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  1. 八王子市議会 2018-03-28
    平成30年_第1回定例会(第5日目) 本文 2018-03-28


    取得元: 八王子市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-06-11
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1                                    〔午前10時00分開議〕 ◎【伊藤裕司議長】 ただいまから本日の会議を開きます。   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2 ◎【伊藤裕司議長】 日程に従いまして進行します。  つきましては、日程第1、一般質問を行います。        〔平成30年度第1回市議会定例会一般質問発言通告一覧表後編参照〕 3 ◎【伊藤裕司議長】 順次、質問を許可します。  この場合、質問時間は、答弁含め33分以内としますから、あらかじめ御了承願います。  第21番、馬場貴大議員。                    〔21番議員登壇〕 4 ◎【21番馬場貴大議員】 皆様、おはようございます。自民党新政会、馬場貴大です。  発言通告に従いまして、市民が求める市職員のあり方について、質問をさせていただきます。  今回、私がこのテーマを取り上げました趣旨、きっかけといたしましては、今まさにこの本会議場において、理事者はじめ36名の部長各位が一堂に会するまさにこの場所で、新たな人事異動を控え、皆さんの部署において働く部下の職員に対して、どのように人材を育成するためにマネジメントをされているか。日ごろ、どんなことに期待をしているか、評価しているか、または認めているか。失敗を恐れず新たなことに挑戦をさせているか。今、市民は何を求めているか、市民と触れ合うことでちゃんと気づきを与えるように促しているか。または、日々の仕事に埋もれないよう、適度な刺激を与え、皆さんの部下を育て、仕事にやりがい、生きがいを感じさせているか。そもそも御自身の部署にどういった職種の職員がいて、それぞれがどういった能力を持っているか、しっかりと把握し切れているのか、またはその能力を生かし切れているのか。市民とともに協働する今、きちんと確認すべきと思い、この質問に至りました。  今さら申し上げることもなく、市長の掲げる施策のもと、市民ニーズに気づき、常に問題意識を持って施策という形に乗せていくのは、八王子市の職員であります。いわば、八王子にとって優秀な職員は、市民の宝であります。ぜひともこうした市民の求める職員を1人でも多く育てていただきたく、質疑を進めてまいりたいと思います。  まず、近年における自治体職員像の変遷について少し触れます。平成7年から平成12年までの第1次分権改革において機関委任事務はなくなり、その後、第2次分権改革で自治体における仕事の範囲はより拡大をしてまいりました。つまり、分権改革前の、単に国が決めた仕事を国の方針に沿って行ってきた時代から、みずからが考え、判断し、まちづくり・人づくりを行うとする流れを経て、現在の中核市移行へと進んでまいりました。  こういった時代の変遷をたどり、本市の職員も変化をしてきたと思います。実際に1つの大きな区切りでもある中核市移行から3年が経過し、具体的に本市の職員がどのように変わったとお感じか、お伺いをいたします。  次に、本市職員の中で、複数の分野においてある一定以上の知識や技術を持ち仕事をしていく事務職であるゼネラリストと、特定の分野にすぐれた知識や技術を持ち仕事をする専門職であるスペシャリストのバランスについてお伺いいたします。  まず、本市の現状でありますが、現在、八王子市には再任用や任期付職員、嘱託員や臨時職員を除く、つまり、プロパーの職員が2,779名働いております。さらにその職種の内訳を見てみますと、行政職、法務職、土木、建築、電気、機械、化学、環境、社会福祉、獣医師、保育士、栄養士、医師、薬剤師、保健師、看護師、歯科衛生士、衛生監視、そして技能労務職の19の職種に分類をされます。  そのうち、保育士と道路保守とか給食調理員などの技能労務職は特定の職務のみに従事をされており、今回の質疑の内容には当たりませんので計算から除外をいたしますけれども、事務職とされるゼネラリストは1,743名いらして、おおむね全体の75%、専門職、いわゆるスペシャリストは471名で、全体の25%となります。事務系の行政職75%と技術系など専門職25%ということであります。  そこでお伺いいたしますが、冒頭にも述べましたように、分権後、より専門性が求められる中にあっては、全体の75%に当たるゼネラリストと25%のスペシャリストをバランスよく配置すべきと考えておりますが、現状における市の考えを教えてください。
     また、将来的な時流も鑑み、小さな市役所の考え方からも、最小の人数で最大の仕事をこなす行政のプロが求められております。この点、今後の採用についてはいかがお考えか、お示しください。  また、全体の75%に当たる事務職の中にも、特定の分野に詳しいゼネラリスト型スペシャリストとでも言うべき人材がおります。今後、より職員全体の専門性が求められる点や、専門職の能力をより活用するためにも、全庁的に見渡して、能力をつなぐことができるこうした専門知識に秀でた事務職の人材をさらに多く育てていくべきだと考えますが、この点についてはいかがでしょうか。  では次に、人事交流・職員派遣について伺います。優秀な職員を育てるという観点からも、外的な刺激を受けることは有効な手段の1つであると考えます。そのための方法としては、八王子市役所を飛び出して、国や都で働き、見識を広めてもらうことが有効であろうかと思います。  また、こうした国や都への派遣は、本人のスキルを上げるだけにとどまらず、その立場上、いち早く情報を得ることが可能であり、また、他の自治体の取り組みを上から俯瞰して見ることもできます。本市がすぐれているか否か、そんなことを見ることもできるでしょうし、本市よりもより優秀な他の自治体の取り組みをかいま見ることもできるでしょう。  したがって、本市の職員が八王子市役所から一時的にいなくなるのは痛手とも思いますが、その効果は本市の市民サービスの向上に資するものと考えますので、今後、さらに積極的に国や都への派遣や交流を進めていただきたいと思いますが、その点、いかがでしょうか。  あわせて、民間派遣研修も実施しておりました。国や都だけでなく、役所にはない民間の感覚を養う意味では、社会から評価されている経営者や管理職の仕事のやり方、またはサービス業での顧客満足にこだわる姿勢を学べる大変いい機会と考えておりますが、なぜ現在は実施していないのか、お伺いをいたします。今日の行政はサービス業でもございます。既に本市職員のマインドは成熟しているとお考えであれば、そのようにお示しをください。  また、職員人事のあり方についても確認をいたしますが、今後、都市間競争がますます激化していく中にあっては、それぞれの自治体が流入人口の獲得を中心として、首長だけではなく、職員も含めた全員が一丸となって積極的に改革に取り組む仕掛けづくりが必要だと思います。  その集団をつくるための根幹となる職員人事について、まだまだ自身の能力を発揮できていない職員がいるようにも思えますが、組織の中で力を出し切れていない職員をリードし、その人たちに挑戦をしてもらえるような集団をつくってもらいたい。  そこで、職員本人が能力を発揮できるために、また、職員のモチベーションを上げるために、どのような点に留意し、どのような工夫をしているか、お伺いをして、1回目の質問を終わります。 5 ◎【伊藤裕司議長】 総務部長。 6 ◎【山崎光嘉総務部長】 7問御質問をいただきましたので、順次御答弁をさせていただきます。  中核市移行後に職員がどのように変わったかという御質問でございます。中核市移行によりまして、職員ひとりひとりに、みずから考えて動くことが必要であるとの自覚が生まれてきたと考えております。現在は、与えられた権限を活用するに当たり、市民の声を確実に反映し、本市独自のまちづくりを行うために、コミュニケーション研修ファシリテーション研修情報発信研修など、市民の声を反映するためのスキルの向上や、施策につなげるための政策形成研修政策法務研修に力を入れ、中核市職員としてさらなるスキルアップを図っているところでございます。  続きまして、ゼネラリストスペシャリストの配置についての考えでございます。業務を遂行するに当たりましては、ゼネラリストスペシャリストもいずれも重要であると考えております。さらに、中核市移行によりまして、きめ細やかなサービスを提供するためには、スペシャリストの重要性がますます高まっていると認識しております。今後も、スペシャリストゼネラリストが連携し、市民サービスの向上に向けまして、それぞれの能力を生かしていけるよう、業務内容を踏まえた配置を行っていきたいと考えております。  続きまして、今後の採用についての考えでございます。職員の採用に当たりましては、社会状況等も見据えまして、市が担う事業に必要となる専門的な知識、能力、資格を有する人材を確保できるよう、進めてまいりたいと考えております。  続きまして、市として事務職でも特定の分野に詳しい人材を育てていくべきではないかということでございます。特定の分野に詳しいゼネラリスト型スペシャリストは、各職場で大変多くの勉強をし、経験を積むことで、業務上必要な専門知識を修得していくものと考えております。この専門的知識を持つ職員の育成には、各課長が職員ひとりひとりの能力を見極めるとともに適切な指導を行うことが必要と考えております。また、専門的知識を持った職員は、業務を進める上で大変重要と認識しておりますので、今後も研修の機会の提供など、さらなる人材育成に努めてまいります。  続きまして、派遣研修についての市の考え方でございます。現在、内閣府、中小企業庁、東京都等に研修として派遣を行っております。平成29年度は9名の職員を派遣いたしました。派遣研修においては、さまざまな情報がいち早く入ってくることや、職員が幅広い知識やスキルを修得し、視野を広げるだけでなく、研修終了後には、その能力を本市市政運営に活用し、周囲の職員にもプラスの影響を与えることから、非常に効果のある研修であると考えているところでございます。今後も引き続き積極的に派遣研修を進めてまいります。  続きまして、現在、なぜ民間派遣研修の実施をしていないかということと、本市の職員のマインドということでございますけれども、本市では、平成12年度から平成23年度まで民間派遣研修を実施いたしまして、延べ340人の職員が研修を行ったところでございます。この研修では、競争意識やコスト意識、スピード感などを学ぶことで、職員の意識の向上や行政サービスの向上に一定の効果が得られたことから、現在は実施をしていないところでございます。なお、現在は、中核市権限をより活用できますように、東京都特別区職員研修所の専門研修など、より高度な専門技術を学べるような機会を活用して、職員のスキルアップマインドアップを図っているところでございます。  最後になりますが、職員本人が能力を発揮できるための、また、職員のモチベーションを上げるための留意点、工夫点でございます。毎年、職員への意向調査を行うとともに、それをもとに各課長がそれぞれの職員と育成面談を実施いたしまして、業務の目標の確認や取り組みたい業務の確認などを行いながら、職員ひとりひとりに沿った指導を行っております。また、面談を通じまして、職員の業務へのモチベーションが上がるように努めているところでございます。  また、人事配置に当たりましても、職員の希望や、職員が持っている能力が発揮できる職場であるかどうかに留意いたしまして、職員のキャリア形成にもつながる職場への配置などを行うなどの工夫を行っているところでございます。 7 ◎【伊藤裕司議長】 第21番、馬場貴大議員。                    〔21番議員登壇〕 8 ◎【21番馬場貴大議員】 それぞれに御答弁をいただきました。  ゼネラリストスペシャリストのバランスについて、今後はより専門性の高い職員の重要性も増しているとの認識でありました。また、本市の人財育成プランにも掲げておりますが、事務職であるゼネラリストの方々の専門性をより高めていただくための複線型人事の精度も、より上げていただきますよう要望させていただきます。  また、国や都との人事交流・職員派遣につきましては、先ほど答弁された数、率直に申し上げて、もっと積極的になってもいいと思います。市の職員が国へ派遣されることにより、同じ国の補助メニューであっても、全国の自治体がどのようにして補助金をとっているか、または活用の違いを見ることもできますし、そして何より国や都の使い方を学ぶことができ、人脈の面からも本市にプラスの影響を与えられるものと期待をいたしております。まさか本市の職員が国へ行って、優秀になって帰ってこられるのが怖いなんていうことはないでしょうから、さらなる推進をお願いいたします。  では、質問へと移りますが、ここではゼネラリストスペシャリストが同一の職場でそれぞれの能力を融合させ、組織としていかに向上させているのか、確認をしていきたいと思います。  例えば保健所や保健福祉センターでは、多くの保育士などのスペシャリストである専門職と、ゼネラリストである事務職が、ともに市民の保健施策充実のために仕事をしております。本市は保健所政令市となって区部に比べればまだ少し歴史は浅いかもしれませんが、今後は保健所と保健福祉センター機能が入り込んで、業務別・分野別ではない、一定の地区を包括するような、つまり、障害も赤ちゃんも病気も高齢者も一括して保健福祉センターで対応できるような地区担当制の保育士活動になることに、私自身は大変期待をしておりますけれども、いまいち個別の能力を組織として生かし切れていないようにも感じております。  私も子どものことで何度か利用しておりますけれども、専門職の方が1つの事務作業を担当している、または相談業務だけを行っている風景を見ます。これは一見当たり前の光景かもしれませんが、誤解を恐れず申し上げれば、専門の嘱託でも十分対応できるのではないかと思います。つまり、もったいないということであります。  これは1つの例に過ぎませんし、全ての部署とまでは申し上げませんが、専門職と事務職がまざる職場で、組織の総合力を上げる上で、専門職と事務職との間で何か認識の差があるのではないかと感じる場面が、他の部署でも見受けられます。  こんなことは勝手にあなたがそう思っているだけで事実ではございません、きちんと専門職にも市全体の施策に横串を刺せるだけの幅広い職責を与えて、組織に埋もれさせることなくやっていますというのであれば、そのように御答弁いただければと思いますが、こうしたゼネラリストスペシャリストが互いに連携し、相乗効果を持って組織の能力を上げるためには、人事の権限を有し、業務を俯瞰して見ることができる、まさにこの場にいらっしゃる部長の皆さん方のマネジメント力に期待をしたいと思っております。この点についてはいかがでしょうか。  また、人事について、現在、本市の職員の異動は、管理職と意見交換を行い、それぞれの職場でどういう職員を必要としているかを把握した上で、職員の意向調査や過去の職場歴から適性を考え、異動を行っているようでございますが、専門職は同じ職場に比較的長くいる傾向があるように思います。1つの仕事を掘り下げること自体は否定をいたしませんが、視野を狭めては、その職員が組織に埋もれてしまいかねないと懸念いたしますけれども、その能力を生かせる範囲での異動についてはいかがお考えか、お示しをください。  また、先ほどの人事交流でも触れましたが、国からの情報を得る意味で、例えば相模原市では、東京事務所を千代田区に置いて、各省庁からの情報を得ようと努力しております。東京事務所機能だけが要因ではないと思いますけれども、結果として、国のモデル事業や先着順の補助金を多く獲得しております。  東京への出先事務所の設置は、東京から距離が離れている基礎自治体だけの議論かと思っておりましたが、どうもそうではないようでございます。より積極的かつ貪欲に、アンテナを高く、国からの情報をいち早く得る手段としての出先事務所について、いかがお考えでしょうか。また、日ごろの業務から、国の事業や補助金など、そういった情報をどのようにして職員に意識させ、とりにいかせているのか、お示しをください。  最後に石森市長にお伺いいたしますが、中核市移行の最大のメリットは、職員の能力が向上することであると私は思っております。そのためには、与えられた権限を生かすための研鑽と同時に、これまで以上に職員ひとりひとりが常に問題意識を持ち、市民ニーズに気づくこと、そして自分で考え対応していくことが必要であります。  中核市移行後の本市の取り組みを見ていても、まだまだやれることもありますが、一方で、与えられた権限だけでは足らずに、都に対して他の権限を要望し、結果として、国がキャッチアップする。八王子の提案が全ての中核市におりた事例もございます。これは、日ごろから本市の職員がしっかりと問題意識を持っていたから提案できたわけであり、改めて市民が求める頼もしい職員と率直に思える事例です。ぜひとも石森市長におかれましては、こうした職員をもっともっと多く育てていただきたいと思います。  本市は決して2番目を狙うのではなく、トップリーダーとしての八王子でいてもらいたい。そのためには、トライアンドエラーを恐れず、都市間競争の激化する今日を生き抜く職員、隣の自治体には負けたくないとライバル心を燃やすぐらいの迫力があってもいいと思います。  中核市移行を経て、次のステージに入ります。これからは、より市民ニーズを形にしていく上で、中核市だからといった枠にとらわれることなく、より必要とされる権限もこちらからとりにいく。本市はよその自治体から一目置かれるような、かつての不交付時代の大八王子、何もしなくても全然大丈夫という時代は、とうの昔に終わりました。  より多く問題意識を持った職員をふやすために、部長、課長、とりわけ私は36名の部長各位に対してもっともっと知見改革をしていただきたいと願うわけでございますけれども、私の主張も踏まえ、石森市長が管理職の皆さんに期待することをお伺いして、一般質問を終わります。 9 ◎【伊藤裕司議長】 総務部長。 10 ◎【山崎光嘉総務部長】 それでは順次御質問に対する御答弁をさせていただきたいと思います。  初めに、部長職のマネジメント力に期待との御質問でございます。専門職はその分野のプロとして誇りを持って業務を行っており、事務職は総合的な視点で業務を行っているところでございます。業務を進める上では、専門職と事務職が連携して行うことが重要であり、市民サービスの向上にもつながっていくものと考えております。そのためには、部長職が高い視点からそれぞれの職を生かせるマネジメントを行っていく必要があると考えておりますので、引き続き研修などを通じまして、マネジメント力の向上に努めてまいります。  続きまして、専門職もその能力を生かせる範囲での異動が必要ではないかという御質問でございます。専門職につきましては、現在もその専門性を発揮できる部署への異動を行っているところでございます。今後も1つの職場に長くとどまることによるマンネリ化やモチベーションの低下がないように、また、職員の能力が十分に発揮できるように、異動につきましては適切に指導を行っていきたいと考えております。 11 ◎【伊藤裕司議長】 総合経営部長。 12 ◎【小山等総合経営部長】 出先事務所の設置の考え方と、国の事業や補助金の情報入手についての御質問についてお答えいたします。  事業の推進や円滑な行政運営について、市民サービスの向上を図るためには、国や都の情報をいち早く得ることは大変重要だと考えております。現状では出先事務所を設置するという考えはございませんけれども、情報収集に関しましては、職員に対して日ごろから業務に関連する国や都の動きを注視するよう指示をしているほか、派遣研修で国や都とのパイプを持っている職員からも、あらゆる情報の活用や各市町村担当者が集まる業務ごとの担当者会議等のあらゆる機会を利用して、情報収集を行っているところでございます。 13 ◎【伊藤裕司議長】 石森市長。                     〔市長登壇〕 14 ◎【石森孝志市長】 21番、馬場貴大議員の質問にお答えいたします。  管理職に期待することは何かとの御質問でありますが、管理職に必要なのは、常に問題意識を持ち、社会状況の変化や市民ニーズを敏感にキャッチしながら、現在の仕事に満足することなく、目標を持って仕事に取り組む姿勢となります。  管理職がその目標を組織の中で明確に示し、みずから実践することで、ともに取り組む問題意識を持った職員を育成・指導するとともに、中核市の権限や優位性を生かして仕事に挑戦することを期待しているところであります。 15 ◎【伊藤裕司議長】 次は、第20番、小林裕恵議員。                    〔20番議員登壇〕 16 ◎【20番小林裕恵議員】 大好きな八王子をつくるみんなの会、立憲民主党の小林裕恵でございます。  それでは通告に基づきまして、まずは乳幼児健診についてお伺いいたします。八王子における乳幼児健診の中で今回私が取り上げるのは、3歳児健康診査、いわゆる3歳児健診。八王子市内では、大横保健福祉センター、東浅川保健福祉センター、南大沢保健福祉センターの3ヵ所で行われております。  こちらがその案内となります。3歳児健康診査のお知らせ。内容としては、尿検査、問診、身体測定、内科、歯科、そして保健、栄養、心理発達相談、保護者の方の身体・気持ちの相談など、そういったものがあります。その中で、目の検査、耳の検査は必ず御自宅で検査を行ってきてくださいと書いてあります。  今回私が取り上げたいのは、目の検査についてです。子どもにとっての視力は、心身ともに健康な成長を遂げるための必要不可欠な窓口です。見ることで、形、色、明るさなどを感じ、物事を楽しんだり、食べ物をおいしそうと思ったりもします。運動や学習をする上でも大切な役割を果たし、さらにそれが思考力、推測力、想像力の発達にもつながります。  それでは、八王子の目の検査の方法です。こちらが3歳児健診の案内に同封されておりますお子さんの目と耳と尿の検査の御案内です。内容を簡単に説明いたしますと、どうして検査が必要なのでしょうとあります。視力。子どもの目は6歳くらいまでにどんどん発達して、大人並みの視力になります。ところが、強い遠視や斜視などがあると、視力の発達がとまって弱視になることがあります。片目の弱視があっても子どもは何も言いませんし、生活には不自由がないように見えます。異常がある場合にはなるべく早く治療することが大切です。3歳になれば、絵指標を使って家庭でも視力がはかれるようになりますので、ぜひ検査をしてみましょうとあります。  この絵指標がつづられていますが、こちらになります。切り取ってカードのような状態にして、リンゴ、車、パイロット、そして傘という絵が描いてあるものができ上がります。こちらを目の検査の仕方と書いてあるのですが、検査をしましょう。子どもを座らせてから、右目から検査をします。ティッシュペーパーを4つに折って、左目が全部隠れるようにテープで張ってください。親は子どもから2.5メートル離れて、検査用の絵指標を1枚ずつ見せて、何の絵か聞いてください。正しく見えればアンケート用紙に丸をつけてください。これが八王子における検査のやり方になります。  ここで家庭で検査を行う場合の問題点について指摘しますと、子どもは言葉の理解の程度や気分、そして環境に左右されます。また、隠しているはずの目のすき間からのぞくことで、片方、また、両目が弱視であることを見逃してしまうケースがあります。また、親は動き回る子どもに手を焼き、まあ、これで大丈夫だと、検査がある程度できたところで安易に考えて、途中でやめてしまう、そんなこともあるでしょう。こういったことで、結果的に、子どもの一生において最初の視力回復の可能性を失ってしまう可能性があるのです。  家庭で検査できなかった場合、3歳児健診の際、保健福祉センターでも検査を行うことができますが、これは家庭と同様の検査方法であり、場所が変わっただけなので、同じように異常を見逃す可能性も出てきます。  そこでお尋ねいたしますが、これまで実際に3歳児健診における視覚検査で視覚異常は発見されなかったが、その後、就学前健診や病院等で発見された事例はどのくらいあるのか、お聞かせください。また、そういったことが起こらないために、市はどのような対応、努力をされてきたのでしょうか。お聞かせください。  次に、市民サービス向上に向けた未利用地の活用について質問いたします。  私は4年前、平成26年の予算等審査特別委員会で、ポテンシャルの高い未利用地の活用について、提案を含め、質問させていただきました。そのときに取り上げたのが、片倉御殿山緑地です。  この片倉御殿山緑地は、平成13年に環境保全地区として八王子が民間から購入したもので、取得面積は2万6,790平方メートル、坪にして8,118坪。取得金額がなんと33億8,000万円。坪単価は41万6,000円とのことでありました。当時は公園課が緑地として管理維持を行っており、公共事業に伴う樹木の仮の移植場として活用しているとのことでした。  また、この土地は、国道16号沿いの東京工科大学の向かい側に位置し、リニア中央新幹線駅にもなるJR橋本駅から車で12分、そして八王子みなみ野駅やJR片倉駅からも車で4分、歩いて15分という好立地にあります。  ここで誤解のないように申し上げますと、私は前回同様、今後も深呼吸のできる八王子をつくりたいという思いのもと、緑豊かな八王子の自然を将来にわたって大切に育んでいくべきだと思っています。その気持ちは今も変わることはありません。一方で、市街化調整区域でも、片倉御殿山緑地のように、国道16号沿いであり、市の中心地といった地理的条件もよく、近隣に住宅がなく迷惑がかからない、そういった土地であるならば、市の活性化や地域の魅力を高めるという意味でも、自然環境に配慮しながら、ポテンシャルの高い未利用地として土地利用を考えていく必要があるのではないかと考えています。  さて、4年前の私の質問に、当時の都市計画部長だった駒沢副市長は、片倉御殿山緑地について、このように答弁されています。議事録を読ませていただきます。「八王子市市街化調整区域の基本方針では、活用に当たって計画的な基盤整備や周辺住民の合意のほか、事業効果等を検証し、本市の産業への寄与が認められる場合に限り、都市計画マスタープラン等で上位計画に位置づけた上で認めることとしていることから、当該地に当たっては、今後、リニア中央新幹線の整備による本市のより具体的な影響などを検証する必要があり、検討課題とさせていただきます。」と答弁されていました。  あれから4年がたちました。当時、市としてもこのような立地条件のよい、広大な土地の活用を検討いただいているとは思います。4年前は樹木の仮置き場ということでしたが、入り口からは草ぼうぼうで、中に入ると高尾の梅林にあった梅が数本あるだけで、緑地とは思えないほど荒れ放題となっていました。先日、改めて現地に行ってみたところ、入り口の木々は伐採され、4年前にはなかった大量の残土が運び込まれておりました。この状況は決して緑の保全地区としてふさわしくないと私は考えております。  そこで私は、今申し上げたこの土地について、東南部地域の給食センターに位置づけてはどうかという提案を含め、今回の質問を進めさせていただきます。  過日、平成30年度の予算等審査特別委員会の総括質疑でも他の委員から、給食センターに6次産業の推進に向けた加工場の機能や地域食材の活用、食育の推進、防災機能等、給食センターの機能だけでなく、さまざまな機能を複合的に取り入れるよう要望がありました。私も同様に要望するとともに、もう1つ提案があります。この敷地内に畑をつくり、給食の生ごみや食べ残しなどの食品残渣を回収し、肥料等に再利用する。その肥料を給食センターの敷地内の畑に使用して野菜を育てる。その育った野菜を加工し、給食に使用するという食のサイクルの仕組みをつくっていく。その畑は、農福連携として高齢者や障害者に任せる。そういった取り組みを行っていただきたいと考えています。その条件にぴったりの場所が、先ほど話しました片倉御殿山緑地だと考えています。  しかし、片倉御殿山緑地は、市街化調整区域、緑の保全地区、第一種低層住居専用地域となっています。つまり、都市計画法と建築基準法の網がかかっているのです。  しかし、立川市では、平成25年に市街化調整区域内に給食センターを建設されました。このほかにも、数多くの自治体で市街化調整区域に建設されています。  そこで質問いたします。八王子市において、市街化調整区域に給食センターを建てることはできるのでしょうか。お答えください。  また、全部で八王子市内に7ヵ所つくる予定の給食センターの建設候補地を平成30年度中には確保する予定だと聞いております。先行して決まっております2ヵ所も含め、そのスケジュールを教えてください。  そして、まだ5ヵ所の候補地が決まっていないと聞いております。給食センターには広い土地が必要となってきます。現在、市の所有地のうち、建築可能な広さの未利用地はどのくらいあるのでしょうか。また、給食センターは、建築基準法上、工場として位置づけられているので、用途地域が限られています。工場が建築できる用途地域である準工業もしくは工業地域、工業専門地域はそのうち何ヵ所あるのかも教えてください。  そして今、給食センターの土地選定に向け行っている作業とその課題について、具体的にお聞かせください。  以上で1回目の質問を終わります。 17 ◎【伊藤裕司議長】 医療保険部長。 18 ◎【設樂恵医療保険部長】 3歳児健診以降の視覚異常の状況についてですが、把握はしておりませんが、保育園や幼稚園あるいは就学児健診で初めて視覚異常を指摘されたお子さんがいらっしゃることの情報は得ているところでございます。  3歳児健診では、御家庭での視力検査の結果を参考に医師が総合的に判断をし、視覚異常の疑いがある場合には、眼科医療機関へ精密検査を依頼しております。  3歳児健診の視力検査は、視覚異常の早期発見に大変重要な機会であると認識はしております。1次検査として家庭で行う視力検査が必ずしも適切に実施できない可能性もあることを十分認識し、対象の御家庭や健診に従事する職員に対し、視力検査の意義や正しい検査方法について、さらなる周知啓発に努めてまいります。 19 ◎【伊藤裕司議長】 都市計画部長。 20 ◎【守屋和洋都市計画部長】 市街化調整区域における建築行為についてでございますが、本市の都市計画の基本方針である都市計画マスタープランでは、土地利用の方針として、市街化調整区域の大部分を自然緑地、農地として位置づけております。これは原則、新たな建築行為等を抑制するとともに、適正な土地利用への誘導を図っているものでございます。 21 ◎【伊藤裕司議長】 学校教育部長。 22 ◎【廣瀬勉学校教育部長】 私からは2点について答弁をさせていただきます。  まず、給食センターの建設スケジュールになりますが、先行して建設する2ヵ所につきましては、平成32年1月の供用開始に向けて準備を進めております。また、そのほかの給食センターにつきましては、平成33年4月の供用開始に向けまして、現在、平成30年度中に用地を選定し、順次、実施設計をはじめとして取り組みを進めていく予定でございます。  次に、給食センターの建設用地決定に向けた作業と課題についてでございます。給食センターの建設用地を決定するためには、建築基準法、都市計画法、農地法など法令上の課題や、埋設物、土壌汚染、さらには周辺環境への対応などのさまざまな課題を一つ一つ解決する作業がございます。  現在、こうした課題に取り組むため、庁内の関係所管が相互に連携・協力し、協議を重ねながら建設地の選定を行っているところでございます。 23 ◎【伊藤裕司議長】 財務部長。 24 ◎【立花等財務部長】 給食センターの建設に必要な用地につきまして、必要な面積はおおむね2,000平米以上と仮定いたしますと、給食センターの建設が可能な行政目的を定めていない普通財産は12ヵ所あります。  なお、これら12ヵ所の土地につきましては、いつでも行政財産に転用できるように、短期の貸し付け、あるいは臨時の事業用地として有効活用を図っているため、現在、全く使っていない未利用地はございません。  また、この12ヵ所のうち、準工業・工業地域内にあるものは1ヵ所でございます。 25 ◎【伊藤裕司議長】 第20番、小林裕恵議員。                    〔20番議員登壇〕 26 ◎【20番小林裕恵議員】 それでは、2回目の質問をいたします。  まず、乳幼児健診の視覚検査についてですが、3歳児健診の視力検査は大変重要であり、異常の見落としがあってはならないことと認識しておりますと答弁をいただきました。八王子市では、平成28年に3歳児健診を受診した子どもの数は3,847人で、そのうち2.7%の103人が要精密、つまり精密検査が必要となっています。平均すると1ヵ月当たり要精密のお子さんが8.5人、検査によって見つかっているということになります。  専門家によると、子どもの視力は3歳から5歳に急速に発達します。もし発見・治療がおくれてしまい、そのまま6歳から8歳を迎えると、脳の視覚領域が正常に発達せず、一生弱視となるおそれがあると言われています。  ここで私が提案したいのは、こちらのスポットビジョンスクリーナーという携帯型の視力検査機の導入です。このスポットビジョンスクリーナーは、6ヵ月の乳幼児から大人までの目の機能上の問題を迅速かつ正確に検知することをサポートするために開発された、持ち運びしやすい携帯型の検査機器です。  使い方は、暗くした部屋に子どもが緊張しないよう、お母さんと一緒に座ります。そしてお母さんの膝の上で安心しているところで、保健師などが1メートル離れたところから、写真を撮るように検査機でぱしゃりと撮ります。数秒で検査は終了し、結果がプリントアウトされます。  この装置は、保健師や看護師が基本行うのですが、資格のない方でも、作業自体であればどなたでもできます。私もある眼科を訪ね、実際にこの装置を試してみたところ、私でも本当に簡単に撮ることができました。  大きさは一眼レフカメラぐらいです。価格は1台120万円ということです。これなら、先ほど申し上げたように、検査時間もわずか数秒ですから、ほかの検査の待ち時間に検査を受けてもらうことができます。また、持ち運びできるので、視覚検査が義務づけられている保育園や幼稚園にも貸し出しすることができます。
     実際にこのスポットビジョンスクリーナーを先行導入した広島県東広島市では、検査結果が要精密検査となる子どもの発見は、今まで1年間に40人程度だったそうです。しかし、この検査を始めてからわずか4ヵ月で60人近くになったそうです。単純に1年に換算すると180人という計算になります。つまり、今まで1年間で要精密検査となったのが40人だったのが、実は4.5倍の180人で、140人の子どもの見落としがなくなったということが言えると思います。ほかにも静岡市で導入したという事例もあり、今、他の自治体でも導入に向けて検討しております。  ここでお尋ねいたします。予算や人材、場所の確保等の課題はあるものの、これだけ簡単で効果のあるスポットビジョンスクリーナーを八王子市でも導入したほうがいいと思いますが、御所見をお聞かせください。  また、このほかにもICTを活用した検査機器が日進月歩で開発されています。子育てしやすいまちナンバーワンの八王子市としては、ICT検査機器を率先して導入していくべきだと思いますが、市の方針をお聞かせください。  次に、市民サービス向上に向けた未利用地の活用について質問いたします。先ほどのお答えでは、市街化調整区域における給食センター等の建築行為は、都市計画マスタープランに位置づけないと難しいとのことでした。つまり、現状ではできないということなのですね。  また、市の持つ普通財産で、給食センターの建設に必要と言われるおおむね2,000平米以上の土地は12ヵ所。そのうち給食センターが建設可能な準工業・工業地域内の土地は1ヵ所のみとのことでした。つまり、残り11ヵ所は建築基準法の用途変更をしなければ建築ができないということになります。  また、先ほど課題についてお伺いしたところ、建築基準法や都市計画法、農地法など法令上の課題があるということでした。そして、埋設物、土壌汚染、さらには周辺環境への対応も課題とのことでした。これは、給食センター、工場を建てるには近隣住民の方の理解が必要ということだと思います。先ほど提案いたしました片倉御殿山緑地のように、周りに住民がほとんど住んでいないという場所ならいいのですが、なかなかそういった場所は見つかりません。  先ほどの答弁、まとめますと、今現在の課題は、1つ目、普通財産の中で未利用地、遊んでいる土地はない。2つ目、普通財産12ヵ所のうち、用途変更しないで建築できるところは、かろうじて1ヵ所あるが、その土地は現在ほかの用途に使用されている。3つ目、普通財産12ヵ所のうち、面積要件の合う残りの11ヵ所は、建築基準法上、工場である給食センターは建築できない。もし建築する場合には用途変更しなければならない。その際には、公聴会等、住民説明をして理解を得る必要がある。さらに、たとえ給食センター用に用途変更したとしても、今現在、11ヵ所とも使用中のため、使用をやめてもらうか、代替地を見つけなければならない。こんな厳しい状況で、本当に平成30年度中に給食センター残り5ヵ所の建設候補地を見つけられるのでしょうか。不安になってきます。  そもそも、大変申し上げづらいのですが、この7ヵ所の給食センターの建設は、本来であれば、しっかりと計画を策定してから進めるべき八王子の一大プロジェクトのはずですよね。しかし、石森市長の熱い思いが先行して進んで、計画のほうがついてきていないという状況になっていると思っています。  もう1つ指摘するのであれば、縦割り行政の中、各所管が土地をそれぞれ維持管理、把握している中で、担当所管がそれぞれの管理している所管ごとに土地の交渉にまず行きます。そして行ったところで、代替地が必要ということであれば、またさらに担当所管がほかの担当所管に行き、土地の交渉に行きます。そして、その上、先ほど学校教育部長が答弁された課題として、法令上の課題、さらには周辺環境の課題、さまざまな課題を1つずつ解決しなければならない。それと同時に、今回は計画もつくっています。極端なことを言えば、実質は教育所管が八王子の一大プロジェクトを一生懸命動かそうとしているというような今の状況には限界があると考えています。  今回は給食センターをもとに話していますが、他の所管でも、同じプロジェクトがあった場合、同じような作業をしなくてはなりません。だからこそ、私は、各所管が管理している土地資産を横断的に一元化して総合的にマネジメントする資産マネジメント部署が必要だと申し上げたいのです。  市内各所に点在している本庁舎や各事業所、体育館、市民センターなどの公共施設を一元化し、マネジメントするのが公共施設マネジメントであるならば、市内に点在している市の土地についても資産マネジメントする必要があると考えています。  さらに今後、人口減少や老朽化、市民ニーズの変化によって、施設の統廃合の必要性が出てきます。その結果、目的が終わった土地が生まれてきます。それに伴い、土地の需要と供給のマッチングを行う必要性も出てきます。  そこで石森市長にお伺いします。行政ニーズや市民ニーズ向上のために土地を効果的に活用するためにも、また、市長の肝いりの公約でもある温かい中学校給食の実現に向けた給食センターの早期建設のためにも、4月の組織編成で新しくできる部署である資産管理課に、土地資産マネジメントについても行っていただきたいと思いますが、石森市長の見解をお聞かせください。  以上で2回目の質問を終わります。 27 ◎【伊藤裕司議長】 医療保険部長。 28 ◎【設樂恵医療保険部長】 乳幼児健診におけますスポットビジョンスクリーナーのような視覚検査機器の導入につきましては、今後、検査機器導入による集団健診での課題の整理を行うとともに、国や他市の動向にも注視しながら研究してまいります。  また、ICT検査機器に対しましては、新たな医学的検査機器についての知見を深めつつ、地域の医療機関等との連携を図り、効果的な乳幼児健診が実施できるよう、制度管理についても努力を続けてまいります。 29 ◎【伊藤裕司議長】 石森市長。                     〔市長登壇〕 30 ◎【石森孝志市長】 20番、小林裕恵議員の質問にお答えいたします。  市が保有する土地の活用についてでありますが、市民の皆様が暮らしやすさを実感し、地域に愛着を持って住み続けたいと思えるまちとしていくためには、市が保有する資産を活用し、サービスの向上を図っていく必要があると認識しております。  そのため、4月には公共施設の効果・効率的な運営を推進するとともに、施設情報の調査分析や財産に関する業務を一体的に担う組織を設置することといたしました。  引き続き、新たな行政需要に合わせた資産の活用を図り、本市の魅力を高められるよう取り組んでまいります。 31 ◎【伊藤裕司議長】 第20番、小林裕恵議員。                    〔20番議員登壇〕 32 ◎【20番小林裕恵議員】 それでは3回目の質問をいたします。  まず、乳幼児健診の視覚検査についてですが、最近の研究報告によると、発達障害、自閉症、ADHD等と視覚・見え方には関連性があると言われています。検査をする中で、これまでわからなかったグレーゾーンの障害、自閉症、ADHD等がわかる場合もあるとのことでした。改めてスポットビジョンスクリーナーの導入を要望いたします。  また、今回、目の検査について取り上げましたが、耳の検査も自宅での検査項目となっています。聴覚については、新生児聴覚スクリーニング検査については何度も議会で議論され、公費負担を要望されています。子どもたちの将来のためにも、大切な目、耳、両方とも公費負担でしっかりとした検査が行えるよう、市の責任としてしっかりと対応いただきたいと、こちらも要望させていただきます。  次に、市民サービスに向けた未利用地の活用について質問いたします。市長の答弁では、財産に関する業務を一体的に担う組織を設置するとのことでした。その新しい組織で社会や市民ニーズに対応した資産マネジメントを行っていただけますよう、再度お願いいたします。  最後に石森市長にお伺いいたします。石森市長は、平成24年の1期目の選挙公約で、温かい中学校給食の実現を掲げ、少しだけ遠回りしましたが、昨年、平成29年11月に給食センターの設置を発表されました。子どもたちに温かい給食を食べさせたいという思いは、親心であり、市民の長年の願いでもありました。これまで議会でも何度も要望されてきました。  また、私自身、先ほどまでの質疑で、給食センターの実現が不安になってきています。  最後に、石森市長に、給食センター実現への意気込みをお聞かせいただきまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 33 ◎【伊藤裕司議長】 石森市長。                     〔市長登壇〕 34 ◎【石森孝志市長】 それでは、給食センター建設に向けた私の決意についてでございますが、子どもたちに温かい給食をできる限り早く届けたいとの思いから、既存資産や各所官が有するノウハウを最大限に活用し、3年以内での実現を指示しているところであります。  既に関係所管が連携し、課題解決に向けた協議を重ねているところであり、着実に取り組みを進めてまいります。 35 ◎【伊藤裕司議長】 次は、第8番、石井宏和議員。                    〔8番議員登壇〕 36 ◎【8番石井宏和議員】 日本共産党八王子市議会議員団の石井宏和です。通告に基づいて質問いたします。  外国人旅行者の地方への誘客を図るために観光庁が進めている公益観光拠点地区の1つに、高尾山・リニア地区があります。本市とあきる野市、相模原市、都留市、大月市の5市が手を挙げ、選定されたということですが、この名称、高尾山・リニア地区事業にはどうしても違和感があります。ミシュランの三ツ星にも輝いた自然の宝庫、高尾山と、自然を破壊し、電力を浪費し、ほとんど地下を走るリニア中央新幹線は相入れないものです。  観光庁は、高尾山とリニア実験線の見学施設などを結ぶモデル周遊ルートなどを発表していますが、本市はこの事業に加わって一体何をするのか、外国人観光客に何をアピールしていこうとしているのか、まずお考えをお伺いします。  高尾山の歴史や伝統、貴重な自然と結び合うのは、この5市に限っても、富士山の眺望と裾野の信仰の道や、秋川や相模川の渓谷や湖などではないでしょうか。  都留市のリニア新幹線の実験線の見学施設は、走行実験の予定がまちまちで、体験乗車は予約制で、高額で、抽選のため、簡単には試乗できません。私も一度見学に行き、あっという間に通り過ぎるリニア新幹線のスピードと風圧に圧倒されましたが、観光施設としては、走行実験を見られるかどうか不確実で、その場で希望しても乗車できない点など、物足りなさが残るところだと感じました。  この実験線につなげる形でリニア中央新幹線を建設し、営業する計画がいよいよ本格的に始動しましたが、大規模に自然を破壊することなどから、各地で建設に反対する運動も広がっています。  リニア中央新幹線のルートと活断層などを重ねた地図をパネルにしてきましたので、ごらんいただきたいのですが、この肌色に塗られた部分が通過する区市町村で、太い線が主な活断層です。品川から橋本駅に来て、残念なことに都留市にはとまらないで、甲府駅にとまって、飯田、中津川を経て名古屋まで行く計画になっています。  リニア中央新幹線は、品川-名古屋間の86%、ほとんどが地下を走ります。つまり、長大なトンネルを何本も掘らなければならないわけですが、中でも年間4ミリから7ミリメートルも隆起している南アルプス山脈を貫く25キロのトンネル工事は、複雑に交差する活断層を何本も横切る前例のない難工事だと言われています。  南アルプスの山帯の地下水が漏れ続けて、斜面崩壊が多発したり、大井川の水量が減少したりする懸念も大きいものです。東海地震など巨大地震が襲う危険性も高まっており、富士山など火山活動もいつ活発化するか、わかりません。長いトンネル区間で巨大地震などに襲われたときに、大惨事になるのではないか。運転士不在で地上に避難できるのかなども心配です。  地上部分の大半は山梨県ですが、激しい振動と騒音を防ぐために、住宅地では防音フードで覆う計画です。相模原市で相模川を渡る橋梁もフードで覆うため、桜や花火、灯籠流しの名所である付近の景観が大きく損なわれると批判されています。  86%のトンネルと地上部のフードで、リニア中央新幹線は車内からの景観を楽しむことがほとんどできないものになります。沿線の景観も、フードしか見えない殺風景なものになります。一体誰が好んでそんな非人間的な乗り物に乗るのでしょうか。大いに疑問です。  採算性も疑問視されています。9兆円を超える建設費に加えて、年間の維持費などが4,000億円以上になり、2013年9月には当時のJR東海の山田佳臣社長が記者会見で、リニアは絶対にペイしませんと公言しています。  2016年、政府は3兆円の財政投融資を行うと決めましたが、これによってリニア建設が国策として進められることが鮮明になりました。それまでは民間企業の事業だということで、住民の合意もなしに強引に計画が進められてきましたが、これからは特にそうはいきません。住民の声に真摯に向き合って、公的な事業として、そもそもの必要性や採算性、安全性など、再点検しなければなりません。  リニア中央新幹線は、本市の南の端をかすめるように通って、町田市から相模原市に入り、橋本駅に停車しますが、町田市には3ヵ所の非常口が設けられ、トンネルも一部そこから掘り進める計画です。小野路非常口の工事は2016年8月から始まっていて、直径30メートル、高さ20メートルの巨大な穴をあけて、大量の土砂を搬出し、多いときには1日120台ほどのトラックに土砂を積んで、鎌倉街道などを通って、伊勢原市に運んでいました。  本市の南端、南多摩斎場のすぐ近くには、上小山田非常口が建設される予定で、工事の入札がこの3月から始まりました。やはり直径30メートルにもなる巨大な穴がここにあけられようとしています。この穴から尾根幹線に接続する道路も建設される予定だと聞いていますが、となると、尾根幹線を通って八王子の中を残土を乗せたトラックが行き交うことになるのでしょうか。本市に残土を捨てる狙いもあるのでしょうか。あわせてお答えください。  さて、先日、昨年までに結ばれたリニア中央新幹線の24件の工事契約のうち15件を分け合っていた大手ゼネコン4社の間で、大規模な談合が行われたことが発覚しました。その後、公正取引委員会が独占禁止法違反の罪で告発し、東京地検が起訴して、逮捕者が出た大成建設と鹿島建設については、東京都などが指名停止処分にし、本市も3月14日から7月13日まで4ヵ月の指名停止にしました。その経緯と判断の基準について伺います。御説明ください。  残る2社、大林組と清水建設についても、追って告発・起訴されましたが、そちらも同様の処分にするのでしょうか。  また、談合した4社がこれまで本市にかかわる工事を行ってきたかどうか、お聞きします。あわせてお答えください。  ここまでで一括の質問とし、以下、一問一答に移りたいと思います。                  〔8番議員発言席へ移動〕 37 ◎【伊藤裕司議長】 産業振興部長。 38 ◎【木内基容子産業振興部長】 観光庁の高尾山・リニア地区事業についてですけれども、この事業は観光庁が訪日外国人旅行客の誘客を図るため、広域観光周遊ルート形成計画を認定し、地域が推進する取り組みをパッケージで支援し、海外に発信するものです。  本市はこの事業により、国費や東京都市長会助成金を財源に、市単独では実施が難しい広域での市場調査などで得られたデータを活用して、外国人旅行客の受け入れ環境整備を進め、交流人口の増加や地域経済の活性化につなげていく考えです。 39 ◎【伊藤裕司議長】 都市計画部長。 40 ◎【守屋和洋都市計画部長】 残土の搬出先や搬出ルートについてですが、事業者であるJR東海からは、現在は工事契約前であり、搬出先や搬出ルートは決まっていないと聞いております。 41 ◎【伊藤裕司議長】 財務部長。 42 ◎【立花等財務部長】 大成建設、鹿島建設に対する指名停止についてですが、両者は3月2日付で元役員等が独占禁止法違反により逮捕されましたので、八王子市競争入札等参加有資格者指名停止措置要領に基づき、指名停止を行いました。指名停止期間は4ヵ月としております。  それから、大林組、清水建設への対応とゼネコン4社への本市の発注実績についてでございますけれども、指名停止済みの2社を含むゼネコン4社が3月23日付で起訴されました。これを受けて、大林組、清水建設につきましても、本日付で指名停止を決定いたしました。なお、これら2社につきましては、役員等の逮捕がないことから、指名停止期間は2ヵ月としております。  また、4社に対する市の発注実績ですけれども、過去10年間では、平成21年度に大成建設株式会社に水道施設の工事を発注しております。 43 ◎【伊藤裕司議長】 第8番、石井宏和議員。 44 ◎【8番石井宏和議員】 それぞれお答えいただきましたので、ここからさらに伺っていきたいと思います。  本市の南端に建設される計画の上小山田非常口の工事については、入札手続中で、残土をどうするかなどは未定だとのお答えでした。指名停止中の業者も多いわけですから、入札不調に終わる可能性もあるかと思いますが、本市に残土を持ち込まないよう願いたく思います。  品川-名古屋間の86%、246キロがトンネルになるリニア中央新幹線の工事では、約6,000万立米、東京ドーム50杯分ほどの膨大な残土が出ると見込まれていますが、そのうち搬入先が確定しているのは2割程度に過ぎません。国の公共事業では、残土の活用先を指定してから事業認可するわけですが、リニアは民間事業だからとして見切り発車しているわけで、今後、残土の受け入れ先が見つからなかったり、有害物質が出たりするなどの大問題になりかねません。  もう一度、パネルを出します。岐阜県の東濃地区には日本最大級のウラン鉱床が点在し、リニアが通る御嵩町の測量地点では、毎時0.341%と空間放射線量も高くなっています。ウラン鉱床に突き当たっても、リニアは迂回できませんから、大量のウラン残土が出て、持っていき場がなくなってしまいます。また、愛知県春日井市では、戦前・戦中に掘り進めた亜炭坑の坑道が地下にアリの巣のように入り組んで広がっていて、トンネル工事によって崩落する懸念も広がっています。  水枯れなども問題です。山梨県では、リニア実験線建設によって3本の沢水が枯れ、多数の井戸が枯れました。静岡県では、トンネル工事によって大井川の流量が毎秒最大約2トン減少するとJR東海が予想しており、63万人分の水利権量が失われることになります。JR東海は、トンネルの掘削地点から導水トンネルで11キロ下流に放流する案を示しましたが、それでも毎秒0.7トン、流量が減少する試算であり、川勝知事も全水量を確実に大井川に戻すよう求めています。リニアの駅をつくる計画がなく、トンネル工事による被害しかもたらされない静岡県は、県知事以下、多くの市民が住民の声に応えないJR東海の傲慢な姿勢を批判しています。  本市でも、南の端を通るリニア中央新幹線のトンネル工事によって、水源が枯れたりする影響はないのでしょうか。お伺いします。 45 ◎【伊藤裕司議長】 環境部長。 46 ◎【佐久間寛環境部長】 工事に先立ちまして、事業主であるJR東海により環境影響評価法に基づく環境アセスメントが行われております。平成26年8月に公表されました環境影響評価書によりますと、本市内における地下水位及び水質に影響はないことが確認されております。  また、今回、改めましてJRに直接確認をとりましたが、同様の回答を得たところでございます。 47 ◎【伊藤裕司議長】 第8番、石井宏和議員。 48 ◎【8番石井宏和議員】 JR東海の言い分はわかりましたが、本市の知見でも地下水の状況などはほとんどわからないとお聞きしています。  JR東海が行った環境影響評価は、本市の主な湧水として片倉城跡公園と六本杉公園しか挙げていないなど、不十分さが非常に目立つものです。地下水脈などわからない部分が多く、工事によって水質が悪化することもあり得るわけですから、JR東海にはより詳細な環境影響評価を求め、説明責任を果たすよう求めていく必要があります。  JR東海が行った環境影響評価は、大井川の流量回復の手だてが具体的に書かれていないなど、総じて抽象的でずさんなものです。町田市の3つの非常口の詳細な位置も、環境影響評価の段階では具体的に示されず、相模原市の車両基地も、誰の土地が工事対象地域なのかさえ、わからなかったと言います。  2014年10月、多くの専門家からも批判の声が上がる中、環境影響評価を受けて、国土交通大臣がリニア計画を事業認可しました。立ち退きを迫られる沿線住民の皆さんなどは5,000通を超える異議申し立て書を提出しましたが、国土交通省は1年半以上、採決をしませんでした。そのため、2016年5月、原告738人による集団訴訟、リニア工事認可取り消しを求める行政訴訟が始まりました。  ストップリニア訴訟と名づけられたこの訴訟は、これまでに9回の口頭弁論が行われ、先週の3月23日には町田市と相模原市の原告が意見陳述しました。町田の農家の方は、シイタケ栽培などに不可欠な井戸水の枯渇を心配し、相模原市の方は、地権者850人が立ち退きや一部売却を迫られているのに、JR東海が工事計画や補償について、具体的かつ詳細な説明を行っていないなどと陳述されたとのことです。  この訴訟には本市の方も多数原告として加わっています。非常口や車両基地などのリニア関連施設の位置や設計図などが具体的でないのに、環境アセスメントを短期間で行ったのは環境影響評価法違反であり、ずさんな環境影響評価で事業認可したことには重大な瑕疵があるなどとする原告の訴えはもっともです。  上小山田非常口にしても、環境影響評価書には直径3キロメートルほどの円で示されただけです。具体的にどこになるかは、ずっと後で知らされました。住民の声も聞かず、拙速に工事を進めるようなことがあってはなりません。  上小山田非常口の近くには、南多摩斎場やバイオマスセンターなどがあり、本市の住民も多数住んでいるわけですが、JR東海は本市で事業説明会を行っていません。別所のぐりーんうぉーく多摩や長池公園を含めて、多くの八王子市民にかかわる工事を事前の事業説明もなしに進めようとしているJR東海の姿勢は大いに問題だと言わなければなりません。事業説明を行わなかったわけですから、本市に残土を持ち込んだり運んだりすることのないよう、市としても求めていただきたく思います。  本市が談合で先に起訴された2社に対して、要領にのっとって速やかに指名停止の措置をとったことは評価します。また、残る2社についても、期間は短いものの、同様の措置をとるということで、迅速な対応を本当に評価したいと思います。  この大手の4社は、本市発注の工事はほとんど行ってこなかったとのことでしたが、本市内では都の外郭団体の工事などは多数行ってきています。外郭団体などには市の裁量は及ばないわけですが、そこでもこの指名停止措置を重く受けとめていただきたいと思います。  今回の談合にかかわる工事には、準大手・中堅ゼネコンなども単独で、あるいはJV、共同企業体の一員として加わっています。東京地検はこうしたゼネコンも捜査していると報じられていましたが、こうした大手以外の会社も起訴された際には、やはり指名停止にするお考えでしょうか。お伺いします。 49 ◎【伊藤裕司議長】 財務部長。 50 ◎【立花等財務部長】 4社以外のゼネコンに対する捜査等の状況は、現時点では明らかではございません。仮にこれらの事業者が独占禁止法違反による逮捕・起訴などの対象となった場合には、その段階で指名停止措置要領に基づき対処することになります。 51 ◎【伊藤裕司議長】 第8番、石井宏和議員。 52 ◎【8番石井宏和議員】 ぜひ原則的な対応をお願いいたします。  今回起訴された4社がかかわる工事の中には、土かぶりが1,400メートルもあり、掘ってみなければ何が起こるかわからないという最難関工事、南アルプストンネルもあります。その長野工区には、本市の川口土地区画整理事業の業務を代行する見通しのフジタもJVとして加わっています。フジタはもう1つ、神奈川県の東百合丘非常口の工事にもJVの一員として加わっています。捜査の進展など、注意深く見ていく必要があると思います。  大手ゼネコン4社が独占禁止法違反の罪で起訴されても、JR東海は受注済みの工事は進める立場で、今後も判決が確定するまで4社への発注も続けるとしています。東百合丘非常口では、正確な工事位置が公表される前に、その用地を大成建設が取得していたことも問題になりました。こうした点からも、談合には発注元のJR東海も深くかかわった疑いがあり、襟を正す姿勢の見えないJR東海の態度は許しがたいものです。  談合を告発した公正取引委員会は、リニア工事は財政投融資の貸し付けもあり、高度に公共的な工事だと指弾しています。契約額や入札経過も公表しないJR東海の姿勢は、3兆円もの公金を投入され、固定資産税など大幅に減免され、土地収用法も適用される、極めて公共性の高い事業を行う事業者としての適格性に欠けると言わざるを得ないものです。  採算がとれないと社長自身が認めていたリニア中央新幹線です。3兆円の財政投融資は焦げつき、さらに追加的な融資が行われる懸念もあります。  JR東海は、これまで民間の事業だからとして情報を秘匿してきましたが、リニア中央新幹線は極めて公共性の高い事業として、工事契約や環境保全や採算の見通しなどの情報を公開して、国民的な検討をし直す必要があります。  これほど問題が多く、ダーティーな印象が強まったリニア中央新幹線です。技術的にもまだ確立されておらず、私たちは、国民的な検討を行って、多くの市民と一緒に建設中止を求めるものですが、本市も、まず高尾山・リニア地区事業という事業名の変更など求めていただきたく思います。事業の概要については先ほどお伺いしていますが、この点、いかがでしょうか。 53 ◎【伊藤裕司議長】 産業振興部長。
    54 ◎【木内基容子産業振興部長】 本市は、八王子ビジョン2022においても、リニア中央新幹線の開業を見据えて、近隣自治体と連携し、観光産業の活性化、MICE都市の推進に取り組むこととしております。  また、事業計画は既に平成28年6月に広域観光周遊ルート、東京圏大回廊として国の認定を受けております。相模原市や都留市も構成市として広域連携で進めていることを御理解いただきたいと思います。 55 ◎【伊藤裕司議長】 第8番、石井宏和議員。 56 ◎【8番石井宏和議員】 市の見解は伺いました。  しかし、リニア新幹線は、ほかの新幹線の3倍以上の電力を消費し、強力な電磁石から強い電磁波が発生します。この強い電磁波によって健康被害が生じるおそれもあり、体験乗車もやめさせるべきだと訴える方たちもいます。  先に開発を進めていたドイツでは、電磁波や採算性の問題などから、ベルリン-ハンブルク間のリニアの営業計画を中止しました。その後、この実験線で高速走行中の車両が作業者に衝突して、23人が死亡する大事故を起こし、企業体としても事業から撤退することになりました。  時速500キロで無人運転の車両がすれ違うリニア新幹線が何かと接触してしまったら、大事故になるのではないでしょうか。また、ずっと地下を走る車両の中で乗客が気分を悪くしてしまったら、地震などで非常停止した車内から非常口まで歩いて地上に出たら南アルプスの凍てつく山中だったらなど、不安の種は尽きません。  南アルプストンネルなど、建設そのものも危ぶまれています。技術的にまだ確立していないリニア新幹線を巨額な国の予算も使って進めるメリットが一体どれほどあるでしょうか。デメリットのほうがはるかに多いのではないでしょうか。限られた情報の中で無批判に浮かれるのではなく、今からでもJR東海に必要な情報を開示させ、国民的な検討を行って、リニア事業は中止すべきだと重ねて訴えたいと思います。  高尾山・リニア地区事業は、まだそれほど一般には知られていませんし、ほかの地区事業の名称も考え抜かれたものには思えません。問題だらけのリニア新幹線のイメージを高尾山に重ねないよう、強く求めたいと思います。  続いて、新年度予算にも組まれた歴史文化基本構想と日本遺産について伺います。  2年後の日本遺産登録も目指しながら、本市の歴史と文化財を広く関連づけ、保存と活用を図る歴史文化基本構想を練るということですが、市史編さんの成果も最大限に生かして、広く市民の声を反映した構想にしていただきたく思います。  さて、ここで言う歴史文化とは、文化財とそれにかかわるさまざまな要素とが一体となったものであり、歴史文化基本構想は、地域に存在する文化財を、有形・無形を問わず、指定・未指定にかかわらず、幅広く捉えて、的確に把握し、文化財をその周辺環境まで含めて総合的に保存・活用するための構想だということですが、こうした構想を練り上げることはすばらしいと思います。  関連する文化財を関連文化財群として一体的に保存・活用し、周辺環境を含めて歴史文化保存活用区域として特別に位置づけることも重要な提起だと思います。  本市でも、高尾山薬王院から小仏関、八王子城跡と滝山三城を中心に、全国的に見ても貴重な文化財が多数あります。日本遺産の申請も、これら主要な文化財をストーリーでつなぐことになっていくのだと思いますが、今挙げた文化財は皆、丘陵地帯にあり、東京都のみどりのフィンガープランにも位置づけられた細長い丘陵群が本市の歴史文化のバックボーンになってきたことを強調したいものだと思います。  本市の丘陵群の中ほどにあって、古代から栄えた土地が川口丘陵に抱かれた川口地区ですが、市境に近い今熊山には、行方不明の人や物の名前を3度呼べば見つかるという呼ばわり山の伝説もあり、江戸時代など、遠くからの参拝者でにぎわった今熊神社があります。また、主峰の里山、天合峰は、てんぐを思わせる名前で、てんぐと天合峰と呼ばわり山の関係や高尾山のてんぐやカラスてんぐと天合峰の関係も興味が尽きないところです。  古刹も多く、自由民権運動に深くかかわった北村透谷が希望の故郷と呼んだ川口地区と、今熊山から天合峰に至る川口丘陵も、ぜひ歴史文化保存活用区域として位置づけてほしいと思いますが、いかがでしょうか。 57 ◎【伊藤裕司議長】 生涯学習スポーツ部長。 58 ◎【瀬尾和子生涯学習スポーツ部長】 歴史文化基本構想の策定においては、歴史文化保存活用区域の設定は、関連文化財群の設定などとともに、任意の事項になっております。  それら設定の必要性については、今後、現状把握や検討を進める中で判断をしてまいります。 59 ◎【伊藤裕司議長】 第8番、石井宏和議員。 60 ◎【8番石井宏和議員】 これから進めるということですが、ぜひ市民の皆さんの声も受けて、指定・非指定、有形・無形を問わずに、貴重なものは全て守るという立場で、本市の歴史文化基本構想を練り上げてほしいと思います。  歴史を貫く何本ものストーリーを束ねる作業も通じて、日本遺産のストーリーも磨き上げられていくのだと思いますが、最後に教育長に、本市の歴史文化をどのように守り、発信していくのか、お考えと御決意を伺います。 61 ◎【伊藤裕司議長】 安間教育長。 62 ◎【安間英潮教育長】 歴史文化につきましては、今後、文化財行政の考え方を示す基本的な方針として、歴史文化基本構想の策定に着手いたします。その中では、観光や都市計画など、市の関連行政計画とも整合を図りながら、八王子の魅力発信に向けて、現在行っている文化財の活用などをより進めていけるよう、取り組みを推進する考えでございます。 63 ◎【伊藤裕司議長】 第8番、石井宏和議員。 64 ◎【8番石井宏和議員】 歴史文化を守るためには、土地の改変には特に慎重であらねばならないと思います。  今般、事業認可された川口土地区画整理事業は、貴重な里山、天合峰を掘り崩し、希少種も多い生態系や豊かな歴史文化の風土も破壊するもので、到底認めることはできません。また、採算性も怪しく、市民負担が膨らんでいく可能性もあります。  自然や歴史文化を愛する多くの市民とともに、不要不急の乱開発には反対していく決意を申し述べ、質問を終わります。 65 ◎【伊藤裕司議長】 次は、第27番、相澤耕太議員。                    〔27番議員登壇〕 66 ◎【27番相澤耕太議員】 市民・民進クラブの相澤耕太でございます。本日は、子育てしやすいまち八王子の充実を図るための施策をテーマに一般質問をさせていただきます。  さて、低出生体重児という言葉を御存じでしょうか。生まれたときの体重が2,500グラム未満の子どものことで、原因は、在胎週数が短い早産のために出生体重が小さくなる場合と、子宮内での胎児の体重増加が悪い子宮内発育制限のために出生体重が小さくなる場合があります。このうち、1,500グラム未満の子どもを極低出生体重児、1,000グラム未満の子どもは超低出生体重児とも言います。  昔から赤ちゃんが母親のおなかの中にいる期間は十月十日と言われますが、日数で280日、週数で40週が出産予定日となります。39週で赤ちゃんは体重3,000グラム、身長は50センチぐらいに育ちます。これが早産の場合、8ヵ月30週ですと、体重は1,500グラム、身長40センチ。7ヵ月26週ですと、体重1,000グラム、身長35センチ。6ヵ月23週ですと、体重600グラム、身長30センチぐらいです。  現代は医学の進歩で、実際に600グラムとか700グラムで生まれても育つ時代になりましたが、その子を生んだお母さんの心労や苦労は尋常のものではないとお聞きします。  全国的な統計ですと、1980年には生まれてくる子どもの5.2%だった2,500グラム未満の新生児の割合は、1990年には6.3%、2000年には8.6%、2009年に9.6%と増加しています。東京都の平成27年度の数値によると、低出生体重児は9.1%です。そのうち1,500グラム未満の極低出生体重児が新生児全体に占める割合は0.7%です。また、1,000グラム未満の超低出生体重児は、昭和55年と平成25年を比較すると、少子化が進んでいるにもかかわらず、30年で約2倍にふえています。  1つお伺いしますが、八王子市では年間の出生者数、低出生体重児、極低出生体重児のそれぞれの人数と割合はどのような数値になっているのか、お答えください。  次に、八王子市内の産婦人科医療機関と対応について、幾つかお聞きしたいと思います。八王子市内には現在、何ヵ所、妊娠の診断・健診ができる婦人科医院があり、そのうち分娩まで可能な病院は幾つあるのかについてお答えください。  あわせて、分娩に際して、胎児や母体に何らかの問題が発生した場合の対応方策と、それが可能な病院はどこかについてお答えください。  さて、低体重で生まれた赤ちゃんは、新生児特定集中治療室、NICUと呼ばれる完全に無菌の空間である新生児用の集中治療室で、普通の環境に出られる体になるまで過ごします。  低出生体重児にどのようなことが起こりやすいのかということを少しお話しします。  呼吸窮迫症候群。肺には肺胞という空気が入る小さな袋がありますが、これを広げておくための物質が体内でつくられない症状で、酸素と二酸化炭素のガス交換ができません。ということは、呼吸ができないということです。  未熟児無呼吸発作。脳の呼吸中枢が未熟であることや気道がやわらかいため、呼吸を時々休んでしまい、体内の酸素濃度の低下や心拍数の低下が起こってしまう症状を言います。この場合は、高い濃度の酸素投与や人工呼吸が必要となりますが、未熟な肺の組織がこれによってダメージを受けやすく、慢性肺疾患になる場合があります。  脳出血。脳の血管の発達が未熟なため、脳内出血を起こすことがあります。  未熟児網膜症。早産児は目の網膜血管の発達が未熟な状態で生まれます。出生後の発達段階で異常な新生血管が発達してしまうことがあり、一部の赤ちゃんでは網膜剥離、失明にまで発展してしまうことがあります。  未熟児動脈管開存症。母親の胎内で赤ちゃんは肺で呼吸をしていないため、心臓から肺へ向かう血液は、動脈管という血管を経由して大動脈から全身に流れています。赤ちゃんは生まれてから肺で呼吸を始め、心臓から肺への血流がふえると、この動脈管は役目を終えて自然に閉じるのですが、早産の場合、これが閉じず、血流のバランスがうまくいかないことで、心不全や肺出血などが起こりやすくなってしまうことがあります。  そのほかに、壊死性腸炎、感染症、貧血、未熟児くる病など、早産による低体重児特有の病気が多くあり、その全てが重症化すると、後遺症どころか命にかかわる重病に発展する可能性があります。これらの治療を行う相手は低出生体重児ですので、小さい子は手のひらに乗ってしまうのではないかというような大きさしかないことを想像していただければ、治療そのものの難しさが理解できると思います。  低出生体重児が生まれた場合の対応についてお聞きしますが、例えば八王子市で極低出生体重児が生まれた場合、この赤ちゃんに対応できるNICUが完備された施設はどこに何床ありますか。また、対応について申し合わせ事項などがありましたら、あわせてお答えください。  次は、極低出生体重児の親になった側のお話を少しさせていただきます。NICU、新生児特定集中治療室に入る期間は、その子の生まれたときの体重とその後の成長度合いによって当然差がありますが、退院の目安は2,500グラムを超えるぐらいまで成長し、病気を発症していないことで、期間は長い子で3ヵ月から半年ぐらいになるようです。  赤ちゃんが入院しているときの母親の気持ちは、何をするのも嫌になってしまう。無気力を感じる。自分たち家族のこれからを思って不安になってしまう。妊娠中、自分がやるべきことをしなかったからだなどと自分を責める毎日。人からの励ましに、他人ごとだから言えるのでしょうと腹が立って仕方がない。保育器に入っている我が子を見て、かわいいと思えない自分の気持ちに気づいて戸惑い、落ち込む。自分が赤ちゃんに何もしてあげられないので、かわりにやってくれている看護師に複雑な気持ちを覚える。せっかく赤ちゃんを授かったのに、めそめそしてふさぎ込む毎日。また、親族も、何て言葉をかけてよいのかわからず、娘の顔を見るたびにつらく感じる。体にいろいろな管などがついている赤ちゃんを見るのがつらくて面会に行けないこともある。孫のことも心配だが、ふさぎ込む娘のことも心配でならないなど、精神的に非常につらい毎日を送っています。  数ヵ月経過して退院できた後、今度は普通に生まれたほかの子どもとの大きな成長の差を痛感します。本来、出産予定日よりも数ヵ月早く生まれてしまったわけですから、退院した日や出産予定日を基準にすればよいのではないかと軽く言う人がいますが、そんなに簡単な心理ではありません。親から見ると、あくまでもこの世に生を受けた日を誕生日と思うのが普通です。  母体に長くいた子どものほうが体が強くなってから出てきていますので、環境に対応する能力は高く、一般的には3年間ぐらいは、なかなか大きくならない、育たないというジレンマと戦いながらの子育てとなってしまうようです。  私の友人にも700グラムで生まれてきた我が子を育てた方がいますが、今お話しした気持ちは、実体験として、そうだったと話されていました。  こういった状況を考えると、低出生体重児の母親になった方や家族には、心のケアを含めた丁寧な対応が求められると思うわけです。  八王子市では、低出生体重児を持った家庭の事情を把握する手段は、どのようになっているのでしょうか。例えば出生届提出時に何か把握する手法が確立されているなどありましたら、教えてください。  また、八王子市では、赤ちゃんが生まれた全ての家庭を対象に、出生からおおむね4ヵ月以内に、保健師または訪問指導員が各家庭を訪問し、体重測定や子育て相談などを行っていますが、低出生体重児の場合はどのような対応をされているのかについて、あわせてお答えください。  次に、予防接種や乳幼児健診についてお聞きします。初めての乳幼児健診は三、四ヵ月健康診断で、生後4ヵ月になる月に受診することになっていますが、低出生体重児の場合はどのように対応しているのでしょうか。また、その後の1歳6ヵ月健診、3歳児健診についてもあわせてお答えください。  予防接種についての対応をお聞きします。特に3歳くらいになるまでは体の成長がなかなか追いついていかないとお話ししましたが、月齢や年齢で接種時期の目安が決まっている予防接種について、どのような対応となっているのか、お答えください。  以上で1回目の質問を終わります。 67 ◎【伊藤裕司議長】 医療保険部長。 68 ◎【設樂恵医療保険部長】 7つの御質問をいただきました。順次お答えいたします。  まず、本市の出生数と低出生体重児の人数と割合ですが、平成28年度の出生数は3,557人、そのうち低出生体重児は327人で9.2%、極低出生体重児は11人で0.3%となっております。  続きまして、市内の産婦人科医療機関の数についてですが、平成30年3月1日現在、17ヵ所の産婦人科で妊婦健診を行っており、そのうち6ヵ所で分娩が可能です。母体や胎児に何らかのリスクが予測される場合には、市内の大学病院2ヵ所のほか、各産科医療機関が提携している市外の総合病院に紹介されております。分娩の際に胎児や母体に何らかの問題が発生した場合の対応につきましては、妊産婦または新生児をNICUのある東京都立小児総合医療センターや市外の大学病院に緊急搬送されております。  続きまして、NICUのある場所とベッド数についてですが、平成29年4月現在、東京都周産期母子医療センター及び周産期連携病院として、多摩地域には7施設66床、区部には24施設255床ございます。本市にはNICUのある施設はありませんが、受け入れは医療機関間での連絡調整により確保されております。  続きまして、出生状況の把握の方法につきましてですが、主に御家庭から提出していただく出生連絡票から状況を把握し、保健福祉センターから各御家庭へ連絡をしております。そのうち低出生体重児の出生につきましては、病院から情報提供がある場合がほとんどです。また、出生後、おおむね4ヵ月までに各御家庭に保健師、訪問指導員が訪問するあかちゃん訪問の結果を病院へ返信し、連携をとり合っております。  続きまして、低出生体重児のお子さんの入院が長引く場合のあかちゃん訪問につきましては、地区担当保健師が電話や家庭訪問で御家庭の相談に応じたり、お子さんが入院中の病院を訪問し、病院からの説明を一緒にお聞きして、退院後の支援につなげる場合もございます。  続きまして、乳幼児健康診査の御案内につきましては、低出生体重児のお子さんも同じ誕生月のお子さんと同様の日程で御案内をしております。お子さんによっては主治医のいる医療機関で定期的に経過を見ております。  最後になります。予防接種につきましては、主治医と相談の上、お子さんそれぞれの状況に合わせたスケジュールを決めていただいております。 69 ◎【伊藤裕司議長】 第27番、相澤耕太議員。                    〔27番議員登壇〕 70 ◎【27番相澤耕太議員】 それでは2回目の質問をさせていただきます。  1回目の質問では、低出生体重児の現実と八王子市の現状についてお聞きし、それぞれに回答いただきましたので、まず、いただいた回答をもとにお聞きしたいと思います。  分娩の際に胎児や母体に問題があると判断された場合の対応は、市内2ヵ所の大学病院、または各産婦人科医療機関が提携している市外の総合病院で対応しているとの回答でございました。また、NICUでの対応が必要な場合は、都立小児総合医療センターや市外大学病院での対応になるということです。  台町にあった小児病院が廃止されたころだったと記憶していますが、市議会では小児医療体制の整備充実を求める意見が多く出された時期がありました。この時期に、市内病院へのNICUの設置を求める要望も出ていました。その後、どのような検討をされたのかは存じませんが、結果として、現在、八王子市内にNICUの設備はありません。  先ほどの回答では、平成28年度に八王子市内で生まれた低出生体重児は327人、極低出生体重児は11人いるとのことでした。私は、全国的に低出生体重児が増加傾向にある現実と、八王子市は56万人を超える人口を持つ中核市であることを考えると、市内に周産期医療センターやNICUの設備がないことは、改善すべき課題だと考えています。人の命、新しい命を守る取り組みとして、また、子どもをふやす、出生率を上げるという政策を展開しているのですから、安心して生み育てる環境整備は重点を置いて速やかに進めるべきことです。  市内で分娩可能な産婦人科医院の数が6ヵ所であるとの回答がありましたが、これも広大な面積と人口を考えたときに、果たして十分であるのか、検討課題だと思います。  NICUの市内医療機関への設置についてお聞きします。私は市内に低出生体重児の生育を見守る施設の設置が必要であり、これは人の命にかかわる政策ですから、施策としての優先順位は高いと考えます。真に子ども・子育て政策に力を入れているのであれば、NICU施設の市内設置を目指していただきたいと思いますが、これまでの経過も含めて、市はどのようにお考えなのか、お答えください。  市の低出生体重児の把握状況の方法は、受け身の感じがしました。病院から情報提供がある場合がほとんどであるという回答でしたが、病院がそんなに簡単に個人情報にかかわることを常に流してくれるのか、情報提供のルールなどがよくわかりませんが、八王子市は低体重で生まれた赤ちゃんの対応を丁寧に行っているという施策をもっと積極的に展開し、PRすることで、まずは御本人からきちんと申請していただける、申告していただける体制を構築すべきだと思います。  この件については、次に静岡県の取り組みをお話しした後で、あわせてお聞きしたいと思います。  先日、静岡県の低出生体重児に関する取り組みについて視察してきましたので、お話しします。みずからが低出生体重児の母であった○○さんという方が、自分と同様に低出生体重児を生み、静岡県立こども病院新生児病棟にお世話になって子どもを育てた経験を持つお母さんたちと、ポコ・ア・ポコという会をつくりました。ポコ・ア・ポコという言葉は、少しずつゆっくりとという意味だそうです。  この会でほかのお母さんたちと話すうちに、皆が苦しい思いの中で一生懸命に前を向いてその子たちを育ててきた同じ悩みや苦しみの経験を知り、熊本県でつくられた低出生体重児用の手帳を見て、こんな手帳があったらよかったと感じたため、これをもとに自分たちで手帳をつくろうということになり、小児科の先生のお手伝いなどをいただいて、2011年に県の民間チャレンジ応援交付金の支援を受けて、低出生体重児のための母子手帳、リトルベビーハンドブックを作成しました。  その後、2016年には手帳の改訂と全国普及に向けた活動を開始しましたが、個人団体として継続して発行していくのは経費的に困難であり、公的発行物でないと医療機関、市や町の保健事業での活用がされにくく、それでは配布対象者に手帳を確実に届けられないと課題がはっきりしたため、解決のために行政の対応を求めました。  静岡県は、必ず手帳を必要とすると思われる1,500グラム未満の極低出生体重児は、新生児数の0.6から0.7%と少ないため、市や町でおのおのが単独で取り組むより、県が一括してこの事業を請け負ったほうが賢明であると判断した上で、もう一度、手帳を細かく見直す作業を行い、平成30年3月に県バージョンのリトルベビーハンドブックを完成させ、平成30年4月から県の事業として対象者への配布を開始します。静岡県はこの手帳を全国展開して、全国の低出生体重児を持つ家庭に使ってもらいたいという希望を持っており、今後、普及促進していく考えだということです。  手帳の活用方法ですが、当然ですが、お母さんたちはお産まで通常の母子手帳を持っています。低出生体重児が生まれてしまったときに、この母子手帳とは別に、リトルベビーハンドブックをお渡しします。この手帳の配布は、静岡県内の医師会、小児科医会、産婦人科医会、助産師会が作成時から関与しており、手帳の使用について協力体制を確立しているため、配布窓口は県内3ヵ所にある高度治療ができる総合周産期母子医療センター、同じくNICUが設置してある10ヵ所の地域周産期医療センター、そして市や町の未熟児養育医療申請窓口35ヵ所で問題なく行えます。  東京都にはのびのびという名前のNICU退院支援手帳があります。大きさはA5サイズで、母子手帳の倍の大きさがあります。記録は細かく書けるようになっており、優しい色等を使ったりしていますが、内容を静岡県のハンドブックと比較すると決定的に違いますので、その差についてお話しします。  もう一度、リトルベビーハンドブックのほうに戻りますけれども、こちらは大きさは母子手帳と同じサイズです。母子手帳の補完の手帳であるというこだわりを持っているところだそうです。内容が東京都のものと決定的に違うと申し上げたのは、心という部分です。どういったところに心配があり、どういったところに喜びを感じるのかなどがしっかりと研究されていて、その対応が徹底して展開されています。  その1つの例として、全てのページの下の部分に、実際に同じ経験をされたお母さんの言葉が載っています。例えば、子どもの生きる力を信じ、ともに頑張ることで、確実に一歩ずつ前に進めていると実感しています。最初は現実が受け入れられずに、ふさぎ込む毎日でした。でも、今はあのときよりも確実に笑顔がふえました。それから、退院できる日を指折り数えて待ってたよ。初めて君と一緒に寝た夜、うれしくて朝まで眠れなかった。そんなお母さんの実体験が、非常に、一つ一つは短い言葉ですけれども、言葉の重みを感じ、心に響くものが書いてあります。同じ境遇にあったらなおさらであろうと、容易に想像できます。  この手帳に記載する成長の記録は、最低限に抑えられています。考えれば、低出生体重児と一言で言っても、2,500グラム未満とそもそもの範囲が非常に大ざっぱで、ひとりひとりの状況や成長の段階は千差万別です。ある程度順調に育ったら、こちらから母子手帳に移行して成長記録を記入すればよいですし、予防接種の記録などはこちらを使えばよいですし、あくまでも母子手帳と併用であることを考えれば、この結論は理解できます。  この冊子は、全てのページが低出生体重児を持った家族に寄り添う内容に仕上がっており、成長記録記入欄などが目立つ東京都のこれは、赤ちゃんの成長を重視している視点が見えます。低出生体重児を持ったお母さんたちは精神的に不安定になっているということを先ほど紹介しましたが、そのような精神状況のときに東京都のものを渡されると、低出生体重児を持った重みばかりが伝わってしまう方もいるだろうと感じました。  それから、静岡県から送っていただいた資料に、記録用シールが同封されていました。これは医療機関側の先生や看護師が、その赤ちゃんのことや御家族へのメッセージを記入して、退院時に御家族に渡すものだそうです。ここに記載例がありまして、○月○日、初めて哺乳瓶でミルクを飲みました。○○病院、看護師○○とあります。医療機関が、母親が赤ちゃんの近くにいられない時期の成長を、母親のかわりに愛情を持って対応した記録となります。  リトルベビーハンドブックは、お母さんと赤ちゃんの両方を取り上げており、低出生体重児を実際に育てたお母さんの見解や感想が随所に生かされています。リトルベビーハンドブックと東京都の支援手帳では、できが全く別物ですので、後ほど中身をよく比較していただくことをお願いしておきます。  東京都の取り組みについてお聞きしますが、NICU退院支援手帳の現在の活用状況、活用方法について、どのようになっているのか、お答えください。  東京都では、東京都福祉保健局で低出生体重児の対応について検討されていると聞きますが、どのような検討をしているのか、また、それに対する市町村の対応についてお答えください。  以上で2回目の質問を終わります。 71 ◎【伊藤裕司議長】 医療保険部長。 72 ◎【設樂恵医療保険部長】 3問の御質問をいただきました。  まず、NICUの設置の取り組みについてですが、高年齢出産などの影響により低出生体重児が増加していることから、設置の必要性については認識しております。市内の両大学病院とは設置について意見交換を行っておりますが、運営を担う新生児を専門とする医師や看護師の確保については大変厳しい状況が続いていると聞いております。そのため、東京都市長会を通して、東京都に対し、人材支援を含めた総合的な支援を要望しております。  続きまして、NICU退院支援手帳の活用についてですが、東京都から、自治体とNICUがある医療機関へ活用についての依頼があり、1,500グラム未満で出生したお子さんや医療ケアが必要なお子さんに退院準備開始時に配布することとなっております。  最後に、東京都が検討中の低出生体重児への対応についてですが、本年度、都では子供手帳モデルに関する検討会が設置され、課題の1つである低出生体重児の発育・発達の記録欄などを組み込んだ手帳の検討を3回行っております。  市町村との関係ですが、この検討会には東京都市保健衛生担当課長会の代表市である西東京市が参加しております。平成30年度には子供手帳モデルを活用した市町村事業としての支援の取り組みが提案される予定と聞いております。 73 ◎【伊藤裕司議長】 第27番、相澤耕太議員。
                       〔27番議員登壇〕 74 ◎【27番相澤耕太議員】 それでは第3回目の質問をさせていただきます。  周産期医療センターやNICUの設置には、当然多額の費用がかかります。また、費用以外に、現在全国的に一番の課題となっているのは、今回答にもございましたように、新生児医療担当医や看護師の慢性的な不足です。勤務体制が非常にきついということや仕事が大きなリスクを伴うなど、原因は複数あるようです。実際に八王子市が両大学病院へNICU設置を求めたときの病院側の見解は、新生児医療担当医の確保をはじめとした運営の課題が大きな理由であると、今の回答にございました。  しかし、少子化にもかかわらず、低出生体重児が年々増加している社会背景を鑑み、少子化問題に取り組み、子ども政策に力点を置く政策を展開していく方針であるのならば、NICUの市内設置は実現してもらいたいと考えますので、諦めず積極的に取り組んでいただけるようお願いいたします。  静岡県では、リトルベビーハンドブックを有効展開するために、県内の医療機関との協力体制を確立しています。八王子市の場合、現在のところ、周産期医療センターやNICUがなく、低出生体重児を持った家庭への支援を八王子市として充実させるためには、まずその存在の把握方法を確立させなくてはなりません。それは、出生届の窓口での工夫になるかと思いますが、この取り組みはすぐに可能だと考えますので、現状業務の課題抽出から改善策の検討まで、早急に実施していただけますようお願いいたします。  東京都の手帳と福祉保健局での取り組みなどについてお答えをいただきましたが、私が感じる八王子市のスタンスは、全般的に東京都が動いてそれに追従するというニュアンスで伝わってくるのですが、八王子市の場合は中核市であることや保健所設置市でもあることを考えると、もう少し積極的に独自の施策展開があってもよいのではないかと思います。  リトルベビーハンドブックを全国展開したいという静岡県の意向は先ほど申し上げたとおりですが、リトルベビーハンドブックは大変よいものに仕上がっていますので、積極的に関与していただきたいと思います。  八王子市は、多摩地区では強い影響力を持っていますので、最終的に東京都の施策になるのかもしれませんが、そうであっても、八王子から多摩地区の他の自治体や東京都を動かすきっかけにしていただきたいと思います。  真に子育てしやすいまち八王子を目指すのであれば、温かい心が通った政策を展開していただきたいと切に願います。静岡県のリトルベビーハンドブックを八王子市でも積極的に取り入れて、静岡県の全国展開の意向に協力していただくとともに、年々増加傾向にある低出生体重児とその赤ちゃんを育てるお母さんの心の支えとなる施策の展開をぜひとも積極的に行ってほしいと思いますが、いかがでしょうか。  それらについての見解をお聞きして、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。 75 ◎【伊藤裕司議長】 医療保険部長。 76 ◎【設樂恵医療保険部長】 低出生体重児向けの手帳についてですが、今後の八王子版ネウボラの充実に向け、大変有効であると認識しております。  今後は静岡県を含めた他自治体の取り組みの検証のほか、東京都が作成中の子ども手帳の動向に注視しつつ、判断してまいります。 77 ◎【伊藤裕司議長】 会議時間も長くなりましたので、暫時休憩します。                                    〔午後零時05分休憩〕   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━                                    〔午後1時00分再開〕 78 ◎【村松徹副議長】 休憩前に引き続き会議を開きます。  一般質問を続行します。  第15番、中島正寿議員の質問を許可します。                  〔15番議員発言席へ移動〕 79 ◎【15番中島正寿議員】 市議会公明党の中島正寿です。本日は、地域防災対策を推進する環境づくりに向けてと題し、通告に従って一般質問を行います。  東日本大震災が発災し、ことしの3月11日で丸7年を迎えました。また、熊本地震はことしの4月12日で早2年を迎えようとしております。メディアの報道を見聞きするたびに、被災地における復旧、復興がいかに困難なことか思い知らされます。亡くなられた方々の御冥福を祈り、奮闘される被災者の皆様に心から敬意を表します。震災の教訓を決して忘れず、今後の地域防災、まちづくりに生かせる活動を行ってまいりたいと思います。  初めに、地域コミュニティの防災強化に関して、自主防災組織の状況をお尋ねします。  昨年、復興支援・防災・危機管理対策特別委員会で、自主防災組織の取り組み状況を問う私の質問に、部長からは、平成27年3月に自主防災活動マニュアルをつくり、全町会、あるいは自主防災組織を結成していない町会にも結成促進の意味でお配りをしている。また、消防団と連携して、消防団の幹部経験者に機能別分団ということで再入団をしていただき、その経験を生かして自主防災組織に派遣して、訓練の企画や提案をしていただくとの御答弁でありました。  そこで伺いますが、自主防災組織の活発化に向けた取り組みについてお知らせください。 80 ◎【村松徹副議長】 生活安全部長。 81 ◎【藤倉四郎生活安全部長】 自主防災組織が中心となります地域の防災訓練には、機能別分団の団員をはじめ地元の消防団員や消防署も参加することで、訓練の充実や地域住民への防災意識の向上が図られているというように考えております。  また、自主防災ガイドブックの配布意向につきましては、平成28年度は19団体、平成29年度は9団体が新たに団体を結成している状況であります。引き続き、自主防災組織の結成促進を進めるとともに、消防団や消防署とも連携をいたしまして、自主防災組織の活発化に努めてまいります。 82 ◎【村松徹副議長】 第15番、中島正寿議員。 83 ◎【15番中島正寿議員】 自主防災組織に対する訓練の企画や提案というのは大事だと思います。よろしくお願いいたします。  そこで、関連して資機材の充実について聞きます。  地域の防災を担う自主防災組織の役割は非常に大きく、各種資機材は、その活動に必要なものであります。資機材を得るための助成ポイントは、新規結成時において高く、その後、隔年ごとに割り当てられるポイントは一定となります。本市の自主防災組織の結成状況は、484団体で、結成率84.17%であり、市内全域で結成されつつあると考えます。今後は、既に結成している既設組織においても、ポイントを手厚くする、例えば、既設組織のポイントでは入手できない高額なAEDなども範囲に入ってくるポイント設定を考える必要があるのではないでしょうか。  そこで、資機材の柔軟な支給方法について検討はどのように進んでいるのかお示しください。 84 ◎【村松徹副議長】 生活安全部長。 85 ◎【藤倉四郎生活安全部長】 現在、既設組織への資機材の助成につきましては、各団体の世帯数によります持ち点数に対しまして隔年で実施をしておりますが、この隔年の配布を期間延長することにより、持ち点数をふやすことは可能であろうというふうに考えております。  ただ、統一的に支給期間を変更することにつきましては、各組織の考えを確認する必要があることから、平成30年度にアンケート調査を実施いたしまして、その結果を踏まえ、対応を決定したいと、このように考えております。 86 ◎【村松徹副議長】 第15番、中島正寿議員。 87 ◎【15番中島正寿議員】 アンケート調査につきましては、各組織の声をよく汲み取っていただいて、対応をよろしくお願いいたします。  例えば、AEDにつきましては、いざというとき、地域で危機的な命をつなげる有効な手段になると思います。我が会派議員が既に指摘をしているAEDをリースで調達する手法、これも視野に入れて検討をお願いしたいと思います。  続いて、地区防災計画についてお聞きします。  従来、防災計画としては、国レベルの防災基本計画、都道府県及び市町村の地域防災計画を定め、それぞれのレベルで防災活動を実施してきましたが、東日本大震災における災害対応において、自助、共助及び公助がうまくかみ合わないと、災害対策がうまく機能しないことが認識されたところでございます。そこで、平成25年改正の災害対策基本法で地区防災計画が追加をされている、このような経過となっています。  そこでお尋ねをしますが、本市の場合、現状、地区防災を担える地域コミュニティは、避難所となる学校を軸として形成されていくのではないかと考えます。防災訓練も学校の校庭などをおかりして実施しており、そこにその地域の複数の町会、各種団体も集まってくるので、学校を軸に防災活動の主体がつくられていくのは自然な流れと見ることができます。それがまた将来、結果として地区防災計画という形につながっていくものと考えます。  今後、こうした防災の取り組みを重ね、工夫をされていくでしょうから、その成果を事例にまとめるなど、地域コミュニティ形成を推進する取り組みを積極的に行ってはいかがでしょうか。市のお考えを聞きたいと思います。 88 ◎【村松徹副議長】 生活安全部長。 89 ◎【藤倉四郎生活安全部長】 地域コミュニティの形成を強化することは、共助による防災活動推進の観点からも大変有効であると、このように考えております。これまでも出前講座や地域の防災訓練、ホームページなどで取り組みの周知啓発を行っているところでございますが、さらに機運を高めるため、参考となる地区の取り組みを自主防災ハンドブックや自主防災団体への広報紙で紹介するなど、今後もさまざまな機会を捉え、地域における共助の取り組みを進めてまいりたいと、このように考えております。 90 ◎【村松徹副議長】 第15番、中島正寿議員。 91 ◎【15番中島正寿議員】 取り組みをよろしくお願いいたします。高齢化が進む中で、地域コミュニティを形成していくのは、ますます困難になっていくかと予想します。一層の工夫が必要であり、取り組みをよろしくお願いいたします。  続きまして、消防団についてお聞きします。  消防団は、市や消防署、自主防災組織、地域住民との間をつなぐ存在であります。また、公助を担う消防機関であり、地域防災における中心的な存在だと考えます。平成25年12月に制定をされた消防団を中核とした地域防災力の充実強化に関する法律では、将来にわたり地域防災力の中核として欠くことのできない存在であると規定されました。  そこで、消防団の装備に関してお尋ねをしますが、消防団は、出火や訓練、台風、大雨、大雪、歳末特別警戒をはじめ各種警戒など、さまざまな出場により、その装備、各種機材が傷み劣化を免れないものでございますから、適宜、速やかに行われるべきであります。平成24年度以降の各種出場をお聞きしますと、出火出場については、放火と思われる火災の多発した年もあるなど、年により出場回数は延べ約2,600名から3,700名と変動がございます。また、平成26年2月の大雪のあった平成25年度分の水防出場は3,705名、昨年10月の台風があった平成29年度は、ことし1月末時点で既に2,221名であります。消防団が近年の異常気象に起因する災害発生に対応され、出場回数が変化をしていることがわかります。そうした消防団の各種車両の更新を計画的に行ってまいりましたけれども、平成24年度からは車両の更新周期を変更しております。消防団車両の更新計画の目的と概要についてお知らせいただきたいと思います。 92 ◎【村松徹副議長】 生活安全部長。 93 ◎【藤倉四郎生活安全部長】 消防団の車両につきましては、一般の車両と比較いたしまして走行距離が短く、また、定期的な検査を実施して整備状態もよいことなどから、平成24年度より更新を20年周期に変更いたしました。現在、消防団の車両については、総務省からの貸与車両などを含め、95台を有しておりますが、平成30年度は5台を更新し、その後も20年を経過した車両については順次更新を行ってまいります。  また、更新により新型車両を配備する際には、車両に登載される可搬ポンプや消防用ホース、その他、各種資機材も新調されることから、あわせて装備の充実も図られることとなります。 94 ◎【村松徹副議長】 第15番、中島正寿議員。 95 ◎【15番中島正寿議員】 消防団の装備、また待遇の充実につきましては、2年前に第3回定例会で我が会派議員からも強く訴えてきたところでございます。本年3月1日、第1回都議会定例会で、代表質問に立ちました都議会公明党の東村邦浩都議は、消防団に対する資機材配備、予算の充当などについて、23区と多摩市町村においては状況が違い過ぎることを指摘しました。東京都は23区においては、東京消防庁の予算で資機材等の配備を進めており、毎年平均41億円もの予算を組み、来年度は新たに全ての分団にAEDを配備する予算となっております。しかし、都から多摩市町村の消防団への予算は、23区のわずか3%程度の毎年平均1億2,600万円にとどまっていることから、その格差を是正するよう求めました。これに対し小池都知事は、「都といたしまして、区町村との連携を重視しながら、多摩島嶼地域の消防団の装備について、特別区消防団を基準といたしまして、消防団活動の環境整備を積極的に行うことで、東京の防災力の向上に全力で取り組んでまいります。」と応じる答弁をされたところであります。  東京都の平成30年度予算では、都議会公明党の主張で、市町村総合交付金を50億円増額し、過去最高の550億円となっております。増額した50億円のうち20億円については政策連携枠として設けて、都と市町村が連携して取り組むべき消防団活動の充実など、政策課題について市町村の取り組みを支援するとなっております。今後、この財源は本市の消防団装備のさらなる充実、消防団車両における更新計画の速やかなる実施のために必要になると考えます。  そこで、市における消防団装備の強化に向けた取り組みについてお尋ねします。 96 ◎【村松徹副議長】 生活安全部長。 97 ◎【藤倉四郎生活安全部長】 本市消防団では、平成22年度から平成24年度にかけまして、火災活動等で着用する最新の防火衣を942着配備いたしまして、平成25年度から活動中の団員相互の通信手段として活用いたしますデジタル無線機を271台、また、平成27年度には東京消防庁の通信を受令できる消防救急デジタル無線の受令機を150台配備するなど、装備の充実を図ってまいりました。  市としても、減災対応や災害現場で活動する消防団員の安全確保のためには、最新装備の充実が不可欠であると考えておりますので、今後も消防団の意見や要望を聞きながら、都の交付金あるいは補助金なども活用いたしまして、装備の充実強化を図ってまいります。 98 ◎【村松徹副議長】 第15番、中島正寿議員。 99 ◎【15番中島正寿議員】 どうぞよろしくお願いいたします。  続きまして、市街化区域の災害予防対策についてであります。  初めに、生産緑地管理についてお聞きします。  生産緑地については、土地所有者の死亡、農作業が困難な故障など、農業を継続できない理由があれば、市にその土地の買い取り申し出がなされ、3ヵ月どこからも買い取りの要望がないときは、行為制限解除、つまり、その生産緑地は一般農地となります。正確には、その後の手段としては、翌年度の秋、都市計画審議会で都市計画変更の案件として上げられ、生産緑地は削除となるわけであります。こうして生産緑地から一般農地となった土地については、翌年以降、市はその利用動向を見るため現地調査を行っております。  そこで伺います。市は、生産緑地解除後の土地の利用動向について、どのように把握をしているのかお示しください。 100 ◎【村松徹副議長】 都市計画部長。 101 ◎【守屋和洋都市計画部長】 解除となった生産緑地につきましては、約1年後に現地調査を行っておりますが、農業後継者が不在となったことで、そのうちの約半数は農地を売買し、宅地開発や駐車場にするなど、農地以外の土地利用転換が図られております。 102 ◎【村松徹副議長】 第15番、中島正寿議員。 103 ◎【15番中島正寿議員】 解除となった生産緑地の約半数が農地を売買し宅地開発や駐車場ということでございました。そういう現状でございます。  2022年には、最初に生産緑地地区が指定された1992年から30年となります。生産緑地は30年を経過しますと、先ほど申し上げた理由以外にも買い取りの申し出が可能になります。仮に生産緑地の土地所有者が30年の期限により一斉に市へ買い取り申し出を行い、要望がないときは、その多くが宅地として市場に放出され、土地住宅市場に大きな影響をもたらす、こうした懸念は生産緑地の2022年問題と言われております。本市の場合、初めて生産緑地に指定した平成4年の農地が約210ヘクタール、それは現在ある生産緑地全体の9割にも及びます。生産緑地であったところの大半が宅地化すると、地域防災上、重要な役割を担っている緑の空間やオープンスペースが失われることになります。この地域防災の観点について、市は強調されていないように見えますけれども、地域防災計画上、生産緑地の減少に対して、どのような検討をなされているのかお示しください。 104 ◎【村松徹副議長】 都市計画部長。 105 ◎【守屋和洋都市計画部長】 平成29年度からの都市農地に係る一連の制度改正は、国の都市農業振興基本計画に基づくもので、都市農業の多様な機能の発揮という考え方が強く打ち出されており、環境や景観などの点に加え、防災機能の観点もしっかりとうたわれております。  また、八王子地域防災計画では、生産緑地を防災上重要な役割を担うオープンスペースとして明確に位置づけ、その保全の必要性を訴えています。今後ともこの考え方に基づき、災害に強い都市づくりのため、生産緑地の積極的な保全に努めていく必要があるものと考えております。 106 ◎【村松徹副議長】 第15番、中島正寿議員。 107 ◎【15番中島正寿議員】 私は、具体的な検討も講じてほしいと考えます。  例えば、住宅密集度の高い地域にある生産緑地につきましては、調査、把握をしていただき、このような農地を所有者が維持できないときには、地域防災の観点から、市が生産緑地を買い取ることも検討していただきたいと考えます。  さて、国では、ことしの4月1日から、新たに13番目の用途区域となる田園住居地域の設定をできるようにします。1992年の法改正で12種類になって以来、25年ぶりの用途区域の追加となります。生産緑地内に農家レストランや直売所などを設置できることから、従来よりも柔軟なエリアとなるわけです。ただ、懸念されるのは、農家は高齢化しており、こうしたメリットを実際にどこまで展開できるのか、生産緑地を利活用する施策については、当該所有者を後押しする取り組みが必要になるのではないか、そう思います。市は、庁内検討会を持っているようですけれども、現在のお考えをお聞かせいただきたいと思います。 108 ◎【村松徹副議長】 都市計画部長。 109 ◎【守屋和洋都市計画部長】 田園住居地域につきましては、農業の利便の増進を図りつつ、これと調和した低層住宅に係る良好な住居の環境を保護することを目的とし、制度改正に伴い、新たに加わった用途地域です。既に庁内においては所管を横断して研究を始めており、本市への適合性という点をはじめとし、さまざまな観点から検討を進めております。今後、東京都や他市とも綿密に情報を交換し、導入の可能性を探っていくとともに、所有者支援の取り組みにつきましても庁内の議論を深めていきたいと考えております。 110 ◎【村松徹副議長】 第15番、中島正寿議員。 111 ◎【15番中島正寿議員】 ぜひよろしくお願いいたします。  農家の後継者難は深刻でございます。所有者自身も高齢となり、農家を継続していく自信が持てない。そうした課題がある中、生産緑地においては特定貸付の制度で生産緑地廃止を防ぐ制度変更が示されました。政府与党は、18年度税制改正大綱に、生産緑地を貸し出した場合でも、これまで認められなかった相続税の納税猶予を認めるなど見直しを明記しております。その裏づけとなる新法が、今、国会で提出されています。新法には一定の要件を求めていますが、こうした生産緑地の貸借を円滑化する法整備を我が党は牽引しており、農業関係者にもこの取り組みに期待する声が上がっております。  そこで伺います。市は、こうした生産緑地をめぐる制度変更を受けて、現状、どのような議論をされているのかお示しください。 112 ◎【村松徹副議長】 都市計画部長。 113 ◎【守屋和洋都市計画部長】 都市農地の貸借の円滑化に関する新規の法制度につきましては、現在、国の動向を注視している段階ですが、この制度によって生産緑地の貸借が促進されれば、後継者問題等の解決策の一助ともなり、都市農地の保全に一定の効果を見込めるものと考えております。今後、法案が成立すれば、本市の都市農業の振興に資するよう、関連部署一丸となって体制を整え、適切な運用に努めてまいります。 114 ◎【村松徹副議長】 第15番、中島正寿議員。 115 ◎【15番中島正寿議員】 よろしくお願いします。  この質問のまとめに、駒沢副市長にお尋ねしたいと思います。  いわゆる生産緑地の2022年問題を控えて、国では30年の期限を迎える一定の生産緑地所有者が農地を維持できる選択肢が広げられるよう、法制、税制の見直しを図っております。各自治体の生産緑地の規模、状況は、さまざまであり、生産緑地を維持していく施策は、今後、各自治体で多少取り組みに差が出てくるかもしれません。しかし、私は、面積要件を300平方メートルに緩和する条例化を行うべきだと考えます。  その主な理由としまして、小規模の生産緑地であっても農作業が続けられるという所有者の期待に応えられること、また、生産緑地は、万一火災が発生した場合に延焼を防ぐオープンスペースの役割、地域防災を担っているということでございます。さらに、田園住居地域に指定されれば、新たな利用形態の可能性も期待できます。本市では、宅地群の間に挟まれるように生産緑地がある場合が多く見受けられます。本市においては早期に条例化を推進していただきたいと考えます。  今申し上げた国の施策動向を注視しながら、今後、生産緑地所有者の選択肢が広がる都市農業を重視しまして、まちづくりをどのように進めていくのか、駒沢副市長の所見を伺わせてください。 116 ◎【村松徹副議長】 駒沢副市長。 117 ◎【駒沢広行副市長】 都市農業を重視したまちづくりについてでありますが、生産緑地の有する多様な機能の中でも、防災という視点は極めて重要なものと考えているところでございます。本市では、生産緑地の指定の際に、災害時の使用について所有者に協力を求めるなどの措置も講じているところでございます。今後は、生産緑地指定の後押しを図るためにも、面積要件の緩和に関する条例制定、あるいは要綱の改正などを検討するとともに、特定生産緑地制度の活用を促すなど、農業が続けられる環境を整え、生産緑地が持つ機能がまちづくりに生かされるよう、さらなる取り組みを進めてまいります。 118 ◎【村松徹副議長】 第15番、中島正寿議員。 119 ◎【15番中島正寿議員】 今のお言葉のとおり、しっかりとした取り組みを期待しております。よろしくお願いします。  続きまして、空き家対策に関して、空き家のデータベースにおける利活用について伺います。  昨年の予算総括質疑で私が訴えました空き家の利活用に向けたデータベースについては、関係所管で調整をされ、平成30年度から取り組まれます。その取り組みを高く評価したいと思います。平成30年度は、所有者への意向調査を行い、データベースの作成へつなげていきますが、管理不全の空き家を生まない予防策を立てる上で有力な資料になるものと考えております。  その意向調査のうち、利活用及び売却の意向の調査につきましては、相続をはじめさまざまな理由で所有物件をすぐに売却できない、あるいは貸すことができない状況があることから、的確な実態把握ができるよう調査する必要があると考えます。この点に関する市の所見をお聞きします。
    120 ◎【村松徹副議長】 まちなみ整備部長。 121 ◎【三輪良春まちなみ整備部長】 空き家の所有者の利活用に関する的確な意向把握については、平成30年度に実施する空き家の所有者への意向調査において、売却や賃貸の意向を捉えるだけでなく、売却や賃貸が進まない原因について把握できるよう、質問項目をしっかり整理します。その上で、所有者の方が必要とする支援や相談の体制を整えていきたいと考えています。 122 ◎【村松徹副議長】 第15番、中島正寿議員。 123 ◎【15番中島正寿議員】 ぜひ適切な相談の体制づくりをお願いいたします。  ここで、東京都の貸家支援事業について取り上げたいと思います。  東京都では、平成30年度予算案に、都民による都民提案制度8億5,000万円が計上されております。この制度は、都民が提案し、都民が選ぶ仕組みで、行政にはない新しい発想の活用、都政への参画を目指すとしております。子育て支援、高齢化施策、働き方改革、防災対策、空き家活用、環境施策の6分野があり、今回は合計9件の都民提案が新規事業として選ばれました。そのうち空き家活用分野で選ばれた「空き家の緑化で地域を彩る!貸し庭支援事業」は、八王子市民の御提案です。提案者のお話を伺いますと、最近、近隣でも手入れされていない空き家が多く見られ、景観も悪くなり、防犯、防災上も心配である。例えば、気心の知れたお隣が空き家になる。所有者から、家はともかく庭を家庭菜園などに活用してよいということになれば、樹木、雑草が生い茂ることもない、景観も維持され、所有者としても手入れされて安心感があるという、そうした地域のお声、御自身の実感も込めて都民提案としてまとめられ、採用されたようでございます。  さまざまな事情で売却や賃貸ができず、管理不全の空き家に陥りやすいケースをサポートする取り組みとして、私は、この貸し庭支援事業は有効であると考えております。  市は、この事業に対し、どのように把握をされているのか認識をお伺いします。 124 ◎【村松徹副議長】 まちなみ整備部長。 125 ◎【三輪良春まちなみ整備部長】 東京都の貸し庭支援事業についてですが、この事業は、平成30年度に東京都が区市町村支援事業として実施するもので、空き家の近隣にお住まいの方などが、空き家となっている庭を家庭菜園やガーデニングなど緑の創出の場所として利活用することを目的とし、費用の3分の2を区市町村を通じて補助するものです。空き家の所有者と利活用を希望する周辺住民の双方にメリットがあり、空き家の管理不全予防に有効な方策の1つとなり得ると認識しております。 126 ◎【村松徹副議長】 第15番、中島正寿議員。 127 ◎【15番中島正寿議員】 空き家の管理不全予防の有効な方策の1つになり得るということでございます。  そこでお尋ねします。空き家データベースは、明年3月には完成し活用が始まります。意向調査の取り組みの中で把握された実態を踏まえ、地域に使っていただきたいという意向を示された所有者につなげられるよう、当該支援事業が管理不全の空き家の予防策の1つとして取り組まれるべきだと考えます。市の所見を伺いたいと思います。 128 ◎【村松徹副議長】 まちなみ整備部長。 129 ◎【三輪良春まちなみ整備部長】 貸し庭支援事業の市の考え方についてですが、住宅が空き家となるには、それぞれ個々の事情があり、それが管理不全にならないよう予防するためには、多様な対応策、支援策が必要であります。この貸し庭支援事業につきましては、今後、東京都へ制度の詳細な内容を確認し、市民の皆様に周知を図るとともに、各町会等を通じて地域の利用ニーズを捉え、地域に使っていただきたい旨の意向が示された空き家所有者とのマッチングをできるよう検討してまいります。 130 ◎【村松徹副議長】 第15番、中島正寿議員。 131 ◎【15番中島正寿議員】 ぜひ今のお言葉どおりの御検討、よろしくお願い申し上げます。  私の質問の最後に、災害に強いまちづくりに向けてということで、石森市長にお伺いいたします。  平成27年3月に策定された第2次八王子市都市計画マスタープランである都市づくりビジョン八王子は、3年ごとに点検評価を実施して9年目にマスタープラン改訂に向けた点検評価を行います。平成30年度は第1回目の点検評価を迎えるわけでございます。人口減少、超高齢社会は、家族構造や社会構造を変え、都市構造を変えていく、つまり、私たちが住みなれたまちのモデルチェンジを否応なく迫っているのであります。東日本大震災の後に改訂された第2次八王子都市計画マスタープランは、都市づくり方針の1つとして、災害に強くしなやかな安全安心の都市づくり方針を掲げ、大震災の教訓を生かせるよう、地域防災計画と連携し、災害に強いまちづくりを目指して進めてきました。今後は自主防災組織や消防団に向けた人づくりの強化について、着実に取り組みながら、近年、国の政策として強調されるようになった空き家対策の取り組み、生産緑地関連の法制度変更などについても、災害予防の取り組みの面から捉え生かしていくなど、有効な制度活用を行いながら、都市づくり方針をもう一歩深く進めていく取り組みが必要なのではないかと考えております。今後、本市における災害に強いまちづくりに向けた取り組みについて、市長の決意、展望をお聞かせください。 132 ◎【村松徹副議長】 石森市長。 133 ◎【石森孝志市長】 災害に強いまちづくりに向けての私の考え方でございますけれども、本市の強みでもございます市民力、地域力を生かし、市民の皆様との協働のもと、ハード、ソフト両面での対策を着実に講じていくことが重要となります。その対策に当たりましては、計画的な都市基盤整備とともに、生産緑地の新たな制度や空き家への取り組みなど、柔軟な対応が必要であると考えております。今後とも効果的な連携を図りながら、防災機能の強化と地域活力の向上にしっかりと取り組んでまいります。 134 ◎【村松徹副議長】 第15番、中島正寿議員。 135 ◎【15番中島正寿議員】 今、市長の御決意にもありましたように、災害に強いまちづくりに向けたまちづくり、また環境づくりに向けて、市長を先頭に、しっかりと雄渾の指揮で前に進めていただきたいと要望して、私、中島の一般質問を終わります。ありがとうございました。 136 ◎【村松徹副議長】 次は、第23番、浜中賢司議員。                    〔23番議員登壇〕 137 ◎【23番浜中賢司議員】 自民党新政会の浜中賢司です。通告に従いまして一般質問を行います。  今回の質問は、中核市移行以来3年を経過した本市の現状を確認したいと思います。  まず、地方分権改革の流れと考え方ですけれども、平成11年7月8日、地方分権一括法の成立以来19年が経過いたしました。第1次分権改革、三位一体改革、第2次分権改革と順次進められてきました。その間、機関委任事務制度の廃止、国と地方の役割分担の明確化、国の関与のルール化等が行われてきました。  さらに、基礎自治体の財政強化のため、全国的な合併の運動も推進され、平成11年には3,232であった市町村が、平成26年には1,718となっています。  また、現在の地方公共団体の厳しい財政状況や地域経済の状況等を踏まえ、簡素で効率的な行財政システムの構築、みずからの行財政運営の透明性、公共サービスの質の維持向上などに努めることで、住民との対話の中で自主的に行政改革に取り組むことも求められてきました。  地方分権改革とは、住民に最も身近な行政主体である基礎自治体に一定の事務事業を配分することにより、その地域のことはみずからの責任で決定できるような自立した地域社会をつくっていくことであります。これは基礎自治体こそが地域における行政の自主的かつ総合的な運営の中心的な役割を担うべきという考え方であります。  地方分権改革の中では、一般に多くの移譲事務を伴いますが、その円滑な移譲を実現するためには、まず権限の移譲を受ける基礎自治体自身の主体的な取り組みが重要で、これまた必要なことであります。移譲される事務と従来から処理している事務を一体的かつ総合的に行うことによって、その相乗効果を発揮できるようにしなければなりません。さらに地域住民が地方分権の意義や権限移譲の効果について、より強く実感できるようにすることも重要であります。  しかし一方で、地方分権改革や人口減少、少子高齢化などに対応するためには、広域連携や、あるいは都道府県による行政の補完なども当然必要であります。  ここまでは国の分権改革の流れでありますが、国と地方自治体、広域自治体と基礎自治体、市町村と地域住民などの関係も、基本のコンセプトは同様でありまして、決定や時期などできる限り小さい単位で行い、できないことのみをより大きな単位の団体で補完していくということは当然の流れだと思います。  こうした流れの中で、本市は、平成12年、中核市移行を検討しました。その時点では、保健所などの移管の問題も含めて、財政的な困難が大き過ぎるとして移行を断念したわけであります。その後、石森市長が1期目の公約として、再び中核市を目指すとして準備に3年をかけ、平成27年4月、中核市としてスタートいたしました。当時の説明では、1,261の事務移譲があり、その財源としては交付税29億円あまりが手当てされると言われておりました。また、職員につきましては65名の増員を見込んでいるとの説明もありましたし、私も、当時、中核市移行調査特別委員会の委員でありましたが、不安と期待が入り交じった状態で、さまざま議論をさせていただきました。特に東京都初ということで、東京都のほうでも試行錯誤があったようであります。  例えば、一例ですが、都の単独事務に対する見解の相違などは、都側の姿勢として疑問に思うことが幾つかあったと記憶しております。法定移譲事務と密接な関係のある単独事務補助金は、中核市が行うべきであるとして、例えば福祉関係の包括補助金は中核市が担うべきであるとか、子育て支援交付金については中核市を除外するなど、分権論議とはおよそかけ離れたやりとりが行われたようです。市側の主張の基本は、中核市制度は地方分権の1つの形であり、その機能は指定都市とは大きく異なり、都からの独立は認めておらず、共同により事務を担当していくとのことでありました。こうした経過を踏んで、結果、多くの問題に対し本市担当の職員の粘り強い努力により、都側との調整が整い、移行にこぎつけたわけであります。  こうしたことを考えますと、中核市移行の成果をしっかり上げなければなりません。市民の皆様にも地方分権改革の意義を知っていただくことが重要であります。移行前の議会や各委員会では、準備に向けたさまざまな質問がありました。財政や職員の研修及び配置、最も多かったのは、中核市移行の効果はどのようなことがあるのかといった議論がされたと記憶しております。  私も中核市移行調査特別委員会で議論をした中で最も強調したのは、スタートからいきなり効果や成果を望むのは厳しいのではないかということです。それは職員の意識は、まず実際の業務を通じて高まってくるし、市民の皆様と接触することで新たな課題も発見し、さらなる改善につなげていくことになるのではないかと感じたからであります。  そこで、3年が経過した今、改めて検証してみたいと思います。  移行前の時期に一般の市民の皆様に向けた説明会がありました。中核市になって何が変わるのか、またどのようによくなっていくのかを中心に説明が行われました。その中で中心的に説明されたことは、大きく分けると9つの事務でありました。まず、文化財関連、屋外広告物の規制、宅地開発関係、特定計量器事務、身体障害者の手帳、福祉施設の設置認可・指導監査、教職員の研修、廃棄物行政全般の管理、動物愛護などの政策でありました。  ここでは主な移譲事務事業に対し、中核市移行後、どのように取り組んだかを確認をさせてください。特に1点目として屋外広告物の規制、2点目は福祉施設の許可・指導監査について、3点目は宅地開発許可の指導監督について、4点目、産業廃棄物処理業務、5点目については教職員の研修についてお聞きいたします。  さて、日本の大都市制度には、政令指定都市、中核市、そして当時は特例市もありましたが、その1つとして、平成7年から中核市が施行されました。その後、平成29年1月の時点で48市が中核市に指定されています。中核市には政令指定都市に準じた事務の範囲が移譲されていますが、その権限は政令指定都市とは異なり、財源や事務の範囲も限定されています。中核市としては事務の移譲はあったが、地方分権改革の観点からも、財政や権限はまだまだ物足りない点が多くあると言われております。その課題解決の1つの手段として、48の中核市が連携して共通の課題を国に対して提言をしていく中核市市長会があります。そこで、ここ3年間、中核市市長会での議論や提言はどのようなことが行われていたのかお聞きをして1回目の質問を終わります。 138 ◎【村松徹副議長】 まちなみ整備部長。 139 ◎【三輪良春まちなみ整備部長】 中核市移行後の屋外広告物事務の取り組みについてでございますが、中核市となり、八王子市屋外広告物条例を制定しました。新たな取り組みとして、景観計画に位置づけ、高尾駅北口地区について、地域独自の屋外広告物ルールを策定中です。さらに平成30年度には、高尾山口周辺地区につきましても検討に入る予定です。  平成29年度の主な事業としては、八王子景観百選を選定したところです。また、市内の優れた屋外広告物を表彰する屋外広告物賞について、現在、取り組んでいるところです。 140 ◎【村松徹副議長】 福祉部長。 141 ◎【小峰修司福祉部長】 中核市に移行して大きく変更した点についてですが、高齢者関連では、市の条例に人権擁護や虐待防止研修、災害対策計画の策定・周知などの義務づけや職員の資質向上に向けた研修機会の確保に向け、外部研修の受講について明記するなど、市の独自基準を設けました。  また、指導監査におきましては、東京都より実地検査の頻度をふやしております。平成27年度及び平成28年度は、合計で1,455ヵ所の社会福祉法人、社会福祉施設、サービス事業所に現場で指導監査を実施しております。さらに、平成29年度には、臨時検査、いわゆる抜き打ち検査を始めております。 142 ◎【村松徹副議長】 子ども家庭部長。 143 ◎【豊田聡子ども家庭部長】 中核市以降の変わった点についてでありますが、保育園等の設備運営基準のうち、職員配置基準につきましては、国や都基準を上回る独自基準を設けております。  具体的には、3歳児の場合、国や都基準が幼児20人につき保育士1人であるのに対し、本市では15人につき1人と規定し、また、4歳児以上の場合には、国や都基準が幼児30人につき保育士1人であるのに対し、本市では27人につき1人と規定しております。 144 ◎【村松徹副議長】 開発・建築担当部長。 145 ◎【村野弘幸開発・建築担当部長】 宅地開発の移譲事務につきましては、東京都から主に3点の許可権の移譲を受けました。1点目は、都市計画法による開発行為の許可。2点目は、同じく都市計画法による市街化調整区域での建築行為の許可。3点目は、宅地造成等規制法による造成行為の許可でございます。  本市独自の取り組みといたしまして、開発行為の一部について面積要件を強化したこと、完了検査合格後、完了公告までの期間を大幅に短縮いたしました。  また、建築確認をはじめとする関連諸課との連絡調整、いわゆる横串でございますが、より一層の円滑化を図れたことで、効率的に業務を行っているものと認識しております。 146 ◎【村松徹副議長】 資源循環部長。 147 ◎【原田親一資源循環部長】 中核市移行後の産業廃棄物に関する事務についてですが、現在、権限が移譲された産業廃棄物処理業の許可、施設設置許可及び産業廃棄物にかかわる規制指導を行っております。  また、中核市移行時において懸案となっている事案約200件を引き継いでおり、そのうち19件が環境省へ報告義務のある大規模な懸案事案であります。これらの事案につきましては、生活環境に支障がないかどうかの調査を速やかに行っております。  また、PCB廃棄物に関しましては、処分の期限が法律で定められておりますので、期限内の処理に向けた啓発や指導に取り組んでおります。  なお、平成29年度には、一般廃棄物収集運搬許可業者による不法投棄案件を摘発し、許可取消の行政処分を行ったところであります。 148 ◎【村松徹副議長】 指導担当部長。 149 ◎【山下久也指導担当部長】 中核市移行後の教員研修についてでございますが、本市では、八王子市教員育成研修基本方針に基づき、八王子の歴史、文化財等を生かす、八王子の学園都市の特性を生かす、八王子の市民力を生かすの3つの視点を踏まえ、新規採用教員や転入教員等を対象にした地域理解・教材化研修、JAXAや市内大学等関係機関と連携した研修、市内企業等に御協力をいただいた企業等体験研修を実施しております。  また、育児休業中でも資質能力の向上を図りたい教員の思いに応えるために、産休・育休取得中の教員を対象とした託児場所を確保した研修会も東京都で初めて実施をするなど、八王子市独自の教員研修を実施してまいりました。 150 ◎【村松徹副議長】 都市戦略部長。 151 ◎【小柳悟都市戦略部長】 中核市市長会での議論や提言でございます。中核市市長会の中に3つのプロジェクトを設けまして、毎年テーマを決めまして中核市固有の課題について検討し、国に対して提言活動を行っております。平成29年度につきましては、児童相談所について、少子化対策について、そして地方における人材確保についてを検討しまして、それぞれ10月に提言書を国に提出いたしました。  このほか、先ほど御紹介のありました大都市制度におきます3つの市長会、指定都市市長会、中核市市長会、そして全国施行時特例市市長会の3市長会による共通の課題解決に向けました共同提言なども行っており、分権改革をリードする立場として、積極的に国に働きかけをしているところでございます。 152 ◎【村松徹副議長】 第23番、浜中賢司議員。                    〔23番議員登壇〕 153 ◎【23番浜中賢司議員】 2回目の質問を行います。  各事務の現在行われている実態をお答えいただきました。それぞれの事務は移行以前にも東京都などとの協議において、派遣研修などを通じ、内容は十分に把握して準備に臨んだことだと思います。お答えをお聞きしますと、ある程度準備が整い、また以前から東京都の事業として取り組んでいた事業もあるわけで、業務のほとんどは、ある意味、スムーズに移行がされたように感じております。  屋外公告物の条例の設置宣言についても、景観条例との連携により地域独自の屋外公告物ルールなどに取り組み、また八王子景観百選や屋外公告物を表彰することにも取り組んでいるとのことでありました。  福祉関連の事務については、市独自の条例を制定し、人権擁護や虐待防止、災害対策などにも取り組み、指導監査におきましても、都より実地検査をふやし、臨時の検査にも取り組んでいるとのことであります。この臨時の検査は抜き打ちの検査ということで、やはり効果は多いものだと思いますし、中核市になった効果ではないかと思っております。  子育ての分野では、保育士配置基準の強化などで保育の質の向上に取り組んでいただいております。  また、宅地開発については、開発行為や宅地造成等規制法などの法を市独自の判断で行うことができるようになり、関連所管との連絡調整も効率的になった、このことも重要であります。また、許可件数も移行前とほぼ変わらない、ある意味、順調に移行できたなというふうに感じております。  産業廃棄物の関連事業のお答えでありますけれども、新たな部署の新設も含めて、中核市として責任ある廃棄物処理行政に取り組んでいるとのお答えがありました。特に不法投棄への取り組みは、東京都から引き継ぎの現場に多くの難しい案件があるということで、処理がたくさんあるというお話でございました。市の職員による現場指導の回数をふやしたり、さらには警察のOBの職員などの活用を積極的に行うなどして取り組んでいただいていると聞いております。  次に、教員の研修が、中核市になり一部の研修は市独自で行えるとのことで、その研修を実施しています。八王子市教員育成研修基本方針に基づいて、八王子市をもっと深く知ってもらうことに特化した研修の実施でありますとか、企業等体験研修などにも取り組んでいただいているようであります。また本市独自の託児場所を確保した研修などにも取り組んでいるとのお答えがありました。  お尋ねをした5つの分野はお答えがありましたが、私も確認をいたしまして、ほかの重要文化財の公開の許可でも時間の短縮が見られます。障害者手帳の発行期間、これも短縮をされているようでございます。計量事務では、小規模店も検査対象としていること。そして今、スーパーなどで見ますと、はかりの横には八王子のシールが張ってあるということも変わってきたというところだと思います。動物愛護でも、市独自の動物の愛護及び管理に関する条例の制定など、事業移行の成果が報告されているところでございます。  移行後3年を経て、各事業もおおむね順調に事務移譲がされているのではないでしょうか。職員もお聞きするところでは、65人の増員をそのままではなく、行革の取り組みにより工夫をして増員する実数を減らしているとのことであります。移行前のさまざまな課題に対し、しっかり取り組み、職員の皆様も移行の効果を出すため努力をされているというふうに感じました。  また、移行した事務事業の成果だけでなく、中核市市長会を利用しながら地方自治体の分権改革を国に直接働きかける機会もふえ、また提言も行っているとのお答えもありました。中核市同士の連携や指定都市市長会、施行時にありました特例市の市長会などとさらに連携を深めて、1つでも地方から国に提案して実現することが重要で、それが地方創生につながっていくことになるのではないでしょうか。  こうしたことを踏まえ、中核市により与えられた権限を生かし、各事業をさらにレベルアップしていかなければなりません。分権論議の観点からは、可能な限り多くの行政事務を住民に最も身近な基礎自治体が広く担うということがありますが、それぞれの所管は、今まで東京都が行ってきたときと、市が直接業務を行っている現在の違いを感じていると思います。特に市民に対する説明責任もさらに重要になってきていると思います。そのためには、現在取り組んでいる内容を各所管が満足することなく、市民の理解を得ながらさらに磨きをかけなければなりません。  そこで、今申し上げた事業について、中核市移行後、それぞれの所管で現状をどのように、自分の所管の評価はどのようにしているのかをお尋ねして2回目の質問を終わります。 154 ◎【村松徹副議長】 まちなみ整備部長。 155 ◎【三輪良春まちなみ整備部長】 屋外広告物事務の取り組みの現状の評価でございますが、中核市となり、八王子市独自の取り組みとし、屋外広告物地域ルールの取り組みを行いました。  また、市政100周年事業に位置づけ、市民の皆様とともに八王子景観100選の選定や、優れた屋外広告物の表彰など、積極的に事業に取り組んでいるところでございます。  屋外広告物の申請につきましては、許可期間の短縮により、スピードアップを図り、市民サービスの向上につながったものと評価しております。今後、さらに屋外広告物の事業主に直接働きかけることで、より実効性のあるものとしてまいります。 156 ◎【村松徹副議長】 福祉部長。 157 ◎【小峰修司福祉部長】 中核市に移行し、どのような成果があったのかという御質問ですが、市が開催する虐待防止研修には、多くの介護サービス事業者から職員が参加するなど、研修機会の確保とあわせ、職員の資質向上がなされたものと評価しております。災害対策につきましても、福祉施設などへの福祉避難所の設置と相まって、地域の防災力向上に寄与しているものと考えております。  また、介護サービス事業者などが法令等の基準に反していると疑われる場合には、監査を行い、必要に応じ処分等を行っております。平成28年度には2事業者5事業所、平成29年度には1事業者7事業所の指定取消を行っており、不適正な事業者の抑止を図るとともに、講習形式の集団指導を実施することで、事業者が提供するサービスの質の向上にもつながっているものと考えております。 158 ◎【村松徹副議長】 子ども家庭部長。 159 ◎【豊田聡子ども家庭部長】 独自基準を定めた保育園運営に対する評価についてでありますが、保育園等における職員の配置基準につきましては、保育士が受け持つ幼児の人数を少なくすることにより、幼児ひとりひとりに保育士の目が行き届くようにするために定めた基準であります。この独自基準により、子どもたちの健やかな心身の発達を保障するための保育環境の確保と保育の質の向上が図られたものというふうに考えております。 160 ◎【村松徹副議長】 開発・建築担当部長。 161 ◎【村野弘幸開発・建築担当部長】 宅地開発許可事務の事業評価でございます。この許可権が移譲されて以降、権限を有効活用すべくさまざまな取り組みを行ってまいりました。従前から課題となっていた市街化調整区域の活力向上につきまして、都市計画所管と連携し、都市計画法に基づく条例や地区計画を定め、地域の特性に応じた土地の活用が可能となりました。地域の方々が自分たちの手で問題を解決していく機運が高まることにより、地域の活性化につながっていくものと認識しております。  また、職員がこの権限をどう有効活用していくかを常に考えるようになり、市民ニーズを踏まえた上で、細かい部分も改善していくという意識が強くなったことから、大きな成果が得られたと考えております。 162 ◎【村松徹副議長】 資源循環部長。 163 ◎【原田親一資源循環部長】 産業廃棄物に関する事務の評価についてでございますが、産業廃棄物に関する事務が移管され、一般廃棄物に関する事務とあわせて一元的な管理が行えることから、より迅速な対応が可能となったと認識しております。こうした中、市内の許可業者などに対しては、順次立ち入り検査を実施し、法令遵守の確認と指導を行い、廃棄物の適正処理を促しております。  また、市民からの問い合わせなどに関しましても、これまで以上に迅速かつきめ細かな対応が可能となったと考えております。  今後とも、廃棄物の適正処理を推進することで、市民生活の環境保全に努めてまいります。 164 ◎【村松徹副議長】 指導担当部長。 165 ◎【山下久也指導担当部長】 教員研修に対する評価についてでございますが、特に夏季休業期間中に実施をしている指導力パワーアップ研修の教育委員会企画の講座では、平成29年度には74講座、参加教員は2,536名と、中核市移行前の平成26年度と比べて、それぞれ約2倍と大幅に増加し、受講者アンケートでは、研修内容及び職務への活用について、参加した教員の約98%から肯定的な評価を得たことから、中核市移行後、今日的な教育課題や教員のニーズに合致した講座を多く実施できていると感じております。  これからも八王子の教員としての意識を高め、市の特色や歴史、文化等を授業に活用する力を育成し、子どもたちにとって豊かな学びにつながる研修の充実を図ってまいります。
    166 ◎【村松徹副議長】 第23番、浜中賢司議員。                    〔23番議員登壇〕 167 ◎【23番浜中賢司議員】 3回目の質問を行います。  各事業の評価はそれぞれお答えをいただきました。事務移譲は順調に進んでいると思われますし、権限をより生かそうとする各所管の姿勢は大いに感じられるわけであります。  お答えに共通しているのは、市民との距離の近さが増したとの認識があることです。これはとても重要で、行政が市民目線を忘れては、市政の運営はうまくいかないのは当然のことであります。広域自治体である東京都は広域自治体として取り組むべき業務があります。一方、中核市などの大都市制度の目的は、みずからの住む地域のことはみずからの責任で決定できるような自立した地域社会をつくっていくことであります。ですから、八王子市に住む市民こそ八王子市の主役で、その市民の皆様の意見や提案を各事業でどれだけ取り入れられるかにかかります。特に移譲された事務を担当した職員の取り組みが市民にとってどのくらい身近に感じてもらえるかが重要であります。それが今後のさまざまな事業の市民参加につながるのではないでしょうか。  先ほども市街化調整区域の活力の向上について、地域の方々が問題を自分たちの手で解決していく機運が高まる、このようなお答えがありまして、ほんとうによい例だと思います。  移行の前に議論された中核市についてどう変わるのかというのは多くの市民の疑問であり、意見でありました。3年を経過して今までの議論から、私は、職員一丸となった大変な努力の結果があらわされているのではないかと評価をいたします。しかし、これで終わりではありません。さらなる改革が求められます。  先ほど、会派の馬場議員も申し上げましたが、中核市になって、例えば職員のひとりひとりのスキルをさらに上げていくこと。組織としても勇気を持って新しい提案に挑戦していく視点が求められると思います。八王子の提案が東京都や国に対して取り上げられ、新たな予算や制度にもつなげられるくらいの気持ちで今後取り組んでいただきたいと思います。  中核市への移行は大変大きな決断だったわけで、3年を経て少しずつ職員の皆様にもなれがあり、中核市をあまり意識しなくなってきているようです。それはそれで結構でありますが、中核市に移行した意義は、地方分権改革の実践であることは忘れてはなりません。そして、中核市としてできる事業を磨き上げ、本市の取り組みが他市の先駆けとなるよう、創意工夫を積極的に取り入れていただきたいと思います。そうすることで、東京都初の中核市として三多摩格差をなくすことや、三多摩26市のリーディングシティとして進んでいく役割を果たすことになるのではないでしょうか。  そこで最後に市長にお伺いいたします。今後、中核市移行を契機に分権時代をリードする自治体としての基盤をどのように整えていくのか。先ほどから議論してきた各事業のこれからの取り組みも踏まえて、市長の決意をお伺いいたしまして、私の質問を終わります。 168 ◎【村松徹副議長】 石森市長。                     〔市長登壇〕 169 ◎【石森孝志市長】 それでは、23番、浜中賢司議員の質問にお答えいたします。  分権時代をリードする自治体としての決意でございますが、平成27年4月に移行して以来、各所管では、移譲された権限を最大限に生かし、独自ルールの策定や事務の効率化、スピードアップといった取り組みを進めてまいりました。  今後は、都内唯一の中核市として、さらなる市民サービスの向上に向けて、屋外広告物の地域ルールの策定や沿道集落の活性化など、本市の特性を生かした取り組みを進めてまいります。  加えて、多摩26市の中で分権時代をリードする自治体として、分権改革の提案募集や特区といった制度を活用し、国に対し、本市独自の提案を積極的に行ってまいる所存であります。 170 ◎【村松徹副議長】 次は、第11番、梶原幸子議員。                    〔11番議員登壇〕 171 ◎【11番梶原幸子議員】 自民党新政会、梶原幸子でございます。発言通告に基づきまして一般質問をさせていただきます。  在宅で療養が必要なお子さんの中で、医療の進歩により、人工呼吸器管理や嚥下機能の障害などにより食事のためのチューブを胃に通す経管栄養、また、気管切開などの医療的ケアが必要なお子さんが増加してきています。1970年代後半から医療技術の飛躍的進歩と、NICUの整備などにより、産まれたばかりの赤ちゃんであっても手術や治療が可能となり、現在、国内では新生児が命を落とす可能性は1,000人に1人まで減少しました。日本は新生児救命率は世界1位です。現在では、300グラムの超低出生体重児や仮死状態で産まれてきても健やかに成長できるケースがふえてきました。ゼロから19歳の医療的ケア児数は、全国で平成27年度1万7,000人、平成17年は9,403人ですので、10年でほぼ倍近くとなっております。  ここでお伺いいたします。八王子市では、19歳までの在宅で療養している方たちを把握していらっしゃいますか。お答えください。  また、その中で医療的ケアを受けているお子さんについては、どのような把握をしていらっしゃいますか。あわせてお答えください。  気管切開や経管栄養などの医療的ケアを受けていても、部屋の中を歩いたり、絵本を読んだりと、健常児とほとんど変わらない状態像を示す子どもたちもいます。通学できるお子さんも医療的ケアがあることで、学校から断られることもあることが全国では報告されています。  ここでお伺いいたします。八王子市では、医療的ケアが必要なお子さんの教育はどのようになっているのでしょうか。お答えください。  以上で、1回目の質問を終わります。 172 ◎【村松徹副議長】 福祉部長。 173 ◎【小峰修司福祉部長】 在宅療養児につきまして御質問いただきましたので、御答弁申し上げます。  在宅で療養している19歳までの方たちの把握についてですが、在宅療養児の生活は、個々の状態により多岐にわたるため、把握はできていない状況にございます。  医療的ケア児につきましては、今回の障害児福祉計画策定の際に、通所施設を通じまして、障害児やその家族にアンケートを実施し、日常生活の状況や福祉サービスに対するニーズなどの把握をしているところでございます。 174 ◎【村松徹副議長】 学校教育部長。 175 ◎【廣瀬勉学校教育部長】 在宅での医療的ケアが必要なために学校に通うことが困難な児童・生徒への教育につきましては、都立の特別支援学校に籍を置いた中で、教員が児童・生徒の自宅を訪問して指導する訪問教育を受けることができるほか、本人の体調に応じて登校して授業を受けるスクーリングも対応が可能な状況となっております。 176 ◎【村松徹副議長】 第11番、梶原幸子議員。                    〔11番議員登壇〕 177 ◎【11番梶原幸子議員】 それぞれお答えいただきましてありがとうございます。  医療技術の向上等を背景として新たに生まれるようになった医療的ケア児は、過去にはない障害のカテゴリーです。もともと日本における障害児の分類は、大島分類というものが使われており、身体をコントロールする力、座位がとれる、立てるなどと、知的能力、IQがどの程度であるかという2つの軸によって障害レベルが判定されていました。この分類により子どもの障害が決められ、それに応じた行政支援が受けられるのが現在の支援制度となっております。この大島分類は、45年前につくられたものなので、新しい存在である医療的ケア児は考慮されていません。  例えば、知的なおくれがなく、自分で歩くこともできるが、経管栄養のチューブがついている医療的ケアの必要なお子さんは、この分類では障害がないということになります。市内の医療的ケアを必要とするお子さんが数として把握できないのも、こういったことが理由となります。  しかしながら、これまで既存の障害児支援の法制度の枠組みに入れなかった医療的ケア児ですが、平成28年、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律及び児童福祉法の一部を改正する法律において、身体、知的、精神、発達障害に続き、初めて医療的ケア児が法律に明記されました。これによって人工呼吸器を装着している障害児、その他の日常生活を営むために医療を要する状態にある障害児が適切な保険、医療、福祉、その他の各関連分野の支援が受けられるように、各分野の支援を行う機関との連絡調整を行うための体制整備に関して必要な措置を講ずるよう努めなければならず、自治体の医療的ケア児への対応が努力義務となりました。対応の内容については各自治体に委ねられています。しかしながら、NICUはどこも満床で、ハイリスク新生児への対応が難しい状況が続いています。新生児医療に携わる医師や看護師は慢性的に不足し、有効にベッドを生かすことができない事態も生じており、子どもたちは病院を出た後、在宅生活を始めることになりますが、家族をサポートする地域の体制が十分に整っているとは言えず、さまざまな課題があるのが現状です。  災害時において、大災害が起きたとき、命をつなぐ医療機器が停電等で電源が使えなくなるのを防ぐために、外部バッテリーや自家用発電を準備しなければならないのですが、これらを準備するに当たり、高額なために家族の負担が大変大きいこと、また、災害時の二次避難所対策が不十分であるという結果が、昨年、東京都福祉保健局が行った医療的ケア児に関する現況調査の中で報告されています。  ここでお伺いいたします。医療的ケア児に関する災害時への支援については、どのようになっているのかお答えください。  そして、在宅療養児の場合、介護保険制度のケアマネジャーのような人がいないことが、利用できる福祉サービスの調整を難しくさせているとも言われています。また、地域のコーディネーターは大変重要な役割を持ち、安全で健康な在宅療養の維持と社会生活のための支援の観点から、地域資源を掘り起こし、役割分担を明確にし、相互の連携と調整を行い協働を促す役割を担います。現在、八王子市内では医療的ケア児の相談支援専門員は数が少なく、介護保険制度のような充足が図られていないのが現状です。  ここでお伺いいたします。介護保険制度におけるケアマネジャーのような相談支援専門員の存在が求められています。医療的ケア児の日常生活を支援できる相談支援専門員の育成について、どのようにお考えになっているのか教えてください。  先ほどお答えいただいた教育面では、在宅療養しているお子さんに関しては、特別支援学校から訪問学級ということで、担任が家庭を訪問し、個々の状況に応じた学習を行っているということでした。在宅療養児の場合は、他児とのかかわりが少なく、発達への影響も心配され、また、孤立しやすいとも言われています。そして、医療依存度が高いと外出が困難であるため、同じ症状や悩みを持ち、同じような仲間であるピアサポートグループがつくりにくく、保護者が孤立しやすいといった問題があります。こういった中で地域の学校との結びつきが在宅療養児の発達に大変有効であると考えられています。特別支援学校在籍児が居住地の学校に復籍を持ち、交流を通じて地域との関係を継続する復籍制度がそれに当たると思われます。  ここでお伺いいたします。復籍事業において復籍校は、在宅療養児とどのような連携をとり、どのような対応をとっているのか教えてください。  また、医療的ケアが必要でも、市立学校に通学できるお子さんに関しては、どのような対応をとっているのでしょうか。あわせて教えてください。  以上で、2回目の質問を終わります。 178 ◎【村松徹副議長】 福祉部長。 179 ◎【小峰修司福祉部長】 医療的ケア児に関する災害時の支援についての御質問ですが、在宅で人工呼吸器を利用している方につきましては、災害個別支援計画を立て、災害時に必要となる備えや対応について、御家庭をはじめ医療機関や地域支援者などと情報共有を図っているところでございます。  医療的ケア児への対応につきましては、まだ改善が必要でございますので、関係所管と協議しながら、福祉と医療の連携による支援のあり方について考えてまいります。  次に、医療的ケア児の日常生活を支援できる相談支援専門員の育成についての御質問ですが、在宅療養に必要とされる障害福祉サービスにつきましては、相談支援事業所の相談員によって、相談及び計画の作成など、適切なサービスに向けたケアマネジメントなどの支援を行っているところです。医療的ケア児への相談支援につきましては、十分な対応がいまだできておりませんので、適切な支援ができるよう、東京都の制度を活用しながら相談員の育成に取り組んでまいります。 180 ◎【村松徹副議長】 学校教育部長。 181 ◎【廣瀬勉学校教育部長】 復籍事業におけます在宅療養児への対応についてでございます。在宅で訪問教育を受けているお子さんにつきましては、学校だよりや行事案内の交換などによる間接的な交流を行っている実績がございます。  また、復籍を置く地域の学校では、これをきっかけとした都立特別支援学校の教員による障害理解のための授業も実施されているところでございます。  次に、医療的ケアが必要な児童・生徒が市立小中学校に就学する場合につきましては、看護師や介護経験のある支援員を、その児童・生徒が在籍する学校に配置することで対応しているところでございます。 182 ◎【村松徹副議長】 第11番、梶原幸子議員。                    〔11番議員登壇〕 183 ◎【11番梶原幸子議員】 お答えをいただきましてありがとうございます。  医療的ケアが必要な障害児者にとって災害時に重要なのは、医療機器を動かす電源の確保です。充電器は高額で個人としての対応には限りがあります。電源の確保は医療的ケアが必要な方たちの命にかかわる問題です。保健所や公的施設に発電機を置き、避難してきた医療機器の電源が必要な方たちに供給できるようにする。また、充電器設置の支援をぜひともお願いしたいと思います。  また、医療的ケアが必要な方たちの救援は一刻を争うこととなります。福祉避難所のあり方と、全庁での統一した認識を持っていただき、災害に応じて素早い対応をあわせてお願いしたいと思います。  医療的ケア児の災害対策については、実態把握も必要です。東日本大震災では、八王子市でも計画停電が行われました。こういった情報を知らせるためにも調査は必要だと思われます。手帳を申請した人だけでなく、医療的ケア児は必ず医療機関とつながっているので、市内のみならず、NICUのある市外医療機関などとも連携して実態調査をした上での災害対策もお願いしたいと思います。  そして、在宅療養児と地域をつなぐコーディネーター、地域カンファレンスを主催するに当たっては、保健師にも期待がかかっています。医療的ケアが必要なお子さんを支援する経験が少ない保健師も多く、また、入院先の医療機関がほかの区市町村であることもあるので、連携を円滑に行えるようなスキルアップも含めて、何らかの対応を考えていっていただきたいと思います。  刻々と変わる医療的ケア児と家族のニーズに合わせた体制、支援の見直しを図れるコーディネーターを行政主導で養成し、制度の狭間で支援を受けられずにいる方たちへの支援、そして地域とをつなぐ役割を果たしていただきたいと思います。  また、地域の子どもたちと在宅療養児とがつながることは、異なる他者への想像力を生み、多様性を認める価値観を育みます。そうした価値観を子どもたちが持つことは、社会の大きな財産となるはずです。  市内の重症心身障害児、医療的ケア児を預かる保育園では、全ての子どもたちがともに保育を受ける中で、障害のある子どもたちが、ゆっくりながらもどんどんと成長していく姿が見られ、子どもは子どもの中で成長し、発達するその効果が顕著にあらわれるそうです。医療的ケア児が地域の小学校でほかの児童とともに育つことは、健常児と同じく自立できる成長機会が与えられ、障害があっても社会で生き抜く力を育むことにつながります。  島田療育センターはちおうじを受診した特別支援学校に在籍している小児、保護者に、復籍校との交流実態について、以前、アンケート調査を行いました。その中で復籍校との交流を満足と答えた人は、十分な直接交流を持てた例が多いという結果が出ています。直接交流によって温かく迎えてもらえたという意見がその中でも一番多かったということで、復籍校との交流が結果を出している反面、交流校の受入態勢と意識の差を指摘する声も上がっていたということです。復籍制度をより充実したものにするためにも、各学校間の格差を少なくして、どの学校でも受け入れる子どもたちの障害をしっかりと理解しながら受入態勢をつくり上げていく、そのことが重要であるという考察を小児医療の専門書で論文の考察としてその医師たちが発表していらっしゃいます。  八王子市には、こういった小児医療の専門職の方々が数多くいらっしゃり、在宅療養児に関しても、経験、知識が抱負な方もいらっしゃるわけですから、貴重な医療資源として専門家の御意見を学校現場に伝えていただき、そして今後も全ての子どもたちが教育を受ける権利をしっかりと行使できる環境づくりに取り組んでいっていただきたいと思います。  さて、これまで在宅療養児、医療的ケア児の現状と課題について質問をさせていただきましたが、これらとあわせて大きな課題と言われているものに、保護者のレスパイト支援があります。  ここでお伺いいたします。在宅療養児が急速に増加している中で、制度の狭間で支援の手が行き届きにくかった医療的支援の必要なお子さんの支援について、どのようにお考えになっているのかお答えください。  世田谷区内における団体の医療的ケアを要する障害児者に関する実態調査によると、医療的ケア児を持つ家族の10人中9人が十分な睡眠をとっていないという結果が出ています。医療的ケアに対応できる看護師などのスタッフが十分に配置できずに、安全性を確保できないため、医療的ケア児を預かれる保育園、幼稚園の数は限られています。児童発達支援事業所も医療的ケア児を預かる事業所は、八王子市でも数ヵ所となっています。医療的ケア児の預け先がないと、24時間365日、家族が常に一緒に過ごすこととなります。数分間も目を話せない医療依存度の高い子どものケアで保護者は疲弊し切っていって、また、兄弟児がいる場合、ケア児の世話に追われて兄弟児に向き合う時間がとれず、保育園や学校の行事に参加することも難しいこともあります。家族の介護負担を軽減する福祉の体制は不十分であり、主に母親に過重な負担がかかっているのが現状です。母親が余裕のない介護を強いられ、ほっと一息つけるときもほとんどなく、父親にも負担がふえ、兄弟も寂しい思いをしているという保護者も多くいます。レスパイトケアは家族の休息につながるだけでなく、医療的ケア児にとっても、自分のケアを他人に委ねる貴重な機会であり、子どもの生活の幅を広げる貴重な体験をふやすことになると専門家は言っています。かわりのない苛酷な介護、子どもが在宅へ移行したときから休みなく医療的ケアを行う生活を支援するためにも、早急なレスパイト支援が必要だと思われます。  平成28年には、厚生労働省から、「医療的ケアが必要な障害児への支援の充実に向けて」の中で、医療型短期入所事業所開設支援を、都道府県、政令指定都市、中核市事業と報告しております。東京都では、医療的ケア児の在宅支援、平成29年度の取り組みとして、在宅での医療的ケア児を介護する家族にまでレスパイト支援事業を拡充しました。東京都唯一の中核市として、医療的ケア児の緊急時の一時的受け入れができるような体制の確保をまずは図っていただきたいと思います。  そして、将来的には、医療的ケア児の家族が休息できるようなレスパイト支援のできる設備事業が実施できる仕組みづくりをお願いしたいと思います。  在宅療養児は、介護者の負担が大変重いものでもあります。しかし、小児は重い障害を抱えながらも成長、発達し、新たな能力の獲得ができます。そのためにも在宅支援には、地域で医療、教育、療育、保育、保健行政、各分野の幅広い職種がチームとなってかかわっていくべきです。  最後に、市長にお伺いいたします。24時間息をつく間もない医療的ケア児の家族の支援は、待ったなしの状況で、大人のみならず、兄弟である子どもたちにまで影響が及んでいます。ゆっくり休んで元気になって再び子どもと向き合うこと、兄弟とも向き合い、子育ての不安感を取り除くことは、在宅療養をしているその子どもたちの家族にとっても必要なことになります。超高齢化社会を近未来に控えた現在、小児の健全な育成と家族づくりは急務であり、在宅療養児と、その家族に対しても同じように考える必要があります。今後の在宅療養児に対するレスパイトも含んだ支援について、どのようにお考えになっているのかお聞かせください。  孤立しがちな在宅療養児の保護者は、さまざまな不安を抱えています。心情を吐露する場所もない方も多くいらっしゃいます。ひとりで頑張らなくてもいい、その言葉をかけられ、涙する保護者を支援する体制が早急に望まれます。子どもたちを見守る全ての保護者が笑顔で幸せに暮らせるまち八王子にするために、チーム八王子の力を今後も結集していただきたいと思います。  以上で、私の一般質問を終了させていただきます。 184 ◎【村松徹副議長】 福祉部長。 185 ◎【小峰修司福祉部長】 医療的支援の必要なお子さんへの支援についての御質問ですが、新たな障害者計画では、重症心身障害児と医療的ケア児への支援に取り組むこととしており、保健医療などの関係機関との連携が必要であると考えております。引き続き、障害者地域自立支援協議会の中で意見を伺うなど、支援のあり方について検討してまいります。 186 ◎【村松徹副議長】 石森市長。                     〔市長登壇〕 187 ◎【石森孝志市長】 11番、梶原幸子議員の質問にお答えいたします。  在宅療養児への対策についてでございますが、医療的ケア児とその家族への適切な支援は重要な課題であると捉えております。平成30年度に始まる新たな障害福祉計画・障害児福祉計画に基づき、医療的ケア児の支援のための関係機関による協議の場を設け、支援について検討を進めるとともに、レスパイト支援のため、医療的ケア児の受け入れを事業者に働きかけるなど、障害児支援の充実に取り組んでまいります。 188 ◎【村松徹副議長】 次は、第30番、鳴海有理議員。                  〔30番議員発言席へ移動〕 189 ◎【30番鳴海有理議員】 生活者ネットワークの鳴海有理です。  次年度から3ヵ年の新たな計画、八王子市障害者計画・第5期障害福祉計画・障害児福祉計画の完成版が、ちょうど先ほど手元に届きました。この計画に基づき、さらに障害者施策を前進させていかなければなりませんが、今回は主に、地域移行、虐待防止、権利擁護の推進に焦点を当てて質問をしていきます。  まず、地域移行についてです。  これは最も難しく、最も重要なテーマとして私が議員になる以前から考えてきました。なぜ病院や施設から地域移行が望まれるのか、この根本を障害福祉に携わる職員皆さんに大前提として確認しておきたい、そう思っています。  計画には、病院、施設等からの地域への移行促進とあります。つまり、病院や施設での生活は地域生活ではないことの裏返しです。では、地域生活ではない暮らしを強いられるとはどういうことなのか想像していただきたいと思います。集団生活、決められた時間に決められた食事、自由に外出ができない、お金、時間、空間が管理されている生活、病気の治療ではなく、望んで入ったのではなく、障害が理由で強いられる生活があるとすれば、それは障害者差別に直結することなのです。障害がある人もない人もともに安心して暮らせる八王子という状態に相反するところにあり、障害者総合支援法の基本理念、全ての国民が障害の有無にかかわらず、等しく基本的人権を享受するかけがえのない個人として尊重されるという状態ではないのが施設入所や病院での集団生活といえるのではないでしょうか。だからこそ、地域移行推進というのは、難しいけれども、個人として尊重されるために一番重要な施策だと考えています。  最初にお伺いしますが、地域移行を進めるために、どのような課題があって、どのような取り組みが必要と考えているのかお聞かせください。 190 ◎【村松徹副議長】 福祉部長。 191 ◎【小峰修司福祉部長】 地域移行を進めるための課題と必要な取り組みについてですが、障害者が地域で暮らすための環境整備が課題であると捉えております。障害者の日常生活を支えるネットワークづくりや、居住の場及び日中活動の場の整備が必要であると考えているところです。特に重要な重度重複障害者が利用できる施設の整備促進や、サービスの質の向上に取り組んでまいりたいと考えております。  また、地域への移行後、地域に定着できない方がいるということも課題でございます。平成30年度からは、施設やグループホームからひとり暮らしへ移行される方などを対象に、地域生活を支援する自立生活援助も始まりますので、こうしたサービスも活用して地域への定着を図っていきたいと思います。 192 ◎【村松徹副議長】 第30番、鳴海有理議員。 193 ◎【30番鳴海有理議員】 今、部長からさまざまな課題が示され、また、さまざまなサービスの必要性が示されました。今回、第5期計画で出された地域生活移行者数の目標は、3年間、全体の9%、35人です。厚労省が示す第5期障害福祉計画の基本指針の目標値も同じく9%であり、加えて、全体の入所者数2%を削減という目標が掲げられていますが、市は入所者全体の削減は掲げてはいません。つまり、地域移行も進めるが、新たに入所する人もいるので、現状維持が目標となっているところです。これは国の方針の考えと少しずれがあります。以前の第4期計画の際、これは平成25年末の数値との比較だったので、4年間の計画目標になっていましたが、地域移行者数の目標は、12%、47人に対し、14人の達成でした。その前の第3期の計画期間では、73人というかなり高い目標を掲げていました。だんだん現実に即した数値となってきたようにも見えます。今期でこれをしっかりと実効性あるものとしていっていただきたいと思います。それにはまず、地域移行ができるだけの受け皿が必要です。計画に書かれたとおり、地域移行を進めるのであれば、先ほど延べられたサービスの分の予算措置も必要になります。でなければ、絵に描いた餅でしかありません。施設入所以外の選択肢がない方に対して、どのようにしていくのでしょうか。今、入所せざるを得ない方のほとんどは、24時間目が離せない常時支援が必要な重度な方です。そこで重要なのは重度訪問介護です。重度訪問介護は障害程度区分4以上の方を対象に、24時間介護を必要とする障害者の地域生活を支えるための仕組みとしてつくられた障害者総合支援法の障害福祉サービスです。2014年からは、知的障害、精神障害にも対象が拡大されましたが、ほとんど利用されていません。  伺いますが、特に24時間の介護や見守りを必要とする重度障害者の方が地域で生活をする上で、どのような課題があるのかお示しください。 194 ◎【村松徹副議長】 福祉部長。 195 ◎【小峰修司福祉部長】 重度障害の方につきましては、重度訪問介護などのサービスを利用して地域で生活することとなりますが、さらに多くの支援が必要になる場合がございます。市と相談支援事業者や医療機関などが連携して個々の状況に応じた支援を行っていくことが必要であると考えております。 196 ◎【村松徹副議長】 第30番、鳴海有理議員。 197 ◎【30番鳴海有理議員】 個々の状況に応じた支援が必要だということで示されましたが、個々の相談に応じるにも、やはり重度訪問介護の予算もしっかりととって利用をふやしていかなければ、地域移行も現実的に難しいかと思います。そこはしっかりと予算要求もしていただきたいとお願いします。  地域生活支援拠点も地域移行に重要です。現在、5ヵ所、精神病院に長期入院している方の退院支援など、アウトリーチからさまざまな支援機関とのコーディネートを行い、地域移行の実績につながっています。しかし、現在、市の予算では、1ヵ所年間わずか200万円であり、全てを人件費に充てたとしても、できることには限界があります。地域生活支援拠点は、地域移行支援には欠かせないものだと考えますが、拠点機能の充実についてどのように考えているかお聞かせください。 198 ◎【村松徹副議長】 福祉部長。
    199 ◎【小峰修司福祉部長】 地域生活支援拠点事業につきましては、障害者が住みなれた地域で安心して暮らしていけるよう、市内の障害福祉サービス事業所などの連携によりまして、切れ目ない支援を行う重要な事業であることから、これまでの実施状況を検証し、内容の充実について検討してまいりたいと考えております。 200 ◎【村松徹副議長】 第30番、鳴海有理議員。 201 ◎【30番鳴海有理議員】 内容について検討していくというお答えでした。ぜひ前向きな御検討をお願いいたします。  特に重い障害がある方、御家族や当事者の多くは、自立生活、地域生活を諦めています。どんなに重い障害があっても、24時間のパーソナルサポートを受けながら自立生活をしている例も実際にございます。障害が重いか軽いかにかかわらず、地域生活を選択できること、これが何より大切です。障害があっても地域で暮らすという当たり前のところにまだまだたどり着いていないという現状です。障害者権利条約の精神のもと、新たな計画をしっかりと実行していくのが行政の役割ですので、拠点機能の充実を含め、さらなる支援の充実を求めます。よろしくお願いいたします。  また、入所施設だから、グループホームだから、いい悪いという、そういうつもりはございません。箱としての施設ではなく、施設的な生活なのか、また個別的なその人らしい地域生活を送れるのか、その生活において人権が保証されている場所なのかどうかが問題です。施設の職員配置の基準、障害者60人以下に対して1人の職員でクリアできてしまいます。入所している方は、ほぼ全ての利用者が障害区分4以上の方、3分の2以上が区分6の方です。地域生活する場合なら、24時間マンツーマン介護が必要な方を、実際に市内の施設では30人の障害者、利用者に対して1人で夜勤をしているという状況です。その場合、どのようなリスクがあるのかを考えなければなりません。特養など障害者施設でも同じことが言えますが、一度に大人数を介護するとき、安全性を第一に考えるならば、ベッドにくくりつけたほうが、事故やけがのリスクは減るという考えが生じてもおかしくないのです。しかし、それは身体拘束になってしまい人権問題なので、普通はできません。施設内に起こり得るリスクについて、市はどのように見ているのでしょうか。施設内の事故の状況やリスクについて、市はどのように把握しているのかをお答えください。 202 ◎【村松徹副議長】 福祉部長。 203 ◎【小峰修司福祉部長】 施設内の事故の状況の把握ですが、本市の障害福祉サービス事業の設備及び運営の基準に関する条例におきまして、事故が発生した場合は市への連絡を義務づけており、死亡事故、骨折などの重症事故のほか、無断外出や感染症の発生などについて市に報告することとなっております。 204 ◎【村松徹副議長】 第30番、鳴海有理議員。 205 ◎【30番鳴海有理議員】 事故が発生した場合は報告を受けるということになっているとのことです。八王子市が2015年に中核市に移行した際、障害者支援施設の運営基準など、より八王子の実情に即した福祉サービスの提供ができるようになり、大いに期待されていました。実際は都からのスライドだけで、まだまだ八王子の独自性も発揮されていないと考えています。より身近なところで指導監督ができるという中核市の権限をもっと発揮すべきです。  例えば、そういった報告が上がってくるものだけではわからないものがたくさんあります。私も生活支援員として働いてきた経験があります。通院が必要なほど重大事故は少なくても、毎日のように互い行為や自傷行為、転倒などによる小さなけがは起こっていました。重大事故の報告が上がってからでは遅いのです。虐待や事故が発生する原因を把握するため、施設へ定期的な訪問や、また支援員や利用者本人からの聞き取りを行うなど、市が定期的に日常の現場を確認することが大切だと思いますが、市はどのようにお考えでしょうか。 206 ◎【村松徹副議長】 福祉部長。 207 ◎【小峰修司福祉部長】 施設への定期的な訪問につきましては、支援の質の向上や利用者の安全の確保などの面から重要であると認識しております。今後も実地検査だけでなく、ケースワーカー業務で訪問した際や、担当職員が直接訪問するなどして、事業者の運営状況や利用者の安全確保の状況などを確認してまいります。 208 ◎【村松徹副議長】 第30番、鳴海有理議員。 209 ◎【30番鳴海有理議員】 ぜひここはほんとうに中核市の権限で移譲された身近な自治体である八王子の独自性、権限として非常に重要なところでありますので、まずは職員自身の目で日常の実態をしっかりと把握していただきたいと思います。  2016年に相模原市の障害者支援施設津久井やまゆり園で痛ましい殺傷事件が起きました。あまりにもショックな事件でした。市内でも同様の入所施設が10ヵ所ございます。そこで働く職員や利用者、その家族、多くの方が心を痛め、不安に感じていることと思います。事件の後、国の補正予算に伴って安全対策として提案されたのが防犯カメラとフェンスの設置補助であり、13件の防犯カメラ、人感センサに対する補助がありました。しかし、これは事件や虐待を防止するものにはなり得ません。障害者に対する差別感情や誤った優生思想がある限り、こうした虐待、事件はなくなりません。重度な障害者が当たり前に地域の中で受け入れられることが何より大切だと考えます。障害者施設がいまだ迷惑施設として捉えられ、怖いイメージを持たれます。そのような施設がしっかりと地域で受け入れられ、理解されることが必要です。より地域に開かれた場所にするために、市としてどのように取り組むのでしょうか。お答えください。 210 ◎【村松徹副議長】 福祉部長。 211 ◎【小峰修司福祉部長】 市も地域に開かれた施設となることが望ましいと考えておりますので、安全対策として、防犯カメラなどを設置する事業者に対しましては、地域との連携に十分配慮していただくなど、施設が地域から孤立しないよう、さまざまな機会を捉えて施設の指導、助言をしてまいります。 212 ◎【村松徹副議長】 第30番、鳴海有理議員。 213 ◎【30番鳴海有理議員】 さまざまな機会を捉えてということでした。今でも地域交流の一環としてボランティアの受け入れやお祭りなど行事への地域参加ということはございます。しかし、そういった特別な日だけ受け入れる、交流をするということにとどまらず、日常的なかかわりが非常に重要だと考えています。施設の生活であっても、買い物や出かける機会がふえて地域生活であることが必要です。現場では、できるだけ個別のニーズに応えようと、職員が休憩や休みの日を使ってもニーズに応えようとしている職員も多くいます。入所している方が、日ごろ、おうちに帰りたいと何度も訴えているのは、そこが帰る家ではない、生活の場ではないことのあらわれです。利用者が地域で生活できるよう、より個別的な支援が保証される、そういった人員配置を求めます。  次に、虐待防止の取り組みについて伺います。  障害者虐待防止法は、2011年、議員立法により成立しました。法の施行により、市は障害者福祉課内に虐待防止センターを設置、市内5ヵ所の相談支援事業所を虐待通報窓口として設けました。2016年では56件の通報があり、うち虐待認定が4件、2017年では36件の通報があり、うち虐待認定が2件です。虐待かどうかの判断を障害者福祉課で受けることになります。しかし、この判断は明らかに第三者が見ていたか、虐待をした本人が認めたケースでなければ、とても難しい判断だと思われます。しかし、残念なことに、虐待のほとんどは誰も見ていないところで起こり、そして本人が言葉で訴えられない場合に受けるケースが多いのも事実です。また、自覚なく行ってしまう虐待、精神的な虐待、受けた本人にも自覚のない場合もございます。虐待に当たるかどうかの判断は、職員単独ではなくて、チームで個別の会議を開いて判断されると伺っていますが、課の職員は研修などで知識としてわかっていても、やはり専門性、その経験が必要とされてくるのではないでしょうか。  例えば、児童虐待の場合は、児童相談所において高度な専門性が求められます。障害者差別の対応については、権利擁護に関する調整委員会に諮られることになります。しかし、虐待の場合は、障害者福祉課内だけで完結してしまいます。虐待対応について、調整委員会や自立支援協議会など、障害当事者を含めた専門機関との連携が必要と思いますが、その点はどのようにお考えでしょうか。 214 ◎【村松徹副議長】 福祉部長。 215 ◎【小峰修司福祉部長】 虐待通報事例につきましては、障害者地域自立支援協議会や八王子市障害者の権利擁護に関する調整委員会で、情報共有や意見交換をしているところです。また、虐待をされたとされる障害者の支援のため、相談支援事業所をはじめとする関係機関との連携を行っております。 216 ◎【村松徹副議長】 第30番、鳴海有理議員。 217 ◎【30番鳴海有理議員】 連携を行っているということですけれども、やはり虐待通報を受けるだけではもちろん意味がございません。立入検査、指導措置ができるかどうか、これが非常に重要になってきます。虐待かどうかの認定は、証拠がない限り非常に難しいので、わからなかったで済むことではありません。通報したけれども、虐待を確認してもらえず悔しい思いをしている人もいます。通報するだけの事実、その訴えを重く受けとめていただきたいと思います。そして、障害者とのかかわりが深い、また経験のある方、虐待防止の体制を、連携だけではなくチームを組んで体制を整えていただきたいということを強く要望しておきます。  次に、人材育成についてです。障害だけでなく、高齢も、保育も、どの分野もやはり人材不足という共通の課題に行きつきます。福祉業界全体の深刻な課題です。人材不足の状況で起こり得るのは、とにかく人が足りない、誰でもいいから入ってほしいという中、人権感覚が全くない人が採用され福祉業界に入ってくるという危険性があります。人の命を預かる仕事ですから、業務に入る前に、まずは基本的な人権意識を持ってもらうことは大前提だと考えます。そして、福祉の仕事に関心を持つ人は共通していて、高齢者施設で勤務していた方が障害者施設に転職する場合、またその逆の場合も数多くあります。  次年度、高齢者施策で人材育成のための研修、就職相談会などの開催が予定されています。これは障害と高齢を分けて考えられるものではありません。ぜひこれは障害、高齢、合同でやっていくべきと考えますが、どのようにお考えでしょうか。 218 ◎【村松徹副議長】 福祉部長。 219 ◎【小峰修司福祉部長】 障害福祉サービス事業者の人材確保につきましては、平成30年度から始まる障害者計画の主要な取り組みに位置づけ、今後、障害者地域自立支援協議会や各事業者などの意見を聞きながら、効果的な施策を検討してまいります。 220 ◎【村松徹副議長】 第30番、鳴海有理議員。 221 ◎【30番鳴海有理議員】 効果的な施策を検討するということでした。ぜひこれは前向きにすぐにでも取り組んでいただきたいこととしてお願いしておきます。  また、これも高齢者施設でもいえることですが、夜勤や訪問支援、どうしてもひとりで携わることが多くあります。それぞれほかの支援員がどのようなやり方をしているのか知らずに、自己流の支援方法で続けることもあり、虐待の危険性があっても、その周りの方もそれに気づかないということが起こってきます。支援の質を高める権利擁護の推進のためにも、事業所同士のつながり、職員同士のつながり、意見交換や情報交換の場が重要と考えています。同じ業種に携わる職員同士、また、利用者同士の交流の場も設定していくべきと考えますが、どのようにお考えでしょうか。 222 ◎【村松徹副議長】 福祉部長。 223 ◎【小峰修司福祉部長】 職員交流につきましては、事業者のほうからもそういったニーズが多く聞かれているところでございます。さまざまな事業所の状況を現場の職員が直接見聞きすることで、利用者の支援の質の向上が図られることから、現在でも障害者地域自立支援協議会と連携して、見学会や交流会などを実施しております。今後も継続することで事業者間の交流を進めてまいります。 224 ◎【村松徹副議長】 第30番、鳴海有理議員。 225 ◎【30番鳴海有理議員】 そういったニーズがあるということですので、既にやっているところもあるようですが、ぜひこういった職員同士の交流も進めていただき、また、利用者同士の交流というところまで広げて考えていただきたいということをお願いします。  このテーマの最後に市長にお尋ねいたします。  どのような障害があっても、障害の有無にかかわらず、個々の人権が守られ、地域で暮らせるというのは、大前提の基本のところです。権利条約の批准から虐待防止法の制定などにより、障害者施策は進んできているように見えますが、残念ながら虐待や差別はなくならない。事故や事件が起きる、集団生活を強いられ、個々の支援が十分でないという現実があります。今後、第5期計画に沿って、障害者の人権の問題も含め、地域移行をどのように進めていくのかお答えください。 226 ◎【村松徹副議長】 石森市長。 227 ◎【石森孝志市長】 障害を持たれている方が地域の中で安心して暮らしていくためには、さまざまな地域資源を活用し連携を図るなど、障害福祉サービスの質の向上に取り組むことが重要となります。そのため、新しい障害者計画の主要な取り組みに位置づけております福祉人材の確保、事業所職員のスキルアップ、障害理解の啓発などの施策を推進し、障害のある方が地域の中で安心して暮らせるよう取り組んでまいります。 228 ◎【村松徹副議長】 第30番、鳴海有理議員。 229 ◎【30番鳴海有理議員】 ぜひよろしくお願いいたします。期待いたします。  それでは、次のテーマに参りまして、市民参加は進んだかということでお伺いいたします。  市民参加条例の制定から10年たちました。市民参加推進審議会で市民参加条例の運用の検証が続けられてきました。間もなく第5期の答申が出されようとしているところです。  そこで、順番が前後しますが、2016年度から新たな取り組みである無作為抽出方式について先に伺います。  従来の応募方式に加え、市内に在住する18歳以上の方を無作為に1,000人抽出し、市民委員など候補者名簿への登録案内が届きます。同意いただける方が返信すると名簿に登録し、その中から各審議会や懇談会など、市民委員に就任の依頼が届くという仕組みになっています。この仕組みを導入してちょうど2年がたちます。登録の有効期限が2年なので、またこれから新たな登録依頼を無作為に送るということです。1,000人のうち71人が登録され、その中で実際に10人の方が委員に就任されたと伺いました。たった1%なので少ないようにも思えますが、この方法でなければ参加する可能性がなかった方に参加いただいたということは大きな成果ともとれます。無作為抽出方式による市民委員会等公募制度について、実施効果はどのようなものだったのか、市はどのように評価しているのかお尋ねいたします。 230 ◎【村松徹副議長】 総合経営部長。 231 ◎【小山等総合経営部長】 無作為抽出の市民委員登録制度ですけれども、おっしゃるとおり、平成28年度から導入しまして、もうすぐ丸2年がたちますので、名簿の登録の期限は切れます。これは今までは審議会の委員というのは個別に募集をしておりましたので、そのテーマに興味のある方が応募されてきておりましたけれども、議員がおっしゃるとおり、無作為に抽出して名簿に登録しておりますので、市政に関心を持っていただく方を幅広くふやすという効果があると思っております。  もうすぐ2年たつということで、昨年12月に登録していただいた方へアンケートの調査を実施しましたところ、約7割の方から、この制度に参加したことによって、これまで以上に市政への関心が高まったという回答をいただいているところでございます。  また、実際、審議会の委員に就任された方からは、市民がこういう形で市政に参加するということはとてもいいことであるということであったり、当初は参加することに不安もあったけれども、今はやりがいを感じているというようなお答えもいただいておりまして、市民参加を推進する上で一定の効果はあったというふうに認識しております。 232 ◎【村松徹副議長】 第30番、鳴海有理議員。 233 ◎【30番鳴海有理議員】 非常に大きな効果があったものだと思います。これからまた新たな1,000人に送付する際は、ぜひ返信されなかった方へも市政への関心が高まるような文言などもぜひ工夫をしていただき、さらに市政への関心を広げていただくようよろしくお願いいたします。  そして、パブリックコメントについてお伺いします。ちょうどこの1月、2月にも介護保険事業計画や地域福祉計画などさまざまな計画素案のパブコメが実施されました。ホームページや広報などでパブコメ実施の案内をしていますが、パブコメを書きましょうと言っても、何十ページもある事業計画を見て、正直なかなか書けるものではありません。介護保険事業計画も関心のある市民は多いのですが、ほとんどの人は見てもよくわからないのでということで、市民の方を呼んで担当の課長に説明をしていただいて、それで初めて理解をして幾つか出した意見が出てきました。パブコメを実施しても、なかなか意見が集まらないものもあります。ぜひこれは積極的にパブコメも意見も取りにいっていただきたいと考えます。  例えば、事業説明会や出前講座を呼びかけるなど、積極的な実施をお願いしたいと考えますが、そういう説明を聞く機会があって初めて意見が出せ、市民の理解も広がります。積極的な発信や工夫について、どのようにお考えでしょうか。 234 ◎【村松徹副議長】 総合経営部長。 235 ◎【小山等総合経営部長】 パブコメについて市民の意見を出しやすくということですけれども、パブリックコメントは、各種計画等の素案について市民の方から広く意見をいただくとともに、その計画であったり政策を市民の方に周知をする貴重な機会であるというふうにも考えております。  そのため、パブリックコメントを実施する際には、概要版などを配布をしまして、その事業の内容を簡単にわかるような工夫もさせていただいているところでもあります。  また最近では、例えばですけれども、ショッピングモールのオープンスペース、通路のようなところでも、オープンハウスというような方式で、そこで通る方に市のほうから声をかけて事業の内容をお伝えして意見を聞くような取り組みも進めているところでございます。 236 ◎【村松徹副議長】 第30番、鳴海有理議員。 237 ◎【30番鳴海有理議員】 オープンハウスも実施したというお話がありました。この手法については、私も2014年度の予算等審査特別委員会で、都市計画道路についてでしたが、提案してきたもので、昨年初めて実施されたことを大変喜ばしく思っています。行政側から積極的に市民に理解を得るためのいい手法だと思っておりますので、ぜひ今後、他の計画などでも全庁的に広げていただくことを強く要望しておきます。  そして、こうして少しずつ進んできている面もあるものの、市民参加が得られていない分野もございます。条例に規定されていないものこそチェックが必要であり、市民参加の必要があると思っています。法令に基づくものについては、この条例から除外されていますが、こういった例えば環境影響評価の説明会など、市民参加の必要性があると考えますが、市のお考えをお聞かせください。 238 ◎【村松徹副議長】 総合経営部長。 239 ◎【小山等総合経営部長】 市民参加については、市民参加条例が市政をするに当たって、市民の皆様の声を広く取り入れるという趣旨で行っており、市民参加条例第6条において市民の声を聞く項目を掲げておりますけれども、そこに掲げていないものであったとしても、市政を進めていく中では、市民の声を広く聞くことは必要だというふうには思っております。 240 ◎【村松徹副議長】 以上で、一般質問を終わります。  この場合、議事の都合上、議長を交代します。                  〔副議長退席・議長着席〕   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━                〔木内基容子産業振興部長退席〕 241 ◎【伊藤裕司議長】 次は、日程第2、第66号議案、副市長の選任についてを議題とします。  本案について、市長から説明願います。  石森市長。                     〔市長登壇〕 242 ◎【石森孝志市長】 それでは、ただいま上程されました第66号議案について御説明申し上げます。  本市副市長中村敬氏が3月31日をもって退任いたしますので、後任の副市長として木内基容子氏を選任いたしたいと考えるものであります。  木内氏は、昭和57年に本市に奉職し、平成16年には総合政策部政策審議室主幹となった後、健康福祉部介護保険課長等を経て、平成23年には総合政策部市史編さん室長に任命され、総合経営部長、都市戦略部長等を歴任し、平成29年には産業振興部長となり、現在に至っております。  このように、豊富な公務の経験と努力により地方自治体の事務に精通され、その行政手腕は極めて高く評価されている方で、本市副市長として最適任者であると考えるものであります。  何とぞ、本案に御同意くださるようお願い申し上げます。 243 ◎【伊藤裕司議長】 市長の説明は終わりました。  本案について、質疑はありませんか。                  〔「なし」と呼ぶ者あり〕 244 ◎【伊藤裕司議長】 質疑なしと認め、進行します。  お諮りします。  第66号議案は、これに同意することに御異議ありませんか。                 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 245 ◎【伊藤裕司議長】 御異議なしと認めます。  したがって、第66号議案は、同意することに決定しました。   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 246 ◎【伊藤裕司議長】 次は、日程第3、第67号議案、固定資産評価員の選任についてを議題とします。  本案について、市長から説明願います。  石森市長。                     〔市長登壇〕 247 ◎【石森孝志市長】 ただいま上程されました第67号議案について御説明申し上げます。  本市固定資産評価員中村敬氏が3月31日をもって退任いたしますので、後任の固定資産評価員として木内基容子氏を選任いたしたいと考えるものであります。  木内氏は、本市の総合政策部市史編さん室長、総合経営部長、都市戦略部長、産業振興部長等を歴任し、長年にわたる公務の経験と努力により、地方自治体の事務及び固定資産の評価事務に精通され、本市固定資産評価員として最適任者であると考えるものであります。  何とぞ、本案に御同意くださるようお願い申し上げます。 248 ◎【伊藤裕司議長】 市長の説明は終わりました。  本案について、質疑はありませんか。                  〔「なし」と呼ぶ者あり〕 249 ◎【伊藤裕司議長】 質疑なしと認め、進行します。
     お諮りします。  第67号議案は、これに同意することに御異議ありませんか。                 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 250 ◎【伊藤裕司議長】 御異議なしと認めます。  したがって、第67号議案は、同意することに決定しました。                〔木内基容子産業振興部長着席〕   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 251 ◎【伊藤裕司議長】 次は、日程第4、各常任委員会及び議会運営委員会の特定事件継続調査事項についてを議題とします。       〔各常任委員会及び議会運営委員会の特定事件継続調査事項表後編参照〕 252 ◎【伊藤裕司議長】 本件は、各常任委員長及び議会運営委員長から、お手元に配付しました特定事件の調査事項について、閉会中の継続調査の申し出があります。  お諮りします。  それぞれ申し出のとおり決定することに御異議ありませんか。                 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 253 ◎【伊藤裕司議長】 御異議なしと認めます。  したがって、そのように決定しました。   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 254 ◎【伊藤裕司議長】 以上で、本定例会の会議に付されました事件は全て終了しました。   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 255 ◎【伊藤裕司議長】 これで、本定例会を閉会します。                                    〔午後3時09分閉会〕 © Hachioji City, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...