江戸川区議会 2019-11-27
令和元年 第3回 定例会-11月27日-02号
令和元年 第3回 定例会-11月27日-02号令和元年 第3回 定例会
令和元年 第三回定例会 江戸川区
議会会議録 第十一号
第三回定例会 第二日
一 開会日時 令和元年十一月二十七日(水曜日)午後一時
二 出席議員(四十四人)
一番 よ ぎ 君
二番
小林あすか君
三番 本西光枝 君
四番
伊藤ひとみ君
五番 田島寛之 君
六番 齊藤 翼 君
七番 鹿倉 勇 君
八番
白井正三郎君
九番 牧野けんじ君
十番 神尾昭央 君
十一番 滝沢泰子 君
十二番 岩田将和 君
十三番 間宮由美 君
十四番
佐々木勇一君
十五番 竹平智春 君
十六番 所 隆宏 君
十七番 太田公弘 君
十八番 栗原佑卓 君
十九番 野﨑 信 君
二十番 中山隆仁 君
二十一番
大橋美枝子君
二十二番
金井しげる君
二十三番
笹本ひさし君
二十四番 中津川将照君
二十五番 桝 秀行 君
二十六番 窪田龍一 君
二十七番 堀江創一 君
二十八番
関根麻美子君
二十九番 大西洋平 君
三十番 田中寿一 君
三十一番 福本光浩 君
三十二番 高木秀隆 君
三十三番 小俣則子 君
三十四番 瀨端 勇 君
三十五番 伊藤照子 君
三十六番 中道 貴 君
三十七番 竹内 進 君
三十八番 田中淳子 君
三十九番 川瀬泰徳 君
四十番 藤澤進一 君
四十一番 早川和江 君
四十二番 川口俊夫 君
四十三番 須賀精二 君
四十四番 島村和成 君
三
出席説明員
区長 斉藤 猛 君
副区長 山本敏彦 君
副区長 新村義彦 君
経営企画部長
近藤尚行 君
危機管理室長
山口正幸 君
総務部長 弓場宏之 君
都市開発部長
町山 衛 君
環境部長 髙原伸文 君
文化共育部長
石塚幸治 君
生活振興部長
後藤 隆 君
福祉部長 岡村昭雄 君
子ども家庭部長
松尾広澄 君
健康部長 森 淳子 君
江戸川保健所長
渡瀬博俊 君
土木部長 立原直正 君
経営企画部企画課長
矢作紀宏 君
経営企画部財政課長
岡部長年 君
総務部総務課長
矢島 明 君
教育長 千葉 孝 君
監査委員事務局長
石原詠子 君
選挙管理委員会事務局長
米田尚義 君
四 出席区
議会事務局職員
事務局長 天沼 浩 君
議事係長
三上欽司 君
主査 野村一貴 君
書記 山沢克章 君
同 當山寛成 君
同 土屋博祥 君
書記 近藤知博 君
同
佐々木康祐君
五 議事日程
日程第一 議 案
第六十二号議案 令和元
年度江戸川区
一般会計補正予算(第六号)
第六十三号議案 令和元
年度江戸川区
国民健康保険事業特別会計補正予算(第二号)
第六十四号議案 令和元
年度江戸川区
介護保険事業特別会計補正予算(第三号)
第六十五号議案 令和元
年度江戸川区
後期高齢者医療特別会計補正予算(第三号)
第六十六号議案 職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
第六十七号議案
幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
第六十八号議案 江戸川区職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例
日程第二 一般質問
1 島 村 和 成 君 2 田 中 淳 子 君 3 瀬 端 勇 君
4 岩 田 将 和 君
散 会
───────────────────────────
午後一時開議
○議長(田中寿一 君) これより本日の会議を開きます。
───────────────────────────
△日程第一 議案
○議長(田中寿一 君) 日程に入ります。
日程第一、議案。
第六十二号議案から第六十八号までの各議案を一括議題とします。事務局長に議案を朗読させます。
〔
天沼事務局長朗読〕
───────────────────────────
第六十二号議案 令和元
年度江戸川区
一般会計補正予算(第六号)
第六十三号議案 令和元
年度江戸川区
国民健康保険事業特別会計補正予算(第二号)
第六十四号議案 令和元
年度江戸川区
介護保険事業特別会計補正予算(第三号)
第六十五号議案 令和元
年度江戸川区
後期高齢者医療特別会計補正予算(第三号)
第六十六号議案 職員の給与に関する条例の一部の改正する条例
第六十七号議案
幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
第六十八号議案 江戸川区職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例
右の議案を提出する。
令和元年十一月二十七日
提出者
江戸川区長 斉 藤 猛
───────────────────────────
○議長(田中寿一 君) 提出者の趣旨説明を求めます。山本副区長。
〔副区長 山本敏彦君登壇〕
◎副区長(山本敏彦 君) ただいま上程されました議案の説明を申し上げます。
第六十二号議案から第六十五号議案の予算書・同説明書をお願いいたします。
いずれも別途提案しております、
給与条例改正及び現員現給に基づいた予算の
執行見込みに伴う職員の
給与費補正でございます。
予算書・同説明書、一ページをお開きください。
第六十二号議案、令和元
年度江戸川区
一般会計補正予算(第六号)です。
今回の
補正予算は、
歳入歳出予算の総額に、歳入歳出それぞれ、一億五千八百四十八万七千円を減額し、
歳入歳出予算の総額を、歳出予算それぞれ、二千六百七十億六十八万四千円とするものでございます。
二ページをお開きください。
第一表、
歳入歳出予算補正、歳入でございます。第十九款繰越金は、一億五千八百四十八万七千円の減で、繰越額の減額であります。
歳出につきましては、三ページ、四ページに記載しております
科目別補正額のとおりでございます。
以上、
歳入歳出予算補正は、それぞれ一億五千八百四十八万七千円の減でございます。
次に、五ページをお開きください。
第六十三号議案、令和元
年度江戸川区
国民健康保険事業特別会計補正予算(第二号)です。
今回の
補正予算は、
歳入歳出予算の総額に、歳入歳出それぞれ、九十万八千円を追加し、
歳入歳出予算の総額を、歳入歳出それぞれ、六百十九億三百二十六万一千円とするものでございます。
歳入歳出予算補正は、六ページ、七ページに記載しております
科目別補正額のとおりでございます。
次に、九ページをお開きください。
第六十四号議案、令和元
年度江戸川区
介護保険事業特別会計補正予算(第三号)です。
今回の
補正予算は、
歳入歳出予算の総額に、歳入歳出それぞれ、七百八十四万八千円を追加し、
歳入歳出予算の総額を、歳入歳出それぞれ、四百六十六億八千四百六十八万三千円とするものでございます。
歳入歳出予算補正は、十ページ、十一ページに記載しております
科目別補正額のとおりでございます。
第六十五号議案、令和元
年度江戸川区
後期高齢者医療特別会計補正予算(第三号)です。
今回の
補正予算は、
歳入歳出予算の総額に、歳入歳出それぞれ、一千二百九十四万四千円を追加し、
歳入歳出予算の総額を、歳入歳出それぞれ、百三十四億七千八百八十三万六千円とするものでございます。
歳入歳出予算補正は、十四ページ、十五ページに記載しております
科目別補正額のとおりでございます。
次に、追加の議案書をお開きください。
第六十六号議案、職員の給与に関する条例の一部を改正する条例及び第六十七号議案、
幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例は、いずれも特別区
人事委員会の勧告に基づき、次のように改正するものであります。
改正点は二点ございます。一点目は、職員の給与が
民間従業員の給与を二千二百三十五円、〇・五八%上回っている状況を解消するため、職員及び
幼稚園教育職員の給料月額を引き下げるものであります。令和二年一月一日から施行いたします。
二点目は、民間における特別給の支給状況を勘案し、期末・勤勉手当の
年間支給月数を、現行の四・五月から〇・一五月引き上げ、四・六五月とし、
引き上げ分については勤勉手当に割り振るものであります。公布の日から施行いたします。
第六十八号議案、江戸川区職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例は、給料月額の改定を踏まえ、令和二年一月一日から同年三月三十一日までの間に退職する職員の退職手当の基本額に係る特例措置について定めるものであります。公布の日から施行いたします。
以上で、説明を終わります。
○議長(田中寿一 君) ただいま上程されました各議案のうち、第六十六号から第六十八号の各議案については、机上配付のとおり、
地方公務員法第五条第二項の規定により、あらかじめ特別区
人事委員会の意見を聴取しましたので、報告します。
ただいま説明されました各議案について質疑の通告がありませんので、質疑を終結します。
この審査のため、第六十二号から第六十八号までの各議案は、
総務委員会に付託します。
───────────────────────────
△日程第二 一般質問
○議長(田中寿一 君) 日程第二、一般質問。
これより一般質問を行います。順次質問を許します。四十四番、島村和成君。
〔四十四番 島村和成君登壇〕
◆四十四番(島村和成 君) 令和元年第三回定例会に当たり、
区議会自由民主党を代表して質問いたします。
区長並びに、教育長の明解なる答弁を期待いたします。
まず初めに、このたびの台風十九号や十月二十五日からの大雨により、福島県や宮城県、千葉県など全国で九十八名もの尊い命が失われました。ここに哀悼の意を表するとともに、被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。
この数カ月の天変地異を思わせるような台風や大雨には、本当に驚かされ、その脅威にどう立ち向かえばよいのか、改めて考えなければならないと強く思いました。
まず初めに思うのは、やはり治水事業は、どんなに長い年月がかかろうと、やり続けなければならないということであります。このたびの甚大な被害を出した台風十九号を受けて、かつての
民主党政権が掲げていた
スローガン「コンクリートから人へ」をはじめ、同党の治水政策が改めて注目をされました。
民主党政権は、群馬県長野原町の八ッ場ダムを一時建設中止としたり、
事業仕分けで、
スーパー堤防整備は中止と判断をいたしました。
今回、八ッ場ダムが
利根川流域を救ったとの指摘もあり、ネット上などでかつての
民主党政権批判が噴出をいたしました。
試験湛水中だった八ッ場ダムによって、数十万人の命が救われたとも言われています。改めて、ダムの必要性が確認されたことでしょう。
当時、
必殺仕分け人として、予算削減に夢中だった民主党は、今、何を思うのでしょうか。当時の党幹部や所属議員に反省や後悔はないのか、聞いてみたいところであります。
このたびの台風十九号は広範囲に大雨を降らせ、堤防決壊は百四十カ所に及びました。我が江戸川区も、江戸川、荒川と大河川の最下流に位置し、堤防が決壊しないように心から祈っていました。十月十二日の土曜日の朝には、気象庁から
荒川上流域で総雨量五百ミリを超える可能性があるとの情報が江戸川区に伝えられました。もし、そのことが現実となれば、洪水の危険性が高かったでしょう。幸いに、総雨量四百二十ミリ程度だったことや、いざというときに荒川の第一調節湖である彩湖に三千九百万立米、東京ドーム三十一杯分の容量があることが大きく寄与し、荒川下流での洪水は免れました。
一方、本区でも事態は深刻で、江戸川の上流である利根川の
栗橋水位観測所では、十三日の午前三時には
氾濫危険水位を七十センチも超える、九・六メートルまで上昇し、堤防決壊を危惧する状況になっていました。こちらも上流での雨がやんでいたこともあり、その後、水位が下がり、七十二年前の
カスリーン台風のような大洪水は発生しませんでした。
この水位上昇を抑えられたのは、十月上旬から試験湛水を始めていた八ッ場ダムの効果が、ここでも指摘されています。本区にとっては、救世主と言えるかもしれません。
このように荒川も江戸川も、先人が後世のために治水事業を進めてくれたおかげで、洪水の危機を救ったと言えるのではないでしょうか。治水事業は、一朝一夕に完成するものではありません。子や孫のために、そのとき生きる我々が、着実に一つ一つ進めていくことが大切であることを痛切に感じております。
そして、もう一つ大切なことがあります。区民が、水害時にどう避難すべきかという点であります。江戸川区では広域避難を
水害ハザードマップに掲載し、啓発をしております。もし今まで経験したことがないような洪水や高潮で被災すれば、区内の大半は浸水し、その水が二週間も引かないという状況が想定されていることから、「ここにいてはダメです」という
ハザードマップの
スローガンは、現時点ではやむを得ないかもしれません。
しかし、今回は広域避難の要件に達するまでには至らなかったので、区民に避難勧告を行い、小中学校に避難誘導を行いました。そして、避難勧告を二十三区のどこよりも早く、風雨の強くなる前に発令をしました。これは、まさに区の英断であったと、私は高く評価したいと思います。その結果、三万五千人の方が避難できたということが、区民の安心につながったと思っております。
広域避難の成否は、移動手段の確保にかかっていると言われております。新聞報道によりますと、周辺五市町で広域避難の
枠組み策定を進めていた埼玉県加須市は、利根川の水位が急上昇した十三日午前一時、単独で広域避難に踏み切りました。
浸水域人口約三万人のうち、約八千人が域外にある市内外の避難所十五カ所に逃げました。
高齢者などのために用意したバス十台が延べ十五往復をしましたが、主要道路に想定を超える自家用車が集中し、約十キロ渋滞、避難所まで二、三時間かかったとのことであります。
さて、ここで今回の台風十九号における本区の対応等について、何点か伺いたいと思います。
はじめに、平成二十八年に「江東五区
広域避難推進協議会」を立ち上げましたが、今回の台風十九号に備え、どのような体制を組み、また対応したのでしょうか。
また、今回、六十五の小中学校に二万六千七百六十一人の人たちが避難をされたと聞いておりますが、どのように対処し、またどのような課題が出たのでしょうか。
災害時における
学校マニュアルについては、現場の職員がきちんと対応し、行動できたのでしょうか。学校により避難者に対する対応がまちまちと聞いておりますが、現状はどうだったのでしょうか。
次に、情報共有についてお伺いします。
私の住んでいる平井は、荒川と旧中川に囲まれており、昭和二十四年の
キティ台風では、台風と東京湾の満潮が重なって潮位が高くなり、多くの家が床上浸水の被害を受けました。今回も荒川が破堤するのではないかと、多くの住民の方が心配し、近所の小中学校に二千人以上の方が一時避難をいたしました。
私は、たまたま、「えどがわ
メールニュース」を登録していたので、
避難情報等がリアルタイムで受け取ることができました。しかし、この
メールニュースに登録していない人たちには、これらの情報が届かないわけであります。現時点での登録者数は、二万五千人足らずとのことです。担当部署としても積極的に周知努力をしていると思いますが、様々な形で周知を徹底できるように、今後も引き続きご努力をお願いしたいと思います。
これからは、今回のような気象状況が頻繁に起きることが予想されます。水害時避難の意識啓発も大変重要になってくると思いますので、各地域でのきめ細かい
情報交換等が定期的に必要だと思いますが、区長のご見解をお聞かせください。
次に、新潟県南魚沼市との
友好都市盟約締結促進について伺います。
「
塩沢江戸川荘」は昭和六十三年十二月に開設され、丸三十一年が経過をいたしました。開設以来、毎年一万五千人以上の方々が利用され、本年三月末現在で、累計五十二万八千人の方々に利用されております。この施設では
南魚沼市民の方々も働いてくれております。しかしながら、行政間の交流はほとんどありませんでした。
先ほども触れましたが、災害時の
広域避難先としても考えてはいいのではないでしょうかと、私は考えております。
ハザードマップでも、「ここにいてはダメです」と書いてあるわけですから、いざというときの区民の避難先の一つとして、今からでも当事者間の話を進めて、前向きに取り組むべきだと思います。
そのためにも、
塩沢江戸川荘を通じての三十一年間という長いご縁もあるわけですから、南魚沼市との
友好都市盟約を結び、災害時の
避難所並びに支援物資の提供等をはじめ、市民交流、
地場産業支援などを積極的に行うべきだと思いますが、区長のご見解をお伺いいたします。
関連して、江戸川区と南魚沼市の交流拠点となり得る、
塩沢江戸川荘の魅力の向上、施設のさらなる充実について、お伺いいたします。
南魚沼市との
友好都市盟約締結の暁には、さらに脚光を浴び、注目を集める場所が、「
塩沢江戸川荘」であると私は思います。
ここで改めて「
塩沢江戸川荘」の歴史をひもといてみますと、
区立中学校の
林間学校施設として昭和三十七年に長野県菅平高原に開設された、「
菅平林間学校」にさかのぼります。「
菅平林間学校」は、林間学校としてだけではなく、
区民スキー教室の会場としても活用されました。しかし、施設の老朽化や生き帰りの交通渋滞の悪化、降雪の不安定さといった事情により利用継続の先行きが不透明となり、苦渋の決断により、延べ二十万人の中学生や区民が利用した「
菅平林間学校」は、昭和五十八年に二十年にわたる歴史に幕を閉じました。
一方、昭和五十年代後半からの週休二日制導入などにより、人々の余暇活動は拡大いたしました。昭和五十一年に開設された、長野県穂高町、現在の安曇野市にある
区民健康施設「穂高荘」もほぼ満杯の状態が続いていました。
昭和五十九年度から六十二年度までの
区民世論調査では、「
教育文化施設の要望」の第一位が、毎年、「
区民保養所」となっておりました。
そのような折に、区では
アーバンリゾート構想の一環として、
菅平林間学校のようにスキーを存分に楽しめるだけでなく、四季を通じてハイキングや釣り、ゴルフ等を楽しめる、交通の利便性がよい場所として、新潟県塩沢町に江戸川区第二の
区民保養所建設を決定し、「
塩沢江戸川荘」が昭和六十三年十二月に開設されました。
今や、毎年
区立小学校五、六年生のウィンタースクールの施設として利用され、昨年の冬も区内十七校、千二百三十二人の小学生が
塩沢江戸川荘を訪れ、スキーを楽しんだと聞いております。
このように子どもから大人まで多くの区民に愛され、利用されている
塩沢江戸川荘を南魚沼市との交流拠点として、さらに活用していくため、
塩沢江戸川荘をさらに充実されてはいかがでしょうか。
先ほども少し触れましたが、江戸川区には
区民健康施設として、友好都市である長野県安曇野市に「穂高荘」があります。穂高荘は、ご存じのように、昭和四十九年、穂高町との
友好都市盟約締結とともに昭和五十一年に開設されました。昭和六十三年には新館も開設され、いずれも近隣の中房温泉の六七・七度の弱
アルカリ性硫化水素泉を引湯しております。
穂高荘は開設以来、約百十三万人もの方に利用されています。この穂高荘は友好都市、安曇野市との交流拠点としても大切な役割を果たしております。これまでも穂高荘は区内の子ども会の夏の
キャンプ地となり、地元の子ども会との交流を深めてきました。また、安曇野市との
スポーツ交流、例えば
少年サッカー、ソフトボール、ママさんバレーボール、卓球など、皆さんが親善試合を通じて親睦を深めてきた際の宿泊場所として、穂高荘は活用されてきた経緯があります。
近年では、安曇野市が主催する「
信州安曇野ハーフマラソン大会」へ、
区民参加者向けに
特別メニューや行程を工夫したツアーを催行し、
参加者専用の穂高号も運行されています。今年は八十七名の区民が出場し、そのうち四十八名の方が穂高号を利用されたということです。
ほかにも穂高荘を舞台に、
安曇野市民と区民との
交流囲碁対局、
安曇野市職員による、宿泊した
子どもたちへの木工教室も開かれています。
そして、安曇野市の皆さんも
日帰り入浴や宴会だけでなく、宿泊もされています。地元では「江戸川荘」の愛称で、
安曇野市民の皆さんに大変親しまれていると、先日、私どもが行政視察した際に、
安曇野市議会の方々がおっしゃっておりました。
このように、穂高荘が友好都市、安曇野市の交流拠点として大きな役割を果たしていることを鑑みれば、
塩沢江戸川荘も南魚沼市との交流拠点として、大いに活用できるのではないでしょうか。
そのためには、
塩沢江戸川荘のさらなる魅力向上、施設の充実が必要不可欠であると、私は考えます。
塩沢江戸川荘では、これまでも穂高号同様、塩沢号を運行し、新潟周辺の観光地をめぐっております。少し足を延ばして、友好都市である鶴岡市へも年に数回運行されていると伺っております。
また、敷地内の農園で栽培した野菜の収穫体験や、山菜とりやキノコ狩り、夏季には
子ども向けに
カブトムシとりも実施しています。酒どころ、新潟の地域性を活かして、清酒達人の資格を持つ
塩沢江戸川荘の職員による利き
酒イベントも好評だと聞いております。
施設面でも、
スキーロッカーを常設し、
スキー用具の貸し出し、キャンプサイトを整備、
車椅子利用者等の障がい者向けに
バリアフリールームを設置し、来年度には、より使いやすく改装すると聞いております。
このように、開設以来、積極的に魅力向上に取り組んでいる
塩沢江戸川荘に唯一足りないのは「温泉」であります。多くの区民からも「
塩沢江戸川荘に温泉があったらいいのに」という声は、多くの方々から聞かれます。
先ほども申し上げたとおり、穂高荘には天然温泉が湯舟を満たしており、利用者からも好評をいただいております。
塩沢江戸川荘には
ラドン温泉はありますが、残念ながら天然温泉ではありません。
塩沢江戸川荘で天然温泉に入れるようになれば、魅力は倍増すること請け合いであります。区民待望の温泉化は、多くの区民が喜び、利用頻度も高まるでしょう。そして、
南魚沼市民の皆様にも、この温泉をご利用いただくことで、
塩沢江戸川荘が区民と
南魚沼市民の交流の拠点となり、友好のかけ橋となると、私は思います。
ぜひとも、区民が待ち望んでいる
塩沢江戸川荘の温泉化を強く要望しますが、区長のご見解をお聞かせください。
次に、
児童相談所に向けての、区長の決意をお伺いしたいと思います。
児童虐待をはじめとした、子どもにかかわる相談に総合的に対応するため、
児童相談所がいよいよ来年四月に開設をいたします。平成二十二年、本区で起きた不幸な事件は、本当に残念でなりません。児童虐待を担当する「
子ども家庭支援センター」が、K君の顔が一・五倍に腫れ上がるなど、虐待を疑うべき状況について、
墨田児童相談所に情報提供をしましたが、相談所が適切な助言をしておりませんでした。
また、K君が虐待を受けて入院していた都立病院でも、K君本人からけがをしたときの状況を聞かなかったこと。その結果、担当医師は、同病院内の児童虐待の対策委員会に報告をしていなかったことなど、関係機関の連携不足が問題視されました。
江戸川区も、虐待通告を受けた後の対応を検証した結果、「情報に適切に対処できず、K君を死に至らしめたことは区全体の責任」と結論づける報告書をまとめました。
K君を診察した歯科医が虐待の疑いがあると区に通告した以降、「
子ども家庭支援センターは学校に任せ、学校も虐待の認識が低く、命を守るための具体的行動に結びつけることはなかった」などとして、対応が不十分だったことを認めております。
江戸川区も、「モデル区」として二十三区で先行して、来春、
児童相談所を開設するわけですから、二度とこのような不幸な事件が起きないように、相当の決意と覚悟を持って臨んでいただきたいと思います。
児童虐待は、その早期発見と迅速な対応はもちろんですが、江戸川区として、そもそも虐待の起こらない地域社会とすることを目指すべきであると、私は思います。
しかし、虐待の発生を防ぐには、行政や関係機関だけでなく、本区が自慢とする地域力を活用することが不可欠であります。地域社会全体で子どもの視点に立ち、子どもを守り、
子どもたちが豊かにのびのびと育っていける環境をつくることが、私たち大人の役割であると思います。しかしながら、人口七十万人に膨れ上がった本区においては、難しい面も多々あると思います。
そこで、子どもの権利擁護や子どもを守り育てる区民全体の意識をさらに高め、区の取り組む姿勢の本気度を示すためにも、誰しもの精神の拠り所となるような象徴的なものが必要であると、私は考えます。
来年四月の
児童相談所の開設を機に、子どもの権利条約の理念を核とする、江戸川区独自の憲章や条例などの制定を提案したいと思いますが、区長のご所見をお聞かせください。
次に、すくすくスクールの安定的な運営に向けての人材確保について伺います。
すくすくスクールは、平成十七年度、全校でスタートして以来、地域の方々にご協力をいただきながら、児童の健全育成のために、放課後の学校を活用した全国に誇る事業として実施されてきました。
この間、女性が活躍できる社会づくりなどが推進され、すくすくスクールの参加児童数も年々増加の傾向にあり、ますますその需要は増えるものと考えられます。
斉藤区長が、四月の選挙で掲げられた七つの約束の一つに、子育て環境日本一を目指して、「学童クラブの休日の時間延長」については、本年七月二十日の夏季休業期間から、土曜日及び学校休業日の朝の開始時間が八時三十分からに変わりました。その参加状況は、平均で六〇%を超える児童が開始時から参加するという結果で、多くの保護者の方々から感謝の言葉が現場に伝わっているとお聞きしております。
一方で、児童の受け入れを担う職員も予想を上回る参加児童に対応するため、勤務のシフトを変更し、対応に当たったと伺っております。
昨年、政府の規制改革推進会議の中でも、学童保育対策として、「多様な人材の活用」が課題として挙げられていますが、その議論の中でも、民間事業者と特別区の自治体から、指導員の確保が困難な状況にあることが報告されています。全国的な課題として、人材の確保が難しいことが指摘されておるわけであります。
令和元年第一回定例会において、区長は、「時間延長についても今後研究していく」と答弁をされましたので、今後、前向きに検討が進められていくものと理解してよろしいのでしょうか。現在のすくすくスクールの安定的な運営に向けての人材確保について、区長のお考えをお聞かせください。
最後に、学校給食の安定的・継続的運営について伺います。
我が国の学校給食は、明治二十二年に山形県の小学校において、貧困の児童に無償で食事の提供がされたことが始まりであると言われております。その後、学校給食は全国の自治体に広がり、昭和二十九年には「学校給食法」が制定され、学校給食の普及と充実を図ることとされました。
本区においても、いち早く小中学校全校に栄養士を配置し、自校調理を実施することで、毎日温かくおいしい給食を
子どもたちに提供されてきたことは、他に誇れることであります。
時代の変化の中で、学校給食の運営体制についても、区の直営から少しずつ民間事業者の活用へ移行し、来年度には調理業務の委託化が全校で実施されると伺っております。
言うまでもなく、学校給食は成長期における児童生徒の心身の健全な発達のため、栄養バランスのとれた豊かな食事をとることにより、健康の増進と体力向上を図るとともに、食に対する指導を効果的に進めるための重要な役割を果たすものです。
使用する食材についても、様々な工夫がなされており、「小松菜給食」は本区の地場産物である小松菜を
子どもたちが食するという、「地産地消」の貴重な体験であります。
そして、多くの学校において、友好都市である鶴岡市の減農薬米「はえぬき」が使用されており、都市交流という観点からも、まさに「生きた教材」となっております。
しかし、近年、社会環境の変化に伴い、児童生徒の偏った栄養摂取や不規則な食事など、食生活を取り巻く問題が顕在化しており、学校給食が果たす役割はますます大きくなっていると言えます。
一方、本区の学校給食費は、二十三区で最も安いと伺っておりますが、最も安いということは、その金額の中で食材を賄うわけでありますから、このような状況の中で、果たして
子どもたちに必要な栄養素が確保できているのでしょうか。何でも安ければいいというものではありません。
子どもたちに十分な栄養素のある食事を第一に考えなくては、本末転倒であります。食材の高騰や消費増税の影響を踏まえると、学校給食費は値上げをせざるを得ないのではないでしょうか。
あわせて、近年、高等学校や幼児教育の無償化など、教育に係る経費の無償化が進み、学校給食についても、無償化や一部補助を実施する自治体も出てきております。
本区においては、昭和四十九年のオイルショックを契機に、学校給食費の一部補助を実施してきましたが、他区と比べて突出した補助内容であったことから、平成二十四年度の事務事業の一斉見直しの際に廃止となりました。
子どもの貧困対策として、平成二十五年六月には、「子どもの貧困対策の推進に関する法律」が成立し、翌平成二十六年八月には、「子どもの貧困に関する大綱」が閣議決定されました。このことを受けて、本区でも、これまで様々な成長支援事業等を展開するとともに、就学支援制度において、多くの児童に対して、給食費を含めた就学に係る費用を援助しております。
先の第二回定例会において、学校給食費に関する同僚議員からの質問に対して、教育長より、「食材費の高騰や栄養素の引き上げ及び本区の給食費が二十三区で最安である等の観点から、給食費の改定を検討せざるを得ない。また具体的な額は、消費増税の影響等を見定めて算定したい。あわせて保護者の負担軽減は、大きな政策判断を伴うことであり、財政や区民の実情を踏まえて丁寧に検討していきたい。」との答弁がありましたが、「子育てしやすいまち」と称される江戸川区として、学校給食費の値上げはやむを得ないにしても、子育て支援の一環として何かしらの負担軽減措置をとることは必要と、私は考えております。
そこで、学校給食の重要性を鑑みて、今後も本区の学校給食を安定的に運営するために、学校給食費の改定と、それに伴う保護者負担軽減について、どのように取り組んでいくのか、教育長のご所見を伺います。
以上で、私の第一回の質問を終わります。
○議長(田中寿一 君) 斉藤区長。
〔区長 斉藤 猛君登壇〕
◎区長(斉藤猛 君) 区政の重要課題について、ご質問をいただきました。順次お答えをしてまいります。
まず、一点目でございます、台風十九号のご質問でございます。最初にどのように体制を組み、対応をしたのかということですけれども。この台風十九号、上陸する前には、大分マスコミ等で大きな台風だということが言われておりました。規模としては昭和三十三年の狩野川台風並みだと。このときは死者三十六名出しておりました。こういったような報道が当初からございましたので、私どもとしては、台風上陸が十月十二日ですから、その四日目の十月八日から情報連絡態勢というのを組み始めました。
そういった中で、そのとき十月八日の段階では、海上では九百十五ヘクトパスカルということで、これは九百三十以下であれば広域避難を出さなきゃいけないような大きな台風です。ただ、陸上に来ると、九百五十ヘクトパスカルということで、これは広域の避難よりも下回るような水準だったのです。
ですので、このときに江東五区とも相談をいたしまして、その中の一つは当然我々ですけれども、この広域避難の発令をする状況ではないだろうという確認が、この段階で一回とっております。ただ、その後も気象情報を注視しながらということで、日や時間は過ぎていくんですけれども。
そういった中で、十月八日の翌日、十月九日です、このときはやっぱり台風、そして土日は雨風がひどいということで、区民まつりを中止にしたのは十月九日ということでございます。
そして、台風上陸の前日、今度は十月十一日になりますけれども、この段階では、やはり不安だという方がたくさんおいでになって、避難もしたいんだという、特に高齢者を中心にそういう声もございまして、避難所開設ということではなくて、自主避難の場所として、受け入れ先として、各区民館やグリーンパレスを開放しようということを決めています。それは金曜日の段階です。
台風上陸の十二日の土曜日なんですけれども、ここで想定外のことが、私たちからすれば想定外のことが起こりました。それが何かというと、気象庁のほうからの情報で、荒川流域の平均雨量が五百ミリを超えるということで、その前日まではそういう情報はなかったんですけど、この五百ミリというのは、基準で言いますと、広域避難の中の広域避難の呼びかけをするぐらいの、その次に避難勧告じゃないです、その前段の広域避難を呼びかけていきましょうというレベルです、そのレベルが五百ミリなんですけど、そこに達するということが、台風上陸の日の朝の七時十五分に、この連絡が入りました。
これは、我々、今、お話しした想定外でございましたので、急遽、災害対策本部を設置いたしました。これは同時刻に、区議会のほうでも設置をいただいた、午前八時なんですけれども、七時十五分に情報が入り、八時に災害対策本部を設置いたしました。そういった中でも自主避難先としては、区民館やグリーンパレスというのは、もう八時半からあけてはおりました、この段階で。
そういった情報を再度注視をしながら、九時半に気象庁に再度確認をして、この雨量がやはり間違いないかどうか。そうしましたら、やっぱり五百ミリという回答だったんです。もうそうしますと、先ほどお話しした、広域避難では広域避難の呼びかけをしなきゃいけない、勧告まではいかないんですけれども。
ただ、もうこの段階で計画運休とかわかっておりましたし、この当日の朝、これから広域避難を呼びかけるというリスクが、昼からは電車も動かない、そして雨風も強くなる。ですから、これはもう区域内での避難を呼びかけようということで、避難勧告を出そうということを決定したのが九時半。そして九時三十九分には、その九分後です、避難所の関係職員に避難所開設の指示をしています、九分後には。そして避難勧告を発表した、防災行政無線等で避難勧告を出したのは九時四十五分ということですので、九時半に決定をして、三十九分に職員集まれと、四十五分には、もう避難勧告を出していると、そういうような経過がございます。
そういった中で、順次避難所が開設をされてきたわけなんですけれども。いろいろな報道等を見ますと、自治体によっては、避難所が全部開設されてから避難勧告を出すという方法もありましたし、そういう自治体がむしろ多かったのかなと思うんですけれども。私たちは、そこで、でもやっぱり雨風強まる前に、要は一分でも早く避難していただきたいという思いが強かったものですから、開設前の段階で避難勧告を出させていただいています。
開設前で大丈夫かということなんですが、その段階では、先ほどお話ししました区民館とかグリーンパレスは、そういう施設はもうあけていますから、まずはそういったところに避難をしていただいて、避難所が開設した段階で順次避難をしていってくださいというような形。
ですから、そういった情報については、逐一ホームページに、ここの避難所が開設されました、ここが開設されました、これは順次出しています。午前中には大多数の避難所が開設をされていまして、一番遅いところでも一時四十分に開設が、もう全ての避難所の開設が完了したという形になっております。
この結果なんですけど、避難所としては六十五施設ですけれども、その前に自主的な避難を受け入れていた施設、あわせますと百五の施設がございましたけれども、そこで三万五千四十人の方が避難をいただいたということでございます。
そこに従事した職員数は千五百九十六人ということになりますけれども、おかげさまで、暗くなる前に、風雨が強くなる前に避難勧告を発令して、避難所が開設できて、避難をいただけたのかなというふうに思っておりますけれども。これは決して職員の力のみならず、本当に地域の皆様、議会の皆様もそうですけれども、本当に皆様全体のお力で、こういった対応ができたのかなというふうに思っているところでございます。
続きまして、小中学校六十五校で二万六千七百六十一人が避難。どのように対処し、また課題は何かということで。今、時間の経過はお話をさせていただきました。小中学校、新中川より以西は六十五校ございましたけれども、先ほどお話ししたとおり、想定外で避難所を開設することになりました。九時三十九分に職員に全部、一斉のメールで緊急呼び出しのシステム、今年度、実は完成していまして、もう一斉に避難所に行ってくださいというメールを、九時三十九分に職員に一斉に流したんですが、職員は全然想定外だったと思います。前日までは、避難所を開設するというような想定はありませんでしたから。ですので、ここでいきなり、この緊急呼び出しシステムで避難所を開設するということの連絡がいきました。その中でも、今お話ししたような形で開設ができたというのは、本当によかったなというふうに思っています。
その背景の中には、平成二十九年度から開設職員、教職員も一体となって、年に一回は避難所開設訓練をやっておりましたので、そういったことが功を奏したのかなというふうにも思っているところでございます。実際に避難所開設の段階では、職員、教職員だけではなくて、地元の皆様のお力をおかりしまして、避難所を開設、運営することができました。
課題ということなんですけれども、ペットの受け入れの問題だとか、例えば職員の体制も、例えば結局一昼夜食事を食べられなかった職員もいます。休憩もままならなかった職員もいます。そういった体制も、もしこれが長期化したときは続きませんので、こういったことなんかも今後の避難所運営に活かしていければというふうに思っています。
続きまして、学校により避難所への対応が異なったのか、要は避難所でそれぞれ対応が異なったんじゃないか。これは結論から言うと、異なっていました。これがいいことかどうかということも当然あるんですけれども、私ども、水害の場合の避難所開設については、地震と違って、大きな枠しか決めていません。その大きな枠の中では、達成はできているんですけれども、具体的な対応です、例えばさっきのペットの問題とか、具体的な個々の詳細については各避難所の判断という形になっています。
そういった意味では、いろいろな形、さっきお話ししたペットの対応、あるいは備蓄物資を配る、例えばクラッカーを配るタイミングとか、毛布だとか、これも避難所によって、食事はまだ出ないのかというような意見があったり、毛布もっとよこせということで、毛布を持って帰っちゃったりとか、いろいろなことが起こっていたわけなんですけれども。そういった部分は本当に現場の対応で、今回、対応したというのが現状でございます。
また、ハードの問題も、学校によっては、中学校はテレビありませんので、そういう避難された方への情報の伝える体制も、ちょっとこれはまちまちな部分があったというのも事実でございます。逆に、異なるがゆえに、独自に、例えばお湯を提供したりとか、携帯電話の充電をして差し上げたりとか、こういったことはむしろ喜ばれたような対応もございました。この辺も今後は、こういった教訓を活かして、統一的に決めるものは決める、避難所に任せるものは任せる、ここら辺の役割分担を明確にしていきたいと思っております。
マニュアルを現場の職員は実践できたかということなんですが、今申し上げたとおり、大きな枠の中ではできましたというふうにお答えをさせていただければというふうに思っております。
あとは、意識啓発のための会を開催するべきだというようなご質問でございますけれども、これは住民向けの防災講演会、今年度だけでお話ししても、九十七回、六千七百三十人の方が実際に受けてくださっています。これは住民向け。
そして、やはりこれからの防災教育、学習が大事だと思っております。今年度は、モデル校で防災学習の実施をやっていきたいと思っています。来年度からは、全小学校で実施ということを考えています。そういった中で家族と一緒のマイタイムラインをつくったりとかということで、子どもだけじゃなくて家族を巻き込んだような対応で、こういった啓発を広げていければというふうに思っているところでもございます。
また、避難所運営協議会、これも今どんどん設置を進めているところなんですけれども。こういった立ち上げも、啓発につながるんではないかというふうに思っております。
いずれにしましても、区民の皆様、議会の皆様からいろいろなご意見をお伺いしながら、意識の啓発の取組みも図っていきたいというふうに思っております。
続きまして、南魚沼市との友好関係の件でございます。先ほど、お話の中で
広域避難先というお話もございました、南魚沼市。この辺なんですけれども、私自身も七月にお邪魔をしまして、市長さんといろいろお話をさせていただいています。実は、この避難についてもお話をしたんですけれども、市長さん、いろいろなことを考えてくださっていまして。
例えば、江戸川と南魚沼が一対一というのもいいかもしれないんですけれども、それぞれが災害協定を結んでいる自治体があります、うちもありますし、南魚沼市もあります。そうすると、例えばそういったところを一緒に巻き込んでの災害のあり方というのも考えるのもいいよねみたいなお話なんかもくださっています。そうすると、一対一が二倍、三倍にも広がって、災害協定の輪が広がっていくというような部分もございます。そういったことも今後詰めていきたいなというふうに思っているところでございますし。また、友好都市の問題につきましても、先方があってのことでもありますので、ご意向も確認しながら、二つの都市が、我々と南魚沼市との関係がより強固になるような形で進めていきたいと思っています。私自身は前向きに進めていきたい。
続きまして、
塩沢江戸川荘の温泉化の件でございます。確かに、宿泊施設として、私たちが充実を求めるのは、食事とお風呂だと思っています。
塩沢江戸川荘、地元でも、皆さん結構宴会とか食事会をご利用いただいています。塩沢荘のお風呂なんですけど、私自身は、広さもちょっと、狭いと思います。穂高と比べますと、穂高は一階と六階ありますけど、両方あわせた広さと塩沢を比べますと半分ぐらいなんです、やっぱり塩沢のほうが。カランの数なんかも少ないですし、まず広さが塩沢は狭いんじゃないかということと、ご質問の温泉の部分だと思います。
私は温泉にしたいです。したいんですけれども、そのためにはどうしたらいいかというところを考えていくと、源泉をまず掘らなきゃいけないという部分があると思います。あとは、穂高のように、源泉から管で引っ張ってくる方法もあると思います。
あと三つ目は、塩沢荘の場合は、車で宅配してくれる業者さんもいるということなので、それぞれの可能性について、ちょっと今、検討を進めていきたいなというふうに思っているところでもございます。
ただ、お話のとおり、地元の皆さんにやはり利用をいただく、かわいがっていただく施設にもしたいと思っていますので、温泉化というのは前向きに進めていきたいなというふうに、私自身は思っているところでございまして、今、検討も進めていきたいというふうに思っております。
続きまして、
児童相談所の開設ということで、憲章や条例の制定についてということでございます。いろいろな考え方があると思うんですけれども、まず私自身としては、もう二度とあのような事件を起こしたくないという強い思いが、まず、ございます。これは私自身って最初にお話ししましたけれども、江戸川区に勤める全職員が、平成二十二年の事件のことは忘れていませんし、あのようなことを起こしちゃいけないって全職員が思っています。
そういった思いの中、今回、
児童相談所も設置にこぎつけるような形になりましたし。そういった中で、地域の皆さんとともに二度と犠牲者を出さないという方向に進んでいかなきゃいけないと思っているんですけれども。そういった中で、子どもの権利条約のお話がございました。こういったものは、確かに理念、大切だと思いますので、これは区民を含めまして、子どもを守り育てる全ての関係者の取組みの拠り所となるもの、これが必要だと思っておりますので、この具現化をやはり図っていきたいというふうに考えております。
続きまして、すくすくスクールの安定的な運営ということで、職員数について、いろいろご質問というかご心配もいただきまして、ありがとうございます。すくすくスクール、始まりは平成十五年ということで、全校に設置したのは平成十七年で、そのときの正規職員の数は百三十二人おりました。今年度末で六十三人になります。半減以下に、もうなってまいります。その間、子どもの数は微減はしているんですけど、そうは変わらない中で、一方では配慮を要する児童も大変増えています。平成十七年と比べると、もう三倍近くになっているというような数字もございます。
先ほど、いろいろお話もいただいたんですけれども、現時点としては、来年度、会計年度任用職員制度も始めます。また、非常勤、今非常勤が中心になっているような職場もあるんですけども、そういったところの継続任用とあわせまして、まずはそういった会計年度任用職員の確保に努めていきたいと思っています。
また、今後のお話もしていただいたんですけれども、今後は、今お話しをいたしました、配慮を要する児童の増加もございますし、夕方の時間延長の検討もしていかなければいけないと思っています。また、けが、いろいろな事故が毎日のように起こっていますから、こういった対応、子どもだけじゃなくて当然保護者との対応もございます。また、当然、地域の皆さんに育てていただいている事業ですから、地域の皆さんとの関係もございます。そういったものをやはり考えていくと、やはり正規職員の必要性というのも十分私自身はあると思っておりますので、正規職員の採用についても、前向きに考えさせていただきたいというふうに思っております。
続きまして、学校給食の件につきましては、教育長からお答えをさせていただきます。
○議長(田中寿一 君) 千葉教育長。
◎教育長(千葉孝 君) それでは、学校教育の件につきましては、私のほうからお答えをさせていただきます。
学校給食につきましては、成長期の児童生徒にとりまして、健やかな発達を果たすための貴重な栄養源であります。栄養バランスのとれた安全でおいしい給食の提供をするということは、教育に携わる我々にとりましては、大変重要な使命であるというふうに考えております。
そこで給食費につきましてでありますけれども、先の議会で食材費の高騰、そして必要栄養素の引き上げによりまして、改定も検討をせざるを得ないというふうにご答弁をさせていただきました。現在、検討を進めているところでありますけれども、給食費につきましては、一食当たり二十円から三十円程度の値上げをさせていただきたい、そのぐらいの値上げは必要であるというふうに考えております。現在、さらに具体的な金額につきましては、調整を行っているところであります。
あわせまして、保護者の負担軽減の点でありますけれども、これにつきましても大きな政策判断を伴うことでありまして、本区の財政状況、そして区民の皆様の生活の実態を見きわめて判断していきたいというふうにご答弁を申し上げたところでありますが。値上げによる負担につきましては、軽減を図る方向で、現在具体的な方向性、方策につきまして検討を進めているところであります。
以上です。
○議長(田中寿一 君) 島村和成君。
◆四十四番(島村和成 君) 一通りお答えいただきまして、ありがとうございました。
最初に、今回、江戸川にとっても初めてな経験でありまして、いろいろな問題等がたくさんあったと思いますし、課題もたくさん抱えて、またいろいろ今検証をされているということなので、それを十分に踏まえて、今後の対応に活かしていただけたらいいと思っております。
あと、私、先週の二十一日の読売新聞に、広域避難の件で江東区長の定例記者会見のコメントがありまして、江東区長は、五区広域避難は無理だというお話の記事が載っております。確かに、区長が会見されているように、逃げる場所も決まっていない中で広域避難をしろというのは、無理があると。行政が責任を負える状況ではないというのは、よくわかるわけでございますけども。
いずれにいたしましても、江東五区という範囲だけではなくて、あくまでもやっぱり国を巻き込まないと、こういった大きな課題というのは、私は解決できないと思いますので、引き続き、国との協議を続けて、江戸川区民、七十万区民の生命と財産を守るために、いろいろ五区でご検討をしていただきたいと思っております。
その中にあって、やはり今日の産経新聞で堤防強化、ダム治水強化ということで、政府が大雨時にダムが果たす役割を強化するため、関係省庁による検討会議を設置したという記事が載っておりました。その中で十月の台風十九号では、全国百四十カ所の堤防が決壊し、住宅や農作物に甚大な被害が出たため、ダムが持つ機能が改めて注目されたと。その象徴となったのが、群馬県の八ッ場ダムであるということで。私ども自民党は、もう初期の段階から八ッ場ダムの促進ということを訴えてきましたけども、一時期中断したわけでございますけども。この八ッ場ダムのやっぱり重要性を鑑みまして、実態も知る必要というのもあるということで、私どもは会派視察として八ッ場ダムへ行って、また現状を見てこようかと思っております。
そんな中で、これからもこういうしっかりした行政をとっていけるように、私どももいろいろと提言をさせていただきたいと思っております。
それと南魚沼市の件でございますけれども、先週、南魚沼市の市議会議員、議長以下七名が江戸川区に行政視察に来てくださいまして、行政視察後、私ども自民党の会派の方たちと意見交換をし、いろいろ交流を深めたわけでございまして、お互いに初めての顔合わせということで、これからも引き続き交流を続けていこうということでお別れしたんですけども、ぜひ災害云々だけでなく、やはりいろいろな面で多面的に私は交流をしていったほうがいいのでは。せっかく三十一年間の塩沢荘とのご縁というのもありますし。
穂高荘の例をとりますと、四十九年に江戸川区と旧穂高町が
友好都市盟約を結んで、その二年後に穂高荘ができたという。ところが南魚沼市のほうは逆であって、施設がもう三十年間できていてということなので、できるだけ早く向こうの関係者と、私ども議会レベルでも頑張りますけども、ぜひ実現の方向に向けて進んでいっていただけたらありがたいなと思っております。
それと、あと塩沢荘の温泉です。この件については、同僚議員が何回もご提案をさせていただいておるわけでございまして、これはどこが云々ではなくて、いろいろな議員さんも各自思っていることだと思いますので、ぜひ実現の方向で進めていっていただけたらありがたいなと思っております。
あと、すくすくスクールの人材確保、また学校給食等については、応分の負担はするに当たっても、保護者負担の軽減というのもいろいろと考えていただけたらありがたいなと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
以上で、私の質問を終わります。
○議長(田中寿一 君) 次に、三十八番、田中淳子君。
〔三十八番 田中淳子君登壇〕
◆三十八番(田中淳子 君) 令和元年第三回定例会に当たり、区議会公明党を代表し、質問をさせていただきます。
一部、先の同僚議員からの質問に既にお答えいただいている部分もあると思いますが、通告に従い質問させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
区長並びに教育長の前向きな答弁を期待するものであります。
今年の秋は台風十五号に続き、十九号と巨大台風が襲来し、関東全域や長野県の千曲川など、多数の河川が決壊し、広い範囲で被害が発生しました。亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げます。また、被災された皆様には、心からお見舞いを申し上げますとともに、一日も早い復旧、復興をお祈り申し上げます。
さて、日本経済の動向は、景気の緩やかな回復の中で雇用、所得の改善により、個人消費も持ち直しが続くなど、経済の好循環が継続して、明るい見通しが感じられています。区の歳入においても景気の回復を反映し、平成三十年度の特別区税収入は過去最高額となり、歳入の三五・四%を占める特別区財政調整交付金の決算額も前年より四十二億円増加しました。
一方、地方消費税交付金は税制改正のために減額となり、財政調整交付金の原資となる法人住民税のさらなる国税化により、財政運営は予断を許さない状況です。厳しい財政状況の中、本区では経常収支比率は七六・三%と適正に収まり、実質単年度収支は黒字を維持しています。公会計制度の導入で財政の見える化を進めることにより、事業評価を図り、健全財政を堅持していることは高く評価いたします。
今後、急速に進む高齢化や幼児教育・保育の無償化などの社会保障費の増大、毎年発生する巨大台風への対応等の災害対策、新庁舎建設や学校改築、大型公共施設の老朽化の問題など課題は山積しており、さらに堅実な区政運営が求められます。
斉藤区長体制がスタートして、はや七カ月が経過しましたが、来年度に向けて限られた財源の中で江戸川区独自の施策の継承と、新しい時代に即した区民本位の施策の展開に大いに期待するものです。その上で区民に寄り添い、区民ニーズに応える区政運営を力強く推進していただきますよう要望し、質問させていただきます。
はじめに、一昨日の区長招集挨拶でも述べておられましたが、今年の台風による課題認識と今後の取組みについて、改めてお伺いをいたします。
十月六日に発生した台風十九号は、翌日には九百十五ヘクトパスカルと急速に発達し、十月十二日、静岡県伊豆半島に上陸。上陸直前の中心気圧は九百五十五ヘクトパスカルと強力な勢力で東京湾西側を通過。関東地方と福島県へ縦断し、十三日十二時に三陸沖東部で温帯低気圧となりますが、この間、各地で記録的な大雨を降らせました。
その結果、十一月十八日現在、七十四河川、百四十カ所で堤防が決壊、死者九十八名、行方不明者三名、住宅の浸水被害五万四千八百九十八棟という大きな爪跡を残しました。
本区においても、十二日、午前九時四十五分に初めての避難勧告が新中川より西側に発令され、翌、十三日にかけて、区の百五施設で三万五千人以上の方が避難するという状況でした。対応に当たられた土木部、危機管理室をはじめとする区職員、避難所の開設に当たった指定管理者を含む区民施設や小中学校の教職員、さらに町会・自治会役員の皆様の対応に、心から感謝を申し上げます。
幸いにして、本区では大きな被害は出ませんでしたが、様々な課題が浮き彫りにもなってきました。その課題について丁寧に検証をしていく必要があると考えます。今後の取組みについて、以下六点についてお伺いいたします。
一点目は、浸水被害対策についてお尋ねします。台風十九号上陸の前日から、土のうステーションの土のうが次第に姿を消しました。区民館にとりに行きましたが、既にここも行列を成す状態。これは過去になかったことです。当日は、新しい土のうがトラックで送り届けられましたが、列を成して待っていた区民の方々により、あっという間に土のうはなくなりました。
このことから、浸水対策への意識が相当に高まっていたことがうかがえます。しかしながら、土のうに頼り過ぎるきらいが強く、ただ玄関前に土のうをそのまま置いているだけの使い方が散見されました。結果的には、最大雨量、時間二十ミリしかなかったため、大きな浸水被害はありませんでした。しかし、もし床上・床下浸水が発生した場合、下水に浸かった土のうは臭いが残り、異臭を放ちます。その後、環境衛生的に好ましくない状態の土のうが玄関周辺に放置され、日常生活に溶け込んでいく風景は、決して好ましいことではありません。
基本的な浸水対策は、まず雨水ますの清掃や、ますを埋めてしまう、駐車場前のステップ台などの撤去等により、雨水の流入を妨げないことでしょう。その上で、ブルーシートを工夫した土のうの、より効果的な使い方や、手軽な水のうの扱い方、浸水ゼロを実現する最新の止水板等々、様々な対策の紹介や周知が必要であると思われます。機運が高まる今が、周知の絶好の機会ではないでしょうか。
我が国は、温帯気候から徐々に亜熱帯気候へと気候変動が起きていると思われます。したがって、大規模な外水氾濫の可能性がさらに強まるとともに、内水氾濫の発生率も、今後ますます高まることは容易に予想できます。したがって、局地的な大雨や線状降水帯、高潮などにより、危険が迫る浸水被害へのさらなる対策強化を、今後の新たな課題にすべきと考えます。区長のご所見をお聞かせください。
二点目は、広域避難の情報のあり方についてです。今回の台風十九号では、広域避難の指示は出されませんでしたが、十二日の午前七時ごろ、荒川流域での降水量が五百ミリを超えるという気象庁からの連絡を受け、清新町、臨海町を除く新中川より西側に、避難勧告が発令されました。
水害ハザードマップでは、広域避難の共同検討開始の情報発信が準備を含めた区民の避難行動のスタートとなっております。今回は発令の要件に達しなかったので、広域避難勧告に至らなかったことは幸いだったと思います。
しかし、広域避難の要件に達するような降雨量予測の発表が、五区で考えたような時間的なシナリオにならないとすれば、それが大きな課題であると考えます。公共交通の計画運休や学校等休校情報などの発令基準もタイムラインに位置付ける必要があり、タイムラインの再検討が必要ではないでしょうか。区長のご所見をお聞かせください。
三点目は、防災情報の伝達についてです。住民が命を守る一番の手段は、より安全な場所に避難することでしょう。そのためには気象情報を含む防災情報が重要であることは言うまでもありません。防災情報は、防災行政無線、ホームページ、
メールニュース、ツイッター、FMえどがわ、ジェイコムえどがわ等々で発信されましたが、「防災無線が聞き取れなかった」、「防災放送確認ダイヤルに電話したがつながらなかった」との声を多くお聞きしました。
今回は荒川上流での河川の決壊を想定し、清新町、臨海町を除く新中川より西側への避難勧告であったということですが、そのことが伝わり切れず、新中川より東側の方々の中には、「近くの学校に避難しようと行ったが、いつまでたっても開かなかった。」、「区民館に行ったが、もういっぱいでどこにも入れず、帰ってきた。」などの声もありました。情報発信のあり方や区民の情報の受け方についての課題認識と今後の対策については、どのようにお考えでしょうか、区長のご所見をお聞かせください。
四点目は、避難所の拡充についてです。今回、区の百五の施設に約三万五千人の方が避難されました。実際に避難をされた女性は、「横になっていたときに、ほかの人に髪の毛を踏まれるくらいスペースが狭かった。」とおっしゃっていました。もし、実際に荒川上流で破堤した場合、今回避難勧告の対象となった新中川より西側の避難対象者は四十三万二千人であることを考えると、今回の何倍もの方が避難所に押し寄せることが考えられます。避難所、避難スペースの拡充が必要ではないかと思います。民間商業施設などを含め、避難所の拡充については、どのようにお考えでしょうか、区長のご所見をお聞かせください。
五点目は、地域防災力の強化についてです。本区では、区内の全避難所において、避難所運営協議会を学校や地域ごとの設立を促進し、地区防災計画の策定も推進するとしています。地域総がかりで災害への備えを充実させていくことが重要です。
二〇一九年版「防災白書」によると、「地区防災計画の策定」に取り組んでいる地域が、平成三十年四月現在、全国で三千二百六カ所に上っていることが発表されました。地区防災計画は、災害が起こったときに、いつ、どう動くのか、事前に何を準備するのかなど、地域住民が自発的に立てる計画のことで、最大の特徴は、計画を立てる単位に制限がない点にあります。町会や自治会をはじめ、マンション管理組合、企業、NPO法人、商店街、学校、医療や福祉施設など、地域ごとに計画が策定できるものです。避難所運営協議会の充実を促進するとともに、災害時に具体的に行動に移せる実効性のある地区防災計画の策定は、大変に重要です。
まず、避難勧告の発令があった地域の各避難所運営協議会はどのように機能し、対応し、今後どのように取り組んでいかれるのか、お聞かせください。
また、幾度となく訴えてまいりました、地区防災計画の策定について、町会、自治会のバックアップ体制を強化し、加速度を上げて取り組んでいく必要があると思いますが、区長のご所見をお聞かせください。
六点目は、障がい者、高齢者などの災害時要配慮者の避難についてです。十二日の午後、風雨が強まる中で自主避難施設に避難したいとおっしゃる高齢の方を、何人か車で避難所までお連れしました。その中のある方は、「私は床に横になると起き上がれなくなるし、人がたくさんいるところにいたら具合が悪くなりそうだから。」と避難しないことを選択されました。このような災害時要配慮者について、どのようにお考えでしょうか。区長のご所見をお聞かせください。
次に、
児童相談所開設に当たり、仮称「江戸川区子ども権利条例」の制定について、お伺いいたします。
今月二十日は、十八歳未満の全ての子どもの人格や権利を尊重する「子どもの権利条約」が国連総会で採択されてから、三十年の節目を迎えました。日本は平成六年に批准して以降、児童福祉法など様々な法改正や施策を積み重ねてきました。しかし、子どもの貧困や児童虐待、いじめなど深刻な問題は一向に解決されていかないのが現状です。特に、親などによる児童の虐待死は、後を絶ちません。昨今、しつけの名のもとで体罰により、尊い命が奪われる悲惨な事件が相次いだことを受け、本年六月十九日に児童虐待防止策を強化するため、改正児童虐待防止法が設立し、一部を除き、来年四月に施行されます。
今回の法改正で、親などが子どもをしつける際に体罰を加えてはならないということが明文化されました。また、東京都は、本年四月、国の法改正に先駆けて、「東京都子供への虐待の防止等に関する条例」を制定しました。このことは社会全体や、大人が子どもと向き合う基本的な姿勢を大きく方向づけるものとして、極めて重要な意味があり、今こそ国民一人ひとりが「しつけ」に対する意識変革のときだと思います。
一方、今回の法改正では、本来守るべき
児童相談所や学校教育委員会の不手際により、虐待死を防げなかった事件を受け、
児童相談所の機能強化や学校、教育委員会などの職員への守秘義務、DV対応機関との連携強化なども盛り込まれました。
本区では、来年四月、悲願である
児童相談所がいよいよ開設となります。今回の改正法を踏まえ、
児童相談所の職員一人ひとりが徹して子どもを守り抜く、誰も置き去りにしないという強い姿勢で臨んでほしいと思います。
また、
児童相談所の職員だけでは、子どもを守り切れません。各関係機関はもとより、地域住民と連携し、公民一体となった支援体制が重要です。そのためには、全ての区民が、子どもの権利条約で保障されている「子どもの命を守り、健全に育むこと」への理解を一層深めていかなければならないと考えます。
また、子どもを守ることと同時に、子育てに戸惑う保護者への支援も重要です。保護者の孤立を防ぎ、虐待の未然防止に努めなければなりません。
そこで、
児童相談所の開設に当たり、全ての子どもの可能性を開き、輝く未来に向かって羽ばたいていけるよう、区としての理念を明文化した、仮称「江戸川区子ども権利条例」を制定し、子どもの人権を守るという本区の強い思いを示していくべきと考えます。
そして、何よりも主体となる子ども自身が、自分の人権が守られていること、SOSを出せることを知っていく必要があります。
子どもたちに、わかりやすく周知していただきたいとも思います。区長のご所見をお聞かせください。
次に、すくすくスクールについて、お伺いをいたします。江戸川区のすくすくスクールは、学童クラブの待機児解消と放課後子ども事業の機能をあわせ持つ事業として、平成十五年、鎌田小学校でモデル的にスタートし、学校、保護者、そして地域の方々と多くの議論が重ねられ、平成十七年に七十三校全校で実施されました。
当時、全小学校で一年生から六年生までの全学年対象で学校施設の中で行う放課後子ども事業として、国会でも取り上げられ、高く評価をされました。以来十四年間、各学校のすくすくスクールは、地域のボランティアさん、また専門学校の学生さんなど、様々な方々の協力のもと、
子どもたちの放課後の居場所、そして異年齢の交流も含め、社会性を養う学びの場として、江戸川区に定着してきています。
そこで来年度は、すくすくスクールがスタートして十五年目になります。この間、女性の社会進出も進み、社会環境の変化も生まれてきました。
子どもたちにとって、すくすくスクールをさらに安全安心な魅力ある場所にしていくために、検証をしていく必要があるのではないでしょうか。
学校と家庭以外の場で、すくすくスクールは
子どもたちにとって大切な場所です。
子どもたちは、学校では見せない面を見せるそうです。また、保護者が働いている学童登録児童の場合には、すくすくスクールは特に重要な場になります。
新一年生は、三月三十一日まで保育園等で保護者と一緒に送り迎えをしてもらいます。しかし、入学式前の四月一日から、すくすくスクールに朝から通うことになります。新一年生と保護者にとっては、待機児童がなく、学校内で移動がないのは大変喜ばれていることです。
子どもたちは、すくすくスクールに入るときは、「ただいま」と言います。先生は「お帰りなさい」と言います。すくすくスクールは第二の家庭として、
子どもたちの健全育成の場として大変に重要な場です。
そこで、現在のすくすくスクールについての現状を考えてみると、当初、すくすくの校長先生と呼ばれていた地域から選ばれたボランティアのクラブマネージャーさんがいらして、現場ではサブマネージャーを中心に、プレイングパートナーなどで運営をしています。
先の決算特別委員会でも課題として取り上げさせていただきましたが、すくすくスクールの人材確保については、募集をしてもなかなか集まらないとも聞いています。また、今年の夏休みから学童登録児童について、朝の開始時間を九時から八時半に前倒ししてくださったことは、保護者にとっても、子どもにとってもありがたいとの喜びの声も聞いています。
しかし、それには人員が必要になってきます。そこで、二点お伺いをいたします。
一点目は、すくすくスクールの時間延長については、どのようにお考えでしょうか。時間延長についての区長のご所見をお聞かせください。
二点目は、すくすくスクールの人材確保についてです。すくすくスクールを運営していく上では、安全面も含め、その中心になる人は、やはり専門性が必要ではないかと感じます。現在、すくすくスクールは多いところでは常時百名を超える
子どもたちがいるところもあります。それだけの人数の
子どもたちをまとめて、指導し、育成していくには、教育・保育の専門性と経験が必要だと思います。
人材不足はどの業界でも深刻ですが、なかなか人が集まらない理由は何なのか。現場の職員の皆さんの声もよく聞いていただき、さらによりよいすくすくスクールにしていくために、人材確保に努めていただきたいと思いますが、区長のご所見をお聞かせください。
次に、公立小中学校の給食について、お伺いいたします。
本区の給食は、東京都に加え区費で栄養士を採用、各学校において調理師さんとともに工夫をして自校調理が行われています。小松菜などの地元野菜を使うなど、手づくりの温かい、おいしい、安全な給食が提供され、食育の観点からも推進されてきました。最近は小麦粉や乳製品などの食材が高騰し、予算のやりくりが大変だとの声も聞かれますが、誇りを持って関係者の皆さんが努力されていると感じます。
本区における給食費の保護者負担額の三分の一の助成は、区の財政の見直しの中で廃止になりましたが、その後も保護者の負担を考えて、本区の給食費は低額に抑えられてきました。
しかし、十月より消費税が一〇%となり、食材費については軽減税率により八%に据え置かれるものの、他の経費については一〇%になり、学校給食運営経費は増加していることから、今までのような本区の誇れる給食の質の確保が難しくなっていくのではないかと懸念されるところです。
そこで、三点お伺いをいたします。
一点目は、
子どもたちのために栄養価が高く、おいしい給食を提供していくために、給食の質の確保について、どのようにお考えか、教育長のご所見をお聞かせください。
二点目は、やむなく給食費を値上げせざるを得ない状況に際しては、食材費の補助など今日的な補助のあり方で、子育て家庭の経済的な支援が必要だと考えますが、教育長のご所見をお聞かせください。
三点目は、この十月より幼児教育・保育の無償化が始まり、少子化対策の中で公立高校や私立高校の授業料の無償化など、教育費の負担軽減が進んでいることなどを踏まえ、子育て支援等の観点からも、多子世帯、第三子以降の給食費を無償化するなどの対応も必要であると思いますが、教育長のご所見をお聞かせください。
最後に、都営東篠崎団地の大規模建て替えにより、新たに創出される都有地について、お伺いいたします。
平成二十三年第二回定例会で、東篠崎団地建て替えにより生まれる創出用地について質問、提案させていただいてより、度重なる質問ですが、改選後初めての質問でもあり、改めて斉藤区長に質問させていただきます。
都営東篠崎団地は、平成十九年、一号棟から八号棟にお住まいだった方々が小松川二丁目第三アパートに移転され、第一期の工事が着工、連動して事業が進められ、最終第三期の建て替えが一昨年完了し、全ての居住者が新しい住居に引っ越し、新生活を始めることができました。そして本年十月に解体工事が完了しました。また、現在、東篠崎公園が整備中であり、周辺道路も間もなく整備完了となります。
また、篠崎第三小学校の改築において、この都営住宅建て替えにより創出された都有地、二千平方メートルが学校用地として取得でき、校庭が拡張され、平成二十九年に新校舎が完成しました。新たな地域のコミュニティの場として、さらに防災拠点として、地域の重要な拠点となりました。
そして、スポーツランドの南側で、河川側に有効な約一・五ヘクタールの創出用地が確保されました。地域住民にとっても、さらに良好な環境がつくられてきたことは、高く評価するところです。
また、今までに、私どもの、この創出用地に対する質問に対し、温水プール等も含め、夢に満ち満ちた前多田区長からの答弁を聞いた地元住民の皆さんの喜びと期待は大きく膨らんでいます。
この地域はご承知のように、子ども図書館を有する子ども未来館、ポニーランドを基点とし、旧江戸川沿いに篠崎高校、スポーツランド、そしてこの創出用地、さらには水辺のスポーツガーデンと続き、くつろぎの家、東部交通公園、東部図書館と続いています。
機は熟してきました。いよいよ東京都に対し、土地取得に向けた具体的交渉に臨むべきときが来たと思います。区全体での老朽化した大型施設の検討も進む中、この創出用地に関しては、具体的青写真を示すべきと考えます。周辺施設との連動も鑑み、健康長寿を目指す江戸川区ならではの整備推進を期待しております。斉藤区長のご決意をお聞かせください。
以上で、私からの一回目の質問を終わります。
○議長(田中寿一 君) 斉藤区長。
〔区長 斉藤 猛君登壇〕
◎区長(斉藤猛 君) 区政の重要課題についてご質問いただきましたので、お答えをしてまいります。
まず、一点目でございます。台風十九号の浸水被害対策ということで、土のうの話をしてくださったんですけれども、私どもは土のうステーションが四十二カ所区内にございますが、そこに四千二百袋用意をしておりました。それがお話のとおり、あっという間にはけまして、追加でつくったのが、これは業者にお願いしたのもあります。職員がつくったのもあります。二万三千袋、当初用意が四千二百ですけど、後から追加で作成したのが二万三千だったのですが、これもあっという間にはけたということでございます。今のやり方がいいのかどうなのかも含めて、ここは検討させていただけないかと思っております。
例えば、障害者世帯、熟年者世帯、土のうを本当に取りに来られるのですかというところもあると思います。一方では、その土のうのステーションとか、追加配付のところに、会社とか商店の方が来て大量に持っていってしまうというようなこともありました。やはり、そういったようなことを考えていったときに、今のこの配付の仕方、土のうを中心にしたものでいいのかどうなのかというところは、ご示唆のとおり、いろいろ考えていかなきゃいけないのかなというふうに思っております。
その中で、水がそもそも溜まらないようにするのが先決じゃないかということで、雨水ますの清掃等のお話もしてくださいまして、ありがとうございます。これは本当に大切なことだというふうに思っております。
やはり、これを台風の前日にも職員が一応事前の清掃はしているんですけれども、なお、様々な形で点検をしてきたわけなのですが、やはり、落ち葉や様々なごみが詰まっているようなケースもございますし、自動車の車の乗り上げ用のステップですね、これも雨水ますを塞いでいるような形になっていますので、こういったものも見受けられたということで、こういった水害に対する対応については、もっともっと周知をしていかなければいけないのかなというふうに思っております。
取水盤やブルーシート、水のうのお話もございました。まさに、こういったいろいろな手段を、一つだけじゃなくて、あらゆる機会を通じて周知をさせていただければというふうに思っております。
続きまして、広域避難情報のあり方ということで、今回、その広域避難の自主避難を呼びかける雨量五百ミリになったのが、台風の当日の朝だったということがございまして、この広域避難の発令までは至らなかった、あとは午後から、お昼から計画運休も予定されていたということで、かえって、この時間帯に広域避難するほうが危険だろうという判断をしておりますし、これは私どもの一人よがりの判断ということでもなくて、NHKで東大の片田先生も明確にお話をされておりましたので、そういった考えが今回は貫けた一つかなというふうにも思っているところでもございます。
ただ、もともと広域避難、五区で相談をしてつくっている広域避難でございまして、やはりもともとの発想の中では、広域避難ありきではなくて、人の命を守るために広域避難という順番でございますので、やはり、これから広域避難、今、決まっているものを、もう絶対これを貫くという、一ミリたりとも変えないじゃなくて、やはり、これはまた五区が集まって、この実態に合わせた、今回はいろいろな課題も出てきましたので、実効性のある広域避難のあり方をこれから追及していきたいというふうに思っております。思いは一人の犠牲者も出さないという視点です。
続きまして、情報伝達についてということで、情報伝達、やはり私ども、ベースは防災行政無線というふうに捉えております。今は区内二百九十二カ所に屋外スピーカーを設置をしておりますけれども、この中で台風十九号の折には、都合十六回の放送をさせていただいております。
ただ、条件によっては聞こえづらいというようなところもあるということが、私どものほうにも耳に入っているんですけれども、じゃあ、スピーカーを増やせばいいじゃないかという声もあると思うんですけど、かえって増やしてしまいますと、その反響音でかえってわかりづらくなっちゃうということなんかも、要は逆効果になるという可能性もあるということもございます。
ですので、防災行政無線をベースにしつつ、例えば、エリアメールもそうですし、テレビもそうですし、スマホですよね、今はほとんどの方がスマホを持っていらっしゃいますから、ああいったところへもどんどん発信をしていく、そういったようなことも、あるいは、ホームページも含めて、そういったような補完するものをたくさん用意をしていきたいなというふうに思っておりますし、例えば、江戸川区の中で今は青パトがございますけれども、青パトが聞こえづらいところ、走って放送してもいいわけなんですよね。ですから、そういうような公用車のあり方も含めて、いろいろな形で何とかお知らせを知らせていく方法を追求していきたい、聞こえないということを解消していきたいというふうに思っているところでございますので、よろしくお願いいたします。
次に、避難所の拡充で、民間商業施設を含めた避難所の拡充ということでございます。これはもうおっしゃるとおりでございまして、多ければ多いほどいいと思っております、避難できるところは。これは水害だけではなくて、これ地震でも当然、避難所となってくるわけでございますので、既に幾つかの民間商業施設は協定も結んでいるところでございますけれども、今後も拡大に向けて努力をしていきたいというふうに思っております。
先日、小池知事とお会いする機会をいただいて、お話をさせていただいたのですけれども、特に要配慮者の避難先として鹿本学園とか、あそこなんかは全てがバリアフリー化されておりますので、ああいったところの活用もぜひお願いしますということもお話をさせていただいております。
民間商業施設、あるいは、都立高校とか、そういったところにも視野を広げて、なるべく多くの方が避難できる体制というのは、これからも追及をしていきたいというふうに思っているところでございます。
続きまして、避難所運営協議会です。確かに、例えば職員が、今は職員が行かないと避難所があかないというような形になっちゃっていますけれども、仮にその避難所に行く職員が全員被災しちゃって、避難所が立ち上がらなかったという事態というのは何とか避けたいと思っています。
お話の避難所運営協議会につきましては、職員も当然入っておりますけれども、ここに区民の皆様、例えば、町会だとか、PTAだとか、おやじの会とか、今回も様々な皆さんが活躍いただいていますけれども、行政、区とその地域の皆様と、あと当然、教職員が入ります。こういった者が一体となって、自主的にこの避難所の運営ができるような形でもっていくのが、避難所運営協議会でございますが、今は百六の避難所の中で四十九カ所、まだ半分ぐらいなのですね。ぜひ、この取組みを広げていきたいというふうに思っているところでございます。
今回の十九号でも、避難所運営協議会が立ち上がっている避難所では、本当に自主的な誘導、そして、円滑な避難者の受け入れができたというふうに聞いておりますので、大変有効であるということがやはり証明をされております。
また、こういう避難所運営協議会を通じて、地域の防災意識の向上にもつながってくるかなというふうに思っておりますので、ぜひ、拡大の方向でもっていきたいなというふうに思っております。
続きまして、地区防災計画の策定の推進ということです。
地区防災計画、これは行政がというよりも、町会と自治会が自主的に立ち上げていただく計画というふうに位置付けられております。こちらは先ほどの避難所運営協議会よりも少なくて、今は町会が二百七十六ございますが、二つだけです、今、計画をつくっていただいているところが。ここも、やはり今後の防災活動の体制だとか、いざ発災をしたとき、あるいは、事前の活動、いろいろな役割分担ですね、機材の問題もあります。こういったことを自ら話し合っていただくというのは、大変有効なことだと思っておりますので、この計画が広がっていけばいいなというふうに思っています。
ただ、いきなり全部というのもなかなか難しい側面もあるのかなと思っていますので、まずは、避難所運営協議会が立ち上がっている四十九カ所ありますけれども、こういったところを中心に私どもも働きかけをお願いをしていきたい。ついては、ただつくってくださいだけじゃなくて、防災アドバイザー、こちらのほうを派遣をしていきたいというふうに思っています。防災アドバイザーとして、すみません、防災士ですね。職種としては防災士というのですか、防災アドバイザーとして防災士の派遣も、そういった側面の支援というのはやっていきたいなというふうに思っているところでございます。
続いて、災害時の要配慮者のお話でございます。
まず、じゃあ、今はどれぐらいいるのということだと思うんですけど、自主的に避難所まで行けない方、私どもが捉えているのは、例えば、障害者手帳をお持ちの方、これは身体、知的、精神とありますけれども、三万一千人おいでになります。介護認定を受けている方、二万人おいでになります。ここだけを捉えても、それ以外に病気の方とか、たくさんおいでになると思うんですけれども、ここだけで見ても、もう五万人を超えているんですけれども、今、江戸川区で福祉避難所、二次避難所とも言いますけど、あえて、福祉避難所と言いますけれども、福祉避難所は今は四十五カ所、受入人数では今は二千人です。そうすると、五万人の収容というのは物理的にできません。
そうすると、例えば同時に開いていくという方法も確かにあるんですけれども、以前つくった災害の計画の中では、一次避難所からそういった方を福祉避難所に、二次避難所にという体制ではあったんですが、ただ、そうすると一次避難所まで行けるんですか、一次避難所から二次避難所へ誰が連れていくのかと、そういったような問題がございます。
ですので、今はいろいろ検討は進めているんですけれども、一つの案としては、もう二千人の方の名簿を確定して、もう、あなたはここの福祉避難所に行ってくださいと、もう最初からアナウンスをしちゃう、もうお知らせをする。そうすることで、平常時に自主的に自分が行く福祉避難所に避難訓練を自主的にしていただいたり、逆に言えば、避難所から見れば、来ない方の名簿、もう名簿を持っていますから、来ない方がいれば誰が来ないかというのをすぐわかりますから、じゃあ、その方の安否確認なんかもできるわけなので、そういったやり方なんかを今検討しているところなんです。
ただ、どちらにしても数が足りません。ですので、まずは福祉避難所の受け入れをしてくださるところの拡大、例えば、さっきの鹿本学園なんかもそこにつながってくるんですけれども、そういったところを増やしていきたいなというふうに思っているところであります。
続きまして、子どもの権利条例の制定ということでございます。
先ほど、島村議員さんのほうから、子どもの命を守るという大きな視点からのご質問をいただきまして、今回、田中議員さんからは、そこをより具体的に子どもの権利条例をつくったらどうかというご質問だったと思います。つくる方向で検討したいというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。
ただ、つくって当然おしまいということではなくて、それをきちんと主体となる
子どもたちに理解をしてもらわなきゃいけない。周りの大人にも理解をしていかなきゃいけない。わかりやすい周知、これご質問の中でもお話されていましたけれども、こういったものをやはり徹底をしていかなきゃいけないというふうにも思っているところです。
その前の条例につきましては、ぜひ検討をさせていただきたいなというふうに思っております。
すくすくスクールのお話でございます。
まず、時間延長についてなんですけれども、これは引き続き検討させてください。賛否両論、両方あると思います。朝はやらせていただいていますけど、夕方をやることで、保護者の利便性は向上すると思います。じゃあ、一方で子どもの負担はどうなんだという、これ保護者の利便性と子どもの負担というのは相反する、これ非常にちょっと難しいなというふうに思っております。
やっぱり、今までは子どもの負担を考えて六時という部分でもってきた経過もございますので、今すぐここでばっとというところもございますので、ちょっとこれはいろいろな角度から検討をぜひさせていただけないかなというふうに思っているところでございます。
職員の確保ということでございます。先ほど正規職員の話もさせていただきましたけれども、田中議員さんのほうから、やっぱり専門性の確保というようなお話もしていただきました。今、すくすくスクールのここに勤務している正規職員は児童指導という専門職です。普通の事務屋とは違います。
お話のとおり、教育だとか、保育だとか、そういった資格を持っている職員が当たっておりますので、そういった専門性の面から見ても、この正規職員の必要性というのは、私自身が今感じていますので、そういった検討を前向きにさせていただけないかなというふうに思っているところです。
給食費につきましては、教育長のほうからお答えをいたします。
続きまして、東篠崎団地の新たに創出される都有地についてということでございます。
今はまずは用地を確保しなければいけませんので、東京都と、先ほどもありましたけれども、都営住宅の除去が十月に終わっておりますので、これから道路の工事とか、測量とか、分筆等が行われます。
これ、東京都の場合は、財務局が全て土地を売るという形になっていまして、今は住宅局が持っていますので、これ住宅局から財務局に移管するのが、来年度の中旬ぐらいじゃないかなというふうに見込んでいます。
財務局は、今度は自分のところに入ったら、土地の鑑定評価をやったり、あるいは、都庁の中で、まず区じゃなくて都庁の中で利活用しませんか、そういう部署はありませんかというような調査なんかもやります。そういった調査なんかを終わった後に、初めて我々用地取得ができるということなので、令和三年度の当初、当初になればいいな、令和三年度中に何とか、できれば早い段階で土地の取得をしたいなというふうに思っているところでございます。
温水プールとか、そういうお話はありましたけれども、私どもはここは多田区長の時代から、一大スポーツの拠点としてということを、地元に提案をさせていただいているところでもございます。また、そういった議論を議員の皆様、あるいは、区民の皆様と深めていきたいなというふうに思っているところでございます。
アイススケートなんですけどね、通年のというようなご要望がございますけれども、江東区の辰巳の国際水泳場が、オリンピックが終わったら通年のアイススケートリンクに転換するというふうにおっしゃっていますので、今は都心にあるのは、江東にあるのは江戸川だけということで、もう二十四時間と言っていいぐらいフル回転なんですけど、この辰巳の通年のアイススケート場ができたときの影響等も、これから考えなきゃいけないのかなというふうには思っているところもございます。
ただ、そういうのも含めまして、スポーツの拠点として、夢をもったような形の地域になればいいなというふうには考えているところでもございます。
どちらにしても、土地が手に入らなきゃだめなので、遅滞のないように、まずは夢のある話は夢のある話として、土地の確保に向けて、これは遅滞ないように進めていきたいと思っていますので、よろしくお願いいたします。
以上です。
○議長(田中寿一 君) 千葉教育長。
◎教育長(千葉孝 君) それでは、私のほうから、学校給食の件でありますけれども、まず一点目が、学校給食の質の確保ということであります。
本区は、小中学校全校に栄養士を配置しておりまして、栄養基準に基づくのはもちろんでありますけれども、小松菜給食、バイキング給食、そして、ふれあい給食、世界の料理など、工夫を凝らしながら、そして、特色ある給食を提供しております。
そのような取組みによりまして、本区の給食は東京都の教育委員会の表彰をこれまで三年連続で受賞しております。そういった高い評価を受けているところでありまして、これは本当に素晴らしいことであるなと思いますし、誇れることだというふうに思っております。今後も質を落とすことなく、おいしく、そして楽しい給食を
子どもたちに提供していきたいというふうに考えております。
ただし、それには先ほどお話がありました、食材の高騰、そして、栄養素の引き上げという状況下にあります。現在、その質を確保するためには、先ほど申し上げましたけれども、一食当たり二十円から三十円程度の値上げはやむを得ないというふうに考えております。
一方、保護者の皆さんに対する負担軽減につきましては、値上げのその負担感の軽減を図っていく方向で、現在、具体的な方策を検討しているところであります。
また、多子世帯に対する負担軽減というお話がありましたけれども、そちらにつきましても、どういったやり方を取り入れるのか、効果的なのかということも含めまして、あわせて検討してまいりたいというふうに思っております。
以上です。
○議長(田中寿一 君) 田中淳子君。
◆三十八番(田中淳子 君) 区長、教育長から、一つ一つ大変丁寧に、また前向きなご答弁をいただきまして、ありがとうございました。
災害対策につきましては、本当に初めに区長がおっしゃっていたように、もう誰人も傷つけないというやっぱり観点がしっかりと踏まえられていたと思うんですけれども、今回の台風十九号等の教訓を活かして、女性の視点も含め、また
子どもたちの視点も含めて、実効性のある災害対策を早急に、いつ起きるかわかりませんので、これからも、早急に進めていただきたいということを重ねてお願いをしたいと思います。
また、(仮称)江戸川区子ども権利条例制定につきましては、大変に心強く思いました。これからも
子どもたちを徹して守り抜くという観点で、本区の思いをしっかりと示していただきたい。期待しておりますので、よろしくお願いいたします。
また、すくすくスクール事業の充実、また、学校給食の確保につきましては、保護者をはじめ多くの方々の理解が得られるように、これからもご努力をいただきたいというふうに思います。
最後、都営東篠崎団地の創出用地につきましては、令和三年の取得に向けてという具体的なお話もいただきまして、本当に一つ一つが形になっていく大事なときだというふうに思いますので、しっかりと取り組んでいただきたいし、私も全力で応援をしてまいりたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
最後に一言申し上げたいと思うんですけれども、現在、私ども公明党は、十月よりスタートいたしました幼児教育・保育の無償化に関する実態調査を全国各地で行って、利用者や事業者の方々のお声を聞いております。保育人材の確保と処遇改善への支援、また、医療的ケア児への配慮、あとは、事務負担の軽減とか、様々な観点からのお声、そして、課題が浮き彫りになってきているというふうに思っております。
これからも現場の声を大切に、そして、区民生活を守るために、行政の皆さんとともに全力で私も取り組んでまいることをお誓いをして、私の質問を終わります。大変にありがとうございました。
○議長(田中寿一 君) 暫時休憩します。
午後二時五十七分休憩
───────────────────────────
午後三時二十分再開
○議長(田中寿一 君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
一般質問を続行します。三十四番 瀨端 勇君。
〔三十四番 瀨端 勇君登壇〕
◆三十四番(瀨端勇 君) 私は、日本共産党を代表し、質問します。区長の誠意ある答弁を求めます。
はじめに、災害対策について質問します。
相次ぐ台風・豪雨災害の被災者となられた皆様に、心からお見舞い申し上げます。
二〇一九年十月六日、太平洋のマーシャル諸島東海域で発生した台風十九号は、平年よりも高い海水温の領域を通過しながら急速に発達し、中心気圧九百十五ヘクトパスカルの勢力を維持したまま、小笠原諸島に接近し、十二日十九時前に中心気圧九百五十五ヘクトパスカル、最大瞬間風速四十メートルで静岡県伊豆半島に上陸、その後は、関東地方と福島県を縦断し、十三日、温帯低気圧に変わりました。
十一月十八日現在、台風十九号による死者は九十八名、行方不明者は三名、河川の決壊七件、七十四河川百四十カ所に上り、土砂災害二十都県九百五十三件、住宅被害八万五千九百四十八棟となっています。
また、災害救助法適用自治体は、十月十九日現在で十四都県の三百九十一市区町村であり、東日本大震災を超えて過去最大の適用となっています。
今年は、台風十五号・十九号・二十一号・豪雨災害と相次ぐ大規模災害に苦しめられました。特に台風十九号は、気候変動による地球温暖化が高い海水温をもたらすことによる巨大化が指摘されています。そして、今後はこうした台風被害が頻繁に襲ってくるのではないかと、多くの区民が実感をもって不安を高めています。
台風十九号による本区の被害は、前定例会における追加補正額四億七千万円に示されるように、決して小さなものではありませんでしたが、甚大な被害を受けた地域から見れば、幸い比較的軽微な被害でした。しかし、もう少し雨量が多かったら、もう少しコースがずれていたら、どれだけの被害に見舞われたかは想像するだけで胸が痛みます。
本区では、ゼロメートル地域の江東五区の広域避難計画に基づく
水害ハザードマップを、今年、全世帯を対象に配布・普及したこと。台風十九号をめぐるテレビ報道などで繰り返しこの
ハザードマップが紹介され、河川の水面よりも低い地域の水害の予測報道などを背景に、避難した区民は都内最大の三万五千四十人となりました。
江東五区の広域避難協議に関連して、十月三十日の東京新聞では、「東京ゼロメートル地帯の五区、台風十九号で二百五十万人避難を検討したが、パニックを恐れ公表せず」と報道しました。報道によると、広域避難計画では、公表することになっていた共同で検討を開始したこと自体の公表も見送りました。同記事で専門家は、「発表するべき危機を発表せず、隠されていた危機を知って人々がパニックになることがある。検討の結果、自主的広域避難情報の発令には至らなかったが、検討を始めたことは正確に発表すべきだった。発表しないと、今後、何か隠しているのではないかと住民が疑心暗鬼にもなる」と指摘しています。
我が党は、先月、台風十九号を受けて、区長への緊急申し入れを行いました。今議会では、改めてその内容も踏まえて質問します。
第一に、江東五区の広域避難計画に関連して、五区の共同検討開始は、計画では公表されることになっていたのに、公表しなかったのはなぜか。公共交通機関の計画運休や要配慮者の
広域避難先の確保など、今回の台風十九号の経験によって、広域避難計画をどのように検証し、今後、どのように検討するのでしょうか。
第二に、今回の三万五千人を超える避難者をはじめ、区民、職員、議長など、各界各層の区民や関係者からの意見・要望などを、どのように調査・検証し今後に活かすのでしょうか。
第三に、避難情報に関連して、本区では初めて新中川以西の約四十三万人を対象に、避難勧告を発令しました。しかし、新中川以西、新中川西側と示されたことは、多くの区民に困惑と混乱をもたらしました。
区の行政内には、区域を東西に二分して示す際に用いられることはあっても、一般区民にはなじみはありません。そのため新中川が危ないのか、西側とはどこなのか等、多くの疑問が寄せられました。気持ちも動転し、一瞬で命を問われるときには、疑問の余地のないわかりやすい情報提供が何より重要です。新中川以西などの避難地域の表現は、改善の検証・検討を図ることが必要と考えますが、いかがでしょうか。
第四に、今回の台風災害でも、防災無線が聞こえなかった、音はするが何を言っているかわからなかったなど、情報が放送されても聞こえないという、防災行政無線の問題が改めて問われています。
ダイヤル通話もつながらなかったとの声もありました。避難勧告などの重要な情報が対象の区民にわかりやすく伝わるかどうかは、命に直結する問題です。一部補助などを含め、当面、避難所開設に当たる職員、町会、自治会役員など、地域防災リーダーをはじめ、戸別受信機の普及を図ることを検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。
第五に、避難所のあり方についてです。
まず、避難所開設に携わった職員の皆さんの寝食を忘れた対応に、多くの区民が感謝の声を上げています。その上で数点質問します。
①現在の避難所運営マニュアルは、震度五強以上などの地震による震災に対応することを基本としています。一部に水害対応の記載もありますが、今後、大規模水害の頻発が予想される中、水害対応を基本とする避難所のあり方も見直すべきではないでしょうか。
②避難所によって情報が届かないなど、情報提供に違いがありました。避難者にとって何より重要な情報提供の格差をなくすべきと考えますが、いかがでしょうか。
③避難所の受け入れについては、定数を超えるなど受け入れを断られることもありました。豪雨や強風の際には命にかかわる場合もあり得ます。受け入れについては、命を守ることを最優先に、定数や受け入れの基準など、あらかじめ区民に周知すべきと考えますが、いかがでしょうか。
④避難所の運営については、女性や子育て世代の避難者の代表の参加を必須とするなど、各層の要望・意見を反映する体制とし、避難所の国際基準であるスフィア基準も参考に、プライバシーの確保をはじめ、人権や環境が守られるよう、努力することが必要と考えますが、いかがでしょうか。
⑤ペットとの同行避難については、避難所ごとに対応が分かれました。ペットを家族同様に避難する一方で、アレルギーの問題などもあります。避難所を区別するなど、あらかじめルールを明らかにする必要があると考えますが、いかがでしょうか。
⑥今回の避難に当たり、車椅子の方や障害を持つ方などは、避難所にエレベーターがないことなどから避難を諦めざるを得ませんでした。改築校をはじめ、可能なところから避難所となる学校のバリアフリー化を図ることが必要と考えますが、いかがでしょうか。
第六に、台風十九号の最大の特徴は、現在までに判明しているだけでも、全国で七十四河川、百四十カ所もの河川の決壊、氾濫が起こったことです。国と江戸川区は、数百年かかっても完成の見通しのないスーパー堤防の整備を優先する姿勢ですが、優先すべきは、現在、命が奪われている、決壊、氾濫などが指摘されながら後回しにされてきた通常堤防の整備です。国に対し、安心で安全性が確保できる耐越水堤防など、通常堤防や遊水地などの整備を優先することを求めるとともに、区としても内水氾濫対策など、現実的な治水対策を優先することが必要と考えますが、いかがでしょうか。
次に、幼児教育・保育の無償化に関連して、全ての江戸川区の
子どもたちへの支援を求めて質問します。
幼児教育・保育の無償化が十月から始まりました。消費税増税と引きかえに実施された無償化です。本来、増税と関係なく、誰もが無償で公平に教育も保育も受けられることが望ましいと言えます。今回の無償化は、三歳から就学前の子供を基本とし、保育ではゼロ歳から三歳未満までは低所得者以外は無償化になっていません。子育て支援としては不十分と言わざるを得ない課題があります。
特に幼稚園への対応は、国が認可幼稚園、認定こども園のみを幼児教育無償化の対象としているため、国の認可基準を満たさない幼児教育施設、いわゆる、幼稚園類似施設に通う子どもは、幼児教育無償化の対象外となっています。そのために幼稚園類似施設では、認可幼稚園との格差が生じたり、入園希望者が激減し、園の存続が危うくなったりという不満と不安の声があがっています。
また、幼稚園類似施設は、発達障害をはじめとする様々な理由により、認可幼稚園から入園を拒否された
子どもたちや、認可幼稚園になじめなかった
子どもたちを、自治体の枠をも超えて受け入れている実態があります。
したがって、仮に幼稚園類似施設が廃園に至るようなことになれば、このような
子どもたちが通う幼児教育施設がなくなる状況へと追い込まれかねません。
幼稚園類似施設は、幼稚園の国基準を満たさないものの、国が幼児教育無償化の対象とされる認可外保育施設と比較しても、正規教諭の配置や園庭の整備等、幼児の発達を促すよい環境を整備している園もあり、実際、関係者等から、不公平であり差別だという声も上がっています。幼稚園類似施設は、自治体の財政支援を受ける園、受けない園もあります。いずれも数十年にわたり、地域の幼児教育を支えてきた園であり、地域の幼児教育を担っている宝との声もあります。
江戸川区においては、東京都の補助を受けている類似施設と、補助を受けていない、いわゆる類似園の二カ所の施設が、それぞれ数十年にわたり、障害を持つ子どもも含めて、保護者や地域の信頼を得ながら幼児教育に携わってきました。
都の補助を受けている類似施設は、認可幼稚園に比べて、保護者負担が最大月三千五百円の負担増となるという格差が生まれています。補助を受けていない類似園では、無償化の影響で来年度の入園希望は五名という廃園の危機に及んでいるとのことです。いずれも、資格のある先生のもとで、長い間、幼児教育・保育に携わってこられた施設をなくしたり、格差を設けたりすることは、何より
子どもたちにとってあってはならないことと考えます。
そこで、質問します。
第一に、幼稚園類似施設の存続や格差是正のために、国や東京都に対し必要な措置を求めていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
第二に、江戸川区としても、区民の
子どもたちが公平に無償化の恩恵を受けられるように努力すべきと考えますが、いかがでしょうか。
以上で第一回目の質問を終わります。
○議長(田中寿一 君) 斉藤区長。
〔区長 斉藤 猛君登壇〕
◎区長(斉藤猛 君) お答えしてまいります。
一つ目の災害対策、江東五区の広域避難計画の検証についてというご質問なんですけれども、これは今まで今日お答えをさせていただいてまいりました。実態に合った形で見直しをしていくべきだというふうに考えておりますので、本当に人の命を守るための広域避難という視点に立って、様々な形で見直しをかけていきたいというふうに思っております。
二点目なんですけれども、避難者など区民からの調査について、意見・要望をどのように調査・検証していくかということです。
現在、今は区の中で、様々な部署や避難所ごと、避難所ごとですね、一つずつの、振り返りを行っておりますし、様々な課題を挙げてもらっております。そういった中で、この避難所を運営している職員というのは、当然、区民の皆さんからいろいろな意見を聞いていますから、そこで得られた貴重な意見を取りまとめた上で、検証作業をしていきたいと思っています。できれば、その取りまとめも議員の皆様、あるいは、区民の皆様に公表して、今後の対策に活かしていきたいというふうに思っております。
次に、新中川以西の表現の改善ということでございますけれども、これは本当に新中川以西という言葉だとわかりづらいんじゃないかという、もう我々も十分検討しました。むしろ、いい表現があったら教えていただきたいぐらいなのですけれども、ただ、やはり簡潔明瞭に防災行政無線は言わないといけないという部分は大命題だと思っております。
そういった中で、今回、台風十九号で一分五十秒なんです、新中川以西で。もし仮に全部町名を読み上げていったら十六分かかります。十六分かかる行政無線というのは、余り簡潔明瞭からほど遠くなってしまうと思いますので、ここのところは、私たちは行政無線では新中川以西という言葉を使いましたけれども、そのフォローするものとして、ホームページだとか、様々な媒体で町名を全て載せていったということでございます。ですから、二段階でやって、行政無線の新中川以西だけがわかりづらいというのは、確かにそうなんですけれども、そこをフォローする体制をとってきたつもりであります。
ただ、今回こういうことが結構な声を我々もいただいていますので、であるならば、新中川以西というのはどういうところかというところの周知を、一生懸命これからやっていきたいと思います。新中川以西ということが皆さんにわかっていただけるような、あるいは、以東という言葉がわかっていただけるような周知を図っていくことで対応するのも、一つの方法かなというふうに考えているところでございます。
続きまして、防災行政無線の戸別受信機の普及をということです。これは先ほどもご説明をさせていただきましたが、あくまでも防災行政無線をベースに、私たちは情報伝達は考えていきたいというふうに思っています。それを補完するものとして、当然、そういったラジオもございますし、スマホもありますし、テレビもあると思います。
調べていきますと、ラジオの保有率というのは、大体、三世帯に二世帯、逆に言えば、三世帯に一世帯は持っていらっしゃらないんですよね。逆にスマホやテレビというのは九割以上の方が持っていらっしゃいますので、スマホ、ガラケーとかも含めますけれども、そうすると、FMえどがわの内容というのは、スマホでも聞けるんですよね。そういうふうに考えていくと、戸別受信機という形がそれも大事ですけれども、ただ、そこだけに公費を出して助成していくということじゃ、ちょっとほかの媒体との差というのも出てきちゃうかなというふうに思っていますので、何よりも行政無線をメインにして、それを聞きやすくする。さらに、それを補完するものとして、スマホや携帯、テレビやラジオ、そういったもので補完をしていければなというふうに考えているところでもございます。
ご提案の内容ですと、一部補助ということかなというふうに思うんですけれども、私の経験上、一部補助だと、やっぱり買わない方って結構いらっしゃいます。そうすると、情報格差が起こっちゃうと思うんです。持っている人と持っていない人で。そこを避けるために防災行政無線ということを私自身は思っているところでもありますし、そういう答弁もさせていただいています。
あと、ラジオは自分の所有になっちゃいますから、例えば、電池が切れただとか故障したというときに、我々直しに行けません。それをベースに考えていたときに、いざそこがラジオが機能しなかったときに、大切な情報が伝わらなくなっちゃいますので、やっぱりまずは行政無線を中心にした今はピラミッドのような形で、ラジオも含めて検討していきたいと思っていますので、戸別受信機への今のところ助成という公費を入れるということについては、考えておりません。
続きまして、水害対策を基本とする避難所のあり方ということで、これも先ほどご説明をさせていただきました。水害に対応したマニュアルもつくっていきたいというふうに思っております。
続きまして、避難所での情報提供ということでございます。これは先ほどご説明させていただきましたが、テレビがあるなしとか、ハードで差がついている部分もあります。ただ、そういったものもそうなんですけれども、何よりも運営をある程度、こういうここは統一するべきじゃないかなというふうに思っていますので、これは詰めていきたいというふうに思っております。
続いて、避難所の受け入れの定数や基準をあらかじめ区民に周知すべき。今はご存じのとおり地震はもう出しています、これぐらいの避難者数、この避難所ではと。水害については確かに出ていませんので、これはおっしゃるとおり出すべきだというふうに思っております。
受け入れの基準ということなんですけれども、これは我々は特に基準をつくっていません。誰でも来てくださいという形で言っていますので、そういった姿勢でこれからも行きたいというふうに思っております。
続きまして、スフィア基準でございますけれども、このスフィア基準、確かに、これは内閣府も今後の避難所運営の質の向上を考えるときに、参考にする基準だというふうに言っています。これはもうおっしゃるとおりだと思います。
ただ、じゃあ、現実問題可能かといいますと、一人当たり三・五平米というのは、このスフィア基準では言われていますけれども、そうすると、江戸川区七十万人、二百四十五万平米が必要になってきます。これが現実的かどうかということだと思っております。
場所があればいいと思います。場所がない中では、やはり、まずは命を守る行動をしていただく、そこはもう狭くても避難所に来ていただく、特に地震のときなんかもそうなんですけれども。その中で、それが長期化されていったときに、避難されることが少なくなっていったときに、我々も段ボールのベッドだとか、この間仕切りだとか、そういったところも十分、今は検討していますので、そういった中で参考にできればいいなというふうに考えているところです。
どちらにしても、避難者の人権や環境にはできる限りの配慮を行っていきたいというふうに思っております。
ペットの同行避難ということです。確かに、ペット、今回、避難所によって対応が違ったというお話もさせていただきました。犬や猫は想定していたんですけれども、インコ、ヘビ、カメ、ウサギ、イグアナ、ハリネズミ、モルモット、ハムスター等々、やはり皆さん、家族と一緒なので、そういったやっぱり家族と同様のペットを連れていらっしゃるんだと思っています。ですので、この辺もある一定の対応、地震のときはしっかりこれ校庭でという形で決まっているんですけれども、もう家族と同然のペットが雨風にさらすというのは耐えられないというのも、確かに心情としてあろうかなと思います。
ただ、やっぱり避難所内のスペースの問題もありますし、あと、区割りがちゃんとできるかどうか、また、やっぱりペットが嫌だという方も当然いらっしゃいます。うるさいとか、感染症の問題も当然ありますし、アレルギーの問題も当然あると思います。そういったところを考えながら、ある程度の一定のルールというのを考えていければなというふうに思っております。
続きまして、避難所のバリアフリー化ということ、要はエレベーターの設置という具体的なご質問でございます。今、改築校は必ずエレベーターをつけています。そういった面では今は十二校あるんですけれども、今後も改築校にはエレベーターは順次つけていきたいというふうに思っております。
ただ、じゃあ、現行のところはどうなのかというところも確かにあると思うんですけれども、さっき車椅子みたいなお話もございましたけれども、特に私もそういう仕事をやっていたのであれなんですけど、電動車椅子が重いんですよね。電動車椅子、重いと百三十キロぐらいあるんですね。人と合わせれば二百キロぐらいになっちゃって、担いでみんなでいけるかというと、確かに厳しい部分なんかがあると思います。
そこで、もし電気が通じていれば、給食用のエレベーターは各校に必ずありますから、人は乗れないんですけれども、車椅子は運ぶことができると思います。例えば、百三十キロある電動車椅子。もちろん衛生の問題とかありますので、一概にどうぞという形にすぐなるかどうかというのは、いろいろと検討していかなきゃいけないんですが、どちらにしても重い物を、例えば電動車椅子等を運ぶ環境はあるということは、ご理解いただければというふうに思っていますし、今後は改築の中で進めていきたいというふうに思っております。
続きまして、スーパー堤防より通常堤防や遊水地の整備など、現実的な治水対策をということでございます。
昭和二十二年、
カスリーン台風のとき、江戸川区はもう水が引かない状況、いろいろな形で私ども勉強していますけれども、あれは江戸川区で水が上がったということじゃなくて、上流の川が決壊したということでございます。ですから、江戸川区だけ単体を考えるんではなくて、流域全体をやっぱり考えていかなきゃいけないだろうと。
そういった中で今整理がされているのが、上流ではダム、中流では遊水地、下流域では堤防強化、あるいは、放水路をつくっていきましょうと、こういう役割分担をしているわけですね。ですから、上流では八ッ場ダムもございますし、中流地では渡良瀬遊水地、また今は荒川にできていますし、またつくろうという計画もしています。ですので、私どもは荒川、江戸川もできておりますし、そして、緩傾斜、緩い傾斜の堤防というのも、これ江戸川沿いはもう八割、堤防整備なんかもされておりますし、水門の耐震化なんかにも力を入れている部分でございます。これが外水というんですかね。
内水の対策はご存じのとおり、もう平成七年に下水道の普及率一〇〇%になっておりますし、雨水の貯留施設の整備も進めております。総貯留量が六万立米、今はここまで整備が進んでいるような形です。それ以外にも、幾つかポンプ場だとか、様々な内水対策もやっています。
ですから、お話ししたいのは、スーパー堤防より通常堤防や遊水地整備じゃなくて、スーパー堤防も通常堤防も遊水地整備もと。やっぱりこれは人の命を守るためなので、全てやっていかなきゃいけないというふうに考えています。その中でスーパー堤防も、もちろん大事な一つだということもあわせてお話をさせていただければというふうに思っております。
続きまして、幼稚園の類似施設への公平な支援と、存続のための国と都への要望をというご質問でございます。
確かに、今、国の基準の中では類似施設は外れています。ただ、外れている園もあるということなんですけれども、認可基準を満たさないものですね。
これ、ご存じだと思うんですけれども、文部科学大臣がもうこういうような形で記者会見でお話しされています。認可施設になかなか入ることができないという
子どもたちもいるので、ぜひ救済をしていきたい。できればもう一段階対象を増やしていくことを検討してみたいということを、文部科学大臣がもうおっしゃっているわけですので、これはもう要望というよりも、こういうふうにお話をされている以上は、そういった部分をしっかりと推移を見させていただきたいというふうに思っております。
そして、江戸川区単体の補助はということなんですが、江戸川区単体というよりも、もともと無償化は国が始めている部分。国の考え方でもあります。ですから、国の基準の部分については、三万一千円ということをやらせていただいていますから、この今、お話しした国の基準が変われば、自ずとという形にもなってこようかと思います。そこはもう一回検討していかなきゃいけないんですけれども。
ですから、区の基準もこの国の基準に連動する部分がありますので、国の動向というのをしっかりこれからは見ていく中で、考えさせていただきたいというふうに思っているところでございます。
以上です。
○議長(田中寿一 君) 瀨端 勇君。
◆三十四番(瀨端勇 君) いろいろ細かい質問にもかかわらずというか、台風十九号の影響がありましたので、各会派が今回こうした質問をされて、やっぱり区民の命を守るという区長のお話がありましたけど、一つ一つご丁寧に答弁いただきまして、ありがとうございます。
何点かに絞って再質問かなと思うんですけども、一つはやっぱり災害対策では広域避難の問題で、ちょっと具体的に、まあ、あんまりそういうことを感じていらっしゃらないかもわからないんだけど、一応、専門家の指摘もあって、広域避難を始めましたということは、計画上、広域避難計画ではその始めたことは公表するという計画になっていたのに、それはされなかった、そのことも含めて公表されなかったのはなぜなのかということを伺ったんですけども、いろいろテレビで記者会見を受けた担当の課長さんなんかの話で、パニックになるからというようなお話もあったようなんですけども、いろいろ想定どおりの広域避難計画には当然ならないわけで、今回の台風十九号も想定外のことが起こって、そういう判断をされたと思うんだけど、一応、やっぱり計画上公表することになっていたことを隠したのは事実なので、そういう指摘をどういうふうに受け止められるのかなということを伺ったわけです。
それから、さっき島村議員のご質問にもありましたけど、やっぱり読売新聞で江東区の区長さんが広域避難は無理だというような、ちょっと本音なのか何なのかわからないんだけど、江東五区の区長が集まって協議して、長年にわたって、長年というか、数年間にわたって協議して決められた広域避難計画が、その決めた区長の一人が無理だとおっしゃっていると、ちょっとこれは私はどうなのかなというね、そういう感じがしまして、悪く言えばやっぱり無責任なんじゃないかと。
もう一方では、やっぱり多くの区民が実際に感じていることでもあるのかなというような思いもしまして、だから、五区の区長の間で意見が一致しているのかどうなのかね。あるいは、こういう新聞報道が出ちゃっているので、一致させるような協議をするのかどうか、そういう点、ちょっと先ほどのご質問もあったのに申しわけないんですけども、どうなのかなと。
広域避難計画ってなかなか難しいと思うんですけども、やっぱりおっしゃっているように、命を守ることが最優先なので、その点の検討をどうしたらいいのかということが一つ、それをお願いしたいと思います。
それから、あとは、防災無線ですかね、防災無線については、やっぱりいろいろな方法で防災行政無線を基本にというお話で、それはそのとおりだと思うんですけども、戸別受信機を我々もいろいろ調べました。今、都内で実施しているのは、港区の防災ラジオと中央区の緊急告知ラジオというのがあって、中央区の緊急告知ラジオは二〇一一年から実施されて、一台千円の自己負担で一万七千六十八台普及しています。これはコミュニティFM電波を利用して、ラジオ原価八千五百円、区の負担は一億二千八百十万かな、そのぐらいの負担で、港区のほうはポケベル電波というんですかね、これを利用されて、今年度から千台の予算を組んだのだけれども、四千台の応募があって補正を組んだと。これはラジオ原価一万九千八百円ということで、どうもポケベル電波を使うラジオのほうは高いようなんだけど、要するに、自動起動ラジオというのかな、防災行政無線が発信されると、自動的に結構大音量でその防災ラジオがつながるというか、発信するというような、そういう仕組みなんですね。
これさっきお話、ちょっとやっぱり同僚議員から質問があった、埼玉県加須市でそういう広域避難をやったんだけども、やっぱり防災ラジオが聞こえなかったというので、そういう声が一千件電話があったというのですね。だから、四万七千世帯全世帯を対象に、ここは防災ラジオを無償貸与をするというような方針を決めたということなんだけど、いろいろ言ってもちょっとすぐには変わらないかもわからないですけど、やっぱり命を守る最優先の、私は、一つの課題ではないかと。だって、圧倒的ですよ、防災無線聞こえませんと。何しろ、江戸川区のホームページ、防災行政無線と検索すると、真っ先に出てくるご意見が全く聞こえませんというものなんですね。多くの区民が感じている意見ですよ。
多面的ないろいろな開発をして伝えるんだということなんだけど、命を守ることを最優先にされるというのであれば、やっぱり私は一丁目一番地、戸別受信機じゃないかなと思いますよ。誰もがわかりやすい、一番重要な自治体の重要な情報が誤解の余地なくすっきりとわかるというのでね、これ非常に重要な課題ではないかと、私たちは一貫してお願いしているんですけれども、ちょっといろいろ言いましたけど、どうなのかなという、もう一回ご意見を伺いたいなということですね。
あとは、スーパー堤防もいろいろな内水対策もということで、全部やるんだというお話なんですけれども、今日、東京新聞にいろいろ、まあ、各新聞がいろいろな検証をやっています。そういう中で、私もいろいろ見ましたけど、やっぱり国が管理する一級河川、あるいは、都道府県が管理する河川、あるいは、一級河川の支流、そういうところが決壊したり破堤したりしたケースが多い。何しろ、今回台風十九号は、七十四河川、百四十カ所が決壊、氾濫したと、これは最大の教訓というか、最大の問題ですよね。なぜ、そうなったかと。やっぱり予算が足りないんですね。
スーパー堤防は一九八〇年代から始まって、三十年以上たったけども、計画も八百七十キロから百二十キロに
民主党政権の時代に縮小はされたんですけども、それでも完成率はわずか二・八%、でも、やっぱりそっちのほうに国交省は予算を優先していますので、なかなか支流の氾濫、決壊の対策に手が回ってないと。専門家はダムやスーパー堤防を後回しにしてでも、今切れている堤防の耐越水堤防というのですかね、そういう安くできる堤防の整備が最優先だと言っていますよ。そういう点をちょっと確認したいなということです。
それから、類似施設の類似園の問題なんですけれども、これは前提としては、江戸川区は国が認めた保育園の認可外施設ですか、これについては国が無償化しても、江戸川区としては保育の質を守ると、これを向上させたいということでだと思うんですけども、無償化の対象外、対象にしないという判断をされました。国がどう決めても、区として独自に判断されていることがあります。
それから、萩生田大臣が確かにおっしゃっているんだけれども、私も民主党の方々が国会で、私たちの共産党の議員もいろいろ要求したり質問したりしているんだけど、民主党の方々がたしか文科省と交渉している中で、要するに、自治体が補助している類似施設に対して財政支援を行うというようなことを検討しているというようなことを文科省が言っているというのですね。それはどういう正確な情報なのかどうか、皆さんのほうが詳しいかもわからないんだけど。
だから、自治体が類似施設に補助していれば、そこに対して財政支援しますよみたいな話だとすると、やっぱり江戸川区として独自に判断していただく。国の動向を見て、国がやってくれるのなら、それはもちろんそれでいいんだけど、やっぱり自治体に姿勢を示していただくということが、私は必要じゃないかなと思いますので、そこをもう一回、お願いしたいと。
○議長(田中寿一 君) 斉藤区長。
◎区長(斉藤猛 君) まず一点目の広域避難の話でございますけれども、こちらのほうは、もう広域避難については五区で検討した内容でございます。
ただ、今回の十九号で様々な課題も見えてきましたので、先ほど申し上げたとおり、より実態に合った形での見直しというのは、これは必要だと思っています。その公表、公表しないも含めてですね。ですから、より現実的な広域避難のあり方を、これから五区で一緒に検討していきたいというふうに思っております。
二点目なんですけれども、ラジオのお話なんですけれども、これは先ほども申し上げましたけれども、私としては持っている人と持っていない人、お金を出して一部負担ということは、自分のお金を出して買わなきゃいけないので、情報格差はつくりたくないということです。
それと同時に、ラジオが故障しているときには行政は直せませんから、さっきもお話ししたんですけれども。じゃあ、そのときの聞こえないというのは誰が責任とればいいんでしょうか。それで命を失ったらどうするんですかということです。ですから、行政無線を含めた様々な媒体、だから、ラジオは否定していません。ラジオも大事ですけれども、さっきお話ししたスマホでも聞けますし、テレビもあります。あとは、さっき自動的に立ち上がるというお話があったんですけど、そうしたらスマホでエリアメールあります。ガラケーもそうですけれど。そうしたら、エリアメールでなぜだめなんでしょうかと、そういう話になってくると思いますので、今お話ししたようなことは、今、例えばスマホのアプリ等で十分対応が可能な部分でもあります。ですから、ここだけにラジオだけに公費を入れるということは考えていない。そこはご理解いただきたいということで、ラジオの有効性を別に否定しているわけでも何でもないです。
ですから、命を守るためには、私は逆に情報格差があっちゃいけないと思っていますので、そういう言い方をさせていただいているということはご理解いただければと思っています。
スーパー堤防については、今お話があったんですけれども、さっきもご説明これもいたしました。スーパー堤防も通常堤防も内水氾濫の対策も全て必要ですと、それでお答えにさせていただければと思っています。
四点目の類似施設の関係につきましては、やはり国が無償化の方針を出して、この体系が決まってきているわけですから、まず国の制度がどうあるべきかというのを見定めてから、やっぱり自治体の対応を考えるというのは、これはもう自然の姿だと思っていますから、決してやらないとかやるの話ではなくて、制度設計として、まず国がどうあって、そして都があって区があるということを検討させていただきたいという話をさせていただいたということです。
以上です。
○議長(田中寿一 君) 瀨端 勇君。
◆三十四番(瀨端勇 君) 類似施設については、何か江戸川区を含めて六区かな、江戸川区以外の五区は、全部、認可外幼稚園と同じように類似施設についても補助を同じ額で格差なくやられているということがありますので、やっぱり区の姿勢を示していただく。区がやっぱり、萩生田大臣もやっぱり、地元の自治体の長が一番よく知っているんだと、そういうことについてはね。だから、その自治体の長の判断が大事だと、尊重するみたいな話もありますので、やっぱり自治体として判断していただくというか、補助をしていただく、格差をなくす、これが一番大事じゃないかなというふうに思いますので、よろしくそこはご検討いただきたいと。
あと、防災ラジオは大分力がこもって格差という話なんですけど、故障で命が失われるということもあるかもわからないけど、やっぱり防災無線が聞こえない、私は相当多額なお金をかけて防災行政無線をつけたり、デジタル化をやったり、ものすごい税金使ってきたと思うんですよ。それが全く聞こえないと言われちゃっているわけだから、これどうするのかなと思っているんですよね。ラジオは否定していないと言うんだけど、否定していないと言いながら、結局やらないのかなという感じなんですけど、私は今回は、まず地域防災リーダーからこれを配置するなり、配布したらどうかという提案をしたんですけど、それもちょっと全然だめなのか、ちょっと最後にそこだけお尋ねしたいなと。
○議長(田中寿一 君) 斉藤区長。
◎区長(斉藤猛 君) 先ほどお答えしたとおりでございます。
以上です。
○議長(田中寿一 君) 次に、十二番 岩田将和君。
〔十二番 岩田将和君登壇〕
◆十二番(岩田将和 君) 質問に先立ちまして、本年九月に発生しました台風十五号及び十月に発生しました台風十九号の被害により、亡くなられた方に謹んでお悔やみを申し上げますとともに、被災されました方々に心よりお見舞い申し上げます。皆様の安全確保と一日も早い生活再建をお祈りいたします。
それでは、通告に従いまして、教育をテーマに以下三点について質問します。区長並びに教育長の丁寧かつ前向きなご答弁を期待します。
まず、最初の質問は、家庭教育の大切さについてです。子どもの成長にとって最も大切になるのは、家庭の愛情であり、親の愛情です。家庭における安心感・安定感こそが、子どもの心を豊かに育てていきます。
家庭教育は全ての教育の出発点であり、子どもの基本的な生活習慣はもとより、他人に対する思いやりや善悪の判断などの基本的倫理観、社会的マナーなどの基礎的素養は、家庭で身につけるべきだと考えます。
言うまでもなく、家庭は子どもが最も多くの時間を過ごす場所であり、「親の背を見て子は育つ」という言葉は、身近な大人である親の影響が、子どもの成長にいかに大きいことかを示した教訓と言えます。
昨年、マサチューセッツ工科大学の研究チームが「幼児は、大人を見ることによって、忍耐の価値を学ぶことが出来る」という実験結果を発表しました。このことから、親が子どもに一生懸命な姿を見せることで、子ども自身も物事に一生懸命取り組むようになる、このことが証明されたのです。したがって、親が身をもって我が子に手本を示し、子どもの人間形成の礎を築くべきであることは間違いないのです。
しかしながら、近年、都市化や核家族化、少子化が進み、さらには、家庭や家庭を取り巻く社会状況の変化に伴い、規範意識や共感性の低下が指摘されています。
国連児童基金(ユニセフ)が発表した子どもの幸福度調査によると、自分は孤独であると感じる十五歳の子どもの割合は、二十四カ国中一位が日本で二九・八%、二位のアイスランドが一〇・三%、三位のポーランドが八・四%でした。驚くべきことに日本の子どもは、世界でも断トツで孤独であることが判明したのです。この調査結果は何を意味しているのでしょうか。
今の日本社会は、経済的、物質的な豊かさにおいては先進国の中でも高水準と言えます。それにもかかわらず、日本の
子どもたちは、なぜ世界一孤独になってしまったのでしょう。
かつての日本では、家庭と学校と地域社会の三つが相互に連携して、それぞれの役割を果たし子どもを育ててきました。親と子、先生と生徒、近所の大人と子どもという人間関係の形成があったからこそ、
子どもたちは孤独ではなかったのです。
それが今日、家庭や学校地域社会における大人とのかかわりの希薄化が
子どもたちを孤独にし、その結果、規範意識や共感性の低下を招いていると考えられます。
その中でも、特に家庭における親子関係の希薄化は、子どもの犯罪やいじめ、不登校、ひきこもり、自殺、児童虐待といった、様々な問題の大きな根本原因であると考えます。
マリー・ウィンが書いた「子ども時代を失った
子どもたち」の中で、「子どものために犠牲になる親はいなくなった」、また、「家庭というのは、心理的居場所、あるいは砦、避難場所である」と書いています。今や、家庭は子どもにとって砦でも避難場所でもなくなってしまったと言えるのではないでしょうか。
そこで、区長にお尋ねします。区長は家庭教育の大切さについて、どのように考え、未来を担う
子どもたちの規範意識や共感性が崩壊し始めているこの現状を、どのように認識されているのか、区長のご所見をお聞かせください。
二点目の質問は、国語教育の大切さについてです。
昨今、戦後最大規模と称される教育改革の最中にあります。教育改革の大きなトピックは、「大学入試改革」と「小・中・高の新学習指導要領」、そして、これらと関連して進められている「英語教育改革」の三つになります。
中でも英語教育改革は、入試や学校の授業に与える影響の大きさもさることながら、現在のグローバル社会における英語の重要性の高まりを考えても、とりわけ大きな注目を浴びています。
二〇二〇年度から小学生の新学習指導要領が全面実施されるのに伴い、英語の授業が大きく変わることになります。
例えば、従来、小学五、六年生を対象に行われていた「外国語活動(英語)」の授業が、小学三、四年生から始まります。さらに、これまで中学生からであった教科としての英語が、小学五、六年生から始まります。英語教育を否定するつもりはありませんが、英語教育を小学校から義務化することには、少なからず疑問を感じます。小学校でまず培うべきは、英語の基礎の前に人間としての基礎です。子どもは様々な体験を通して言葉の持つ力を理屈ではなく感性で覚えます。勉強でも遊びでも物事を考える時、頭の中に思い浮かぶのは母国の言語です。これは声による会話だけでなく、文字を使ったやりとりでも同じことが言えます。英語教育の必要性は認めつつも、肝心な国語教育が置き去りになっていないでしょうか。
「声かけメソッド」を提唱している小川大介氏は、国語力は全ての教科の成績を左右する要素であると同時に、学校を卒業し社会で生きていく上でのスキル、いわば、人間力の土台ともなる重要な力であると述べています。
私たちが論理的思考をする時、その根底には、言葉、母国語があります。要するに、国語力、すなわち、日本語の力を高めることは、単に学力を向上させるだけでなく、人としての生きる力を高めることにもつながるのです。
そこで、教育長に伺います。国語教育の大切さについての認識と、限られた授業時数の中で国語教育の充実をどのように図っていくのか、ご所見をお聞かせください。
最後の質問は、性教育の大切さについてです。近年、インターネットの普及により、年齢問わず性に関する情報を誰でも簡単に入手できる時代になりました。また、テレビや映画、漫画、ゲームなどでの直接的な性の表現も氾濫しています。しかし、そこから得る情報が必ずしも正しいものとは限りません。
若い世代による予期しない望まない妊娠や性感染症を防ぐためにも、性情報の真偽を見極める幹となる部分を教えるのが、学校教育と家庭の役割だと考えます。
性をいやらしいものと否定的に捉えて罪悪視したり、タブー視するのではなく、性とは人間を幸せにするために存在するものとして肯定的に捉え、人間教育としての性教育を行う必要があります。
しかし、中学校の学習指導要領では、わざわざ性的好奇心を喚起することはないなどの理由により「妊娠の過程(性交)は取り扱わない」としています。さらに、性交、避妊方法、そして、人工妊娠中絶についても盛り込まれていません。これは性行動が活発になる前に、正しい性の知識を教えることが、子どもの心身を守り、性感染症も防ぐという国際的な考え方とは大きく逆行しています。
厚生労働省の二〇一七年度の調査では、人工妊娠中絶をした十五歳以下の女性が全国で七百三十六人いることがわかっています。この現実と、十五歳以下に性向や避妊方法について教えないという現行の性教育との間には、大きな乖離があると言わざるを得ません。
このような中、自治体の事業として性教育に取り組み、成功している事例があります。二〇〇〇年、秋田県では、十代の人工妊娠中絶率が女子千人当たり一七・七人と全国平均の約一・五倍という高い数値でありました。そこで秋田県では、秋田県医師会などとの協力により、性教育講座の推進に取り組み、生命の大切さ、性感染症、男女交際、妊娠、出産、避妊、妊娠中絶などについて、学校ごとの実態に即した講座を行ってきました。その結果、十代の人工妊娠中絶率は二〇〇一年をピークに減少に転じ、二〇〇七年には全国平均を下回り、現在ではピーク時の三分の一以下まで減少しております。現実から目を背けずに取り組んだ真の性教育が実を結んだ、素晴らしいモデルケースと言えるでしょう。
残念ながら、学校単体での性教育は、性行動や家族のあり方、避妊や中絶など、倫理観や価値観と密接にかかわる分野であるために、時に政治や宗教的対立の標的にされます。多様な意見がある中での性教育の充実は困難な道のりと言えます。
したがって、秋田県の事例のように、学校は自治体や医師会、地域社会と連携した性教育を推し進める必要があるでしょう。
加えて、家庭における性教育は言うまでもなく必要不可欠なのですが、今、家庭において、親が子どもに対して性を語る言葉をもっていません。性行為を善悪ではなく、性を人間の幸、不幸の観点からどう考えるのかということを、家庭で、親子で話し合うべきなのです。そのためには性に関する正しい知識と理解が親にも求められます。
そこで、教育長に伺います。教育長は、性教育における学校と家庭の役割について、それぞれどうお考えか、ご所見をお聞かせください。
以上、三点の質問について、私の一回目の質問を終わります。
○議長(田中寿一 君) 斉藤区長。
〔区長 斉藤 猛君登壇〕
◎区長(斉藤猛 君) まず、家庭教育についてのご質問をいただきました。私自身が、親子関係の希薄化をどう思うかというようなご質問だったかなというふうに思うんですけれども、確かに、昔はホームドラマ、私が小っちゃいときに見ていたドラマなんかは、漫画でもドラマでも、大体、家族が三世代ぐらいが同じ茶の間にいて、食卓を囲んでご飯を食べているような、そういうような風景が多かったかなというふうに思っております。ただ、最近はそういうのも確かに減ってきているかな。そういったところからも、希薄化というのは言えるのかなとは思うんですけれども。
あと、今は子どもも忙しいです。学校以外でも塾がもちろんありますし、例えば、スポーツだとか、例えば、ピアノだとか、いろいろな習い事もやっています。そして、当然、保護者も仕事で忙しいですし、趣味なんかも充実をということも当然あると思います。そうすると、子どもも大人も忙しくなっちゃって、前みたいな形で一緒に食卓を囲んで食事を一緒にするとか、長い時間一緒にいるということが、なかなか時間的に物理的に少なくなっているのかなというふうに思っているところでございます。
あとは、核家族化も進んで、昔だったら三世代でというのはあったと思うのですけれども、そういったものも今はなくなっている。ですから、まさに、大人とのかかわる時間が減っているのかなというふうにも思っているところでもございます。
ただ、今、子どもを育てるのは、地域、学校、家庭と言われていますけれども、どこが大切かと言えば、当然一番は家庭だというふうに思っています。これはもう私がというよりも、教育基本法の十条の中で、明確に保護者が教育の一義的な責任を有するということが明文化されている部分もございます。
ただ、今日様々な課題で、先ほどの忙しいというのもありましたけど、それ以外の様々な事情で、親が家庭教育を十分に行えない状況にあるのも一方ではあると思っています。
やはり、親御さんが安心して家庭教育を行うには、行政のいろいろな支援も必要なんですけど、やっぱり地域の支援というのもとても大切なんではないかなというふうに思っています。
ご存じのとおり、地域では保護者向けの研修会、様々な形でやらせていただいていますし、例えば、子育て広場ももしかしたら、あるいは、なごみの家も、すくすくスクールもそうかもしれませんし、地域で見れば、子ども食堂があったり、学習支援があったり、地域でやってくださっている野球のチームがあったり、サッカーのチームがあったり、様々な面で地域で全体で子どもを育てていこう、子ども会もそうですし、もちろん、青少年育成の地区委員会もそうです。家庭教育サークルなんかもございますし、そういった今は地域全体で育てていこうというような機運もあるのも、また事実だと思っております。
ただ、やはり家庭教育というのは生きる力、この基礎的な資質や能力を育成するものでありまして、全ての教育の出発点であることについて変わりはないと思っております。
二点目、三点目、国語教育、性教育については教育長からお答えいたします。
○議長(田中寿一 君) 千葉教育長。
◎教育長(千葉孝 君) それでは、私のほうから、まず国語教育でありますけれども、こちらにつきましては、議員のおっしゃるとおり、国語力については、全ての教科に通底するものであります。そして、生きていく上で必要な人間力の土台であるというふうに、私も考えております。
中教審におきましても、体験から感じ取ったことを表現すること、そして、事実を正確に理解して伝達をすること、さらには、互いの考えを伝え合い、そして、それを発展させることなどが重要なことであるというふうに示されております。
学校現場におきましても、そのような取組みを今は進めているところであります。例えばですけれども、算数の授業、大体、国語の対面には算数というふうなイメージを持っていますけれども、我々子どものころには前に出て黒板で問題を解いて、丸をもらったり直されたりということで席に戻るということをやっておりましたけれども、今は問題を解くだけではなくて、なぜそういう解き方に至ったのかということを、ちゃんと子どもがみんなに説明をすると。例えば、もしほかのやり方で解いた子がいれば、その子がちゃんと前に出て、それを実践して見せて、じゃあ、自分はなぜこういう解き方をしたのかということをみんなに説明する、そして、それをみんなで考える、そういった授業を行っております。
つまり問題を解くという、そういった行為を通して、自分の考え方をまとめて、そして他人に伝える、そして、それを聞いた人は、それを理解した上で自分の考えを述べ、また、その違いがあれば、その違いについて説明をして、みんなで考える、そういったことを順序立てて学ばせている、そういった機会があります。まさしく、国語の授業だけではなくて、様々な教科を通して、国語力の向上を図る狙いがそこにはあります。そういった取組みをまた進めているところではあります。
これからも児童・生徒の発達段階ですとか、また、教育課程、教育の課題に応じた言語活動について、それをまたさらに充実させるために、言葉の力というものをしっかりと身につけさせる、そういった取組みを進めてまいりたいというふうに考えております。
一方、性教育についてでありますけれども、これをどのように行うべきかというのは、これは大変重要な課題であります。あるとともに、その時代、そして社会の変化により、またその捉え方というのが変わってくるものなんだろうというふうに思っております。
学校における指導というものにつきましては、発達段階をまず踏まえること、そして、学校内での共通理解を図ること、さらには、保護者の理解を得ること、そういったことが求められております。それぞれ子どもの発達状態というのは異なってまいります。そういった中で学校で授業を一律に行うということにおいては、どこで線を引くかということが、これはどうしても問題として常につきまとうものだろうというふうに思っております。
個々の子どもの発達段階に応じた教育をするべきであるということであるとするならば、やはり家庭でということになるんだろうというふうに思います。けれども、それはもちろん大事なことではありますけれども、現実問題として、それが非常に困難である、難しい問題をはらんでいるということは、先ほど議員がおっしゃっているとおりだろうというふうに私も思います。
先ほど、秋田県が県の医師会と連携をした取組みが功を奏しているという事例をご紹介いただきました。大変興味深い話であるというふうに思っております。
そこで、東京都においても、同様な、今、取組みを行っているところでありまして、産婦人科の医師たちにお願いをして、その外部講師として活用しております。そして、学習指導要領に示されていない内容を含む授業を平成三十年度より、これはモデル事業という形ですけれども、行っております。そこに本区も参加をしております。
その実施に当たりましては、当然のことながら、事前に保護者の皆さんに説明をした上で理解をいただきます。その理解を得た上で、その
子どもたちには参加をしてやっております。ただ、それが非常に効果があるという、そういった声もいただいているところです。
そういったことからも、やはり学校での指導においては、家庭と、そして、医師たちの専門家、そういった連携を図りながら、適切な指導に努めていく、そういったやり方が必要なのかなというふうに考えております。
以上です。
○議長(田中寿一 君) 岩田将和君。
◆十二番(岩田将和 君) 区長、教育長、それぞれに丁寧かつ前向きなご答弁をいただきました。ありがとうございました。
一言で申し上げますと、大変安心をいたしました。ありがとうございました。
まず、一点目の家庭教育の大切さについてでございますけれども、区長のほうから希薄化、そして、子どもが忙しいと、こういったご紹介もございましたけれども、教育というのは、家庭、学校、そして地域社会、この三つの連携が大切であるということを、このことは質問の中でも申し述べさせていただきましたけれども、私が考えます教育というのは、家庭で教えることで芽が出て、学校で教えることで花が咲いて、そして、地域社会で教えることで実がなる、こんなふうに私は思っております。
ところが、今は家庭での教えがないんですね。ですから、芽が出ないんですね。私は、これは子どもにとっては大変かわいそうなことだなというふうに思っております。私は、ここに大きな危機感というものを覚えております。この点、今回、特に区長から確認したく質問させていただきました。区長から様々、家庭教育の大切さについてのご認識をいただきましたので、私はこの点については安心をさせていただきました。
家庭教育の大切さ、そして、もちろん学校、そして、江戸川区における様々な区内の取組みのご紹介もございましたけれども、地域社会とのかかわり、こういった教育も必要であるということで、区長からも前向きなご答弁をいただきました。ありがとうございました。
二点目の国語教育の大切さでございますけれども、この質問は、何も国語教育によって成績が上がるとか、あるいは、学力向上のために今回このような質問をしたわけではございません。国語力、これは教育長のほうからご答弁ございましたけれども、人と話して、そして、人と触れて、そして、人と交流することによって、私はこの国語力というものが高まっていくのだろうというふうに考えております。
まさに、国語力はイコール人間力だと思っております。この点は何も家庭だけではなくて、まさに学校教育でも十分行えるものだと思っております。だからこそ、私は学校教育に大きな期待を寄せているところでございます。
教育長のほうから算数の取組みの事例紹介もございました。まさに国語力を高める一例だと思っております。ぜひとも、学校教育の中でこの国語力を高める、そういった取組みを今後とも強くお願いをしたいなというふうに思っております。
そして、最後の性教育の大切さについてでございますけれども、学習指導要領を見ますと、性教育の授業というのは小学四年生から始まるというふうにされているんですけれども、しかし、小中高を通じて、実際の性教育がどのように行われているのか、これは地域差もありますし、あるいは、その内容についても、学校ごとにかなり大きな隔たりがあるんだろうというふうに思います。
これは質問の中でも触れさせていただきましたけれども、性教育を性的行為の善悪ではなくて、人間を幸せにする、そういった観点から、恋愛であったり、もちろん、性というものをどう考えていくのか。私は性教育でここが一番大切なんだろうなというふうに考えております。
教育長のほうからもご認識はいただきましたけれども、性教育というのは、学校だけでもだめなんですね。家庭だけでももちろんだめで、学校教育と、それから家庭教育、このやっぱり両輪がとっても大切になるんだろうなというふうに思っております。
秋田県の事例、紹介をさせていただきました。教育長のほうからは東京都の取組みについてのご紹介がございましたけれども、学校現場でこの性教育を取り扱うというのは、これなかなか容易ではないというふうに思っております。様々な意見、考えがある、こういった中でどのように性教育を行っていくのか、これはなかなか難しいんだろうというふうに思いますけれども、難しいからこそ、私はここは大きく知恵と工夫が必要になってくるんだろうというふうに思います。ここは教育長の強いリーダーシップと、しっかりとしたかじ取りが必要になるんだろうというふうに思いますので、ぜひとも江戸川区の学校現場において、この性教育、しっかりとしたものをぜひともつくり上げていただきたいなというふうに思っております。
以上で私の質問を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。
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○議長(田中寿一 君) 以上で本日の日程は全て終了しました。
次回は、明日二十八日、午後一時から本会議を開きます。
本日は以上で散会します。
午後四時二十九分散会...