう、交通管理者などの関係機関と十分な協議、調整を行い、必要な対策をとることを求めてまいりたいと考えております。 44 ◎【浜中賢司議長】 第6番、久保井博美議員。                    〔6番議員登壇〕 45 ◎【6番久保井博美議員】 種々御答弁いただきありがとうございました。  それでは、2回目の質問を行います。  ボランティア登録者の拡大については、ボランティア登録を行いたいという理由で、例年、要支援認定を取り下げる方が一定数いらっしゃる、対象者の拡大はしないという意味だと思います。しかし、一体何人の方がそのような形で要支援を取り下げるのでしょうか。
     改めて申し上げますが、要支援の方がやりがいを感じてボランティア活動という社会参加をすることで健康が増進され、実質的に要支援の状態から外れることこそ、介護予防としての効果ではないでしょうか。私は、ボランティアの活動は、要支援認定を受けている方々であっても、持てる力を発揮でき、生きがいをもって日々を過ごしていただくきっかけとなると確信いたします。やはり、ぜひボランティア登録対象者を、要支援認定を受けている方々にまで拡大することを検討するべきであると、強く要望させていただきます。  交付金の増額については、その予定はないとの残念な御答弁でございました。御高齢者の意欲の向上につながるとともに、多くの皆様の御要望でもございます。ぜひ御検討いただきたいと思います。  また、ポイント転換についてですが、年間で9個以下のスタンプについては、次年度に繰り越しがなされますが、11個以上スタンプがたまっている場合、端数のスタンプは切り捨てられてしまいます。11個以上のスタンプがたまった場合でも、繰り越しをしていただけるよう、あわせて要望いたします。  共通利用券の使途の拡大については、学園都市文化ふれあい財団などと前向きに調整中との御答弁でした。ありがとうございます。人は、芸術に触れ、感動することで心を揺さぶられ、その刺激は脳の活性化につながります。八王子夢パックのさらなる充実をよろしくお願いいたします。  高齢者ボランティア・ポイント制度、各種表彰については、継続されるとのことで安心いたしました。登録者の方々の目標や大きな励みとなると思いますので、よろしくお願いいたします。  それでは次に、高齢者サロン活動支援についてお伺いをいたします。  高齢者の方々が住みなれた地域で健康で生き生きとした生活を送ることは、万人共通の願いでございます。外出の機会がふえ近隣の人との交流を持ち孤独感を解消することは、高齢者自身の日常生活における大きな安心につながります。地域における高齢者の居場所づくりは、サロン、シニアクラブなどとして、さまざまな形で各地で取り組まれています。  お茶を飲んだりおしゃべりをするだけではなく、手芸などの趣味の活動を行ったり、スポーツなどを通じて健康づくりを行うなど、地域の御高齢者が定期的に集えるよう、さまざまな工夫がされています。この活動に生きがいを感じながら自分の輝ける居場所としている御高齢者も多いのです。このような居場所づくりは、御高齢者の孤立防止や介護予防につながることは言うまでもありません。  本市のふれあい・いきいきサロン活動支援事業実施要綱にも「高齢者の集いの場を運営する団体を支援し、地域でのレクリエーション・趣味活動等を通じ、高齢者の生きがいを高めることで、孤独感や引きこもりの解消等、地域社会における健康でいきいきとした生活の実現を図ることを目的とする」とございます。御高齢者の地域活動の一つ、サロン活動の支援をぜひ充実させていただきたいと思います。  そこでまず、本市のサロン活動の現状について伺います。現在、市内で登録されているサロンの数、そのうち補助金を受けていないサロンの割合はどれくらいでしょうか。  先日、ある町会長から、このようなお話を聞きました。サロンを立ち上げようと思い市役所に行ったが、この地域はほかにも幾つか既にあるのでできないと断られたというのです。自分が中心者となってサロンのような活動を立ち上げるには、活動の場所探しや参加者集め、運営資金の調達や会計事務など大きな労力が必要です。それでも、地域の交流が大事だとの思いで勇気を出して決意されたのに、実現できなかったその町会長は大変がっかりされていました。  そこで、もう一つ伺います。サロン活動支援の数に制限があるのでしょうか。自主的にサロンを立ち上げたいという意欲のある高齢者が希望し、条件を満たしているのであれば積極的に立ち上げを促していくべきと思いますが、市はどのような取り組みを行っているのでしょうか。  長房地区まちづくりプロジェクトの完成に伴って、地元や近隣の住民の皆様にとって利便性が高まり、より魅力ある長房地域になることが期待されています。周辺の安全対策については、事故の起きた交差点につきまして、今後、交通管理者と調整しながら交差点の改良を行っていく。大型商業施設開発の際には、工事中及び開店後に周辺道路の渋滞や安全性の低下など、地域の交通環境に大きな影響が生じないように、関係機関と十分な協議、調整を行い、必要な対策をとることを求めるとの御答弁でございました。  いよいよ10月から工事が始まります。建設工事完了は、令和3年春とのことで長期間の工事になります。現場のすぐ隣が小学校であり、長房小学校の特別支援学級へは校区外から通っている児童もおり、保護者の不安は非常に大きくなっております。工事中は、多くの工事車両の搬入、搬出が想定されるため、通学中の児童や御高齢者などの歩行者に対しての安全対策については、万全の対策を講じていただけますよう強く要望いたします。  また、現在、朝の通勤・通学時間帯、特に雨の日は、元八王子方面からつつじヶ丘トンネルを通り、甲州街道に向かう道路は渋滞しやすく、その影響で長房小学校交差点から西側に向かう長房団地内のバス通りからバス停、児童館前あたりまで、ほとんど車が動かない事態が起こっています。令和3年のオープンに伴って、さらに周辺道路の交通渋滞が発生しないように、しっかりと事業者に対し指導を行っていただきたいと思います。  また、長房団地住民の声として従来から多く寄せられるのが、バス通りに至るアクセスがないという声でございます。自動車は言うに及ばず、自転車にも乗れない御高齢者にとって、移動手段はみずから歩く以外にありません。そこで、以前から団地内を移動する交通手段が欲しいなどの要望が寄せられております。この点につきましても、今回の長房地区まちづくりプロジェクトに対して、住民の関心、期待が多く寄せられているゆえんであります。その点についても、あわせて要望をさせていただきます。  次に、コンパクトシティとしての機能の充実と魅力あるまちづくりについて伺います。  長房団地の建てかえでできた創出用地の今後の整備の一つに、交番の北側の土地がございます。何年も前から住民の要望として、防災機能を持った広場をつくってほしいという声をお伝えしており、市からも都へ要望してくださっていると伺っております。しかしながら、今現在に至りましても何ら動きが見られません。当地周辺には、広域避難場所として指定されている陵南公園がありますが、南浅川流域の低地に位置し、数年前にはその近くで川の氾濫が起こり、民家の1階部分が完全に水没するということがありました。  長房地域から川流域方面への移動は、御高齢者にとってはかなり距離もあり、かえって危険ではないかという住民からの不安の声もあります。まずは、御高齢者の多い団地、居住者が速やかに安心して一時避難ができ、住民同士がお互いに安否確認し合える拠点として、防災機能を備えた広場の設置を求める声が私のもとに多数寄せられております。この点につきまして、市の御見解と今後の整備計画及びスケジュールはどうなっているかを伺います。  また、この広場は、いざというときは防災機能を発揮できる広場となるが、ふだんはぜひ野球やサッカーなどの球技ができる場所にとの御要望がございます。今月の広報はちおうじで市長も述べられておりましたが、スポーツの振興に力を入れることで地域の活性化を図ることができます。  先月、エスフォルタアリーナ八王子で行われましたクライミング世界選手権は、全国的にも注目を集め、連日テレビ等で、その活気あふれる様子が放映されておりました。  長房地域には、少年野球チームだけでも4チームあり、それぞれが工夫して小学校の校庭や団地内の広場などを利用して、地域の自治会などの了解をいただきながら活動をしてまいりました。しかし、団地の建てかえの影響を大きく受け、練習場の確保が非常に難しくなっております。市内の公園や広場においては、他の利用者の安全面への配慮からボールの使用が禁じられているケースが多くあり、地域の子どもたちが思いっきり球技を楽しめる場所が不足しております。  そこで伺います。市内の椚田運動場のような、休日には子どもたちが集まり思う存分に野球やサッカーができ、平日には御高齢者がゲートボールやグラウンドゴルフに使えるなど、全ての住民が体を動かし運動できる広場は、交流や健康増進の目的からも必要です。市の御見解をお聞かせください。  これで2回目の質問を終わります。 46 ◎【浜中賢司議長】 福祉部長。 47 ◎【石黒みどり福祉部長】 それでは、高齢者ふれあい・いきいきサロンについて御答弁申し上げます。  まず、サロンの数でございますが、平成30年度末で市内に高齢者のサロンは176団体あり、そのうち補助金を受けていない団体は21団体ございました。  次に、高齢者サロンの制限についての御質問でしたが、特に制限ということはございませんけれども、第7期介護保険事業計画では、計画期間中に180団体を目標数としております。現在、生活支援コーディネーターが地域資源の掘り起こしを行う中で、サロン立ち上げの機運を醸成し支援をしておりますけれども、支援金の交付に当たっては、活動の場の広さ、活動実積等をもとに判断しており、サロン数のみで判断しているものではございません。  今後は、1小学校区に3ヵ所を目安として、引き続き未整備地区を中心に立ち上げを支援していく考えでございます。 48 ◎【浜中賢司議長】 都市計画部長。 49 ◎【太田國芳都市計画部長】 私のほうは、防災機能を持った広場整備要望への進捗状況についての御質問ですが、交番北側の土地については、平成23年策定の新長房地区地区計画において、約1ヘクタールの団地内広場として位置づけております。東京都が所有、管理する団地内広場の具体的な整備内容や整備時期については、現在まだ未定と聞いております。  本市として、広場への防災機能の導入については、広場だけではなく、まちづくりの観点から近隣に一時避難場所として指定している長房小学校などを含め、地域全体で捉えながら、引き続き東京都や関係所管と協議、調整を行ってまいります。  次に、防災機能のほか平常時に球技ができる広場として整備してほしいという御要望ですが、東京都からは、現時点で団地内広場の大半は空き地として確保されている予定と聞いております。  本市としては、幅広い世代が憩いの場や交流の場として利用できるものと考えております。野球やサッカー等といった球技ができる運動広場との御要望については、広場の整備にかかわる内容になるため、引き続き地域要望の趣旨をしっかり伝え、東京都や関係所管と協議する中で検討するものと考えております。 50 ◎【浜中賢司議長】 第6番、久保井博美議員。                    〔6番議員登壇〕 51 ◎【6番久保井博美議員】 種々御答弁をいただきました。  自分たちの地域に交流の場をつくろうという意欲ある御高齢者の申し出に対して、できるだけ希望に沿えるよう、サロン活動の支援をさらに拡大していただきたいと思います。  私は、看護師として17年間医療に携わってまいりましたが、近代看護教育の母ナイチンゲールは、このように言っています。健康とは、よい状態を指すだけではなく、我々が持てる力を十分に活用できている状態を指す、と。つまり、病気や障害を持っていても、その人が持てる力を発揮している状態が健康だということです。  先日、私は、本市の高齢者ボランティア・ポイント制度の説明会に参加させていただきました。これからボランティア活動を始めようという社会貢献に非常に意欲的な参加者の皆様は、やる気に満ちておられ、とても生き生きされていました。  また、この制度を利用してボランティア活動を10年近く続けているというある御婦人は、自分が高齢者施設で歌を歌うことで皆さんに元気になっていただきたいと思って活動しているが、逆に自分が元気になって帰ってくることが多いんですと、うれしそうに話されていました。まさに自分の持てる力を社会の中で発揮されており、健康そのものの状態であると思います。  ひとり暮らしの高齢者のみの世帯が増加しておりますが、高齢になると、家の中に引きこもりがちになり、地域で孤立してしまうおそれもあります。それを防ぐためには、身近な地域で歩いていけるところに居場所があり、人と人とのつながりを深めることが大変重要です。  御高齢者が生き生きと生きがいを持って活動でき、健康寿命を延ばしていただけるよう、介護予防としての高齢者ボランティア・ポイント制度や高齢者サロン活動など、御高齢者が活躍できる社会参加の機会をさらに拡大していただきたいと思います。高齢者の社会参加機会の拡大に対する理事者の御見解を伺います。  長房地区まちづくりにつきまして、防災機能の導入については、一時避難所として指定されている長房小学校などを含め、地域全体で捉えながら東京都や関係所管と協議、調整を行う。また、球技ができる運動広場の要望については、地域要望の趣旨を伝えながら、東京都や関係所管と協議、調整をするとの御答弁でございました。ありがとうございます。  長房地域は、現在、3人に1人が65歳という超高齢化状態で、おひとり暮らしの御高齢者も非常に多い地域でございます。日常の生活や健康に不安を抱えている住民の皆様の、このまちづくりに対する期待は非常に大きくなっております。  全ての住民の皆様が安心して生き生きと日々の生活を送ることができる、魅力ある活気あふれるコンパクトシティを目指して、引き続きしっかりと関係所管と協議、検討していただきますようよろしくお願いいたします。  これで私の質問を終わります。 52 ◎【浜中賢司議長】 木内副市長。                    〔副市長登壇〕 53 ◎【木内基容子副市長】 高齢者の社会参加機会の拡大についてお答えいたします。  介護予防におきましては、特に社会参加が効果的であるということにつきまして、科学的な根拠を持ってさまざまな研究機関がそういったことを示しております。社会参加は、高齢者御自身の健康増進につながることはもとより、互助の担い手としての社会に役立つ生きがいづくり、あるいは地域の仲間づくりにもつながります。  御質問いただきました高齢者ボランティア・ポイント制度、あるいは高齢者サロンの支援など福祉部での取り組みに加えまして、地域の中では今さまざまな場面で高齢者の力を必要としております。  御自身に合った参加機会につなぐ取り組みを強化いたしまして、高齢者が生きがいを持って暮らせる地域づくりを目指してまいります。 54 ◎【浜中賢司議長】 会議時間も長くなりましたので、暫時休憩します。                                     〔午前11時56分休憩〕   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━                                     〔午後1時00分再開〕 55 ◎【五間浩副議長】 休憩前に引き続き会議を開きます。  一般質問を続行します。  第9番、若林修議員の質問を許可します。                    〔9番議員登壇〕 56 ◎【9番若林修議員】 無所属の若林修でございます。  このたびも貴重なお時間をいただきますこと、心より御礼申し上げます。皆様どうぞよろしくお願い申し上げます。  それでは、発言通告に従いまして、本定例会の一般質問をさせていただきます。  今回は、アジア諸国から新たな在留資格にて入国される方々と、八王子市にて共生をさせていただく上での課題を中心に質問をさせていただきます。午前中の他の議員と一部重なる点もございますが、全体の流れの関係上、変えずに質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。  1点目は、本市在住外国人、以降、多文化共生プランにての呼称、外国人市民と呼ばせていただきます──の方々の現状と課題です。国際学園都市である八王子での留学生、社会問題にもなった技能実習生をイメージしております。  2点目は、生活が困窮する外国人市民への支援です。これは、外国人市民が生活困窮する際にどのような支援が可能となるかです。  3点目は、新たな外国人受け入れ制度についてです。今春からスタートしており社会問題となっております技能実習生にかわる特定技能という在留資格者のことです。  本定例会にて、外国人市民に光を当てさせていただいた理由は、本市にも忍び寄る人口減少が予測に反してスピード感を増して進んできている情報に触れたことに端を発します。本日に臨むに当たり、市制100周年を迎えた八王子市での記念事業を通してのレガシーに触れ、また、令和初の八王子市議として、改めて使命をかみしめながら、活力ある魅力あふれるまちづくりを考えてみました。  私自身、八王子市議として、また八王子市民として、先人が築き上げた歴史、伝統、文化、精神性を継承し、良識の程度、市民度、科学技術、文化の発達の度合い等の総合力を高め、市民の課題に関心を持ち、それぞれの課題解決に向けた実践活動を通して、独立自主の精神を確立していき、100年後、東京を代表して精神大国、徳行大国日本への道を先導し、物心一如の繁栄、平和、幸福の実現に貢献する未来都市として八王子市を醸成させるという使命を描かせていただきました。  石森市長のリーダーシップにより確立されました八王子ビジョン2022では、「中心市街地はもとより地域経済の活性化の取組は、地域社会を支える雇用やサービスを維持・創出し、税収を確保するうえで極めて重要です。交通の要衝としての地理的優位性や大学等・研究機関、高い技術力を持つ事業所の集積、高尾山をはじめとした魅力ある観光スポットなど、本市特有の資源を活かして交流人口を増やし、地域経済の好循環を生み出すことは、広域多摩の中核都市としての責務」と八王子市の使命が掲げられております。  このような使命感に至る足取りを、八王子ビジョン2022の原点となり、八王子市民の熱い思いが注がれた八王子ゆめおりプランにさかのぼって課題とともに拝見いたしました。現在につながる基本理念は、黒須前市長が基本構想・基本計画をまちづくりの憲法と捉え、その策定には、より直接的な民意の反映が必要とされ、それまでの審議会方式を改めて市民会議方式を採用され、平成13年8月1日、八王子ゆめおり市民会議が発足しました。発足1ヵ月で5回、22時間に及ぶ説明会と質疑応答から始まり、1年がかりで252回の会議の末に、八王子市基本構想・基本計画素案としてまとめられ、平成15年3月に八王子ゆめおりプランとして策定されたのでした。  このプランは、さらに現在の八王子ビジョン2022へと受け継がれるのですが、平成23年1月17日には、新たに新基本構想・基本計画素案策定市民会議が発足し、232回の会議が1年間で実施され、平成25年3月に提言、新基本構想・基本計画素案が策定され、八王子ビジョン2022に反映されることとなりました。こちらが八王子基本構想・基本計画素案の2002年版と2011年版です。  そして、現在の八王子ビジョン2022改定版へと受け継がれてきた経緯に触れることができました。  今後、これらのプラン策定に当たって開催された市民会議におけるたくさんの市民からの声にも心を傾けさせていただきたいと思います。本定例会での一般質問でも、そのような思いで臨ませていただいております。  さて、八王子ゆめおり市民会議と八王子ゆめおりプランを確認する中で、時代を象徴するかのような状況が目にとまりました。バブル崩壊真っただ中の歳入、市税の落ち込みです。土地評価額は3年間で27%下落し、高い滞納率と公債比率16.4%と都下最下位。中核都市への移行要件が達成されている中にあっても、業務負担と財政収入の不均衡でちゅうちょされている様子がうかがえました。財政面での苦悩の中でも、平成20年までの人口増加を背景としており、人口減少による税収減という側面は感じられませんでした。  しかし、今後、少子高齢化が急速に進んでいく上での課題も挙げられておりました。私が大変気になる点は、冒頭申し上げましたように、統計データでの人口推移としてあらわれていた減少スピードが、予想以上に早いという点です。  八王子ゆめおりプランでの具体的な人口推移が、平成15年54万7,600人から平成30年には60万4,000人と5万6,400人、10.41%増加するという統計データでした。ところが、八王子ビジョン2022では、平成30年に約59万2,000人想定で、八王子ゆめおりプランより約1万2,000人少なく、そこが人口のピークと捉えておりました。さらに、5年後の現在の八王子ビジョン2022の改定版では、平成30年が57万2,000人で、八王子ゆめおりプランの平成30年と比較すると約3万2,000人少なく、当時予測比の約5.3%減です。  八王子ビジョン2022での令和12年で比較しても、3万1,400人減で5.4%減となり、八王子ゆめおりプランで平成30年においても続く想定の増加傾向が一転して、平成27年の国勢調査にて初めて減少に転じるという状況でした。データ予測よりも八王子市での人口減少は、プランの見直しの都度、確実に、忍び足ではありますが、予測以上の早さと重さで進んできていることがあらわれております。  八王子ゆめおりプランから八王子ビジョン2022にかけて鮮明となっている年少人口、生産年齢人口の減少に相まっての高齢者人口の増加傾向の中で、税収を確保して市政運営を安定的に継続することが求められます。  人口減少の再認識による危機意識から、このような人口構造の変化に的確に対応するために考えられる一つの施策としまして、令和の時代とともにスタートした新たな在留資格制度による外国人材に注目することが大切と考えた次第でございます。  八王子ゆめおり市民会議、新基本構想・基本計画素案策定市民会議の中から、たくさんの課題を見出すことができました。また、前回取り上げさせていただきました子どもの生活実態調査報告書の中でも、手を差し伸べる必要がある市民がたくさんいらっしゃることは十分理解できることでもあります。  その状況下で、新たな在留資格制度による海外人材に注目し、外国人市民のためにさまざまな体制を整えることは時期尚早という御意見もございます。しかし、国の方向性として、新たな在留資格制度が整えられ、今後かなりの数の海外人材が日本に来られることとなります。まだ目先のニーズが不明瞭な中での体制構築は、時間やコスト面でも合わず、また必要以上の将来コストにつながる危険性も想定されます。その反面、安心感と信頼感を感じていただくことにつながります。  信頼、安心は、なかなかお金で買うことはできませんが、現時点での先行投資は、信頼感と安心感につながるためのコストとして効果的に機能し、やがて優秀で向上心にあふれる外国人市民に満たされる八王子市につながる可能性があるとも言えなくもありません。  平成27年の国勢調査をもととする人口推計では、約10年後の令和12年には、八王子市民は54万8,937人と55万人を割れる予測となっております。厚生労働省発表の2018年の人口動態統計では、全国の人口自然減が44万4,085人と初めて40万人を超えて、また出生率も1.42と4年前に回復した後、3年連続低下しております。  今春からの働き方改革法案の着実な運用や、来月からの幼児教育・保育の無償化を初めとする子育て世代への支援の充実が図られますが、人口減少の傾向が若干スピードが遅くなるという状況も考えられますが、やがて八王子市では、全国的な人口減少に相まって50万人を割れる時代が遠くない将来に訪れることが想像できます。  繰り返しになりますが、私はこのような人口減少をカバーするための方向性として、現時点での国の施策に図り、新たな制度による海外人材の受け入れに早期に向き合い、安心感、信頼感を海外の方々から感じていただけるまちづくりを描くことが大切と捉え、質問をさせていただきます。  まずは、外国人市民の現状と課題から確認をさせていただきます。  平成25年に策定されました八王子市多文化共生推進プランの基本理念、基本目標に基づき、「国籍、民族、文化の違いを互いに認め合い、助け合い、活かし合いながら、共に暮らす多文化共生のまちづくり」を目指して、多文化共生施策に取り組んでこられたと思いますが、外国人市民の人数や推移等の状況をお示しください。  また、今月より在住外国人のためのサポートデスクが拡充され、外国人市民アンケートから重要度がうかがえる子ども教育支援、医療通訳の派遣、防災体験の機会提供、その他各種情報を提供するために多言語でのコミュニケーション支援により、積極的に取り組む体制が整いました。しかし、外国人市民がより快適に暮らすには、やはり少しでも日本語の能力が高まることは大切であり、また、一般的な日本語学校とは異なり、費用をかけずに継続的に日本語を勉強できる日本語教室のニーズは高まる一方です。  また、ことし6月には、外国人への日本語教育を推進することを国や地方自治体の責務とする日本語教育推進法が成立しました。ただ、具体的な施策は地方自治体に委ねられております。そこで、本市として、日本語教室での勉強の機会をより多くしていただくことを要望いたしますが、いかがでしょうか。御意見をお示しください。  日本語教室に続きまして、日本語学校についてです。  先月22日、出入国在留管理庁より、昨年、平成30年度の在留資格取り消し件数について発表がなされました。在留資格取り消し件数は832件であり、平成29年度385件と比べると116.1%の増加、平成28年度294件と比べると183%の増加となりました。  在留資格別に見ますと、留学が412件で49.5%と最も多く、平成29年度172件と比べると2.4倍です。次いで技能実習が153件、18.4%、平成29年度の8件と比べると19倍、日本人の配偶者等が80件、9.6%、平成29年度67件と比べると1.2倍となっております。  国籍、地域別に見ますと、ベトナムが416件、50.0%と最も多く、次いで中国が152件、18.3%、ネパールが62件、7.5%となっております。  なお、取り消し理由は、留学生が学校を除籍された後に3ヵ月以上在留、第6号に当たる在留資格に応じた活動を3ヵ月以上行わないで在留したという理由が393件、46.5%と最も多く、次いで留学生が学校を除籍された後にアルバイトを行って在留、技能実習生が実習実施先から失踪後に他の会社で稼働し在留等、第5号が在留資格に応じた活動を行ってから、実際には行っておらず他の活動を行い、または行おうとしている理由が218件、25.8%、こちらが新しい制度で厳しい運用となります。  その他、在留資格として、日本人の配偶者等を得るために日本人との婚姻を偽装して不実の婚姻事実を記載された戸籍全部事項証明書等を提出の上、更新許可を受けた等、第2号に当たる偽りその他不正の手段により上陸許可を受けたが100件、11.8%となっております。  このような取り消し件数が大幅にふえた理由としましては、管理を厳格化した新制度運用や取り締まり強化の結果で、今までも就労目的と知りながら留学名目で受け入れる教育機関の存在や、低賃金の長時間労働を理由に技能実習生の失踪が社会問題になっておりました。このように、留学生の資格取り消しは、日本語学校のずさんな経営体質が原因とも言え、昨年の池袋の東京福祉大学の外国人留学生でベトナム、ネパール人等1,610人の所在が不明となっている問題もありました。  このような背景から、日本語教育機関を抹消する際の基準が厳格化され、全生徒の6ヵ月間の出席率の平均が7割を下回るとき、地方出入国在留管理局から適正でない旨の通知を3年連続で受けたとき、大学進学者等及びCEFR・A2相当以上と認められる者の合計の割合が3年連続で7割を下回ったときと改定されました。  今まで以上に日本語学校の存在意義が高まってまいりましたが、現在、本市の日本語学校の状況をお示しください。また、留学生の背景としましては、当初より留学生資格にて入国しながらも、アルバイトの必要性が高く、ほとんど授業に出席できないことがあります。学習意欲の高い留学生が授業への出席が可能となるような支援制度が重要となりますが、本市における留学生への支援の現状と課題をお示しください。
     以上、市民活動推進部長へ質問をさせていただきます。  続きまして、2点目は、生活が困窮する外国人への支援についてです。  前回、私のテーマとして、自立と生活保護を上げさせていただきました。日本の相対的貧困率は16.1%、年収200万円以下の方は1,000万人以上おります。新たな外国人材受入れ制度による外国人でも、この自立と生活保護という課題は大変重要となります。生活保護に近い程度まで生活が困窮する場合には、生活困窮者自立支援制度によるセーフティネットにより、支援が必要な局面があります。生活が困窮する外国人市民への支援につきましては、この後の一問一答形式で質問をさせていただきます。  3点目は、新たな外国人受け入れ制度に関してです。  今までの在留資格である技能実習生を日本へ送り出してきた国との間では、悪質な仲介事業者等による保証金の徴収等が原因となって、やがて技能実習生が職場から逃亡し、何らかの犯罪にかかわってしまうというケースがたくさんございました。  今春からスタートしている新たな外国人材受入れ制度は、そのような問題を改善する新たな制度として期待されるところでございます。この制度の課題に関しましても、この後の一問一答形式で質問させていただきますので、ここでひとまず一括質問を終わらせていただきます。  市民活動推進部長からの御答弁、よろしくお願いいたします。                  〔9番議員発言席へ移動〕 57 ◎【五間浩副議長】 市民活動推進部長。 58 ◎【小峰修司市民活動推進部長】 それでは、本市在住外国人の現状と課題について御質問いただきましたので、順次御答弁申し上げます。  まず、本市の外国人市民の人数と推移等の状況についての御質問ですが、住民基本台帳月報によりますと、平成30年度の1年間では、市内外国人は645人、5.3%増加しており1万2,887人となりました。在留資格別では、1位は永住者の3,780人、2位は留学の3,733人となっており、学園都市としての本市の特徴があらわれております。また、国籍別では、1位が中国、2位が韓国及び朝鮮、3位がフィリピン、以下、ベトナム、ネパールの順ですが、特にベトナム国籍が急増している状況でございます。今後の予測としましては、改正入管法による在留資格への特定技能の追加の影響も勘案して、外国人の増加傾向は継続するものと考えております。  次に、日本語教室への支援についての御質問ですが、本市は、日本語教室を運営する市内ボランティア団体と情報共有を図りつつ支援を行っております。具体的には、八王子国際協会に日本語の学習支援ボランティアの養成を委託し、ボランティア団体の活動基盤を支えております。今後も外国人市民のニーズに合った日本語学習の機会が確保できるよう、ボランティア団体への支援に努めてまいります。  次に、日本語学校の状況についての御質問ですが、日本語学校の所管は法務省であり、指導管理につきましては、出入国在留管理庁が対応しております。本市は、市内にある日本語学校の情報収集に努めており、既に学校を通じ外国人に必要な情報提供について御協力をいただいております。今後も継続して連携を図っていきたいと考えております。  最後に、外国人留学生の支援の現状と課題についての御質問ですが、本市は、学園都市として外国人留学生に対して、市独自の奨学金や住居賃貸の代行保証料の補助を実施しております。この事業では、留学生が地域に貢献し、愛着を持っていただくことが重要と考えております。  このため、高尾山の観光案内や高齢者施設の訪問など、地域の活性化や市民との交流につながるボランティア活動へ積極的に参加していただき、活動状況をホームページ等で周知をしているところでございます。 59 ◎【五間浩副議長】 第9番、若林修議員。 60 ◎【9番若林修議員】 それでは、一問一答に移らせていただきます。  御質問に対しまして、御答弁をいただきましてありがとうございます。  平成30年度では、1万2,887人の資格の種類は、国際学園である本市らしく留学生が多いこと、また国籍ではベトナム人が急増しているとの御答弁をいただきました。また、日本語教室を積極的に支援してくださるとのことですが、よろしくお願いいたします。  また、日本語学校との連携を深めていかれるとの御答弁もいただきました。日本語学校は、留学生にとりましても、また本市にとりましても大変重要な場です。また、意欲の高い留学生の手厚い支援も大変重要となります。そして、日本語学校での経営者や先生の熱意が、そのまま留学生の成長や人間性にもつながってまいります。ぜひ積極的な連携をお願いいたします。  続きましては、生活福祉担当部長へ、生活が困窮する外国人への支援に関する質問をさせていただきます。  一昨年改正されました生活困窮者自立支援法では、生活困窮者の定義を、生活困窮者とは、就労の状況、心身の状況、地域社会との関係性その他の事情により、現に生活に困窮し、最低限度の生活を維持することできなくなるおそれのある者と明確化されました。また、自立相談支援事業等の利用勧奨の努力義務が創設され、そして、関係機関間の情報共有を行う会議体の設置が規定されました。  第2回定例会におきましては、これまでの取り組みと今後の課題を質問させていただいた際に、生活困窮者自立支援ネットワーク会議の開催や関連機関への制度周知の説明会の実施、チラシ、ポスターの配布等により周知、連携を進めるとともに、出張相談やアウトリーチも積極的に実施していくことで、新規相談数や就労決定者も毎年増加しており、生活保護に至る前に生活の改善が図られるなど効果が出ているものと考えておりますと御答弁をいただきました。既に法改正に基づいたお取り組みが実施され、その成果が出ていることをお示しいただきました。  生活困窮者の定義から見ますと、外国人市民が失業等による場合、社会保険制度と労働保険制度終了後、生活維持が喫緊の課題となり、まさしく制度の対象であり、新たな就労を開始するまで生活困窮者自立支援制度による支援が必須の状況となることが想定できます。  まず1つ目の質問です。今年度までの外国人市民への対応件数の推移と支援内容の概要をお示しください。 61 ◎【五間浩副議長】 生活福祉担当部長。 62 ◎【山崎寿子生活福祉担当部長】 新規相談のうち、相談者が外国籍であることが判明しております件数は、生活困窮者自立支援制度が開始しました平成27年度には4件、28年度8件、29年度11件、30年度14件、令和元年度は8月末で12件となっております。  このうち、6割近くが配偶者もしくは元配偶者が日本人の方である場合の方からの相談で、相談内容としましては、収入や生活費のこと、仕事探し、また住まいについてが上位を占めている状況でございます。 63 ◎【五間浩副議長】 第9番、若林修議員。 64 ◎【9番若林修議員】 御答弁ありがとうございます。  年々少しずつですが、相談件数が増加している旨、確認をさせていただきました。また、相談者が本人ではないこと、つまり、日本人であることから窓口対応が今後の課題であることを認識させていただきました。また、相談内容に関しましても、収入面に関係する内容が多いことも再確認させていただきました。ありがとうございます。  昨年末には、生活困窮相談窓口等の多言語対応が盛り込まれた外国人材の受入れ・共生のための総合的対策等の閣議決定がなされました。それで、今まで以上に外国人との共生社会に向けた環境整備を推進することが求められることともなりました。また、ただいまの御答弁にもありましたように、相談者が本人ではなく配偶者や元配偶者ということも確認させていただきました。  この点を踏まえて、外国人市民が失業等による経済的困窮や言語、習慣等の違いによる地域社会からの孤立等に対する支援ニーズに対応するため、生活困窮者に対する相談窓口への通訳の配置や外国人サポートをする団体等との連携を図るなど、外国人の状態に応じたきめ細かい支援を行うための体制構築の状況が必要と思いますが、現状をお示しください。 65 ◎【五間浩副議長】 生活福祉担当部長。 66 ◎【山崎寿子生活福祉担当部長】 御答弁の前にですけれども、先ほどの答弁が少し不明瞭であったかと思います。相談の概要につきましては、6割近くが配偶者もしくは元配偶者が日本人である外国籍の方からの相談ということになりますので、よろしくお願いいたします。  それでは、ただいまの質問について御答弁させていただきます。  日本語による会話が困難な外国人が相談にいらした場合には、外国語を話せる職員が対応するほか、多文化共生推進課や八王子国際協会を通じて通訳を依頼し対応しているところでございます。  また、福祉、医療など専門的な通訳が必要な場合、あるいは特別な対応が必要な場合には、一般社団法人社会的包摂サポートセンターが、厚生労働省の補助事業として実施しているよりそいホットラインを活用するなど、外国人をサポートする団体との連携により対応をしているところでございます。 67 ◎【五間浩副議長】 第9番、若林修議員。 68 ◎【9番若林修議員】 御答弁ありがとうございます。  さまざまな機関との連携による対応をお示しいただきましたが、外国人市民が生活に困窮する中で言葉にも壁があると、さらに孤立へとつながる可能性が高まります。よりきめ細かい対応をお願いいたします。  続きましては、やはり窓口への相談は、まだまだ言語的なもののみならず壁が生じてしまいます。生活が困窮してしまう前段階の支援が可能であれば、寄り添える可能性が高まります。  前回、今後の展開としましては、まだ制度を知らない方や支援が必要な人の中で相談にちゅうちょしている方、相談意思の薄い方に対して周知の工夫を図り、より早期な段階で支援につながっていただけるような取り組みを行われる旨お示しいただきましたが、外国人市民向けに困窮する等に陥る前段階で、日ごろより生活困窮者自立支援制度の案内のための資料配布や説明会の開催、紙媒体や説明会にかわるICTの活用による情報発信の体制構築の検討が必要と思いますが、現状をお示しください。 69 ◎【五間浩副議長】 生活福祉担当部長。 70 ◎【山崎寿子生活福祉担当部長】 現在、市のホームページは、英語、中国語、韓国語にも対応しており、生活にお困りの方のための制度につきましても、各言語により情報を得ることができます。  また、在住外国人サポートデスクと連携し、生活困窮の方を相談につなげていただくよう制度の周知を図るとともに、市と八王子国際協会が開催します外国人のための無料専門家相談会へ相談支援員を派遣しているところでございます。 71 ◎【五間浩副議長】 第9番、若林修議員。 72 ◎【9番若林修議員】 ありがとうございます。  多言語での対応や周知を進めていただいておりますことを確認させていただきました。やはり気になりますのは、万が一困窮する場合でも気軽に相談いただける場づくりが周知とともに必要と考えます。そのような思いは、八王子ゆめおり市民会議から具体的に提案をされておりましたが、留学生の宿を設置し、交換の場を確保し、留学生同士、市民と留学生の相談の場とし、留学生の緊急時の駆け込み寺にも活用するという御提案がございました。  これを踏まえまして、生活保護自立支援制度の説明会として、大人も子どもも利用できる共生型の子ども食堂との連携により説明会を開催し、周知を進め、本市在住外国人に日ごろからの居場所としてもおつなぎし、子ども食堂をアウトリーチの一拠点として活用する施策はいかがでしょうか。万が一、生活困窮した場合も、孤立せず支援につなぎやすくなると思います。お示しください。 73 ◎【五間浩副議長】 生活福祉担当部長。 74 ◎【山崎寿子生活福祉担当部長】 生活困窮者自立支援制度につきましては、相談にいらした方の状況を十分に聞き取った上で、その方に合った支援を行っていくものでございますので、説明会というよりは、まずは個々に御相談をいただくことが重要となります。  子ども食堂では、現在でも利用者の状況に応じて相談窓口の御案内をしていただいているところですので、今後、外国人が子ども食堂など地域とつながった際に必要な方に適切に情報が伝わるよう、地域の関係団体等へ外国人もこの制度を利用できる旨の周知を図っていきたいと考えております。 75 ◎【五間浩副議長】 第9番、若林修議員。 76 ◎【9番若林修議員】 ありがとうございます。  外国人をサポートする団体や子ども食堂との連携をさらに進めていただきますことを御要望いたします。  さらに、生活が困窮する外国人の現状と課題として、具体的な支援をお尋ねいたします。本市在住の外国人材、例えば技能実習生が失業した場合のその後の就労支援や住宅確保の支援に関して、本市としての対応をお示しください。 77 ◎【五間浩副議長】 生活福祉担当部長。 78 ◎【山崎寿子生活福祉担当部長】 市内に在住の外国人に対しましては、生活困窮者自立支援制度による就労支援、家計相談支援など自立に向けた御相談に応じております。  ただし、住居確保給付金の支給につきましては、外国人の利用には法律で定められた要件がありますので、その要件に該当した場合に限り御案内をしているところです。 79 ◎【五間浩副議長】 第9番、若林修議員。 80 ◎【9番若林修議員】 ありがとうございます。  続きましては、今後、新たな外国人材受入れ制度による外国人材が失業した場合、失業保険の給付期間が終わり、残存在留期間で生活困窮する場合は、本市としての対応をお示しください。 81 ◎【五間浩副議長】 生活福祉担当部長。 82 ◎【山崎寿子生活福祉担当部長】 新たな外国人材受入れ制度に該当する方につきましても、市内在住であれば生活困窮者自立支援制度による就労支援や家計相談支援などの御相談に応じます。  ただし、生活保護法では、外国人は生活保護の対象とはならず、永住者など特定の在留資格がある方について、国からの通知により生活保護制度を準用しているところです。  新たな制度により受け入れる外国人につきましても、法律や国の方針に沿って対応していくところでございます。 83 ◎【五間浩副議長】 第9番、若林修議員。 84 ◎【9番若林修議員】 御答弁いただきまして、ありがとうございます。  これらの具体的な支援は要件に応じてとなりますが、万が一のときにより迅速に御利用いただけるように体制を整えていただきますことを御要望いたします。  続きまして、新たな外国人材受入れ制度に関してです。  以前より社会問題となっております技能実習生制度にかわり、今春より新たな外国人材受入れ制度、特定技能資格がスタートしておりますが、まずは国際学園都市である本市の留学生に関して、産業振興部長にお尋ねいたします。  八王子の大学等に通う多くの留学生に対し、どのような就職支援の取り組みを行っているかお示しください。 85 ◎【五間浩副議長】 産業振興部長。 86 ◎【廣瀬勉産業振興部長】 留学生を対象とした就職支援セミナーや合同企業説明会、市内企業の見学会を実施をしております。 87 ◎【五間浩副議長】 第9番、若林修議員。 88 ◎【9番若林修議員】 ありがとうございます。  留学生にとりまして、なれない日本での就職活動は大変だと思いますので、合同企業説明会や企業見学会は大変喜ばれると思います。  続きまして、質問させていただきます。  就職支援に取り組む中で、どのような課題があると認識されているかお示しください。 89 ◎【五間浩副議長】 産業振興部長。 90 ◎【廣瀬勉産業振興部長】 留学生にとっては、なじみの薄い新卒一括採用や終身雇用といった日本特有の就職活動、雇用慣行があると認識をしております。また、日本人学生と同様に大手志向が強い傾向がありますので、いかに市内企業の存在や魅力を知っていただくかが課題であると考えております。 91 ◎【五間浩副議長】 第9番、若林修議員。 92 ◎【9番若林修議員】 ありがとうございます。  就職活動や雇用慣行の違いによって、せっかくの機会を生かすことが難しいということが感じられました。市内企業の魅力をしっかりと伝えて、留学生の獲得へとつながるように仕組みを整えることが大切と感じました。  続きまして、その課題について質問させていただきますが、そのような課題に対して、今後どのように取り組んでいくかお示しください。 93 ◎【五間浩副議長】 産業振興部長。 94 ◎【廣瀬勉産業振興部長】 大学コンソーシアム八王子などの関係機関と連携をいたしまして、引き続き日本の雇用、就労環境への理解を図るとともに、企業見学や市が運営いたしますウエブサイト、はちおうじ就職ナビを初め、さまざまな手段を通じて市内企業の認知度向上に今後も取り組んでいく考えであります。 95 ◎【五間浩副議長】 第9番、若林修議員。 96 ◎【9番若林修議員】 御答弁いただきまして、ありがとうございます。  留学生の大手志向というお話からしましても、市内企業の中でも特に中小企業との接点を多くし、魅力を留学生に認識していただくような一日インターンシップ等の企画等も一つかと思いますので、引き続き留学生と市内企業両方の支援となるお取り組みをお進めくださいませ。  新たな外国人材受入れ制度である特定技能資格は、現在14業種の特定産業分野において取得が可能となりました。分野ごとに資格試験を取得することが前提となりますが、介護業、外食業の2つの分野では、4月以降、日本国内では既に試験が実施されておりますが、介護業では、今月以降も日本国外で資格試験の開催が予定されております。  特定技能ビザ、介護業にかかわる介護技能評価試験、その試験日程は次のとおり公表をされております。フィリピンのマニラで8月に2回、9月に1回、10月に2回、11月に1回。ダバオで11月に1回。カンボジア、プノンペンで10月に1回。ネパール、カトマンズで10月、11月それぞれ1回。ミャンマーのヤンゴンで10月1回、11月1回。モンゴル、ウランバートルで11月に1回。ベトナムにおいても政府の特定技能ビザ説明会にて、秋にも特定技能測定試験を開始するとのことです。  いよいよ特定技能ビザの国外試験が本格的に始まります。介護業での学科試験は、介護の基本、心と体の仕組み、コミュニケーション技術、生活支援技術プラス実技試験です。特定技能の資格で介護が進んでいるのは、技能実習生資格での介護業で先行している状況があったからです。  そこで、本市における介護分野での技能実習生の支援に関して、福祉部長にお尋ねいたします。介護分野では人材不足が深刻と言われておりますが、本市の介護現場における外国人材の状況について、お示しください。 97 ◎【五間浩副議長】 福祉部長。 98 ◎【石黒みどり福祉部長】 昨年5月に実施した市内の介護事業者へのアンケート調査によれば、市内で37名の外国人の介護人材が就業しておりました。加えて、今年度に複数の事業所において新たに採用したとの情報を得ておりますので、昨年の調査時よりも増加しているものと推測しております。 99 ◎【五間浩副議長】 第9番、若林修議員。 100 ◎【9番若林修議員】 ありがとうございます。  市内に相当数の外国人人材が働いているとのことですが、市はこうした外国人の介護人材に向けてどのような支援を行っているかお示しください。
    101 ◎【五間浩副議長】 福祉部長。 102 ◎【石黒みどり福祉部長】 本市では、令和元年度の新規事業として、既に介護事業所で勤務している方とこれから介護職を目指す方を対象に、介護のしごと外国人日本語教室を実施しております。  市内の日本語学校に委託をしまして、日本語の能力に応じて、初級、中級、上級に分け全12回の教室を春と秋の2回実施いたします。春に行った前期につきましては、去る8月10日に修了式を行いましたが、約40名の生徒が介護に関する日本語を学んでいただきました。 103 ◎【五間浩副議長】 第9番、若林修議員。 104 ◎【9番若林修議員】 ありがとうございます。  外国人介護職員向け日本語教室の実施という新規事業は、大変すばらしい事業だと感じます。各自日本語教室や日本語学校で学ばれているでしょうが、さらに介護に関する専門的な語学力の向上もより大切となってまいりますので、大変有意義な事業と評価させていただきます。  そこで、このように外国人介護職員を積極的に支援され、人材確保に取り組む意義についてお示しください。 105 ◎【五間浩副議長】 福祉部長。 106 ◎【石黒みどり福祉部長】 第7期介護保険事業計画を策定する際に実施しました市内事業所調査によれば、職員が不足している、またはやや不足していると回答した割合は67%となっております。また、人材を確保できていない、または余り確保できていないとする回答は約4割を超えており、介護人材の確保が急務となっております。  介護が必要な高齢者に向けて安定したサービスを提供するため、また、介護保険制度の持続可能性を確保するためにも、介護人材の確保、定着、育成に重点的に取り組んでまいります。 107 ◎【五間浩副議長】 第9番、若林修議員。 108 ◎【9番若林修議員】 御答弁ありがとうございます。  介護サービス分野の人材不足は、かなり深刻であること、その点を支援する上で介護人材の確保、定着、育成に重点を置かれていることを確認させていただきました。  それでは、あわせまして介護サービス事業所にとりましても、本市が外国人介護職員を積極的に支援して人材確保に取り組むことは大変意義深いことですが、介護サービス事業所にとりましての意義もお示しください。 109 ◎【五間浩副議長】 福祉部長。 110 ◎【石黒みどり福祉部長】 本年6月時点での都内の有効求人倍率では、全業種合計で1.73倍のところ、介護サービス事業所は7.41倍と突出しております。人材確保が大変困難な状況の中で、外国人の採用は人材不足を補う有効な手段の一つであると認識しております。  また、実際に外国人を採用した事業所からは、介護現場で外国人に指導を行う中で、日本人職員のモチベーションの向上や業務プロセスの見直しといった効果があらわれているとの話も伺っております。多様な人材がともに働くことによる相乗効果も期待されております。 111 ◎【五間浩副議長】 第9番、若林修議員。 112 ◎【9番若林修議員】 御答弁ありがとうございます。  本市として、介護サービス事業所と連携して外国人介護職員への積極的な支援を実施してきた実積は、他市に先行している取り組みですので、現在の技能実習生のみならず、この春からスタートしております特定技能資格の外国人介護職員へとつなげていただきますよう御要望申し上げます。  また、介護のしごと外国人日本語教室、まだまだなれない介護職員が介護に関する専門用語を学ぶ貴重な機会であるとともに、志を同じくする介護人材職員としての大変有意義な情報共有の場であり、また時に相談し合う仲間との出会いの場にもなります。この事業は、さらに積極的に枠をふやして支援を拡充していただくことも、あわせて御要望いたします。  介護分野の先進的なお取り組み事例に続きまして、介護以外の特定分野への支援に関しまして、私の質問の最後として質問させていただきます。  御答弁いただきましたように、介護分野は特に人材不足が顕著であり、技能実習生を積極的に介護人材として確保、定着、育成に努める必要性を背景に、技能実習生でも他の分野より先行しておりますが、今回の新たな外国人材受入れ制度では、介護以外に13分野の特定産業分野がございます。特に本市の先進的な介護分野での積極的な支援をもとに、他の分野にも反映し、支援を進めていただければと思いますが、産業振興部長に御質問をさせていただきます。  労働力人口の減少が見込まれる中、今後、介護分野以外でも外国人材の需要は高まっていくと思われます。市内企業の人材不足対策として、特定技能資格による外国人材と企業のマッチングについて、どのように考えているかお示しください。 113 ◎【五間浩副議長】 産業振興部長。 114 ◎【廣瀬勉産業振興部長】 在留資格、特定技能に関しましては、送り出し国との関係や登録支援機関に関する手続、技能試験、日本語試験など国が所管する部分が大きくなっており、また、国の発表によりますと、本年6月末時点では、特定技能の在留資格を得た人数は全国で20名、東京都ではゼロ名と、ここまでは実積がない現状となっております。  今後、市内企業などのニーズを注視し、将来的に外国人及び企業に対し支援が必要かどうか判断してまいります。 115 ◎【五間浩副議長】 第9番、若林修議員。 116 ◎【9番若林修議員】 御答弁をいただきまして、ありがとうございます。  まだ特定技能資格者は全国で20名、東京ではゼロという現状と、ただ今後に備える旨お示しいただきました。まだスタートしたばかりとはいえ、介護のみならず日本国内では外国人食品産業技能評価機構が実施する外食業向けの特定技能試験評価が、今月は金沢、高松、那覇で400人定員で実施されます。また、11月、翌2月は、東京を含め各地でそれぞれ3,000人定員の規模で試験が予定されております。科目は、接客全般、飲食物調理、衛生管理の3科目で65点以上が合格となります。  日本国内における外食業だけでも、かなりの外国人の方が受験するという流れが目の前にある状況です。このように、受験者定員の数からしましても、外国人材については今までの留学生や技能実習生のほか、新たな在留資格である特定技能の資格を持つ人材が増加することが十分見込まれます。  そのような中、人手不足に悩む業界や企業としては、当然のことながら優秀な人材を求めるはずであり、八王子市として優秀な人材を受け入れるためには、就労環境だけではなく生活全般において外国人を支援する必要があります。  本年7月1日、日本とベトナム間にて新たな在留資格、特定技能に関して悪質な仲介事業者の排除等を目的とする協力覚書、MOCが、安倍首相とグエン・スアン・フック首相の立ち会いのもと、山下法務大臣とダオ・ゴック・ズン労働・傷病兵・社会問題大臣との間で交換がされました。その背景には、今までの在留資格である技能実習生を日本へ送り出してきた国との間で、悪質な仲介事業者等による保証金の徴収、違約金の定め及び人権侵害行為等が発生しておりました。  この覚書の交換を通じて、特定技能における悪質な仲介事業者の排除に努め、ベトナムからの有為な人材の円滑かつ適正な送り出し、受け入れを促進することを取り決めたのです。日本国法務省、外務省、厚生労働省及び警察庁は、ベトナム労働・傷病兵・社会問題省と協力し、本制度の適正な運用に向けて改善が必要となる問題の是正のための協議を実施することとなりました。  また、先月14日には、長野県の阿部知事もベトナム政府と観光、介護の分野を中心に外国人材受け入れで覚書を交換しました。  一般質問の最後に、御要望をさせていただきます。  江戸時代、農村復興や藩財政再建を果たした代表的日本人、二宮尊徳翁の長期展望と、それに向けた行動の重要さを示す遺訓、「遠きをはかる者は富み、近くをはかる者は貧す。それ遠きをはかる者は百年のために杉苗を植う。まして春まきて秋実るものにおいてをや。ゆえに富裕なり。近くをはかる者は春植えて秋実るものをもなお遠しとして植えず。ただ眼前の利に迷うてまかずしてとり、植えずして刈り取ることのみ目につく。ゆえに貧窮す」とあります。  外国人市民の中での割合が急増しているベトナム政府やハノイ市、もしくは同様に割合が増加したり、また既に同様の覚書を政府間で交換しているモンゴル、ネパール、ミャンマー、カンボジア等のアジア諸国政府との外国人材における覚書の交換を、中核市の先駆けとして行い、協力関係を強化し、将来を見据え、外国人が安心して八王子に住み働き続けることができるよう、積極的に受け入れ体制を構築していくことを求めて、一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございます。 117 ◎【五間浩副議長】 次は、第10番、木田彩議員。                    〔10番議員登壇〕 118 ◎【10番木田彩議員】 生活者ネットワークの木田彩です。通告に基づきまして一般質問いたします。  まずは、ケアラー(介護者)支援についてです。  ケアラーとは、心や体に不調のある人への介護、看護、療育、世話、気遣いなど、ケアの必要な家族や近親者、友人、知人などをケアする人たちのことで、それを仕事としているケアワーカーとは違います。例えば障害のある子どもを育てている人、健康不安を抱えながら高齢者をケアしている高齢者、仕事と介護で精いっぱいでほかに何もできない人、仕事をやめて親の介護をしている人、遠くに住む高齢の親が心配で頻繁に通っている人、子育てと同時に親の介護をしている人、目を離せない家族の見守りなどをしている子ども、孫や若者、アルコール依存、薬物依存やひきこもりなど家族のケアをしている人、障害や病気の家族の世話や介護をいつも気にかけている人などです。  ケアラーを取り巻く環境は大変厳しくなっています。介護保険法の改正により、施設での介護から地域での介護への動きの中で家族介護がふえていますが、ケアされる側の支援に比べてケアする側への支援がおくれていると感じています。介護保険法を使って介護を受ける本人は、必要なケアを受けられていたとしても、ケアする家族が十分な支援を受けられているとは限りません。  ケアラーは、さまざまな悩みを抱えています。心と体が壊れる前に助けてほしい、介護とフルタイムの仕事を両立するのは無理なこと、介護離職が多いのは無理だからです。介護を受ける側へのケアプランはあるが、介護する側へのケアプランがないのが現状です。ちまたでは、介護疲れ、介護ストレスによる虐待や殺人、心中といった悲しいニュースが後を絶ちません。介護保険サービスを使っていても、在宅介護を続けられないと感じている人も多いのです。  誰もが介護し、介護される時代になりました。主たる介護者の7割以上が家族です。ケアラーも高齢化しています。厚生労働省の国民生活基礎調査によると、65歳以上のいる世帯のうち6割は単独世帯、夫婦のみの世帯であるという報告があります。また、障害者の数も年々増加傾向にあり、在宅、通所の障害者もふえています。  NPO法人介護者サポートネットワーク・アラジンの調査によると、10代から80代以上のケアラーが10歳未満から90歳以上の人のケアをしています。さまざまな年代のケアラーが、さまざまな年齢のケアをしているのです。  そこでお伺いします。在宅高齢者の介護者に関する実態把握をしているのでしょうか。また、ケアラーも多様であり、ケアラーの年齢が低いほど自身や周りがケアラーであるということに気づけず、社会的に配慮されていない実例もあります。介護保険制度ができて介護の社会化という考えは進んできてはいますが、まだまだ介護は家族が担うものという考えも根強く残っていると思います。介護は、社会のさまざまな主体がかかわって行うものという考え方に変えていくために、福祉部と子ども家庭部でそれぞれで取り組んでいることを伺います。  次に、ヤングケアラーについてです。  先ほども少し触れましたが、ヤングケアラーとは、家族にケアを要する人がいる場合に、大人が担うようなケアの責任を引き受け、家事や家族の世話、介護、感情面のサポートなどを行っている18歳未満の子どものことです。ケアが必要な人は、主に障害や病気のある親や高齢の祖父母ですが、兄弟や親戚のこともあります。  例えば南魚沼市役所内で開催されたヤングケアラーについて知ろうという研修会の中で、スクールソーシャルワーカーが取り上げた事例ですが、母親が病気で小学生の兄弟が年下の子の保育園を送迎していたケースがあります。その子たちは、年下の兄弟を送迎するために学校から飛んで帰って迎えに行く生活をしていました。外から見ると、この子たちは早く帰るのだなと見えるだけなのです。後に学校の中で遅刻、宿題をやってこない、不登校となっていきました。掘り下げていくと、そういう生活をせざるを得なかった、買い物をするにも家事をするにも、お母さんのそばに私がいてあげないとお母さんが心配する、そういう生活を三、四年も続けていました。  また、別のケースでは、両親が病気で祖父が車を運転して買い物をしていたのですが、祖父が高齢で運転ができなくなりました。上の子が自転車で買い物に行ったり家事をするようになるうちに、学校を休みがちになっていき、ようやくスクールソーシャルワーカーにつながったという例もあります。宿題ができなかったのも、授業中に眠くなるのも、毎日学校に来られなかったのも、やる気がないのではなく、家事やケアを頑張っていたからなのです。  スクールソーシャルワーカーに寄せられる相談には、さまざまな要素が入ってくると思いますので、ヤングケアラーに限って対応するのは難しいと思うのですが、子どものSOSを受けとめる上で、小中学校の先生が一番重要になります。それは、児童・生徒が多くの時間を過ごす、そしてケアから離れている時間を過ごす場所が学校だからです。  そこでお伺いします。ヤングケアラーやその家族が必要な支援につながるために、ヤングケアラーの実態を把握することが大切だと考えますが、学校としてはどのように把握をしていますか。スクールソーシャルワーカーは、昨年度から2人ふえて現在6人と伺いましたが、各学校へはどのぐらい巡回しているのでしょうか。また、これから先、スクールソーシャルワーカーをふやす長期の目標や今後の予定はありますか。お答えください。  未成年の子どもである、介護者である、2つの側面を持つヤングケアラーは、本来大人が担うケア責任を引き受けていても、ケアすることが生活の一部となっているために、本人がケアラーという自覚がないこと、支援が必要なことに気がついていないということがあります。子どもたちにケアラー、介護者という認識を持ってもらうことが必要です。  そこでお伺いします。特に子どもの場合、本人がケアラーという自覚はなく、自分で頑張ってしまって大変な思いをしているときは、ケアラー、介護者として周りに助けを求めていいのだということを、しっかりと伝えていく必要があります。本人が困っていることを先生の側から気づいてアプローチをしていくという体制をつくることが必要だと思いますが、いかがでしょうか。  ヤングケアラーは、ケアを担うことで、自分の学習、心身の健康、生活に影響を受けて、そのことで将来の選択肢が大きく変わってくることもあります。子どもの将来の可能性は、子どもの人権という観点からも守らなければならないものです。ヤングケアラーが子どもとして、ケアラーとして普通に過ごせるための配慮は、家庭や学校のみで対応できるものではありません。家庭、学校、教育委員会、障害者福祉課、高齢者福祉課、子ども家庭支援センター、高齢者あんしん相談センターなど横のつながりで社会全体で支援につながる体制をつくっていく必要があると思います。実際にヤングケアラーがいたときには、どのように対応しているのでしょうか。お答えください。  次に、抱え込まない介護についてです。  年間の介護離職者は約10万人、その先には厳しい現実があります。パート勤務になった方は収入が下がり、経済的に不安定になります。介護にかかり切りなることで社会とのつながりが薄れると、孤立化していきます。介護者が家族だということで、介護される側が食事がまずいと言ってみたり、夜中に何度も呼び鈴を鳴らしてしまったりしてしまうことで、介護する側もストレスがたまり、虐待の可能性が上がります。家族の介護を愛情だけで乗り越えるのは難しいのです。  高齢者あんしん相談センターへ相談し、第三者がかかわることが困難の克服につながるのですが、実際に介護保険サービスを使っていても離職するという決断をする人がいるのです。社会にとってもリスクがあることだと思います。介護によるストレスで抵抗力が弱まり、病気にかかりやすくなって医療費がふえます。仕事を休むことで労働力不足になり、仕事をやめれば税や社会保険料負担者が減少します。現役世代と呼ばれる社会経済の活力が下がり、持続可能性も低下し、社会不安が増大していきます。介護が終わったときに、介護が終わったケアラーへ社会復帰への支援や道筋がないために、さらに追い詰められていきます。ケアラーへの支援を具体的な取り組みにしていく必要があると考えています。  そこでお伺いします。地域包括ケアシステムの中では、介護者支援をどのように考えているのでしょうか。  次に、介護者の居場所についてです。  八王子市には、八王子駅南口の近くにケアラーズカフェわたぼうしがあります。認知症ケアパスには、認知症の人とその家族、地域住民誰もが気軽に交流や相談のできる場所ですとありますが、そのほかの役割はありますか。また、その役割を踏まえ、どのように周知しているのでしょうか。お答えください。  次に、街路樹についてです。  八王子の街路樹は、イチョウ、ケヤキ、クスノキ、トウカエデ、エンジュ、プラタナス、ハナミズキなどが思い浮かびます。暑い夏には緑の日陰となり、直接強い日差しが当たらないようになり、涼しい木陰となります。街路樹については、切ってほしい人もいれば切らないでほしい人もいて、皆さんからいろいろ要望があるものです。  まず、確認のためにお伺いします。まちづくりの中で街路樹の役割をどのように考えてきたのでしょうか。  これで1回目の質問を終わります。 119 ◎【五間浩副議長】 福祉部長。 120 ◎【石黒みどり福祉部長】 何点かの御質問にお答えいたします。  まず、高齢者の介護者の実態把握についてですが、本市では、第8期介護保険事業計画の策定に向けて、平成30年度に在宅介護実態調査を実施しております。その中で、主な介護者の続柄や年齢、就業状況、介護サービスの利用状況などの実態把握を行いました。調査結果によりますと、介護者の約50%が同居または別居の子ども、約30%が配偶者となっております。  次に、介護に社会全体でかかわるための取り組みについてですが、高齢者や障害者とその家族が安心して暮らし続けるよう、医療や介護の専門職を初め、住民や民間企業を含む地域が一体となって在宅生活を支える体制づくりに取り組んでいるところです。市では、その醸成に向け、シンポジウムでの周知やリーフレットの配布など多様な機会を捉えた普及啓発を行っております。  次に、地域包括ケアシステムでの介護者支援についてです。  地域包括ケアシステムの中核を担う高齢者あんしん相談センターを市内18ヵ所に設置し、高齢者の暮らしを包括的に支える身近な相談機関として、高齢者とその御家族に対してさまざまな支援を行っております。また、高齢者の安心できる暮らしを包括的に支援するという視点から、地域包括ケアシステム推進プランとなる八王子市高齢者計画・第7期介護保険事業計画においても、介護を行う家族への支援に関する視点で、さまざまな取り組みを推進しているところです。  次に、ケアラーズカフェわたぼうしの役割と周知についてです。  ケアラーズカフェわたぼうしは、認知症高齢者を初めとする高齢者とその介護者が集い、介護に関する相談や介護や医療などの情報提供を行う場です。ここでは、認知症の方とその家族に限らず、介護者の孤立防止、介護者の交流の場、介護者のレスパイトケアなどの観点から、幅広い支援を提供しているところです。  周知に関しましては、市のホームページで幅広く周知しているほか、高齢者あんしん相談センターなどの窓口での御案内、認知症ケアパスを初めとするリーフレットを認知症サポーター養成講座や図書館でのテーマ展示で配布するなど、あらゆる機会を捉えて周知しております。 121 ◎【五間浩副議長】 子ども家庭部長。 122 ◎【小俣勇人子ども家庭部長】 介護支援への取り組みでございますが、子ども家庭支援センターでは、児童相談所、学校、保育園、民生・児童委員などで構成する要保護児童対策地域協議会を設けて、要保護児童の情報共有や各種の機関との連携を図っております。  家族の介護や世話をすることにより学校に通えなかったり、子どもの発達に影響を及ぼすような場合はネグレクトとみなされ、虐待に当たる可能性がありますので、子ども家庭支援センターでは、訪問を行った上で複数の支援機関との協力のもと、そのような状況の是正やその後の見守りを行っております。 123 ◎【五間浩副議長】 指導担当部長。 124 ◎【斉藤郁央指導担当部長】 私には4点の御質問をいただきましたので、順次お答えいたします。  まず、学校におけるヤングケアラーの把握についてでございますが、学校では、常に子どもの状態に気を配り、子どもに心配な状態がある場合には面談や家庭訪問などを行うことで、家庭の状態を確認しております。また、少しでも気になる児童・生徒の状況把握に関する調査などを通して、ヤングケアラーを含めた児童・生徒や家庭のさまざまな状況を学校が把握できるようにしております。  続きまして、スクールソーシャルワーカーの巡回の状況と今後の増員予定についてでございます。  スクールソーシャルワーカーの学校訪問件数ですが、平成30年度は年間で657回訪問をしております。令和元年度は2名増員したことで、8月末時点では451回の訪問を行っております。今後、支援の充実を図るためにも、スクールソーシャルワーカーのさらなる増員を検討しているところでございます。  次に、ヤングケアラーへの啓発についてでございます。  平成30年11月に市内小中学校の児童・生徒に対しまして、相談できる大人が一人でもいるかとの調査を行いました。何か困ったときにあなたが相談できる大人がいますかという問いに、相談できる大人がいないと答えた児童・生徒に対して、面談や支援を行うことで全ての児童・生徒が大人に相談できるように支援をしております。また、市内小中学校全学年におきまして、身近にいる信頼できる大人に子どもたちみずからが助けを求めることができるよう、SOSの出し方に関する教育を行っているところでございます。  最後に、ヤングケアラーへの対応についてでございます。  ヤングケアラーであると思われる児童・生徒を学校が発見した場合には、聞き取りと支援を進めるとともに、虐待の疑いも視野に入れ、子ども家庭支援センターなど外部機関と連携をして対応いたします。また、必要に応じてスクールソーシャルワーカーの派遣を学校が要請しているところでございます。 125 ◎【五間浩副議長】 道路交通部長。 126 ◎【村野弘幸道路交通部長】 街路樹の役割でございますが、道路の緑には季節の花や木陰など人に潤いや安らぎを与えるほか、都市環境の改善、美しい都市環境、都市景観の創出、歩行者の保護など安全で円滑な交通への寄与、災害時の火災などの延焼を防止する防災機能などさまざまな役割がございます。  しかしながら、市民から伸びた枝で標識が見えない、落ち葉が飛散し側溝やますが詰まるなどの声もいただいており、その都度対応している状況でございます。 127 ◎【五間浩副議長】 第10番、木田彩議員。                    〔10番議員登壇〕 128 ◎【10番木田彩議員】 それぞれお答えいただきました。  在宅介護者の実態調査を行っているとのことでした。その実態調査で具体的なケアラーの抱える悩みや不安など聞き取ってはいないようですが、訪問だったりアンケートだったり、やり方はいろいろあると思いますが、ケアラーが抱える介護、介護予防、日常生活へのさまざまな悩みや不安を聞いていく必要があると思っています。困り事などケアラーの声を聞くことで、市としても支援の道筋が見えてくると思います。  介護保険そのものが制度の持続可能性を目的に、給付抑制の方向での改正が続いています。同時に、多くの場合、家族や周囲の人が何らかのケアを担っているのも現実であり、また、高齢者介護だけでなく、病気や障害のある家族のケア、ヤングケア、ダブルケアなどのケアの複合課題の問題も明らかとなっています。  国の家族介護支援も介護離職防止、仕事と介護の両立という趣旨が強く、ケアラーが当たり前の社会生活を送ることができるような支援について、地域から仕組みをつくる必要があります。八王子市でも、ケアラー本人の人生のために、まずは現状の聞き取りを行い、現状への対応と長期的な視点でのケアラー支援について取り組むことが求められていますので、ぜひ取り組んでいただきたいと思います。  認知症の方を中心に実践されているケアの方法で、ユマニチュードというものがあります。ユマニチュードは、フランス語で人間らしさの意味で、関係性を築く技術です。ユマニチュードには、4つの柱があります。見る、触れる、立つ、話すという4つの柱を基本に、知覚や感情に働きかけるケア技法です。これを用いると、ケアが必要な人は、私は大切にされているというメッセージを受け取ることができます。ケアを通じてきずなをつくり、穏やかさを取り戻すといいます。  ユマニチュードを取り入れた介護をすることで、会話が通じないなどさまざまな困難を抱えていたケアラーに光を与えるだけでなく、ケアを受ける人、ケアラー双方に明らかな変化をもたらすとして注目されています。実際にユマニチュードを取り入れた介護をした市民の方から、八王子でも多くの事業所や病院が、このユマニチュードを取り入れてもらえたらという声があります。市民向けの講座として、初めてのユマニチュードという講座が都内で開かれていますので、ぜひ八王子市でもケアラー支援として取り入れたらと思いますが、いかがでしょうか。お答えください。  次に、ヤングケアラーについてです。
     今年度からスクールソーシャルワーカーが2人ふえて6人となり、学校からの要請に多く対応できているとのことでした。2021年に10人にすると伺っております。児童・生徒の困り事を支援につなぐ役割として重要ですので、スクールソーシャルワーカーがケアラーについて認識をすること、そして、児童・生徒の困り事に対応できるスクールソーシャルワーカーをさらにふやすことを要望します。  ヤングケアラーについて、教育委員会が協力して小中学校の教職員を対象にしたアンケートによる実態調査をした南魚沼市では、実態調査をする前とした後では、教員が子どもたちを見たときにケアラーかもしれないという新しい切り口でものを見ることができたと言っています。調査にかかる教員の負担もあるとは思いますが、教員にとってもケアラーである子どもにとっても、得られたことは大きいと思います。  教員や職員向けのヤングケアラーを深めようという研修会が開催され、多くの教員、職員が参加し、ヤングケアラーへの理解を深めています。ヤングケアラーは、その知識や経験が、人間関係がまだ限られているために、自分の状況を言葉として認識すること自体難しいという面もあります。どう言ったらいいのかわからないのです。  家でケアを担っているヤングケアラーにとって、学校は本来その年齢らしく楽しく過ごせる場所です。周りの十分な理解があれば、学校とのつながりはヤングケアラーにとって有益なものとなります。しかし、どう話したらいいのかわからない、わかってもらえないと感じていたり、学校に居場所を見つけるためにみんなに話を合わせられるようにしないといけないなど、学校が息抜きの場でなくプレッシャーに感じてしまうことも少なくありません。  学校において、ヤングケアラーについての理解を深めることは、ヤングケアラーである子どもに気づくことにつながります。以前の答弁で生活指導主任に対する月一回の研修で、ヤングケアラーについても取り上げているとのことでしたが、それ以外の教員についてはどうでしょうか。お答えください。  次に、抱え込まない介護についてです。  杉並区では、ケアラー支援の取り組みとして、認知症高齢者家族安らぎ支援というものがあります。認知症高齢者を在宅で介護している家族の休息のために、安らぎ支援員、ボランティアが訪問し、家族や認知症高齢者の話し相手をしています。また、ほっと一息、介護者ヘルプは、要介護1以上の高齢者、または要支援1、2の方で認知機能の低下により日常生活に支障があり支援が必要であると認められる方を在宅介護している家族の休息を目的とした支援サービスで、ホームヘルパーが訪問して、生活援助の代行をするための利用券を交付するというケアラー支援があります。  ここでお伺いします。こうしたケアラーの視点に立った支援を八王子市でも取り組んでみてはどうでしょうか。  障害のある子どものいる人へのケアラー支援はどうでしょうか。障害児ショートステイのレスパイト支援や相談支援事業所が、ケアラーを孤立させないよう必要なときに支援につなげているということですが、それ以外の時間は障害児を抱え、ケアしながら家事など日々の生活を送っています。そのために、精神的にも身体的にも疲れてしまっていると相談を受けます。  ここでお伺いします。障害児のケアをしている家族の実態は把握しているのでしょうか。また、中学生になると、障害児の外出について移動支援があります。これを小学生から学校へ行くときの通学時や学童へ行くときの移動支援など、また、ケアラーの家事援助など保護者への支援に加え、その家族、兄弟への目配りも欠かせないと思います。このような支援を行うことについてのお考えをお示しください。  次に、ケアラーズカフェについてです。  認知症の当事者とその家族に限定していないということですので、もっとわかるような周知が必要だと思います。ケアラーズカフェわたぼうしが中央図書館に出向き、年3回の出張サロンをしています。図書館は、認知症の方にも読める本があったりして、図書館の機能を使って出張サロンをすることに対して、成果があるということです。図書館は、南大沢や川口にもありますので、ぜひほかの場所でも開催したらと思いますが、いかがでしょうか。その際、経費もかかると思いますので、費用面でも図書館とタイアップしたらどうでしょうか。居場所にもなると思いますが、いかがでしょうか。お答えください。  北海道の栗山町では、アンケートによる全世帯調査を行い、在宅介護者を把握しました。その結果、介護者は地域と疎遠になる、健康不安や介護の悩み、家族関係の悪化など介護保険制度では救えないたくさんの課題があることがわかりました。そして、介護者支援からまちづくりという方針で、在宅サポーターを配置、民生委員や町会長との連携、ケアラー支援サービスのコーディネーターを配置するなどさまざまな取り組みをしています。そして、栗山町の社会福祉協議会と日本ケアラー連盟が共同でケアラー手帳を作成しました。これがケアラー手帳です。  ケアラー手帳は、自分自身がケアラーであるという意識を持てるようにすること、ケアラーとサービスやサポートをつなぐことで、ケアラーの社会的孤立を防ぐことを目的に開発しました。この手帳の中を見てみますと、ケアラーへの情報提供、そして、ケアラー本人の心と体の健康を守るための健康管理機能を持つ、いわば母子健康手帳のケアラー版です。  八王子市には、八王子市認知症まるごとガイドブック、認知症ケアパスがあります。これは認知症になっても安心して住みなれたまちで暮らし続けられるように、当事者やその家族が日々の生活で必要な情報や八王子市の取り組みを一冊にまとめたものです。このケアパスには、家族のためのというページがあり、そこにケアラーズカフェわたぼうしのことも紹介されています。  必要な情報が一冊にまとまっていて、とても使いやすいものだと思いますので、ぜひこのケアパスにケアラー手帳の介護をしているあなたも大切ですという視点での機能も追加したらいいのではと思います。例えば介護経験者の話を載せたり、気持ちが沈む日にケアラーのあなたへというメッセージだったり、ケアラーが自分自身を大切にするための健康メモ、健康チェックシートなど、今ある認知症ケアパスにケアラーの視点に立ったこうした機能を、改訂版をつくるときにはぜひ追加をしてもらいたいと思いますが、いかがでしょうか。お答えください。  次に、街路樹についてです。  先ほどお答えいただいた役割のほかに、街路樹にはヒートアイランド現象の緩和や音の吸収、日差しや雨を遮る、二酸化炭素を吸収する、雨水の吸収などの役割もあると思います。街路樹の役割の中に木陰とありましたが、エンジュやプラタナスなど木陰が欲しい、樹木に異常な猛暑を助けてもらいたい一番暑い季節に剪定をして葉がなくなっている木があります。どちらも落葉樹で剪定する時期ではないと思いますが、剪定の基準や時期、方法はどうなっているのでしょうか。また、剪定する木は誰が選ぶのか、樹木医など専門家の意見は聞くのかお答えください。また、街路樹を新しく植える際には、街路樹を選ぶ基準や市としての方針を、ガイドラインなどをつくって示す必要があると思いますが、いかがでしょうか。お伺いします。  これで2回目の質問を終わります。 129 ◎【五間浩副議長】 福祉部長。 130 ◎【石黒みどり福祉部長】 それでは、何点かの御質問にお答えいたします。  まず、ユマニチュードの市民講座を実施してはどうかとの御質問です。  介護者の負担を軽減するためには、介護保険サービスなど公的なサービスや身近な相談窓口を活用していただくとともに、介護者に介護手法を知っていただくことも大切であると考えております。ユマニチュードも介護手法の一つでありますので、家族が介護を抱え込むことがないよう、介護者支援に関するさまざまな情報提供に努めてまいります。  次に、介護者支援の事業についてですが、市では、これまでも高齢者あんしん相談センターによる居宅への訪問や家族介護者教室の開催により、随時介護者からの相談に対応しております。また、介護認定をお持ちの場合は、ケアマネジャーが本人とその御家族の状況や希望をお聞きし、介護者も含め安心して在宅生活が維持できるよう生活援助を含めた適切な介護サービスの導入を支援しております。  次に、障害者を介護している家族の実態把握です。  統計的なデータはありませんが、日々の自宅訪問や聞き取り調査により把握しております。障害児支援については、利用できるサービスを適切に提供することによって、障害児への直接的な支援のほかに、副次的効果として御家族自身の負担軽減にもつながっていると考えております。  次に、ケアラーズカフェわたぼうしの出張サロンをほかの図書館でも開催できないかという御質問です。  課題としましては、費用面の問題ということではなく、出張サロンの場合は、そこで読み聞かせや当事者、家族同士の交流やおしゃべりをしております。中央図書館においては、閲覧席のほかに会議室がございますので、環境的に整っているため中央図書館のみで現在行っております。  最後に、認知症ケアパスへの介護者の声の掲載に関する御質問です。  昨年度に開催した認知症の本人ミーティングや今年度開催予定の家族介護者ミーティングなどを通じ、当事者や介護者の方々の経験や意見を伺いながら、次回改訂時に掲載できるよう検討してまいります。 131 ◎【五間浩副議長】 指導担当部長。 132 ◎【斉藤郁央指導担当部長】 ヤングケアラーに関する教員への研修についてですが、東京都教育委員会が作成した人権教育プログラムには、子どもの人権についての理解や人権を守るための方法について記載されており、全ての児童・生徒が生き生きと意欲的に学校生活を送ることができるよう、校内研修等で活用しております。  また、教育委員会が主催する研修では、生活指導主任研修のほかにも保健主任研修、特別支援教育コーディネーター研修等で児童・生徒の状態を把握することや、外部機関との連携の仕方に関する内容を取り上げております。また、研修を受けた教員が、学校で他の教員に伝達し情報を共有することで、ヤングケアラーを含め学校が児童・生徒の実態を一層把握し、支援していくことができるような取り組みを進めております。 133 ◎【五間浩副議長】 道路交通部長。 134 ◎【村野弘幸道路交通部長】 街路樹の剪定でございますが、樹木の種類により適切な時期に行っております。  御質問に上がりました北大通りのエンジュなどは、花が咲いた後の花殻が道路に飛散するため、沿道の方々の要望があり、花が咲いた後の花殻が落ちる前の夏の時期に剪定を行っております。また、剪定する樹木の健康状態につきましては、剪定時や職員のパトロールなどで状態の把握を行っており、必要に応じて樹木医などの専門家による診断を行い、適切な管理に努めております。  次に、新設道路に植栽する街路樹の種類につきましては、道路工事設計基準に基づいて選定をしております。その際には、地域住民の方々の意見や今後の維持管理などを含めまして、考慮して決定しております。 135 ◎【五間浩副議長】 第10番、木田彩議員。                    〔10番議員登壇〕 136 ◎【10番木田彩議員】 それぞれお答えいただきました。  ヤングケアラーは、主たる介護者が母親という場合が多く、自分のことより母親のことが心配ということが多いようです。母が倒れると自分も倒れかねない、どんどん連鎖的に倒れていったらどうしようと不安があるといいます。また、うかつに外部に助けを求めたら家族がばらばらにされるのでは、物すごくお金がかかるのではという恐れもあるといいます。今の生活が全てだという子どもたちが、ケアを子どもが担うということを想定していない社会で、ほかの子どもたちと違う生活をしているということです。大人ですら、さまざまな悩みや葛藤があるケアということを、未成年の子どもがその年齢で経験をしているのです。  また、仕事の場合は、誰かがかわりにやってくれるかもしれないですし、ローテーションでシフトを変えたり休業という制度もあります。でも、子どもは授業に出られなければ欠席ですし、提出する宿題やレポートは本人が書かないといけません。また、外国籍の母親の通訳をしている子どもだったり、お手伝いの度を超えていても、介護が生活の中にあるためにケアラーということに気づいていないということもあります。相談できる場所がなくつらい思いをしている子どもがいます。  介護と引きかえに友達、学業、仕事、そして時間を失った、ただ理解してくれる人が欲しかった。あるヤングケアラーの言葉です。祖母をみとった後、周りからは、孫にみとられておばあちゃんは幸せねと言われたが、本当は僕とおばあちゃん両方の幸せが欲しかったと言っています。  イギリスでは、世界で最も早くヤングケアラーに注目して調査や支援を行ってきました。その中で見えた支援の方向性は3つあります。1つ目は、ヤングケアラーがケアについて安心して話せる相手と安全な場所をつくる。2つ目は、家庭でヤングケアラーの担うケアの作業や責任を減らす。3つ目は、ヤングケアラーについて、社会の認識を高めていくです。  ケアについてよく知る大人の指導のもと、同じようにケアを担う同年代と話す機会は、精神的なサポートになります。ヤングケアラーが信頼できる大人と一対一で出かけ、仲よくなる中でいろいろ相談するサポート法があります。何をするか、しなくていいか、ヤングケアラーの視点に立って一緒に考えてくれる大人がいることが大切です。  また、イギリスでは、ヤングケアラーフェスティバルという大きなイベントが2000年から年1回開かれており、最近では全国から1,500人くらいのヤングケアラーが集う規模になっています。2006年には、ヤングケアラーが学校に望むことトップテンが示されています。一部を紹介しますと、ケアラーとしての責任が私たちの教育や学校生活に影響してくることを認識してほしい。私たちが何を必要としているのか、私たちの声を聞いてほしい。授業の中でヤングケアラーや障害にかかわる問題についての情報を扱ってほしい。地域のどこで私たちがサポートを受けられるのかをわかるようにしてほしい。先生たちが研修でヤングケアラーや障害にかかわる問題についての訓練を受けられることを確実にしてほしいとあります。  大層なことは望んでいなくて、ちょっとした認識や気遣い、接するときの態度、情報提供だとわかります。高校生くらいのヤングケアラーがまとめたものですが、何年もケアをしてきてうまく言葉にできるようになって形になったものだとも言えると思います。学校での支援として、ぜひ参考にしていただきたいと思います。  ケアラー支援について、最後に市長にお伺いします。  ケアラー支援をする目的は、ケアされる側、ケアする側、両当事者がともに尊重されるということです。そして、無理なく介護を続けることができる環境を醸成、整備することで、ケアラーの社会参加を保障して、学業や就業、社交等、地域での活動などを続けられるようにする個別支援をしていく必要があります。また、ケアラーの経験と市民や職員、教職員、企業などケアラーへの理解と配慮がともに生かされる社会をつくる地域づくりができます。市民の誰もが夢と希望を持てるまち、子どもたちの笑顔あふれるまちをつくっていくためにも、ケアラーに視点を当てた施策が必要になってくると思います。  地域包括ケアシステムは、住みなれた地域で安心して暮らし続けるよう、高齢者を中心として、住まい、医療、介護、予防、生活支援が一体的に提供される仕組みですが、居宅での暮らしを一番近くで支えているという点において、ケアラーを社会全体で支えていく視点が必要と考えますが、市長の見解をお伺いします。  次に、街路樹についてです。  街路樹を新しく植える際の基準は、大まかな方向性があって地域住民との話し合いで決めていくということでしたが、街路樹の役割や目的に合ったガイドラインはあっていいと思います。市街地や開発地域で減少する緑の確保という意味で貴重である。また、CO2や光化学スモッグ対策からも必要であるという立場から言えば、緑地計画の中の街路樹の位置づけを確認し、これまでの街路樹についての問題、課題、台風のときなど倒木による事故の心配や根っこによる歩道の凹凸などを精査した上で、ふさわしい植樹をすべきと考えます。  そのために、専門家や詳しい人の意見を反映していく必要があると思います。その土地の生態系に合った木にする。エンジュやプラタナスなど、今までに市民の要望で剪定の時期でない季節に剪定している木についての対応や、剪定している時期が妥当だとしても、痛々しいほどのぶつ切りの剪定をしている場合もありますので、今後、専門家の意見を聞きながらガイドラインをつくっていただくことを要望しまして、私の一般質問を終わります。 137 ◎【五間浩副議長】 石森市長。                     〔市長登壇〕 138 ◎【石森孝志市長】 10番、木田彩議員の質問にお答えをいたします。  介護している家族などへの支援についてでありますが、介護に携わることで仕事をやめざるを得なくなり、収入が減少し、生活に困窮するケースや、周りに相談できず地域から孤立する家族も見受けられます。  こうした家族を支援するために、市では地域における緩やかな支え合いの仕組みである地域包括ケアシステムの取り組みを進めております。支援が必要な人を地域で支え合い、家族だけが問題を抱え込むことがないよう、今後も専門機関などとも連携し、さまざまな支援を実施してまいります。 139 ◎【五間浩副議長】 次は、第15番、西本和也議員。                    〔15番議員登壇〕 140 ◎【15番西本和也議員】 八王子市議会公明党の西本和也でございます。発言通告に基づき一般質問を行います。  初めに、これからの地域づくりについてと題し、町会・自治会への支援について伺います。  ことしの夏も多くの地域でお祭りが開かれました。どちらもたくさんの子どもを見かけましたが、聞けば、里帰りで実家に戻り、おじいちゃん、おばあちゃんと一緒にお祭りに出かけている家族もふえているとのことでございました。手づくりの夏祭りを通して、地域のコミュニティが維持されている面も多分にあると推察しますが、地域の皆様の並々ならぬ御労苦に心から敬意を申し上げる次第でございます。  さて、各町会・自治会におかれましては、加入が伸び悩み役員の高齢化やなり手不足の問題などの課題を抱えながら、地域の交流を深めるさまざまな取り組みを行っています。これらの取り組みに対し、市や東京都は幾つかの補助メニューを用意しています。  例えば本市の補助メニューのうち、地区連合会が行う防災訓練や納涼祭などに10万円を上限に交付するというものがあります。また、東京都による補助メニューとしては、単一町会から連合町会まで、それぞれの規模に応じて最大20万円から200万円までの補助がされる地域の底力発展事業などの助成制度が用意されています。これらの補助制度は、行事を主催する町会・自治会にとって大変にありがたく、多くの団体が活用させていただいているところでございます。  一方で、各町会・自治会の中では、前回の一般質問でも紹介したように、町会費を取らず資源回収で得た収入のみを財源として、餅つき大会、コミュニティサロン広場、夏祭りなど年間を通して幾つもの行事を開催している団体もあり、大変な工夫と御苦労をされながら地域の交流を進めておられるところもございます。  市内には、600を超える町会・自治会がございますが、それぞれの団体がそれぞれ独自の取り組みをする中、団体が抱えるさまざまな要望や課題について、市はどのように把握し考えておられるのかお聞かせいただきたいと思います。  続きまして、高尾駅周辺整備事業の進捗と今後の方向性についてと題し、質問いたします。  高尾駅周辺における整備計画は、平成元年3月に本市と八王子市住宅・都市整備公社との連名により作成された調査報告書が存在しています。この中に、南北を連絡する歩行者動線の整備と駅前広場の整備が記載されており、南北自由通路及び駅前広場整備事業について、行政が作成する整備計画としては、恐らく最も古いものになると理解しています。  この調査報告書が作成される3年前、今から33年前の昭和61年9月、八王子市議会第3回定例会の一般質問におきまして、私ども公明党会派の大先輩である上島宏議員が、南北自由通路について早期整備を求める発言を行いました。市議会における高尾駅南北自由通路について、最も初期の発言となることと、また古い記録であり、インターネットでの会議録の検索対象外であることから、少し引用をいたします。  高尾駅は、八王子駅、西八王子駅と違って南北自由通路はありません。地元の人たちは、どちらに行くにも駅の西側の踏切を通り大回りをしております。しかし、道路や踏切が狭く、最近は車の量もふえ、交通事故が起きないかと毎日心配をしております。駅を通るには、入場券を買わなければ通行できません。この入場券が問題であります。北口から南口へ行くには、国鉄の入場券、たしか現在は120円だと思っております。南口から北口に行くのは、京王線の入場券90円を買って通行するわけであります。どっちが行きでどっちが帰りかわかりませんが、行きはよいよい帰りはこわい、となってしまうわけであります。同じ道なのに料金が違う、大変不合理だと思うわけでありますけれども、市長どうですか。そういう意味で、再開発の計画にはぜひ南北の自由通路も取り入れるべきであると思っておりますし、地元の人たちも、また駅利用の人たちもそれを望んでいると思います。そういう意味で、南北自由通路を取り入れる考えはあるのかどうなのか。また、再開発でなくても必要な道路なので、ぜひ国鉄や関係者と協議をし、前向きで検討していただきたいと思いますが、御答弁をいただきたいと思いますとございます。  この質問に対し、当時の再開発対策本部長は、「ただ、これと一緒に駅自由通路でございますが、駅自由通路になりますと、国鉄の勢権範囲内に入りまして、単独的な考え方の中では私どもの中では持っておりません。しかし、全体的な町づくりの中で、今後関係部との調整を踏まえながら、検討等については十分加えてみたいというふうに考えておりますと」明確に答弁がなされました。  これらの発言がきっかけとなり、平成6年3月には南北自由通路について、本市による基本調査結果がまとめられ、これに基づき平成12年11月、地域住民により約4万6,000人の署名が添えられた南北自由通路の早期整備の要望書が市長に提出されました。  平成17年度には、自由通路と北口駅前広場について整備の基本方針を決定し、自由通路は橋上駅舎を合わせて整備することとし、北口駅前広場は、用地買収を最小限に抑えつつ西側に拡張することになりました。  平成21年度には、JR自由通路及び橋上駅舎について、調査設計が行われました。このときに示された試算は、自由通路及び橋上駅舎は85から100億円、北口駅前広場整備は26億円、合計111億円から126億円となっています。続く平成22、23年度で概略設計が行われ、自由通路及び橋上駅舎が88億円、北口駅前広場が26億円、合計114億円の試算が示されました。  その後、平成24、25年度で、京王自由通路の調査設計と北口駅前広場の基本計画を行い、平成26年6月、本市とJR、京王の三者で南北自由通路整備事業に関する基本協定書の締結に至りました。  また、本市は、平成24年6月の市議会定例会において、八王子市高尾駅周辺整備基金条例制定議案が上程され議決、その後、同月の施行で1億円の基金積み立てを皮切りに、翌平成25年3月に15億円、さらに翌平成26年3月に6億円の積み立てを行い、現在約22億円の基金残高となっています。  そして、平成26年度よりJR自由通路及び橋上駅舎の実施設計、北口駅前広場の概略設計、基本設計、京王自由通路の基本設計、実施設計が進められ、平成28年3月、自由通路及び北口駅前広場について、都市計画決定変更告示を行いました。  ところが、平成29年12月、実施設計完了時の試算として、自由通路及び橋上駅舎が149億3,000万円、北口駅前広場が18億8,000万円、合計168億1,000万円になることが最終的に示されました。これは平成23年度に示された114億円を54億円上回る数字であります。  これは物価高騰や労務単価の上昇などにより、事業費が大幅に増額となったためであるとし、これについて鉄道事業者との費用負担割合などの諸条件が整わず、平成30年度に予定していた自由通路工事着工を延期するとの判断がなされ、工事の未着工が今日まで続いているのが現状であります。  これらの状況を踏まえ、本年3月、私は市議会第1回定例会予算等審査特別委員会の総括質疑におきまして、今年度高尾駅北口駅前広場の工事着工について伺いました。このときの御答弁で、早期に目に見える形にしていくとの回答をいただきましたが、今年度の事業の進捗状況について、どのような状況になっているのか改めてお聞きします。  以上で1回目の質問といたします。 141 ◎【五間浩副議長】 市民活動推進部長。 142 ◎【小峰修司市民活動推進部長】 私には、町会・自治会への助成制度における町会・自治会からの要望や課題についての御質問をいただきましたので、御答弁申し上げます。  町会・自治会からの要望や課題につきましては、町会・自治会長からの日々の相談や町会自治会連合会との意見交換を通じて御意見をいただいているところでございます。助成金についての御意見としましては、同一年度で助成金の交付を受けられるのは1回限りであることや、助成限度額の増額などが上げられております。町会・自治会におかれましては、このような中、限りある予算を有効活用して事業に取り組んでいるものと考えております。 143 ◎【五間浩副議長】 都市整備担当部長。 144 ◎【岡功英都市整備担当部長】 高尾駅北口駅前広場整備の進捗状況についてでございますが、工事着手に必要となる建物移転や借地が完了したことから、10月下旬に着工し、駅前広場西側に暫定のバス回転広場を造成して運用を開始をいたします。令和2年度には、既存のバス、ターンテーブルを撤去し、歩車道分離を行いながら東側の整備を進めて通常運行に戻し、2ヵ年で完了する予定でございます。 145 ◎【五間浩副議長】 第15番、西本和也議員。                    〔15番議員登壇〕 146 ◎【15番西本和也議員】 2回目の質問を行います。  本市には、各町会・自治会のほか全市的な組織として、八王子市町会自治会連合会、さらに23の地区に区分された地区連合会があります。それぞれの立場で地域コミュニティの醸成や地域の活性化に取り組まれています。  地区連合会では、町会・自治会対抗の運動会、防災訓練、交流イベント、パレードなどさまざまな工夫を凝らし地域発展のため懸命に活動されています。中には、歴史的資産を活用し、観光になるようなイベントを行う地区もあり、にぎやかな催しとなっています。地域の行事を通して、多くの人々が顔の見える交流をし、コミュニケーションを図ることができるようになると考えます。  特に、近年は御近所同士が共同で行う行事なども少なくなり、お互いが直接コミュニケーションをとることも減っています。そもそも既に取り組まれている地域の行事を維持するだけでも相当のエネルギーを必要としますし、地域が行う行事におきまして、例えば城跡や歴史資産、また景観地などの地域資源の少ない地区が地域の活性化を図るためには、音楽や芸術、街路市など、独自の資源を新たに生み出さなければならない場合もあり、さらに大きなエネルギーを必要とします。  また、都の助成制度につきましては、他の自治体の助成金が入る事業は交付対象となっておりません。これにつきまして、東京都に対し他の助成金も活用できるように、そして近年の物価高騰を踏まえ、助成金の増額について市から要綱の改定を要望していただきたいと考えますが、いかがでございましょうか。  高尾駅北口駅前広場整備事業についての御答弁をいただきました。工事着手に必要となる建物移転や借地が完了したとのことでございます。  本年10月下旬に着工とのことでございますが、現在のバス回転広場の西側にある民間のコインパーキングの用地をお借りして、そこに暫定のバス回転広場を造成する。その運用開始が今年度末。年度が変わりまして、令和2年度になりますと、暫定のバス広場の使用と並行に現在のバスターンテーブルを撤去する。このバスターンテーブルの撤去のそちらに本来計画しているバス回転広場を整備し、運用が始まったら暫定のバス広場を更地にして、もとの民間所有者に返還するという計画を今御説明いただいたところでございます。地権者等の御協力に感謝申し上げたいと存じます。  さて、南北自由通路の事業化に際しては、事業費の高騰が最大の課題であるとし認識しておりますが、事業費の負担は国、東京都、鉄道事業者であるJR、そして本市の四者が担うことになっていると理解していますが、これでよろしいでしょうか。平成30年度の工事着工を延期すると判断をした際の事業費及び財源構成とあわせて確認をさせてください。また、事業費の負担区分について、何を根拠とし、どのように設定されているのかもあわせてお聞かせいただきたいと思います。  以上で2回目の質問といたします。 147 ◎【五間浩副議長】 市民活動推進部長。 148 ◎【小峰修司市民活動推進部長】 地区連合会や町会・自治会への助成制度の充実についての御質問ですが、助成金や補助金は、事業者が主体的に運営する事業に対し、その一部を補助するもので、貴重な税金をより多くの事業者に活用していただけるよう、国と市では基本的には重複した助成や補助は行っておりません。
     このため、東京都の助成金と他の助成金との併用は難しいと考えておりますが、助成金の増額など地区連合会や各町会・自治会活動への助成制度の充実につきましては、機会を捉えて東京都へ要望してまいります。 149 ◎【五間浩副議長】 都市整備担当部長。 150 ◎【岡功英都市整備担当部長】 2点の御質問をいただきました。順次お答えをいたします。  まず、南北自由通路整備事業の負担区分、事業費とその内訳についてでございますが、南北自由通路及び橋上駅舎の費用負担につきましては、本市と鉄道事業者が担うことになっており、国の補助メニューにのっとり、本市への補助部分を国及び東京都が担う形でございます。  実施設計完了時の事業費は、先ほども御提示がございましたが、高尾駅周辺整備事業といたしまして約168億円でございまして、その内訳は国費、都費合わせて1割強、約8割が市負担でございまして、鉄道事業者負担が1割弱と試算しております。  次に、南北自由通路整備に関する負担区分の根拠でございますけれども、事業費の負担区分は、平成21年度に国が策定をいたしました自由通路の整備及び管理に関する要綱を根拠としております。同要綱に基づき、自由通路本体は全額市負担、橋上駅舎につきましては、一部の鉄道事業者負担部分以外は、公共補償といたしまして、市がほとんどを負担をいたします。自由通路に付随する店舗などについては、鉄道事業者負担となっております。  また、市負担のうち要件に合うものに対しましては、国及び東京都からの補助を想定しているところでございます。 151 ◎【五間浩副議長】 会議時間も長くなりましたので、暫時休憩します。                                     〔午後3時00分休憩〕   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━                                     〔午後3時30分再開〕 152 ◎【浜中賢司議長】 休憩前に引き続き会議を開きます。  一般質問を続行します。  第15番、西本和也議員の第3回目の質問を許可します。                    〔15番議員登壇〕 153 ◎【15番西本和也議員】 3回目の質問を行います。  八王子市内では、大きな催し物が数多く開催されています。代表的なものを申し上げますと、八王子まつり、いちょう祭り、フラワーフェスティバル由木、踊れ!西八夏まつり、高尾梅郷梅まつり、近年では北条氏照まつりなど、主催者は実行委員会や商店会などとされているところも多くございます。いずこも地域の皆様が主体となって手づくりで活動されており、市内外から多くの集客があるなど観光の要素も含まれる大変に盛大な催しが開催されているところでございます。  現在、旭町・明神町地区に都の産業交流拠点の建設が進んでおり、2022年の開設が予定されています。この産業交流拠点を核として、本市ではMICEの推進を積極的に行うとしています。MICEとは、ミーティング、会議、研修、インセンティブトラベル、報奨旅行、コンベンション、国際会議、学会、エキシビションまたはイベント、展示会、イベントのそれぞれの頭文字を合わせた言葉です。八王子で行われるイベントについても、本市が推進するMICEと絡めて多くの来場者につなげていくことも検討していくことになると考えます。  現在、八王子観光コンベンション協会が主体となり、市内の団体、企業向けにMICEセミナーを開催するなど、MICEについて機運の醸成を図る取り組みが行われています。MICEは、単に集客や会議、展覧会の開催にとどまらず、地域の魅力を観光の要素として用い、来訪者に楽しんでもらうということも含まれています。  そうした中、市内におきまして、歴史的遺跡の活用や文化、音楽、芸術などの会の開催、そうした新たな地域資源を生み出すために企画するイベントが、地域の活性化につながるのみならず観光に合致するような企画を開催したいと考える地域が幾つかあると聞いております。これらについて、ぜひ立ち上げの段階から支援をしていってはどうかと考えます。  従来のコミュニティ事業だけを対象とする補助制度ではなく、このような活動に取り組む地区連合会、または地域の各種の団体向けの活動費に対する助成制度として、先ほど紹介した東京都の助成制度以外にも観光や地域活性化にも対象とする新たな助成金制度を創設してはどうかと考えますが、市の御所見をお聞かせください。  また、企業の新規事業立ち上げなどには、スタート時には時限的な助成制度を用意し支援する制度があります。他市の事例といたしまして、横須賀市では商店会を対象としたメニューですが、新規立ち上げのイベントに対し時限的な補助メニューが用意されています。また、愛媛県八幡浜市でも地域を対象とした経費の3分の2を補助する時限的メニューが用意されています。これと同様に開催しやすい環境を整えるために、イベントが立ち上げ時から軌道に乗るまで、例えば3年間程度はしっかりと支援するようなものがあってもいいのではないかと考えます。あわせて市の御所見をお聞かせいただきたいと思います。  高尾駅南北自由通路の事業費負担区分についてお答えをいただきました。  自由通路本体は全額市負担、JRが使用する橋上駅舎についてはほとんどを市が負担するとのことで、整備事業費168億円のうち約8割を市が負担、JRは1割弱程度の負担しかないとのことで説明がございました。私は、この事業を進めるためには、鉄道事業者に適正な負担を求めることはもとより、国費、都費等の補助金の拡充が不可欠ではないかと考えます。さらに、国や都を巻き込み強調して鉄道事業者へ協議していくという視点からも、国と東京都の協力は大変に重要であるものと考えます。  そこで、今後、国及び東京都への働きかけをこれまで以上に強めていかなければなりませんし、私も自身の立場で汗をかく決意でございます。国及び東京都への協力要請について、市の御所見をお聞かせください。  以上で私の一般質問を終わります。 154 ◎【浜中賢司議長】 市民活動推進部長。 155 ◎【小峰修司市民活動推進部長】 地区連合会に対する補助金制度の新設についての御質問ですが、地区連合会が新たな地域資源を生み出し、地域の活性化のためにイベントを企画、運営することは、住民主体のまちづくりにもつながる重要な活動であると認識しています。  現在、地区連合会が実施しているイベントは、地域住民の地道な活動によって実積を重ね充実を図っています。まずは、資金調達を含めて実現可能なイベントを地域の合意形成を得て実施する中で、賛同者をふやし着実に実積を重ねていくことが重要と言えます。このようなプロセスが、地域コミュニティの醸成や地域の活性化には欠かせないものと考えております。  また、MICEとの関係につきましては、イベントとしての実積を重ね、将来的にMICEの推進につながる事業に成長していくことが期待されるところでございます。 156 ◎【浜中賢司議長】 都市整備担当部長。 157 ◎【岡功英都市整備担当部長】 南北自由通路整備事業の推進に向けた市の考えでございますけれども、自由通路整備そのもののスキームが国の要綱で定められている状況でございまして、負担割合など根本的な事態打開は容易ではない状況でございますけれども、さまざまな条件整理に向けて、あらゆるルートを最大限駆使していく必要があると考えております。  今後とも国や東京都と連携を図りつつ、事業実施に向けて取り組んでまいります。 158 ◎【浜中賢司議長】 次は、第12番、川村奈緒美議員。                    〔12番議員登壇〕 159 ◎【12番川村奈緒美議員】 こんにちは。自民党新政会の川村奈緒美です。発言通告に基づき一般質問をさせていただきます。  発達障害などに対し市民理解をより深めるためにというテーマで質問をさせていただきます。  私の知人が遭遇したある日の出来事です。お母さんと幼児が道を歩いているときに、ある親子とすれ違いました。大きな声を上げて跳びはねている障害があると思われる人に付き添う母親であろう女性です。幼児は、その人をじっと見ていました。お母さんは、見ちゃだめと言いました。これには幾つかのとり方があると思います。1つは、見ることが失礼だということ。1つは、かかわってはいけないということ。1つは、見ることをしてはいけないということ。私は、この話を聞いたときに、幼児期からの心を育む教育がとても大切だと痛感いたしました。  また、この場面を違う角度から見ると、障害があると思われる人に付き添う母親であろう女性は、この言葉が聞こえていてもいなくても、その場につらい空気が流れたことが想像でき、それぞれが葛藤し、考えただろうと思います。頭でわかっていても行動することは難しく、意識改革は、まず日々の生活の中のヒントに目を向けて問題意識を持ち続け、障害のある、ないにかかわらず、お互いに知る、見る、触れる、感じる経験をふやすことの必要性があると気づかされます。  では、保護者も子どもも発達障害などに対して理解を深めるための方法について、考えていきたいと思います。  私の住んでいる北野町の北野児童館で発行している、にこにこだより9月号を読ませていただいたところ、いろいろな集まりのお誘いがある中で、子どもの発達が気になるママパパ集まれというプログラムがありました。対象が就学前のお子さんと保護者で、申し込みも不要です。お子さんを遊ばせながらおしゃべりしませんかという内容です。このプログラムは、とてもよいと思いました。いろいろな楽しい遊びの案内の中の一つにこのお誘いがあり、参加してみようかなと思えるものだと思います。  私も子育てのころ、特に子どもが乳児期のころによく利用させていただき、お友達ができた思い出があります。児童館という誰もが行ける施設で、このようなプログラムがあることは、入りやすく話しやすい先生にも会えるので、よいきっかけになると思います。これからもこのような企画をよろしくお願いいたします。  本市での八王子市第四次特別支援教育推進計画の中に、特別な支援を必要とする児童・生徒の保護者に対する支援という気軽に相談できる人や場所、なかなか踏み出せないような保護者へのサポートをしていく計画があります。  こちらは、保護者向けの支援に当てはまるかと思いますが、この中の内容を充実していただくことで、一人ではない、自分だけが悩んでいるわけではないと勇気づけられ、勇気づけられる保護者の方々がいらっしゃると思います。ぜひ保護者サロンでの支援の取り組みを充実させていただき、一人でも多くの保護者の方が元気になれるよう、きっかけをつくっていただけたらと思います。  児童・生徒との交流を、例えば避難訓練や自転車教室のように年に一度決まった時期に開催するなど、地域、学校の特色を生かした試みを継続して続けていけることがあると、日々の学校生活ではなかなか触れ合えない同級生がお互いを知るよい機会になるかと思います。東京都の制度である副籍制度の中で、直接交流、間接交流を通し交流できるクラスもありますが、全ての学校、学級に当てはまることではありません。  子どものころから障害への理解を学ぶことで、いろいろな面でのカバーができ、他の児童・生徒と変わらないことが一緒にできることもあると思います。自然な形でお互いを認め合える、そんな学校生活が必要だと考えます。  ここでお伺いいたします。就学前の特別な支援を必要とする未就学児の保護者に対する支援についてお伺いいたします。この年齢の保護者は、これから先の学校生活にとても不安があり、しっかりとしたケアが必要だと思いますが、本市ではどのような支援を行っておりますでしょうか。  平成27年に特別支援教室の理解啓発のために地域講座を開き、29年に保護者向けの講座も開催されてきた中で、今回の保護者サロンでの取り組みにつながっていると思いますが、保護者サロンでの取り組みについてどのようなものがあるかお尋ねします。  就学相談や学校とのかかわりの中で、なかなか踏み出せないような保護者、学校とのかかわりにサポートが必要な保護者に対し行う同行支援がありますが、こちらについて具体的に教えてください。また、本市では、学校生活の中で特別支援学級の生徒と通常の学級の生徒の相互の理解を深めるための具体的な取り組みはありますでしょうか。  これで私の1回目の質問を終わります。 160 ◎【浜中賢司議長】 福祉部長。 161 ◎【石黒みどり福祉部長】 特別な支援を必要とする未就学児の保護者に対しての支援ですが、就学前の取り組みとして、島田療育センターはちおうじ、発達障害児支援室からふるにおいて、年長児グループを対象に保護者会を実施しており、悩みを抱えている保護者同士が集い、情報共有などを行っています。 162 ◎【浜中賢司議長】 学校教育部長。 163 ◎【設樂恵学校教育部長】 私からは、特別支援教育に係る御質問についてお答えいたします。  まず、保護者サロンについてですが、保護者サロンは、発達障害等に対する理解啓発を推進するための保護者を対象とした取り組みで、平成30年度から開始をしております。  30年度は外部の専門家を活用し、発達をテーマにミニセミナーとグループ交流で構成したサロンを実施いたしました。令和元年度は、新たに親として発達障害の子どもの子育て経験があるペアレントメンターの体験談を聞くとともに、相互の語らいの場になるようなサロンを実施してまいります。今後も、保護者の皆様に満足していただけるよう支援の充実を図ってまいります。  次に、同行支援についての御質問ですが、同行支援は、小中学生や翌年度に就学を控えているお子さんの保護者で、学校に対してお子さんに配慮してほしいことを伝える際に、不安があったり、保護者自身に障害等がありうまく伝えられないなどの困り感を持った保護者を支援する取り組みです。  保護者の考えを十分認識し学校との話し合いに同行して、保護者の考えやお子さんに必要な支援を学校に理解してもらうためのサポートを行っております。今後も保護者に寄り添った支援を充実してまいります。 164 ◎【浜中賢司議長】 指導担当部長。 165 ◎【斉藤郁央指導担当部長】 特別支援学級と通常学級の子どもたちが相互の理解を深めるための具体的な取り組みについてでございますけれども、本市の特別支援学級は、教育課程を編成する際に交流及び共同学習の年間指導計画を作成し、年間を通じて計画的に通常の学級との交流を持つ機会を持っております。  例えばクラブ活動の際に、通常の学級の子どもたちと一緒に活動したり、遠足等の校外学習に参加したりしております。また、障害の程度に応じまして、通常の学級で行われる授業に参加することも行っております。このような活動を継続的に行うことで、相互の理解が深まるものと考えております。 166 ◎【浜中賢司議長】 第12番、川村奈緒美議員。                    〔12番議員登壇〕 167 ◎【12番川村奈緒美議員】 それぞれに御答弁ありがとうございました。  未就学児、就学児は、それぞれが環境が変わる大切な時期です。疑問に思うことや不安を一つでも多く解決できたらと思います。今、教えていだいた一つ一つの取り組みは、今、何が必要かをしっかり考えてつくられたものです。支える力があるからこそ踏み出せる、これからもこのつながりを大切に、八王子の力強いサポートを続けてください。よろしくお願いいたします。  一番に頼れる場所は、暮らしている場所、八王子です。ぜひとも切れ目ない支援、見守りをよろしくお願いいたします。  ここまでの取り組みがしっかりあることは踏まえた上で、発達障害を持つ子どもの保護者の方々に何かできることはないかと考えると、同じ経験があり、身近な存在のよき理解者、相談相手だと思います。そのための一つの手段として、ペアレントメンターがあります。  メンターとは、企業でも最近よく使われる後輩の面倒を見る信頼できる先輩という意味です。東京都の発達障害者支援センタートスカでは、発達障害や発達が気になる子どもを育てる家族への支援として、ペアレントメンター事業を実施しています。  子どもの養育経験を生かして、同じような子どもを持つ親の話を知ったり、情報提供などを行います。現在では、その活動は全国の自治体に広がるとともに、発達障害だけでなく、ほかの障害にも広がりを見せています。子育ての壁にぶつかったり、学校での生活について心配事があるときなどに、市や都に相談する前に寄り添って聞いていただける貴重な事業だと思います。  LITALICO発達ナビというサイトからのあるお母さんの体験談です。  孤独な発達障害児の子育てがつらかった、かつての私。どう対応していいかもわからないまま、学校の先生に相談してもめどが立たない日々が続く中、同じように困っているママが周りにいるわけでもなく、まさに誰にも話せずどん底の気持ちだったのを覚えています。自分が発達障害児の親として生活する中でのしんどさを、親の会などを通して出会った先輩お母さんたちに話しては勇気をもらっていました。  そのころにペアレントメンターに出会いました。この制度を利用したら、私にも何かできることがあるのではないか、先輩お母さんたちにしてもらってきたことの恩返しができるのではないかと興味を持ったものの、当時はまだ末っ子が小学校に入学する前でもあり、また、問題行動が多い次男とのサポートにも手がかかっていました。そのため、研修に全て参加することが今の私には無理だと諦め、見送りました。  気になりながら踏み出せずにいたとき、所属している親の会を通してメンター募集の案内が来ました。次男も大分落ちついてきたこと、また、次男の中学進学を前に自分の知識や知恵をふやしたい、もっといろいろな人に会いたいと思っていた矢先でした。  思い切って家族の協力をもらって、相談者研修を済ませ、メンター登録となりました。親の会の中でメンターとして活動できるのは、具体的な解決策の指示ではなく、主にただお話を聞くだけになります。それでも、話してすっきりした、聞いてもらえて元気が出た、聞いてもらえて整理ができた、頑張れると言ってもらえたり、その時間を糧に次のステップに行くお母さんたちに、逆に私が元気をもらっているような気がすることもよくあります。  このお母さんのような身近な相談相手であるメンターになるには、一定の基準を満たしている必要があります。東京都在住でペアレントメンター派遣事業の活動、ボランティア活動が可能であること、発達障害のある子どもの養育経験がある方、原則として発達障害の診断を受け、おおむね2年以上かつ小学3年生以上の養育経験がある方、親の会やサークル活動などにおける相談活動などの経験を有すること、ボランティアであることを理解していること、このような方が市の推薦を受け申し出ることができます。その後、東京都の行う講義やグループワークなどの養成研修を3日間連続で受け、ペアレントメンター事務局に登録される流れとなります。  この研修を通し、具体的に活動内容を知った上で改めてメンター登録するかどうか確認をすると、今回はやめておきますという方も一定数いるそうです。さらに、メンターへのフォローアップも実施し、相談活動のスキルアップを図っています。  東京都では、平成29年度は1回、30年度は2回の研修を実施し、61名が研修を実施し、メンターとして登録しています。人数が多くなるにつれ、リーダーであるコーディネーターによる全員の把握と調整が難しくなってきているのが実情です。そうした観点から、区市町村独自の養成派遣事業の進展が期待されるところです。また、ペアレントメンターの体験を通して、専門家にはできない寄り添いや当事者視点での情報提供を行うことで、問題解決的な支援ではなく、寄り添いとつながりによる支援を提供します。  最も重要なことは、相談者の人権の尊重や守秘義務の遵守です。守秘義務についての学習は、メンター活動を行う中で常に継続し、意識を高めていく必要があります。そして、忘れてはならないのが、メンター自身も親であるということです。子育てしながらの相談活動は、自分自身の体調だけでなく、自分の子どもの体調のよし悪しにも大きな影響を受けます。自分自身の生活や子育てを犠牲にしての相談活動は、相談者もメンターも不幸にするものです。今、自分にできること、できないことをはっきりと言える雰囲気をつくっていかなければなりません。  保護者にとって同じ経験をしてきた先輩保護者の寄り添いの場があることは、大変貴重で、悩んできたのは自分だけではないと安心できる場でもあるはずです。特別な資格ではなく、身近な人がその役割を担うことに意味があると思います。  厚生労働省においても、高い共感性に基づくメンターによる支援は、専門家による支援とは違った効果があることが指摘され、有効な家族支援システムとして推奨されています。現在、本市でペアレントメンターに手を挙げている方はまだいません。恐らくまだ十分に周知されていないからだと思います。まずは、この制度を利用することから始め、多くの保護者に直接ペアレントメンターの交流の機会を体験し、その意味を知っていただくことで広まっていけたらと思います。  他市では、定期的にペアレントメンターを招き、誰でも参加できる場を設けている例もあります。声を上げる団体や会場がなければ、なかなか八王子独自の事業にはなりませんが、参加人数をふやしながら一歩一歩、八王子のマンパワーを生かした八王子ならではの事業の実施に近づけたらと願います。ペアレントメンターに寄り添ってもらえる安心感を、ぜひ実現させたく思います。  本市でも、これから限られた人数になりますが、教育センターで行われる保護者サロンにて、ペアレントメンターの体験談を聞く機会が何度かあるようです。このようなきっかけを第一歩として、保護者の方々にも自分の体験が生かされているペアレントメンターとの触れ合いを体験して感じてもらいたいです。  ここでお伺いいたします。東京都では、平成29年度からこの事業を始めていますが、これまでの間で都内で利用している区市町村はどのくらいありますでしょうか。また、本市としてペアレントメンター事業について、どのように認識していらっしゃいますか。また、この事業を、悩んでいる保護者を一人でも少なくしていくという理由から、ぜひ進めていく必要があると感じておりますが、実施していく予定はあるかお示しください。  これで2回目の質問を終わります。 168 ◎【浜中賢司議長】 福祉部長。 169 ◎【石黒みどり福祉部長】 2点の御質問にお答えいたします。  まず、現在、東京都の発達障害者支援センターにペアレントメンターとして登録されている方の派遣制度を利用したことがある自治体は、多摩地区では26市中8市あります。また、ペアレントメンター事業を独自に行っているのが、新宿、足立、中野、三鷹の3区1市です。  次に、特別な支援を必要とする未就学児の保護者に対してのペアレントメンターの実施についてですが、保護者同士の情報共有や子育ての悩みを語り合う場を設けることは、不安や葛藤を少しでも解消し、安心して子育てができるようになるために必要であると認識しています。東京都発達障害者支援センターと連携を図り、実施に向けて調整してまいります。 170 ◎【浜中賢司議長】 第12番、川村奈緒美議員。                    〔12番議員登壇〕 171 ◎【12番川村奈緒美議員】 御答弁ありがとうございました。  ぜひ八王子でのペアレントメンター事業の開始を目標にし、発達障害を持つ保護者が語り部となり、役割を持ち、相談者に寄り添うことにより自信を高められる生きがいを感じ、笑顔あふれる八王子となることを望みます。  いつ襲ってくるかわからない災害時にも、助け合える信頼関係のために地域の中で気にかけ合える関係づくりが必要です。障害のある人を家族に持つ家庭を特別視するのではなく、まちぐるみで理解し合う当たり前の関係、それぞれが役割を持ち、自分の力を発揮できることに気づけることが大切なのではないでしょうか。  私自身、幼少期から大人になるまで、そして主婦として生活してきた中で、子育てに関してもどれだけ地域の方々にお世話になったかわかりません。幼少期は、外に出れば近所のおじさん、おばさんと挨拶を交わし、約束をしなくても誰かと遊べ、自然に気にかけ合える古きよき時代でした。ただ、かつての障害理解は今のように進んでおらず、きっと私が知らないところでつらい思いをされていた方がいたのだと思います。  子育てを終えてからは、地域の子育て世代のお母さんとのつながりの中で、自分自身の体験や感じてきたことを同じ母親として伝えてまいりました。過ぎてみるとわかることや見えてくることがあり、そこからの学びや伝えることの大切さを痛感している中で、このたびペアレントメンター事業を知り、この事業の意味するものが私自身としても共感することであり、ぜひとも広めたいと思うことでありました。  追い詰められた気持ちになっているときに寄り添ってくれる存在、話を聞き、まずどうしようかと一緒に考えてくれる同じ境遇の先輩保護者の存在、ペアレントメンターにとって押しつけではなく心に寄り添うということは、とても難しいかもしれませんが、ボランティアだからこそできる、自身にとっても勉強の機会と言えると思います。ペアレントメンターの取り組みの意味は、障害に特化したものではなく、普通の介護やお年寄りに対する接し方にも共通して言えることです。  お互いに理解し合うことは助け合いの第一歩です。毎年この時期に繰り返し行う避難訓練と同じ時期に、避難場所の確認をし合うなどのように、地域でも相手の身になり考えられる雰囲気づくり、うちには関係ないではなく、必ずいつかお世話になる、お互いさまの気持ちで取り組むために、これからも伝え続けていけたらと思います。  最後の質問をさせていただきます。  障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格、個性を尊重しながら、年代を超えたおつき合いを軸に助け合える共生社会の実現に、本市の考えを木内副市長にお伺いし、私の一般質問を終わります。 172 ◎【浜中賢司議長】 木内副市長。
                       〔副市長登壇〕 173 ◎【木内基容子副市長】 共生社会の実現に向けた考えということでお答えをいたします。  市では、障害のある人もない人も地域でともに支え合う社会を築いていくために、保健、医療、福祉などが連携し、障害者同士あるいは地域との交流を進めるとともに、先ほど各部長からも御答弁いたしましたように、障害理解を深める取り組みを推進しております。  本市の福祉政策、障害分野、障害福祉分野においては、特に当事者の方々の御努力、支え合いに牽引されてきたというふうに私は認識しております。今回、詳しくペアレントメンターについても御紹介いただきましたけれども、この事業も当事者視点に立つものであるというふうに理解をいたしました。  今後も共生社会の実現に向けて、障害理解を深め、心のバリアフリーを進める取り組みに努めてまいります。 174 ◎【浜中賢司議長】 次は、第3番、森屋昌彦議員。                    〔3番議員登壇〕 175 ◎【3番森屋昌彦議員】 自民党新政会、森屋昌彦でございます。発言通告に基づきまして一般質問をさせていただきます。  今回は、本市のスポーツを通じたまちづくりについて質問させていただきます。  いよいよ来年の2020年7月13日より東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会が始まります。全国でスポーツへの機運が高まっている中、本市では自転車ロードレース競技が行われ、多摩ニュータウン通りを5.1キロ走ることが決定しております。  個人的な見解ではありますが、もっと八王子市でオリンピック競技を見ることができると信じていたため、少し物足りない結果でもあります。今後の本市への世界規模の大会をもっと誘致していただけることを期待しております。  それでは、本市におけるスポーツ施策実施状況の現状と、本市における今後の市民スポーツの方向性についてお聞きします。  本市のスポーツ推進計画では、基本理念をスポーツとともに生きると定めております。子どもから高齢者まで、ビギナーからアスリートまで、障害の有無にかかわらずそれぞれの志向、レベルなどに応じ、自分に合ったスポーツを見つけ、スポーツのもたらす多様な効果を享受して生きていくことが上げられております。また、基本方針としまして、市民ひとりひとりが生涯を通じて健康で生き生きと暮らせるように、またスポーツを通じた地域の活性化を目指し、生涯スポーツ社会の実現とスポーツを通じたまちづくりを掲げております。  私は、現在、スポーツ推進委員としましてスポーツにかかわっております。スポーツといえば、かつてはアスリートによる競技といったイメージが強いものでしたが、少子高齢化、社会環境の変化に伴い、世代によってスポーツに対する取り組みが多様化していると感じております。  本市では、かつて地区体力づくり推進協議会を中心に行政主導型で健康、体力づくりや地域コミュニティづくりの活動を市内23地区で展開しておりましたが、平成18年より行政主導型から地域住民主導の自主運営組織である総合型地域スポーツクラブへとシフトしてきました。  この理由として、地区体力づくり推進協議会は、参加者が成人に限られ、メンバーの固定化が目立つようになっておりました。また、教育委員会からの委託により行ってきました。そんな中、地域住民が協力し合って、子どもから高齢者、そして障害がある人も参加でき、定期的、継続的なスポーツ活動ができる総合型地域スポーツクラブが設立されました。  こうして設立されました私が所属しております浅川地区総合型地域スポーツクラブでは、現在でも21町会の市民大運動会が毎年行われております。幼児から成人、高齢者まで全ての世代が参加できるプログラムを組んでおります。また、新しい取り組みとしまして、男女の駅伝部をこの地域スポーツクラブ内につくりまして、毎年行われます全関東八王子夢街道駅伝競走大会にも出場しております。メンバーを30代、40代を中心とし、スポーツクラブ以外の地域の方々にも参加していただけるよう、今検討しているところでございます。  また、高齢者、子どもを主とした住民協議会主催の玉入れ大会を支援したり、全世代が運動に参加できるよう工夫を凝らしております。他地域でもグラウンドゴルフ大会や、また高齢者向けの健康体操教室を行うなど活動はさまざまであります。  ここでお伺いいたします。地区体力づくり推進協議会が設置されているころには、23地区で展開してきました地域のスポーツ活動ですが、現在の総合型地域スポーツクラブ数は19団体となっております。以前と比べると大分減少しております。本市におきましては、総合型地域スポーツクラブの増加を図るということですが、地域の事情がいろいろあると聞いております。実際に総合型地域スポーツクラブが未設置の地域で、今後設立の見込みがあるのかお示しください。  次に、世代別の本市におけるスポーツの実施状況ですが、統計を拝見させていただいたところ、週に1回以上の運動を実施している比率は、60歳から64歳が64.9%、65歳以上の方に関しましては76.5%と高齢者のスポーツに対する関心は非常に高いものがありますが、逆に30代、40代では50%未満と全世代の中で最も低いのが現状であります。  スポーツ推進委員協議会では、毎年、八王子市主催のヘルシーウォーキングを主管しておりますが、今まで毎年参加していた方々の高齢化が進み、長い距離を歩けなくなった方が増加したこともございますが、30代、40代の方の参加数も減少しており、全体の参加者が減少傾向にあります。  また、八王子市主催でネオテニス親子教室が毎年開催しておりますが、ことしは親子で延べ50人という今までにないほど参加数が減少しており、親御さんの世代が30代、40代ということになるのでしょうか、この世代からは、仕事や家事、育児が忙しい、きっかけや機会がないといった意見が聞かれ、スポーツを行いにくい環境にあり、参加人数の減少が生じていると思われます。  私の意見ですが、この世代のテーマに、子どもたちと一緒にスポーツを行うことを掲げるべきだと思います。先ほども申しましたが、地域での玉入れ大会に子どもと一緒に参加したり、マラソンとまでは言いませんが、一緒にウオーキングや高尾山に登ったりと身近でできる運動は幾らでもあると思います。子どもと一緒だと親も頑張れると思います。先ほど御紹介したネオテニス教室も5月から6月の毎週土曜日に行われ、手軽にできる競技のため、一度参加すれば継続的に時間を割いて参加する行動につながると思います。それには、市民の皆様にこのようなイベントがあることを広く知っていただくことが重要だと考えます。ヘルシーウォーキングにつきましても、子どもも親も楽しめるイベントを盛り込んだものに変えていけば、親子での参加がふえてくるはずです。  ここでお伺いいたします。仕事や子育てなどで忙しい30代、40代のスポーツ実施率アップにつながる各種イベントの参加者増加に向けての対策は考えておられますか。お考えをお聞かせください。  以上をもちまして1回目の質問を終わります。 176 ◎【浜中賢司議長】 生涯学習スポーツ部長。 177 ◎【小山等生涯学習スポーツ部長】 それでは、スポーツに関して2問の御質問にお答えします。  まず、総合型地域スポーツクラブの今後の設立の見込みについてでございますけれども、現在、総合型地域スポーツクラブの設立に向けて準備を進めている地域がございますので、引き続き情報提供などを行い、設立に向けた支援を行ってまいります。  次に、仕事や家事で忙しい30代、40代のスポーツ実施率のアップに向けた対策についてです。  子育て世代の対応といたしましては、令和元年度より地域子ども家庭支援センターとの連携により、親子でのストレッチ体験を出張で実施をしております。  このような庁内他部署と連携した取り組みを今後もふやしていくとともに、それらをICTなどを活用した効果的な発信を行うことで、参加者、利用者の増加に努め、スポーツ実施率の向上を図ってまいります。 178 ◎【浜中賢司議長】 第3番、森屋昌彦議員。                    〔3番議員登壇〕 179 ◎【3番森屋昌彦議員】 それぞれお答えいただきまして、ありがとうございます。  スポーツを通じて幸福で豊かな生活を営むことは、全ての人々の権利であると文部科学省スポーツ基本法にあります。生涯学習スポーツ部長より、総合型地域スポーツクラブの設立に向け準備を進めている地域があるということでした。今後、ぜひ全地域での設立に向けて取り組んでいただき、全世代に向けたスポーツの取り組みを各地域で行っていただくことによって、八王子市の30代、40代のスポーツ実施率は上がっていくと思います。  また、子育て世代への対応として、地域子ども家庭支援センターとの連携で、親子でのストレッチ体操を出張で行っているとのことでした。ぜひ継続していただくとともに、先ほど申しました子どもと親がともにスポーツをする、そのような環境づくりを考えていただきたいと思います。  次に、障がい者スポーツの推進についてお尋ねします。  本来、障害の有無に関係なくスポーツに親しめる環境が理想的な姿です。八王子市のスポーツ推進計画によると、障害のある人がスポーツを行う効果として、心身の健康維持といった身体的効果、さまざまな事柄に積極的になり自信をつけるといった精神的効果、そしてスポーツをきっかけに地域の人々との交流が深まり社会参加につながるといった社会的効果を上げております。  私は、この社会的効果が大変重要なことと考えます。障害がある方もそうでない方も、ともにスポーツを楽しみ地域の方々が障害者への理解、交流を深めることによって、障害者ひとりひとりが生活の向上だけではなく、障害のある方とない方とが理解し合い生活する社会を実現させることができるのではないでしょうか。  前回のリオデジャネイロパラリンピックにより、誰でも楽しめることができる競技としてボッチャという競技が行われましたが、それが話題になり、八王子市でも障害者施設はもとより学校の授業でそのボッチャを教えたり、地区子ども会育成団体連絡協議会で子どもたちに教えたりと、スポーツ推進委員にも指導依頼が急速にふえております。私としても、ボッチャを通じて障害者スポーツも一般的なスポーツとの垣根がないということの理解を深めているところでございます。  先日、実際に中学校でボッチャの体験授業を行ったときの生徒の感想文を一部紹介させていただきます。私は、今回ボッチャというものを知り体験することができました。ボッチャのルールはとても簡単なので、誰でもわかり楽しむことができました。今回のように、自分の知らない競技でもみんなで楽しくやることができるから、2020年東京オリンピック・パラリンピックまでに一つでも多くの種目を知って体験する機会があったら、積極的に参加したいと思いました。今回このような授業があってとてもよかったです。ほかにも、頭を使ってとても奥が深いスポーツでした。やっている人だけでなく外から見てもおもしろい、本当に誰でも楽しめるスポーツだと思います。これからオリンピック・パラリンピックに向けて、日本もたくさんの体験行事を行っていくと思うので、そのようなものにかかわっていきたいと思いますといった感想がありました。  このように、競技についての捉え方はそれぞれでも、ボッチャの体験を通して障害者スポーツへの理解や興味が湧いたことは、大きな成果だと思います。私もスポーツ推進委員として何度か指導に参加させていただきましたが、このボッチャという競技は、まさに誰にでも楽しめる大人から子どもまでが参加しやすい競技です。このような競技をそれぞれの地域で障害がある人もない人も、高齢者から子どもたちまでが皆でともに楽しんでいけるようになれば、地域共生社会の実現に向けての一つのきっかけとなるのではと考えております。  本市では、小学校や中学校、障害者施設、社会福祉協議会などからボッチャを初め、パラリンピック競技の指導要請依頼がこれからさらにふえていくことも予想されます。私もそうなることを望んでおります。しかし、一方で、指導依頼が来たとしても、各地域に指導できる人材が明らかに少ないのが現状です。  ここでお伺いさせていただきます。各地域で障害者スポーツを通じて共生社会の実現を目指していくための取り組みがふえている中で、障害者スポーツの指導ができる人材が不足していると感じております。障害者スポーツの指導を行える人材を育成するための、市としての現在の取り組みを教えてください。  また、来年、東京でパラリンピックが行われるということもあり、各地域で障害者スポーツへの関心が高まっております。しかし、パラリンピックが終了後の取り組みも重要だと思います。私としても、障害者スポーツを通じて、共生社会の確立を目指す千載一遇のチャンスを逃してはいけないと思います。来年のパラリンピック後に取り組みを継続してこそ、地域共生が進んでいくと考えます。来年のパラリンピック開催に向け、さらに障害者スポーツを盛り上げていくために、市としてはどのように取り組んでいくのか、また、パラリンピック開催後の取り組みについても考えをお聞かせください。  また、八王子市では、毎年障害のある人もない人も一緒に楽しむことができますふれあい運動会を行っています。ことしも10月に行われる予定ですが、この運動会の目的として、障害のある人もない人もともにを合い言葉に、多くの市民の方々が障害者に対する理解を深めていくとうたっております。最近では、エスフォルタアリーナ八王子で行われており、サブアリーナではボッチャ体験会も行われております。しかしながら、実際の参加者に関しましては、ボランティア団体や身内の方がほとんどのように感じております。  多くの市民の方々が障害者に対する理解を深めていくとうたっているわけですから、もっと多くの方々にこの運動会を見ていただきたいと思っております。車椅子でのリレーが行われたり、ことしは視覚障害者の方々が鈴のついたかごに玉を入れるといった新たな競技も行われると聞いております。先ほどもお伝えしたように、ボッチャの体験教室も行われます。障害者スポーツを知っていただくチャンスでもあると思います。  ここでお伺いします。このふれあい運動会をもっと一般の方に参加していただくためには、周知方法を工夫するなどの対応策が必要だと思われますが、市の考え方を教えてください。  障害者スポーツの普及に大きくかかわるスポーツ推進委員は、現在37名です。本来必要としている人数よりも大分少ないと思われます。ヘルシーウォーキングやネオテニス親子教室、全関東八王子夢街道駅伝競技大会、ふれあい運動会の手伝いやボッチャの派遣指導など、負担が大変多くなっております。障害者スポーツ普及の担い手であるスポーツ推進委員の確保について、市のお考えを教えてください。  2回目の質問を終わらせていただきます。 180 ◎【浜中賢司議長】 生涯学習スポーツ部長。 181 ◎【小山等生涯学習スポーツ部長】 それでは、スポーツに関して3点の御質問にお答えします。  まず、共生社会の実現に向けたスポーツの人材育成の取り組みについてでございます。  共生社会を実現するための一つの方策として、スポーツを通じて人種や国籍、心身機能、性別などの多様性を受け入れ合い、誰もが親しめるスポーツを推進することが上げられます。  令和元年7月に本市スポーツ推進計画の中間見直しを行いました。そこでは、障害者スポーツの推進を新たに重点施策に位置づけております。まずは指導人材の充実を図るため、スポーツ推進委員全員の初級障害者スポーツ指導員資格の早期取得を目指し、市独自に講習会を開催をいたします。  次に、パラリンピック開催に向けたさらに開催後の障害者スポーツの取り組みについてでございます。  東京2020パラリンピックの正式競技であるボッチャを取り上げ、現在積極的に障害者スポーツの普及啓発に取り組んでいるところでございます。  ボッチャ用具について、現在貸し出し用に4セット用意したほか、令和元年度から2年間で全ての総合型地域スポーツクラブに貸与する準備を進めているところでございます。  パラリンピック開催後につきましても、障害のある人がスポーツの楽しさを味わい、心身ともに元気な生活を送れるための環境整備に引き続き取り組んでまいります。  最後に、スポーツ推進委員の確保についてでございます。  本市スポーツ推進委員は、定数を49名以内と定めておりますが、現在の委員数は議員がおっしゃるとおり37名にとどまっており、本市の人口及び市域の広さから十分ではないと言える状況であると考えております。  現在、地元のスポーツ関連団体から御推薦をいただいた方を委員に委嘱している方法をとっておりますが、この仕組みやスポーツ推進委員の活動内容を精査をいたしまして、さらに参加しやすい環境整備に努めてまいります。 182 ◎【浜中賢司議長】 福祉部長。 183 ◎【石黒みどり福祉部長】 ふれあい運動会を一般の方にも参加していただく工夫とのことですが、多くの市民の方に参加していただけるよう、広報はちおうじや市ホームページに掲載するほか、市内の小中学校、図書館、市民部事務所、市民センター、こども科学館などにポスターを掲示するよう依頼しているところです。 184 ◎【浜中賢司議長】 第3番、森屋昌彦議員。                    〔3番議員登壇〕 185 ◎【3番森屋昌彦議員】 それぞれお答えいただき、ありがとうございました。  障害者スポーツは、障害のある人もない人も交流できる場として最適なものであります。障害者スポーツを通じて障害のある人への理解を深めながらも、誰もがスポーツに親しむことができるまちを目指していただきたいと思います。  障害者スポーツに係る指導員資格取得のための講習、またパラリンピック後にも障害者スポーツの普及、環境設備への取り組みを行うとお答えいただきました。また、ふれあい運動会につきましても、周知方法について積極的に取り組んでおられることも確認させていただきました。今後もさらなる周知によって参加者がふえることを、それぞれ期待しております。スポーツ推進委員の増員につきましても、今後も積極的に取り組んでいただくことをよろしくお願いいたします。  最後に、高齢者スポーツを通じての健康寿命の延伸について質問させていただきます。  厚生労働省が行った2017年の調査によりますと、日本人の平均寿命は男性が81.09年、世界3位、女性が87.26年で世界2位となっており、男女ともに世界のトップクラスの長寿国、超高齢社会を迎えております。一方、平均寿命とあわせて最近注目されているのが、健康寿命であります。  健康寿命とは、健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間を言いますが、近年では、日本の将来を決める重要政策の一つにも取り上げられ、注目が集まっています。平均寿命がトップクラスの日本での健康寿命への動向が、世界に与える影響も大きいと言われております。2016年の調査結果によると、男性の健康寿命が72.4年、女性が74.79年となっております。健康で元気な高齢者がふえれば、医療費の削減などにもつながっていくと考えられます。  厚生労働省では、健康寿命を延ばそうとスマート・ライフ・プロジェクトという取り組みを開始しました。人生の最後まで元気に健康で楽しく毎日が送れることを目標にし、運動、食生活、禁煙の3つの分野を重視しております。禁煙はもちろんのこと、食生活では、朝食をしっかり食べることや野菜をなるべく多く食べることなどが指摘されております。運動に関しましては、毎日10分、体を動かすことを提案していて、掃除や庭いじりなど日常生活での体を動かすことや歩くことを推奨して、また苦しくない程度の手軽な運動を進めております。本市でもウオーキングやグラウンドゴルフ、福祉センターで健康体操を行っている高齢者をよく見かけます。  市政世論調査の結果では、健康のために適度な運動を日ごろから心がけている高齢者は、全体の57.7%となっております。これからは、高齢者がスポーツを継続してできる環境づくりが必要だと思います。また、高齢者がスポーツを通じて人々の交流を深めることによって、高齢者の生きがいにつながっていくとも考えられます。例えば障害者スポーツでも触れましたが、ボッチャのような競技を高齢者から子どもたちまで全ての世代で行うように地域で取り組めば、高齢者は子どもたちから元気をもらい、子どもたちも高齢者から学ぶことは多いと思います。  ある市民センターで、ここ数年、玉入れ大会が行われております。ここでは、子どもと高齢者が一緒になって競技を楽しんでおります。私は、このように高齢者から子どもたちまでがともに楽しめるスポーツを推進していくことが高齢者の生きがいにもつながり、スポーツだけではなく地域で全世代が交流できるきっかけになると考えております。  ここでお伺いします。さまざまなスポーツ推進の取り組みの大きな成果として、市民ひとりひとりが健康で生き生きと暮らすことで健康寿命が延び、先ほども申しましたように、医療費の削減などにもつながると思います。スポーツを通じた健康寿命の延伸について、今後の取り組みをお聞かせください。  スポーツは、個々の能力を高めるだけではなく、スポーツを通じて全世代が交流を深めるような取り組みを行うことで、地域共生の社会のきっかけになると信じております。本市もこれからなお一層、スポーツを通じたまちづくりに力を入れていただくことをお願いします。  1964年に行われました前回の東京オリンピックでは、現在の陵南公園に自転車競技場がつくられ、八王子市では大変な盛り上がりを見せたと聞いております。また、先日、本市のエスフォルタアリーナ八王子におきまして、クライミング世界選手権が行われました。私も初めてこの大会を拝見させていただきましたが、大変な盛り上がりでありました。会場の興奮を受け、私も声を上げながら選手を応援させていただきました。これだけのすばらしい世界大会が本市のエスフォルタアリーナ八王子で行うことができたのですから、これからもクライミング選手権だけではなく世界的な競技を本市に招致していただき、多くの方々が本市を訪れ、地域が活性化することを願っております。  以上で私の一般質問を終わらせていただきます。 186 ◎【浜中賢司議長】 生涯学習スポーツ部長。 187 ◎【小山等生涯学習スポーツ部長】 スポーツを通じた健康寿命の延伸への今後の取り組みについての御質問をいただきました。  本市におきましても、高齢化率が高まっている中で、健康寿命をいかに延ばしていくかが生きがいづくりの観点から大切なことと考えております。スポーツ推進計画の中でも、ライフステージに応じたスポーツ推進施策を掲げており、子どものころからスポーツ習慣を身につけ、さらに高齢者が安全に継続してスポーツができる環境を整備することとしております。さらに、高齢者がスポーツを通じて喜びや生きがいを感じ、地域の人々と交流できる仕組みづくりに取り組むことで、健康寿命の延伸につなげていきたいと考えております。 188 ◎【浜中賢司議長】 第3番、森屋昌彦議員の質問は終了しました。   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 189 ◎【浜中賢司議長】 以上で、本日の日程は全部終了しました。  次回の本会議は、明9月6日午前10時に開きます。ただいま御出席の方々には改めて通知しませんから、御了承願います。   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 190 ◎【浜中賢司議長】 本日はこれで散会します。                                     〔午後4時37分散会〕 © Hachioji City, All rights reserved. ↑ 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