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平成23年第3回定例会(第13号10月28日)

  • "原子力災害対策特別措置法"(/)
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  1. 豊島区議会 2011-10-28
    平成23年第3回定例会(第13号10月28日)


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    平成23年第3回定例会(第13号10月28日) 平成23年豊島区議会会議録第13号(第3回定例会)   平成23年10月28日(金曜日)  議員定数 36名  出席議員 36名       1  番    西 山 陽 介       2  番    根 岸 光 洋       3  番    古 坊 知 生       4  番    橋 本 久 美       5  番    古 堺 稔 人       6  番    関 谷 二 葉       7  番    石 川 大 我       8  番    村 上 典 子       9  番    高 橋 佳代子       10  番    辻     薫       11  番    中 田 兵 衛       12  番    小 林 弘 明       13  番    磯   一 昭       14  番    細 川 正 博
          15  番    森   とおる       16  番    儀 武 さとる       17  番    藤 本 きんじ       18  番    永 野 裕 子       19  番    中 島 義 春       20  番    島 村 高 彦       21  番    星   京 子       22  番    河 原 弘 明       23  番    竹 下 ひろみ       24  番    村 上 宇 一       25  番    渡 辺 くみ子       26  番    小 林 ひろみ       27  番    大 谷 洋 子       28  番    山 口 菊 子       29  番    木 下   広       30  番    此 島 澄 子       31  番    堀   宏 道       32  番    本 橋 弘 隆       33  番    里 中 郁 男       34  番    吉 村 辰 明       35  番    垣 内 信 行       36  番    河 野 たえ子  欠席議員 なし ────────────────────────────────────────  説明のため出席した者の職氏名       区  長    高 野 之 夫       副区長     水 島 正 彦       政策経営部長  吉 川 彰 宏       総務部長    齋 藤 賢 司       施設管理部長  上 村 彰 雄       区民部長    永 田 謙 介       文化商工部長  東 澤   昭       図書館担当部長 鈴 木   達       清掃環境部長  鈴 木 公 一       保健福祉部長  大 門 一 幸       健康担当部長  佐 藤 正 俊       池袋保健所長  村 主 千 明       子ども家庭部長 山 根   斎       都市整備部長建築住宅担当部長)               鮎 川   傑       土木部長    亀 山 勝 敏       会計管理室長  桐 生 建 樹        ─────────────────       教育長     三 田 一 則       教育総務部長  齊 藤 忠 晴        ─────────────────       選挙管理委員会事務局長               若 林 弘 司        ─────────────────       監査委員事務局長               西 澤 茂 樹 ────────────────────────────────────────  職務のため議場に出席した事務局職員の職氏名       事務局長    陣野原 伸 幸       議会総務課長  城 山 佳 胤       議会担当係長  七 尾   弘       書  記    高 橋   肇       書  記    熊 谷 雅 夫       書  記    寺 井 朝 映 ────────────────────────────────────────   議事日程 ・会議録署名議員の指名 委員会審査報告 ・日程第 1 認定第1号   平成22年度豊島区一般会計歳入歳出決算の認定につい                て ・同 第 2 認定第2号   平成22年度豊島区国民健康保険事業会計歳入歳出決算                の認定について ・同 第 3 認定第3号   平成22年度豊島区老人保健医療会計歳入歳出決算の認                定について ・同 第 4 認定第4号   平成22年度豊島区後期高齢者医療事業会計歳入歳出決                算の認定について ・同 第 5 認定第5号   平成22年度豊島区介護保険事業会計歳入歳出決算の認                定について ・同 第 6 認定第6号   平成22年度豊島区従前居住者対策会計歳入歳出決算の                認定について ・同 第 7 第38号議案  豊島区災害弔慰金の支給等に関する条例の一部を改正す                る条例 ・同 第 8 第39号議案  豊島区特別区税条例の一部を改正する条例 ・同 第 9 第40号議案  南大塚地域文化創造館他大規模改修工事請負契約につい                て ・同 第10 第41号議案  特別区道路線の認定について ・同 第11 第42号議案  特別区道路線の一部廃止について ・同 第12 第43号議案  平成23年度豊島区一般会計補正予算(第3号) ・同 第13 第44号議案  平成23年度豊島区後期高齢者医療事業会計補正予算                (第1号) ・同 第14 第45号議案  平成23年度豊島区介護保険事業会計補正予算(第1号) ・同 第15 23陳情第20号 新庁舎建設計画について、見直しを求める陳情 ・同 第16 同  第18号 区民のいのちを守るため、国保料の引き下げを求める陳                情 ・同 第17 同  第17号 水害防止についての陳情 委員会継続審査申出 ・日程第18 23陳情第11号 原発依存のエネルギー政策から自然エネルギーへの転換                を求める陳情 ・同 第19 同  第13号 時習小学校跡地の帝京平成大学に救援センター設置を求                める陳情 ・同 第20 同  第16号 3月11日福島第一原子力発電所事故から漏れ出してい                る放射線物質の長期化により空気や水、食糧の汚染から、                外部被曝、体内被曝に怯えることのない暮らしを取                り戻すための防護・安全・確保についての陳情 ・同 第21 同  第21号 放射能から子ども達を守るため食品検査及び砂場と園庭
                   の除染を求める陳情 ・同 第22 23請願第4 号 保育制度改革に関する意見書提出を求める請願 ・同 第23 23陳情第9号  豊島区在住の子ども(未就学児童、児童、生徒)に対す                る被曝許容放射線量ミリシーベルト基準の宣言と豊島                区内ホットスポット実態調査。並びに保育園、幼稚園、                小学校の給食における食材安全の確認と確保。保育園・                幼稚園・小学校・中学校の2011年夏季プール安全確                保についての陳情 ・同 第24 同  第10号 地方消費者行政充実のための国による支援についての陳                情 ・同 第25 同  第12号 勤労福祉会館当局会場予定不当取消しについての陳情 ・同 第26 同  第14号 豊島区で安心して子育てできる放射能対策についての陳                情 ・同 第27 同  第15号 区立小中学校救援センター機能維持・充実のため、開                放管理員業務の区直営を維持することについての陳情 ・同 第28 同  第19号 西巣鴨第二保育園民営化に関する陳情 ・同 第29 定例会・臨時会の会期等に関する事項 ────────────────────────────────────────   追加議事日程(1) ・追加日程第1 報告第17号 専決処分の報告について ────────────────────────────────────────   追加議事日程(2) ・追加日程第2 議員提出議案第7号  原発からの速やかな撤退及び放射能対策を求め                    る意見書 ・同   第3 議員提出議案第8号  地方自治体が行う放射性物質対策に関する意見                    書 ・同   第4 議員提出議案第9号  消費税率10%への大増税に反対する意見書 ・同   第5 議員提出議案第10号 「緊急事態基本法」の早期制定を求める意見書 ・同   第6 議員提出議案第11号 清掃工場における「放射性物質」の処理につい                    ての意見書 ────────────────────────────────────────   会議に付した事件 ・会議録署名議員の指名 ・日程第1から第29まで ・追加日程第1から第6まで ・陳情の委員会付託 ・会議時間の延長 ────────────────────────────────────────   午後4時31分開議 ○議長(里中郁男) これより本日の会議を開きます。 ───────────────────◇──────────────────── ○議長(里中郁男) 会議録署名議員をご指名申し上げます。26番小林ひろみさん、27番大谷洋子さん、28番山口菊子さん、以上の方にお願いいたします。 ───────────────────◇──────────────────── ○議長(里中郁男) この際申し上げます。  本日の会議時間は、議事の都合により、あらかじめこれを延長いたします。 ───────────────────◇──────────────────── ○議長(里中郁男) この際申し上げます。  議事の都合により、暫時休憩いたします。   午後4時32分休憩 ───────────────────◇────────────────────   午後5時50分再開 ○議長(里中郁男) 休憩前に引き続き会議を開きます。  これより日程に入ります。  本日の既定日程の案件については、既に審査報告書及び継続審査申出書の写しをお手元に配付してございますので、ご了承願います。  日程第1から第6までを一括して議題といたします。 ○事務局長(陣野原伸幸) 認定第1号、平成22年度豊島区一般会計歳入歳出決算の認定について外5件、委員会審査報告。 ○議長(里中郁男) 認定6件について、決算特別委員長より報告がございます。   〔竹下ひろみ議員登壇〕 ○23番(竹下ひろみ) 認定第1号から認定第6号までの認定6件について、決算特別委員会の審査報告を申し上げます。  これら認定6件は、9月22日の本会議において、議長指名の委員18名で構成する本委員会が設置され、付託されたものであります。本委員会は、本会議終了後、委員会を開会し、正副委員長の互選を行い、委員長には私、竹下ひろみを、副委員長には木下広委員を選出いたしました。また、正副委員長及び5名の委員で構成する小委員会を設置し、委員会の運営について協議いたしました。そして、本委員会は、10月6日の総括質疑を皮切りに、8日間にわたり審査を行いました。  以下、認定6件の概要並びに審査結果について申し上げます。  最初に、認定第1号、平成22年度豊島区一般会計歳入歳出決算について申し上げます。本会計の歳入決算額は994億6,727万2,455円、歳出決算額は968億8,598万21円で、歳入歳出差引額は25億8,129万2,434円であります。歳入歳出決算額をそれぞれ予算現額に比較いたしますと、歳入は45億1,012万1,545円が収入減となり、収入率は95.7%となっております。歳出は70億9,141万3,979円が執行残で、このうち22億7,788万6,294円は翌年度繰越額であり、残りの48億1,352万7,685円が不用額となり、執行率は93.2%となっております。  次に、認定第2号の平成22年度豊島区国民健康保険事業会計歳入歳出決算について申し上げます。本会計の歳入決算額は274億6,055万1,382円、歳出決算額は268億7,770万8,030円で、歳入歳出差引額は5億8,284万3,352円であります。歳入歳出決算額をそれぞれ予算現額に比較いたしますと、歳入は3億4,206万8,618円の収入減となり、収入率は98.8%、歳出は9億2,491万1,970円が不用額となり、執行率は96.7%となっております。  次に、認定第3号の平成22年度豊島区老人保健医療会計歳入歳出決算について申し上げます。本会計の歳入決算額は2,280万9,875円、歳出決算額は2,126万2,093円で、歳入歳出差引額は154万7,782円であります。  歳入歳出決算額をそれぞれ予算現額に比較いたしますと、歳入は40万5,125円の収入減、収入率は98.3%、歳出は195万2,907円が不用額となり、執行率は91.6%となっております。  次に、認定第4号の平成22年度豊島区後期高齢者医療事業会計歳入歳出決算について申し上げます。本会計の歳入決算額は52億2,169万5,143円、歳出決算額は49億4,929万9,305円で、歳入歳出差引額は2億7,239万5,838円であります。歳入歳出決算額をそれぞれ予算現額に比較いたしますと、歳入は1億4,453万2,857円の収入減、収入率は97.3%、歳出は4億1,692万8,695円が不用額となり、執行率は92.2%となっております。  次に、認定第5号の平成22年度豊島区介護保険事業会計歳入歳出決算について申し上げます。本会計の歳入決算額は150億7,671万6,359円、歳出決算額は148億12万2,659円で、歳入歳出差引額は2億7,659万3,700円であります。歳入歳出決算額をそれぞれ予算現額に比較いたしますと、歳入は7,685万9,641円の収入減、収入率は99.5%、歳出は3億5,345万3,341円が不用額となり、執行率は97.7%となっております。  最後に、認定第6号の平成22年度豊島区従前居住者対策会計歳入歳出決算について申し上げます。本会計の歳入決算額は6,611万8,648円、歳出決算額は6,611万7,800円で、歳入歳出差引額は848円であります。歳入歳出決算額をそれぞれ予算現額に比較いたしますと、歳入は648円の収入増、収入率は100%、歳出は200円が不用額となり、執行率は100%となっております。  本委員会は、これらについて慎重に審査を重ね、最終日、10月24日の委員会において、各会派などからの意見開陳後、採決を行い、認定第1号から認定第5号までの5件については、いずれも賛成多数により、また、認定第6号については異議なく認定すべきものと決定した次第であります。  以上で、報告を終わります。 ○議長(里中郁男) これより討論に入ります。  この際、認定6件について、15番議員及び13番議員より討論の通告がございましたので、順次これを許可します。  まず、15番議員より発言がございます。   〔森 とおる議員登壇〕(拍手) ○15番(森 とおる) 私は、日本共産党豊島区議団を代表して、認定第1号、2010年度一般会計決算、並びに認定第2号、国民健康保険事業会計、認定第3号、老人保健医療会計、認定第4号、後期高齢者医療事業会計、認定第5号、介護保険事業会計の4特別会計決算の認定に反対の立場から討論を行います。なお、認定第6号、従前居住者対策会計には賛成いたします。  それでは討論に入ります。3.11大震災・原発災害から7カ月が経過し、被災地では復興に向けて懸命の努力が続けられていますが、生活と生業の再建は遅々として進んでおりません。原発事故は収束の見通しも立たず、放射能被害が拡大しています。今、民主党政権が進めているのは、水産特区構想やTPPへの参加など、被災した農業や漁業、中小企業の仕事を奪うものです。これは大震災に乗じて、「強いものをより強くする、弱いものは切り捨てる」という構造改革路線の政治を押しつけるものにほかなりません。また政府は、復興財源として所得税と法人税を軸とする臨時増税を打ち出しましたが、法人税は5%減税した上で、その範囲内で付加税を3年間に限って課すというもので、実質2%の減税です。サラリーマンと自営業者などには10年間の増税を行い、一方、大企業には減税、それも3年たったらさらに大幅減税というのでは、理解は得られるものではありません。沖縄普天間基地問題にしても、日米両政府が共同して沖縄県民を踏みつけにしており、財界・アメリカ言いなりの政治は、まさにこれまでの自公政権と変わりはありません。  東京都を見ると、石原知事は都議会で「あらゆるエネルギーの組み合わせを追求する」と述べるなど、あくまでも原発を存続する立場です。また、防災対策指針の策定に向けた動きを見ると、自助・共助がことさら強調されておりますが、被害を最小限に抑えるための予防対策は不十分です。被災者の生活再建、被災地の復興、放射能対策など、都が緊急に取り組むべき課題は山積しているにもかかわらず、1メートル1億円の外環道や巨大港湾整備など、巨大な開発を進めるためにオリンピック招致を進め、築地市場を土壌汚染がある豊洲に移転を強行しようとするなど、都民に犠牲を押しつけています。  では、豊島区はどうでしょうか。国が進めてきた構造改革、成長戦略により、社会保障切り捨て、規制緩和、民営化が推し進められ、本来国が行うべき様々な仕事が切り捨てられてきました。また三位一体改革住民サービスの大幅切り下げ、地方行革の名で職員削減、民営化が進められてきました。これらの動きは、自治体本来の住民福祉を担うという役割を大きく変質させ、住民から暮らし、福祉を奪ってきました。一方では、都市間競争を看板にした大型開発には多額の補助金を大盤振る舞い、こうしたやり方が大量の失業者を生み出し、貧困と格差は一層拡大し、介護難民、医療難民が生まれ、労働者、子ども、高齢者、障害者、中小企業など、あらゆる層の人々の暮らしを危機にさらしてきたのです。豊島区ではこのような国の路線に忠実に従ってきたのです。高野区政はこの12年間で財政を立て直してきたと誇らしげですが、財政難を口実に、徹底した行革、リストラにより区民サービスを大幅に削減した結果、区民の生活をより深刻にしてしまったのです。  日本共産党豊島区議団は、2010年度決算の審査に当たり、第1に、区民の切実な要望に応えるものになっていたかどうか。第2に、区民サービス拡充のための財政運営に努めてきたかどうか。第3に、不要不急な開発を進め、区民にしわ寄せをしなかったかどうかの観点で審査に当たってきました。  第1に、区民の切実な要望に応えるものになっていたかどうかについてです。まず一つ目は、防災についてです。東日本大震災は、本区の防災の弱点をさらけ出しました。大震災の発生を目の当たりにして、区民は被災地に思いをはせ、その復興を願うとともに、豊島区であのような大地震は起きないのか、防災や避難は大丈夫だろうかとの不安を強めています。被災地の復旧、復興という国民的な問題解決にとどまらず、この教訓を区の施策に生かす、災害に強いまちづくりを進めていく。このことが区民から強く求められているのです。震災当日、豊島区は23区で唯一災害対策本部を設置せず、帰宅困難者対策の準備不足や鉄道事業者、集客施設との連携不足が露呈いたしました。本区の防災計画は、東京都の防災計画に倣ってきました。石原知事が震災予防条例を改悪し、自分の命は自分で守れ、災害が起きる前の対策よりも起きた後をどうするかに重点が置かれてきたことが問題なのです。地震は防ぐことはできませんが、被害は防げる。この基本的な観点が欠落しているのです。公園の面積は23区で最下位にもかかわらず、新庁舎建設においては広場の面積は中池袋公園の約半分にしようとしているほどです。本区において、どのような災害が発生する危険があるのか、国の計画の見直しを待つのではなく、主体的に独自に最大限努力して地域防災計画を見直し、練り上げることが大事なのです。そのためにもできるところから早急に着手することが必要です。震災発生直後から被災地では避難所の果たす役割が大変重要だということが改めて再認識されました。この間、区立小・中学校の統廃合により、避難所である救援センターは35カ所に削減されました。収容可能人数は全体で2万人余でしかなく、マグニチュード6.9規模の地震が発生したときに予想される避難者3万人を収容することはできません。また、近隣に救援センターがなくなり、乳幼児のいる世帯や高齢者は遠過ぎて避難できない地域も見受けられます。しかも救援センター自体が被害を受け、避難所として機能しないことも想定しなければなりませんので、大幅増設が必要です。現在、区民ひろば区民集会室などでは、補助救援センターに指定されていますが、これらは救援センターで避難者を収容し切れなかった場合に開設する補助的な救援センターであるために、開設するまでに時間がかかり、それまでは一時待機の避難すらできません。たとえ近所に区民ひろばがあったとしても、まずは遠方の救援センターに避難しなければならない仕組みになっているのです。まずは補助救援センターに位置付けられている区民ひろば区民集会室等は一時待機場所として開放するように、地域防災計画を見直し、救援センター避難ひろばを拡大し、災害時の区民の安全を守るべきです。  二つ目は、特別養護老人ホームについてです。特養ホームの待機者は1,242人、そのうち区が緊急に入所の必要性があるとしているAランク待機者は438人と増え続けています。このように待機者を増大させたのは、この6年もの間、特養ホームを建設してこなかったからであり、区長の責任は重大です。区は手をこまねいてきたわけではないなどと言い訳ばかりですが、やってきたことは民間の誘致であり、その誘致にことごとく失敗してきたのです。失敗の理由も明確です。この間、国や東京都による補助制度が廃止・大幅削減されているため、民間が建設し、運営するには負担が大き過ぎるからであり、にもかかわらずいまだに民間誘致に固執しているため、2カ所の土地を確保しながら、完成の時期さえ示すことはできないのです。特養ホーム建設は待ったなしです。特養ホーム整備は区の責務であり、区が自ら建設しなければ計画は進まないのです。また、2015年度までに200床整備の計画ではAランク待機者すら解消できません。直ちに400床以上の計画に見直し、区民の願いに応えるべきです。  三つ目は、保育園についてです。我が党区議団は、日ごとに増す保育園の待機児童対策を重視し、この間、一般質問でも毎回取り上げるなど、認可保育園の増設を基本に、直ちに解消するよう区長に強く求めてきました。同時に国や東京都が、新しいシステムを打ち出し、保育に対する公的責任を投げ捨て、財政支援を削減し、詰め込みや民営化を進めるやり方に反対してきました。区は保育計画を策定し、5年間で300名の定員増を図るとしていますが、実態はそれに逆行し、待機児は昨年4月の161名から、今年度は171名に、また増えてしまっています。待機児童を増大した責任も重大であります。我が党の質問に対し、所管の課長は、「増大させた責任に対し申し訳ない」と初めて公式の席上で反省の答弁をいたしました。申し訳ないという認識なら、直ちに対策を講じるべきです。十分な対策をとってこなかったために、今、保育園の中には、両親ともフルタイムの共働きで、入所指数が20点満点を満たしているのに入所できない子どもがいます。この子どもを、一体誰が保育するというのでしょうか。区はこれまで努力している、手をこまねいているわけではないと主張しますが、これは言い訳にすぎません。需要が増えているのに対し、これに対応する十分な対策を講じることこそが区政の果たすべき役割ではありませんか。待機児童を増大させている決算は認められません。  四つ目は、生活保護についてです。全国の生活保護の受給世帯数は今年の10月の速報値で204万1,592人と過去最高となっています。豊島区でも2010年は5,743世帯と前年より901世帯増加、今年9月現在で6,113世帯と、さらに増加しております。我が党はこの間、正規職員の増加とスペースの拡大を求めてきました。その結果、当該決算年度は西部生活福祉課が開設され、相談員1名、ケースワーカー8名が増員され、今年度も相談員1名、ケースワーカー3名が増員されました。しかし、現在でもケースワーカー一人当たりの平均担当件数は100.4世帯、担当者によっては120世帯と、国が定めている標準数80世帯よりはるかに多い状態が続いています。このような中で、被保護者への対応も不十分となり、様々な問題が起きています。70代のAさんは年金の収入認定が遅れたため、過払い金が発生し、基準額から毎月5,000円が天引きされ、さらに3,000円の納付書が送られています。Aさんは月8,000円の年金で生活が大変、年金の書類も見せたと訴えています。そもそも区が認めているように、基準額は最低生活費を定めたものです。1日1,000円、1カ月3万円の食事代から8,000円もの返金を求めること自体も問題です。ケースワーカーとは、社会的弱者に対し、人としてきちんと生活が送れるように様々な支援をすることが仕事であり、専門的力量も問われるものです。区は来年度も正規職員を増員すると答弁していますが、最低でも標準数80世帯となるよう大幅に増員すべきです。今、民主党政権は社会保障と税の一体改革と称して、社会保障の全面改悪を進めています。生活保護行政に対しても、有期制の導入など生活保護制度の根幹である生存権を揺るがす改悪を進めようとしてます。我が党は、一般質問等でも、区長に改悪反対の意思表示を求めましたが拒否しています。区民の命を守る立場の自治体の長として、改悪に反対すべきことを改めて求めるものです。  五つ目は、高齢者福祉についてです。高齢者緊急通報システムは、ひとり暮らし高齢者等の見守り事業として需要の高い施策です。ところが昨年度までは、身体上急を要する慢性疾患がある方という極めて高い基準が設定されていたため、受けたいという区民が受けられませんでした。我が党は再三にわたり、この基準をなくすように求めてきました。ようやく今年度から慢性疾患の基準がなくなり、多くの高齢者が使えるようになったかと思いきや、今度は毎月2,315円の自己負担が条件になりました。そのために、8月までの申請件数はわずか12件にとどまっています。直ちに改善すべきです。我が党の、削減したサービスを復活せよという質問に対し、この間、区長は、区民福祉の水準は形・姿は変わっているが、改革当時とは格段に充実しているとして、この緊急通報システムもその事例に挙げていましたが、拡充どころか後退ではありませんか。  六つ目は、障害者施策についてです。2006年に施行された障害者自立支援法は、障害者の実態や意見を踏まえずに制定、施行され、応益負担を導入するなど、障害が重い人ほど負担も重くなる悪法です。これに対し、障害者を中心に廃止への取り組みが大きくなっています。さて、心身障害者福祉センターは、2009年に水道の配管が劣化し、機械入浴が使用不可能となり、区は当座の対応として、2009年4月から地活Ⅱ型「雑司谷」に入浴サービスを委託しています。2010年度の利用実績は、延べ人数で介助入浴57人、機械入浴163人、訪問入浴355人となっています。訪問入浴を受けているAさんの家族は、「月3回無料だったが4回になりよかった。でも週1回では少な過ぎる、せめて週2回入浴させたい」と、月4回の訪問入浴を自費で頼んでいます。しかし、1回1万4,070円、4回では5万円を超えています。週1回の入浴とは、あまりにも非人間的です。身障センターの改修は喫緊の課題です。ところが、3年経過してもいまだに改修計画すらなされておらず、大きな問題です。区は、「2011年度実施の耐震診断結果を踏まえ改修計画を検討する」「大規模改修には代替施設が必要」など、理由を言いますが、早急に改修すべきです。そのためにも、担当者任せではなく、区長が先頭に立って取り組むべきです。次に、区の独自施策である「さくらんぼ」についてです。長期・短期自立援護指導のほか、緊急一時保護にも取り組んでいます。しかし、利用者が増加する中でなかなか利用できないと、保護者から切実な声が上がり続けています。担当課では障害者の人権を守りながら、一日の利用者数を増やすなど検討するとしていますが、これでは必要な対応はできません。今後、親亡き後対策は待ったなしです。増設すべきです。  七つ目は、中小企業対策についてです。長引く不況、経済危機に加えて、大震災の影響もあり、区内中小業者は深刻な状況になっています。これはものづくりや商店などに限らず、深刻な状況であります。代々続いてきた店を閉鎖せざるを得ないという声も聞きます。こうした状況から区民を守るというのも区政の大きな柱の一つでありますが、区が進めている施策と言えば、誘致とイベント、そして相談活動が主であります。高野区長が12年前に就任して以来、これまで予算の中で最も減らしたのが商工予算です。新規にメニューを並べても本当にその効果が上がっているとはとてもいえません。本決算の当該年度では三越が撤退、さくらや、キンカ堂も閉鎖いたしました。予算を大幅に増やし、安心して借りられる無担保、無保証人、無利子の融資の創設を始め、区内の商店を守るために、区独自の営業時間や販売品目など、大型店規制等の抜本的対策が必要であり、何よりも区民の懐を温める施策が必要です。  八つ目は、住宅についてです。高過ぎる家賃さえ何とかなれば豊島区に住み続けられる、このような声が日増しに増えています。現在の区営住宅と福祉住宅戸数は大変少ないために、空きはほとんどありません。数少ない空きに対し応募が殺到しています。このような状況を打開し、学校跡地などの区有地を活用し、建設すべきであるにもかかわらず、区は実行しようとはしません。それどころか、東京都に対し都営住宅の誘致を求めても、それすら行おうとはしません。区民のための住宅施策向上に背を向けていることが明らかです。また、ようやく重い腰を上げて始めた子育てファミリー世帯への家賃助成は、新規が年間で12件しかありませんでした。条件となる所得額が低過ぎることや、助成期間が短か過ぎることなどが問題であることがはっきりしています。高齢者世帯等住み替え家賃助成に至っては、今年度は3件だけです。助成期間設定を廃止し、立ち退き要件の緩和をしなければ、件数は増えません。これらの家賃助成に関しては助成金額を引き上げると同時に、直ちに実態に即した条件に見直すべきです。  九つ目は、自転車対策についてです。駐輪場整備が進み、放置自転車が減少したことは評価できます。しかし、駐輪場整備に伴い放置自転車禁止区域が拡大されたことによって、支障を来している区民がいることもまた事実です。サンシャイン60内のハローワークに雇用保険の申請に行った際に、駐輪場がいっぱいだったため、ほかの駐輪場の場所がわからず仕方なく路上にとめたところ、撤去され、5,000円を支払ったという事例を紹介いたしました。特に新しく禁止区域を設定した場所については、区民への案内は万全を期すべきです。しかも、撤去料金の5,000円は23区で最も高く、雇用保険受給者や低収入、無収入の方にとっては本当に痛手です。大幅に引き下げるべきです。また駐輪場が設置されている場所、収容台数については不十分です。区の寝たきり高齢者理美容事業を担っている理美容師さんや介護ヘルパーさんの訪問活動に、訪問先の近くに自転車をとめるところがないといった支障が生じています。このように、区民のために活動している事業者等に対しては、駐輪許可のステッカーを交付するなど、特別の手立てを講じる必要があります。  10番目は、教育についてです。その第1は、私費負担と就学援助です。子どもの貧困問題はますます深刻で、就学援助制度の利用者も増えています。決算年度である2010年度から生活保護の母子加算が復活し、基礎算定額がわずかに上がりましたが、教育委員会も認めているように、就学援助の増加は経済不況が大きく影響しているのです。ところが私費負担は中学3年生で15万1,403円、小学6年生では10万8,056円と高額となっています。特に私費負担で大きく占めるのは、6年生の日光林間学校と中学3年生の修学旅行で、2009年度から、日光については宿泊費の一部補助から交通費全額補助に切り替え、若干ですが私費負担が軽減されました。しかし修学旅行助成の復活は23区では行っていないと拒否しました。義務教育は、憲法26条で定められているように、無償が大原則です。ところが、政経部長も教育長も、義務教育の無償化は授業料関係が基本などとの認識を示しましたが、これは義務教育のあり方そのものを否定するもので、看過できない発言です。区の教育に対するこのような姿勢は重大問題です。  教育の第2は、学校施設の問題です。この間、我が党は特にトイレの改修問題を取り上げてきました。区は18校のトイレ改修の必要性を挙げていますが、2010年度のトイレ改修は、大規模改修をした朝日小のみです。校長会の要望では、小学校が10校、中学校では4校が洋式化や、男女別、乾式化、改修予定の明示などが出されており、仰高小学校では児童数に比べトイレの数が少ないなど、深刻です。震災の影響で改修計画は立てられなかったと言いますが、トイレ改修の問題は何十年も前から提起しているにもかかわらず、やる気がない姿勢は大問題です。早急に計画策定に取り組むべきです。  教育の第3は、図書についてです。学校図書の専任司書が、2011年度からモデル校4校に配置されました。今後は一人の司書が2校を担当し、全校配置を検討するとしていますが、教育上の観点からいえば、本来は1校に一人の司書が必要です。また、図書館の区民一人当たりの図書購入費は23区中17位です。その後、微増していると言いますが、増やすべきです。  教育の第4は、池袋本町地区校舎一体型小中連携校についてです。池袋第二小学校地に防災ひろば用地を加えた土地に、池袋第二小学校と文成小学校を統合し、あわせて池袋中学校の校舎を建てる。隣接する池袋中学校の土地に中学校の校庭を整備するという計画が進められています。もともとは、それぞれの土地に統合した小学校と中学校を別々に建設する計画だったものです。この計画は工事期間の短縮と工事費用の削減、並びに施設面の効率化が利点とされています。ところが、地域説明会では大変多くの疑問の声が投げかけられました。長い目で見たときに使いやすい施設なのか、小・中学生が同じ敷地になるのが不安、児童・生徒が実験台にならないかなど、様々であり、中には、隣接する池袋第一小学校に及ぶ影響を心配するものもあり、反対の意見があることも教育委員会は認識しているのです。児童・生徒にどのような影響が及ぶのか、どこでも公平にきちんと学習できる公立校としてふさわしいのか、この学校を選びたい、選びたくないといった地域の分裂が起こらないのか、このように問題が山積しており、十分な議論が尽くされていない中で、もともとの別々に建設する計画は捨て去り、来年度には設計に入り、一気に建設に突き進むというやり方は見直すべきです。  続いて、第2の審査の観点である、区民サービス拡充のための財政運営に努めてきたかどうかについて述べます。一つ目は、過剰な借金返済についてです。区長は2008年度予算特別委員会の席上で、突如、土地開発公社分割償還金125億円を3年間で完済すると公言しました。本決算年度途中に土地開発公社の長期債務の残高33億5,000万円を繰上償還し、3年間で125億円も前倒し返済したのです。これまでも述べてきたように、我が党は借金返済すべてを否定しているわけではありません。しかし、やるべきことをやらず、区民サービスに支障を来す、行き過ぎた返済は容認できないとしてきたのであります。特養ホームの待機者、保育園の待機児数は、先程指摘したとおりであります。  二つ目は、財源確保をしてこなかったことについてです。我が党区議団は、本決算の2010年予算審査の際、安定した財政基盤の確立が区民サービスを向上させる上で大変重要だといたしました。当時の自公政権は、2004年度から2006年度の3年間、三位一体改革で4兆円を超える国庫負担金を削減しました。一方、税源移譲は3兆円でした。その税源移譲では三位一体改革で削減した国庫補助金の8割を移譲したのみで、残り2割は地方自治体の努力で賄うとしました。本区の影響額は、国と東京都の補助負担金削減で14億円、税源移譲での削減は2億円と、合計16億円もの削減となったのです。そこで、これらがどう区民サービスに影響するのか、影響を及ぼさないように財政確保するためにどう対抗策をとってきたのか、2010年度に向けてどのような対策を講じようとしているのかという観点で予算審査しました。その立場から本決算を見てみると、我が党の指摘を受けて、生活保護費については全額国庫補助を求め、特養ホーム、保育所についても一定の要望を国に求めていることは一歩前進です。ところが、高齢者福祉、教育分野の就学援助などは、一切要望しようとはしません。かつては福祉や教育の分野が8割を占めていた国庫補助負担金を、自公政権は、地方にできることは地方に、民間にできることは民間にという小さな政府の具体化の一つとして、三位一体改革で大幅削減・廃止をしてきたのです。自治体に対する財源圧迫を本区はそのまま受け入れ、国と東京都の言いなりになってきたのです。就学援助では三位一体改革で、2005年に国の補助を全廃しています。しかし、教育委員会は国に復活を全く要求せず、財調算定されている23区で検討していると繰り返すのみです。さらに、文部科学省は2009年に就学援助について検討する、就学支援に関する検討会議を設置し、区教育委員会は検討の推移を注視するとしています。ところが、検討会議は2009年に2回開催されたのみで、現在、検討会議自体が事実上ないことが明らかになりました。間違った資料の提出は問題であり、そもそも国の補助廃止を容認し、私費負担は当然とする姿勢が問題です。  次に、第3の審査の観点である不要不急な開発を進め、区民にしわ寄せをしなかったかどうかについてです。  新庁舎建設についてです。決算年度である2010年11月に、区は新庁舎推進整備計画を発表しました。2008年の整備方針、2009年の基本計画と比較すると、資金計画が大幅に変更され、現庁舎地の25年一括の賃借料見込みが176億円から143億円と、2年間で33億円も減りました。また、保留床購入費は112億円から124億円と12億円もはね上がりました。さらに推進整備計画の事業収支では、公会堂や区民センター跡地等の整備費が外されています。公会堂は、区民にとって大事な施設です。区長は公会堂整備は行うとし、跡地整備を含めれば180億円が必要であり、そのためには定期借地料35年一括が必要としました。現庁舎地は行政財産であり、公共に使用中であれば、当然、売却はできません。庁舎そのものが完全に移転してから初めて契約が成立するもので、具体的な賃料はその時点でなければわかりません。これは大変大きなリスクです。専門家の話では、民間では土地等を先行取得して具体的な資金計画の下で建設に取り組みます。たった2年間で計画を大幅に変更せざるを得ないような資金計画に基づく建設計画は無謀であり、計画が失敗すれば倒産してしまうとのことです。区長は、責任は自分にあると言いますが、実際にどう責任を取れるというのでしょうか。また、庁舎機能や建物の管理運営は管理規約で担保するとし、2011年度中に明示するとしていたものを2012年度に変更しました。建設は2011年度から着手予定です。民間マンション合築に問題があっても、中止・変更できません。またもや区民を無視するものであり、認めることはできません。  LRT路面電車についてです。LRT関連に要した費用は、累計5,000万円を超えました。認定している事業費は70億円、そのうち国の負担が28億円、区の負担は37億円、事業者などの負担が残りの5億円とされています。しかも毎年1億5,000万円の赤字であり、いかに環境に優しい乗り物とはいえど、莫大な財政負担です。しかもルートは建物がひしめき合っている狭い道路を無理やり通す計画であり、全く現実的ではありません。これまで区は、来年度には設計に入るとしていましたが、今回の決算委員会では、環状5号線が整備された後の平成31年以降に検討すると、スケジュールが大幅に後退したのであります。費用面においてもルートにおいても、現実性がなく、区民から批判の多いLRT計画はきっぱり撤回すべきです。  池袋駅東西デッキについてです。東西デッキ関連に要した費用は累計1億円を超えました。想定している事業費は、幅100メートルの場合150億円、そのうち3分の1の50億円が国の負担、3分の2の100億円が区の負担とされています。百貨店など民間事業者の負担があることもほのめかしますが、三越が撤退するなど厳しい状況の中で負担をする事業者が、果たしてあるでしょうか。区長はLRTと東西デッキについて区民のものだけではなく、都市としての魅力をつくっていく、副都心としてイメージアップを図るというような答弁をしました。これほど区民をないがしろにした話はありません。この間、全国各地で、国から補助が出るからといって大型開発に突き進み、にっちもさっちもいかなくなり頓挫した計画の処理が住民負担となっていることが社会問題になっています。区長が突き進もうとしているこれらの大型開発は同じ道を進もうというものです。まさに暮らし、福祉よりも区民不在、開発優先の政治姿勢が露骨に表れています。区民の深刻な実態には目を向けず突き進む、区民無視の大型開発計画は直ちに白紙撤回すべきです。  以上の理由で一般会計決算の認定に反対いたします。  次に、4特別会計についてです。国民健康保険事業会計についてです。この年は1世帯当たりの平均保険料は14万8,841円と値上げされました。毎年のように値上げされる保険料に区民からは悲鳴が上がっています。景気悪化の影響等で、収入が上がらないのに保険料が値上げされるために、高額な保険料が払えずに収納率も70%台に落ち込んでいます。国民健康保険は自営業者や退職者、最近では雇用悪化による失業者やワーキングプアと呼ばれる若い世代の不安定雇用者の加入が多くなっています。国の補助金増額がますます重要になっています。にもかかわらず、国庫負担金は大きく落ち込んでいます。その分が保険料にはね返っているのです。保険料を引き下げるためにも、制度を維持するためにも、国に負担を求めることが重要であり、増額が強く求められます。本決算年度に、保険料の計算方式が旧ただし書き方式に変更すると決められました。そのために住民税非課税世帯であるにもかかわらず、所得割が賦課された世帯が1,766世帯に上ります。2,300万円を投入すれば救済できるのに、それを拒否することは到底認められません。
     また、保険料を滞納すると保険証が取り上げられてしまいます。本年3月末時点、短期証は3,634世帯、資格証は3,121世帯に発行されています。特に本区の資格証の発行数は、23区の中でも高く、看過できない問題です。資格証は、病院の窓口で全額医療費を支払わなければなりません。そのために医者にかかることをためらい、症状が悪化したり、最悪のケースでは命に関わる問題になりかねません。これでは区民が安心して医療を受けられません。保険料滞納者には、きめ細かい相談に応じ、資格証発行は大幅に減らすべきです。  介護保険事業会計についてです。特養ホームが増設されないために区はショートステイを充実させると言ってきましたが、実際は不足しており利用者に支障を来しております。今年度決算では延べ3,531件の利用件数がありました。そのうちアトリエ村では延べ163件の利用者がありましたが、満床のために緊急ショートで11件が断られています。菊かおる園でも同様に5件が断られました。直近の予約でも毎月100件がキャンセル待ちになっている状態です。利用者がいつでも利用できるようにするためには、ベッド数を増やすしかありません。これについても放置している責任は重大です。介護保険の保険外自己負担は、介護者の大きな負担になっています。例えば、社会福祉法人フロンティアのデイサービスの食費は、昼食代で650円、事業団では550円となっています。もちろん、自己負担のために生活保護受給者も支払わなくてはなりません。一日当たり1,000円を目安の食費の生保受給者の1食650円の負担は重過ぎます。週6日デイサービスを利用している区民が毎月4万円以上の支払いをしているケースを例に取り上げました。保険料を取り、利用料を取り、その上に保険外負担を取るというのは、まさに欠陥だらけの制度です。  後期高齢者医療事業会計についてです。後期高齢者医療制度廃止を求める国民の声が高まり、民主党政権に変わりました。しかし、民主党政権は高齢者差別の根幹を残す新制度を示し、さらに2013年度実施も先送りにし、国民の期待を裏切り続けています。本決算年度保険料は、一人当たり平均4,165円も引き上げました。その影響もあり、556人が保険料を払えず未納となり、区は、短期証53件を発行し、現在でも25件が短期証となっています。担当課では高齢者は無保険にしてはならない、督促や訪問等で相談し対応しているとして、無保険者はいないとしていますが、短期証を発行していない自治体があるのです。そもそも高齢者に対し短期証は発行すべきではありません。また、2012年度保険料は、現在の均等割3万7,800円を5万円に上げる方向が検討されていますが、値上げされればますます未納者を増やすことになります。区は、広域連合で検討中、詳細はわからないとしますが、これが広域化の根本問題です。直接関係する区民は、何もわからないまま値上げを押し付けられることになります。  老人保健医療会計については、これまでの精算ですが、差別医療などを進めてきたことを踏まえ反対いたします。  以上、4特別会計決算認定に反対することを述べ、私の討論を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(里中郁男) 次に、13番議員より発言がございます。   〔磯 一昭議員登壇〕(拍手) ○13番(磯 一昭) 自民党豊島区議団の磯一昭でございます。私は、ただいま議題とされております認定6件、即ち、平成22年度一般会計歳入歳出決算及び5特別会計歳入歳出決算の認定に賛成の立場から意見を述べさせていただきます。  初めに、本決算の前提となります平成22年度予算につきまして、その基本的な認識を申し上げ、その上で、決算について意見を述べてさせてもらいたいと思います。  平成22年度予算は、経済不況の影響により、歳入の大幅な減収が見込まれる厳しい状況の中で、区民に対する行政サービスの水準を低下させず、また景気悪化の長期化に備えて、財政調整基金からの取り崩しはできるだけ抑えるという基本方針の下に、区民生活に身近な福祉施策の充実、子育てや教育などの次世代育成支援、地域における安全・安心の確保、さらには区民の区政への参加と協働の推進を区政の基本としつつ、文化と品格を誇れる価値あるまちづくりと、環境に配慮した都市の創造を目指して、文化、健康、都市再生、環境に重点的に取り組んだ予算でありました。即ち、基本政策の分野では、福祉施策の推進として、ひとり暮らし高齢者等、実態調査及びアウトリーチ事業や食彩いきいきサロンなどの実施を図り、子育て支援策では、子育て訪問相談事業や中高生センターの整備を実施するとともに、待機児解消策として、保育ママ事業や認可保育所の定員増を推進する。また教育分野では、小・中学校の英語教育の推進、学校図書の充実などを進めるとともに、西池袋中学校や目白小学校の建て替えを進める内容となっておりました。  一方、重点政策の分野については、まず文化政策では、前年度に引き続き、トキワ荘と並木ハウスに光を当てて地域の魅力を発信する関連事業や、雑司が谷の歴史と文化のまちづくりなど、地域の総合力でさらなる文化活動を進めるとし、また健康政策ではがん検診事業の拡充を初め、総合的ながん対策の推進が開始され、新型インフルエンザやヒブワクチン接種への助成を始め、感染症対策の充実を図るものでありました。さらに都市再生の分野では、新庁舎完成に向け、総合窓口の導入検討を進めるとともに、大塚駅南口駅前広場整備事業を開始し、椎名町駅周辺整備事業を推進するなど、都市としての価値を高め魅力を引き出すまちづくりを一層推進するものでありました。  環境政策では、緑の基本計画の改定とともに、日本一の高密都市における新しい緑化対策及び環境配慮行動の象徴として、グリーンとしま再生プロジェクト事業を行い、区施設などへの植樹を進めるほか、中小企業部門のCO2削減対策を充実させ、区の率先行動としてエコアクション21認証の取得を図ろうとするものでありました。  一方、当時リーマンショック以降、世界的な金融危機の影響を受け続けている我が国の経済は、最悪期を脱し、輸出と生産は回復を続けているものの、雇用情勢は厳しく、個人消費も依然として低調であり、景気の二番底も懸念される状況でありました。こうした経済情勢を反映して極めて厳しい歳入環境であったため、平成22年予算は財政調整基金からの繰り入れを14億円行うものとし、2年連続して財源対策を講じる予算でもありました。そして人件費削減のために職員削減を継続し、一般職員を前年度比で52人削減するなど、より一層の行政の効率化に向けて執行体制の見直しが図れるなど、平成22年度予算は構造改革に取り組む姿勢が引き続き堅持された堅実な予算でありました。  それでは、平成22年度予算についての以上のような認識に基づきまして、22年度決算につきまして順次意見を申し上げます。  最初に、一般会計歳入歳出決算について意見を申し上げます。一般会計につきましては、歳入決算額が994億6,700万円、歳出決算額は968億8,600万円となり、歳入歳出差引額から繰越明許費の財源10億7,400万円を除く実質収支額は15億700万円の黒字となりました。また、この額から前年度の実質収支額26億5,200万円を除き、財政調整基金の減少額30億9,200万円を除いたいわゆる実質単年度収支は42億3,700万円の赤字となり、2年ぶりの赤字に転じたのであります。また平成22年度決算は5年ぶりに財源対策を講じた中での黒字となりましたが、対策の内容は年度間の調整を図るための財政調整基金の活用でありました。この点につきましては、総括質疑の中で、高野区長就任時に既に財政調整基金が年度間の財源調整能力を失っていたことから、5年前である平成17年度まで、6年間にわたり100億円に近い特別な対策を行わなければならなかったことなども、改めて確認させていただきました。これらを踏まえましても、今回は特別異常な対策ではないと認め、決算は健全な範囲なものと認めることができます。歳入総額は4年ぶりに減少に転じ、0.8%のマイナス、歳出総額は3年連続で増加し、前年度より0.4%のプラスとなっています。歳入の面では特別区交付金は前年度に比べ2.1%の微増となりましたが、不況による所得の減少などの影響により特別区民税が大幅に減収となった結果、特別区税は前年度に比べ12億円の減少となりました。また、定額給付金などの国の支出金が大幅に減少する一方、財政調整基金繰入金の増加により、繰入金が23億1,000万円の増となりました。  一方、歳出の面では人件費や公債費が減少したものの、子ども手当や生活保護費などの増加により扶助費が43億6,000万円、20.3%と大きな伸びを示すとともに、定額給付金の終了で補助費等が大きく減少いたしました。また、投資的経費は東池袋四丁目第二地区市街地再開発事業や大塚駅南北自由通路整備の終了などにより、前年度と比べ7.3%のマイナスとなりました。また、主要な財政指標につきましては、公債費比率は前年度より0.1ポイントと上昇して9.5%となり、財政構造の弾力性を示す経常収支比率は、前年度より3.2ポイント上昇して86.7%となりました。これらは主に歳入環境悪化のためとはいえ、これからも弾力性の高い財政を維持していくためには一層の健全化の努力が必要であります。この点は総括質疑におきましても、経常収支比率悪化に見られる財政硬直化の防止対策についてお聞きする中で、人件費の抑制だけではなく、特に他区との比較において公債費の額を抑えていくこと、そのためにも依然として高水準である起債残高の低減が大変重要だとの認識を持ちました。  一方、財政健全化法に基づく健全化判断比率については、土地開発公社未収金の繰上償還や起債抑制などの懸命な取り組みにより、実質公債費比率は前年度より1.9ポイント低下して5.2%となり、将来負担比率については引き続きマイナスのため、制度的には比率は現れませんでしたが、実際の算定結果としては、マイナスの度合いがマイナス34.7からマイナス54.2へと19.5ポイントも改善されるなど、区財政が確実に健全化しつつあることが明確に伺えます。また平成22年度決算は、歳入環境が厳しい中でも、これまでの構造改革による人件費などの歳出抑制が継続して図られた結果、これまでで最も低い人件費比率を達成いたしております。さらに何よりも、長年の懸案であった負の遺産の解消という画期的な成果を示し、区財政が健全化に向けて大きく前進したことを明確に示すとともに、将来の豊島区の発展を目指し、魅力と価値を生み出すまちづくりを積極的に推進したことが明らかとなった決算でありました。  総括質疑では、仮にこの長期負債が隠れ借金でなく、通常の起債であった場合、繰上償還がなければ、公債費比率、経常収支比率ともに2ポイント程度悪化してしまうような状態であったことも明らかにされ、改めてその重さを実感したところであります。こうしたことを踏まえて、我が会派は構造改革を着実に推し進めるとともに、過去の教訓を踏まえて、豊島区の将来について常に先を読み、積極的に負の遺産の解消を図ってこられた高野区長の先見の明と、これまでのご努力に対し深く敬意を表するとともに、その揺るぎない信念に基づく卓越した決断力と実行力を高く評価するものであり、厳しい状況の中、さらなるご努力を期待するものであります。  それでは、引き続き、款別に若干の提言を含め意見を申し上げさせていただきます。  まず、議会費・総務費についてであります。防災、減災については、地域の協力と初動対応力の強化が大変重要であり、総合防災訓練への小中学生の参加が定着してきたことは大変心強く、今後も特に中学生の力の発揮を期待するとともに、セーフコミュニティの視点からも、簡易水道、消火装置などの普及を進め、特に消防車の入れないようなところへの優先的な設置を要望いたします。入札・契約制度については、厳しい経済状況の中で必死に頑張っている区内業者の皆さんに仕事が行きわたるよう、今後も改善に努めていただくとともに、適正でない価格での落札により、実施される工事に区民の皆さんから不安を持たれるような業者については、しっかりと指導・監督をお願いいたします。またセーフコミュニティの認証取得事業については、GISシステムによる情報提供の充実を今後も進めていただくとともに、私たちにとって栄誉である認証取得に向け、地域区民ひろばでの取り組みや生活安全条例の改正なども含めて、今後も安全・安心な都市づくりに努力いただくよう望みます。広報としまの全戸配付については、高齢者の雇用促進という点でも評価できるものであり、今後も情報弱者を生み出さず、安全で住みよい街をつくり上げることを念頭に置かれて努力していただきたいと望みます。また、区政施行80周年は、大変重要な意義と課題を持ったものであり、セーフコミュニティを記念事業の大きな柱にし、ぜひとも区を挙げて素晴らしいいイベントとなりますように取り組まれることをお願いいたします。地域防犯力向上事業については、防犯カメラの設置は犯罪抑止力として大変有効であると考えますので、セーフコミュニティの観点からも、東京都とも連携し、商店街等の意向も十分に把握されながら、今後も防犯について十分な対策をしていただきますようお願いいたします。また、高齢者にとって重要な防犯ベルや防犯灯への対策や、地域の中の死角となっている月極めの民間駐車場についての対策についても、拡充を要望いたします。町会活動の支援については、マンション建築に関する事前協議制度が町会への加入促進に一定の効果を上げておりますが、さらに建築後の検証や見守りについてもお願いをするとともに、町会活動活性化支援事業では、掲示板の改善にとどまらず、加入者の増加につながるよう、また町会を魅力的なものにするための様々な事業への支援をお願いいたします。新庁舎整備については、新築工事の行程を近隣への説明会は当然ながら、できればそれに先んじて議会にご報告をいただきたい。また総合窓口化によるワンストップサービスの実現に当たり、引越し直後から区民に質の高いサービスを提供できるよう研修に努めていただくとともに、この新庁舎を区政改革の千載一遇のチャンスと思い、やりがいのある職場、誇りを持って働ける職場となることを期待しております。  次に、福祉費、衛生費についてであります。増加傾向にあるひとり親家庭については、近年の社会情勢の中で、就労や子育て、生活資金の確保など様々な課題があり、今後も一層の福祉の増進を図られますよう要望いたします。また敬老の日事業については、我々の強い要望を受け、23年度はより充実していただいたところ、該当になったご本人だけではなく、家族の皆さんも大変喜んでいただいていることから、このような、区民の皆さんが喜ぶ事業については、今後もますます拡充していただくよう要望いたします。敬老入浴事業については、利用者も増えて大変好評ですが、ICカードの幅広い活用や利用回数を無制限にする工夫など、公衆浴場の支援ということも踏まえて、さらなる拡充や検証をしていただくようお願いいたします。子ども家庭支援センターについては、一時保育を初め、利用率も大変高く、地域の中でなくてはならない存在となっていることから、今後も施設や事業の拡大を図っていただくようお願いいたします。生活保護については、特に稼働年齢世代の勤労意欲を奪うことにもなることから、ある程度の期間を区切ることも考えるべきではないかと思いますし、また悪質な不正受給者については、23区の連携でブラックリストをつくる対策、海外旅行をしている不正受給者への対策、そして議員の口ききの防止対策など、本当に困っている人たちが犠牲にならないよう、ぜひとも不正のない生活保護行政の実現をお願いいたします。子ども・子育て新システムの検討方向については、様々な危惧を抱く一方で、他区の視察も踏まえて認定こども園へのニーズの高さを感じるところから、今後、私立幼稚園、保育園の先生方との話し合いを充実させ、今のうちから豊島区の基本方針の策定を検討されるよう望みます。また女性の健康づくりについては、今後、働く女性の増加に当たって、平日以外の検診の実施も含めて施策を検討していただくともに、ヒブワクチンについても、財源を見据えながら、ぜひ全額助成ということを対応していただくようお願いいたします。がん検診事業については、がん講座によってがん対策に向き合う必要性を身にしみて感じたところであり、地域医療の充実、がん予防を含めた対策を、これからもぜひ強化していただくよう要望いたします。人と動物の共生については、大変幅広く奥が深い難しい課題でありますが、ステッカーの配付や震災時のペット対策についてのマニュアル作成も含め、今後も対応をお願いいたします。  次に、清掃環境費、都市整備費、土木費であります。上池袋地区は木造密集地であり、国立印刷局池袋宿舎跡地については、今回の震災を受けて、まちづくり協議会の皆さんも積極的に計画の策定に向けて努力されており、ぜひとも用地を取得され、防災公園として整備していただくよう要望いたします。池袋駅周辺整備事業については、高齢者のみならず、子どもを持つ親の立場からもバリアフリーへの取り組みの遅れを感じるところであり、多くの事業者の方々と様々な検討を重ねていただいて、ぜひとも実現に向けたステップを踏んでいかれるようお願いいたします。自転車の総合計画の見直しは大変重要であり、その中で、特に商業施設・集客施設の駐輪対策について、企業だけに頼らず区としても連携した施策を講じていただくなど、区民のニーズに合わせた施策を今後も強化していただきますようお願いいたします。また路上喫煙ポイ捨て防止事業については、多少路上喫煙率は下がっていますが、簡易な喫煙所の整備のために苦情が出ており、たばこ税の収入も踏まえて、たばこを吸わない方のためにも、囲いのあるようなしっかりとした喫煙所の整備と、池袋駅のみならず、多くの駅周辺へも設置を要望いたします。アスベストに関する台帳整理の取り組みについては、大変時間と手間がかかる地味な作業でありますが、今回の震災を踏まえ、将来に禍根を残さないようしっかりと続けていただくと同時に、既存建物の解体時などにおいて、環境と建築審査の十分な連携の下でデータの活用を図っていただくようお願いいたします。狭あい道路整備については、その進捗状況もさることながら、最近発表された東京都の不燃化プロジェクトも含め、少なくとも消防自動車が入る道路を確保するべく、今後も建築主や地域の理解を求めて努力されるようお願いいたします。また、池袋西口駅前街区まちづくり推進事業については、国や都の支援や規制緩和を大きく受けながら、特に震災を踏まえて、できるだけ早く駅周辺の老朽化ビルの共同建て替えを進められるよう、また、地権者の税制優遇など、緊急整備の指定支援を受けられるように最善の努力をお願いいたします。建築確認審査については、民間への確認申請の大幅な増加を踏まえ、今後はより高所からの民間への監督指導という役割が重要であり、またこれからの建築行政が、震災を踏まえて安全・安心な建物の確保に様々な面から取り組まれるよう望みます。  次に、文化商工費、教育費についてであります。中小企業の支援については、起業資金を初めとする融資、好評なビジネスサポートや、セーフティネット制度、そして新たな緊急保証認定への取り組みなど、今後も力強く中小企業をサポートしていただくよう、行政の支援を強く要望いたします。就労支援、中小企業の人材確保については、大変な就職難という状況の中で、従来の施策に加え、学生側のニーズを把握する新たな取り組みは大変重要であり、それらを踏まえて早期に対策を講じられるよう要望いたします。伝統工芸振興事業については、昔から伝わっている文化やものづくりを大事にしていただき、ご年配で一生懸命頑張っておられる伝統工芸保存会の方々への支援を、もう少し手厚くしていただきますよう要望いたします。観光振興のイベント事業については、街の活力の源であり、コミュニティを形成し経済効果の促進にもなる重要な役割を果たしており、観光案内マップも、単独ではなく、一年間四季を通した豊島区全体のわかりやすいイベントマップをぜひ作成していただくとともに、区政80周年に向けた記念事業については、各団体の新たな取り組みに、助成の拡充についても検討を要望いたします。また、都市交流事業については、大震災を契機に、空いている家を持つ都市に街ごと集団移転するようなことの検討も含め、来年の区政80周年には、防災協定都市でなくても、南西地方も含めて、日本国中と絆を深めていただくようお願いいたします。ジュニア育成・シニアスポーツ振興事業については、スポーツを通じての高齢者の介護予防、あるいは必ずやオリンピックの選手を育てるという志の下に事業を続けることが重要であり、元来、自然環境などの条件が乏しい豊島区であるだけに、光るスポーツ行政を目指して、ぜひ事業の拡充を図り、区民の健全育成、また体力の保持に活用できるようお願いいたします。また、豊島区独自の学力調査については、引き続き悉皆調査ということを重視され、今後も国による抽出校以外の学校を含めて、マンツーマンの心の通った教育を充実されるようにお願いいたします。学校開放事業については、運営体制の見直しに様々なご意見がありましたが、まだまだ働き盛りで、地元のことを熟知されている方々が登録されているシルバー人材センターの存在は大変重要であり、積極的に後押しをするためにも、センターへの委託を進めるべきだと思っております。  次に、歳入についてであります。区民税については、景気好転の最中に大震災に遭い、いま一度気を引き締める必要がありますが、厳しい中でも滞納繰越分の収納率は改善されたということであり、さらなる改善にぜひ地道に取り組まれるようお願いするとともに、今後の見通しについては、世界の環境が変化する中、ぜひ慎重に情勢を見極めて、的確な判断ができるように努めていただきたいと思います。狭小住戸住宅税については、町会加入との関係もあり、見直しを含め、抑制のための税であることを確認しつつ検討いただくようお願いいたします。また、たばこ税については、たばこを吸う方々によって税収が確保されていることも十分に考えていただき、一方的な見解で喫煙者を締め出すのではなく、受け入れる態勢も整えていただきたいと思います。  次に、特別会計についてであります。介護保険事業は、高齢者福祉を支える根幹事業であり、今後ますます高齢化が進展する中で、平成24年度から、第5期の事業計画において、地域包括ケアシステムの構築を最重点課題にしながら、事業のさらなる充実に向けて今後もしっかりと取り組むとともに、23区の中でも豊島区の介護保険事業が高い評価を受けることができますように、切に要望いたします。  以上、一般会計歳入歳出決算及び特別会計決算に対する意見を申し上げましたが、総じて見ますと、平成22年度決算は、様々な区民の需要に応えながらも、負の遺産の解消を果たした点において、また区財政の健全化の歩みにおいても画期的といえる決算であると評価しております。しかしながら、現下の社会経済情勢や23区における本区の財政状況を踏まえますと、今なお負債の負担は依然として重く、様々な財政指標もまだまだ下位に位置しているという現状であります。また、高齢化の進展に伴う扶助費、医療費及び介護給付費等の増大、学校改築など老朽化施設への対応など、困難な課題が山積しています。これらの解決のためにも、あるいは安定的に区民サービスを継続するためにも、調整能力を備えた一定の財政調整基金が必要でありますが、十分確保されているといえる状況ではありません。景気は震災直後の落ち込みからは回復しつつあるものの、世界の経済情勢が依然として先行き不透明となっている今日、まさに危険水域の一歩手前であり、現在と将来の区民サービスについて、極めて慎重な判断が求められる、非常に大切な時期であると思われます。したがいまして、今後の財政運営に当たっては、さらなる経費節減や事務事業の見直しを行うこと、負の遺産解消の成果に立って、さらに盤石な財政基盤を構築する努力を継続すること、そして将来に向けた戦略的な施策の展開については、確実に成果を生み出す政策に重点を絞り、効果的に財源を投入することが重要であります。  今後も堅実な財政運営を継続されることを切に要望いたしまして、平成22年度の各会計の決算認定に対する賛成討論といたします。ご清聴誠にありがとうございました。(拍手) ○議長(里中郁男) 討論を終わります。  これより採決に入ります。  まず、認定第1号について採決いたします。  本件について、決算特別委員長の報告どおり、これを認定することに賛成の方はご起立願います。   〔賛成者起立〕 ○議長(里中郁男) ご着席願います。  起立多数と認めます。  よって、認定第1号は認定することに決定いたしました。 ──────────────────────────────────────── ○議長(里中郁男) 次に、認定第2号について採決いたします。  本件について、決算特別委員長の報告どおり、これを認定することに賛成の方はご起立願います。   〔賛成者起立〕 ○議長(里中郁男) ご着席願います。  起立多数と認めます。  よって、認定第2号は認定することに決定いたしました。 ──────────────────────────────────────── ○議長(里中郁男) 次に、認定第3号について採決いたします。  本件について、決算特別委員長の報告どおり、これを認定することに賛成の方はご起立願います。   〔賛成者起立〕 ○議長(里中郁男) ご着席願います。  起立多数と認めます。  よって、認定第3号は認定することに決定いたしました。 ──────────────────────────────────────── ○議長(里中郁男) 次に、認定第4号について採決いたします。  本件について、決算特別委員長の報告どおり、これを認定することに賛成の方はご起立願います。   〔賛成者起立〕 ○議長(里中郁男) ご着席願います。  起立多数と認めます。  よって、認定第4号は認定することに決定いたしました。 ──────────────────────────────────────── ○議長(里中郁男) 次に、認定第5号について採決いたします。  本件について、決算特別委員長の報告どおり、これを認定することに賛成の方はご起立願います。   〔賛成者起立〕 ○議長(里中郁男) ご着席願います。  起立多数と認めます。  よって、認定第5号は認定することに決定いたしました。 ──────────────────────────────────────── ○議長(里中郁男) 最後に、認定第6号について採決いたします。  本件は、決算特別委員長の報告どおり、これを認定することにご異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(里中郁男)  ご異議ないものと認めます。  よって、認定第6号は認定することに決定いたしました。 ───────────────────◇──────────────────── ○議長(里中郁男) 日程第7を議題といたします。 ○事務局長(陣野原伸幸) 第38号議案、豊島区災害弔慰金の支給等に関する条例の一部を改正する条例、委員会審査報告。 ○議長(里中郁男) 本議案について、総務委員長より報告がございます。   〔村上宇一議員登壇〕 ○24番(村上宇一) 第38号議案、豊島区災害弔慰金の支給等に関する条例の一部を改正する条例について、総務委員会の審査報告を申し上げます。  本案は、災害弔慰金の支給等に関する法律の一部改正に伴い、災害弔意金の支給の対象となる遺族の範囲に、死亡した者の死亡当時その者と同居し、または生計を同じくしていた兄弟姉妹を加えるとともに、その支給順位を定めるものであり、公布の日から即日施行し、本年3月11日から適用するものであります。  本委員会は、本案について、慎重に審査した結果、異議なく原案を可決すべきものと決定した次第であります。  以上で、報告を終わります。 ○議長(里中郁男) これより討論に入ります。 ○6番(関谷二葉) 第38号議案は直ちに採決に入ることを望みます。   (「賛成」と呼ぶ者あり) ○議長(里中郁男) 賛成者がございますのでお諮りいたします。  本動議にご異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(里中郁男) ご異議ないものと認め、これより採決に入ります。  第38号議案は、総務委員長の報告どおり、原案を可決することにご異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(里中郁男) ご異議ないものと認めます。  よって、第38議案は原案が可決されました。 ───────────────────◇──────────────────── ○議長(里中郁男) 日程第8を議題といたします。 ○事務局長(陣野原伸幸) 第39号議案、豊島区特別区税条例の一部を改正する条例、委員会審査報告。 ○議長(里中郁男) 本議案について、区民厚生委員長より報告がございます。   〔河野たえ子議員登壇〕 ○36番(河野たえ子) 第39号議案、豊島区特別区税条例の一部を改正する条例について、区民厚生委員会の審査報告を申し上げます。  本案は、地方税法等の一部改正に伴い、寄附金税制の拡充、国税の見直し内容に合わせた所要の罰則の見直しなどのほか、規定の整備などを図るものであります。改正条例は公布の日から即日施行するものですが、一部の改正規定につきましては、公布の日から起算して2カ月を経過した日及び平成25年1月1日から施行するものであります。  本委員会は、本案について、慎重に審査した結果、賛成多数により原案を可決すべきものと決定した次第であります。  以上で、報告を終わります。 ○議長(里中郁男) これより討論に入ります。
    ○6番(関谷二葉) 第39号議案は直ちに採決に入ることを望みます。   (「賛成」と呼ぶ者あり) ○議長(里中郁男) 賛成者がございますのでお諮りいたします。  本動議にご異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(里中郁男) ご異議ないものと認め、これより採決に入ります。  第39号議案について、区民厚生委員長の報告どおり、原案を可決することに賛成の方はご起立願います。   〔賛成者起立〕 ○議長(里中郁男) ご着席願います。  起立多数と認めます。  よって、第39号議案は原案が可決されました。 ───────────────────◇──────────────────── ○議長(里中郁男) 日程第9を議題といたします。 ○事務局長(陣野原伸幸) 第40号議案、南大塚地域文化創造館他大規模改修工事請負契約について、委員会審査報告。 ○議長(里中郁男) 本議案について、総務委員長より報告がございます。   〔村上宇一議員登壇〕 ○24番(村上宇一) 第40号議案、南大塚地域文化創造館他大規模改修工事請負契約について、総務委員会の審査報告を申し上げます。  本案は、条件付一般競争入札の結果、小松原・坂本特定建設工事共同企業体と契約をするものであります。  本委員会は、本案について、現地視察も行い、慎重に審査した結果、異議なく原案を可決すべきものと決定した次第であります。  以上で、報告を終わります。 ○議長(里中郁男) これより討論に入ります。 ○6番(関谷二葉) 第40号議案は直ちに採決に入ることを望みます。   (「賛成」と呼ぶ者あり) ○議長(里中郁男) 賛成者がございますのでお諮りいたします。  本動議にご異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(里中郁男) ご異議ないものと認め、これより採決に入ります。  第40号議案は、総務委員長の報告どおり、原案を可決することにご異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(里中郁男) ご異議ないものと認めます。  よって、第40議案は原案が可決されました。 ───────────────────◇──────────────────── ○議長(里中郁男) 日程第10及び第11を一括して議題といたします。 ○事務局長(陣野原伸幸) 第41号議案、特別区道路線の認定について外1議案、委員会審査報告。 ○議長(里中郁男) 2議案について、都市整備委員長より報告がございます。   〔木下 広議員登壇〕 ○29番(木下 広) 第41号議案及び第42号議案について、都市整備委員会の審査報告を申し上げます。  第41号議案、特別区道路線の認定については、第42号議案より廃止される区道のうち一般交通の用に供する必要のある区間について、廃止に先立ち、特別区道として認定するものであります。  第42号議案、特別区道路線の一部廃止については、都市計画道路補助第172号整備事業により、特別区道路線、豊65号のうち、西池袋三丁目1273番1先から同所1265番5先までの路線を一部廃止するものであります。  本委員会は、以上の2議案について、現地視察も行い、慎重に審査した結果、いずれも異議なく原案を可決すべきものと決定した次第であります。  以上で、報告を終わります。 ○議長(里中郁男) これより討論に入ります。 ○6番(関谷二葉) 第41号議案及び第42号議案の2議案は直ちに採決に入ることを望みます。   (「賛成」と呼ぶ者あり) ○議長(里中郁男) 賛成者がございますのでお諮りいたします。  本動議にご異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(里中郁男) ご異議ないものと認め、これより採決に入ります。  第41号議案及び第42号議案の2議案は、都市整備委員長の報告どおり、原案を可決することにご異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(里中郁男) ご異議ないものと認めます。  よって、これら2議案は原案が可決されました。 ───────────────────◇──────────────────── ○議長(里中郁男) 日程第12から第14までを一括して議題といたします。 ○事務局長(陣野原伸幸) 第43号議案、平成23年度豊島区一般会計補正予算(第3号)外2議案、委員会審査報告。 ○議長(里中郁男) 3議案について、それぞれ所管の委員長より報告がございます。  まず、第43号議案について、総務委員長より報告がございます。   〔村上宇一議員登壇〕 ○24番(村上宇一) 第43号議案、平成23年度一般会計補正予算(第3号)について、総務委員会の審査報告を申し上げます。  今回の歳入歳出補正予算の総額は8億3,522万円で、これにより歳入歳出予算の総額は1,043億3,630万7,000円となるものであります。  歳出の内容として、第2款総務費は、ホストコンピュータ災害対策システムの構築経費、窓口サービス・レベルアップ事業経費ほかを計上し、池袋駅周辺混乱防止対策活動拠点運営経費、セーフコミュニティ認証取得事業経費ほかに予算を追加計上するものであります。第3款福祉費は、子育て相談管理システムの構築経費ほかを計上し、豊島区子ども虐待防止ネットワーク事業経費に予算を追加計上するものであります。第4款衛生費は、予防接種(定期)経費に予算を追加計上するものであります。第5款清掃環境費は、中小規模事業者等CO2削減円滑化支援事業経費を計上するものであります。第6款都市整備費は、特定緊急輸送道路沿道建築物耐震診断助成経費を計上するものであります。第8款文化商工費は、区内雇用・経営状況実態調査経費を計上するものであります。第9款教育費は、学校安全安心事業経費ほかに予算を追加計上し、学校施設設備調査経費ほかを計上するものであります。第11款諸支出金は、公共施設再構築基金積立金ほかに予算を追加計上するものであります。  以上に充てる歳入として、国庫支出金、都支出金、繰入金、諸収入に予算を追加計上するものであります。  このほか、債務負担行為の補正として、駒込第一保育園の改築に伴う仮園舎の賃貸借契約の期間及び限度額を定めるものであります。  本委員会は、本案について、慎重に審査した結果、異議なく原案を可決すべきものと決定した次第であります。  以上で、報告を終わります。 ○議長(里中郁男) 次に、第44号議案及び第45号議案の2議案について、区民厚生委員長より報告がございます。   〔河野たえ子議員登壇〕 ○36番(河野たえ子) 第44号議案及び第45号議案について、区民厚生委員会の審査報告を申し上げます。  第44号議案、平成23年度豊島区後期高齢者医療事業会計補正予算(第1号)の、今回の歳入歳出補正予算の総額は2億8,662万7,000円で、これにより歳入歳出予算の総額は53億4,434万5,000円となるものであります。  歳出の内容として、広域連合分賦課金及び平成22年度の精算に伴う一般会計繰出金へ予算を追加計上するもので、これに充てる歳入として、繰越金、諸収入に予算を追加計上しております。  第45号議案、平成23年度豊島区介護保険事業会計補正予算(第1号)ですが、今回の補正予算の総額は2億9,963万5,000円で、これにより歳入歳出の総額は156億9,528万2,000円となるものであります。  歳出の内容として、介護給付費準備基金積立金などに予算を追加計上するもので、これに充てる歳入として、国庫支出金、支払基金交付金などに予算を追加計上しております。  本委員会は、以上の2議案について、慎重に審査した結果、いずれも異議なく原案を可決すべきものと決定した次第であります。  以上で、報告を終わります。 ○議長(里中郁男) これより討論に入ります。 ○6番(関谷二葉) 第43号議案から第45号議案までの3議案は直ちに採決に入ることを望みます。   (「賛成」と呼ぶ者あり) ○議長(里中郁男) 賛成者がございますのでお諮りいたします。  本動議にご異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(里中郁男) ご異議ないものと認め、これより採決に入ります。  第43号議案は総務委員長の報告どおり、第44号議案及び第45号議案は区民厚生委員長の報告どおり、原案を可決することにご異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(里中郁男) ご異議ないものと認めます。  よって、これら3議案は原案が可決されました。 ───────────────────◇──────────────────── ○議長(里中郁男) 日程第15から第17までを一括して議題といたします。 ○事務局長(陣野原伸幸) 23陳情第20号、新庁舎建設計画について、見直しを求める陳情外2件、委員会審査報告。 ○議長(里中郁男) これより討論に入ります。  この際、23陳情第20号について32番議員より、23陳情第18号について15番議員より討論の通告がございましたので、順次これを許可いたします。  まず、32番議員より発言がございます。   〔本橋弘隆議員登壇〕(拍手) ○32番(本橋弘隆) 自民党豊島区議団幹事長の本橋弘隆でございます。私は、ただいま議題とされております23陳情第20号、新庁舎建設計画について、見直しを求める陳情につきまして、不採択とすることに賛成する立場から討論をいたします。  この度の陳情は、昨年の第4回定例会で議決した新庁舎の位置変更条例の審議の基となりました、新庁舎建設計画の見直し・中止を求めるものであります。昨年12月の条例審査の際には、陳情の新庁舎建設計画の見直し・中止の理由で述べられていることも含めて、総務委員会で2日間にわたって十分に議論し尽くしたはずであります。その上で、条例は12月10日の本会議で議決されたのであります。この議案は、出席議員の3分の2以上の特別多数の同意が必要な、非常に重要な議案であり、豊島区議会史上初めてとなる記名投票による表決が行われ、議決されたものなのであります。この議決により、新庁舎整備に関する豊島区の意思が決定されたわけであります。このような経過を踏まえた新庁舎の整備・移転の計画を、わずか1年足らずの状況で見直し・中止するなどということは、我が国の地方自治制度を否定するものということができます。10月3日に開かれた総務委員会では、陳情の採択を主張した委員は、「管理規約が示されないのに庁舎の着工をするのはおかしい」とか、「建設工事に入る前であれば、庁舎をつくるか、つくらないかという、検討のし直しができると思う」といった発言をされました。新庁舎の建築工事の着工は、管理規約が作成されてから行うなどとは、これまでの理事者の説明にもありませんでしたし、推進計画にも着工してからも並行して検討することになっております。また、昨年の区議会の議決を受けて、再開発への同意が区から組合に示され、その後、市街地再開発事業の権利変換が行われました。地権者の方々の仮住居への移転も完了し、お住まいの建物の解体工事が進んでいる中で、庁舎をつくるか、つくらないかといったような事業の見直しができるはずがないことは、昨年12月の議決の際に誰もがわかっていたことであります。新庁舎の位置変更条例の議決を再開発事業の実施的なスタートとなる権利変換計画認可申請前の昨年12月に行ったことも、最終的な決断をこの時期に下す必要があったからであります。  見直しを求める陳情の理由として、「現庁舎地区の定期借地による収入額の確定額を明らかにすること」と書かれてありますが、この議論についても、条例議決前に、様々な議会の場で議論し尽くした内容であります。確定額が新庁舎への移転前後の定期借地人との契約手続き中に明らかになることは、議論の大前提でありました。また、「区有地の資産活用で資金を捻出する方法では、資金計画が確定しないため反対である」とのことですが、新庁舎を建設するための基金はなく、庁舎を新築するにしても、大規模改修するにしても、ほかの方法としては起債という借金に頼るしかないのであります。そのようなことが、現在の豊島区の状況で得策であるかどうかが、この庁舎をめぐる議論の出発点だったはずであります。区財政に負担をかけず、他の事業予算にも影響を与えることなく新庁舎を整備する方法として、区は、市街地再開発事業と資産活用で整備する計画案を考え、区民の方々並びに我々区議会に対して、丁寧かつ辛抱強く理解を求めるための努力を重ねてきた。そのように評価しております。この度の新庁舎の整備手法、資金計画は、現時点で定期借地の収入額が確定しなくとも、財政的な視点で見た場合、他の方法に比べて最もすぐれた方法であることから、新庁舎の移転が決定されたと考えております。  陳情の採択を主張した委員は、「この度の東日本大震災は、高層建物の危険性をまざまざと示した」といった発言をされました。大地震に対する心配も、新庁舎を含む再開発建物の建築構造は、現在の技術の最高水準で計画されており、その安全性は既に広報でも周知されているところですし、区民の皆さんも、災害対策の拠点である新庁舎の重要性を、むしろこの度の大震災で再認識したことと思います。いざというときの拠点として、現在の本庁舎は脆弱であり、新庁舎の早期完成に、区民の期待はさらに増してきているのであります。そうした意味では、陳情の採決に当たり、白か黒か、イエスかノーか、その立場性を明確にすることなく、当初は継続審査を主張され、それが否決されるや退席をされた委員がいらっしゃったことは、誠に残念と言わざるを得ませんし、さらに本会議場においても退席するようであるならば、それはもう議会人としての重責を放棄することであるといってもよいでしょう。そもそも特別多数決をとる理由は、極めて重要な案件について僅少差でことを決することを防ぐとともに、多数会派の専横を抑止することにあります。そこから、地方自治法上も、議員の資格の決定とか、議会の秘密会の開会など、極めて重要なもののみに限られております。それだけの重みのある議決を経てきた上で、今回の案件があるとの認識さえあれば、自らの立ち位置を明確に区民の皆さんに示し、お訴えするのが、議会人としての務め、職責ではないでしょうか。  豊島区の長年の課題でありました新庁舎建設は、再開発区域の建物の解体もほぼ終わり、いよいよ来年2月には新築工事の着工に入る予定とのことであります。私たち自民党豊島区議団は、利用しやすい庁舎、質の高い区民サービスを提供できる庁舎、また防災対策の拠点として、区民生活の安全を守ることのできる庁舎、この早期実現を、適宜、自民党豊島区議団ニュースという我が会派の新聞で、または区民センターにて建設推進区民大会を大盛況のうちに主催するなどして、長年にわたり訴え続けてまいりました。これまで長い間、区民の皆さんには辛抱していただきましたが、もはやこれ以上待っていただくわけにはいきません。現在の新庁舎整備スケジュールに基づき、着実に建設を進め、一日でも早く整備するよう、引き続き求めるものであります。  以上により、23陳情第20号、新庁舎建設計画について、見直しを求める陳情は、不採択とするのが妥当であります。  以上で、討論を終わります。ご清聴誠にありがとうございました。(拍手) ○議長(里中郁男) 次に、15番議員より発言がございます。
      〔森 とおる議員登壇〕(拍手) ○15番(森 とおる) 私は、日本共産党豊島区議団を代表して、ただいま議題とされております、23陳情第18号、区民のいのちを守るため、国保料の引き下げを求める陳情について、不採択に反対し、直ちに採択すべき立場から討論を行います。  これまで23区では、国民健康保険料は、制度発足当初から、住民税をもとに計算する住民税方式を採用してきましたが、本年度から所得額をもとに計算する旧ただし書き方式に変更しました。変更の理由は、住民税方式では、近年の度重なる税制改正の都度、保険料が激変する階層が生じるなどの問題点が顕在化し、また、医療費の増大が続く中で、中間所得層に負担が集中するという問題もある上、国保制度の広域化の流れに適合できないことなどを挙げています。この計算式の変更により、保険料が値上げされ、区民から驚きと怒りの声が広がっています。本陳情は、高過ぎるため保険料を滞納し、保険証を取り上げられて受診できない事例が増えていることを看過できないとし、一つ、2年間の経過措置を延長し恒常的な制度とすること、一つ、保険料の区独自の助成制度を創設すること、一つ、保険料負担増を抑えるため、国や都に必要な財源措置を求めることといった保険料の引き下げを求めるものであります。いずれも重要であり、区議会として、この切実な声に応えなければなりません。  まず1点目は、高過ぎる保険料について述べます。本区の国保加入世帯のうち、所得200万円以下は全体の77%、4万6,122世帯、所得金額のない世帯は40%、2万4,034世帯と、データから、経済基盤の弱い加入世帯の実態がわかります。今年度、旧ただし書き方式に移行したことにより、低所得者を中心に各種控除を受けている世帯の保険料がはね上がりました。これまでの住民税方式は、収入から基礎控除、扶養控除、配偶者控除、障害者控除、社会保険料控除などを引いて計算される住民税を基礎にして保険料を計算していました。ところが、旧ただし書き方式では、収入から基礎控除33万円しか引かずに保険料を計算するため、低所得者や扶養家族の多い世帯、教育費のかかる子育て世帯、障害者など、様々な所得控除や税額控除がある区民ほど影響を受けることになりました。本区では、保険料が上がる世帯は全体の26.6%、1万4,244世帯としています。多くの世帯に影響が及んでいるのです。一例を挙げると、年収300万円の給与所得で4人家族の場合では、16万7,000円であった保険料が22万7,000円と、6万円も値上げされました。2年間の経過措置がなくなれば、12万円もの値上げとなってしまうのです。特に見過ごせない問題は、住民税非課税世帯であるにもかかわらず、これまで賦課されていなかった所得割が新たに賦課された世帯が1,766世帯あるとしており、1世帯当たり平均1万3,000円の値上げです。住民税非課税世帯は収入が低いために、税金が賦課されない世帯です。そういう世帯に所得割を賦課するなど許されないことです。この世帯が値上げにならないようにするには、2,300万円を投入すれば救済できるのです。しかし、私が一般質問や各委員会において救済策を求めても、区は、既に繰入金を投入しており、一部の区民のために、これ以上一般財源を投入することは公平性の観点からできないなどとして拒否しました。公平性というならば、所得割を賦課することこそ不公平ではありませんか。せめてこのような世帯に対しては、区が一般財源を投入し救済すべきです。深刻な不況の下、暮らしが厳しいときに、特に負担の重い国保料を値上げすることは、区民の実態を見ていないことにほかなりません。  2点目は、高過ぎる保険料を払えずに、滞納世帯が増加することについてです。経済基盤の弱い加入者が多い国保において、保険料の引き上げは、収納率の低下という形で顕在化しています。高過ぎる保険料が払えずに、収納率は70%台に落ち込んでいます。今年度の値上げで一層滞納者が増えることが予想されます。本年3月末時点、短期証は3,634世帯、資格証は3,121世帯に発行されています。特に本区の資格証の発行率は、23区の中でも高く、看過できない問題です。資格証は病院の窓口で全額医療費を立て替えて支払わなければなりません。そのために医者にかかることをためらい、症状が悪化し、最悪のケースでは命に関わる問題になりかねません。このように、区民の医療を受ける機会を奪うものです。  3点目は、国保の広域化についてです。政府の医療制度改革方針は、後期高齢者医療制度を廃止し、75歳以上の高齢者を国保に戻すと同時に、国保の事業運営を都道府県単位に広域化させる方針です。東京都と23区の基本的方針性も同じです。この広域化は、区市町村が国保会計に繰り入れている一般会計をなくそうというねらいがあります。ほかにも、自治体独自の施策である減免制度など、軽減策を実施する仕組みがなくなることも確実視されています。さらには、後期高齢者医療制度のように、議会と区民の声が届かなくなり、一層保険料の値上げや給付抑制に歯止めがかからなくなります。医療からの排除がこれまで以上に進むことになります。  さて、区民厚生委員会の陳情審査において、ほかの会派の委員から、国保制度を維持するためにはやむを得ないというような意見がありました。本来、国民健康保険制度は、国民皆保険の理念の下、高齢者や自営業者、失業者などは安心して医療を受けられるためにつくられた制度です。毎年のように際限なく保険料が値上げされれば、保険料が払えなくなり、保険証が発行されず医療が受けられなくなってくること自体、保険制度が崩壊することなるのではないでしょうか。先程も述べたように、値上げが続けば滞納がますます増加し、歳入が減少するという悪循環に陥り、それこそ制度が維持できなくなるのであります。  そもそも国保財政の危機の根本原因は、1984年以来の相次ぐ国庫負担削減策により、社会保障切り捨て構造改革路線を進めてきたことにあります。国は、国民と自治体への加重な負担の押し付けをやめて、国庫負担の大幅増額を行い、国保財政の安定に責任を果たすべきです。このことなくして自治体が福祉増進の役割を担うことはできません。そのためにも、区は、国に対し、国庫負担増額を強く求めるべきです。区は、全国市長会から要望していると言いますが、一向に効果はありません。区がこのような姿勢だからこそ、区議会として区民の切実な声に応えなくてはならないのです。憲法13条幸福追求権、25条生存権などの憲法原則にのっとった社会保障の再建を、区民は求めています。そのために、国保を国民皆保険制度の土台にふさわしい制度として充実させていくことが必要です。  よって、23陳情第18号、区民のいのちを守るため、国保料の引き下げを求める陳情は、採択すべきです。  以上、討論を終わります。(拍手) ○議長(里中郁男) 討論を終わります。  これより採決に入ります。  まず、23陳情第20号について採決いたします。  本件について、総務委員会の報告どおり、不採択とすることに賛成の方はご起立願います。   〔賛成者起立〕 ○議長(里中郁男) ご着席願います。  起立多数と認めます。  よって、23陳情第20号は不採択と決定いたしました。 ──────────────────────────────────────── ○議長(里中郁男) 次に、23陳情第18号について採決いたします。  本件について、区民厚生委員会の報告どおり、不採択とすることに賛成の方はご起立願います。   〔賛成者起立〕 ○議長(里中郁男) ご着席願います。  起立多数と認めます。  よって、23陳情第18号は不採択と決定いたしました。 ──────────────────────────────────────── ○議長(里中郁男) 最後に、23陳情第17号について採決いたします。  本件は、都市整備委員会の報告どおり、採択とすることに異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(里中郁男) ご異議ないものと認めます。  よって、23陳情第17号は採択と決定いたしました。 ───────────────────◇──────────────────── ○議長(里中郁男) 日程第18から第29までを一括して議題といたします。 ○事務局長(陣野原伸幸) 23陳情第11号、原発依存のエネルギー政策から自然エネルギーへの転換を求める陳情外11件、委員会継続審査申出。 ○議長(里中郁男) これより討論に入ります。 ○6番(関谷二葉) 23陳情第11号外11件は直ちに採決に入ることを望みます。   (「賛成」と呼ぶ者あり) ○議長(里中郁男) 賛成者がございますのでお諮りいたします。  本動議にご異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(里中郁男) ご異議ないものと認め、これより採決に入ります。  まず、23陳情第21号について採決いたします。  本件について、総務委員会の申し出どおり、閉会中の継続審査とすることに賛成の方はご起立願います。   〔賛成者起立〕 ○議長(里中郁男) ご着席願います。  起立多数と認めます。  よって、23陳情第21号は閉会中の継続審査とすることに決定いたしました。 ──────────────────────────────────────── ○議長(里中郁男) 次に、23請願第4号について採決いたします。  本件について、子ども文教委員会の申し出どおり、閉会中の継続審査とすることに賛成の方はご起立願います。   〔賛成者起立〕 ○議長(里中郁男) ご着席願います。  起立多数と認めます。  よって、23請願第4号は閉会中の継続審査とすることに決定いたしました。 ──────────────────────────────────────── ○議長(里中郁男) 次に、23陳情第15号について採決いたします。  本件について、子ども文教委員会の申し出どおり、閉会中の継続審査とすることに賛成の方はご起立願います。   〔賛成者起立〕 ○議長(里中郁男) ご着席願います。  起立多数と認めます。  よって、23陳情第15号は閉会中の継続審査とすることに決定いたしました。 ──────────────────────────────────────── ○議長(里中郁男) 次に、23陳情第19号について採決いたします。  本件について、子ども文教委員会の申し出どおり、閉会中の継続審査とすることに賛成の方はご起立願います。   〔賛成者起立〕 ○議長(里中郁男) ご着席願います。  起立多数と認めます。  よって、23陳情第19号は閉会中の継続審査とすることに決定いたしました。 ──────────────────────────────────────── ○議長(里中郁男) 最後に、ただいま議決いたしました4件を除く8件について採決いたします。  これら8件は、各委員会の申し出どおり、閉会中の継続審査とすることにご異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(里中郁男) ご異議ないものと認めます。  よって、これら8件は閉会中の継続審査とすることに決定いたしました。 ───────────────────◇──────────────────── ○議長(里中郁男) この際、日程の追加についてお諮りいたします。  ただいま、区長より、報告1件が提出されました。  よって、これを本日の日程に追加し、追加日程第1として直ちに議題といたしたいと存じますが、これにご異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(里中郁男) ご異議ないものと認め、そのように決定いたします。 ───────────────────◇──────────────────── ○議長(里中郁男) 追加日程第1を議題といたします。 ○事務局長(陣野原伸幸) 報告第17号、専決処分の報告について。 ○議長(里中郁男) 本件について、理事者より説明がございます。   〔水島正彦副区長登壇〕 ○副区長(水島正彦) 報告第17号、専決処分の報告についてのご説明を申し上げます。  本件処分は、去る10月3日に、区民住宅の滞納使用料等及び損害金について、利用者及びその連帯保証人を相手方として、東京地方裁判所に訴えの提起を行ったものでございます。本件は、平成17年第1回定例会において、東京簡易裁判所における即決和解につき専決処分の報告を行いました事件の利用者が、さらに滞納使用料等及び損害金を重ねて発生させた事件でございます。本件利用者は、平成18年9月に区民住宅を退去しておりますが、残債務について、いまだ弁済されないため、訴えを提起したものでございます。本件における請求金額は、金194万1,469円でございます。  以上でございます。よろしくお願い申し上げます。 ○議長(里中郁男) 説明が終わりました。  ご了承願います。 ───────────────────◇──────────────────── ○議長(里中郁男) 続いて、日程の追加についてお諮りいたします。  ただいま、議員提出議案として、意見書5件が提出されました。  よって、これらを本日の日程に追加し、追加日程第2から第6として直ちに議題といたしたいと存じますが、これにご異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(里中郁男) ご異議ないものと認め、そのように決定いたします。 ───────────────────◇──────────────────── ○議長(里中郁男) 追加日程第2から第6までを一括して議題といたします。 ○事務局長(陣野原伸幸) 議員提出議案第7号、原発からの速やかな撤退及び放射能対策を求める意見書外4議案。 ○議長(里中郁男) 5議案について、それぞれ提案者より提案理由の説明がございます。
     まず、議員提出議案第7号、第9号及び第11号について、26番議員より説明がございます。   〔小林ひろみ議員登壇〕(拍手) ○26番(小林ひろみ) 議員提出議案第7号、原発からの速やかな撤退及び放射能対策を求める意見書について、提案者である日本共産党豊島区議団を代表して、ご説明申し上げます。  東京電力福島原発の過酷事故から7カ月、今なお収束の見通しは立たず、深刻な放射能被害は福島県内だけでなく、全国に広がっています。徹底した計測と除染により放射能汚染から子ども・国民を守ること、原発事故で発生したあらゆる被害・損害を賠償させること、福島原発はすべて廃炉とし、さらに原発から撤退することが求められています。先程、議員協議会で、給食食材の放射性物質の測定結果の報告がありました。その際、各党から質疑がありましたが、子どもの命と安全を守るためには、自治体独自での測定や対応が必要であり、それについての国の財政支援を求めることは当然ですが、それだけはなく、政府に対し、国の責任で放射能汚染の実態の測定をすること。また、食品については、暫定規制値を超える食品を流通させないことは政府の最低限の責任であり、さらに早急に暫定規制値を検証し、必要な見直しを行うことを豊島区議会としても求めていく必要があると、改めて認識いたしました。政府は、最高水準の安全性が、原発について今にも実現できるかのように言って、新たな安全神話を振りまいています。しかし、福島第一原発でレベル7という世界最悪水準の原発事故を引き起こし、いまだに多くの人たちが住み慣れたふるさとに帰る見込みもたっていないこと、事故を機に全世界に広がっている原発からの撤退を求める声、避難生活を続ける被災者や、放射能から子どもたちをどう守るか真剣に悩んでいる親たちの気持ちが少しでもわかるなら、また、運転を続ければ放射性廃棄物がたまり続け、一旦事故を起こせば制御できなくなる原発の危険性を認識するならば、政府は原発からの速やかな撤退こそ決断すべきであります。よって、本意見書を提案するものであります。  以下、意見書文を朗読し、説明に代えさせていただきます。  原発からの速やかな撤退及び放射能対策を求める意見書。東京電力・福島原発事故は、日本と世界の人々に大きな衝撃を与え、原発に依存したエネルギー政策をこのまま続けていいのかという、重大な問題を突きつけています。そして、原発からの撤退を自然エネルギー(再生可能エネルギー)への大胆な転換への世界的な流れは、この事故を契機に、さらに大きくなっています。日本国内でも、各種の世論調査で、原発の「縮小・廃止」を求める声が過半数を占めるようになっています。今こそ、歴代日本政府が推進してきた原発依存のエネルギー政策を抜本的に転換する必要があります。また、今回の事故で、福島第一原発から放出された放射性物質は、「ウラン換算で広島型原発20個分」(児玉龍彦東京大学アイソトープ総合センター長 衆院厚生労働委員会参考人質疑)という見解も出されています。放射能による健康被害は、急性障害だけでなく、晩発性障害がある、放射線被ばくは少量であっても、将来、発がんなどの健康被害が起きる危険性があるなど、放射線被ばくの健康への影響は、「これ以下なら安全」という「しきい値」はなく、「少なければ少ないほど良い」というのが放射線防護の大原則です。今回の事故の重大さとその被害の深刻な実態を踏まえるなら、放射能汚染の実態を正確に把握し、その実態とリスクを国民に正直に明らかにし、その被害から国民の命と健康を守るために可能なあらゆる対策をとることが求められています。よって、豊島区議会は、下記の点について、政府が直ちに決断し、その対策を強化し、本腰を入れた取り組みを進めることを求めるものです。記。1、政府が原発からの速やかな撤退を政治的に決断すること、原発をゼロにする期限を切ったプログラムを策定すること。2、自然エネルギーへの転換をすすめること。3、国の責任で放射能汚染の実態を正確かつ全面的に把握する調査を系統的に実施すること。①、放射線量については、住民がわかるように、空中放射線量や土壌汚染など、放射能汚染の実態を把握するモニタリング調査を系統的に実施するとともに、学校や幼稚園、保育園、通学路、公園など、子どもが近づく場所、側溝など「ホットスポット」になりやすい場所を集中的に調査する必要がある。各自治体が、徹底した放射能汚染調査を行えるよう、専門家の派遣、相談体制、十分な財政支援など、国の支援体制を早急に整えること。②、食品検査機器と体制の整備について、都道府県に行わせているが、検査機器も体制も足りないために、実態の正確な把握には程遠い状態であるので、自治体任せにせず、国の責任で、民間の能力も活用し、最新鋭の検査機器を最大限に確保して、検査体制の抜本的強化を図ること。政府が、食品に関する暫定規制値を定めている以上、それを超える食品を市場に絶対に流通させないことは、政府の最低限の責任であり、同時に、科学者、専門家、生産者、消費者などの意見を踏まえ、暫定規制値を検証し、必要な見直しを絶えず行っていくこと。③、放射能に汚染された農産物、水産物を市場に流通させないための出荷停止などを効果的に行うためにも、放射能汚染に責任のない生産者への迅速な賠償が不可欠である。国が、買い取りなどを含め、生産者に損害を与えない万全の体制をとることを保障すべきであり、その賠償にかかる経費は東京電力に負担させること。以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。年月日、豊島区議会議長名。衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、経済産業大臣、内閣官房長官、国家戦略担当大臣、東日本大震災復興対策担当大臣あて。  続きまして、議員提出議案第9号、消費税率10%への大増税に反対する意見書について、提案者である日本共産党豊島区議団を代表し、ご説明申し上げます。  野田首相は9月13日の所信表明演説で、消費税増税法案の来年の通常国会への提出を表明、その後、10月12日には安住財務相は経団連との懇談会で2010年代半ばまでに10%に引き上げる政府方針に沿って、それを実現させることを強調しました。2012年の国会への増税法案の提出自体が、今回の選挙において負託された政権担当期間中において、税率引き上げは行わないという、2009年9月の社民党、国民新党との3党合意で述べていたことにも背く行為です。政府の社会保障・税の一体改革は、自公政権時代につくられた2009年度税制改正法附則104条に忠実に沿っています。社会保障財源を消費税に求める考えそのものが企業の社会保険料負担を一層削減することを求める財界の意向に従ったものです。その一方で、野田政権は、法人税をさらに減税する構えを示しています。民主党政権の財界直結ぶりは、自民党に勝るとも劣りません。米欧債務危機の深刻化を機に世界同時株安や異常な円高が起きています。再び世界的な金融経済危機の暗雲が漂っています。この中で、日本国民に増税を押しつければ、日本の消費はさらに減少し、世界経済にとっても悪影響を与えることは必至です。低所得者ほど負担の大きい逆進性のある消費税増税は許せません。ただでさえ深刻になっている区民生活への影響は計り知れません。先見の明のある方々ならおわかりのはずであります。よって、本意見書を提案するものです。  以下、意見書文を朗読し、説明に代えさせていただきます。  消費税率10%への大増税に反対する意見書。今、区民の多くは、収入が減り続け、医療・年金・介護などの負担が増えて、ますます生活が苦しくなっています。ところが、新しく発足した野田内閣は、「復興増税」の具体化の検討を政府税制調査会に指示し、社会保障と税の「一体改革」に基づく消費税増税について、今年度中に増税法案を提出する方針です。「消費税10%」宣言に怒りと不安が広がっています。そもそも消費税は、所得の低い人ほど負担が重い「くらし破壊税」です。大企業は一円も負担せず、中小企業や消費者だけがしわ寄せを受ける最悪の不公平税制です。野田内閣は、消費税増税と法人税減税をセットで提案しています。財界は法人税を15%下げろと言っています。これは、消費税にすると4%になります。これでは、消費税を5%に上げたほとんどが法人税減税の穴埋めに使われてしまいます。こんなやり方では、財政再建にも、社会保障財源にも役立たず、庶民の家計を壊し、消費を冷やし、景気をますます悪化させるだけです。  また、「一体改革」で10%に増税しようとしている消費税は「復興増税」の選択肢にも含まれています。消費税増税は、とりわけ被災者に過酷な負担です。社会保障などの財源は、米軍への思いやり予算などの無駄を削り、体力がある大企業や大資産家の優遇税制を改め、応分の負担を求めれば生み出すことができます。復興を妨げ、大企業を聖域にした増税には反対です。よって、豊島区議会は、政府が進めようとしている消費税率10%への大増税計画に反対し、撤回を求めるものです。以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。年月日、豊島区議会議長名。衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、財務大臣、経済産業大臣、社会保障・税一体改革担当大臣あて。  最後に、議員提出議案第11号、清掃工場における「放射性物質」の処理についての意見書について、提案者である日本共産党豊島区議団を代表し、ご説明申し上げます。  福島第一原発の爆発事故により、東京でも下水汚泥の処理やごみの焼却灰の放射性物質の処理が課題になっています。23区の清掃工場については、一部事務組合が東京都との協議の上、処理を行ってきました。しかし、放射能汚染については、その影響などが未知の部分も多く、都民・区民の心配の声も多いところから、改めて最終処分場等に責任を持つ東京都に対し、対応を求めるため、本意見書を提案するものであります。  以下、意見書文を朗読し、説明に代えさせていただきます。  清掃工場における「放射性物質」の処理についての意見書。3月11日の「福島第一原発の爆発事故」の放射能漏れは、7カ月過ぎた今も、周辺市町村はもとより、東京でも深刻な事態を招いています。食の安全をはじめ様々な面で区民の心配は尽きません。特に、高い放射能を含んだ下水道汚泥の処理やごみの焼却灰の放射性物質の処理が課題になっています。23区にある清掃工場等もごみの焼却により、セシウムが「灰」から検出されています。被災後、国はすぐに、福島県以外の地域における放射性物質を含む一般廃棄物の処理に対する基準を示さず、6月末に二十三区清掃一部事務組合は、都と協議の上、8,000Bq/㎏を超える飛灰は、当該清掃工場に保存し、8,000Bq/㎏以下については最終処分場に埋め立てする方針を定め、液体キレート剤と混ぜ埋め立て処理をしてきました。被災5カ月後の8月31日、国はやっと「8,000Bq/㎏を超え100,000Bq/㎏以下の焼却灰等の処分方法に関する方針について」を発表。しかし、この方針は8,000Bq/㎏を超えたものの処理方針であり、超えていても焼却灰をセメントで固めて埋め立ててもよいなどとしたもので、ましてや、8,000Bq/㎏以下の「灰」やごみの処分については、何の言及もないものです。清掃工場は、日々稼働を続けています。8,000Bq/㎏以上の濃度の放射線量はもちろん大問題ですが、8,000Bq/㎏以下の線量であっても量的に増え続ければ将来、問題が生じる可能性があります。また、セメントで固めれば水や土壌に溶け出さないという保証もありません。最終処分場は、いずれ埋立地になりますが、都民にとって活用できない土地にしてはならないのです。よって、豊島区議会は、東京都に対し、下記事項について要望いたします。記。1、8,000Bq/㎏以下の放射性物質を含んでいる焼却灰の処理についても、その影響を明らかにし、区民に情報を公開すること。2、想定されていなかった、清掃工場における放射能問題の解決に当たって、外部の専門家の意見の聴取など解決のため全力を挙げること。3、処理や解決に必要な費用は、国と東京電力の負担で行うよう求めること。以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。年月日、豊島区議会議長名。東京都知事あて。  以上でございます。ご審議のほど、よろしくお願いいたします。(拍手) ○議長(里中郁男) 次に、議員提出議案第8号について、28番議員より説明がございます。   〔山口菊子議員登壇〕(拍手) ○28番(山口菊子) 議員提出議案第8号、地方自治体が行う放射性物質対策に関する意見書について、提案者を代表し、ご説明申し上げます。  東日本大震災による福島第一原子力発電所の事故の影響は、大震災後7カ月を過ぎても収束に至らず、首都圏に大きく広がっております。放射能汚染による健康被害は、急性によるものだけでなく晩発性のものが多くあることから、住民の不安は尽きません。放射能物質対策については、豊島区を初めとして各自治体が懸命に取り組んでいますが、いまだかつて遭遇したことのない事態に、そのノウハウも手探りであり、財政的負担も厳しい状況です。そこで、自治体が行う放射性物質対策に対しては、国が責任を持って財政的支援策を講じるとともに、技術的にも物理的にも自治体が対応できないような状況にあるときは速やかな支援策を講じることを求め、意見書を提出しようとするものであります。  以下、意見書文を朗読し、説明に代えさせていただきます。  地方自治体が行う放射性物質対策に関する意見書。福島第一原子力発電所の事故による影響は、大震災後7カ月を過ぎても首都圏に大きく広がっています。下水処理場の汚泥、清掃工場の焼却灰などのほかにも、基準値を超える放射性セシウムが検出されるホットスポットといわれる場所も少なからず存在しています。豊島区をはじめ各自治体は、住民の生命を守るために、連日、放射線量の測定や、学校・保育園等の給食食材の安全確保など、放射性物質対策に追われています。その費用の自治体負担も大きくなっています。福島第一原子力発電所の事故による被害が広域的であり、被害金額が膨大であること、とりわけ、放射能汚染による健康被害は、急性によるものだけでなく、晩発性のものが多くあることから国民の心配の種は尽きません。よって、豊島区議会は自治体が行う放射性物質対策に対し、国が責任を持ち、財政的支援策等を積極的に講ずることを求めます。以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。年月日、豊島区議会議長名。衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、経済産業大臣、内閣官房長官、国家戦略担当大臣、東日本大震災復興対策担当大臣あて。  以上でございます。ご審議のほど、よろしくお願いいたします。(拍手) ○議長(里中郁男) 最後に、議員提出議案第10号について、32番議員より説明がございます。   〔本橋弘隆議員登壇〕(拍手) ○32番(本橋弘隆) 私は、ただいま議題とされております議員提出議案第10号、「緊急事態基本法」の早期制定を求める意見書について、提案者を代表し、ご説明申し上げます。  本意見書は、我が国が外部からの武力攻撃やテロ、または大規模自然災害や人災などで生じた緊急事態において的確に対処するため、国会及び政府に対し、平成16年5月に自民・民主・公明の3党で、その制定を合意した緊急事態基本法を一日でも早く制定するよう、強く要望するものであります。  以下、意見書文を朗読し、説明に代えさせていただきます。  「緊急事態基本法」の早期制定を求める意見書。今回の東日本大震災における我が国の対応は、当初「想定外」という言葉に代表されるように、緊急事態における取り組みの甘さを国民と世界に広く知らしめる結果となった。世界の多数の国々は今回のような大規模自然災害時には「非常事態宣言」を発令し、政府主導のもとに震災救援と復興に対処しているのである。我が国のように平時体制のまま国家的緊急事態を乗り切ろうとすると、前衛部隊の自衛隊、警察、消防などの初動態勢、例えば部隊の移動、私有物の撤去、土地の収用などに手間取り、救援活動にさまざまな支障を来し、その結果さらに被害が拡大するのである。また、原発事故への初動対応の遅れは、事故情報の第一次発信先が国ではなく、事故を起こした東京電力当事者というところに問題がある。さらに言えば、我が国の憲法はその前文に代表されるように平時を想定した文面となっており、各国に見られるように外部からの武力攻撃、テロや大規模自然災害を想定した「非常事態条項」が明記されていない。平成16年5月には、その不備を補足すべく、民主、自民、公明三党が「緊急事態基本法」の制定で合意したが、今日まで置き去りにされている。昨年来、中国漁船尖閣事件、ロシア閣僚級のたび重なる北方領土の訪問、北朝鮮核ミサイルの脅威など、自然災害以外にも国民の生命、財産、安全を脅かす事態が発生している。よって、豊島区議会は、国会及び政府に対し、「緊急事態基本法」を早急に制定されるよう強く要望する。以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。年月日、豊島区議会議長名。衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、総務大臣、法務大臣、経済産業大臣、防衛大臣、内閣官房長官、原発事故の収束及び再発防止担当大臣、防災担当大臣あて。  以上でございます。ご審議のほど、よろしくお願いいたします。 ○議長(里中郁男) これより質疑に入りますが、通告がございませんので、直ちに討論に入ります。  この際、議員提出議案第7号について14番議員より、議員提出議案第10号について22番議員より、議員提出議案第11号について32番議員より討論の通告がございましたので、順次これを許可いたします。  まず、14番議員より発言がございます。   〔細川正博議員登壇〕(拍手) ○14番(細川正博) 自民党豊島区議団、細川正博です。私は、ただいま議題とされております議員提出議案第7号、原発からの速やかな撤退及び放射能対策を求める意見書に対して、反対の立場から討論いたします。  3月11日に発生した東日本大震災、そして津波が引き金となった福島第一原子力発電所の事故は、原発事故の深刻度を示す国際評価尺度で最悪のレベル7と評価される重大なものとなりました。政府は、損傷した原子炉建屋を覆うカバーの設置を進めるとともに、原子炉を年内に冷温停止状態にする方針を打ち出すなど、事故の収束に向けた動きをしているところです。  福島第一原発事故を受けて、最も懸念されるのは大量に放出された放射能の影響についてです。放射能が人体に与える影響には、ある線量を超えると症状が出る確定的影響と、確率的影響があります。250ミリシーベルトを超える強い放射線量を浴びた場合には、人体に確定的な影響が出ます。低線量でも累積で100ミリシーベルトの被曝で発がん率が0.5%上昇すると言われておりますが、それを下回る線量では、人体に対する影響は確認されておりません。これ以下なら安全というしきい値があるかどうか含めて、専門家の間でも意見が分かれているところです。  意見書本文の内容に入っていきます。まず、1、政府が原発からの速やかな撤退を政治的に決断すること。原発をゼロにする期限を切ったプログラムを策定することについてです。絶対安全であると言われてきた原子力発電所の安全神話が崩れました。これを受けて、原発を国産のエネルギーに準じたものとし、依存度を高めていく方向にあったエネルギー政策の転換が迫られるのは必至です。しかしながら、資源エネルギー庁「平成22年度電力供給計画の概要」によれば、発電電力量の30.8%を占める原発を直ちになくすということは現実的ではありません。  同じ資料でその他の構成を見ますと、石炭23.8%、LNG27.2%、石油等8.3%、揚水0.9%、水力7.8%、新エネルギー等が1.2%となっております。石炭、LNG、石油等を使う火力発電が約6割、原子力発電が約3割、水力、新エネルギーなど再生可能エネルギーが約1割という構成です。仮に原発をなくすということになると、火力発電が代替施設の有力な候補ということになりますが、温室効果ガスの問題がクリアできません。また、特定のエネルギーに頼り過ぎると、資源の調達リスクも高まってしまいます。これは資源小国である我が国にとっては死活問題であるといえます。現代においては、電力が安定的に供給されないと日常生活でも経済活動の面でも成り立たなくなっています。原発への依存度は段階的に減らしていくべきであると考えますが、現実にはすぐに進められる問題ではなく、代替エネルギーを適宜確保しつつ、中長期的な計画で進めていくべき問題であるという認識でおります。  次に、2、自然エネルギーへの転換を進めることについてです。再生可能エネルギーの割合を増やしていくことに関して異存はありません。再生可能エネルギーとは、太陽光、風力、バイオマス、水力発電などを指します。しかし、再生可能エネルギーは立地条件や発電コストの問題があり、一気に増やすのは難しいです。平成22年度で発電電力量に占める割合は、水力が7.8%、その他の新エネルギーに関しては1.2%にすぎません。平成17年度では水力が7.3%、その他の新エネルギーが0.6%、5年間で発電電力量に占める割合は1%伸びたものの、現状では基幹エネルギーとはなり得ないでしょう。  最後に、3、国の責任で放射能汚染の実態を正確かつ全面的に把握する調査を系統的に実施することについてです。空間放射線量については、豊島区独自の測定で定点調査を3カ所で行っております。また7月には学校や保育所など、区内89カ所の放射線量を測定し、その結果を公表しています。これまでの測定結果では、いわゆるホットスポットといわれるような高い線量は計測されておりません。10月18日には区内158カ所の公園すべてで空間放射線量を測ることが区から発表されました。この測定結果で傾向をつかみ、その後の対応につなげるのが妥当であると考えております。食品検査機器と体制については強化すべきですが、原子力災害対策特別措置法の、国・都道府県・市町村の有機的な連携の確保という趣旨に照らせば、国だけに責任を負わせるのではなく、国と食品を出荷する自治体が連携をして、食材の安全性を確保する必要があります。当分の間、維持することとなっている暫定規制値については、専門的な見地から早期に検討し、正式な規制値を定めるべきです。出荷停止を余儀なくされた農産物、水産物の取扱業者に対して、損害賠償が支払われるのは当然だと考えております。原子力損害の賠償に関する法律により、当該原子炉の運転等に係る原子力事業者である東京電力がその損害を賠償する責めを負っているため、この手続きに従うべきです。  まとめます。1については、代替エネルギーが見込めない中で原発をゼロにしようと言う意見には賛同できません。2については、再生可能エネルギーの導入を進めていくこと自体に異存はありませんが、現状、原発にかわる基幹エネルギー源には成り得ないと考えております。3については、一体的な指示について国が責任を持つのは当然だと考えております。①は、区の独自調査の結果を見て、必要であれば対策を講じるべきと考えます。②については、既に実施しているのは各自治体であり、国はそのサポートをすべきです。暫定基準値については、専門的見地により早期検討が必要と考えます。③は、原子力損害の賠償に関する法律により、東京電力がまず損害を賠償すべきであります。  以上により、議員提出議案第7号、原発からの速やかな撤退及び放射能対策を求める意見書については、否決されるべきと考えます。  以上で、討論を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(里中郁男) 次に、22番議員より発言がございます。   〔河原弘明議員登壇〕(拍手) ○22番(河原弘明) 自民党豊島区議団、河原弘明です。私は、ただいま議題とされております議員提出議案第10号、「緊急事態基本法」の早期制定を求める意見書について、賛成の立場から討論をいたします。  ここ最近、尖閣諸島沖での中国漁船体当たり事件、ロシア閣僚級の度重なる北方領土の訪問、北朝鮮核ミサイルの脅威など、自然災害以外にも国民の生命、財産、安全を脅かす事態が次々と我が国に押し寄せてきています。そして、これら我が国の非常事態に対し、日本が独立国家として的確に対処する仕組みを持たないことが、今、確実に問題の解決を遅らせ、事態を一段と深刻化させていると考えます。その意味では、現行法の枠内で効果を最大限発揮する措置が求められるのは言うまでもありませんが、一方で、非常事態を乗り切るための法的整備を、即刻かつ党派の垣根を越えて行うことが最重要課題であり、そこに我が国の生存ないし命運がかかっているといえるのではないでしょうか。  また、この度の東京電力福島第一原子力発電所事故での政府の対応ぶりを見ていますと、非常事態に関する規定がないに等しい現行憲法の欠陥が、迅速で効果的な危機対応を妨げている実態を浮かび上がらせました。88年前に起きました関東大震災の際に、時の政府は明治憲法の非常事態条項を使って、当時としてはできる限りの対応をしました。震災翌日には治安維持のために戒厳令を出すとともに、臨時非常徴発令を発して物資を調達しました。それは明治憲法8条が公共の安全保持や災厄を避けるため、帝国議会閉会中に緊急勅令を臨機応変に出すことを認めていたからであります。そしてそれは、次の議会が認めなければ失効する仕組みでもありました。当時の勅令は、閣僚のサインによって発せられるものですから、今で言いますと、それは政令に当たるものといえます。今回の東日本大震災や大津波、そして原発事故でも、臨時非常徴発令のような措置がとられていれば、例えば、ガソリンや医薬品などの必需品は、もっと速やかに被災地に渡ったのではないでしょうか。国民に最大限の自由と権利を認める平時の体制でもって、戦争や内乱、大規模な自然災害や人災などの非常事態を乗り切ろうとすると、逆に国民の生命、財産の被害は増し、事態収拾も遅れてしまうことは、既に歴史から学んだことでもあります。例えば、ドイツやフランス、韓国など、大多数の国は憲法に非常事態規定を設け、大統領や首相に権力を一時的に集中させ、緊急事態に対応する仕組みをとっております。  その一方で、こうした非常事態に当たり、国家として強制措置を含めた対応に背を向けてきたのが戦後の日本であります。我が国の現行憲法は、衆議院解散中の参議院の緊急集会以外、非常事態の規定はありません。また、今でも国民保護法、災害対策基本法、食糧法などはあるものの、その役割はある意味で限定的といえます。例えば、武力攻撃やテロによる災害から国民の生命、財産を守る国民保護法は、緊急対処事態に対応するための措置を盛り込んではおりますが、国民の協力について、「強制にわたることがあってはならない」としています。また、現行の災害対策基本法も緊急災害対策本部長を務める首相に、関係省庁や自治体の長に対し、直接指示を出す権限を与えてはおります。交通規制で支障となる車両があれば、警察官や自衛官が排除できるなどの措置も盛り込まれていますが、ほとんど活用されておりません。同法では、自治体は救助に必要な物資の生産や集荷、輸送などを行う業者に対し、強制措置をとることができます。しかし、県をまたぐ広域災害の場合は、国が司令塔となって事業者に指示し、強制措置を発動する法体系にはなっていません。現状は、ガソリンなどを優先的に被災地へ送ることも、業者の判断に任せられているのが実情であります。さらに、米などについて、食糧法は大幅な供給不足に陥った場合の緊急措置として、農林水産大臣が生産・販売業者に出荷地域や数量、価格などを指定できると定めてはおりますが、実際に発動されたことはありません。  ここに加えて、原子力発電所については、事業者である電力会社が一義的に対応することなっており、国が責任をとる体制にはなっていません。もっとも、今、申し上げました災害対策基本法では、その105条で、内閣総理大臣に災害緊急事態を布告する権限を与えているわけですが、これを布告し、かつ国会閉会中なら、政府は生活必需品の配給、譲渡、物価の統制、債務の支払い延期などの政令を出すことができます。もし、国会が開会中ならば、政治が決断して衆参両院が一時的に休会を決めれば、これらの政令を出すことも可能なのであります。しかし、国難を強調しているにもかかわらず、当時の菅直人政権は、災害緊急事態を発動しませんでした。今回のような事態で使わないでいつ発動するのかと苛立ちを覚えたのは、私たちだけではないと思います。  今からもう半年前になる3月22日の参議院予算委員会で、我が党の佐藤正久参議院議員は、災害緊急事態の布告を求めましたが、対する政府部内の小滝晃内閣府参事官は、国民の権利義務を大きく規制する非常に強い措置で適切な判断が必要だと、まるで平時の論理で拒否しました。このように、人権を絶対視する風潮の中で、有事立法をめぐる国会論議においては、危機の克服よりも人権の尊重を最優先するかのような主張がいつもまかり通っています。この度の大震災において、災害緊急事態が布告されなかったことも、人権に対する配慮が原因とのことですから、まさに本末転倒であるということができます。確かに現行憲法は、その第29条1項で、財産権の不可侵を保障してはおります。しかし、その3項では、財産権の公共性を謳っており、正当な補償のもとに、公共のために用いることができるとも規定しています。また、かつての異常な地価高騰を受けて、平成元年に制定された土地基本法でも、土地に対する規制については公共の福祉のほうが優先する旨を定めております。さらに、国際人権規約では、国民の生存を脅かす公の緊急事態に際しては、真に必要な限りにおいて人権の制限を認めており、これこそがグローバル・スタンダード、国際常識といえるでしょう。  今、我々国民が想起すべきは、平成16年、自民・公明・民主の3党との間で、大規模自然災害への対応も含む緊急事態基本法の骨子案に合意したことであります。骨子案は、国の責務として、国民の生命、身体及び財産の保護に万全の措置が講じられる点を明確にし、内閣総理大臣の迅速な意思決定を確保する必要性を指摘するものでした。残念ながら法制定にまでは至りませんでしたが、既に共通の理論の土俵は事実上構築されているといえます。今求められているのは、国家の危機を克服する法整備、非常事態を乗り切ることのできる法整備、国難を打開することの法整備であります。  天皇陛下が、「皆が相携え、いたわり合って、この不幸な時期を乗り越えることを願っています」と国民向けのビデオでお言葉を述べられました。国家と国民の力を今こそ結集し、その象徴の一つとして緊急事態基本法の早期制定があると思います。  以上から、議員提出議案第10号、「緊急事態基本法」の早期制定を求める意見書は、可決されるべきものと考えます。  以上で、討論を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(里中郁男) 最後に、32番議員より発言がございます。   〔本橋弘隆議員登壇〕(拍手) ○32番(本橋弘隆) 自民党豊島区議団、幹事長の本橋弘隆です。私は、ただいま議題とされております、議員提出議案第11号、清掃工場における「放射性物質」の処理についての意見書について、反対の立場より討論をいたします。  この度の意見書は、今年3月11日に発生した東日本大震災津波被害によって起きました、東京電力福島第一原子力発電所放射能漏れ事故と、それを原因として生じている東京23区内にあります清掃工場におけるごみの焼却灰の放射性物質の処理について、その安全性と対策を、石原東京都知事に求めるものであります。申し上げるまでもなく、放射性物質を含んでいる焼却灰等の処分のあり方いかんは、地域住民にとりまして、まさに生命、身体、そして財産に関わってくる重大関心事項であります。そこから、国や東京都も今現在できる限りの対策をとってもらわなければならないことは言うまでもありません。その意味では、意見書からにじみ出てくる思いそれ自体には、共感できるところが少なからずあります。しかし、意見書にしたためられたその具体的な主張を吟味してまいりますと、およそ賛成することのできない代物なのであります。  例えば、まず意見書の本文14行目に、「ましてや8,000Bq/㎏以下の灰やごみの処分については、何の言及もないものです。」とあります。しかし、環境省のホームページを見ればおわかりのように、6月の段階で既に「8,000Bq/㎏以下の主灰又は飛灰については、一般廃棄物最終処分場ないし管理型最終処分場に埋め立て処分をする。念のための措置として、可能な限り飛灰と主灰の埋め立て場所を分け、それぞれの埋め立て場所が特定できるように措置する」と、処理方針として当面の取り扱いを定めているのであります。したがって、この部分の記述は事実に反するものということができるのであります。  次に、意見書の本文18行目に、「セメントで固めれば水や土壌に溶け出さないという保証もありません。」とあります。しかし、同じく環境省のホームページ上の8,000Bq/㎏を超え、100,000Bq/㎏以下の焼却灰等の処分方法に関する方針については、災害廃棄物安全評価検討会が、安全に埋め立て処分することが可能であると評価したものであります。したがって、この部分の記述も、単なる憶測に基づいた推論にすぎないと言うことができるのであります。さらに意見書の記書き部分の2についてですが、ここでは「清掃工場における放射能問題の解決に当たって、」とあり、その後、「解決のために全力を挙げること。」を、石原東京都知事に向けて訴えております。しかし、そもそも東京都が所管している清掃工場はないのですから、この主張を東京都知事あてにしても意味がないか、もしくは的外れということができます。このように見てきますと、この意見書に関しては、ところどころに事実誤認が見受けられるとともに、内容も不正確なところが多々あることがわかります。  また、意見書ではその冒頭で、「特に、高い放射能を含んだ下水道汚泥の処理が課題になっています」と、待ったなしの極めて重大な問題を指摘しているだけで、その重要課題の解決に向けた取り組みを石原東京都知事に迫ろうとする姿勢が全く見受けられません。この点も問題があると私たちは考えております。といいますのも、今現在、一日たりともとめることのできない下水道処理場から出る汚泥は、セメント原料としての再利用を断られ、セメント工場の操業が滞っております。そのためか、処理場内は汚泥が山積みの状態となりつつあり、住民生活に与える影響は日に日に重大化しつつあります。そこで、この課題についての解決策を石原東京都知事に迫ってもらいたかったと思うからであります。ちなみに、一昨日になりますが、東京都はようやく下水汚泥焼却灰の再資源化を再開する方針を決めたとのことです。放射性物質の濃度が下がっている上、地下の下水道であれば安全性が確保できると判断したことから、東京都内のコンクリート製の下水道管の原料にするとのことであります。  しかし、この問題は、それ以外にも解決の糸口を見出さなければならない重要課題であると私たちは認識しております。そこで思いますに、そもそもEEZ地域を含めると世界でも第6位の領土を誇る海洋国家である日本には、放射性廃棄物の処理に適した場所と方法は意外にあると言うことができると思います。その一つとして、日本の最南端に位置し、東京都が管轄する沖ノ鳥島を挙げることができるでしょう。既にご案内のように、東京都が管轄する沖ノ鳥島につきましては、日本政府は当然のことながら島であるとの主張ですが、これに対して、近隣諸国の中には、単なる岩にしかすぎないとの主張も見受けられます。現状を維持する限りは、東京都が管轄する沖ノ鳥島に、実効支配に必要な一般住民の定住もできず、南鳥島のように、気象庁、海上自衛隊、関東地方整備局等の職員が交代で常駐することもできません。そうかといって現在、軍事力に頼って領土保全を図ることも問題が大きいと言えます。そこで、この度の東日本大震災津波で大量の瓦礫などの処分に悩まされ、放射性廃棄物はもちろん、セメントの原料として使ってきた汚泥の行き先にも困っている我が国にとって、瓦礫や不燃廃棄物はコンクリートの骨材や補強材料として活用し、汚染汚泥を原料としたセメントで放射性廃棄物を固めて、沖ノ鳥島付近の埋め立てに役立てることは、一考に値するものと思うのであります。もちろん、近隣諸国からの苦情や異論はあるでしょうが、日本は、なにも他国の領土を侵害しているわけではありませんし、あくまでも日本国内の必要に迫られた公共事業の一つであるとして、冷静にかつ粛々と埋め立て工事を進めればよいことであります。同じ孤島でも、南鳥島には、往来・補給のために1,380メートルの滑走路があり、船の波止場もあります。東京都が管轄する沖ノ鳥島にも同様の設備を設け、今後の海洋保全のための研究基地ができれば素晴らしいと思うのは、なにも東京都民だけではないでしょう。  この度の意見書は、こうして重要な課題である高い放射能を含んだ下水道汚泥の処理について、自説に触れることもなく、また、東京都としてできる限りの対応を強く求めるわけでもなく、かえって、東京都が所管している清掃工場があるわけもないのに、いたずらにそこでの安全性の確保を、単なる憶測ないし推測を基にして言い募るものとなっているのであります。  物理学者で名随筆家であった寺田寅彦氏は、「ものを怖がらな過ぎたり、怖がり過ぎたりするのは易しいが、正当に怖がることはなかなか難しい」との明言を残しております。今、私たちに求められるのは、正しい根拠に基づき、リスクに正しく対峙することであります。リスクを過小評価することも過大評価することも、その弊害が大きいのは申し上げるまでもありません。不確かな根拠に基づく推論や、事実誤認に基づく要望は、意見書としての内容に問題があるのみならず、区民の不安をいたずらに増幅し、さらなる風評被害を助長することにもなりかねません。  以上により、議員提出議案第11号、清掃工場における「放射性物質」の処理についての意見書は、否決されるべきものと考えます。  以上で、討論を終わります。ご清聴、誠にありがとうございました。(拍手) ○議長(里中郁男) 討論を終わります。  これより採決に入ります。  まず、議員提出議案第7号について採決いたします。  本議案について、原案を可決することに賛成の方はご起立願います。   〔賛成者起立〕 ○議長(里中郁男) ご着席願います。  起立少数と認めます。  よって、議員提出議案第7号は否決されました。 ──────────────────────────────────────── ○議長(里中郁男) 次に、議員提出議案第9号について採決いたします。  本議案について、原案を可決することに賛成の方はご起立願います。   〔賛成者起立〕 ○議長(里中郁男) ご着席願います。  起立少数と認めます。  よって、議員提出議案第9号は否決されました。 ──────────────────────────────────────── ○議長(里中郁男) 次に、議員提出議案第10号について採決いたします。  本議案について、原案を可決することに賛成の方はご起立願います。   〔賛成者起立〕 ○議長(里中郁男) ご着席願います。  起立多数と認めます。  よって、議員提出議案第10号は原案が可決されました。 ──────────────────────────────────────── ○議長(里中郁男) 次に、議員提出議案第11号について採決いたします。  本議案について、原案を可決することに賛成の方はご起立願います。   〔賛成者起立〕 ○議長(里中郁男) ご着席願います。  起立少数と認めます。  よって、議員提出議案第11号は否決されました。 ──────────────────────────────────────── ○議長(里中郁男) 最後に、議員提出議案第8号について採決いたします。  本議案は、原案を可決することにご異議ございませんか。
      〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(里中郁男) ご異議ないものと認めます。  よって、議員提出議案第8号は原案が可決されました。 ───────────────────◇──────────────────── ○議長(里中郁男) 最後に、陳情の付託について申し上げます。  ただいまお手元にご配付いたしました陳情1件は、付託表に記載のとおり、区民厚生委員会に付託いたします。  それでは、付託表を局長に朗読させます。 ○事務局長(陣野原伸幸) 陳情付託表、平成23年10月28日、受理番号、件名、付託委員会。23陳情第22号、固定資産税及び都市計画税の軽減措置の継続について意見書の提出に関する陳情、区民厚生委員会。 ○議長(里中郁男) ただいま付託いたしました陳情1件は、閉会中の継続審査といたしたいと存じますが、これにご異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(里中郁男) ご異議ないものと認め、そのように決定いたします。 ───────────────────◇──────────────────── ○議長(里中郁男) 以上で、本日の日程全部を終了いたしました。  会議を閉じます。  これをもって、平成23年第3回豊島区議会定例会を閉会いたします。   午後9時3分閉議及び閉会...