豊島区議会 2014-11-26
平成26年第4回定例会(第16号11月26日)
平成26年第4回定例会(第16号11月26日) 平成26年豊島区議会会議録第16号(第4回定例会)
平成26年11月26日(水曜日)
議員定数 33名
出席議員 33名
1 番 西 山 陽 介
2 番 根 岸 光 洋
4 番 小 林 弘 明
5 番 古 堺 稔 人
6 番 関 谷 二 葉
7 番 石 川 大 我
8 番 村 上 典 子
9 番 高 橋 佳代子
10 番 辻 薫
11 番 中 田 兵 衛
13 番 磯 一 昭
14 番 細 川 正 博
15 番 森 とおる
16 番 儀 武 さとる
17 番 藤 本 きんじ
18 番 永 野 裕 子
19 番 中 島 義 春
20 番 島 村 高 彦
21 番 星 京 子
22 番 河 原 弘 明
23 番 竹 下 ひろみ
24 番 村 上 宇 一
25 番 渡 辺 くみ子
26 番 小 林 ひろみ
27 番 大 谷 洋 子
28 番 山 口 菊 子
29 番 木 下 広
30 番 此 島 澄 子
32 番 本 橋 弘 隆
33 番 里 中 郁 男
34 番 吉 村 辰 明
35 番 垣 内 信 行
36 番 河 野 たえ子
欠席議員 なし
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説明のため出席した者の職氏名
区 長 高 野 之 夫
副区長 水 島 正 彦
副区長 渡 邉 浩 司
政策経営部長 齊 藤 忠 晴
総務部長 永 田 謙 介
施設管理部長 鈴 木 達
区民部長 陣野原 伸 幸
文化商工部長 栗 原 章
清掃環境部長 鈴 木 公 一
保健福祉部長 吉 末 昌 弘
池袋保健所長 原 田 美江子
子ども家庭部長 石 橋 秀 男
都市整備部長 齋 藤 賢 司
会計管理室長 城 山 佳 胤
──────────────────
教育長 三 田 一 則
教育総務部長 天 貝 勝 己
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選挙管理委員会事務局長
神 田 光 一
──────────────────
監査委員事務局長
石 井 雄 三
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職務のため議場に出席した事務局職員の職氏名
事務局長 佐 藤 正 俊
議会総務課長 高 桑 光 浩
議会担当係長 七 尾 弘
議会担当係長 渡 邉 明日香
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議事日程
・
会議録署名議員の指名
・一般質問
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追加議事日程(1)
・追加日程第1 第103号議案 職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
・同 第2 第104号議案
幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する
条例
・同 第3 第105号議案 職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例
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会議に付した事件
・
会議録署名議員の指名
・一般質問
竹下ひろみ議員「「2020年に向けたまちづくり」」
辻 薫議員「2020
オリンピック・
パラリンピック東京開催へ向けて!」
森 とおる議員「将来に禍根を残す大型開発をやめ、くらし最優先の区政に」
石川大我議員「「すべての区民が快適に過ごせる豊島区づくりに向けて」」
関谷二葉議員「健康で安全・安心なまちづくりを目指して 13」
・追加日程第1から第3まで
・会議時間の延長
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午後1時2分開議
○議長(本橋弘隆) これより本日の会議を開きます。
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○議長(本橋弘隆)
会議録署名議員を御指名申し上げます。2番根岸光洋さん、4番小林弘明さん、5番古堺稔人さん、以上のお三方にお願いいたします。
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○議長(本橋弘隆) これより、昨日の本会議に引き続き、一般質問を行います。
発言通告に基づき、順次これを許可いたします。
まず、23番議員より、「「2020年に向けたまちづくり」」の発言がございます。
〔
竹下ひろみ議員登壇〕(拍手)
○23番(竹下ひろみ) 私は、
自由民主党豊島区議団を代表して、「2020年に向けたまちづくり」と題し、1、
東京オリンピック・
パラリンピック開催の意義と豊島区の将来像について、2、国際アート・
カルチャー都市実現に向けた具体的な取り組みについて、3、2020年に向けた
まちづくり施策について、4、
オリンピック・
パラリンピックを視点とした教育についての一般質問を行います。
昨年9月7日、ブエノスアイレスで行われた
国際オリンピック委員会総会で、イスタンブール、マドリッドを抑えて、私たちが住む東京が開催地に選ばれました。決定の瞬間のあの感動を今でも忘れることができません。東京での開催は、昭和39年以来56年ぶり、日本での
オリンピック開催は、夏季、冬季通じても、平成10年の
長野オリンピック開催以来22年ぶりとなるものであります。
招致決定に至るまでには並々ならぬ御努力があったと思います。招致に向けて御努力を重ねてこられた関係者の皆様に心から敬意を表したいと存じます。
私が前回一般質問させていただきましたのは、平成24年の第3回定例会でございました。その折にも、
オリンピックに関する質問をしております。
ロンドンオリンピックの終了直後、日本人選手の見事な活躍ぶりに日本国民が一体となった感動について、特に国旗が応援スタンドを埋め尽くし表彰台に揚がる日の丸を仰ぎ見ながら、日本人として生まれたことをかみしめ、日本人であることに誇りを感じ、日本国を再認識したということを述べたと記憶しております。
オリンピック・
パラリンピックという最大の
国際的イベントが2020年に、ついに日本で開催されます。この機会を逃すことなく、次代の子どもたちを世界で活躍する国際人に育成し、今こそ国は、てらいのない素直な気持ちで、日本に誇りを感じる国民を1人でも多く育てる社会となることを望むものであります。そのためには、より積極的に教育に力を注ぐ施策を推進していく必要があるということを、冒頭、強く申し述べさせていただきます。
それでは、質問に入ります。
初めに、
東京オリンピック・
パラリンピック開催の意義について伺います。
10月22日に開催された国際アート・
カルチャー都市説明会で、
前田チーフプロデューサーが、
オリンピックはスポーツと文化の融合であるという
近代オリンピックの父、
クーベルタン男爵の言葉を紹介されていました。しかし、これまで
オリンピックはスポーツの祭典ととらえられてきたために、豊島区には練習会場も含めた競技会場がない、このことを残念に思われているという印象を私は持ちました。
一方で、
ロンドンオリンピックでは、文化的な催しが大きな関心を集めていたということは皆様も記憶に新しいと思います。そこで、
オリンピック・
パラリンピックにおける文化事業の動向についてのお考えと、東京で
オリンピックが開催されるとはいえ、会場のない本区にとっての
オリンピックの意義についてどのようなお考えをお持ちなのかお聞かせください。
豊島区の将来像については、現在進んでいる基本計画の見直しの中で明らかになってくるものと考えますが、6年後の2020年、すなわち平成32年に
オリンピック・
パラリンピックが開催されることが決定したことから、インフラ、ソフト両面での整備について、基本計画の策定を待たずに、
オリンピック開催を1つの区切りとしたまちづくりをいや応なしに進めていかなければならないと考えます。
そこで伺います。6年後、
オリンピック・
パラリンピックを迎える平成32年の豊島区像をどのようにお考えになられておられますか、お聞かせください。
次に、国際アート・
カルチャー都市構想について伺います。
10月6日、さらには22日と国際アート・
カルチャー都市の考え方について説明会が開催されました。構想として今後まとめていくという状況であると理解しておりますが、改めて国際アート・
カルチャー都市のコンセプトを打ち出した経緯について、特に国家戦略特区をどのように活用していくのかも含めて伺いたいと存じます。
10月6日の
プロデューサー発表会は、前夜からすさまじい暴風雨でした。さすが雨男と言われる
高野区長肝いりの発表会と納得したのは私だけではないと思いますが、しかしながら、会場は興味津々顔の皆様でいっぱいでした。私は、豊島区が変わっていく端緒となるとの期待感が、悪天候にもかかわらず、多くの皆様が足を運んでくださったのだと思いました。
また、
プロデューサーお一人お一人の個性あるプレゼンテーションにも引きつけられました。そして、発表会終了後の台風一過の青空が、豊島区の将来を象徴しているように思いました。
そこで伺います。会場での記者会見では、
サブカルチャーに偏った人選ではないかとの質問も出たと聞いております。改めて、
プロデューサー選任の経緯と期待する役割についてお聞かせください。
高野区長はさきの第3回定例会の招集あいさつの中で、国際アート・
カルチャー都市とは、これまで本区が推進してきた
文化創造都市に示すビジョンをさらにスケールアップさせた都市像であり、本区の魅力を国内外はもとより、世界に向けて積極的に情報を発信し、多くの人に本区を訪れていただけるような魅力あるまちづくり、日本全体の推進力となることを目指すと力強く述べておられます。
2020年東京での
オリンピック・
パラリンピック開催決定、そして、来年には、本区には日本一の新庁舎がオープンいたします。今は、まさに世界に向けて本区の魅力を発信していく絶好の機会かと思いますが、いかがでしょうか。
日本を訪れた
外国人観光客を見ますと、2013年に約1,036万人となり、初めて1,000万人という大台を突破し、現在では1,100万人を超え、さらに増加傾向が続いています。
国は、2020年の
東京オリンピックが決定したことを追い風として、さらに訪日外国人2,000万人の目標を掲げました。今後は、
訪日外国人旅行者が安心して快適に移動や滞在、そして観光ができる受け入れ環境を整備、充実させ、
訪日外国人旅行者の訪問を促進するとともに、満足度を高め、リピーターの増加を図ることを目指すとしています。
この考えは、まさに本区が掲げる国際アート・
カルチャー都市構想と軌を一にするものであると考えます。本区には、多くの著名な芸術家を輩出し
池袋モンパルナスと称されたアトリエ村や、漫画文化の発祥の地とされるトキワ荘、
日本ユネスコ協会連盟による未来遺産に登録申請中の雑司が谷の伝統文化、
ソメイヨシノ桜の発祥の地駒込、おばあちゃんの原宿と称される
巣鴨地蔵通りかいわいなどなど、有力な
文化観光資源がたくさんあります。
また、最新の
アニメコミック商品を提供しているアニメイト、注目されている乙女ロード、バーチャルとリアルが融合したニコニコ動画ドワンゴの池袋進出など、
サブカルチャー産業を代表する企業の集積が目立ちます。そして、区内全域を見回しますと、年間を通して官民を問わず、伝統芸能、お祭り、演劇、音楽、映画、漫画アニメ、コスプレなど多種多様な活動が展開されています。これら地域の特色ある文化資源に磨きをかけ、積極的に国内はもとより、世界に向けて情報発信をすることで、多くの日本人、
外国人旅行者に本区に立ち寄っていただき、滞在を促し、そして、にぎわい創出につなげていくという観点から幾つか質問をいたしします。
先ほど述べたようなこれらの文化芸術活動を、アート・
カルチャー都市構想ではどのように位置づけをしているのか、そして、さらなる地域のにぎわい創出につなげていかれるお考えなのか、今後の展開についてお聞かせください。
また、これらの諸活動は相互に関連づけをしていくことで相乗効果を生み、新たな文化創造へと発展していく可能性を秘めていると考えますが、区の御見解と
取り組み事例等がございましたら、あわせてお聞かせいただきたいと思います。さらに今後、新たな観光資源の創出として期待されている取り組みがあればお聞かせください。
次に、本区を訪れる旅行者の誘致には、
文化観光資源の充実とあわせて、旅行者のニーズに合った情報発信の方策が極めて重要になってまいります。そこで、本区における観光情報の発信のあり方について幾つか質問をいたします。
池袋モンパルナスやトキワ荘、
ソメイヨシノ桜など、本区が提供する
文化観光情報の中心には、現代に脈々とつながるその地域特有の魅力があります。地域の歴史や文化に根差した深い魅力は、その地域を訪れた人たちに感動を与え、大きな魅力となって愛され、さらに人を引きつけるまちへとなります。今日、旅行会社では、観光客を呼び込むための情報サイト、
観光パンフレット、ガイドブック、友人や知人による口コミ、個人ブログ、
フェイスブックなどの情報をうまく組み合わせた観光企画が多いと聞いています。
このようなことから、自治体が提供する現地の情報については、
観光スポットの由来など、現地の観光ガイドの役割を果たしてくれる情報や、困ったときのヘルプ情報、時期を得た生の話題などに特化したものが適していると考えます。
そこで伺います。本区における観光情報の提供と、特に外国人向けの情報提供のあり方について、観光協会との連携も踏まえ、現状をお聞かせください。また、課題解決の改善策があれば、あわせてお聞かせいただきたいと存じます。
本区は、来年度の新庁舎開設に合わせ、区のホームページを全面リニューアルする準備があると伺いました。区のホームページなどを通して提供される情報は、これまで地域区民を意識した内容で、適切な表現ではないかもしれませんが、私は、やや内向きな印象を感じています。全面リニューアルするのであれば、他の部局や観光協会のサイトとの重複を避けながら、区が関与するイベント情報や区の所有する独自のコンテンツを、見る側の視点に立ち、効果的に掲載するなどの工夫も必要です。また、独自性を区民だけではなく、広く世界に向けて情報発信していくような姿勢転換を図られることを期待するものであります。
そこで伺います。リニューアルされるホームページは、区の魅力を情報発信するという点で、従来のものと比べてどのような違いがありますか。また、特に外国人を意識した情報提供の仕組みがあれば、どのように配慮されていくのかもお聞かせください。
次に、2020年に向けたまちづくりの施策について、幾つかの視点から質問いたします。
まず、都市基盤や環境整備の側面から伺います。
2020年の
東京オリンピック・
パラリンピックに向けて、開催地となる東京圏の自治体にあっては、海外からの観光客や新たな産業の誘致合戦に今後一層の拍車がかかるものと予想されます。
繰り返しになりますが、本区には、
池袋モンパルナスやトキワ荘といった文化資産に加え、世界の若者が関心を寄せているアニメやコスプレなど、日本が世界に誇る最先端の文化が集積しています。
先月10月25、26日の土日には、
池袋ハロウィンコスプレフェス2014が開催され、主催者発表によると、来場者数5万2,000人、
ネット視聴者数は25万6,000人という大規模なイベントが両日にわたって開催されました。当日は、コスプレ姿の外国の方も多数参加されており、イベントの様子も主催者が運営する動画サービスによって全世界に向けて生中継されていました。
高野区長、渡邉副区長もアニメの主人公にコスプレされ参加されておりましたが、首長みずからの積極的な姿勢は、本区の今後の展開に大きく好転していく原動力になると確信しています。
さて、こうしたイベントを通して、豊島区は、世界から注目されるクールジャパンを発信するまち、安全・安心なまちという
都市ブランドイメージを積極的にアピールしていく必要があると考えますが、これらイベントなどのソフト対策だけではなく、国際都市にふさわしい景観や環境整備といったハード対策についても積極的に推進する必要があるのではないでしょうか。
そこで伺います。区は、国家戦略特区の認定に向けて、10月22日から11月11日までの3週間、
グリーン大通りにて
オープンカフェの実証実験を行いました。これは、道路空間の活用により新たなにぎわいを創出し、都市の魅力向上を図る試みとして実施したものと伺っていますが、その実証実験の評価と今後の展開についてお伺いいたします。
また、これからクリスマスの季節となりますが、表参道、原宿などでは、個性豊かな
イルミネーションで夜景を豪華に演出し、多くの若者の共感を得ています。そこで、本区の
グリーン大通りの樹木をライトアップや3
Dプロジェクションマッピングなどで非日常な
イルミネーションの空間を演出し、区民や来街者を呼び込むという企画を御検討いただけないかと考えますが、いかがでしょうか。
次に、池袋駅東口の交通体系について質問します。
現在の池袋東口駅前は、明治通りが通っており、通過車両が非常に多く、歩行者等が回遊するには決して安全な状況とは言いがたい現状であります。これが、1日250万人以上が利用している池袋駅でありながら、人が駅からまちへ出てこない、昔から駅袋などと言われるもとになっているのではないでしょうか。
昔、休日の池袋駅は歩行者天国になっていたこともありましたが、現在では、サンシャイン60通りと
サンシャイン通りが歩行者優先の道路となっているものの、その他の道路の多くは自動車優先の状況となっています。さきのハロウィンコスプレパレードでも、路上でのイベントは、サンシャイン60通りと
サンシャイン通りのみであり、他の道路は、
コスプレーヤーが多く集まったものの、歩行者と自動車がふくそうし、決して安全に安心して回遊できる状況ではなかったのではないでしょうか。
区は、平成23年に、今後の池袋駅周辺の交通環境の変化に対応するため「池袋の交通のあり方を考える」と題して交通戦略を策定し、その中では、自動車に過度に依存せず、人が主役となるまちを目指すとしており、駅前を歩行者優先にするという考えが示されています。
そこで伺います。1日250万人の乗降客数を誇る池袋駅の駅前を、歩行者優先と来街者が安全に安心して回遊できる歩行者空間の確保について、現在、区ではどのようなお考えをお持ちでしょうか。
次に、
公衆無線LANを活用したまちづくりについて伺います。
さきの第3回定例会で私ども会派の星議員から、
国際観光都市としまに関する質問の中で、
公衆無線LANの整備体制の取り組みについて質問を行いました。それに対する御答弁は、新庁舎でも、だれもが使える来
街者向け無料Wi―Fiサービスを行いたいとのことでした。
高野区長はかねてから、新庁舎は区民に開かれた庁舎であり、より多くの人に訪れてもらう場所でありたいと述べられておりますので、来訪者向けの無料Wi―Fiサービスはその意図に沿ったものとして大いに推進していただきたいと考えています。
私は、さらにこのサービスを来訪者対象のサービスに終わらせることなく、池袋を基点としたまちづくりの1つのツールとして使えないものかと考えます。
公衆無線LANは来る
東京オリンピックを見据えた
訪日外国人対策だけではなく、有事や災害発生時に区民や来訪者に対する情報伝達手段として、また
救援センター開設時の通信手段として、災害に強いまちづくりの重要なインフラとしても期待されています。さらには、平常時にも
公衆無線LANというインフラを活用して店舗や
観光スポットの情報を伝えることで、まちの回遊性を高めたり、行政と商店街との一体感を伝えたりという効果が期待できると言われています。私は、新庁舎で整備する
公衆無線LANのサービスをまちづくりのツールとして活用することは不可能ではないと思います。
そこで伺います。豊島区が新庁舎の
公衆無線LANサービスをどのように発展させようとお考えなのかお聞かせください。
次に、まちの主役である区民を対象にした
スポーツ振興策の現状と今後について伺います。
本区では、平成17年3月に豊島区
スポーツ振興計画を策定し、健康で明るい生涯スポーツ社会の実現を目指し、各種大会の支援や
既存スポーツ施設への
指定管理者制度の導入による魅力的な
レッスンプログラムの提供等を行ってきました。とりわけ昨年4月にオープンした
南長崎スポーツセンターは、1年間で28万6,000人もの皆様に御利用いただいていると伺いました。区民の
スポーツ実施率向上に大きく寄与していると高く評価しております。
また、そうしたさまざまな取り組みにより、振興計画で掲げた豊島区民の
スポーツ実施率を34%から50%に高めるという目標については、平成24年3月に実施した区民のスポーツに関する意識調査で既に達成している状況にあるとも伺っています。
一方、国においては、平成23年6月に従前の
スポーツ振興法を全部改正し、
スポーツ基本法を制定し、スポーツに関する基本理念やスポーツに関する施策の基本となる事項が定められ、
スポーツ振興の国家戦略として位置づけられています。東京都においても、この
スポーツ基本法を受け、平成25年3月に東京都
スポーツ推進計画を策定し、都民の
スポーツ実施率を
世界トップレベルの70%に高めるという目標を設定しています。
現在、本区でも、新たな
スポーツ推進計画を策定中とお聞きいたしました。高齢者の健康づくりや介護予防のためのスポーツ活動への参加機会の充実や、
障害者スポーツの推進などの課題を、推進計画の中で一定の方向性を示していかなければならないと認識しています。
スポーツ推進計画に定める目標を達成する上で課題となるのは、まずは、他の年代と比較して
スポーツ実施率の低い傾向にある子育て世代や働き盛り世代への対応など、スポーツへの参加が困難な世代にある方たちに、スポーツへの参加機会の拡充と習慣化をどのようにして図っていくのか、また同時に、心身の健康の保持増進と、今後、年齢を重ね高齢者となった後もスポーツに親しむ素地をどのようにつくり上げていくかであります。
そこで伺います。まず、
スポーツ推進計画の本区の計画に掲げる
スポーツ実施率の目標はどのようなレベルに設定するのか、国や都と比較して特徴と言えるものがあればお聞かせください。また、今定例会では、豊島区立体育施設条例の一部を改正する条例が上程され、体育施設の利用料の見直しが行われます。自民党豊島区議団といたしましても、利用料の見直しについては毎年の予算要望書にうたっている事項でもあり、さきの決算委員会においても河原議員から利用料金の引き下げと区民利用の優先について推進していただきたい旨の発言をしております。このたびの高野区長の英断に深く感謝を申し上げたいと存じます。そこで、改正による効果が
スポーツ推進計画に設定する目標の成果にどのように結びついていくのかも、あわせてお聞かせいただきたいと存じます。
次に、区のスポーツを一層推進していくためには、豊島区体育協会や豊島区レクリエーション協会などの関係団体の協力は不可欠であります。地域スポーツへの参加者をふやし、スポーツを通じた地域活性化と区民の健康づくり、体力向上などを果たすためにも、地域スポーツを支える組織の一層の充実が求められています。
また、スポーツ指導者の質と量の充実を図るということは言うまでもありません。そこで、指導者育成という観点から、区と関係団体等との協力関係について、新たな計画の中ではどのような位置づけで具体的な改善策を講じていこうとしているお考えでしょうか。
スポーツ振興策の中でも極めて重要な位置を占めるのが、施設環境整備であります。しかしながら、本区においては、スポーツ施設を新たに建設するためのまとまった土地の確保は極めて難しい状況であります。また、現在、スポーツ施設建設予定となっている学校跡地においても、昨今の建築資材や人件費の高騰の影響により、今後しばらくの間は整備を進めることが困難な状況にあるかと思います。
そこで伺います。スポーツを行う場は体育施設に限定されず、ウオーキングやジョギング、サイクリングや健康体操などの種目もあります。これらの種目が実施しやすくなるよう、道路や公園の利用ルールの柔軟化に向けての検討を進めていただきたいと考えますが、区のお考えをお示しいただきたいと思います。
最後に、
オリンピック・
パラリンピックを視点とした教育について質問をいたします。
2020年
東京オリンピック・
パラリンピック開催は、世界じゅうの国からさまざまな人たちがやってきます。このような機会は子どもたちにとって一生に一度あるかないかの経験であり、この機会を豊島の教育のさらなる充実を図る絶好のチャンスと考えます。
そこで伺います。まず、豊島区で展開する
オリンピック・
パラリンピック教育について、教育長の基本的なお考えをお聞かせください。また、2020年
東京オリンピック・
パラリンピックの開催に向けて、本区の小・中学校ではどのような取り組みを行う予定でしょうか。国際社会の一員としての自覚と行動力を養い、世界に伍する人材育成をぜひ本区から輩出していきたいものであります。
本区では既に、小学校1年生の早い段階から英語に親しむ取り組みが行われていることから、外国からのお客様に対しても、コミュニケーションが少しでもとれるのではないかと期待します。
多く外国人が本区を訪れます。そこで、2020年
オリンピック・
パラリンピック開催を目標に、豊島の子どもたちが外国の人たちをおもてなしをするといったことはできないのでしょうか。簡単なあいさつ、道案内、障害をお持ちの方のお手伝いなどはどうでしょう。さらに、おもてなしの心を養うことは、社会貢献意識や自己有用感を涵養することにもつながります。例えば、校内や学校周辺、自宅周辺の清掃活動を充実させ、家族と一緒に取り組むこともよいと思います。学校教育により一層の社会奉仕を取り入れることも1つの方法だと考えます。これを契機におもてなし教育の推進を図られたいと願いますが、お考えをお示しください。
また、おもてなしをする際には、豊島区のすばらしいところや自慢できるところを紹介できると、なおさらすばらしいと考えます。その際には、現在のふるさと学習プログラムの推進がキーポイントになるかと思いますが、いかがでしょうか。豊島のよさを熟知した上で、外国からの人たちに英語で紹介する。夢はどんどん広がっていきます。膨らんでいきます。
次に、
オリンピック・
パラリンピックに関して、豊島区の子どもたちの体力・運動能力についてお聞きします。
知・徳・体に係る基本的な力をすべての子どもたちが習得できる取り組みの推進は重要であります。とりわけスポーツに取り組むことは、体力向上、健康推進・増進の上からも大切であります。本区においては、既にがんに関する教育や歯と口腔の健康づくりに関する教育プログラムなど先進的に取り組みを行っており、高く評価するところでありますが、小・中学校における体力向上に向けた取り組みの推進も重要であります。
そこで伺います。体力・運動能力向上に向けた現在の取り組み状況と本区の区立小・中学校の平成25年度体力・運動能力調査の結果から見えてくる課題とその対策についてお考えをお聞かせください。
2020年
オリンピック・
パラリンピックの東京招致成功は、次代を担う子どもたちのみならず、日本社会全体に明るい光と希望をもたらしました。6年後に向けた、これからのまちづくりは、次の時代に引き継ぐためのリレーゾーンのようなものだと考えます。本区においても、今こそ、このチャンスを生かし、光輝き続ける豊島区をつくり上げていかなければなりません。私も微力ながら、その実現に向けて気持ちを新たに邁進していきたいと存じます。
以上で私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔高野之夫区長登壇〕
○区長(高野之夫) ただいまの
竹下ひろみ議員の御質問に対しましてお答えを申し上げます。
東京オリンピック・
パラリンピック開催の意義と豊島区の将来像についての御質問のうち、まず、
オリンピック・
パラリンピックにおける文化事業についての御質問にお答えをいたします。
オリンピックにおきましては、
オリンピック精神の普及を目指す観点から、スポーツ競技と同時に、文化や芸術を通じた国際交流を行うことも重要なテーマになっております。当初は芸術競技としてのメダルの授与もされておりましたが、芸術で競い合わせることは適当ではないとのことから、52年ヘルシンキ大会からは芸術展示という形になりました。このような変遷を経ながら、92年のバルセロナ大会からは、さらに多様な文化イベントが実施されるようになりました。
特に2012年ロンドン大会では、北京大会終了直後から文化プログラムがスタートし、かつてない規模、内容で実施をされました。演劇や音楽、ダンス、美術からファッションなど、あらゆる分野にわたって、文化イベントの総数は約18万件、参加者4,340万人、イギリス全土で実施された、アスリートと同じ204の国と地域から4万人以上のアーチストが参加するという壮大なものでありました。さらに、
オリンピック開催後の文化事業の進展に大きなインパクトをもたらしたと高く評価をされます。
このように、
オリンピックの文化プログラムは、競技大会そのものよりも、開催地のより広い範囲で、しかも長い期間にわたって強い影響を与えるようになっております。したがいまして、次の質問でお答えもいたしますけど、本区における文化プログラムの参加につながるものと考えているところでございます。
次に、会場のない豊島区にとっての
オリンピックの意義についての御質問にお答えをいたします。
今回の
オリンピックでは、残念ながら、豊島区には競技場を誘致することはできませんでした。しかし、競技には限られたアスリートしか参加することが許されません。むしろ文化事業を通じてこそ、だれもが五輪に参加するチャンスを提供し、創造性を喚起させることができるのであります。したがいまして、いち早く、豊島区で生まれ成長していったソメイヨシノ、漫画を初めとする伝統芸能やお祭り、コスプレなど、豊島区の文化、すなわちアート・カルチャーを世界にアピールすることで、
オリンピックの文化プログラムの担い手であることを内外に示していくことが重要であると考えております。
オリンピックを機に、アート・
カルチャー都市豊島区を国際的に発信することができれば、新たな環境や地域の活性化につながることができるのであり、これこそが
オリンピック東京大会が開催されることの、我が豊島にとっての意義であると考えております。
次に、平成32年の豊島区像についての御質問にお答えをいたします。
これまで議会の皆様にお示しをしてまいりました、池袋を中心としたプロジェクトを中心にお答えをいたしますと、
東京オリンピック・
パラリンピックが開催される平成32年には、池袋を中心とした豊島区は、
オリンピック文化プログラムのメーン会場の1つになっているものと考えております。
グリーン大通りは、緑豊かなオアシスとして再整備され、常設の
オープンカフェ、街路樹のライトアップなどに加え、広い歩道でさまざまなパフォーマンスが繰り広げられ、アート・カルチャーの発信拠点となっていることでありましょう。
現庁舎地周辺では、池袋の新たな文化発信のシンボルである新ホールの整備が完了し、新区民センター、中池袋公園、新庁舎までを貫く南北の区道、アーバンコリドーと連動して、四季を感じられる、歩いて楽しい、しゃれた歩行者空間が広がっております。
西口側は、東京芸術劇場、池袋西口公園、駅前の広場など、有機的な連携によって、音楽、演劇、舞踊などの多彩な催しが行われ、アート・カルチャーイベントのメッカとして世界の注目を集めていることでありましょう。
そして、国家戦略特区による規制緩和の活用により、都市空間のあちらこちらに、国内外から集まるアーチストやパフォーマーたちが自由に表現活動を行うことができるステージが用意されているのであります。
このように、平成32年の豊島区は、まちじゅうの空間をうまく活用し、アート・カルチャーの魅力を最大限に発揮して、世界に開かれた、だれもが主役になれる劇場都市として、東京観光の一大人気スポットになっているものと考えられます。
次に、国際アート・
カルチャー都市実現に向けた具体的な取り組みについての御質問のうち、まず、
プロデューサー選任の経緯と期待する役割についての御質問にお答えをいたします。
私は、文化政策を行政の目標として一番に掲げて、区民の皆さんに住んでよかったと思っていただけるような、まちのあり方についての将来像を描くことに心血を注いでまいりました。行政だけでは発想に限界があることから、これまでも折に触れ、多くの方々から御助言をいただく機会を設けてきたことについては、御案内のことと存じます。
しかし、
オリンピック開催など、今後の社会情勢を踏まえ、さらに大きくこのまちを発展させるためには、国家戦略を視野に入れた将来像を編み出していく必要があります。そこで、御自身も世界をまたにかけた文化事業を展開し、みらい文化財団の評議員であることから、豊島区の文化事業を熟知されて、地元池袋本町に生まれ育ち、お住まいの、キョードーファクトリー社長の前田三郎さんに助言をいただきながら人選を進めてまいりました。その結果、このたび、11名の
プロデューサー就任をお願いすることになったものであります。
ハイカルチャーや
サブカルチャーといった区分けにかかわらず、アート・カルチャーの幅広いジャンルにわたって第一線で活躍されている方々、それでいて性別も年齢も幅広く、企業経営の視点をお持ちで、なおかつ、これからの豊島区を世界に向けて発信していくことについて提言していただける方たちを、豊島区との関連も考慮しながら人選をさせていただいたものでございます。まさにトップランナーと言える方々にお集まりいただけたものと考えているところでございます。
プロデューサーの皆さんからは、さまざまな視点から、都市づくりへの方向性について、我々行政では発想できないような御助言をいただくことはもとより、みずから都市の魅力を対外的に発信し、世界じゅうから人々や企業が集まる都市を実現することに大きな力を発揮していただけるものと期待をしているところでございます。
次に、世界に向けて魅力を発信する絶好の機会についての御質問にお答えをいたします。
御指摘のとおり、スポーツと文化の祭典である
オリンピック・
パラリンピック大会の東京開催が決定した今こそ、国際アート・
カルチャー都市を目指す豊島区が世界に飛び立つ千載一遇のチャンスであると考えております。これまで豊島区は、数々のオンリーワンブランドを持ちながら、どちらかというと、区の中を向いて事業展開をしてきたのではないかと反省をしているところでございます。
このたび初めて国際という単語を用いまして、日本の国内はもとより広く世界に向けて積極的に区の魅力を発信していくことといたしました。早速、本区の取り組みを聞きつけ、ヨーロッパ最大の日本文化とエンターテインメントの祭典であるジャパンエキスポ事務局から出展の打診を受けておりまして、今後、実現に向けて検討してまいります。
また、世界遺産として名高いフランスのストラスブール市からは、来年の2月、バレンタインデーに合わせて、池袋西口で名産のスイーツをアピールするイベントの開催を打診されております。現在、豊島区観光協会が中心となって、実行委員会が立ち上がったところでございます。ストラスブール市はフランスで一番ロマンチックなまちと言われておりますが、来年2月には池袋の西口がハートであふれるロマンチックなまちに変わるかもしれません。
このほかにも、あらゆる機会をとらえて区の魅力発信を積極的に行い、この絶好機をぜひとも生かしてまいりたいと思います。
次に、文化芸術活動の位置づけや地域のにぎわい創出などを踏まえた文化芸術活動の今後の展開についての御質問にお答えをいたします。
大正期以来、豊島区は家賃が安くて交通の便もよい一方で、緑が豊かで学校の多い文教地区でもあったことから、地方からの流入人口の受け皿にもなりながら、多くの文化人が移り住んできました。その中で、若い芸術家が切磋琢磨しながら創作活動に取り組み、新たな文化を生み出すという土壌が形成されてきました。
池袋モンパルナスやトキワ荘は、こうした環境が結実していったものと考えております。
さらに、トキワ荘で創成期を迎えた漫画は脈々と現在まで連なり、最先端の漫画、アニメまで、世代を超えて融合しながら現在も息づき、クールジャパンの代名詞となっております。
加えて、自由学園明日館や旧宣教師館などの建造物、長崎獅子舞など特色ある文化資源が区域全域に散らばっていることから、百貨店のショーケースにさまざまな商品が並んでいることになぞらえ、クールジャパンのショーケースとしてアピールしていきたいと考えております。
また、フェスティバルトーキョーでは、公園を舞台に設置し、まちそのものを劇場にする試みがされる一方、東京よさこいや阿波踊りなど、まち全体でパフォーマンスが繰り広げられております。また、コスプレは、これまで見るだけであった方が主役に変じることができ、海外でも大きな人気があります。
そこで、だれもが主役になり、主役と観客が一体となり、観客が主役に変身するまちと位置づけていきたいと考えております。
これらの資源をどのように整理し、国際的にアピールしていくかについては、今後、具体的に検討していくことになります。アート・
カルチャー都市豊島区を国際的に発信し、見るだけでなく参加できるまちとして、海外からもさまざまな方に豊島区においでいただくことで、新たな環境や地域の活性化につなげていきたいと考えているところであります。
次に、文化芸術活動相互の関連づけについて、区の見解と取り組み事例についての御質問にお答えします。
さまざまな文化資源を個別に紹介するのでは、私も効果が分散すると考えております。最初に申し上げたように、私たちのまち豊島区は、多彩な人々を受け入れながら都市として発展していく過程で、新しい表現を追い求め、今につながる文化の源流を生み出してきたまちという成り立ちがあります。このまちの形成過程こそ豊島区の特色であり、まち全体の魅力になっております。
そこで、個々の文化資源をこのまち全体の魅力と関連づけることで、より効果的、強く皆様に心に響いていくことができるものと考えております。
新たな文化創造は、国際アート・
カルチャー都市を構想していく中で重要な課題であると認識をしております。10月末にハロウィンコスプレイベントが開催され、まち全体を舞台に多くの
コスプレーヤーが集まりました。これはアニメと動画コンテンツが池袋のまちで出会ったことによる相乗効果により生まれたものと考えております。
国際アート・
カルチャー都市構想では、さらに自由な発表の場を用意することで、そこから新しい文化創造に結びつけていくことなどについても検討しているところでございます。将来的には、クールジャパンの新しい文化を豊島区から生み出すことができれば、すばらしいことだと考えております。
次に、新たな観光資源の取り組みについての御質問にお答えをいたします。
新庁舎のこけら落としとして開催するアートオリンピアは、ニューヨーク、パリ、東京の3都市を拠点として、新たな才能を発掘する国際公募展であります。これが、芸術を愛する世界の人々が豊島区を訪れる契機となり、アート・
カルチャー都市づくりに向けた新たな資源となることを期待をしております。
また、東京都による
外国人観光客の行動分析では、日本を訪れる外国人の3大目的は、第1に、まち歩きであり、第2に、ショッピング、そして第3に、食グルメだそうであります。区内には外国人に人気の高い家電量販店や、乙女ロードなどアニメ、
サブカルチャーと連動した魅力的なスポットなどが続々と進出をしてきております。また、区内には、ユネスコ文化遺産となった和食はもちろんのこと、世界各国の食文化を楽しむことができる飲食店が豊富にそろっています。
さらに、世界でも人気の高い
ソメイヨシノ桜の発祥の地の駒込や、また、未来遺産への登録にチャレンジをしている雑司が谷など、歴史的、文化的資源がたくさん存在し、日本ファンを引きつける魅力にあふれております。
現在、これらを結びつけて、豊島区内の観光資源をめぐり歩く観光コースの開発やグルメマップの開発を検討しているところであります。これら豊島区の資源をアート・カルチャーという視点から改めて位置づけることで、世界に誇れる新たな観光資源として高い価値を付加していけるだろうと期待をしております。
宿泊地としては既に高い人気を博している豊島区が、訪問先としても高い人気を得られるよう、積極的に新たな資源の開発に取り組んでまいりたいと思います。
次に、観光協会との連携を踏まえた観光情報の提供及び外国人向け情報提供のあり方の現状と改善策についての御質問にお答えをいたします。
現在は、観光協会と区が、区内の
観光スポットやイベント等の情報を収集し共有した上、パンフレットやホームページ、ブログ、ツイッターなど、さまざまな媒体を利用し、観光客に情報を提供しています。そのうち外国人向け案内は、英語、中国語、韓国語のホームページ、また、ホテルや百貨店、区等で構成するインバウンド推進協力会が発行する英・中国語版のパンフレットなどで行っております。
御指摘の旅行者のニーズに合った情報の発信は、大変重要なことと考えておりまして、現在も地域の歴史や由来を紹介するなど、パンフレット等を見た方が訪れたくなるような案内に心がけております。ただ、現在のホームページ等は投稿機能がなく、一方的な発信であること、情報更新が少なく、新鮮度にやや欠けていると認識をしております。特に外国人向けの情報提供では、情報発信のつくり手が日本人であるため、外国人が真に魅力を感じ知りたい情報とのミスマッチがあるのではないかと考えております。
それらの解決のためには、タイムリーな情報更新はもちろんのこと、例えば個店、個人のお店で集めた、まちのホットな話題の発信とか、アニメ、漫画、グルメ、桜などの魅力的なコンテンツに特化したホームページ等の作成が必要ですし、特に外国人目線による本区の魅力発掘と海外へ情報提供が大変重要と考えております。
そのため、今後、観光協会との連携を一層密にするとともに、例えば外国人へのプロモーションにたけた民間企業や、在住外国人の活用の検討を通じて改善を図ってまいりたいと思います。
次に、区の魅力を情報発信する点での従前ホームページとの違いについての御質問にお答えをいたします。
ホームページの全面リニューアルに当たりましては、昨年度、現行ホームページの分析を行ったところ、本区の魅力や特色に関する発信力が弱いという御指摘をいただいております。また、同時に実施をいたしました区民アンケート調査におきましても、生活情報と並び、文化、観光情報の充実を求める意見が多く、区のアピールすべき魅力として、桜や漫画、アニメなどが挙げられておりました。こうした分析を踏まえ、新たなホームページにおきましては、ソメイヨシノやトキワ荘など、豊島区独自の文化資源を豊島ブランドとして位置づけ、トップページのメーンビジュアルとして大きく掲載し、初めて区のホームページを訪れた方でも、本区の魅力が視覚的にとらえられるよう、画面デザインの刷新を図ってまいります。
さらに、トップページから誘導するコンテンツページにつきましても、通常のページよりデザイン性を高め、本区の魅力を写真やイラストなどでビジュアルにわかりやすく伝えてまいります。
次に、リニューアルホームページにおける外国人を意識した情報提供の仕組みについての御質問にお答えをいたします。
外国人を意識した情報提供の仕組みにつきましても、国際アート・
カルチャー都市として世界に向けて本区の魅力を発信していく上で欠かせない視点であると認識をしております。このため、新たなホームページでは、豊島区のさまざまな魅力の中でも、日本が誇るクールジャパンの聖地など、特に外国人の関心が高いコンテンツを再編集し、通常の自動翻訳ソフトによらず、英語版として提供してまいります。
今回は試行的に英語版のみとなりますか、今後、国際アート・
カルチャー都市実現に向けた取り組みを進めていく中で、さらなる内容の充実、多言語化を検討してまいりたいと思います。
私からの答弁は以上でございますけど、他の質問につきましては両副区長から、教育委員会の所管に属する事項につきましては教育長から答弁をいたします。
〔水島正彦副区長登壇〕
○副区長(水島正彦)
スポーツ振興策の現状と今後についての御質問のうち、まず、
スポーツ実施率における目標のレベル設定と特徴と言えるものについての御質問にお答えをいたします。
現在、区では、学識経験者や
オリンピック金メダリスト、スポーツレクリエーション団体や福祉団体から選出された委員による策定委員会におきまして、
スポーツ推進計画の改定作業を進めております。策定委員会では、計画に掲げる
スポーツ実施率の目標を、週1回以上スポーツを行う成人の割合を70%に設定すべきという見解が示されており、これは国のスポーツ基本計画の65%を上回り、東京都の計画と同様に
世界トップレベルになるものであります。さらに、この計画の特徴といたしましては、自分の体力に自信がある区民の割合やスポーツボランティアへの参画率などにも、本区独自の目標を設定するなど、豊島区らしさを盛り込んでいきたいと考えております。
次に、条例改正による効果が
スポーツ推進計画の目標の成果にどのように結びつくのかについての御質問にお答えをいたします。
改正条例を可決いただければ、使用料の引き下げにより体育施設が利用しやすくなり、利用者が増加することが見込まれます。また、人気のある教室に区民が優先的に参加できることなどから、これらが区民のスポーツ参加を押し上げ、計画の柱となる、だれもが、いつでも、どこでも、いつまでもスポーツを楽しめる、スポーツで人と地域が生き生きと輝くまちへと導く一助となるものと考えております。
次に、新たな計画における指導者育成の観点を踏まえた関係団体等との協力関係及び位置づけと具体的な改善策についての御質問にお答えをいたします。
継続的に生涯スポーツを楽しむためには、スポーツに関する安全面や技術面の知識だけでなく、スポーツの楽しさを伝えることができる指導者の存在が重要であります。体育協会では、地域のスポーツ指導者を対象としたスポーツ理論や実践の講座を開催しており、区といたしましては、関係団体を区民のスポーツレクリエーション活動の普及振興を図る上での重要なパートナーと位置づけております。そうしたことから、これまでも各団体の自主性を尊重しつつ、活動の充実発展を図るため、団体を支援してまいりました。
こうした経過を踏まえ、新たに策定する計画におきましても、これらの協力団体と区との連携強化を大前提として検討を進めております。具体的な改善策といたしましては、これら団体の協力のもと、例えば、子どもが卒業し活動に参加しやすくなった少年野球やサッカーの元コーチや、豊島区にゆかりの
オリンピックメダリストや、国際大会で活躍したアスリートなど、地域に埋もれた潜在的指導者候補を発掘してまいります。
さらには、これまでの計画では触れていなかった
障害者スポーツ分野においても、利用しやすい施設のあり方や指導者の育成、確保の方向性についてもお示ししてまいりたいと考えております。このような形で、現在、計画の策定を進めておりますので、素案がまとまり次第、議会で報告をさせていただきたいと考えております。
次に、道路や公園の利用ルールの柔軟化に向けての検討についての御質問にお答えをいたします。
自転車を活用した運動は手軽な有酸素運動であり、心肺機能を高める効果があると言われており、健康づくりに寄与するものと考えております。自転車を利用した健康づくりを進めるためには、自転車が安全で走行できる環境を確保することが必要になると考えております。そのため、区内の道路整備など自転車の安全走行の向上とともに、自転車利用者の意識の向上にさらに努めてまいります。
また、御質問のウオーキングやジョギング、健康体操などは多くの公園で実施されておりますが、ボール遊びの要望が多く寄せられております。しかし、静かな空間を要望される方とスポーツ利用の方と相反する要望の調整が大変難しい状況であります。現在、地域の方々と協議を重ねております千川小学校跡地の公園においては、サッカーやバスケットボールなどのボール遊びができる公園として、来年3月末の開園を目指して整備を進めております。今後、この公園での検証を踏まえて、公園の利用ルールの検討を行ってまいります。
私からの答弁は以上でございます。
〔渡邉浩司副区長登壇〕
○副区長(渡邉浩司) 2020年に向けた
まちづくり施策についての御質問のうち、まず、
グリーン大通りでの
オープンカフェの実証実験の評価と今後の展開についての御質問にお答えいたします。
道路空間の活用により、新たなにぎわいを創出し、都市の魅力向上を図ることを目的に、10月22日から11月11日までの3週間にわたって
オープンカフェの社会実験を行いました。実験期間中は、カフェ利用者や沿道事業者へのアンケートのほか、実施期間前後の交通量、沿道事業者の売り上げへの影響などについて調査、ヒアリングを行っており、現在、これらの調査結果等を分析しているところです。
オープンカフェ利用者へのアンケート調査では、98%の方から常設化してほしいとの回答をいただきました。また、沿道事業者へのアンケート調査で出店のきっかけを聞いたところ、
グリーン大通りの景観づくり、にぎわいづくりに協力したかったという回答が多く、常設化についても67%の事業者が常設化してほしいと回答しております。
今回の実証実験は、諸課題を多方面から整理することで、常設化を視野に入れたさらなる検証を行う足がかりになったと評価しております。
また、今後の展開についてですが、新庁舎の開庁に合わせ、2度目の社会実験に取り組みたいと考えています。次回の実験では、今回の社会実験の結果を踏まえ、新たな出店者の募集方法や道路空間を快適に活用するための地域ルールの策定など、
オープンカフェの事業モデルにさらに磨きをかける必要があると考えております。
また、
オープンカフェの実施主体となる地域のエリアマネジメント組織が
オープンカフェの運営などによって収益を上げ、それを地域の美化・清掃活動へ還元するといった仕組みも検討し、地域組織の育成強化にも取り組んでまいります。
次に、
グリーン大通りの樹木を非日常的な
イルミネーション空間として演出する企画の検討についての御質問にお答えいたします。
グリーン大通りの樹木をライトアップすることで、区民や来街者を呼び込む企画案については、国際アート・
カルチャー都市の猪子
プロデューサーからも御提案をいただいているところです。池袋東口から新庁舎に至るまでの
グリーン大通りが国際アート・
カルチャー都市のシンボルとして、安全・安心で快適な都市空間となるよう、ただいまの御提案を踏まえ、現庁舎周辺まちづくりビジョン連絡会を中心とした地元の皆様や関係機関とも連携して検討してまいります。
次に、池袋駅前の歩行者優先と安心して回遊できる歩行者空間の確保についての御質問にお答えいたします。
乗降客数日本第2位の257万人が行き交う池袋駅の地下は常に混雑しており、副都心としての多大なポテンシャルが感じられます。しかし、駅から地上への出入り口が狭く貧弱で、これがボトルネックになっており、必ずしも安全が確保されている状況ではなく、駅からまちへ出にくい構造となっていると認識しております。
また、駅から一歩まちへ出ても、駅前には多くの通過車両が行き来し、歩行者が安全に回遊できる基盤が整っていない状況であり、休日やイベントなどの開催時にはいたるところで保護者と自動車がふくそうし、危険な状況となっております。こうしたことから、駅と駅前空間の改善は、池袋副都心の再生にとって大きな課題であると認識しています。
平成31年度(2019年度)末には、環状5の1号線の地下道路の開通が予定されており、区ではその時期をとらえ、東口駅前から通過車両を極力排除し、安全で安心して回遊できる歩行者優先の駅前空間を創出しようとしております。
その実現のためには、旧三越裏通り及び東栄会本町通り、ジュンク堂の前の通りでございますけれども、これに通過交通を振り分ける必要があり、通過車両の円滑な流れを確保するためには、沿道の駐車場や荷さばき車両の対応など、商業店舗や関係する方々の理解と協力が不可欠であります。
昨年度は、商業店舗や運送関係者へ荷さばきの現状、課題等についてアンケート調査を実施しました。結果を見ますと、共同荷さばき場について、必要性は認識しているものの、運送業者からは、コストアップにつながるなどの御意見をいただきました。来年度には、東口周辺で面的に通過車両優先路線と荷さばきが可能な路線とに仕分けるとともに、地区内の駐車場を荷さばき場として借り上げ、どのような交通上の課題があるかについて、2週間程度の実験を実施すべく検討を進めております。
また、歩行者優先のまちづくりは、道路や公園などの公共用地のみでは限界があると考えております。駅周辺は戦後の区画整理によって形成され、現状の交通実態などには対応できない状況であり、また、昭和30年代の建物も多く存在し、それらの建物は耐震上も課題を抱えております。そのため、街区の再編や共同化により生み出された空地と道路を一体化し、豊かな歩行者空間を実現していくことも必要であります。
今後は、来年度予定している交通実験により課題を詳細に把握し、有効な対応策を講じてまいります。その上で、環状5の1号線完成と同時期となる2020年の
オリンピック・
パラリンピックの開催を見据え、通過車両の流入抑制を図り、明治通りや駅前広場の歩行者空間の拡大を目指してまいります。
また、こうした副都心交通戦略と連動し、駅の出入り口の改善を図るとともに、西口へつながる安全で快適な歩行者空間の確保に向けて、東西連絡通路の整備を積極的に進めてまいります。
さらに、民有地における歩行者空間の確保に向けて地元の方々と将来のまちづくりについて検討を進め、安全に安心して回遊できる池袋駅東口駅前を目指し、総合的な視点から取り組んでまいります。
次に、新庁舎における
公衆無線LANサービスの発展についての御質問にお答えいたします。
平成27年5月にオープンする新たな庁舎では、来訪者の利便性を確保し、何度でも訪れたい区役所となることを目指し、だれもが使える来訪者向け無料Wi―Fiサービスを行う予定であります。
当初は、来訪者に区役所専用のIDとパスワードを伝え、それを打ち込むことでインターネットにつなげるというサービス方法を考えてきました。しかし、第3回定例会一般質問で、
訪日外国人旅行者への無料
公衆無線LAN環境整備の御意見をいただき、また、区民から、池袋は
公衆無線LANスポットが少ないとの意見をいただきました。2020年の
東京オリンピック・
パラリンピック開催に向けて、
公衆無線LAN環境の整備は外すことができない施策であることから、まちづくりの1つのツールとして活用できないものかと検討を始めたところです。
区役所と同じグループとして登録された店舗や観光地などのWi―Fiスポットで、一度メールアドレスなどのIDを打ち込めば、グループ傘下のスポットでは再度打ち込む必要なくWi―Fiサービスが受けられる仕組みをつくり、店舗情報やイベント情報などを配信することで、まちの回遊性を高めるツールになる可能性は大きいものと考えます。
この仕組みを充実させるためには、公共施設だけでは全く不十分であり、多くの店舗や商店街、商業施設との協力が欠かせません。東京都や総務省などの来年度のWi―Fiスポットの整備事業の動向を注視し、新庁舎でのネットワーク構築が始まる来年早期には区役所専用とするか、IDの共有化をするか、方向性を決めていきたいというふうに考えております。
私からの答弁は以上でございます。
〔三田一則教育長登壇〕
○教育長(三田一則) 引き続きまして、教育委員会の所管に属する事項に関する御質問に対しましてお答え申し上げます。
オリンピック・
パラリンピックを視点とした教育についての御質問のうち、まず、
オリンピック・
パラリンピック教育における基本的な考えについての御質問にお答えいたします。
近代オリンピックの父、
クーベルタン男爵は、スポーツを通して心身を向上させるとともに、友情、連帯感、フェアプレーの精神を涵養し、文化、国籍などさまざまな違いを超えた相互理解に基づき、平和でよりよい世界の実現に貢献するとオリンピズムの精神を語っております。また、
パラリンピックでは、身体的なハンディにかかわらず、限界まで頑張るパラリンピアンの姿が、
オリンピックと異なる価値ある感動を与えることが期待されます。
こうした価値ある感動を東京で、そして、この豊島区で目の当たりにし、世界の人々と共有できることは千載一遇のチャンスであり、さらに、教育都市豊島の向上にもつながるものと考えております。
オリンピック・
パラリンピックの精神や成果は、小・中学校の学習指導要領においても取り上げられており、1998年の長野冬季
オリンピック大会や2012年のロンドン大会において、教育プログラムとして企画、実施されたところに大きな意義がございます。高野之夫区長が招集あいさつで触れられているように、
オリンピック文化プログラムは、豊島区が日本全体を牽引するという大きな一翼を担うことができる歴史的なチャンスととらえ、
オリンピック教育を推進していく決意でございます。
次に、
オリンピック・
パラリンピック開催に向けての小・中学校での取り組みについての御質問にお答えいたします。
2020年に向けた、いわゆるオリ・パラ教育有識者会議が、この10月に開催されました。ここでは、
スポーツ基本法や学習指導要領に基づくオリ・パラ教育の年度計画が検討され始めたところです。今後、豊島区教育委員会では、全国全都の取り組みと連動してオリ・パラ教育を推進してまいります。
また、平成26年度は、
オリンピック教育推進校として、仰高小学校を初め、目白小学校、要小学校、千川中学校の4校が取り組んでおります。
オリンピック・
パラリンピックの歴史や意義、理念などの学習はもとより、参加国や地域の文化、歴史などの学習、オリンピアン、パラリンピアンとの交流などを積極的に進めており、子どもたちに大きな夢や感動を与えております。
また、ことし9月、朝日小学校に元バレーボール日本代表、山本隆弘選手が来校しました。アスリートの生き方や考え方に直接触れる機会を得た児童・生徒は、夢に向かって努力し、困難に立ち向かうことのすばらしさを体験することができました。次年度は、
オリンピック教育推進校を倍増させる予定となっており、さらに取り組みの成果を全校に普及させてまいります。
次に、子どもたちによる外国人へのおもてなしについての御質問にお答えいたします。
豊島区には競技会場はございませんが、
東京オリンピック・
パラリンピックの前後に多くの
外国人観光客が訪れることが予想されます。こうした
外国人観光客と簡単なあいさつを交わしたり、道案内をしたりする子どもたちの育成は、価値ある教育プログラムになるものと認識しております。スポーツ競技を通して人間の限界に挑戦するアスリートから得る感動体験、外国の人々と言葉を交わす勇気や喜び、心を通わせて自国の文化を伝え、異文化を理解する楽しみなど、おもてなしとボランティアの教育は児童・生徒にとって大きな可能性を引き出すものと考えております。
こうした取り組みは、本区が進めてまいりました英語活動、英語教育が大きな役割を果たすものと考えております。また、他の外国語への興味、関心を広げる絶好の機会ととらえております。
次に、おもてなし教育の推進についての御質問にお答えいたします。
心で、言葉で、どう外国人とつながっていくかは、おもてなしの心が障害者にも目を向けられ、目配り、気配り、心配りができることなど、おもてなしとボランティアの教育を通して児童・生徒の心の修行の場として絶好の機会になるものと考えており、おもてなし教育の年度計画を作成してまいりたいと思います。
相手をもてなすためには、相手が気持ちよく過ごせるような気を配ったり、相手意識を持って異文化を受けとめたりすることが必要であります。道徳教育における望ましい人間関係や自律的態度、協力、公徳心、勤労、社会奉仕の育成と軌を一にするものと認識しております。これまでの取り組みを生かして、今後は各学校で児童・生徒からもアイデアと知恵ある具体策を募って、ボランティア活動や社会貢献活動の具体化を図ってまいります。
オリ・パラ教育で学んだ体験活動は、生涯忘れ得ぬ思い出となります。相手へ思いやりや自己有用感の涵養は、国際人として成長するライフステージをつくるものと考えております。
次に、ふるさと学習プログラムの推進についての御質問にお答えいたします。
外国人観光客をもてなすためには、英語によるコミュニケーション能力を高めるとともに、子どもたちが自国の歴史や文化に誇りを持ち、日本人としてのアイデンティティーを確立することが必要不可欠でございます。スポーツを文化や教育と融合させるというオリンピズムの精神を踏まえ、漫画文化発祥の地、トキワ荘や、
ソメイヨシノ桜発祥の地、駒込、武蔵野丘陵の自然景観の中に御会式や鬼子母神、すすきみみずくといった文化遺産をはぐくんだ雑司が谷、長崎獅子舞など、豊島区が誇れる歴史や文化を外国人に発信できる子どもたちの育成は、区民の大きな願いであるととらえております。
現在取り組んでおります豊島ふるさと学習プログラムは、子どもたちに豊島区を愛する心情をはぐくむことを大きなねらいとしております。歴史や文化に関するプログラム、環境教育に関するプログラム、心と体に関するプログラムなど内容も多岐にわたり、ふるさと豊島で学んだことを世界に発信できる子どもの育成を目指しております。
御指摘のとおり、ふるさと学習プログラムの推進は、豊島区オンリーワンのおもてなしをすることに直結いたします。今後もふるさと学習プログラムをもとに、
外国人観光客に対するおもてなしのアイデアを子どもたちに考えさせ、ガイドボランティアとして小・中学生が活躍できるよう取り組みを進めてまいります。
次に、体力・運動能力向上に向けた現在の取り組み状況及び25年度体力・運動能力調査結果からの課題とその対策についての御質問にお答えいたします。
現在、すべての幼稚園、小・中学校において、学校、園での運動の日常化を図るため、縄跳び検定や体育朝会、全校マラソンなど、一校一取り組み運動を実施しております。また、中学校におきましては、豊島区連合陸上大会や東京都中学校駅伝大会への参加、運動部への外部指導員の派遣による部活動の活性化などに取り組んでおります。さらには、巣鴨北中ブロックが小・中学校9年間活用できる、なわとびカードを作成するなど、体力向上を図っております。
しかしながら、平成25年度の体力・運動能力調査結果では、こうした努力にもかかわらず、小学校では50メートル走や立ち幅跳び、ソフトボール投げが、中学校では握力が東京都の平均を上回っているものの、豊島区の児童・生徒の体力合計点は、いずれの学年でも全国平均を残念ながら下回っており、加えて、青少年スポーツ団体からも体力低下の指摘をいただいております。まさに豊島区の教育における努力すべき大きな課題を投げかけられているものと重く受けとめております。
体力を向上させるためには、家庭でも地域でも、スポーツに親しむ習慣づくりが重要です。今後、広くスポーツ推進団体とも協議して、体力向上推進プロジェクトを立ち上げ、これまで行ってきた取り組みに加えて、
オリンピック開催前の平成28年4月にオープンする池袋中学校グラウンドをサッカーや陸上、野球のメッカとして、体力向上に役立ててまいります。また、既存の学校施設でも、ボール投げやボール遊びなど、体力向上に向けた新たな学校施設活用のあり方を検討してまいります。
以上をもちまして、
竹下ひろみ議員の御質問に対する答弁を終わります。
────────────────────────────────────────
○議長(本橋弘隆) 次に、10番議員より、「2020
オリンピック・
パラリンピック東京開催へ向けて!」の発言がございます。
〔辻 薫議員登壇〕(拍手)
○10番(辻 薫) 公明党の辻薫でございます。私は、公明党豊島区議団を代表いたしまして、「2020
オリンピック・
パラリンピック東京開催へ向けて!」と題し、1、国際アート・
カルチャー都市構想について、2、繁華街の安全対策について、3、自転車の安全利用について、4、その他として、子ども施策について一般質問を行います。
最初に、国際アート・カルチャー構想について伺います。
公明党は、本年5月、政府に対して、2020
東京オリンピック・
パラリンピックに向け、日本の文化芸術基盤を飛躍的に充実させるよう求める提言を行いました。提言では、
東京オリンピック開催を日本各地の多様多彩な文化芸術の基盤を計画的、着実に強化する機会と位置づけ、実演芸術振興、芸術活動基盤の充実、文化芸術を観光、国際交流に生かすなどのテーマを盛り込みました。
具体的には、舞踏や演劇などの実演芸術振興策として、日本固有の物語などをバレエやオペラなどに創作し、公演するための助成制度の創設を提案しております。また、芸術活動基盤の充実策では、国内外の実演芸術家が交流する拠点、(仮称)実演芸術連携交流センターの創設や、伝統芸能を鑑賞できる情報提供拠点、和の空間の新設を要望いたしました。文化芸術振興は、
オリンピック憲章でも義務づけられております。
こうした私どもの提言と同様に、本区の国際アート・
カルチャー都市構想についても、2020年を1つの目標として、世界に向けての文化発信と文化の創造、世界じゅうの人が訪れ楽しむ安全・安心な文化都市を目指すものと受けとめております。そこでまず、国際アート・
カルチャー都市構想における
オリンピック文化プログラムとしての取り組みについてお示しください。
本年8月、豊島区立要町小学校を昭和27年に卒業された4名の、私にとっても大先輩方が、埼玉県のにいざほっとぷらざで、初の絵画展、要会展を開催されました。先輩方は、それぞれが異なる道を歩む中にも、絵を趣味として、絵と離れずこられたのは、当時住んでいた要町かいわいのアトリエ村を見て育った賜物であると語っておられました。それゆえ、会の名称を要会とされたそうです。
豊島区を離れても、今なお、
池袋モンパルナスの創造力が息づく絵画展の開催に、文化と品格を誇る価値あるまちを目指す豊島区の原点を見る思いがいたしました。
国際アート・
カルチャー都市構想では、漫画、アニメ、動画コンテンツなどの、いわゆる
サブカルチャーが中心であり、どちらかというと青年層を対象としているイメージがあります。要会の皆様のような絵画などの分野はどうなのか。また、高齢者の皆様が活躍する場はあるのか。現在、この都市像のイメージを具体化するために、11名の豊島区国際アート・
カルチャー都市プロデューサーがさまざまな視点から企画、発案し、方向性が示されると伺っておりますが、ぜひ、あらゆるジャンルの幅広い年齢層を対象とした構想となるよう要望いたしますが、区の御見解をお聞かせください。
国際アート・
カルチャー都市では、人々が訪れてアートを楽しむだけではなくて、歩きやすく、心躍るような道路、公園の整備を行い、その連携でまち全体が舞台のだれもが主役の劇場都市としていくために、国家戦略特区を活用したまちづくりを目指しています。
具体的には、第1回社会実験として10月22日から3週間にわたって、
グリーン大通りで
オープンカフェが実施されました。そこで、その実施概要と結果について、利用された方の感想なども含めてお聞かせください。
また、世界じゅうのアーチスト等を呼び込むために、さまざまな手続を簡素化するための取り組みが必要であるとして、国家戦略特区の追加メニューを提案していると伺いました。その概要についてお示しください。
さらに構想では、豊島区を訪れる多くの来街者のために、無料公衆Wi―Fiの整備が計画されています。東京都としても、2020年へ向けて、Wi―Fi整備の取り組みを強化していくと伺っております。無料公衆Wi―Fiについては、まずは池袋駅周辺に整備し、将来的には各駅周辺においても整備を進めていくことを要望いたしますが、御見解をお聞かせください。
最後に、改めて国際アート・
カルチャー都市構想実現へ向けての区の決意をお聞かせください。
2項目めの繁華街の安全対策について伺います。
公明党は、国において観光立国の推進をしております。昨年は訪日外国人目標の1,000万人を達成し、ことしはさらに1,300万人に上ると予測されています。そして、2020年へ向け2,000万人を目標に、魅力ある観光地域づくりを推進しております。今後、豊島区においても、特に池袋には国内外から多くの来街者が集うことが予想されます。集客の取り組みとともに重要なのが治安対策です。
豊島区が住みたいまちの3位に選ばれました。その一因として、環境浄化団体と警察、区が合同で定期的に繁華街をパトロールして、客引きや路上スカウト行為、違法看板などの有害環境の改善に向けた地道な取り組みがあると考えます。そこで、まず、環境浄化パトロールの実施状況についてお聞かせください。また、繁華街の安全はセーフコミュニティの重点課題となっており、環境浄化の成果指標としての刑法犯認知件数、さらに池袋繁華街地区の安心感アンケートの結果についてもお示しください。
豊島では、平成12年に豊島区生活安全条例を制定し、刑法犯認知件数が減少するなど一定の効果が得られました。しかしながら、一方で、悪質な客引きや路上スカウトが横行するなど、区民やまちを訪れた皆さんに不安感を与えている状況を一変するほどは改善されませんでした。そこで区では、平成24年のWHOセーフコミュニティの認証取得へ向けた取り組みの中で、豊島区生活安全条例の改正を行い、客引き、路上スカウト行為の規制を強化し、あわせて違反行為を防止するために、迷惑行為防止重点地区の指定を行いました。そこで、客引きに関する苦情件数の推移についてお聞かせください。
私も参加している池袋西口駅前環境浄化パトロールは、月に3回程度、午後7時から8時まで実施しております。しかし、執拗な客引きや路上スカウトは8時以降の時間帯も毎日のように行われているのが実態です。2020年へ向けて、何としても執拗な客引きや路上スカウトを一掃していくためには、日常的にもっと長い時間にわたってパトロールを実施する必要があります。そこで、池袋西口駅前環境浄化委員会としても要望しているところですが、安全・安心創造都市実現のためにも、今後は区として警備会社等による恒常的なパトロールの実施も御検討いただきたく提案いたします。区の御所見をお聞かせください。
3項目めとして、自転車の安全利用について質問いたします。
オリンピック・
パラリンピックの東京開催が決定したことを機に、身近な乗り物である自転車を見直そうという動きが活発化しています。国会議員による自転車活用推進議員連盟は昨年12月に、2020年に向けて世界最高水準の自転車利用環境を含む都市交通の多様な選択肢を用意し、我が国らしいおもてなしを実現するとして、具体的にはシェアサイクルの導入や
自転車タクシーの活用などの提言を行っています。
自転車は4K、すなわち、健康、環境、経済性、気持ちがいいの4つのメリットに加えて、渋滞、大気汚染、ヒートアイランド化、医療費の増大などの問題を解決する切り札としても期待されています。
ところで、本区では、自転車の交通安全を図る目的で、2012年9月に豊島区自転車の安全利用に関する条例が施行されました。全国の自転車が絡んだ事故件数が交通事故全体の約2割であったのに対し、豊島区内では、2011年に発生した交通事故877件のうち約46%の404件が自転車の絡む事故であり、全国平均の倍に上ることから、条例の制定が行われたものと理解しております。そこでまず、区内の交通事故及び自転車事故の発生状況についてお示しください。
実際、この1年間で、私の知り合いのうち3人が自転車同士の接触事故に遭い、4人が転倒事故によりけがをされました。自転車利用の安全はセーフコミュニティの重点課題の1つとなっており、けがや事故等は偶然の結果ではなく、原因を究明することで必ず予防できるとの視点から、今回改めて条例に基づく施策の実施状況について質問させていただきます。
最初に、自転車利用者の責務についてです。第4条第3項では、自転車利用者に対しても、自転車の定期点検整備と自転車損害賠償保険等への加入を努力義務化しています。そこで区としては、定期点検整備をどのように推進されているのか、また、自転車損害賠償保険への加入者はふえているのか、2点について聞かせください。
第4項では、道路交通法などの法令遵守に努めるようにしており、特に第8号では、交差点を通行するときは信号や一時停止の道路標識等を遵守し、徐行を心がけるとともに、安全の確認を行うこととしています。しかし、本年上半期、自転車の信号無視、一時不停止等による交通事故は116件発生しています。こうした事故を防ぐために、交通対策課並びに道路整備課など所管課としては、具体的にどのような取り組みをされているのかお聞かせください。
次に、第5条の関係団体の責務として、区及び警察署が行う自転車の安全利用の促進に関する取り組みに協力するよう求めています。私は本年6月、千早二丁目町会主催の交通安全教室に参加いたしました。目白警察署の全面協力を得て、千早公園内に信号などの資機材を設置し、参加者一人一人が自転車に乗って安全運転の講習を受けました。私自身も講習を受ける中で、改めて自転車を運転する際の基本動作の大切さを実感いたしました。各町会単位の防災訓練には何度も参加しておりましたが、交通安全教室に参加するのは初めてでした。
そこで、現在、こうした交通安全教室を実施している町会はどのぐらいあるのかお聞かせください。また、親子で参加されている方もおられました。子どもは大人の行動を見ています。まず、親や周囲の大人が改めて自転車の正しい乗り方を学び、交通ルールを守っていくことが、自転車事故の削減につながると考えます。区の責務として、町会、自治会主催の交通安全教室の開催を推進すべきであると考えますが、いかがでしょうか。御見解をお聞かせください。
次は、第7条、学校の責務です。第1項で規定している発達段階に応じた自転車の安全利用に関する教育について、その実施状況をお聞かせください。また、学校の安全としてインターナショナルセーフスクールの認証を取得した朋有小学校では、2012年、2013年とも自転車による交通事故がゼロでした。朋有小学校における自転車事故ゼロの取り組みについて改めてお聞かせください。特に自転車運転免許証を活用しての意識向上の取り組みは、区内の全小学校に展開することを提案いたしますが、教育委員会の御所見をお聞かせください。
第9条の自転車にかかわる利用環境の向上について伺います。NPO法人自転車活用推進研究会では、現在、自転車対歩行者の事故のおよそ4割は歩道上で発生しており、一層の高齢化が進む日本社会では、このまま歩道を走る自転車が減らず、歩道を安心して歩けないのは深刻な問題になる可能性があると指摘しています。また、自転車の歩道走行は歩行者のみならず、自転車にとっても危険であることが広く知られ始めています。歩道を走る自転車は車から認知されにくいため、車道を走る場合に比べて交差点での事故発生率が7倍近く高いとするデータもあり、直感的には歩道のほうが安全に感じるかもしれませんが、車から認知されやすい車道を走るほうが実は安全であるとしています。
そこで、世界の国、都市がこぞって整備を進めているのが、車道を舗装して自転車用スペースを区分した自転車レーンです。現在、東京都には総延長をわずか9キロメートルの自転車レーンしかありません。2012年発表の自転車走行空間整備方針で、ようやく自転車レーンを自歩道より優先して整備する旨を発表いたしました。そこで、自転車レーンの整備については、特定整備路線の整備の際に推進するなど、東京都との連携の中で、実現へ向けて取り組むよう要望いたしますが、御見解をお聞かせください。
しかしながら、本区においても、3年前に開通した西池袋通りのように、現在では歩道を自転車用と歩行者用に色分けしている自歩道の整備が中心となっております。先日、自転車利用者から、歩行者が自転車レーンを歩いていて危ないとの声が寄せられました。自歩道においては、接触事故を防止するためにも、お互いが安全に利用するための対策を強化する必要があると考えますが、本区の具体的な取り組みについてお聞かせください。
自転車の安全利用についての質問の最後に、駐輪場について伺います。
まず、豊島区自転車等の利用と駐輪に関する総合計画による駐輪施設整備の進捗状況についてお聞かせください。計画に基づいて整備がされていく中、時代の変化に対応できていないところも出てきています。1つは、自転車の大型化、重量化への対応です。以前より指摘しているところでございますけれども、子育て用の3人乗り電動自転車や、主に高齢者が利用されている三輪車が、路上のラック式駐輪場は利用しにくく、または利用できない状況です。現在、豊島区自転車等駐車対策協議会でも協議中だと思いますけれども、既存施設にも、いわゆる思いやりゾーンの設置を推進すべく要望いたしますが、御見解をお聞かせください。
また、利用率を上げるためにも既存施設の改良が必要です。例えば西池袋公園地下にある池袋西自転車駐車場には、スロープに搬送コンベアが設置されていません。これまで利用されていた高齢者の方から、地下から地上まで自転車を押していく力がなくなったので、もう利用できないとの切実な声が寄せられました。駐輪施設整備については、これまでの放置自転車対策としての整備から、今後は利用者の利便性を考慮した整備が必要であると考えます。既存施設の利用率向上のためにも、ぜひ施設の改良に着手するよう要望いたしますが、区の御見解をお聞かせください。
最後に、その他として、子ども施策について2点質問いたします。
1つは、私立幼稚園の保護者負担軽減策についてです。保育園の待機児童対策としては、本年度、認証保育所保育料負担軽減のための補助金が増額され、保護者の負担が大幅に削減されました。改めて本区の取り組みに対し敬意を表するものであります。
一方、私立幼稚園にお子様を通わせている保護者の方々からは、本区の園児保護者負担軽減助成金が少ないことから、助成金の増額を求める声が寄せられております。月額補助金の現状を見ると、本区が4,000円であるのに対して、隣接区の北区は8,000円、板橋区は7,000円、文京区は7,500円、新宿区は1万円となっています。隣接区と比較しても本区は最も低く、さらに23区全体ではワースト3位に位置しております。
そこで、消滅可能性都市から持続発展都市を目指す本区としては、子育てしやすい区として、私立幼稚園児保護者負担軽減助成金の拡充を図るべきと考えますが、区の御見解をお聞かせください。
最後に、子どもの遊び場について伺います。小学生の保護者からは、豊島区にはボールを使って遊べる公園がない。小学生はゲーム三昧。例えば時間帯や曜日で区切るなどしてボール遊びができるようにしてほしいとの要望が寄せられました。
東京オリンピックが開催された50年前、私は、小学校3年生でした。まだ空き地や原っぱがあり、ボール遊びも自由にできた時代です。
そこで、千代田区では、本年4月に子どもの遊び場に関する基本条例を制定し、公園に限らず、利用可能な区有地を活用して遊び場を確保し、曜日と時間を区切ってボール遊びができるように工夫しています。
2020
東京オリンピック・
パラリンピックの開催へ向けて、子どもたちの体力及び運動能力の向上のためにも、公園等を活用してボール遊びができる取り組みをぜひ検討していただきたくお願い申し上げまして、私の一般質問を終了いたします。御清聴まことにありがとうございました。(拍手)
〔高野之夫区長登壇〕
○区長(高野之夫) ただいまの辻薫議員の御質問に対しましてお答えを申し上げます。
国際アート・
カルチャー都市構想についての御質問のうち、まず、
オリンピック文化プログラムとしての取り組みについての御質問にお答えをいたします。
オリンピックの文化プログラムは、
ロンドンオリンピックで大きな注目を集めました。ロンドンの繁華街、ピカデリーサーカスでは、道路閉鎖を行って空中ブランコや綱渡りなど17カ国から240名以上のサーカス・アーチストが登場し、観衆を熱狂させました。4年にわたって実施された、あらゆる分野に及んだ文化イベントの総数は約18万件、参加者4,340万人という壮大なもので、
近代オリンピック至上最大規模の内容で実施されたことになります。大きな規模での文化プログラムの実施は、今後ともを踏襲されていくものと想定をされるところであります。
東京招致に際して、東京都は文化プログラムの重要性をいち早く認識し、東京芸術文化評議会を設置して検討を行ってまいりました。2020年大会に向けて具体的なプランは、今後策定されることになると聞いておりますが、その検討状況を後追いすることなく、いち早く豊島区の文化、すなわちアート・カルチャーを世界にアピールすることで、豊島区こそが
オリンピックの文化プログラムの担い手であることを内外に示していくことが重要であると考えております。
そのためにも、豊島区国際アート・
カルチャー都市構想では、中期目標として
東京オリンピックを位置づけ、2020年の開催をターゲットに、文化創造と文化発信を行う洗練された都市空間を形成し、世界じゅうの人を迎える都市となりたいと考えているところであります。
次に、絵画などの分野についての御質問にお答えをいたします。
国際アート・カルチャーの都市構想は、これまで推進してまいりました安全・安心な
文化創造都市の方向性をさらに世界に目を向けながら歩を進めて、国際的にアピールできる都市を目指すことにより、にぎわいを創出し、それによって地域の活性化を図ろうとするものであります。
漫画、アニメは、トキワ荘など豊島区で創成期を迎え、今なお豊島区を拠点に最先端の事業が展開され、クールジャパンの代名詞にもなっています。これらは、他の地域ではない豊島区の強みでありますので、国際戦略を展開していく上では重要な要素になると考えているところであります。
一方、国籍、年齢を問わず、だれでも主役として参加できるまちのイメージとしては、路上パフォーマンスやコスプレに限らず、御自分が得意とする分野でアート・カルチャーに参加していただけるまちにしたいと考えており、この中には当然のことながら、絵画なども含まれてまいります。国際アート・
カルチャー都市構想は、豊島区の特徴をアピールしながら視野を広げる取り組みについても、しっかり取り入れてまいりたいと思います。
次に、高齢者の方が活躍する場と幅広い年齢層を対象とした構想についての御質問にお答えをいたします。
これまで、
文化創造都市については、豊島区文化政策推進プランに基づいて着実に推進をしてまいりました。この中には、子ども、シニア、障害をお持ちの方による文化活動の推進も重要な要素として、しっかりと位置づけられております。
ロンドンオリンピックの文化プログラムでも、アンリミテッドという障害者の大規模なアートフェスティバルが開催されました。スポーツ競技としての
オリンピックは選ばれたアスリートしか参加することはできませんが、芸術の世界では、年齢などの垣根を越えて、無限の可能性があることを示したものと理解をしております。
東京オリンピックの文化プログラムのテーマについては、まだ決定をされておりませんが、文化やスポーツが日常生活に根をおろし、老いても元気で豊かな国、高齢化の進む先進国の新たな成熟モデルを構築し、世界に示すべきとの見解もあり、この場合には高齢者の方々の参加は大きな意義を持つことになってまいります。
具体的な方策の検討は今後取りかかっていくことになりますけど、文化政策推進プランを踏まえ、性別、年齢にこだわらない新しいモデルを国際アート・
カルチャー都市構想の中でお示ししていきたいと考えております。
次に、
グリーン大通りの
オープンカフェの実態概要と結果についての御質問にお答えをいたします。
今回の社会実験は、現庁舎周辺の継続的なまちづくり活動に取り組むために組織された現庁舎周辺まちづくりビジョン連絡会と区が実施主体となって実施をいたしました。実際の出店は、
グリーン大通りの沿道事業者8店舗の協力をいただきながら、店舗等で購入した商品を歩道に設置したテーブルに持ち込むテークアウト方式で実施をいたしました。テーブル、ベンチ、パラソル等の備品類は区がレンタルし、
オープンカフェ期間中、沿道事業者に無償で貸与するなど、将来の常設化を視野に入れて実証実験を行ったものでございます。
実施期間中は、カフェ利用者や沿道事業者へのアンケートのほか、実施期間前後の交通量、沿道事業者の売り上げへの影響などについて調査、ヒアリングを行いました。
カフェ利用者へのヒアリングは、実施期間中に調査員が160件の調査を行いました。その一部を報告いたしますと、
オープンカフェ常設化については、98%の方から常設化にしてほしいとの回答をいただきました。また、子どもがいる人にとっては休憩しやすい、落ちつく、よい場所、池袋をほかに負けず活性化してほしいといった声がございました。そのほかにも、緑があってよい、木の下で座れて気持ちがよいといった御意見など、緑豊かな
グリーン大通りの特徴を生かしたこの試みは、利用者からおおむね好評をいただいたと認識をしております。
グリーン大通りでの
オープンカフェのまちのにぎわいと憩いの場を創出するとともに、都市空間の向上にも資するよう、今回集めた各種データや御意見を整理いたしまして、来春2回目の実証実験に向けて準備を進めてまいりたいと思います。
次に、国家戦略特区の追加メニューの概要についての御質問にお答えをいたします。
ことしの7月から8月にかけて国家戦略特区に関する新たな規制緩和メニューの提案募集が行われ、本区は国際アート・
カルチャー都市構想に関連する提案をいたしました。第1に、興業ビザに関連する手続、要件の緩和であります。海外から興業目的で来日する場合には興業ビザを取得しなければなりませんが、この手続は大変煩雑で、完了まで2カ月かかることもあります。これが海外アーチストが来日する際に大きな支障となっておりますので、手続の簡素化、または豊島区内で短期滞在ビザでも興業を行うことができるように緩和することに提案をいたしました。
第2に、税の減免をめぐる手続の簡素化でございます。海外アーチストが日本で興業を行って収入を得た場合、日本と本国の両方で課税される二重課税の弊害が生じます。この問題は2国間の租税条約に基づいて調整される仕組みでありますけど、実際の手続はやはり相当に煩雑であり、これも海外アーチストにとって制約要因になっております。そこで、豊島区内で行う興業による収入については、簡易な手続で減免を受けられるよう提案をしているものであります。
現在の日本は、こうした問題があるため、欧米各国と比べて市場としての魅力に劣ると言われておりますが、規制緩和が実現すれば、豊島区はまさに国際的に有望な市場に生まれ変わることが期待をできると考えております。
今回は単なるアイデア募集であり、国家戦略特区の追加指定に直結するものではございませんが、国家戦略特区ワーキンググループによるヒアリングの場において、豊島区がいち早く特区制度を活用した
オリンピック文化プログラムの検討を始めていることをアピールできたことは、今後に向けて大きな意義があったと考えております。
次に、無料公衆Wi―Fiの整備についての御質問にお答えをいたします。
国際アート・
カルチャー都市構想のコンセプトとして、都市基盤形成のITを使ったツールとして無料公衆Wi―Fiの整備を挙げさせていただきました。これは、
訪日外国人旅行者への調査などから、無料
公衆無線LAN環境の整備が最も要望されているという事実や、総務省や東京都が
東京オリンピック・
パラリンピック開催を見据えて、
公衆無線LAN環境の充実に力を入れ始めていることを加味してのことであります。特に、国際アート・
カルチャー都市として世界じゅうから池袋に来訪者を呼び込むためには、無料
公衆無線LANの環境の整備はぜひ必要と考えております。
しかし、現在、副都心池袋においては、無料
公衆無線LANが使える場所は駅やコンビニエンスストアなどで、数え上げられる程度であり、面的な広がりにはほど遠い状況であります。
平成27年5月にオープンいたします新たな庁舎では、だれもが使える来訪者向け無料Wi―Fiサービスを行う予定でおります。新庁舎でのサービスを周辺施設と共有することについて、来年早期に方向性を固めたいと思います。
さらに池袋周辺で無料公衆Wi―Fiサービスの整備をするには、公共施設だけではなく、多くの店舗や商店街、商業施設との協力が欠かせません。東京都や総務省などの来年度のWi―Fiスポット整備事業の動向を注視し、無料公衆Wi―Fiの整備が進む計画を、まちの人々とともに考えたいと思います。
そして、この取り組みが大塚や巣鴨など多くの地域で展開できるよう、民間事業者や商店街と行政とが手を携えて、整備手法を検討していきたいと思います。
次に、国際アート・
カルチャー都市構想実現へ向けての決意についての御質問にお答えをいたします。
これまでも申し上げてまいりましたが、国際アート・
カルチャー都市構想は、
文化創造都市、安全・安心創造都市をさらに進化させ、世界に向かって豊島区の魅力を積極的に発信し、人や産業を引き込もうとする構想でございます。
豊島区は、これまでに住みたいまち、訪れたいまちとして多くの方々から選ばれるまちづくりを推進してまいりました。しかし、振り返ってみますと、今までのまちづくりは、ともすると一自治体として、まちの中に目を向けた施策の推進に終始していたのではないかと考えております。
日本全体で既に始まっている人口減少、少子高齢化の進行、失われた20年とも言われる長きにわたった景気後退など、世界の中での日本の市場の縮小や地位の低下などが懸念されている今、首都東京に位置する豊島区は、みずからの区域内のことだけを考えていることは許されず、東京全体、日本全体を牽引する自覚を持って自治体経営に挑まなければならないと思っているのであります。
国際アート・
カルチャー都市構想は、そうした高邁な理念と自覚のもとに掲げた構想でありまして、本区の未来像であるとともに、日本の明るい未来をしょって立つ壮大な構想であります。私は、構想実現の先頭に立って、必ずや豊島区の、そして日本の明るい未来を切り開いてまいる覚悟でございます。
次に、繁華街の安全対策についての御質問のうち、まず、環境浄化パトロールの実施状況についての御質問にお答えをいたします。
区内における環境浄化団体は、池袋駅前地区3団体、巣鴨、大塚駅前地区おのおの1団体の計5団体が活動しております。
実施状況といたしましては、昨年は5団体でパトロールを91回行い、延べ2,147名が参加され、本年度も活発な活動をされているところであります。引き続き区民の皆さんや関係者の御協力を得て、環境浄化の充実に努めていきたいと思っております。辻薫議員も積極的にこのパトロールに常に参加をしておりますことを感謝申し上げます。
次に、刑法犯罪認知件数及び池袋繁華街地区の安心感アンケート結果についての御質問にお答えをいたします。
豊島区内における刑法犯の認知件数は、平成15年度末の1万1,589件をピークといたしまして、平成25年度末では5,960件、約半数に減少しており、官民挙げて行っております犯罪抑止対策の成果が出ているものと認識をしております。
しかしながら、平成24年11月に大学生1,500名を対象として行った池袋繁華街地区のアンケート結果を見ますと、特にまちで感じることについて尋ねた設問に対し、回答者1,073名のうち3分の2に当たる710名もの学生が、客引きが目立つと回答し、そのうち8割が客引きは迷惑と回答するなど、繁華街における客引き行為の迷惑性が浮き彫りになっております。
本区といたしましては、刑法犯の認知件数の減少から、治安情勢は着実に改善しているものと認識をしておりますけど、客引き等の迷惑行為の増加による体感治安の低下が懸念をされていることから、引き続き各種の対策強化に努めてまいりたいと思います。
次に、客引きに関する苦情件数の推移についての御質問にお答えをいたします。
本区では、御指摘のとおり、平成24年WHOセーフコミュニティ認証取得に向けた取り組みの一環として、全国に先駆け客引き、路上スカウト等を規制し、対応の強化に努めてまいっております。しかしながら、客引きを利用した店舗の進出や客引き、スカウト専門業者の出現など、依然として客引き、スカウトが路上で声かけ等を行い、苦情が後を絶たない状況となっております。
最近の池袋駅周辺の苦情の推移を見ますと、平成25年は客引き行為等に関連した110番の入電件数が530件であったものが、本年は11月中旬現在で、もう既に約640件となるなど大幅に増加をしております。
さらに、通報内容を分析いたしますと、客引きグループ同士のけんかや、客引きにしつこくつきまとわれた、断ったら数人に囲まれた等の苦情や、まじめに商売を行っている店がやっていけなくなるとの通報が寄せられ、繁華街における客引き対策が喫緊の課題となっているものと強く認識をしております。
次に、警備会社等による恒常的なパトロールの実施についての御質問にお答えをいたします。
池袋西口の客引きやスカウト行為の実態は、御指摘のとおり、恒常的に行われ、町会や商店街によるパトロールでは一掃できない状況となっているものと認識をしております。そこで、繁華街における安全対策を強化するため、客引き行為等の不法行為を防止するパトロールを恒常的に実施する屈強な警備隊の新設を図るとともに、新たな罰則等を設けるなど、豊島区生活安全条例を改正し、豊島区ならではの先進的な施策によって、池袋駅を中心とした繁華街から客引きやスカウトの一掃を図りたいと考えております。恐らく、全国、あるいは都内でもお手本になるような思い切った取り組みをしていかなければいけないと思っております。
今後、2020年の
オリンピック・
パラリンピック開催に向けて、だれもが気持ちよく訪れ、楽しく過ごせるまちを実現できるよう、繁華街の対策の充実強化に努めてまいりたいと思います。
私からの答弁は以上でございますけど、そのほかの質問につきましては両副区長から、教育委員会の所管に属する事項につきましては教育長から答弁申し上げます。
〔水島正彦副区長登壇〕
○副区長(水島正彦) 子ども施策についての御質問のうち、まず、私立幼稚園の園児保護者負担軽減助成金の拡充についての御質問にお答えいたします。
園児保護者負担軽減助成金につきましては、御指摘のとおり、隣接区と比較いたしまして低い水準にあります。各区の補助制度におきましては、補助額を所得階層別に設定している場合や、一律に設定している場合など、それぞれ考え方が異なっておりますため、一概に比較することは難しい状況にありますけども、本区の水準が23区平均を下回っていることは否定できません。
現在、来年4月に実施が予定されております子ども・子育て支援新制度の準備を進めているところでございますが、御提案の助成金の拡充につきましては、新政度における公定価格や利用者負担額の水準を考慮しつつ、実施へ向けまして平成27年度予算編成の中で検討してまいります。
次に、公園等を活用したボール遊びができる取り組みについての御質問にお答えいたします。
御指摘のとおり、子どもたちの体力及び運動能力の向上のためにも、ボール遊びのできる公園等の必要性は認識しております。その一方で、公園の利用者は乳幼児から高齢者まで幅広い年代にわたっているため、ボールが当たらないようにするなど利用者の安全面も考慮する必要があります。そのため、現在、ボール遊びができるのは、専用のキャッチボール場がある9園だけになっております。それに加えて、来年3月末に開園を目指して整備を進めております千川小学校跡地の公園においては、サッカーやバスケットボールなどのボール遊びができることになります。
御指摘の、曜日と時間を区切ってボール遊びができるようにする取り組みにつきましては、現在、南長崎スポーツ公園の多目的広場において、水曜日と第1土曜日及び第3日曜日にボール遊びができるようになっております。他の公園ではまだ実施しておりませんけども、現在、池袋本町で実施しておりますプレーパークを発展させた、出張プレーパークを実施することを検討しておりますので、プレーリーダーの見守りのもとで、ボール遊びができるようにしていきたいと考えております。
私からの答弁は以上でございます。
〔渡邉浩司副区長登壇〕
○副区長(渡邉浩司) 自転車の安全利用についての御質問のうち、まず、区内交通事故及び自転車事故の発生状況についての御質問にお答えいたしします。
本区における交通事故発生件数は年々減少傾向にあり、2013年には664件で、2011年より24%減少しております。一方、自転車事故の発生件数は2013年には270件で、2011年に比べ33%減少しております。また、交通事故に占める自転車事故の割合ですが、2013年には41%となっており、2011年に比べ、その割合が減少しております。
豊島区自転車の安全利用に関する条例の制定は、強制力のない理念条例ではありますが、実際に自転車事故発生件数と事故に占める割合はともに減少していることから、一定の効果はあったものと考えております。
次に、自転車の定期点検整備の推進と自転車損害賠償保険への加入状況についての御質問にお答えいたします。
自転車の定期点検整備の推進につきましては、自転車のふぐあい箇所を修理するだけでなく、自転車安全整備店、TSマーク取扱店の自転車安全整備士による点検調整を受けることにより、1年間の自転車保険が附帯するメリットがあることから、一般区民向けに定期点検推進のチラシの配布、自転車に乗る機会が多くなる中学生向けに区立中学校へのリーフレットの配布などを行っているところです。
自転車損害賠償保険の加入者数につきましては、豊島区を対象にしたデータはございませんが、区民交通傷害保険の加入者数は約1万1,000人となっており、近年は横ばい傾向となっております。引き続き、傷害保険加入の推進に努めてまいります。最近、自転車事故の加害者に高額賠償を命じる判決が相次いでいることから、区といたしましても引き続き自転車損害賠償保険等への加入を推進してまいります。
次に、自転車の信号無視及び一時不停止等による交通事故を防ぐための具体的な取り組みについての御質問にお答えいたします。
区の自転車利用者の法令遵守に対する取り組みとして、区広報やホームページへの掲載、施設等へのポスター掲示、自転車安全利用キャンペーンなど、さまざまな方法で周知を図っております。さらに、信号無視や一時不停止が多い交差点に交通事故の注意看板の設置や、路面上に自転車ストップマークをペイントして、自転車利用者に注意喚起を行っております。
次に、交通安全教室を実施している町会数についての御質問にお答えいたします。
警察署が協力しての町会、自治会が独自に主催する交通安全教室は、今年度は3町会が実施していると聞いております。
次に、町会、自治会主催の交通安全教室開催を推進することについての御質問にお答えいたします。
現在、区が実施する交通安全教室は、小さいお子さんを持つ子育て世代や小・中学生、高齢者など、世代ごとにターゲットを絞って行っております。御指摘のように、町会単位での実施は、さまざまな世代が一堂に会することにより、世代を超えて交流ができ、世代間の違いによる行動パターンを理解することで交通事故防止につながると考えられます。今後は警察署と連携して、町会、自治会主催の交通安全教室にも取り組んでまいります。
次に、東京都と連携した自転車レーンの整備についての御質問にお答えいたします。
豊島区自転車等の利用と駐輪に関する総合計画において、道路整備の際は道路管理者と協力しながら、歩行者、自転車双方の安全性の確保に取り組むよう示しております。現在、都が行う特定整備路線の整備については、地権者の方々の土地の境界確認等の用地測量が行われており、年度内の事業認可に向けて準備を進めている段階です。
今後、都は、自転車と歩行者の交通のあり方や道路形状などをかんがみながら、道路工事の設計へと進んでまいります。東京都知事は、2020年の東京五輪開催までに自転車レーンを倍増させるとの考えを示しており、区としましては、都の動きも注視しながら、御提案の自転車レーンの整備や区民説明会等でちょうだいしている御意見なども踏まえて、都へよりよい整備方法について働きかけてまいります。
次に、自歩道における安全利用対策の具体的な強化についての御質問にお答えいたします。
自歩道は自転車と歩行者が通行できる歩道で、自転車専用レーンとは異なり、自転車と歩行者が共有して歩道を利用する形態をとっています。そのため、西池袋通りのように通行帯を色分けしている場合に限らず、自転車利用者は歩行者に配慮した走行が必要です。区広報やホームページでの周知、自転車安全利用のチラシの配布などを継続的に実施してまいります。また、道路管理者と連携して注意喚起用看板の設置などを行ってまいります。
次に、駐輪施設整備の進捗状況についての御質問にお答えいたします。
豊島区自転車等の利用と駐輪に関する総合計画において、2006年度から2015年度までの10年間に駐輪施設整備目標台数を6,500台としておりましたが、昨年度開設された池袋駅南口自転車駐車場など、区立駐輪場及び民間駐輪施設を合わせて、現在、8,300台分の施設整備が完了しております。また、2016年度に大塚駅南口に約1,000台収容できる駐輪場も整備中でございます。
現在、次期総合計画の改定作業に入っておりますが、今後も放置自転車対策として、駐輪需要に見合った駐輪場整備計画を策定してまいります。
次に、既存施設における思いやりゾーン設置の推進についての御質問にお答えいたします。
思いやりゾーンは、大型化、重量化する自転車に対応して、駐輪場利用者が利用しやすいよう、自転車の間隔を広めにした駐輪スペースです。現在、巣鴨駅北口白山通り自転車駐車場に設置しておりますが、利用者の方々からも高評価を得ているところです。駐輪需要と供給のバランス、設備の状況を踏まえながら、既存の路上ラック式駐輪場への思いやりゾーン導入を進めてまいります。
次に、既存施設の利用率向上のための施設改良についての御質問にお答えいたします。
区立自転車駐輪場の中には、老朽化による設備の更新、高齢者及び子ども用3人乗り自転車や電動自転車など重量の重い自転車を利用されている方々向けに、電動のオートスロープなどの設置が必要な施設があると認識しております。設備が設置可能かどうか、建物の構造を考慮するとともに、費用対効果を十分踏まえながら、利用率向上や利用者の利便性に配慮した施設改修を検討してまいります。
私からの答弁は以上でございます。
〔三田一則教育長登壇〕
○教育長(三田一則) 引き続きまして、教育委員会の所管に属する事項に関する御質問に対しましてお答え申し上げます。
自転車の安全利用についての御質問のうち、まず、発達段階に応じた自転車の安全利用に関する教育についての実施状況についての御質問にお答えいたします。
小・中学生の交通事故発生件数のうち約30%が自転車での事故であることにかんがみ、区内すべての幼稚園、小・中学校におきまして、東京都教育委員会が作成した安全教育プログラムを活用し、幼児・児童・生徒の危険予測、回避能力の育成に努めてまいりました。さらに、本区が定めた自転車の安全利用に関する条例第7条を受けて、発達段階に応じて、自転車の安全な利用、点検や整備、交通ルールを守るなどの指導を行っております。
具体的には、区立幼稚園におきましては、日常的に登校園児のヘルメット着用や安全な乗り方について、小学校におきましては、全校で自転車の安全教室を実施しておりますが、そのうち7割の小学校が土曜公開授業日を活用して、保護者と児童が参加しやすい体制をつくり、実施しております。
中学校におきましては、今年度をもちまして全8校でスケアードストレート方式による自転車安全教室が一巡しております。スタントマンによる交通事故の再現を目の当たりにして、事故の衝撃や恐ろしさを体験するプログラムが、自転車による交通事故の減少に効果を上げております。
次に、朋有小学校における自転車事故ゼロの取り組みについての御質問にお答えいたします。
朋有小学校では、平成22年2月、インターナショナルセーフスクールの認証取得宣言を機に、PTA主催の希望者参加という方式から学校主催の全員参加方式に改め、指導の徹底を図ってまいりました。免許証発行に当たっては、映像による安全教育の修了、確実な実技運転の徹底、ヘルメットの着用の3項目を必須要件に定め、2年間にわたって全校規模での定着の努力をPTA、警察、地域の方々と連携して行ってまいりました。
こうしたインターナショナルセーフスクールの取り組みが、本年10月23日、NEWS ZEROの番組で紹介され、社会的な評価の高さを強く感じております。
こうした実践に即した自転車運転免許証の活用は、現在に至っても、児童・生徒、保護者の交通安全に対する意識を高め、交通事故ゼロの実績を更新しております。
次に、自転車運転免許証を活用した意識向上の取り組みを区内全小学校に展開することについての御質問にお答えいたします。
高いレベルを持つセーフスクールの認証を得た朋有小学校の方式は、学校の教育課程に交通安全教育として位置づけ、全校児童の参加、保護者や警察、交通安全協会、地域の協力を得て、オール朋有体制による実践に即した安全意識及び運転技能を徹底したことによってなし得たものであります。したがいまして、自転車による交通事故防止に極めて有効である一方で、体制づくりには並々ならぬ学校区ごとの協力協働体制の構築も大変大きな課題となっているものと受けとめております。
教育委員会といたしましては、こうしたことを前向きにとらえながら、平成25年4月の定例校長会で、朋有小学校の事例に学ぶ33のポイントとして、取り組みの教訓を全幼稚園、小・中学校の校園長に周知いたしました。今後ともこの方針を定着させ、推進をしてまいりたいと考えております。
以上をもちまして、辻薫議員の御質問に対する答弁を終わります。
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○議長(本橋弘隆) この際申し上げます。
議事の都合により、暫時休憩いたします。
午後3時17分休憩
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午後3時42分再開
○副議長(中島義春) 休憩前に引き続き会議を開きます。
議長の都合により副議長の私が議長職を務めますので、よろしくお願いいたします。
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○副議長(中島義春) この際申し上げます。
本日の会議時間は、議事の都合により、あらかじめこれを延長いたします。
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○副議長(中島義春) 一般質問を続けます。
次に、15番議員より、「将来に禍根を残す大型開発をやめ、くらし最優先の区政に」の発言がございます。
〔森 とおる議員登壇〕(拍手)
○15番(森 とおる) 私は、日本共産党豊島区議団を代表して、「将来に禍根を残す大型開発をやめ、くらし最優先の区政に」と題し、次の4点について一般質問を行います。第1に、破綻した新庁舎資金計画が区財政に及ぼす影響について、第2に、造幣局移転後の跡地活用について、第3に、特別養護老人ホームの入所について、第4に、その他として、コミュニティバスの実現についてです。区長の明快な答弁を求めます。
第1の質問、破綻した新庁舎資金計画が区財政に及ぼす影響についてです。
本定例会に、新庁舎の保留床等購入の契約議案と補正予算が区長から提案されました。その内容は、今年度に135億9,400万円を再開発組合に支払うというもので、財源は財政調整基金から110億円、公共施設再構築基金から25億9,400万円を取り崩すというものです。
区長は、2013年度決算について、23年ぶりに貯金が借金を上回り18億円のプラスになった、快挙だと自画自賛しました。財政調整基金は、2012年度末残高64億円、現在の実質残高128億円へと、この間、急激に積み増ししてきたことによるものです。ところが、新庁舎を買い入れるために2つの基金の大半を取り崩すため、貯金がプラスだったのはつかの間だったということになります。
私は、本年6月、第2回区議会定例会一般質問で、破綻した新庁舎資金計画について取り上げました。区長は、新庁舎の資金計画については一貫して、税金を使わない、借金をしないと言い続けています。そのために、現庁舎地、いわゆる本庁舎敷地と公会堂敷地に定期借地権を設定して、土地を民間企業に貸し付け、その地代収入で新庁舎を購入しようというものです。すなわち、区民の大切な土地という財産を民間企業に貸し出すというもので、税金を使うことと何ら変わりはありません。
この計画は、2008年の新庁舎整備方針の時点では、定期借地期間は50年で、そのうち25年分の貸付料を一括受け取りすれば176億円の収入が見込まれていました。これを新庁舎の支払いに充てれば、公会堂と区民センターの建てかえを含めて10億円の黒字で新庁舎を建てられると区長は区民に約束をしたのであります。さらに残りの25年間は毎年9億円の賃料が入ってくるので、50年間の総収入は401億円という計画でした。
それから2年後の2010年、新庁舎整備推進計画では、25年分貸付料一括受け取りは143億円になり、33億円も悪化しましたが、区は一括受け取り年数を35年にすれば182億円になるから大丈夫だと言い、その後さらに悪化したとしても、一括受け取り期間を延長するとか、貸付期間を50年から60年、70年と延長すれば問題ないと言い逃れをしてきたのであります。
我が党は、当初より、景気や不動産市況に左右される民間企業を相手にした資金計画はやめるべきと再三にわたり警告してきました。相手が決まる前に新庁舎の建設を始めると足元を見られ、バナナの叩き売りになってしまうと言い続けてきました。このことが現実になっているのであります。
今や貸付期間は70年へ20年間も延長し、地代収入は全額一括前払いで目標額は141億円です。141億円とは、区が新庁舎買い入れに必要だとしてきた額そのものなのであります。50年で401億円だった計画が、70年で141億円です。これは計画の破綻以外何物でもありません。しかも、当初計画の整備費は166億円でした。これに対し141億円の収入であったならば、区長が約束した10億円の黒字どころか、税金を使うか借金をしなければ計画が成り立たなかったということです。
そこで最初の質問をします。第2回区議会定例会の私の一般質問に対する区長答弁は、貸付期間や地代収入の変動は当初から想定していること、新庁舎を完成させることが区長としての責任というものでしたが、これは区民を欺くものであります。ということは、当初から50年で401億円だったのが、70年、141億円になるということを想定していたというのでしょうか。想定していたというのであれば、なぜ区民に説明をしてこなかったのでしょうか。お答えください。
また、当初は10億円の黒字と収支を見積もっていましたが、同じ条件に即した場合、現在の収支はどのようになっているのでしょうか。基金の大半を新庁舎の支払いに充てることについて、区民にどのように説明するのでしょうか。これらを区民に説明すべきです。答弁を求めます。
次に、新庁舎買い入れのために基金を取り崩すことについて伺います。
区長は、現庁舎地の活用事業で、目標額141億円の地代が入ってくるまでの一時的な基金の活用だと言います。区は現在、現庁舎地活用事業一次審査を通過した8つのグループ、29社からのプランが年内に提出されるのを待っています。二次審査で優先交渉権者が決まるのが今年度中の来年3月。そこから1年かけて設計と借地契約等の協議が進められ、定期借地契約が締結されるのは来年度末の2016年3月が予定されており、この時点で金額が決まることになっています。民間企業が支払うのはさらに先で、2017年度から2019年度まで行う工事期間中として、早くて2年半、最長5年もかかるのです。
区は、財政調整基金について、財源が不足する年度に取り崩すなど、年度間の財政調整を行うもの、急な支出の際など、いざというときに取り崩して活用するものと言ってきました。これまで予算編成時に歳入が不足しそうだと算出を締めつけ、実際に歳入が増加しても事業の拡大はろくに行わず、決算剰余金は翌年の一般会計に繰り入れられることなく、全額を財政調整基金に積む条例改正まで行い、他区に追いつき追い越せとがむしゃらに基金を積んできたのであります。
昨日、我が党、渡辺くみ子議員が一般質問で取り上げたように、高齢者、子育て支援策、低所得者対策等、待ったなしの区がやるべき仕事は山積しております。
区は、今年度予算の中で、当面する3カ年の投資経費の概算想定を公表しました。それによると、公共施設の大規模改修や学校改築などの投資的経費は喫緊な需要がメジロ押しで、2016年度までの3カ年で必要額は515億円としています。財源は、国と東京都からの補助金は102億円だけで、残りは一般財源185億円、基金繰入金56億円、起債172億円と莫大な区の持ち出しです。2017年度以降については、区は計画を出せずにいるのであります。
さらに区は、来年度予算編成に向けて依命通達を出し、日本経済の先行きについて見通しを持つことは困難、区財政を取り巻く環境は予断を許さない、高齢化、防災、子ども・子育て施策の充実、施設改築改修費の大幅増など、経費の圧縮や財源対策が必要として、怒濤のように押し寄せる歳出需要だと言っています。
そこで質問します。これからの区財政はやるべきことが山積し、歳入にしても歳出にしても不透明な状況にあると私は考えます。区長も招集あいさつで、今後しばらくの間は、慎重な財政運営が求められることになると言っています。では、区民の切実な需要を反映するためには、区長は一体どうするつもりなのでしょうか。新庁舎の支払いに財政調整基金の大半を使えば、その需要に対応できなくなるのではないでしょうか。しかも、公共施設再構築基金まで取り崩しましたが、学校、心身障害者福祉センター、勤労福祉センター等の改修改築、長崎健康相談所の耐震補強など、区長みずから示した当面する3カ年と、それ以降の区民に必要な改修改築費用はどうするのでしょうか。大丈夫だというのであれば、その根拠を明確にすべきと考えますが、いかがでしょうか。答弁を求めます。
次に、新ホール及び周辺整備について伺います。
新ホールは、現庁舎地を定期借地する民間企業が建設する施設と一体的に整備するとして、建設を民間企業に委託し、完成後に区が買い取る計画です。2008年の新庁舎整備方針では、現公会堂と同規模、買い取り価格については17億円というものでした。同時に、区民センターの建てかえ費用22億円も示しており、2つの施設費用合計39億円を含めて10億円の黒字で新庁舎を建てられると区長が区民に約束したことは、先ほど述べたとおりです。
この金額が昨年の6月に膨大にはね上がりました。新ホールは2倍以上の面積の劇場ホールに変質し、今まで区民が利用しやすかった公会堂ではなくなりました。費用も50億円で、そのうち35億円は起債です。その計画はそれだけにとどまらず、区民センター改築と一体の生活産業プラザ改修に約44億円、中池袋公園改修に約3億円、周辺区道路整備に約17億円です。総額114億円で、国や東京都からの補助は一切なく、すべてが区の持ち出し、しかも、64億円は起債を充てることになっています。すなわち税金投入と借金をするというものです。区長は、税金を使わない、借金をしないと言ってきた公約違反になるため、これらを新庁舎建設計画から外してしまったのであります。これほど都合のいい話はありません。
区長は、114億円もの税金を現庁舎地及び周辺につぎ込めば、まちが変わる、まちを変えるなどと大キャンペーンを張り、まちの価値が高まるんだと訴え続けてきました。しかしながら、現庁舎地の貸付期間を70年に延ばしても地代収入は141億円と、当初の50年で401億円と比較して二束三文に激減してしまったのであります。
今後、アベノミクスによる建設費高騰の影響は免れず、入札が不調となり断念せざるを得なくなった西部地域複合施設や、資材費、人件費の高騰による学校改築のたび重なる価格変更等をかんがみると、114億円で済まないことは明らかです。実際に新ホールは消費税を外税にするとか、共用部分を別途支払うとか、こそくな手段で費用を徐々につり上げ始めており、55億円プラスアルファになっていることを、私の質問に対して認めているのであります。
我が党区議団は、この間、区政アンケートを行い、これまでに2,000名を超える回答を得ました。新ホールの項目では、知っているが35%に対し、知らないが56%と過半数を上回り、区が説明責任を果たしていないことが浮き彫りになりました。また、この計画についてどう思うのかの問いに、反対が48%と半数に上ったことに対し、賛成はわずか13%にすぎませんでした。多くの区民が無駄だと感じていることが明らかになりました。
そこで質問します。これまで指摘してきたとおり、区長は新庁舎のために基金を取り崩し、141億円を支払った上、さらには、まちの価値を高めるためといって新ホール及び周辺整備に114億円を投入しようとしています。合わせて255億円です。このような税金のばらまきをすれば、これまでの傷口は一層広がり、区財政は破綻し、将来に禍根を残すことは目に見えています。今まさに見直しを決断するときです。現庁舎地の活用事業は白紙撤回すべきですが、いかがでしょうか。
現庁舎地の活用については、改めて区民合意で、新ホールの規模、整備手法、財源、資金計画など、総合的にやり直すべきです。いかがか答弁を求めます。
次に、第2の質問、造幣局移転後の跡地活用についてです。
東池袋四丁目にある造幣局東京支局が、2016年にさいたま市へ移転することが決定しました。敷地面積は約3.2ヘクタールあり、土地がどのように活用されるのか、区民が大いに注目しています。跡地の公園化については昭和40年代から検討が始まり、その後、防災公園にするために、各種団体や区議会が国や東京都に要請活動を行ってきました。区は数年前から造幣局に対し、土地の有効活用について要望書を提出しながら、東池袋まちづくり協議会を発足し、区、造幣局、日本郵政、サンシャイン、URが主体となり計画を進めてきました。昨年、さいたま市へ造幣局移転が確定した後に、造幣局東京支局敷地の有効活用についての確認書を締結し、それをもとに、現在、区は、造幣局地区街づくり計画案、(仮称)造幣局地区防災公園基本計画案を公表しています。
土地利用については、区が整備するのが防災公園整備区域で約1.7ヘクタール、民間が整備するのが市街地整備区域で約1.5ヘクタールとされています。防災公園は、文字どおり、花や緑、子どもたちの遊び場、救援物資の備蓄や避難生活の場です。
わかりにくいのが市街地整備区域で、この区域は文化交流機能とにぎわい機能に分かれています。区の説明では、文化交流機能とは教育研究機関だとされ、それは大学や大学院などであり、小中高校ではないとのことです。にぎわい機能とは、上層部は住宅で、低層部は飲食店や物販店などさまざまであるとのことです。
防災公園の費用は、今のところ土地代が約140億円、公園整備費が約十数億円と見込まれています。財源は、にぎわい機能と抱き合わせで、防災公園街区整備事業制度を活用することになっています。この制度を活用すると国と東京都からの補助が出るため、区の持ち出しは10億円を超える程度で済むから、また、補助はすぐに出ないなどの理由で、URに入ってもらうというのが区の言い分です。
この内容に、区民からは疑問の声が相次いでいます。文化交流機能の必要性がわからないとか、老人介護施設の計画はなぜなくなったのか、すべてを防災公園にしてほしいなどさまざまです。中でも、防災公園整備区域にヘリポート設置が予定されていますが、かなりの面積を必要とし、高木や遊具などの配置にも大きく影響することになります。区は、23区で唯一設置されていないと言いますが、ドクターヘリやレスキュー等の比較的小型なヘリであれば、校庭などの広場に着陸することができます。区が想定している大型輸送用ヘリポートは、土地全体が防災公園になるのであればまだしも、半分の面積の中に入れるのはいかがなものでしょうか。
このように、区が示した造幣局地区街づくり計画案、(仮称)造幣局地区防災公園基本計画案、いずれも案の段階であるにもかかわらず、そのほとんどが確定事項ばかりであり、住民説明会でも、パブリックコメントでも、新たな区民の要望が取り入れられることはありません。このことが区民にとって不満の大もととなっているのであります。
我が党は、東池袋まちづくり協議会について、なぜ区と造幣局、日本郵政、サンシャイン、URの4者でやるのか、なぜ区民を入れないのか、おかしいではないかと指摘してきました。また、高齢者施設をなくしてしまったことについても、癌研跡地の整備に含まれていた特養ホームをなくしてしまったことと同様に、期待していた区民を愚弄するものではありませんか。
そこで質問します。本区にとってこれだけ大規模な土地の利用転換は、最大限、区民の声を反映したものでなければなりません。ところが、これまでに区が進めてきた手法は、区民不在の計画にほかなりません。いかがでしょうか。
これだけまとまった国有地である区民の財産を最大限生かすことが求められているのです。それを半分近くも民間企業に売り渡すなどもってのほかです。特に本区は1人当たりの公園面積が23区で最下位であることをかんがみても、防災公園整備区域は拡大すべきです。国などの制度に縛られることなく、区民の声をよく聞いた上で、国や東京都に協力を求めることが区長の務めです。今ある計画は、高齢者施設、保育園、公営住宅等を盛り込み、土地全体の公共施設として計画し直すべきと考えますが、いかがでしょうか。答弁を求めます。
次に、第3の質問、特別養護老人ホームの入所についてです。
区は、昨年から特養ホーム入所申込書及び優先入所基準の変更を行いました。それと同時に、申込書に1年間の有効期限が設定されたために、特養ホームに入所を希望する方は、毎年繰り返し申込書を提出しなければならなくなったのです。それまでは有効期限の設定などなく、申込書は一度提出すればよかったのです。特養ホーム待機者とその家族からは、要介護認定変更時や区分変更認定時に作成し直すならまだしも、毎年欠かさずに書類を作成するのは大変だという声が寄せられております。また、何らかの理由で書類を提出しなかったために、入所を希望している待機者が選考に漏れているといった大問題が生じているのです。
私は、本年6月の第2回区議会定例会の一般質問でこの問題を取り上げ、有効期限の撤廃を求めました。ところが、保健福祉部長の答弁は、入所申込書の提出については、ケアマネジャーや家族に責任があり、区は関知しないというもので、責任を回避するとんでもないものでした。そこで私は、このような不祥事を放置するのかと再質問し、ようやく区長は、ケアマネジャー任せではなく、十分調査した上で、今後の課題としてとらえていきたいと答弁したのです。それまで区長は、問題の重要性を認識していなかったということです。
その後、8月に、区が特養ホーム再申請予定者の追跡調査を行った結果、2013年末の更新時に再申請しなかった方は3月末時点に36名、理由は、申し込み忘れと、更新制になったのを知らなかったと回答がありました。36名のうち14名が9月までに申請しましたが、この14名が申請を出していない間に開催された入所検討会は122回にも上りました。2年目において、わかっているだけでこれだけの入所選考漏れが発生しているのです。昨年の2月に実施した調査では205名が再申請予定者だったことは判明していますが、それ以上の追跡調査は不可能とのことでした。
そこで質問します。区長は、特養ホームの入所選考漏れが発生している実態を自治体の長としてどのようにとらえているのでしょうか、お答えください。私は、区民に謝罪し、改善策を講じることが区長としての務めだと考えます。入所選考漏れの原因となっている1年ごとの更新は直ちに撤廃し、もとの申請方法に戻すべきと考えますが、いかがでしょうか。答弁を求めます。
続いて、特養ホーム増設について伺います。このような問題が生じている大もとの原因は、特養ホームの不足です。現在2カ所建設中ですが、完成したとしても、本年9月の待機者553人は解消できません。そこへ国は介護保険制度を改悪し、特養ホーム入所対象者から要介護1と2を外すことで待機者をふるいにかけ、減らそうとこそくな手段を進めようとしています。あってはならないことです。
そこで質問します。国が入所対象者から要介護1と2を外したとしても、これまでどおり要介護1から入所対象とすべきですが、いかがでしょうか。特養ホーム増設は待ったなしです。来年2カ所の開設では足りないことは明らかです。直ちに増設計画の具体化を求めるものであります。答弁を求めます。
最後に、第4の質問、コミュニティバスの実現についてです。
私は、交通不便地域を解消するために、地域住民とコミュニティバス実現の運動に取り組んでいます。一般質問を行うのは、2010年の第4回定例会、2012年の第3回定例会に続くもので、予算・決算特別委員会では、再三、コミバス実現を取り上げてきました。
コミバスは、自治体が業務をバス会社に委託するなどして、従来の乗り合いバスを補う公共交通機関として全国的に導入され、多くの23区が実施しています。本区も2008年に調査を初め、2010年度中には1路線の運行を目指しておりました。そのさなかの2010年4月、国際興業バス池07廃止問題が浮上しましたが、区が財政負担することで存続することになりました。ところが区は、これを理由に、それまで続けてきたコミバス導入計画を3年間中止することを決めたために、2013年度までは検討さえやめることにしてしまいました。これに反発した住民から運行を求める請願・陳情が議会に出されたのです。
本年10月2日の都市整備委員会において、継続審査となっていった請願・陳情の再審査の質疑で、区から、今年度、池07の中間のまとめと同時並行にコミバスもやる、これから精査し、来年度予算は至急やりたい、区全体の議論の中で要望のある地域についてこれからなどの答弁が出されました。区長みずからも、同時並行でも検討する、積極的にやってみたいと答弁がありました。議員からも、全会派が要望している、みんな必要性は認めているなどの発言が相次ぎました。これまでは、新庁舎へのアクセスとして、現行の路線バスのルートや停留所の位置変更の議論にとどまっていましたが、コミバスの検討についても、とまっていた時間が一気に動き始めたとだれもが実感しました。
そこで質問します。区長は、同時並行でも検討する、積極的にやってみたいと言った以上は、直ちにコミバス実現に向けた方針と理念、概念等を明確にすべきと考えますが、いかがでしょうか。
都市整備部長が来年度予算は至急にやりたいと言いましたが、その中身を具体的にお示しください。
今後の地域公共交通会議が極めて重要になります。そこで委員については、住民または利用者団体代表枠を拡大し、新たに公募を行い、コミバス実現を求める区民の多様な意見が反映されるようにすべきと考えますが、いかがでしょうか。
以上で私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔高野之夫区長登壇〕
○区長(高野之夫) ただいまの森とおる議員の御質問に対しましてお答えを申し上げます。
新庁舎資金計画が区財政に及ぼす影響についての御質問のうち、まず、当初50年で401億円だったのが、70年で141億円になることを想定していたかについての御質問にお答えをいたします。
これまで繰り返し何回も御説明をしてまいりましたように、不動産を活用する以上、その時々の経済状況や不動産市況に左右されるという面があるということは当然で、収支がその時々で変動するのは当たり前のことでございます。当時に試算した収支が将来幾らになるのかを正確に想定することなど、だれしもが不可能なことだと思っております。
また、平成の18年、整備方針素案、平成20年の整備方針、そして、平成22年の整備推進計画の策定段階で、その時々の資産を区民の皆様にお示しをし、御説明をしてまいりました。決して区民の皆さんを欺くようなことは一切ございません。
次に、10億円の黒字の現在の収支についての御質問にお答えをいたします。
基金もない、借金もできない、そして建物の劣化が進む中で新庁舎を建設するには、この方法しかないとの不退転の覚悟を持って、この大事業に取り組んできたわけであります。新庁舎の整備の資金計画の収支は、その時々、しっかりとお示しをしながら、これまで進めてまいりました。過去に試算した収支を現在の状況下で、全く同じ条件で試算したとしても、何ら意味のないものであると思います。
森とおる議員は不動産市況の下落のみを問題としておりますが、一方で、御存じのように、建設費が急騰しておりまして、他の自治体では予定していた庁舎建てかえ経費が大幅に膨らみ、建設を断念に追い込まれたところや、大幅な財政計画の見直しを余儀なくされたところも多くあると聞いております。庁舎建設基金を積み増し、それを財源に建てかえる方法もあったかもしれませんが、結果論を申しますと、そのような方法で建設費の高騰により本区の新庁舎建設も不可能となり、それを引き延ばしていたならば、長い将来にわたり区民の皆さんに御不便をおかけすることになったと考えております。4年前の平成22年の時点で躊躇せず計画の推進を思い切って決断して本当によかったと思っております。
振り返り、あのときの決断がなければ、新庁舎建設は、永久とは申しませんけど、できなかったと思っております。もっともっと苦しんでいたのではないかと思っております。今、最も重要なことは、来年5月の新庁舎の開設に向けてあらゆる準備を着実に進めることであると考えております。
次に、基金の大半を新庁舎の支払いに充てることへの区民への説明についての御質問にお答えをいたします。
これまで御説明をしてまいりましたように、今回の保留床購入費の財源として基金を充当することは、あくまでも現庁舎地活用の地代収入が入ってくるまでのつなぎということでございます。新庁舎整備の財源を現庁舎地の活用収入で賄うという基本的な事業スキームは何ら変わっておらず、このことだけをもって区民の皆さんへ説明することは考えておりません。今の私たちがやるべきことは、区民の皆さんの大切な財産である現庁舎の跡地が、資産活用を十分に生かし、将来を見据え、本区のにぎわいと文化の拠点となるよう、全力で取り組むことであると考えております。
次に、区財政において、区民の切実な需要を反映させることについての御質問にお答えをいたします。
さきの招集あいさつで、一時的にせよ、財調基金の残高が減少することから、私は慎重な財政運営が求められると申し上げましたが、消費税の再増税が先送りされたため、地方消費税が入らなくなったり、地方法人課税の見直しによる歳入の減少や、区民需要がたくさんある中で歳出を抑えることは容易ではないこと、加えて、財調基金が少ないことから、従来より、より一層施策を厳選し、重点化することを自戒の念を込めて申し上げたものでございます。必要な区民需要には的確にこたえてまいりたいと思っております。
次に、財調基金が区民需要へ対応ができなくなるのではないかとの御質問でございます。
新庁舎の保留床購入経費等の支払いのために、一時的とはいえ、財調基金を110億取り崩すことから、支払い後の残高は18億円にまで減少いたします。しかしながら、26年度当初予算で積み立てや、26年度決算剰余金の繰り入れを加味いたしますと、半年後には50億円程度にまで回復する見込みでございますので、財調基金の設置目的である年度間の財政調整機能は十分維持できると認識をしております。したがいまして、区民需要に財調基金を活用せざるを得ない場合でも、十分に対応できるものと考えております。
次に、当面する3カ年と、それ以降の改修改築費用への対応と、その根拠についての御質問にお答えをいたします。
公共施設再構築基金につきましては、新庁舎の保留床購入経費等の支払いを行った後も、10億円余の残金が確保できております。当面の3カ年の改修改築費へは、これで対応したいと考えております。また、区有施設の改修改築には、基金のほかにも起債を活用することもできますので、4年目以降への需要へも対応できるよう、適切な基金管理に努めてまいりたいと考えております。
次に、現庁舎地活用事業を白紙撤回し、区民合意による現庁舎地の活用を総合的にやり直すことについての御質問にお答えをいたします。
この件に関しましては、これまでもたびたび御質問をいただきました。その都度、資料等も含めながら、言葉を尽くしてお答えをしてまいりました。新ホールの整備及び周辺のまちづくりは池袋の魅力をより高め、まちのあらゆる空間を活用する国際アート・
カルチャー都市構想の実現にとっても大きな要素をなすものであり、この実現に要する投資は必要不可欠なものと考えているところでございます。
また、本計画を進めるに当たっては、区議会に報告し御意見を伺ってまいりました。区民の皆さんに対しても、区民説明会やパブリックコメントを行うことで、広く御意見を伺ってまいりました。
先ほど申し上げましたように、将来を見据えながら、刻々と変化する社会情勢に細心の注意を払いながら計画を進めているところでございまして、重ねてのお答えになりますけど、新ホール及び周辺整備を含む現庁舎地の活用事業を白紙撤回し総合的にやり直すことは全く考えておりません。
私からの答弁は以上でございますけど、そのほかの質問につきましては両副区長より御答弁申し上げます。
〔水島正彦副区長登壇〕
○副区長(水島正彦) 特別養護老人ホームの入所についての御質問のうち、まず、特養ホーム入所選考漏れの実態についての御質問にお答えいたします。
従来、申請後に状況の変化があっても御本人の申し出がない限り有効で、入所の順番が来て御案内しても、辞退される方が少なくありませんでした。結果として、待機されている方にとっては必要以上に入所待ちが長くなり、また、施設側としてもなかなかベッドが埋まらないという問題がありました。
昨年から毎年の更新制に変更し、介護度の高さや認知症の症状を評点項目に加え、真に必要な方が申請されるとともに、その時点で適切かつ公平な入所判定を行うことができるようになったと考えております。
御指摘の申請漏れの方が発生している事態については課題として受けとめており、今後、申請漏れが起きないような工夫が必要であると考えております。
次に、1年ごとの更新を直ちに撤廃し、もとの申請方法に戻すことについての御質問にお答えをいたします。
ただいま申し上げたとおり、従来の方法では、入所の必要性がなくなってもそのまま待機者として残ってしまい、待機者にとっても施設側にとっても望ましい状態ではなかったことから、直ちにもとの申請方法に戻す考えはございません。
今後につきましては、申請漏れの発生を防止するため、施設側と十分な連携を保つとともに、御家族やケアマネジャーに対し、制度変更の趣旨、更新申請の必要性等について改めて周知してまいります。また、更新を2年に1度とするなど、より効果的な待機者管理の方法等について検討してまいります。
なお、一定期日までに再申請のない方に対しては、きちんと意思確認を行い、選考漏れが発生しないようなことなどについても努めてまいります。
次に、入所対象者を要介護1からのままにすることについての御質問にお答えをいたします。
要介護1または2の方にあっては、例えば認知症により在宅生活が困難である場合や、御自身、あるいは同居の御家族が高齢や病気等で支援が得られない場合など、特例的に入所が必要とされる場合もあり、本区におきましても、今後発布される政省令を踏まえ適切に対応してまいります。
次に、特養ホームの増設計画の具体化についての御質問にお答えをいたします。
本区の基本計画の後期における平成23年度から27年度までの特養ホームの整備目標は定員830人となっております。この目標について、平成27年度中に達成できる見込みが立ったことは、本区の高齢者対策が着実に進んできたことを示すものと考えております。
医療介護総合確保推進法の成立により、限られた資源の中で、特養ホームについては必要性の高い方々が入所しやすくなるよう、居宅での生活が困難な中重度の要介護高齢者を支える施設として位置づけることとされております。
引き続き増加する高齢者に対応するため、今後も特養ホームの整備を推進する必要性があることから、東京都も老人福祉圏域ごとの必要入所定員数を満たすべく、さまざまな手法で取り組むこととされております。
言うまでもなく、区はもとより、都とも連携を密にし、地域密着型特養なども含め法人の施設整備を支援し、区民の皆様が特養ホームへ入所できる待機期間を圧縮できるよう、これまで同様、全力を傾けてまいりたいと考えております。
私からの答弁は以上でございます。
〔渡邉浩司副区長登壇〕
○副区長(渡邉浩司) 造幣局移転後の跡地活用についての御質問のうち、まず、区民不在の計画についての御質問にお答えいたします。
造幣局地区のまちづくりは歴史の長い取り組みであり、特に公園整備については、昭和58年度に策定した豊島区基本計画にも位置づけています。
平成20年に発足した東池袋まちづくり協議会は、サンシャインや造幣局、豊島郵便局、総合体育場、朋有小学校の各敷地を範囲として、造幣局の工場の集約化も視野に入れ、周辺を含めたまちづくりをどのように進めていくかという目的で設置したものであります。
検討内容は、土地利用計画や基盤整備のあり方、機能、都市計画に関することで、いわば大規模事業者、土地所有者にお集まりいただき、整備の前提となる将来のまちのあり方について協議をしたもので、広く区民の声を必要とするような段階ではございません。
その後、平成24年度に、造幣局はさいたま市へ全面的に移転することを公表し、区では、昭和の時代からの悲願でありました防災公園の確保に向けて造幣局と協議を開始すると同時に、移転後のまちづくりについて検討を開始しました。
造幣局地区街づくり計画と造幣局地区防災公園基本計画の策定に当たっては、平成25年度に明治大学の中林教授を委員長とする造幣局地区街づくり検討委員会を設置し検討してまいりました。委員会には、東京商工会議所豊島支部、町会連合会、商店街連合会、観光協会に加え、特に地元からは、区政連絡会第二地区の代表にも参画いただくとともに、会議は傍聴を受け付け、会議内容は、その都度、ホームページで公開するなど、オープンな検討を行ってきました。
さらに、計画の策定に当たっては、各種団体への説明会に加え地元説明会を開催するとともに、パブリックコメントを実施して幅広い御意見をいただくなど、多くの区民の皆様の意見を反映した計画であると考えております。また、公園の設計に当たりましても、区民の皆様の意見を取り入れるため、現在、ワークショップを実施しておりまして、決して区民不在の計画であるとは考えておりません。
次に、防災公園整備区域を拡大し、土地全体を公共施設として計画し直すことについての御質問にお答えいたします。
まず、本区の1人当たりの公園面積が23区中最下位であることは事実でありますが、都立公園など、まとまった公園が存在しない本区の状況を踏まえて公園整備を進める必要があると認識しております。
造幣局敷地は、池袋副都心内のサンシャインと木造家屋が密集した東池袋四丁目の双方に隣接する立地特性を最大限に生かし、池袋副都心に面した西側に一定規模の市街地整備を行い、木造住宅密集地域に面した東側には、木造住宅密集地域にお住まいの方々が容易に避難が可能な防災公園を配置する計画としました。
市街地整備につきましては、池袋副都心に隣接した地域としてふさわしい、文化と人々が交流し、にぎわいを創出する施設として、教育研究機関を誘導します。また、国の首都直下地震対策計画(平成26年4月)に挙げられた密集市街地の広域的解消を図るため、公的不動産等を種地として活用した連鎖型の再開発事業等を推進、展開のモデル事業として、木造住宅密集地域のまちづくりを加速させるため、住宅を含めたにぎわい機能を誘導する計画といたしました。
防災公園は、災害時にヘリコプターが離発着できるヘリポートや救援物資の集積など、区内の他の公園とは異なる役割を担った防災対策上極めて重要な位置づけをしています。この機能を確実に果たすためにも、1.7ヘクタールの規模としたものであり、限られた敷地の中で、先ほど申し上げました機能を市街地整備エリアに導入することを考慮しますと、さらに他の施設を導入することには限界があります。
よって、御質問にありました高齢者施設や公営住宅を整備する考えはございません。なお、住宅の整備に伴う生活支援施設の1つとして、保育所の整備につきましては検討していきたいと考えております。
また、計画しているヘリポートは、発災後、半日から3日程度の間、消防庁のヘリコプターが離発着できる規模であり、御質問にありました大型輸送用のヘリコプターの離発着までは想定しておりません。
今後、造幣局を初めとする関係機関等との調整を鋭意進め、首都直下型地震の切迫性も念頭に置きながら、本年10月に策定した造幣局地区街づくり計画に基づき、着実に防災公園の整備を進めてまいります。
次に、コミュニティバスの実現についての御質問のうち、まず、直ちにコミバス実現に向けた方針と理念、概念等を明確にすることについての御質問にお答えいたします。
豊島区は、鉄道や地下鉄、バスなどの公共交通機関が幾つも乗り入れしており、公共交通を利用するには大変便利な地域であると考えております。しかしながら、駅やバス停から少し離れている公共交通不便地域もあることから、移動制約解消の必要性については理解しております。移動制約解消については、道路の幅や既存バス路線との競合など、地域特性を考慮することはもちろんのこと、実際にどれぐらいの方が利用されるのか需要予測が重要です。これを見きわめながら、コミュニティバスも含めた移動手段のあり方について、豊島区全体としての交通政策を検討する必要があると考えております。
次に、来年度予算の具体的な中身についての御質問にお答えいたします。
今後、豊島区全体の交通政策を検討する材料として基礎となるデータが必要となります。そのため、公共交通不便地域の調査や、どのような人が、どのような目的で、どこからどこへ、どのような交通手段で移動したかなどを調べる調査を実施する予定です。来年度予算に調査費用として計上してまいります。
次に、地域公共交通会議委員の住民または利用者団体代表枠を拡大し、公募することについての御質問にお答えいたします。
地域公共交通会議は、広く豊島区全体としての地域公共交通のあり方を協議する場として設置され、学識経験者、道路管理者、交通管理者、一般乗り合い旅客自動車運送事業者など28名で構成されております。そのうち、住民または利用者団体代表として既に8名の方に参加していただいております。新たに住民または利用者団体代表枠を拡大することを妨げる規定はございませんが、構成員のバランスや任期もございます。いずれにしましても、構成員の拡大につきましては、地域公共交通会議の中で決められていくものと考えております。
以上をもちまして、森とおる議員の御質問に対する答弁を終わります。
〔森 とおる議員登壇〕
○15番(森 とおる) 特別養護老人ホームの入所及びコミュニティバスの実現について、この2点に絞って再質問します。
昨年から導入した毎年ごとの特養ホームの入所申し込みについては、2年にするとか、そういった答弁があったのは私もわかりました。ただ、答弁の中に、辞退する人が多い、ベッドが埋まらない、真に必要な人のため、そういったことをおっしゃっていましたけれども、それは問題のすりかえです。私はそれについて否定しているものではありません。
水島副区長の答弁の中に、課題として受けとめる、選考漏れがないようにということをおっしゃいましたけれども、区が毎年、申込書を設定したことによって、選考漏れの原因をつくっているわけです。それについての責任をこの間、問うてきているわけですけれども、その辺の釈明は一切ありませんでした。これについては今後も徹底的に追及していきますけれども、私がこの場で質問したいのは、間もなく12月になります。1月になれば、また申込書が白紙に戻ってしまいます。来年3年目にまた同じように、忘れていたであるとか、知らなかったという方が、選考があったときに、そこに漏れてしまうということは避けなければならない。そのことについて具体的なことを何もおっしゃっていらっしゃらない。このことをまず1つ再質問させていただきます。
次に、コミュニティバスの実現について伺います。
池07路線への財政支援が始まる前は、コミバス実現に向けて区は着実に導入を進めていました。その流れが続いていれば、今ごろ区内に何カ所かはコミバスがもう走っていたと私は信じています。
そこで今回、一般質問でコミバスの方針と理念とを明確にすべきと私は質問しましたが、それに対する渡邉副区長の答弁、これ、明確じゃありませんでした。池07路線に財政支援をする前、もう既に導入に対するコンセプトと基本方針というのはあったわけなんですよ。
5年前、議会に対して区が示した資料です。コンセプト、高齢社会への対応、さらなる外出機会を創出する、地域の活性化を図る。基本方針については、公共交通不便地域への対応、高齢者など交通弱者のモビリティー、これは移動性ですね、その確保、公共施設や商業施設等へのアクセス性の向上、池袋駅周辺へのさらなるアクセス性の向上、こういったものがありました。
そこで再質問します。今後の導入計画にこれらは少なくとも生かされた内容で、さらに発展させたものが示されてしかるべきと考えますがいかがでしょうか。答弁を求めます。
〔水島正彦副区長登壇〕
○副区長(水島正彦) ただいま再質問いただきましたので、御答弁申し上げたいと思います。私のほうから特養の問題について答弁をさせていただきたいと思います。
きょうの答弁でも申し上げましたけども、これまで毎年申請をしていただく前の、これには区、それから施設、それから入所希望者のそれぞれについて若干課題があったのは事実でございます。それを毎年にすることによりまして、これもまた若干新しい問題が出てまいりました。
それを認めた上で、先ほど私のほうからは、一定期日までに再申請のない方に対しては、きちんと意思確認を行って、選考漏れが発生しないようなことなどについても努めてまいりたいと、このように申し上げてまいりました。さまざまな方法をこれから、それ以外にあるかもしれませんが、とってまいりたいと思います。
御指摘にもございましたように、明年度の入所についての御希望をちょうだいする時期が間もなくやってまいります。したがいまして、先ほど申しましたような選考漏れ、これが発生しないような努力をさまざま講じて、入所希望者の方々に御迷惑のかからないような選考方法をきちっとやってまいりたいというふうに思います。
〔高野之夫区長登壇〕
○区長(高野之夫) 一般質問、再質問にお答えをしたいと思いますけど、今回から一般質問等々の答弁、私を初め両副区長から教育長というような形の中で、政策はきちんとやっぱりすり合わせ、責任持ってやっていくというような、そういう政策のしっかりした進め方というような形の中で副区長両名が答弁をしておりますが、今回、コミバスについては渡邉副区長が御答弁をしましたけど、5年前のいろいろ過程もございましたので、私のほうから答弁をさせていただきます。
確かに、池07の、5年前、いろいろ検討いたしました。大変相当もう綿密に、今おっしゃったように、コミバス導入の基本的な理念等々に基づいて、そして、調査を徹底的にやりました。そして、地元から、特に長崎、南長崎方面を中心に、あちらのほうの交通不便地域をどういうふうに、いかに解消するかということでいろいろ検討しましたけど、大変道路が狭く、小さなバスに変えていく方法までいろいろ考えまして、また警察も立ち会ったり、あらゆる手段を講じてやりましたけど、残念ながら、非常に難しいというような形の中で断念をせざるを得ない。
ただ、それで国際興業の07がなくなってしまえば、本当にあの地域も非常に困るというような形で、何としても07の存続を主体に考えてまいりました。そして、ただ、それ以上に、延長することによって、いろんな面で、利用者もふえたり、いろんな形でコミバスにかわるべき役割が担えるというような強い思いで、5年間、そういう形で進めてまいりましたけど、ただ、時間的な面とか、あるいはいろいろ経費の面とか、いろんなことも、今、分析をさらに進めております。
これらももちろん検討しながら、今回もいろいろ、地元の方々を初め要望がございましたので、これらについていろいろ検討していく。その中で、私も委員会に出て前向きにいろいろ検討していくというような御答弁を申しましたが、それはやはり一番は、やっぱり高齢者に対して。確かに、先ほど渡邉副区長が申し上げたように、この豊島区は非常に交通のいろいろな面が網の目のごとく、本当に、恐らく私は23区でも一番交通網が発達しているところではあると思っておりますけど。
けれど、地下鉄等々は非常に地下深かったり、やはりバスの移動というのは、やはり高齢者等々にとっては一番必要なことかなというような形の中で、改めてこれらについても十分検討していきたいというような形の中で進めておりまして、この間、かなり急ピッチで、スピード感を持っていろんな調査も進めておりますので、来年、調査費を含めながら検討していくわけでございますけど、決して5年前にやったことを、それで終わりじゃなくて、いろんな面で、やはりどんどん変わっていく地域の中、社会の中では、あらゆる面にやっぱり対応していかなきゃいけないという、そんな思いもございますので、これからの大きな課題として受けとめて進めていきたいと思っております。
以上です。
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○副議長(中島義春) 次に、7番議員より、「「すべての区民が快適に過ごせる豊島区づくりに向けて」」の発言がございます。
〔石川大我議員登壇〕(拍手)
○7番(石川大我) 自治みらい豊島区議団、社民党の石川大我です。会派を代表して一般質問をさせていただきます。
1961年(昭和36年)7月24日に落成式が行われたこの豊島区庁舎を使用するのも、残すところあと162日になりました。議場での本会議開催は、本定例会と第1回定例会を残すところとなりました。この議場が初めて使われたのは、翌月の8月4日、午後11時44分開会の第3回臨時議会のことでした。
当時の手書きの議事録を取り寄せ読み返してみると、まさにこの議場で50年以上前に行われた本会議の様子が臨場感を持ってよみがえってきました。議長の発言に続き、登壇した当時の木村区長はあいさつの中で、東京都22区にその例を見ないこの議場の壮麗こそは、もって東京都の区における本豊島区議会の誇るべき現実の姿であると述べ、続いて、豊かならざる財政のうちから東京都内随一のこの庁舎を建設したと述べています。
高野区政が新しい手法で完成させようとしている新庁舎を言いあらわしているようでもあります。新庁舎のコンセプトである、未来をリードする文化・環境都市のシンボル庁舎は、まさに当時の木村区長の言う、都内随一の庁舎であり、50年の時を経て、再度、東京23区の先端を走る区庁舎になると信じております。
歴史を重ねたこの議場で発言することができる自身の責任の重さを感ずると同時に、50年後の未来の人々がこの議事録を読み返したとき、その評価に耐え得る質問をせねばならないと気を引き締めているところでもあります。
きょうは、「すべての区民が快適に過ごせる豊島区づくりに向けて」と題し、1、新庁舎オープンに向けて、2、多様性(ダイバーシティ)の推進とハラスメントの防止について、3、LGBTの権利保障について質問をさせていただきます。
来年2015年5月には新庁舎がオープンし、この議場も新しい議場へと引き継がれることとなります。期待の膨らむ新庁舎ですが、オープンを目前に控え、まず初めに、幾つか御質問をさせていただきます。
私は、2012年第2回定例会で、新庁舎における再生可能エネルギーを使った新電力の導入をお願いしました。区長は、竣工後、電気使用量が確定すれば、制度的にPPS導入が可能となるので検討したいと答弁されています。その後、検討状況はどうなっているでしょうか。電気量が確定し、新電力導入が決定するのはいつごろになる見込みでしょうか。また、業者の選定についてはどういった基準を考えているのでしょうか。お答えください。
次に、新庁舎の案内サインについてお伺いします。
新しい公共の建物でよく問題となるのが、案内板の不足による来庁者の皆さんの混乱です。デザイン性を重視する余り、案内が小さく見にくくなってしまう場合などで、その後、急ごしらえで案内板をつくり、かえってデザイン性が損なわれてしまう場合もあります。新庁舎ではどういった工夫がされているでしょうか。
また、大きさだけでなく色覚が典型的でない人など、すべての人が快適に、かつスムーズに目的とする窓口に到着できるような工夫はされているでしょうか。
また、バリアフリーについてもお伺いします。先端を行く庁舎として万全だとは思いますが、どういったチェック体制を予定されているのでしょうか。健常者の目線だけでなく、例えば、オープン前に障害者団体の協力で実際に当事者の皆さんに庁舎に入ってもらい、御意見を伺うということも大切なのではないでしょうか。ぜひ、弱い立場にある人にも寄り添った庁舎になるよう、お願いいたします。
次に、新庁舎の完全禁煙化についてお伺いをいたします。
新庁舎は、建物内はもとより、敷地内についても完全禁煙にするとの方向で計画が進んでいることと思います。豊島区がん対策推進計画でも、受動喫煙防止策として庁舎の全面禁煙をうたっており、こうした方針に従ったものと理解しています。
たばことその煙に関して、今日の日本ではさまざまな問題が発生しています。つまり、他人のたばこの煙を吸わされずに済む権利、いわゆる嫌煙権と、喫煙者のいつでもどこでも自由にたばこが吸える権利、いわゆる喫煙権をどう解釈するかという問題です。現在の日本では、いわゆる分煙という結論に落ちついているところが多いようです。
喫煙行為の正当性に関しては、法律で定められた嗜好品であり、高い税金も払っているんだから、たばこで病気になって死んでも自由だという主張があります。確かに刑法で、みずからを傷つける行為である自傷行為は傷害罪にはなりませんし、例えば自殺は殺人罪にはなりません。たばこが病気になるからというだけで規制されるのでは、これは余計なおせっかいであるかもしれません。
しかし、こうした権利の行使に当たっては、当然、他人の生命や健康を侵害しないということが大前提になると考えられます。つまり、自分の権利行使を主張することによって、他人の権利が侵害されてはならないわけです。そこで、健康のため、たばこを吸うのはやめましょうという議論は置いておいて、喫煙による他者の権利侵害という側面に注目して考えてみたいと思います。
まず、受動喫煙についてです。我が国が2004年に批准したたばこ規制枠組み条約(FCTC)第8条履行のためのガイドラインに示された原則は、すべての人々が受動喫煙から守られなければならない、すべての屋内の職場と公共の場所は禁煙とするべきであるとしています。世界保健機関(WHO)は、2007年の受動喫煙防止のための政策勧告において、受動喫煙の有害な影響をなくすには、完全禁煙という方法以外あり得ないことが反論の余地なく証明されていると述べています。
これを受けて、2010年の厚労省健康局長通知や日本学術会議の提言も、FCTC並びにWHOの全面禁煙による受動喫煙防止が踏襲されています。分煙は国際社会から否定されているのです。
具体例として、国際線航空機内はかなり早い時期に分煙をやめ、全面禁煙となりました。国際民間航空機関が1992年に全面禁煙を決議し、1998年には、ほとんどの国の民間航空機機内で全面禁煙が実現しています。
一方、我が国における喫煙可能なレストランや喫煙所はどうでしょうか。レストランで働く人の中には、未成年者、妊産婦、障害のある人、たばこの煙に感受性の高い化学物質過敏症や受動喫煙症の方も含まれます。喫煙可能なレストランでは、これらの働く人が喫煙席への配ぜんや清掃などの労働を通して、いや応なくたばこの煙を吸わされる現状があります。レストランの従業員が、喫煙室の配ぜんや清掃は行いませんと言えるかというと、労使の力関係を考えれば、ほとんど言えないのではないでしょうか。
禁煙席にいるレストランの従業員が喫煙席から注文のために呼ばれたとき、喫煙席用のスタッフを呼んで対応させるなどといったことはできるわけがありません。こうした未成年を含む働く人たちを保護するためには、たばこの煙の存在しない環境、すなわちスモークフリーの実現が求められると考えています。
たばこをめぐる権利侵害には、1本の紙巻きたばこが私たちの手元に届くまでの過程でも発生しています。国内で販売されている日本製のたばこ製品は、国内にたばこ農家があることから、100%日本産のたばこの葉を使い、調合などの製法でそれぞれの銘柄の違いを出しているのとだと、つい最近まで私自身も思っていました。恐らく多くの人たちが同じように思っているのではないでしょうか。
しかし、事実は違うのです。日本で販売されているたばこ製品に使われている葉たばこは国産はわずか26.4%、残りの73.6%を輸入に頼っています。しかも、これら輸入葉たばこは、アフリカ、アジア、中南米などの葉たばこ農園でつくられ、そこは5歳からの子どもたちが働かされている、つまり児童労働で私たち日本のたばこはつくられているという衝撃的事実です。
世界の子どもたちの権利保護を推進する公益財団法人プラン・ジャパンの発表によれば、アフリカのマラウィでは、7万8,000人もの子どもたちが葉たばこ栽培に従事し、収穫作業によって1日たばこ50本に相当するニコチンを皮膚から接種せざるを得ず、深刻なニコチン中毒に苦しんでいます。しかも、1日12時間も働いて日当は日本円でわずか16円ほどということです。ことし2月3日の毎日新聞には、インドネシアのたばこ農園で、学校に行けずに働く子どもたちが大きく取り上げられています。
劣悪な児童労働で、彼らの体もむしばみながら、海外の子どもたちが日本で消費されるたばこ製品の原料をつくっているという事実を知るとき、たばこを吸う権利を無邪気に主張することができるでしょうか。
日経BP社発売の「悪魔のマーケティング」によれば、アメリカの大手たばこ産業の役員が、たばこを吸うかと聞かれ、こう答えたと紹介されています。もちろん、そんなものは吸わないさ。おれたちはただ売るだけ。たばこを吸う権利なんざ、がきや貧乏人、黒人、それから、その他のばかな方々に謹んで差し上げますよ。
たばこを吸う人たちをこうした目で見るアメリカ大手たばこ産業の役員に憤りを覚えるとともに、たばこに対し、私たち区民の良識ある判断が求められていると思います。
さて、豊島区では、新庁舎は建物、敷地とも完全禁煙という方針になりました。これに関連して幾つかお伺いをいたします。
4階には福祉窓口が設置されると思いますが、その近くには障害者団体の方々が運営する喫茶が新設されると聞いています。この喫茶は全面禁煙ということでよろしいでしょうか。
また、懸案事項として、1階、2階のテナント部分があると思いますが、その部分は禁煙なのでしょうか。確かにこの部分は区所有ではなく、一般の方々がオーナーですから、区は利用方法に関して関与できないということかもしれません。しかし、新庁舎に来庁する区民から見れば、1階入り口から屋上庭園までが区役所として理解されるのではないでしょうか。特に、2階部分には医療モールが入ると聞いています。病気の方、高齢者、障害のある人、乳幼児などがこれらの飲食店を通院前後に利用することも考えられ、特に完全な禁煙化が望まれます。
2階部分には2店舗の飲食店が、1階部分にはカフェが入居すると聞いていますが、入居する業者は内定しているのでしょうか。また、その店舗は区庁舎に倣い全面禁煙となるのでしょうか。
2020年には、
オリンピック・
パラリンピックを控えています。厚生労働省のホームページでも、
オリンピックには屋内が全面禁煙になっている国から多くの選手、関係者が来日します。きれいな空気でおもてなしができるように、世界標準である屋内100%全面禁煙を一日も早く達成したいものですとしています。今、世界標準は屋内全面禁煙です。ヨーロッパのサッカー連盟は、試合会場において、喫煙のみならず、たばこの販売、宣伝も禁止し、たばこフリーになっているそうです。
そこで提案です。こうしたたばこに関する現状にかんがみ、区は新庁舎のテナント入居者の企業、団体の皆さんに全面禁煙の趣旨を丁寧に説明し、完全禁煙への協力を申し入れ、入居するコンビニエンスストアや物販店にはたばこ販売を自粛してもらい、完全たばこフリーな新庁舎として日本に先駆けた、世界に誇れるスタートを切ってほしいと思います。
足立区では、区役所の敷地内を全面禁煙にしたところ、周辺路上での喫煙行為やポイ捨てがふえ、近隣住民の苦情や喫煙所再設置を求める陳情が出たとのことです。このため、ことし3月から敷地内に喫煙所が設けられたと聞いています。豊島区の新庁舎では、決してこのようなことのないようにしていただきたいと思います。
豊島区の新庁舎周辺住民から、路上喫煙増加に関する懸念は、区役所や再開発組合に寄せられているでしょうか。あるとすれば、新庁舎周辺をさわやかな街づくり重点区域として新たに指定し管理すべきと考えますがいかがでしょうか。
また、豊島区路上喫煙及びポイ捨て防止に関する条例においては、重点地区でのポイ捨てに対し2万円以下の罰金という規定を定めています。制定から今までこの罰金の運用はされたことがあるのでしょうか。ないとすれば、どうせ罰金は取られないとの評判が立ち、結局、その抑止力が薄れてしまうと考えます。新庁舎周辺を重点地区に指定し、違反は厳しく取り締まるべきと考えますがいかがでしょうか。
さらに、罰金の適用範囲は10条のポイ捨てだけでなく、9条の路上喫煙についても重点区域における罰則対象とし、千代田区のように運用すべきと考えますがいかがでしょうか。
次に、区職員の禁煙推進状況についてお伺いします。
新庁舎になり、勤務時間中は禁煙になると考えます。希望者には、新庁舎移転までに専門家と連携した職員の計画的な禁煙プログラムが必要と考えますがいかがでしょうか。練馬区には、区民を対象に、妊婦または乳児と同居していて喫煙している人の禁煙をサポートする事業があります。禁煙は赤ちゃんがくれたチャンスとして、ニコチンパッチなどの禁煙補助剤の一部を助成しています。こうした助成制度を豊島区でも創設していただきたいと考えますがいかがでしょうか。
また、飲食店における禁煙推進の奨励についてお伺いします。
中央区の受動喫煙防止推進店のように、豊島区独自でこうした取り組みをすべきではないでしょうか。まずは、豊島区と保健所のマークや名前が入った全面禁煙を表示する小さなポスター、ステッカーのようなものをつくって配布してはどうでしょうか。お店独自で禁煙を決定するのには大きな精神的負担があると思います。常連さんがヘビースモーカーの場合、なかなか禁煙に踏み切れないといった店舗もあるようです。区が
オリンピック・
パラリンピックに向け音頭をとることが、推進の大きなきっかけになると考えます。また、港、文京、墨田、品川などの各区で作成されている受動喫煙防止対策ガイドラインを作成、対応することも必要と考えます。
次に、ダイバーシティとあらゆるハラスメントの禁止について質問します。
労働力人口が減少し、少子高齢化社会を本格的に迎えつつある日本において、ダイバーシティ、すなわち多様性はなくてはならない要素であり、戦略であると言えます。区長も招集あいさつで、池袋の人気急上昇の秘密は、副都心線効果、女性の支持率アップ、そして3つ目に、多様性、懐が深いというテレビ番組の分析を紹介しています。区長自身も、豊島区は多様な人や文化を受け入れ、懐の深いまちと豊島区を評価しておられます。
日本経団連は女性活躍アクションプランの中で、グローバル化の進展と国内の少子高齢化を背景に、企業を取り巻く経営環境、市場環境は急速に変化している。このような変化に柔軟に対応して、企業が競争力を高め、持続的に成長するためには、組織内の多様性を尊重し、積極的に活用し、その持てる能力を最大限発揮させることが不可欠である。ダイバーシティ(多様性)は、変化する市場等への適応力やリスク体制を高めることにもつながると考えられると述べ、さらにダイバーシティは人種、国籍、宗教、性別、年齢、障害の有無など、さまざまな要素が含まれるとしています。
また、2020年
オリンピック・
パラリンピックを迎えるに当たっては、国際的にも恥じることのない多様性あふれる都市東京をつくり上げていかなくてはなりません。
しかし、多様性を促進する際の大前提は、あらゆるハラスメントの根絶です。安倍政権の目玉政策であった、いわゆる女性の活躍政策は、このダイバーシティ政策の一環とも言うべき政策であると思います。その政策の中核的な位置を占める女性の活躍新法案、この素案を審議した厚生労働省労働政策審議会雇用均等分科会では、女性活躍の大前提として、セクシュアルハラスメントはもちろん、マタニティーハラスメント、パワーハラスメント、さらには複合的な差別や複合的なハラスメントに関する議論がなされ、高齢女性、障害女性など複合的な困難に苦しむ女性に関する議論がなされたと聞いています。
最終的に取りまとめられた、女性の活躍推進に向けた新たな法的枠組みの構築について(報告)では、社会全体の意識、職場の風土に関する論点に、さまざまな女性に対するハラスメントという文字が入っています。
このように、あらゆるハラスメントの根絶は、今や立場や党派を超えた大きな課題となっております。人権や差別の観点からはもちろん、精神疾患予防などの健康面、さらには生産性の向上、維持などの観点からも重要な問題です。
しかし、さきの新法やその素案も含め、ハラスメントへの有効な対策は具体策に乏しく、大きくおくれていると言わざるを得ません。さきの都議会のセクハラ発言を初めとした社会におけるハラスメントの根絶は、その震源地の1つである地方議会から積極的かつ先進的な姿勢を社会に示していく必要があると考えます。
そこで質問します。まず、ジェンダーハラスメントについてお伺いします。
いわゆる性別役割分担意識に基づく言動、ジェンダーハラスメントに関しては、既に公務の職場においては、その防止が進んでいると認識しています。豊島区においては、職員間のジェンダーハラスメント防止のため、どのような施策を行っているのでしょうか。パンフレットや区のホームページの広報資料などへのジェンダーハラスメント防止の明記、及び相談窓口で使われる相談マニュアルへの記載、及び相談員の研修において、及び一般職員の研修や講習などが行われているでしょうか。
さらに、ジェンダーハラスメントについてお伺いします。いわゆる男らしさや女らしさを強制する風潮は、容易にいじめにつながると認識しています。性的マイノリティー当事者であっても、当事者でない場合においても、しぐさがいわゆる男らしくない男性へオカマ、女らしくない女性へオナベなどとやゆする風潮は、年齢を問わず、子どもや大人に蔓延しています。
諸外国を見ても、カナダやイギリスなどではこうしたいじめを問題視し、施策を講じていると聞いています。この問題は言うまでもなく、ジェンダーハラスメントです。こうしたハラスメント、いじめは子どもを大きく傷つけ、学習意欲をそぎ、時に深刻な精神疾患などを引き起こす危険性すらあると考えられるため、防止施策は万全でなくてはなりません。
そこで、公立学校現場における子どもたちも含めたジェンダーハラスメントの防止に、区はどんなような施策を講じているでしょうか。広報資料への明記や養護教諭、スクールカウンセラー、ソーシャルワーカーはもちろん、全職員を対象とした研修や講習において、ジェンダーハラスメント防止を扱うべきと考えますがいかがでしょうか。児童・生徒に対する啓発は行っているのでしょうか。
また、職員室内での教職員間のハラスメントの現状について区は把握しているでしょうか。少子化に伴い、1学年の学級数が減っています。そうした中で、学年の先生が少人数になり、その分、パワーハラスメントなどハラスメントが起こりやすい状況があると思いますがいかがでしょうか。その防止策もお知らせください。
続いて、マタニティーハラスメントについてお伺いします。
10月23日に、最高裁判所の第一小法廷は、女性の妊娠を理由とした降格に関して、原則として男女雇用機会均等法第9条3項の不利益取り扱いに当たるとしました。マタニティーハラスメントは既に大きな社会問題となっており、やはり政府の女性活躍推進法案関連でも取り上げられ、また、このほど厚労省がセクシュアルハラスメントとあわせて調査を行うと報じています。マタニティーハラスメントという言葉の概念には、解雇や降格といった不利益取り扱いのみならず、いわゆる嫌がらせも入ると認識をしております。
そこでお伺いします。公務の職場と民間の職場は適用される法などが違うことは認識をしていますが、それを踏まえながらも、区はマタニティーハラスメントに対してどのような防止施策をとるおつもりであるのか、見解をお聞かせください。
前回の定例会でも、私どもの会派、自治みらい豊島区議団の永野議員がマタニティーハラスメントについて質問し、区は、社会全体の問題として受けとめ、広く区民の皆さんに周知し、意識の啓発と醸成に努めると答弁していますが、今回の最高裁判決を受け、早急に対応すべきと考えます。相談マニュアルの策定や各種研修、広報資料への防止の明記など、個別具体的なものが早急に必要になると考えますがいかがでしょうか。
次に、パワーハラスメントについてお伺いします。
パワーハラスメントについては法規定がないものの、政府の円卓会議において提言が出されていると認識しています。区は、この提言を受け、どのような施策を講じているのかお答え願いたいと思います。このパワーハラスメントについても、相談マニュアルの策定や各種研修及び広報資料への防止の明記などが必要になると考えますがいかがでしょうか。
次に、複合ハラスメントについてお伺いします。
厚生労働省の労働政策審議会雇用均等分科会では、女性の活躍法案の審議において、職場のハラスメントは複雑かつ複合化しているとの議論がなされておりました。また、衆議院内閣委員会の審議でも同様の指摘がなされていました。さらに、高齢女性、障害を持つ女性、同性愛者の女性など、複合的な困難を持つ女性への差別やハラスメントなども審議されています。そこでは女性差別撤廃条約及び委員会の勧告、さらにイギリスの2010年平等法において、複合的なハラスメントの禁止法制についても触れられていました。日本においても、こうした複合的な困難については、政府の第三次男女共同参画基本計画の第8分野においても記載がなされています。
そこでお伺いします。区は、こうした複合的な困難を持つ人々に対するハラスメント防止にどのような施策を講じているのでしょうか。やはり相談マニュアルの策定や各種研修及び広報資料への防止明確などが必要になると考えますがいかがでしょうか。
最後に、LGBTに対するハラスメントについてお伺いします。
LGBTであることを理由とするハラスメントについては、既にイギリスなどで規定があり、イギリスの2010年平等法でも網羅されています。LGBTであることにより存在を否定するような心ない言葉、ホモは消えろ、レズなんて死んでしまえなどといった差別的表現は、時に当事者を自殺に追いやります。こうしたハラスメントについても区は対応すべきであると考えますがいかがでしょうか。
さらに私は、これまで挙げてきたすべてのハラスメントについて、ハラスメント防止施策として一元化することを提案いたします。仮に、セクハラはこの窓口、パワハラはこの相談員などと個別の対応をとることになることは極めて非合理的であり、相談者や被害者の目線に立たないことが多いのではないかと思います。セクハラ、ジェンハラ、これはジェンダーハラスメントのことを言うそうですが、マタハラ、パワハラ、複合的なハラスメント、LGBTハラスメントに対しては、人権や差別禁止、ダイバーシティ推進、ひいては健康、安全衛生、生産性向上の観点などから、一元的に広報資料、相談マニュアル作成、各種研修、講習がなされるべきと考えますがいかがでしょうか。これはぜひ進めていくべきであると考えています。
政府の女性活躍新法案では、自治体を対象とした特定事業主行動計画の策定が義務づけられ、そこにはこうしたハラスメント対策も入ってくると予想されていました。豊島区においては先んじて、立場や党派を超えて求められるハラスメント対応を一刻も早く行うべきであると考えます。
続いて、LGBTの権利保障についてお伺いいたします。
ことし7月にオーストラリアの競泳
オリンピック金メダリストのイアン・ソープ氏がゲイであることをテレビ番組でカミングアウトしました。また、今月初めには、アップル社を創設したスティーブ・ジョブズの後を引き続き、現在、アップル社の最高経営責任者(CEO)を務めるティム・クック氏がゲイであることをカミングアウト、世界的なニュースになりました。こうした著名人のカミングアウトは、差別や偏見に苦しむ世界のLGBTの人々に希望の光になると信じています。
豊島区にも統計上、1万4,000人の、LGBTがいることになります。ぜひ、こうしたLGBTの希望の光となるような施策を実施していただきたいと思います。
まず初めに、LGBTの働く環境についてお伺いします。
少しずつですが、外資系企業を中心にLGBTの従業員の権利保障が進んでいます。こうした流れの中で、区職員における異性カップルと同性カップルの平等取り扱い実現で豊島区地元企業の模範になっていただければと思います。区職員で男女のカップルのどちらか一方が病気になったとき、介護が必要になったとき、不幸にして亡くなったとき、どんな休暇制度、弔慰制度があるのかお知らせください。それは婚姻届を提出していないと受けられないのでしょうか。それとも、婚姻届を提出しない事実婚の方々でも受けられるのでしょうか。こうした事実婚の方々には、どの程度こうした制度が適用されているのでしょうか。また、結婚はしてはいないけれど、男女で同棲をしているだけの若いカップルのパートナーが死去した場合にはどういった対応をとるのでしょうか。
同性パートナーの場合は、どんな保障があるのでしょうか。不幸にして同性のパートナーが亡くなったとき、忌引きは使えるのでしょうか。その他の休暇などについても教えてください。同性パートナーの忌引きなど相応に保障すべきと考えますがいかがでしょうか。
2011年、私の初めての一般質問では、学校教職員へのLGBTに関する研修をお願いしました。教育長は、性的マイノリティーに関して正しい知識を持ち、理解することは、学校教育の責務と発言されています。研修はどういった内容だったのでしょうか。また、その後のリアクションや成果をお聞かせいただければと思います。
ことし6月に文科省が全国の小中高校で性同一性障害に関する調査を実施しました。この調査を踏まえ、今年度中に学校向けの指導参考資料が作成される予定であるとのことです。この資料を使い、LGBTの理解が教職員はもとより、生徒や親についても深まる取り組みを積極的にしてほしいと思いますがいかがでしょうか。
男女共同参画においても、区民向け研修、職員向け研修をしていただけたと思います。その後の感想や講演の成果を、どう職場や区民の皆さんと接するときに生かしているのか、お聞かせ願います。
区営住宅の同性カップルの申し込みができるようにお願いもいたしました。区長は、同性カップルの方々は、お互いかけがえのない大事な存在、家族として安心して暮らしていくために、周囲の理解と助け合いの仕組みが必要と述べられ、検討するとの答弁をされました。その後の進捗状況についてお聞かせください。
条例改正をして、同性カップルが入居申し込みできるようにする方法と、第5条の根因の届け出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者に同性カップルも含まれると解釈する方法とがあると思いますが、どうでしょうか。
以上、3つのテーマにわたり質問をさせていただきました。多様性は力だと言われます。豊島区に集うすべての人たち、多様な人たちを受け入れる懐の深いまち豊島区、こうした懐の深さが多くの人たちを引きつけ、多様な魅力ある人々が集まるまちになり、さらなる発展を遂げる原動力になるのだと信じています。
最後に、私たちのまち豊島区がさらに発展することを願い、私、石川大我からの一般質問とさせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔高野之夫区長登壇〕
○区長(高野之夫) ただいまの石川大我議員の御質問に対しましてお答えを申し上げます。
新庁舎オープンに向けての御質問のうち、まず、新電力の導入検討状況についての御質問にお答えをいたします。
新庁舎を含む、としまエコミューゼタウンは、再開発組合において複数の新電力会社とヒアリングを行い、竣工後から新電力が導入可能かどうか検討をしておりました。現時点では電気使用量が未定なため、新電力の導入の判断をすることは困難な状況であり、ある程度の電気使用量が確定するまでは、引き続き情報収集等を行いながら、新電力導入の検討を続けてまいりたいと思います。
次に、新電力導入の業者選定基準及び導入の決定時期についての御質問にお答えをいたします。
豊島区は、豊島区電力の調達に係る環境配慮方針を掲げ、環境に配慮した電力調達契約を締結し、本庁舎や学校などの区有施設に新電力を導入しております。この方針の中に業者の選定基準も入っており、新庁舎においてもこの方針に準拠し、全体管理組合と協議の上、導入業者の選定基準を検討してまいりたいと思います。また、導入の判断時期につきましては、年間の電気使用量が推定可能な2、3年後に、詳細な選定規準等の検証を実施し、全体管理組合で判断することとなると考えております。
次に、新庁舎の案内サインについての御質問にお答えをいたします。
新しく建設された市役所を視察する際には、特に注意して案内サインを確認し、サインの不足や見えにくさ、追加の標示など詳細に調査をしております。御案内のように、サイン計画として失敗事例も多く見受けられました。これらを踏まえて、庁舎内の案内サインは、建物設計者、サインコンサルタントに任せずに、区職員が区民の目線に立ってサインの色や位置、文字の大きさ、サインに書かれている情報などを精査し、見やすくわかりやすいサインになっております。また、共用部分の入り口や敷地周辺のサインにつきましても、再開発組合と協議し、区役所へのアプローチがよくわかるように大きなサインを設置する予定となっております。
次に、バリアフリーの事前チェックについての御質問にお答えをいたします。
新庁舎内部のバリアフリーは、法令や条例などに基づくもののほか、障害者団体や区民からの要望などさまざまな御意見を伺いながら、点字ブロック、補助犬トイレ、音声案内誘導装置、オストメイトなどを設置することにしております。また、計画についても障害者団体にお示しし、具体的な意見を伺い、有効性も判断した上で、可能な限り対応を進めてまいりたいと思います。
次に、新庁舎の完全禁煙化についての御質問のうち、まず、4階の喫茶スペースでの禁煙についての御質問にお答えをいたします。
4階の福祉総合フロア内には、現在、生活産業プラザの2階にある障害福祉サービス事業者の豊芯会が営業するカフェふれあいを移設いたします。カフェふれあい内は、当然ながら完全禁煙といたします。
次に、1、2階のテナント部分の状況についての御質問にお答えをいたします。
1、2階のテナントは、コンビニエンスストア、カフェ、ドラッグストア、飲食店、医療モールで構成される予定で、入居する業者はもう既に内定をしているとのですが、正式に決定するのは来年の2月ごろと聞いております。店舗内が完全禁煙かどうかについては未定とのことであります。
次に、完全たばこフリーな新庁舎についての御質問にお答えをいたします。
区はこれまでも、飲食店等、多数の人が利用する施設に受動喫煙防止措置を講ずる努力義務を定めた健康増進法第25条の規定に基づき、区内飲食店を対象とした事業者説明会等において東京都のパンフレット、ステッカーを配付し、協力を呼びかけてまいりました。しかし、今後は、2020年の
オリンピック・
パラリンピックを見据え、新庁舎を初め区内全域で受動喫煙防止対策をさらに進める必要があると考えております。
この方針に基づきまして、現在、区内の飲食店等の管理者に対して、区が独自に店舗の禁煙化を働きかける取り組みを実施する方向で検討しておりますので、新庁舎の1、2階の店舗についても禁煙の努力を要請したいと考えております。
また、コンビニ等のテナントへのたばこ販売自粛の要請についてでございますが、これらのテナントが行うたばこの販売は、言うまでもなく、国の許可を受けた営業活動であります。このため、受動喫煙防止のためとはいえ、自粛を要請することは結果的にテナントの活動を制約し、憲法第22条の営業の自由の侵害となるおそれもあるため、非常に難しいと考えます。
次に、新庁舎周辺住民からの懸念や、さわやかな街づくり重点区域の新たな指定についての御質問にお答えをいたします。
現在、区では、路上喫煙及びポイ捨て防止に関する条例に基づき、ポイ捨てを特に防止する地域として、池袋駅周辺をさわやかな街づくり重点区域に指定をしております。これらの重点区域では、パトロールや喫煙所の整備による分煙を中心に取り組みを強化することにより、まちの美化に大きく寄与をしております。
新庁舎への移転に伴い、人の流れが変わり、新庁舎周辺に多くの区民が訪れることが予想されます。新庁舎の周辺住民の方々から路上喫煙やポイ捨てがふえるのではないかという声も寄せられておりますので、重点区域を新庁舎地周辺へ拡大する方向で検討をしてまいりたいと思います。
次に、罰金の運用実績と新庁舎周辺を重点地域として厳しく取り締まることについての御質問にお答えをいたします。
条例では、重点区域におけるポイ捨てについて、2万円以下の罰金を徴収することになっております。しかし、罰金については実効性や公平性などの観点からさまざまな問題があるため、これまで適用した事例はございません。
区では、厳しい取り締まりによるものではなく、ポイ捨て防止に向けた喫煙者のマナーのルール化や喫煙所の整備、パトロールの強化を図っております。これらの対策によりまして、ポイ捨てや路上喫煙も年々減少しており、一定の成果を上げております。段階的に順次、禁煙の方向に進め、新庁舎周辺においても重点区域指定の検討とあわせ、マナーの向上の啓発活動やパトロールの強化などを図り、ポイ捨て防止に努めてまいりたいと思います。
次に、路上喫煙も罰則の対象とすることについての御質問にお答えをいたします。
御指摘のように、千代田区では、路上禁煙地区における喫煙や吸い殻のポイ捨てについて罰則を適用し、2,000円の徴収をしております。このような罰則の適用は、ポイ捨て等に対する一定の抑止力が働く面もありますけど、他方では、取り締まり的な手法や費用対効果の面など、さまざまな課題があると考えております。
本区といたしましては、千代田区のように罰則の適用を図るのではなく、今後も喫煙者のマナーの向上や新庁舎への移転に合わせた周辺道路のパトロールを強力に推し進めることにより、路上喫煙、ポイ捨てを防止し、だれもが気持ちよく過ごせるようなまちづくりを推進してまいりたいと思います。
次に、専門家と連携した職員の禁煙プログラムについての御質問にお答えをいたします。
現在、区単独で特別な対策はとっておりませんけど、受動喫煙の害についての啓発を行うことはもちろんのこと、東京都職員共済組合が実施している禁煙マラソンというインターネットによる禁煙のサポートなどを周知をしております。新庁舎での環境変化も踏まえ、今後も職員の健康対策として、より一層禁煙を強く進めてまいります。
次に、禁煙助成制度の創設についての御質問にお答えをいたします。
御質問にあります、妊婦や乳児に対する受動喫煙防止対策は非常に重要であると考えております。本区では、あらゆる機会をとらえて禁煙指導を行っております。1つは、母子保健事業での取り組みで、妊娠届け出時の面接や各種乳幼児健診において、同居家族も含めた喫煙の有無を聞き取り、必要に応じてリーフレットや禁煙外来医療機関リストの配布等個別指導を実施をしております。
なお、この禁煙外来は区内に12カ所あり、平成18年から保険適用で治療が行われております。また、パパママ準備教室では、昨年度860人に集団指導を行いました。そのほか、成人保健事業においても、40歳未満の成人を対象とした生活習慣病予防健診で健康教育を昨年度259人に実施をいたしまして、そのうち希望者64人に対し、たばこに含まれる一酸化炭素の取り込みを見る呼気一酸化炭素濃度測定を行いました。
御質問にあります練馬区では、1歳未満の乳児と同居している喫煙者を対象に禁煙補助剤8週間分、2万4,000円のうち2,000円を補助し、禁煙治療への動機づけを支援をしています。
本区では、これまで子育て世代をターゲットにした禁煙指導に重点を置いてまいりましたが、今後はこのような禁煙支援の取り組みも検討してまいりたいと思います。
次に、中央区の受動喫煙防止推進店のような区独自の取り組みについての御質問にお答えをいたします。
御指摘の中央区の受動喫煙防止推進店制度は、店舗の禁煙、分煙に取り組む事業者を推進店に指定をいたしまして、受動喫煙対策により積極的に取り組んでいる店であることを明確にすることにより、利用者が禁煙、分煙店を選びやすくするものであります。こうした事業は14区で既に実施をしておりまして、事業者の意識啓発と利用者の利便性の向上に寄与していると考えております。
本区は、巨大な繁華街を抱え、飲食店数も多いことに加え、今後はより一層、来街者の増加が見込まれることなどを勘案いたしますと、安全・安心、そして快適なまちづくりを進める上で、受動喫煙防止対策に取り組む事業者をふやしていくことが重要ではないかと思います。こうした状況を踏まえ、他自治体の取り組み等も参考にしながら、受動喫煙防止対策に積極的に取り組む事業者を支援する区独自の仕組みを検討したいと考えております。
次に、区と保健所のマークの入った小さなポスターやステッカーの作成についての御質問にお答えをいたします。
先ほども申し上げましたとおり、現在は東京都の作成したパンフレットやステッカーを活用し啓発活動を行っております。今後は、安全・安心なまちづくりに向け、区民や来街者の健康被害を防止するため、受動喫煙防止対策をさらに推進する必要があると考えております。このため、御提案の区名や保健所名を入れたポスターやステッカーなども含め、効果的な啓発方法を検討したいと思います。
次に、受動喫煙防止対策ガイドラインの作成及び実行についての御質問にお答えをいたします。
受動喫煙防止のためのガイドラインにつきましては、国、東京都に加え、6区で区独自のガイドラインを作成しております。こうした中、東京都では先月、2020年の
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パラリンピックに向けて、飲食店など公共の場所での受動喫煙防止対策を進めるため、有識者でつくる検討会をスタートさせました。その検討の中で、東京都の受動喫煙防止対策の方向づけがなされるものと聞いております。
したがいまして、区といたしましては、東京都の今後の検討状況を注視するとともに、区の受動喫煙対策を進める中で、独自のガイドラインの必要性を判断をしていきたいと考えております。
私からの答弁は以上でございますが、そのほかの質問につきましては両副区長から、教育委員会の所管に属する事項につきましては教育長から答弁を申し上げます。
〔水島正彦副区長登壇〕
○副区長(水島正彦) ダイバーシティとあらゆるハラスメントの禁止についての御質問のうち、まず、職員間のジェンダーハラスメント防止対策についての御質問にお答えをいたします。
本区では、既に平成10年度より、セクシュアルハラスメント防止対策委員会や相談窓口を設置しておりまして、平成15年にセクシュアルハラスメント防止に関する基本方針を定め、随時相談を受け付けるとともに、全職員を対象としたハラスメント防止研修や意識調査の中で、ジェンダーバイアスへの理解についても啓発を行っております。
次に、マタニティーハラスメントの個別具体的な防止策についての御質問にお答えをいたします。
御質問にありますように、第3回定例会でもお答えいたしましたが、女性に優しいまちづくりを進める本区は、マタニティーハラスメントを社会全体の問題として受けとめております。エポック10では、来年2月に区民向けにハラスメントについての講座を実施する予定ですが、今後も、子どもを持とうとする女性を地域全体で支える意識啓発に努めてまいります。
次に、政府の提言を受けたパワーハラスメントの防止策についての御質問にお答えいたします。
平成25年度に男女平等推進センターが実施した区内企業のワーク・ライフ・バランスに関する意識・実態調査結果における各企業のパワハラ防止のための取り組み状況を見てみますと、就業規則等の1項目として職場のハラスメント禁止を規定しているが最も多く、53.2%でした。しかし、企業内外に相談窓口等を設置していると答えたところは、22.5%しかありませんでした。今後は、各企業に対し相談窓口の設置を進めるとともに、研修、講習等の実施や就業規則等に禁止規定を盛り込むように働きかけるなど、啓発に努めてまいります。
なお、本区におきましては、区職員に対して相談窓口やメールボックスを設置して随時相談を受けるとともに、全職員を対象としたハラスメント防止研修や意識調査を毎年実施する中で、持続的に啓発を行っております。
次に、複合的な困難を持つ人々に対するハラスメント防止策についての御質問にお答えをいたします。
高齢の方、障害のある方、同性愛者の方々に対してはもとより、それぞれの方に合った支援や施策を実施する必要がありますが、御指摘のように、女性であるということで、さらに複合的な困難な状況に置かれる場合もあります。区といたしましては、状況に応じ配慮した施策を行うことができるよう、これらの方々の実態の把握に努めるとともに、理解を進めるための啓発を行ってまいります。
次に、LGBTハラスメントの対応についての御質問にお答えをいたします。
LGBTの方に対するハラスメントにつきましては、周囲の理解が何よりも必要であると考えております。そのためには、区民向けや職員向けなど差別や偏見の解消を目指すための講座や研修の実施など、啓発活動に努めてまいります。
次に、あらゆるハラスメント防止策を一元化することについての御質問にお答えをいたします。
御指摘のとおり、ハラスメントは多岐にわたり複合的な場合も想定されます。現在も関係する部署が相互に連携を取り合いながら対応しておりますが、御提案の一元的に対応する部署の設置、広報、相談マニュアルの作成、各種研修等の実施につきましては、現状を十分分析するなど検討してまいります。
次に、LGBTの権利保障についての御質問のうち、まず、区職員の休暇制度とその適用についての御質問にお答えをいたします。
現在、御指摘のような場合の配偶者に関する休暇制度としては、介護休暇、慶弔休暇などがあり、事実婚の場合においても対象となると考えております。一方、婚姻の意思なく同棲をしている場合や、同性のパートナーの場合については、現状では適用が困難であると考えますが、今後も社会通念の変化や世論の動向を見きわめて判断をしてまいります。
次に、男女共同参画における区民向け及び職員向け研修の感想や成果についての御質問にお答えをいたします。
エポック10では、毎年、セクシュアルマイノリティーの方々への理解を促進するため、区民向けの講座や映画会などを開催をいたしております。また、昨年12月に実施した職員向けの男女共同参画研修では、講師に、立教大学非常勤講師で日本キリスト教会において初のカミングアウト男性同性愛者牧師となった平良愛香さんをお招きし、「100人いれば100通りの性〜あなたの性はなに色ですか」のテーマで御講話をいただきました。
当日は、管理職55名、係長50名、一般職員34名の合計139名の職員が参加をいたしましたが、セクシュアルマイノリティーの方への理解を深めるとともに、多様な区民の方に接する職員が固定観念を持っていてはいけないということを改めて気づかせるものとなりました。研修を受講した職員は、ここで得た知識や意識を職場に持ち帰り、差別や偏見を持つことなく、区民の皆様に対応しているものと考えております。
地域の方々に対してさまざまなサービスを行う自治体として、今後も率先して多様性の大切さについて学び、差別や偏見のない価値観が浸透するよう努力してまいります。
私からの答弁は以上でございます。
〔渡邉浩司副区長登壇〕
○副区長(渡邉浩司) LGBTの権利保障についての御質問のうち、区営住宅への同性カップル入居の検討状況と、入居申し込みするために条例改正もしくは条例第5条に含める解釈とすることについての御質問にお答えいたします。
まず、区営住宅への同性カップル入居の検討状況につきましては、これまで各種調査、国や自治体における同居親族要件の取り扱い状況など、情報収集、研究に努めてまいりました。
入居に当たり必要となってくる同居親族要件については、公営住宅法が制定された当時、住宅に関する公的援助の必要性が高い同居親族世帯に対し、公営住宅を供給するという趣旨で同居親族要件が規定されたという経緯があります。また、都内における公営住宅については、基本的な入居条件はどこでも同じになるよう意図的にそろえてきた政策的配慮などがあります。現状としては、全国の自治体で同居親族要件を廃止したところは約9%ありますが、ほとんどが単身入居を前提としたものとなっており、東京都内では神津島村のみで、同様に単身入居を想定したものとなっております。
実務面においては、同居親族の確認をする際には、住民票により判断しております。同性カップルにつきましては、住民票上、同居人と記載され、判断が難しいことから、その取り扱いについては引き続き検討していく必要があると考えております。これからも国や自治体の動きを注視し、より具体的な課題を整理し、検討してまいりたいと思っております。
豊島区営住宅条例第5条の、婚姻の届け出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者に同性カップルが含まれるかの解釈については、婚姻制度がある異性同士の事実婚を想定しており、本人の選択により婚姻の届け出をしないところに依拠するものと考えられます。事実上婚姻関係と同様の事情にあるという点では、同性カップルも同様であるとの考え方もありますが、同性婚を認めていない現行の法制度上では、婚姻の届け出の選択ができない同性カップルにそのまま適用することについては、判断が難しいと考えております。
したがいまして、条例改正につきましては、公営住宅だけの課題ではなく、民法を初めとした関係法令との整合や性的マイノリティーに関する各行政分野等における考え方など、総合的に判断すべき事項であると考えておりますので、引き続き検討してまいりたいと考えております。
私からの答弁は以上でございます。
〔三田一則教育長登壇〕
○教育長(三田一則) 引き続きまして、教育委員会の所管に属する事項に関する御質問に対しましてお答え申し上げます。
ダイバーシティとあらゆるハラスメントの禁止についての御質問のうち、まず、子どもたちを含めた小・中学校現場でのジェンダーハラスメント防止策についての御質問にお答えいたします。
ジェンダーハラスメントは、長い歴史の中でつくられてきた、あしき文化であり、今日の男女共同参画社会において許しがたい人権侵害であります。
教育委員会では、まず防止策として、教員間のケーススタディーの徹底及び児童・生徒に対する学級活動や道徳の時間を活用した人権教育プログラムとして、啓発や防止策の周知を図っております。
また、系統的に指導を徹底していくため、各区立幼稚園、小・中学校に人権教育指導計画を作成させ、全教育活動を通して組織的、計画的にジェンダーハラスメントの防止に努めております。さらに、教員間では、ジェンダーハラスメントの理解と対応が適切に行われるよう、生活指導研修会や校内研修におけるワークショップ型研修を通して実践力のスキルアップに努めております。研修成果についての認識につきましては、教育指導課訪問の際に、実施状況の進行管理を行い、全小・中学校での結果は校務支援システムを活用して全教員に周知してまいります。
次に、職員室内での教職員間のハラスメントの現状と防止策についての御質問にお答えいたします。
近年、若手教員の増加、地区間人事異動のサイクルが極めて早期化することによって、教職員組織の流動化が顕著となっております。そのため、ハラスメントの認識に若干の温度差が生じたり、各区立幼稚園、小・中学校におけるハラスメントと疑われるケースの相談を受けることがあります。いずれのケースも、早期発見、早期対応によって解決に至ったものの、対応に当たっては、行為者への指導や被行為者へのカウンセリングなど、組織的な対応が極めて重要であると認識しております。
防止策の根本は、ハラスメントに陥らない自己評価、相互評価の確立によって、人間同士の風通しをよくすることが重要です。今後とも、服務通知の周知や各種研修会、校内や教育委員会内に相談窓口を設置して、ハラスメント防止の徹底を図ってまいります。
次に、LGBTの権利保障についての御質問のうち、まず、学校教員へのLGBT研修内容とリアクションや成果についての御質問にお答えいたします。
豊島区教育委員会では、性的マイノリティーに関して正しい知識を持ち、理解することは、学校教育の責務であるという認識から、LGBTの研修を東京都教育委員会作成の人権プログラムにより実施してまいりました。
研修内容として、児童・生徒の実情把握と相談体制のあり方、関係医療機関、スクールカウンセラーとの連携により、リアクションとして教育相談体制を効果的に活用できるようになってまいりました。また、全教職員で、自己の性に対する違和感や不安、悩みを抱える児童・生徒がいるという認識のもと、受容的に対応することの重要性を共通理解しております。
次に、文部科学省の指導参考資料を使った教職員及び生徒や親に対するLGBTの理解の深まる取り組みについての御質問にお答えします。
御案内の文部科学省の資料につきましては、現在のところ、東京都教育委員会及び豊島区教育委員会には交付されていないことから、具体的な答弁は差し控えさせていただきます。しかしながら、LGBTで悩んだり、相談を求めたりしている児童・生徒に対しては、さきに述べた指針に基づき、人権上の配慮のもと、多様性の大切さについて丁寧に指導してまいります。
以上をもちまして、石川大我議員の御質問に対する答弁を終わります。
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○副議長(中島義春) 最後に、6番議員より、「健康で安全・安心なまちづくりを目指して 13」の発言がございます。
〔関谷二葉議員登壇〕(拍手)
○6番(関谷二葉) 私は、豊島区議会みんなの党、関谷二葉でございます。
きのうと重複いたしますが、みんなの党の解党が11月19日に突然決定し、11月28日の解党日まであと2日となりました。結党より5年と3カ月、みんなの党を応援くださった方々におわびと感謝を申し上げます。
今回は、「健康で安全・安心なまちづくりを目指して 13」とのタイトルで一般質問を行います。具体的なテーマは、危険ドラッグに関してとまちづくりに関してを質問をいたします。
初めに、危険ドラッグに関して質問をいたします。
国会では、危険ドラッグの販売を規制する薬事法改正、いわゆる危険ドラッグ禁止法案が衆議院で可決されました。また、今定例会で豊島区危険ドラッグその他の危険薬物撲滅条例が上程されました。私どもの会派メンバーが2年前から注視して、その後の一般質問でも何度か取り上げてきました。今回、区の条例は、危険ドラッグから豊島区民を守る上で重要な条例になると考えております。豊島区安全・安心に向けたまちづくりという視点から、幾つか今回の条例案に関して質問をいたします。
今回の条例は、新規薬物にも対応しているという点、区民や区内賃貸契約者にも義務を持たせるという点で、すばらしいものだと思っております。今回、条例の前文にありますように、豊島区は、地域の力を集結し、この豊島から、そして日本から危険ドラッグを一掃し、子どもたちに明るい未来を引き継いでいくために、この条例を制定しますとなっております。
危険ドラッグをなくすためには、豊島区のみの努力だけでは難しく、例えば近隣の区や他の地域からたやすく危険ドラッグが入手できるような状況であるならば、区外で購入し使用することが可能となり、豊島区民から危険ドラッグの被害を完全に防ぐことは困難だと考えます。したがいまして、この条例が可決したときの次のステップとして、周囲の自治体への呼びかけや、モデルケースとしてどのように進めていくのか、御回答いただければ幸甚です。
前回の一般質問でも取り上げましたが、危険ドラッグや薬物をしている方や、その方を心配する周囲の家族や友人への対応について、さらにお伺いをいたします。
区内には民間団体は恐らくなく、相談機関は、現在のところ保健所との回答がありました。今回上程された条例の第5条は、区民等の責務となっております。区として、いつでも相談できるホットラインの1つに、こちらの案件も加えることはできないでしょうか。保健所の業務時間外に御相談したい方々への対応を強くお願いをいたします。
また、危険ドラッグ禁止啓発時には、相談先の明記をお願いをいたします。この点についても御回答をお願いいたします。ほか、詳細の質問は総務委員会で幹事長のほうからいたします。
次に、まちづくりに関して3つの視点で質問させていただきます。
東京シャンゼリゼプロジェクトで、新虎通りの路上
オープンカフェが話題を呼んでおります。豊島区では、先日、国際アート・
カルチャー都市プレイベントとして、池袋駅東口
グリーン大通りオープンカフェ社会実験が行われました。天候不順や急激な気温の変化があり、悪条件の中での社会実験だったと思われます。私の前にも何名の方も同じような質問をしておりますが、私も質問いたしたいと思います。
ここで質問いたします。御利用された人数や時間帯の分析など、今回の社会実験の考察をどのようにしておりますでしょうか。協力店舗の方々からの御意見はいかがでしたでしょうか。また、利用された方々の御意見も含めて御示唆ください。
私は住んでいる地域が近いことから、利用者からは、自転車で来て、すぐ横に置いて、カフェに寄りたい。ここでお酒が飲めたら快適だと思う。ペットとともにカフェに行ける喜びがある。防寒対策でパラソルヒーターが欲しいなど御意見がございました。
店舗の方からは、お客様に評判がよい。しかし、路面の空き店舗へのお店の誘導をお願いしたいなど御意見をいただきました。取り組みに期待する御意見を多々いただきました。解放感があり緑の多い
グリーン大通りは気持ちがよく、また人が多くいることによる治安の向上にもつながると思われます。来年度以降に2度目の社会実験が行われ、国家戦略特区指定へと導くわけですが、豊島区としての今後の方針の御回答をお願いいたします。
次に、自転車で走れるまちづくりとして、コミュニティサイクルに関して質問させていただきます。
横浜市、さいたま市、千代田区、江東区、港区、世田谷区などの自治体が区内や市内の交通緩和やエコ等を考え、自転車によるまちづくりをしております。千代田区では、民間業者の協力のもと、コミュニティサイクル実証実験、ちよくるが開催中で、課題はあるものの好評と伺っております。
コミュニティサイクルは近隣自治体と共同で事業展開することで利便性が高くなると思われますが、豊島区において近隣区と連携し、コミュニティサイクルを導入すべきと私は考えます。区としての見解を御教示ください。
次に、リノベーションまちづくりに関して質問をいたします。
第3回定例会で、事業費が1,707万6,000円の補正予算が可決されました。この予算は、具体的にはリノベーションスクールなどの事業費と伺いました。そこで、先日、まちのトレジャーハンティング@豊島区が開催され、私もハンターとして報告会も含め、ほぼフル参加をいたしました。実際に参加して気づかされたことは、違う視点を持って見ることの重要さがわかりました。区内には、お宝と呼べる人材、歴史、文化、空間が多々あり、活用すべきところが多いと考えております。
ここで質問をいたします。来年度以降の事業として、空き家、空き物件、空き店舗対策には、このリノベーションまちづくりという取り組みが必須であると考えますが、リノベーションまちづくりの先駆者である北九州市小倉区の、いわゆる北九州モデルをどのように豊島区に生かしていけるのか。また、区として今後どのように事業展開していくのか、御回答をお願いいたします。
消滅可能性都市からの再生ということで、民間主導での豊島区モデルは全国から注目を集めております。既存の空間を生かした取り組みで、今後の発展に期待をしております。
以上、「健康で安全・安心なまちづくりを目指して 13」とのタイトルでの一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔高野之夫区長登壇〕
○区長(高野之夫) ただいまの関谷二葉議員の御質問に対しましてお答えを申し上げます。
危険ドラッグについての御質問のうち、条例の次のステップとして、周囲の自治体への呼びかけやモデルケースとしての進め方についての御質問にお答えをいたします。
危険ドラッグ対策に関しましては、御指摘のとおり、豊島区内の販売の規制が実現ししても、危険ドラッグが豊島区以外の地域から持ち込まれたり、あるいは区外から配達されるなどの事案が想定をされ、周囲の自治体との連携強化が不可欠なものと認識をしております。
本区といたしましては、危険ドラッグ撲滅の機運を高めるよう、まずは区内の販売店の撲滅を図り、豊島区として危険ドラッグ販売店ゼロの宣言を行い、豊島区の取り組み成果を全国に発信することで、危険ドラッグ対策の強化について周囲の自治体に呼びかけたいと考えております。
既にお話し申し上げたように、事故当時、豊島区内に10軒あった販売店を、関係機関の昼夜を問わない努力によりまして、最後の1店舗まで追い詰めることができました。いよいよ最後の仕上げとして、現場の自治体しかできない条例を議会に上程をするところまでまいりました。
このように、本区の取り組みにつきましては、実際に他の多くの自治体から条例に関する意見照会が寄せられるなど、反響が広まっている状況でもあります。
さらに、本区といたしましては、周囲の自治体との連携とあわせて、危険ドラッグ対策の充実強化を図るため、警察や教育委員会と連携し、特に中学生等の若年層に対する指導啓発活動の強化に努めるほか、各年代層に応じた薬物乱用防止教室を開催いたしまして、区民の皆さんが危険ドラッグ等の薬物を受け入れない環境を醸成するなど、全国自治体のモデルケースとして範を示していく所存でございます。
思い起こせば、安全・安心の治安のよいまちづくりを進めている当区にとって、6月24日、あのときのショックは今でも忘れません。この事件で再び、この池袋は怖いまち、危険なまちとして烙印が押され、立ち直れないのかと危機感を持ちました。私は素早く、あらゆる手だてを講じて、まさに全国に向けて危険ドラッグを排除するのだと注意を示すことができました。これらの対応によって、今まで以上に池袋が安全で安心できるまちへと変貌させてまいりたいと思います。
私からの答弁は以上でございますが、そのほかの質問につきましては渡邉副区長並びに池袋保健所長から答弁を申し上げます。
〔渡邉浩司副区長登壇〕
○副区長(渡邉浩司) まちづくりについての御質問のうち、まず、
グリーン大通りオープンカフェ社会実験における利用人数や時間帯の分析などの考察についての御質問にお答えいたします。
今回の社会実験ですが、実施期間中、利用者アンケートを初めさまざまな調査を行っております。
オープンカフェの利用者数については現在集計中ですが、テーブルを設置した5カ所の場所ごとに曜日、時間別の利用者概数をカウントしております。これと沿道の歩行者、自転車の通行量調査とをクロス集計することで、
グリーン大通りにおける人の動きを分析したいと考えております。
次に、協力店舗や利用者からの御意見についての御質問にお答えいたします。
実験期間中、売り上げが2割ふえた週末もあったと一部の事業者から報告をいただいております。また、
オープンカフェ利用者へのアンケート調査では、98%の方から、常設化してほしいとの結果が示されております。このほかにも、夜はお酒も飲めるとよい、犬を飼っているので
オープンカフェがふえるとうれしい、冬はストーブがあるとよいといったさまざまな御意見をいただいております。
次に、
オープンカフェの方針についての御質問にお答えいたします。
今回の社会実験では、パラソル、テーブルなどの備品類が
グリーン大通りの風景にどうなじむのか、歩行者動線や歩道上の清掃、風紀がどの程度守られるのかといった安全管理や運営面の確認を最優先させましたが、このたびのアンケート調査で寄せられた御意見などを分析し、可能なものから来春、2回目の実証実験に反映させていきたいと考えております。
こうした新たな取り組みに果敢に挑戦し続けるとともに、国家戦略特区の指定も視野に入れながら、快適でしゃれた都市空間の演出と訪れる人を魅了するまちづくりを目指してまいります。
次に、近隣区と連携しコミュニティサイクルを導入することについての御質問にお答えいたします。
自転車は、交通ルールの中で自由に走ることができる便利な乗り物であり、健康増進や環境に優しい移動手段として、今後、利用が増加すると予想されます。
自転車の新たな利用方法としてのコミュニティサイクルは、自転車が複数のサイクルポート間を行き来することにより、広域的な面として利用できる交通サービスであると認識しております。コミュニティサイクルについては、近隣区の動向や自転車の利用促進を進めている東京都の動向を注視しながら、広域的な対応の可能性を含め、今後、調査研究していきたいと考えております。
次に、リノベーションの北九州市モデルを生かすことと、今後の事業展開についての御質問にお答えいたします。
北九州市では、2011年8月から、経済縮退や人口減少、郊外大型店の進出により衰退している小倉地区で、小倉家守構想のもとに、遊休不動産を活用したリノベーションまちづくりを進めています。これまでの取り組みにより、新規事業者、雇用者数、商店街の歩行量の増加などの成果を上げ、民間主導の公民連携事業として全国から注目されているまちづくりの事業であります。
本区においては、居住希望者は増加傾向にある一方で、子育て世代が住み続けられないなど、居住ニーズにこたえられていない実態があります。区内には、総務省実施の平成20年住宅・土地統計調査によると、2万1,680戸の空き家、空き住戸が存在していることから、居住ニーズとストックにミスマッチが生じているものと考えています。
そこで、本区で増大する空き家、空き住戸など遊休不動産を活用することで、地域経営課題を解決し、住んで、働いて、子育てできる持続可能なまちの実現に結びつけたいと考えています。
その事業手法として、北九州市で実践され成果を上げている民間主導の公民連携型まちづくりであるリノベーションまちづくりの手法を取り入れ、賃貸住宅の再生を中心に空き店舗や空きオフィスの再生など、まちの価値を高めていく手法を取り入れていきたいと考えております。
今後の事業展開についてですが、来年3月に都内では初のリノベーションスクール開催を目指しています。リノベーションスクール開催に当たっては、再生に取り組む遊休資産の具体的物件が必要となりますので、区内の賃貸オーナーを主な対象として、リノベーションまちづくり塾を12月5日に開催予定で、その後、来年1月、2月の合計3回開催することを予定しております。このような不動産オーナーの育成啓発講座の取り組みを通して、賃貸オーナーの意識改革もあわせて行ってまいります。
また、本区のリノベーションまちづくりの基本的方向を示すリノベーションまちづくり基本構想の策定に向けての検討会を開催する予定です。この検討会では、定量的な分析調査等に基づき、目指すべき方向性や重点エリアの設定などリーディングプロジェクトの検討を行い、本区の地域特性を生かした基本構想案をまとめ、この基本構想案に基づき今後、事業展開を図ってまいります。
私からの答弁は以上でございます。
〔原田美江子池袋保健所長登壇〕
○池袋保健所長(原田美江子) 危険ドラッグについての御質問のうち、保健所の業務時間外に相談できる窓口の対応と啓発時における相談先の明記についての御質問にお答えいたします。
まず、時間外の相談対応窓口についてですが、東京都夜間こころの電話相談が毎日午後5時から午後10時まで開設されております。これは、危険ドラッグに特化した窓口ではございませんが、心の問題全般に関する御相談を受けており、健康推進課で実施しております相談事業、薬物使用者支援研修の際には、時間内の窓口とあわせて御案内しております。
また、御要望の危険ドラッグに関する啓発時の相談先のPRにつきましては、条例制定に合わせ、新たに啓発リーフレット等を検討する予定ですので、その際にわかりやすく相談窓口の一覧を掲載したいと考えております。
以上をもちまして、関谷二葉議員の御質問に対する答弁を終わります。
○副議長(中島義春) 一般質問を終わります。
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○副議長(中島義春) この際申し上げます。
議事の都合により、暫時休憩いたします。
午後6時14分休憩
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午後6時32分再開
○議長(本橋弘隆) 休憩前に引き続き会議を開きます。
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○議長(本橋弘隆) この際、日程の追加についてお諮りいたします。
ただいま、区長より、条例3件が提出されました。
よって、これらを本日の日程に追加し、追加日程第1から第3までとして直ちに議題といたしたいと存じますが、これに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(本橋弘隆) 御異議ないものと認め、そのように決定いたします。
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○議長(本橋弘隆) 追加日程第1から第3までの3議案を一括して議題といたします。
○事務局長(佐藤正俊) 第103号議案、職員の給与に関する条例の一部を改正する条例外2議案。
○議長(本橋弘隆) 3議案について、理事者より説明がございます。
〔水島正彦副区長登壇〕
○副区長(水島正彦) 第103号議案から第105号議案までの3議案について御説明を申し上げます。
最初に、第103号議案、職員の給与に関する条例の一部を改正する条例及び第104号議案、
幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例の2議案についてでございますが、両議案は、いずれも、第1条において、人事委員会の勧告に基づき、勤勉手当の支給月数及び給料表の給料月額を改めるとともに、第2条において、地域手当の支給割合の限度を平成27年4月より引き上げることに伴い、給料表の給料月額を改めるなどのほか、規定の整備を図ろうとするものでございます。
以上の2議案に係る改正条例は、第1条を公布の日から、第2条を平成27年4月1日から施行しようとするものでございます。
次に、第105号議案、職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例についてでございますが、本案は、退職手当の調整額におけるポイントを改めようとするものでございます。
改正条例は、平成27年4月1日から施行しようとするものでございます。
以上でございます。よろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。
○議長(本橋弘隆) 提案理由の説明が終わりました。
なお、第103号議案から第105号議案までの3議案については、特別区人事委員会の意見をあらかじめ聴取しております。局長に朗読させます。
○事務局長(佐藤正俊) 26特人委給第283号、平成26年11月25日、豊島区議会議長本橋弘隆様。特別区人事委員会委員長西野善雄。「職員に関する条例」に対する人事委員会の意見聴取について(回答)。平成26年11月25日付26豊議発第698号で意見聴取のあった下記条例案については、異議ありません。記。1、第103号議案、職員の給与に関する条例の一部を改正する条例、2、第104号議案、
幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例、3、第105号議案、職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例。
以上でございます。
○議長(本橋弘隆) これより質疑に入ります。
○5番(古堺稔人) 第103号議案から第105号議案までの3議案は総務委員会に付託することを望みます。
(「賛成」と呼ぶ者あり)
○議長(本橋弘隆) 賛成者がございますのでお諮りをいたします。
本動議に御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(本橋弘隆) 御異議ないものと認めます。
よって、これら3議案は総務委員会に付託することに決定いたしました。
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○議長(本橋弘隆) 以上で、本日の日程全部を終了いたしました。
本日は、これをもって散会といたします。
午後6時36分散会...