板橋区議会 2024-03-14
令和6年3月14日予算審査特別委員会−03月14日-01号
令和6年3月14日
予算審査特別委員会−03月14日-01号令和6年3月14日
予算審査特別委員会
予算審査特別委員会記録
開会年月日 令和6年3月14日(木)
開会時刻 午前10時00分
閉会時刻 午後 4時24分
開会場所 第1委員会室
議題 令和6年度予算について
出席委員
委員長 間 中りんぺい 副委員長 成 島 ゆかり
理事委員 横 川たかゆき 理事委員
内田けんいちろう
理事委員 いわい 桐 子 理事委員 いしだ 圭一郎
理事委員 おばた 健太郎 理事委員 元 山 芳 行
委員 ひはら みちこ 委員 近 藤タカヒロ
委員 坂 田 れい子 委員 木 田 おりべ
委員 一 島 ひろし 委員 長 瀬 達 也
委員 大 野 ゆ か 委員 井 上 温 子
委員 小 柳 しげる 委員 いがらし 学
委員 実 正やすゆき 委員 小 野 ゆりこ
委員 大 森 大 委員 石 川 すみえ
委員 山 内 え り 委員 中 村とらあき
委員 山 田たかゆき 委員 寺 田 ひろし
委員 わたなべ一 美 委員 岩 永 きりん
委員 くまだ 智 子 委員 荒 川 な お
委員 田中しゅんすけ 委員 田 中やすのり
委員 さかまき常 行 委員 五十嵐 やす子
委員 小 林 おとみ 委員 大 野 治 彦
委員 鈴 木こうすけ 委員 中 妻じょうた
委員 高 沢 一 基 委員 川 口 雅 敏
委員 佐々木としたか 委員 田 中 いさお
委員 し ば 佳代子 委員 おなだか 勝
欠席委員
委員 しいな ひろみ 委員 竹 内 愛
説明のため出席した者
区長 坂 本 健 副区長 尾 科 善 彦
教育長 中 川 修 一
常勤監査委員 有 馬 潤
政策経営部長 篠 田 聡 総務部長 田 中 光 輝
危機管理部長 三 浦 康 之 区民文化部長 林 栄 喜
産業経済部長 平 岩 俊 二 保健所長 鈴 木 眞 美
福祉部長 久保田 義 幸
子ども家庭部長 関 俊 介
資源環境部長 岩 田 雅 彦 都市整備部長 内 池 政 人
土木部長 糸 久 英 則
教育委員会事務局次長
水 野 博 史
地域教育力担当部長雨 谷 周 治 政策企画課長 吉 田 有
財政課長 大 森 恒 二 総務課長 荒 井 和 子
事務局職員
事務局長 五十嵐 登 事務局次長 森 康 琢
議事係長 龍 野 慎 治 調査係長 服 部 亮
書記 飯 野 義 隆 書記 高 橋 佳 太
書記 高 瀬 渉 書記 安 部 詩 織
書記 鈴 木 琢 真 書記 石 川 実 生
書記 小 林 隆 志 書記 横 山 愛
書記 土 屋 太 功
○委員長
ただいまから、
予算審査特別委員会を開会いたします。
────────────────────────────────────────
○委員長
初めに、本日の署名委員をご指名いたします。
ひはらみちこ委員、
荒川なお委員、以上のお二人にお願いいたします。
────────────────────────────────────────
○委員長
総括質問に入る前に、理事委員の辞任及び選任についてお諮りいたします。
竹内愛理事委員より理事委員の辞任願が提出されております。
これを許可することにご異議ございませんか。
(「異議なし」と言う人あり)
○委員長
ご異議がないものと認めます。
よって、理事委員の辞任を許可することに決定いたしました。
次に、先ほどの辞任により理事委員が1名欠員となりました。
お諮りいたします。
理事委員は私から指名いたしたいと存じますが、これにご異議ございませんか。
(「異議なし」と言う人あり)
○委員長
ご異議がないものと認め、私からご指名申し上げます。
理事委員にいわい桐子委員をご指名いたします。
これにご異議ございませんか。
(「異議なし」と言う人あり)
○委員長
ご異議がないものと認め、さよう決定いたします。
────────────────────────────────────────
○委員長
それでは、総括質問に入ります。初めに、質問の順序及び持ち時間数を申し上げます。
自民党、
横川たかゆき委員、
山田たかゆき委員、
元山芳行委員、
川口雅敏委員、持ち時間は5時間18分であります。公明党、さかまき常行委員、
田中いさお委員、持ち時間は3時間30分であります。民主クラブ、おばた健太郎委員、
高沢一基委員、中妻じょうた委員、持ち時間は2時間36分であります。共産党、
小柳しげる委員、
山内えり委員、いわい桐子委員、持ち時間は2時間36分であります。日本維新の会、
小野ゆりこ委員、持ち時間は36分であります。いたばし未来、
井上温子委員、持ち時間は36分であります。参政党、
坂田れい子委員、持ち時間は20分であります。無所属議員、しいなひろみ委員、持ち時間は20分であります。以上の順序で総括質問を行います。なお、持ち時間が残り5分となったとき及び終了時にブザーが鳴りますので、ご承知おき願います。
次に、本日の運営について申し上げます。本日は、自民党の総括質問終了までを予定しておりますので、あらかじめご了承願います。次に、質疑につきましては、事前通告に基づき行っておりますので、質疑を行わないで要望のみ行うことはご遠慮いただきますよう、よろしくお願いいたします。
それでは、自民党の総括質問を行います。
初めに、
横川たかゆき委員、お願いいたします。(拍手)
◆
横川たかゆき
おはようございます。今回、総括質問のほうは初めてということで、かなり緊張しておりますが、自民党の会派の先輩方のご意見もいろいろ頂きながら勉強させていただきました。ぜひ令和6年度の執行に向けてしっかりとしたご答弁のほうをお願いしたいのと、また今回、第1定から私の件で申し訳ないんですけれども、一般質問と、あとまた常任委員会の分科会の質問と、あと今回、総括質問ということで、怒濤の本当に1か月ということで、しっかりとこの1か月、勉強させていただきましたので、何とぞよろしくお願い申し上げます。それでは、通告に従いまして質問させていただきたいと思います。
まず1つ目です。いたばしNo.1実現プラン2021から2025へというところで、まずいたばしNo.1実現プラン2021の振り返り、これの人材育成についてお伺いしたいと思っております。まず、いたばしNo.1実現プラン2021は、東京で一番住みたくなるまちと評価されるまちを目指すいたばしNo.1実現プラン2018に続くものであります。その中でも、区政を担う
人材育成づくりを実現するための人材育成・活用計画が実施計画、経営革新計画と併せて3本柱の一つとして構成されておりました。そこで今日、日本では人口減少、少子高齢化が進む中、公務員の方も含め、私も会社の経営のほうに携わっておりますが、どの業界においても優秀な人材確保がなかなか厳しい状態というふうに挙げられております。本区の状況をお聞かせください。
◎総務部長
生産年齢人口の減少に伴う働き手不足が社会問題となる中、民間求人の復調傾向、公務員志望者の減少によりまして、国や他の地方自治体との人材獲得競争が激化し、区の人材確保は厳しい状況が続くと見込んでおります。そのような状況下におきましても持続可能な区政経営を実現していくためには、職業あるいは就職先として板橋区が選択され、有為な人材を確保し続けなければなりません。就職説明会や個別相談会、
インターンシップ等を充実するとともに、SNS等による積極的な情報発信のみならず、区設掲示板を活用するなど、多くの方に働く場として板橋区の魅力が伝わるよう、戦略的にPR活動を展開しているところでございます。
◆
横川たかゆき
そうしましたら、今後も少子高齢化ということで、働き手がなかなか少なくなってくるという状況下で、様々な業界もそうだと思うんですが、やはり優秀な人材ということで、板橋区のほうもしっかりとPRをしていただいて、板橋区で働くとこんなことができるとか、そういったところも含めてしっかりとPRしていただければなと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。続きまして、今後10年、20年先の板橋区の施策の推進と
区民サービスの継続のために先頭に立っていかなくてはならないと思っております。これに関して、本区の人材育成・活用方針の計画期間は、本区の基本計画と連動して2016年度から2025年度までの10年間としていますが、この9年間の間にどのような
人材育成プログラム事業を実施し、またどんな効果があり、また区としてはどのような評価と反省があるか、お聞かせください。
◎総務部長
人材育成に関してでございますけれども、区では、板橋区人材育成・活用方針─ひと創り2025─、こちらにおきましては、区のクレドと3つの職員像を掲げるとともに、これらを実現するための取組体系といたしまして、職員の成長、職場の活性化、区政経営、環境整備を挙げているところでございます。この策定時の新たな視点として整理いたしましたのが、各職場の役割と人材育成を進めます人事課の役割、この役割分担に従いまして、職員の能力を最大限に引き出す人事施策、継続的なOJTや職域ごとに求められる知識や専門性を向上させる
人材育成事業、そして働きやすい
職場環境づくりに時勢に適合させながら取り組んでまいりました。職員の意識や行動の変容、組織の状態について評価が難しいという性質、側面がございますけれども、これらの取組が
区民サービスの向上に寄与しているものと考えております。令和6年度には、
職員意識調査を実施いたしまして、現方針の効果測定を行うとともに、調査で抽出されます新たな課題を的確に捉えまして、次期方針や計画策定へとつなげていきたいというふうに考えております。
◆
横川たかゆき
様々な人材育成のプログラムということで、いろいろと事業のほうをなさっているとは思いますが、次の質問と連動して資料1に、机上のほうに資料のほうを出しているんですけれども、こちらが板橋区人材育成・活用方針ということで、ひと創り2025というところから抜粋させていただいて、これは平成26年とちょっと古い資料になってしまうんですけれども、星印のところを見ていただくと資料1、こちら、キャリアについて上司と話し合っている割合というところでもやはり目標値が50%に対して現状値が25.6%、また管理監督職への昇格意欲率というところでいきますと、主任回答が目標値としては30%以上、主任回答16.2%、11.4%とこれも半分近く下回っております。実際に管理職選考申込み率ということで、こちらも5%以上なんですが、こちらの現状値ということで、この時代の現状値で3.1%、係長職選考申込み率、こちらは20%以上のところが実際には半分近い12.8%というところがかなり目立っているのかなというふうに思っております。そこで、2018年4月1日に改定された板橋区人材育成・活用方針の中で、人材育成・活用方針の進行管理指標が掲載されております。変革・挑戦する職員への成長の項目で、計画的な
キャリア構築支援という指標名で
職員意識調査に基づいてですが、こちらのほうの職員の役職意識が少なく、また上司との交流も乏しく感じますが、職員さん同士の交流を活発に行い、全ての職員さんが区長を中心に同じ方向を向いて、区のクレドであります「私たちは、もてなしの心と高い使命感を持ったプロフェッショナルとして区政経営を推進します」という信条の下、行政に携わることが区民にとっても重要なことかと思いますが、区としてはどんなことをされていますでしょうか。
◎総務部長
ただいま資料でお示しいただいたところでありまして、当時の現状値が非常に低い数値というものにもなってございます。ただ、一方でキャリアの部分で上司と話し合っている割合というのが策定当時は25.6%、目標値は50%以上というところでございますが、直近のところでは50%に迫るところまで上昇してきております。各指標につきましても順調に上昇しているというところもございますので、先ほど申しましたとおり、次期の目標策定のところでしっかり検証して、取組を進めていきたいというふうに思っているところでございます。そして、区のクレドについてでございますけれども、区のクレドにつきましては、全職員が意識すべき共通理念でございます。とりわけもてなしの心、ホスピタリティにつきましては、区政経営の柱となる人材を育成していく上で重要な要素の一つであります。区が提供するサービスは多岐にわたります。窓口対応から内部管理的な業務まで性質も様々でありますので、各課において重視すべき姿勢、行動規範を明確にした課のクレドを設定することとしてございます。クレドとして掲げた内容を組織として絶えず意識し、職員が自らどうあるべきかを考え、実践することで、区民から信頼される職員、信頼される区政の実現につながっていくものと考えているところでございます。
◆
横川たかゆき
ある程度の数値が上がってきたということで、こちらのほうは物すごく大事なことなのでいいかなと思いますが、今、直近のある程度数字が分かっていればちょっとお聞かせ願えますでしょうか。
◎総務部長
資料1に基づきましてご説明いたしますと、キャリアについて上司と話し合っている割合ということでございますが、直近の
職員意識調査につきましては平成30年ということで、令和6年度に改めて実施するところでありますが、その調査によりますと45.4%、目標値の50%に迫ってきているところでございます。管理監督職への昇任意欲率につきましては、主任職の回答が16.2%であったところが27.5%、係長職が11.4%と回答していたところ、18.3%という形になってございます。また、3つ目の項目の管理職選考の申込み率、こちらは3.1%という当時の現状値に対しまして、直近、令和5年度の申込み率は7.6%という形になってございます。実は
係長職昇任選考につきましては、人事制度が変わった関係で比較できないところでございます。また、女性管理職の割合につきましては、こちらは心苦しいところでございますが、20.2%からほぼ横ばいというような状況でございます。現状につきましては以上でございます。
◆
横川たかゆき
ありがとうございます。やはりこういった意識向上というか、そういったものが物すごく大事なところでありますので、令和6年度にまた実施するということで、数値が定まり次第、報告いただければなと思いますので、よろしくお願いいたします。次の質問に移らさせていただきます。今後、定期的な職員さん、また区長との
意見交換会等も視野に入れ、縦割りの環境を横断できるように、職員さんが興味のある他部署の上司の方との意見交換等を行い、最近、部署の垣根を越えて横断的に行政が編成されるケースもあることから、役所内の
コミュニケーションが活性化し、他部署の理解も進むと思います。気軽に相談しやすい雰囲気があれば、何気ない話から思いがけないアイデアが出て、行政に生かされることも生まれる可能性があります。このような意見交換会などを検討されてはいかがかと思いますが、区の見解を求めます。
◎総務部長
区政を取り巻く環境や区民ニーズは複雑化、高度化しております。そのため、委員が申したとおり、1つの組織では解決することが困難で、組織横断的な取組が求められるケースが増加しております。そのため、組織の垣根を越えた
コミュニケーションの活性化は非常に重要であるというふうに考えてございます。区では、各研修におきまして所属や職種を意図的に分散させて、互いの職務や課題を共有する
グループワーク、こういったものを数多く取り入れております。他者との良好な関係を構築する
コミュニケーションスキル、そして課題設定、分析から企画、検証そして仮説設定する力といたしまして、
マーケティングスキルの育成に努めているところでございます。また、具体的な意見交換につきましては、
係長職昇任者あるいは
管理職候補者選考の合格者、それらの者と区長との懇談会を実施してございます。また、部長が講師となる講話、意見交換、そういった場につきましては講師、参加者双方に有益な機会となってございます。スキルの向上のみならず、職員同士のつながり、こういったものにも寄与するものと評価しております。意見を交わす場の充実を含めまして、組織の活性化に向けた取組を展開していきたいというふうに考えております。
◆
横川たかゆき
役所といえども本当に会社と同じで、やっぱり横のつながりというか、様々なことを経験しつつ、また経験者がしっかりと下の代につないでいくということが物すごく大事だと思いますので、板橋区の区政に関してしっかりと今後も見据えて、そういった横のつながり、また区長を中心とした様々な区民のための、また区民がどうしたらよくなるかということを考えていただいて、実施していただければなと思いますので、今後ともよろしくお願い申し上げます。次の質問に移ります。今後さらに若手職員さんを中心に、行政施策の勉強会や他区との連携において、本区のためになるサービス向上に向けた定期的な意見交換会、勉強会が必要と思われますが、こういった若手職員さんの
スキルアップに向けて現状どのような事業が行われているのか、お聞かせください。
◎総務部長
若手職員の育成、
スキルアップに関してでございます。板橋区人材育成・活用方針では、採用から8年間を
キャリア発見期、その後の5年間を
キャリア確立期と位置づけまして、
キャリアステージを明確化するとともに、特に採用から2年間、この期間を重点育成期間としておりまして、職員としての基礎固めに注力しているところでございます。新任研修では、仕事に楽しさと誇りを持ち、学びと実践を繰り返す、2年目から主任職までの現任研修におきましては、経験を強みに考え方を増幅し、確かな知識と技術を習得する、こういった目的を明らかにしておりまして、体系的に様々な研修を実施しております。また、研修だけではなく、新規採用職員には
OJTトレーナーをつけまして、日々の業務の中で丁寧な育成支援を行うなど、未来の区政を担う若手職員の育成に組織全体で取り組むことで、ひいては組織の成長、組織力の強化にもつなげていきたいというふうに考えております。
◆
横川たかゆき
先ほどと同じなんですけれども、やっぱり区民の笑顔のために、しっかりと本当に区長を中心として、若手職員が育っていくことによって、今後の板橋区というものに明るい未来が開けてくるのかなと思いますので、今後とも若い職員さんの皆様に充実した、そういった
スキルアップ向上に向けてしっかりと事業を実施していただければなと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、ちょっと内容を変えます。質問させていただきます。いたばしNo.1実現プラン2025の
重点戦略バージョンアップについてお伺いしたいと思います。今回、
SDGs戦略、DX戦略、ブランド戦略という3つの
バージョンアップを挙げておりますが、まず最初に
SDGs戦略ですが、いたばしNo.1実現プラン2025の啓発から実践への部分で様々な事業が上げられておりますが、事業を実施すれば、これは
SDGs戦略が成功ではなく、17のゴールの中の169のターゲットに即した事業を明確に推進しなくてはなりません。そこで、2030年までに本区では環境未来都市を目指すぐらいの気持ちで、
SDGs戦略のビジョンを今後しっかりSDGsの17の目標の中のエネルギーをみんなに、そしてクリーンにという目標で事業を実施しなくてはならないと考えております。例えば、
再生可能エネルギーに関しては、化石燃料の高騰、供給の逼迫する昨今、
再生可能エネルギーの導入推進必須と言っても過言ではないと思っております。化石燃料は、使用すると地球温暖化の原因となるCO2を大量に排出します。これらのことからCO2を排出せず、かつ枯渇しない
エネルギー資源の需要が高まっていることから、今後、区施設や学校改築・改修などにおいても、太陽光発電を使用した
再生可能エネルギーに関して本区が見本を見せることが重要と考えますが、それに対しての区の見解をお聞かせください。
◎
資源環境部長
区では、区施設の新築や改修の機会を捉え、板橋区
地球温暖化対策実行計画事務事業編2025や省エネルギー・
環境配慮設備等導入基準に基づき、
太陽光発電設備をはじめ、
再生可能エネルギーの導入を推進しているところでございます。今後もゼロ
カーボンシティの実現に向けて、区民や事業者に積極的に取り組む姿勢を示してまいりたいと考えてございます。
◆
横川たかゆき
そうしましたら、本区では、令和2年度に終了した住宅用新エネルギー及び
省エネルギー機器等の
導入補助金制度を、都の現在、太陽光発電、蓄電池の助成制度に関しても、令和6年度の補助金も募集しております。様々な補助制度の周知も含めて、板橋区の民間住宅設置に対しても太陽光発電に対する区の助成を促すことが必須と考えますが、区の見解をお聞かせください。
◎
資源環境部長
区の新エネルギー及び省エネルギーの
機器等導入補助金は、国や東京都による
環境関連補助制度の充実が図れたため、令和2年度で終了しております。現在、区民や事業者の皆様には、国や都の制度を利用していただくよう周知しているところでございます。これらの補助金は、当時の区の補助メニューより幅広いものとなっており、区では積極的な活用を呼びかけておりますが、今後も周知方法等を工夫し、活用を促していきたいと考えてございます。また、区独自の補助制度につきましては、利用状況などの関連制度の動向を踏まえ、検討してまいりたいと考えてございます。
◆
横川たかゆき
やはりそうしましたら、周知が板橋区の皆様になかなか伝わり切れていないというところがかなり問題なのかなというふうに思っていますので、今後、板橋区の皆様にそういった都の補助金ですとか、そういったものがあるよとしっかりとPRしていただいて、区民の皆様に還元できるような形で進めていただければなと思いますので、よろしくお願いいたします。続きまして、
SDGs戦略では、人口減少と地域経済縮小の克服、また、まち・ひと・しごとの創生と好循環の確立という実質目標があると考えますが、地域経済の縮小に関しては、いたPayで本区の商店街に貢献されていることには賛意を表します。数ある中小企業のバックアップ体制はまだまだと感じております。ひと・しごとの創生も含めて、板橋区内にある企業同士のマッチングやしっかりとしたコンサルも含め、板橋の経済をさらに活性化しなくてはなりません。好循環の確立に向けた産業経済のサービスにおいて、現在、推進事業でどのような効果があり、令和6年度以降の事業があればお聞かせください。
◎産業経済部長
今年度は、いたばしPayのポイント還元キャンペーンの拡大に加えまして、公衆浴場に対する燃料費助成や経営安定化特別融資を年度末まで延長するなど、区内経済の状況に応じた様々な支援を実施することができ、事業運営の一助となったものと考えております。令和6年度は、生産性の向上に資するような設備投資を図る事業者に積極的な支援を行うとともに、いたばし産業見本市の拡大を通じて、区内企業のブランド力の強化を図ってまいります。さらに、産業振興公社の事業として、従業員の資格取得やリスキリングを後押しする人材育成支援事業など、中小企業の持続的な成長、発展に寄与するような事業にも取り組んでまいります。
◆
横川たかゆき
そうしますと、やはり私も中小企業ということで経営のほうに携わっておりますが、緊急なときとか緊急小口とか、そういったものを物すごくタイムリーに欲しいというやっぱり事業者の方々もかなり板橋区内にはいらっしゃると思いますので、そういった点も含めてしっかりと中小企業、また昨日、大手企業は春闘でベースアップも満額回答ということがあったんですが、実際に中小というのが二次、三次、四次、五次と下に行けば行くほど、そういった賃金アップというのもなかなか難しい状況でもありますし、また仕事をする上で未来が見えるような、そういった仕事ができるように、それの区民に対してのバックアップというのもやっぱり区がしっかりと見据えていただいて、そういった支援をしていただくことが今後大事なのかなと思っていますので、そういった広い目で見ていただいて、今後ともよろしくお願いしたいと思っております。それでは、次に、DX戦略についてお伺いしたいと思います。先日、我が会派のほうでデジタルサービス局事業であります東京都副知事が理事長を務めます一般財団法人GovTech東京さんへ視察に行ってまいりました。区市町村DXの推進に向けた取組、こどもDXの推進、デジタル通貨プラットフォームについて勉強させていただきました。その中でもこどもDX推進についてですが、2025年度末までにプッシュ型子育てサービス、保活ワンストップを都内自治体で実現し、DXを着実に推進するという点に僕のほうでは着目しました。プッシュ型子育てサービスでは、今まで保護者が子育てに対して申請等は受け身の状態で、通知が届いてから申請するといったものが、こちらではアプリを用いて必要な情報が先回りで届き、通知の漏れが防げるといったものです。また、保活ワンストップに関しては、保育園探しから入園までの手続がオンラインで完結するシステムを実現するといったサービスを提供するシステムの構築を東京都のほうが中心となり、各自治体へ発信するといったサービス提供を行うプロジェクトでした。そのことに対しても今後、本区に対してサービス提供がスムーズに子育て支援の一つになると思います。また、今後のDX戦略に対しても、本区から子育てニーズに合った情報提供サービス、例えば子育て支援の一環として児童館の相談窓口予約システム、幼稚園・保育園のマップと空き状況が一目で分かるアプリなど、板橋独自のツール作成が求められると思いますが、本区の見解をお聞かせください。
◎
子ども家庭部長
今お話を頂きました子ども・子育て支援におけるDXの推進でございますけれども、非常に重要なことであると考えておりまして、これまでも区立保育園への保育業務支援システムの導入ですとか、いたばし子育て応援アプリのリニューアルなどを実施してまいりました。一方、社会におけるICTやAIの発展・普及は目を見張るものがありまして、今はもうデジタルネーティブと呼ばれる子育て世代になっておりますけれども、その世代に板橋区に住みたいと感じていただくためには、さらなるDXの推進が急務であるというふうに考えております。今後、今定例会で児童館のあり方の具現化や保育施設のあり方検討について報告いたしましたけれども、その検討を行っていくに当たりまして、ご提案の内容も含めまして、様々な観点から子ども・子育て支援に向けたDXの推進を図ってまいりたいと思います。
◆
横川たかゆき
今回、勉強会に行かせていただいて、いろいろお話を聞いていますと、皆さん、携帯で何でも事がつくみたいなところの保護者というか、今、親御さん、そういった方がかなり増えていらっしゃいますので、今までは本当に通知を送ったりとかというイメージなんです。通知をというか、紙ベースで送ったりとかというベースがあったんですけれども、今後はこっちからやっぱり発信して、漏れがないような形でスムーズに子育てできるようなイメージができるのかなというふうに僕も勉強会に出て感じたところでありますので、そういったところも含めて今後、DX戦略の
バージョンアップということですので、しっかりと進めていただければなと思います。また、GovTech東京さんからもDXに特化した事業に関して、人材フォローも含めたバックアップ体制をさせていただければお手伝いさせていただきますといったお言葉も頂いております。CIO会議においても、板橋区さんの依頼、申込みがないと伺いました。DX戦略の
バージョンアップとして、そのような人材を派遣していただき、本区の職員さんたちへの継承も含めて、区政サービスの提供もしっかりと勉強できると思いますが、区の見解をお聞かせください。
◎
政策経営部長
東京都全体のDXの推進を牽引する役目を担っておりますGovTech東京では、各団体から寄せられるDXに関する個別相談、伴走的なサポート、専門的な見地からの支援についてはもう既に開始されているという理解でございます。先月末には、GovTech東京パートナーズという名前を打ち出しまして、公的分野を得意としますスキルや経歴を持つデジタル人材の募集を開始しまして、今後、各自治体の課題にマッチした人材を紹介していくと聞いております。区の課題に対応できるデジタル人材の確保につながる、こうした取組は大変貴重であると思っておりまして、GovTech東京から提供されれば人材データベースそれから支援メニューなどを見極めながら、効果的な活用方法を検討してまいりたいと考えております。
◆
横川たかゆき
やはり今後
バージョンアップという観点も踏まえて、しっかりとそういった板橋区だけではないと思うんですね。これは勉強会でいろいろお話も聞いたんですけれども、やっぱり23区ともにしっかりと足並みをそろえてやっていくというのは板橋区、また東京都も必要なのかなと思いますので、しっかりと連携、その他もろもろ含めて実施していただければと思いますので、よろしくお願いいたします。それでは、次に、ブランド戦略に関してですが、自分の考える行政としてのブランディングというものなんですけれども、これは一時期のブームで地域が活性化しても、継続できないと意味がないと思っております。そこで、継続させるためには、本区の住民、企業、本区に訪れた人の言葉を参考に、次なる改革につなげていかなければなりません。また行きたい、ずっと住み続けたい、ほかの人にも本区のよいところを広めたいと思ってもらう努力を続けることがブランディングだと私は思っております。そこで、本区のブランド戦略においても、事業を羅列するだけではなく、様々な事業に対してしっかりと分析した上で、本区の特徴や見どころを改めて指標化し、区の公式サイトや無作為の区民アンケート、区民まつりのアンケート等の検証を反映させるなど、例えば板橋区で誇りに思うものはですとか、板橋区に住み続けるには何が必要かなどのリサーチをして、ブランド戦略の位置づけに生かすことが必要と思われますが、区の見解をお聞かせください。
◎
政策経営部長
ブランド戦略の基となりますのが板橋区シティプロモーション戦略でございますけれども、この策定に当たりましては、区の施策や見どころ、それらを洗い出しまして、アンケート調査によって認知度や魅力の検証を図ったところでございます。この検証を基に区の目指すべき姿を設定しまして、区民の区に対する誇りと愛着の醸成、定住意向の向上を促すために戦略的な魅力発信に努めてまいりました。結果、一定の成果を上げてきたものと考えているところでございます。ご指摘のとおり、板橋の魅力をこれまで以上に受け手の心に響かせるために、共感が得られるような発信をするために、的確な現状把握が不可欠であると考えておりますので、今後もその点を念頭に、リサーチを行っていきたいというふうに考えております。
◆
横川たかゆき
様々なアンケート等も含めてしっかりとリサーチしていただいて、ブランディングにつなげていただければなと思いますので、よろしくお願いいたします。また、次の質問で、ブランディングに関しても、例えば板橋区内には多くの大変おいしいラーメン店が点在しております。例えば、区内でラーメンシンポジウム的なグルメ会の開催等でマスコミ等の力を借りて、板橋のラーメン戦争を全国に知れ渡らせるといった思い切った戦略というのもブランド戦略には必要になってくるのかなと私は思っております。また、今後、区内の民間企業や知見者のアドバイスを頂きながら、今後のブランド戦略に生かしていくことも視野に入れていくことや、ブランディングに力を入れることで、そのブランドのファンをつくり、ファンになった方たちがSNSなどを通して宣伝したり、口コミで広げてくれる効果も見込めます。そのような効果も含め、区としてはどのようなお考えをお持ちか、お聞かせください。
◎
政策経営部長
情報収集手段が多様化する中、地域の魅力的な資源を地域ブランドとして確立し、ほかの地域にないコンテンツとして発信していくには、SNSや口コミは重要で強力な手段であろうかと考えております。特にSNSにつきましては、認知度を一気に向上させる効果が期待されますが、一方で日々、多く情報が発信、蓄積されているインターネット上で注目を集めるには、情報の受け手が共感する情報、これを発信することが求められているんだと考えております。より多くの共感が得られるような情報発信に向けまして、外部スキルの活用を図るなど、改善を重ねていく考えでございます。
◆
横川たかゆき
ブランドというものは本当にお金をかければブランドになるかというと、なかなかそうでもないのかなというのが今実際のところでありまして、先ほどの質問でもあったんですが、本当にお金をかけて一度で終わってしまうというブランドも、私も社会に出て会社勤めをしていますといろんなそういったブランドを立ち上げて失敗した例も多々見受けられました。先ほど言われたとおり、いかに区民の皆さんの共感を得るかということが一番大事なのかな、ブランドにはということで私は思っております。ですので、実際に区民の皆様、また板橋区に来られる皆様のしっかりとした意見、また口コミ等も含めてなんですけれども、そういった様々な意見を取り入れて、何とか板橋区にはこういう誇りがあるんだと、またこういうふうに共感してもらえるものがあるんだというものをしっかりと推し進めていただければ、ブランド戦略も
バージョンアップになるのかなと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。
続きまして、板橋区保有の跡地活用計画についてちょっとお伺いしたいと思います。いたばしNo.1実現プラン2025において、2021公共施設などのベースプランによりますと、魅力ある公共施設へと再構築が挙げられております。その中で、施設の機能転換や複合化等により施設総量を抑制しつつ、施設の質をさらに充実させ、効率的・効果的なサービスの提供などにより、時代の要請に対応した魅力ある公共施設へと再構築し、持続可能な区政への実現と継続的な行政サービスの提供を図っていきますという文言が記されております。今後の跡地活用に際しまして、板橋区立第九小学校の大きな跡地についてなんですけれども、建物の老朽化などをしっかりと調査した上で、地域団体やまた中学校の部活移行による使用も含め、住民の皆様がもっと使用したいと思うような改修、またしっかりとしたサービス提供を受けられる施設として活用したり、災害時においても安全な避難場所としての整備が必要と思われますが、板橋区立第九小学校の跡地利用の見解をお聞かせください。
◎
政策経営部長
旧板橋第九小学校の跡地ですが、本年5月まで改修中の私立保育園の仮園舎として暫定利用することとなっております。その後につきましては、No.1プラン2025の改訂版の経営革新計画にありますとおり、令和7年度に活用方針を定める予定であります。検討に当たりましては、板橋区学校跡地利活用基本方針に沿いまして、区のみならず、公共・公益団体あるいは民間事業者による活用も併せて検討しまして、広く区政課題の解決や地域の活性化を図っていく考えでございます。
◆
横川たかゆき
そうしますと、そういった跡地利用ということで、大きな土地というものが今後出てくると思うんですね。やっぱりある程度、住民の皆様にも何年も置いて、5年もそのままにして、例えば門があります、校庭があります、校舎がありますといったところで何年も放置していくというのがなかなか、予算の問題もあるとは思うんですけれども、住民の皆様が納得してこういったものを造ってくれるんだなというイメージが、なかなか数年が経ってしまうとただそこに空き地があるだけみたいな形になってしまうと思いますので、何とぞ地域の皆様には、前もってこういったものができますよ、前触れじゃないですけれども、そういったご意見を聞いて、またさらに反映させたものをしっかりと伝えていただければなと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。次に、今はちょっと大きな跡地の問題だったんですけれども、前野三丁目集会所跡地といった狭小地に関しても本区としては大事な底地と考えますが、狭小地利用に関しても地域の皆様の意見を聞き、前野町三丁目集会所跡地で言えば、現在、私も地域のほうを回らせていただいていますと、防災広場といった防災に特化した広場の設置を望んでおります。跡地近隣の住民の要望、防災広場の設置が大事なことかと思いますが、区のこちらの見解もお聞かせください。
◎
政策経営部長
前野三丁目集会所跡地につきましては、公園としての整備と防災倉庫の設置というような地域要望を頂いているところでございます。まずは活用方針を定めることになりますが、No.1プラン2025改訂版の経営革新計画に位置づけておりますので、令和6年度の策定ということで考えているところでございます。検討に当たりましては、板橋区公共施設跡地活用方針というのがございまして、これに基づきまして地域要望を踏まえつつ、将来的な行政需要や周辺における土地利用、まちづくりの状況などを勘案しながら有効活用を図っていく考えでございます。
◆
横川たかゆき
大きな跡地と同じようなご答弁を頂いているんですけれども、ここも何年も空いている状況で、本当に隣接している方からも今の状況が改善なり、どういったものができるかという報告がないとなかなか安心して住めないということも伺っております。そういった意味では、早い決断というか、そういったものをしっかりと進めていただいて、区民の皆様にはしっかりと伝えていただければなと思いますので、何とぞ今後ともよろしくお願い申し上げます。
次に、質問が変わります。板橋区かわまちづくり基本構想についてお伺いさせていただきたいと思います。今回のかわまちづくりは、国土交通省荒川下流河川事務所が大きく携わっているとお聞きしました。令和3年8月に、国交省より支援制度に登録されました。このときから防災と川辺のにぎわいづくりが大きな目的だったと思われますが、確認を含めて経緯をお聞かせください。
◎
危機管理部長
よろしくお願いいたします。板橋区かわまちづくり計画につきましては、板橋区が国に申請しまして、令和3年8月に国土交通省がかわまちづくり支援制度に登録しております。当時の全体コンセプトは、スポーツゾーンと高台まちづくりを掛け合わせることで、利便性の向上、にぎわいの創出、防災力の向上を目指すものでありました。当時から防災とにぎわい創出が大きな目的であったことはご指摘のとおりでございます。
◆
横川たかゆき
今回、支援制度登録を受けるまでは、2年から3年の間、国交省と密に打合せを進めてきたと私も思っております。また、基本構想を拝見しますと、かなりこれは夢のある板橋区にとっても大変インパクトのある構想と感じております。第1期かわまちづくり整備は、荒川水害において緊急一時待避所の連絡通路として、こちらに関しては全然異論がなく、第2期以降の整備に当たっては、河川土手に設置物のようなものがあったり、カフェスペースなど簡易な建物のようなものがあったり、車両もあります、安全性は大丈夫か、実現性が乏しいのではないか、疑念の声も上がっております。国交省の確認が取れた上での構想と思われますが、いかがでしょうか。また、水害時の対応などで全ての施設にタイヤをつけたり、事前の水害タイムラインを基に移動するなど、安全の確保、実現性の対応についてもお聞かせください。
◎
危機管理部長
かわまちづくり計画の申請に当たりましては、区と荒川下流河川事務所とで定期的に綿密な打合せを行い、国の全面的な協力の下、通常よりも短期間で支援制度に登録をされております。また、令和5年度につきましては、区の関係6部と荒川下流河川事務所とで定期的にプロジェクトチーム会議を開催しまして、令和6年1月にかわまちづくり基本構想を策定し、公表したところでございます。基本構想は、にぎわい創出の方向性をイメージ図で示したものでありまして、区議会や地域住民からの様々なご意見を頂いておりますので、その意見を踏まえるとともに、安全性の担保や実現性を十分検討した上で、令和6年度に策定するかまちづくり基本計画で詳細を決定する予定でございます。
◆
横川たかゆき
そうしますと、やっぱり河川のにぎわいということで、河川敷のにぎわいということで、舟渡地区とか新河岸地区の住民の方にはどういったご意見とかというのはお聞きでしょうか。
◎
危機管理部長
地域住民の方とはかわまちづくり協議会等の設置をしておりますので、その中で様々なご要望、ご意見を頂いてございます。例えばキャンプ場の設置ですとか、交通アクセスの課題ですとか、防災面の課題等々、いろいろご意見を頂いておりますので、その辺もしっかり踏まえた上で計画策定を行ってまいりたいと考えてございます。
◆
横川たかゆき
そうしますと、やっぱり地域の皆さんというのは結構前向きな意見でよろしいでしょうか。一応それの確認だけ、すみません。
◎
危機管理部長
地域住民の方からは、やはり荒川については浸水の可能性があるということについては、ご指摘を頂いて不安の声も頂いているという状況がございますけれども、基本的には荒川河川敷がにぎわい創出にかじを切ったということについては、好意的に受け止めているというふうに認識をしているところでございます。
◆
横川たかゆき
今回のイメージでは、民間の力を引き出し、プロジェクトの魅力をつくっていただいて、にぎわいを創出していくことが求められると思いますが、外堀にあるプロムナードの整備は先ほど言われたとおり、国が全面的にバックアップということで、これは物すごくありがたいというふうに思っております。民間企業は魅力ある事業の創出と経営運営、本区は管理、サポート、役割分担をしていくことができれば区の負担が少なくなると思われます。民間の力を最大限に引き出し、ソーシャルデザインも含めて、ハードは国、ソフトは民間の力が重要だと思いますが、区の見解をお聞かせください。
◎
危機管理部長
各種整備事業につきましては、河川管理施設に関わる整備は国が実施いたしまして、それ以外の整備は区が実施いたします。また、かわまちづくり計画を進める上で、民間事業者ノウハウの活用は、整備や維持管理・運営の両面におきまして大変重要な視点であると認識をしております。Park−PFIなどの様々な民間活力手法につきまして比較検討した上で、最も効果的な導入方法を決定する予定でございます。
◆
横川たかゆき
やっぱりこういった大きな事業といいますと民間のノウハウが物すごく重要になってくると思います。うちの会派でもいろいろとお話を聞いています。例えば、八景島シーパラダイスをつくったそういった企業さんですとか、そういったところを呼んで、本当に水辺に強い、また水に強いといった、そういった経営ノウハウを持っている企業さんを呼んだりですとか、そういったものも今後必要になってくるのかなと思っていますが、その点についてちょっとお聞かせ願えますでしょうか。
◎
危機管理部長
現在もいろいろな事業者とは、危機管理部としてもヒアリングをさせていただいている状況もございます。一方で、本当にたくさんの事業者がございますので、今、委員にご指摘頂いた事業者も含めまして、いろんなところとヒアリングをしながら、最もいい事業者を選定していくということがこのかわまちづくり計画を進める上で重要なポイントかなというふうに思っておりますので、幅広くいろんなご意見を伺ってまいりたいと考えてございます。
◆
横川たかゆき
ぜひそういった民間の様々なノウハウを入れて、計画のほうをしっかりと進めていただければなと思います。その上で、次の質問に移ります。隣接する野球場や陸上トラック、またサッカー場のしっかりとした整備も含め、施設の充実や川辺の水上バスの運営、また音楽フェスの開催、人工的に波を起こしてのサーフィン体験ゾーンなど、花火大会時に屋形船を出したりといろいろ夢が広がってくるとは思います。区と住民の意見交換も含めて、上手に民間企業と打合せの旨、防災の観点も忘れずに前進していただきたいと思いますが、区の見解をお聞かせください。
◎
危機管理部長
かわまちづくり計画を進めるに当たりまして、区、地域住民、事業者、河川管理者などが参加します板橋区かわまちづくり協議会を設置しておりまして、様々なご意見・ご要望を頂いております。また、近隣の町会・自治会からは、キャンプ場の整備などに加え、防災面に関する要望も頂いているところでございます。今後も多くのご意見・ご要望を集約しながら、河川利用者や来街者の健康増進、それから交流人口の増加、にぎわいの創出、また地域防災力の向上を図る取組を推進してまいります。
◆
横川たかゆき
次に質問を変えまして、今回の組織改正についてお伺いさせていただきたいと思います。計画を進めるためにかわまちづくり担当部長を新設するなどの組織改正がなされると聞いております。実際に内示も出ておりますが、その考え方と狙いについてお聞かせください。また、併せて部課長のほうが何名ぐらいの体制が必要と考えているのか、数の根拠も併せてお伺いします。
◎
危機管理部長
これまでのかわまちづくり計画につきましては、危機管理部が事務局となりまして、水害対策への喫緊の課題として、防災対策を中心に進めてまいりました。新河岸陸上競技場と荒川堤防をつなぐ連絡通路の整備であります第1期計画の工事着手のめどが立ったことから、にぎわい創出をさらに推進する方向性を示したところでございます。にぎわい創出につきましては、多岐にわたる庁内の関係部署の調整に加えまして、荒川下流河川事務所など、区外の関係機関との調整が必要なことから、かわまちづくりに特化した新組織を設置することとしたものでございます。また、人員体制につきましては、事務量を精査いたしまして、部課長を含めて合計で3名程度になると想定をしているところでございます。
◆
横川たかゆき
組織については、この後、川口委員のほうからさらに質問されると思いますので、別の視点からお伺いします。かわまちづくりは国交省との連携が重要な事業で、密なやり取りが必要だと考えられますが、国との調整係はどなたが行うのでしょうか。また、国交省とスムーズにやり取りができる人材の確保についてどのように考えているのか、区の見解をお伺いします。
◎
危機管理部長
荒川河川敷には、安全確保に関する各種規制など、多くの制約もございますので、かわまちづくり計画の検討に当たりましては、荒川下流河川事務所との綿密な連携が重要だと認識をしております。新たに設置されるかわまちづくり計画に特化した新組織につきましては、部課長や係長などがこれまで以上に国と緊密に連携することで、荒川下流河川事務所とスムーズなやり取りができると考えているところでございます。
◆
横川たかゆき
そうしましたら、やっぱり国としっかりと話していただいて、スムーズな段取り、またいろいろな密な打合せ等も含めてしっかりと推し進めていただければなと思いますので、よろしくお願いいたします。それと、計画を進めるに当たり、関係する庁内部署との連携はどのように想定されていますでしょうか。また、これだけの大きなプロジェクトですから、成功させるためには相当なノウハウや経験も必要だと考えます。プロデューサー役となり全体を描きまとめる、進めていく役割が必要と思われますが、部長、課長、先ほど言われた係長ということで、役割と併せてお聞かせください。
◎
危機管理部長
かわまちづくりにつきましては、にぎわい創出や防災、道路や水道などのインフラ整備に加えまして、交通アクセスの改善など、関係各部が所管する業務への対応が必要となるため、関係各部との連携や調整が不可欠となるものでございます。これまでは危機管理部、区民文化部、産業経済部、資源環境部、都市整備部、土木部の関係6部でプロジェクトチーム会議を開催し、検討してまいりましたけれども、さらに庁内の連携を深めていくため、推進本部体制を構築するなど、検討体制をさらに強化する考えでございます。事業の進行管理につきましては、単なる関係機関等との調整にとどまらず、議会や地域住民、事業者の意見を取り入れるなど、高度な調整も必要となりますので、かわまちづくりの新組織の部課長、また係長がその総合調整を担うものと考えているところでございます。
◆
横川たかゆき
そうしますと、やっぱり部長、課長、係長ということで、3名体制で行うということをお聞きしまして、3名でしっかりと、なかなか人数的にはあれなのかなというところもあるんですけれども、国との密接な関係というのも今後は大事なことですので、あと地域また各種かわまちづくりに携わる方々の団体も含めてしっかりと進めていただければなと思いますので、今後ともよろしくお願い申し上げます。
次に、大きな質問でいきます。資料3をご覧ください。板橋区区民意識意向調査について今回はお伺いさせていただきたいと思います。こちらは北陸大学の経済経営学部マネジメント学科の田尻先生の論文を表化したものなんですけれども、こちらのやっぱり星印のところを見ていただきたいんですね。発見後というところで、これもちょっと目を通していただいて質問させていただきたいと思います。本区においては、2年置きに無作為なアンケート3,000通で板橋区区民意識意向調査を2003年からしているということを確認しておりますが、直近の2023年の調査によると、内容は区民の住みやすさや定住意向、また区への愛着、誇りのほか、区の施設に対する意識・意向などを広く把握し、板橋区基本計画の推進に向けた基礎資料とすることを目的として、区民の区政に対する意識や意向を今後の政策に生かされているかを指摘しています。そこでお伺いします。この調査結果を基にどのような検証、また効果が見られたのか、お答えください。
◎
政策経営部長
区民意識意向調査ですけれども、ご指摘のとおり2年に一度、基本計画の進捗状況のほか、区政全般にわたって今後の課題や現況を把握するために実施しているものでございます。調査結果は様々な角度から分析しまして、各個別計画の策定や評価、それから新規事業の企画立案、行政評価の指標などとして活用しているところでございます。特に住みやすさ、定住意向、愛着、誇りを感じる区民の割合等は高まってきておりまして、東京で一番住みたくなるまちの実現に向けて、展開してきました戦略あるいは施策の効果が着実に現れているということがこちらで分かってきたというふうに考えております。
◆
横川たかゆき
次にまた重ねて質問なんですが、例年の調査と新しい調査の設問の共通割合が2023年の調査では、こちらの資料に基づきますと37%となっております。共通設問に関しては、50%ぐらいの共通設問でなければしっかりとしたデータ活用が難しいと思いますが、今後は共通設問のパーセンテージを上げて、区民の意識・意向の経年変化をしっかりと受け止めなくてはならないと思いますが、今後の調査、共通設問に対して、区の見解をお聞かせください。
◎
政策経営部長
ご紹介いただきました北陸大学の調査研究における37%という数字の根拠について承知しておりませんけれども、区としましては、前回と今回の調査を比べると、約8割程度は同じまたは類似の調査項目としたところでございます。経年の変化を分析することは重要でございますが、調査時点におけるトピックスや緊急課題についても把握する必要がありますので、今後もバランスの取れた区民意識意向調査を実施しまして、基本計画の推進に活用してまいりたいと考えております。
◆
横川たかゆき
資料のほうを出させていただいて、区としては8割程度重なっているということでお伺いしました。区から見る目とやっぱり周りの第三者から見る目というものは、かなりこれだけ違っているのかなという実感がありますので、そういったものも含めてしっかりと区民調査のほうを進めていただければなと思います。次に、調査から見る反映についてちょっとお伺いしたいと思います。調査に当たっては、2023年でいうと、これは国勢調査とかその辺も含めて、国のお願いするものに関してはおよそ1,900万円ほど調査費がかかっているということで、財政課の資料を確認しておりますが、今回の区民調査は約300万円ほど調査費がかかっているということでありますが、どのような処理をされて、どのように反映されているか、もう一度お聞かせ願えますでしょうか。
◎
政策経営部長
令和5年度につきましては、約315万円の経費で調査を実施しております。調査項目につきましては、過去の項目のほか、庁内各部署へ項目の希望を照会しまして、全区的なもの、それからまたは活用が図れるのかといったような視点で精査させていただきまして、調査票を設計、決定しているところでございます。調査結果につきましては、庁議報告の後、ローデータを含めまして、全ての所管課が閲覧、分析可能な状態にしておりまして、施策の評価や新規事業の企画立案などに活用するよう全庁に周知したところでございます。なお、調査結果データにつきましては、オープンデータとして公開しておりまして、先ほどご紹介いただいた大学などで活用できまして、政策提言等に活用いただければというふうに考えております。
◆
横川たかゆき
それと、調査から見る反映ということで、区の公式LINE等を用いた調査も含めた安価な調査も、頻度を上げての調査も検討や工夫が必要でないかなと思っております。また、重点戦略に関しましても、時期にもよるとは思うんですけれども、設問を入れたりとか工夫が必要と考えますが、区の見解をお聞かせください。
◎
政策経営部長
区の公式LINEを活用しましたアンケートは効率的な面がありまして、時機を捉えたテーマを設定して実施していきたいというふうに考えております。一方で、57万区民の意識意向につきまして統計学的に有意な結果を得る方法としましては、現在の無作為抽出・郵送法による調査も2年に一回は必要であると考えております。今後も区民意識意向調査とLINE等によるアンケートを使い分けながら、調査目的や対象に適した調査方法を選択して、区民ニーズの把握に努めてまいりたいと考えております。
◆
横川たかゆき
答弁ありがとうございます。しっかりとやっぱり公式LINEというのも皆さん、結構最近では見るようなイメージを僕は持っています。頻度を上げてというか、こういったものの事業を行いますよ的なアンケートも必要ではないかなと思いますので、そういったことも含めて、今後しっかりと利用していただいて、区政とつなげていただければなと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
それでは、次に、板橋区の教育が目指す方向性について質問を変えていきたいと思います。まず、中学生の部活動について、今回いたばしNo.1実現プラン2025の重点戦略であり、区長いち押しの事業でもあります中学生の新たな活動の場、居場所づくりを目指した部活動についてお伺いします。今後一番の課題として、人を育てていく部活動指導員数が現在の3名から各校2名ずつという計算で44名体制になっておりますが、2030年には、現在、板橋区立中学校の部活動では300部あり、また570名の教員が顧問として部活動の指導に当たっている状況です。当面、土日の地域移行に伴い、数多くの人材確保が急務となります。例えば、部活動指導員に興味がある板橋区内の大学の学生さんにしっかりとした研修を受けていただき、ルールを決めて派遣するといった方法や、区の運動系の部活に関しては、板橋区体育協会さんやスポーツ推進員など、団体さんとの連携もあると思いますが、区としてはどのように人材を確保するか、お聞かせください。
◎
教育委員会事務局次長
区立中学校部活動地域移行推進ビジョン2030では、第1次目標として、土日における部活動の教員に頼らない指導体制の構築を掲げておりまして、いたばし地域クラブの本格実施と部活動指導員の増員、こちらを主な柱に部活動改革を推進していくこととしてございます。ビジョンでも掲げているとおり、必要な指導者数の確保が大きな課題の一つと捉えているところでございます。現在、部活動指導員の募集を行っておりまして、区内の大学、あいキッズ事業者等にも周知を図って、区の体育協会、文化団体連合会等にも支援要請の輪を広げている状況でございます。
◆
横川たかゆき
この部活動というものが物すごく、私も会派でこの間eスポーツの部活動の見学ということで行ってきたんですけれども、やっぱり地域クラブということで、板橋区が主となってやっている事業ということで、本当に高島平から板橋の端の五中とかそういったところも含めて、そういった子どもたちが数多く集まって本当に真剣にやっているんですね。こういったeスポーツの部活ということで見学をさせていただいたんですけれども、これに限ってはそういった民間の事業とかも含めて、そういった応援、バックアップがあってからこそのそういうイメージだと思うんですね。ですので、先ほども言いましたが、やっぱり部活の地域移行とかも含めて、場所とか今後様々な問題が出てくるのかなと思いますので、今後しっかりとしたバックアップのほうも含めて、人材確保もよろしくお願いしたいと思います。また、次に地域移行になり、部活動に係る費用の面でも、活動費や場所代も含めた生徒たちがやりたいと思う部活動ができなくなるといったことは本末転倒であると思っております。また、それも避けなければならないと思っています。そういった金銭面の補助などを含めたお考えがあればお聞かせください。
◎
教育委員会事務局次長
視察いただきましてありがとうございました。区立中学校部活動の地域移行では、会費の有無、また金額によって子どもたちの活動機会が失われないように可能な限りの低廉な会費設定、また参加費用の支援が重要な課題であると捉えているところでございます。生活保護の世帯につきましては、上限額の設定はありますけれども、学校の部活動に係る費用、また民間のクラブ活動に参加する費用が扶助費として支給されるものと聞いてございます。就学援助につきましては、現在、区では学校部活動に係る費用、こちらは対象になっていないため、部活動の地域移行の進展を見極めながら、支援の可否について検討してまいりたいと思います。
◆
横川たかゆき
そういったお金のかかる運動部、またさらに文化部もあると思います。実際に我が前野町に私も住んでいるんですけれども、前野町ですと養護施設さんがありまして、そういったお子さんが実際に、僕も少年野球の監督をやったりとか今までやってきた経緯もありますけれども、やっぱりそういった施設に入っている子どもたちも本当に野球をやりたいという希望があるにもかかわらず、施設の大人の問題で、どこまで面倒を見られますかというところで野球を断念した子どもたちとか、そういったものを物すごく多く目にしてきました。そういった様々な環境においても、やっぱり子どもがこれをやりたいというのを絶対止めてはいけないと思うんですね。ですので、しっかりとしたそういったバックアップ体制、また金銭面についてもですけれども、取り巻く環境でこれができなくなってしまうというのが一番やっぱり板橋区としては問題なのかなと思いますので、ぜひ子どもたちのためにしっかりと援助していただいて、やりたいことが中学校に行って部活でできるというイメージで進めていただければなと思いますので、よろしくお願いします。
次に移ります。個に応じた学習指導・学習機会の充実についてご質問させていただきたいと思います。今回、社会の変化が加速化、複雑化する中で、子どもたちは多くの困難を乗り越え、生涯にわたって夢や希望に向かって学び続け、自らの未来を切り開いていく力、生きる力を育むことが重要になってきております。そこで、生きる力の重要な構成要素の一つである確かな学力の定着には、技能、判断力、表現力、学ぶ意欲をバランスよく身につけることが重要だと思います。生まれ育った環境に左右されることがなく、板橋区の子どもたちが将来の選択肢を増やし、社会人としてもたくましく生き抜くことができるよう、義務教育で身につけるべき最低限の学力を保障することが必要だと私は考えております。そこでお伺いします。家庭環境や地域によって多少格差は私も認識しておりますが、児童・生徒のつまずきや課題を解消するなど、学習内容の定着が十分でない児童・生徒の底上げが必要と思いますが、本区の区立小中学校で学力向上に向けての課題と対策をお聞かせください。
◎
教育委員会事務局次長
これまでの全国学力・学習状況調査の結果から、本区におきましては、複数の情報や条件を踏まえ、自分の考えを記述すること、また式や図、計算の意味を理解することに特に課題があったことが分かってございます。児童・生徒一人ひとりの学力に関する状況などを詳細に把握して、課題を分析しまして、小中9年間で一貫した読み解く力の育成をはじめとして、板橋区授業スタンダードの徹底を図っているところでございます。今後も児童・生徒の実態に応じた発展的な学習、また補充的な学習を取り入れて、学習内容の確実な定着を図りまして、全ての児童・生徒の学力向上に努めてまいります。
◆
横川たかゆき
そういった格差は当然出てくると思います。できる限り板橋区に住んでいる子どもたちは、板橋区に住んでいる以上、同じ学習を身につけられるという、そういった定着が必要かなと思いますので、今後ともお願いしたいと思います。また、私も去年の一般質問でもさせていただいたんですが、足立区のほうの教育委員会等々でいろいろとPTA活動をしているときに、勉強会等々で行かさせていただきました。足立区で見ますと、北区、足立区、板橋区というとどちらかというとちょっと学力のほうがという僕の中ではイメージがあります。悪いとは思うんですけれども、そういったイメージがあるんですけれども、実際に足立区を見てみますと、教育委員会、教育費に関してなんですが、本当にしっかりと、例えば住んでいるところが悪いとか、片親ですとか、そういったお子様も勉強したいという意欲があれば、足立区が教育費を出して、しっかりとカバーして、塾の代わりになるような、無償で勉強を教えるといった、そういった事業もされているというのを聞いていまして、実際にそういった事業をしていることによって足立区の教育というものが物すごく目に見えるように上がっている状況があるんですね。やっぱり当然板橋区も学校改築・改修、また給食費無償とかそういったところも含めて物すごく大事だとは思うんですけれども、ハードも大事だと思います。しっかりとそういった区長を中心に、板橋区の子どもたちがそういった意味では、区長がしっかりと予算をつけていただいて、学力向上に向けた予算づけ、そういったものが今後、板橋区にとっても大事かと思っておりますし、23区でも前回、代表質問で我が会派の佐々木幹事長も質問されておりましたが、本当に全国の平均は上回っていると。ただ、東京都の平均は上回っていないという、これも物すごく問題だと思うんですね。ですので、最低限でもやっぱり東京都の平均よりちょっと上でもいいので、そういった意味では学力向上、そういったものも含めてしっかりと検討していただければなと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
続きまして、公共施設の整備についてお伺いしたいと思います。今後のファシリティマネジメントについてお伺いします。ファシリティマネジメントは、行政サービスの向上に努めながらも、できる限り少ない経費で最適な施設の経営管理を行うことと言われております。実際に、今後現状でいきますと、毎年10年間で見ますと21億円経費が上がる試算となります。また、施設全体を対象とした総合的視野や将来変化にも対応し得る長期的視野に立って、公共施設の整備について区のお考えをお聞かせください。
◎
政策経営部長
No.1プラン2025の改訂版では、公共施設に係る更新経費は今後32年間で年平均212億円を要すると試算しているところでございます。この更新需要に応えるに当たりまして、魅力ある公共施設を次世代に継承していくため、基金・起債を活用するほか、引き続き施設総量の抑制の下、計画的な管理、保全によりまして耐用年数を延ばしたり、区有財産の有効活用に努めていくというようなことで進めてまいりたいと考えております。
◆
横川たかゆき
その答弁に続いてということで、今後、区の施設においても修繕改修といった維持管理だけではなく、区の施設での民間企業を利用した収益も維持のためには必要と考えられますが、実際に例えば千葉県の流山市役所の屋上には、民間の通信会社のモバイルのアンテナ基地の設置等々で年間100万円ほどの収益を上げるといった区の施設に民間企業の広告を掲示して収益を上げるなどの自治体もあることから、様々な視点で収益を基金として、修繕代などに充てるといった民間企業との連携も含め、本区としてはマネジメントに対して今後どのような考えがあるか、お聞かせください。
◎
政策経営部長
基本計画2025に定めます公共施設等の整備に関する基本方針では、区有財産の有効活用を掲げていまして、また収入の確保に努めることとしております。ご紹介いただきました事例を含めまして、廃止施設の有効活用や既存の公共施設における行政財産の貸付けなど、各施設の個別事情に合わせまして、民間需要を十分確認しながら収入の確保を図ってまいりたいと考えております。
◆
横川たかゆき
それに関してですが、次の質問をさせていただきたいと思います。使用者目線での改修について、マネジメントの観点も必要だと思いますが、施設を利用する区民の方々が今後、高齢化、特に地域センターや集会所のバリアフリーや和室についても、畳の部屋で座布団から立ったり座ったりというのは物すごく大変で高齢者の利用頻度が少なく、使用頻度が高いのが洋室の椅子使用がほとんどだと言われております。高齢者目線での使用目的を含めて、改めて設備の改修など、今後、区としてどのように進めていくか、お聞かせください。
◎
政策経営部長
区は、これまでも公共施設の改修に当たりましては、施設の特性や利用者の要望を踏まえて、和室から洋室に改修した事例、ご紹介いただいた事例もございます。今後も改修時期を迎えた公共施設につきましては、利用者のニーズに沿った改修を行っていく考えでございます。また、併せまして、トイレのバリアフリー化や廊下などに手すりやスロープを設置するなど、ユニバーサルデザインに配慮した改修にも取り組んでまいりたいというふうに考えております。
◆
横川たかゆき
ありがとうございます。今後ともよろしくお願いいたします。
次に、安心・安全な通学路の見直しについて質問させていただきたいと思います。小学校の防犯カメラについて、今現在、小学校に設置されている通学路の防犯カメラですが、設置された時期で学校によっても違うと思います。メンテナンスの頻度、またカメラの更新について詳しくお聞かせください。
◎地域教育力担当部長
小学校の防犯カメラにつきましてお答えいたします。児童の登下校時の見守り、これを補完して安全確保や犯罪抑止等を図るため、学校の校地内と通学路に合計258台の防犯カメラを設置してございます。この防犯カメラは、原則として年2回、保守点検を行っており、その際に故障が判明した場合は、速やかに修理をしている状況でございます。また、老朽化による故障を未然に防ぐために、機器の耐用年数等を考慮しまして、学校の校地内に設置した52台のカメラにつきましては令和4年度に更新をしたほか、通学路上に設置してあります206台のカメラにつきましては、令和6年度に更新する予定でございます。
◆
横川たかゆき
次に、防犯カメラの設置が犯罪の抑止力になると思うんですけれども、小学校の通学路の移設や増設について、区としてのお考えをお聞かせください。
◎地域教育力担当部長
移設や増設に対する考え方でございます。通学路の防犯カメラにつきましては、事後的に映像を確認することにより、事件や事故を抑止するという性質のものでありまして、また区内におけるほかの防犯カメラの設置状況も踏まえまして、現行の設置数としております。また、経費の面からも増設する予定はございません。また、防犯カメラの設置場所につきましては、電柱等を基本として、学校関係者の要望を踏まえて、地域の理解を得ながら選定したという経緯がございますので、学校や地域の意向、これを尊重しながら慎重に検討してまいります。
◆
横川たかゆき
次に、スクールゾーンの車両止めについてなんですけれども、最近、近隣の方から、来年度からスクールゾーンの車両止め、一般的には馬というふうに捉えていますけれども、馬と言われている移動式立て看板の設置がなくなると聞いておりますが、まずこれに関しては事実かどうかというのをお聞かせください。それと、その理由についてもお聞かせ願います。
◎地域教育力担当部長
スクールゾーンの車両止めにつきましてお答えいたします。スクールゾーンは、小学校の通学時間帯に車両通行を禁止する警察署の交通規制により、児童の安全に寄与する制度として実施されております。スクールゾーンのバリケードにつきましては、設置を希望する団体に対し、区が作成し、所轄警察署から配付を行ってきたところでございますが、バリケードの管理責任は区もしくは警察署ではなく、バリケードを設置する設置管理者にあります。そのため、通行する人や車両への衝突事故が発生した際に地域の設置管理者に責任が生じ、損害賠償が請求される事案が発生していることを踏まえて、区として令和6年4月以降、バリケードの設置を原則廃止としたところでございます。
◆
横川たかゆき
それに関してなんですけれども、私たちの時代は集団登校とか当たり前の時代でしたが、現在は共働きの家族が増え、当番もままならないということで、多くの学校が1人で通学といったケースがほとんどだと私も見ております。そのような状況下で、交通事故の抑止力となっている車両止めのそういった馬と言われているものの撤去は大変危険だと思うんですけれども、それに代わるものをお考えなのか、お聞かせください。
◎土木部長
このバリケードの譲与の手続については今答弁があったとおりですけれども、この際にいろいろな取扱いの注意事項を署名いただいております。ところが、この署名に反しましてバリケードが植え込みですとか、ガードパイプに固縛されるなどいたしまして、道路内に放置されるというケースが多数見受けられまして、現に強風にあおられまして車両と接触するような事故も発生しております。道路管理者としましては、児童の安全はもとより、管理上の安全についても憂慮する状態になっております。代替措置ということでございますが、そもそもスクールゾーンによる車両進入禁止の交通規制につきましては交通標識で示されておりまして、違反いたしますと検挙の対象になる行為となっております。したがいまして、警察署による取締りや指導の強化が最も望ましい方法だと認識しております。これを補足あるいは強化する手段といたしましては、視認性の高い路面標示などがございますが、区内全域でデザインを統一するなどといったことがドライバーへの注意喚起の上で効果的でありますので、そうした点についてスクールゾーンを指定します小学校などの合意があれば、技術的な提案ですとか、支援は惜しまない考えでございます。
◆
横川たかゆき
そうしましたら、やっぱり僕らでいう小さい頃から言っている馬というイメージなんですけれども、ああいったものがなくなってしまうというのが今後、今答弁のあったとおり、しっかりとした支援をしていただけるということで、やっぱり学校のほうにもしっかりとそういった意見を言っていただいて、各学校のほうでしっかりと見守っていただける、そういった状況をつくっていただければありがたいなと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。
続きまして、私の質問のほうの項としては最後となります。これはスポーツについて、まずスポーツ推進協議会についてご質問させていただきます。板橋区スポーツ推進委員としては、区民の皆様のスポーツへの関心を上げること、区民の健康増進のお手伝いをするために、何とか大会を継続するために参加費を上げたり、推進員独自で協会を立ち上げたりと、各自、本職の仕事を抱えながら大会運営している状況です。私もスポーツ推進員として15年間従事しておりましたが、その中で板橋区主催であった板橋スタンプラリー大会、また区内の小学生対象の板橋区ドッジボール大会ですが、板橋区が主催から外れて支援が希薄化するといったことがありました。改めてその経緯と今後の対応をお聞かせください。
◎区民文化部長
コロナ禍で事業が実施できない状況が続いておりましたため、スポーツ事業の実施主体や方法について再検討を行う中で、ドッジボール大会など、スポーツ推進委員協議会等に令和3年度から移管させていただいたところでございました。その際、会場費や物資搬送についても協議をさせていただいたと認識しておりますが、現在、諸費用も上昇していることもありまして、その負担感が大きくなっているものと聞いているところでございます。区が再び主催となることは難しいものと考えておりますが、後援事業として位置づけるなど、区施設での会場費など、負担軽減策について前向きに検討していきたいと考えております。
◆
横川たかゆき
区の負担感という言葉でちょっと気になったんですけれども、区はやっぱり区民のために健康増進、私たちもスポーツ推進協議会、私も長くやっていたんですけれども、そういった区の負担をかけているというイメージよりも、区民の皆様にしっかりと場を与えて、なおかつ健康増進に向けてしっかりとやっているイメージがあるんですね。ですので、今のご答弁でいいますとやっぱりしっかりとした支援というか、目に見えるような支援をしっかりとしていただければなと思いますので、何とぞ今後ともよろしくお願いしたいとともに、また今週末にも行われますCityマラソン、そういったものにも板橋区のスポーツ推進協議会、各救護所ですとか、そういったところも含めてしっかりと従事していますので、そういった方たちにもしっかりと説明できるような、支援が目に見えるような形でできるような形で進めていただければなと思います。それでは、最後に質問させていただきます。スポーツ施設の充実により、にぎわいについて最後の質問とさせていただきます。私も物心がついたときから野球というスポーツに触れてきました。最近、少年野球のお手伝いの会話の中でよく出る話の代弁者として、私も高校野球の学生時代から、なぜ板橋区にはスタジアムという名のつく野球場がないのか。また、広く見ても、例えば夏の予選ができるような4,000人ほどが収容できるスタジアムが実際に城北地区にはないんですね。私も小学校時代に、当時の東京ドーム建設前の後楽園球場のときに、話は古くなってしまうんですけれども、大会に参加したということも経験しております。この年になっても後楽園球場の人工芝の上というのを物すごく鮮明に思い出しております。当時の自分にとっては物すごく広くて、当時、人工芝というものがなかなかないものですから、開会式のときとか一生懸命、人工芝を抜いたりとかして、ポケットに入れて持って帰ってやろうみたいな、そんなイメージでずっと思っておりました。実際に人工芝の上で野球ができるという喜びと、声を出すと野球場にすごく響き渡るんですね。板橋区の現在また未来の野球少年たちにそういった思いを伝えたいという思いがあります。また、今回、都立赤塚公園にある野球場をそれに伴い整備、改築して、城北地区初となる板橋スタジアムの建設を区長はどのように思うか。また、高島平地区の再開発とともにスタジアム整備、改築を推し進め、将来的には夏の甲子園予選大会も開催することができれば板橋区の夏の風物詩となると思いますし、大会が開催できれば、その経済効果、人の流れが多岐にわたると思います。実際に夏の予選をやっています江戸川区にあります江戸川球場を例に取りますと、西葛西駅ですが、毎年、夏になると都内より多くの方々が駅に集い、大きな経済効果が実証されております。板橋区の都営三田線高島平駅周辺もまちのにぎわいや地域の活性化も得られると思いますし、板橋区のかわまちづくり同様な目玉事業になり得ると思いますが、重ねて区長のご意見をお聞かせください。
◎区民文化部長
すみません、答弁の前に先ほどの負担感の話ですけれども、協議会の皆様の負担感が大きくなっているという認識でございますので、よろしくお願いしたいと思います。赤塚公園内の野球場でございますけれども、高校野球の予選大会を行うレベルの野球場が整備できれば、利用者が増加するとともに、区のブランド力が向上するなどのさらなるスポーツの振興につながるものと考えております。一方で、都から赤塚公園のスポーツ施設の更新計画は聞いておらないところでして、また区単独による整備も厳しい状況がございます。現在、様々なスポーツ関連の要望を各団体から受けておりまして、地域要望などを考慮しながら、また高島平の再開発もめどが立ち始めてございますので、そういった状況を見極めながら、東京都へ届ける時期を検討したいと考えております。
◆
横川たかゆき
ありがとうございます。平成29年度にも私の先輩であります茂野さんが、これは赤塚に東京ドームじゃないけれども、ドームを造ってくれという質問をさせていただいていて、あれからかれこれ何年もたっているんですけれども、しっかりと東京都に向けて区長のほうからもぜひそういったスタジアムができるような、そういった要望をしっかりと出していただいて、前向きな今後の検討をお願いしたいと思いますので、何とぞよろしくお願いいたします。これをもちまして
横川たかゆきの総括質問を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
○委員長
以上で、
横川たかゆき委員の総括質問は終了いたしました。
次に、
山田たかゆき委員、お願いいたします。(拍手)
◆山田たかゆき
では、2番手として、通告に従いまして質問を進めさせていただきたいと思います。
早速ですけれども、まず第1項目、環境政策について伺いたいと思います。板橋区は、ゼロ
カーボンシティを令和4年1月26日に表明し、2050年に二酸化炭素の排出量実質ゼロを目指す取組を進めています。新年度予算で行われる関連する主要事業概要の説明をお願いします。
◎
資源環境部長
区では、ゼロ
カーボンシティ関連事業経費として、新年度予算に5億7,305万円を計上してございます。主な内容でございますが、区民の省エネ行動に対してポイントを付与するいたばし環境アクションポイント事業が電気・ガスの削減ポイントなどのポイントを拡充し4,593万円。それから、従来の電力購入から
再生可能エネルギー100%電力導入として5億2,065万円のほか、電気自動車の導入や食による地産地消事業などの取組となってございます。
◆山田たかゆき
ご説明ありがとうございます。こうした取組を令和6年度についても進めていくということでありますけれども、ゼロカーボンいたばし2050の推進は、庁内全体の取組として進めていく必要性を感じています。庁内のどの部署がイニシアチブを取って推進していくのか、庁内体制について伺います。
◎
資源環境部長
区では、資源環境部が所掌する全庁の横断的組織であるエコポリス板橋推進本部を設置し、環境並びに資源、廃棄物に関する施策を推進しているところでございます。
◆山田たかゆき
ゼロ
カーボンシティの推進とごみの減量、食品ロスの削減はどのような関係性があると区は考えているのか、説明を求めます。
◎
資源環境部長
日本の温室効果ガスの排出においては、家庭部門の排出量が多く、生活様式の変容を通してごみの減量をしていくことは、温室効果ガスの発生抑制の観点から重要な取組であると考えてございます。また、温室効果ガスの排出をライフサイクルで考えた場合、食と環境は密接に関係しており、食料の調達から生産、加工、流通、消費においては多くのCO2を排出しております。食品ロスの削減も重要な取組であると認識しているところでございます。
◆山田たかゆき
ちょっと後ろの方は見づらいかと思いますけれども、補助資料として、この資料なくとも質疑で分かるように内容のほうは説明をさせていただきながら進めますので、ご了承いただければと思います。今、プロジェクターに映し出されていますのは、令和5年度板橋区区民意識意向調査になります。その一部分の抜粋になるんですけれども、これが令和5年度に実施され、先日の企画総務委員会でも概要の説明をいただきましたし、先ほど横川議員からも説明されていたとおりですね。この中で3、未来へつなぐまちづくりという項目において、気候変動対策や循環共生型の社会の実現に向けて重要だと思うものの項目でどのような結果であったのか、説明を願います。
◎
政策経営部長
調査結果でございますけれども、ごみの減量、食品ロスの削減というものを選んだ方が45.3%で第1位となっております。続きまして、
再生可能エネルギーの積極的な利用が37.6%、太陽光発電など創エネの促進が22.7%となっております。特にごみの減量、食品ロスの削減につきましては、全ての年代で第1位あるいは第2位に選ばれる結果になったところでございます。
◆山田たかゆき
そのような箇所の抜粋をプロジェクターには映しているので、今説明のあったとおりでありますけれども、ごみの減量、食品ロスの削減が気候変動対策や循環共生型の社会の実現に向けて重要だと思うものとして、年代別に見てどの世代でも強く意識されていることが意向調査から明らかに読み取れます。今ご説明のあったとおりです。板橋区としては、区民の声を受け止め、施策にどのように反映をしていくか、姿勢が問われているというふうに思いますけれども、区の見解を伺います。
◎
資源環境部長
区民意識意向調査は、区の各種計画を推進する上での基礎資料として重要なものと考えてございます。そのため、気候変動対策や循環共生型の社会実現に向け重要だと思うが最も多かったごみ減量、食品ロスの削減を含め、当該設問の回答を十分に考慮し、施策・事業に反映してまいりたいと考えてございます。
◆山田たかゆき
そこで、板橋区が収集するごみの総量は減量されているのか、近年の推移と分析について説明を願います。
◎
資源環境部長
区が把握するごみの総量は、おおむね減少傾向にあるということでございます。そのうち区が収集するごみの量は、コロナ禍の影響で令和元年度及び令和2年度に一度増加しておりますが、令和3年度以降、減少に転じ、令和4年度では、コロナ禍以前より少し少ない約9万7,000トンとなってございます。
◆山田たかゆき
コロナ禍もありましたので、またコロナを終えて様々な事業活動が進められていくとごみのまた変化の推移も変わってくるかなと思いますけれども、板橋区地球温暖化対策実行計画2025、ここには概要版だとページは2ページになるんですけれども、基本方針4として、3Rとエシカル消費を進めようと。さらにページをめくっていくとごみの減量やリサイクルの推進と記載がやっと出てくるわけです。ゼロ
カーボンシティのために取り組むべきことというのは山ほどあると思いますが、区民は具体的に何をしたらよいのかというのは、浸透が十分でないというふうに感じています。最近はリデュース、リユース、リサイクルの3RとかカーボンニュートラルとかSDGsとかエシカル消費等、片仮名用語が多く、区民に分かりにくくなっているのではないかというふうに懸念をしています。具体的で分かりやすい施策展開を推進するべきだと感じますが、板橋区の見解を伺います。
◎
資源環境部長
区の施策や事業は、その全体像が分かるよう、一般的に定義されている用語や名称を活用しつつ、それが区民等に分かりづらくならないように、適宜片仮名であれば日本語訳を併記するなど、そのほか補足や注釈等をつけるようにしてございます。一方で、片仮名用語だけでは分かりづらく、区民等に環境に資する具体的な行動を後押しするためには、何からどのように始め、進めればよいかといった詳細についての分かりやすい説明が必要であるとも理解してございます。施策や事業の推進に当たっては、全体像と具体的な行動の両方を理解し、行動していただけるよう、引き続き周知や説明の方法について工夫を重ねていきたいと考えてございます。
◆山田たかゆき
現在、板橋区が収集する可燃ごみの総量における生ごみの割合と、そのうちご家庭のごみの占める割合はどのようになっているか、推計値でも分かればお示しをお願いします。
◎
資源環境部長
前回のごみ排出実態調査を行った平成27年度、今お出しいただいている、家庭から排出された可燃ごみに含まれる生ごみの組成割合は31.6%ほどでございます。また、プラスチックの資源化に伴い実施した令和3年度、令和4年度の調査では、それぞれ26.1%、28%でございました。事業者に関する食品廃棄物の総量を区では把握しておりませんが、令和3年度の環境省・農林水産省の推計では、食品ロス量523万トンの内訳として家庭系が244万トン、事業系が279万トンと試算しており、区においても家庭系の割合は少なくないと想定されております。なお、令和6年度、次期一般廃棄物処理基本計画策定のために改めてごみ排出実態調査を行う予定でございます。
◆山田たかゆき
こちらの3Dの円グラフのほうは、先ほどご説明をいただいたように板橋区が収集する可燃ごみに含まれる生ごみの割合で、その構成が載っているわけですけれども、青く示されたところが生ごみ31%ということで、生ごみに関してが一番多いと。並んで紙類に関してが30%で、プラスチック類に関しては20%。区民の皆さんの意識意向調査で分かることは、生ごみ、食品ロスを減量してくれ、減少してくださいということが意向調査から読み取れるということです。これも続けて説明がありましたけれども、総務省の人口推計の2021年の調査の中で、令和2年度食料需給表ということで示されている表になりますけれども、こちらの円グラフでは、食品系の食品ロスが事業系の食品ロスとおよそ半々の割合であるということが示されていまして、前の円グラフと併せると、板橋区は事業系のごみのごく一部を収集しているわけですけれども、生ごみの31%というのはあくまでこれはおおよそほぼ家庭から出ているもので、プラス事業系のごみが大体倍量あるというようなことがグラフからは読み取れるかなというふうに思います。板橋区が収集するごみの総量は減量されているのか、近年の推移と分析について説明を求めます。すみません、これはやりましたね、失礼しました。各家庭の生ごみのごみの総量に占める割合も非常に大きいということです。この場合、減量についてはかさ、つまり容積を削減するのか、重さ、重量を減量するのか、減量については何を減量するのが効果的であると考えているか、区の見解を伺います。
◎
資源環境部長
区では、ごみの量の測定やその削減目標の設定に当たっては、かさでなく重さを用いてございます。一方、生ごみはその8割が水分と言われておりまして、運搬の際には余分なエネルギーを消費するほか、焼却時には炉内の温度を下げてしまうなどの弊害がございます。そのため、区公式サイトでは、生ごみを乾かす方法やコンポストで堆肥づくりをする方法などを紹介し、重量が減る方向の働きかけをしているところでございます。
◆山田たかゆき
区民に分かりやすい施策の展開という上では、今お話をいただきました生ごみは水分量が多いから、それを乾かして捨ててくださいとかという政策誘導をしていく必要というのがあるのかというふうに思います。各ご家庭でのごみの減量は大変に重要であります。現状コンポストの設置について助成を行っている自治体があります。周辺区の導入状況を説明してください。
◎
資源環境部長
家庭から排出される生ごみの削減、またリサイクルの目的でコンポストの購入費を補助する区は、現在23区中9区と把握してございます。
◆山田たかゆき
板橋区においてもご家庭でコンポストを設置し、生ごみの堆肥化を進めることができる設置助成を行うことを提案させていただきたいと思います。区の見解を求めます。助成制度の検討に際しては、23区内でも助成の制度導入実績があるキエーロと呼ばれるコンポストの先行事例もぜひ研究いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
◎
資源環境部長
区のコンポスト容器の購入助成についてでございますが、過去、平成3年度から事業を開始し、その年、560件の実績があったものの、その後、年々減少して、平成25年度に8件となり事業を廃止した経緯がございます。他区においても、これまで助成制度は減少傾向にありましたが、一方で近年、広く家庭用生ごみ処理機等として補助を開始する区もございまして、現在コンポストの助成制度を設ける予定はございませんが、他区の動向を引き続き注視するとともに、キエーロなどを含む最新の技術動向について情報収集し、生ごみ削減に向けた施策・事業を検討してまいりたいと考えてございます。
◆山田たかゆき
ぜひ検討を進めていただきたいというふうに思います。引き続き私も勉強しながら、提案をしてまいりたいというふうに思っています。
続きまして、(3)公園落ち葉の腐葉土化についてであります。区民や事業者に対してごみの減量を区が訴えるということは、これまでも行ってきたわけですけれども、区としてもやっぱりごみとして出ているものの中に資源活用するものができないか、地域で循環させてうまく回すことができるものはないかという視点で考えていくことがこれからゼロ
カーボンシティを目指していく板橋区としては重要なんではないかということで、ご提案をさせていただこうと思うんですけれども、区の公園から排出しているごみから減量の取組を推進していただきたい。循環型社会モデルへのチェンジをしてみたらどうかという問いかけの項目になります。板橋区としてごみの減量を区民や事業者に求めることもやっぱり大切なんですけれども、同時に自ら減量していくという必要があるというふうに私は感じています。区施設から排出されるごみの減量にも努める必要がありますが、板橋区としては、区施設のごみの減量にどのように取り組んできたのか、まず説明を求めます。
◎
資源環境部長
区は、区民や事業者の先頭に立ち、板橋区
地球温暖化対策実行計画事務事業編2025に基づきまして、区施設のごみの減量や食品ロスの削減をはじめ、事務事業に伴い排出する温室効果ガスの抑制に取り組んできたところでございます。
◆山田たかゆき
区施設から排出されるごみの量は減量しているのか、推移と理由について伺います。
◎
資源環境部長
板橋区環境マネジメントシステムでは、区が排出する一般廃棄物の排出量の減量を進めております。平成25年度、2,240トンを基準に、令和7年度を目標に2,150トン、数字にしますと約4%の減量をすべく取組を進めているところでございます。一般廃棄物については、平成26年度をピークに減少を続けておりますが、令和元年度に区立保育園で紙おむつの回収を開始し、令和2年度から新型コロナウイルス感染症の影響がございまして、令和2年度以降、微増の状況にあります。令和4年度は2,411トンと、基準年度比で申しますと約8%増加していることになってございます。
◆山田たかゆき
ごみの削減を実施するためには、ごみの総量や種別を把握することによって削減の具体的な計画が作成できると考えていますが、板橋区はどの程度ごみの総量やごみの内容、種別について把握をしているか、現状を伺います。
◎
資源環境部長
板橋区の環境マネジメントシステムでは、区が排出する廃棄物の排出量について、業務から排出される燃えるごみである一般廃棄物と鉄くずなどの産業廃棄物の2つの区分により排出量の把握、管理をしているところでございます。排出量の集約は、毎年、各部署がエネルギー管理システムに入力する形で、資源環境部で一元管理しているところでございます。
◆山田たかゆき
公園の落ち葉に関しては、年間の総量を把握していますでしょうか。また、どのように処分をしているのか、処分費用等の経費も含めて現状をご説明ください。
◎土木部長
公園内で発生いたします落ち葉も含めました一般廃棄物の総量は、年間平均約750トン程度となっておりますが、この中に落ち葉も含まれておりますけれども、落葉樹は秋から冬にかけて、また常緑樹は年間を通じて落葉するということもございまして、量の計測というのは非常に難しい状況でございます。処分につきましては、処分方法が定められたものを除きまして清掃工場に搬送いたしまして、発電に活用しながらの焼却処分としております。処分に係る経費につきましては、他のごみと併せて処分しているため、これについても算出ができず申し訳ございませんが、令和4年度、公園の全てのごみの処分費は1,200万円弱となっております。
◆山田たかゆき
把握するのは難しいと、把握しようとすると公園のごみもいろいろあるので、それを一々分別していると、確かに本来の清掃業務に支障が出るということで理解するところではあります。ただ、落ち葉を全て処分、燃やしてごみとしてしまうのか、あるいはこれを腐葉土として区内で活用を進めていくのかということを考えると、私は後者であってほしいというふうに考えます。そこで伺いますが、東日本大震災以降、このときにコンポストというのは放射線量の件があって使用が控えられていたというふうに認識していますけれども、公園内に設置されていたコンポストは、今は利用されていないのではないかというふうに思います。現状について伺います。
◎土木部長
大震災の少し前になりますけれども、平成15年前後に落ち葉の堆肥化を公園内で積極的に進めてまいりました時期もありまして、一時は約20か所の堆積場がございましたが、活動する団体が減少しまして、現在は2か所が使用されているという状況でございます。原因といたしましては、ご指摘頂きましたような放射能の懸念があったこともありますが、最も大きな理由といたしましては、製造した堆肥の行き先がなかなか見つからなかったということであると分析をしております。
◆山田たかゆき
私も頂いた資料で腐葉土の置場ということで伺っていますけれども、北部と南部でもう既に撤去、ほとんど北部は撤去をコンポストはしています。南部のほうでは一部残っているところで、使用状況としても、委託事業者が使用しているところと地域のボランティアさんが使用しているところ、使用するに当たっても担い手が今現状はないというところであります。現在、公園内に設置されているコンポストの活用や新たなコンポストの設置は可能であるのか、見解を伺います。
◎土木部長
公園内の堆肥づくりに関しましては、嫌気性発酵では、二酸化炭素の20倍以上の温暖化係数物、メタンが出るということでありますとか、また好気性発酵では、熱と共に炭酸ガスや硫黄酸化物を排出するといった指摘がございまして、今のところ積極的に大規模に活用するということは控えてございます。一方で、制度的には悪臭や害虫の発生、火災防止、これは温度の状況によって火災が発生したり、火のついたごみを捨てられるというようなことがありましたので、近隣に民家がない、こういったような一定の条件の下に、公園施設の設置、管理許可などの規定を用いましてコンポストを新たに設置したり、既存の施設を使用したりすることは可能であると考えております。
◆山田たかゆき
条件はいろいろあろうかと思いますけれども、そもそも20か所程度設置されていたものなので、担い手がしっかりいれば設置することも目的があれば可能なのかなというふうに答弁を聞いて感じました。コンポストを管理する担い手が必要ということであります。どういう状況であるかをやはり管理していかなきゃいけないということであります。私は、区内の福祉作業所や福祉園の利用者に仕事として依頼をして、コンポストの管理をしてもらってはどうかというふうに考えています。コンポストが設置可能な公園に近い作業所もしくは福祉園の利用者と共に環境への取組を進めてもらいたいというふうに感じますが、実現可能性を伺います。依頼先も以前より要望を頂いている工賃アップにつながるのではないかというふうに考えておりまして、ぜひご検討をお願いしたいというふうに思っております。
◎福祉部長
コンポストの管理についてのご質問でございます。まずは障がい者福祉の推進に係るご提案、ありがとうございます。区立福祉園や福祉作業所は、これまで区内外の様々な民間事業者から直接仕事を受注し、障がい者の自立支援事業を推進してまいりました。ご提案のコンポストの管理に限らず、障がい者の活躍の場の拡大につながる機会があれば、事業者連絡会等の機会を捉えて情報発信し、取組をサポートしていきたいと考えております。
◆山田たかゆき
既に公園に近い作業所や福祉園では、そこの清掃を委託して仕事をしていただいているところもあるように聞いておりますので、そういったところが手を挙げていただければいいなというふうに思っております。ごみ減量の観点から、公園の落ち葉を腐葉土にして、小中学校や農地や公園等で循環させる取組を全庁で進めてもらいたいと思います。まずはモデル実施をしてほしいと思いますが、いかがでしょうか。
◎
資源環境部長
ごみの減量を進めていく上で、落ち葉を腐葉土にするといった取組も考えられます。腐葉土が大量につくられるようになると、利用先の確保や管理体制、コストなどの課題もございます。今後も他の自治体の取組を参考に、研究してまいりたいと考えております。
◆山田たかゆき
続いて、学校給食残菜への堆肥化についてです。この項目の質問を考えている中で、板橋区の環境教育に生かしていくべきと調査をしていたら、令和3年度、実施した小学校第5学年、社会科、総合的な学習の時間、考えよう、地球にやさしい食生活というまさにぴったりのカリキュラムの報告を見つけました。内容について概要を説明してください。
◎
教育委員会事務局次長
こちらの事業でございますが、児童がコンポストを活用して、給食調理の際に出た野菜くずなどの食べ物が分解されていく様子を観察して、野菜くず、食べ残しを堆肥化することで生ごみの減量ができることを学習いたしました。また、児童は各家庭で出る生ごみの減量方法を考えることで、環境によい食生活、自然環境への負荷を減らす生活について自分の考えをまとめる機会とすることができました。
◆山田たかゆき
もう既に今日、私がやろうと思ったことは全てここに集約されていて、子どもたちは先んじてこういうことを学んでいるんだなというふうに分かりました。区内で給食を提供している小中学校では、調理過程で出る野菜くずや給食残飯を生ごみとして現状廃棄しています。一部コンポストとして利用しているところもあります。環境教育やESDのカリキュラムでもまさに重要なテーマですので、給食の調理過程で出る野菜くずや給食の残りについても、可能な限りコンポストでの堆肥化を行ってはどうかと考えます。可能性について伺います。
◎
教育委員会事務局次長
学校での堆肥づくりは、生ごみの排出量削減また食品リサイクルの推進に寄与して、児童・生徒が自然の循環プロセスを学ぶことができますし、体験型環境学習のよい機会になると考えているところでございます。全国的にも既に学校給食で発生する生ごみの堆肥化を進めている自治体もありまして、様々な取組を展開しているところでございます。学校の敷地内に給食調理の過程で発生する野菜くず、残菜の一部を処理するコンポストを設置する場合、温度や湿度の適切な管理などが必要となり作業を伴いますけれども、実現可能性はあるものと考えてございます。
◆山田たかゆき
子どもたちの環境教育のためにも、循環型社会の実現のためにも、板橋区独自の環境政策を進めていただきたいと思います。ただ、学校という場所では、堆肥化するには先生に負担がかかってしまう可能性があり、働き方改革の推進に反してしまいます。堆肥化を成功させるために専門的な知識が必要であります。まずは、学校給食の一部堆肥化に向けて、堆肥化についてよく知るアドバイザーと共にモデル実施をしていただきたいと考えますが、区の見解を求めます。
◎
教育委員会事務局次長
学校での堆肥づくりでございますが、専門的な知識が必要となる場合もありますので、教職員の負担軽減を図る上でも、地域の専門家からの指導、サポートを受けることも有益であると考えてございます。モデル実施に向けては、各学校の状況に応じて検討を進めてまいります。
◆山田たかゆき
ごみ減量の取組は、全庁で継続して行わなければなりません。全庁的にごみの減量につながる努力と工夫を行っていただきたいと思いますが、決意を伺います。
◎
資源環境部長
区は、区民や事業者と協働し、ゼロ
カーボンシティの実現を目指し、ごみの減量に取り組んでまいりたいという所存でございます。
◆山田たかゆき
よろしくお願いします。昨年、令和5年7月に、もはや地球温暖化の時代は終わり地球沸騰の時代を迎えたと、一段の危機感の共有を求める発言をされたのは国連のグテーレス事務総長でありました。日本を含め、世界各国で6月から8月の夏の平均気温が過去最高を記録しており、こうした危機感からの発言というところでありまして、人々がこの危機感を共有するところであります。環境政策は待ったなしで進めていかなければならないということであります。国はもちろんのこと、地方自治体、板橋区としても積極的な取組が求められているというふうに認識を示しまして、1項目めの質問を終えたいと思います。ありがとうございました。
○委員長
山田たかゆき委員の総括質問の途中でありますが、議事運営の都合上、暫時休憩いたします。
なお、委員会の再開時刻は午後1時10分といたします。
休憩時刻 午後零時08分
再開時刻 午後1時10分
○委員長
休憩前に引き続き、
予算審査特別委員会を再開いたします。
それでは、
山田たかゆき委員の総括質問を続けます。
山田たかゆき委員、お願いいたします。
◆山田たかゆき
それでは、午後も引き続き自民党の2番手、山田たかゆきが質問させていただきます。
午後は2項目め、教育についてからです。まずは不登校対策についてでありますけれども、教育機会確保法は、学校内外の場所で行う多様な学習機会の重要性について定めていまして、不登校の児童・生徒に対する支援や、夜間中学校における就学機会の提供等を規定している法律になります。令和元年10月25日文部科学省初等中等教育局長通知においては、学校教育の意義と役割についての点で、必要に応じて、不登校特例校や中学校夜間学級等での受入れ等の支援も明記されています。全国的にも、不登校児童・生徒数は30万人、小中学校ですね。令和4年度児童・生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査によりますと、30万人に上り、過去最高となりました。うち11万人は、全く学校の相談や支援が届いていないという数として報告されております。各自治体で模索が続いている中であります。板橋区の不登校対策や居場所づくりについて伺いたいと思い、予算審査の場で項目としましたので、よろしくお願いいたします。多様な場所を用意する必要があると考えます、居場所づくりについての区の見解を伺います。
◎
教育委員会事務局次長
居場所づくりについてでございますが、現在、全区立小中学校におきまして、教室以外の居場所を確保して、子どもたちの個別の状況に応じた環境を整備しているところでございます。学校以外にも、フレンドセンター、i-youth、中高生勉強会、区立図書館なども、子どもたちにとっての多様な居場所となると考えてございます。今後も子どもたち一人ひとりの状況に合わせた教育の機会を提供するために、不登校児童・生徒の多様な居場所づくりを一層推進してまいります。
◆山田たかゆき
これまでも区としては、居場所について対象となる範囲を少しずつ広げながら、考えを深めながらつくっていただいたところでありますけれども、不登校対策や居場所づくりについて、教育委員会指導室の事業の中で、これまでの成果について伺います。
◎
教育委員会事務局次長
教育委員会では、令和5年4月に不登校対応ガイドラインというものを策定いたしまして、不登校児童・生徒に対するきめ細かな具体的な支援を学校に示しました。その結果、中学校におきまして令和3年度から令和4年度にかけて、登校できるようになった生徒が70名から113名へと増加しているところでございます。令和5年度から、区内中学校22校に対して、スクールカウンセラーを増員配置しまして、不登校の未然防止に資するアウトリーチ型の支援の充実を図るとともに、全小中学校に、教室以外の居場所を整備するなどの取組を強化しているところでございます。また、令和5年度からスクールソーシャルワーカーを増員しまして、一人ひとりの実態を適切に捉えて、専門機関などにつなげる学校内外の支援も充実させているところでございます。
◆山田たかゆき
人を配置していただいたりですとか、ガイドラインを策定していただいて、取組を進めていただいているところであります。現在の不登校児童・生徒の状況について、人数の推移について伺います。
◎
教育委員会事務局次長
板橋区立学校の不登校児童・生徒数でございますが、令和元年度は580人、令和2年度は699人、3年度は762人、4年度は1,064人と増加している状況でございます。一方、板橋区立学校に在籍している児童・生徒数は約3万2,000人前後とほぼ一定であるので、不登校児童・生徒の出現率につきましては、年々増加している状況でございます。
◆山田たかゆき
様々取組をしていただいて、事業を進めていただいている状況でありますけれども、コロナ禍ということもあったかもしれません。令和元年度から4年度までの、今ご説明いただいた人数の推移をグラフにしてみても、やはり右肩上がりで増加傾向にあるというところで、対策を進める必要性を非常に感じているところであります。既に中学校校舎内に教室以外の居場所をつくり、生徒の学習の支援をしている学校もあります。板橋第三中学校では、不登校生徒のために、Step by Step、SBSと呼んでいるそうですけれども、そういうスペースを設けています。様子を拝見しに行きますと、一人一台端末等を利用して、遠隔授業に参加したり、自習をしたり、本人の学ぶ意思がかなえられるよい取組だというふうに感じました。しかし、こうしたスペースを設置し、人員を配置している学校は、まだ限られています。人員配置がない学校からもニーズがあり、早急に配置を進めるべきと考えています。校舎内に教室以外の居場所づくりの拡充を進めることについて、板橋区の考えを伺います。
◎
教育委員会事務局次長
教室以外の居場所を支援する人材につきましては、教員等の学校教職員、また地域の方々、学生ボランティアなどに依頼をしまして、各学校の実態に応じて配置をしているところでございます。人材の配置につきましては、適正な人員数の確保、支援員への研修制度を整えるなどの課題がございます。板橋区では、令和5年度から中学校3校を居場所推進校と指定しまして、教室以外の居場所づくりについて、NPOなどと連携した取組を実施してございます。この中では、完全不登校だった生徒が定期的に通えるようになった、また、集会とかに後ろから参加することができるようになったなどのよい事例も挙がっているところでございます。今後は、その成果を検証して、人材確保も含めて、効果的な居場所づくりについて検討してまいりたいと思います。
◆山田たかゆき
個別的に成果の上がっている事例もあると、そういった形で寄り添っていただくことで、学校にまた通えるようになった子もいるということで、ぜひ引き続き進めていただきたいと思います。この場所、スペースは設置されているけれども、やっぱりまだ人の配置がない、あるいは日にちが少ない、時間が短い等まだあります。各学校での取組が広がっていることは評価をしていますけれども、各校ごとに差がある状況かと思いますので、拡充をぜひ進めていただきたいと思います。不登校児童・生徒の実態に配慮して、特別に編成された教育課程に基づく教育を行う学校を、これまでは不登校特例校と呼んでおりましたが、より子ども目線に立ったふさわしい名称として、学びの多様化学校と名称変更がなされ、改めて設置促進のための手引も文科省で改訂をされています。国では、将来的に学びの多様化学校へ通学を希望する児童・生徒が、移住地によらずアクセスできるように、分教室型を含め、設置を推進していくという方針を打ち出しています。分教室型は、一部の学級のみを学びの多様化学校として指定する設置方法となっています。不登校児童・生徒に広く居場所としての選択肢を与えるためにも、学びの多様化学校、分教室型の設置を検討するべきと考えますが、区の考えを伺います。
◎
教育委員会事務局次長
教育委員会では、不登校児童・生徒の実態に応じた多様な居場所づくりを進める中で、分教室型の学びの多様化学校は、多様なニーズに応えていくための手だての一つになると捉えているところでございます。学びの多様化学校を含めて、居場所づくりを推進していくための協議の場を設定しまして、教育委員会事務局全体で検討を進めてまいりたいと思います。
◆山田たかゆき
令和6年2月29日付で、文部科学省初等中等教育局児童生徒課から、各都道府県教育委員会指導事務主管課へ、多様化学校の設置へ向けての手引について、市区町村の教育委員会にも周知する旨の事務連絡が発出されています。令和6年2月に改訂された学びの多様化学校の設置に向けての手引をご覧いただいて、検討を進めていただきたいと思います。
続いて、(2)夜間中学校の設置検討についてというところで話を進めてまいりたいと思いますけれども、山田洋次監督の学校という映画をご存じでしょうか。夜間中学校を舞台にして、そこで学ぶ様々な人間を通じて、学校での学びとは何かを問いかける作品です。夜間中学校の認知を広めた作品でもありますが、制作されたのは1993年、30年も前となります。夜間中学校は、この間、社会変化に合わせて目的や意義を少しずつ変化させてきました。戦後、義務教育を受けることができなかった方、外国籍の方、様々な事情を抱えた人が学んできた学び舎ですが、現状の文部科学省の整備方針と設置状況について伺います。
◎
教育委員会事務局次長
教育振興基本計画におきまして、義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律、こちらに基づきまして、夜間中学校が全ての都道府県、指定都市に少なくとも1校は設置されるよう促進するとされているところでございます。令和5年4月現在、夜間中学校につきましては、23都道府県・指定都市に44校が設置されておりまして、このうち東京都に8校設置されている状況でございます。
◆山田たかゆき
山田洋次監督の学校の舞台にもなった荒川区立第九中学校に、私、視察に伺いました。夕方5時頃に伺いますと、日中の普通級のクラブ活動がまだ行われていました。学校の映画で、冒頭シーンが撮影されたちょうど時間帯になります。夜間学級は、専科の教室や給食室をシェアしていますが、教室と職員室は普通級と別に設けられております。夜間に授業が行われる以外に、環境としての違いは、私自身はあまり感じませんでした。教室に入ると、中学生の学齢は過ぎている10代から30代の生徒が、各教室に分かれて少人数のクラス編制で学んでいました。生徒は、外国籍の方や、いじめや家庭問題で不登校になった40代の生徒も複数名通っているということで、校長先生からお話を伺ったところです。東京都には、現在、先ほど説明がありましたけれども、7区1市、計8校の夜間中学校が設置されています。歴史がある古い学校が多いです。地方自治体の判断によって設置が可能であると認識をしていますけれども、この認識は正しいでしょうか。また現在、板橋区在住者で、夜間中学校に通っている生徒を板橋区として把握をしているか、お答え願います。
◎
教育委員会事務局次長
夜間中学につきましては、学校教育法施行例に定めのある中学校における二部授業として位置づけられておりまして、地方公共団体の判断により設置することができるとなってございます。東京都では、対象者が全都に分散している関係上、それぞれの学校が区域を越えて、広域的な立場で教育活動を展開しているというところでございます。なお、夜間中学の通級者でございますが、学齢期を経過した方が多く、また入学に際して、在住自治体での手続を要さない、つまり板橋区での手続が必要ないということで、区の通学者数は把握していないところでございます。
◆山田たかゆき
ご対応いただいた校長先生のお話によると、東京の東地区には夜間中学校が設置されているが、西の地域にはなく、駅に近いという立地もあって、荒川第九中学校には、練馬区、杉並区、板橋区からも通学している通学者がいるということでした。この中学校では、板橋区から4名の生徒が通っていますということで、私は教えていただきました。板橋区において、不登校で中学校に通ったことが全くないまま卒業した既卒者はどれほどいるのか把握していらっしゃいますでしょうか、伺います。
◎
教育委員会事務局次長
既卒者の人数は把握していないところでございますが、令和4年度の出席日数がゼロ日の児童・生徒は49名でございました。
◆山田たかゆき
様々ご事情はあろうかと思いますけれども、中学校を卒業してはいるけれども、十分に学ぶ機会が保障されなかった、学校に行けなかった等いろいろなことで学べなかったっていう方はいるんだというふうに思います。現在は、義務教育を修了しないまま学齢期を過ぎた方や、不登校や病気やけがなど様々な事情により、十分な教育を受けられないまま中学校を卒業した方、本国や我が国で義務教育を修了していない外国籍の方など、様々な背景を持つ生徒の多様な学びを、この夜間中学は保障しています。夜間中学校制度、二部制の夜間学級についての板橋区の認識をお示しください。
◎
教育委員会事務局次長
夜間学級でございますが、学校教育法施行令に定めます中学校における二部授業としての位置づけでございます。先ほど申し上げたとおり、東京都には現在、夜間学級設置校が8校あるという状況でございます。東京都は、都全域に対象者が分散しているということもありまして、それぞれの学校が区域を越えて、広域的な立場で教育活動を行っているものでございます。板橋区民も、希望すればこれらの夜間学校で学べるため、教育委員会の窓口にポスターを掲示して、周知に努めているところでございます。
◆山田たかゆき
夜間中学校は、不登校対策として、また多様性のある社会の実現や学ぶ権利の保障としても、板橋区として設置検討に値する学級であると考えますが、区の見解を伺います。夜間17時から始まる学級は、例えば、かねてから課題であった起立性調節障がいの病気によって、日中に活動することがままならない生徒にも門戸を広げることになるかと思います。ご見解をお示しください。
◎
教育委員会事務局次長
全国には、夜間学級を学びの多様化学校に指定した事例もありまして、学齢期の生徒を夜間中学が受け入れている状況については認識しているところでございます。その他の不登校支援施設を持たない地域におきましては、このような取組は、大変効率的で効果的な施策であると考えてございます。一方、夜間学級を区域を越えて広域的な立場で設置・運営している東京都に位置する板橋区においては、フレンドセンターなど、その他の不登校支援を実施していることも加味すると、直ちに実施すべき施策とまでは言えないところがございます。全国の成功事例を研究しながら、東京都における夜間学級の設置方針と併せて、夜間学級の設置可能性は探っていきたいと思います。
◆山田たかゆき
引き続き諦めずに質問をするんですけれども、中学校の学齢期の不登校生徒についても、夜間中学校への受入れが可能であると私は認識をしておりますが、区の認識を伺います。
◎
教育委員会事務局次長
夜間中学は、義務教育を修了しないまま学齢期を経過した方だけではなく、不登校など様々な事情により、十分な教育を受けられないまま卒業した方、また義務教育を修了していない外国籍の方などに対しまして、義務教育を受ける機会を実質的に保障するための役割が期待されているところでございます。なお、文部科学省の通知では、不登校となっている学齢生徒も、本人の希望を尊重した上で、在籍校に籍を残したまま、夜間中学で支援を受けることが可能とされてございます。
◆山田たかゆき
不登校が、先ほどグラフでも示したとおり、板橋区においても増加傾向である中で、学齢を過ぎた方々の学び直しの機会として、今後さらに社会的な重要性が高まると私は考えます。これまでは、不登校のまま卒業し、既卒者となった方は、中学校で学ぶという選択肢はないわけですが、小学校も中学校も十分に登校することができなかった方々に対して、教育の機会を保障すると、冒頭の教育機会確保法の立法の目的となっておりますので、ぜひ検討を進めていただきたいと思うんですけれども、具体的な質問をさせていただきますが、既存の校舎を活用し、日中と夜間の二部制として夜間の学級を設置する場合、設置費用や運営費は概算でどの程度予想されるのかお示しください。
◎
教育委員会事務局次長
現在、多くの夜間中学は、昼間に授業が行われている中学校と同じ校舎の中に、二部授業を行う学級として設置されてございます。夜間中学の設置に当たりましては、既存校舎の環境整備などに係る経費のほかに、設置後の教育活動、教材整備などに係る経費が必要であると認識してございます。
◆山田たかゆき
文部科学省も、都道府県や主な都市には夜間学校を設置する目標を掲げています。夜間学校を設置するに当たり、国や都からの財政的な支援は望めるのか、板橋区が活用可能な制度があるのか伺います。
◎
教育委員会事務局次長
夜間中学の促進・充実事業では、新規準備に係る2年間、また開設後の運営に係る3年間に要する経費の一部が国の補助対象となります。また、校舎の新築・増築を行うときには、夜間中学の学級数に応じた必要面積を上限として、国の補助対象となるという認識でございます。
◆山田たかゆき
板橋区においては、板橋フレンドセンターや成増フレンド分教室と、居場所づくりを進めてきたことは評価をしております。令和6年度は、教育ビジョン2025の次期計画の策定を控えています。居場所づくりの中で、不登校の状況にある生徒・児童にさらなる多様な選択肢が用意されるように、夜間中学校や学びの多様化学校の設置検討についても盛り込まれるように求めたいと思います。区の見解を求めます。
◎
教育委員会事務局次長
次期教育ビジョンにつきましては、次期基本構想及び次期教育大綱の実現に向けて、教育が中心的に担う人づくりの方向性、こちらを明らかにしていくこととなってございます。次期教育ビジョンの策定に当たりましては、検討委員会を設置して検討いただく予定でございますので、不登校の状況にある児童・生徒にさらなる多様な選択肢を用意する必要性がある旨の方向性についても、ご議論いただくことといたします。
◆山田たかゆき
この夜間中学校というのは、これまで板橋区としても、ひきこもりの対象にはなっていたとしても、学びを改めて学び直しをしていただくという対象にはなっていなかったところでして、毎年、不登校のまま既卒者となってしまう中の一定割合に、こうした学び直しの支援が必要な方がいらっしゃるんじゃないかというふうに私自身は思っております。ニーズ調査等をぜひ進めていただきながら検討していただければありがたいというふうに思っております。今日は、不登校対策の項目としてお話をさせていただきましたけれども、別の視点では、ここに通っている方、外国籍の方も非常に多いんですね。これから日本社会が海外からの労働者を受け入れていく中で、当然そこのご家庭の子女も、日本になじむためには、日本語の習得や日本文化の習得ということが必要になってくるかと思います。そうしたときに、学齢期を終えている方の改めての外国籍の学び直しの機会になるインクルージョンやダイバーシティの観点でも、やはり検討を進める価値のある学校ではないかというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
続いて、天津わかしお学校について質疑をしたいと思います。板橋区立天津わかしお学校は、校歌の歌詞に、海や太平洋や水平線が登場する千葉県鴨川市にある板橋区の特別支援学校です。天津わかしお学校についての概要説明を求めます。
◎
教育委員会事務局次長
天津わかしお学校につきましては、ぜんそく、肥満、偏食、虚弱など、健康課題を抱える小学校3年生から6年生までの児童を対象とした特別支援学校として位置づけられてございます。現在、36名の児童が在籍しておりまして、海を生かした活動、また近隣の畑での栽培学習、健康活動別の自立活動に取り組むなど、多様な学びの場として、心身面で健康改善を目的として、個別最適な教育を行っているところでございます。
◆山田たかゆき
今ご説明あったとおり、天津わかしお学校は、特別支援学校であり、健康増進を目的とした児童が通う学校となっています。実は、私の息子も2年間お世話になりましたので、保護者としても天津わかしお学校の必要性を肌で感じてまいりました。今、息子は中学1年生ですけれども、4年生と5年生、この2年間通わせていただきました。保護者として、天津わかしおの必要性を感じたということを少しお話をさせていただくと、私の息子は重度のかなり重い偏食を持っておりましたけれども、これが改善をされて戻ってきました。かなり食べられる食品や食材に偏りがありましたけれども、規則正しい寮生活と運動、さらには、同様に目的や目標を持った仲間と励まし合いながら過ごすことが改善につながったと感じています。2つ目は、少人数学級や寮生活で、生活において自信がつき、内面的な成長につながったといったところがあります。先生や寮職員や友人と過ごすことで、自立し、他人を尊重し、トラブルも仲間と解決をする姿勢が備わった感じがします。3つ目は、先ほども説明ありました臨海の環境を生かした特徴的なカリキュラムが挙げられるかと思います。教室からも海が見えますし、目前の砂浜や磯での環境学習、毎日海岸沿いを2キロメートル走るランなど、心身の成長が図られたのではないかというふうに思います。毎日3キロメートル走り、年間400キロメートルを超えて走る小学生もいます。私の息子も、そのようにして自信をつけて帰ってきました。先日、校長室に伺ったときに、お話を伺った鴨川市長の長谷川市長は、「天津わかしおこそ教育の原点があるから、若い教員に経験をぜひしてもらいたいね」と、取組に大変感心をされていらっしゃいました。時代によってその目的は少し変化をしていますが、今も健康に課題を抱える児童の大事な選択肢であり、学校維持がされるべきであると考えています。そうした中で、在り方の検討がなされたり、施設の老朽化の課題を抱えていたりしており、存続を心配する声も聞くところであります。存続を行うと明言をいただき、今後の方針を伺いたいと思います。
◎
教育委員会事務局次長
天津わかしお学校につきましては、子どもたちの心身に関わる健康問題の多様化、また施設の老朽化などの課題を踏まえまして、様々な観点から検討してきたところでございます。当面の間は、施設の維持・改修を行いながら、施設を運営していく考えでございまして、今後も子どもたちを取り巻く環境変化に応じて、必要となる検討を随時行っていく所存でございます。
◆山田たかゆき
続いて、学級編制の基準についてちょっと伺いたいと思うんですけれども、天津わかしお学校は、特別支援学級でありますが、これまでクラス編成については、障がい児を受け入れる学校ではないので、これまでも1学級の児童数に関しては、課題はなかったかというふうに思います。しかし、昨年示された東京都の特別支援学級の1クラス当たりの生徒数の基準6名というのは、天津わかしお学校の実情に合っていないのではないかというふうに考えます。現状の学級運営の状況と、区の考えを伺います。実際、教室数が足りなくなって、仮設の間仕切りを引いて、1教室を2つに分けて授業を行っていることもあります。1学年7名受け入れた場合は、3名のクラスと4名のクラスになり、一昨年、12名の5年生を1クラスで授業していた状況からも、効率的や効果的な運営が行われているか、私自身は疑問を持っておりますので、お答え願います。
◎
教育委員会事務局次長
特別支援学校の学級編制基準が、令和5年4月から小学校では1学級6人以下となったため、各学年6人を超える4年生から6年生、こちらが2学級編制となったところでございます。授業形態につきましては、少人数が基本なんですけれども、必要に応じて合同授業を行う場合もございまして、学級編制基準の変更による影響は、今のところ大きくはないと考えているところでございます。引き続き教室数の確保は課題ではございますが、適切な学校運営に努めて、児童一人ひとりの手厚い指導、支援を行ってまいります。
◆山田たかゆき
大丈夫、大丈夫というふうになるかと思うんですけれども、適正なクラス編制で学ぶことが天津のよさを引き出すと考えますので、東京都へ要望を提出するべきと私は考えます。健康増進を目的とした特別支援学校では、1学級当たりの児童数については、柔軟な人数緩和が可能な特例措置を求める要望を出していただきたいと考えますが、区の考えを求めます。
◎
教育委員会事務局次長
天津わかしお学校は、健康改善を目的とした施設でございまして、通常の授業については、極端な少人数制を取らずとも、教育目的は達成できると考えてございます。特別支援学校の学級編制基準の変更に際しましては、既に令和4年11月に東京都に対して、1学級当たりの児童数について、6人を超える特例措置を求める申入れを行っているところでございます。今後も学校現場の意見を踏まえた上で、必要に応じて東京都への働きかけを行ってまいります。
◆山田たかゆき
ぜひ、同様に健康増進を目的とした特別支援学校を設置している区もありますので、連携をしていただきながら進めていただければと思います。続いて、修繕の予定について伺いますけれども、施設についての老朽化というのは、さすがに課題であるなというふうにうかがうと思います。令和6年度の修繕計画等があれば伺います。
◎
教育委員会事務局次長
天津わかしお学校におきましては、例年、要望改修工事、また緊急工事に要する経費を予算計上しておりまして、予算の範囲内において、施設継続のための修繕・改修を行ってございます。令和6年度、修繕工事内容につきましては、現地を視察しまして、教職員へのヒアリングを行って、修繕箇所の調整を進めているところでございます。現地の要望など優先順位を整理しまして、効果的な修繕・改修を行ってまいります。
◆山田たかゆき
修繕に要望があるので、直接お伝えしたいと思います。雨漏りをしている箇所があるというのと、また体育館の冷暖房がなく、夏と冬の体育館利用に支障があるという状況もあります。大規模な改修を待たずに、児童のために早急に設備設置や雨漏りの修繕を行うべきと考えますので、見解を伺います。
◎
教育委員会事務局次長
天津わかしお学校は、大規模な改修は行われていないものの、体育館は令和2年度に屋上防水工事を行ってございます。校舎につきましては、令和4年度に部分的に屋上防水工事を行いまして、さらにその他の雨漏りなどにつきましては、その都度、緊急工事において対応してきたところでございます。天津わかしお学校の体育館の冷暖房につきましては、利用状況などを鑑みて、現在は設置していないという状況でございます。ご要望につきましては、現地の要望などを整理いたしまして、必要に応じて改修を行うことで、教育環境の改善・維持を図ってまいりたいと思います。
◆山田たかゆき
天津わかしお学校も全寮制という特別支援学級で、一つの板橋区の居場所というふうに広く捉えることができるかと思います。学校内外において居場所が確保され、不登校対策においても選択肢が増える、お一人おひとりの社会的な自立を支援できる体制の検討をぜひ進めていただきたいとお願いを申し上げて、この項を終わりたいと思います。
続いて、子どもの遊び場についてであります。大谷翔平選手が、全国各地の小学校にグローブを3つずつ届けられたことは記憶に新しいことであります。母校の緑小学校にもグローブが届き、休み時間に交代で遊んでいるそうです。大谷選手やWBCやオリンピックでの活躍を見ると、キャッチボールをしたくなる気持ちも湧くということですけれども、時間と場所が限られており、軟式のボールでキャッチボールができる公園の整備を進めてほしいとご要望を頂きます。風が吹くと桶屋がもうかるではないですが、大谷選手が活躍すると、要望が増えるという気がします。板橋区内の公園数は非常に多く、大小393か所の公園があります。そのうち軟式のキャッチボールができる公園は幾つあるのかお答え願います。
◎土木部長
区立公園では、他の公園利用者や近隣住民の危険や迷惑を生じさせるおそれのある遊びを禁止をしておりまして、軟式野球のボール、これ中学生が使うような野球のボールかと思いますが、これを使用したキャッチボールは、やり方や条件にもよりますけれども、こうした野球というのが禁止の対象になっております。軟式ボールを使用した通常のキャッチボールが可能なのは、小豆沢公園などの野球場、それからフェンス等で周囲を囲ったボール遊び広場など、約20か所ございます。そのほか団体等によりまして、安全性や近隣対策など、公園でのボール遊びが成り立つ環境が整えられて、申請等の手続が取られれば、軟式ボールやサッカーボールを使用したボール遊びは、必ずしも禁止の対象とはしてございません。
◆山田たかゆき
板橋区の公園等393か所中、一定の広さがある面積2,500平米以上は76か所、公園全体の19%です。一方で、軟式のボールでキャッチボールができる公園は、今ご説明がありましたとおり20か所、全体の4%未満にとどまっています。これをまずは、一定の広さのある公園では、ボール遊びができるように整備を行っていただきたいと思います。目標値を設定する必要があると思いますが、公園全体の19%に、軟式ボールでのキャッチボールができる公園の割合を高めることができないか、区の見解を伺います。
◎土木部長
都市公園につきましては、休息、観賞、遊戯、レクリエーションなど様々な利用が求められておりまして、同時に樹林地の保全ですとか、オープンスペースの確保など、特定の目的に重点を置いているものもございます。キャッチボールに対するニーズは、その内容によっても様々でありまして、また実施場所も公園とは限らないということから、庁内の関係部署の知見や情報を統合して、目標設定をしていく必要があると考えております。来年度、数か所の区立公園でボール遊びに関するサンプル調査を実施をいたしまして、ニーズや問題点、解決条件などをモデル化するなど可視化を進めまして、庁内連携の基礎づくりを進めたいと考えております。そうした中で、目標設定を含めて、計画的な整備に結びつけていきたいと思います。
◆山田たかゆき
船橋市では、ボール遊びのできる公園検討委員会の設置をし、活発に議論をして、課題の解消を進めています。板橋区においても、今サンプルで調査をしてということで、庁内で進める体制を持っていただいてはいますけれども、有識者や区民一般公募の委員等から成る同委員会の設置を提案しますけれども、見解を伺います。
◎土木部長
今後、庁内連携に資していきたいということで、今後、来年度、調査を進めることにしております。船橋市の事例についてでございますが、来年度実施する、今のお話のボール遊びに関する調査委託、これを発案するきっかけとなった取組でありまして、発表当時から関心を持って状況を見守っております。船橋市の取組は、検討体制ですとか、検討の対象が小中学生を対象としている点など特徴的なところがございまして、また船橋市は板橋区と比べますと、約4割程度の人口密度となっているなど、そうした違いもございます。参考にする場合には、板橋区の実態に合わせて工夫をしていくことが必要だと思います。こうした点を踏まえまして、船橋市を参考としつつも、来年度の調査結果と庁内での合意形成を図る中で、ご指摘のスピード感、これにも十分配慮して、独自の事業執行の方向性を導いていきたいと考えております。
◆山田たかゆき
検討する組織体制を設置して目標値を設定することで、検討実施のスピードを速めていただきたいと思いました。そこからの提案でありますので、引き続きよろしくお願いいたします。続いて、ボール使用のルールについてですけれども、現状の小学校の校庭開放の際のボール利用のルールについて伺います。
◎地域教育力担当部長
校庭におけますボール使用のルールでございます。現在、土曜日、日曜日、祝日、こちらの午後の時間帯に、区立小学校の校庭を子どもの遊び場として、小中学生、それから保護者付添いの幼児に開放をしてございます。このうち午後1時から2時までの間をキャッチボールとサッカーの時間としまして、子どもたちが持参をした軟式野球ボール、それからサッカーボールを使った遊びができるようにしてございます。ルールといたしましては、金属製や木製バットの使用禁止、野球、サッカーチームの団体利用が不可としているほか、キャッチボール、サッカーの利用がない場合は、通常の子どもの遊び場として開放してございます。
◆山田たかゆき
現状のルールをいろいろヒアリングしたところ、現在では、仮にほかに利用者がいなくても、ボール遊びはやめなければならないルールであるということでありますけれども、この点について伺います。サッカーや野球はメジャーなスポーツでありますので、地域のスポーツ団体に所属をしていなくても、気兼ねなく遊べる場所や機会を増やしていただきたいと思います。お願いします。
◎地域教育力担当部長
現状のルールでは、仮にキャッチボールとサッカーの時間を超えた時間には、ほかに利用者がいない場合でも、キャッチボール、サッカーによる利用は禁止をして、いわゆる通常の子どもの遊び場として開放することとしてございます。しかし、ほかに利用者がいないことを条件として、キャッチボール、それからサッカーでの利用を継続できるようにするというところは、校庭を有効に活用するという部分、それから子どもたちの気持ちを尊重するという観点からも望ましいというふうに考えてございます。一方で、通常の利用者が来校した場合には、今現在指導員がおりますので、指導員がキャッチボールとサッカーの利用者に対して中止を促すというような行為が出てまいります。このあたりを徹底することには課題がございますので、その課題の対応を含めて、検討してまいりたいというふうに思ってございます。
◆山田たかゆき
子どもの意見表明権を支える根底には、大人が子どもの権利を尊重する姿勢が何より大切であると考えます。小学校の校庭は、小中学生が気兼ねなく遊べるのが本来の姿だと思いますので、今お話しいただいたように、利用の拡大を進めていただきたいと思います。続いて、公園のボールの利用のルールであります。公園のボール利用の現状のルールについて伺います。
◎土木部長
区立公園は、先ほど申し上げましたとおり、一般に危険なボール遊びを禁止をしております。また、赤塚植物園など、特別な意図や構造を持った公園、面積が狭く、運動自体が危険を伴うような公園、さらに遊び方の問題、例えば深夜まで騒音が近隣の住民の範囲を超えるといったような判断がされる場合には、その旨の表示を行って禁止をいたしますが、これ以外の危険のないボール遊びは可能としております。なお、ボール遊びに対する苦情が令和3、4、5年度、各年度でそれぞれ82件、92件、101件寄せられておりまして、こうしたものについては、その都度、個別に対応させていただいております。
◆山田たかゆき
ボール使用についてのルールが決まっていますけれども、どのようなボールが利用できないのか、あるいはどのような利用が制限されるのか、詳細に分かりやすく示す必要があると考えます。例えば、先ほどのボール遊びも、軟式のボールではなくてゴムボールの利用は可能であるとか、サッカーボールは、シュートのような蹴り方は不可で、パス回しであれば大丈夫だとか、一律の禁止から、各公園の事情に合わせて緩和をしていただきたいと思いますけれども、区の見解を伺います。
◎土木部長
ボール遊びの種類は非常に多岐にわたっておりまして、遊ぶ側の人数や遊び方、利用時間帯にもよることになりますので、公園ごとに周辺環境や他の利用者の状況も異なることから、現場での具体的な表示はなかなか難しいものと考えております。現在は、危険なボール遊びは禁止など、利用者の判断を尊重した表示を行っておりまして、逸脱した行為が行われ続けるような場合には、バット使用禁止といった補足表示を行いまして、パトロール等で個別に指導を行っております。ボール遊びをする利用者とその他の利用者の間の理解と協調が得られるためには、両者の歩み寄りを促進することが重要であると考えておりまして、来年度実施する調査の結果を踏まえまして、まずは一定のモデルを作成して、それによる対応を進めていきたいと、今のところ考えているところでございます。
◆山田たかゆき
足立区の公園のボール遊びのルールやボール遊びおすすめ公園マップが、親切で分かりやすく、子どもや子育て世代に評判であります。分かりやすく利用者目線での親切な周知によってサービスの向上を求めますが、いかがでしょうか。
◎土木部長
足立区の公園マップにつきましては、板橋区ではほとんどの場合禁止していない、先ほどお話のありました軟らかいゴムボールでのボール遊びも含めてボール遊びとしていること、少年野球場など有料の施設も紹介していることなどが特徴となっております。また、フェンス等で周囲を囲うことでボール遊びコーナーとしている施設の状況や、フェンスへ向けてボールをぶつける行為など、迷惑となることを禁止の判断基準としていることは、これについては、板橋区と非常に類似したものであります。ボール遊びのニーズへの対応に向けましては、ご指摘のような広報手法に加えまして、公園に限らず、広く活用の場を求める必要があるため、前述の調査委託の成果を踏まえまして、その展開方法、足立区の例も十分に参考にさせていただきながら、検討して前進をさせていきたいと思います。
◆山田たかゆき
子どもの遊ぶ権利が守られるような運用上の配慮を一層求めて、この項を終わりたいと思います。
続いて、防災についてです。能登半島地震発生から2か月が経過しました。大きな災害が起こるたびに、これを教訓として、板橋区においても災害への備えに生かしてまいりました。板橋区は何を教訓として、令和6年度から予定されている板橋区地区防災計画の改定を行っていくのか伺います。
◎
危機管理部長
能登半島地震では、救助活動などにおきまして、共助の取組の重要性が再認識された一方で、木造密集地域での大規模火災や避難所での物資不足、また要配慮者対応などが大きな課題になったと認識をしております。区では、能登半島地震での教訓も生かしつつ、令和6年度以降、3年間をかけまして、現在の18支部ごとの地区別防災マニュアルを改定し、地区防災計画として位置づける予定でございます。地区別防災マニュアルの改定に当たりましては、地域住民によるワークショップ形式を想定しておりまして、今回の震災で得られた教訓とともに、被害想定などの情報共有も行いつつ、地域特性を踏まえた計画の改定となるよう支援を行ってまいりたいと考えてございます。
◆山田たかゆき
能登半島地震の報道を注視していく中で、いち早く救助や復旧を行っていくためには、まず被害状況を把握し、次にその情報を整理、共有して、適宜更新していくプロセスが大切であると改めて確信をしました。地域によって被害状況やニーズが異なり、刻一刻と状況が変わっていく中で、正しく情報をシェアしていくのは容易ではありません。DX化を積極的に取り入れていくべきと考えますが、区の考えを伺います。
◎
危機管理部長
能登半島地震の例を見ましても、災害対応は、正確な状況把握と情報発信が重要であると認識をしております。令和6年度の防災システムの更新に合わせまして、発災時は、防災情報に特化したポータルサイトを充実するとともに、防災アプリで避難所の混雑情報などが、地図情報によりリアルタイムで把握できるように改善をしてまいります。さらに、ドローンの活用による地域の情報収集や、避難所に配付済みのタブレットを活用しまして、避難所ごとの情報やニーズを逐次把握できる仕組みを構築するなど、さらに工夫を重ねて取組を進めていく考えでございます。
◆山田たかゆき
最新の防災テクノロジーというのは次々出てくると思いますので、ぜひ研究をしていただきながら進めていただきたいと思います。
続いて、令和6年度の新規事業について伺いますが、坂本区長の施政方針演説においても、3D都市モデルを活用した延焼シミュレーションを作成して、防災対策に役立てていくと表明があり、DXを活用した取組であると評価をしております。どのような活用を図っていくのか詳細を伺います。
◎都市整備部長
延焼シミュレーションは、現実空間と同じ街並みを再現した3D都市モデルに、建物ごとの位置、高さ、構造や耐火性能等のデータと、風速や風向きなどの気象データを入力することで、様々なシミュレーションを行うものでございます。火災時の延焼による影響範囲や被害状況を可視化するとともに、まちづくりにおける道路の拡幅、建物の壁面後退、耐火性能の変更など、防災力向上策の効果検証を行うことができるものと考えております。このシミュレーションは、国土交通省から都市再生推進事業費の補助を受け、都市基盤DXの実証実験として行うものでございまして、今後の活用方法につきましては今のところ未定ではございますが、都市復興などの活用をするほか、まちづくりの効果の可視化や区民の防災意識の向上などの視点で、継続的に検討を進めてまいりたいと考えております。
◆山田たかゆき
3D都市モデルと、ぜひいろいろな分野に活用を進めてほしいと思います。期待をしております。続いて、合同総合防災訓練の詳細、東京都との合同総合防災訓練が実施される予定でありますが、これまで区の単独の防災訓練とどのような点が異なり、どのような効果を期待するものか伺います。
◎
危機管理部長
東京都との合同防災訓練につきましては、昭和57年以来の実施でありまして、非常に貴重で大規模な訓練となることでございます。特徴としまして、東京都及び9都県市など、広域的な自治体からの物資支援の受入れ連携、東京都、区、消防、警察、自衛隊をはじめ、各災害対応機関との連携による疑似災害現場での防災DXの活用を含めた救出・救助、道路啓開訓練などを実施いたします。また、区民参加型による訓練や防災プラスフェアなども実施いたしまして、区民、行政及び各災害対応機関等が自助・共助・公助を再認識することによりまして、防災力の向上を図る効果を期待しているところでございます。
◆山田たかゆき
以上で予算総括を終えさせていただきます。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
○委員長
以上で、
山田たかゆき委員の総括質問は終了いたしました。
次に、
元山芳行委員、お願いいたします。(拍手)
◆元山芳行
大体3時ぐらいまでよろしくお願いいたします。私は、決算総括と連投になりますので、決算のときを振り返りながら質問をさせていただきたいと思います。
そのときにも指摘したんですけれども、事業の評価としては、監査報告だとか行政評価、これに加えて事業計画で設定されたアウトカム、こういうものも評価できるようにしていかなきゃいけないと、そのときに主張させていただいております。答弁としては、事業の成果というのは、アウトカムを適切に定めることが重要だと認識していると。誰にどのような成果を上げるかを明確にした上で事業が実施されるよう、行政評価制度の見直しを図っていきたいと頂戴をしておるところであります。当初予算のどの部分にそれが反映されているのかということをお聞きいたします。
◎
政策経営部長
予算編成に当たりまして、前年度の成果や課題を踏まえて、必要性、有用性を再確認の上、次年度に反映していくことが重要だと考えておりまして、事務事業評価を所管課とのヒアリングの中で今活用しているところでございます。評価表には、活動や成果の分析、アウトカムへの寄与、コスト分析、改善の方向性という評価欄がございまして、そこから次年度への改善につなげていく仕組みを回しているところでございます。具体的に、令和6年度当初予算において、評価結果からですけれども、事業効果を高めるために、会計年度任用職員を改めて委託化をしたという例もございますが、改善項目は大小様々ありまして、具体的に次年度へどう反映されたかというのを示すのは難しい面があるというふうな認識でございます。
◆元山芳行
その答弁のように、私としてはどこに反映されているかという実感はありません。大きく改善をしなかった合理的な理由があればお聞かせください。
◎
政策経営部長
当初予算に反映しなかった、できなかった理由があるとすれば、区民ニーズの多様化・複雑化によって、最適な事業方法が見極められなかった、あるいは課題が明確に絞り切れなかったなどいろいろ要因があろうかと思われます。いずれにしましても、事務事業評価を通じた分析、検証を行いまして、現状を適切に把握して、改善の意識を持って予算編成、事業執行に臨んでいきたいというふうに思っております。
◆元山芳行
こういうアウトカムをしっかりと評価していくことによって、事業そのものの目指すところ、その事業がどれだけ区民にとって役に立ったかというところをしっかりやっていかなきゃいけない。それは財政面でも言えることでありまして、こうしたことを進めることによって、今後社会保障制度維持のために、一般会計から特別会計の繰入れ、こういうものが求められていく中、区民からお預かりしている大切な税金を、無駄なく効果的に使っていかなければならないし、その使い方を可視化する必要を改めて強く訴えるところであります。
1つアウトカムの視点から具体的な例を出しまして確認をさせていただきたいと思います。大きな話題となっておりますいたばしPayであります。いたばしPayの目的、これをアウトカムを明確にするという視点で伺うとどういうことなのかお伺いいたします。
◎産業経済部長
いたばしPayの現在の加盟店舗数は約1,300店、ユーザー数は約12万人、令和6年度の流通総額は約61億円を見込んでおります。いたばしPayは、地域経済の活性化及びキャッシュレス決済の普及、推進を目的に導入したものであるため、一定の成果を上げられているものと認識しております。
◆元山芳行
なかなかそのターゲットがアウトカムとしてあまりぴんとこないところであります。そもそもこういうものが設定されていたんでしょうか。
◎産業経済部長
令和2年度と3年度は、大手決済事業者であるPayPayにポイントを付与する方法でポイント還元事業を行っておりましたが、付与されたポイントが区外の店舗で使用される可能性があり、区内における経済の循環が不十分であると考えられておりました。そこで、板橋区内でしか流通しないいたばしPayを導入することで、区内消費の好循環につながったと言えます。地域経済の活性化及びキャッシュレス決済の普及、推進という設定した成果指標は適切であったものと考えております。
◆元山芳行
皆さんも感じていると思いますけれども、このいたばしPayは区役所では使えないんですよね。なので、質問にはしないですけれども、ちょっとそこが不思議だなというふうに思っております。今後のいたばしPayに、私は必要な拡張としては、いわゆるデータ駆動型でデータドリブンマーケティングに使っていくということだったり、あとは健幸ポイント、これ分科会で質問させていただきましたけれども、もう既にいたばしPayの中に健幸ポイントっていうのを入れてきているわけでありますから、これを今後各自治体が対応しなきゃいけないPHRだとかPMHにつなげていくことだとか、国保だとか介護保険、後期高齢保険料の支払いに使えるとか、あとは健康子育てイベントに対するポイント付与をすることによって、イベントの参加率向上につなげていくということ、それから今月の8日から、マイナンバーカードを医療費助成の支給者証として利用できるようにする取組として、先行実施事業の自治体公募が開始されております。今後、予防接種分野については厚生労働省が母子保健分野、そしてこども家庭庁から自治体へ公募を実施する予定となっておりますので、この辺も意識しておいてもらいたいと。あと、チャージ金、お預かりしたチャージ金を、なかなか乱暴な言い方かと思いますが、健康だとか経済分野に使っていく財源として利用できないかと。チャージ金には利子がかからないわけでありまして、この手法は民間では既に導入をされている手法であります。あとは、医療・介護連携のプラットフォームとして活用していくことによって、このAIPにしっかり貢献できるものに育っていくということができるんじゃないかなというふうに思います。地域通貨としてのいたばしPay、これはやっぱり先ほどから地域経済の活性化というお話を頂いておりますけれども、そういったいたばしPayの経済圏をつくるということを考えていく必要があるんではないかなと思っております。経済産業省が公表した、経済秩序の激動期における経済産業政策の方向性において、Web3の具体事例として、暗号資産だとかNFT、DAOの3項目が挙げられておりまして、こういった視点で、例えばNFTの活用だとか、こういったところとして、特にこうした代替貨幣を用いた経済圏をつくっていくことによって、本当に乱暴ですけれども、中央銀行券を用いない新たな財源をそこから生み出していける可能性もあるというふうに思います。ただ、このように機能拡張を図るには、そのソフトウェアがあらかじめアドオンを前提とした設計となっている必要がありますが、このいたばしPay、どんな設計になっているのかお伺いいたします。
◎産業経済部長
いたばしPayの制度設計は、板橋区商店街連合会及び板橋区商店街振興組合連合会で行っているものでございます。機能としては、決済以外の機能も使うことができるようでありますが、よりシンプルで使いやすいものにするために、現在の仕様となっております。しかしながら、先ほど委員が言われたのとはちょっとかけ離れているかもしれないんですけれども、細かい
バージョンアップはしておりまして、決済のしやすさであるとか、最近では個々の個店の紹介なども行っているところでございます。
◆元山芳行
このように拡張イメージをしていくと、いたばしPayの今後の可能性というのは、非常に無限大と言えるかというふうに思います。一つずつ、技術的な課題もありますけれども、いろんな各サービスをプラグインしていくという方向で考えていったらいかがかなというふうに思いますが、いかがでしょうか。
◎産業経済部長
いたばしPayは、先ほど委員からもご紹介ありましたけれども、いたPay健幸ポイント事業やいたばし環境アクションポイント事業など、行政ポイント付与の拡大に加えまして、今後は板橋区民まつりなどのイベントでの活用を検討しております。現時点では、デジタル地域通貨として、継続的な利用の促進、区内経済の活性化に注力している段階でありまして、機能の拡張は大変魅力的なものでございますが、今後の課題であると考えております。
◆元山芳行
大体今後の課題って言われると、なかなかやらないんですね。なので、今答弁頂いたその答弁自体に、どんな合理的な理由があるのかということを改めて確認したいと思います。
◎産業経済部長
繰り返しになりますが、いたばしPayは商店街連合会及び商店街振興組合連合会が運営を行っておりまして、今後、区からの支援が縮小した後も、加盟店からの、例えば手数料を低額に抑えるために、あえてシンプルな仕組みにしていると聞いております。ただ、今後どのようなふうになるかは、今後区と振連・商連と話合いしながら、せっかく機能拡張ができるのであればそれを使って、先日も商連の会長がおっしゃっていましたけれども、少しそういう機能を追加したいということもおっしゃっていましたので、それに区のほうでも協力していきたいというふうに考えております。
◆元山芳行
ぜひ進めてもらいたいと思います。あと、もう一つ例を挙げて確認をしたいんですが、いたばし産業見本市であります。この産業見本市、いたばしPayと同じ質問ですが、この目的、アウトカムで表現すると、産業見本市はどのような表現ができるのか確認します。
◎産業経済部長
いたばし産業見本市は、区内製造業を中心としたビジネス展示会としておりまして、中小企業の経営改善や技術革新を支援するセミナーを併せて開催しております。出展企業にとっては、新たな契約に結びつくことが最大の成果であると思いますが、自社の商品やサービスについて認知してもらうことも、将来的には大切な成果になると期待しております。また、来場者にとっては、新たな商品やサービスについて情報を得られることも魅力の一つであると考えております。
◆元山芳行
産業分野の事業というのは、私はもう売上げが全てだというふうに思っております。この参加企業の過去5年間のトレンドはどのようになっていますでしょうか。
◎産業経済部長
いたばし産業見本市は、単なる展示会ではなく、ビジネスの場でございます。出展した企業が、見本市を通じてどのくらいの売上げにつながったのかどうかについては、大変申し訳ありませんが、追跡調査をしておりませんので、今把握していないところでございます。しかしながら、出展企業のアンケートなどを見ますと、見本市会場において、名刺交換や新規取引の商談があったことなどが記されておりまして、ビジネスチャンスにつながったケースも多数あったものと期待しております。
◆元山芳行
そういう数字が取れないのはしようがないですね。例えば、商談がどれぐらいまとまったとか、その展示してあった製品、商品がどうなったのか、この辺は少なくとも検証していかないと駄目だというふうに思います。それから、子ども分野というか、子どものちょっと企画も入れていくということでありますけれども、この部分については、子ども起業塾で私は足りているんじゃないかなと思いますが、いかがでしょうか。
◎産業経済部長
いたばし子ども起業塾は、自ら考え、創り、稼ぐことや、企業の経営、経済の仕組みについて、小学校高学年が参加できる大変人気のイベントでありまして、申込みが多数で、抽せんにより、約半数の方には参加をお断りしている状況でございます。令和6年度のいたばし産業見本市は、日程を1日加えまして、歴史ある区内企業の優れた技術について、小さな子どもから、若者も含めた多くの方に知っていただくだけでなく、ものづくりの体験会なども考えております。ものづくりに関する人材の育成と確保のために、より多くの子どもや若者が気軽に参加し、ものづくりや区内企業の魅力を楽しみながら学んでいただきたいというふうに考えております。
◆元山芳行
お断りしているような部分もあるということでありますが、だからこの子ども起業塾をもっと拡大していけばいいんじゃないかなと思います。それから、過去にやっていたコミュニティビジネス、こういう部分についても、拡張性があるというふうに思っております。こういったものをひっくるめて考えると、農業まつりをやっているように、産業まつり化をしていくという方向のほうが、私はいいんじゃないかなと思うところでありますが、それでも産業見本市でないと駄目という理由があればお伺いしたいと思います。
◎産業経済部長
ビジネス展示会としては、全国の企業が出展し、多くの来場者があるメジャーな展示会に比べて成果を得にくいことは認識しておるところでございます。しかしながら、印刷、工学、精密機械等の地場産業を中心とした区内のものづくり企業の優れた製品や技術は、区の産業を支える重要な資源であり、その展示会を区内で開催することに意義があるものと考えております。今後のいたばし産業見本市では、区が科学技術及び産業発展の地である史跡公園の整備を進めていることに加え、技術力のある区内企業をPRすることで、区内の産業ブランド力を強化し、いたばし産業見本市の価値、成果を高めてまいりたいと考えております。
◆元山芳行
今回もアウトカムというお話をさせていただきましたが、基本的には、その原資というのは区民からお預かりしている税金でありますので、区が行った投資がしっかりと目的が明確になって、区民からも何でその事業があるかっていうのが分かる、こういう可視化を図りながら責任を果たしていくことを、ぜひやっていただきたいというふうに思います。
次は、DX戦略の話に移ります。横川委員もお話ししましたけれども、その関連で私からも質問させていただきたいというふうに思います。板橋区のマーケティング
コミュニケーション戦略におけるキーワードとしては、まさにDXでありまして、これはもう決算でお話ししました。区役所全体の変革を、これは意味しております。板橋区は、令和3年からDX戦略を掲げているところでありますが、現状、役所全体から俯瞰すると、部分最適化として図られているだけではないかなと思うところであります。現状、各組織、そして事業部単位においてはシナジー効果が生まれていないため、効果的・効率的であるとは言えないんではないかなと、改めて今やっている方向が正しい、本来DXのあるべき姿なのかなというところを検証しながら質問していきたいというふうに思っております。これはもう戦略ですから、全庁的に対応していかなきゃいけないというわけでありまして、まさに議会もここに入ってくるわけです。デジタル戦略を導入、運用を行い、そしてシナジー効果はもちろんのこと、イノベーションの創造やマーケティング効果の最大化、そしてコストの削減などを享受していかなきゃいけないというわけであります。こうした全庁的なDX対応こそが、区役所にとって競争優位性を構築できる唯一の手法である、だからDX戦略というのを板橋区は掲げているというふうに理解しているところでありますが、その先ですね。よくDXというと、事業として対外的なDX事業というのを展開しがちですけれども、実は内部的には、それをテクノロジーを使って業務改革を図っていかなければいけないと。BPR、業務改革でありますが、この辺が非常に怪しいなと、日頃見ていて思っているところでありますが、DX戦略の進捗と現在抱えている課題についてお伺いいたします。
◎
政策経営部長
区では、DX戦略の下、オンライン申請の拡大、区公式LINE導入等の成果に加えまして、急速に進歩しました文書生成AIなど、新しい技術も、必要性を適宜判断しながら取り入れて、着実に歩みを進めているものというふうには認識しております。DXの本旨であります変革が実感されるには、取り組むべき課題は多くて、紙からの脱却、オンライン手続の一般化、窓口業務改革、それからデータを駆使した政策立案など、DX戦略の
バージョンアップに資する取組にチャレンジしていく必要があるというふうに考えております。
◆元山芳行
DXっていうのは、合理的な事業展開であるということです。自治体におけるDX、これはテクノロジーを使って、潜在的なその中に新しい財源があって、それを掘り出していくという作業になります。そうしないとDXの効果が上がらないわけであります。板橋区の場合は、DX、こうテイスト的な事業は立ち上げるんですが、本来の姿である全庁の合理化にはつながっていないんではないかなと指摘をさせていただきます。例として、皆さん、非常に分かりやすいかなと思ってペーパーレスの話をちょっとしたいんですけれども、これも業務改革の一つでありますね。ただ、日頃10階で見ていると、部課長さんたちがいっぱい紙を持って上がってくる姿をよく見ます。これは、DX戦略が始まる以前と現在とは、私の目からはその風景は変わっていないというふうに思います。区民に対しては、今日も話題になっているように、SDGsだとかゼロカーボンとか発信していますけれども、自らはどうなんだろうかなというところが疑問であります。何のためのDX戦略なのか、改めて問いたいと思います。議会もそうでありまして、長い議論を経て、今期からやっとタブレットの持込みが始まりました。しかしながら、机上には相変わらず紙、紙、紙、今日もいろんな資料を紙で机上配付されておりますけれども、私は事務局に対しては紙は不要であると、事あるごとにアナウンスしておりますが、それでも減ったイメージはないので、紙の購入というよりも、複写機の利用枚数について調べてみました。令和3年からDXですから、令和2年のカウントを見てみると、そこから令和4年と比較すると、4万1,375枚しか減っていないというのが現状でありまして、大して効果が10階でもないと言わざるを得ないかなと思います。DX戦略が始まって、令和3年以後、全庁のコピー用紙の購入予算と、使えばこれを廃棄しますから、古紙の廃棄予算のトレンドを伺っておきます。
◎
政策経営部長
まず、コピー用紙の購入予算ですけれども、令和3年度は2,100万円ほどありましたが、ペーパーレスの効果もありまして、購入量は減少しているんですが、単価の高騰を受けまして、予算額は増加傾向にありまして、令和6年度予算については3,100万円ほどとなっております。また、通常の古紙は売却処分をしておりますが、機密性の高い古紙は、廃棄経費を予算化して処理しているところでございまして、売却額は、古紙の相場によって変動があるもので、トレンドがつかみづらいというところがあります。一方、廃棄経費のほうは、量は横ばいでありますが、人件費高騰等の影響を受けまして、処分費は増加傾向にあると、そういうようなトレンドにあるところでございます。
◆元山芳行
これは、その購入額が上がっても、それを超えるだけの効果が出ていないというのではあまり理由にならないかなと。結果として、大した効果が出ていないというふうに評価せざるを得ないんですが、そのことを資源環境部はどう受け止めてどうしたいのか、目標があれば併せて伺いたいと思います。
◎
資源環境部長
区では、板橋区環境マネジメントシステムに基づきまして、区のペーパーレス化を推進しているところでございます。平成25年度の1,562万枚を基準といたしまして、令和7年度を目標に、1,015万枚、35%の減量をすべく取組を進めているところでございます。令和4年度の実績ですが、1,471万枚と、基準年比で6%の減少となっておりまして、目標達成には、引き続きペーパーレス化を踏まえた業務改善の徹底、向上を進めてまいりたいと考えてございます。
◆元山芳行
ペーパーレスの話を今日しましたけれども、ペーパーレスが進んでいないっていうのが意図じゃなくて、これはあくまで業務改革の一つの事例として、皆さんにお聞きいただければというふうに思います。そういう理由で取り上げたわけでありますが、このペーパーレスも効果的に運用ができないということは、もうこれ一事が万事でありますから、この現象を見て、区の全体の業務改革の進捗を私は読み取れるんではないかなというふうに思っております。そこで、先ほどから言っている業務改革、BPRについてでありますが、本格導入について、DX戦略の中の本格導入としてどう考えていくのかお聞かせいただきたいと思います。
◎
政策経営部長
区は、引き続きまして経営革新計画に基づきまして、行政手続のオンライン化や業務改善ツールによります業務効率化などに取り組んで、区役所全体の最適化を図っていきたいというふうに思っております。その際には、業務フローを可視化して、業務プロセスを再構築する視点を持ってICT化を進めていますよろず相談DXなどの取組というものも始めておりますので、安定して質の高い
区民サービスの提供を進めて、生産性向上、持続可能な区政経営を目指していきたいというふうに考えております。
◆元山芳行
内部の話をしているので、ちょっとずれているかなというふうに思います。これは区役所で内部的に難しければ、私、以前の質疑でも出ておりましたけれども、東京都が組織化したGovTech東京、こちらでも支援メニューがあるんですね。なので、こういうものを活用して、業務改革を第三者的にも見ていただくという進め方も取り入れたらいいんじゃないかなというふうに思います。高速でテクノロジーが進化をして、急速に人々の行動、そして嗜好が変化をしている時代でありまして、それに合わせて社会インフラも日々進化をしているわけでありますから、この変化にしっかりとついていかなければいけないと思います。板橋区役所は、全体的にレイトマジョリティの領域にいる方が多過ぎるんではないかなというふうに日頃からも感じているところでありますが、そもそもDX戦略、区長さんが掲げたものであります。例えば、答弁原稿をタブレットに置き換えたり、率先して模範を示していかなければいけないのではないかなというふうに思います。業務改革におけるリーダーが取るべき行動とはどういうものかというものをよく考えていただければと思います。私はむきになってこれ使っていますけれども、ぜひ区長さんもむきになって使ってみていただけたらというふうに思います。重ねて申し上げますけれども、これは戦略なので、全庁で一丸となって、これは議会も含めた全庁でBPR、業務改革に取り組まなければならないと申し上げておきたいと思います。そうしないと効果が上がらないですし、これは建物と私は同じなんではないかなと思います。ベースをしっかりとつくっていかないと、その上に事業というのはしっかり立たないというわけでありまして、DXによって業務改革を進め、そして事業の合理化で鉱山から掘り出してきた財源を、ぜひ社会保障の維持に私は使っていただきたいというふうに思っております。
次に、開かれた区政という内容、広聴広報機能の強化について話を進めていきたいと思います。これも決算時に、
コミュニケーションマーケティングとして指摘をしたところであります。答弁で、区が持つホームページや広報いたばし、SNSをはじめとした様々な媒体を活用しつつ、今後も適切な
コミュニケーション手法を探りながら、的を射た発信に努めていきたいと思っておりますと答弁を頂戴しているところでありますが、ここの部分も令和6年度予算にどう反映されているのかということをお聞きします。
◎
政策経営部長
令和6年度には、新たにYoutube上の広告を活用した魅力発信動画のプロモーション、それからプレスリリースに配信会社のプラットフォームを活用した発信力強化に取り組む予定でございます。いずれの事業につきましても、広報効果を可視化して、事後検証ができる仕組みとなっておりますので、データを検証した上で、効果的な発信力の強化に継続的に取り組めるものというふうに考えております。また、職員の広報力強化のために広報の教科書というものを作成しておりまして、各媒体の特性の理解、それから分析に係る情報など、充実させたい内容へ改訂して、新年度に向けて周知を予定しており、新たなツールの導入や職員向けの取組など、相乗効果を図りながら取り組んでまいりたいと思っております。
◆元山芳行
スマートシティをつくっている鎌倉市では、様々なステークホルダーと共創し、誰もが生涯にわたって自分らしく暮らしていくことができる共創社会の実現に向けた取組を進めております。特に、市民と行政が政策を一緒につくるという共創の仕組みはとても重要で、これを構築して、より幅広い市民の意見を政策に生かすことで、これまでよりも身近に、多くの市民が政策づくりに参画できる流れをつくっていくことを目指しているそうであります。鎌倉市をはじめ、このことに気づいた自治体は、導入している手法にシビックテックというものがあります。これは、市民がテクノロジーを活用して、地域課題の解決を目指す取組のやり方であります。コロナ禍で社会環境が大きく変化をして、価値観も多様化する中で、ますます難しくなっているこの地域課題の解決の手法として、既に取り入れている自治体も中には出てきました。コロナのときに、東京都が開設した新型コロナウイルス感染症対策サイト、これはまさにシビックテックの代表例であります。既にやっているものは、
コミュニケーションマーケティングとして振り分けて、既存のやり方を振り分けていきながら、さらに新しいテクノロジーを活用し、区民と共創していく観点から、広報広聴機能を再構築する必要を私は感じるんですが、感じませんかという質問であります。
◎
政策経営部長
行政需要の複雑化・多様化が進む現代社会におきまして、区民ニーズに即した質の高いサービスを展開していくためには、対話を通じて新しい価値を生み出していく共創、この視点は大変重要であるというふうに認識しております。広聴広報機能の改善・充実は、絶えず取り組んでいくことが求められていくと思っておりまして、新たなテクノロジーが広げる双方向の
コミュニケーションの活用も含めまして、検討・研究を重ねて、効果的な運用展開に取り組んでいきたいというふうに思っております。
◆元山芳行
あともう一つ、この地方自治体というのは二元代表制であります。なので、ちょっと議会も振り返って点検をしてみたんですが、議会の広聴広報機能、これは現在調査係の一部にすぎなくて、区側のやっていることに大分先を走られているというのが現状だというふうに思います。人員配置を見ても、区長部局と大きな戦力差があって、これは致し方ないのも事実であります。
コミュニケーションマーケティングの観点から、これを致し方ないとスルーするわけにはいかないんではないかなと思います。そのために、事務局の人員増を図り、広聴広報機能を新たに組み込むことが必要ではないかな、区議会だより、そしてホームページをはじめとした各媒体の活用を含めた広聴広報機能の拡充を進めていかなければならないというふうに考えます。これは先月皆さんの机上にも配付されていた冊子の中から例をちょっと挙げたいと思いますが、神奈川県の開成町議会においては、町民に伝える努力が議員を変え、議会機能まで強化すると掲げて広聴広報機能を拡充しております。そのポイントとなるのは、町民に伝わるか、これを基準に取り入れる手法を追求しているそうです。事務局が熱意を持って議員への提案と説明を繰り返し、議員と事務局のチーム力が、様々な改革を実現に導くと言っております。もう一例としては、奥州市議会、事務局が自ら動く姿勢が、市民を巻き込む改革の推進力ということを掲げております。これはいずれも市議会事務局のコメントであります。我が議会を見ると、象徴的なのが、私は区議会だよりではないかなというふうに思います。議員の仕事として、我々の仕事で最も重要なのが、区民に代わって議案や請願・陳情、こういうものに対して可否を決めることが重要な仕事の部分であります。しかしながら、現在の区議会だよりにおける表現は、紙面の割りつけの関係で、簡易的な表現となっております。これは予算がないから仕方ないという理解をしておりますが、開かれた議会を条例に盛り込んでいる観点から、本当にそれでいいのかなというふうに思いました。予算を見てみると、区の広報いたばしは1億230万3,000円、区議会のほうの区議会だよりは237万2,000円であります。このほか、区のほうは総合行政情報誌は303万6,000円、「魅力発信!いたばしナビ」は952万2,000円、ホームページは1,062万8,000円計上されております。こうして日々議会で起こっていることを、紙面やホームページなどあらゆる媒体で、個々の議員の動きとして、誰にでも分かりやすく掲載をし、区民に伝えることが重要でありますけれども、現在はそうなっていないということであります。区側の質問をずっとしてまいりましたけれども、自分らの職場、自らやらずして、区側の指摘ばっかりしても説得力がないんではないかなと思いまして、あえて持論を述べさせていただきました。
次、食品廃棄物の減量について質問したいと思います。日本では、食べられるのに捨てられている食品、食品ロスの量が、山田議員からもありましたけれども、関連して申し上げますと、523万トンと推計されていまして、日本の人口1人当たり、毎日おにぎり1個を捨てている計算になるそうであります。日本では、家計における食費は、消費支出の中で4分の1を占めています。食料自給率、カロリーベースでは38%で、食料の多くを海外からの輸入に依存している状況です。また、世界の食料廃棄量は年間13億トンで、人の消費のために生産された食料のおよそ3分の1を廃棄しているのが現状であります。このように食料を大量に生産、輸入している我が国でありますが、その多くを捨てているという現実があるわけです。経済の観点では、食料を輸入に頼る一方で、多くの食料を食べずに廃棄している現状は問題であると思います。そこで、私が今回注目している事業にいたばしみんなの食べきりチャレンジという事業を見つけました。これはどんなことをするのかお伺いをいたします。
◎
資源環境部長
いたばしみんなの食べきりチャレンジ事業でございますけれども、家庭や店舗などで食品ロス削減に向けて取り組む運動でございます。毎年12月と1月の2か月間を月間として集中的に啓発を行うほか、通年でオンライン上の食品ロス削減のマッチングサービスであるタベスケを利用するものでございます。また、令和6年度は新たな事業といたしまして、レシピコンテストを予定してございまして、本コンテストでは、区民が考えた食品ロス削減レシピ、例えば残りもののリメイクレシピや、余りがちな食材や捨ててしまいがちな部分を活用したレシピなどを応募してもらい、審査の上、優秀な作品を選出するものでございます。選出されたレシピを区公式サイトで紹介するほか、選出者にいたばしPayポイント、それから応募者全員に参加賞の贈呈を予定しておりまして、より多くの方に参加していただきたいと考えているところでございます。
◆元山芳行
こうした現状を知っていただくという視点からも、非常にいいチャレンジだなというふうに思っておりますが、私、日頃からちょっと気になっているのが、コロナが明けて、いろんなイベントも再開されて、今年の新年会なんかは、もうほぼコロナ前の状況に戻っているような感じを受けております。そこで、新年会だけじゃないんですが、開催される宴席についてでありますが、私は宴席はどっちかというと、特に新年会なんかは賀詞交歓ですから、食べるというよりもお話しするほうが重要で、そのお話ししている時間の中で、ちょっと食べるタイミングを逸してしまうような場面を、しょっちゅうそういう場面に会っております。そこで、こういうせっかく区民の意識づけというか啓発事業として、楽しみながら取り組めるいたばし食べきりチャレンジ、もうこれはこれで非常に有効かというふうに思いますが、こういう区関連団体が行う宴席で、弁当持ち帰りスタイル、お弁当キャンペーンみたいな、こういうものを展開したらいかがかなというふうに思います。もうお弁当で新年会をやっているところもありますけれども、やっぱり自分の分を用意されれば、それは持って帰りますから、持って帰れば家で食べたり、やっぱりその場に置いていっちゃうと廃棄されちゃうと思うんですよ。なので、弁当スタイルキャンペーン、こういうようなものを展開できないかなと思いますが、いかがでしょうか。
◎
資源環境部長
区では、宴席が多い年末年始の食品ロス削減対策として、先ほどのいたばしみんなの食べきりチャレンジ月間を実施しているほか、区公式サイト等では、乾杯後の30分間は席を立たず、閉会の10分前には自席に戻って、それぞれ料理を楽しむ3010運動の周知に努めているところでございます。今後、事業の充実を検討する中で、ご提案のございました宴席の料理を弁当にして持ち帰ることや、食べ切れなかった料理を持ち帰るなどの削減方法、また区関連団体を含め、それらの取組を働きかける団体や機会について、広く情報収集に努めてまいります。
◆元山芳行
ぜひ、この新しい施策を展開するのと同時に、そういう意識啓発、行動の改善、こういうものも併せて進めていただければというふうに思います。
次、最後に職場環境の最適化ということで、これはハラスメント対策についてであります。ハラスメントの報道に毎日のように触れる現状でありまして、これはもう大きな社会問題になっているところであります。私自身も、身体的、肉体的ハラスメントを受けた経験がありまして、これは生涯忘れない、一生背負って生きていかなければならないというものになっております。報道の新しいところでは、スポーツ団体の会長が選手にキスをしたとか、あとエネルギー関連会社の会長、続いて社長がお酒の席でセクハラをしたり、最近では町長のニュースも新しいところであります。いずれも辞職しており、本件は必ず進退が問われることになるわけであります。ハラスメントに関する法律は、ハラスメントの種類により、法律が違うわけであります。パワーハラスメントは労働施策総合推進法、セクシュアルハラスメントは男女雇用機会均等法、妊娠、出産、育児休業、介護休業等に関するハラスメントは育児・介護休業法、男女雇用機会均等法というふうになっております。特にセクハラについては3段階ありまして、セクハラ指針に該当する行為、民事上の不法行為に当たる行為、刑事上のわいせつ罪に当たる行為とありまして、キスはこのレベルになって、国内では刑事罰が適用され、直接個人に刑事罰が科せられることになります。パワハラ防止法と呼ばれる労働施策総合推進法は、事業主へのパワハラ防止対策を義務づけており、2020年に改正されたところです。ハラスメントに関する法律に違反した際の罰則についてでありますが、これは法律によって違うわけでありますが、共通しているのは、勧告等があるわけなんですが、それに従わなかった場合、事業所名が公表の対象となるということでありまして、いずれの法律においても、事業所名が公表された場合、仮に板橋で起こった場合でありますが、板橋や議会だとか各委員会がありますけれども、そういう組織の社会的信用が失墜するということになります。仮に、事業所内でセクハラ問題が生じたとしますと、被害者は事業所に対して、不法行為責任、民法第715条の使用者責任、それから債務不履行、民法145条の安全配慮義務違反等を根拠に、民事上の損害賠償請求を行う可能性があります。均等法やセクハラ指針が要請する措置を事業所が取っていない場合には、裁判所によって義務違反が認定され、事業所の責任が問われるということになります。さて、板橋区役所は大丈夫なのかなという確認でありますが、板橋区役所における、まずは法律上の事業主とは誰にあるのかお聞かせください。
◎総務部長
区における法律上の事業主ということでございますが、様々なご紹介もありましたとおり、法律が様々ございまして、その法律等に事業主に関する定義もございます。区における事業主の範囲を一概に捉えることは難しいのですが、対象とする内容によって判断しているところでございます。現在、法に基づいて事業主として策定する必要がある、少しずれる部分はありますが、特定事業主行動計画であったり、障がい者活躍推進計画、こちらにおきましては、事業主として板橋区長、板橋区議会議長、板橋区選挙管理委員会、板橋区代表監査委員、板橋区教育委員会、板橋区農業委員会ということで、この連名で各計画を策定しているところでございます。
◆元山芳行
これらの事業主さんは、この関連法にのっとって、どのような体制整備と処分の規定をつくっているのかお聞きいたします。
◎総務部長
まず、パワハラ防止法と言われます労働施策総合推進法に基づきまして、全ての職員がハラスメントに関する正しい知識や対応等について共通の認識を持ち、能力を十分に発揮できる、生き生きとした仕事を行える職場づくり、これを進めることを目的といたしまして、板橋区職員ハラスメント防止の指針を策定しております。このハラスメントの対応といたしましては、相談窓口を設置しているほか、ハラスメントの事案が確認された場合は、その態様により、標準的な量定を示す板橋区職員の懲戒処分に関する指針に基づき懲戒処分を行うなど、厳正に対処するとしてございます。先ほど特定事業主ということで、各行政委員等を含めて出しましたけれども、基本的に区の職員につきましては、任命権者たる板橋区長が各事務局、行政委員への事務従事を命じているということでございますので、仮に処分等の事案が発生した場合につきましては、板橋区長としての処分権限、処分者ということになります。
◆元山芳行
そうすると、議会だとか、今挙げられました各委員会だとか監査委員、この部分については、職員さんはその規定で運用されていますけれども、当該委員さんとか議員そのものとか、当該委員さん、議員さんと職員の関係については、そこで包括していただけるのか確認します。
◎総務部長
先ほど申し上げました板橋区職員ハラスメント防止の指針及び板橋区職員の懲戒処分に関する指針につきましては、区が雇用する正規職員、再任用職員、会計年度任用職員等を対象としているため、例えば区議会であったり、行政委員会であったり、そういった方々、委員の方々を対象とするものではないということでございます。
◆元山芳行
いずれの法律においても、先ほど申し上げたとおり、事業所名が公表された場合、社会的信用のダメージという大きなものになるというふうに想定されます。したがって、事件が起こったら、自ら公表することが私は重要ではないかなと思うところであります。本日の質疑で分かったことは、本件については、議会そのものだとか各委員会、監査委員、ここの当該委員さんたちには不適用というか、含まれていないということが分かりました。関連法において抵触するということが発生した場合には、これはいろんなケースがありますけれども、時には命に関わるということもあるわけでありまして、法律上の事業主である皆さんにおかれては、被害者保護の観点を十分に考慮する立場に立って、未整備の部分については、法に基づき至急対応しなければならないということを指摘して、私の総括質問を終わります。(拍手)
○委員長
以上で、
元山芳行委員の総括質問は終了いたしました。
総括質問の途中でありますが、議事運営の都合上、暫時休憩いたします。
なお、委員会の再開時刻は午後3時30分といたします。
休憩時刻 午後2時56分
再開時刻 午後3時27分
○委員長
休憩前に引き続き、
予算審査特別委員会を再開いたします。
次に、
川口雅敏委員の総括質問を行います。
川口雅敏委員、お願いいたします。(拍手)
◆川口雅敏
お疲れのところ誠にすみませんが、もう少しお付き合いください。元山議員に引き続き、総括質問を続けます。
去る1月1日に発生をしました能登半島地震では、能登半島を中心に甚大な被害が発生しました。阪神・淡路大震災以降では、東日本大震災、熊本地震の次に多い死者数となっており、お亡くなりになりました方々に深い哀悼の意を表しますとともに、被災をされました多くの方々に、心からお見舞いを申し上げます。1日も早い復旧・復興をお祈りするとともに、能登半島地震の教訓をしっかりと板橋区でも生かしていかなければならないと考えております。さて、今月末には、板橋区地域防災計画の改定が予定をされておりますが、この内容は、昨年の災害対策調査特別委員会にも報告され、最終調整を行っている状況と推察をいたします。一方で、1月の能登半島地震は、多くの教訓を私たちに示すこととなり、この対策を地域防災計画に盛り込まざるを得ないと思うところでございます。そこでお伺いいたしますが、今回の改定される板橋区地域防災計画では、能登半島地震の教訓を生かせる計画にするのか、あるいは反映が難しいため、通常の改定となるのか、区の認識をお示しください。
◎
危機管理部長
東京都が10年ぶりに見直しました首都直下地震等による東京の被害想定に基づきまして、板橋区地域防災計画を3月末に改定する予定でございます。新たな被害想定では、区内の一部地域の最大震度は、震度6強から震度7に引き上げられております。今回の能登半島地震では、一部の地域で震度7を観測しておりますが、このクラスの地震にも十分対応できる地域防災計画となっているところでございます。
◆川口雅敏
地域防災計画には、能登半島地震クラスの地震にも対応すべきであることは当然のことだと思います。震度7クラスの地震への対策を取りながら、様々な防災対策の強化が求められると考えております。そのような意味で伺いますが、令和6年度の予算では、具体的にどのようなものに対し対策の強化等の反映がなされているのか、お示し願いたいと思います。
◎
危機管理部長
令和6年度の危機管理部の予算案ですけれども、防災対策の強化を目指したものでありまして、令和5年度と比較いたしまして約2億3,000万円の増、率にして約42%の増となっております。当初予算案プレス発表資料に記載しています地区別防災マニュアルの改定、避難所看板及び浸水深表示の設置、大規模物流施設関係の3項目で、約7,600万円の増となっております。また、東京都と区の合同総合防災訓練で約3,400万円の増、DX戦略に基づく防災支援システム等の更新で約7,600万円などが主な増の要因でありまして、重点的に取り組む内容でございます。
◆川口雅敏
今回の能登半島地震で大きな印象に残ったことの一つは、石川県輪島市の朝市通りの大規模火災であります。この大規模火災では、200棟以上が焼け、約5万平方メートルの面積が焼失をし、改めて木造住宅密集地域での火災のリスクの重要性を再認識することになりました。この状況を目の当たりにして、区民の皆さんからも、通電火災を防ぐ手段の一つである感震ブレーカーの設置に対する支援を求める声が上がっております。区は、東京都の感震ブレーカー配布事業の効果などを検証し、設置支援について検討しているとの方向性を示しています。しかしながら、能登半島地震が起きた今、都の事業を検証することも必要でありますけれども、最も効果的な区独自の支援方法を早急に検討し、直ちに実行に移すべきと考えております。そこでお伺いいたしますけれども、感震ブレーカーの設置支援について、輪島の大火を踏まえた上で、現時点での検討状況及び方向性について、区の見解をお示しください。
◎
危機管理部長
今回の能登半島地震を踏まえますと、現時点では、感震ブレーカーの設置は、木造住宅密集地域を優先すべきであると考えております。また、感震ブレーカーにつきましては、東京都が配布した種類に限定せず、区民の多様な設置要望に対応できるよう、幾つかのタイプを検討しております。現時点で、東京都の感震ブレーカー配布事業における板橋区の配布実績等が明らかになっていないため、今後、東京都事業の効果などを検証した上で、最も効果的な支援制度の構築に向けまして、スピード感を持って検討したいと考えております。
◆川口雅敏
感震ブレーカーについては、都の事業の検証や他の自治体の取組をよく検討していただき、最も効果的な設置支援を実施できるようお願いをいたします。
もう一点、区民要望に基づく質問を行います。現在、区の指定避難所の看板は、何々小学校や中学校という表示がありますが、学校名だけではなく番号で示すことも、いざというときに分かりやすいとのご指摘を頂きました。そこでお伺いしますが、区で全戸配布している防災ガイド・ハザードマップの避難所一覧には、No.1から87までの番号が振ってあります。この番号を避難所設置看板に盛り込むことを求めますが、区の見解をお示しください。
◎
危機管理部長
令和6年度には、全ての指定避難所に、全国統一基準によるピクトグラムを使用して、旅行者や外国人などにも分かりやすい看板になるよう変更して再設置をいたします。ご提案のとおり、防災ガイド・ハザードマップの避難所一覧の番号を、新たな避難所看板に表示していきたいと考えております。
◆川口雅敏
次に、かわまちづくり計画についてお伺いをいたします。令和6年1月29日のプレス発表において、かわまちづくり基本構想が発表されました。かわまちづくり計画は、地域防災力の向上や荒川河川敷の利活用を目的としたもので、令和3年8月に、国のかわまちづくり支援制度に登録をされております。既に登録されている計画について、今回改めて基本構想を策定した理由についてお示しを願います。
◎
危機管理部長
板橋区かわまちづくり計画につきましては、水害対策への喫緊の課題として、区民の命を守るために、防災対策を中心に進めてまいりました。一方で、にぎわいづくりにつきましては、プロムナードや親水広場を造る程度にとどまる計画でございました。新河岸陸上競技場と荒川の堤防をつなぐ連絡通路の整備であります第1期計画の工事着手のめどが立ったため、改めてにぎわい創出をさらに推進する方向性を示すために、基本構想を策定したものでございます。
◆川口雅敏
かわまちづくりを一つの契機として、にぎわいの創出につながる水辺空間を形成するとの点については、一定の理解をしたいと思います。一方で、ご承知のように、荒川は10年に1回は河川敷が浸水しているのではないかと思っております。そのたびに、河川敷施設の野球場やサッカー場などの復旧工事が行われており、このような場所に、にぎわいづくりのためとはいえ、新たなものを整備することはリスクがあると思いますが、区の見解をお示しください。
◎
危機管理部長
荒川河川敷の浸水履歴を荒川下流河川事務所に確認しましたところ、直近30年間では3回、板橋区内の荒川河川敷が浸水したという記録を確認できたとのことでございます。10年に1回というご指摘のとおりの結果でございました。一方で、浸水していない期間につきましては、極度に都市化された板橋区内にありまして、残された貴重な空間として、自然に触れ合える場、レクリエーションを楽しめる場、防災の活用など、多目的な利活用も求められているところでございます。ご指摘のように、浸水する可能性があることを十分に踏まえつつ、荒川下流河川事務所の知見もいただきながら、浸水リスクにも対応できる可動式コンテナの活用などを検討した上で、かわまちづくり基本計画で詳細な整備内容を決定していく予定でございます。
◆川口雅敏
台風が接近すると、荒川タイムラインが発動して、荒川下流河川事務所などと連携をしながら、河川敷に設置をされたトイレや防球ネット等の一時的な撤去を行うことになります。かわまちづくり計画によって設置されたコンテナ型のクラブハウス等も撤去されることになるでしょう。記憶に新しいところで、2019年は9月に台風15号が房総半島に接近をしました。10月には、19号の東日本台風が上陸をしました。このように、約1か月の間に2度大きな被害をもたらす台風が荒川を襲うことも想定をされます。そこで、かわまちづくりで設置をされるコンテナ型施設を含め、荒川河川敷の撤去を短期間で2回行う場合、そして元に戻すわけですので、経費的にはどのぐらいの費用がかかると見積もっているのか、区の認識をお示しください。
◎
危機管理部長
荒川河川敷の整備につきましては、浸水の可能性があることを踏まえまして、可能な限り、浸水時の費用負担を抑えることができるよう、荒川下流河川事務所の知見や全国での事例を踏まえつつ、今後検討していく予定でございます。そのため、現時点では施設の撤去及び復旧の具体的な経費につきましては算出をしておりませんけれども、ご指摘頂いた点を含めまして、基本計画を策定する過程において検討していきたいと考えてございます。
◆川口雅敏
また、かわまちづくり構想は、唐突に出されたという印象を私は拭えません。令和6年度に策定する予定のかわまちづくり基本計画については、議会や区民の意見をしっかりと踏まえて作成すべきと考えますが、区の認識をお示しください。
◎
危機管理部長
唐突というご意見につきましては、真摯に受け止めているところでございます。かわまちづくり基本構想につきましては、令和3年にかわまちづくり支援制度の登録を受け、区議会に報告した内容と大きな方向性としては変わらないものの、にぎわいの創出の方向性をイメージ図などでより明確に打ち出したものとなってございます。詳細な内容につきましては、令和6年度に策定するかわまちづくり基本計画で定めてまいります。基本計画の策定に当たりましては、中間報告などの機会を捉えまして、区議会に報告するとともに、地域住民の代表などで構成されますかわまちづくり協議会の意見もしっかりと伺ってまいりたいと考えているところでございます。
◆川口雅敏
この項の最後になりますけれども、令和6年度の組織改正において、区の説明では、かわまちづくりに関しては、関係する部署が多岐にわたるため、計画に関わる全体調整及び進行管理、関係機関との調整を担う専管組織であるかわまちづくり担当部長を新設するとともに、土木部に担当課長及び担当係長を新設するとのことでありました。私は、これまで高島平グランドデザインに関係した質疑の中で、専管の課長を設置すべきと令和2年の当初予算総括質問で申し上げ、やっと今年度から担当課長に代わり、正式な課として課長が設置をされました。私の場合では足かけ4年を費やしたのに、今回はまるで用意していたかのように、基本構想とセットで発表されました。私にはどうしても合点がいきません。この高島平グランドデザインの場合と異なり、一つの部が設置されるということについて、またなぜこのようにあっという間に組織が立ち上がるのか、この2点についてご説明をいただきたいと思います。
◎区長
本件につきましては、私のほうから答弁させてもらいます。まず、このかわまちづくり計画につきましては、区の単独事業ではございませんで、国土交通省、荒川下流河川事務所との協働事業でございます。荒川下流河川事務所には、かわまちづくり計画に関わる担当の課長がおりますけれども、令和5年度の途中から、荒川下流河川事務所の副所長をトップに、板橋区かわまちづくり計画を推進するための検討組織を立ち上げていただいております。荒川下流河川事務所の全面的なバックアップ体制に、区といたしましても、応えていくこと、またかわまちづくり計画という国の協働事業を推進したいという思いから、時限組織として、かわまちづくり担当部長などの組織を設置をすることといたしました。今後も、区議会や地域住民の皆様のご意見、またご要望を伺いながら、荒川下流河川事務所と協働しながら、かわまちづくり計画の推進をしてまいりたいと考えております。
◆川口雅敏
ただいま坂本区長から直接答弁を頂き、区の意向を拝聴いたしました。私は、これまで質問に立たせていただきまして、リーダーシップが重要であると様々な場面で申し上げてきました。その理由は、区長自らメッセージを発することが地域住民にとって重要だと、そういうふうに感じているためでございます。坂本区長には、ぜひとも議会のみならず、区政課題の解決に向けて、地域住民の方々にも直接語りかけることを検討してください。これは要望でございます。それでは続けます。舟渡、新河岸地域については、区内のほかの地域と比べると、公共施設が少ないという状況があると思います。そのため、かわまちづくりについては、地元町会や自治会、近隣住民の期待も高いと思いますので、浸水する可能性があることを十分踏まえていただきながら、地域住民等の声をしっかりと聞き取りながら、かわまちづくり基本構想に掲げる目的を実現できるよう取り組まれることを要望し、次の質問に移ります。
次に、本庁舎周辺施設の再整備について、提案を進める中で、何点かお伺いしたいと考えております。本庁舎周辺には、この北館をはじめとして、昭和の終わり頃から平成の初めの頃にかけて、好景気を背景に多くの施設が建設をされました。時代が令和に入り、それらの施設の長寿命化や改築の計画を進める時期に差しかかってきていることは、ここにいらっしゃる議員各位や理事者の皆様も異論はないと思っているところであります。今回の質問に当たっては、区議会事務局を通して資料を頂きました。作成をいただいた関係部局の職員の方々に感謝を申し上げます。資料によりますと、各施設の建設された年は、本庁舎北館は昭和62年、情報処理センターは平成4年となる一方、グリーンホールは昭和44年の建設ですけれども、平成16年に大規模改修及び耐震補強工事が済んでおります。また、文化会館は昭和57年に竣工となっているとのことでございました。これらの施設は、細かい維持改修工事がこれまで実施されると想定しておりますけれども、長期的な視点での施設の在り方に関する明確な方向性は示されていないところであると認識をしております。そこで、まず初めにお伺いをいたしますけれども、ただいま申し上げた施設について、長期的な視点に立った施設の在り方、例えばこれから何年後に改築を行うなどの明確な方向性が出されているか、確認をさせていただきます。
◎
政策経営部長
まず、本庁舎北館につきましてですが、令和2年に本庁舎北館長寿命化改修整備方針というものを定めまして、そこでは長寿命化改修を令和9年度をめどに実施するとしておりましたけれども、具体的な実施時期については再検討の必要があるというふうに、今の段階では考えております。また、文化会館につきましては、昨年6月に区議会へ報告させていただきました文化会館・グリーンホールのあり方検討の結果報告、この中で、改築・改修は早くとも令和15年度以降に実施する前提で検討していくこととしているというような表現をさせていただいております。グリーンホール及び情報処理センターにつきましては、令和6年度から旧保健所跡地の整備構想・計画を検討していく中で、順次活用の再整備を計画化していく考えでありまして、北館、文化会館を含めました本庁舎周辺の公共施設に係る整備の方向性につきましては、次期基本計画においてお示しすることができるものと考えております。
◆川口雅敏
要するに、明確なものは出されていないものと確認をさせていただきました。そこで、今回は何点か施設の機能を移転等をしながら、改築等についてご提案をさせていただきたいと思っております。先ほど、本庁舎周辺における建設から時間の経過した施設を列挙させていただきましたが、一方で、新たに建設された施設もございます。本庁舎南館と現在の保健所ですが、南館は平成26年、現在の保健所が平成20年にそれぞれ竣工しております。現在の保健所は平成20年竣工ということで、昭和の終わりから平成初期の時期と異なり、景気の回復はしつつあるものの、区の財政状況は決してよい状況ではなかったと記憶をしております。その頃の区議会の質疑では、当時の石塚区長が13階建てにすべきとの質問に対して、経営刷新計画の推進中であり、本来の目的である保健所と健康福祉センターの機能充実を第一に考えたいとの答弁が残っておりました。そのような区の考えもあり、現在の地上7階建てになったものと理解をしております。しかしながら、竣工後15年が経過をし、社会はDX、デジタルトランスフォーメーションへと大きく変わってまいりました。約4年間のコロナ禍で、職場のICT化がさらに進んだものと思いますが、聞くところによると、東京都や医療機関と保健所との連絡は、紙のFAXが主力となっていたようであります。また、感染者が爆発的に増える中で、区の各職場に配属された保健師の職員を保健所に集めて、連絡対応等に対処せざるを得ない中で、職場の広さは十分だったのでしょうか。甚だ疑問に感じるところであります。そこでお伺いいたしますけれども、現保健所のICT化への対応や執務室の広さについて、コロナ禍の中で十分だったと言えるのか、区の認識をお示しください。
◎保健所長
まず、保健所のICT化についてです。新型コロナウイルス感染症発生によりまして、厚生労働省は感染症法を改正して、都道府県を経由する体制をつくり、感染者数の増加に対応するため、新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理システム、通称HER-SYSを構築しまして、全国統一で導入がされました。これにより、発生届の提出がオンライン化され、迅速かつ効率的な運用が可能となり、板橋区も含め、全国レベルで保健所のICT化が進みました。また現在、会議等もWebが中心となっておりまして、対応機器や通信環境の充実が必要となっております。次に、執務室の広さについてです。新型コロナウイルス感染症発生からしばらくは、区職員の保健師や看護師等の専門職を兼務により動員して、対応に当たりました。感染症業務を止めることなく、動員した職員の執務スペースを確保するため、生活衛生課の執務スペースを保健所の上層階に移動するなどして、保健所建物内に新型コロナウイルス感染症に対応する執務スペースを確保したところでございます。しかし、感染拡大による膨大な事務の発生に加え、新型コロナワクチン接種事業の対応も加わったことから、早急に全庁的な応援体制が必要となりまして、執務スペースの不足を解消するため、通信環境と必要な設備がある本庁舎の災害対策本部室を活用して執務に当たりました。今回の新型コロナウイルス感染症対応の教訓を踏まえますと、現保健所の執務室の広さに関して課題も見受けられたため、保健所の緊急対応を想定しまして、感染拡大時の執務スペースの確保を検討していく必要があると考えております。
◆川口雅敏
コロナ禍のときには、何が何でも期限までに処理をしなくてはならない状況の中で、多少狭かろうが通信手段が遅かろうが、あるものを使って対応しなければならない状況であったと推察をいたします。しかし、今後のことを考えると、保健所の現在の執務環境では、次回、また感染症が爆発的に発生した場合には、非常に脆弱であると私は危惧をしております。また、以前から指摘をさせていただいておりますが、地下の講堂は、建設当時から換気がうまくいっていないのか、湿気が多く、一部の壁にはカビも見られるところでございます。
そこで、2点目に伺いますけれども、現在駐車場となっている旧保健所跡地について、資料によると、延べ床面積を計算した場合、最大で6,318平米を確保できるとのことでありました。現在の保健所の延べ床面積が3,784平米ですので、約70%増加をいたします。旧保健所跡地に情報通信ネットワークを構築し、オフィスオートメーションやテレ
コミュニケーションに対応できる高度情報化ビルを建設し、そこに現在の保健所機能を移転させることで、今後新たな感染症が蔓延した際の対応拠点とすることを提案しますが、区の考え方をお示しください。
◎政策経営部長
今般策定いたしました旧保健所跡地の活用方針では、駅から徒歩1分の商業地域にある立地、それから進展するまちづくりを踏まえまして、区内へ交流と定住を呼び込む有効活用の方向性を示させていただいたところでございます。一方で、ご指摘の現在の保健所が施設面で課題を抱えていることも認識しておりまして、コロナ禍における教訓も踏まえて、ハード・ソフトの両面で、新たな感染症に対応できる危機管理体制は備えていかなければならないものと考えております。本庁舎周辺の公共施設の再整備を検討していく中で、保健所に求められる機能、新たな感染症に対応できる体制の確保も含めまして、修繕・改修等による課題解決の可能性についても追及してまいりたいというふうに考えております。
◆川口雅敏
次に、グリーンホールを取り上げたいと思います。グリーンホールは、先ほど申し上げましたが、平成16年に耐震補強工事をしており、時間的には多少の猶予があると思っております。今、現保健所の移転について区の見解をお伺いいたしましたが、移転すれば、空いたスペースをどう活用するのか、これが当然問われることになります。そこで、私はグリーンホールの機能を、今の保健所が空いたスペースに移転することを提案をいたします。グリーンホールの延べ面積は4,717平米でございます。板橋福祉事務所の機能も含んでおります。現在の保健所の延べ床面積は、先ほど述べましたが、3,784平米ですので1,000平米ほど足りなくなりますが、この分は旧保健所跡地に建設された建物の6,318平米に会議室という形で機能を分散させることで賄うことが可能となります。そこでお聞きしますけれども、平時はグリーンホールの機能の一つである会議室として使用し、有事の際は、会議室から感染症対策の執務室へ転用することも、高度情報化ビルなら可能であると考えますが、区の見解を伺います。
◎
政策経営部長
グリーンホールの今後につきましては、あり方検討の結果報告の中でお示しさせていただきました方向に沿って、今後策定します旧保健所跡地の活用方針に基づく整備構想・計画を踏まえて検討していく予定でございます。ご提案いただきました新たな感染症の蔓延など、そういった有事の際に、会議室等を緊急課題の解決に向けて転用できる可能性も視野に入れて、コロナ禍の教訓を踏まえながら検討してまいりたいというふうに考えております。
◆川口雅敏
区としては難しい問題だと認識をされていると思いますが、グリーンホールの機能を移転させることについては、次の提案をお聞き願いたいと思います。グリーンホールは、板橋第一中学校に隣接をしております。板橋第一中学校は、昭和36年に校舎が建築されたと聞いております。この板橋第一中学校の通学区域には、大山駅周辺地区のまちづくりが進んでおり、大山クロスポイント地域では、大規模建築物が現在建設中であります。この地区に新たな住民が転入されますと、板橋第一中学校の学級編制にも影響があると考えるところであります。そこでお伺いいたしますが、板橋第一中学校を今後改築するとした場合に、グリーンホールの機能を移転をさせて、空いたスペースを板橋第一中学校の仮校舎として使用することを提案しますが、区として使用の可否について、認識をお答えください。
◎
政策経営部長
グリーンホールの建物を中学校の仮校舎として使用できるか、その可否については、用途、設備、構造などのほか、必要となる教室等の諸室、良好な学習環境を確保できるか、実際にどの程度の改修規模になるのか、費用対効果も含め、具体的に検討する必要があろうかと思っております。板橋第一中学校につきましては、次期基本計画の期間内において、改築の方向性で計画化していく予定でございまして、グリーンホールの活用についても、並行して検討できればというふうに思っております。
◆川口雅敏
また、グリーンホールの敷地を学校の敷地と一体化し、学校の校舎とグリーンホールを複合施設として合築することは可能でしょうか。低層階は学校、上層階はグリーンホールとなりますが、一方で、間を通っている千川上水は切り回しをする前提として、区の見解を伺います。
◎
政策経営部長
ご提案いただきました内容のうちの千川上水の切り回しにつきましては、地下に埋設されています上水道管の課題がありまして、グリーンホールの敷地と学校敷地を一体で活用することは、現時点では難しいと考えております。一方で、学校とグリーンホールを合築することの可否につきましては、文化芸術・多文化共生、まちづくりとの連携によります教育環境や情操教育に期待される効果、複合化による費用を十分検討した上で判断する必要があるというふうに考えております。
◆川口雅敏
さらに、グリーンホールと板橋第一中学校への併設が難しい場合には、グリーンホールと文化会館の統合も検討すべきと考えます。区に作成していただいた資料によりますと、文化会館の敷地は、建蔽率100%で容積率が400%とのことであります。そこに、最大規模の建物を建てると1万7,380平米となり、現在より約3,000平米大きくなるそうでございます。その増える部分をグリーンホールの会議室に充てて、大ホールと小ホールは共用することを提案しますが、区の見解をお示しください。
◎
政策経営部長
文化会館につきましては、あり方検討の結果を踏まえまして、文化芸術活動の拠点として、機能、環境の充実を図っていく必要があると認識しております。グリーンホールの機能との統合、集約化に係るご提案でございますけれども、文化会館の改築する際の参考として、今後の検討に生かしていきたいというふうに思っております。
◆川口雅敏
以上、ここまでは、旧保健所跡地に現保健所を移転させ、現保健所の空いたスペースにグリーンホールの機能を移転をし、空いたグリーンホールには、板橋第一中学校の改築時の仮校舎か、または敷地を一本化して、校舎とグリーンホールの合築、あるいは文化会館とグリーンホールの合築の可能性についてお聞きをしてまいりました。
私は、本庁舎周辺施設の再整備についてのキーポイントは、いわゆる旧保健所跡地に、今後どのくらいのどのような建物が建てられるのかが重要であると考えております。再び区の資料を引用させていただきますが、旧保健所跡地の建蔽率は100%、容積率は480%となっております。用途地域図を見ますと、この一帯は容積率600%とされておりますが、この違いはなぜ起きているのでしょうか。お答えください。
◎
政策経営部長
旧保健所跡地の用途地域でございますけれども、こちら商業地域でありまして、指定容積率は600%でございます。しかし、建築基準法に基づきますと、前面道路の幅員による容積率の制限を受けることになりまして、旧保健所跡地が接している道路の幅員が8メートルでありますので、この場合の容積率が最大480%となっているところでございます。
◆川口雅敏
また、この地域の最大値である容積率600%を適用されるためには、どのような方策があるのか。例えば、新たに近隣の土地を購入するとか、前面道路からセットバックをするとか、いろいろな事例を耳にしますが、区の見解をお示しください。
◎
政策経営部長
指定容積率と申しました600%を適用するためには、10メートル以上の幅員がある道路に接する必要がございます。当該敷地のみセットバックをして、前面道路の幅員を10メートル以上にするということはちょっと難しいところがありまして、可能性があるとすれば、用地の取得等によりまして、中仙道または
区役所本庁舎前の道路に接するまで敷地を拡大すれば、適用が受けられる可能性がございます。
◆川口雅敏
この旧保健所跡地に最大規模の建物を建てることができるならば、近隣施設の様相は大きく変わってくるものと思います。
また、この北館についても、間もなく40年が経過をしようとしておりまして、大規模改修が必要とされる時期に差しかかってきております。その際には、この建物の延べ床面積の大きさによって、北館改修の代替施設として進捗管理が大きく変わるものと考えますが、区の見解はいかがでしょうか。
◎
政策経営部長
本庁舎北館の長寿命改修に向けては、本庁舎機能の再配置または仮移転先の確保というものが課題となっております。改修自体のスケジュールに影響が、旧保健所跡地に建てる建物に影響を大きく受けるものと認識しております。旧保健所跡地の活用方針におきましても、この課題を念頭に有効活用を検討していく考え方を示しているところでございますけれども、旧保健所跡地のみならず、グリーンホールや情報処理センターの今後も視野に検討してまいりたいと考えております。
◆川口雅敏
次に、情報処理センターについてお伺いをいたします。この建物は、資料によりますと、平成4年竣工で築31年が経過をしており、区が想定している目標耐用年数である80年と比較すると、まだ半分も経過していないところであります。しかしながら、空調やトイレなどの設備を見ると、この30年の中で何らかの修繕等は行われていると思いますが、夏は暑く、冬は底冷えするような施設であり、施設の改善と長寿命化改修を行う必要があると考えるところであります。また、センターの上層階には、IT推進課の大規模コンピューターが開設当初は入っておりましたが、昨今のクラウド化等のネットワーク環境の改善により、自前で機器スペースを確保しなくてもよい状況となり、空きスペースが生じているとも聞くところでございます。このような中、本庁舎に近い立地条件を考えますと、今後課題となる北館改修の際には、北館に入居する部局の一部移転先として検討すべきとのそのような考えもあります。そこでお伺いいたしますけれども、情報処理センターの空調設備は現在行っているということを聞いております。そこで、内外装の部分の改善や長寿命化工事はいつ頃、実施されるつもりなのか、区の認識をお示しください。
◎
政策経営部長
情報処理センターにつきましては、空調設備の更新など適宜、老朽化に伴う維持改修等を実施しているところではございますが、内外装や長寿命化改修の時期については、現時点では未定でございます。旧保健所跡地の整備計画を策定していく中で、情報処理センターの活用についても併せて検討していく予定でありまして、その中で改修等が必要になれば、その時期も含めて適切に対応していく予定でございます。
◆川口雅敏
また、北館改修における情報処理センターの位置づけについて、本庁舎部局の仮移転先としての可能性に関する区の見解をお示しください。
◎
政策経営部長
本庁舎北館の長寿命化改修を実施する場合には、来庁者の問題、それから執務環境への影響を最小限に抑えるために、周辺に適切な仮移転先を確保する必要があります。情報処理センターも含みます本庁舎周辺の公共施設は、その検討対象になり得るものというふうに考えております。
◆川口雅敏
以上申し上げてまいりましたが、常々申し上げていますように、跡地活用の分野では、本区は大変熟慮の期間が長く、宝の持ち腐れになっているかと危惧をするところでございます。旧保健所跡地も、やっと駐車場として整備されましたが、駅前の一等地という好条件の物件を、広い駐車場でよいのか甚だ疑問を感じるのは私だけではないと思います。区政にとって、1日も早く一番よい方法で資産が有効活用されることを願いまして、質問を終了させていただきます。ご清聴誠にありがとうございました。(拍手)
○委員長
以上で、
川口雅敏委員の総括質問は終了いたしました。
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○委員長
これをもちまして、自民党の総括質問を終了し、本日の委員会も終了いたします。
なお、次の委員会は明日3月15日午前10時から開会いたしますので、よろしくお願いいたします。...