令和 5年 6月 定例会(第2回) 東京都北区議会会議録第六号(第二回定例会) 令和五年六月二十日(火)(午前十時
開議)----------------------------------- 出席議員(四十人) 一番 山中りえ子 二番 佐藤つかさ 三番 濱田知明 四番 福田光一 五番 加藤みき 六番 佐藤こと 七番 さいとう尚哉 八番 安達しんじ 九番 せいの恵子 十番 宇都宮ゆり 十一番 永井朋子 十二番 野口将人 十三番 坂口勝也 十四番 すどうあきお 十五番 くまき貞一 十六番 佐藤かずゆき 十七番 金田よしあき 十八番 平田りさ 十九番 仲田みずき 二十番 本田正則 二十一番 野々山 研 二十二番 山崎たい子 二十三番 近藤光則 二十四番 宮島 修 二十五番 ふるたしのぶ 二十六番 小田切かずのぶ 二十七番 坂場まさたけ 二十八番 松沢よしはる 二十九番 竹田ひろし 三十番 石川さえだ 三十一番 花見たかし 三十二番 赤江なつ 三十三番 青木のぶえ 三十四番 うすい愛子 三十五番 青木博子 三十六番 いながき 浩 三十七番 大沢たかし 三十八番 永沼かつゆき 三十九番 渡辺かつひろ 四十番 戸枝大幸 出席説明員 区長 山田加奈子 副区長 内田 隆 副区長 依田園子 技監 犬飼 武 (鉄道駅関連プロジェクト担当部長兼務) 政策経営部長 中嶋 稔 総務部長 中澤嘉明 (新庁舎整備担当部長兼務) 危機管理室長 小宮山庄一 地域振興部長 松田秀行 区民部長 早川雅子 生活環境部長 雲出直子 福祉部長 村野重成 健康部長 尾本光祥 (健康部参事(地域保健担当)兼務) (北区保健所長兼務) まちづくり部長 藤野浩史 防災まちづくり担当部長 安間三千雄 都市拠点デザイン担当部長 岩本憲文 土木部長 寺田雅夫 会計管理室長 関根和孝 総務部 総務課長 内山義明 教育委員会 教育長 清正浩靖 教育振興部長 小野村弘幸 子ども未来部長 筒井久子 議事日程 第一号日程第一 第三十三号議案 東京都北区長の退職手当の特例に関する条例日程第二 第三十四号議案 職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例日程第三 第三十五号議案 幼稚園教育職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例日程第四 第三十六号議案 職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例日程第五 第三十七号議案 職員の給与に関する条例の一部を改正する条例日程第六 第三十八号議案 幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例日程第七 第三十九号議案 職員の旅費に関する条例の一部を改正する条例日程第八 第四十号議案 職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例日程第九 第四十一号議案 東京都北区特別区税条例の一部を改正する条例日程第十 第四十二号議案 東京都北区手数料条例の一部を改正する条例日程第十一 第四十三号議案 東京都北区立学校設置条例の一部を改正する条例日程第十二 第四十四号議案 東京都北区保育料等徴収条例の一部を改正する条例日程第十三 第四十五号議案 東京都北区家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例日程第十四 第四十六号議案 東京都北区特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例日程第十五 第四十七号議案 東京都
北区立児童発達支援センター条例の一部を改正する条例日程第十六 第四十八号議案 東京都北区地区計画等の区域内における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例日程第十七 第四十九号議案 東京都北区高齢者住宅条例の一部を改正する条例日程第十八 第五十号議案 損害賠償請求に関する訴訟上の和解について日程第十九 第五十一号議案 滝野川第四小学校リノベーション工事に伴う厨房機器の購入契約日程第二十 第五十二号議案 (仮称)都の北学園の開校に伴う厨房機器の購入契約日程第二十一 第五十三号議案 令和五年度東京都北区一般会計補正予算(第二号)
○議長(大沢たかし議員) ただいまから令和五年第二回東京都北区議会定例会を開会します。 これより本日の会議を開きます。 この際、会議時間の延長をしておきます。 議長より申し上げます。 本日の会議を株式会社都政新報社及びJCOM株式会社が取材することを許可したので、報告します。 それでは、議事を続けます。 まず、会議録署名議員を定めます。 本件は、会議規則第百十五条の規定により、議長から指名します。 二番 佐藤つかさ議員、二十二番 山崎たい子議員にお願いします。
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○議長(大沢たかし議員) 次に、書記から諸般の報告をさせます。 (書記朗読)五北総総第二千二十二号令和五年六月十三日 東京都北区長 山田加奈子 東京都北区議会議長 大沢たかし殿 東京都北区議会定例会の招集について 令和五年六月十三日付東京都北区告示第四百二号をもって令和五年第二回東京都北区議会定例会を六月二十日に招集したので通知します。
-----------------------------------(写)東京都北区告示第四百二号 令和五年第二回東京都北区議会定例会を左記のとおり招集する。 令和五年六月十三日 東京都北区長 山田加奈子 記一 日時 令和五年六月二十日 午前十時一 場所 東京都北区
議会議場-----------------------------------五北総総第二千二十三号令和五年六月十三日 東京都北区長 山田加奈子 東京都北区議会議長 大沢たかし殿 議案の送付について 令和五年第二回東京都北区議会定例会へ提出するため、左記議案を送付します。 記第三十三号議案 東京都北区長の退職手当の特例に関する条例第三十四号議案 職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例第三十五号議案 幼稚園教育職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例第三十六号議案 職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例第三十七号議案 職員の給与に関する条例の一部を改正する条例第三十八号議案 幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例第三十九号議案 職員の旅費に関する条例の一部を改正する条例第四十号議案 職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例第四十一号議案 東京都北区特別区税条例の一部を改正する条例第四十二号議案 東京都北区手数料条例の一部を改正する条例第四十三号議案 東京都北区立学校設置条例の一部を改正する条例第四十四号議案 東京都北区保育料等徴収条例の一部を改正する条例第四十五号議案 東京都北区家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例第四十六号議案 東京都北区特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例第四十七号議案 東京都
北区立児童発達支援センター条例の一部を改正する条例第四十八号議案 東京都北区地区計画等の区域内における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例第四十九号議案 東京都北区高齢者住宅条例の一部を改正する条例第五十号議案 損害賠償請求に関する訴訟上の和解について第五十一号議案 滝野川第四小学校リノベーション工事に伴う厨房機器の購入契約第五十二号議案 (仮称)都の北学園の開校に伴う厨房機器の購入契約第五十三号議案 令和五年度東京都北区一般会計補正予算(第二号)
-----------------------------------五北総総第二千百号令和五年六月二十日 東京都北区長 山田加奈子 東京都北区議会議長 大沢たかし殿 地方自治法第百八十条第一項の規定による議会の指定議決に基づき専決処分した訴えの提起及び和解に関する報告について このことについて、地方自治法第百八十条第二項に基づき、別紙のとおり報告します。
----------------------------------- 専決処分調書(区民部) 件名 奨学資金貸付金返還金に係る訴えの提起専決処分年月日訴訟の目的の価額相手方事件の概要令和五年二月十六日 三十一万三千円練馬区在住区民
(被告) 東京都北区奨学資金貸付条例に基づき貸付けを行った奨学資金について、平成七年四月以降、正当な理由なく相手方からの返還が滞っている。
再三にわたる催告にもかかわらず、相手方が応じないため、滞納している奨学資金貸付金の返還を求めて訴訟の提起を行うものである。(区民部) 件名 奨学資金貸付金返還金に係る訴えの提起専決処分年月日訴訟の目的の価額相手方事件の概要令和五年二月十六日 四十三万円板橋区在住区民
(被告)
北区在住区民
(被告) 東京都北区奨学資金貸付条例に基づき貸付けを行った奨学資金について、平成十一年四月以降、正当な理由なく相手方からの返還が滞っている。
再三にわたる催告にもかかわらず、相手方が応じないため、滞納している奨学資金貸付金の返還を求めて訴訟の提起を行うものである。(地域振興部) 件名
新河岸東公園浮間子どもスポーツ広場駐車場破損事故に関する
和解専決処分年月日決定額相手方事故の概要令和五年一月十六日 四十万四千百十九円板橋区在住区民 令和四年十月二十四日、
新河岸東公園浮間子どもスポーツ広場駐車場において、相手方が駐車場のアルミ製フェンスを破損した。
なお、本件は、区の損害額について相手方から支払いを受けるものである。(地域振興部) 件名 区掲示板(岸町一丁目)破損事故に関する
和解専決処分年月日決定額相手方事故の概要令和五年一月十八日 三万三千円文京区在住区民 令和四年十一月十五日、北区岸町一丁目十二番において、相手方が運転する車両が後退した際に、区掲示板に接触し、掲示板を破損した。
なお、本件は、区の損害額について相手方から支払いを受けるものである。(地域振興部) 件名 東十条区民センター通用口付近の柵の一部損壊に関する
和解専決処分年月日決定額相手方事故の概要令和五年二月六日 二万四千五百三十円北区堀船在住区民 令和四年十月一日、東十条区民センターにおいて、南側職員等通用口付近の柵の一部を損壊した。
なお、本件は、区の損害額について相手方から支払いを受けるものである。(生活環境部) 件名 清掃事務所における自動車事故に関する
和解専決処分年月日決定額相手方事故の概要令和五年二月二十一日 支出額
八十九万二千六百五十円
(内訳)
任意自動車保険
八十九万二千六百五十円北区赤羽台在住区民 令和四年十月二十八日、北区赤羽台三丁目において、ごみ収集作業のため走行中、相手方が所有するブロック垣根郵便受けボックスに接触し、ボックス及びブロックを破損した。(福祉部) 件名 北区心身障害者福祉手当の過少支給に係る
和解専決処分年月日決定額相手方事故の概要令和五年三月二十九日 支出額
一万三百五十円から
七十三万五千七円
(総額)
百十八万九千八百三円北区心身障害者福祉手当受給者三名 北区心身障害者福祉手当については、脳性麻痺があれば身体障害者手帳等の等級にかかわらず月額一万五千五百円を支給するところ、脳性麻痺を考慮することなく、対象者に一万円という過少な金額で支給していた。(福祉部) 件名 北区心身障害者福祉手当の過少支給に係る
和解専決処分年月日決定額相手方事故の概要令和五年四月二十六日 支出額
百十三万七千四百六円北区心身障害者福祉手当受給者一名 北区心身障害者福祉手当については、脳性麻痺があれば身体障害者手帳等の等級にかかわらず月額一万五千五百円を支給するところ、脳性麻痺を考慮することなく、対象者に一万円という過少な金額で支給していた。(教育振興部) 件名 北区が貸与する学習用端末の破損に関する
和解専決処分年月日決定額相手方事故の概要令和五年二月二十一日 四万四千九百九十円北区上十条在住区民 令和四年十月三十日、相手方自宅において、相手方が区から貸与されている学習用端末を故意に複数回落下させ、当該端末を破損した。
なお、本件は、区の損害額について相手方から支払を受けるものである。(教育振興部) 件名 通学路標識の破損に関する
和解専決処分年月日決定額相手方事故の概要令和五年三月十四日 十五万円東京都足立区西伊興一丁目六番二十八号
東武清掃株式会社 令和五年一月二十七日、北区岩淵町二番八号において、相手方が運転するごみ収集車が、通学路標識に接触し、当該標識の看板部分を破損した。
なお、本件は、区の損害額について相手方から支払を受けるものである。(子ども未来部) 件名 北区立桜田北保育園の雨水漏水事故に関する
和解専決処分年月日決定額相手方事故の概要令和五年一月二十三日七十一万七千二百円東京都新宿区西新宿六丁目五番一号
独立行政法人都市再生機構東日本賃貸住宅本部 令和三年十二月十四日、桜田北保育園において、同園舎内天井裏部分に雨水が流れ込み、天井材の石膏ボード等を汚損した。
なお、本件は、区の損害額について相手方から支払を受けるものである。
-----------------------------------五北総総第二千九十七号令和五年六月二十日 東京都北区長 山田加奈子 東京都北区議会議長 大沢たかし殿 地方自治法第百八十条第一項の規定による議会の指定議決に基づき専決処分した契約変更の報告について このことについて、地方自治法第百八十条第二項に基づき、別紙のとおり報告します。
----------------------------------- 専決処分調書 西が丘小学校新築給排水衛生設備工事請負契約の一部を変更する契約
西が丘小学校新築給排水衛生設備工事請負契約(令和二年十二月四日議決、令和四年八月一日専決処分、令和五年一月十七日専決処分)の一部を変更するため、左記のとおり契約を締結した。 記一、契約日 令和五年二月八日二、契約の相手方 東京都北区神谷二丁目十二番七号 株式会社石井設備工業三、契約金額 変更前 二億三千四百四十八万七千円 (うち一〇%相当額二千百三十一万七千円) 変更後 二億三千六百十万四千円 (うち一〇%相当額二千百四十六万四千円) 増減 百六十一万七千円の増額 (〇・六九%増) 当初比 六百五十三万四千円の増額 (二・八五%増)四、変更理由 消防法に基づき消火設備の追加設置が必要となったため。
----------------------------------- 滝野川第四
小学校リノベーション工事請負契約の一部を変更する契約 滝野川第四
小学校リノベーション工事請負契約(令和四年三月三日議決、令和四年八月十日専決処分)の一部を変更するため、左記のとおり契約を締結した。 記一、契約日 令和五年二月十六日二、契約の相手方 東京都北区東田端二丁目八番一号 田嶋・藪崎建設共同企業体三、契約金額 変更前 九億三千二百五十五万八千円 (うち一〇%相当額八千四百七十七万八千円) 変更後 九億五千九百三十一万円 (うち一〇%相当額八千七百二十一万円) 増減 二千六百七十五万二千円の増額 (二・八七%増) 当初比 三千五百四十二万円の増額 (三・八三%増)四、変更理由 施工に係る詳細調査、周辺環境対策及び施設管理運営上の仕様変更並びに、地中障害物の撤去処分に伴う追加工事が必要となったため。
----------------------------------- (仮称)荒川緑地(豊島ブロック)整備工事請負契約の一部を変更する契約 (仮称)荒川緑地(豊島ブロック)整備工事請負契約(令和四年六月二十一日議決、令和四年八月三十一日専決処分)の一部を変更するため、左記のとおり契約を締結した。 記一、契約日 令和五年三月十五日二、契約の相手方 東京都北区堀船一丁目一番九号 日本・日産・綜合建設共同企業体三、契約金額 変更前 六億三千五百二十八万六千三百円 (うち一〇%相当額五千七百七十五万三千三百円) 変更後 六億三千五百二十七万三千百円 (うち一〇%相当額五千七百七十五万二千百円) 増減 一万三千二百円の減額 (〇・〇〇二%減) 当初比 四百九十七万三千百円の増額 (〇・七九%増)四、変更理由 設計数量と出来高数量に差異があったため。
-----------------------------------五北総総第二千五号令和五年五月二十三日 東京都北区長 山田加奈子 東京都北区議会議長 大沢たかし殿 東京都北区監査委員の選任について(通知) 令和五年五月二十三日付五北区議第千二百五十九号-二をもって同意のありました標記委員について、別紙写しのとおり選任しましたのでお知らせします。
----------------------------------- 戸枝大幸 東京都北区監査委員に任ずる令和五年五月二十三日 東京都北区長
山田加奈子-----------------------------------五北総総第二千五号令和五年五月二十三日 東京都北区長 山田加奈子 東京都北区議会議長 大沢たかし殿 東京都北区監査委員の選任について(通知) 令和五年五月二十三日付五北区議第千二百六十号-二をもって同意のありました標記委員について、別紙写しのとおり選任しましたのでお知らせします。
----------------------------------- 青木博子 東京都北区監査委員に任ずる令和五年五月二十三日 東京都北区長
山田加奈子-----------------------------------五北総総第二千百五十五号令和五年六月十三日 東京都北区長 山田加奈子 東京都北区議会議長 大沢たかし殿 報告書の送付について 令和五年第二回東京都北区議会定例会へ提出するため、左記のとおり送付します。 記報告第一号 令和四年度東京都北区繰越明許費繰越計算書報告第二号 令和四年度東京都北区事故繰越し繰越計算書報告第三・四号 令和四年度東京都北区情報公開・
個人情報保護制度実施状況報告書-----------------------------------
○議長(大沢たかし議員) 会期についてお諮りします。 今次定例会の会期は、六月二十日から六月三十日までの十一日間としたいと思います。ご異議ありませんか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(大沢たかし議員) ご異議ないと認め、そのように決定します。
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○議長(大沢たかし議員) 区長から、施政方針及び所信表明についての発言があります。 (山田加奈子区長登壇)
◎区長(山田加奈子区長) この度、北区長に就任しました、山田加奈子でございます。 区長就任後初の区議会定例会を迎えるにあたり、改めて区議会並びに区民の皆さまにご挨拶を申し上げますとともに、今後の区政執行の基本方針についての所信の一端を申し述べさせていただきます。 この度の区長選挙では、コロナ禍を経て、国・社会が大きく変革した社会情勢等を受け、本当に多くの区民の皆さまから、もっと北区を前に進めてほしい、もっと北区を良くしたいというお声をいただきました。そうした改革を求める多くの声・想いが形となり、私が区政運営の重責を担わせていただくことになったと考えております。 この原点を忘れることなく、常に区民の豊かで幸せな暮らしの実現を第一に考えながら、勇気を持って行動し、区政運営を進めてまいる覚悟です。 「みんなで創る。北区新時代」を北区の基本姿勢とし、誰かひとりではなく、みんなが豊かさを感じることができるあたたかな北区、そして、すべての区民が輝くまち北区を築き上げてまいります。 そのために、区長になってもこれまでどおり地域や現場に足を運び、区民、利用者や職員の声を伺い、自分の目で確かめる現場主義、そして若者から高齢者まで直接、意見を交わす双方向主義で、区民の皆さまの声を区政に反映させてまいります。 区民の声を区政で実現するには、区民の皆さまを第一に考え、行動する区政、真に区民のための北区へと大胆な変革が必要です。 私は職員に、どうしたら区民の皆さまに喜んでいただけるか、利便性が向上するのか、そしてそのために、区役所の時間的感覚、金銭的感覚、慣例などを、スピード感を持って変革していくことを、これまで以上の勇気と覚悟を持って臨んで欲しいと、伝えました。 区議会の皆さま、区民の皆さまにおかれましても、二十年ぶりに区長が変わることで起こる、このような変革を初めて経験される方も多いと思いますが、是非ともご理解とご協力を賜り、「みんなで創る。北区新時代」を一緒に創らせていただきたいと存じます。 私は、「みんなで創る。北区新時代」を実現するために、七つの主要政策を掲げました。 「区民サービスNo・1の行財政改革」 「子どもの幸せNo・1」 「つながる医療・福祉No・1」 「区内産業支援で経済活性化」 「安全・安心No・1の防災と北区強靭化」 「100年先を見据えたまちづくり!」 「文化・芸術・スポーツを区民目線で活性化!」 以下、七つの政策について、ご説明申し上げます。 まず、「区民サービスNo・1の行財政改革」です。 区民の想いが区政に反映される区役所にしていくには、何よりも行財政改革や、区役所そのもののあり方を見直す構造改革、もっと言うなら、区役所の長年の文化を変えることが必要だと考えています。 その改革を推進する不退転の覚悟を示すため、本定例会において公約で掲げました、区長の退職金に関する条例をご提案いたしました。 私は、これまで区長の退職金のあり方について、任期満了ごとに支給され、再選された場合には同じ人が何度も退職金を受け取れることについて疑問を感じてきました。私自身が区長になった今、自らに関わることであっても、その疑問と向かい合い、抜本的な見直しを図ります。 次に、区役所の縦割りを解消するとともに、さまざまなノウハウを持つ民間団体との公民連携や、国や東京都との取組みを強化する、しごと連携担当室を新設します。そのことで多様化する行政ニーズにお応えし、横断的に動ける区役所としてまいります。 また、デジタル化の進展やDX推進など、社会を取り巻く環境は大きく、もの凄いスピードで変化をしています。 区役所としても業務のデジタル化を加速させ、職員の働き方改革を進め、デジタルでできることはデジタルに、人でなければならない業務には、より多くの職員を配置し、区民に優しい区役所にする。そして、区民の行政手続きのデジタル化を進め、区民サービスを高めてまいります。 そのために、(仮称)デジタル推進条例の制定に着手するとともに、更なるDX推進に向けた外部人材の登用など、スピード感を持って推し進め、区民の皆さまの満足度と利便性の向上を実現してまいります。 また、EBPMの推進や、内部努力の徹底・歳出削減はもとより、新たな歳入確保へ積極的に努めるなど、無駄をなくしスピード感のある行政運営を行うことで、更なる区民のための経営改革に努めてまいります。 これらの取組みを通じて、区民サービスNo・1の区政をつくってまいります。 次に、「子どもの幸せNo・1」の実現です。 私も子どもを持つ親として、区議会議員時代から、子ども子育て・教育施策には強い想いを持って関わってきました。 国では、こども家庭庁が設置され、新たな政策の枠組みが示されるこのチャンスを逃す事なく、北区の子どもたちの命と未来を社会全体で見守り、支えるための子ども子育て・教育施策をより地域ごとの実情を見極めながら、きめ細かく、進めてまいります。 そこで、まず(仮称)北区子ども条例を制定し、子どもの視点や意見を区政に反映し、子どもを社会全体で育てていく意識を高めていくための第一歩としてまいります。 その理念のもと、子ども子育て・教育施策の実効性を高めるための新たな実行プログラムを進めてまいります。 具体的な取組みとしては、今回の補正予算において、公約に掲げた公私立幼稚園の給食費の無償化、児童館や子どもセンターを活用した、子どもも親も相談できる相談窓口の設置に加え、保育料の第二子無償化など、更なる子育て支援の充実について、ご提案をさせていただきました。 また、保育施設の多機能化などを検討することで、より子どもの育ちと親を支える環境を作ります。 さらに、平成二十五年に制定された、子どもの貧困対策の推進に関する法律の理念に基づいて子ども食堂への支援など子どもの貧困対策を総合的に取り組むことをはじめ、妊活支援から出産、子育て支援まで切れ目のない支援を充実させるため、プレコンセプションケアや伴走型支援などにも力を入れてまいります。 教育においては、誰一人取り残さない教育と質の高い先進教育の両立を実現していくため、教科担任制の導入のほか、学校教育を支援する具体的な取組みも検討してまいります。 また、コロナ禍が明けて環境が変化する中で、子どもたちの命と健康を守るために、徹底的に寄り添った支援の強化が必要です。不登校対策の強化や、学校の一人一台端末から相談できるアプリ導入などを検討し、特に不安定になりやすい傾向にある夏休み前後を強化期間として、子どもたちが相談しやすい体制を早急につくり、一人ひとりに支援が届くよう周知徹底を図ります。 次に、「つながる医療・福祉No・1」の実現です。 私の政治家としての原点は、高齢者・障害者福祉にあります。私自身、障害のある父を持ち、伯母の介護と看取りを経験し、障害のある方やそのご家族、介護や医療現場への想いを、強く持つようになりました。 特に、高齢化率が高い北区においては、高齢者施策や障害者施策などの福祉施策を充実させていくことが、より豊かな区民生活につながると確信しています。 在宅介護とその家族を支える仕組みの充実・深化、関係者の連携を強化し、地域包括ケアシステムを、これまで以上に運用しやすくすることが重要であり、また特別養護老人ホーム待機者を減らすための取組みは、いち早く実行してまいります。 障害者福祉にあたっては、就労支援を含めた居場所づくりを進めるほか、区内初の入所施設の整備に向けた本格的な検討を開始します。 さらには、障害者・障害児が社会の中でより豊かな生活を送るための環境整備や、そのご家族を支えるため、当事者のご意見を十分伺いながら、レスパイト支援の強化なども検討してまいります。 また、人生百年時代にあって、健康寿命を延ばすために、あるきたなど既存アプリの更なる活用を図るほか、高齢者が元気に活躍できるよう、新たにヒアリングフレイル対策の一環として、補聴器購入費補助なども導入し、生きがいを持って活動できる環境を作ってまいります。 コロナ禍は医療提供体制についても、大きな問題を投げかけました。区内医療関係者による会議体を設置し、北区における新たな医療ビジョンを描くほか、新興感染症に対しても、国・東京都・区が一体的対応を実現することで、即応力を強化してまいります。 次に、「区内産業支援で経済活性化」についてです。 北区の経済をけん引するには区内産業や商業の活性化が欠かせません。 まず、新たな産業・商業の担い手である人の育成を強化するほか、スタートアップ支援や創業、業態変更等へのチャレンジを力強く応援するための支援を行い、新たな拠点整備も含めて検討を進めてまいります。 さらに、新たな商店街振興策として、北区商店街連合会事務局にコーディネーター機能の充実を図り、それぞれの特徴を活かした魅力ある商店街づくりを進めてまいります。 東京北区から日本を導いた渋沢栄一翁の精神を受け継ぎ、SDGsを通じて新しい時代に必要とされる事業者の取組みを推進するため、二十三区初となる認証制度を導入してまいります。 さらに将来的には、社会的貢献と産業活性化の両立に取り組む事業者への支援も検討してまいります。 また、これからの時代においては、経済と環境の好循環で、地域力を高めていく必要があります。 ゼロカーボンシティの実現に向けては、国や東京都とも連携しながら、個人や企業への省エネルギー対策のさらなる取組みを支援するための新たな方策を検討するほか、リサイクル活動の拠点として、エコー広場館との連携を強化することで、区民への啓発を進めてまいります。 また、友好都市などと連携し、カーボンオフセットや環境学習に関する取組みなども新たに推進してまいります。 次に、「安全・安心No・1の防災と北区強靭化」についてです。 災害は、今日起こるかもしれません。区民の命に直結する、緊急度の高い施策として、緊張感とスピード感を持って取り組む必要があります。 切迫する首都直下地震や、地球温暖化に伴う気候変動による風水害の頻発化・激甚化などのあらゆる自然災害への対応を徹底的に進めてまいります。 まず、北区の防災に関する基幹計画である北区地域防災計画の改定に向けて、議論を深めるとともに、大規模水害避難行動支援計画に基づく、個別避難計画の作成に向けて専属チームを設置し、スピード感を持って進めてまいります。 また、地域防災力の向上に向けた避難所開設訓練を引き続き実施するほか、災害時の医療提供体制の構築に向けた取組みなども合わせて進め、普及啓発・防災教育などの観点からも、DXを活用した防災を推し進めてまいります。 また、災害に強いまちづくりの観点からは、引き続き木造住宅密集地域の解消に努めるとともに、近年区内で増加傾向にあるマンションの防災対策として、マンションにおける防災対策マニュアルを策定するなど、区民の防災に対する意識の啓発に努めてまいります。 また、東京都では噴火対策や、災害時の電力・通信・データ不安への対応、新たな感染症への対策等、あらゆる自然災害への対応と、国ではテロ対策にも力を入れています。 こうした、国や東京都の動きを踏まえ、連携のあり方や役割分担を明確にしながら、住民に最も身近な基礎自治体である北区として、区民の安全・安心を守る、北区強靱化の取組みに力を入れてまいります。 次に、「100年先を見据えたまちづくり!」についてです。 まちづくりにおいては、次世代の子どもたちのため、各地域の特色を活かした、品格と先進性のある百年先を見据えて、みんなで創るまちづくりを推進してまいります。 特に、北区の魅力を高める駅周辺のまちづくりについては、百年先を見据えてどのようなまちにするのか、ハード整備とともにソフト面のあり方として、エリアマネジメントの考え方を導入し、地権者との連携と、そこに住む方々の想いも伺いながら、区民の皆さまとともにそれぞれのまちのビジョンをしっかりと描いてまいります。 また、駅周辺のまちづくりとともに、駅と駅をつなぐまちの活性化は、公民連携によって進めてまいります。 民間のまちづくりファンドの組成に協力するなど、NPOや企業のほか、多種多様な団体や地域の皆さまとともに、地域の魅力を捉え直し、新たなにぎわいが生まれ、人や地域がつながる場づくりなど、心豊かに楽しめる、公民連携のまちづくりを進めます。 さらに、今年で百五十周年を迎える飛鳥山公園など、魅力ある地域資源としての公園の魅力を高めるため、Park-PFIや指定管理事業者との連携により、公園利用の可能性や範囲を広げ、区民のより豊かな暮らしにつなげてまいります。 公衆トイレについても順次改修を実施しつつ、新たに民間と連携した北区クリーントイレプロジェクトを検討し、清潔、快適なトイレで人々の外出支援や北区の魅力向上につなげてまいります。 地域の活性化においては、町会・自治会の活性化も重要です。次世代の担い手である若年層の入会を促す取組みとしてデジタル化やDX化の支援などを新たに検討してまいるほか、北区の多文化共生や国際化に向けた取組みも進めてまいります。 次に、「文化・芸術・スポーツを区民目線で活性化!」についてです。 文化・芸術・スポーツは、年齢・性別・国籍などすべてを超えて分かち合い、通じ合える可能性を、大きく広げていきます。 北区には、地域の中で受け継がれてきた多彩な伝統文化や芸術活動があります。また、渋沢翁をはじめ、芥川龍之介やドナルド・キーンゆかりの地でもあります。 区ゆかりの文化資源の活用と発信にも力を入れて取り組むべく、無心庵の再興に向けた検討を進めるほか、芥川龍之介記念館の早期開設に向けて取組みを進めてまいります。 また、だれもが身近なところで文化・芸術・スポーツに親しむためには、裾野の拡大や魅力の発信が必要であり、そのための文化やスポーツの拠点となる場の整備と機能強化を行うとともに、文化施設・スポーツ施設をより使いやすくするための取組みが必要です。 令和九年のリニューアルオープンに向けた北とぴあの大規模改修においては、北区の産業・文化・芸術活動の拠点として北とぴあそのもののDX化、駅周辺のまちづくりとも連動した、新たなにぎわいを創出する施設となるよう、さらなる検討を進めてまいります。 スポーツ施策についても、区民の健康寿命の延伸や、豊かで健康な生活などの観点から、とても重要な取組みだと考えています。 東洋大学の赤羽台キャンパスには、新たに二千人を収容するアリーナが建設され、この秋には豊島五丁目に北区初となる四百メートルトラックを備えた豊島五丁目グリーンスポーツ広場がオープンするなど、区内のさまざまな場所でスポーツをする環境が整いつつあります。 二十三区内でも多いスポーツ施設の柔軟な利活用を図るなど、健常者・障害者・若者・高齢者が誰でもスポーツを楽しめる環境づくりを進めてまいります。 また、北区に拠点を構えるプロアスリートである日テレ・東京ヴェルディベレーザや、オリンピアンをはじめとするトップアスリートや多様な団体と連携しながら、さまざまな事業を展開するほか、各種大会や事業を通じて、新たな交流とにぎわいを創出してまいります。 このほか、スポーツや文化を体験しながら学べる機会を創出し、北区の未来を担う子どもたちの豊かな感性を育むほか、新たな地域クラブ活動についても検討を進めてまいります。 これらの文化・芸術・スポーツの力を通じて、北区のイメージアップをはかり、シティプロモーションとも連携した特色ある、豊かで一人ひとりの区民が輝くことのできるまちづくりにつなげてまいります。 これら、「みんなで創る。北区新時代」を実現するための七つの政策は、本年第三回定例会で議案としてお示しをする予定である、新たな北区基本構想と、今後策定を予定している、新たな基本計画及び中期計画の中で、まずは公約に掲げた百五十の政策を実現する具体的なプランとしてお示しさせていただきます。 区民の想いが政策に反映される、区民参加型の区政を目指して、私自身が区民の皆さまの声をしっかりお伺いするために、これまでの対面による区長との意見交換に加え、インターネットを活用したデジタルでの意見交換の場を新たに作り、各世代に渡って広く区民の声を伺ってまいります。 また、区の施策や事業をはじめ、北区の素晴らしさを積極的に記者会見などを通じて全国に発信するとともに、公民連携による地域情報の発信力を強化する観点からも、しぶさわくんFMの創設・運営に支援をしてまいるほか、区議四期、都議二期の経験と実績をフルに活用し、北区と東京都、国をつなぎ、北区の可能性を大きく広げてまいります。 区議会の皆さまとは、今後の区政について、真摯に、かつ丁寧に議論を重ね、ともに新たな北区を創り上げていきたいと考えております。ご協力よろしくお願い申し上げます。 近代日本経済の父であり、多くの社会的事業を進めて、日本人の幸福の基盤を生み出してきた、北区ゆかりの偉人である渋沢栄一翁が吉田松陰の「夢なき者に成功なし」と言って、若者を励ました言葉を引用し、残した言葉に、「夢なき者は理想なし 理想なき者は信念なし 信念なき者は計画なし 計画なき者は実行なし 実行なき者は成果なし 成果なき者は幸福なし ゆえに幸福を求むる者は夢なかるべからず。」があります。 今こそ、勢いと躍動感あふれる北区新時代に向け、区議会の皆さま、区民の皆さまとともに、すべての区民の幸福のため、よりよい北区を実現するという大きな夢をともに抱き、失敗を恐れずに挑戦し続けてまいります。 区議会の皆さま、区民の皆さまの深いご理解とご指導、ご鞭撻を賜りますよう、心からお願い申し上げ、就任に当たりましての私の施政方針及び所信の表明とさせていただきます。 ありがとうございました。 (議長退席 副議長着席)
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○副議長(いながき浩議員) これより質問に入ります。 十三番 坂口勝也議員。(拍手) (十三番 坂口勝也議員登壇)
◆十三番(坂口勝也議員) 質問に先立ち、さきの台風二号及び梅雨前線の影響による記録的豪雨において被害に遭われた皆様に心よりお見舞いとお悔やみを申し上げます。 それでは、公明党議員団を代表して、山田区長の今後の区政執行基本方針について伺います。 このたびの北区議会議員選挙におきまして、私たち公明党議員団は、皆様の負託を受け、十名全員が当選をさせていただきました。今後も、区民の皆様の声を基に、北区のさらなる発展のため精励努力してまいる決意です。 山田区長は、今回の北区長選挙において、北区民の信任を受け、三十五万人余の住民の生活と安心・安全を守る北区行政のトップとして就任されました。区長は就任早々、区民のためにを掲げ、様々な改革に取り組まれていることに敬意を表します。 公明党議員団も、北区議会の改革として、皆様の声を受け、議員定数の削減、より開かれた北区議会として、DXを活用した区民の皆様のための議会改革を力強く推進してまいります。 さて、区長は、東京都北区長就任にあたっての施政方針及び所信表明の中で、「みんなで創る。北区新時代」を基本姿勢とし、誰か一人ではなく、みんなが豊かさを感じることができる温かな北区、そして、全ての区民が輝くまち北区を築いていくとあります。 そこで、以下伺います。 一、区長は、改革を求める多くの声、思いが重責を担わせていただくことになったと述べ、また、基本姿勢である、「みんなで創る。北区新時代」とありますが、この改革と創造について、どのように考えておりますでしょうか。また、みんなが豊かさを感じる、全ての区民が輝くために、区としてどのように取り組んでいくのか、区長の考えをお聞かせください。 一、区長は、区民の声を区政で実現するには、区民の皆様を第一に考え、行動する区政への大胆な改革が必要で、また、北区役所の長年の文化を変えることとも述べられています。区長は、北区の長年の文化をどう捉え、どのように変えて行こうとしているのか。また、職員の方にどう区長の思いを共有し、共に新しい北区をつくっていこうとされているのか伺います。 一、区長は、「みんなで創る。北区新時代」を実現するため、七つの主要政策を掲げられました。さらなる区政を推進するためには、区長のリーダーシップとともに、職員お一人お一人の資質の向上が不可欠と考えます。区長は、職員の意識改革を起こしていくために、外部人材登用や予算の枠配分方式を提唱していますが、内容についてお示しください。また、北区人材育成基本方針についても、「みんなで創る。北区新時代」の理念の下、新たに見直す必要があると考えます。区の見解を伺います。 一、選挙中区長は、「みんなで創る。北区新時代」政策一覧百五十の具体的な提案を行ってまいりましたが、区長就任に当たり、実現への決意について伺います。また、公明党議員団が提案してきたものと多く重なっている部分もあります。ただ、福祉の政策に関しては少ない印象があり、ブラッシュアップすべきと考えます。区長の考えをお示しください。 一、歴史学者アーノルド・トインビーは、文明を起こすものは挑戦と応戦と表しました。現在、北区においても、将来の人口減少を見据えた対策、少子化・高齢化への対応、多文化共生、施設の更新需要、災害・環境問題等々、様々な課題が山積し、まさに応戦することが北区にとって新たな新時代をつくることになると考えます。区長のこれらの課題に対する考えをお聞かせください。 一、一般に、リーダーには深く物事を見る虫の目、俯瞰して見る鳥の目、先を読む魚の目が必要と言われています。一方で、人は見たいと欲する現実しか見ないことも事実だと感じます。やはりそこで重要なものは、区長を複合的に支える組織体制だと考えます。今後の区長の考えをお示しください。 二点目として、物価高騰対策及び区民生活支援について伺います。 現在、ウクライナ情勢等に伴い、食料品・光熱費高騰により家計を直撃しております。国において、公明党は政府に提案し、本年一月から九月までの九か月間で標準世帯約四万五千円の電気・ガス・ガソリン代等の軽減措置を実現させていただきました。この六月から、当初平均二九・三%の東京電力の値上げ幅の厳格な審査を要望し、標準家庭で一二・九%に圧縮したものの、さらなる家計負担となっています。 そこで、公明党議員団は、五月三十日に物価の高騰対策並び区民生活への支援に関する緊急要望を山田区長に以下要望させていただきました。 一、北区キャッシュレス決済ポイント還元事業は、事業者・区民の支援という観点から、非常に効果的であった実績を踏まえ、次回を早期に実現すること。 二、長引くエネルギー価格・物価高騰により生活に困窮されている方々に対し、国の低所得世帯への物価高騰支援給付金の対象となっていない均等割課税世帯や課税者の扶養者などへの対象拡大を行うこと。 三、家計の負担が増大している子育て世帯に対して、国の子育て世帯生活支援特別給付金に加え、多子世帯への北区独自の支援策を実施すること。 四、道路交通法改正に伴い、自転車ヘルメット着用が努力義務となり、都の補助を活用し、区としてヘルメット購入補助を行うこと。 五、がん治療により外見の変化が生じた方への社会継続支援として、都の補助を活用したアピアランスケア助成制度を実施すること。 今第二回定例会において、公明党議員団が要望した低所得者対策としての均等割課税世帯や課税者の扶養者への給付並びに自転車ヘルメット購入補助、また、三月二十七日に要望した高齢・障がい施設・医療機関への支援給付など早期に補正予算を組んでいただいた区長の英断には敬意を表します。 そこで、公明党議員団がその他要望しているキャッシュレス決済還元支援や多子世帯への区独自支援、アピアランスケアの助成制度実施について、区はどのように考えておりますでしょうか。また、自転車ヘルメット購入補助の際、自転車交通ルールや自転車保険についても周知すべきと考えます。区の見解をお示しください。 大きな三点目として、誰もが輝ける北区の未来を目指してについて伺います。 初めに、高齢者が安心して住み続けられる北区をについて伺います。 人生百年時代を迎え、高齢者の皆様が年齢を重ねても生き生きと活躍でき、安心して住める北区を構築していかなければなりません。そのためには、まずは活躍できる就労・社会参加等の場のさらなる拡大が重要です。現在のシルバー人材センター、いきがい活動センターでの状況・課題・今後の取組についてお示しください。また、シルバー人材センターの派遣事業の状況はいかがでしょうか。 二点目として、健康長寿を維持するためには、早くから介護予防に取り組むことが大切で、特に年齢を重ねると体力や気力並びに食欲や活動量が低下し、虚弱になっていくフレイルの予防が重要と言われております。 北区におきましても、通いの場立上げ教室で体操を区内七教室、マシンを利用し区内二教室で実施し、自主グループづくりに取り組んでおられます。 そこで伺います。 北区の介護予防について、おたっしゃ教室から通いの場立上げ教室に変更しましたが、自主グループづくり強化に取り組まれた経緯についてお示しください。また、自主グループは区内に何団体活動されているのか、さらに場所の確保ができないとの声も伺います。区の支援についてはいかがでしょうか。 次に、認知症支援について伺います。 国の推計では、認知症になる方は二〇二五年には約七百万人、六十五歳以上の五人に一人がなると言われ、北区に換算すると、約一万七千人となります。個人的にもご相談を受ける機会が増えており、北区においては、高齢者あんしんセンターを中心に丁寧に対応いただいております。これからの高齢化の進展を考えると、さらなる高齢者あんしんセンターの体制強化が必要と考えますが、いかがでしょうか。また、国の基本法案に基づき、区として、さらなる総合的な認知症支援策を立てる必要があると考えます。区長の見解を伺います。あわせて、特に認知症だけでなく、介護を担っている家族支援も含めた在り方についても、改めて検討すべきと考えます。見解をお示しください。 四点目として、高齢者の皆様が安心して暮らしていくためには、様々な暮らしへの必要な支援も重要だと考えます。区民の皆様から多く声をいただいているのは、加齢による日常生活に支障が出る補聴器購入の助成であります。かねてから公明党議員団も要望しており、今定例会で補聴器購入費補助システム改修の補正予算も上程されました。 そこで、今後の補助開始へのスケジュール等について伺います。並びに先行実施区より補助額の上乗せ、対象者についても、多くの高齢者が利用できる制度にすべきと考えます。区の見解を伺います。 また、現在、第三の聴覚と呼ばれる軟骨伝導技術を用いた機器を窓口に導入する自治体・金融機関等もあり、区の高齢部署の窓口においても導入してはいかがでしょうか。 さらに、独居高齢者が増える中、他区で行っている配食見守りサービスの実施や、外出時など安心できる二十三区で半数以上行っている見守りキーホルダー事業、さらには、葬儀・納骨、家財処分などの手続を死後に代行するエンディングサポート事業も実施すべきと考えますが、いかがでしょうか。区長の見解を伺います。 最後に、低所得の高齢者の方等のための住宅セーフティネット制度による家賃の低廉化の補助が受けられる専用住宅について、今年度から北区でも、公明党議員団が要望してきた制度化実施と伺っており、概要について伺います。また、UR住宅と協議をしているとのことですが、進捗についてお示しください。さらに、高齢者の皆様からは、待機が多い低廉な区内の特別養護老人ホーム増設をとの声も多く伺います。(仮称)王子みずほの状況と合わせ、区の見解を伺います。 区長は、特養の入所調整の効率化を訴えておられ、私も以前、入所調整について、空きベッドや入替え日数の観点から改革すべきと提案させていただきましたが、併せて区長の見解を伺います。 次に、未来の北区のためについて伺います。 区において、今年度より他区に先駆け、区立小・中学校の給食費の完全無償化が実現され、今定例会において、区立小・中学校給食費の恒久的な無償化、さらに、公明党議員団が提案していた幼稚園給食費無償化についても、実施の補正予算が上程されました。 もとより、学校等給食は国が主導し無償化に取り組むべきと考えます。公明党議員団としては、子どもの価値、子育ての社会化という観点からも、恒久的な給食費完全無償化を要望してまいりましたので、区長の英断を高く評価いたします。 そこで、特別支援学校の保護者からも給食費無償化の声をいただいております。区長の恒久的な給食費無償化の決断に至る経緯と併せ、見解を伺います。また、さらなる子育て支援として、我が会派が要望している保育園のおむつサブスク導入、高等教育の給付型奨学金支援制度の創設、子どもインフルエンザ予防接種補助について、区長はどのように考えますでしょうか。 さらに、現在、生理による体調不良で働けない生理休暇を学校にも求める声があります。生理に伴う女子児童の欠席に関して、特に入試での必要な内申への影響を配慮し、高校入試の内申書の欠席日数欄を削除する自治体が広がっており、区も配慮すべきと考えます。区の見解をお示しください。 次に、妊娠から出産まで切れ目ない子育て支援について、北区では、国の出産・子育て応援交付金を活用した伴走型相談支援として、本年二月一日から妊娠・出産後の面談相談等に取り組んでいただいております。事業主体の子育て世代包括支援センターは、各健康支援センターと子ども家庭支援センターが連携し、実施していただいておりますが、所管が分かれている現状があり、具体的には、はぴママたまご面接は健康支援センター、はぴママひよこ面接は子ども家庭支援センターで行っております。やはり、同一の所管部署でまた伴走型というように、同一の担当で実施すべきと考えます。見解を伺います。 あわせて、令和四年六月成立の改正児童福祉法では、二〇二四年以降に全市区町村に全ての妊産婦、子育て世帯、子どもへ一体的に相談支援を行うこども家庭センター設置に努めることとされ、北区においての今後の見通し、考えについてお示しください。 先般、足立区での子育て支援の話を伺いました。足立区では、子ども預かり・送迎支援事業を実施しており、これは小学生までの子育てをしている家庭を対象に、ご自宅または子育てホームサポーター宅でのお子さんの預かりや保育施設への送迎を行うもので、登録料、年二千四百円、六時から二十二時の間で、八時から十八時、平日五百円、時間外及び土日祝日八百円で、申込先は三か所の委託事業者で、区が認定したサポーターを派遣するものです。原則三日前までに予約で、二人以上でも利用でき、令和四年度の利用実績一万七千五百九十二件で、サポーター登録数は百七十四人とのことで、ちなみに、ファミリーサポートの利用実績五千百九十五件よりかなり多いとのこと。 ぜひ、保育所を利用しない在宅育児支援も含め、北区においても、こういったさらなる子育てしやすい環境づくりとして事業を検討すべきと考えます。見解を伺います。 また、足立区では、医療的ケア児の受入れ保育園が五園ということですが、本年より、北区においても、清水坂保育園で受入れ予定で、今後受入れ拡大についてはいかがでしょうか。また、法律に基づいて、その後の学校受入れの見通しについても伺います。 子育て中の保護者の方からは、北区には小学生が思い切り体を動かし、遊べる施設が他区に比べ少ないとも伺います。また、雨天でも利用できる子どもの施設をとの声もあります。ぜひ北区においても、大型遊具などを配した子どもたちの施設を整備できないでしょうか。また、北区内にドッグランやスケボーパーク、3x3を楽しめる場所の整備を求める声も多く伺います。区長の考えをお示しください。 三点目として、希望を持てる北区について伺います。 北区では、ひきこもりの方の実数は分からないとのことですが、昨年六月、人口約七十万人の江戸川区がひきこもりの方の十五歳以上の大規模な調査を実施した結果、ひきこもり当事者の方が七千九百十九人いることが分かり、世代別最多は四十代、ひきこもり期間は一年から三年未満が二八・七%で最多、当事者にこれから必要と思うことを聞いたところ、就労への準備や短時間でも働ける場所の紹介など、支援策に関する回答が三九%に上ったとの報告がなされました。 これを北区に当てはめてみますと、一概には言えませんが、十五歳以上で約四千人近くのひきこもりの方がいると推計されます。北区では、家族会支援やひきこもりの方の家族会も含めた北区ひきこもり支援プラットフォームを設置し、今年度は外に出る支援の一つとして居場所づくりにも取り組むとしています。 そこで伺います。 北区で、ひきこもりの方を対象に簡単なアルバイトを提供しているところもあり、やはり事務所などの経費も問題で続けていけないとの話も伺っております。江戸川区の調査でありましたように、当事者は就労準備や短時間でも働ける場所を望んでいることがうかがえます。居場所づくりとともに、ひきこもりの方への就労準備や働ける場所を提供している団体等に支援を実施してはいかがでしょうか。また、かねてから提案しておりますひきこもり相談専用窓口設置についても、併せて区の見解を伺います。 次に、不登校支援について伺います。 北区においても、不登校の児童・生徒が五百名を超えている状況で、様々な理由があると考えられ、一つは、子どもたちが安心して通える居場所づくりが大切です。区においても、公明党議員団が求めてまいりました学校内の居場所づくりを今定例会において、小学校三校、中学校三校の計六校に専門の支援員を配置し、暫定的に実施するとともに、保護者負担の軽減として、フリースクールの補助が開始されるとのことで、高く評価いたします。 また、今年度、庁内関係各課や大学等も含めた関係機関との連携による校外の居場所づくり、学びの保障、支援体制の在り方など、今後の方向性を定める検討会を開催するとしています。 そこで伺います。 現時点での区における不登校支援の状況、不登校児童・生徒の原因や相談状況、不登校の原因の一つとも言われる発達障がい、ギフテッドの児童・生徒の状況についてお示しください。また、ぜひさらなる校内外の居場所づくりの推進、原因に寄り添った支援の充実を求めます。区の見解を伺います。 昨年九月十四日開会の健康福祉委員会におきまして、NPO法人北区障害者団体連合会から陳情が出され、一、一刻も早く障がいに応じた入所施設を北区内に設置することを求める、二、重度障がい者への受入れ対応等の地域生活支援拠点等の機能を備えたグループホームの整備を求める、二点が全会派一致で採択されました。二十三区の中で十九区が入所施設を整備しており、早急な検討が必要と考えます。現在の進捗状況について伺います。 また、昨年度より、北区においてパートナーシップ宣誓制度が始まり、今後そのパートナーのお子さんや親御さんがいる場合には、ファミリーシップ宣誓制度の導入も必要になってくると考えます。区の考えについてお聞かせください。 最後に、北区の諸課題について伺います。 王子地区町会自治会連合会からは、ごみ集積所の確保と管理についての改善の要望をいただいておりますが、不法投棄をするなど、ごみ出しルールを守らない方がおられ、住宅の建て替えにより集積所が廃止された際、新しい集積所を確保することが大きな課題となっているとのことで、大変ご苦労されていると伺っています。 そこで、集積所確保については、区は適している場所や助言などは行えるとしていますが、集積所を決めることはできないとのことで、解決のため、区も積極的な関与を行うべきと考えます。区の見解を伺います。 また、ごみ出しルールについては、区は看板の設置や警告シール等の注意喚起、定期的な巡回などを行っていただいておりますが、繰り返しルール違反を繰り返す方への訪問指導、罰則の導入など踏み込んだ対策を行うべきと考えます。 さらに、集積所確保等の課題解決には、根本的には滝野川地区で実施している戸別収集の全区的な導入が必要と考えます。併せて区の見解を伺います。 次に、昨年、幾つかの豊島地域の町会におきまして、区の職員の方を講師に招き、防災講話を開催いただき、参加者の皆様からは大変有意義で防災意識が高まったとの声を伺いました。しかし、北区の低地部分の課題である大規模水害の際、原則は高台避難ということは理解できるが、高齢で足が悪いなど、避難移動手段の確保をぜひお願いしたいという声が多くありました。 そこで伺います。 公明党議員団で要望しております災害協定を結んでいただいているタクシー・バスを活用した具体的な避難計画を早急に構築すべきと考えますが、区の考えをお示しください。 大きな四点目、DX推進について伺います。 DXを進めるには、なぜDXが必要か区民の方にしっかりと説明をし、理解をいただくことが重要だと考えます。区長はさらなる推進のため、(仮称)デジタル推進条例を設置し、外部人材の登用などに取り組むとしております。 そこで伺います。 一、北海道北見市では、定型業務を自動化するRPAの運用を始め、二〇一六年、全国に先駆け、書かない窓口を導入し、来庁者が住民票などの交付を受ける際、申請書を手書きで記入することなく受付を済ませることができ、また、複数の手続を一か所で済ませるワンストップサービスも実現。現在は一般的に必要な約二百の手続を自動化しており、今後、オンライン申請など行かない窓口を目指しているとのことで、この北見市の取組は全国に広がりを見せています。ぜひ北区においても、書かない窓口並びにおくやみコーナーなどのワンストップサービス、さらには、行かない窓口を目指し、取り組むべきと考えます。見解を伺います。 あわせて、全国の自治体でお役所言葉を見直し、ナッジ理論を活用し、住民に伝わる文書の検討も行われていますが、区においても推進すべきと考えます。区の見解を伺います。 一、全国で特定の地域のみに流通するデジタル地域通貨を金融機関と連携し発行する自治体が増加しています。デジタル地域通貨は、主にスマートフォンアプリで決済、他地域で使用できないため、お金が地域外に流出せず、紙の地域通貨よりコストが抑えられます。また、ボランティアなどの地域貢献活動などに参加するとポイントが付与されるなど、地域経済・コミュニティの活性化が期待されています。ぜひ、北区においてもデジタル地域通貨を導入してはいかがでしょうか。また、その他我が会派でかねてから提案しているAIを活用した結婚支援事業並びに行政・災害情報を伝達できる主要駅へのデジタルサイネージ設置についても併せて伺います。 一、DXを推進する一方で、情報通信技術を利用できない方のため、デジタルデバイド(情報格差)の対策も重要です。区では、今年度から三か年かけて、高齢者のデジタルデバイド対策として講座を七から八か所で、初年度は五百人、三年で二千人を目指して行うとしています。DXが加速する中、さらなるデジタルデバイド対策が必要と考えますが、いかがでしょうか。 さらに、DX推進の環境整備として、児童館や図書館等の区有施設のWi-Fi整備、また、町会・自治会の方からは、会館へのWi-Fi等の設備補助をとの声も伺います。区の見解を伺います。 一、現在、世界的に議論となっている生成AI(人工知能)について、特に対話型サービス、チャットGPTですが、行政分野でも利用の動きが広がりつつあり、神奈川県横須賀市は四月から全国で初めて政策立案や文書作成の効率化のため全庁的利用に踏み切りました。データが外部で使用されない仕組みを構築し、個人情報や機密情報など入力しないように職員に徹底しているとのことです。そこで、区においては生成AI、チャットGPTの活用について、今後どのように考えますでしょうか。 最後に、DXを進めるには、所管を横断する区長直結の(仮称)DX推進室も必要と考えます。区長の考えをお聞かせください。 以上で質問を終わります。 ご清聴ありがとうございました。(拍手) (山田加奈子区長登壇)
◎区長(山田加奈子区長) ただいまの公明党議員団を代表して、坂口勝也議員からのご質問に順次お答えをさせていただきます。 初めに、今後の区政執行の基本方針について順次お答えします。 まず、「みんなで創る。北区新時代」とこれからの区政改革についてお答えします。 今回の区長選挙では、多くの区民の皆様に、北区を前に進めてほしい、もっと北区をよくしてほしいと、本当に多くのお声をいただき、この重責を担わせていただくことになりました。みんなが豊かさを感じる、全ての区民が輝く区政を実現するためには、私自身が現場に足を運び、自分の目で確かめる現場主義と、区民の声を直接聞きながら意見を交わす双方向主義で得た区民の思いを捉え、職員と共有し、区の政策に反映してまいります。さらに、公民連携や都・国との連携を強化し、区の可能性を広げてまいります。 そのためには、社会情勢の変化が激しい現在において、区役所のこれまでの時間的感覚や金銭的感覚、慣例などスピード感を持って変革することが必要です。失敗を恐れることなく、何事にもチャレンジする精神を持って、真に区民のための北区、「みんなで創る。北区新時代」を築き上げてまいります。 次に、人材育成についてお答えします。 私は区民のための区政を前へと進めるため、スピード感を持って区役所の改革を行います。それには、職員のさらなる意識改革、資質向上につながることから、民間の高度専門人材や外部人材の登用、東京都や国との人事交流を図り、外部人材の登用と区職員派遣など積極的に人材育成を行ってまいりたいと考えています。 加えて、北区人材育成基本方針については、職員が区民のための区役所への意識を高め、そして、職員自身が仕事に生きがいや誇りを感じられるような仕組みや研修が必要と考え、改定に着手いたします。予算編成においては、予算枠配分方式など、職員がより主体的に考え、かつ効率的な仕組みを検討いたします。 いずれも、職員のモチベーション向上や生産性向上による行政改革を促すことで、区民サービス向上へつなげてまいります。 次に、百五十の政策についてです。 公約の実現に向けた決意をお示しするため、本定例会において、公私立幼稚園の給食費無償化や子どもなんでも窓口の創設など、できるものからスピード感を持って取組を開始しました。これら百五十の政策は、多くの区民の皆様の思いや声を積み上げた政策であり、真に区民のための北区となるために、四年で実現させるものや、まちづくりなど長期的スパンで取り組むべきものへの確実な着手など、全身全霊で取り組んでまいります。 なお、百五十の政策のほか、福祉施策の充実や人口減少、少子化・高齢化、多文化共生、施設の更新需要、災害・環境問題などの北区の諸課題への対応については、今年度策定を予定している基本計画や経営改革プランの中で具体的な方策について検討してまいります。 次に、組織体制についてです。 効果的な行政運営のためには、複合的な視点で考え、判断できる組織体制が必要であると考えています。そのために、内外の連携や政策立案に向けた企画、調整など区政全般に係る組織体制の強化に着手いたします。 具体的には、公民連携に関することや、庁内横断的な課題に関する連携を推進するために、しごと連携担当室を新設します。また、渉外交渉や政策に関する情報収集・連絡などを強化するために区長室を新設します。 現在は、政策経営部が区政の総合的な企画、調整を行っておりますが、今後はこの新たな二つの部署を加え、相互に連携することで、多角的な視点から、区民のためのよりよい政策を考える組織体制を実現し、真に区民のための北区へ変革するための第一歩といたします。 次に、物価高騰対策及び区民の生活支援について、順次お答えいたします。 物価高騰による区民生活への影響、また、区議会のご要望等を踏まえ、区の状況に応じた対応を随時検討し、低所得者対策として、独自給付や自転車用ヘルメット購入費補助のほか、福祉施設などへの光熱費等負担軽減を図ることといたしました。 次に、キャッシュレス決済によるポイント還元事業については、区内の消費が喚起され、地域経済の活性化に寄与すると考えますが、事業実施に当たっては、費用対効果などの検証が必要だと考えています。現段階において、東京都から補助制度に関する情報はなく、財源確保が困難であることから、ポイント還元事業の実施は予定しておりませんが、今後も国や東京都の動向を注視しながら、物価高騰対策を検討してまいります。 次に、多子世帯への区独自支援についてです。 多子世帯に関しては、これまでも幼児教育・保育の無償化の取組において支援を行ってまいりました。しかしながら、長引く物価高騰による多子世帯の経済的な負担は特に大きいものと認識しており、今後、早急に有効な支援策の実施について検討を進めてまいります。 次に、アピアランスケア助成制度についてです。 助成額や回数など制度の詳細を検討中であり、年内の実施を目指して準備を進めています。また、実施に当たっては、定期的な相談窓口の開設など、併せて検討してまいります。なお、自転車ヘルメット購入費補助に当たっては、購入時に自転車保険への加入や自転車利用のルール・マナーに関するチラシの配布のほか、口頭での説明を販売店にお願いするなど、周知・普及に取り組んでまいります。 次に、誰もが輝ける北区の未来を目指してについて順次お答えします。 初めに、高齢者が安心して住み続けられる北区についてです。 シルバー人材センターでは、令和元年度以降、コロナ禍の影響もあり、会員数、受注額とも減少しています。派遣事業である、いきいき生活援助サービスについても同様です。このため、新規会員開拓のポスターを郵便局に掲示するとともに、都営バスや都電等での音声案内や動画広告などの広報活動を行っています。 いきがい活動センターは開設以来、就労先の紹介だけでなく、その人らしさを発揮できるオーダーメイドの支援を行っており、利用者数は増加しています。今後は、就労支援コーディネーターを中心に、地域や地元企業等との連携を深め、就労と社会参加につながる仕組みの構築を進めてまいります。 高齢者が活躍できるよう、シルバー人材センター、いきがい活動センターと連携し、就労・社会参加支援を行ってまいります。 次に、通いの場立上げ教室における自主グループづくり強化の経緯と活動団体数、区の支援についてです。 初めに、通いの場立上げ教室における自主グループづくり強化の経緯です。おたっしゃ教室については、医療専門職・実務者を中心に検討会を開催し、令和五年度より、教室のプログラムをより効果的な内容に変更しています。その際、新たなプログラムによる効果を持続するため、教室終了後も自主グループ活動を継続することを参加条件に加え、名称も通いの場立上げ教室にしたところです。 令和五年三月末時点で、教室終了後に立ち上げられた自主グループは百五十一で、活動場所については公共施設を中心にご案内しています。しかし、場所の確保は難しい状況にあり、参加人数が減少した自主グループ同士の合流を後押しするなどしています。 次に、認知症支援についてです。 高齢者あんしんセンターでは、認知症の人やその家族の相談などに応じていますが、高齢化の進展に伴う事務量増への対応をするためには、高齢者あんしんセンターの体制強化が必要と考えており、他区の地域包括支援センターが担う事業や体制も参考としながら、必要な体制の確保に努めてまいります。 あわせて、高齢者あんしんセンターの認知症地域支援推進員や認知症コーディネーターと認知症ケアに携わる医療・介護・福祉等従事者の認知症対応力を向上する研修を充実し、人材育成や関係機関との連携など体制強化に努めてまいります。 また、総合的な認知症支援策についてですが、認知症基本法の基本理念として、認知症の人及びその家族の意向の尊重に配慮することや、地域において尊厳を保持しながら他者と共生することなどが定められています。 区の認知症総合施策においても、法の理念を踏まえた総合的な取組を進める必要があると認識しており、次期北区地域包括ケア推進計画策定作業の中で、法の理念を反映してまいります。 また、家族支援については、家族の集いカフェや認知症家族介護教室において、介護経験者同士の交流会を実施しており、引き続き、認知症本人や家族の意思を尊重した支援の在り方などについて検討してまいります。 次に、補聴器購入費助成についてです。 耳の聞こえの問題は、高齢者の社会参加の低下や認知症の要因になると言われており、ヒアリングフレイル対策の取組が重要だと考えています。今年度は補聴器購入費用助成事業の実施に向けたシステム改修や医師会などとの調整を進めるとともに、ヒアリングフレイルの啓発のための講習会の開催や、主に高齢者が利用する区の窓口への補助器具の設置を検討してまいります。 補聴器の購入費補助については、先行区では制度の見直しを進めている区もありますので、こうした動きも参考にさせていただきます。また、補助器具については、ご提案の軟骨伝導技術も含め、検討してまいります。 次に、見守りサービスなどについてです。 現在、高齢者あんしんセンターを中心に、町会・自治会、医療機関、介護事業者等の協力による見守りネットワークや、民生委員や声かけサポーターによる地域の見守り体制の連携強化、徘回高齢者を対象とするGPS端末サービスも実施しています。既存の事業を発展させながら、有効なサービスについて検討してまいります。 エンディングサポート事業については、高齢者あんしんセンターの家族介護者教室において、みとりや身辺整理などの様々なテーマで開催しています。また、北区社会福祉協議会では、老い支度講座等を開催しており、必要に応じて、弁護士や司法書士による相談窓口につなげています。引き続き、北区社会福祉協議会と連携し、実施してまいります。 次に、住宅セーフティネット制度における専用住宅の概要とUR都市機構との協議の進捗についてです。 住宅セーフティネット制度における専用住宅は、住宅確保要配慮者のみが入居できる賃貸住宅になります。賃貸住宅のオーナーに対しては、月額四万円を上限とした家賃低廉化への補助があるほか、バリアフリーや子育て世帯対応などの改修工事費の一部も助成対象となります。 一方、入居者については、北区で一定の居住期間を有していることや所得などの要件があります。また、UR都市機構とは、令和四年三月に国土交通省がUR賃貸住宅を住宅セーフティネット制度の対象としたことを受け、この間、協議を重ねてきたところです。 現在、区内のUR賃貸住宅に専用住宅を確保していくことについては、お互いが確認をしているところですが、場所や戸数、実施方法など詳細については協議を継続しているところです。 先日、私からも直接、UR都市機構に申入れを行ってまいりましたが、引き続き、事業の早期実施に向けて取組を進めてまいります。 次に、特別養護老人ホームの増設についてです。 特別養護老人ホームは、今後の後期高齢者の増加を見込むと増設は必要と考えており、今後も基本計画に基づき設置を進めてまいります。(仮称)王子みずほの状況は、今年度、建設予定地の地中埋設物の解体・撤去工事を行い、その後のスケジュールは国と事業者で調整中と聞いています。開設時期は明確になっていませんが、国からの情報収集や事業者との意思疎通に努め、早期開設を働きかけてまいります。 次に、入所調整についての考えです。 特別養護老人ホームの空床率を下げ、待機者を減らす取組は百五十の政策にも掲げ、いち早く実施する考えです。入所までの期間の短縮は、空床率の低下や、高齢者とそのご家族の負担軽減にもつながることから、年二回の入所調整の回数を増やすほか、手続の見直しや体調の急変など早急な入所を必要とする方が速やかに入所できる体制の構築など、特別養護老人ホーム施設長会と協議をしてまいります。 次に、恒久的な給食費無償化の決断の経緯などについてお答えいたします。 私は、「子どもの幸せNo・1」を掲げ、子ども施策の実施に力を入れ、特に子育て世代の経済的負担を徹底的に軽減することを訴えてまいりました。その中で、先般、国が公表した二〇二二年の出生数が七年連続で減少し、初の八十万人割れとなるなど、少子高齢化が加速している日本の現状に危機感を抱いたところです。加えて、現在でも物価高騰による影響が広く家計に及んでいます。 このような状況の中、国と地方自治体の役割分担を踏まえつつも、北区としても、一刻も早くさらなる子育て支援の充実が必要であると判断し、区立小・中学校に加え、公私立幼稚園等を含めた恒久的な給食費無償化を実現し、保護者負担の軽減につなげたいと考えています。 また、都立特別支援学校の保護者からのご要望が区に届いています。各学校の給食費の状況や支援制度の実態調査を行った上で、実施に向けて検討してまいります。 次に、未来の北区のためにのうち、子どものインフルエンザ予防接種についてです。 子どものインフルエンザ予防接種は、感染予防効果のみならず、重症化予防も期待でき、副反応が少ないことから、感染症対策と、また、子育て支援の観点からも、接種費用の助成について、引き続き検討してまいります。 次に、妊娠から出産まで切れ目のない支援についてお答えします。 本年二月から実施している伴走型相談支援は、各健康支援センターが中心となって、妊娠届出時と出生訪問時に面談を行うとともに、経済的給付の申請を受け付けています。 このたび、まず、児童館、子どもセンターを子どもなんでも窓口として、子育て支援の充実に着手したところですが、令和六年四月の(仮称)子ども家庭センター設置に向けては、複数の所管にまたがる事業にしっかりと横串を刺し、妊娠から出産、子育てまで、区民にとって利用しやすく、そして安心を感じることのできる相談支援体制の整備について、さらに検討を進めてまいります。 次に、子どもが遊べる場の整備についてです。 子どもたちの健全な発育を支援する上で、伸び伸びと体を動かして遊ぶことのできる環境は重要であると考えます。一方で、公立小・中学校や幼稚園の給食費の恒久的な無償化や学校の改築など、子ども分野に限っても、様々な行政需要等が見込まれています。 今後、行政改革に力を入れていくこととしておりますが、現時点においては、敷地の確保を含めて、新たな施設の建設は難しいと考えています。また、スケボーパークなどの設置につきましては、敷地の確保などに加え、利用のルールづくりや施設規模、近隣住民の理解も課題であると認識しております。 なお、ドッグランの整備につきましては、令和三年に策定した北区公園総合整備構想において、令和六年度から検討を進めることとしておりますが、計画を前倒しして、スピード感を持って事業に取り組んでまいります。 次に、ひきこもり当事者への就労準備や働ける場を提供している団体への支援についてお答えします。 ひきこもりの支援については、ひきこもり支援プラットフォームで協議をしていますが、昨年度より家族会の方にも参加をいただいております。 今年度は、家族会と相談しながら、定期的な居場所づくりに取り組むとともに、当事者やご家族の相談に対応するひきこもりピアサポーターの居場所への配置も検討してまいります。また、東京都ひきこもりサポートネットでは、ピアオンライン相談などを実施しておりますので、こうした取組との連携も図ってまいります。 なお、ひきこもり専門窓口の設置、また、就労準備や働ける場所を提供している団体などへの支援については、プラットフォームにおいて、家族会の方からご意見をいただきながら、検討を進めてまいります。 次に、障害者入所施設整備等の進捗状況についてお答えいたします。 令和三年に開設した重度障害者対象のグループホーム、らららたきのがわは定員十二名に対し四十七名の応募があり、重度障害者の居住の場の必要性が改めて明らかとなりました。 中でも、障害者の高齢化・重度化に伴い、重度障害者が専門的な支援を受けられる入所施設整備の要望が高まっていることは、区としても認識しているところです。区内への入所施設整備を求める陳情が全会派一致で採択されたことなどを踏まえ、新たな基本計画の中で計画事業に位置づけるなど、区内初の入所施設整備に向けた本格的な検討を開始してまいります。 あわせて、重度障害にも対応できる専門性を有し、地域生活において、障害者やそのご家族の緊急事態にも対応可能な地域生活支援拠点等の機能を備えたグループホームの整備についても取組を進めてまいります。 次に、北区の諸課題についてお答えします。 まず、新たなごみの集積所の確保についてです。 区では、集積所に関するご要望があった場合は、地域に出向き、それぞれの実情に応じた設置方法や改善策を提案するとともに、必要に応じて分散化などの対応を図っております。今後も、地域の状況に応じながら、利用者の皆様とともに課題解決に向けて対応してまいります。 次に、ルール違反への対策についてです。 区では、警告シールによる注意喚起や看板の設置、チラシの配布など、きめ細かい対策を継続的に行っています。ルール違反に対する罰則は考えておりませんが、巡回・指導の強化や、六か国語のチラシを配布するなど、外国人への働きかけを強めるとともに、地域の課題に応じて、集積所掲示板の多言語化など新たな工夫を進めてまいります。 次に、戸別収集の全区的な導入についてです。 区では、ごみの減量や分別、資源化の推進に向け、令和六年度に北区一般廃棄物処理基本計画を改定する予定です。そのため、昨年度、北区資源循環推進審議会を設置し、ごみ減量化の観点から、戸別収集の地域拡大や、家庭ごみの有料化などを含め、今後、区が取り組むべきリサイクル清掃事業の在り方を検討しており、本年度、答申をいただく予定となっております。 なお、ごみ減量をさらに進めるためには、区民や事業者の皆様のご理解とご協力が不可欠です。そのため、ごみ処理に関するコストや情報の見える化などに取り組むとともに、ごみをつくらない、出さないための行動を呼びかけてまいります。 こうした取組の推進や、審議会からの答申、さらには、令和四年度から十一年度にかけて行われる北清掃工場の建て替え工事なども踏まえ、区の実情に合った効率的かつ効果的な収集方式の在り方を検討し、新たな計画に反映をしてまいります。 次に、タクシー・バスを活用した具体的な避難計画についてです。 昨年度に、コミュニティ・タイムライン作成支援事業のモデル地区となった堀船地区において、今年度は高台への移動を想定した訓練について、協定を締結している事業者の協力を得て実施したいと考えています。 こうした訓練での成果も踏まえ、タクシー・バスを活用した移動支援の仕組みの構築に努めてまいります。あわせて、今年度から作成を進めている要介護度が高い方や障害支援区分が高い方などで、支援者がいない方の個別避難計画においても、避難方法方針の核となる移動手段について、十分留意をして進めてまいります。 次に、書かない窓口、行かない窓口についてです。 まず、書かない窓口については、手書きによる書く手間の軽減や待ち時間の短縮など来庁者の負担軽減に寄与するものと認識しています。今後、採用する方式を選定し、必要な窓口へ導入を進めてまいります。あわせて、これまでも電子申請の拡充等に取り組んできましたが、さらにメニューの拡充や利用しやすいシステムへと変更していくことで、最終的には、区民の皆様の来庁そのものが不要になる区役所の実現を目指してまいります。 次に、おくやみコーナーなどのワンストップサービスについてです。 ワンストップ窓口は、効率的で利便性が高く、これからのDX時代にふさわしい窓口の在り方と捉えています。とりわけ、ご遺族にとりましては、故人が亡くなられた悲しみの中、役所の窓口で慣れない多くの手続を進めることは負担が多いものと思っています。 そのため、ご遺族の負担を軽減できるよう、ご遺族に寄り添い、分かりやすい、時間も短縮できる窓口サービスの提供を行うことは重要と考えています。 先行自治体における運用状況、効果、課題を調査した上で、様々な形態の中から、区にふさわしい窓口サービスの方法を見極め、開設に向けて準備を進めてまいります。 次に、ナッジ理論の活用についてお答えします。 ナッジ理論の活用については、他自治体においても実践され、健診の受診率向上や住民からの同意書の返送率向上など様々な事例があり、費用対効果があると認識しています。区においても、お役所言葉を見直し、ナッジ理論を活用することで、より一層、区民の皆様に分かりやすく伝わり、さらに生産性の向上や区民サービスの向上につながると考えています。 今後、職員への理解を深め、先進自治体の成功事例を参考にしながら、活用を図ってまいります。 次に、デジタル地域通貨についてです。 私が掲げた百五十の政策でも、デジタル地域通貨等の活用について掲げています。デジタル地域通貨の導入に当たっては、共通商品券商店等各個店での対応など、環境整備のための支援が必要であると考えています。 まずは、制度導入に向けた先行自治体の調査をはじめ、課題の抽出や対応の検討などに着手してまいります。また、行政・災害情報を伝達する主要駅等へのデジタルサイネージについては、十条駅西口地区市街地再開発事業に合わせて、整備する駅前広場にモデル導入を検討しています。 なお、AIを活用した結婚支援事業については、その効果も含めて慎重な検討が必要であり、現時点においては導入を考えておりません。 次に、デジタルデバイド対策についてです。 誰一人取り残さないデジタル社会を実現するためには、多様な主体との連携や多角的な取組が必要であると考えております。今年度から開催するデジタルデバイド解消のための講座では、アクティブシニアや大学生の活用、受講者同士の交流など興味関心を高め、裾野を広げる工夫を行ってまいります。あわせて、介護予防の指定管理施設でのスマホ講座などの取組も継続してまいります。 また、高齢者に限らず、デジタルデバイドでお困りの区民がいること、全庁で共通認識を持ち、職員一人一人が意識を高め、ご相談があった際には、丁寧に対応してまいります。 引き続き、地域社会全体でデジタル化を進めていくため、さらなる取組を進めてまいります。 次に、Wi-Fi整備推進についてです。 利用者の利便性向上のため、北とぴあに続き、今年度は赤羽会館及び滝野川会館へのWi-Fi環境を整備し、地域社会全体でのデジタル化に向けた取組を進めます。 町会・自治会への補助につきましては、地域によって取組の状況も様々ですので、町会・自治会の意見を伺いながら、効果的な支援の方法について検討してまいります。 今後のWi-Fi環境整備等に当たっては、施設特性や教育分野への活用などを踏まえつつ、環境整備を含めた様々なデジタル化への取組を進める中で、優先順位を見極めながら対応してまいります。 次に、チャットGPTの活用についてお答えします。 チャットGPTについては、業務効率化が期待できるツールであり、生み出された時間を相談業務などへ充てること、ひいては区民サービス向上につながる可能性があると捉えております。 一方で、ご紹介の事例のように、情報セキュリティ等へ十分留意する必要があります。そのため、導入に当たっては、目的や方針、対象範囲などを明確化した上で、適切なルール策定やシステム構築を進め、職員が安心して使いこなすことができる環境整備が必要であると考えております。 区では既に大学や企業との連携事例も含め、情報収集に努めているところですが、引き続き、国や東京都、他自治体等の動向にも注視しながら、検討を進めてまいります。 最後に、(仮称)DX推進室の設置についてお答えします。 区では現在、情報政策課や各課の情報化推進員を中心に、庁内横断的にDXへの取組として、RPAの導入や内製化、AIチャットボットの精度向上に向けた取組を進めております。 DX推進は、公約の行財政改革にも位置づけていることから、DX推進施策を最重要課題として、新たなデジタル技術への対応、協働・連携による地域全体のデジタル社会の実現に向け、庁内のDX推進体制強化のための専管組織の設置を既に来年度に向けて検討を始めております。 以上、お答え申し上げました。 いただきましたご質問、ご意見、ご提言につきまして、その趣旨を踏まえ、課題を整理しつつ検討を進めてまいります。 ありがとうございました。
◎教育長(清正浩靖教育長) 私からは、誰もが輝ける北区の未来を目指してのご質問のうち、さらなる子育て支援についてお答えいたします。 初めに、おむつのサブスクサービスについてです。 おむつのサブスクサービスの導入は、保護者はもちろんのこと、保育現場の負担軽減にもつながるものと考えています。区といたしましては、今年度、事業者の選定を行い、令和六年度中に準備が整った公立保育園から順次サービスの導入を開始したいと考えているところです。 次に、高等教育の給付型奨学金制度の創設についてです。 国の高等教育の就学支援新制度では、授業料等減免と給付型奨学金を合わせて実施しており、令和六年度からは、多子世帯や理工農系の所得要件の拡大などの制度拡充を図るとしています。 北区の現状としては、令和四年度の学校基本調査における大学等の進学率は七三・一%となっており、区部平均の七二・三%を若干上回っている一方、区民の教育費の負担感は、特別区民税額等から判断すると、他区と比べて大きいものと考えています。 区といたしましては、若い世代の方が北区に住み続けていただく仕組みの一つとして、区独自の給付型奨学金制度は有効な施策と考えていますので、対象要件、給付条件、財源確保策などの具体的な制度設計について、国の動向も注視しながら、引き続き、研究、検討を進めてまいります。 次に生理に伴う欠席に関する高校入試の内申書についてお答えいたします。 既に令和五年度からの東京都立高等学校入学者選抜において、中学校から高等学校へ提出する調査書、いわゆる内申書については、選考に必要のない出欠に関する欄は削除されており、北区においても同様の対応を行っています。 次に、子どもの預かり・送迎支援の充実についてお答えいたします。 北区では、在宅育児支援の一つとして、ファミリー・サポート・センター事業を実施しています。就労の有無にかかわらず、子育て中の保護者のお子さんの一時的な預かりや保育園・幼稚園の送迎などを行うものです。 区といたしましては、今後も保護者のニーズに寄り添った使いやすい事業とするため、電話での申請だけでなく、インターネット手続の活用など利便性の向上を図り、ファミリー・サポート・センター事業のさらなる充実を目指します。 あわせて、新たな取組として、保育園における定期的な預かり保育に取り組むとともに、在宅育児支援については、子育て支援策全般において検討を行い、子育てしやすい環境づくりに努めてまいります。 次に、医療的ケア児の受入れについてお答えいたします。 医療的ケア児の受入れについては、令和五年度から清水坂保育園において二名の受入れ枠を設定し、受入れの体制を整えていますが、現時点においては入園のお申込みをいただいていない状況です。 今後は、清水坂保育園の申込状況や区内保育所に入園を希望される保護者の皆様のお問合せなどを参考に検討してまいります。また、区立小学校においては、現在も一名が在籍しており、看護師を派遣しています。今後、新たに対象となる児童・生徒についても、主治医、学校、保護者とも連携して対応してまいります。 次に、不登校支援についてお答えいたします。 令和四年度における北区の不登校児童・生徒数は五百六十七名であり、年々増加傾向にありますが、その要因は、人間関係、家族関係、自身の心身の状況など様々であると認識しており、また、不登校に係る教育相談の四割は発達障害と合わせた相談となっています。 これまで不登校児童・生徒に対しては、学校内の校長室や保健室などで校長やスクールカウンセラーなどが相談支援に当たるほか、教育総合相談センター内の適応指導教室での学びの保障、フリースクールと連携した講座等による保護者支援などに努めてまいりましたが、不登校児童・生徒数の増加等に対応するため、本定例会には、校内の居場所づくりやフリースクール利用料補助の新たな支援策に係る補正予算案を提案しています。 また、本年度は外部有識者や学校長を交えた不登校対応検討会を開催し、校外の居場所づくり、オンラインを活用した学習・相談支援、フリースクールとの連携、スクールソーシャルワーカー等の支援体制の整備など、不登校児童・生徒へのさらなる支援の取組も検討することとしており、その中で、発達障害等の児童・生徒への対応についても検討・整理してまいりたいと考えています。 以上、お答え申し上げました。
◆十三番(坂口勝也議員) 大変丁寧なご答弁ありがとうございました。前向きなお答えも多くいただいたと思います。 (副議長退席、議長着席) 今回は山田区長になり初めての代表質問ということで、公明党議員団として、今まで提案してきたものも含め、質問をさせていただきました。答弁に対しては、今後、私、また議員団も含めて、委員会等様々な機会を通じて、議論、また質疑をしていければと思っております。 本日は三点に絞り、要望と再質問をしておきたいと思います。 一番の区長の区政執行基本方針についてですが、様々伺いましたけれども、やはり北区役所の文化を変えるというような所信表明もありまして、私は基本姿勢の中で、以前にもお話ししたこともあるんですが、区全体の基本姿勢ということもすごく今回は分かりやすいですね。「みんなで創る。北区新時代」ということでいいと思うんですが、行政側の仕事をする上で、区長がよく言われる区民のためにということ、今日も言われましたけれども、やはり目的感というんですか、そういったものをはっきりと行政側の方針として、何かしらの形で示したほうがいいんじゃないかなと思います。それで基本方針についてもちょっとご質問させていただいたんですけれども、ぜひそういったものも取り入れていただければと思います。これはちょっと要望でお願いいたします。 二点目は、入所施設の障がい者の件ですが、陳情が出て、全会派一致で採択で、お時間もたっておりますけれども、ぜひ計画を立てるということではなくて、前回の委員会等では適地があればというようなお話でもあったので、ぜひ都営住宅の跡地とか、まず学校の跡地とか、積極的に遊休地などの検討を急いでいく、この姿勢をお願いしたいと思いますが、再度これはちょっと伺いたいと思います。 不登校について、一点、具体的な例なんですが、不登校の児童・生徒の対応で、私立中学校に通うお子さんも増えていますが、途中でやめた場合、やはり学区域の学校に行きづらいという声も聞くんですね。そのあたりを区として配慮できないかということで二点お伺いしたいと思います。 以上です。
◎政策経営部長(中嶋稔政策経営部長) (説明員) 私のほうから障害者の入所施設の遊休地の活用等々について述べさせていただきたいと思います。 障害者の入所施設、今回、区長の公約でもあって、まず、区の姿勢としては積極的に進めていくといったものです。その中で、今回、基本計画の策定の中で明確に位置づけをして、やはり一番の課題は用地の問題だと思ってございます。そうした中で、まず一つは積極的に遊休地を活用してまいりたい。ただ、現在、明確にここが使えるのではないかという場所がないこともあって、できれば国有地、また都有地、こういったものも広く利活用を考えながら、前向きに進めてまいりたいと考えているところでございます。 以上です。
◎教育振興部長(小野村弘幸教育振興部長) (説明員) 私からは、不登校の関係で私立中学校のお子様で退学をされたということで、学区域外の学校に通えないのかというご質問にお答えさせていただきます。 基本的に私立中学校、様々な理由で進学されているのかなと思ってございますが、そのような方が私立中学校に通えず、通学区域内に戻ってきた場合には、通学区域内、いわゆる居住地の指定校というところに通っていただくことが原則でございます。一方で、指定校変更基準、私ども設けておりますが、その中で様々な配慮事項等ございますので、そのようなあたりに該当するかどうかにつきましては個別の事案によって対応が異なってくるかなと思ってございますので、個別の案件につきましては、そのような対応について所管課のほうでご相談いただきたいと思ってございます。 以上でございます。
◆十三番(坂口勝也議員) 分かりました。ありがとうございます。 今のご答弁に関しましても、様々に今後、個別ということもありましたが、議論をしていきたいと思います。 以上で質問を終わります。 ありがとうございました。(拍手)
○議長(大沢たかし議員) 十一番 永井朋子議員。(拍手) (十一番 永井朋子議員登壇)
◆十一番(永井朋子議員) 私は、日本共産党北区議員団を代表して、山田区長及び清正教育長に大きく五つの質問をいたします。 大きな質問の一つ目は、物価高騰などから区民の暮らしを守る区政について五点伺います。 その一点目は、エネルギー・食料品等価格高騰支援給付金事業についてです。 日本共産党北区議員団は、五月二十二日、山田区長に対し、長引くコロナ禍、光熱費や物価高騰は依然深刻な状況が続いており、国が行う非課税世帯への物価対策給付金の対象を北区独自に拡大し、課税世帯まで広げて支援するなど、区民要望の申入れをさせていただきました。 今議会には補正予算案として、会派でも要望した住民税均等割のみ課税世帯や住民税課税者の扶養親族及び家計急変世帯にも対象を拡大し、一世帯三万円を支給することが示され、区民生活の支えとなると意を強くしています。 しかし、さらに一歩踏み込んで支援していただきたい区民がまだいらっしゃいます。例えば、光熱費が払えないと私に相談された方は、年金額が年間百七十万六千円余り、そこから介護保険料、後期高齢医療保険料の計約十三万円が差し引かれ、月の家賃は六万七千円、年間にすれば八十万四千円です。これだけで百万円近くになります。食費を削り、夜は食事や入浴のときだけ電気をつけ節約し、光熱費の支払いを遅らせながら何とかしのいでいます。 住民税の通知によると、課税標準額は十万円、年間一万二千五百円の住民税がかかっており、昨年度、区が対象者を広げてくれた、くらし応援臨時給付金と同様の今回の物価対策給付金では救済されません。また、年金なので、家計急変の対象にもなりません。一人暮らしで手取り二十万円も行かない働き方をしている方なども同様に苦しい暮らしを余儀なくされています。 こうした中、新年度、新宿区では、課税所得が三百万円未満の世帯にまで物価高騰の影響が大きいと捉え、対象を広げています。私は今こそ求められている施策だと感じました。 そこで伺います。 北区に追加交付される四億七千万円の地方創生臨時交付金や二〇二二年度末二百億円となる財政調整基金などを活用し、さらなる課税世帯への対象を拡大するお考えはありませんか。お答えください。 二点目は、エネルギー高騰及び熱中症対策などについてです。 さきにご紹介した区長への物価高騰対策の申入れの中で、保育園や高齢者、障がい者施設などに対する補助も要望し、今回の補正予算案には保育を除いた部分が盛り込まれました。そこで初めに、今回、対象となっていない保育園など子育て施設にもエネルギー高騰対策支援を実施してほしいが、いかがでしょうか。お答えください。 次に、熱中症対策にも関わってお聞きします。 ある高齢者の方は、電気代が値上がりしていて、来月どのぐらい請求が来るか不安で電気もつけられない。また、ある生活保護を利用されている方は、夜、薬をつけるときの三十分しか電気をつけず、夕飯も懐中電灯で食べています。冬は着込むことができるけれども、夏は命に関わるので、エアコンをつけないわけにはいかない、本当に不安ですと言っています。熱中症を防ぐにはエアコンを使いましょうと厚労省や消防庁は呼びかけをしていますが、使いたくても使えない方がいます。 そこで、お伺いいたします。 電気代の高騰を気にして、エアコンをつけるのをためらっている高齢者や在宅で酸素濃縮器や人工呼吸器を必要とする在宅療養者などへ電気代補助を行うこと、さらに、エアコンがない、故障して使えない方に、エアコン購入、設置、修理等の助成を実施すること、その際に、生活保護利用者で、一時扶助による支給の対象にならない方も含めること、以上、お答えください。 三点目は、生活保護基準の引上げを求め、区独自に法外援護を拡充することについてです。 二〇一三年からの生活保護基準の引下げを取り消す判決は、静岡地裁を含め十一件目となっています。現在の生活保護基準は、生存権を保障する憲法にも違反していると断じた判決です。 先ほどご紹介した方のことをさらに続けますが、生活の全てが値上がりしていて、食費と光熱費の工面が大変で、それ以外は何も買うことができなくなってしまった。食事も健康や食べたいものより、安いものに合わせた食事をしています。また、ぜいたくと言われるかもしれないけれども、美容院も行けなくなってしまった。さらに、物価が高騰しているのに生活保護基準は下がったままはおかしいと言っています。そのとおりだと私も思います。とても健康で文化的な生活を保障しているとは言えません。 そこで、お伺いいたします。 国に対し、生活保護費の引上げを求めてください。また、被保護世帯に対する修学旅行支度金支給を実施しているように、生活保護利用者に対し、区独自に八千円までの支給が認められる法外援護を拡充し、暮らしを支援すること。以上、お答えください。 四点目は、補聴器購入費用助成事業の実施についてです。 今議会の補正予算案には、区民から切実に陳情され、会派でも繰り返し求め続けてきた補聴器購入費用助成事業がいよいよ来年度実施となり、準備経費が盛り込まれました。待ちに待った制度ですので、他区に劣らぬ内容で準備していただきたいと思います。 例えば、港区では十三万七千円の助成、足立区では二〇二一年に非課税の方に二万五千円上限で始めた制度を新年度、課税世帯にも拡大し、助成金額も五万円に引き上げました。効果を上げるには、購入後の調整やアフターケアも必要とされております。また、難聴は高齢者に限ったものではなく、医師から補聴器が必要とされた方についても助成できるようにするべきではないでしょうか。助成金額、対象者、アフターケアを充実させるなど、二十三区の中でも区民が使いやすく、よりよい補聴器購入費助成事業として実施することを求めます。お答えください。 物価高騰などから区民の暮らしを支える区政についての最後五点目は、軍拡のための財源確保法について伺います。 岸田政権の軍拡財源確保法は、二〇二三年度から五年間かけて、敵基地攻撃能力保有のための軍事費を四十三兆円も確保するものです。その中には、医療や年金に回す積立金や東日本大震災の復興税も軍拡財源にするものです。もう既に、国の新年度予算で、軍事費は六兆円を超え、過去最高となっています。その一方で、社会保障費の自然増分は一千五百億円も圧縮されています。社会保障費を抑制してまでも軍拡を進めていく国の方針に賛成していたのでは、自治体にもその影響が及び、先ほど来述べてきたような区民生活を守る要望の実現までも抑制されるのではないでしょうか。区の考えをお聞かせください。 大きな質問の二つ目は、子ども医療費拡充、給食費無償化に続けて、教育の無償化を目指す区政について三点お伺いします。 一点目は、給食費無償化についてです。 北区では、区立小・中学校の給食無償化にとどまらず、私立幼稚園や公立幼稚園、認定こども園などへも広げ、さらには恒久的事業として位置づけました。憲法第二十六条の義務教育は無償を進めていく大きな一歩と考え、その決断を高く評価いたします。 そこで、お伺いいたします。 給食費無償化については、私立小・中学校、都立特別支援学校などまで対象を拡大することについて、どのようにお考えでしょうか。また本来、東京都及び国の責任で無償化が図られるよう、区から意見を上げることを求めます。お答えください。 二点目は、就学援助の拡充についてです。 給食費は無償となったものの、制服、かばんやランドセル、上履き、体育着、実習材料費など、実際、義務教育には費用負担があります。就学援助は、子どもたちがお金の心配をしないように、世帯の所得に応じてこうした負担を軽減する制度です。物価高騰やコロナ禍の中で、世帯の所得により、子どもにかけられる教育費の格差が一段と拡大しています。都区財政調整の仕組みから、区財政に大きな影響が及ばないと思います。就学援助制度を拡大して、教育の無償化をさらに進めるべきです。 そこで、お伺いいたします。 一つ目に、認定基準額を引き上げ、対象拡大を図ること。お答えください。 二つ目に、本来受けられる全ての方の申請漏れが生じないようにすることです。例えば、世田谷区では、就学援助のお知らせに給与収入等の換算目安を明記しています。また、入学時や進級時と九月にも就学援助費のお知らせを全児童・生徒に配布し、申請漏れがないよう丁寧な対応をしています。 北区においても、所得とともに給与収入の目安を明記するなど、記載内容や周知方法をさらに工夫すること。さらに、他制度でも採用されているプッシュ型の支援についても検討を求めますが、いかがでしょうか。以上、お答えください。 三点目は、給付型奨学金制度や高校・大学生などへの応援支援金制度を創設することについてです。 国の総務省、文科省の調査では、世帯年収と教育格差の拡大が、また、全国私立学校教職員組合連合の調査でも、経済的理由による高校中退者の増加が明らかとなっています。こうした実態がある中で、日本共産党は六月五日に高等教育(大学・短大・専門学校)の無償化へ、直ちに学費・奨学金返済を半額にし、計画的に無償化を進めていく政策を発表させていただきました。負担能力を超えた高学費と貸与中心の奨学金制度の下、学生の三人に一人が平均三百万円の借金(奨学金の返済)を背負っており、その総額は十兆円近くと国会での答弁もありました。若者の希望に影を落としていることは極めて深刻です。高等教育の無償化は国際社会の流れであり、政治にその転換が迫られています。 そのような中で、足立区では新年度、返済不要の給付型奨学金や高校生応援支援金を新設しました。足立区に伺ったところ、四十人の枠に三百十一人の応募があり、また、報道では、私立大学の医学部なら最大三千六百万円給付する奨学金への反響は大きかったとし、その財源は特別区競馬組合からの分配金や区内外の寄附を募りながら、安定した給付制度で実施していくとしています。貸与型から給付型へと制度を見直したことは極めて画期的なことだと思いました。 また、都の高校生等奨学給付金の対象は非課税世帯が対象ですが、足立区では、課税世帯にも広げて、おおむね所得三百万円以下の世帯の高校生に部活動や課外活動費を助成する高校生応援支援金も開始します。担当課にお話を伺ったところ、中間層と低所得層など、家庭の所得によって子どもに体験させてあげる支出などに差が生じており、より多くの子どもたちが様々な経験や体験ができる機会を増やすことにより、コミュニケーション能力などが養われ、就職などの面接の場面でも役立っていけば、子どもたちの将来につながっていくとお話しされていました。 そこで、お伺いいたします。 こうした考えを参考に、北区の給付型奨学金制度や、高校・大学生などへの応援支援金制度を創設し、子どもや若者を応援することを求めます。お答えください。 大きな質問の三つ目は、コロナ五類への移行後も感染拡大を防ぎ、区民の命を守る取組についてです。 本年五月八日から、新型コロナウイルスは五類感染症に移行していますが、新型コロナウイルスはそれとは関係なく進化を続け、日本国内でもオミクロン株の亜系統であるXBB系統の占める割合が増加し、都内では既に五割を超えています。政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会長を務めた尾身 茂氏は、十四日、都内で開かれた病院団体の会合で、第九波の入り口に入ったのではないかと語っています。私の周りでも、五月の連休明け頃から、調子が悪く受診をしたらコロナ陽性だったとの声が聞こえ始めました。今月六日の定点観測によれば、東京都の新規陽性者は、前週に比べ一・三倍と増加していると報告されています。第九波へ備える対策が引き続き必要と考えます。 そこで、お聞きします。 一、高齢者施設などでの感染拡大をさせない取組の継続、感染者については施設内で留め置くことのないよう入院先を確保すること。 二、無料PCR検査の再構築で感染拡大を防ぐよう求めます。 以上、お答えください。 大きな質問の四つ目は、あらゆる女性が個人として尊重される相談支援の充実についてお伺いします。 四十歳以上の単身女性の生活状況について、当事者でつくる団体、わくわくシニアシングルスは、昨年、調査結果をまとめ公表しました。その内容は、暮らしが苦しいと答えた人が七割となり、新型コロナウイルスと物価高騰が女性の貧困に追い打ちをかけていること、働き方については、非正規職員、自営業では、年収二百万円未満が五三%、非正規を選んだ理由は正規職に就けなかったなど、本人の意思に反するという答えが半数を超え、また、住居費支払い後の家計に余裕がない人は、四十代、五十代で六割以上、居住費負担が重いことも明らかになりました。 私に相談があった五十代のシングルマザーは、仕事のために国家資格まで取得しましたが、契約が打ち切られ、子どもの学費もあるので、正社員の仕事を探していますが、五十歳を過ぎると正社員では雇ってくれない、次の就職が決まらず先の見えない毎日が不安で眠れませんと言っています。冒頭にご紹介した方も一人暮らしの女性で、年金を補うために八十歳近くまで働き続けてきましたが、働けなくなった途端、家賃の負担や光熱費の支払いが重くなり、さらに生活が苦しくなりました。 女性の非正規雇用割合の高さや男女間の賃金、年金の格差、男は仕事、女は家庭という性別役割分担観がいまだ続いており、女性は働いていても収入が低く、単身者への公的な住宅支援制度も乏しく、女性が一人で自立して暮らすことが難しい社会になっています。 来年四月から施行される困難を抱える女性支援法は、人権の確立、回復支援、ジェンダー平等へと女性支援の理念を大きく転換し、女性支援のための施策を推進し、人権が尊重され、女性が安心して、自立して暮らせる社会の実現に寄与することを目的としています。婚姻の有無や年齢を問わず、困難を抱える全ての女性を支援する仕組みになることを期待し、以下お伺いします。 一、新法施行に当たり、婦人相談や支援がどのように変わり、充実させていくのかお聞かせください。また、支援充実に向けて、関係機関、民間団体などとの連携強化や準備の進捗はいかがでしょうか。 二、今までの相談内容の分析や女性に向けたアンケート調査を行うなど、必要とされている支援のニーズを把握し、区レベルでも基本計画を策定すること。 以上、二点についてお答えください。 大きな質問の五つ目は、交通安全対策や地域の諸課題について五点伺います。 その一点目は、浮間地域のコミュニティバス試験運行についてです。 浮間地域では、十二月にコミュニティバス運行と聞いていたのに、いつ動くのですかとの声のように、このバスを利用して、買物や病院に行くことを楽しみにして、来年の春頃のコミュニティバス運行を指折り数えて待っています。 そこで、お伺いいたします。 浮間地域のコミュニティバス試験運行に向けたバス購入契約やバス停の設置など具体的なスケジュールをお示しください。また、一日も早い運行実施を求めます。お答えください。 二点目は、北赤羽駅など、区内埼京線のホームドアを早期に整備することについてです。 私は一月に住民の皆さんと東日本旅客鉄道株式会社に一日も早く区内の埼京線駅にホームドアを設置するよう申入れをしました。昨年末に埼京線北戸田駅にて親子が電車に飛び込む痛ましい事故が起こっています。また、私が調べた限りでは、北赤羽駅でも、昨年は二件の人身事故が起こっています。北赤羽駅は
快速が通過する区内唯一の駅で、朝のラッシュ時もホームの駅員配置はなく、浮間口の改札も無人です。申入れ時点では、埼京線については、二〇三一年までに整備すると伺いました。危険があるのなら直ちに安全にするのは当然で、八年後では遅過ぎると住民から意見が出ています。 そこで、お伺いいたします。 北赤羽駅など区内埼京線のホームドア整備の前倒しを北区からJRに求めてください。 三点目は、特定整備路線補助八十六号線(赤羽西地域)についてです。 この道路計画の現道部分では、昨年、東京都の下水管新設シールド工事の際に、泥水が道路に湧き出る事態になりました。その際にも、この道路は昔、河川だった。道路沿線は盛土をして住宅が建てられている。地中では何が起こっているか見えない、今後も同じことや地盤沈下が起こるのではと住民から不安の声が出ています。赤羽西都道八十六号線計画に対する事業認可取消しを求める裁判の意見陳述で、この沿線にお住まいの方からは、家を建てるときに、自宅付近の地下水が一・五から三・八メートルであることや、地下七メートル辺りまで軟らかい地盤であることが判明したと述べています。 折しも、東京都はこの道路事業について、施工時と完成時の地下水調査で、擁壁部とトンネル部の地下水位に影響が及ぶことが判明したとし、このことを受けて、地下水流シミュレーションを実施し、地下水流の動きを解析し、客観的評価をする必要が生じたと業界紙でも述べています。 そこで、お伺いいたします。 擁壁部とトンネル部の地下水位にどのような影響が及ぶことが判明したのでしょうか。また、この地下水流シミュレーションの結果や分析からどのようなことが分かったのか、お答えください。また、分析結果などについて住民説明を行うよう、東京都に求めてください。 さらに、特定整備路線補助八十六号線(赤羽西地域)は、赤羽西地域の高台をトンネルでくりぬき、赤羽自然観察公園とスポーツの森公園を二十メートル幅の道路で分断する計画です。二〇一三年の事業計画住民説明会で、住環境や自然環境が壊される。必要性に疑問があるなど反対の声があり、地域住民からは計画の中止や廃止が求められていた路線です。 東京都は、こうした声がありながらも、一方的に計画を推し進め、北区もその計画を容認してきました。そのような経過の中で住民は二〇一四年に計画の中止、廃止を求める二千七百四十筆もの署名を東京都及び北区に提出し、二〇一五年四月には千二百七十九名が行政不服審査請求を国交省に提出、二〇一七年十一月には事業認可取消しを求め東京地裁に提訴、二〇二二年高裁に提訴し、先日、不当判決が下されました。しかし、住民は今後、最高裁へ提訴の準備をしております。 区長は就任の挨拶の中で、これまでどおり地域に足を運び、現場を自分の目で確かめる現場主義、若者から高齢者まで直接意見交換を行う双方向主義で、区民の皆様の声を区政に反映してまいりますと語っています。まちづくりに関しても、その姿勢を貫いてほしいと考えております。こうまでして、区民がこの事業の取消しを求めているのかに思いを寄せていただきたいと思います。 そこで、お伺いいたします。 特定整備路線補助八十六号線(赤羽西地域)の計画地に区長は足を運び、こうした区民の声に耳を傾け、直接意見交換を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。 以上、お答えください。 四点目は、赤羽西地域の交通安全対策についてです。 赤羽西一丁目の中坂から区立鶴ケ丘児童遊園を経由して三岩通りに抜ける区道は、この地域の主要な道路になっておりますが、速度規制がありません。この道路の両側は住宅が軒を連ねており、高齢者も多く住んでいます。 そこで、お伺いいたします。 居住者や歩行者の安全対策として、面的に速度規制をかけるゾーン三十の導入や速度制限標識など区から警察署へ求めてください。 五点目は、安全な自転車走行などについてです。 昨年実施をした区議団の区民アンケートにも、自転車のマナーが悪いので、もっと注意喚起をしてほしい、狭い歩道でスピードを出す自転車も多いとの声や、実際に歩いていて自転車にぶつけられたとの事故も区内では起こっています。警視庁のまとめでは、歩行中に自転車に衝突される事故の約四割が歩道上で被害に遭っています。自転車走行は車道が原則ですが、例外的に歩道を走行する場合も、歩行者の安全に配慮することが求められます。 そこで、三点お伺いいたします。 一、区内の自転車が関わる事故の状況や増加など、傾向とその対策についてお答えください。 二、小学生や中学生に対する交通安全教育や自転車安全日啓発活動など行っていただいておりますが、さらに充実させ、区内自転車販売店などと連携するなど、自転車やヘルメットなどを購入時に、安全走行啓発のリーフレットをお渡しするなど、日常的に自転車走行マナーを向上させる取組を広げるよう求めます。お答えください。 三、自転車のヘルメット購入助成が始まりますが、個人店舗などでは在庫がないなどの声を伺っております。ヘルメット購入助成の協力を得られる店舗数、また、どのような店なのか、さらに、量販店などは含まれるのか、お答えください。 以上、区長の温かい答弁を求め、私の質問を終わります。 ご清聴ありがとうございました。(拍手) (山田加奈子区長登壇)
◎区長(山田加奈子区長) ただいまの日本共産党北区議員団を代表して、永井朋子議員からのご質問に順次お答えをさせていただきます。 初めに、物価高騰などから、区民の暮らしを守る区政をのご質問に順次お答えします。 まず、エネルギー・食料品等価格高騰支援給付金事業についてです。 同趣旨の給付金事業が各区においても実施されていますが、現在把握している中では、対象世帯は非課税世帯や均等割のみ世帯とする区が大半となっています。一方、北区においては、これらに加え、課税者の扶養親族等のみの世帯や家計急変世帯も対象とするほか、各自治体が設定する基準日の違いにより、給付金を受給できない転入・転出世帯にも配慮したものとしています。 区といたしましては、まず、これらの世帯へ漏れなく迅速に給付を行うことが重要と考えており、給付対象の拡大は、現時点では考えておりません。 次に、エネルギー価格高騰及び熱中症対策などについてのうち、保育園などの子育て施設への補助についてお答えいたします。 今回補正予算に計上した福祉施設等への給付の考え方については、特にエネルギーや食材費高騰の影響を大きく受ける特別養護老人ホームなど福祉施設や医療機関、いわゆる二十四時間稼働型の一定の施設を対象としています。 なお、東京都の第二回定例会の補正予算案において、福祉施設などへの同等の給付が見込まれ、その中には保育所も対象とされていることから、今後、北区でも東京都補助金を活用した給付を検討してまいります。 次に、電気代の高騰を気にしてエアコンの使用をためらっている高齢者や、エアコンがない方への購入などへの助成についてです。 区では、エネルギー・食料品価格等の物価高騰による負担感が大きい住民税非課税世帯に加え、均等割のみ課税世帯、また、物価高騰による家計急変世帯への支援を実施することから、エアコンの電気代や購入費などへの助成は現時点で考えておりません。なお、区では猛暑対策として、公共施設のロビーを活用した涼みどころを七月から開設します。 次に、在宅で酸素濃縮器や人工呼吸器を必要とする在宅療養者などへの電気代補助についてです。 在宅で酸素濃縮器など医療機器を使用する方がいることは承知しておりますが、障害者手帳をお持ちでない方も、電気で稼働する機器を使用している場合が考えられるほか、在宅の長期療養高齢者も、電気料金などの高騰の影響を受けており、補助の実施に当たっては、対象者や対象器具の整理などの課題があると認識しています。 次に、生活保護基準の引上げを求め、区独自に法外援護を拡充することについてです。 生活保護基準は、全国消費実態調査の結果などを専門的、科学的見地から検証を行いながら、非受給世帯との均衡なども考慮し、国において適切に決定されていると認識しており、今後もその動向を注視してまいります。 なお、大都市の生活実態を反映した基準が必要と思われるものについては、引き続き、東京都を通じて国へ要望してまいります。 また、物価高騰の影響を受ける方への支援としては、他施策において、生活保護世帯も対象に含め給付が行われていることから、生活保護世帯のみを対象とした法外援護の拡充は考えておりません。 次に、補聴器購入費用助成事業についてです。 耳の聞こえの問題は、高齢者の社会参加の低下や認知症の要因になると言われており、ヒアリングフレイル対策の取組が重要と考えています。 今年度は、補聴器購入費用助成事業の実施に向けたシステム改修や医師会等との調整を進めるとともに、ヒアリングフレイルの啓発のための講演会の開催や、主に高齢者が利用する区の窓口への補助器具の設置を検討しています。 補聴器の購入費助成については、先行区では制度の見直しを進めている区もありますので、こうした動きも参考にしてまいります。 次に、軍拡のための財源確保法案についてです。 防衛財源確保法案につきましては、令和五年度以降における我が国の防衛力の抜本的な強化と維持に必要な財源を確保するため、国会において審議の上、可決、成立したものと認識しております。 次に、子ども医療費や給食費に続けて、教育の無償化を目指す区政をのうち、給食費無償化についてお答えします。 都立特別支援学校の児童・生徒については、今後、各学校の給食費の状況や支援体制の実態調査を行った上で、無償化の実施に向けて検討してまいります。また、給食費の在り方については、特別区長会などを通じて、国や東京都に様々な機会を捉え、必要な意見等を伝え、あわせて、財政支援を求めてまいります。 なお、区立小・中学校以外の私立学校に通学する児童・生徒への給食費助成は考えておりません。 次に、コロナ五類への移行後も感染拡大を防ぎ、区民の命を守る取組について、順次お答えいたします。 まず、高齢者施設などでの感染拡大させない取組の継続についてです。 区といたしましては、類型変更後も、高齢者等ハイリスク層を守る取組は重要な課題と認識しておりますので、高齢者等入所施設におけるワクチンの円滑な施設内接種体制の確保とともに、施設従事者の一斉・定期的なPCR検査の継続やマスク着用の推奨、換気、手洗いの徹底など、ウイルスを持ち込まない対策について、引き続き実施してまいります。 また、感染者の発生時には、保健所による積極的疫学調査の実施と施設内感染対策指導を徹底していくなど、今後とも感染拡大防止に努めてまいります。 次に、施設入所者感染時の入院先の確保についてお答えいたします。 現在、東京都で確保された入院病床は約三千床のうち、三分の二は空いている状況であり、さらに、東京都の臨時医療施設である高齢者等医療支援型施設も都内八か所のうち、区内でも二か所が稼働しているため、医師が必要と判断すれば、入院や入所が可能な状況です。 次に、無料PCR検査の再構築で感染拡大を防ぐよう求めるについてお答えいたします。 PCR検査の無償化は、新型インフルエンザ等対策特別措置法の知事要請に基づき、感染リスクが高い環境にあるなどのため、感染不安を感じる無症状の方を対象として実施されたことから、北区では、これまで区有施設の提供など誘致を行い、検査体制を構築してきましたが、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の五類への類型変更に伴い、終了しました。 区といたしましては、今後の感染状況等により、さらなる類型変更がなされ、従前の状況下となった際は、速やかに区民施設への誘致を行うなど、無料PCR検査の再構築をしてまいります。 次に、あらゆる女性が個人として尊重される相談支援の充実をについてお答えします。 困難な問題を抱える女性からの相談には、現在も区の婦人相談員が丁寧な対応に努める中、来年四月に施行される困難を抱える女性支援法に向け、東京都などが実施する研修や情報交換会などに積極的に参加し、法施行後の具体的な支援策について情報収集を図っています。現時点では、具体的な内容は定まっておりませんが、国や東京都の動向を注視し、必要な対応を検討してまいります。 なお、支援充実に向けた関係機関、民間団体との連携については、他自治体とも情報交換を行いながら、協議会等の設置に向けた準備を進めてまいります。 次に、区における基本計画の策定を図ることについてです。 区の計画策定に向けては、現在運用している男女共同参画推進計画アゼリアプランとの整合性や、計画策定に必要な情報分析などが必要と考えています。今後、令和五年度に計画策定を予定している東京都や他自治体の動向を注視しながら、検討を進めてまいります。 次に、交通安全対策や地域の諸課題についてです。 初めに、浮間地域のコミュニティバス試験運行についてお答えします。 試験運行開始に向けたスケジュールにつきましては、まず、七月中を目途にバス車両の契約に向けた手続を進めています。その後、北区地域公共交通会議において運行計画の承認を受け、十月以降からバス停の設置工事を進めてまいります。試験運行の開始につきましては、来年の春先を予定しておりますが、一日も早い運行開始に向け、取り組んでまいります。 次に、北赤羽駅など、区内埼京線のホームドアを早期に整備することについてです。 現在、JR東日本では、山手線及び京浜東北線の北区内全ての駅においてホームドアの整備を終えています。今後、埼京線の各駅を含む東京圏においては、令和十三年度末頃までに順次整備をしていく予定が示されていますが、区といたしましては、各駅の状況を踏まえ、駅利用者の安全確保を最優先する観点から、ホームドアの早期整備について、様々な機会を捉えながら、JR東日本に求めてまいります。 次に、特定整備路線都市計画道路補助第八十六号線(赤羽西地域)についてお答えします。 初めに、地下水位の調査結果について、住民説明を行うよう東京都に求めることなどについてです。 東京都からは、地下水位への影響を評価するためのデータを収集するなど、地下水調査委託を昨年度契約し、現在も引き続き調査中であると聞いています。道路の設計に当たっては、これまでも東京都は北区と協議を行いながら計画を進めてきたところであります。区としても、周辺への影響に配慮するとともに、地元に対して丁寧に対応するよう、引き続き東京都に求めてまいります。 次に、区長が足を運び、区民の声に耳を傾け、直接意見交換を行うべきについてです。 特定整備路線都市計画道路補助第八十六号線(赤羽西地域)は、延焼遮断帯の形成、震災時の安全な避難路の確保、緊急車両の通行の確保による円滑な救助・救援活動を担う道路として、地域の防災性向上を図る上で不可欠な道路です。 整備に当たり、様々なご意見があることは承知しておりますが、区としては、事業者である東京都と連携を図りながら、事業の推進に努めていくとともに、地元に対して丁寧な対応を行うよう、引き続き東京都に求めてまいります。 次に、赤羽西地域の交通安全対策についてです。 ご指摘いただいた区道の交通状況につきましては、区としても、以前より把握しており、警察と歩行者の安全対策について協議してまいりました。引き続き、対策の具体化に向け協議してまいります。 次に、安全な自転車走行などについてです。 令和四年の自転車利用者の事故による死傷者数については増加傾向であり、死傷者全体の約半数で自転車が関わっています。区といたしましては、引き続き、警察をはじめ、関係機関と連携しながら、交通安全教育を推進してまいります。 また、自転車交通ルールなどに関する周知については、購入の際に保険加入や自転車利用のルールやマナーに関するチラシの配布のほか、口頭での説明を販売店にお願いするなど、周知、普及に取り組んでまいります。 ヘルメット購入費補助販売店につきましては、区民の皆様が購入しやすいよう、量販店も含め、より多くの店舗にご協力をお願いしてまいります。 以上、お答え申し上げました。 いただきましたご意見につきましては、その趣旨を踏まえつつ、今後の区政運営の参考とさせていただきます。ありがとうございました。
◎教育長(清正浩靖教育長) 私からは、子ども医療費や給食費に続けて、教育の無償化を目指す区政をに関するご質問のうち、就学援助の拡充についてお答えいたします。 初めに、認定基準を引き上げ、対象拡大を図ることについてです。 就学援助は、学校教育法第十九条の趣旨にのっとり、経済的理由で就学が困難な児童・生徒の保護者に対し、就学に必要な経費を支給する制度であり、対象者は、生活保護法に規定する要保護者及びそれに準ずる程度に困窮していると認める者とされています。 準要保護者に対する就学援助は、平成十七年度より国の補助が廃止され、自治体が単独で実施しており、認定基準も各自治体が定めています。 北区は、平成六年度以降、生活保護基準の一・二倍未満を基準とし、国が平成二十五年八月から三か年で行った生活保護基準の段階的引下げ後も不利益を被る世帯が生じないよう、見直し前の生活保護基準を用いて実施しており、法の趣旨に沿った適切な制度運用を行っているため、認定基準を引き上げて対象拡大を図ることは考えていません。 次に、本来、就学援助を受けられる全ての方の申請漏れが生じないようにすることについてです。 就学援助の申請書につきましては、毎年四月に学校を通じて全児童・生徒へ配付、回収を行っており、全員の希望の有無を確認することとしています。また、申請書に同封するお知らせの中では、当初認定の際に所得超過で否認定となった場合でも、その後に世帯状況や前年中の所得額に変更があった場合には、再申請が可能であることをご案内しています。所得基準額の目安の記載方法や申請漏れを防ぐためのさらなる周知方法の工夫については、他自治体の取組事例などを研究してまいります。 また、就学援助の認定に当たりましては、税情報を利用するため、地方税法の規定により、保護者の同意が必要となります。税情報を利用してプッシュ型で支給を行っている他の給付金は、法令に基づく特例公的給付の指定を受けていますが、就学援助はこの指定要件に該当しないため、難しいと考えています。 次に、給付型奨学金制度や高校・大学生などへの応援支援金制度の創設についてです。 国の高等教育の就学支援新制度では、授業料等減免と給付型奨学金を合わせて実施しており、令和六年度からは多子世帯や理工農系の所得要件の拡大などの制度拡充を図るとしています。 北区の現状としては、令和四年度の学校基本調査における大学等の進学率は七三・一%となっており、区部平均の七二・三%を若干上回っている一方で、北区の区民の教育費の負担感は特別区民税額等から判断すると、他区に比べて大きいものと考えています。 区といたしましては、若い世代の方が北区に住み続けていただく仕組みの一つとして、区独自の給付型奨学金制度は有効な施策と考えていますので、対象要件、給付条件、財源確保策などの具体的な制度設計について、国の動向も注視しながら、引き続き研究、検討を進めてまいります。 また、高校・大学生などを対象とした応援金支援制度につきましては、他自治体等の取組を調査、研究してまいります。 以上、お答え申し上げました。
◆十一番(永井朋子議員) ご答弁ありがとうございました。 私からは、幾つかの要望と再質問をしていきたいと思います。 エアコンとか給付金で、エアコンの助成、また電気代の補助なんですけれども、給付金とかで対象というふうな、給付金なので、それで賄ってほしいというようなニュアンスだったんですが、やっぱりこうした、私も質問で述べましたけれども、給付金とかの対象にならない、そういった方、まだまだたくさんいらっしゃると思っています。 今回、エネルギー・食料品等価格高騰支援給付金事業について、補正予算では対象を昨年同様、区独自で拡大していただいておりますが、やっぱり、まだ支援するべき区民がたくさんいらっしゃるのではないかと思っております。 私が質問で取り上げたのは一例の方なんですが、昨年、日本共産党区議団アンケートを実施させていただきまして、その中の声もぜひ私、この場でご紹介をしていきたいと思います。 税金を納めない非課税世帯には、給付金等何度も支給されていますが、ぎりぎりの生活をしているが、僅かながらでも税金は納付している。強制的に絞られて苦しい生活をしている低所得者もいます。年金も減らされ、この物価高騰で大変苦しいです。そのような人にも心を寄せてほしいです。皆苦しいのです。高齢の年金所得者がみんな裕福ではありません。 もう一人の方は、非課税世帯でなくても、最低の収入で区民税を課せられている人たちにも、非課税並みにして、経済的支援給付等をぜひ実施してほしい。そして今、生活の不安で自殺まで考えるときがありますと。 また、もう一人の方は、私は年金生活です。こんなに物価が上がり、電気代、ガス料金も上がり、その上、医療費が一割から二割になり、踏んだり蹴ったりです。年収二百万円そこそこの方は大変です。 それから、もう一人の方、当家は夫婦二人、七十代、子どももなく、親戚との付き合いもなく、年金は自由業だったために夫婦合わせて一か月十四万円くらいです。当然、生活費は赤字になりますので、貯金や年金を足して生活しておりますが、物価の上昇や医療費や介護の増加で、いつまで貯金がもつかなという状況です。給付金などが支給されるのは大変助かりますと。質問でご紹介した方以外にも、こうした声、寄せられております。 質問でも述べさせていただきましたが、北区に追加交付されます地方創生臨時交付金は四億七千万円あります。今回の補正予算で示されているエネルギー・食料品等価格高騰支援給付金等も含めた区独自の物価高騰対策、これトータルで見ますと三億四千万円です。その残額がまだ一億二千万円あります。 先日の全員協議会の説明では、九月の補正予算での活用を検討と伺っております。私は今紹介した皆さん、こうした皆さんへさらなる給付金の対象拡大、ぜひお願いしたいと思いまして、再質問、ここはしたいと思います。 それから、二つ目なんですが、今、学校給食の無償化が急速に広がって、義務教育無償化にする、これさらに大きく進めていく流れになっていると感じています。そして、北区でできることとして、私は具体的に就学援助を充実させていく、このことだと思っています。 先ほど、一つは基準額を引き下げること、そしてもう一つは、漏れることのないよう、周知などに工夫をしてほしいということを求めさせていただきました。 ご答弁の中で、記載の方法、周知の工夫について、研究をしていくというお答えでしたが、世田谷区のほうの紹介をさせていただくと、やはり所得のほかに給与収入がこの就学援助のお知らせには記載をされております。やっぱりなかなかサラリーマン世帯だと、所得と書かれても分かりにくい場合があると思いますので、ぜひ所得換算ぐらいはこのお知らせに記載していくことを検討できないか、これ再質問したいと思います。 そして、先ほど認定基準そのものの引上げは今考えていないと、そうしたご答弁でした。さきの予算特別委員会の質疑でも、この就学援助の認定率、平成十七年がピークで、小学校は三〇・五六%、令和四年度は小学校一四・九八%と、中学校も三七・九%が令和四年度二六%と、特に小学生は約半減しています。これって教育費の無償化は後退しているんじゃないかというふうに思います。 その一方で、文科省の二〇二一年度の子どもの学習費調査によれば、子どもが小学校から高校を卒業するまでにかかる教育費は、全て公立に通っても五百二十七万円、十年前と比較して九十三万円も増えています。また、小・中学校で使う学用品や制服、通学費といった学校教育費など、小学生で平均十万円、中学生で十七万円です。 先ほどは奨学金のところでは、教育費の負担感、他区に比べても大きいというお話、ご答弁もいただいているんですが、やはり今、親の収入が多少増えたとしても、住宅ローンの支払いに追われたり、教育費の負担増に追いついていないのが現状ではないかと私は思っています。 この就学援助の制度、認定率をどんどん上げていただいて、義務教育の無償化に近づけていくには、やっぱり認定基準額自体を引き上げて、該当する人を増やしていくことが今求められていると思います。このところ、今、考えていないというご回答だったんですが、就学援助の認定基準の引上げ、このことは強くこの場でも要望をしておきたいと思います。 それから、もう一つなんですが、特定整備路線補助八十六号線の件です。 先ほどの地下流水シミュレーションの結果なんですが、地元に丁寧な対応ということで、まだ調査中というお話もあったんですが、私はやはり、すごく心配をしていると。この道路工事、下水管の新設の調査の資料でも、試掘時に地下水が湧出というふうな、そういった資料も目にしていますし、この道路工事によって住民が心配している地盤沈下、こういったものが全くないとも言い切れないのではないかと思っています。 やっぱり住民は地盤沈下などが起こらない確証や説明を求めていると思いますので、私はぜひ丁寧な対応と言われているんですが、この調査結果、住民に結果を知らせることは必要だと思いますので、ぜひ、このところは説明することを東京都に求めてほしいと思います。これ再質問いたします。 それから、もう一つ、区長、ぜひ足を運んでというお話をさせていただき、その中で必要な道路というふうに認識をしているというふうに私は捉えたんですが、私はやっぱり、山田区長の現場主義、直接意見交換の姿勢にとても期待をしております。この特定整備路線補助八十六号線で特に特徴的なのは、やはり赤羽自然観察公園と赤羽スポーツの森公園の間の道路計画地だと思っています。ここは都会にあって、なかなか緑があふれる貴重な場所です。道路予定地なんですけれども、今、広大な原っぱになっていて、公園の一部として区民に開放され、近隣の保育園の子どもたちは車の心配なく遊べたり、二つの公園を自由に行き来できています。また、この公園の特色でもある湧水、湧き水です。こうしたのも、こういった緑地がないと、湧水の仕組みからして、例えば道路にするためコンクリートで覆ってしまうと、湧水も枯れてしまうんじゃないか、そうした心配もあり、この公園付近の風景も、環境も一変してしまうのではないかという思いがあります。 住民からは、公園に大きな道路が通ってしまえば、今までのように子どもを安心して遊ばせることはできません。公園のスペースが限られてしまうことにより、たこ揚げや自由に子どもを走らせるといったこともできなくなってしまいます。赤羽自然観察公園が好きだから潰さないでほしいという住民の思いを置き去りに道路計画が進んでいることに対しては信じられない思いですという声があります。 この住民の置き去り感、これ二〇一二年に特定整備路線について、東京都より区に意見照会があったとき、補助八十六号線の赤羽西地域について、前区長のとき、地元住民の意向は白紙のままで回答されております。住民の置き去り感、こういったところにも表れております。 先ほど必要な道路という認識だと思う答弁があったんですが、ぜひ私は、区長には計画地に足を運んで、実際に見てもらえば、やっぱりどれだけ子どもたちとか区民に愛されている場所なんだなということが分かって、そういう場所を壊してしまう道路であると、そういうのを実感できるのではないかと思うんですが、そこで聞きたいんですけれども、この認識、必要な道路という認識、現地に足を運んで、そして、こういった声を聞いた上でも、必要な道路との認識なのか、このところをお答えください。 以上、四点お答えください。
◎政策経営部長(中嶋稔政策経営部長) (説明員) 私のほうから一点目のご質問にお答えいたします。 エネルギーや、また物価の価格高騰が続く中で、区民生活、特に所得の低い方を中心に生活が厳しくなっていること、十分に承知しているところでございます。そうした中で、今回、六月補正予算を計上していく中で、給付の対象を拡大して対応させていただきました。現在はこういった方々にまず漏れなく迅速に給付していくことが必要だと思ってございます。先ほど区長から答弁させていただきましたが、現時点で給付の対象の拡大は考えてございません。 一方で、全員協議会の中で財政課長からも話をしましたとおり、地方創生臨時交付金、あと一億二千万円から三千万円程度、残額がございます。こちらにつきましては、九月補正予算での計上を考えてございます。必要な支援策、しっかりと検討させていただければと思ってございます。 以上です。
◎教育振興部長(小野村弘幸教育振興部長) (説明員) 私からは、就学援助の手続についてのご質問にお答えさせていただきたいと思います。 議員からご紹介ありました就学援助、世田谷区の手続の書類等について私も拝見させていただいております。北区のほうも様々な情報を載せさせていただいて、お知らせを出しております。世田谷区さんの事例、かなり情報が込んでおるかなというふうに思っておりまして、どこまでの情報を分かりやすく伝えるかというところにつきましては検討が必要かなと思ってございますが、ご紹介いただいたような所得換算等のことなども含めて、先行自治体の取組、研究させていただきたいと思います。
◎防災まちづくり担当部長(安間三千雄防災まちづくり担当部長) (説明員) 私のほうからは、都市計画道路の補助八十六号線(赤羽西地域)のご質問について、再質問についてお答えさせていただきます。 まず、一点目の地下水のシミュレーション、調査結果の説明を都に求めてほしいというところでございますけれども、まず、この調査につきましては地下水への影響、先ほど区長のほうからもご答弁させていただきましたとおり、現在の地下水への影響を評価するためのデータを収集する、そういった調査をしているところでございまして、まだ調査中というところでございます。 繰り返しになりますけれども、やはり今の区としても、周辺の影響に配慮するように東京都に求めていたところでございまして、地元に対しても丁寧に対応するよう引き続き東京都に求めてまいります。 二点目、こちら、補助八十六号線、必要な道路というところに関してでございますけれども、こちらも先ほど区長からもご答弁させていただきましたとおり、この道路はやはり延焼遮断帯の形成ですとか、震災時の安全な避難の確保等々、地域の防災性向上を図る上で不可欠な道路であると、このように考えてございます。 区といたしましては、こちら、やはり都施工道路、東京都が事業者でございますので、様々な意見、今日いろいろ、るるいただいたご意見、こういったところにつきましても、東京都のほうにしっかりとお伝えはさせていただきますけれども、地元に対して、繰り返しになります、丁寧な対応をしっかりと行うように東京都に求めてまいりたい、そのように考えてございます。 以上でございます。
◆十一番(永井朋子議員) ご答弁ありがとうございました。 道路のことなんですけれども、丁寧な説明をしていただくというのもぜひ対応してほしいというふうに切に思いました。私、質問の中で、奨学金の返済、十兆円という話をさせていただいて、その一方で軍事費に四十三兆円もお金を捻出する、こういった捻出ができるのであれば、奨学金の返済をなくす、せめて半額にすることができる、このことでどれだけの若者に希望を持たせることができるかと思います。 私は、戦争のために武器を大量に購入し、戦争準備をするより、どの世代も安心して暮らしていける、これこそ財源を確保してやらなければならないと思います。答弁の中では、ただ単に国会で可決、成立した法律という認識だけのお答えだったんですけれども、その中身、また、そのお金の使い方が自治体も区民も我慢を強いられる、本当にそれでいいのかがこれから厳しく問われていくことだと、このことを指摘しておきたいと思います。 また、先ほど暮らしを支えるために、地方創生臨時交付金を使ってほしいという話をさせていただきましたが、こうしたお金、ぜひ活用してこそだと思っています。区民の、先ほどの言葉を借りれば、そのような人にも心を寄せる。例えば違憲判決が出ているにもかかわらず、生活保護基準が引き下げられたままの生活保護の方、また、電気代高騰でクーラーをつけるのをためらっている方、給付金の対象外で生活が苦しい方など、私はぜひ、そういった方々に心を寄せる北区になっていただくこと、このことを強く求めて、私からの質問を終わりにしたいと思います。 ありがとうございました。(拍手)
○議長(大沢たかし議員) 議事の都合により、休憩します。 再開は一時五十五分です。 午後零時五十二分休憩
----------------------------------- 午後一時五十五分開議
○議長(大沢たかし議員) 会議を再開します。 質問を続けます。 三十一番 花見たかし議員。(拍手) (三十一番 花見たかし議員登壇)
◆三十一番(花見たかし議員) 立憲クラブの花見です。 立憲クラブを代表いたしまして、山田区長、清正教育長に質問をいたします。 まず初めに、四月の区議会議員選挙において立憲民主党所属の四名が当選させていただき、立憲クラブとして会派をスタートいたしました。 大変多くの皆様方にご支持いただいたことに改めて感謝申し上げるとともに、今後とも区民の負託に応えられるよう全力で取り組んでいく決意でございます。今後とも、よろしくお願いいたします。 それでは、質問に入ります。 四月の区長選挙で二十年ぶりに山田新区長が誕生いたしました。 先ほどの施政方針及び所信表明では、「みんなで創る。北区新時代」を基本姿勢とし、誰か一人ではなく、みんなが豊かさを感じることのできる温かな北区、そして全ての区民が輝くまち北区を築き上げていくとおっしゃられておりました。 社会経済情勢や多種多様化する行政ニーズの変化など、新たな時代への対応に北区民が新区長に期待をする一方、これからの北区をどのようにかじ取りしていくのか、どのように改革を進めていくのか、多くの区民が注視いたしております。 そこで、以下四点についてお伺いをいたします。 一、まず初めに、区長自らが目指す北区政のリーダー像をお示しください。また、ご自身に課すミッションや目標、心がけることなども併せてお伺いをいたします。 そして、花川前区長体制から何を発展させ、何をどのように改革を進めていくのか、お伺いをいたします。 二、区長が公約に掲げた百五十の政策、今後政策を実現する具体的なプランをお示しするとのことでありました。 そこで、大変多岐にわたる政策でありますが、おおむねどれぐらいの財源が必要になってくるのか、お伺いをいたします。また、財政調整基金の運用を見直して財源を生み出すとありますが、どのように見直しをして財源を生み出すのか、お伺いをいたします。 三、今定例会で区長の退職金廃止条例案が出されております。 区長の公約の中で、一期四年で二千三百万円支給される区長退職金を廃止となっておりましたが、山田区長が仮に次回再選されたときにも同じ対応、考えになるのか、お伺いをいたします。 四、これまでの法人住民税の一部国税化、地方消費税の清算基準の見直し、ふるさと納税など、不合理な税制改正による影響が特別区、そして北区の財政運営に深刻な影響を及ぼしております。 地域間の税収格差の是正は地方税の原則をゆがめることなく、国の責任において行われるべきであり、撤回を求めていくべきであります。区長の力強いご決意をお伺いをいたします。 次に、北区の未来を担う子ども、子育て政策について、まずは子どもを取り巻く諸課題についてお伺いをいたします。 子どもの権利条約批准から二十九年がたち、少子化は予想を上回るペースで進み、児童虐待やいじめ、不登校など、子どもを取り巻く状況は待ったなしであります。 国としても、こども家庭庁を創設し、こども政策を推進する体制の強化を図り、こどもに関する取組を政策の真ん中に据えていく方針が示されております。 区長も、こどもまんなか応援サポーターへ就任されたということで、北区においても子どもの育ちを保障し、最善の利益につながる環境を整えていく責務があります。 そこで、以下四点についてお伺いいたします。 一、北区では子ども・子育て支援計画2020、子どもの未来応援プランの現行二つを合わせた(仮称)北区子ども・子育て支援総合計画の策定を進めておりますが、子ども・子育て支援計画2020の成果と課題について、また(仮称)北区子ども・子育て支援総合計画の目指すべき姿についてお伺いをいたします。 そして、計画の中で教育ビジョンや障害者福祉計画等との連携や具体的なつながりはどのようになっているのか、お伺いをいたします。 二、子どもを取り巻く課題の一つであるヤングケアラーについては、子どもが過度のケアを担う状況もあり、ケアをする子どもへの支援の視点が欠かせません。 各地でケアラー支援条例の制定が見られますが、北区としてヤングケアラーの実態把握をいかに進めていくのでしょうか。また、家庭内でケアをする側を支えるための考えを明確にすべきと思います。ご見解をお伺いいたします。 三、生活困窮世帯、ひとり親世帯等の中学生に対して、学習支援みらいきたは令和五年度で定員二百五十名、九会場での実施であります。 受験に向けた学習習慣の定着及び学力向上のためにも、各中学校区十二か所での教室数の増加を目指していくべきと考えますが、ご見解をお伺いいたします。 四、北区では子ども医療費や小・中学校の給食費無償化など、先進的に子育て施策を進めてきましたが、さらに子ども、未来への投資を拡大すべきと考えます。 子ども、未来への投資を区政の軸に位置づけ、その財政的裏づけとして百億円程度の(仮称)子ども未来基金を創設してはいかがでしょうか。ご見解をお伺いいたします。 次に、学校の部活動についてお伺いをいたします。 中学校の部活動については、少子化による部活動の減少や教員の働き方改革などから、部活動の地域移行が進んでおります。 部活動の地域移行に当たっては、地域の子どもたちは学校を含めた地域で育てるという認識の下、地域の実情に応じ生徒のスポーツ文化芸術活動の最適化を図りながら体験格差を解消することが重要であり、学校の働き方改革を推進して学校教育の質の向上を目指すとしております。 そこで、令和四年十二月にスポーツ庁から学校部活動及び新たな地域クラブ活動の在り方等に関する総合的なガイドラインが示されました。まずは休日における地域の環境整備を推進し、平日はできるところから取り組み、休日の進捗状況等を検証し、さらなる改革を推進することとなっております。 そして、令和五年度から七年度までの三年間を改革推進期間として、地域の実情に応じて可能な限り早期の実現を目指すことになっております。 そこで、以下三点についてお伺いをいたします。 一、今年度から改革推進期間となっておりますが、北区の現状の課題と方向性について、また部活動指導員と部活動指導補助員の配置状況についてお伺いをいたします。 二、学校部活動の地域移行に向けては、学校と地域が共同、融合した形での環境整備を進めるため、各種団体との連携、協力が不可欠かと思っております。 そこで、各種スポーツ経験者や指導者を有する北区体育協会加盟団体や総合型スポーツクラブ、日テレ・東京ヴェルディベレーザ等との連携強化を図るべきと思います。ご見解をお伺いいたします。 三、現在各学校での部活動指導員は基本的に一学校に一人であります。今後、子どもたちの多様な体験機会を確保するためにも、そして部活動の地域移行を段階的に進めていくためにも、部活動指導員の配置数を増やしていく必要があると考えております。北区としてのご見解をお伺いいたします。 次に、高齢者が安心して暮らせる地域づくりについて、まずはシニアクラブについてお伺いをいたします。 新型コロナウイルス感染症の蔓延により、シニアクラブの活動も様々な影響があったかと思います。仲間で集う機会が失われ、今まで培ってきたクラブのつながりを継続することが難しくなり、また外出を控えることにより高齢者の方の心身の活力の低下が心配されておりました。 やはり、日常的に適度な運動と地域・社会とのつながりや交流、そして気軽に参加できる通いの場があることが非常に重要であることは言うまでもありません。 そのような中、シニアクラブでも仲間同士で声をかけ合い、知恵を出し合い、つながりを途絶えさせないように、輪投げやグラウンドゴルフ、体操など、活動を再開されているクラブが増えてきております。 そこで、以下三点についてお伺いいたします。 一、コロナ禍の影響がある中、シニアクラブの活動状況、課題等をどのように捉えているのかお伺いをいたします。また、役員の方々の事務量が増えないよう、事務作業の軽減化をどのように図っているのか、お伺いをいたします。 二、健康寿命に寄与するニュースポーツ普及に対して区としても積極的に財政的支援を行っていくべきと思います。グラウンドゴルフ場の整備推進と併せてお伺いをいたします。 三、各シニアクラブにおいて様々な活動を実施していただいていると思いますが、各シニアクラブによって活動の差が生じているのではないかと思っております。北区としてどのように認識しているのか、また今後の対策についてお伺いをいたします。 次に、地域密着型サービスについてお伺いをいたします。 地域密着型サービスとは、今後増加が見込まれる認知症高齢者や中重度の要介護高齢者等が、できる限り住み慣れた地域で生活が継続できるように市区町村指定の事業者が地域住民に提供するサービスであります。二〇〇六年四月の介護保険制度改正により創設され、従来の在宅介護などでは行き届かなかったニーズに応じたきめ細かなサービスを提供しているかと思います。 一方で、地域密着型サービスを運営する側の事業者からすると、そもそも定められている施設定員が少ない上に介護報酬も低いことから、採算が取れないということも指摘されておりました。 また、介護業界の慢性的な人手不足という状況に加え、地域密着型サービスの魅力であるきめ細やかなサービスを担保するためには、長時間サービスの提供に加え、サービス内容の対応範囲を広げる必要があり、介護職員一人一人の負担が大きくなってしまうことも問題と言われております。 そこで、以下四点についてお伺いをいたします。 一、地域密着型サービスの全体の利用実績と今後の見通しについて、また各事業所に対して区及び高齢者あんしんセンターは具体的にどのような支援を行っているのか、お伺いをいたします。 二、地域密着型サービスを利用すると、従来のケアマネジャーではなく、利用する事業者に所属している新たなケアマネジャーがケアプランを作成することになります。必然的に従来のケアマネジャーとの関わりは薄くなってしまうために不安に思う利用者もいらっしゃるかと思いますが、区としての対応をお伺いいたします。 三、定期巡回・随時対応型訪問介護看護と小規模多機能型居宅介護については、整備がなかなか進んでいないと伺っております。進捗状況と区の取組についてお伺いをいたします。 四、グループホームは、そもそもの制度設計において、利用者は身体的自立度の高い要介護一から三の認知症の状態にある方が想定されておりました。 二〇二〇年十月に開催された介護給付費分科会の資料によると、グループホーム利用者の平均要介護度は二・七四で、利用者の割合は七〇・八%が要介護一から三の方となっております。しかし、利用者の入居期間の長期化に伴って、老化や認知症の進行など、介護度の重度化が進んでいく可能性があります。 そこで、グループホームと医療機関との連携や看護職員の配置等が必要になってくるかと思いますが、現状と取組についてお伺いをいたします。 次に、特殊詐欺の被害防止についてお伺いをいたします。 オレオレ詐欺など、特殊詐欺の昨年の被害額が前年を二八・二%上回って、八年ぶりに増加に転じたことが警察庁のまとめで分かりました。 特殊詐欺グループの幹部らには捜査が及びにくく、トップの検挙率が全体の一・九%にとどまることが被害が減らない要因の一つになっているとのことであります。 高齢者等の社会的弱者を主な標的として、綿密な犯行計画を立てて周到な役割分担を行うことで被害者を信用させ、組織的な犯罪として実行されております。 ここ近年は、医療費などが戻ると偽り、ATMを操作させて振り込ませる還付金詐欺や身内などをかたるオレオレ詐欺、警察官などを装った電話でキャッシュカードが不正に使われたと偽り、被害者宅を訪れてカードをすり替えて盗む手口の被害が増えているとのことであります。 北区においても、特殊詐欺被害件数は今年一月から四月までで二十八件、被害総額は約七千五百万円と大変多額になっており、犯罪被害を未然に防ぐための対策強化が求められているかと思います。 そこで、以下四点についてお伺いをいたします。 一、北区の特殊詐欺被害の特徴、傾向についてお伺いをいたします。 二、北区では、自動通話録音機の貸出しや防災行政無線で注意喚起などをしておりますが、高齢者が集う場所に指導員が出向き、特殊詐欺についての講話の実施や区から発送する手紙に注意喚起文を同封するなど、取組の強化をしていくべきと思いますが、いかがでしょうか。 三、品川区では高度化するオレオレ詐欺などの特殊詐欺を防止するため、人工知能(AI)を利用した特殊詐欺対策アダプタの設置補助事業を始めております。 電話機と電話回線の間に本アダプタを設置することで通話内容を録音し、通話内容から詐欺の危険性があるときには、事前に登録した連絡先と区の生活安全担当に通知されます。通話した本人以外にも危険性が通知されるため、被害の未然防止につながるとのことであります。 そこで、北区としても特殊詐欺対策アダプタの設置補助事業を実施すべきと思いますが、ご見解をお伺いいたします。 四、特殊詐欺に関わるかけ子や受け子と呼ばれる加害者は、十代から三十代の若年層が多くなっております。犯罪に加担して、末端で切り捨てられる若年層は、高額バイト、簡単高収入などの闇バイトに安易な気持ちで加わってしまうことがあります。 そこで、例えば学校の授業の中で、専門家による闇バイトの実態や若者が犯罪集団に取り込まれないための出張授業、またアルバイトを行う上での留意すべきことなど、法教育授業を積極的に実施していくべきと考えます。ご見解をお伺いいたします。 次に、区民の暮らし、生活を支える施策についてお伺いをいたします。 まずは、生活保護を申請する上で一つの壁と指摘されている扶養照会についてお伺いをいたします。 家や仕事を失っても家族に知られたくないと保護申請を諦める人は少なくありません。親族に知られたくないという理由で、シングルマザーや若い世代などで保護の申請をためらうケースがあります。扶養照会は、家族・親族の支え合いではなく、生活困窮者を追い詰める要因にもなっております。 こうした中、厚労省は二〇二一年、援助が期待できない扶養照会は不要と判断する際の具体例を改めて整理し、DV(家庭内暴力)や児童虐待が背景にある場合のほか、家族がおおむね七十歳以上の高齢者や専業主婦である場合、また十年程度音信不通など、著しく関係が悪い場合などの具体例を示しました。 さらに、本人が扶養照会を拒んでいる場合の対応については、丁寧な聞き取りをした上で、扶養照会が不要なケースに当たるかどうかを検討するよう求めております。 そこでお伺いいたします。 北区の生活保護受給世帯のうち、扶養照会の件数、ここ三年分をお示しください。 また、扶養照会に関しては、厚労省が示した扶養照会が不要となる具体例だけではなく、本人が扶養照会を拒んでいる場合なども慎重な運用を求められておりますが、扶養照会をどこまでするかは自治体の判断に委ねられたままであります。北区として現状どのような対応になっているのか、お伺いをいたします。 そして、申請時に扶養照会が困難な理由を記載する申出書を作成して、申請書類と一緒に記載する仕組みを検討すべきだと思います。ご見解をお伺いいたします。 次に、給付型奨学金についてお伺いいたします。 日本の大学生の半数は、何かしらの奨学金を借りて大学等に行っております。奨学金は貸付けが大半で、卒業と同時に返済していかなければなりません。 そこで、足立区では新年度、給付型奨学金を新しくスタートいたしました。これまで足立区は大学生等に無利子で貸付けを行っておりましたが、年々利用者が減ってきており、利用者から返済が不安、大変などの声や検討委員会でも給付型の奨学金は活用促進に有効であるとの意見があったことから、制度を大きく見直しをいたしました。 給付は、入学金・授業料・施設整備費の全額で、私立理系へ進学した場合、四年間で八百三十万円を上限に給付する計算となります。また、年収要件を四人世帯の目安で八百万円以下と広く設定し、国からの給付金などの支援を受けることができない中間所得層にも手厚く支援をしております。 第一期の募集では二十名の募集に対して百九十一名の応募があり、第二期も同じように多数の応募があったとのことであります。 一方、北区では経済的理由により高校などへの就学が困難な方に奨学資金貸付制度を実施しており、公立で年間十万円、私立で一年生時年額二十万円または三十万円の選択、二年生時からは年額十万円か二十万円の選択となっております。 そこでお伺いをいたします。 北区の奨学資金貸付制度の利用実績についてお伺いをいたします。 そして、生まれ育った環境によって子どもたちの将来が左右されることがないよう、また「子どもの幸せNo・1」を目指す北区でも給付型奨学金について実施していくべきと思います。ご見解をお伺いいたします。 次に、重層的支援体制整備事業についてお伺いをいたします。 令和三年四月に、社会福祉法の改正により重層的支援体制整備事業が施行されました。本事業は、市区町村において、既存の相談支援や地域づくり支援の取組を生かし、子ども、障がい、高齢、生活困窮といった分野別の支援体制では対応し切れないような地域住民の複雑化、複合化した支援ニーズに対応する包括的な支援体制を構築するため、Ⅰ、相談支援(まずは相談を断らない)、Ⅱ、参加支援(社会とのつながりを段階的に回復する支援)、Ⅲ、地域づくり(地域での交流の場などの整備に関する後方支援)を一体的に実施するものであります。 現在、区では、社会福祉協議会のコミュニティソーシャルワーカーや高齢者あんしんセンターが、区民の複雑化、複合化した支援ニーズに対応するため、包括的な福祉サービスの提供体制を整備することが求められているかと思います。 そこでお伺いいたします。 生活困窮、子ども、介護、障がい、保健、医療など関係部課の横断的な支援を行うためソーシャルワークスキルを有するコーディネーターを配置し、重層的支援体制整備事業を実施すべきと思いますが、ご見解をお伺いいたします。 次に、東十条駅周辺の取組についてお伺いいたします。 まずは、東十条駅南口駅前整備についてです。 そもそもの計画は、十条跨線橋の架け替えと併せて東十条駅南口駅前にデッキ形式の駅前広場を新設し、東十条側と中十条側にエレベーターを設置する整備計画を策定しておりました。 しかし、平成二十七年度に入ってからは、JR及びJRの運行システムに必要な電気系統への影響調査が不十分であり、基本協定締結には至らず、その後、再度協議、調整を行い、平成二十九年に一定の計画の方向性と駅前整備の図面が示されました。しかし、多額の建設費用がかかってしまうとの理由で計画は白紙に戻っております。 大変長年にわたっての経緯があり、地域住民からも、計画は進んでいくのでしょうか、どれだけ時間がかかるのでしょうかなどなど、問合せや要望が多々出ております。 そこで、以下三点についてお伺いいたします。 一、令和三年度から十条跨線橋の架け替えに向けた影響検討調査をJRに委託しており、令和四年度中には一定の方向性が出せるよう協議しているとのことでありましたが、どのような方向性になったのかお伺いをいたします。 二、地域住民が強く要望しているのはバリアフリーの推進であります。東十条駅南口周辺のエレベーター等の設置を早急に進めていただきたいと思っております。検討状況をお伺いいたします。 三、京浜東北線の車両基地として機能していた下十条運転区は、二〇一六年に廃止となりました。現在でも建物と留置線が残っており、留置線は廃止前と同様に車両の留置に使われております。 そこで、北区都市計画マスタープランでは旧下十条運転区跡地を含む東十条駅周辺の整備を促進し、安全で利便性の高い交通環境の形成を図りますとなっております。十条跨線橋など、東十条駅南口周辺整備との関連性について、また今後の方向性やビジョンについてお伺いをいたします。 最後に、北清掃工場の建て替え工事についてお伺いをいたします。 北清掃工場の建て替え工事については、工期が令和五年二月から令和十二年二月までの七年間、大変長期にわたり、これから本格的な解体工事になってくるかと思います。 本格化する解体・建て替え工事の最大の懸案は、騒音、振動、粉じん対策かと思っております。志茂、神谷地区は高齢者が多く、また近くに学校もありますので、地域からは心配の声が多く寄せられております。 会派としても、以前から全覆い仮設テントの設置を要望しておりましたが、北清掃工場の敷地形状や地下部分の構造等から、全覆い仮設テントの設置は技術的に困難であるとのことでありました。 その後、東京二十三区清掃一部事務組合からは、工場棟南側をワイヤーソーで切断する手法で、まずは南側を先行解体し、その後工場棟北側を仮設テントで覆い解体工事を行うとの説明があり、可能な限り粉じんの飛散や騒音、振動を抑えられる工法とのことでありました。 そこで質問をいたします。 一、これから本格化する解体工事に当たって、住民からの相談窓口を分かりやすいように明示していただきたいと思います。 二、解体工事作業計画では、原則として月曜日から土曜日の午前八時から午後六時までとなっておりますが、国土交通省と日本建設業連合会によって建設業界の週休二日制導入が働き方改革によって推進されております。 日本建設業連合会によると、二〇二三年度末までに四週八閉所の実現を目指し、二〇二四年度は四週八閉所が定着しているか確認する年としておりますが、つまりは建設現場においても週休二日制の導入を推進することになっております。 その流れからも、原則として月曜日から土曜日ではなく、原則月曜日から金曜日にして、どうしても工事が必要なときは例外的に土曜日に工事を実施するべきと思いますが、ご見解をお伺いいたします。 三、近隣には小学校や保育園があり、朝の時間帯は多くの子どもたちが通園、通学いたします。通学の時間帯から工事車両の搬入時間を少しずらすか、もしくは分散するなど、安全面での対策を行っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 四、今後工事を進めていく中で、様々な意見、要望が地域の中から出てくるかと思います。地域住民との協議の場を定期的に実施していただきたいと思いますが、ご見解をお伺いいたします。 以上をもちまして質問を終わります。 ご清聴、誠にありがとうございました。(拍手) (山田加奈子区長登壇)
◎区長(山田加奈子区長) ただいまの立憲クラブを代表して、花見たかし議員からのご質問に順次お答えさせていただきます。 初めに、私が進める新たな区政について順次お答えします。 まず、私が目指す区政のリーダー像についてです。 今、北区政に求められているリーダーには、勢いと躍動感あふれるより良い北区を実現するための大きな夢を抱き、多くの区民の皆様とその思いを共に語り、共有することが求められていると思います。 その上で、国や東京都、多くの地域の方々と横や縦の連携を取りつつ、財源の裏づけをもって、時代に先んじ、一歩先を行く政策を強い理念と覚悟を持って実現していく必要があると考えています。 私は、区長として、区民のためにどうか、区民のための政策をどのようにすれば実現できるかを第一に考え、現場主義と双方向主義を諦めることなく貫いていくことを自らに課してまいります。 これからの区政運営は大きな視点とスピード感が必要と考えており、行政としての堅実さを保ちつつ、急速な時代の変化に合わせることができる柔軟な体制づくりが必要と考えています。 また、百五十の政策については、北区の力だけではなく、国や東京都との連携強化や公民連携の力も生かし実現するものだと考えており、政策実現に必要な財源について今後丁寧に精査をしてまいります。 なお、財政調整基金の運用については、北区公金管理運用方針に基づき、現在は基金全体を一つの勘定とみなす総合的運用管理を行っており、大口定期預金や地方債の購入などを基本としています。 財源確保に資する基金運用においては、安全性・流動性を確保した上で、これまで以上に収益性や社会的意義を重視し、定期預金と債券の割合をバランスよく見直すなど、財源を生み出すための取組を積極的に進めてまいります。 運用の見直しに当たり、金融情勢等に応じた的確な判断が求められることから、北区公金管理委員会における専門的知識を有する外部の有識者からの情報や意見などと調整を図りながら、運用収入を増やすための工夫と努力を重ねてまいります。 次に、区長退職金についてです。 今定例会において、私の選挙公約を実現するため、北区長の退職手当の特例に関する条例を提出いたしました。この条例は、私の現在の任期における退職手当を支給しないこととするものです。 一方で、今後の区長退職手当の廃止・見直しにつきましては、まず退職手当の趣旨や性格など、十分な議論が必要だと認識しています。このため、他自治体の状況を把握した上で、区民の皆さんも含めた議論へ進めてまいりたいと存じます。 次に、国に不合理な税制改正の撤回を求めるべきについてお答えします。 これまで国により、地方創生の推進と税源の偏在是正を名目とした不合理な税制改正が繰り返されてきました。地方税を国税化して再配分する手法は地方税の本旨を無視したものであり、到底容認できるものではありません。本来、地方財源の不足や地域間の税収等の格差は、国の責任において調整すべきものと考えています。 特別区長会としては、不合理な税制改正に対する特別区の考え方を整理し、広く正当性を公表しています。また、国への要望活動などの機会を捉え、早期に見直しを図るべきと申入れを行っています。 引き続き、特別区長会が一丸となり、東京都とも連携をし、税制改正の不合理性を表明し、国に見直しを強く求めてまいります。 次に、子ども未来基金の創設についてお答えします。 北区では、これまできめ細かく、そして切れ目のない様々な子育て施策を展開してきました。そして、このたび新たに区立小・中学校や公私立幼稚園等の給食費無償化を恒久化して実施するなど、さらなる子育て支援の充実を図ることとしています。 子育て施策の取組については、事業実施に必要な特定財源を確保した上で、財政調整基金を含めた一般財源で対応していくものと考えています。 ご提案いただきました子ども未来基金の創設は考えておりませんが、引き続き財源の確保に努めた上で積極的な子育て施策を展開してまいります。 次に、高齢者が安心して暮らせる地域づくりについてのご質問にお答えいたします。 まず、シニアクラブについてです。 区が活動の一部を補助する会員三十名以上のシニアクラブは、令和二年四月の百二十一クラブから、令和五年四月時点では百十一クラブに減少しています。 減少の理由は様々考えられますが、会員の高齢化による会員数の減少のほか、クラブ役員等の担い手の減少があると捉えており、今後はコロナ禍における長期間の活動自粛の影響も出てくると考えています。 長期間の活動自粛がどの程度影響するかは今後の活動の再開状況などを見極める必要がありますが、活動再開に際しても担い手の確保が課題になると捉えています。 次に、各シニアクラブの活動の差についてです。 各クラブの会員数や高齢化に伴いクラブ運営を担う役員の減少などにより差が生じている面もあると捉えています。 シニアクラブ連合会においても、他自治体の連合会との意見交換の機会を設けノウハウを共有するなど、新たな会員を増やすための取組の参考にしていると聞いていますが、区としても高齢者が参加する行事などでシニアクラブの案内をするなど、加入促進の取組を後押ししてまいります。 また、シニアクラブ役員の事務作業の負担も、クラブ活動の継続に影響すると考えられます。 事務負担の軽減については、東京都の老人クラブ活動継続支援事業補助金をご案内しています。この制度は、シニアクラブの事務を支援する人材の派遣などをする制度で、事務負担の軽減に資するものと考えていますが、これまで北区での申込実績はありません。今後、他区における事例を紹介するなど、活用を図ってまいります。 次に、ニュースポーツ普及への財政支援とグラウンドゴルフ場の整備推進についてです。 区では、ニュースポーツ普及のための体験会などを北区スポーツ推進員協議会のスポーツ推進員が主体となって実施しており、その際に利用する道具等の購入費用や施設使用料を区が負担するなど、財政支援を行っています。 また、グラウンドゴルフ場の整備の推進については、これまでも既存の多目的広場などでグラウンドゴルフが利用できるよう環境を整備してまいりました。 さらに、今年九月に新設する豊島五丁目グリーンスポーツ広場内の多目的広場でもグラウンドゴルフができるよう整備してまいります。 今後も、健康寿命に寄与するニュースポーツが楽しめるよう環境整備を推進してまいります。 次に、地域密着型サービスについてのご質問にお答えいたします。 初めに、利用実績と今後の見通しについてです。 地域密着型サービス全体の利用実績は、直近の令和五年一月時点で千七百十三名となっています。 今後の見通しですが、サービス受給者数の推移や区内の認知症高齢者グループホームの利用率の動向、また第九期介護保険事業計画の策定における要介護認定者数の推計などに基づき、適切な需要を見込んでまいります。 また、各事業所への区及び高齢者あんしんセンターの支援ですが、各事業所では地域の方や民生委員、医療機関、近隣の介護事業所、利用者のご家族が出席する運営推進会議を開催しており、区及び高齢者あんしんセンターの職員も出席しています。地域との連携強化や地域の課題などの情報を共有するとともに、地域に根差した事業所運営ができるよう助言を行っています。 次に、ケアマネジャーの交替による利用者の不安への対応です。 地域密着型サービスの利用に際しケアマネジャーが交替することがありますが、利用者やその家族が安心してサービスを利用するためにはケアマネジャー間の十分な引継ぎが重要であることから、ケアマネジャーの会や事業者連絡会などにおいて引継ぎの重要性について周知を図り、利用者の不安軽減につなげてまいります。 次に、定期巡回・随時対応型訪問介護看護と小規模多機能型居宅介護の整備状況であります。 区では、令和四年に公募を実施、それぞれ一法人の申込みがありました。定期巡回・随時対応型訪問介護看護サービスについては、滝野川地区での開設が決まり、本年の秋頃の開設に向けて準備を進めているところです。 今後、東京都の開設準備補助金の申請などの支援をしてまいります。 また、今年度も五月から公募を行っており、数件の問合せを受けています。 次に、グループホームと医療機関の連携や看護職員の配置の現状についてです。 認知症高齢者グループホームについては、介護保険法において協力医療機関を定めることとされていることから、各事業所において適切に対応されていると認識しています。 看護職員の配置基準はありませんが、必要な看護師の配置の後押しとして、利用者の状況に応じた医療ニーズへの対応ができる看護体制を整備した事業所への医療連携加算が設けられています。 現在、十六か所のグループホームのうち、十三か所の事業所において加算を取得しており、看護職員による連携や配置は重要と考えております。今後も介護報酬改定の情報等、周知に努めてまいります。 次に、特殊詐欺防止のうち、まず北区の特殊詐欺の特徴、傾向についてお答えします。 区内では、今年に入り五月末までに三十一件の特殊詐欺被害が発生しており、主に高齢者を狙った振り込め詐欺や架空料金請求詐欺、還付金詐欺などの被害が多く、被害総額は約八千四百万円となっております。 また、昨年の同時期と比較しますと被害件数は約十件減少しているものの、被害総額は約六百五十万円増加しており、一件当たりの被害額が増えている状況です。 区では、特殊詐欺被害の未然防止対策として、自動通話録音機の貸出しや七十五歳以上となった世帯へのダイレクトメールでの注意喚起を行うとともに、高齢者が集まる機会などを利用し、警察官OBの防犯推進員による防犯出前講座を実施しております。 今後も引き続き警察との連携を密に図り、特殊詐欺被害の防止対策に努めてまいります。 次に、特殊詐欺対策アダプタについてです。 ご提案の品川区の事例については、特殊詐欺の未然防止に効果があることは理解をしておりますが、AIサーバーから所管部署に通知が届くことから、全ての案件に区役所の一定の対応が必要になることなど、実施に当たっては課題もあると考えておりますので、引き続き研究を行ってまいります。 次に、区民の暮らし、生活を支える施策についてのご質問に順次お答えいたします。 初めに、生活保護扶養照会についてです。 北区において実施した過去三年の扶養照会件数は、令和二年が千二百八十四件、令和三年が千百二件、令和四年が千二百七十三件です。 扶養照会件数に大きな変動はありませんが、生活保護の相談時には、厚生労働省の通知に基づく確認や相談員による聞き取りから、不必要な照会は行わないこととしています。 また、扶養照会が困難な理由は、記録として別に記載していることから、相談者への聞き取りは徹底されていると考えていますが、扶養照会について、申請者が自ら意思を示せるよう、生活保護申請書類の見直しを検討してまいります。 次に、重層的支援体制整備事業についてです。 高齢、障害、子ども、生活困窮の各分野で、支援対象者の属性を問わない包括的な支援体制を整備する重層的支援体制整備事業に取り組むことは有効なことと考えています。しかし、事業の推進に当たっては、必要な人材や場所の確保など、時間を要する課題もあるのが実情です。 現在、区では分野ごとの専門的な相談、支援や地域と連携して必要な見守り活動を行っていることから、まずはこれらの連携をさらに強化することで包括的な支援体制の構築につなげたいと考えております。 また、二十三区でも重層的支援体制整備事業を実施する区や移行準備を進めている区もあることから、各区の取組状況などについて調査、研究を進めてまいります。 次に、地域の諸課題についてのご質問のうち、東十条駅周辺の取組について順次お答えいたします。 初めに、十条跨線橋の架け替えの方向性とエレベーター等の検討状況についてお答えします。 十条跨線橋の架け替えにつきましては、昨年度までに実施した影響検討調査において、JRと検討を重ね、車両通行止めによる工事方法の見直しにより、事業費の抑制及び工期を短縮できる案を取りまとめました。しかしながら、夜間における作業時間の制約もあり、協定締結から完成までおおむね十四年から十五年を要する事業になります。 今後は、JRと連携し、さらなる工期短縮の検討を行うとともに、特定財源の確保に向けて国及び東京都との調整を進めてまいります。 また、十条跨線橋の架け替え工事に先行して設置する東十条駅南口周辺のエレベーターにつきましては、令和六年度から二か年の工事で令和七年度の供用開始を予定しております。 なお、詳細は本定例会の所管委員会でご報告させていただきます。 次に、下十条運転区と東十条駅南口周辺整備についてお答えします。 区では現在、東十条駅周辺における地域が目指すまちの将来像やまちづくりの方針を定めた東十条駅周辺まちづくりガイドラインの策定に取り組んでいるところです。 今後、JR東日本も委員として参加しているガイドライン策定検討会において、十条跨線橋の架け替えや駅前広場整備、下十条運転区の利活用などを含む東十条駅南口周辺の整備について議論し、今後の方向性やビジョンについて定めてまいります。 次に、北清掃工場の建て替えについてお答えいたします。 初めに、解体工事に関する相談窓口についてです。 東京二十三区清掃一部事務組合からは、敷地内に設置する監督員事務所で対応をし、その問合せ先を明示すると聞いています。 次に、工事作業日につきましては原則として月曜日から土曜日としておりますが、工事の進捗状況に合わせて、近隣住民の皆様に可能な限り配慮しながら効率的な工程管理を行っていくと聞いています。 次に、工事車両についてです。 原則として、北本通り側の出入口のみを使用し、車両の搬入・搬出は通学時間帯に配慮した時間とする、また交通誘導員を配置し、児童などの通行人の安全を確保していくと聞いています。 なお、地域住民との協議の場につきましては、現在も周辺住民と行政の代表者で組織された建替協議会において定期的な情報交換を行っており、さらに清掃一部事務組合は、住民の要望に応じ、その都度地域のご意見を伺い、説明を行っていると聞いています。 区といたしましても、清掃一部事務組合に対し、地域の皆様のご理解が得られるよう丁寧に対応するとともに、安全確保や公害防止にも万全を期すよう求めてまいります。 以上、お答え申し上げました。 いただきましたご質問につきましては、その趣旨を踏まえつつ、今後の区政運営の参考とさせていただきます。 ありがとうございました。
◎教育長(清正浩靖教育長) (説明員) 私からは、まず未来を担う子ども、子育て政策についてのご質問のうち、子どもを取り巻く諸課題に関するご質問についてお答えいたします。 初めに、子ども・子育て支援総合計画2020の成果と課題についてです。 成果といたしましては、保育所及び学童クラブの必要量を的確に捉え整備等を進めた結果、待機児童解消を達成できたことに加え、放課後子ども総合プランの全校導入、さらに子どもの医療費助成や学校給食費等負担軽減を推進するなど、子どもの健全な育成及び子育て家庭への支援を充実できたことと考えています。 一方、大きな課題としては、コロナ禍により講座等が予定どおり実施できず、様々な啓発等の取組が十分でなかったことが挙げられます。 次に、(仮称)子ども・子育て支援総合計画についてです。 本計画は、現行の計画と同様、幼児期の教育・保育、地域の子ども子育て支援の総合的な推進を図るべく策定するものであり、全ての子どもが自分らしく輝き健やかに成長できるよう、子どもたちの育ちを支援するまちの実現を目指し、現在検討を進めているところです。 北区教育ビジョンとは、北区教育・子ども大綱の下、十分な連携、整合を図りながら策定を進める考えです。 また、今年度改定する基本計画の下、障害者福祉計画をはじめとする関連計画とも整合を図り、様々な分野と連携し、子育て施策の一層の充実を図ってまいります。 次に、ヤングケアラーについてのご質問にお答えいたします。 令和四年十月に実施した北区子ども・子育て支援総合計画策定のための区民意向調査では、実際にお世話をしている人はいますかの問いに対し、いると答えた児童が小学校六年生で六・四%、中学校二年生で五・七%となっています。 区といたしましては、ヤングケアラーの支援においては、周囲の大人がヤングケアラーを的確に把握し、支援へつなぐことが最も重要であると考えています。そのため、昨年度より開催している区の職員やスクールコーディネーターを対象とする講演会を継続実施し、さらに今年度はヤングケアラーコーディネーターを配置するとともに、関係機関によるヤングケアラー連絡会を開催し、情報共有と連携強化に取り組みます。 あわせて、ケアをする子どもたちの気づきにつなげていくため、普及啓発カードを配布し、ヤングケアラーに関する正しい理解と子ども自身の発信を後押ししてまいります。 次に、みらいきたについてです。 現在、みらいきたについては、ここ数年の受講者数を参考に設定した定員に応じて会場を確保しており、今年度は九会場で実施しています。会場の確保に当たっては、参加する生徒になるべく負担がかからないよう地域バランスに配慮しています。 今後も、受講者が増加し、さらに会場を確保する必要性が生じた際には、利用者の利便性を踏まえ、中学校の学区域についても考慮するよう努めてまいります。 次に、学校の部活動についてです。 学校部活動の現状としては、部活動指導や大会引率などにおいて、顧問教員に一定の負担が生じていること、指導者不在や希望生徒が少ないなどの理由により、在籍する学校に生徒が希望する部活動がないなどの課題があり、部活動指導員や部活動指導補助員を雇用し、教員の負担軽減を図っています。 部活動指導員は十一校で十一名、部活動指導補助員は全中学校で延べ九十三名を配置していますが、必要な人材の確保が課題となっています。 学校部活動の方向性としては、東京都が本年三月に策定した学校部活動の地域連携・地域移行に関する推進計画を踏まえ、令和七年度までに休日の学校部活動の段階的な地域連携・地域移行を進める必要があると考えていますが、まずは昨年度末に区立中学校の生徒・教員に実施したアンケート結果を分析し、地域連携や地域移行に適した活動内容等を精査した上で、区として具体的な推進計画を策定したいと考えています。 また、地域連携等に当たっては、地域のスポーツ・文化芸術団体をはじめ、大学や民間企業などの関係機関のご協力が欠かせないことから、今後適切な時期に必要な協議の場を設置してまいります。 なお、学校部活動の地域移行や地域連携は休日の活動から段階的に進めることとされており、相当の時間を要するものと考えていますので、当分の間は学校部活動にかかる教員の負担軽減を図る上でも、部活動指導員等のさらなる拡充は欠かせないものと考えています。 次に、特殊詐欺の被害防止についてのご質問のうち、学校の授業における啓発についてお答えいたします。 区内全校の生活指導主任の教員が集まる生活指導主任会では、区内の警察署から青少年が受け子などの特殊詐欺に巻き込まれる事案の情報提供があり、一部の区立中学校では、警察署の協力を得て、生徒を暴力団から守るための演劇を参観して、特殊詐欺に関する理解、啓発を深めています。 また、中学校技術・家庭(家庭分野)の授業では、キャッチセールスのロールプレイングを行ったり、消費生活センターの職員の話を伺ったりするなどして、消費者被害の背景と、その対応について学んでいます。 引き続き、このような取組を推進していくとともに、東京都が中学生を対象に行っている受け子対策防犯講話などの活用も検討し、若年層が特殊詐欺などの犯罪に巻き込まれないよう啓発・指導を行ってまいります。 次に、区民の暮らし、生活を支える政策についてのご質問のうち、給付型奨学金の創設に関するご質問にお答えいたします。 初めに、北区の奨学資金貸付制度の利用実績についてです。 近年の国や東京都における高校授業料無償化などの取組の充実により、区制度の新規貸付件数は、平成三十年度から令和四年度までの五年間の合計で十件となっています。 次に、給付型奨学金制度の創設についてです。 国の高等教育の修学支援新制度では授業料等減免と給付型奨学金を合わせて実施しており、令和六年度からは多子世帯や理工農系の所得要件の拡大などの制度拡充を図るとしています。 北区の現状としては、令和四年度の学校基本調査における大学等の進学率は七三・一%となっており、区部平均の七二・三%を若干上回っている一方で、区民の教育費の負担感は特別区民税額等から判断すると他区と比べて大きいものと考えています。 区といたしましては、若い世代の方が北区に住み続けていただく仕組みの一つとして区独自の給付型奨学金制度は有効な施策と考えていますので、対象要件、給付条件、財源確保策などの具体的な制度設計について、国の動向も注視しながら引き続き研究、検討を進めてまいります。 以上、お答え申し上げました。
◆三十一番(花見たかし議員) ご答弁、ありがとうございました。 山田区長になって初めての議会ということで、基本的な今後の姿勢や、その他もろもろ質問させていただきました。 山田区長のほうから「みんなで創る。北区新時代」ということで、七つの政策を掲げて、百五十の具体的な政策を掲げて、その実現に向けては、今後基本計画や中期計画の中で具体的なプランをお示しするということで、今後我々もちゃんと注視をしていかないといけないなと思っております。大変多くの公約でございますので、途中の進捗状況なんかも少し公開というか、どれぐらい進んでいるのかとか、この点は進んでいないとか、そういった途中経過もぜひ公開を検討いただければなと思っておりますので、この点は要望とさせていただきます。 それと、個別の件ですみません、ちょっと順番が逆になってしまうんですが、特殊詐欺に関わる学校での授業についてなんですが、今教育長からご答弁いただいて、幾つかの学校でいろいろな出前授業とか法教育授業をやっていただいているということは私も理解をしております。 ただ、やはり一部の学校でやられているということで、中学校で十二校ありますが、そこはできる限り多くの学校で取り組んでいただければなと思っております。 先ほどの特殊詐欺の件数も、今年一月から五月で約八千四百万円という本当に多額の被害が北区内でも起こっているということなので、当然高齢者への被害防止の策も続けて取り組んでいかなければいけないと思っていますが、同時に、やっぱり若年層の若い人たちがそういった闇バイトに関わる、そういうことがないように、ぜひ事前に取り組んでいただければなと思っております。 それと、東十条駅に関しては、全体の跨線橋も合わせた南口整備は十四年から十五年ということで、大変長期間にわたるということでございました。 いろいろJRとの協議もありますし、あと跨線橋の下を電車が通っているということで夜間しか工事ができないということもあって、それだけの時間がかかるということだと思います。 それも踏まえて、エレベーター等の設置というのは、これはほかの議員からもいろいろ要望が出ていたかと思いますが、令和七年度供用開始ということで大変うれしく思いますので、ぜひここは計画どおり進めていただければと思っております。 それと、シニアクラブの活動についてなんですが、やはり参加するのは強制的なことではありませんので、当然参加しない方も多くいらっしゃると思います。 ただ、参加したいと思っている方が参加しやすい環境整備をやはり区のほうとしても進めていかなければならないと思っておりますので、各町会でほぼほぼシニアクラブはできていますが、なかなかちょっと差ができてきているのかなという気がいたしますので、そこは横の連携とか、そういったことをぜひ取り組んでいただいて、参加したい方が参加しやすい環境を進めていただきたいと思っております。 あと、寄附型奨学金については、午前中からも答弁がありましたが、非常に前向きな答弁をいただいたかと思います。 北区の奨学資金貸付制度も五年間で十件ということで、件数的にも大分少ないのかなという気もいたします。そういったことは足立区も同じ状況で給付型のほうに制度を変えていったという経緯があったかと思いますので、北区としてもぜひ取り組んでいただければと思っております。 そのほか、ちょっといろいろ細かいことも含めてお伺いしたいこともあるんですが、委員会など別の機会でまた再質問させていただければと思っております。 以上で終わります。ありがとうございました。(拍手)
○議長(大沢たかし議員) 六番 佐藤こと議員。(拍手) (六番 佐藤こと議員登壇)
◆六番(佐藤こと議員) 日本維新の会の佐藤ことです。 私は、日本維新の会北区議員団を代表して、区長公約について、行財政改革について、行政DXについて、子育て・教育について、そしてまちづくりについての大きく五つのテーマで質問をさせていただきます。 初めに、区長選挙の際の区長公約について総論的に伺います。 我々は、北区で新しい区長が誕生したことを歓迎しております。選挙の際に区長がしきりに訴えていらっしゃった北区の改革は我が会派の理念と同じものであり、提示された百五十の公約が進めば、この北区が本当によいまちになる、そのように考え、政策本位で応援してまいりました。 この四年間、区長におかれましては、百五十の公約を中心に、北区の改革理念を忘れることなく北区政を前に進めていただきたい。そして、我が会派もその推進とチェックをさせていただきたいと思っております。 そこで伺います。 区長は、百五十の政策を掲げて当選されました。この百五十の政策を四年間で全て実現するおつもりなのか、意気込みを伺います。 その上で、政治家の公約はしばしば選挙のための口先の約束で守られないことが多いとも指摘されるところです。 そして、政策の実現にはPDCAサイクルが必要不可欠です。具体的には、政策の計画・実施・評価・改善というサイクルを回す必要があります。達成状況を公開することで、政策実施のPDCAサイクルが計画どおりに回っているかを確認することができます。また、途中で課題が生じた場合には早期に対策を講じることができます。 以上を踏まえて、百五十の政策について、その達成状況を区のホームページ、もしくは自身のホームページで一年に一度公開することを提案させていただきますが、区長の意気込みを伺います。 次に、行財政改革について伺います。 今後ますます増加が見込まれる社会保障費や公共施設の更新需要、そして喫緊の課題である少子化対策のためにも、無駄な事業を取りやめる、経費を抑制する、そうした行政の努力が必要不可欠です。 区長も行財政改革の徹底を掲げて当選され、所信表明演説で真っ先に行財政改革を取り上げていらっしゃいました。 そこで伺いますが、区長は現在の行財政において改善が必要とされる最も深刻な課題は何であると考えているか、また行財政改革を進める上で最も困難な課題は何だと考えているか伺います。 その上で、行財政改革の徹底についての意気込みを伺います。 今やっている行政の事業について、納税者である区民の皆様が納得できる税金の使い方となっているか、しっかりとチェックする必要があります。我々区議会議員がその役目の一端を担っておりますが、行政側でもチェックする機能があります。それが行政評価制度、事務事業評価です。 行財政改革の徹底のためにも、まずは事務事業評価による無駄の洗い出しが必要なはずです。しかしながら、これまでの北区の事務事業評価は事業の継続のためにセレモニー化されており、無駄の洗い出しの機能を果たしているとは思えません。 例えば、茨城県那珂市の事務事業評価は、令和二年度事業について見直し事業を五九%と判断するなど、不断の見直しを行い、行政のPDCAを回しています。 こうした他自治体の好事例を調査し、これまでの事務事業評価の手法の刷新を図るつもりはないか、区長に伺います。 その上で、今後、事務事業評価を用いて無駄な事業の取りやめにつなげていただきたいと考えますが、区長の意気込みを伺います。 区長の退職金についても伺います。 行財政改革を断行するに当たっては区の職員の努力と協力が欠かせないわけであり、その号令をかけるのは区長になります。しかしながら、政治家が安全な立場からやれと命じるだけでは、なかなか協力は得られません。 改革を主導する政治家がまず自ら身を切って模範を示して、職員さんを納得させる。そして、意識改革に目覚めた職員が、政治家と共に一丸となって行政改革を進める。この一連の流れで、大阪を中心に我が党は地方で行財政改革の実績を残してまいりました。 こうした理念について区長も賛同され、我が党との政策協定に基づいて今回退職金の受け取り停止条例が、時限的ではありますが、提出されることにつき一定の評価をいたします。 その上で、確認の質問をさせていただきます。 今後、仮に区長ご自身が再選されても、自身の任期中は退職金を受け取らないという理解でよいでしょうか、伺います。また、より踏み込んで、恒久的な退職金制度廃止を条例として検討するべきと考えますが、区長の思いをお聞かせください。 区長は所信表明演説における行財政改革の文脈で、北区役所の長年の文化を変えることが必要と述べられました。この点、我々も大いに賛同いたします。 そのための一つの方策が、民間人材の登用です。 民間人材の登用により、行政の外部から新たな知見や発想が導入され、より効率的かつ効果的な行政改革が実現可能となります。また、多様な背景を持った人材が行政に参画することで、行政の柔軟性や透明性が向上することも期待できます。 特に、デジタルやシティプロモーションの関連部署においては素早い判断力や技術力が求められ、民間からの人材登用が必要不可欠と考えます。 そこで区長に伺います。 民間人材の登用は行政改革を進める上でも有効な手段であり、積極的な登用を行うべきと考えますが、見解を伺います。 特に、区長とじかにコミュニケーションを取れる部署、デジタルやシティプロモーションの関連部署において積極的に登用するべきと考えますが、方針を伺います。 区長は所信表明演説で、区民サービスを高めていくことを行政改革のメニューとして述べられておりました。この点も賛同いたします。 その上で、現役世代の多くは、仕事や家事のため、平日の昼間に行政サービスを受けることが難しい場合があることも考慮に入れていただきたいと思います。そこで、例えば夜間・土日にも行政サービスを提供できる体制を整備することも検討するべきと考えますが、見解を伺います。 行政サービスの充実の点で最も改革を進めなくてはならない分野がDXの推進です。 次のテーマとして、行政DXについて三点伺います。 初めに、区公式LINEについて伺います。 現状、区公式LINEは情報提供しか行っておらず、LINEの双方向性の特徴を生かしておりません。 二十三区内でも様々な区でLINE公式アカウントを活用しておりますが、区道や区立公園等の不具合の通報機能やパブリックコメントの受付にとどまらず、渋谷区などでは様々な行政サービスの申請までできるなど機能を充実させております。 区民の中でも普及率の高いLINEについて、その双方向性の特徴を生かして機能を充実させていくべきと考えますが、区長の見解を伺います。 また、LINE活用については、渋谷区を中心に他自治体での事例も参考にするべきです。他自治体の活用事例を調査、視察するお考えはあるか、区長に伺います。 行政のDXは、区民の利便性向上だけでなく、コスト削減、行財政改革にもつながります。どの自治体でも行政手続のデジタル化が進んでおり、北区でも遅れを取るわけにはいきません。 そうした中、東京都は現在、区市町村の職員が行政デジタル化に係るツールの検討、導入に至る一連の開発プロセスを体験し、必要な関連知識を身につけることや行政デジタル化に係る導入ツールについて評価できることなどを目的として、区市町村における行政手続デジタル化支援事業を展開しています。 この事業を受け入れた自治体、例えば文京区では、小学一年生から三年生の育成室の入室の申請に係る手続について、この事業を受け入れBPRを実施したところ、受付業務が格段に改善したということです。北区においても、この事業の受入れを進めていくお考えはないか伺います。 その上で、区としても行政手続に関する業務プロセスを最適化し、区が所管する全ての行政手続の電子化を進める道筋をつけるべきではないでしょうか。所信表明演説で、(仮称)デジタル推進条例の制定の着手にまで言及をされた区長の意気込みを伺います。 行政DXで最も取り組みやすい改革メニューの一つが、役所の決裁の電子化・ペーパーレス化です。 紙媒体によるやり取りは時間と手間がかかり、定型的な手続が多いため効率が低下します。一方、電子化・ペーパーレス化により環境保全やコスト削減を実現でき、業務効率の向上や情報共有の容易化にもつながります。 区長も職員の働き方改革を進めるに当たり、業務のデジタル化を加速させることを明言されています。そして、就任当初よりツイッターで真っ先にペーパーレス化について言及されていたことも拝見しております。 そうした改革を進めるに当たっては、定量的な目標を立てることが重要です。 我々は、役所全体の決裁の一〇〇%の電子化と、会議資料や文書の起案・承認プロセスのペーパーレス化を目指すべきであることを要望いたします。 区長の考える役所の決裁の電子化及び役所内のペーパーレス化の具体的な数値目標と期限について、見解をお伺いいたします。 次に、子育て・教育政策について伺います。 我々日本維新の会は、何もひたすらに行財政改革を行い、緊縮財政で小さな政府を目指しているわけではありません。正しくは、小さな行政機構を目指しているだけであり、行財政改革で生まれた財源は有効に使うことを目指しています。 そして、使い道として最も重要視しているのが次世代への投資です。 大阪では、維新が十年間行財政改革に励み財源を確保したことにより、保育の無償化、幼児教育の無償化、小学校給食費の無償化、中学校給食費の無償化、高校の授業料の無償化、大阪公立大学の無償化、大阪公立大学大学院の無償化という八つのステージで所得制限なしの無償化が達成されようとしています。これを全国どこでも進めたい、そう考えております。 北区でも二十三区の中では早期に給食費の無償化が実現しており、この点、前区長のご決断にも敬意を表するところです。 そして、山田区長も、公私立幼稚園の給食費の無償化や保育料の第二子無償化など、様々な無償化施策を打ち出されました。 そこで、区長に根本的な政策理念、政策思想を伺いたいと思います。 我々が考える次世代への投資による無償化の思想は、助成や補助金の思想とは全く異なります。 まず、助成(助成金)とは、本来的には個人が負担するべき費用であることを前提に、その一部を国や自治体においても補助する制度です。 これに対して無償化は、対象となる行政サービスや施策を国や自治体の責務として国民に提供するべきものと位置づけ、個人に負担を求めないこととする制度で、根本の政策思想・出発地点に大きな違いがあります。 そして、我が党は出産費用と教育費用については無償化するべきである、そのように考えています。 そこで伺います。 区長は、出産費用や保育料、あるいは給食費や標準服など学用品費を含む教育費用について、行政が無償化することが原則と考えるのか、それともそうした費用の負担の原則は親であって、区は助成、補助するものと考えるのか、区長が理想とする出産費用、保育料、教育費用に関する施策目標はどちらか伺います。 我々が求める出産費用の無償化に関連して、今回北区では妊産婦健診費の超音波検査につき公費負担が一回から四回となります。超音波検査は妊娠の進行を正確に把握できる上、妊婦のストレス軽減につながるものであり、この点の決断をされたことについて高く評価いたします。 このご決断に至った理由を伺いたいと思います。 あわせて、今後も健診にかかる費用についてニーズを調査する予定はあるか、そして、その上で出産費用につき無償化という理想に向けて、まずは区の独自加算を行うことも一案と考えますが、区長の見解を伺います。 教育費用についても伺います。 我々は国に対して教育費の無償化を求めておりますが、先ほど大阪の事例を挙げさせていただきましたように、地方自治体の施策でも無償化のレールを敷くことが可能と考えております。そして、財源が厳しい基礎自治体であっても可能なこともあると考え、伺います。 子育てにお金がかかることが少子化の要因ともなっています。特に、高等教育の費用が高額であることから、第二子、第三子を諦める家庭も多く存在します。そして、負担が大きいという理由により高等教育を断念する人もいます。 教育格差の是正、教育の機会を平等に提供するために、今、大学・短大・高専・専門学校などへの進学のための給付型奨学金の新設が求められていると考えます。これは基礎自治体であっても実現不可能なことではありません。 例えば、隣の足立区では給付型奨学金が既に導入されています。また、標準服費などの学用品の無償化も、家計の負担軽減と、その先にある無償化という目標に向けて必要と考えます。 私には、今年の四月に小学校一年生になった長女がいます。今月、学校を通じて購入した絵の具セットは三千九百円、先月は五千五百円で鍵盤ハーモニカを購入しました。 こういった学用品の費用は、年度初めに学校へ入金する教材費とは別にかかっており、現在、区も都も学校現場も保護者も学用品費の全体像が把握できていません。まずは北区で、区立小・中学校へ通わせる際の学用品にかかる費用を把握する必要があるのではないでしょうか。 さらに、学力格差の是正のために今求められている施策の一つが、我が会派が従前より区議会で主張しているスタディクーポンの支給です。 家庭の事情等により学習塾や家庭教師に通いたくても通えない子どもたちのために、北区では小学生には学習支援教室、中学生にはみらいきたなどがありますが、制度利用率があまり高くありません。近所にないため通うのが難しい、また周囲の目が気になり通いにくい、知られたくないといった心理的なバリアが存在するのではないかと考えられます。 まずは、経済的格差から起こる教育格差を是正するために、教育バウチャーとしてスタディクーポンの導入を進めるべきであると考えます。その上で、最終的には都などと連携して大阪市のように所得制限のない塾代助成制度を設立し、教育の質を高め、子育てにお金がかからないまちを目指すべきと考えます。 そこで伺います。 教育費用に関し、高等教育における給付型奨学金の新設が求められていると考えますが、見解を伺います。 次に、区立小・中学校における学用品費について、私費で賄っている費用も含めて区で把握すべきと考えますが、見解を伺います。また、教育格差の是正のため、被保護者等自立促進事業等においてスタディクーポン方式を採用していただきたいと考えますが、伺います。 さらに、区内の教育の質を高めるための所得制限のない形での塾代助成について、ニーズの調査、研究などをするべきと考えますが、見解を伺います。 子どもなんでも窓口についても伺います。 区長は区長選の公約として、子どもや子育て中の保護者が何でも相談でき、問合せできる一元化窓口の設置を掲げられました。 子育ては誰にでも苦労することがあります。私自身、一人目の出産後は孤独を感じ、産後鬱にもなりました。そして、子育てには情報や知識が必要であり、疑問や不安を持つことがよくあります。 加えて、出産から子育てに関連する情報は複雑であり、乳飲み子を抱えながら最適な行政サービスにたどり着くことは難しい局面が多々あります。 一元化窓口の設置は、子ども子育てを支援するという社会的目的に対する責任を強化することが重要であり、家族や社会の人々を助けるために必要です。 区長が掲げられたこの公約に私も個人的に賛同しますし、会派としても応援をしております。 そこで伺います。 区長選の公約で提案された子どもなんでも窓口について、北区の親、未来の北区の親が希望を持てるような将来的な全体像をお示しください。 その上で、子どもなんでも窓口の認知率の向上と、その窓口が有効活用されているかPDCAサイクルを回すこと、特に検証をすることが大事であると考えますが、見解を伺います。 保育の質も確保する必要が急務です。 子どもたちの通う保育の現場が疲弊しているようでは、子どもたちも健やかに成長することはできません。しかしながら、北区においても現状では保育士の待遇が低く、働きやすさにも問題があります。 保育士のモチベーションを高め、質の高い保育を提供するため、そして保育人材を確保し、地域の子育て環境を安定させるためにも、保育士の待遇改善を進める必要があります。 明石市では、保育士定着支援金として、採用後七年間で最大百六十万円の支援金を直接支給する事業を行っています。また、松戸市では松戸市独自の給料の上乗せ、松戸手当があります。 こうした大胆な待遇改善策を北区でも行っていくべきです。 そこで伺います。 現場の保育士の疲弊している現状をどのように認識しているか、伺います。 その上で、保育士の職場環境や待遇の改善を行い、また区独自で給与の引上げやキャリアアップ支援策を検討するべきではないでしょうか、区の見解を伺います。 最後のテーマとして、北区のまちづくりについて伺います。 北区の今後の発展には若者の定住が欠かせません。そして、都心から少し離れているという北区の立地と現在の年齢別人口を考えた場合、今後、若年層の移住者に選ばれ続けることが欠かせないと考えます。そのためには、北区の魅力度を高めるまちづくりが必要とも考えます。 この点、現状、ほかの二十二区や近隣区市と比べて魅力度が高いまちづくりができていると考えているか、区長に伺います。 その上で、移住者に選ばれ続けるために必要な魅力度向上につき、課題と展望を区長に伺います。 新庁舎への建て替えについても伺います。 行財政改革実現のためにも、区長が区長選で掲げられた新庁舎建て替え費用四百九十億円の見直しを実現することは必須です。しかしながら、現状その見通しが立っていないように見受けられます。 費用見直しを図るためには、従来の手法にとどまらず、新たな手法の検討が必要です。PPP/PFI手法を再検討することで、効率的な運営や投資効果の最大化が期待できます。 新庁舎建て替え費用四百九十億円の見直しの具体化を図るため、区役所新庁舎整備につき、区が一度否定したPPP/PFI手法を再検討するべきではないでしょうか、伺います。 その上で、今後のスケジュールについて、建設と移行の期間が十年はあまりにも長過ぎ、耐震性の点や王子全体の都市開発の点でも非常に問題があります。 新庁舎開設を短縮する具体的なプランを提示するべきと考えますが、区長の見解を伺います。 区長が選挙公約に掲げられた民間活用によるまちづくりに我が会派も賛同しております。 基礎自治体が行える民間活用によるまちづくりにおいて最も効果的に行える事業の一つが、Park-PFI事業です。 まちづくりの手法として、例えば我が党が行政権を担っている大阪では、てんしば等のまちづくりに活用されており、また隣の豊島区でもPark-PFIが効果的に用いられています。 Park-PFIは、これまでの行政主導ではなく、民間主導のまちづくりや地域活性化の手法として注目されており、公園の質の向上や区民のニーズに合った適切な施設提供が可能になります。 北区においても飛鳥山公園内の一部エリアで実施をしていますが、現時点の進捗と課題をどう認識しているか伺います。 この現行の区内でのPark-PFI事業について、我々は期待をしつつも、その規模と広報の仕方、検証のスピード等について不満を持っております。 そもそもPark-PFI事業については、その公園の魅力を上げることもさることながら、その地域の魅力を上げる施策でもあり、シティプロモーションなどとも直結するものです。 だとすれば、区長直轄、あるいは部局横断でビジョンを明確にした上で検証のスピードを上げ、より積極的に区内で横展開するべきと考えますが、区長の意気込みを伺います。 区長は、区長選の公約で公衆トイレも順次改築し、清潔、快適な北区クリーントイレプロジェクトを実施することを提案されました。 私たちの会派にも、公園のトイレが汚過ぎて、子どもが公園で遊んでいても、トイレをしたくなるたびに近隣の商業施設や自宅等を往復している、そんな保護者の方からの声もいただきました。 また、トイレそのものが老朽化しているという事例も散見されます。例えば、北赤羽駅の高架下にある児童遊園などのトイレは、雰囲気からして元気に遊んでいる子どもたちが気兼ねなく使用できるものではありません。北区クリーントイレプロジェクトの実行が急がれます。 一方で、トイレの建て直し、新設にはかなりの財源が必要であるとも聞き及びました。 そこで区長に伺います。 北区クリーントイレプロジェクトについて、具体的な計画内容を公表するとともに早期に実現するべきと考えますが、現時点での課題の認識と意気込みを伺います。 喫煙所の改革も求められています。 北区の駅前の喫煙所の多くは人が多く往来する動線上に立地しており、その上、密閉型ではないため、受動喫煙の点でも、まちづくりの魅力の点でも問題です。 区長も密閉型の喫煙所の整備の促進を選挙公約として掲げておられました。密閉型の喫煙所の設置を早期に進めることが望ましいと考えますが、現状の問題点、改革への課題は何であると認識しているか伺います。 その上で、まずは足立区の江北地区の公衆喫煙所や民間連携の喫煙所である飯田橋のコソドなど、他自治体の好事例を区長自ら調査、視察するなどをした上で、区長のリーダーシップで密閉型喫煙所の設置を早期に進めるべきと考えますが、見解を伺います。 最後に、区長選で公約に掲げられたドッグランの設置についても伺います。 我が会派も、動物との共生や公園の魅力向上などの点から、区内におけるドッグランの設置に賛成です。 ドッグランを区内に設置することで、ペットの健康と社会性の向上が期待できます。 ドッグランは、飼い主とペットが安全に遊べる場所であり、散歩とは異なる環境でペットが自由に走り回ることで、運動不足やストレス解消、社交性の向上も期待できるからです。 そして、ドッグランは地域住民に愛される新しい公共施設となり、様々な年齢層の人々が交流できる場ともなります。 多くのメリットがあるドッグランにつき、設置に向けて現時点での課題の認識と区長の思い、意気込みを伺います。 その上で、具体的にいつまでに、どこに設置したいと考えているか区長に伺い、私からの質問を終わります。(拍手) (山田加奈子区長登壇)
◎区長(山田加奈子区長) ただいまの日本維新の会北区議員団を代表して、佐藤こと議員からのご質問に順次お答えさせていただきます。 初めに、私の公約について順次お答えします。 まず、百五十の政策の任期中の実現についてです。 私が掲げた百五十の政策は多くの区民の皆様の思いや声を積み上げた政策であり、区民の皆様を第一に考え、行動する区政、真に区民のための北区となるために必要なものだと考えています。 こうしたことから、本定例会において、区役所の縦割りを解消するためのしごと連携担当室の新設に加え、公私立幼稚園の給食費無償化や子どもなんでも窓口の創設など、できるものからスピード感を持って取組を開始しました。 百五十の政策は四年で実現させるものや、駅周辺のまちづくりなど、長期的スパンで確実に道筋をつけ取り組むべきものなど、公約の実現に向け全身全霊で取り組んでまいります。 また、政策の達成状況については公開することを考えています。その手法については、分かりやすい公開を目指し、現在詳細を検討しております。 次に、行財政改革について順次お答えします。 まず、行財政改革の諸課題等についてです。 北区の財政構造は、自主財源が少なく特別区交付金の割合が大きいことから、社会情勢の影響を受けやすいことが特徴です。 行政需要等の増加や社会保障費の漸増傾向もあり、歳出規模の拡大と財政の硬直化が続き、財政対応力を高めていくことが行財政における改善すべき大きな課題だと捉えています。そのため、事務事業の見直しや歳入確保などによる行財政改革を進める必要があります。 その際には、変化の激しい時代においても区民のニーズに応え続けるため、区役所のこれまでの時間的感覚や金銭的感覚、慣例などを変革することが必要です。そのための組織体制の構築や職員の意識のさらなる向上が必要であり、課題とも考えております。 こうした課題を克服し、区政を前へと進めるため、全庁一丸となり、内部努力の徹底や積極的な歳入確保に努め、スピード感ある区民のための行財政改革を推し進めてまいります。 次に、事務事業評価についてです。 私が掲げた百五十の政策でも、区が行った事業の効果検証を強化し、翌年度・翌々年度の行政事業に反映することを掲げました。 行財政改革に当たっては、稼ぐ区役所として歳入確保に力を入れるとともに、時代に合わなくなった事業などは大胆に見直し、その財源やマンパワーを真に区民が必要とする事業に振り替える必要があると考えています。 こうしたことから、事務事業評価については、既に他自治体の事例について訪問によるヒアリングを含めた調査を実施しており、今年度策定を予定している基本計画や経営改革プランの改定と合わせて新たな事務事業評価の在り方について検討し、その手法を刷新してまいります。 次に、区長退職金についてです。 今定例会において、私の選挙公約を実現するため、北区長の退職手当の特例に関する条例を提出いたしました。 この条例は、私の現在の任期における退職手当を支給しないこととするものです。 一方で、今後の区長退職手当の廃止・見直しにつきましては、退職手当の趣旨や性格など、十分な議論が必要なものと認識しています。このため、他自治体の状況を把握した上で、区民の皆さんも含めた議論へ進めてまいりたいと存じます。 次に、民間人材の登用についてです。 民間人材の登用は、専門的な業務の円滑な遂行はもとより、モチベーション向上や生産性向上による行政改革を促し、ひいては区民サービス向上へつながると認識しています。 区では、これまでも各分野や事業において効果が期待できるものについて民間人材の登用を検討しており、現在はデジタル分野でCIO補佐官を登用しております。 なお、本定例会において、デジタル分野における新たな人材活用のための補正予算を計上させていただいており、さらなる民間人材の活用を積極的に進めてまいります。 今後とも、民間人材の登用だけではなく、公民連携や先進事例の視察、国や東京都との連携や人事交流などを積極的に進め、職員の技術や知識を向上させ、行政の質を高めてまいります。 次に、区民サービスの向上についてです。 区民サービスの向上も行財政改革の一環として取り組むべきものと認識しております。 一方で、限られた資源の中でサービス水準を維持しながら多くの区民サービスを安定的に提供し、かつ向上を図るためには、区民ニーズを踏まえつつ、新たな手法の検討、財源や人員の確保、再配分、取り組むべき優先順位などを総合的に見定めるべきと考えております。 ご提案の夜間・土日の行政サービスの提供については、現在、一部の窓口業務について平日夜間や休日に対応をしております。 今後は、行政手続のオンライン化を一層推進するとともに、窓口業務については、対象やサービス提供方法、執行体制などを総合的に検討し、行政サービスの向上に努めてまいります。 次に、行政DXについてのご質問のうち、区公式LINEについてです。 区ではLINEをはじめとしたSNSを活用し、特に区政情報の届きにくい若年層や忙しい子育て世帯などへのプッシュ型の情報発信、またリアルタイムの防災・防犯情報の配信などを行っています。 今後は、ウェブを活用した各種行政サービスの在り方について、全体像をしっかりと描いた上で、SNSを活用した双方向機能の活用についても検討してまいります。 他自治体への視察等については、全体像を描く上で、私自身、職員とともに視察や他自治体との意見交換も行っていく必要があると考え、区長就任後すぐに東京都デジタルサービス局と意見交換をしてまいりました。 なお、各種サービスの検討に当たっては、セキュリティの確保を留意しつつ、区民の皆様に使いやすく、安心してご利用いただけるよう努めてまいります。 次に、東京都のデジタル化支援事業についてです。 現在、全庁的にデジタル化により利便性の向上や効率化を図れる事業がないか確認し、ピックアップを進めています。 デジタル化に当たっては、区市町村における行政手続デジタル化支援事業などを活用して、専門的な知見やノウハウに基づいた取組を進めていくことが有効な手段の一つとして考えています。 今後とも、東京都の事業の活用や連携をはじめ、あらゆる手段を講じてBPRに取り組み、行政手続のデジタル化を実現してまいります。 また、事務のデジタル化に取り組むことと並行して、本年度改定する経営改革プランや情報化基本計画の中で、業務プロセスの最適化、行政手続のデジタル化について重要な取組と位置づけ、区としてのロードマップをお示ししてまいります。 次に、決裁の電子化及びペーパーレス化についてお答えします。 まず、決裁については、現在、庶務、文書管理、財務会計に関する事務が電子化されており、紙ベースでの決裁となっている契約及び支払いに関する事務について電子化の検討を始めています。 今後、様々な課題を把握・整理するとともに、契約や支払いの相手先となる民間事業者との調整を行った上でシステム環境を整備し、原則として全ての内部手続に関して決裁の電子化を実現してまいります。 次に、ペーパーレス化については、こうした決裁の電子化、さらに電子申請の拡充、紙を打ち出さない作業工程への見直し、会議の場におけるディスプレイの積極的な活用など、紙ベースからデジタルベースへの仕事の進め方を変革するとともに、紙を使わない意識を徹底するなど、強力に進めてまいります。 なお、ペーパーレス化の推進については目標値の設定が重要と考えています。現在は、北区役所ゼロカーボン実行計画の中で用紙類の購入量を把握していますが、今後改めてデジタルツールの導入・活用などを踏まえた削減目標を検討し、分かりやすく設定し、見える化をしてまいります。 次に、子育て・教育についてのご質問のうち、私の子育て分野における政策目標についてお答えします。 私は、このたび七つの主要政策の一つに「子どもの幸せNo・1」を掲げ、北区の子どもたちの命と未来を社会全体で見守り、支えるための子ども子育て・教育施策をきめ細かく進めていく決意を表明いたしました。 この考えの根底には、少子化が進展する現状も踏まえ、子育てにお金のかからない社会を目指したいという理念があり、保護者の経済的負担軽減に努めていく考えであります。 現在、国や東京都においても、子育てに関する負担軽減に向けて様々な施策や検討が進められています。 区といたしましては、引き続き、国や東京都との適切な役割分担・連携の下、一層の子育て支援の充実を図ってまいります。 次に、出産費用についてお答えします。 超音波検査については、東京都から国が推奨する検査回数をカバーするとの方針が示されたことから、いち早くこれに呼応して本年四月から制度の拡充を図ったところです。 妊娠・出産に当たっては、さらなる支援が必要であると認識しているところです。 国でも、出産費用の保険適用など、負担軽減に向けた取組が進んでおり、区としては関連事業を通じて妊産婦の皆様の声を聞き、医療機関にも健診の現状を伺うなど、ニーズの把握に努めながら、国や東京都に対して必要な支援の拡充を働きかけるとともに、産婦検診助成など、区が独自に実施すべき事業について研究を進めてまいります。 次に、まちづくりのご質問に順次お答えいたします。 初めに、魅力度向上の課題と展望についてです。 区では、平成二十八年に北区シティプロモーション方針を策定し、子育てファミリー層、若年層等の定住化を促進するため、北区の魅力を戦略的・効果的に内外に発信してきたところです。 これらの取組により、民間機関主催の住みやすいまちランキングなどにおいては赤羽駅が上位にランクされることも多く、魅力度を高める区のまちづくりへの取組には一定の評価を得ているものと認識しています。 しかしながら、北区全体の魅力が東京圏に定着しているかという点では、まだまだ取組の余地があると認識しています。 住まうまちとして、都心への交通利便性の高さや、荒川や飛鳥山公園に代表される自然や憩いの空間など地域資源には恵まれているものの、一方では、木造住宅密集地域の解消や東西の高低差による移動の円滑化、コミュニティ停滞の懸念など、良好な住環境形成に向け取り組むべき課題は決して少なくない状況であります。 このため私は、「100年先を見据えたまちづくり!」を今後の北区のまちづくりのビジョンとして掲げ、北区の魅力を再発見し、区民の皆様と共に育てながら高めていく、みんなでつくるまちづくりを推進してまいります。 特に、北区の魅力を高める駅周辺まちづくりでは、そこに住む方々の思いも伺いながら、区民の皆様と、それぞれのまちのビジョンを描いてまいります。 また、駅と駅をつなぐまちの活性化には、まちづくりファンドの組成に協力するなど、公民連携のまちづくりについても積極的に取り組むことで、北区の魅力度を一層高め、豊かな地域社会の実現に向けたまちづくりを推進してまいります。 私は、区民の皆様が豊かに暮らせる北区をつくる、このことが選ばれ続けるまちづくりにもつながると確信しています。 次に、新庁舎整備についてです。 新庁舎建設予定地は、国立印刷局王子工場用地の一部を選定していて、令和十年度以降の取得を予定しています。 PFI手法につきましては、北区PPP/PFI基本指針にのっとり、比較検討した結果、導入を見送ることを区として決定しています。 庁舎以外の複合化する施設が少なく、民間の創意工夫の余地が小さいこと、用地を取得できていない状況では、事業リスクが大きく、事業者参入が見込めないことが理由で、現在もその状況は変わっていないと認識しております。 一方、PPPの導入につきましては、今後の実施設計や工事の発注方式、低層部のにぎわい創出などの民間のノウハウや資金の効果的な活用などの検討を進めてまいります。 今年度は、新庁舎の早期開庁に向けて、用地取得後、直ちに対応できるように基本設計に着手いたします。 新庁舎の早期開庁は、王子駅周辺だけでなく北区のまちづくりにとって大きな意義があります。引き続き、様々な状況変化を注視し、関係者と十分連携を取りながら、事業費の適正化を図りつつ、建設期間の短縮に向けて柔軟に検討し、取り組んでまいります。 なお、基本設計業者選定の進め方につきましては、本定例会の所管委員会でご報告いたします。 次に、Park-PFIについてお答えします。 飛鳥山公園では、魅力向上事業としてPark-PFIを活用し、令和三年三月に事業者を決定し、令和五年三月にレストラン館がオープンしました。 Park-PFI事業がスタートし、間もない期間でありますが、収益性の確保、年間を通じての利用状況の把握や指定管理者を含む公民連携のさらなる強化が課題であると認識しております。 今年度は、シティプロモーションの一端として情報発信の強化を図るとともに、公園開園百五十周年の機会を捉え公民連携でイベントを実施し、さらなる公園の魅力向上に努めてまいります。 引き続き、飛鳥山公園マネジメント協議会において、行政、民間、地域との連携の下、ビジョンを共有し、ブランディング及びマネジメントに取り組んでまいります。 次に、北区クリーントイレ計画についてお答えいたします。 北区公園総合整備構想の策定時に実施した公園利用アンケートによると、公園利用者は公園の清潔感・快適性を重要視しており、区民にとってより訪れたい場とするためには、公園施設の清潔感や快適性を向上させることが課題であると認識しております。 このため、新たに民間と連携した管理の充実を図るため、北区クリーントイレプロジェクトを検討し、まず事業者へのヒアリングの実施などを行い、清潔、快適なトイレ空間にすることで人々の外出支援や北区の魅力向上につなげてまいります。 次に、喫煙対策として閉鎖型喫煙所の設置についてお答えします。 現在、区内には八か所の指定喫煙場所がありますが、全てが閉鎖型ではないため、受動喫煙防止の観点から対策が必要であると認識しています。 閉鎖型喫煙所の設置に向けては、法令上の制約や設置場所の確保などの課題がございますが、民間事業者との連携や既存のパーティション型喫煙所からコンテナ型などの閉鎖型喫煙所へ可能な限り変更していくため、私自身も足立区の事例を視察するなど、現在、他自治体の事例や運用状況などを参考に検討を進めているところです。 区といたしましては、引き続き、閉鎖型喫煙所の整備や民間施設を利用した公衆喫煙所の設置助成など、喫煙者と非喫煙者が共存できる環境の整備を進めてまいります。 次に、ドッグランの設置についてお答えします。 ドッグランの設置につきましては、利用のルールづくりや施設規模、近隣住民の理解が課題であると認識しております。 区では、令和三年に策定した北区公園総合整備構想において令和六年度から検討を進めることとしておりますが、百五十の公約にも掲げましたとおり、実施するために計画を前倒しして、スピード感を持って事業に取り組んでまいります。 以上、お答え申し上げました。 いただきましたご質問、ご提言につきましては、その趣旨を踏まえ、課題を整理しつつ検討を進めてまいります。 ありがとうございました。
◎教育長(清正浩靖教育長) (説明員) 私からは、まず子育て教育に関するご質問のうち、教育費用に関するご質問にお答えいたします。 初めに、高等教育における給付型奨学金の新設についてです。 国の高等教育の就学支援新制度では、授業料等減免と給付型奨学金を合わせて実施しており、令和六年度からは多子世帯や理工農系の所得要件の拡大などの制度拡充を図ることとしています。 北区の現状としては、令和四年度の学校基本調査における大学等の進学率は七三・一%となっており、区部平均の七二・三%を若干上回っている一方で、区民の教育費の負担感は特別区民税額等から判断すると、他区と比べて大きいものと考えています。 区といたしましては、若い世代の方が北区に住み続けていただく仕組みの一つとして区独自の給付型奨学金制度は有効な制度と考えていますので、対象要件、給付条件、財源確保策などの具体的な制度設計について、国の動向も注視しながら引き続き研究、検討を進めてまいります。 次に、区立小・中学校における学用品費の把握についてお答えいたします。 文部科学省が実施する子供の学習費調査では、教育に関する施策を検討する基礎資料とするため、公私立学校の児童・生徒の一部保護者を対象に、学校教育や学校外活動のために支出した経費、世帯の年間収入、保護者・兄弟姉妹の状況等の調査を実施しており、政府統計ポータルサイトe-Stat上で項目別や人口規模別の調査結果が公表されています。 また、保護者が学校等を通じて支払った教材費等については、東京都が都内公立学校等を対象に学校納付金調査を実施し、項目別等の結果を公表しており、学校別の調査結果は区で把握しています。 保護者が店舗等から購入したものも含め、学用品費全体を区が調査することは、学校や保護者の負担等の課題があるため、国や東京都の調査結果も活用し、必要な教育施策の検討をしてまいります。 次に、スタディクーポン方式の採用についてです。 スタディクーポンを採用した場合、利用者は複数の事業者の中から選択が可能になるといったメリットがあると認識していますが、一方で、先行実施自治体からは、学習塾等を主催する民間事業者の賛同がなかなか得られないケースがあるなど、課題も聞いています。 現在実施している学習支援事業は、困難を抱える家庭の子どもの悩みに対し丁寧な対応が可能であること等から、今後も継続して実施したいと考えているところですが、引き続き他自治体の取組等を参考に多様な方策を検討してまいります。 次に、塾代助成のニーズ調査等についてです。 公教育において、学習指導要領に基づき、知識及び技能、思考力、判断力、表現力等、学びに向かう力、人間性等の資質・能力の育成を図っていることから、ご提案のニーズ調査等の実施については今後の研究課題とさせていただきます。 次に、子どもなんでも窓口についてのご質問にお答えいたします。 初めに、将来的な全体像についてです。 子どもなんでも窓口については、区内に二十館ある児童館、子どもセンター、ティーンズセンターにおいて、地域の身近な施設である強みを生かして既存の子育て支援機能を充実して、子ども・子育てに関して何でも問合せ等のできる機能を担ってまいります。 将来的には、児童福祉法改正による妊娠期から子育て期までの切れ目のない包括的な支援を行う、こども家庭センター設置の動きを踏まえ、情報提供・相談体制の一層の充実を目指してまいる考えです。 次に、認知率の向上と検証についてです。 児童館等における子どもなんでも窓口の取組に当たりましては、周知が大変重要と認識しています。子どもたち及び保護者の皆様に対し的確に情報が届くよう、SNSの活用を含めた様々な媒体による周知の工夫に努めてまいります。 また、事業の検証に当たりましては、PDCAサイクルに基づく事業評価に取り組むとともに、利用者に対するアンケートや問合せ内容の統計等を基に、窓口対応に関するマニュアルの見直しや職員のスキル向上に努めてまいります。 次に、保育現場の現状認識と保育士の待遇改善等についてお答えいたします。 保育現場では、多様化する保育ニーズへの対応等により保育士の負担が増加しており、職場環境や処遇は保育士の確保や定着に影響があるものと認識しています。そのため、保育士の処遇改善については、これまでも特別区長会を通して公定価格の中で加算がされるよう要望し、一定程度改善が図られてきたところです。 特に令和四年度に行った処遇改善では、保育士一人当たりの給与で三%程度の引上げとなったところです。さらに国は、こども未来戦略方針において、民間給与動向等を踏まえた保育士等のさらなる処遇改善を検討することとしています。 区といたしましては、今後も私立保育園長会などを通じて現場の状況をお伺いしながら、引き続き国や東京都にさらなる処遇改善を求めるとともに、国や東京都の制度を活用したキャリアアップ支援策に取り組んでまいります。 以上、お答え申し上げました。
◆六番(佐藤こと議員) ご丁寧なご説明、そして前向きな意気込みをお聞かせいただきまして、ありがとうございました。 我々日本維新の会北区議員団三名とも新人のため、今回は会派としての考え方ですとかも含めまして質問をさせていただきました。 その上で、一点の要望と四点ご質問をさせていただきます。 まず一点目、区長退職金についてです。 我々日本維新の会、今回の区長選挙の公約で掲げられた区長退職金の全額カット、本当に高く評価をしております。 覚悟を示すということで区民の方から本当に大きなご期待をいただいていると思いますので、次の四年間以降に向けても、ぜひともこの区長退職金というものについての考え方をしっかりと見直して、方向性を示していただけるように強く要望したいと思います。 そして、質問四点となります。 一点目が、学用品費についての調査でございます。 学用品費を区が調査することは学校や保護者にとって負担があるとのことでしたが、学校現場あるいは保護者からのこういった学用品の負担感について、声が上がりやすいような調査が難しいということであれば、学校や保護者から声が上がってくるような仕組みを検討していただきたいと考えますが、どのようにお考えか伺います。 二点目、新庁舎についてです。 新庁舎の早期開庁に向けて実施を進めていくとのことでしたが、この早期開庁というのが十年かかるということで認識が合っているかどうかお伺いをいたします。 三点目、Park-PFIについてです。 飛鳥山公園でのPark-PFI事業、今後検証を進められ、また百五十周年のプロモーションなどを行っていくとのことでしたが、北区内、飛鳥山公園以外でのPark-PFI事業の導入検討状況があれば、お聞かせください。 最後に四点目ですが、ドッグランについてです。 令和六年度から検討を進めるという、予定を前倒しするとのことでしたが、これを前倒しできた理由、そして今後前倒しをされるということですので、いつ頃から検討を開始されるかお聞かせをいただければと思います。 以上です。
◎教育振興部長(小野村弘幸教育振興部長) (説明員) 私からは、学用品費調査に係ります保護者からの負担感が上がっているというような声を聞き取るような何か対応ができないかというご質問についてお答えさせていただきます。 先ほど本質問の答弁で申し上げたとおり、基本的にこの調査、文科省、また東京都が様々な調査を行っている中で、我々としては状況については把握しているという状況でございます。 一方で、保護者の負担感が増えているというのは、様々なご意見等も抱えている保護者等もいると思います。 まずは、校長会等々の中でそのような声があるかどうかも含めて、確認をしたりしながら相談をしてまいりたいと考えております。 以上でございます。
◎総務部長(中澤嘉明総務部長) (説明員) 新庁舎整備についてお答えいたします。 早期開庁ということを目指しているということは区長からご答弁したとおりでございまして、今の時点では令和十五年度頃の開庁を目指しているというところでございますけれども、これをさらに前倒しはできないかということについて検討を進めていくということでございます。 ただ、一般的にこういう整備事業の遅延のリスクといたしましては、例えば契約の手続ですとか、土壌汚染の発見ですとか、そういったようなものがリスクとしてあるということは確かでございまして、そういったものについてもクリアしながら、予定どおりの開庁まで、つまりは十年ということではなく、それからさらに短縮できないかということも含めて進めていきたいということでございます。 また、この土地に関しましては、今国立印刷局が使用している土地ということもございまして、北区限りでなかなか物事は進まないというようなこともご理解いただければと思います。 以上です。
◎土木部長(寺田雅夫土木部長) (説明員) 私からは、Park-PFI事業について、再質問にお答えをさせていただきます。 Park-PFI事業につきましては、飛鳥山公園でまずスタートをさせていただいておりまして、まずはその検証を確実にしていくことが大切であると思っております。 飛鳥山公園以外での導入の検討については、これからという状況でございます。 もう一つ、ドッグランの整備に関しての再質問にお答えをさせていただきます。 前倒しをできた理由というところでございますけれども、公園総合整備構想におきまして、行動推進プランを策定しておりまして、その中で令和六年度からということで計画をしておりますけれども、これは区長の公約でもあり、百五十の政策の一つでもあるという区長の強い思いもありまして前倒しをするということで、検討に当たりましては今年度から行っているという状況でございます。 以上、お答えさせていただきました。
◆六番(佐藤こと議員) ご答弁、ありがとうございました。 我々としても、この四年間、区長の百五十の政策を中心に皆様一丸となって前向きに進めていただけるということに区民の皆さんからも期待の声をたくさんいただいておりますので、ぜひ引き続き実施していただけるように議会としても後押しをしていければと思っておりますので、よろしくお願いいたします。 ありがとうございました。
○議長(大沢たかし議員) 議事の都合により休憩します。 再開は四時二十分です。 午後四時二分休憩
----------------------------------- 午後四時二十分開議
○議長(大沢たかし議員) 休憩前に引き続き会議を再開します。 質問を続けます。 三十八番 永沼かつゆき議員。(拍手) (三十八番 永沼かつゆき議員登壇)
◆三十八番(永沼かつゆき議員) 質問に先立ち、先日の台風二号の被害に遭われた方々に心からのお悔やみとお見舞いを申し上げます。 山田新区長、就任おめでとうございます。 自民党を代表して質問をさせていただきます。 これから新しい北区を目指し、区民のための北区へと変革をしていく所信表明についてお聞きをします。 初めに、行政改革、組織改正についてお聞きします。 昨今の世界情勢や技術の発展により、変化の速度が激しくなり、時代が大きく移り行く中、ここ数年の予算の増大に見られるように、区民ニーズが増大しております。それに対応しなければなりません。そのためにも、役所の内部での仕事の迅速化、効率化という行政改革が求められると考えております。 山田区長の所信表明では、「みんなで創る。北区新時代」を掲げ、慣例や慣習にとらわれない行政改革やスピード感を持って区政を前に進めていく覚悟が感じられ、力強いものがありました。さらに、役所内の改革のみならず、自らの身を切る改革をして、退職手当に関する条例制定を行うことを高く評価するところであり、区長の力強い決意が感じられ、大いに期待するところであります。 また、役所内の組織改革として挙げられたしごと連携担当室の新設については、長年の課題であった役所の縦割りの解消、公民連携や国、東京都の連携強化を目的とするとのことですが、これはさいたま市の都市経営戦略部のような組織をイメージしているのか、しごと連携担当室の具体的な役割について、見解をお伺いいたします。 また、公民連携とありますが、どのような関わりをしていくのかも含めて、お聞かせください。 次に、DXについてお聞きします。 デジタル化を推進し、働き方改革を進め、人でなければできない業務に、より多くの人を登用するということは大いに評価をいたします。同時に、区民ニーズにもしっかりとデジタル化されたことが分かる取組が必要だと考えております。仕事の効率化を行い、手続の簡素化を含め、区民の高齢化が進む中、より丁寧な窓口業務等の対応が必要になってくると考えております。 自民党は、これまでも区役所のDX化については積極的に推進を求めてまいりました。東京都では、令和三年には東京デジタルファースト条例が制定され、それに伴い、東京デジタルファースト推進計画が策定され、庁内デジタル化はもとより、区市町村と連携したDXの推進などを行ってまいりました。 北区でも、さらにデジタル化の進展やDXの推進などを掲げる上で、(仮称)デジタル推進条例の制定をすることとしております。この条例にかける区長の意気込みについてお伺いをいたします。 また、現在、北区では、今年四月に「きたDX推進方針」が制定され、方向性が示されましたが、今年度改定予定の北区情報化基本計画に当たっての計画は具体的にどのようなものなのか、区の見解をお伺いします。 さらに、東京都とのハード、ソフト面での連携も非常に重要と考えております。東京都は、九月より、デジタル人材や行政システムを区市町村と共有する外部組織のGovTech東京事業を開始いたします。この事業は、市区町村では専門人材の採用をしにくいという課題の解決やシステム確保、調達、行政の質の向上につなげるほか、人材とシステムの両輪を支える事業であり、積極的に進める必要があると考えますが、区の見解をお聞かせください。 また、外部人材の登用とは、どのような人材と役割を考えているのか、現在のCIO補佐官との役割分担や連携はどのようにされるのか、お伺いをいたします。 現在、それぞれの課が独自に構築しているシステムは互換性がないと聞いております。統一規格のシステムであれば、デジタル化推進はもとより、改修費用等、高騰抑制につながると考えます。 令和七年度末までに、移行が義務づけられている国のシステムの標準化、共通化も進んでいると思いますが、こうした規格がそろっていないシステムの在り方、また改修時等における専門家の関与など、今後、計画的に進めるべきではないかと考えますが、区長のお考えをお聞かせください。 次に、教育、子育てについてお聞きします。 日本の推計では、出生数八十万人を切った現在、国では、こども家庭庁の創設をはじめ、より積極的な少子化対策を行っております。 (仮称)子ども条例は、我が会派が令和三年第三回定例会で提出し、条例制定に向け、進めてきた経緯があり、非常に重要な施策であります。 区長の所信でも、子どもの権利を守り、子どもの意見を尊重した政策ということ、子どもを社会全体で育てていく意識を高めていく第一歩であるとの考えであります。条例制定に向けて、今後の計画についてお聞かせください。 次に、今回の補正予算でも上げられている私立幼稚園と公立小・中学校の給食費無償化の恒久化の財源について、合わせて年間十二億円以上必要かと考えますが、財源確保策や東京都からの支援が必要と考えます。見解をお聞かせください。 次に、現在、保育園の定員割れは八百人で、待機児童対策に力を入れた一方、新たな課題となっております。そこで国は、こども誰でも通園制度を実施し、親の負担軽減と定員割れを同時に解消する新たな仕組みを示しています。 文京区では、幼稚園や保育園に通っていない子どもを週に一、二回、保育所で定期的に預かる事業が七月から始まります。申込み十分で百人以上の申込みがあり、事前に必要な面談の予約を一時停止したほどでした。 今までの条件で通えなかったお子さんが、誰でも通園できるシステムを構築する必要があると考えますが、区の見解をお聞かせください。 次に、子どもなんでも窓口についてお聞かせください。 今補正予算では児童館、ティーンズセンター等でタブレットを使った、子どもなんでも窓口が予算づけをされております。相談を受けて具体的な支援までつなげていく、今いる職員に負担が大き過ぎるのではないか。また、この先どのような展開を考えているのか、お聞かせください。 教育環境整備についてお聞きします。 今回の補正予算での不登校対策で、子どもたちが学習できる環境を整えていくということですが、今後についてお聞かせください。 また、家から外に出られない、まさにひきこもりの児童・生徒の対応など、今後どのように考えていくのでしょうか。 和歌山県田辺市の事例では、保健師の役割が重要性を増しております。計画と今後の方向性についてお聞かせください。 次に、前回の予算特別委員会でも取り上げましたが、スマホ、タブレットの弊害について、東北大学の加齢医学研究所が二〇二一年に行った調査で、スマホを一日三時間以上使用している子どもたちは、どれだけ勉強を頑張っても、睡眠時間をきちんと確保したとしても、成績が下がっていくという結果が出ております。 宮城県白石市の小学校の取組では、今までの研究結果を科学的に教えて、それを実感してもらい、その後、クラスでスマホの使い方について、各学年でみんなで協議、スマホのルールを作成し、一か月後には、六割の方が実行できたという結果が出ているところでございます。 北区では、スマホの有害性について、どのような考え方をしていて、どんな取組をしておりますでしょうか。 また、イギリスの有名な医学雑誌ランセット国際委員会での報告では、認知症になるリスクが十二あり、その中で、このオンライン学習と密接に関係している項目に十五歳までの教育、鬱病、社会的孤立、運動不足があります。一生のうちで、とても大切な時期の教育ということをしっかり認識していただき、取組を進めていただきたいと思います。見解をお聞かせください。 子どもの貧困対策についてお聞きします。 二〇一八年の時点で、日本の子どもの相対的貧困率は一三・五%であり、日本の子どもの約七人に一人が相対的貧困にあると示しております。先進国三十四か国中、十番目と高い数字でした。その対策の一つとして、国内でも多くの子ども食堂がオープンし、連携をしているところです。 東京都でも支援を行っておりますが、北区として、今後どのようなことを考えているのか。また、新型コロナ感染症など子ども食堂が開催できない場合、生活が困難な家庭に対して、物資を提供するフードパントリー事業が進められてきております。これは賞味期限、消費期限が迫っている食材を一定の場所に集め、要件に合致した申込団体に対し食材を提供、困窮されている家庭の方々にお配りするという事業です。 利用者の声として、月一回でも大変ありがたい、できれば二回にしていただきたいという声をいただいております。北区として、子どもの貧困対策をどのように考えているのか、お聞かせください。 次に、まちづくりについてお伺いします。 品格と先進性のある百年先を見据えたまちづくりについてです。 北区の魅力を高める駅周辺まちづくりにおいて、社会経済情勢を見据えながら発展的にまちの価値を高め、百年先も選ばれるまちづくりの持続性と競争力を備えていくことが重要であり、地域住民をはじめ、地域の関係者たちの主体的な協働によるまちづくりの活性化やにぎわいを創出するエリアマネジメントの考え方の導入については、我が会派も大いに賛同いたします。 赤羽駅周辺や十条駅をはじめ、王子駅、東十条駅など各駅周辺の本格化するまちづくりを加速していく中、まちをつくることだけではなく、各地域の特性を生かしながら、百年先を見据えたまちを育てることの視点も、将来の人口減少社会を迎える上で欠かすことができない重要なテーマであると考えております。 そこで、本格化する各駅周辺のまちづくりにおいて、エリアマネジメント導入に向けた考え方と、その具体的な取組について、また地域住民が関係者と今後どのように共有していくのか、区長にお尋ねいたします。 高齢者福祉についてお聞きします。 人生百年時代と言われ、高齢化が進み、元気な高齢者が増加し、定年退職の年齢を引き上げて現役世代をサポートしております。少子化が進む中、元気な高齢者が就業に参加するということは大変すばらしいことであると考えております。さらに、健康で楽しく人生を送るためには、やはり健康でなくてはならないと思います。 千葉県市川市では、デジタル地域硬貨「ICHICO」と健康ポイント事業「Aruco」の実証実験を始めました。地域通貨においては、以前、渋沢コインとして提案しましたが、地域硬貨に三〇%のプレミアムがつき、お買物と健康づくりで生き生きと暮らしていただきたいという趣旨でございます。 Arucoはウオーキングの歩数、市内二十か所に設置をしてある血圧計、体組成計を利用してポイントがたまる仕組みです。また、運転免許の自主返納や自治会の加入などでも付与され、ICHICOのポイントに交換できる事業です。 北区では、どのような考えで高齢者福祉を支えていくのか、お聞かせください。 次に、区内産業活性化についてお伺いします。 令和五年、北区公契約条例の基本方針を踏まえ、競争入札発注基準や指名業者選定基準の改正が行われましたが、北区新時代に向けた区内産業支援の一つとして、引き続き契約制度における検討や改善は、取り組んでいかなければならないと考えます。 今後、公正で信頼性の高い契約制度をさらに推進していくとともに、建設工事の高い品質を確保することや、事業者の経営努力を評価することなどにより、事業者と区内建設業の発展を支えていく視点も考慮し、施工能力審査型総合評価方式、北区でも平成二十年度より試行導入されている、いわゆる総合評価方式についてお尋ねします。 一般的に総合評価方式は、技術力、提案力の高い提案が評価され、体力のある大企業と価格競争をする必要がないため、特に独自技術を持つ中小企業にとって魅力的な入札方式とも評されております。 初めに、平成二十年度から、これまで区内において総合評価方式を採用した実績件数と、過去五年間の件数を教えてください。 総合評価方式では、施工能力評価に加え、地域や社会貢献による評価点があり、北区の総合評価方式においても、災害協定の締結状況、環境への取組、障害者雇用など評価項目が既に設定されておりますが、新たに、今年度より二十三区内で初めて開始される東京都北区SDGs推進企業認証制度の認証企業が、総合評価方式での加点評価とされると聞いております。 区内事業者の日常的な経営努力を評価することにより、事業者はもとより、建設業全体の担い手の確保や育成につながり、ひいては区内建設業の発展にも期待できることから、この評価導入の取組については高く評価をいたします。ぜひこのような絶好の機会に合わせて、区内の優良企業の育成という観点から、区発注工事における総合評価方式のさらなる改善と充実に努めていただきたいと考えますが、区長の見解をお聞かせください。 防災対策についてお聞きします。 先日の台風二号で避難所が開設されましたが、これは崖地の崩落のための避難所、水害のための避難所として開設されたとお聞きしました。 北区における防災は、地震による災害対策、大規模水害、土砂災害に加え、さらに低地と高台、そして土砂災害警戒区域に分けられます。災害により避難所開設が変わる、これをしっかりと周知していく必要があると考えます。 東京都北区地域防災計画の改定骨子及びスケジュール案についてでは、地域特性や災害特性が異なる点に着目し、災害リスクの見える化を行うことで、災害に対する理解度の向上を図るとあります。区民一人一人の生命、財産を守るため、より的確な災害への備えに対する理解を深める啓発活動が非常に大切だと考えます。 地域防災計画を強化し、地域住民と相互理解の下、現実的で実行可能な防災計画を定めるべきと考えますが、区長の見解をお聞かせください。 また、大規模水害において、低地にお住まいの方々が二十万人、高台に避難できる避難場所で収容できる人数は五万人、残りの十五万人の方々はどのように避難すべきなのか。コミュニティの想定範囲があまりにも大き過ぎて、実際に避難するのは可能なのか。より小さい単位で、それぞれお顔が知れている方々が垂直避難も含めて行動する必要があるのではないか。お互いに顔が知れている人々の中で、どの人が災害時の避難行動要配慮者なのか明確になり、その方たちのためにマイ・タイムラインをつくるなどの対応をしていくとともに、不足している高台への避難場所のさらなる確保と併せて、一部で垂直避難について柔軟な対応を求めますが、見解をお聞かせください。 また、避難行動を行っている計画の中で、バスやタクシー業者と協定を結び、高台への避難のために使用するということを認識しておりますが、そのときの費用負担については、どのように考えているのか、お聞かせください。 続いて、スポーツ施策についてお聞きします。 所信では、区民の健康寿命の延伸や、豊かで健康な生活などの観点からとても重要な取組であり、健常者、障害者、若者、高齢者が誰でもスポーツを楽しめる環境づくりを進めるとのことでした。 区内では、ナショナルトレーニングセンター、日テレ・東京ヴェルディベレーザのホームグラウンドである西が丘サッカー場があり、さらに、東洋大学内に健康スポーツ科学部が創設され、北区が掲げる区民の健康寿命の延伸や豊かで健康な生活の実現のため、より連携を図ることにより、その成果を大いに期待するところであります。 これから計画される桐ケ丘体育館や新河岸川を利用したボート競技の誘致など、北区が誇れるトップアスリートのまちをつくっていくことが重要であると考えます。これらの特徴を最大限に生かし、区民にとって、スポーツが身近なものとして定着していくために、トップアスリートとの取組を継続、強化するべきではないか。それを区内外に的確に広報することで、区民の意識向上と参加を促すべきと考えます。 さらに、各スポーツ施設の整備と機能強化を図り、施設の長寿命化や個別の改修計画の策定をすべきではないか。NTCを中心に、桐ケ丘、河川敷に続く地域をスポーツのまちとして価値を高めるために、まちづくりを検討していくことも含め、見解をお聞かせください。 大きな二番として、エネルギー物価高騰対策についてお聞きします。 今回の補正予算では、低所得世帯及び子育て世帯、小・中学校、幼稚園への給食費の無償化等、さらに病院や介護施設に対しての支援等、我々の要望が反映されたことに対して、大変評価をいたします。 その中で、重度心身障害者の方々の中で、昼夜を問わず、装置を稼働せざるを得ない人たちに対し、国の補助では六百円の増額のみであります。今後、検討すべきと指摘しておきます。 また、都立特別支援学校に通う児童・生徒への給食費支援については、北区在住で、都立特別支援学校に通っている児童・生徒約二百名、就学相談を受け、就学支援委員会から、都立特別支援学校が適しているという判定を受けて就学しております。 区立学校に通学していれば、給食費が無償になっていたと推察されることから、公平性の観点からも支給すべきではないかと考えますが、見解をお聞かせください。 大きな三番として、今後の医療体制についてお聞かせください。 新型コロナ感染症が二〇二三年五月より五類に移行し、インフルエンザと同等の扱いになりましたが、今までコロナ感染症の患者を診なかった診療所では、引き続き診察は難しいと考えます。 当然五類になり、一般的な疾患と同等としており、診察しなければならないということは承知をしておりますが、現状についてお聞かせください。 受診可能な医療機関情報の扱いはどうなっているのか。東京都のホームページでは一覧表で確認できますが、インターネットを使用できない方々に対して、令和四年度末に区内の北区柔道接骨師会等にチラシの配布の協力をしていただきました。受診可能な医療機関、質問等に答えられる窓口、受診するための注意事項についてお知らせをするなどの対応が必要と考えますが、見解をお聞かせください。 東京都では、現在、定点で五・二九人、前週は三・九六人、入院患者数も前週より八十二人増加で推移しておりますが、定点当たり十人を超えると対応が困難になると考えます。事前準備が必要と考えますが、現在の対応についてお聞かせください。 新型コロナ感染症を経験し、新興感染症のための備えが必要と考えます。国、東京都では計画の作成を求めておりますが、それに先んじて、北区独自のノウハウを蓄積する必要があると考えます。 今回、初期対応においては、保健所の機能が逼迫し、どこに連絡すれば対応してもらえるのかなど混乱が生じました。その後、各部での応援体制を取り、最終的には外部化も含め、全庁を挙げて協力体制を構築し、対応できたと認識しております。 感染症の対応については、それぞれの部で改善点、課題などをしっかりと検証し、計画の作成、マニュアルの作成を積極的に進めるべきと考えますが、見解をお聞かせください。 一層深刻化する高齢化の対応についてお聞きします。 八十五歳以上の年齢層の方が十年後に二万人を超える予測であると認識をしております。現状の特別養護老人ホームの待機者の現状について、また待機者とホームのマッチングに時間がかかっていると仄聞しますが、対策についてお聞かせください。 区内には、老人保健施設という施設が七施設ありますが、例えば一定のベッドを利用し、入所調整は区で行い、特養ベッドの運営サービスを老健が行い、ベッドの数に合わせて区と老健が契約するなど、多様な手段で待機者を減らすことができるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。 また、八十五歳以上の高齢者が増えることにより、医療機関、介護施設が一定数必要です。対応策としては、医療機関を増やす、介護施設を増やすなどありますが、東京都保健医療計画において厳密にベッドの数は決まっており、現状から大幅に増やすことは難しいと認識しております。 北区の現状として、老朽化した病院が多く、その建て替えのときに老人保健施設の併設をしていくことにより、待機者が改善できるのではないか。一方で、病院だけで改築することが困難な医療機関において、財政的な支援が必要と考えます。区単独では難しいので、東京都、国に要望する必要があると考えますが、見解についてお聞かせください。 区では、令和二年度の医療資源の調査から始まり、今後、人口推計を加味し、どのような医療が必要になるかなどを分析し、北区版地域医療計画の策定が必要と考えますが、現状と今後についてお聞かせください。 最後に、口腔健康増進条例についてお聞きします。 二〇一一年八月に、歯科口腔保健の推進に関する法律が公布、施行されました。これは、生涯を通じ、確かな保健対策を推進するための法的基盤が脆弱であること。一方で、口腔ケアによる誤嚥性肺炎の予防効果や糖尿病、肥満と歯周病との関連などの口腔の健康が全身の健康へ関連する研究成果が報告され、介護予防サービスとして運動機能の向上、栄養改善の向上機能が位置づけられるなど、歯科口腔保健対策は、単に歯科疾患の予防を目的としたものから、介護、医療、栄養改善、健康増進などに関わる様々な職種、関係者と連携をしながら、総合的に一体的な取組へと変化をしてまいりました。 現在、全国の市区町村では、百七十六の自治体で制定されております。都内では三区、渋谷区、豊島区、千代田区。北区でも、平成二十五年度から多職種連携研修、顔の見える連携会議の中で、在宅歯科連絡会等地域包括ケアシステムの充実に向けて取組を進めています。 幼児期から学齢期の歯科健診は、子どもの健全な成長や成人期以降の歯と口腔の健康に大きな影響を与え、高齢者や要介護者の口腔ケアは食生活の充実など、日常生活のクオリティ・オブ・ライフを高め、元気な高齢者を増やし、健康寿命の延伸に寄与することから、幼児期から高齢期までのライフステージを通じて継続的に取り組む必要があります。 条例化を進めることによって、一貫性を持って、強力なバックボーンとして役立つと思いますが、見解をお聞かせください。 以上、質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手) (山田加奈子区長登壇)
◎区長(山田加奈子区長) ただいまの自由民主党議員団を代表して、永沼かつゆき議員からのご質問に順次、お答えさせていただきます。 初めに、新区長の所信表明を受けてについて、順次お答えします。 まず、組織改革についてです。 区役所の組織改革のため、政策経営部の中に、担当部に相当する組織としてしごと連携担当室を新設します。担当室の所掌事務は大きく二つとなります。 一つ目が、庁内の横断的な課題に関する調整及び連携を推進することです。現在は、企画課が区政の総合的な企画、調整を行っていますが、担当室は、そのうち特に庁内横断的な連携が必要な課題に関して、庁内連携を推進していきます。 二つ目が、国や東京都、民間事業者など多様な主体との連携に関することです。このうち、公民連携に関しては、それぞれの分野の所管課が事業推進の主体となりますが、担当室は分野を問わず、そこに幅広く関与していきます。 なお、今後の公民連携の在り方や推進体制も担当室を中心に検討してまいります。しごと連携担当室を加えることで、「みんなで創る。北区新時代」に向けて、柔軟かつ効率的な組織体制へ変革の第一歩としてまいります。 次に、(仮称)デジタル推進条例にかける私の意気込みについてです。 私は、都議時代に、東京都が進めるDX推進のスピード感や規模感を体感しましたが、その取組の根拠となったのが東京デジタルファースト条例であり、デジタルファースト推進計画であったと捉えています。 こうした経験を生かして、北区においても業務のデジタル化を加速させ、職員の働き方改革を進め、デジタルでできることはデジタルに、人でなければならない業務には、より多くの職員を配置し、区民に優しい北区役所を実現していく、こうした強い思いを込めて、(仮称)デジタル推進条例を策定いたします。 策定した条例を根拠の一つとして、さらなるDXの推進にスピード感を持って取り組み、区民サービスの向上に努めてまいります。 次に、情報化基本計画についてです。 北区情報化基本計画は、北区基本計画を上位計画とし、情報化、DX推進のための基本的な施策メニュー及び重点的に取り組む事業を明らかにする計画です。策定に当たっては、きたDX推進方針で定めるビジョンである北区に関わる全ての人が変革された行政サービスの恩恵を受けることができる実効性の高い計画となるよう取り組んでまいります。 なお、計画に明記する具体的な事業については、今後検討してまいりますが、例えば電子申請の拡充、書かない窓口の開設、ペーパーレス化、判こレス、ファクスレス、キャッシュレス、タッチレスといった五つのレスに資する事業などのほか、デジタルデバイド対策やオープンデータのさらなる充実など、区民サービスナンバーワンに向けたDXに関する様々な項目を計画化してまいります。 次に、GovTech東京の活用についてです。 区は、これまでも東京都や区市町村との連携を図ってきましたが、最重要施策として、DXの取組を加速するためには、国や東京都、民間団体等とのさらなる連携が必要であると考え、私を含め、関連部局の幹部とともに、東京都との協議を強化しています。 GovTech東京についても、主な事業である共同調達サービスや人材シェアリング事業は、区にとって非常に有益な事業であると捉えています。GovTech東京の設立は九月となっていますが、共同調達サービスのワーキンググループに参加するなど、既に連携を始めています。 今後、人材シェアリング事業を活用した専門性の高いデジタル人材の派遣や採用も視野に入れ、連携をさらに深めてまいります。 次に、登用する外部人材と役割についてです。 現在、CIO補佐官からの助言等を踏まえて、DXを推進していますが、DXの取組を加速していくためには、さらに積極的に外部人材を活用して、強力な推進体制を構築していく必要があると認識しています。高度専門人材など外部人材の活用については、GovTech東京との連携による人材シェアリング事業のほか、経営的な視点を持って、DXを牽引するCDOの登用など、様々な可能性を視野に入れながら、北区が最も必要とする人材を確保し、体制の強化を図ってまいります。 なお、CIO補佐官との役割分担や連携については、今後活用していく外部人材に求める役割を見極めた後に、最も効果的な方法を定めてまいります。 次に、各課が導入しているシステムの在り方等についてです。 住民サービスに資する基幹系システムについては、標準化、共通化されたシステムを構築し、国の定めた令和七年度末の移行を目指して取組を進めているところです。 一方で、各課が導入しているシステムについては、規格等が統一されていないことにより、データの互換性などに課題があることを認識しております。それぞれの事業特性において、システムの規格を全て統一させることは難しいと考えていますが、CIO補佐官からは、導入に当たって、端末の台数や情報セキュリティなどに関して、一定の基準を設けるよう助言を受けています。 今後、導入や改修の際には、CIO補佐官と協議をしながら、システム構築に係る部分や改修費について、計画的な進捗を意識しながら精査してまいります。 次に、教育、子育てについてのうち、給食費無償化の財源についてお答えいたします。 区立小・中学校及び公私立幼稚園等の給食費を無償化し、恒久化することにより、多額の財政負担が伴います。今後、安定的に事業実施が図れるよう行財政改革を進める中で、事業費の抜本的な見直しや歳入確保など経営改革の取組を確実に行っていきます。 このように、歳入歳出の両面から事業に必要な財源確保に努めるとともに、給食費の在り方については特別区長会などを通じ、国や東京都に様々な機会を捉え、必要な意見等を伝え、併せて財政支援を求めてまいります。 次に、まちづくりに関するご質問にお答えいたします。 駅周辺まちづくりを進めるに当たっては、住む人の暮らしがより豊かになり、幸せを感じることができる、そこに意味があると考えます。ハード整備とともに、ソフト面の手段として、エリアマネジメントの導入は、良好な市街地環境の形成、地域の活力の増進、まちの安全・安心の確保、資産価値の増大などの多くの効果が期待できます。 昨年度、ガイドラインを策定した王子駅周辺では、今年度中に地域住民や関係者が情報を共有し、緩やかに連携していくためのエリアプラットフォームを構築します。 今後は、情報発信や社会実験等のまちづくりの実践に取り組むことで機運の醸成を図り、エリアマネジメント組織の構築を誘導していきます。 このほか、大規模な市街地整備が計画される十条や赤羽、さらに東十条駅周辺においても、まちづくりの段階や地域特性を踏まえながら、開発事業者等と十分協議を行い、エリアマネジメントの導入に向けて検討を進めてまいります。 駅周辺のまちづくりが同時進行で進み、様々な意見がある今だからこそ、エリアマネジメントの考え方を取り入れながら、地権者と地域の皆様をつないでいき、地域の魅力を捉え直して、新たなにぎわいが生まれ、心豊かに楽しめるまちづくりを進めてまいります。 次に、北区として、どのような考えで高齢者福祉を支えていくかについてです。 区では、高齢者自身が地域や社会の中で生涯にわたる健康づくりや社会参加に取り組めるよう、多様な活動の場や機会の充実などに取り組んでいます。今年度、デジタルデバイド対策として実施する高齢者向けのスマートフォン講座では、操作方法の習得だけではなく、アクティブシニアの活用や受講者同士の交流の機会などを提供し、高齢者の生きがいや仲間づくりにもつながる取組とする予定です。 また、北区版ウオーキングアプリ「あるきた」の活用を講座内容の一つとしており、高齢者自身がデジタルデバイスを活用した健康増進や介護予防に取り組んでいただくことも目指しています。 また、今定例会の補正予算には、補聴器購入費助成事業を提案していますが、これはヒアリングフレイル対策の取組の一つであり、高齢者の聞こえの問題を解決することで、外出や他者との会話の機会を増やし、認知症や鬱病の予防、高齢者の様々な活動を後押ししてまいります。 ご紹介いただきました市川市の取組は、デジタルデバイスを活用した福祉の枠組みにとらわれない取組であり、こうした事例も参考にしながら、人生百年時代に誰もが輝くことができるよう、高齢者一人一人の生きがいづくりや社会参加につながる取組に注力してまいります。 次に、施工能力審査型総合評価方式に関する質問にお答えします。 まず、総合評価方式の実績についでです。 制度開始の平成二十年度から、総合評価方式の件数は一桁で推移してまいりました。直近五年間では、平成三十年度が七件、令和元年度が三件、二年度が四件、三年度が五件、四年度が三件となっております。 総合評価方式については、落札決定基準を学識経験者に意見聴取する低入札価格調査が必要となった場合は、その調査の期間が必要となるなど、工期の確保への課題があり、対象案件が少数にとどまっておりました。 しかしながら、総合評価方式は価格のみではなく、技術力や施工実績、区への貢献度なども評価することにより、区内業者の育成にもつながると捉えておりますので、制度の改善を検討するとともに、対象案件の拡大に努めてまいります。 なお、大規模工事においても、区内業者の保護、育成の視点を踏まえた発注方式について検討してまいります。 次に、防災対策について、順次お答えします。 まず、地区防災計画についてですが、現在、改定に向け、検討中の地域防災計画において、木密地域や低地部、崖線など北区の持つ特性を踏まえ、地域ごとの災害リスクの整理を行っております。これらを踏まえ、来年度から地域の皆様が中心となり、災害に応じた避難行動などをまとめた、より身近で実効性の高い地域ごとの地区防災計画を作成していく際には、区として必要な支援を行っていくなど地域防災力の向上に向けて取り組んでまいります。 次に、コミュニティ・タイムラインとマイ・タイムラインについてです。 コミュニティ・タイムラインは、連合町会単位での支援を行っていますが、お互い顔が分かる方々で避難行動の検討をしていただくことは重要だと考えています。 モデル実施となった堀船地区では、町会単位のタイムラインを作成する機運も高まっており、マイ・タイムラインの作成と併せ、地域の状況に応じたきめ細かな避難行動につながるよう、引き続き支援を行ってまいります。 次に、高台の避難場所と低地部の垂直避難についてです。 これまで、区外を含めた避難場所以外への早期の分散避難を最も推奨する避難としてきましたが、今後、新たに次の二つの取組を進めてまいります。 まず、高台部における避難者の受入れ人数枠の拡大に向け、新たに高台にある私立学校等を含めた避難場所の確保に着手してまいります。また、低地部のうち、浸水想定期間が比較的短いエリアについて、東京都の考え方に準じて垂直避難を可能とするよう、避難先の考え方の見直しを行ってまいります。 今回の新たな二つの取組も含め、水害時の避難行動について改めて周知に努め、より多くの区民の皆様にご理解いただきたいと考えています。区民の皆様の命に関わる防災対策について、緊張感とスピード感を持って取り組み、区民の皆様の安心・安全を全力で守ってまいります。 次に、高台避難時の費用負担についてです。 災害時におけるタクシー・バス車両による緊急輸送協力に関する協定において、区の要請により、傷病者や避難者等の輸送業務や物資及び資機材の輸送業務など、事業者が実施した業務に要した費用を区が負担するものと定めています。 次に、「トップアスリートのまち・北区」に関するご質問についてお答えします。 北区にトップアスリートが集結する特色を生かして、トップアスリートと地域を結ぶことは、健康寿命の延伸や豊かで健康な生活につながる重要な取組であると認識しております。そのため、区ではJOCやハイパフォーマンススポーツセンターなどと連携し、トップアスリート等と地域の連携、協働の事業を実施しています。 今後は、日テレ・東京ヴェルディベレーザや東洋大学などと連携を深め、団体が持つ知見等を活用し、「トップアスリートのまち・北区」をさらに身近に感じてもらえる事業を展開し、区内外に発信することで、スポーツや健康への意識や参加意欲向上に努めてまいります。 次に、トレセン通りから桐ケ丘に続く地域をスポーツのまちとしての価値を高めるためのまちづくりの検討についてです。 区立のスポーツ施設については、基本計画等に基づき、順次、改修などの整備と機能強化を図っていきます。また、大規模な整備を実施する際には、区民ニーズや専門的な知見等をできる限り取り入れながら、魅力ある施設整備を実施いたします。 今後は、さらにナショナルトレーニングセンターなどの国の施設や東京都とも連携し、地域の特色を生かしたスポーツのまち・北区の価値がより一層高まるよう、取り組んでまいります。 次に、特別支援学校に通う児童・生徒への給食費支援についてです。 給食費の無償化については、区立小・中学校のほか、公私立幼稚園等を含めて恒久的に無償化し、保護者の負担軽減を図ってまいりますが、都立特別支援学校に通う児童・生徒についても、これらの保護者支援との均衡等から、今後、各学校の給食費の状況等を調査した上で、必要な支援の実施に向けて検討してまいります。 次に、今後の医療体制について、順次お答えします。 まず、新型コロナ五類移行後の診療所の現状についてです。 新型コロナ五類移行に伴い、診療体制は診療・検査医療機関として、限られた医療機関による診療体制から、幅広い医療機関における診療体制へ移行になりました。現在、区内の外来対応医療機関は百十九か所で、内科診療としている医療機関二百か所程度のうち、約六割程度であります。 今後は、東京都の外来診療での空間分離に必要な設備整備費の助成や、北区における個人防護具やパルスオキシメーターの配付などを周知して、新たに診療を始める医療機関が増えるよう努めてまいります。 次に、受診可能な医療機関のデジタルデバイドの方々への配慮ですが、東京都及び保健所には、電話や来所で相談できる窓口を継続して設けており、受診可能な医療機関や受診方法などについてお知らせしているところです。 次に、入院患者増加前の準備の現状についてお答えいたします。 患者数の増加により、外来医療機関の混雑と入院病床の調整が難しくなることが考えられます。区は、相談センターを継続して開設しており、受診についての相談を受けるほか、簡易キットや常備薬を自宅に常備することを北区ニュース等で周知してまいります。 また、入院調整による医療機関支援も継続しており、円滑な医療体制を確保してまいります。 次に、感染症の対応について、検証、計画作成、マニュアル作成を積極的に進めるべきとのご質問にお答えいたします。 感染症対策に関する予防計画については、令和六年四月までに、東京都の改定した予防計画を踏まえて、区としても、予防計画や健康危機対処計画を新たに作成することになっています。 計画の作成に先立ち、現在、北区における新型コロナウイルス感染症対策の三年間の課題整理と、人員体制確保や業務効率化のためのマニュアル作成を進めております。 次に、高齢化への対応について、お答えいたします。 初めに、特別養護老人ホームの待機者の現状についてです。 令和四年後期の申込み者は六百二十七名で、入所調整をした方は二百七十三名となりますが、調整後に入所を辞退する方もあり、入所者は百八名となっています。 次に、特養待機者と特養ホームのマッチング対策についてです。 特別養護老人ホームの空床率を下げ、待機者を減らす取組は百五十の政策にも掲げ、いち早く実施する考えです。マッチングに要する時間の短縮は、空床率の低下や高齢者とそのご家族の負担軽減にもつながることから、年二回の入所調整の回数を増やすほか、手続の見直しや体調の急変など、早急の入所を必要とする方が速やかに入所できる体制の構築など、特別養護老人ホーム施設長会と協議してまいります。 ご提案いただいた老人保健施設のベッドを特別養護老人ホームとして活用することについては、両施設の役割や特性、対象者やサービス内容が異なることから、施設に設置する設備や運営に関する基準に違いがあり、転換に当たっては、施設の指定を行っている東京都との協議が必要になるなど課題があると認識しています。 次に、地域医療の今後についてお答えいたします。 地域医療計画としては、全体調整を担う東京都が東京都地域医療構想を策定しており、二次医療圏として北区が区西北部に属し、周辺四区の中で病床数などの医療体制が調整されています。この構想において区の役割は、区域内の医療提供体制確保や、在宅療養の推進などとされています。 区としては、高齢化の進む区内の状況など様々なデータを調査、分析し、その結果を踏まえた在宅医療体制や将来必要とされる病床の維持、確保などについて、主体的に検討を行い、地域医療のあるべき姿を北区における地域医療ビジョンとして策定することといたしました。 昨年度から開催している北区地域医療会議では、現在、検討部会を立ち上げ、医師会や病院等の医療関係者に加え、訪問看護ステーションやケアマネジャー等の医療、在宅に関わる専門家を交えて、在宅医療に関わる課題や病院に関わる課題について検討を進めているところです。 なお、この(仮称)北区地域医療ビジョンは、来年度春の策定を目指しており、年内に素案を取りまとめた上で、パブリックコメントを実施するとともに、議会からのご意見をいただく予定としております。 なお、ご質問のあった病院の建て替えの際の老人保健施設等の併設、あるいは病院経営の中で、改築が困難な医療機関に対する支援等につきましても、ビジョンを検討する中で、区として一定の考え方を整理した上で、その方針に基づき対応してまいりたいと考えているところです。 最後に、口腔健康増進条例の策定についてです。 歯科口腔保健対策は、様々な疾病との関係が指摘されており、人生百年時代において、適切な口腔ケアを行っていくことは、より豊かな人生を送る上で非常に大切であると認識しているところです。 口腔健康増進条例については、区と保健医療関係者をはじめとする関係機関、そして区民が口腔の健康に対する認識を共有する上で、大変意義深いものと考えています。 今後、他の区市の先行事例を調査するとともに、国における皆歯科検診の検討状況等を見据えながら、条例制定に向けた検討を進めてまいります。 以上、お答え申し上げました。 いただきましたご質問、ご提言につきましては、その趣旨を踏まえ、課題を整理しつつ、検討を進めてまいります。ありがとうございました。
◎教育長(清正浩靖教育長) 私からは、新区長の所信表明を受けてのご質問のうち、教育、子育てについてお答えいたします。 初めに、(仮称)北区子ども条例についてです。 昨年度から制定の準備を進めてきた(仮称)北区子ども条例につきましては、子どもたちからの意見聴取の取組や、子ども・子育て会議での議論を重ね、基本的な考え方の案を取りまとめつつあります。 夏頃には子どもたちに対し、条例の名称や条例に盛り込むべき子どもたちの権利についてアンケートを実施することを計画しています。その後、条例の骨子案を取りまとめ、パブリックコメントの実施を経て、令和六年第一回定例会での条例案の提案を目指してまいります。 現在の取組の状況につきましては、本定例会の所管委員会でご報告いたします。 次に、保育園の定員割れの現状と対応についてです。 令和五年四月においては、保育園待機児童が解消した一方で、区内保育施設では定員の空きが生じ、民営保育施設の運営に大きな影響を与えています。 今年度より、ゼロ歳児クラスの定員に空きが発生している民営保育施設に対し、不足する人件費相当分の補助を開始しましたが、区としましては、抜本的な解決策が必要と考えています。 そのため、今後の保育園の在り方について、国、東京都が進める保育の拡充の観点や私立保育園理事長園長会等の意向も踏まえ、検討に取り組んでまいります。 あわせて、定員の空きを少なくする対策として、保育ニーズを適切に見極めながら、待機児童解消の緊急対策として整備したつぼみ保育園の一部廃止を含め、区直営保育園の受入れ数の調整を進めてまいります。また、東京都の補助事業を活用した定期的な預かり事業の実施に向け、準備を進めています。 現在、私立保育園に意向を確認するアンケート調査を実施しており、受入れ体制が整った施設から、できる限り早期に着手してまいる考えです。さらに、国が取組を推進する(仮称)こども誰でも通園制度の円滑な導入に向けて検討を進め、全ての子育て家庭の支援の充実を目指してまいります。 次に、子どもなんでも窓口についてお答えいたします。 まず、職員負担についてです。 児童館等では、現時点においても来館される保護者や子どもたちからの相談や、問合せの対応を日々行っているところです。子どもなんでも窓口としての取組の開始に当たりましては、既存の相談や問合せ対応をもとに窓口として体系化し、機能拡充を図るものとしています。そのため職員に大きな負担増はないものと認識していますが、職員が不安なく窓口対応ができるよう、館内の環境整備や研修の充実に努めてまいります。 次に、今後の展開についてです。 将来的には、児童福祉法改正による妊娠期から子育て期までの切れ目のない包括的な支援を行う子ども家庭センター設置の動きを踏まえ、情報提供、相談体制の一層の充実を目指してまいる考えです。 次に、不登校対策についてです。 議員ご指摘のとおり、不登校の状況は家から出られない、学校には行けないが外出できる、教室以外なら登校できるなど児童・生徒によって様々であり、個々の状況や希望に応じた多様な学びの場や居場所を用意することが必要であると考えています。 その取組の一つとして、本定例会には、校内の居場所づくりやフリースクール利用料補助に係る補正予算案を提案していますが、本年度はさらに、外部有識者や学校長を交えた不登校対応検討会を開催し、校外の居場所づくり、オンラインを活用した学習・相談支援、フリースクールとの連携、スクールソーシャルワーカーなどの支援体制の整備など、不登校児童・生徒へのさらなる支援策について検討することとしています。 また、現在、不登校児童・生徒への支援については、教育総合相談センターにおいて、スクールソーシャルワーカー、スクールカウンセラー、心理相談員などの専門職を雇用し、個々の状況に応じた丁寧な支援を行っていますが、医療や福祉的な観点での支援が必要な児童・生徒もいることから、保健師の役割も重要になるものと考えており、本年度からは保健師の職にある所長を配置し、保健部門との連携をさらに進めています。 限られた人材の中で、恒常的に同じ職種の職員を配置することは容易ではないものと考えていますが、不登校児童・生徒への支援に必要な職員配置については、今後とも区長部局と相談しながら、適切な対応に努めてまいります。 次に、スマートフォンの有害性に関する北区の考え及び取組についてお答えいたします。 北区では、児童・生徒に対し、スマホのマナーやルール、スマホ・ゲーム依存等、情報モラル教育を推進しています。また、保護者に対しても、スマートフォンの長時間にわたる使用に対する注意喚起等を掲載したSNS北区ルールのリーフレットを作成して配付するなど、スマートフォンの有害性に関する指導、啓発を行っているところです。 一方、令和四年度全国学力・学習状況調査の結果におきましても、一日当たりどれぐらいの時間、携帯電話やスマートフォンでSNSや動画視聴などをするかとの問いに対する回答と正答率の関係をまとめた結果、スマートフォン等を使用した時間が長いほど、正答率が低いという結果が確認できていますので、スマートフォンの使用時間や学力への影響については、児童・生徒や保護者への周知、啓発が必要であると考えています。 そのため、今後は、国等の調査結果に基づく必要な情報をSNS北区ルール等に掲載するなど、様々な機会を捉えて広く周知を進めていくとともに、議員ご紹介の調査結果から得られたデータや情報を参考に、それらを活用した指導方法を研究してまいります。 次に、子どもの貧困対策についてです。 区では、これまでも、ひとり親家庭の相談事業や学習支援、養育費確保支援事業等を実施しています。現在、策定を進めている(仮称)子ども・子育て支援総合計画の中で、さらに必要な取組の検討を行っていますが、まずは支援が必要と思われる家庭に対し、アウトリーチ型で訪問を行う取組の準備に着手し、地域の中で支援が必要な家庭の把握につなげてまいります。 また、フードパントリーにつきましても、引き続き北区社会福祉協議会と連携し、新たな担い手となる団体の育成等を支援することで、対象家庭に対する支援の充実を図ってまいります。 以上、お答え申し上げました。
◆三十八番(永沼かつゆき議員) 様々多岐にわたっての質問の内容の中で、大変前向きな答弁が多かったと思っております。ありがとうございます。 今回、区長の七つの政策の中での質問が多かったと思いますが、あまり深いところまで代表質問ではできませんので、それぞれの委員会、また個人質問等で、それぞれ深掘りをさせていただければというふうに思っております。 いずれにしましても、山積する課題解決に向けて、今後も一層努力をしていく、また区政前進のために、しっかりと取り組んでいくようにしていきたいと思っております。 本日はありがとうございました。(拍手)
○議長(大沢たかし議員) 十七番 金田よしあき議員。(拍手) (十七番 金田よしあき議員登壇)
◆十七番(金田よしあき議員) 自由民主党議員団の金田よしあきでございます。 私は、本年四月の北区議会議員選挙におきまして、地域の皆様、区民の皆様の信託をいただき、初当選をさせていただくことができました。 初めての質問ですので、不慣れな点も多いですが、よろしくお願い申し上げます。 最初に、防災・減災のまちづくりについてお伺いいたします。 まず、風水害対策について質問させていただきます。 今月二日から三日にかけて、台風二号が日本列島へ接近しました。線状降水帯の発生により、溝田橋など石神井川での水位が氾濫危険水位まで一メートルに迫りました。 今回の避難場所の開設が三日の深夜一時五十分でした。避難場所の閉鎖も、石神井川の氾濫のおそれがある地域では、早朝五時十五分と就寝中に避難指示がなされ、解除になったことを起床後に知ったという声も多く伺いました。 深夜の避難指示であり、崖地などの土砂災害のおそれのある地域もある中で、雨の中の避難は危険を伴います。地域防災計画やハザードマップによりますと、警戒レベル三で高齢者避難、レベル四で避難指示となっておりますが、今回はレベル四の避難指示の段階での避難場所開設でした。 堀船地区では、かつて五年間で二回、石神井川の溢水による洪水に見舞われたことがありました。 そこで、深夜の避難が予想される場合、まず高齢者避難に対応した避難場所の設置を前倒しで行うなど、時間帯に見合った対応策を想定していく必要があると考えますが、区の見解を伺います。 今回、防災無線の放送が聞こえなかったとの指摘もありました。雨の中、轟音の中での聞き取りは難しく、区では電話で内容を聞けるサービスや、メールやLINEでの緊急情報の発信を行っております。ツイッター、フェイスブックをはじめとしたSNS、携帯電話事業者の緊急速報メールなどの活用に加え、新たな手法を用いた伝達手段が必要だと考えます。区長の見解を伺います。 堀船地区は、荒川氾濫時のコミュニティ・タイムラインを区内で最初に作成、配布した地域ですが、荒川の氾濫時と石神井川の氾濫時では避難の方法が違います。荒川氾濫時は高台避難、石神井川氾濫時は垂直避難も可としておりますが、対応を混同している方が多く見受けけられます。荒川氾濫時に石神井川氾濫時の対応を取らないよう、混乱防止の観点から、その違いについて周知徹底を図っていくよう区の対応について見解を伺います。 また、今年度より、大規模水害時の要支援者の個別避難計画を策定予定とのことですが、避難する移動手段として、介護タクシーや民間救急などが想定されます。これらの事業者は個人の事業者も多く、またタクシー業界と違い、組合や団体も、まだ発展途上であるとのことです。 車両の必要数の確保計画や事業者との協定締結についてなど、どのように考えているか、区の見解を伺います。 次に、木造住宅の密集地域についてお伺いいたします。 北区では、現在、不燃化特区内の除却助成は最大百六十万円となっております。八十平方メートル程度の住宅を取り壊した場合、同程度の費用がかかり、一平方メートル当たり二万円程度となります。お隣の荒川区の不燃化特区内の除却助成は、一平方メートル当たり二万六千円、五百平方メートルまで助成されることとなっております。 不燃化特区制度の事業期間は令和七年度までとなっておりますが、北区での不燃領域率が令和三年現在、十条・赤羽西地域で五七・九%、志茂地域で五八・九%と目標値の七〇%まで遠い状況となっております。 不燃化特区内の除却制度の利用は、令和四年が七十二件、令和三年が八十件と、区の働きかけの成果もあり、それ以前の三十件台より確実に増加してきました。 足立区では、目標達成を加速するため、一平方メートル当たり二万八千円、最大で二百八十万円まで増額しております。制度が制定された約十年前と現在では、解体費用も上昇してきており、不燃領域率の目標達成のため、解体費用の助成金の拡充が必要と考えます。 これからも不燃化対策を進めていくため、不燃化特区制度の令和八年度以降の延長について、東京都へ強く求める必要があります。区の見解を伺います。 私の地元、上中里、栄町、堀船地区は、地震による建物倒壊や火災の危険度がランク四から五となっており、都内でも上位七%の危険度が高い地域となっております。特に、上中里三丁目では、建物倒壊危険度が都内で二十三位、火災危険度が四十九位、総合危険度が六十位です。 このような事情から、昨年六月に東京都より防災再開発促進地区に指定されました。 荒川区では、不燃化特区外の町屋一丁目などにおいても、東京都の防災都市づくり推進計画において、整備地域として指定されているため、区の制度で不燃化特区内と同等の補助が受けられるようになりました。 防災再開発促進地区において、まず整備地域への指定を東京都へ働きかけていただきたいと考えます。まず、前提となる調査を行う必要があります。北区としての見解を伺います。 二番目に、空き家、空き店舗についてお伺いいたします。 平成二十八年の北区空家等実態調査では、空き家は千二百七十八棟あり、このうち空家等対策の推進に関する特別措置法における特定空家が五十三棟ありました。現在も二十三棟が残ります。空き家で管理不全なものは、倒壊の危険や不審者の侵入、ごみの不法投棄、害虫・害獣の発生など近隣住民に不安を与えます。 一方、今月一日夜間に、昭和町で現住建造物である老朽家屋の自然倒壊事故がありました。倒壊によって、瓦礫が明治通りにも散乱し、撤去されました。 今後、高齢化が進み、適正な建物維持管理がなされていない老朽家屋が増加していくことも考えられます。建物の崩壊により、交通への影響や隣接家屋への倒壊などの二次被害も懸念されます。 ほかの自治体において、例えば足立区では、足立区老朽家屋等の適正管理に関する条例を制定し、現住建造物の老朽化と空き家を一体の問題として取り組んでいます。危険な老朽家屋として、勧告すべきものとされた建築物について、老朽家屋等解体工事助成を実施しております。 現住建造物である老朽家屋の対策も、空き家対策と一体化して行っていく必要があると考えますが、区としての見解を伺います。 また、同様の北区空家等実態調査によれば、空き家のうち八七%が再利用可能と報告されています。北区では、地域貢献型空き家利活用モデル事業を実施し、地域貢献活動を行う子ども食堂など、三年以上の活動実績のある社会貢献団体に対して、十年以上活動することを条件に、改修費用を最大で二百万円の助成を行っておりますが、利用実績は現状ないと聞いています。 他区での同様の事業では、豊島区では、地域に開かれたブックカフェや妊婦の居場所づくり、コミュニティカフェなどの実績があり、また世田谷区では、適用条件が五年以上の活動実績、最大三百万円の改修費用助成となっております。 北区でも、本事業の利用を促進するため、適用条件の緩和などの改善や積極的なマッチングや啓発活動を検討すべきだと考えます。区の見解を伺います。 空き家、空き店舗の二つ目の活用方法として、地域コミュニティスペースでの活用、子育て支援相談施設などでの活用方法も見られますが、高齢者などのデジタルデバイド対策への活用も考えられます。 北区では、既に町会・自治会を通じたスマホ教室を行い、高齢者のデジタルデバイド対策事業が今年度後半より本格化し、長寿支援課の事業では、災害時に必要な情報を得るためのLINEや、「あるきた」アプリのダウンロードを行い、フォローアップの復習も検討されていると伺っております。 私も、地元町会で主に高齢者の方を対象としたスマホ教室の講師を務めました。受講された方の声で多かったのは、LINEなどのアプリの使用方法や設定について、ドコモショップなどのキャリアショップで相談しても、アプリには触れることができないとのことです。内蔵カメラでの写真の撮り方などの初歩的な使い方やアプリ、セキュリティなどについて相談できるような場所がほしいとの声を多く受けました。 また、私は地元町会において、新型コロナウイルスのワクチン接種予約の申込みもお手伝いさせていただきました。今後は、マイナンバーなどオンラインでの各種申請が広がることで利便性が向上いたします。誰でも、その利便性を享受できるようにするため、オンライン申請について身近に相談できる場所として、空き家や空き店舗を活用して実施したらいかがでしょうか。区の見解を伺います。 最後に、私の地元、昭和町地区、堀船地区を中心とした地域の諸課題につきまして、お伺いします。 JR尾久駅周辺の整備について質問いたします。 上野東京ラインが開通してから、東京、横浜、小田原、熱海などへ乗換えなしで行くことができ、利便性が飛躍的に向上しました。駅の乗車人員もコロナ禍での一時的な減少もありますが、増加傾向にあります。 上中里二丁目と昭和町方面、尾久駅をつなぐ地下道があります。階段のみであり、高齢者や女性、障害のある方が買物をして、重い荷物を乗せた自転車や手押し車でスロープを上がる際、大変な負担となります。私もお手伝いをさせていただくことがあります。 高齢化が進む地域でもあり、特に上中里二丁目付近は、商店や商業施設も少ないため、買物へ行く際に利用する方も多い地下道です。昭和町地区は、鉄道で分断されている地域ですので、地下道は欠かせません。 地元からも再三要望がありますが、エスカレーターや自転車用のコンベヤーを設置し、バリアフリー化を図るよう、区からJR東日本へ強く働きかけを求めます。 また、尾久駅は一部時間帯で無人対応となることや特急、
快速列車がスピードを出して通過する駅ですので、ホームドア設置が必要だと考えます。区の見解を伺います。 尾久駅前駐輪場については、現状、五百六十五台分の定数のうち、四百六十台使用とのことで余裕があると思われます。しかしながら、土日、祝日を中心に放置自転車が見られます。当日利用の促進を図り、見回りの強化を図るとともに、夜間に駐輪場が分かりづらいという地域の声も受けております。 明治通り方面からも分かりやすく、看板や照明の工夫が必要だと考えますが、区の見解をお聞かせください。 次に、都電荒川線の梶原停留場のホーム移設についてお伺いいたします。 現在、三ノ輪橋方面のホームは、桜輪幼稚園側にあります。桜輪幼稚園側の都電沿いの道路は入り口が狭く、車が擦れ違うことができずに歩道に乗り上げる状況です。消防車などの緊急車両も入ることも困難です。 近年、近隣にコーナンなどの商業施設もでき、交通量が増加したことで、歩行者を巻き込む事故も発生しております。近隣の幼稚園児の送り迎えにも危険を伴います。 三ノ輪橋方面のホームを堀船の梶原銀座商店街側、早稲田方面のホームの位置へ移設し、統一するよう、地元から歴代の自民党都議会議員を通じて東京都へも要望が出ておりますので、一日も早く実現するよう、区から東京都へ強く働きかける必要があります。区の見解を伺います。 最後に、中里貝塚史跡広場についてお伺いいたします。 中里貝塚は、縄文時代中期のハマ貝塚であり、カキやハマグリなどのむき身を作る水産加工場として、歴史的評価の高い遺跡です。今年度より整備の実施設計に入りますが、その中で、Wi-Fi設備を用いて、スマートフォンで解説を見ることができるようにする計画となっております。 私も当時、史跡保存活用計画策定のワークショップ委員として、西東京市の下野谷遺跡を見学させていただきました際、スマートフォンで、現実の場所に当時の様子を再現したARを活用したアプリを使用してみて、非常に分かりやすく再現していることに強い印象を受けました。 地域の誇りとして、遺跡の大切さを子どもたちの教育の中に取り入れることや、AR、VRなどの活用も図るべきだと考えますが、教育委員会としてはどのようにお考えでしょうか、見解を伺います。 史跡広場では、地域コミュニティの場として、地元、上中里貝塚町会では、子どもイベントや防災訓練が実施されています。JR田端・尾久操車場が広域避難場所として指定解除されたこともあり、災害時のいっとき集合場所として選定できないかという要望があります。区の見解を伺います。 以上をもちまして、私の個人質問を終わります。ご清聴いただき、ありがとうございました。(拍手) (山田加奈子区長登壇)
◎区長(山田加奈子区長) ただいまの金田よしあき議員からのご質問について、私からは防災・減災のまちづくりについてのご質問のうち、風水害対策における情報発信や情報収集、情報共有についてお答えをさせていただきます。 情報発信や情報収集、情報共有については、既存のシステムの課題でもあることから、既に新たなシステム導入についての検討に着手しています。 具体的には、区民への情報発信については、新たに防災ポータルサイトや防災アプリを導入し、防災に関する情報を入手しやすい環境を整備するとともに、ホームページやメールマガジン、ツイッター、LINEなどについて情報を一括で配信できる仕組みの導入やプッシュ型の情報発信を充実することで、区民が知りたい情報を多様な媒体から時間差なく入手できるようにしてまいります。 また、情報収集や情報共有については、新たに防災情報システムの導入により、避難者数の報告や区内の被害状況について、現場や各所管でシステムに入力することで、無線やメールでの報告や取りまとめ業務の簡略化を図り、職員の負担軽減を図ってまいります。 これらのことを通じて、区民の皆様が誰一人として、風水害の被害に遭うことのないよう、全力で取組を進めてまいりたいと存じます。 以上で、私のお答えとさせていただきます。 この後、引き続き、所管の部長からご答弁申し上げます。ありがとうございました。
◎危機管理室長(小宮山庄一危機管理室長) (説明員) 私からは、引き続き風水害対策についてのご質問にお答えをさせていただきます。 まずは、ただいま区長から申し上げましたご答弁の前段部分から、答弁させていただきます。 時間帯に見合った対応策についてですが、このたびの台風第二号に伴う前線の活発化による大雨については、避難場所の対応方針として、気象庁及び気象協会の予測を基に、避難場所の開設をしないが、万が一に備えた警戒態勢を取ることとしました。 しかしながら、予想を超える雨量や夜間にかけて降り続いたことから、大雨の際の対応としては、北区防災計画、ハザードマップ、アドバイザーの助言などを判断基準としながらも、発生時間、発生場所、刻一刻と変化する気象状況などを複合的、総合的に判断し、臨機応変に対応する必要があることが理解できたものであり、併せて改善すべき課題も大きく二点に分けて認識できたと考えています。 まず、警戒レベルの段階に限らず、時間帯を考慮した上で避難場所の開設を判断することであり、明るい時間帯に自主的な判断ができるよう、現在検討しています。 次に、新たな手法を用いた伝達手段についてです。 防災無線の放送が聞こえなかったことは、速やかに改善すべき課題と考えています。そこで、防災無線の放送内容をホームページやメールマガジン等、デジタルを活用して発信するとともに、デジタルデバイト対策として、六十五歳以上の希望者に戸別受信機を配付するなど、災害時の重要な情報である防災無線の放送内容を全ての区民に届けるための仕組みを構築してまいります。 次に、荒川氾濫時と石神井川氾濫時の対応の違いについてです。 荒川氾濫時には、区外への避難も含め、避難場所以外への早期の分散避難を最も推奨する避難としており、避難する時間的な余裕がない場合に限り、緊急安全確保として垂直避難を実施することとしています。 一方、石神井川氾濫時には浸水しない地域への立ち退き避難が望ましい対応となりますが、浸水継続時間が短いことや集中豪雨などは前もっての予測は困難なことから、垂直避難も検討することが可能です。 想定する水害によって、避難行動が異なることを、堀船地区など対象となる地区にお住まいの区民の皆様に、改めて周知を図ってまいります。 次に、地域の諸課題についてのご質問のうち、中里貝塚史跡広場に関するご質問にお答えいたします。 史跡広場の災害時いっとき集合場所については、まずは上中里貝塚町会をはじめ、希望する町会・自治会よりご依頼をいただき、その上で、区、警察署、消防署が協議をして選定することとなっています。 なお、選定後には、防災地図等に掲載して周知を図ってまいります。 以上、お答えさせていただきました。
◎福祉部長(村野重成福祉部長) (説明員) 私からは、初めに防災・減災のまちづくりについてのうち、大規模水害時に要支援者が避難する場合の移動手段についてのご質問にお答えいたします。 個別避難計画を作成する要支援者は、要介護三以上、障害支援区分四以上など重度の方が対象となり、車椅子やストレッチャーなどを使用する必要があることから、移動手段としては介護タクシーや民間救急などが想定されます。 六月末頃から、最も優先度が高い方のご自宅に訪問をし、個別避難計画の作成に向けたヒアリング調査を実施する予定で、このヒアリングの中で、避難支援方針の核となる移動手段についても検討を行い、どのような仕様の車両が必要かを確認しながら、必要数を把握してまいります。 個人事業主が中心となる事業者との協定締結については、どのような協定のやり方が可能なのか、先行自治体の事例なども確認しながら検討してまいります。 次に、空き家、空き店舗対策についてのうち、高齢者のデジタルデバイド対策への活用についてです。 DXやデジタル化を推進するに当たり、高齢者をはじめとするデジタルデバイト対策は重要であると考えています。今年度は、高齢者のデジタルデバイド対策として新たに予算を計上し、取組を進めるほか、町会・自治会のデジタル化推進を目的とした講座なども実施してまいります。 議員ご提案の事業については、空き家、空き店舗の活用の一つの方策になると考えますが、空き家等の利用に際してのマッチングや施設のバリアフリー化、Wi-Fi環境の確保など様々な課題があると考えています。 こうしたことから、まずは区民の皆様に親しみのある区民施設等によるデジタルデバイド対策を実施させていただき、その中で利用者の方のご意見もいただきながら、よりよい方策を検討したいと考えております。 以上、お答えいたしました。
◎防災まちづくり担当部長(安間三千雄防災まちづくり担当部長) (説明員) 私からは、防災・減災のまちづくりについてのうち、木密地域についてのご質問などについて、順次、お答えいたします。 初めに、解体費用の助成金の拡充及び不燃化特区制度の延長が必要と考えるについてでございます。 北区では、要綱におきまして、不燃化特区内での除却に当たり交付する額は、実際に要した費用の合計額、別に定める国単価により積算した事業費の額百六十万円、これらいずれか少ない額を交付することと規定しておりまして、このうち、別に定める国単価につきましては、一平方メートル当たり三万千円となっています。 助成額につきましては、ご指摘のとおり、荒川区や足立区のように、北区よりも上限を高く設定している区がある一方で、北区よりも低いところもあると承知してございます。 区といたしましては、除却費用等の実態、それから他区の状況などを参考にしながら、補助額など補助制度について研究していくとともに、令和七年度までとなっている不燃化特区制度につきまして、他区と情報を共有しながら、足並みをそろえ、対応してまいります。 次に、整備地域への指定の前提となる調査を行う必要があるについてでございます。 令和四年九月に東京都が公表しました地震に関する地域危険度測定調査の結果によると、堀船一丁目、栄町、上中里三丁目は、総合危険度がそれぞれ四、四、五となっており、これらは令和四年六月には、防災街区整備方針において防災再開発促進地区に、また令和四年十月には、住宅市街地の開発整備の方針において重点地区に位置づけられており、一体的かつ総合的に整備が必要な地区であると認識しております。 区としては、現在、地域の実態調査に向けた準備を進めているところであり、不燃化促進に向けた取組について検討してまいります。 次に、地域の諸課題についてのうち、都電梶原停留場の移設についてです。 都電荒川線の三ノ輪橋方面の梶原停留場につきましては、歩行空間の確保や明治通りとの接合部のボトルネックの解消などから、停留場の移設について平成二十九年七月に地元要望を受けまして、北区としましても、同年に東京都交通局長に移設の要望を行っているところでございます。 東京都交通局からは、都電荒川線梶原停留場の移設については、地元要望を踏まえ、東京都交通局において関係機関と協議、調整を行っていると伺っています。 区としましては、引き続き、東京都交通局に対して梶原停留場の移設を求めてまいります。 以上、お答え申し上げました。
◎まちづくり部長(藤野浩史まちづくり部長) (説明員) 私からは初めに、空き家、空き店舗対策についてのうち、まず、現住建造物の老朽家屋の対策も、空き家対策と一体化して行うことについてお答えします。 北区では、管理者が不在で、建物の管理状況について悪化の傾向があり、周辺への影響が大きい特定空き家について、空家等対策の推進に関する特別措置法に基づき、指導や勧告、命令などの措置を行っております。 一方、同様の状態にある居住老朽家屋については、建築基準法に基づき指導などを行っており、それぞれ庁内で連携を図りながら対応しているところです。 管理不全な老朽家屋に対する一体的な取組につきましては、今後ご紹介いただきました足立区の取組や他自治体における事例なども参考にしながら検討してまいります。 次に、地域貢献型空き家利活用モデル事業の適用条件の緩和などの改善や積極的なマッチング、啓発活動についてのご質問です。 北区におきましては、本事業を平成三十年度から実施しておりますが、コロナ禍が重なるなど周知活動を十分に行うことができず、また登録するオーナーや地域貢献団体に事業期間や活動実績などの要件を定めていることもあり、この間、相談等の問合せはありましたが、登録までは至らない状況でした。 本年度は、行政書士団体などとの連携を図り、相談会やセミナーの実施など様々な手法で積極的に周知活動を展開してまいりますが、要件についても、より利用しやすい制度とするための検討を進めてまいります。 空き家対策、利活用は、様々な政策課題の解決にもつながる重要な施策の一つとして認識しており、一層の取組に努めてまいります。 次に、地域の諸課題についてのご質問のうち、JR尾久駅周辺の整備についてお答えします。 尾久駅地下道については、平成二十九年度に策定した北区バリアフリー基本構想の地区別構想滝野川地区において、長期的な取組箇所に位置づけております。一方、地域の皆様からは、かねてよりご要望をいただいており、JR東日本に対しては、早期の実施を求めているところです。 今年度、区内のバリアフリー化の実施状況等の検証を行うため、庁内で検討会を立ち上げる予定ですので、改めて課題等を整理するとともに、その上で、早期の実施に向けてJR東日本と協議を進めてまいります。 また、JR東日本では、ホームドアの整備を順次進めてきており、区内各駅を含む東京圏においては、令和十三年度末頃までに整備していく計画が示されています。 区といたしましては、各駅の状況を踏まえ、駅利用者の安全確保を最優先する観点から、ホームドアの早期整備についても様々な機会を捉えながら、JR東日本に求めてまいります。 以上、お答え申し上げました。
◎土木部長(寺田雅夫土木部長) (説明員) 私からは、尾久駅前自転車駐車場についてお答えいたします。 尾久駅周辺の放置自転車対策につきましては、毎週、曜日と時間を変えて撤去を行っておりますが、引き続き効果的な方法を検討し、自転車駐車場への誘導を図ってまいります。 なお、自転車駐車場の場所を分かりやすくする工夫については、状況を確認の上、必要に応じて検討してまいります。 以上、お答え申し上げました。
◎教育振興部長(小野村弘幸教育振興部長) (説明員) 私からは、地域の諸課題についてのご質問のうち、中里貝塚史跡広場についての教育委員会の取組について、お答えさせていただきます。 平成十二年に国史跡に指定された史跡中里貝塚は、適切な保存、継承や史跡を生かしたまちづくり推進のため、令和二年度に基本計画、令和四年度に基本設計を策定し、本年度は実施設計に取り組んでいます。 基本設計では、広場のシンボルツリーは体験学習に活用できる樹種を選定する、多機能トイレは、学校一クラスの見学に対応可能な規模とする、掲示板は、小・中学校での地域学習や歴史学習の成果を公開する場所とするなど、広場を教育活動で使用する前提の設計を行うこととしています。 また、広場には、体験学習で使用する道具やAR、VR等の運用に係るWi-Fi設備とメンテナンスに伴う機材を収納する倉庫等の管理施設の設置、AR、VRでの読み取りコードを掲載した解説版の設置も行い、史跡中里貝塚を訪れる多くの方に親しんでいただける体験型の施設として整備してまいりたいと考えています。 以上、お答えさせていただきました。
◆十七番(金田よしあき議員) 区長や理事者の皆様、ご丁寧な答弁をいただきまして、ありがとうございました。 地元では、安全・安心の住みやすいまちを、これから北区としても実現していただきたいと思いまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○議長(大沢たかし議員) お諮りします。 本日はこの程度で延会し、六月二十一日午前十時、本会議を開会したいと思います。ご異議ありませんか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(大沢たかし議員) ご異議ないと認め、そのように決定します。 ただいまご着席の方々には改めて通知しませんので、ご了承願います。 本日はこれをもって延会とします。 午後六時三分延会...