板橋区議会 2024-06-06
令和6年第2回定例会-06月06日-01号
令和6年第2回定例会-06月06日-01号令和6年第2回定例会
令和6年第2回東京都板橋
区議会定例会本会議第1日議事日程
令和6年6月6日(木曜日)
日程第 1 議案第42号 令和6年度東京都板橋区
一般会計補正予算(第2号)
〃 第 2 〃 第43号 水防及び
災害応急措置の業務に従事した者の損害補償に関する条例の一部を改正する条例
〃 第 3 〃 第44号 東京都板橋区手数料条例の一部を改正する条例
〃 第 4 〃 第45号 東京都板橋区
家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例
〃 第 5 〃 第46号 東京都板橋区特定教育・保育施設及び
特定地域型保育事業の運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例
〃 第 6 〃 第47号 東京都板橋区緑化の推進に関する条例の一部を改正する条例
〃 第 7 〃 第48号 自転車等の駐車場の整備及び放置の防止に関する条例の一部を改正する条例
〃 第 8 〃 第49号 (仮称)
板橋区営仲宿住宅改築電気設備工事請負契約の一部変更について
〃 第 9 〃 第50号 (仮称)
板橋区営仲宿住宅改築機械設備工事請負契約の一部変更について
〃 第10 〃 第51号 東京都板橋区個人番号及び
特定個人情報の取扱いに関する条例の一部を改正する条例
〃 第11 議員派遣について
午前10時00分開会
出席議員 46名
1番 ひはら みちこ議員 2番 近
藤タカヒロ議員
8番 しいな ひろみ議員 9番 坂 田 れい子議員
10番 木 田 おりべ議員 11番 一 島 ひろし議員
12番 横 川たかゆき議員 13番 長 瀬 達 也議員
14番 大 野 ゆ か議員 15番 井 上 温 子議員
17番 小 柳 しげる議員 18番
内田けんいちろう議員
19番 間 中りんぺい議員 20番 いがらし 学議員
21番 実 正やすゆき議員 22番 小 野
ゆりこ議員
23番 大 森 大議員 24番 石 川 すみえ議員
25番 山 内 え り議員 26番 中 村とらあき議員
27番 山 田たかゆき議員 28番 寺 田 ひろし議員
29番 わたなべ一 美議員 30番 岩 永 きりん議員
31番 くまだ 智 子議員 32番 荒 川 な お議員
33番 いわい 桐 子議員 34番 田中しゅんすけ議員
35番 田
中やすのり議員 36番 いしだ 圭一郎議員
37番 さかまき常 行議員 38番 おばた 健太郎議員
39番 五十嵐 やす子議員 40番 竹 内 愛議員
41番 小 林 おとみ議員 43番 元 山 芳 行議員
44番 大 野 治 彦議員 45番 鈴 木こうすけ議員
46番 成 島 ゆかり議員 47番 中 妻じょうた議員
48番 高 沢 一 基議員 51番 川 口 雅 敏議員
52番 佐々木としたか議員 53番 田 中 いさお議員
54番 し ば 佳代子議員 55番 おなだか 勝議員
職務のため議場に出席した事務局職員の職氏名
区議会事務局長 五十嵐 登
区議会事務局次長 舟 山 百合子
〃 議事係長 龍 野 慎 治 〃 調査係長 服 部 亮
〃 書記 高 橋 佳 太 〃 書記 高 瀬 渉
〃 書記 安 部 詩 織 〃 書記 鈴 木 琢 真
〃 書記 石 川 実 生 〃 書記 外 立 龍太郎
〃 書記 横 山 愛 〃 書記 土 屋 太 功
〃 書記 小 山 貴 裕
地方自治法第121条の規定に基づく説明のための出席者
区長 坂 本 健 副区長 尾 科 善 彦
教育長 中 川 修 一
常勤監査委員 有 馬 潤
政策経営部長 篠 田 聡 総務部長 田 中 光 輝
危機管理部長 三 浦 康 之
区民文化部長 平 岩 俊 二
産業経済部長 家 田 彩 子
健康生きがい部長 水 野 博 史
保健所長 鈴 木 眞 美 福祉部長(
福祉事務所長兼務)
丸 山 博 史
子ども家庭部長 関 俊 介
子ども家庭総合支援センター所長
佐々木 三 良
資源環境部長 岩 田 雅 彦
都市整備部長 内 池 政 人
まちづくり推進室長田 島 健 土木部長 宮 津 毅
かわ
まちづくり担当部長 会計管理者 代 田 治
荒 張 寿 典
教育委員会事務局次長 地域教育力担当部長雨 谷 周 治
林 栄 喜
政策企画課長 小 島 健太郎 財政課長 大 森 恒 二
総務課長 荒 井 和 子
△開会と開議の宣告
◎事務局長(五十嵐登) ただいまの出席議員数は46名でございます。
○議長(
田中やすのり議員) ただいまから令和6年第2回東京都板橋
区議会定例会を開会いたします。
これより本日の会議を開きます。
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△
会議録署名議員の指名
○議長(
田中やすのり議員) 本日の
会議録署名議員をご指名いたします。
山 田たかゆき 議員
いわい 桐 子 議員
以上、お二人の方にお願いいたします。
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△会期の決定
○議長(
田中やすのり議員) 初めに、会期についてお諮りいたします。
今期定例会の会期は、本日から6月24日までの19日間といたしたいと存じますが、これにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と言う人あり〕
○議長(
田中やすのり議員) ご異議がないものと認めます。
よって、今期定例会の会期は、19日間と決定いたしました。
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△諸報告
○議長(
田中やすのり議員) 次に、諸般の報告でありますが、事務局長より朗読いたします。
〔
事務局長朗読〕
6板総総第150号
令和6年5月29日
板橋区議会議長
田 中 やすのり 様
板橋区長 坂 本 健
区議会定例会の招集について
令和6年5月29日付け東京都板橋区告示第252号をもって、令和6年第2回東京都板橋
区議会定例会を下記により招集したので、通知します。
記
1 招集月日
6月6日
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6板総総第162号
令和6年5月29日
板橋区議会議長
田 中 やすのり 様
板橋区長 坂 本 健
議案の送付について
令和6年第2回東京都板橋
区議会定例会に提出する下記の議案を送付します。
記
議 案
1 令和6年度東京都板橋区
一般会計補正予算(第2号)
2 水防及び
災害応急措置の業務に従事した者の損害補償に関する条例の一部を改正する条例
3 東京都板橋区手数料条例の一部を改正する条例
4 東京都板橋区
家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例
5 東京都板橋区特定教育・保育施設及び
特定地域型保育事業の運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例
6 東京都板橋区緑化の推進に関する条例の一部を改正する条例
7 自転車等の駐車場の整備及び放置の防止に関する条例の一部を改正する条例
8 (仮称)
板橋区営仲宿住宅改築電気設備工事請負契約の一部変更について
9 (仮称)
板橋区営仲宿住宅改築機械設備工事請負契約の一部変更について
10 東京都板橋区個人番号及び
特定個人情報の取扱いに関する条例の一部を改正する条例
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△専決処分の報告について、令和5年度東京都板橋区
一般会計予算繰越明許費に係る繰越計算書について、農業委員会の
事務執行状況、特別区
競馬組合議会の会議結果、特別区人事・
厚生事務組合議会の活動状況、東京二十三区清掃一部
事務組合議会の会議結果及び板橋区
土地開発公社の経営状況
○議長(
田中やすのり議員) 続いて、専決処分の報告について、令和5年度東京都板橋区
一般会計予算繰越明許費に係る繰越計算書について、農業委員会の
事務執行状況、特別区
競馬組合議会の会議結果、特別区人事・
厚生事務組合議会の活動状況、東京二十三区清掃一部
事務組合議会の会議結果及び板橋区
土地開発公社の経営状況につきましては、既に配付いたしました文書のとおり報告いたします。
〔参 照〕
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△
区政一般質問
○議長(
田中やすのり議員) これより区政に関する一般質問に入ります。
通告がありますので、順次、発言を許します。
今期の質問順序は、日本維新の会からであります。
小野ゆりこ議員。
◆
小野ゆりこ 議員 議長。
○議長(
田中やすのり議員)
小野ゆりこ議員。
〔
小野ゆりこ議員登壇〕(拍手する人あり)
◆
小野ゆりこ 議員 皆様、おはようございます。これより日本維新の会の一般質問を始めます。
まず初めに、委託事業の適正な履行の確保及び品質の向上について、3点お伺いします。
近年求められる
行政サービスが多様化する一方で、厳しい財政状況や人員削減などにより、地方自治体を取り巻く環境は厳しさを増しています。そのため、民間委託の推進による
行政サービスの向上やコストの削減が期待されており、本区においても様々な分野で多くの事業が民間委託により実施されています。この委託事業について、昨年12月に板橋区
納付案内センターにおける個人情報の流出事故が発生し、その後、本年3月にも
国民健康保険証の
回収処理委託に関する個人情報の流出事故が発生と、不適切な事案の発生が続いています。既に当事者の方々に対しおわびをするとともに、再発防止策の検討を実施され、当事者の方々からもご理解いただくことができた旨、お伺いをしておりますが、これらの事案については、いずれも委託事業者の手続過程の中で、仕様書の内容が守られていなかったことに起因する事故であったとお伺いしております。この点について、地方自治法第234条の2第1項及び
地方自治法施行令第167条の15第1項では、契約の履行の確保について定められており、区は委託先の事業者に対し、
仕様書どおりの履行がなされているか、必要な監督や検査を行わなければならないとされています。そこで、まず初めに、委託事業における適正な履行の確保について質問します。本区では、契約事務の手引きや
契約事務規則に従って履行確認を実施していただいていることをお伺いしております。契約事務の手引きの中では、検査事務について、立会人による状況の確認及び指示などを実施するとされているほか、写真や図面を活用するなど、書類による履行確認も認められておりますが、適正な履行の確保を図るためには、目視や現場立会いによる確認をしっかりと行っていくことが有効と考えます。そこで1点目に、本区における委託事業の適正な履行の確保に対する区の考え方及び取組についてお聞かせください。
2点目に、現在実施されている委託事業に対する区の評価について質問します。本区では、窓口や施設の管理、公園や公衆トイレの清掃など、数多くの委託事業が実施されております。そこで、これら委託事業において、現在区の狙いどおりのサービスがきちんと区民の皆さんに行き届いているでしょうか。区のご見解をお聞かせください。
最後に、委託事業の品質確保及び向上に向けた取組について質問します。総務省が作成した民間委託等に関する
基本的考え方では、業務の実施過程で把握した課題について委託先等と協議を行い、継続的に業務改善を行っていくことが必要であると述べられています。そこで、本区における委託事業の品質確保、品質向上に対する区の考え方及び取組についてお聞かせください。この点について、定期的に立会いの検査を行い、目視による評価をしっかりと行うとともに、市場競争を促進するため、
事業者新規参入の門戸を広げる取組を行うことも有効と考えます。また、近年、現地確認を条例や要綱の中で独自に義務化するなど、適正な履行の確保に向けて取り組んでおられる自治体も見られます。委託料の原資は区民の皆さんよりお預かりした大切な税金です。1円たりとも無駄にしない区政運営に向けて、区の狙いどおりの
行政サービスがしっかりと区民の皆さんへ行き届くよう、適正な履行の確保及び品質の向上に努めていただくことを要望し、1項目めの質問を終わります。
◎区長(坂本健) 議長、区長。
○議長(
田中やすのり議員) 区長。
〔区長(坂本 健)登壇〕
◎区長(坂本健) 皆様、おはようございます。早速、
小野ゆりこ議員の一般質問の1項目めについてお答えいたします。
最初に、委託事業の適正な履行の確保についてのご質問であります。委託における履行確認につきましては、完了検査や書面を基本としますが、必要に応じまして、作業の実態を現認することによりまして、適正な履行の確保に努めているところであります。具体的には、報告書や写真などの書面のほかに、受託者に対する定期的な聞き取りや、実際に現場に赴きまして、作業手順や個人情報の保護、安全対策などの確認を実施しているところでございます。
次に、委託事業に対する評価についてのご質問であります。区は、定型的な業務のほかに専門性や高度な技術を要する業務など、様々な分野におきまして民間委託を導入しております。社会情勢の変化が厳しく、区民ニーズが多様化する状況においても、民間事業者の技術や専門的な知識を活用して、区政課題に適切に対応しております。また、コロナ禍における
特別定額給付金や
ワクチン接種に係る事務委託のように、短期的かつ業務量の変動が大きい事業について成果を上げた事例もありまして、
行政サービスの質の向上に寄与しているものと認識しています。
次は、委託事業の品質確保及び向上についてのご質問であります。委託事業の実地の確認や完了検査により、事務事業の成果や委託内容の改善点の把握に努めるほかに、受託者との意見交換を行いまして、仕様の改善や向上を図っているところであります。今後も区民ニーズを的確に捉えまして、経営的な視点を持ちながら改善に取り組んでまいり、委託事業の品質を確保することによりまして、
行政サービスの質の向上をさらに実現していきたいと考えております。
頂きました質問の答弁は、以上でございます。
◆
小野ゆりこ 議員 議長。
○議長(
田中やすのり議員)
小野ゆりこ議員。
〔
小野ゆりこ議員登壇〕(拍手する人あり)
◆
小野ゆりこ 議員 次に、誰もが働きやすい板橋区について質問をします。
近年、労働人口の減少により、今後、官民共に人手不足が進んでいくと言われる中、民間企業では、柔軟な働き方を認めることや、初任給を大幅に引き上げるといった動きも見られ、公務員の人材確保がより困難になっていくことが予想されています。このような背景から、昨年、総務省により設置された
地方公務員制度のあり方を議論する
有識者検討会では、地方公務員の待遇の見直しの必要性や、女性や
マイノリティの方々も含めた勤務環境の整備と管理職登用を進める必要性などについて議論がなされています。また、昨年の特別区
人事委員会勧告の中でも、魅力ある職場の基礎となる
勤務環境づくりや女性職員の活躍について、積極的に進めていかなければならないとの意見が付されておりました。そこで、誰もが働きやすい板橋区について、板橋区政における就労環境の向上と女性活躍の推進という2つの視点から質問をさせていただきます。まず、板橋区政における就労環境の向上について、4点質問いたします。
1点目に、坂本区長が描いておられる誰もが働きやすい板橋区とはどのようなものでしょうか。また、坂本区長が描いておられる誰もが働きやすい板橋区に照らし、現在の板橋区はどのような状況にあるとお考えでしょうか、お聞かせください。
昨年閣議決定されたいわゆる骨太の方針2023では、多様な働き方改革の一環として、兼業・副業の促進や、
選択的週休3日制度の普及に取り組むことが示されています。また、昨年、国家公務員の働き方改革の一環として、
選択的週休3日制度を導入するよう人事院勧告がなされ、こちらも令和7年4月1日施行予定となっています。この
選択的週休3日制度については、23区では、現在、渋谷区さんが導入されています。先日、本制度を導入されている東京都さん、千葉県さんに視察にお伺いしてまいりました。その際、本制度の導入の効果として、育児や介護を理由とした離職の防止や優秀な人材獲得が期待されるほか、プライベートや趣味の充実による公務能率の向上及び
行政サービスへの還元といった、様々な効果が期待されるとのお話をお伺いすることができました。そこで、2点目の質問として、
選択的週休3日制度の導入についてお伺いします。本区では、これまでもコロナ禍を経て、柔軟な働き方改革に取り組んでこられました。そこで、本区でも
フレックスタイム制を導入し、
選択的週休3日制度を開始することはできないでしょうか。
また、
選択的週休3日制度の導入に当たっては、学び直しの機運醸成にもつながるとのお話をお伺いしております。そこで3点目に、職員の皆さんの学び直しについて質問します。本区では、
人材育成業務の中で、職員が自主的な学びとして通信教育や講座を受講する際に補助額を一定支給するなどの取組を行っておられるとお伺いしております。しかしながら、過去の
企画総務委員会の中では、制度の活用はあまりなされていないこと。そして、職員の学び直しの後押しに取り組む必要性についてのお話がございました。そこでお伺いします。職員の自主的な学びに対する制度の活用が少ないことについて、どのような要因によるものと分析されていますでしょうか。また、職員の学び直しの後押しに向けて、その後のご検討状況をお聞かせください。
民間企業の顧客満足を示すCS、そして従業員満足を示すESとの考え方を区に置き換えれば、CSを区民満足、ESを職員満足として捉えることができます。ESとCSとの間には相関関係が認められるとの研究結果もあり、ES向上はCS向上につながると言われています。そこで、4点目の質問です。職員満足の向上は、生産性の向上、
サービス品質の向上につながり、そして区民満足の向上に資するものと考えますが、職員満足の向上における区の考え方と取組についてお聞かせください。
最後に、板橋区政における女性活躍の推進について、3点質問いたします。2015年に
女性活躍推進法が成立し、本区でも
特定事業主行動計画の中で
女性管理職比率を用いた目標設定がなされるなど、板橋区政における女性活躍の推進に取り組んでおられます。そこで、まず初めに、女性の活躍を推進する目的についてお伺いします。本区ではどのような目的で女性管理職の登用を推進されているのでしょうか。区の考え方及び取組についてお聞かせください。また、女性管理職にどのような役割を期待されているのか、女性の活躍を推進することで、どのような効果を期待されているのかについてもお聞かせください。
女性管理職割合については、24%との目標が掲げられているものの、目標達成は困難な見通しであるとお伺いしております。この点について、平成30年に実施された全職員を対象としたアンケートでは、次のような結果が示されました。出産や育児などを行いながらも係長を目指す女性職員を増やすために効果的と考える仕組みは何ですかとの問いに対し、最も多かった回答は、出産や育児などを行いながら活躍することを後押しする庁内全体の意識醸成であるとの回答でした。そこでお伺いします。このアンケート結果で求められている昇任意欲を醸成するための出産や育児などを行いながら活躍することを後押しする庁内全体の意識醸成について、現在どのような取組が行われているのでしょうか、お聞かせください。
女性活躍の推進については、より大きな考え方としてジェンダー平等があり、さらにその外側には、障がいがある方々や
マイノリティの方々などを含む
ダイバーシティ&
インクルージョンの考え方があると理解しています。近年では、この
ダイバーシティ&
インクルージョンにエクイティの概念を加えた
ダイバーシティ・エクイティ&
インクルージョンや、さらにそこに所属を指す
ビロンギングの概念を加えた
ダイバーシティ・エクイティ・
インクルージョン&
ビロンギングとの考え方も一般的になっているそうです。ここで言われるエクイティとは、機会の平等のことであります。そこで3点目に、このエクイティの考え方から、女性職員と男性職員との差をどのようにサポートしていくのか、みんなが同じ位置からスタートできる環境を整えるということに対する区の考え方及び取組についてお聞かせください。
厚生労働省が設置した女性の健康推進室では、女性の心身はホルモンの変動により様々な影響を受けること、そして、女性が生涯を通じて充実した日々を自立して過ごすためには、女性の様々な健康問題に対する周囲の理解や支援が必要であることについて触れられています。新たな休暇制度の整備やフェムテックを活用した取組などが注目されていますが、本区でも女性の健康の特徴を踏まえた取組が必要と考えます。近年、就労環境の向上や女性の活躍の推進を目的として、庁舎内に
認可型保育所を設置される自治体もあるなど、各地で取組が進められています。
誰もが働きやすい板橋区の実現に向けて、さらなる魅力の向上を期待し、以上で日本維新の会の一般質問を終わります。ご清聴をありがとうございました。(拍手する人あり)
◎区長(坂本健) 議長、区長。
○議長(
田中やすのり議員) 区長。
〔区長(坂本 健)登壇〕
◎区長(坂本健) 引き続きまして、
小野ゆりこ議員の一般質問、2項目めについてお答え申し上げます。
最初は、誰もが働きやすい板橋区についてのご質問であります。誰もが働きやすい職場につきましては、良好な執務環境において、コミュニケーションが円滑に図られ、心身共に健康で安心して働き、やりがいを持って職務に取り組める環境であると考えております。労働安全衛生の観点から、職場環境の改善に取り組むとともに、職員の主体性を引き出す職場風土の醸成や、計画的・継続的なOJTの実施などを行っております。併せて、多様な働き方に対応できることも重要な要素であると捉えておりまして、時差勤務やテレワークの整備、休暇の取得促進などに取り組んでいるところであります。
次は、
選択的週休3日制の開始についてのご質問であります。
フレックスタイム制度は、職員が主体的に勤務時間を選択し、計画的に職務を遂行できるため、ワーク・ライフ・バランスや超過勤務の縮減にもつながるものと考えております。多様な働き方の選択肢が増えることは、人材確保の面においても優位となることから、働き方改革の課題として、他自治体の動向を注視しながら検討をしてまいりたいと考えています。平日4日間の勤務時間を延長し、週当たりの勤務時間数を維持した上で休日を増やすことができる
選択的週休3日制につきましては、組織運営上の課題など、整理を進めていきたいと考えております。
次は、職員の主体的な学びに対する支援制度についてのご質問であります。区では、自己実現に向けまして、専門知識や技術習得のために自ら学ぶ職員を支援する取組としまして、自己啓発助成制度を実施しております。これまで対象となる資格が不明確であったことや、助成が十分でないことが利用実績に影響していたと分析をしておりまして、令和6年度より助成率の拡大など、制度の充実を図っているところでもあります。さらに、自主研究グループの活動支援や、職場で実施する研修への助成など、自己啓発助成制度を含め、学び支援のパッケージとして新たに周知を図っておりまして、利用者拡充につながるものと期待をするところであります。
次は、職員満足度の向上についてのご質問であります。職員の満足度を向上するためには、職場環境を整備し、一人ひとりが仕事に対してやりがいを感じられることが肝要と考えています。今年度、人事施策等の成果や課題を把握し、今後の取組を検討する際の客観的な情報を得るために、職員意識調査を実施する予定であります。職員満足度の向上に向けまして、働き方改革を推進していくとともに、職員意識調査の結果を令和7年度に策定いたします次期人材育成・活用方針などに反映していきたいと考えております。
次は、女性管理職の登用についてのご質問であります。複雑化する行政需要への対応には、多様な視点や感性を反映させる必要があると考え、女性職員が区の経営層で活躍することは、持続可能な区政経営にも必要な要素と考えております。女性管理職が増えることによりまして、政策決定に新たな視点が加わりまして、施策の充実が図られるとともに、働きやすい職場のイメージが築かれまして、選ばれる自治体へとつながると考えております。昇任意欲向上に向けまして、区の業務全体を見渡せるポストへの積極的な女性職員を配置、キャリアプランを考える機会を増やすなど、様々に取組を進めていきたいと考えております。
次は、女性職員の活躍推進に向けた意識醸成についてのご質問であります。第4期板橋区
特定事業主行動計画においては、女性の職業生活における活躍の促進のほかに、仕事と子育ての両立、仕事と生活の調和と3つの目標を掲げ、男女を問わず育児への関わりを深める項目を定めております。職員向けの会報においては、男性育休取得者の紹介や、出産・子育て期の制度を案内する子育て応援ブックを作成し展開をするなど、取組を進めております。様々なライフイベントに対する理解を深め、女性の活躍を庁内全体で後押しする意識の醸成や職場環境づくりに引き続き努めてまいりたいと考えております。
次は、エクイティの考え方についてのご質問であります。女性が持てる力を存分に発揮し、活躍するためには、公平な機会を提供する環境整備が重要であると考えます。固定的な性別役割分担意識の解消など、研修等を通じまして、職員のアンコンシャス・バイアスの理解促進を図り、組織全体の機運醸成に努めてまいり、女性職員の活躍を支援していきたいと考えています。
頂きました2項目めの答弁は、以上でございます。
○議長(
田中やすのり議員) 以上で、
小野ゆりこ議員の一般質問を終了いたします。
次は、いたばし未来が行います。井上温子議員。
◆井上温子 議員 議長。
○議長(
田中やすのり議員) 井上温子議員。
〔井上温子議員登壇〕(拍手する人あり)
◆井上温子 議員 通告に従いまして、一般質問をさせていただきます。
1、地域づくりと福祉のまちづくりについて。
まず最初に、地域団体と連携した地域づくり・地域福祉について質問をしていきます。地域づくりと地域福祉の関係性で言えば、地域づくりは、様々な課題を解決する最大とも言えるポピュレーションアプローチとも言え、セーフティーネットの役割を果たし、地域福祉を向上させていくと考えます。これを進めていくためには、多様な地域住民や地域団体と連携し、協働していくことが大変重要です。しかし、板橋区は、残念なことに地域福祉のほとんどを社会福祉協議会へ委託するばかりとなっています。多様な地域団体との協働が弱いと考えますが、板橋区の考える地域団体と連携した地域づくりと地域福祉のビジョンとは、一体どのようなものなのでしょうか、お伺いします。
次に、地域団体への予算化の区長の考え方について問いたいと思います。プレーパークを例として、板橋区の地域団体への扱い方の問題点を取り上げます。板橋区では、近年プレーパークの担い手の掘り起こしや育成などを主体的に行わないまま、担い手がいないと長年言っています。また、プレーパークを無料やボランティアでやらせようとしており、お金をかけようとしない姿勢が透けて見えています。過去の議事録を遡ってみますと、平成14年の厚生児童委員会の議事録では、当時の議員から下記のような提言がなされています。東板橋公園でNPOが2年半、プレーパークの活動をしている。助成金を受けながら開催してきたが、助成金は長い間受けられるものではないので、児童課で予算をつけてほしいということ。世田谷では、この時点で人件費等に270万円つけていたということ。その後、運営団体は平成18年3月末に廃止されているとのことです。私は、予算がつかない中で、地域にとって必要なこと、地域の人が自ら民間の助成金を活用したり、個々人が持ち出しをしたりして、事業を立ち上げて何とか頑張っている姿をよく見ます。ただ、それはなかなか長くは続かないものも多く見受けられます。もちろん資金繰りという問題だけではありませんが、大きな要因であることは間違いありません。様々な地域づくり予算を地域事業に継続的につけていくことがどれだけ地域福祉の推進につながるか、もう少し理解が広がることを期待しています。公共性を担保した多くの子育て世代に喜ばれるプレーパークを本気で進めるには、何度も機運を高めていくといった答弁を繰り返すのではなく、予算化し、事業化することが重要です。無料や安くやらせればよいということでは、協働はうまくいきません。予算化についての見解をお伺いします。
現在、子ども食堂の補助については、以前と比べたらとても充実したものとなっていますが、先ほどのプレーパークとは違い、板橋区が子ども食堂を本気で増やしていこうという気持ちは感じられます。しかし、改善の余地があると思います。例えば、子ども食堂を月1回開催する団体と月に何度も開催する団体の補助額が同じとなっている現状にあります。開催頻度による子ども食堂の特徴を考えると、開催頻度が少ないところは、地域の人や商店が一緒になって力を合わせて開催するなど、地域振興や地域活性化の機能も果たし、地域に顔見知りなどつながりを創出していく効果を果たしていると考えます。開催回数が多い場所は、地域振興的な要素に加えて、行政や学校とつながりながら子どもたちへの福祉的な支援も可能な場合が増えていくと考えます。そこで問いたいのが補助金の支給の在り方です。私は、活動回数や機能に応じて補助の仕方を工夫したり、福祉的機能を持つところには人件費等の補助を行うなど、段階をつけて支援すべきと考えますが、いかがでしょうか。
次に、重層的支援体制整備事業の枠組みについてです。予算の答弁では、訪問型サービスBは要支援者や事業該当者しか補助対象にしない。介護保険を使っているのだから仕方がないといった答弁がありました。誰も取り残さないどころか、制度上は、対象から外れれば、目の前に困っている人がいても助けられない、どんどん取り残す形となっています。こうした問題点について、国では既に包括的な支援体制を整備するために重層的支援体制整備事業を創設しています。再度、板橋区の枠組みの整備状況についてお伺いいたします。
次に、訪問型サービスBについてですが、立ち上げを行う団体の広報支援や担い手養成に係る区からの講師派遣、講演会を開催する際等の板橋区の後援名義など、積極的に協力していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。また、訪問Bへの補助は、使途に制限があることが課題で、団体が使いやすいように改善するよう求めて予算総括質問で質問をしましたが、賃料など、ほかの事業でも使う可能性があるものには使えないということでした。しかし、総合事業では、住民主体の活動では捻出が難しい間接的経費を補助することで、住民主体の活動を助けていこうという方針があります。団体にとって重要な活動拠点となる事務所費は必要不可欠です。子ども食堂の補助金や通所Bで賃料を出せるようになっていますし、改善可能なはずです。使途制限の緩和や補助金の報告書を簡易するなど、団体が運営しやすくなるよう改善を求めますが、区長の見解を伺います。
次に、第2層協議体、生活支援コーディネーター、地域福祉コーディネーターについてですが、予算総括質問では、的を射てない質問に対する答弁がありましたので、再度区長から答弁を頂きたいと思います。地域づくりと地域福祉を向上させていく上で、第2層協議体、生活支援コーディネーター、地域福祉コーディネーターについては、重要な役割があると考えていますが、現状はその役割を果たせていません。区長は、現状の課題と展望についてどのようにお考えなのかを伺います。
2、ボランティアセンターについて。
私は、今までいたばし総合ボランティアセンターの公募要件変更等の問題点について、何度も議会で取り上げてきました。過去の経過は、今回は述べませんが、ボランティアセンターの今後の在り方検討や新たな基本構想の策定について、今までの問題で嫌悪感を抱いていた人たちにも再度関わってもらい、正面から話し合い、新たなスタートを切れるようにすることが必要であったと考えます。以前より、今後の在り方を検討する際の手法については、今までボランティアセンターに関わってきた人や市民団体、区民と共に参加型で行うよう求めてきました。しかし、結局のところオープンな場の設定はなく、クローズな検討会や協議体の中で進んでいきました。そして、令和5年12月にいたばし総合ボランティアセンター運営ビジョン2030が出されていますが、閉じられたメンバーのみでビジョンを策定したことが大変残念でなりません。区長はどのように認識されておりますでしょうか。
また、事務局の選定方法については、今後どのようにしていく予定でしょうか、伺います。もしも今後のプロポーザルによる公募を継続していくのであれば、社会福祉協議会に対して委託している区の事業や、災害ボランティアセンターについて加点するような不公平な採点は改めるべきと考えますが、いかがでしょうか。
また、公募の応募団体数については、NPOが1団体しか応募がなかった際には、このことを問題とし、競争性の担保をするという観点から、受託要件の緩和を、公募要件の緩和をしたとのことでしたが、その後、社協が事務局を奪った後の2022年の公募には、社協1団体しか応募しておりませんでしたが、ほかの法人の参加はなく、そのため、競争性の担保がこちらでも問題ではないかと質問したところ、区長は、知識と経験、問題解決能力や専門性を高めるための事業展開など、事業の難易度が高いから応募団体が少なかったという答弁をしています。NPO1者の応募だと問題で、社協1者の場合だと問題がない、こういったものは、ダブルスタンダードというのではないでしょうか、見解を求めます。
また、将来的にNPOの自主的な運営とするようにしていくとしていたボランティアセンターの運営方針は変わったのでしょうか。方針をお聞きします。新たな運営ビジョンでは、ボランティアセンターのブランチ機能について言及がなされています。地域の居場所や福祉施設、学校等を生かして、地域に身近なボランティアセンターがあると、人と人とのつながりが促進され、地域活動はより活性化することと思います。ブランチ機能についての区長の見解をお伺いします。
3、魅力ある学校づくりについて。
現在、学校は、小規模校になってきた際に、いかに工夫をするかという議論が十分になされていないように思います。例えば、新河岸小学校は、今少しずつ児童数が減ってきている学校ですが、特色のある学校づくりを考えたときに、立地や環境としても特徴を出しやすいエリアにあります。少し遠くの事例になりますが、島根県にある海士町では、廃校になりそうな高校を残そうと、島留学といったコンセプトを打ち出し、全国からの子どもたちを受け入れています。新河岸は、海士町とは環境は違いますが、土手があったり、川があったり、板橋区の中では面白い環境かと思います。かわまちづくりも発表されていますが、学校づくりからも地域づくりを行い、より魅力的な地域をつくれる可能性があると思います。生きづらさを抱えている子も多くいる現在ですが、学校も独創的に特色のある学校づくりをしていけるとよいのではないでしょうか、見解を伺います。
次に、部活動の地域移行・連携についてです。先日、小中学生のお子さんを持つ保護者の方からご相談がありました。ダンス部をつくってもらいたいと学校に問い合わせたところ、現在部活動の地域移行を進めているから難しいと言われたとのことです。地域移行は、時間をかけて進んでいくものと理解しています。その間、地域移行を進めることが新しい部活動をつくる妨げになってはならないと考えます。逆に、地域移行を進めていく方針であるのに、新しい部活動を旧来型でつくり続けていくのも課題が残ると思います。部活動の地域移行の推進方針には、以下のような記載があります。生徒の部活動に対するニーズを把握し、既存部活動の種目・分野にとらわれず、子どもたちの興味・関心に応じた活動機会を充実させる。
そこで伺います。子どもからの部活動に対するニーズを把握し、まずは、子どもたちからの提案を地域クラブにしていく仕組みをつくっていただきたいですが、いかがでしょうか。子どもたちがやりたい部活動の提案の機会を持ち、仲間を募集し活動を具体化し、クラブの立ち上げをするといった段階を踏むことは、地域移行の活動方針とも合致すると考えられます。また、地域クラブの立ち上げは、時間軸を子どもに合わせて短時間で行えるように工夫をすることが重要です。新しい立ち上げのステップを短期間でできるように、大人にとって1年、2年は、子どもにとって1学期、2学期ぐらいのイメージで捉えるべきと考えます。1学期目にニーズ把握を行ったら企画準備を開始し、2学期目には立ち上げを行い、練習が行えているような環境づくりを求めます。
次に、学校問題解決への取組について、現在、学校で大きなトラブルがあると、先生たちはその対応に精いっぱいになってしまうことが多々あります。本来であれば、何か問題があったときに、なぜそうなってしまったのか、問題解決のための対話が必要ですが、そうする時間的余裕はありません。子どもたちも孤立してしまい、先生たちは休職してしまうケースもあります。そこで、学校問題解決への取組として、スクールメディエーションを取り入れることを提案します。問題を解決していくメディエーターは、問題を抱える両者のどちら側にもつかずに、仲裁しながら合意形成をしていきますが、全面対立になりがちな問題には、重要な役割になると考えます。メディエーターを配置したり、子どもたちにも概念を学んでもらい、自分たちで実践していくことも重要です。問題が起きたときに、当事者同士の対話を通して、それまでに至る背景を考え、解決していくことは、大人になっていく上でも重要な学びになると考えます。
4、組織運営と評価について。
板橋区は、令和5年4月1日現在で3,753名を抱える大組織ですが、どのような組織を目指されているのでしょうか。板橋区がティール組織を目指していくと、結果的に地域の幸福度が増すのではないかと私は考えます。ティール組織のポイントは3点あると言われております。1つはセルフマネジメント、2つ目は全体性、3つ目は存在目的です。板橋区では、こういったことについてどこまで取り入れられているのでしょうか。組織形態について、本の中では5つの分類で紹介されています。1つ目がレッド組織、2つ目がアンバー組織、3つ目がオレンジ組織、4つ目がグリーン組織、5つ目がさきに述べたティール組織です。板橋区及び板橋区教育委員会は、現状の組織は5つの分類でどこに位置しているのでしょうか。また、目指している組織の形はどこなのでしょうか、お伺いいたします。
組織について述べましたが、人事評価については、目指すべき組織像に向かって人事評価の在り方も決めていくべきと考えます。現状の評価は、目指す組織像に対してどのような評価をしているのでしょうか。また、職員一人ひとりはどうしても評価者である上の者を見ながら仕事をしがちと考えます。トップダウンからセルフマネジメントができるフラットな組織を少しずつでも目指すためにも、まずは人事評価の仕組みを変えてはいかがでしょうか。例えば、360度評価では、部下や同僚、上司など多様な角度から評価を行います。区長や部長、課長も同僚や部下から評価をしてもらうと学ぶ点が多くあると考えます。一方方向から1人の人を評価するよりも総合的に見ることができますし、上司の顔を見て仕事をするのではなく、より組織の存在目的を考えながら、板橋区に貢献できる人材が増えていくと考えます。ティール組織の存在目的の部分では、組織が存在する目的は何か、一人ひとりが問い続けていき、組織の存在目的を進化させていくことで、変化が激しい時代の中で、生命体のように成長していくとされています。
ぜひティール組織を目指しつつ、そして最新の人事評価を取り入れながら、板橋区が区民にとって大きな貢献をしていくような組織となることを求めて、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。(拍手する人あり)
◎区長(坂本健) 議長、区長。
○議長(
田中やすのり議員) 区長。
〔区長(坂本 健)登壇〕
◎区長(坂本健) それでは、井上温子議員の一般質問にお答えいたします。
最初は、地域づくりと地域福祉のビジョンについてのご質問であります。福祉分野における地域団体との関係につきましては、区民や地域団体の皆様と板橋区との協力体制を確立し、連携して地域づくりを進めていくことが必要と考えております。地域保健福祉計画においては、地域団体を含めた区民と行政が住み慣れた地域でつながり、豊かな地域づくりに向けまして、将来像を「住み慣れた地域でつながる保健と福祉のまち」といたしました。また、将来像を実現する地域づくりにつきましては、互いに認め合い、支え合い、助け合い、つながることによって、孤立しない地域づくりを目指すと基本理念で示しているところであります。
続いて、地域団体への助成の考え方についてのご質問であります。区でもかつて3か所の公園においてプレーパークが行われておりましたが、現在は実施されていないところであります。23区におきましても、多くの区においてプレーパークが設置されておりまして、一定のニーズがあることは理解をしておりますが、各区とも1か所から数か所にとどまっているところであります。プレーパークの運営を行うプレーリーダーの掘り起こしに注力するとともに、運営に関わる地域団体への助成の効果などにつきましても、他区の状況を研究していきたいと考えています。
次に、地域福祉団体の活動回数等に応じた人件費等の補助の在り方についてのご質問であります。地域福祉団体の活動回数や機能に応じた補助の在り方につきましては、公益上の必要性や公平性、区民ニーズとの合致及び財源措置の目的に抵触していないなどの視点も踏まえて、事業ごとに適切に検討すべきものと考えています。
次は、重層的支援体制整備事業の枠組みの整備についてのご質問であります。重層的支援体制整備事業の導入につきましては、今年度から2か年をかけて行います次期地域保健福祉計画の策定の中において検討して進めていきたいと考えています。今後、重層的支援体制整備事業で求められております事業と既存事業との比較なども行いまして、導入における課題の整理を行ってまいりたいと考えています。
次は、訪問型サービスBに関連いたしまして、団体支援についてのご質問であります。本事業の要となる活動団体向けの研修につきましては、個人情報の取扱いなど、訪問時に注意すべき事項があることから、区が実施することとしております。また、区の補助金申請につきましては、手引きを作成するほかに申請予定団体への説明会を行いまして、補助内容等につきましても丁寧に説明を行う予定であります。後援名義の使用や広報等の運営支援につきましては、他の介護サービス事業や生活支援事業とのバランスを考慮しながら判断をしていきたいと考えています。
続いて、家賃助成についてのご質問であります。住民主体の団体が訪問型サービス事業を実施する訪問型サービスB実施主体に対しまして、その運営等に係る費用の一部を区が補助することとしております。現在の補助制度に加えまして、今後、団体の活動状況を見極めながら、持続可能な運営につながる方策につきまして、可能性を探ってまいりたいと考えています。
続いて、第2層協議体、生活支援コーディネーターの課題と今後の展望についてのご質問であります。協議体は、主な主体・構成員が地域住民であり、生活支援コーディネーターが地域の実情に応じまして情報や課題を共有し、地域づくりセミナーなどを通じまして活動報告を行っているところであります。一方において、発足8年目を迎えます協議体もある中、自律的・持続的活動を継続する上で、新たな担い手の発掘やコーディネーター未配置地域の解消が課題ともなっております。今後の展望といたしましては、新たな担い手の発掘に向けました地域の専門職や民間企業との連携、さらなる活動の活性化、協議体の認知度向上などを目指して、引き続き取組を進めていきたいと考えています。
続いて、地域福祉コーディネーターについてのご質問であります。地域福祉コーディネーターの課題につきましては、他のコーディネーターとの役割や機能の明確化と、課題の解決に向けた支援機関とのネットワークづくりの困難さなどがあると認識しております。今後の展望につきましては、モデル地区における相談件数及び解決または支援機関へのつないだ件数などの事業効果と地域の評価を踏まえ、方向性を検討していきたいと考えています。
次は、いたばし総合ボランティアセンター運営ビジョンの策定についてのご質問であります。ビジョンの策定に当たりましては、ボランティア活動推進条例に基づきまして、ボランティア活動推進協議会を設置し、議論を行ってまいりました。ワークショップは開催しておりませんが、協議会の委員については、公募委員を含めて幅広い分野から人選を行いまして、各委員の持つ経験や知見に基づきまして、貴重なご意見を頂戴いたしました。
続いて、ボランティアセンター運営事業者の選定についてのご質問です。令和7年度以降の運営事業者の選定につきまして、現時点においては、前回同様にプロポーザル方式で実施する予定でありますが、具体的な実施方法については、今後決定していきたいと考えています。
続いて、ボランティアセンター運営事業者選定時の評価についてのご質問であります。事業者選定の審査項目については、ボランティアセンターの多岐にわたる事務事業について、確実に実施できる事業者を選定するために設けたものであります。特定の団体が有利になるように設定した項目はなく、配点に偏りもないと考えております。次回の選定に当たりましては、他自治体の状況も参考にしながら評価項目の内容を検討していきたいと考えております。
次は、ボランティアセンター運営事業者選定時の競争性についてのご質問であります。平成22年度の公募におきましてNPOの応募が1者のみであったため、競争性を担保するために次回の公募から非営利法人までに公募要件を拡大してまいりました。ボランティアセンターの事業運営に関しまして、様々な分野の事業者が応募することができる現在の公募要件は、適切なものと考えています。現在は社会福祉協議会が運営をしておりますが、多くの団体を公募する中から事業者を選定することが最善であると考えておりまして、公募要件につきましては、引き続き検討課題であると認識しております。
続いて、ボランティアセンターの自主的運営についてのご質問であります。いたばし総合ボランティアセンター基本構想におきましては、将来的にボランティアやNPOの自主的な運営とするという記載がございまして、その考えは新たなビジョンにおきましても受け継いでいるものと考えています。
続いて、ボランティアセンターのブランチ機能についてのご質問であります。ブランチ機能の拡充につきましては、ビジョンにおきまして、活動拠点不足を解決する手段として記載をされていることから、区としても課題であると認識しております。ブランチ機能拡充の実現に向けましては、各種関係団体の参画が必要不可欠であるために、協力を求めてまいりたいと考えています。
次は、運営組織の現状と今後についてのご質問であります。運営モデルには様々ございますが、区では、組織のビジョンや理念を明確にして、これを共有した上で、職員の意欲や主体性・自律性を引き出す職場づくりに取り組んでいるところでございます。今後も職員一人ひとりが自らの社会的使命を果たせるように、得意分野の経験や能力が発揮できる環境、区政の持続的な発展を可能とする柔軟性・機動性の高い組織運営を推進していきたいと考えています。
続いて、目指す組織の在り方に応じた人事評価についてのご質問であります。区では、目標による管理や自己採点、自己申告、定期評価で構成する人事評価制度を実施しております。これらは、区が目指す組織の在り方に対応した制度として構築をしておりまして、職員自身のマネジメントに資するものでありまして、成長意欲の向上に寄与しているものと考えています。
続いて、多面評価の導入についてのご質問です。人事評価は、人材育成の側面があり、被評価者の納得性を高めるため、評価者と被評価者の日々のコミュニケーションや信頼関係を深めることが何よりも重要と考えます。そのためには、風通しのよい職場をつくり、日頃から職層を超えて率直な意見交換ができる組織風土を醸成することが必要であるとも考えています。人事評価制度のみならず、職層による役割や考え方を話し合って、相互に理解し合える体制の構築に取り組んでまいりたいと考えています。
残りました教育委員会に関する答弁は、教育長から行います。
◎教育長(中川修一) 議長、教育長。
○議長(
田中やすのり議員) 教育長。
〔教育長(中川修一)登壇〕
◎教育長(中川修一) それでは、井上温子議員の教育委員会に関する一般質問にお答えします。
初めに、魅力ある学校づくりに関しまして、特色のある学校づくりについてのご質問ですが、区立学校では、中学校を核とした学びのエリアでの9年間をつないだ特色ある学びを中心として、魅力ある学校づくりに取り組んでいます。一方で、他自治体では、新しい学びの形態として学びの多様化学校が開設されておりますが、本区においても個に応じた学びに対応するための様々な取組を進めています。全ての子どもが学び、居場所となるような学校づくりに向けて、先進的な取組も含めて手法を検討し、特色のある学校づくりを進めてまいります。
次に、子どもの提案をクラブ化する仕組みについてのご質問ですが、いたばし地域クラブの取組は、子どものスポーツや文化芸術活動を通じた成長機会を確保するために行うものであり、今後も新たな種目のクラブ化を目指してまいります。一方、子どもがクラブ活動としてやりたいものがある場合、現在はその思いを直接区に届ける仕組みがない状態であります。そこで、新しい種目のクラブ化につきましては、子どもの声を反映しつつ、同時に設立に主体的に関われるような仕組みの構築を図り、これに対応していきたいと思います。
次に、クラブ化の速度についてのご質問ですが、中学生の3年間は、大人に比べ、貴重かつ感覚的にも早く過ぎ去るものであることは十分認識しております。生徒の声を反映した新しい種目のクラブ化の仕組みを構築する際は、可能な限り迅速な仕組みとなるよう、取り組んでまいりたいと思います。
次に、学校問題解決への取組についてのご質問ですが、学校問題の解決に向けて、スクールカウンセラー等の活用や学校相談窓口の設置など、様々な対応をしております。スクールメディエーションにつきましては、子ども、教員及び保護者の間の問題を第三者が中立的な立場で互いの理解者となり、解決を図る手法であると認識しています。スクールメディエーションの導入につきましては、現在検討はしておりませんが、学校問題の解決に向けて相談体制の充実を図ってまいります。
次に、教育委員会の組織運営の現状と今後についてのご質問ですが、教育委員会でも区長部局と歩調を合わせ、組織のビジョンや理念を明確にし、これを共有した上で、職員の意欲や主体性、自律性を引き出す職場づくりに取り組んでおります。今後も職員一人ひとりが自らの社会的使命を果たせるよう、得意分野の経験や能力が発揮できる環境、区政の持続的な発展を可能とする柔軟性・機動性の高い組織運営を推進してまいります。
次に、教育委員会の人事評価についてのご質問ですが、教育委員会は、目標による管理や自己採点、自己申告、定期評価で構成される人事評価制度を区長部局と共有しております。これらは、区長部局と教育委員会が目指す組織の在り方に対応した制度として構築し、職員自身のマネジメントに資するものであり、成長意欲の向上に寄与しています。
次に、教育委員会の多面的な人事評価についてのご質問ですが、人事評価は人材育成の側面があり、被評価者の納得性を高めるため、評価者と被評価者の日々のコミュニケーションや信頼関係を深めることが重要であると思います。そのためには、風通しのよい職場をつくり、日頃から職層を超えて率直な意見交換ができる組織風土を醸成することが必要であると考えます。これらの考えを区長部局と共有するとともに、多面的な評価を含む制度の最適化につきましては、人事評価制度を一元的に所管する組織を持つ区長部局に一任するものであります。
頂きました教育に関するご質問の答弁は以上でございます。
○議長(
田中やすのり議員) 以上で井上温子議員の一般質問を終了いたします。
次は自民党が行います。
初めに、ひはらみちこ議員。
◆ひはらみちこ 議員 議長。
○議長(
田中やすのり議員) ひはらみちこ議員。
〔ひはらみちこ議員登壇〕(拍手する人あり)
◆ひはらみちこ 議員 自由民主党のひはらみちこです。通告に従い、一般質問を行います。
初めに、板橋区における防災政策について伺います。
令和6年度が始まり、3か月が経過しました。令和6年度予算では、防災対策として、防災標識設置や東京都との合同総合防災訓練、地区別防災マニュアル改定等、様々な施策により、区の安全が推進されることを期待しております。その防災政策が、さらによりよいものとなるよう質問いたします。
1つ目に、個別避難計画担当の所管の変更についてお聞きします。高齢者や障がい者などのうち、自ら避難をすることが困難であり、避難の確保を図るため、特に支援を要する避難行動要支援者を対象とし、市町村が作成に努めるものとされている個別避難計画ですが、板橋区では、避難行動要支援者個別避難計画の作成・運用事業として取り組まれております。本区での当事業は、令和5年度までは危機管理部の所管となっていたところ、令和6年度より健康生きがい部、福祉部の所管に変更となっております。そこで質問いたします。本事業での本年度からの所管部が変更となった理由、見込まれる効果について答弁を求めます。本年元日に発生した能登半島地震では、避難を手助けしてくれる地域住民の情報が不十分であった、全域が被災したため指示が出せなかったなど、計画の活用ができてない自治体もありました。この教訓を活かすには、実効性の確保、そのための避難訓練の実施が挙げられます。全ての方の計画作成を待ってからの避難訓練の実施と言わず、実効性を確保するためにも、できる該当者から避難訓練を実施することが求められます。国が示した指針においても、計画にある情報は支援に当たる関係者とも共有して実効性を高めるために避難訓練を行うことと記載されております。能登半島地震の教訓も踏まえ、個別避難計画の作成と同時並行での避難訓練の実施支援を求めますが、区長の見解を伺います。
2つ目に、板橋区災害廃棄物処理計画について伺います。災害廃棄物の発生から処理・処分までの流れや災害時の組織体制及び連携・支援・受援体制、仮置場等の環境保全対策などについての基本事項が定められている板橋区災害廃棄物処理計画が2021年3月に策定されております。その後、東京都で2023年9月に東京都災害廃棄物処理計画が改定されました。その中で、板橋区にも関連する点を3点ほど挙げさせていただきます。1点目は、各主体との役割分担の整理・連携強化です。本年4月に、板橋区議会自由民主党議員団にて実施した予算要望聴取会において、廃棄物処理に係る団体より、災害時の自らへの指示を明確にしていただきたいとのお話がございました。板橋区は各種団体と災害時の協定の締結をしていますが、都、板橋区を含む特別区、業界団体が調整を図ることが必要です。2点目が風水害への対策強化です。都では、水害専用の災害廃棄物推計の追加がされました。水害は地震に比べて家財の廃棄物が多くなることが、被災自治体の事例から導き出されています。現在、地球温暖化により気候危機が深刻化しており、大規模な風水害の発生が見込まれております。板橋区においても水害の発生が想定されている地域があるため、再計算の必要がございます。3点目は、住民等への啓発・広報の充実です。住民やボランティアが排出時に困らないよう、チラシの工夫や事前の周知に関することが盛り込まれております。発災時には、多くの情報による混乱も予想されます。できる限りの準備として、住民への事前の啓発や広報の準備を行うことが必要です。そこで質問します。本区の災害廃棄物処理計画について、改定の予定はありますでしょうか。また、改定の場合、そのスケジュールにつきまして答弁を求めます。
3つ目に、板橋区における災害時の道路啓開の計画について伺います。道路啓開は、緊急車両等の通行のために早急に最低限の瓦礫処理を行い、簡易な段差修正等の対応により救援ルートを開けることであり、大規模災害において、応急復旧実施前に救援ルートを確保するために必要となる作業です。2011年の東日本大震災において行われたくしの歯作戦で、災害初動時における道路啓開の重要性が大きく認識されております。しかし、その後の熊本地震、北海道胆振東部地震において、対応に苦慮したり等、課題が生じたりしているとの結果が総務省の災害時の道路啓開に関する実態調査結果報告書にて報告されております。板橋区でも、首都直下地震や大雨による土砂災害において危険を有する区域が設定されており、道路に係る部分もあります。そのほか地震では、家屋の倒壊が、水害での氾濫時には様々な瓦礫や汚泥が道路を塞いでしまうことが想定されます。災害時に道路が閉鎖されると、様々な困難が生じます。その一つが、救急体制の円滑性の阻害です。板橋区では、4施設の災害拠点病院と9施設の災害拠点連携病院があります。指定されている病院には、多くの救急車両が訪れる可能性があります。また、板橋区緊急医療救護所マップでは、区民向けに災害時にけがをしたり体調が悪くなった方は、緊急医療救護所に向かうよう記載があります。緊急医療救護所は、災害拠点病院・災害拠点連携病院付近に設置されるもので、それぞれの病院に一般の傷病者が向かう可能性があります。道路が塞がれている場合は、一般の方も病院までたどり着くのが困難です。災害関連死ゼロを目指す板橋区においては、救急措置に係ること一つを取っても、道路啓開への準備は必要と言えます。東京都23区内には、独自の計画を策定している区があります。江東区では、都の緊急道路障害物除去路線等を踏まえて、その路線等を補完する形で、救急医療機関や避難所など、各拠点を結ぶ緊急道路障害物除去路線を設定しております。平成30年度には独自に、緊急道路障害物除去路線道路啓開作業マニュアル及び災害対策基本法に基づく車両移動に関する運用マニュアルを策定しております。そこで質問します。本区における道路啓開計画に対する本区の取組につきまして、答弁を求めます。
最後に、板橋区地域防災計画概要版の区民への周知につきまして伺います。本年3月、板橋区防災計画が改定されました。本編は、既往のものと比較し、ページ数の削減、各部署の行動の確認が分かりやすい星取表の作成、タイムラインを用いた行動表など、幾つもの工夫がされており、他自治体の見本となる計画の作成、評価いたします。改定された地域防災計画は、職員及び関係機関向けの本編、区民向けの概要版が作成されているとお聞きしております。概要版は、区民の防災意識啓発を図るために作成されたもので、地域防災計画本編の説明及び区民の方が行う備えについて掲載されております。区民向けに作成されているとはいえ、公開はホームページのみと限られた方法となっており、周知方法に課題があると言えます。分かりやすい内容である概要版が、区民の目に入らない現状はとてももったいないことです。また、概要版では非常に重要な文言が記載されています。「区ができることには限界があり」との強いメッセージです。このことは、区民がしっかりと把握しなければならない事実です。公助には限界があることは、東日本大震災で明らかとなっております。平成24年7月31日に発表された中央防災会議の専門調査会、防災対策推進検討会議の最終報告では、「行政の責任は大きいが、一方で行政による対応には限界があり」との記載があります。水害対策に係る国の会議においても、同様の取りまとめがなされております。中央防災会議防災対策実行会議下のワーキンググループ、平成30年7月豪雨による水害・土砂災害からの避難に関するワーキンググループでの報告書、平成30年7月豪雨を踏まえた水害・土砂災害からの避難のあり方についてでは、最後に、「住民は、このような既存の防災施設、行政主導のソフト対策には限界があることをしっかりと認識すべきである」と明記されております。このことは、板橋区が発出しているメッセージと相違はございません。また、報告書内では、目指す社会のため、行政は住民が適切な避難行動を取れるよう全力で支援するとの提言もされております。区民が自らの命は自らが守る、自助・共助の意識を持つためにも、区民が地域防災計画概要版に触れ、知る機会が必要です。そこで質問いたします。様々な防災用品の存在を知ることにより、防災への興味を高め、意識の啓発を行い、地域防災力の向上が期待できると高く評価できる、現在上程している防災用品カタログ配付事業に合わせて、板橋区地域防災計画概要版の周知をすべきと考えますが、区長の考えをお聞かせください。
次に、板橋区かわまちづくりについてお聞きします。
「偉大な功績はどれも、かつては不可能だと考えられていた」、アメリカの第16代大統領、エイブラハム・リンカーンの言葉です。本年1月30日に発表された板橋区かわまちづくり基本構想では、板橋区役所、国土交通省荒川下流河川事務所の若手職員の皆様による未来の板橋発想会議で検討された事項など、今までにない発想が盛り込まれております。現在まで不可能とされてきたことを、板橋区のかわまちづくりで実現し、功績として全国へ発信していただくよう望みます。
では、質問に入ります。第1に、かわまちづくり担当部の位置づけにつきまして伺います。本年4月1日にかわまちづくり担当部が設置され、担当部長、担当課長、計画担当係長が配属されました。かわまちづくり計画は、様々な部署との連携が必要となります。過去の協議会議事録を確認しても、危機管理部、区民文化部、産業経済部、資源環境部、都市整備部、土木部が参加されております。今後さらなる連携も視野に入れているとのことで、関係部署との連携の強化が望まれます。かわまちづくり計画策定の手引き内のかわまちづくり計画チェックリストにおいても、市町村の関連部署と明確な役割分担のもと、連携しているかを問う設問もございます。かわまちづくり担当部は、区のホームページ掲載の組織機構図では、土木部から派生した部署として、土木部傘下の記載となっております。しかし、多くの部署と連携し取り組むかわまちづくりにおいては、独立性を持ち、統括する位置づけが必要であると考えます。記載の組織機構図では、大規模なまちづくりとなるかわまちづくり計画を取りまとめることは困難であると言えます。そこで質問します。かわまちづくり担当部の庁内での位置づけにつきまして答弁を求めます。また、かわまちづくり担当部の配置期間につきましてもお聞きします。通常、部の名称に担当部とついた場合、計画完了時に廃止となる部であるとお聞きいたしました。当区のかわまちづくり担当部も、同じく計画完了時に廃止となる部であるか、その配置期間について答弁を求めます。
2つ目に、かわまちづくり協議会について伺います。現在、第3回までの協議会が開催されています。議事録を拝見しますと、区役所各部署、地域代表、現在の河川敷指定管理者の構成となっております。各方面の代表者が参加されている協議会ですが、かわまちづくり基本構想の周知をしておりますと、区民から個別にかわまちづくりに携わりたいとの声も頂いています。関わる意思のある方は、かわまちづくり完成後の活性化やにぎわいづくりにはとても重要な方々となってきます。その有志の方々の協議会への参加も一案としてございます。しかし、区民個人として協議会へ参加を可能とした場合、様々なアイデアが集まる反面、意見集約が難しくなるという課題もございます。解決策として、個人として参加の一般向けのかわまちワークショップの開催が考えられます。しかし、ワークショップに参加していただくとしても、単発開催では、関心のある区民をつなぎ止めておくことが難しくなります。かわまち完成まで、さらには完成後の将来に向けてのにぎわいづくりまで、皆さんが長く関わることができる方策が必要です。他自治体のかわまちづくりでは、民間企業や市民を巻き込むため、協議会に付随する形で作業部会等を設置している例もあります。静岡県伊豆の国市かわまちづくりでは、民間事業者、地域祭事、周辺整備、3つの作業部会を設置し、各方面からの意見を募りました。宮城県石巻市かわまちづくりでは、多くの市民の方々が参加し、意見を募る市民部会を設置しております。そこでお伺いいたします。今後、かわまちづくり協議会において、区民が個人での参加も可能でしょうか。可能な場合、意見集約の難しさの課題がありますが、その課題を解決するため、ワークショップ等単発開催のものではなく、開催後も持続できる作業部会等組織的な集合体を形成、設置することも考えられますが、その方向性を伺います。
3つ目に、板橋区かわまちづくりに関わる関係人口増加の取組について伺います。令和2年に国から発表された第2期まち・ひと・しごと創生総合戦略2020改訂版において、特定の地域に継続的に多様な形で関わる者と定義されている関係人口ですが、かわまちづくり基本構想では、関係人口ではなく、交流人口を増やすとの記載がされています。交流人口は、観光客や二地域居住者等を指します。持続的なまちづくりにしていくためには、関係人口を増やす取組も必要です。総務省によれば、関係人口の増加の意義として、将来的な移住者の増加にもつながることも期待されているとしています。関係人口、交流人口、ともに定住人口以外の方々でありますが、かわまちのにぎわい創出のため、計画作成に向けて意見を募るべく、インターネット上でのつながりとして、プラットフォームの作成の方策が挙げられます。兵庫県加古川市では、市民参加型合意形成プラットフォームを利用し、河川敷でしたいこと、河川敷の魅力、にぎわいづくりの方策など、かわまちづくりの意見を募集しました。板橋区においても、区内外の交流人口、関係人口を増やす取組として活用が期待できます。地域の方々と協働し、盛り上げていく関係人口についての区長の見解を伺います。
4つ目に、かわまちづくり計画における整備範囲について伺います。かわまちづくりは、国土交通省発行のかわまちづくり計画策定の手引きにおいて、かわが有する地域特有の魅力を活かし、まちと一体となったソフト施策やハード施策を実施することで、水辺空間の質を向上させ、地域の活性化や地域ブランドの向上などが実現できるものとしており、川だけでなくまちも一体となった施策により多くのことが実現できるものであるとされます。他自治体のかわまちづくり計画では、河川区域の整備計画だけでなく、堤防から内側の内陸側の地域、いわゆる堤内地の道路及び公園部分においても、整備計画やにぎわいの創出の計画を策定しています。かわまち大賞を受賞した岩手県盛岡市の盛岡地区かわまちづくりでは、木伏緑地をはじめとした河川区域の整備だけでなく、盛岡市が策定した他のまちづくりの整備計画とも関連性を持たせ、駅や中心市街地から川沿いまでの観光ルートの整備等を行っております。板橋区かわまちづくり基本構想では、河川区域の整備構想は示されておりますが、堤内地でのまちづくり構想は示されておりません。そこで質問します。本年度策定予定の板橋区かわまちづくり計画は、河川区域の整備計画のみならず、堤内地の整備計画も併せた一体的な施策とする方向でしょうか。また、堤内地の整備計画も含めるとした場合、浮間・新河岸地区のまちも含めた整備計画とするのか、もしくは、さらに広い地域まで包含した計画とするのか、その範囲につきまして区長の見解を伺います。
5つ目に、イベント実施による効果測定及び民間団体への支援策について伺います。かわまちづくりでのにぎわいの創出における策として、様々な主体の主催によるイベントの実施が挙げられます。Park-PFI等の導入も検討されているとのことですが、検討に当たり、民間団体主催のイベント実施による効果測定も必要ではないでしょうか。しかし、イベント運営には費用がかかります。特に板橋区のかわまちが多くの方に周知され、にぎわいが軌道に乗るまでには、運営は厳しい状況が続くことも考えられます。他のかわまちづくり実施中の自治体では、イベント実施主体に対し補助金を交付している自治体があります。兵庫県加古川市のかわまちづくりでは、補助金上限100万円を全額補助し、昨年及び本年は各14件のイベントを実施もしくは実施予定です。そこで質問いたします。イベント実施による効果測定及び当イベント実施に係る区の支援を求めます。また、Park-PFI等、民間事業者によるかわまち地区の管理・運営が開始された後も、関係人口の増加のためにも、民間団体が自走してイベントを主催できるよう、金銭的支援及び資金調達に関する勉強会開催等の支援を求めます。区長の答弁を求めます。
6つ目に、福祉の視点からのかわまちづくり計画策定について伺います。かわまちづくり計画策定の手引きでは、バリアフリー・ユニバーサルデザインとして、高齢者や障がい者等に配慮した施設の工夫も必要であるとしています。また、板橋区荒川を管轄する国土交通省関東地方整備局荒川下流河川事務所では、福祉の荒川づくりとして、すべての人に優しい荒川を目指して、単なるハード整備だけでなく、仕組みづくり、人づくり、雰囲気づくりに取り組んでおられます。どのような方も利用しやすい河川空間とするのであれば、高齢者、身体障がい者等、車椅子での利用を考慮する場合は、取付坂路の縦断勾配は4%未満にするなどの基準を定めている地域もございます。板橋区の荒川のかわまちづくり計画においても、福祉の面からのアプローチが必要ではないでしょうか。そこで質問します。かわまちづくりにおいて、どのような方でも河川敷に円滑に訪れ、楽しめるためには、福祉の面からの検討が必要です。車椅子でも上りやすい坂路の設置や、そのほか、足の不自由な方が往来しやすい方策につきまして区長の見解を伺います。
7つ目に、防災の視点でのかわまちづくりについて伺います。板橋区かわまちづくり計画では、第1期では、防災×スポーツとして連絡通路の建設を行い、防災の面からのかわまちづくりが始まっておりますが、第2期の整備での水辺のにぎわいの創出も、防災意識の向上にも寄与する点について提起いたします。令和4年東京都で実施の河川に関する世論調査では、「身近な地域の水害に対する安全性や危険性について調べたことがあるか」の設問において、水辺を活用した施設の利用経験の有無別に集計を取ると、利用したことがある人で水害の危険性を調べたことがある人は75.4%、利用したことがない人では42.7%となり、30%以上の大きな差が開いております。この調査を基に、昨年6月に東京都が取りまとめた未来の東京に向けた水辺整備のあり方検討会資料では、水辺を活用した施設の利用者は、ハザードマップや台風や水害の発生情報等の水害に対する安全性を調べた経験が多いとの結論を出しております。本かわまちづくりで整備を行い、様々な施設や機能を配置することにより創出できるにぎわいは、地域・経済の活性化に寄与するだけでなく、区民及び来訪者の防災意識の向上も期待できることが言えます。かわまちづくり基本構想では、防災の面におけるコンセプトは、水害時に命を守る場として、避難路の整備、平時の防災教育の場としての利用を想定しておりますが、板橋区かわまちづくりにおいて、にぎわいづくりのためのアーバンリバーパークとしての機能、それこそが利用者の防災意識に寄与することが期待できるのではないでしょうか。かわまちづくりの重要性・必要性を増大させるためにも、にぎわいづくりを一つの目的とした本事業自体が、区民や来訪者の防災意識の向上に寄与するものである点を、かわまちづくり基本計画の基本方針に加えることを要望します。区長の見解を求めます。
8つ目に、地域のシンボル、心のよりどころとなるモニュメント等の建造物の配置の可能性につきまして伺います。板橋区かわまちづくりにおいて、区民からのヒアリングを実施しました。高島平・新河岸地域の方からは、かわまちづくりへの大きな期待が寄せられております。中でも、心のよりどころとなる場所が欲しいとの意見がございました。高島平・新河岸地区は神社や寺院がなく、それにまつわる祭礼もほとんどの地域で行われていないとのことでした。区内でも新しいまちであるため、他地域における古くからある神社や寺院、祭礼等、文化的に一体となる場所や行事がないという現実です。世界では、水辺都市の再生の際にシンボルを設け、都市再生を実現し、水辺が人々のよりどころとなった地域があります。スペイン、バスク地方にある工業都市のビルバオは、産業の衰退、環境の悪化などで人口が減少した1980年代の流れを止めるべく、1990年代に都市の大転換が図られました。その都市再生のシンボルとしたのがグッゲンハイム美術館です。このシンボルにより、文化観光都市へと変化を遂げることとなりました。日本においても、大阪市での水辺の魅力向上として、巨大なラバーダックが期間を定めて河川上に設置され、水都大阪のシンボルとされています。板橋区かわまちづくりにおいて、かわまちづくりのシンボルとなるモニュメントやそれに類するものを設置することによって、板橋区北部の区民の方々が集まるシンボルや心のよりどころとされることが期待できます。また、モニュメントがその地域の魅力を発信するツールにもなり得ます。モニュメント設置は、河川法に基づき認められない可能性があるため、設置ではなく、移動できるよう、配置とすることも考えられます。そこで質問いたします。板橋区かわまちづくり、そして周辺地域を象徴する、一つにまとまるシンボルの設置もしくは配置の方向性につきまして区長の見解を求めます。
9つ目に、板橋区かわまちづくりからの社会変革について伺います。元来、河川空間は、その歴史によって利用用途が変化してきました。以前は、水難事故等の危険性回避のため、まちと河川を分けるよう整備がなされてきました。現在は、川が持つポテンシャルの高さから、水辺空間の利活用が盛んになってきております。河川空間の活用は、その時代の社会背景に合わせた活用がされてきました。板橋区のかわまちづくりでは、河川空間から社会の在り方を変える社会変革の場となり得る可能性を提起します。国は、かわまちづくりの事業の目的として、地域の顔、誇りとなる水辺空間の形成を掲げています。しかし、それにとどまらず、水辺空間は社会を変える可能性を持ち合わせています。昨年のミズベリングフォーラムで、大人が遊ぶ社会でないと生きづらさが増えるのではないかとの提起がなされました。また、東京都において実施された河川に関する世論調査では、河川にゆとりが必要と答えた方が86%にも上りました。ゆとり感には、精神的ゆとりや経済的ゆとり等種類がありますが、精神的ゆとり感は経済的ゆとり感以上に幸福度と関連しています。政府が定めたこども大綱においても、子育て当事者が健康で、自己肯定感とゆとりを持って、子どもに向き合えるように取り組むとしています。水辺のゆとりの必要性があり、子育てでもゆとりの必要性が示されているのであれば、本かわまちづくりにおいて、水辺でのゆとりを創出していくことの必要性も考えられます。子育て世代をはじめ、様々な世代がそこへ行き、遊びやゆとりを得ることで、もしくは遊びやゆとりを得られるからこそそこに行きたいと考えることで、生き方や働き方、余暇の再考にもつながるのではないでしょうか。生きづらさを解消し、精神的ゆとり感を育める場となるよう、板橋区のかわまちづくりを進めることで、行く行くは社会変革をもたらすことができる場所となるのではないでしょうか。そこで質問します。生きづらさを解消し、精神的ゆとり感を育める社会へ変革できるほどの魅力あるかわまちづくりの方向性について、区長の見解を求めます。
最後に、かわまちづくりの方向性、かわまち大賞、日本一のかわまちづくりにつきまして質問いたします。令和5年度末時点で、全国264か所が登録されているかわまちづくりですが、他の模範となるような先進的な事例と、それに取り組む方々を国土交通大臣が表彰し、全国に周知するものとして、2018年度に創設されたかわまち大賞がございます。かわまち大賞受賞の自治体では、観光客の増加や視察受入れの増加の実績がございます。板橋区かわまちづくりの目的は、第1期は防災、第2期はにぎわいの創出であり、受賞が本来の目的ではないことは承知をしております。しかし、かわまち大賞の受賞により、板橋区の魅力発信、板橋区の事例の全国的な発信にもつながります。テネシー川流域開発公社の指導者、デビット・リリエンソールは、テネシー川での公社の開発方式は世界中のどの河川にも適用できるとし、一河は万河に通ずるとの言葉を残しております。この言葉を板橋区のかわまちづくりに当てはめますと、板橋区のかわまちづくりでの取組が、日本全国のかわまちへ、そして社会自体の変革を起こすことができる日本一のかわまちづくりができる可能性があるものと解します。そこで質問します。板橋区かわまちづくりにつきまして、全国のかわまちづくりを牽引するよう、かわまち大賞受賞、そしてその先の日本一のかわまちをつくる方向性につきまして、区長の意志を示していただきますよう答弁を求めます。
以上で一般質問を終わります。ありがとうございました。(拍手する人あり)
◎区長(坂本健) 議長、区長。
○議長(
田中やすのり議員) 区長。
〔区長(坂本 健)登壇〕
◎区長(坂本健) それでは、ひはらみちこ議員の一般質問にお答えいたします。
最初は、防災政策に関連いたしまして、所管変更の理由と効果についてのご質問であります。発災時の要配慮者支援については、健康生きがい部、福祉部のそれぞれの要配慮者班が担うこととなりますが、事前に個別避難計画づくりに携わることによって、災害時の円滑な対応、迅速な避難支援につなげることが可能となると考えております。また、個別避難計画の作成に当たりましては、ケアマネジャーや関係事業者の協力が不可欠となりますが、日頃から関係性が構築できている部署が対応することによりまして、一層の効率化が図れるものと考えます。これらのことから、要支援者の個別避難計画の作成を、高齢者に関しましては健康生きがい部に、障がい者に関しましては福祉部に所管を変更いたしまして、災害時の迅速な対応や効率的かつ実効性の高い計画の作成を進めることといたしました。
次は、避難訓練の実施についてのご質問であります。毎年3月に実施しております総合防災訓練には、聴覚障がい者も参加するなど、障がい者を含めて災害に強い区民を育成し、地域防災力の向上を図っております。これに対しまして、個別避難計画での避難先においては、避難所だけでなく、親族宅や通所施設など対象者によって大きく異なりまして、従来の避難訓練への参加には課題が多いものとも感じております。定期的な避難訓練の必要性につきましては認識をしておりまして、今後は関係者を集めた机上訓練など、個別の対象者に寄り添った訓練の実施について検討していきたいと考えています。
次は、板橋区災害廃棄物処理計画の改定についてのご質問であります。本計画は、国の災害廃棄物対策指針等に基づきまして、東京都や区の計画と整合を図り、区の一般廃棄物処理基本計画2025の重点的取組の一つと位置づけるものと考えています。見直しは、計画の実効性を高めるため、地域防災計画や被害想定、関連法令、関連計画、指針等の改定があった場合など、必要に応じて行うこととしております。東京都の災害廃棄物処理計画及び区の地域防災計画の改定を踏まえて、令和7年度に予定をしております一般廃棄物処理基本計画改定と合わせまして、改定時期について検討していきたいと考えております。
次は、板橋区での道路啓開計画についてのご質問であります。区におきましても、国や東京都が指定する緊急輸送道路を補うために、拠点病院や避難場所、物資確保のための施設等を結ぶ15の区道を道路啓開路線に指定しております。啓開作業の実施に当たりましては、土木サービスセンターを中心にいたしまして、板橋災害対策土木協力会をはじめとした協定締結団体と対応することとしておりまして、その連絡体制につきましては整備が済んでいるところでもあります。既に整備しております事項に加えまして、他の自治体の動きや先般の災害事例も参考にしながら、より実効性の高い体制の構築に加え、重機とオペレーターの確保ができるように、マニュアル化も含めて検討していきたいと考えております。
次は、板橋区地域防災計画概要版の区民への周知についてのご質問であります。能登半島地震や過去の震災等の教訓から、区民の生命・財産を守るために防災用品等配付事業を計画しております。本事業につきましては全世帯を対象に実施する予定でありまして、防災用品のカタログに同封する防災意識啓発冊子に地域防災計画概要版の二次元コードを掲載して、全世帯に情報発信することによりまして、防災意識の向上につなげてまいりたいと考えております。
次は、かわまちづくり担当部の庁内での位置づけについてのご質問であります。かわ
まちづくり担当部長の位置づけにつきましては、区処務規程によって、区長の命を受け、かわまちづくりに関する事務と従事する職員を指揮監督すると定めております。また、かわまちづくり計画担当課長を事務取扱として、土木部を主体に組織を編成し、新たに高島平まちづくりを加えた7つの関係部署の連携によりまして計画を推進していきたいと考えております。
次は、かわまちづくり担当部の配置期間についてのご質問であります。かわまちづくり担当部の配置期間につきましては、時限的に3年間を原則としておりますが、計画策定の状況や計画全体の進捗状況などを総合的に判断して決めていきたいと考えております。
次は、かわまちづくり協議会への個人参加の可否についてのご質問であります。板橋区かわまちづくり推進協議会においては、主に防災まちづくりの推進を目的に、地元住民代表者、河川管理者、インフラ事業者、板橋区を構成員として進めてまいりました。今後、かわまちづくり計画の策定を経て、事業を進めていく事業者を選定してまいりますが、様々な個人の意見につきましては、協議会への参加ではなく、事業者のニーズ調査等で把握していく予定であります。
次は、課題解決に向けた持続可能な仕組みの設置についてのご質問であります。今後、かわまちづくり事業を進めるに当たりまして、協議会で議論されました防災まちづくりの意見を集約して、計画に反映させ、計画策定後に選定する事業者が、計画に基づくにぎわいづくりを担っていくと考えております。このため、議員、ご心配の事項につきましては、作業部会や組織的集合体によらず、区と事業者が連携をして対応していくことを想定しているものであります。
次は、関係人口増加の取組についてのご質問であります。区は、いたばし№1実現プラン2025改訂版の中において、時代の先を見据えたまちづくりのブランド力強化として、交流・関係人口の増加による地域活性化、定住化の戦略的展開を示しております。このため、かわまちづくりによる新たなにぎわいづくりによって、見る、する、支える、応援する、全ての人を安全に楽しめる河川敷に引き込み、事業とともにまちの活性化を図っていきたいと考えています。都市にある自然豊かな河川敷に新しい価値を創造するアーバンリバーパークの実現を通じまして、かわまちづくりに主体的に関わる関係人口と、新たに生まれ変わった荒川河川敷を訪れる交流人口を増やしてまいりたいと考えています。
次は、かわまちづくり計画の整備範囲についてのご質問であります。かわまちづくり計画と高島平まちづくりをモビリティで有機的につなげることによって、高島平から荒川に至る広域での一体的なまちづくりに波及するものと考えています。また、高台まちづくりとして、新河岸陸上競技場、MFLP・LOGIFRONT東京板橋に、洪水時に緊急退避が可能な高島平・新河岸地区における高台の拠点を設けていきたいとも考えております。
次は、堤内地の整備範囲についてのご質問であります。日頃からリバーサイドのまちとして、徒歩でもアプローチが可能な舟渡地区に加えまして、高島平・新河岸地区については、かわまちづくりと高島平まちづくりをモビリティ等によりまして有機的に結びつけることによって、広域的に展開できるまちづくりの範囲に含まれていくものと捉えております。
次は、イベント実施による効果測定及び民間団体への区の支援についてのご質問であります。イベントにつきましては、昨年4月に実施いたしました音楽イベント、ITa FESなどのように、事業者が実施することを想定しております。イベントの効果測定の結果につきましては、運営を担う事業者と区が共有をして、イベントに関連する区の支援につきましては、今後事業者と協議をしていきたいと考えております。
次は、民間団体に対する金銭的支援、資金調達の勉強会開催についてのご質問であります。現時点においては、取組の実施主体となる事業者の募集条件などについて検討中でありますけれども、金銭的な支援や資金調達に関する勉強会の開催は考えていないところであります。かわまちづくりの取組においては、区の方向性を提示した上で、実施事業者のノウハウ活用による自由な展開によって魅力的な取組を生み出すことを想定しております。
次は、福祉の視点からのかわまちづくりについてのご質問であります。板橋区エリアの堤防については、河川管理者であります荒川下流河川事務所の坂路基準、幅4メートル、勾配5%程度以下で多くのスロープが設置されております。また、荒川下流河川事務所との協議においては、堤防の管理用通路の拡幅整備など、かわまちづくりに伴い、特段の改修やバリアフリー化は行わないものと聞いております。このため、区が進めるかわまちづくりの取組の中において、河川敷へのアクセスにつきましては、モビリティで堤防を越えるなど、移動の円滑化を図っていきたいとも考えております。
次は、防災の視点からのかわまちづくりについてのご質問であります。かわまちづくり基本計画においては、防災力強化とにぎわい創出の2つの軸によって、基本構想に掲げた5つの視点を効果的に展開する方向で現在進めております。具体的な取組としましては、災害時や防災訓練で活用できるキッチン、トイレ、シャワー、電源供給、大型スクリーンなどの機能を備えた移動可能な車両の導入を想定しております。
次は、心のよりどころとなるかわまちで地域のシンボルの配置をとのご提案でございます。高台避難のシンボルとしましては、緊急一時退避場所である新河岸陸上競技場に通じる連絡通路には、灯台のように光がともるような避難時の目印を、河川敷にはにぎわい装置としてシンボリックな演出などを考えております。
次は、板橋区かわまちづくりから社会変革についてのご質問であります。かわまちづくりにおいては、まず防災を基本に据えながら、水辺に親しむ空間が区民の生活の一部となるように、かわまちづくり基本計画に定めていく方針であります。都心に近接をした自然豊かな水辺空間をアーバンリバーパークとして整備することによって、大人も子どもも誰もが幸福感が得られる魅力的な空間を創造してまいりたいと考えています。
次は、かわまちづくり大賞受賞及び日本一のかわまちに向けてとのご質問であります。荒川河川敷は、武蔵野台地と崖線がダイナミックに織りなす原風景を背景として、水への畏れや自然が生み出す豊かさを感じる、まさに歴史的な空間であると考えています。唯一無二の施策によりまして、多くの区民の方に安心感や一体感を与え、区のかわまちづくりを成長させていくことによって、愛着や誇りを感じてもらうことが何よりも大切と考えております。その結果として、かわまち大賞などの受賞が伴えば、最高の喜びとなると考えております。
頂きました質問に対する答弁は以上でございます。
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△休憩の宣告
○議長(
田中やすのり議員) 一般質問の途中でありますが、議事運営の都合により、この際、暫時休憩いたします。
なお、再開時刻は午後1時といたします。
午前11時50分休憩
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午後零時58分再開
出席議員 46名
1番 ひはら みちこ議員 2番 近
藤タカヒロ議員
8番 しいな ひろみ議員 9番 坂 田 れい子議員
10番 木 田 おりべ議員 11番 一 島 ひろし議員
12番 横 川たかゆき議員 13番 長 瀬 達 也議員
14番 大 野 ゆ か議員 15番 井 上 温 子議員
17番 小 柳 しげる議員 18番
内田けんいちろう議員
19番 間 中りんぺい議員 20番 いがらし 学議員
21番 実 正やすゆき議員 22番 小 野
ゆりこ議員
23番 大 森 大議員 24番 石 川 すみえ議員
25番 山 内 え り議員 26番 中 村とらあき議員
27番 山 田たかゆき議員 28番 寺 田 ひろし議員
29番 わたなべ一 美議員 30番 岩 永 きりん議員
31番 くまだ 智 子議員 32番 荒 川 な お議員
33番 いわい 桐 子議員 34番 田中しゅんすけ議員
35番 田
中やすのり議員 36番 いしだ 圭一郎議員
37番 さかまき常 行議員 38番 おばた 健太郎議員
39番 五十嵐 やす子議員 40番 竹 内 愛議員
41番 小 林 おとみ議員 43番 元 山 芳 行議員
44番 大 野 治 彦議員 45番 鈴 木こうすけ議員
46番 成 島 ゆかり議員 47番 中 妻じょうた議員
48番 高 沢 一 基議員 51番 川 口 雅 敏議員
52番 佐々木としたか議員 53番 田 中 いさお議員
54番 し ば 佳代子議員 55番 おなだか 勝議員
職務のため議場に出席した事務局職員の職氏名
区議会事務局長 五十嵐 登
区議会事務局次長 舟 山 百合子
〃 議事係長 龍 野 慎 治 〃 調査係長 服 部 亮
〃 書記 高 橋 佳 太 〃 書記 高 瀬 渉
〃 書記 安 部 詩 織 〃 書記 鈴 木 琢 真
〃 書記 石 川 実 生 〃 書記 外 立 龍太郎
〃 書記 横 山 愛 〃 書記 土 屋 太 功
〃 書記 小 山 貴 裕
地方自治法第121条の規定に基づく説明のための出席者
区長 坂 本 健 副区長 尾 科 善 彦
教育長 中 川 修 一
常勤監査委員 有 馬 潤
政策経営部長 篠 田 聡 総務部長 田 中 光 輝
危機管理部長 三 浦 康 之
区民文化部長 平 岩 俊 二
産業経済部長 家 田 彩 子
健康生きがい部長 水 野 博 史
保健所長 鈴 木 眞 美 福祉部長(
福祉事務所長兼務)
丸 山 博 史
子ども家庭部長 関 俊 介
子ども家庭総合支援センター所長
佐々木 三 良
資源環境部長 岩 田 雅 彦
都市整備部長 内 池 政 人
まちづくり推進室長田 島 健 土木部長 宮 津 毅
かわ
まちづくり担当部長 会計管理者 代 田 治
荒 張 寿 典
教育委員会事務局次長 地域教育力担当部長雨 谷 周 治
林 栄 喜
政策企画課長 小 島 健太郎 財政課長 大 森 恒 二
総務課長 荒 井 和 子
△再開の宣告
◎事務局長(五十嵐登) ただいまの出席議員数は46名でございます。
○議長(
田中やすのり議員) 休憩前に引き続き、会議を再開いたします。
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△
区政一般質問(続き)
○議長(
田中やすのり議員) 一般質問を続けます。
次に、近
藤タカヒロ議員。
◆近藤タカヒロ 議員 議長。
○議長(
田中やすのり議員) 近
藤タカヒロ議員。
〔近
藤タカヒロ議員登壇〕(拍手する人あり)
◆近藤タカヒロ 議員 自由民主党の近藤タカヒロです。通告に従い一般質問を行います。
初めに、板橋区におけるDX推進についてお伺いいたします。
現代はVUCAの時代とも呼ばれ、社会が大きく目まぐるしく変化をしています。その中で、DX推進は、社会の変化に対応するためにも避けては通れない課題であるとともに、区民サービスの向上にも直接関わる非常に重要な取組だと考えています。板橋区では、これまでもICT推進・活用計画2025に基づき、様々な業務の効率化、区民サービスの向上に寄与してきたことと思います。幾つか例を挙げると、マイナンバーカードの活用によるコンビニでの各種証明書発行やオンライン化による非対面型の
行政サービスの拡大、各種証明書交付手数料のキャッシュレス決済導入、いたばしPayによるキャッシュレス決済の拡大及び区内の経済振興などの取組は、直接区民の満足度の向上につながっていると高く評価をしております。また、よろず相談DXによる伴走型の各部署のDX推進支援など、ボトムアップによる利用者視点に立った取組も効果的であると感じており、今後さらに拡大していくことを期待しております。ICT推進・活用計画2025は令和6年より名称を改め、板橋区DX推進計画2025となり、さらなる区民サービス向上につながるDX推進が求められており、そのためにも明確なビジョンを持った強固な体制構築が重要だと考えています。板橋区のDX推進本部では区長を本部長とし、情報統括責任者CIO及び最高情報セキュリティ責任者CISOを副区長、CIO、CISO補佐官を
政策経営部長が担当しています。総務省の自治体デジタル・トランスフォーメーション推進計画によると、「CIO補佐官等については、外部人材の活用を積極的に検討する」と記載があります。DX推進においては、官民連携といいますか、積極的に民間の視点を取り入れていくことも重要だと考えておりまして、外部人材の活用も積極的に検討していくべきと考えています。しかし、板橋区ではあえてCIO補佐官等に
政策経営部長を任命しています。各担当間の調整を鑑みると、庁内の人材の方が望ましいとの視点もあるのかなとは感じるのですが、あえてCIO補佐官等に外部人材を任用しなかった理由及び今後CIO補佐官等に外部人材の任用を検討する予定はあるのかという点について見解を求めます。
DX推進には様々な知見が求められるため、CIOである副区長、CIO補佐官等である
政策経営部長にも相応の知見、スキルが求められていると思います。特に最新のデジタル技術や他の自治体でのDX推進事例などを積極的に学んでいく必要があると感じています。板橋区でのCIO及びCIO補佐官のスキルアップ、育成について、どのような取組がなされているのかという点について、区の見解を求めます。
デジタル庁より、令和5年12月に地方公共団体におけるアナログ規制の点検・見直しマニュアルが作成されています。これは書面、対面といったアナログ的な手法を前提とする現行の法制度やルールが社会全体のデジタル化の妨げになるため、見直していく必要があるとしたものです。地方公共団体におけるアナログ規制の点検・見直しマニュアルには、代表的なアナログ規制である7項目として、目視規制、実地監査規制、定期検査・点検規制、常駐・専任規制、対面講習規制、書面掲示規制、往訪閲覧・縦覧規制が挙げられています。自治体の業務は非常に多岐にわたっているため、アナログ規制の点検・見直しを行うといっても、人的・費用的にも多くのリソースが必要になってきます。他の自治体の例ですが、福島県の南相馬市では、あえて網羅的に取り組むのではなく、土木分野や農業分野等のデジタル化に向けた課題を多く有している分野や事務について重点的に点検・見直し作業を行うことで、具体的な課題解決につながる規制の見直しに取り組んでいるそうです。板橋区でもこういった視点を持つことは重要と感じていまして、例えば、土木、建設といった分野のデジタル化に向けた問題解決や板橋区DX推進計画2025にもある書かない窓口、オンライン申請の拡大に係る分野に絞ってアナログ規制の点検・見直しを行っていくことができれば、経営資源の効率化、区民サービスの向上といった部分でスピード感を持った改革につながるのではないかと考えています。板橋区でのアナログ規制の点検・見直しへの現状の取組状況及び分野を絞ってのアナログ規制の点検・見直しについて、区の見解を求めます。
板橋区DX推進計画2025の推進体制の強化Ⅰ、推進体制の構築の部分に記載がある、よろず相談DXについてお伺いいたします。冒頭で申し上げたとおり、伴走型の課題解決型の取組ということで、非常によい取組だと感じています。しかしながら、各担当課からのボトムアップでの課題解決になりますと、なかなか水平展開が難しいのではないかなとの懸念も抱いております。所管を超えて活用できる部分は積極的に展開し、いわゆる点から面でのDX推進につなげていくことが重要と感じています。そこでお伺いいたします。これまでのよろず相談DXにおける業務改善や新サービスにおいて、庁内での水平展開につながった事例及び、今後、水平展開を拡大していく上での課題について、区の見解を求めます。
続いて、推進体制強化Ⅱのデジタル人材育成・確保についてですが、求められる職員像を明確に設定し、DX推進のために必要な能力を提示していることは高く評価しています。しかし、年度計画を拝見すると、研修の受講人数は670名以上と目標数値が記載されているんですが、デジタル人材確保の部分は、令和6年度、令和7年度ともに、高度専門人材確保、IT知識を有した人材確保と具体的な目標数値は記載されていないようです。なかなか具体的な数値設定がしづらいのかなとも感じますが、具体的な目標人数を設定する予定はないのか、ないのであれば、どう達成・未達成の効果測定を行っていくのか、区の見解をお示しください。
次に、オンライン申請の推進についてお伺いいたします。LoGoフォームという自治体職員が電子申請や申込み予約アンケートなどのフォームを作成・集計し、一元管理できるサービスを板橋区でも使用していると思います。このLoGoフォームを活用すれば、マイナンバー認証やオンライン決済への対応が容易になり、
行政サービスの非対面化、オンライン申請がより拡大できるのではないかと思っています。また、板橋区内でも外国籍の方が増えてきており、日本語で読み書きが困難な方に寄り添った日本語以外の言語によるオンライン申請についてもニーズがあると感じています。今後のLoGoフォームのマイナンバー認証やオンライン決済への活用及び外国語への対応について区の見解をお示しください。
DX推進関連について、最後の質問といたしまして、GovTech東京との連携についてお伺いいたします。自治体DX推進において他の自治体との連携は非常に重要だと考えています。自治体によってフォーマットが異なってくると、どうしても引っ越しをしてきたら今までできていたことができないとか、やり方が分からないといった不便さが出てきたり、自治体間での水平展開がしづらくなったりと様々な弊害が出ると思います。そのため、地方自治体の垣根を越えて足並みを合わせ、強固な連携をしていく必要があると感じています。そこで、2023年9月に東京都が新たに設置したGovTech東京における東京全体のDX推進には非常に期待をしているところであります。GovTech東京を活用すれば自治体間の水平展開も容易になると期待できますし、区のリソースを最小化しながらDX推進の恩恵を受けられるのではないかと考えています。そこでお伺いいたします。板橋区でのGovTech東京の活用状況及び今後のDX推進に向けた連携の方針について、区の見解をお示しください。
DX推進については、区民サービス向上、業務効率化につながる分野として日々重要度が増しています。板橋区が先進的な自治体であり続けるためにも、時にはトップダウンの指示により推進していかなければならないシーンもあると感じています。区長の明確なビジョンの下、板橋区のDX推進をよりスピード感を持って進めていただきたいとお願いし、次の項目に移らせていただきます。
次に、区内幼稚園の補助、助成についてお伺いいたします。
昨今の日本全体での少子化傾向もさることながら、板橋区でも出生率が低下していることは把握されているかと思います。コロナ禍以前は3,800人から4,000人ぐらいの間で推移してきた板橋区内のゼロ歳児の数が、コロナ後の2023年の4月時点では3,383人と大きく低下をしてしまいました。この板橋区での出生率の低下による園児数の減少傾向は、区内幼稚園の入園児の減少という形で顕著に表れており、多くの区内幼稚園が定員を大きく下回っている状態です。入園児の減少は、幼稚園の保育料は施設型給付、補助金の急減につながっており、区内幼稚園の経営維持、教育の質担保の観点から、無視できない問題と考えています。また、昨今の物価高の影響により、子育て世代の経済的負担を少しでも軽減することは、板橋区で安心して子育てができる環境を構築していくことにもつながると考えています。現在、板橋区内の私立幼稚園の分野でも人材不足が進んでいます。よりよい教育環境の充実には、教職員の処遇改善費用、よりよい人材確保のための求人費用等も必要になっており、区内幼稚園の状況に合わせた適切な支援が求められています。教育現場の人材確保については、住宅支援の一環として、新規で採用する幼稚園教員に対する家賃補助なども必要と考えています。この点について教育長の見解をお示しください。また、多くの私立幼稚園では、保育料のほかに施設維持費、教材費、冷暖房費等の学納金が存在します。そのため、保護者負担軽減補助金については、対象を保育料だけでなく学納金にも拡大し、余すことなく補助をしていくべきと考えますが、区の見解を求めます。
次に、給食費無償化についてお伺いいたします。板橋区でも、認定こども園、新制度園、私学助成園も含め、年収360万円未満の世帯及び第三子以降の子について、副食費の助成が行われていることについては、保護者負担軽減の観点からも高く評価をしています。しかしながら、昨今の物価高の影響による子育て世代への負担増加を鑑みると、もう一歩踏み込んで、負担の軽減を検討すべき時が来ていると考えています。近隣の北区では、令和5年4月より、幼稚園及び認定こども園の給食費無償化が実施されています。また、弁当持参の幼稚園も対象に、給食利用に関わらず、私立幼稚園等に在籍している園児がいる全ての世帯の方を対象に補助金を支給しています。北区の事例も参考に、板橋区でも私立幼稚園の給食費無償化及び所得等の制限なく、弁当1食につき、例えば250円程度の補助金を支給するなど、ぜひ前向きに検討いただきたいと考えています。板橋区内の私立幼稚園の給食費無償化について、区の見解を求めます。
現在、私立幼稚園の補助金の多くは、園児1名当たりの単価掛ける園児数で計算され、園児数が多いほど交付金額も大きくなる方式となっております。園児数によって交付金額が増減するのは妥当と言えますが、人件費や水道光熱費など、園児数によらずかかる経費もあり、園の運営を圧迫している状況もあります。昨今の入園児数の減少傾向を鑑みるに、園児数によらない方式の補助金の創設、もしくはコロナ禍前の園児数が多かったときの予算規模を踏まえて、既存の各種補助金の園児1名当たりの単価の増額を検討いただききたいのですが、区の見解はいかがでしょうか。
続いて、次の質問に入ります。区内工事における前払い金の上限撤廃及び部分払いの簡略化についてお伺いいたします。
現在、板橋区では、区内工事における前払い金は契約金額の3割、なお、土木工事、建築工事及び設備工事については4割であり、支払い限度額が3億円となっております。この前払い金の支払い限度額は23区でも昨今見直しが進んでおり、2億円から3億円となっているのは、板橋区を含め5区、その他の区は既に4億円以上となっております。中でも江戸川区、荒川区、港区、葛飾区、そして、令和6年4月には新たに練馬区でも支払い限度額が撤廃されております。板橋区は2021年度に2億円から3億円に、この上限額を引き上げたばかりではありますが、相対的に他の23区と比べると低い水準となっています。地域建設企業の資金繰りの円滑化、安定化の観点から、板橋区でも支払い限度額の上限撤廃もしくは増額をいま一度検討すべきと考えますが、区の見解をお示しください。
続いて、部分払いについてお伺いいたします。さきにお伺いした前払い金については、万が一、受注業者が倒産等した場合、前払い金を損失するリスクもあるのではないかなと考えています。工事期間中に請負者が工事代金を申請可能な仕組みとしては、請負額の20%を上限とする中間前払い金と回数制限なく9割までの支払いが可能な部分払いがあります。請負者にとっても資金繰りがしやすくなることから、部分払いも多くご利用いただいていると認識していますが、中間前払い金と比較して、部分払いは回数制限がない分、都度検査が入るので、審査に手間がかかるとのお声も頂いております。現在は、建築現場も完全週休2日制の導入など、働き方改革が行われており、現場の負担軽減の観点からも事務手続や検査の簡略化は求められていると感じます。現在は部分払いの審査について、工事等の出来高提出と検査、書類提出になっているかと存じますが、国土交通省等では簡略化し、監督員による出来高の証明提出をもって部分払いを行っているケースもあるようです。板橋区でも部分払いの審査を簡略化し、例えば出来高の証明には検査員の目視にこだわることなく、写真等での証明により対応するなど、請負者がより活用しやすくする仕組みづくりが必要と考えています。部分払いの審査を中間前払い金程度まで簡略することができれば、地域建設企業の資金繰りの円滑化、安定化及び働き方改革の影響により求められている工事現場における事務負担の軽減にも寄与できると考えています。区内工事における部分払いの審査簡略化について、区の見解を求めます。
次に、部活動の地域移行について質問いたします。
中学校の部活動は、学校教育においても非常に大きな役割を担っていると考えています。板橋区でも令和6年3月に板橋区立中学校部活動地域移行推進ビジョン2030を策定し、本ビジョンに基づき、よい中学校部活動を実現すべく、様々な取組を実施いただいていることと思います。昨今の少子化によるチームスポーツの部員の確保が困難な問題や、教員の心身と業務への過大な負担の解消といった観点からも変革が求められていることは重々理解しておりますが、部活動地域移行に当たっては様々な課題があるとも感じております。まずは費用負担についてのアンケート結果からお伺いいたします。板橋区立中学校部活動地域移行推進ビジョン2030の中の保護者向けアンケートによると、費用負担があることについてどう思うかとの問いには、持続可能な仕組みのためには必要であるが33.6%、メリットがあれば受け入れてもよいが59.3%となっており、多くの保護者が費用負担について一定の理解を示していると認識しました。費用負担がある場合、幾らまでなら負担してもよいと思うか、月額の問いについては1,000円から3,000円の間が71.4%となっています。現状における保護者への費用負担はどの程度になる想定なのか、区の見解をお示しください。また、この費用負担とは、いわゆる部費との認識でよいのか、あるいは区内での活動場所が少ない場合、部活動に参加するためにかかる公共交通機関等の交通費といった形での費用負担も含まれるのか、交通費がある場合、国や都あるいは板橋区からの補助金や助成金が支給される可能性はあるのかという点について、区の見解をお示しください。また、指導員や活動場所の確保にも、今までより多くの費用がかかると思われますが、保護者負担で賄えない費用については、板橋区や東京都・国からの補助はどの程度になるのか、見解をお示しください。
さきに紹介した保護者向けアンケート結果の費用負担があることについてどう思うかの問いに、メリットがあれば受け入れてもよいが59.3%との回答結果を紹介いたしました。これは新たな部活動への期待感もあっての結果かと感じていますが、この保護者視点でのメリットとは具体的に何を示すのかについて、区の見解を求めます。一言にメリットと言っても多岐にわたるかと思います。例えば、専門家によってよりよい技術指導を受けられるとか、今までは選択ができなかった分野の部活動の選択肢が広がるとかあるのかと想像しているのですが、板橋区として実現したいというか、最大化したいメリットはどのようなものなのか、区の見解をお示しください。
部活動の地域移行に当たって、今までの中学校部活動では指導員や設備の確保とか、チームプレーの人数確保の観点から、なかなか実現が難しかったような分野にも選択肢が広がるとよいのではないかと感じています。例えば、現在、いたばし地域クラブでは、eスポーツや女子サッカー、科学技術の3クラブが実際に活動していますが、今後、マイナースポーツだったり、パラスポーツだったりと、生徒に対し、多様な選択肢を提供できれば教育の観点からも有益と感じています。板橋区として、そういった今までの中学校部活動では実現することのできなかった部活動分野の開拓について、実施予定のものや検討しているものがあればお示しください。
次に、部活動の地域移行における活動場所についてお伺いいたします。生徒向けのアンケートによると、活動場所が自分の学校でなくなってしまった場合、どこまでなら参加してもよいかとの設問には、板橋区内ではどこでも参加するとの回答が26.7%に対し、近隣の中学校なら参加するが40.9%、自分の学校が活動場所でないなら参加しないが32.5%となっています。この結果から、居住地の学区により、生徒にとって部活動の選択肢に差異が出る可能性があると感じております。少なくとも現状の部活動でニーズの高いものに関しては、学区ごとに活動場所を確保することが望ましいと考えますが、区の見解をお示しください。
活動にそれなりの設備を要する活動、例えばeスポーツなどですが、学区ごとに活動場所の設置が難しいことが想定される部活動やマイナースポーツといった分野に関しましては、沿線単位で活動場所を確保していく必要があると感じています。具体的には、区内の主要な鉄道交通網、東武東上線、都営三田線、地下鉄有楽町線の沿線を中心とした場所に活動場所が設置できれば、区内の中学生に広く平等に部活動の選択肢が与えられるのではないかと考えているのですが、その点について、区の見解をお示しください。
今まで基本的には中学校で実施していた部活動が、例えばほかの中学校とか、あるいは電車等を用いて活動場所を移動するとなりますと、当然、移動時間というのがそれなりに発生してくると思います。移動時間がかかるということは、それだけ部活動の練習時間も減りますし、生徒の自宅での学習時間の減少や、ひいては学力の低下といった形で影響が出ないのかという懸念があります。そういった日々の部活動のための移動時間の発生により想定される生徒への影響について、区の見解を求めます。
また、保護者向けアンケートの中には、移動時間の関係で活動開始・終了時間が遅く設定される場合がありますとの記載もあり、活動終了時間が遅くなることについて、帰宅時間が何時までで適切かと思うかの設問では、午後6時までとの回答が54.4%、午後7時までとの回答が32.2%となっており、保護者の大半が少なくとも7時までには生徒が帰宅できることが望ましいと考えていることが分かりました。当然、夜遅くなれば、生徒が犯罪や事故等に巻き込まれる可能性というのも高くなりますし、帰宅時間によらずとも部活動に参加するための移動中の生徒の安全確保といった課題もあると思います。中学校生徒を守るための適切な部活動の終了時間及び部活動参加のための移動時の生徒の安全確保について、現時点での区の見解を求めます。
部活動の地域移行について、最後の質問をいたします。板橋区立中学校部活動地域移行推進ビジョン2030に記載されている学校部活動における課題の中に、不適切な指導といった項目があります。その中には、「優秀な成績を収めることに固執してしまうと、勝利至上主義的な考え方に陥り、報道などで取り上げられる指導者による不適切な指導につながることが懸念されます」、「学校部活動に限らず、体罰や暴言、ハラスメントなどは絶対にあってはならず、それを防止する環境整備が求められています」との文言があります。こういった視点を持つことは非常に重要なことと感じていまして、これからの教職員以外の民間の方が指導員として生徒に接することが当たり前になるとすれば、この不適切な指導を未然に防ぐ仕組みづくりや指導員の教育体制をしっかり確立していく必要性を強く感じています。そういった不適切な指導、ハラスメントの防止に向け、どのように取り組んでいくのか、区の見解を求めます。また、防止の観点だけでなく、万が一不適切な指導やハラスメントがあった場合、早期発見し、是正する仕組みも必要になってくると思います。第三者機関における検査や部活動において発生したハラスメントの通報窓口も設置する必要があると考えています。現在は教育支援センターにてハラスメントの相談等を受け付けていると思いますが、今後、部活動の地域移行が進んだ場合の不適切な指導やハラスメントの早期発見に向けた取組について、区の見解を求めます。
最後に、板橋区スポーツ大使制度について質問いたします。
板橋区は気軽にスポーツを楽しめる場所が多くあり、スポーツは板橋区にとって大きな魅力の一つだと感じています。板橋区のスポーツ振興の一環として、平成25年度、23区初の試みとして、試みとしてスタートしたスポーツ大使制度があります。スポーツ大使の役割として、区のホームページには、板橋区のスポーツ振興として区のプロモーション活動を行っていただきます。様々な場面で区の魅力・スポーツ施策などを話題にしていただきますとか、スポーツに親しみ健康で生きがいを持って生活できるような区民向けのメッセージをいただき、区ホームページへ掲載するほか、区施設やイベントでの展示を行います。板橋Cityマラソンなどのスポーツイベントに参加いただくことや区民へのスポーツ指導などにご協力いただきます。スポーツ施策などに対する意見や協力をいただきますと、いろいろ記載がありまして、この中で実行していただいていることも多くあるとは思うんですが、忌憚のない意見を申し上げると、板橋区の有名な選手に委嘱して、ホームページに掲載して終わりになっていないかなと感じる部分があります。もっと積極的に、スポーツ大使には、板橋区のスポーツ振興に関わっていただく試みが必要ではないでしょうか。もちろん、アスリートの方々なので、日々のトレーニングや試合など多忙かと存じますが、子供たちにスポーツの楽しさを伝えたいとか、自身の取り組んでいる競技を体験する機会を設けたいと考えている方は多くいらっしゃると思っています。ぜひ板橋区でのスポーツイベント等に来ていただく機会を増やすとか、小中学校で生徒と交流していただくとか、区民に直接接していただける機会を創出していくべきと考えますが、区の見解をお示しください。
また区のプロモーションにご協力いただく以上、スポーツ大使の活動を応援していく仕組みづくりも必要だと感じています。区の施策にご協力いただく以上、区でも競技のプロモーションを行うとか、競技人口を広げる取組を行うとか、アスリート側にもメリットがある仕組みをつくることができれば、より板橋区のスポーツ振興、プロモーションに積極的に協力いただけるのではないかと思っています。スポーツ大使への競技プロモーション等の活動支援について、区の見解を求めます。
以上で自由民主党、近藤タカヒロの一般質問を終わります。よろしくお願いいたします。(拍手する人あり)
◎区長(坂本健) 議長、区長。
○議長(
田中やすのり議員) 区長。
〔区長(坂本 健)登壇〕
◎区長(坂本健) それでは、近
藤タカヒロ議員の一般質問にお答えいたします。
最初は、板橋区におけるDX推進に関連いたしまして、外部人材の任用についてのご質問であります。DXの推進は、
行政サービスや業務プロセスの変革を伴う取組でありまして、その意思決定の補佐には、技術面だけではなく行政経験に基づいた総合的な知見を要することから、現在の体制としております。技術面におきましては、令和4年度からCIO補佐、情報システムアドバイザリー業務を通じまして、外部からの助言等を取り入れているところでございます。現時点では外部人材の任用は検討しておりませんが、東京都が設立いたしました区市町村を技術的に支援するGovTech東京と連携しながら、情報化施策を展開していく考えであります。
次に、CIO及びCIO補佐官のスキルアップについてのご質問であります。最新技術やサービスが日進月歩で創出されておりますDX分野のかじ取りを担うには、ICT活用に関する先進事例を把握し、経営感覚を磨くことが何よりも重要と考えます。そのため、東京都を含む他自治体とCIOなどとの情報共有や意見交換の場を通じましてキャッチアップに努め、DX戦略のバージョンアップに取り組むこととしております。
次に、アナログ規制の取組状況についてのご質問であります。区におきましては、国が示した目視、実地監査、対面講習など、代表的なアナログ規制である7項目についての網羅的な点検・見直しは行っていないところであります。しかしながら、経営革新計画やDX推進計画に基づきまして、電子申請やキャッシュレス決済など、アナログ的な業務のデジタル化、また効率化を進めているところであります。引き続き、ICT技術の進展や費用対効果などに留意しながら、デジタル化できる分野や業務を見極めて、区民サービスの向上に努めていきたいと考えております。
次は、業務改善の水平展開についてのご質問であります。LoGoフォームを用いた業務改善については、よろず相談DX等を通じまして、活用ノウハウが周知・共有され、庁内に浸透し、短期間において130を超える手続数となったところでございます。現在の業務フローや申請書等の見直しが比較的容易なものから、より広範囲な事務へ展開するためには、業務改善意識のより一層の向上を図っていく必要があると考えております。
次は、デジタル人材の確保と効果測定についてのご質問であります。DXの推進には高度な専門的知見の活用が求められておりまして、区が抱える課題に即しまして、デジタル人材を適宜適切な手段で確保するため、目標数は設定していないところであります。また、人材確保の効果を測ることは容易ではございませんが、その役割が区民サービスの向上やDX戦略が目指す変革に寄与するように取組を進めていく考えであります。
次は、今後のLoGoフォームの活用についてのご質問であります。マイナンバーカードによる公的個人認証やオンライン決済の機能を追加し、本年7月から、どこからでも住民票など手数料を要する証明書の請求が可能となります。また、LoGoフォームはインターネットでの自動翻訳をシームレスに利用でき、外国語への対応にも配慮されているものであります。自動翻訳で誤訳されにくい平易な日本語表現や文章入力を最小限にするなどの工夫によりまして、日本語に不慣れな方に限らない、快適な操作環境を目指していきたいと考えております。
次はGovTech東京の活用についてのご質問であります。都内団体との協働事業として、保育園探しから入園までの手続がオンラインで完結する保活ワンストップシステムの構築が先月スタートいたしました。板橋区はこの取組に参画をしておりまして、子育て世代が利便性を実感できるシステムを目指し、保育施設などの情報提供や効果検証に携わっていきたいと考えております。今後も共同開発によるメリットが見込まれる事業をはじめとして、GovTech東京と積極的な連携を図っていきたいと考えております。
次は、前払い金の限度額見直しについてのご質問であります。区が発注する土木工事、建築工事及び設備工事の前払い金については、1件の契約につき率にして4割、上限額は令和3年度に1億円増額して3億円といたしました。23区における前払い金の設定状況は、上限額を4億円と設定している区が9区ございまして、最も多くなっております。前払い金の増額は、区内事業者の資金運用の安定化に寄与すると認識しておりまして、さらなる増額を検討していきたいと考えております。
続いて、部分払い検査の簡略化についてのご質問であります。部分払いは、事業者の申出によって、工事完了前の出来高について検査を実施した上で、契約金額の一部を支払うものであります。その際の検査は仕様書、設計書などにより適合した施工・材料であるか、公共工事の品質の確保を担保するために、完成時と同様の検査を実施しております。今後は施工管理に関する業務の省力化や検査事務の効率化など、区と事業者双方の業務改善の方策について研究を進めていきたいと考えております。
次は、スポーツ大使が区民と直接、接する機会の創出についてのご質問であります。スポーツ大使には、スポーツの魅力や区の魅力を発信していただくため、可能な限りイベント等に参加していただけるよう働きかけをしているところでございます。昨年度は、広報いたばし掲載用のインタビューや、顕彰動画への出演などお願いをしておりまして、今年度も映像広報への出演や各種イベントへの参加を依頼する予定であります。今年はオリンピック・パラリンピックが開催される年でありまして、活躍した区にゆかりのある選手がスポーツ大使として区民と交流できる機会があればよいと願っているところであります。
続いて、スポーツ大使への支援についてのご質問です。スポーツ大使制度は、スポーツを通じたプロモーション活動を行うことによりまして、区の魅力向上やスポーツ振興を図る制度であります。一方において、スポーツ大使としての活動は、自身の知名度向上や競技人口の増加に資する場ともなっておりまして、スポーツ大使側にとってもメリットがあるものと考えております。パリオリンピック・パラリンピックの開催に合わせまして、本庁舎のイベントスペースにおいて啓発事業として行います予定でありますが、スポーツ大使の等身大パネルの展示も検討しているところであります。
残りました教育委員会に関する答弁は教育長から行います。
◎教育長(中川修一) 議長、教育長。
○議長(
田中やすのり議員) 教育長。
〔教育長(中川修一)登壇〕
◎教育長(中川修一) それでは、近
藤タカヒロ議員の教育委員会に関する一般質問にお答えします。
初めに、幼稚園への補助・助成の拡充に関しまして、教職員の人材確保に向けた支援策についてのご質問ですが、労働人口の減少により人材不足は幼稚園分野にも影響を及ぼし、幼稚園教諭の確保は困難な状況になりつつあることは認識しております。人材確保に向けては、幼稚園教諭の処遇改善費や求人活動費なども必要であり、求人活動費につきましては、区の教育環境の充実を図るための補助金の活用が可能であります。新規で採用する幼稚園教諭に対する家賃補助につきましては、他自治体での取組状況を踏まえ、新たに伴う財政負担なども考慮に入れながら、課題の整理に努めてまいります。
次に、保護者負担軽減補助金の対象範囲の拡大についてのご質問ですが、現在、保護者負担軽減補助金につきましては、保育料のみを補助対象とし、補助額は世帯の所得額などにより異なっております。これまでも第2子以降の満3歳児等の預かり保育料や認定こども園の保育枠の上乗せ保育料については新たに補助対象とし、支援の拡充を図っているところです。一方、保育料以外に施設維持費や教材費などの学納金が別に生じており、引き続き補助適用の必要性を含め、保護者負担の軽減策について検討してまいります。
次に、幼稚園の給食費無償化についてのご質問ですが、区内には32園の幼稚園があり、そのうち私立幼稚園は31園です。給食提供の有無や回数、給食費の額、保護者負担の在り方などは各幼稚園で異なっており、各園の責任と判断により実施されています。幼稚園の給食費無償化につきましては、子育て世代の経済的負担の軽減や保育園との格差是正の観点から、引き続き他区の動向を踏まえ、課題を整理してまいります。
次に、副食費の所得制限の撤廃についてのご質問ですが、現在、生活困窮世帯等に対し、国の制度において給食費のおかず代等に相当する副食費が助成され、令和5年度に続き、令和6年度も補助単価が増額されております。所得制限の撤廃につきましては区独自の取組となり、新たな財政負担を伴うことから、給食費無償化の課題整理と併せて慎重に検討してまいります。
次に、補助金の単価についてのご質問ですが、私立幼稚園に対する補助金につきましては、教育環境の充実を図るための補助や預かり保育の運営費に対する補助など、園児数を算定の基礎としているものがあります。これらの補助金の一部では、令和5年度に補助単価の増額を図ったものもあり、随時見直しの検討を行っているところです。今後も物価高騰や各幼稚園の運営状況などを踏まえ、各種補助制度の充実を図り、安定した幼稚園運営につながるよう継続的な支援を行ってまいります。
次に、部活動の地域移行における課題に関しまして、保護者の費用負担についてのご質問ですが、教育委員会が運営するいたばし地域クラブにおいては、どの種目でも現在月額2,000円を徴収しています。また、民間のクラブチーム等への活動に参加する場合は、それぞれのクラブが設定する会費を負担することとなります。
次に、交通費についてのご質問ですが、いたばし地域クラブの月額会費には、運営費等の一部を負担いただくもので、交通費は含まれていないため、別途、参加者が負担することとなります。また、民間のクラブチーム等の会費につきましても、原則、交通費は含まれていないものと思われます。各参加者が負担する交通費については、現時点で国や東京都の助成制度はなく、区においても公費による助成を行う予定はございません。
次に、運営費の補助についてのご質問ですが、いたばし地域クラブは区が運営するため、運営に係る経費を公費で支出した上で、参加者から区歳入として会費を徴収しています。地域クラブの運営等に係る経費につきましては恒久な制度になっているわけではありませんが、令和5年度に国から一部助成を受けており、令和6年度も申請を行ったところであります。
次に、保護者のメリットについてのご質問ですが、区が保護者に行った調査結果においては、心身の成長、思い出になること、体力の向上がいずれも過半数を超えて保護者が子どもに期待することとなっています。さらに校内に学級以外の居場所をつくることも43%を超えており、多様な人間関係や居心地のよい居場所が子どもに必要との保護者の思いがあると認識しています。
次に、区が最大化したいメリットについてのご質問ですが、区が部活動改革に23区の先頭を切って取り組むのは、学校部活動の持続可能性の低下が区内の子どもたちの成長に大きく影響することに危機感を持ったからであります。この改革で区として最大化したいメリットは、子どもたち自身が主人公となり、主体的に関われる新しい活動とすること、学校教育からの脱却により生涯にわたり続けられる活動となること、結果的に教員の長時間労働の是正にもなることの3点であります。
次に、新種目の開拓についてのご質問ですが、区は令和5年度、実践研究モデル事業として、いたばし地域クラブで3種目のクラブを新設し、令和6年度は文化系の学校部活動の受皿となるサイエンスクラブを追加しました。今後は、生徒のニーズが明らかである学校部活動の既存種目の地域クラブ化の推進と併せて、新しい種目に対する生徒の潜在ニーズを把握することが重要になると考えています。そこで、新しい種目のクラブ化につきましては、生徒の声を反映しつつ、同時に設立に主体的に関われるような仕組みの構築を図り、これに対応していきたいと思います。
次に、活動場所の学区ごとの確保についてのご質問ですが、活動場所までの移動の容易さや通学する学校で行われるかどうかは、生徒が新しい活動に参加するに当たり、大きな判断材料の一つになると認識しています。活動方法や参加者数の違いなどにより、一概には言えませんが、区立中学校全校にあるような人気の種目については、学校単位からの脱却を原則としつつも、各校が活動場所になることも十分に考えられます。
次に、活動場所の沿線ごとの設置についてのご質問ですが、いたばし地域クラブにおいて、新しいクラブをつくる際には、活動場所の設置について、主要な鉄道沿線ごとに確保できないかを、まず検討することとしています。本年度より始めたサイエンスクラブにも東上線沿線の生徒が通いやすい教育科学館と三田線沿線の生徒が通いやすい志村第四中学校の2か所を活動場所として確保したところであります。
次に、移動時間の発生による生徒への影響についてのご質問ですが、学校単位からの脱却に伴う活動場所の多様化は、移動時間の発生により、生徒の1日の時間配分の変更を余儀なくさせるものと考えます。このことは、勉強などやるべきことが多い中学生の放課後をより忙しくする可能性があります。一方、時間が限られることで、放課後や土日に自身がやりたいことを主体的に選択し、これまで以上に熱心に活動できるようになるといったプラスの影響が出ることも期待しているところです。
次に、生徒の安全確保についてのご質問ですが、いたばし地域クラブの終了時間の設定につきましては、移動時間を加味しつつも、区立中学校部活動のあり方に関する方針に準じ、遅いものでも18時30分としています。移動につきましては、各家庭で安全確保を図りながら、生徒自身により行ってもらっています。活動場所に応じて、適宜注意喚起を行いつつ、各自、安全な移動を引き続きお願いしていきます。
次に、不適切な指導等の未然防止についてのご質問ですが、不適切な指導等を未然に防止するためには、部活動地域移行推進ビジョン2030で掲げる子どもに対する思いの共有や指導者への研修の実施が重要であると考えます。そのため、区ではそれらを直接的に行うことができる体制として、重点戦略で掲げた行政によるいたばし地域クラブの運営を行っているところであります。
次に、不適切な指導等の早期発見についてのご質問ですが、区が運営するいたばし地域クラブにおいては、現場に職員が立ち会ったり、受託者との報告・連絡・相談体制が確立しており、日常的に区が運営状況を把握できています。一方、学校部活動では、今年度から多くの部活動指導員が現場に入るため、参加生徒が不適切な指導等をタブレット端末を使って、教育委員会に直接かつ随時、伝えられる仕組みを検討しているところです。
頂きました教育に関するご質問の答弁は以上でございます。
○議長(
田中やすのり議員) 次に、長瀬達也議員。
◆長瀬達也 議員 議長。
○議長(
田中やすのり議員) 長瀬達也議員。
〔長瀬達也議員登壇〕(拍手する人あり)
◆長瀬達也 議員 通告に従い、一般質問いたします。
初めに、区民意識意向調査についてです。
本区では、区民の住みやすさや定住意向、区への愛着、誇りのほか、区の施策に対する意識・意向などを広く把握し、板橋区基本計画2025のさらなる推進に向けた基礎資料とするため、区民意識意向調査を2年に1回実施しています。この調査により、区民が感じている意識、意向を区政に反映させることに役立っていると聞いております。他区における調査の状況を調べましたところ、区民意識意向調査、区民世論調査、葛飾区の政策施策マーケティング調査など、名称に違いはありますが、全ての区において同様の調査を実施しております。23区中、毎年実施している区は14区、2年置きは本区を含めて6区、3年置きか、それ以外は3区でした。本区では様々な形で調査やアンケートが行われているものの、区民に幅広く問うものは、区民意識意向調査しかなく、大変重要な調査と考えております。また、IT化で情報や生活環境の日進月歩が今まで以上に早い昨今、区民ニーズやそれに対応する区の役割の変化も早いのが実情です。変化に富んだ時代に合った調査の在り方について、私としては、2年に1回の調査で、そのときに合った区民ニーズを的確に把握できるのか疑問に思います。そこでお尋ねいたしますが、23区中14区、6割の区が毎年調査を行っていることからも、毎年1回の調査とするとともに、調査結果を区政に反映すべきではないかと考えます。見解を伺います。
本調査を行う趣旨は、調査内容から、現在区で行われている事務事業を見直し、今後の実施事業の計画を立てる上で役立てることがその趣旨です。この点、多くの設問から区民のニーズを捉えることができる内容となっています。ただ、中には設問から今後の改革、改善につながらないと思われるものも散見されます。例えば、問21の子どもたちのたくましく生きる力が育まれているか、問30のいたばし花火大会、板橋区民まつり、板橋農業まつりについて、問31の区内の身近な商店街についてです。いずれも区の重要施策であり、この設問により区民の意見を聞くことで、今後の運営方法や支援の在り方を考える機会となるものと考えます。ただ、いずれの設問の回答は満足かそうでないか、参加したことがあるかの有無を聞くだけでした。特に商店街についての調査結果では、全体の約40%が空き店舗が多い、人通りが少ない、その他のマイナスイメージを持っているという調査結果でした。この設問だけでは調査は十分ではないのではないでしょうか。そこでお尋ねいたしますが、せっかく調査をするのであれば、なぜそのように感じるのか、なぜ、何がどのように不満なのか、不満な場合には何が足りないのか、この点も回答をしてもらうことで、課題の解決へとつながるものと考えますが、見解を伺います。
次に、
行政サービスのデジタル化を進めていくに当たり重要だと思うものについてですが、令和3年度の調査では、公共施設におけるWi-Fi環境の充実が51%と、幅広い年代から重要施策と認識されていました。これに対して令和5年度の調査では、Wi-Fi環境の充実は27.3%と3番目、セキュリティ対策が50.3%、書かない窓口、行政のペーパーレス化が28.4%と2位で変化しています。今まで述べてきたように、今回の調査でも、公共施設におけるWi-Fi環境の充実が求められております。以前は少なかったWi-Fiの使える施設は、現在、区では本庁舎、赤塚支所のほか、地域センターなど主要な施設にはWi-Fiが設置され、区民の利便性に応えています。しかし、まだ十分とは言えないのではないでしょうか。中央図書館以外の図書館、小豆沢体育館以外の体育館、集会所などの施設では、Wi-Fiはいまだに使えません。特に図書館は、利用者の調べ学習やICT機器の利用でも不可欠です。今後、Wi-Fi環境を整備すべきと考えますが、現在の検討状況を伺います。
次に、災害に備えた家庭内での対策についてです。家庭内で行っている対策の回答では、感震ブレーカーが全体の3.5%と少なく、重要な対策にも関わらず設置状況が少なかったことが調査結果から分かりました。感震ブレーカーは我が会派の川口議員から以前要望させていただいておりましたが、今回の補正予算で防災カタログ配付事業の一つとして対応していただいたことは大変に評価をしております。ただ、これ以外にも簡易トイレの準備は令和3年度の21.6%から26.1%へ4.5%の上昇、消火器の常備と点検については、令和3年度の17.4%から21.8%と4.4%上昇したことは評価できますが、依然として区民の備えが低く、対策が十分でないことも明らかとなりました。区としては、家庭内の災害への備えをさらに支援していく必要があると考えます。今後、区が取っていく対策をどのように考えるか、見解を伺います。
次に、消火器についてです。消火器は点検が非常に重要です。消火器の使用期限は、型式にもよりますが、概ね10年程度と言われています。しかし、消火器は一度購入してしまうと、そのまま放置されるケースが多く、使用期限が過ぎてしまったり、屋外などに保管している場合には腐食してしまったりする場合もあります。古く傷んだ消火器の使用では死亡事故が起きるリスクがあります。設問の消火器・消火用水の常備と点検という項目だけでは、どのような点検が行われているのかが分からず、対策ができているのかを理解するのは難しいものと考えます。そのほか、備蓄品、家具転倒防止器具、感震ブレーカーがいざというときに機能するかどうか、こうした点、定期的な点検で確認していくことは、災害対策として非常に重要な視点と考えられます。私としては、災害対策に一歩進んだ視点として、定期点検を実施しているかという問いも行うことで、区民意識の理解を図ることと、そしておろそかになっていることが分かった際は、区としてその対策を打っていくことが必要であると考えますが、区の見解を求めます。
次に、脱炭素社会の実現と廃棄物処理について伺います。
近年、世界中の地球温暖化により、これまで経験したことのない異常気象や自然災害に伴い、既に甚大な被害が発生しております。地球温暖化の主な原因は大気中の二酸化炭素量の増加であり、このまま地球温暖化が進みますと、ますます異常気象や自然災害による被害が深刻化していくことが科学的に示されています。地球規模の課題である気候変動問題の解決に向けて、2015年にパリ協定が採択されました。ここでは世界共通の長期目標として、世界的な平均気温上昇を工業化以前に比べて2度より十分低く保つとともに、1.5度に抑える努力を追求すること、そして今世紀後半に温室効果ガスの人為的な発生源による排出量と吸収源による除去量との間の均衡を達成することなどを合意をいたしました。この実現に向けて、世界が取組を進めており、120以上の国と地域が2050年カーボンニュートラルという目標を掲げています。これに対応するため、2020年10月、政府は2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにするカーボンニュートラルを目指すことを宣言をいたしました。板橋区では、区民、事業者、区が一体となって、二酸化炭素の排出量を削減することを目的に、将来の世代も安心・安全に暮らすことのできる持続的な社会の実現を目指すとしています。本区では、2020年1月に、2050年までにCO2排出量実質ゼロを目指すゼロカーボンいたばし2050を表明し、ゼロカーボンシティを実現するための方針や取組を掲げています。また、板橋区の脱炭素社会の実現に向けた計画として、板橋区地球温暖化対策実行計画2025を策定し、この計画に基づいて実現に向けた取組を行っています。この中で、2025年度までに日本で過去一番CO2を排出していた時期である2013年度比で30%削減、2050年度までに実質ゼロを目指すため、区民、事業者、区のオール板橋による取組の方針を示しています。そこで質問させていただきますが、まず、本実行計画についての概要について説明願います。
次に、本実行計画の具体的進捗についてです。来年度中には2013年度との対比で30%の削減を目指すとしています。残すところ2年弱となりましたが、成果が出せているのか不安に感じます。そこでお尋ねいたしますが、2013年度の排出量、そして、現在まで、どの程度の削減ができているのか伺います。また、区として、現在までの取組、そして今後どのような取組を行っていくのか、見解を伺います。
次に、区の取組の中で、区における排出量の7割は建物に由来すると伺っています。この点、建物のCO2削減を進めていく必要があると考えます。ただ、建物のZEB化については、上板橋第一中学校改築工事と、志村小学校・志村第四中学校、小中一貫型学校改築工事を実施する以降は、今後の見通しがまだ立っていないと伺っております。私といたしましては、区が今後つくる建物は全てZEB化、ZEB Ready、Nearly ZEBを含め、消費エネルギーをゼロまたは減少させる仕様にすべきと考えております。見解を伺います。排出元の約6割は民生で、約2割が産業です。区民と区内事業者の協力なしにはゼロカーボンシティは実現できません。継続的な取組をお願いし、実施していく必要があります。令和7年までの計画目標達成まで取組と見通しについて伺います。
次に、廃棄物処理について伺います。初めに、プラスチックの回収について伺います。令和4年4月に施行されたプラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律により、市区町村に課された努力義務に基づき本年4月よりプラスチックの回収が始まりました。従前は可燃ごみとしてサーマルリサイクルしていたものを資源として回収し、リサイクル、再資源化することでプラスチックの資源の循環を促し、CO2削減に寄与することが目的であります。開始前は混乱も予想されておりましたが、約2か月たった現在は、区民の方の協力も得られ、順調に進められていると聞いております。当初の試算では、ごみ全体の総量の5%程度が削減されると聞いていましたが、各家庭からは、可燃ごみが半減したなどの声が上がっています。実際の効果は想定以上だったのではないかと考えられます。そこでお尋ねいたしますが、当初予想していたリサイクル量と比べ、プラスチックの回収量はどうだったのか、また、これにより想定していたCO2の削減目標にはどのような影響を与えるのか、そして再資源化にかかるトータルのコストは年間10億円と予算化いたしましたけれども、どの程度影響を与えるのか伺います。
次に、プラスチック回収における課題の1つとして、汚れたものは洗って分別するというルールが守られているかどうかです。この点、分別を担当する現場では手作業で分別していると聞いております。実際に分別が始まって、洗うというルールが守られているのか、また現場からの課題は出されているのか、課題があるとすれば、それを克服し、プラスチック回収を持続可能なものとすべきと考えます。そのための対策も必要と考えますが、見解を伺います。
次に、事業者が排出する一般廃棄物についてです。事業者が廃棄する一般廃棄物については、23区の統一したルールの下、23区同一の廃棄物処理手数料が定められています。現在の金額は1グラム当たり46円となっています。近年の燃油高、原材料高、人件費高騰等の物価高により、昨年40円から6円上げて46円に改定されたものです。しかし、近年の物価高の上昇率は、ガソリン、軽油価格だけを見ても1.5倍、その他の物価高の影響を考えても1.3倍程度の原価上昇の状況です。物価上昇による負担増に見合った価格改定と言えるのか疑問です。もちろん一般廃棄物の処分手数料が上がれば、排出事業者の負担が増えることとなり、悩ましいところではあります。ただ、処理事業者の採算が合わず、撤退され、処理の担い手がいなくなってしまうことを考えれば、区民の皆さんが困ることになります。そこでお尋ねいたしますが、処理手数料について、区は23区として廃棄物処分の業界団体から声を聞いていると伺っていますが、どのような意見が出されているのか、まずは伺います。また、現行の処分費用では赤字であり、妥当ではないとの声も聞かれています。昨今の物価高に対応し、タイムリーな処分費用の算定をしていただきたいと考えておりますが、区の認識を伺います。当該処分費用については、23区の課長会における専門部会で審議された後、最終的に区長会が了承するものと聞いております。本区としては、持続可能な廃棄物処理を進められるよう23区とも連携を深めていただきたいが、見解を伺います。
次に、学校の適正規模・適正配置について伺います。
本年4月、3度目となる区立学校の適正規模及び適正配置に関する答申が策定されました。これは、子どもたちを取り巻く教育環境や社会状況が大きく変化していることを踏まえ、学校の規模や配置を中心に板橋区の教育の今と未来を展望し、教育委員会がとるべき基本的な考え方や方策をまとめたものです。この中で教育上望ましい規模として、前回答申は、小学校が1学級当たり20から30人、中学校が1学級当たり30から35人と明記していました。これを今回の答申では、1学級当たりの人数は明記しないとしています。この理由は、予算上の制約と制度面での課題により区独自の少人数学級編制は困難であることや教員以外の様々な人材の配置や授業展開の工夫等により個別最適な学びと協働的な学びの保障に向けて取り組んでいる、そうした現状があることを挙げております。教育におけるICT化も進み、様々な学び方がある中で、このような変革は当然に進められるべきものと思います。しかし、一部の方から、1学級の児童生徒数を明記しないことが少人数学級を妨げる要因になるのではないかと懸念があるようです。区としては、さらに丁寧に説明をすべきと考えます。そこでお尋ねいたしますが、第1回答申から現在まで、1学級当たりの人数はどのような変遷をたどってきたのか、そしてそのようになった教育環境の変化について伺います。
次に、1学級当たりの人数について明記しないとした今回の答申において、最終的に人数を明記しないということで意見がまとまった過程とその理由についてご説明ください。何よりも子どもたちの学びにとって最適な適正規模・適正配置とすることが求められますし、区の考え方も同じと思います。誤解を与えない丁寧な説明をお願いいたします。
次に、保育園・幼稚園の危険防止について伺います。
初めに、幼稚園バスの置き去り防止について伺います。おととし9月、静岡県牧之原市の認定こども園で、当時3歳の女の子が通園バスの車内に置き去りにされ、重度の熱中症で亡くなりました。事件発覚当初の女の子の状況は、筆舌に尽くし難い状況であり、痛恨の極みであります。このような悲惨な事件をもう二度と繰り返さえないためにも、区として対策を取っていく必要があります。そこで、本区では令和5年度から送迎バス等の安全対策のために実施する事業に対して、その経費の一部を補助することにより、私立幼稚園における子どもの安全安心の確保を図るべく取り組んでいます。そこでお尋ねいたしますが、安全対策支援事業の概要についてお示しください。
次に、幼稚園送迎バスについて、置き去り防止装置の設置状況と各園のマニュアルの作成状況、置き去り防止の研修と取組状況について伺います。置き去りの直接的な原因は、バス降車時の車内確認不足と言われています。しかし、間接的には安全に対する意識不足や職員間での情報共有不足、保護者への確認不足等も原因と考えられます。置き去り防止装置が働くのは最後の手段であり、職員が絶えず子どもを確認し、継続して危機感を持って子どもを見守る姿勢が重要です。全てを園に任せるのではなく、区としても定期的な監督が必須であると考えます。区の各園に対する管理はどのように行われているのか伺います。
次に、就寝時の事故防止について伺います。昨年12月、世田谷区の認可外保育施設で生後4か月の男の子が死亡しました。園長は、乳児に死亡事故のリスクのあるうつ伏せ寝をさせていたということです。これを受けてこども家庭庁は自治体に対し、所管する保育施設などで睡眠中の安全対策を徹底するように通知いたしました。通知では、男の子が利用していた施設では、窒息や乳幼児突然死症候群などへの配慮が不十分であったほか、睡眠中の子どもの顔色や呼吸の状態をきめ細かく観察していなかったことが調査で明らかになったと指摘をしています。その上で、保育施設などで体の機能が未熟な乳幼児の睡眠中のリスクを認識しつつ、安全確保の徹底を求めています。内閣府の過去の調査によると、保育園における死亡事故は就寝時が全体の7割であったとのことです。乳児の睡眠時に子どもの観察と安全確保を徹底することが求められます。ただ、保育の現場では、昼寝の時間寝つけない子どもをだっこしたり、体をなでたり、また子どもが起きているときにはなかなかできない事務作業をしたりと、保育士は多忙な業務を毎日こなしています。保育士の負担増は、子どものリスクを増やすことにつながります。保育士の負担軽減を図りつつ、子どもの安全確保を両立させることが求められます。本区においても、平成28年9月に、1歳2か月の男の子が認可保育所で就寝中に亡くなる重大事故が発生しています。今回の世田谷の死亡事故は、対岸の火事ではなく、いつでも、この板橋でも起こり得る危険として危機感を持って対応しなければなりません。平成28年の重大事故を受けて、認可保育施設における午睡中の死亡事例に関する検証報告書を令和元年にまとめています。それ以降本区においても、乳児の睡眠中の安全確保については徹底されているものと思いますが、取組状況について伺います。次に、さきに述べた補助金は、送迎バスだけでなく睡眠中の事故防止に必要な機器の購入にも使えると聞いております。補助の概要についてお示しください。
最後に、就寝中の安全を確保する機器として、うつ伏せ寝監視AIカメラや体動センサーなどがあります。これらを活用することでリスクの低減を図るべきと考えますが、区の考え方と本区における今回の補助金を活用した設置状況について伺います。
次に、障がい者福祉について伺います。
初めに、強度行動障がいのある方に対応したグループホーム及び日中サービス支援型グループホームについて伺います。強度行動障がいのある方に対応したグループホーム及び日中サービス支援型グループホームは、障がい者の重度化、高齢化に対応できるグループホームです。重度高齢の障がい者の地域移行の受皿として、障がいをお持ちの方のご家族にとっても非常に重要な施設であります。日中サービス支援型グループホームについては、軽度の障がい者に対応するグループホームよりも手厚い世話人の配置となっているほか、短期入所も併設し、緊急一時的な宿泊の場の提供もできる態勢となっています。このように重要な施設ですが、本区においてはいまだ整備されておらず、利用者は他自治体の施設を利用せざるを得ないのが現状です。そこでお尋ねいたしますが、本区における強度行動障がいのある方に対応したグループホーム及び日中サービス支援型グループホームを早急に整備していただきたいと考えますが、区の考え方と今後の整備の方針をお聞かせください。
また、障がい者の重度化、高齢化や親亡き後を見据えた居住支援のための機能を持つ場所や体制である地域生活支援拠点等は、厚労省が各自治体に積極的な整備を求めているものです。この地域生活支援拠点等については、相談、緊急時の受入対応、体験の機会・場の提供、専門的人材の確保・育成、地域の体制づくりといった5つの機能があります。これら各拠点を整備し、障がい福祉サービスや在宅医療と必要により連携することによって障がい者を支える仕組みとするものであります。そこでお尋ねいたしますが、障がいのある人にとっては、身近に相談できるところがありません。夜間、休日、祝日に開設しているところはないのが実情です。障がい者とその家族の不安に寄り添い、何かあったときに相談できる体制の構築が急務です。相談、緊急時の受入れについて、現在対応できるところが少なく、利用者が限られています。希望する方に対して24時間対応にしてほしいと考えます。もちろん課題も多いとは思いますが、前向きな検討をお願いしたいと思います。見解を伺います。
次に、日中一時支援事業所の設置についてです。障がいのある生徒が特別支援学校の高等部を卒業すると、放課後等デイサービスが利用できなくなります。これは18歳の壁と言われており、問題となっております。卒業生は4時頃に帰宅をせざるを得なくなり、出迎える家族が就労を諦めたり、正社員からパートに切り替えたりするというケースもあると聞いております。また、障がいのある生徒は、特別支援学校卒業後、進学や就職が難しい場合、日中の居場所を提供する生活介護事業所や就労継続支援B型事業所に通っています。両事業所は、午前9時から通所できますが、利用できるのは午後3時頃までです。さきにも述べたとおり、放課後等デイサービスが使えなくなるため、午後3時以降の居場所がなくなってしまうのです。本区においては、障がい者を午後3時以降も預かれる仕組みとして、日中一時支援事業所の登録が定められています。しかし、令和元年に事業者が撤退して以降、区内には日中一時支援事業所がなく、利用者はやむを得ず他区の施設を利用しているのが実情です。日中一時支援事業を区が積極的に進めることによって、障がい者の支援の谷間をなくし、家族の負担軽減につなげていくべきと考えます。そこでお尋ねいたしますが、本区における日中一時支援事業の必要性について、区はどのように認識しているか伺います。また、本区で既に障がい者支援事業を行っている事業者に対して、日中一時支援事業を行っていただけるよう区から働きかけをすべきではないかと考えます。現状の取組状況と今後の対応について伺います。
これで私の一般質問を終わります。ご清聴、誠にありがとうございました。(拍手する人あり)
◎区長(坂本健) 議長、区長。
○議長(
田中やすのり議員) 区長。
〔区長(坂本 健)登壇〕
◎区長(坂本健) それでは、長瀬達也議員の一般質問にお答えいたします。
最初は、区民意識意向調査に関連いたしまして、調査頻度についてのご質問であります。区民意識意向調査については、2年に一度基本計画の進捗状況のほかに、区政全般にわたりまして今後の課題や現況を把握するために実施しております。その結果につきましては、様々な角度から分析がされておりまして、各個別計画の策定や評価、また新規事業の企画立案、行政評価の指標など、区政全体に関わる調査として活用しております。区民意識意向調査の毎年実施は考えてはおりませんけれども、個別分野のニーズ把握など目的や対象に適した調査方法を必要に応じて選択して実施していきたいと考えております。
次は、調査内容についてのご質問であります。調査項目については、過去の設問のほか、全庁的に希望を照会し、全区的なもの、活用が図られているかなどの視点で精査して、調査票を設計、また決定しております。項目総数や設定内容、選択肢などは回答率に大きく影響するために、全体的なバランスを見極めながら、より的確な調査となるように精度の向上に努めているところでございます。
次は、家庭内での災害対策への支援についてのご質問であります。能登半島地震や過去の震災等の教訓から、区民の生命・財産を守るために区が各世帯に設置や備蓄していただきたいものに特化した防災用品等配付事業を計画しております。防災用品のカタログには、感震ブレーカーや家具転倒防止器具、携帯トイレなどの防災用品を掲載して、各世帯の実情に合った防災用品を選択できるようにするとともに、防災意識の啓発も行う予定であります。消火器につきましては、昨年度から東京都の助成制度を活用した事業を実施しているために、カタログへの掲載については今後検討してまいりたいと考えております。
次は、防災用品の定期点検についてのご質問であります。区民意識意向調査の結果を今後の効果的な防災対策に反映していくことは、重要な視点であると認識しております。感震ブレーカーや家具転倒防止器具、備蓄品などの点検につきまして、区民意識意向調査に追加することについては、次回の調査に向けまして検討してまいりたいと考えています。なお、防災用品等配付事業の実施に合わせて、区民の防災対策に関するアンケート調査も行う予定であります。
次は、板橋区地球温暖化対策実行計画2025についてのご質問であります。板橋区地球温暖化対策実行計画2025は、板橋区の区域において、区民生活や事業活動から排出されるCO2等の削減を図る取組を示した区域施策編と板橋区役所が行う事務事業を対象とした事務事業編から構成されております。
次は、温室効果ガスの削減状況についてのご質問であります。板橋区の平成25年度の温室効果ガス排出量については、231.8万トンCO2でありまして、令和3年度の排出量は195.5万トンCO2と36.3万トンCO2、約16%の削減となっております。現況を鑑みますと、令和7年度と平成25年を比べまして30%の削減目標の達成は十分可能であると考えております。
次は、ゼロカーボンに向けた取組についてのご質問であります。板橋区では、東京都のクール・ネット東京が実施する充実した補助制度の活用を図るとともに、区民や事業者の省エネ行動の定着や意識醸成に向けた事業を中心に取り組んでまいりました。今後も国や東京都と連携を図りながら、区民や事業者のゼロカーボンに向けた取組を進めていきながら、ニーズに応えられるようにきめ細かい支援を行っていきたいと考えております。
続いて、区施設の省エネ化についてのご質問であります。区施設の省エネルギー化については、板橋区温暖化対策実行計画事務事業編の柱となる取組として、ZEB化を含めて計画的に区施設のゼロエミッション化を推進していく考えであります。国は、2030年に新築住宅、建築物の省エネ性能をZEB基準に引き上げる予定であることから、板橋区では、これに先行、先取りして本年4月に一定規模以上の庁舎、学校等の新築については、ZEB化をする方針を定めておりまして、この方針に基づきまして区施設のゼロエミッション化を進めていく考えであります。
次は、計画達成に向けた取組と見通しについてのご質問であります。区では、民生部門において本年度いたばしアクションポイント事業を拡充して、多くの区民に対して省エネの行動変容や意識醸成を促し、その裾野を広げていきたいと考えています。産業部門においては、令和5年10月にゼロカーボンシティ特別区を宣言し、東京23区特別区長会において、中小企業の脱炭素化支援を目的に、金融機関との連携協定を締結したところでありまして、今後はこうした支援も加えまして産業部門のゼロカーボンに向けた取組を高めていきたいと考えています。今後はゼロカーボン実現に向けて令和7年度の温室効果ガスの削減目標の達成を目指して、各種施策を展開していきたいと考えております。
次は、プラスチックの回収についてのご質問であります。令和6年4月1日に開始したプラスチック資源化については、区民をはじめ資源化に関わる事業者など、多くの皆様のご協力によって順調に実施ができているとものと把握しています。4月の回収実績は、速報値において約297トンとなっております。年間を通じた回収量やCO2排出削減効果、経費について、まだ評価や判断できる状況ではございませんで、区では引き続き回収量に注視しながら円滑な事業実施をしていきたいと考えております。
続いて、汚れたプラスチックの洗浄についてのご質問であります。収集運搬されましたプラスチックが搬入される中間処理施設の事業者からは、洗浄されていないプラスチックが一定数混入しているという報告を受けております。その量は、当初想定した範囲内ではありますけれども、より効率的な資源化のためには、さらなる啓発が必要と考えています。現在事業者とも意見交換をしながら代表的な品目及びその汚れを例示する等、効果的な啓発方法を検討し、準備ができ次第区公式サイト等で発信していきたいと考えております。
続いて、事業系一般廃棄物処理手数料への業界団体からの声についてのご質問であります。廃棄物処理手数料の額の改定については、23区及び清掃一部事務組合で検討して、特別区長会において承認がされております。事業系一般廃棄物処理手数料に関しましては、処理事業者で構成される団体から特別区に対して要望書が提出され、対応してきたところでございます。要望書には、人件費の上昇や燃料費の高騰により必要な人員や物資の確保が困難となっている現状、また手数料の算定に関する問題点等の指摘等がされておりました。
次は、事業系一般廃棄物処理手数料の適切な時期の改定についてのご質問であります。廃棄物処理手数料の改定につきましては、4年に一度とする一方、社会情勢等に大きな変化があった場合等においては、この限りではないとすることが特別区長会において了承されております。特別区では、廃棄物処理手数料改定検討会を開催して、毎年検討に必要な原価等を算定しているところでございます。
続いて、持続可能な廃棄物処理を行うための23区での連携についてのご質問であります。区は、一般廃棄物の処理全体についての統括的な責任も要しておりまして、廃棄物の発生抑制や適正処理に向け、これまでも23区で連携をしてきたところでございます。事業系を含め持続可能な廃棄物処理の実施のため、区では引き続き23区で連携をして、諸課題に対応していきたいと考えております。
次は、保育園・幼稚園の危険防止に関連いたしまして、睡眠中の安全確保についてのご質問であります。あおむけ寝の徹底やゼロ歳児は5分、1、2歳児については10分ごとに睡眠チェックリストで健康状態の確認を行うなど、事故防止に取り組んでいるところでございます。また、事故防止対応マニュアルを全園に配付いたしまして、注意喚起を行うとともに、私立保育園には巡回支援指導員が訪問し、睡眠中の安全確保が徹底されているか毎年確認を行っているところであります。
続いて、子どもの安全確保のための補助金の概要についてのご質問であります。送迎バス等安全対策支援事業補助金は、送迎バスや保育施設内外での置き去り、見失い、飛び出し防止などの安全対策に加えて、睡眠中の事故防止に必要な機器の購入を対象としたものであります。なお、事故防止のための機器は、あくまで日々の業務をサポートするものでありまして、導入した場合におきましても、安全な保育環境の確保に努めることを補助要件の1つとしております。
続いて、睡眠検知機器の設置状況と区の考え方についてのご質問であります。区立保育園においては、睡眠検知機器の購入実績はございませんが、補助金を活用して園外へのすり抜け防止を目的とした事故防止カメラを36園に設置いたしました。また、私立保育園においては、ICTを活用した見守り器や睡眠検知器を延べ75の施設におきまして購入いたしました。保育士の負担軽減と園児の安全確保を両立させるため、職員の目視による確認を行いつつ、ご提案の機器の活用について研究を進めてまいりたいと考えています。
次は、障がい者福祉に関連いたしまして、グループホームの整備に関する区の考え方と整備方針についてのご質問であります。強度行動障がいのある方に対応したグループホームや日中サービス支援型グループホームは、障がいのある方が地域で生活するために必要な施設と認識しております。一方、これらの施設の設置については、専用の支援スペースや高い専門知識、スキルを持った人材の確保など、多くの課題があると考えます。今後の施設整備に向けましては、他の自治体、または事業者の状況などを把握して、課題を整理しながら検討していきたいと考えております。
続いて、24時間相談や緊急受入れができる体制の整備についてのご質問であります。区では、昨年度から緊急時の備えの1つとして、個人に合わせた安心支援プランの作成を始めたところでありまして、連絡体制の確保などに取り組んでいるところでございます。また、板橋キャンパス栄町用地における障がい福祉サービス事業所の整備においては、緊急時の受入れも可能な短期入所を整備する予定であります。今後も安心支援プランの拡充のほか相談支援事業者や緊急時の受入枠を増やすなど、障がいのある方が安心して暮らせる体制を整えてまいりたいと考えております。
次は、日中一時支援事業所の設置についてのご質問であります。日中一時支援事業は、障がい者の家族の就労支援や一時的な休息を目的に見守りや余暇活動などの支援を行い、比較的遅い時間まで過ごせる事業であります。生活介護や就労継続支援などの活動終了後に家族が仕事から帰るまでの時間を過ごせる場所が少ないことは確認して認識しております。これまでも新規開設の相談時などに本事業に係る周知を行ってまいりましたが、引き続き機会を捉えて、事業所設置に向けた働きかけを行っていきたいと考えております。
残りました教育委員会に関する答弁は、教育長から行います。
◎教育長(中川修一) 議長、教育長。
○議長(
田中やすのり議員) 教育長。
〔教育長(中川修一)登壇〕
◎教育長(中川修一) それでは、長瀬達也議員の教育委員会に関する一般質問にお答えします。
初めに、図書館におけるWi-Fi環境の整備についてのご質問ですが、現在地域図書館では、インターネット閲覧用パソコンを設置し、新聞記事や法令などの商用データベースの利用が可能となっています。Wi-Fi環境につきましては、利用者からの意見があることは認識しており、調べ学習や電子図書サービスに活用できるなどのメリットが考えられます。図書館のWi-Fi環境の整備につきましては、長時間にわたる閲覧席の専有などの課題を整理した上で検討する必要があると考えています。
次に、学校の適正規模・適正配置と運営に関しまして、答申の変遷と教育環境の変化についてのご質問ですが、1学級当たりの人数は、平成24年の答申で初めて言及され、少人数で行うことで効果のある授業や活動を念頭に、国の学級編制基準とは別に区独自で設定しました。前回答申から10年が経過し、習熟度別少人数指導や1人1台端末の導入、個別最適な学びや協働的な学びの展開など、教育環境や指導方法は大きく変化してきました。今回1学級当たりの人数を明記しないこととなったが、少人数指導やグループ学習のように教育内容に応じた望ましい規模での教育活動を引き続き行ってまいります。
次に、1学級当たりの人数についてのご質問ですが、1学級当たりの人数についての議論では、当初区独自の少人数学級の実現を目指すことや子どもの多様な学びを支える体制構築の必要性など、様々な意見が出されました。その後の議論の中で教育活動によって望ましい規模は異なり、子どもたちの学びは、教員や学校を支援する多様な人材配置などにより整えられるものであるとされました。区独自の少人数学級編制は困難であること、個別最適な学びや協働的な学びの保障に向け取り組まれている現状を踏まえ、1学級当たりの人数は明記しないこととなりました。
次に、幼稚園バスの置き去り防止に関しまして、送迎バス等安全対策支援事業についてのご質問ですが、本事業は、幼稚園における送迎バス用の安全装置及び導入に伴う職員研修、マニュアル作成等に要する経費を補助するものであります。送迎バス用の安全装置等につきましては、東京都からの全額補助により上限が1台当たり100万円となっています。
次に、安全装置の設置状況等についてのご質問ですが、区内には31園の私立幼稚園があり、そのうち送迎バス等を保有する園は16園であります。令和5年度末までにバスを保有している全ての園において補助金の実績報告により安全装置の設置について報告を受けています。また、各園でバスの運行に関する安全対策について、マニュアル等も整備されており、教職員に対する安全意識の啓発に向けた取組が行われていることを確認しております。
次に、安全対策に対する区の監督についてのご質問ですが、送迎バスにおける置き去り防止につきましては、安全装置の設置後においても、各園が継続的に安全意識の向上に向けた取組を行っていくことが必要であります。教育委員会としましても、安全対策に関する取組状況については、幼稚園への巡回時など機会を捉えて指導を行っているところです。引き続き置き去り事故を含め、園内での事故防止に向けて、私立幼稚園長会の場において安全対策の徹底を求めるなど、意識啓発に努めてまいります。
頂きました教育に関するご質問の答弁は以上でございます。
○議長(
田中やすのり議員) 次に、
内田けんいちろう議員。
◆内田けんいちろう 議員 議長。
○議長(
田中やすのり議員)
内田けんいちろう議員。
〔
内田けんいちろう議員登壇〕(拍手する人あり)
◆内田けんいちろう 議員 自由民主党の内田けんいちろうです。通告に従いまして一般質問をさせていただきます。
初めに、円安・物価高での経済対策です。
現在の日本の置かれている状況では、円安や物価高が続く中、特に中小企業や一般家庭の負担が増しています。このような経済的課題に対して、地域経済の活性化や住民の生活支援が極めて重要なテーマとなっています。これまで板橋区では、コロナウイルスや原油高、物価高の影響による経済対策を行ってきました。その主なものは、いたばしPayによる消費喚起事業、産業融資による補助事業でありました。私は、所得の分配だけではなく、将来を見据えた投資やチャレンジが今の日本には必要だと考えています。日本が経済的に強くなるためには、生み出す力、稼ぐ力を強化することが重要です。この観点から板橋区の具体的な取組についてお尋ねしたいと考えています。
まず、現在の円安・物価高の状況に対応するために、板橋区が実施している具体的な経済対策や支援策についてお伺いします。現在の円安・物価高の状況に対応するため、板橋区ではどのような経済対策や支援策を実施しているのでしょうか。特に中小企業や個人事業主への支援について具体的な施策やプログラムがあれば教えてください。
次に、将来的な成長を見据えた投資や新規事業支援について伺います。私は、所得の分配よりも投資やチャレンジが重要であると考えています。この視点から、板橋区では将来的な成長を見据えた投資や新規事業支援にどのように取り組んでいるのでしょうか。また、若者や新規参入企業がチャレンジしやすい環境を整えるための政策や支援策についてもお示しください。
次に、国や東京都の補助金の活用について伺います。国や東京都の出す補助金については、その種類が多いことから、申請の難しさや情報取得のしづらさが課題となっています。これらは相談窓口を常設化することでチャレンジする企業が増えると考えています。板橋区としてハード面・ソフト面問わず、支援する体制を実現できないでしょうか。また、経済産業省では、地域の企業群が一体となって地域の自治体・金融機関・教育機関等の関係機関と連携し、将来の経営戦略実現を担う人材の確保やキャリアステップの構築等を行う総合的な取組、地域の人事部を推進しています。ハード面・ソフト面での支援体制の構築を行い、地域連携の潤滑油となる立場に板橋区がなること、これこそが地域の力を強くする事業であり、板橋区としてとるべき戦略と考えますが、この取組についてどのように考えているでしょうか。
さらにBCP、事業継続計画についてもお聞きします。BCPは、災害や経済危機などのリスクに対処するための計画であり、企業は、デジタル技術を活用しつつデータ分析を行い、リスク管理と対応策を強化することが重要と考えます。具体的にはサプライチェーンの途絶に備えた生産拠点の整備や重要製品の供給力強化が挙げられます。いずれも区内で完結するものではなく、区や都道府県をまたいで事業者が連携することで、より安全性が増すと考えますが、板橋区のご見解をお聞かせください。
最後に、日本経済の現状についてです。過去30年間景気が低迷し、物価が上がらず、給料も増えない時代が続きました。この結果、日本は安く快適に暮らせる格安の国としての一面を持っていましたが、世界経済が成長し、総体的に日本円の価値が下がっている現実に直面しています。パンデミック後、世界中で人手不足が顕著となり、高い給料を払える企業に有能な人材が集まるようになりました。日本でも人口縮小と高齢化が進んでおり、リアルな構造変化がなければ日本が他国の生産性を上回ることは難しいでしょう。私は、日本は今こそ稼ぐ力を根本的なところから立て直す必要があると考えています。そのためにも地方自治体である板橋区から底上げをしていく必要があります。区長はどのようにお考えでしょうか。地域経済の活性化を図り、住民や企業が円安や物価高の影響を乗り越え、昨今の厳しい経済情勢において板橋区から日本を変える力となるような区政運営をしていただきたいと思います。
続いて、板橋区の小中学校のトイレ環境について、現状と今後の施策について質問させていただきます。
先日とある小学生のお子さんを持つお父さんから、学校トイレの汚れがひどく、子どもが使いたがらないとのご相談を受けました。板橋区では、現在8割程度のトイレの洋式化・ドライ化が進んでいると聞いております。しかし、保護者からは依然としてトイレの汚れに関する指摘があり、子どもたちがトイレを敬遠する状況が続いています。このような現状では、せっかくの整備も十分に活用されているとは言えません。大阪府枚方市では、令和5年度までに全小中学校のトイレの洋式化・ドライ化・ユニバーサル化を完了し、その後アンケート調査を実施しました。これにより使用者の声を反映した具体的な改善策を検討しています。このような取組は、板橋区でも参考にできると考えます。具体的なデータに基づく改善策を講じるためにも、使用者の声を反映することが重要だと考えておりますが、板橋区では、整備後のトイレの使用実態を把握するためのアンケート調査や実地調査を行っているのでしょうか。また、改修工事が行われたトイレであっても、15年を過ぎると劣化が目立ち始めます。特に学校のトイレは多くの人が利用するため、一般のトイレ以上に劣化が早いと考えられます。清掃頻度の増加や設備の更新など、どのような維持管理策が検討されているのでしょうか。
滋賀県近江八幡市内の学校施設は、築後30年以上を経過しており、トイレは5K、汚い、臭い、暗い、怖い、壊れているとの印象により、トイレに行きたくないと我慢したり、生活様式の変化により和式便器が使えない生徒もいたそうです。そこで市内全4か所の中学校において、生徒会を中心とした2か年のワークショップで学校に必要なトイレをつくろうを目標に掲げ、学校ごとに様々な取組を実行したそうです。これまでの行政主導の改修ではなく、学校や生徒の意見を聞いて、共に考え、作り上げることで愛着が湧き、大事に使うことに期待しながら進められた本事業は、2014年度に市内中学校のトイレ改修工事が完了しました。学校内では、トイレにおける、からかいや多様化する人権課題にも対処する必要があります。また、避難施設としてのトイレといった面も持ち合わせていることから、学校トイレはより多くの児童・生徒等がよりストレスなく使用できることが必要であると考えています。トイレ環境の改善が学校生活に与える影響について、区としてどのように考えているのでしょうか。また、小中学校におけるトイレ環境の重要性について、児童・生徒や学校関係者の意識を高めるための取組をどのように行っていますか。板橋区の小中学校のトイレ環境の改善は、子どもたちの健康と快適な学習環境を確保するために非常に重要です。区として早急に具体的な対策を講じ、全ての児童・生徒が安心して利用できるトイレ環境を実現していただきたいと考えております。ご検討のほどよろしくお願いいたします。
次に、教育現場の現状と課題に焦点を当て、その改善策を提案いたします。まず、板橋区の学校現場が直面している主な課題についてです。教員不足や業務過多により、教師が本来行いたいと考える教育活動に十分な時間を割くことができない状況が続いています。また、教員の負担軽減、学校現場の自由度向上、そして地域社会との連携強化を通じて教育の質を保持し、向上させることが求められています。板橋区では、平成30年代からスクールロイヤー制度が導入されています。各地区にスクールロイヤー担当が配置されていますが、現状では管理職からのメールや電話での相談が基本となっており、気軽に相談できる環境にはなっていないと考えています。これでは教職員が抱える問題を迅速かつ効果的に解決することが難しいです。現状のスクールロイヤーへの相談方法とその実績、そして教職員が相談しやすい環境になっているかについての効果測定を行い、その結果をお示しいただきたいと考えますが、教育長のお考えをお示しください。
次に、保護者対応に関する問題です。教育現場では、保護者対応に悩む教職員が少なくありません。理不尽な要求により業務に支障を来し、教職員が休職や退職に追い込まれるケースもあります。奈良県天理市で教職員や保育士ら約380人を対象としたアンケートを行ったところ、保護者対応で授業に支障が出たことがあるかとの設問に対し、63.3%があると回答し、日常業務で保護者対応を負担に感じているかとの設問には、77.5%が感じていると答えました。天理市は、こうした状況を踏まえ、本年4月より全国的にも珍しい保護者対応専門部署、子育て応援・相談センターほっとステーションを設置し、臨床心理士や元校長経験者らが対応に当たり、これからは現場の先生方ではなく、私たちに直接相談してくださいと呼びかけています。保護者と学校の絆が弱まるのではないかとの懸念もありますが、第三者を交えることで冷静に向き合えることもあるとも考えられます。また、並河市長は、教職員は子どもを育てるプロではあるが、保護者対応のプロではない、教職員の働き方改革は全国的な問題となっており、解決に向けた一石としたいと述べているほか、5月前半までの1か月半で、ほっとステーションには130件を超えるご相談が寄せられたそうです。板橋区においても、教職員の精神的・業務的負担を軽減するために、類似の取組を検討すべきではないでしょうか。スクールロイヤー制度をさらにブラッシュアップさせ、保護者対応専門の相談窓口や支援センターの設置を提案いたします。これにより教職員が安心して教育活動に専念できる環境を整え、教育の質を高めることができると考えますが、教育長のお考えをお示しください。板橋区がよりよい教育環境を提供し、子どもたちの未来を支えるためには、教職員の負担軽減と支援体制の強化が不可欠です。今後の具体的な取組についてご検討をお願い申し上げます。
続いて、板橋区在住の冒険家、阿部雅龍さんについてお話しさせていただきます。阿部さんは、世界中で様々な冒険活動にチャレンジし、2019年には日本人として初めて南極のメルスナールートを単独徒歩で踏破しました。今年3月、41歳という若さで脳腫瘍により亡くなられましたが、その功績は私たちの記憶に深く刻まれています。阿部さんは、2021年から大和雪原から南極点までの白瀬ルートを単独で歩くという人類未踏の挑戦を行い、その年に植村直己冒険賞を受賞しました。彼が板橋区に住んでいたのは、冒険家の植村直己氏がかつて住んでいたという縁からです。その縁から板橋区内には多くの阿部さんを応援する人たちがいます。その方々の活動の1つが、区内の金属加工会社の社長さんの呼びかけで様々な町工場が連携し、冒険に必要なギアを共同開発していました。前人未到の挑戦に使用する道具は命に関わるもの、その開発に失敗は許されません。幸運にも私はそれをそばで拝見しておりましたが、互いの信頼関係と高い技術力を持って開発をされていたその姿もまた世界に誇るべき冒険であったと考えます。お尋ねします。阿部雅龍さんの功績などを称えるために、板橋区がこれまで行ってきた取組はどのようなものがあり、どのような反響があったのでしょうか。また、阿部雅龍さんの功績にはそれを支援する人たちとの冒険でもありました。板橋区の町工場が阿部さんの冒険に使用するギアを開発して支援していたことについて、どのように評価されていますか。さらに阿部雅龍さんは、冒険学校を設立して次世代の子どもたちに挑戦する心を伝えていきたいという思いを語られていました。彼の日頃のチャレンジすることの大切さは、私自身も強く影響を受けました。阿部さんは、「全ての人が冒険家になる必要はないけれど、人生の冒険家になる必要はあります。分野は違えど、共に頑張りましょう」とおっしゃっていました。この思いを板橋区内で後世に伝えていく必要があると考えます。そこで阿部雅龍さんのスピリットを理解し、その功績を教育や地域振興に生かすため、区として取り組んでいただきたいと考えますが、区の見解をお聞かせください。
続いて、区内各地域ごとの防災対策についてです。
先日行われた板橋区総合防災訓練に参加した際、特に高島平地域での大規模な炊き出し訓練が行われました。この訓練では、区が管理する訓練用の炊き出しセットを使用し、大量のお湯を沸かしてアルファ化米を調理する予定でした。しかし、訓練参加者の多くが不慣れなため、設置や火のつけ方に手間取り、時間内に予定数のアルファ化米を調理することができませんでした。訓練ですので、調理が完了しなかったこと自体に問題はないと考えますが、私は、訓練用炊き出しセットの状態に違和感を感じました。それは、訓練用の炊き出しセットの納入年月日が1991年2月と書かれていたにもかかわらず、新品同様にきれいな状態であったのです。区に問い合わせると、33年前に納入されたこの訓練用の炊き出しセットは、訓練でしか使用されていないとのことですが、備品を利用頻度の低い状況で訓練だけに限って使用するのはもったいないと感じました。実際の災害時に使用するものは、日常的に訓練で使用されているもののほうが効果的であると考えます。訓練するのは人だけでなく、その装備の状況が健全な状態であるかどうかを確認する必要があると考えれば、訓練用と有事に備えておくものは分ける必要があるのか疑問です。まず、有事に備えておく装備と訓練用の装備を分けている理由は何でしょうか。また訓練用の装備も実際の災害時ならば活用されることが想定されますが、その際の事前対応計画は明文化されているのでしょうか。
次に、訓練用炊き出しセットの利用状況をどのように把握しているのか伺います。訓練用炊き出しセットが一度も使用されていない状況があってはならないと考えます。どのような頻度で使用されているのか、またその状況を確認するための仕組みはあるのでしょうか。
最後に、訓練用炊き出しセットをもっと広く貸し出し、実際の訓練に活用してもらうための施策について区の見解を求めます。訓練の機会を増やし、参加者がより実践的な経験を積むことで、有事の際に迅速かつ的確な対応ができるようになると考えます。以上、板橋区の防災訓練の現状と改善提案についてお話ししました。防災訓練の充実と装備の適切な管理により、板橋区の防災体制が一層強化されることを期待しています。
続いて、子ども服やおもちゃのお下がりのリサイクル方法についてお伺いします。
先日子育て中の複数の母親の方々からご意見をいただきました。皆さんのお声をご紹介いたしますと、子育てには何かとお金がかかり、特に子どもが着る服には余分なお金をかけているとのことです。子どもは、小さい頃にすぐ大きくなるため、特にふだん着や体操服、靴などに無駄が多いという声が多くありました。現在板橋区では、リサイクルプラザにて子ども服とおもちゃの交換会を実施していますが、これについて知っているかどうかを尋ねると、多くの方が知らないという答えや、知っているが荒川の土手沿いまでベビーカーを押しながら行くのは現実的ではないという回答が返ってきました。実際皆さんは民間のフリーマーケットアプリなどを使って取引をしている方が多いようですが、相手の顔が見えないことから、怖い思いや気分を害する不審な経験をされた方もいらっしゃいました。ニーズはあるものの、それを解決する手段が不足している状況を感じています。そこでお尋ねいたします。板橋区として現在行われている子ども服・おもちゃのリサイクル事業に関してどのような評価をされていますか。また、妊婦の方がベビーカーを押しながら荒川土手のリサイクルプラザを訪れるのは困難であると考えます。アクセスの良い場所で同様の事業を行うことはできないのでしょうか。
次に、リサイクル、リユースによる課題解決は保育園の場でも考えられます。区立保育園において毎日使用するおむつやお尻拭き、食事用エプロン、手口拭き、着替えなどを準備する保護者の方々にとって負担が大きい現状があります。さらに毎週末に昼寝用の布団カバーを持ち帰り、家庭で洗濯して週明けに持ってくることも保護者にとって大きな負担となっています。板橋区では、保育園におけるおむつのサブスクリプションが導入され、幾つかの課題はあるものの、その利便性が保護者だけでなく、保育士の職場環境改善にもつながっていると伺っています。そこで、保育園での服のリサイクルシステムをより効果的にするために、子ども服のサブスクリプションサービスの導入を検討していただけないでしょうか。このサービスを導入することで、保護者の負担軽減、環境への配慮、保育士さんの業務負担軽減にもつながると考えます。以上、提案を通じて板橋区のさらなる発展と子育て中の全ての方々の環境改善と子どもたちの成長する環境がよりよいものとなることを願っております。ご検討のほどお願い申し上げます。
続いて、区内で行われるお祭り等への出店ルールについてです。
昨今アフターコロナの影響もあり、区内各地域でお祭りが盛んに行われ、週末ともなれば多くの人々が集まり、おいしい食べ物や飲物を提供する出店が各地でにぎわいをもたらしています。これらのイベントは、地域の活性化に大いに寄与していますが、同時に幾つかの課題も浮かび上がっています。板橋区保健所では、お祭りの臨時出店に対して事前に臨時出店届を提出し、保健所へ相談することを呼びかけています。しかし、このルールに関して現場からは様々な声が寄せられています。その中で特に多いのが、1テントに1フードしか提供できないという規定についての困惑です。この規定によれば、例えば焼き物とアルコール類を1つの店舗で販売できないのではないかという現実的な問題が発生しています。このような規定は一方的に1テントに1フードしか提供できないと指示されることで、相談者が困惑し、今後相談をしなくなる可能性も考えられます。本質的な指導の目的は、食中毒などのリスクを減らすことであり、そのためには相談をしてもらう関係性を維持することが第一です。できないことを提示するのではなく、危険性を理解してもらい、解決につなげることが最善だと考えます。臨時出店を行う方々は、地域のお祭りを盛り上げる協力的なパートナーであり、皆さんと協力しながら安全性を高めることが重要です。私は、ルール内容を保健所は把握しているが、利用者に伝わっていないということが課題と感じています。出店ルールについて保健所だけでなく、出店者や地域住民などほかの関係者にも周知徹底するための取組について、及び現行の出店ルールの課題や問題点について区としてどのように考えているのでしょうか。また、出店ルールの本質的な目的が衛生面の確保であると考えますが、衛生面を守りながら現実的で効果的なルールづくりのためには、区民の声を反映していくことが必要であり、地域活性化のためには現行の板橋区の指導方法を改めて精査し直す必要があると考えますが、区の見解を求めます。これらの課題が明確になり、具体的な改善策が示されることで地域のお祭りが安全かつ楽しいものとなり、地域活性化につながると考えています。
以上で私の一般質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手する人あり)
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△休憩の宣告
○議長(
田中やすのり議員)
内田けんいちろう議員の一般質問の途中でありますが、議事運営の都合により、この際、暫時休憩いたします。
なお、再開時刻は午後3時40分といたします。
午後3時06分休憩
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午後3時38分再開
出席議員 46名
1番 ひはら みちこ議員 2番 近
藤タカヒロ議員
8番 しいな ひろみ議員 9番 坂 田 れい子議員
10番 木 田 おりべ議員 11番 一 島 ひろし議員
12番 横 川たかゆき議員 13番 長 瀬 達 也議員
14番 大 野 ゆ か議員 15番 井 上 温 子議員
17番 小 柳 しげる議員 18番
内田けんいちろう議員
19番 間 中りんぺい議員 20番 いがらし 学議員
21番 実 正やすゆき議員 22番 小 野
ゆりこ議員
23番 大 森 大議員 24番 石 川 すみえ議員
25番 山 内 え り議員 26番 中 村とらあき議員
27番 山 田たかゆき議員 28番 寺 田 ひろし議員
29番 わたなべ一 美議員 30番 岩 永 きりん議員
31番 くまだ 智 子議員 32番 荒 川 な お議員
33番 いわい 桐 子議員 34番 田中しゅんすけ議員
35番 田
中やすのり議員 36番 いしだ 圭一郎議員
37番 さかまき常 行議員 38番 おばた 健太郎議員
39番 五十嵐 やす子議員 40番 竹 内 愛議員
41番 小 林 おとみ議員 43番 元 山 芳 行議員
44番 大 野 治 彦議員 45番 鈴 木こうすけ議員
46番 成 島 ゆかり議員 47番 中 妻じょうた議員
48番 高 沢 一 基議員 51番 川 口 雅 敏議員
52番 佐々木としたか議員 53番 田 中 いさお議員
54番 し ば 佳代子議員 55番 おなだか 勝議員
職務のため議場に出席した事務局職員の職氏名
区議会事務局長 五十嵐 登
区議会事務局次長 舟 山 百合子
〃 議事係長 龍 野 慎 治 〃 調査係長 服 部 亮
〃 書記 高 橋 佳 太 〃 書記 高 瀬 渉
〃 書記 安 部 詩 織 〃 書記 鈴 木 琢 真
〃 書記 石 川 実 生 〃 書記 外 立 龍太郎
〃 書記 横 山 愛 〃 書記 土 屋 太 功
〃 書記 小 山 貴 裕
地方自治法第121条の規定に基づく説明のための出席者
区長 坂 本 健 副区長 尾 科 善 彦
教育長 中 川 修 一
常勤監査委員 有 馬 潤
政策経営部長 篠 田 聡 総務部長 田 中 光 輝
危機管理部長 三 浦 康 之
区民文化部長 平 岩 俊 二
産業経済部長 家 田 彩 子
健康生きがい部長 水 野 博 史
保健所長 鈴 木 眞 美 福祉部長(
福祉事務所長兼務)
丸 山 博 史
子ども家庭部長 関 俊 介
子ども家庭総合支援センター所長
佐々木 三 良
資源環境部長 岩 田 雅 彦
都市整備部長 内 池 政 人
まちづくり推進室長田 島 健 土木部長 宮 津 毅
かわ
まちづくり担当部長 会計管理者 代 田 治
荒 張 寿 典
教育委員会事務局次長 地域教育力担当部長雨 谷 周 治
林 栄 喜
政策企画課長 小 島 健太郎 財政課長 大 森 恒 二
総務課長 荒 井 和 子
△再開の宣告
◎事務局長(五十嵐登) ただいまの出席議員数は46名でございます。
○議長(
田中やすのり議員) 休憩前に引き続き、会議を再開いたします。
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△
区政一般質問(続き)
○議長(
田中やすのり議員)
内田けんいちろう議員の一般質問に対する答弁を求めます。
◎区長(坂本健) 議長、区長。
○議長(
田中やすのり議員) 区長。
〔区長(坂本 健)登壇〕
◎区長(坂本健) それでは、
内田けんいちろう議員の一般質問にお答えいたします。
最初は、円安・物価高での経済対策に関連いたしまして、具体的な施策やプログラムについてのご質問であります。区では円安・物価対策の一環として、無利子で信用保証料も無料の経営安定化特別融資の継続やデジタル地域通貨、いたばしPayの利用拡大を通じました地域経済の活性化に取り組んでいるところであります。また、事業者の様々な課題に寄り添えるように、中小企業診断士による経営相談や企業活性化センターの経営改善チームによる支援、専門家の派遣などを行っているところでございます。今後も区内事業者の声を的確に把握し、より実効性の高い支援体制の構築を進めてまいりたいと考えています。
続いて、成長を見据えた投資や新規事業支援についてのご質問であります。区では、生産性向上に資する設備導入助成事業やベンチャー企業・起業家支援賃料補助金を実施し、事業者の将来的な成長と新規事業者の支援を行っているところでございます。産業振興公社で実施したデジタル環境構築補助金やビジネス環境適応事業助成金については、時代に即した経営に欠かせない対策として多くの事業者が利用したところでございました。さらに創業相談や創業支援融資、企業活性化センターの創業支援ネットワークを活用し、若者や新規参入企業やチャレンジしやすい環境の整備に向けまして取り組んでいきたいと考えております。
続いて、国や東京都の補助金の活用についてのご質問であります。区では経営に関する相談を複数の窓口で実施をしておりまして、事業者の状況や課題に合わせて補助金に関する情報を提供し、相談を受けているところでございます。一方で、複数設けております経営相談の窓口は融資、経営改善など専門性を持つため、補助金を含めた戦略的な経営相談をする場合は専門家派遣事業の利用も進めているところであります。区内事業者が気軽に相談でき、成長に向けた支援が行えるように企業活性化センターなど既存施設のあり方も含めて、ハード・ソフト両面において体制を検討していきたいと考えています。
続いて、中小企業の人材確保支援に向けた板橋区のとるべき戦略についてのご質問であります。令和6年5月に閣議決定されました2024年版中小企業白書・小規模企業白書において、企業の人手不足が深刻化していること、企業の成長には人への投資などが有効と記されております。区では企業向けセミナーや合同企業説明会などの人材確保支援事業に加えまして、今年度から近隣教育機関等と連携をして区内中小企業と若手人材をつなぐ、若手人材確保支援事業を開始し、支援を強化しているところであります。多くの企業が集積する区におきまして、地域一体で人材の獲得・育成・定着を支援する地域の人事部のような取組については大変有効であり、各支援機関と連携を図り、検討を進めていきたいと考えております。
続いて、業務継続計画についてのご質問であります。業務継続計画に広域連携の視点を取り入れることは、いち早く業務を再開するにおいて非常に重要であると認識しております。区では、これまでも簡易型BCP策定支援事業などを通じまして、災害時における広域連携の必要性について区内事業者に伝えてきたところでございます。今後は全国21自治体が参加しております産業のまちネットワークや、光学分野の連携で築きました他自治体とのつながりを災害時の協力関係構築に結びつけていくことも模索してまいりたいと考えております。
続いて、地方自治体である板橋区の役割についてのご質問であります。令和3年3月に策定いたしました史跡陸軍板橋火薬製造所跡整備基本計画のとおり、区は産業技術が著しく発展をした地でありまして、歴史ある技術の高い企業が多数存在しているところであります。区内経済の底上げを図っていくためには、歴史ある企業のさらなる成長及び新たな企業の参入と定着を促進し、それとともに発展、付加価値を上げていくことが何よりも重要と考えます。そのために企業と支援機関などとの交流を強化し、人材確保やDX推進など、時代に即した支援を次期産業振興構想に位置づけをして、区産業の活性化を促進する考えであります。
次は、阿部雅龍さんの功績に対する取組についてのご質問であります。世界的な冒険家であり、板橋区在住の阿部雅龍さんが亡くなられたことは、板橋区のみならず世界的な損失であり、非常に残念なことであると考えております。ここに哀悼の意を表したいと思います。阿部氏が日本人初となるメスナールートによる南極点単独踏破を達成した際は、いち早く板橋区民文化特別賞の授与を行いまして、その功績をたたえさせていただいたところでありました。植村直己氏の縁で板橋区に住んでいただき、区内産業が阿部氏の夢を後押しをして快挙が成し遂げられたことは、区民の誇りとなっていると考えています。
次は、町工場によるギア開発支援についてのご質問であります。区内の町工場の技術を集積して作られましたソリが冒険家の偉業達成に大きく貢献したことは、板橋区の中小企業の技術力の高さを改めて証明する大きな成果であったと認識をしております。この成功事例を区内外へ周知し、板橋産業ブランドのさらなる向上を図るとともに、新たな連携が生まれるきっかけを支援していきたいと考えております。
次は、地域振興に生かす取組についてのご質問であります。阿部氏の諦めずに夢を追う姿勢や単独・自力のみでの挑戦は、世界中の人々に勇気を与えました。そのチャレンジ精神は植村直己氏と共通性があることから、植村冒険館での企画展示を検討しております。今後も様々な機会を捉えて、阿部氏の功績やスピリットを区内外の多くの人々に伝えてまいりたいと考えています。
次は、訓練用と実際の装備を分ける理由について、これは防災体制の強化に関するご質問であります。災害時に使用する炊き出しセットのバーナーは灯油を使用するため、使用後の処理を適切にしないと故障することから、災害時に使用することができなくなることを防ぐために訓練時には使用していないところでございます。総合防災訓練時に大規模な炊き出し訓練を行う場合においては、地域センター所有の炊き出しセットの使用に加えて、訓練用炊き出しセットの貸出しをしているところでございます。災害時における訓練用炊き出しセットの使用については明文化したものはございませんが、被害状況を的確に把握して避難者数の多い避難所で使用する想定でありまして、適切な避難所運営に努めていきたいと考えております。
続いて、訓練用炊き出しセットの利用状況把握についてのご質問であります。訓練用炊き出しセットについては18台所有しておりまして、毎年6台程度使用しております。訓練用炊き出しセットにつきましては3年に1回程度、点検を行うとともに、点検済みのセットから優先的に使用することによりまして円滑な訓練ができる体制を整えております。
続いて、訓練用炊き出しセットの有効活用についてのご質問であります。令和2年度から令和4年度にかけまして、コロナ禍の影響を大きく受けまして防災訓練等が実施できなかったことから、炊き出しセットの使用頻度が減少してまいりまして、取扱いに不慣れな住民が増えていることは認識をしているところでございます。令和5年度以降、防災訓練での炊き出し訓練の回数は増加の傾向にございまして、機会を捉えて炊き出し訓練の実施を住民防災組織に対し、促してまいりたいと考えています。
次は、区が実施しているリサイクル事業についてのご質問であります。リサイクルプラザで実施しておりますリユース子ども服交換会及びリユースおもちゃ交換会は、毎回多数のご参加をいただきまして、アンケート結果も好評であると認識しています。一方、リサイクルプラザのみの開催であるために、立地、交通の便等から参加しづらいと感じている方もいると考えております。アクセスのよい場所での開催も含めて、より多くの方が子ども服やおもちゃのリサイクルに参加できるように、区では交換会の事業展開について検討していきたいと考えています。
続いて、子ども服のサブスクリプションサービスについての質問でございます。多忙な子育て世代の負担軽減を目的として、民間事業者が子ども服のサブスクリプションサービスを提供していることは認識をしております。保育園に導入した場合、登園時の荷物が減ることや、家庭での洗濯が不要になるといったメリットがある一方、洋服の保管スペースが必要になるなど課題もございます。実際の事例やその効果、子育て世代のニーズを踏まえて、導入の可能性を研究していきたいと考えております。
続いて、現行の出店ルールの周知と課題・問題点についてのご質問であります。一つの施設で異なる調理過程の食品を取り扱うことによるリスクを避けるために、同一調理工程の食品のみを扱うようにルールを定めております。出店ルールの周知につきましては、事業の出店者説明会へ食品衛生監視員が直接出向き、行っておりますほか、ホームページにおいて発信をしております。食の安全を守るための出店ルールは、イベントの規模や食品の提供量により異なりまして周知の難しさがありますけれども、出店者の意向を伺いながらホームページの見直し等、区民に納得いただけるような周知の工夫に努めていきたいと考えております。
次は、区の指導方法の精査についてのご質問であります。食による健康被害防止のために定められております出店のルールは、多岐にわたるために出店者にご理解いただきにくい場合があると考えております。このことを踏まえて、出店者の相談に対応する際には出店者のご希望に沿いながら各種ルールの必要性を丁寧に説明し、納得して協力いただけるように努めていきたいと考えております。
残りました教育委員会に関する答弁は、教育長から行います。
◎教育長(中川修一) 議長、教育長。
○議長(
田中やすのり議員) 教育長。
〔教育長(中川修一)登壇〕
◎教育長(中川修一) それでは、
内田けんいちろう議員の教育委員会に関する一般質問にお答えします。
初めに小中学校のトイレに関しまして、整備後の実態把握についてのご質問ですが、区立小中学校におけるトイレの整備状況は、今後改築・改修が見込まれる学校等を除いた88%のトイレにおいて洋式化工事が完了しているところであります。改築した学校において、教職員から生徒による感想や評判の聞き取りを行ったことはございますが、改修後のトイレの使用実態を把握するアンケート等の調査は行っておりません。改修後の使用状況を把握し、今後のトイレ改修に反映することは有効なことであると思われるため、実態調査の実施について改修時等に検討してまいります。
次に、改修工事後の維持管理についてのご質問ですが、既に改修を実施したトイレであっても、清潔で快適な環境を持続的に保つためには適時、適切な維持管理が必要であります。引き続き、床や便器の洗浄といった日常的な清掃のほか、尿石除去など、専門的な作業が伴う定期的な清掃も併せて実施してまいります。また、設備に関して不具合が生じた場合などには、迅速な修繕により対応し、機能の維持を図ってまいります。
次に、トイレ環境の重要性についてのご質問ですが、学校トイレの環境改善は衛生面の向上や快適な空間の創出等につなげることでトイレを我慢することがなくなり、健康面や心理面で好ましい影響を与えると認識しております。一方で、排せつの大切さを学習し、排せつ行為が恥ずかしいことではないという意識の醸成、トイレを使用する仲間への思いやりといった継続的な意識啓発も重要であります。学校トイレの課題を解消することにより、児童・生徒が安心して利用できるトイレの環境づくりに向け、引き続き学校全体で取り組んでまいります。
次に、スクールロイヤーに関しまして、スクールロイヤー制度の現状と課題についてのご質問ですが、担任等が問題を認識し、学校が組織で対応する中で、法的な助言を要する場合には管理職からスクールロイヤーに相談や今後の対応を協議することになっています。令和5年度の相談件数は100件を超える結果となっており、管理職からは対応方針等の判断材料となったり、安心感を持って取り組めるようになったと聞いております。今後も校長会などにおいて制度について周知するとともに、これまでの相談事例についても共有し、学校がより相談しやすい環境を整備してまいります。
次に、保護者対応専門部署の設置についてのご質問ですが、板橋区においても教員が本来行うべき業務に注力できる環境を整えることで教育の質を確保し、向上させることは重要であると捉えています。そのため、教育支援センターに教育総合相談窓口を設置し、小中学校の学校管理職OBが指導主事やスクールソーシャルワーカー等と連携しながら対応しています。今後も機会を捉えて保護者への周知を積極的に図るとともに、ホームページによる案内をさらに分かりやすくすることで、教職員のさらなる負担軽減や支援強化につなげてまいりたいと思います。
次に、冒険家、阿部雅龍さんに関しまして教育科学館での取組と反響についてのご質問ですが、教育科学館では令和5年7月22日から8月31日まで、「夢と科学の関係展 プロ冒険家 阿部雅龍と板橋人たち、まだ見ぬ景色を見つめて…」を開催しました。南極大陸・人類未踏ルート制覇チャレンジの紹介や、阿部氏の魅力に引き寄せられた人々が開発に携わったソリや装飾品と併せ、写真や映像なども展示いたしました。特別展の期間中は遠方からも含め延べ4万3,000人の来場者があり、阿部氏の功績をたたえる声や、冒険で使用した装備品に直接触れて感動したなどの声が多くありました。
功績を生かした区の取組について、社会教育における取組についてのご質問ですが、阿部氏の功績につきましては、令和5年度教育科学館の夏の企画展で南極冒険チャレンジに関する展示を行い、区民に周知を図ったところです。今回は、阿部氏のチャレンジに関する展示を通して、夢の実現に向け、たくさんの人々の思いが集結した活動について紹介しました。今後も阿部氏のスピリットを後世に伝えるため、教育科学館で企画事業を実施し、子どもから大人まで夢に向かって挑戦することの大切さを伝えていきたいと思っております。
頂きました教育に関するご質問の答弁は以上でございます。
○議長(
田中やすのり議員) 以上で、ひはらみちこ議員、近
藤タカヒロ議員、長瀬達也議員、
内田けんいちろう議員の一般質問を終了いたします。
次は、公明党が行います。
初めに、いがらし学議員。
◆いがらし学 議員 議長。
○議長(
田中やすのり議員) いがらし学議員。
〔いがらし学議員登壇〕(拍手する人あり)
◆いがらし学 議員 通告に従いまして、一般質問を行います。
初めに、災害対策についてお伺いいたします。
第1に、防災訓練についてお伺いいたします。5月27日にプレス発表を行った区民の生命・安全を守る防災用品カタログ等配付事業の実施を高く評価いたします。これを契機として防災意識の向上、共助の精神が広がり、災害時においても円滑な避難所の運営につながると考えます。しかしながら、毎年春に行われる町会・自治会の防災訓練では、元日に能登半島地震が発災したにもかかわらず、参加者は増えておりませんでした。いざというときにどのように行動すればよいのか、知っているのと知らないのとでは雲泥の差があります。そこで伺います。防災訓練に参加者が増える取組に対する見解を伺います。
次に、災害廃棄物処理について伺います。災害廃棄物処理の取組として、東日本大震災において、宮城県東松島市が行った手法があります。徹底した手作業で災害廃棄物を金属や木材などに分別、処理し、全体の97%をリサイクルすることに成功、当初見込んでいた処理にかかる経費約730億円を約150億円削減することに成功、分別作業員に被災者を中心に雇用も生み出しました。本区におきましても国、東京都、特別区、東京二十三区清掃一部事務組合と官民連携して処理を行うことと存じます。災害廃棄物処理を行う際は円滑にリサイクルを行い、ごみの全体量を減らし、処理経費を削減できるよう、関係機関に働きかけるべきと思いますが見解を伺います。
次に、平時にも断水時にも使えるトイレの導入について伺います。さきの定例会でも、水とトイレに関する質問が多くありました。災害時に真っ先に思い浮かぶのは、やはりトイレの問題です。災害時の避難所におけるトイレにつきましてはマンホールトイレが配備されていると認識しておりますが、マンホールトイレは下水道が破損していると使用できません。水洗トイレが使えなくなり不衛生なトイレになると、集団感染、災害関連死、治安悪化などの問題を引き起こします。集団感染の高まる要因はトイレ利用時に避難者が同じ箇所を触れるため、接触感染のリスクを高めます。災害関連死は、安心して使用できるトイレがないことで水分摂取を控え、脱水症やエコノミークラス症候群などで命を落とすことにつながります。治安悪化は、トイレが不衛生になると集団のルールが守れなくなり、秩序も悪化していきます。大切なのは、子どもや女性、障がい者、高齢者などが安心して使用できるトイレです。東日本大震災を契機に、被災地で救護活動に従事された方や実際に被災された方の意見を基に、多くの企業が独自の技術を開発しています。災害で水道や電気が止まっても水洗トイレを継続して使える、洗浄水循環システムを民間会社が開発しました。このシステムは蓄電可能なバッテリーで稼働し、水で流した汚物を固形物と水分に分離、固形物は密閉状態で回収し、水分は浄化処理をした後、水洗用に再利用します。平常時は上水道管、下水道管とつながっていますが、災害などの非常時にはそれらの管から切り離され、単独で使用できます。調布市では調布駅前広場に整備中の公衆トイレの中に、災害で水道や電気が止まっても水洗トイレを継続して使用できる洗浄水循環システムの導入を進めています。そこで伺います。全ての避難所に最低1基、洗浄水循環システムの導入を求めますが、区長のお考えを伺います。
また、商用電源AC100ボルトで作動し、再生可能エネルギー、太陽光発電でも作動する電源設備も附属したコンテナ型の製品も登場しています。蓄電池を備えており、災害時等の電力インフラ停止時にも最大3日間動作し、上下水道が整備されていない地域でも使用が可能です。さらにトレーラーで移動することもできます。これから進めるかわまちづくりでは、多くの人が訪れ、にぎわいの創出、交流の拠点となります。そこには誰もが気兼ねなく使用できる、臭わない清潔なトイレは必要不可欠です。そこで伺います。平時にも災害時にも移動可能な自己処理型水洗トイレの導入を求めますが、見解をお示しください。
第2に、ごみ回収の現状と課題についてお伺いいたします。
板橋区では令和6年4月からプラスチックの回収方法を変更しました。可燃ごみから資源へ、SDGsの観点からも大変喜ばしいことと評価いたします。私も家庭内できちんと分別して排出をするよう努めております。可燃ごみの回収日を見てみますと、従来と比較して分量が大分減少していると感じる一方、資源の回収日は防鳥ネットがかかりきらず、余裕がない状況です。可燃ごみと資源の回収量に差がなくなってきていると推察されます。区民の方からも、資源の回収日を増やしてほしいという要望も頂いております。今後さらに周知が進み、環境問題に対する意識の向上、関心が高まり、資源が増えることが予想されます。現在の可燃ごみと資源の回収頻度を見てみますと、可燃ごみ3日に対して資源1日となっています。資源の回収日を1日増やすことは、人件費や燃料費用もかかるので、現実的ではありません。増大する資源に対応するため、例えば資源2日、可燃ごみ2日とするなど、地域の実情に合わせて資源と可燃ごみの回収頻度を柔軟に対応することを求めますが、見解を伺います。
次に、資源の有効活用について伺います。高度な技術を用いて産業廃棄物のリサイクルに取り組む事業者を国が認定する新制度を盛り込んだ再資源化事業高度化法が、本年5月22日の参議院本会議で賛成多数で可決されました。これは、プラスチックや金属などの再生材を国内で安定的に循環する仕組みをつくるとともに、温室効果ガスの削減、さらにメーカーの競争力強化につなげるものです。例えば、使用済みペットボトルを原料に新たなペットボトルを再生する水平リサイクルの技術や使用済み紙おむつのリサイクル、太陽光パネルの分離技術などを持つ事業者を対象とし、認定を受けた事業者は自治体ごとに許可を得なくても広域で廃棄物の収集が可能となります。欧州を中心に、世界では再生材の利用を推進する動きが高まっています。飲料メーカー各社は、この持続可能なリサイクル手法であるボトルtoボトルを積極的に進めています。新たな原料を使わずに、二酸化炭素排出量も極力削減できるボトルtoボトルがこれからのスタンダードになっていくと推察します。例えば大手飲料メーカーのサントリーは、国内飲料業界初の水平リサイクルを実現いたしました。国立市ではサントリーグループとの協定に基づき、指定のリサイクル業者の工場に引渡し、新しいペットボトルに再生されます。この取組によって、従来の方法と比較すると二酸化炭素の年間排出量が50%から60%削減できると想定しています。墨田区では2021年、SDGs未来都市に選定されたことに伴い、すみだゼロカーボンシティ2050宣言を表明。従来の回収したペットボトルは日本容器包装リサイクル協会を通じて入札に回されていましたが、品質が1段階低いカスケードリサイクルが主流でした。そこで本年4月から、ボトルtoボトルの水平リサイクルの取組を開始いたしました。2023年6月9日、墨田区とアサヒ飲料とペットリファインテクノロジーとの3者で、ペットボトルの水平リサイクルの実施に関する協定書を締結しました。回収したペットボトルは全てペットボトルに生まれ変わると言い切ることで、区民のリサイクル意識の向上を促しているそうです。板橋区では令和4年度、2,500トンのペットボトルを回収しています。一般社団法人全国清涼飲料連合会は2021年4月に、2030年までにボトルtoボトルの比率50%を目指すと宣言しています。ゼロカーボンいたばし2050を表明している本区におきましても、カーボンニュートラル、循環型社会の実現に向けた取組としてペットボトルの水平回収に取り組むべきと考えますが、見解をお示しください。また、現在のペットボトルの回収量と評価をお聞かせください。
次に、家庭で排出される油、廃食油について伺います。令和5年12月に本区で発行された資源とごみの分け方・出し方ハンドブックによりますと、廃食用油は天かすなどを取り除いてペットボトルの容器に入れ、キャップを締めて回収ボックスへ排出となっています。しかしながら回収ボックスは区内12か所しかない上、回収方法の周知が十分でないように見受けられます。脱炭素化社会の実現に向け、航空機からの二酸化炭素排出量を抑制する流れが世界的に広がっている中、天ぷら油などの廃食油を原料に低炭素の持続可能な航空燃料、SAFを製造する動きが広がっています。SAFとは、廃食油や木くず、藻類などを原料とし、通常のジェット燃料に混ぜて使用するものです。原料となる植物が成長過程で二酸化炭素を吸収、燃焼時に二酸化炭素を排出しても吸収分と相殺されるため、実質的な排出量を大幅に抑制できるとされています。政府はSAFの国産化を目指し、航空会社や石油会社などと官民協議会を設置しました。2025年度以降、国内にSAFの製造施設が稼働する見込みですが、廃食油の海外への輸出が急増し、国内で不足する一方、家庭系廃食油を回収する仕組みは確立されておらず、多くが廃棄されている現状です。本区においても家畜の飼料や石けんにリサイクルされていると認識しております。そうした中、横浜市とJALは家庭で発生する廃食油を回収し、SAFなどにリサイクルする仕組みをつくるため、本年2月に連携協定を締結しました。回収場所の整備や市民への普及啓発に向けて大型スーパーで回収を促すイベントを開催したところ、延べ4日間で100リットル以上の廃食油を回収、6月5日から本格運用を始めます。試行期間中に店舗を訪れた70代の男性は、捨てるのに手間がかかる使用済みの油を持ち込んでリサイクルに貢献できるのは画期的だと関心を示していたそうです。ちょっとしたきっかけがあれば、こうした取組に参加したいとする心をお持ちの方は一定数存在していると確信します。そこで伺います。本区における廃食油の回収について見解をお示しください。また、現在の廃食油の回収量並びにリサイクルでつくられた家畜飼料と石けんの生産に対する評価と今後についてお伺いいたします。
続いて、紙おむつの回収についてお伺いします。高齢化に伴い、大人用紙おむつの消費量は年々増加しており、一般廃棄物に占める割合は2020年度時点で5%程度であったのに対し、2030年度頃には7%程度と推計されています。また、2015年には年間208.1万トンであったのに対し、2030年には244.9万トンへと大きく増加する見込みです。現在は多くの市区町村で焼却処分されていますが、一方で紙おむつは素材としては上質パルプ、フィルム、吸水性樹脂から構成されており、再生利用等によりパルプ等の有効活用が可能となっています。環境省では一般廃棄物処理施設の整備に関する交付金、助成金を設け、支援の手を広げています。他自治体においても様々な取組を行っています。千葉県松戸市では、千葉県、茨城県及び東京都内の病院、介護
老人保健施設から回収された紙おむつを消毒、分離、脱水、乾燥の工程を経てパルプ、プラスチックの混合物を化石燃料の代替固形燃料、すなわちRPFとして再利用しています。また、生理用品大手のユニ・チャームは2016年に鹿児島県志布志市で、2018年からは隣接する大崎町で実証実験を開始しました。2市町にはごみの焼却施設がなく、これまでは使用済み紙おむつを埋め立ててきたそうです。このままでは処分場が満杯になる時期も早くなると危機感を抱き、リサイクルに注力することにしたそうです。昨年からは使用済み紙おむつ由来のパルプを使った新しい紙おむつを一部の介護施設や医療機関向けに販売を開始しました。現在、リサイクルを実施している自治体は昨年8月時点で20か所、検討中が15自治体だそうです。環境省は2030年までに100か所に増やす目標を掲げています。本区においても、いち早く推進すべきと考えますが、区長の見解をお示しください。
第3に、子育て支援についてお伺いします。
民間の有識者でつくる人口戦略会議が4月、744市町村を消滅可能性自治体と位置づけた報告書を公表しました。全体の4割に相当します。この報告書の中で、20歳から39歳の若年女性人口の減少が続く限り、出生数は低下し続け、総人口の減少に歯止めがかからないとしています。そして自然減対策が極めて必要と明記されています。その歯止めのかからない少子化を反転させるには若者の所得を増やすか、子育てに係る経済的負担を減らし、将来の不安を取り除くことが必要不可欠です。2023年6月、政府は異次元の少子化対策として、こども未来戦略方針を打ち出しました。児童手当の拡充や高等教育の無償化などを推進します。そのうちの支援策として、2026年4月から親が働いていなくても未就学の子どもを保育所等に預けられるようになる、こども誰でも通園制度を全国で実施する方針です。まさに今、子育てしやすい環境、切れ目のない支援への期待が高まっています。私も3人の父として育児に携わってきました。上2人は年子のため、家内には苦労をかけました。当時、近所の方が保育ルームをされているのを知り、長男はそこでお世話になりました。身近に頼れる人の存在があることで育児負担や孤独感を減らすとともに、安心感が得られたと実感いたしました。未就園児が家庭内だけでなく、保育所等で同世代と触れ合う機会を増やすことで、発育をサポートする側面も得られます。保護者を中心に賛成する声が上がる一方、保育現場からは負担が増える、保育士の待遇改善が先だといった声も上がっています。したがって、必要なニーズを把握することがとても大切です。東京都多摩市は本年度、親の就労に関わらず、月最大160時間まで保育所などを利用できる、こども誰でも通園制度のモデル事業を実施します。利用料は1時間当たり275円と誰もが利用しやすい設定になっています。幼稚園では園児数の減少により、定員に満たない園が多いと聞いています。国の誰でも通園制度に先行して、東京都の補助制度である幼稚園等の空き定員を活用した多様な他者との関わりの機会の創出事業が、本区の私立幼稚園でも既に開始されているようです。そこで伺います。さらなる事業の活用について、見解をお示しください。
次に、小1の壁についてお聞きします。共働き世帯の家庭の子どもたちは、両親が出勤してしまうと学校の始業時間まで1人で過ごさなければなりません。子どもを残して出勤しなければならない親心はどんなにつらく、悲しいことでしょうか。また、子どもが小学校に進学すると、保育園などより子どもを預けられる時間が短くなり、今までどおりの仕事が続けにくくなる、いわゆる小一の壁が発生します。この問題を解消するため、仕事と子育ての両立支援を行い、子育てしやすさナンバーワンを目指す自治体があります。大阪府豊中市では本年4月から、関西では初の試みとなる全市立小学校で開門時間を午前7時に早め、体育館などで児童を預かる事業を開始いたしました。教員の負担増にならないよう、体育館には民間警備会社の見守り員を2名配置しています。豊中市の野村副市長は、子育てしやすい環境づくりを考える中で、これまでは放課後の預かりばかりで朝の時間は視野に入れていなかったとし、実際に朝の送り出しや受入れに苦労する子育て世帯が多かったと指摘しています。今、目の前で困っている子どもと保護者に対して何ができるのかとの思いから、午前7時からの校門開放を実施しました。そのほかに保育園の兄弟同園入所の推進も行っています。本区におきましても、豊中市と同様に朝の校門開放を求めますが、見解をお示しください。
日本では1人目を出産したものの、経済的な理由や仕事との両立、年齢などの理由から第2子以降の出産をためらう人も少なくありません。2023年に既婚の男女約3,000人に実施した調査によると、78.6%が2人目の壁を感じると回答しています。2014年の調査開始以降、最も高い数字となっています。負担に感じる理由として挙げているのは教育関連の費用でした。厚生労働省の統計でも2023年度の出生数は8年連続で減少し、過去最少の75万8,631人となり、国力の低下に歯止めがかかっていない状況です。婚姻数も戦後初めて50万組を割り、前年から3万組以上減少しました。今、自治体に必要なのは子育てのしやすい環境の整備ではないでしょうか。就職をして、都内では比較的家賃の安い板橋区に住んでいても、結婚や出産、育児、就学のタイミングで転出をされるケースも多いと伺います。末永く住み続けられる環境を整えることが必要です。茨城県の城里町では、小中高の新1年生全員を対象に支援金3万円を支給しています。申請率は100%です。品川区では、区立小中学校と義務教育学校の児童・生徒が使う学用品の全額無償化を所得制限なしで本年度から開始いたしました。無償化の対象は、区立学校に通う小学1年生から中学3年生の約2万4,000人です。1人当たりの補助教材費を年間1万1,000円から3万9,000円と想定し、2024年度当初予算に5億5,000万円を盛り込みました。文部科学省の2021年度の子供の学習費調査によると、学用品の年間費用は公立小学校で2万4,000円、公立中学校で3万2,300円で、単純計算すると9年間で約25万円が家庭の負担となっています。例えば学用品相当額を、地域経済活性化のためいたばしPayで支給するのもいいと思います。住み続けたいまち板橋と言ってもらえる施策として学用品の無償化を実施するべきと考えますが、学用品無償化の可能性と費用の概算について、教育長の見解をお示しください。
次に、ラーケーション制度についてお伺いします。育児と仕事の両立支援を強化する育児・介護休業法が改正され、2025年4月から働き方改革が大きく前進します。例えば残業免除の申請期間を3歳になるまでから小学校3年生までに延長や、看護休暇の取得を小学校入学前から小学校3年生までに延長するなどです。接客業や医療機関などで働く人からは、子どもと一緒の時間が取れないとの声も上がっています。厚生労働省の令和4年就労条件総合調査の概況によりますと、従業者のうち、土曜日に働いている人の割合は45.5%、日曜日に働いている人の割合は30.4%、有給休暇の取得率は58.3%でした。土日に子どもと一緒に過ごすことが難しい家庭が少なくありません。愛知県では子どもの学び、ラーニングと保護者の休暇、バケーションを組み合わせたラーケーションの日を設けました。子どもが保護者らとともに平日に校外、家庭や地域で体験や探究の学び、活動を自ら考え、企画し実行することができる日です。校外での自主学習活動であるため、登校しなくても欠席とはならず、年間3日間取ることができます。また、茨城県では本年4月から全ての県立高校と希望する公立小中学校で年間5日間取得が可能です。本区におきましても、保護者と子どもがともに活動できるラーケーション制度の導入を求めますが、この制度の評価と実施についてお聞かせください。
第4に、高齢者施策についてお伺いします。
国内における総人口が減少する中で高齢化率は上昇を続け、令和18年には33.3%に達し、3人に1人が高齢者となります。高齢者が長く働ける環境の整備を行うことが大切です。そして、高齢者の健康促進を図る上で、健康診断の受診率を上げて、早期に病気を発見するだけでなく、病気を未然に予防することが重要です。現在、心疾患は日本の死因の第2位で15%を占めており、総患者数は173万人、年間死亡者数は20万人いると言われています。心不全は一度発症すると何度も入退院を繰り返し、悪化していく疾患であり、この克服が課題です。2030年には心不全患者の大幅な増加によって医療現場が逼迫する、心不全パンデミックが予想されています。こうした課題の克服に向け、広島県では県の施策の一つとして心不全連携体制構築事業が開始され、心筋梗塞・心不全地域連携パス手帳の使用を推奨しています。この手帳は、心臓病を持つ患者さんやご家族が自宅で病気を管理しながら安心して地域で生活ができるように、自己管理や医療、介護領域の担当者間の連携の円滑化を図る目的で作成されました。手帳に記載されている項目の中にBNP、脳性ナトリウム利尿ペプチドが含まれており、心不全診療における重要なツールとして活用されています。BNPとは、心臓を守るために分泌されるホルモンのことです。心臓の機能が低下し、心臓への負担が大きいほど多く分泌され、数値が高くなります。大阪府和泉市では本年5月から心不全の早期発見、早期治療を目指し、医師が必要と判断した人を対象に心臓機能の健康度をはかるBNP検査に全国で初めて公費補助を実施します。通常の検査代は3,000円ですが、市の補助によって自己負担500円で受診できます。AIPの視点からも、本区において区民一般健康診査でBNP検査を受けられるよう推進すべきと考えますが、本区における実施と補助の可能性について見解をお示しください。
次に、安全対策についてお伺いします。昭和50年には3,348万人だった運転免許保有者数は、令和元年に8,216万人となっています。年齢別に見ると、16歳から19歳までの運転免許保有者数は昭和61年の264万人をピークに年々減少し、令和元年には87万人とピーク時の3分の1となる一方、70歳以上の運転免許保有者数は年々増加し続け、令和元年には1,195万人となり、運転免許保有者の14.5%を占めます。交通事故総合分析センターによると、2022年度中に発生したブレーキとアクセルの踏み間違いによる事故件数は3,050件で、60代以上の運転者が占める割合は約54%でした。交通事故は起こす側も受ける側も、また身近な方にとっても悲惨な状況を生み出します。高齢者の急発進やアクセルとブレーキの踏み間違いが原因の痛ましい交通事故が大きく取り上げられる状況を受け、国は高齢者の誤操作による事故を防止する先進技術がある車の購入に補助金を支給する、いわゆるサポカー補助金制度を導入しました。また、東京都は東京都高齢者安全運転支援装置設置補助制度を令和元年に開始しました。対象は都内在住の運転免許を持つ70歳以上かつ自家用車両であることです。増え続ける高齢者ドライバーの交通事故のニュース報道は後を絶ちませんが、国と東京都のこの制度は終了をしてしまいました。そこで伺います。本区において、さらなる交通安全の啓発が必要と考えますが見解をお示しください。
第5に、公園についてお伺いします。
本年も猛暑が予測される中、新たな熱中症対策として区内施設62か所にクーリングシェルターを整備したことを高く評価いたします。出かけるときに気軽に立ち寄ることができる場所があることは、高齢者にとって喜ばしいことと考えます。周知をしっかりと行い、多くの人が利用できるよう推進をお願いします。一方、高齢者や園児のお散歩コースとなっている公園に日差しを防ぐ樹木などがないところがあります。直射日光を遮り、快適に過ごせるよう、パーゴラなどの暑さ対策ができるものを設置すべきと考えますが、見解をお示しください。また、地域住民の理解を得たり、利用時間を設けるなど、ボール遊びができるよう公園の禁止事項の緩和を求めますが、見解をお示しください。
健康維持の取組として、ふれあい館などで様々な講座を実施していることは評価をいたします。しかしながら、高齢男性の単独世帯の方は地域とのつながりも薄く、孤独になりがちです。そこで近所の公園で手軽に運動ができれば、健康増進につながり、他者と触れ合う機会も増えると思われます。現在、健康器具の設置されている公園は少なく、健康器具の種類や数は十分でないと考えます。そこで伺います。健康器具のさらなる設置を求めますが、見解をお示しください。
最後に、民生委員の負担軽減についてお伺いします。
子育て世帯の支援や高齢者の見守り、生活困窮者らの相談相手として行政機関とのパイプ役を担っている民生委員の担い手不足が課題となっています。民生委員は、厚生労働大臣から委嘱される任期が3年、非常勤で特別職の地方公務員という立場で無償で活動されています。担い手不足の理由の一つに、業務量の多さが指摘されています。ある民生委員さんは、小学校に行き渋る子どものいる家庭に迎えに行き、小学校へ送り届けます。また、高齢者見守り調査事業では、訪問しても悪質セールスなどと勘違いされ、会ってもらえなかったりするそうです。地域に長く住まわれている方でもこのようにご苦労されており、精神的にも大きな負担となっています。一部の自治体では、新たに協力員というボランティアを設け、対処しているようです。厚生労働省は、別の自治体から通勤する人や近隣に転居した元住民を対象にするなど、要件の緩和を検討し始めました。住所要件見直しは、東京都の特別区長会なども求めております。本区におきましても、民生委員の増員並びに負担軽減策を求めますが、見解をお示しください。
以上で私の一般質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手する人あり)
〔議長交代、副議長(しば佳代子議員)議長席に着く〕
◎区長(坂本健) 議長、区長。
○副議長(しば佳代子議員) 区長。
〔区長(坂本 健)登壇〕
◎区長(坂本健) それでは、いがらし学議員の一般質問にお答えいたします。
最初は防災訓練についてのご質問であります。総合防災訓練の参加者につきましては、コロナ禍の影響によりまして、令和2年から3年連続で中止したことから減少傾向にありまして、憂慮すべき状況であると認識しています。今後は幅広い年齢層が参加しやすくなるように訓練内容を見直すとともに、訓練の重要性を広く知っていただくため、広報いたばしをはじめ、ホームページやSNSを通じたPRをこれまで以上に強化したいと考えています。また、訓練につきましては住民防災組織を中心に行っておりますが、町会や自治会との関わりが少ない方も参加できるように、周知方法についても十分に検討したいと思います。
次は、災害廃棄物処理についてのご質問であります。区では令和3年3月に策定いたしました板橋区災害廃棄物処理計画において、基本方針として環境に配慮した適正処理と災害廃棄物の再資源化の促進を規定しております。また、処理を連携して行う特別区としましても、災害時の瓦礫の処理に当たりましてはできる限りの資源化を原則としているところであります。発災時においては、これら規定や原則を遵守するため、的確に関係機関に働きかけをしていく考えであります。
次は、避難所への洗浄水循環システムの導入についてのご提案であります。各避難所においては下水道管とマンホールの耐震化が完了しておりまして、体育館や校舎のトイレは災害時にも利用できる可能性が高いと想定しています。また、水道や電気が止まった場合の対応として、各避難所には携帯トイレと仮設トイレも備蓄をしております。災害時におけるトイレ対策は重要であると認識をしておりまして、ご提案にもございました洗浄水循環システムをはじめ、民間事業者などの開発商品について今後も注視したいと思います。
続いて、移動利用可能な水洗トイレ導入についてのご質問であります。移動式のトイレにつきましては、平時の防災訓練やイベントでの活用に加え、災害発生時には区内はもとより、被災地支援での活用も想定できます。防災での視点に加えて、かわまちづくりでのにぎわい創出には飲食可能な居場所と清潔なトイレが必要であると認識をしておりまして、移動可能な水洗トイレの導入を検討したいと考えております。
次は、可燃ごみと資源の回収頻度についてのご質問であります。区では清掃・リサイクル事業の実施に当たりまして、ごみと資源の種類別の排出量データを収集しておりまして、令和6年4月1日以降、収集項目にプラスチックを追加しております。今後、資源の回収頻度や可燃ごみの収集頻度が適切であるか、収集したデータを分析し、見直しの必要性について検証を行うこととしております。なお、見直しに当たりまして区内全域での回収、収集ルートの大幅な変更が生じることから、区民の皆様への周知や発生する経費等を含め、慎重な検討が必要と考えています。
続いて、ペットボトルの水平リサイクルについてのご質問であります。ペットボトルの水平リサイクルは二酸化炭素の排出削減効果が期待できまして、また、他自治体での採用事例があることから、現在、情報収集に努めている段階にございます。ペットボトルの現在の回収量について令和5年度は約2,400トンでありまして、500ミリリットルのペットボトル換算において約9,300万本分となっています。前年度より若干減少しておりますが、長期的には増加の傾向にあるものと考えています。
続いて、廃食用油の回収についてのご質問であります。航空機の燃料等として有効利用が可能な廃食用油の再資源化について、近年、カーボンニュートラルの実現に向けまして、注目されていることは認識をしております。区の廃食用油の回収につきましては令和5年度、約6トンを回収、売却し、飼料、石けん等、売却先事業者の処理方法において再資源化が実現しています。今後については東京都が令和5年度から廃食用油の有効利用促進に係る補助制度を実施していることから、他区の動向等を注視するとともに情報収集に努めてまいりたいと考えています。
続いて、紙おむつの回収についてのご質問であります。使用済み紙おむつのリサイクルについては、効率的な回収や処理施設の確保等の課題がございまして、現在、様々な実証実験が行われているところであります。都内市区町村及び東京都は、今後の資源循環施策に関する区市町村と都との共同検討会の中において勉強会を実施し、実証事業の結果等に関する理解を深めてきているところであります。区では、引き続き国や東京都、他自治体の動向を把握し、廃棄物の循環利用のさらなる促進の観点から実現可能性を探っていきたいと考えております。
次は、BNP検査の実施と補助の可能性についてのご質問であります。BNP検査は心不全の早期発見のために行うマーカー検査でありまして、血液中の濃度を調べることによって心臓への負担を大まかに把握することができる検査手法であります。区では、心臓疾患の発見に資するものとして心電図検査を導入しておりまして、要精密検査者の発見に寄与していると認識しております。BNP検査は、他の検診項目等との組合せによる総合的な判断が必要との課題もございまして、導入自治体については限定的であるため、注意深く情報収集に努めていきたいと考えています。
続いて、高齢ドライバーへの交通安全啓発についてのご質問であります。区では、高齢者に交通事故の実態を知らせるとともに、交通安全に対する意識を高めるため、シニアクラブ連合会が警察と連携して実施する交通安全教室を支援しております。そのほか、運転に自信がなくなった高齢者や家族から運転が心配と言われた高齢者には、各種広報媒体を有効に活用して警察と協力をしながら、運転免許の自主返納を促しているところでございます。
次は、公園の暑さ対策についてのご質問です。暑さ対策に有効なパーゴラや日除け棚などの施設については、既に多くの公園の中で利用者が快適に過ごせるようにベンチや砂場の上に設置をしております。最近は年を追うごとに夏の暑さが厳しくなっておりまして、公園改修の説明会やワークショップの際に、より一層の暑さ対策を求める声が高まっております。このため、暑さ対策に有効なミストなどの施設や樹木の配置などの研究を進めてまいりまして、少しでも快適に過ごせる公園となるように努めていきたいと考えております。
次は、公園内でのボール遊びについてのご質問です。公園内でのボール遊びにつきましては、高いニーズがある一方において、他の利用者や近隣住民に不安や迷惑をかける場合があることから、ボール遊び広場以外でのボール遊びについては柔らかいボールに限定していただいております。区では、板橋区パークマネジメントガイドラインにおいて掲げておりますボール遊びに関する規制緩和の実現に向けて、利用者や近隣住民の意識等を把握する実態調査を今年度に実施の予定をしております。数か所の区立公園においてボール遊びに関するサンプル調査を行いまして、ニーズや問題点などを明らかにした上で利用者と地域住民、双方の理解が得られるボール遊びの在り方を検討していきたいと考えております。
続いて、健康遊具のさらなる設置についてのご質問であります。健康遊具につきましては健康志向の方に人気の高い遊具でありまして、区におきましても平成10年から設置が始まって現在、区立公園においては43公園に106基を設置しております。今後も利用者のニーズや設置場所の安全性、区内での分布状況、公園施設の更新のタイミングなどを勘案しながら、健康遊具を適切に配置していきたいと考えております。
次は、民生委員の負担軽減についてのご質問であります。区では民生・児童委員の欠員対策として町会長さんへの働きかけを行うとともに、昨年度末に退職した区職員に対しまして委員活動への参加を呼びかけるなどチラシを配布してまいりました。また、委員活動の負担につきましては昨年度アンケートを実施し、多くの委員がやりがいを感じているという一方において、業務の多さに負担を感じているという結果でもございました。区ではアンケート結果を踏まえて、民生・児童委員活動の周知の在り方や具体的な負担軽減策について、会長協議会と連携をしながらまとめてまいりたいと考えております。
残りました教育委員会に関する答弁は、教育長から行います。
◎教育長(中川修一) 議長、教育長。
○副議長(しば佳代子議員) 教育長。
〔教育長(中川修一)登壇〕
◎教育長(中川修一) 皆様、おはようございます。それでは、いがらし学議員の教育委員会に関する一般質問にお答えします。
初めに、多様な他者との関わりの機会の創出事業についてのご質問ですが、本事業は幼稚園等の空き定員を活用し、保護者の就労の有無に関わらず、未就園のゼロ歳から2歳児の預かり事業を行った園に対し、必要経費を補助するものであります。現在、区内では12園の私立幼稚園で既に実施しており、令和6年度中に区立幼稚園を含め、さらに5園が実施する予定であります。引き続き機会を捉えて制度内容の周知を行い、事業の実施を促すとともに、保護者に対しても様々な媒体により広く周知を図ってまいりたいと思います。
次に、小1の壁についてのご質問ですが、板橋区教育委員会におきましても、小学生の安心・安全な居場所の確保や保護者への仕事と子育ての両立支援の重要性については認識しています。学校施設を活用した朝の居場所の提供につきましては、安全な居場所を安定的に提供する体制の構築等の課題があります。そのため、区立小学校における児童の登校状況の実態や他自治体における取組状況を把握した上で、様々な課題への対応を検討していきたいと思います。
次に、学用品無償化の可能性と概算費用についてのご質問ですが、学用品に関し、保護者に費用負担を求めることは義務教育無償の原則に反しないものであると考えます。そのため、現時点では無償化についての検討は行っていないところではありますが、学用品につきましては現在の就学援助制度による助成を継続しつつ、より低廉な額となるよう校長会等で周知しているところです。学用品の範囲が定かでなく、費用の概算を算出することは難しいのですが、一例として令和4年度の全小中学校の学校徴収金における教材費とされる総額は、およそ3億5,000万円となっています。
最後に、ラーケーション制度についてのご質問ですが、ラーケーションにおいて保護者と子どもがともに体験的、探究的な学びに取り組むことは、豊かな人間性の育成や問題解決能力等を育成する上で重要であると認識しています。板橋区でも総合的な学習の時間を事業革新の要として体験的、探究的な学習の充実に努めており、各学校では特色ある学習を実施しています。ラーケーション制度の実施につきましては、他自治体の取組を注視し、研究してまいりたいと思います。
頂きました教育に関するご質問の答弁は、以上でございます。
〔議長交代、議長(
田中やすのり議員)議長席に着く〕
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△延会の決定と次回日程の報告
○議長(
田中やすのり議員) 会議の途中でありますが、この際お諮りいたします。一般質問の通告をされた方が7名残っておりますが、議事運営の都合により、本日の会議をこの程度にとどめ、明6月7日に会議を延会し、一般質問を引き続き行うことにいたしたいと存じますが、これにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と言う人あり〕
○議長(
田中やすのり議員) ご異議がないものと認めます。
よって、本日の会議はこれをもって終了し、6月7日に会議を延会することに決定いたしました。
次の会議は6月7日午前10時に開会いたします。
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△延会の宣告
○議長(
田中やすのり議員) 本日は、これをもって延会いたします。
午後4時52分延会
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以上相違なきを認めここに署名する
会 議 録 署 名 議 員
議 長 田 中やすのり
27番 山 田たかゆき
33番 いわい 桐 子...