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  1. 八王子市議会 2018-03-27
    平成30年_第1回定例会(第4日目) 本文 2018-03-27


    取得元: 八王子市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-06-11
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1                                    〔午前10時00分開議〕 ◎【伊藤裕司議長】 ただいまから本日の会議を開きます。   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2 ◎【伊藤裕司議長】 日程に従いまして進行します。  つきましては、日程第1を議題とします。  本件については、予算等審査特別委員会に付託した事件であり、審査報告書が提出されております。            〔予算等審査特別委員会議案審査報告書後編参照〕 3 ◎【伊藤裕司議長】 委員長から審査の経過及び結果の報告を願います。  第16番、五間浩議員。                 〔予算等審査特別委員長登壇〕 4 ◎【五間浩予算等審査特別委員長】 ただいまから去る3月5日の本会議において予算等審査特別委員会に付託された平成30年度八王子市一般会計予算等46議案につきまして、審査の経過の概要とその結果について御報告申し上げます。  本特別委員会は、2月26日の市議会定例会において設置され、同日に委員会を開催して正副委員長の互選を行い、委員長に私、五間が、副委員長に前田佳子委員の決定をいただきました。  本市の平成30年度当初予算は、一般会計においては対前年度比1.9%増の2,009億円、特別会計では同じく6.3%減の1,976億5,000万円となっております。本特別委員会においては、この予算が市民生活に及ぼす影響に鑑み、慎重かつ積極的な審査を行ってまいりました。  まず、全体会議において4日間にわたる総括質疑を行い、その後常任委員会ごとに構成された分科会での審査を経て、3月23日に、分科会報告、意見発表の後に採決の運びとなり、起立多数で原案のとおり可決すべきものと決定しました。  それでは、全体会議における質疑の概要を簡潔に御報告いたします。  初めに、平成30年度予算編成の特徴について問う発言に、平成28年度に導入した新地方公会計制度に基づく財務諸表による事務事業評価の結果を活用し、行政コスト計算書により明らかにした総事業費の徹底した見直しを行い、歳入歳出改革の取り組みを進めた。具体的には、戸吹清掃工場の昼間管理運営業務の委託化や、マイナンバー制度導入等に伴う窓口の職員体制の見直しを行い、歳出予算を削減したとの答弁がありました。  また、財政運営について、今後設定される新たな財政規律とはどのような視点により定めるものなのか問う発言に、市債などの将来負担の視点に加え、新地方公会計制度の導入により策定した貸借対照表をもとに、資産と負債のバランスによる世代間の負担割合に着目した指標を定める。これにより現世代と将来世代の負担割合の規律を維持し、将来世代に過度な負担を先送りしない財政運営を行っていきたいとの答弁がありました。  次は歳入についてであります。  まず市税収入について、平成30年度の見込みと、さらなる税収確保に向けた取り組みを問う発言に、平成30年度は滞納回収の推進により滞納繰越額が1億6,000万円減額となることから、昨年度と比較し約8,500万円の減額を見込んでいる。今後も収入率の維持向上に向けた体制整備と、納期内の完納への徴収努力を継続していくとの答弁がありました。  また、地方消費税交付金について、税制改正に伴う清算基準の見直しにより本市にどのような影響があるのか問う発言に、本市では前年度比で約16億4,800万円の減額となる見込みであるが、減額分については地方交付税で措置されるとの答弁がありました。
     また、地方消費税交付金のうち、社会保障の充実に充てるべき額をどのように活用していくのか問う発言に、認知症高齢者グループホーム利用者負担軽減を図るほか、保育定員の拡大による保育サービスの推進に活用していくとの答弁がありました。  次は歳出についてであります。  まず、第2款総務費について、今後、少子高齢化が進み都市間競争の激化が予想される中、戦略的なシティプロモーションに向けた市の見解を問う発言に、シティプロモーションの推進には、誰に対しどのようにアプローチすべきかというマーケティングの視点が大切である。本市のシティプロモーション基本方針メインターゲットとしている20代、30代の若年層と学生に働きかける活動を行っていくとの答弁がありました。  また、公共施設マネジメントを進める上では、公共施設の6割を占める学校施設の保全計画が必要不可欠であり、学校施設の適正配置について市の認識を問う発言に、現在、規模の適正化に加え老朽化や小中一貫校の視点を加えた検討を行っている。校舎の状態や児童・生徒の推計をもとに今後必要となる数値を算出し保全計画に反映していく考えであるとの答弁がありました。  また、職員体制について、平成30年度は正規職員数を80名減員し、嘱託員、臨時職員の増員を図るとしているが、職員の負担について市の認識を問う発言に、平成30年度は市制100周年記念事業が終息すること、また、効果的、効率的な業務体制を図ることにより職員数が減員となるが、雇用ポートフォリオを効果的に活用するとともに業務の見直しを行い、時間外勤務を確実に減らしていく。市政運営のための体制づくりはできると認識しており、今後も八王子ビジョン2022の組織・定数管理基本方針に基づき柔軟に対応していくとの答弁がありました。  次に、第3款民生費についてであります。第3期地域福祉計画では、新たに福祉圏域の最小単位を中学校区と設定しているが、今後の地域福祉推進拠点の整備計画を問う発言に、地域福祉推進拠点は、誰もが相談に行きやすく地域でのコミュニティ形成につながる場所に設置することがふさわしいと考えるため、現在市民センターを中心に整備を進めており、中学校区ごとに整備する考えはない。平成30年度は由木地域と由井地域に開設を予定しており、平成34年度までに21ヵ所の整備を目指しているとの答弁がありました。  また、地域福祉推進拠点の施設整備にとどまらず、地域の課題を受けとめ解決に導くための仕組みづくりが必要とした上で市の考えを問う発言に、第3期地域福祉計画では、地域福祉推進拠点を包括的な相談支援体制の中核的な存在と位置づけているが、さまざまな相談や複雑な課題に対し、拠点だけでなく、市と社会福祉協議会、専門的な相談機関等が連携して支援していく考えであるとの答弁がありました。  また、生活保護受給世帯等の中学生を対象として実施されている無料学習支援の実績と今後の取り組みについて市の考えを問う発言に、現在、社会福祉法人の協力も得て市内12ヵ所で実施しており、平成22年度の開始から延べ600人余りの利用があった。学習支援を通じて高校進学に結びついたケースもあるが、こうした機会をうまく利用できなかったり、高校を中退するケースもあることから、今後は中退の予防や早期からの学習支援の必要性について検討し、さらなる課題に取り組んでいきたいとの答弁がありました。  また、認知症高齢者グループホーム利用者の負担軽減のための助成制度について、利用者数の見込みと効果を問う発言に、市内の認知症高齢者グループホーム22施設の利用者のうち、市民税非課税世帯で資産が単身で1,000万円、夫婦で2,000万円以下の方を対象としており、利用者数は164人を見込んでいる。本制度の利用により、所得段階に応じて最大で月額約6万7,000円の負担軽減が図られることから、認知症により在宅生活が困難となった低所得者についても、状況に応じた施設利用の選択肢が広がると考えているとの答弁がありました。  次に、第4款衛生費についてであります。がん検診について、平成30年度から導入される胃内視鏡検査の対象者と今後の見通しについて問う発言に、国から安全管理、検査方法等について厳しい基準が設けられていることから、導入初年度は医療機関の受け入れ態勢を考慮し、対象者を50代、60代の偶数年齢に限定して開始する。今後は国の指針に沿った検査が提供できるよう、市医師会と連携し体制整備を進めていくとの答弁がありました。  また、訪問型の産後ケア事業の取り組み内容を問う発言に、産後間もない母体の回復と心理的な安定を図るため、助産師が家庭を訪問して心身のケアや育児方法の助言を行うものである。妊婦面談や赤ちゃん訪問の際に本事業について案内するほか、産科医療機関と連携し、支援の必要な方が利用できるよう周知を図っていくとの答弁がありました。  ほかに、受動喫煙防止対策が不十分な喫煙スペースの改善が必要であるとして路上喫煙防止条例の改正を求める発言、今後合葬式墓地の需要が高まることを見据え計画的な整備を求める発言、剪定枝資源化モデル事業について事業者からの持ち込みについても対応を求める発言などがありました。  次に、第6款農林業費についてであります。遊休農地の活用について、市内の遊休農地に対する市の対応を問う発言に、市街化調整区域においては、平成26年4月から農地バンク制度をスタートさせ遊休農地の解消に努めている。平成30年度は農地の良好な環境を維持するため、市街化区域において農家が行う防災兼用井戸の整備費用の一部を補助するとの答弁がありました。  また、生産緑地について、大都市部における農地の減少、土地価格、住環境への影響が懸念されるいわゆる2022年問題を示し、都市農地確保のための生産緑地の再指定や面積要件の緩和について市の見解を問う発言に、第3次八王子市農業振興計画に掲げる農地の保全及び利用促進と国による制度改正の趣旨等を十分踏まえた上で、生産緑地に関する意向調査の結果を分析し、再指定のための要綱改正や条例制定について検討していくとの答弁がありました。  次に、第7款商工費についてであります。外国人観光客の誘致について、他市との差別化を図った独自の取り組みが必要だとして市の見解を問う発言に、インバウンド誘致を進めるためには、外国人が魅力を感じる観光資源の掘り起こしが重要であると認識している。留学生からの意見やモニターツアーの調査結果を活用するほか、今後は本市固有の歴史文化財を魅力的なストーリーのもとに物産、観光に結びつけて発信するため日本遺産の認定に向けた準備も進めていくとの答弁がありました。  次に、第8款土木費についてであります。立地適正化計画の策定について、中核市となり特に福祉分野において市の負担が大きくなったことから、福祉施設の適切な実行のためには都市計画上の配慮が欠かせないとした上で、計画を策定する上での市の考えを問う発言に、少子高齢化の進展に対応した政策課題を解決していくためには、都市計画のみならず福祉や教育など広範な政策とのさらなる連携が課題であると考える。今後検討を進めるに当たり時代の変化に対応した住みよいまちづくりの実現に向けて、市民との連携も図りつつ取り組んでいきたいとの答弁がありました。  また、市街化調整区域の集落における住民主体のまちづくり支援について、市街化調整区域では高齢化による地域力の低下が懸念されるため、外部の支援の必要性について市の見解を問う発言に、持続可能なまちづくりには地域の自立が重要であるが、住民のみでのまちづくりが困難な地域については地域外の専門家やまちづくりに関心のある方々の参加が必要と考える。市は両者の仲介をすることでまちづくりを支援していきたいとの答弁がありました。  また、八王子駅南口集いの拠点整備について、昨年実施されたサウンディング調査の結果に加え、今後は市民の声を活用するための場づくりと機運の醸成が重要であるとして市の考えを問う発言に、市民の居場所を実現するためには、施設の整備だけでなくさまざまな市民の意見を聞き、将来的には施設の運営にもかかわっていただくことが重要であると認識しており、運営を見据え機運醸成に向けた取り組みを研究していきたいとの答弁がありました。  また、空き家の利活用促進について、作成した空き家データベースの活用方法と事業のスケジュールを問う発言に、市内の空き家の数や築年数、分布、所有者の属性などのデータ解析を実施し、その結果をもとに各所管と課題整理を行った上で今後の空き家対策の資料として活用していく予定である。平成30年度は空き家の所在特定と所有者調査を実施した後、所有者への意向調査と地図情報システムへの情報登録を行うとの答弁がありました。  また、不足する市営住宅を補完するため、家賃の低廉化により民間賃貸住宅を供給する家賃低廉化助成事業のメリットを問う発言に、市営住宅を新たに建設する場合と比べ速やかに住宅供給ができるほか、民間賃貸住宅の空き家の有効活用につながるなど住宅需要に柔軟に対応できるとの答弁がありました。  次に、第9款消防費についてであります。土砂災害警戒区域及び特別警戒区域に指定されていない地域の住民に対する周知啓発の方法を問う発言に、現在土砂災害の警戒区域や避難方法などを示したハザードマップを戸別配付しているが、平成30年度は総合防災ガイドブックを作成する。具体的な避難の方法や土砂災害の前兆についてわかりやすく示し、市民がみずからの判断で命を守るための避難行動をとれるよう啓発に力を入れていくとの答弁がありました。  また、災害時におけるペット対策について市の認識と取り組みを求める発言に、災害時におけるペットと同行避難を推進することは、動物愛護の観点のみならず、放浪動物による人への危害防止や公衆衛生上の観点からも必要であると認識している。本年2月に、国のガイドラインに同行避難の定義や飼い主の自立支援が明記されたことに伴い、市としても同行避難の考え方や避難手順をまとめたリーフレットの作成を検討していくとの答弁がありました。  次に、第10款教育費についてであります。スクール・サポート・スタッフの配置について、内容と導入の目的を問う発言に、教育支援バンクの登録者や学校コーディネーター等をスクール・サポート・スタッフとして全小中学校に1名配置するもので、授業に使用する教材の準備や配付物の印刷業務等を担っていただく。配置により教員の業務負担軽減を図ることで、児童・生徒への指導や教材研究等に注力できるようにすることを目指しているとの答弁がありました。  また、給食センターの整備について、食育の推進と給食センター運営の安定化のためには全員喫食を目指すべきとして市の考えを問う発言に、給食センターでは個々のアレルギー対応ができることから全員喫食が可能である。子どもたちが同じ給食で、これを生きた教材として日々指導することは望ましい食習慣を育む上で大切であるため、給食センターが完成した際には全ての小中学校において全員喫食を目指す考えであるとの答弁がありました。  次に、国民健康保険事業特別会計であります。  国民健康保険の均等割について、多子世帯の負担が重くなっていることについて市の対応を求める発言に、今後も引き続き市長会を通じ子育て世代の負担軽減策の実施を要望していく。また、現在市の国民健康保険条例における減免措置の中で生活が困難になった場合の要件を設けており、多子世帯においても要件に該当すれば減免の対象となるとの答弁がありました。  また、平成30年度から国保の財政運営上の主体が東京都となることに関し、今後都から毎年標準保険料率が示されることになるが、市はどのような姿勢で国保税を決めていくのか問う発言に、東京都全体の支え合いとなる中、都の標準保険料率は適用すべきものと考える。今後は毎年度市の国民健康保険運営協議会に国保税の見直しについて諮ることとなるが、その際、被保険者の保険税負担の激変に配慮し、一般会計からの繰り入れによる財政支援を行いながら、標準保険料率の適用について議論される予定との答弁がありました。  また、平成30年度に新たに開始される生活習慣病重症化予防事業の内容を問う発言に、本事業は健診結果や医療レセプト情報を有効に活用し、生活習慣病が重症化するおそれのある方を抽出して、受診勧奨や生活改善を促すことで健康寿命の延伸や医療費適正化を図るものである。実効性のある事業とするため市医師会との協議を進め、積極的に糖尿病連携手帳などを活用しかかりつけ医との連携を図っていくとの答弁がありました。  次に、介護保険事業特別会計であります。  介護予防・日常生活支援総合事業について、高齢者のさまざまな課題に応えられる八王子版地域包括ケアシステムの強化が必要であるとした上で今後の展望を問う発言に、平成30年度は介護予防・生活支援サービス事業のうち、通所Aや訪問Cなど事業者や専門職が実施する事業の試行実施を行うほか、住民主体による生活援助など多様なサービスの育成を進め、平成30年度中の本格実施を目指していく。これにより高齢者のニーズや状態に合わせて不足なく多様なサービスが提供できる体制を整備していくとの答弁がありました。  次に、給与及び公共料金特別会計であります。  戸吹清掃工場で発電した余剰電力を公共施設に送電する自己託送による電力の地産地消の取り組みについて、その効果を問う発言に、平成30年度は戸吹清掃工場発電施設延命化工事の影響で期間が8ヵ月となるが、送電先である6施設の電気料金は約5,100万円の削減となる。一方、一般送配電事業者の送電網を使用するための託送料、電力の需要管理業務委託料などの支出や、余剰電力の活用による電力の売却収入の減少で、差し引き400万円の削減を見込むとの答弁がありました。  最後に、採決の前に本予算案について意見を求めたところ、次のような意見がありました。  まず、反対意見としては、高齢者福祉及び介護保険事業について、現状ではサービスを受ける対象者や市内事業者の運営能力の実情を把握しないまま人材育成だけを急いでおり、人材と現場、利用者ニーズとの効果的なマッチングができていない。高齢者の在宅介護を支える仕組みについても、市が現場の声を吸い上げる機能のあり方については再度の議論が必要である。  また、川口土地区画整理事業について、新年度は助成金として9億6,000万円が計上されているが、市土地区画整理組合助成条例では助成についての上限額の設定がなく、助成の割合が変動する可能性があり、判断基準についても不明確な部分がある。事業内容については市民から説明を求める請願が出されたほか、アセス手続の中で不十分と指摘されたにもかかわらず十分な事業説明を行わない市の姿勢は納得できない。関連する北西部幹線道路2工区の整備についても、町会を分断し近隣住民の生活に重大な影響があるため、認められない。  また、マルベリーブリッジ西放射線ユーロードへの延伸工事について、近隣商店会や商業者、地権者との調整が整っておらず、工事着工の決断が市民から見える形で行われていないことは大変問題である。駅前では西側区域の再整備や旭町の再開発などの整備について不確定要素が多く、これらが決定される前段階での着工は将来の整備に重大な制約を加え、今進めるべき事業ではない。  また、教員の多忙化解消について、平成28年に実施された国の実態調査の結果からより深刻な状況が明らかであり、市ができる課題を整理し、図書館司書の思い切った配置や、都に対し少人数学級の実施を要請することを求める。  また、国民健康保険事業について、平成29年度国保特会の最終補正の状況から、必ずしも今回値上げが必要な状況ではないとして、平成30年度当初予算に反対するとの意見がありました。  次に、賛成意見としては、平成30年度予算編成に当たっては、厳しい財政状況の中、業務の効率化や地方公会計制度に基づく行政コスト計算書により明らかになった総事業費の徹底した見直しを行っており、全会計における市債残高は前年度比19億7,000万円減の1,979億3,000万円と25年ぶりの1,000億円台としたほか、基金残高も200億円を維持している。財政健全化判断指標のうち将来負担比率についても前年度を1.9ポイント下回る2.7%とし、財政の健全性を堅持する予算を高く評価する。  個別施策としては、まず、全ての中学生に温かい給食を提供するための第一歩として給食センターが整備されることを評価する。平成30年度は2ヵ所の建設に着工するとのことだが、今後の整備についても期待する。  また、市民の健康を維持するための取り組みについて、50歳以上を対象として新たに実施される胃の内視鏡検査については、胃がんの早期発見、死亡率の減少に大変効果的であり、円滑な導入に期待する。受診率100%を目指すとした新生児聴覚スクリーニング検査は、聞こえの障害を早く見つけ適切な指導を受けることで言葉の発達を促す検査であり、取り組みに強く期待する。  また、高齢者福祉について、認知症グループホーム利用者の負担軽減に向けた取り組みは全国初であり、高く評価する。  また、マルベリーブリッジの延伸工事については、市民の利便性を高めるためのものであり、目的地までの動線がふえることによってまちの回遊性が向上すると考えるため、整備に期待する。  また、教員の多忙化解消について、新たに導入されるスクール・サポート・スタッフや部活動指導員の配置を評価する。今後は全中学校に部活動指導員の配置がなされることを期待するとして、平成30年度当初予算に賛成するとの意見がありました。  以上、主な質疑、要望、意見等について御報告申し上げました。  なお、その他にも多くの委員からの意見がありましたが、総括質疑の詳細については会議録にとどめてありますので御了承願います。  以上で予算等審査特別委員会の報告を終わります。 5 ◎【伊藤裕司議長】 委員長の報告は終わりました。  委員長報告に対する質疑はありませんか。                  〔「なし」と呼ぶ者あり〕 6 ◎【伊藤裕司議長】 質疑なしと認め、進行します。  これより討論に入ります。  本案について討論の通告がありますので、順次許可します。  この場合、討論時間は15分以内としますから、あらかじめ御了承願います。  第28番、青柳有希子議員。                    〔28番議員登壇〕 7 ◎【28番青柳有希子議員】 2018年度八王子市一般会計予算及び各特別会計予算並びに関連議案に対し、反対の立場から、日本共産党八王子市議会議員団を代表して討論を行います。  アベノミクスのもとで全労働者の平均実質賃金は年収で16万円下がり、勤労者世帯収入も実質値で見るとマイナス7万円になり、日銀調査では、金融資産を持たない世帯が最近5年間で400万世帯に増加し、全世帯の35%に達したと報告しています。アベノミクスの失策が市民の間に広がっていることは言うまでもありません。さらに社会保障費の自然増分をこの6年間で1兆5,900億円も削減し、2018年度予算でも、社会保障費自然増分1,300億円を削減する予算となっています。  これまで医療では、70歳から74歳までの窓口負担が2割化、70歳以上の高額医療費の負担限度額の引き上げ、介護では、要支援1、2の訪問・通所介護の保険給付外し、特別養護老人ホーム入所を原則要介護3以上に限定、生活保護では、生活扶助費や冬季加算、住宅扶助などが削減、年金では物価賃金スライド、マクロ経済スライドによる年金削減が行われてきました。所得を減らした上に社会保障の削減を続ければ、市民生活を一層深刻なものにします。  そのもとで、今回国民健康保険の都道府県単位化、生活保護基準引き下げが市民の全世代に影響を及ぼすことは間違いありません。国保の都道府県単位化の開始に伴い、本市は医療費分、所得割0.2%、均等割1,000円増、平均で2.7%の値上げを打ち出しました。平成29年度の一般会計の前年度繰越金19億7,599万円に増額し、平成30年度予算でも公共施設整備保全基金に職員退職手当基金15億円を廃止し16億円を積み増す中で、3億1,000万円の影響額の国民健康保険の増税をしなければならなかった合理的な説明がなされていません。  市は、決算補填目的の法定外繰り入れを平成28年度には40億円、平成29年度には見込みで49億円入れているわけですから、今回35億円に減らさずとも、平成28年、29年度規模に保てば値上げは必要ありません。市には、一般財源を繰り入れする力もありますし、市民が1度は利用するであろう社会保障に対する責任があります。保険税軽減のために力を入れるときです。特に市民に対しては何の周知もされておらず、6月の通知で初めて知らされる市民がほとんどです。こうした市民に納得のいく説明がなされておらず、認められません。  国は、都道府県に対して国保の財政健全化計画の提出を義務づけ、都は市区町村に財政健全化計画の提出を求めておりましたが、ここで数値目標は記入せず定型文を記入するだけで提出できるとの国からの方針が出され、事実上市が値上げをする根拠が崩れています。厚生労働省保険局国民健康保険課長の講師の学習会においても、標準保険料率はあくまで理論値であるので最終的な住民負担への配慮は丁寧に行っていただきたいと述べ、東京都に激変緩和策を検討するようその時点で要請しています。これまでの値上げありきの議論が大きな世論によって国からも崩れていることを示しています。値上げをしなかった自治体や、値下げをした自治体さえあったことを市も考えるべきであり、今回の値上げは認められません。  特別養護老人ホームの待機者は1,473人に上るにもかかわらず、優先度の高い人を71人とし、新年度の宿泊型施設は短期宿泊施設整備分54人を含め、特養とグループホームを合わせた定員は101人です。そもそも特養を申し込まれた方々やその家族は、家族やそのほかのサービスだけでは解決できなかったからこそ特養を申し込んだのです。それを市が勝手に優先ではないと決めつけ整備計画を十分に立てないのは市の責任を過小にするものです。実態に基づかない少ない数字を自分でつくり出し、それをもとに極めて不十分な整備計画で、今後の高齢化社会をやり過ごそうとするのは認めるわけにはいきません。待機者に見合った整備計画を求めます。  次に、川口土地区画整理事業として2月28日に事業認可された物流拠点事業であります。市が市民説明を求める請願さえ出されましたが、まともに対応しない事業者や市の姿勢はとても納得がいくものではありません。アセス準備書に対し、市民からはアセス説明会の進行などがとてもおざなりで時間も不足し、意見を言う機会さえ与えていないなどのたくさんの意見が出され、東京都からは市民に対する丁寧な説明が必要だと求められました。市は、回答で、アセス手続の中では市は直接対応することはなかったが、今後の計画で事業説明と工事説明を行うと都市計画決定権者としての立場を明記しています。ところが、その後、説明会は事業者に指導すると、みずからは行わないことを明らかにしています。  さらに、まちづくり公社にただすと、今後は施行計画ができた時点でその計画に基づき施行の説明を行うとしていて、これは工事説明に当たるものであり、事業説明を行う計画がないことがわかりました。市はアセス手続の中でしてきた約束をほごにしたばかりか、事業者への指導もしていないのです。このような場当たり的で不誠実な対応は許されるものではありません。まちづくりを市民とともに進めようという姿勢も全く感じられません。  同区画整理事業は、オオタカの営巣によりリサーチパーク計画が中止され、その後開発として浮上してきたものですが、まちづくり公社が中間に出してきた事業報告書でも、深い沢を埋め立てることによって失われる生息動植物への対応とあわせ、宅地造成基準を大幅にオーバーする超大のり面並びに土工量の問題をみずから指摘されてきました。しかし、アセス手続では、実際には40メートル以上になるのり面の高さの問題はどこにも触れられておらず、のり面高は5メートルで30度以下の勾配であり問題はないと説明しています。こうした事実と全く違うことでアセスを通していることも将来の安全に対する姿勢として重大な疑問を持つものです。ことし2月28日に事業計画書は公表されていますが、事業計画概要は事前に提示できる内容であり、議会に示すべきであります。こうしたことも行わず、議会で議論することもなく市が事業認可したことは、まさに議会軽視と言うしかありません。  土地区画整理組合助成条例に基づく補助金では、補助対象事業の29%にも達し最高額で20%としてきたこととも違いますが、区画整理法にない調整池を特に市長が公益性があると定めた補助対象項目に挙げ、その工事費の100%を補助することとしています。しかし、この造成計画では雨水災害を防止しなければならない施設として調整池は当然必要なものであり、事業者の責任で築造すべき施設で、特段市が要請したものではありません。公益性が特に認められるものでもなく、事業者の責任で100%つくるものであり、補助率100%の根拠も全くないものです。土地区画整理組合助成条例第4条第7項の趣旨を逸脱したもので、認められません。  マルベリーブリッジの延伸について、市は、ここで関係者等との合意形成が図られたことから本格的に工事着手するものであると回答しています。関係者についてただしたところ、警察協議と東急スクエアとの調整であるとの内容で、近隣商店会や、特に駅前広場に隣接する商業者や地権者らとの間では調整や協議は調っておらず、関係者らとの合意形成が図られたとの説明は事実と大きく違い、認めることはできません。  工事着手を決断した庁内意思を確認する決裁文書を求めましたが示されず、ないことが明らかになっています。18億円も必要とする事業に着手する意思確認文書が示せないということは、市の判断を市民に説明できないということであり、重大です。駅前整備は一般市民の車の乗り入れ場所の確保、西側区域の再整備、旭町再開発などとの関係を含め、不確定要素がたくさんあります。これらのことが何も決まっていない段階でデッキをつくり、駅前空間をセメントで固めてしまうことは将来の整備に重大な制約を加えることになります。少なくとも今進める事業ではありません。  北西部幹線道路は都施行道路の位置づけがされています。川口区画整理との関係で2工区、インター北地区との関係で9工区の整備を市が進めていますが、整備部分の買い取りや管理についても東京都と何ら話し合いがされていないことが明らかとなっています。とても理解できる進め方ではありません。2工区工事は、町会を分断するばかりか、近隣住民の生活に重大な影響を与えるもので、認められません。  組織条例の改定で、職員の定数管理を行財政改革部に移管しますが、職員定数をコストとして考えることが優先され、自治体職員の本来の職責を達成するための人員確保が後回しとなりかねません。国のトップランナー方式においては、民間委託などで抑えられた経費水準を基準に地方交付税を算定し地方交付税を削減する仕組みですが、2018年度から窓口業務の民間委託化の狙いで、独立行政法人に対し窓口業務の開放が始まります。行革の名においてトップランナー方式が続けられれば、国からの人件費削減、民間委託化のさらなる圧力は避けられません。こうした今回の組織条例の改定は、この国の行革路線への布石となりかねない点から認められません。  以上で反対討論といたします。 8 ◎【伊藤裕司議長】 次は、第3番、石川裕司議員。                    〔3番議員登壇〕 9 ◎【3番石川裕司議員】 それでは、ただいま上程されております平成30年度八王子市一般会計及び各特別会計予算並びに関連議案につきまして、自民党新政会を代表して、賛成の立場から討論させていただきます。  本市は、昨年に東京都で初となる市制100周年を迎え、200余りのさまざまな記念事業を行い、特に全国都市緑化はちおうじフェアの開催には多くの市民協力をいただき、また、多方面に八王子の魅力を発信することができました。平成30年度は次の100年に向けた確かな礎を築く予算執行に期待いたします。八王子ビジョン2022の後半5ヵ年となる中間見直しの取り組みに加え、自立した中核都市を目指し、多摩のリーディングシティとして他市に先駆けた本市独自の創意工夫あふれる施策展開として、にぎわいの再生に向けた都市づくりや、次の100年を担う子ども関連施策に重点を置いた予算が計上されていると考えます。本市は国や東京都のさまざまな情報を収集し、中核市の権限を最大限に活用しながら、全市的に連携を図り、八王子に住み続けたいと思われる事業展開をしていただきたいと思います。  一般会計は前年度比38億円増の2,009億円となり、重要な未来への投資を盛り込んだ予算規模となっています。特別会計は前年度比132億2,000万円減の1,976億5,000万円となっております。市税収入は、法人市民税の税制改革やこれまでの徴収努力により滞納繰越の調定額が減となった影響もあり、前年度比9,000万円減の898億6,000万円、税外収入は地方消費税の清算基準見直しにより前年度比14億2,000万円減の138億円、普通交付税は前年度比5億円増の44億円を見込んでいます。また、今後全中学生に温かい給食を提供するための給食センターの整備、いずみの森小中学校の新設工事、マルベリーブリッジの延伸工事、新館清掃工場の建てかえ工事、川口物流拠点の整備事業、旭町・明神町地区の再開発事業など、市民サービスの向上を図る上でのさまざまな大型プロジェクトが控える中、財源の確保が必要と考えます。  行政コスト計算書によって明らかにした総事業費の徹底した見直し効果により、全会計における市債残高は前年度比19億7,000万円減の1,979億3,000万円と、25年ぶりに1,000億円台となり、基金残高も取り崩しを抑えながら234億5,000万円と200億円台を維持しており評価いたします。本市は、今後5年間における財政収支のバランスと今後の財政運営の健全性を確保するために、アクションプランや予算編成の指針となる中期財政計画の策定に加え、大型プロジェクトへの投資や市施設の中長期の維持、保全を見据えた公共施設整備保全基金の設置や、資産と負債のバランスによる世代間の負担割合に着目した財政指標を定め、将来世代に負担を先送りしない中期的な投資に備えた点を高く評価いたします。  それでは、歳出における個別の事業について、八王子ビジョン2022の都市像の中から触れていきたいと思います。  「健康で笑顔あふれる、ふれあい、支えあいのまち」では、障害者とその家族を支える新たな施策として、退院後の記憶障害や注意障害をサポートするため、専門性の高い高次脳機能障害者支援者を配置し、日常の生活支援、外出時の移動支援、自立に向けた相談支援体制の強化を図っています。また、在職障害者の就業支援施策として、処遇改善による就労定着支援を実施、障害者支援施設やグループホームから、ひとり暮らしを希望する知的障害者や精神障害者の意思を尊重した自立生活援助を創設するなどは利用者が最適の選択ができる施策であり、障害者支援体制が推進されています。  次に、介護人材の確保対策について、新規の学生採用支援のほかに、潜在的な介護人材の再就職を支援する相談会の実施や、職員が必要な資格の取得費用を全額補助するなど、定着率向上と人材育成の支援を推進しています。事業者の介護人材の現状を把握するため、どの職種が不足するのか、いつ不足するのか、どのくらいの人数なのかをよりきめ細かく調査することが本物の政策を立案するための礎になっていくと考えます。  母子保健においては、八王子版ネウボラの推進と、新生児聴覚検査の受診率100%を目指し、検査の有効性の周知とあわせ医療機関と連携した受診勧奨に取り組み、安心して子育てのできるまちの充実を図っています。また、障害者歯科医療の受診日を拡充し、受診待ち期間の大幅な短縮にも努めています。  次に、地区図書室の図書館化の推進は、図書館不足や、図書館が近くにないといった市民の声を反映した施策であり、読書のまち八王子の発展につながっています。さらなる図書館化の推進をお願いいたします。  また、文化財の保存活用を目的とした日本遺産への認定取得に向けた取り組みは、広く市民文化の振興や歴史と伝統文化の継承及び郷土愛の醸成にもつながるものと考えており、大きなシティプロモーションができる事業であると期待しています。  「安心・快適で、地域の多様性を活かしたまち」では、企業誘致と地域経済の活性化ができるインフラ整備として、川口物流拠点の整備推進や、本市の交通結節点の機能を生かした八王子南バイパス延伸事業は、慢性的な渋滞の解消や地域の経済効果とともに、広域医療連携が図れるものと大きく期待しています。  また、本市初の取り組みである空き家対策事業、利活用促進事業は、庁内外連携による詳細な空き家データを作成するなど、他市に先駆けた政策であり、快適なまちづくりを推進する上で評価いたします。  防災対策においては、昨年発生した台風第21号による災害復旧費の確保や、本市の土砂災害警戒区域及び特別警戒区域に対応した総合防災ハンドブック配布計画の実施は、未経験の災害に対する市民の防災意識の向上を高めていくものと考えます。  「魅力あふれる産業でにぎわう活力あるまち」では、産業交流拠点と旭町・明神町地区再開発計画を進めておりますが、中心市街地にMICEの集客効果が求められており、関係機関と連携した継続的な取り組みが必要と考えます。4年後の産業交流拠点のスタートに鑑み、早急に施設の稼働率を上げていくための営業を始めていただきますよう要望いたします。  次に、農林業支援策において、学校、保育所など公共建築物への積極的な多摩産材の活用は今後の森林整備の発展にもつながる取り組みと考えています。また、防災兼用の農業用井戸の整備支援は農業と防災を具体的に連携させた防災対策としても評価いたします。  最後に、我が会派が申し上げているとおり、これまで単年度の黒字や赤字を意識する余り投資すべき時期を逃していたり、中途半端な投資になることで期待した効果が十分に得られないということにならないよう、さまざまなプロジェクトを見据えた確実な財政運営を行っていただくとともに、今後の投資すべき事業にはしっかりと投資していく行財政運営を図っていただくことを要望いたします。  さまざまな意見を申し上げましたが、新年度の施策の実行に当たり、私どもの会派の各委員がそれぞれの立場で総括質疑並びに各分科会を通じて意見や要望をさせていただきました。それらについては新年度の市政運営の中でできる限り取り入れていただき、市民の声として反映していただきますようお願いを申し上げ、賛成の討論といたします。 10 ◎【伊藤裕司議長】 次は、第40番、陣内泰子議員。                    〔40番議員登壇〕 11 ◎【40番陣内泰子議員】 それでは、2018年度八王子市一般会計予算及び各特別会計予算並びに関連諸議案について、生活者ネットワーク・社会民主党・市民自治の会を代表して、反対の立場から討論を行います。  市制100周年を終え、次なる100年に向け新たな1年を踏み出す年の予算であります。同時に2013年から基本構想・基本計画、八王子ビジョン2022に基づき施策が展開されてきたのですが、ちょうどその中間年に当たることから、新たな行政課題を反映した2018年度からの5年間の基本計画も策定されました。今後5年間の中期財政計画のスタートでもあります。  さて、2018年度予算総額は、一般会計2,009億円で初めての2,000億円台、過去最大規模となっています。9つの特別会計と合わせると国民健康保険事業特別会計が広域化で大幅減となっていることから3,986億円というもので、前年比94億円の減となっています。歳入の根幹をなす市税収入は、個人市民税が0.4%とわずかながら増となっていますが、滞納繰越の調定額が減となったため、前年比9,000万円減で市民生活は景気回復を実感できない状況です。また、地方消費税交付金は清算基準の見直しで16億円の減、一方、赤字地方債の臨時財政対策債は2億円増の51億円を計上しています。  歳出を性質別に見ると、人件費、扶助費が構成比で見ると前年比減となり、一方、投資的経費が大幅にアップをしています。このことから、まず問題にしなければならないのは投資的経費と市債残高についてです。中期財政計画における財政指標は、これまでの借金を減らすための指標たり得た返す以上に借りないを放棄し、貸借対照表における負債と純資産の割合を1対3で維持するというものに変更されました。具体的にどういう結果になるかというと、2020年度末の市債残高は2,132億6,500万円で、今後5年間で市債はふえる一方ということになります。しかし、市側の認識は、これで将来負担とのバランスはとれているとのことですが、借金を減らすといったインセンティブが何ら働かない財政指標と言えます。  一方、少子高齢化の進展で市税収入の今後5年間の見込みは歳入総額の43.1%というもので、これまでの5年間の市税収入さえも確保できない状況を見通しています。また、団塊の世代が後期高齢者になる2025年を前にして、2022年までの扶助費はわずか1%ふえるにすぎない状況となっているわけです。つまり、今後5年間の財政見通しとして言えることは、市税収入が減る中で、高齢化の進展で扶助費需要が高まるにもかかわらず、その伸び率はわずかであり、一方、投資的経費支出が大幅に増大するというものです。  その要因として、2018年度予算に計上されている川口土地区画整理事業や、マルベリーブリッジの西側延伸工事等が大きく影響をしています。しかも、2018年度予算策定時において将来予測が見通せない医療刑務所跡地活用に係る建設費や運営費、高尾駅南北自由通路、そして、マルベリーブリッジの全体計画などの費用は、これら投資的経費には含まれていません。こういったことから言えることは、高まる扶助費需要に備えて、大規模事業の選択には、現在並びに将来にわたっての費用対効果、住民の納得、住民福祉の向上に役立つ優先順位など、幾つかの項目で厳しくチェックしなければならないのですが、残念ながら、現在事業選択の客観的基準はありません。  振り返って、今予算案を見ると、川口土地区画整理事業について市助成金総額約43億8,000万円のうち9億6,000万円が計上されています。しかし、住民への説明がなされていないということが問題です。12月議会で周辺住民への事業説明を求める請願が出されたほどで、組合認可がおりた現在もなお住民への説明予定は立っていません。予算だけ通すわけにはいきません。また、事業効果について2,500人程度の雇用が可能であるという説明がなされているのですが、これについても、その試算根拠が現在稼働している物流の状況を比較検討したもので、3年ほど前のものであり、さらに川口土地区画整理事業のあの地形を考えるならば、客観性を欠くものと言えます。
     また費用についても、土地区画整理事業費用の上限20%を助成するというものですが、今後の工事費の高騰や、調整池など市長が市負担の必要を認めたものとして計上されている費用の精査や議論はなされていません。また、申請の手順としても、助成金を受ける団体として今現在組合が承認されているわけではなく、今後承認申請書が提出されるという見込みで予算が計上されることは行政の先走りと言えます。こういった状況での川口土地区画整理事業の予算化は到底認めることはできません。  次に、マルベリーブリッジ西側延伸についてです。総事業費は17億9,000万円で、2018年度は2億円余りが計上されています。これまでマルベリーブリッジ東側延伸に13億円投入をしてきました。しかし、これは予算消化のための工事であり、にぎわいに何ら貢献するものとなっていません。今まで下を通過していた人がエレベーターを少し手前で利用しただけのものです。しかし、その反省、検証もなく、さらに地下駐車場があるその上にブリッジをつくろうとするのがこの西側延伸工事です。工法は、地下駐車場の空間があることから、地中にくいを打つことができないというもので、地震対応に不安があります。  また、八王子駅周辺整備計画の一環ということですが、計画にあるリング状のブリッジの可能性については何ら見通しが立っているものではなく、西側だけを延伸することの目的、意味が見出せない事業です。何のためにデッキの延伸を行うのか、そのことによりどんな効果が得られるのかという点について具体的な説明が得られていません。急ぐ事業ではなく、むだな事業の1つと言えます。  こういった投資事業が十分な検討や住民の不安を解消する説明責任がなされていない中で予算化が進んでいくのに比べ、国保の値上げをしないでくださいという住民の請願に対し、保険という仕組み並びに公平性を盾に、2年置き、3回連続の国保税値上げがなされようとしています。値上げによる加入者の負担総額は3億1,000万円で、法定外繰り入れは前年予算比25億円余りの減、決算見込みから見ても10億円近くの減となっています。  この金額の根拠は、今後10年ほどで法定外繰り入れを解消する場合を想定してのものですが、財政健全化計画の義務がなくなったことで値上げの根拠をなくしています。こういった費用が川口土地区画整理事業マルベリーブリッジの建設費になっているのでしょうか。総括質疑でも問題にしましたが、非課税世帯であっても子どもが3人いる世帯では二十数万円の国保税負担となっています。軽減措置があるとはいえ、十分に機能していない実態も見えてきています。他保険との不公平も明らかです。市民の健康と命を守る責務がある自治体として、値上げではなく速やかに実効性ある負担軽減措置を図るべきです。  最後に、地域福祉の推進についてです。予算では、地域福祉推進拠点を4ヵ所から6ヵ所にふやし、1ヵ所につきコミュニティソーシャルワーカー1名と補助員の計12名分の人件費を計上しています。社会福祉協議会は、これまでもずっと自主事業として地域福祉の推進を掲げてきているのですが、その具体的取り組みを実際には十分に展開できずに来ています。2018年度までの現計画のいきいきプランでも、設置数を明記して重点課題としているのですが、仕組みへの言及がありません。カフェを開催すれば、コミュニティソーシャルワーカーを配置すれば、相談体制ができるとお考えでしたら、それは間違いです。  CSWの元祖と言える豊中市の仕組みは、学校校区ごとにさまざまな相談を吸い上げる窓口があって地域課題が寄せられます。それを社協のCSWが交通整理をしながら実際に問題解決を図るのです。だからこそ、信頼関係が築かれていく。そして、このような仕組みになるまで、長い地域福祉に対する関係づくりをはじめとした社協の取り組みがあったことを下地としているわけです。今、八王子の社協を支援するのに必要なこととは、人の予算をつけたり場所を提供するだけではなく、こういったしっかりとした問題解決の仕組みをつくることです。相談のたらい回しがあったら、信頼関係は築けません。  八王子には明確な目的とノウハウ、実践の蓄積をもって地域活動を続けている子ども家庭支援センターや子育てひろば事業、児童館、地域包括支援センター、そして地域で暮らしていくことに困難を抱えている人々に対応する障害者の地域生活支援拠点事業が具体的な解決の出口を持って活動しているのですから、こういった先行事例をしっかりと取り入れていくべきです。地域の困り事とは、制度のはざまの問題ではなく、さまざまな重複課題があることによる困難事例と言えるからです。  介護保険特別会計においても、生活支援コーディネーターの予算が6人から9人に増額されています。こちらも地域支援の仕組みや活動のノウハウが残念ながらできていません。高齢者のボランティア制度利用者や介護サービス訪問ふれあい員など、日常的にボランティア活動をしている地域の人との接点に乏しく、また、地域に居場所がないことから、その活動も地域の人材と有機的に、また面的に結びつく機会に限界があると言えます。これらの人材、そして場所の設置は、広い意味での地域包括ケアシステム、つまり地域で安心して暮らし続けられる体制づくりの一翼でもあるのですから、市は積極的に事例検討を積み重ねながら、人材育成と相談体制の入り口から出口までのトータルコーディネートをしっかりと築き上げていただきたいと思います。  以上をもって反対討論といたします。 12 ◎【伊藤裕司議長】 次は、第37番、伊藤忠之議員。                    〔37番議員登壇〕 13 ◎【37番伊藤忠之議員】 平成30年度八王子市一般会計及び各特別会計予算並びに関連議案について、市民・民進クラブを代表し、賛成討論を行います。  平昌オリンピックが終わり、パラリンピックが開催され、日の丸をしょって戦っているアスリートの活躍に国民が喜びに沸いている中、平成30年度の予算審議が行われ、今では春の選抜高校野球が阪神甲子園球場で行われております。さて、平成30年度の一般会計予算規模は、前年度に比べ1.9%増、38億円増の2,009億円と市長から提案がされました。その中の説明では、景気回復により個人・法人市民税が増とお聞きをいたしました。しかし、給与所得の控除や法人市民税の改正で率を下げたわけですが、税収はふえると説明を受けております。  先日も意見の場で述べましたが、確かにごらんになっている役所の計算書では景気回復となるのかもしれませんが、社会では一部の方々しか景気回復を感じておらず、大半の方は景気回復を感じていないのではないかと思います。個人の賃金、ボーナスが多少変わったようでありますが、個人の消費が伸びるまで本市の景気回復宣言は控えたほうがよろしいのではないかと思います。市民の生活状況なども判断材料に加えていただくようお願いをいたします。  さて、平成30年度予算は、次の100年を担う子ども関連予算の目玉政策として、全ての中学生への温かい給食を提供するため第一歩として給食センターの整備予算が計上され、これについて評価をさせていただきたいと思います。しかし、そもそも食育という言葉が定着した中で、八王子の中学生が温かい給食を食べられる生徒と冷めた給食を食べる生徒がいる、いわゆる給食格差は課題でありました。今回は2ヵ所の整備に向けてでありますが、残り数ヵ所の整備に向けて関係者のより一層の御努力をお願いいたします。  次に、私ども市民・民進クラブより古くから要望しておりました西放射線ユーロードへのマルベリーブリッジ延伸工事費用が計上されたことも評価をさせていただきたいと思います。これまでの議論の中で、さまざまな理由により反対者がおることは存じておりますが、私は、市民のこれまでの不便さを感じておった本市が数字にあらわした結果であると思います。これまではマルベリーブリッジから東急スクエア、西放射線ユーロードに向かう場合には、ブリッジの階段をおりたり信号を渡らなければならなかったが、これができ上がれば、そのようなことはせずに東急スクエアや西放射線ユーロードへ行くことができ、大変便利になると思います。そもそも動線がふえることでまちが広がると考えております。先ほども述べましたが、反対者もおりますが、賛成者もいると思います。他会派のことは述べませんが、市民・民進クラブの4人は評価させていただきますので、関係者の方々には胸を張ってこの仕事をしていただきたいとお伝えをいたします。  また、職員体制については、職員の数が、100周年事業の終了や業務の見直しにより、80名の方々が退職されるとお聞きをしております。気になるところは、この80名の退職者や業務の見直しによって、1人の職員の仕事量がふえるのではないかと考えております。答弁では負担軽減に努めるといただいておりますが、動向を見守っていきたいと思います。余り生産性という言葉にとらわれますと、個人の力量を考えずに仕事量をふやし、結果その職員は体調不調を起こし、休職者が出る可能性もございますし、休職者が出た場合はその穴を埋めるためにその職場の職員の仕事量がふえ、今までできていたスムーズな市民サービスの提供を停滞させてしまうことも考えられます。職員があって市民サービスが市民に提供できるわけですから、しっかりと不調者を出さない、無理のない体制をつくっていただきたいとお願いをいたします。  また、フレスコ南大沢については、今後予想される法務局の移転問題、その後の対策もお願いいたします。役所の性格上、事が起きていないことに準備は難しいと理解はいたしますが、想像がつきますので、お願いをいたします。  そして、フレスコ周辺の輪舞歩道橋についての現在のルールでは、歩道橋の下に横断歩道の設置はできないといただきましたが、この南大沢地区も高齢化が進んでおりますから、足腰の不調を発する方も多いのではないかと思います。わざわざ足腰の痛さを我慢しながら歩道橋の階段を上りおりする方はおられないと思いますので、考え直していただきたいと思います。市役所は市民の声や議会の声を直接聞いて、時代に合った、地域に合ったまちづくりを目指しておると思います。時代に合った、地域にフィットする交通ルールの変更を東京都に求めていただきたいと思います。  市長は、市制施行100周年のキャッチフレーズとして百年の彩りを次の100年の輝きへとして記念事業を施行いたしました。この平成30年度予算はその後100年に向けた最初の予算第一歩であります。財政、子ども福祉、高齢者福祉、教育、産業、都市計画と、本市にはさまざまな課題がたくさんあると思います。守らなければいけないもの、または変えていかなければならないもの、さまざまあると思います。例えば福祉関係では、どこでも安心して暮らせるまちを目指すなど当面的な目標はありますが、次の100年後の八王子の姿を想像しながらその目標にも取り組んでいただきたいと思います。  最後に、今後も各施策には、なぜその事業が必要なのか、コストは正しいのか、費用対効果は図られるか、市民が望んでいるか、十分に考え、苦しくても将来のためにやらなくてはならないこと、今は我慢すべきこと、めり張りをつけて市政運営に取り組んでいただくよう要望し、賛成討論といたします。 14 ◎【伊藤裕司議長】 次は、第36番、市川潔史議員。                    〔36番議員登壇〕 15 ◎【36番市川潔史議員】 それでは、ただいま上程されております平成30年度一般会計及び各特別会計予算並びに関連する諸議案について、市議会公明党を代表して討論を行います。  本予算の特筆すべき項目は、給食センターを整備して温かい中学校給食を3年後までに全中学校で完全実施することであります。初めて中学校給食の請願が議論された昭和44年、あれから実に半世紀に及ぶ本市の重要課題である中学校給食が市長の英断で完了するわけであります。私は、この中学校給食の実現及び約10年前に完了した下水道整備事業をもって、いわゆる三多摩格差はほぼ解消すると考えます。  三多摩格差とは、昭和39年の東京オリンピック後、昭和40年代後半から人口が爆発的に増加した多摩地域では、インフラ整備がおくれ、各自治体は都への財政援助を強く要望した経過があります。具体的には、昭和50年に市町村協議会がまとめた都内23区との行政水準の格差ですが、格差8課題として、義務教育設置不足・給食の未実施、下水道整備、保健所設置、医療不足、道路整備、図書館・市民集会所整備、保育料が高い、国民健康保険料が高い等であります。その後40年以上経過して、本市をはじめ多くの自治体のインフラも整備しつつあります。しかし、格差は残っています。驚くことに、23区では、JR、私鉄、地下鉄、モノレール等の軌道系の駅にどこからでも徒歩10分で行ける政策を進めています。多摩地域では希望しても不可能なことですが、少しでも格差解消に向け頑張らねばならないと思います。  また、昨年1年間に出生した新生児数は93万5,000人でありました。私が生まれた昭和28年は187万人であります。64年が経過してちょうど半分になったわけであります。このことから類推すると、今後50年60年経過するころは、新生児数は50万人を下回ることが予測されます。まさしく人口減少、少子高齢化がきわまっていくわけであります。このような背景から、現在各自治体は、まち・ひと・しごと創生総合戦略を策定して、まちの魅力づくりに奔走しています。本市においても、所管をはじめ全庁的に、そして精力的に取り組んでいることは承知しております。  本予算でも、川口土地区画整理事業が計上されました。物流拠点を整備する川口土地区画整理組合の本組合が本日設立され、5年後を目途に事業がスタートいたします。市は以前から、圏央道八王子西インター周辺を交通利便性を生かした産業業務物流拠点と位置づけていますが、準備組合を約10年前に設立し、インターのフル化を経て、ようやくスタートするわけであります。しかし、この間に物流を取り巻く環境は大きく変わりました。各物流会社は、宅配をはじめ利用者へのサービスを拡充してきましたが、運転手の過重労働から人手不足を生じ、ロボット等の導入を余儀なくされています。世界的な物流会社アマゾンは徹底した自動化を採用し、その物流センターはロボットによる無人化で、従業員はごく少数と言われています。  私は、働く場所の創生の視点から川口物流拠点には賛成ですが、オープンしたら働いているのはロボットだけでは本末転倒と考えます。よって、物流業務だけに特化した構想ではなく、石川町や美山町の工業団地で稼働している普通の工場も想定して事業を進めるべきと考えます。考えてみれば、私たちの生活は日々進化しています。第4次の産業革命は、ロボット、IoT、AI、ビッグデータがキーワードです。アマゾンが手がけるコンビニは自動決済の無人化店とのことです。所管においては、各企業の最先端を凝視しつつ、この事業を着実に推進することを強く要望いたします。  また、高齢化の進展に対応する施策として、認知症高齢者グループホーム利用者負担軽減の予算が計上されました。一昨年の夏、市議会公明党と東村都議会議員が市長に要望した施策ですが、第7期介護保険事業計画のスタートに合わせ実施予定としていただきました。先行実施している都内の各区より格段に補助率の高い金額であり、入居者の半数に迫る対象範囲と伺いました。市長、理事者の判断を高く評価いたします。  また、八王子駅北口、南口の整備についても、多くの事業が計上されました。マルベリーブリッジ西放射線ユーロードへの延伸等でありますが、一般の歩行者や高齢者、障害者へも配慮したバリアフリーのまちづくりが進展するものと考えます。この間、この中心市街地等の整備の議論の中で、我々も、また市側の答弁者も、まちのにぎわいづくりというフレーズを使用することがあります。もちろんそれを全面的に否定するわけではありませんが、これから我が国はしばらくの間人間は減り続けます。先ほど申し上げたように、都内の繁華街、新宿や渋谷、銀座や品川とは構造的、決定的な格差があります。私は、中心市街地の整備については、バリアフリーを基本にした安全・安心なまちづくりを最優先課題にすべきと以前より考えております。そして、あえて言えば、回遊性を進めたいならば、多くの場所に安全に休息できるベンチを配置すべきと考えます。ともあれ、東京都が進める産業交流拠点整備等に合わせた推進を要望いたします。  さて、総括質疑でも申し上げましたが、堺屋太一氏は「団塊の後」の中で、2年後の東京オリンピック・パラリンピック後の景気予測は5年間の大不況となるとしています。もちろん景気予測は10人10通り、100人100通りであり、右から左まであるわけでありますが、本市の財政運営について言えば、どのような場面であっても対応可能な状況であっていただきたいと考えます。  質疑で明らかになったように、本市は、平成12年、前黒須市政スタートに際し、財政危機宣言から市政運営が始まり、石森市長誕生後もその理念を堅持し、市債残高を削減してまいりました。今後の人口減少、少子高齢化、各施設の老朽化、その中で近隣自治体との都市間競争を勝ち抜いていく施策の展開が求められる大変難しい時代を迎えます。よって、財政運営の視点からも、中期長期の時代予測を念頭に今後の市政運営を図られるよう期待いたします。  最後に、予算審議の中で我が会派の議員が申し上げた内容については真摯に受けとめていただき、今後の予算執行に反映していただきたく要望申し上げ、中学校給食の完全実施を計上した歴史的な平成30年度予算に大賛成と申し上げ、討論を終わります。 16 ◎【伊藤裕司議長】 次は、第20番、小林裕恵議員。                    〔20番議員登壇〕 17 ◎【20番小林裕恵議員】 大好きな八王子をつくるみんなの会、立憲民主党の小林裕恵でございます。  それでは、ただいま上程されております2018年、平成30年度八王子市一般会計及び各特別会計予算並びに関連する諸議案について申し上げます。  平成30年度予算は、子どもたちが思い描く未来の八王子への願いをかなえる新たな100周年への第一歩として、次の100年を担う子ども関連施策に重点を置き、若い世代が八王子に住み続けたい、住んでみたい、そして、このまちが好きと思えるまちづくりを本格化させる予算とのことです。予算の特徴としては、これまで議会でもたびたび議論があり、また石森市長1期目の公約の柱の1つでもあった全ての中学生への温かい給食の提供や放課後子ども教室の全校実施など、子ども施策の充実を図ったほか、障害者、高齢者、子育て家庭への支援、また不燃残渣の資源化品目の拡大による埋立処分量ゼロの達成など、ソフト事業の充実を図る一方で、八王子医療刑務所跡地の活用に向けた基本計画の策定やいずみの森小中学校の建設など、将来への投資も含まれております。  歳入歳出予算を見ますと、歳入では、税外収入が地方消費税交付金の清算方法の見直しにより減額となりましたが、臨時財政対策債の発行抑制をはじめ、財政の健全性を維持する中で一般財源の確保を図った結果、一般財源は対前年度比2億6,000万円の減少となっています。  歳出は、引き続き扶助費が増加したことにより義務的経費は6億9,000万円の増となっておりますが、目的別の計上状況を見ますと、平成25年以来増加していた民生費は国民健康保険事業特別会計への繰出金の減少などにより9億2,000万円、構成比も全体の50.8%と前年度より減少しています。その他では、議会費を除き全て増額計上となっており、衛生費、教育費が大きく増額となりました。この結果、一般会計の予算規模は2,009億円と、対前年度38億円の増となっており、市債残高は1,979億3,000万円と、平成29年度に達成見込みとなっている1,000億円台を辛うじて維持しており、基金残高は200億円を確保する予算となっております。  地方行政サービスについては、平成27年8月に国から総務大臣の通知として、地方行政サービス改革の推進に関する留意事項についてが発出され、また、内閣府で閣議決定されている経済財政運営と改革の基本方針では、行政事務の民間委託への推進や業務プロセスの見直しであるBPRを通じた質の高い公共サービスの展開が歳出改革の基本姿勢方針に掲げられております。本市においても、今予算では、歳入歳出改革の取り組みとして、職員配置の見直しや民間委託等の業務の効率化により1億6,000万円の歳出削減の効果を算出しております。今後は、単に財政面の効果を求めるだけでなく、BPRによる業務の洗い出しによって障害者雇用の促進を図り、また、行政サービスの質の向上を市民が実感できるようPDCAサイクルの検証が必要であると指摘しておきます。  次に、個別施策について何点か申し上げます。  まずは教員の多忙化解消についてです。子どもたちへの教育は未来への投資と言われています。その子どもたちと向き合う教員の勤務状況は過労死水準と言われております。本予算では、新たにスクール・サポート・スタッフや部活動指導員を教員の業務負担の軽減を図る目的で予算計上されたことは評価しております。しかし、年間640時間もの負担軽減が図られるという部活動指導員の配置は、八王子市内の中学校にわずか4校のみとのことです。早急に全中学校38校全てに配置いただくよう強く要望いたします。  学校における働き方改革の目的は、学校教育の質の維持向上を図ることです。そのためにも今後策定する学校における働き方改革推進プランには、適正な出退勤管理などの実態調査や、新たな仕組みの確立、業務改善の推進、学校を支える人員体制の確保など、教員が負担軽減されたと実感できる授業やそして指導に専念できるようにすること、同時に子どもたちと十分に向き合える時間を確保できる内容を盛り込んだ上で、さらに保護者にも理解を求めていく必要があると考えます。改めて学校における働き方改革推進プランの策定にはしっかりと現場の意見を反映していただきたいと要望いたします。  次に、給食センターについてです。給食センターの整備に当たっては、ただ単に給食をつくる工場としての役目を果たすのではなく、市内農業の6次産業の促進に向けた加工場としての機能などを備え、食育や地域のコミュニティ活動にも生かすためにも、センターがアクセスの悪い場所にあっても地域の人たちに足を運んでもらえるよう、多摩産材の活用などによりセンターの魅力を高めていくことを要望いたします。  次に、保育環境についてです。市はこれまでの取り組みにより、平成29年4月の待機児童数を上回る保育定員を確保したことは高く評価いたしますが、保育所に指定管理者制度を導入してから約10年が経過し、保育所を取り巻く環境は大きく変化してきました。この環境変化を踏まえ、今後の公立保育所が果たすべき役割を整理した上で、保育の継続性の担保を重要視し、指定管理者制度の内容の見直しや公私連携型保育所への移行などを視野に入れ、民間事業者の活用について検討いただけるよう要望いたします。  次に、障害者スポーツの推進についてです。東京2020オリンピック・パラリンピックの大会ビジョンでは、スポーツには世界と未来を変える力があるという目標を掲げています。障害者スポーツへの取り組みは単なるスポーツ振興だけでなく、障害者への理解促進や、社会参加への進展、共生社会への実現につながっていきます。関係機関と連携して、ハード、ソフト両方にバリアフリー化を進めていくことが重要となります。今後は、八王子市においても障害者スポーツを普及発展させるために、八王子市心身障害者福祉センターとの連携を行い、スポーツ推進委員全員が初級障がい者スポーツ指導員の資格を取得できるような仕組みづくりを早急に進めていくとともに、障害者スポーツを支えるという観点から、認知症サポーターやゲートキーパーのように、市内の障害者スポーツ大会やイベント等においてボランティアで活動していただく障害者スポーツサポーター制度を導入することも検討いただきたいと再度申し上げておきます。  次に、シティプロモーションにおいては、八王子ならではのライフスタイルを実現したいという方に住んでもらえるようなターゲットを絞ったプロモーションを展開するとともに、八王子に住んだ人々がまちに誇りを持って、まちの魅力をみずから発信するような好循環を生み出していただくことを要望いたします。  次に、八王子市市制100周年記念事業である全国都市緑化はちおうじフェアについてですが、全国都市緑化はちおうじフェアのレガシーを市民の緑化活動へと引き継ぎ、八王子市が持つ緑の魅力をさらに高めていただけるよう各所管が連携してレガシーを継承していく体制を維持していただきたいと要望いたします。  最後に、本市においては、本年度私がこれまで要望してきました仮称、八王子市自殺対策計画をようやく作成することになりました。2015年の人口動態統計では、15歳から39歳の死因の第1位は自殺となっており、若い世代の自殺が深刻な状況にあります。誰もが自殺に追い込まれることのない社会の実現に向けてさらなる展開を期待しております。  本日並びに本予算の総括質疑及び各分科会において指摘、要望、提案した事項は、我がまち八王子に住み続けたい、住んでみたい、そして、このまちが好きと思っていただき、私がいつも申し上げている大好きな八王子をつくるために、今後の行財政運営に反映されることを強く要望し、賛成の討論といたします。 18 ◎【伊藤裕司議長】 以上で討論を終わります。  これより第5号議案ないし第14号議案及び第29号議案ないし第64号議案の46議案を一括採決します。  採決の方法は記名投票で行います。  議場の出入り口を閉めます。                     〔議場閉鎖〕 19 ◎【伊藤裕司議長】 ただいまの出席議員数は35人です。  記名票を配付します。                    〔記名票配付〕 20 ◎【伊藤裕司議長】 投票箱を点検します。                    〔投票箱点検〕 21 ◎【伊藤裕司議長】 異状なしと認めます。  念のため申し上げます。  原案に賛成の方は  白票  反対の方は     青票 であります。  第1番議員から順次投票願います。                     〔投  票〕 22 ◎【伊藤裕司議長】 投票漏れはありませんか。                〔「投票漏れなし」と呼ぶ者あり〕 23 ◎【伊藤裕司議長】 投票漏れなしと認めます。  投票を終わります。  議場の出入り口を開きます。                     〔議場開鎖〕 24 ◎【伊藤裕司議長】 開票を行います。  会議規則第31条第2項の規定により、第1番、岩田祐樹議員及び第8番、石井宏和議員に開票の立ち会いをお願いします。                     〔開  票〕 25 ◎【伊藤裕司議長】 投票の結果を報告します。  投票総数 35票  これは出席議員数に一致しています。  原案に賛成するもの  白票 27票  反対するもの     青票 8票  以上であります。   ………………………………………………………………………………………………………………  原案に賛成するもの  白票 27票    1 番   岩 田  祐 樹           2 番   西 山    賢    3 番   石 川  裕 司           10 番   及 川  賢 一    11 番   梶 原  幸 子           12 番   八木下  輝 一    13 番   西 本  和 也           14 番   渡 口    禎    15 番   中 島  正 寿           16 番   五 間    浩    17 番   星 野  直 美           20 番   小 林  裕 恵    21 番   馬 場  貴 大           22 番   鈴 木  基 司    23 番   浜 中  賢 司           24 番   村 松    徹    25 番   荻 田  米 蔵           26 番   小 林  鈴 子    27 番   相 澤  耕 太           31 番   福 安    徹    32 番   水 野    淳           33 番   吉 本  孝 良    34 番   美濃部  弥 生           35 番   小 林  信 夫    36 番   市 川  潔 史           37 番   伊 藤  忠 之
       38 番   森    英 治  原案に反対するもの  青票 8票    8 番   石 井  宏 和           9 番   佐 藤    梓    18 番   市 川  克 宏           19 番   前 田  佳 子    28 番   青 柳  有希子           29 番   鈴 木  勇 次    30 番   鳴 海  有 理           40 番   陣 内  泰 子   ……………………………………………………………………………………………………………… 26 ◎【伊藤裕司議長】 したがって、第5号議案ないし第14号議案及び第29号議案ないし第64号議案の46議案は原案のとおり決定しました。   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 27 ◎【伊藤裕司議長】 次は、日程第2、請願第6号、2018年度国民健康保険税の負担軽減を求める請願を議題とします。  本請願については、厚生委員会に付託した事件であり、審査報告書が提出されております。               〔厚生委員会請願審査報告書後編参照〕 28 ◎【伊藤裕司議長】 委員長から審査の経過及び結果の報告を願います。  第20番、小林裕恵議員。                   〔厚生委員長登壇〕 29 ◎【小林裕恵厚生委員長】 ただいまから厚生委員会に付託されました請願第6号、2018年度国民健康保険税の負担軽減を求める請願の審査の概要と結果を報告いたします。  本請願は、平成30年3月6日、本会議において本委員会に付託され、去る3月16日に委員会を開催し、慎重に審査いたしました。  初めに、紹介議員より次のとおり説明がありました。  平成30年4月から国民健康保険制度の都道府県単位化が始まるが、国から示された方針をもとに、昨年12月、東京都は一般財源の国保会計への決算補填目的の法定外繰り入れを計画的、段階的に削減することを各市町村に求めてきた。市はこの方針に従い、法定外繰入額35億円を10年間で割って3億5,000万円を減らすためとして、現行の1.3倍になる標準保険料率を示している。これにより加入者の保険税に転嫁をすることになり、国保に加入する市民の生活をさらに追い込むことになるのは明らかである。  以上のことから、請願者は1、国保税を値上げしないこと、2、市の一般会計からの繰り入れを継続・拡充すること、3、国、都に対し財政支援を求めること、4、子どもにかかる均等割額を軽減する仕組みをつくることを求めている。これらの請願趣旨実現のため、ぜひ本請願を採択していただきたいとの説明がありました。  次に、紹介議員に対し次のような質疑がありました。  これまで低所得者対策については同じ思いから配慮を求めてきた。しかし、この国民健康保険制度を持続可能なものにするには加入者の皆さんの協力により保険税を決めなくてはならないとして、制度設計に対する紹介議員の考えを問う発言に、一般財源からの法定外繰入額はこれまでにもかなり減らしてきた経過がある。決算補填目的の法定外繰り入れを減額せず、市や都や国がお金を補助すれば持続可能だと考える。制度を維持するためにまず取り組むべきなのは、値上げではなく、健診による早期発見、早期受診により医療費全体を下げ、国保制度を社会保障として維持することであるとの答弁がありました。  また、加入者の所得の判断に資産調査も行っているのかを問う発言に、保険料制度の中で他の自治体は資産割として調査していることは承知しているが、本市は保険税として取り扱うため資産調査はしていないとの答弁がありました。  他に、年金の引き下げという表現の正確性に対する見解を求める発言、均等割軽減を行った他市の事例を問う発言、市内在住の賛同者の人数を確認する発言などがありました。  なお、請願代表者より趣旨説明を行いたいとの事前の申し出があり、委員会を休憩して説明を聞くこととしました。  終了後委員会を再開し、本請願事項に関する市側の説明を受けました。説明の内容は次のとおりであります。  平成30年度からの新たな国民健康保険制度では、都が区市町村の医療給付費、後期高齢者支援金及び介護納付金を全額支払う役割を担うことになった。その財源として、国や都の法定の公費負担等を充てるほか、年齢調整をした医療費水準や被保険者の所得水準により区市町村ごとの納付金を算定、徴収し、あわせて納付金を納めるために必要な標準保険料率を示すとされ、都内の区市町村間において支え合う制度に変更となる。  請願事項1の国保税の値上げについて、新制度では、都が示す標準保険料率を適用すべきところだが、急激な増加を避けるため財政支援措置を講じ、被保険者への影響に配慮した保険料率等の改定としている。  また、請願事項2の一般会計からの法定外繰り入れについては、毎年度市の国民健康保険運営協議会へ諮問し、被保険者以外の市民の皆様との負担の公平性や保険税負担の急激な増加に配慮しつつ対応していく考えである。  また、請願事項3の国や都に対する要望については、国保財政安定化のため国庫負担金割合の引き上げや都独自の財政支援について市長会を通じて働きかけている。  なお、国は新たな国保制度の施行に伴い3,400億円、都は区市町村からの要望も踏まえ6年間で79億円の財政支援を実施することになっている。  最後に、請願事項4の子育て世帯の保険税の負担軽減については、制度上の課題として必要性を認識している。子どもにかかわる均等割額を軽減する支援制度の創設について、市長会を通じて国や都に対し要望しているとの説明がありました。  次に、市側に対する主な質疑は次のとおりでありました。  本市の国民健康保険加入者のうち、所得が200万円以下の割合は被保険者数で66.9%、世帯数では75.16%となっている。低所得者にとって、たとえ均等割1,000円、0.2%の値上げでも非常に大きな影響がある。今回も市の判断でさらに繰り入れをすれば国民健康保険税の値上げをしないという選択も可能であったはずであるとして市の見解を問う発言に、平成30年度からの都道府県単位化により東京都から示されたのは1.3倍の標準保険料率であったが、直ちにこれを適用するのではかなりの負担増となることから、一般会計からの法定外繰り入れを一定程度行い今回の改定率に決定したところである。しかし、それでも加入者の負担増となることについてはしっかりと受けとめなくてはならないと考えている。本市の国民健康保険運営協議会に諮るときも負担を最小限に抑えるということで議論していただいた。このことについてぜひ御理解をいただきたいとの答弁がありました。  また、子どもの均等割を軽減する仕組みを既に行っている自治体もあることから、本市でも検討すべきであるとして市の見解を問う発言に、現在の国民健康保険法では保険税については均等割と所得割になっており、減免する制度は、7割、5割、2割と所得の低い方への仕組みだけが法に規定されている。これは制度上の課題であると認識しており、これまでにも国に対してこの均等割を軽減する仕組みをつくることを市長会を通じて提案しており、引き続き要望していくとの答弁がありました。  また、制度を維持するためには、値上げではなく医療費の適正化などに取り組むべきではないかとして市の考えを問う発言に、そもそも医療費がかからないようにするための保健事業の推進や給付の適正化、収納率の向上に取り組む必要があると考えている。標準保険料率を下げることができるよう早期発見、早期受診などにより医療費を減らす努力もあわせて行っていきたいとの答弁がありました。  他に、国民健康保険運営協議会での審議状況、要望事項について確認する発言、保険税の滞納者に対する短期証と資格証の発行状況を確認する発言、請願趣旨を生かし低所得者へのさらなる配慮を求める発言などがありました。  以上の説明、質疑を踏まえ、取り扱いについての意見を求めたところ、採決すべきとの意見があり、採決することとなりました。  続いて採決に当たって意見を求めたところ、まず、請願に反対の意見として、国民健康保険事業への一般会計からの法定外繰入額は、20年ほど前は25億円程度であったが、その当時も同じような議論があった。それが現在では60億円にまで膨らんでいる。このように1自治体で安定的に制度を運用するのは不可能であるとして、1,800ある地方自治体が国に要望し今回の都道府県化になったと聞いている。質疑の中で、市が一定の配慮を行っていることは理解できたが、一方で、基本に立ち返り収納率の向上や保健事業の実施、医療費の適正化などに取り組むことについては引き続き市のたゆまぬ努力をお願いしたい。その上で国民皆保険制度の根幹であるこの国民健康保険制度を本当に持続可能なものとするためには、多少の負担の平準化をもって維持していかなくてはならないと考えるため、本請願には反対であるとの意見がありました。  次に、請願に賛成の意見として、広域で支え合う制度という以前に、市には市民生活、特に貧困世帯の生活を守るという視点を持つことが何よりも優先されるのではないかと考えている。一般会計から従来と同等額の法定外繰り入れを行い値上げをしないことで、消費をふやし、生活を下支えしていくことで景気の循環もよくなるものと考える。また、新年度予算全体の状況を見た中でも、大型開発事業予算よりも市民の暮らしを守る予算を充実させることは優先課題であり、こういった議論が必要だと考えるため、本請願に賛成するとの意見がありました。  以上の意見を踏まえ、起立により採決したところ、起立少数で不採択とすべきものと決定しました。  以上が厚生委員会に付託されました請願の審査の概要と結果であります。詳細につきましては委員会記録にとどめてありますので、御了承願います。  以上で厚生委員会の報告を終わります。 30 ◎【伊藤裕司議長】 委員長の報告は終わりました。  委員長報告に対する質疑はありませんか。                  〔「なし」と呼ぶ者あり〕 31 ◎【伊藤裕司議長】 質疑なしと認めます。  会議時間も長くなりましたので、暫時休憩します。                                    〔午後零時00分休憩〕   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━                                    〔午後1時00分再開〕 32 ◎【伊藤裕司議長】 休憩前に引き続き会議を開きます。  請願第6号の討論を行います。  本請願について、討論の通告がありますので許可します。  この場合、討論時間は15分以内としますから、あらかじめ御了承願います。  第8番、石井宏和議員。                    〔8番議員登壇〕 33 ◎【8番石井宏和議員】 それでは、ただいま議題になっております請願第6号、2018年度国民健康保険税の負担軽減を求める請願について、日本共産党八王子市議会議員団を代表して、賛成の立場から討論を行います。  本請願は、八王子市が市民生活を守る自治体としての役割を果たし、国保税の値上げをせず国保加入者の負担を軽減するよう求めるもので、2,015筆の賛同署名とともに提出されたものです。  実質賃金や実質年金が低下し続けてきた近年、国保税負担の軽減は、請願者をはじめ多くの市民の切実な要望になっています。2018年度から始まる国民健康保険の都道府県単位化は、国保加入者の所得が比較的低く保険料が高いという構造的な課題を解決するどころか、国保加入市民にさらなる負担増を求めるもので、課題解決と逆行するものです。本請願は、国と東京都にさらなる財政支援を求め、当面は市の一般会計からの繰り入れも維持して値上げを回避するよう提案しており、それこそ構造的な課題を解決する一番の手だてだと考えます。  厚生委員会の質疑で、本市は、国庫負担金と都補助金の拡充を求めるという請願事項には同意し、実際に求めていくこと、また、本市で一般会計からの繰り入れを継続することを言明しました。しかし、例年並みの額を繰り入れれば来年度国保税を値上げする必要がなくなるにもかかわらず、本市は法定外繰入額を本年度決算見込みの50.9億円から、新年度予算では40.6億円と大幅に減額し、平均で約2.7%の保険税値上げを行うもので、国保加入者の負担を一層重くしてしまいます。  都内国保加入者の平均所得は103万円であり、八王子市の加入者の平均所得は98万円と、都内の平均よりも所得が低いのが現状です。数%の値上げでも生活に大きな支障が出るのは明らかです。食品を削るなど消費に回せるお金が減り、健康を害することにもなりかねません。また、個人消費が落ち込む分地域経済もそれだけ冷え込むことにもなります。都道府県単位化によって、東京都が当初示した標準保険料は八王子では現行の1.3倍以上にもなります。給与が300万円で45歳の夫婦と子どもが2人の家庭の場合、現行では28万2,200円ですが、都が示した標準保険料にすると39万200円になり、10万円以上の負担増になります。とても払える金額ではありません。その1.3倍の保険税を八王子市はあるべき姿としているのは大きな問題です。  委員会での質疑で、市は、他の財政力のある自治体から助けられることになるので値上げが必要だと答弁しましたが、思いやるべきは、まず本市の市民の生活であり、その生活の質を落とさないよう最大限の努力をすることです。他市や区部の保険料が高過ぎるのであればそちらも引き下げるべきであり、こうした自治体の比較は値上げを合理化する方便として使われていると言わなければなりません。都内には、国保税の値上げを行わず値下げを行った自治体もあります。同様に、全国でも国保税を引き下げた自治体が多数あります。本市も例年並みに一般会計からの繰り入れを行えば十分値上げせずにいられたはずです。次年度以降も値上げを既定路線にしないよう強く求めます。  本請願は、また子どもにかかる均等割を軽減する仕組みをつくることを求めています。均等割を軽減する制度は子育て世代、多子世帯を応援するもので、埼玉県ふじみ野市では、新年度から第3子以降の子どもの均等割を全額減免する条例改正を行っています。本市の今回の保険税改定は均等割の上げ幅が大きく、子どもは1人3万9,000円から4万円に引き上がりますから、人数が多い世帯ほど負担が重くなります。八王子市は、国や都に対して子どもの均等割軽減を求め、その必要性を認める答弁をしているのですから、市独自でも軽減を行うべきではないでしょうか。法律で均等割の制度が定められているため、市独自で行えば法律違反になると市は言っていますが、清瀬市なども多子世帯の均等割軽減を実施します。八王子市でも独自に多子世帯の均等割軽減策を講じるべきです。また、そうした努力を通じて速やかな国制度での実施を求めていくべきです。  国民健康保険は大多数の市民が1度は利用する社会保障制度であり、市民の健康と生活を支えるものです。将来にわたって持続可能な制度にするためにも、何よりも無理のない保険税の水準を保つ必要があり、そのためには国が責任をもって財政的にこれを支えなければなりません。国と都に引き続き財政支援措置を求め、本市も法定外の繰り入れを続け保険税の軽減をしていくべきであると申し上げ、本請願はぜひとも採択すべきであることを訴えて賛成の討論といたします。 34 ◎【伊藤裕司議長】 以上で討論を終わります。  これより請願第6号を採決します。  本請願は起立により採決します。  本請願を採択することに賛成の方の起立を求めます。                    〔賛成者起立〕 35 ◎【伊藤裕司議長】 起立少数であります。  したがって、請願第6号は不採択と決定しました。  進行します。   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 36 ◎【伊藤裕司議長】 次に、意見書に関する議員提出議案の審議を行いますが、それぞれ説明時間は20分以内とし、討論時間は15分以内としますから、あらかじめ御了承願います。  それでは、日程第3、議員提出議案第1号、東京都シルバーパスの負担軽減と制度改善を求める意見書を議題とします。                〔議員提出議案第1号後編参照〕 37 ◎【伊藤裕司議長】 本案について、提出者から説明願います。  第18番、市川克宏議員。                    〔18番議員登壇〕 38 ◎【18番市川克宏議員】 それでは、ただいま上程されました議員提出議案第1号、東京都シルバーパスの負担軽減と制度改善を求める意見書につきまして、私から提案説明をさせていただきます。  超高齢社会を迎え、高齢者の生活を支え、社会参加を促進、また健康維持にとっても移動手段としての交通機関の充実とその利用の改善は重要な課題となっています。東京都シルバーパス制度は、都内の都電、都バス、都営地下鉄をはじめ一般社団法人東京バス協会に参加する主要なバスに無料で乗車できる70歳以上の高齢者を対象とした制度です。多くの高齢者の社会参加を進め、生きがいの活動に利用される身近な福祉施策として始まりました。  平成30年第1回定例会において、小池都知事は、シルバーパス制度は、高齢者の社会参加を助長し、高齢者の福祉の向上に寄与していると述べているように、シルバーパス制度は多くの高齢者に利用され、歓迎されています。しかし、平成12年度から現在の費用負担が導入され、住民税非課税または所得125万円以下の高齢者は1,000円、それ以外の高齢者は一律に2万510円の負担となっています。このため、シルバーパスをもう買うのを諦めました、なるべく外出しないようにしていますという利用者の声にあるように、対象者である70歳以上の人口に占めるシルバーパス利用者の比率は、1999年度の72%に対し、2016年度には46%まで低下してしまいました。70歳以上の都民の積極的な社会参加を支援するための東京都シルバーパスが高齢者の社会参加や福祉施策としても利用しづらいものとなっています。  住民が生存権や幸福追求権などに基づいた豊かな生活と人生を送るためには、交通移動の権利を人権として保障することが必要です。住民税課税者で所得が125万円を超える方の費用負担額を一律に2万510円としていることに対して、利用者から、所得に応じて段階的に本人負担額を軽減してほしい、シルバーパス制度の適用範囲を拡大してほしいという要望が寄せられており、利用しやすい制度への改善が求められています。  平成29年7月26日に東京都市長会が都知事宛てに提出した多摩地域に対する都政の取り組みに関する要望では、国における社会保障に関する制度改正の動向等により、各市ではさまざまな福祉施策の実施が求められている。都における積極的な支援策を講じられたいと要望し、東京都市長会厚生部会として、福祉保健局に対し、シルバーパス利用料の軽減枠の新設として、中間所得層に向けた新たな利用料軽減枠を設けることを求める要望書が出されています。  そこで第1に、シルバーパスの負担の軽減を図るため、所得に応じた応能負担の制度とすることを求めるものです。  東京都は、シルバーパスの対象を路線バスと都営交通として、第三セクターの交通機関である多摩都市モノレール、東京臨海新交通臨海線ゆりかもめを適用対象から外しています。しかし、多摩モノレール、ゆりかもめは東京都が出資している第三セクターであり、都の責任を有する交通機関でもあります。横浜市、名古屋市、京都市、神戸市、広島市などの政令市では第三セクターでの利用も認められています。また、多摩地域のシルバーパスの利用促進を考えるならば、多摩都市モノレールを早急に対象とすべきです。  そこで第2に、シルバーパスの適用を多摩都市モノレール、ゆりかもめでの利用を求めるものです。  シルバーパスの利用は、乗りおりとも都内バス停に限定しているため、八王子市、町田市など住民の日常生活圏域が都外に及んでいる地域においては、都県境をまたがるバス路線でのシルバーパスの利用が認められていません。そのため目的のバス停が都外の県である場合は、手前で降車し目的地まで歩いて移動する、または、シルバーパスとは別に乗車賃を負担せざるを得なかったり、シルバーパスを利用できる路線で迂回しなければならないなどの困難に直面しております。高齢者への交通助成制度を実施している政令指定都市では、都県境の路線での利用を認めているところも少なくありません。  そこで第3に、都県境のバス路線について、乗車もしくは降車のいずれかが都内停留場であればシルバーパスの適用を求めるものです。  最後に、シルバーパス制度の利用状況や調査の実施について、名古屋市の取り組みを紹介したいと思います。  名古屋市の敬老パス制度は、高齢者の社会参加を支援し、もって高齢者の福祉の増進を図ることを目的とし、昭和48年9月に導入されました。その後、平成16年9月から一部負担金が導入され、平成23年度行政評価において見直しを行い、社会福祉審議会の専門分科会である今後の高齢者の生きがい施策のあり方検討分科会において、持続的、安定的に運営していくための検討が行われ、敬老パスの交付によるさまざまな効果の検証が行われました。敬老パスによる社会参加効果では、外出機会は16%増加し、健康効果では、パス利用者が自宅から最寄りの地下鉄または市バス停等まで歩くことによる歩数が1,400歩増加すること、また、経済効果は316億円、自動車利用機会の減少による環境負荷の軽減で6,500トンの二酸化炭素の削減効果があると示されております。  東京都のシルバーパス制度でも同様の効果は見込めるものと考えます。したがいまして、八王子市議会として、東京都に対し、シルバーパス本来の目的である高齢者の社会参加を助長し、もって高齢者の福祉の向上を図ることをさらに進めていくためにも、シルバーパスの負担軽減と制度改善を求めることを内容とする本意見書を提出しようとするものです。  何とぞ議員各位の御賛同を賜りますようお願い申し上げまして、提案説明とさせていただきます。 39 ◎【伊藤裕司議長】 提出者の説明は終わりました。  本案について質疑はありませんか。                  〔「なし」と呼ぶ者あり〕 40 ◎【伊藤裕司議長】 質疑なしと認め、進行します。  これより討論に入ります。  本案について、討論の通告がありますので許可します。
     第1番、岩田祐樹議員。                    〔1番議員登壇〕 41 ◎【1番岩田祐樹議員】 それでは、ただいま上程されております議員提出議案第1号、東京都シルバーパスの負担軽減と制度改善を求める意見書に対しまして、自民党新政会を代表して、反対の立場から討論を行います。  このたび意見書が提出されております東京都シルバーパス事業の概要について、基本的な仕組みを再度おさらいをしたいと思います。  東京都シルバーパス事業は、高齢者の社会参加を助長し、もって高齢者福祉の向上を図ることを目的とし、昭和48年に都営交通を主体に始まった優待乗車制度を翌昭和49年に民営バスにも事業範囲を拡大したものであり、平成12年から一般社団法人東京バス協会が主体となって事業実施をしております。シルバーパスは、寝たきり状態を除く70歳以上の都内在住の高齢者の方が申請することにより、1,000円または2万510円の費用負担を行い発行してもらうことができる交通パスであります。東京都交通局が担う都営交通と民間バス事業者24社が担う公共交通のうち、東京都の区域内を運行するバス路線の各停留所または各駅の相互間に対して利用が可能となっております。発行枚数と事業予算額の推移については、平成25年度の94万788枚、約164億8,000万円に対して、直近の平成28年度では97万9,984枚、事業予算については約173億円となっており、年間2億円から3億円のペースでの増加傾向にあります。  意見書中に記載されている利用者負担額については、現在までも都議会においてさまざまな議論がされているところでもありますが、本事業の利用者負担に関する負担額の計算根拠は、市区町村民税非課税者または前年の合計所得金額が125万円以下の方が負担額1,000円、ただし、この1,000円をお支払いする人の中には、税制改正を踏まえ、平成18年度から、平成17年度に市区町村民税が非課税であった方は継続をして1,000円のままという特例が継続となっております。そして、それ以外の課税対象者が負担額2万510円となっております。  確かに一定の所得がある高齢者の負担が増大する現行の制度ではありますけれども、そもそもこの費用負担基準には所得以外の財産などのストック情報が加味されておらず、実に約90%の対象者が1,000円での発行となっており、現在の所得のみの基準では高齢者の経済状況をはかることは極めて困難であり、個人負担軽減だけを目的にするのではなく、限られた財源が本当に必要な人に行き渡るようひとりひとりの財産状況の把握に努めるべきであると考えます。  加えて負担額2万510円の負担金の算定根拠は、都内バス運賃の平均額である200円に月間利用回数10回を乗じて計算されているわけですけれども、この月間利用回数の10回については、過去の調査により、高齢者がどの程度バスに乗車するかを把握し設定したと聞いております。限られた財源を均等に、また適正に執行するためにも、より正確な利用状況の把握や、先ほども触れましたけれども、資産を持たれている高齢者には応分の負担をお願いし、世代間の格差是正のためにもしっかりとしたひとりひとりの財産状況の調査がまずは必要であろうかと思います。  また、多摩都市モノレールやゆりかもめへの拡大利用についての言及に関しましては、もともとの本事業の目的である高齢者の社会参加を助長し、もって高齢者福祉の向上を図ることを考慮するならば、私は何も東京都の全域をありとあらゆる交通機関で使用できるようにする必要性はないのではないかと思います。第三セクターを対象としている政令市や自治体があるのは十分承知をしておりますけれども、対象としている地域は、バス路線などの他の交通機関が全くない地域を走行しているなどの理由から、これら第三セクターを対象にしていると聞いていることからも、交通網の整備が既にされている状況下においては、即対象を拡大するというよりは、まずは高齢者の使用頻度、行動範囲などのデータの蓄積を進めるべきであり、そのためには利用者の動態調査等を適宜行った上で、高齢者の適正な行動範囲をしっかりと把握し、適時適正な利用環境の整備を整えることが重要と考えます。  あわせて都県境をまたいで利用できるよう改善を求めるとの意見についてですが、本事業は、あくまでもその目的にしっかりと明記されているとおり、都内在住の高齢者が社会参加をする上で課題となる交通の確保の手助けを行い、高齢者福祉の向上を図る取り組みであり、ましてや広域自治体として行っているのは全国的にも唯一東京都だけであります。都の行政域内を本事業の対象エリアとすることは至極当然のことと考えます。仮に都県境をまたいでの利用を検討する場合には、当然のことながら本事業を都の単独事業から他県との連携事業に変更する必要がありますし、当該自治体間での費用負担や運用ルールなどの事前調査も必要になってくるかと思いますので、こちらについても、先ほど同様に今後の本事業のあり方について調査研究を行った上での検討課題かと思います。  また、本意見書の中において、2016年度では利用者数が46%であり、現在まで利用者の激減が続いているとの発言がございましたが、その減少理由を利用者負担のあり方に問題があり、結果利用者の減少を招いているとの趣旨の発言をされている点については、確たる証拠もない中で一方的な偏見であって、決めつけであると言わざるを得ないと思います。しかしながら、私自身も現行の東京都シルバーパス事業についてはさまざまな課題点があろうかと思います。シルバーパス事業を否定するわけではございませんが、東京都全域で年間約173億円もの事業予算という本事業の大きさからも、しっかりとした事業運営を望みます。  貧しい若者から富める高齢者へ所得再配分の是正、また本事業における三多摩格差の解消の必要性もあろうかと思いますので、適正な制度運用に向けた調査研究を今後も都においては行っていく必要があり、意見書で述べられているような点については、現段階での改正を突如求めるというよりは、まずはこれら課題解決に向けた動態調査やデータ収集に努めていただいた上で制度改革が図られることが望ましいのではないかと考えます。  以上の理由により、議員提出議案第1号、東京都シルバーパスの負担軽減と制度改善を求める意見書への反対討論とさせていただきます。 42 ◎【伊藤裕司議長】 以上で討論を終わります。  これより議員提出議案第1号を採決します。  本案は起立により採決します。  本案は、原案のとおり決定することに賛成の方の起立を求めます。                    〔賛成者起立〕 43 ◎【伊藤裕司議長】 起立少数であります。  したがって、議員提出議案第1号は否決されました。   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 44 ◎【伊藤裕司議長】 次は、日程第4、議員提出議案第2号、生活保護費引き下げに反対する意見書を議題とします。                〔議員提出議案第2号後編参照〕 45 ◎【伊藤裕司議長】 本案について、提出者から説明願います。  第9番、佐藤梓議員。                    〔9番議員登壇〕 46 ◎【9番佐藤梓議員】 それでは、議員提出議案第2号、生活保護費引き下げに反対する意見書について提案説明を行います。  生活保護は、国民の生存権とそれを守る国の責務を定めた憲法第25条に基づいて、国民に健康で文化的な最低限度の生活を保障するための制度です。格差と貧困の拡大によりこの制度を必要とする国民がふえ続けています。しかし、2018年度予算案及び国会に提出された生活保護法改正案によって、生活保護の生活扶助基準額が2018年10月分から段階的に削減され、最大で5%の減額となり、67%の生活保護世帯の受給額が減少します。また、母子加算についても平均2割削減される予定となっています。生活保護基準は最低賃金や地方税の非課税基準、各種社会保険制度の保険料や一部負担金の減免基準、就学援助などの諸制度と連動しており、低所得者層を中心に、生活保護を利用していない市民生活全般にも多大な影響を及ぼすことが懸念されます。  本市においても、このたびの予算審査の質疑の中でこのことに関する議論がありました。生活保護基準の引き下げがなされた場合、本市における諸制度への影響について、それぞれの影響額がどの程度になるのかということが現時点で試算をされておらず、明らかになっていません。また、就学援助に連動させないことを継続してほしいとの要望がなされましたが、これについても明確な約束はなされていません。  今回の見直しは、低所得者の中でも最下位の所得階層と生活保護世帯の消費実態を比較し、生活保護基準を第1・十分位層、すなわち所得階層を10に分けた下位10%の階層の消費水準に合わせるという方法で行われました。しかし、生活保護を利用する資格のある人のうち、実際に利用している人が占める割合、すなわち捕捉率が2割以下と言われている状況において、第1・十分位層の中には生活保護基準以下の生活をしている人たちが極めて多数含まれています。この層を比較対象とすれば際限なく基準を引き下げ続けることとなり、健康で文化的な最低限度の生活の水準自体を引き下げ、貧困のスパイラルを深めることになりかねません。  見直し案を審議した社会保障審議会生活保護基準部会の報告書でも、検証結果を機械的に当てはめると、子どもの健全育成のための費用が確保されないおそれがあることや、一般低所得者世帯との均衡のみで生活保護基準を捉えていると絶対的な本来あるべき水準を割ってしまう懸念があることに注意を促しています。  今月19日、生活保護問題対策全国会議は、今国会に提出された生活保護法改正案等には、単なる払い過ぎの保護費の返還債権を税金同様に破産しても免責されないようにしたり、生活保護利用者だけジェネリック医薬品の使用を強制したり、薬局の一元化を求めたりするなどの大きな問題があるため、到底容認できるものではないとして、厚生労働省に意見書を提出しています。同時に、生活保護問題対策全国会議のメンバー及び当事者、関係者らが厚生労働省を訪れ、生活保護基準引き下げ撤回などを求める署名及び要望書を提出していますが、当事者の声を直接聞く場を持つかどうかについて、安倍総理が今月5日の国会答弁で示した担当の大臣あるいは役所からしっかりと承りたいという内容とは裏腹に、厚生労働大臣、副大臣、政務官ら政務三役への面会がかなわず、当事者の思いを三役に直接届けることができずにいる状況だとのことです。  さらに日本の子どもの貧困率が13.9%となり、7人に1人が貧困です。特にひとり親家庭の子どもの貧困率は高く、母子加算の削減は子どもの貧困をさらに悪化させるものとなります。厚生労働省の調査報告からも明らかになっているとおり、母子世帯の8割が就労しているにもかかわらず、非正規従業などにより所得が低くなっており、母子加算はひとり親世帯にとって極めて重要な命綱であります。  政府が閣議決定した生活保護法、生活困窮者自立支援法、社会福祉法、児童扶養手当法の4法一括の改正案では、高齢の生活保護受給者向けの住宅の整備や、子どもの貧困対策として進学支援、学習支援などが盛り込まれていますが、これらは貧困の連鎖を断ち切るための抜本的な対策であるとは言えず、なお課題が残されています。例えば学習支援は、改正案では子どもの学習生活支援として生活支援とセットで実施することとしていますが、支援事業の予算については、厚生労働省が食事提供のための食材費に使うことを認めない方針です。  貧困世帯の子どもは栄養不足に陥りやすく、現在、民間ボランティアなどによる子ども食堂の取り組みがなされていますが、現場からは、善意のボランティアに頼る部分が大きいままでは支援事業として不十分であるとの指摘がなされています。こうした側面からも、生活保護費のうち生活費に当たる生活扶助の削減がなされることは、子どもたちの日々の生活、とりわけ成長期の発育が阻害されるなど懸念は大きくなります。生活保護費の引き下げは子どもの貧困をなくす取り組みに逆行するものとなってしまいます。  また、そもそも貯蓄をすること自体が許されない生活保護受給者は、日々の安心な暮らしが脅かされることとなります。働きたくても病気や障害のために働けない人や、高齢者など就労が難しい人の生活費を切り詰めるべきという判断は間違っており、最後のセーフティネットとしての生活保護の役割、機能そのものが損なわれてしまいかねません。生活扶助費は住宅の整備や子どもへの支援に置きかえられていいものではなく、全ての受給者、全ての子どもたちが健康で文化的な最低限度の生活を保障されるためには、まず生活扶助基準の引き下げを撤回し、最低生活費の算定に当たっては、健康で文化的な最低限度の生活を保障する額にすることが必要です。  生活保護世帯の子どもたちが一般世帯の子どもと比べて特段の制約を受けずに育つことができるようにするために、子どものいる世帯の生活保護基準をこれ以上引き下げないこと、子どもの貧困問題や貧困の連鎖の観点から、生活保護制度のあり方を検討することが重要です。よって、この意見書は、国会及び政府に対し、生活保護基準の引き下げを取りやめ、貧困の連鎖を解消すること、とりわけ子どもの貧困対策を速やかに、より実効性を高めるものとするよう強く求めるものであります。  何とぞ議員各位の御賛同を賜りますようお願いいたしまして、提案説明といたします。 47 ◎【伊藤裕司議長】 提出者の説明は終わりました。  本案について質疑はありませんか。                  〔「なし」と呼ぶ者あり〕 48 ◎【伊藤裕司議長】 質疑なしと認め、進行します。  これより討論に入ります。  本案について、討論の通告がありますので許可します。  第18番、市川克宏議員。                    〔18番議員登壇〕 49 ◎【18番市川克宏議員】 それでは、議員提出議案第2号、生活保護費引き下げに反対する意見書につきまして、日本共産党八王子市議会議員団を代表して、賛成の立場から討論を行います。  今日の日本で、貧困は特別の事情ではなく、倒産、失業、リストラ、病気、親や家族の介護などで職を失えば、誰もが貧困に陥っておかしくない状態に置かれています。政府は広がる貧困と格差の実態に背を向け、生活保護の基本となる生活扶助費の最大5%の削減を2018年10月から3ヵ年かけて行うとしています。総理は、我が党の国会質疑で、今回の見直しでは、年齢、世帯人員、地域を組み合わせた世帯特性ごとに一般低所得世帯の消費の実態と生活保護基準額との乖離を是正するため、基準額が上がる世帯、下がる世帯が生じる。モデル世帯、夫婦、子1人世帯では、一般低所得世帯の消費水準と生活扶助基準とがおおむね均衡しており、生活扶助基準を全体として引き下げるものではない。つまり、全体として引き下げるものではないという答弁をしました。  しかし、厚生労働省の試算では、今回の引き下げにより、保護世帯の67%と過半数の世帯に影響が出るとしています。さらに、基準引き下げと同時に行われる母子加算の削減と3歳未満の児童養育加算の減額は、約28万人の保護世帯の子どもに影響します。生活扶助基準とは、憲法第25条で保障された健康で文化的な最低限度の生活を送るために、これ以上の貧困があってはならないという最低ラインを定めた基準であり、2013年の10%引き下げに次ぐ今回の引き下げはさらなる貧困を生み出すものです。  また、生活保護基準は、生活保護の利用者だけではなく、本市の所管から出された資料でも、就学援助の認定基準、学童保育の保育料免除基準、市営住宅家賃減免基準、下水道接続補助認定基準、国民健康保険税等減免認定などに直接影響し、それ以外にも生活福祉資金の借り入れなど、保護基準をもとにした制度の利用基準、最低賃金や住民税の非課税基準にも影響します。そのため介護保険料の減免、高額療養費の支給基準など、さまざまな制度の利用の可否、利用料にも影響してきます。つまり、保護基準を引き下げることは国民全ての生活水準の土台、地盤を沈めることになります。  厚生労働省は、1月下旬に、生活保護費の削減を実施すれば、これに伴って低所得者向けの国の47の制度で影響が出ることを明らかにしました。厚生労働省は、個人住民税の非課税限度額などについては、2018年度は影響がない、2019年度以降の税制改正において対応を検討するとし、非課税限度額を参照しているものは2019年度以降の税制改正を踏まえて対応するとしています。厚生労働省は、生活保護基準額を引き下げても、他の制度にできる限り影響を及ばさないように対応するとしていますが、2013年の生活保護費引き下げのときには全国27自治体で就学援助の対象が減らされました。  安倍首相が貧困の連鎖を断ち切ると言うのなら、生活保護基準を削るのではなく、生活保護を受けていない人も含めて、低所得者支援を充実することです。生活保護基準は、憲法第25条第1項の健康で文化的な最低限度の生活を維持するために、生活保護法第8条第2項の必要かつ十分な金額に設定されます。したがって、生活保護基準を少しでも下回る金額では最低限度の生活を維持することはできないため、一旦定められた生活保護基準の切り下げは原則として許されるものではありません。また、憲法第25条第2項は、国に対し社会保障制度等の増進義務を課しています。こうした憲法上の定めからも、生活保護基準が引き上げられることはあっても基準を引き下げることは本来許されるものでもありません。  一般低所得世帯の消費の実態と生活保護基準額との乖離を是正するためと政府は言いますが、生活困窮者の中に、生活保護を利用できる資格があるのに利用できないという問題があります。実際に利用している人の割合、捕捉率は約2割にとどまっています。現在の生活保護の利用者数は約213万人ですが、その背後には数百万人の単位で利用できない生活困窮者が存在しているのです。  厚生労働省は、民主党政権時代の2010年4月に、生活保護基準未満の低所得世帯数の推計についてという報告書を出しております。それによりますと、生活保護基準未満の低所得世帯数に対する非保護世帯数の割合、つまり生活保護利用率は所得で推計した場合には15.3%にすぎません。報告書は、現状把握の指標として捉えるべき一つの数値が明らかになった、今回と同様の調査を定期的に実施し、その動向を把握していくとしました。しかし、現政権になって、その後一度も系統的な動向調査もしていないことが我が党の国会質疑で明らかになりました。調査もまともにしないで、生活保護基準の引き下げは理由になりません。  2013年、国連の社会権規約委員会は日本政府に対して次のような勧告を行っています。委員会は、締約国に対し、公的福祉給付──生活保護のことですが──の申請手続を簡素化し、申請者が尊厳を持って扱われることを確保するための措置をとるよう求める。委員会は、さらに公的福祉給付に付随したスティグマ、恥の意識を解消する目的で、締約国が国民の教育を行うよう勧告しています。受給条件がある申請者に生活福祉制度をもっと利用しやすいものにしていくことこそ求められております。  以上申し上げてきたように、今回の政府の生活扶助削減の方針は全く道理のないものです。生活保護基準の引き下げを取りやめ貧困の連鎖を解消するために、生活扶助削減の方針を撤回し、2013年の削減前の水準に戻すことを強く求め、本意見書への賛成討論といたします。 50 ◎【伊藤裕司議長】 以上で討論を終わります。  これより議員提出議案第2号を採決します。  本案は起立により採決します。  本案は、原案のとおり決定することに賛成の方の起立を求めます。                    〔賛成者起立〕 51 ◎【伊藤裕司議長】 起立少数であります。  したがって、議員提出議案第2号は否決されました。   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 52 ◎【伊藤裕司議長】 次は、日程第5、東京都十一市競輪事業組合議会議員の選挙を行います。  本件は、4月6日任期満了のため、東京都十一市競輪事業組合規約第6条の規定に基づき、市議会議員のうちから2名を選挙するものであります。  お諮りします。  選挙の方法につきましては、地方自治法第118条第2項の規定により指名推選とすることに御異議ありませんか。                 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 53 ◎【伊藤裕司議長】 全員御異議なしと認めます。  したがって、選挙の方法は指名推選によることに決定しました。  お諮りします。  議長において指名することに御異議ありませんか。                 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 54 ◎【伊藤裕司議長】 全員御異議なしと認めます。  したがって、議長において指名することに決定しました。  東京都十一市競輪事業組合議会議員に、福安徹議員及び及川賢一議員を指名します。  ただいまの指名に御異議ありませんか。                 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 55 ◎【伊藤裕司議長】 全員御異議なしと認めます。  したがって、ただいま指名しました福安徹議員及び及川賢一議員が東京都十一市競輪事業組合議会議員に当選されました。  つきましては、当選人が議場におられますので、会議規則第32条第2項の規定による告知をします。   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 56 ◎【伊藤裕司議長】 次は、日程第6、東京都六市競艇事業組合議会議員の選挙を行います。  本件は、4月6日任期満了のため、東京都六市競艇事業組合規約第6条の規定に基づき、市議会議員のうちから2名を選挙するものであります。  お諮りします。  選挙の方法につきましては、地方自治法第118条第2項の規定により指名推選とすることに御異議ありませんか。                 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 57 ◎【伊藤裕司議長】 全員御異議なしと認めます。  したがって、選挙の方法は指名推選によることに決定しました。  お諮りします。  議長において指名することに御異議ありませんか。                 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 58 ◎【伊藤裕司議長】 全員御異議なしと認めます。  したがって、議長において指名することに決定しました。  東京都六市競艇事業組合議会議員に、福安徹議員及び及川賢一議員を指名します。  ただいまの指名に御異議ありませんか。                 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 59 ◎【伊藤裕司議長】 全員御異議なしと認めます。  したがって、ただいま指名しました福安徹議員及び及川賢一議員が東京都六市競艇事業組合議会議員に当選されました。
     つきましては、当選人が議場におられますので、会議規則第32条第2項の規定による告知をします。   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 60 ◎【伊藤裕司議長】 以上で本日の日程は全部終了しました。  次回の本会議は、明3月28日午前10時に開きます。ただいま御出席の方々には改めて通知しませんから、御了承願います。   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 61 ◎【伊藤裕司議長】 本日はこれで散会します。                                    〔午後1時47分閉会〕 © Hachioji City, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...