○議長(
井口かづ子議員) 異議ないものと認めます。よって、
総務財政委員会に付託することに決定をいたしました。
本日の会議時間は、議事の都合によりあらかじめ延長いたします。
ここで暫時休憩をいたします。
午後1時04分休憩
午後5時15分開議
○議長(
井口かづ子議員) 休憩前に引き続き会議を開きます。
お諮りいたします。
総務財政委員会委員長から
議案審査報告書が提出されました。
これを受けまして、議案第84号令和2年度杉並区
一般会計補正予算(第6号)を本日の日程に追加し、直ちに議題とすることに異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(
井口かづ子議員) 異議ないものと認めます。よって、議案第84号を本日の日程に追加し、直ちに議題とすることに決定をいたしました。
──────────────────◇──────────────────
令和2年7月21日
杉並区
議会議長
井口 かづ子 様
総務財政委員会
委員長 大泉 やすまさ
総務財政委員会議案審査報告書
令和2年7月21日に本委員会に付託された議案について審査した結果、下記のとおり決定したので、
会議規則第64条の規定により報告します。
記
原案を可決すべきものと決定した議案
議案第84号 令和2年度杉並区
一般会計補正予算(第6号)
○議長(
井口かづ子議員) 議案第84号令和2年度杉並区
一般会計補正予算(第6号)を上程いたします。
総務財政委員会委員長からの
議案審査報告書は、御配付のとおりであります。
これより討論を行います。
発言の通告がありますので、これを許可いたします。
2番ほら
ぐちともこ議員。
〔2番(ほら
ぐちともこ議員)登壇〕
◆2番(ほら
ぐちともこ議員) 議案第84号の
PCR検査体制の強化と
区立学校における
情報教育の推進と
感染症対策、
学習保障等の支援について反対意見を述べます。
まず、
PCR検査体制の強化についてです。
PCR検査の強化策として、診療所などでも検査を実施するとのことですが、先ほどの
総務財政委員会でも、
医療従事者の負担なく本当に検査が容易にできるものなのかどうかが分かりませんでした。
PCR検査がどうなっているのか全く闇の中で、一貫性がなく、
検査体制そのものが確立しているようには思えないので、反対します。
7月14日に開かれた記者会見で、区内の
医療機関の状況はという記者の質問に対し、
田中区長は、
杉並方式とも言われる区内4病院への包括援助は、
医療経営を安定させ、医療に専念してもらうための体制をつくるためのものと答えました。
河北医療財団理事長・河北博文氏は、7月14日付の
東京新聞朝刊のインタビューで、4−6月の医業収益は計7億8,000万円の赤字の見込み。4月20日に区の
補正予算が成立し、
河北総合病院には7億9,000万円が投じられることになった。感染者の受入れに伴う逸失利益の補填はありがたい。一方で、これは区民の税金からの支出だということを重く受け止め、職員の夏の賞与は減額することにしたと述べています。
区長はあれだけ
医療崩壊を防ぐと言ってきましたが、実際には河北の
医療従事者の
ボーナスはカットだそうです。医療にこれで本当に専念できるのでしょうか。
田中区長がおよそ23億円の区費を投入して救ったのは、
医療そのものや
医療従事者ではなく、
病院資本でした。
河北のように、現在、医療、福祉、介護など
コロナ禍で
感染リスクを負いながら多くの人々の命を守ってきた労働者に対し、一時金の大幅減額や支給ゼロの通告が相次いでいます。400人の看護師が退職を検討しているという
東京女子医大病院では、
理事長室の改修に6億円をかけ、新しい教育棟まで建設しておきながら、
コロナ対応の激務をこなしてきた
現場労働者には一時金がゼロ、これが
資本主義社会の現実です。
医療資本に幾ら金をつぎ込んでも、それが
イコール医療従事者の支援につながるわけではないのです。経営あっての医療とか、金がなければまともな医療も受けられないとか、
医療従事者に感謝をなどと騒いでおきながら、現実には
ボーナスカットとか、この社会を覆っている当たり前、
前提そのものが根本的に間違っているのであり、こんな社会の在り方は覆されてしかるべきです。
感染症病床の防疫、
医療従事者の安全、
人員体制確保に必要な費用をきちんと保障するべきです。
2つ目に、
区立学校における
情報教育の推進と
感染症対策、
学習保障等の支援についてです。
柱となっている
情報教育の推進12億円の予算は、需用費(
タブレット端末代)8億5,540万円
プラス委託費3億251万円、合計11億5,791万円ですので、そのほとんどのお金が資本に流れ、資本を潤し、教育を
金もうけの餌食にしようとしているようにしか思えないので、これも反対します。
安倍政権による突然の休校による混乱の中で、
教育労働者は、
子供たちの安否確認や
学習プリントの配布など、学校と
子供たちの結びつきをつくるために必死に働いてきました。そして今、
教育労働者は、自らと
子供たちの命を守りながら
学校教育を再開するという、誰も経験したことのない事態の渦中にいます。コロナ以前から、過労死に至る長時間
過重労働や非
正規雇用の増加、評価制度による職場の分断など、新
自由主義教育の下では命も教育も守れません。
安倍政権の第2次
補正予算では、
学習指導員など約6万人を追加配置するといいますが、全国の
公立小中学校の数は約3万校ですので、つまり1校に2人程度、しかも非
正規雇用です。現場の声は、
タブレットより先生増やせ、非正規ではなく正規で雇えです。
また、国の
補正予算では、全国の小中学生に1人1台の
タブレット配布と高速大容量回線を設置する
GIGAスクール構想を前倒しし、2,292億円を投じることが決定されました。既にこの予算に国内外のIT、
教育関連資本が群がっており、
コロナ危機に乗じて、
文字どおり教育を
金もうけの道具にしようとしています。
教育労働者の非
正規職化、
ICT教育によって得られる学びの
ビッグデータによる
子供たちの完全な序列化、選別化に絶対反対です。
アメリカでは、既に10年以上前から公教育の
ICT化と民営化が国策として推進されてきました。コンピューターの並んだブースに区切られた場所で、1人の非正規職員のインストラクターが130人の
子供たちを監視している学校もあるそうです。共に学び生きるという
学校教育の原形は失われています。
杉並区は
教育労働者の声を聞いているでしょうか。現場は3か月間の休校による授業の遅れを取り戻そうと気持ちばかりが焦っている。特に高校入試。塾で詰め込まれた人だけが有利になるのは許されないとみんな思っている。
オンライン学習が
コロナ危機の救世主のように宣伝されているが、
オンラインでできることはほんの一部。絶対に解決しない。直接向き合ってやり取りしながらでないと伝わらない。
そして今、分散登校を通して、初めて日本の学校の多くが20人以下の学級を経験しています。現場教師は、これぐらいの人数がいいよねと実感を込めて話し、教師を倍にして1クラスの人数を半分に減らせという署名活動も全国で始まっています。教職員をAIや
タブレットに置き換える金を正規職の教員の大幅増員に使うべきです。
以上の理由から、
補正予算(第6号)に反対します。
○議長(
井口かづ子議員) 17番
矢口やすゆき議員。
〔17番(
矢口やすゆき議員)登壇〕
◆17番(
矢口やすゆき議員) 議案第84号令和2年度杉並区
一般会計補正予算(第6号)について、杉並区
議会自由民主党を代表して、賛成の立場から意見を申し上げます。
今回の
補正予算は、国の
新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金等を活用した事業について、緊急性の観点から計上されたものと理解しております。具体的には、
病院設置型PCR検査スポットの
運営支援や、
PCR検査を実施する
診療所等への
運営支援、バスによる
移動式PCR検査スポットの新設など、今後のさらなる
感染拡大の波に備えるため必要な経費や、
感染症拡大の影響により甚大な影響を受けている商店街や
飲食店等に対する支援に要する経費、さらには、子供の学びの機会の確保のための全
児童生徒に1人1台
タブレットパソコンの配備に要する経費など、いずれも緊急度、重要性の高い、
コロナ対策に要する経費が計上されているものと認識しております。その他の事業につきましても、
コロナ禍において区として取り組むべき、時期を捉えた必要な事業であると評価しております。
以上の理由から、本議案に対する賛成の討論といたします。
○議長(
井口かづ子議員) 3番
田中ゆうたろう議員。
〔3番(
田中ゆうたろう議員)登壇〕
◆3番(
田中ゆうたろう議員) 議案第84号令和2年度杉並区
一般会計補正予算(第6号)について、美しい杉並の意見を申し述べます。
まず、本
補正予算には、
新型コロナウイルス感染症対策として、
病院設置型PCR検査スポットの
運営支援、
PCR検査実施医療機関への
運営補助が盛り込まれています。
医療崩壊を防ぎたいとの杉並区の思いは理解しますし、
医療関係者の方々の懸命の御尽力には深く感謝するものです。
しかし、本年4月20日の
総務財政委員会でも
補正予算(第1号)の審査に際して申し述べたとおり、
医療機関の支援は第一義的には国や都の仕事であります。今回も、当区が
基礎自治体の本分を逸脱して、貴重な区民の税金をこれに費やすことは妥当性を欠くと判断せざるを得ません。
また、本
補正予算(第1号)も、果たして当区の
医療機関支援に真に資したと言えるかどうか、十分に省みられなければなりません。減収補填の対象となった区内4つの
基幹病院のうち、
河北総合病院などでは、補填に感謝しつつも、これが区民の税金からの支出であることを重く受け止め、職員の夏の
ボーナスを減額することになったとの報道に接しています。
病院経営者への
サポートにはなり得ても、現場で命をかけておられる
医療従事者の方々にとっては、
サポートどころか、皮肉にもかえって
自分たちを苦しめる結果に至ったことを、当区はどのように受け止めているのでしょうか。彼らから働く誇り、働く喜びを奪うことに作用してしまったことは、極めて遺憾なことと言わなければなりません。
次に、
杉並芸術会館の
維持管理として、
指定管理者が施設の
感染予防対策を講じるための
物品購入に要する経費が計上されていますが、このことに関連して、一言懸念と苦言を呈しておきます。
昨今、小
劇場公演における
感染症対策をめぐっては、世間の極めて厳しい目が注がれています。今月10日には東京都が、新宿区内の小劇場、
新宿シアターモリエールでの
コロナ感染を明らかにしました。その後の報道によれば、都内の小劇場でつくる小
劇場協議会の定めた
感染防止の
ガイドラインを
劇場サイドが守っていなかったとのことです。その結果、同劇場は
クラスターを発生させることとなり、現在、社会に深刻な影響を及ぼしています。
この事態を受け、
杉並芸術会館での
感染症対策について文化・交流
課に確認したところ、同会館では、全
国公立文化施設協会が公表した劇場、
音楽堂等における
新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドラインを遵守しているために、懸念は不要であるとの回答を得ました。しかし、果たして本当に大丈夫なのでしょうか。
区長は今月8日、世田谷区下北沢の小劇場、
ザ・スズナリで行われた
劇団燐光群の公演の
アフタートークに登壇し、
劇団主宰者の坂手洋二氏との対談に臨まれました。私が秘書
課に確認したところ、この
アフタートーク登壇は公務であり、劇場への移動には区長車まで使ったとのこと。このことの当否については別の機会に確認したいと思いますが、この
下北沢ザ・スズナリでの燐光群の公演については、
主宰者坂手氏が今月13日付の
日経新聞夕刊で、観客数をはっきりとは決めないなどと語っており、
感染症対策が十分に行われていなかった疑いがあります。万一区長がコロナに感染した場合、
コロナ対策どころか、区役所が
クラスターの発生源となる危険さえ生じることを区長はどうお考えか。
危機意識を欠くものと猛省を求めるところです。
また、言うまでもなく、坂手氏は、
杉並芸術会館の
劇場パートナーである
日本劇作家協会の元会長、現在は
劇場部長との立場であり、また、燐光群は1階ホールで行われる同
会館提携公演の常連劇団です。同会館での
感染症対策がしっかりと図られるのか心配であり、区長の
ザ・スズナリ登壇がその心配にいよいよ拍車をかけています。幾ら事前に
ガイドラインを守ると各劇団が約束をしても、本番中や上演直前、上演直後などに突然その約束を破るような演技や演出、
観客サービスなどが行われた場合、当区は責任を取れるのでしょうか。
燐光群は昨冬、同会館1階ホールで公演を行った際、本番後の
アフタートークの中で、安倍首相辞めよとの
シュプレヒコールを観客とともに繰り広げたことは、本年第1回
定例会一般質問でも紹介したところです。来場していた区長も、この
シュプレヒコールに加わっていたかどうかは不明ですが、いずれにせよ、相当量の飛沫が1階ホール内に拡散したことは疑いありません。そうした危険な行為が突然身勝手な劇団や出演者などによってアドリブ的に行われ得るということが、いまだ十分に想定されてはいないのではないでしょうか。もしそうした事態が発生した場合、今回せっかく計上されている
感染予防対策の
物品購入経費も全くの無駄になってしまうと懸念いたしますが、これまでのこの劇場の、先ほども述べたような
公共劇場として甚だ疑わしい非常識で無責任な運営のされ方を見て、そうした懸念を払拭することはできません。
その他、本
補正予算には見るべき施策も一部図られてはいますが、総じて賛成はしかねるものと判断せざるを得ず、本議案には反対といたします。
○議長(
井口かづ子議員) 以上で討論を終了いたします。
それでは、採決いたします。
議案第84号令和2年度杉並区
一般会計補正予算(第6号)について、原案に賛成の方の起立を求めます。
〔
賛成者起立〕
○議長(
井口かづ子議員) 起立多数であります。よって、原案を可決いたしました。
これをもちまして議事日程第1号は全て終了いたしました。
区長から挨拶があります。
区長。
〔区長(田中 良)登壇〕
◎区長(田中良) 閉会に当たり、一言御挨拶申し上げます。
このたびの臨時会では、
補正予算につきまして、慎重な御審議の上、
原案どおり御決定いただきまして、誠にありがとうございました。御審議の過程でいただきました様々な御意見につきましては、これからの執行に当たりまして十分尊重してまいりたいと存じます。
今後とも区議会の皆様と力を合わせ、新型コロナウイルス感染症の拡大防止とその影響への対策に全力を尽くしてまいりたいと存じます。
これから暑い日が続いてまいります。議員の皆様におかれましては、御自愛の上、なお一層の御活躍をお祈りいたしまして、御挨拶とさせていただきます。
どうもありがとうございました。
○議長(
井口かづ子議員) 本日の会議を閉じます。
以上をもちまして令和2年第4回杉並区
議会臨時会を閉会いたします。
午後5時33分閉会
議案説明資料
(議案第84号)
令和2年度杉並区
一般会計補正予算(第6号)
今回の
補正予算では、国の「
新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金(第二次
補正予算分)」を活用した事業等について、緊急性の観点から計上するものです。
【概要】
補正事業 36事業 2,501,415千円
【歳出予算】
1.情報政策の推進 31,943千円
2.
杉並芸術会館の
維持管理 870千円
3.地域集会施設等
維持管理 1,000千円
4.杉並公会堂(PFI事業) 634千円
5.中小企業支援 136,358千円
6.商店街支援 246,000千円
7.体育施設の
維持管理 17,194千円
8.介護保険事業者支援 84,600千円
9.地域包括支援センターの運営管理 10,567千円
10.高齢者のためのウィズコロナ応援事業 6,793千円
11.障害福祉サービス等事業所へのサービス継続支援 39,000千円
12.高齢者在宅サービスセンター等の
維持管理 2,900千円
13.ゆうゆう館等の
維持管理 5,443千円
14.子どもショートステイ 2,750千円
15.児童虐待対策 1,030千円
16.児童青少年センター・児童館等の
維持管理 700千円
17.感染症予防・発生時対策 273,215千円
18.生活衛生
課分室の
維持管理 27,339千円
19.区営住宅の提供 2,300千円
20.建築物等情報の整備及び提供 17,332千円
21.有料制自転車駐車場の運営 4,961千円
22.土木事務所
維持管理 864千円
23.南北バスの運行 5,200千円
24.公園のリニューアル 6,560千円
25.杉並清掃事務所の
維持管理 2,800千円
26.特別支援教育 200千円
27.
情報教育の推進 1,226,240千円
28.済美教育センター運営管理 1,400千円
29.済美教育センター
維持管理 1,300千円
30.小学校の運営管理 163,972千円
31.小学校の健康管理 13,431千円
32.小学校の移動教室 25,000千円
33.中学校の運営管理 84,028千円
34.中学校の健康管理 4,691千円
35.学校開放施設の団体・区民利用等 800千円
36.図書館運営 52,000千円
【歳入予算】
〇国庫支出金(財源更正含む) 576,252千円
補正予算(第6号)事業充当の国庫支出金 960,227千円
新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金(財源更正分)
△383,975千円
〇都支出金(財源更正含む) 1,827,404千円
新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金(第二次
補正予算分)
1,391,002千円
その他都補助金 52,427千円
新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金(財源更正分)
383,975千円
〇繰入金(財政調整基金) 97,759千円
【財源更正】
国庫支出金 △383,975千円
都支出金 383,975千円
令和2年度杉並区
一般会計補正予算(第5号)の
新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を国庫支出金で計上したが、特別区の場合、東京都を経由し交付されるため、都支出金としての計上が適切であることから、今回、国庫支出金から都支出金に財源を更正する。...