杉並区議会 > 2021-06-01 >
令和 3年第2回定例会−06月01日-13号

  • 540(/)
ツイート シェア
  1. 杉並区議会 2021-06-01
    令和 3年第2回定例会−06月01日-13号


    取得元: 杉並区議会公式サイト
    最終取得日: 2021-09-29
    令和 3年第2回定例会−06月01日-13号令和 3年第2回定例会              令和3年第2回定例会             杉並区議会会議録(第13号) 令和3年6月1日 午前10時開議 出席議員47名 欠席議員1名 1 番  ほらぐち  と も こ(欠席)  25番  山  本  あ け み 2 番  松  尾  ゆ  り      26番  川 原 口  宏  之 3 番  松  本  みつひろ      27番  大  槻  城  一 4 番  ひ わ き     岳      28番  大  泉  やすまさ 5 番  関  口  健 太 郎      29番  井  原  太  一 6 番  山  本  ひ ろ 子      30番  大 和 田     伸 7 番  野  垣  あ き こ      31番  今  井  ひ ろ し 8 番  酒  井  ま さ え      32番  浅  井  く に お 9 番  佐 々 木  千  夏      33番  金  子 けんたろう 10番  田  中 ゆうたろう      34番  くすやま  美  紀 11番  小  林  ゆ  み      35番  け し ば  誠  一 12番  川  野  たかあき      36番  新  城  せ つ こ
    13番  中  村  康  弘      37番  奥  山  た え こ 14番  北     明  範      38番  木  梨  もりよし 15番  わたなべ  友  貴      39番  岩  田  い く ま 16番  國  崎  た か し      40番  太  田  哲  二 17番  矢  口  やすゆき      41番  渡  辺  富 士 雄 18番  松  浦  威  明      42番  島  田  敏  光 19番  山  田  耕  平      43番  安  斉  あ き ら 20番  富  田  た  く      44番  脇  坂  た つ や 21番  奥  田  雅  子      45番  吉  田  あ  い 22番  そ  ね  文  子      46番  大  熊  昌  巳 23番  堀  部  や す し      47番  小  川  宗 次 郎 24番  藤  本  な お や      48番  井  口  か づ 子 出席説明員       区長             田 中   良       副区長            宇賀神 雅 彦       副区長            吉 田 順 之       政策経営部長         関 谷   隆       施設再編・整備担当部長事業調整担当部長                      高 山   靖       総務部長           白 垣   学       区民生活部長         徳 嵩 淳 一       地域活性化担当部長オリンピックパラリンピック連携推進担当部長                      岡 本 勝 実       産業振興センター所長     武 田   護       保健福祉部長         喜多川 和 美       高齢者担当部長新型コロナウイルス対策担当部長                      野 田 幸 裕       健康担当部長杉並保健所長   増 田 和 貴       子ども家庭部長        武 井 浩 司       都市整備部長         有 坂 幹 朗       まちづくり担当部長      本 田 雄 治       土木担当部長         友 金 幸 浩       環境部長           伊 藤 宗 敏       政策経営部企画課長      山 田 隆 史       総務部総務課長        寺 井 茂 樹       教育長            白 石 高 士       教育委員会事務局次長     齊 藤 俊 朗       教育政策担当部長       大 島   晃       学校整備担当部長       中 村 一 郎       中央図書館長生涯学習担当部長 田部井 伸 子       代表監査委員         上 原 和 義         令和3年第2回杉並区議会定例会議事日程第2号                               令和3年6月1日                                午前10時開議 第1 一般質問 ○議長(大和田伸議員) これより本日の会議を開きます。  会議録署名議員を御指名いたします。  10番田中ゆうたろう議員、43番安斉あきら議員、以上2名の方にお願いいたします。  これより日程に入ります。  日程第1、一般質問に入ります。  32番浅井くにお議員。       〔32番(浅井くにお議員)登壇〕 ◆32番(浅井くにお議員) 私は、杉並区議会自由民主党の浅井くにおです。会派の一員として、通告に従い、区政一般について質問いたします。  質問項目は、1、新型コロナウイルス感染症予防ワクチン接種について、2、新たな杉並区基本構想について、3、まちづくりについて、4、区内の農地保全と農業振興について、以上4項目です。  まず初めに、新型コロナウイルス感染症予防ワクチン接種について伺います。  5月17日から高齢者への新型コロナウイルス感染症予防ワクチンの集団接種が始まりました。ワクチン接種に先立ち、接種予約では、電話予約もインターネット予約においても、申込みの集中でつながらないという大きな混乱が起こりました。  そこでお聞きしますが、この間のワクチン接種予約に見る混乱状況を繰り返さないために、当初の接種計画をどのように評価し、今後の予約の混乱を回避するためにどのような改善策を立てているのか、お聞きします。  あわせて、この間のワクチン接種の状況や、予約の混乱改善に向けた取組などについて、区民に向けて情報発信する必要があると考えていますが、実施する考えがあるのか伺います。  次に、今後始まる65歳未満の区民へのワクチン接種のスケジュールをお聞きします。  また、集団接種だけでなく、区内診療所などでのワクチン個別接種についても進める考えのようですが、個別接種場所の数や開始スケジュール、地域的偏りが出ないようにするための方策など、具体的計画内容をお聞きします。  先日、ワクチン接種が始まりましたが、初日から桃井原っぱ公園の接種会場では、高齢者の方々が会場の外で大勢待たれていました。梅雨の時期となり、雨が降れば傘を差して待つことになります。  そこで、さきの臨時会で、雨をしのぐテントや座って待てる椅子を設置するよう要望しました。その後、早々設置され、接種を待つ方々が利用されていました。迅速な対応に感謝するとともに、お礼申し上げます。  今後もまだまだワクチン接種における様々な改善事項は出てくると考えます。円滑なワクチン接種のため、スピーディーに対応できるよう予算支出策を講じることを要望しておきます。  次に、新たな杉並区基本構想について伺います。  現在、杉並区政の羅針盤となる新たな基本構想の策定作業が進められていますが、現基本構想策定時と違い、コロナ禍という、先行きが大変不透明な社会経済情勢となっています。先日発表された2020年度の実質GDP(国内総生産)は前年度比4.6%減と、戦後最大の下げ幅となっています。そしてマイナス成長は2年連続です。こうした経済状況を見れば、今後しばらくは税収の落ち込みは確実と考えます。  そうした中、区のおおむね10年先を見据えた新たな基本構想を策定することとなりました。そして、57万区民が健康で快適に安心して暮らせるまち杉並としていくため、財源の裏づけを持った総合計画、実行計画を策定することとなります。さらに、行政運営においては、SDGsへの取組など、多様な分野で様々な行政需要への対応も迫られます。  そこで伺いますが、新たな杉並区基本構想を策定する上で、今後の社会経済情勢をどのように展望し、税収の落ち込みに対する対策と、それによる財源確保の見通しについてどのように考えているのか、お聞きします。  また、新基本構想の下での総合計画、実行計画の事業について、どのように財源の裏づけを持たせて組み立てていく考えか伺います。  この項の最後に、新たな基本構想は、どのような杉並区のまちの姿を目指す考えか伺います。  次に、まちづくりについて伺ってまいります。  新型コロナウイルス感染症の蔓延により、私の地元で進められているまちづくりは大きな影響を受け、関係者との会合が延期になるなど、動きが見えなくなっています。そこで、まちづくりはどのような状況にあるのか伺ってまいります。  まず、西武新宿線の連続立体交差事業の現在の取組状況をお聞きします。その上で、当初の事業スケジュールに変更があるのか、また、事業の完成予定はどのようになっているのか伺います。  関連して、上井草駅周辺の道路拡幅計画の実施を、鉄道工事と切り離して先行整備する考えはないのか伺います。  また、西武新宿線の連続立体交差事業に関わる区内の用地買収物件は何件ほどあり、折衝はどのように進めているのか伺います。  次に、都市計画道路補助132号線整備に向けた事業推進状況を伺います。その上で、関係権利者の総数と折衝状況、さらに用地測量の実施、完了割合を伺います。また、今後の事業のスケジュールを伺います。  この間、区立関根文化公園を占用するなどして進められている善福寺川流域合流式下水道改善事業は、先頃、公園の復旧工事が終わり、多くの子供たちに利用されています。しかし、この下水道改善事業はいまだ完了してはいないと考えていますが、今後に残された工事の内容、そしてスケジュール、完了後の供用開始時期を伺います。  次に、区内の農地保全と農業振興について伺います。  杉並区の農地は、区民に見守られながら、新鮮な農産物の供給はもとより、農業体験の場や災害時の避難場所の提供、区民生活への安らぎをもたらすなどの多くの機能を発揮してくれています。  本年4月末に本格スタートした杉並区農福連携農園、すぎのこ農園では、都市農業の力と福祉の力を結集し、農地の新しい価値を創出してほしいと考えています。開園式では、子供の頃からお付き合いしている障害をお持ちの青年と同席し、青年の生き生きとした姿に、農福連携事業の無限大の魅力と可能性を感じました。  今後は、事業の様子を積極的に内外に発信し、都市農業と福祉の専門家からの評価を積極的に受け、事業に生かしていってほしいと考えておりますが、区の考えを伺います。  区内には多くの生産緑地地区がありますが、来年の令和4年には指定から30年が経過し、耕作義務がなくなります。こうした農地をその後も保全するには、新たに特定生産緑地地区として指定されなければなりません。  先日の日本経済新聞の記事の特定生産緑地指定への同意申請状況調査によると、立川市は97%、練馬区は91%と高い割合で同意申請が行われ、特定生産緑地の指定を選択するとのことでした。我が杉並区の状況はどうなのかお聞きするとともに、来年に向けてさらなる保全への取組が必要と考えますが、その意気込みをお伺いします。  農地保全の観点では、今が最も重要な時期です。杉並では特定生産緑地への移行が100%となるよう、精いっぱい指定申請を促す努力をすることを心から願います。  次に、この間、何回となく農業振興策の充実を区に求めてきました。しかし、杉並で通常の野菜販売による収入では生計を立てるまでにはいかず、離農してしまう農業者の方もいらっしゃいます。そうした中、新型コロナウイルス感染症拡大により、人が密集する店でなく、人との接触のない農家の新鮮野菜スタンドで作物を購入する方も多くなっています。  都市農業は、おいしい新鮮な野菜の提供、伝統野菜など珍しい作物の栽培、有機栽培、低農薬など安心・安全な野菜作りなどが身近なところで行われ、地域の人との交流も生まれます。魅力的な作物を作ることで区民の農業への関心も高まり、農業者の耕作意欲も高まると考えています。  そこでお聞きしますが、そのような都市農業を杉並区で発展させるためにも、区は杉並に合った農業振興策をどのように考えているのか、改めて伺って、私の一般質問を終わります。 ○議長(大和田伸議員) 理事者の答弁を求めます。  区長。       〔区長(田中 良)登壇〕 ◎区長(田中良) 私から、浅井くにお議員の御質問のうち、今後の農業振興策等に関するお尋ねにお答えをいたします。  私は、新鮮な農産物の供給や農業体験の場、災害時のオープンスペース、潤いのある緑地空間など、多面的な役割を持つ都市農地の保全と農業振興を図るということは、本区の住宅都市としての付加価値を高める意味でも、大変重要と考えております。こうした認識につきましては、基本構想審議会でも多くの委員の皆さんから同趣旨の御意見が示されているとの報告を受けております。  こうした中で、区ではこれまでも、農家の収入増につながる特産物を生産する試みや、高い生産技術を継承するための営農支援のほか、地産地消マーケットの支援等に取り組んでまいりました。  加えて、近年では、成田西ふれあい農業公園や、23区初の農福連携農園となりますすぎのこ農園の開園などの新たな取組にも力を注いできたところでございます。特に、本年4月に全面開園をいたしましたすぎのこ農園については、障害者等の生きがい創出や若者等の就労支援、農産物の提供による区内福祉施設の運営の支援など、共生社会づくりに向けた礎ともなる重要な取組であると考えております。  まさに今、無限大の魅力と可能性を感じるとの浅井議員のお考えと同じ思いでございまして、今後は、御指摘のように、この農園で展開する事業の様子を積極的に情報発信するとともに、障害者団体や農業委員会のほか、必要に応じて専門家の御意見を伺いながら事業の拡充を図ってまいりたいと存じます。
     私は、こうした農福連携農園や農業公園など、多くの区民が農に触れ合う取組を広げていき、杉並らしい住宅都市として、区民の共感と協力を得ながら、当区の大きな特徴である都市農地の保全と農業振興に取り組んでいく決意でございます。  私からは以上です。残りの御質問につきましては、関係部長より御答弁申し上げます。 ○議長(大和田伸議員) 新型コロナウイルス対策担当部長。       〔新型コロナウイルス対策担当部長(野田幸裕)登壇〕 ◎新型コロナウイルス対策担当部長(野田幸裕) 私からは、新型コロナウイルス感染症ワクチン接種に関する一連の御質問にお答えします。  最初に、ワクチン接種予約に関するお尋ねにお答えします。  優先接種対象である65歳以上の方へのワクチン接種に当たり、予約の混乱を避けるため、接種券の発送日と予約開始日を75歳以上の方と65歳から74歳の方に分けたところでございますが、予約の開始当初は、一度に大変多くの方の申込みがあり、コールセンター、ウェブの予約システムともに十分に受け止め切れず、区民の皆様に御迷惑をおかけしました。  このため、コールセンターの電話回線を60回線から80回線に増設するとともに、ウェブの予約システムについては、負荷分散機能の強化及びサーバーの増強を行ったところであり、現在は、対象となる高齢者の約70%の方の予約が完了しているところでございます。  今後、さらに区民に分かりやすく円滑な予約手続ができるよう、システム改修や予約方法等の改善について検討してまいります。また、接種予約に関する改善を行うことに併せて、各接種会場における予約状況や接種の進捗等の情報について、区民の皆様に適時適切に情報提供してまいります。  私からは最後になりますが、今後の区民接種に関するお尋ねにお答えします。  高齢者の方の次に優先接種となる60歳から64歳の方、基礎疾患を有する方及び高齢者施設等の従事者の方に対する接種については、7月中旬から行う計画としており、現在その準備を進めております。また、それ以外の方に対する接種も併せて準備を進めており、接種券の送付や予約については、詳細が決定次第、周知してまいります。  個別接種につきましては、区内5病院での個別接種を5月24日から6月11日の間に開始することとしております。これに加えて、区内診療所での個別接種を6月11日以降に順次開始することとしており、5月24日時点で、202の診療所が接種を行う予定となっております。  なお、診療所における個別接種の開始時期につきましては、地域的な偏りに配慮し、区内南部地域の診療所での接種開始を早められるよう、個別に調整を図っているところでございます。  私からは以上でございます。 ○議長(大和田伸議員) 政策経営部長。       〔政策経営部長(関谷 隆)登壇〕 ◎政策経営部長(関谷隆) 私からは、新たな基本構想等の策定に関する御質問にお答えします。  基本構想審議会における議論の中では、中長期的な人口減少や本格的な超高齢社会の到来など、社会環境の大きな変化が予測される中、大幅な税収の伸びは期待できないという認識が示されているところです。そうした認識の下、今後生じ得る様々な危機や区民ニーズの変化にも機動的に対応できる健全な財政運営の必要性や、行政資源等をより効果的、効率的に活用すること等を通じた収益確保策の検討など、未来につなぐ区政経営の構築が重要であるという視点に立って議論が行われているところでございます。  次に、区が目指すまちの姿に関してですが、現基本構想では、「支えあい共につくる 安全で活力あるみどりの住宅都市 杉並」を区が目指す将来像として掲げてまいりました。おおむね10年後を見据えた新たな基本構想においては、区が有する魅力や特性に着目し、区のさらなる前進につながるようなまちの姿を分かりやすく、区民にも覚えていただきやすい短いフレーズで示すという方向で現在検討が行われているところでございます。  また、総合計画、実行計画における財源の裏づけについてでございますが、変化の激しい社会環境の中で、今後の長期的な財政の展望を正確に描くことは極めて難しいものと受け止めてございます。そうした中においても、財政計画については、一定程度正確性を確保した財源の見通しを示す必要があると認識してございまして、計画期間を3か年としていく方向で検討を進めてまいります。  私からは以上です。 ○議長(大和田伸議員) まちづくり担当部長。       〔まちづくり担当部長(本田雄治)登壇〕 ◎まちづくり担当部長(本田雄治) 私からは、西武新宿線の連続立体交差事業に関する一連のお尋ねにお答えいたします。  初めに、現在の取組状況としましては、井荻−西武柳沢間について、令和2年10月に連続立体交差化計画等の都市計画案及び環境影響評価書案の説明会を開催し、今年度の都市計画決定に向け、都、沿線区市、西武鉄道と調整を行っているところでございます。  現在のところ、今後のスケジュールに変更はなく、事業の完了予定は令和18年度から19年度と伺っております。  次に、道路の先行整備に関するお尋ねでございますが、連続立体交差化及び道路拡幅等の計画につきましては、同時に都市計画決定を行った上で手続を進めることとしております。具体的な整備工事につきましては、相互に工程などの調整を行いながら進めてまいりたいと考えております。  最後に、連続立体交差化事業に関する用地買収物件についてですが、区内の側道全体の建物件数で約30件と認識しております。関係権利者との折衝につきましては、事業認可を取得し、用地補償説明会開催後の開始を予定しております。  私からは以上でございます。 ○議長(大和田伸議員) 土木担当部長。       〔土木担当部長(友金幸浩)登壇〕 ◎土木担当部長(友金幸浩) 私からは、まちづくりと農地保全についての残りの御質問にお答えします。  初めに、補助132号線に関する御質問ですが、都市計画道路の第四次事業化計画において優先整備路線とした補助132号線につきましては、昨年4月、北側一部606メートルの事業認可を取得し、現在、用地折衝を進めているところです。関係権利者は約500名で、取得予定用地59画地のうち約6割で折衝を開始しています。認可区間での用地測量の完了割合は約8割ですが、用地折衝に合わせて、残りの用地測量も進めております。  認可区間につきましては、令和12年3月31日の事業期間までにできる限りの用地を確保しつつ、橋梁の架け替えや無電柱化等、必要な整備を進めてまいります。また、優先整備路線の残りの区間につきましても、認可区間の進捗状況を踏まえ、事業化を進めてまいります。  次に、善福寺川流域合流式下水道改善事業に関する御質問にお答えします。  本事業は、善福寺川に沿って、善福寺公園の下池付近から環状8号線までの約3.4キロメートルの区間に、直径2.4メートルの貯留管をシールド工法で整備するとともに、既設下水道管から下水を取り込む取水施設19か所を整備する都の下水道事業です。令和3年5月現在、貯留管本体と取水施設5か所の整備が完了し、暫定供用を開始しております。  残り14か所の取水施設の整備は、令和5年度末の完成を目指し、事業を進めており、完了後速やかに供用されると伺っております。  最後に、特定生産緑地に関する御質問にお答えします。  2022年に指定から30年の期限を迎える区内の生産緑地の約94%は、所有者が特定生産緑地の指定を受けることを選択しており、今年度に指定を完了する予定です。その後も、毎年期限を迎える生産緑地の所有者に対し、特定生産緑地への指定を働きかけ、可能な限り農業を継続していただき、貴重な農地の保全が図られるよう努めてまいりたいと存じます。  私からは以上です。 ○議長(大和田伸議員) 以上で浅井くにお議員の一般質問を終わります。  3番松本みつひろ議員。       〔3番(松本みつひろ議員)登壇〕 ◆3番(松本みつひろ議員) 自民・無所属・維新クラブの松本みつひろです。通告に従い、一般質問をいたします。  質問内容は、教育について、保育の質について。教育では、具体的に、1人1台タブレットを活用した教育について、ICTを活用した教育現場の環境改善としての欠席届等のオンライン化並びに教育費等の回収について、セキュリティーの考え方と今後のICT教育に対する取組について、不登校児専門校について、中学校等別評定割合について、校則、特に体育の際の肌着等着用と置き勉について、事故防止について、教室の防犯カメラについて質問いたします。  まず、児童生徒1人1台タブレットの活用状況について伺ってまいります。  今年2月に全校への配備が完了しましたが、それ以降の活用状況として、令和3年度に1度以上授業で活用した学級の割合を確認します。あわせて、教科ごとのタブレット授業の実施状況を伺います。  また、オンラインホームルームを実施した学級と、タブレットで完結する宿題を出したことのある学級、そのうち、Microsoft Teamsを介して宿題を出したことのある学級の割合をそれぞれ確認します。  オンラインホームルームについては、不登校の児童生徒とのコミュニケーションにも効果が期待されますが、オンラインホームルームに不登校の児童生徒が参加した事例がどの程度あるか伺います。  小学校で学習する1,182文字を1画ずつ表示し、書き順などの学習に適したパワーポイントスライドが無償で提供されていますが、このようなタブレットならではの学習効果のある民間提供の教材を活用している事例があるか、確認します。  タブレットを活用した教育のメリットの1つとして、学習に困難のある児童生徒が活用できる様々な機能があります。ワードやワンノートの文章を音声で読み上げ、また読み上げている箇所をハイライト表示する機能や、読みたい行に集中するために前後の行を隠すフォーカス機能は、読みに障害のあるディスレクシアの児童生徒の活用を主に意図して搭載されています。  聴覚障害のある児童生徒への情報保障としての、話した言葉をテキスト化するディクテーション機能や、書字に障害のあるディスグラフィアの児童生徒向けに、黒板を写真撮影し、音声データも1つのノートとしてまとめることが可能なワンノートの各機能が活用できれば、紙ベースで行われていた学習よりも効果的な学習が期待できます。そのような区立学校の取組事例を御紹介ください。  また、タブレットを活用し、協働編集を通じてアクティブラーニングを実現した事例、動画教材を活用した反転学習を行っている事例、また自動採点機能を活用した小テストの実施等の事例が現時点で出ているか、確認します。  東京都立富士高等学校・附属中学校と西高校、日比谷高校の3校では、富士の野村公郎統括校長が推進するメガ都立構想の実現に向けた取組が始まっています。メガ都立構想の概要を御説明ください。  昨年の第3回定例会における私の一般質問で、「例えば小学校3年生の算数であればそれを一番上手に教えられる先生の授業を録画、放映し、教室にいる教師が演習や意見交換に特化するようなやり方、いわゆる反転授業への発展が今後期待される」と申し上げたところ、教育政策担当部長からは、「しかし、本来学校で行う授業は、子供たちの信頼関係を基盤とし、教科書や子供の実態を加味した教材を使用して、考えたり話し合わせたりしながら求められる力の育成を目指すものです。したがって、学習動画は授業に成り代わるものではない」という御答弁がありました。  メガ都立構想では、録画ではなく遠隔地からのライブ中継を活用する点、さきの私の提案とは異なりますが、今後、メガ都立構想に込められたコンセプトを区立小中学校での教育に生かすことについて、現時点での区教委の見解を求め、次の項に移ります。  1人1台タブレットの活用は、児童生徒だけでなく、先生方にも大きな恩恵をもたらすものです。かねてより問題となっている教員の働き方の観点では、保護者との連絡手段のデジタル化、校務のデジタル化、リモートワークのさらなる活用や遠隔会議の実施などによって、事務作業に拘束される時間を縮減し、その中から子供たちと向き合う時間を増やしていくことが期待されます。  私の元にも既に195件の要望が保護者等から寄せられている遅刻、欠席連絡のオンライン化について、様々なソリューションが提案されているところです。杉並区でも幅広く活用されているすぐメールの上位システムである「すぐーる」では、遅刻、欠席届のような保護者から学校への連絡だけでなく、プリント配布やメッセージ配信など、学校から保護者への連絡、また地域支援団体から保護者への連絡も可能となっています。  費用をかけないやり方として、保護者がMicrosoft Formsに入力した情報が、Teamsへの投稿で教職員に通知、別途エクセルで蓄積されるといったように自動的に処理されるソリューションも示されています。マイクロソフト社が大阪府堺市で検証した結果では、このソリューションの採用による1校当たりの年間の削減時間は40時間と算出されています。  これらのソリューションを採用し、ICTを活用して教員、保護者の負担を軽減することについて、区教委の見解を求めます。  昨年の第1回定例会における私の一般質問に対する答弁では、ICT支援員の体制について、小中一貫教育連携校の7グループに週3回程度、それ以外は週1回程度、33名で訪問、サポートをしているということでした。令和3年度ではどのような体制強化が図られているか、確認します。  教育委員会内の体制について、昨年の第2回定例会では、ICTの知見のあるメンバーが今後さらに緊密な連携を図って、子供の学びを豊かにする環境を目指していくという答弁がありましたが、その目標に対し、具体的にどのような体制変更を行ったか伺います。  1人1台タブレットとは直接関係しませんが、給食費、教材費、PTA会費などの学校徴収金に関する問題点について、議会でも長年にわたって指摘がなされてまいりました。口座振替との組合せで徴収金管理業務における教員の負荷軽減を図ることができるSaaSが出てきており、これを活用することで、業務の効率化だけでなく、必然的に公会計への移行についても筋道を立てることが可能となります。学校徴収金におけるSaaSの活用について、区教委の見解を求めます。  指導力向上にTeamsを活用する取組事例として、千葉県教育委員会では、Teams上で教科や分掌単位での教員コミュニティーを育成し、投稿やファイル共有等の意見交換の場を支援しているということです。従来型の教科だけでなく、ICT活用に係る指導案や教材、STEM教育に役立つカリキュラムなどの共有と相互活用もTeamsが基盤となって行われているということです。教員同士の情報共有を活性化させ、指導力向上を図る取組について、区教委の見解を求めます。  また、昨年の第1回定例会では、当時の教育企画担当部長であった白石教育長から、教員がICT機器を効果的に活用した質の高い授業を行うためには、教員のITリテラシーを向上させることが必要、教員研修の充実を図り、ITリテラシーの向上につなげていくという御答弁がありました。一方、1人1台タブレット導入以前から多忙であった教員が、タブレットへの対応も追加で行っている状況と認識しています。ITリテラシー向上を目的とした研修を充実させることができているか、それを教員が適宜受講できているかについて、現状を確認します。  ICTを活用する学びを実現するに当たり、紙ベースで学習が行われていた時代とは、セキュリティー対策の力点も変わってきます。また、ITセキュリティー自体にもパラダイムシフトが起きつつあります。教育委員会だけでなく、区としても、これまで境界防御型セキュリティーを強化してまいりました。これは、守るべき情報資産は境界内部にあり、アクセスは境界内部からに限定し、脅威は境界の外にとどめておくために、壁を高く設けるという考え方です。  その後、教育の世界に限らず、クラウド環境が当たり前のものとなっている今日、ゼロトラストセキュリティーという考え方が広く提唱されるようになりました。ゼロトラストセキュリティーについて御説明いただき、その上で、このコンセプトについての区教委の認識と対応方針について答弁を求めます。  ベネッセ教育サイトの記事によると、2021年度の中学入試では、事前には受験生が減ると予測されていましたが、結果として、受験者数は昨年度とほぼ同じだったことが紹介され、その要因の1つとして、私立中学校のオンライン対応の早さが評価されたと分析しています。首都圏の私立中学校99校が回答したアンケートによると、昨年の4月時点で、オンラインホームルームを96%、双方向型授業を85.9%の学校が実施していたということです。  このことからも、教育にICTを活用することに期待をしている保護者と児童生徒が多く存在することが推測され、機会の平等を負託されている公教育の現場でも、教育分野のICT活用を促進し、子供たち一人一人に個別最適化され、創造性を育む教育への進化が加速することが期待されている、このように感じております。  区立小学校の卒業生のうち、私立中学校に進学した児童の割合を平成29年度以降で確認し、魅力ある学校づくりとの関連で、今後のICT活用について、区教委の意気込みを伺います。  その上で、令和4年度を始期とする新教育ビジョンの策定に向け、杉並区教育振興基本計画審議会がこれまでに6回開催されておりますが、新教育ビジョンと教育ビジョン推進計画それぞれに、ICT活用における意気込みをどのように反映しようとしているか確認し、次の質問に移ります。  今年4月、不登校児専門校である岐阜市立草潤中学校が開校されました。開校に当たっての学校説明会には、40名定員のところ、120家族、実に380名が参加したということです。全ての授業はオンラインも併用のため通学しなくてもよい、担任教師は生徒側の選択制、時間割は教師と生徒が相談しながら一緒に決める、職員室は生徒に開放する、生徒は食事をしてもただくつろいでもよい、開校時の先生は異動でなく手挙げ方式といった特色が示されており、実に革新的なものと感じています。  開校に先立って行われた開校除幕式、内覧会で、京都大学総合博物館准教授・塩瀬隆之氏が行ったスピーチでは、フランスの絵本「バーバパパのがっこう」を紹介することで、学びの選択肢がたくさんあることの重要性を強調されていました。このような「バーバパパのがっこう」がもたらす示唆を区教委としてどのように解釈しているか、見解を求めます。  また、不登校児とのかかわりについて、今後の展望を伺います。  岐阜市のホームページには、草潤中学校の方向性として、「全ての子どもたちにとって充実した教育機会の確保を目指す。」とあり、さきに触れた特色は、不登校児に限らず、全ての児童生徒の学びの選択肢を拡充することにつながるのではないかと考える立場から、区立小中学校にもこのエッセンスを導入することを提案しますが、このことについて見解を求め、次の項に移ります。  東京都教育委員会が平成14年度から実施している都内公立中学校第3学年及び義務教育学校第9学年の評定状況の調査、いわゆる中学校等別評定割合について、この調査の目的と、区立学校における活用状況について確認します。  この調査における「目標に準拠した評価」を物差しとした上で、杉並区の教育をどのように分析しているか、見解を伺います。  令和元年度末調査と令和2年度末調査における変化と、その要因についても見解を求めます。その上で、学校単位での調査結果に表れている傾向と、区が以前から取り組んでいる学校の特色ある教育活動における取組に関連性が見いだされているかについて答弁を求め、次の項に移ります。  3月9日の川崎市議会予算特別委員会の中で、体育の授業時に肌着等の着用が禁止されている学校の存在が指摘され、教育長が、「改めて各学校の状況を調査した上で、今後、見直しも含めて検討」と答弁、また報道でも取り上げられ、話題となりました。  杉並区立学校でも体育の授業時に肌着等の着用が禁止されている学校があったのか、確認します。  肌着等の着用を禁止していた学校では、学校から保護者にあらかじめ説明がなされていたかを確認します。  健康面や衛生管理面での指導には別の方法もあり、児童の自我や健全な性意識を育てる上で不適切な指導であるという問題意識から、体育の授業における肌着等の着用禁止について速やかに改善を求めますが、このことについて区教委の見解を求めます。  また、文部科学省が平成30年9月6日に発出した「児童生徒の携行品に係る配慮について」という事務連絡の中で、その日家で使わない教科書等を教室内などに置いて帰る、いわゆる置き勉が正式に認められることになりました。タブレットの持ち帰りが始まったことなどから、児童生徒の携行品の重さに対する配慮は一層重要になっていると感じますが、プレジデントオンラインの記事によれば、忘れ物をなくすための指導として、置き勉を認めないという教師も多いということです。  忘れ物をなくすために置き勉を認めないという指導に対する区教委の見解を求めるとともに、区立学校の置き勉の実施状況を確認します。  また、タブレットを学校で利用しない日は、自宅に置いておくなどの柔軟な対応についても要望します。  肌着等の着用や置き勉に限らず、校則の問題については、ブラック校則、学校の謎ルールなどという表現を用いられ、全国津々浦々で話題となってきました。  まず、校則の法的根拠を確認します。  憲法上の子供の教育を受ける権利や学習権、発達権、幸福追求権、保護者の教育権などと、各校で定められている校則の整合をどのように取っているかについても確認します。  現実的には、学校長の権限で定められる部分社会における自律的権能である校則を、それら法的根拠に立脚して定めることは困難であろうと思いますので、それであれば広く一般に公開し、保護者や地域社会の感性とすり合わせながら運用していくことが望ましいと考えます。  校則について、入学説明会等の機会に保護者に全文を配布している学校、またホームページ等で公開している学校があるか、確認します。  また、学校生活におけるルールですので、発達段階に応じ、児童生徒も自治の概念にのっとって校則の制定、改定に関与できることが望ましいと考えますが、このことについて区教委の見解を求めます。  続いて、サッカーのヘディングについて伺います。  アメリカのメア集団訴訟を契機とした、ヘディングの禁止規制が外国で広がりを見せています。2015年11月に、アメリカのサッカー協会が10歳以下の子供のヘディング禁止を発表、イングランドサッカー協会も昨年2月、11歳以下の子供のヘディングを原則禁止するという方針を打ち出しました。同年の欧州サッカー協会の調査では、ヘディング禁止の妥当性は見当たらないとされているものの、公益財団法人日本中学校体育連盟(以下中体連)が行ったアンケートの結果でも、ヘディングの危険性について、着地時の捻挫、転倒、骨折や、ジャンピングヘッド等空中での動作を伴う場面での転倒、また頸椎や脳へのダメージによる危険性を認識している指導者が多くいることが明らかになりました。  杉並区内の小中学校における体育と中学校の部活について、それぞれヘディングの禁止状況を確認します。  また、サッカー全体における負傷と、そのうちヘディングにおける負傷が杉並区の小中学校でどの程度起きているか、令和元年度の状況を確認します。  中体連のアンケートでは、小学生に対して授業でヘディングの指導をしたという回答が8%にとどまり、多くの児童生徒が見よう見まねでヘディングを行い、事故の危険にさらされているという状況です。  事故が起きないよう正しい技術を指導するに当たり、中学校の授業で指導するための資料として、体育実技副読本を97%、ユーチューブ等資料を23%が、サッカー部員の技術指導に当たっては、サッカー協会の資料が31%、市販サッカー解説本について20%が活用しているということでしたが、これらの資料が区立中学校でどのように活用されているか、確認します。  スポーツ文化の1つとして、ヘディングを知ること、安全にプレーできるように発達段階に合った適度な練習をすることに異論はありませんが、ヘディングが嫌いであるためにサッカーを嫌いになるようなことがないよう留意いただき、対象に応じて用具やルールを最適化することで、より多くの子供がサッカーに親しみ続けられるよう指導することを求めますが、このことについて区教委の見解を伺います。  4月24日に福岡県北九州市若松区の中学校体育館で、壁に設置されていたバスケットゴールが落下し、1年生女子のバスケ部員の顔に当たり、左目のまぶたに3針縫うけがを負う事故がありました。また、27日には宮城県白石市で、防球ネットの木製支柱が折れて、1名が死亡、1名が顔に大けがを負ったということです。  このような事故が相次いでいることを受け、文部科学省は、倒壊のおそれがある学校設備の有無を確認し、一斉点検を行うよう要請しています。バスケットゴールや防球ネットだけでなく、朝礼台や国旗掲揚に使うポール、移動式のサッカーゴールなどを想定し、教員による目視では安全確認が難しい設備をリスト化して学校現場に示すとしています。
     一斉点検の取組状況について、現時点での対応状況を伺います。  事故防止の観点からの最後に、組み体操について確認します。  スポーツ庁が令和元年7月5日に発出した「学校における体育活動中(含む運動部活動)の事故防止等について」という事務連絡では、組み体操を特出ししての注意喚起が行われ、東京都では平成28年度から、ピラミッドやタワーなど危険性の高い技を都立学校で原則休止としています。  都教委の対応方針においては、区市町村立学校における対応は、地域の特性や学校の実情等を踏まえ、市区町村教育委員会が適切に判断することとされていますが、杉並区における組み体操の実施状況について確認します。  この項の最後に、学校における子供の事故防止に関する区教委の意気込みを伺い、次の質問に移ります。  教育に関する質問の最後に、教室内への防犯カメラ設置について伺います。  1月に、区立学校教員が児童買春・児童ポルノ禁止法違反で逮捕される事件がありました。区職員の盗撮行為による現行犯逮捕の事件も含め、区の関係者に性犯罪が続いていることは誠に遺憾であり、速やかな改善を求めるものです。  前回の一般質問の際に、性教育の改善に関して後ろ向きな御答弁がありましたが、これらの事件が被害者にどのような悪影響をもたらすか、子供たちだけでなく大人にも学習の機会が必要ではないかと思わざるを得ません。稲城市では、担任の男性教諭に、休み時間中の教室で脇腹や下腹部を数分間触られるなどのわいせつ行為によって精神的な苦痛を受けたとして、児童と両親が市に賠償を求める訴訟を昨年11月に起こしています。  さきの決算特別委員会では、教室内へのビデオカメラ設置について提案がありました。立証が難しい小児性犯罪の証拠となり得ること、教員側の無犯罪の証明にもなるという観点では重要な要素だと思う一方で、児童のプライバシー等も重視すべきものです。それらの比較考量において、教室内への防犯カメラ設置をどのように考えているか、区教委の現時点での見解を求め、保育の質問に移ります。  杉並区では令和3年4月1日時点で4年連続の待機児童ゼロを達成し、今後はより一層保育の質を高めることに注力することが期待されます。  厚生労働省が2019年度に初めて行った実態調査によって、暴言や虐待などの、子供の人格、人権尊重の観点から改善を要すると判断される行為として、不適切な保育が345件確認されています。この中に杉並区内の保育所が含まれていないか、確認します。  昨年4月から5月にかけての緊急事態宣言下では、保育所等を原則臨時休園としましたが、保育士等の処遇等の観点から、運営費や処遇改善費を減額しないことを求め、区としてもそのように対応したものと認識しています。その後、保育士等から賃金の減額、不払い等に関する区への申立てや通報等がなかったか、確認します。  保育の質に関する著書を複数出版しているジャーナリストの小林美希氏によると、委託費の弾力運用によって、園の運営費として支払われている経費が園運営以外の用途に使用されてしまうことが、保育の質が下がる要因であるということですが、区内の保育所等運営の現状を踏まえ、区としてこの指摘に対してどのように考えるか、見解を求めます。  とうきょう子供・子育て施設ポータル、通称こぽるを見ると、保育園ごとの財務状況、モデル賃金を確認できる園と確認できない園がありますが、どのような園が掲載されているか、掲載されている認可保育園は幾つあるか、また、財務状況等がこぽるに載っていない園の財務状況等を区として把握しているのか、確認します。  園の運営費として支払われている給付金等も原資は税であることから、財務状況については、今後広く区民に公開することを検討すること、並びに財務諸表については、運営法人独自のものではなく、区から統一のフォーマットを示し、それを利用するよう促すことを要望します。  こぽるでは、人件費比率についても公表されていますが、杉並区内の認可保育園において、人件費比率の分布はおおむねどのようになっているか、確認します。  施設によって開きがあるとすれば、どのような要因があるのか、見解を求めます。  人件費比率の低いことは、保育士の処遇の低下につながり、ひいては保育の質の低下につながるのではないかという懸念を覚えますが、このことについて区の見解を求めます。  保育の質を高めていく上で、不適切な保育または不適切な運営を未然に防止するためには、自治体による立入検査等の助言、指導、監査が重要ではないかと考えますが、区の近年の対応状況を確認し、質問を終わります。 ○議長(大和田伸議員) 理事者の答弁を求めます。  子ども家庭部長。       〔子ども家庭部長(武井浩司)登壇〕 ◎子ども家庭部長(武井浩司) 私からは、保育に関する一連の御質問にお答えします。  まず、厚生労働省が行った調査についてですが、不適切な保育とされた345件のうちに杉並区内の保育園は含まれておりません。  次に、臨時休園期間中の保育士等への賃金の支払いについてですが、区ではこの期間も通常どおりの運営費の支給を行っていることから、事業者に対して、保育士等の賃金は減額することなく支払うよう、数回にわたり注意喚起をしてまいりました。現場の保育士から、賃金の減額について御相談をいただいたケースが1件ございましたが、その際も、事業者に対して、人件費を減らすことなく賃金を支払うよう指導を行ってございます。  次に、委託費の弾力運用に関するお尋ねにお答えします。  委託費の弾力運用は、園運営に必要な経費を支出した上で、余剰となった賃金について認められているものです。近年、私立保育施設においては、保育士の賃金水準の改善が着実に図られていることから、必要な人件費等の支出は行われた上で弾力運用がなされているものと認識しており、弾力運用が直ちに保育の質の低下につながるものではないと考えております。  次に、東京都のホームページ、こぽるに関するお尋ねがございました。  東京都のホームページでは、キャリアアップ補助金を満額受給している園について、財務状況等が公表されております。区内の認可保育園については、令和元年度分として、100園中92園が公表されています。また区では、それ以外の園についても決算書類の提出を毎年求め、内容を確認しております。  区内保育施設の人件費比率の分布状況ですが、令和元年度の実績数値では、40%台が17園、50%台が40園、60%台が22園、70%以上が13園となっております。園により開きがありますが、人件費比率は、保育士等の年齢構成や在籍年数等により異なってくるものであり、人件費比率が低いことから直ちに保育士等の処遇が悪いとは言えず、したがって、保育の質の低下に直結するものとは考えておりません。  区といたしましては、巡回訪問による助言、指導や中核園の取組などにより、全ての園において質の高い保育が提供されるよう支援を続けてまいる所存でございます。  最後に、保育施設への立入検査等に関するお尋ねにお答えします。  区では、巡回訪問による日常の保育への相談、助言に加えて、法に基づく指導検査による指導監督を行っております。令和2年度からは、認可外保育施設も指導検査の実施対象に加えております。さらに令和4年4月からは、前年度分の指導検査結果をまとめて公表することも予定しており、こうした取組を通して、全ての保育施設において適切な保育が提供されるよう、きちんと目を配ってまいります。  私からは以上です。 ○議長(大和田伸議員) 教育政策担当部長。       〔教育政策担当部長(大島 晃)登壇〕 ◎教育政策担当部長(大島晃) 私からは、まず、1人1台タブレット端末を活用した教育についてお答えいたします。  今年度、授業でタブレット端末を活用した学級の割合は、5月末現在、小中学校合わせて約6割であり、国語科や算数・数学科、社会科や理科など、幅広く活用されています。  また今年度、オンラインホームルームを実施した学級の割合は約12%です。  タブレット端末で完結する宿題を出したことのある学級は現在19クラスありますが、Microsoft Teamsを介して宿題を出したことのある学級はまだありません。  オンラインホームルームへの不登校の児童生徒の参加については、21校で実績があります。  続いて、タブレット端末ならではの学習効果のある教材の活用ですが、空間図形のデジタル教材や地図アプリケーション等の活用により、児童生徒が自らの疑問について調べたり、個別に学習を進めたりしております。  次に、紙に代わる取組としては、理科の観察の実験で、弱視の児童が対象となる昆虫や植物をタブレット端末で撮影し、画面上で拡大して観察するといった事例がございました。さらに、社会科の新聞作りや理科の実験のまとめの際に、グループで分担して協働的に作成、編集するなど、タブレット端末の学習支援機能を活用しております。また、区独自のドリル教材である杉並算数ドリルの自動採点機能を活用している事例もあります。  なお、動画教材を活用した反転学習を行っている事例はまだございません。  次に、メガ都立構想についてお答えいたします。  メガ都立構想とは、都立高等学校校長が提唱する取組で、ほかの都立高等学校と連携して、他校の授業をオンラインで受講できるようにするものと認識しております。義務教育段階での授業は、教員と子供との信頼関係を基盤として、子供たちの実態に応じた教材を使用し、自ら考えたり友達と話し合ったりしながら行うことに価値があるため、区立小中学校での教育にこの構想を生かすことは考えておりません。  次に、遅刻、欠席連絡のオンライン化についての御質問にお答えいたします。  オンラインを用いた保護者からの欠席等の連絡については、学校便り等の保護者との情報共有及び保護者への各種アンケートと併せて実施していきます。教育委員会では、教員、保護者の負担を軽減することは重要なことだと捉えており、引き続き取り組んでまいります。  次に、教育委員会内のICTに係る体制についてのお尋ねですが、学校の教育力や教員の指導力等の向上を図るため、新たに済美教育センター内にICTアドバイザーを置き、学校からの依頼に応じて派遣しております。また、新たに委嘱したデジタル戦略アドバイザーを活用して、教育のデジタル化に関する方針の策定、セキュリティーポリシーの改定を進めております。  次に、教員研修についてお答えいたします。  昨年度導入したオンライン会議システムとオンライン情報連絡システムを活用することで、教員同士の情報共有や意見交換が可能となっております。これらのシステムは、教員研修や研究会、会議などでも活用され、教員の指導力向上にもつながっております。  続いて、研修については、これまでも授業支援ソフトやデジタル教科書等の活用方法を学ぶ研修を設けております。今年度は研修の回数を増やし、教員が適宜受講できる体制を整えております。  次に、魅力ある学校づくりと今後のICT活用についての御質問にお答えいたします。  魅力ある学校づくりについては、ICTの活用だけでなく、子供たちが安心して通えることや、保護者、地域に開かれていることなど、総合的なものであると考えております。  一方、ICTについては、これからの学校教育を支える基盤的なツールとして必要不可欠なものであるという前提に立ち、教育委員会として、全ての子供たちの可能性を引き出す個別最適な学びと協働的な学びを一体的に充実させていきます。この考え方は、現在策定している教育ビジョンにも反映していきたいと考えております。  なお、区立小学校の卒業生のうち私立中学校に進学した児童の割合は、平成29年度以降、どの年度も30%であり、変わっておりません。  次に、不登校児童生徒についての御質問にお答えいたします。  議員御指摘の事例は、不登校児童生徒一人一人の状況に応じた多様な教育機会を確保することを通して、社会的自立を目指すことを示唆しているものと考えます。  区立学校においては、子供の発達や学習を取り巻く個別の教育ニーズを把握し、様々な課題を乗り越え、一人一人のよさや可能性を伸ばしていくようなきめ細かい支援を重ねてきております。今後はさらに、多様な児童生徒の興味、関心等に応じ、1人1台タブレットの活用等を通して、学習者主体の学びの充実を図り、誰一人として取り残すことのない教育を目指してまいります。  次に、中学校等別評定割合についての御質問にお答えいたします。  この調査は、東京都教育委員会が主体となり、中学校3年生の評定の状況について、客観性、信頼性があるかを確認することを目的としております。区立中学校では、この調査結果を活用して自校の評定状況を把握し、校内で共通理解を図った上で、次年度の評価基準を適切に設定するようにしております。  令和2年度の調査結果からは、各中学校において、指導と評価を一体のものとして考え、生徒の学習の成果を的確に捉えることができていることが分かります。令和元年度と令和2年度の調査結果を比較しても、これまでと同様、適正な評価、評定が行われたため、特段大きな変化はありません。  なお、調査対象が毎年変わりますので、学校単位の傾向を見いだすことは困難と考えております。  また、この調査の趣旨から、学校の特色ある教育活動と関連性があるものとは考えておりません。  次に、体育の授業時の肌着の着用に関するお尋ねですが、これまで、汗などにより体を冷やさない等の児童の健康面や衛生管理面から着用を禁止している学校も数校あり、その中には、保護者にあらかじめ説明をしていなかった学校もございました。  現在、教育委員会においては、児童の心情や保護者の意見を尊重しながら、社会通念に照らして適切な対応を行うよう各学校に指導助言をし、各学校においては、肌着を着用する場合は替えの肌着を持参させるなど、配慮しているところでございます。  次に、児童生徒の持ち物についてのお尋ねですが、各学校において、保護者とも連携し、児童生徒の発達段階や学習上の必要性、通学上の負担等の実態を考慮して判断することが大切となります。教育委員会といたしましては、区立学校においては、児童生徒の持ち物について、各学校内で共通認識を図り、適切に実施していることを確認してございます。  次に、校則に関する御質問にお答えいたします。  校則についての法的根拠はありません。学校という集団生活の場においては、学校の決まりが必要であると考えますが、その決まりは、子供たち自身が自らの生活をよりよくしようと主体的に関わって作成することが大切であると考えます。  現在、区立学校においては、自分たちで決まりをつくり、守っていくといった自発的な取組が見られます。教育委員会といたしましても、こういった自ら考え、働きかける活動を支援してまいります。  また、校則の内容については、各学校において、入学説明会や保護者会等で保護者に説明しておりますが、ホームページに掲載している学校はございません。  次に、体育や部活動におけるヘディングに関する御質問にお答えいたします。  小中学校における体育と中学校の部活について、ヘディングを禁止するといった状況はございません。  また、令和元年度のサッカー型の運動による負傷は17件、うち、ヘディングによる負傷は発生しておりません。  教科書のほか、副読本や資料集、また動画資料は、指導者にとっては、事故を防止し、正しく指導するため、また学習者にとっては、安全な学習方法を学ぶために使用しております。学校においては、これまでも軟らかいボールを使用したり、コートの広さやルールを工夫したり、子供の実態に応じたきめ細かな配慮の下、安全で楽しく学べるよう指導を行っております。  次に、組み体操の実施状況と事故防止に関するお尋ねですが、令和元年度に組み体操を実施した学校は、小学校28校、中学校はありませんでした。いわゆるピラミッドとタワーについては、不可抗力によるけが等の危険性が高いことから、実施してございません。  教育委員会といたしましては、今後も安全に関する指導の徹底や事故事例の情報共有を通して事故防止を図り、児童生徒の健やかな成長を育む環境づくりに努めてまいります。  私から最後となりますが、区立学校の教室内への防犯カメラ設置についてのお尋ねにお答えします。  教室に防犯カメラを設置することについては、児童のプライバシー保護の観点や、終始監視されることによる心理的な圧迫感など様々課題があり、適切ではないものと認識しております。  私からは以上でございます。 ○議長(大和田伸議員) 教育委員会事務局次長。       〔教育委員会事務局次長(齊藤俊朗)登壇〕 ◎教育委員会事務局次長(齊藤俊朗) 私からは、ICTに関わる所管に関する御質問にお答えします。  まず、ICT支援員の体制についてでございますが、こちらにつきましては、昨年と同様の体制で、週1から2回程度学校を訪問し、ICT機器やソフトウエアの操作など技術的な支援を行っているところですが、加えて、1人1台タブレット端末が実現したことにより、新たに委託し、専用コールセンターを設けているところでございます。  次に、SaaSの活用についてお答えします。  ネットワークを介したサービスとして利用するSaaSについてでございますが、学校徴収金に関しましては、まだ取り組んでいる事業者は少ないものと認識しており、今のところ活用については考えてございません。  私からの最後になりますが、次に、ゼロトラストセキュリティーに関するお尋ねにお答えします。  これは、ネットワークの内部と外部を区別せず、全ての通信をひとしく疑ってかかるという概念でございます。クラウド環境が進んでいる現在、ゼロトラストセキュリティーは大変重要な概念と認識してございます。  こうしたことから、教育委員会といたしましても、外部からのセキュリティー対策として、データにアクセスする際のパスワード認証、ユーザーごとのアクセス権の制限、必要に応じて操作ログを確認できる仕組みなどの対策を図っているところでございます。  私からは以上です。 ○議長(大和田伸議員) 学校整備担当部長。       〔学校整備担当部長(中村一郎)登壇〕 ◎学校整備担当部長(中村一郎) 最後になります。私からは、学校整備の一斉点検の取組状況に関する御質問にお答えをいたします。  区では、他自治体において防球ネットの木製支柱が折れる事故があったことを踏まえ、いち早く各学校における調査を実施し、まず、木製支柱はないことを確認いたしました。さらに、鉄製、コンクリート製の支柱についても、傾きや亀裂、塗装の状況などの点検を各学校に指示したほか、特に築年数の古い防球ネットの支柱などがある学校については、現在、学校整備課の職員が直接伺い、点検を行っているところです。  私からは以上です。 ○議長(大和田伸議員) 3番松本みつひろ議員。       〔3番(松本みつひろ議員)登壇〕 ◆3番(松本みつひろ議員) 御答弁ありがとうございました。何点か非常に明確なお返事もいただけて、大変ありがたく思っておりますが、1点だけ再質問させていただければと思っております。  ICTの教員に対する研修の件なんですけれども、今年度さらに充実させていくというふうな形で、以前いただいた御答弁に対して、着実に進めていただいていることを確認できたのはよかったんですけれども、一方で、研修の時間を増やすことが負担の増加につながるのではないかという懸念を前段で申し上げていたところがありまして、そういった面で、研修の増加と負担軽減というものをどういうふうに両立させていくかというところについて、概略だけでも結構ですので、今お考えのところを伺えればというふうに思っております。  この1点のみ再質問とさせていただきます。
    ○議長(大和田伸議員) 理事者の答弁を求めます。  教育政策担当部長。       〔教育政策担当部長(大島 晃)登壇〕 ◎教育政策担当部長(大島晃) 私から、ICTに係る研修の再度の御質問にお答えいたします。  令和元年度が2回、令和2年度が15回で、3年度は、実は31回予定しております。これまでは、各学校のICTの推進役となる教員を集めてといったところの研修が主でしたけれども、そこの裾野を広げて、より学びたいといった教員に対して研修を保障していくということで設定しております。  そういったことから、これまではICTに特化した教員の負担といったところですけれども、各教員が、自分の授業を向上するためにということで意欲を持って参加といったところになるので、そういった意味での負担は感じないものというふうに考えております。  私からは以上です。 ○議長(大和田伸議員) 以上で松本みつひろ議員の一般質問を終わります。  13番中村康弘議員。       〔13番(中村康弘議員)登壇〕 ◆13番(中村康弘議員) 杉並区議会公明党の一員として、がん対策について質問を行います。  本年4月、国立がん研究センターは、2008年にがんと診断された患者約24万人の10年後の生存率の調査を行い、59.4%であったと発表しました。全国240施設の院内がん登録のデータを基に算出したもので、10年生存率では初の大規模な調査として注目されております。  がんは確かに怖い病気ではありますが、約6割の方が10年以上生きていることが示されており、もはや不治の病ではなくなったと言えるでしょう。  我が国の政策としてのがん対策は、2007年4月にがん対策基本法が施行され、6月にはがん対策推進基本計画(第1期)が策定、総合的、計画的な取組が始まりました。基本計画は、現在、第3期として2017年度から2022年度までの期間で、1、科学的根拠に基づくがん予防・がん検診の充実、2、患者本位のがん医療の実現、3、尊厳を持って安心して暮らせる社会の3つの全体目標に向けての対策が進められております。  本区においては、区議会の平成22年第3回定例会で、私は、最初のがん対策についての一般質問をいたしました。そしてその翌年、今年からちょうど10年前の2011年1月、健康と医療・介護の緊急推進プランが策定され、予防、早期発見・早期治療、がん患者、家族の療養支援(特に在宅医療推進体制の充実)の3本柱を中心とした総合的ながん対策が開始しました。  その後、緊急推進プランは、23区で2番目の策定となる杉並区がん対策推進計画へと発展し、平成25年度から29年度の5か年計画として、一次予防の推進、たばこ対策の強化、がん検診の推進、がん患者と家族の支援などに取り組んできました。推進計画は、平成30年度から保健福祉計画の中に包含されています。  この間、区の総合計画においても、がん対策を重点課題と位置づけ、がんの75歳年齢調整死亡率減少への具体的な数値目標を設定して、長期的な視点に立った取組を進めてきました。  こうした変遷を経てきた本区のがん対策について、この10年間の取組の総括を伺います。  総合計画では、75歳未満年齢調整死亡率の2021年度の目標を、人口10万人に対して男性92.1、女性51.4と設定し、基準となる2012年の実績から、男女それぞれ5.4ポイント、15.5ポイントの改善を目指してきました。今年度がその到達時期を迎えることになりますが、直近の状況及び達成の見通しを伺います。また、東京都全体の数字と比較して本区はどのような状況にあるのか、お聞かせください。  がん検診について伺います。  がんは、ある程度進行しないと症状が出にくい病気で、早期のがんで症状が出ることはほぼないと言われています。1つのがん細胞が、検診で発見できる1センチ程度の大きさになるまでには10年から30年を要する一方、その1センチの病巣が2センチになるのには、僅か2年弱しかかかりません。したがい、検診を受けずに早期がんが放置されると、多くの人の体内で1年から2年かけて進行がんに成長していくことになります。  例えば胃がんでは、ステージ1の5年生存率は98%であるのに対し、ステージ4になると8%になることなどからも、いかに検診が大切であるかが分かります。  この10年間で、本区のがん検診受診率はどのように推移してきたのでしょうか、お示しください。  公益財団法人日本対がん協会が、各支部の協力を得て、昨年1月から12月の住民検診の受診者数を調査したところ、新型コロナウイルス感染症蔓延の影響を受け、5つのがん検診の受診者数は延べ394万1,491人で、前年より172万9,305人、30.5%も減少していたとのことです。  そして、この減少した受診者数に2018年度の各がん発見率を掛けて推計すると、計約2,100のがんが未発見となっている可能性があるとされ、さらに、協会グループ以外のがん検診や職域の検診、人間ドックなども合わせれば、昨年、日本では、コロナ禍により、少なくとも1万人のがんが未発見になっている可能性があるとのことです。  本区においても、さきの第1回定例会での当会派の代表質問で、昨年度の区のがん検診の受診状況について問うたところ、前年度の約8割で推移しているとの答弁でありました。  改めて、本区の令和2年度のがん検診は、前年度と比較して最終的にどの程度減少したのか、お聞かせください。  がんは、我が国においては、昭和56年より日本人の死因第1位で、現在では年間約38万人の国民が、がんで亡くなっております。男性の2人に1人、女性の3人に1人が、がんにかかる可能性があります。がん検診は不要不急ではありません。コロナ禍にあっても、受診率向上に向けた取組は継続して推進していかなければなりません。  これまで区は、がん検診の受診を促す3大要因として、1、意識の向上、疾病や検診の意識に対する理解を深めるサポート、2、障害の除去、費用やアクセスなど受診機会の整備、3、きっかけの提供、適切なメッセージによる個別勧奨を中心に受診率の向上に努めてきました。  コロナ禍による難しい環境下ではありますが、現在、区はどのような工夫を行い、受診を促す取組を行っているのでしょうか。  一方で、現状、区のがん検診では、具体的にどのようなコロナ感染予防対策が行われているのでしょうか。また、これまで区内でがん検診を原因としたコロナの感染事例はあるのか、確認をいたします。  また、昨年度、ある区内の医療関係者から、区民健診やがん検診の現場に日々接する中で感じている課題について、手続の簡素化や関連書類の様式の改善等を求める要望が区のほうに出され、私のほうにもそうした声が届けられました。このとき受けた指摘に対して、区はどのような対応を行ったのか、お答えください。  昨年度、区は、肺がん検診と胃内視鏡による胃がん検診の実施方法について見直しを行いました。肺がん検診見落としの再発防止策として、指定医療機関制度を廃止し、全て杉並区医師会の専門医や経験豊富な医師複数名により画像を確認した上で、二次判定または総合判定を行う。結果説明は全て対面で行う。肺がん検診判定会で撮影画像の質等を評価、指導する。実施医療機関の担当医に対して精度管理研修会の参加を義務化し、読影に関する勉強会を実施するなどの改善を行いました。また、胃内視鏡による胃がん検診についても同様に実施方法を見直し、改善策を講じた上で再開をしています。  これらの改善策により、危機管理上どのような効果を意図しているのか、改めて御説明をいただきたいと思います。あわせて、改善策の実施状況についても確認をいたします。  区のがん検診は、今年度より胃部エックス線検査による胃がん検診の対象年齢をこれまでの40歳以上から50歳以上に変更し、また、前立腺がん検査事業は昨年度で廃止となりました。これらの変更については、杉並区がん検診精度管理審議会及び杉並区胃内視鏡検査による胃がん検診精度管理審議会において、国の指針や過去の検査実績の結果などを基に審議を行い、決定したものであります。  一方、私どもは、ヘリコバクター・ピロリ菌の感染などが胃がん発生のリスクを高めるとの研究が広く知られており、全国でもピロリ菌の感染検査、除菌について助成する自治体もあることから、これまで区に対して導入を提案してきました。その際も、区は、国のがん検診の在り方に関する検討状況を注視していくとの姿勢でありました。  あくまでも国の指針や検討状況に基づくというのが、現在の区のがん検診に対する方針であると理解します。しかし、区としても、区民の命と健康を守るという視点から、積極的に情報を収集し、でき得る限りがん検診の充実に努めていただきたいと思います。区の考えを伺います。  次に、がん検診の精度管理について伺います。  がん検診の最終的な目標は、がんによる死亡を減少させることであり、先ほど述べた年齢調整死亡率などの数値指標は、アウトカム指標と呼ばれています。一方で、プロセス指標として、受診率のほかに、要精検率、精検受診率、陽性反応適中度、がん発見率があり、それらを適切に管理することでアウトカム指標の向上を図るというものであります。  東京都福祉保健局のホームページで、本区を含む都内各自治体のがん検診に関するプロセス指標の統計が公表されています。それらのデータから、本区の実績を一覧にまとめました。  議長、ここで資料の提示、よろしいでしょうか。 ○議長(大和田伸議員) はい。 ◆13番(中村康弘議員) この表は、表の横の行が、上から要精検率、精検受診率、精検未受診率、精検未把握率、陽性反応適中度、がん発見率。縦の列は、向かって左から胃がん・エックス線、胃がん・内視鏡、肺がん、大腸がん、子宮頸がん、乳がんで、各がん検診におけるそれぞれの杉並区の平成29年度の実績値を記載しております。そして、国が定める許容値と比較して優れているものを青く、逆に劣っているものを赤く塗っております。  この表から、本区においては、精検未把握率は、多くのがん検診において優れた成績である一方で、大腸がんに関しては、精検受診率、精検未受診率、精検未把握率のパフォーマンスがよくありません。  これらの精度管理の各プロセス指標において、本区はどのような課題があると分析をしているのでしょうか。特に許容値を大きく下回っている項目に対して、何が原因と分析しており、また、そのことに対してどのような対策を行っているのか、お聞かせください。  次に、がん患者の生活支援について伺います。  関連する3つの話題を紹介させていただきます。  1つ目は、重粒子線治療です。  がんの放射線治療法の1つである重粒子線は、従来のエックス線などと違い、体の浅いところでは線量が低く、一定の深さに達すると線量が高くなり、それより奥へは進まないという性質があります。このため、がんの病巣部にだけ集中して照射することができ、正常な細胞を傷つける副作用が少ないとされています。重粒子線治療は、手術を必要としない上に痛みもなく、1回の治療が1時間前後の比較的短い時間で済むため、仕事や日常生活を続けながら外来での治療も可能となります。現在は一部にしか認められていない保険適用の拡大が求められております。また、東京都においては、都議会公明党が、この治療法を都立病院へ導入することを目指しています。  2つ目は、周術期の口腔ケアが、患者の早期の社会復帰へのサポートに有効であるということです。  がんの治療中において、口腔内の清潔を保ち、細菌を減少させることで、誤嚥性肺炎などの術後合併症の発生を抑制し、手術や化学療法による副作用の軽減にも効果があるとされております。専門的な口腔内ケアを行う周術期口腔機能管理は、保険適用が可能であり、区内でも、歯科医院が病院と連携し積極的に実施している事例があります。  3つ目として、緩和ケアの運用について、がんが進行してから始めるのではなく、現在では、がんの治療開始とともに、患者が感じる苦痛の度合いに応じて施すことが推奨されています。区もこのことの普及啓発に努めています。  ただいま紹介した事例に共通するのは、いずれもがん患者のQOLの維持向上に資するものであり、治療と生活の両立のための環境が整備されてきているということであります。がん対策の領域は、患者の仕事や暮らしへと広がってきているのです。  区のがん対策におけるがん患者のQOL維持向上に向けた取組として、現状はどのようなことが実施されているのでしょうか。また、今後こうした分野の取組をさらに充実させていく必要があると考えますが、区の所見を伺います。  学校におけるがん教育について伺います。  ある著名ながん専門医は、がんで命を落とさないための秘訣は、がんを知ることであり、がん治療は一種の情報戦であると述べています。年少の時期や若年世代から、がんについての知識を深めることは大切です。  小中学校におけるがん教育に関して、学習指導要領や文科省のガイドラインにおいて、ここ数年でどのような点が改訂されてきているのでしょうか。また、本区におけるがん教育に対する区教育委員会の考えと今年度の取組予定について伺います。  現在、日本人男性の57万人強、女性の44万5,000人ほどが、1年間に新たにがんと診断されています。国立がん研究センターの長期予測によると、2035年から2039年の平均では、その数が男性64万人、女性53万人になると推計され、それぞれ13%、29%増加すると見込まれています。同じく、過去5年以内にがんと診断され、生存している有病者については、男性は173万人から184万人へ、女性は140万人から167万人へと、今後、それぞれ6%、19%増加すると見込まれています。これらの増加の背景には、高齢化の進展があります。  私たちは、日々生きていく中で様々なリスクと向き合い、それぞれのリスクの大きさを相対比較しながら、自身の価値観に基づき、最適と思われる選択を行っています。これからの時代、一段と高まるがんのリスクと私たちは向き合うことになります。  今年度、区は新たな基本構想や総合計画等を策定しているところですが、最後に、区のがん対策に対する意気込みを改めてお聞きしまして、私の質問を終わります。  ありがとうございました。 ○議長(大和田伸議員) 理事者の答弁を求めます。  区長。       〔区長(田中 良)登壇〕 ◎区長(田中良) 私からは、中村康弘議員の御質問のうち、がん対策の取組の総括及び今後のがん対策に関する御質問にお答えを申し上げます。  区は、この10年間、かけがえのない区民の生命をがんから守るために、健康と医療・介護の緊急推進プランや杉並区がん対策推進計画、保健福祉計画の策定を通して、がん予防の普及啓発、がん検診の受診率向上、がん患者や家族への支援、在宅療養の充実など、様々な事業に取り組んでまいりました。これらの取組の結果、がんを原因とした死亡率が大幅に減少するなど、区のがん対策において一定の成果を得たものと考えております。  また、平成30年の肺がん疑い陰影の見落とし事案を契機といたしまして、質の高い検診を安定的に区民に提供していくために、外部の専門家による審議会を設置して、専門医等による二重読影体制を確立するなど精度管理を強化して、がん検診全体のさらなる質の向上にも取り組みました。  次に、新たな基本構想及び総合計画等におけるがん対策についてでありますが、これまでの基本構想審議会における御意見では、健康医療の分野において、人生100年時代や社会的孤立の防止といったキーワードが示されておりまして、本格的な健康長寿社会に向けた取組が重要であると認識をしているところでございます。  こうした中、がん対策においては、従来から取り組んでまいりましたがん予防及び緩和ケアの普及啓発や、がん検診を推進することによる、がん患者と家族への支援が引き続き大きな対策の柱となるべきだと考えております。特にがんの治癒率のさらなる向上が期待される今後につきましては、がんに罹患しても、住み慣れた地域で安心して暮らせるよう、仕事と両立をしながら治療も受けられるといったQOL、生活の質の維持向上ということについても、人生100年時代の到来とも相まって、欠かすことのできない重要なテーマの1つだと感じております。  区といたしましては、がん患者が社会で孤立することなく、人生100年を謳歌できるように、がん対策についても力強く、そして着実に取り組んでまいる決意でございます。  私からは以上です。残りの御質問につきましては、関係部長より答弁いたさせます。 ○議長(大和田伸議員) 杉並保健所長。       〔杉並保健所長(増田和貴)登壇〕 ◎杉並保健所長(増田和貴) 私からは、75歳未満年齢調整死亡率に関する一連の御質問にお答えいたします。  令和元年度における区の75歳未満年齢調整死亡率は、男性は79.6と大幅な減少となり、令和3年度目標値92.1を達成しております。女性は52.6となっており、死亡率は着実に減少し、令和3年度目標値51.4に近づいております。  また、令和元年度の東京都の数値は、男性は83.3、女性は53.5と、本区が東京都をやや下回っており、この10年間の取組により、男女ともに75歳未満年齢調整死亡率を減少することができたと考えております。  次に、がん検診に対する一連の御質問にお答えいたします。  まず、この10年間の受診率の推移ですが、平成25年度からの自己負担金の減額や、平成26年度からの国保特定健診対象者などへの受診券シールの自動送付の導入などにより、各がん検診ともおおむね順調に伸びてきたところですが、令和元年度以降は、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、胃がん検診と肺がん検診を除くほかのがん検診は、平成23年度の水準を割り込む結果となっております。  次に、令和2年度のがん検診の受診者数の状況ですが、前年度と比較して、子宮頸がん検診は361人、1.8%の減、乳がん検診は1,251人、2.4%の減、大腸がん検診は3,735人、2.1%の減、前立腺がん検査は299人、2.0%の減となっております。  なお、胃がん検診は、胃部エックス線検査が2,074人の減となりましたが、精度管理上の問題から前年度に中止していた胃内視鏡検査を復活したことにより、全体として3.4%の減となりました。  また、肺がん検診は、令和2年度から区民健診と同時に実施していた胸部エックス線検査を廃止し、同検査と一本化したことから、3万2,164人、15.3%の大幅増となっております。  次に、コロナ禍の中での受診を促す取組ですが、新たに子宮頸がん検診と乳がん検診の対象年齢となった方全員に無料クーポン券を送っているほか、「広報すぎなみ」やホームページによる周知に加え、検診を実施する医療機関にポスターを掲示するとともに、各区立施設におけるリーフレットの配布など、普及啓発に努めているところです。  次に、コロナの感染予防策ですが、3密の回避やマスクの着用、換気の実施など一般的な注意事項のほか、日本総合健診医学会など8団体の提言を参考に、1日の予約者数、予約時間の調整を行うことや、健診施設や什器等の頻繁な消毒などを仕様に定め、万全を期しているところです。  なお、区内におけるがん検診を原因としたコロナの感染事例はありません。  次に、昨年度、区内の医療関係者からいただいた要望につきましては、医師会とも協議の上、区民健診及び大腸がん検診等の帳票見直し、手続の簡素化を図ったところでございます。  次に、昨年度見直しを行った肺がん検診と胃内視鏡による胃がん検診の実施方法の変更に関するお尋ねですが、肺がん検診については、二次読影を一次読影した医療機関以外の第三者機関に委託したことにより、国が定める許容値の範囲内で要精検率が収まっております。  また、胃内視鏡による胃がん検診につきましても、二次読影を第三者機関に委託し、常に画像評価ができるシステムを導入したことにより、精度管理の質が向上しております。  なお、検診実施に当たっては、杉並区がん検診精度管理審議会などの意見も踏まえ、要精密検査となった者は対面での結果説明を必須とし、ほかの者は可能な範囲で対面説明を行うことに変更してございます。  次に、がん検診に対する区の姿勢に関するお尋ねですが、区といたしましては、がん検診の目的を区民のがんによる死亡率の減少と捉えており、そのためには、国が指針に示す死亡率減少効果に関する科学的根拠を踏まえていく必要があるものと考えております。今後も国の動向や最新の知見を積極的に収集するとともに、杉並区がん検診精度管理審議会などの意見を踏まえ、がん検診の充実に努めてまいります。  次に、精度管理の各プロセス指標に関するお尋ねですが、区といたしましては、がん検診の目的である死亡率の減少に結びつけていくため、要精密検査となった方の受診率をさらに高めていくことが今後の大きな課題と捉えております。  御指摘の大腸がん検診ですが、平成29年度当時、要精密検査とする基準が不統一で、要精密検査対象者が多く出現する傾向がございました。その結果、精密検査受診率等のプロセス指標が許容値を大きく下回るなどの影響が出たものと分析しております。区といたしましては、平成30年度に検診実施機関の協力の下、精密検査の受診勧奨を始めたほか、令和元年度からは、検査方法、検査キット及び基準の統一を図るなどの対策を行ったところでございます。  私からの最後となりますが、がん対策におけるQOLの維持向上に関する御質問にお答えいたします。  区では、がん患者のQOLの維持向上には、当事者及び周囲の人たちががんに対する知識を習得することが大切であると考え、がん疾患の特徴や治療方法、早期発見の方法など、がん治療と就労の両立支援に関する講演会やセミナーを開催してまいりました。しかしながら、昨年度はコロナ禍のため、これまでの対面式ではなく、専門家によるアドバイス動画を作成し、区のホームページに掲載するなど、新たな手法による啓発を試みております。  今後は、診断を受けてからの働き方や家事、育児についてなど、当事者からのメッセージも動画等を活用して紹介する取組を予定しております。  また、がん患者やその家族が安心して療養生活を送ることができるよう、心身の苦しみや不安を和らげる緩和ケアの普及啓発にも取り組んでおり、様々な手法でがん患者及びその家族を引き続き支援してまいります。  私からは以上でございます。 ○議長(大和田伸議員) 教育政策担当部長。       〔教育政策担当部長(大島 晃)登壇〕 ◎教育政策担当部長(大島晃) 私からは、がん教育に関する御質問にお答えいたします。  これまで、小中学校のがん教育については、喫煙等の行為が肺がんにつながり、健康を損なう原因となることにとどまっておりました。平成26年度からの「がん教育」の在り方に関する検討会を経て、中学校学習指導要領保健体育科の解説において、がんの予防についての内容項目が位置づけられ、がんについて正しく理解することと、健康と命の大切さについて主体的に考えることの重要性について示されたところです。
     教育委員会といたしましては、今年度から、外部講師を招聘した出前授業や、国や都の指導資料等を活用した授業が実践されるよう積極的に働きかけ、生涯にわたって心身の健康を保持増進し、明るく豊かな生活を営む態度を養っていきたいと考えております。  以上でございます。 ○議長(大和田伸議員) 以上で中村康弘議員の一般質問を終わります。  ここで午後1時まで休憩いたします。                               午前11時49分休憩                               午後1時開議 ○議長(大和田伸議員) 休憩前に引き続き会議を開きます。  一般質問を続行いたします。  25番山本あけみ議員。       〔25番(山本あけみ議員)登壇〕 ◆25番(山本あけみ議員) 私は、立憲民主党杉並区議団の一員として、通告に基づき質問をいたします。  冒頭に、新型コロナに罹患された方々の御回復をお祈りするとともに、一日も早い終息を切に願っております。  さて、質問項目は、子供の育つ環境、カーボンニュートラル、長期的な財政計画についてです。  最初に、子供の育つ環境についてお伺いします。  コロナ禍は、社会全体にこれまでには予想もできなかった課題を突きつけられる思いですが、そういった中では、子供たちへの配慮がより一層必要です。  まず、公園について。  区内の公園では、小さなお子さんがはだしで元気に駆け回る姿を見かけますが、一方で、同じ公園内の道路脇や芝生広場などでも、犬の散歩の際に、マナーを心得ない一部の飼い主がふん尿を始末していない状況が散見され、不衛生だと心配の声が寄せられています。子供の遊び場としての安全性を守り、ペットと共生していくために、また飼い主からの要望も多い、エリアを分けるためのドッグラン設置が必要です。  中野区で昨年4月リニューアルオープンした区立平和の森公園には、小型と大型犬を分けた、充実したドッグランが完成しました。それに先駆けて、平成20年に発表された「ペットとの共生」のための提言では、高齢者の孤独を癒やす家族として、また、未来を担う子供たちにとっては、命あるものに対する理解と豊かな情操を育む契機として、ペットは人間の生活に極めて身近であり、共に暮らしていける地域社会の実現は区政の課題としています。  まず、区内のドッグラン設置状況はどうか。今後は都立公園など大規模公園でのドッグラン設置の取組が必要と考えるが、見解はいかがでしょうか。  地域住民の方々からは、現在整備が進む都立高井戸公園内にドッグラン設置を東京都へ要望したところ、杉並区の運営であれば協力できると回答を得たと聞いています。これに対する区の認識と今後の検討状況はどうか、確認をします。  次に、児童館について。  区立施設再編整備計画の現計画における取組はどうか、確認をします。  西荻北と善福寺児童館の施設再編においては、現計画ではどのように示されているのか、お伺いします。  現行の児童館の機能を維持発展させていくという区の方向にはこれまで賛同してきたところですが、地域住民との認識に差があるのではと考えています。拙速に進めることには異を唱えますが、区の見解をお伺いします。  次に、学童クラブに関して。  需要拡大と行財政改革としての民間委託に関しては一定程度理解をするところですが、大前提として、質を担保することは外せません。大変残念なことに、一部の保護者からは、以前のように、学童クラブの指導者と子供たちが信頼関係を結べていない現状がある、子供たちへの温かな見守りの視線ではなく、管理者として接していると感じるといった御意見をいただいています。  これまでのように、職員と子供、保護者との信頼関係は最も必要であり、安心できる居場所で、子供たちが主体性を持って過ごしていけるよう注視をしているところですが、学童クラブの委託事業者の運営方法が、保護者や子供たちの豊かな放課後の居場所としての機能を果たせているのか、区はどのように把握し、必要であれば改善しているのか伺います。  子供や保護者の御意見を伺いながら、今後とも継続して運営の改善に努めるよう要望をしておきます。  次に、プレーパーク事業に関して。  平成26年度に協働提案事業として採択し、その後は継続事業として区民に提供してくださっていることに、まずもって感謝を申し上げます。  大人のプレーリーダーの指導の下、子供たちが年齢に応じて冒険遊びを体験できる環境をつくり、子供の自発性や創造力を育んでいくことは、健やかな成長に大きく貢献します。  この間の区内での取組状況と、保護者や子供たちの利用状況と評価を区はどのように把握しているのか、お伺いします。また、区は本事業をどのように評価しているでしょうか。  今後は、区内に拠点をつくることで、現在のようなイベント的な運用ではなく、そこに行けば自分たちが思いっ切り安心して遊べる場を安定して提供する意味でも、常設のプレーパークを確保していくよう求めますが、いかがか、見解を求めます。  また、そもそもイベント的な運用と常設の違いをどう認識しているのか、確認のためにお伺いします。  これまでも要望してきましたが、都立高井戸公園と隣接する地の利を生かして、現在計画が進む富士見丘小学校北側の傾斜地を利用した常設のプレーパーク設置の検討が進むよう、引き続き要望といたします。  次に、児童養護施設退所者支援に関して。  本年5月のボランティア情報紙「ボラン・て」に、民間事業者によるボランティア募集の記事がありましたが、区には都内でも多くの児童養護施設がある中、施設と行政との連携はどのように図られているのか、また、施設から巣立つ子供への支援はこうした民間事業者により行われているのか、確認します。  本来は、杉並で育ってきた子供たちを、区が責任を持って巣立ちを支援する意味で、主体的に行っていってほしいと考えますが、いかがか、お尋ねします。  次に、不登校児の学びに関して伺います。  不登校の児童生徒たちを支援する法案、教育機会確保法の施行から4年が経過し、多様な学習環境の実情を踏まえ、個々の状況に応じた必要な支援などに関して、自治体をはじめ関係組織による話合いや試行錯誤がなされていることと思います。  隣接する武蔵野市では、不登校児童生徒の多様な学びの場のあり方検討委員会が開催され、適応指導教室の機能強化やICT等を活用した自宅学習への対応、保護者の集いの継続的実施、またフリースクールとの連携について取りまとめをしています。また、世田谷区でも同様に、世田谷区不登校対策アクションプランを取りまとめ、官民連携を盛り込み、大変充実した内容となっています。  昨年のコロナ禍の突然の休校により、学校に行けなくなったお子さんがいると聞き、お一人お一人に手厚い支援の手が届いているのか、大変心配をしています。  まず、不登校児童生徒の人数と出現率の推移とこれまでの対策を伺います。  当区においては、新たな教育ビジョンの取りまとめの最終段階に差しかかっていると思いますが、この中で不登校児童生徒への支援などはどのように話し合われ、今後目指すべき方向をどう捉えているのか、お尋ねします。  また、さきに御紹介したように、他自治体を参考にして、不登校対策に関しては、より具体的な支援策をまとめた計画策定が必要と考えますが、いかがか、お尋ねします。  区の計画の中では、不登校の児童生徒をゼロにするといった目標があります。これは捉え方によっては、そういった児童生徒が否定されるべき存在とも考えられ、大変心が痛みます。  また、今まだ増え続ける現状からすると、到底到達できない目標であり、現場の先生方にとっては、過度の負担を強いることにつながると考えています。今後は、対策を打ちつつ、達成可能性のある目標を立てるよう要望しますが、いかがでしょうか。  不登校の児童生徒を支える体制は、教育機関のみならず、地域で支えるといった視点があってもよいと考えます。フリースクール誘致や連携を検討するとともに、支える大人を増やすという観点から、青少年委員の方々の情報ネットワークを活用することや、区内地域団体などとも連携し、手厚い支援を模索していくよう要望します。  杉並区で育つ全ての子供たちが安心できる居場所を持ち、自分らしく成長していってほしい、そしてそれを全力で支える杉並区であってほしいと願いますが、この項の最後に見解を伺って、次の質問に移ります。  次に、カーボンニュートラルについてお伺いします。  2050年までの脱炭素社会の実現を基本理念とする改正地球温暖化対策推進法が、5月26日の参議院本会議で全会一致で可決され、成立しました。実現に向けて、国民、国、地方自治体などが密接に連携することが規定されています。今後は、低炭素から脱炭素への意識改革が進み、より一層の自治体の率先した取組が求められます。  国では、スーパーエコスクール実証事業という、公立学校施設で省エネ、創エネ、蓄エネ等の技術を用いて、年間のエネルギー消費を実質上ゼロとするゼロエネルギー化、いわゆるZEBを推進するための実証事業が行われていましたが、全国7事例の中で、岐阜県の公立中学校が初めてZEBを達成しました。  学校の断熱改修とゼロエネルギー化は、私がこれまで訴えてきた震災救援所としての学校建築という意味でも重要です。杉並区でZEB推進を訴えてきましたが、まだ一部の特別な技術として、動向注視にとどまり、何とか区政に取り入れていこうという姿勢を感じることができないのは残念です。  さて、当区では、平成25年6月に杉並区地域エネルギービジョンを取りまとめています。その中に「スマートコミュニティづくりの推進」という取組の方向が示され、個別の取組の中には「建築物や街区のスマート化のための仕組みづくり」がありますが、その後、区ではどのように取組の成果を上げているのか、お尋ねします。  これまで私から要望を続けてきたのは、省エネ住宅整備推進、低炭素のまちづくり、公共建築物のできる限りの省エネ化の主に3点です。  まず、省エネ住宅整備促進について。  日本のほとんどの住宅は、穴の開いたバケツと表現されるほど省エネ性能は世界から遅れており、じゃぶじゃぶとエネルギーを使い続けています。本年3月19日に閣議決定された住生活基本計画で、気候変動対策に関して、2050年カーボンニュートラルの実現に向けた施策の方向性が記載され、長期優良住宅やネット・ゼロ・エネルギー・ハウス、いわゆるZEHストックの拡充、ライフサイクル、カーボンマイナス、LCCM住宅の普及推進、住宅省エネ基準の義務づけや省エネ性能表示に関する規制など、さらなる規制の強化が明記されました。  そもそも2020年省エネ住宅基準義務化は、一度は閣議決定されたものの撤回された経緯があり、こんな状態が続けば、脱炭素社会実現は夢のまた夢であり、菅首相が掲げる新目標は本来必達の目標ですが、このままでは掛け声だけがこだましてきそうな状態です。今後は急ピッチで省エネリフォームが本格化していってほしいと思いますが、天井や外気に面した壁、床下へ高性能な断熱材を充填し、窓を高気密、高断熱のものに変えるなどの工事に関しては、15%以上の省エネ効果がある工事に対して補助金が出るなど厳しく、工事業者の力量を上げていく必要もあります。  今後より一層の取組が求められる省エネリフォームの啓発活動などを行うことは重要と考えますが、区の見解はいかがでしょうか。  また、断熱性能を上げ、年間を通じて室内18度を保つことで、部屋ごとの寒暖差をなくし、冬の風呂場で倒れるなどのヒートショックを予防し、健康寿命を延ばす効果があるということは、だんだんと知られるようになってきました。区民の健康維持増進に貢献し、福祉予算削減につながる、杉並区ならではの省エネ住宅整備促進策を打ち出していただけるよう要望をいたします。  次に、低炭素まちづくりに関して。  渋谷区神南二丁目・宇田川町地区地区計画では、低炭素型都市を実現するための省エネルギーの推進及びヒートアイランド対策に努めることが盛り込まれるなど、低炭素のまちづくりへの取組が進んでいます。  国土交通省から低炭素まちづくり計画作成事例として紹介されている中野区の取組を区は把握しているのでしょうか。また、どのように評価しているのか、お伺いします。  また改めて、低炭素のまちづくりの必要性に関して当区でどのように考えているのか、確認をします。  次に、公共建築物のできる限りの省エネ性能に関して。  今後は、国からの補助事業に関して、格段の省エネ性能を求められていくと考えています。特に公共建築物のZEB化は、さきの審議会でも多く求められており、遠くない将来において義務化がされるのではと考えています。  区では、国による議論の行く末を注視し、区立施設再編整備計画では、今後の動きを見据えながら、場合によっては、公共施設のZEB義務化を待つ目的で改築を柔軟に先送りするなど、新たな視点での計画の組替えが必要と考えますが、当区の検討が進むよう要望をします。  建物は、一旦建ててしまうと、その性能のまま長期間にわたり影響を及ぼします。ZEBは建設コストが高いと言われますが、建設費とランニングコストを併せて検討する必要がありますし、まずは、税金を使って建設していく公共施設が率先して行うことが求められます。当区の積極的な取組を要望します。  一方、都は、2050年にCO2排出実質ゼロに貢献するゼロエミッション東京を2019年に宣言しています。その中で、実現のために、市区町村との連携をしていくとあります。今後は積極的に相互に連携を取り、結果を出せるよう検討を進める必要があると考えますが、区の見解はいかがでしょうか。  そのような状況下で、区が今年度進める環境基本計画策定は、時宜を得た重要な転換点となると考え、大きく期待をしています。脱炭素社会の実現に向けた住宅やまちづくり、公共建築物など、担当課をまたいだ施策が組まれていくよう望みます。そしてその結果、国の2030年及び2050年の目標を目指してどのように進めていくのか、意気込みをお伺いします。  2050年カーボンニュートラル実現は、言うまでもなく努力目標ではありません。達成できなければ、持続可能性どころか、人類が地球上に住むことができなくなるという、全世界が必死になって取り組むべき課題です。区民に対して緊急行動を呼びかける気候非常事態宣言も重要であり、また、2050年から逆算をして目標を設定するなど、バックキャスティングの視点で計画的に進めるべきと考えています。  さきの予算特別委員会でも御紹介しましたが、今年度、環境省では、自治体向けにゼロカーボンシティーの実現に向けたシナリオ等の検討支援を始めています。他自治体に遅れることなくチャレンジしてほしいと考えています。既に民間ではゲームチェンジの意識改革が進み、加速度を上げて目標達成に向かって走り出しています。  当区でも、環境基本計画や地球温暖化対策実行計画策定においては、建築分野を含めて、幅広い分野で知見を持つ専門家の御意見をいただきながら、危機感を持って進めていかれるよう強く要望をします。また、計画を策定すること自体を自己目的化せず、達成をするまでが目的であることを念頭に置きながら力強く進めていただくよう、重ねて要望をいたします。  次に、長期的な財政計画についてお伺いします。  これまで区の予決算において審議に加わってまいりましたが、疑問に感じてきたことは、常に変化を続ける行政需要に対応を迫られる行政運営において、単年度収支だけでは、財政運営が適切に行われているのか判断ができないのではないか、また、各種策定されている計画において、財政的に整合性がどれくらい取られているのかが見えないという点でした。  現在、新基本構想の策定に向けて最終段階に入り、その実現に向けては、区職員自ら専門性を持って、組織横断的な課題解決の在り方を目指してほしいと強く要望しますし、今回大きくクローズアップされてきた協働に関しても、区民や民間事業者などとともに区政を考えていく視点に立つならば、財政運営に関しても積極的に情報を共有し、共に区政をつくる視点が重要と考えます。  また、我が国では、世界で最も早く少子高齢化が進み、赤字国債が危機的状況にある中、新型コロナの直撃を受けました。日本経済がコロナ前の規模に戻るには、早くて3年、遅ければ5年以上かかるとの見方も出ており、国の財政がさらに悪化することは確実です。  数年にわたり財政調整交付金や区民税等の大幅な減収が予測される上に、当区では、扶助費がこの10年間で1.7倍に増えています。当然ながら、今後、特別区税が減少したとしても、比例して劇的に扶助費が減るということはないことを念頭に入れた、長期的な視野に立った財政計画が必要です。  かつて経験したことのない財政危機の到来を覚悟し、必要な事業のより一層の見直しが必要でしょうし、大規模な改築などの施設整備については、事業費、事業規模、スケジュールを精査し直す必要があるのではないでしょうか。そもそも本庁舎建て替えをどのように進めていくのか、大きな課題は積み残されたままです。私は常に質実剛健、必要最小限の施設整備を目指す必要があると考えています。  今後は、新基本構想を基にして総合計画などの各種計画策定が予定されていますが、区立施設の再編整備は区の財政運営に大きく影響するものであるため、区、区議会、区民が、施設ごとの改築改修経費をしっかりと把握するなど情報共有を図りながら、コスト意識を持って取り組む必要があります。そのためには、工事終了後に、最終的に要した経費を報告するなどの取組が必要と考えますが、区の見解をお伺いします。  区立施設長寿命化方針を確認しましたが、一部の公共建築物のコストが掲載されており、大変参考になりました。また、この方針の中で、利用率35%という施設がありましたが、これは言い換えると、65%利用していないということです。こういった施設をこのままの形で改築計画をしていってもよいものか、大いに疑問です。  例えば、民間と連携して、お稽古事やこども食堂、また子供の習い事や元気な高齢者の定期利用を促したり、空き室が確定したならば、コワーキングなどで短時間の仕事部屋や学習の用途に使えるようにするなど、利用率を上げる工夫が必要でしょうし、それでもなお利用率が上がらなければ、施設の必要性の有無の検討をしていくべきと考えています。利用率をどう評価していくのかといった議論がもっと必要なのではないでしょうか。今後より一層財政は厳しくなるという認識に立った長期的な財政運営の必要性を、区民を含めて、誰しもが理解をする必要があります。  また、現状では、施設の評価基準が老朽化のみであり、建築物が持つ省エネ性能が含まれていないままでは、たとえ省エネ性能が十分でない建物であっても使い続けるという判断がされてしまい、結果的に光熱費などが高いままとなってしまうのではと危惧し、対応を求めていきます。  次期区立施設再編整備計画の策定に当たっては、コストの観点や長期的な視点を取り入れていくことにより、やみくもに現状維持を求めたり、一部の人の強い意見のみに左右されることなく、建設的な議論につながっていくものと考えますが、区の見解をお伺いします。  本質問では、主に区立施設再編に関して、長期的な財政計画を区民と議会とも共有し、区の将来像を財政的な裏づけを持って確かに進めていく必要があると考え、質疑をいたしました。  財政全体の運営の見える化をしていくことで、借金をしてまでも全ての建物を建て替える必要はないと考える区民もいるでしょうし、官民連携をして、複合化をしていくことで区財政への負担を少なくしていこうといった建設的な議論も生まれると考えます。取組を求めておきます。  さて、本質問では、子供たちの育つ環境と、次にカーボンニュートラルへの取組を要望してまいりましたが、いずれも多くの財政を振り向けなくては実現ができません。将来を担う子供たちに最良の環境を残していくために、厳しい財政状況においても、皆がコスト意識を持ち、施設再編の最適化などを目指すことによってその費用を捻出していってほしいと考え、まずは庁舎内での検討が進むよう強く要望をいたしまして、私の質問を終わります。 ○議長(大和田伸議員) 理事者の答弁を求めます。  区長。       〔区長(田中 良)登壇〕 ◎区長(田中良) 私からは、山本あけみ議員の一般質問のうち、環境基本計画の策定に関する御質問にお答え申し上げます。  脱炭素社会の実現に向けましては、先般、改正地球温暖化対策推進法が成立し、温室効果ガスを2050年排出ゼロとする目標が法制化されました。今後、2030年までに2013年度比で46%削減とする中間目標の達成に向けて、様々な取組が全国規模で加速化していくと存じますが、目標達成には、技術革新やエネルギー改革の推進等、自治体レベルでは解決困難な課題も多くございます。しかし、私は、困難な目標であるからこそ、国等の取組を待つだけではなくて、基礎自治体であり、また区内最大の事業所である区といたしまして、行うべき施策を積極的に展開していくことが重要だと考えております。  このような認識の下、今般の新たな環境基本計画等の策定に当たりましては、基本構想審議会や環境清掃審議会からの御意見、御提言を踏まえるとともに、専門的な知見を持つ機関からの助言も得ながら、これまでの取組の継承・充実に加えて、新たな施策等をしっかりと検討し、環境施策を前進させてまいる所存でございます。  私からは以上です。残りの御質問につきましては、関係部長より御答弁いたさせます。 ○議長(大和田伸議員) 土木担当部長。       〔土木担当部長(友金幸浩)登壇〕 ◎土木担当部長(友金幸浩) 私からは、ドッグランに関する御質問にお答えします。  当区におきましては、現在、公園内にドッグランはございません。過去に、桃井原っぱ公園におけるドッグランの試行の結果、区立公園に設置する際には、駐車場があること、1,000平方メートル以上の十分な広さがあることなどの条件が必要であることを確認しており、区立公園への設置は困難な状況となっております。  これまでにもドッグランの設置要望は届いていることから、区といたしましても、規模の大きな都立公園における設置の可能性を検討する必要があると考えております。都立公園等へのドッグランの設置要望があることを踏まえ、都立和田堀公園においてドッグランの設置に向けた調整を、都をはじめ区の関係部署と連携協力して進めているところでございます。  私からは以上でございます。
    ○議長(大和田伸議員) 子ども家庭部長。       〔子ども家庭部長(武井浩司)登壇〕 ◎子ども家庭部長(武井浩司) 私からは、まず児童館の施設再編整備計画に関する一連の御質問にお答えします。  児童館の施設再編整備計画は、学童クラブ需要の高まりや児童館での乳幼児親子の利用の増加などの状況を踏まえ、児童館が果たしている機能を身近な小学校や子ども・子育てプラザなどで継承し、充実発展させるもので、学童クラブの小学校内等での実施、小学生の放課後等居場所事業の実施、子ども・子育てプラザの整備などに平成24年度以降着実に取り組んでいるところです。  現在の区立施設再編整備計画(第一期)・第二次実施プランにおいては、西荻地域における子ども・子育てプラザの整備を検討することとしており、その結果、善福寺、西荻北児童館の機能再編を進め、区内6か所目となる子ども・子育てプラザを整備することとしたものです。  なお、今回の取組につきましては、より詳しく説明してほしいとの小学校PTAや学童クラブ父母会等の御要望を踏まえ、早期に説明会等を行うことを予定しており、引き続き、十分な御理解をいただけるよう、今後も丁寧な説明に努めてまいります。  次に、学童クラブ委託事業者の運営に関する質問にお答えします。  区では、学童クラブ運営を民間に委託するに当たり、杉並区学童クラブの民間委託ガイドラインを策定し、ガイドラインに定める運営等の水準を確保することを基本に、児童青少年課のほか、担当館と位置づけられた地域の児童館または子ども・子育てプラザによる日常的な運営支援等に取り組んでいます。  また、保護者や学校関係者、地域の児童福祉関係者などで構成する学童クラブ運営協議会を設け、意見交換を行う場とするとともに、全保護者を対象としたアンケートを実施しています。  令和2年度の委託学童クラブの運営については、総じて肯定的な評価であった一方、課題の指摘や要望、改善提案等の個別意見が寄せられており、それら一つ一つの課題を事業者と共有し、改善に向けた協議を行っています。こうした取組を通して、学童クラブの子供たちにとってより豊かな放課後の居場所となるよう、子供たちや保護者の声に耳を傾けながら、必要な改善を図ってまいります。  次に、子どもプレーパーク事業に関する一連の御質問にお答えします。  初めに、この間の取組状況ですが、区では、平成27年度から協働提案事業として当該事業を開始し、利用者から継続を望む声が多かったことなどを踏まえ、平成30年度からは区の委託事業として継続して実施しております。  利用者の状況と評価は事業者を通じて把握しており、令和2年度は、コロナ禍にあっても、1回平均229人、年間累計で約1万2,000人の方に御利用いただくなど、利用する区民の方から好評を得ている事業であると認識しております。  また、常設とスポット的な運用の違いについてですが、常設の場合、地域への定着が図れますし、スポット的な運用の場合、どの公園でも実施し得る柔軟性を発揮できるなど、それぞれのメリットがあるものと考えてございます。  区の事業は常設ではありませんが、井草森公園及び柏の宮公園を定期的に利用することで地域への定着を図るとともに、出張プレーパークを区内各所の公園で年間6回程度開催することで、ニーズに応じた柔軟な対応を図っています。常設とスポット的な運用、双方のよさを取り入れた運営を行っていることから、当面は常設のプレーパークを確保する考えはありませんが、出張プレーパークを新たな公園でも開催できないかなど、より効果的な事業展開について今後も検討してまいりたいと存じます。  次に、児童養護施設の退所者支援に関する一連の御質問にお答えします。  まず、施設と行政の連携についてのお尋ねですが、区は、区内の児童養護施設と定期的に情報交換を行うなど、緊密な連携を図っております。  次に、施設から巣立つ子供への支援ですが、入所者を把握している児童相談所の所管となる都が、児童養護施設や東京都社会福祉協議会に対して補助を実施し、施設への自立支援コーディネーターの配置や転居資金、就職支度資金の貸付けなどを行っています。  今後、区立児童相談所を設置した際には、区が主体的に退所者の自立支援をしっかりと行っていく必要があります。児童養護施設や当事者である子供との意見交換などを行いながら、支援に向けた準備を着実に進めてまいりたいと存じます。  最後に、子供たちの成長を支えることに関する区の見解についてお答えします。  子供たちにとって、住み慣れた地域や学校などの中に安全・安心に過ごすことができる居場所があり、自分らしく伸び伸びと成長していけるようにしていくことは大変に重要であると考えております。こうした視点の下、新たな基本構想策定に向けた審議会での御議論も踏まえ、地域の方々等の多様な主体と連携し、子供の個性に応じた育ちを全力で支えてまいります。  私からは以上です。 ○議長(大和田伸議員) 施設再編・整備担当部長。       〔施設再編・整備担当部長(高山 靖)登壇〕 ◎施設再編・整備担当部長(高山靖) 私からは、区立施設の再編整備に関する御質問にお答えします。  区立施設の再編整備の推進に当たっては、改築改修経費などコストに関する情報等を明らかにし、区議会はもとより、区民と情報共有を図りながら取り組む必要があると考えております。  施設ごとの改築改修経費につきましては、昨年度策定した一般施設長寿命化計画において、過去10年間における主な施設の改築改修経費を示してまいりましたが、今後も、施設白書の発行など様々な機会を捉えて情報共有に努めてまいりたいと考えております。  また、今年度予定している区立施設再編整備計画の第二期計画の策定に当たっては、社会経済環境の変化や将来の行政需要を踏まえることはもとより、施設の更新等に係る経費の見込みなど、コストの観点も含めた長期的な展望に立った計画とすることが必要であると考えております。こうした内容を工夫し、分かりやすく伝えていくことにより、再編整備の必要性など、計画への理解や関心を高めてまいりたいと考えております。  私からは以上でございます。 ○議長(大和田伸議員) 環境部長。       〔環境部長(伊藤宗敏)登壇〕 ◎環境部長(伊藤宗敏) 私からは、所管に関する残りの御質問にお答えさせていただきます。  初めに、建築物等のスマート化のための仕組みづくりについての御質問ですけれども、区ではこの間、関係所管での情報共有を図りつつ、建築確認や都市計画制度に関する相談等の際に、低炭素化推進機器等の導入助成等の相談先を案内するなど、区民への情報提供に努めてまいりました。  また、建築物等のスマート化に際しましては、区内で10万棟を超える住宅系の建物の屋根が有効な資産と考えまして、太陽光発電システムの導入や高日射反射率塗装等の低炭素機器導入等の助成に取り組んでまいったところでございます。その結果として、平成25年度からの太陽光発電による年間発電量は、約8割増となる1,300万キロワットほどに増やすとともに、新築、改築等の際には緑化の義務づけ等、二酸化炭素排出量低減につながる取組を推進してきたところでございます。  次に、省エネリフォームに関しての御質問がございました。  断熱等はエネルギーや二酸化炭素の排出量の削減につながることから、区としても住宅等の省エネ改修等は重要と考えております。この間、低炭素機器の導入助成のほか、省エネ相談、住宅増改築相談等を実施してきたところです。先般の基本構想審議会でも御意見がございましたが、断熱等には健康面にも有益な効果が認められるということから、今後も積極的な周知啓発に努めてまいりたいと存じます。  次に、東京都との連携による気候変動、地球温暖化対策の取組に関しての御質問がございました。  都区双方にとって、気候変動、地球温暖化対策に取り組むことは喫緊の課題であり、早急かつ強力に推進しなければならない重要な取組と認識しております。都との連携を深め、役割分担の下、双方の取組を積極的に推進することで二酸化炭素排出量削減につなげてまいりたいと存じます。  私からは以上です。 ○議長(大和田伸議員) まちづくり担当部長。       〔まちづくり担当部長(本田雄治)登壇〕 ◎まちづくり担当部長(本田雄治) 私からは、低炭素のまちづくりに関する一連の御質問にお答えいたします。  御指摘の中野区の事例につきましては、中野駅北西側の区役所やサンプラザなどの跡地において、集客交流施設や商業機能、オフィス等を有する大規模複合施設などを整備するに当たり、低炭素化を目指した設備、建築を誘導するなど、低炭素化につながる環境に配慮したまちづくりを進める計画と承知しております。渋谷区の取組も含めまして、このように低炭素化を目指す方向性は、今の時代の流れに合った取組であり、当区においても参考にしてまいりたいと考えております。  次に、低炭素のまちづくりの必要性に関する御質問ですが、区としても、まちづくりを進める上で重要な観点と考えております。杉並区まちづくり基本方針におきましても、低炭素まちづくりの推進による環境負荷の低減を掲げており、交通体系の改善や建物の省エネルギー化、緑の充実などを総合的に進めることで、環境負荷の軽減にしっかりと取り組んでまいります。  私からは以上でございます。 ○議長(大和田伸議員) 教育政策担当部長。       〔教育政策担当部長(大島 晃)登壇〕 ◎教育政策担当部長(大島晃) 私からは、不登校の一連の御質問にお答えいたします。  区立学校の過去3年間不登校児童生徒数と出現率の推移ですが、全国や東京都全体と同様、本区においても増加傾向です。  これまで、学校の教育相談機能を充実させるために、スクールカウンセラーの全校配置やスクールソーシャルワーカーの派遣により、福祉の面から支援を行ってきました。また、さざんかステップアップ教室、宮前教室の対象を小学校5、6年生まで拡充したり、個に応じた丁寧な教育相談を実施したりするなど、不登校対策に取り組んできております。  教育ビジョンの審議会においては、子供たちの社会的自立に向けて、一人一人の思いを聞く機会と思いを表現しやすい環境を整えることが不可欠であるという意見や、子供が大人に思いを受け止めてもらえる安心感、信頼感を得られる環境をつくることが大切であるという意見などが出されております。  不登校は、多様な要因や背景から結果として不登校状態になっており、問題行動ではありません。教育委員会としましては、学校に登校するという結果のみを目標にするのではなく、社会的自立を目指すことが重要と考えます。  以上でございます。 ○議長(大和田伸議員) 25番山本あけみ議員。       〔25番(山本あけみ議員)登壇〕 ◆25番(山本あけみ議員) 2点ほど再質問させていただきます。御答弁いただきましてありがとうございました。  不登校に関して1問質問させていただいたものが、区の計画の中に、不登校の児童生徒をゼロにするといった目標があるという、このことは長くこだわってきた部分なんですけれども、これに対する御回答の部分、もう少し分かりやすく、もう1回教えてもらいたいなと。含まれていたのかもしれないんですが、ゼロを目指すべき――不登校している人たちも、別に悪いことをしているわけではない、きちっと教育をしていかなければいけないという義務化もされたということで、ゼロを目指す必要があるのかなとも考えてきました。ゼロにしなければいけないと言われてしまった当事者って、どういうふうに思うんだろうと思ってきました。その部分、もう一度御回答いただければと思います。  もう1点、カーボンニュートラルについて、区長、御答弁いただきましてありがとうございました。  技術革新が大変激しいというか早いというか、基本構想ですとか環境清掃審議会の審議を待ってということ、専門家の知見をいただきながらということを御答弁いただいたところなんですけれども、1点、この専門家の知見というものの中に建築士の視点が含まれているのかということだけお伺いをしたいと思っております。要望の中には、しっかりと知見を含んで計画を練っていってほしいということをお伝えさせていただいたところですが、今審議をする予定の中において、建築士の視点、専門家の視点が含まれていくようになっているかということをお尋ねします。  よろしくお願いします。 ○議長(大和田伸議員) 理事者の答弁を求めます。  区長。       〔区長(田中 良)登壇〕 ◎区長(田中良) 山本あけみ議員の再度の御質問にお答え申し上げます。  カーボンニュートラルの具体的な施策を進めていく上で、専門家の意見をお伺いしながらということに対して御質問がありましたので。  当然、御指摘のように建築士の方も専門家として、ある意味で大変中心的な専門家とも言えるというふうに私は思っております。当然含まれると思っています。山本議員もそういう意味では専門家でございますから、様々な御意見、あればお寄せいただければと思います。  私からは以上です。残りの御質問につきましては、関係部長より御答弁申し上げます。 ○議長(大和田伸議員) 環境部長。       〔環境部長(伊藤宗敏)登壇〕 ◎環境部長(伊藤宗敏) 再度の御質問にお答えさせていただきます。  専門機関に関しましては、今区長から申し上げたとおりのところがございますが、今予定しておりますのは、地球温暖化の計画をつくるに際して、様々な自治体などを研究している機関がございます。そうしたところが、国や都の動向、また他の自治体の動向、それから世界的な動き、こうしたものなどを調べながら、どうしたものが一番杉並区にとって適しているのか、そうしたところなどの知見を得ていきたいというのがまず1つございます。その中で、専門家、建築だけに限らないと思いますが、そうした専門家の方々の御意見を伺っていこうというふうな認識でございますので、御協力お願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。 ○議長(大和田伸議員) 教育政策担当部長。       〔教育政策担当部長(大島 晃)登壇〕 ◎教育政策担当部長(大島晃) 私からは、不登校に関しまして再度の御質問にお答えいたします。  先ほどの、学校に登校するという結果のみを目標にするのではないということは、不登校のゼロを目指すということではないということと同様に解釈していただければと思います。つまり、今後は一人一人の学びをしっかりと保障していく、そういったスタンスに立っての目標を掲げていくという方向性にございますので、御理解いただけたらというふうに思います。  私からは以上でございます。 ○議長(大和田伸議員) 以上で山本あけみ議員の一般質問を終わります。  19番山田耕平議員。       〔19番(山田耕平議員)登壇〕 ◆19番(山田耕平議員) 日本共産党杉並区議団を代表して、コロナ禍の下での東京五輪の開催、児童館の再編整備、補助132号線と西荻地域のまちづくりについて質問します。  新型コロナウイルス感染症対策に関わり大きな問題となっているオリンピック開催について、区の認識と対応について質問します。  政府も東京都も国民の声に背を向け、あくまでもオリンピックの開催を強行しようとしています。IOCのコーツ副会長は、緊急事態宣言下でも開催すると発言。バッハ会長に至っては、東京五輪開催を実現するためには、我々は幾らかの犠牲を払わなければならないと発言。IOC最古参委員のディック・パウンド氏は、菅首相が中止を求めても、個人的な意見にすぎない、大会は開催されると発言。日本国民の命よりも五輪開催を優先させる、IOC関係者の常軌を逸した発言が繰り返され、国内で批判が殺到しています。  多くの感染症対策の専門家からも指摘されているように、開催を強行すれば、感染を広げ、さらに医療関係者を五輪に引き剥がすために、医療体制の危機を一層深刻化させることは明らかではないでしょうか。  我が党は、国会でも都議会でも、五輪開催中止を決断するよう政府、東京都に迫りましたが、その主な根拠は3点です。  第1に、ワクチン接種が間に合わないことです。日本の接種率は人口比で128位と非常に遅れており、国内外とも開催の条件がありません。  第2は、フェアな大会にならないことです。世界の感染状況は、インド、ヨーロッパの一部、南米などで深刻です。全世界のアスリートが同じ条件でフェアに競い合えず、それは五輪の精神に反することではないでしょうか。  第3は、医療従事者を五輪のために医療現場から引き剥がし集めることは、現実性がなく、感染症対策に逆行していることです。  東京五輪開催の是非は、区民の命に関わるもので、感染症対策の成否にも直結します。区民の命と暮らしを守る基礎自治体としての責任も問われるものです。以下、具体的に区長の認識について伺います。  第1に、開催強行で都民の命が守れるのかという問題です。  首相も知事も安心・安全な対策に努力すると強調していますが、その一例として強調されてきたワクチン接種は、高齢者だけを対象にしても、7月24日の開催日までに完了しないことは明らかです。多数の国民や子供たちが無防備な状況の下で、選手、関係者だけでも9万人が東京を中心に世界から集中し、長期滞在することになります。  東京都医師会の尾崎会長は、新型コロナの現状が続けば東京五輪は厳しいと指摘し、開催するのであれば、都内の新規感染者数は1日100人以下、ステージ2に抑えることが前提だと述べています。また、感染症に詳しい横浜市の菅谷憲夫医師は、宣言は人の流れを抑制するもので、五輪はそれと逆行する、冷房と暖房を同時にかけるようなもので、五輪中止こそ最大のコロナ対策だと訴えています。  コロナ禍の下での五輪開催を懸念する有識者の指摘について、区長はどのように受け止めているのか伺います。開催を強行することで区民の命が守れると言えるのでしょうか、認識を伺います。  第2に、フェアな大会となり得るのかという問題です。  五輪の開催は、世界の全ての国々のアスリートの参加が保障され、公平でフェアな大会でなければなりません。しかし、変異株の出現で事態は深刻となり、インドなど練習や事前キャンプもできないという国、チームがあり、今後、出場もできないチームが出てくることも危惧されます。  感染拡大により、国とチームによって既に選手間での格差が生まれ、フェアと言えない状況となっていることを区長はどう受け止めているのか伺います。五輪の開催は、フェアな大会であることが前提ではないでしょうか、認識を伺います。  第3は、医療対策の問題です。  大会の開催がコロナ禍での医療体制に重大な影響を及ぼすことは明白です。国は想定していた1万人の医療従事者の確保目標を3割削減し、8割程度の見通しが立ったと強調していますが、7,000人にも上る医療従事者が五輪に動員されれば、その分、医療体制が圧迫され、救える命も救えない事態にもなりかねません。政府の分科会の尾身会長は、大会期間中の地域医療への負荷を検証した上で考えるべきと発言し、尾崎会長は、橋本聖子会長に、コロナ医療の障害になることは絶対にやめてほしいと伝えたと発言しています。コロナ禍の下で大変な負荷がかかっている日本の医療体制に、さらなる負荷を強いることは問題です。  五輪によって感染症対策が犠牲にされ、医療提供体制の圧迫により国民の命が犠牲にされかねない危険性について、区長はどのように認識しているのか伺います。  第4は、国民多数の中止、延期を求める声を無視して、五輪を強行することが許されるのかという問題です。  最近の世論調査でも、五輪開催の中止が第1位で、中止、延期の回答者は8割にまで及んでいます。これだけ多数の国民が中止、延期を求めていることを政府も東京都も真剣に受け止めるべきです。日本オリンピック委員会の理事を務める関係者からも、平和構築の基本は対話であり、国民の声を拒否する五輪には意義はないという旨の声が上がっています。
     五輪の開催は国民多数の賛同が土台にあるべきではないでしょうか、認識を伺います。国民多数が中止あるいは延期を求めているにもかかわらず開催を強行することは、あってはならないことではないでしょうか、区長の認識を伺います。  世界においても、フランス、ル・モンド紙は、五輪を変異株の祭典にしてしまい、感染を加速させると指摘、アメリカのニューヨーク・タイムズは、東京五輪はウイルスの培養皿になるなど、海外の有力紙が厳しい指摘をしていることを重く受け止めるべきです。  幾つかの角度から問題提起をしてきましたが、区民の命と健康を守る区長としての責任を果たすためにも、政府、東京都に対し、東京五輪の開催中止を求めるべきではありませんか、お答えください。  直ちに五輪中止を決断し、関係諸団体と調整すること、国や都の組織力、財政力などは新型コロナ対策に集中することを強く求めるべきと考えますが、区長の認識を伺います。  次に、保護者からも教師からも心配の声が上がっているオリンピック・パラリンピックへの児童生徒の観戦動員に関して伺います。  まず確認しますが、東京都からの指示に基づく杉並の小中学校などからの五輪観戦の概要、参加学校数、参加児童生徒数、観戦会場などの概要を明らかにしてください。  コロナ禍でなければ、小中学生がオリンピック・パラリンピックを直接観戦することは有意義なことだと思います。しかし、コロナ禍で感染拡大が懸念され、学校行事の見直しが求められているときに、児童生徒の大多数の観戦を進めることに重大な危惧を抱かざるを得ません。  特に競技場への移動は、電車やバスなど公共交通機関を利用することとされています。このとおりに運用すれば、ワクチン未接種の子供が密になり、公共交通機関で移動することになります。  移動及び観戦における感染対策、さらに熱中症対策を明らかにしてください。  さらに懸念されることは、公共交通での長距離移動への対応です。観戦会場は、有明アリーナ、アクアティクスセンターなど、杉並から遠い臨海部にある会場が少なくありません。そこに小中学生が100人、200人、300人単位で電車を乗り継いで安全に移動すること自体、大変困難なことではないでしょうか。  区の資料を見ると、ある井の頭線の小学校の場合、2年生、5年生の合計293人がまとまって電車を乗り継ぎ、国際展示場駅まで行き、有明アリーナに行くことになっています。ほかの乗客がいる中で、電車を乗り継ぎ、ホームを歩き、階段を上下しながら、国際展示場駅まで安全に行けるのか、疑問です。暑い時期に長距離の移動による安全の確保、生徒の健康への懸念はないのでしょうか。また、こうした移動の経験はあるのですか。オリンピックという理由で、こうした無謀とも言える計画を行うことは再検討すべきです。認識を伺います。  変異株は若い世代でも大人と同じように感染しやすく、重症化の可能性が従来より高いという指摘もあります。この間、変異株による学校クラスターも確認されています。感染拡大が深刻化する中、独自の感染対策もなく、ワクチン未接種の子供たちをリスクにさらすことは、無謀な計画と言わざるを得ません。  杉並区教育委員会は、感染拡大が深刻化する中での学校観戦のリスクをどのように認識しているのでしょうか。また、感染終息が見込めない状況での学校観戦は中止するよう東京都に対して求めるべきではないのか、認識を伺います。  次に、児童館の再編整備について確認します。  杉並区は、区立施設再編整備計画の第二期計画においても児童館再編を進めようとしていますが、まず問いたいことは、どのような理念の下に策定するのかという問題です。  子供の健全な成長のための施策をめぐっては、児童の権利に関する条約が批准され、厚生労働省の児童館ガイドラインでは、この権利条約に基づいて、子供の最善の利益の優先が強調され、ガイドラインの拡充が図られました。そもそも、子どもの権利条約においては、子供に関する措置が実施される場合は、子供の最善の利益を考慮すること、子供の意見表明権を確保することが位置づけられ、そして、都内の区市の中でも、子どもの権利条約を基に子どもの権利条例、子ども条例を策定し、子供の支援策の理念を明確にした子ども計画を作成、具体化する動きがあります。  例えば世田谷区の場合、権利条約に基づいて、23区でも最初に世田谷区子ども条例を制定、子供主体という基本コンセプトを明確にし、全面的な子ども計画を策定し、実行しています。  一方、杉並区が進めた児童館廃止、機能移転は、専ら区立施設再編の観点で検討されており、計画化される段階で、子どもの権利条約の到達点をどう具体化するのかなどの観点はなかったのではないでしょうか、区の認識を伺います。子どもの権利条約に基づいているというのであれば、その根拠を示してください。  区立施設再編整備計画の第二期計画に当たっては、子どもの権利条約を遵守し具体化すべきです。そして、子供の健全な成長を最優先し、子供の施策や児童館の在り方においても、子供の尊重等の視点に立って具体化すべきと考えます。今後、権利条約を遵守し具体化するのか、明確にお答えください。  権利条約の子供の意見尊重に関わって確認します。  現在進められている杉並区基本構想の策定に向けて、区は、区内中学生に対してアンケートを実施しました。アンケートでは、杉並区の悪いところ、直したほうがよいところの設問において、「楽しいところ、遊べるところが少ない」44%、「スポーツができるところが少ない」32.6%。自由意見においては、居場所として、「気軽に立ち寄れる施設があったらいい」「遊べるところができてほしい(公園とかではない)」という意見や、その他、杉並区にお願いしたいこととして、「児童館の建て直し」「児童館を増やしてほしい」などの意見が寄せられています。  基本構想策定に向けた中学生アンケートに寄せられた、気軽に立ち寄れる施設を求める声や、児童館の建て直し、児童館を増やしてほしいという声をどのように受け止めているのか伺います。また、今後の計画や基本構想にはどのように具体化するのか、認識を伺います。  他自治体では、日本国憲法や1989年に国連で採択された子どもの権利条約が保障する子供の権利をより具体的に分かりやすく定め、それを保障するための自治体や大人の役割を定めています。  杉並区においても、子供の育ちを地域全体で支え、子供の権利侵害を生じさせないまちを目指し、子供の権利擁護に係る条例の検討を進める必要があると考えますが、認識を伺います。  学童クラブなどの運営の質を確保するために、あり方検討部会が設置されています。  あり方検討部会の現在の検討状況、検討結果の取りまとめや公表のスケジュールなどを伺います。あり方検討部会の検討結果のまとめに対して、区民意見の反映や議会からの意見聴取の機会を保障することを求めますが、区の認識を伺います。  学童クラブなどの運営の質を確保するという点では、民間委託された学童クラブ、放課後等居場所事業における行政からの指導監督の体制が適切に機能することが必要となります。  現在、子ども・子育てプラザの職員については、これまでの児童館や学童クラブでの経験を積んだ職員が配置されており、民間事業者への指導監督を担うこともでき得ると考えます。一方、子ども・子育てプラザが主に乳幼児を対象とする施設であるために、小学生や中高生を対象として児童館や学童クラブで培ってきた経験を継続的に継承できるのか、課題があると考えます。今後、児童館の施設再編が進むことにより、指導監督を担うだけの職員の経験やスキルを確保することが必要です。  その点では、保育施設における中核園のような位置づけの施設を配置することが、質の確保の上では必要不可欠と考えます。保育施設における中核園について、どのような役割を果たしているのか伺います。  学童クラブなどの運営の質を確保するためにも、経験を積んだ職員の配置、技能の継承など、中核園と同様の対応が必要と考えますが、あり方検討部会での検討状況と今後の区の方針を確認します。  昨年4月、東原児童館が廃止され、学校内での学童クラブ運営、放課後等居場所事業が開始されました。機能移転と同時に民間事業者による運営に変わりました。場所が変わり、職員も一気に入れ替わるという二重の環境変化を伴い、機能移転と民間委託後、保護者からは、これまでの児童館や学童クラブでの子供たちの過ごし方や遊び方が変わったとの声が寄せられています。  民間委託により、これまでの児童館や学童クラブでの保育の質や遊びの内容が低下する事例が発生していることが保護者から指摘されており、区への改善要望も出されているようですが、区はどのように受け止めているのか伺います。  これまでの児童館は、子供の意思に基づき、子供が自由に遊びに参加する権利が認められており、子供のことは子供が主体となり決定することが保障されていました。子供が遊びに行っても行かなくてもいい、自由な居場所が保障されていることが児童館の役割でもあります。  一方、放課後等居場所事業では、学校施設を使用している物理的な制約もあり、自由な遊びが保障されていません。杉九学童クラブや放課後等居場所事業を利用する保護者からは、これまでの児童館や学童クラブで培われてきた子供たちの過ごし方や遊びが継承されていないとの指摘が寄せられています。  例えば、杉並区や事業者からは、学校施設を使わせてもらっている、教育活動の妨げ、迷惑にならないようにしないといけないと何度も説明され、子供にとっても職員にとっても非常に窮屈。遊び道具や本を増やしてほしいと要望しても、事業者からは、出し過ぎても置く場所がない、部屋が狭くなると返答が来る。遊びの内容も狭まり、児童館時代には体験できていたような、子供たちの多様な発想、興味に応える遊びが難しくなっている。用意された遊びの中から選択するしかないといった印象。子供たちの話合いや意思で決められてきた活動や運営が引き継がれていないと感じるなどの声が指摘されています。  以上を踏まえれば、これまでの児童館の機能がそのまま引き継がれているとは言えない状況です。  子供の主体的な意思に基づいた遊びを保障してきた児童館の機能を、区はどのように認識しているのか伺います。区立施設再編整備計画の見直しでは、児童館が培ってきた子供の主体的な遊びの拠点としての機能を検証し、現在の児童館を維持するべきではないのか、認識を伺います。  委託後の職員の入れ替えについても、職員と子供、保護者との関係性や信頼関係が希薄になったとの指摘もあります。  東原では、経験年数の少ない職員に入れ替わり、正規でも経験年数10年以下、多くが入社、継続年数はゼロから2年となりました。直営時には、経験年数20年から30年のベテランから若手までがバランスよく配置されていた状況とは大きく異なります。  保護者への間違った説明が行われることや、けがやトラブルに対して保護者、子供への適切な対応がなされなかったケースについては、この間の議会でも指摘されています。対応する職員が毎回違うなど、職員の様子が分かりにくいとの声も上がっています。  区直営での運営と民間委託後の運営において、職員の経験年数についてはどのような変化が生じたのか、確認します。また、委託後の保護者対応や職員との関係性の構築が困難になっているとの指摘について、区の認識を伺います。  次に、学童クラブの民間委託に伴い、委託事業者に関わる問題を確認します。  学童クラブの運営事業者が、選定後に、事業者側の問題により選定辞退となるケースもありました。  学童クラブの選定を辞退したライフサポートについて、さきの保健福祉委員会では、東京都から全自治体に対して調査を求めているとのことでしたが、調査結果はどのようになっているのか伺います。また、事業者としての再発防止に向けた対応はどのように図られているのか伺います。  質問通告後、5月28日にライフサポート社への追跡調査結果が示されましたが、改めて確認しておきます。  今回の件は、事業者選定にも関わる問題です。他自治体も含めて事業者の運営実態を調査し、選定段階での基礎的な情報として共有することが必要と考えますが、区の認識を伺います。また、今回の選定後の辞退という状況を受けて、区としての再発防止に向けた取組を確認します。  栃木県宇都宮市が、市の子どもの家(学童保育)の指定管理者として不適切だとして、株式会社明日葉の指定を取り消す問題が発生しました。  宇都宮市は12施設の指定管理者に同社を選定していましたが、指定管理開始まで2週間になる中、必要人員の1割しか正式な雇用契約を結んでおらず、不適切な対応で、指定管理移行前から勤務している指導員との信頼が損なわれたとして、3月18日に指定を取り消しました。  株式会社明日葉は、杉並区においても東原学童クラブの民間委託事業者として選定されており、影響は深刻です。  他自治体での指定取消しという事態はどのような理由に基づくものなのか、確認します。また、杉並区として、この事態をどのように受け止めているのか、認識を伺います。また、指定取消しを受けての対応を確認します。  今回の事態を受けての保護者説明会では、事業者側から、市との話合い中なので、ほとんど回答できない旨の回答が相次ぎ、不十分な説明に終始したと聞いています。また、杉並区の担当者が参加しながら、区からの説明、報告は一切なかったとのことです。  民間委託直後の他自治体での指定取消しという事態は、選定の在り方にも関わりかねないものです。保護者の不安の声に応えるためにも、区が責任を持って実態把握に努めるとともに、改めて保護者説明の機会を持つ必要があると考えますが、区の認識を伺います。  次に、西荻北児童館、善福寺児童館の廃止、機能移転について確認します。  コロナ禍において、住民や保護者説明が不十分です。善福寺学童クラブの保護者説明会は僅か15分程度であり、緊急事態宣言の発出に伴い、保護者説明会も満足に実施できていない状況です。  コロナ禍において、両児童館とも十分な保護者説明会を開催できていません。一方、事業者選定委員会のスケジュールなどの開始時期が迫っており、保護者の不安の声が寄せられています。コロナ禍で緊急事態宣言が発出されている状況を踏まえ、児童館の機能移転は一旦停止し、感染状況が改善するまで機能移転手続を進めるべきではないと考えますが、区の認識を伺います。  学童クラブの待機児童対策としての機能移転が急がれるのであれば、桃三小ふれあいの家跡地、善福寺保育室跡地については、当面は第二学童クラブとするなどの整備を行い、学童クラブ待機児童対策とするべきではないのか、区の認識を伺います。  事業者選定委員について確認します。  この間の議会質疑で、選定委員の守秘義務について度々取り上げられました。選定委員として選ばれた保護者は、選定の責任や会議出席の物理的な負担に加え、守秘義務の解釈により、誰にも何も相談できない、保護者にも秘密にしなければならないなどの負担感が生じるとすれば深刻です。このような状況ともなれば、今後、選定委員の成り手もいなくなることも懸念されます。  保護者委員はあくまで保護者の代表であり、父母の会などから要請を受けて、選定委員を引き受けているケースもあります。審査基準の内容、事業者名及び事業者の提案内容等、審査の公正性や公平性が確保されていれば、保護者間で必要な意見交換、情報共有を図ることは問題ないと考えますが、改めて区の認識を伺います。  また、保護者選定委員に対しては、守秘義務の範囲を明確化し、保護者同士の意見交換などの機会が妨げられないよう配慮すべきと考えますが、認識を伺います。  当区議団は、児童館や学童クラブが果たしてきた役割や機能を踏まえれば、学童クラブや放課後等居場所事業の民間委託を進めるべきではないと考えます。特にコロナ禍において、困難な対応を求められる状況であればなおさらです。  一方、民間委託を進めるのであれば、少なくとも施設移転後の1年間は直営としての運営を継続し、新たな環境における運営方法を区直営で確立した後、民間事業者に引き継ぐなど、民間委託の事業開始時の負担を軽減する方法を検討すべきと考えますが、区の認識を伺います。  次に、補助132号線と西荻地域のまちづくりについて確認します。  この間、補助132号線の沿線住民は、杉並区との話合いを申し入れましたが、区は拒絶しました。申入れでは、事業の必要性、事業の法的根拠、西荻のまちづくりの3点について話合いが求められましたが、区は、事業の必要性や法的根拠については説明済みとし、まちづくりについてであれば話し合うとしています。  これまで杉並区は議会への答弁として、事業に対する御意見は、個人であっても団体であっても引き続きお聞きしますとしていましたが、住民からの話合いを拒絶する姿勢は、議会答弁にも反するものではないでしょうか、区の認識を伺います。  コロナ禍が深刻化する状況にもかかわらず、区から用地交渉の連絡を受けた地権者から怒りの声が寄せられています。コロナ禍で厳しい対応を迫られているときに、道路拡張を進めることはおかしい、必死で商売を頑張っているのに、何を言っているのかなどの地権者の怒りの声が寄せられています。区は地権者からの声をどのように受け止めているのか、認識を伺います。  コロナ禍においては、道路拡張事業を停止し、計画を進めることのないよう求めます。  西荻窪駅周辺の登記簿を調査したところ、駅南側の補助132号線計画予定地と隣接地において、2018年調査では別の地権者だった用地が、2019年12月より、イギリス領バージン諸島トルトラ島ロードタウン(中略)私書箱に籍を置く法人が取得していることが分かりました。この住所は、いわゆるタックスヘイブン、租税回避地のもので、この私書箱については、ほかの法人も籍を置いています。  この法人について、法人登記簿でも会社情報を調査しても全く情報が出てきませんが、唯一、同法人は、渋谷駅そばの店舗、オフィスビルを買収していることが分かりました。税金逃れか別会社のダミー法人なのか、いずれにしても、西荻窪駅南側の用地において、駅南側再開発を目的とする法人が進出してきていることが分かりました。  それ以外にも、補助132号線が事業化に向けて動き出す中で、当該用地の周辺では用地の売買が活発化しており、手続処理中と思われる物件も複数存在しています。  区として、西荻窪駅南側の用地において、イギリス領バージン諸島、いわゆるタックスヘイブンに籍を置く法人が進出してきていることについて把握しているのでしょうか、伺います。また、西荻地域のまちづくりに大きな影響を与える南側の用地について、土地の買占めや買いあさりなどが引き起こされている可能性がありますが、区として、このような事態への懸念はないのでしょうか、伺います。  今、土地を買おうとしている動きについては、駅前の再開発も視野に入れ、今後も地価が上がると、買上げが進められていると考えます。この地域において、再開発の引き金となったのは補助132号線の道路拡張であり、この計画が動き出したことにより、駅南側の用地の買上げなどが進んでいることを区は重く受け止めるべきです。  杉並区が実施するまちづくり懇談会においても、道路拡幅ありきのまちづくりの検討に異論の声が出されています。3月21日、第4回目のまちづくり懇談会が開催されました。参加者からは、1回目から参加しているが、道路拡張ありきの話は曖昧だった。今回、拡張の話が出ているが、今までの狭い道がいいとか、小ぢんまりした個性的な店のままでとか話し合ったことは一体何だったのかという声や、駅周辺500メートル内の人だけが対象というのはおかしい、拡張道路沿道の人も西荻窪の駅を利用する人もまちづくりに関わり、多くの意見が反映されるべきだという声も寄せられていると聞いています。  杉並区が主催するまちづくり懇談会において、このままのコンパクトな西荻がいいという意見を尊重し、まちの雰囲気を生かすのであれば、道路拡張の前提を一度取り外して話し合うことを求める声が出されているようですが、どのような意見が出されているのか、具体的に伺います。また、小ぢんまりとした個性的な店、このままのコンパクトな西荻がいいという意見について、区はどのように受け止めているのか、認識を伺います。  予算編成方針において、西荻窪駅周辺についても関係団体へのヒアリングを実施するなど、まちづくり方針策定に向けた取組を行うことが示されました。さきの当区議団の質問では、ヒアリングを行う団体は、まちづくりに登録している団体を想定しており、3団体あるとの認識が示されました。3団体の詳細、ヒアリングの具体的なスケジュール、聞き取り方法などを確認します。  地元住民やまちづくり団体にも共通している要望が、既存の西荻窪の町並みや雰囲気を維持することであり、その要望に基づいたまちづくりの在り方を検討することが重要と考えます。そのためには、地域住民の計画づくりへの参加と合意形成が不可欠です。計画段階から市民参加を徹底し、営利企業などに依存するやり方は抑制する必要があります。  西荻窪地域のまちの将来像を検討する上では、既存の西荻窪の町並みや雰囲気を維持してほしいとする要望を受け止め、検討を進める必要があると考えますが、区の認識を伺います。既に、高さ規制の緩和や容積率の大幅な緩和を見越して、駅南側の用地買占めなどが進められており、土地の買占めを助長させないような規制をすべきではないのか伺います。  以上、確認して、質問を終わります。 ○議長(大和田伸議員) 理事者の答弁を求めます。  区長。       〔区長(田中 良)登壇〕 ◎区長(田中良) 山田耕平議員の御質問に、私から、オリンピックについてお答え申し上げたいと思います。  山田議員も大変勉強家でありまして、いろんな視点から持論を展開していらっしゃいました。オリンピック・パラリンピック開催に関しましては、御指摘のように様々な意見があるということは十分承知をいたしております。ただ、区として、開催をするか中止にするかという、我々がそれを判断する立場にないというのは御承知のとおりだというふうに思います。  国はメイン会場を中心に提供する、東京都も自らの施設を提供する、あるいは民間の施設も提供する、IOCがやるという限りは、提供するという姿勢がある限りは開催することになるというのが、現時点での客観的な状態だというふうに思います。  開催反対という御意見も貴重な意見だということは認めます。その上で、私はむしろ山田議員にも問いたいのでありますが、今の状況の中で開催をされた場合に、海外から参加する多くの選手の皆さんがいらっしゃる。その中には、杉並で事前に合宿をする、調整をする、練習場を貸してほしいという御要望もあり、また我々もそういう施設、場を提供させていただきたいということで、具体的に言えば、イタリアのビーチバレーボールのチームだとか、ウズベキスタンのボクシングのチームだとか、パキスタンの陸上とか射撃とか、そういったチームが杉並区を頼りにして、参加する場合はいらっしゃるというのも現実の事実なのでございます。それを踏まえたときに、そういった選手の皆さんがベストコンディションで競技に臨めるように、精いっぱいホストタウンとしてサポートしましょうというのが、私ども当初の約束でございます。  ですから、開催賛成、反対、両方の立場があろうかと思います。しかし、反対の立場の皆さんは、開催となったときに、当初のこういう約束をほごにしていいというふうにお考えになるのかどうか。コロナ禍という現下の厳しい状況の中で、様々な制約がございます。その中で、可能な限り当初の約束をきちっと守って、そしてそういう態度で私は臨むべきだというふうに考えております。自分は開催に反対だ、だから当初の約束はほごにしてもいいんだ、頼ってくる海外の選手の皆さんをほったらかしにしていいんだという考えを私は取りません。我々の世代が今回どう対応するかということを、子供たちは私たちの背中を見て成長していくことを考えると、また海外から、日本人あるいは地域の都市がどういう対応をしたかということをどう評価するかということも考えたときに、私は、厳しい制約下の現状でありますけれども、できる限りの努力をする、ベストを尽くすというのが日本人として正しい姿勢ではないかというふうに思います。  あとの質問は、関係部長より御答弁いたさせます。 ○議長(大和田伸議員) オリンピック・パラリンピック連携推進担当部長。       〔オリンピック・パラリンピック連携推進担当部長(岡本勝実)登壇〕 ◎オリンピック・パラリンピック連携推進担当部長(岡本勝実) 私からは、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に関する御質問のうち、所管事項に関する残りの御質問にお答えいたします。  初めに、大会開催における医療体制によって、国民に対する医療提供体制が十分に機能しないという事態に陥ることは絶対にあってはならないことと考えております。  次に、大会開催には国民の賛同が土台にあるべきとの御指摘についてですが、国民の間に様々な意見があることを踏まえれば、大会組織委員会と東京都及び国は、国際オリンピック委員会との共通理解を図った上で、大会開催について、合理的な根拠に基づいた説明責任を果たす必要があると考えております。現在、大会組織委員会等において、大会に関する様々な協議調整を進めているものと存じますので、現時点において、御指摘のような国や東京都に対する要請を行う考えはございません。  私からは以上でございます。 ○議長(大和田伸議員) 子ども家庭部長。       〔子ども家庭部長(武井浩司)登壇〕 ◎子ども家庭部長(武井浩司) 私からは、児童館機能再編整備に関する一連の御質問にお答えします。  まず、児童の権利に関する条約との関係についての御質問にお答えします。  区が進める児童館機能再編の取組は、児童館が持つ学童クラブや小学生の放課後等の居場所の機能を小学校内等に移転させることで、児童の安全を確保するとともに、より充実した環境でサービスを展開することを目指すものです。このことは、いわゆる子どもの権利条約に定める子供の最善の利益の優先の考え方に合致するものと認識してございます。  また、移転した学童クラブ等の運営に当たっては、子ども会議を開催することなどにより子供の意見を日々の運営に反映するなど、子供の意見表明権にも配慮した工夫を図っております。次期計画策定に当たっても、児童の権利に関する条約に示された考え方を基本として、各取組項目の中でその具体化を図ってまいります。  また、基本構想策定に向けた中学生アンケートについてですが、議員御指摘のような意見がある一方、外で遊べる環境の充実を求める声も数多く寄せられるなど、様々な御意見があったものと受け止めており、このアンケート結果も踏まえ、次期計画の策定作業に取り組んでいるところでございます。
     次に、子供の権利擁護に係る条例についての御質問にお答えします。  子供の育ちを地域全体で支え、子供の権利侵害を生じさせないまちとしていくことは、欠かすことのできない大変に重要な視点であると認識しております。本区といたしましては、御指摘のような条例の制定によらず、ただいま述べた認識の下、引き続き新たに策定する基本構想、総合計画、実行計画等に基づく施策、事業の着実な推進を図っていく中で、子供の育ちと子育てを社会全体で支え合う仕組みづくりを進めてまいりたいと考えております。  次に、学童クラブのあり方検討部会についての御質問がございました。  現在の児童館再編等の取組を前提に、学童クラブの運営の質を確保するための方策などを検討するため、12月下旬に部会を設置し、これまでのところ3回開催してございます。  検討状況でございますが、現状と課題を整理した上で、現在、その解決に向けた対応策の検討を行っている段階であり、日々の運営などの中で把握した区民意見や、この間議会でお示しいただいた議員の皆様の御意見なども参考にしながら、7月上旬を目途に取りまとめを行い、その後、報告等を行う考えでございます。  次に、保育施設における中核園の御質問がございましたが、保育施設における中核園は、令和2年4月に区立保育園7園を地域ごとに1園ずつ指定したもので、地域における保育施設間の連携や情報共有等の促進を行うことにより、区内全ての保育施設における保育の質の向上を図る役割を担っております。学童クラブ等のあり方検討部会においては、こうした保育園の取組も参考にしながら検討を行っております。  次に、委託した学童クラブ保護者からの要望についてのお尋ねにお答えします。  御指摘のとおり、委託学童クラブを利用する一部の保護者の方から、子供の声が運営に反映される仕組みの導入など、日常の運営等に対する御意見をいただいております。当該学童クラブは、保護者アンケートや履行評価の結果、全体としては良好な運営が行われているものと認識しておりますが、利用者からの御意見については真摯に受け止め、改善を図るべき点は、その後の運営に反映していくことが重要であると考えております。  なお、御指摘の意見については、区と事業者で共有し、事業者において子供の意見を運営に取り入れるためのさらなる工夫を行うなど、運営の改善が図られていることを確認してございます。  次に、児童館機能に対する認識等に関わる御質問にお答えします。  これまで児童館は、ゼロ歳から18歳までの児童の主体性を育み、その健全な育成に資する施設として大きな役割を果たしてきたものと評価しております。児童館の再編整備に当たりましては、児童の主体性を引き出す運営を引き続き確保することが重要であると認識しており、その観点から児童館機能の再編を進めております。受託事業者とはこの観点を共有し、子供が主体的に遊べる育成環境を整備するほか、高学年に集団で遊ぶ際のリーダー的な役割を担ってもらうなど、運営上の工夫を図っており、この間の再編の取組を中断する考えはございません。  次に、委託学童クラブの経験年数あるいは保護者対応に関する御質問にお答えします。  区直営と比較した場合、委託後は、おおむね職員の平均経験年数は短くなる傾向があると認識しておりますが、公募要項において、学童クラブ長は経験年数5年以上とするなど、適切な運営の確保に資する条件を設定しており、これに沿った運営が行われております。  また、保護者対応等についてですが、委託学童クラブの保護者アンケートで、9割近くの保護者から、コミュニケーションに関する項目に対して肯定的な回答を得ており、総じて良好な対応が図られているものと認識してございます。一方で、一部の保護者の方から、コミュニケーション面での懸念も伺っているところであり、子ども・子育てプラザや児童青少年センターによる運営支援の取組を通じて、より一層運営の質の向上を図ってまいります。  次に、学童クラブの選定を辞退したライフサポート株式会社についての一連の御質問にお答えします。  ライフサポートに対する東京都の調査については、都から5月11日付で結果が通知されております。それによると、平成27年4月以降で、同法人が都内で運営する認可保育所8所、認証保育所12所で職員名簿の虚偽申告が行われていたとのことです。この中には杉並区内の施設も1所含まれておりますが、現段階における区の調査では、指摘があった期間においても、基準上必要な保育士は確保されていたことを確認しております。  また、今回の案件を受けて、事業者が、関係職員や経営陣の処分とともに、社内組織の改正や匿名の通報窓口の設置、業務フローの見直しなどの再発防止策を図ったことも確認しております。  事業者選定に当たっては、これまでも、他自治体も含め、既存施設における保育の状況や指導検査の結果などを確認し、選定委員会において情報提供を行っていましたが、今後は、必要に応じて、インターネット上の情報等も含め情報収集をより強化することで、不適切な事業者が選定されることのないよう努めてまいります。  次に、杉九学童クラブの運営を委託している株式会社明日葉の宇都宮市における指定管理取消しに関する質問にお答えします。  この事案は、令和3年4月より、宇都宮市で同社が指定管理者として運営を開始する予定であった12の学童保育施設における人員確保に関する対応について、同市の継続的な指導等にもかかわらず改善されなかったとして、令和3年3月18日付で指定管理者の指定が取り消されたというものです。  区では直ちに同社に事実関係の説明を求め、同社からは、事実誤認に基づく承服できない決定であり、取消しまたは撤回を求めていく旨、回答がございました。  一方で、区としましては、保護者等に不安が広がることを懸念し、杉九学童クラブ等の新年度の運営体制について調査を実施し、既に必要な人員の配置が予定され、円滑な運営に向け準備が整っていることを改めて確認しました。こうした状況を踏まえ、保護者の皆様の不安の声にお応えする臨時保護者説明会を急遽開催いたしました。  現在、同社は弁護士を仲介に立て宇都宮市と協議を行っている状況で、協議の進展につきましては、適宜報告を受けることとしており、必要に応じ、今後も保護者の皆様に説明を行ってまいりたいと考えております。  次に、善福寺、西荻北児童館の再編に関する一連の御質問にお答えします。  善福寺、西荻北児童館の再編につきましては、西荻地域の待機児童解消や、より安全・安心な育成環境の確保、子育て機能の充実を図るため、急ぎ取り組まなければならない課題と認識しております。今般、旧保育室善福寺及び桃井第三小学校余裕教室が学童クラブの育成室として活用できることとなり、これに合わせて、小学校内での放課後等居場所事業の実施、学童クラブ事業等の管理統括を行う子ども・子育てプラザの設置を進めることも可能になりました。そのため、児童館機能を再編し、同地域の全ての小学生の放課後等の居場所機能、乳幼児の子育て機能の充実を図っていく計画とし、令和4年4月に実施することとしたものです。  学童クラブ事業及び放課後等居場所事業の運営は、効率的な運営を行い、民間事業者のノウハウを活用してサービス向上を図る観点から、民間委託により実施することとしています。この民間委託を着実に進めていくために、事業者が杉並区の学童クラブの運営方法を体得し、子供や保護者との信頼関係を醸成することができるよう、3か月の期間でしっかりと引継ぎを行います。この引継ぎを丁寧に行うことで円滑な事業の開始へとつなげるとともに、事業開始後には、児童青少年センター及び担当館が日常的な支援をしっかりと行うことで安定した事業運営を確保してまいります。  この計画を無理なく進めていくためには、学童クラブ等を運営する事業者選定委員会は6月中に開始する必要があり、そのことを保護者の皆様に引き続き丁寧に御説明するとともに、コロナ対策を万全に行った上で開催させていただきたいと考えております。  私からの最後ですが、事業者選定委員の守秘義務に関するお尋ねにお答えします。  事業者選定委員会は、杉並区プロポーザル選定委員会条例に基づき設置されており、その規定により、審査の公正性、公平性を確保する観点から、各委員には、選定結果が公表されるまでの間は、会議で知り得た情報については守秘義務が課せられています。一方で、選定委員会の経過は、選定委員会ニュースを発行し、対象学童クラブの保護者の皆様にお知らせすることにしており、その範囲で保護者同士の意見交換や情報共有を行うことを妨げるものではございません。各委員には、守秘義務について御理解の上お引受けいただいておりますが、誤解が生じることがないよう、選定委員会の場でも丁寧に説明を行ってまいります。  私からは以上です。 ○議長(大和田伸議員) 土木担当部長。       〔土木担当部長(友金幸浩)登壇〕 ◎土木担当部長(友金幸浩) 私からは、都市計画道路補助132号線に関する一連の御質問にお答えします。  事業に対する御意見につきましては、賛成、反対にかかわらず、これまでにも文書での回答や直接出向いてお話をお伺いするなど丁寧に対応してまいりました。今後も真摯にお聞きする姿勢に変わりはございません。  用地折衝につきましては、昨年11月に関係権利者への用地説明会を開催した後に進めておりますが、その中でも様々な御意見をいただいております。今後も関係権利者の御都合や御意向を考慮し、十分な新型コロナウイルス感染防止対策を実施した上で丁寧に対応してまいります。  西荻窪駅南側用地につきましては、2016年に用地測量を実施した際、関係権利者の調査をしておりますが、その後、所有者の調査を行っていないため、詳細については把握してございません。今後、事業化の際に改めて確認し、土地権利者に対しては丁寧に説明し、用地確保に努めてまいります。  また、まちづくりにつきましては、まちづくり基本方針も踏まえ、まちづくり懇談会などを通して御意見を伺いつつ、よりよいまちづくりの推進につながるよう、地域の方々と取り組んでまいります。  私からは以上でございます。 ○議長(大和田伸議員) まちづくり担当部長。       〔まちづくり担当部長(本田雄治)登壇〕 ◎まちづくり担当部長(本田雄治) 私からは、西荻窪駅周辺のまちづくりに関する一連の御質問にお答えいたします。  西荻窪駅周辺のまちづくりは、現在、区民、事業者、行政がまちの将来像を共有し、まちづくりの推進を図るために、まちづくり懇談会を開催し、地域の皆様からの御意見を伺って取り組んでいるところでございます。3月に開催した懇談会で、都市計画道路の拡幅など、議論の前提をしっかり決めて行うべきとの意見がございました。今後、まちづくりの前提となる杉並区まちづくり基本方針での位置づけなどを丁寧にお伝えし、取組を進めてまいります。  また、懇談会の中で、まちの強みとして、魅力的な個店の存在やまちの雰囲気のよさがあるなどの御意見が出ており、今後のまちづくり方針策定に向けた御意見として承っております。  次に、駅前における高さ制限など、新たなルールづくりについての御質問にお答えいたします。  杉並区まちづくり基本方針では、JR各駅周辺などの商業・業務集積地区について、その特性にふさわしい密度の土地利用を誘導する方針としており、御提案のような規制は私権の制限にもつながることから、駅周辺に高さ制限などの規制を行うことについては、地域におけるまちづくりの動向も踏まえた慎重な検討が必要であると考えております。今後も地域の方々と議論を深めながら、安全性、利便性、バリアフリーといったまちの課題を解決し、西荻窪のよさをさらに向上させるまちの将来像を描くまちづくり方針策定に向けた取組を進めてまいります。  最後に、ヒアリングを予定した3つのまちづくり団体についての御質問ですが、まず、住民参加型のまちづくりの実現をテーマとしている団体1つにつきましては、5月にその活動状況を伺っており、今後改めて調整の上、まちづくりに関するヒアリングを行うこととしております。一方、ほかの2団体につきましては、4月に状況を確認したところ、活動していないとのことでしたので、現在のところ、ヒアリングは行わないこととしております。  私からは以上でございます。 ○議長(大和田伸議員) 教育政策担当部長。       〔教育政策担当部長(大島 晃)登壇〕 ◎教育政策担当部長(大島晃) 私からは、オリンピック・パラリンピックへの児童生徒の観戦に関する御質問にお答えいたします。  本事業は、東京都教育委員会が主催し、都内の子供たちが東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会を学校単位で直接参観するものです。対象校は区内全校で、参加児童生徒数は計2万1,743人です。  会場は、有明アリーナ、オリンピックスタジアム、東京アクアティクスセンター等です。  公共交通機関の利用については、校外学習等で経験しております。  また、移動や参観の際には、マスクの着用、会話を控えるなどの感染症対策とともに、小まめな水分補給などの熱中症対策をしてまいります。  教育委員会としましては、東京都の動向を見据えた上で本事業を実施する予定ですが、感染状況等によっては参加を見合わせることもあると考えます。  以上でございます。 ○議長(大和田伸議員) 19番山田耕平議員。       〔19番(山田耕平議員)登壇〕 ◆19番(山田耕平議員) 何点か再質問します。  まず、東京五輪の開催問題についてなんですけれども、区長から答弁があったんですが、開催することへのリスクまたは危険性などについての具体的な発言はありませんでした。これは区民の命と安全に直結する問題だと思います。今後感染がさらに拡大してしまうのか、そういったことも問われていると思うんですね。こうしたことに対して、お隣の世田谷区長は、東京五輪の開催について、区民の健康第一で、区の権限、責任でできることは判断したいというふうにしています。こういった観点を含めて、住民の代表として選ばれた基礎自治体の首長の姿勢が問われているのではないかなと思うんですが、その点、区長はどう考えているのか、確認したいと思います。  また、区長は小池都知事に対して、この間も度々都政運営を批判して、問題点などを指摘してきました。東京五輪の開催については、こういった御自身の意見を伝える機会はないのか、その点も確認したいと思います。  また、先ほど杉並区の、イタリア、パキスタン、ウズベキスタンの話もあったんですけれども、ここの国々も含めて世界で感染が拡大している状況です。その点でいうと、フェアな開催がそもそもできないのではないか、そういう状況にあるのではないかというふうに指摘したんですが、その点についてはどうお考えなのか、確認したいと思います。  次に、児童館再編について確認したいと思います。  児童の権利に関する条約に基づいているというようなことが言われたんですけれども、これまでの児童館廃止、機能移転というのは、計画化される段階で、子供たちの声を聞くことなく進められてきたと思います。現在進められている西荻北児童館、善福寺児童館についても、子供たちの声は全く聞かないまま計画化されました。このような区の姿勢が、児童の権利に関する条約に反するのではないかというふうに指摘しているんですね。  子供の最善の利益を考慮するというようなことは言っていましたが、じゃ、子供の意見表明権を確保するということはどうだったんでしょうか。計画化される前に子供の意見を聞いたんでしょうか。聞いてないですよね。そういった点で、権利条約に沿った対応をしているというのであれば、両児童館の再編は、計画化する前の段階で児童の意見を聞く手続、これをやり直すべきと思いますが、その点はどうでしょうか、確認しておきたいと思います。  次に、学童クラブの事業者についてのことなんですけれども、この間明らかになったのは、東原児童館学童クラブの移転で、やはり施設の物理的な移転と新たな場所での運営、さらにそれを新規事業者が担うということが、事業者にとっても児童にとっても大きな負担となっているということが示された事例だと思うんですね。その点では、少なくとも施設移転後の1年間、直営としての運営を継続して、段階的に事業を引き継ぐというほうが合理的ではないのかなと率直に思うんですが、その点はどうなんでしょうか、改めて確認しておきたいと思います。  あと、ライフサポートについて。  調査をすればするほど不正の事態が発覚するという深刻な事態です。この間、事業者名を公表しないという区の対応については問題を指摘してきましたが、こうした情報については、多くの自治体が共有することができなければ、選定時の段階で正確な選定ができないのではないでしょうか。その点、確認しておきたいと思います。  今回判明した違反についても、事業者自らの自浄作用が発揮されておらず、行政が動かなければ不正の実態を把握することができなかったという状況だと思います。その点でも事業者の社会的責任が問われていると思いますが、その点の区の認識を確認したいと思います。  最後に、補助132号線について。  駅南側にタックスヘイブンに籍を置くような法人が入り込んでいるということを紹介しました。こういった土地の買収が行われていることが、補助132号線の道路拡張が引き金となったということは明らかです。こうした事態を区の道路整備が招いてしまっているということについてはどのような問題意識を持っているのか、確認して、終わります。 ○議長(大和田伸議員) 理事者の答弁を求めます。  区長。       〔区長(田中 良)登壇〕 ◎区長(田中良) 山田耕平議員の再度の御質問に、私からオリンピック関連でお答えさせていただきます。  区長として言うべきこと、やるべきことをしっかりやれという御激励をいただいたというふうに受け止めておりますけれども、もちろん、区民の皆さんを感染から守るために、できることは全力でやる。これまでもそうしてきましたし、これからもそれは変わりません。区民の皆様に御協力をお願いすることも出てくるかもわかりません。そのときは改めてそういうお願いをしなければならないというふうに思います。  それから、小池知事に対して意見を言う機会があるか。私の今スケジュールの中で、そういう直接会って何かを言うという機会は多分ないんじゃないでしょうかね。意見を聞きたいから来いと言われればやぶさかではありませんが。  私、先月で区長会の幹事の任期も終えたので、役が替わりましたので、幹事のときは年に何度か、いろんな要望でお訪ねすることもありますが、今はその立場じゃないので。要望するべきことは、これまでも文書等で要望書を都庁に提出したりしてきましたけれども、いろんな形で、もし必要があれば、そういった形も含めて対応はいたします。  それから、既にフェアなオリンピックではないのではないか。これは、多くの国があって、それが全てイコールコンディションでオリンピックに臨むということは、これまでも私はなかったというふうに思っています。内戦を抱えていたりするような国でもオリンピックに参加をするということはあったわけでございますから、そういう意味では、全く全てがフェアで、イコールコンディションで臨むということは過去にもなかったというふうに思います。コロナ禍ということで、それがより一層厳しい状況が生まれているということかもしれません。御指摘はそのとおりだというふうに思います。  ただ、先ほど申し上げましたけれども、開催する、しないということは、私が決められることではありませんし、先ほど申し上げたようなことであるわけで、開催しないという選択は、IOCが判断することが一番分かりやすいわけでありますけれども、国や東京都が施設は使わせない、貸さないと言えば、それはそれで、そういうことになるのかもしれませんけれども、後々それが賠償とかそういう話につながってくるんだとも思いますけれども、今表へ出ている状況の中では、開催が前提になっている。開催が前提であるということの中で我々はベストを尽くすというのが臨むべき立場ではないかというふうに思っています。  それから、ちょっと補足をいたしますけれども、都議選が近いから、あるいは国政選挙も近いからという、そういうことがあるのかもしれませんけれども、そもそもオリンピックというのは、一番最初に都民の代表たる都議会で招致決議が行われて、そこからスタートなんですよ。それから各地方議会、それから最終的には国会も決議を上げて、大きな物事が動いてきたということが経過としてある。したがって、二元代表制ということからいえば、どこかの党を特別批判するわけじゃないけれども、そこに関わった立場でいえば、招致決議に関わった立場でいえば、またそれを継承しているという立場からいえば、ここへ来て開催の中止を求めるなら、やっぱり手順というのが、議会人としても本来あるべきだというふうに思いますよね。  数の力で議会というのは決まる。しかし、いきなり記者会見をやって、中止だ、中止だと。そういう選挙公約にしたいということは分かるけれども、その前に、議会人としての筋道でいえば、招致決議をしたんだから、今度は開催中止の決議を求めるという行動をまず議会人として議会でやる。そしてその次に、その結果がどうであれば次に駒を進めるという手順が、やっぱり私はあるべき手順だというふうに思います。  要するに、山田議員もおっしゃったように、オリンピックというのは、そもそもスタートのときは、国民世論、都民世論がどうなのかということからスタートしている、それは事実ですね。今そこが大分揺らいでいるという御指摘もそのとおりです。しかし、二元代表制ということを考えれば、その手続に関わった立場でいえば、議会で決定したことを執行するのが私ども執行機関の責任、それが適正に執行されているかどうかをチェックするのが議会の責任、これが二元代表制の基本形でございますけれども、そういう意味でいえば――いいんですよ、いろんな意見があっていいんだけれども、招致決議をしたなら、中止を求めるなら中止決議というのかな、それを求めるというアクションをきちっと起こした上で、その次に駒を進めるというのが筋道ではなかろうかと。  私がもし都議会にいたら、やるならですよ、私はちょっと考えが違うけれども、やるなら、やっぱりそういう手順は大事にするべきだというふうに思いますね。それが、立場を超えても、きちっと政治家として信頼を得る大前提ではないかというふうに、余計なことかもしれないけれども、思いました。  私からは以上です。残りの御質問につきましては、関係部長より御答弁いたさせます。 ○議長(大和田伸議員) 子ども家庭部長。       〔子ども家庭部長(武井浩司)登壇〕 ◎子ども家庭部長(武井浩司) 私からは、山田耕平議員の児童館に関する再度の質問にお答えします。  まず、子供の意見ということについてですけれども、私は、子供の意見を聞くこと、それは本当に大事なことだと思っています。ただ、すべからくどんな問題についても子供の意見で判断できるかというと、そういうわけではないのかなというところがあります。施設再編の問題のよしあしというのをストレートに子供の意見を聞いて決めるというのは、なかなか難しい面があったということもあるのかなというふうに思っています。そういう中で、先ほど申し上げたとおり、子供の最善の利益とは何か、そういうことを考える中で、より充実した環境で、安心・安全な環境の中で子供たちが活動できるのにはどうしたらいいかという観点から施設再編の計画を進めたということだと考えてございます。  それから、施設が移転したときに、そこで今度運営主体も替わるというところで、1年間猶予したらどうかという御指摘だと思います。  今、学校内に学童クラブが移転し、放課後等居場所機能も実施することになったときに民間委託を行っているわけですけれども、そこでどうやって運営の質を確保していくかということで、今3か月間、いかに丁寧な引継ぎをやり、その後、区のほうがしっかりとそこの支援をしていくかというところで、現状、担当館や児童青少年センターが日々運営支援を行っておりますが、質の確保策については、先ほど議員の御質問の中にもありましたけれども、そこの課題もいろいろ踏まえながら、あり方検討部会の中で、どういった質の確保策が一番いいのかということを検討させていただいております。  それから最後に、ライフサポート社の問題がございました。  1つは、施設の公表ということについてですが、来年4月から杉並区も指導検査の結果を1年間まとめて公表する予定としております。公表に当たってはやはり十分な準備が必要で、どういったものが本当に公表すべきものなのかということは、ある程度慎重に検討する必要があると考えております。それはもちろん事業者のこともありますが、各施設に通っていらっしゃって、そこで安心を得ている子供や保護者たちもいるわけですから、ここについては、そういう慎重な検討の下に公表を進めていくことが必要かと思います。  この事業者自身、社会的な責任が薄い、自覚が薄いのではないかという御指摘がありましたが、私もこの事業者に対してはかなり厳しいことを言わせていただきましたけれども、事業者のほうもそこは責任を感じて、先ほど申し上げたように、再発防止に向けた改善策を取っているところでございますので、それをしっかりとやっていただくように注視してまいりたいと考えてございます。  私からは以上です。 ○議長(大和田伸議員) 土木担当部長。       〔土木担当部長(友金幸浩)登壇〕 ◎土木担当部長(友金幸浩) 私からは、補助132号線についての再度の御質問にお答えします。  駅南側の用地についての御質問がございましたが、民間の土地売買を区が規制することはできませんが、今後、地域の方々との話合いの場であるまちづくり懇談会などを通じて様々な情報をお聞きして、土地の動きも注視してまいりたいと考えております。また、132号線の道路整備を通しまして、西荻窪らしいまちづくりにつながるよう取り組んでまいりたいと考えてございます。  私からは以上です。
    ○議長(大和田伸議員) 以上で山田耕平議員の一般質問を終わります。  34番くすやま美紀議員。       〔34番(くすやま美紀議員)登壇〕 ◆34番(くすやま美紀議員) 日本共産党杉並区議団を代表し、生活保護など暮らしへの支援について、文化芸術事業について質問します。  新型コロナ感染拡大の長期化によって、区民生活は深刻さを増しています。暮らしへの支援として、生活保護、生理の貧困、高齢者等へのエアコン購入補助について質問します。  コロナ危機の下で、とりわけ非正規雇用の人が、仕事も住まいも失ったり、学生がアルバイトを打ち切られたり、深刻な状況に追い込まれています。こうした人を支援しようと、様々な支援団体が相談や食料支援活動に取り組んでいます。杉並区内でも幾つかの団体が食料配布などに取り組んでおり、若い人、女性、高齢者が支援を求め列をなす光景が見られます。私が参加した支援活動のアンケートには、手持ちが僅かしかない、頼れる人がいないなどの悩みが多く寄せられ、たとえ1食でも本当に助かりますという声が寄せられました。  生活困窮となったときに活用できるのが、憲法25条の生存権の理念に基づく生活保護制度です。最後のセーフティーネットとも言われていますが、日本の場合、捕捉率の低さ、すなわち貧困率は高いのに保護率が低いということが問題となっています。この背景には、生活保護は恥という意識やバッシングの横行、制度が正確に知らされていないといったことが挙げられます。  日本共産党は、昨年6月の国会で、生活保護は国民の権利だと政府が国民に向けて広報すべきと求め、12月、厚労省が作成した生活保護のリーフレット及びホームページに、「生活保護の申請は国民の権利です。生活保護を必要とする可能性はどなたにもあるものですので、ためらわずにご相談ください。」と明記されました。  23区のホームページを調べてみたところ、世田谷区、練馬区、新宿区、北区、足立区、渋谷区など多くの区が、厚労省と同様に、生活保護は国民の権利と明記していました。  一方、杉並区のホームページは、「高齢や病気などによって、生活費や医療費に困り、ほかに取りうる方法がないときに、その困窮の程度に応じて保護を実施し、自立に向けた援助を行います。」と従来どおりの記載にとどまっています。  生活保護に対する忌避感を少しでも弱めるために、困窮者に対する呼びかけを強める取組は重要と考えます。杉並区も、厚労省や他自治体を参考に、生活保護は国民の権利、ためらわずに相談をと追記するとともに、制度の仕組みや疑問などを分かりやすく伝えるよう、ホームページの改善を求めますが、いかがですか。  神奈川県小田原市では、2017年1月の「生活保護なめんな」ジャンパー事件を契機に、業務の徹底的な見直しを図りました。市民向けに改訂した生活保護のしおりは若手職員の発案によるもので、大変分かりやすい内容となっており、ホームページで閲覧することができます。また、新潟県南魚沼市は、生活保護のしおりを改善しただけでなく、保護申請書をホームページからダウンロードできるようになっています。  生活保護のしおりについて、福祉事務所で渡すだけでなく、内容を充実させ、ホームページで閲覧、ダウンロードができるようにし、制度の活用促進を図るよう求めますが、いかがですか。  生活保護の申請をためらう原因の1つが、保護申請時に福祉事務所が申請者の親族に扶養照会をかけることです。  支援活動を行っているつくろい東京ファンドが行ったアンケートで、生活保護を利用していない理由で最も多かったのが、「家族に知られるのが嫌だから」というものでした。  私が最近相談を受けた方も、生活保護を申請したいが、きょうだいとの関係が悪く、生活保護を申請したことを知られたくない、絶対に扶養照会はしてほしくないと訴えていました。  今年1月、我が党の小池晃参議院議員の質問に対し、厚生労働大臣は、扶養照会は義務ではないと答弁しました。  さらに、生活困窮者支援団体も政府に改善を求める中、3月30日、厚労省は「『生活保護問答集について』の一部改正について」で、運用の改善を求める事務連絡を出しました。  この改正問答集では、扶養調査に対して、親族からの扶養の可能性を聞き取る中で、要保護者が扶養照会を拒んでいる場合等においては、その理由について特に丁寧に聞き取りを行うこととし、「『扶養義務の履行が期待できる』と判断される者に対して行うもの」と明記されました。扶養照会を拒む申請者の意向を尊重する旨の規定が追加されたことは大きな前進です。  この改正について、事務連絡では、今年4月1日から適用することとし、保護の実施に遺漏なきよう御配慮願いますと自治体に求めています。杉並区では、各福祉事務所に徹底されているのか、扶養照会を拒む申請者の意向が尊重されているのか伺います。  昨年秋、私は、生活保護を受給している方から、冷蔵庫が壊れたが、福祉事務所に相談しても、現金を支給してもらうことも借りることもできない、どうすればいいのかと相談を受けました。福祉事務所の担当者に何か手だてはないのか問い合わせましたが、保護費をやりくりしてためて買い換えてもらうことになっているとの一点張りでした。結局、その相談の方は、今も氷を買ってきて食品を冷やしているそうです。  家具什器費については、保護開始時に持ち合わせがない場合、災害により喪失し、他制度からの措置がない場合など特別な事情がある場合にしか認めていないとされています。  しかし、月々の保護費から、家電製品購入のためお金をためることは容易なことではありません。今や冷蔵庫は生活必需品です。故障による買換えのお金も出ない。貸付けすらされない。これで生存権を保障していると思うでしょうか、区の見解を伺います。  生活保護受給者が、生活必需品である冷蔵庫やエアコン、洗濯機などの家電製品が故障した際に買換えできるよう国に制度の改善を求めるとともに、当面、区として相当額を支給するよう求めますが、いかがでしょうか。  コロナ禍の下、世界各国で生理用品を買うことができない生理の貧困が問題となりました。  #みんなの生理という団体が、高校生以上の学生を対象に行ったオンラインアンケート調査では、過去1年の間に、金銭的理由で生理用品の入手に苦労したことがあるという人の割合が20.1%、金銭的な理由で生理用品でないものを使ったと答えた人の割合が27.1%だったという結果が出ています。今の時代に、5人に1人の若い人が金銭的な理由で生理用品を買うのに苦労したという結果に、私はショックを受けました。  しかし、生理の貧困とは、生活困窮で生理用品が買えないというだけではなく、例えばネグレクトや虐待、父子家庭で父親に生理用品を用意するという概念がなく、また本人も恥ずかしくて言い出せないなどの理由で生理用品にアクセスできないといったことも含まれ、さらには、生理に関する適切な知識、理解が教育などを通じて知れ渡っていない状況も含まれます。  生理の貧困解消のために、スコットランドでは生理用品を無償で提供する法案が可決され、ニュージーランドでは全ての小中学校、フランスでは全ての学生を対象に無料提供が決定されました。  日本でも生理の貧困がクローズアップされる中、多くの自治体で、災害備蓄用の生理用品を活用した配布が始まり、我が党区議団も3月に区に申入れを行いました。杉並区も、防災備蓄用の生理用品を活用し、必要な方へ配布を始めたことは重要です。  他自治体の中には、備蓄品がなくなり次第終了というところもあるようですが、この取組を、備蓄品がなくなったら終わり、あるいはコロナ禍が終息したら終わりという期間限定の取組にしてはならないと思います。コロナが終息した後も、女性の生理は続きます。誰もが安心して生理を迎える環境を整えるためには、いっときの配布にとどまらない継続的なサポートが必要です。  生活困窮はじめ様々な理由で生理用品を購入することが困難な女性に対し、一過性の取組でなく、継続して区役所や区立施設で生理用品を無料配布することを求めます。また、区立施設のトイレに常備することも求めますが、いかがですか。  神奈川県大和市では、全小中学校のトイレに生理用品が配備されました。ここにある生理用品は必要なときに使ってくださいとのメッセージが貼られているそうです。  生理用品の配布について、杉並区の小中学校の対応は、現状どうなっているでしょうか。小中学校のトイレに返却不要の生理用品を常備することを求めますが、いかがですか。  生理については、タブー視する風潮が強く、これまで実態があまり知られてきませんでした。コロナ禍の下でクローズアップされた問題ですが、月々の生理が健康に安全な環境で保障されなければなりません。国際団体パンデミック・ピリオド創設者のジェニー・マーティン氏は、国連の持続可能な開発目標(SDGs)にあるジェンダー平等の実現のためにも、生理の貧困への対処が必要だと強調しています。  女性の性と生殖に関する健康と権利、リプロダクティブ・ヘルス/ライツを尊重する観点に立ち、生理への知識や理解を深めるための学校での男女一緒の教育や、生理を学ぶイベントの開催など、区民への啓発などに取り組んでいくことが重要と考えますが、区の見解を伺います。  東京都監察医務院の集計では、昨年6月から9月、23区で熱中症によって亡くなった方は106人、そのうち少なくとも88人は、屋内でクーラーがないか、あっても使っていない状況で亡くなっていたということです。  昨年に続き、今年の夏も、新型コロナウイルス感染防止のために、外出を控える区民が増えることが考えられ、熱中症の多発が心配されます。  熱中症から命を守るため、今やクーラーは生活必需品ですが、高額で、低所得者にとっては痛い出費となります。23区では、足立区、港区で、65歳以上の高齢者を対象に、冷房機器の購入費用への助成を行っています。  杉並区でも、高齢者世帯や障害者のいる世帯、子育て世帯等へエアコン購入、設置への補助を行うことを求めますが、いかがですか。  次に、文化芸術事業について質問します。  初めに、コロナ禍での文化芸術事業についての基本認識について伺います。  文化芸術基本法は、文化芸術の意義を述べた後に、「創造し、享受することが人々の生まれながらの権利」と強調し、国と地方自治体に、文化芸術に関する総合的な施策の実施を求めています。  私は、ドイツのモニカ・グリュッタース文化大臣が、アーティストは今、生命維持に必要不可欠な存在と発言したことは大変重要だと考えます。コロナ禍で、区民の文化芸術の創造、鑑賞を保障し、支援することは区の重要な責務と考えます。区長の認識を伺います。  コロナ禍においても、区民が安心して文化芸術に親しめるために、区が昨年度からすぎなみアート応援事業をスタートさせたことは重要です。その概要と実績、及び支援事業が果たした成果についてお答えください。  こうした支援事業は、一過性ではなく継続が求められます。しかし、今年度のアート応援事業の要項を見る限り、継続はしますが、規模、支援額が大幅に後退しています。新しい芸術鑑賞様式の支援事業の規模は、昨年度の600件から50件と10分の1以下に減少。文化・芸術発信の場継続給付金は、助成額は個人が20万から10万に、法人が40万から20万に半減。日本フィルハーモニー交響楽団への活動支援助成額は220万円から88万円に激減しています。コロナ禍が解消するどころか、ますます深刻になっているときに、なぜ助成対象数、助成額を大幅に激減させたのですか。  高円寺で飲食を提供するライブハウスの店主から話を聞きましたが、そのライブハウスでは、入場料の8割が出演者への支払いで、お酒などの提供で経営が成り立っているという状況でした。それが緊急事態宣言で休業を余儀なくされ、5月の収入は2回のコンサートで1万4,000円のみ。今後どうしたらいいのかと嘆いていました。区内のライブハウスの多くがこうした状況に追い詰められています。杉並の文化活動の一翼を担うライブハウスのこうした状況をどう受け止めていますか。  事態が深刻さを増す中で、支援規模の削減で約540の団体が区の支援を受けることができなくなり、継続給付金の半減によって、事業が継続できない事態に追い込まれかねないのです。ライブハウスの店主は、昨年の区の支援に感謝していましたが、なぜそれを打ち切るのか、半減させるのかと驚きの声を上げていました。事態が深刻化しているときに、支援を引き剥がすような区の対応は許せません。  困難な中でも、発表のために支援を希望する人への支援は継続すべきです。文化の灯を消さないために頑張る事業者への助成額削減の見直し、復元を求めますが、見解を伺います。  また、国の一時支援金を受ける申請手続は、行政書士や税理士などの協力なしには困難で、無償で協力してくれる人を探すのは大変だと言っていました。こうした場合に、負担なく税理士などの協力が受けられるよう区の支援を求めますが、いかがですか。  次に、第1回定例会予算特別委員会でも取り上げた杉並区ゆかりの芸術家とその作品の普及について、重要な課題であり、かつ、予特での答弁で見過ごせない問題がありましたので質問します。  多くの皆さんが御存じのとおり、杉並区は、林芙美子や太宰治などの作家、奥村土牛、中川一政などの画家、佐藤忠良や棟方志功などの彫刻家、版画家をはじめ、文学史や美術史に記される多くの芸術家ゆかりの地です。これは杉並区の宝とも言える貴重な財産ではないでしょうか。  予算特別委員会で、杉並区ゆかりの芸術家とその作品を知らせ、鑑賞を広げる意義について質問したところ、区の答弁は、「郷土杉並への理解や愛着を高める上で大変重要」というものでした。私は、そうした位置づけにとどまらず、区民の文化芸術への理解や感性を高め、若い世代の創作意欲の向上、さらに文化都市としての杉並区の魅力を高め、集客の向上によるにぎわいの創出にもつながる、多面的で重要な意義を持っていると考えます。そうした観点に立って取組を強化すべきです。区長の基本認識を伺います。  区ゆかりの芸術家の紹介、普及では、ウェブミュージアムなどの手段の活用は重要だと思います。同時に、ゆかりの地としての利点を生かし、区民や来訪者が直接作品を見る機会を拡大することは重視すべきだと思います。  この点で見ると、23区でも貴重な財産がありながら、杉並区の取組は遅れています。杉並区では、区ゆかりの芸術家の作品展示は郷土博物館の本館と分館しかなく、展示は施設の一部であり、かつ年間の一定期間に限られています。  しかし、近隣の区はどうでしょうか。世田谷区は、区立の世田谷美術館とともに、向井潤吉アトリエ館、宮本三郎記念館など4つの区立美術館を運営。巨大な文学館があります。また新宿区は、美術館では佐伯祐三アトリエ記念館、中村彝アトリエ記念館、文学館では漱石山房記念館、林芙美子記念館があります。全て区立施設です。  私は、予算特別委員会の質疑の要約を区内の画家、彫刻家、作家の皆さんに参考までお送りしました。受け取った画家の方からこんなはがきをいただきましたので、紹介します。  私は96歳の日本画家、95年阿佐谷に住み続けています。文化都市杉並という言葉は以前から聞いていましたが、実態は御承知のとおり、残念に思っています。作家のためというより、学校や社会教育のために美術館的な活動が欲しいです。議員の発言に賛成です。  この方は、女子美術大学や武蔵野美術大学の教授を務め、日本美術家連盟の理事を務めた方です。  区長、創作活動、そして芸術家の育成に長年にわたって尽力してきた方のこの発言をどう受け止めますか。  私も、貴重な宝、財産がありながら、生かし切れていないのは残念に思います。新たな施設の整備については、文化・芸術審議会等の議論の上で検討すべきと思いますが、せめて天沼にある郷土博物館の分館の拡充や、ネーミングの工夫を検討すべきではありませんか。ちなみに、練馬区は、まちの魅力を高める観点から、文化芸術振興を重視し、区立練馬美術館について拡充を検討しています。区長、いかがですか。  また、アトリエなどは既になくても、作家に憧れを持つ人にとって、生家や創作の場がどこにあったのか、近くを訪ねてみたいと思うものです。私は、新宿区の佐伯祐三アトリエ記念館を訪ねた際、その途中の道路脇に、「落合に住んだ文化人」という落合ゆかりの芸術家のアトリエや住宅が地図で示され、歩いて回れるようにしていることに感心しました。地域の方に迷惑をかけないよう配慮は必要ですが、そうした文化遺産散歩マップを、パンフだけでなく、まちに掲示してはどうでしょうか、伺います。  さらに、他区との比較で指摘しなければならないことは、歳出総額に占める社会教育費の低さです。予算特別委員会の答弁で、歳出総額に占める社会教育費の歳出額の比率が、平成29年度は23区中22位、30年度は20位、令和元年度は18位と答えました。区は、他区の社会教育費にはスポーツの経費が入っているから比較できないと答弁しましたが、これは間違いではありませんか。国や都に提出する決算報告の中の社会教育の対象は共通しているものであり、比較は妥当なものではないのですか。  さらに確認しますが、杉並区の令和元年度の社会教育費の歳出額は33億1,112万円ですが、その中で、文化芸術分野の費用は幾らだったのですか。議会事務局を通じた調査では、約5,890万円と報告されていますが、いかがですか。そうすると、社会教育費も低いですが、文化芸術の費用はその2%にも満たないことになりますが、どうですか。  最後に提案したいことは、文化芸術振興計画の策定、文化芸術振興条例の制定です。  今回の質問準備を通じて、私は、近隣の世田谷区や練馬区をはじめ、多くの区で詳細な文化芸術振興計画を策定していること、さらに、区として文化芸術振興条例を持っていることを知りました。  振興計画の策定を提案したことに対し、区は、教育ビジョンに包含されており、計画を策定して屋上屋を重ねることは現在考えていないと答弁しました。  しかし、教育ビジョンの文化に関する記載は極めて僅かで、文化芸術振興計画に相当するとは到底言えません。取組例としての記載は「図書館サービスの情報化の推進」だけでした。また、総合計画の記載も、数値目標はありますが、施策の記載は極めて不十分です。ちなみに、世田谷区の振興計画は100ページを超え、板橋区の振興計画は81ページです。  改めて確認しますが、杉並区は文化芸術振興計画を策定しているという認識ですか。そうだとしたら、その根拠を示してください。  この点で、国の文化芸術基本法では、平成29年の改定で新たに7条の2に地方文化芸術推進基本計画が盛り込まれ、努力義務ではありますが、都道府県、市町村の教育委員会は、その地方の実情に即した文化芸術の推進に関する計画を定めるよう努力するものと規定されています。しかも計画は、国の「文化芸術推進基本計画を参酌して」とあります。先ほど紹介した方とは別の日本画家の方からも、やはり他区と同様、文化芸術振興計画を推進すべきと思いますというはがきをいただきました。  区はこれまで、国の基本法の規定をどう受け止めてきたのですか。基本法を受け、国の計画を参酌し、なぜ計画策定しようとしなかったのですか。今後、策定の準備、検討に入るべきではありませんか。  あわせて、区として文化芸術振興に対する基本姿勢、理念、そして区の責務などを定めた条例制定の検討に入るべきではありませんか。区長の姿勢が問われる問題です。区長の答弁を求め、質問を終わります。 ○議長(大和田伸議員) 理事者の答弁を求めます。  保健福祉部長。       〔保健福祉部長(喜多川和美)登壇〕 ◎保健福祉部長(喜多川和美) 私からは、所管事項についてお答えいたします。  まず、生活保護に関する一連の御質問にお答えいたします。  生活保護制度の運用に当たっては、要保護状態にある方に対し、その困窮の程度に応じて適切に援助を行う必要があります。そのため、ホームページには「国民の健康で文化的な最低限度の生活は、生活保護法で保障されています。」と明記し、誰もがちゅうちょせず御相談いただけるよう、収入がなくなった、手持ち金がないなど生活困窮の状態を分かりやすく例示し、併せて福祉事務所の連絡先を記載しており、これらの掲載内容を改める考えはございません。  次に、生活保護のしおりにつきましては、保護申請を受理した方に、制度を利用する際の権利と義務を説明するとともに、担当するケースワーカーを御案内するためお渡しする資料であるため、ホームページに掲載する考えはございません。  なお、生活保護制度につきましては、「生活保護制度のご案内」を作成し、納税課をはじめ就労支援センター、くらしのサポートステーションなど様々な窓口に配置して、制度の周知に努めているところでございます。  次に、扶養照会についてのお尋ねですが、これまでも区では、要保護者の気持ちに寄り添い、意向を十分に尊重して手続を進めてきたところでございます。  次に、家具什器費に関する御質問にお答えします。  一般的に各家庭においては、家電製品購入等の一時的支出に備えて家計の収支計画を立て、生活を営んでいるものと認識しております。生活保護受給世帯においても同様に、生活扶助費の範囲で対応するものであり、一時的な支出に備えることについても、ケースワーカーが助言、指導を行っているところでございます。区といたしましては、国に新たな制度の創設を求めることや、区独自の支給を行う考えはございません。  私からの最後になりますが、区立施設における生理用品の無料配布等に関する御質問にお答えいたします。  コロナ禍による生活困窮等により生理用品の購入が困難となった女性を支援するため、区は、災害備蓄品の配置に伴う有効活用として、生理用品をくらしのサポートステーション、区内大学、こども食堂に提供したほか、福祉事務所や区立学校にも配置いたしました。  区立施設のトイレへの常備を求めるお尋ねでございますが、多くの区民や事業者、職員等が日常的に使用するトイレですので、真に必要としている女性への効果的な支援につながるかという問題がございます。今後、効果的な配布方法や継続的な取組の必要性について検討してまいります。  私からは以上です。 ○議長(大和田伸議員) 杉並保健所長。       〔杉並保健所長(増田和貴)登壇〕 ◎杉並保健所長(増田和貴) 私からは、生理を学ぶイベントに関する御質問にお答えいたします。  区は平成30年度に、区内のNPO法人などが主催した女性に特有の疾患に関する講演会を後援しております。また、主に更年期の女性を対象にした健康講座や運動サポート支援を実施したり、毎年3月の女性週間に合わせて、様々な年代向けの健康をテーマにした講演会の開催や、骨密度、血圧及び体組成測定会などを開催しております。区といたしましても、区内の女性が生き生きと健康に過ごしていけるように、女性の性と生殖といった女性特有の健康課題に対する取組を引き続き進めてまいります。  私からは以上でございます。 ○議長(大和田伸議員) 高齢者担当部長。       〔高齢者担当部長(野田幸裕)登壇〕 ◎高齢者担当部長(野田幸裕) 高齢者、障害者、低所得者などの世帯に対する熱中症対策としてのエアコン購入、設置補助に関する御質問にお答えします。  区は、頸椎損傷等で体温調節機能を喪失している障害者に対しては、エアコンを日常生活用具の給付対象としておりますが、それ以外にエアコンの購入や設置を補助する考えはございません。  区では、熱中症予防対策として、高齢者等を中心に、リーフレットや啓発グッズの配布などにより普及啓発を図るとともに、ケア24などによるおたっしゃ訪問の際に注意喚起を行っております。このほか、区立施設を活用した涼み処の設置も進めているところであり、今後も引き続き熱中症の防止に努めてまいります。  私からは以上でございます。 ○議長(大和田伸議員) 地域活性化担当部長。       〔地域活性化担当部長(岡本勝実)登壇〕 ◎地域活性化担当部長(岡本勝実) 私から、コロナ禍における文化芸術活動支援に関する御質問にお答えいたします。
     初めに、区民が文化芸術活動に取り組む場を確保し、鑑賞する機会を充実していくことは、区がしっかり取り組むべきことと認識しています。そのため、コロナ禍にあってもそうした場と機会が失われることがないよう、昨年度から今年度にかけてすぎなみアート応援事業を継続実施しているところです。  昨年度のすぎなみアート応援事業では、場の支援として95件、活動の支援として568件の助成に加え、日本フィルハーモニー交響楽団が主催する6公演の助成を行っており、御指摘のように、休業または一定の制約の下で活動せざるを得ない状況に置かれたライブハウスを含む区内の文化芸術施設等の取組を着実に後押しすることができたと受け止めています。  なお、第2弾として今年度実施しているすぎなみアート応援事業の事業規模につきましては、新型コロナウイルスの感染状況等を見極めながら支援することが適当と判断し、当面は上半期分の取組として予算計上したものでありますので、見直す考えはございません。今後、適切な時期に、下半期に向けた取組の必要性等を検討してまいりたいと存じます。  私からは以上です。 ○議長(大和田伸議員) 産業振興センター所長。       〔産業振興センター所長(武田 護)登壇〕 ◎産業振興センター所長(武田護) 私から、国の一時支援金に関する御質問にお答えします。  国の一時支援金の申請手続については、電子申請となっており、国において、新宿区内など都内複数箇所に申請サポート会場を設置するほか、電話相談を行っているところです。現在までに産業振興センターに対して申請手続の支援に関する要望は受けてございませんが、区内事業者からのお問合せ等があった場合には、国の申請サポート会場等を丁寧に御案内してまいりたいと存じます。  私からは以上です。 ○議長(大和田伸議員) 教育委員会事務局次長。       〔教育委員会事務局次長(齊藤俊朗)登壇〕 ◎教育委員会事務局次長(齊藤俊朗) 私からは、小中学校での生理用品の対応についての御質問にお答えします。  小中学校では、各家庭で生理用品を用意することを基本としています。ただし、必要な児童生徒に対しては、学校トイレではなくて保健室に常備し、適宜配布を行っているところです。  私からは以上です。 ○議長(大和田伸議員) 教育政策担当部長。       〔教育政策担当部長(大島 晃)登壇〕 ◎教育政策担当部長(大島晃) 私からは、性に関する教育についての御質問にお答えいたします。  性に関する知識や理解を深めるための学習については、小学校体育科の保健領域及び中学校保健体育科の保健分野において行っており、区内において、小学校は全校、中学校は約半数の学校が男女一緒に学んでおります。今後は、学習指導要領に基づき、中学校においても男女一緒の授業を展開し、性に関する基礎的基本的な内容を子供たちに正しく伝えていくよう、教育委員会として学校を支援してまいります。  私からは以上でございます。 ○議長(大和田伸議員) 生涯学習担当部長。       〔生涯学習担当部長(田部井伸子)登壇〕 ◎生涯学習担当部長(田部井伸子) 私からは、文化芸術事業に関する御質問のうち、所管事項についてお答えいたします。  初めに、杉並区ゆかりの芸術家とその作品の普及に関する一連の御質問についてでございます。  まず、杉並ゆかりの芸術家やその作品に触れる機会を提供することの意義についてですが、郷土杉並への理解や愛着を高めることが様々な効果を生み出す礎になるとの認識から、さきの予算特別委員会での答弁となったものでございます。  次に、美術館的な活動の場についてのお尋ねですが、セシオン杉並の展示室や本庁舎の区民ギャラリー等をぜひ御活用いただきたいと存じます。  次に、郷土博物館分館に関する御提案がありましたが、公園施設の一部として位置づけられており、規模の拡充には様々な制約があり、困難であると考えております。  また、分館は平成19年に開設し、区民参加型の展示を行う郷土博物館として定着しておりますので、名称の変更は考えておりません。  次に、案内掲示板の設置は、文化資産が集積し、まち歩きができる場所が効果的であると考えております。現在、都市整備部門と協力して、荻窪駅周辺で案内サインの設置を検討しているところでございます。  続いて、社会教育費の割合等に関する御質問にお答えいたします。  まず、さきの予算特別委員会での23区別の歳出に占める社会教育費の割合に関する答弁におきまして、不正確な部分はございましたが、例えば荻外荘の復原・整備など、文化財の保存、活用に関する経費であっても社会教育費として計上していないなど、各区の状況により歳出区分が異なることがございます。  また、お尋ねの文化芸術分野の約5,890万円につきましては、郷土博物館の管理運営及び文化財の調査、保護に関わる令和元年度の決算額であり、文化芸術の予算が少ないとの御指摘は当たっていません。  最後になりますが、文化芸術振興計画に関する御質問にお答えいたします。  文化芸術基本法では、地方文化芸術推進基本計画はあくまで努力義務であるとされております。そのため、区として重点的に行う取組を教育ビジョン推進計画等で示しているところでございます。  なお、教育ビジョン推進計画等に包含されていることをもって法に定める計画を策定しているという認識はございません。  また、条例についても、制定が義務づけられていないことから、制定することは考えておりません。  以上でございます。 ○議長(大和田伸議員) 34番くすやま美紀議員。       〔34番(くすやま美紀議員)登壇〕 ◆34番(くすやま美紀議員) 再質問いたします。  まず、暮らしへの支援について、生活保護の問題ですけれども、国民の権利ということをぜひ追記してほしいということでしたが、区は今の表記を改める考えはないということだったんですけれども、これは国も国民の権利だということを言って、それを厚労省のホームページに書いたわけですよね。ですから、これは当然、区のホームページに書いて何ら問題はないと思うんですが、それを追記する考えがないというのはどういうことなんでしょうか。私はそもそも、そうすると区は、生活保護、これは国民の権利という認識がないんじゃないかと疑わざるを得ないんですけれども、どうなんでしょうか。国民の権利だという認識があるというんだったら、明記することに何の問題もないと思いますが、なぜそれを拒むのか、その理由を明確にお答えいただきたいと思います。  それから、扶養照会について、これまでも申請者の意向を尊重して対応してきたというような旨の答弁だったと思うんですけれども、本当にそうなのかなと疑問に思わざるを得ません。これまでもこの扶養照会、やはり親族との関係で、保護申請したことを知られたくないという方に、本当にそれをしてこなかったのかどうかというのは、私は疑問ですし、先ほどのお答えはちょっと疑問だと言わざるを得ません。  じゃ、確認しますけれども、扶養照会を拒否する、そうした方には扶養照会はしないということでいいんですね。それをちょっと確認しておきたいと思います。明確にお答えいただきたいと思います。  それから、冷蔵庫などの家電製品の買換え、故障の問題で、全く何にも考えてないんだなということで、これも本当に区の人権意識が問われる問題だと思います。今のこうした状態が、健康で文化的な最低限度の生活を保障しているというふうに言えるんですか。一般の働いている方たちの収入で、それは毎月ためたりローンを組んだりできますよ。でも、生活保護の人たちは、本当に少ない保護費を――何年かかるんですか、冷蔵庫を買うのに。あと、貸付けもしてもらえないんですよね。本当にそれで健康で文化的な最低限度の生活だと言えるんですか。その認識を問いたいと思います。  それから、生理の貧困についてですが、くらしのサポートステーションとか大学、こども食堂での配布が行われているということでしたけれども、そういったことを区民は知らないんですよね。ホームページを見ますと、ウェルファームでの配布というのは書かれているんですが、それ以外の配布のことなどは知らされていないんですよ。だから、これは広く区民に知らせることが必要だと思うんですけれども、いかがでしょうか。  また、今後の継続性についてはこれから検討するというようなお答えだったかと思うんですけれども、私は、コロナ以前からある問題が、このコロナ禍によって光が当たった問題だと思いますので、ぜひそれは、私も先ほどの質問でいろいろ指摘したような問題点があります。単に金銭的な問題ではないということを含めて、ぜひ検討していただきたいと思うんです。いかがでしょうか。  それから、学校での生理用品の配布は保健室で対応ということですが、そうしますと、一々保健室に、忘れちゃったり、あるいは持っていない子はなかなか言い出しにくいということがあるんじゃないかなということが心配されます。トイレに行けばトイレットペーパーが置いてある、当たり前ですけれども、そのように生理用品が置いてあるという状況をせめて学校でつくっていただきたいなと思うんですけれども、いかがでしょうか。  それから、区民への啓発の問題で、女性特有の疾患のことなど、健康問題など取り組んでいるような答弁でしたが、それはそれでいいんですけれども、これは生理の問題に今回特化して、それを啓発してほしいということを求めておりますので、ぜひその点、検討していただきたいんですけれども、いかがでしょうか。  あと、文化芸術事業についてです。  コロナ禍での文化芸術活動支援が減額されるということに関わって確認したいんですけれども、新しい芸術鑑賞様式助成金、第1期申請を25件程度としていますが、今年度第1期の申請件数が何件だったのか伺います。  それから、対象要件にかなっていても、これは25件に削るんでしょうか。全て助成すべきだと思うんですけれども、どうでしょうか。  それで、緊急事態宣言が延長されたわけですね。そうした事態に対応すべきです。書面開催となった第3回杉並区文化・芸術振興審議会の配布資料でも、コロナ禍による影響を見定め、改めて検討とありますけれども、この箇所、読み上げていただけますか。そして、どう検討しているのか、お答えください。  それから、区ゆかりの芸術家、作品の普及、発信に関してです。  あれこれ答弁があったんですけれども、博物館、美術館、文学館など社会教育施設の来場者を見ますと、目黒区は約15万人、練馬区33万人、世田谷区55万人に対して、杉並区は僅か3万人。近隣区と比較しても極めて少ない現状です。区内在住の画家からも失望の声が上がっております。この現状をどう認識しているでしょうか。  それから、セシオンの展示場などを使ってもらいたいということでしたけれども、私が言っているのは、区民に貸すんじゃなくて、区ゆかりのそうした作品を展示する施設が少ないんじゃないかということを言っていますので、その点について御答弁ください。  それから、杉並区総合計画では、区にゆかりの文化人・芸術家、貴重な文化資源などを活用・発信し、まちの魅力を高めていく取組が求められていると記載しています。まちの魅力向上にどう取り組んでいくのか伺います。  それから最後に、天沼の郷土博物館分館の拡充に対して、全く消極的な答弁でしたけれども、区立美術館でいえば、近隣区だけを見ても、目黒、世田谷、渋谷、練馬があります。近隣市では武蔵野、三鷹もありますけれども、杉並区にはありません。基本構想審議会の区民アンケートでも、文化芸術に関して、「美術館の設立、文化、芸術を広め発信する場の増加」というのが記載されていると思いますけれども、どうでしょうか。  私の提案は、せめて天沼の郷土博物館分館を拡充してほしい、ICTの活用以外、発信の場を少しでも拡充することを求めています。それを何ら検討しないというんでしょうか。区長の姿勢が問われておりますけれども、区長、ぜひ答えていただきたいと思います。  以上で再質問を終わります。 ○議長(大和田伸議員) 理事者の答弁を求めます。  保健福祉部長。       〔保健福祉部長(喜多川和美)登壇〕 ◎保健福祉部長(喜多川和美) くすやま議員の再度の御質問にお答えいたします。生活保護関連でございます。  先ほど御答弁いたしましたように、私どものホームページには、「国民の健康で文化的な最低限度の生活は、生活保護法で保障されています。」というふうに記載しているということをお答えいたしました。これは、「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」という日本国憲法第25条第1項、そしてこれを受けて、こうした憲法25条1項の生存権の理念に基づいて制定されている生活保護法、こういったことを表した表現でございます。あと、ホームページを御覧いただくと、よく議員は御覧になっての御批判だと思うんですけれども、お困りの場合には、まずは電話相談してくださいというふうに明記しています。その他、分かりやすく平明な言葉を用いてホームページに記載しております。  また、今般のコロナ禍によって、新たに生活困窮の状態になった方もおられると思います。そうしたことを福祉事務所はよく考えて、先ほどチラシを作っているというお話をいたしましたけれども、新たに、「生活保護受給を悩まれている方へ」というチラシを、ピンクの紙を使って分かりやすく作りまして、内容的には、新型コロナウイルス感染症対策、それから自粛の影響もあって、景気の悪化も続いている。収入がなくなった、手持ち金がなくなった、生活にお困りの方は、生活保護の利用をお考えくださいというチラシを作っています。これを区役所の納税課とか国保年金課のほかに、区民事務所や保健センターなど、全部で大体800枚程度作成して、それらを備え付けております。このように丁寧に、区民の方に生活保護をちゅうちょなく御相談いただけるような取組を私どもはやっているということをお答えいたします。  それから、扶養照会の確認でございますが、それはケース・バイ・ケースでございます。長く生活保護の制度を運用していく中で、それぞれのケースに寄り添った対応というのは、それぞれのケースワーカーがちゃんとやっております。  それで、本当にやらないと判断した場合には扶養照会はしないんだねというお尋ねだったと思うんですけれども、これは要保護者からしっかり聴取いたしまして、そしてその方に生活保持義務関係者がいるか、そして生活扶助義務関係者がいるか。生活扶助義務関係者の場合には扶養義務があるということになりますけれども、ただ、それにしたとしても、丁寧に要保護者から聴取をして、扶養義務の履行が期待できないという場合には扶養調査は行いません。ただし、万が一のことがあるので、戸籍調査などを行って、関係先の調査などは行う場合があります。これはもちろんこれまでも同様ですけれども、今申し上げたように、個別のケース、それぞれの方に寄り添った対応をよく聞き取って行っているところでございます。  それから、家具什器費の問題ですけれども、厚労省から、日常生活に必要な物品については、本来、経常的な生活費の範囲内で計画的に購入すべきであると示されておりますので、区もこの立場に立って、同様の取扱いをしているところでございます。  それから、生理用品の貧困の関係でございますけれども、周知の方法につきましては、改善すべき点は改善していきたいと思っております。継続すべきだというお話でございますけれども、これは様々な観点から検討してまいりますが、真に必要としている人が生理用品を受け取るということが一番重要ですので、そうしたポイントを踏まえて、より効果的な配布、困った人が本当に助かる方法は何かという視点で検討してまいりたいと存じます。  私からは以上です。 ○議長(大和田伸議員) 杉並保健所長。       〔杉並保健所長(増田和貴)登壇〕 ◎杉並保健所長(増田和貴) 私からは、生理の問題に関する普及啓発についての再質問にお答えさせていただきます。  子宮内膜症や子宮腺筋症など生理に関する健康問題についても、主催、後援を問わず、講演会やホームページなどを通して、区民に対して丁寧に普及啓発を進めてまいります。  私からは以上でございます。 ○議長(大和田伸議員) 地域活性化担当部長。       〔地域活性化担当部長(岡本勝実)登壇〕 ◎地域活性化担当部長(岡本勝実) 私から、くすやま議員の再度の御質問にお答えします。  まず1つ目の文化芸術のアート応援事業の件数ですが、162件となっております。  次に、何件が対象になるかということですが、これは予算の範囲で、審議会の審査がこれから行われるところですので、その結果を待つということになります。25件を想定しておりますが、これは審議会で審査が行われますので、その結果によるというものでございます。  それから、審議会の令和2年度第3回の資料ということですが、こちらの御質問につきましては、先ほど最初の答弁でお答えしたとおりでございます。  私からは以上です。 ○議長(大和田伸議員) 教育委員会事務局次長。       〔教育委員会事務局次長(齊藤俊朗)登壇〕 ◎教育委員会事務局次長(齊藤俊朗) 私からは、学校における生理の貧困に関します再度の御質問にお答えします。  昨日のニュースを見ましても、生理の貧困に関します特集が組まれるなど、様々な報道がされており、様々な意見が出されているということは承知しております。  また、先ほど議員のほうから、保健室で言い出しにくいというお話もありました。確かに、同性である養護教諭に対してもそういう感情をお持ちになる方もいるでしょうし、ほかの方がいて、心理的ハードルが高いという話も聞いております。多分、アンケートなどを取れば、ほとんどの児童生徒もやはりトイレに置いてほしいというお答えになると思いますけれども、教育委員会といたしましては、先ほど議員もお話ありましたとおり、単なる貧困ではなくて、様々な課題等もある方がおられるという中で、そういった中で気づいてあげたり手を差し伸べてあげたり、そのためには、やはり保健室における養護教諭のほうでしっかりと捉えて対応していくことが必要であるということから、区としましては、トイレに置くのではなくて保健室に置きたいと考えております。  ただ、最近様々な自治体でいろいろな取組をされておりますので、そちらのほうにつきましては随時確認しながら、どういったやり方が適切か、これからも考えてまいりたいと思います。  私からは以上です。 ○議長(大和田伸議員) 生涯学習担当部長。       〔生涯学習担当部長(田部井伸子)登壇〕 ◎生涯学習担当部長(田部井伸子) 私からは、杉並ゆかりの芸術家とその作品の普及に関する再度の御質問にお答えいたします。  まず、来館者の数についてですけれども、どこの区とは申しませんけれども、数を単純にというか、来館者の数を見てみたら、平均して毎日1,000人来なければ出ないような数字の施設などもありますので、それはどういうカウントの仕方をしてそうなっているのか分からないんですが、あまり現実的ではないというようなところもありますので、数だけでどうのこうのというところは、あまり適切ではないのではないかなというふうに思います。  それから、展示する施設が少ないということでございますが、少ない中でも、職員はいろいろ工夫をして魅力ある展示に努めているところでございまして、これからも学芸員を中心に、魅力ある展示に努めたいと思います。それがまた博物館から、それに関する本を読んでみようとか、それを読んだ人たちが交流して、またそれが広がっていくというようなところを通して、まちの魅力の向上にもつながるのではないかなと期待をしているところでございます。  それから、郷土博物館分館に関することですけれども、分館が天沼弁天池公園にあるということで、都市公園法の建築面積の制限ですとか、地区防災公園としての機能に配慮しなければならないという制約があるので、なかなか難しいということでございます。  以上でございます。 ○議長(大和田伸議員) 以上でくすやま美紀議員の一般質問を終わります。  以上で日程第1を終了いたします。  議事日程第2号は全て終了いたしました。  議事日程第3号につきましては、明日午前10時から一般質問を行います。  本日はこれにて散会いたします。
                                   午後3時47分散会...