令和2年 第3回 定例会-09月24日-03号令和2年 第3回 定例会
令和二年 第三日 江戸川区議会会議録 第十三号
第三回定例会 第三日
一 開会日時 令和二年九月二十四日(木曜日)午後一時
二 出席議員(四十四人)
一番 田島寛之 君
二番 小林あすか君
三番 よ ぎ 君
四番 本西光枝 君
五番 伊藤ひとみ君
六番 齊藤 翼 君
七番 鹿倉 勇 君
八番 白井正三郎君
九番 牧野けんじ君
十番 神尾昭央 君
十一番 滝沢泰子 君
十二番 岩田将和 君
十三番 間宮由美 君
十四番 佐々木勇一君
十五番 竹平智春 君
十六番 所 隆宏 君
十七番 太田公弘 君
十八番 栗原佑卓 君
十九番 野﨑 信 君
二十番 中山隆仁 君
二十一番 大橋美枝子君
二十二番 金井しげる君
二十三番 中津川将照君
二十四番 桝 秀行 君
二十五番 笹本ひさし君
二十六番 窪田龍一 君
二十七番 堀江創一 君
二十八番 関根麻美子君
二十九番 大西洋平 君
三十番 田中寿一 君
三十一番 福本光浩 君
三十二番 高木秀隆 君
三十三番 小俣則子 君
三十四番 瀨端 勇 君
三十五番 伊藤照子 君
三十六番 中道 貴 君
三十七番 竹内 進 君
三十八番 田中淳子 君
三十九番 川瀬泰徳 君
四十番 藤澤進一 君
四十一番 早川和江 君
四十二番 川口俊夫 君
四十三番 須賀精二 君
四十四番 島村和成 君
三 出席説明員
区長 斉藤 猛 君
副区長 山本敏彦 君
副区長 新村義彦 君
経営企画部長
近藤尚行 君
危機管理室長
山口正幸 君
総務部長 柴田靖弘 君
都市開発部長
眞分晴彦 君
環境部長 髙原伸文 君
文化共育部長
石塚幸治 君
生活振興部長
後藤 隆 君
福祉部長 森 淳子 君
子ども家庭部長
弓場宏之 君
児童相談所長
上川光治 君
健康部長 天沼 浩 君
江戸川保健所長
渡瀬博俊 君
土木部長 立原直正 君
教育長 千葉 孝 君
四 出席区
議会事務局職員
議事係長 三上欽司 君
事務局次長
田島弘明 君
事務局長 岡村昭雄 君
主査 野村一貴 君
書記 山沢克章 君
同 近藤知博 君
書記 佐々木康祐君
同 西別府洋太君
五 議事日程
日程第一 一般質問
1 白 井 正三郎 君 2 川 瀬 泰 徳 君 3 牧 野 けんじ 君
4 よ ぎ 君 5 金 井 しげる 君 6 滝 沢 泰 子 君
7 齊 藤 翼 君 8 伊 藤 照 子 君
日程第二 陳 情
第四十八号 ~ 第五十九号
散 会
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午後一時開議
○議長(田中寿一 君) これより本日の会議を開きます。
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△日程第一 一般質問
○議長(田中寿一 君) 日程に入ります。
日程第一、一般質問。
前回に引き続き、一般質問を行います。順次質問を許します。八番、白井正三郎君。
〔八番 白井正三郎君登壇〕
◆八番(白井正三郎 君) 令和二年第三回定例会にあたり、通告に従い、以下数点にわたり、提案も含め質問に入らせていただきます。区長並びに教育長の明解で前向きな答弁を期待いたします。
はじめに、今年一月から広がった
新型コロナウイルス感染拡大防止対応のため、区職員一丸となって、先端的な様々な事業を進められてきたご努力に、心から感謝申し上げます。
さて、感染拡大の影響により、世界経済は大恐慌以来の大打撃を受けています。このことは、本区の区民生活、経済活動、教育環境をはじめ、区の財政にも大きな影響を与えますが、これまで積み立てられてきている四百億を超える
財政調整基金などが大いに役立つものと考えております。
それでは、まず、
新型コロナウイルス感染拡大のために大きな影響が出ている十万人以上の区民が働く、二万を超える
区内事業所への振興施策についてお聞きいたします。
本区はこれまで、産業界を支援する、必要かつ適切な施策を積極的に進めてきておりますが、
新型コロナウイルス禍の下で、これまでの施策に加え、「緊急時対応」をしていく必要があると考えておりました。
そこで、区は、いち早く事業者向けの融資を立ち上げ、高く評価されており、さらに賃料などの固定費も含めた
経営向上資金あっせん融資を加えて、
信用保証料補助と利子補給を行っておりますが、この度、
区内事業所のために、それを来年三月まで延長されるとのことです。
しかし、
東京商工会議所の調査によれば、四月から六月までの業況DIは、これまでの最大の落ち幅で、多くの事業所では売り上げの急激な減少に加え、固定費が重しになり、
感染拡大防止の経費負担も増えているということであり、来年にかけて、倒産、廃業、失業などの本当の負の連鎖が起きるという意見もあります。
今のところ感染拡大の終わりは見えず、区内経済の影響もどれほどのものになるか見通しが立ちません。しかし、こういう状況の中だからこそ、職住近接の区民の暮らしを支え「緊急時対応」としても、また「未来への投資」としても振興施策に取り組むことが必要と考えます。そこで、質問をいたします。
一点目は、各産業界への事業効果が他へつながり波及するようなこれまでの施策。例えば、
各種融資制度や商店街振興の
パワーアップ支援事業、伝統工芸の
産学公プロジェクト、浴場組合の
整備改善資金助成や
健康長寿協力湯制度、六工場団体への
経営基盤強化支援や
操業環境整備事業、
農業経営者クラブへの
特産農産物ブランド確立事業、また、
トラック協会や江環保、薬剤師協会をはじめとする様々な区内団体への支援、補助、さらには、各種のイベントについて、この時期、拡充することはあっても、縮小、廃止することなく「施策を維持、継続」するものと考えますが、お考えをお聞かせください。
二点目は「緊急時対応」でもあり「未来への投資」にもなる「本区独自の新たな施策」を早急に立ち上げることについてのお考えをお聞かせください。
三点目は、求人と雇用の確保に取り組むことは、地域経済の停滞を防ぐためにも、有効な対策であり、ハローワークのみならず、
東京商工会議所などと連携して、求人を希望する事業所と感染拡大のため、職を失った人とをマッチングする「緊急の窓口」などへの取組みについてのお考えをお聞かせください。
もちろん、経済の回復のために、国や都も各種施策を進めており、本区独自で解決できるわけではありませんが、今後も、本区の元気の源である事業者と共に歩むために出来得る範囲のことをすべき時が来ていると思います。区長のご所見をお伺いいたします。
次に、同じく感染拡大により、教育環境に大きな影響が出ている子どもを生活習慣の乱れや犯罪から守るため、情報モラルを育成することについてです。学校は臨時休校し、再開後も様々な面で子どもたちへの心身への影響は計り知れないものがあると思います。
特に、休校期間中の
ステイホーム期間を含めて、子どもたちの
スマートフォンやゲーム機などの利用時間が増加していることが予想されました。実際に、学校関係者の話では、そのことによる悪影響としては、生活習慣が乱れた子どもが出ており、再開後、学校生活に慣れるまでに、相当の時間がかかっているということです。また、残念なことに、SNSによるトラブルは、警察が介入する事案に発展しているものもあるということです。
もちろん教育委員会も、学校も、努力を重ねてきておりますが、
スマートフォンやパソコンの利便性は高く、もはや日常生活にも欠かせないものとなっており、
GIGAスクール構想も進められている今こそ、ゲームやSNSなどによるネット依存や利用に潜む様々な危険性などを繰り返し子どもたちに教えることが重要だと思います。
加えて、第一次的には保護者に責任があると思いますが、全ての保護者にこのことに関する知識や自覚があるとは限りません。そこで、子どものいる全ての家庭のスマホなどの
利用ルールづくりを目指した「えどがわっ子家庭ルール」がなくなってしまった今、保護者にも、様々な会合などで、その必要性を繰り返し伝え、本区の子育て家庭には保護者と子どもによる「家庭ルール」があることが当たり前になることが重要と考えます。教育長のご所見をお伺いいたします。
また、スマホやSNSなどに関しては、大人より子どもの方が詳しいことが多々あります。そのため大人も高い知識と強い関心を持つことが必要だと思います。そこで、教育委員会と健全育成課などが連携し、保護者、教員や区民向けに「情報モラルに関する講座」を行い、このために活躍いただく「
情報モラルインストラクター」制度を提案します。家庭、学校、地域も含めて問題を共有し、対応していくことが重要だと考えます。教育長のご所見をお伺いいたします。
次に、同じく感染拡大のため、影響を受けている「不登校」の対策事業についてお聞きいたします。臨時休校後の再開後の学校では、やはり新しく不登校になりそうな児童生徒が出ており、油断を許さない状況で、学校が一生懸命に支援しているということです。
また、不登校をきっかけとして、ひきこもりへ繋がるという、区の調査結果もあり、不登校は、将来にも関わることだと考えられます。
これまでも、この対策に教育委員会は力を入れており、学校と連携しながら行ってきていますが、残念ながら直近の数字である平成三十年度の不
登校児童生徒数は千五十五名と三年前に比べ三〇%以上増えております。
また、いじめを不登校の主たる要因にしているものは、一件もありませんが、
いじめ認知件数は年々増え、平成三十年度は、小中学校で八百五十件以上もありますので、複数の要因の一つとして関連していることも十分考えられます。
文部科学省は、不登校対策に関する施策の一つとして「学校、家庭、関係機関等が連携した地域ぐるみの
サポートシステムを整備する」としており、昨年も「地域力を活用した不
登校対策ボランティア」を提案しましたが、より具体的に、今の「
ステップサポーター制度」を拡充し、不登校対策に関する幅広い役割をする「不
登校対策地域サポーター制度」を提案いたします。
ステップサポーターの方は、
有償ボランティアであり、現在四十九名の登録者がおり、小中学校三十七校に派遣され、家庭や学校からのニーズは多々あると聞いております。
その
ステップサポーター制度を拡充し、不登校児とのふれあいなどを増やすことにより、学校、家庭、地域などが一体となった地域ぐるみの取組みになるのではないかと考えます。教育長のご所見をお伺いいたします。
加えて、不登校対策に関連して提案いたします。自ら不登校体験やいじめにあった体験があり、乗り越えてきた方で、そのような状況にある子どもたちに、自らの体験を話したり、相談に乗れればと考えている方を募集し、講演の場を設けたり、相談者の一人として取り入れたらいかがかと思います。自ら体験をし、乗り越えた方だからこそわかる事や話せる事もありますし、子どもたちも相談し易くなるのではないでしょうか。体験者の活用をより前向きに取り組まれたらと考えます。教育長のご所見をお伺いいたします。
次に、感染拡大による経済の悪化により、生活に直接影響を受けていると思われる「ひきこもり」の対策についてお聞きいたします。
喫緊に対策の必要なこのことについて、昨年、特化した
総合相談組織の新設などを質問、提案しました。区長は、大きな課題だとの認識を示された上で、地域の目を活かしながら実態調査を行い、その上で、相談窓口の設置等を考えていくと答えられましたが、
お答えどおり、区は実態把握を行い、三月に「ひきこもり調査結果の報告書」を出されました。
その中で、四十代男性が最も多いことや、十年以上の方が約四分の一いること。きっかけは学校での不登校が約二割から三割を占めること。さらに親族の高齢化や経済的困窮が問題となっていることなどがわかりました。また、気軽に相談できる専門窓口や同じ悩みを共有し、情報交換できる場所、社会復帰に向けた
サポート体制などが求められていることもわかりました。貴重な調査だったと思います。
さらに、四月からは新しく「ひきこもり施策担当係」を設置され、前向きに取り組んできております。この組織が福祉、健康、子育て、教育、就労など、全庁的な対策の核としての機能を果たせることを期待しております。そこで、質問、提案をいたします。
具体的な施策はこれからだと思いますが、調査結果にもあり、厚生労働省も発表しているように、まずは、本人や家族の支援として相談体制を強化していくことが必要ではないかと考えます。
現在、本区のひきこもりに関連した第一次相談は、これまでの「
くらしごと相談室」に加えて、三人からなる「ひきこもり施策担当係」がしておりますが、既に真剣で深刻な多くの相談があったことと思います。また、今後は、より増えていくものと考えます。
そこで、相談体制の強化のため、社会福祉士や
精神保健福祉士などの
専門スタッフを加えることを提案いたします。
専門スタッフを加えることにより、家庭訪問を中心とした訪問支援もできるようになり、関係部課や機関などとの連携も強まり、また、家族会の設立などの新たな施策にもつながっていくと考えます。
区では、広義のひきこもりの区民は、約一万人いると推計しておりますが、その一人ひとりに応えられる、より丁寧で、専門的な相談体制が必要と考えます。区長のご所見をお伺いいたします。
次に、緑化運動五十周年を迎え、「江戸川区街路樹指針 新しい
街路樹デザイン」の推進についてお聞きいたします。
昭和四十五年に「ゆたかな心 地にみどり」を合言葉に掲げ、区民と区が一体となって進めてきた緑化運動が今年五十周年を迎えました。この五十年間でこの運動は、そして、緑化行政は大きな成果を上げてまいりました。
日本で初の親水公園である「
古川親水公園」の誕生から始まり、五公園の親水公園、十八路線の親水緑道が整備され約二十七キロの「水と緑のネットワーク」が形成されました。
また、町会、自治会を中心に「愛する会」も続々と発足し、地域を愛する心やコミュニティの醸成にも繋がっています。さらに、区内の樹木数は六百七十六万本を超え、区民一人当たりの樹木数は九・七本となり、長年の目標の十本に近づき、街路樹も六万本を超える数を誇っております。また、
アダプト制度にも取り組まれてきております。
区は、現在、五十周年を記念して、これまでの歩みと成果や、これからへの取組みを区民と共有し、紹介する企画展示会などを行っておりますが、どれも大変大切なことでうれしく思います。
イギリスのチャーチル元首相の言葉に「歴史を語らずして、現在未来を語ることなかれ」とあります。歴史や歩みを学ぶのは、単に過去を追憶するためでなく、過去を学ぶことによって正しく現在を認識することができるからであり、まさに、そのことによって、初めて未来を展望することができるからではないでしょうか。
さて、五十年間にわたり、精力的に緑化行政を展開し、街路樹の本数も都内有数を誇る本区ですが、地球環境問題などが叫ばれ、その重要性が一層増大している中で、残念ながら、沿道住民の生活に支障及ぼしている事例も多々見受けられるようになってきています。
区も支障が出ないよう、定期的に枝葉の伐採を行うとともに、新たに整備される路線においては、植栽基準の見直しを行うとともに、道路工事等に伴い、街路樹を植え替えてきていますが、区民の皆さんから根が長く伸び過ぎて、車イスや杖、乳母車などで通りにくいという声や、台風などの強風で倒れないか心配だという声を多く聞きます。
これに対応するため、区は、平成二十一年に総樹木数は減らすことなく、街路樹の質と量を向上させる「江戸川区街路樹指針 新しい
街路樹デザイン」を策定しています。
その中で「望まれる機能を逸脱してしまった街路樹は、物理的な視点と情緒的な視点の双方からみて、計画的な伐採、更新が必要である」という趣旨のことを書いております。これは、道路工事等に伴う場合でなくても、若木と植え替えるという方針、計画であると思いますが、残念ながら、この点においては進んでいない状況にあります。
そこで、五十周年を契機に「新しい
街路樹デザイン」の樹木の伐採、更新の具体的な計画を作り進めること。加えて、伐採した樹木については、銘木会などの団体と区が協力した上で、ある大きさに選定し、小中学校や要望する各種団体などに提供し、産業界と区と教育界が連携し、学習などのために再利用してもらうことを提案いたします。
年数がたち、場所によっては住民に喜ばれ、親しまれる街路樹の適度な大きさや成長具合というものがあるのではないでしょうか。財政面の視点もあると思いますが、本格的に更新を計画、実行する時期が来たと思います。区長のご所見をお伺いします。
次に、「
共生社会ビジョン」について、質問いたします。
先日、区の進める共生社会の実現に向けた今後の取組みとして、八十年後の二一〇〇年の本区の目指すべき将来の姿や方向性を明らかにする「
共生社会ビジョン」の策定についての説明がありました。
これは、二〇〇二年に策定され、二十年後までの本区の将来都市像などを明らかにした現長期計画「えどがわ新
世紀デザイン」に代わるものになると思います。人口の減少や超高齢化が推計される中で、その内容に大いに期待するものです。説明の中で、既に二一〇〇年までの将来人口推計や、高齢化率などの人口各種の分析は終わられており、データに基づくシミュレーションと目指すべき姿のギャップから、課題や施策の方向性を作り上げていくとありましたが、策定の際に、もう一つ欠かせないものとして、時代の潮流と、八十年先に予想される様々な社会変化や世界、日本の将来の姿の予測があると思います。
これまで、長期構想は二十年程度を目標期間にしたものが多かったと思いますが、それは、日進月歩で進む
情報通信技術など、科学技術の進歩や環境変化に伴う社会変化が読み切れなかったことも一つの要因だったと思います。
例えば、ある総合研究所や内閣官房まち、ひと、
仕事再生本部などによれば、二〇四〇年頃には、実用化された空飛ぶクルマの世界市場は約百六十兆円に拡大し、二〇五〇年頃には、医療の進歩により、寿命は百五十歳まで伸び、人類は宇宙へ進出し、宇宙旅行が普及し、二〇六〇年頃には、衣服のように軽い
ロボットスーツがリハビリや介護を補助でき、二〇七〇年以降には、心で思うだけでコンピューターやロボットを操作し、スキャンするだけで人の思考を読み取れるようになるとも言われています。その他、様々な研究から、環境や経済、社会に関することなども、現在からは想像しにくいことも含め、多々言われてきております。
もちろん、未来の姿は、これからの人間の行動や考え、社会の在り方によって変わっていくものなので、二〇三〇年を目標年とするSDGsの推進などの下、どうなるのかわかりませんが、世界規模で進む科学技術の発展などは、社会を変え、本区の未来にも大きく影響していくように思います。
区では、幅広い区民や有識者などからなる「えどがわ
未来カンファレンス」を発足するということですが、八十年後の本区の目指す姿を考える際には、現状での人口や財政などの予測に加え、地球が、世界が、日本が、東京が、どのような社会になっていくかを予測し、それをどの程度、どう反映するかが、内容に大きく影響してくるのではないかと考えます。区長のご所見をお伺いいたします。
次に、「
ボランティアやNPOなどとの協働の推進」について、お聞きいたします。
区は、これまでも豊かな地域力に支えられながら、区民の皆さんと協働し、様々な地域課題に取り組んでまいりました。この考え方は、これからも長く変わることはないと思っております。
さて、役割を終えようとしている、現基本構想の中で、「
ボランティアやNPOなどの活動は、重要な役割を担い、地域を豊かにし、区の各セクションに幅広くまたがるもので、区はパートナーとして、総合的に支援することが大切です」とうたわれ、基本計画の中でも、「
ボランティアやNPOの活動を支援し、育てる」とあります。そこでは、協働相手の一つである
ボランティアやNPOなどの活動を支援し、育てるという考えを明確にしています。そこで、質問をいたします。
はじめに、企業などで活躍してきたシニア男性をはじめ、より多くの方々が
ボランティアとして地域で新たに活躍いただけることが、
ボランティア活動をより活発化し、
共生社会づくりの推進にもなるのではないかと考えます。そのためには、「
公益福祉財団さわやか福祉財団」の進める
ボランティアの一つの類型であり、
有償スタッフとの呼び方もある
有償ボランティアを区としても、より一層、福祉や教育分野などをはじめとして、研究、検討し、取り入れていくことが地域の課題解決などのためにも重要と考えます。区長のご所見をお伺いいたします。
次いで、既に区内にも、様々なNPOが存在し、その活動の推進が、やはり
共生社会づくりにも役立つように思います。
区は、今は、必要な事案が出た時ごとにNPOを活用していると思いますが、これからの区内のNPOへの支援と育成など、区としての寄り添い方についてのお考えをお聞かせください。
加えて、最近、大きなうねりをみせている、区内企業へのCSR活動の啓発も必要と考えます。区長のご所見をお伺いいたします。
最後に、要望を一つ申し上げます。
昨年の質問の中で、
区役所跡地利用の検討の推進と、そのための新たな組織の設置を提案いたしましたが、今年四月から新たに、
区役所跡地利用を含む
大型区民施設の計画検討を行う「施設計画課」ができ、この課を含む新
庁舎大型施設建設推進室ができました。大きな前進だと思っております。
現在、これらに関しては区民との勉強会も始められており、鋭意、研究、検討が進められていると思います。なかなか難しいことでもあり、大変な作業でもありますが、区役所跡地のことも、地元の多くの皆さんが期待し、また、心配されていることでもありますので、ニュースの発行を進めながら、検討情報を地元を含む区民の皆さんに、随時、幅広く周知していただきたいと思います。どうかよろしくお願い申し上げます。
これで、私の一回目の質問を終わります。
○議長(田中寿一 君) 斉藤区長。
〔区長 斉藤 猛君登壇〕
◎区長(斉藤猛 君) ご質問をいただきまして、冒頭に職員に感謝の言葉を伝えていただきまして誠にありがとうございました。そして、質問につきましては、順次お答えをさせていただきます。
一点目でございます。
新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けてということで、
区内事業所への
産業振興施策についてのお尋ねでございます。
ご質問の中でも触れていらっしゃいましたけれども、区内の事業所数二万二百二十八事業所。その中で、そこに従事をされている方が十六万七千九百七十五人。この中の六三%が江戸川区民ということでございまして、十万人を超えている数字でございます。まさに、この
産業振興施策というのは、区民生活に直結すると、こういう数字からも言えるというふうに思っております。
ただ、この数字、先ほど
東京商工会議所の景況のお話もいただきましたけれども、前期と比べまして四三・四%悪化しているという部分が伝えられておりまして、これからも厳しい状況が続くんではないかというふうに考えられるところでございます。
そして、これまでの
産業振興施策についてということでございます。融資の制度、ものづくりの産業等の支援。商店街の振興、これ商品券まつり等。あとは、公衆浴場の振興。農業水産の振興。幾つもの事業、これ、予算額で言えば、約十三億円近い
産業振興施策を行ってきておりますけれども、この辺は、全て白井議員さんが産業振興課長のときに関わっていらっしゃった施策かと思います。それが今なお有効に生き、継続をしているということでございまして、こういったものは、引き続き継続をさせていただきたいというふうに思っております。
そして、社会情勢が刻々と推移をしてまいります。当然その変化に対応した施策というのも、各団体の皆様からお話を聞きながら実行していきたいというふうに思っております。
続きまして、区独自の新たな経済施策ということでございますけれども、こちらは今回の新型コロナウイルスの関係で始めました融資制度。そして、これは運転資金一千万円とともに、家賃や人件費の三百万円の融資、これも併せて行っているところでございます。
また、中小企業向けの助成事業の拡充ということですね。例えば、販路の拡大の支援。あるいは、経営力の向上の助成などの拡充にも努めてまいりました。また、飲食店の支援につきましては、クラウドファンディングの実施の補助。飲食店の宅配サービスの支援の事業。そして、特別定額給付金、一人当たり十万円の、これが振り込まれたら区内で使いましょうというキャンペーンも、ポスター等二種類ほど作って行ってきたところでございますし、支援の内容を紹介したリーフレットの作成。これは全事業所にお配りをしておりますし、学校給食用の小松菜の販売の支援なんかも行ってきたところでございます。こういったものが、全て江戸川区がひとりよがりにということではなく、商工会議所や区商連や工場協会、食品衛生協会、
農業経営者クラブ、あるいは信金の協議会、様々な団体の皆さんからお話をお伺いをして実行してきたものでございます。
このような形の区独自の施策、これからも関係団体の皆さんからいろいろお話を聞かせていただいて、状況を把握をした上で、必要な施策を展開していきたいというふうに思っております。
続きまして、求人を希望する事業所と、職を失った人を仲介する窓口をつくったらどうかというようなお話でございます。
ここのところに来て有効求人倍率は落ちてございます。ただ、一方では、いまだに建設業は五倍を超えておりますし、輸送、機械の運転等は二・四倍ということで、二倍を優に超えております。
ただ、失業率も今、令和二年の四月から六月の平均で三・二%、これは一年前の同時期が二・四%でございましたから、失業者も増えてきております。そういった中でのご質問かなというふうに思うんですけれども、大変有効なご提案だというふうに思っています。
これは事実、介護、福祉事業者につきましては、これはもう長年こういった状態が続いておりまして、これは独自に既に何年か実行してきている部分があって、ここでマッチングが成立する部分もございます。基本的には職業紹介というのは、ハローワークが所管をしておりますけれども、こちらのほうにつきましても、
東京商工会議所もはじめ、関係団体の皆さんと、業界の皆さんとよく協議をして検討させていただきたいというふうに思っております。
続きまして、SNS家庭ルール、情報モラルの育成、
情報モラルインストラクターの導入、登校サポート
ボランティア活用事業、
ステップサポーター制度、不登校の体験、いじめ体験のある方の積極的な活用については、教育長からお答えいたします。
次に、ひきこもりの対策支援ということでございます。お話にも言っていただきました。私どものほうで昨年度、ひきこもりの調査をいたしましたけれども、これは、それぞれ福祉に携わっている方からお伺いをして、六百八十一名の方がいるんじゃないかというような調査結果が出ているんですが、まだまだ少ない。こんな数字じゃないはずだというふうに私自身は思っています。
例えば、内閣府が以前に出しました調査では、一・四五%という数字がございます。これは、ある一定年齢層に区切っているんですけれども、例えば七十万人にその数字を掛ければ、やはり一万人近い方はおいでになるはずなんです。
ただ、なかなかひきこもりというと稼働年齢層を中心に物事が進んでいくんですけれども、これはやっぱり子どもであっても不登校でございますし、高齢者でもひきこもりというのは当然あると思います。ですので、ここのところは、江戸川区では、ぜひ、お子さんから高齢者、熟年者までのひきこもりの対応を何とかしていきたい。不登校は教育委員会、稼働年齢層であれば失業者として取り扱う、高齢者であれば生きがい対策と、窓口がそれぞればらばらに分かれておりましたけれども、見るのは同じ一人でございますので、やっぱり我々の組織も、きちんとこの一つでもって対応することができないか、施策を展開できないかということで、今年の七月にひきこもりの担当係というのをつくらせていただきました。この施策の担当の係によりまして、横断的にというんですが、お一人の方を総合的に見れるような、そういったひきこもりの相談、そこに支援もかかってくると思います。様々な施策もついてくると思うんですが、そういった道筋というか、方向性をしっかりつけたいなというふうに思っているところでございます。
こういったことをこれからも継続的に行っていきたいと思いますし、ご質問にありました専門職の活用、こういったことも視野に入れて、検討を進めていきたいというふうに思っております。
若い段階でのひきこもりということは、将来の生活困窮者につながりますし、生活保護まで至るケースもあると思っていますので、そういった意味も含めまして、どうしてそこにお金をかけるんだという議論も出てくるんですけれども、ただ、トータルで見れば、そういった将来の社会保障経費の削減にも繋がるんだと。経済コストの面からも有効なんだという視点を持って実現を実施をしていきたいというふうに思っております。
続きまして、共生社会を目指す街路樹の計画的な更新をということでございます。今、街路樹、令和二年の四月の段階で、約五万二千本ございます。ただ、私ども一方では、「ゆたかな心 地にみどり」ということで、一人十本を目指して、この五十年間頑張ってまいりました。街路樹にもたくさんの緑があるということは、これは大変素晴らしいことじゃないかと、私自身は思っておりますし、二十一年に作りました街路樹のこの方針の中では、歩行空間の有効幅員二メートル以上確保した上で街路樹をというようなところもございます。道を歩いて行けば、例えば、歩道の中で、車椅子が通れないぐらい、歩道の中に街路樹があって狭くなってしまっている部分がございます。また、幅広い、例えば、双子のベビーカーなんかも通れないだろうなという、狭くなってしまっているところもございます。ですので、そこは順次やはり直していかなきゃいけないというふうに思っております。
今、現在は、道路補修、あるいは様々な占用している、道路を占用している企業の工事のときに、それを併せてやらせていただくということでやってきておりますので、そこは順次、実現をしていきたいというふうに思っております。
また、伐採した樹木につきましては、リサイクルベンチや、公園の園名板等に活用しておりますけれども、今後は学校等との連携も視野に入れて考えていきたいというふうに思っております。
続きまして、二一〇〇年の共生社会に向けた
共生社会ビジョンについてのご質問の中で、例えば、二一〇〇年の計画をつくったときに、八十年の時代の変化を読み込めないんじゃないかということで、これももうごもっともなお話だというふうに思っております。ですので、今回つくる計画の中では、今、予測できる最大限のものを取り入れていきたいというふうに思っております。
ただ、八十年先が読めないのでつくらないということではなく、これは触れさせていただきました将来の子どもたちに負担を先送りするわけにはいかないので、今から八十年後を見据えた計画をぜひつくらせていただきたいと思っているんですけれども、例えば、じゃあ五十年後の社会がどうなるか。ましてや八十年後分からないじゃないかということは、ごもっともだと思います。今まで私どもが計画をつくってくると、例えば二十年ものであっても、その計画は見直しをしてこなかった。もうご存じのとおりだと思います。私は、計画は見直していいんだと思っています。ですので、この八十年間の計画をつくっても、必要に応じた見直しをかけていく、こういったことで軌道修正をやっていくべきだというふうに思っているところでございます。
東京都の未来の東京戦略ビジョンというのが昨年出されておりますけれども、ここでは、今からおよそ百二十年前に予言したことがかなえられているのがかなりあるんだということを言われています。二十三項目のうち、十二項目が実現、五項目が一部実現しているということがここに書かれているんですけれども、例えば携帯電話とか、そういうこともそうですね。ここにはこう書いてあります。「一見、荒唐無稽に思えるアイデアも時と人の叡智と情熱、努力を注ぎ込めば実現につながることを歴史が証明している」、そして、最後にこうも書いてあります。「我々は、今、新しい時代の入口にいる。従来の発想の延長線上では、新しい時代を切り拓くことはできない。大胆で自由な発想で考え果敢に挑戦し続けることが、明るい未来を実現する上で重要である」私もつくるにあたって、こういった前向きな気持ちも持ちながら、作成に取り組んでいければというふうに思っております。
続きまして、
ボランティアやNPOなどとの協働の推進についてというご質問でございます。
有償ボランティアというようなご提案を頂戴いたしましたけれども、今、制度上実現されているのは、介護保険の中で、総合事業というのがあるんですけど、これは、
有償ボランティアをしっかり位置づけを制度上しております。こういったことも既に始まっておりまして、様々な実態がございますので、これは福祉部長のほうからお答えをさせていただきます。
続きまして、NPOの支援と育成などということなんですけれども、NPOにつきましては、社会的な使命を持って、社会貢献活動を行っていただく非営利の団体ということで、自主的な組織だというふうに捉えております。例えば、行政がNPOを何か使うとか、そういうことは私自身の中では、とてもおこがましいかなというふうに思っておりまして、行政がコントロールするとかそういうことではなくて、一緒に共通の目的に向かって努力をしていきましょう。いいパートナーでいていただきたいというふうに考えております。そういった思いを持って、これからもよい関係を築いて、よい社会づくりに努めていければというふうに思っております。
続きまして、企業のCSR活動への啓発ということでございます。
区内では、「エコカンパニーえどがわ」もそうでございますし、例えば、「青少年の翼基金」に毎年寄付をしてくださる京葉鈴木財団。あるいは大塚製薬さんからはこの間、包括連携協定で様々な食品だけではなくて、健康食育の推進、健全育成、飲料水の提供等をいただいています。クボタでは、クボタスピアーズによるラグビー教室の地域振興活動。そしてここは、何よりもと思うんですけれども、チャレンジ・ザ・ドリーム、ここは、区内千六百六社の皆さんが協力をしてくださっている。こういうのもCSR活動かなというふうに思っております。幾つかのこと、社会貢献活動をやってくださっています。
ここも、私自身難しいなと思うのは、CSR活動をぜひやってくださいというのは、なかなか言いがたい部分があるかなというのが本音の部分でございまして、一方では、こういうことではなくて、本業を一生懸命やりますと。本業をやることによって、国際競争力をつけて、日本のために貢献します。もうけが出たら、それは税金でお払いしますと。これも社会貢献活動じゃないかというふうに捉えております。
ですから、これは、それぞれの各社のお考えに沿って、そのことが着実にこの地域社会、地域貢献に繋がるような形の支援を私どもやっていければというふうに思っております。
私のほうからは以上です。
○議長(田中寿一 君) 千葉教育長。
◎教育長(千葉孝 君) それでは、私のほうから教育に関連したことにつきましてお答えをさせていただきます。
まず、子どもの情報モラルという点でありますけれども、SNS家庭ルールということであります。議員、お話がありましたとおり、一軒でも多くの家庭にSNS家庭ルールがあることが重要だということ。まさに、そのとおりであるというふうに私も思っております。SNSにつきましては、大変使いやすくて便利で、人とのコミュニケーション、コミュニティを円滑にするなど、大変優れたツールであるというふうに思っております。
ただ、その一方では、SNSを使って発言したことが、本人の意図を超えて攻撃的に伝わったり、また、何げなく投稿した写真が、本人の思いもよらない広い範囲に出回ってしまう。もうどうすることもできなくなるということも起きております。自分自身の生活や将来に影響が出てしまう、そういったところが、また、SNSの怖いところでもあるというふうに思っております。
新型コロナウイルスによりまして、三月に及ぶ長い休校がありました。その間、不用意なSNSの使用によるトラブルが生じないか、大変危惧をしていたところであります。
授業が再開したとき、そして、二学期が始まったときには、SNSの利用についての指導、特に、家庭ルールの作成、啓発を全校でお願いする、そういった生活指導上の通知を出したところでもあります。
また、今、現在、各学校で作成するルールにつきましても、今、学校で作成しているのは約四分の三の学校で作成がされております。これにつきましては、早期に、全校で作成がなされているということを目指してまいりたいというふうに思っております。引き続き、この辺につきましては、充実、そして徹底を図ってまいりたいというふうに思っております。
続きまして、情報モラル等の出前講座、そして、インストラクターのということでありますけれども、今、申しましたSNSを起因とするトラブルの未然防止に向けましては、専門家である外部人材の方からお話を伺うということは、大変これは有意義なことであるというふうに思います。
先般、私も、不用意なSNSの使用の怖さ、そして、情報モラルの重要なことであるところにつきまして、ある専門家の方から、お話を伺う機会がございました。全国ICTカウンセラー協会の方でいらっしゃって、国の機関にも多く関わっていらっしゃる方でありました。その方の話では、一時はやったんですけども、コンビニですとか飲食店の中で、冷蔵庫の中に入ったり、また、食品を不衛生に扱う、そういった映像をSNSに投稿した事例、そういったものを紹介しながら、面白半分で投稿した映像が、本人の予想を超えてあっという間に拡散をすると。後で後悔して消そうとしても消すことはできず、そのまま拡散し続けるということが起こる。そのうち本人が特定されて、誹謗中傷にさらされることになる。さらには、時間が解決してくれるというふうに思っても、そういったことはないと。その方が、その後、成長して、就職をしようと思っても、そのとき面接官から過去の投稿について触れられて就職がかなわないと、そういったこともある。まさに、そういった不用意なことが一生ついて回るということにもなるということ、そういったお話を紹介されました。
その方、数多くの事例に直接関わっていらっしゃいます。その講演は、非常に迫力があって、恐ろしさに背中が寒くなるような感じがいたしました。ぜひ、そういったお話、区内の学校、子ども、そして教師、そして保護者の方にも聞いていただきたいな、お話をしていただきたいというふうに思っておりましたけれども、ちょうどこの新型コロナウイルス感染ということがありまして、なかなかかなわない状況にあります。このSNSトラブルは、他人事ではなく、自分事であると、そういった当事者意識を持つことがこれは重要であるというふうに思っております。
今、学校で何をしているかと言いますと、セーフティー教室、これは、多くの学校で開催をしております。そこでは、警察やNPO法人、そして企業などの協力を得まして、情報モラルについて学ぶ機会を設けているところであります。今後、どういったやり方が非常に有効なのか、情報モラルについて学ぶ機会を増やすとともに、地域にまた有効な有用な方がいらっしゃれば、ご協力いただきたいというふうに思っております。ぜひ、この辺につきましては、さらに研究を続けてまいりたいというふうに思います。
続いて、不登校対策についてであります。
まず、
ステップサポーター制度の拡充をということであります。平成三十年度の不登校児童・生徒数でありますけれども、お話がありましたように、残念ながら増加ということ、増えてしまったということであります。
ステップサポーターにつきましては、登校時の支援だけではなく、登校はできても教室に入れない子ども、その子と話し相手となったり、また、学習を見守ってくれたりと、幅広く対応していただける方でありまして、不登校児童・生徒との信頼関係を築きながら、子どもに寄り添っていただける方であります。そういった方がいらっしゃるということが、不登校予防、そして解消への効果が大変大きいというふうに考えております。
今、活動回数は年々増加をしております。大変需要は高いので、学校からの要請に対応できるよう、これは登録者の拡充に努めてまいりたいというふうに思っております。
さらに、不登校体験やいじめ体験を持つ方の活用をという話でありますが、私も先日、ある方から紹介をされたんですけれども、自分がご自身が、若い頃に薬物に手を出して刑務所暮らしの経験もしたという方です。その方は、その後、自分の生活を反省して、何か人の役に立ちたいと。そして、未来ある子どもたちのために、薬物の怖さを伝える講演、そして、相談をしていきたいんだという、そういった申し出をしていただいた方がいらっしゃいます。こういった考え方は、大変高い志であり、非常に素晴らしい話だというふうに思いました。
ただ、これもやはりそのときは、コロナの状況がありましたものですから、学校での講演が難しかったということはあります。ぜひ、どこかで講演するときには、私もぜひ聞かせてくださいということで約束をしているところであります。議員がおっしゃったとおり、その人の体験に即した話を聞くということは、子どもにとって大変有意義と思います。
また、一方、現実問題として、そういう方がどこにいらっしゃって、どういうふうに引き受けていただけるのか、そういう方を探し出すというのも、また非常に難しいということであるなというふうに思っております。今後、そういったお話、申し出があれば、ぜひ、ぜひ検討してまいりたいというふうに思います。
以上でございます。
○議長(田中寿一 君) 森福祉部長。
◎福祉部長(森淳子 君) より多くの方に
ボランティアとして活躍いただけるようにマッチングするために、
有償ボランティアの研究と、その一層の活用をというお話でございますけれども、私ども今年度、熟年しあわせ計画と介護保険計画の策定をしておりますが、その基礎調査の中で、今後、充実すべきと思う熟年者施策第二位が、熟年者の就労や社会参加の支援ということでございます。五五・六%の方がこのようにおっしゃっております。
私どもも、地域共生社会の実現のため、それから、また、熟年者などへの生きがい対策として
ボランティア活動は大変重要なことだというふうに思っております。これまでも、地域力を活かして
ボランティア活動を中心に、必要に応じて
有償ボランティアも活用してきました。
先ほど、区長が申し上げました介護保険における総合事業もそうですし、江戸川区固有の事業であるリズム運動指導員、ふれあい訪問員、これらも
有償ボランティアでございます。やはり役割を持つことが生きがいに大変つながるというふうに思っております。
ボランティア、有償、無償限らず、それから、就労も含めて、より多くの方がいろいろ選択できる活動をこれからも引き続き研究してまいりたいと思っております。
○議長(田中寿一 君) 白井正三郎君。
◆八番(白井正三郎 君) 今、区長、教育長、それから福祉部長にも丁寧にお答えいただきまして、ありがとうございました。
区の課題は、本当に山積していると思いますが、今回は、新型コロナウイルス感染の拡大も受けていることも含めて、昨年もお聞きしましたが、ことも含めてお聞かせいただきました。
それで、コロナ対策等々、去年お聞きして、今年大分進まれていることもあろうかというふうに思って、感謝申し上げたいと思っております。感想だけなんですが、私が議員になって一年半ですが、それで一番住民の方から言われているのは、実は樹木の話なんです。樹木が大きくなり過ぎてというお話をかなり聞きます。ですから、今回、そんな裏づけの下にお話をさせていただいたんですが、二十一年に計画つくっていることもありましたので、前へ進めていただければありがたいと思います。
それから、
共生社会ビジョンは、よく分かりました。そういうお考えだったんですよね。ですから、かといっても、直されるということですが、元になるものがあろうと思いますので、どうぞそれは、未来のことも予測しながら、つくられていけばというふうに思っていますので、よろしくお願いいたします。
それから、
ボランティア、NPOなんですが、これ、私も介護保険の今、委員をやっておりまして、そこでも出ているのですが、寄り添い方をどうするか。行政として、どのように寄り添うかというのが、今後の検討事項のような話が出ております。なかなかそこでも答えは出ません。昔だったらお金を出せばいいとか、何してあげればいいと出るんですけど、今度、違うよねというのがあるんですが、じゃあ、行政が寄り添わなくていいかというと、それも違うんじゃないかということで、寄り添い方をどのように考えていくかというのは、非常に難しいと思うんですが、そんなことが出ておりますので、今回お聞きいたしましたので、よくご検討いただければと思っております。
最後に、CSRは、そういうことだと思っております。企業が自分の会社をよくする。私、あるロータリークラブに入っているんですが、そこでは、CSRのことを非常に勉強なさって言っていることもあるので、あえて区としても、今、区長がお話になったのを幹部職員みんな聞いていると思うんですが、そういうことも含めてCSRなんだということも含めて、これはちょっとあえてお聞きしたところがありますので、よろしくお願いできればと思っております。
区民の幸せのために私も、ちょっとでも役立てばと思って質問、提案させていただいたので、どうぞよろしく検討いただいて、前向きに進んでいただければと思います。ありがとうございました。
○議長(田中寿一 君) 次に、三十九番、川瀬泰徳君。
〔三十九番 川瀬泰徳君登壇〕
◆三十九番(川瀬泰徳 君) 私は、令和二年第三回定例会にあたり、当面する諸課題について質問をいたします。
昨日と一部重複する内容もありますが、通告に従い、質問をさせていただきます。
区長並びに教育長の誠意ある前向きな答弁を期待するものであります。
最初に新型コロナウイルス感染症への差別や偏見、いじめ等の防止について、お伺いいたします。
感染症である新型コロナウイルスに罹患した方への差別や偏見、いじめ等が残念ながら全国各地で起きています。感染症については、過去のハンセン病患者、HIV感染者、エイズ患者も、その治療薬がないことにより、恐怖や差別が更にエスカレートし、人権が侵害されてきた歴史は、二度と繰り返してはいけない。にもかかわらず、新型コロナウイルス感染症の流行が続く現在、感染者のみならず、治療にあたる医療従事者やその家族までも、差別やいじめの報道が続いています。
部活動でクラスターが発生した他県の高校では「日本から出て行け」との誹謗中傷の電話や偏見に満ちたツイッターが数多く投稿されました。自粛要請の長期化により、市民が市民を監視して、不要不急の外出をする人や営業を自粛しない店を攻撃する自粛警察を初め、警察と名乗るには甚だ疑問がある行き過ぎた正義による排他的な風潮、そして、コロナ禍による経済不況もあり、国民の間でも分断が生じています。
翻って、本区に目を転じれば、新型コロナウイルスの感染が増える中、小中学校や幼稚園・保育園、飲食店や医療機関等でも拡大しており、これから冬にかけてはさらなる感染拡大も懸念されます。
また、区内最大のお祭りである区民まつりをはじめ、花火大会等も中止となり、区民にも先の見えない閉塞感や不安感が漂っていることは否めません。
政府の専門家会議の要として、国内の対策の一員である川崎市健康安全研究所の岡部信彦所長は、現在の状況に対し、正しい情報を見極め「正しく恐れる」の「正しい」が抜け、いつまでも「恐れる」ことになってはいないかと指摘した上で、お互いの絆を育む地域ネットワークの重要性を訴えています。
そこで、区長にお伺いいたします。本区では斉藤区長が区のホームページ等で、区民にメッセージを訴えるとともに、区長を先頭に職員が一丸となって様々な対策を講じ、区民の理解と協力を得ながら取り組んでいることは高く評価をしているところであります。
その上で、区長が掲げる「誰もが安心して自分らしく暮らせるまち」とするために、新型コロナウイルスに感染した方々等への差別や偏見がないよう、区としてどの様に取り組んでいかれるのか。区長のご所見をお伺いいたします。
続いて、教育長にお伺いいたします。子どもたちは、新型コロナウイルスの感染や感染によるコロナいじめへの恐怖、緊急事態宣言や一斉休校などによる生活へのストレス、保護者の家計への影響による不安、部活動の大会や学校行事の中止等、現在に至るまで心身に多くのダメージを受けています。更に、子どもたちは、感染による差別や偏見、いじめ等がいつ自分に降りかかるかとの不安や恐怖の中にいます。そのような中、文部科学省は「差別・偏見の防止に向けて」と題する異例の大臣メッセージを発しています。
そこで、教育委員会として区立小中学校における差別や偏見、いじめ等についての実態と、その対策についてどの様に進めていかれるのか、教育長のご所見をお伺いいたします。
次に、「軽度外傷性脳損傷」(MTBI)の予防施策についてお伺いいたします。
軽度外傷性脳損傷の主な原因は、交通事故をはじめ、スポーツの最中の突発的なけが、高所からの転落、転倒などで頭を打ったり、乳幼児が前後左右に激しく揺さぶられたりすると、脳に衝撃が伝わり、脳損傷が起こることがあります。また、衝撃を受けた直後には目立った症状がなくても、時間の経過とともに重篤な状況となる場合があり、これが軽度外傷性脳損傷という病気であります。
二〇〇七年、WHO、世界保健機関の報告によれば、毎年、人口十万人当たり百五十人から三百人が外傷性脳損傷を発症しており、その中で約九割が軽度外傷性脳損傷(MTBI)と呼ばれています。さらにその約一割が重症化・慢性化する場合もあり、車椅子や寝たきりの生活を生涯強いられるなど、日常生活に重大な支障を来すケースも少なくありません。
具体的な症状は、てんかん発作のほか、記憶力、理解力、注意・集中力などの低下や情緒障がい、手足など四肢のまひ、視覚や聴覚、味覚の障がいなど多岐にわたります。
MTBIについて江戸川区議会では、平成二十五年第二回定例会で「軽度外傷性脳損傷に関わる労災認定基準の改正と教育機関への啓発・周知を求める意見書」が採択され、内閣総理大臣、文部科学大臣、厚生労働大臣宛に意見書を提出いたしました。
その後、平成二十七年第三回定例会で、我が会派の同僚議員がこのMTBIについての質問を行い、区民に対して広く周知を行うよう要望をいたしました。
その結果、軽度外傷性脳損傷についての啓発チラシが平成二十九年四月に作成され、区内八か所の健康サポートセンターに置かれたことは高く評価をいたします。
しかしながら、軽度外傷性脳損傷(MTBI)は、私たちの普段の生活の中で、誰でも起こり得るため、知識と予防が大変に重要となります。したがって、MTBIの周知は一歩前進しましたが、これで十分とは言えず、さらなる周知、啓発が必要であります。
そこで、現在のチラシの内容を更に充実させ、チラシの学校配布や子育て中のお母さんたちや、様々なスポーツに取り組む小中学生をはじめ、スポーツ施設等の利用者などへも広くPRし、予防に努めていただくことが極めて重要と考えます。
そこで、軽度外傷性脳損傷(MTBI)の予防に向けたさらなる取組みについて、区長のご所見をお伺いいたします。
次に、本区の公共交通の今後についてお伺いいたします。
最近、モビリティ革命という言葉をよく耳にするようになり、自動車産業界では百年に一度の変革期であると言われています。
二〇一六年、北欧のフィンランドで生まれた「モビリティ・アズ・ア・サービス」、略してMaaS(マース)は、もともと化石燃料に依存しない次世代の持続可能な交通社会を目指すビジョンのもとに生まれました。このマースは単に交通手段を提供するものではなく、鉄道やバス、マイカーや自転車などの従来の交通手段にカーシェアリングや配車サービスなどの新しい交通サービスを全て統合して、
スマートフォンのアプリを通してルート検索から予約、決済まで一括して提供し、シームレスでストレスのない移動を可能とするサービスであります。
日本政府も二〇一八年六月に閣議決定した「未来投資戦略二〇一八」の中で、マースの実現について触れており、静岡市は昨年からマースの実装に向けた取組みを展開しています。
また、民間では、トヨタ自動車が実際に人が住み、生活を送るリアルな環境のもと、自動運転、マース、パーソナルモビリティ、ロボット、スマートホーム技術、人工知能(AI)技術などを導入し、あらゆるモノやサービスが繋がる実証都市「コネクティッド・シティ」を二〇二一年初頭より、静岡県裾野市に着工するとしています。
このような新たな動きが出てきている中、本区が今後進めようとしているコミュニティ交通及び公共交通全体について、三点お伺いいたします。
一点目は、今後IOTや5Gも含めて技術革新が進み、さらに日本でもマースのような新たな交通サービスが誕生することが考えられます。これらは都市計画、街づくりと切っても切れない密接な関係にあり、近い将来は更に重要になると考えます。
折しも本区は、新庁舎建設をはじめ、大型公共施設の再編、また、電子自治体化に向けた取組みが更に本格的に進められて行くことから、公共交通の再編については、どの様に考えておられるのか、区長のご所見をお伺いいたします。
二点目は、まさに喫緊の課題であります本区内のコミュニティ交通の充実について、深刻な運転手不足のバス事業者に代わり、タクシー事業者を協力相手のメインとする中、区内の公共施設間を循環するなどのコミュニティ交通の一日も早い導入が望まれるところでありますが、今般のコロナ禍の影響を鑑み、検討は滞っていないか。今後どのように進めようとされているのか。区長のご所見をお伺いいたします。
三点目は、タクシー事業者によるコミュニティ交通以外にも、地域によっては自動運転バスの導入も視野に入れて検討をすべきと考えますが、区長のご所見をお伺いいたします。
次に、電線地中化に伴い設置された歩道の路上変圧器の活用についてお伺いいたします。
昭和六十一年、国土交通省が策定した「電線類の地中化計画」により電線を地下に埋める「電線地中化」が進められています。世界の主要都市であるロンドン・パリ・香港・シンガポールなどは無電柱化が一〇〇%達成されています。
東京都は都市防災機能の強化、安全で快適な歩行空間の確保、良好な都市景観の創出を図るために無電柱化を推進しています。現在、東京二十三区の無電柱化率はまだ八%、本区においても五・六%となっています。無電柱化が実施されると、地震や台風などの災害時に電柱が倒れたり、電線が切れたりするなどの危険がなくなり、歩行者の安全と快適な歩行空間の確保や景観がよくなるなど、区民生活向上のためにこれは重要な施策であります。
今年度においても、今井街道の電線地中化工事が推進されています。そこで、ひとつ提案があります。従来は電柱の上に設置されていた変圧器は、電線を地下に埋めることに伴い、地上の道路脇に数十メートル間隔で設置されたボックスに収めるようになります。電線の地中化に伴うこの路上変圧器は必要なものでありますが、このボックスの設置によって、これまで街を歩く皆さんのために電柱には様々な情報が掲示されていました。これが全てなくなります。また、電線や電柱がなくなり、街の景観を楽しもうとする区民にとっては、このボックスの存在は「歩道の異物」と言わざるを得ません。であるならば、街の景観のために、街を歩く区民の皆さん等のためにも、この路上変圧器ボックスの活用を改めて考えるべきだと思います。
他の自治体では、駅付近の路上変圧器に液晶ディスプレイ等を取り付けて、地図やイベントや災害時の避難場所などを伝える情報発信のために、このボックスを活用している例もあります。また、景観に合わせたカラーリングや街のイメージに合ったイラストなどを掲示してはどうかと提案をいたします。区長のご所見をお伺いいたします。
最後に、東部地域の諸課題についてであります。
私は、平成二十八年第一回定例会で、今井児童交通公園の移転をはじめとする東部地域の諸課題について質問をいたしました。この質問に対する区長答弁は、江戸川二丁目に新交通公園を設置し、今井児童交通公園は、防災船着き場を備えた防災公園にする。さらに、アイススケート場を通年化し、都営東篠崎団地の建て替え後の場所に正式タイムが取れる五十メートルの温水プールをつくりたいという夢と希望に満ちた答弁でありました。この時から四年が経過し、平成三十一年四月に、東部交通公園が開園し、毎日大勢の子どもたちに親しまれ利用されています。また、東篠崎の都有地の活用やスポーツランドの今後、くつろぎの家の今後等については、「東部地域を本区の一大スポーツ拠点に」との構想として鋭意検討がなされているところであります。
この東部地域において今、喫緊の課題として位置付けられている課題が二つあります。一つは、旧今井児童交通公園の跡地に整備される予定の防災公園であり、もう一つは、長年の課題である補助一四三号線の都県橋であります。
まず、江戸川四丁目地区防災公園整備、すなわち今井地域の防災公園整備についてお伺いをいたします。
この地域は、東京都のスーパー堤防の予定地であります。このスーパー堤防工事の進捗に相まって防災公園づくりがなされます。また、ここには都営江戸川四丁目アパートの跡地があり、この跡地の取得についても重要な課題の一つであります。さらに、この防災公園の重要な場所である防災船着き場の整備という課題もあります。
そこで、区長に四点お伺いをいたします。
一点目は、旧今井児童交通公園の撤去工事の見通しと江戸川四丁目都営アパートの跡地の取得についてどのようにされるのか。
二点目は、東京都のスーパー堤防工事については、どのような計画になっているのか、どのようなスケジュールなのか。
三点目は、都のスーパー堤防工事の進捗に関係すると考えますが、この江戸川四丁目地区防災公園整備について、本区としての整備計画の概要、スケジュールをお示しください。
四点目は、これは要望でありますが、地元の今井町会の役員の皆さんと懇談すると、この防災公園について幾つかの要望があります。その一つは、町名として今井という町名はありませんが、この今井地域は、室町時代から行徳街道の交通の要衝の地として栄えた地域であり、「今井」という名前はぜひ残してほしいという要望がありました。
そこで、江戸川四丁目地区防災公園整備にあたっては、今井町会をはじめ、地元地域の皆さんに事前の説明会等を開催していただき、地元の要望や意見を十分に取り入れていただきたくお願いする次第であります。
次に、東部地域、長年の悲願であります補助一四三号線・柴又街道と市川市行徳を結ぶ都県橋についてであります。
都市計画道路補助一四三号線の都市計画告示は昭和四十一年七月であります。東京都側取付道路整備事業が平成二十五年に完成しましたが、都市計画告示から約五十年が経過する中、いまだ対岸である千葉県市川市を結ぶ都県橋は完成しておりません。東部地域の区民も旧江戸川の手前まで道路が完成しているのにと地団駄を踏む方も多くいます。
喫緊の課題である柴又街道・補助一四三号線と、市川市行徳を結ぶこの都県橋は、災害対策の面からは、江戸川区と市川市の緊急避難路や物資の輸送路として大変に重要であります。さらに、この都県橋は千葉と東京を結ぶ交通環境の充実や東部地域が今後、一大スポーツ拠点として整備されると、江戸川区と市川市の地域間交流の活性化や両地域のさらなる発展に大きく寄与するものと確信をいたします。
東京都は、平成三十年一月に「二〇二〇年に向けた実行プラン」を発表し、二〇二〇年度、事業化に向けた地元説明会を行い、二〇二二年に事業化するとしています。
また、千葉県は平成二十八年に「都市計画区域マスタープラン」で補助一四三号線の橋梁は、概ね十年以内に整備の予定と決定しております。
令和元年一定の私の都県橋についての質問に斉藤区長は「東京都も江戸川区も市川市も積極的であるのに事が進まないのは、千葉県の財政事情か」と答弁されました。そこで、区長にお伺いいたします。
東京都の地元説明会は今年度となっていますが、いまだ都県橋の状況は変わっていないのでしょうか。全く進展はないのでしょうか。東京都は進展がない状況で地元説明会をするということなのでしょうか。
東部地域の悲願とも言える補助一四三号線の都県橋の今後について、区長のご所見をお伺いいたします。
以上で、第一回目の質問を終わります。
○議長(田中寿一 君) 斉藤区長。
〔区長 斉藤 猛君登壇〕
◎区長(斉藤猛 君) ご質問の中で、区政に対する評価もいただきまして、誠にありがとうございます。
まず、一問目でございますけれども、新型コロナウイルス感染症への差別と偏見についてのご質問でございます。
今朝のNHKニュースの中でも、ある地域で、子どもたちがこのコロナによって、いじめを受けているというような報道もされていました。この話題はもう以前から出ているんですけれども、なお、今日でもこういったようなニュースが出るということは、まだまだこういった実態、避けて通れないのかなというふうに思っているところでございます。
言うまでもなく、感染者や、例えば、医療従事者の皆さんへの差別や中傷というのは、これは絶対に許されてはいけないというふうに思っております。私どもも、これまで適切に感染状況を公表してきました。保育園、幼稚園、学校名も出しています。会社名も出しています。二十三区の中でも、こういったものを出していない自治体もあります。でも、こういったものを出そうとした理由の一つの中には、やはり風評被害だとか、そういったいじめだとか、そういったことがないように、憶測がないように、正しい情報はしっかり出していこうというような考えを持ってきた部分がございます。
そして、医療従事者の皆さんに対しても、様々な声があったというような声を聞いたときに、そういった差別や偏見を逆に応援に変えていこう、エールに変えていこう、そういったことで、医療従事者の皆さんへの応援事業も始めたといった部分がございました。本当に、こちらについては、区民の皆さんから多くの応援のメッセージ、また、ご寄付をいただいたところでございます。
今後も、これまでの取組みはしっかりやっていく。正しい情報をしっかりお伝えすること。そして、こういうようないじめとか差別、偏見があったときは、我々も対応していかなきゃいけないと思っています。ですので、こういったものに対してのアンテナというのはしっかり張っていきたいと思っていますし、そういったものに対する対応もしていかなければいけない、そういうふうに思っているところでございます。
萩生田文部科学大臣、お子さんに向けてメッセージを出しましたけれども、これは決して、お子さんに向けてだけではないというふうに思っております。読ませていただきますけれども、「感染した人が悪いのではありません。早く治るように励まし、治って戻ってきたときには温かく迎えてほしい」これは全くそのとおりだと思っていますし、これはオール江戸川として、こういった考えでいきたい。いっていただきたい。そういうふうな考えをみんなで持っていきたい。そういうふうに思っているところでございます。
二点目の小中学校の取組みにつきましては、教育長からお答えをいたします。
続きまして、軽度外傷性脳損傷につきましては、これは、ちょっと医学的な見地からお答えしたほうがいいと思いますので、保健所長からお答えをさせていただきます。
続きまして、マースのご質問でございます。マースのご質問については、これからは、やはりこういった技術革新による社会の変化というのは、我々もしっかり受け止めて、それを江戸川区の中でも実践をしていく。実行していく。そういったことをやっていかなければいけないというふうに思っております。
そうすると、じゃあ、この辺の議論をどうやって進めていくんだということになってくると思うんですけれども、私どもの中で、地域公共交通活性化協議会というのがございます。今までは、南北交通の導入、あるいは、地域公共交通計画の検討等してきていただいているんですが、このメンバー三十人おいでになりまして、学識経験者や関東運輸局、東京都や警視庁、交通事業者、町会や商店街、そういった様々な方が入った場所です。ぜひ、こういった場で、このマースを議題に挙げて検討していただきたい。そして、これを多角的な視点から、私どもの将来を見据えた街づくりに活かしていければというふうに思っております。
続きまして、コミュニティ交通の検討状況と今後の進め方ということでございます。そして、自動運転バスの導入というご質問でございますけれども、コミュニティ交通の実現に向けた検討につきましては、まずは、昨年度行ったところが、徒歩五分圏内、バス停から徒歩五分圏外ですね。歩いて五分でバス停に行ける方よりも、行けない方たちがどれぐらいいるかということで、そういう地域がどれぐらいあるかということで調べてまいりました。江戸川区に三十か所ございましたけれども、その中で、モデルケースを決めて、このコミュニティ交通を導入していきたいというふうに思っております。昨年度の検討の中では、やはりバス事業者の皆さんは、もう人手不足でできないという、はっきりしたご意見もお伺いしていますので、タクシー事業者の皆さんとお話を進めているところでございます。
今年度の検討内容なんですけれども、まずは、先ほどお話ししました三十地区の中からモデル地区をまず一つ選ばせていただく。これは、今の上一色の周辺ということで選定をしていきたいというふうに思っておりますけれども、その上で、タクシー事業者の皆さんと実現の可能性を協議をしているところでございます。当然、地区内での需要、これも図らなければいけません。採算が取れなければ、これもう最初だけですぐ終わってしまうと思いますから、そういったことも今年度やっておりまして、このペースでいけば、早ければ来年、遅くても再来年度には、実験が実証実験ですね。ここで正式に始まるということではなくて、実証実験ができるのではないかなというような予定で今、物事を進めてるということでございます。
自動運転バスにつきましては、幾つかの団体で実証実験をやっているということも承知をしておりますけれども、こういった技術革新が進む中で、自動運転バスも含めましたよりよい交通システムの導入を引き続き検討してまいりたいというふうに思っております。
続きまして、歩道に設置されている路上変圧ボックスの活用ということで、今、ご質問の中で歩道の異物ということで、はっきり言ってくださったんですけれども、ここは異物にならないように、私どもも何とか、今井街道のしらさぎ通りも見ていただければ、ここは通りの名前のとおり、白鷺の絵をここに描かせていただいたり、金魚だったり、地域の過去の様子を描いた絵を描いたり、様々な形で、地域のイメージアップにも、そして繋がるようなこの取組みをしているところでございます。
全国的に見ていくと、デジタルサイネージというのもやっているところもあるんですが、これはやはり、国が直轄でやっているんですけれども、経費も九百万ぐらいかかってしまうということで、これを多く設置するというのは、ちょっと現実的ではないかなというふうに思っておりますので、これからはといいますか、商店街や地域の皆さんと、よくお話をさせていただいて、ただ、これは東京電力の持ち物でございますので、東京電力ともお話をしながら、ここに有益な情報を掲載するなどの活用を引き続きやっていきたいというふうに思っております。今後、進める今井街道の地中化、ここにおきましても、地域への情報発信などに活用していきたいというふうに思っております。
続きまして、江戸川四丁目地区の防災公園の整備について、四つのご質問がございました。
まず、一つ目、旧今井児童交通公園の撤去工事の見通しと、江戸川四丁目都営アパート跡地の取得についてでございます。こちらにつきましては、既存の公園の施設、これは、撤去工事は今年度中に実施をする予定でございます。都住の跡地の用地は、今年度取得予定でございます。
二点目、東京都のスーパー堤防工事の計画とスケジュールについてです。こちらは、東京都の盛土の工事は、今年度、設計を行いまして、令和三年度より着手の予定です。
三点目です。防災公園整備計画の概要とスケジュールについて。こちらにつきましては、東京都の盛土工事の進捗状況を踏まえまして、区の防災公園の整備工事に着手の予定でございます。
区内千人とも言われる不登校児童・生徒の中にもこうした気質を持った子がいる可能性を思えば、その改善にもつながると考えます。
一般的に、甘やかしやわがままなどの言葉で理解されずに見逃されがちですが、本人にとっては、生まれながらに持ち合わせた気質により、日々精神的につらい思いをしながら過ごしていることかと思います。
学校現場において敏感な子(HSC)の存在の周知と、そうした子たちとの関わりについて教育長のご所見をお伺いいたします。
以上で第一回目の質問を終わります。
○副議長(関根麻美子 君) 斉藤区長。
〔区長 斉藤 猛君登壇〕
◎区長(斉藤猛 君) お答えしてまいります。
一点目、たばこについてでございます。屋外の喫煙所の設置についての所見ということでございますけれども、平井の駅前に設置をいたしまして、早二か月近くが過ぎました。ここの検証をちょっと数字でお話をしたいんですけれども、この設置前は、この場所で一日当たり千三百人から千四百人の方がたばこを吸っていた。これがこの場所では、できて二か月なんですけれども、一日平均で千人になった、そして一年前は一人あたり三分三十秒そこに滞在をしていた。それが、このできてからは二分二十秒になったという部分でございます。そして受動喫煙の、要は煙の苦情というのは、区のほうに来なくなりました。こういったことを考えれば、一定の成果が出ているのかなというふうに思っております。ただ、もしかしたら、これはコロナの影響なのかもしれないという部分がございますので、この検証というのは、引き続きやっていかなければならないなというふうに思っておるところでございます。
そして、今後の設置ということのご質問につきましては、こういった検証結果を見て、順次広げていきたいというふうに思っております。
そして、実効性あるものとするにはということでございますけれども、ここでは朝夕、啓発員を配置しております。そこで個々に注意をしていくということなんですけれども、もちろん反発される方もおりますけれども、啓発員が粘り強くこのお話をさせていただいている。また、重点区域周知看板の設置をしている。路面シートも行っている。広報えどがわ、ホームページでPRもしておりますし、この屋内の喫煙所内での禁煙の支援のポスター、また、あとこれは時限設置ですよというような掲示もさせていただいているということでございます。
こういったもの、先ほども検証していくというお話をいたしましたけれども、こういったこの取組みと同時にこの検証というのは大事だと思っておりますので、こういったことを見定めながら、今後の受動喫煙の防止対策に生かしていきたいというふうに思っております。
昨日なんですけれども、広報課長のところに手紙が来ました。私宛ての手紙ということで、広報を通じて来ました。小岩の駅前でいつも吸い殻を、ごみを拾っている方がいます。それは金井議員ですというお手紙で、そのお手紙の中には、金井議員に対する感謝の気持ちがつづられておりましたので、今日こういうご質問をいただきましたので、金井議員はそういうお話を知らないと思いますけれども、紹介をさせていただきます。ありがとうございます。
続きまして、生産緑地についてのご質問でございます。
一点目、農地の現状確認について、どのように調査し、指導しているかということです。
まず、この点につきましては、この農地法などに基づきまして、年に一回ですけれども、農業委員による農地の利用状況調査を行っております。そして管理不十分な農地には、地権者に直接指導を行っているところでございます。庁内でこの農地の状況の情報共有を図りまして、区としても地権者に管理不十分な農地につきましては、適正管理の申入れを行っているところでございます。
二点目のご質問です。
不耕作で環境悪化となる場所の特定生産緑地の指定の適否についてということでございますけれども、これは特定生産緑地の指定申請があった農地、これは現地を確認をいたしまして、適否の判断を行ってまいります。そして、この指定に当たりましては、事前に都市計画審議会への意見聴取が義務化をされておりますので、ご質問の中にありました、不耕作等の管理不十分となるものは除いて、適正に管理されている農地のみの指定を行ってまいります。
HSCにつきましては、教育長からお答えをいたします。
○副議長(関根麻美子 君) 千葉教育長。
◎教育長(千葉孝 君) それでは、私のほうから敏感な子(HSC)ということであります。
私は、先日あるテレビ番組でこのHSCについて取り上げられていましたので、それを見ました。その番組の中では、取材を受けていた子ども、中学生だったんですけれども、他人の悲しみや苦しみなどの感情に非常に強く共感して、自分のことのように受け止めてしまうということで、毎日ひどく疲れてしまって、教室に入ることもできないという、そういった子どもでした。最初は家族にもなかなか理解をしてもらえず、どんどん自分を追い込んでしまって、自分の居場所がもうどこにもなくなってしまうということになっていました。その番組の中では同じ悩みを持つ子どもが、HSCを研究している先生の元に集められて、様々な活動を通じた指導によって少しずつ気持ちがほぐれていくというものでありました。
議員の質問の中でもありましたHSCという、こういう名前がついたのは二十年前かもしれませんけれども、感受性が非常に強い子というのは、昔からいたように思います。周囲から理解されず、その子は非常に苦しんでいたんだろうというふうに思います。
今、教室にはいろいろな子どもがいます。教員はそれぞれの子どもたちの持つ様々な個性を一人ずつきめ細やかに把握をして、その子どもに応じた対応をするということが求められます。事実そのように対応しているというふうにも思っております。自分でも悩んでいる子どもに対して軽率に、気にし過ぎだとか、神経質だとか、そういった言葉でくくってしまうのではなくて、HSCの実態をよく理解して、その上で適切な指導に当たるということは、これは大切なことだというふうに思っております。
ですから、このHSCで悩んでいる子どもの存在について、しっかり教育現場で共有をして、一人ひとり違う子どもたちを全て大切にするんだという、そういった観点に立った指導に努めるよう、私たちとしてもしっかりと周知をしていくとともに、状況に応じてスクールカウンセラーなどが適切に関われるような支援はしてまいりたいというふうに思っております。
以上です。
○副議長(関根麻美子 君) 金井しげる君。
◆二十二番(金井しげる 君) それぞれにご答弁いただきまして、ありがとうございます。
時間があまりありませんので、この後、控えております決算特別委員会でまたご議論させていただければと思いますけれども、少しだけ意見を述べさせていただきたいと思います。
たばこに関してですが、いろいろ喫煙所の設置ということに関して賛否はあると思うんですが、私は声かけしやすい環境になるという部分では、大賛成です。ただ、やっぱりそれがしっかり定着をしてくれないと、せっかく設置してもということにもなると思います。三年ぐらいをめどで撤去するという話をお伺いしておりますので、その期間でやっぱりしっかり愛煙家の方にはマナーのある対応、撤去された後もしていただくように、しっかり取組みをしていっていただければなというふうに思います。
生産緑地に関しましても、一定のルール、決まりの中で、たばこに関してもそうだと、全てそうだと思うんですが、そうした中で、ほとんどの人が守られているという中で、そうじゃない人が出てくると、やっぱりしらけちゃうという部分が出てくると思うので、そうしたことがないような、しっかりとした対応を引き続きよろしくお願いします。
HSCに関してなんですが、ぜひ学校教育現場のみならず、区民全体広く周知をしていただいて、こういう生まれながらの気質として病気じゃない、障害でもない、そういう気質があるということを知っていただくことで、人との関わりに本当に変化が与えられる、寄り添う、優しい気持ちで寄り添うことができると思いますし、それから当事者にとっては、ご自身は実は分かっていて、そういう自分が嫌でという子が、人が多いらしくて、そういうHSCという言葉で、そういう気質で生まれながらにということで、病気じゃないんだと、障害でもないと。ある意味、一つの個性だというふうな理解ができると、すとんと腑に落ちて、そこでいろいろな部分が改善されるというふうなこともあるようです。最近ですと、芸能界、タレントの方なんかが自身がHSPですか、Cだとチャイルド、今回は子どもに特定した質問をさせていただきましたけども、大人になってもその気質は変わらないものですから、そうした部分を明かして、実はこうだということ。だけど、そういうHSPの存在を自身が知ったことですごく楽になったということで、気持ちが変わったというふうにお聞きしていますので、ぜひ多くに周知をしていただいて、それぞれに理解だったり、寄り添う姿勢がつくれればなというふうに思いますので、どうぞよろしくお願いします。
以上で終わります。ありがとうございました。
○副議長(関根麻美子 君) この際、議事の都合により、あらかじめ会議時間を延長します。
次に、十一番、滝沢泰子君。
〔十一番 滝沢泰子君登壇〕
◆十一番(滝沢泰子 君) よろしくお願いいたします。
新型コロナウイルス感染症の影響と思われる自殺の増加や精神科への受診の増加が報じられ、影響が様々に及ぶ中、困難にある一人ひとりの命とともにある江戸川区であることをここでともに願い、質問をいたします。
九月一日は防災の日、九十七年前に関東大震災が起きた日です。防災にはラジオを用意して、災害のときにはニュースを聞いて、デマに気をつけようという教えのもとには、関東大震災発生後に朝鮮出身の人々をめぐるデマが瞬く間に広がり、むごい虐殺が起きた歴史があるということを私も子どもの頃に学んでいました。
しかし、誠に恥ずかしながら、私は長い間、知らないできました。朝鮮人虐殺と歴史に刻まれる出来事が、ここ江戸川区でも起きていたことをです。
今から六十一年前の一九五八年に小松川高校生殺人事件が起き、この被害者ご遺族を訪ねた映画監督のパク・スナムさんは、ご遺族から江戸川の地でたくさん朝鮮の方々がそのとき殺され、川の水が何日も血で真っ赤に染まっていたという話を聞いたと記しています。ご両親は「私たちはあれだけひどいことをしておきながら、これまで一度もおわびもしてきませんでした」と語り、お子さんを殺めた在日朝鮮人青年の死刑を望まず、生きて成人して償ってほしいと願われたそうです。
両国にある都立横網町公園で毎年関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典が行われています。東京都の小池百合子知事は、二〇一七年から都知事の追悼文を送らず、知事二期目となる先だっても送りませんでした。
身近な場所でそのような歴史的な出来事があった江戸川区民の私たちにとって、行政の長のこのような態度は困ったことです。ジェノサイド、すなわち集団虐殺に至る段階を分析したジェノサイドタイムラインの研究では、差別、迫害とリスクが高まっていき、虐殺に至った後に、虐殺の否定が置かれています。虐殺をなかったことにすることは、虐殺の続きであり、虐殺への加担なのです。共生社会の理念にも完全に反します。虐殺をなかったことにしないことで、私たちは後の世でジェノサイドのタイムラインをそれ以上進めることを止めることができます。
江戸川区においても、この史実を受け止め、向き合っていく取組みを共生社会実現を目指す中で実施していくべきではないでしょうか。斉藤区長にご所見をお聞きします。
次に、気候変動適応についてお尋ねします。
江戸川区が今後策定する基本構想や基本計画において気候危機の視点は欠かせないものであり、江戸川区としての地域気候変動適応計画を策定することも視野に入れていくべきです。
その中では、例えば区民も関心が高い風水害対策ですが、広域避難の有効性についても、いま一度検討する必要があります。
気候変動により災害が広域化しているからです。区外にあらかじめ逃げても、逃げた先で被災する危険があります。
江戸川区スーパー堤防整備方針も実現には時間もお金も要するものであり、気候危機への適応策が急がれる中では、位置づけを考え直すべきです。万が一氾濫が起きたときにも水が引くまでの時間を短くし、高い建物に垂直避難をしたり、救命ボートを利用することで、命が助かるような取組みを整備していくことが考えられるのではないでしょうか、いかがでしょうか。
昨年の台風十九号では、近隣自治体では避難勧告だけでなく、垂直避難の案内も出していました。防災教育も大事です。
僣越ですが、斉藤区長が、昨年の台風十九号で避難所に避難した方のお手紙を、今年のはじめ、小松川平井地区連合町会新年会でご紹介されていましたが、その中で、台風が過ぎた後、午前三時頃、手を取り合って喜び合われたという内容が、そのまま紹介されていました。実際には、その時刻には、江戸川区が位置する利根川水系では、かつてのキャサリン台風の堤防決壊地点となった埼玉の栗橋地点が氾濫危険水位を迎えており、江戸川区民の安全には予断を許さない状態でした。その時間帯、私は国土交通省に広域避難が必要になるかもしれないので、鉄道の運行再開の前倒しができないかと、JRに働きかけられないものかといったような電話をかけて問い合わせたりを微力ながらしていました。
気象予報を基に、川の水位が安全な状態にある中で避難準備指示ではなく、いきなり避難勧告を出したことは妥当であったのかどうか。台風十九号が去った後、避難勧告中に多くの人が避難所を去りました。川の水かさは増している中です。これでは避難勧告の意味がよく分かりません。流域の川の高さに雨がやんだ後も注意するという習慣をつけていく防災学習が大事なのではないでしょうか。
以上をはじめ、気候危機が江戸川区民の生活と地域に及ぼす影響を分析し、様々にハード面からソフト面まで気候変動への適応策を計画に落とし込むタイミングではないでしょうか。区長のご所見をお伺いします。
江戸川区立障害者支援ハウスで、昨年の令和元年五月十一日に利用者の方が入浴中に亡くなられました。重ねてお悔やみを申し上げます。
江戸川区は、八月に障害者支援ハウス利用者の死亡事故についての最終報告書を発表していますが、この中には、この施設が取り入れている指定管理者制度の運用に関することが見当たりません。人がお一人江戸川区の施設サービスをご利用中に亡くなったのですから、あらゆる角度からの検証と再発防止が当然にして求められます。指定管理者制度運用の観点からの検証と再発防止をはじめ、江戸川区役所としての全庁的な取組みを改めて求めます。亡くなった方は知的障害のある方でした。亡くなった方の命の重さを受け止めて、あらゆることをしていくことなくして、何の共生社会の実現でありましょうか。
江戸川区障害者支援ハウスのウェブサイトにも、指定管理者の社会福祉法人東京都手をつなぐ育成会のウェブサイトにも、利用者死亡に関する記述が依然として見当たらないことも見過ごせません。区長にご所見を伺います。
次です。江戸川区は三十代の女性が減り続けています。令和二年度末に区がまとめた「施策策定のための人口等基礎調査」でも明らかになりました。三十代の女性が何を求めて区外へ転居するのかをつかむための実態調査を行うことも考えるべきです。
ファミリー層のニーズを考えると、今定例会ですくすくスクール学童保育の時間延長を可能とする条例改正案が提出されたことを私も喜んでおりますが、待機児童の解消はもとより、長らく江戸川区の子育て支援の考え方を象徴するものとして位置づけられてきた、区立保育園でゼロ歳児保育を実施していない現状についても、真摯に見直すなど政策転換をも考えていくべきでしょう。区長に受け止めと取組みをお聞きします。
障害者権利条約がつくられ、日本ではこれに対応した障害者差別解消法ができました。江戸川区役所では、障害者差別に関する相談を受け付けています。しかしながら、区が第六期江戸川区障害福祉計画・第二期江戸川障害児福祉計画の策定に向けて行った調査結果では、その認知度はとても低いものでした。調査項目に、障害者差別解消法の認知度を入れたこと自体を評価します。その上で、この認知度の低さを受け止めて、どう改善していくのか、斉藤区長にお聞きします。
次に、子どもの権利についてです。
十年前、小学校一年生だった岡本海渡さんが亡くなった事件の裁判で明かされた、岡本海渡さんの最後の言葉は「ごめんなさい」でした。「痛い」でも「やめて」でもなくて、「ごめんなさい」だったのだと。それを聞いて思いました。私も江戸川区議会で様々な提案をいたしました。しかし、当時の私は、そもそも親が子どもに対してしつけと称して体罰を加えることが不適切だから禁止するべきという主張をすることはしていませんでした。当時の私の人権感覚、人権意識の限界がそこにあったと考えております。
今期の私の公約に体罰禁止を入れていたところでしたが、国の法律が変わり、この四月からは、体罰は全面的に禁止をされました。
子どもの権利条約は第十九条で、子どもが暴力から守られる権利を定めています。子どもの権利について知り学ぶことは、自分の身に起きていることや身の回りで起きていることが人権侵害のおかしなことだと気がつけることにつながります。
一時保護所に保護される子どもたち一人ひとりに配るための子どもの権利ノートがあります。この子どもの権利ノート、江戸川区では全ての子どもに配付してはどうでしょうか。あるいは、江戸川区が子どもの権利に関する学習教材を独自に策定して子どもや地域に配布するということを行うこともいいでしょう。区長のご所見を伺います。
最後に、共生社会の実現ということを江戸川区が掲げていこうとしている中での官民の役割についての斉藤区長のご認識を伺いたく存じます。
区は行政機関であり、行政機関には権力があります。自由な社会の中で権力が果たすべき役割は、民主主義の下で透明性を高めて監視され、調整されていく必要があります。公権力を行使することができる官ならではの、官だからこその役割として、共生社会実現のために区として何をしていくか、斉藤区長のご所見をお尋ねします。
以上、第一回目の質問でした。
○副議長(関根麻美子 君) 斉藤区長。
◎区長(斉藤猛 君) お答えをしてまいります。
まず一点目、関東大震災後の虐殺と江戸川区についてということでございます。
どう向き合うかということなんですけれども、これはもうお話にもありました、これはしっかりと風化させないように伝えていかなきゃいけないというふうに思っております。そのための取組み、これは区の取組みということよりも、これは全国的な取組みになるのかもしれません。ご存じのとおり、今使っている教科書、小学生の教科書、中学生の教科書にこの記載はございます。もう本当に具体的に、朝鮮人が暴動を起こすなど流言が広がり、住民の組織した自警団、警察、軍隊によって多くの朝鮮人や中国人が殺害される事件が起こりました。これは江戸川区でも使う教科書でございます。こういった部分で、これは風化をせずにしっかり区としても伝えていかなきゃいけないんだというふうに思っています。ただ、残念なことにといいますか、なかなか資料がありませんでした。これ、江戸川区ができる前のことになってしまいます。江戸川区ができたのは昭和七年ですから、その前のことなので、なかなか資料が見当たらないという事実もございます。そういった中で、江戸川区史の中でもここの部分は書かれておりまして、ちょっとそこのくだりを読み上げますと、流言が九月一日の夜八時頃に伝わると、これと同時に朝鮮人に対する迫害が始まり、小松川警察署に投降してくるものが多数あった。同五日、朝鮮人全部を軍隊に引き渡し、これを習志野に護送したというくだりがございます。ですので、こういったことで江戸川区史の中で今何とか生きているというような状況でございます。こういったことを通じて人権啓発事業、人権の啓発ということにも、人権の意識を高める取組みにも進めるこの教材にもなるんじゃないかというふうに思っているところでございます。
続きまして、気候変動のお話でございます。
昨年の台風十九号の取組みが行われたことがお話の中にありましたけれども、やはり私たちもあれでよしというふうには思っておりませんので、様々な形で検証して、議員の皆様にもお話をして、そしてまたご意見もいただいたところでございます。ここは、その中で気候変動の適応計画というのが出てまいりますけれども、これはSDGsの考え方、十三番目の考え方に通じる部分だというふうに思っておりますので、この計画の策定につきましても大事なことですので、研究をしていきたいというふうに思っております。
続きまして、指定管理者の障害者支援ハウスのお話でございます。
これは本当に二度と起こしてはいけないということで、我々も心に深く刻んでいる事件だったというふうに思っております。この辺の気持ちについては以前この場でもお話をした部分でもございますので今日はあえてもう一度繰り返すことはいたしませんけれども、今回、様々な分野、お医者さん、弁護士、そして社会福祉の専門分野の方、大学の先生、あるいは保護者の皆さん、そういった方から意見をいただいてまとめたのが報告書でございます。ただ、よく議員のほうからご質問があるのは、指定管理の中の評価方法として過去の事故歴とかというお話もしてくださっています。本当にこれは二度と起こしてはいけない事件だと思っておりますので、必要であればそういった部分の検討も視野に入れていきたいというふうに思っているところでございます。
そして、三十代女性の人口減少に対する危機感と対策についてはということでございます。
これは、昨日もお話ししました、江戸川区が選ばれていないんじゃないか、子育て世代が減っているというお話も具体的な数字を挙げてお話をさせていただきました。そして、三十代の女性ということで見ても、確かに一割近い人口が減っているのも事実でございます。我々がこの転出状況を見ていくと、十代の前半までと三十代後半から四十代後半、ということはやはり子育て世代だろうと、この二つをかけ合わせてみると、そういうふうに思っていることでございます。転出の理由、これは三十代の女性、母数は二桁の中、六十八人ということなんですけれども、この中ではやはり一番が住宅の都合、二番目が結婚のため、三番目が生活環境、これは交通の利便性、治安などということで、こういった順番で挙げられているところでございます。ここは、昨日も災害の例を出して、そして待機児の例を出してお話をさせていただきました。やはりこういった今住んでいる方の環境を変えることも大事ですけれども、あとは区全体の選んでいただけるようなこのイメージの部分、見ていただいて江戸川区に移り住みたいなということも、これは大事だと思います。こういったことをやることでまた住んでいる方の誇りに感じるところにつながればいいというふうにも感じているところでございますので、ここは大変危機感を持っております。ここは積極的に取り組んでいきたいというふうに思っております。
そして、障害者差別解消法でございますけれども、こちらのほうは、昨年、私ども、障害者差別解消法を知っているかどうかということで当事者千五百人にお伺いをしましたけれども、二五%しか知らないということです。これは低い数字だというふうに思っております。ここは、様々な取組みをやっておりますので、福祉部長のほうからお答えをさせていただきます。
続きまして、子どもの権利を、子どもと地域を知り学ぶことについてということで、具体的に子どもの権利ノートを挙げてご質問をいただきました。私ども、子どもの権利条例、これをつくってまいりたいと思っていますし、それをつくるだけが目的ではございませんので、つくった後も大切にされる権利があることを一人ひとりの子どもに理解をしていただく必要があると思っていますので、例えば絵本とか、要は分かりやすく見ていただける、手に取っていただけるような工夫をしていきたいというふうに思っています。効果的な方法を検討してまいりたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いします。
続きまして、共生社会と官民の役割についてということです。
共生社会の実現に向けて官にしかできないこともあるし、民間にできることもあるということのご質問かと思いますけれども、行政にできることというのは、言うなれば私どもは区役所全部、これは今、行政でまさにやっていることでございます。そういった中で、子どもの権利を守ることもそうですし、障害者の差別解消もそうです。強制的なものであれば、税の徴収や措置入院、様々なことも私の守備範囲の中でございます。地方自治法の一条、ここで地方公共団体の役割がこう示されています。住民の福祉の増進を図ることを基本として、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担うものと規定をされています。共生社会の中でもこの自治体の役割というのはこういうことなんだろうと思うんですけれども、ただ、これは時代に応じて変化をしていくんじゃないかと思うんです。この守備範囲ですね。それは民間の皆さんがやってくださる部分、これがどんどん今広がっていると思いますから、こういったものは時代に合わせて伸び縮みをしていっていいものだと思っておりますので、そういった中でこの江戸川区の行政の在り方というのをこれは常に考えていかなければいけないというふうに思っております。
私からは以上です。
○副議長(関根麻美子 君) 森福祉部長。
◎福祉部長(森淳子 君) 障害者差別解消法への取組みについてでございますけれども、区長が申し上げましたように二五%ということで、まだまだだなというふうに思っております。似たような調査が国や東京都でもあるんですけど、やはり二、三割ということで、全国的にもやはりまだまだなのかなというふうに思っております。これまでもパンフレットやリーフレットの配布、それからホームページを通じて区民に周知を行ったり、また、職員からということで職員対応要領を作成したりして、さらにeラーニング等研修を実施したり全庁でやってまいりましたところです。ですけれども、今後もいろいろな機会を捉えまして、より具体的に、やはり言葉だけ聞いてもなかなか理解できないというのがあると思いますので、困難事例とか好事例とかをそのような具体的な周知に努めて障害者差別の解消に取り組んでいきたいと思っております。
○副議長(関根麻美子 君) 滝沢泰子君。
◆十一番(滝沢泰子 君) ご答弁ありがとうございます。
関東大震災後のその虐殺、朝鮮の人が殺され、中国の人が殺され、日本人が殺され、障害のある人が殺され、被差別部落の人が殺され、社会運動をしていた人が殺されたという出来事、教科書には確かにありますが、それが実際に江戸川区や区境で起きたということについて郷土の歴史としてしっかり伝えていくということを望みます。江戸川区の図書館の中でも記録のある本はいろいろありますので、区の取組みをいま一度考えていただきたいと思います。
指定管理者としての障害者支援ハウスの見直しについては、ちょっと消極的なご答弁だったように思います。指定管理者がその苦情対応をどうするとか情報公開に対してどうするとか、いろいろほかの街の事案を見ると安全に処するような、リスクマネジメントに処するような項目を盛り込んでいて、当然、事故報告というのも年間報告の中に盛り込んで公表されていたりもしています。ここは再答弁を求めたいんですけれども、指定管理者制度についてほかの自治体の例や江戸川区のほかの指定管理者の事業で起きていたことも改めて振り返って……。
○副議長(関根麻美子 君) 答弁ありますか。斉藤区長。
◎区長(斉藤猛 君) 指定管理者の選定方法の見直しについては、検討していくということでございます。
○副議長(関根麻美子 君) 次に、六番、齊藤 翼君。
〔六番 齊藤 翼君登壇〕
◆六番(齊藤翼 君) 令和二年第三回定例会にあたり、通告に従いまして、ご提案も含め数点質問させていただきます。
このたび新型コロナウイルス感染症でお亡くなりになりました皆様に対しまして、心よりご冥福をお祈り申し上げるとともに、感染された方々に対しまして心よりお見舞い申し上げます。また、医療機関をはじめ多くの皆様が、強い使命感の下、ウイルスに立ち向かい、社会生活の維持に取り組まれていらっしゃることに心から感謝申し上げます。
私事で大変恐縮ではありますが、昨年の統一地方選挙にて区民の皆様の負託をいただき、三代にわたりこの場に立たせていただいていることは大変光栄であると同時に、重責を改めて感じているところであります。斉藤区長をはじめとする職員の皆様と力を合わせ、よりよい江戸川区を目指して誠心誠意尽力させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、質問に入らせていただきます。一部、先輩議員と重複するようなところがありますが、ご了承願います。
はじめに、新型コロナウイルス感染症対応に関わる子ども・子育て支援についてです。
新型コロナウイルス感染症の収束はいまだ見えず、全国各地でクラスターなども発生し、不安に思いながら日々生活されている方々がほとんどだと思います。感染者数の推移だけを見れば第二波と思われるピークは過ぎたように感じますが、依然として連日三桁の報告がされております。本区においても日々感染者が報告されており、また、今後冬に向けてインフルエンザとの症状で見分けがつかず、感染拡大が懸念されているところであります。世界中でワクチン開発が急がれておりますが、まだまだ実用化には時間を要するところです。
新型コロナウイルス感染症の流行は、結婚、妊娠、出産、子育ての当事者にも多大な影響を与えており、安心して子どもを産み育てられる環境を整備することの重要性を改めて浮き彫りにしております。こうした状況に対応するために、政府は、令和二年五月二十九日に閣議決定されました少子化社会対策大綱において、新型コロナウイルス感染症緊急経済対策などに基づき、新型コロナウイルス感染症の影響を受ける子育て世帯等に対して必要な対応を行うこととしております。感染拡大を受け、子育て世帯への臨時特別給付金を支給するとともに、保育所などが臨時休園等をした場合の利用者負担額及び子育てのための施設等利用給付などの取扱いについて所要の措置を講じるなど様々な対応を行ってまいりましたが、まだまだ十分とは言えません。
令和二年補正予算で増額措置されました新型コロナウイルス感染症対策対応地方創生臨時交付金は、地方公共団体の判断において、妊娠、出産、子育て支援などの子ども・子育て支援関連事業について活用することが可能とされております。九月十五日現在、北は北海道から南は沖縄県まで全国三百十六の各市区町村で一定の条件の下、活用され、また、九月の定例会で検討されている市区町村も多くあります。二十三区内では、荒川区が七月二十九日に特別給付金として基準日以降に生まれた新生児に対し十万円を支援すると発表しておりますし、品川区でも五万円の支援を発表しております。直近では、お隣、葛飾区でも支援の発表がありました。本区においては、ぴよママ追加ギフトとしてタクシー等にも使える子ども商品券の配布を行っていることは承知しているところでございますが、ぜひこの新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を、基準日以降に生まれた赤ちゃん、妊娠されて生命を宿しているおなかの赤ちゃんのため、区独自の活用をすることを提案いたします。しかしながら、斉藤区長が招集挨拶で述べられていたとおり、今後も財政的に厳しい状況が予想されます。新型コロナウイルス感染症の終息がいまだ見えない中、今後どのように子育て世帯を支援されて行かれるのか、区長のご所見をお聞かせください。
次に、災害対策観点からの電柱の地中化についてご質問させていただきます。
近年、自然災害の脅威は年々増し、全国各地に大きな被害をもたらしております。特に台風については、昨年の台風十五号、十九号、今年の台風十号により、各地に大きな被害をもたらしたことは記憶に新しいところであります。改めて、亡くなられた皆様に追悼の意を表し、被災された方々にお見舞い申し上げるとともに、早急の復興を願うばかりであります。
昨年、千葉県に上陸し記録的な暴風の台風十五号では、強風による倒木や飛来物による電柱約二千本が破損、倒壊、最大約六十四万一千戸が停電をし、六名の方が停電が原因で亡くなられております。今回の台風十号でも九州や山口県で最大六十五万戸が停電をし、鹿児島県では発電機の誤った使用から亡くなられた方がいらっしゃいました。福岡県糸島市の雉琴神社では、樹齢約二百年にもなる大きなご神木が根こそぎ倒木し本殿を直撃しております。また、台風だけではなく、いつ発生してもおかしくない首都直下型地震や南海トラフ地震も今後三十年以内に七〇%の確率で発生するのではないかと言われております。
現在、本区においては、街づくりや都市計画道路整備の際に電柱の地中化を行っておりますが、やはりこれだけでは不十分と考えます。今年、緑化運動五十周年、「ゆたかな心、地にみどり」は長年にわたり素晴らしい活動だと高く評価させていただきますが、街路樹が電線まで伸び絡んでしまっている場所も多く見かけます。もしその街路樹が暴風や地震によって倒木し電線にひっかかってしまえば、火災を発生させてしまう懸念もあります。また、倒壊した電柱が避難や救急活動の妨げにもなります。百年に一度の規模と言われるような台風が毎年のように来る今後の自然災害のことを鑑みますと、再開発事業や都市計画道路などの中だけの対策ではとても間に合わず、細街路のケアも必要不可欠ではないでしょうか。
国土技術政策総合研究所のデータによれば、工法が違うにせよイギリス・ロンドン市、フランス・パリ市では一〇〇%。ドイツ・ハンブルク州では九五%、アメリカ・ニューヨーク市は八三%などと比べて東京二十三区では約八%、江戸川区においては五・二%と非常に大きな差があります。今年、再選されました小池都知事におかれましても、二〇一六年出馬時の公約、セーフシティの中で都道の電柱ゼロ化を目指しておりますが、うまく進んでいないのが現状かと思います。電柱の地中化については、膨大な費用と時間がかかることは承知しておりますが、災害に強い街づくりは喫緊の課題と考えます。ぜひこれを機に、江戸川区から積極的に未来への投資を行ってはいかがでしょうか。そして、本区から東京都、全国へ発信していかれてはいかがでしょうか。ついては、今後の地中化について区長のご所見をお伺いいたします。
最後に、京成小岩駅周辺地区街づくりについてご質問いたします。
まず、一点目に、京成本線の連続立体化事業についてです。
北小岩地区においては、地域の活性化のために、京成小岩駅周辺、江戸川駅周辺の街づくりを含めた京成本線の立体化事業は喫緊の課題であると考えております。京成本線の京成小岩駅は、JR小岩駅とJR金町駅を南北に結び、中間ぐらいの位置にあります。柴又街道と交差する京成高砂第九号踏切、補助二六四号線と交差する京成小岩第一号踏切、蔵前橋通りへと向かう途中に京成小岩第三号踏切、中間に第二号踏切があります。京成小岩第一号踏切から第三号踏切は江戸川区に唯一残っている踏切でありますが、これらの踏切は「開かずの踏切」と呼ばれ、通勤のピーク時には一時間のうち約三十分も遮断されております。また、南北を行き来する歩行者、自転車も多く、さらには車の渋滞など、南北が分断されていることにより地域の活動も大きく阻害されております。この問題を解決するために平成十三年九月の京成本線開かずの踏切対策及び街づくりに関する勉強会の設立以降、行政にも多大なご尽力をいただき京成本線の連続立体化構想が生まれ、駅周辺の街づくりも含め、東京都、京成電鉄、葛飾区、江戸川区の間で勉強会が継続的に開催されていることは高く評価させていただいているところであります。
京成本線の連続立体化事業は、開かずの踏切対策として平成二十年六月、東京都内に二十路線ある鉄道立体化検討対象区間の中から新たに国の事業採択を目指す事業候補区間の五区間に選定され、東京都では国の新規着工準備採択に向けて取り組んでいくことが明らかにされております。京成押上線の押上・八広駅間で全線が高架化し、次の四ツ木駅から青砥駅の区間についても工事に着工しており、完成が待ち遠しく思います。都市計画道路補助二六四号線の買収も進み、現在は拡幅工事の真っ最中であります。また、柴又街道も第四次事業化計画の整備路線に位置付けられており、機は熟してきていると感じております。いよいよ次は京成高砂駅から江戸川駅の間の番だという心躍らせ、期待が高まっております。そこで、改めて着工に向けて早期事業化を求めてまいりたいと考えていますが、区長のご所見をお聞かせください。
二点目の京成小岩駅周辺地区街づくりについてですが、立体化事業の実現による周辺交通渋滞の緩和、地域の活性化、立体化事業を中核とした駅周辺の街づくり事業など、住民の夢は広がっております。平成三十一年三月に京成小岩駅周辺地区まちづくり基本構想がまとめられており、北小岩地域懇談会の開催から京成小岩駅周辺地区まちづくり協議会での議論、そして京成小岩駅周辺地区駅付近区域まちづくり勉強会も行われ、機運は高まっていると思われます。地元の方からはそろそろ具体的な構想を提示してほしいとの要望が多くあり、それを基に議論は加速していくものと考えられます。現在、まちづくり基本計画の策定に向けて調査・研究を進められておられることと思いますが、現状認識、今後のスケジュールやどのような展望をお持ちなのかお聞かせください。
以上で、私の第一回目の質問を終わらせていただきます。
○副議長(関根麻美子 君) 斉藤区長。
〔区長 斉藤 猛君登壇〕
◎区長(斉藤猛 君) 一つ目の新型コロナウイルスのご質問の中で、職員と力を合わせて頑張っていきたいというようなこともお話しいただきまして、本当、こちらこそよろしくお願いしますというような思いでございます。
そして、質問の一つ目が、その新型コロナウイルス感染症対応に関わる子ども・子育ての支援についてご提言をいただいたところでございます。本区の施策については、先ほど質問の中で触れてくださいました。今やはり子育て世代も含めて、我々がずっとやってきた、これからもやっていかなきゃいけない新型コロナウイルスの対応としては、大きな考え方としては、やはり医療をしっかり受けていただいて、そして生活の支援をしていく、その二つだと思っています。そこをしっかりやりつつ、あとは個々の、今回のご質問であれば子育て世代のところにいろいろな支援が届けばというふうに思っているところでございます。今の状況でよしとしているわけではございませんし、これからもこの状況に合わせた様々な支援をしていかなければならないというふうに思っております。先ほど給付金のお話もしてくださったんですけれども、やはりこれは様々なご意見を聞かせていただいて、もちろん議員さんからも様々な意見を聞かせていただいて、施策をいろいろ展開することで「子育ての江戸川区」としっかり言われ続けるようにしていきたいなというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。
続きまして、電柱の地中化の質問でございます。
電柱の地中化は、災害に強い街づくりにはもう不可欠だというふうに思っております。江戸川区内の無電柱化の割合でいけば区内は五・六%の整備率でございます。二十三区の平均が八%ということを考えれば若干ちょっと下回っているところがあるんですけど、これは都心区なんかも全部合わせた数字ということで、この辺の江東五区で見ますと、ちょうどこの数字、特に区道を抜いてみたんですけれども、区道の整備率で言えば江東五区の中でちょうど真ん中ぐらいなんですね。ただ、これはやはりこの無電柱化の目的、言ってくださった防災機能の強化、安全で快適な歩行空間の確保、あとは良好な都市景観、こういったことからなおさらに加速化してやっていかなきゃいけないというふうに思っております。今までは都市計画道路を中心に取り組んでまいりましたけれども、これからは都市計画道路に加えまして区画整理の事業、再開発の事業、そういった街づくりに合わせて無電柱化に取り組んでまいりたいというふうに思っております。
続きまして、京成小岩駅周辺地区の街づくりについてのご質問でございます。
連続立体化、そして京成小岩地区の周辺の街づくりということで、これはもう間違いなく素晴らしい街になると思っています。今、そのために懸命にやっているところなんですけれども、その実行部隊であります
都市開発部長のほうから詳細についてご説明をさせていただければと思っております。
以上です。
○副議長(関根麻美子 君) 眞分
都市開発部長。
◎
都市開発部長(眞分晴彦 君) 私から、京成小岩駅周辺地区の街づくりについてお答えさせていただきます。
まず、一点目の京成本線の連続立体化事業の早期事業化に向けてという点につきましては、まず京成本線連続立体化の今の進捗状況をお話しさせていただきたいと思いますが、ご存じのとおり、都心型、西から東に向けて京成本線の連続立体化は進んできております。お話にもいただきましたとおり、この京成高砂・江戸川区間のすぐ西隣の四ツ木・青砥区間で平成二十七年十二月に工事に着手いたしました。現在、立体化に向けた工事が進められているという状況でございます。こういった状況の中で、当該区間、京成高砂・江戸川区間におきましては、東京都でこれまでに連続立体事業調査としまして事業範囲ですとか構造形式の検討を行ってきております。現在は、計画を具体化し内容を精査する段階まで進んでおりますので、東京都に対しまして早期の事業着手を引き続き働きかけてまいります。
それから、二点目の京成小岩駅周辺地区街づくりの現状と今後のスケジュールにつきましては、こちらもお話しいただきましたとおり、三十一年三月にまちづくり基本構想を策定、公表いたしました。その後、昨年度、駅前広場や共同化エリア内の権利者の方々と勉強会を開催しておりまして、現在、まちづくりの検討を深めております。来年度末までには街づくり基本計画を策定する予定でございまして、いざ事業化に入った際には円滑に進むよう取り組んでまいります。
以上でございます。
○副議長(関根麻美子 君) 齊藤 翼君。
◆六番(齊藤翼 君) ご丁寧な答弁、ありがとうございました。
新生児やおなかの中の赤ちゃんについては、何より人権尊重、一時的かもしれませんが、少子化対策という意義も大きくあります。多くの方がこのような支援によって、大きな不安から少しでも安心に変わることが願いであります。コロナ禍の中、健全財政を堅持されるのも大変なご努力が必要かと思いますが、今後とも継続的にできる支援を模索、研究していただき、子育て世代の方々が末永く本区に住まわれることを願っております。
無電柱化についてですが、現在考えられる中で究極の災害対策の一つであると考えております。現在の技術では細街路の無電柱化は難しいとされておりますが、技術進歩は非常に速いものがあります。いつ起こるか分からない自然災害は待ってくれませんので、ぜひ今後とも推進していただければと思います。
最後に、京成小岩駅周辺地区街づくりについては、父、正隆も長年にわたり皆様とともに尽力させていただいてまいりました。京成本線立体化事業については駅周辺住民の悲願でありまして、立体化事業の早期の都市計画決定、こちらをぜひともお願いしたいと考えております。そして、十分に案を練っていただきまして、安心・安全で活用しやすい駅、区民が喜ぶような駅をつくってもらえればと思っております。と同時に、周辺の街づくりが非常に大事になってきます。高架下の使い方ですとか駅前広場の件、バスやタクシーの乗り入れなど、様々な議論がなされているとは思いますが、ぜひ具現化して提案していただき、周辺地域の方々と共に素晴らしい街になることを心から期待しております。どうぞよろしくお願いいたします。
以上で終わります。
○副議長(関根麻美子 君) 次に、三十五番、伊藤照子君。
〔三十五番 伊藤照子君登壇〕
◆三十五番(伊藤照子 君) 私は、令和二年第三回定例会にあたり、通告に従い、区民生活に密着した諸課題について質問をさせていただきます。同僚議員と重複する質問もありますが、区長の前向きな答弁を期待いたします。
まずはじめに、江戸川区の行政評価の実施についてお伺いします。
本区の事業については、平成十七年度から二十七年度まで百四十七事業について事業評価を実施し、その結果も活かしながら行財政改革を断行し、事業の効率化と区民サービスの向上に努めてきたところです。平成二十七年度より、本区では複式簿記・発生主義の公会計制度東京都方式を二十三区初で導入し、財務諸表、財務レポートを作成して、「財政の数値化・見える化・分かる化」を進めてきました。平成二十七年度から令和元年度まで五年間のデータが蓄積され、経年で比較対照でき、新公会計制度が今後の区政運営に生かされるときが来たのかと思います。このほど、中断していた区事業の行政評価を今年度から実施すると報告があり、財務レポートを選定し評価対象とするとお聞きしています。新型コロナウイルスの影響で区の行事の中止なども相次ぎ、新しい生活様式の中で区の事業の在り方も変わってくるものと思います。区民に寄り添う施策をいかに効率的に推進するかを検討する上で、特に事業別の財務レポートは重要な評価材料になるものです。そこで、新たな区事業の行政評価の目的と実施方法及び評価の視点について、来年度以降の予定について、また、斉藤区長の下、新たな江戸川区政の方向性の中で行政評価をどのように今後の区政運営に活かしていくのか、区長のご所見をお聞かせください。
次に、ウォーキングによる健康増進についてお伺いいたします。
新型コロナの影響で職場ではテレワーク導入などが進み、様々な生活スタイルが一変しました。外出自粛により肥満や精神の不調を訴える方も増え、新しい生活様式の中で心と体の健康を維持する上では運動やスポーツを行うことが大変に重要となります。特に中高年者については、筋力の低下は生活習慣病等の発症や生活機能の低下を来すリスクが高まります。このため、意識的に運動することが、健康の保持だけでなく、引いては医療費の抑制や要介護状態を回避するためにも有効です。特にウォーキングは体への負荷が少なく、中高年者には適していると言われています。
横浜市では、十八歳以上の市民に歩数計配布やアプリの活用などで歩いた分だけポイントがたまるよこはまウォーキングポイント事業が実施されています。現在では三十万人が参加しており、企業や学校、町自治会単位でも参加を増やし、歩数をポイント換算し商品券などに換えられたり、WFP、国連の食糧支援機関に寄付する仕組みをつくるなど、目的意識も多様に取り組まれています。この取組みのきっかけとなったのは、健康長寿研究所が二〇〇〇年から約十五年間かけて、群馬県中之条町で六十五歳以上の約五千人の方々に身体活動計を装着しビックデータを収集、分析した研究です。研究の中で、健康状態を保つためには平均して一日八千歩程度、そしてそのうち二十分間、少し早歩きすることが望ましいとされ、元気に生涯を暮らしていくのに最も大切なことは歩くことだと明確に示されました。これまで本区でも、ウォーキング大会や区の名所をめぐるウォーキングマップの作成など、地域ごとに活動が行われてきました。外出自粛の中でウォーキングやジョギングをする方々が増え、荒川の土手は土日には密状態が心配なほどです。今までも健康部等で健康ポイント事業が行われてきましたが、さらに多くの皆様が健康増進のために楽しくウォーキングができるような取組みをと考えますが、区長のご所見をお聞かせください。
次に、江戸川区児童相談所の今後の取組みと、社会的養護が必要な子どもたちへの支援についてお伺いします。
悲願であった江戸川区独自の児童相談所が四月に開設しました。まさに「はあとポート」として傷ついた子供たちを守る港、防波堤という役割を担ったこの拠点は今後さらにその重要性を増していくことと思います。令和元年度の虐待通告受理件数は、江戸川区の子ども家庭支援センターで千百二十七件、江東児童相談所の江戸川区分の件数は千二百五件、毎年増加する中で合わせて二千件を超える相談を一手に区立の児童相談所が請け負っていくことは、百六十一名の職員体制でスタートしたとはいえ、大変な業務であると推察します。開設してからまだ半年しかたっていませんが一時保護所は満杯であり、分所を設けていくとも聞いております。職員の皆様が一人ひとりの子どもたちやそれぞれの家庭に向き合う時間をしっかりと確保できるよう、業務の効率化や今後の体制をさらに万全にしていく必要があると思いますが、区長のご所見をお聞かせください。
また、社会的養護が必要な子どもたちの支援については、一時保護所の設置、里親制度の普及や明年の児童養護施設の誘致など、本区は児童相談所の開設準備とともに力強く進めてきていただいています。江戸川区の三百五十名近い子どもたちが、現在、江戸川区以外の養護施設で暮らし、毎年三十名近い子どもたちが十八歳で施設を卒業し、厳しい社会の中で生活をスタートします。区立の児童相談所が設置されたおかげで、今まで余り知られなかったこうした子どもたちの実態がより詳しく分かるようになり、大変重要なことだと思います。養護施設の子どもたちは高卒で就職する率が高く、コロナ禍による不況から今年は就職が厳しくなっていると聞いています。ハンディを抱え自立が難しい子どもたちが十分な支援が受けられないまま社会に放り出されてしまう可能性があり、大変懸念するところです。こうした子どもたちの進路についての支援、さらに就職後の支援は欠かせないものであると考えます。
そこで、二点お聞きします。
一点目は、養護施設を出なければならない子どもたちへの就職やその後の生活の相談支援を切れ目なく行う拠点をぜひつくっていただきたいと考えます。
二点目は、こうした子どもたちを応援する仕組みをぜひつくっていただきたいと考えます。江戸川区は、青少年の翼基金やスポーツ夢基金など、区民の真心も結集させながら若い人たちを応援してきました。このような基金のような形で経済的支援を行ってもよいかと考えます。区立の児童相談所を二十三区トップで開設できた本区だからこそ、最も弱い立場の若い人たちを応援することに力を入れていただきたいと思いますが、区長のご所見をお聞かせください。
次に、ひとり親支援の拡充についてお伺いいたします。私事ですが、私もひとり親として二人の息子を育てた経験を込めて質問をさせていただきます。
厚生労働省二〇一六年の全国ひとり親世帯等調査結果によると、母子家庭は約百二十三万世帯、父子家庭は約十八万世帯に上ります。本区の十八未満の子がいるひとり親世帯は、令和二年八月で八千六百四世帯です。ひとり親はパート等非正規で働いている方が多く、今回の新型コロナの影響で休校や店舗が休業になれば、すぐに収入減の影響を受けてしまいます。ある調査では約七割のひとり親が影響があると回答しています。国でも休業補償と特別定額給付金、そして児童扶養手当受給者には対象を拡大し特別給付金として五万円の上乗せや追加給付も実施しており、本区では速やかな支給を行っていただいております。しかし、新型コロナウイルスの感染はいまだに収束せず、経済活動はまだまだ戻らないのが現状で、ここに来て倒産・廃業も増えています。厚生労働省は、新型コロナウイルスの影響により職を失った方が一月から今日までで六万人を超えたと本日公表しました。非正規労働者を中心に五月から月に一万人前後のペースで増えており、雇用情勢は今後一段と厳しくなると予測されます。ひとり親手当を含めても年収二百万円前後で日々を暮らしているひとり親への経済的な支援は、子どもたちのすこやかな成長の上で必須であります。
そこで、ひとり親の経済的支援として二点お聞きします。
一点目は、新型コロナウイルスの影響を受けているひとり親世帯への区独自の経済的支援を強く要望しますが、区長のご所見をお聞かせください。
二点目は、寡婦・寡夫のみなし適用に関連して、実態を考慮したひとり親の経済的な負担軽減についてお伺いします。
厚労省の調査によると、未婚のひとり親は全国で約十万世帯と推計されており、国でもみなし適用が始まり、令和二年の年末調整から所得税では未婚のひとり親にも「ひとり親控除」が適用されるようになります。本区でもみなし適用が平成二十九年度より始まり、三十年度より範囲を拡大して実施してきました。未婚でひとり親になった場合は所得税の寡婦控除が認められていないため、保育料などの計算にその分を加味して経済的負担を軽減するものです。
数年前に区民の方からご相談をいただきました。その方は、その年の一月に息子さんを引き取り離婚をされました。保育料等の前年所得を基に計算されるものは、その一年間は所得税・住民税での扶養控除も寡婦控除も受けられず、何とかなりませんかとご相談をいただきました。寡婦・寡夫のみなし適用が始まり、未婚のひとり親に認められるのだから既婚のひとり親にも寡婦控除をこのはざまの一年間について認めるべきではないかと思いました。昨年から保育の無償化が実現し、三歳以上の保育料が無償化になりましたが、〇~二歳児は一定の所得があれば無償にはなりません。児童扶養手当は実態を見て支給されるようになっています。このご相談のような方はまれかもしれませんが、死別・離別でも未婚でも、ひとり親になったそのときが経済的にも精神的にも一番大変なんです。子どもと二人きりで相談する人がいないことが、ひとり親の一番の辛さです。そんなときに、その状況に寄り添い少しでも経済的な支援があることは本当に有難いものです。死別・離別・未婚問わず所得税の寡婦控除の対象にならない時期、ひとり親になった当初の一番大変なときに実態を考慮した経済的な負担軽減が必要ではないかと考えますが、区長のご所見をお聞かせください。
次に、離婚が増加している現状の中で、離婚に当たっての相談体制の拡充についてお伺いいたします。
離婚を考えたときに、法的なこと、子どもの養育費について、就職や住居についてなど、様々に考えなければならないことがあります。ひとり親にとって一番大事なことは経済的な自立です。安心して子育てをしていくには、安定した収入が不可欠です。貧困の中に悲しい虐待等の危険性が秘められています。
厚労省の調査によると、離婚によるひとり親家庭のうち、養育費の取り決めをしている家庭は、父子家庭で二〇・八%、母子家庭で四二・九%、そのうち現在、養育費を受け取っているのは、父子家庭で三・二%、母子家庭で二四・三%にとどまっています。私も公正証書を作成しましたが、一度も養育費を受け取ることはありませんでした。平成二十四年から離婚届に面会交流と養育費についての記載事項ができました。子どもの養育に対する両親の責任として、養育費の取り決めを行うことは必要なことだと思います。
本区では、「すずらん」を本庁舎と人権・男女共同参画センターに開設し、様々な相談に応じていただいています。知らないことによって不利益をこうむることのないように、区の相談体制を充実させ必要な専門機関につないだり、ネットでの相談など、情報提供についても新たな工夫も必要だと思います。国でも養育費の不払いの問題について検討を始めており、本区の実態についても把握しておく必要があると思います。ひとり親家庭が安心して生活できるように、離婚に当たっての相談体制の拡充について区長のご所見をお聞かせください。
次に、ひとり親家庭等への食の支援についてお伺いします。
本区では、対象はひとり親家庭だけではありませんが、おうち食堂や子どもごはん便を行っており、おうち食堂は家庭に入って親も子も調理を一緒に学び、家庭の様子もつかめる、家庭の力をつける素晴らしい施策だと思います。また、この新型コロナウイルス感染の中で、子どもごはん便の枠を広げて休校の期間に多くの方に利用してもらいました。しかし、民間等で行っている子ども食堂は感染防止の観点から開催できなくなり、フードバンクについては自立支援家庭などに取りに来てもらう形でこの期間も継続できましたが、このコロナ禍の中で多くの困窮家庭に食の支援が届くようにはできなかったように思います。
食品ロス削減とともに困窮家庭への食の支援については何度か我が会派で質問をさせていただき、エコセンターに常設のフードドライブが開設され、区内のフードバンクでも新たな取組みを行っていると聞いています。子ども食堂が本当に必要な家庭になかなか支援が届かないとの課題認識の中で、最近、子ども宅食として未利用食品を困窮家庭に届ける事業を行っているNPO法人があります。国の第二次補正予算では「支援対象児童等見守り強化事業」として、見守りとともに食の支援等を行う実施団体への運営費補助が盛り込まれています。そこで、区がコーディネート役を担い民間団体と連携し、フードドライブを生かしてひとり親等の困窮家庭の支援として食品を届ける事業を国などの助成制度を活用し進めてはと考えます。それには、庁内の部署間の連携も必要だと思います。食品ロス削減のために未利用食品を集めるのは清掃課ですが、その食品を困窮家庭にどのように届けるかは福祉部や子ども家庭部になると思います。貧困と食品ロス削減というSDGsの二つの項目に関わる事業として責任部署を定めて、関連部署が連携して取り組んでほしいと思います。ひとり親等の困窮家庭への食の支援について、区長のご所見をお聞かせください。
最後に、今後の本区と青森大学との連携強化についてお伺いします。
青森大学東京キャンパスは、二〇一五年三月に閉校になった清新第二小学校の後施設を葛西中学校の改築時期の校舎として使用した後に、二〇一九年四月に、「想像力にあふれ、挑戦的で強いリーダーシップを発揮する経営者を育てる」とのスローガンを掲げ開学しました。青森大学を運営する青森山田学園は、二〇一八年に開学百周年を迎えた私学です。岡島成行理事長は、えどがわエコセンターで長くご尽力いただき本区と大変にご縁の深い方です。東京キャンパスには、中小企業経営とベンチャーの総合経営学部、社会学部、ソフトウェア情報学部の三学部があります。一・二年は青森または東京で、三・四年は青森でという勉学システムをつくり、社会人と留学生は四年間、東京でも青森でも学べます。東京キャンパスに今年入学した五十四名の学生のうち留学生が四十七名と多くを占め、オンライン授業で青森と東京の授業を双方で受講し、青森から東京へ、そして全国、全世界へと広がっていきます。留学生は、卒業して本国に帰る学生と日本で働きたいという学生とがいるとのことです。三年後には初めての卒業生が東京キャンパスから巣立ちます。卒業生にぜひ江戸川区でも活躍してほしいと思います。
岡島理事長は、本区の産業界と生徒との交流を行い、地域の皆様にも大学に足を運んでもらえるようなことを考えていきたいとお話をされております。本区の長年の悲願であった大学誘致が実現し、このような新しい大学が江戸川区に誕生したことは、本区の地域の発展と教育力向上にとっても大いに期待するものです。そこで、一点目は、青森大学東京キャンパスと本区との連携強化についてどのような展望をお持ちなのか、区長のご所見をお聞かせください。
また、東京キャンパスの学生の多くが留学生であり、東京キャンパスの事務局長は、学問を学ぶとともに自立した学生を育成するためには、様々な生活面のフォローが必要になってくると話されています。江戸川区としてもバックアップしていくべきだと思います。区内在住の外国人約三万六千人のうち、葛西地域に約一万五千人、清新町には約二千六百人の外国人の方が住んでおり、東京キャンパスは国際交流の場としてふさわしい場所ではないでしょうか。そこで、二点目は、青森大学東京キャンパスを中心に留学生や在住外国人と区民との交流を深め、新たな国際交流の場としていってはと考えますが、区長のご所見をお聞かせください。
以上で私の第一回目の質問を終わります。
○副議長(関根麻美子 君) 斉藤区長。
〔区長 斉藤 猛君登壇〕
◎区長(斉藤猛 君) 順次、お答えをしてまいります。
一点目の本区の行政評価の実施についてというご質問でございます。
まず、ご質問一つ目が実施の目的ということでございますけれども、ここは成果重視の効率的な行政運営を行うこと、二つ目に区民への説明責任、三つ目に区職員の政策立案能力を向上させること、以上でございます。
二つ目が実施の方法ということですけれども、これは江戸川区の外部評価委員によります財務レポートを活用した事前の評価、そしてヒアリングを実施することでございます。
続きまして、評価の視点でございますけれども、こちらは、組織、事業の目的、目標設定の妥当性、成果指標設定の妥当性、費用対効果、課題認識、今後の事業推進の要否、こういったものを視点として置いております。
そして、来年度以降の予定ですけれども、これはより多くの事業を評価していくために、原則、今年度評価対象となっていない財務レポートを選定して評価の実施をしていきたいというふうに思っております。財務レポートにつきましては、伊藤議員さんはこの導入前からこの必要性をずっと訴えられてきたかなというふうに思っております。財務レポートは、これはただ内部の検証ではあります。内部の評価でございます。ただ、この行政評価は外部の評価委員に諮るということで、この外部からの評価をいただくいい機会だというふうに思っております。こういったものを踏まえた政策の形成、あるいは予算の編成、こういったことを通じて効率的・効果的な行財政運営の実現に努めてまいりたいというふうに思っております。
二点目のご質問がウォーキングによる健康増進。
私ども、特に熟年者の方には毎日用事をつくって外に出ましょうというお話をさせていただいていますけれども、その基本は歩くこと、ウォーキングだというふうに思っております。私どものウォーキングの現状をお話しさせていただきますと、これは世論調査、二十九年なんですけれども、六十五歳以上の約六割がウォーキングを実施しているということでございます。そういった中で私どもも区のホームページでお勧めのウォーキングコースを掲載しておりますし、また、何よりもそういったコースでなくても、私どもの水とみどりのネットワーク、例えば健康の道、親水公園、親水緑道、河川敷もそうだと思います。こうした長さを足し上げていきますと、七万四千二百三十六キロに及びます。区内だけでこれだけの距離がございます。もう本当に気軽にウォーキングができる環境を、この江戸川区、今までつくってきたというふうに思っておりますし、ぜひこれを活用していただけないかというふうに思っております。ウォーキングイベントも実施をしております。健康ウォーキング、またウォーキングフェスタ、あるいは中高年のスポーツ教室の中でこういったウォーキングの大切さをお伝えしているところでございます。
これからもやはり楽しみながら継続することが大事だというふうに思っておりますので、今お話ししたようなこと、周知をこれもしないと伝わらない部分がありますので、そういったことをしっかりやっていくこと。また、健康ポイント制度、こういったものも活用して多くの方が参加できる仕組みを追求していきたいというふうに思っております。
私のほうで、すみません、七万四千二百三十キロと言ったんですけれども、大変失礼しました。これだと大変な、七万四千二百三十メートルの誤りでございました。大変申し訳ございませんでした。
続きまして、児童相談所の今後の取組みと社会的養護が必要な子どもたちへの支援でございます。
児童相談所の業務の効率化と今後の体制についてというご質問なんですけれども、業務の効率化というのはこれやらなきゃいけないんですけれども、この職場では大変難しいかなというのは一方では思っております。丁寧な対応と効率化というのは、もしかしたら相反してしまうんじゃないかなというふうに思っているところがございます。ただ、これは、とはいえ、今、相談されている方もどんどん増えてきておりますので、虐待事例もどんどん通報がございます。そうした中でやっぱり効率化というのは求められてきて、何を使ってやるか、やはりAIということになってくるんじゃないかというふうに思っております。
今、私どもの業務の中で、児相の業務の中で大変なのは電話でも面接でも記録を取っていく、これは例えば一時間の電話が、相談があればそれに準じた記録を取っていかなければいけない部分があるんですが、こういったものの文字起こし、あるいは内容分析でAIが活用できるそうでございますので、こういったところも活用していかなきゃいけないと思っておりますし、一時保護や家庭復帰の判断をしていきますけれども、たくさん職員がいればそれだけたくさんの判断にならないように、これはAIが、その考え方が割とフローチャートになっているというふうに思いますので、相談業務であっても。こういったこともAIを活用することで、AIが全てではございませんけれども、そういった補助としてAIを活用するということも十分検討していきたいというふうに思っております。こういったものを使って何がしたいか、要は子どもと向き合う時間を増やしたいということでございます。そういった中での効率化、これから進めていければというふうに思っております。
続きまして、社会的養護が必要な子どもたちへの支援のご質問でございます。
これは、この実態に即した、今までの過去のことも含めまして、
児童相談所長のほうからお話をさせていただきます。
続きまして、社会的養護が必要な子どもたちへの支援ということで、経済的に応援する仕組みづくりをということでございますけれども、これは今ありがたいことにたくさんのご寄付、また例えば物であればランドセル、こういったものをいただいております。今、私どもが想定したのは、地域力活用基金があるんですが、ここを活用してこのお子さんへの支援というのをやっていきたいというふうに思ったんですけれども、ただ、これが毎年温かい支援が継続的にいただけるということであれば、やはりそこから独立した基金をつくる必要もあるんではないかと思っています。この辺は少し経過を見させていただいて、基金の検討もさせていただきたいというふうに思っております。
続きまして、ひとり親家庭支援の拡充についてということで、区独自でひとり親への経済的支援を行ってはどうかというご質問でございます。
今、十八歳未満の児童がいるひとり親の世帯数ですけれども、九月一日現在で江戸川区、八千六百十四世帯おいでになります。そういった中で、今回コロナ禍の中で非常に厳しい状況になった、経済的に厳しいということで、国や都や社会福祉協議会、様々な施策がございます。これはちょっと全部出して洗い出してみて、たくさんの種類があるんですけれども、例えばお子さんお二人、例えばゼロ歳児と三歳児、このお子さんを抱えているひとり親の方にどれぐらいの手当が今回行くんだろうかということで試算をしてまいりました。九か月スパンで、ちょっと中途半端で申しわけないんですけれども、九か月というのは住宅のお金が出るのが九か月までというのがございまして、生活困窮した場合の、これはひとり親に限らずなんですが、生活困窮世帯ということで九か月なものですから、このスパンで足していきます。この中には定額給付金一人十万円等も入れさせていただきます。また、貸付金というのもあるんですけど、これは状況が変わらなかったら返さなくていいというものもございます。これを積み上げていくと、今の三人家族の場合は三百万円弱になってまいります。こういうものも積み上げていくと。九か月間で三百万円弱ということが試算の中で出てまいります。このほかにも区独自のよちよち応援隊とかおとなりさん
ボランティア、KODOMOごはん便、おうち食堂、こういったものに経費としては一億二千万円を計上しているという部分がございます。ですので、先ほどの全ての方がこの申請をされるかということがあるんですけれども、例えば三百万円弱、仮にじゃあちょっと三百万円とさせていただいて、九で割ると大体三十万円ぐらいかなと。こういった数字がありますので、もし、これでも足りないということであれば、やっぱり考えていかなきゃいけないと思うんですけれども、今現在、江戸川区としてここに重ねていくという部分は検討しておりません。ただ、今後の状況の中でそういう声が強ければ、それは検討していかなければいけないかなというふうに思っているところでございます。
続きまして、ひとり親の経済的支援の二つ目で、実態を考慮したひとり親への経済的な負担軽減ということで、みなしの寡婦・寡夫の制度、こちらについては税法上の決めの部分もございます。例えば保育料もそうなんですが、利用料を算定する所得については、離別、死別、ひとり親と未婚のひとり親の税法上の控除の差を解消していくのがみなしの部分なんですけれども、算定の対象となります所得の適用年度はこれはそれぞれ定められておりまして、控除のみをひとり親となった時点に合わせて適応することが困難であるというふうに思っております。要望があるのは承知をしておりますけれども、もしこの我々の社会保障制度の中で、保育料と、あるいは社会保険料等ございますけれども、国民健康保険、これは急激な所得の変化があったときには減免という制度もあります。こういったことを世帯世帯ご事情をお伺いして、丁寧な対応をさせていただきたいというふうに思っているところでございます。
離婚前後の相談体制の拡充でございます。
これは、やはり知らないことにより不利益をこうむらないようにというのはごもっともなお話でございます。これは重層的な対応を取っておりますので、
子ども家庭部長のほうからご説明をさせていただきます。
続きまして、ひとり親家庭等の困窮家庭への食の支援についてのご質問で、要旨は関連部署が連携して取組みを行うようにということでございます。平成二十九年の八月におうち食堂、KODOMOごはん便の事業が開始されてきておりますし、今回の新型コロナウイルスの対策の中でもそのごはん便の部分は制限から外して計算をするということで対応させていただいて、要は拡充をしてきたということでございます。そういった中で、さらなる食の支援ということになりますと、これは関連部署が連携してと言ってくださった部分、私どもで子どもの成長支援・実務者会議というのがございまして、その中で食の支援部会という部会があります。これは、横断的に、全庁的に検討を進める組織でございまして、こういった中で今後も連携をして検討を進めていきたいというふうに思っております。
続きまして、本区と青森大学の連携強化についてのご質問でございます。
ご質問の中でも触れてくださいました、江戸川区とゆかりの深い関連の多い岡島理事長がおいでになりまして、非常に岡島理事長が江戸川区とともにということでこの大学の運営をしてくださっております。三十一年の四月に東京キャンパスが開設いたしましたけれども、その間も、この後、信用金庫や海外の大学との協定の締結も行っておりますし、地域行事への参加など、着実に連携が進められているというふうに思っております。現在は新型コロナウイルスの影響で大学の活動も制限を受けているところでございますけれども、そもそも岡島理事長もおっしゃってくださった江戸川区の産業界と実践的な連携、これはインターンシップ等を含めてということでございますけれども、こういったことがまた早く復活をして、また地域住民との交流も進めばいいなというふうに思っているところでございますし、そういったものも積極的にやりたいと言ってくださっています。こういった交流のほかに、青森山田高校、青森山田学園といえば、当然サッカーをはじめ、もう日本代表の選手をいろいろなスポーツで輩出していますし、全国大会にも様々な形で活躍をしております。そういった中でもスポーツの交流もしてくださるということでございます。もうサッカーなどは実際に進んでいる部分がございますし、また文化の面で言えばねぶたの交流ということで、葛西工業の部分と連携を進めているというようなお話もお伺いしております。そういった連絡を密に、私どももしていかなきゃいけないと思いますけれども、大学自体が本当に地域に出ていってくださっていますので、特にこの地元の産業界との結びつき、それが地元の産業界の活性化や地域社会の発展につながっていくことが望ましいと思っておりますので、そういう方法を期待しているところでもございます。
そういった中で、国際交流の推進ということのお話がございました。今、在籍者が五十四名ですけれども、そのうち留学生が四十七名ということで、率にすれば八七%が留学生だということでございます。国際交流、地元の結びつき、この大学との結びつきがそのまま国際交流になるということかなというふうに思っております。ご存じのとおり、清新町の自治会の餅つき大会にこの留学生の方が参加をしてくださったり、今年のふれあい祭り、清新町、臨海町のふれあい祭りにも参加をしていただく予定だったんですけれども、お祭り自体が中止になってしまったので、これは実現がかなわなかった部分でございます。今、江戸川区、人口の五%でございますけれども、特に葛西地区で言えばこの割合が非常に高くなっておりますし、江戸川区全体の外国人の四三%の方が葛西地区に住んでいるという、こういった数字もございまして、そして外国の方これからどんどん増えていくだろう、人口推計の中では今後、人口の、今、五%ですけれども一六%まで上がるんじゃないかと言われておりますので、国際交流とは切っても切り離せない存在だと思っています、江戸川区の将来を語っていくには。そういった中でこの青森大学の東京キャンパスが国際交流の場になればいいなというふうに考えているところでございます。
私からは以上です。
○副議長(関根麻美子 君) 上川
児童相談所長。
◎
児童相談所長(上川光治 君) それでは、私のほうから、社会的養護が必要な子どもの継続した相談支援の拠点をということについてご説明をしたいと思います。
まず、虐待等で親と距離を置かなければならないという、ちょっと離れて暮らすことが必要になる、そういった社会的養護が必要なお子さんについては、やはり退所後の状況というのが非常に不安定になります。多くの場合、順調に就労等をすれば問題ないんですけれども、やはりすぐにやめてしまうとかそういったことがあった場合、多くの課題に直面をすることになります。そういったとき、もう十八を超えておりますと、児童相談所のほうも相談の受け付けができないという状況の中で、なかなかどこに相談していいか分からないという状況になってしまう現状がございます。
経験からお話申し上げますと、多くのそういった方についてはやはり出身の施設ですとか里親さん、そういったところで相談をして、何とかしてもらうためにそこへ相談に行くというのが一つ。それからもう一つは、やはり施設から高校とか専門学校、そういった短大や大学に行く場合もございますけど、そこにいろいろとお友達とかいろいろな方がいらっしゃいますので、そういった方々を頼るということが一つございます。
それから、もう一つの事例が、施設から自立するということではなく家庭復帰をして自立をする、そういった場合については江戸川区のお子さんであれば、江戸川区に戻ってきて家庭に復帰されるというケースがございます。こういった場合は、お子さんにつきましては、相談先とすればやはり顔見知りである児童相談所の児童福祉司とか、前、自分が所属していた学校の先生とか、また親族とか知人、そういった方に相談されるということが、これが大体の相談のパターンでございますけれども、実際的にはやはり相談をお受けしても十八以上であればなかなかその対応が難しいということがあります。一つは、児童相談所のほうに相談されても、やれることというのは自立援助ホームというところにご案内するということぐらいしか対応の方法がないというようなことがあります。ですから、多くの場合が様々な区内の支援サービス等を紹介させていただいて、そちらのほうで対応していただくということが多くなっております。そういう状況の中で、児童相談所のほうにまずご連絡をいただくというのが一番確実なのかなというふうに思っています。もしそういう方がいらっしゃいましたら、まずは児童相談所に連絡をしていただければ、児童福祉司のほうで面接をした上で様々な支援に結びつけていくということをやっていきたいなというふうに思っています。
ただ、ご指摘のとおり、児童相談所のほうも業務のほうがかなり煩多でございまして、継続的にその業務を行うということがなかなか難しいことも思っております。ですから、ご指摘のとおり、継続した相談支援の在り方、それから拠点づくり等については、今後、引き続き研究をしていきたいなというふうに思っております。
以上でございます。
○副議長(関根麻美子 君) 弓場
子ども家庭部長。
◎
子ども家庭部長(弓場宏之 君) 離婚前後の相談体制の拡充ということでございます。
令和二年四月から、児童相談所の開設を契機に、今まで子ども家庭支援センターのほう等でやっておりました相談業務を、子どもさんの子育て相談等につきましては児童相談所のほうでやると、それから大人のいわゆるあらゆる相談につきましては、人権・男女共同参画推進センターのほうでお受けしていくというような分けをさせていただいておるところであります。そういう中でその人権・男女共同参画推進センターのほうでは、先ほど質問の中でもご紹介いただきましたひとり親相談室のすずらんであるとか、あるいは女性弁護士さんの法律相談、これは月一回でございますが、こういったもの、それから専門相談員による家庭相談というようなことで対応しておるところであります。離婚ということでありますと、例で言いますと江戸川区内で昨年中で離婚の届出をいただいている件数が千七百九十一件ということであります。当然、相談ということになるとこの届出をいただく前の段階、もしくはこの届出に至らないようなお悩みの方というのも多分たくさんいらっしゃるんだろうと思います。そういう意味におきましては、伊藤議員さんおっしゃるように、非常に区民にとっては決して少なくない相談に値する件数なのかなというふうに捉えております。そういう中で、私ども、大人のあらゆる相談ということで離婚の相談等いただきますと、まず丁寧に私どものほうでできる範囲の専門相談員によります相談をさせていただいております。例えば相談の内容なんかでいきますと、離婚した後、育児とか教育とか、あるいは面会どうしたらいいんだとか、あるいは経済的にどうしたらいいんだ、そういうようなご相談も実際に寄せられているところでございます。私ども対応する中で、場合によりまして、ケースによりまして、これ私どもの専門相談員だけでなく例えば東京都のほうでやっているところであるとか、あるいは法テラスであるとか、そういう、さらに専門的な方が、私どものほうとはまた違った助言ができるようなところがその方にとってあるんであれば、そういったところもご紹介しながらやっておるというようなことであります。いずれにいたしましても、一人ひとりのご相談に寄り添いながら今後も丁寧なご相談をしていただきたいというふうに思っております。また、ご質問の中に入っておりましたインターネットの活用等ということも、これもこれから我々研究していきたいなというふうに思っているところであります。
私のほうからは以上であります。
○副議長(関根麻美子 君) 伊藤照子君。
◆三十五番(伊藤照子 君) 区長並びに部長、上川所長、丁寧なご答弁、大変にありがとうございました。
新型コロナウイルスの感染拡大は、区民生活に様々な困難な状況を生み出しています。その中で一番弱い立場で一番支援が必要な子どもたちやひとり親などについて質問をさせていただきました。
児童相談所については、卒業する子どもたちが児童相談所に相談をしていいんだよということが分かるような、そういう発信をぜひ児童相談所が開設した江戸川区だからこそしていただきたいと思います。
ひとり親支援については、先ほど区長からご答弁がございましたが、全ての人がこの三百万円になるまでのいろいろな補助を申請できるとは全然限らないので、所得も低い方もいれば、ある程度中流の方がこういうことでこういう補助金とかをもらえないわけなんですよね。そういったことを考えた場合に、やはり区の子育て支援という立場からぜひともまたご検討いただきたいと思います。
また、寡婦・寡夫のこのことについては実態を今回は訴えさせていただきましたので、ぜひ課題認識を持っていただきたいと思っております。
食の支援については、困窮家庭に食品を届ける事業を行っているNPO法人は、平常時に行っていることで今回のような非常事態にも対応できたと報じています。ぜひ先ほどお話があった、責任部署を定めてさらなる新たな取組みをやっていただけると、こういった事態にも対応できるんではないかと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
昨日、区長のご答弁の中で、先ほども話がありましたが、子育て世代の流出について課題認識を示されました。低地帯であるというデメリットもありますけれども、子育て支援は今、二十三区では平準化しております。これからやはり本区が一番取り組むべきは、本区の長年の課題である学力向上だと思います。子育て世代を呼び込む本区の魅力として、教育は最も大きいと思います。青森大学にとどまらず、今後も高等教育の誘致と教育力向上にぜひともしっかり予算をつけて積極的に取り組んでほしいと思います。
SDGsを進める本区として、誰も置き去りにしないとの精神で、一人に寄り添う区政運営を要望し、また、新型コロナウイルス感染症にご尽力いただいている多くの皆様に心から感謝をして、質問を終わります。ありがとうございました。
○副議長(関根麻美子 君) 以上で一般質問を終結します。
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△日程第二 陳情
○副議長(関根麻美子 君) 日程第二、陳情。ただいままでに受理した陳情は、お手元に配付した文書表のとおり、それぞれ関係委員会に付託します。
以上で本日の日程は全て終了しました。
なお、明日二十五日から十月二十一日までは、決算特別委員会における議案審査、常任委員会における議案審査、議事の都合及び休日のため休会し、次回は十月二十二日午後一時から本会議を開きます。
本日は以上で散会いたします。
午後六時十五分散会...