• 横山ダム(/)
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  1. 八王子市議会 2017-09-22
    平成29年_第3回定例会(第6日目) 本文 2017-09-22


    取得元: 八王子市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-06-11
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1                                     〔午前10時00分開議〕 ◎【伊藤裕司議長】 ただいまから本日の会議を開きます。   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2 ◎【伊藤裕司議長】 日程に従いまして進行します。  つきましては、日程第1を議題とします。本件については、総務企画委員会に付託した事件であり、審査報告書が提出されております。              〔総務企画委員会議案審査報告書後編参照〕 3 ◎【伊藤裕司議長】 委員長から審査の経過及び結果の報告を願います。  第22番、鈴木基司議員。                   〔総務企画委員長登壇〕 4 ◎【鈴木基司総務企画委員長】 ただいまから、総務企画委員会の審査の概要と結果を報告いたします。  本委員会に付託されました議案1件につきましては、去る9月11日、委員会を開催し、慎重に審査いたしました。  第62号議案、平成29年度八王子一般会計補正予算(第1号)についてのうち、本委員会所管分を議題としたところ、質疑、意見ともになく、全会一致、原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  以上が総務企画委員会に付託されました議案の審査の概要と結果であります。  以上で総務企画委員会の報告を終わります。 5 ◎【伊藤裕司議長】 委員長の報告は終わりました。  委員長報告に対する質疑はありませんか。                  〔「なし」と呼ぶ者あり〕 6 ◎【伊藤裕司議長】 質疑なしと認め、進行します。   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 7 ◎【伊藤裕司議長】 次は、日程第2を議題とします。
     本件については、厚生委員会に付託した事件であり、審査報告書が提出されております。               〔厚生委員会議案審査報告書後編参照〕 8 ◎【伊藤裕司議長】 委員長から審査の経過及び結果の報告を願います。  第20番、小林裕恵議員。                   〔厚生委員長登壇〕 9 ◎【小林裕恵厚生委員長】 ただいまから、厚生委員会の審査の概要と結果を報告いたします。  本委員会に付託されました議案4件につきましては、去る9月12日、委員会を開催し、慎重に審査いたしました。  まず、第62号議案、平成29年度八王子一般会計補正予算(第1号)についてのうち、本委員会所管分、ないし第64号議案、平成29年度八王子介護保険特別会計補正予算(第1号)についての3件を一括議題としました。  まず、幼稚園運営についての主な質疑として、待機児童解消対策として都が新たに創設した施設型給付の一時預かり事業に対する補助対象は、国の補助を受けていた3園のうちの2園だが、1園が受けられなかった理由について問う発言に、補助要件が1日4時間の保育で、週5日、年間200日以上と厳しくなっており、対象とならなかったとの答弁がありました。  また、都の補助により、保護者負担軽減など、考えられるメリットについて問う発言に、対象の幼稚園からは、保育料の軽減、保育日数の増や保育時間の延長などが考えられると聞いている。市としては、これにより幼稚園にお子さんを通わせている保護者が就職した際に、保育園に移らずに済むことを期待しているとの答弁がありました。  これに対し、直接的に補助の使い道を市が指導することは難しいかもしれないが、公費を充てる以上、市民や幼稚園を利用する保護者へ、そのメリットを周知するべきだとして、市の考え方を問う発言に、この補助金待機児童解消に結びつくものと考えている。市民にしっかりと還元できるよう、幼稚園に働きかけをしていきたいとの答弁がありました。  他に、一時預かり事業の利用者数を問う発言などがありました。  次に、保育施設整備促進についての主な質疑として、当初予算に計上できなかった理由を問う発言に、平成28年7月に多摩文化保育園から施設整備について相談があった際には、個人建て保育園については施設整備交付金補助対象とならなかった。その後、10月に国の特例措置により、平成28年度、平成29年度に限って補助が認められることとなったが、仮園舎の土地が確保できず、当初予算に間に合わなかったとの答弁がありました。  また、財源の内訳に都の補助金がない理由を問う発言に、中核市移行により都の補助金はなくなったため、市の負担分として今回計上しているとの答弁がありました。  また、保育施設整備に対する市の見解を問う発言に、多摩文化保育園は木造で、築46年経過していたが、これまでは補助がないために老朽化対策がとれなかったことから、優先順位を上げた。当然、待機児童定員確保などを考慮して、必要性を判断しているとの答弁がありました。  また、増改築によって定員増となるが、全国的に保育士不足が問題となっている中、保育士の確保に対する市の考え方を問う発言に、市内の保育園からは、保育士の確保は難しいが、足りないとは聞いていない。今後も保育士の確保のために、就職の面接会を開催するなど、保育士の確保ができるよう対応していきたいと考えているとの答弁がありました。  他に、保育施設の整備の際には、周辺住民との調整を法人任せにせず、市が積極的にかかわることを求める発言などがありました。  次に、国都支出金返還金の主な質疑として、国への生活保護費返還金が2億4,900万円となっているが、生活困窮者自立支援制度により、生活保護費の抑制にどのくらい効果があったかを問う発言に、一番目に見えるのは申請件数の減少である。毎年100件ほど減ってきているとの答弁がありました。  次に、介護保険特別会計についての主な質疑として、通所介護などでは当初の見込みを大きく下回っているが、保険料の滞納による給付制限本人負担が2割にふえたことにより、サービス利用を控えるなどの要因があったのではないかとして、市の考えを問う発言に、平成27年度に介護報酬改定が行われた際に、国は通所介護定期巡回随時対応型訪問介護看護を今後拡充すべき事業として交付金を割り増ししていたが、その部分が進んでいないことが理由の1つと考えている。給付制限サービスが行き渡らないなどの影響はないと考えているとの答弁がありました。  これに対し、定期巡回随時対応型訪問介護看護施設数は目標に達していない上に、サービス認知度はまだ低いのではと指摘し、必要とする方のためにも、各方面への周知を求める発言に、認知度を上げるため、事業者に関してはケアマネジャー地域密着型サービスを理解してもらうために、研修会などで説明している。また、現在の施設数では市全域をカバーする状況には至らないため、利用者のためにも、今後、整備の促進に努めたいとの答弁がありました。  以上の質疑を踏まえ、意見を求めたところ、意見はなく、採決したところ、全会一致、原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  次に、第65号議案八王子特定教育保育施設及び特定地域型保育事業の運営の基準に関する条例の一部を改正する条例設定についてを議題としました。  質疑として、今回の一部改正に伴い、市は保護者保育施設等へ送付する利用者負担額通知書に、支給認定に係る必要事項を新たに記載することとなるが、今後、保護者支給認定証を利用して交付申請をしなければならないケースはあるのかと問う発言に、現在も保育施設等支給認定証を確認することはほとんどないため、今後も利用するケースはないと考えているとの答弁がありました。  以上の質疑を踏まえ、意見を求めたところ、意見はなく、採決したところ、全会一致、原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  以上が厚生委員会に付託されました議案の審査の概要と結果であります。  詳細につきましては、委員会記録にとどめてありますので、御了承願います。  以上で厚生委員会の報告を終わります。 10 ◎【伊藤裕司議長】 委員長の報告は終わりました。  委員長報告に対する質疑はありませんか。                  〔「なし」と呼ぶ者あり〕 11 ◎【伊藤裕司議長】 質疑なしと認め、進行します。  本案については、討論の通告がありません。  これより採決を行います。採決は、分けて行います。  まず、第62号議案を採決します。  本案は、総務企画委員会及び厚生委員会報告のとおり決定することに御異議ありませんか。                 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 12 ◎【伊藤裕司議長】 御異議なしと認めます。  したがって、第62号議案委員会報告のとおり決定しました。  次に、第63号議案ないし第65号議案の3議案を一括採決します。  本案は、厚生委員会報告のとおり決定することに御異議ありませんか。                 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 13 ◎【伊藤裕司議長】 御異議なしと認めます。  したがって、第63号議案ないし第65号議案の3議案は委員会報告のとおり決定しました。   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 14 ◎【伊藤裕司議長】 次は、日程第3を議題とします。  本件については、都市環境委員会に付託した事件であり、審査報告書が提出されております。              〔都市環境委員会議案審査報告書後編参照〕 15 ◎【伊藤裕司議長】 委員長から審査の経過及び結果の報告を願います。  第17番、星野直美議員。                   〔都市環境委員長登壇〕 16 ◎【星野直美都市環境委員長】 ただいまから、都市環境委員会の審査の概要と結果を報告いたします。  本委員会に付託されました議案1件につきましては、去る9月12日、委員会を開催し、慎重に審査いたしました。  第66号議案市道路線の認定についてを議題としました。  主な質疑として、まず、市道の認定基準を問う発言に、系統的で、交通上、重要な道路であることに加え、起点及び終点が道路法第3条の規定による道路または公共施設等に連絡しており、道路幅員が4メートル以上のものを認定している。  また、道路敷地については、公共団体の所有またはそれに準じるもので、財産区域が確定し、管理上も可能なものとなっているとの答弁がありました。  これに対し、市道由木1115号線及び市道横山798号線について、接続性についての認定基準を満たしているのかを問う発言に、市道由木1115号線は、大塚緑地につながり、出入り可能な構造となっている。市道横山798号線は、終点が行きどまりではなく、赤道があり、公道につながっているため、条件を満たしているとの答弁がありました。  ほかに、市道路線の認定までの流れを問う発言、私道の引き取りについての市のかかわり方を問う発言などがありました。  以上の質疑を踏まえ、意見を求めたところ、意見はなく、全会一致、原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  以上が都市環境委員会に付託されました議案審査の概要と結果であります。  詳細につきましては、委員会記録にとどめてありますので、御了承願います。  以上で都市環境委員会の報告を終わります。 17 ◎【伊藤裕司議長】 委員長の報告は終わりました。  委員長報告に対する質疑はありませんか。                  〔「なし」と呼ぶ者あり〕 18 ◎【伊藤裕司議長】 質疑なしと認め、進行します。  本案については、討論の通告がありません。  これより、第66号議案を採決します。  本案は、都市環境委員会報告のとおり、決定することに御異議ありませんか。                 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 19 ◎【伊藤裕司議長】 御異議なしと認めます。  したがって、第66号議案は、委員会報告のとおり決定しました。   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 20 ◎【伊藤裕司議長】 次に、意見書に関する議員提出議案の審議を行います。それぞれ説明時間は20分以内とし、討論時間は15分以内としますから、あらかじめ御了承願います。  それでは、日程第4、議員提出議案第4号、「全国森林環境税」の創設に関する意見書を議題とします。                〔議員提出議案第4号後編参照〕 21 ◎【伊藤裕司議長】 本案について、提出者から説明願います。  第3番、石川裕司議員。                    〔3番議員登壇〕 22 ◎【3番石川裕司議員】 ただいま上程されました議員提出議案第4号、「全国森林環境税」の創設に関する意見書につきまして、提案説明を行います。  森林からは、地球温暖化防止のみならず、国土保全地方創生、快適な生活環境の創出などにつながり、国民のひとりひとり、市民のひとりひとりが広く恩恵を受けているものであります。森林を適正に整備することは、土砂災害から人命を守り、木材を利用した6次産業の雇用への期待、CO2吸収量の確保によって低炭素社会の実現に大きく貢献いたします。  2020年度及び2020年度以降の温室効果ガス削減目標の制定が国際的に取り組まれています。我が国においては、平成28年5月に閣議決定された地球温暖化対策計画による地球温暖化対策の目標を、2030年度に2013年度比26%減の水準、2020年度は2005年度比の3.8%減以上の水準にすることとされており、森林吸収源対策につきましては、2030年度に2%、2020年度に2.7%以上の確保を目標とすることとしています。とりわけ、間伐や主伐後の確実な再造林整備木材利用の拡大などの森林吸収源対策を今後とも着実に推進していく必要があります。  適正に間伐等の管理がされている人工林は、樹木のすき間による十分な照度によって、木の幹は太く、倒れにくくなり、災害防止機能が高まるとされています。下層植生も発達することで木の根も太くなり、表層土をつなぎとめ、山腹崩壊防止機能が向上すると分析されています。  森林の適正な管理が進まなかった場合には、山地災害が増加するおそれや河川下流部における洪水、または浸水被害が増加するおそれが想定され、災害の復旧には多額の行政コストが必要となることは、最近の災害事例を見てもわかるとおりです。  また、地球温暖化対策計画を実施するために必要な事業量は、2013年から2020年度までの間に毎年52万ヘクタールの間伐等森林整備が必要とされていますが、これらの整備に必要な事業費は確保されておらず、担い手育成問題の解決に取り組むための安定的な財源の大幅な不足も全国的な課題となっています。  税制に関する議論で示された「市町村が主体となって実施する森林整備等に必要な財源に充てるため、都市・地方を通じて国民に等しく負担を求めることを基本とする、森林環境税(仮称)の創設に向けて、地方公共団体の意見も踏まえながら、具体的な取り組み等について総合的に検討し、平成30年度税制改正において結論を得る」等の議論を踏まえて、森林・林業・山村対策抜本的強化を図るため、全国森林環境税早期実現を求めるものであります。  以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出いたします。  議員各位の御賛同をお願い申し上げ、提案説明とさせていただきます。 23 ◎【伊藤裕司議長】 提出者の説明は終わりました。  本案について、質疑の通告がありますので、許可します。           〔平成29年第3回市議会定例会発言通告一覧表後編参照〕 24 ◎【伊藤裕司議長】 この場合、質疑時間は答弁を含めて50分以内としますから、あらかじめ御了承願います。  第39番、山越拓児議員。                    〔39番議員登壇〕 25 ◎【39番山越拓児議員】 日本共産党八王子市議会議員団山越拓児でございます。ただいま説明のございました議員提出議案第4号、「全国森林環境税」の創設に関する意見書につきまして、提案者に何点か、通告に基づきお尋ねをいたします。  まず、国民に等しく負担を求めることを基本とすることの意味と問題点についてです。ただいまの提案説明においては、森林整備必要性がるる述べられました。それらについて基本的に異論はありません。しかしながら、早期実現を求めている全国森林環境税は、森林整備などに必要な財源を都市・地方を通じて等しく負担を求めることを基本とするものとして提起されています。  意見書案では税制に関する議論と曖昧な表現をしていますが、いつ、どこで、誰が行っている議論なのでしょうか。平成30年度、税制改正において結論を得る等の方針が示されましたとありますが、一体どこの議論で示されたのでしょうか。これら基本的な事柄について、ただいまの提案説明にありませんでしたので、詳しく御説明ください。  意見書案文及び提案説明の中では、具体的にどのような形で国民に等しく負担を求めることになるのか、明らかにされませんでした。昨年12月のマスコミ報道では、自民党税制調査会地方税である個人住民税に上乗せする形で国が徴収し、森林保全が必要な市町村に再配分する仕組みを検討しているとしたものもありますが、より具体的には、地方税個人住民税均等割分に上乗せして徴収する仕組み検討対象とされていると聞いております。住民税均等割の上乗せは、とりわけ生活困難を抱える低所得者への負担増となるのではないでしょうか。この点について、提案者の御認識をお聞かせください。  次に、地方自治体独自の森林環境税との関係についてお伺いいたします。森林環境税については37府県で独自に導入されていると報道されていますが、具体的な状況をどのように把握されているのか、提案者の御認識をお聞かせください。また、導入自治体における決定過程住民理解の状況について、どのように把握されているのか、同様に認識をお答えください。  次に、地方公共団体の意見について伺います。意見書案文中、地方公共団体の意見も踏まえながらという言葉が2回出てまいります。提案説明では具体的にどのような意見が出されているかという御説明や御紹介はありませんでした。  東京都市長会は、ことし7月3日付で総務大臣及び農林水産大臣宛てに、森林環境税(仮称)の創設に関する要望についてと題する文書を提出しています。そこでは、森林吸収源対策として恒久財源を確保する必要性は理解するが、既存国制度による対応や新たな仕組みの是非を含めた幅広い議論を尽くすことが重要であると指摘し、制度設計財源配分、制度の周知説明の3点にわたって留意点を示しています。導入反対までとは言っていませんが、かなり厳しい意見だと思います。
     また、特別区長会は、これに先立つ6月27日、森林環境税(仮称)に関する要望についてを総務大臣に提出しております。こちらは、東京都において水道料金や税の中で水源となる民有林の再生及びダム建設費用などの一部を都民が負担していることとの整合性から、制度設計には課題があると指摘しています。  提案者にお伺いいたします。これら東京都内の地方公共団体からの意見をどのように受けとめているのか、お答えください。  次に、森林・林業・山村対策についてのこれまでの政治の責任をどう考えておられるのかという点について、お伺いいたします。国産材の利用と森林の公益的機能の持続的な発揮は、森林・林業者だけでなく、国民共通の願いです。森林環境整備を抜本的に強化する必要があることに異論はありません。しかし、長年にわたる自民党政治のもとで外材依存政策が進められてきたことも、日本の林業が衰退し、困難を抱える原因になっているのではないでしょうか。  さらに、安倍政権が進めているTPP協定では、これまでかろうじて残されていた既成材品や合板の関税が撤廃されます。国内の温暖化対策や木材需給率の向上のための森林整備に不可欠な合板、製材の関税に最大限配慮することを求めた国会決議違反です。国産材の利用拡大と森林・木材産業の再生に逆行するものであり、森林環境の整備を言うのであれば、TPPからの撤退を求めるべきではありませんか。提案者の御認識をお伺いいたします。  以上で1回目の質問といたします。 26 ◎【伊藤裕司議長】 第3番、石川裕司議員。                    〔3番議員登壇〕 27 ◎【3番石川裕司議員】 ただいまの御質問について、お答えいたします。  国民に等しく負担を求めることを基本とすることの意味と問題点についてです。個人住民税均等割の枠組みの活用については、政府与党も平成29年度税制改革大綱において方針が示されているところでございます。  次に、地方自治体独自の森林環境税との関係についてです。政府では、環境省と林野庁が森林環境税の創設を提案しており、現在、森林環境税は全国で37府県と1市で導入されています。平成15年度に高知県が初めて森林環境税を導入し、市長会では横浜市が平成21年度に横浜みどり税を導入しております。ほかに、徴収期間の延長事例もあり、住民の理解を得ていると考えています。  次に、地方公共団体の意見についてです。東京都市長会での制度設計について、財源配分についての意見は十分に認識しており、問題点についてはヒアリング等を行いたいと考えています。  次に、森林・林業・山村対策についてのこれまでの政治の責任についてですが、TPP協定については私はお答えできる立場にはないですが、製材などについては、長期の関税撤廃期間と輸入量が一定に達した場合は、自主的にTPP発行前の関税率に引き下げるセーフガードによって対応できると認識しております。  以上で1回目の答弁を終わります。 28 ◎【伊藤裕司議長】 第39番、山越拓児議員。                    〔39番議員登壇〕 29 ◎【39番山越拓児議員】 ただいま質問に対する答弁をいただきました。  森林環境税が政府税制調査会の中で検討されていること、そして、その中で個人住民税の均等割の枠組みを活用することが検討されていることが明らかにされました。つまり、意見書の案文そのものにはそのことは明示されておりませんけれども、内容として想定しているのが、政府税制調査会が検討している個人住民税均等割の枠組み活用ということになっているのは明瞭です。  この点で、特別区長会は、地方税として徴収した税を他の区市町村へ再配分することは応益負担の原則から逸脱しており、断じて認められないとしています。また、東京都市長会は、市町村が徴収した地方税を他の市町村に再配分することは、応益負担の原則に鑑み、一貫性、整合性を欠くと指摘しています。  提案者地方公共団体の意見についてヒアリングを行っていきたいとお答えになりましたが、これらの厳しい指摘については、制度の是非そのものにかかわる問題だと考えますが、どのようにお考えでしょうか。お答えください。  意見書案文からすれば、新しい森林環境税地方税として創設されるのか、国税として新設を考えているのか、明らかではありません。先ほど指摘したように、政府税制調査会の議論の中で個人住民税均等割の活用ということがあると指摘いたしましたけれども、国税として新設することも考えているのか。その点についてお伺いしたいと思います。  森林環境税を導入した自治体についての御認識をお伺いいたしました。これらの自治体からは、国が新たな森林環境税を国税として創設した場合、二重課税になるとの批判があります。また、自前の制度の廃止が求められ、財源が国に移って自由に使えなくなるとの心配もされております。提案者はこれらの点についてどのように解決すべきと考えておられるのか、お考えをお聞かせください。  最後に、全国森林環境税の創設が唯一の方策なのかという点について、提案者のお考えをお聞きしたいと思います。特別区長会は、特定の森林保有市町村への財政支援のための財源については、地方交付税の法定率を引き上げ、地方交付税による措置を優先することを求めています。もっともな提案ではないでしょうか。  制度設計財源配分を含めた国民的議論が行われているとは言えない状況で、しかも、八王子市にとって森林環境税の創設はどのようなメリットがあるのか、それに対して市民の負担は適切なのかということは、提案説明でも明らかになっておりません。そうした中で、なぜ八王子市議会として全国森林環境税の早期導入を求めなければならないのか、明らかではありませんので、提案者のお考えをお聞かせください。 30 ◎【伊藤裕司議長】 第3番、石川裕司議員。                    〔3番議員登壇〕 31 ◎【3番石川裕司議員】 ただいまの御質問について、お答えいたします。  国税として新設すべきかについてですが、緊迫している財政状況の中で、負担の公平性や税徴収コストを鑑み、低炭素社会を進めていく上でも、新たな税収方法を導入すべきであると考えています。  次に、二重課税になっていないかについてですが、現在の課税使途はさまざまな目的で使用されています。森林環境税の使途は、十分整備されていなかった条件不利地域の森林整備に使用するなど、使用目的が違うため、森林環境税は併存が可能と考えております。  次に、八王子市にとってのメリットについてですが、森林は地球温暖化防止機能、土砂災害防止機能、土壌保全機能、水源涵養機能などの多面的な公益的機能を有しており、広く国民ひとりひとりに恩恵をもたらしていることから、国民に等しく負担を求めることを基本と考えております。  次に、唯一の方法かについてですが、温室効果ガスの削減目標を達成するため、国土保全、水源涵養など、森林整備等の効果は都市・地方を問わず広く国民に及ぶため、国民に負担を等しく求めることが望ましいと考えております。納税義務者は全国で6,200万人に及び、森林整備のための財源を確保するために最もふさわしいと考えております。具体的な取り組みについては、平成30年度税制改正において結論を得るというところで、現段階ではわかっておりません。  2回目の答弁を終わります。 32 ◎【伊藤裕司議長】 第39番、山越拓児議員。                    〔39番議員登壇〕 33 ◎【39番山越拓児議員】 ただいまお答えをいただきました。  名称はいろいろあると思いますけれども、現在、地方自治体独自に導入している森林環境税について、それが併存する場合に二重課税になるという自治体側からの指摘に、併存できるという回答だったのです。これは同一の目的に対して2つの税をかけることにもなりますので、明らかな二重課税ではないかと思います。それは整理が必要だというお答えであればまだ整合性がとれるのですが、併存できるということになりますと、既に導入をしている自治体では森林環境保全の目的で二重に納税することになるのは明らかではないでしょうか。この点について改めてお伺いいたします。  それから、あくまでも平成30年度の税制改正の議論で決めるのだと言っております。先ほど来、指摘をしているように、この森林環境税の創設に関する議論というのが、政府与党内の議論を後押しするということでしか組み立てられていない。八王子市にとってのメリットについては、いわゆる一般論としての森林環境整備の必要性を言われただけなのです。  森林環境整備に一定の財源の確保が必要だということは私も認めております。しかし、その財源確保の方策として、6,000万人を超える納税者に等しく負担をさせると。取りやすいのだということでしかないわけで、これはやはり幅広い議論が必要になると思います。  したがって、より慎重な扱いが必要ですし、国民的なパブリックコメントも含めた対応が議論の中では必要になってくると思いますけれども、この点について提案者のお考えをお伺いして、質問を終わります。 34 ◎【伊藤裕司議長】 第3番、石川裕司議員。                    〔3番議員登壇〕 35 ◎【3番石川裕司議員】 ただいまの御質問について、お答えいたします。  先ほどの説明の中で、二重課税、また、併存可能であることはどういった意味合いかということについて御質問いただきました。現在課税されているものは、主に森林環境教育や普及啓発、また、木材利用促進やソフト事業などに活用されております。あわせて地産事業、流木対策などに活用されている税金でございます。今回、私が提案させていただいている森林環境税に関しては、新たに、今までの未整備部分の森林環境整備などに使用する目的ということで、目的が違うという意味合いで説明をさせていただきました。  次に、政府与党の議案のとおりで細かい説明がないということについてですが、全国で37府県1市で始まっており、まだまだスタート段階という部分でもございますが、東京都の中でも八王子市は森林を抱える都市であり、いち早くこの森林事業に市民の注目や関心を高め、進めていきたいと考えております。また、全国的にも森林環境問題は課題になっており、八王子はいち早く取り組んでいくべきだと私は考えております。  以上で3回目の答弁を終了いたします。 36 ◎【伊藤裕司議長】 以上で議員提出議案第4号に対する質疑は終わりました。  これより討論に入ります。  本案について、討論の通告がありますので、順次許可します。  第19番、前田佳子議員。                    〔19番議員登壇〕 37 ◎【19番前田佳子議員】 ただいま上程されました議員提出議案第4号、「全国森林環境税」の創設に関する意見書に対して、生活者ネットワーク・社会民主党・市民自治の会を代表し、反対の立場から討論を行います。  日本は国土面積の66%が森林であり、フィンランド、スウェーデンに次ぐ世界第3位の資源豊かな森林国です。大切な森林に適切な管理を行い、守っていくことは大変重要であります。しかし、この森林環境税を追加徴収していくことが適切なのかどうか、議論をした結果、反対という結果に至りました。その理由は大きく3点あります。  森林環境税は現在既に37府県で導入されており、県民税の超過課税となっています。県民税に一定額が上乗せされた形です。そのままでは目的税とならないため、ほとんどの県では基金を創設し、実質的な目的税として森林保全に使っています。  初めに導入したのは2003年、森林面積が県の84%を占めるという高知県です。高知県では、2015年度に先行開校した県立林業学校の定員を増加し、新たに県立林業大学校として2018年4月に開校予定で、学生の募集が今まさに始まったところです。校長は新国立競技場をデザインした隈研吾さん。高知の山の秘境として有名な梼原町の総合庁舎の建設、まちの駅ゆすはら、雲のホテルの建設等、県産木材を使った建築を行っています。  私は、梼原町の近くをロングドライブしたことがありますが、かなり高い山道なのに、道幅が広く、50キロ出せる走りやすい山道に驚きました。高い山の木の伐採や運搬に大型機械を入れられる環境だと感じました。県として力を入れていく、何より人材育成という欠かせない部分を始動させています。  ほかにも、徳島、大分、兵庫、和歌山、岩手など、森林の多い県で林業を学ぶ学校が開校されています。森林保全をどう行っていくか。技術の修得、人材育成など、長期的なビジョンを掲げた対策が必要です。  山や森林の有無、状態、課題など、各地域で異なります。現在の都道府県単位で事業を考え、行うことは適切であると思われます。各県において独自に始めた森林環境税の導入との二重課税にならないよう、また、地方自治の適切な事業規模という観点からも、範囲を広げて、広く国民から追加徴収を行って、必要なところへ再分配するやり方は、現段階では不適切だと考えます。これが1つ目の理由です。  2つ目、これはシンプルに増税への反対です。デンマークやフィンランドなどのように、所得税の減税後、それを補う形で環境税を導入し、全体的な国民の税負担は変わらないという方法をとるのであれば理解ができますが、社会保障のための消費税アップ、国民健康保険税や年金、介護保険への負担増という現状の中、さらに環境税を追徴することには反対です。  現在徴収されている税の使われ方において、納得できない人が多々いる。ここを見直さずして増税をすることは、納得ができません。これが2つ目の理由です。  3つ目は、使途についてです。森林環境税を何にどう使っていくのか。森林のためというのは実に曖昧であり、税金だけ集めて事業自体は市町村へ投げるのでは、介護保険同様、国は机上で理念を述べるだけ、結局地域に丸投げになるのではないでしょうか。  長期的な対策を立て、大型機材の導入や人材育成といった時間もお金も適切な指導者も必要な分野です。今現在、既に感じることですが、林野庁の助成金の準備はあっても、実際に活用してくれる団体が少ないのではないかと感じます。お金はあっても助成金を活用してくれる受け皿がない。これは地域の里山保全というレベルの団体に所属していても感じることであります。  ここでさらにお金を集める前に、国レベルでやるべきことがたくさんあるのではないでしょうか。山について長くかかわり、よく知っている人物、いわゆる篤林家と言われる伝統的な方法で林業を代々行っている人物からの聞き取りをし、今後やらなければならないことは何か、まずどこから手をつけるのか、貴重な人材が残っているうちに早急にやらなければいけないことがあるはずです。  日本の人工林はほとんどが、戦後、素人が植えたままの状態です。間伐の方法を学び、技術を修得し、何世代にもわたって、何十年というスパンで山を、森を育てていく、そのハウツーを示していくよいモデル事例を示し、森林認証制度にのっとった環境に配慮した木材生産の確立など、今、国レベルでやらなければいけないことは、広く薄く税金を集めることではない。お金をかけるべき事業を見極め、しっかりとした政策を打ち出すことです。  どうしたら事業として採算がとれる林業が日本でできるのか。大きな課題が立ちはだかっていますが、林野庁には頑張ってもらいたいと思っています。先日、9月18日の朝日新聞には、森林バンク創設の記事がありましたが、ただこの仕組みをつくっただけでは、受け皿不足、担い手がいません。  森林の保全は日本全体で考えるべき大きな課題です。私は家族が九州におり、ほぼ毎年、九州自動車道を縦断しておりますが、急峻な斜面にびっしりと杉、ヒノキが生えている九州山地では、毎年、複数箇所で台風や集中豪雨による大規模な土砂災害があり、山にブルーシートがかけられ、杉、ヒノキがなぎ倒されている状況を見ると、九州、四国などといった山地の被害の深刻さと、そこに住む人口、イコール税収を考えると、国レベルで広く集めた森林環境税を必要なところへしっかりと充てる仕組み、この考え方には同意ができます。  しかし、現段階でこの方法をとることに対しては、増税をして、無駄なく効果的で長期的な視点に立った事業に充てられるという信頼ができない。時機尚早と考えます。  現在、各県が独自で行っている森林環境税についての考察を行い、二重課税にならないよう、独自の制度としての課税を廃止しても、より効果・効率の上がるような政策をしっかりと打ち出すか、または現在の制度の使途との差別化を図って、説明をし、理解が求められた暁には、再度検討したいと考えます。  以上で反対討論を終わります。 38 ◎【伊藤裕司議長】 次は、第39番、山越拓児議員。                    〔39番議員登壇〕 39 ◎【39番山越拓児議員】 それでは、ただいま議題となっております議員提出議案第4号、「全国森林環境税」の創設に関する意見書につきまして、日本共産党八王子市議会議員団を代表して、反対の立場から討論を行います。  日本の国土面積の67%を占める森林は、再生産可能な木材の供給とともに、中山間地域の維持と国土環境の保全、水資源の涵養、生物多様性など、国民生活に不可欠な役割を果たしています。また、健全な森林育成管理は、CO2の吸収、固定による地球温暖化防止への寄与など、低炭素社会の実現にも欠かせません。我が国の森林は、蓄積量が49億立方メートルを超え、毎年、年間消費量を上回る約1億立方メートルが増大しています。  国民が共通して願う国産材の利用と木材の公益的機能の持続的な発揮を目指し、森林・林業の持続的な管理経営を進めるために、外材依存の加工流通体制を改め、地域の実態に即した国産材の生産加工流通体制を構築し、林業・木材産業の再生を図る必要があります。  提案説明では、災害復旧には多額の行政コストがかかる、整備に必要な事業費は確保されていない、担い手育成問題の解決に取り組むための財源の確保が全国的な課題などと述べるものの、市町村が主体となって実施する森林整備等に必要な財源というだけで、森林・林業・山村対策抜本的強化にふさわしい総合的な施策は見えてまいりません。  財源確保の方策として、都市・地方を通じて国民に広く負担を求めることを基本とするとしたことは質疑に対する答弁でも明らかになりましたが、具体的には地方税の個人住民税均等割分に上乗せして徴収する枠組みが有力視されていることが明らかになりました。  地方住民税の枠組みを利用することは、本来、地方公共団体が一般財源として活用する地方税を、一部ではあっても国が召し上げて再配分する仕組みを持ち込むことになり、国と地方の関係をゆがめるものとなります。  森林環境税については、2016年4月1日現在で37府県と横浜市で導入されています。課税対象は個人及び法人で、税率は住民税の均等割額の超過課税を行い、個人では400円から1,200円を上乗せし、法人では均等割額の5%から11%を上乗せしています。導入に際して、住民の合意、理解を得ているとは言いがたい自治体も多数存在しています。  また、導入されている自治体からは、仮に国税として制度設計されれば、二重課税となって、自前の制度の廃止を求められたり、財源が国に移って自由に使えなくなるという声も出されています。質疑に対し、使途が違うので二重課税にはならず、併存できるという説明には納得がいきません。  東京都市長会は、質疑でも紹介したように、総務大臣及び農林水産大臣宛てに要望書を提出しています。森林吸収源対策として恒久財源を確保する必要性は理解するが、既存国制度による対応や新たな仕組みの是非を含めた幅広い議論を尽くすことが重要であると指摘し、制度設計財源配分、制度の周知説明の3点にわたって留意点を示しています。  特別区長会が地方交付税の法定税率を引き上げ、地方交付税を活用する提案をしているのに対し、提案者は一歩だにしない態度でありました。意見書には地方公共団体の意見も踏まえながらと繰り返しますが、結局は全国森林環境税の導入を求めており、地方公共団体としての意見を尊重しているとは思えません。  本意見書案は、全国森林環境税の創設、早期導入を強く求めるものとなっています。質疑でも指摘したように、特別区長会、東京都市長会が要望書を出したように、地方公共団体としての合意が幅広く得られている状況にないことは明らかです。したがって、全国森林環境税の創設、早期導入を求める意見書を本市議会として提案することは適切でないと考えるものであります。  最後に、日本共産党は、国内のCO2排出量の削減を促進するために、森林整備によるCO2の森林吸収量と化石燃料の木質バイオマスを使うことによるCO2排出量の削減を評価して、都市部の企業や自治体による排出削減の取り組みにカーボンオフセットを活用する制度を本格的に導入し、植林、間伐などの森林整備の資金を生み出すという提案をしています。  また、石油・石炭税の上乗せ措置として2012年10月1日から実施されている地球温暖化対策税の使途に森林吸収源対策を位置づけ、森林・林業における地球温暖化対策の実行に必要な財源に充てるという提言も行っているところであります。  森林環境整備の必要性とその財源確保は重要ですが、国民に等しく負担を求める全国森林環境税は、唯一の解決策ではなく、国民の負担増を求めるという点で賛同できません。以上、申し上げまして、本意見書案についての反対討論といたします。 40 ◎【伊藤裕司議長】 以上で討論を終わります。  これより、議員提出議案第4号を採決します。  本案は、起立により採決します。  本案は、原案のとおり決定することに賛成の方の起立を求めます。                    〔賛成者起立〕 41 ◎【伊藤裕司議長】 起立多数であります。  したがって、議員提出議案第4号は可決されました。   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 42 ◎【伊藤裕司議長】 次は、日程第5、議員提出議案第5号、「働き方改革」関連法案の取り扱いに関する意見書を議題とします。  本案について、提出者から説明願います。  第8番、石井宏和議員。                    〔8番議員登壇〕 43 ◎【8番石井宏和議員】 それでは、ただいま上程されました議員提出議案第5号、「働き方改革」関連法案の取り扱いに関する意見書につきまして、私から提案説明をさせていただきます。  一昨年、2015年6月、超党派の議員提案で、過労死等防止対策推進法が衆参両院ともに全員が賛成して可決、成立しました。野党6会派が共同提出した過労死等防止基本法案や、法制定を求める遺族らの意見を踏まえて取りまとめられたものです。  この法律は、基本理念のみで雇用者への罰則規定がないなどの問題点が残されていますが、人間らしさを無視した長時間労働が放置され、とうとい命が奪われる社会を終わらせたいという遺族の願いが法律という形になったものであり、何より、国が過労死対策の必要性を認め、国の責任で実態調査し、白書に結果を残すことが定められたという意義は大きなものがあります。  しかしながら、現実には働き過ぎによる過労死、過労自殺はいまだなくなっておらず、悲劇が繰り返されています。大手広告代理店、電通の女性社員が、2015年12月のクリスマスに、パワハラと長時間過密労働を苦にみずからの命を絶った過労自殺が社会に大きな波紋を呼びました。その後も、過労死、過労自殺は関西電力や新国立競技場建設現場などへ広がっています。長時間過密労働の是正は、日本社会が解決しなければならない緊急かつ切実な課題となっています。  しかし、一部の大企業では、業務量も目標やノルマも成果主義もそのままで、残業はするな、とにかく会社から出ていけというだけの対応が横行しています。ある企業では、80時間を超えると評価を落とすと上司が脅しをかけています。
     残業するなと言われても、仕事量が減るわけではなく、人員不足の中で、結局ファミレスやネットカフェなど、会社の外で仕事をせざるを得ない実態が広がっています。例えば休日出勤の際にはパソコンを使わないで仕事をする、USBメモリーを持ち出して自分のパソコンを使ってネットカフェなどで夜中まで仕事をしている、時間管理ではパソコンと自主申告の差を追求される、したがってLANケーブルを抜いて残業をしているといった実態が労働者から寄せられています。  にもかかわらず、政府は3月に、休日労働を含めると年960時間もの残業時間を認める働き方改革実行計画を発表し、これに基づき、今週開催する臨時国会において、いわゆる残業代ゼロ法案と残業時間の上限規制法案などを働き方改革関連法案として提出し、成立を目指すとしています。  8月30日、労働政策審議会の分科会で、一本化での提出方針を表明したのに対し、労働側の委員は7人全員が一本化に反対しました。にもかかわらず、政府は9月8日には法案要綱を労働政策審議会に諮問しました。労働政策審議会は9月15日に、労働者側委員が反対したにもかかわらず、おおむね妥当との答申を厚生労働大臣に行いました。  関連法案は、労働基準法やパートタイム労働法など計8本を一括改定するものとなっています。働き方改革の理念を掲げるため、雇用対策法を衣がえして基本法として据えます。基本法案では、労働生産性の向上を目的条項に明記し、成果を上げるまで際限のない長時間労働に駆り立てようとしています。  労働基準法改定案は、労働時間規制をなくす高度プロフェッショナル制度を導入するとともに、何時間働いても一定時間しか働いたことにならない裁量労働制を拡大する内容となっています。働く人の健康を守るために残業自体を規制することを目的としている割増残業代などの規制がなくなり、合法的に長時間労働を強いられる人がふえる可能性があり、過労死促進法になるという厳しい批判が行われてきました。労働組合や労働者から残業代ゼロ法案と呼ばれ、一度国会に提出されたものの、2年間余り、審議入りできてこなかったものです。これを働き方改革の名で押し通そうとすることは重大です。  労働基準法改定案に含まれる残業時間の上限規制の中身も問題です。法案は、上限規制と言いながら、残業時間を2ヵ月から6ヵ月の平均で月80時間、繁忙期で月100時間未満まで認めることとしており、過労死ラインの残業を法的に容認するものになりかねません。  現行の労働基準法は残業の上限時間を定めていません。厚生労働大臣告示が、週15時間、月45時間、年360時間と定めているだけです。これには医学的根拠があります。厚生労働省内に設置された脳・心臓疾患の認定基準に関する専門検討会が2001年11月に報告書を発表し、月45時間以内の残業であれば脳疾患や心筋疾患などの健康被害リスクは低いが、残業時間が長くなるほど徐々に健康被害リスクが高まり、月100時間または2ヵ月から6ヵ月平均で月80時間を超えると、このリスクが高くなるという結論を示したことを受けてのものです。  検討会報告は、毎日7時間から8時間の睡眠を確保すればその日の疲労がその日の睡眠で回復できるため、この睡眠時間を確保しようとすれば、月の残業時間を45時間以内にしなければならないと提起したのです。  現在、働き方改革として必要とされているのは、過労死等防止対策推進法の理念を実現することであり、働き過ぎによる健康被害や死に至る悲劇をなくすことです。しかし、働き方改革関連法案の内容は、これに逆行する内容が含まれています。  また、複数の法案を一般化して関連法案として扱うことは、論点が複雑化し、十分な審議時間を確保できなくなることも懸念されます。朝日新聞は8月31日付の社説で、一本化で議論が紛糾し、残業規制まで滞る事態は許されない。2つを切り離し、まずは長時間労働の是正を急ぐべきだと主張しています。この社説では、高度プロフェッショナル制度の創設などの規制緩和は経済界が要望してきた、首相が世界で一番企業が活躍しやすい国を掲げる中、労働者側の代表がいない産業競争力会議が主導し、審議会での労働側の反対を押し切って法案化された、いわば働かせる側の視点に立った改革だとも指摘しております。  労働基準法第1条は、労働条件は労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならないと定めています。そこで、本市議会として、働き方改革関連法案という一本化をやめ、労働時間の規制の見直しについては、労働者としての真に人間らしい働き方や、健康と賃金を保証することを、国会及び政府に対して強く求める意見書を提出しようとするものです。  何とぞ議員各位の御賛同を賜りますよう、心からお願い申し上げまして、提案説明といたします。 44 ◎【伊藤裕司議長】 提出者の説明は終わりました。  本案について、質疑はありませんか。                  〔「なし」と呼ぶ者あり〕 45 ◎【伊藤裕司議長】 質疑なしと認め、進行します。  本案については、討論の通告がありません。  これより、議員提出議案第5号を採決します。  本案は、起立により採決します。  本案は、原案のとおり決定することに賛成の方の起立を求めます。                    〔賛成者起立〕 46 ◎【伊藤裕司議長】 起立少数であります。  したがって、議員提出議案第5号は否決されました。   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 47 ◎【伊藤裕司議長】 以上で、本日の日程は全部終了しました。  次回の本会議は、来る9月25日午前10時に開きます。ただいま御出席の方々には改めて通知しませんから、御了承願います。   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 48 ◎【伊藤裕司議長】 本日はこれで散会します。                                     〔午前11時10分散会〕 © Hachioji City, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...