板橋区議会 2023-03-06
令和5年第1回定例会-03月06日-03号
令和5年第1回定例会-03月06日-03号令和5年第1回定例会
令和5年第1回東京都板橋区議会定例会本会議第3日議事日程
令和5年3月6日(月曜日)
日程第 1 議案第 1号 令和5年度東京都板橋区一般会計予算
〃 第 2 〃 第 2号 令和5年度東京都板橋区
国民健康保険事業特別会計予算
〃 第 3 〃 第 3号 令和5年度東京都板橋区
介護保険事業特別会計予算
〃 第 4 〃 第 4号 令和5年度東京都板橋区
後期高齢者医療事業特別会計予算
〃 第 5 〃 第 5号 令和5年度東京都板橋区
東武東上線連続立体化事業特別会計予算
〃 第 6 〃 第25号 令和5年度東京都板橋区一般会計予算に対する修正動議
午前10時00分開議
出席議員 45名
1番 小野田 み か議員 2番 内田けんいちろう議員
7番 しいな ひろみ議員 8番 石 川 すみえ議員
9番 山 田 ひでき議員 10番 山 田 貴 之議員
11番 中 村とらあき議員 12番 間 中りんぺい議員
13番 しのだ つよし議員 15番 こんどう秀 人議員
16番 山 内 え り議員 17番 吉 田 豊 明議員
18番 田中しゅんすけ議員 19番 安 井 一 郎議員
20番 寺 田 ひろし議員 21番 さかまき常 行議員
22番 長 瀬 達 也議員 23番 南 雲 由 子議員
24番 荒 川 な お議員 25番 いわい 桐 子議員
26番 坂 本あずまお議員 27番 田 中やすのり議員
28番 いしだ 圭一郎議員 29番 成 島 ゆかり議員
31番 五十嵐 やす子議員 32番 竹 内 愛議員
33番 小 林 おとみ議員 34番 元 山 芳 行議員
35番 大 野 治 彦議員 36番 鈴 木こうすけ議員
37番 し ば 佳代子議員 39番 井 上 温 子議員
41番 かなざき文 子議員 43番 杉 田 ひろし議員
44番 茂 野 善 之議員 45番 田 中 いさお議員
46番 かいべ とも子議員 47番 渡 辺よしてる議員
48番 おばた 健太郎議員 51番 川 口 雅 敏議員
52番 佐々木としたか議員 53番 なんば 英 一議員
54番 大 田 ひろし議員 55番 高 沢 一 基議員
56番 中 妻じょうた議員
欠席議員 1名
3番 高 山 しんご議員
職務のため議場に出席した事務局職員の職氏名
区議会事務局長 五十嵐 登 区議会事務局次長 森 康 琢
〃 議事係長 龍 野 慎 治 〃 調査係長 鑓 水 貴 博
〃 書記 飯 野 義 隆 〃 書記 高 橋 佳 太
〃 書記 岩 渕 真理絵 〃 書記 高 瀬 渉
〃 書記 安 部 詩 織 〃 書記 鈴 木 琢 真
〃 書記 細 田 夏 樹 〃 書記 小 林 隆 志
〃 書記 横 山 愛
地方自治法第121条の規定に基づく説明のための出席者
区長 坂 本 健 副区長 橋 本 正 彦
教育長 中 川 修 一 代表・常勤監査委員菊 地 裕 之
政策経営部長 有 馬 潤 総務部長 尾 科 善 彦
危機管理部長 三 浦 康 之 区民文化部長 林 栄 喜
産業経済部長 平 岩 俊 二 健康生きがい部長 篠 田 聡
保健所長 鈴 木 眞 美 福祉部長 久保田 義 幸
子ども家庭部長 田 中 光 輝
子ども家庭総合支援センター所長
佐々木 三 良
資源環境部長 岩 田 雅 彦 都市整備部長 内 池 政 人
まちづくり推進室長田 島 健 土木部長 糸 久 英 則
会計管理者 椹 木 恭 子 教育委員会事務局次長
水 野 博 史
地域教育力担当部長湯 本 隆 政策企画課長 吉 田 有
財政課長 杉 山 達 史 総務課長 荒 井 和 子
△開議の宣告
◎事務局長(五十嵐登) ただいまの出席議員数は45名でございます。
○議長(坂本あずまお議員) これより本日の会議を開きます。
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△会議録署名議員の指名
○議長(坂本あずまお議員) 本日の会議録署名議員をご指名申し上げます。
鈴 木こうすけ 議員
川 口 雅 敏 議員
以上、お2人の方にお願いいたします。
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△日程第1 議案第1号 ~ 日程第6 議案第25号の一括上程
○議長(坂本あずまお議員) これより日程に入ります。
日程第1から日程第6までを一括して議題といたします。
〔事務局長朗読〕
議案第 1号 令和5年度東京都板橋区一般会計予算
議案第 2号 令和5年度東京都板橋区
国民健康保険事業特別会計予算
議案第 3号 令和5年度東京都板橋区
介護保険事業特別会計予算
議案第 4号 令和5年度東京都板橋区
後期高齢者医療事業特別会計予算
議案第 5号 令和5年度東京都板橋区
東武東上線連続立体化事業特別会計予算
議案第25号 令和5年度東京都板橋区一般会計予算に対する修正動議
〔参 照〕(議案の部)
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△区長の施政方針に対する代表質問
○議長(坂本あずまお議員) これより区長の施政方針に対する代表質問を行います。
通告がありますので、順次、発言を許します。
初めに、中村とらあき議員。
◆中村とらあき 議員 議長。
○議長(坂本あずまお議員) 中村とらあき議員。
〔中村とらあき議員登壇〕(拍手する人あり)
◆中村とらあき 議員 ただいまより、自由民主党板橋区議会議員団の代表質問を行います。
最初に、財政について質問をいたします。
令和5年度の予算規模は、一般会計で過去最大の2,372億5,000万円となり、前年よりも74億6,000万円の増額となり、一般会計及び4特別会計を含めると3,541億4,200万円となります。これは過去最大の予算規模となります。予算規模の拡大に裏打ちされ、令和5年度の予算案の特徴は、5年ぶりに収支均衡型予算となりました。予算書案では、主たる要因が、1、東京都からの財政調整に基づく特別区交付金の増加、2、区民住民税等における特別区税の増収にあると指摘されています。確かに、特別区交付金は前年度予算比7.0%増の50億円、特別区税では前年度比5.4%増の25億円となっています。特別区交付金は、東京都からの交付金でありますが、固定資産税と法人住民税の増収があり、この結果、交付団体である板橋区への特別交付金も増えたということになります。さらに板橋区においては、人口の増加と1人当たりの所得が高い人たちが流入したことが要因だと指摘されております。以上の内容に基づいて、コロナ禍やウクライナ情勢による物価高騰の影響が大きかったにもかかわらず、財政規模が拡大した理由について答弁を求めます。また、区の予想と異なる結果に至った見解を求めます。次に、財政運営を俯瞰した場合、どのようなことが言えるのか、お伺いします。令和5年度の予算が収支均衡になった理由には、日本の景気がよくなってきたこと、板橋区に住む人が増えたこと、全体として1人当たりの所得が増えたということが指摘されていますが、実際には、区民だけでなく日本国民全体が1人当たりの所得が増えたことが実感できていないと思われます。この点については、所得と賃金という観点から言えば、通常、物価上昇に合わせて賃金上昇がついていくことが望まれますが、現在の物価高はこれまでになく急激に進んでおり、これに加えて給与水準の一律値上げが遅滞しているためだと考えられております。板橋区の財政規模は最大になりましたが、これをより迅速に区民生活に還元し、1人当たりの所得が増えたことを実感できるように、各政策、施策、事業等を通じて環境を整備するには、バランスの取れた財政運営が求められるのではないかと考えます。区民が生活の豊かさを感じられるバランスの取れた財政運営に関する見解を求めます。
次に、基金について質問をいたします。最初に、財政調整基金についてです。令和5年度は収支均衡予算となったため、財政調整基金の繰入れは予算案に盛り込まれないこととなりました。財政調整基金の残高は、令和4年度末で約275.2億円であり、今後も事業の効率的運営や経費削減、契約差金等により余剰分も生じることから、積立ても可能だと思われます。しかしながら、ロシアのウクライナへの侵攻、新型コロナウイルスの危険性等、予測が困難な時代にあり、財政調整基金の在り方には、適切かつ的確な財政運営上の考え方が不可欠となります。令和5年度における財政調整基金に関する考え方をお示しください。次に、
義務教育施設整備基金に関して質問をいたします。現在基金は総額で約1,144億円となりました。その中でも約3割を占めているのが
義務教育施設整備基金であり、約387億円となります。一方、板橋区における一般会計予算は約2,372億円であり、そのうち投資的経費は約230億円となっており、その主な事業として、工事を発注する志村第六小学校の長寿命化改修などを含めた小中学校施設改修であり、この金額が約55億円、投資的経費の約2割となります。23区でも学校施設は老朽化が進んでおり、例えば、令和5年当初予算で足立区では約470億円、世田谷区では約90億円と金額には差があるものの、
義務教育施設整備基金に占める割合は2割から3割となっております。この背景には、学校施設の老朽化が進んでおり、改築・改修時期が一斉に来ていることがあり、板橋区においても例外ではないと考えております。
義務教育施設整備基金の積立ては今後も必須であると考えますが、財政上のバランスをどのように取っていくべきか、区長の見解を求めます。
次に、ふるさと納税について質問をいたします。板橋区の特別区税及び特別住民税による税収は増えましたが、ふるさと納税による減収も進んでおります。令和2年度では約13億円であったふるさと納税による減収が、令和5年度には約30億円と負担が増加している状況であります。板橋区民が返礼品や節税対策を含めてふるさと納税を行うことで板橋区の税収は減収となります。以前より、自民党区議団からの質問でも、ふるさと納税への積極的対策を求めてきたところですが、これまでの区の対応は不十分であったと言わざるを得ない状況です。現在、板橋区において、いたばし花火大会の観覧チケット、板橋Cityマラソンの出走権をはじめとして、魅力ある返礼品によるふるさと納税対策を行っていくと聞いておりますが、実質的な減収を補うまでには困難な状況です。既に令和4年度の統計を見ますと、世田谷区では区民税の7%に当たる約84億円が流出し、練馬区では約37億円、足立区では約21億円など、23区合計の流出額は約704億円となっております。早期にふるさと納税対策を積極的に行うべきではなかったのかと改めて感じるところであります。これ以上の減収を防ぐために、これまで以上に積極的なふるさと納税対策を打ち出すことを求めますが、区長の答弁を求めます。
次に、いたばし№1実現プラン2025について質問をいたします。
いたばし№1実現プラン2025の最初に、SDGs戦略です。板橋区は令和4年度SDGs未来都市に選定され、今後は、「絵本がつなぐ『ものづくり』と『文化』のまち」として、子育てのしやすさが定住を生む教育環境都市の実現を目指すこと、若い世代の定住化と健康長寿のまちづくり、未来へつなぐまちづくりのさらなる推進を目指し、SDGs先進自治体としての役割も期待されるところとなりました。日本経済新聞社の日経グローカルでは、全国815市区を対象とした第3回全国市区・SDGs先進度調査において、板橋区は全国総合8位、都内においては1位の評価を得ることができました。以上のように、板橋区におけるSDGsは高い評価を得ていますが、今後はこの期待に応えるべく、一層の努力が必要となります。このことを踏まえ、各項目について質問をしてまいります。最初に挙げられているのが、SDGs未来都市“いたばし”
ローカライズプロジェクトであります。一般的な翻訳では、ローカライズという意味は地域化という意味であり、地域化事業というのが
ローカライズプロジェクトを意味するところでありますが、その本来意味するところは、広く区民・企業等がSDGsを自分ごととして捉え、学び、目標を持って行動すると記載されております。絵本のデザイン・
チャレンジリーフレット等の作成、知る・学ぶきっかけづくり、プラットフォーム構築に向けた調査・検討が相互に影響し、板橋区に住んでいるよさを世代を越えて自ら考え、創造していくことが求められる内容かと考えます。しかしながら、
ローカライズプロジェクトと言うだけでは抽象的な内容であり、具体的な事例も記載されているところは、こども動物クラブなどとなっており、この1つだけではイメージが捉えにくい側面があります。また、プラットフォーム構築でも調査・検討となっており、未来志向の持続可能なまちづくりとは一体どのようなものであるのか、大変曖昧模糊とした内容となっております。区長が考えるローカライズはいかなるものであるのか、また、未来志向の持続可能なまちづくりとはSDGsとどのような関連を持つものであり、事業に関するインディケーター、すなわち指標等についても考えていくことが必要ではないかと考えます。答弁を求めます。
次に、
地域ネットワーク強化による生活支援について質問をいたします。
地域ネットワーク強化による生活支援体制は、これまでも様々な取組がなされてきました。令和2年の社会福祉法の改正により、地域住民の複雑化・複合化した支援ニーズに対応する包括的なスキームとして、包括的な相談支援体制、参加支援、地域づくりに向けた支援を一体化する事業、すなわち
重層的支援体制整備事業が創設されました。板橋区においても、包括的な相談支援体制の構築、アウトリーチ等を通じた継続的支援、支援につながらない課題へのアプローチなど、包括的な支援体制の推進に向けて取り組んでいるところです。また、板橋区高齢者保健福祉・介護保険事業計画2023において、
地域包括支援センターの機能強化とともに、板橋区版AIPを構築し、推進しております。本年度は、いたばし
生活仕事サポートセンターの新規事業として、
生活仕事サポートセンター分室の設置、ひきこもり相談支援事業、ひとり親家庭の専門的支援といった相談機能が拡充されることとなりますが、東京都においては、既に東京都
ひとり親家庭支援センターはあと、ひきこもりサポートネット等、同様な支援事業が行われております。板橋区で実施する事業としての必要性が問われるところかと考えます。これまでの
地域ネットワーク強化による生活支援で培われたノウハウを生かした支援について、答弁を求めます。また、今回の
地域福祉コーディネーターのモデル配置において、蓮根、舟渡、志村坂上地区が選ばれた理由について説明を求めます。
次に、子どもの生活環境支援について質問をいたします。今年度の重点戦略では、いたばしコミュニティフリッジ(仮称)の設置、子ども食堂の立ち上げ支援、支援対象児童等の見守り強化が行われることとなり、子どもの成長支援が拡充されることとなりました。これまで社会福祉協議会が実施してきた食料品配布会に加え、常設のコミュニティフリッジは23区で初めて設置されることから、生活困窮や自立支援等の課題を抱える世帯への大きな支えとなることが期待されます。一方、食料品の配布の考え方について、明確にすべきではないかと考えております。フードバンク山梨にてヒアリングをさせていただきましたが、そのときに、食料品の配布については生鮮食品が入っていないが、もともと食料全般に関わる経費を削減することが目的であり、余裕が生じるところで生鮮品の購入に充ててもらうことを想定していました。全てをフードバンクで行うことは極めて困難であり、自助努力が必要とされることを明確にしていると言えます。こうしたことから、いたばしコミュニティフリッジ(仮称)の設置に関して、どのくらいの規模であるのか、また、どのように食料品を入手し、配布するのか、併せて食料品配布の考え方について答弁を求めます。
次に、子ども食堂の立ち上げ支援及び支援対象児童の見守り強化について質問をします。現在、板橋区における子ども食堂は様々な形態があり、マンションの一室での活動、食堂を使った活動、また、自宅において行われる等があります。今回、子ども食堂を51小学校区に1か所を目標に子ども食堂を支援することが明記されております。子ども食堂においては、食品の提供ということから、通常は保健所も関わるべき事項が認められておりますが、今回、行政としてどのような関わりになっていくのか、答弁を求めます。さらに、現在の子ども食堂の機能に鑑みますと、必ずしも子どもの成長を育むための食事の提供や居場所ではないケースも散見されます。区として子ども食堂の立ち上げを支援する場合の子ども食堂の定義と条件については、子ども食堂の運営側が子ども食堂であることを宣言することのみで成り立っているように見受けられます。以上のことから、板橋区における子ども食堂とはいかなるものであるのか、また、基準について明確にする必要があると考えますが、区長の答弁を求めます。
次に、児童養護施設や里親などの社会的養護ケアについて質問をいたします。児童養護施設や里親などの社会的養護ケアから離れた子どもたち・若者たちの
ケアリーバー応援プロジェクトが実施されることとなりました。児童養護施設や里親の元から高校卒業と同時に自立が求められることは、若者にとって大変な負担となります。厚生労働省が、令和2年度にケアリーバーに関する全国調査を行いましたところ、児童養護施設や里親の元から離れた子ども・若者のうち51.7%がひとり暮らしをしており、月々の収支バランスでは支出のほうが多い、いわゆる赤字の状態と回答した割合が22.9%と報告されました。この調査の中では、今後利用してみたいサポートやサービスに関して、金銭面に関する支援が29.0%と最も高く、次に、住居や食料に関する支援が26.7%と、この項目だけでも55%以上となっています。令和3年3月16日に行われた予算審査特別委員会において、児童養護施設の措置延長等に関しての質問があり、区から前向きな回答を頂きました。今回、自民党の団要望として提出した、児童相談所設置に伴う児童養護施設や乳児院等の機関とも連携の再構築に応えていただいたことに感謝申し上げます。これまでも、区では
児童養護施設卒園者住まい応援プロジェクトとして、クラウドファンディングによる住居費支援を行っており、当事者である子どもたちの大きな助けとなっております。また、17歳から18歳を迎えた後の進路や身の振り方について、施設を出なければならないことへの準備を相談支援として進めることも明文化されました。今後は、より効果的な支援体制の構築が求められるところかと思います。既に豊橋市では、ケアリーバーの積極的支援を行っており、ケアリーバーを把握している児童相談所や児童養護施設などとの情報共有と対象者の把握、地元のフードバンクと連携したケアリーバーへの食料宅配の実施、相談先の周知、家庭訪問等による生活の見守りといった支援を行っております。
ケアリーバー応援プロジェクトでは、これから実際にどのような支援を行っていくのか、具体的な内容への言及とともに、先進事例の研究調査とその活用を進めることを要望します。区長の答弁を求めます。併せて、
社会的養護自立支援事業の
支援コーディネーターの活用も考えているのか、答弁を求めます。
ヤングケアラーにつきましては、令和元年11月30日の児童相談所設置に向けたシンポジウムでも取り上げられております。ここで、ヤングケアラーとは、ケアラーが大人の場合を意味するのに対し、ヤングケアラーは子どもの場合を意味しているということが明記されております。令和2年3月17日の予算審査特別委員会でも言及いたしましたが、障がい者や病人を抱える家庭で子どもが世話を余儀なくされることだけではなく、やむを得ず弟や妹の世話を見なければいけない子どもやアルコール依存症で苦しんでいる家庭の子ども、いわゆるアダルトチルドレンなどを含む言葉であると理解しております。このため、ヤングケアラーである状態を正確に見極めることの困難性が生じております。自民党においても、大阪市の視察等を行い、調査・研究をしてまいりました。ヤングケアラー、ケアラー支援に関しては、以下、5つの課題があると考えております。1つ目は、国においてこども家庭庁の設置や子どもをめぐる各種法整備が急速に整えられつつあり、状況を見極める必要があること。2番目に、実効性を伴う条例には法制定や都条例との調整が不可欠であること。3番目に、ヤングケアラーの定義や実態把握等が求められ、緻密な議論が必要となること。4番目に、ヤングケアラーやケアラーへの対応は個別具体的な対応が求められており、これを拡充することがまず求められること。5番目に、板橋区でも児童相談所が設置されたことで、ヤングケアラーやケアラーに関する課題を整理する必要があること。以上の内容を踏まえ、板橋区におけるヤングケアラーの実態調査における留意点及び支援体制の構築における各種制度整備との関係や支援の実効性を担保するために必要な事項について答弁を求めます。また、同日の予算委員会においては、子ども家庭部長から、「ヤングケアラーとは、本来は大人がやると想定されるような家事や家族の世話などを日常的に担っている18歳未満の子どもであると認識しております」といった、ヤングケアラーに関する区の定義が明らかにされました。このことからも明らかなように、今回の実態調査では、高校生世代及び関係機関を対象にした調査が行われることになっております。板橋区における効果的な支援の対象には、高校生も含まれると考えますが、実態調査後に行われる支援については、高校との連携は具体的にはどのように行われるのか、答弁を求めます。
次に、医療的ケア児の受入れ体制の構築について質問をいたします。医療的ケアを必要とする児童・生徒数は、平成27年は839名でしたが、平成30年には1,126名、令和3年には1,783名となり、増加の傾向を示しております。令和4年7月に文部科学省から提出された、令和3年度学校における医療的ケアに関する実態調査において、学校における医療的ケアに関するガイドライン等の状況は、令和3年5月1日現在で1,815件中250件であり、全体の13.8%、ガイドライン等を作成していない教育委員会は1,565件の86.2%となっております。ガイドライン等を策定していない理由としては、各学校が個別にマニュアルを策定し対応をしている、県のマニュアルを参考にして対応をしている、医療的ケア児が在籍していない等があると記載されております。一方で、板橋区医療的ケア児保育事業実施要綱は、令和2年10月に決定されております。当初予算案プレス発表に記載されておりますが、保育園事業における医療的ケア児受入れ体制が構築されていることが明記されていることから、同様に教育委員会においてもガイドラインに代わる対応が求められるところかと考えます。保護者が安心して医療的ケア児を預けられるように、教育委員会としてどのような対応をしていくのか、制度上の整備に関する見解を伺います。
次に、学校における支援体制の強化について質問をいたします。基本政策Ⅰ-2「魅力ある学び支援」において、居場所推進事業実施校の拡充、専門職であるスクールカウンセラー及びスクールソーシャルワーカーの増員により、子どもと学校の効果的・専門的な支援体制の構築を図る旨が言及されております。スクールソーシャルワーカーは、児童・生徒が生活の中で抱えている様々な家庭上の、あるいは生活上の問題の解決を図る専門職であり、児童・生徒が抱える問題、例えば日常生活の悩み、いじめ、暴力行為、虐待などの問題解決を図る役割が期待されております。児童・生徒が自らの力で問題解決へ至るように導く支援を行うのがスクールソーシャルワーカーと言えます。しかしながら、スクールソーシャルワーカーに求められるのは、児童・生徒の問題を直接的に解決することだけではないとされております。例えば、不登校問題の解決を図るために、本人や家族との生活環境に関する相談、児童・生徒における支援学級の準備、学校以外による支援の活用、例えばフリースクールや子ども食堂の利用といった広範囲に及ぶ仕事であると聞いております。このため、スクールソーシャルワーカーは、学校、家庭、地域との連携による支援や福祉制度の活用などを通した児童・生徒の支援が期待されます。また、スクールカウンセラーは、児童・生徒の心理面のサポートを行うことから、生徒や保護者の抱える心理的な悩みを解決していくことが期待できます。現在、板橋区における不登校対策において、スクールソーシャルワーカーやスクールカウンセラーの働きにより、これまでとは異なる成果が期待できるのか、また、HSCへの学校での配慮についても、併せて教育長からの答弁を求めます。新しい人員が配置されることで、いたばし学び支援プラン2025における誰一人取り残さないための居場所づくりを実現するために、板橋区立学校学級安定化対策事業、各学校園における学校いじめ防止基本方針による取組、不登校改善重点校事業の実施等の各事業を推進し、魅力ある学びの支援を行っていくことになろうかと思います。不登校問題の解決を図るためには、学校以外による支援の活用が必要と考えておりますが、区内外のフリースクールの把握や連携体制、相談体制は整っているのでしょうか。答弁を求めます。
次に、いのちを支える地域づくり事業について質問をいたします。まず、ゲートキーパーの育成状況と今後の展開について質問をいたします。令和3年12月13日月曜日に、板橋区自殺対策地域協議会、板橋区保健所、予防対策課から自殺の現状について報告がありました。この中で板橋区は、足立区、江戸川区、大田区に次いで23区中4番目に自殺者が多く、自殺死亡率は人口10万人当たり7番目に高いという統計データが公表されております。年代では50歳から59歳が一番多く、次いで40代、20代という内容になっております。職業別では、その他の無職者が29%、被雇用者が28%、年金・雇用保険等生活者が18%となっており、健康問題で亡くなられる方が多いことが明らかになっております。一方で自殺理由が分からない方も多く、自殺防止対策の困難さを表していると考えております。自殺のリスク要因を減らすためには、個々人が抱える悩みを聞く必要があり、そのためにもゲートキーパーが果たす役割は重要かと考えます。ゲートキーパーの養成に当たり、どのくらいの規模を養成し、実際に活動していくのか、また、フォローアップ体制についての説明を求めます。これに加え、板橋区独自とも言える絵本のまち板橋による自殺対策を児童期から進めるとありますが、具体的に小中学校においても途切れなく行うべき内容と考えます。区の見解を求めます。
次に、脱炭素社会の実現に向けて質問をいたします。ゼロカーボンシティの実現において、既存事業の拡充として、再エネ100%電力の計画導入拡大、再エネ100%電力を利用した電気自動車の導入が挙げられております。CO2の削減では、ローカルアジェンダ21にも示されており、長く課題となっていた事項でもあります。日本においては、環境基本計画の策定によりローカルアジェンダ21の代わりとされます。板橋区においても環境基本計画が策定されており、ゼロカーボンシティに関わる内容が多くありますが、その実現を標榜する記述が乏しく、板橋区の環境ブランドになり得る事業であるにもかかわらず、リーディングプロジェクトとしてではない、別途に事業が立てられております。基本計画では「低炭素社会の実現」が、ゼロカーボン2025では「脱炭素社会の実現」があり、計画全体としてのバランスに欠け、事業実施における混乱を招くものになりかねないと考えておりますが、区の見解を求めます。また、東京都議会でも議論をされておりますように、太陽光発電に使用されるパネルは、寿命がおよそ20年とされております。使用した後の廃棄については、いまだに結論が出ておりません。また、現在ではフィルム型のパネルが実用化されるなど、壁面への設置といった利用形態や発電効率についても技術の革新が急速に進んでおります。太陽光発電の利用では、パネルの寿命や効率性を考えた計画と施策の推進が必要と考えますが、区の見解を求めます。
次に、デジタルトランスフォーメーション戦略について質問をいたします。最初に、いたばしPayについて質問をいたします。板橋区商店街振興組合連合会が導入したいたばしPayにおけるポイント事業は、利用者還元や店舗還元事業、デジタルスタンプラリー、いたばし健康ポイント、環境アクションポイント等、多岐にわたる事業展開を可能とし、官民連携の可能性を広げるツールとして機能しているところであります。地域通貨の特徴は、流通スピードの加速による地域経済の活性化、地域外の方々の利用による地域通貨の流入、地元住民による地域活性化の促進等が挙げられます。また、地域通貨を使えば使うほど地域内のコミュニケーションを増大させる効果もあります。今回、官民協力の下に進められるデジタル地域通貨いたばしPay事業でありますが、今後はこの成果を基に、地域経済活性化や地域コミュニティの発展に利用できるスキームの構築が可能になるのではないかと考えております。既に多くの自治体では、地域通貨を利用した経済活性化事業やボランティア支援等が行われており、商店街振興や観光、行政ポイントなどのほかに、既存の町会や自治体の活動に対するデジタル通貨による支援、いわゆるボランティアポイントといった使い方もできるようになるかと考えております。デジタル通貨を利用した地域経済活性化や地域コミュニティの活性化に寄与する事業展開の可能性と区の見解を求めます。一方、長期間にわたりデジタル地域通貨関連の事業を運用していくためには、運営主体、利用店舗や企業、利用者等のステークホルダーにとって利用負担が少ない持続可能なスキームが求められるところです。このためには、行政、企業、金融機関といった官民金と言われる連携の構築や町会・自治会、NPO団体等への啓発活動も持続可能なスキームに対する一案となるかと考えております。デジタル地域通貨の持続可能な利用について、区の見解を求めます。
次に、教職員の働き方改革とDXの推進について質問いたします。GIGAスクール構想においては、子どもたち一人ひとりに1台のパソコンが用意されました。現在、どのような情報が正しい情報なのか、リテラシー教育やインターネットを使用したコミュニケーションのリスクを教えるセーフティ教育などが行われており、子どもたちへの未来への投資が始まっております。一方、教職員の皆様のためのデジタルコンテンツの開発が進められていると聞いております。連絡帳や出席確認、通信簿等、様々なところでこれまで労務負担となってきた業務がデジタル化されていくこととなります。教職員の働き方改革に資するような業務のデジタル化は、どのように進められているのでしょうか。答弁を求めます。
次に、ブランド戦略について質問をしてまいります。最初に、絵本のまち板橋であります。プレス発表におきましては、オール板橋の一大プロジェクトとして絵本のまち板橋が位置づけられております。これまでも絵本の持つ特性を生かし、絵本文化のさらなる展開・発信が図られていくことが明示されております。今回、板橋区版自殺者対策において絵本が使われ、いのちの大切さを児童期から啓発していくことは、自殺予防対策の一助になるものと理解しております。今後は、より絵本の持つ可能性を引き出し、区政運営に役立てていくことが期待できるかと思います。以上の内容から、これからの絵本のまち板橋の展開において、絵本が持つ可能性や役割について整理をしていく必要があると考えております。区長の見解を求めます。
次に、4つのまちづくりについて質問をさせていただきます。ブランド戦略においては、高島平地域、大山駅周辺、JR板橋駅西口、上板橋駅南口の4か所の各地域の特色を生かしたまちづくり計画が進められています。高島平地域において、令和4年3月に板橋区とUR都市機構の間で高島平地域での連鎖的都市再生の推進に係る基本合意書が締結されました。この合意に基づき、旧高島第七小学校跡地を活用し、交流核形成まちづくりプランが令和4年度から始まり、現在中間のまとめに向けて検討が進んでおり、令和5年は、交流核形成まちづくりプランの策定、都市計画の策定を行うと聞いております。交流核形成まちづくりプランにおける主たる検討課題及び都市計画変更の必要性について、答弁を求めます。次に、JR板橋駅西口について質問をいたします。JR板橋駅西口地区においては、令和5年度以降に駅前広場の再整備が行われること、令和6年度以降に地区全体のにぎわいや緑豊かな住環境を生かした魅力創出、景観に配慮したまちづくりの推進を含めた都市再生整備計画の作成が予定されていると聞いております。同地区は、新板橋駅、JR板橋駅、東上線下板橋駅の3つの駅が隣接する地区であり、駅前広場の再整備や都市再生整備計画においても、これらの駅との連関性について注視したまちづくりの推進が望まれると考えます。板橋駅西口周辺地区のまちづくりにおける駅前広場と周辺地区のまちづくりの連関性をどのように見出していくのか、答弁を求めます。次に、大山駅周辺地区においては、東武東上線連続立体化が同地区において2030年に完成する予定になっております。現在、補助第26号線が幹線道路につながることから、商店街のテナント数が著しく減少していると聞いております。また、同じような現象が現在の上板橋駅南口でも起きており、商店街振興の活動に深刻なダメージを与えております。まちづくりに積極的に協力してきた商店街振興組合にとって望まれない状況であるとともに、まちづくり事業が落ち着くまでの間、板橋区に対して支援を求める声も強くあります。まちづくり事業終了後の安心・安全なまちづくり、生活を豊かにするまちづくりといった観点からも、商店街の維持は必須であると考えます。両地区における商店街に対して、板橋区の支援策を要望します。答弁を求めます。
上板橋駅南口のまちづくりでは、地域課題として上板橋から桜川に続く動線の確保が課題となっており、川越街道における横断歩道や旧川越街道における交差路の信号機についても今後の調査、検討に挙がっております。これと同時に、都立城北中央公園における拡張事業は、上板橋駅から続く地域的一体性を担保するものであり、東京都の管轄でありますが、区としてもしっかりとした対応が求められるところだと考えております。板橋区は、東京都の拡張事業にどのように関わっていくのか、答弁を求めます。また、城北中央公園においては、地域振興に資する事業も展開されていると聞いております。我が会派からも令和5年度予算要望として既に区長に提出し、公園内陸上競技場の整備と一体的な公園の改修につきましても、一般質問などで取り上げてまいりました。当該公園の陸上競技場を整備し、子ども、高齢者や障がいを持たれている方々などがスポーツに親しむ環境の整備、スポーツ施設としての再生、総合的な整備を求め、板橋区が中心となり、練馬区、豊島区、北区、荒川区とともに協議を重ねる必要があります。また、答弁においても「板橋区スポーツ推進ビジョンの2025に掲げる基本目標に寄与するような政策課題というふうに考えております」とあり、区長からも「関係区とともに東京都と協議を重ね、課題を一つひとつ解決していかなければなりません」といった答弁も頂いております。令和5年度は、都立城北中央公園の再整備におきまして、極めて重要な年だと考えております。以上の内容を踏まえ、今後の東京都と公園内の整備について、今後どのように進めていくのか、答弁を求めます。
次に、アピアランスケア支援事業を質問します。令和2年3月17日の予算審査特別委員会において、私のほうからフィランソロピーに関わる事業に関する質問として、アピアランスケア支援事業の検討をお願いいたしました。今回、施政方針演説における基本目標Ⅱ「いきいきかがやく元気なまち」において、がん患者アピアランスケア支援事業の開始が取り上げられておりますこと、感謝申し上げる次第です。当時、港区の事例を挙げ、がん治療を行っていく上で脱毛や乳部の切除など、治療に取り組む人々の外見に変化をもたらしていることに対して、ウイッグ、胸部補正具等による外見ケアの重要性と行政需要、それに伴う事業実績等から板橋区でも必要ではないかと考えていた次第です。私の父もがんで亡くなった経緯から感じるところがあり、少しでもがん治療の苦痛を減らしていくことで、就労継続や社会参加等を促していくことができるかと考えております。今回のがん患者アピアランスケア支援事業において、支援事業の決定に至るまでの経過と板橋区における利用予測、また事業目的を達成するための取組について、説明を求めます。
次に、ひきこもり対策について質問をいたします。近年、ひきこもり状態にある方やその家族への支援は社会的問題となっております。川崎市や練馬区での事件を発端に、ひきこもりへの関心も高まっております。ひきこもり状態にある方々は、おのおの異なる経緯や事情を抱え、生きづらさ、孤立、孤独といった日常にあります。こうした中、板橋区においてもひきこもり対策は積極的に進められることとなりましたが、どのように対策をしていくのか、今後の展開には強い関心が寄せられております。板橋区において、ひきこもりに関する調査結果が報告されましたが、この調査結果により、ひきこもりへの対策についてどのような事業が必要になるのか、答弁を求めます。
次に、ダイバーシティ&インクルージョンについて質問をいたします。区では、令和4年5月からパートナーシップ制度について、区独自PS制度の導入と東京都パートナーシップ宣誓制度の利用者に対する都PS制度受理証明書保有者への区民サービスの提供について検討し、令和4年12月1日に、区独自PS制度は導入を前提に進めていくこと、都PS制度受理証明書保有者への区民サービスは、提供に向けて取り組んでいくことが決められました。現在、区民サービス提供の拡大、区独自のPS制度の創設、都との連携が進むことが期待されております。今後の展開とパートナーシップ制度の構築についての答弁を求めます。
次に、新型コロナウイルス感染症対策について質問をいたします。
これまで長いコロナ禍において、緊縮財政をとりながら、板橋区民の生活を支えるため、多くの事業がなされてまいりました。しかし、令和5年度は、アフターコロナ、ウィズコロナの時代に入ることが予想され、行政運営にも変化が出てくると考えております。また、これまで提供されてきた新型コロナウイルスワクチン事業や感染者対応も変化するものと考えますが、コロナ禍以前の状態に戻すということはないものと考えられます。現在、国のほうでコロナ対策を踏まえつつ、5類に移行する体制についても検討がなされ、自治体にも伝えられていくことと思います。しかしながら、これまでの教訓から、保健所の体制についてどのように人員を配置していくのか、集団会場の配置やPCR検査体制等の縮小等、現場の混乱を防ぐための対応や区民に対する情報提供の在り方等、ある程度の予想をしながらの対応は可能ではないかと考えます。また、感染症法等の改正を踏まえた地域保健対策の推進に関する基本的な指針の改正検討がこれまで行われてきました。その中で、基本的考え方や保健所の健康危機管理体制等が示されると聞いております。5類への移行後の保健所の体制について、現在想定される事案について、答弁を求めます。さらに、新型コロナウイルス感染者への対応も変わると思われます。予想できる範囲での答弁を求めます。
次に、地域経済について質問をいたします。
板橋市場の基本構想策定と区産業への影響について、最初に質問をさせていただきます。東京都では、令和5年度より板橋市場の基本構想の策定を始めることが発表されております。板橋市場あり方検討会の設置、豊島市場との機能集約を視野に入れたビジネスモデル等の検討が行われることとなり、令和6年から8年度にかけては、基本計画策定・基本設計が行われることとなります。板橋市場は交通の利便性が高く、豊島市場の機能集約も行われることになることから、同地域においては地域振興と地域産業振興の両面から大きな影響を与えると考えられ、板橋区としても周辺地域に対する地域経済活動の活性化という視点から注視していくことが求められると考えます。また、基本構想の策定においても、板橋区から積極的に意見を述べていくように努めていくことが必要かと思います。今後の関わりと展望についての区の見解を求めます。
次に、中小企業・個人事業対策について質問をさせていただきます。これまで、コロナ禍においては、区内経済の停滞や中小企業の経営を支えるための事業、物価高騰に対してもエネルギー価格高騰対策支援や各業種別の支援等が行われてまいりました。これらの努力は、板橋区民にとっても大きな助力となったものと思います。区側の努力に感謝する次第です。しかしながら、一方でこれまでの支援事業や助成事業等では、短時間での制度設計や新規事業であったことから、事業運営に関する蓄積が乏しく、事業目標の達成に向けて対応と矛盾してしまうことが生じることもあり、事前相談の重要性の周知、事業スキームに対する理解等、運営していく中で発見された課題も多くあったかと推測いたします。これまでの中小企業対策事業の運営を通じて得られた知見や教訓を生かした事業設計を求めます。見解を求めます。
次に、板橋区発注業務におけるSDGsの取組について質問をさせていただきます。令和5年度は、SDGs戦略が板橋区全体で進められることになる年だと思います。SDGsの考え方に基づいた板橋区内業者への発注業務は、既存の入札制度やプロポーサル方式等にも散見されるところです。これまで見られてきた内容を把握し、特に板橋区内への発注について、SDGsの観点をより明確に進めていくことが求められるのではないかと考えます。これまでSDGsに関する事項を発注業務において行ってきた事例について説明を求めるとともに、発注業務におけるSDGs推進には、各部署の協力が不可欠であることから、協力体制に関する見解を求めます。
次に、防災・防犯について質問をいたします。
最初に、舟渡・新河岸地区の防災について質問をいたします。板橋区の舟渡・新河岸地区は、荒川と新河岸川に挟まれた低地にあり、荒川の氾濫が起きるとほとんどの場所で浸水深5メートル以上、浸水継続期間も半月になると予想されております。災害に強い都市「東京」形成ビジョンにおいて、舟渡地区・新河岸地区は、災害対策のモデル地区として選ばれており、国・都・板橋区が一体となった避難の在り方や排水対策などを踏まえた高台まちづくりの実践に取り組んでおります。また、令和4年8月2日に開かれた板橋区の防災対策に関する懇談会では、坂本区長、国土交通省国土管理・水保全局、板橋区松尾総合防災アドバイザーが集まり、舟渡・新河岸地区の災害対策、タイムライン防災・コミュニティ防災に関する意見交換が行われたと聞いております。また、3月25日に行われるリバーサイドフェスティバルあらかわ2023も同内容に沿ったものと理解しております。この懇談において、かわまちづくりが提起されております。かわまちづくりを今後どのように進めていくのか、洪水対策を含め、説明を求めます。一方、舟渡大橋付近には、都内最大となる物流施設であるMFLP・LOGIFRONT東京板橋が建設されると聞いております。同地域の防災機能の向上が期待されております。同施設が設置されることによる防災機能の強化について、説明を求めます。
次に、近年の犯罪傾向と対応について質問をいたします。これまで、区内の犯罪傾向は、警察や地域連携、区の啓発等により犯罪自体の発生が抑えられているところであります。近年の特徴といたしましては、自転車の盗難の増加が見られるほか、不断の啓発や警戒にもかかわらず、特殊詐欺、すなわちオレオレ詐欺による被害が絶えないこと。また、取り締まることが難しい飛び込み営業による被害、押し込み販売、インターネット詐欺等、犯罪自体が巧妙にかつ這い隠れてしまっているところにあると考えます。こうした対応においては、防災訓練のように不断の注意と啓発、対策を含めたトレーニング等も必要であることが指摘されております。区においても広報を通じた啓発活動や注意喚起、地域連携による情報共有、警察との連携、青色パトカーによる警戒等、様々な対応がなされていることを承知しております。これまでの防犯活動とともに拡充していくべき対策について、答弁を求めます。
次に、区内における帰宅困難者一時避難所について質問をさせていただきます。これまでも重層的な防災の構築がなされてまいりました。学校施設や公共施設を使用した災害時の拠点づくり、各地区の防災機能を高めるための備品購入支援、地域連携を通じた防災対策等、様々な施策が講じられております。その中で、比較的新しい取組といたしまして、震災時に発生する帰宅困難者一時避難所は、東京都の備蓄品助成もあることから拡充しやすい事業だと考えております。民間では、南常盤台の杜のまちやをはじめ7か所が設置されていると聞いております。また、公共施設においても整備が進められていると聞いております。震災が起きたときには、800万人の帰宅困難者が生じると予測される中、区内における同施設の整備は、今後も進めていくことが求められるところであります。現在の帰宅困難者一時避難所の整備の現状と今後の展開について答弁を求めます。
次に、こどもまんなか社会について質問をいたします。
板橋区におけるこどもまんなか社会について、最初に質問をさせていただきます。こども家庭庁が設置され、今後は、主として子どもの権利利益の擁護、子どもや家庭の福祉・保健等の積極的な支援が実行されることにより、こどもまんなか社会の実現が進められるものと考えます。こどもまんなか社会においては、途切れのない施策が必要だと考えております。このことから、保育園運営、また幼保連携について質問をいたします。待機児ゼロを達成している現状、急速な少子化の影響により、保育園運営は極めて厳しい状況にあります。また、各園におきましては、事業自体を縮小していくことも進んでいると聞いております。しかしながら、事業縮小に伴うデメリットもあると考えております。一方で、保育の質や児童教育の質の向上、例えば、3歳児の壁、幼保連携といったスキームの在り方も考えていく必要があると思います。板橋区として、保育園事業者に対する運営支援を考える必要があると考えております。区の見解を求めます。また、子どもたちをめぐる状況は絶えず変化しており、危険な保育が行われないよう、絶えず気を配っていかなければなりません。そこでお尋ねします。子どもたちの安全を脅かすようなリスクに対し、企業主導型保育施設のような認可外保育施設を含め、区内保育施設に対してどのような支援を行い、保育の質の向上を図っていくのか、見解を求めます。一方、板橋区でも男性に対する育児支援を行っていると聞いております。東京都でも「育業」と評して推進しております。男性の家事、育児への参画は、子育てにとって重要な役割を果たすものであり、家庭での子育てをよりよいものにする手段であるものと理解しております。現在、板橋区における育児支援の今後の展開について、見解を求めます。
子どもの虐待通告件数の増加と児童相談所について質問をいたします。現在、板橋区における子どもの虐待通告件数は増加の傾向にあり、令和3年度は約1,200件となっております。昨年7月、児童相談所も設置されましたが、地域での子どもの見守りや気づきといったことも重要であり、虐待の早期発見、早期対応の構築は急務であると考えております。このため、子どもを見守るための地域連携の構築を進めるべきと考えますが、行政側としても地域連携に積極的に関わり、子どもの虐待に対して取り組むことが求められていると思います。これからの子ども虐待に対する対策と児童相談所の役割について、区としてどのように対応していくのか、また、子どもの虐待をなくしていくことを区の方針としてより強く打ち出すべきであると考えます。答弁を求めます。
次に、部活動の地域移行について質問をいたします。現在、板橋区において部活動の地域移行が進められていると聞いております。幾つかの課題を解決していく必要があるかと考えます。部活動の地域移行では、子どもたちが他校への移動が必要となる部活もあり、交通移動に関わる安全性の確保や他校における校舎の利用ルールの周知等の確認、今回の実践実験にも示されているように費用の問題等もあります。これらの予測される課題に加えて、新たな問題点も浮き彫りにされているかと思います。部活動の地域移行が段階的に行われるということを聞いております。実践実験の結果報告、あるいは中間報告を設定していただくことが適当かと思料いたします。答弁を求めます。
次に、板橋区におけるこどもまんなか社会について質問をいたします。令和5年4月1日にこども家庭庁が発足いたします。子どもを心身の発達の過程にある者と定義し、自立した個人としてひとしく健やかに成長することのできる社会の実現に向けて、子育てにおける家庭の役割の重要性、子どもの年齢及び発達に応じた対応、子どもの最善の利益の追求として、子ども及び子どものある家庭の福祉の増進及び保健の向上、そのほか必要な事務を遂行する組織と言えます。設立までに様々な議論がなされてきており、今後はこどもまんなか社会の実現に向けて、確たる政策目標を定めて、多岐にわたる施策や事業が展開されていくこととなります。こどもまんなか社会の実現では、教育において果たす役割は大きく、既存の教育施策を進めながら、子どもの健やかな成長と最善の利益を考えていくことになります。子どもの発達・成長を総合的に捉え、推進する必要があり、こども家庭庁でも、このことを子どものウェルビーイングと言い表しております。板橋区におけるこどもまんなか社会の実現に向けてのビジョンと、教育現場におけるラーニング・コンパスを考えたコンピテンシーの育成、そして子どもウェルビーイングにつながる考え方について、教育長の見解を求めます。
次に、子ども基金の設立について質問をいたします。こどもまんなか社会の実現のためには、板橋区の各部局が一丸となって取り組むことも必要だと考えております。一方で、子どもに特化した施策展開をより加速するための手段を確保することも肝要だと考えております。世田谷区では子ども基金を設立、多くの子どもたちのための支援事業展開を様々なステークホルダーに委ねる手段を持っております。また、多様な手段の試行も可能となり、子ども施策の質的向上に寄与するものと考えます。以上の内容から、板橋区における子ども基金の設立可能性について、区長の考えをお聞かせください。
最後となりましたが、今年度をもちまして退職されます、久保田義幸福祉部長、岩田雅彦資源環境部長、糸久英則土木部長をはじめ149名の方が退職となります。退職される皆様におかれましては、長年にわたり板橋区民の福祉の増進、区政の伸張発展に多大なご尽力をされたことに心からの敬意と感謝を申し上げる次第です。
以上、代表質問を終わります。(拍手する人あり)
◎区長(坂本健) 議長、区長。
○議長(坂本あずまお議員) 区長。
〔区長(坂本 健)登壇〕
◎区長(坂本健) 皆様、おはようございます。早速、中村とらあき議員の代表質問にお答えいたします。
最初に、財政規模が拡大した理由についてのご質問であります。昨年9月にお示ししました令和5年度当初予算フレームにおきましては、歳出は2,302億8,000万円で、約46億円の財源不足が見込まれる状況にございました。その後の予算編成におきましては、物価高騰の影響が及んでいる区民生活や地域経済を支えるため、キャッシュレス決済推進事業、福祉施設等物価高騰対策支援金、出産・子育て応援事業などの様々な事業を追加し、積極的な対応を行ってまいりました。この結果、当初予算額は2,372億5,000万円となり、フレーム時点より約70億円の大幅な増となった一方で、想定を上回る特別区税や特別区交付金の増収などの歳入環境の改善によりまして、最終的に収支均衡予算となったところでございます。
次は、豊かさを実感できる財政運営についてのご質問であります。令和5年度当初予算におきましても、№1プラン2025で掲げる重点戦略の3つの柱であるSDGs戦略、DX戦略、ブランド戦略を基本とした予算編成をしたところであります。加えて、コロナ対策や物価高騰対策など現下の社会経済情勢を踏まえたきめ細やかな対応を行い、バランスの取れた予算配分を行ったところでございます。今後とも区民ニーズを的確に把握し、特別区民税の増収などを踏まえつつ適切な予算配分に努め、区民生活に豊かさなどを実感できる予算編成に心がけていきたいと考えています。
次は、財政調整基金に関する考え方についてのご質問であります。財政調整基金は、条例において経済情勢の変動などに伴う財源不足や緊急を要する財政需要に対応するために活用するものと規定されておりまして、基金活用方針において270億円を必要残高としております。令和5年度当初予算におきましては、財政調整基金を繰り入れることなく、収支均衡予算を編成いたしましたが、今後もコロナ禍や物価高騰などの社会経済情勢の変化に即応し、区民生活の支援や地域経済対策などを実施していくために、財政調整基金を活用し、補正予算の編成を行っていく考えであります。
次は、基金積立てと財政運営のバランスについてのご質問であります。小中学校における改築、長寿命化改修などを計画的に実施するためには、当該年度の一般財源だけで対応することができず、基金からの繰入れが必要となるため、
義務教育施設整備基金に一定の残高確保が重要となります。今後の小中学校の改築などの更新需要を踏まえて、来年度に№1プラン2025の改訂を予定しておりまして、基金活用方針の在り方も改めて検討する考えであります。また、検討に当たりましては、改築、長寿命化改修などに活用する基金繰入額や将来的な更新需要に必要な積立額を適切に勘案し、財政運営上のバランスに配慮していく方針であります。
次は、積極的なふるさと納税対策についてのご質問であります。ふるさと納税による影響額は年々増加傾向にありまして、その影響額は令和5年度は約30億円を超える想定となるなど、区財政においても看過できるものではないと考えています。そのため、今後とも国に対し特別区全体で制度是正を強く求めていく一方で、区としましては、減収を少しでも防ぐことにつながるように、クラウドファンディング事業や返礼品の拡大に取り組んでいきたいと考えています。
次は、SDGs
ローカライズプロジェクトについてのご質問であります。SDGsは世界共通のグローバルな目標であるため、SDGsの普及啓発を図るためには、それぞれに合った目標設定が効果的であり、その取組をローカライズと言っております。環境面だけではなく、経済・社会面においても効果があるSDGsの取組に気づき、実践することで持続可能性が高まり、次世代へ継承する未来志向のまちづくりにつながっていくと考えます。事業指標につきましては、プロジェクト参加者の理解度や区民全体におけるSDGsの認知度を高め、行動変容を促していく適切な手法の設定を検討していきたいと考えています。
次は、地域ネットワークの強化による生活支援に関係しまして、支援効果についてのご質問であります。板橋区地域保健福祉計画で掲げました包括的な支援体制の構築に当たりましては、区の相談体制を拡充し専門性を高めるほかに、地域団体と一体となった取組が必要と考えます。地域住民や関係機関等で構成する支え合いのネットワークを生かした地域の見守りや気づきを通じまして、誰一人取り残さない官民協働の地域共生社会を推進していきたいと考えています。
次は、
地域福祉コーディネーターの配置地区についてのご質問であります。
地域福祉コーディネーターの配置に係るモデル地区の選定については、地域の活動状況を考慮して行ってまいりました。蓮根、舟渡地区においては、住民主体の協議の場である支え合い会議から派生した支え合いスポットを設置し、福祉なんでも相談などの取組を実践しております。また、見守りや交流、情報発信などの活動も行っておりまして、地域と区をつなぐモデル地区としてふさわしいと判断をし、隣接する志村坂上地区を含めた一定のエリアを選定したものであります。
次は、(仮称)いたばしコミュニティフリッジの設置に関しましてのご質問です。コミュニティフリッジは、社会福祉協議会のスタッフ2人とボランティア数名で対応しておりまして、食料品の保管につきましては、地域団体の協力を得ながら場所を確保する予定であります。食料品は、区のフードドライブ事業による寄附を活用するほかに、フードバンク事業者と合意書を取り交わし、提供を受けるものであります。食料品の提供をきっかけに、ひとり親家庭や生活困窮者の困りごとが相談支援につながるよう本事業を推進していきたいと考えています。
次は、子ども食堂への行政の関わりについてのご質問であります。子ども食堂は、衛生管理及び事故防止のため、食品衛生法の遵守はもとより、事業開始の前に保健所に相談をし、指導、助言を求めることとしております。区では、職員が定期的に子ども食堂に出向き、巡回相談を行うほかに、保健所からの各種情報提供、運営団体向けの講習会を適宜実施し、継続的な関わり合いを持っているところでございます。
続いて、子ども食堂の基準についてのご質問であります。子ども食堂には、単に食事を提供するだけではなく、子どもの孤食の解消や食育推進、子どもの居場所をはじめとした地域の憩いや交流の場など、幅広い役割があると考えます。事業を実施するに当たりましては、子どもの居場所連絡会に加入するほか、常時責任者を配置し、事業規模に応じた人員体制を確保するなど、安全面での要件がございます。また、運営面においては、月に1回以上、子ども10名以上が食事をとりながら交流することができる場所を確保するなど、一定の条件を設けております。
次は、
ケアリーバー応援プロジェクトの内容についてのご質問であります。プロジェクトにおいては、自立に向けた支度金や家賃、医療費を助成する経済的支援と居場所づくりや相談事業を行う相談支援の両輪においてケアリーバーを支援しております。支援内容の検討に当たりましては、自治体や支援団体が設置している拠点を視察し、食料品の配布やSNSを活用した相談支援などを参考にしております。今後も、区が行う支援の効果検証と先進的な事例の研究を行いながら、支援の強化に努めていきたいと考えています。
続いて、
支援コーディネーターの活用についてのご質問であります。区は、
社会的養護自立支援事業において、継続支援計画を策定する
支援コーディネーターを配置した自治体に対して、経費の一部を助成しております。区では、令和5年5月から開始するケアリーバーへの相談支援業務におきまして、
支援コーディネーターの機能を果たしていく予定であります。支援の在り方に関する国や東京都の動向を注視しながら、自立を目指すケアリーバーに寄り添った支援を実施していきたいと考えています。
次は、ヤングケアラー支援についてのご質問であります。区が実態調査を行うに当たりましては、支援体制を適切に構築できるよう、正確に実態を把握する必要があると考えます。支援体制の構築に向けましては、庁内にヤングケアラー支援会議を設置しておりまして、今後は国や東京都のマニュアル等との整合を図りながら検討を重ねてまいりたいと考えています。また、実効性のある支援につなげられますように、令和4年度中にケース会議を設置し、様々な部署が横断的に個別のケースについて研究をする予定であります。
続いて、ヤングケアラー支援における高校との連携についてのご質問であります。高校生の支援につきましては、現在個別の事例においては対象者が在籍をする高校と連携しながら対応しているものの、日常的につながりのある区立小中学校と比べて、高校との連携が図りづらい場合があると考えています。まずは実態調査によって、高校生のヤングケアラーが抱える課題を把握することに努めてまいりたいと考えます。把握した課題に基づきまして、ヤングケアラー支援会議及びケース会議を通じまして、高校生の具体的支援策や高校との連携方法を研究していきたいと考えています。
続いて、ゲートキーパーについてのご質問です。ゲートキーパーの養成は、自殺予防対策の人材育成の柱としてこれまでも順次拡大をしてまいりました。令和5年度からは、企業、町会・自治会、民生・児童委員協議会等、役割が期待されている様々な主体に講師を派遣する出張ゲートキーパー研修を新たに追加するものであります。受講者においては、それぞれが関わりを持つ社会の中で、悩みを抱えている人々に気づき、寄り添い、可能な範囲で必要な支援へとつなげていただくことを期待しております。受講後のフォローとしましては、自殺対策に関する最新情報等を届けることによりまして、誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現を目指していきたいと考えています。
次は、絵本を活用した自殺対策についてのご質問であります。若者の自殺が増えていることは深刻な問題であり、心の健康やSOSの出し方を学ぶことが重要と考えます。子どもたちは学校で学ぶ機会はありますが、より多くの場面においてSOSの出し方を伝えていくことが必要であることから、区ゆかりのイラストレーターとともに、絵本づくりに着手をする予定であります。完成後は、区立図書館や区内小中学校の図書室に配架するとともに、読み聞かせイベント等も実施をし、絵本をツールとした板橋区ならではの自殺対策を展開していきたいと考えています。
次は、環境基本計画とゼロカーボンいたばしの目標の違いについてのご質問であります。板橋区環境基本計画2025は、国の第四次環境基本計画の目標に沿って、2025年度における区の将来像として、低炭素社会の実現という目標を掲げ、2016年3月に策定をいたしました。その後、国は2020年にカーボンニュートラルを宣言し、2050年に脱炭素社会を目指すとかじを切ったことから、その後に策定した区の計画や表明においては同じ目標を掲げたところでございます。具体的には、区地球温暖化対策実行計画2025の策定に当たり、計画期間最終年の2025年度の目標に加えて、2050年度に脱炭素社会を目指すという長期目標も掲げ、これにより区環境基本計画の補完を行ったところであります。
次は、パネルの寿命や効率性を考えた太陽光発電の使用についてのご質問であります。太陽光発電設備については、区の環境マネジメントシステムで、区施設の新築や大規模改修の際に、原則として一定規模の設置を定めております。設置に当たりましては、周辺建物からの日影の影響や周辺への配慮、発電効率、メンテナンス性などから、屋上への設置が効果的と考えられております。フィルム型や壁面型の設置につきましては、本庁舎南館において壁面型を導入した例もあることから、技術開発や費用対効果等の状況を注視し、個別の状況に応じて判断をしていきたいと考えます。太陽光パネルの廃棄に当たりましては、東京都が来年度からリサイクルルートの確立など高度循環利用を推進していくことから、この動きに連動していきたいと考えています。
次は、いたばしPayにおけるポイント事業についてのご質問であります。来年度は、板橋区観光アプリ、ITA-マニアの景品ポイント、いたばし健康ポイント、いたばし環境アクションポイントといたばしPayの連携を予定しております。いわゆる行政ポイントとの連携は、いたばしPayが地域通貨として親しまれるきっかけとなるため、今後導入が予定される行政ポイントとの連携につきましても積極的に進めていきたいと考えています。
次は、デジタル地域通貨の持続可能な利用についてのご質問であります。来年度は利用者に対して、期間限定において利用額の20%程度を付与するポイント還元を行い、また、取扱店舗に対しましては決済額に応じた還元事業を予定しております。いたばしPayの持続的な安定運用を確立していくためには、取扱店舗の拡大と利用者数の増加が重要と考えます。多くの区民や事業者の方々に長く地域通貨として親しんでいただけるように、今後も商店街振興組合連合会と協調しながら取り組んでいきたいと考えています。
次は、絵本のまち板橋についてのご質問であります。絵本のまち板橋の推進に当たりましては、絵本の持つ親しみやすさという特徴を生かし、子どもから大人まで誰もが絵本に触れ、つながることができる展開を意識しております。また、分かりやすい表現が可能であるという特徴から、各種発信や啓発に活用しておりまして、令和5年度はSDGsチャレンジリーフレットや自殺対策絵本の制作を予定しております。このほか、絵本が持つ芸術性や創造性を刺激する特徴など、その可能性、また果たす役割は多岐にわたると考えておりまして、今後の事業推進の中において様々な展開を検討していきたいと考えています。
次は、4つのまちづくりに関連いたしまして、高島平地域のまちづくりについてのご質問であります。区では、高島平地域の都市再生に向けた第一歩の取組としまして、高島平駅前において、地域内外の区民の交流核を形成するべく、UR都市機構と共同でプランの検討を進めています。長期にわたる事業を段階的に具体化することになるために、部分的な視点ではなく、交流核全体の視点で捉えながら、各段階の取組の検討や調整を進めることが課題であると捉えております。都市計画の策定につきましては、駅周辺においての商業・業務機能の強化や良好な住環境の形成に向けて、土地利用や施設整備を適正に誘導するために必要な方策だと考えています。
次は、板橋駅西口周辺地区のまちづくりについてのご質問であります。区では、2つの再開発事業による駅前のにぎわい向上とともに、地区全体の住環境を生かした魅力創出のため、令和3年度に地区計画を導入いたしました。また、令和5年度については、隣接する2つの再開発事業と連携を図りながら、駅前広場の再整備に向けて設計に着手をする予定であります。3駅が近接する当地区の利便性などを生かし、地域の方々の意向を踏まえながら、まちづくりを推進していきたいと考えています。
次は、大山駅周辺地区及び上板橋駅南口地区への支援策についてのご質問であります。これまでもハッピーロード大山商店街振興組合に対して、商店街のにぎわいの維持のためにコンサルタントを派遣したりアーケードの修繕費の補助など支援を行ってまいりました。大山駅周辺地区と上板橋駅南口地区など再開発事業により影響を受ける商店街につきましては、各商店街からご要望を伺いながら適切な支援を講じていきたいと考えています。なお、上板橋駅南口地区におきましては、商店街と再開発組合との間で連携や情報交換が行えますように調整を進めていきたいと考えています。
次は、都立城北中央公園の拡張工事についてのご質問であります。東京都の事業であります城北中央公園の拡張工事に関する地域住民と東京都との意見交換会につきましては、これまで区が意見交換のための場所を提供し、実施をしてまいりました。本年6月には新たな公園の暫定開園が予定されるなど、事業が進捗をしております。区としましては、引き続き地域住民に寄り添った対応を東京都に要請して、拡張工事に関する進捗状況等の把握に努めて、情報共有をしていきたいと考えています。
次は、都立城北中央公園の再整備についてのご質問であります。都立城北中央公園の陸上競技場等の再整備につきましては、東京都が実施主体となるものでありますが、関係団体や地域の関心も高く、継続をして東京都との意見交換や情報共有を進めていくことが必要と考えます。昨年10月の東京都との意見交換会において、知事から区との意見交換の継続や連携について言及がなされ、その後も情報共有を図っているところであります。コロナによって休止しておりました近隣区による会議体につきましても今年度から再開させておりまして、引き続き関係区とともに、魅力ある公園整備の実現に向けまして取り組んでいきたいと考えています。
次は、アピアランス支援事業についてのご質問です。これまでもアピアランス支援について、相談や助成の要望を頂いておりまして、支援制度の研究を進めてまいりました。令和5年度より東京都の医療包括補助対象事業にアピアランス支援が追加されたことから、これを活用した事業を開始することとしたところでございます。令和5年度は、人口規模が類似する他区の実績等を参考にし、年間200件の申請を見込んでおります。事業の周知につきましては、各種広報媒体を活用するほかに、医師会、がん相談支援センター設置医療機関などとも連携をし、必要とする方に伝わるように工夫していきたいと考えています。
次は、ひきこもり対策についてのご質問です。本年7月に、ひきこもりに特化した相談窓口を設置し、来所が難しい方にはオンラインによる相談を行うほかに、家庭訪問等のアウトリーチ、関係機関への同行支援を行う予定であります。また、家以外で安心して過ごせる居場所を求める要望が多いことを受けまして、外出のきっかけづくりや他者との交流ができる居場所を提供するものであります。このほか、ひきこもり支援への理解を深める区民向けの講演会の実施を予定しております。今後も、実態調査から見えてまいりました課題と支援ニーズを踏まえて、ひきこもりに関する支援を強化していきたいと考えています。
次は、ダイバーシティ&インクルージョンにおけるパートナーシップ制度についてのご質問であります。区では、多様性を認め合い、誰もが生き生きと暮らすことができる共生社会の実現を目指し、(仮称)板橋区パートナーシップ宣誓制度の来年度中の創設に向けた検討を行っております。区民サービスの拡大は、性的マイノリティ当事者の生活上の不便の軽減に直結することから、区独自制度の運用開始を見据えた幅広い内容となるよう努めていきたいと考えます。制度の創設や区民サービスの拡大に当たりましては、都との連携に留意するほかに、区議会や区民の皆様にご理解いただけるように丁寧に説明を行っていきたいと考えています。
次は、新型コロナウイルス感染症対策に関連いたしまして、5類移行後の保健所の体制についてのご質問であります。国は感染症法の改正を踏まえて、健康危機管理体制を強化するため、保健所への職員の配置や人材育成、医師会等との連携、計画の策定等を求めております。今後国から示される見通しの基本指針を踏まえて、保健所の役割に応じた人員体制について検討していきたいと考えています。
続いて、5類移行後の患者対応についてのご質問です。5類への移行によりまして発生届が不要となり、患者の個人情報を把握することはなくなるために、保健所による自宅療養者に対する健康観察や療養支援等は終了となります。国は現在、5類移行後の諸課題に対する検討を行っているために、今後示される方針につきましては、ホームページ等を活用して、分かりやすく情報提供してまいりたいと考えています。区では引き続き、新型コロナウイルス感染症に関する相談を継続していく考えであります。
次は、板橋市場との関わりと展望についてのご質問であります。現在、東京都において板橋市場の機能強化に向けた検討が行われていると承知をしておりますが、今の時点においては詳細な内容については公表されていない状況であります。板橋市場の機能強化に向けましては、豊島市場との機能集約を視野に検討が進められているようでありまして、仮にそのようになれば、板橋市場への人の往来が増えることになりまして、区内経済や産業にとって好影響になるとも考えます。今後、東京都で行われる板橋市場の基本構想やそれに続く基本計画の策定などについて、動向を注視したいと思います。
次は、これまでの中小企業、個人事業者対策における矛盾と解決についてのご質問であります。コロナ禍におきましては、板橋区感染拡大防止協力金や一時支援金、中小企業者事業継続支援金といった直接給付による中小企業や個人事業主への支援を行ってまいりました。エネルギー・物価高騰対策においては、先月の末までエネルギー価格高騰対策設備更新助成金による支援を行ってまいりました。これらの支援制度においては、残念ながら一部対象外となる事業者もございましたが、今後同様の支援を行う際には、できる限り簡易な申請において、より多くの事業者が活用できるような制度となるように改善を図っていきたいと考えています。
次は、区発注業務におけるSDGsの取組についてのご質問であります。区が発注する業務のうち、例えば土木工事や建築工事に関わる契約においては、環境への配慮を特記仕様書で求めるとともに、特に総合評価方式において落札者を決める場合においては、ワークライフバランスや障がい者雇用の推進などを評価基準としております。また、指定管理者に対しましては、SDGsの考えに基づく基本理念とサービス水準の設定を求めております。一方、公共調達においても、森林認証制度に基づく物品を購入する際、板橋区地球温暖化実行計画(事務事業編)2025の取組を進めておりまして、引き続きSDGsの推進を図っていきたいと考えています。
次は、防災に関連いたしまして、かわまちづくりについてのご質問であります。板橋区かわまちづくり計画におきましては、新河岸陸上競技場と堤防を連絡通路でつなぎ、水害時にも浸水しない堤防の上を避難経路として確保する計画となっております。また、陸上競技場と河川敷をつなぐ連絡通路と階段を整備することによりまして、河川敷利用者の利便性・回遊性を向上させ、にぎわいを創出することも併せて進めていきたいと考えます。今後も荒川下流河川事務所と連携を図り、令和5年度中の連絡通路の工事着工を目指していきたいと考えています。
続いて、MFLP・LOGIFRONT東京板橋についてのご質問であります。今回の物流施設の建設に当たりましては、事業者側の防災への貢献として、施設内に河川氾濫時に約1,000人が避難できる緊急一時退避場所の整備と約900平方メートルの備蓄倉庫の提供がなされております。また、敷地内には、ヘリポートを含む高台広場の整備とともに、広場と施設をつなぐ避難路が整備される予定であります。施設内の倉庫は、防災備蓄品の保管、配送拠点となるハブ倉庫の性格を有しておりまして、物資の避難所への配送や必要な資機材の提供などについて、災害時の物資輸送の実績を持つ事業者と今後具体的な協議に入る予定であります。防災上の有効な施設として適切かつ効果的な運用を行うとともに、その効果を防災関連の施設へ波及させていくことを目指してまいりたいと考えています。
次は、近年の犯罪の傾向と対策についてのご質問であります。令和4年の刑法犯認知件数につきましては、区内三警察署ともに増加をしておりまして、特に自転車盗難の発生が多く、板橋区全体では前年度比でプラス219件と増加傾向を示しております。近年、対策に力を入れております特殊詐欺の発生件数は前年度比で微減となっておりますが、被害総額は約2億5,200万円といまだ高い水準にあり、憂慮すべき事態が続いていると感じています。今後も特殊詐欺被害の防止に向けまして、区の簡易型自動通話録音機配付事業をはじめ、警察署や関係団体等と連携をしたイベントや講座の実施など、様々な対策を講じてまいりたいと考えています。
次は、区内における帰宅困難者一時避難所についてのご質問であります。区では、板橋区災害時帰宅困難者対策指針に基づきまして、鉄道駅や幹線道路からのアクセスがよい12か所の区立施設を一時滞在施設としております。その他、都指定施設の8か所に加え、平成28年度からは民間施設も一時滞在施設と位置づけ、今年度に入り新たに2つの事業所と協定を締結し、現在9か所となっております。現在、東京都が帰宅困難者対策オペレーションシステムを構築しておりまして、運用開始後は、帰宅困難者の一時滞在施設等への円滑な案内が実現できる予定であります。
次は、保育園事業者に対する運営支援についてのご質問であります。令和4年4月に待機児童ゼロを達成した一方において、就学前人口の減少が続き、保育定員に対する欠員の増加が課題となっております。欠員分の運営費は支給されないために、特に欠員が集中した保育施設においては、運営事業者の経営に影響が生じる可能性があることは認識をしております。こうした状況を受けて、区は令和4年度からゼロ歳児の欠員数に応じた運営費の支援のほか、入所実態を踏まえた定員設定が可能となるように、利用定員の運用を変更したところでございます。
次は、保育の質の向上についてのご質問です。保育所は、子どもの健康と安全を守る基本的かつ重大な責任を有しておりまして、保護者が安心して子どもを預けられる安全な保育環境を整える必要があると考えます。そのため、区は安全対策に係る機器の導入や施設整備に対する助成事業費を、令和4年度補正予算第6号及び令和5年度当初予算に計上してまいりました。企業主導型保育園などの認可外保育施設を含めた事業者に対して必要な経費を助成するほかに、研修による人材育成の機会を提供し、保育の質の向上に取り組んでいきたいと考えています。
次は、男性の家事・育児の参画支援に関する今後の展開についてのご質問であります。区では10月をいたばしパパ月間と定め、パパ向け事業の紹介やイベントの開催、育休制度の紹介など、男性の家事・育児参加や育児期の家庭生活のサポートに向けました取組を行っております。男性へのサポートは、女性への家事・育児の偏りの是正につながるほかに、その浸透によりまして、未来を担う子どもの育児を社会全体で担っていく機運の醸成に資するものと考えています。今後も子育て支援策の連携や適切な情報発信を通じ、いたばしパパが家事・育児への参加にとどまらずに、参画レベルにステージが上がるように意識を高めてまいりたいと考えています。
次は、児童虐待通告件数の増加と児童相談所の役割についてのご質問であります。通告件数の増加の要因といたしましては、夫婦間における暴力やけんかを子どもが目撃することによる心理的虐待の増加や虐待相談窓口の普及等が考えられると思います。子ども家庭総合支援センターにおいては、児童虐待の早期発見・早期対応を実現するため、関係機関へのアウトリーチ等を通じまして、リスクのある家庭を把握し、支援につなげているところであります。児童虐待の予防、未然防止に向けまして、区民への普及啓発をはじめ、関係機関との切れ目のない支援体制を拡充し、子どもたちが安心・安全で健やかに育まれる環境を実現してまいりたいと考えています。
最後になります。子ども基金の設立についてのご質問であります。区ではこれまで、いたばし応援基金の子育て分野に積み立てた寄附金を、住まい応援プロジェクトや在宅子育て支援などの事業に活用してまいりました。こども家庭庁創設を契機に、国は子ども・子育て政策を強化するとしておりまして、今後、具体的な検討を経て、様々な施策が展開されるものと認識しています。区としましても、地域全体で子どもの成長を支えるという、いたばし子ども未来応援宣言の理念の下に、基金の活用を含めた子育て支援の仕組みづくりに努めてまいりたいと考えています。
残りました教育委員会に関する答弁は、教育長から行います。
◎教育長(中川修一) 議長、教育長。
○議長(坂本あずまお議員) 教育長。
〔教育長(中川修一)登壇〕
◎教育長(中川修一) それでは、中村とらあき議員の教育委員会に関する代表質問にお答えします。
初めに、医療的ケア児の受入れ体制の構築についてのご質問ですが、板橋区教育委員会では、令和5年度から実施予定である医療的ケア児の受入れに向けまして、学校における医療的ケアの事前準備や心構えなどを記載した手引を作成しております。また、看護師配置に関する実施要綱の策定など、受入れに際して必要な規定も別に整備しているところです。関係部署・機関と連携を強化し、適切に医療的ケア児の受入れが実施できるよう努めていくとともに、受入れ開始後の状況を踏まえ、適宜見直しを行ってまいりたいと思います。
次に、スクールソーシャルワーカーやスクールカウンセラーの体制強化についてのご質問ですが、令和5年度、スクールソーシャルワーカーは5名増員し、これまでの派遣型から区立中学校2校当たり1名を配置する拠点型に変更する計画であります。また、スクールカウンセラーにつきましても、東京都教育委員会が配置しているものに加え、板橋区教育委員会独自で、区立中学校に週一、二回追加配置し、心理的な支援の充実を図る計画であります。子どもたちに一番身近な場所である学校において両者の活動機会を増やし、連携を強化することで、個々が抱える問題の早期発見や、効果的、専門的な支援が可能になると考えております。
次に、HSCへの学校での配慮についてのご質問ですが、感覚過敏や敏感な感受性を持つHSCの児童・生徒が、その特性による生活の困難さにより不登校となり得ることは認識しているところです。これらの児童・生徒に対しましては、音や明るさに配慮した座席配置やサングラス着用の許可、刺激を減らした集中しやすい環境の提供等、個々に応じた支援を行っております。今後も、誰一人取り残されることなく、全ての児童・生徒が質の高い教育を受けられるよう、一人ひとりに寄り添った支援を行ってまいりたいと思います。
次に、フリースクールとの連携についてのご質問ですが、フリースクールは不登校児童・生徒の支援に関する地域資源の1つであると認識しております。教育委員会ではフリースクールの協力を得て、板橋区青少年問題協議会の委員や不登校生徒対象の進路相談会に参加いただくなど、不登校児童・生徒の支援において連携を深めてまいりました。今後もこうしたフリースクールとの接点を軸に連携の裾野を広げ、不登校支援の担い手として寄与していただきたいと考えているところです。
次に、教職員の働き方改革とDX推進についてのご質問ですが、GIGAスクール構想の推進に伴い、現在、一人一台端末等のICT機器を積極的に活用し、業務のデジタル化による教職員の働き方改革を進めているところであります。具体的には、保護者との連絡手段のデジタル化や教職員研修の一部オンライン化、教職員勤怠管理システムの構築等により負担軽減を図っております。また、各学校では、Googleのアプリケーションを活用した保護者アンケートのデジタル化や会議資料のペーパーレス化等の業務改善を進めているところです。今後もこうした業務改善例を事例集としてまとめ、共有するとともに、業務のデジタル化を一層推進し、校内事務の負担軽減を図ってまいりたいと思います。
次に、こどもまんなか社会に関しまして、部活動の地域移行についてのご質問ですが、教育委員会は区立中学校の部活動の地域移行に関しまして、実践研究モデル事業を実施し、そこで得る知見を推進計画の策定に生かすとともに、関係する多くの方々にモデル事業の活動をご覧いただきたいと考えております。実践研究モデル事業の取組につきましては、策定する計画とともに、今後、区議会に適宜適切に報告してまいります。区議会議員の方々を含む多くの方に、女子サッカー、eスポーツ、ロボットプログラミングの各クラブの現場見学を通じて、地域移行後のクラブ活動の姿についてイメージを膨らませていただければと思っております。
最後に、板橋区におけるこどもまんなか社会についてのご質問ですが、子どもを真ん中に据えて、健やかな成長を後押しするこどもまんなか社会の考え方は、板橋区教育ビジョン2025の理念と一致していると認識しているところです。ラーニング・コンパスでは、新たな価値を創造する力、対立やジレンマを克服する力、責任ある行動をとる力の3つのコンピテンシーが示されており、これは学習指導要領が示す資質、能力と関連が深いものであります。今後も総合的な学習の時間やいたばし学級活動の日等の充実を通じ、これらのコンピテンシーを育成し、子どものウェルビーイングという幸せな状態を実現してまいりたいと思います。
頂きました教育に関するご質問の答弁は以上でございます。
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△休憩の宣告
○議長(坂本あずまお議員) 以上で、中村とらあき議員の代表質問を終了いたします。代表質問の途中でありますが、議事運営の都合により、この際、暫時休憩いたします。
なお、再開時刻は午後1時ちょうどといたします。
午前11時45分休憩
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午後12時59分再開
出席議員 45名
1番 小野田 み か議員 2番 内田けんいちろう議員
7番 しいな ひろみ議員 8番 石 川 すみえ議員
9番 山 田 ひでき議員 10番 山 田 貴 之議員
11番 中 村とらあき議員 12番 間 中りんぺい議員
13番 しのだ つよし議員 15番 こんどう秀 人議員
16番 山 内 え り議員 17番 吉 田 豊 明議員
18番 田中しゅんすけ議員 19番 安 井 一 郎議員
20番 寺 田 ひろし議員 21番 さかまき常 行議員
22番 長 瀬 達 也議員 23番 南 雲 由 子議員
24番 荒 川 な お議員 25番 いわい 桐 子議員
26番 坂 本あずまお議員 27番 田 中やすのり議員
28番 いしだ 圭一郎議員 29番 成 島 ゆかり議員
31番 五十嵐 やす子議員 32番 竹 内 愛議員
33番 小 林 おとみ議員 34番 元 山 芳 行議員
35番 大 野 治 彦議員 36番 鈴 木こうすけ議員
37番 し ば 佳代子議員 39番 井 上 温 子議員
41番 かなざき文 子議員 43番 杉 田 ひろし議員
44番 茂 野 善 之議員 45番 田 中 いさお議員
46番 かいべ とも子議員 47番 渡 辺よしてる議員
48番 おばた 健太郎議員 51番 川 口 雅 敏議員
52番 佐々木としたか議員 53番 なんば 英 一議員
54番 大 田 ひろし議員 55番 高 沢 一 基議員
56番 中 妻じょうた議員
欠席議員 1名
3番 高 山 しんご議員
職務のため議場に出席した事務局職員の職氏名
区議会事務局長 五十嵐 登 区議会事務局次長 森 康 琢
〃 議事係長 龍 野 慎 治 〃 調査係長 鑓 水 貴 博
〃 書記 飯 野 義 隆 〃 書記 高 橋 佳 太
〃 書記 岩 渕 真理絵 〃 書記 高 瀬 渉
〃 書記 安 部 詩 織 〃 書記 鈴 木 琢 真
〃 書記 細 田 夏 樹 〃 書記 小 林 隆 志
〃 書記 横 山 愛
地方自治法第121条の規定に基づく説明のための出席者
区長 坂 本 健 副区長 橋 本 正 彦
教育長 中 川 修 一 代表・常勤監査委員菊 地 裕 之
政策経営部長 有 馬 潤 総務部長 尾 科 善 彦
法務専門監 辻 崇 成 危機管理部長 三 浦 康 之
区民文化部長 林 栄 喜 産業経済部長 平 岩 俊 二
健康生きがい部長 篠 田 聡 保健所長 鈴 木 眞 美
福祉部長 久保田 義 幸 子ども家庭部長 田 中 光 輝
子ども家庭総合支援センター所長 資源環境部長 岩 田 雅 彦
佐々木 三 良
都市整備部長 内 池 政 人 まちづくり推進室長田 島 健
土木部長 糸 久 英 則 会計管理者 椹 木 恭 子
教育委員会事務局次長 地域教育力担当部長湯 本 隆
水 野 博 史
政策企画課長 吉 田 有 財政課長 杉 山 達 史
総務課長 荒 井 和 子
△再開の宣告
◎事務局長(五十嵐登) ただいまの出席議員数は45名でございます。
○議長(坂本あずまお議員) 休憩前に引き続き、会議を再開いたします。
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△区長の施政方針に対する代表質問(続き)
○議長(坂本あずまお議員) 代表質問を続けます。
次に、田中いさお議員。
◆田中いさお 議員 議長。
○議長(坂本あずまお議員) 田中いさお議員。
〔田中いさお登壇〕(拍手する人あり)
◆田中いさお 議員 ただいまより、板橋区議会公明党を代表して、施政方針並びに区政全般にわたり代表質問を行います。
戦争ほど悲惨なものはありません。ロシアによるウクライナ侵攻は1年が経過しました。国連人権高等弁務官事務所は、軍事侵攻が始まって先月の12日までに、ウクライナでは少なくとも市民7,119人が死亡と発表、このうち438人は18歳未満の子どもだということです。大変に無念であり、心から哀悼の意を表します。ロシアのプーチン大統領は先月21日の議会演説で、アメリカとロシアとの新戦略兵器削減条約、新STARTの履行を停止すると発表しました。新STARTは、戦略核弾頭の配備数とミサイルや爆撃機など運搬手段の総数を制限しています。大統領は条約から脱退したわけではないと説明しましたが、履行停止を発表せざるを得ないと述べ、23日では、核兵器の強化にも一層力を入れていくと、さらなる核戦力の強化を表明しました。同日、国連総会の緊急特別会合では、侵攻から1年となるのに合わせ、ロシア軍の即時撤退などを求める決議が採択されました。早急に国連の仲介により、ロシア、ウクライナをはじめとする関係国の会合を開催し、停戦合意に向けた現在の状況を何としても打開する必要があると考えます。現在のロシアによるウクライナ侵攻の終結とともに、今後の紛争を含める形で、核兵器による威嚇と使用を防止するための措置を講じることが焦眉の課題です。77年間にわたり辛うじて続いてきた核兵器の不使用を今後も守り抜き、核廃絶に向けた軍縮を進める必要があります。核戦争に勝者なしです。残された難題を解消するためにも、核保有国の先制不使用の一日も早い誓約・締結を願い、今般のウクライナ侵攻の停戦、終息を願っております。核廃絶、恒久平和は各国共通の願いであり、市民レベルでの取組も併せて重要です。板橋区は昭和の大戦において、板橋、志村及び上板橋地域にて激しい空襲を受けるなど多くの方々が被害に遭われました。我が母校、北園高校の前身である旧府立九中は、昭和20年の東京大空襲で焼夷弾を約200発被爆したと言われ、時計台を有する校舎は残りましたが、学校の周囲は焼け野原となったと伝えられています。二度とこのような戦争による惨禍を繰り返さないため、本区では昭和60年1月1日に板橋区平和都市宣言をいたしました。
初めに、平和事業の充実について伺います。
平和都市宣言には、「われわれは世界で唯一の核被爆国民として、また日本国憲法の精神からも再び広島、長崎の惨禍を絶対繰り返してはならないことを強く全世界の人々に訴え、世界平和実現のために、積極的な役割を果たさなければならない」と宣言しています。さらに板橋区は、日本非核宣言自治体協議会に参加しています。当協議会は全国の300を超える自治体により組織され、総会、研修会のほか、様々な平和事業などを通して、設立の趣旨の実現に向けて努力をしています。そこで提案いたしますが、区民による平和をテーマとした主体的な文化芸術活動・学習活動を支援する補助金の創設や、被爆体験伝承者等による平和講演会の開催、板橋平和のつどいに合わせた板橋平和週間の創設や、中学生平和の旅、広島、長崎に加え沖縄も追加するなど、平和教育の拡充を求めます。この平和の旅について、区民を集い、沖縄、鹿児島、広島、長崎に派遣事業を、参加費を徴収し実施している他自治体もあります。本区でも平和事業の1つとしての検討を含め、今回の戦火の状況に鑑み、平和事業の一層の取組を求めますが、区長の考えをお聞かせください。
次に、震災対策について伺います。
2月6日に発生したトルコ南部のシリア国境付近では、マグニチュード7.8の地震が発生し、これまでに死亡が確認されたのは5万人を超えたと報道されています。心よりお悔やみ申し上げます。日本においても、2011年3月11日に発生した東日本大震災から間もなく12年がたとうとしています。首都直下型の地震発生リスクも依然高く、不断の震災対策が求められています。今後の減災対策や安全確保、避難所の再構築について伺います。また、命に欠かせないのが水です。板橋区では10か所の給水拠点施設がありますが、十分とは言えません。区の給水拠点について空白地に見えるのは、舟渡、前野町、成増、赤塚地域が挙げられるのではないでしょうか。例えば、舟渡二丁目地域の最寄りの給水所は城北交通公園であり、徒歩で20分以上かかります。水を失えば生命維持の危険性を伴う上、在宅避難が可能であるにもかかわらず、結果、避難所に行くことを余儀なくされることも想定され、避難所運営が切迫する可能性があります。区では在宅避難を呼びかけていますが、水の確保が課題です。給水拠点では、いつ、誰が給水業務を行うのか、水を自宅までどのように運ぶのか、区民は何を準備すればよいのか、また、給水車は派遣していただくことが可能なのか、現状の水の確保について伺います。
次に、人口減少への対応について伺います。
東京都は、都内の人口が2030年の1,424万人をピークに減少に転じるとする推計を公表しました。前回の推計時と比べ、人口減が始まる時期が5年延びたものの、都は首都東京でも人口が減少していく事態は避けられないとし、持続可能な都市を目指す必要があると見解を示しました。昨年の出生数が速報値で統計以来初めて80万人を割る79万9,728人と、過去最少となったことについて、先日、岸田総理は危機的状況であると認識を示しました。今こそ坂本区長の標榜する東京で一番住みたくなるまち板橋への実現へ、一歩前進の推進が本区の人口減少への歯止めになるのではないでしょうか。昨年の12月、公明党板橋総支部で作成したいたばし希望トータルプランを坂本区長に提出しました。このビジョンの1つでもある、全ての世代が楽しめる魅力あふれる公園づくりについて伺います。区内各地にある公園に特色を持たせ、近隣住民や区外地域からも人が集う、にぎやかで魅力ある公園づくりを求めます。管理・運営の民間企業への委託を拡大し、カフェやキッチンカー、プレーパークを設置し、バーベキュー、お祭り、手持ち花火、音楽演奏などのイベントが可能で、禁止事項の少ない、誰もが訪れたくなる魅力ある公園が区民の生活を豊かにすると考えます。現在、整備の計画が進む板橋交通公園、東板橋公園、加賀地域、高島平緑地に加え、都立赤塚公園、平和公園などの再整備や加賀公園を史跡公園として特色を持たせるなど、魅力あふれる公園の実現へ、区長のお考えをお聞かせください。
次に、コロナ感染症についてです。
新型コロナウイルス感染症に関して、医療・介護・福祉等のエッセンシャルワーカーの皆様に改めて心から感謝申し上げます。政府は5月8日より、新型コロナウイルス感染症の位置づけを現在の2類相当から5類に移行する方針を発表しました。これに伴う生活への変化の対応が必要です。患者が増加したときに、行政による入院調整が行われず、地域を越えた調整も難しくなることや、治療費が公費で負担されなくなり、感染者が検査や治療を受けられない可能性も指摘されています。今後、国の動向を見極め、医療現場の変化、公費負担の動向、マスクの着用の有無についても、きめの細かい区民への対応をお願いいたしますが、区の見解を伺います。
続いて、令和5年度予算の主要事業についてです。
令和5年度施政方針説明概要、予算編成及び区政経営方針では、令和4年度はコロナ禍に加え、ウクライナ情勢の長期化等による物価高騰の影響も相まって、区民生活や中小企業の経営は厳しい状況が続いたとしています。このような中、令和5年度の予算編成に当たっては、景気回復の基調を踏まえ、令和2年度から取り組んできた緊急財政対策は実施しない方針とし、現下の社会経済情勢に応じた対策を含め、№1プラン2025のさらなる推進を図ったものの、想定を大幅に超える特別区交付金や特別区民税の増収などによって、5年ぶりの収支均衡予算となりました。今後も公共施設の更新需要、駅周辺のまちづくりなど、多額の経費負担を伴う事業が継続していきます。今般の歳入環境の改善を好機と捉え、健全な財政基盤を確立し、区の将来を支える財政運営を推進していく必要がありますが、緊急課題への対応をはじめ、的確に追加の財政措置をお願いいたします。
以下、令和5年度予算の主要事業に意見、要望いたします。初めに、基本目標Ⅰ「未来をはぐくむあたたかいまち」、基本政策Ⅰ-1「子育て安心」についてです。
第1に、昨年の7月から政令指定を受けて開始した児童相談所設置市としての事務が通年化し、子ども家庭総合支援センターでは、支援対象となる児童の見守り強化として、地域や団体と連携し、定期的な家庭訪問によって子育て世帯の孤独防止に取り組むなど、総合的で切れ目のない子育て支援のさらなる充実を図ることについて評価いたします。昨年設置された同センターについて、2歳児から18歳未満まで24時間体制で児童を見守り、養護することのご苦労に感謝いたします。スタート時ですので、一時保護所の運営について、課題が山積しているのではないでしょうか。その課題と対策について伺います。
第2に、国の令和4年度第2次補正予算において創設された出産・子育て応援交付金を活用し、妊娠・出生、それぞれの届出時における経済的支援と伴走型相談支援の強化を図るとともに、1歳を迎える子どもの家庭を対象にバースデーサポート事業を開始し、板橋区出産・子育て応援事業として、子育て支援のさらなる充実に取り組んでいくことについて評価いたします。これまで公明党は、0歳児から2歳児の保育料について、住民税非課税世帯を対象とした国による無償化を推進してきました。東京都では第3子以降の保育料の無償化、第2子保育料の半額助成を実現しました。また、今回東京都の予算案が示され、令和5年度より第2子の保育料無償化が発表されました。今後、子育て世代の方が子どもを持ちたいという思いを経済的な理由で諦めることがないよう、次の段階として、全ての子どもたちの保育料無償化の検討が必要と考えますが、区の認識を伺います。
第3に、不妊治療・不育症への支援についてですが、2022年4月から不妊治療の保険適用範囲が拡大し、高額な治療費の負担を軽減する取組が始まりました。妊娠しても流産や死産を繰り返す不育症への対策も進んできましたが、赤ちゃんがほしいとの声にお応えするためには一層の支援が必要です。国や都と連携し、不育症検査費用助成事業の実施や働きながら治療できる環境づくりが必要ではないでしょうか。見解を求めるとともに、併せて、流産・死産などで子どもを亡くした方の悲しみを癒やすグリーフケアの体制充実を求めますが、いかがでしょうか。
第4に、産後ドゥーラやヘルパーなどの訪問による家事・育児支援ですが、出産後の不安や悩みに苦しみ続ける産後うつの問題は深刻です。特に児童虐待で亡くなる事例は0歳児から2歳児の割合が高いことからも、産後ケアの環境整備は急務です。家事・育児に不安や負担を抱える産前産後の家庭に、母子専門支援員、産後ドゥーラやベビーシッター、家事支援ヘルパー、地域住民などが訪問する相談支援や家事などの生活支援を行う事業を強力に推進することを求めます。
第5に、未就園児家庭への利用可能な定期利用保育の充実について伺います。子育てをする方の孤立や孤独化を防ぐため、専業主婦でも週に一、二回程度、子どもを保育所に預けられる定期利用保育の拡充が必要と考えます。また、政府が現在、未就園児家庭への支援として保育所の活用を示していることを踏まえ、区内の保育施設を活用した子育て支援を求めますが、いかがでしょうか。
第6に、コロナ禍が子どもの心身に大きな影響を及ぼし、改めて健康管理の重要性が認識される中、現在中学生までとしている医療費助成について、4月から対象を高校生等までに拡大することについて評価いたします。2023年度からの3年間は実施予定ですが、2026年度以降も継続して実施できるよう財源の確保を求めますが、区長の考えをお示しください。
第7に、学校給食の無償化に向けて伺います。公明党はこれまで、区立小中学校の給食費が家計を圧迫することのないよう、生活困窮世帯の給食費無償化や物価高による材料の値上げ分を公費で補填するなど、具体的な対策を訴えてきました。来年度予算案には、区立小中学校の一部を公費負担するとのことで、大変に評価いたします。今後は完全無償化を目指して財源の確保を検討し、学校給食を持続可能なものとして、子どもたちに安心して提供できるような取組が必要ではないでしょうか。現在、既に4億円の財源を捻出していますが、完全無償化にした場合、新たに年間の恒久財源は13億円必要と言われています。無償化に向け、この財源確保策が必要です。国、都に働きかけ、協議をしていただくことを求めますが、財源の見通しを含め、区の考えをお示しください。
次に、基本政策Ⅰ-2「魅力ある学び支援」についてです。第1に、区では、子どもが安心して過ごせる学校を目指し、教室に入れない生徒の学校内における居場所推進事業の実施校を拡充するほか、専門職であるスクールカウンセラー及びスクールソーシャルワーカーを増員することで、子どもと学校への効果的・専門的な支援体制を強化していくとしています。本年1月の文教児童委員会に報告された令和3年度不登校等の状況に関する調査では、小学校51校・不登校者数311名、中学校22校・不登校者数451名で、板橋区の不登校児童・生徒数は増加の一途をたどっています。オンライン授業や別室登校支援をはじめ、多角的な支援体制の強化、また、その中で民間の支援機関との連携も視野に入れて、支援の充実が求められています。子どもが抱える問題の解決を図るスクールソーシャルワーカーの一層の拡充、通いの場の選択肢を増やす板橋フレンドセンターを拡大するとともに、民間団体との協働など、ひきこもりの子どもたちの居場所の拡充について、区の認識を伺います。
第2に、国における部活動の地域移行に関する検討会議の提言を踏まえ、単一校では実施が難しい女子サッカーや新しい種目であるeスポーツ及びロボットプログラミングについて、実践研究モデル事業を実施しながら、スポーツや文化芸術を通じた生徒の成長機会を確保しつつ、教員に頼らない活動体制の構築を実現する部活動の地域移行について、計画づくりを進めていくとしています。このことについてですが、今までの部活動を180度転換する取組です。モデル事業の実施となりますが、参加する生徒への経済負担、種目の選別、地域の特性など、様々な課題があります。この対応について、区の見解を求めます。
次に、基本政策Ⅰ-3「安心の福祉・介護」についてです。第1に、生活困窮や自立支援の課題を抱えている世帯を対象に、食料品などを安定的に無料で配付するフードパントリーとして、(仮称)いたばしコミュニティフリッジを23区で初めて設置するほか、子どもたちの居場所として期待される子ども食堂を気軽に利用できるよう、各小学校の学区域に1か所を目標として立ち上げ支援に取り組むなど、子どもの食と居場所支援の充実を図ることについて、大変に評価いたします。昨今、広がりつつある子ども食堂や学習支援の場は、子どものセーフティーネットの役割が期待されます。今後、円滑・確実に実行できるよう求めますが、区の見通しをお聞かせください。
第2に、地域における生活課題が複雑化する中、地域共生社会を実現する包括的な相談支援体制の整備に向けて、蓮根、舟渡、志村坂上地区に、地域と行政等の関係機関をつなぐ
地域福祉コーディネーターを配置するモデル事業を実施し、早期発見・早期解決に向けた協働による取組を進めていくことについて評価いたします。ここで要望いたしますが、おとしより相談センターの機能強化です。区内19地域に設置しているおとしより相談センターでは、看護や福祉の専門職が連携し、地域に暮らす高齢者を様々な側面から総合的にサポートしています。介護だけではなく、福祉・健康・医療など、様々な分野から総合的に高齢者とその家族を支える地域の窓口として、高齢者本人はもちろんのこと、家族や地域住民の悩みや心配事についての相談を受けていますが、今後も同センターが、より丁寧かつ親切に高齢者や家族への支援を行えるよう機能強化を求めますが、いかがでしょうか。また、今回実施する地域コーディネーター配置モデル事業について、今後、各おとしより相談センターが名実ともに
地域包括支援センターとして、その機能を備えるよう検討を進めることを求めますがいかがでしょうか。
第3に、民間活力による施設基盤の充実については、介護の地域密着型サービスが不足する地域において区有地を活用した整備促進を図るほか、都有地の板橋キャンパス跡地を活用し、障がい者施設の新たな整備方針に基づく事業者公募などに取り組んでいくことについて評価いたします。本区では障害者総合支援法における就労支援を行っています。また、2020年には農福連携による障がい者就労の充実に関する協定を締結し、評価いたしますが、さらなる拡充が求められています。障がい者就労の拡大を目指して、特例子会社制度や特定事業主特例、労働者協同組合法の活用・充実が必要ではないでしょうか。また、親亡き後も安心して生活を送れるように、計画的に障がい者生活支援拠点や緊急一時保護施設などの整備を進めるよう求めますが、区の見解をお聞きします。
次に、基本目標Ⅱ「いきいきかがやく元気なまち」、基本政策Ⅱ-1「豊かな健康長寿社会」についてです。
コロナ禍によって人とのつながりが希薄化する中、自殺対策を強化するため新たに策定した、いのちを支える地域づくり計画2025に基づき、ゲートキーパーとしての役割が期待される地域の方々等に対して、理解促進を図る研修を実施することや、検索連動型広告を活用して、東京都のLINE相談を案内したりするほか、自殺予防を啓発する絵本の制作に取り組むなどについて評価いたします。国は新たに自殺総合対策大綱を策定し、東京都は次期東京都自殺総合対策計画の策定作業を始めています。国や都の動向を注視し、これらと整合を取りながら自殺対策の推進を求めます。
次に、基本政策Ⅱ-2「心躍るスポーツ・文化」についてです。第1に、絵本が持つ分かりやすさと親しみやすさを生かし、昭和53年に発行したいたばしの昔話の絵本化に取り組み、小学校低学年の児童に配付することで、板橋の歴史や文化を学ぶ機会の創出と郷土愛の醸成につなげていくことについて評価いたします。絵本のまちとして有名なイタリア・ボローニャ市を友好都市に持つ板橋区は、幅広い世代が日本文化に触れられるよう、これまで取り組んできました。今後、絵本作家の育成と区の特徴である印刷・製本産業の連携を後押しし、絵本のまち板橋として、絵本文化の発信・発展を今後も広く進めるよう求めます。
第2に、板橋区教育委員会では、子どもの読書活動の推進に関する施策の方向性と取組を示すため、板橋区子ども読書活動推進計画2025を策定しています。重点施策として、1、乳幼児期のできるだけ早い段階から読書に親しむ環境をつくること、2、本を読むことを楽しみながら読書を習慣化させること、3、教育委員会をはじめとする行政機関が、家庭、地域、学校と連携して取り組むこと、この3点に重点を置き読書活動を推進するとありますが、区の取組状況を伺います。
次に、基本政策Ⅱ-3「光輝く板橋ブランド・産業活力」についてです。コロナ禍に加え、物価高騰などの影響を受けて、厳しい経営状況が続いている区内中小企業等を支援するため、経営安定化特別融資を継続するほか、施設改修などの区発注工事を増やすなど、地域経済の活性化対策に取り組んでいくことについて評価いたします。今後、産業振興課や産業振興公社が実施している区内産業の活性化の取組を充実させ、板橋区を拠点とする事業者への支援を手厚くするとともに、新たな産業を生み出す環境整備が必要ではないでしょうか。区内企業が賃上げしやすい環境を整備し、区民の生活を守るよう、区の取組を求めますが、見解をお聞きします。
次に、基本目標Ⅲ「安心・安全で快適な緑のまち」、基本政策Ⅲ-1「緑と環境共生」についてです。
プラスチックごみ再資源化の推進については、令和6年度からプラスチックごみ分別回収の開始に向けて、中間処理施設や収集方法を決定するとともに、住民説明会の開催やハンドブックの全戸配付などに取り組んでいくとしています。2000年4月、清掃事業が東京都から特別区へ事務移管されました。事務移管後、2007年にペットボトルの集積所回収、2008年にサーマルリサイクルを本格実施し、プラスチック類等の分別を不燃ごみから可燃ごみに変更しました。サーマルリサイクル導入後15年間がたち、今回、分別回収は各家庭において大きな変化です。区民に対して丁寧な説明・周知を求めます。
次に、基本政策Ⅲ-2「万全な備えの安心・安全」についてです。第1に、水害リスクの高い新河岸地区において、国のかわまちづくり支援制度に登録された板橋区かわまちづくり計画に基づき、新河岸陸上競技場と荒川堤防を活用した避難経路等の整備に向けて、国と連携しながら共同で設計を進め、工事に着手していくことについて評価いたします。昨今の異常気象により、想定外の雨量によって水害のリスクが高まっています。都市における浸水には、降った雨が下水処理能力を超えて河川などに排水できずに発生する内水氾濫と、河川からあふれて発生する洪水氾濫があります。板橋区として、洪水氾濫対策は、荒川、新河岸川及び白子川、石神井川などで国・都と連携して災害対策を講じてきましたが、内水氾濫対策は喫緊の課題として進める必要があります。内水の排除機能強化に向けて、都・区の連携で河川に放流するための地下水路やポンプの整備などが必要ではないでしょうか。区の認識を伺います。
第2に、かわまちづくり関連で伺いますが、荒川河川敷を活用したレジャー施設の整備やフェスなどの開催を要望いたします。板橋区は荒川の水辺空間を活用したかわまちづくり事業として、かわ空間とまち空間の融合による新たなにぎわいの創出と地域住民の安全・安心を図る計画を進めています。今後、国・都と連携し、荒川河川敷が魅力ある板橋区の新たなシンボルになれるよう、オートキャンプ、テントサウナ、SUPなど、アウトドアを楽しむエリアの設置やスケボーパーク、ドッグランなど、敷地の広さを生かしたエリア整備を求めます。また、多くの人が利用できるよう、可動式の浄化槽付きトイレや更衣室の設置、交通アクセスの改善などを図り、東京で唯一の河川敷ライブフェスティバルの開催を求めますが、区長の考えをお示しください。
次に、基本政策Ⅲ-3「快適で魅力あるまち」についてです。第1に、板橋区には歴史の風情が残る仲宿地域や商店街を中心ににぎわう大山駅周辺、中央図書館や教育科学館のある上板橋、桜並木のある石神井川の流域など、特色のある地域がたくさんあります。各地域の強みを生かし、新しい価値を創造するとともに、環境への配慮や災害対応力の強化、誰でも利用できるユニバーサルデザインやデジタルを活用したスマートシティなど、多世代共生のまちづくりが待たれます。現在、再開発が計画されている大山駅、板橋駅、上板橋駅、高島平地域に加え、常盤台、中板橋、中台、成増、徳丸、志村、蓮根、舟渡などの地域でも、駅周辺をはじめとした整備とまちづくりを推進し、東京で一番住みたくなるまちに資するようにお願いいたしますが、区の見解を伺います。
第2に、無電柱化の推進について伺います。2019年3月に策定した板橋区無電柱化推進計画に基づき、2020年2月に板橋区電柱化推進計画2025を策定しました。区道の無電柱化の整備状況は、区道約683キロメートルのうち、電線共同溝以外の無電柱路線を含め、整備完了が約2.3キロメートルで、地中化率0.33%となっていると伺っております。区では、基本方針を踏まえ、防災、安全・円滑な交通確保、景観形成・観光振興、まちづくりの4つの目的から成るキーワード・評価指標を設定しています。また、評価の高い地域から、無電柱化路線のネットワーク化を考慮しつつ、一定の機能を発揮できる路線を整備候補路線として、18路線を選定していますが、新たな工法や新技術を用いて、コスト、工期の縮減・短縮を図り、無電柱化を円滑に進めることを求めますがいかがでしょうか。
第3に、区内の交通インフラの利便性の向上についてです。現在、板橋区が行っている板橋区自転車活用推進計画を後押しし、安全・安心で快適な移動を実現する道路整備やシェアサイクル、シェアバイクの活用を積極的に進め、さらには新しい移動手段などの検討・活用を求めますが、区の今後の取組を伺います。
第4に、移動支援や買物支援の充実について伺います。バスなどの交通手段が不便な地域へ、地域公共交通ネットワークのさらなる充実を図るとともに、新たな移動サービスの導入など、きめ細かな体制づくりが求められています。我が党においても、様々な対策案を提案してまいりましたが、実現していません。この移動手段について、区の考えをお示しください。また、高齢化の進展や食料品店の減少により、身近な場所で日常の買物に支障を来す買物弱者が増えていることから、さらなる買物支援が必要と考えますが、区の見解を伺います。
次に、計画を推進する区政経営についてです。
第1に、DXの強化では、高島平地域において、デジタル技術を活用したイベント等を実施するスマート東京推進プロジェクトや区公式LINEの開設、公共施設使用料のキャッシュレス決済対応、区役所戸籍住民課窓口の書かない窓口導入など、デジタル化・オンライン化を推進していくことについて評価いたします。ここで要望いたしますが、デジタル支援員の導入です。人生100年時代を迎える今、総務省によると、約2,000万人の高齢者がスマートフォンを使えないとされています。誰一人取り残さないデジタル社会の実現に向け、公明党は高齢者や障がい者など、デジタルに不慣れな人に対して、スマホの基本操作や交流サイト・インターネットの使い方、オンラインによる行政手続などを丁寧に教えるデジタル推進委員の設置拡大を訴えています。デジタル推進委員は、本人や所属企業、団体などからの応募に基づき、デジタル相が任命、国や自治体が取り組む地域の講習会などに携わります。1月末現在で任命された推進委員は2万3,000人を超えました。昨年の5月、公明党は政府に対し、デジタル推進委員の全国展開を提言、同年12月に政府が閣議決定した総合戦略では、2027年度までに推進委員を5万人に倍増する方針が示されています。今回の区公式LINEの開設に当たって、デジタル難民は課題です。本区においても、このデジタル推進委員の活用を含め、デジタル支援員を導入し、高齢者、障がい者を含め、区民全員が安心してデジタルを身近に使えるよう求めますが、区の見解を求めます。
第2に、絵本のまち板橋推進プロジェクトでは、中央図書館や美術館を中心に、絵本文化を享受する利用者、創造する創作者、区による絵本の魅力・特徴の体現を3つの視点とする施策横断的な事業展開に取り組み、それぞれが相互に作用し合うことによって、絵本文化のさらなるブランディングを積極的に強化していくことについて評価いたします。今後、活字文化の振興のため、板橋区のブランディング戦略にも併せて、中央図書館に倣って、各地域の図書館の充実もソフト面・運営面で図り、特に区民が読書や本をより身近に感じられる環境の整備を求めます。図書館をリニューアルする際は、住民のニーズに合わせた内容になるよう要望いたしますが、区の認識を伺います。以上で、令和5年度予算の主要事業に意見を申し上げました。今後のますますの区政発展に期待をいたしております。最初に一部申し上げましたが、公明党板橋総支部で、いたばし希望トータルプランを坂本区長に提出しました。全ての方が幾つになっても健康に過ごし、安心と充実を感じながら生活できる環境の構築へ、今後の取組を願っております。
最後になりましたが、今年度をもちまして退職されます久保田義幸福祉部長、岩田雅彦資源環境部長、糸久英則土木部長、荒井和子総務部総務課長、町田江津子区民文化部地域振興課長、織原真理子健康生きがい部長寿社会推進課長、石橋千広健康生きがい部後期高齢医療制度課長、森下真博資源環境部資源循環推進課長、内田洋二土木部南部土木サービスセンター所長含め、149名の方が退職となります。長きにわたり板橋区民のために、板橋区の伸張発展にご尽力いただきました皆様に、公明党区議団を代表いたしまして、心より感謝を申し上げます。今後のご健康とますますのご健勝をお祈り申し上げ、公明党の代表質問を終わります。ご清聴、大変にありがとうございました。(拍手する人あり)
〔議長交代、副議長(かいべとも子議員)議長席に着く〕
◎区長(坂本健) 議長、区長。
○副議長(かいべとも子議員) 区長。
〔区長(坂本 健)登壇〕
◎区長(坂本健) それでは、田中いさお議員の代表質問にお答えいたします。
最初は、平和事業の充実についてのご質問であります。板橋区は平和都市宣言都市として、平和公園や本庁舎に平和の灯をともし、様々な平和事業を実施することによりまして、戦争の悲惨さや核廃絶、平和の尊さを訴え続けております。今年度につきましては、コロナ感染拡大により休止しておりました中学生広島・長崎平和の旅を再開し、次世代を担う中学生が平和の大切さを学ぶとともに、平和への思いを平和のつどいにおいて多くの区民に発信をいたしました。今般の平和を脅かす世界情勢に鑑み、平和意識の高揚と継承の重要性は高まっているために、ご提案の事業も含めて、より効果的な平和事業となるように検討してまいりたいと思います。
次に、給水拠点施設についてのご質問であります。東京都では、居住場所からおおむね半径2キロメートル内に1か所の災害時給水ステーションを設置しております。東京都水道局では、給水拠点での応急給水活動に備え、都区双方の拠点給水要員となる職員と地域住民等を対象に実体験をしてもらう給水訓練を毎年実施しております。給水拠点を利用する際は、ポリタンクやペットボトルなど、水を入れる容器を用意いただくほか、自宅への運搬用に簡易な台車やリュックサックなどがあれば便利であると考えます。今後も、自宅に水を備蓄する重要性と併せ、給水拠点の利用方法等の周知に努めてまいりたいと思います。
次に、給水車の派遣についてのご質問であります。給水車の派遣は、地震の発生で給水管が損傷し、断水している地区や水圧低下地区、給水ステーションからの距離がおおむね2キロメートル以上離れた避難場所などが想定されております。なお、人命に関わることから、医療施設の断水が発生した場合は給水車による病院等への応急給水が最優先され、給水拠点や避難所等への派遣は状況を考慮して判断されるものと思います。また、断水した場合への対応は、ペットボトルの備蓄のほか、消火栓や避難所に設置されました応急給水栓で水道管から直接取水するとともに、深井戸などを活用する想定であります。
次は、人口減少への対応についてのご質問であります。区ではこれまでも、こども動物園、水車公園、交通公園など、区民の思いや時代の要請に応えるべく、特色のある公園づくりを進めてまいりました。こうした公園が、順次、改修時期を迎えるに当たり、これからの時代をリードする気概を持って、板橋ブランドとなる公園づくりを展開する考えであります。史跡公園など新たなコンセプトで出発する公園も含めて、専門的知見や民間活力、DX技術からの発想を大切にすることによって、区の内外から愛される公園づくりを目指してまいります。
次は、コロナ感染症についてのご質問です。5類移行後は感染症法に基づく措置や公費支援が変更されるため、国では現在、具体的な方針を示すべく検討を進めております。区では国から示される方針をホームページ等の広報媒体を活用して、分かりやすい情報提供を行っていきたいと考えています。
次は、令和5年度予算の主要事業についてのご質問であります。令和5年度当初予算におきましては、歳入環境の改善などを背景に、持続可能な財政運営につながる収支均衡の予算編成を行ったところであります。一方、現下の社会経済情勢におきましては、コロナ禍や物価高騰などにより、区民生活の支援や地域経済対策を新たに講じる必要性も想定されます。また、長期的には、まちづくりや小中学校含めた公共施設の更新需要を含め、様々な行政需要に対応していく必要があり、今後とも財政状況を見極めながら適宜適切に対応していく方針であります。
次は、一時保護所の課題と対策についてのご質問であります。一時保護所においては、子どもの安全を迅速に確保し、適切な保護を図るために、これまで100名を超える子どもたちを保護してまいりました。新たな環境と関係性に対して不安を抱える子どもと信頼関係を構築して、一人ひとりの状況に応じた最適な支援を行うことは大変難しいことでもあります。一時保護所職員には専門的なケアと適切な行動観察を行う能力が重要であり、日々の実践と学びから職員のスキルの向上を図り、安定した保護所運営を目指してまいりたいと考えています。
続いて、保育料無償化の検討についてのご質問であります。これまで東京都は保育料無償化への取組を段階的に実施しておりまして、子育て世代における経済的負担の軽減を図ってまいりました。厚生労働省の速報値においては、令和4年の出生数は80万人を割り込んでおりまして、国や東京都の動向を注視しながら、様々な視点から子育て支援策を検討してまいりたいと考えています。
続いて、不育症検査費用助成についてのご質問であります。東京都では、令和元年度より不育症検査助成事業を開始しておりまして、区はホームページのほか、即時性・発信性の高いTwitter等を活用して周知をしております。令和4年12月には、助成の対象となる検査項目が追加されるなど、支援内容の充実がなされております。今後も国の動向を注視し、東京都と連携を図りながら、不妊や不育症に悩む人々の支援を継続してまいりたいと考えています。
次は、グリーフケアの体制充実についてのご質問であります。流産・死産などで子どもを亡くした悲しみは深く、その受け止めと回復へのサポートとして、グリーフケアの必要性は認識しております。女性健康支援センターにおきましては、保健師が対応する女性のための健康相談などで個別に相談に応じております。今後、産科医療機関との連携を図り、悲しみを抱え、自ら相談が難しい人にも届く支援を研究してまいりたいと考えています。
次は、生活支援事業の推進についてのご質問であります。地域の子育て支援事業として実施をしてまいりました育児支援ヘルパー事業やファミリー・サポート・センター事業は、改善を重ねて利便性の向上に努めてまいりました。令和5年度から、定期的な見守りが必要な児童や家庭を対象とする支援対象児童等見守り強化事業を開始し、必要に応じて家事支援等の具体的な支援につなげる取組を強化をする予定であります。今後、母子保健と児童福祉の機能が一体となって支援を行うこども家庭センターの設置を見据え、産前産後の妊婦、家庭に寄り添った体制を構築していく考えであります。
続いて、保育施設を活用した未就園児家庭の支援についてのご質問であります。区としましても、未就園児の保育ニーズとその支援の必要性を認識しておりまして、令和5年度から小規模保育施設の空き定員を活用した一時預かり事業への助成を開始いたします。一方、国がモデル事業として実施する空き定員を活用した未就園児の定期利用保育を区が実施した場合には、年度途中の入所に支障が生じ得るという課題がございます。そのため、未就園児を預かる支援の在り方につきましては、既存の保育施設の活用を含め、区の保育需要に応じました最適な方策を検討してまいりたいと考えています。
続いて、高校生等医療費助成制度についてのご質問であります。高校生等医療費助成制度につきましては、東京都として方針を決定したものであり、助成制度を継続して実施していくためにも、東京都が自ら財源を確保することが基本であると考えます。令和8年度以降の財源に関する東京都との協議においては、所得制限及び自己負担を設けない完全な無償化に必要な財源を東京都が全て負担するよう、引き続き求めていきたいと考えています。
次は、子どもの居場所事業についてのご質問であります。令和5年度より子ども食堂を小学校区域全域に開設するため、空白地域を優先して、段階的に整備をしていく考えです。円滑な事業実施に向けまして、開設時の相談をはじめ、子どもの居場所連絡会における情報提供、講座や講習会によるフォローアップ、運営費の助成など、継続的に支援していきたいと考えています。
続いて、おとしより相談センターに関連いたしまして、センターの機能強化についてのご質問です。高齢者支援の現場においては、在宅医療との連携やケアラー支援、家族の引きこもり等、様々な生活課題が複雑に入り組んだケースが増加しております。高齢者ご本人を支援するために必要となる家族に対する支援につきましても、区の関係部署と連携をしながら対応しております。新たな課題をより的確に解決するため、困難事例の共有や研修の実施に加え、関係機関との情報連携の在り方を検討するなど、機能強化を図っていきたいと考えています。
続いて、
地域福祉コーディネーター機能についてのご質問です。今回、
地域福祉コーディネーターを配置するモデル事業を実施しますが、その地域におきまして、おとしより相談センターも関係機関の1つとして連携していくこととなります。このモデル事業を通じまして、おとしより相談センターの支援力がさらに向上するように、センターが担う機能について検討を進めていきたいと思います。
次は、障がい者就労の拡大を目指してのご質問です。障がい者の自立にとって就労環境の整備は重要な課題であると認識しています。区では自立支援協議会の下に就労支援部会を設置し、企業や就労支援機関等による就労支援の在り方について協議し、必要な取組を行っております。昨年10月施行の労働者協同組合法につきましては、先進事例を注視していくほか、今後就労支援部会の事業者との協議の中において、特例子会社の制度などにつきまして研究していきたいと考えています。
続いて、地域生活支援拠点の整備についてのご質問であります。区では、地域生活支援拠点の5つの機能である相談、緊急時の受入れ、体験の機会、専門的人材の確保、地域の体制づくりについて、地域全体で支える面的整備を進めております。さらに相談業務の充実のため、基幹相談支援センターである障がい者福祉センターによる各相談支援事業所へのアウトリーチを含めた連携強化に取り組んでおります。今後も計画的に地域生活支援拠点の整備を進めていきたいと考えています。
次は、緊急一時保護施設の整備についてのご質問であります。区では、来年度に赤塚ホームにおいて短期入所の制度を整備し、緊急時における障がい者の受入れに対応していく考えです。さらに、介護者の事故・急病や虐待が疑われる事態に備え、区と協定を結んだ施設において障がい者の受入れを行う連携体制を整備していく考えであります。今後とも、障がいをお持ちの方が親亡き後も住み慣れた地域で安心して生活ができるように、必要な施策の整備を進めていきたいと考えています。
次は、豊かな健康長寿社会についてのご質問であります。自殺対策基本法においては、都道府県及び市区町村は、大綱、地域の実情等を勘案して、自殺対策計画を策定すると定めております。区では、国や東京都の動きと整合を図りながら、今年1月に令和5年度を始期とする、いのちを支える地域づくり計画2025を策定いたしました。今後は計画に盛り込んだ様々な事業を通じまして、誰一人として取り残さないまちを目指し、自殺対策を推進していきたいと思います。
次は、絵本文化の発信・発展を進めることについてのご質問であります。絵本のまち板橋の推進に当たりましては、利用者目線で絵本文化を享受するだけではなく、創作者目線で創造する視点からも、様々な事業展開を進めていくところであります。現在、各種講座や講演会、展示会などの事業を実施する中において、絵本作家やイラストレーター、また印刷製本産業の支援、連携、協働を進めているところでもございます。こうした取組を今後もさらに深めて、板橋ならではの絵本文化の発信と、また発展に向けた取組を進めてまいりたいと思います。
続いて、企業が賃上げしやすい環境の整備についてのご質問です。区では、今年度から実施しておりますSDGs/ESG経営推進プロジェクトやデジタル環境構築補助事業により、企業の経営改善を支援しております。来年度は産業振興公社の新産業参入支援事業を拡充し、新たにエネルギー分野への参入支援を加えるなど、アフターコロナを見据えた取組を加速化してまいりたいと思います。区と産業振興公社の両輪で区内事業者の成長を促し、収益の向上へとつなげ、賃上げが容易となるような環境づくりのために、今後、引き続き支援に取り組んでまいりたいと思います。
次は、プラスチック分別回収の周知についてのご質問です。令和6年度開始を目途に準備を進めておりますプラスチック分別回収につきましては、ご指摘のとおり、清掃事業において大きな転換点であり、区民の皆さんへの周知は大変重要と考えています。そのため令和5年度は、全地域センターにおいて、平日、夜間、土曜日等を組み合わせまして住民説明会を開催する予定であります。また、分別方法等につきまして、区ホームページへの動画配信、ハンドブックの全戸配付、区設の掲示板へのポスターの掲示、チラシの全町会・自治会回覧等を実施する予定であります。さらに商店街連合会や産業連合会への情報提供など、様々な機会を捉えて丁寧に周知を図っていきたいと考えています。
次は、内水氾濫対策についてのご質問であります。内水氾濫は、下水管の排水容量を超えると発生いたしますが、区内では過去のデータからは、おおむね時間雨量50ミリが1時間以上継続すると発生しております。平成26年に改定されました東京都豪雨対策基本方針においては、東京都はおおむね30年後までに時間雨量75ミリの対策を目指すものとしておりまして、河川整備や下水道整備を展開中であります。区におきましても、東京都の豪雨対策事業と関係を密にしながら、雨水貯留施設整備の支援や民間施設を含めた雨水流出抑制、また排水機所維持管理など、協働した氾濫対策を実施中であります。
次は、かわまちづくりについてのご質問であります。かわまちづくり計画は、新河岸陸上競技場と堤防をつなぐ連絡通路の整備という防災面のハード整備だけではなく、にぎわいを創出する仕組みづくりを進める計画となっております。一方において、河川区域内における各種規制や河川管理における必要性、利用者ニーズの有無など制約や課題もございます。現時点での見込みはお示しできませんけれども、ご提案の趣旨も含めて、にぎわいづくりに資する取組について区として検討するとともに、今後も河川管理者である荒川下流河川事務所に対して要望を行ってまいりたいと考えています。
続いて、まちづくりの推進についてのご質問であります。東京で一番住みたくなるまちの実現には、多様な主体が板橋区都市づくりビジョンを共有し、それぞれの役割を認識して協働で都市づくりを行っていく必要があると考えます。地域の課題を解決するためには、区民等の気づきをきっかけとした区と区民等が主体となった都市づくりが重要となってまいります。区は、地区を代表する活動組織となるまちづくり協議会等の設立や都市づくり活動を支援し、よりよいまちの形成を目指していきたいと考えています。
次は、無電柱化の推進についてのご質問です。無電柱化推進の隘路は、ライフライン事業者や沿線居住者との長期間の工事に対する合意形成と1キロメートル当たり5億3,000万円と言われる多額な事業費にあります。引き続き埋設ボックスの小型化や新材料による簡素化など、新技術や工法を積極的に研究するほか、発注方式にも検討を行い、工期の短縮と事業費の軽減を模索してまいりたいと考えています。
次は、区内の交通インフラの利便性の向上についてのご質問であります。鉄道と路線バスによる公共交通網につきましては、区内全域で構築されておりまして、区民の生活に密着した大切な移動手段として、区の誇るべき財産とも言えます。今後も多くの方に現在の公共交通網をご利用いただくことによって維持しながら、新たな移動手段の活用を含めた交通利便性の向上について調査・検討を進めていきたいと考えています。
次は、移動手段についてのご質問です。区内では、鉄道や路線バスがほぼ全域で運行しておりますけれども、一部に公共サービス水準が相対的に低い地域が存在しております。この地域のうち前野町と大谷口においては、交通環境の改善を目指し、空車のタクシーと利用者を結びつけるタクシー乗り場を整備する社会実験を行っております。令和5年度以降、この社会実験の結果を踏まえて地域のニーズを的確に捉えつつ、様々な移動方法やサービスの活用を視野に入れました取組を進めていきたいと考えています。
続いて、買物支援についてのご質問であります。買物弱者への対応としましては、介護保険制度や障がい者施策による買物代行や社会福祉協議会のぬくもりサービスの利用などが想定されます。さらに、今後の社会環境を見据え、地域住民の支え合い活動を促進するとともに、ボランティアの活用など地域資源を生かした買物弱者支援の在り方について研究してまいりたいと思います。
最後になります。デジタル支援員の導入についてのご質問であります。今年度から区では、デジタルに苦手意識を持つ方が取り残されないように、地域センターを会場としたスマホ講習会を実施しておりまして、ニーズの高さから来年度も継続する予定であります。来年度開始するLINEを活用した情報発信など、区政のデジタル化・オンライン化をさらに進める上で重要な視点は、誰一人取り残されずにその利便性を享受できることであると考えます。デジタルの利便性を伝え、支援を行う人材に関しましては、国が拡大を図るデジタル推進委員のほか、東京都でも新たな制度を打ち出しているために、区における活用方法について検討してまいりたいと考えています。
残りました教育委員会に関する答弁は教育長から行います。
◎教育長(中川修一) 議長、教育長。
○副議長(かいべとも子議員) 教育長。
〔教育長(中川修一)登壇〕
◎教育長(中川修一) それでは、田中いさお議員の教育委員会に関する代表質問にお答えします。
初めに、学校給食の無償化についてのご質問ですが、学校給食の無償化は、子育て世帯の負担軽減につながることは承知しておりますが、公費負担の在り方や学校給食法の解釈、恒久的な財源確保も課題であると認識しているところです。無償化につきましては、国や東京都が広域的に取り組むべきとの考え方もあり、現時点では板橋区が単独で実施するには様々な課題を整理する必要があると考えます。今後国や東京都の動向を注視し、国への要望を行うとともに、学校給食における保護者負担の軽減策について継続的に検討してまいります。
次に、子どもたちの居場所の拡充についてのご質問ですが、令和5年度は、スクールソーシャルワーカーやスクールカウンセラーの体制強化、学校における居場所推進事業の拡充により、子どもの居場所づくりを推進する予定であります。板橋フレンドセンターにつきましても、不登校児童・生徒の増加以外に民間団体との協働による体験活動の充実や保護者・学校等の連携強化等、これまでの取組の成果により通級者が増加している現状です。今後も、来年度以降の子どもの居場所づくり推進の成果や板橋フレンドセンターの運営状況等を検証し、効果的な支援方法を模索してまいりたいと思います。
次に、部活動地域移行の諸課題についてのご質問ですが、国の部活動の地域移行に関する検討会議の提言にもあるように、中学校部活動の地域移行を進めますと、現行の部活動とは異なる新たな課題が発生する可能性があります。そこで、板橋区教育委員会は、部活動の地域移行に関する計画を策定するに当たりまして、実践研究モデル事業を実施し、これらの課題について具体的事象に基づいた検討を行うことといたしました。計画の策定に当たりましては、種目による地域移行の進め方の違い、地域移行後の受皿の課題、家庭の経済的負担の増加、区財政への影響等を見極め、しっかりと対応を図ってまいりたいと思います。
次に、板橋区子ども読書活動推進計画2025の重点施策3点の取組についてのご質問ですが、本計画では、乳幼児期の読書環境の創出、読書の習慣化、家庭・地域・学校との連携の3点を重点施策としております。乳幼児期におきましては、母子健康手帳をお持ちの方に絵本2冊とおすすめ本リストを渡すブックスタート事業を行っており、令和3年度実績で2,203冊配付したところです。また、読書の習慣化では、毎年いたばし国際絵本翻訳大賞や絵本づくりワークショップなどを実施し、楽しみながら様々な本に触れる機会の創出に努めているところです。そして、家庭・地域・学校との連携では、図書館見学・職場体験の実施や地域イベントへの参加、学校図書委員との交流を行うなど、読書活動の推進に係る取組を積極的に進めているところでございます。
次に、各地域図書館のソフト面・運営面の充実についてのご質問ですが、現在各地域図書館におきましては、区民が本や読書を身近に感じられるようそれぞれの特性を考慮した地域資料の購入や、地域連携事業などに積極的に取り組んでいるところです。そうした中で図書館利用者満足度アンケートでは、図書館の広報等PR活動の満足度が65.9%と低く、周知・広報活動における課題が挙げられます。今後はオンラインでの取組の発信や電子図書サービスのPRのほか、小さな絵本館事業、地域の団体・施設への団体貸出など各地域図書館の魅力向上を一層進めてまいります。
最後に、図書館のリニューアルの際の区民ニーズについてのご質問ですが、中央図書館の移転改築では、親子で本に親しむ場、あらゆる世代の区民が集い、学び合い、交流する場、快適に過ごすことができる図書館などの方向性を示しながら、新しい図書館づくりを進めてまいりました。検討の際には区民との懇談会や意見交換会、区民アンケートを実施するなど、区民の様々な要望や意見を取り入れる機会を設け、区民ニーズの把握に努めてまいりました。今後は地域図書館のリニューアルを検討する際も、中央図書館の例にならい、区民のニーズを的確に捉えながら魅力ある図書館づくりを進めてまいりたいと思います。
頂きました教育に関するご質問の答弁は以上でございます。
〔議長交代、議長(坂本あずまお議員)議長席に着く〕
○議長(坂本あずまお議員) 以上で、田中いさお議員の代表質問を終了いたします。
次に、いわい桐子議員。
◆いわい桐子 議員 議長。
○議長(坂本あずまお議員) いわい桐子議員。
〔いわい桐子議員登壇〕(拍手する人あり)
◆いわい桐子 議員 ただいまから日本共産党板橋区議会議員団を代表して代表質問を行います。
初めに、区長に平和都市宣言の立場で発信することを求めて質問します。
岸田自公政権は、これまで歴代政府が「憲法9条との関係で持てない」としてきた敵基地攻撃能力の保有を「反撃能力」と名を偽り安保3文書の改定を閣議決定しました。さらに、GDP費1%以内を基本としてきた軍事費を5年後の2027年度には2%へと倍増すると表明しました。専守防衛を投げ捨てて、日本が攻撃されていなくても同盟国が攻撃されれば、先制攻撃ができる敵基地攻撃能力を持てば、日本が攻撃対象になることは政府も認めています。軍拡ではなく、アジアでの戦争をしない枠組みづくりこそ平和を守る道です。憲法9条擁護の一点で取り組む、全国首長九条の会は、住民の生命・財産を守る首長として、日本が再び戦争によって他国を侵略し、国民に惨禍をもたらすことのないよう、戦争放棄と戦力不保持、交戦権の否認を定めた憲法9条を全力で守ることを呼びかけています。共同代表の川井貞一宮城県前白石市長は「戦争が起これば住民の命と安心は消し飛んでしまう。憲法9条を守ろう」と訴えています。そこで、区長に伺います。区長は、これまで国の安全保障に関することには一貫して「国の動向を注視する」と言い続けてきましたが、動向を見守っていては、住民の命を危険にさらしかねません。全国首長九条の会などに連帯し、憲法を遵守する区長として、軍備拡大ではない平和の道を進むことを発信すべきです。改選前において、区長の明確な見解をお示しください。国の新年度予算案の軍事費は、前年比26%もの増額です。政府は、巨額の軍事費を調達するために年金や医療の積立金流用、社会保障や教育費などを削ることも検討しています。軍事費2倍化のためには、かなりの削減をしないと軍拡予算を賄うことはできません。大軍拡のための財源確保は、どうやっても、厳しい区民の生活をさらに圧迫することにつながります。その影響について、区長の認識をお答えください。
次に、暮らし最優先への転換を求めて質問します。
まず、公共施設整備についてです。区は、2013年に策定した、公共施設等の整備に関するマスタープランで「人口減と一層の財政制約」を理由に「公共施設の総量抑制方針」を掲げ、計画策定後に廃止した公共施設は、小中学校3校の廃校を含め78か所に及びます。2020年にピークを迎え、減少に転じると言っていた区の人口は増加を続け、2040年で61万人に達するとしています。人口増に合わせて公共施設の需要も増加します。人口減のために、今暮らしている区民に我慢を押しつけていては、東京一住みたいまちにはなりません。17か所の集会所を廃止した結果、区民からは「区の施設がいっぱいでなかなか借りられなくなった」という声が聞かれ、子どもの池と児童館の削減といこいの家全廃で子どもからも高齢者からも居場所を奪ってきました。500メートルメッシュにかかることを理由に廃止された蓮根第二集会所は、消防団の倉庫などの関係で簡単には売却できず、廃止された集会所の備品倉庫です。施設面積の抑制にもならず、集会所の機能廃止は住民の理解は得られません。将来的な人口減少を理由に、公共施設を削減してきたことにより、住民のコミュニティに与えた影響について区長の認識をお答えください。また、高齢者や子どもの居場所など新たな需要が増える中、需要に合わせた公共施設の必要量を改めて算定し、新たに増設する計画をつくるべきです。同時に、廃止後、倉庫などになっている施設は、住民が活用できるようにすることを求めます。1階にあった高島平五丁目第二公園内集会所の廃止で、この地域ではエレベーターのない2階の高島平四丁目集会所しかなくなり、足腰の悪い高齢者からは、集会所が使えないという声が上がっています。2階以上に設置されている区集会所でエレベーターがないところは、いまだ31か所もあります。区のユニバーサルデザイン推進計画では、改築・改修時期が来なければ、集会施設のバリアフリー化は進みません。また、集会所の障子やふすまの破れがいつまでも放置されていることや座布団や畳などの備品が古いことなどが指摘されてきました。高島平区民館ホールでも、マイクの接触不良で演奏中に声や音が聞こえなくなる状態が放置されています。利用料を徴収しておきながら、施設が改善されないことに対する不満の声は絶えません。2階以上の集会所に、エレベーターを設置する計画を策定し、住民のコミュニティの場におけるバリアフリーの推進を図ることを求めます。また、集会施設の設備更新や修繕などについて、利用者の声を把握し、一定の期間で計画的に改善を行うことを求めます。
区は、公共施設整備方針によって、児童館を12館も廃止し、残る児童館は、乳幼児に特化し、小学生の利用制限で、本来0歳から18歳までが対象である児童厚生施設としての機能を後退させてきました。いたばし№1実現プラン2025で、児童館・ベビールーム・家庭福祉員の在り方について今年度中に結論を出す計画です。しかし、その検討は庁内だけで行われ、議会にも報告されず、検討過程は明らかになっていません。そこで区長に伺います。児童館・ベビールーム・家庭福祉員の在り方について、どのように考えているのかその方向性をお示しください。また、検討は、利用者や関係者の意見を聞き進めるべきと考えます。検討過程を公表することと併せて、区長の考えをお答えください。
次に、アウトソーシングの見直しを求めて質問します。区は行財政改革の名の下、定型業務・窓口業務の委託化、指定管理者制度の導入、民営化等を次々と進めてきました。坂本区政の16年間で、指定管理者制度は、文化会館、区営住宅、地域図書館など、98か所もの施設に導入を進めています。10か所の地域図書館は、館長さえも1年契約の雇用で、司書など高い知識や専門性が求められる人も有期雇用であることが問題視され続け、全国では直営に戻すところも生まれています。区営住宅の計画的な修繕は、受託業者が扱う区外事業者が仕事を受けるため、区内事業者に仕事が回っていません。中台・志村のふれあい館では、区内事業者として加点をつけて選定した事業者が区外業者に吸収合併され、区内事業者ではなくなっています。区営駐輪場では、DXの名の下で機械化と高齢者の就労をてんびんにかけ、約100人もの就労削減と回数券の廃止です。指定管理者制度の導入で住民サービスの低下と官製ワーキングプアを生み、高齢者の就労を大幅に削減したことに対する区長の見解をお示しください。併せて、指定管理者制度を見直し、直営として施設運営を行う方針へ転換することを求めます。区の№1実現プラン2025の経営革新計画では、さらに公共サービスの民間開放を進めることを宣言しています。しかし、2021年5月に、国の会計検査院が発表したPFI報告書は、「財政的なメリットは大いに疑わしい」「割引率という財政的なメリットの計算に間違いがある」と、必ずしも財政効果があるとは言えないことを指摘しています。区でも、2019年に一部委託化した土木事務所を「災害時に委託職員は対応できない」ということを理由に直営に戻しています。委託業務では、災害時の対応が区職員と同様でないことは、土木事務所だけではありません。パンデミックなどの感染症拡大時の教訓も含めて、区が進めてきた民間開放の影響について検証し、さらなる民間開放は行わないことを求めます。
区は新年度から、現在、再任用の職員が行っている3福祉事務所の窓口を委託するとしています。福祉事務所は、生活困窮者からの相談や生活保護について実施するだけでなく、障害者手帳交付や補装具など、障がい者福祉の役割も有しており、窓口業務は、区が言う「単なる受付の振り分け業務」ではありません。膨大な個人情報にも触れることになります。受け付けた相談を、誰に振り分けるのか判断し、つなぐことを委託すれば、偽装請負となりかねません。委託事業者の求人情報によると、正社員で基本給は月23万1,000円で期末手当もありません。生活保護、障がい者支援、児童福祉などを扱う福祉事務所の受付で、年収277万円の低賃金の方を働かせることになるのです。それは、区自ら官製ワーキングプアを拡大するということではありませんか。窓口委託を中止し、正規職員で配置することを求めます。
区の区立福祉園の民営化に関する考え方が示されてから既に1年半が経過しています。最終報告後の利用者への説明会は、コロナを理由に延期され続けています。一方で、区の障がい者施設の整備は、大幅に遅れています。現在の福祉園では、就労支援B型の利用者が高齢化や重度化で、生活介護に移行したくても受皿がなく行き先がありません。さらに、これから卒業してくる人たちの受皿も充足しておらず、量を増やしていくことこそ、喫緊の課題です。しかし、今年3月に設置される予定だった板橋キャンパス跡地における障がい者施設整備は、資材高騰などの影響で一旦白紙となり、3年遅れです。区の障がい者計画2023における施設整備計画が予定どおり進まず、不足する施設の充足もないまま民営化計画だけを粛々と進める姿勢は問題です。区立福祉園の民営化方針の撤回を求めます。
区は、これまで9園の区立保育園を民営化し、さらに6園の民営化計画を立てています。一方で、医療的ケア児の受入れが始まり、さらなるインクルーシブな保育環境の整備が期待されています。保育が必要な全ての子どもたちを受け入れるためには、区立園の役割がますます重要となっています。保育園経費の大部分が人件費です。つまり民営化は、公務員である保育士を民間の保育士へ置き換えることによる区の人件費削減です。さらに受託した企業がより利益を上げるために保育士の賃金を抑制し、保育士の給与が低賃金となる構造です。保育園の民営化によって、公的保育の低賃金化を拡大させることになるのではないでしょうか。区長の見解をお示しください。子どもを預かる保育でさらなる官製ワーキングプアを拡大させる保育園民営化方針の撤回を求めます。
次に、区職員の人員配置についてです。2021年度に年間超過勤務が360時間を超えた区職員は131人で、月45時間を超えた職員は357人です。これは、地方公務員法で認められる超過勤務の上限を超えています。第4期板橋区特定事業主行動計画では、「今後は、他律的業務や特例業務に従事する職員でも年間360時間を超えないようにする取り組みが重要だ」としています。区人事課は、超過勤務が4か月以上の職員に対し、超過勤務の多い原因をヒアリングし、所属長にフィードバックする取組を開始しました。取組を行った結果、どういう課題が明らかになったのでしょうか。また、その対策についてお示しください。
昨年度の衛生監視職員が兼務発令で平均残業時間が年間872.5時間の過労死ラインを超えた状態に加え、平均休暇取得日数は年間6日という異常な勤務実態が明らかになりました。それは、感染拡大による業務急増に対し、不足する人員を部内で補う方針の下で発生しています。新年度も、感染拡大のときには派遣職員で対応するとしていますが、保健所の業務は区職員でないとできない仕事も多く、専門職も含めて抜本的な増員が必要です。そこで質問します。保健所は、新年度の人員が増員されていません。緊急事態の派遣の適用だけで長時間残業はなくなるのでしょうか。時には過労死に至るような働き方が是正されなくていいのでしょうか。
この間の地方分権改革による事務の移管などで、区職員の事務量は増加傾向が続いています。とりわけ、児童相談所設置による事務量の増に対し、十分な人員配置とは言えません。放課後児童デイなどの管理や指導を担当する障がいサービス課では、児童相談所が設置された今年度は1名増員されたものの、新年度は増員がありません。各部署の増え続ける事務量に見合った人員配置がないことは、新たな長時間残業を生みかねません。長時間残業がなくならない実態は、区が言う「適切な定数管理」と言えるのでしょうか。事務量が増え、複雑な生活困窮への支援など、区職員が住民と向き合い、必要な事業を執行するには、十分な体制が必要です。正規職員の増配置で抜本的な体制強化を行うべきです。区長の見解をお示しください。
今年度の区の障がい者雇用率は、2.45%で、国が定める法定雇用率2.6%に届いていません。区は、障がい者雇用を促進するため、新年度から庁舎内で仕事を経験するチャレンジ就労の受入人数や雇用期間の拡充を進めますが、それでも、新年度に法定雇用率は達成しない見通しです。そこで区長に伺います。区における障がい者の法定雇用率は、なぜ達成しないのですか。その課題と対策をお示しください。障がい者雇用を促進するためには、受け入れる各部署の人員配置が限界では対応できません。障がい者が共に働くことができるよう、受け入れられるだけの区の職員の増員を行うべきです。区長の考えをお示しください。
次に、基金積上げと大規模再開発についてです。坂本区長の就任当初323億円だった基金総額は、1,144億円となり、4期16年間で821億円も基金を積み上げました。区長が財政難を強調し、「現金給付は行わない」、新規事業は「3年限定」で、しかも「既存事業の見直し」を条件にしたスクラップ・アンド・ビルドを掲げ、年度当初から「契約差金は使うな」と号令してきた結果です。一方で、新年度予算概要には、大山駅周辺地区、上板橋駅南口駅前地区、板橋駅周辺地区のまちづくり事業の進捗に伴い、歳出規模が増大することを示しています。現在、都市計画決定されている開発総事業費は、約1,473億円で、資材高騰の継続やこれから進めるピッコロ・スクエアと高島平地域を含めれば、多額の財源が必要となります。開発事業への多額の税金投入が区財政運営へ影響し、その結果、区民の暮らしへの財政出動が後回しにされるのではないでしょうか。区長は施政方針で「進展する駅周辺のまちづくりなど、多額の経費負担を伴う事業が継続する」と言いますが、まちづくりにおける多額の経費において何が懸念となるのか、お示しください。現在、都市計画決定されている開発事業に伴い、区道や公園など区が管理する公共の施設整備も行われます。土地や建物の買取りなども含めて、区単独の支出は1円もないのでしょうか。お答えください。
国は国土強靭化の名の下に、大規模再開発を優先にして、日々の暮らしに関わるインフラ整備や災害対策を後回しにしてきました。国と都を挙げて開発に前のめりで進めています。都市計画決定されなければ、国や都の財政支援はなく、一定の規模がなければ道路整備やまちづくりは都市計画とは位置づけられません。こうして大規模再開発の道が誘導されてきたのではないでしょうか。都市計画決定を受けた都市計画事業と都市計画決定を受けていない事業において、国庫補助金や都補助金などの財源にどのような違いがあるかお示しください。大山の元公社住宅の都有地も、JR板橋駅前B用地も、タワーマンション計画です。旧高七小跡地への高層住宅などの建設も、公有財産をマンション建設に売り渡すものです。民間デベロッパーの言うままに、駅前開発はタワーマンションという考えを捨てて、住民ニーズである低廉な家賃で入居できる住宅こそ増やしていくべきです。大規模なタワーマンション計画を見直し、公営住宅は1戸も増やさないとする区営住宅再編整備基本方針を撤回し、区営住宅を抜本的に増やす方針を持つべきです。区長の見解をお示しください。区の計画でも介護保険事業の施設整備が計画どおり進まない原因の1つは、土地の確保です。障がい者施設も全く足りていません。なぜ公有地の活用において、介護施設や障がい者施設より、タワーマンションの計画が優先されるのでしょうか。公有地は、必要な福祉施設の活用を最優先にするべきです。
都営新河岸二丁目アパートの建て替え計画は、第2期計画の説明会が4日後に予定されています。住民の不安は、第3期に予定されている保育園や商店などがどうなるのかということです。既に第1期の建て替えで、郵便局と電気屋さんが移転しています。住民は郵便局にバスで行かなければならず、さらに「スーパーやお肉屋さん、クリニックなどが撤退したら、どうやって暮らしていけばいいのか」と不安な気持ちで過ごしています。都営住宅内も店舗がなくなれば、新河岸地域には、2つのコンビニエンスストアしかなくなってしまい、買物難民を生みかねません。共産党区議団が行った1月13日の東京都への申入れの際、住宅ではない敷地に保育園や郵便局、店舗などが入れる建物を設置することを求めたところ、東京都は「移転した郵便局が戻りたいというなら検討する」「区が地域開発要項として挙げるなら検討する」と答えました。そこで区長に伺います。店舗などの廃業や移転で生活圏としての機能が大きく損なわれることに対する区長の認識をお答えください。都営住宅の敷地へ店舗棟などを建設するなど、東京都へ求めていただきたいがいかがでしょうか。また、区立新河岸保育園の今後の見通しについてお示しください。
次に、貧困と格差についてです。区はいたばし№1実現プランを、コロナ対策とSDGs、DX、ブランド戦略を重点に見直すとしています。見直しは、区民の暮らしの実態に照らした検討が必要です。これまでの№1実現プランや区の計画には貧困の視点がなく、区民の暮らしに広がる貧困や格差を把握し、分析し、解決を図ることが位置づけられていません。そのため、喫緊の課題である自殺対策でも、自殺にたどり着く過程で多くの人が、経済的な困難を抱えていた実態をつかんでおきながら、その対策は、現状の仕組みを案内することにとどまっています。住宅マスタープランでも、20代の家賃助成を求める声や高齢者の公営住宅を求める声が示されたアンケート結果に応えていません。アクティブプランでも、女性の貧困や男女の賃金格差など、社会構造によって生み出されている経済的困窮に対する分析は示されていません。区職員が生活苦の実態を目の当たりにしながら、なぜ、区の計画づくりで貧困に対する分析や課題を正面から捉えられないのですか。経済的な支援に踏み込もうとしないのは、区の「現金給付は行わない」やスクラップ・アンド・ビルドという方針が足かせになっているのではありませんか。区長の考えをお答えください。当初予算に示される物価高対策は総額41億円のうち、区の財政支出は2割程度です。物価高にあえぐ区民や事業者に対し、区としてさらなる支援を行えたはずです。新型コロナ対策は総額50億円ですが、その中にはGIGAスクールなどコロナ対策とは言えないものも多く、区民や事業者への直接的支援は、産業融資利子補給の約4億円と住居確保給付金の約7,700万円だけです。区民の暮らしはいまだ深刻な状況で、経済的支援の拡充こそ必要です。区独自で現金給付などの経済的支援の実施を求めます。
次に、気候危機対策について質問します。
気候危機は、日本に住む私たちにとっても、緊急に解決しなければならない死活的な大問題です。しかし、自公政権の2050年カーボンゼロは、削減目標が低すぎるだけでなく、大規模な石炭火力の建設を進め、他国への輸出も推進しています。さらに、電力不足などを口実に原発頼みのエネルギー政策を加速させようとしています。これは、東京電力福島第一原発事故後、原発の新増設を「想定していない」としてきた政府の立場を投げ捨てるものです。政府の基本方針には、4,000件近くの意見が寄せられ、その多くが原発に反対する声です。全国保険医団体連合会会長は「核の問題について、問題発生時の治療法は今の医学にはなく、無害化はできない。そんな核は人類は持つべきではない」と警鐘を鳴らしています。そこで区長に伺います。区長はこれまで原発について、政府の「可能な限り依存度を低減しつつも、引き続き最大限活用していくこと」を容認し、「エネルギー政策は国が示す」と自身の考えを示すことに背を向けてきました。しかし、一度事故が起きれば地方自治体も他人事ではありません。改選前の今、原発ゼロを願う区民に区長自身の考えをお示しください。世界全体で2040年代に、石炭火力を廃止することを求めたCOP26で、ヨーロッパを中心に46か国が賛同しましたが、日本やアメリカなどは賛同しませんでした。脱炭素対応の成否が企業の競争力に直結することから、東芝など国内企業も石炭火力からの撤退宣言が相次ぎ、日本政府の石炭火力の新増設方針の見直しも求められています。岸田政権の火力発電所新増設は、区の地球温暖化対策実行計画が掲げる、脱炭素社会を目指すとの考えと相反するのではないでしょうか。区長として、政府に対し、火力発電の新増設は中止し、再生可能エネルギー中心の対策にかじを切るよう求めていただきたいがいかがでしょうか。
区長は、施政方針でも「ゼロカーボンシティを目指す」とし、再エネ電力導入施設及び電気自動車の庁有車を増やすとしています。その一方で、住民や事業者への支援は、財政的な支援から撤退したまま、環境アクションポイントなどの啓発事業に縮小してきました。区の地球温暖化対策実行計画2025におけるCO2削減は、削減数値の裏づけもなく、技術革新に依存したもので、気候危機への緊張感がありません。長野県飯田市のおひさま進歩エネルギー株式会社は、太陽光発電事業を通じて補助金6億円の3倍となる18億円の付加価値を生み出すことに成功しています。地域における地産地消のエネルギー自治を軌道に乗せれば雇用も地域経済も高まり、小規模な電源をネットワーク化することで、災害や事故に強く、原発事故のリスクもなく、温室効果ガスも排出しません。課題の高コストも技術の進歩で既存電源を下回り始めています。大都市では、エネルギー自治を1つの自治体で行うことは難しいですが、周辺の自治体と協力して、電力システムを構築することは可能と考えます。区の地球温暖化対策実行計画の目標を引き上げ、地産地消の再生可能エネルギーを管理するエネルギー自治を周辺自治体とも連携して新たな模索を始めるべきです。区長の見解をお答えください。再生可能エネルギー導入促進のため、区が廃止した新規大規模建築物への太陽光発電導入支援を太陽光以外の再エネ導入や既存住宅でも利用できるよう対象を拡大することや、個人住宅における再エネ導入も含め、新たな財政支援による再エネ促進事業を行うべきです。区として、既存の建物も含めて、大規模な建築物への再生可能エネルギーの導入支援を行うこと、また、既存の個人住宅における太陽光発電設備導入への補助制度の創設を求めます。
次に、介護の充実を求めて質問します。
政府が、2024年度から始まる第9期計画において、利用料2割負担の対象拡大、多床室の有料化、一定所得のある65歳以上の人の保険料引上げなど、さらなる負担増を計画していることはとんでもありません。既に、利用料の負担とコロナの感染拡大の影響で、介護の利用そのものが減少し、給付は今年度も減額修正です。そのため、第8期の2年目である今年度末の介護保険準備基金は、既に35億円にもなります。2024年度から始まる第9期の介護保険料を基金の活用と区一般会計からの繰入れで引き下げるべきと考えます。区長の見解をお示しください。2017年から2021年のOECDデータによると、日本の高齢者の相対的貧困率はワースト8位で、多くの高齢者が経済的に厳しい状況にあります。私たち区議団のアンケート結果でも、経済的理由で介護の利用を控える人たちが38.5%に及んでいることが分かりました。必要な介護を抑制するということは、その分介護の家族依存がより深刻化しているのではないでしょうか。利用を控えることは、介護が不要ということではありません。区独自の利用料軽減策の実施を求めます。政府が介護離職ゼロを掲げて既に6年です。介護休暇や短時間勤務などで、介護を理由に仕事を辞める人は依然として大きな課題です。国の法改正で特別養護老人ホームの申込みから要介護1・2を締め出してもなお、板橋区内の待機者は、1,024人です。父親の介護が必要になった区内で飲食店を経営する50代の店主は、朝早くからの仕込み、お店が閉まる夜11時から翌日の準備を行う状況で、仕事を辞めて親を引き取るか頭を抱えたそうです。介護離職をなくすためには、在宅介護の支援を強化しつつ、いつでも待たずに施設入所ができる状況をつくらなければなりません。区の介護保険事業計画には、特別養護老人ホームについて計画値と実績値は並んでいるものの、待機者に対する施設の必要量や待機者をなくすための計画はありません。区は、特別養護老人ホームの待機者をいつまでに解消することを目指しているのかお示しください。保育同様、区として特養ホーム待機者ゼロを宣言し、その実現に向けた計画を策定すべきです。区長の考えをお答えください。
次に、ジェンダー平等の発展を求めて質問します。
世界経済フォーラムが昨年7月に発表した日本のジェンダーギャップ指数は、146か国中116位で、いまだに先進国の中で最低レベルです。ジェンダー平等社会をどのように実現するのか、誰もが尊厳を持って生きられる社会へどう進んでいくのかが問われる中、首相秘書官がLGBTQなど性的少数者や同性婚について差別的発言を行い、辞任に追い込まれました。同時に、岸田首相も「家族観や価値観、社会が変わってしまう」などと否定的な考えを示し、現政権の人権感覚に欠けた姿勢に批判が高まっています。また、夫婦同姓を法律で義務づけている国は、世界で日本だけです。婚姻の平等を求める人たちの願いに背を向け、個人の尊厳に反する姿勢を根本から改めなければ、ジェンダー平等は進みません。そこで区長に伺います。日本で同性婚や選択的夫婦別姓の法整備を進めるべきと考えます。区長自らの考えをお示しください。
区特定事業主行動計画による、男性職員の育児休業取得率は、年々引き上がるものの26.9%にとどまっています。職員アンケートでは、男性が育児休業を取得しなかった理由は「自分のみが担当している仕事があった」との回答が多く、人員不足への不安が育児休業取得への抵抗感につながっていることが示されています。しかし、区の人的支援は、会計年度任用職員や任期付職員制度による代替要員の確保で、正規職員による代替ではありません。また、区管理職の女性職員の割合は、ほぼ横ばいです。そこで区長に質問します。区特定事業主行動計画における男性の育児休業取得率や女性管理職の割合などの目標を見直し、抜本的に引き上げること、その実現のため、いつでも欠員の補充は正規職員で行えるよう体制強化を求めます。2024年4月の困難な問題を抱える女性への支援に関する法律の施行に向け、地方自治体は、2023年度中に基本計画の策定が努力義務として位置づけられました。この女性支援法は、婦人保護事業を売春防止法から切り離し、公的責任を明確にするものです。民間団体との協働、財政支援が明記され、当事者を権利主体として、人権回復のための具体的指針や性搾取の被害者も支援対象とし、支援が必要な女性へ出向き、探し、声をかけるアウトリーチの支援も求めています。区の計画策定は努力義務ですが、国や東京都の方針を待たず、区として女性支援法に基づく計画策定や事業の実施を積極的に示すべきと考えます。見解をお示しください。
次に、教育の充実を求めて質問します。
昨年4月、文部科学省は2,558人の教員不足を認めました。教員の病気休職は大幅に増え、早期退職も止まりません。免許保有者は教員になることをためらい、多くの教育系学生が教職以外の道を選択することになりました。今、必要な予算をつけ、教員の働き方の抜本的な改善に乗り出さなければ学校は取り返しのつかないことになります。深刻な教育現場をもたらした要因は、教職員定数が増えていないことです。国は教員の必要数を確保するため、養成・採用計画を立てていましたが、2005年から行われなくなりました。現在では、毎年文科省と財務省の財政均衡で獲得する、実質上加配定数のみです。少子化を理由に教職員の定数増をほとんど行わない国の姿勢は問題です。そこで伺います。教員不足や教職員定数に対する教育長の認識をお示しください。教員の未配置問題は、板橋区も例外ではありません。今年度2月時点で産休、育休、病気休暇、病気休職による欠員181人のうち9人の補充がなく、補充された教員のうち40人が時間講師です。現場の教員は「無限の仕事に限界」、「今日も声をかけられなかった子どもがいたことに毎日自己嫌悪」、「子どもを見たくてもひとりで見られる人数じゃない」と話します。教職員の自己犠牲の上に成り立つ教育はもはや限界です。区教委が2021年10月に発表した、区立学校における働き方改革に関する実態調査では、およそ5人に1人が上限時間の原則を超え、休憩を全く取得できていない教職員が48%、仕事を自宅に持ち帰ることがある教職員は57%です。ICカードタッチ後に30分以上の業務を行う教職員も35%で深刻な実態です。しかし、区教委の働き方改革プランの新規事業は、持ち帰り業務は行わないという原則やICカードの適正利用の周知徹底など意識改革に重きが置かれています。現場が求める人的支援に応えるどころか、ICT支援員配置を理由に、学力向上専門員を削減し、2020年度比で新年度は、34人もの削減です。そもそも役割の違う学力向上専門員とICT支援員の配置を取り合うこと自体が問題です。多忙な教職員が困ったときに対応するためには、ICT支援員も現在の各校週1回から2回の配置では十分ではありません。学力向上専門員を必要な人数配置すること、ICT支援員は各校1人ずつ配置し、いつでも教職員の支援が対応できるよう体制強化を求めます。
不登校の児童・生徒数が全国で過去最高を更新したことを受けて、文部科学大臣は、今年度中に総合的な不登校対策をとりまとめる方針です。その方向性は、全ての不登校児童・生徒の学びの確保、SOSを見逃さない支援、安心して学べる学校にする、不登校を科学的に把握すると言います。区立小中学校における不登校児童・生徒数は、2年間で小学校112人、中学校で70人も増加しています。なぜ不登校児童が増えるのか、区教育委員会として分析を行うことが必要です。中でも不登校の学校に係る主たる要因は、最も多い友人関係と同様に学業の不振が小学校でも中学校でも増加しています。それは、区教委の不登校当事者への聞き取り調査でも「なんとなく」、「人間関係」に次いで、「勉強が分からなくなった」の回答が多いという結果にも表れています。そこで教育長に伺います。教育委員会は、分からなくなっていることがつかめるように読み解く力や少人数授業を進めていると言ってきました。それでもなお、なぜ「勉強や授業が分からない」と言う児童・生徒が増加しているのか、なぜ、現場で児童・生徒のつまずきや悩みに気づくことができないのか、教育長の見解をお示しください。
教育長は、学力向上を理由に全校で板橋区授業スタンダードの徹底を掲げ、推進してきました。その内容は、教育広報、教育の板橋に書かれるように、①学習課題・目当ての設定、②児童生徒が自力で問題解決、③考えを共有し、集団で問題解決、④まとめ・振り返りです。これは、目標を掲げてゴールを目指すことを示し、問題は自力で解決、解決するのは集団で連帯責任とうたうもので、学びや学校生活に自己責任を押しつけることになるものではないでしょうか。分からない子が置き去りにされていませんか。板橋区授業スタンダードの影響について教育長の考えをお示しください。
子どもたちにとって学校が行きたい場所になるためには、困ったときに相談できる、悩んでいるときに気づいてくれる学校が必要です。それは、教員1人が抱える子どもの人数を少なくし、学校の規模を小さくすることが一番の近道です。しかし、区教育委員会が設置し、検討を進めている適正規模・適正配置審議会では、教育上望ましい学校と学級規模について、中学校は最大15学級としていた基準を18学級に増やし、1クラスの人数は具体的な数字を明記しない方向で検討しています。その理由は「科目によっては偶数学級の方がやりやすい」、「区独自に教員を雇用できない」などと、大人の都合ばかりです。学級規模は明記しないとした小委員会報告を受けた第3回審議会では、「1学級当たりの人数について、教育上望ましい規模を明記すべき。5年後、10年後を見据えたときに子どもたちのことを考えて理想を掲げることは重要であり、経費をかけてでも実現を目指した方がいい」との発言もありました。そこで教育長に伺います。教育委員会は2012年審議会答申の、学級規模を小学校は20人から30人、中学校は30人から35人が教育上望ましいと定めた理由を「生活指導面での課題の複雑化への対応、学習・言語・体験活動の充実を図るため」としてきました。今後も、教育上望ましい学級規模を掲げて教育予算を増額しても推進していくべきと考えます。教育長の見解をお答えください。
岸田自公政権が打ち出した子ども予算倍増について、倍増の言葉だけ先行させる無責任さが混乱を招いています。内閣府が2020年度に行った少子化社会に関する国際意識調査によれば、日本では育児支援の最重要政策は「教育費の支援、軽減」との回答が69.7%と最も高く、教育費負担の抜本的軽減こそ中心に据えるべきです。OECDが昨年10月に発表した、国内総生産に占める教育機関への公的支出の割合が日本は2.8%と低く、ワースト2位であることが示されました。日本の教育予算が低いことに対する教育長の認識をお答えください。とりわけ、義務教育にかかる私費負担の軽減は待ったなしです。23区でも葛飾、中央、台東、品川、世田谷、北、荒川の7区で学校給食の無償化実施が発表され、杉並区では就学援助の支給対象の拡大、足立区では、区独自の給付型奨学金制度に踏み出します。義務教育における学校給食や教材費などの私費負担の無償化を進めるべきです。また、大学・専門学校への進学費用や通学費などへの支援実施を求めます。教育長の考えをお示しください。
以上で、日本共産党の代表質問を終わります。(拍手する人あり)
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△休憩の宣告
○議長(坂本あずまお議員) いわい桐子議員の代表質問の途中でありますが、議事運営の都合により、この際、暫時休憩いたします。
なお、再開時刻は午後3時30分といたします。
午後2時58分休憩
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午後3時29分再開
出席議員 45名
1番 小野田 み か議員 2番 内田けんいちろう議員
7番 しいな ひろみ議員 8番 石 川 すみえ議員
9番 山 田 ひでき議員 10番 山 田 貴 之議員
11番 中 村とらあき議員 12番 間 中りんぺい議員
13番 しのだ つよし議員 15番 こんどう秀 人議員
16番 山 内 え り議員 17番 吉 田 豊 明議員
18番 田中しゅんすけ議員 19番 安 井 一 郎議員
20番 寺 田 ひろし議員 21番 さかまき常 行議員
22番 長 瀬 達 也議員 23番 南 雲 由 子議員
24番 荒 川 な お議員 25番 いわい 桐 子議員
26番 坂 本あずまお議員 27番 田 中やすのり議員
28番 いしだ 圭一郎議員 29番 成 島 ゆかり議員
31番 五十嵐 やす子議員 32番 竹 内 愛議員
33番 小 林 おとみ議員 34番 元 山 芳 行議員
35番 大 野 治 彦議員 36番 鈴 木こうすけ議員
37番 し ば 佳代子議員 39番 井 上 温 子議員
41番 かなざき文 子議員 43番 杉 田 ひろし議員
44番 茂 野 善 之議員 45番 田 中 いさお議員
46番 かいべ とも子議員 47番 渡 辺よしてる議員
48番 おばた 健太郎議員 51番 川 口 雅 敏議員
52番 佐々木としたか議員 53番 なんば 英 一議員
54番 大 田 ひろし議員 55番 高 沢 一 基議員
56番 中 妻じょうた議員
欠席議員 1名
3番 高 山 しんご議員
職務のため議場に出席した事務局職員の職氏名
区議会事務局長 五十嵐 登 区議会事務局次長 森 康 琢
〃 議事係長 龍 野 慎 治 〃 調査係長 鑓 水 貴 博
〃 書記 飯 野 義 隆 〃 書記 高 橋 佳 太
〃 書記 岩 渕 真理絵 〃 書記 高 瀬 渉
〃 書記 安 部 詩 織 〃 書記 鈴 木 琢 真
〃 書記 細 田 夏 樹 〃 書記 小 林 隆 志
〃 書記 横 山 愛
地方自治法第121条の規定に基づく説明のための出席者
区長 坂 本 健 副区長 橋 本 正 彦
教育長 中 川 修 一 代表・常勤監査委員菊 地 裕 之
政策経営部長 有 馬 潤 総務部長 尾 科 善 彦
法務専門監 辻 崇 成 危機管理部長 三 浦 康 之
区民文化部長 林 栄 喜 産業経済部長 平 岩 俊 二
健康生きがい部長 篠 田 聡 保健所長 鈴 木 眞 美
福祉部長 久保田 義 幸 子ども家庭部長 田 中 光 輝
子ども家庭総合支援センター所長 資源環境部長 岩 田 雅 彦
佐々木 三 良
都市整備部長 内 池 政 人 まちづくり推進室長田 島 健
土木部長 糸 久 英 則 会計管理者 椹 木 恭 子
教育委員会事務局次長 地域教育力担当部長湯 本 隆
水 野 博 史
政策企画課長 吉 田 有 財政課長 杉 山 達 史
総務課長 荒 井 和 子
△再開の宣告
◎事務局長(五十嵐登) ただいまの出席議員数は45名でございます。
○議長(坂本あずまお議員) 休憩前に引き続き、会議を再開いたします。
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△区長の施政方針に対する代表質問(続き)
○議長(坂本あずまお議員) いわい桐子議員の代表質問に対する答弁を求めます。
◎区長(坂本健) 議長、区長。
○議長(坂本あずまお議員) 区長。
〔区長(坂本 健)登壇〕
◎区長(坂本健) それでは、いわい桐子議員の代表質問にお答えいたします。
最初は、軍備拡大でない平和の道への発信についてのご質問であります。政府は厳しさを増す安全保障環境に対応するため、日本国憲法、国内法、国際法の範囲内で防衛3文書を改訂し、非核3原則、専守防衛を前提として防衛力強化の方針を示しております。国家の外交・防衛政策は国民の命と平和な暮らしを守り抜くため、国会における十分な審議を経て政府が判断すべきものと認識をしております。したがいまして、平和都市を宣言した自治体の長としましては、様々な平和事業や機会を通して、戦争の悲惨さや平和の尊さを発信していくことが重要であるものと考えています。
次は、軍拡による財源確保の影響についてのご質問であります。防衛力強化の方針により、政府は防衛力整備計画に基づき、防衛費を増額する計画を示しております。その財源に関しましては、国民負担をできるだけ抑えるように検討しているとしておりまして、今後も国民生活に配慮した財源確保の方策の検討が進められるものと認識しています。
次は、公共施設削減の影響と見直し等についてのご質問であります。公共施設の再編においては、現在及び将来の需要や適正配置などを踏まえて、コミュニティへの影響に配慮しつつも、やむを得ず廃止する施設がある一方で、未来へ継承していく施設のサービス・機能向上も図っておりまして、住民福祉の向上に成果を上げているものと認識しています。新たな行政需要に対しましては、総量抑制を基本に、既存施設の集約化や機能再編・統廃合、複合化による有効活用を図るほか、公民連携などで対応を検討していく考えであります。また、廃止施設の跡地活用に当たりまして、庁内で他に需要がない場合において倉庫として利用するケースがありますが、新たな需要に鑑みて、必要があれば倉庫需要と調整しながら、さらなる有効活用を検討していきたいと考えています。
次は、区民集会所の施設設備についてのご質問であります。区民集会所は、築30年以上の施設が大半となり、老朽化が進む中、集約や複合化によりまして機能及び利便性の向上に取り組んでおります。エレベーターに関しましては、構造上、設置が困難な施設もあるために、利用者の声を踏まえて手すりの設置や段差の解消など、バリアフリーに配慮した改修を行ってまいりました。引き続き、施設整備につきましては、定期的な保守点検に基づきまして計画的な改修や設備更新を行い、区民にとって利便性が高く、より利用しやすい施設を目指していきたいと考えています。
次は児童館・家庭福祉員・ベビールームの在り方検討についてのご質問であります。児童館・家庭福祉員・ベビールームにつきましては、№1プラン2025の経営革新計画に基づき検討を進めておりまして、その方向性につきましては今後お示しする予定であります。検討に当たりましては、子育て応援アプリを活用して子育て世代にアンケートを行うなど、区民の声を聞くことに努めてまいりたいと考えています。
次は、指定管理者制度導入による影響についてのご質問であります。指定管理者制度は、民間の優れたノウハウを活用し、区民サービスの向上を図るとともに、最適化した財源や人材を新たな行政需要に活用することを目的に実施をしております。制度導入施設については、モニタリングや評価の中でサービス水準や労働関係法令の遵守状況などを確認し、必要な改善を行い、適正な運営状態を確保しております。引き続き、指定管理者制度導入の効果を確認をしながら、民間活用を進めいきたいと考えています。
次は、民間開放の廃止についてのご質問です。災害やパンデミックを含めて区が直面する危機や課題を乗り越え、区民が安心して暮らせる社会を実現するには、区単独ではなく様々な民間事業者等と協力をし、区民サービスの充実を図っていく必要があると考えます。区による民間活用については、定期的に効果等を検証するとともに、区民サービスの向上等が見込める分野においては積極的に展開をしていきたいと考えています。
次は、福祉事務所の窓口委託についてのご質問であります。生活に関する幅広い相談を受ける、いたばし
生活仕事サポートセンターの分室を赤塚、志村の各福祉事務所に設置するに当たりまして、受付業務を委託化することといたしました。委託事業者は、業務責任者を配置することによって指揮命令系統を明確化しておりまして、かつ、生活保護の相談や障がい者サービスについては区職員に引継ぎ、従来どおり対応する考えであります。既に板橋福祉事務所において区との連携を図っておりまして、新たにアウトリーチ機能を兼ね備えることによって、ワンストップ窓口として充実をした相談体制を構築したいと考えています。
次は、区立福祉園の民営化についてのご質問であります。板橋キャンパスにおける障がい者施設において実施を予定しておりました、短期入所と児童発達支援について、現在、早期の開設を目指して取り組んでいるところでございます。また、新たに生活介護を加えサービスを拡充するなど、障がい者及びご家族が地域で安心かつ幸せに暮らせるための施設整備を検討しているところでございます。区立福祉園の民営化につきましても、障がい福祉サービスの向上に向けまして、当事者や事業者と丁寧な調整を図り検討を進めていきたいと考えています。
次は、民営化後の保育士の賃金についてのご質問であります。区立保育園を民営化する際には、保育士の雇用環境を確認するため、応募事業者から常勤保育士の平均給与月額や各種手当などに関する資料の提出を求めて審査を行っています。また、保育士の処遇改善を目的として、令和4年2月に創設をされました処遇改善臨時特例事業が公定価格に反映され、私立保育園等における賃金改善の継続性が担保されております。賃金水準の決定については、事業者の経営判断によるものでありますが、保育士業務の特性や重要性を踏まえて適切に対応されるものと認識しています。
次は、民営化方針についてのご質問です。平成30年度に策定いたしました、公立保育所の民営化ガイドライン及び令和元年度に策定いたしました、公立保育所の再整備方針に基づきまして、引き続き、民営化を進めていきたいと考えています。
次は、超過勤務の多い職員への人事課ヒアリングについてのご質問であります。区では組織的な支援や業務の効率化により、超過勤務の改善が見込める職員に対して第三者の視点から人事課がヒアリングを行い、各所属とともに課題解決を図る取組を実施しています。若手職員を中心に聞き取りを行った調査、職員間の相互協力意識の醸成や働き方改革を踏まえた業務改善の取組、パソコンスキルの活用などに課題が多いと認識しています。人事課が各所属長と職員をつなぐパイプ役となり、現場からは見えにくい職場の課題を発見、共有することによりまして、多角的な視点で超過勤務の縮減を図っていきたいと考えています。
次は、保健所職員の増員についてのご質問であります。これまでも保健所の体制強化に向けまして、感染症対策課の新設や保健師を含む職員の大幅な増員、派遣職員の活用、感染者数を指標とした全庁的な支援体制の構築などによりまして、業務継続体制を繰り返し最適化してまいりました。昨年末をピークにした第8波での時間外実績は従前と比べて大幅に減少しておりまして、引き続き状況に応じた柔軟な組織対応を講じながら、職員の負担軽減を図っていきたいと考えています。なお、新型コロナウイルスは、5月8日に季節性インフルエンザと同等の5類感染症へと移行する予定でありますが、令和5年度も現行どおりの充実した職員定数を確保していきたいと考えています。
続いて、適切な定数管理と正規職員の増員についてのご質問であります。職員の定数管理につきましては、限られた人的資源を真に必要な事務事業に効率的・効果的に配分するため、全ての課におきましてあらゆる角度から業務量を厳密に算定をし、人員を配分しております。引き続き、働き方改革や業務の不断の見直しに加えまして、行政手続のデジタル化やオンライン化の推進による業務執行体制の変化なども見据えて、行政需要に応じた職員配置と定数の適正化に努めていきたいと考えています。
次は、障がい者雇用率の達成についてのご質問です。障がい者を対象とする採用選考により、任期の定めのない常勤職員を積極的に採用しておりますが、内定辞退者の発生や予期せぬ退職もございまして、法定雇用率は未達成の状況にございます。単年度の採用は一定数にせざるを得ないところでありますが、採用前の面談や作業体験に基づき、障がいの特性や適性のある職務を見極め、配置に向けた支援体制も整えることによりまして、令和2年度以降の採用者の定着率は100%を達成しております。また、障がい者が配属される所属には状況に応じた過員配置をし、定期的な面談や勤務状況の確認によりまして職場環境の改善に努めており、チャレンジ就労の枠を増やすことと併せまして、法定雇用率の達成を目指してまいりたいと思います。
次は、まちづくり事業における懸念事項についてのご質問であります。大山駅周辺、上板橋駅南口駅前地区、板橋駅西口地区などの再開発事業が現時点で同時並行的に進捗をしておりまして、令和5年度予算においては81億円余の多額の予算を計上しております。再開発事業は都市計画事業でありまして、国庫補助金の市街地再開発事業費補助金などに加え、都補助金である都市計画交付金の収入が見込まれる事業でもあります。しかしながら、区としましても38億円余を一般財源として負担をすることとなり、区負担額の増減が各年度の予算編成に大きな影響を及ぼすため、その動向を十分に注視していく必要があると考えています。
次は、再開発事業などの都市計画事業の区の負担についてのご質問であります。市街地再開発事業及び連続立体交差化事業は東京都の都市計画交付金の対象事業となり、土地建物の買収経費も交付対象となっております。都市計画交付金は、国庫補助金などの特定財源を控除した区負担分の概ね25%が事業年度に交付され、残りの75%につきましては翌年度以降、財政調整交付金の基準財政需要額に4分の1ずつ4年間にわたり算入され、一般財源である普通交付金として交付されることとなります。都市計画事業認可前などの関連経費につきましては区が負担をしているものの、都市計画交付金の対象事業におきましては、計画区域内における事業費の区負担分は最終的には措置されることとなっております。
次は、都市計画事業における財源についてのご質問であります。都市計画事業につきましては、都市機能の更新や都市防災等に重要な役割を果たす公共性の高い事業でありまして、国庫補助金の交付対象となっております。また、都補助金につきましては、都市計画事業のうち、都市計画道路整備事業、都市計画公園整備事業、市街地再開発事業、連続立体交差化事業を含む8事業が、東京都の要綱において都市計画交付金対象事業として定められております。一方、都市計画事業の対象とならない場合には、同等の財源措置は見込めないところでございます。
次は、板橋区営住宅再編整備基本方針を撤回すべきとのご質問であります。板橋区営住宅再編整備基本方針は、区営住宅とけやき苑の再編整備に関する基本的な方針を定めて、将来にわたって安定的、継続的に整備供給することを目的としております。現在、この方針に基づく供給戸数を維持していくために、区営住宅の再編整備に取り組んでいるところでございます。
続いて、福祉施設を優先した公有地活用についてのご質問であります。公有地の活用に当たりましては、取得した経緯や土地の持つポテンシャル、区政全般にわたる課題及び地域課題、まちづくりの状況などを総合的に判断をいたしております。これまでも区有地におきまして、民間活用による保育所や介護・福祉施設の整備を進めてきておりまして、東京都においても都有地を活用し、福祉のインフラ整備を進めているところでございます。今後も引き続き、将来を見据えながら適宜、適切に課題に対応し、住民福祉の向上を図るために公有地を最大限に有効活用していきたいと考えています。
次は、新河岸二丁目団地の建替えに関係いたしまして、生活圏の機能が損なわれることについてのご質問であります。新河岸二丁目は都市計画上、郵便局、店舗、クリニックなど、一定規模までは建築できる地域となっております。また、区としましては、居住地の近くに生活に必要な施設があることが望ましいと考えています。しかしながら、生活に必要な店舗等は経営的視点や東京都の判断など、本地において施設経営の条件がそろうことが現状では難しいものと認識しています。
続いて、都営住宅敷地への店舗等建設等の要求についてのご質問であります。新河岸二丁目団地の建替えは既に計画が進捗しておりまして、これまでにも東京都の地域開発要綱に基づきまして区として意見を上げていることから、改めて要望する予定はないところであります。
次は、新河岸保育園についてのご質問です。区立新河岸保育園につきましては、地域の就学前人口の動向や保育需要を踏まえて、公立保育所の再整備方針に基づきまして保育所用地の必要性について検討を進めていく考えであります。東京都の財産であります団地の敷地内に区の保育所用地を確保するには慎重な判断が必要であり、その方向性がまとまった段階において東京都と協議を行う予定であります。
次は、計画における貧困対策についてのご質問であります。区では貧困問題に対し、様々な経済的支援と相談支援及び自立支援等の対策に取り組み、特に子どもの貧困対策は№1プランの戦略事業に位置づけてまいりました。課題分析や対策の充実につきましては、総合計画及び個別計画のPDCAサイクルの中において、効果的な施策を検討してまいりたいと考えています。
続いて、経済的支援を行わない理由についてのご質問です。事務事業のスクラップ・アンド・ビルドは財政運営指針に基づきまして、新規事業などの実施に当たり類似・重複事業の整理統合を図り、事務事業の新陳代謝の促進を目的としております。また、経営刷新計画の考え方に基づきまして、行政経営における生産性の向上と質の高いサービスの提供を行うため、原則、現金給付事業を行わない方針といたしました。いずれも財政環境の変動時において、区民サービスの安定的な提供など行政の継続性を堅持しながら、持続可能な区政経営を推進するための考え方であり、今後ともこの方針を踏襲していきたいと考えています。
次は、区独自の経済的支援の実施についてのご質問であります。現金給付など区独自の経済的支援につきましては、今後とも区民の生活実態や区内事業者の経営状況を十分に見極めた上で、総合的に判断してまいりたいと思います。
次は、原発に対する区長自身の考えについてのご質問であります。昨今の国際情勢やエネルギー事情を踏まえた上で、何よりも国民の生活と我が国の経済を支える電力の安定供給のため、再生可能エネルギーの主力電源化を目指しつつ、安全性を最優先に原発を活用すると判断をした国のエネルギー政策に対して、意見を申し上げる立場にないものと考えています。
続いて、火力発電所新増設中止の政府への要望についてのご質問であります。昨年の2度にわたる電力需給逼迫を受けて、調整力の要となるベースロード電源の重要性を認識したところでございます。今後、ますます再生可能エネルギーの導入が拡大する中、電力の安定供給に向けた調整力の要となるベースロード電源の主力である火力発電所の整備について、政府に対し意見を申し上げる立場にないと考えています。
次は、板橋区地球温暖化対策実行計画の目標引上げと周辺自治体と連携したエネルギー自治についてのご質問であります。現在の板橋区地球温暖化対策実行計画における目標値は、国の
国際公約である2050年カーボンニュートラルの実現を受けたものでありまして、現時点で変更する考えはないところであります。一方、ご提案のございましたエネルギー自治につきましては、再生可能エネルギーのさらなる導入に向けた1つの手段として参考にさせていただきたいと考えています。
続いて、大規模建築物への再生可能エネルギー導入支援と既存住宅への太陽光発電設備導入補助についてのご質問であります。東京都では、太陽光発電設備導入に対する手厚い補助事業を行っておりまして、新たに住宅太陽光発電初期費用ゼロ促進事業や太陽光発電及び蓄電池のグループ購入促進事業など、再生可能エネルギー導入拡大に向けた多くの支援を実施しております。区としましては、適切な役割分担の下、太陽光発電設備導入に係る補助事業の周知に努め、区民・事業者の意識改革、行動変容を促す、いたばし環境アクションポイント事業に注力をしていきたいと考えています。
次は、介護保険料の引下げについてのご質問であります。後期高齢者人口の増加などによって介護給付費の増大が見込まれる中、保険料が下がる要因は見当たらない状況にございます。第9期につきましても第8期の基準保険料額設定時と同様に、一般会計からは法定繰入として介護給付費準備基金の活用を図りながら、保険料の抑制に努めてまいりたいと思います。
次は、区独自の利用料軽減策についてのご質問であります。介護給付費の増大が予測される中、公費として区が担うべき負担は重くなり、区独自の軽減措置の導入は難しいものと考えます。一方、負担限度額認定など、既存の介護保険制度には生計困難者に対する利用料軽減措置が用意されておりまして、これらの制度活用の周知に努めていきたいと考えています。
次は、特別養護老人ホームの待機者解消についてのご質問であります。特別養護老人ホームをはじめとする介護施設サービスの供給につきましては、介護保険事業計画において需給状況を分析をし、必要な量を整備することとしています。特別養護老人ホームにつきましても、引き続き計画的に必要とされる量を見極めて整備に努めてまいりたいと思います。
次は、同性婚や選択的夫婦別姓の法整備についてのご質問であります。日本国憲法は同性婚の成立を認めることを想定していないために、現行の民法や戸籍法は同性婚を前提とせず、異性婚としていると認識をしております。一方において、夫婦同氏制度は憲法に違反していないと、最高裁大法廷において平成27年と令和3年の2度にわたり判示されております。いずれにしましても、個人の尊厳と家族の在り方の根幹に深く関わる問題であるため、幅広い国民の理解のもとに国会で十分議論がされ、判断すべき事項であると考えています。
次は、特定事業主行動計画の目標引上げについてのご質問であります。第4期板橋区特定事業主行動計画においては、男性の育児休業取得率が目標値を上回ったため令和5年度から引上げを行うとともに、育児休業の取得意向確認など新たな取組を追加する予定であるとしております。女性管理職の割合など残る7つの目標値の見直しについては、目標達成のための取組を強化していく中において適宜検討していきたいと考えています。育児休業の代替要員を全て任期の定めのない常勤職員とすることは困難でありますが、代替要員の定数である保留定数を本年度から20名増の100人へと拡充をしておりまして任期付の育休代替職員と併せて活用していきたいと考えています。
次は、困難女性支援法に基づく区の基本計画策定についてのご質問であります。いたばしアクティブプランは、ジェンダー平等を第一の柱立てとして策定をしておりまして、これまで女性活躍推進法や配偶者暴力防止法を取り込む形でプランの充実を図ってきております。令和6年4月に施行予定であります困難女性支援法は、いたばしアクティブプランで掲げるめざす姿のほか、多様な支援を包括的に提供する点で地域保健福祉計画とも親和性が高いために、同様の対応を図るべく、関係部署による協議を開始しております。
最後になります。大学生、専門学校生への支援についてのご質問です。給付型奨学金につきましては、社会福祉協議会及び日本学生支援機構が国を通じて実施をしておりまして、区が独自に実施をすることは考えていないところであります。大学生、専門学校生への支援につきましては、社会情勢を見極めて、必要とされる支援を検討していきたいと考えています。
残りました教育委員会に関する答弁は、教育長から行います。
◎教育長(中川修一) 議長、教育長。
○議長(坂本あずまお議員) 教育長。
〔教育長(中川修一)登壇〕
◎教育長(中川修一) それでは、いわい桐子議員の教育委員会に関する代表質問にお答えします。
初めに、教員不足や教職員定数に対する教育長の認識についてのご質問ですが、令和3年度、月45時間を超えて残業した区立学校教職員は、小学校で20.1%、中学校で28.4%であり、月当たりの残業時間は平均26時間で、勤務環境は過重労働であると認識しているところです。過酷な労働条件が教員の成り手不足の原因の1つとなっていると推察され、教員の働き方改革を一層推進していくことが肝要であると考えております。教職員定数につきましては、東京都教育委員会が決定するものでありますが、板橋区教育委員会も、学力向上専門員や学校生活支援員等を追加配置するなど、教員の負担軽減と勤務環境の改善について取り組んでいるところです。
次に、学力向上専門員の配置についてのご質問ですが、学力向上専門員は、学力の定着や個に応じた学習の推進等のため、学校規模など各学校の状況に応じて配置しているところです。学校に配置する人材につきましては、その効果を検証し、財政状況に鑑みながら、適切な人員配置に努めてまいりたいと思います。
次に、ICT支援員についてのご質問ですが、GIGAスクール構想の推進に伴う令和3年度以降のICT支援員派遣拡充により、ICT機器を活用した授業改善や業務のデジタル化が進んできていると認識しています。教育委員会は、ICT支援員の派遣回数を単に増やす以上に、学校や教員ごとの活用状況を把握・分析し、授業力向上や業務効率化のための支援を行うことが重要と認識しております。今後は、今年度から取り組んでいる特別支援学級へのICT支援員の重点派遣も含め支援内容全体を改めて評価し、学校への効果的なICT支援を検討してまいりたいと思います。
次に、不登校の要因についてのご質問ですが、令和3年度、板橋区不登校の状況に関する調査によりますと、不登校の要因が学業の不振である児童・生徒の割合は、令和2年度では不登校児童・生徒の5.7%、令和3年度では6.2%であり、若干増えたことは認識しているところです。一方で、全国学力・学習状況調査等において、8割程度の子どもたちが「話合いにより考えが深まった」、9割以上の子どもたちが「ICT機器を使った授業が分かりやすい」と回答しています。児童・生徒の学習のつまずきや悩みに気づくように、一層きめ細かく取り組む必要性を認識しており、今後も各教員が一人ひとりに寄り添った指導を行うよう努めてまいりたいと思います。
次に、板橋区授業スタンダードの影響についてのご質問ですが、板橋区授業スタンダードは全ての児童・生徒が分かる、できる、楽しい授業を目指しています。そのため、板橋区立学校ではお互いの考えや意見を伝え合い、協働しながら最適解を見つけ、問題解決する授業を行っているところです。本取組の導入が、教員の授業力及び児童・生徒の学力の向上に寄与し、全国学力・学習状況調査において、平均正答率が国を超える成果も出ています。今後も、板橋区授業スタンダードを全校で徹底し、誰一人取り残さずに、全ての児童・生徒のさらなる学力向上を目指してまいります。
次に、望ましい学級規模についてのご質問ですが、区立学校の適正規模につきましては、現在、審議会で議論いただいており、一人ひとりの子どもの教育環境の充実が必要であるという観点から、様々な意見を頂いているところです。審議会では、少人数授業の展開や人員配置の拡充などにより、円滑な学校運営と細やかな指導が既に行われているという議論がございました。また、子どもの成長には一定集団の中で、様々な人や考えに触れ合い、協力し合うことを通して、社会性などを広く身につけることが重要であるとも確認されております。1学級当たりの人数は明記しないという方向性で審議が進んでおり、今後も一人ひとりに寄り添った子ども主体の教育環境の整備に向けて、しっかりと審議を重ねていただきます。
次に、日本の教育予算についてのご質問ですが、OECDが昨年10月に発表した2019年時点におけるGDPに占める教育機関への公的支出の割合が、データのある37か国中36位であったことは認識しているところです。一国の教育費の支出割合は、その国における公教育の社会的便益に対する意識の違いによるところがあり、また、その国際順位と教育水準は必ずしも一致するものではないと認識しております。しかし、日本の教育費におきまして、現水準からの上積みがあれば、教育の質をさらに上げることが十分可能であるため、これからも教育予算の国際水準までの引上げを国に求めてまいりたいと思います。
最後に、義務教育の完全無償化についてのご質問ですが、学校給食費につきましては、生活困窮家庭に対する就学援助などの経済支援や食材料費高騰に伴う給食費の上昇を抑制するため、公費による飲用牛乳の購入事業を実施しているところです。教材費につきましても、就学援助や生活保護で、生活困窮家庭への支援を行っており、これらの支援から保護者の負担軽減が図られていると認識しているところです。義務教育における私費負担の無償化につきましては、現在の生活困窮家庭施策を継続しつつ、国や東京都の動向を注視してまいりたいと思います。
頂きました教育に関するご質問の答弁は以上でございます。
○議長(坂本あずまお議員) 以上で、いわい桐子議員の代表質問を終了いたします。
次に、高沢一基議員。
◆高沢一基 議員 議長。
○議長(坂本あずまお議員) 高沢一基議員。
〔高沢一基議員登壇〕(拍手する人あり)
◆高沢一基 議員 本年2月6日に発生したトルコ南部とシリアにおけるマグニチュード7.8の大地震は、その後も強い余震が続き、死者は5万名を超えて、行方不明者の総数も把握できていない状況です。お亡くなりになられた方々のご冥福とともに、早期の復旧・復興を心よりお祈り申し上げます。それでは、区長の令和5年度施政方針説明に対する民主クラブの代表質問を行います。
まず初めは、積極財政で区内経済を動かすについてです。
坂本区長は、令和5年度予算案を「明日につなげ 未来を描く『みんなのくらし 応援予算』」と銘打ち、新型コロナウイルス感染症対策、物価高克服及び地域経済活性化対策などに迅速かつ的確に取り組むと表明されました。総務省統計局が2月24日に公表した、本年1月の消費者物価指数は、3年前と比較して4.3%上昇しており、相次ぐ食料品や生活用品の値上がりを実感しているところです。一方、賃金については、厚生労働省が2月7日に発表した毎月勤労統計調査では、昨年の名目賃金が前年比2.1%増となったものの、物価高を乗り越えることができずに、昨年の実質賃金は0.9%減となってしまいました。なぜ物価高だけが進み、給料が上がらないのか。それは、経済政策に対する積極的な財政出動をちゅうちょしてきた政府の責任であると考えます。コロナ禍で傷つき苦しんでいる我が国経済を立て直すためには、積極財政というカンフル剤が必要です。板橋区の新年度予算案を見ると、産業経済費は前年度当初予算比、約5億8,000万円増の約32億8,000万円で、構成比も1.4%となりました。産業経済費の構成比が長く1%未満だったことを考えると、経済対策への財政出動として評価します。しかし、その内容を見ると、新規の経済対策としては、板橋区産業振興公社が実施するエネルギー分野への新産業参入支援、産業情報ガイドブックのDX化、東京インターナショナル・ギフト・ショーへの出展の約1,600万円のみしかなく、既存事業の拡充についても、キャッシュレス決済や産業融資利子補給など限定的です。また、先般成立した令和4年度最終補正予算での産業経済費は約39億2,000万円であり、令和5年度予算案と比較すると、約6億4,000万円の減となっています。そこでお聞きします。令和5年度の経済対策について、今後の補正予算の編成も含めて、さらに積極的に進めることを求めますが、ご見解をお聞かせください。
積極財政による経済政策の要は、消費喚起だと考えます。我が国の個人消費は、国民総生産GDP比で5割を超えており、活発な国内消費を呼び起こすことが肝要です。そこで、区内地域経済を動かす後押しとして、大胆な消費喚起策が必要であると考えます。新年度予算案における、いたばしPay事業の拡充は、前年度当初予算比では約2億3,000万円の増ですが、最終補正予算と比較すると、約1億9,000万円の減であります。区内消費喚起を進め、区内経済を動かすために、消費期限をつけたプレミアムいたばしPayの発行拡充を求めます。さらに、幅広い世代の消費を喚起するために、同じく期限をつけたプレミアム区内共通商品券の発行を求めます。ご見解をお聞かせください。
次は、クラフトビールで板橋を盛り上げるについてです。
昨年10月の決算総括質問において、公明党のさかまき議員も触れていましたが、クラフトビールについて取り上げます。板橋区立郷土資料館には、下板橋村の名主であった飯田家が明治6年に東京府へ届け出た物産に関する明細帳が保存されています。その資料には、下板橋村の物産が記され、その中に「ヒイル酒参拾石、此代金六百丗五円」と書かれています。我が国のビール生産は明治初年から始まると言われていますが、明治6年に下板橋村でビールが生産されていたことから、板橋区は日本のクラフトビール発祥の地と言っても過言ではないと思います。現在区内では2社がクラフトビールの生産を行っていますが、郷土資料館蔵のヒイル酒文書を活用し、板橋ブランドの一角にクラフトビールを位置づけることを提案します。ご見解をお聞かせください。また、北海道鶴居村では、クラウドファンディングを使って、廃校になった小学校体育館にクラフトビール事業者を誘致しています。平成6年の酒税法改正により、小規模な事業者もビールを生産することができるようになっており、商店街の空き店舗対策としても期待されます。板橋ブランド確立に商店街振興の意味を加え、クラウドファンディングを活用した空き店舗でのクラフトビール事業者育成を提案します。ご見解をお聞かせください。さらに、大阪市では、古民家を活用したクラフトビール醸造所で障がい者就労支援を実施しています。クラフトビール事業者育成事業が実現した暁には、障がい者雇用も求めますが、併せてご見解をお聞かせください。
次は、給食費を値上げせず子育て世帯を応援するについてです。
板橋区では、食材費が高騰する中、学校給食費の負担を軽減するために、飲用牛乳購入事業を実施しています。令和4年度は補正予算で約9,800万円、令和5年度は当初予算案で約1億300万円を計上し、給食費を値上げすることなく、給食の質と量を確保していることを評価します。一方、1食当たり231円から319円の給食費は、平成26年度から変更されておらず、9年間値上げされていません。消費税率変更による値上げを除くと、前々回の値上げは平成16年であり、近年は給食費改定の時期となっています。しかし、冒頭でも述べたとおり、物価上昇に賃金上昇が追いついていないため、子育て世代への支援として、当面の間、給食費を値上げしないように求めます。中川教育長のご見解をお聞かせください。また、以前より主張している政府備蓄米の学校給食への無償提供については、令和2年度は小中10校で活用されたものの、令和4年度は7校での実施でした。物価高騰による給食費値上げを防ぐためにも、政府備蓄米無償提供の一層の活用を求めます。ご見解をお聞かせください。さらに、政府備蓄米の無償提供は、幼稚園も対象にされています。現在は活用されておりませんが、自園調理する私立幼稚園などに同制度を周知することを提案します。併せてお答えください。
続いては、プラネタリウム更新でにぎやかな街をつくるについてです。
教育科学館のプラネタリウムは、昭和63年に完成し、長い間、区民に親しまれてきました。約3億7,000万円の予算を投入し、建設された教育科学館のプラネタリウムは、学習施設という面だけではなく、板橋区の顔としても存在してきました。しかし、完成後35年を経過する今日、機器は旧式化し、部品の調達も困難になり、令和3年には、11月10日から12月13日までの約1か月間、故障により利用できない状況が続きました。平成31年3月に策定された、いたばし№1実現プラン2021では、平成32年度と平成33年度で、プラネタリウム投影設備の更新をするとされていましたが、その後、先送りをされてしまいました。本年の坂本区長の施政方針説明では、「景気回復の基調を踏まえ、令和2年度から取り組んできた緊急財政対策は実施しない」と述べられています。プラネタリウムの機器更新については、これ以上の先送りはせずに、早期の実施を求めます。また、教育科学館では、屋根の防水工事など一部設備の改修を行っていますが、浄水ポンプの故障により、昨年9月21日から同30日まで臨時休館となっています。主要な設備についても状況を確認し、プラネタリウムの機器と併せて、早急に設備更新を実施する必要があると考えます。お考えをお聞かせください。
また、現在導入しているプラネタリウムの設備は光学式の旧式機器ですが、プラネタリウムの技術も進歩しています。近年、導入が進む自発光式ドームシアターは、ドームスクリーン自体が高解像度で発光し、色鮮やかな映像を楽しむことができます。現在、他の施設ではプラネタリウムとしてだけではなく、成人式やヨガ体操イベント、プレスリリースなどが行われているところもあります。自発光式ドームシアターであれば、投影機がないため場内を広く活用できる利点があり、さらに活用の幅を広げることができます。そこで、機器更新に当たっては、プラネタリウムとしての利用だけではなく、各種イベントにも応用できる機器の選定を求めます。ご見解をお聞かせください。さらに魅力あるプラネタリウムへ更新することにより、教育科学館、中央図書館、平和公園の相乗効果で、板橋ブランドの向上につながると考えますが、坂本区長のお考えをお聞かせください。
次は、公契約条例で質の高い公共サービスをについてです。
板橋区では、来る4月1日から、板橋区が発注する契約に係る労働環境の確認に関する要綱を定め、3,000万円以上の工事請負契約、1,000万円以上の清掃、警備、用務などの委託契約を発注する際、労働環境チェックシートの提出を求めるとのことです。チェックシートでは、就業規則、労働時間、時間外及び休日の労働、安全衛生、賃金、保険加入、法定帳簿等の整備状況が確認され、不適切な場合は、労働環境改善指示書により改善を求めるとしています。工事や委託などの公契約について、働く人々の低賃金が指摘されている今日、労働環境を確認する要綱が制定されることは一定の評価をします。また、ダンピング防止と企業の利潤確保として、工事入札の最低制限価格の見直しと、入札時に価格以外の要素を評価する総合評価方式を拡充して項目を追加するとも報告されており、対応を評価します。一方で、受発注者の責任や適正な賃金水準、労働条件の確保を盛り込んだ、いわゆる公契約条例は、23区中10区で制定され、制定へ向けて準備を進める区も複数存在していますが、板橋区ではいまだ制定されていません。公契約条例は、働く人々の給料を上げて労働環境を守るだけではなく、事業者にとっても、人手不足の中、働き手を確保することや適正な価格で利潤を確保することにつながります。発注者である板橋区にとっても、より質の高い建物やサービスを区民へ還元することができます。また、給料が上がることで、地域経済の活性化に資するとともに、区内への生産年齢人口の定住促進にも効果があると考えます。公契約条例は、板橋区、会社、働き手の三方よしの制度であり、区民サービスの向上、地域の活性化を含めれば、四方よし、五方よしともなります。労働環境の要綱制定を機に、業界団体などの経営側、連合東京などの労働側の意見を聴取し、坂本区長がリーダーシップを発揮して、公契約条例の制定を進めることを求めます。ご見解と今後の展望をお聞かせください。
続いては、自転車マナーアップで安全な板橋をについてです。
私は平成19年の初当選以来、自転車の安全利用について幾度となく区議会で取り上げてきました。近年では、電動アシスト付き自転車の機能が向上していることもあり、警視庁は、信号無視、一時不停止、右側通行、徐行せず歩道走行の4項目について、刑事処分を行う赤切符による取締強化を実施すると表明しています。また、道路交通法の改正により、自転車乗車時のヘルメット着用が努力義務として本年4月から施行されます。平成20年の一般質問で私は、板橋区が全国に先駆けて制定した自転車安全利用条例に規定されている自転車安全利用指導員が一度も委嘱されていないことを指摘し、同指導員を委嘱して、一時停止が守られていない交差点などでマナーアップの声かけをするべきと提案しました。その後は、小学校における自転車安全教室で、自転車商の方を同指導員に委嘱して、自転車の整備などの啓発に努めていますが、いまだマナーアップには活用されていません。警察での取締強化が始まる今日、板橋区としても自転車安全利用指導員を委嘱して、マナーアップの声かけ活動を実施することを改めて求めます。ご見解をお聞かせください。また、本年7月からは、電動キックボードの免許が不要になるなど、新しい交通手段が増え、安全確保に懸念が抱かれています。警察と連携して、自転車や電動キックボードなどのマナーアップキャンペーンの実施を求めますが、今後の方針をお聞かせください。
最後は、駅前広場整備で大山の魅力向上をについてです。
坂本区長は施政方針説明で、大山駅周辺地区では東武東上線の立体化及び駅前広場の整備に向けた用地取得等に取り組むと表明されました。大山駅付近のまちづくりの成否は、東京都が実施する東上線立体化と都道補助第26号線の開通、民間の再開発とともに、板橋区施行の駅前広場整備を一体となって進めることができるかどうかが鍵だと考えます。大山駅前広場整備事業は、令和3年12月に都市計画事業認可がなされ、昨年8月の用地補償説明会を経て、現在は権利者の立会いによる用地測量が行われています。今後は工事説明会を実施して工事着手し、東上線立体化の令和12年度末の整備完了を目指すとのことです。現在、用地測量のための立会いに応じてくださった権利者は約7割とのことですが、用地取得へ向けての権利者の理解促進は、丁寧に進める必要があると考えます。用地取得へ向けての権利者の理解促進について、お考えをお聞かせください。また、駅前広場の整備に当たっては、権利者だけではなく、地域住民への周知・広報も重要だと考えます。現状と今後の在り方についてお聞かせください。
さらに、大山駅前広場周辺のまちづくりについてもお伺いします。平成31年の代表質問でも取り上げましたが、大山駅前広場の都市計画の範囲は、東側道路まで含まれておらず、駅前広場に建物の背面が並ぶ形となっています。新しく駅前広場が整備された際、建物の背面が並んでいては印象が沈んでしまいます。民間の建て替えに期待するとしても、前後が道路に挟まれた細長い地区が残ることは、まちづくりの観点からも疑問が浮かびます。昨年5月からは、大山駅東地区駅前周辺地区地区整備計画変更検討会が設置されました。町会、商店街、公募の委員による検討が重ねられ、本年2月3日に提言書が決定され、今月には区長へ提出されると聞いています。駅前広場に面した地域のまちづくりに関して、情報収集を強化し、民間開発の動きが出てきた場合に連携できるよう準備を求めます。ご見解をお示しください。また、実際の駅前広場の機能については、平成29年3月に策定された大山駅の駅前広場構想で、交通結節機能として、バス乗降場、自転車駐車場、タクシー乗降場、都市の広場機能としてイベント広場、緑地、交番、公衆トイレ、案内板などが示されていますが、具体的な設計はこれからです。平成31年の代表質問でも提案しましたが、一般の方だけではなく、タクシーやバスの運転手も利用する快適なトイレの設置、日頃は広告や区の広報で活用し、災害時には外国人のために多言語で情報を提供できるデジタルサイネージの設置を改めて求めます。ご見解をお聞かせください。
さらに、都道補助第26号線の開通を見越して、東武東上線大山駅と都営三田線板橋区役所前駅を結ぶバス路線の導入に関して、バス事業者との協議を求めます。ご見解をお聞かせください。駅前広場の具体的な設備やバス路線は、まだまだ先の話かもしれません。しかし、権利者や地域の方々、そして区民の理解を進めるためには、具体的な将来像を示すことが大切だと考えます。大山駅前広場の将来像を示すことについて、お考えをお聞かせください。以上、批判より政策実現で代表質問をしてきましたが、坂本区長及び中川教育長の前向きなご答弁に期待申し上げます。
最後になりましたが、本年3月末で、久保田福祉部長、岩田資源環境部長、糸久土木部長、荒井総務課長、町田地域振興課長、織原長寿社会推進課長、石橋後期高齢医療制度課長、森下資源循環推進課長、内田南部土木サービスセンター所長をはじめとする149名の方々が定年退職を迎えられます。長年区政に賜りましたご功績に対して感謝申し上げますとともに、ますますのご健勝をお祈り申し上げます。以上で民主クラブの代表質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手する人あり)
◎区長(坂本健) 議長、区長。
○議長(坂本あずまお議員) 区長。
〔区長(坂本 健)登壇〕
◎区長(坂本健) それでは、高沢一基議員の代表質問にお答えいたします。
最初は、令和5年度の経済対策についてのご質問であります。今年度は、産業経済費の補正予算を編成する中において、いたばしPayのさらなる拡充やプレミアム付商品券の発行、エネルギー価格高騰対策設備更新助成金の実施など、様々な経済対策を行ってまいりました。来年度におきましても、国や東京都などの財源措置の状況やエネルギー価格・原材料価格を含めた景気の動向を見極めながら、区として行うべき支援につきましては、スピード感を持って対応してまいりたいと考えています。
次は、プレミアム付いたばしPayの発行についてのご質問であります。今年度は、いたばしPayの導入初年度でありまして、まずはご利用していただくために、30%のプレミアムを付けて販売を行い、利用の促進を図ったところでございます。来年度につきましては、プレミアムを付けて限定数で販売するのではなく、お買上金額に応じたポイント還元をすることによって、多くの方にメリットを感じていただきたいと考えています。なお、ポイントにつきましては、付与の期間を限定することにより、プレミアムと同様に集中的に消費を喚起させることが可能であり、効果的な利用の促進が期待できるものと考えています。
次は、利用期限を定めたプレミアム付商品券の発行についてのご質問であります。感染症対策が生活に定着する中、区では接触機会が減少するデジタル地域通貨を導入することによって、キャッシュレス決済の普及を図ってまいりました。紙媒体の商品券につきましては、世帯を問わず利用しやすいという利点がある反面、紙の消費量や印刷経費が増大する、現金化するまでのタイムラグが大きいなどの課題もございます。したがいまして、現時点においては、紙媒体によるプレミアム付商品券の発行は予定をしていないところでございます。
次は、クラフトビールのブランド化についてのご質問であります。区では、板橋といえば、で想起される、板橋という地域に根づいた事業や特徴を板橋地域資源ブランドとして、その発掘や構築、発信等を進めております。ご提案をいただきましたクラフトビールにつきましても、歴史や産業等におけるブランド構築を進めていく中において、実現可能性も含めて検討してまいりたいと考えています。
次は、クラフトビール事業者の育成についてのご質問であります。商店街の空き店舗でクラフトビールの製造を行いたいとの相談があれば、商店街に確認をして、情報の提供は可能であります。クラウドファンディングにつきましては、支援サイトなどを活用し、開業への思いや取組内容を発信することによって一定の賛同が得られるものと思われ、また要件が合えば、産業振興公社の支援も利用が可能であります。クラフトビールの文化が板橋に根づき、その後、多くの事業者が開業し、商店街のにぎわいが広がることになれば、区内の産業にとって好循環につながるものと思います。
次は、障がい者雇用についてのご質問であります。区では、来年度の組織改正により、障がい者活躍推進係を設置し、障がい者の一般就労をさらに推進していきたいと考えています。障がい者雇用に当たりましては、就労支援機関と連携をして、雇用する事業者の理解を深め、広く雇用の受皿の拡大に向け、積極的に取り組んでまいりたいと思います。
次は、プラネタリウムの更新による板橋ブランドの向上についてのご質問であります。機器の更新を含め、教育科学館の魅力をさらに高める取組は、当該施設のみならず、中央図書館、平和公園の魅力とも併せ、周辺地域のブランド力向上につながると考えます。そして、その効果は、区全体のブランド力向上と評価の高まりへとつながるものとも考えています。
次は、公契約条例で質の高い公共サービスをとのご質問であります。区では、議会の皆様のご意見などを踏まえて、板橋区が発注する契約に係る労働環境の確認に関する要綱とチェックシートを策定し、来年度から適用することとしております。まずはこの要綱とチェックシートを活用して、労働環境の確認と向上に取り組み、事業者に対して一層の意識改革を促してまいりたいと考えます。併せて、今後も業界団体や働き手の方々など現場の声を伺いながら、公契約条例を含め、効果的な制度の在り方について、研究・検討を進めてまいりたいと思います。
次は、自転車安全利用指導員の活用についてのご質問です。自転車安全利用条例は、区内の暴走事故を契機として、運転者の自覚を高めるとともに、区や関係団体、事業者の責務を定め、事故のない交通環境を目指し、平成15年に制定をしたものであります。その後、法改正によるルールの厳格化や罰則強化が進む中で、自転車安全指導員制度は、警察官との役割分担や配置人数などの課題もあることから、実施をしてこなかった状況でありました。今後の活用につきましては、同条例に定める自転車安全利用推進委員会に相当する、自転車+活用推進協議会の中で、今日の社会状況も踏まえて、実施の可否を検討してまいりたいと考えています。
続いて、キャンペーンの実施についてのご質問です。今般の道路交通法改正により、電動キックボード等は特定小型原動機付自転車と位置づけられ、免許要件や通行区分などの利用条件が大きく変更されました。この改正に伴いまして、警察庁や警視庁などにおきましても、7月の施行に向けまして、安全利用について広報・啓発の準備が進められております。区でも、電動キックボードのみならず、車道や歩道を共有する自転車、歩行者も視野に入れながら、区民の安全で便利な交通手段となるように、有効な啓発施策を行ってまいりたいと考えています。
次は、駅前広場整備での大山の魅力向上に関連いたしまして、権利者の理解促進についてのご質問であります。現在、大山駅前広場整備事業に伴う用地測量を実施しておりまして、境界立会いを進めているところでございます。昨年来、事業の円滑な進捗を図るため、移転先等の情報が得られるよう不動産関係の団体と、また資金計画などの相談ができるよう金融機関と協定を締結したところでございます。今後も事業の必要性や効果について丁寧な説明に努め、生活再建に向けたサポートを行いながら、理解と協力の下に進めてまいりたいと考えています。
次は、地域住民への情報提供についてのご質問です。現在、大山駅周辺地区内にお住まいの方々にまちづくり事業の進捗状況やスケジュールについて、まちづくりのお知らせを定期的に配布しているところでございます。また、区が事務局を務めております東武東上線大山駅付近立体化促進協議会においても、広報活動の一環として駅前広場の状況について情報提供を行っております。今後も、事業の節目において開催される説明会などを通しまして、地域住民の方々に理解を深めていただくとともに、さらなる情報提供に取り組んでまいります。
続いて、大山駅前広場周辺のまちづくりについてのご質問です。昨年5月、町会及び商店街の推薦委員と公募委員による、大山駅東地区駅前周辺地区地区整備計画変更検討会を設置し、建築物のルール等の変更に向けまして、検討を進めたところでございます。検討会においては、駅前広場を含む駅前周辺地区の将来像について、にぎわい、交流、回遊性を生み出す新たな駅前の拠点と位置づけて、成果の取りまとめを行ってまいりました。今後、区では、検討会からの提言を受けまして、地区計画の変更手続を着実に進めるとともに、駅前広場周辺のまちづくりについて、民間開発の情報収集の強化にも努めてまいりたいと思います。
次は、駅前広場に必要な施設についてのご質問であります。駅前広場には、利用者に対して、各種の情報や公共的なサービスを提供する機能の導入が必要であると認識しています。平成29年3月に策定いたしました、大山駅の駅前広場構想におきましては、広場に導入を検討する施設として、トイレや案内板等を位置づけております。引き続き、関係者と協議を進めながら、駅利用者も含め、地域の意見を参考に必要性や在り方について検討してまいります。
次は、補助第26号線の開通を見越したバス路線の導入協議についてのご質問であります。補助第26号線は、川越街道から中山道までを結ぶ新たな道路として、踏切を通らずに東武東上線を越えて往来できるよう整備が進められております。沿道には、駅や商店街、病院、行政機関などが集積し、多くの人が訪れることから、交通利便性の向上のため、バス路線の誘致を実現したいと考えています。道路整備及び連続立体交差化事業の進捗を見据えながら、バス路線の実現に向けて、バス事業者と協議をしてまいります。
次は、駅前広場の将来像についてのご質問であります。大山駅の駅前広場構想において、大山駅周辺地区の将来のまちの姿にふさわしい駅前広場の在り方や機能を位置づけております。この中において、駅前広場は、駅や商店街、周辺施設などとまちの一体感や連続性を形成し、機能的で安全・快適な空間になることを想定しております。今後、魅力あふれる駅前広場となるように、区では、デザイン方針の策定を検討するなど、地域の方々と具体的な将来像の共有に努めてまいります。
残りました教育委員会に関する答弁は、教育長から行います。
◎教育長(中川修一) 議長、教育長。
○議長(坂本あずまお議員) 教育長。
〔教育長(中川修一)登壇〕
◎教育長(中川修一) それでは、高沢一基議員の教育委員会に関する代表質問にお答えします。
初めに、給食費の値上げについてのご質問ですが、物価高騰が続く中、食材費の値上がりに伴う給食費の増額を抑制するため、公費で飲用牛乳を購入する事業を実施しており、令和5年度も継続して取り組んでまいります。本事業は、保護者負担の上昇の抑制に効果があり、併せて給食の質と量の安定的な給食提供につながっていると認識しているところです。給食費につきましては、食材費全体の上昇分や財政的な負担を総合的に勘案し、保護者負担軽減策と併せて検討してまいります。
次に、政府備蓄米の学校給食への活用についてのご質問ですが、国は、米の備蓄制度への理解促進に加え、ご飯食を通じた食育の推進を図るため、学校給食に使用する米の一部に対し、政府備蓄米を無償で提供しております。提供を受けるには、米飯給食の実施回数を増やし、給食だより等を用いて政府備蓄米の役割などを伝えることが必要であります。今後も食育の推進を図る観点からも、引き続き、学校給食における政府備蓄米の活用を積極的に推進してまいりたいと思います。
次に、政府備蓄米の幼稚園給食への活用についてのご質問ですが、政府備蓄米の無償提供は従前から幼稚園も対象となっており、自ら園で調理し給食を提供している私立幼稚園は現在5園あり、活用の可能性も考えられます。私立幼稚園に対しましては、その目的なども含め、園長会等の機会を捉え、制度の周知を図ってまいります。
次に、プラネタリウムと設備の更新についてのご質問ですが、教育科学館のプラネタリウムは昭和63年9月に完成し、これまでの間、部品交換などを行いながら投影を続け、今年で35年目を迎えております。教育科学館につきましては、設備等に加え、施設自体も老朽化が進んでいることから、改修工事等が必要かどうかも含め、施設の在り方の検討を現在行っているところです。プラネタリウムにつきましても、どのような形とするのがよいのか、併せて検討を行っており、来年度内に方向性を出したいと考えている次第です。
最後に、プラネタリウムの機器更新についてのご質問ですが、他のプラネタリウム施設において、プラネタリウムの投影だけでなく、成人式やヨガ体操、プレスリリース等のイベントが実施されていることは認識しております。自発光式ドームシアターは、一般的な投影方式とは異なり、自発光するLED素子によりドーム内壁面に映像を流すもので、高解像度かつプロジェクター不要のため、スペースを有効に活用できる方式であります。今後、プラネタリウムを更新するという判断に至った際は、先進施設の状況を調査・研究し、機器の機能等を比較しながら、各種事業やイベントを効率的に行える形としたいと考えています。
頂きました教育に関するご質問の答弁は以上でございます。
○議長(坂本あずまお議員) 以上で、高沢一基議員の代表質問を終了いたします。
これをもちまして、全ての代表質問を終わります。
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△議案の委員会付託
○議長(坂本あずまお議員) 次に、ただいま議題となっております日程第1から第6までは、お手元に配付いたしております議案付託事項表のとおり、予算審査特別委員会に審査を付託いたします。
〔参 照〕
議 案 付 託 事 項 表
令和5年3月6日付託分
令和5年第1回板橋区議会定例会
┌─────┬──────┬─────────────────────────────┐
│付託委員会│ 議案番号 │ 件 名 │
├─────┼──────┼─────────────────────────────┤
│予算審査 │議案第 1号│令和5年度東京都板橋区一般会計予算 │
│特別委員会│〃 第 2号│令和5年度東京都板橋区
国民健康保険事業特別会計予算 │
│ │〃 第 3号│令和5年度東京都板橋区
介護保険事業特別会計予算 │
│ │〃 第 4号│令和5年度東京都板橋区
後期高齢者医療事業特別会計予算 │
│ │〃 第 5号│令和5年度東京都板橋区
東武東上線連続立体化事業特別会計予算│
│ │〃 第25号│令和5年度東京都板橋区一般会計予算に対する修正動議 │
└─────┴──────┴─────────────────────────────┘
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△次回日程の報告
○議長(坂本あずまお議員) 以上をもって本日の日程を全て終了いたしました。
この際、お諮りいたします。
明3月7日から20日までの16日間は、委員会審査のため休会いたしたいと存じますが、これにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と言う人あり〕
○議長(坂本あずまお議員) ご異議がないものと認めます。
よって3月7日から22日までの16日間は休会と決定いたしました。
次の会議は、3月23日午前10時に開会いたします。
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△散会の宣告
○議長(坂本あずまお議員) 本日は、これをもって散会いたします。
午後4時44分散会
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以上相違なきを認めここに署名する
会 議 録 署 名 議 員
議 長 坂 本あずまお
36番 鈴 木こうすけ
51番 川 口 雅 敏...