杉並区議会 > 2019-10-11 >
令和 元年決算特別委員会−10月11日-10号

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  1. 杉並区議会 2019-10-11
    令和 元年決算特別委員会−10月11日-10号


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    令和 元年決算特別委員会−10月11日-10号令和 元年決算特別委員会                  目   次 委員会記録署名委員の指名 ……………………………………………………………… 3 決算審査  認定第1号〜認定第5号   各会派の意見開陳   杉並区議会自由民主党代表大泉やすまさ委員) ……………………………… 3   杉並区議会公明党代表(中村康弘委員) ………………………………………… 9   日本共産党杉並区議団代表(山田耕平委員) ……………………………………14   立憲民主党杉並区議団代表(太田哲二委員) ……………………………………20   いのち・平和クラブ代表新城せつこ委員) ……………………………………24   自民・無所属・維新クラブ代表(小林ゆみ委員) ………………………………30   共に生きる杉並(木梨もりよし委員) ……………………………………………37   杉並わくわく会議(松尾ゆり委員) ………………………………………………40   正理の会(佐々木千夏委員) ………………………………………………………45   杉並を耕す会(奥山たえこ委員) …………………………………………………46   無所属(堀部やすし委員) …………………………………………………………51   美しい杉並(田中ゆうたろう委員) ………………………………………………62
      都政を革新する会(ほらぐちともこ委員) ………………………………………68              決算特別委員会記録第10回  日   時 令和元年10月11日(金) 午後10時04分 〜 午後2時53分  場   所 議場  出席委員  (47名) 委 員 長  山 本  ひろ子     副委員長  今 井  ひろし        委  員  佐々木  千 夏     委  員  ほらぐち ともこ        委  員  田 中 ゆうたろう     委  員  堀 部  やすし        委  員  松 尾  ゆ り     委  員  奥 山  たえこ        委  員  野 垣  あきこ     委  員  奥 田  雅 子        委  員  松 本 みつひろ     委  員  木 梨 もりよし        委  員  ひわき    岳     委  員  関 口  健太郎        委  員  川 野 たかあき     委  員  わたなべ 友 貴        委  員  國 崎  たかし     委  員  矢 口 やすゆき        委  員  松 浦  威 明     委  員  酒 井  まさえ        委  員  山 田  耕 平     委  員  そ ね  文 子        委  員  小 林  ゆ み     委  員  藤 本  なおや        委  員  山 本  あけみ     委  員  中 村  康 弘        委  員  北    明 範     委  員  川原口  宏 之        委  員  大 泉 やすまさ     委  員  井 原  太 一        委  員  大和田    伸     委  員  浅 井  くにお        委  員  金 子 けんたろう     委  員  富 田  た く        委  員  くすやま 美 紀     委  員  けしば  誠 一        委  員  新 城  せつこ     委  員  岩 田  いくま        委  員  太 田  哲 二     委  員  大 槻  城 一        委  員  渡 辺  富士雄     委  員(副議長)                                 島 田  敏 光        委  員  安 斉  あきら     委  員  脇 坂  たつや        委  員  吉 田  あ い     委  員  小 川  宗次郎        委  員(議 長)              井 口  かづ子  欠席委員  (1名)  委  員  大 熊  昌 巳  出席説明員 区長      田 中   良   副区長     宇賀神 雅 彦        副区長     吉 田 順 之   教育長     井 出 隆 安        代表監査委員  上 原 和 義   政策経営部長  関 谷   隆        施設再編・整備担当部長事業調整   企画課長事務取扱政策経営部参事        担当部長情報・行革担当部長             伊 藤 宗 敏                喜多川 和 美        総務部長    白 垣   学   総務課長    寺 井 茂 樹        危機管理室長  寺 嶋   実   区民生活部長  渡 辺 幸 一        地域活性化担当部長オリンピック・  産業振興センター所長        パラリンピック連携推進担当部長           齋 木 雅 之                岡 本 勝 実        保健福祉部長  森   雅 之   高齢者担当部長 田部井 伸 子        健康担当部長杉並保健所長      子ども家庭部長 徳 嵩 淳 一                増 田 和 貴        都市整備部長  有 坂 幹 朗   まちづくり担当部長                                  茶 谷 晋太郎        土木担当部長  友 金 幸 浩   環境部長    齊 藤 俊 朗        会計管理室長  南 雲 芳 幸   会計課長    松 田 由 美        教育委員会事務局次長        教育企画担当部長白 石 高 士                田 中   哲        学校整備担当部長中 村 一 郎   生涯学習担当部長中央図書館長                                  安 藤 利 貞        選挙管理委員会委員長        監査委員事務局長手 島 広 士                織 田 宏 子  事務局職員 事務局長    佐 野 宗 昭   事務局次長   植 田 敏 郎        事務局次長代理 杉 本   稔   調査担当係長  久保井 悦 代        議事係長    蓑 輪 悦 男   担当書記    十 亀 倫 行        担当書記    渡 辺 美由紀   担当書記    高 橋 知 久        担当書記    高 野 貢 志   担当書記    三 井 真太郎        担当書記    矢 澤 泉 未 会議に付した事件  付託事項審査   決算審査    各会派の意見開陳    認定第1号 平成30年度杉並区一般会計歳入歳出決算…………………原案認定    認定第2号 平成30年度杉並区国民健康保険事業会計歳入歳出決算…原案認定    認定第3号 平成30年度杉並区用地会計歳入歳出決算…………………原案認定    認定第4号 平成30年度杉並区介護保険事業会計歳入歳出決算………原案認定    認定第5号 平成30年度杉並区後期高齢者医療事業会計歳入歳出決算           ………………………………………………………………原案認定                           (午前10時04分 開会) ○山本ひろ子 委員長  ただいまから決算特別委員会を開会いたします。  《委員会記録署名委員の指名》 ○山本ひろ子 委員長  初めに、本日の委員会記録署名委員を御指名いたします。ひわき岳委員にお願いいたします。  傍聴人より委員会のパソコン等電子機器使用の申請が提出されましたので、これを許可します。  《決算審査》   認定第1号 平成30年度杉並区一般会計歳入歳出決算   認定第2号 平成30年度杉並区国民健康保険事業会計歳入歳出決算   認定第3号 平成30年度杉並区用地会計歳入歳出決算   認定第4号 平成30年度杉並区介護保険事業会計歳入歳出決算   認定第5号 平成30年度杉並区後期高齢者医療事業会計歳入歳出決算     各会派の意見開陳 ○山本ひろ子 委員長  これより、認定第1号平成30年度杉並区一般会計歳入歳出決算外4件に対する各会派の意見を聴取いたします。  それでは、多数会派順に意見の開陳をお願いいたします。  杉並区議会自由民主党代表大泉やすまさ委員
    ◆杉並区議会自由民主党代表大泉やすまさ委員) 私は、杉並区議会自由民主党を代表しまして、平成30年度杉並区各会計歳入歳出決算について意見を申し述べます。  具体的な内容に入る前に、当該年度を簡潔に振り返りますと、平成30年度、日本経済は、日経平均株価が1万9,000円台から2万4,000円台で推移し、GDPも通期でプラス成長となったほか、雇用環境の改善、企業収益も過去最高を記録する中で、経済の好循環が着実に回りつつあるとされました。一方で、この年をあらわす漢字一文字には、災害の「災」の字が選ばれたことからもわかるとおり、多くの災害に見舞われた年でもありました。  この観点から平成30年を振り返りますと、6月に発生した大阪府北部地震では、6人の方がお亡くなりになり、高槻市では、小学校のプールの塀の倒壊により、登校中の小4女児が亡くなるという痛ましい事故が起こりました。続く7月には、西日本が記録的な豪雨に襲われ、11府県で大雨特別警報が発令、死者は200人以上と、平成最悪の気象災害となりました。同じく7月、熊谷市では、国内観測史上最高の気温41.1度を記録し、初めて「災害級の暑さ」という表現が用いられました。9月に入ると、大型の台風21号が四国、近畿を縦断し、関西空港は高潮により一部冠水、連絡橋にはタンカーが衝突し、旅行客ら約8,000人が孤立する事態に見舞われました。同じ9月には、震度7を記録した北海道胆振東部地震が発生、道内全域停電、国内初のブラックアウトが起きるなど、改めて災害の多さが思い起こされるとともに、防災・減災の取り組みは、まさに喫緊の課題であると痛感させられた1年でありました。  さて、私たち会派は、平成30年度各会計に対する決算審査に臨む視点として、1、基本構想の実現に向け、総合計画を初めとする主要計画の改定を通して、大きな飛躍につなげるべく編成された「未来への道を拓くステップアップ予算」が、その意のもとに着実に執行されたか、2、計画事業であるかにかかわらず、区政の喫緊の課題や新たな行政需要に適時的確に対応してきたか、3、国や都との連携を重視しながら、意欲的に補助金等を活用し、持続可能な財政運営に努めたか、4、行政需要の増大や多様化を見据え、より効率的、効果的な行政運営を図るべく、不断の行政改革に取り組んだかという4つの視点を持って審議を行ってまいりました。  その結果、杉並区議会自由民主党は、平成30年度杉並区各会計歳入歳出決算の全てを認定いたします。  以下、決算の認定理由を、大きく3つの観点から述べてまいります。  認定理由の第1として、経済の好循環が着実に回りつつあるとされる中にあっても、たゆむことなく、健全かつ将来を見据えた慎重な財政運営に努めたことを評価します。  当該年度の一般会計歳入決算額は1,962億円余、対する歳出決算額は1,880億円余と、ともに7年連続の増加となりました。  財政状況を見ますと、地方消費税交付金の清算基準見直しによる減少等には引き続き注視を要するものの、国・都支出金の減少は、前年度が大幅増だったための反動と言える面もあり、前々年度との比較ではしっかりと上積みを確保。また、基幹的収入である特別区税、特別区財政交付金の合計額は、この5年で最大となりました。同じく歳出も伸びたことで、形式収支額、実質収支額とも減少し、単年度収支は赤字ではありましたが、実質単年度収支額の大幅な増加に着目しますと、将来を見据えた堅実な基金の積み増しを伴った、健全かつ慎重な財政運営が行われたものと判断するところです。  財政指標においては、財政の弾力性をあらわす経常収支比率が、経常一般財源等総額の増により前年度より改善したものの、公債費負担比率の0.2ポイント増については、23区平均を下回っているとはいえ、その差が縮まってきている点に留意が必要と考えます。  その上で、基金と区債を見ますと、積立基金総額の7年連続の増加により、総額で578億円と、標準財政規模に対する割合が47.7%に上昇した点や、積立基金残高と区債残高の差額が2年連続で増となった点を踏まえ、バランスよく活用されていると認められます。  加えて、健全化判断比率においても、実質赤字比率、連結実質赤字比率、将来負担比率はいずれも生じていないこと、実質公債費比率早期健全化基準を大幅に下回っていることが示され、これらのことから、総じて区財政は一定程度の弾力性を保ち、健全な状態であると認められます。  特別会計に触れますと、用地会計は、歳入歳出同額により適正。国民健康保険、介護保険、後期高齢者医療の各事業会計については、いずれも実質収支額は黒字である点、また各保険料の収納率も軒並み前年度比で向上している点についても、その徴収努力を評価し、適正と認めます。  しかしながら、依然として不納欠損額が多い点、また一般会計からの繰入金が増加した点には注意を要するものと指摘しておきます。  次に、認定理由の第2として、基本構想の実現に向け、平成30年度予算事業や総合計画を初めとする主要計画事業への着実な取り組みを評価します。  主要事業を中心に、その取り組みを基本構想の目標別で見ていきますと、「災害に強く安全・安心に暮らせるまち」では、地震被害シミュレーション結果を活用して、平成12年以前の、いわゆる新耐震基準によって建てられた木造住宅等の一部を新たに助成の対象に加えるとともに、建築物不燃化助成感震ブレーカー設置支援の対象地域を拡大するなど、区民の関心に寄り添った防災・減災の取り組みが進展しました。  「暮らしやすく快適で魅力あるまち」では、行政主体としては都内初となる農福連携農園の取り組みへの着手により、都市農地の保全と、農業、福祉の連携を通して、多岐にわたる所管連携の可能性を広げました。また狭隘道路拡幅整備では、計画改定により整備目標を拡充するとともに、電柱のセットバックを推し進め、施策の加速化を図りました。  「みどり豊かな環境にやさしいまち」では、フードドライブの常設窓口を設けるとともに、こども食堂への食材の提供を行うなど、食品ロスの削減を進めることで、1人当たりごみ排出量が8年連続で23区最少となったことは、区民としても誇らしく、率直に評価をするところです。  「健康長寿と支えあいのまち」では、本格稼働を開始したウェルファーム杉並複合施設棟において、縦割りの支援から横串の支援へ相談支援体制の充実を図ったほか、新たに3カ所の特別養護老人ホームや5カ所の認知症高齢者グループホームが開所されるなど、その着実な進展を評価します。  「人を育み共につながる心豊かなまち」では、認可保育所23カ所を初め、1,473名の新規保育定員を確保したことにより、2年連続の待機児童ゼロ実現を果たしました。この成果こそ、田中区長のリーダーシップのもと、全庁職員の皆様の御努力はもとより、地域の御理解、御協力が一体となってなし得たものであり、まさに子供は社会の宝という杉並発のメッセージとして評価をするものです。  加えて、児童虐待対策の充実強化として、地域型子ども家庭支援センター整備にも着手しました。  学校教育では、特別支援教育や新学習指導要領を踏まえた小学校の外国語教育の充実を図りました。  東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会のレガシー創出のため、当該年度9月に開設した永福体育館のビーチコートへのイタリアチームの事前キャンプ誘致を進め、区民とオリンピック・パラリンピック競技大会との貴重な接点を確保したことを評価し、また機運醸成の発信地として活用に期待するものです。  以上、目標ごとの取り組み状況を挙げてきましたが、一般会計全体として見ると、歳出の執行率は96.7%と比較的高い比率となっており、これらの点からも、事業が着実に執行され、各分野で区民福祉が増進したものと判断し、認定理由の第2といたします。  次に、認定理由の第3として、区政の喫緊の課題や区民ニーズ、区政を取り巻く環境の変化に迅速かつ的確に対応したことを評価します。  当該年度は、4次にわたり補正予算を編成し、保育待機児童対策や教育環境の整備のほか、各地の災害等を教訓とする区民の安全・安心確保に要する経費を機動的に追加しました。  3月に発生した目黒区の児童虐待死亡事件を初めとする痛ましい児童虐待事件を受け、国や都の動きを待たず、迅速に未就園児等の緊急把握調査を行い、その後のハロー!なみすけ訪問の実施につなげ、6月の大阪府北部地震における児童の死亡事故を受けては、直ちに通学路及び避難路の一斉調査をし、区有施設のブロック塀等危険箇所の改修を行うとともに、緊急安全対策として、ブロック塀等改修工事費助成を実施しました。  7月の西日本豪雨に際しては、被災地である岡山県総社市からの支援要請に応えスクラム支援を行ったことも、その素早い行動を評価するものです。  また、災害級の猛暑への対応としては、都が創設した補助制度を有効活用し、区内全小中学校の体育館へのエアコン設置方針を決定し、3カ年で設置を完了させるとしたことなど、全国で発生した痛ましい事件、多くの災害等に対する区民の関心の高まりに機敏に反応し、適時的確な対策を講じてきたものと判断し、認定理由の第3とします。  以上、3つの観点から認定理由を述べてまいりました。ここからは、区政運営に対する要望を申し上げてまいりますが、その前に、西荻における商店会の補助金不正受給について、一言申し上げなければなりません。  本件については、区が設置した杉並区商店会に関する補助金検証委員会において事実確認を行っているものの、予定されていた中間報告も行われていない状況であり、会派としても、現時点でこの問題について軽々に評価し、意見を述べることはできません。しかしながら、商店会側に不正行為があったことは明らかにされており、区に対しては、引き続き、速やかな事実の究明としかるべき対処を強く求めるものです。  それでは、今後の区政運営に当たっての会派の主要な要望について申し上げます。  まず初めに、防災・減災について、地震被害シミュレーション結果の有効活用により、区民の防災意識の向上を図るとともに、さらなる建築物の耐震化、不燃化と、狭隘道路の拡幅並びに危険ブロック塀改修の促進を要望します。  また、都市型水害対策として、区民への迅速な情報提供体制の充実を求めます。  加えて、災害発生時に、専門家団体の連携による円滑な支援体制を得るために、平時からの士業連携相談会の開催を要望します。  区民生活の分野では町会・自治会、商店会から、また、保健福祉分野ではありますが、いきいきクラブからもたびたび御要望をいただくイベント等の各種申請書類の簡略化について、各団体が担い手不足という課題を抱える中では、負担軽減という面の支援が必要と考えるところから、各種書類の簡略化を強く要望します。  加えて、中小企業支援の一環として、キック・オフ/オフィスについて、現阿佐谷地域区民センター移転後においても、代替地も視野に入れた施策の継続を求めます。  現在行われているラグビーワールドカップや、来年開催される東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会を控え、スポーツに対する区民の関心は一層高まっています。今後、スポーツ振興財団の運営見直しや、部活動の在り方に関する指針を踏まえ、区民の誰もが、スポーツをする、見る、支えるの視点を持ち、さらなるソフト、ハード両面でのスポーツ環境の整備を要望します。  また、日本文化の承継とインバウンド施策の一環として、区内公衆浴場の確実な存続に向けた、予算措置の拡充を伴う抜本的な取り組みを要望します。  保健福祉の分野では、2年連続で達成した待機児童ゼロの継続と質の確保との両立を求めるとともに、学童クラブ待機児童の解消並びに保育士、幼稚園教諭確保のための処遇改善策の拡充、こども食堂の担う意義を踏まえつつ、根本的な子供の貧困対策の充実を要望します。  加えて、幼児教育・保育の無償化について、自民党政権が強力に進める全世代型社会保障への転換は私どもも支持をしているところですが、実際の現場には不公平感が残る制度設計となってしまっています。近隣自治体の動向も見きわめながら、制度の見直しを随時行っていくよう要望いたします。  障害者です。障害者の権利擁護と共生社会実現の観点から、障害者が感じた「良かったこと調査」の普及啓発を求めます。  さらに、障害者相談支援事業の拡充、並びに利用率の低下傾向にある障害者移動支援事業における、利用する側の視点に立った利便性の改善及び拡充を求めます。  医療の分野では、がん検診の精度管理についてです。真摯な反省と検証のもと、再出発することとなった区民がん検診では、今般改めて示された区の再発防止、信頼回復に向けての決意を胸に、しっかりと歩みを進めていただくよう強く求めます。  また、フレイル予防の観点から、高齢者歯科健診の実施について要望します。  都市整備の分野では、進展する超高齢社会において、住宅確保要配慮者への居住支援の取り組みを進める上では、民間物件所有者の理解が不可欠であることから、保証会社利用料助成の拡充を含む、物件提供者のリスク軽減の取り組みを要望します。  また、歳入確保の視点から、Park−PFI制度を活用した公園資源の有効利用による収益力強化を求めます。  緑の保全という観点では、道路に面した敷地部分、いわゆる接道部の緑化推進、さらに区内の大木保全にも力を入れるよう要望します。  環境清掃の分野では、まちの美観向上の観点から、ごみ集積所の設置基準について、一定数以上の戸建て分譲の開発計画等においては、集積所の設置を求める等の指導要綱の設置を要望いたします。  また、折り畳み式防鳥用ボックスについては、引き続き、必要数の確保継続を求めます。  教育の分野では、当該年度に整備を進めてきた高円寺学園が、さまざまな方々の思いを背負い、今般その完成を見ることとなりました。本来の教育の視点のみならず、十分な安全対策、また地域開放等、パイロット校としての道筋をしっかりと照らす支援を求めるものです。  加えて、杉八小の跡地利活用に関しては、約1年間の暫定利用も含め、地域に寄り添う区の姿勢に感謝申し上げます。今後も施設再編の取り組みの進め方のモデルケースとなるよう、その関係継続を求めます。  また、就学前教育支援についての拡充と、学校現場における発達障害、学習障害、愛着障害等の要配慮児童生徒に対する、その特性に合わせたきめの細かい指導体制の充実を求めます。  最後に、改めて平成30年度が果たした役割を振り返りますと、やはり平成24年、区民とともに策定した杉並区基本構想を、令和3年に向けて、確実に実現するための仕上げの3年間に向けたジャンプ台であったと言えようと思います。その足取りを確かにし、力強く邁進することを強く望むものでありますが、一方で、基本構想の策定から7年がたち、社会は大きな変化にさらされています。  第4次産業革命と呼ばれる技術革新、すなわちIoT、ビッグデータ、AIの活用により、サービスのカスタマイズ、シェアリングエコノミー、ロボット、フィンテックといった財とサービスのあり方を大きく変え得る取り組みが生まれ続けています。これらの技術を用いて、政府が目指す超スマート社会は、高齢者への恩恵が相対的に大きいとも言われております。いよいよ仕上げに向かうこの3年間において、杉並区の未来を見据えるからこそ、これらの取り組みを積極果敢に取り入れていただくことを強く望みます。  以上、るる申し述べました要望に加え、その他、ここで取り上げなくとも、会派委員が行った質疑については、私たち会派の各議員が実際に地域に入り、区民と対話する中で、これは実現を図るべきである、あるいは実現に向けて真剣に検討する必要があると判断したものであります。区として重く受けとめ、関係施策にしっかり取り組んでいただきますようお願いを申し上げます。  結びに、本委員会の審議に当たり、田中区長初め、誠実に御答弁いただきました理事者の皆様、本委員会審議のために多くの資料を作成していただいた職員の皆様、公平公正で円滑な委員会運営に努められた正副委員長に心から感謝を申し上げ、平成30年度杉並区各会計歳入歳出決算に対する杉並区議会自由民主党の意見開陳を終わります。  ありがとうございました。 ○山本ひろ子 委員長  傍聴人より委員会の撮影、録音の申請が提出されましたので、これを許可します。  杉並区議会公明党代表、中村康弘委員。 ◆杉並区議会公明党代表(中村康弘委員) 杉並区議会公明党を代表して、決算特別委員会に付託されました平成30年度杉並区各会計歳入歳出決算について意見を述べさせていただきます。  平成30年度を振り返れば、近年でも特に多くの自然災害が発生しました。6月の大阪北部に続き、9月に発生した北海道胆振東部大地震では、道内全域で長時間にわたるブラックアウトが発生しました。平成最大規模の被害となった7月の西日本豪雨では、杉並区からも区職員が岡山県総社市に赴き、酷暑の中、被災地の支援に尽力していただきました。9月に入り、近畿地方を中心に猛威を振るった台風21号では、関西国際空港が高波により浸水し、約8,000人が空港内で孤立するという事態が発生。そしてその後の台風24号は首都圏を直撃し、区内でも多くの大木が根こそぎ倒れ、建物が破損するなど、大きな被害に見舞われました。私たちの暮らす日本の国土が、自然災害の脅威と隣り合わせにあるという厳しい現実を改めて突きつけられました。  また、当該年度は、サッカーワールドカップ・ロシア大会での日本代表チームの大健闘や、本庶佑氏のノーベル生理学・医学賞の受賞等、世界を舞台とした日本人の偉業に心沸き立ちました。  また、このたびの吉野彰氏のノーベル化学賞受賞を心よりお喜び申し上げます。  また、その一方で、イチロー選手や安室奈美恵さんというスポーツ界、エンターテインメント界のトップスターの現役生活に終止符が打たれ、平成とともに1つの時代の終わりを告げるような出来事もありました。  この間の我が国の経済状況はといいますと、緩やかながらも着実に回復基調で推移し、四半期別GDPの推移において、第2四半期以外はプラス成長となり、通期でも実質0.7ポイント、名目0.5ポイントのプラス成長を記録しました。完全失業率や有効求人倍率も改善傾向を維持し、さらには、好調な企業収益を背景に設備投資も増加し、雇用・所得環境の改善に伴う個人消費も順調に推移してきました。  このような社会環境の中、杉並区においては、保育や高齢者、施設サービスなどの高まる行政需要への対応と、人口減少・高齢化の進展への対策といった長期的視点に立った区政運営が求められる中、当該年度を総合計画のホップ・ステップからジャンプの段階に移行していくための年度と位置づけ、「未来への道を拓くステップアップ予算」に基づく各種事業が実施、展開されました。  杉並区政のこの1年を振り返り、私ども杉並区議会公明党は、平成30年度杉並区各会計歳入歳出決算をいずれも認定いたします。  以下、大きく3点にわたって認定理由を申し上げます。  第1の認定理由は、総合計画、実行計画を着実に実行し、「支えあい共につくる 安全で活力あるみどりの住宅都市 杉並」という本区の目指すべき姿に向かって、手がたい一歩が進められたことが確認できたからであります。  当該年度に執行された実行計画事業の決算額は202億5,290万円であり、対象事業の対予算現額の執行率は全体で94.4%と高い数値でありました。また、比較的執行率が低かった目標1においても、10の施策のうち9つにおいては、施策指標目標の80%以上を達成し、令和3年度の最終目標に対する到達度でも、90%以上が8割以上という状況でありました。これらを勘案して、当該年度における実行計画の事業全体の進捗状況は、おおむね順調であったと判断いたしました。  第2の理由といたしましては、これまで我が会派がさまざまな機会において主張し、区に要望、提案を重ねてきた多くの事業が実施され、区民福祉の増進が着実に進展していることであります。  例えば、地震被害シミュレーションの結果を受け、新耐震基準の木造家屋についても耐震助成の対象に加えられたほか、感震ブレーカーの設置対象エリアを拡大するなど、耐震不燃化のまちづくりが進められたこと。大阪北部地震におけるブロック塀の倒壊事故に伴う我が会派からの緊急要望に応え、区立学校施設等の危険箇所の改善や、補正予算を編成し、通学路ブロック塀等の撤去、改修費用への助成制度を創設するなど、迅速な対応がとられたこと。区内4カ所にフードドライブの常設窓口を設置し、食品ロスの削減のための取り組みを充実させたこと。ウェルファーム杉並複合施設棟内に在宅医療・生活支援センターを開設し、在宅医療の推進とともに、複合的な課題を抱える個人、世帯への包括的な支援に努めてきたこと。1,473名の新規保育定員を確保し、本年4月1日に2年連続の待機児童ゼロを達成したこと。都議会公明党の推進により実現した東京都の補助制度をいち早く活用し、全区立小中学校体育館へのエアコン設置が進められていることなどが挙げられます。  第3の理由は、これまで述べてきた種々の事業を推し進めながらも区財政の健全性は確保しているという点です。  経常収支比率、公債費負担比率、実質収支比率など従来の決算指標に加え、プライマリーバランス、行政コスト対税収比率や債務償還可能年数など、財務書類上の指標からも、財政の健全性は保たれていることが確認されました。  また、基金と区債のバランスを意識した財政運営を進めてきた結果、私どもが一貫して主張してきた財政のダムが、財政調整基金を中心として着実に構築されてきていることも評価いたします。  それでは、本決算委員会で行われた質疑の内容を踏まえて、今後の区政運営に対しての我が会派からの意見、要望を述べさせていただきます。  いつ起きてもおかしくない首都直下型大地震への対策は、待ったなしです。特に危険度が高いとされる区内の地域、建物に対して、感震ブレーカーのさらなる普及啓発を行うとともに、スタンドパイプ、簡易水道消火器具や投てき型消火剤の配備などを通して、地域における初期消火体制の強化に引き続き努めていただきたいと思います。  また、給水ステーション、震災時のトイレ、女性の視点からの防災、ドローン活用への研究等、取り組みの一層の充実を求めます。  都市型災害としてのゲリラ豪雨や台風による水害被害に対しても、ハード面での整備に加え、マイタイムライン、水害ハザードマップの充実や雨水タンクの普及促進もあわせて要望いたします。  人生100年時代を迎えている今日、高齢者の就労支援は、増大する社会ニーズです。働けるうちは働きたいという高齢者の就労意欲に応える施策の充実とともに、就職氷河期世代への支援等、就労支援センターの機能の拡充を求めます。  障害者の移動支援事業については、制度の運用についての見直しを求める声が、我が会派のもとにも多く寄せられております。できるところから速やかに改善を進めるよう、重ねて要望いたします。  児童虐待への対策については、区への相談件数も大きく増加している状況下、職員体制の充実に加え、子供や保護者と身近に接する職員の間で、また関係機関と連携を強め、子供の命を守ることを最優先に、これからも最大の努力を注いでいただきたいと思います。  高齢者を対象とした新たな歯科健診については、区も研究する必要性を感じているとのことですので、健康保持や疾病、介護予防の効果等を見定めながら、創設に向けて、ぜひとも検討をお願いいたします。  都市計画道路補助132号線については、防災やバリアフリー等によるアクセス向上といった観点から、その事業の必要性については一定の理解をしています。直接影響を受ける方々に対しては、引き続き丁寧な対応に努めていただきますよう、改めて要望いたします。  特別支援教室とインクルーシブ教育のさらなる充実とともに、通常学級における支援員の増員もぜひともよろしくお願いいたします。  道路の陥没による重大事故の未然防止のため、路面下の空洞調査の継続実施を求めます。  商店街振興についても申し上げます。  今般の補助金不正受給問題については、検証委員会の報告を待つことになりますが、地域振興策としての商店会等の活動支援のあり方については、その制度設計の考え方から周知の仕方、手続のプロセス、実態把握の方法等、抜本的な見直しを改めて強く求めます。  続きまして、財政運営に関して意見を申し上げます。  私どもは、区民福祉の向上が区政運営の目的であり、健全な財政を保持することはその手段であるという考えを基本としております。したがい、財政というものは、その時々の行政需要により求められるところが異なるという多面性、可変性を持ち合わせていると考えます。ゆえに、過度に硬直的な視点で財政を捉えるのではなく、むしろ臨機応変に対応することを是とする立場であります。  しかし、逆に財政がそうした性質を持ち合わせているがゆえに、それぞれの立場により捉え方が異なり、時には議論が平行線あるいはかみ合わないことがたびたび見受けられます。そうした事態に対して、委員会質疑でも主張してきたとおり、合理的な基準を明確にし、数値に基づいた効果検証、議論を行うことが肝要であると考えます。  区は昨年度、財政健全化と持続可能な財政運営を確保するための新ルールを制定いたしました。これは、単年度の収支均衡と中長期的な財政の健全性、現金主義と発生主義の両面からの健全性を図ることを目的にコンパクトにまとめられ、よくできたルールであります。今後もこのルールを基本とした健全な財政運営に努めるとともに、財政の見える化によるアカウンタビリティーの充実や、セグメント分析等を通したマネジメント力の強化に向けて、さらなる努力を期待したいと思います。  行財政改革については、本区では住民情報系基幹システムの再構築を進めておりますが、情報化政策を、行革を大きく推進するツールと捉え、内部マネジメントの強化に加え、キャッシュレス決済への対応検討や、AIやRPAといった最新技術の活用の調査研究についても鋭意進めていただきたいと思います。  要望の最後に、SDGsについても述べさせていただきます。  193の全ての国連加盟国により採択された2030年までの世界共通の目標に向かって、民間、公共あるいは団体、個人といった垣根を越えて行動を進めていく世界的な潮流が広がっています。  SDGsの行動目標は、本区の基本構想、総合計画の考え方と軌を一にしているものであります。少子高齢化や貧困対策、人権、地球温暖化などは、杉並区あるいは日本といった範疇にとどまらず、全世界的に解決を図っていかなければならない課題であります。本区も世界の人々と歩調を合わせて、課題の解決に邁進していかれることを期待いたします。  以上、賛成理由と要望を述べてまいりましたが、このほかにも、委員会審議において我が会派から出されました意見、要望、提案につきましては、今後の区政運営に当たり、十分に検討、反映をしていただきたいと思います。  「どんなはなしでも、対話をするのが落語」、昨年天寿を全うした落語家桂歌丸さんが残した言葉です。古典落語を単に古い文献どおりに演じるのではなく、現代の人々に通じる工夫に心を砕き、1つのはなしに2通りの落ちを用意するなど、歌丸さんの名人芸の裏には周到な研究があったそうです。その日の客層や会場の雰囲気によって臨機応変に筋を変える、これを「客席との対話」と歌丸さんは表現しました。  対話は、相手の立場に立ってこそ実りあるものとなります。真摯な対話により信頼と共感が生まれます。社会は大きく変化し、人々の価値観も多様化しています。田中区長を初めとする区役所職員の皆様のさらなる健闘を期待いたします。
     私どもといたしましても、「小さな声を、聴く力」に磨きをかけ、区民と区政の橋渡し役として、区民福祉の向上に向けて、これからも全力で取り組んでまいります。  最後に、本委員会の審議に当たり、誠意を持って答弁に当たられた区長を初め理事者の皆様、資料の作成に当たられた職員の皆様に心から感謝を申し上げるとともに、あわせて正副委員長の委員会運営に感謝を申し上げ、杉並区議会公明党を代表しての意見開陳を終わらせていただきます。  ありがとうございました。 ○山本ひろ子 委員長  日本共産党杉並区議団代表、山田耕平委員。 ◆日本共産党杉並区議団代表(山田耕平委員) 日本共産党杉並区議団を代表して、平成30年度杉並区一般会計外各特別会計の歳入歳出決算について意見開陳を行います。  初めに、住民の暮らしの実態についてです。  質疑では、特別区民税収入が増加していることを取り上げました。その要因は、人口増加に伴う部分もありますが、株式譲渡などに係る分離課税の大幅な伸びが特別区民税の増収に大きく影響していることが明らかとなりました。アベノミクスによる異次元の金融緩和、年金基金の株式市場投入による株価のつり上げなどにより、一部の高額所得者の収入が著しく増加しているためではないでしょうか。  一方、特別区民税の納税義務者数の階層ごとの構成は大きく変わっていません。国の統計でも、当該決算年度の実質賃金は2012年に比べ14万円の低下、2人以上世帯の年間平均消費支出は2013年から約25万円も減少しています。  こうした決算数値と国の統計からわかることは、低所得者の固定化と、富める者はますます裕福になるという二極化が、杉並区においても顕著になっていることです。このような社会状況を直視し、基礎自治体が住民生活の守り手としての責務を果たすことが求められます。  当区議団は、当該年度、杉並区がその責務を果たしてきたのか、平成30年度各会計決算認定の是非について審査をしてきました。その結果、認定第1号一般会計決算外、認定第2号から第5号までの特別会計決算の認定について反対します。  以下、主な理由を述べます。  1点目は、財政運営が優先される一方、区民生活のサービスが低下していることです。  当該決算年度のいわゆる黒字額である実質収支額は76億3,460万円、実質収支比率は6.3%と昨年よりは低下したものの、例年どおりの高水準です。実質収支比率はおおむね3から5%が適正と言われており、適度の余剰を超えるものは、行政水準の向上や住民負担の軽減に充てられるべきものです。当該年度、5%を超えた1.3%分は15億7,000万円余りとなります。本来であれば、この余剰分は、行政水準の向上や住民負担の軽減に充てられるものです。  さらに、財政調整基金の積立残高は、約59億円の積み増しにより、当該決算年度末には約425億円に達し、減債基金、施設整備基金、財政調整基金など、主な基金残高は約515億円に達しています。区民福祉向上に使う財政力は十分にある状況です。  当該年度の不用額は63億5,400万円に上り、全体の執行率は96.7%となりました。  質疑では、著しく執行率が低い事業の問題を取り上げました。この間も指摘していますが、例えば高齢者福祉の地域包括ケアの推進にかかわる諸施策の執行率については、当該年度も17事業中8事業が執行率80%を下回っています。この問題は、平成29年度の決算でも指摘していますが、依然として改善されていません。  中には、高齢者緊急安全システムなどは、サービス利用の対象者を厳格化したことにより、区みずから定めた計画値を後退させるなど、事業実施のあり方にも重大な問題があります。対象を狭め、事業の先細りを招くような取り組みを行わないよう求めておきます。豊かな財政力にふさわしく、住民サービスを拡充することを求めるものです。  2点目は、国保料の負担増です。  当該年度は、国保の都道府県化がスタートした年でした。区は、都道府県化の目的、効果について、都道府県が国保財政の運営主体となることで安定的な財政運営や効率的な事業の確保ができる、区市町村が担う事務が効率化できるなどと答えましたが、肝心な被保険者の保険料負担能力が低いという国保の構造的課題の解決については、言及がありませんでした。  杉並区の国保事業会計で見れば、被保険者数は前年度より4,000人以上減っているにもかかわらず、保険料の収入済額は1億2,300万円余ふえました。当該年度も1人当たり5,000円以上の値上げとなったからです。しかも、保険給付費は減っているにもかかわらず、保険料負担は上がる結果となったことも浮き彫りとなりました。  こうした構造的課題を深刻にする事態が進んでいるにもかかわらず、区は、国と都の圧力に屈し、法定外繰り入れの段階的縮小・廃止を進めていることは重大です。これでは、国保制度改革とは名ばかりで、保険料のさらなる値上げで被保険者の負担を増加させ、生活そのものを困難に追い詰めるものと言わざるを得ません。国保制度の改革というのであれば、国と東京都に対し抜本的な財政負担を求めるとともに、区としては、法定外繰り入れを廃止ではなく継続させ、保険料の値上げをストップし、引き下げを行うとともに、子供の均等割の軽減などを行うよう求めるものです。  3点目は、区立施設再編整備計画と区立施設使用料をめぐる問題です。  決算年度である2018年度までに、和泉児童館、成田西児童館、荻窪北児童館の3つの児童館が廃止されています。また、下井草児童館も年度末をもって廃止されました。  区は、児童館を廃止しても児童館機能は継承するとして、子ども・子育てプラザや放課後等居場所事業も利用がふえていることを強調していますが、放課後等居場所事業の施設の面では、学校の体育館や図書室、音楽室などは制約があり、自由に使えません。運用面でも、事前登録が必要で、未就学児は受け入れないため、小学生と未就学児の兄弟で遊ぶことができない、おやつの持ち込みもできない、日曜日は休業など、児童館の機能継承とは到底言えないことは明らかです。  さらに、国のガイドラインや要綱に沿うものではなく、児童福祉法に基づく児童厚生施設ではないことは区も認めています。国のガイドラインで、「児童館は、子どもが、その置かれている環境や状況に関わりなく、自由に来館して過ごすことができる児童福祉施設」であり、「子どもが自らの意思でひとりでも利用することができる。」、「地域における子どものための拠点(館)である。」と定められています。  子供たちの遊ぶ権利や文化芸術活動に参加する権利を保障するために、児童館を設置することは、区の責務です。児童館の廃止方針の撤回を求めるものです。  阿佐ヶ谷駅北東地区まちづくりについて述べます。  杉並区は、平成26年に作成した緑地保全方針で、屋敷林や農地を杉並の原風景と位置づけ、区民共有の資産としています。しかし、平成25年度から29年度の5年間で屋敷林は激減しました。こうした屋敷林の減少に歯どめをかけることが求められている中で、保全の責任を区が主導し、保全地区の核とも言える阿佐谷のけやき屋敷を事実上廃止し、樹林の多くを伐採する阿佐ヶ谷駅北東地区のまちづくり計画を進めることは許されません。  病院建設予定地のけやき屋敷の樹木について、区は可能な限り守ると答えてきました。しかし、大径木127本のうち保存するのは約40本で、7割が伐採される計画です。しかも、都がレッドリストで絶滅危惧種に指定している猛禽類ツミが確認された北東側の樹木もなくなります。都条例では、計画地内の樹木の保全や希少動物の保護などを求め、保護策の提出と協議が求められていますが、区は都と協議をしていないことも明らかとなりました。都条例にも背を向けて計画を進めることは許されません。  杉一小を移転しようとする河北総合病院敷地の医療廃棄物による汚染の可能性に、不安が高まっています。子供の安全にかかわる問題でありながら、区は調査を実施していないことは重大です。汚染の有無も明確にせず、土地交換を決めることは許されません。公聴会や原案説明会でも、住民から多くの反対意見や疑問を呈する声が上げられています。緑の保全のための施策と相反する開発行為は許されないと指摘し、この計画の見直しを求めるものです。  なお、屋敷林の保全にかかわる質疑において、区長より、我が党に対する事実に基づかない発言がありました。我が党は、都市農地や屋敷林の維持、拡大に向けて、固定資産税、相続税の引き下げなどの税制改革など、各種保全策を提案しています。区長みずからの思い込みに基づき、公党をおとしめるような発言を行うことは、行政の長としての資格が厳しく問われるものです。見識を疑わざるを得ません。このような発言は厳に慎むことを求めるものです。  区立施設使用料について、当区議団は、この間、近隣自治体と比較しても高過ぎる実態を指摘し、使用料の引き下げを求め続けてきましたが、区は、引き上げが適正であると強弁してきました。  質疑では、当区議団の情報公開により開示された内部資料を示しました。開示資料では、区みずからが、総じて近隣自治体よりも高くなっているとの認識を示していたことが明らかになりました。区みずからが使用料が高いことを認識しつつ、議会でそれを認めない区の姿勢は、区民と議会を欺くものであり、許されません。  使用料の引き上げ以降、区民の施設利用率も低下している実態も明らかとなっています。区立施設の使用料は無料または低額とし、誰もが安心して利用できるようにすべきです。使用料見直しの際は、前回改定の水準に引き下げるとともに、登録団体半額助成制度の復活を求めるものです。  この間の区政運営で顕著に示されているのは、住民合意のない計画決定と、極めて乱暴な計画の強行です。特に児童館の廃止や阿佐谷北東地区まちづくりなど、区の住民無視の姿勢は、各地で住民との深刻なあつれきを生んでいます。このような区政運営を直ちに改めるべきです。杉並区自治基本条例は、住民参画の保障を明確に示しており、区として、改めて条例にのっとった区政運営を求めます。  以上が本決算における主要な問題点です。  次に、個別施策における問題点と改善提案について述べます。  当該年度は、西荻窪地域の商店会イベントでの補助金不正問題が発生しました。  この問題は、区の検証委員会での調査が進められていますが、今定例会の一般質問や区民生活委員会での質疑では、真相解明に向けた調査のあり方に疑問が残る状況であり、率直に言って、調査は不十分であることを指摘するものです。  当区議団は、商店会の責任を明らかにするとともに、区の責任を曖昧にせず真相解明を進める立場から、必要に応じて区への情報提供等も進めてきたところです。質疑において、当区議団の指摘も踏まえ、調査、検証が進められることを確認しました。問題の解決に向けて徹底した調査を進めることを改めて要請します。  また、質疑の中で、区長の当区議団に対する発言は、真相解明に向けた当区議団の姿勢や区への情報提供等の協力の努力をないがしろにするものであり、到底認められません。厳しく抗議するとともに、今後このような発言を控えるよう求めるものです。  次に、保育施策についてです。  決算年度である2018年度までに公立保育園10園が民営化され、その後も民営化方針が加速しています。民間事業者が運営する保育施設が増加する中、保育の質にも格差が発生している状況です。区立保育園は、区内保育施設の保育の質を確保する上での基準となっており、求められる役割はより一層重くなっています。財政効果の観点が優先され、区立保育園の民営化が進められることは認められません。今後の民営化を中止することを強く求めるものです。  質疑では、民間保育園の補助金を増額し、1歳児からの受け入れ園への看護師の配置、事務職員の正規化、処遇改善の補助金の目的を適切に果たすためのチェックを求めました。区は来年度以降の補助金の検討、見直しを予定していますが、民間保育園の保育の質を確保する上で、各補助金が拡充されるよう求めるものです。  この間、障害者の移動支援事業をめぐるさまざまな問題点を取り上げてきました。これらの問題は、長年にわたり改善が図られておらず、区内の障害者や家族、各団体から、毎年度、切実な要望が寄せられてきました。障害者の社会参加を進める上で、速やかな改善が求められています。  移動支援事業の見直しに当たり、当事者の声や要望を踏まえ、願いに沿った検討を求めました。区からは、今年度をめどに、障害者や当事者との意見交換の場を設けることが示されました。そうした意見交換の機会を確実に保障し、移動支援をめぐる問題を速やかに改善するよう強く求めるものです。  次に、教育施策についてです。  質疑では、区立小中学校のトイレの洋式化について取り上げました。当該年度も前年度と同様の規模の3校の改修が行われましたが、23区平均を下回ったままです。洋式化率が5割以下の小中学校は64校中23校もあり、改修スピードの向上が求められます。しかし、区は、コストなどを理由に、洋式化の目標の設定を拒んでいます。そのため、都の目標の洋式化率80%に到達するのが何年後になるのかも、区は明言できませんでした。こうした消極的な姿勢を改め、明確な目標を持ち、計画的にトイレの洋式化を進めるよう求めるものです。さきにも指摘したとおり、区の財政力の一部を使えば、洋式化をさらに進めることができるのではないでしょうか。  就学援助について述べます。  当該決算年度は、安倍政権による生活保護基準の改悪が行われましたが、それに連動させず就学援助の認定基準を維持したことは、評価するところです。ただし、2013年の生活保護基準の改悪によって区の認定基準が大幅に引き下げられたままであり、早急な改善が求められます。  今年度の都区財調単価引き上げにより、区の入学準備金支給額が引き上げられました。23区の約半数が杉並区より高い支給額を設定しております。他区におくれをとらないよう、改めて支給額の増額を求めるものです。  就学援助についてのホームページでの広報に物足りなさを感じます。質疑によって、改善する旨の答弁がありましたが、改めて、わかりやすく具体的な記述を求めます。  情報公開のあり方について述べます。  決算質疑に向けて、情報公開を求めてきた資料があります。しかし、2カ月以上の延長となるなど、適切な対応が行われていません。中には、質疑終了直後に公開される、またはいまだに一部のみしか公開されないなどのケースもあります。  そもそも情報公開条例第1条では、「区民の知る権利を保障し、もつて区民の区政への参加を推進し、地方自治の本旨に即した、公正で開かれた区政の進展を図ることを目的」とし、情報の公開を求める区民の権利が十分に尊重されることを明記しており、今回の区の対応は、条例の趣旨に逆行するものです。  今日、情報公開請求は住民の権利としても定着しつつあり、さまざまな形での情報公開が求められており、事務量も大幅に増加しています。必要に応じて人員体制を拡充するなどの対策を実施し、迅速な情報公開を求めるものです。  最後に、ヘイトスピーチ対策について述べます。  他会派委員より、ヘイトスピーチ対策の拡充を求める質疑が行われました。我が党区議団も全面的に賛同するものです。一部の国や民族、特定の国籍の外国人などを排斥する不当な差別的言動は、決して許されるものではありません。ヘイトスピーチ対策は、杉並区政とともに杉並区議会においても、あらゆる差別を許さない姿勢を明確に示す必要があると考えます。とりわけ、区民の負託を受け選ばれた私たち区議会議員は、他者を排斥する発言は決して許されません。杉並区議会として、その姿勢を堅持することをお互いに確認したいと思います。  以上、当区議団の意見を述べてまいりましたが、多くの資料を準備していただいた職員の皆さんに厚くお礼を申し上げ、意見開陳を終わります。 ○山本ひろ子 委員長  立憲民主党杉並区議団代表、太田哲二委員。 ◆立憲民主党杉並区議団代表(太田哲二委員) 平成30年度杉並区の各会計決算に関して、私たち立憲民主党杉並区議団は、まず第1に、平成30年度の杉並区財政が健全かどうか、それを考えてみました。そのため、オーソドックスに、総務省の5大財政指標を基準に数字を見てみました。  1つ目の杉並区の財政力指数は0.63で、類似団体、すなわち23区平均の0.54を上回っていて、問題ありません。2つ目の経常収支比率は81.7で、23区平均の79.1と比較するとやや見劣りがします。  杉並区議会では、5大財政指標の1つであるこの経常収支比率が中心的に議論されてきたような気がします。81.7という数字は悪い数字なのでしょうか。全国市町村の平均は、平成30年度はまだ集計されていないのでわかりませんが、平成29年度の数字は92.8です。政令指定都市の平均は96.9です。川崎市は、実に100を突破して100.5です。99台は北九州市、神戸市、名古屋市であります。98台は仙台市、京都市、相模原市、大阪市となっています。そんな数字を眺めると、杉並区の81.7は何てよい数字なんだろうと思ってしまいます。よその市のことながら、川崎市、京都市、名古屋市、大阪市などはどうなっているのかなと心配してしまいます。  ということで、広い視野に立てば、杉並区の81.7は心配する数字ではありません。ちなみに、多摩の市の平均は92から94ぐらいで、杉並区と同程度の数字の市は、武蔵野市の82.1だけです。  3つ目の実質公債費比率はマイナス6.3%です。23区平均はマイナス3.2です。杉並区は、23区で最もよい数字であります。  4つ目は将来負担比率で、計算上はマイナス65.6%ですが、23区は全てマイナス、すなわち将来負担がないということで、全て横棒が記されてあり、比較の数字がありません。早期健全化基準は350%で、決算特別委員会で述べたように、200%に近い京都市や広島市はどんなやりくりをしているのかなと心配いたします。  5番目はラスパイレス指数で、杉並区は100.6です。23区平均は100.1ですが、杉並区がやや高いのは、職員の平均年齢が高いなどの理由と説明されています。かつては、ラスパイレス指数が110という市も存在しましたが、今や昔話であります。  ということで、杉並区の財政指標は何ら心配ない、健全そのものです。お金をため過ぎているという声もあるくらい健全そのものです。したがって、立憲民主党杉並区議団は、平成30年度の杉並区の各会計決算を認定いたします。  さて、多くの区民は、国家財政が危機だから、当然地方自治体も財政危機だろうと思っています。しかし、そうではありません。しかしながら、もし国家財政が破綻したら、その大波は地方自治体を襲います。あるいは、バブル崩壊後の不況、リーマンショックのような不況が襲ったら杉並区はどうなるんだろうか、あるいは大災害に見舞われたらどうなるだろうか、超高齢社会に本当にうまく対応できるのだろうか、そんな心配もあります。  1つだけの危機が来るのであれば、人はそれなりに対応できます。しかし、世の中、往々にして不幸は団体で来ます。危機も団体で来ます。そうなると、ノイローゼになるかヒステリーになるのか、そんな状態になって、何かしら一生懸命、再建、再生に懸命に努力していても悪化の一途となります。ともかく、そうならないためのある程度の基金は必要です。これも認定理由の1つです。  次に、歳入に関して、2つのことを述べておきます。決算審査の際に申し述べましたので、簡潔に触れます。  都区財調の調整率が長らく55%に固定されています。児童相談所移管の際に、児相の経費分だけではなく、先送りというか無視されていたというか、本来23区に来るべき数千億円も含めて、調整率大幅アップの旗を掲げてほしい。  もう一つは、保育園関係の約50億円の超過負担解消を国に強く要求してほしい。  さて、歳出関係に移ります。  最初は建築関係です。  決算審議では、多くの建物が論議の対象になりました。無論、話題にならなかった建物も含めての我が会派の意見をまとめて申し述べます。  施設再編整備計画が進行中です。公共施設の改修、改築、新築は大きな支出を伴います。それだけではなく、電気代などの維持経費が少なくて済む設計はないか。将来の改築改修の費用はどうか。将来管理する延べ床面積が肥大化しないか。常に、建築時の費用だけではなくて将来の費用も考慮していただきたい。今はよくても、将来財政圧迫が発生しては、後の世代に申しわけありません。  建物の建設、維持管理はとにかくお金がかかります。細々としたきめ細かい対応を注意深く行うことによって、少しでも費用の節約を図ることが重要と考えます。つまり、大きな支出から小さな支出まで目を配り、気を配り、公共事業マネジメントを磨き上げてほしいと思います。  また、太陽光発電、風力発電の余地はないのか、障害者差別解消法の視点は生かされているか、品質確保法は生かされているのか、そんなことも常に考えて進めてほしいと思います。  また、公共施設は、敷地内の発想にとどまらず、まちづくりの観点で取り組む必要がある場合も多いと思います。地区計画の活用のケースもあると思います。敷地内だけの発想を乗り越えて、大きな視野で事に当たっていただきたいと思います。  さて、公共施設の改修改築は、庁舎内での議論のみが先行し、いざ建物をつくろうという段階になってから、地域での反対運動が起こることがしばしばあります。これはなぜだろうか。少なくとも、区民のための事業であることを地域に広く周知して、御理解を得る活動を計画のなるべく早い段階から行う必要があると思います。  このことと関連することとして重要なことは、区民の声をいかに聞くかです。杉並区では、区民の隔たりのない意見を集約していく方法として、区民意向調査を無作為抽出で行ったりしております。今後は、この手法を発展させるという位置づけで、同じメンバーによる政策の議論の場をつくり、区政に生かしてはどうでしょうか。この手法は、住民協議会という形で複数の自治体が既に実施し、成果を得ています。当区でも、区民意向調査などの実績を踏まえ、より深い議論の場をつくっていくために、住民協議会設置の検討を要望いたします。  阿佐谷の杉一小学校の建てかえに関してですが、決算特別委員会の質疑を通じまして、区の考え、それに対して一部住民から上がっている心配の声など、さまざま整理されたかと思います。区がB案を採用した理由として、大きくは、学校の教育環境が大幅に改善されるためであること、それに対して、大きく3つの懸念が住民から挙げられていると理解しました。  1つは、杉一の移転先予定地、現在の河北病院が建っている土地の土壌汚染対策に関してです。その調査と対策が本当にしっかりととられているかを確実にチェックするよう、区に要望いたします。  1つは、屋敷林に関してです。区も住民も我々議員もみんな、緑は少しでも多く残したいという共通の思いの上に立っていることを確認しました。緑化率は、最低限緑を残さなければならないのが25%ということですが、病院側とよく御協議の上、25%より少しでも多くの緑を残せるよう、引き続きの御尽力をお願いします。  もう一つは、現杉一小の場所に建てられる建築物に関してです。その中身として、どういった施設が入るのかはまだ何も決まっていないということが確認されました。その高さや施設の中身などは、周辺地域、商店街などとのバランス、調和を考慮して、決して阿佐谷というまちの伝統文化を破壊するものとならないよう、今のうちから要望しておきます。  そして最後に、全体として、今後このような住民を巻き込む大きな計画を立てる際は、先ほど申し上げましたが、我が会派がこれまで一貫して提案しております住民協議会の手法を御採用いただき、計画策定の段階からもっとしっかりとさまざまな住民の意見を聴取する仕組みをつくられるよう、改めて要望いたしておきます。  次は、子育てに関してです。  スマートフォンで、妊婦の不安解消、産後鬱予防、孤立化を防ぐなどの子育てサービスの一覧が出てくるようなアプリを開発する。核家族社会にあっては、こうした妊婦産後ケアの施策が、児童虐待未然防止の観点からしても殊のほか重要と考えます。  当該年度は、杉並区は、田中区長のリーダーシップと職員の大きな努力で、認可保育園の大量建設によって待機児童ゼロを達成しました。確実に待機児童ゼロを維持するとともに、保育の質を高めるための施策を今後とも継続していただきたい。  私立保育園への補助金はかなり多く支出されていますが、子細に見れば不十分な部分もあるかもしれません。私立保育園、現場の声をよく聞き、よく話し合い、事情を把握し、私立保育園への区の独自加算の見直しなどを図り、保育の質の向上に努力されたい。  なお、保育に関しては、江戸時代から、朱子学の影響で、あしき先入観が強く残っているようです。父親学を創造していくことも重要です。  学校教育で何よりも大切なことは、自分で考える人間、他人を思いやる人間を育てるということだろうと思います。試験の点数であらわせる学力は、杉並区は東京都内でも上位ランクにあると思っていますので、さほど心配していません。今日的課題は、ICTの積極的、本格的推進だろうと認識しています。単に機械の操作方法を覚えるだけではなく、自分で考える人間、他人を思いやる人間を育てるという視点を忘れず、推進していただきたいと思います。  国民健康保険料の減免制度について一言申し上げます。  昨年の第3回定例会で述べてから1年が経過しました。減免制度のうち、貧しい人を救済するという点での利用者はゼロです。使いやすいように、わかりやすいようにするため、現在作業が進行中ということです。一日も早くとは申しませんが、1カ月でも早く改善をしてください。  同時に、後期高齢者医療保険料に関しても同じことです。貧しい人を救済するという点での利用者は、東京都でゼロ人です。世にも不思議な物語です。私ども立憲民主党は、先日、飯田橋の広域連合へ改善方を要請してまいりました。近々、広域連合からお話があるはずです。少しでも早く改善してください。  その他、決算特別委員会で質疑したことですが、超大型台風が近づいているということもあり、簡単に述べておきます。  士業の連携を進めてほしい。  再生エネルギーの、蓄電を含めての普及を図ってほしい。  NPO支援基金に、寄附についてのクラウドファンディングの拡充。
     清掃職員の退職不補充については、考え直す時期が到来しているのではないか。  創業支援は当然ですが、副業支援を検討していただきたい。  公契約条例の実施の際は、事業者、労働者の双方の視点に立った配慮を求めた条例を工夫していただきたい。  公文書管理条例を制定し、公文書の取り扱いを規程から条例へと、より厳格なものにするようお願いしたい。  自治体間ベンチマーキングを導入し、法定業務のコスト削減へと努めていただきたい。  ヘイトスピーチ解消法にのっとって、法務省作成のポスター掲示やリーフレット配布や啓発イベントを推進するなど、全ての人の人権をしっかり守っていくという強い姿勢のもと、差別解消に向けたさらなる取り組みを期待しています。  長時間勤務に疲弊する教員やその家族のために、杉並区立学校における働き方改革推進プランに沿って、教員の労働環境改善への取り組みを進めていただきたい。  杉並区と地方の連携は継続し、日本の将来への、それがヒントになるかもしれません。  以上申し上げて、立憲民主党杉並区議団の意見開陳といたします。  議長、委員長初め関係の皆様の御協力、御尽力、ありがとうございました。  以上でございます。ありがとうございました。 ○山本ひろ子 委員長  いのち・平和クラブ代表新城せつこ委員。 ◆いのち・平和クラブ代表新城せつこ委員) いのち・平和クラブを代表して、2018年度杉並区一般会計決算並びに各特別会計決算について意見を述べます。  当該年度は、政府によれば、日本経済は、緩やかな景気回復に続き、個人消費や設備投資において改善がなされたと言われていますが、その恩恵は一部上場企業や公務員給与に及んだだけであり、増大する非正規雇用と中小事業者には景気の回復の実感は得られませんでした。  国政を見ると、安倍首相が、憲法9条を改定し2020年の施行を目指すと所信表明。一方で、森友学園への国有地払い下げ問題、加計学園の獣医学部新設問題、南スーダンに派遣されていた陸上自衛隊の日報問題、データの恣意的改ざんとデータ隠し、毎月勤労統計の不正などが次々と明らかになり、不正、腐敗がうやむやにされ、政治不信を拡大した年でした。  さらに、2016年、ヘイトスピーチ解消法成立後も、ヘイトスピーチや在日朝鮮人を排斥するデモなどが当該年度もたびたび繰り返され、法の実効性のないことから、川崎市や相模原市を初め、各地の自治体でヘイトスピーチ対策の条例制定の動きが始まった年でもありました。  しかし、杉並区議会では、決算特別委員会に先立つ一般質問で、議員による、聞くにたえないヘイトスピーチがなされました。それに対する発言の取り消し申し出が本人より出され、議決は行われたものの、当の本人が欠席をしたことで、謝罪の意思は示されませんでした。  決議に際して、議長からは、この問題に多くの議員からさまざまな意見が寄せられたことなど、取り消しに至る経過が伝えられ、また、発言は議員の見識と責任において最大限尊重されるべきと考えるが、しかし、いたずらに他者を傷つける発言や品位を欠く発言が行われることは、言論の府である議会がみずからの責務を放棄することにつながると、厳しい指摘を行いました。さらに、議員の発言のあり方にかかわる問題について、区議会としてどう対応すべきか、大きな課題が提起をされた、今後議論が深まることを期待すると付言されました。私たちもこれを真摯に受けとめ、杉並区議会では、今後ヘイトスピーチは一切許さないことをともに誓いたいと思います。  今、国政では、沖縄問題により、政権内の根幹が揺らいでいます。辺野古米軍新基地建設の強引なやり方に、沖縄では保守勢力も分裂をし、故翁長前知事にかわる玉城デニー県政の誕生、衆議院補欠選挙に見られるように、日本政府に沖縄県民の怒りが集中しました。民意を否定し、民主主義をないがしろにする国政の状況だからこそ、地方自治体が、地方自治と住民の命と財産を守る役割を果たさねばなりません。  いのち・平和クラブは、区民福祉と区民の命、暮らしを守り、子供たちが将来に希望を抱くことができるような区政が実施されたかどうか、その視点から各会計決算を検討しました。決算特別委員会での質疑を踏まえ、評価する点と要望を付して、以下、意見を申し上げます。  第1は、財政運営の姿勢についてです。  2007年、夕張市が財政再建団体となったことで、自治体が破産することを経験しました。また、リーマンショックや阪神・淡路大震災の経験から、基金積み立てと区債のバランスを図りながら進める財政運営の重要性を確認しました。  今後、老朽化を迎えた区立施設の改築、また保育園や特養、学童クラブの待機者解消などのコスト増、首都直下地震への備えと対応も求められています。また、基金の取り崩しを求める財務省と、基金は必要とする総務省の攻防があり、基金には、目的を明確にして、一定の制限を設けることも必要と考えました。区民福祉増進が自治体の責務であるという区長の姿勢を評価するとともに、引き続き堅実な財政運営を求めておきます。  第2は、保育園の待機児童ゼロを、人口50万を超える都市部で初めて実現した取り組みです。  子供と子育て世帯のために、区が揺るぎない姿勢で臨んだことを私たちは評価をしています。公園の一部を保育園に活用するに当たり、約束した公園の代替地確保への道を開いたことも評価をします。  一方で、私立認可保育園が大幅に増加する中、保育の質を守り、保障するためにも、今ある区立保育園を維持することが不可欠です。今後の、区立保育園を中核園に据えた、杉並区全体の保育の質の底上げの取り組みに期待をします。  第3は、児童館事業の継承と充実です。  学校施設を初め、今後、老朽化する区立施設の建てかえは最重要課題であり、限られた財源と区民のニーズの変化から、一定の再編は不可欠であることを確認してきました。  これまで児童館で行われてきた学童クラブや乳幼児親子の居場所、放課後の子供の居場所などの事業のうち、小学校に移行した和泉学園、杉二小での学童クラブや放課後等居場所事業が、以前と比較して利用実績が上がっていることを確認しました。また、児童館では午後は利用しにくい乳幼児親子の居場所事業が、子ども・子育てプラザでは利用が4倍にふえた実績も確認することができました。保育園に続く学童クラブ待機児童対策が求められ、育成室の増設や新たに学校内への増設がなされました。今後も、学校になじめない児童への対応、中高生の居場所の拡大も準備される中で、着実に進めるよう求めておきます。  第4は、子供の命を守る取り組みです。  目黒区や野田市で起こった児童虐待死事件を受け、虐待防止の対策が急がれました。区は、子ども家庭支援センターの機能拡充と、職員を増員し、区内3カ所に地域型子ども家庭支援センターを配置する方向で虐待防止に踏み出しました。  未就学児童の家庭訪問を実施し、子供を目視で確認するとともに、家庭や保護者への支援を精力的に進める取り組みは重要です。今後も引き続き体制を強化し、将来の児童相談所の設置に向けた人材育成と支援内容の充実を図るよう求めておきます。  第5は、特別養護老人ホームを初めとする介護施設の整備に取り組む姿勢です。  当該年度4月のAランクの特養待機者は562人となり、着実に解消のために力を尽くしていることを評価します。ウェルファーム杉並に隣接する大規模特養も建設に入り、入所を待っている人々に希望を与えています。  会派は、開所から1年を迎えた南伊豆区域外特養を視察しました。これまで、補助金を出してベッドがえをしなければならない状況を改善するため、南伊豆町と静岡県と連携し、特養入所を最後まで責任を持つ区域外特養を実現したことは重要です。  一方で、必要な介護の保障のためには、介護人材の確保が課題です。国の処遇改善のための制度はもちろん、自治体においても創意工夫した一層の人材確保策が必要です。外国人介護職がふえる現状から、日本語を学ぶ機会を保障することが大切であり、そのためにも、ニーズを把握し、引き続き民間団体と連携した取り組みを求めておきます。  第6は、複雑かつ複合的な課題を解決するためのバックアップ体制として、在宅医療・生活支援センターが開設されたことです。  8050問題やダブルケア等の分野横断的な課題に対して、包括的相談及び支援体制が図られるようになったこと、また、住みなれた自宅で最期まで暮らせるための在宅医療と介護の連携が進んだことを評価します。今後もより実践可能な体制の充実を期待します。  第7は、大阪北部地震のブロック塀の倒壊による児童の死亡事故を機に、区は、いち早く、小中学校など児童生徒の通学路の危険箇所の調査を行いました。通学路のブロック塀対策や撤去費用などの助成が組まれました。  塾や遊び場に通う道には、まだ危険な場所が少なくありません。強風や集中豪雨などにより予測のできない事態が起こる可能性が強まる中、区内全域の危険なブロック塀にも拡大するよう求めておきます。  第8は、農業と福祉が連携した施策についてです。  農地を活用し、さまざまな区民が参加する農業体験や交流、学びの場は貴重なものです。農地と地域、学校、福祉施設等をつなげ、障害者、高齢者、若者まで幅広い世代が参加することで、生きがいや就労支援に結びつき、地域の交流の場となることを期待します。  第9は、ごみの減量の取り組みです。  1人1日当たりのごみ量が8年連続で23区最少となったことや、会派が求めてきた家庭から出る使用済み油の回収をスタートさせたことを評価しています。  プラスチック削減が世界共通の大きな課題となる中、今後もレジ袋削減に継続して力を入れることや、また、区役所内で開かれるさまざまな会議でのペットボトルの配布をやめ、マイボトルキャンペーンに力を入れ、ペットボトル削減に取り組むよう求めておきます。  第10は、児童生徒が安心して学べるための教育環境を改善したことです。  高円寺中学校を視察し、11年に及ぶ懇談会を通じて、保護者や地元の方たちの意見を取り入れ、実現された成果を確認しました。  また、杉並第一小学校の改築計画で懸念されていた教育環境を抜本的に改善できる方向を定めたことです。ビルの屋上の狭い校庭が広い地上校庭にかわり、子供たちの災害時の安全確保や、地域の災害救援所としての利用しやすい計画となりました。  病院跡地の土壌汚染の不安がある中で、全国の状況を調べたところ、病院跡地などに土壌汚染が発見された際に、対策を講じて学校が建設されている実例を確認いたしました。土壌の安全対策のため、河北病院に瑕疵担保責任を明確にすることも確認をしました。  さらに、富士見丘中学校の新しい学校づくりも、地域のPTAを初めとする学校関係者との協議を通じて、子供たちにとって最適な方向が選択されたことです。建物が隣接した小中一貫教育が実現されることになります。  以上、主な評価できる点について述べました。  加えて、今後の区政運営について特に留意していただきたい点について、以下をつけ加えます。  第1に、児童館事業の継承のためには、児童館職員の存在が不可欠です。子ども・子育てプラザが区の職員で運営されていることは重要です。学校に移行する放課後の居場所事業の拡大に、指導監督するプラザ職員の加配の方向が確認できました。一方で、学童クラブの委託先を株式会社にも門戸を広げる方向性が示され、保育の質が懸念をされます。株式会社への委託は慎重に行うよう、改めて要望しておきます。  第2に、保育の質の確保のために、区立保育園を残すよう求めておきます。保育施設の利用案内では、現在ある私立の認可保育園は115カ所、来年はさらに18カ所の認可園が開所することになります。小規模保育事業や認可外施設を含めますと170カ所を超える私立園に対して、保育の質の担保が課題となっています。既に、計画によれば、区立保育園も27園となろうとする状況です。身分や処遇が安定をし、経験を持つ異世代の保育士の存在によって保育の質の継承が行われてきた区立園の役割と存続は不可欠です。これ以上の民営化はやめるよう求めておきます。  第3に、非常勤職員が会計年度任用職員制度に移行することになります。区職員の4割を占める非常勤職員の処遇改善を確認しました。しかしながら、区は依然として雇用期間の上限を6年としていることは課題です。人材確保が厳しい状況の中、経験を積んだ豊かな人材を失うことが懸念されます。期間を設けない世田谷区のように、今後の見直しを求めておきます。  第4に、公契約条例についてです。条例制定に向け、事業者団体や労働者団体の意見聴取と協議が行われ、労働者の対象を下請事業者に雇用されている人や一人親方にも拡大する方向性、12月にはパブリックコメントとのスケジュールも確認をしました。また、契約後も、条例に基づく運営が行われているかどうか、社会保険労務士による労働環境モニタリングも引き続き行うことも確認をしました。公契約条例の核心は労働条項にあり、公契約にかかわる事業に従事する労働者の賃金の最低額を定め、その最低額以上の賃金を支払うことだと考えています。今後も、事業者団体、労働者団体などから丁寧に意見を聞き、合意形成に努めるよう要望しておきます。  第5は、清掃職員の新規採用についてです。十二、三年後には80%の職員が退職をし、清掃事業が直営でなくなることの問題を指摘しました。総社市への災害支援の教訓からも、直営であることの重要性が示されています。退職不補充を改め、新規採用を行うよう求めておきます。  第6は、国の通知によるマイナンバーカードの職員への強制は問題であり、あくまでも取得は任意であることを確認しました。一方、区民は、全国平均13.7%より高い21%の取得率となっており、区がその拡大のために、都営住宅などに出張までしていることは問題です。カードの危険性や、あくまでも任意であることについて、引き続き周知の徹底を強く求めておきます。  第7に、不登校対策についてです。さざんかステップアップ教室での支援策の改善が示され、今後の取り組みに期待をします。しかし、親の会が全ての保護者に知らされることなく開催されていることは、切実な保護者のニーズに応えるものとはなっておらず、引き続き改善を求めるものです。  第8に、幾つかの区立施設で、発がん性の疑いがある農薬グリホサートの使用が明らかになったことです。グリホサートとは、毒性の強いラウンドアップという農薬の成分であり、遺伝子組み換え作物とセットで販売されてきたものです。アメリカでは、この使用によってがんになったという訴えが相次いでおり、さまざまな裁判でそれが認められています。欧州初め世界では既に販売が禁止されている国も多く、規制が強化される中、日本だけが規制を緩めています。このような危険性が疑われるグリホサートの使用は中止するよう求めるものです。  以上、意見、要望を述べました。私ども会派の要望並びに決算特別委員会における質疑を通して述べてきたことを今後の区政運営に生かしていただくよう、改めて求めておきます。  自治体の責務は区民福祉の向上にあるとする区長の姿勢を今後も堅持し、区民の意見に耳を傾け、誰もが安心して住み続けられる杉並区を期待しています。  以上の理由から、杉並区一般会計決算並びに各特別会計決算を認定いたします。  最後に、決算特別委員会の審議に当たり、資料作成に御尽力いただきました職員の皆様に感謝を申し上げ、いのち・平和クラブの意見開陳を終わります。 ○山本ひろ子 委員長  自民・無所属・維新クラブ代表、小林ゆみ委員。 ◆自民・無所属・維新クラブ代表(小林ゆみ委員) 自民・無所属・維新クラブを代表し、平成30年度杉並区各会計歳入歳出決算に対して意見を申し述べます。  平成30年度の我が国の経済は、平成24年11月を底に、緩やかな景気回復が続きました。アベノミクス3本の矢により、企業の稼ぐ力が高まり、企業収益が過去最高となる中で雇用・所得環境が改善し、所得の増加が消費や投資の拡大につながるという経済の好循環が着実に回りました。このような流れから、今回の景気回復は、高度成長期の昭和40年から45年のイザナギ景気を抜き、平成14年から20年の期間に次ぐ戦後2番目の長さとなりました。  一方、杉並区では、当該年度は、基本構想を実現する道筋として策定した総合計画(10年プラン)の計画期間開始から7年目となり、ホップ・ステップ・ジャンプの第2段階、ステップの最終年度であります。同時に、第3段階、ジャンプの期間に向けた総合計画、実行計画の改定を行った年となりました。そのため、区政にとって1つの節目であり、次の段階への試金石となる年度となったと言えます。  区は、30年度予算を「未来への道を拓くステップアップ予算」と名づけて予算編成を行い、特徴としては、保育関連経費の増大が目立ちました。  このような中、我が会派は、このたびの決算審査に当たり、当該年度において適正な財政運営が行われてきたか、また適切に事業が執行されたかという、大きく分けて2つの視点により決算の判断をいたしました。  まず、適正な財政運営が行われてきたかどうかという点を分析してまいります。  初めに、一般会計の歳入総額は1,962億1,718万円余、歳出総額は1,880億7,815万円余となり、ともに過去最高額となりました。  プライマリーバランスについてですが、平成28年度に42億円ほどのマイナスに落ち込んだものの、29年度は15億円プラスとなり、小幅ながら持ち直しました。そこで、平成30年度も注視していましたが、これまでの計算式で算出した場合は、全体で34億円の赤字となっていました。しかしながら、当該年度は総務省の算定基準の改定があり、29年度比14億1,300万円増の27億3,200万円の黒字となったことについては、一定の評価をいたします。  プライマリーバランスが黒字ということは、区債の発行に頼らず、その年の区民の税負担などで区民生活に必要な支出が賄えている状態を意味しますので、今後も自主自立の観点から、プライマリーバランスを黒字に保てるよう求めます。  次に、一般会計の不納欠損は、前年度と比べ9.2%増の3億500万円余となりましたが、これは5年ぶりの増加となりますので、我が会派の質疑において、当該年度に不納欠損がふえている理由について確認をしてまいりました。その結果、確かに執行停止となったものに関してはさまざまな理由があることを確認はしましたが、税を負担している区民の方との公平性を考えると、不納欠損は本来あってはならないものです。不納欠損額の減少に向け、より一層の努力を求めるものです。  次に、基金と区債のバランスを見てまいります。  当該年度は、財政調整基金繰入金や施設整備基金繰入金などを合計した基金の取り崩し額はおよそ45億円であり、これは前年度の約半分でありました。  主な基金を見ていくと、財政調整基金に関しては24億円を取り崩したものの、決算剰余金87億円のうち、2分の1ルールをぎりぎり保った52%に当たる45億円などを積み立てました。そのため、財政調整基金の残高は前年度比約60億円の増となっております。しかしながら、施設整備基金に関しては、当該年度は前年度比20.1%減の73億5,000万円余となりました。  我々は、今後の再編整備の需要を考えるならば、現在の基金額では心もとないと、折に触れて指摘をしてまいりました。令和元年度から適用される新しい財政健全化と持続可能な財政運営を確保するためのルールにおいて、毎年度、施設整備基金に40億円積み立てるという約束となったので、少なくともそのルールが示す金額は遵守するよう求めます。  また、我々としては、基金は目的別に細分化して積むべきであり、具体的には災害対策基金、本庁舎改築に備えた基金を設置すべきだと主張してまいりました。今後も引き続き検討するよう求めます。  結果として、基金全体としての年間の積立額は約106億円、30年度末の基金残高は約578億円となり、積立基金残高は約61億円余の増となっております。  区は、平成24年当時の標準財政規模約1,100億円の2分の1である550億円を積立基金全体の残高の目標とし、これに到達するために努力をしてまいりましたが、ついに550億円に到達という形になりました。しかし、当該年度の杉並区の基金の標準財政規模に占める割合は43.7%であり、23区の中で22位であることを考慮するならば、決して十分とは言えない状況であると指摘をしておきます。  一方で、区債については、桃二小の改築、高円寺地区小中一貫校の施設整備、永福体育館の移転改修、公園等の整備に充てるという目的で発行され、特別区債の発行額が前年度比27.4%減の35億8,000万円となっています。当該年度の区債残高は、実行計画上の財政計画でいえば、74億円ほど区債発行する予定だったにもかかわらず、35億円ほどに抑えることができた点については、一定の評価をいたします。  また、基金と区債のバランスを見ると、積立基金残高は61億円余の増となりましたが、区債が21億円余増加しております。その差額として、前年に比べると40億開いたということは評価できます。  しかしながら、区債残高は3年連続で増加し、約322億円に達し、当該年度では23区の中で5番目に多いという結果になったため、まだまだ全体としては多いほうであると言えます。さらに、標準財政規模に対する基金の割合はワースト2位という事実もあります。今後も、過度に借金に依存しない区政運営を行うことが求められます。  次に、旧財政ルールの筆頭である経常収支比率について申し上げます。  当該年度は、財政健全化と持続可能な財政運営を確保するためのルール──以下ルールと呼びます──の旧ルールが適用される最終年度でありました。これは、執行機関である区みずからが、長期的な健全財政を目指して定めたルールでありますので、以下、旧ルールを踏まえ、財政状況を判断してまいります。  まず、経常収支比率の分母を構成する要素から見ていくと、平成30年度は、冒頭に言及した国全体の好景気に支えられ、財政調整交付金が前年度比10.3%増の429億63万円余となりました。また、納税義務者の増加などにより、基幹収入である特別区税は前年度比2.8%増の660億8,051万円余となりました。ほかにも要因はありますが、結果として分母は、前年度比で4.3%増加しました。  一方で、分子の構成要因を見ると、扶助費が前年度比4.1%増の232億8,363万円余となり、経常収支比率が80%を超える要因となりました。ほかにも、人件費や公債費の増等により、分子は前年度比3.0%増加しました。  結果として、分母に当たる歳入が増加したにもかかわらず、分子も増加したため、経常収支比率は80%超えの81.7%となりました。29年度と比較して0.9ポイント減と、方向性としてやや改善が見られたものの、絶対値としての80%以内というルールはまたもや達成できませんでした。  我々は、この経常収支比率に関して、一般的に適正とされる70から80%以内に抑えること以上に、区が80%以内を目指すことを設定したルールの遵守について、これまで厳しく指摘してまいりましたが、3年連続でルール破りとなり、この結果については遺憾であります。  平成30年度は、計画改定に伴い、ルールの見直しを行い、今年度から新ルールを用いることとなりましたが、当該年度は旧ルールが適用される最終年度であり、本来ならば、このルール達成に向けて最大限の努力をすべきでした。それにもかかわらず80%を超えてしまい、さらに区政経営報告書には、まるでなかったことのように旧ルールは記載されておらず、新ルールについてしか記載がありません。執行機関として、不都合なルールを無視するような姿勢では、区民の信頼も保てません。  先ほど言及したように、経常収支比率の分子を構成するものの中で額が大きい部分である扶助費は、今後も伸び続けていくことが予想されます。現在は、分母に当たる財政のトレンドに助けられ、何とか経常収支比率の上昇を抑えられている面が大きいですが、将来の景気や社会情勢については未知数であり、今後の動向によっては、経常収支比率が急激に悪化してもおかしくはありません。  自治体として、目の前の行政需要に縛られ、その結果、将来世代に莫大な負担をさせるようなことがあってはいけません。足元だけでなく、将来に向かう時間軸で判断することが重要ですが、近年の区は、新ルールに記載があるとはいっても、この視点が散漫になっています。今後、経常収支比率が80%を切ることに向けた努力を続けることは当たり前ですが、少なくともその方向性が悪化しないよう、今後も注視するよう求めます。  また、財政の旧ルール適用は当該年度で終わりますが、経常収支比率が重要な財政指標の1つであることは変わりません。それを意識しながら、弾力性を保った財政運営を行うよう申し添えておきます。  次に、公債費負担比率について分析していきます。  当該年度、公債費は、元金、利息合わせて約17億円、公債費負担比率は前年度比0.2ポイント増の1.9%となりました。絶対値としてはまだ余裕があると言えますが、近年は23区平均が右肩下がりになっているにもかかわらず、杉並区は今にも23区平均と逆転しそうな傾向を示しているため、注視する必要があります。  質疑において、公債費負担比率が増加した原因として、起債の引受先として、市中銀行への依存度が増加したことによる減債基金への積み立てが挙げられておりました。区はこれまで、起債については、世代間の負担の平準化を理由にしてきましたが、このような状況では、資金不足を短期的に穴埋めしているとも受けとめられかねません。区債残高の増加、それ自体も危惧されますが、起債事務運営についても警鐘を鳴らすものであります。  次に、施策指標の目標達成状況を見てまいります。  この施策指標の目標達成状況は、行政の施策の質をあらわし、区民生活の向上に直結するものであります。そもそも、施策指標が掲げる目標を達成するために歳出があるということを考えれば、目標達成状況を踏まえた上で財政運営の結果を判断すべきであるため、我々としては非常に重要なものと考えております。
     そこで、杉並区総合計画の32施策に対応する施策指標の目標達成率を見ると、当該年度は83項目中17項目しか達成しておらず、達成率は20.5%と、総合計画の計画期間開始以来、過去最低の結果となりました。そして、絶対値だけでなく、29.3%であった前年度と比べてさらに悪化と、方向性も下向きとなりました。各項目について、平成29年度は達成できたものの、30年度には達成できなかったものは10項目ありました。その中には、状況に応じて目標を上方修正したものもありましたが、意欲的な目標設定をすること自体はよいことであるとはいえ、このままの状況では、最終年度の目標まで本当に届くのかという不安を抱かざるを得ません。  当該年度の目標未達成率を杉並区基本構想(10年ビジョン)が掲げる目標別に見ると、目標1、2、5が72%、目標3、4が84%と、5つの目標全てにおいて70%以上が目標未達成となってしまっております。特に目標5、「人を育み共につながる心豊かなまち」に関しては、24年度から7年間連続して目標未達成のものが8項目もあり、そもそもの政策数が多いとはいえ、目標1から5の中で飛び抜けて多くなっております。  我々は、計画期間最終年度の目標に近づけるための努力をするよう、昨年の決算特別委員会においても提言をいたしました。しかし、先ほど述べたように、ステップの期間で目標達成は順調とは言えません。少なくとも達成率の方向性が改善されていたとすればまだ希望が見えますが、このままでは、令和2年度、3年度の予算づけに際しても、よほどの努力を要することとなります。  ステップの最終年度、準マイルストーンとも言える当該年度において目標達成率が20.5%であったということについて、区が自分で決めた目標の達成を諦めているのではないかとすら思えます。先ほど言及した財政ルールにも言えることですが、区は全体的に目標に対する意識が薄く、計画の進行管理が甘いと言わざるを得ません。残念ながら、これをもって、適正に事業が執行されたとは言いがたい状況です。  次に、決算の判断材料として、個別施策で代表的なものを見てまいります。  まず、当該年度の大きな出来事として、区肺がん検診で肺がんを見落とし、40代の女性がお亡くなりになるという、あってはならない事態が起こりました。区はことしから区民健診の新たな実施方法をとっていますが、二度とこのようなことがないよう実施することが求められます。  そして、ことし4月、西荻窪商店会連合会によるイベント事業に関して、都、区が支出する商店街振興事業に係る補助金の不正受給問題について、杉並区が都から指摘を受けました。それを受けて、7月17日に区が設置した杉並区商店会に関する補助金検証委員会から、本決算審議までに中間報告がなされる予定でしたが、残念ながら、中間報告が間に合わず、進捗状況のみの報告となりました。  西荻窪商店会連合会に支給された補助金の金額は当該年度の決算に含まれているので、問題の全容も責任の所在もわからない現状では、決算を認定する判断材料に乏しいと言わざるを得ません。区は質疑において、補助事業は適正に行われており、当該年度の時点では適切に執行されていたと答弁していましたが、中間報告もない中で、どのように判断すればよいのでしょうか。  もちろん、さまざまな事情がある中での調査が難しいことは理解しますし、中間報告がなく、決算審議に間に合わなかったことについての質問に対し、真摯な答弁をいただいたことは素直に受けとめたいと思います。しかし、そうはいっても、中間報告がないという事実に変わりはなく、さらに杉並区の調査により、確認を要するとされた11事業、都の調査により、現在疑義が持たれている8事業についても結果が出ておらず、適正に補助金事業が執行されたかどうかが不透明と指摘するものであります。  この一連の流れによって、補助金のあり方、ひいては区政のあり方について、区内外から不信感を持たれているため、今後は、税金の使われ方について疑念を持たれることのないような区政運営を求めるものです。  以上、認定第1号平成30年度杉並区一般会計歳入歳出決算を、主に適正な財政運営がなされたか、及び適切に事業の執行がなされたかという点から見てまいりました。これまでに述べてきた理由から、平成30年度杉並区一般会計決算は不認定といたします。  認定第2号から第5号である各特別会計歳入歳出決算については、一般会計からの繰入金が特別会計全体で前年度比13億6,000万円余り増加したことなど、留意すべき点もありますが、総合的に妥当であると判断したため、認定をいたします。  なお、平成30年度は、法改正によって国民健康保険事業会計の制度改革が行われ、都道府県が国民健康保険の財政運営の責任主体となった初年度であり、介護保険事業会計では、第7期介護保険事業計画に基づく初年度となりました。これらについては今後も注視し、適切に対応していくよう求めます。  当該年度の決算を受け、令和2年度以降の区政経営に当たっての留意点を申し上げます。  まず、公有財産について。  当該年度は、29年度比で、土地で約9,000平米、建物でも約5,500平米ふえており、公共用財産では、建物の延べ床面積は8,600平米の増となりました。施設再編整備計画に掲げられているように、改築時の施設のスリム化や廃止などによって規模の縮小を図るよう求めます。  次に、補助金について。  不正受給が起こってしまったことを問題視することは当然ですが、一方で、そもそも不正が起こらないような仕組みづくりをしておくことも行政の責任であると言えます。今後は、基準を見直し、補助金を支給した後も客観的にその事業の成果を評価し、必要なものだけ残して、必要に応じて統合するなど、自主性、自立性を保つようなルールを定めるよう求めます。  次に、行革について。  保育、児童虐待対策など、足元の行政需要はふえ続け、少子高齢化が進む社会情勢から、扶助費の増加はやむを得ませんが、それをいかに最少の経費で最大の効果を上げるかが現場を預かる自治体の役割であり、工夫をして増加に歯どめをかける姿勢が重要です。ところが、質疑の中でも、行政は一度事業を始めたらやめづらいという性質を持つとの答弁もあり、これでは時代に逆行したビルド・ビルドとなってしまい、区が受け持つ事業は膨大に膨れ上がるばかりです。だからこそ行財政改革のペースアップを図らねばなりません。  我が会派は、小さい役所を目指すことの一丁目一番地に職員定数削減を掲げていますが、児相の移管もあり、職員数は、部門によっては今後もふえていくことが予想されます。必要な部署には人員を充てながらも、民間委託やRPAなど、内部での事業の効率化を図ることで職員削減を進め、同時に時間外勤務手当を減らすなど工夫して、人件費を抑制していくことも必要です。  区は現在、職員に関して定員管理方針を作成中ですが、AIやRPAの導入等について方針に盛り込んでいくべきです。そして事業については、本当に区が行わなくてはいけないことなのかどうかを常に考慮し、スクラップ・アンド・ビルドの考えのもと、事業自体の見直しを積極的に行うよう求めるものです。  また、現在は外的要因により財政状況が好調ですが、消費増税の影響や来年のオリンピック・パラリンピック後の景気の反動が今後出てくることが予想されるため、区は目先の行政需要だけにとらわれず、緊張感を持った財政運営に努めることを要望いたします。  そのほか、本決算特別委員会において我が会派が要望したもの、予算要望したものに関しては、区民のニーズや状況を踏まえた上で、十分しんしゃくするよう要望いたします。  結びに当たりまして、本委員会の審議及び資料作成に誠意を持って御協力いただきました区長初め理事者、職員の皆様方、円滑な委員会運営に努められました正副委員長に感謝を申し上げ、自民・無所属・維新クラブを代表しての意見開陳とさせていただきます。  ありがとうございます。 ○山本ひろ子 委員長  以上で各会派による意見開陳は終了いたしました。  ほかに意見はありませんか。──ただいま、木梨もりよし委員、松尾ゆり委員、佐々木千夏委員、奥山たえこ委員、堀部やすし委員、田中ゆうたろう委員、ほらぐちともこ委員から意見の申し出がありました。  以上の委員の意見開陳は午後といたします。  ここで午後1時まで休憩いたします。                           (午前11時55分 休憩)                           (午後 1時    開議) ○山本ひろ子 委員長  休憩前に引き続き委員会を開きます。  意見の開陳を続行いたします。  休憩前に意見の申し出のありました委員を順次御指名いたします。  木梨もりよし委員。 ◆共に生きる杉並(木梨もりよし委員) 共に生きる杉並の木梨もりよしでございます。  まずもって、台風15号の被害に遭われた皆様に心よりお見舞い申し上げるとともに、一日も早く復旧されますようお祈り申し上げます。  また、目前に迫る猛烈な台風19号に対しても、お互いにしっかりとした備えをしていきたいものだと思います。  一方、明るいニュースとして、スウェーデンの王立科学アカデミーは、10月9日、2019年のノーベル化学賞を、リチウムイオン電池を開発した業績に対し、日本の旭化成の名誉フェローである吉野彰先生ほか2名の方々に授与すると発表いたしました。心よりお祝い申し上げます。  王立科学アカデミーは、授賞理由として、リチウムイオン電池はあらゆるものに使われており、私たちの生活に革命を与えた。太陽光や風力から多くのエネルギーを蓄えることができ、化石燃料のない社会の基盤を築いたと説明しています。  ちなみに、吉野彰先生の座右の銘は、「実るほどこうべを垂れる稲穂かな」とのことであります。お互いに日々の生活を謙虚な心で過ごしていきたいものであると思います。  平成30年度杉並区一般会計歳入歳出決算、杉並区国民健康保険事業会計歳入歳出決算、杉並区用地会計歳入歳出決算、杉並区介護保険事業会計歳入歳出決算、杉並区後期高齢者医療事業会計歳入歳出決算について、特に重要と思われます問題や課題について述べさせていただきます。  まず初めに、田中区長の政治とお金の問題が杉並区政に及ぼす影響についてであります。  田中区長は、杉並区の予算を編成する最高責任者であります。当然、予算の編成には補助金や委託料も含まれます。その補助金や委託料を出している団体名とその責任者の氏名が、田中区長の政治資金パーティーの発起人に十数人、区長就任以来6年間、名を連ねています。最近は、私がこの問題を粘り強く指摘してきましたので、発起人の名を連ねることはやめたようでありますが、その実態は何ら変わらないものと思います。そもそもが、区の利害関係者から政治資金を集めるようなことはしてはいけません。まさに公私混同、田中区長による杉並区政の私物化と言っても過言ではありません。  私の手元にある平成26年4月24日開催の田中区長の政治資金集めのパーティーの案内状の発起人に、河北病院理事長・河北博文氏の名前が載っておりました。現在も被害者から区が訴えられている河北クリニックの肺がん見落とし問題、また、現在進行している杉並区、河北病院、けやき屋敷、3者による阿佐ヶ谷駅北東地区土地区画整理事業等、田中区長に公平公正な区政運営が期待できるでしょうか。田中区長の政治とお金の問題が、杉並区政に暗い影を落としているのではないでしょうか。  次に、JR高円寺駅近くにある杉並芸術会館、座・高円寺についてであります。  その年間の管理運営に3億4,400万余の費用がかかっております。しかも、この会館のメーン会場の利用者の72%が杉並区民ではありません。区民のための施設とは言えません。  この施設は、地元高円寺の阿波踊りや杉並区内の演劇や民謡、区民のさまざまな芸能、芸術の発表の場、さらには多目的に、区民が気軽に使える貸し会場として再生すべきと考えます。使用料収入も入ってきますので、約3億円の行革効果が見込まれると考えます。その一部でも、使用料値上げによって利用者が減少している他の集会施設に活用して、他の集会施設の使用料をむしろ値下げすることもできると考えます。行革が区民サービスの向上につながることになります。  次に、子ども・子育てプラザについてであります。  杉並区内に、全体で14カ所にしていくとのことであります。この施設は、乳幼児の居場所づくりが主な役割とのことであります。乳幼児の居場所づくりであれば、最も身近なところになければなりません。行政の公平性からしても、小学校区に1カ所、子ども・子育てプラザは必要であると考えます。  次に、ふるさと納税についてであります。  総務省は、納税寄附額の30%以内であれば、地場産品等の返礼品は認めております。つまり、30%以内のおまけ、言いかえればプレミアム商品券のようなものではないでしょうか。平成30年度約24億円、杉並区に入るべき税が、ふるさと納税として他の自治体に流出しております。区は返礼品競争はしないとしていますが、区内の産業を育てるためにも、有効な返礼品を発見することも大切なことであると考えます。  次に、基金についてであります。  阪神・淡路大震災や東日本大震災を教訓として、震災への備えは特に大切です。首都直下地震がいつ来てもおかしくありません。できるだけ多くの基金を積んでおくことが必要であります。  最後に、これまで行財政改革の立場から、杉並区の行政を、民間にできることは民間にということで、指定管理者制度や業務委託が進んでまいりました。  監査委員の決算意見書に、指定管理者制度や業務委託等への適切な対応が記されております。「区の業務を、外部の資源やサービスを活用して行う場合、その手法が指定管理者制度であっても、業務委託契約であっても、その最終責任は区が負うものである。基本となる協定書や契約書の内容が現場で順守できているか確認するとともに、指定管理者や受託者に対する指導やチェックを、一定の頻度で適切に行われたい。また、法令順守、広い意味では、社会的責任については、厳格に監督されたい。」この監査委員の意見に賛同し、大いに評価をさせていただきます。  平成30年度各会計決算の審査に際し、決算書、区政経営報告書、監査委員の審査意見書等参考にしながら審査をさせていただきました。杉並区政は、一人一人の職員が誠実に区民の皆様と向き合い、着実に前進しているものと受けとめさせていただきました。したがって、平成30年度杉並区一般会計歳入歳出決算並びに各会計決算を認定し、私の意見とさせていただきます。 ○山本ひろ子 委員長  松尾ゆり委員。 ◆杉並わくわく会議(松尾ゆり委員) 杉並わくわく会議として、決算に対する意見を述べます。  当該2018年度を振り返ると、あんさんぶる荻窪と荻窪税務署の財産交換が行われ、高円寺小中一貫校においては、引き続き工事が進められ、さらに、事業者選定など手続をめぐって問題が指摘されてきた上井草保育園が民営化され、ほかにも杉並保育園など民営化の手続が進められた年でした。住民、利用者の強い反対や批判の声を無視し、強行されてきた事業が当該年度継続され、また完遂されたというわけです。阿佐谷開発や西荻窪の補助132号線拡幅計画が本格的な準備段階に入り、地域の反対の声が募ってきた年でもあります。  8月に発表された区立施設再編整備計画第二次プランをめぐっては、区内各地で、児童館の廃止を中心として、区民から多くの異論が出されたにもかかわらず、当初の案どおり、9つの児童館、3つのゆうゆう館の廃止を含む計画が決定されました。年度末には下井草児童館が廃止され、来春には一遍に5つもの児童館の廃止が計画されています。  また、前年度中に決定された保育料の値上げ、介護保険料、国民健康保険料の値上げと、一層の区民負担がのしかかった年でもありました。  このような区政のあり方は容認できるものではなく、認定第1号平成30年度杉並区一般会計歳入歳出決算外4件の認定に対しては反対といたします。  さて、質疑に関連して述べます。ここでは、公共性をキーワードとします。  最初に、施設使用料の見直しについてです。  論点の1つ目は、今回の最も大きな変更、施設建設費を使用料算出のベースに算入することです。  これまで杉並区は施設建設費を使用料に転嫁することはせず、前回の大幅な見直しのときでさえも、「施設に係る全ての経費を受益者負担とすることは、かえって公平性を欠くことになりかねません。このため、区では間接的人件費や減価償却費などは、算定経費には加えていないものです。」と述べています。転嫁するのはランニングコストのみという考え方をとってきました。ところが、今回、施設建設費を算入するという大きな変更を行いました。その理由を質問しましたが、明確な答弁はありませんでした。  公共施設は区民の税金でつくられるものです。つまり、利用者は既に建設費を払っているのであり、使用料にこれを算入するのは税金の二重取りと考えます。質疑の中で紹介しましたが、ある自治体はこのように述べています。基本的な考え方ですから、もう一度読み上げます。  「公の施設は住民の福祉を増進する目的をもって設置された市民全体の財産であり、設置目的に合致する限り誰でも利用できる施設であるため、減価償却費は『資産の取得に要する費用』として公費で負担する」。  これは、従前の杉並区の考え方とも一致しています。前回の使用料見直し時には、公の施設は、誰もが利用することができ、受益者となり得るものであるため、公費負担とする旨述べています。  今回の案では、負担率50%とされた集会施設等は現行より安くなるところも多いんですが、負担率というのは幾らでも変更ができ、今後の大幅値上げも懸念するところです。前回の見直し時の考え方に立ち戻り、建設費を算定から外すよう求めます。  論点の2つ目は、区が一貫して値上げの根拠として挙げる、使う人と使わない人の不公平です。  今述べたように、公共施設とは、誰もが利用することができ、受益者となり得ることが前提です。きょうまで使ったことのない人でもあしたは使うかもしれない。図書館だろうが、体育館だろうが、集会所だろうが、いつでも門戸は開かれている。それが公共施設です。区もそう考えていたはずでありますが、まさか、区民の中に使う人と使わない人という画然とした線引きがあるとでも考えているのでしょうか。  そもそも区は何のために集会施設や体育館を建てているのでしょうか。それは、区が今回述べているような、特定の個人の生活を快適にするためではありません。もちろん、公共施設の目的に、区民個々の生活を豊かにするということが含まれてはいます。しかし、誰にでも開かれている以上、特定の個人のためと表記するのは大きな間違いで、修正を求めます。また、大事なのは、そのことが単に個人の生活を豊かにするのみでなく、地域社会を豊かにすることに直結しているということです。  趣味やスポーツ、勉強などの活動は、それ自体、個人のみならず社会を豊かにすることになりますし、グループで集まれば、地域のつながりを形成することにもなります。活動の中で気づいたこと、学んだことを行政に提言したり、ボランティア活動などにつながっていけば、具体的に地域社会を改善することにもつながっていきます。元来、社会教育活動とは、このような住民自治の仕掛けとして設計されているものであり、そのために教育・文化施設や地域施設が各地に設けられてきたのではないでしょうか。  ところが、今回の見直しにおける区の主張は、個人が民間サービスのかわりに公共サービスを利用しているのだから、民間サービスと同じように、整備費用まで負担すべきと論じていることと同様です。そこには社会的な意義づけと、それだからこそ求められる公共の役割が抜け落ちているのではないでしょうか。  今回の見直し案を読むと、杉並区の公共性に対する認識が怪しくなっているのではと心配になってきます。税金で賄われる公の事業は、対価を持った、対価を得て販売する商品ではないし、区長は中小企業のオーナー社長ではありません。公務員は、言うまでもなく単なる区長の部下ではなく、全体の奉仕者です。当たり前のことなんですが、その当たり前にいま一度立ち戻って考えていただきたいと求めるものです。  質疑では、阿佐谷の開発問題について時間を割きました。これもまた、公共とは何かを深く考えさせられる事案であります。  阿佐谷の問題については、これまで定例会のたび、毎回のように問題点を追及してきました。屋敷林が伐採されてしまうことも、阿佐谷の人間にとってはつらいことですし、杉一小がなぜ水はけの悪い、土壌汚染のあるかもしれない場所に移転しなければならないのか、理不尽に思っている卒業生やその保護者、関係者も多いのです。  なぜこのような理不尽な計画がなされるのかといえば、公共性を無視した手法がまかり通っているからです。区役所が関与するのに、あえて個人共同施行として行い、換地情報を初めとして、重要情報を区民に公開しようとしていません。また、制度の盲点をつくように、区長が申請して自身で認可するという一人芝居は、違法ではないとはいえ、区民に説明できるものではありません。  仮に杉一小の土地と河北病院の用地が売買されるのであれば、不動産鑑定評価が行われ、区の財産価格審議会で審議をされ、最終的に区議会で審議し、議決しなければなりません。ところが、土地区画整理事業というブラックボックスの中で全てが行われるため、不動産鑑定すらも行われず、いわんや、区議会は蚊帳の外。全てが終わってから事後承認するしかないのです。公共の土地の権利移転でありながら、公正さを担保する仕組みが見事に全部外されています。  この事業そのものの公共性自体が極めて低く、そのことは公共減歩4%という数字にあらわれていると一般質問で指摘しました。河北病院と地主さんに対する利益供与と言ってきましたが、いずれ杉一小学校の移転後行われる、同用地を種地とする開発事業に至れば、地元の有力者どころではなく、大手不動産ディベロッパー、大手金融機関が顔をあらわしてくることでしょう。駅前の一等地で140年以上地域の人たちに愛されてきた、地域のシンボルであった小学校を彼らの利益のために差し出すことの引きかえに、区民は何を得られるのでしょうか。  河北病院用地の土壌汚染調査についても質問しました。区は、河北病院が移転するまで土壌汚染調査を行わないと言っています。だとすれば、この土地は汚染のあるものとして扱うことが不動産鑑定の常識であることは何度も指摘してきました。  副区長の言葉をかりれば、掘ってみなくちゃわからない、であるにもかかわらず、換地計画において汚染によるマイナス評価はせずに交換価値を計算する、すなわち普通地として取り扱うというのが区のこれまでの一貫した答弁です。これが地主さん及び地上権を持っている河北病院に対する優遇でなくて何なのでしょうか。  河北病院の土壌汚染について、区長は、風評被害だなどと的外れなことをおっしゃいましたが、河北病院くらいの大きな規模の病院であれば、土壌汚染対策法及び東京都環境確保条例に定められた特定施設等に該当することから、汚染がある前提で関係者が行動するのは当然だと言っているだけのことです。仮にも小学校を建てようなどという者がその程度の心得もないとすれば、とんでもなく危険なことではないでしょうか。  病院の都合で移転をするのですから、病院側から進んで情報公開を徹底し、汚染の有無を含めて逐次状況を明らかにして、区民の信頼を得るよう努めるのは当然のことですが、現在やっているのは反対のことです。わかっているはずの地歴を公開せず、またサンプリングも一切行わない。区の事業パートナーとしての姿勢が問われます。まして、小学校の移転用地です。区は最低限、地歴調査、有害物質の使用履歴情報を求めて、区民に提供すべきです。  土壌汚染を解明しないまま、普通地として換地計画を進めるならば、それはまさに豊洲市場や田町の駅前で行われたのと同じ手法、公共用地を絡めた汚染地のロンダリングにほかならないと指摘します。  阿佐谷の計画については、まちの人たちが次第に問題のあり方に気づき始め、全区的な問題になりつつあります。改めて、計画の全面的な見直しを求めるものであります。  保育園についても質疑しました。  区長は、議会での民営化に反対する意見に対して、たびたび、民営化を否定すれば財政破綻すると発言していますが、本当にそうなのか、数字で確認しました。  質疑では、区立保育園の民営化1園当たりの行革効果は1億円弱という外部監査の報告を確認しました。当該年度実績で約260億円程度の保育予算に対し、1億円では、焼け石に水とまでは言いませんが、全体に大きな影響を与えるというほどの金額ではありません。民営化しなければ財政破綻などという脅し文句を、軽々しく使うべきではないと指摘します。民営化にはもっと別の意図もあるんだろうと思いますが、時間の関係で、これはまた別の機会に譲ります。  もう一つは、私立保育園に対する区独自の加算金の問題です。  やはり外部監査の報告によれば、区独自加算は私立認可保育園の運営費の35から40%と大きな部分を占めており、これをやめればほとんどの私立園は経営が立ち行かなくなると指摘されています。私は、この加算金については減らすべきではない、むしろ拡大すべきであると考えています。  しかし、同じ外部監査の意見の中で、独自加算について見直しを求められたことから、区は見直しを行っているとのことです。多くの園では加算金が減額になる可能性が多く、経営への影響を心配する声も聞きます。  区は、民間にできることは民間にと、これまで民営化を積極的に進めてきましたし、また膨大な数の私立保育園を新設してきました。がしかし、それらの園は、国、都、区の負担する公定価格分の公費はもちろんですが、さらに区の独自加算もなければ経営が立ち行かないのです。保育こそは本質的に公共的な分野であることを改めて痛感します。見直しにおいては慎重に行うよう求めます。  産業に関して一言述べます。  質疑では、消費税のインボイス制度について伺いました。産業部門がこの問題にほとんど関心なく、危機感を持っていないことは残念ですし、そうでなくても、消費税の引き上げにより商売が厳しくなる中、区内の零細事業者、フリーランスの皆さんの営業を今後守れるのだろうかと心配になります。今後の対策強化を求めます。  商店街の関連では、西荻窪商店会連合会の補助金不正事件の解明も急務です。領収書の偽造は論外ですが、5年前にも都から指摘を受けていた協賛金の取り扱いについて、翌年以降も問題のある取り扱いがされていたことは、区の指導責任が重大と考えます。知らなかったで済まされることではありません。事の露見からおよそ半年がたちました。今後速やかに事実を解明し、責任の所在を明らかにするよう求めます。  このほか、区政の課題はあまたありますが、特に、事業認可が迫る西荻窪の補助132号線問題は重大です。再開発との関連も指摘されているところです。まちづくり全体の中で必要性の有無から検討し直す必要があることを指摘しておきます。
     最後に、やはり一言述べておかなくてはならないのは、ヘイトスピーチについてです。  委員会でも他の委員からヘイトスピーチについての質疑がありましたが、杉並区議会の本会議において、日本に居住する外国籍の方々に対するヘイトスピーチが行われたことは許されることではありません。  本件については、既に議会運営委員会の席上、委員外議員として意見を述べましたので繰り返しませんが、朝鮮通信使に対する侮辱、日本の植民地支配など歴史的事実の否定、何の根拠もなく在日の方々を犯罪者扱いするような発言は、典型的なヘイトスピーチであります。  私は超党派の議員有志の一員として、当該議員に対して発言の取り下げと謝罪を申し入れましたが、きょう現在、御本人からは回答をいただいておりません。真摯な対応を求めるものです。  民族差別を初めとするあらゆる人権侵害を許さないという点では、議員の皆さん、また区役所の皆さんとは思いを同じくしているものと思います。とりわけ、今回の井口議長の迅速な対応に、心よりの感謝を表明するものであります。  今後、杉並区議会において、また杉並区政において、ヘイトスピーチ、人権侵害といったことを二度と起こさないということをかたく決意するものであります。  以上、意見といたします。  終わりに当たり、今回の決算審議に当たり、多くの資料を調製してくださり、また御教示をいただき、さまざまの質問に根気よく答えてくださった職員の皆様にお礼を申し上げます。ありがとうございました。 ○山本ひろ子 委員長  佐々木千夏委員。 ◆正理の会(佐々木千夏委員) 平成30年度杉並区各会計歳入歳出決算について、正理の会として、区民の方々の声を代表し、意見を申し述べます。  一般会計の歳出の執行率は96.7%と比較的高い割合となっており、全体としては、実行計画に基づき着実に事業が進んでいることと確認をいたしました。また、特別会計については、保険料の収入未済額や不納欠損など存在しますが、決算特別委員会での質疑を通し、御担当の皆様方の御尽力により、それぞれの制度趣旨に沿って適切に運営され、30年度決算は健全な財政運営がなされ、認定できると判断いたしました。  ただ、私の質疑の中で申し上げましたが、限られた財源の中での扶助費、生活保護費の増加は、やはり大変気になっております。生活保護制度というのは、生活に困窮する方に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、憲法にもありますが、健康で文化的な最低限度の生活を保障する我が国の制度、そしてその財源は私たちの血税であり、この生活保護制度については、区民の方々が不公平感、格差を感じるようであってはならないと考えております。  神戸市の保健福祉局によると、平成28年度の外国人生活保護受給者は3,389人で、コストとして、人員ベースで約59億円にも上りました。この金額を単純に割り返せば、1人当たり年間174万円、一月では14万5,000円となります。  厚生労働省の平成29年の厚生年金保険・国民年金事業の概況の報告によると、年金支給額は、国民年金が平均月額5万5,000円、厚生年金でも14万7,000円となっています。  年金支給額と比べても、外国人受給者の手厚さが目につきます。しかも神戸市では、外国人生活保護のうち、不正受給とみなされた事案が1,200件もありました。その多くは、文化や習慣の違いなどから、日本の生活保護制度の趣旨を正確に理解できなかったなどの理由があったと思いますが、このような事案が区民の不公平感につながる可能性は否めません。そして、これは見過ごすことのできないゆゆしき問題だと感じております。区で生活保護支給を決定される際には、このようなことにも配慮しながら、細心の注意を払い、受給の可否を決定していただきたく、切に願います。  区民の男性の方より、近所に住む御高齢の方に受給を勧めたが、私はもう老い先短いので、ぜひ子供のために使ってほしいと言い残し、旅立っていかれた方がいると御連絡をいただいております。今は亡き方であっても、これまでの日本、そして区を支えてくださった方の御遺志を反映する区政運営であっていただきたいと切に願います。  最後に、委員会の審議に当たり、誠心誠意御答弁くださった区長初め理事者の皆様方、膨大な資料の作成に御尽力、御配慮くださった職員の皆様方、種々お導きくださいました諸先生方、円滑かつ公正公平な委員会運営に当たられた正副委員長に心より深く感謝申し上げ、私の意見開陳といたします。 ○山本ひろ子 委員長  奥山たえこ委員。 ◆杉並を耕す会(奥山たえこ委員) 杉並を耕す会の奥山たえこです。今回の決算審査でわかったこと、また委員会では触れられなかったことについて述べていきます。  まず、特別区税の収納率が上がったことについては、大変喜ばしいことです。ただし、その一方で不納欠損もふえている。これは、両方は裏表にありますから、不納欠損がふえればふえるほど収納率が上がることにもなります。簡単にはやっていないと思いますし、そういうふうに話は聞いておりますけれども、ぜひ慎重な対応と、そして同時に、税金が払えないということは、かなり生活が困窮しているということですから、その発見に努めてください。福祉のアウトリーチに努めてください。  さて、徴税官、つまり当区では納税課というふうに呼んでおりますけれども、一般的にというか、歩く債務名義と呼ばれています。これはつまり、裁判手続が不要で、差し押さえができるという、物すごい公権力の行使ができるわけです。そうすると、その方たちが区民に接して、滞納整理の、いろいろ、分割納付ができますかとか、いつごろ納付できますかとかいった、そういうやりとりをする間に、どうやらクレームが来ている。というか、かなり厳しい態度で区民から接しられているということが、私の調査で、職員へのヒアリングでわかりました。  委員会の中でも指摘しましたけれども、しかし、具体的な事例を私は聞いておりますけれども、そこでは披露しませんでした。というのは、この今、瞬間もそうですが、全部公開されている。録画で、そしてまた放映もされる。そこで話すことで、それをまねる人が出てはいけないという、そういう思いからであります。  そのことも踏まえて、委員会の中では所管課に、対応ができないのかというふうに聞きましたが、庁舎管理のほうは少し進展した答えがありましたけれども、人事課のほうは、名札については要綱で定められているというふうな、そんな答弁でありました。しかし、杉並区職員名札着用要綱を見てみれば、3条は、名札着用を免除する場合があるんですが、そこには、ワイルドカードといいますか、つまり、いろんなことに使える条文が入っておりまして、4号ですね、特に人事課長が認めた場合には名札の着用を免除することができる。それからまた、名札としても、今はこんな大きなカードで写真つきになっておりますけれども、昔はまた違う形のを使っていました。  私、答弁を聞いていて、全然危機感が違う、温度差があるということがわかりました。この後、ぜひ職員に直接聞いてください。私、今回の一般質問で、なかなか課長になりたがらないという話を聞きましたけれども、もしかしたらこういうところも影響しているのかもしれない。大変な仕事です、徴税官は。そういう意味では、そこはぜひ取り組んでください。  それからあと、そのことに加えて、当区には納付センターがあります。お電話で、お忘れではありませんかとかけるだけです。徴税官とは違いますから、公権力の行使はないので、いついつお支払いしていただけますかとかいったような話は全然しません。それでもかなり厳しい電話のやりとりになっているということも、私は担当の職員から聞いております。納付センターは民間委託されている方々ですけれども、その方々にも、例えば勤続年数はどのくらいなのか、どんどん人がかわっているのではないかとか、それからどんな内容があるのかとか、そういったこと、もしくはそういったことについて委託されている人の中で、こういう言い方をされたんだけれども、そしたらそのときはこういうふうな言い方で返したらどうかしらとかいった、そんなことができるように、ぜひそのヒアリングもしてください。  次です。保健センターの総合管理の入札についてお尋ねをしました。金額を述べていただきましたけれども、大変不思議な入札結果でありました。1位から12位が3,142万5,700円という金額で、同額です。700円のところまで12者が同額。それからそのあと、7者がまた同じ金額で、同額です。電子入札で何でこんなことになるのか、本当に不思議です。もちろん、区がばらしているわけでは全然ありません。  とすると、私が委員会の中で言ったのは、大体もう札を入れる人たちはわかっている。常連さんが大体入れているから、そこで話し合いをしているのかなと私は邪推するわけですが、残念ながら根拠はありませんけれども、それに対して対応策を尋ねたところ、過去の区民センターの入札において総合評価方式を採用したことがある、そういうことが答弁としてありました。ぜひそういったことについて研究をしていただきたいと思います。  それから、公契約条例の制定を目指しているということで、これは大変喜ばしいことです。そして、公契約条例のかなめはやはり賃金です。アメリカのリビングウェッジ条例、生活賃金条例というのがもともとの出典になっておりますけれども、生活賃金とは幾らかといったことについては、これはなかなか定義が、実はありません。判例も外国でありますけれども、定義はありませんが、少なくとも最低賃金ではないはずです。  例えば時給1,000円、今回東京都は超えましたけれども、時給1,000円で1日8時間、22日間働いた場合には、17万6,000円が額面です。手取りで15万円ぐらいになるでしょう。この金額では本当に暮らせないです。生活できない金額です。そういった意味でも、賃金のことは大変重要です。公契約条例にはぜひともそこをきちんと盛り込んでください。  そして、それにあわせて、先ほど入札の方式について伺いましたが、政策入札にもぜひ取り組んでください。例えば男女平等をちゃんとやっているかとか、男性の育休がとりやすくなっているかとかいった、そういったことも入札の中に入れていくことで、区が実現しようとしている政策を実現することができます。それが政策入札です。そういったこともやってください。  なぜこんなふうに私は賃金、賃金とうるさく言うかというと、例えばさっきの保健センターの入札ですけれども、質疑の中で、過去5年間のうちに3回入札があったんだけれども、その幅が400万円にも上ると言いました。そうすると、それは必ずや人件費に反映してくるわけです。そしてまた、低い賃金では働けないから、結局人がかわるなど、そういう事例がきっと起こると思います。これは区民サービスの低下です。  それからあと、区民センターの窓口などで働く人は女性が多いですが、また区民が多いと思います。そういった意味でも、区民生活の向上ということにもなりますので、そこはぜひぜひ力を入れていくようお願いします。  次です。住民票のコンビニ交付の金額についてもお尋ねいたしました。コンビニでは、当該年で1枚当たり1,071円、窓口では315円ということでありました。発行手数料は1枚300円ですので、発行の都度、コンビニでは700円を超える赤字になることになります。これほどの赤字を出していいんでしょうか。住民票の発行枚数ですけれども、決算額が1億円弱ですから、大体30万件ぐらいです。杉並区の人口が55万人ですか、それからあと外国人も今住民票ありますから、そうすると、成人に限ってでも、1人1年間に1枚もとっていないということになるわけです。そのことのために、こんなにお金を使うのか。  ちょっと嫌みで言うんですけれども、区では今、施設使用料をどんどん値上げしようとしている。そのときに、受益者負担だとか、それから利用する人としない人の差があると言いますけれども、それであれば、これもそれに当たらないんですか。コンビニ交付を使わない人は、何で、700円以上もその人たちに補助していると同じじゃないかということはないんでしょうか。使い分けをしないでほしいと思います。  あと、区はこういったコンビニ交付をすごく早い段階から始めているんですよ。今は廃止された住基カードを使って、まだほかの自治体ではほとんどやっていないときに、早々とやりました。これは、もとの山田宏区長であったら絶対考えられないことです。本当に残念です。  次です。貧困ビジネスについてもお尋ねしました。貧困ビジネスについては、東京都がいろんなガイドラインをつくっています。無料低額宿泊所の個室にするとか、それから1年以上置かないようにとか、そんないろんなガイドラインをつくっておりますが、それがなかなか守られていない。このことについては、区のほうでもやはり指導してもらいたいと思っています。  それからあと、杉並区では毎年11月に健康相談会をやっています。これは、ホームレスであるとか、ネットカフェに泊まっている人であるとか、住んでいる人であるとか、つまり、決まった住所がないために、区からお知らせが来ないんですね。健康相談会の担当者はわざわざネットカフェも回って、ぜひこういうチラシを置いてくださいと言って、大変御苦労というか、力を入れてくださっていますので、そのことについては私からも感謝を申し上げますし、ぜひぜひそういったことを続けていただきたいと思います。  次です。教員の働き方について、働き過ぎだという声があり、それが今大変大きな話題となっています。ブラックと称されてもいます。  東京都の教員採用試験ですけれども、その倍率は低下傾向にありまして、2020年、来年度の採用となることし2019年の試験は、過去10年間で最も低い倍率でした。3.8倍でした。失礼な言い方になるかと思いますけれども、教員の質が確保されるのかどうか、それが気になります。  質疑では、部活についてお伺いしました。顧問を担当していない教員もいるということで、それに対して不満の声が出ているという大変明確な答弁がありました。ということは、顧問をやっている方は、必ずしも自発的にやっている方ばかりではないということがわかります。そういう意味では、部活指導員の導入に早く努めてください。  次です。阿佐ヶ谷駅北東地区開発で、今回はけやき屋敷の緑の保全についてお尋ねしました。その根本法令である都市緑地法の3章の内容について尋ねたところ、緑化地域として制限するとのことでした。私が、保全じゃないのかと指摘したところ、そのとおりですと答弁を修正しました。また、その答弁の中では、都市緑地法の解釈は区の権限ではないとの発言もありました。意味がわかりません。担当者、お仕事大丈夫ですかね。  それから、私は法を根拠に、なぜ25%を上限とするのかと尋ねていたのですが、地区計画で定めた、定めたというふうに繰り返しておりました。そして、私の問いには答えないで、今度は、都が緑地条例を定めたら、それは25%が上限になると言いました。それは知っていますけれども、そんなこと聞いてないですよ。杉並区には緑地条例はないんですから。そういうふうに言って、結局、私の質問に直接答えないということが繰り返されて、私の貴重な質問時間が終わってしまい、私は、予定していた3つ質問のうち、最後のができなかったんです。議員が質問できるのは、議員しかできないんですよ。そのために私たちは選挙で戦ってきたわけです。その質問権をないがしろにするということは、区民をも冒涜することになります。強く抗議するとともに、次はそんなふうにはいかないからねと宣言しておきます。  防災まちづくりについても一言言っておきます。  当区は2カ所、阿佐谷南と高円寺南、それから方南町の木造密集地域の解消を目指しています。当該年度では大きな進展がありました。高円寺南3丁目に、広くはないんですが、防災機能を持った公園が開設されたのです。ただ、この土地は、大学の寮があった場所であって、個人ではありません。当該地で何とか公開空地、そして延焼遮断帯として公園を設けたいんですけれども、なかなか土地を取得することができません。それは金額が折り合わないということもあるんですけれども、区は情報入手が完全に後手に回っているんです。建築確認申請が来たときでは全く遅いわけですよ。地域の方に聞いてみれば、かなりいろいろ知っています。御近所のあそこのところは、もうそろそろ出ていくそうですよとか、もしくは相続が発生したとか、そういったことも含めて、いろんな情報をお持ちです。情報収集に努めてください。それから、もちろん、土地所有者へのお知らせ、周知にはもっと努めてください。  それから方南町のほうですけれども、防災まちづくりの会議体が、当該年まで発足しておりませんでしたけれども、今年度になってやっと始められそうだというふうなうれしいニュースもありました。これもぜひ頑張って進めてください。  それから銭湯について、私も少し言っておきます。  まず、所管である区民生活部には、銭湯の予算そのものがないです。きのうは10月10日、銭湯の日だったので行ってきたら、タオルをもらいました。私は、三十数年来というか、生まれてから一度もお風呂のある部屋に住んだことはないんですけれども──別府出身なので、銭湯なんですよ。それからあとアパートでは、風呂なしのアパートを選んでいるんです。そのほうが安いから。  区内を回るときにもなるべく風呂セットを持っていて、入るようにしているんですけれども、物すごく人は少ないですよ。二、三人とか、私1人なんてこともある。それから、阿佐谷北のほうにある、五差路の近くの銭湯ですけれども、サウナがあったんですよ、男性、女性。女性サウナが故障したら、その後復活できない。最近サウナがブームですけれども、ないんですよ。もう大変です。今やっと20軒残っているそうだけれども、まだこれからも減ります。そういう感じですので、本当に公共財ですよ、銭湯は。私、自分の我田引水で言っているんじゃなくて、本当に、今守らないと、またどんどん減ってしまいます。  最後に、ヘイトスピーチについて、私も言っておきます。  大変な発言を、しかも本会議で聞いたということは、今考えても信じられない思いです。あれをどうしてとめられなかったのか。議場に、ここに駆け上がってとめたいぐらいな思いでした。実は昔、横浜のほうで、議場に駆け上がって日の丸を引き下げた議員がいて、その人は除名されちゃったんですよね。それからあと、私、議事録の署名議員でもあるので、抗議の退席もすることができませんでした。しかし、ヘイトスピーチは絶対に許されない。これからも厳しく言っていきたいと思います。  最後になりますけれども、資料を調製してくださった職員の皆さん、ありがとうございます。答弁については、1点、先ほど抗議をいたしました。そのことについては、その方も含めて、職員の皆さん、本当にありがとうございます。今後ともよろしくお願いいたします。  それで、認定第1号平成30年度杉並区一般会計歳入歳出決算、そして、ほか認定2、3、4、5号、全てについて、不認定といたします。 ○山本ひろ子 委員長  堀部やすし委員。 ◆無所属(堀部やすし委員) 決算審査の締めくくりに当たり、平成30年度杉並区各会計歳入歳出決算の認定に反対し、以下、他会派との指摘内容の重複を避けつつ、その問題点を指摘するものです。  第1の問題点は、債権管理の不適正です。  特に参加資格のない企業が、杉並区中小企業勤労者福祉事業、通称ジョイフル杉並に長年参加を続けていた条例違反について、いまだに後始末が終わっておらず、多額の債権回収を怠っていることは問題です。  2018年3月末まで存在していた杉並区中小企業勤労者福祉事業に関する条例は、杉並区の勤労者福祉事業を利用することができる者は、区内に主たる事業所または事務所を有し、常時使用する従業員の数が300人以下の中小企業の従業員などとなっていました。しかし、杉並区外でパチンコ・パチスロ店等を経営しているサンキョー株式会社は、これらの要件を満たしていなかったにもかかわらず、ジョイフル杉並に参加し続け、利益を受けていたのです。  この事実が長きにわたって発覚しなかったのは、こちらが繰り返し求めてきた情報開示を区が拒否してきたためで、これにより損害は拡大することとなりました。あからさまな条例違反であったことから、当該企業は脱退となり、管理職3名にも懲戒処分が行われましたが、その後、区長は必要な措置をとっておりません。遅くとも2011年7月以降、条例違反の状態となったことは明白であり、その結果として不当利得が発生したことに疑いの余地はありませんが、区長は今なお返還請求を怠っているのです。  当該企業は、2011年7月、杉並区から川口市に本店登記を移転させました。杉並区内では、本業であるパチンコ・パチスロ店を展開しておらず、当該企業は名実ともにジョイフル杉並に参加できない企業となりました。しかし、当該企業はその後も脱退することはなく、2017年10月まで参加し、利益を受けていたものです。悪質であるのは、かつてジョイフル杉並を運営していた天下り外郭団体が2012年3月に解散となり、区直営事業として事業を引き継いだ際、当該企業が継続参加の申し込みをしていた点です。  当該企業が作成し、2012年3月14日付で提出されている継続確認書には、みずからの事業所所在地を「杉並区」と記載した上で、区長に対し、2012年度から杉並区が行う中小企業勤労者福祉事業に継続して参加を希望する旨の記載がありました。2011年に本店移転登記を行ったものが、2012年に区内企業であると偽って参加申し込みをし、その結果サービスを受けていたわけです。  こうした内容虚偽の文書を行使したことにより、当該企業はジョイフル杉並に参加し続けました。当該企業が届け出ていた主たる事業所の所在地は第一種低層住居専用地域であり、そこには、主たる用途が住居と判断するしかない建物が建っていました。数多くのパチンコ店等を経営する遊技業の本拠としての実態がそこにあるとは到底言いがたく、900人以上の従業員を雇用するアミューズメント企業の主たる事務所、事業所と判断することのできる建物はそこにはありません。  当該企業からの参加者は、2013年以降は300人を超えるようになり、参加人数における条例違反状態も、2014年度以降、もはや動かしがたい事実となっていました。2016年第2四半期には、その数は372人にまで膨れ上がっていましたが、そのまま参加し続け、条例が定めていた常時使用する従業員の数が300人以下の中小企業との要件も、完全に無視していたわけです。  当時、ジョイフル杉並全体の参加者数は約3,000人でした。すなわち、参加者総数の1割超が当該企業の従業員で構成される異常な状態にありました。これほど多くの不正参加者のために区の公費が投じられていたことは、驚愕の事実です。こちらが繰り返し情報提供を求めても、区がなかなか開示せず損害を拡大させたことは、信用失墜行為を超えて、重大な背任行為でありました。  その後、ジョイフル杉並は廃止となり、事業は東京広域勤労者サービスセンター、通称フレンドリーげんきに移行されましたが、当時の債権はまだ区に残っています。私の算定では、その金額は、ジョイフル杉並が区直営となった2012年度以降だけでも計6,000万円を超えており、それぞれ年5%の利息を含め、支払いを求めていかなければならないところ、区長はこれを怠っているのであります。  なぜこんなことになっているのか。当該企業の代表取締役は、パチンコ・パチスロ業界の大物であります。この夏の参院選においても、民主党、民進党からくらがえして自民党公認候補となり、落選した尾立源幸氏の遊技産業後援会長として、積極的に政治活動、選挙活動に関与されていました。  なぜ参加資格もないままジョイフル杉並への継続参加が見過ごされてきたのか、田中区長とはどのような御関係であるのか、依然として謎は深く、真相解明が必要であります。  第2の問題点は、内部統制の欠如を原因とする不正行為の多発です。  第1に、補助金の不正受給です。  具体的には、ハロー西荻及び西荻おわら風の舞で発覚した不正受給から事態が拡大している問題です。東京都の商店街イベント補助事業であったハロー西荻及び西荻おわら風の舞において、偽りその他不正の手段により補助金の請求が行われていたとの理由で、東京都は、過去5年にさかのぼって、区への補助金交付決定を取り消す深刻な事態となりました。領収書偽造や協賛金未計上など、弁解の余地がなく、受け入れるほかない決定でありました。本件は、2014年にもハロー西荻で同じように指摘を受けていたものであり、再発事件というべきで、軽過失と評価することはできないものです。  区は東京都から、違約加算金を含め2,423万円余の返還請求を受けましたが、事態はそれにとどまっていません。指定期日までに支払いを済ませているにもかかわらず、2018年度分、すなわち当該決算年度分の全補助事業について、さらに東京都が念入りに立入調査に入るなど、事態は拡大の様相を見せています。  検査の結果、都から返還を要する可能性があると指摘を受けたと区が受けとめた事業は8事業。区民生活委員会で検査結果を報告するよう求めたところ、それら過去5年間の補助総額は1億9,347万6,000円であったことが明らかとなりました。これらの全てについて返還を要することになるか否か、現時点で判断できませんが、他の議員から高円寺びっくり大道芸の実態が明らかにされたように、現状では全く予断を許さない状況です。  見過ごせないのは、杉並区の要綱には、都から違約金、延滞金を請求された場合に、これを商店会側に請求することを可能とする約定が存在していないということです。すなわち、都が都要綱に基づいて、年10.95%の割合で計算した違約加算金を請求してきたとしても、これを商店会側にそのまま請求できる根拠がないということです。  ほとんどの自治体で要綱上に違約金の定めを置いているにもかかわらず、なぜ杉並区の要綱には違約金の定めがないのか。複数年にわたって補助金交付事務を担当していた職員が、なぜ誰もが目にする花がけを把握していなかったなどと不自然なことを言っているのか。過去にも都から指摘を受け、補助金返還しているにもかかわらず、課題が放置されてきたのはなぜなのか。詐欺罪などの疑いが濃厚である中、今なお捜査機関に刑事告訴はおろか、被害届の提出さえも行おうとしていないのはなぜなのか。これでは共犯関係が疑われても仕方がありません。事態は深刻です。  まずは、都に支払った違約加算金など、商店会側に支払いを求めることができない部分について、国家賠償法1条2項に基づき、区長に求償するとともに、刑事告訴に向けて手続を進めなければなりません。厳格な対応を求めます。  第2に、契約事故です。  特に、箱根植木が受託していた学校教育施設芝生維持管理支援委託業務における債務不履行には驚かされました。具体的には、区に報告書を提出するに当たって、必要な副校長の確認署名や確認印を、カラーコピー等を使って不正に作成していたものです。明らかになったところで、2013年以降繰り返し偽造が行われ、その数や4校で計140回にも及んでいたとは、驚きあきれるほかありません。  なぜ繰り返し偽造報告書を提出しなければならなかったのか。誠実に業務を遂行していたのであれば、このようなことが起こり得るわけがなく、債務不履行の疑いが濃厚です。これは単なる文書偽造だけの問題と考えることはできず、しかもその回数の多さから見れば、軽く考えることはできません。  しかし、当該業者は2カ月の指名停止で終わりました。本件の場合、標準的な指名停止期間は3カ月とされていますが、過去の履行成績が良好との理由で軽減されたわけです。その結果、指名停止は本年1月25日から3月24日までにとどまり、本年度もまた当該業者は、何事もなかったかのように契約が継続されています。仮に標準の3カ月とされていたならば、本年度は契約できなくなる可能性もあるところでしたが、ここに当該企業に配慮する意図がなかったと言えるのか、非常に疑わしいものです。  別件ではありますが、当該年度は、文書偽造により、区職員が懲戒免職になりました。非常に重い処分です。事件の性質は異なるとはいえ、繰り返された文書偽造という意味では同じでした。これとの対比で、本件において指名停止期間が標準より短縮され、契約が継続されたことには強い疑問を感じないわけにはいきません。箱根植木の代表取締役が田中区長の古くからの有力後援者であることと関係があったのではないかと感じた者は、私だけではないはずです。  本則である入札実施要綱を骨抜きにする臨時措置を10年にもわたって継続し、本来あるべき入札・契約の競争性、公正性が意図的に阻害され続けています。数年前には、解体業務において不自然な入札・契約が相次いでいたことを指摘したばかりですが、当該年度は、造園業において入札の実質が問われる事態が追及されるに至っています。入札・契約における競争性が実質的に機能していないことにより、ほぼ継続的、固定的に区から仕事を受けている業者が目立ちますが、その結果として、業務遂行に緊張感がなくなっていることは見過ごせません。  区内業者への配慮を図るとしても、一定の競争性を確保することは当然の前提でなければならず、それこそが健全な区内業者の育成に資する正しい姿勢というべきです。単なる保護政策の継続で区内業者の経営体力がつくなど、あり得ません。過去の臨時的緊急措置要綱を引き継ぎ、さらにそれを拡大した現在の臨時的措置要綱については、廃止を基本とし、地方自治法が定める大原則を遵守した発注を行わなければならないことを改めて強く指摘するものです。  第3に、学校現場における経理事故です。  当該年度は、西田小学校で横領事件が発覚しました。具体的には、事業者に現金を要求し、物品購入の際、契約金額に上乗せして請求させる方法により区の財産を横領したというものです。また、学校で使用する物品購入の際、私的に使用する物品を上乗せして契約し、横領したことも明らかとなっています。職員は懲戒免職、納品時の確認を怠っていた校長、副校長も戒告となっています。同様の横領事件は、2014年に東田中学校においても発生しており、これも再発事件となります。  しかし、この件について議会報告はなく、何事もなかったかのように過ぎ去っています。文教委員会の各委員には個別に情報提供したとのことでしたが、文教委員会のオフィシャルな会議において報告が行われることはなく、まるで臭いものにふたをするかのような扱いになっています。区にとって不都合な事実は公の場で報告しないといった姿勢は問題です。特に本件は、教育内容に立ち入る問題ではなく、学校財務にかかわる重大事件であって、その予算も決算も明確に議会の議決対象であります。したがって、これらに係るコンプライアンス違反などは全て報告させるのが基本であり、議会においても厳格に対応していかなければなりません。  本件は、学校備品に係る公費会計で発生した事件であったことから、事後検証が可能であったと言えますが、もしこれが私費会計で発生したらどうであったか。特に学校給食費、つまり食材購入のように、食べてしまった後になっては事後検証が困難であって、5年前にさかのぼって真相究明することは絶望的というべきです。地方自治法等の一部を改正する法律により、地方自治体も、内部統制に関する方針の策定及びこれに基づき必要な体制の整備を進めていかなければなりませんが、現状のような対応と曖昧な仕組みのまま内部統制体制を構築するなど、まともな発想ではありません。  特に区立学校では、公費会計のほかに、会計管理者が一切関与しない総額16億円を超える私費会計を扱っています。別の言い方をすると、校長が総額16億円といった規模の資金を私人としての立場で管理、保有しているということです。  今般の一般質問の際を含め明らかにしたように、現在の学校財務のあり方は矛盾が多く、その結果、経理事故が絶えません。私費会計としていることで、正確な受益者負担比率の算出にもつながっておらず、財務書類の完全性はおろか、地方自治法が定める総計予算主義の原則をも骨抜きにされています。特に、複雑で巨額となっている学校給食費については速やかに公会計化を図るなど、課題を抜本的に解決に導くよう、改革の促進を強く求めるものです。  第4は、条例違反の委員構成により開催されていた財産価格審議会です。  区が買収する土地建物などの適正価格を評定する財産価格審議会は非公開で開催されており、かつ、その会議緑を確認しても議論の経過がほとんどわからないものとなっており、かねてより問題視されてきました。このような中で、委員となる要件を満たしていない者が委員に就任していますが、要件を満たしていない以上、その者に支払われた報酬には支給の根拠がなく、不適法であります。  杉並区財産価格審議会条例3条を確認すると、「審議会は、次に掲げる者につき区長が任命又は委嘱する委員10名をもつて組織する。」とあり、学識経験者5名、区に勤務する職員5名と定められています。しかし、実際には、学識経験者以外が過半数を占める条例違反がまかり通っています。区職員5名は、これはそのままですが、区議会議員2名、都職員1名、その他2名といった10名の構成になっております。  土地建物など財産価格について審議できる学識経験者といえば、一般には不動産鑑定士などが思い浮かびますが、杉並区の財産価格審議会には、不動産鑑定士はどうやら1人も含まれておらず、区議会議員などがその肩書で、学識経験者の枠で委員を務めている始末です。議員は公選であることから、民主的正統性を持ってはいますが、議員として選任される以上、学識経験者として選ばれているわけではなく、あくまで民意の体現者として参画すると解するしかありません。これは、監査委員なども、地方自治法において、識見を有する者と議員とは明確に区別されていることからも明らかです。  問題は、このような不適正な委員構成が、財産価格審議会の答申に影響を与えている可能性があることです。  例えば東京都の財産価格審議会は、学識経験者11人以内、東京都職員4人以内の計15人以内と条例上定められていますが、現在の委員は、学識経験者9人、東京都職員2人で構成されています。学識経験者については、不動産鑑定士などが中心で、当然に議員は含まれておらず、銀行員や行政機関の職員までをも学識経験者とするような人選も行われていません。不動産鑑定士が不当な鑑定評価等を行った場合、国土交通大臣が懲戒処分を行うなどの措置が用意されていることもあり、その評価には一定の信頼性が確保されているということができます。  しかし、区職員や区議会議員はそうではなく、さらに財産価格審議会の会議は非公開とされていることから、仮に不合理な見解や判断を示したとしても、その責任が追及されることはありません。  財産価格審議会が区職員と議員で過半数を占める中、密室で開催されている現状には、大きな問題があります。事前に不動産鑑定士による不動産鑑定評価が行われた上で諮られている案件は別と言えますが、それ以外の財産価格評価の正当性は、この現状によって大いに揺らいでいます。当該年度についても、強制的な用地買収を伴うことのない単なる木造建物の購入であった荻外荘移築建物に係る財産価格評価などは、到底追認できるものではありませんでした。速やかに条例違反状態を是正しなければなりません。  第5に、シルバー人材センターで発覚した不正行為に対し、真相を究明することなく、安易な和解を行ったことも不可解です。  区が杉並区シルバー人材センターに管理を委託していた複数の自転車駐車場において、長きにわたり受領した使用料の一部を区に納入せず、私的流用している不正行為が明るみになりました。区長選挙の直前の5月のことでしたが、その事実は、区長選挙が終わった後の7月まで伏せられ、発表されることはありませんでした。  この間には杉並区議会第2回定例会も開会されていましたが、ここで議会に報告されることもありませんでした。7月に発表された際には、既に区とシルバー人材センターが和解した後でありました。横領の嫌疑がある中で、速やかに事実を公表することなく、和解するまで隠し通したことの背景に何があったのか、疑問が尽きません。  複数の自転車駐車場において発覚した不正でしたが、その中には、不正行為の端緒や期限さえ解明されていないものもありました。余りにも安易な和解であって、あたかも、これもまた臭いものにふたをするような対応をしており、肯定的に受けとめることはできません。  シルバー人材センターには、区が毎年約1億5,000万円の補助金を交付しており、区の監査対象団体です。本来であれば、監査委員が事案の解明に役割を果たす必要がありましたが、現在の代表監査委員がこの外郭団体の常務理事を務めていた時代の不正行為であったためか、その期限や総額さえ十分に解明されないまま早々に和解が図られ、闇に葬られたのではないかと疑われても仕方がないものです。
     以上、当該年度に発生または発覚した5つの問題は、いずれも今後の内部統制のあり方を考える上で見過ごせない問題ばかりです。民間企業の場合は、全体として問題がないことの保証で十分とされていますが、強制徴収されている税によって維持される自治体の場合、適正に行われた監査の結果、問題が発見されなかったというところまで求められます。税を使っているがゆえに、民間のように、配当や業績判断に影響しない限り重要なことではないと放置することは許されません。来年4月に控えた法改正に伴う新たな内部統制の運用開始に向け、くれぐれも対応を怠ることのないよう要請するものです。  第3の問題点は、施設再編の現状に基本方針との乖離が見られ、施設老朽化が進む中でその矛盾がさらに拡大し、将来不安が増していることです。  区立施設再編整備計画が基本方針どおりに進行しておらず、区立施設の延べ床面積が増加傾向にあることや、築浅の施設を次々に固定資産台帳から除く結果を生み出していることも、将来の財政負担が重くなる要因であり、再考しなければなりません。  そもそも施設再編が必要とされた理由は、区内には昭和の高度成長時代に建設した施設が数多く存在し、老朽化が進んでいる中で、全て同じように建てかえることができないためであったはずです。ライフサイクルコストから考えるとき、施設は一般に初期建設費の3倍から4倍の維持管理コストがかかるものです。したがって、少子高齢化の進行に伴い、従来より担税力が低下すると見られる今、今までのように延べ床面積をどんどん拡大することは慎まなければならず、施設の多機能化、複合化、長寿命化などを図ることにより、施設の規模の抑制が必要とされてきました。  しかし、現実はこのとおりに進んでいません。このたび竣工となった小中一貫校高円寺学園は、延べ床面積約1万8,400平米という巨大な校舎となりました。高円寺中、杉八小、杉四小の3校統合によるものとはいえ、杉四小は築浅で施設としては残ることから、今後解体し、固定資産台帳から除かれるのは2校の1万1,000平米です。したがって、新校舎の誕生により、延べ床面積は従来より7,000平米もふえている計算になります。  児童館機能などが新たに入るのだとして、これを正当化する説明がありましたが、旧児童館は1館500平米前後であって、仮にこれを肯定したとしても、当初の理念や基本方針を考えるとき、これほどもの規模拡大は、矛盾以外の何物でもありません。至近距離に築27年の旧杉四小の施設が残ることを考えれば、ここまでの規模拡大は必要なく、特に、中途半端に設置した屋上プールなど、本当に必要不可欠なものであったと言えるのか。杉並区の区立施設は延べ床面積の半数が学校であることを踏まえ、今後は、より慎重に検討を進めなければなりません。  本年度より適用している新たな財政運営ルールにおいては、今後の改築は従前の95%の延べ床面積とすることで持続可能な財政を実現するとされています。本年度の補正予算(第3号)で予算計上された阿佐谷地域区民センター等の移転整備では、早速これを無視し、規模を維持、拡大させていますが、将来世代の財政負担を考えるとき、容認できるものではありません。将来負担を考えれば、95%などは相当に甘い水準であり、この程度も守っていけないのは、単に現役世代の都合を優先しているにすぎないと言わねばなりません。  特に、阿佐ヶ谷駅北東地区まちづくり計画により、当該地区では容積率の緩和が見込まれています。現在は白紙とはいえ、改めて再開発といったことも考えられるところです。この駅前に建設される高層ビルに産業商工会館を入れる予定もある中、現在よりも後背地に移転する地域区民センターの規模が従前とそのまま同じように考えることが果たして妥当だったのか、いま一度よく考えなければなりません。  施設再編については、長寿命化により、使える施設は築80年まで使用することを打ち出しながらも、実際には築14年の施設を手放して重複投資を行った事例、築29年の施設を解体した事例、見切り発車で進めた再編作業を途中で頓挫させ、2億円を無駄にした事例など、合理性を欠いたものが相次ぎました。長期最適、全体最適と言いながら、これまでの施設再編は、将来の財政負担を考慮し計画的に取り組んでいるとは言いがたいものが少なくありません。一体何のために施設再編を進めているのか、改めて原点に立ち返らなければならないというべきです。  第4の問題点は、不適法な人事評価及びこれに基づく給与支給が継続されていることです。  2016年度より、地方公務員も従来よりも厳格な人事評価を行うことが求められるようになりました。現行地方公務員法23条の2は、第1項で「職員の執務については、その任命権者は、定期的に人事評価を行わなければならない。」と定めるとともに、2項で「人事評価の基準及び方法に関する事項その他人事評価に関し必要な事項は、任命権者が定める。」とされています。  人事評価権限が任命権者のものであることは法定事項です。区議会事務局であれば議会の議長、監査委員事務局であれば代表監査委員が任命権者であることは、地方自治法が明確にしているところです。これを勝手に変更することは許されません。  しかしながら、杉並区職員人事評価規程3条2項は、次のように定めています。「区長から教育委員会、選挙管理委員会若しくは監査委員又は区議会(以下「行政委員会等」という。)の事務に従事することを命じられた職員であって、教育委員会事務局、選挙管理委員会事務局若しくは監査委員事務局又は区議会事務局において部長(担当部長を含む。以下同じ。)、課長(担当課長を含む。以下同じ。)その他これらに相当する職にあるものの人事評価は、当該職員の勤務の状況及び当該行政委員会等の任命権者の意見を参考にして行うものとする。」  人事評価権限は任命権者のものでありながら、この内規によれば、任命権者の意見は参考にするとしか書かれておらず、実際には別の者が人事評価を行うことを明確にしているのであります。  それでは、誰が人事評価を行っているのか。人事評価規程は、副区長と定めるとともに、その10条において、区長が、「報告された評価結果が適当でないと認めたときは、当該報告をした者に対し、再度評価をし、又は調整することを命ずるものとする。」と定めています。 ○山本ひろ子 委員長  堀部委員、質問の途中ですが…… ◆無所属(堀部やすし委員) 要するに、監査委員事務局長も区議会事務局長も、最終的には区長が人事評価をしているということであります。 ○山本ひろ子 委員長  堀部委員、通告の時間を過ぎておりますので、そろそろ意見をまとめてください。 ◆無所属(堀部やすし委員) 私は時間を通告した覚えはありません。  地方公務員法23条2項は、「任命権者は、人事評価を任用、給与、分限その他の人事管理の基礎として活用するものとする。」と定めています。  今日では、人事評価が公平公正な処遇を実現するための基礎資料となり、その処遇も人事評価によって大きく変わります。人事評価権限のない者が人事評価を行い、それが給与に反映されれば、その支出に違法支出の疑いが生じることを自覚しなければなりません。  杉並区職員人事評価規程は、その1条において、「地方公務員法第23条の2第2項の規定に基づき、職員の人事評価を公正に実施し、人事評価に基づく人事管理を行うことにより、職員の職務の遂行能力の向上及び育成に資することを目的とする。」とされていますが、その実態は、地方公務員法や地方自治法の定めを無視した内容となっているのです。  任命権者ではない者が最終的な評価権を握り、それが各自の給与に反映されているなど、法の支配に対する重大な挑戦であり、全く認められません。任命権者でない区長が議会事務局や監査委員事務局の人事評価を実質的に行っている実態は違法であることを、改めてここで強く指摘しておきます。  フェアで透明度の高い杉並区政の実現には、適法かつ公正な人事評価の実施が必要不可欠です。議長が1年で交代し、議長としての実務経験を十分に積まないまま次々にポストをたらい回しにしてきたことによって、議会は、その人事を見ても、区長の好き勝手に懐柔されてきました。こんなことは一刻も早く改めなければなりません。組織の独立性は、まず人事からであります。その独立性なくして監査の独立性も議会の自律性も担保されるわけがありません。  議長の任期と議員の任期が同じであることは、地方自治法が明確にしていることであり、議選の監査委員もこれは同じであります。法改正による内部統制の本格運用が始まる今後は、議長も監査委員もその任期を全うし、その職責を十分に果たすよう強く要請するものです。  さて、時間の関係でこれ以上述べることはかなわなくなりましたが、このほかにも医療制度、医療保険制度改革への対応に課題があり、データヘルス計画の進捗状況も順調とは言いがたく、本格スタートした保険者努力支援制度においても、本来獲得可能な得点を落としていることなど、見過ごせないものがあり、特別会計を含め、各決算の認定に反対いたします。(発言する者あり)  審査に先立ち、多くの職員の皆さんから資料を御提供いただきました。この場をおかりいたしまして感謝申し上げ、討論を終わります。  委員長、やじにも注意していただきたい。 ○山本ひろ子 委員長  昨日私は、委員会の意見開陳について20分程度とお願いしておりましたので、時間で、意見のまとめを言わせていただきました。(堀部委員「20分程度にしていますよ」と呼ぶ)28分になっております。  それでは、田中ゆうたろう委員。 ◆美しい杉並(田中ゆうたろう委員) 美しい杉並の田中ゆうたろうです。平成30年度杉並区各会計歳入歳出決算について意見を申し述べます。  まず、2年連続で待機児童ゼロを達成したということを声高に杉並区は言われておりますけれども、私が従来主張しておりますとおり、これだけ無計画に乱造すれば、待機児童ゼロ達成は当たり前のことで、評価に値しない、むしろ保育・幼児教育の質の低下を招いたと指摘をしておきます。  また、区の財政の悪化も明らかであります。3年連続、経常収支比率80%超えという結果に端的にあらわれていると指摘をさせていただきました。  また、高齢者施策でありますけれども、令和4年度以降も待機高齢者の増加が見込まれるにもかかわらず、区域外特養について、はかばかしく話が進んでいないということがわかりました。せっかく、遠過ぎるとはいえ、南伊豆での経験を持つ唯一の自治体であります杉並区が東京都知事との関係構築に失敗をしているということは、大変残念であります。  また、ほかにも防災やまちづくりなどなど、東京都との連携が必要な諸課題は山積しているにもかかわらず、個別面談の呼びかけに応じない。大変そのことによって、区長の負のパフォーマンスによってこうむる我々杉並区民の不利益にも、いま一度思いをいたしていただきたいと思います。  行政の無駄遣いにつきまして、監査に対して、いま少ししっかりと腰を据えて取りかかっていただきたいというふうに思います。これはこの後また述べますけれども、今回は保育施設につきまして、指定管理者に相当のところを丸投げしてしまったということが明らかになったようでありますけれども、ぜひ、保育施設に限らず、指定管理制度そのものについて、ほかの指定管理者についても、代表監査委員の御答弁もあったかと思いますけれども、しっかりと目を配っていただきたい、目を光らせていただきたいというふうに改めて要望しておきたいというふうに思います。  では、ちょっと詳しく述べてまいりますけれども、まず、10月2日、3日の質疑を通じまして、私は以下の点を明らかにいたしました。  平成26年度、高円寺びっくり大道芸で補助金の不正受給がなされていたこと、また、杉並区はそれを内密に処理し、不正を隠蔽していたこと、この点が明らかになったと思っております。さらに、杉並区の公共劇場、座・高円寺の指定管理者がこの不正に深くかかわっている疑いについても追及をいたしました。  私は、この杉並区議会でかねがね、西荻窪商店会連合会のハロー西荻、西荻おわら風の舞につきまして、既に明らかになっている補助金の不正受給につきましては、中心人物と思われる富本卓前区議会議員、自由民主党杉並総支部元幹事長を、ぜひとも調査を行っていただきたい、参考人招致する必要があると思っております。そのことは申し上げておきましたけれども、今度、高円寺びっくり大道芸、これも区の答弁で、都や区の検査を経て、現在検証中であるということがこの間明らかになったわけでありますけれども、今後の検証結果を待つよりほかないということでありますけれども、高円寺びっくり大道芸につきましても、やっぱり富本さんと同じように、鍵を握っているというふうに思われる人物があるんですね。  これは公式パンフレットに掲載もされておりますけれども、高円寺びっくり大道芸総合プロデューサー・橋本隆雄氏という方でありますけれども、この方が恐らく、高円寺びっくり大道芸における出演料をきちんと支払ったのか、あるいはそうでないのか、西荻と類するような問題があるのかということの鍵を握っているというふうに思われますので、ぜひ、富本氏の参考人招致と並んで、この橋本隆雄さんについても調査を行っていただきたいと思います。(発言する者あり)黙ってなさいよ。  それで……       〔発言する者あり〕 ○山本ひろ子 委員長  不規則発言は慎んでください。意見開陳を続けてください。 ◆美しい杉並(田中ゆうたろう委員) 意見開陳を続けます。  それで、この橋本隆雄さんというのはどういう方なのかといいますと、音楽、演劇のプロデューサーを経て、現在は大道芸のプロデューサーとして活動しておられるそうであります。座・高円寺の芸術監督であります佐藤信氏とは、世田谷パブリックシアターでの三軒茶屋の大道芸カーニバルを企画してきたということであります。  それで、橋本隆雄さんにしっかりと調査を行う必要があるというふうに私はここで断言をしておきたいんですけれども、座・高円寺につきましても、るるいろいろと指摘をさせていただきました。それで、一般質問のときには、座・高円寺という劇場は必ずしも演劇人の間でも評判の芳しいところではない、中央線に乗っていれば黒テントが見えるというやゆは、つとに演劇人の間で聞かれるところだということを申し上げました。  もうちょっと詳しく申し上げたいんですけれども、私の今手元にありますのは、「建築の大転換」というちくま文庫の本でありまして、建築家の伊東豊雄さんと文化人類学者の中沢新一さんの対談形式で書かれた本であります。  それで、伊東豊雄さんというのは、御承知のとおり、座・高円寺を建てられた方でありますけれども、中沢さんと伊東さんの対話の中にこういうくだりが出てまいります。以下、ちょっと読んでみますけれども、中沢新一さんが、「アングラ演劇という、六〇年代から七〇年代にかけての演劇運動は、必ず『テント』という形をとりました。唐十郎さんの赤テント、佐藤信さんの黒テント。座・高円寺の芸術監督はその佐藤さんですから、まさに黒いテントなんですね。」と、こう中沢さんが言われますと、伊東豊雄さんがそれに応じて、「そうですね。」と答えているんですよ。だから、伊東豊雄さんが佐藤信芸術監督の黒テントというものを意識して、イメージしてあの劇場をつくられたということは、このやりとりからほぼ察せられると思うんですね。座・高円寺というのは、考えてみればみるほど不思議な劇場で、あれ、どうしてあんな黒テントそのものみたいな形になったのか、改めて検証してみる必要があると思っております。  それと、今度、伊東豊雄さんがこういう発言をしております。また読み上げてみます。「小さいころ、田舎の町にサーカスがやってくると、町外れにテントが立つんですね。でも親はなかなか『観に行ってもいいよ』とは言わないんですね。だから、悪ガキの仲間と一緒に出かけていっては、テントの裾を少しめくってみたりしていました(笑)。あのテントの中では何かいかがわしい、とんでもないことが起こっているんだ、という感覚がありました。それで、座・高円寺をつくるときには、そういう感じを実現できないか、と思ったんですね。区立の施設ですから、」ここからが大事なところなので聞いてください。「区立の施設ですから、一般的には、町の人に開かれていて、運営に協力しているいくつかの劇団の名前が見えるようにする、ということを考えるわけですが、あのように閉じて見える建築にすることで秘めやかな何かを感じさせられないかと思いました。」このように伊東さんは述べているわけです。  恐らく、伊東豊雄さんの意匠というもの、建築家として、あの座・高円寺の建物にかけた思いは、現在の指定管理者とか芸術監督によって、残念ながらうまく利用されちゃっているんじゃないかというのが私の偽らざる実感です。このことは、今この場にも座・高円寺の立ち上げというものにかかわられた先輩議員の方々もおられるかと思いますけれども、そのとき、皆さん方、先輩方があの劇場に託された高円寺の夢だとか、あるいは舞台演劇に対する、舞台芸術と地域のかけ橋になってくれよというその夢は、現在無残に打ち砕かれているんじゃないかということを私はここで主張しておきたいし、ぜひ、過ちは気づいたときにはばかることなかれの思いで、御自分たちが、もしかすると思いをかけられた劇場かもしれないけれども、今回も他の委員から…… ○山本ひろ子 委員長  田中委員、議案に対する意見を述べていただきたいと思います。 ◆美しい杉並(田中ゆうたろう委員) 議案に対する意見を申し上げております。  座・高円寺の指定管理者が、私も今回の議会の決算審査に当たって言ったと思いますけれども、補助金の不正受給……(「常識の範囲内で言ってください」と呼ぶ者あり)常識の範囲内で言っているつもりですよ。に深くかかわっている疑いがあると思うから、私はこうして今皆さんにお訴えをしているわけです。ぜひ皆さんには、この私の言葉をどこか記憶の片隅にでもとどめていただいて、そして今後の皆さんのそれぞれの議会での御言論に何かしらの形で私の発言を思い出していただければ、これにまさる幸いはございません。  本題に戻ります。(発言する者あり)いやいや、本題に関係がある。  それで、そのようなことで、結局、今回の決算審議を通じて、西商連の不正の実態も全然わからなかったし、むしろほかにもいろいろあるんだということがわかってきちゃって、ばれてきちゃって、この決算を認定するだけの十分な根拠が、先ほども午前中、他の委員がおっしゃっていましたけれども、欠けるということが実際のところだと思います。  それで、もう一つ言及をしなければならないのが保育の問題でありますけれども、保育の問題につきましては、私は7日の質疑でいろいろとお伺いをさせていただきました。その結果わかってきたことなんですけれども、杉並区が、私の従来の主張であります、育児休業を延長するために保育園に落ちたい親、落ちてもよい親は保育園に落ちやすくすべきだという私の従来の主張が、結果的には実現をしたんだということがわかりました。来年度から杉並区では、育児休業延長で保育園に落ちたい、落ちてもよいという親御さんの意思表示が可能になった。マイナス20点の利用調整指数の変化が加えられたわけでありますけれども、しかし、杉並区はその事実を頑として認めたくないようでありまして、7日の私の質疑に対して、非常に区は苦しい答弁に終始しておりましたし、のみならず、虚偽答弁までもがあったということが、9日の答弁訂正で判明をいたしたわけであります。  7日の質疑で、私は、今秋からの保育施設利用に関する変更の全体について問うたはずですよ。それに対してきちんと答弁をしませんで、幼児教育・保育無償化が最大の変更点などとはぐらかし、あるいは新3歳児クラスの先行入所調整の話題にすりかえて、その上で、しかも全議員にポスティング済みというふうに答えたわけですよ。二重の意味で虚偽答弁であったと、私、厳重にここに抗議する次第です。  それで、私は、昨年の2月16日、第1回定例会で、こういうふうに言いました、議会で。「乳飲み子のうちは手元で育てたいという母親たちの生の声にいっかな耳を傾けず、狂気のごとき認可保育園原理主義の道をひた走りに走り狂って区民の財産を奪った当区のこの間の失政は、返す返すも目を覆わしめるもの」と、このように指摘をいたしました。そしてこの時点で、昨年の2月中旬の時点で、私は、保育園に落ちてもいい親たち、不承諾通知を歓迎する親たちについて、この議会に紹介をしております。皆さんにその話をしております。  ですから、私のそのときの発言を真摯に受けとめていただいて、不承諾通知を期待する層を差し引いた真の保育ニーズの把握に直ちに努めてくださっていれば、保育のあるいは幼児教育の質の維持向上を見据えた、より計画的、効率的な保育施設の整備に向けての保育施策の転換、修正、軌道修正、また抜本的な見直しも可能であったはずであります。この点も重大に抗議をしておかなければならないと思います。  私は、昨年来、育児休業延長に必要な保育所入所の不承諾通知を目的に入所申請を出す、いわゆる保育園に落ちたい、落ちてもよい親について、せめて赤ちゃんのうちだけでも子供と一緒に過ごしたいと思う親御さんの声を聞くよう、たびたびこの議会で訴えてまいりました。そしてやっと令和2年度の保育所の入所選考から、育児休業延長を希望し、保育園に落ちたい、落ちてもよいと考える保護者がその意思を示す育児休業取得・延長確認書が新たにつくられ、「保育施設利用のご案内」に添付されるようになりました。  そして希望者には、利用調整指数を20点減点する新たな仕組み、以下、保育園に落ちたい親減点と呼びますが、かなり大きい制度変更がありました。20点といえば、フルタイム就労の親御さん1人分の基準指数です。つまり、保育の必要性はないと言っているのと同義と言えます。  本決算審査中、私から保育所の入所選考での大きな変更点について議会に報告したのか尋ねたところ、保育課長から、全議員にポスティングしたとの回答があった。しかし、それは全くの虚偽答弁でありました。入所選考の変更についてポスティングされていたのは、保健福祉委員会に属する議員のみでした。しかもその書面内容は、2歳までの保育所の卒園児を対象にした新3歳児クラスの先行入所調整についての書類であり、保育園に落ちたい親減点については、本決算特別委員会で、私の質疑の中で初めてこの議会に取り上げられた次第であります。  これは、認可保育園をやみくもにふやしてきた杉並区の保育施策の大きな転換点を象徴する制度変更です。しかし、本件について、幾らでもこれまで機会があったにもかかわらず、一度も議会に報告されることはありませんでした。  今まで、このクラスの保育利用調整指数の見直しがあったときは、必ず、遅くとも9月の第3回定例会には保健福祉委員会で報告があったはずですよ。何と、議員がこの制度変更の事実を知らされたのは、一般区民向けと同じタイミングで、「保育施設利用のご案内」が議員ポストに投函されたときだったわけであります。  こそこそと、議会に気づかれないように、秘密裏に区の従来の保育施策を大きく軌道修正することの理由は何でしょうか。それは、平成28年度以降の、待機児童緊急対策と称する区長の無計画な認可保育所の乱造、何度も言いますが、狂気のごとき認可保育所原理主義の間違いを隠蔽しようとしているからにほかならないではありませんか。ここにも杉並区の隠蔽体質、自浄能力のなさ、こそくな姿勢が如実にあらわれています。  また、今回は、学童クラブや幼児教育についても取り上げました。児童館から学校内への学童クラブの移行、また民間委託が進む中、学童クラブの密室化が進んでいることについて区の見解を問いました。  その中で、杉並区で11もの学童クラブ運営を受託している社会福祉法人福音寮の児童養護施設で、職員が入所する少女に対し、ブスなどという暴言を繰り返す心理的虐待を働き、東京都からも指導を受けたという事案を取り上げました。その質問に対する児童青少年課長の答弁は、身体的虐待はなかったことを確認しているという、全く理解ができないものでした。心理的虐待は身体的虐待よりも軽いというのでしょうか。杉並区がその程度の認識で、杉並区の保育施設や教育施設における子供の権利、子供の尊厳、子供の安全は守られるのでしょうか。  就学前教育支援センターに関する質問の中では、保育所の乱造によって急激に杉並区の保育・幼児教育の質が下がる中で、豊かな保育・教育環境にある子供とそうでない子供の教育格差が広がることについて懸念を示しました。その中で就学前教育支援センター所長は、特別格差を生んでいないと言い、子ども家庭部長は、区立子供園レベルの環境は全ての園に必要ないと言い放ちました。この3年ほどで急増した、園庭もない、経験豊かな保育者もいない保育所が、十分な保育・教育環境を子供に提供できているというのでしょうか。  くしくも、教育の款では、幼児教育は非認知能力を育む場所だという理事者の答弁が多く聞かれました。保育所保育指針や幼稚園教育要領が示す、幼児期の終わりまでに育ってほしい姿を見ると、保育・幼児教育施設で非認知能力を育むには、豊かな環境と専門性の高い保育者、教育者が必要であることは明らかです。  これらの審議で浮き彫りになるのは、やはり杉並区政には子供の姿はどこにもないということです。待機児ゼロなどのわかりやすいキーワードで人気取り、票集めをしたい田中良区長、そのイエスマンに甘んじる多くの会派、議会を軽視する区の幹部職員、彼らの周囲に発生する金脈に群がる多くの民間業者、この中の誰が子供のほうを向いているのでしょうか。  国の宝である子供を犠牲にして得られる地位やお金にどれほどの価値があるのか、私には全く理解できません。少子化対策、子育て支援などという言葉を、子供を大切に思う心がない人間には軽々しく使ってほしくありません。子供が大切であるならば、子供が伸び伸びと遊び、学べる豊かな環境や、健全な心と体の発達を促す保育・幼児教育を死守するのが大人の役割、そして政治の役割です。それを、区立子供園レベルの保育・教育環境は全ての園に必要ないだとか、心理的虐待はあったが身体的虐待はなかったことは確認できただとか、子供を何だと思っているのでしょうか。  田中良区長の幼児教育・保育施策には、子供を票田、金づる、出世レースの道具としか見ていない大人の姿しか見えてきません。国の宝、地域の宝である子供を愚弄することは、日本国民、杉並区民を愚弄することです。いいかげんに目を覚ましていただきたい。区長とそれに追随する方々は、みずからの行いが天に唾するものであることをよくよく自覚していただきたいと思います。  大道芸人たちが体を張って、高円寺の路上に紡ぎ出した…… ○山本ひろ子 委員長  田中委員、そろそろ20分になりますので、意見をまとめてください。 ◆美しい杉並(田中ゆうたろう委員) わかりました。そろそろします。紡ぎ出した夢は、無残に、一部の関係者や区の不正によって汚され、区長とその仲間たちがもてあそぶ保育政策に、子供たちの姿、母親たちの声は見えも聞こえもしない、こうした醜い杉並を、私はこれからも厳しくチェックしてまいります。  以上申し述べた理由により、平成30年度杉並区一般会計歳入歳出決算につきましては、不認定といたします。  それ以外の各歳入歳出決算につきましては、特段の異議なく、認定といたします。 ○山本ひろ子 委員長  ほらぐちともこ委員。 ◆都政を革新する会(ほらぐちともこ委員) 都政を革新する会のほらぐちともこです。2018年度杉並区各会計歳入歳出決算について、認定反対の立場から意見を述べます。  まず冒頭に、9月12日の一般質問での佐々木議員の発言を弾劾します。とりわけ、子供たちに副読本として与えるべきと主張し、歴史をねじ曲げた排外主義教育を要求していることは重大です。議会の中であろうと外であろうと、このような発言は絶対に認められません。実際に在日の方たちの多くが日常生活においてさまざまな差別を受けていることこそ、最も重大な問題であると考えます。  今回の発言の背景にあるのは、安倍政権とマスコミが一体となった韓国バッシング、関東大震災における朝鮮人虐殺を居直り、追悼文送付を3年連続拒否した小池都知事、さらに丸山穂高議員の北方領土や竹島を戦争で取り返せ発言など、日本政府や一部の政治家が、かつての侵略戦争を反省せず、今新たに戦争や他民族への排外差別をあおり立てていることです。私は、自衛の名による全ての戦争に反対します。  そもそも杉並区においては、東京朝鮮第九初級学校を中心にして、地域の在日朝鮮人、韓国人、日本人、教育関係者や区及び区議会、何よりも子供たち同士の交流が長年にわたって積み重ねられてきました。その全てを踏みにじるのが今回の事態です。佐々木議員はみずから発言を撤回し、謝罪すべきです。  次に、民営化、非正規雇用の拡大に反対します。  新自由主義の破産は、地方切り捨てと地域住民の生活を破壊しました。特に昨年の西日本豪雨被害や先日の千葉の台風被害は、自治体機能の低下と労働者不足の深刻な実態を暴露しました。2018年4月までの地方公共団体の総職員数の推移によると、1994年に約328万人いた職員は、2018年には約274万人と、55万人、17%も減少しています。災害が続発する中で、土木職員がいない自治体は3割に上っています。これは自然現象ではなく、政府の方針として徹底的な人員削減が行われてきた結果です。  田中区長は、昨年の区長選のパンフレット、「田中良の2800日」の中で、「保育園の民営化指定管理の導入 学童クラブなど62事業を委託・民営化 職員削減率は23区中第1位 他区が職員増に移行するなか」「削減の努力を続けています。」と、民営化と職員削減を自慢しています。公立の保育園や児童館、学童クラブを潰してきました。  民営化とは、低賃金化であり、安全破壊です。あんさんぶる荻窪は、住民説明会すら開かれずに潰され、館内の児童館は廃止されました。区職員削減は、きめ細やかな対応が必要な地域行政を崩壊させます。新自由主義のもと、教育や福祉、保育などの、人間が人間らしく生きていくために必要な領域までもが市場原理にたたき込まれ、もうかるかどうかが全ての判断基準となりました。  田中区長は、民間認可保育園をふやす一方で、区立保育園を次々と民営化してきました。今後5年間だけでも、1園が廃止、7園の完全民営化が狙われています。保育園の民間委託、民営化に反対だからこそ、幼保無償化にも反対します。  子供の安全の確保、保育労働者にとって働き続けられる職場、そして必要なときに必要な保育が受けられる環境といった保育環境の整備を真剣に考えると、民間保育事業者の利益誘導による参入促進よりも、区立直営保育園の新設こそが求められています。  民営化と一体で、自治体労働者の非正規化が拡大しています。その最大の攻撃としての会計年度任用職員制度は絶対反対です。  次に、阿佐谷再開発問題についてです。  もともとは杉一小学校の老朽化に伴う建てかえ計画だったはずが、区、欅興産、河北病院の共同区画整理事業に一変。A案と比べて小学校の校庭が広くなるからいいのではという意見もありますが、一般的にも、戦前から続く病院は深刻な医療汚染地の可能性があります。目白台の東大医学病院分院は、移転後の土地から基準値を超える水銀や六価クロムが検出され、移転後の土地が全く売れず、留学生の宿舎になりました。汚染地に外国人留学生を生活させるという、これ自体も大変許しがたいことです。  協定書には、「汚染拡散防止措置(汚染物質の掘削除去をいう。)」とありますが、地下5メートルを掘削除去するには7億円かかる上に、地下水2年間のモニタリングが必要です。土壌汚染地に小学校、これは豊洲と全く同じ構造です。築地市場の豊洲移転を決定したのが当時の都議会議長田中区長であるということは、偶然ではないのでしょう。  区の説明を何度聞いても、河北病院の責任で土壌汚染がクリアされることを信じることはできません。計画の実態をよく知りながらも、校庭が広くなるからいいだろうと、あたかも子供たちのためであるかのような宣伝をするのは、無責任な大人のエゴです。災害時には住民の避難場所となる小学校が、川の近くで軟弱地盤の河北病院跡地に移転するという発想は、子供たちや住民を主語にした計画ではありません。  小学校に通うのは子供たちです。10年後、田中区長はどこで何をやっているのかわかりませんが、答弁を聞いても、子供のコの字も出てこないどころか、汚染を心配する声を風評被害などと切り捨てるのですから、この事業を完遂さえできれば、その後の影響などどうだっていいのでしょう。無責任なのは一体どちらでしょうか。  この計画に賛成する議員の皆さんは、土壌汚染の実態もわからず小学校を移転させ、学校跡地に高さ60メートルの巨大な何かができることしかわからない。そして貴重な自然、屋敷林がなくなってしまうのに、逆になぜ賛成できるのかわかりません。  土壌汚染による健康被害は、子供たちや住民にとって死活問題です。安全かどうかわからない、区の説明を聞いてもわからない、だから不安なのに、不安になることそのものに敵対するのは、政府の原発、放射能安全キャンペーンと全く同じ、ただの恫喝です。  いまだに多くの住民の心を全くつかめていないのは、この計画の内容が子供たちや住民のためではないからです。反対派のせいではなく、田中区長御自身の責任です。私はこれからもこの計画に声を上げる全ての人と連帯し、撤回させるために行動していきます。  最後になりますが、私自身、4月区議選以降の半年で非常に多くのことを学びました。それは、自治体労働者の存在の大きさです。区役所内のさまざまな課の前を通るたびに、この社会が労働者の手によって回っていることを実感します。以前、缶コーヒーのCMに使われていた、世界は誰かの仕事でできているというキャッチコピーを思い出します。議員としての活動も、議会事務局や区役所で働く皆さんのサポートがあってこそです。だからこそ、私は、労働者がもっと誇りを持って生きられる社会をつくりたいです。  安倍政権の辺野古新基地建設も、そして田中区長のまちの開発も、実際に担うのは労働者です。これらの現場で実際に対立させられるのは、労働者、住民です。だから私は、変わるべきなのは、そして実際に現実を変える力を持っているのは労働者だと思います。  田中区長が議場で居眠りをしている間でも、後ろにいる理事者の皆さん、そしてこの役所で働く皆さんが杉並区政を動かしています。その自治体労働者が、田中区長や一部の資本家の利害を体現するのか、それとも住民、労働者の利害を体現するのかによって、杉並区政、ひいては社会全体が大きく変わります。
     私は改めて、労働者が社会を動かしていることを学びました。政治は、一握りの政治家がすること。圧倒的多くの人々は4年に1度投票するだけで、あとは黙って働く。でも、実際には、政治家の政策の中身も労働者の労働によって実現されています。政治家と労働者の分離、政治と日常の分離をぶち破ることこそが、私は社会をよりよいものにしていく道だと考えています。  そもそも、今の日本社会の矛盾や差別を最も強く受けている滞日の外国人労働者やホームレスには、選挙権すら与えられていません。安い労働力として使い捨てにしておきながら、最初から彼ら、彼女らの声は反映されない政治のシステムになっているのです。  選挙の低投票率が嘆かれて久しいですが、若者の政治離れの原因は、日常である学校、職場、この場で政治が奪われているからです。香港や韓国、フランス、アメリカなど全世界で、労働者、民衆が自国政府の圧政に対し、新自由主義による生活破壊と戦争政策に対し命がけで立ち上がっている姿に希望を感じます。  以上をもちまして都政を革新する会の意見といたします。 ○山本ひろ子 委員長  これをもちまして意見の開陳を終了いたします。  これより採決いたします。  認定第1号平成30年度杉並区一般会計歳入歳出決算を認定することに賛成の方の起立を求めます。       〔賛成者起立〕 ○山本ひろ子 委員長  起立多数であります。よって、本決算を認定すべきものと決定いたしました。  認定第2号平成30年度杉並区国民健康保険事業会計歳入歳出決算を認定することに賛成の方の起立を求めます。       〔賛成者起立〕 ○山本ひろ子 委員長  起立多数であります。よって、本決算を認定すべきものと決定いたしました。  認定第3号平成30年度杉並区用地会計歳入歳出決算を認定することに賛成の方の起立を求めます。       〔賛成者起立〕 ○山本ひろ子 委員長  起立多数であります。よって、本決算を認定すべきものと決定いたしました。  認定第4号平成30年度杉並区介護保険事業会計歳入歳出決算を認定することに賛成の方の起立を求めます。       〔賛成者起立〕 ○山本ひろ子 委員長  起立多数であります。よって、本決算を認定すべきものと決定いたしました。  認定第5号平成30年度杉並区後期高齢者医療事業会計歳入歳出決算を認定することに賛成の方の起立を求めます。       〔賛成者起立〕 ○山本ひろ子 委員長  起立多数であります。よって、本決算を認定すべきものと決定いたしました。  それでは、委員会の終了に当たりまして、一言御挨拶を申し上げさせていただきたいと思います。  去る10月1日から実質8日間、決算質疑におきまして、委員の皆様、区長初め理事者の皆様には温かい御協力を賜り、これまで円滑な委員会の運営を進めてくることができましたことに、今井副委員長ともども心より感謝を申し上げます。  このたびの委員会では、杉並区基本構想の設定期間まで3年を切る中、実行計画の達成に向けた活発な質疑が行われてまいりました。多くの区民の声をお届けするとともに、研さんを重ねられ、さまざまな提案を届けられた委員の皆様の真摯なお姿、また、区長初め理事者の皆様の大変誠意ある答弁に際しまして、区民福祉の向上と、また持続可能な社会の構築に向けた熱い情熱、これは同様であると感じました。さらなる杉並区の発展に、ともに切磋琢磨してまいりたいと思わせていただきました。  理事者の皆様におかれましては、委員からの御意見、御要望、御提案は、来年度の予算編成並びに区政運営に大いに反映していただきたいと思います。  結びに当たりまして、委員会運営に多大なる御協力を賜りました議会事務局の皆様のお力で安心して進行することができましたこと、また、膨大な資料を作成いただきました職員の皆様に心から感謝を申し上げます。  接近する台風、被害が最小限でありますことを御祈念いたしまして、簡単ではございますが、挨拶とかえさせていただきます。  大変にありがとうございました。(拍手)  本日の委員会を閉じます。                           (午後 2時53分 閉会)...