板橋区議会 2019-06-05
令和元年第2回定例会-06月05日-01号
午前10時00分開会
出席議員 46名
1番 小野田 み か議員 2番 高 山 しんご議員
3番
内田けんいちろう議員 8番 石 川 すみえ議員
9番 山 田 ひでき議員 10番 山 田 貴 之議員
11番 中 村とらあき議員 12番 間 中りんぺい議員
13番 しのだ つよし議員 15番 こんどう秀 人議員
16番 山 内 え り議員 17番 吉 田 豊 明議員
18番 田中しゅんすけ議員 19番 安 井 一 郎議員
20番 寺 田 ひろし議員 21番 さかまき常 行議員
22番 しいな ひろみ議員 23番 井 上 温 子議員
24番 荒 川 な お議員 25番 いわい 桐 子議員
26番 坂 本あずまお議員 27番 田
中やすのり議員
28番 いしだ 圭一郎議員 29番 成 島 ゆかり議員
31番 南 雲 由 子議員 32番 竹 内 愛議員
33番 小 林 おとみ議員 34番 元 山 芳 行議員
35番 大 野 治 彦議員 36番 鈴 木こうすけ議員
37番 し ば 佳代子議員 38番 五十嵐 やす子議員
39番 長 瀬 達 也議員 41番 かなざき文 子議員
43番 杉 田 ひろし議員 44番 茂 野 善 之議員
45番 田 中 いさお議員 46番 かいべ とも子議員
47番 渡 辺よしてる議員 48番 おばた 健太郎議員
51番 川 口 雅 敏議員 52番 佐々木としたか議員
53番 なんば 英 一議員 54番 大 田 ひろし議員
55番 高 沢 一 基議員 56番 中 妻じょうた議員
職務のため議場に出席した事務局職員の職氏名
区議会事務局長 太野垣 孝 範君
区議会事務局次長 丸 山 博 史君
〃 議事係長 浅 子 隆 史君 〃 調査係長 鑓 水 貴 博君
〃 書記 森 下 慎 吾君 〃 書記 戸 田 光 紀君
〃 書記 平 山 直 人君 〃 書記 田 中 彩 乃君
〃 書記 飯 野 義 隆君 〃 書記 伊 藤 祥 平君
〃 書記 山 川 信 也君 〃 書記 木 村 欣 司君
〃 書記 坂 本 悠 里君
地方自治法第121条の規定による説明のための出席者
区長 坂 本 健君 副区長 橋 本 正 彦君
教育長 中 川 修 一君 代表・常勤監査委員菊 地 裕 之君
政策経営部長 堺 由 隆君 総務部長 森 弘君
法務専門監 辻 崇 成君 危機管理室長 林 栄 喜君
区民文化部長 有 馬 潤君 産業経済部長 尾 科 善 彦君
健康生きがい部長 五十嵐 登君 保健所長 鈴 木 眞 美君
福祉部長 椹 木 恭 子君 子ども家庭部長 久保田 義 幸君
資源環境部長 渡 邊 茂君 都市整備部長 安 田 智君
土木部長 糸 久 英 則君 会計管理者 平 岩 俊 二君
教育委員会事務局次長 地域教育力担当部長松 田 玲 子君
藤 田 浩二郎君
政策企画課長 篠 田 聡君 財政課長 小 林 緑君
総務課長 織 原 真理子君
△開会と開議の宣告
◎事務局長(太野垣孝範君) ただいまの出席議員数は46名でございます。
○議長(元山芳行議員) おはようございます。ただいまから令和元年第2回東京都板橋区議会定例会を開会いたします。
これより本日の会議を開きます。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
△
会議録署名議員の指名
○議長(元山芳行議員) 本日の
会議録署名議員をご指名申し上げます。
間 中 りんぺい 議員
成 島 ゆ か り 議員
以上、お2人の方にお願いいたします。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
△会期の決定
○議長(元山芳行議員) 初めに、会期についてお諮りいたします。
今期定例会の会期は、本日から6月21日までの17日間といたしたいと存じますが、これにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と言う人あり〕
○議長(元山芳行議員) ご異議がないものと認めます。
よって、今期定例会の会期は、17日間と決定をいたしました。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
△諸報告
○議長(元山芳行議員) 次に、諸般の報告でありますが、事務局長より朗読いたします。
〔事務局長朗読〕
31板総総第149号
令和元年5月28日
板橋区議会議長
元 山 芳 行 様
板橋区長 坂 本 健
区議会定例会の招集について
令和元年5月28日付東京都板橋区告示第213号をもって、令和元年第2回東京都板橋区議会定例会を下記により招集したので、通知します。
記
招集月日
6月5日
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
31板総総第180号
令和元年5月28日
板橋区議会議長
元 山 芳 行 様
板橋区長 坂 本 健
議案の送付について
令和元年第2回東京都板橋区議会定例会に提出する下記の議案を送付します。
記
議 案
1 令和元年度(平成31年度)東京都板橋区
一般会計補正予算(第2号)
2 令和元年度(平成31年度)東京都板橋区
介護保険事業特別会計補正予算(第1号)
3 専決処分の承認を求めることについて
4 東京都板橋区特別区税条例等の一部を改正する条例
5 東京都
板橋区立いこいの家条例の一部を改正する条例
6 東京都板橋区介護保険条例の一部を改正する条例
7 自転車等の駐車場の整備及び放置の防止に関する条例の一部を改正する条例
8 板橋区道の認定について
9 東京都
板橋区立公園条例の一部を改正する条例
10 東京都
板橋区立学校施設開放条例の一部を改正する条例
11
板橋区立上板橋第二
中学校統合改築電気設備工事請負契約
12
板橋区立上板橋第二
中学校統合改築給排水衛生ガス設備工事請負契約
13
板橋区立上板橋第二
中学校統合改築冷暖房換気設備工事請負契約
14 東京都板橋区手話言語条例
15 東京都
板橋区立リサイクルプラザ条例の一部を改正する条例
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
△専決処分の報告について、平成30年度東京都板橋区
一般会計予算繰越明許費に係る繰越計算書について、農業委員会の事務執行状況、特別区競馬組合議会の会議結果、特別区人事・
厚生事務組合議会の活動状況、東京二十三区清掃一部事務組合議会の会議結果、及び、板橋区土地開発公社の経営状況
○議長(元山芳行議員) 続いて、専決処分の報告について、平成30年度東京都板橋区
一般会計予算繰越明許費に係る繰越計算書について、農業委員会の事務執行状況、特別区競馬組合議会の会議結果、特別区人事・
厚生事務組合議会の活動状況、東京二十三区清掃一部事務組合議会の会議結果、及び、板橋区土地開発公社の経営状況につきましては、既に配付いたしました文書のとおり報告をいたします。
〔参 照〕
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
△区政一般質問
○議長(元山芳行議員) これより区政に関する一般質問に入ります。
通告がありましたので、順次、発言を許します。
今期の質問順序は、自民党からであります。
初めに、
内田けんいちろう議員。
◆
内田けんいちろう 議員 議長。
○議長(元山芳行議員)
内田けんいちろう議員。
〔
内田けんいちろう議員登壇〕(拍手する人あり)
◆
内田けんいちろう 議員 皆様、おはようございます。自由民主党の
内田けんいちろうです。
平成31年4月21日に行われました統一地方選挙におきまして、区民の皆様方よりご信任をいただきました、坂本区長を初め46名の区議会議員の皆様方とともに、「東京で一番住みたくなるまち」の実現のため、持続可能かつ発展性のある板橋の未来実現のために働いてまいりたいと思います。
それでは、通告に従いまして、一般質問をさせていただきます。
今、板橋区は、新元号令和とともに新しい時代の始まりを迎えようとしています。私自身、板橋区高島平で生まれ育ち、このまちが大好きです。諸先輩方がつくり上げてきたこの板橋区をしっかりと承継しつつ、新しい世代が活躍する社会を実現していくことが今我々に求められているのだと思います。
板橋区の現在と未来、両面から課題をしっかり見つめ、解決していくべきだと考え、まずは、高齢化にどう対応していくか。という現在の視点からご質問いたします。
私は、地域にお住まいになる高齢者の方の移動に関する実態を踏まえ、高齢者の公共の移動手段の充実を図り、高齢者にとって住みやすいまちづくりを進めていただきたいと考えておりますが、区としてはどのようにお考えか、見解をお伺いしたいと思います。では、詳しく論じてまいります。
昨今、
高齢者ドライバーの事故が社会問題となっています。高齢により体力が衰えると、これまで当たり前にできていたことが難しくなり、今までどおりに自動車や自転車を運転しようとして、危険な運転・事故につながってしまうという状況は、本人だけではなく、ともに暮らす家族にとっても大きな問題となっています。このような事故を減らすために、我が国でも警察庁では運転免許証の自主返納を呼びかけ、対応をしていますが、自主返納の実情は、75歳以上免許保有者の5%程度にとどまり、まるで進まない実態となっています。
平成27年度警察庁委託事業、「刻々と変化する交通情勢に即応するための交通安全対策(高齢者講習に係る新たな制度及びその運用の在り方について)に関する
調査研究報告書」によれば、運転の目的について、買い物のために運転すると回答した者が最も多く、ほかには、仕事、送迎、通院等の目的で運転するとの回答が多くなっていました。そして、運転することを交通手段と回答した者が7割を超え、約2割であった生きがい・楽しみという回答を大きく上回る結果となりました。また、自主返納をしようと思ったことがある運転継続者の約7割は、返納をためらう理由として、車がないと生活が不便なことと回答しており、自主返納者は、家族等に勧められて返納しようと思った者が3割以上を占めるが、運転する必要がなくなった、運転に自信がなくなった等と感じてみずから返納しようと思った者も多いそうです。これらの事実を踏まえれば、車がなくても不便でない環境を整え、運転をする必要がない状況が生まれれば自主返納は進み、
高齢者ドライバーによる事故という社会問題を解決する1つの策となるのだと考えます。
また、他国では、交通事故を減らすべく制限付免許証を導入する国も見受けられていますが、国の法整備を待つだけでなく、我々にできることがあるのだと考えています。そもそも1998年に運転免許証の自主返納制度がスタートしてから、大都市圏は公共交通機関が充実していることからも返納率は年々上昇しています。高齢者の移動手段を考えたときに、板橋区は、公共交通機関の利用を前提として考えていくべきだと思います。
板橋区においては、
東武東上線下赤塚駅と都営三田線新高島平駅を結ぶ
コミュニティバス・りんりん号を運行していますが、赤塚・徳丸・四葉・大門・高島平地域にお住まいの方々の通勤・通学の手段として非常に重宝されています。その利用者数は、運行が開始された平成23年度に5万4,563人であったのに対し年々増加し、昨年、平成30年度においては10万7,887人と、運行開始の約2倍の利用者数となっています。なお、そのうちシルバーパスを利用して乗車された方は4万4,653人と、約4割の方に当たります。今では、1日平均300人が利用するバスですから、地域にお住まいの方々の日々の移動手段としてなくてはならないものとなっているのでしょう。
先行事例としましては、利用者の要望に応えるデマンド交通も行われています。デマンド交通とは、各利用者の希望時間帯、乗降場所などの要望、いわゆるデマンドに応えてくれる新たな
公共交通システムで、予約をすると指定の場所に自動車が迎えに来てくれ、目的地までドア・ツー・ドアで移動でき、タクシーの便利さをバス並みの料金で提供してくれるのが特徴です。路線バスと接続する運行形態にすれば、利用者の減少に悩んでいるバス事業者にとっても利用者の獲得につながりますし、地域住民、バス事業者・
タクシー事業者・行政のいずれにとっても良好的な関係が構築できるのではないでしょうか。
地域の高齢者の移動に関する実態を踏まえ、高齢者の公共の移動手段の充実を図り、高齢者にとって住みやすいまちづくりを進めていただきたいのですが、区としての見解をお伺いいたします。
2点目は、若い世代の流入促進についてお伺いいたします。
高齢化社会への対応策として、若い世代の区内への流入促進が考えられます。そのためには、区内に住み、仕事をしたいと感じさせることが重要であり、その1つに仕事に対する人的投資が必要ですが、区はこれまでどのように取り組んできたのでしょうか。それでは、質問を詳しく論じてまいります。
総務省国勢調査より得られた板橋区の人口構成推移を5年刻みで見ていくと、総人口は
1980年より2015年までの間で年々増加傾向にあり、1980年に49万8,266人だった総人口は、2015年において56万1,916人となり、35年での増減率はプラス12.8%でした。
この人口構成を詳しく見ていくと、0歳から14歳までの年少人口は、1980年代より年々減少傾向にあり、1980年に10万1,998人だった年少人口は、2015年において5万9,238人となり、35年間での増減率はマイナス41.9%と大きく減少していることがわかります。これに対して、65歳以上の老年人口は、年々14%から30%の間で増加し、1980年に3万4,703人だった老年人口は、2015年において12万8,058人となり、増減率は269%と35年間で約3.7倍も増加していることがわかります。ここまでのデータを踏まえれば、子どもたちはこの35年で約半分になり、高齢者は3.7倍にふえた、少子高齢化が激しく進む板橋区ということになるのでしょう。
しかし、ここで注目したいのは15歳以上65歳未満の生産年齢人口です。年少人口が半分に減り、老年人口が3.7倍という状況であれば、おのずと生産年齢人口も減っていくだろうと考えられますが、年々プラスマイナス5%以内で推移しており、1980年に36万302人だった生産年齢人口は2015年において36万1,101人となり、35年間での増減率はプラス0.2%とほぼ横ばいであることがわかります。主な働き手となる生産年齢人口は全国的に見れば減少傾向にあります。しかし、板橋区においては、変わらずほぼ横ばいを維持できているという現状を踏まえれば、この生産年齢人口への投資が板橋の発展の鍵となり得るのではないでしょうか。
今、板橋区において、未来を担う若い世代の活躍が求められています。区内から優秀な人材を輩出するにせよ、外から区内への流入促進をするにせよ、若い世代を板橋区にふやしたいと考えるのであれば、その受け皿が必要であると考えます。
内閣府が2018年2月に実施した働き方・教育訓練等に関する企業の意識調査をもとにした
内閣府政策統括官の分析データによると、人的資本投資を積極化させることは、労働生産性の水準によらず、生産性に対しプラスに働く可能性が高いことが示唆されています。
また、OFF-JT、いわゆる職場の外部で行われる訓練を実施している企業のほうが、正社員の自己啓発の実施割合が高いことを指摘しています。企業が自己啓発を援助する制度を整備し、従業員の自己啓発を促進するような訓練を行うことができれば、人的資本投資の収益性は非常に高いものになることが考えられます。現在、自己啓発の支援制度がない・活用されていない企業が半数程度存在することを踏まえれば、自己啓発を支援することで生産性を高める余地は大きいことが考えられます。
こうした人的投資を企業だけに委ねるのではなく、板橋区としても投資・支援していくことが求められているのではないでしょうか。将来に希望を持つことができ、発展性のある未来の実現のためには、板橋区に住み、板橋で働きたいと感じられるよう、労働生産性向上に向けた人的投資、そして教育投資が必要だと考えています。区は、これまでどのように取り組んでこられたのでしょうか。また、将来の展望もお聞かせください。
3点目は、住民と地域のかかわり合いについてです。
現在、町会や自治会など、
地域コミュニティにかかわらない人が増加しています。特に若手不足は深刻で、お祭りなどに当日参加するのはよいが役員はやりたくないと考える人、そもそもかかわりを持とうとしないという考えを持った人が増加しています。
地域コミュニティは重要だと考えておりますが、各町会・自治会においても若手不足という声はよく聞きます。区として具体的な提案と行動を示すべきだと思うのですが、いかがでしょうか。詳しく論じてまいります。
東京の自治のあり方研究会のデータによると、町会・自治会の状況は、数値が把握できた33団体全てにおいて、平成15年から平成25年までの10年間で、町会・自治会への加入率は約61%から約54%に低下しています。また、町会・自治会の役員の平均年齢は、18団体の平均、68.2歳となっているなど、
地域コミュニティの担い手の高齢化が確認できます。商店街も同様に加入率の低下や役員平均年齢の上昇が見られ、商店街数も減少傾向にあります。
地域コミュニティの希薄化・弱体化が進めば、地域における見守り等の共助機能を低下させ、高齢単身者の孤独死等の未然防止や早期発見が困難となります。地域の互助が防犯・防災の対策につながることを考えると、若い世代の積極的なかかわりを創出していくべきだと考えております。
平成29年3月に発表された
火災予防審議会の地域特性等を踏まえた防火防災訓練のあり方の調査内容によると、平成26年度中に1万2,237件の防火防災訓練が開催されており、開催主体として最も多いのは町会・自治会であり、全体の50%であったそうです。本報告書では、東京消防庁管轄内の人口約1,300万人の半数である約650万人が町会・自治会加入者と仮定して、東京消防庁で集計した平成26年度の
防火防災訓練参加人数のうち、町会・自治会の枠組みでの参加者、防災市民組織の枠組みでの参加者及び女性防火組織の枠組みでの参加者の合計は64万2,025人であったことを踏まえると、約650万人の町会・自治会加入者のうち、約1割が防火防災訓練に参加したと予測されています。つまり、大多数の町会・自治会の加入者は、防火防災訓練に参加していない状況であることも明らかとなりました。なお、平成25年の板橋区民への世論調査で、町会・自治会に加入していると回答した率は42.6%であったそうです。自治体の加入率の向上を目指すとともに防災意識の向上も目指していく必要があると考えます。
阪神・淡路大震災の社会学という書籍の中では、地域防災について、淡路島北淡町富島地区の事例を紹介しています。被災直後から消防署と地元消防団、近隣住民が協力し合いながら倒壊家屋の下敷きになった人々の救出活動を進めていきました。結局、町内全体で38名の方が亡くなりましたが、総じて救出・救助の動きは迅速であったそうです。近隣住民同士、お互いの家の間取りから家族構成、誰がどこの部屋に寝ているかに至るまで、日ごろのつき合いの中で熟知しているおかげで、倒壊した家屋のどのあたりを探せば誰が下敷きになっているかがわかるため、迅速な救出活動ができたのです。北淡町のような比較的な小規模な
地域コミュニティの例がそのまま現代都市に移植可能だとは思いません。とはいえ、こうした事例は、日常生活における近隣関係の緊密度が災害直後の人的被害の規模を左右し得るのだという点を痛感させたことは確かです。
また、東日本大震災の被災者に対する調査においては、東日本大震災前に自治会・町内会等の地縁活動への参加の程度が高い人たちほど、東日本大震災の際に支援者として活動した支援者比率も支援を受けた受援者比率も高いという調査結果があります。
一方、防犯対策につながる例としましては、ニューヨークのジュリアーニ前市長は、割れ窓理論をもとに、落書き等の軽微な犯罪も見逃さず摘発を行うことで、重大な犯罪の発生を抑止することに成功しました。割れ窓理論とは、アメリカの犯罪学者、ジョージ・ケリング博士によって提唱されたもので、1枚の割れたガラスを放置すると、いずれまち全体が荒れて犯罪が増加してしまうという理論です。
地域コミュニティがしっかりと機能している地域は、ごみも散らかっておらず、落書きもない。その結果、それが犯罪の抑止につながります。しかし、その機能が弱まれば、逆に犯罪発生のリスクが高まってしまうのです。
日本各地の取組みとしては、平成16年、六本木商店街振興組合と町会などの住民、麻布署や港区の協力、ボランティア参加の民間警備会社のサポートにより、六本木安全安心パトロール隊が結成されています。六本木安全安心パトロール隊は、まちに訪れる人はもとより、地域住民が安心して豊かな気持ちで歩けるきれいな六本木のまちづくりを目的として結成されています。パトロール隊は、早朝子どもの通学路であるにもかかわらず酔っ払いが多かった地域、薬物事件や殺傷事件が発生した地域など、六本木のまちをパトロールしています。また、横行する客引き、ビラ配りの取り締まりや、歩道を埋め尽くしている看板の撤去、路上のごみ拾いをすることで、違法看板や落書き、ごみが減少し、まちは少しずつきれいになっていきました。
また、京都府では、割れ窓理論をもとに、京都府庁落書きバスターズという取組みが平成20年から行われています。シャッターや壁に描かれた落書き、張り紙など、小さな犯罪の芽を除去することにより、大きな犯罪の芽を摘み取る活動を行っています。府職員のボランティア参加がもとになっていますが、活動の主体はあくまでも自治会や商店街、PTAなどの地域住民です。地域みずからが主体となって落書きを排除し、地域の人々の安全なまちづくりへの関心を高め、実践していくことが犯罪を発生させない安全なまちへとつながっているのです。
しかし、どの町会・自治会においても若手不足という声はよく聞きます。少子高齢化が進む中ではいたし方ない部分であるかもしれませんが、ここにおいても人手を補う対策を施すべきだと考えています。
総務省の平成30年度版情報通信白書によりますと、ソーシャルメディアを活用した日常の家事・子育てなどの困りごとと、支援意向を結びつける仕組みがふえてきています。これまで地域における共助は、自治会などのコミュニティや地方自治体が中心となり進めてきましたが、現実社会のコミュニティへの参加率が下がる中で、それを補完するものとしてのオンラインでの共助の仕組みは極めて重要になります。地域内の共助のためにICTを利用することで、地域情報の共有だけにとどまらず、現実社会のつながりを補完し、参加者の助け合いを促すようなプラットフォームとして機能させ、オンラインで生まれたつながりを現実社会での交流や共助につなげる取組みです。このような仕組みは、運営主体が地方自治体と連携している例が多く、地域の人々をオンラインでつないでいます。
これらの状況を踏まえ、防犯・防災のためにも、町会・自治会等の
地域コミュニティを育て、若い世代に参加してもらうような区としての具体的な提案と行動を示すべきだと思うのですが、いかがでしょうか。
4点目に、西高島平より先の三田線の延伸についてご質問いたします。
先ほどまで述べたように、高齢者の移動手段確保や、若い世代を呼び込むためにも、西高島平より先の三田線の延伸は必要不可欠であると考えます。これまで日本が鉄道とともにまちが発展してきた事実に鑑みれば、単純な利便性向上だけでなく、高島平地域の発展のためにも欠かせない重要課題であると考えます。区として、西高島平より先の三田線延伸についてどうお考えでしょうか。今後の展望をお聞かせください。詳しく論じてまいります。
板橋区内を走る都営三田線が昭和43年12月27日に開業してから51年経過しました。開業当時は、都営6号線という名前で、最初の開通時は、巣鴨から志村(現高島平間)でしたが、昭和47年には巣鴨から日比谷、48年には日比谷から三田、51年には高島平から西高島平、そして、平成12年に目黒から三田がつながり、板橋区民の移動には欠かすことのできない移動手段となりました。鉄道が通ることで人と人との交流がふえ、さまざまな価値を生み出し、まちの発展につながってきたことは歴史的な事実で、特に高島平においては、都営三田線とともに発展してきた側面もございます。
50年前、何もなかった場所に都営三田線が走り、高島平団地が建設され、多くの方が夢と希望を抱いて高島平にやってきました。諸先輩方に当時の状況を伺えば、あのころは、子どもたちが団地内を走り回っていたし、どんな商売をやったって成功したよと、活気ある様子だったことを楽しそうにお話ししてくださいました。私自身、高島平で生まれ育ち32年、高島平ができたばかりの当時の状況を知りません。高齢者の多い街、高島平がもう一度活気あるまちになるために、我々世代が今行動を起こす必要があるのだと考えています。
幾つかの計画が白紙となり、難しい事情があることも承知しておりますが、高島平の将来を考えたときに、切り離して考えることのできない都営三田線延伸についてどのようにお考えでしょうか、お聞かせください。
5点目に、プレミアム付商品券事業についてお伺いいたします。こちらについては、4項目ご質問いたします。
1項目めは、発行冊数・金額の算出根拠についてです。
板橋区商店街振興組合連合会が発行する区独自のプレミアム付商品券について、区から補助が出ると聞いております。その発行冊数・発行金額については、どのように算出されたのでしょうか。詳しく論じてまいります。
これまでも国や地方自治体において、経済対策としてプレミアム付商品券に対する補助を行っていますが、区が補助する以上、経済効果を分析し、その効果測定をすべきだと考えております。このたびの区独自のプレミアム付商品券の発行冊数・発行金額については、どのように算出されたのでしょうか。過去にも板橋区ではプレミアム付商品券が発行されていましたが、その結果などを踏まえてお聞かせください。
2項目めは、取扱店舗の範囲についてです。
商品券を利用される区民の視点からは、より多くの店舗で利用できることが望ましいですが、反面、地元商店街の地域活性のためには、地元中小企業で利用されることも期待されます。プレミアム付商品券の取扱店舗の範囲についてお聞かせください。
3項目めは、転売防止策についてです。
消費税率の引き上げによる区民の消費に与える影響を緩和し、消費喚起に結びつけ、真に利用していただきたい区民へ届けるためにも、転売等を防止する対策は徹底する必要があると考えています。以下、詳しく論じてまいります。
プレミアム付商品券には、1人当たりの購入上限がある以上、購入者の特定及び適正に利用されているかの把握が公平性を保つために必要です。昨今の消費者の事情に鑑みれば、例えば、QRコード付のプレミアム付商品券を発行することで、購入者の特定及び消費された商店、商品の把握も可能であると考えます。
先行事例としましては、株式会社NTTデータは、2019年2月6日に福岡県嘉麻市内において、プレミアム付商品券販売の事業効率化並びに地域経済活性化を狙いとするフィールド実証を実施しています。実施方法は、QRコードを印刷した商品券を使い、商品券の販売から使用、換金までの一連の流れをブロックチェーン技術を用いて管理するものです。これにより、商品券の購入を希望する地域住民の本人確認と購入限度額の超過確認、商品券の複写や複数回使用などの不正使用防止と早期発見が可能となります。さらに、商品券の取扱店舗と発行主体間でなされる換金請求と支払事務の効率化も実現できるのだと言います。
日本国政府としても、キャッシュレス決済の普及に向け、10月の消費増税に伴い消費者へのポイント還元事業を始めますし、その際、中小企業や個人事業主のキャッシュレス化を促そうと、決済端末の導入費や決済事業者に支払う手数料への補助が行われます。
このように、キャッシュレス化の促進を促し、QRコード付プレミアム付商品券により得られた消費行動のデータを生かすことで、さらなる地元商店街の地域活性化も実現できるでしょう。プレミアム付商品券事業のより精度の高い効果測定も実現でき、短期的な実施策でなく、将来に発展性のある事業となり得ると考えています。
資費税率の引き上げによる区民の消費に与える影響を緩和し、消費喚起に結びつけ、真に利用していただきたい区民へ届けるためにも、転売等を防止する対策は徹底する必要があると考えていますが、どのようにお考えでしょうか。
4項目めは、同時期に発売する2種類の商品券の周知徹底についてです。
このたび、国の補助で発行されるプレミアム付商品券が別にもあると聞いています。近い時期に販売される2種類の商品券は、発行する組織・目的もそれぞれ異なるだけでなく、購入することができる対象者も異なっているとのことです。板橋区商店街振興組合連合会が発行する区独自のプレミアム付商品券は、消費税増税に伴う買い控え対策として区内消費喚起を目的とし、対象が区内在住、在勤、在学の方になっているのに対し、国の補助で発行されるプレミアム付商品券は、消費税率の引き上げに際し、低所得者や3歳未満の乳幼児のいる子育て世帯の消費に与える影響を緩和し、地域における消費喚起を目的としており、その対象を住民税が課税されていない方、3歳未満のお子様がいる世帯の世帯主の方に限定されています。
利用する区民にとって混同しないよう、また、理解しやすくするとともに、しっかりと完売できるよう、徹底した告知等が必要と考えておりますが、どのように区民へ周知していくのかをお聞かせください。
以上で、私の質問を終えさせていただきます。ありがとうございました。(拍手する人あり)
◎区長(坂本健君) 議長、区長。
○議長(元山芳行議員) 区長。
〔区長(坂本 健君)登壇〕
◎区長(坂本健君) 皆様、おはようございます。早速、
内田けんいちろう議員の一般質問にお答えいたします。
まず初めに、高齢者の移動手段についてのご質問であります。
高齢化が進む中において、区では、板橋区版AIPの取組みとして、区内18地域において、支え合い会議を通して高齢者の生活支援に取り組んでいるところであります。高齢者の生活で課題となっております事柄はさまざまでありまして、高齢者の移動も1つの課題であると認識をしております。区としましては、高齢者の移動に関する実態把握に努めて、高齢者や交通、まちづくりなど、それぞれの観点から全庁的な論議を進めまして、高齢者が住みよいまちづくりを進めていきたいと考えております。
次は、若い世代の流入促進についてのご質問であります。
若者世代の流入促進につながる仕事には、働きたいと思う企業の存在と同時に、そこで働く従業員の人材育成が重要と考えております。選ばれる企業には、資質、能力が備わった経営者の存在が大きいことから、区では、次世代経営者のネットワークを構築しながら、レベルアップの場づくりに努めてまいりました。また、従業員の能力向上につきましては、産業連合会など、会員向けに実施をしております取組みへの助成を行うとともに、東京都や東京商工会議所などが実施をしております各種セミナー等に関しまして、区内事業者への周知に協力をしてまいりました。今後も引き続き人材育成の支援の充実に努めていきたいと考えております。
次は、町会・自治会への若い世代のかかわりについてのご質問であります。
高齢化等によりまして、町会・自治会の担い手に若い世代が不足していることは認識をしております。区内では、地区運動会や地区祭りにおいて、町会・自治会だけではなく、PTAやおやじの会、少年野球のチームなど、若い世代が運営にかかわっている事例もございます。区としましては、こうした好事例を他の地区にも紹介をしながら、取組みが広がっていくように支援をしていきたいと考えています。
また、いたばし総合ボランティアセンターが今年度から実施をいたします町会・自治会の事業にボランティアを派遣するイベントサポートボランティア事業とも連携をしながら、若い世代と地域活動をつなぐ具体的な方策についても検討していきたいと考えています。
次は、若い世代の防犯・防災活動への参加についてのご質問であります。
地域防犯活動や住民防災組織にかかわる方々につきましても、担い手の固定化や高齢化が課題となっておりまして、組織の活性化を図るためには、若い世代の参加が欠かせないと考えています。地域での防災訓練につきましては、子育て中の若い世代が参加したくなるようなイベントと連携させるなど、工夫を凝らした取組みを実施している住民防災組織もあらわれてきております。防犯活動におきましては、板橋セーフティ・ネットワークにより、区内事業者の参画を得たり、PTAによる地域のパトロールなどを実施しておりまして、引き続き若い世代を含めたさまざまな主体に防犯・防災活動にかかわっていただける環境をつくっていきたいと考えています。
次は、三田線の延伸についてのご質問であります。
鉄道の延伸につきましては、国の諮問機関であります交通政策審議会の答申に基づいて計画が進められておりますが、現在のところ、都営三田線についてはその位置づけがされていないところであります。そのため、高島平地域グランドデザインの中におきましては、車両数を6両編成から8両編成へ増両となる輸送力強化をまず東京都に働きかけをしてまいりました。今後とも8両編成の後の状況や、交通政策を含む都市づくりの効果について注視をしていきたいと考えています。
次は、プレミアム付商品券事業に関連いたしまして、発行冊数・金額の算出根拠についてのご質問であります。
今回の10%のプレミアム付商品券は、消費税率の引き上げに伴う景気の下支えのために実施をするものでありまして、3%から5%の引き上げのときに2億円分、5%から8%への際には5億5,000万円分を発行し、いずれも完売をしてまいりました。また、平成27年度には、20%のプレミアム率において、国庫補助金により発行しておりまして、一般区民分として10万冊、12億円分、高齢者などの弱者対策分として2万5,000冊、3億円分を完売し、利用もほぼ100%でございました。こうした過去の実績も踏まえて、今回、10万冊、11億円分の発行を予定しているものであります。
次は、取扱店舗の範囲についてのご質問であります。
プレミアム付商品券を利用できる店舗は、板橋区商店街振興組合連合会に登録をしている店舗となっておりまして、小売業や飲食業、サービス業、建設業、運輸業、医院などを営む店舗や、スーパー、コンビニエンスストアを含む約2,000店舗が取扱店となっております。区民の通常の消費に当たりましては、遜色のない店舗数と考えておりますが、より一層の区民の利便性向上と景気の下支えのためにも、連合会とともに取扱店舗の拡大に努めていきたいと考えています。
次は、転売防止策についてのご質問であります。
商品券の第三者への転売は、違法行為ではございませんが、消費喚起等の商品券発行の目的に鑑みますと、適正な利用のために転売防止策を講じる必要があると考えています。商品券裏面への注意事項の記載や、区内の金券ショップ宛てに商品券売買の禁止を求める文書の送付を行う予定であります。また、商品券での多額の買い物など、転売が疑われる状況を取扱店で確認した場合においては、区や商店街振興組合連合会への情報提供を求めるなど、連携を図りながら転売防止に努めていきたいと考えています。
最後のご質問であります。2種類のプレミアム付商品券の周知徹底についてのご質問であります。
国庫補助によるプレミアム付商品券につきましては、チラシや取扱店舗の一覧表を同封の上、購入手続書類を子育て世代などの購入対象者に対し直接郵送し、周知をすることとなっております。また、区独自のプレミアム付商品券とあわせて、2種類の商品券について、広報いたばしや区のホームページへの掲載、回覧板、ポスター掲示などにより、周知を図りながら完売に努めていきたいと考えております。
頂戴いたしましたご質問に対する答弁は以上でございます。
○議長(元山芳行議員) 次に、高山しんご議員。
◆高山しんご 議員 議長。
○議長(元山芳行議員) 高山しんご議員。
〔高山しんご議員登壇〕(拍手する人あり)
◆高山しんご 議員 自民党2番手の高山しんごでございます。引き続き、通告に従いまして一般質問を行います。よろしくお願いいたします。
初めに、交通事故対策、特に保育園児・保育士の交通安全についてお尋ねいたします。
去る5月8日、滋賀県大津市の県道交差点で乗用車と軽乗用車が衝突し、軽乗用車が保育園児らの列に突っ込んで、園児ら計16人が死傷したという大変痛ましい事故が発生しました。なぜこのような事故が起きてしまったのか、行政や保育園、警察などが一丸となって原因究明と安全対策を急いでいます。また、同時期に
高齢者ドライバーによる死傷事故などが相次いだこともあり、今、交通安全が大きな社会問題となっています。
さて、板橋区においては、昨今の待機児童問題を受けまして、保育施設の増設が急ピッチで行われてきました。区が把握している区内の保育施設は、大小あわせて約270であり、そこには1万2,000名を超える児童が通い、保育施設にかかわる職員は3,680名と伺っております。この点、社会全体の問題として、働き手の不足が叫ばれており、それは保育の現場においても例外ではないと思います。それぞれの施設において、児童の数に対して十分な保育士ないし職員が配置されているのか、また、保育環境の急激な変化により、各施設において安全対策はしっかりと行われているのか、大変危惧するところであります。さらに、施設の安全対策が仮に十分でないとすれば、そこに通う児童だけでなく、児童の安全を守る保育士を初めとした職員にも危険が及び得ます。ただでさえ保育士不足、人手不足が叫ばれる中、保育施設に携わる職員の安全が脅かされるのであれば、ますます働き手がいなくなるという悪循環を生みかねません。
他方で、保育園児の園外活動やお散歩は、園児たちの社会性を身につける重要な機会となっていることを私は現場の保育士の先生方から伺いました。園児が園外に出て交通ルールを学んだり、公園においてさまざまな遊具に触れて遊び方を覚えたり、さらには、ふだん会わないお友だちや地域の方々とかかわることによってコミュニケーションを育んだりというように、園外活動は園児の成長にとって大変重要な役割を担っています。一部の論調では、園児の安全を守るために園外活動を減らしてもやむなしというものがありますが、以上のような園外活動の重要性に鑑みれば、園外活動を減らすよりも安全対策を急ぐほうが子どもたちのためになることは明白であります。保育園に園庭や遊び場があるからというだけでは、園外活動を減らす理由とはなりません。
翻って、小学生が日々登下校する通学路を見てみますと、学校や保護者、PTA、さらには地域住民が一丸となって小学生の交通安全に努めており、行政や警察と協力し、時代や地域の変化に応じた安全対策が積み重ねられています。最近では、大阪北部地震でブロック塀が倒壊し、児童が犠牲となった事故を受けて、区内のブロック塀倒壊の危険性を調べるため、地域の方々が数多くあるブロック塀の安全調査を1つ1つされていたのが大変印象的でした。小学校の通学路では、社会全体で児童の安全を守ろうという環境が整っているのに対し、保育園を初めとした保育施設には、小学校のような安全対策の積み重ねが十分にあるとは言えず、加えて、小学生とはまた違った幼児目線での安全対策が必要だと思います。
もちろん保育施設に携わる方々は、子どもたちの安全を第一に考え、子どもたちの未来のため、また親御さんたちに安心して我が子を預けてもらうため、使命感・責任感を持って子どもたちを育て、安全を守っています。しかしながら、さきに述べました大津での事故や
高齢者ドライバーによる事故が多発していることに鑑みれば、行政としても積極的に園児の安全対策を急がねばならないのではないでしょうか。私は、保護者や保育施設、行政、さらには警察が交通安全に関する情報を共有できるようにしなければならないと考えています。また、園外活動やお散歩コースの安全総点検、運転者への注意喚起の徹底、歩道の再整備なども必要に応じて行われるべきです。
そこで区長にお尋ねしますが、大津の交通事故を受けて、区内の保育園における保育園児の園外活動やお散歩について、その実態や危険性をどの程度把握しているのか、また、今後区はどのように関係各位と情報を共有し、どのような対策をもって園児や保育士の安全を確保していくのか、お聞かせください。
次に、交通渋滞による交通事故対策についてお尋ねいたします。
交通渋滞は、人の往来や物流を停滞させる大きな社会問題の1つであり、国土交通省の調査によれば、国民1人当たりの道路移動時間、年間約100時間のうち、およそ4割は渋滞に費やされているそうです。板橋区においても、日々各所において交通渋滞が発生しており、例えば、国道17号線、中山道を見てみますと、私が朝の挨拶活動をしている本蓮沼駅前では、平日の朝は都心に向かう車で毎日大渋滞となっています。また、通行したことがある方も多いとは思いますが、区役所のあたりから環七までの埼玉方面に向かう道路は、長年にわたって慢性的な渋滞が発生しています。
こうした区内で日々発生している交通渋滞により、その近隣住民は、大気汚染や騒音などの環境的な悪影響や、経済面での悪影響を受けているだけでなく、交通事故の危険にもさらされています。低速で進んだりとまったりを繰り返す渋滞では、次第にドライバーの集中力が薄れ、注意を欠いた運転に陥りやすくなり、ブレーキを踏むタイミングがおくれて前の車に追突する可能性が高くなります。また、歩行者も渋滞で車が停止している状況を見て、横断歩道外を渡ってしまおうとする心理が働き、結果車両と接触して大事故となる可能性も考えられます。こうした状況に鑑みれば、板橋区内の渋滞を解消することが区民の生活や安全に直結することは明らかであると思います。
確かに渋滞が起こりやすい道路、事故が発生しやすい交差点というのは、交通量の多い国道ないし都道であります。そして、その道路の管轄は、国ないし東京都であって、板橋区は管轄外ですので、なかなか区が直接的に渋滞を解消するのが難しいというのは承知しているところです。また、渋滞の原因も時代の変化や交通の流れに応じて刻々と変わるでしょうし、交通容量の拡大や交通行動の効率化にもかかわることであるので、抜本的な解決が難しい分野であると思います。しかしながら、単に板橋区から国や東京都に渋滞を解消してくださいと要望するだけでは、現に板橋区で発生している渋滞という悪に対して、行政として責務を果たしているとは言えないと思います。
そこで区長にお伺いいたします。区内の交通渋滞解消に向けて、区はどのように国や東京都に要望をしているのか、過去の具体的な事例を含めた現状をお聞かせください。また、区民の生活環境や交通安全を守るため、板橋区として今後どのように交通渋滞解消に向けて取り組んでいくのか、見解をお聞かせください。
続きまして、地域の特性に応じた災害対応についてお尋ねいたします。
我が国は、世界有数の地震国であり、世界で起こるマグニチュード6以上の地震の2割近くが日本で発生しています。また、首都直下地震がいつ起きても不思議でない状態であり、今後30年間に震度6弱以上の大地震が起こる確率は70%とも言われています。この点、災害対応における有名な概念として自助・共助・公助がありますが、災害発生時の公助の最前線に立つのは各区市町村であり、板橋区においても万全の対策を講じているものと思います。
実際、私が板橋区から頂戴した板橋区地域防災計画は、震災編、風水害編、資料編の3冊に分かれており、合計は1,800ページ以上、震災編だけでも885ページと、かなりのボリュームがあります。この地域防災計画においても触れられていますが、災害対策においては、地域の特性を踏まえた対策が肝要であると私は考えます。すなわち、板橋区の18地域は、それぞれの特徴や町会組織、さらには地形や道路状況、地域の構成などもさまざまであり、それぞれの地域特性に応じたきめ細やかな防災対策をそれぞれの地域ごとに講じることが理想的であると思います。
しかしながら、いざ重大な災害が発生した場合に、行政がそのようなきめ細かい公助を行えるかと言えばそれは難しく、公助の部分に関しては、ある程度区全体で一律の対策もやむを得ないところです。もっとも自助・共助の部分では、地域の特性に応じた対応は可能であり、むしろ地域住民は積極的に地域の特性に応じて自助・共助の対策をとらねばなりません。ただ、地域における住民防災組織も防災に関する専門家ではなく、住民主導、地域主導には限界があります。すなわち、この自助・共助の部分に対し、行政には積極的な役割が求められるのではないでしょうか。
この点、板橋区においては、まさに地域住民の自助・共助による地域防災力を高めることを目的として、区内18の地域ごとに地区別防災対策マニュアル、防災ガイドブック、防災マップの作成が平成25年から27年にかけてなされました。私も内容を拝見しましたが、写真やイラストを用いてわかりやすく説明されており、また地域別の特徴なども丁寧に分析されていると感じました。地域の住民が主体となったワークショップ形式で作成されたことで、地域の特性を踏まえた災害対策を実現するものの1つであると思います。ただ、こうした価値のある資料も地域住民への周知や具体的な活用がなされなければ無駄となってしまいます。また、古いものでは作成から5年以上が経過しており、その間に地域の特性が変わったり、新しい特性が備わったりすれば見直しをする必要があります。
そこで、地区別防災マニュアルの活用状況、また行政のバックアップについて、マニュアルの見直しも含め、自助・共助を行政としてどうバックアップしていくのか、区長の所見を伺います。
次に、これに関連しまして、防災訓練のリニューアルについてお尋ねします。
板橋区においては、年に1度、3月に地域ごとの総合防災訓練を行っています。さらには、各町会・自治会単位でも積極的に防災訓練を行っており、行政と地域住民が高度な防災意識を持って訓練に取り組んでいることがうかがえます。
私もこれまで多くの町会・自治会の防災訓練に参加させていただき、また、総合防災訓練にも何度か参加いたしました。参加者は、皆真剣に1つ1つの訓練を行っており、また、総合防災訓練においても日ごろの訓練成果を発揮していたように思えます。ただ、私自身が訓練に参加して感じたことは、防災訓練の参加者や訓練メニューが固定化・マンネリ化しているのではないかということです。確かに同じ訓練を繰り返し行うことによって体に覚えさせ、災害時に役に立つようにすることも重要であると思います。しかし、せっかく複数の町会・自治会が一堂に会して行うのですから、それを生かした訓練内容を考えるべきです。また、その地域を熟知している地域防災組織を中心とした訓練計画は尊重されるべきですが、一方で、より具体的な災害シナリオに即した訓練を行うことで、災害に対してより実効性のある訓練となると考えます。
そこで、既存の防災訓練の固定化について区長の見解を伺うとともに、総合防災訓練のリニューアルについても所見を伺います。
続きまして、SDGsの取組みについてお尋ねいたします。
国連が2030年に向けて定めた持続可能な開発目標、SDGsも徐々に我が国に浸透してきており、自治体が政策に対する理解を広げるためにSDGsを用いたり、企業と行政がSDGsで連携したりと広がりを見せています。
そのような中、板橋区は、日本経済新聞社が全国815地区を対象に実施した全国市区サステナブル度・SDGs先進度調査において、全国総合8位、東京都で1位という評価を受けました。これは、板橋区がSDGsを積極的に推進してきたことへの評価というよりは、これまでの区の取組みが持続可能な社会の実現に向けて積み重ねられていることへの評価であると思います。この全国総合8位、東京都で1位という評価は、一部媒体の評価ではあるものの、さきに述べたように、SDGsが社会において広がりを見せていることからすれば、板橋のブランド力向上に大きく資するものであると私は考えます。
しかしながら、区がこれをブランド力向上の好機と捉えているかというと、正直なところ、全くそのように感じません。SDGsに関する係を庁内に設けたことは承知していますが、板橋区のホームページを見ても、特に区がSDGsを推進し、取り組んでいることは伝わりません。この点、他の自治体の取組みを見てみますと、例えば神奈川県では、国のSDGs未来都市と自治体SDGsモデル事業の両方に都道府県で唯一選定されたことを昨年からパンフレットや新聞広告などでアピールし、大規模なイベントを開催したり、区民参加型の具体的な取組みをしています。
翻って、板橋区においても、これを機にSDGsへの取組みを積極的に発信してはいかがでしょうか。今、SDGsの認知度という点では、まだまだ中小企業や区民には浸透していない状況です。そこで、例えば、区の産業イベントであるいたばし産業見本市にSDGsを積極的に取り入れたり、民間のSDGsワークショップなどに行政が積極的にかかわり、行政や企業、若者からお年寄りまでを巻き込んでSDGsを推進することで、今まで以上に区政が評価され、ひいては板橋区のブランド力向上につながるのではないかと考えています。
そこで、SDGs推進に対する区の姿勢及び特に産業振興との関係での具体的な取組み、さらには区民への周知、区民の参加を含めたSDGsによる板橋区のブランド力向上について、区長に見解を伺います。
続きまして、小・中学校の英語教育における教員の技能についてお尋ねします。
学習指導要領の改訂により、2020年度から小学校5・6年生で正式な教科として英語が導入されます。また、中学校においては、いわゆるオールイングリッシュの授業がスタートし、英語による英語教育が行われます。既に改訂に向けた移行期間として、英語科が小・中学校で始まっています。英語教育の重要性はかねてから言われているとおりですが、年々グローバル化が進んでいることに鑑みれば、小・中学校における英語教育はますます重要となっています。当然のことながら、英語は言語であり、コミュニケーションの道具として外国人に通じなければ意味がありません。そして、通じる英語を早い段階で身につけることができれば、子どもの可能性を伸ばすことにつながり、世界で活躍できる人材の育成へとつなげることができます。
しかしながら、そのためには英語専科の教員を十分に配置し、教員自身の英語レベルも高くある必要があると思います。この点、板橋区においては、ネイティブとのコミュニケーションを図る機会として、外国人指導員、ALTによる事業が行われています。生きた英語、通じる英会話を身につけるという点で、子どもにとって非常にいい機会であると思います。もっともALTによる授業で子どもが英会話に深い関心を持ち、英会話に対して子どもからのさらなるニーズがあったとしても、小学校で年間4時間から17時間、中学校で年間34時間という限られた時間の中ではそれを満たすことができないのではないでしょうか。私は、そのような子どもからのニーズに応え、子どもの可能性、将来性を伸ばすためにも、より多くのネイティブとのコミュニケーションを図ることができる環境づくりや、日本人教諭のさらなる英語力、英会話力のパワーアップを行政として取り組むべきと考えます。
そこで、教育長にお尋ねします。小・中学校における英語教育の本格化に当たって、教員の英語力レベルは現状どの程度であるのか、また、生きた英語、通じる英会話の習得に向けて教員の育成計画はどうなっているのか、所見を伺います。
最後に、学校における子どもの権利保護についてお尋ねします。
ことし2019年は、国連が児童の権利に関する条約、いわゆる子どもの権利条約を採択して30年、また、我が国が条約を批准して25年という、子どもの権利保護における節目の年であると思います。国連の子どもの権利条約は、18歳未満の子どもも大人と同じ権利の主体と位置づけ、子どもが暴力や搾取から守られる権利、教育を受ける権利などとともに、自由に意見を表明する権利を保障するものです。すなわち、子どもの権利条約は、子どもを単に保護や指導の対象ではなく、権利の主体として位置づけて子どもの最善の利益を尊重しており、18歳未満の全ての子どもの基本的人権を国際的に保障しています。
この点、我が国においては、歴史的にも子どもを力なき者、未熟者と見る傾向が強くあったと思います。子どもの判断力は未熟であるから、子どもの保護や、社会に好ましくない場面においては、子どもの基本的人権に対する一定の制約が許されるというのが社会における一般的な子どもの人権に対する認識であり、現に私自身が受けた大学、大学院の憲法講義においても、それが通説であって、基本的にはそれが掘り下げられることはありませんでした。
しかしながら、子ども、養育者のニーズの変化や、子ども家庭福祉のあり方の変化などから、2016年には児童福祉法が改正され、子どもを一方的に保護される対象としていた従来の考えを改め、守られる権利の主体者として位置づけました。もっとも子どもを未熟者と見る我が国の子ども観がそれで払拭されたかといえば、そうではなく、さらに言えば、体罰をしてでもしつけるという考えが一部においていまだ容認されています。
今年1月には、千葉県野田市の児童虐待死事件が大々的に報道されたところであり、また、5月には、福島県内において中学教諭が生徒を名指しし、みんなでいじめようと教室の黒板に書き込んで、当該生徒が不登校となったケースもありました。こういった子どもが虐待や差別を受ける事件が後を絶たないのは、さきに述べたような我が国における従来の子ども観が払拭されていないということが原因の1つであると私は考えます。また、学校教育、とりわけ初等・中等教育の現場では、子どもに権利を教えると自分勝手な主張がふえて、クラス、学校をまとめられなくなるという意識がいまだ根強いのではないでしょうか。また、それゆえ学校における人権教育が表面的な憲法学習や道徳学習にとどまってしまっているのではないでしょうか。行政としても、いま一度、子どもの権利条約の趣旨に鑑みて、子どもの基本的人権に対する考え方を見直す時期に来ているのではないか、私はそう思います。
そこで、まず教育長に伺いますが、子どもの人権について、特に子どもの権利条約との関係で子どもの意見表明権をどのように考えておられるのか、見解をお伺いいたします。
さて、今し方挙げた子どもの権利侵害の事例の1つに、担任が生徒を名指しで、みんなでいじめようと教室の黒板に書き込んだというものがありました。その担任いわく、生徒と信頼関係があり、冗談で書いたつもりだったとのことですが、これは信頼関係を履き違え、生徒の立場にまったく立っていない、身勝手で不適切な指導であると感じました。このように、1人の子どもに対して担任や校長のほかに、同級生や養護教諭などさまざまな人間がかかわる学校という場においても、えてして子どもが孤立する可能性があります。そして、その孤立が最後まで解消されない場合、子ども同士のいじめや教員による不適切な指導が助長され、それを受けた子どもの不登校や自殺という最悪の事態を招きかねません。
このことを我が板橋に置きかえて考えてみますと、私は、区内の公立小・中学校においても子どもの孤立は頻繁に起こり得るのではないか、そう思っています。その原因となるものはさまざまあると思いますが、例えば小学校においては、昨今の少子化の影響などにより、一学年に一クラスしかない、いわゆる単学級がふえています。この単学級は、担任が一人ひとりの子どもと深い人間関係を築けたり、きめ細やかな指導ができるといったメリットも多いのですが、担任と子どもの信頼関係が一たび崩れると、臨機応変なクラスがえをすることのできない単学級では、子どもとの信頼関係を取り戻すことや、クラスの再構築を行うことが複数学級に比べて難しくなります。また、学校長をトップとする学校組織においても、その組織が機能不全に陥る可能性もあります。
さきの事例では、学校長の巡回がきっかけで担任の不適切な行為が明るみに出たとされていますが、担任以外の周囲の者が不適切な行為を容認するような環境が組織の中で醸成されれば、たちまち子どもが孤立する状況が形成されてしまいます。もちろん大方の教職員は子ども一人ひとりの将来を真剣に考え、情熱を持って教職を全うされていると思います。しかしながら、学校組織が機能不全に陥る可能性がある以上、私は、学校組織から独立した第三者的立場の人員を学校に配置することが子どもの孤立を防ぐ有効な手段の1つであると考えます。
そこで、児童・生徒の孤立を防ぐため、板橋区は小・中学校においてどのような対策を講じておられるのか。また、学校組織に属しない第三者的人員の必要性について、教育長の見解を伺います。
以上で、私の一般質問を終わりとします。ご清聴、まことにありがとうございました。(拍手する人あり)
◎区長(坂本健君) 議長、区長。
○議長(元山芳行議員) 区長。
〔区長(坂本 健君)登壇〕
◎区長(坂本健君) それでは、高山しんご議員の一般質問にお答えいたします。
最初は、保育園児・保育士の交通安全に関連いたしまして、現状の把握についてのご質問であります。
区内の認可保育園におきましては、日常より散歩マップを作成し、移動経路の確認や危険箇所の情報把握等、園外活動等における安全管理を行っております。一方において、5月8日の大津市の事故を踏まえ、5月10日付厚生労働省より、保育所等での保育における安全管理の徹底についての通知がございました。これを受けまして、区では直ちに認証保育所を含む保育施設に対しまして、園外活動における移動経路上の危険箇所及び人員体制の再確認と職員間での情報共有を図るよう指示をしたところであります。
次は、今後の安全対策についてのご質問であります。
園児、保育士の安全な園外活動のため、関係部局が連携をして危険箇所等についての情報共有をし、相互の協力体制のもと安全対策の一層の強化に早急に取り組んでいくところであります。
次は、交通渋滞解消に向けた国や東京都への要望についてのご質問であります。
都内の交通渋滞の解消に向けましては、首都圏など、広域的交通網の整備が不可欠であり、その観点から、特別区長会として国、東京都に対して都市計画道路の整備や、それに係る予算確保などについて10年以上要望を続けております。一方、区としましても、幹線道路の混雑緩和に向け、補助249号線などの補助幹線の整備を着実に進めるなど、交通網整備に尽力をしているところであります。
次は、今後の交通渋滞解消に向けた取組みについてのご質問であります。
板橋区では昨年度から、東京都や他区などとともに連携をしながら、交通ネットワークの充実に向けた今後の都市計画道路のあり方について検討を進めているところであります。今後とも東京都等との連携を図りながら、交差点改良事業などを着実に進めるとともに、交通ネットワークの強化を図り、区民の生活環境の改善や交通安全のさらなる充実を目指していきたいと考えています。
次は、地区別防災マニュアルに関連いたしまして、活用状況についてのご質問であります。
地区別防災マニュアルは、地域特性をはじめ自助の分野における平常時の備えと災害時の対応、共助における事前対策リストと被災対応シナリオとで構成されております。各地区で実施されております防災学習会の資料として活用するほかに、総合防災訓練や住民防災組織が独自に行う防災訓練などにも広く活用されているところであります。
次は、行政のバックアップについてのご質問であります。
現在活用しております地区別防災マニュアルにつきましては、完成から3年以上が経過をし、地域の特性や防災面における課題も変化していることから、見直しが必要であると認識しています。また、自助、共助の取組みを推進するためには、平常時から防災に関する活動を支える人材の育成が欠かせないものと認識しております。区としましては、今後も区民防災大学における防災リーダーの育成や、防災セミナーにおける講師の派遣など、区民の防災力を高める方策を広く展開をすることによって、自助、共助の体制を整備をしていきたいと考えています。
次は、総合防災訓練のリニューアルに関連いたしまして、参加者の固定化についてのご質問であります。
総合防災訓練の参加者に固定化の傾向が見られることは、区としましても憂慮すべき状況であると認識しています。今後は、総合防災訓練の重要性について広く知っていただくために、広報いたばしをはじめホームページやSNSを通じたPRを強化していきたいと考えています。また、日ごろ町会・自治会とのかかわりが少ない方に対しましても、参加ができるよう周知の方法についても検討を進めていきたいと考えています。
次は、行政指導による訓練内容の充実についてのご質問であります。
総合防災訓練の訓練内容については、初期消火や炊き出し、応急救命などの技術の確実な習得のために繰り返し行うことが必要な訓練内容もございます。一方において、幅広い内容の訓練を実施することは、地域防災力の向上にとって有効であるとも考えます。近年の災害で生じた新たな課題に対応するため、より実践的な訓練メニューの導入について、区から各地域に積極的な働きかけを行うことによりまして、実効性の高い総合防災訓練の実施につなげていきたいと考えています。
次は、SDGsの取組みに関連いたしまして、区長の姿勢についてのご質問であります。
昨年度策定いたしました№1プラン2021においては、全ての国が取り組むべき普遍的な目標であるSDGsの視点を踏まえて区政を推進していくこととしております。民間の調査でSDGs先進度が高いという評価をいただいておりますが、未来創造プランから取り組んでおります持続可能な区政に向けた区民の皆様の日ごろからの行動や、区の施策の積み重ねの結果とも捉えております。今後もSDGsを課題解決の新たな切り口として積極的に推進をしながら、区内外のさまざまな主体とのパートナーシップによる取組みを進めていきたいと考えています。
次は、具体的な取組みについてのご質問であります。
区では、SDGsのコンセプトである誰1人取り残さないという理念に合致する、いたばし子ども夢つむぐプロジェクトに取り組んでおります。このプロジェクトは、子どもの貧困対策として、組織横断的に施策の見える化を図り、関係部署の連携を強化することによって切れ目のない支援につなげているものであります。持続可能な開発目標のゴール9、産業と技術革新の基盤をつくろうの目指すところは、区が進める基本政策、光輝く板橋ブランド・産業活力と軌を一にしております。これまでもいたばしグッドバランス推進企業の表彰や、いたばし働きがいのある会社賞などに取り組んできておりますし、また、学校改築における日光産木材の活用という地域間の産業連携など、SDGsの視点を踏まえた産業施策の展開にも努めているところでありますし、今後とも努めていきたいと考えています。
次は、板橋のブランド力についてのご質問であります。
SDGsの認知度や取組みの広がりはまだまだ十分な状況になく、国を挙げた積極的なアピールに努める必要があると考えます。SDGsの推進は、区民の皆様をはじめ企業や団体など、さまざまな主体が同じゴールに向けて取組みをし、障害となっている課題を解決していくことに期待をしているところでもあります。そのため、身近にできることから取り組んでいただけるようさまざまな形において周知に努めるとともに、区の取組みを発信しながら、自治体としてのブランド力についても高めていきたいと考えています。
残りました教育委員会に関する答弁は、教育長から行います。
◎教育長(中川修一君) 議長、教育長。
○議長(元山芳行議員) 教育長。
〔教育長(中川修一君)登壇〕
◎教育長(中川修一君) 皆様、おはようございます。それでは、高山しんご議員の教育委員会に関する一般質問にお答えします。
初めに、小・中学校の英語教育における教員の技能に関しまして、小・中学校教員の英語力レベルの現状についてのご質問ですが、平成30年度の英語教育実施状況調査では、国が英語教員に求める英検準1級相当の英語力を有する教員は中学校の英語教員数75人に対して39人であります。なお、小学校では外国語活動の授業を担当している教員数1,052人に対して21人という現状でございます。
次に、通じる英会話の習得に向けての教員の育成計画についてのご質問ですが、小学校英語科の目標である、子どもにコミュニケーション能力の基礎を養うためにはできる限り授業を英語で行うことが必要であり、本区では、小学校教員全員を対象に英語指導力向上のための研修を実施しているところです。また、中学校につきましては、昨年度までに英語科教員2名を文部科学省主催の中央研修である英語教育推進リーダー研修に派遣し、英語教育のリーダーを育成し、区内全英語科教員に向けオールイングリッシュでの還元研修を行ったところです。今年度につきましては、さらに英語で英語を教える技術習得プログラムにつきまして、小・中学校の教員を対象に体験セミナーを実施し、教員の指導力の向上を図ってまいります。
次に、学校における子どもの権利保護に関しまして、子どもの人権についての認識についてのご質問ですが、子どもの権利条約にもあるように、子どもについても、大人と同様に1人の人間としての権利を認めることは重要なことと考えています。現在、区では、人権教育研修を通して教員の人権尊重の理念に対する理解を深めるとともに、学校においては、人権教育プログラムに基づいた授業を通して、子どもの権利条約等について児童・生徒の認識を深めているところであります。今後、これまで以上に子どもが意見を表明できるよう、管理職対象の研修等において子どもの意見表明権について取り上げ、教員のさらなる意識の向上を図ってまいります。
最後に、児童・生徒の孤立を防ぐ施策、第三者的人員の必要性についてのご質問ですが、現在、区では全小・中学校において、孤立やいじめ、不登校等の未然防止等に向け、第三者的存在であるスクールカウンセラーを配置し、教員とは異なる立場から助言、援助を行っております。今後、区ではスクールカウンセラーがその専門性を発揮し、学校において子どもの権利保護について組織的対応がなされるよう、小・中学校管理職に対して指導、助言を行ってまいります。
いただきました教育に関する質問の答弁は、以上でございます。
○議長(元山芳行議員) 次に、小野田みか議員。
◆小野田みか 議員 議長。
○議長(元山芳行議員) 小野田みか議員。
〔小野田みか議員登壇〕(拍手する人あり)
◆小野田みか 議員 皆様、おはようございます。これより通告に従い、自由民主党、小野田みかの一般質問を始めます。
初めに、女性と高齢者が働きやすい街づくりについて質問いたします。
女性の就業生活における活躍の推進に関する法律、女性活躍推進法が履行されてから3年が経過しております。また、働き方改革は政府の重要政策の1つに位置づけられていて、働き方改革を通して、一億総活躍社会の実現に向けて、少子高齢化が進む中でも50年も人口1億人を維持し、職場、家庭、地域で誰しもが活躍できる多様な働き方を可能にするとともに、格差の固定化を回避し、働く方の立場、視点で取り組んでいくことが重要な課題となります。非正規雇用の待遇差改善、長時間労働の是正、柔軟な働き方ができる環境づくり、ハラスメント防止対策など、女性や高齢者が活躍できる社会を実現したり、子育て支援を拡充したりしながら、今まで埋もれていた人材の力を発掘し、より時代のニーズに応えた形で実現していくことが改革への近道と考えます。
女性の立場からは、仕事をしながら育児や介護との両立がしやすい、さらなる環境の整備を希望しています。今のままでは、ライフスタイルの変化やニーズの多様化に直面しながら、退職や非正規雇用で働くことを余儀なくされることも珍しくありませんが、女性や高齢者が今までよりももっと能力を生かして活躍するためにはより多くの工夫が求められ、今後の区の取組みと現在進行中の事業の周知やプロモーションについて確認したいと思います。
日本人は長らく、夫が正社員で働き、妻が専業主婦になって家庭を守るという労働観念を持っていて、その考えをいまだ持ち続けている人もいます。近年では外国人人口の増加が著しく、国の政策なども踏まえると今後も増加傾向は継続するものと考えられ、対応が課題となります。新たに元号も変わり、時代の変化とともにさまざまな年齢や環境の人たちがそれぞれのライフスタイルに合った形で仕事をしながら、生活の充実を図ることに着目し、結婚や出産を希望する若い世代が安心して出産、子育てしやすい環境を整備し、支援することも今後の課題になると考えます。
少子化対策先進国と言われている北欧諸国やフランスなどでは、政策対応により少子化を克服し、特殊出生率を回復させていると言われております。1世紀にわたり少子化対策に取り組んできたフランスは、世界で少子化対策に成功した事例と言えます。フランスでは家族給付の水準が手厚い上、年金加算や父親の出産休暇、高校までの学費無料などの経済的支援に加えて、家族観とそれに伴う法の整備により、事実婚と婚外子の社会的な受容度の高まりも挙げられます。1990年以降は、家族手当など経済的支援から、保育サービスの充実へシフトし、その後、出産、子育てと就労に関して幅広く両立支援を進めています。
スウェーデンでは、児童手当制度、両親保育保険はもとより、男女平等の視点から社会全体で子どもを育む支援制度を整備しています。また、フィンランドでは、妊娠期から就学前までの切れ目のない子育て支援制度を町村が主体で実施し、子育てにおける母親の心身や経済の負担軽減に努めています。
一方、高い出生率を維持しているイギリスやアメリカといった国では、家族政策に不介入が基本と言われていますが、民間の保育サービスが発達しており、また、日本などで特徴的な固定的な雇用制度に対して、子育て後の再雇用や子育て前後のキャリアの継続が容易であること、男性の家事参加が比較的高いといった社会的、経済的な環境を持っています。
板橋区では、出生年齢が25歳から39歳の割合が高く、全体の9割を占めています。また、20代の出生数は減少傾向が続く一方、30代、40代以上の出生数は増加傾向が続いており、年々出産年齢の高齢化が進行しています。女性が教育を受けて安定的な仕事につくことになり、子育てを先送りすることになったため、高齢出産がふえているとも考えられます。少子化対策先進国である欧米の事例をもとに、法律、環境、社会の認知度など、まだまだ対策を進め、女性が仕事をしながら子どもを産み育てることに対するハードルを下げる必要があると考えます。板橋区でもいろいろな取組みをしていますが、現在の取組みへの認知度を上げて充実させるとともに、政策対応と民間での連携もとりながら、女性が女性らしく生き生きと社会で活躍しながら、出産や子育てがしやすいと感じることができる、より住みやすい環境をつくっていく必要があると考えます。
一億総活躍とは、少子高齢化が進む中でも誰しもが活躍できる社会です。働き手をふやすためには、出生率を上げること、労働生産率を上げること、今、市場に参加していない層に働いてもらうことの3つがありますが、さきに述べました女性はもとより、この中でも高齢者も働きやすい社会をつくることも重要と考えます。労働人口は、第2次ベビーブームに生まれた団塊ジュニアが労働力として加わった24年前をピークとして、それ以降は減少の一途をたどっており、国立社会保障・人口問題研究所が発表した出生中位推計の結果によれば、生産年齢人口は2060年には現在の約半分の4,000万人強となる見込みで、このままでは国全体の生産力低下、国力の低下は避けられないとしてさまざまな政策を開始しています。
労働生産率においては、経済協力開発機構の調査によると、日本の労働生産性は加盟国35か国の中で22位であり、主要7か国の中で最下位です。戦後の高度経済成長期以来、働けば働くほど待遇が上がっていく状況の中で、超多忙なことが生産的だという価値観が生まれましたが、その価値観は今や時代に合わない思想となってきており、時代に合った取組みや対策が必要となります。
日本の非正規社員の待遇は、正社員の時給換算賃金の約6割にとどまります。欧州では8割ほどであることからも、日本は非正規、正規社員の格差が激しいと言えます。そして、育児や産後の不安を抱える女性や高齢者が正社員のようなある意味制限なしの働き方を選ぶのは限界があり、結果的に非正規としての働き方を選ぶこととなり、生産性を発揮する機会を損失しているのです。非正規で働く方の割合は全体の約4割を占めており、緊急にこの層の待遇、働き方を改善することが必要です。また、今の日本では高齢者の約6割が65歳を超えても働きたいと考えることが国の調査で判明しています。非正規雇用の格差改善によって、出産、育児、介護による女性の働き方の制限をなくしていくことに加え、現在、労働市場に入っていない高齢者の労働参画が重要となります。
現在、板橋区でもあらゆる角度から、女性や高齢者が出産や子育て、さまざまなライフステージにおいて活躍できるような取組みがありますが、それがそれぞれの立場や視点で働きやすい環境をつくり、女性はもとより、今まで能力を発揮し切れなかった就労意欲のある元気な高齢者の方々や障がいを持つ方々が能力を発揮しながら、また、生かしながら仕事ができる環境の実現をすることで、働き手の増加や労働生産性の向上、一億総活躍の実現にも貢献でき、あらゆる世代、ジェンダー、職種にかかわらず、みんなが生き生きと生活できる、そんな社会の実現が近づくことを理想と考えます。それぞれの能力に応じた適切な賃金と、新しい時代のライフスタイルにあわせた働き方を選べるようなまちづくりを板橋区から実現するために質問させていただきます。
初めに、板橋区では女性活躍推進法に基づき、その実現に向けて行動計画いたばしアクティブプラン2020のめざす姿1を板橋区女性活躍推進計画として位置づけ、2016年からさまざまな取組みを行われておりますが、その中で現状として実現している取組みの状況について区の見解をお伺いいたします。
次に、女性に対するカウンセリングや周知についてお伺いいたします。
女性活躍を推進する一方で、第一子出産を機に離職する女性が5割近くいます。育児などで孤立している女性が社会に参画していくためには、女性の心に寄り添った支援が必要だと思います。板橋区では平成30年8月より、育児などに追われている女性に向けて、ママでもなく、妻でもない私を大切にしてほしいというメッセージを込めた講座及び男女平等推進センター相談室で個別カウンセリングを行われておりますが、カウンセリングの具体的な利用者の実績と声についてお伺いいたします。
次に、女性に対するカウンセリングなどの支援を行っているのか、区民への周知の状況はどうなっているのか伺います。
また、元気な高齢者の活躍を促進する取組みとして、例えばアクティブシニア就労支援センターなどがあると思いますが、現在、働きたいシニア層への情報提供の状況、具体的なサービスの内容、実際の利用者数と雇用者とのマッチング件数など、高齢者に対する就労支援と区民への周知の状況はどうなっているのかについて伺います。
次に、高齢者に対するパソコン講座などの活用についてお伺いいたします。
高齢者の就職、仕事に役立つパソコンやOA機器の活用講座など、ジョブトレーニングとなる施策との連携を進めるべきと考えますが、区の見解をお伺いいたします。
次に、女性やLGBTが働きやすい職場に向けた支援について伺います。
板橋区では、グッドバランス会社賞、女性も含めた誰もが働きやすい社会、ダイバーシティ&インクルージョンを目指していますが、実際に同じ条件で雇用された男女が同じような機会を与えられて、気持ちよく仕事ができる環境を整えるべきと考えます。就業した後にジェンダーギャップとして、暗黙の了解で女性が望まない雑用をしたり、当初の契約や専門以外の雑務を率先して行うことを望まれるような場面になったとき、また、パワハラやセクハラ行為に遭ったとき、ダイバーシティ&インクルージョンとして実際の現場で差別や、それにより働きにくさを感じないように、会社に新しい価値観を啓発するようなセミナーやイベント、社内でのパンフレット配布などを行っているか、区の見解を伺います。
平成31年度新規事業として、東京家政大学、北区と子育てママの未来計画を実施、また、特別区長会調査委研究機構平成31年度調査研究テーマ8のうちの1つは、板橋区が提案したものです。自尊心とレジリエンスの向上に着目した、育児期女性に対する支援体制の構築に向けての基礎研究などに積極に取り組んでいるが、女性が自分を大切にし、取り戻し、社会で活躍するためにモチベーションを上げることにつながると考えられるワークショップとして、ファッションや似合う色などの講座も入れてみてはどうでしょうか。区の見解を伺います。
次に、女性の就労に向けたセミナーなどの実績と成果についてお伺いします。
女性の就労に向けた支援策として、再就職セミナー、女性の起業入門セミナー、板橋区若者・女性のための就職サポート事業など、男女社会参画課と産業振興課による支援を行っていますが、それぞれの具体的な実績と成果についてお伺いいたします。
次に、女性の起業に向けた支援策についてお伺いいたします。
女性の起業を支援するため、快適に、そして、安心して仕事を始められる環境や場所の提供、助成金などの支援策についてお伺いいたします。
第2に、高島平グランドデザインプロジェクトについて質問いたします。
板橋区では、花火大会や板橋区民まつり、農業まつり、板橋Cityマラソンなどの区内4大イベントや、桜まつり、旧板橋宿の歴史・文化資源を生かした魅力の創出などにも取り組んでおり、板橋区観光振興ビジョン2025など、観光やレジャーを目的として訪れたい場所として、板橋区のブランディングやプロモーション、観光地化にも力を入れています。板橋区は都心と郊外の境目にあり、住みやすいまちとして人気の高い区ではありますが、実際は区民、区外の都民ともに文化的なまちとしてのイメージがあまりなく、印象の薄い地域であります。
平成18年に観光立国推進基本法が成立し、観光が国の重要施策の1つとして位置づけられました。2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、政府による観光立国実現に向けた取組みがより加速されており、大会を通じた新しい日本の創造、観光に対する期待が高まりと注目が集まると同時に、日本の伝統的な芸術、最先端アート、食文化など、多岐にわたる板橋区の魅力の創出に力を入れていくことが今後の区の発展と繁栄につながると考えます。
今までは買い物を楽しむモノ消費から、体験型の観光を重視するコト消費へ価値観のシフトが進んでいくことと見られており、観光地としてさまざまな可能性がある高島平の新しいまちづくりにしっかりと力を入れていくことが板橋区の新しい魅力の創出につながると考えます。高島平を東京の観光地として国内外に発信していく必要があると考えます。また、三田線の終点に近い高島平駅を観光地化することで、東上線と比べると比較的乗降客数の少ない三田線にも多くの人を呼び寄せ、高島平の観光地化により、板橋区は新旧混合の新しいまちになるきっかけになることを期待します。
また、高島平だけでなく、板橋区全体のプロモーションと経済効果、活性化も期待でき、地域経済の発展、地域の方々が日常的に文化・芸術に触れ、気軽に活動に参加することのできる場や機会を創設し、まちを元気にして個性と魅力を高め、文化・芸術による緑を育む地域社会の創出にもなると考えます。また、海外からも注目されるようなまちになることを期待いたします。1969年には、最先端のまちとして誕生した高島平のまちは、50年を迎え成熟する一方、高齢化や施設の老朽化など、地域のさまざまな課題が顕在化しています。今年、高島平が誕生50年になり、団地を板橋区の貴重な財産として若い方々の新しい発想と力で生まれ変わらせようというさまざまなイベントや企画が行われており、私も参加させていただきました。昨年から今年の春にかけて、二丁目と三丁目の団地を中心にたくさんの方々とお話をする中で、団地の高齢化、孤独で不安を抱えながら、寂しさと向き合い生活されている方が多いことを痛感いたしました。そこで感じたこれからの高島平のまちづくりを考えると、人々の意識やまちを活性化して、視覚に訴えたり、購買意欲の向上や、食などの興味を引いたり、人々にわくわく感を与え、期待感をもたらすことが有用であると感じております。
また、視覚に訴えるという意味において、快適でおしゃれなまちづくり、住みやすいまちにしていくという観点も、遠方からも多く人たちに足を運んでもらうためにこれからのまちづくりには必要だと思います。事例として、瀬戸内海、直島ではアートでまちおこしをして、まちの活性化とともに新たな観光資源の創出をし、日本全国や海外からの観光客の招致に成功しています。瀬戸内海の瀬戸内国際芸術祭や、べネットアートサイト直島を中心に、まちの中にアートが点在している家プロジェクトでは、点在していた空き家などを改修し、人が住んでいたころの時間と記憶を織り込みながら、空間そのものが作品化されています。また、生活空間の中で繰り広げられる地元の方々と来島者と住民との出会いはさまざまなエピソードを生み出しているそうです。そのほか、草間彌生の「赤カボチャ」を代表する屋外作品、アーティストの手がける銭湯など、さまざまな施策やイベントが行われるギャラリーなど、見て、参加して、楽しめる特別な場所を生み出しています。
別の事例として、ニューヨークのクイーンズ・ロング・アイランド・シティには、この美術館の別館であるMoMA PS1という現代美術館があります。かつて学校だった建物を改修して現在は美術館として使われており、子どもが作品の中で遊んだり、古い建物を有効利用した現代美術作品を展示しているユニークな美術館です。1970年代に廃棄された建物をアーティストたちのスタジオや、展示会会場として利用したのをきっかけにプロジェクトがスタートいたしました。同じくニューヨークの事例として、クイーンズにあったファイブ・ポインツという屋外芸術展示空間で世界最高のグラフィティのメッカがありました。世界中からアーティストたちが工場跡の建物の壁面1万9,000平方メートルに色鮮やかな作品を描いて話題の場所でした。三田線からも見える高島平団地の一部の壁にアートの作品を描き、インスタやフェイスブックでも話題になるような高島平の名所をつくることで、SNSによる口コミで情報拡散にも貢献できると考えます。
無印良品がURとコラボをして団地リノベーションプロジェクトを行っていますが、古い団地のよさを生かしたノスタルジックでおしゃれな空間には、たくさんの若い世代の方々も列を連ねる人気を博しています。少し斬新な事例ではありますが、このような事例を参考にしながら、古い建物である団地や、旧高島第七小学校跡地の有効利用をしたり、URの協力のもとで、高島平を若い方々や観光客にとって魅力的なまちの創設を提案いたします。昭和の財産である団地群でこのようなアートプロジェクトを参考に、新しいアイデアでまちづくりをし、住民の方々と連携をとりながら、まちの活性化、話題性、若返りに努め、日本と国外に板橋区をPRできると考えます。
住みたいまちの創出を実現するには、民間との連携もとりながら、まち全体を美術館として考え、団地内の空き家にインスタレーションや空間を利用した作品を展示したり、ギャラリーとして利用したり、広場や空間を利用してデジタルアートの作品のイベントを企画したり、さまざまな有効利用が考えられます。場所や空間を作品として体験させるような仕組みをまちに導入することによって、今後、訪れたくなり、住みたくなるまちとしての観光地化をしていくために必要であると感じております。それによる、まちの活性化と経済効果も見込めると同時に、来街人口をふやす意味でも有効と考えます。
そうした観点から言うと、やはり高島平は、大規模な団地群が地域のシンボルとなっていることもあり、区の目指すまちの実現に向けては、UR都市機構の協力は必須であると考えます。UR都市機構は昨年12月に、高島平団地をストック再生類型に位置づけ、団地の一部建て替えを含めた再生手法を検討し、多様な世代が生き生きと暮らし続けられるまちの実現を目指すと発表しており、私も、これは絶好の機会と考えます。本年2月の都市建設委員会の報告において、区がUR都市機構と旧高島第七小学校を含む公共用地を活用した賃貸住宅団地の建て替えの可能性検討を開始したことは好意的に捉えております。しかし、団地の建て替えに向けては、仮住まいへの引っ越しや家賃の問題など、居住者に負担を強いてしまうことも事実であり、忘れてはいけません。
今後のまちづくりを進めていく上では、このような視点を持ち、まちの魅力を向上させることによって、民間企業の参入を促すことにも通じると考えますので、積極的に働きかけていただきたいと思います。
そこで、区長に2点、質問させていただきます。UR都市機構との連携に向けては、建て替えによる居住者の負担軽減や、まちづくりへの積極的な関与を求めていくとともに、実効性を確保することも重要と考えますが、区長の見解はいかがでしょうか。高島平団地の再活性化について、団地に昭和のヘリテージとしての付加価値をつけて観光客を招致する、アートや空き家を利用して観光客や若者を招致し、まちを若返らせることは、板橋のブランディングとプロモーション、そして、高島平のまちの活性化にもつながると思いますが、区長の見解はいかがでしょうか。
次に、貧困の子ども対策についてお伺いします。
日本はアジアの先進国であるにもかかわらず、平成27年における日本の18歳未満の子どもの相対的貧困率は13.9%で、現在も7人に1人の子どもが相対的貧困の状態にあります。経済協力開発機構、OECDによる国際比較によれば、平成26年の日本の子どもの相対的貧困率はOECD加盟国34か国中、上から10番目と平均よりも高く、子どもたちを取り巻く環境が複雑、かつ多様化していることがうかがえます。交友関係や勉強、家庭など、児童の悩みもさまざまに考えられます。そのような中で起きてしまったのが千葉県野田市の児童虐待事件であります。当該事件のお子さんは、周囲に助けを求めるメッセージを発信していたにもかかわらず、結果的には命を救うことができませんでした。日本では現在、3万9,000人以上の子どもたちが社会的養護の下で生活をしています。里親委託される子どもの数は限られ、養子縁組される子どもは里親委託よりもさらに少なくなっています。こうした最も弱い立場にある子どもたちは、日本では成功のきっかけをまったく与えられないことも多く、生活に必要なスキルを身につける機会がなく、実りある社会生活を自立して営むのに必要な継続的サポートを得られない場合が多くあります。
さらに、貧困対策としてICT機器の積極的な活用も進めていただきたいと思っております。欧米の小・中学校、高校では、生徒がパソコンを使いながら、映像を使った発表やグループディスカッションなど、双方向の授業スタイルが普及しています。三鷹市の小学校では、シンガポールの小学校とウエブ会議システムを利用して、子どもたちが英語でコミュニケーションを取り合う国際交流事業や、国際共同カリキュラムに基づいて社会や文化、産業について意見交換を行い、お互いの理解を深めたりするなど、国際理解教育に取り組んでいます。
板橋区の小学校でも、ICT機器を活用してオーストラリアやニュージーランド、カナダなどの外国の学校と英語を使ってコミュニケーションを図っている学校もあります。また、板橋区では、子どもたちにとってわかる楽しい授業を目指して、ICT環境の整備を進めており、小・中学校の全ての普通教室に電子黒板とパソコンが導入されています。さらに、子どもたち用のタブレットパソコンが各学校45台整備されています。教育におけるICTの活用は、子どもたちの学習への興味・関心を高め、わかりやすい事業や子どもの主体的、協働的な学び、いわゆるアクティブラーニングを実現する上で効果的であり、確かな学力の育成に資するものです。
また、ICTを活用することによって、一人ひとりの子どもたちの能力や特性に応じた個別学習や子どもたちが教え学び合う共同学習の実施が可能になります。板橋区にも、さらにICT機器を活用してほしいと思っており、例えば経済的に塾に通わせることが難しい家庭の子どもには、ICT機器を活用して外国とのコミュニケーションを図る機会を設けて英語教育の充実を図ったり、今後、整備されていく板橋区の児童相談所にもICT機器を導入して、避難している子どもたちも、学校では受けられないような知識や価値観を身につけたり、海外とコンタクトをとって、英語だけではなく、世界にはさまざまな価値観や生き方があってよいということを実感し、経験してもらいたいと思っています。
そして、板橋区でも令和3年に板橋区子ども家庭総合支援センターが開設されますが、それに伴いより多くの子どもたちが明るい未来に向かってすくすくと成長し、夢や希望を考えられるような環境をつくることが理想と考えます。また、その周知についても力を入れていっていただくことが重要だと思っております。
そこで、以下の質問をさせていただきます。初めに、子ども目線で気長に相談できるカウンセリングシステムについて、チラシ、ステッカーなどのデザイン性に配慮をした広報活動を行うべきであり、さらには、板橋区でも令和3年に開設される予定の児童相談所における子どもからの苦情申し立て制度を充実させる必要があると考えます。子どもたちは学校の先生にも相談できない場合も考えられるので、児童が学校外で自ら能動的に相談できるような仕組みも必要です。また、相談する仕組みがあったとしても、児童にとって敷居が高ければ相談に至らないケースがあると思いますので、児童の目線でもリーチしやすい、児童がたどり着きやすいような工夫と、子ども目線での魅力的な周知物、チラシやポスターなどの作成や、気軽に相談できる仕組みの構築に取り組むべきと考えますが、区の見解を伺います。そして、児童相談所設置に向けた相談体制の充実策についても区の見解を伺います。
次に、子どもの権利擁護について伺います。
子どもの意見を先生や施設職員に直接届けることのできる特別ポストの設置や、子どもの権利ノートを配るなど、区の児童相談所で行う予定はあるのか、区の見解を伺います。
次に、子どもの苦情解決についてですが、子どもの苦情解決に当たっては、第三者の関与を積極的に行う必要があると考えますが、区の見解を伺います。
次に、児童養護施設における児童への対応について伺います。
スタッフ1人に対して子どもが5人から6人で対応しており、一人ひとりに十分な面倒を見られておらず、家庭から離れて精神的に不安定になった子どもたちへ精神薬を投与しているという事例も聞いたことがあります。もしそうであれば、薬で子どもの気持ちを抑えるのではなく、万が一でもこのようなことがないように、子どもの気持ちを理解し、なだめられるよう、地域の高齢者などの人材派遣を利用して、スタッフとなる大人の人数をふやしてはいかがでしょうか。区の見解を求めます。
次に、貧困の子どもへの特別な教育のケアについて伺います。
2014年3月に公表された文部科学省の調査によれば、親の経済力と子どもの学力には相関関係があることがわかりました。さらに、その調査によれば、親の経済力が低くても、毎日、朝食を食べ、毎日同じぐらいの時間に寝て、親と勉強や成績のことについて話をし、宿題をし、規則正しい生活を送っている子どもたちは成績上位にいることもわかりました。貧困の連鎖を断ち切るためにも、学校が子どもたちの学力をしっかり身につけさせることが重要と考えます。さらに、貧困の子どもたちの情操を育むためには、学校は高齢者などの地域人材を積極的に学校教育に導入し、連携してさまざまな経験や知識をお持ちの方を積極的に活用すべきと考えます。
学校の成績の下の方の子どもたちは、施設や親からの虐待を受けている子どもが多いと言われていますが、その子どもたちを教育という名目で特別な事業を受けさせることについて伺います。例えば渋谷区の事例のように、クラウドファンディングで集めた資金でスタディクーポン制で英会話や茶道や音楽、絵画など、子どもの心を育てる情操教育を受けさせるというような事業を行うという考えはあるのか、区の見解をお伺いします。
次に、児童施設卒園者の自立支援について伺います。
18歳で施設を出るときに、措置終了後にまず直面する大きな問題が自立でありますが、専門学校や大学に行ける子どもは少ないと聞いています。また、保証人の問題も含めて住居などを見つけることも困難であると言われています。子どもたちが安心して自立し、社会で活躍できるような支援について、2点、質問いたします。
1点目に、専門学校、大学への進学支援についてお伺いいたします。児童養護施設の卒園者が専門学校や大学へ進学する際の支援策はどのように考えているでしょうか。2点目に、住居確保の支援についてお伺いいたします。児童養護施設を出るときに、保証人の問題も含め住居などを見つけることも困難であります。子どもたちが安心して自立し、社会で活躍できる支援について、区の見解をお伺いいたします。
最後に、板橋区コミュニティスクールの子どもの貧困問題への好影響についてお伺いいたします。
板橋区では令和2年よりコミュニティ・スクールICSの導入を目指しており、ICSが実際に機能することで、子どもの貧困問題にはどのような好影響があるのか、区の見解をお伺いいたします。
以上で、私の一般質問を終わります。ご清聴、ありがとうございました。(拍手する人あり)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
△休憩の宣告
○議長(元山芳行議員) 小野田みか議員の一般質問の途中でありますが、議事運営の都合により、この際、暫時休憩いたします。
なお、再開時刻は1時5分といたします。
正午休憩
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
午後1時05分再開
出席議員 46名
1番 小野田 み か議員 2番 高 山 しんご議員
3番
内田けんいちろう議員 8番 石 川 すみえ議員
9番 山 田 ひでき議員 10番 山 田 貴 之議員
11番 中 村とらあき議員 12番 間 中りんぺい議員
13番 しのだ つよし議員 15番 こんどう秀 人議員
16番 山 内 え り議員 17番 吉 田 豊 明議員
18番 田中しゅんすけ議員 19番 安 井 一 郎議員
20番 寺 田 ひろし議員 21番 さかまき常 行議員
22番 しいな ひろみ議員 23番 井 上 温 子議員
24番 荒 川 な お議員 25番 いわい 桐 子議員
26番 坂 本あずまお議員 27番 田
中やすのり議員
28番 いしだ 圭一郎議員 29番 成 島 ゆかり議員
31番 南 雲 由 子議員 32番 竹 内 愛議員
33番 小 林 おとみ議員 34番 元 山 芳 行議員
35番 大 野 治 彦議員 36番 鈴 木こうすけ議員
37番 し ば 佳代子議員 38番 五十嵐 やす子議員
39番 長 瀬 達 也議員 41番 かなざき文 子議員
43番 杉 田 ひろし議員 44番 茂 野 善 之議員
45番 田 中 いさお議員 46番 かいべ とも子議員
47番 渡 辺よしてる議員 48番 おばた 健太郎議員
51番 川 口 雅 敏議員 52番 佐々木としたか議員
53番 なんば 英 一議員 54番 大 田 ひろし議員
55番 高 沢 一 基議員 56番 中 妻じょうた議員
職務のため議場に出席した事務局職員の職氏名
区議会事務局長 太野垣 孝 範君
区議会事務局次長 丸 山 博 史君
〃 議事係長 浅 子 隆 史君 〃 調査係長 鑓 水 貴 博君
〃 書記 森 下 慎 吾君 〃 書記 戸 田 光 紀君
〃 書記 平 山 直 人君 〃 書記 田 中 彩 乃君
〃 書記 飯 野 義 隆君 〃 書記 伊 藤 祥 平君
〃 書記 山 川 信 也君 〃 書記 木 村 欣 司君
〃 書記 坂 本 悠 里君
地方自治法第121条の規定による説明のための出席者
区長 坂 本 健君 副区長 橋 本 正 彦君
教育長 中 川 修 一君 代表・常勤監査委員菊 地 裕 之君
政策経営部長 堺 由 隆君 総務部長 森 弘君
法務専門監 辻 崇 成君 危機管理室長 林 栄 喜君
区民文化部長 有 馬 潤君 産業経済部長 尾 科 善 彦君
健康生きがい部長 五十嵐 登君 保健所長 鈴 木 眞 美君
福祉部長 椹 木 恭 子君 子ども家庭部長 久保田 義 幸君
資源環境部長 渡 邊 茂君 都市整備部長 安 田 智君
土木部長 糸 久 英 則君 会計管理者 平 岩 俊 二君
教育委員会事務局次長 地域教育力担当部長松 田 玲 子君
藤 田 浩二郎君
政策企画課長 篠 田 聡君 財政課長 小 林 緑君
総務課長 織 原 真理子君
△再開の宣告
◎事務局長(太野垣孝範君) ただいまの出席議員数は46名でございます。
○議長(元山芳行議員) 休憩前に引き続き、会議を再開いたします。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
△区政一般質問(続き)
○議長(元山芳行議員) 小野田みか議員の一般質問に対する答弁を求めます。
◎区長(坂本健君) 議長、区長。
○議長(元山芳行議員) 区長。
〔区長(坂本 健君)登壇〕
◎区長(坂本健君) それでは、小野田みか議員の一般質問にお答えいたします。
最初は、いたばしアクティブプラン2020の取組み状況についてのご質問であります。ワーク・ライフ・バランスやダイバーシティー&インクルージョンの推進に取り組む企業を表彰する制度におきましては、表彰企業数が大幅に増加をしてまいりました。昨年10月に実施いたしました、いたばしパパ月間においては、男性の家事と育児の参画を促進するための啓発を行ってまいりました。また、ひとり親家庭の経済的自立と生活安定に向け、就労支援プログラムを策定するなど支援を行っているところであります。今後も女性が活躍できるまちの実現に向けて、引き続き積極的に取り組んでいく考えであります。
次は、個別カウンセリングについてのご質問であります。
昨年8月に開始いたしました個別カウンセリングにつきましては、8か月で35件の相談をいただいております。具体的なお話は、相談内容につきましてはお話しできませんけれども、複数回にわたりまして1時間程度のカウンセリングを受けることによりまして、ご自身の不安や考えに整理がつき、表情を明るくされたと聞いております。今後につきましても、個別カウンセリングを含めたさまざまな事業を通じまして、育児等によって社会から孤立した女性に寄り添った支援を行っていく考えであります。
次は、女性に対するカウンセリングについてのご質問であります。
男女平等推進センター相談室におきましては、既婚、未婚にかかわらず、女性全般の働き方や生き方についての相談をお受けしております。相談室について、リーフレット、ホームページ、イベントなど、あらゆる方法で周知を図った結果、平成30年度は前年度に比べて相談件数が2割ふえております。より多くの方々に相談室の存在を知ってもらうように、引き続き積極的に周知を図りながら、相談いただきました内容を区の施策や事業に反映していきたいと考えています。
次は、高齢者に対する就業支援についてのご質問であります。
板橋区社会福祉協議会が運営しておりますアクティブシニア就業支援センターにおきましては、概ね55歳以上の方を対象に、キャリアカウンセリングや求人開拓、職業紹介などを行っております。高島平には、その分室でありますワークス高島平がありまして、板橋区シルバー人材センターの分室も併設をされております。アクティブシニアでは、合同面接会や再就職支援講座の開催、また、ウエブサイトでの求人情報の提供なども行っておりまして、区や関係機関を通じました周知にも力を入れております。平成30年度の実績は、求職者数延べで2,417人、就職者数は161人、開拓求人件数は2,072件となっております。
次は、高齢者に対するパソコン講座の活用についてのご質問であります。
高齢者の就業につながるパソコン講座など各種の講座等には、シニア学習プラザやシルバー人材センター等で実施をしているところであります。また、東京しごとセンターではシニア生涯ワーキングセミナーの開催をいたしまして、就業に向けたスキルアップの支援を行っております。今後も関係機関と連携をしながら、高齢者のスキルアップや就業支援をより効果的に実施していきたいと考えています。
次は、女性やLGBTが働きやすい職場に向けた支援についてのご質問であります。
区では、ワーク・ライフ・バランスとダイバーシティ&インクルージョンをあわせて推進し、誰もが生きやすく能力を発揮できる社会を目指しております。区内企業に向けましては、誰もが働きやすい環境となるよう、各団体を通じてセミナーやイベントの案内及び啓発パンフレットの配布を行いまして、積極的に周知を図っているところであります。
次は、ファッションやパーソナルカラーの講座の実施についてのご質問であります。
子育てママの未来計画は、東京家政大学の先生方が各種文献に基づき構築をしました育児中の女性の自尊感情の向上を図る講座でありまして、ご提案のテーマを組み込むことは現在難しいと考えております。一方、昨年は板橋区若者・女性のための就職サポート事業におきましては、パーソナルカラーに関する講座を実施したところであります。
次は、女性の就労に向けたセミナー等の実績と成果についてのご質問であります。
平成30年度における実績としましては、3日間コースで、働きたいママのための再就職セミナーをハローワークとの共催で行いまして、27名の方が参加をしております。また、創業支援施設である企業活性化センターにおきましては、女性のための起業家入門講座を実施し、21名が参加をしているところであります。さらに、区内中小企業への紹介予定派遣によります就業体験を通じて雇用へと結びつける若者・女性のための就職サポート事業におきましては、成果として7名の女性が正規雇用に結びついているところであります。
次は、女性の起業に向けた支援策についてのご質問であります。
現在、区の企業活性化センターにおきましては、女性を対象にした女性のための起業家入門講座を実施し、起業のノウハウを学び、ネットワーク構築の支援を行っているところであります。また、センター内には、創業予定者や創業間もない方が利用できるオフィスが28室ございまして、そのうち5室において女性起業家が入居しております。
一方、対象を女性に限ったものではありませんけれども、創業のための低利での融資のあっせんをはじめ、利子補給、信用保証料の補助についても行っております。今後も引き続き、金融機関などの関係機関と連携を図りながら、女性起業家向けの支援をきめ細かく実施していきたいと考えています。
次は、高島平グランドデザインのURとの連携についてのご質問であります。
高島平地域グランドデザインにおいて示しました将来像の実現には、公共施設の利便性向上や計画的な建物更新により、理想的なまち並み形成が図られる連鎖的な都市再生が有効と考えております。そのため、新たな価値や魅力を創出する一体感のあるデザイン都市として再生するために、UR都市機構の団地再生との連携は不可欠と考えているところでもあります。今後も、UR都市機構と地域課題の解決やまちづくりの推進に向け、さらなる連携を図っていきたいと考えています。
次は、高島平地域の活性化についてのご質問であります。
高島平のまちづくりに際しまして、アートや音楽等の文化、芸術の観点を含めた取組みは、にぎわいづくりや地域のブランディング等の視点からも有効であると考えています。今後も、地元住民をはじめとする関係者や専門家などさまざまな人のご意見を踏まえながら、多くの人々が賛同するまちづくりを進めていきたいと考えています。
次は、貧困の子ども対策に関連いたしまして、子ども目線のリーフレットや相談の仕組みについてのご質問であります。
区では、毎年11月の虐待防止月間にあわせまして、小学4年生から中学3年生を対象に、児童虐待防止カードとリーフレットを配布しております。また、子どもを守る地域ネットワーク巡回支援事業によりまして、小・中学校、保育園、幼稚園などが身近な相談窓口となり、子ども家庭支援センターとの密接な連携を構築しております。今後も周知媒体の魅力向上に努め、子ども目線に立った相談システムの充実に向けて関連事業の拡充に努めていきたいと考えています。
次は、子どもの権利擁護についてのご質問です。
平成28年の改正児童福祉法において、子どもが権利の主体であることが明確に位置づけられておりまして、児童は保護される客体から権利の主体へと転換が図られたところであります。板橋区では、子どもの権利が真に尊重されるように、地域や区民の方々に子どもの権利についての理解を深めていただくことが、まず重要であると考えています。区で設置する児童相談所の運営に当たりましても、子どもの権利擁護の取組みを行うとともに、子どもの意見を聴取する仕組みや権利ノートの取り扱いについても検討していきたいと考えています。
次は、子どもの苦情解決についてのご質問であります。
子どもは権利の主体であり、その意見が尊重され、子どもの最善の利益が優先して考慮されなければならないと考えます。このことから、国は今後策定される都道府県社会的養育推進計画に子どもの意見聴取の方法等を盛り込むよう求めているところであります。板橋区におきましても、子どもの権利擁護の観点から、その意思を酌み取り、子どもの権利が阻害されることのないよう、国や東京都の動向を注視しながら最善の方策を研究していきたいと考えています。
次は、児童養護施設における児童への対応についてのご質問であります。
区内3か所の児童養護施設は、いずれも区の要保護児童対策協議会の構成員でありまして、随時懇談会等も行うなど、顔の見える関係を築いております。児童養護施設の職員の方々は、児童へのケアや自立支援の取組みなど日々大変ご苦労されておりまして、国では人材確保に向けた処遇改善として、児童養護施設等体制強化事業を創設したところであります。児童養護施設の支援につきましては、特別区全体として考えていく必要があると考えておりまして、その検討を踏まえながら、区としての連携や支援等について研究を進めていきたいと考えております。
次は、特別な教育のケアについてのご質問であります。
区では現在、学ぶ意欲を持つ子どもたちへの支援として、まなぶーすを3か所、学びiプレイスを5か所設置しているほかに、生活保護受給世帯には塾代の補助も行っているところであります。未来を担う子どもたちが経済的理由によって学習する機会を諦めることがないよう、渋谷区のスタディクーポン事業も参考にしながら、これから区としましても学習支援策を研究していきたいと考えています。
次は、児童養護施設卒園者に関連いたしまして、専門学校、大学への進学支援策についてのご質問であります。児童養護施設等の卒園者につきましては、進学に伴う費用の問題や孤立しがちになる生活上の問題などが生じておると考えています。こうした現状から、国は平成28年に児童福祉法改正をし、自立のための支援が継続される仕組みを整備したところであります。現在、社会的養護の実施主体は都道府県でありまして、区としましては、今後の国や東京都の動向を注視しながら、適切な支援につながる取組みを推進していきたいと考えています。
次は、住居確保の支援についてのご質問であります。
区が行った児童養護施設へのヒアリング調査においては、施設退所後の自立にはさまざまな課題がありまして、とりわけ住宅確保が高いハードルとなっているということがわかりました。区では、卒園者が社会生活を送る上で最も基本となるのは住まいの確保であると考え、進学する卒園者を対象として、住まいの費用を助成する制度をスタートしたところであります。国の身分保証人確保対策事業等と組み合わせをすることによりまして、子どもたちが安心して自立し、社会で活躍できる支援を進めていきたいと考えています。
残りました教育委員会に関する答弁は教育長から行います。
◎教育長(中川修一君) 議長、教育長。
○議長(元山芳行議員) 教育長。
〔教育長(中川修一君)登壇〕
◎教育長(中川修一君) それでは、小野田みか議員の教育委員会に関する一般質問にお答えします。
板橋区コミュニティ・スクールの子どもの貧困問題への好影響についてのご質問ですが、板橋区コミュニティ・スクールは、地域の方々が参画するコミュニティ・スクール委員会と学校支援地域本部が両輪・協働の関係で学校の教育活動を支えるものであります。地域と学校が目標やビジョンを共有し、力をあわせて子どもへの教育に携わることで、文部科学省が提唱する、地域とともにある学校を実践することが可能となります。学校と地域とが連携・協力して学校運営に取り組んでいくことで、子どもたちの学びや体験を豊かにし、校内環境が整備されるなどの好影響がもたらされるよう期待しているところでございます。
いただきました教育に関する質問の答弁は以上でございます。
○議長(元山芳行議員) 次に、しのだつよし議員。
◆しのだつよし 議員 議長。
○議長(元山芳行議員) しのだつよし議員。
〔しのだつよし議員登壇〕(拍手する人あり)
◆しのだつよし 議員 自由民主党のしのだつよしでございます。ただいまから一般質問をさせていただきます。
去る5月28日に起きた川崎殺傷事件は、無抵抗な子どもを狙った卑劣な犯罪、犯行でありました。このような小さい子や立場の弱い人を狙った事件が起こるたびに、やはり弱者を思いやる教育を、幼少のうちにしっかりやっておかなければならないと痛感いたします。日本の武道特有の概念に、惻隠の情というものがあります。この惻隠の情というのは、立場の弱い人を思いやる心ということでございます。
平成24年より中学校で武道が必修化されました。これは、武道の教育的価値が認められたからでしょうか。私は、今の日本に必要な惻隠と利他の精神を武道に求めているからではないかと思えてなりません。武士道という書物をあらわした新渡戸稲造が、武士道の最高の美徳は弱者や敗者への共感の涙であると語っております。当時、武士は権力を持ちながら庶民よりもお金がなく、貧乏でした。しかし、庶民からは尊敬されていました。それは、この弱者を思いやる心、惻隠があったからです。つまり、お金待ちよりも道徳心のある人が人間として敬意を表された時代だったのです。
利他の精神とは、ご承知のとおり、この自分よりも他者の利益を優先するという心です。自分のことは後回しにして人のために尽くすのは、お人よしのすることだと笑われそうです。しかし、自分本位の考えであれば対立が起こりやすい。実際に国内外では、衝突や紛争が絶えません。だからこそ、今、惻隠の情と利他の精神の復活が求められているのだと思っています。
さて、政府は5月16日、認知症対策の新たな行動計画となる認知症対策大綱の原案をまとめて有識者会議に示しました。大綱では、発症や進行を抑える予防と認知症の人が住みなれた地域で暮らし続ける共生に重点を置いています。この住みなれた地域で暮らす共生、つまり、家族や地域と認知症の人たちがともに生きていくためには、地域の方々に認知症のことを理解していただくことが重要です。それとともに、社会的孤立を解消するために、交流サロンのような通いの場をつくることが有効とされています。
そこで、私がすばらしい取組みだと感じているのが、注文をまちがえる料理店です。これは、ホールスタッフさんが全員認知症のレストランです。NHKのプロフェッショナル 仕事の流儀という番組のディレクターさんが発案したものです。ホールスタッフさんは認知症なので、たまに注文を間違えることがあります。一方、お客さんは注文と違う料理が届いても文句は言いません。レストランの名前が注文をまちがえる料理店ですので、お客さんはみんな、間違えてしまうということをわかった上で入店しているからです。
この料理店が生まれたいきさつについて少しお話をさせていただきます。それは、たわいない出来事がきっかけでした。NHKの番組制作のために、ディレクターさんは認知症高齢者グループホームを訪れていました。グループホームで生活している認知症の人たちは、いつも自分たちで昼食のメニューを決めて買い出しに行き、自分たちで調理をして食べるという生活を送っていたそうです。その日の昼食メニューはハンバーグと決めていたのですが、出てきたものは餃子でした。恐らく買い物途中でメニューを忘れてしまったのでしょう。だけど、ひき肉を買うことだけは覚えていたので、そのひき肉を見て、昼食のメニューは餃子だと思い込んでしまったようです。
このようなことはグループホームではありがちなことでしょうが、ディレクターさんは思わず間違っていますよと言いそうになりました。どうして間違いを受け入れることができなかったんだろう、こうあるべきだという考え方は、ぎすぎすした世の中にさせてしまう。そうではなくて、まあ、いいかという寛容な考え方ならば、ほっとした空気が店内に流れるだろう。この、まあ、いいかという精神が大事なんだとディレクターさんは考えるに至りました。
介護が必要な状態になったとしても、また、認知症の状態になったとしても、施設の中に閉じ込めることはしない。まちに出て、まちの中で社会とつながって生きることができるようにする。地域の皆さんが認知症の状態にある人を受け入れることができれば、認知症の人たちは社会の中で生きていくことができる。社会課題の解決には、法律や制度を変えることが重要です。ですが、我々がほんの少し寛容であるだけで解決できる問題もあるのではないか。例えば、電車のベビーカーや赤ちゃんの泣き声、運動会の音への苦情。まあ、いいか、みんながこう言い合えば、世の中は温かくなる。そのようにディレクターさんは言っています。このような趣旨に賛同する企業があらわれ始めました。2017年より、メゾンカイザー、吉野家、新橋亭、ランディ、一風堂、グリル満天星、スターバックスコーヒー、とらやなどの企業が各地で取組みを始めています。
今年の3月4日、5日に、厚生労働省庁舎内の中国料理店で注文をまちがえる料理店at厚生労働省をオープンしました。また、今月開催の2019カンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバルに出店を予定しています。そして、2020年東京オリンピック・パラリンピックの選手村付近で料理店出店に向けて検討をしているそうです。オリパラは最大のアピールになるでしょう。
厚生労働省は、認知症の人の意思が尊重され、できる限り住みなれた地域のよい環境で自分らしく暮らし続けることができる社会を実現するために、新オレンジプランを2015年4月に策定しました。その柱の1番目に、認知症への理解を深めるための普及啓発の推進とあります。大事なことは、認知症に対する理解を深めてもらうことです。世の中が認知症の人に寛容になれば、この注文をまちがえる料理店のような雇用という試みも加速するのではないかと期待しています。
若年性認知症の人もいますので、生きがいとして収入が得られることは大きな力になります。認知症の人が住みなれた地域で暮らし続けることができれば、社会保障費の膨張の抑制も期待できるかもしれません。ご案内のとおり、この注文をまちがえる料理店は、共生社会の実現に向けて、寛容な心を人々に根づかせる上でとてもすばらしい取組みだと思います。寛容な心は、幼小のうちから育ませることが大事です。そこでお尋ねします。まず、学校では寛容な社会の実現に向けてどのような取組みを考えているのでしょうか。
障がい者の雇用の充実について伺います。
障がい者の自立を実現していくためには、障がい者が就労し、安定的に生活をしていくだけの賃金を得るための雇用の充実が必要であると考えます。
そこで伺います。区の障がい者就労支援事業の登録者数及び就職者の現状を教えてください。また、障がい者の就労支援に係る理念について、区長のお考えをお聞かせください。障がいを持つ方への支援とともに、受け入れ企業の充実を図る必要があると考えています。私の聞いたところによると、東京商工会議所板橋支部においても雇用委員会があり、障がい者雇用について、中小・零細企業も積極的に関与することが期待されているところです。
また、板橋区には、犯罪や非行をした人の前歴にこだわらず、立ち直る決意をした人の就労を支援する板橋区更生保護協力雇用主会というものがあります。障がい者についても同じような仕組みを構築し、支援していくことができるのではないかと考えています。そこで伺います。障がい者の就労支援の現状の取組みと今後の方向性についてお聞かせください。
数年前の統計で、板橋区の子どもたちは自尊感情が乏しく、積極的に困っている人を助ける意識が低いという結果を見ました。私は、子どもたちに空手を指導しております。空手や柔道、剣道などの武道には惻隠の情というものが宿ると述べさせていただきましたが、空手を習うことで、自尊感情や人助けの精神が宿るものと思っております。
そこで、武道のよさを知ってもらうために、小学校児童に空手教室を講義しようと思い立ちました。2001年より始め、これまでに9つの小学校で講義させていただくようになりました。講義では、わざのまとめ上げとして、習ったばかりの突きや蹴りわざで板を割る板割りに挑戦させています。何度か失敗してやっと割れた気分は爽快で、不可能が可能になったときの自尊意識を育てています。
ところが、自信を持つと、どうしても人や物に試してみたくなるものです。そこで、この次は道徳の時間として、板割りで得た自信を勇気につなげ、その勇気の心を、弱い者いじめをする者を制することに使うことが大事なのだと教えています。自分のことは後回しにしてでも、困っている人がいたら救いの手を差し伸べる、そんな人は周りから感謝され信頼されます。私は人の役に立っている、人の支えになっていると感じると、とても自尊感情が沸き起こるものです。自分に自信を持つために勉強やスポーツに励むのもよいのですが、むしろこのように自分が損をしても正しいことをする正義感を養わせることの方が、よりすばらしい自尊感情、自己肯定感が育つのだと思っています。
そこで伺います。板橋区の子どもたちは、自尊心、自分のよさをどれくらい認識しているのでしょうか。また、東京都や全国と比較してどうでしょうか。自尊感情を高めるためには、他者から認められることが大切です。そこでお伺いします。自尊感情を高めるために、学校ではどのような取組みを進めているのでしょうか。
板橋区栄町にあった養育院、現東京都健康長寿医療センターは、お年寄りや病気を患った方のみならず、孤児、困窮者、障がい者の保護施設でもありました。まさに日本の福祉、医療の原点であります。その養育院の初代院長を務めたのが、2024年、新一万円札の顔になる渋沢栄一です。板橋区には、渋沢栄一のようなゆかりのある歴史上の人物がいます。
話は変わりますが、登山家で冒険家の植村直己もその一人です。ぜひ大きく取り上げていただき、子どもたちに板橋の誇りを感じ取ってもらえればと思います。
さて、日本は今後ますます国際化、グローバル化します。日本人がより国際人となるためには、まずは自国のよさを認識することだと思います。そのためには、日本文化に触れるという経験がとても大事です。もっともっと日本のよいところを子どもたちに教えていくべきでしょう。そうすれば、自分の国に自信と誇りが持てるような真の国際人が育つのではないでしょうか。
子どもたちが社会で活躍する2030年は一層国際化が進み、国籍や人種を超えた多種多様な人々と協働して取り組む力が必要です。世界で活躍するためには、その基盤となる日本について、もっと子どもたちに伝えていくべきです。お伺いします。板橋区教育委員会の認識をお聞かせください。また、学校では具体的にどのように取り組んでいるのでしょうか。
最後に、大山駅周辺のまちづくりについてお話をいたします。
日本には日本武道館が、東京には東京武道館があるように、板橋にも板橋武道館が欲しいところです。大田区にある屋内スポーツ施設の大田区総合体育館はさまざまなイベントが開催されて、大田区のシンボル的な存在となっています。板橋区でも、いわゆるスポーツタウン化することが望まれます。ショッピングセンター、コンベンションセンター、スポーツバー、グッズショップ、そしてホテルなど、隣接させることで雇用を創出されるからです。現役アスリートや元アスリートのセカンドキャリア、そして、障がい者や高齢者の雇用にもつながるかもしれません。スポーツをする、見る、支えることにより、地域の人々もスポーツを通して健康に元気になれるでしょう。
また、世田谷区にある羽根木プレーパークは、子どもが自分の責任で自由に遊べる公園として有名であり、地域住民が世田谷区と協力して運営して成功した事例です。ここで自由に楽しく遊ぶためには、ケガは自分持ちというスタンスが必要になってきます。文部科学省は、子どもが自らの判断で危険を回避する能力を育むことを全国共通の指針にする方針です。屋内スポーツ施設やプレーパークについては、板橋区にもぜひ欲しいところです。
さて、板橋区は、区の中心部にある大山駅周辺地区で、今、区のまちづくりを大きく進化させるビッグプロジェクトに取り組んでいます。そのプロジェクトの中心的な5つの都市計画事業が現在、同時並行に進行しています。その5つの事業とは、1、都市計画道路補助第26号線整備事業、2、大山町ピッコロ・スクエア周辺地区市街地再開発事業、3、大山町クロスポイント周辺地区市街地再開発事業、4、東武東上線大山駅付近の連続立体交差事業、5、大山駅駅前広場整備事業であり、私の居住地域の近隣に位置しています。
このうち2つの再開発事業と補助26号線整備事業については、事業が動き始めた平成27年当初、東京都、板橋区、町会、商店街それぞれに関係のある人が賛否両論、熱い議論を交わしていたことを私は記憶しています。そこから約4年が経過し、平成から令和へと年号も変わり、大山まちづくり総合計画から推測すると、それぞれの事業は順調に進んでいるように見えます。
そこで、まずは、大山駅付近の再開発事業について質問いたします。
2つの事業とも平成27年に準備組合が設立され、ともに事業活動を開始しています。特にクロスポイント地区再開発事業は、平成29年10月、都市計画の決定が行われ、現在、本組合設立に向け事業活動を継続していると聞いています。一方で、ピッコロ・スクエア地区再開発事業につきましては、令和2年度に都市計画の決定を目指し、事業活動を継続していると聞いています。この2つの再開発事業、多少の事業スピードは違うものの、目指すべきゴールは同じはずです。まずは、この再開発事業の目的と効果について区長の見解をお伺いします。まだまだ工事着手に至っていない2つの再開発事業でありますが、これらも含め、最初に述べた5つの都市計画事業が完了すれば、大山駅周辺地区は都内でも有数な商業都市に生まれ変わると思います。これはぜひにも実現していただきたいと切に願っています。
鉄道立体化と駅前広場整備についてお話しします。
次に、東武東上線大山駅付近の連続立体交差事業について質問いたします。大山駅周辺地区では現在、鉄道と交差している補助第26号線の整備が先行しており、道路整備による防災性の向上や交通の円滑化など、効果をより高めるためには、踏切の早期解消が求められます。そのほかにも、地区内8か所の踏切が、いわゆる開かずの踏切であり、地域の利便性や安全性の向上の妨げになっています。こういった課題を解決するのが連続立体交差事業であり、昨年12月16日、17日に開催された説明会におきまして、事業主体の東京都より都市計画案及び環境影響評価書案が提示され、着実に取組みが進められているものと認識しております。
区の悲願であります東武東上線の立体化の第一歩として、大山駅付近の計画が順調に進んでいることは大変喜ばしいことであります。立体化の完成目標はぶれることなく早期実現を目指していただきたい。そこで改めての質問になりますが、この連続立体交差事業の目的や効果、取組みについて伺います。
次に、大山駅の駅前広場計画について質問いたします。
大山駅付近の連続立体交差事業にあわせて、昨年12月の都市計画案説明会において、区より都市計画案が示されました。大山駅付近の課題でもあります交通結節機能の低さやオープンスペースの少なさなどを解消するため必要かつ重要な計画であると考えており、連続立体交差事業とあわせて実施することで、相互の事業効果がさらに高められるものと期待しております。そこでお伺いいたしますが、駅前広場計画における現在の取組み及び今後の予定について、区の見解をお示しください。
大山駅東側のまちづくりについてお話をいたします。
続いて、再開発事業や鉄道立体交差化事業とは別に、文化会館、板橋第一中学校周辺についてお尋ねします。近隣の板橋第二、第三中学校は建て替えが終わっておりますが、板橋第一中学校はその名のとおり一番古く、歴史のある学校であるにもかかわらず、また、地元から再三建て替えの要望があるにもかかわらず、耐震工事をした程度であり、建て替えには至っておりません。
文化会館やグリーンホールも耐震工事が終わってから数年が経ちます。10年先には一斉に着手すべきでしょう。文化会館、板橋第一中学校周辺については、平成26年3月に策定された大山まちづくり総合計画の中では、各施設更新にあわせて、にぎわいの確保などを検討していくとの記載がありますが、その後の検討状況はどのようになっているのか、お聞かせください。
未来を育む緑と文化の輝くまち板橋の実現に向けて、区長、教育長の前向きな答弁を求めて一般質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手する人あり)
◎区長(坂本健君) 議長、区長。
○議長(元山芳行議員) 区長。
〔区長(坂本 健君)登壇〕
◎区長(坂本健君) それでは、しのだつよし議員の一般質問にお答えいたします。
最初は、障がい者の就労の現状についてのご質問であります。
平成30年度末における障がい者就労支援センター、ハート・ワークの登録者数は893名、就職者数は556名でありまして、そのうち101名の方が新規就労者であります。
次は、障がい者の就労支援に係る理念についてのご質問であります。
障がい者の就労は、自立と安定的な生活の実現に資する重要な要素でありまして、第5期板橋区障がい福祉計画において重点施策の一つとしての位置づけをし、取組みを現在進めているところであります。
障がい者の就労支援においては、個々人の特性にあわせた寄り添った支援とともに、障がい者雇用に関する理解あるいは意識醸成が肝要であるとも考えています。今後につきましては、SDGsの目標に掲げられております、働きがいも経済成長も、の視点を踏まえて、障がい者の働きやすい環境のさらなる創出に取り組んでいく考えであります。
次は、障がい者の就労支援に係る取組みの現状と今後の方向性についてのご質問であります。
企業の積極的な関与や企業が協力して労働者の受け入れをする仕組みの構築は、受け入れ企業の充実に資するものと考えています。現在の障がい者就労支援の取組みの中におきましても、板橋区自立支援協議会就労支援部会の下に事業者連絡会を設け、さまざまな雇用策の可能性についてを協議していただいております。今後につきましては、ご提案の方策も含め、連絡会における協議を進め、受け入れ企業の充実による障がい者の就労の促進に取り組んでいきたいと考えています。
次は、大山駅周辺地区のまちづくりに関連いたしまして、再開発事業についてのご質問であります。
大山駅周辺地区の再開発事業におきましては、木造住宅密集地域を解消し、補助第26号線との一体的な整備によりまして延焼遮断帯を形成し、燃え広がらないまちの実現を目指しているものであります。加えて、補助第26号線と交差する商店街の連続性を確保しながら、商店街のにぎわいの維持と向上を図ることも目的としております。今後とも、東京で一番住みたくなるまち板橋の実現を見据えながら、関係する権利者との合意形成を図りながら進めていきたいと考えています。
次は、連続立体交差事業の目的や効果、取組みについてのご質問であります。
連続立体交差事業につきましては、補助第26号線を含めた8か所の開かずの踏切を除却することによりまして、踏切問題や鉄道による地域分断の解消等が図られ、まちの魅力向上にも寄与する事業であると考えています。事業主体であります東京都は、昨年12月に都市計画案及び環境影響評価案の説明会を開催し、あわせて両案を公告・縦覧し、意見書を受け付けたところであります。本年度、都市計画審議会の議決を経て都市計画決定を行う予定でありまして、引き続き早期事業化に向けて、東京都や東武鉄道と連携をしながら取り組んでいく考えであります。
次は、駅前広場計画における現在の取組み及び今後の予定についてのご質問であります。
区では、補助第26号線の整備や鉄道立体化を見据え、鉄道と各交通機関との乗りかえ利便性の向上や公共空間の確保を図るため、駅前広場の計画を現在進めております。現在、連続立体交差事業とあわせて都市計画の手続きを進めておりまして、今年度、都市計画審議会の議決を経て、都市計画決定を行う予定でもあります。引き続き各事業の事業効果を高めるために、連続立体交差事業にあわせて駅前広場計画の早期事業化に向けて取り組んでいく考えであります。
最後のご質問であります。大山駅東側のまちづくりについてのご質問であります。
文化会館を含む大山駅東地区周辺については、本年度スタートしました№1プラン2021において公共施設の配置検討を進めていくこととしております。そこでは今年度と来年度で検討を進め、令和3年度には一定の結論をお示しする計画となっております。現在、課題整備などに着手をしておりまして、いたばし魅力ある学校づくりプランとの整合を図りながら、適宜検討状況を報告しながら早期の方針策定に努めていきたいと考えています。
残りました教育委員会に関する答弁は教育長から行います。
◎教育長(中川修一君) 議長、教育長。
○議長(元山芳行議員) 教育長。
〔教育長(中川修一君)登壇〕
◎教育長(中川修一君) それでは、しのだつよし議員の教育委員会に関する一般質問にお答えします。
初めに、社会的弱者への理解と支援に関しまして、寛容な社会の実現に向けた学校の取組みについてのご質問ですが、学校では道徳科の学習を通して、自分の考えや意見を相手に伝えるとともに、謙虚な心を持ち、広い心で自分と異なる意見や立場を尊重する信条や態度を育てているところです。また、さまざまな異年齢交流に取り組み、年長者が年少者を助け、リーダーシップを発揮する体験的な活動や、高齢者や障がい者との交流活動を行っています。今後もこうした活動を通して、お互いを正しく理解し、ともに助け合い支え合って生きていく実践力を育んでまいります。
次に、国際社会で尊敬される人材の育成に関しまして、板橋区の子どもたちの自尊心の現状についてのご質問ですが、平成30年度全国学力・学習状況調査では、自分によいところがあるという問いに対して、小学校第6学年の児童は83.2%、中学校第3学年の生徒は83%と肯定的に回答しています。また、全国や東京都の結果と比較しますと、小学校第6学年では同程度、中学校第3学年では全国や東京都よりも高い傾向にあります。
次に、自尊感情を高めるための取組みについてのご質問ですが、学校では幼児や高齢者との交流会、ユニセフ募金、クリーン運動などの体験的な活動を通して、道徳科で学んだことや自分で考えたことを実践し、誰かの役に立つ、社会の役に立つ喜びを実感する活動に取り組んでいます。また、自分のよさに気がつけるよう、キャリア教育の中で自分の特徴について考えたり自分のよさを生かす方法を考えたりするなど、自己理解を深める指導をしています。
次に、日本について学ぶことへの教育委員会の認識についてのご質問ですが、子どもたちが我が国の地理的環境や歴史、伝統、文化を学ぶことは、日本の国土と歴史に対する誇りと愛情、未来を担う国民としての自覚を育成し、世界の国々の人々とともに生きていく上で大変重要であると認識しています。
最後に、学校での具体的な取組みについてのご質問ですが、社会科の学習では日本の地理や歴史、伝統、文化、国語科では和歌や古典文学、音楽科では民謡や長唄、体育科では武道についての理解を深めています。また、オリンピック・パラリンピック教育の一環として、茶道や華道体験、琴や和太鼓演奏など、日本の伝統や文化について学校の特色に応じて体験的に学習しております。
いただきました教育に関する質問の答弁は以上でございます。
○議長(元山芳行議員) 以上で、
内田けんいちろう議員、高山しんご議員、小野田みか議員、しのだつよし議員の一般質問を終了いたします。
次は、公明党が行います。初めに、寺田ひろし議員。
◆寺田ひろし 議員 議長。
○議長(元山芳行議員) 寺田ひろし議員。
〔寺田ひろし議員登壇〕(拍手する人あり)
◆寺田ひろし 議員 公明党の寺田ひろしです。通告に従いまして、公明党の一般質問を行います。
初めに、健康長寿の延伸についてお伺いいたします。
人生100年時代が到来しました。ふえ続ける医療費や介護保障費を抑えるため、いかに健康寿命を延ばしていけるかは区民の皆様も注目する重要な課題です。健康寿命を延ばすには、病気を未然に防げるよう早期発見・早期予防の検診事業が大切だと考えます。そこで以下、成人歯科検診の充実についてお伺いいたします。
国保データベースの分析によると、医療費は慢性腎不全と糖尿病が最も高く、この2つの生活習慣病への新たな予防策を講じる必要がございます。歯周病になると、歯茎から病原菌が体内へ侵入し、全身の血管を循環し続けることで腎臓病が悪化する原因の一つと言われております。さらに、歯周病は糖尿病とも相関関係があり、歯周病を改善すれば血糖値が下がることも報告されております。近年では、日本糖尿病協会が患者に配布する糖尿病連携手帳にも歯周病の程度を記載するページが追加されました。
このように、歯周病をケアすることによって、本区で医療費が高い上位2つの疾病を予防、改善することが期待できます。これらを背景として、昨年の第三期特定健康診査からは、標準的な質問票に、かむことの項目が新たに追加されました。平成30年度標準的な健診・保健指導プログラムの解説部分には、歯周病の治療等を行うことで、糖尿病の重症化を予防することが期待されると明記されております。
そこでお伺いいたします。成人歯科検診を実施する際、お口の健康と糖尿病をはじめとする全身疾患との関連性について、わかりやすい啓蒙資料を区において作成し、広く区民に届くようご案内いただきたいと思います。区の見解をお伺いいたします。
次に、平成23年に施行された歯科口腔保健の推進に関する法律には、地方公共団体が歯科口腔保健を推進する責務があると明記されております。既に全国で条例が制定され、東京都も歯科保健推進計画が策定されました。特別区では、豊島区、千代田区、渋谷区がいち早く歯と口の健康推進条例を施行いたしました。区民の健康増進のため、本区も歯と口の健康推進条例を制定すべきと考えますが、区長のご見解をお示しください。
また、早急に取り組まなければならないのは、後期高齢者の歯科検診の実施です。現在の成人歯科検診は40歳から70歳まで実施されております。75歳以上の方に健康診査を行う意義は、厚生労働省の後期高齢者医療広域連合における歯科検診についての文書に、生活習慣病の早期発見による、重症化予防の観点から実施、歯周病を起因とする動脈硬化の悪化や、誤嚥性肺炎の予防とあります。これを受けて、東京都後期高齢者医療広域連合によると、既に本年、都内46市区町村で実施されております。練馬区でも長寿すこやか歯科健診が本年4月から実施されました。実施していないのは、都内でたったの12市区町村だけになりました。
そこで、お伺いいたします。板橋区でも誤嚥性肺炎や動脈硬化の悪化を予防するため、早急に後期高齢者の歯科検診を実施していただきたいと思いますが、区長の見解をお伺いいたします。
次に、健康ポイントについてお伺いいたします。
高齢者のフレイル予防は、社会活動に参加するほか、健康を維持する活動として、立ち上がれる・歩ける・食べられるというように、まずは現状維持を目指すことから始まります。そこで、目に見える変化が少なくても、区民の皆様が意欲的にフレイル予防に継続して取り組めるよう、効果的な個人インセンティブを提供していく施策が必要です。例えば、歩数計のほか、さまざまな検診を受診したり、健康イベントや予防プログラムに参加するだけでポイントが加算される簡易な仕組みでございます。
ポイントの管理方法は、紙媒体のほか、スマートフォンのアプリを活用する方法があります。愛媛県伊予市では、アプリでためた健康ポイントを商品券と交換できる取組みが始まりました。
そこで、お伺いいたします。幅広い区民の皆様が取り組む意欲を継続できるような健康ポイントのシステムを導入すべきと考えますが、区の答弁を求めます。
第2に、高齢者の問題についてお伺いいたします。
団塊の世代が後期高齢者に達する2025年、さらにその団塊ジュニアが高齢者に突入する2040年問題、このとき日本の高齢者人口は4,000万人のピークを迎えます。全ての高齢者が地域社会でともに共生していける環境づくりは、まさしく板橋区版AIPが目指すところで、しっかり推進していかなければなりません。
そこで、まず認知症の対策についてお伺いいたします。
言うまでもなく、認知症患者を地域で見守る環境づくりは喫緊の課題でございます。本区の認知症サポーターは2万2,852人も登録されております。私も経験がありますが、道端で倒れている高齢者を助けても、住所と名前が言えず、警察に引き渡すまで長時間つきっきりの対応でした。そこで、認知症の方が手ぶらで徘徊し保護されたとき、第三者がすぐに身元を確認できるよう、高齢者見守りキーホルダーの番号をシールにして、希望者に複数枚配布することを提案いたします。既に葛飾区で導入されておりますが、ご家族の方が身内の方で、認知症による徘徊が予想されるとき、ふだん身につけている帽子や靴に番号シールを貼ることによって、身元の確認がスムーズに行われるようになるんではないでしょうか。
もう一点、区内の高齢者あんしん協力店は445件登録されております。こうした協力店に対して、店内だけでなく、お店の外で困っている認知症の方がいれば、ひさしの下に椅子を貸し出して待機できる場所を提供してもらえたら、雨や夏の酷暑のときでも、警察に引き渡すまで安全だと思います。
そこで、お伺いいたします。このように認知症の方を地域で見守る環境づくりとして、希望者に高齢者見守りキーホルダーの番号シールを提供すること、そして高齢者あんしん協力店で一時待機ができるよう周知していただくことを提案しますが、いかがでしょうか。
また、本区の地域見守り環境の取組みについても、計画や事例などがあればお示しください。
さらに、高齢者や障がい者の方が町なかで気軽に腰をおろして座れる場所があれば、安心して外出することができます。こうした場所の周知について、本区としてのご見解をお示しください。
次に、高齢者の民間賃貸住宅への入居促進策についてお伺いいたします。
板橋区住まいの未来ビジョン2025住宅白書にある世帯構成の推移を見ますと、65歳以上の単身世帯は3万4,420世帯と、この20年間で4.5倍の急激な増加傾向を示しております。ここで問題となっているのが、賃貸住宅にお住まいの単身高齢者です。例えば、安い家賃への引っ越しやアパートの老朽化で退去する際、新たな賃貸住宅に申し込んでも、家主から入居を拒否されてしまう事例がございます。近所に身寄りのない高齢者が亡くなると、賃貸物件の清掃費用、遺品整理費用が全て家主の負担になってしまうことが、その理由でございます。現状、不動産業界では少額短期保険という入居者死亡の修繕費用を賄う保険がありますが、賃貸住居の中で死亡したときに保険がおりるものが多いです。しかし、自宅死は13%、病院での死亡が75.8%と圧倒的に自宅外が多く、家主が少額短期保険によって費用を賄えるケースは少ないのが実情です。
中野区では、東京都の居住支援法人に指定されている民間会社の安否確認サービス及び自宅外での死亡も含めた居室清掃、遺品整理、葬儀の費用まで含めて補償される保険に中野区が助成をしております。前年所得額256万8,000円以下の区民は、初回登録費用1万6,200円を全額補助され、利用者は月額1,944円の利用料を支払うというシステムでございます。本区でも家主の不安を払拭するために、このような居住支援法人の民間保険サービスを、板橋区の居住支援協議会などを通じて広く区民にご案内いただきたいと思います。このように単身高齢者の入居拒否を少しでも防止できるよう、中野区でも実施している居住支援法人が提供する保険サービスの初回登録費用の助成を導入すべきと考えますが、いかがでしょうか。
次に、引きこもりの高齢化問題についてお伺いいたします。
現在、区内で成人した引きこもり本人が相談できる窓口は児童精神科医師による月1回の相談と、健康福祉センターで月2回開催されるひきこもり家族教室があります。その実績を見ますと、医師の相談は年間約20件、家族教室の参加者数は、延べ約220名です。
一方、本年3月、内閣府の調査では、40歳から64歳の引きこもりが、全国で推計61万3,000人もいるそうです。そこで、生活困窮者自立支援制度を活用しながら、相談者お一人お一人に合った就労準備及び家計改善の総合支援計画を提供することが引きこもりの高齢化を抑制する点で有効と考えます。
そこで、柔軟な就労形態の工夫についてお伺いいたします。
引きこもりが長期化する要因の1つに、適応障がいや精神疾患などが、その背景にあると言われています。こうした障がいを持つ引きこもりの方が、いざ就労しようとするときに、1つの問題がございます。障害者雇用促進法により、一定規模の事業主は全従業員のうち障がい者を2.2%以上雇用する義務があります。この条件で算定される被雇用者とは、週に最低30時間以上の労働が必要です。反対に、週20時間に満たない労働の障がい者は、この雇用促進法の人数条件には算定されないのです。つまり、知的障がい者や精神障がい者及び療育手帳や精神障害者保健福祉手帳を持つ発達障がい者にとって、意欲があっても初めから長時間労働が難しい場合、就労自体に大きな壁が存在するということです。この就労の壁によって正規雇用が遠のき、引きこもりが長期化し、高齢化につながっていくと考えられております。
そこで、東京大学の近藤准教授は、2016年に超時短プロジェクトという、最短で1日15分の労働であっても、正規の報酬を得られる就業モデルを立ち上げました。既に川崎市と神戸市のほか、ソフトバンク株式会社で、この超短時間労働が導入され、それぞれ実績が出ております。また、厚生労働省も週10時間以上20時間未満の試験的雇用に対して助成金事業が開始されました。こうした事例や助成金制度を活用しながら、本区として、超短時間労働を導入する企業を支援するための関係機関と連携を進め、障がいを持つ引きこもりの就労を促進すべきと考えますが、区の見解をお伺いいたします。
次に、引きこもり世帯ごとのワンストップ相談窓口の創設についてお伺いいたします。
80歳の親が50歳の引きこもりの子どもの面倒を見る、いわゆる8050の問題は、引きこもり本人だけでなく、親や兄弟も含めた同居世帯ごとの対応を同時に進めていかなければ、問題の解決は難しいと思われます。具体的な対策としては、いたばし生活仕事サポートセンターを中心に、各行政部門や外部関係機関との相互連携を強化し、引きこもり本人及び同居家族の世帯全体の相談を受けられるよう、機能拡充を図っていただきたいと思いますが、区の見解を伺います。
次に、不登校につながるHSCに関する周知と対策についてお伺いいたします。
HSCとは、人一倍敏感な感性を持つ子どもの略称で、病気ではなく、5人に1人が当てはまる気質と言われております。集団の中にいること自体が気疲れしてしまうと、強い光やにおいに敏感で、朝、起き上がれなかったり、給食が食べられない状態になります。近年、HSCは注目度が高まりつつありますが、児童、保護者や学校関係者はもちろん、医療関係者の認知度はまだまだ低いのが現状です。したがって、診療内科に相談しても、病名がつかないまま不登校が長期化し、悩み続けるお子様やご家族がいらっしゃいます。
板橋区子ども・若者計画2021のデータを拝見しますと、板橋区の小・中不登校出現率は上昇傾向にあり、全国平均、東京都平均をともに上回っています。また、都立高校中途退学者出現率も近隣3区と比較して2%以上高い状況です。そこで、こうした不登校及び中途退学者の出現率を抑制するためにも、児童・生徒へ適切なアドバイスができる体制を整えることで、不登校をきっかけとした引きこもりを防ぎ、早い段階で、その高齢化を抑止できればと考えております。
そこで、お伺いしますが、HSCについて、教員、学校保健医、スクールカウンセラーなどに十分な周知を行い、さらにHSCの児童を把握した後のカウンセリング体系を確立すべきであると考えますが、教育長の見解をお伺いいたします。
次に、防災問題についてお伺いいたします。
昨年の西日本豪雨に見られたように、自然災害は年々激甚化しております。そこで、本区でも、各個人の状況にあわせた避難行動計画をあらかじめ作成するマイタイムラインの普及・啓発を進めるべきだと考えます。
東京都防災ページでも、本年5月17日から東京マイ・タイムラインが発行されました。本年も夏のゲリラ豪雨、秋の台風の季節が来ますので、町会・老人会や各種学校に向けて、東京マイ・タイムラインの意義及び作成方法を周知すべきと考えますが、区の見解をお伺いいたします。
次に、防災ラジオの貸与、普及についてお伺いいたします。
一時的・局所的に大量の雨が降る、いわゆるゲリラ豪雨では、強い雨の音に防災無線の音声がかき消され、室内にいる高齢者に避難勧告や避難指示が届かない可能性があります。そこで、災害情報が入ると自動で電源が入って放送される防災ラジオの無償貸与を実施していただきたいと思います。ひとり暮らしの高齢世帯や障がいを持つ区民など、社会的弱者の方々から始めていただけないでしょうか。地方の自治体では無償貸与が進んでいますが、東京23区では行われていません。板橋区が先駆けて、この事業が展開できるよう求めます。区の見解をお伺いいたします。
次に、災害時の代替エネルギーについてお伺いいたします。
昨年、北海道胆振東部地震で、全域が停電となる、いわゆるブラックアウトが発生しました。この現象は首都圏でも起こり得ると言われております。そこで、1つの電力供給だけに頼らず、複合的な代替エネルギーを用意しておくべきです。中でもLPガスは分散型エネルギーとして災害時に大きく活用できる資源と言えます。いざ災害が起こったときに、残っている燃料が仮に500キログラムもあれば、即座に稼働させて100人分の入浴、暖房、炊き出しを7日間も利用することができます。さらに発電と明かりの照明まで賄うことが可能です。平常時は施設の暖房、給湯に使用できるので、緊急時にのみ稼働する一般の自家発電機より維持管理の費用や備蓄燃料のコストも抑えられるメリットがあります。
昨年12月に閣議決定された国土強靱化基本計画にも、避難所の重要施設にはLPガスなどの燃料の、自衛的な備蓄等を促進すると新たに明記され、避難所のLPガス設置には国から2分の1の助成金が出るようになりました。
そこでお伺いします。災害時の代替エネルギーを確保するため、例えば、避難所となる中学校体育館に災害用LPガス供給ユニット及び燃焼、給湯、発電の各ユニットを設置して、ブラックアウトやライフラインの断絶に備えるよう提案します。LPガス団体とも、本区は平成27年に災害協定を結んでおり、大変よい取組みだと思います。ぜひ、この協定に基づいて、災害のより具体的なLPガス供給体制を整えるべきだと考えますが、区長の見解をお伺いいたします。
最後に、地域課題についてお伺いします。
先月、滋賀県大津市の交差点で、園児が自動車事故に巻き込まれる痛ましい事故が発生しました。亡くなった園児とご遺族には、衷心より哀悼の意を表します。区議会公明党として、去る5月29日、坂本区長宛てに交通安全対策の強化を求める緊急要望を提出しました。項目としては、施設外移動コース安全点検、交通安全対策マニュアルの再点検、必要箇所にガードレールの設置など5項目です。区民の皆様が安心して生活できるよう、ぜひとも警察など関係機関と協力して、交通の危険情報を集約し、共有できる体制づくりをぜひお願いしたいと思いますが、区長の見解をお伺いいたします。
次に、集会所及び地域センターの課題についてお伺いいたします。
集会所は町会や老人会をはじめとした高齢者の方々が多く利用いただいております。このように高齢者が積極的に地域で社会参画していくことがフレイル予防に大変重要でございます。
しかし、小茂根一丁目集会所の備品には大きな問題がございます。老人会の催しには、毎回70名前後の高齢者が参加されますが、足腰が悪い方が多いため、3段重ねて通常の椅子の高さにしてから座るそうです。不安定で危険な上、1人が3脚ずつ使用するため、椅子の数が圧倒的に足りない。しかも、和室用の低い会議テーブルしかなく、そこに高くなった椅子から手をついて立ち上がるので、二重に転倒の危険性がございます。このような状況が長年続いており、高齢者の方は大変危ない思いをされております。区民の安全性を確保すること、高齢者が地域行事へ積極的に参加し、フレイル予防につながる環境整備が必要ではないでしょうか。小茂根一丁目集会所に参加人数分70脚の通常の高さの椅子及びこの高さに見合う会議テーブルの入れかえを要望しますが、区長の見解をお伺いいたします。
同様の理由で、桜川地域センター・レクリエーションホールの舞台に上がるための手すりつき移動階段の導入及び南常盤台一丁目集会所の上がり舞台に手すりの設置を要望します。
次に、大谷口児童公園と東山はたけ公園の健康増進遊具の周知についてお伺いします。
残念ながら近隣住民の多くは、大人も利用できる健康増進遊具が設置されていること自体を知りません。ぜひとも、遊具設置の場所や利用した場合の期待される効果など、しっかり周知できるよう、掲示板の設置を求めますが、区の見解をお伺いいたします。
最後に、東山はたけ公園のトイレ設置についてお伺いいたします。
この公園で遊ぶ子どもたちは、トイレのたびに自宅に戻り、1人だけになる時間が多くなって、防犯上も好ましくありません。地域や町会の皆様からのご要望が大変多く寄せられておりますので、東山はたけ公園へのトイレ設置を強く要望いたしますが、区の見解をお伺いいたします。
以上で一般質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手する人あり)
〔議長交代、副議長(大田ひろし議員)議長席に着く〕
◎区長(坂本健君) 議長、区長。
○副議長(大田ひろし議員) 区長。
〔区長(坂本 健君)登壇〕
◎区長(坂本健君) それでは、寺田ひろし議員の一般質問にお答えいたします。
最初に、成人歯科検診の充実についてのご質問であります。
区としまして、口腔の健康が生活習慣病の予防にとって大切なことを区民に周知していくことは大変重要であると認識しております。区では、成人歯科検診において、国が対象者としております40歳、50歳、60歳、70歳に加えて、45歳、55歳、65歳も対象者として充実した検診を実施しております。今後、ご提案の手法も含めて、板橋区歯科医師会等と協議の上、成人歯科検診のさらなる充実を検討していきたいと考えています。
次は、歯と口の健康推進条例についてのご質問であります。
板橋区では、歯と口の健康について、いたばし健康プラン後期行動計画2022において、ライフステージに応じた計画を定めております。後期計画に向けた中間評価において、食後の歯磨きの状況など、歯と口の健康に関する評価は良好でございました。区としましては、当該計画の着実な実施に努めるとともに、今後、さらなる区民の健康保持・増進を推進するために、条例の必要性も含め、他区の状況等を踏まえて研究していきたいと考えています。
次は、後期高齢者の歯科検診についてのご質問であります。
昨年5月24日、東京都広域連合の歯科健康診査事業費補助金交付要綱が施行されました。板橋区における後期高齢者の健診については、現在、明確に計画等には位置づけられていないところであります。しかしながら、健康寿命の延伸における口腔ケアの重要性に鑑み、今後、歯科検診実施に向けて検討を進めていきたいと考えています。
次は、健康ポイントについてのご質問であります。
健康ポイント制度につきましては、いたばし健康プラン後期行動計画2022において、導入の検討を行うとしております。本計画に基づき、令和元年度に終了するいたばし健康づくりプロジェクトの見直しとあわせて検討を行っているところでございます。今後も早期の制度導入を目指し、他自治体の実施状況や事業者の提案などを参考にしながら、区の実情に合ったインセンティブの提供について検討を進めていきたいと考えています。
次は、高齢者見守りキーホルダーのシール化についてのご質問であります。
高齢者見守りキーホルダーは、記載された登録番号に基づき、緊急連絡先につなぐことによって、徘徊した認知症の高齢者を保護しようというものであります。認知症の高齢者を保護した方にとりまして、登録番号を識別する機会がふえるシールの導入は一定の有効性があるものと認識をしております。一方で、シールの表示如何によっては、保護を必要とする高齢者であることを外部に示すことになるために、先行事例を参考にしながら導入を検討していきたいと考えています。
次は、高齢者あんしん協力店での一時待機についてのご質問であります。
高齢者あんしん協力店では、認知症の高齢者が困っている場合には、声かけをしたり、おとしより相談センターや警察に相談するなど、配慮した対応に努めているところであります。一時待機場所の確保は、店舗の施設形態によるところでありますけれども、認知症の高齢者が来店したときには不安にならないように寄り添うよう、協力店に周知を行っているところでもございます。また、警察などの関係機関に迅速につなぎ、保護に当たることが認知症高齢者の不安解消にもつながるため、関係機関との一層の連携を進めていきたいと考えています。
次は、地域における高齢者の休憩場所についてのご質問であります。
板橋区版AIPでは、住みなれた地域で元気で暮らすことができるよう、高齢者がより地域で過ごすことができるよう、社会参加の推進を図っているところであります。具体的には、高齢者の生活支援に取り組む支え合い会議では、休憩場所も含め、散歩コースをまとめたお散歩マップを作成し、高齢者の外出支援に取り組む地域もございます。今後、こうした取組み事例を共有しながら、それぞれの地域での活動に生かしていきたいと考えています。
次は、民間賃貸住宅への入居促進策についてのご質問であります。
板橋区は、板橋区居住支援協議会と連携をしながら、高齢者の入居に対する家主の不安を和らげるため、緊急通報システムや高齢者電話訪問等の見守りサービスなどの普及・啓発に努めているところであります。一方、見守りサービスなどに加えて、入居者の死亡時の葬儀や家財整理の費用補償といったサービスも求められていることは認識をしているところであります。高齢者の入居促進を図るため、今後も板橋区居住支援協議会と連携をしながら、先進自治体の事例を研究するとともに、既存事業との整合性も図りながら、適切な支援方法を検討していきたいと考えています。
次は、超短時間就労の促進についてのご質問であります。
ご紹介の他自治体や民間企業における超短時間労働については、障がい者の就労機会を創出するとともに、人手不足の解消や障がい者雇用への理解の促進など、企業側にもメリットのあるものであると認識しています。区としましても、他自治体や企業における動向を注視しながら、板橋区自立支援協議会における就労支援部会等を活用して検討していきたいと考えています。
次は、引きこもり世帯ごとのワンストップ窓口についてのご質問であります。
生活や仕事、家計のことで悩んでいる方の総合相談窓口であります、いたばし生活仕事サポートセンターにおいては、本人だけではなく、家族からの引きこもり相談もお受けをしております。本年4月より、いたばし生活仕事サポートセンターでは、就労支援を担う事業者との連携を強化し、訪問支援員が家庭に直接出向いて、引きこもり相談に対応する支援を行う事業を開始いたしました。今後、この取組みについて積極的にPRを行い、社会とつながる生活の実現に向けた支援を多くの方に知っていただくように工夫をしていきたいと考えています。
次は、マイタイムラインの普及・啓発についてのご質問であります。
東京マイ・タイムラインは、一人ひとりが避難に必要な防災情報を正しく理解するとともに、適切な避難行動をとることが可能となる有効なツールであると認識しています。東京都では、児童・生徒への配布にあわせて、市区町村の防災イベントでのPRや、各自治体職員向けの説明会のほか、作成を指導できる人材を育成する講座などを実施する予定と聞いております。区としましては、気象警報や避難情報などの災害情報の理解促進も重要であると考えておりまして、それらを進めた上において、東京都と連携をして、東京マイ・タイムラインの普及・啓発を図っていきたいと考えています。
次は、防災ラジオの貸与、普及についてのご質問であります。
災害情報の伝達方法につきましては、防災行政無線のほかに、テレビやホームページ、SNSなどの広報媒体、緊急速報メールなど、多様な手段を複層的に運用し、実効性を高める取組みを進めております。ご提案の防災ラジオの無償貸与による災害情報の提供は、区の世帯数や転入・転出等の流動性の高さを踏まえますと、区単独経費による導入は難しいものとも考えています。災害時に情報を得ることが困難となる高齢者世帯等への活用につきましては、その可能性について研究をしていきたいと考えています。
次は、災害用LPガス供給ユニットの導入についてのご質問であります。
本庁舎や赤塚支所など、災害時の拠点となる区の施設には、重油による自家発電設備が設置されておりまして、おおむね3日間程度の電力を確保しております。そのため、現時点では区の施設に災害用LPガス供給ユニットを導入する予定は持っておりませんけれども、災害時における代替エネルギーの多重化は重要な視点であるとも考えています。災害時のLPガスの活用につきましては、その早期復旧、安定供給の特性を考慮し、各避難所に備蓄しているガソリン式の発電機の更新時において、LPガス化について検討を行っていきたいと考えています。
次は、災害時のLPガス団体との協定についてのご質問であります。
発電や炊き出しなどにおけるLPガスの有用性は認識をしておりまして、区は平成27年に東京都LPガス協会板橋支部と協定を締結し、発災時のLPガスの供給、運搬、設置などについて、包括的にお互いの役割を定めております。今後、各避難所における発電機の更新をはじめとした電力確保策の方向性を検討する中において、具体的なLPガスの必要量や供給体制について整理をしながら、協定の実効性を高めていきたいと考えています。
次は、保育園外引率時の危険箇所の調査についてのご質問であります。
区内の認可保育園におきましては、日常より散歩マップを作成し、移動経路の確認や危険箇所の情報把握等、園外活動時における安全管理を行っております。大津市の事故を踏まえ、区では直ちに認証保育所を含む保育施設に対し、園外活動における移動経路上の危険箇所及び人員体制等の確認を改めて行うよう通知をし、指示をしたところであります。
あわせて、保育施設が確認した情報に基づき、関係部局が連携をして危険箇所等の情報を共有し、相互の協力体制のもとに各施設における安全対策の一層の強化に早急に取り組んでいく考えであります。
次は、小茂根一丁目集会所についてのご質問であります。
小茂根一丁目集会所は和室でございまして、和室用の高座椅子と座卓を配置しております。和室に、洋室で使用する椅子や机を配置することは畳が傷みまして、和室の利用に支障が出ることや机の安定性など、安全面の観点から難しいものと考えています。高齢者の利用が多いということは承知をしていまして、現在の高座椅子より座面が高く、背もたれがついた高座椅子の配置について、財政面も勘案しながら検討していきたいと考えています。
次は、南常盤台一丁目集会所、桜川地域センターについてのご質問です。
地域センターや集会所については、高齢者のご利用が多く、舞台等の上り下りにご苦労されていることは承知しております。南常盤台一丁目集会所舞台の手すりと、桜川地域センター舞台への手すり付き階段の設置については、高齢者の方がご利用しやすいよう財政面も勘案しながら検討していきたいと考えています。
次は、大谷口児童遊園と東山はたけ公園の健康増進遊具の周知についてのご質問であります。
健康遊具につきましては、現在39か所の区立公園に96基を設置しております。利用を促進するため、どこの公園にどのような健康遊具が設置されているのか、また、その利用方法、健康への効果については、区のホームページで周知をしていく考えであります。
ご指摘の公園の健康遊具に案内板を設置することについては、利用状況や設置可能な場所を確認しながら検討していきたいと考えています。
最後になります。東山はたけ公園のトイレ設置についてのご質問であります。
平成27年度に公園を整備した際には、地元のご意見や公園の規模、住宅が近接している状況などから、公園トイレは設置しないことといたしました。新たな設置につきましては、法律上、約8平方メートルの建築物になるため、日影などの近隣への影響や、現在ある公園施設の撤去など、公園利用上の影響も考えられます。
今後、設置場所などの選定や経費算定を行うとともに、近隣の意向確認などの条件整備を行いまして、本年度中をめどに設置可能性を確認していきたいと考えています。
残りました教育委員会に関する答弁は、教育長から行います。
◎教育長(中川修一君) 議長、教育長。
○副議長(大田ひろし議員) 教育長。
〔教育長(中川修一君)登壇〕
◎教育長(中川修一君) それでは、寺田ひろし議員の教育委員会に関する一般質問にお答えします。
不登校対策についてのご質問ですが、音、光、味、服の肌触りなどについて、過度に敏感で苦痛を感じる感覚過敏、HSCが不登校の要因の1つになり得ることは認識しております。感覚過敏につきましては、東京都教育委員会作成の児童・生徒を支援するためのガイドブックを活用し、校長会や生活指導主任研修会等で周知しているところでございます。
また、学校では、今年度改訂した登校支援シートを活用して、子どもの状況を多角的、多層的に捉え、感覚過敏による不登校の改善に向けてきめ細やかに対応してまいります。
いただきました教育に関する質問の答弁は、以上でございます。
○副議長(大田ひろし議員) 次に、さかまき常行議員。
◆さかまき常行 議員 議長。
○副議長(大田ひろし議員) さかまき常行議員。
〔さかまき常行議員登壇〕(拍手する人あり)
◆さかまき常行 議員 通告に従いまして、公明党の一般質問を引き続き行います。
初めに、ICTの推進活用に関してお伺いいたします。
少子高齢化や人口減少が急速に進み、さまざまな分野でその影響が深刻になりつつある今、ICTの利活用は、最重要課題の一つです。本区におきましても、板橋区基本計画2025、いたばし№1実現プラン2021等を総合的、横断的に支える重要なインフラとして、区民生活の利便性や安全性、地域の活性化、庁内事務の効率化や知的生産性向上に資することを目指し、板橋区ICT推進・活用計画2020を策定し、定性・定量的な指標に基づき、PDCAサイクルをもって計画的に推進されています。
その基本目標の一つでもある区民サービスの向上においては、窓口における従来型のサービスにとどまらず、利便性の高いさまざまな形式のサービスを提供し、区民の皆さんが満足できる環境を整えていく必要性を説いております。
一方で、区民の皆様から行政手続や区の施策など、どこへ問い合わせればいいのかわからないという声がよく寄せられます。ホームページのよくある質問と回答というコンテンツもある程度カテゴリーを自分で絞り、階層をたぐっていかないと欲しい情報へなかなかたどり着くことができません。
戸田市では、市の情報化推進計画の一環として、4月からAIを使って行政全般の問い合わせに24時間応じるAI総合案内サービス、しつぎおとうふくんをスタートさせております。
子育てや住所変更の手続方法、各種書類の請求など、多くの問い合わせが寄せられる行政32分野、1,500項目を網羅しており、パソコンやスマートフォンからアクセスし、AIが搭載されたキャラクター、しつぎおとうふくんがチャット、会話形式で応対するものです。知りたい情報が気軽に入手できるようになり、職員の業務負担軽減や市民サービスの向上などの効果が期待されています。
最近、同様の事例がつくば市でも導入されております。
ここでお聞きしますが、本区においてもこのようなAIを活用したチャット形式の総合案内サービスの導入をご提案しますが、いかがでしょう。区民の知りたい情報を、例えばいたばし観光キャラクターのりんりんちゃんが24時間答えてくれる。東京で一番住みたくなるまち板橋のシティプロモーションにも寄与すると考えます。これらについて区のご見解を伺います。
また、このような区民サービスの向上につながるAI先端技術の活用について、調査・検討していることがあれば、その現状と方向性などをお示しください。
次に、ソーシャルメディアを使った情報発信についてお尋ねします。
本区では、ホームページ以外にもツイッターとフェイスブックの公式アカウントを開設し、区民の皆様へのリアルタイムな広報活動、情報発信に取り組んでおりますが、そのプロモーション効果がどこまで有効なのか、また区民の皆さんに必要な情報が届いているかということを把握し、結果を分析し、次の施策へとつなげていくことは非常に重要と考えます。
まずは、現状のSNSなどを使った広報活動の運用状況や、その情報の到達率、拡散状況、検討を計画していることがあればお示しください。
SNSには、ツイッターやフェイスブックのほかにも、LINEやインスタグラムなど、人気が高く、広く普及したプラットフォームがあります。このツイッター、フェイスブック、LINE、インスタグラムという4大プラットフォームの国内MAU(マンスリーアクティブユーザー)、実際に利用している1か月当たりのユーザー数を比べますと、ツイッターが2018年10月時点で4,500万人、フェイスブックが2018年12月時点で2,800万人、インスタグラムが2018年9月時点で2,900万人、LINEが2018年6月時点で7,800万人と、LINEが
国内最大級のMAUを誇っており、その利用者層も幅広い年齢層に分布しております。
また、LINEの特徴として、高いリーチ力、情報の到達率が挙げられます。LINEの公式アカウントからプッシュ通知を受けた人のおよそ7割の人が、その内容を閲覧しているというデータもあります。
本区では、広報いたばしなど、既存の媒体を通じて情報発信はされてはいるのですが、強化が必要と考えます。
ここで要望いたしますが、到達率の高いライン公式アカウントを使った情報発信を求めます。都内では、渋谷区や国立市でLINE公式アカウントの運用を開始しています。本区におきましても、観光キャラクターりんりんちゃんを活用するなど、区オリジナルのスタンプをつくれば、シティプロモーション戦略上、効果的なツールにもなります。区のご見解を求めますが、いかがでしょうか。
続いて、ICTの活用によるマイタイムラインについてお伺いします。
近年の自然災害の激甚化、頻発化を受け、行政や地域のタイムラインに加え、個人レベルで避難行動を事前に決めておくマイ・タイムラインの作成・普及の重要性が叫ばれております。東京都でも本年5月に、手書き用のマイ・タイムライン作成キット、東京マイ・タイムラインがホームページに公表され、6月上旬から都内全ての児童・生徒に学校を通じて配布される予定となっております。また、6月中旬には、デジタル版作成フォームも公表されると聞いております。
このマイ・タイムラインですが、自分の地域に起こり得る災害や避難場所を起票する場合は、市区町村のハザードマップを自分で確認し、その情報を記入することでマイ・タイムラインを作成することとなっています。
本区には、一時集合場所や避難場所、避難所などの地理情報データがあり、これらを活用すれば、マイ・タイムラインのひな型を電子データとして自動生成するプログラム・アプリケーションの機能を開発することが可能と考えます。自身の避難行動など、細かいところは自分で入力をする必要はありますが、住んでいる地域にあわせたおおよその形をひな型として自動生成することは十分に可能です。
このような機能を板橋区防災マップアプリへ追加をしたり、マイ・タイムラインに特化した新しい防災アプリの開発が必要ではないでしょうか。これらのアプリを利用することで、マイ・タイムラインの普及・啓発の一助にもなります。ぜひこのような防災アプリの拡充・開発を希望しますが、区のご見解を伺います。
次に、オープンデータ利活用の促進についてお尋ねします。
オープンデータ化の推進によって期待される効果には、住民参加の官民協働推進による地域課題の解決や、新たなサービス、ビジネス創出の促進などがあります。既に本区においても多岐にわたるオープンデータを提供しており、先ほども触れた防災上の一時集合場所や避難場所、帰宅困難者の一時滞在施設といった地理情報のオープンデータもあり、その活用が待たれます。
その利活用について、一般の方々からさまざまなアイデアを募ることは、とても有効と考えます。東京都では、公共データのオープンデータ化と、その利用促進を図るため、オープンデータアプリコンテストが開催されており、2017年は防災、2018年はスポーツをテーマに実施されました。
本区でも、オープンデータを活用したアプリコンテストの開催や、都のアプリコンテスト受賞作品の利活用などを検討してはいかがでしょうか。区の見解を求めます。
また、2020年からは小学校でもプログラミング教育が始まります。オープンデータの利活用について、区が積極的に幅広い世代、区内外からアイデアを募集することが必要ではないでしょうか。このことにより官民データ活用の推進が図られ、行政と住民との連携による地域課題の解決や地域経済の活性化、新たなサービス、ビジネス創出など、板橋区が持つ潜在的な魅力を引き出し、活力ある地域社会の実現に寄与していくと考えますが、区の答弁を求めます。
続いて、マイナンバーカードの普及促進についてお伺いします。
マイナンバー利活用施策の推進や、マイナンバーカードを用いた諸証明の交付、及び各種申請の電子化は、区民サービスの向上に直結するばかりでなく、行政手続の簡略化とそれに伴う業務負担の軽減、トータルコストの削減や知的生産性の向上につながります。
マイナンバーカードが一層普及するためには、その利便性を感じていくこと、またマイナンバーカードを利用したサービスが拡充され、マイナンバーカードをつくろうと思われる方がふえていく状況をつくることが必要ではないでしょうか。現在、マイナンバーカードの交付率は昨年末、全国平均で12.2%となっています。
前橋市では、高齢者や障がい者の方々など、移動困難者のタクシー運賃支援制度で、タクシー料金支払い時、マイナンバーカードをかざすだけで適用できる仕組みが導入され、改正健康保険法では、マイナンバーカードを保険証として利用していくことが可能となり、ICT技術やマイナンバーカードを使った地域活性化事例、デジタル社会づくりが推し進められています。
区民サービスの向上、行政手続の簡略化、業務負担の軽減、知的生産性の向上のためにも、マイナンバーカードの普及促進は重要な事業であると考えます。ぜひ本区としても、マイナンバーカードの普及促進を求めますが、いかがでしょうか。また、その利活用の幅を広げることもあわせて要望いたしますが、区のご見解をお聞きします。
次に、ICT推進活用における情報の格差について質問いたします。
ここまでお伺いしたAIの活用、SNSの情報発信、防災アプリの拡充やマイナンバーカードの利活用施策など、使いこなせる方はその利便性を享受できますが、使わない方、使えない方は、その恩恵を受けることができません。このようなICT利用の格差は、受け取れる情報量の格差にもつながります。これらの格差を解消するための施策を講じることが、今後ますます重要と考えます。
また、国においても、労働人口減少の時代を迎え、生産性向上のためICTの活用、とりわけ区民生活に身近なところでは、キャッシュレス・ビジョンに基づきキャッシュレス化の推進が加速し、利用者、事業者側ともにICT利活用の格差は深刻になりつつあります。ICTによって便利になった暮らしの恩恵を一部の人だけが受けるのではなく、全ての世代の方々が、まさに全世代型で恩恵を受けられる社会にしていく。それが行政や政治の役割だと考えます。
そこで、従来のようなパソコン講座だけではなく、例えば公式アプリやSNSの公式アカウント、証明書のコンビニ交付、あるいはキャッシュレス決済など、ICT利用のための区主催の講習会やイベントなどを活用した啓発事業、学習機会の提供を求めますが、この点について区のご見解をお聞かせください。
次に、ICTを活用した障がい者支援についてお伺いします。
昨今のICTやAI技術の技術革新は目を見張るものがあり、さまざまなシステムが登場しております。例えば、一般社団法人PLAYERSが運営する&HANDというプロジェクトでは、視覚障がい者の方が小型の専用装置を使い、事前に登録したサポーターが持つスマートフォンのLINEアプリに通知を届け、視覚障がい者の方と手助けをする人をつなげてくれる仕組みMIMAMOや、発信器を内蔵した点字ブロック、AIを搭載したスマートスピーカー、スマホのアプリ、さらに市販のワイヤレスイヤホンを活用し、視覚障がい者の方の外出を音声でサポートするVIBLOなど、身体的な不安や困難を抱えた人と手助けをしたい人をつなげ、具体的な行動をサポートするサービスを多数提供しております。
ノーマライゼーションへの取組みは必要不可欠であり、誰も取り残さない共生社会、快適で安心・安全な魅力あるまち板橋へ向け、ICT技術の積極的な活用を推進していくべきものと考えます。
本区においても、庁舎や各施設へ訪れる方へのサポート・手助けに、先進事例を参考にし、ICT技術を積極的に障がい者支援に活用することを要望いたしますが、いかがでしょうか。
次に、ペーパーレス化の促進状況についてお尋ねします。
紙文書の削減や電子化による業務改善での効率化は、知的生産性向上につながります。本区でも、板橋区ICT推進活用計画2020に基づき、進められているところでございますが、議会におきましては、従前どおり、紙の資料が大量に使われております。
庁舎全体の取組みとは別の観点とはなりますが、国会でも審議におけるタブレット端末などの活用に関する調査を行うとお聞きしております。豊島区では、5年前から各資料を議会ポータルというサイトに一元管理をし、それらをセキュアに閲覧できるタブレットを議員に貸与し、本会議場以外での常任・特別委員会や全体会議等でペーパーレスを実現しています。
ぜひ本区においても、全庁的なさらなるペーパーレス化の促進を求めます。現状の取組み状況や、今後の計画・方針について区のご見解を伺います。
次に、公衆無線LAN(Wi-Fi)の活用についてお尋ねします。
区民の皆様や外国人観光客等の来訪者へのICT環境の提供と、災害時の通信インフラの確保のため、公衆無線LAN(Wi-Fi)機器の設置が推進されておりますが、それらが有効に活用されているのか、セキュリティ対策など、利用者への安心・安全の確保と周知、さらに付加価値をつけて、地域振興、地域サービスの充実などを図ることが重要と考えます。
例えば、地域センターのWi-Fiにアクセスするとタウン情報が閲覧できるとか、隣接した商店街にWi-Fi機器設置の補助などをして、さらにWi-Fiエリアを広げると、地域の暮らし、防災情報の配信、児童・高齢者の見守り、学校などのネット環境利用など、さまざまにその用途拡大の可能性を持っております。これらについて、区の公衆無線LANの設置増加と、それらを活用した魅力発信など、付加価値施策の展開を要望いたしますが、区のご見解をお聞かせください。
第2に、
地域コミュニティ活動の活性化についてお伺いします。
高齢化などから町会・自治会など、地域活動に取り組まれる方が減少し、さまざまな地域活動の運営が難しくなってきている状況がございます。一方で、定年など、現役を退かれた方が新たな生き方、働き方を求め、自分にできることとして地域に貢献していく活動などを志向される方もいらっしゃいます。また、マンションなど、大規模な集合住宅が建ち並ぶ地域では、区外から転入してきた方が、その地域での地域活動に参加していくことがなかなかスムーズにいかない場合もあります。
地域防災力や地域包括ケアシステムの機能向上させるためにも、互助・共助を担う地域力を高める地域活動に取り組まれる方々を維持拡大、育んでいく環境を整えていくことが重要ではないでしょうか。そこで、地域センターなどで地域活動をしてみたい人、地域活動に人手が欲しい方々を引き合わせていくようなマッチングサービスを展開し、
地域コミュニティの活性化・発展に寄与できないかと考えますが、いかがでしょうか。区のご見解をお聞きします。
第3に、障がい者雇用の促進についてお伺いします。
本区においては、障がい者週間記念行事で、障がい者雇用優良事業所の表彰を行うなど、積極的に障がい者雇用を促進しておりますが、障がいのレベルや種類には個人差があり、より幅広く、きめ細かな対応が求められます。雇用において業務分野の拡大や精神・知的障がい者の方々も含めた、官民両面からの雇用機会の確保が必要と考えます。この点について、区のご見解をお聞きします。
また、さらなる雇用促進と意識醸成のため、障がい者雇用優良事業所に対して、区が認定マークを付与し、事業者が障がい者雇用に積極的に取り組んでいること対外的に明示することができるよう提案いたしますが、区の答弁を求めます。
第4に、公園整備についてお聞きします。
未来をはぐくむ緑と文化のかがやくまち板橋の実現に向けて、若者が住みたくなるまちづくり、高齢者がかがやくまちづくり、にぎわいの創出、魅力あるまちづくりなど、シティプロモーション上も公園行政は非常に大切な位置づけにあると考えます。本区の公園についても、魅力ある公園整備の推進は必要です。
北区の石神井川沿いには、音無もみじ緑地や音無さくら緑地などのほか、水と親しむ公園として、かつての渓流を取り戻したいとのコンセプトで、日本の都市公園100選にも選ばれた音無親水公園、また清水坂公園など、人気が高いようです。
一方、本区の石神井川沿いにおいては、加賀橋公園付近にてもう少し水辺に近い緑地整備を求める声など、区民の方よりの要望もあります。
公園は子どもたちの遊び場だけでなく、子育て世代や高齢者の方々、また若者やシニア世代など、老若男女、世代を問わず、それぞれの目的に応じて公園に求めるものが多様化しているのも事実であります。
本区にも魅力ある公園があることは承知しておりますが、その広報、周知が区民の皆さんへ届いているのか気になるところでもあります。新規公園の設置について、一度の広報で終わるのではなく、四季折々公園の魅力を発信するなど、さらなる工夫をした広報が必要ではないでしょうか。
ここでお聞きしますが、本区の今後の公園整備の計画や方針、広報のあり方など、区のご見解をお示しください。
次に、東板橋公園についてお尋ねします。
現在、東板橋公園は、こども動物園大規模改修に伴う整備工事の最中ですが、交通量のある、両方向道路に面している北東側はもともとガードパイプで歩行者通路が確保されております。しかし、北西側、住宅街に面したところでは、一方通行道路に面してはおりますが、特に歩行者の安全対策がとられておりません。住宅側や公園側からの飛び出しも懸念されます。何らかの対策が必要と考えますが、区のご見解を伺います。
また、北西側の出入り口にはスロープがない箇所があり、ベビーカーなどお子様連れの利用者は、遠く迂回しながら出入りをしております。ユニバーサルデザインの観点からも改善が必要と考えますが、区のご見解をお示しください。
最後に、路上禁煙地区の喫煙場所についてお尋ねします。
望まない受動喫煙の防止を図るため、多数の者が利用する施設等の一定の場所を除き、喫煙を禁止する改正健康増進法と、東京都受動喫煙防止条例が平成30年7月に交付されました。本区においても、喫煙者と非喫煙者がお互いの立場を尊重し、公衆喫煙所を当面設置することはやむを得ないとしながらも、公衆喫煙所の存廃について見直していくとの報告がなされていることは承知をしております。
路上禁煙地区のうち、板橋駅前の喫煙場所について、煙やにおいなど、受動喫煙にかかわる区民の方からの苦情がよく寄せられます。望まない受動喫煙防止の観点から、より強固な分煙対策を求めます。また、他の路上禁煙地区の喫煙場所について、今後の取組みを伺いますが、区の答弁を求めます。
以上をもちまして、私の一般質問を終わります。ご清聴、ありがとうございました。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
△休憩の宣告
○副議長(大田ひろし議員) さかまき常行議員の一般質問の途中でありますが、議事運営の都合により、この際、暫時休憩いたします。
なお、再開時刻は午後3時40分といたします。
午後3時5分休憩
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
午後3時40分再開
出席議員 46名
1番 小野田 み か議員 2番 高 山 しんご議員
3番
内田けんいちろう議員 8番 石 川 すみえ議員
9番 山 田 ひでき議員 10番 山 田 貴 之議員
11番 中 村とらあき議員 12番 間 中りんぺい議員
13番 しのだ つよし議員 15番 こんどう秀 人議員
16番 山 内 え り議員 17番 吉 田 豊 明議員
18番 田中しゅんすけ議員 19番 安 井 一 郎議員
20番 寺 田 ひろし議員 21番 さかまき常 行議員
22番 しいな ひろみ議員 23番 井 上 温 子議員
24番 荒 川 な お議員 25番 いわい 桐 子議員
26番 坂 本あずまお議員 27番 田
中やすのり議員
28番 いしだ 圭一郎議員 29番 成 島 ゆかり議員
31番 南 雲 由 子議員 32番 竹 内 愛議員
33番 小 林 おとみ議員 34番 元 山 芳 行議員
35番 大 野 治 彦議員 36番 鈴 木こうすけ議員
37番 し ば 佳代子議員 38番 五十嵐 やす子議員
39番 長 瀬 達 也議員 41番 かなざき文 子議員
43番 杉 田 ひろし議員 44番 茂 野 善 之議員
45番 田 中 いさお議員 46番 かいべ とも子議員
47番 渡 辺よしてる議員 48番 おばた 健太郎議員
51番 川 口 雅 敏議員 52番 佐々木としたか議員
53番 なんば 英 一議員 54番 大 田 ひろし議員
55番 高 沢 一 基議員 56番 中 妻じょうた議員
職務のため議場に出席した事務局職員の職氏名
区議会事務局長 太野垣 孝 範君
区議会事務局次長 丸 山 博 史君
〃 議事係長 浅 子 隆 史君 〃 調査係長 鑓 水 貴 博君
〃 書記 森 下 慎 吾君 〃 書記 戸 田 光 紀君
〃 書記 平 山 直 人君 〃 書記 田 中 彩 乃君
〃 書記 飯 野 義 隆君 〃 書記 伊 藤 祥 平君
〃 書記 山 川 信 也君 〃 書記 木 村 欣 司君
〃 書記 坂 本 悠 里君
地方自治法第121条の規定による説明のための出席者
区長 坂 本 健君 副区長 橋 本 正 彦君
教育長 中 川 修 一君 代表・常勤監査委員菊 地 裕 之君
政策経営部長 堺 由 隆君 総務部長 森 弘君
法務専門監 辻 崇 成君 危機管理室長 林 栄 喜君
区民文化部長 有 馬 潤君 産業経済部長 尾 科 善 彦君
健康生きがい部長 五十嵐 登君 保健所長 鈴 木 眞 美君
福祉部長 椹 木 恭 子君 子ども家庭部長 久保田 義 幸君
資源環境部長 渡 邊 茂君 都市整備部長 安 田 智君
土木部長 糸 久 英 則君 会計管理者 平 岩 俊 二君
教育委員会事務局次長 地域教育力担当部長松 田 玲 子君
藤 田 浩二郎君
政策企画課長 篠 田 聡君 財政課長 小 林 緑君
総務課長 織 原 真理子君
△再開の宣告
◎事務局長(太野垣孝範君) ただいまの出席議員数は45名でございます。
○副議長(大田ひろし議員) 休憩前に引き続き、会議を再開いたします。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
△区政一般質問(続き)
○副議長(大田ひろし議員) さかまき常行議員の一般質問に対する答弁を求めます。
◎区長(坂本健君) 議長、区長。
○副議長(大田ひろし議員) 区長。
〔区長(坂本 健君)登壇〕
◎区長(坂本健君) それでは、さかまき常行議員の一般質問にお答えいたします。
最初は、AIを活用したチャットボット形式の総合案内サービスの導入についてのご質問であります。
国は、官民データ活用推進基本法に掲げております情報通信技術のさらなる活用等の一事例として、チャットボットの活用の紹介をしております。チャットボットを活用した総合案内サービスについては、職員の業務負担軽減や区民サービスの向上等につながるツールの一つとして認識をしておりまして、その動向を注視しているところでもあります。区としましては、他自治体での実績や効果を調べ、費用対効果を含めた実現性について調査研究を進めていきたいと考えています。
次は、AI等の先端技術の活用についてのご質問であります。
AI等の先端技術は、官民データ活用推進基本法において活用が求められておりまして、区でも、板橋区ICT推進・活用計画2020において、導入に向けた調査研究を行うこととしております。現在、区におきましては、保育園の入所選考をAIを用いて自動でマッチングさせるツールや、業務の自動化を行うRPAの導入へ向けた検証作業を進めているところであります。今後も、区民サービスの向上につながるAI等の先端技術の活用について研究を行い、費用対効果を見きわめながら導入を図っていきたいと考えています。
次は、SNS等の広報活動の運用状況、検討内容についてのご質問であります。
区では、公式ホームページにおける情報発信に加え、ソーシャルメディアとしてフェイスブック及びツイッターを開設し、リアルタイムで施策やイベント情報、災害情報を発信しております。ホームページの昨年度のアクセス数は約362万件でありまして、現在のフェイスブックのフォロワー数は約2,300人、ツイッターのフォロワー数は約9,900人でございます。これらの情報媒体の活用の促進と、より効果的な情報発信を目指し、今年度、アクセスしやすいホームページに改修をして、来年3月に公開をする予定であります。
次は、LINE公式アカウントを使った情報発信についてのご質問であります。
ソーシャルネットワーキングサービス、通称SNSには多種多様なものが存在をし、区では、公式なものとしてフェイスブック及びツイッターを開設し、情報発信を行っているところであります。今後も新たなSNSの開発が見込まれているところでありまして、調査研究の上、区の発信力強化に向けて、最適なSNSの導入を検討していきたいと考えています。
次は、ICTの活用によるマイ・タイムラインの普及についてのご質問であります。
東京マイ・タイムラインデジタル版の機能の拡充につきましては、配信後の動向を注視しながら、必要に応じ、東京都に対し働きかけていきたいと考えています。一方、東京マイ・タイムラインを活用した区独自のアプリの開発につきましては、今後の研究課題とさせていただきたいと考えています。
次は、オープンデータを活用したアプリコンテストの開催等についてのご質問であります。
オープンデータアプリコンテストについては、東京都が個人、法人を問わず広く募集を行っているものであり、都内外を問わず、さまざまな作品が寄せられております。このようなアプリコンテストを区が独自開催することについては、自治体が単独で開催する意義や効果を勘案する必要があることから、今後の検討課題としたいと考えています。また、東京都のアプリコンテストにおいて優秀賞等を獲得した作品については、区の施策で有効活用が期待できるものは、導入に向けた検討を行っていきたいと考えています。
次は、オープンデータの利活用における区の見解についてのご質問であります。
オープンデータの利活用につきましては、官民データ活用推進基本法の基本的施策であり、区としましてもその重要性を認識しております。東京都では、持続可能な経済成長を目的として新たに検討会を立ち上げ、官民データの共有化に向けた議論を加速化させております。現在、板橋区でも208件のデータセットを公開しておりますが、活力ある地域社会の実現に向けて必要となる官民データと、利活用を図るためのさまざまな手法についてを研究していきたいと考えています。
次は、マイナンバーカードの普及促進策についてのご質問です。
マイナンバーカードの普及を図るため、今年度から、区役所本庁舎、5つの区民事務所にマイナンバーカードの申請機能付き証明写真機を設置いたしました。また、マイナンバーカードを利用したコンビニでの証明書取得の手軽さを実感していただくため、区役所等でのコンビニ交付体験会を実施する予定であります。加えて、マイナンバーカードの利便性向上を図るため、今年度中にコンビニでの戸籍証明書の取得が可能となるよう、システムの構築に着手をしたところであります。
次は、マイナンバーカードの利活用政策の計画や今後の方針についてのご質問であります。
現在、国ではさまざまな活用シーンを検討しておりまして、今後、マイナンバーカードの普及につながる新たな施策展開が順次実施されていくものと認識しています。区におきましても、カードの活用場面は主にコンビニ交付やマイナポータルを活用した電子申請のみであることから、新たに実用化される施策に即応できる体制を整えております。今後も国や他自治体の動向を注視しながら、費用対効果を踏まえて、区民サービス向上に資するマイナンバーカードを活用した事業の拡充に努めていきたいと考えています。
次は、ICTの推進における情報格差についてのご質問であります。
板橋区では、平成23年度にツイッターによるリアルタイムの情報発信を開始し、昨年はスマホ用の観光アプリを導入するなど、区民の利便性向上を図ってまいりました。これらの活用を、区が主催するイベントや各種講習会などの機会を捉え周知し、区民の利用拡大につなげていきたいとも考えています。
次は、ICTを活用した障がい者支援についてのご質問であります。
ICTを活用した仕組みやサービスの提供などは、視覚障がい者の社会参加を促進するものと認識しています。一方において、継ぎ目のない移動の確保には、ICTの仕組みでは、仕様や規格の違いなどによりましてサービスの統一性に懸念があるほかに、維持管理に要する経費が増加するなどの課題も指摘がされております。そのため、実証実験を行っている先進事例の動向に注視をしながら、今後の研究課題の一つとさせていただきたいと考えています。
次は、ペーパーレス化の促進状況についてのご質問であります。
ペーパーレス化は、紙資料の削減だけではなく、印刷等に費やす時間の短縮化や紛失、誤送付等のリスクを軽減するものでありまして、区の重要な業務効率化の一つと捉えております。現在、ICT推進・活用計画2020に基づきましてペーパーレス化を進めておりまして、文書管理システムの導入や一部の会議でのペーパーレス化に取り組んでいるところであります。さらなるペーパーレス化を推進していくために、本庁舎ネットワーク機器のリプレースのときにあわせまして、庁内の無線LAN環境の整備を検討しているところであります。
次は、公衆無線LAN(Wi-Fi)の活用についてのご質問です。
区では、日常における区民へのICT環境の提供と災害時の通信インフラの確保を図るため、区内の105施設にWi-Fi機器を導入しております。今年度は、区民に安心して利用していただくため、区のWi-FiであることがわかるようにSSIDの統一や、魅力発信を図るため、接続時に区ホームページを表示させるなどの整備を進めているところであります。今後につきましては、2020年に向けまして、セキュリティ対策にも配慮をしながら、さらなる活用拡大についても検討していきたいと考えています。
次は、
地域コミュニティ活動の活性化についてのご質問であります。
高齢化等により、町会などの地域活動に携わる方が減少し、地域活動の運営が難しくなってきていることは認識をしております。現在、いたばし№1実現プラン2021に基づきまして、地域センターのあり方について検討を進めておりまして、区民参画と地域センターの役割についても検討を進めております。地域センターで地域活動をしたい方と人材を求める団体等とのマッチングを行うことにつきましても、この中において検討してまいりたいと考えています。
次は、障がい者雇用促進に関連いたしまして、官民両面からの雇用機会の確保についてのご質問であります。
障がい者雇用においては、一人ひとりの特性に合ったきめ細やかな対応が肝要であり、障がい者就労支援センター、ハート・ワークにおいて登録や就労、職場定着の支援に当たり、利用者の求めに応じ、適性、力量を把握しながら対応しているところであります。雇用機会の確保、充実に向けましては、業務分野の拡大を含め、官民連携による取組みの推進が必要であると認識しています。そのため、企業及び雇用関係者、ハローワーク関係者等を構成員とする板橋区自立支援協議会における就労支援部会等を活用しながら検討していきたいと考えています。
次は、障がい者雇用優良企業に対する認定マークの付与についてのご質問であります。
事業者が障がい者雇用に積極的に取り組んでいることを明示することについては、障がい者雇用の促進及び意識醸成に資するものであり、非常に有効であると考えます。現在、障がい者雇用優良事業につきましては、企業ホームページへの掲載などによって、一定のPRにつながっているものと考えています。ご提案の認定マークの付与につきましては、障がい者雇用促進の方策の一つとして、効果や方法について研究をしてまいりたいと考えています。
次は、今後の公園整備の計画や方針についてのご質問であります。
今後の公園整備の計画につきましては、板橋ならではの資源、強みを積極的に引き出す小豆沢公園や東板橋公園、赤塚植物園農業園、史跡公園の整備を進めていく考えであります。一方において、日常生活での魅力を備えた公園づくりをソフトの面も含めて推進し、344か所全てが魅力ある公園となるように努めていきたいとも考えています。こうした区の公園の魅力を広く発信していくため、既成の枠にとらわれない情報発信の手法についても研究をしていきたいと考えています。
次は、東板橋公園の安全対策についてのご質問であります。
東板橋公園の北西側の道路については、歩道がなく、公園から直接道路に出られるため、飛び出しなどの危険があることについてはご指摘のとおりであります。このため、道路に沿った公園敷地内に幅約2メートルの園路を設置することとしまして、今年度、工事を実施する予定であります。通路が設置されることによりまして、見通しがよくなるとともに、公園からの直接の出入りがなくなり、飛び出しの危険が改善されるものと考えています。
次は、東板橋公園のスロープについてのご質問です。
東板橋公園の北西側にある出入り口は、4か所のうち1か所が階段のみの構造となっており、不便を生じていることは認識しています。このため、今年度実施する園路の整備工事にあわせまして、階段脇にスロープを設置する予定であります。
最後になります。路上禁煙地区の喫煙所についてのご質問です。
板橋駅前の現在の喫煙所は開放型のものでありまして、受動喫煙を防止する観点から対策が急務と認識をしておりまして、板橋駅周辺のまちづくりや駅前広場の再整備も視野に入れながら検討していきたいと考えています。また、喫煙所がある志村坂上駅、高島平駅及び成増駅北口、南口の残り3地区4か所につきましては、コンテナ型の公衆喫煙所の設置に努め、現在の開放型から転換を進めていきたいと考えています。
答弁は以上となります。
○副議長(大田ひろし議員) 次に、いしだ圭一郎議員。
◆いしだ圭一郎 議員 議長。
○副議長(大田ひろし議員) いしだ圭一郎議員。
〔いしだ圭一郎議員登壇〕(拍手する人あり)
◆いしだ圭一郎 議員 通告に従い、公明党の一般質問を行います。
私はこれまでの4年間で、自身の地域活動や、区民の皆様からさまざまなご意見やご要望をお聞きしてまいりました。その中での課題を何点か質問させていただきます。
私は現在、青少年健全育成地区委員会の主要構成員である青少年委員として、宿泊キャンプや地区運動会などの企画・運営に参加させていただいております。また、将来の地域活動の担い手、小学生高学年・中学生・高校生のジュニアリーダー育成にも取り組んでおります。
そこで、毎年開催されております青少年健全育成事業である青少年キャンプにおける児童館職員の宿泊同行廃止についてお伺いいたします。
これまで宿泊を伴う野外教室については、各地区の状況により必要であれば児童館職員も同行をして、子どもたちの運営補佐をしてきたのが実態であります。しかし、突然一方的に子ども家庭部子ども政策課より各18地域センターへ令和元年度から青少年キャンプへの宿泊を伴う職員の同行は行わないと説明があり、毎年児童館職員が同行していた町会や青少年健全育成地区委員会に激震が走りました。さらに、そのことを、青少年健全育成地区委員会や青少年委員会を所管とする、教育委員会事務局地域教育力推進課に知らせることなく決定してしまったことは、まことに遺憾であります。
町会の方々は地域センター職員から、児童館職員の宿泊は今年からなくなりました。と聞かされるだけで、ただ呆然とするしかありませんでした。今回のような、突然一方的に変更するやり方は、区民の理解を得られないと思います。このような進め方について反省点をご説明ください。
子ども政策課の青少年キャンプ同行廃止の理由は、児童館の役割が小学生から乳幼児親子への対象に転換をし、小学生対応のスキルの維持が難しいとの理由を挙げておりますが、一方で事前のジュニアリーダーや青少年委員に対するレクリエーションの指導や助言についてはこれまでと同様に最大限協力していくとスキルの維持ができていないという理由とは相反したことを述べられております。また、児童館の職員体制や配置職員の家庭状況などから年度により派遣できる場合とできない場合があり、地域ごとの不平等が生じることも懸念されるとの見解も伺いました。家庭状況を理由にしておりますが、「おおやけのつとめ」をする公務員にその理由を当てはめることに違和感を抱くとともに、ほぼボランティアで行っている町会や青少年健全育成地区委員会や青少年委員会にとっての説明としては、説得力がなく、的外れな指摘だと言わざるを得ません。さらに、青少年キャンプへ児童館職員を派遣することは児童館運営に支障を来すと子ども政策課の回答をいただきましたが、児童館休館日の土曜日、日曜日を絡めて行われている青少年キャンプに対しての理由としても納得しがたい説明であります。
過去5年間の各地区野外教室における児童館職員の宿泊を伴う同行は18地区中13地区となっており、7割以上の地区にとっては子どもたちとのかかわりのプロである児童館職員の同行は大変に心強いものであり、無事故の運営面でも重要な存在であります。7月から8月を中心に行われる宿泊を伴う青少年キャンプに臨むに当たり、各地区の状況を掌握しながら適宜、希望する地区には児童館職員の宿泊を伴う同行に対して柔軟に対応するべきと考えます。区長のお考えをお聞かせ願います。
続いて、精神障がい者支援についてお伺いいたします。
精神障がい者は、長い間、身体障がい者、知的障がい者とは別に扱われてきた歴史があり、その支援に差があることが問題とされてきました。
平成18年施行の障害者自立支援法で3障がいが一体化され、その後、平成24年施行の障害者総合支援法に改正されました。現在では、難病も含め障がいの種別にかかわらず、個々のニーズに応じて福祉サービスを利用できる仕組みができています。
私は、約6年前にも一般質問で精神障がい者の医療費についてお聞きしましたように、障がいの中でも精神障がい者に対するサービスは、ほかの障がいと比べて十分とは言えないと感じております。
板橋区は23区でも精神科病院が最も多い区でありますので、まず精神保健福祉手帳を持っている区民の人数と、自立支援医療を使っていらっしゃる人の人数についてお尋ねいたします。
次に、6年前の私の一般質問に対する区長のご答弁では、精神障がいは、本来は一般疾患についても入通院医療費助成があることが望ましいとも考えます。しかし、区独自で精神障がい者一般疾患の入通院医療費助成を実施することは財政上困難でございまして、また、23区全体で同様の助成を行っている区はないというのが現状でございます。今後、機会を捉えて、国や東京都に精神障がい者の一般医療費助成の拡大をするように要望してまいりたいと考えています。と発言されております。6年前より、本区の財政状況はよくなっております。本来であれば国や東京都が取り組むべきものですが、所得制限を設けて板橋区が23区で初となる医療費助成を行っていただきたいと思います。
そこでお伺いいたしますが、私の以前の一般質問から6年が経過し、区ではどのような対応をされたのでしょうか。お答え願います。
また、現在、精神障がい者の医療費への助成制度はどのようになっているのかお聞かせ願います。
続いて、都営交通無料乗車券についてお伺いいたします。
現在、精神障害者保健福祉手帳所持者の都営交通運賃は、この乗車証の提示により無料となります。一方、民営バスにおいては割引率が5割となり、本区においては、民営バスである国際興業が運行しており半額自己負担が発生してしまいます。本区における平成30年度の精神障がい者の雇用人数は4人であり、身体的な障がい者の雇用人数63人を大幅に下回っていることに鑑みても就労している精神障がい者が極端に少なく、経済的にも厳しい状況が容易に推測できます。経済的に厳しい状況である就労をしていない、またはシルバーパスなどの対象になっていない精神障害者保健福祉手帳所持者に半額自己負担が生じないよう助成するべきと考えます。区長の見解をお聞かせ願います。
次に、高齢者政策についてお伺いいたします。
まず初めは、AEDについてであります。
日本AED財団によりますと、日本では毎日多くの人が心臓突然死で命を失い、その数は、1年間で約7万人。1日に約200人、7.5分に1人が心臓突然死で亡くなっています。その原因の多くは重篤な不整脈であり、いわゆる心停止の状態です。数秒で意識を失い、数分で脳をはじめとした全身の細胞が死んでしまいます。救命には迅速な心肺蘇生と電気ショックが必要です。電気ショックが1分遅れるごとに救命率は10%ずつ低下するそうです。119番通報をしてから救急車が到着するまでの平均時間は8.6分。救急隊や医師を待っていては命を救うことはできません。突然の心停止を救うことができるのは、その場に居合わせた人に可能性を託すことしかできません。
本区においては現在、都営・区営住宅にAEDの設置は1台もされておりません。23区では千代田区、港区、台東区、豊島区の区営住宅に、全ての棟ではありませんがAEDが設置されております。板橋区では、区役所をはじめ、地域センター、文化・教養施設、スポーツ施設、保健・福祉施設、高齢者施設、児童施設、教育施設などの区の施設にAEDを設置しています。また、AEDの利用可能時間が長く公共性の高い施設、警察署・消防署・駅・救急病院などにご協力いただき、AED設置場所を公開しています。
そこで、さらに踏み込んで板橋区内の都営住宅・区営住宅にもAEDの設置要望をいたします。
区内全ての区営住宅にAEDを設置した際の概算予算は初年度で1台当たり21万3,000円程度、次年度以降では7万円程度であります。本区の区営住宅の棟数は13棟あります。全ての棟にAEDを設置した際の概算予算は初年度で276万9,000円、次年度以降は91万円となります。予算確保の可能性と区長の見解を求めます。
続いて、難聴フラッシュベルを高齢者日常生活用具給付の対象とすることを要望いたします。
フラッシュベルとは、耳の不自由な方に光の点滅で来客をお知らせする装置であります。最近では無線式の製品もあり、工事費も安価になってきております。現在、本区においては、障害者自立支援制度のサービスで利用することは可能ですが、しかし、高齢に伴う難聴者に対してはサービスの対象外となっております。
高齢者日常生活用具給付には、シルバーカーや空気清浄機、電子レンジなどの種目が限度額内において補助されております。本事業実施要綱には要支援及び要介護高齢者、虚弱高齢者並びにひとりぐらし高齢者等に対し、日常生活用具の給付を行うことにより、日常生活の便宜及び自立の支援を図り、その福祉の増進に寄与することを目的とするとあります。
そこで要望いたします。高齢人口の急速な増加の中で、高齢者世帯を対象に高齢者日常生活用具給付のメニューの中に現行予算内においてフラッシュベルを追加することは可能でしょうか。お答え願います。
さらに、高齢者事故防止について質問をいたします。
池袋で4月19日に、板橋区在住の87歳の男性が運転する乗用車が暴走し、10人が死傷するという痛ましい事故が発生しました。
最愛の妻子を失った男性は、会見で悲しみをこらえつつ、交通事故による犠牲者がいなくなる未来に。と声を絞り出して訴えておりました。
板橋区議会公明党でも、このような事故を受け、先月5月27日に歩行者への交通安全対策の強化を求める緊急要望を坂本区長に提出いたしました。
そこで、今回の緊急要望の内容を交通安全計画に反映していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。お答え願います。
今回の事故では、車に不具合は確認されず、警視庁は運転操作ミスの可能性を視野に捜査していると聞いております。男性に持病はないと報道されておりますが、運動能力が低下する高齢者の運転にはリスクが潜むのも現実問題であります。板橋区としても痛ましい事故を起こさせない、尊い命が犠牲にならないよう、手を尽くす必要があると考えます。
近年、交通事故の発生件数は減少傾向にありますが、75歳以上の高齢ドライバーの死亡事故の割合は高まっており、単純ミスによる事故も発生している状況であります。警視庁は2022年には昨年末時点より、75歳以上の運転免許保有者が100万人ふえて663万人に膨らむと推計しております。
本区において、高齢者が関与した事故件数は毎年350件程度と横ばいですが、都内全域の高齢者の事故の当事者件数1万1,094件に対して自動車や二輪車による内訳は7,618件と高齢者による運転事故割合は68%を占めております。以上の数値から考えますと、高齢者に免許の自主返納を促すための環境づくりも重要であります。
運転免許証を自主的に返納した方は、運転経歴証明書を申請できます。この運転経歴証明書を提示すると高齢者運転免許自主返納サポート協議会加盟企業・団体が行っている飲食店の割引などのさまざまなサービスが受けられますが、高齢者にとって使い勝手が悪いということも自主返納の妨げの要因の一つとなっております。
そこで、板橋区としても、高齢者の運転免許証の自主返納が高まるように、本年発行される板橋区独自のプレミアム商品券や通常の商品券などを配布したり、わかりやすい使い勝手のよいサービスを独自に行うべきと考えますが、区長の見解をお示し願います。
また、自主返納を拒む高齢者にとって、安全対策に有効な手段の一つが、自動ブレーキやペダル踏み間違い時の急加速を防ぐ機能などを搭載した先進安全自動車(ASV)であります。例えば、自動ブレーキの搭載により、人身事故が約6割減ったという大手自動車メーカーの調査もあるそうです。国は既に運送事業者へのASV導入を支援しておりますが、一般の高齢者を対象とした購入支援も検討すべきだと思います。
そこで、国に先駆けて板橋区において高齢者を対象に、ASVの購入補助を提案いたします。板橋区はASVの安全に対する効果をどのようにお考えでしょうか。見解を求めます。
私ども公明党は、今夏の参院選の重点政策に高齢者の移動手段の確保と安全運転支援を掲げました。地域公共交通の確保とあわせて、先端技術を生かした取組みを加速させたいと思います。
そこで、次に、地域公共交通の確保という観点から
コミュニティバスについてお伺いいたします。
約6年前の一般質問で、当時、(1)稲荷台・仲宿周辺、(2)大原町・前野町・中台周辺、(3)大谷口北町・東新町・桜川周辺、(4)西台・若木周辺、(5)赤塚・四葉・徳丸周辺、(6)新河岸周辺と6地域において要改善地域があるとお聞きしました。現在までに
コミュニティバスの要改善地域はどのように改善されましたでしょうか。
また、これまで8年間の区民相談の中で向原や大谷口にお住まいの多くの方から、大谷口二丁目の大谷口中央通りにおける
コミュニティバスの運行要望がありました。以前、板橋区に調査をしていただいたときには、車幅2メートル8センチのバスに対して道路幅員が2メートル31センチと、27センチ必要な幅員を満たない箇所があると回答をいただきました。現在、この地域の状況はどのようになっているのでしょうか。
区では現在、交通政策の計画に取り組まれていると聞いています。8年間の区民相談で数多く受けてきました
コミュニティバスの運行は区の重要な政策であると考えています。
また、向原・大谷口地域には、大谷口地域センターや板橋区版AIPの大谷口地域における拠点の一つとして「さくらテラス」が複合施設ケアホーム板橋内に併設されたことにより、一層地域住民や施設利用者の移動の利便性の向上が必要となります。向原・大谷口地域での
コミュニティバス導入をどのように考えていくか、ワゴン車やタクシーの活用の可能性も含めて、区長の答弁を求めます。
次に、ゲリラ豪雨対策についてお伺いいたします。
昨年9月のゲリラ豪雨の際には板橋区内においても床下浸水10件、床上浸水59件の被害が発生してしまいました。私の住んでいる周辺地域、熊野町、中丸町、大山東町、幸町、大山町、大谷口でも床上浸水の被害が発生してしまいました。
温暖化によりゲリラ豪雨は今後も頻繁に発生すると考えられます。下水道事業は東京都の所管ですが、公明党のネットワークを最大に生かし、下水道管の口径を太くしたり、一時的に雨水をためる雨水貯水槽の整備などを強力に推進してまいります。
そこでお伺いいたしますが、板橋区として先月5月17日に開催された雨水処理対策会議において、東京都下水道局に対して具体的にどのような抜本対策を要望したのでしょうか。
また、板橋区で取り組めるものとして、雨水浸透桝や道路横断用U型側溝の整備を道路の改修にあわせて行うと伺っておりますが、その計画をお示し願います。
さらに、一般住宅や事務所における雨水貯留槽購入費助成制度のさらなる周知徹底や、購入費のみの助成ではなく、設置費用も助成するよう求めますが、いかがでしょうか。
また、宅地内において、下水本管からの逆流防止対策として、逆流防止弁の取り付け工事を行った場合の助成も求めます。区民の生命や財産を守るための施策として、区長のお考えをお聞かせ願います。
最後に、公園についてお伺いいたします。
本年4月1日より、一部の板橋区立公園で愛犬と一緒に散歩ができるようになりました。愛犬家にとっては朗報であり、犬と一緒に散歩することによって地域のコミュニティの活性化や健康増進効果も期待できます。
一方で、さらなる飼い主のモラルの向上が求められることとなります。都市公園法第1条では、この法律は、都市公園の設置及び管理に関する基準等を定めて、都市公園の健全な発達を図り、もって公共の福祉の増進に資することを目的とする。とあります。公共の福祉の増進を目的としている以上、犬の連れ込みによる糞尿などのモラルの徹底も取り組んでいかなければならない喫緊の課題であります。今年になって1月から3月までの公園への犬の連れ込みによる糞尿のマナーについてのクレームは14件でしたが、散歩ができるようになった4月からのわずか1か月間でのクレーム数は20件と、これまでと比較をして5倍近くクレームがふえております。現在、清掃事業者による公園の清掃は週1回程度行っておりますが、モラルの低下が続けば、さらに清掃回数をふやさなければ糞などの処理ができません。調布市や春日部市ではイエローチョーク作戦を行い、モラル向上に向けた取組みが行われております。
イエローチョーク作戦とは、放置された糞を黄色のチョークを使い円で囲み、日時を書くことで他人の目がある、糞の放置は許さないという地域の態度を飼い主に認識させ、飼い主のモラル向上を啓発することで、糞の放置をなくすことを目的とした取組みです。
そこでお伺いいたしますが、板橋区において、清掃回数をふやす意向はおありでしょうか。
また、犬の糞尿などのモラル向上への取組みや予定があればお聞かせ願います。
続いて、公園内の受動喫煙についてですが、現在、公園など壁や屋根のない屋外は改正健康増進法や東京都受動喫煙防止条例が適用されません。新宿区では公園利用者の受動喫煙を防止するために、公園を禁煙とする基準を見直し、禁煙の公園をふやしました。公園内受動喫煙防止に向けた本区の取組みや今後の計画などがありましたらお聞かせ願います。
続いて、公園内及び周辺の防犯カメラ設置についてお伺いいたします。
公園内に不法投棄された自転車や、たばこの吸い殻、お酒の空き缶やごみの放置、夜中にたむろして騒いでいる若者が防護ネットを燃やしたり、花づくりグループが行っている、花壇の花苗の抜き去りや、不審者が公園内の植栽を無断で伐採してしまうなどの事例に対しての抑止力として、防犯カメラを設置してほしいとの要望が私のもとへ寄せられております。
板橋区立公園等防犯カメラ設置要綱第2条には、防犯カメラとは、犯罪防止、公園内への不審者の侵入防止等を目的にと明確に記されております。区民からも直接土木部みどりと公園課に要望しても予算を理由に門前払いをされてしまうと嘆いておられました。パトロール業務を充実させるのは当然の対応として、防犯カメラの設置が犯罪防止や公園内への不審者の侵入防止が目的である以上、設置基準を明確にして区民の安心・安全を守るための予算確保をするべきと考えますが、見解をお示しください。
次に、板橋交通公園についてお伺いいたします。
本来であれば、旧大山小学校と一体的に整備を行い、今年度から工事着手をして、来年には完了をする予定でありましたが、財政視点から計画の見直しとなってしまいました。板橋区にも早期実施を求めておりましたが、先日公表された次期実施計画に新規事業として板橋公園の整備が載っており、今年度は公園外周道路の暫定整備が施工されるとありました。翌2020年度から2021年度にかけて公園整備基本計画及び基本設計がされることとなりました。そこで気になるのはこれまでの板橋交通公園から板橋公園に名称が変わっていることです。本区にとって魅力とにぎわいあふれる公園となるよう区長にお伺いいたします。
今後、交通公園としての機能を維持するのかを含め、地域の皆さんや周辺町会のご意見・ご要望をお聞きしながら、基本計画を進めていくことが大切だと考えますが、ご意向をお聞かせ願います。
また、周辺町会からは防災倉庫や集会所などの要望もございます。公園以外の施設整備に関してのご構想もあわせてお聞かせ願います。
以上で私の一般質問を終わらせていただきます。ご清聴、まことにありがとうございました。(拍手する人あり)
◎区長(坂本健君) 議長、区長。
○副議長(大田ひろし議員) 区長。
〔区長(坂本 健君)登壇〕
◎区長(坂本健君) それでは、いしだ圭一郎議員の一般質問にお答えいたします。
まず初めに、青少年キャンプにおける児童館職員の宿泊同行廃止に関連いたしまして、廃止の決定方法についてのご質問であります。
これまで、各青健地区委員会の依頼を受け、青少年委員やジュニアリーダーの指導のために、キャンプへの児童館職員の派遣を行ってまいりました。児童館数の見直しや乳幼児親子を主な対象とした児童館機能の転換などによりまして、近年、宿泊を伴うキャンプへの派遣に要する人員の確保が困難な状況になっております。これを受けまして、本年4月に、青健地区委員会の事務局である地域センターに派遣廃止の申し入れをしたところであります。
次は、柔軟な対応についてのご質問であります。
現行の職員体制においては、今後、各地区からの依頼に応えることが困難となるため、今回の申し入れを行ったものであります。あわせて、青健事業に支障が出ないよう、ジュニアリーダーや青少年委員に対する事前の指導や助言について、最大限協力することも申し入れをしたところであります。今後は、各児童館の大学生ボランティアやジュニアリーダー顧問会に対しまして、各地区のキャンプへの参加を呼びかけたいと考えています。
次は、精神保健福祉手帳所持者と自立支援医療使用者の数についてのご質問であります。
精神保健福祉手帳を所持している区民は、平成30年度末時点において5,184人であります。自立支援医療は変更の都度、申請が必要でありまして、1年に複数回申請する人がいることから、使用者の実人数ではないところでありますけれども、平成30年度は1万4,682件の申請がございました。
続いて、精神障がい者の一般医療費助成の拡大に向けた区の対応についてのご質問であります。
平成29年2月15日の精神障害者も心身障害者医療費助成制度(マル障)の対象とすることを求める陳情の受理を受けまして、健康福祉委員会における審議が重ねられてまいりました。その後、区における東京都への要望について、健康福祉委員会において全会一致で採択され、平成29年10月の区議会定例会において、採択の上、執行機関に送付すべきものと決定されました。これを受けまして要望書の提出を進めてまいりましたが、平成29年11月に東京都が当該事業を実施する予定との情報が入ったため、要望書の提出を見送ることにしたものであります。
次は、精神障がい者の医療費助成制度についてのご質問であります。
平成31年1月1日より、心身障害者医療費助成制度(マル障)の対象が精神障害者保健福祉手帳1級まで拡大されました。これによって、精神障がい者の一般疾患にかかる入通院医療助成につきましても、身体障がい者及び知的障がい者同様、保険診療分が、住民税課税者については1割負担、住民税非課税者に対しては負担なしとなっているところであります。
次は、精神障害者保健福祉手帳所持者にかかる民営バス運賃自己負担への助成についてのご質問であります。
現在、精神障害者保健福祉手帳所持者にかかる民営バス運賃自己負担は5割となっておりまして、身体障害者手帳所持者及び愛の手帳所持者につきましても同様となっております。公共交通機関の運賃割引につきましては、国等から事業者へ協力を求めている状況にあるとともに、陳情への対応として、区議会より国会及び関係行政省庁へ意見書を提出しているため、今後の動向に対して注視をしていきたいと考えております。
次は、高齢者政策に関連いたしまして、都営住宅・区営住宅へのAEDの設置についてのご質問であります。
区では、本年7月より、18か所の地域センター施設の屋外にAEDを設置し、24時間AEDが利用できる環境の拡大を図る予定であります。現在、コンビニエンスストアと協定を結ぶなど、24時間利用可能なAEDの拡大を検討しているところでもあります。区営住宅へのAED設置につきましては、区民の利用しやすさや費用対効果を踏まえて検討を進めていきたいと考えています。
次は、都営住宅・区営住宅へのAEDの設置における予算確保の可能性についてのご質問であります。
区営住宅にAEDを設置した場合、住宅内の住民以外で活用する人はあまり多くないことが懸念されるため、当面は予算化する予定は現在考えておりません。都営住宅に対しましては、設置主体である東京都に要望を伝え、情報を共有していきたいと考えています。
次は、フラッシュベルについてのご質問です。
フラッシュベルの給付につきましては、障がい者日常生活用具給付事業として、聴覚障がい3級以上の方を対象に購入費用の助成をしております。高齢者につきましても、フラッシュベルが必要となる聴覚レベルの判断基準は、この聴覚障がい3級以上が相当であると考えています。65歳以上の方でも、同様の聴覚障がいを認定されている場合は対象となるために、この制度をご利用いただいております。フラッシュベルの設置が必要な高齢者がこの助成制度を確実に利用できるよう、ご意見の趣旨も踏まえ、今後もさらに制度の周知に努めていきたいと考えています。
次は、歩行者への交通安全対策の強化を求める緊急要望についてのご質問であります。
一瞬にして人々を悲しみの底に陥れる悲惨な交通事故の撲滅は、区としましても喫緊の課題と考えています。その解決に当たりましては、庁内各分野が一丸となった取組みが不可欠であることから、既に庁内検討会の設置準備に入っておりまして、歩行者への交通安全対策の強化を求める緊急要望のご提案も含めて、総合的で効果的な対策を打ち出したいと考えています。その対策につきましては、令和2年度の板橋区交通安全計画の更新に先立ちまして、できる限り早期に実施するとともに、同計画へも反映していきたいと考えています。
次は、免許返納を促すための区独自のサービスの実施についてのご質問です。
高齢者の免許の返納につきましては、現在、区も警視庁の運転免許自主返納サポートという取組みを支援しているところであります。また、高齢者の自動車運転の危険性につきましては、高齢者を対象とした交通安全教室や、区内警察署と合同において街頭でのチラシの配布などによって、機会を捉えて周知をしているところであります。区が独自に関連施策を実施することの可否につきましては、実効性の担保や自家用車にかわる高齢者の移動手段の確保などの課題も考慮をしながら検討を進めていきたいと考えています。
次は、ASVの安全に対する効果についてのご質問であります。
近年の自動ブレーキや自動運転を取り巻く環境や技術につきましては、法制度の見直しとあわせて目覚ましい進化を遂げておりまして、区としましても交通安全への効果に大きな期待を寄せております。一方、高齢者に対しての先進安全自動車への誘導は、免許返納などの方向性との関係を明確にするなどの課題もあり、現段階では補助制度の創設は慎重にならざるを得ないというふうに考えています。今後、国の政策や動向、効果の実証などを踏まえて、区民全体にとって最も有益な方策を探る中において一定の方向性を導き出したい、このように考えています。
次は、
コミュニティバスに関連いたしまして、公共交通サービス水準の要改善地域についてのご質問であります。
区では都市計画道路などの整備を進めておりますが、要改善地域内の道路は幅員が狭く、バス路線の導入には課題が多い現状であります。稲荷台及び仲宿周辺や西台及び若木周辺などの地域では、バス停の移設や新設によって要改善地域の改善を図っているところであります。また、赤塚・四葉・徳丸周辺、新河岸周辺の地域については、りんりんGOの運行開始と新高島平駅へのさらなる延伸によりまして要改善地域の改善が進み、利用者も年々増加をしているところであります。
次は、向原・大谷口地域の現在の状況についてのご質問であります。
昨年度、道路の状況確認を行いましたが、道路周辺環境に大きな変化はなく、依然として必要な道路幅員は満たされていない状況にあると判断しています。向原・大谷口地域は住宅地であり、また、幅員の狭い道路が多いことから、一方通行や時間帯通行規制などの車両通行制限が多く、運行ルートを結ぶことは難しいものと考えています。このような地域の現状を踏まえますと、道路周辺環境に大きな変化がない中においては、現在のところ、バスの運行は困難であると認識しています。
次は、向原・大谷口地域の
コミュニティバスの導入についてのご質問です。
現在、区では交通政策全般に関する交通政策基本計画の策定中であり、多様な交通手段による利便性の向上を目指しているところであります。当該地域の道路は、ワゴン車クラスの車両でも、現在の道路環境では運行ルートの確保は難しいと考えます。策定中の計画の中では、タクシーを活用した取組みや補助第26号線の開通にあわせたバス路線の誘致など、新たな交通手段の取組みを検討しているところでもあります。
次は、雨水処理対策会議における東京都下水道局に対しての要望についてのご質問であります。
雨水処理対策会議においては、前年度の浸水被害箇所の原因究明や具体的対策の協議を主眼とした会議体でありまして、昨年9月の集中豪雨による被災家屋についても個別協議を実施いたしました。一方、地区レベルの抜本対策については、広域ネットワークの整備を伴うことから、別途、特別区下水道事業促進連絡会において要望を実施してきたところでございます。現在、抜本対策を要望しているのは、浸水被害の多発する成増、中丸町の2地区でありまして、なお、成増地区は東京都下水道事業の経営計画2016に位置づけられているところであります。
次は、雨水ます、浸透ますや道路横断用U形溝の整備についてのご質問であります。
雨水ますの増設や道路横断用U形溝の設置については、道路上の雨水を下水本管により多く流すための手法であり、道路補修工事等にあわせた設置を進めています。しかしながら、下水管の流下能力が低いために浸水被害を発生させている場合においては効果が期待できないために、補修工事の設計にあわせて確認を行うこととしております。このため、現段階において計画を示すことはできませんけれども、設置が有効な箇所につきましては、道路補修工事の時期にかかわらず、個別に設置工事を実施をしていきたいと考えています。
続いて、雨水貯留槽購入費助成制度の周知徹底と設置費助成の拡大についてのご質問であります。
板橋区では、一般住宅や事業所を対象とする雨水貯留槽の購入費助成制度を平成14年に開始いたしまして、これまで213基の設置について助成を行ってまいりました。この制度につきましては、広報誌や区のホームページ、イベント等において周知をしてまいりましたが、今後は、さらなる周知を図るために、熱帯環境植物館等における常設展示なども検討していきたいと考えています。なお、助成の拡大につきましては、区民等のニーズや他の自治体の動向なども踏まえながら、慎重に検討していきたいと考えています。
次は、逆流防止弁の取り付け助成についてのご質問であります。
下水の逆流による浸水被害の対策は、地下や半地下がある家屋を持つ方にとって重要な関心事だと考えています。逆流防止の対策はその原因によって異なっておりまして、また、製品の効果に不安定な部分があるなどのことから、下水道局としましては、ポンプによる排水を推奨していると聞いております。区では、下水道局から、装置の有効性や対象となる家屋などの基礎的な情報の収集を行っておりますが、現在のところ、逆流防止につきましては、下水道局の相談が優先であると考えているところであります。
次は、公園の清掃についてのご質問であります。
公園での犬の糞等の放置につきましては、清掃回数をふやすのではなく、飼い主のモラルの向上を図ることで解決すべき問題と認識をしております。しかしながら、犬の連れ込みができるようにした直後でもありますものですので、日常の利用に著しく支障となるような場合につきましては、適宜、臨時的な清掃を行うなど措置をしていきたいと考えています。
次は、モラル向上の取組みについてのご質問です。
犬の飼い主マナーの向上については、人と動物との良好な関係づくりの上からも重要なことだと考えています。区立公園につきましては、今年度から、犬の連れ込みが可能な55か所の公園などに指導員を巡回させ、利用指導を行うこととしております。今後、ご紹介のありましたイエローチョークを含め、地域が取り組める仕組みづくりなど、より効果的な方策について検討、研究をしていきたいと考えています。
次は、公園での喫煙についてのご質問であります。
公園内の喫煙に対しましては、公園利用者への受動喫煙防止の観点から、全面禁煙の方向性を区の方針として確認したところであります。一方、喫煙者の理解を得ない制度化は、実効性や路上喫煙の誘発といった点において課題もあることから、喫煙者への周知や理解促進の方策を検討した上において施行時期を決定したいと考えています。
次は、防犯カメラの設置についてのご質問であります。
区立公園の防犯対策につきましては、344か所と公園数が多いこととあわせまして、敷地形状や樹木などによる死角があることなど、防犯カメラによる犯罪抑止には限界があるものと感じています。このため、問題の多い公園での移動可能なカメラ30基の運用とあわせまして、公園パトロールの巡回強化あるいは剪定による見通しの確保など、多角的な対応を行ってきているところでもあります。引き続き、これまでの効果の検証を踏まえ、移動式防犯カメラの台数の充実を含めた効果的な防犯体制の確保について取り組んでいきたいと考えています。
次は、板橋公園の整備計画の進め方についてのご質問であります。
板橋公園につきましては、旧大山小学校跡地との一体的な活用によりまして、今後の地域の発展に永く役立っていけるような公園づくりを目指したいと考えます。施設の内容に関しましては、集会所や防災倉庫の設置、スポーツやイベントのできる広場の整備など、既にさまざまなご要望を頂戴しています。計画づくりでは、地域の皆様で話し合いをしていただきたく、ワークショップ形式をベースにしながら、専門家のコーディネートを受けて全体的にまとめるような方向性を考えているところであります。
最後のご質問であります。施設整備の構想についてのご質問であります。
板橋公園の整備に当たりまして、区は、現在ある集会所の建てかえ及び旧板橋第四中学校に仮移転させている南部公園事務所の移転についての意向を持っているところであります。これらとあわせまして、寄せられたご要望を公園計画について話し合うワークショップの中において提示させていただき、設置場所などを含めて基本計画としてまとめていきたいと考えています。
頂戴いたしました質問の答弁は以上でございます。
〔議長交代、議長(元山芳行議員)議長席に着く〕
○議長(元山芳行議員) 以上で、寺田ひろし議員、さかまき常行議員、いしだ圭一郎議員の一般質問を終了いたします。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
△延会の決定と次回日程の報告
○議長(元山芳行議員) 会議の途中でありますが、この際、お諮りいたします。
一般質問の通告をされた方が6名残っておりますが、議事運営の都合により、本日の会議をこの程度にとどめ、明6月6日に会議を延会し、一般質問を引き続き行うことにいたしたいと存じますが、これにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と言う人あり〕
○議長(元山芳行議員) ご異議がないものと認めます。
よって、本日の会議はこれをもって終了し、6月6日に会議を延会することに決定いたしました。
次の会議は、6月6日、午前10時に開会いたします。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
△延会の宣告
○議長(元山芳行議員) 本日は、これをもって延会いたします。
午後4時47分延会
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
以上相違なきを認めここに署名する
会 議 録 署 名 議 員
議 長 元 山 芳 行
12番 間 中りんぺい
29番 成 島 ゆかり...