杉並区議会 > 2018-11-19 >
平成30年第4回定例会−11月19日-27号

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  1. 杉並区議会 2018-11-19
    平成30年第4回定例会−11月19日-27号


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    平成30年第4回定例会−11月19日-27号平成30年第4回定例会   平成30年第4回定例会             杉並区議会会議録(第27号) 平成30年11月19日 午前10時開議 出席議員46名 欠席議員1名 1 番  松  浦  芳  子      25番  安  斉  あ き ら 2 番  木  村  よ う こ      26番  中  村  康  弘 3 番  田  中 ゆうたろう      27番  北     明  範 4 番  堀  部  や す し      28番  川 原 口  宏  之 5 番  松  尾  ゆ  り      29番  大 和 田     伸 6 番  関  口  健 太 郎      30番  今  井  ひ ろ し 7 番  奥  田  雅  子      31番  浅  井  く に お 8 番  市  来  と も 子      32番  脇  坂  た つ や 9 番  小  林  ゆ  み      33番  金  子 けんたろう 10番  藤  本  な お や      34番  富  田  た  く 11番  上  野  エ リ カ      35番  くすやま  美  紀 12番  川  野  たかあき      36番  け し ば  誠  一
    13番  山  本  あ け み      37番  新  城  せ つ こ 14番  太  田  哲  二      38番  (欠員) 15番  山  本  ひ ろ こ      39番  河  津  利 恵 子 16番  大  泉  やすまさ      40番  大  槻  城  一 17番  井  原  太  一      41番  渡  辺  富 士 雄 18番  小  川  宗 次 郎      42番  島  田  敏  光 19番  山  田  耕  平      43番  横  山  え  み 20番  上  保  まさたけ      44番  吉  田  あ  い 21番  そ  ね  文  子      45番  大  熊  昌  巳(欠席) 22番  岩  田  い く ま      46番  は な し  俊  郎 23番  佐 々 木     浩      47番  井  口  か づ 子 24番  増  田  裕  一      48番  富  本     卓 出席説明員       区長             田 中   良       副区長            宇賀神 雅 彦       副区長            吉 田 順 之       政策経営部長         白 垣   学       施設再編・整備担当部長事業調整担当部長                      喜多川 和 美       総務部長           関 谷   隆       情報・法務担当部長      牧 島 精 一       危機管理室長         寺 嶋   実       区民生活部長         森   雅 之       地域活性化担当部長オリンピックパラリンピック連携推進担当部長                      安 藤 利 貞       産業振興センター所長     齋 木 雅 之       保健福祉部長         有 坂 幹 朗       特命担当部長子ども家庭担当部長徳 嵩 淳 一       高齢者担当部長        田部井 伸 子       健康担当部長杉並保健所長   木 村 博 子       都市整備部長         渡 辺 幸 一       まちづくり担当部長      茶 谷 晋太郎       土木担当部長         吉 野   稔       環境部長           齊 藤 俊 朗       会計管理室長(会計管理者)   南 雲 芳 幸       政策経営部企画課長      伊 藤 宗 敏       総務部総務課長        原 田 洋 一       教育長            井 出 隆 安       教育委員会事務局次長     田 中   哲       教育企画担当部長       白 石 高 士       学校整備担当部長       中 村 一 郎       生涯学習担当部長中央図書館長 鈴 木 雄 一       選挙管理委員会委員長     西 村 文 孝       代表監査委員         上 原 和 義       監査委員事務局長       和久井 義 久          平成30年第4回杉並区議会定例会議事日程第2号                              平成30年11月19日                                  午前10時開議 第1 一般質問 ○副議長(中村康弘議員) 議長の職務を代行いたします。  これより本日の会議を開きます。  会議録署名議員は、前回の会議と同様であります。  これより日程に入ります。  日程第1、一般質問に入ります。  17番井原太一議員。       〔17番(井原太一議員)登壇〕 ◆17番(井原太一議員) 杉並区議会自由民主党の井原太一です。会派の一員として、通告に従って一般質問をいたします。質問項目は、子供のひきこもり、不登校対策についてであります。  さて、大人のひきこもりについては、我が会派の今井ひろし議員によるさきの一般質問の中で、ひきこもりとは何か、どのぐらいの人数がいると推定されるのか、その原因にはどのようなものがあるのか、また、どのような社会への影響が予測されているのかなどが明らかにされました。  ひきこもりでは、仕事や学校に行かず、家族以外の人との交流をほとんどしないので、周囲は気がつきにくく、また、親が周囲に相談せずに自分たちだけで養っていると、その実態はますます隠されてしまいます。ことしの1月に北海道で、親子がそろって孤独死をしているのが発見されました。82歳の母親とひきこもりの52歳の娘でした。お母さんが亡くなって、その後、娘さんも誰にも気づかれずに衰弱死したものと見られています。  これから団塊の世代が高齢化していく中で、親が亡くなった後に、ひきこもりの子の実態がますます社会に明らかになってくることでしょう。ここでもいわゆる8050問題です。このときに、残されたひきこもりの子の面倒を誰が見るのか。本人に資産がなければ、生活保護など、社会が全体で面倒を見ることがどのぐらいふえていくのか、その実像はまだまだ見えていません。  ひきこもりになる原因にはさまざまあります。人間関係がうまくいかない、いじめに遭った、精神的な課題がある、発達障害やその他の事情により社会とうまく適合できないなどさまざまで、決して怠けているわけではないが、社会から逃避せざるを得ない状態になってしまった。ひきこもりになった時期もさまざまです。社会に出て一旦は就職してみたが、続かずに会社をやめ、引きこもってしまった。そしてかなりの割合で、学生時代からの不登校やひきこもりをそのまま引きずっているケースもあると分析されています。  ひきこもり対策に当たっているNPO関係者の話では、大人になって10年、20年とひきこもりが続いている当事者を再び社会に復帰させることには、周囲の多くの労力を要し、学生時代の児童生徒を復帰させる労力どころの話ではないとのことですから、学生時代の児童生徒、若者に対する施策がより重要になると考えられます。その観点から、以下の質問を進めてまいります。  まず、不登校の現状について、改めて確認していきたいと思います。  不登校は、病気と経済的な理由を除いて、30日以上学校を欠席した児童生徒と定義されており、その人数は近年、全国的に増加傾向にあります。杉並区でも同様であることは、さきの今井議員の質問の中でも述べられました。では、その子供たちは再び学校に戻ってこられているのでしょうか。  そこで、不登校の児童生徒が再び登校できるようになった割合はどの程度なのか伺います。その場合、授業に参加できているのか、あるいは別室登校などで過ごしているのか、その状況についてもお聞かせください。  文部科学省が2月に公表した全国の不登校児童生徒数は、国公私立合わせて13万3,683人。うち、90日以上と長期間学校を休んでいる児童生徒数は7万7,442人と、全体の6割近くに上っていました。  そこで、杉並区では、90日以上と長期間学校を休んでいる児童生徒は何人いるのか、また、不登校全体に占める割合について伺います。あわせて、長期にわたるほど、再び登校できる割合は減るのではないかと懸念しますが、実情について伺います。  不登校児童生徒への対応について、その原因によって対応はさまざまだとしても、早期対応が大切なケースが多くあると、さきに述べたNPO関係者が述べていました。  この話題に移る前に、その前提として、不登校児童生徒の現状について確認していきたいと思います。この子供たちはどこでどのように過ごしているのかということです。  平成29年2月に施行されたいわゆる教育機会確保法では、不登校児童生徒の無理な通学は、かえって状況を悪化させる懸念があるため、子供たちの休養の必要性を認めました。つまり、休んでもよいということ。そして、不登校の児童生徒が通いやすい民間のフリースクールや公立の教育支援センター、特別な教育課程を持つ不登校特例校など、学校以外の場の重要性を認め、学校以外の教育機会確保を国と自治体に求めています。  そこで、不登校の児童生徒が日常どのように過ごしているのか伺います。  家に引きこもることにならないように、学校以外の居場所は、さざんかステップアップ教室のほか、どのような施策があるのか、民間にはどのような施設、仕組みがあるのか伺います。不登校の児童生徒のそれらの利用状況について伺います。  また、学校と民間施設との連絡はどのように行っているのか伺います。例えばSSW(スクールソーシャルワーカー)と民間フリースクールとの連携、学校との情報共有など、とかく官民の壁があり、うまくいかないという話も聞きますが、杉並区ではどのような状況か伺います。  学校であれば、別室登校という方法もあります。学校外の場としては、さざんかステップアップ教室ほかが用意されています。民間でも、フリースクールや学習室、こども食堂なども児童生徒の居場所となるでしょう。しかし一方で、これらの居場所を用意しても家に引きこもっている児童生徒もいるのではないでしょうか。  そこで、それらの施設、仕組みを利用せず、家にいる、引きこもっている児童生徒の割合はどの程度あるのか伺います。  さきにも述べましたが、不登校になる原因はさまざまです。100人いたら原因は100通りある、そして解決方法も皆異なると言われています。不登校になったきっかけとして、文部科学省の統計データによれば、1、情緒的混乱、不安など、2、無気力、3、友人関係、4、親子関係、5、学業不振などが上位に挙げられています。  不登校対策についてよく聞かれるのが、子供の心のエネルギーをためるという言葉です。無理に通学させるのでなく、休んでいいんだよと休養をとらせること、これも必要だとは思います。一方で、不登校になったきっかけが別にあるのであれば、ただ待っていれば、元気になって学校に戻ってこられるのかどうかは疑問です。子供の心のエネルギーをためるという解決策は万能ではない。原因が当事者の内面ではなく、外側、環境にあるのであれば、これを取り除くことが必要だと考えるからです。例えば、いじめが原因なら、いじめる相手が学校にいる限り当事者は戻ってこられない。  私は不登校の子供たちから時々話を聞きます。ある中3女子は、これは杉並区外の話ですが、教員が日常的にほかの生徒を叱る声の大きさや言葉など、自分が叱られているわけではないのに、精神的な苦痛を受けるので、それが嫌で学校には行かれないとのことでした。これは、その先生が改めれば済む話です。不登校になった原因をただす必要があります。原因の早期発見・早期対応も必要ではないか。  そこで、学校では、個々の児童生徒が不登校になった理由をどのように把握しようとしているのか、その方法と実際について伺います。  原因の早期発見・早期対応には教員の役割が大きいと考えます。教員のアンテナの感度を増す、対応する質を向上させる、適切な働きをする。また、校内委員会などの機能を充実させ、チーム学校としてプレーしていく。さらに、ここにはSSWの助言と活躍も大きく寄与するものと考えます。  不登校になった原因が本人の内面に起因するものであれば、スクールカウンセラー(SC)の役割も大きく、本人の気づきや価値観の転換なども図れるでしょう。が、原因が環境、例えば家庭環境、親子関係などに起因するものであれば、本人の内面が変われば解決するというわけにはいきません。関係する人たちが変わらなければ本当の解決には至らないわけで、その場合は、制度や社会資源の活用も含めて調整が必要となり、専門的な知識や技能などのスキルが必要となる、つまり、SSWの活躍がここに必要となると考えます。  杉並区のSSWが他の自治体と比べて多く配置されていることは承知しております。しかし、現場で起きている、またふえ続けている諸問題に対応するには、実数としては足りていないという認識を持っています。  そこで、不登校にかかわるSSWの役割、その効果について、区の認識を伺います。  また、不登校対策に必要な対応を実行するために、その増員が必要と考えますが、区の考えを伺います。  不登校になったきっかけ別に幾つか伺っていきます。  まず、いじめが原因である場合に関連して伺います。  不登校の話を聞いてみると、人に対して優しい子が多いと感じます。感受性が豊かです。児童生徒のいじめに対して、これも杉並区内での話ではありませんが、いじめが起きていることに気がつかない教員がいる。教員が見て見ぬふり、気がつかないふりをしている。いじめの子を教員室に呼んで、注意をしただけで帰し、その後をフォローできていないなどの話を聞きます。全く解決にはなっていません。  そこで、杉並区の場合ですが、いじめや学校内での人間関係について、学校ではどのように指導し取り組んでいるのか伺います。  また、先ほどは他の生徒を叱りつける教員の話をしましたが、このような話も聞きました。発達の課題を持つ生徒が、1つ1つ段階ごとに物事を進めるのに時間がかかるのですが、それでも本人はそれを早く終わらせようと一生懸命やっています。本人の特性を理解していれば、その弱点を補うための有効な助言ができたかもしれませんが、しかし、教員はそれをせずに、早く終わらせるようにと、ただ一方的にどなりつける。本人は精いっぱい頑張っているのにです。本人は自信がなくなり、学校に行かれなくなります。  そこで、支援を要する児童生徒に対して、一人一人の課題や特性を十分理解せずに一方的な指導をする教員がいると聞きましたが、教員に対する発達障害の理解や指導法などに関する研修の実施状況について伺います。  不登校になったきっかけが、学業不振、学校の授業についていけないことが理由になるケースもあります。中学生での学業不振が、実は小学校時代の学習が不十分で、中学での授業がますますわからなくなってしまっているとも聞きます。  先日、小児精神科医が出演しているテレビ番組を見ていましたら、幼児期に虐待を受けると、前頭前野の発達が20%縮減してしまい、意欲の低下が起こってしまうとのことでした。また、虐待家庭では、家庭で勉強する時間も場所も与えられない状況にあると、勉強するという習慣も身につけられません。そのような家庭環境にならないよう、すこやか赤ちゃん家庭訪問を初め、子ども家庭支援センター、保健師さんたちなど、関係諸氏の日々の御努力、活躍には敬意を払います。
     が、これは親に対する対策です。自身の責任によるのではなく、家庭環境によって勉強ができていないまま、意欲も失い、結果として学ぶべき学力を身につけられていない子供たちの苦労はどうするのか。そこで、家庭の事情等が原因で、結果として勉強についてこられない児童生徒への学習指導はどのように行われているのか伺います。  このような学習面の指導については、個々の学校任せであっては、対応する学校、しない学校など、管理者や教員の考え方によってばらつきが出てしまうのではないかと心配です。これは子供にとって不平等であり、不利益をもたらします。教育委員会にあっては、区内統一的な指針を望みます。  さて、不登校になった理由の1つとして親子関係がありますが、ここでは、親の過干渉、過度の期待などについて取り上げます。つまり、マルトリートメント(不適切な養育)についてです。  核家族化が進み、祖父母のような子育て指南者がいない、また支援者が周りにいないとなると、初めての子育てには不安や戸惑いがあるものです。以前にも私は、教育は、教、つまり学問や技術などを教えることと、育、つまりは人間としての基本的な力を育てることが必要だと述べました。ここで人間としての基本的な力と言ったのは、例えば物事に対する好奇心や意欲であったり、人や自然を慈しむ心であったり、安定した情緒であったり、自尊心や愛着形成であったり、善悪を判断したり、物事の規範を受け入れるなど、人としての心を育てることが必要、また、会話力や言葉に対する素養、人の話を聞くこと、コミュニケーションをとる力などが必要だと述べてきました。  家庭においてもしかり。特に家庭においては、人間としての基本的な力を育てるのに大きな影響力を持っています。そして、これを行う際には、その子の発達段階に応じた養育が必要だと考えています。  体の発達と同様に、心の成長にも年齢に応じた段階があります。その子供の発達段階を無視して、一方的にあれこれ押しつけるわけにはいかないという話です。それを無視して行えば、子供は心で消化不良を起こし、混乱して、それを受け入れられないばかりか、拒絶さえするようになります。  情報化社会となり、書籍でもネットでも子育てに関するさまざまな情報があふれています。それを見て、子供の発達段階や、今何を吸収しようとしているのか、その状態を見ることなく、その得られた知識、指示、マニュアルに従って子育てを子供に押しつけようとする親がいます。それでは子供は大変です。親による過度な押しつけ、要求、期待に押し潰されてしまいます。例えば、元気な子は親に反発し、優しい子は引きこもってしまいます。  確かに教育基本法の第10条の第1項に、「父母その他の保護者は、子の教育について第一義的責任を有するものであって、生活のために必要な習慣を身に付けさせるとともに、自立心を育成し、心身の調和のとれた発達を図るよう努めるものとする。」とあります。子の教育についての第一義的責任は、親、保護者にあるとしています。ここで、教育熱心な親であればあるほど頑張ってしまう。そしてマルトリートメント(不適切な養育)に陥ってしまう。また、つけ足させていただければ、育の部分をないがしろにして、教の部分、お稽古や英語や数学ばかりに偏って奔走してしまう。  子供は元来、育つ力を持っています。それを応援して、豊かな心を引き出してあげることが必要です。とかく商業主義の社会にあふれる情報では、自社の製品を売るために、こうすれば頭がよくなるからとあおるものが目にとまります。しかし、それは子供の成長のほんの一部のことにすぎません。大切なことは、まずは子供と向き合い、子供の様子を知ることですということを教えられ、学んだりする場が少なくなっている。それが現代社会ではないでしょうか。  そこで、教育基本法の第10条の第2項では、「国及び地方公共団体は、家庭教育の自主性を尊重しつつ、保護者に対する学習の機会及び情報の提供その他の家庭教育を支援するために必要な施策を講ずるよう努めなければならない。」と、自治体の責務を促しています。行政が教育をこうしなさい、ああしなさいと押しつけるのではなく、選択するのはあくまで親、保護者ですが、子供の立場に立って、その成長との向き合い方を冷静に示してさしあげることは、情報過多の現代にあっては必要なことだと考えます。  そこで、決して押しつけではなく、しかし、児童生徒の発達課題を明らかにし、一人一人のニーズに応じた家庭教育のあり方について、情報として保護者に提供する、あるいは相談に乗るなどの家庭教育を支援する施策が必要と考えますが、区の見解を伺います。  この5月、私は熊本に個人視察に行き、くまもと家庭教育支援条例について調査をしてきました。今述べたような親としてのあり方、子供への理解、子供との向き合い方などを親や保護者が学べたり、情報を得たり、また仲間づくりをしたり、これらがスムーズに行われるように条例化したものです。  この条例ができることによってどのようなメリットがあったのか、担当者に聞いてみました。すると、それまでにも子育て支援、親支援などの施策は幾つかあったが、それらが福祉部門であったり教育委員会であったり、部署ごとにばらばらに行っており、統一性や連携がなかった。今は、条例ができることにより、使う用語が統一でき、条例の何条というように根拠となる考え方を共通化することで、同じ土俵と言語で話ができるようになった。情報を共有でき、部署を超えた個別案件への対応もスムーズになったなどの効果があったと伺いました。また、条例化により、年1回の議会への報告をする義務ができたので、きちんと成果を上げるようになったことなども挙げていました。  そこで、まず、くまもと家庭教育支援条例について区の所感を伺います。  熊本県では、この条例に基づき家庭教育を推進しています。具体的な施策として、くまもと「親の学び」プログラムがあります。これは、親が学ぶプログラムと、将来親になるであろう生徒のためのプログラムがあります。  親が学ぶプログラムでは、1回10から30分程度の幾つかの単元から成っています。例えば地域であったり、学校であったり、PTAなどが進行役、ファシリテーターになって、好きな単元を行います。これは講義形式で進むというより参加型で、皆で話し合う中で気づきや子育てのヒントを得られるように工夫してつくってあります。一定の講習を受けた人、学校等や地域、事業者等の支援団体をくまもと家庭教育支援チームとして登録し、連携協働して家庭教育支援に取り組む仕組みをつくっています。いつでもどこでもプログラムが開催されるようになっているわけです。など、条例を根拠に、さまざまな試みが展開されるようになりました。  そこで、くまもと「親の学び」プログラムや家庭教育支援チームの設置などは、杉並区にはまだないものと思います。熊本県のこれらの取り組みについて、杉並区で取り入れるべきものがあると考えますが、その場合の留意点など、所感を伺います。  また、熊本県でのこれらの取り組みは、就学児童生徒を抱えた家庭ばかりでなく、就学前の乳幼児期にある子供の保護者に対しても必要と考え、実施されています。この点についても区の所感を伺います。  虐待に遭った子、遭っている子と話すことがあります。そのとき、親から離れること、周囲に助けを求めること、その子自身が病院に駆け込むことなど話したときに、そんなことをしたら親が捕まってしまうと、あくまで親をかばうのです。こんなに親から仕打ちを受けていても、それでも親から離れられない。子供にとって、親子の関係はそれほど大切なものです。言いかえれば、子供にとって、子供が育つ家庭環境がいかに大切かということでもあります。だからこそ親には、子供と向き合ってほしい。親の権利ばかり主張せずに、子供の立場になって必要な支援をしてほしい。子供は親のペットではありません。所有物でもありません。親の思いどおりを強要したり押しつけたりするのではない、子供の育つ力を応援してほしい。親も学校も地域も、親のための子育てばかりでなく、子供のための子育ちを支援してほしい、そのような思いでいっぱいです。  そこで、杉並区の子供たちが、自分の成長が保障され、支援され、すくすくと自分らしく力強く育っていってほしいと願いますが、区の決意を伺って、質問を終わります。  ありがとうございました。 ○副議長(中村康弘議員) 理事者の答弁を求めます。  教育企画担当部長。       〔教育企画担当部長(白石高士)登壇〕 ◎教育企画担当部長(白石高士) 私からは、初めに、不登校児童生徒にかかわる御質問のうち、所管事項にかかわる御質問にお答えいたします。  文部科学省による平成29年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査において、本区の不登校児童生徒が指導の結果学校へ登校できるようになった割合は、小学校が19.3%、中学校が21.8%となります。  状況は児童生徒によりさまざまでありますが、教室で過ごしている場合、保健室等の別室への登校をしながら給食の時間や一部の学習には参加している場合があります。  次に、90日以上休んでいる児童生徒の人数と不登校全体に占める割合についてですが、同調査において、小学校は76人で56.3%、中学校は151人で68.2%となっております。これらの児童生徒について、不登校が長期化するほど、再び登校することが難しい状況であると捉えております。  次に、学校内での人間関係についての指導等にかかわる御質問についてお答えいたします。  学校においては、他者の個性や立場を認め、いろいろな見方や考え方があることを理解させ、互いに協力してよりよい社会をつくっていくための資質、能力を、各教科等を初め、学校の教育活動全般を通じて育んでおります。教育委員会では、教員に対し、特別支援教育研修を初めとするさまざまな研修を実施し、児童生徒一人一人の課題や特性を踏まえた指導ができる力の育成を図っております。  次に、家庭の事情等が原因で、結果として勉強についてこられない児童生徒の学習指導についてですが、教員は、一人一人の子供の課題を受けとめ、日常的に学習支援を行っております。また、教育委員会においても、夏季休業中の補習教室や、中学生を対象とした休日パワーアップ教室を実施しております。特に家庭の事情がかかわるケースについては、スクールソーシャルワーカー等とも連携し、家庭状況の改善が図られるよう働きかけ、児童生徒が安心して勉強に取り組める環境づくりに努めております。  私からは以上でございます。 ○副議長(中村康弘議員) 教育委員会事務局次長。       〔教育委員会事務局次長(田中 哲)登壇〕 ◎教育委員会事務局次長(田中哲) 私からは、不登校児童生徒の日常の過ごし方など、残りの御質問にお答えいたします。  まず、不登校児童生徒の学校以外の居場所の利用状況ですが、御指摘のさざんかステップアップ教室が最も多く、現在約70名の登録がございます。そのほか、図書館やゆう杉並などの公共施設、フリースクールやフリースペースと称する民間施設なども利用されております。  一方、それらの居場所などを利用していない、いわゆるひきこもり状態となっている児童生徒ですが、不登校児童生徒全体に対して、小学生で約10%、中学生で約6%を占めている状況でございます。  次に、民間との連携につきましては、これまでも学校では、不登校児童生徒が通うフリースクールを校長が訪問して情報交換を行うなど、必要な連携を図ってまいりました。加えて、教育委員会におきましても、今年度新たにフリースクール等との意見交換会を開催して、情報共有を行うこととしております。今後ともこうした取り組みを着実に進め、不登校児童生徒個々の状況に応じた支援の充実に努めてまいりたいと存じます。  次に、不登校の理由の把握とスクールソーシャルワーカーに関する御質問にお答えします。  まず、不登校の理由の把握ですが、学校は、個々の児童生徒の不登校の理由について、教員が本人や保護者に聞き取るとともに、必要に応じて周囲の児童生徒等に聞き取りを行うことに加え、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーとも連携して丁寧な聞き取りを行い、原因の把握に努めております。  次に、スクールソーシャルワーカーについてのお尋ねですが、スクールソーシャルワーカーは、専門的な知識や技術を用いることにより、関係機関等とのネットワークを構築するなどして、問題を抱える児童生徒への支援を行っております。こうした支援により、さざんかステップアップ教室への通室が開始される、また、児童生徒の生活の乱れが改善されるなど、問題の解決や軽減に大きな役割を果たしていると認識しております。  また、その体制につきましては、不登校児童生徒が増加傾向にある中、対応件数が増加してきたことを踏まえ、昨年度、2名増員して10名体制と強化を図りました。今後とも対応状況等を的確に見きわめながら適切な人員を配置し、児童生徒の効果的な支援に努めていきたいと存じます。  私からの最後に、家庭教育支援にかかわる一連の御質問にお答えいたします。  家庭は全ての教育の出発点であり、家族との触れ合いを通して、子供が基本的な生活習慣や生活能力、社会的マナーなどを身につけていく上で重要な役割を果たしていると認識しております。一方、核家族化や地域の人々のつながりの希薄化など、家庭を取り巻く環境は大きく変化してきており、社会全体で支え合い、家庭教育支援を行う仕組みを構築することが不可欠となっています。御質問にありましたくまもと家庭教育支援条例につきましても、こうした考えから制定されたものと考えております。  次に、「親の学び」プログラムにつきましては、本区では既に家庭教育講座やグループ相談のような参加体験型のワークショップを実施しており、同じ悩みを持つ親同士が情報を共有し、不安の軽減や親自身の気づきにつながっているものと考えております。  また、家庭教育支援チームにつきましては、登録対象となる団体の掌握や関係機関との連携が必要になるものと受けとめております。  また、本条例にある就学前の子供の保護者への支援につきましては、本区で行っている就園・就学相談に当たるものであり、来年9月の仮称就学前教育支援センターの開設により、さらなる家庭教育支援の推進が図られるものと認識しております。  教育委員会といたしましては、今後とも、全ての子供たちの健やかな成長が保障され、すくすくと自分らしく、力強く成長できるよう、家庭、関係機関と連携して支援してまいります。  以上です。 ○副議長(中村康弘議員) 以上で井原太一議員の一般質問を終わります。  22番岩田いくま議員。       〔22番(岩田いくま議員)登壇〕 ◆22番(岩田いくま議員) 自民・無所属クラブの岩田いくまです。本日は、富士見ヶ丘駅周辺まちづくりについて及び教育について質問をいたします。  初めに、富士見ヶ丘駅周辺まちづくりについてお尋ねいたします。  富士見丘のまちを考えるに当たり、地域の特徴と思われることを2点ほど、あらかじめお話をしておきたいと思います。  まず、富士見丘の漢字表記ですが、駅については「ヶ」が入った5文字ですが、小中学校や町会、商店会については「ヶ」が入らない4文字になります。  また、町会、商店会は富士見丘通りを挟んで東西にわたるため、区内を3所に分けて管轄する警察や郵便局は、高井戸警察署、杉並南郵便局となり、特に混乱はございませんが、区内を2所に分けて管轄する消防や税務においては、通りの東側は杉並消防署、杉並税務署の管轄であり、西側は荻窪消防署、荻窪税務署の管轄という難しさを抱えている地域でもございます。  さて、8月下旬に示された杉並区実行計画(平成31〜33年度)改定案において、現実行計画には挙げられていなかった富士見ヶ丘駅周辺まちづくりが新たな事業として取り上げられました。  まず初めに、杉並区都市計画マスタープランである杉並区まちづくり基本方針において、富士見ヶ丘駅周辺をどのように位置づけているのか確認するとともに、新たな実行計画において当事業を行うこととした理由をお示しください。  あわせて、既に今年度の事業としてまちづくり方針検討が盛り込まれておりますが、今年度は何を検討するのか。また、平成32年度にまちづくり方針策定となっておりますが、庁内及び地域とのかかわりや意見交換も含めて、どのような体制で検討を行っていくのか。スケジュールや進め方等とあわせ、現段階での想定をお示しください。  対象とする範囲、エリアはどのように想定しているのかについても、あわせて見解をお尋ねいたします。  それでは、以下、富士見ヶ丘駅周辺まちづくりを考えるに当たり、考慮すべきと思われる事項を順次お尋ねをしてまいります。  富士見丘の中心線とも言える富士見丘通りについては、平成13年に、富士見丘商店街通り交通環境改善に関する連絡会が杉並区も構成メンバーとする形で要綱設置され、平成14年2月に、安心して歩ける富士見丘商店街通りの実現に向けてと題する最終報告が出されております。この連絡会が設置されるに至った経緯と最終報告の概要、及び当該報告を受けてこれまでに杉並区として実施した対応策についてお示しください。  また、昨年3月には、すぎなみの道づくり(道路整備方針)を杉並区として策定しておりますが、そこでは富士見丘通りはどのように位置づけられているのか。また、当該整備方針で示されている今後の進め方についてお示しください。  道路に関しては、放射第5号線についても確認をしておきます。  先月27日、放射第5号線高井戸西区間の現地見学会が開催され、私も行ってまいりましたが、高井戸西区間、久我山区間を含め、本線の開通はいつになるのか。また、それに伴い、どのような変更がなされ、どのような準備がなされているのか確認をいたします。あわせて、三鷹322の進捗状況についてもお示しください。  また、本線開通後も副道や植栽帯等の整備が必要かと思いますが、その完成時期はいつごろとなるのかをお尋ねするとともに、中央道高井戸インターチェンジの下り線入り口、オンランプに関して、現在の状況についてもあわせてお尋ねをしておきます。  関連して、玉川上水・放射5号線周辺地区まちづくりについてお尋ねいたします。  昨年3月、玉川上水・放射5号線周辺地区地区計画等が決定をされ、6月には、杉並区地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例が改正をされました。その後の玉川上水・放射5号線周辺地区まちづくり計画に基づく取り組みをお示しください。  都市計画高井戸公園についてもお尋ねをしておきます。  当区においても、平成21年3月に、都市計画高井戸公園・周辺まちづくりグランドデザイン報告書が、後に基本構想審議会の会長を務められた伊藤滋氏を座長とし、かつて教育委員会委員長を務められた丸田頼一氏を委員とする研究会から提言をされております。このグランドデザインの当区における位置づけと、現在進行形を含め、これまで当提言に沿って実現してきたことは何か。また、まだ実現できていないが今後取り組む必要があると考えていることは何か、お示しください。  さて、都市計画高井戸公園ですが、平成23年12月に改定された都市計画公園・緑地の整備方針により、新たに優先整備区域に設定されました。都市計画決定区域の面積、及びそのうち事業認可がなされた面積と場所について確認をいたします。  また、先般も埋蔵文化財発掘調査期間が延長されたようですが、現段階における公園の開設予定時期についても、改めて確認をしておきます。  公園に関連して、久我山東原公園の代替場所に関してお尋ねいたします。  久我山東原公園の北側部分が閉鎖されたのが平成28年8月1日、既にこのときから2年以上の年月が流れました。また、久我山東原公園の代替広場として報道機関にも情報提供していた遊び場111番についても、このたび閉鎖されることとなりました。  当該遊び場については、当初から想定されていたとおり、代替広場としての役割をほとんど果たしておりませんでしたので、閉鎖に伴う実害はさほどございませんが、議会の場で約束した代替場所が確保されていない中での閉鎖ということについては、やり切れない思いを持たれる方も多いと思います。  久我山東原公園の代替場所の確保については一体どうなっているのか。これまで、どの部署が中心となってどのような取り組みをしてきたのか、今後はどのような取り組みを行っていくのかも含め、答弁を求めます。  まちづくり協議会についても触れておきたいと思います。  当該地域では、平成20年度に富士見丘まちづくり協議会が認定され、その後、富士見丘商店街まちづくりルールが区に登録されました。当協議会やまちづくりルールは、富士見ヶ丘駅周辺まちづくりにおけるまちづくり方針の検討、策定に当たり、どのような位置づけとなるのか確認をしておきます。  当項目の最後に、富士見丘小学校及び富士見丘中学校の一体的整備についてお尋ねいたします。  富士見丘小・中学校改築検討懇談会は本年4月から既に6回開催をされており、私自身も、議論が本格化する第3回以降は、臨時議会と日程が重なった第5回を除き、毎回傍聴をさせていただきました。  まずは、改築検討懇談会の委員として、お忙しい中、精力的に出席し議論いただいた皆様に敬意を表したいと思います。  さて、今月4日及び6日には、改築基本計画の中間まとめについての説明会が開催されました。私自身も出席しておりますが、まずは、参加人数や説明会で出された主な意見について、議会の場でお示しいただければと思います。  あわせて、今月12日まで意見募集を行っておりましたが、お寄せいただいた件数及びその主な内容についてもお示しください。  今後は、説明会等でお寄せいただいた御意見、御要望等を踏まえ、改築基本計画を策定し、その後、基本設計、実施設計、改築工事へと進んでいくかと思います。引き続き経過を見守り、仮に疑問等生じた場合には、適切なタイミングで意見を申し上げてまいりたいと思っておりますが、今後、改築検討懇談会はどのような役割を担っていくのか、見解をお示しください。  なお、学校改築という点では、このたびの実行計画改定案において、杉並第二小学校及び中瀬中学校が対象校として明示をされました。両校においても改築検討懇談会を設置するのか、また構成メンバーはどのようになるのか、確認をしておきます。  さて、2カ月半ほど前になりますが、当該小中学校合同で、児童生徒の参加はあくまで有志ではありましたが、宿泊震災訓練が行われました。私もPTAの一員として参加しましたが、子供たちを中心に、震災救援所運営管理標準マニュアル初動編に沿って、避難者対応や施設の安全点検等の初動対応を行ったり、段ボール間仕切りを設置したり、また、夕食後にはHUG訓練を行ったりと、かなり本格的な訓練を行っておりました。  まずは、こうした取り組みに対する教育委員会の所見をお伺いいたします。  この取り組みが実施できた要因は、参加した児童生徒の熱意のほか、参加された小中学校の校長先生、副校長先生、学校支援本部、PTA役員や小学校おやじの会の方々の熱意もあってのことと実感しましたが、あわせて、事前の複数回に及ぶ研修にて、防災課の方から指導を受けていたことも大きいと感じております。  学校での救命救急講習への保健所の協力については、さきの決算特別委員会で触れましたが、小学校での宿泊震災訓練を含め、こうした学校での防災への取り組みについても、今後とも教育委員会と区長部局が積極的に協力していただきたいと思っておりますが、教育委員会及び危機管理部門、双方の所見をお伺いいたします。  なお、HUG訓練については、当該中学校の近隣中学校でも10月の土曜授業で行われたり、また近隣の小学校でも、今月行われた震災救援所訓練として実施されたりと、現在でも各地域で取り組まれておりますが、HUG訓練の意義について区の所見をお伺いいたします。  また、以前、議会の場においても、区内の中学校にて独自のHUGカードを作成したことが話題とされておりましたが、杉並という地域性を考慮したHUGカードが作成されれば、より実践的な訓練になろうかと思います。こうした取り組みが現在なされているのか、お尋ねをいたします。  富士見丘小学校の跡地活用に関して確認をしておきます。  区立施設再編整備計画(第一期)・第二次実施プラン(平成31〜33年度)計画案では、サウンディング型市場調査の導入が盛り込まれておりました。当該小学校の跡地活用に関してサウンディング型市場調査の活用を検討しているのか、所見を伺います。  また、一定規模以上の公有地や施設の活用においてサウンディング型市場調査を行う場合、地域に密着した団体等からの提案もいただくためには、対象公有地、施設の一部を対象とした提案も可とすべきではないかと考えますが、区の所見を伺います。  以上、富士見ヶ丘駅周辺まちづくりについて、るるお尋ねしてまいりました。いずれにしろ、まちづくりは、その地域に生活する全ての人に関係することであり、全員の積極的な同意を得ることは至難のわざと言えます。しかしながら、丁寧なプロセスを踏むことによって、たとえ積極的な同意を得られない方からも納得を得ることは十分に可能だと考えます。  このテーマの最後に、富士見ヶ丘駅周辺まちづくりを進めていくに当たっての区の姿勢を確認して、2つ目のテーマである教育についての質問に移ります。  先月21日、新宿において、「公教育のシガラミを越えて 〜稀代の教育長3人が語る2030年の学校〜」という公開収録が行われました。参加されていた3名の教育長は、当区の井出教育長、かつて当区で校長を務めておられた長野県飯田市の代田教育長、そして埼玉県戸田市の戸ヶ崎教育長と、杉並に縁のある方が2名参加されており、また、戸田市の取り組みは、文部科学省の「新教育委員会制度の効果的な活用に向けて 〜地方公共団体の首長、教育長、教育委員からの提言集〜」にも取り上げられていることから、私も聴講させていただきました。  以下は、議論を聞いていた私の認識であり、誤りがあれば訂正いただければと思いますが、3名の方に共通していたのは、学校を外に開いていく、社会に開かれた教育課程としていくということだったのではないかと思います。  そうした中で、杉並区としては、競い合う競争からともにつくる共創へ、地域の教育資源である人材をどう組織化していくか、そうした中での学校を中心としたコミュニティーの再生といったことが語られていたと記憶をしております。
     私自身もPTA10年目となり、その思いは非常に共感をいたしますが、一方で、地域の教育資源である人材の組織化はどうしても属人的な側面が大きく、また、共働きの増加や定年延長、再雇用の増加等に伴い、これまでのように熱心なボランティアに頼る仕組みは早晩行き詰まるのではないかとの危惧も率直に持っております。  今後の社会情勢の変化も見据えた上で、学校支援本部等に代表されるような、地域の教育資源である人材の組織化に区教委としてどのように取り組んでいこうと考えているのか、見解をお伺いいたします。  なお、戸田市の場合は、市という枠組みを超えて、産学官と連携し、外部資源を積極的に取り込むファースト・ペンギンとなることで、安価、効率的、最先端な教育を目指している旨お話しされておりました。  まず、地域に存する人材に教育にかかわっていただくという当区の方向性は私も賛成いたしますが、一方で、区という枠組みを超えて、外部資源を積極的に活用することも、子供たちが多様な人材と交わり、さまざまな経験をする上で有用であると思います。区という枠組みを超えた産学官連携に対する区教委のこれまでの取り組みと、今後の方針について見解を伺います。  また、当日の議論の中では、2030年の学校の姿とはとの問いに対し、形のある学校と形のない学校との表現等も用いながら、非認知的スキルや全人格的能力をいかに身につけていくかということも語られていたかと思います。  質問の最後に、区教委として、2030年の学校の姿をどう描き、また、そのためにどのような取り組みを進めていくのか、及び子供たちの非認知的スキルを高めるためにどのような取り組みを行っていくのかをお尋ねして、私の質問を終わります。 ○副議長(中村康弘議員) 理事者の答弁を求めます。  都市整備部長。       〔都市整備部長(渡辺幸一)登壇〕 ◎都市整備部長(渡辺幸一) 私からは、富士見ヶ丘駅周辺まちづくりについての一連の御質問のうち、所管事項についてお答えいたします。  最初に、杉並区まちづくり基本方針の位置づけでございますが、富士見ヶ丘駅周辺に生活サービス機能の立地を誘導し、利便性の高い魅力ある身近な生活拠点として育成を図るとともに、安全な歩行空間の確保などを検討し、河川空間と大規模な緑を生かした駅周辺の魅力づくりを図るとしております。  次に、実行計画に盛り込んだ理由でございますが、都市計画高井戸公園や富士見丘小中学校等の整備など、まちづくりの契機となる動きを踏まえまして、まちの安全・安心やにぎわいなど、まちの将来像を地域の方々と共有し、地域活性化や交流創出などに結びつけ、今後の当該地域のまちづくりを具体的に進めるため、仮称富士見ヶ丘駅周辺まちづくり方針の策定を盛り込んだところでございます。  また、スケジュールや検討体制などにつきましては、今年度は、平成32年度の方針策定を目指し、庁内の関係職員等で構成いたしますまちづくりチームが中心となり、来年度の中間まとめに向けて、地域の課題などの研究や整理、エリアの検討、まちづくり団体等の活動状況の把握、このようなことを行ってまいります。  次に、グランドデザイン報告書の位置づけ等についてでございますが、高井戸公園とその周辺のまちづくりの方向性を展望する貴重な提言と受けとめてございます。  これまでに高井戸公園の事業化が実現いたしましたが、今後は、公園や道路の整備、学校建設が進む中で、東京都との調整や地元住民等の意見反映など、良好なまちづくりに向けた丁寧な取り組みが必要と認識をしてございます。  まちづくりの推進に当たりましては、まちづくり協議会と意見交換を行うとともに、協議会が自主的に定めた富士見丘商店街まちづくりルールの成果などを踏まえまして、方針の決定を進めてまいります。  次に、区の姿勢についてのお尋ねでございますが、庁内組織で課題などを十分に整理、検討した上で、地域の皆様と丁寧に議論を重ね、まちづくり方針の策定を進めていきたいと考えております。  続きまして、放射第5号線及び高井戸オンランプに関する一連のお尋ねにお答えいたします。  最初に、放射第5号線の車道開通時期につきましては、東京都からは、当初予定の平成29年度末から1年程度おくれると聞いてございます。  主な変更点につきましては、車道の4車線化、横断歩道の位置の変更、交差点での右折禁止に伴う転回路の新設などがございます。現在、車道開通に向けて、遮音壁の設置工事、舗装工事、照明工事などを行っていると聞いてございます。  また、放射第5号線から西側へ続きます三鷹322号線の進捗状況につきましては、現在、東八道路から牟礼橋の未開通部分約500メートルを施工中でございまして、放射第5号線と同時に車道開通と聞いてございます。  なお、副道や植樹帯などの整備は、さらに数年かかるものと聞いてございます。  私からの最後に、中央道の高井戸オンランプ開設につきましては、3者協などの協定に基づきまして、地元住民との合意形成が着工の前提となってございまして、現時点で、オンランプ開設に関し、東京都などに特段の動きはないものと認識をしてございます。  私からは以上です。 ○副議長(中村康弘議員) 土木担当部長。       〔土木担当部長(吉野 稔)登壇〕 ◎土木担当部長(吉野稔) 私からは、所管にかかわる事項についてお答えします。  初めに、富士見丘通りの交通安全対策の質問についてお答えします。  富士見丘商店街通り交通環境改善に関する連絡会は、買い物や通勤通学のために多くの歩行者が利用する生活道路にもかかわらず、自動車の交通量が多く、交通安全上の課題があることから、地元町会・自治会、商店会、行政が連携し、安全で快適な富士見丘通りにすることを目的に設置しました。  最終報告の概要では、歩くことを基本とした道路交通環境の改善を基本的視点に、4つの基本方針が定められ、具体的な方策として、早急に対応を望む方策とその後に望む方策が報告されてございます。  区は、この最終報告を受けて、交通管理者と交通安全対策の協議を重ね、ポールの設置や白線の引き直し、路側帯のカラー化を行いました。また、平成28、29年度には、京王井の頭線から北側区間において、道路舗装の老朽化による亀裂などが多く見られることから、道路舗装工事とあわせて交通安全対策を実施したところでございます。  次に、道路整備方針の質問についてお答えします。  富士見丘通りは、平成28年度に策定した道路整備方針において、防災性や安全性を向上させるために道路拡幅を行う必要性が高い優先整備路線として選定いたしました。  今後の道路整備の進め方については、学校建てかえなどの機会を捉え、沿道住民の御理解、御協力を得ながら進めてまいります。  次に、都市計画高井戸公園に関する御質問にお答えします。  まず、都市計画決定区域の面積は17.4ヘクタールでございます。このうち、優先整備区域内の事業認可区域については面積10.9ヘクタールで、場所は、印刷局旧久我山運動場、王子製紙旧富士見ヶ丘グラウンド、NHK富士見ヶ丘旧運動場の3つのグラウンド跡地でございます。  次に、開設予定についてですが、現段階では、事業認可区域内の北側を平成32年度から33年度にかけて、南側は34年度から36年度にかけて順次開園予定と都から伺ってございます。  私から最後になりますが、久我山東原公園の代替地に関する御質問にお答えします。  久我山東保育園隣接地を遊び場113番として開設し、御利用いただいておりますが、さらにこの間、総務部、保健福祉部、都市整備部が連携して対応に当たり、用地の情報収集等に努めてございます。今後も引き続き粘り強く用地確保に向けた取り組みを進めてまいる所存でございます。  私からは以上でございます。 ○副議長(中村康弘議員) まちづくり担当部長。       〔まちづくり担当部長(茶谷晋太郎)登壇〕 ◎まちづくり担当部長(茶谷晋太郎) 私からは、玉川上水・放射5号線周辺まちづくり計画に基づく取り組みについてのお尋ねにお答えいたします。  昨年決定した玉川上水・放射5号線周辺地区地区計画につきましては、建築物の建築等を行う際の区への届け出や建築確認を通じた適切な運用とともに、まちづくりイベントの開催などにより、その内容の周知を行ってまいりました。  また、安全・安心の観点では、重点整備路線に指定した狭隘道路の拡幅整備や、放射第5号線供用前の主要交差点等の交通量調査など、関係所管が連携して取り組んでまいりました。  今後も、地区計画の運用を初め、放射第5号の供用を見据えた生活道路の安全対策など、まちづくり計画の実現に向けて、引き続き着実に取り組みを進めてまいります。  私からは以上です。 ○副議長(中村康弘議員) 危機管理室長。       〔危機管理室長(寺嶋 実)登壇〕 ◎危機管理室長(寺嶋実) 私からは、初めに、学校での防災への取り組みにおける教育委員会との連携についてのお尋ねにお答えいたします。  学校における児童生徒の防災訓練は、まず、みずからの命をみずからが守る訓練であり、次に、助け合い、協力の行動を学ぶ貴重な機会であると考えております。それぞれの発達段階に応じて、児童生徒が目的を理解し、主体的に参加できるよう、今後とも教育委員会との連携を強めてまいりたいと存じます。  次に、避難所運営ゲーム、いわゆるHUG訓練に関するお尋ねでございますが、災害時に迅速かつ的確な行動をとれるよう、より実践的な訓練を行うことは重要であると考えております。そのため、震災救援所を迅速に開設するための一連の動きを確認し、実践的な立ち上げや運営を具体的にイメージすることができるHUG訓練は、大変有効であると認識しております。  今年度、区は、杉並区独自の震災救援所運営標準マニュアルに沿って、震災救援所の立ち上げ、開設に特化し、初動をイメージした杉並区版の震災救援所運営ゲーム、SUGを作成いたしました。従来のHUGにあった津波や山崩れへの対応のかわりに、福祉救援所や負傷動物救護所などにおける対応を加えるなど、区独自の内容となっております。防災リーダー養成講座でこのSUGの訓練を実施し、その後、区内の震災救援所への貸し出しなどにより普及を図り、地域防災力の向上のために活用してまいりたいと存じます。  私からは以上です。 ○副議長(中村康弘議員) 施設再編・整備担当部長。       〔施設再編・整備担当部長(喜多川和美)登壇〕 ◎施設再編・整備担当部長(喜多川和美) 私からは、富士見丘小学校移転後の跡地活用とサウンディング型市場調査に関する御質問にお答えします。  富士見丘小学校移転後の跡地活用につきましては、地域の御意見、御要望を丁寧に聞きながら、行政需要等も踏まえつつ、民間活力の導入も含め、有効な活用策を検討していくこととしております。  民間活力導入の検討に当たりましては、市場性の有無や民間事業者等からのアイデアを把握することを目的としたサウンディング型市場調査の導入の可能性についても検討してまいります。  また、サウンディング型市場調査の実施に当たっては、提案の対象となる用地、施設の一部を対象とした提案につきましても、広く民間事業者等との直接対話を通して、その是非を整理し、公募条件に反映してまいりたいと考えております。  私からは以上です。 ○副議長(中村康弘議員) 教育長。       〔教育長(井出隆安)登壇〕 ◎教育長(井出隆安) 私からは、2030年の学校に向けた取り組みの御質問にお答えをいたします。  今日、人工知能等の先端技術の発展は大変目覚ましいものがございます。今後、学校教育においても、教育用AIが発達、普及していくことにより、学校は、これまで主流であった一斉一律の授業スタイルの限界から抜け出し、個人の進度や能力、関心に応じた学びの場になることが可能になり、同一学年での学習に加えて、学習履歴や学習到達度、学習課題に応じた異年齢、異学年集団での多様な協働学習も広がるものと認識をしております。  また、形のある学校の教室の中での学習のみならず、地域社会やインターネットのようなさまざまな教育資源、いわば形のない学校を活用して、いつでもどこでも学ぶことができるようになるということが予想されます。  こうした時代に人間らしく生きていくために必要な力は、知識、技能や思考力、判断力、表現力等に加えて、他者や社会との協働の手応えや自信、未知の世界に挑戦する好奇心や探求力など、いわゆる非認知スキルと呼ばれる力、そして主体的に学びに向かう全人格的能力であると考えます。  杉並区教育委員会では、これまで、地域と連携して多様な学びを実現するとともに、計画的なICT環境の整備を進め、子供たちの学びの個別化、協働化、探求化を図る取り組みを進めてまいりました。今後、教育委員会といたしましては、これまでの取り組みをより一層推進するとともに、子供たちが学習内容を人生や社会のあり方と深く結びつけて理解し、生涯にわたって能動的に学び続けることができるよう、主体的で対話的な深い学びの実現に向けた取り組みの実現に努めてまいります。  私からは以上です。 ○副議長(中村康弘議員) 学校整備担当部長。       〔学校整備担当部長(中村一郎)登壇〕 ◎学校整備担当部長(中村一郎) 私からは、富士見丘小学校、中学校の改築基本計画に関する一連の御質問にお答えをいたします。  先日開催いたしました改築基本計画の中間まとめ説明会の参加者は、11月4日が17名、6日が20名でございました。  主な意見や要望につきましては、通学路の安全性の確保、富士見丘通りや学校周辺道路の拡幅計画、都立高井戸公園内に設置する多目的広場の利用方法及び校舎配置案の比較、さらには校庭の砂じん飛散被害などに関する御質問や御意見をいただきました。  また、12日までに寄せられた意見としては、柔軟な校舎設計の採用、設計事業者の選定方法及び災害時の防災計画に関することなど、個人や団体から計2件、延べ19項目にわたる内容がございました。  今後、改築検討懇談会におきましては、これら寄せられた内容を報告して御意見をいただき、年内までに策定する改築基本計画の参考といたします。来年度においては、基本設計について引き続き広く御意見をいただき、よりよい学校づくりに御協力いただくこととしております。  次に、杉並第二小学校及び中瀬中学校の改築検討に関する御質問にお答えします。  これまで学校改築の検討に当たっては、学校関係者、保護者、地域代表者及び学識経験者などで構成した改築検討懇談会を設置し、校舎改築における基本方針と基本設計などについて、広く御意見をお聞きしております。杉並第二小学校及び中瀬中学校につきましても、従来と同様に改築検討懇談会を設置し、さまざまな関係者から広く御意見をいただくことで、子供たちはもちろん、地域の要望にも応えることができる学校改築を目指してまいります。  私からは以上でございます。 ○副議長(中村康弘議員) 教育企画担当部長。       〔教育企画担当部長(白石高士)登壇〕 ◎教育企画担当部長(白石高士) 私からは、初めに、防災訓練にかかわる御質問にお答えをいたします。  岩田議員の御指摘にありました小学校での震災救援所訓練や宿泊震災訓練は、子供たちが安全に関して、みずから的確に対応できる判断力や行動力を身につけるとともに、災害時に進んで他の人々や地域の安全に役立つことができるような態度や能力を養う上で大変有意義な取り組みであり、各学校においてもこうした取り組みがふえてきているものと認識しております。  今後、教育委員会といたしましては、防災課等との連携協力に努め、学校や地域の実情に応じて行われる震災救援所訓練や宿泊震災訓練の充実が図られるよう支援してまいります。  次に、産学官連携についての御質問にお答えいたします。  区という枠組みを超えて、産学官が連携して教育に取り組むことは、新しい教育課題に対応し、子供たちの多様で豊かな学びを実現していく上で必要な取り組みであると認識しております。区立学校では、学校支援本部と連携し、保護者や外部人材等の地域の教育資源を活用して教育活動の充実を図るとともに、外国語指導の人材派遣企業やプログラミング学習を進めるNPO団体、情報教育やキャリア教育を支援する総合研究所等と連携した事業を実施するなど、民間との連携も深めているところです。  教育委員会といたしましては、今後も地域の教育資源や人材を活用した取り組みを一層推進するとともに、区という枠組みを超えた、民間企業やNPO団体など外部資源を活用した多様な学びの機会を設定するなど、より質の高い教育を推進してまいります。  私からは以上でございます。 ○副議長(中村康弘議員) 教育委員会事務局次長。       〔教育委員会事務局次長(田中 哲)登壇〕 ◎教育委員会事務局次長(田中哲) 私からは、残りの御質問である地域の教育資源である人材の組織化に関する御質問にお答えいたします。  区ではこの間、地域の人々がボランティアで学校を支援する学校支援本部の全校設置を初め、地域運営学校の全校設置に向けた取り組みや、区内大学との連携による学生の活用など、地域の人材に支えられた地域とともにある学校づくりを進めてまいりました。こうした取り組みの成果として、各学校では、地域の特色を生かしたさまざまな活動が展開されているところでございます。  一方、こうした取り組みについては、御指摘のとおり、共働き世帯の増加や定年延長等の社会情勢の変化を踏まえ、今後どう持続可能な仕組みとしていくかが大きな課題であると考えており、教育委員会としてもさまざまな支援を行ってきております。  例えば、毎年テーマを工夫した教育シンポジウムを開催し、学校や地域関係者等への意識啓発を図っているほか、学校支援本部に関しては、この7年間、毎年、すぐれた取り組みとして文部科学大臣表彰を受けている各校の取り組みを全校に周知し、共有化を図ることや、学校支援本部運営懇談会の開催による活動支援等を通じて、活動の担い手を広める取り組みを行っております。さらには、学校支援本部のさまざまな取り組みにより育てられた子供たちが、卒業後、母校に戻ってボランティアとして活動するなど、将来の担い手につなげる取り組みも支援しているところでございます。  教育委員会といたしましては、今後の社会情勢の変化も踏まえ、こうした取り組みを拡充し、次の世代が参画しやすい仕組みづくりを進め、地域とともにある学校づくりを持続可能なものとしていく考えでございます。  以上です。 ○副議長(中村康弘議員) 以上で岩田いくま議員の一般質問を終わります。  16番大泉やすまさ議員。       〔16番(大泉やすまさ議員)登壇〕 ◆16番(大泉やすまさ議員) 杉並区議会自由民主党の大泉やすまさです。私は、会派の一員として、通告に従い、少子高齢社会における官民連携加速化の取り組みについて質問させていただきます。
     本年4月、総務省が発表した昨年10月1日時点の人口推計によりますと、我が国の年齢3区分別人口の総人口に占める割合は、年少人口が過去最低の12.3%、生産年齢人口は60%で減少が続いており、反面、高齢者人口は27.7%と、過去最高を更新する結果となりました。  今や、この世界に類を見ない速さで進展する少子高齢・人口減少社会への対応は全国的な課題であり、国策の主導や支援のもと、税収減を見据えた公共施設や行政サービスの最適化、また増大する医療費、社会保障費の適正化など、社会の仕組みをこの超高齢社会に適応させていくために、各自治体でさまざまな取り組みが行われているところであります。  その旗印とも言えるものが、ことしの6月に閣議決定された未来投資戦略2018であり、その基本的な考え方は、少子高齢・人口減少という、日本が世界に先んじて直面している社会課題を逆に強みと捉え、Society5.0と呼ばれる新たな社会の具体像の実現に向け、官庁横断的に一気に制度や社会構造の改革を進めていくとしており、その改革を進める上での不可欠な要素として位置づけられたものが産学官民の英知の結集、つまり官民連携であります。  こうした国の方針もあり、今後もさまざまな分野で官民連携の流れが加速していくものと考えられますが、当区においても、少子高齢社会への適応、また税収減を見据えた行政サービスの最適化と質の向上の両立、そして支出の適正化、さらには区内事業者及び産業の活性化といった時代の要請に的確に応えるべく、官民連携の取り組みをより積極的に推進すべき、そういった観点から、以下伺ってまいります。  近年、官民連携の取り組みは全国的に広がり、特に都市部よりも高齢化率の上昇や人口減少が深刻化している地方において、積極的かつ先行して取り組んでいる状況にありますが、それらの事業、施策、それぞれ見ていきますと、決して一朝一夕にその枠組みが仕上がるものではなく、それが機能するまでに、短くても3から4年、場合によっては7、8年という年月を要する取り組みであると感じさせられます。  そこで、まず伺いますが、区は現在、官民連携を視野に入れた何らかの具体的な研究、検討を行っているか確認をします。  官民連携になじむ分野として挙げられるのは、インフラや公共施設の整備や運営、まちづくり等の地域活性化、またヘルスケア事業でも先行事例が見受けられるようになってまいりました。中でも、特に公共施設における官民連携事例は豊富で、これは、多くの自治体において同時期につくられた施設の老朽化が進行する中、人口減少社会における施設の量と機能の最適化という要請と、厳しさを増す財政状況下での施設更新費の捻出とを両立させるための方策として、いち早く官民連携の活用に着目した分野であるためと考えられます。  そこで、官民連携を活用した施設更新が全国的に行われている最近の状況について、区がどのように捉えているか。また、今般改定予定の施設再編整備計画(第一期)・第二次実施プランにおいては、サウンディング調査の導入を検討することとしていますが、どのような意図を持って導入検討をすることとしたのか。さらには、どのような事業への活用を想定しているか。以上の3点についてまとめて伺います。  官民連携を進める上での官民間の対話、提案の手法は、連携の目的やその事業の段階によって幾つかに分類されますが、サウンディング型調査は、まず、行政側で事業構想の発案、検討までを行った上で、その次の段階となる基本計画の策定や事業化手法の検討、公募要項の検討等を行うに際して、民間事業者等の意見や提案を受けるという手法で、主に事業化検討の進展を目的とする場合に適するとされています。つまり、このたび改定する第二次実施プランでも、あくまでも構想の検討については、総合計画、実行計画との整合性確保という観点からも区側で行い、その上で、よりよい提案の可能性を探るべく民間の意見を収集するということでいえば、まさにサウンディング型が適していると言え、その導入を、官民連携の第一歩という観点からも改めて強く要望するものであります。  一方、官民連携の手法の1つで、個別の事業に関しての連携に限らず、定期的なセミナー開催などを通して、自治体と地元事業者、金融機関、地域団体等とが対等の立場で課題を共有し、また情報提供を重ねる中で、官民連携の知識や提案力の向上を図り、事業の発案などにつなげる地域プラットホーム形成という手法があり、特に官民連携の先行自治体によってその取り組みが進められています。  プラットホームの利点は、民間側にとっては、行政とフラットな立場で意向確認ができたり意見を伝えられるなど、また行政側の利点は、ロングリストやショートリストと呼ばれる事業リストの公表等を通して、参画者との対話による、実情に即した実施方針の策定や民間ノウハウの活用、地元事業者の意欲向上や活性化などさまざま挙げられますが、何よりも、公共施設等のハード事業に限らず、行政サービス等のソフト事業も含めた区の事業全般を通して幅広く活用できることが利点であると考えます。  そこで伺いますが、既に幾つもの自治体で設置されているPPP地域プラットホームについての区の認識と評価はどうであるか。  また、今般改定する主要計画のゴールが4年後とすれば、3年後には、次期総合計画、そして施設再編整備計画の第二期の策定準備に取りかかることとなろうかと思いますが、その際にプラットホームを機能させるには、さきに申し上げたとおり、相当な時間を要することからも、早期の設置が必要と考えます。  そこで、区立施設、区有資産は、言うまでもなく区民からその運用を託された区民の資産であり、その活用の適正化と効果の最大化を図るために、多様な区内民間事業者、民間団体等の英知の集合体である杉並区官民連携プラットホームの形成に向けた早期の検討着手を求めますが、この点、区の所見を伺います。  次に、ヘルスケア分野における官民連携について伺います。  先月、10月27日に、八王子市と神戸市において、ソーシャル・インパクト・ボンドを活用したヘルスケア事業において、中間成果指標を上回る実績を達成したことにより、満額の成果連動型支払いが実行されたとの報道がありました。八王子市では大腸がん検診の受診率向上事業、神戸市では糖尿病性腎症等の重症化予防事業がその取り組みとなりますが、まず、区はこの報道を把握しているか確認します。  この2つの事業については、第3回定例会の決算特別委員会でも触れましたが、従来行政で行っていた事業を、成果連動型支払いにより、従来経費よりも安く民間に委託することで行政側の事業コストを下げ、受託業者は、まだ中間評価とはいえ、目標を大きく上回る成果を上げたことで中間成果報酬を受け取り、また、事業資金を投資した民間投資家もその配当を得て、そして何よりも、行政が行うよりも多くの市民の検診受診、また生活習慣の改善という市民福祉の向上に貢献を果たす、まさに三方よし、四方よしのスキームであると感じるところであります。  翻って当区においては、目下、検診事業の信頼回復が至上命題と言っても過言でない状況にありますが、よりその質を高め、チェック機構による効果検証を伴った官民連携型の検診事業の導入は、その信頼回復にも資するものと考えます。  事業コストが幾ら抑えられるかというVFMの視点のみならず、精度管理の向上を目指すという意味においても、検診事業におけるこういった官民連携スキームの活用は、今後検討に値するものと考えますが、この点についての区の所見を伺います。  ヘルスケア事業においては、ほかにも認知症対策に関して、経産省がこの10月に官民連携プラットホームを設置するなど、社会全体で解決に取り組むべき課題も多いため、こうした官民連携施策について、区としても、今後の動向の注視、また精力的な研究が必要と考えますが、これは要望とさせていただきます。  続いて、Park−PFIに関して伺います。  こちらも官民連携の取り組みとして、昨年の都市公園法改正により新たに制度が創設されたことを機に、制度の活用に向けて各自治体がサウンディング調査等を実施するなど、その取り組みを進めています。  そこで、下高井戸おおぞら公園第2期整備工事について伺いますが、当該地は、東京都による地下調節池を整備した後に、当区が表層を整備して、多目的スポーツコートを併設した防災公園として開設する予定となっています。ここで、その表層の整備についてはどの段階まで確定しているのか、確認をいたします。  Park−PFI制度は、人口減少と厳しさを増す自治体財政下にあっても、その公園施設を適切に更新し、また都市公園の質を向上させるために、民間資金やノウハウを活用し、飲食店等の利便施設の設置やマネジメントを可能とする制度であります。当該公園整備においても、災害時には防災施設に転用可能な民間収益施設を設置するなど、その質の向上を図る民間活力導入等の検討ができないものかと考えますが、この点は、工期などの諸条件にも影響を及ぼさず、かつ修正の余地があるものであればという制約もあるため、これも要望とさせていただきます。  また、当区が進めている施設再編整備計画(第一期)では、区民センター等を地域コミュニティー施設という位置づけのもと、多世代が利用できる施設へと段階的に再編するとしています。この点、都市公園においてもPark−PFI制度を活用し、例えばフィットネスクラブ等の施設と保育所等を併設することなどにより、多世代が利用できるコミュニティー公園、パークコミュニティーといった考え方で利用価値を向上させる余地はあろうかと考えます。  今般、施設再編整備計画(第一期)は第二次実施プランへと改定されますが、次の第二期の策定検討時に際しては、Park−PFI制度の積極的な活用の検討を求めるものであります。この点、区の所見を伺います。  最後に、第1回定例会の予算特別委員会でも取り上げました2022年問題について、何点か伺います。  生産緑地指定から30年が経過する2022年、全国の生産緑地の約8割がその指定期間を終え、指定の延長もしくは買い取りの申し出が可能となります。今や都市の重要な機能とされる緑地を保全するために、この間、国も生産緑地法を改正、また区も条例改正とあわせて、土地所有者への説明会を開催するなど、緑地の維持に理解を求めてきたところでありますが、それでも、さまざまな事情により延長を望まない所有者が一定数いることも想定せざるを得ないと考えます。  そこで、改めての確認になりますが、区内にはどの程度の生産緑地があり、現時点において、いわゆる2022年問題の対象となる生産緑地がどの程度あるのか。また、そのうちで、区が区内農家に対して行った指定延長の意向に関するアンケート等を踏まえ、区は買い取り要請をどのように見込んでいるのか確認をいたします。  とはいえ、多数の買い取り申し出があったとしても、財政的に全てを購入するということは不可能と言える中、区としても、都市緑地の保全の観点、またその活用価値を見きわめ、さらには将来の行政需要を見据えての取捨選択が求められることとなります。  この農地の活用、そして行政需要ということでは、現在、農水省と厚労省が推進をしている農業と福祉の連携、いわゆる農福連携への活用が有効策の1つとなり得るものと考えます。  川崎市の事例を挙げますと、市の所有する農地を、障害者支援に取り組むNPO法人との連携によって、障害者の活動の場として活用することで、農地の保全と障害者雇用という課題を同時に解決する取り組みが進行中であります。  区においても、区立農業公園を活用した高齢者の農業体験や農業公園サポーターの養成といった取り組みを行っておりますが、こうした取り組みの成果をさらに進めることにより、農福連携の取り組みと相まった農地保全につなげることができるのではないでしょうか。少子高齢・人口減少社会への適応という時代の要請から生まれた官民連携という大きな流れの中で、2022年問題への対応を見据えてのこういった農福連携の活用を行っていくことも区として検討してはいかがか、最後にこの点について区の所見を伺いまして、私の一般質問を終わります。  ありがとうございました。 ○副議長(中村康弘議員) 理事者の答弁を求めます。  区長。       〔区長(田中 良)登壇〕 ◎区長(田中良) 私からは、大泉やすまさ議員の御質問のうち、農福連携についての御質問にお答え申し上げます。  生産緑地は、新鮮な農産物の供給や災害時のオープンスペースとして貴重な資源でございますが、その多くは、指定から30年を迎え、2022年以降、農地以外への転用が可能になるといういわゆる2022年問題が大きな懸案となっております。この問題につきましては、区では、生産緑地を守るための法整備を受けまして、指定面積要件の緩和や、区内農業者向けに特定生産緑地制度の説明会を実施するなど、農業者が営農活動を継続していただけるよう努めているところでございます。  一方、区内農業者には高齢化や後継者不足といった課題もございまして、生産緑地の効果的な活用方法を区の施策の充実という視点で考えていく必要があるとも認識をしております。  議員御指摘の農福連携につきましては、私も以前から着目いたしておりまして、成田西ふれあい農業公園では、今年度から、車椅子の方が座ったままで参加できる農業体験教室を開設して、利用者から大変御好評を得ているところでございます。  農作業には、障害者や高齢者等の生きがい創出や健康の増進、若者等の就労支援などでの効果があるほか、収穫した農産物を福祉施設に提供することで、運営への寄与も期待できるということから、他自治体においてもその取り組みが行われております。こうした取り組みには、区内農業者だけでなく、さまざまな主体がかかわり、ノウハウを活用することによってその効果をより高めることが期待できますので、官民連携も視野に入れた、農地を活用した農業と福祉の連携のあり方を検討してまいりたいと存じます。  私からは以上です。残りの御質問につきましては、関係部長より御答弁いたさせます。 ○副議長(中村康弘議員) 政策経営部長。       〔政策経営部長(白垣 学)登壇〕 ◎政策経営部長(白垣学) 私からは、官民連携による区有財産活用の検討に関するお尋ねにお答えいたします。  少子高齢化の一層の進展により、将来的には税収の大きな伸びが期待できない一方で、超高齢社会への対応や、次々に更新時期を迎える施設の老朽化への対応など、今後とも行政需要は増大していくことが見込まれております。こうした中で、将来にわたって持続可能な行財政運営を行っていくためには、官民連携の手法の活用により、区有財産の有効活用を図ることが重要なテーマであると認識してございます。  区ではこれまでも、さまざまな官民連携の取り組み事例や手法について情報収集に努めるとともに、数度にわたって民間のコンサルを招いた勉強会を実施してまいりました。こうした研究等を踏まえ、今般、区立施設再編整備計画(第一期)・第二次実施プランの策定に当たり、民間事業者のノウハウやアイデアを生かし、施設再編で生み出された用地等の有効活用を図るため、他自治体の先行事例の調査や民間事業者からの事前ヒアリング等を経て、サウンディング型市場調査を導入する考えを示したものでございます。  次に、PPP地域プラットホームの設置に向けた検討に関するお尋ねにお答えいたします。  地域プラットホームの取り組みは、公共施設の整備、運営について、自治体、地域の金融機関、企業、商工団体などが集まり、官民連携事業のノウハウ習得や官民対話による情報共有を図りながらネットワークづくりを行う仕組みであり、具体的な事業事案を形成する能力の向上等を図る有効な手法であると認識してございます。このような認識に基づき、今後、他自治体の導入事例などの情報収集に努めるとともに、区内事業者からのヒアリングを行うなど、調査研究を進めてまいりたいと存じます。  私からは以上です。 ○副議長(中村康弘議員) 杉並保健所長。       〔杉並保健所長(木村博子)登壇〕 ◎杉並保健所長(木村博子) 私からは、ヘルスケア分野における官民連携についてのお尋ねにお答えいたします。  議員から御指摘がありました八王子市及び神戸市でのソーシャル・インパクト・ボンドを活用したヘルスケア事業の取り組みにつきましては、その事業内容、さらには中間成果指標で目標を上回る成果が達成されたことについて、報道を通じて承知しているところでございます。  また、区の検診事業への活用につきましては、今後、2自治体の取り組みにおける最終成果評価の状況や、当区の検診事業への導入によるメリット等を踏まえつつ、さらに研究を進めてまいりたいと考えております。  私からは以上です。 ○副議長(中村康弘議員) 土木担当部長。       〔土木担当部長(吉野 稔)登壇〕 ◎土木担当部長(吉野稔) 私からは、下高井戸おおぞら公園についての御質問にお答えします。  東京都が地下調節池の整備を予定している東側上部は、区民とのワークショップに基づく計画を踏まえ、多目的スポーツコートの設置を計画してございます。  なお、今後、調整池の整備工事が進む中で、調整池関連施設との整合を図るなど、整備内容については、都と十分な協議が必要と認識してございます。  次に、次期区立施設再編整備計画において、Park−PFI制度の活用を検討してはどうかとのお尋ねですが、本制度については、実施自治体の事例を踏まえ、区内の大規模な公園等の整備に活用できないか、十分調査研究してまいります。  次に、生産緑地に関するお尋ねですが、生産緑地は全体で約34ヘクタールあり、そのうち、指定から30年を迎え、条件なく買い取りの申し出ができるようになる、いわゆる2022年問題の対象となるのは約26ヘクタールとなります。  買い取りに関する見込みでございますが、2022年問題の対策として新たに制度化された特定生産緑地の指定に関する意向調査では、指定を受けないと考えている農家が約3割おりました。そうしたことから、同程度の割合の買い取りの申し出がなされると考えてございます。  私からは以上でございます。 ○副議長(中村康弘議員) 以上で大泉やすまさ議員の一般質問を終わります。  2番木村ようこ議員。       〔2番(木村ようこ議員)登壇〕 ◆2番(木村ようこ議員) 日本維新の会・木村ようこです。本日は、親子の面会交流支援について、特殊詐欺対策について、区立学校における組み体操について、以上の3項目について質問してまいります。  まず初めに、親子の面会交流支援について質問いたします。  ことしの7月、上川陽子前法務大臣は記者会見で、親子法制の諸課題について、離婚後の単独親権制度の見直しも含めて広く検討したいと述べました。我が国は、G7加盟国中唯一、離婚後の共同親権を認めていない国です。欧米諸国においては、離婚した後も両親ともに子供に対して責任を持ち、積極的に養育にかかわることが当然のように行われています。しかし、我が国では、離婚により一旦親権を失ってしまえば、非親権者は、養育費の支払いや限られた面会交流を除き、子供の養育に関与できなくなる可能性があります。  子供に会いたくても会えない、そのような状況に置かれている非親権者は全国にたくさんいらっしゃいます。調停などで面会交流の取り決めがなされても、親権者側が、子供の体調が悪い、忙しいなどの理由を挙げれば、取り決めどおり面会交流が実現しないことも少なくありません。取り決めどおりに面会交流が履行されない場合の対抗措置も、法律上ないわけではありませんが、実効性の点で当事者からは不満が出ています。いずれにせよ、現実問題として、離婚後に、会いたくても会えない親子がいるわけです。  そこで、まず、区内のひとり親家庭における面会交流の取り決め状況について伺います。  また、実際に面会交流が実施されている世帯の割合、これは母子世帯、父子世帯それぞれについて伺います。  ところで、このように離れ離れになった親子が会えないという事態、驚くべきことに、離婚前、すなわち共同親権下においても起こっております。別居の際、一方の親が他方の親に同意なく子供を連れていき、そのまま相手に会わせないということが起こっているのです。もちろん、児童虐待がある場合など、親であっても会わせることに慎重にならざるを得ないこともあります。しかし、児童虐待などのおそれがないにもかかわらず、会えていない親子がいるのです。ある日突然、配偶者に子供を連れていかれてしまい、その後子供に会わせてもらえない、そのような状況が日々起こっているのです。中には、このような状況に直面し、精神的に追い詰められて自殺してしまった方もいるという話も聞きます。  面会交流の問題は、子供に会えない親にとって、つらいというだけではありません。我が国も批准する児童の権利に関する条約の第9条3項は、「締約国は、児童の最善の利益に反する場合を除くほか、父母の一方又は双方から分離されている児童が定期的に父母のいずれとも人的な関係及び直接の接触を維持する権利を尊重する。」と定めています。児童の権利に関する条約がこのように定めているのは、子供の健全な成育上、可能な限り父母双方と交流したほうがよいという前提があるからです。そうであるならば、親子が十分に会えないという現在の面会交流問題の一番の被害者は、子供なのです。児童虐待などがないにもかかわらず、なぜ十分に会えない親子が生まれてしまうのか。これは、根源的には裁判所の運用や法整備の不備の問題だと言えます。  しかし、地方自治体レベルでもできることはあります。兵庫県の明石市が面会交流支援に積極的に取り組んでいます。本日は、明石市の取り組みを参考に、幾つか質問していきたいと思います。  まず、面会交流あるいは離婚後の共同養育について。  諸外国の中には、親教育、親ガイダンスを行っているところがあります。親教育、親ガイダンスの内容としては、例えば離婚時の親の態度が子供に与える影響や、離婚後の親子交流の重要性などです。明石市でも、離婚届の配布時などに、子供への配慮を促すという目的で、親へのアドバイスや母子、父子家庭への支援策などを記載したパンフレットを配布しています。当区においてもこのような親教育という視点に基づく施策があってもよいと考えますが、区の見解をお示しください。  次に、現在の離婚届には一応養育費や面会交流の取り決めの有無に関するチェック欄はあるものの、これらについて取り決めることは離婚の要件とされていません。子供のことを考えれば、養育費や面会交流について、離婚時にきちんと定めておくべきです。  その観点から、明石市では、親教育からさらに一歩進んで、「こどもの養育に関する合意書」、「こども養育プラン」及び「合意書・養育プラン作成の手引き」を配布しています。これは養育費の額や面会交流の頻度、方法などについて離婚時に決めておこうというものです。ほとんど予算をかけずとも実施可能です。ぜひ当区においても子供養育プランの普及に向けた施策を取り入れていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。  先ほど申し上げたように、離婚時に面会交流の頻度や時間を取り決めても、実施されなくなることはよくあります。実施できなくなる1つの理由として、親権者が子供の受け渡し時に非親権者に会うのが嫌だということがあるようです。別居、離婚した相手と会いたくない、これ自体は自然な感情だと思います。第三者が仲介し、円滑な子供の受け渡しができれば、それにこしたことはありません。  ここでも明石市の取り組みは参考になります。明石市では、父母の間にスタッフが入り、交流日程の調整をサポート、さらに交流当日、父母にはそれぞれ別々に待機してもらい、お互いに顔を合わせることなく、スタッフが子供を引き合わせるという支援まで行っているのです。ぜひ当区においてもこういった取り組みを検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。  明石市の取り組みを参考に、面会交流支援について質問してまいりました。この問題は、子供の健全な育成という極めて大きな問題なのですが、国の動きが極めて鈍いという特徴があります。  子供の連れ去りに関しては、アメリカ合衆国の国務省が、国際的な子供の拉致に関する2018年の年次報告書で、日本を子の連れ去り問題について定めたハーグ条約の義務不履行国の1つに認定しました。これは国際社会の一員として恥ずべき事態です。  また、子供は日々成長します。失った時間は取り戻せません。親子が会えないという事態は一刻も早く解消しなければなりません。  最後に、面会交流支援についての区の総合的な見解をお尋ねし、ぜひ区として積極的な取り組みを行っていただきたいとの要望をいたしまして、次の質問に移ります。  次に、特殊詐欺対策について質問いたします。  オレオレ詐欺、振り込め詐欺という言葉が報じられるようになってかなりの時間がたちました。しかし、いまだに毎年多くの被害が発生しています。平成29年の都内特殊詐欺認知件数は、平成28年に比べて1,478件増の3,510件とのことです。大幅にふえています。  そこで、まず伺います。平成29年の区内の特殊詐欺の被害件数と前年比、また被害総数と前年比をお示しください。  特殊詐欺、中でも振り込め詐欺が特に問題になっておりますので、振り込め詐欺に注目して質問したいと思いますが、この振り込め詐欺については、各種報道、広報により、その存在自体は多くの高齢者も御存じだと思います。それでも事件は発生し続けています。  大阪府警による被害者アンケートによれば、被害に遭った人のおよそ8割が、一般的な犯行手口について知識として知りながら、結果的にだまされたとのことです。その理由としては、手口の巧妙化が挙げられているのではないかと思います。  私も驚いたのですが、最近の振り込め詐欺は、こちらの情報、例えば子供の名前や職業なども把握した上で電話をかけてくるようです。名簿が出回っていたり、あらかじめ情報を得るための電話をかけていたりするようです。昔ながらの、名前を名乗らず、俺、俺と電話口で話す手口だけではないのです。ここまで巧妙化が進むと、振り込め詐欺の存在を知っているだけでは対策の打ちようがありません。したがって、単なる振り込め詐欺の周知だけでは、効果は薄いのではないかと思います。  そこで、現在区が行っている振り込め詐欺対策の中身についてお示しください。  手口が巧妙化しているということを念頭に置くと、被害を減らしていくための対策として、2つの方向性があるのではないかと考えています。  1つは、そもそも固定電話に電話がかかってきても出ないというものです。ある報道によると、振り込め詐欺電話の多くは固定電話にかかってくるようです。そうであれば、もう固定電話には出ない。原則留守番電話にしておく。それで留守番電話の内容を聞いてみて、必要があれば携帯電話からかけ直すという運用を行うのです。  もう一つの方法は、手元にお金を置かないというものです。お金がなければ、そもそも被害に遭いようがありません。口座から自由に送金できると、どうしてもひっかかってしまいます。そこで、できるだけ早い段階で子供などに財産管理を任せるということも必要になってくるのではないかと思います。これは成年後見制度の促進という政府の方針とも一致する考え方です。  今申し上げました留守番電話を徹底して固定電話に出ない、早い段階で財産管理を子供などに任せるといった対策について、区としてはどのように考えているのか。また、区としてはそのような対策が有効だと考えている場合は、どのように具体策を周知していくお考えなのか伺います。  振り込め詐欺では数千万円単位の被害が生じることもあり、被害者は老後の生活に窮するという事態が生じます。区では毎年、有名人を呼んで周知イベントが行われています。確かにイベントは、集客という面では効果があるかもしれません。しかし、先ほど述べましたように、振り込め詐欺の手口は巧妙化しております。単に振り込め詐欺の存在を周知するのみならず、具体策の周知、そして対策を区民の皆様に実践していただかなくては被害は減りません。
     また、区は24時間の相談ダイヤルを設けています。それ自体は大切なことだと思うのですが、相談しようと思う段階ではもう振り込みが完了、つまり、だまされた後という事態が多いのではないかと思います。  毎年一定の予算をかけて対策しているわけですが、なかなか被害が減らないばかりか、年によってはふえてさえいます。区におかれましては、従前の対策では効果は頭打ちという意識を持っていただき、効果があると思われる対策については、ぜひ積極的に行っていただきたいとの要望をいたしまして、次の質問に移ります。  最後に、区立学校における組み体操について質問いたします。この問題は、平成28年から毎年取り上げてきました。  まず、本年度の区立学校における組み体操実施状況について伺います。  次に、本年度の組み体操の練習実施時の事故状況、これは件数、けがの程度についてお示しください。  既に伺っているところでは、本年度も骨折などの痛ましい事故が続発しております。昨年の決算特別委員会でこの問題を取り上げた際、教育委員会は、再発防止策として、実技研修、事例研修を行う、事前の安全管理、安全指導を徹底した上で適切に実施すると答弁していました。しかし、再発は防止できなかった。しかも、ちょっとしたすり傷程度ではなく、骨折事故が発生しているのです。  改めて伺いますが、なぜ今年度もこのような痛ましい事故が防げなかったのか、その理由をお示しください。  何度再発防止策を講じても事故が防げない以上、もう全面廃止に踏み切る時期ではないかと思いますが、教育委員会の見解、また今後の方針の検討状況をお示しください。  過去何度も申し上げてきましたが、組み体操は学習指導要領に明記されているわけではありません。この間、組み体操を全面廃止した自治体もあります。最近では学校事故の損害賠償責任もメディアで取り上げられることもふえており、この問題は、区財政との関係でも無視できません。  例えば国立広島大学附属三原中学校の生徒が、2017年6月、運動会での組み体操が原因で死亡したとして、遺族らが学校を運営する国立大学法人広島大学に対して約9,600万円の損害賠償を求めた訴訟が、現在、広島地裁尾道支部で審理されています。被告側は事故の存在を否定しているようです。判決はまだ出ていませんが、容認されれば、被告に多額の賠償義務が課せられることになります。組み体操にはこのような経済的リスクもあるのです。  一旦事故が起これば、けがをした子供はもちろん、そのきっかけとなった、バランスを崩してしまった子供の心にも大きな傷を残してしまいます。子供の安全を考え、組み体操を全面廃止していただきたい。改めて要望いたしまして、私の質問を終わります。 ○副議長(中村康弘議員) 理事者の答弁を求めます。  子ども家庭担当部長。       〔子ども家庭担当部長(徳嵩淳一)登壇〕 ◎子ども家庭担当部長(徳嵩淳一) 私からは、ひとり親となった後の子供と相手方との面会交流に関する一連の御質問にお答えします。  まず、面会交流の取り決め状況ですが、平成27年度に区が実施したひとり親家庭実態調査の結果では、回答した560世帯のうち、調停や書面で取り決めをしている世帯は49.3%、取り決めをしていない世帯は47.1%でした。  また、面会交流の実施状況ですが、子供だけ相手方と会っている、子供と自分が一緒に相手方と会っている、双方それぞれ合計の回答した世帯が全体で40.2%、このうち、母子世帯は39.2%、父子世帯は59.2%という結果となってございます。  次に、離婚後の子供への配慮を促すためのパンフレットを作成、配布してはどうかとのお尋ねがありました。  区といたしましても、親の離婚は大変大きな出来事であり、そうした子供の心情に十分配慮してかかわっていくことが重要と認識しておりますので、今後、区内のひとり親家庭支援団体等の意見も聞きながら、改めて考えてまいりたいと存じます。  次に、養育費や面会交流等について取り決めるための支援に関する御質問ですが、現在もそうした御相談があった際には、東京都のひとり親家庭支援センターはあと、このほか、国の養育費相談支援センター等へ御案内をいたしまして、面会交流等に係る相手方との合意形成や具体的な実施方法などの支援につなげているところでございます。  私からの最後に、区としての面会交流支援を検討すべきではないか、今後の面会交流支援についての総合的な見解はどうかとの御質問にお答えします。  面会交流は、離婚により子供と離れて暮らす相手方の親が、その子供と定期的、継続的に面談することを通して、相互に愛情を実感し合うことのできる大切な機会であると存じます。区といたしましては、今後とも、面会交流や養育費等の相談を実施している東京都のひとり親家庭支援センターはあとなどの専門機関と十分連携しながら、ひとり親世帯のニーズに応じた面会交流支援を図ってまいりたいと存じます。  以上です。 ○副議長(中村康弘議員) 危機管理室長。       〔危機管理室長(寺嶋 実)登壇〕 ◎危機管理室長(寺嶋実) 特殊詐欺に対しての御質問のうち、初めに、特殊詐欺に関する区内の被害状況と対策についてのお尋ねにお答えいたします。  初めに、平成29年の被害状況ですが、被害件数は174件で前年比プラス92件、被害額については、2億7,600万円で前年比マイナス1億1,200万円です。  次に、当区の振り込め詐欺対策ですが、まず、6月から振り込め詐欺に関する24時間対応の電話相談窓口を設置し、10月末までに212件の相談を受け、数多くの被害を未然に防止しております。  また、防止対策の効果の高い自動通話録音機の貸与、留守番電話設定や、安易に固定電話に出ないようにという呼びかけ、各種キャンペーンや広報紙、犯罪発生情報メールなどにより被害防止に関する啓発を実施しております。  次に、振り込め詐欺対策についてのお尋ねですが、留守番電話設定の徹底や、安易に固定電話に出ないようにという取り組みにつきましては、犯人と接触しないという点から非常に有効でありますので、警察と連携を図りながら、各種イベントなどであらゆる機会を通じて周知をしております。  また、家族等による財産管理につきましては、その方法の1つとして成年後見制度の活用があり、他自治体においては、振り込め詐欺の被害防止対策として本制度の活用を案内する例もありますことから、このような事例も参考に、さらなる制度の周知に努めてまいります。  私からは以上です。 ○副議長(中村康弘議員) 教育企画担当部長。       〔教育企画担当部長(白石高士)登壇〕 ◎教育企画担当部長(白石高士) 私からは、区立学校における組み体操に関する御質問にお答えいたします。  本年度、区立学校における組み体操の実施は、小学校で26校。中学校での実施はございません。  続いて、組み体操に関するけがについてですが、本年度7件発生しており、全て練習時に発生しております。種類といたしましては、打撲2件、骨折2件、捻挫が2件、歯のけがが1件となっております。  発生状況は、倒立時や、膝の高さあたりからバランスを崩して転倒したことによるものが主なものとなっており、いずれも現在は完治しております。  これらの事故の発生理由につきましては、1つに特定できるものではありませんが、本年度発生したけがの状況から共通した傾向をつかみ、教員が具体的により安全に指導、支援していけるよう、次年度の研修へも生かしていく必要があると考えております。  教育委員会といたしましては、組み体操の実施の際には、各学校が年間指導計画及び週ごとの指導計画に基づき十分な安全配慮を行うよう、適時適切な支援を行い、事故ゼロを目指してまいりたいと存じます。  私からは以上でございます。 ○副議長(中村康弘議員) 2番木村ようこ議員。       〔2番(木村ようこ議員)登壇〕 ◆2番(木村ようこ議員) 御答弁ありがとうございました。親子の面会交流支援について、区立学校における組み体操について再質問させていただきます。  まず、親子の面会交流支援についてです。  親教育については、離婚前に行うことが大変大事です。最終的に離婚する前に、両親に子供の養育について熟慮し話し合ってもらえるようにすることが大切なのです。明石市でも、離婚届の配布時や相談時にパンフレット配布が行われています。ぜひ離婚届配布時に一緒に配布する資料として、親教育パンフレットを検討していただきたいと思います。これは要望でございます。  次に、子供養育プランや面会交流支援について、東京都が行っているという御答弁であったかと思うのですが、しかし、ここはぜひ考えていただきたいのです。子育てという極めて生活に密着した問題なのですから、最も身近な自治体である区が積極的であるべきではないでしょうか。養育プランについては、実は文京区でも取り組みが始まっています。また、都の面会交流支援は所得制限があるなど、大きな問題もあります。ぜひ区民に身近な杉並区として、子供養育プラン、面会交流支援について積極的な施策を行っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか、改めて御答弁をお願いいたします。  そして最後に、区立学校における組み体操についてです。  少し内容がわかりにくかったのですが、私が、事故再発を防げないのならば廃止すべきという質問に対して、教育委員会からは、分析をしていく、その傾向を指導に反映していくという内容だったかと思うのですね。これは本当に怒りを覚えるのですが、生徒の補助の仕方等に問題があるのであれば、これまで組み体操は一体何十年行われてきたのでしょうか。これまで十分いろんなパターン、いろんな分析がなされてきたと思うんですね。もっともらしい状況分析と対策を述べられているだけのように思えてなりません。そのような大人の態度によって、なぜ子供が不必要な危険にさらされなければならないのでしょうか。  改めて伺います。教育委員会は、組み体操事故防止のために、これまで何度も分析と対策を行っています。そしてその上で、廃止するとの判断を行わない。これだけやってきたのですから、来年度は骨折事故は起こらない、そう約束していただけますか。教育委員会のお考えをお伺いいたしまして、私の再質問を終わります。 ○副議長(中村康弘議員) 理事者の答弁を求めます。  子ども家庭担当部長。       〔子ども家庭担当部長(徳嵩淳一)登壇〕 ◎子ども家庭担当部長(徳嵩淳一) 私から、養育費や面会交流支援に関する再度の御質問にお答えします。  私ども、これまでも、区民に最も身近な基礎自治体の立場から、東京都や国の専門機関と必要な連携を図りながら寄り添い型の支援に努めてきてございます。今後もそうした社会資源を活用しながら、しっかりと個々の状況に寄り添った基本姿勢で支援に努めてまいりたい、かように考えてございます。  以上です。 ○副議長(中村康弘議員) 教育企画担当部長。       〔教育企画担当部長(白石高士)登壇〕 ◎教育企画担当部長(白石高士) 私から、木村議員の再質問にお答えをさせていただきます。  組み体操の事故の発生理由につきましては、先ほど御答弁させていただきましたとおり、1つに特定できるものではございません。残念ながら、子供たちが捻挫ですとかけがを生じているということは事実であります。ただ、学校におきましては、組み体操を実施する際に、管理職が実際練習場面を確認し、計画をしっかり見て、そして十分な安全配慮、人的な措置もしながら指導をしているところでございます。組み体操の実施につきましては、各学校が、これまでの学校の伝統ですとかさまざまなことも考えながら適切に実施をしているものと考えております。  私たち教育委員会といたしましても、これまでのけがの共通の傾向などをつかみながら、次年度の研修の内容も精査し、より安全な組み体操が実施できるよう、そして事故ゼロを目指してまいりたいと考えております。 ○副議長(中村康弘議員) 以上で木村ようこ議員の一般質問を終わります。  ここで午後1時10分まで休憩いたします。                                午後0時09分休憩                                午後1時10分開議 ○副議長(中村康弘議員) 休憩前に引き続き会議を開きます。  24番増田裕一議員。       〔24番(増田裕一議員)登壇〕 ◆24番(増田裕一議員) 区民フォーラムみらいの増田裕一です。会派の一員としまして、区政一般についての質問をさせていただきます。  さて、本日は、区民の安全を守り、心豊かな暮らしの実現を目指し、防災対策について、更生支援について、人間と動物が共生できるまちづくりについてお尋ねします。  最初に、防災対策についてお尋ねします。  先日来、他の議員より、防災をテーマとした質問が続いています。重複する質問もあろうかと思いますが、あらかじめ御了承ください。  平成26年4月、政府の地震調査委員会は、相模トラフ沿いの地震活動の長期評価(第二版)において、マグニチュード7程度の地震が30年以内に発生する確率が70%程度であると報告しました。それから4年がたち、同委員会は、本年1月時点で、関東から九州・沖縄地方までの広い範囲で被害が想定される南海トラフ巨大地震について、30年以内に発生する確率を70から80%に引き上げました。  この間、区では、被害が最も大きいとされる東京湾北部地震を想定し、区内建築物の耐震化、不燃化等の状況、地盤データ、消防庁のデータ等を活用して、50メートルメッシュごとの震度予測や建物被害のシミュレーションを行いました。区は、このシミュレーション結果を活用し、特に焼失被害が大きいとされた地域を対象に、簡易型感震ブレーカーの設置を支援するなどしたところです。  本年10月、区は、地震被害シミュレーションの第二弾として、人口、ライフライン設備等の基礎データを可能な限り反映して、避難者予測やライフライン被害等のシミュレーションを行いました。  そこでお尋ねします。この結果にどのような傾向があると分析しているのか、お尋ねします。  また、首都直下地震が発生した際のライフライン被害について、今後関係事業者にどのように対応していくのか、お尋ねします。  今回の地震被害シミュレーションでは、避難者予測が町丁目ごとに示されました。避難者数が1,000人を超える町丁目もありますが、震災救援所の収容人数によっては、避難所難民が生じる可能性があります。例えば、避難者数が2,217人と予測されている、成田東1丁目に所在する震災救援所の東田小学校の収容人数は1,012人です。成田東1丁目在住の避難者が必ずしも東田小学校にばかり避難するとは限りませんが、区としては、そうした場合も想定しておかねばなりません。  そこでお尋ねします。まず、震災救援所の収容人数の積算根拠についてお尋ねします。  また、現状の震災救援所訓練では、発災時に効率的かつ効果的に避難者を収容できるとは思えません。収容人数を最大限まで生かせるよう訓練を実施すべきと考えますが、区の御所見をお尋ねします。  さきに挙げた例からすると、成田東1丁目在住の避難者が、単純計算で1,205人ほど、震災救援所の東田小学校に収容されない避難所難民となり得ます。避難所難民を防ぐためには、近隣の震災救援所にあらかじめ避難誘導するよう計画する必要性があります。  そこでお尋ねします。区民が避難所難民とならないよう、地域ごとの避難計画の策定や、災害対策基本法第42条の2に規定される居住者等による地区防災計画の策定支援等を行うべきと考えますが、区の御所見をお尋ねします。  若干視点を変えます。防災地図アプリすぎナビには震災救援所の収容人数が記載されておらず、状況もリアルタイムで把握できません。  そこでお尋ねします。区民がみずから避難する震災救援所を判断できるよう、アプリを改修すべきと考えますが、区の御所見をお尋ねします。  震災救援所に関連して、本年9月、小池都知事は、都内全ての公立小中学校の体育館に空調設備を設置するため、補助制度を設ける方針を表明しました。区も区立小中学校の体育館に空調設備を整備していく方針ですが、その概要と今後の予定をお尋ねします。  東日本大震災発生直後、消防団活動を行うため、約6割の団員が参集、避難誘導や水門、陸閘の閉鎖等の活動に当たったとのことです。  そこでお尋ねします。震災時における消防団の位置づけについてお尋ねします。  また、区は消防団に対してこれまでどのような支援を行ってきたのか、お尋ねします。  消防関係者によりますと、板橋区では、消防団から要望を聴取して、一定の予算額の範囲内で装備品を調達して支給しています。若干震災の話題からそれますが、過去には排水ポンプも支給しており、水害時に活用しているとのことです。  この項目の最後に、区では消防団から要望を聴取し、装備品を調達、支給してはいかがかと考えますが、区の御所見をお尋ねします。  次に、更生支援についてお尋ねします。  近年、刑法犯の検挙人員は大幅に減少していますが、検挙人員に占める再犯者の割合は一貫して上昇し、平成28年は48.7%と、刑法犯の約半数を占めています。  平成28年12月に施行された再犯防止推進法に基づき、平成29年12月に国で再犯防止推進計画が閣議決定されました。現在、東京都において再犯防止推進計画が検討されています。  そこでお尋ねします。これまでの検討状況はどのようになっているのか、お尋ねします。  また、将来的な再犯防止推進計画の策定に向けた区の課題認識をお尋ねします。  再犯防止推進法第24条によりますと、「地方公共団体は、国との適切な役割分担を踏まえて、その地方公共団体の地域の状況に応じ、」特性に応じた指導及び支援等や就労の支援、非行少年等に対する支援等の「施策を講ずるように努めなければならない。」とあります。  そこでお尋ねします。区は、施策を実施する上で前提となる地域の状況をどのように捉えているのか、お尋ねします。  本年7月に会派視察で訪れた兵庫県明石市では、平成29年度から更生支援担当の専従班を設け、更生支援を推進するため、「つなぐ」「ささえる」「ひろげる」の3つのキーワードを柱として更生支援に取り組んでいます。つなぐ取り組みとしては、更生支援にかかわる機関、団体が連携してネットワーク会議を開催し、情報交換等を行うことで、罪を犯した人が地域に帰ってきたときに早期に福祉サービス等の支援につなげます。支える取り組みとしては、対象者との面談や関係機関との連携により、必要な支援を調整するコーディネート事業に取り組んでいます。広げる取り組みとしては、更生支援についてより多くの市民に理解していただくために、講演会、パネル展示等を企画、開催しています。  そこでお尋ねします。区においては、広げる取り組みは、ひまわりフェスタの開催等により担えていると受けとめています。しかしながら、つなぐ、支える取り組みは充実できる余地があると考えますが、区の御所見をお尋ねします。  更生保護の重要な役割を担っているのが保護司です。保護司活動には主に、次に掲げる活動があります。犯罪や非行をした人たちと定期的に面接を行い、更生を図るための遵守事項を守るよう指導するとともに、生活上の助言や就労の手助け等を行う保護観察と、少年院や刑務所に収容されている人が釈放後にスムーズに社会復帰できるよう、釈放後の帰住予定地の調査、引受人との話し合い等を行い、必要な受け入れ態勢を整える生活環境調整であります。その他、各地域で行われる犯罪予防活動にも積極的にかかわっています。本区議会でも7人の議員が保護司として活動しており、かく言う私もその1人です。
     明石市では、福祉の総合窓口を行う6つの地域総合支援センター内に保護司の面接場所を確保しています。  そこでお尋ねします。対象者との面接場所の確保は保護司活動の課題であり、区立施設等において面接場所を確保することは可能なのかどうか、お尋ねをいたします。  明石市では、工事等の入札において、総合評価落札方式、工事品質評価型入札制度、プロポーザル方式に、刑務所出所者等の雇用に関する優遇制度を創設しています。  そこでお尋ねします。区において、協力雇用主に対して何らかの優遇を行うべきと考えますが、区の御所見をお尋ねします。  今現在、明石市では、更生支援及び再犯防止等に関する条例の制定に向けて検討を進めています。  そこでお尋ねします。条例を制定することの意義について、区の御所見をお尋ねします。  これまで、国や東京都、先進自治体の動向を踏まえ、るるお尋ねしてきました。この項目の最後に、区は更生保護の取り組みに対してこれまでどのような支援を行ってきたのか、お尋ねします。  また、今後区において再犯防止等も含めた更生保護の取り組みを実施するに当たり、しっかりとした体制で取り組むべきと考えますが、区の課題認識をお尋ねします。  最後に、人間と動物が共生できるまちづくりについてお尋ねします。  動物愛護法第35条第1項によりますと、都道府県等は、「犬又は猫の引取りをその所有者から求められたときは、これを引き取らなければならない。」とあります。また、同条第4項によりますと、都道府県知事等は、「引取りを行つた犬又は猫について、殺処分がなくなることを目指して、所有者がいると推測されるものについてはその所有者を発見し、当該所有者に返還するよう努めるとともに、所有者がいないと推測されるもの、所有者から引取りを求められたもの又は所有者の発見ができないものについてはその飼養を希望する者を募集し、当該希望する者に譲り渡すよう努めるものとする。」とあります。  そこでお尋ねします。平成29年度、東京都動物愛護相談センターが、本区域において、引き取り、返還、譲渡等を行った犬、猫の頭数はいかほどか、お尋ねします。  同条第6項では、「動物の愛護を目的とする団体その他の者に犬及び猫の引取り又は譲渡しを委託することができる。」とあります。  そこでお尋ねします。区は、区内で保護動物の譲渡会を行っている動物愛護団体の実態を把握しているのか、お尋ねします。  また、動物愛護団体による譲渡会に、本庁舎、保健所等の区立施設を提供することは可能なのかどうかをお尋ねします。  台東区では、保護犬を引き取った際に発生する登録手数料免除、狂犬病予防注射済票交付手数料免除、犬のしつけ教室への参加費免除等、保護犬の譲渡を推進するための取り組みを実施しています。  そこでお尋ねします。本区でもこうした取り組みを導入してはいかがかと考えますが、区の御所見をお尋ねします。  動物愛護法第38条第1項によりますと、「都道府県知事等は、地域における犬、猫等の動物の愛護の推進に熱意と識見を有する者のうちから、動物愛護推進員を委嘱することができる。」とあります。本年5月末現在、東京都から委嘱されている東京都動物愛護推進員のうち、本区の人数は23区中最多となっています。  そこでお尋ねします。本区の推進員の活動の特色についてお尋ねします。  話題を変えます。平成28年3月から29年4月にかけて、埼玉県深谷市内で、猫を捕獲の上、9匹を殺害、4匹に重傷を負わせる事件が発生しました。しかも犯人は、虐待行為を撮影し、インターネットの動画共有サイトに投稿していました。  動物愛護法第44条によりますと、愛護動物をみだりに殺し、または傷つけた者は、2年以下の懲役または200万円以下の罰金に処せられます。また、動物虐待行為を見逃すことで重大犯罪につながることもあり得ます。  そこでお尋ねします。模倣犯を防ぐためにも、まず区として、法の内容や動物の命の大切さを周知すべきと考えますが、区の御所見をお尋ねします。  平成28年度、本区における犬の登録頭数及び狂犬病予防注射頭数はそれぞれ2万1,266頭、1万3,726頭で、犬の登録頭数に占める狂犬病予防注射頭数の割合、つまり接種率は、23区中、練馬区、港区に次いで3番目に低い割合で、64.54%となっています。  そこでお尋ねします。区はどのような要因があると捉えているのか、お尋ねします。また、今後どのような対応を図っていくのか、お尋ねします。  東京都においては、1、設置可能な場所の確保、2、駐車場の確保、3、ボランティア団体等の協力、4、近隣住民の理解を条件に、代々木公園等、14の都立公園内にドッグランを設置してきました。また、23区では、世田谷区のように、利用調整型ドッグランを整備している場所もあります。しかし、小規模公園が多い区立公園ではスペースの余裕がなく、多くの区で常設ドッグランの設置は困難となっています。しかしながら、区民にドッグランの整備を求める声が根強いのは確かであります。  そこでお尋ねします。4条件ないし駐車場の確保を除く3条件を満たした場合、区独自のドッグランを整備することは可能なのかどうかをお尋ねします。  また、区内に民間のドッグラン運営事業者が所在していると伺っていますが、実態を把握しているのか、お尋ねします。  これまで多岐にわたりお尋ねしてきました。最後に、区は動物愛護について、これまでどのような取り組みを行ってきたのか、お尋ねします。また、今後の区の課題認識をお尋ねします。  動物愛護法第9条に規定されている、条例を制定し、動物の飼養及び保管について動物の所有者または占有者に対して指導すること等について、区の課題認識をお尋ねし、私の区政一般についての質問を終了させていただきます。  御清聴いただきまして、まことにありがとうございました。 ○副議長(中村康弘議員) 理事者の答弁を求めます。  区長。       〔区長(田中 良)登壇〕 ◎区長(田中良) 私からは、増田裕一議員の御質問のうち、本区の更生保護活動に対する支援の取り組みと今後の課題についてのお尋ねにお答えを申し上げます。  更生保護は、犯罪を犯した人や非行のある少年を社会の中で適切に処遇することにより、その再犯を防ぎ、非行をなくし、これらの人たちが自立更生することを援助する大変重要な活動でございます。その活動を中心的に担っているのが杉並区保護司会の皆様でございまして、杉並区更生保護女性会や杉並区保護観察協会等と手を携えて日々の活動に取り組まれていることに深く感謝を申し上げる次第でございます。  また、増田議員を初め、多くの区議会議員の方々が保護司として活躍されていることにも敬意を表したいと存じます。  これらの方々による更生保護活動に対して、これまで区は、保護司会への活動費助成や、社会を明るくする運動の実行委員会事務局を務めることなどによる支援を行ってまいりました。その中で、保護司会の強い御要望を受けまして、平成25年度に、都内自治体では数少なかった更生保護サポートセンターをいち早く開設して活動拠点を整えたことで、保護司会等による更生保護活動の活性化が図られたということは、私にとっても大きな喜びでございまして、今後とも必要な支援に注力していく所存でございます。  こうした中、近年、刑法犯の認知件数が減少傾向にある一方で、そのうちの再犯者率は一貫し上昇し続けておりまして、国を挙げて再犯防止の取り組みを推進していくことが重要な課題となっております。この取り組みを進めるためには、現在、更生保護活動を所管している児童青少年部門のみならず、危機管理部門などの関係部局が連携して、総合的に対応していかなければならないことは、御指摘のとおりだと考えております。  このため、まずは、東京都が広域的な立場から再犯防止推進法に基づく計画の策定に着手をいたしておりますので、その状況等を見定めつつ、保護司会を初めとする関係団体や警察等の関係機関の意見を伺いながら、本区として取り組むべき方向性とその具体的な内容等、適時適切に検討してまいりたいと存じます。  私からは以上です。残りの御質問につきましては、関係部長より御答弁いたさせます。 ○副議長(中村康弘議員) 危機管理室長。       〔危機管理室長(寺嶋 実)登壇〕 ◎危機管理室長(寺嶋実) 私からは、防犯対策についての御質問にお答えします。  初めに、地震被害シミュレーションの結果の傾向についてのお尋ねですが、避難者予測では、地域に偏在があることがわかりました。揺れが強く、建物被害や焼失被害の多い地域は避難者が多くなると分析しております。  また、ライフライン被害については、東京都が平成24年に実施した東京都の被害想定と比較すると、設備の耐震化等の取り組みにより被害率が低くなっている傾向が確認できました。  次に、ライフライン被害について、関係事業者に今後どのように対応していくのかというお尋ねですが、シミュレーション結果を各事業者に直接説明し、情報を共有するとともに、連携していく課題について協議してまいります。あわせて、事業者による設備の耐震化のほか、応急対策等に生かすよう働きかけております。  次に、震災救援所の受け入れ人数の積算根拠についてのお尋ねですが、震災救援所受け入れ人数の算定は、東京都地域防災計画の基準にのっとり、体育館や教室のスペース、3.3平方メートルに2人という計算で算定しております。  なお、特別教室については、面積の4割の活用を見込んで算定しております。  次に、受け入れ人数を最大限に生かせる訓練の実施についてのお尋ねにお答えいたします。  これまでは、受け入れ人数を上回る避難者を想定した訓練は実施しておりませんでした。今後は、震災救援所に、地震被害シミュレーションの結果を踏まえたマニュアルの見直しや、空きスペースの活用を想定した訓練の実施を働きかけることで、災害時に効率的かつ効果的に避難者を受け入れできる体制を構築してまいります。  次に、区民が避難所難民にならないよう、地域ごとの避難計画策定や地区防災計画策定支援をとのお尋ねにお答えいたします。  初めに、地域ごとの避難計画の策定についてですが、地域ごとの避難計画については、御自宅近くの震災救援所へ避難することを基本としており、具体的な避難先を指定する避難計画は定めておりません。  また、地区防災計画については、震災救援所運営管理マニュアルと防災マップの作成をもって地区防災計画とする旨、これまで震災救援所の会長・所長会でお知らせしているところです。今後、改めて周知を図るとともに、作成意向のある震災救援所があれば、積極的に支援してまいります。  区民が避難所難民とならない対策としては、震災直後の避難については、受け入れ計画数を超える避難者も空きスペース活用などにより受け入れることで対応し、長期的な避難者に影響が生じないよう、近隣の震災救援所との連携や補助代替施設の活用など対策を講じていくことで、避難者受け入れを行っていく考えでございます。  次に、すぎナビの震災救援所情報にリアルタイムな受け入れ人数等の情報をとのお尋ねですが、現在すぎナビでは、災害発生時の情報として、震災救援所ごとの避難所開設状況、混雑、満員などの受け入れ状況について情報提供できる機能がございます。  また、御指摘のありました震災救援所の受け入れ可能人数については、速やかに対応してまいります。  引き続きすぎナビをPRするとともに、ダウンロード数をふやして、災害時の活用について推進してまいります。  次に、消防団に関する一連のお尋ねにお答えいたします。  初めに、消防団の震災時の位置づけについてですが、地域防災計画上、災害の初期対応や情報収集を行う役割を担うほか、東京消防庁と連携し、消防活動や避難道路防護活動を行う主体として、また所轄消防署の応援要員として位置づけられております。  次に、区の消防団に対する支援ですが、運営助成、活動助成及び広報活動助成等を行っております。また、区が消防団の活動を周知するリーフレットを作成し、毎年度、成人式等で配布するなど、団員募集を支援しております。そのほか、消防団の活動拠点となる分団本部を整備する際に、区有地を無償で貸与するなどの支援も行っております。  また、消防団への装備品の調達、支給についてのお尋ねですが、東京都と特別区との役割分担により、消防団に関する設備や資材の管理は都知事が行うことと定めております。都の管理の対象とならない装備品等については、消防団内で要望を集約し、必要性に応じて区の助成金から調達していただくものと考えております。  私からは以上です。 ○副議長(中村康弘議員) 子ども家庭担当部長。       〔子ども家庭担当部長(徳嵩淳一)登壇〕 ◎子ども家庭担当部長(徳嵩淳一) 私からは、犯罪をした者等の更生支援に関する残りの御質問にお答えします。  初めに、東京都における再犯防止推進計画の策定に向けた検討状況ですが、東京都は本年7月に、関係部局及び警視庁、東京地方検察庁等の管理職をメンバーとする検討会を立ち上げ、現在まで3回にわたり、委員以外の有識者等からの意見発表及び質疑応答を行っております。区といたしましては、引き続き、当検討会の進捗を注視してまいります。  次に、区が再犯防止推進計画を策定するとした場合の課題は何か、区が再犯防止推進法第24条に基づく施策を講じる際の前提となる地域の状況をどのように捉えているかとのお尋ねがありました。  御指摘のとおり、区が計画を策定するにしても、法に基づく施策を講じるにしても、犯罪をした者等の状況や、支援を必要とする対象者に関する情報収集などの地域の状況を把握することが欠かせませんが、これは容易なことではなく、国においても、この点が大きな課題であるとしております。このため、現時点では、東京都が今後策定する計画に基づく施策について、庁内の関係部局のほか、関係団体及び関係機関と連携協力して取り組んでいくことが現実的な対応ではないかと考えているところでございます。  次に、兵庫県明石市における更生支援の取り組みについての御質問にお答えします。  まず、明石市の「つなぐ」「ささえる」「ひろげる」の3つのキーワードに基づく取り組みと比較して、本区のつなぐ、支える取り組みには充実の余地があるのではないかとのお尋ねがありました。  明石市が、つなぐ取り組みとして、関係機関によるネットワーク会議を設置しているのに対し、本区では、区の附属機関である青少年問題協議会がございます。同協議会では、青少年の指導、保護及び矯正等の施策に関する関係機関相互の連絡調整等を所掌しており、今後、更生支援の観点からの議論もより一層深めてまいりたいと存じます。  また、支える取り組みにつきましても、明石市が対象者支援のための面接及びコーディネート事業を実施しているのに対し、本区では、保護司の方々の面接及び活動拠点となる更生保護サポートセンターをいち早く開設して、より充実した更生支援のための環境を整備しているところです。  なお、明石市のように、本区の区立施設等で面接場所を確保することは可能かとのことですが、本区においても、以前は、保護司会から面接場所確保の要望を受け、本庁舎の会議室や集会施設を活用いただいたケースもありましたが、更生保護サポートセンター開設以降は、交通至便な立地条件にある当センターで十分対応できているものと承知しております。  いずれにいたしましても、これらの更生支援の取り組みにつきましては、ひまわりフェスタの開催などによる広げる取り組みを含め、今後とも、保護司会を初めとする関係団体等の意見を聞きながら、その充実を図ってまいる考えです。  次に、明石市が制定に取り組んでいる更生支援及び再犯防止等に関する条例、及び同市の入札制度における刑務所出所者等の雇用に関する優遇制度についての所見はどうかとのお尋ねですが、本区と異なり、市を1つの警察署が管轄していることや、市内に刑務所等が存在する明石市の地域特性等を踏まえた取り組みであると受けとめてございます。  また、区としても協力雇用主に対する優遇措置を講じるべきとのことですが、この点につきましては、国が策定した再犯防止推進計画において、既存の協力雇用主に対する支援策の充実を図る方向性が示されておりますので、その動向を見定めてまいりたいと存じます。  以上です。 ○副議長(中村康弘議員) 杉並保健所長。       〔杉並保健所長(木村博子)登壇〕 ◎杉並保健所長(木村博子) 私からは、人間と動物が共生できるまちづくりについて、所管にかかわるところをお答えいたします。  まず、東京都動物愛護相談センターが平成29年度に本区区域において対応した動物の頭数についてのお尋ねですが、犬は、引き取り、捕獲が7頭、飼い主への返還が5頭、譲渡が2頭です。猫は、引き取り、負傷動物の収容が15頭、譲渡が3頭です。  区内で保護動物の譲渡会を行っている動物愛護団体の実態の把握についてのお尋ねですが、区は、杉並どうぶつ相談員や東京都動物愛護推進員がかかわる2つの動物愛護団体については、区内で譲渡会を定期的に行っていること等を把握しております。  また、譲渡会に区立施設を提供することについてですが、動物の鳴き声やにおいなどを初めとする衛生面での問題や、施設の利用者には乳幼児や妊産婦、動物アレルギーの方などさまざまな方がいるため、広く区民の皆様から御理解をいただくためには課題があると考えております。  次に、台東区で行っている保護犬の新しい飼い主への支援事業の当区への導入についてお答えいたします。  保護犬の譲渡を推進することについては、区も重要なことと認識しております。台東区で行っている支援事業の実績は、初年度及び平成29年度は一、二頭であったため、30年度からは東京都登録譲渡団体からの譲渡も対象としたことにより、頭数が増加したと聞いております。ただし、杉並区内には東京都登録譲渡団体がないことから、当区において保護犬の譲渡を推進するためにはどのような対策が有効か、杉並区動物対策連絡会において研究してまいりたいと考えております。  次に、区の東京都動物愛護推進員の活動の特色についてお答えいたします。  多くの推進員の方々に、杉並区動物対策連絡会の委員として、区が推進する動物対策の中心的な役割を担っていただき、飼い主のいない猫の世話・杉並ルールの作成、改定や、飼い主のいない猫を増やさない活動支援事業の審査など、区の事業等も含めて幅広く活躍していただいているところが特色です。  次に、動物の愛護及び管理に関する法律の内容や動物の命の大切さについては、区も積極的に周知していく必要があると認識しております。区は、9月20日から26日の動物愛護週間に、講演会及び展示会を杉並どうぶつ相談員と協働して実施し、動物愛護の普及啓発に努めるとともに、法周知のチラシも配布しております。さらに、毎年、区内の小学校5年生に対して、東京都獣医師会杉並支部と協力して作成している冊子「動物通信」を配布し、動物の命の大切さの周知を図っております。  次に、予防接種の接種率の低い要因と今後の対応についてお答えいたします。  接種率の低い要因としては、死亡届の未提出や、予防接種通知が宛先不明などで戻った場合の飼い主登録の処理の問題や、予防接種を行っても未届けの飼い主がいることなど、多くの要因が考えられます。  区の対応として、未接種の場合の勧奨通知に死亡届提出の案内文の記載や、平成28年度からは死亡届の電子申請受け付けを開始するなど、さまざまな取り組みを行っております。今後は、死亡届の適正化などや予防接種自体の推進に向けて、さらに広報や周知などに努めてまいります。  最後となりますが、動物愛護についてのこれまでの区の取り組みについてお答えいたします。  区では平成15年度に動物対策連絡会を設置し、以来、動物に関する専門分野で活躍される委員の皆様の御意見をいただきながら、動物愛護週間のイベント、飼い主のいない猫を増やさない活動支援事業など、新たな事業に取り組んでまいりました。また、すぎなみ地域大学を活用して杉並どうぶつ相談員を育成するなど、区民との協働も進めてまいりました。  今後も、地域における動物の飼養及び保管における動物の所有者等への指導や、多頭飼育にかかわる課題等の解決に一層取り組んでまいります。  また、条例については、東京都動物の愛護及び管理に関する条例が既に制定されているため、動物対策連絡会で御意見をいただくとともに、先行自治体による取り組みを検証してまいります。  私からは以上です。 ○副議長(中村康弘議員) 土木担当部長。       〔土木担当部長(吉野 稔)登壇〕 ◎土木担当部長(吉野稔) 私からは、ドッグランに関する御質問にお答えします。  まず、都のドッグラン設置4条件については、承知しているところでございます。区では、桃井原っぱ公園でのドッグラン試行の際、駐車場がなかったことや騒音などの課題があり、結果として、近隣住民の理解が得られず、設置には至りませんでした。  また、4条件の1、設置可能な場所の確保の具体的な内容として、民家等からの十分な距離が確保されていることが必要であり、開設されている都立公園の規模を見ますと、最低でも8ヘクタールとなっております。そうしたことから、区の現状に当てはめると、設置はなかなか困難と言えます。
     次に、区内の民間事業者が運営するドッグランについての御質問ですが、詳細な実態までは調査しておりませんが、西荻窪にあるビルの屋上で会員制のドッグランがあることは把握してございます。  私からは以上でございます。 ○副議長(中村康弘議員) 学校整備担当部長。       〔学校整備担当部長(中村一郎)登壇〕 ◎学校整備担当部長(中村一郎) 私からは、区立小中学校の体育館への空調設備整備の概要と今後の予定に関する御質問にお答えします。  学校体育館へのエアコンにつきましては、国や都の財政的な補助制度等の動向を踏まえつつ、区立小中学校全校への設置を予定している中、先週には、都知事の記者会見により、補助制度の内容や補正予算案が明らかにされました。  今後は、直ちに補助内容の詳細を確認し、事業費の予算化に向けた費用算定やスケジュール設定を行うなど、設置計画の具体化に迅速に取り組んでまいる所存です。  私からは以上です。 ○副議長(中村康弘議員) 以上で増田裕一議員の一般質問を終わります。  13番山本あけみ議員。       〔13番(山本あけみ議員)登壇〕 ◆13番(山本あけみ議員) 私は、立憲民主党杉並区議団の一員として、区政一般について質問をいたします。質問項目は、公共建築物についてです。  区立施設再編整備が進み、老朽化による公共建築物の建てかえは待ったなし。今後の財政に与える影響をできるだけ正確に把握し、財政運営に生かしていく必要性に関しては、少しずつですが、区民の理解も進んできているように感じています。そして、私たちは公共建築物を新たにつくり直していく時代にいるのだと考えています。  しかしながら、公共建築物という言葉を言っただけで、設計などには興味がないし、ましてや、設計図を見てでき上がりを想定するのは至難のわざといった、遠巻きに考える人が多いのを残念に感じています。建築計画に近づくと、業者との癒着などの不正を疑われるおそれが出てくることもあるのだと私も身をもって経験をしましたが、公平公正、公益性を追求し、私自身、建築士としても、公共建築物をよりよいものにしていくための提言をやめるわけにはいきません。  また、ハードの話はもういいから、ソフトを充実する話をしてくれといった雰囲気になることもありますが、本来、充実したソフトを提供するには充実したハードが必要であり、その実現のためには、いま一度当区における公共建築物をつくり出す作業を見直していかなければならないと考えています。  まず、公共建築物全般と庁舎内ほかの意見や要望集約についてお尋ねします。  公共建築物の改築、大規模改修の設計に当たり、設計者の選定方法としては、競争入札やプロポーザル方式などの手法がありますが、それらの方式を区ではどのように捉え、これまで行ってきたのか、確認のためにお伺いします。  私の在職中だけを見ても、杉並和泉学園、大宮前体育館、ウェルファーム杉並などの公共建築物が完成してきました。中でも下高井戸おおぞら公園パークステーションIは、大規模な区立公園の敷地に建つため、制約が少なく、自在に設計ができるという、市街地にあっては大変まれな建築物であり、自然の採光や通風をふんだんに取り入れたゼロ・エネルギー・ビルの実現も可能性があると考えてきましたが、十分な議論があったのか、疑問が残ります。  区で改築等を行う際には、さまざまな進め方があると思います。例えば、建築物のコンセプトや利便性、利用者の意見、配置計画や内部のレイアウト、省エネ建築物などの詳細について、どのようなメンバーでどのように検討されたのか、お伺いします。  区民福祉の向上を目指す区政において、公共建築物をつくる上で欠かせないのは、意見や要望の集約です。学校建築、体育施設、福祉施設等、対象者はそれぞれ違うと思いますが、区で改築、大規模改修を行うに当たり、一般的に、庁内での検討や、地域住民や利用者からの意見、要望の集約はどのように行われてきたのか、お尋ねします。  次に、公共建築物の近隣への理解促進についてお尋ねします。  公共施設の建築では、地域住民の理解促進を図ることが重要ですが、区の対応はどのように行っていくのでしょうか。また、区の近隣への説明等はどのように進めているのか、お尋ねします。  次に、コスト管理への取り組みに関してお伺いします。  まず、この5年間で発注した公共建築物で、1億円以上の大規模改修、改築工事は何件あるか、また総工費は幾らか、お尋ねします。  民間の建築計画では、資金調達の関係から、事業であれば採算性、住宅であれば、自己資金とあわせて、建て主がどれくらいの融資を受けることができるのかといったことで建築費が決定され、その範囲内での設計をしなければならないという大変高いハードルがあります。  一方で、公共建築物ではそういったハードルがないものの、つくってしまってから結果的に建築費が高額になってしまったということでは、これから先の財政運営上にも支障を来すと考えます。コスト管理をしていく上では、建築物の内容に見合った、妥当な想定事業費の算出が必要と考えます。  当区においては、設計を委託する前の改築、大規模改修工事に係る想定事業費はどのように算出しているのか、お尋ねします。  次に、過去にプロポーザル方式で事業者を選定した場合に、想定事業費と実際の工事費に大きな乖離があった建築物はあったのか。また、あった場合、どれくらいの乖離があったのか、お尋ねします。当区ではその原因をどのように捉え、改善策を図ってきたのか、あわせてお尋ねします。  今後設計を進めていく中で、想定事業費を大幅に上回るようなこととなった場合には、でき上がりの完成度を上げつつも、設計を変更することも含めた細かな調整が必要と考えます。このコスト管理能力は、設計者に求められる大きな項目の1つです。いざ着工した後の削減では、つけ焼き刃の場当たり的なコスト削減が、でき上がりの完成度を著しく損なうことにもなります。よりよい建築物を目指すのであれば、構造体や仕上げ、設備、外構工事や案内板の表示に至るまで、満遍なく調整を進めていく必要があるでしょう。当区では、この予算オーバーにどのように対応していくのか、お尋ねします。  私は、公共建築物は、質実剛健、できるだけ無駄を省きながらも、充実した内容の建築物をつくることで区民の福祉向上を目指し、また、その分の予算を教育や福祉分野の充実に充てていっていただきたいと考えています。  これまでのように、更地に新しい建物をつくってきた時代とは違い、今あるものを解体して、仮設建物に一時移転し、また新しい建物を建設していくのは、想定外にコストもかかると考えます。今後多くの区立施設が更新の時期を迎える一方、区では持続可能な財政運営も行っていかなければなりません。そのためには、区は長期的な視野を持って、より効率的に施設整備を行っていかなければならないと考えています。  貴重な税金を投入してつくる公共建築物において、今後施設を建てかえていく際には、計画当初から十分なコスト管理意識を持って取り組むことが重要と考えますが、このことについて区はどのような認識か、お尋ねします。  また、当区が直接設計などにはかかわっていなくても、近年多くの補助金を出している、特に保育施設や高齢者施設の新築工事、改修改築工事に関しても、コストが妥当なものになっているのか、無駄がないのかなどについて確認を行っているのか、お尋ねします。  次に、具体例を通して質問をいたします。  私はこれまで、中央図書館をよりよいものにしていくことで、区民の教育、文化の発展に寄与することを願い、提言を続けてまいりました。この改修では、実行計画上の事業費が18億円となっていますが、金額だけを見ると高額に思えます。この額はどのように導き出された金額か、お伺いいたします。  本計画では、プロポーザル方式により設計者が選定され、よりよい設計が提案されることを大いに期待いたしますが、同時に、コスト管理も徹底して行い、プロポーザル方式で設計者を選定するとコスト高につながるといった本来的ではない評価が定着していかないよう、これまでの反省点を踏まえた取り組みを強く要望いたします。  限られた予算内におさめるためには、実施設計図をもとにした細かなコスト調整が必要となり、このステップは、でき上がりのよさを大きく左右することにもなります。本設計者には十分なコスト管理能力があると考えますが、発注者として、区ではどのように対応していくのか、お伺いします。  次に、省エネ建築物への取り組みについてお尋ねします。  私は、地球温暖化防止と脱原発の社会の実現を目指すには、建築物の省エネ化は必須と考え、これまで同様の質問を通して積極的な取り組みを提言してきました。当区からは毎回、国の基準に適合していることで実施済みと答弁があり、そのたびに、より一層の工夫を求めてまいりました。  国の基準の主なものは、建物の断熱性能を上げ、省エネ性能の高い機器類を設置することに終始しており、例えば配置や窓の位置、ひさしの検討等、建て方の工夫で省エネ性能を上げるという設計本来の部分に踏み込んではいません。  一方で、民間の技術革新は目覚ましく、区内にある住宅メーカーでは、省エネ性能と創エネ、つくるエネルギーをあわせて考え、その建物を使う60年間につくり出すエネルギーで、建築段階から、建物を使い終わり、解体するまでのエネルギーを全て賄うといった、大変先進的なゼロエネルギー住宅の研究がされており、高井戸東の展示場にはその実例を示す住宅が建っています。  公共建築物を建てかえるという絶好のチャンスである今、当区におかれましては、全国の先進事例や最新の技術情報を職員みずからが入手し、研さんを積み、最大限の努力をもって省エネ建築物をつくっていくという視点に立っていただきたいと考え、取り組みを強く要望いたします。  また、当区において、省エネ法に適合した建物を建築した場合、建てかえの前後で光熱水費などのランニングコストについて低減が図られているのか、確認をいたします。  さきにも述べましたように、省エネ基準を満たすだけではなく、自然の通風や採光を生かすなど、省エネ建築物やゼロ・エネルギー・ビル、ゼロ・エネルギー・スクールを目指した検討を今後の改築においては十分されることを要望いたしますが、いかがか、お尋ねいたします。  最後に、富士見丘小中学校の改築に関して質問をいたします。  まず、本改築計画について、現在の進捗状況を確認いたします。  改築基本計画の中間まとめでは敷地の使い方の検討が進んでいますが、この敷地の中にどのように建物を配置していくのかが最も重要であると考えています。  現在、当区が提案したC’案の例示として盛り込まれている配置計画では、小学校は南からの豊かな光が取り込みづらく、西日の影響を大きく受け、また中学校はロの字形となっていますが、東西に長い敷地を自然の通風や採光を最大限利用していこうという配置計画とは言えないと考えています。このままの配置計画では、建物を使用するに当たり、エネルギーをふんだんに使う人工空調と人工照明に頼らざるを得ず、たとえ建物自体の省エネ基準は満たされていたとしても、ランニングコストが膨らんでいくことになると考えます。  また、学習環境や小学校と中学校との関係性、地域開放のあり方など、同じ敷地でも幾通りもの配置計画化が考えられますが、当区としては今後どのように進めていく予定か、お伺いします。  次に、学校という、地域にとって影響がある公共建築物を設計するに当たり、最も影響を受ける周辺住民に対し、できるだけ早く計画を周知して、御理解を得ながら進めていくべきと考えますが、いかがか、お尋ねします。  私はこれまで、新しい学校を建築する場合には、震災救援所として使用することを念頭に置いた検討がされるよう要望をしてまいりました。当区の震災救援所運営マニュアルは、既存の校舎の活用が前提とされていますが、新しい学校をつくる場合には、できる限りの工夫を最初から盛り込むことができます。整備が進む都市計画高井戸公園、以下、高井戸公園は、東京都指定の約4万6,000人の避難人口を想定する広域避難所であり、これに隣接する当校は区の震災救援所であるため、食料や水、トイレなどの備蓄品に加え、震災などが起きたときに、被災者が短期、長期にわたって使用することを想定した設備や動線なども設計に盛り込んでいくべきと考えますが、区の見解をお伺いします。  新たな実行計画に富士見ヶ丘駅周辺まちづくりが盛り込まれ、私がこれまで提言を続けてきた当地域の広域的なまちづくりに着手をした区の積極的な姿勢を評価いたしますが、富士見丘小中学校改築計画においても、敷地内のみで計画を決定せずに、広い視点を持ち、高井戸公園や通行量の多い富士見丘通りなどの周辺環境へ配慮すべきと考えますが、区の見解をお伺いします。  また、改築を契機に、地域型スポーツクラブ、プレーパーク、屋内プール、体育館、図書館、料理室など、地域開放施設について積極的に検討すべきと考えますが、区の見解をお伺いします。  これらに関しては、教育委員会内だけでは検討ができない分野もあると考えますが、担当課をまたいで、縦割り組織の弊害を打ち破り、バイアスの議論を活発に行っていくことを要望いたします。  次の質問に移る前に、まず、隣接する高井戸公園の整備計画を御紹介しますと、「神田川や玉川上水の水辺の緑、放射5号線の緑といった帯状の緑と公園の緑を連続させ、水と緑のネットワークの形成を図り、都民の利用に供し、地域のまちづくりにも寄与させる。」とあり、地域特性を生かした計画に期待が高まります。  当区におかれましては、まさにその一角にできる学校の建築物となることを認識しながら進めていく必要があると考えています。この緑豊かな環境を生かしたランドスケープデザインを取り込むべきと考えますが、区の見解はいかがでしょうか。  これらを盛り込み、敷地を最大限生かし、可能性を引き出していくためには、設計力はもとより、意見調整能力の高い設計者を選ぶことが重要だと考えています。通常の入札による事業者決定ではなく、プロポーザルによる事業者選定を要望いたしますが、見解はいかがか、お尋ねします。  また、公開型のプロポーザル選定は、広く区民や地域の住民にも建築計画を多角的に理解してもらうのに最適な方法であると考えます。模型やパース図などを使っての提案は、人間サイズの目線で考えてもらうためには必要不可欠であると考えます。世田谷区役所本庁舎改築での公開型のプロポーザル選定を参考にして、地域住民を巻き込み、理解を得ながら進めていく取り組みを要望いたしますが、区の見解をお伺いします。  また、プロポーザルを実施する場合には、要項作成が重要であると考えます。私は、幅広い提案力を引き出すための設計者を選定していく前向きなプロポーザルを望んでいます。しかしながら、例えば要項の設定次第では、資本力が満たない設計者を排除していくプロポーザルとなってしまう場合もあると考えます。資本力は設計力とイコールではありません。工事の内容を精査し、難易度と工事の規模に合った設計者の選定が行われる必要があると考えます。資本金などの条件設定によって提案者をいたずらに絞る結果とならないよう要望をいたします。  先日、ある会合で、近隣自治体の本庁舎改築のプロポーザル方式による設計者選定委員の委員長をされている建築士の方とお会いをする機会がありました。公開型のプロポーザルは、数ある提案の中から選ばれたということを多くの人が知る中での大変注目度が高い仕事であるため、自分の中にある最大限の力を使ってよい建築物にしていこうという意欲が大いに高まる方式でもあると教えてくださいました。建築の与条件を漏れなく盛り込み、区が想定する建築物を超えた幅広い提案をいただくためにも、建築士の専門団体によるプロポーザル選定の要項づくりのサポートを活用してはどうかと考えますが、区の見解をお伺いします。  公共建築物は、民間とは違い、全ての責任が自治体にあります。意見集約、設計者選定、概算予算の決定、工事発注と管理、コスト管理、納期管理、そしてでき上がった建築物の評価など、全てが役所の責任において行われており、民間では当たり前である、建物を発注し、お金を払い、使う側と建物を建てる責任を持つ側とが相対するような緊張感はなく、お互いの仕事にチェック機能が働きづらいのではないかと危惧をしています。  長寿命化も求められてくる今後においては、設計に入る前の段階において、どういった建築物をつくっていくのか、その実現のためにはどういう手順を踏んでいけばよいのかといった、幅と奥行きのある充実した議論が必要です。一定程度の規模の建築物に関しては、計画当初からそれをつくり出すために必要な専門家を広く巻き込んだ建設協議会を設け、一つ一つの建築物を丁寧につくり出す体制を構築していっていただきたいと考えており、当区の積極的な取り組みを要望いたします。  23区の議会の特別委員会においても、江戸川区では、公共施設のあり方に関する事項や庁舎建築や跡地の利活用に関する事項、豊島区では、公共施設・公共用地有効活用対策調査特別委員会で、学校跡地のあり方に関しても特筆して調査をし、また足立区では、エリアデザイン調査特別委員会として、エリアごとのまちづくりビジョンや区有地等の活用、事業推進に関しての調査研究がされており、当区議会においても、他自治体の取り組みを大いに参考にするべきと考えています。  この私の一般質問でしてきた数々の提言が、杉並区民のためのよりよい建築物をつくり出していく取り組みを後押ししていくことを願いまして、私の一般質問を終わります。 ○副議長(中村康弘議員) 理事者の答弁を求めます。  区長。       〔区長(田中 良)登壇〕 ◎区長(田中良) 私からは、山本あけみ議員の御質問のうち、区立施設の効率的な更新と維持管理に関する御質問にお答え申し上げます。  今般決定いたしました施設再編整備計画(第一期)・第二次実施プランにもお示しをいたしましたとおり、今後、区立施設は次々に更新の時期を迎えます。仮に現在の施設を同規模で維持し続けた場合には、今後30年間にかかる経費が、年平均で約115億円ほどに膨らむと試算をしております。  今後、少子高齢化の一層の進展に伴って税収の大幅な伸びも期待できない一方で、社会保障関連経費の増大が見込まれる中では、いかに効率的に施設整備を行っていくかが重要な課題であると考えております。そのため、施設の建てかえに当たりましては、複合化や多機能化や再編整備で生み出された用地等の有効活用による仮設費用、移転費用の抑制、施設規模の適正化などにより、効率的な施設整備を図る必要があると認識しています。  また、施設は建てただけで終わりではなくて、維持管理や大規模改修など多大な費用がかかりますので、管理運営への民間活力導入や予防保全の取り組み、保守点検費の低い設備の導入などによるランニングコストの縮減を図る必要もあると認識をしております。このようなコスト管理意識を庁内でしっかりと共有して、知恵を絞り工夫をしながら、最少の経費で最大の効果が得られるよう、施設の整備と運営を進めていく所存でございます。  私からは以上です。残りの御質問につきましては、関係部長より御答弁いたさせます。 ○副議長(中村康弘議員) 政策経営部長。       〔政策経営部長(白垣 学)登壇〕 ◎政策経営部長(白垣学) 私から、所管事項に関するお尋ねにお答えいたします。  まず、区立施設の改築改修の設計者の選定方法についてですが、競争入札は金額の多寡で選定することから、経済的で公平性、透明性が高く、短期間で選定できるため、これまで多くの施設でこの方式を採用してきております。一方、プロポーザル方式は、高い技術力や創造力、実績などが求められる施設の設計者選定に適していることから、杉並和泉学園や大宮前体育館などで、この方式を採用してきております。いずれにいたしましても、設計者を選定する際には、施設の規模や用途などに応じ、その施設に適した方式を選択しております。  次に、区立施設の建設の進め方に関する一連の御質問にお答えいたします。  区立施設の改築、大規模改修に当たっては、施設の種類や工事の規模等に応じて、庁内の設計審査会等で設計内容について検討を行いつつ、住民説明会や意見交換会、戸別訪問など、さまざまな方法により区民等の意見、要望の集約を行っております。いただいた御意見等については、庁内で精査、検討の上、必要に応じて再度説明会を行うなどしながら、可能な限り設計への反映に努めております。今後も、地域住民の皆様の御理解のもとに、よりよい施設づくりを進めていくため、丁寧に御意見、御要望をお聞きしながら施設整備に取り組んでまいります。  次に、建設コストに関するお尋ねにお答えいたします。  過去5年間で発注した1億円以上の大規模改修、改築工事の件数は、ウェルファーム杉並や妙正寺体育館など、合計で21件、総工費は約235億円となっております。  次に、施設建設の想定事業費に関する一連のお尋ねにお答えいたします。  まず、設計を委託する前の改築、大規模改修の想定事業費の算出方法についてでございますが、近年に建設した区立施設の実績を参考に算出しております。  次に、プロポーザル方式で事業者を選定した場合の想定事業費と設計後の工事費の乖離についてですが、近年の事例では、約5%から35%程度工事費が高くなる事例がございました。これは、選定された提案内容が特殊な工法を採用したものであったり、地下階のある計画であったためと捉えてございます。  これらのことを踏まえ、プロポーザル方式で設計者を選定する際には、事前に工事経費の概算規模を明確に示すとともに、選定後においては、設計者、区の双方で常にコストを意識し、想定事業費を超えないように設計を進めていくことが重要であると考えております。  また、設計段階において想定事業費を超える可能性がある場合には、適宜、設計内容について設計者と見直しを行い、適切な建設コストとなるように取り組んでまいります。  次に、建てかえ前後のランニングコストの比較についてのお尋ねですが、近年の施設建設においては、複層ガラスやLED照明、省エネ性能の空調設備等の導入による効果としてランニングコストの縮減が図られておりますが、一方、施設によっては、建てかえ前には設置されていなかったエレベーターの設置や屋上緑化のかん水設備、雨水利用のポンプ設備などにより、建てかえ前と比べて光熱水費が増加することもございます。  また、ZEB、ゼロ・エネルギー・ビル等に関するお尋ねについても、現在、国や民間企業等で実現に向けてさまざまな研究が進められておりますので、引き続きその動向を注視するとともに、建設コストと省エネ効果のバランスを考慮した上で、施設ごとに適切な省エネ対策に努めてまいります。  私からは以上です。 ○副議長(中村康弘議員) 土木担当部長。       〔土木担当部長(吉野 稔)登壇〕 ◎土木担当部長(吉野稔) 私から、下高井戸おおぞら公園のパークステーションIに関する御質問にお答えします。  本公園については、区民とのワークショップや学識経験者からの意見聴取により基本計画づくりを行い、公園のコンセプトを「大空のもと みんなのびのび 安全安心な広場」とし、建物についてもこのコンセプトを反映した計画といたしました。それを踏まえて、区では建物計画の具体化に当たり、防災公園としての機能にも留意し、1階は防災備蓄倉庫を併設、2階には救護できるスペースを確保し、あわせて公園利用者が眺望を楽しめるよう工夫いたしました。また、断熱材の使用や屋上への太陽光パネルの設置など省エネ対策も講じ、配置についても従前のクラブハウスとほぼ同位置、同規模とし、周辺環境への影響を最小限にとどめました。  以上のような計画案を改めて住民説明会でお示しし、区民の御理解を得た計画といたしました。  私から以上でございます。 ○副議長(中村康弘議員) 子ども家庭担当部長。       〔子ども家庭担当部長(徳嵩淳一)登壇〕 ◎子ども家庭担当部長(徳嵩淳一) 私からは、施設整備費の補助対象となる保育施設、高齢者施設の工事経費に関する御質問にお答えします。  これらの施設を整備する事業者は、いずれも認可等の基準にのっとった施設とすることを前提に、各事業者の施設整備方針に基づいて、利用者が安全、快適に過ごすことができるよう、独自の工夫を凝らして設計、施工を行っております。  こうした事業者による設計、施工に関して、区は、個々の部材等の仕様や単価などではなく、補助対象となる範囲及び具体的な補助金額をチェックして国等へ申請するものであるため、御指摘のような工事経費全体の妥当性を審査、確認しているものではありません。  以上です。
    ○副議長(中村康弘議員) 中央図書館長。       〔中央図書館長(鈴木雄一)登壇〕 ◎中央図書館長(鈴木雄一) 私からは、中央図書館の改修に関する御質問にお答えします。  まず、現実行計画上の事業費につきましては、空調設備やエレベーターなどの改修費用に加え、屋外スペースの再構築のほか、書架の更新など、図書館特有の改修として必要となる経費を積み上げて計上しております。  次に、設計におけるコスト調整につきましては、設計事業者の選定の際に、事業者もコスト意識を持って設計していくことが重要となることから、公募型プロポーザルの実施要領において、当初から工事経費の概算規模を示して募集いたしました。  今後も工事内容の精査を行い、中央図書館改修基本計画に示された区民の意見や要望を、コストを抑えつつも最大限実現できるよう実施設計に取り組んでまいります。  私からは以上です。 ○副議長(中村康弘議員) 学校整備担当部長。       〔学校整備担当部長(中村一郎)登壇〕 ◎学校整備担当部長(中村一郎) 私からは、富士見丘小中学校改築に関連する一連の御質問にお答え申し上げます。  まず、改築計画の進捗状況ですが、ことし4月から延べ6回にわたり開催している改築検討懇談会において、保護者、学校支援本部、学校運営協議会、さらには町会等の代表の方々からさまざまな御意見をいただき、改築基本計画の中間のまとめを作成するとともに、保護者、地域の方々を対象とした説明会を今月、計2回開催をいたしました。年内には、寄せられた御意見や御要望などを踏まえた上で改築基本計画を策定し、来年度の基本設計に向けて鋭意取り組んでまいります。  次に、校舎の配置計画についてですが、これは各案の敷地利用の考え方を比較、整理していく上でのあくまでも例示であり、具体的な校舎配置は、今後の基本計画の中でお示ししていくことになります。  次に、設計事業者の選定方法についてですが、当該敷地は、下水道本管が埋設されている区道を挟んだ2つの敷地であるなど、さまざまな制約があるため、敷地活用や設計上の工夫も必要となり、指名競争入札のほか、プロポーザルによる設計事業者の選定も方法の1つであると考えています。  また、公開型のプロポーザルについては、杉並区プロポーザル選定委員会条例などの関係規定上、審査は非公開となりますが、提案資料の事後公開などについては検討してまいります。  次に、プロポーザルによる事業者選定となった場合での提案募集要項の作成については、議員御指摘のとおり、建築関係の諸条件も明示する必要がございますが、学校整備課には技術職員もおり、その意見を取り入れながら、今後は、営繕課や経理課といった関係部署とも入念な協議、調整を行った上で進めてまいります。  いずれにいたしましても、富士見丘小学校及び富士見丘中学校の改築設計につきましては、学校改築基本計画で示されるビジョン、目標及び取り組み内容の基本方針を十分に踏まえ、これを実現できる力と情熱を持った事業者を確実に選んでまいりたいと考えております。  次に、富士見丘小学校、中学校の改築における計画周知の方法や計画の内容に係る一連の御質問にお答えをいたします。  今まで周辺住民に対する周知については、計画づくりの段階からチラシやホームページの活用などにより情報提供に努めておりますが、今回、富士見丘小学校、中学校の改築につきましては、先ほども申し上げたとおり、改築基本計画の中間のまとめの段階で説明会を開催するなど、さらなる積極的な周知を行っているところです。  次に、震災救援所としての設備や動線に配慮した設計については、防災課とも協議、調整の上、広域避難所に隣接する環境を踏まえて、必要な設備や拡充する機能を盛り込んだ計画にしてまいります。  次に、学校に併設する地域開放型施設については、建築可能な延べ床面積に制限があるため、地域から要望のある全ての施設の設置は困難というふうに考えてございますが、設計の段階で可能な限り敷地を広くとり、小学校、中学校、地域が共用できる施設づくりを目指してまいります。  最後に、高井戸公園や富士見丘通りなどの周辺環境への配慮や、玉川上水、神田川にも隣接する立地を踏まえた計画にすべきとの御指摘がございました。  中間のまとめにおいても、新しい小中学校を取り巻く周辺環境を十分に考慮し、道路整備や景観形成等にも取り組むとしており、今後、基本設計を通じて具体化を図ってまいります。  教育委員会としましては、区内でも有数の緑豊かな環境に恵まれた立地条件を最大限生かし、子供たちにとってよりよい学習環境の向上と地域の生涯学習、スポーツ環境の整備、さらには地域防災の強化を可能にする学校づくりを行っていく考えです。  私からは以上です。 ○副議長(中村康弘議員) 以上で山本あけみ議員の一般質問を終わります。  15番山本ひろこ議員。       〔15番(山本ひろこ議員)登壇〕 ◆15番(山本ひろこ議員) 杉並区議会公明党の一員として、通告に従い、清掃業務について一般質問をさせていただきます。  清掃業務の理解促進について伺います。  昨年、毎日新聞は杉並区の清掃事業をクローズアップしてくださり、「ドキュメント 東京ごみストーリー」として、全10回シリーズで掲載いただきました。記事には、杉並区の集積所はこの4年間で5,000カ所増加し、現在4万カ所になっていること。ルール違反のごみ袋には、スプレー缶が爆発し火災になりかけたなどの報告は珍しくないこと。そうした危険な現場で、収集作業員は、ヘルメットに長袖長ズボン、厚手の手袋着用の重装備で、真夏は手がふやけ、真冬はあかぎれで指先はぼろぼろになること。年間700件の動物の死体回収があるが、生き物はごみとは一緒に燃やさない配慮をされていることなど、東京ごみ戦争から現在に至るまでの杉並区の清掃事業の歴史と取り組みをつぶさに知る機会となりました。  当区の清掃事業に大変感動し、現場を見たいとの思いから、2月に視察依頼をしましたが、視察前日、雪の予報によりやむなく断念。予報どおりの雪に、こんな日も清掃業務は休むことなく続けられているのだと頭が下がる思いでした。  先日、念願かない、杉並清掃事務所方南支所の清掃業務を視察させていただきました。朝7時半には職員が集まり、8時の出庫前にはラジオ体操、ゴムベルトを巻いて身体のケア、その後合同ミーティング、班ごとのミーティングを行い、いざ出動。私は、地元高円寺の可燃ごみ回収に密着しました。  高円寺北口商店街、車が進入できない集積所では、職員が水分を含んだ重いごみ袋を何往復もして運搬。車1台通過するのがやっとの道路での収集は、後ろから車にクラクションを鳴らされ、無駄に1周してからの作業になることも少なくないこと。また、通勤通学時間帯でもあり、自転車が無理に通過しようとするなど、危険と隣り合わせの現場の御苦労がかいま見えました。  想像ができることでも、こうした現場を聞くと見るでは大きな違いがあります。こうした現場の状況を周知し、理解を仰ぐことで、ごみの出し方や収集の際の協力が得られるようにできないものかとの思いに至りました。  杉並区一般廃棄物処理基本計画には、「目標達成に向けた取組」として、「多様な媒体の活用と教育の充実」がうたわれていますが、あらゆる媒体を活用し、清掃業務への理解を進めることは、一人一人に行動変容を起こすためにも有効と考えます。  清掃事業への理解促進のため、清掃業務現場の動画を配信するなど、収集現場の状況を伝える取り組みをされてはいかがでしょうか、区の御所見を伺います。  次に、職員の負担軽減の取り組みについて伺います。  視察の際、職員の方に課題を伺ったところ、入職した際、先輩から、体を守るために腰を落としてごみを持ち上げるよう指導された、しかし、グリーンの折り畳み式防鳥用ボックスは、カラスによるごみ飛散対策として、また見ばえもよく有効ではあるが、腰を落として作業ができないため、私たちにとっては体への負担が大きいとのことでした。ましてや水分を含んだ重たいごみを持ち上げる作業が続けば、身体が悲鳴を上げることでしょう。  ごみ出しの基本は容器出しで、腰痛予防や防鳥に効果が高いと伺いますが、女性の社会進出により、出勤後の回収では容器の片づけができないといった課題があります。やはりごみを減らすこと、重量が増したごみは分散して出してもらうこと等、区民の協力は欠かせませんが、区の取り組みとしては、ボックスの改良、また、腰痛予防の装着型の介護ロボットを清掃業務に導入できないかと考えます。  また、農業、配送業、建築業等作業者の腰、体の負担を軽減する目的で開発された軽量で安価なアシストスーツ、スマートスーツ等の商品が開発されています。作業に適したこうしたロボット等が開発された際には、導入を視野に調査研究を進めることを要望といたします。  折り畳み式防鳥用ボックスの改良など、これまでの収集職員の腰痛予防のための取り組みや腰痛を患う職員への配慮について、区の取り組みを伺います。  今回の視察で、清掃業務に従事される方々の存在があって公衆衛生が保たれ、私たちの快適な暮らしが営まれるということに、一区民として感謝の念が湧きました。今後もでき得る配慮を行っていただきますよう、よろしくお願いいたします。  次に、ごみ減量について伺います。  東京23区中で、区民1人1日当たりのごみの排出量が7年連続最少を更新しました。区民や事業者の御理解と御協力、さまざまな取り組みの相乗効果により、こうした成果を残してきたと思います。今後も更新を続けてまいりたいと存じますが、さきの計画では、平成33年度計画指標達成に向けた取り組みとして、「食品ロス削減を中心としたごみ減量対策の推進」がうたわれています。  家庭から排出される可燃ごみの約40%が生ごみで、そのうち約1割が未利用食品ということで、この削減について、区はフードドライブ常設窓口を4カ所設置し、また来年度は地域区民センター7カ所に設置予定ということで、この効果が期待されているところでありますが、事業系のいわゆる食べ残し削減については、30・10運動やもったいないポスターの掲示等、啓発活動にとどまっているように感じます。  ドギーバッグ普及委員会が2016年12月に行ったアンケートによると、ドギーバッグの認知度は50%。ドギーバッグを使用してみたいと答えた方は71%、「持ち帰りたいとは思わない」は20%で、他の項目を合計すると、できれば持ち帰りたいと考えている回答が多数であることが報告されています。  一方で、日本でドギーバッグの普及が拡大しない要因として、食中毒に対する懸念から、飲食店側の取り組みにおくれがあるようです。ドギーバッグ普及委員会は、「自己責任において持ち帰ります。」と記載された自己責任カードや、事業者の負担にならないよう、繰り返し使える折り畳み式のプラスチックボックスの普及などに取り組まれています。  さて、日本で発生している食品ロス、年間621万トンのうち339万トンが食品産業から発生しており、この中でも飲食店等における食べ残しは35%を占めていることから、農林水産省は、平成29年5月、消費者庁、環境省、厚生労働省とともに、「飲食店等における『食べ残し』対策に取り組むに当たっての留意事項」を策定し、都道府県、団体向けに通知しました。こうした内容を飲食店側に周知することは、取り組みへの背中を押すことにつながるのではないでしょうか。  事業系ごみの減量の取り組みの1つとして、飲食店でのドギーバッグ推奨は検討されているのでしょうか、お伺いします。  次に、イベントでのごみ減量の取り組みについて伺います。  京都市では平成22年10月、京都市エコイベント実施要綱を策定し、平成23年度からはリユース食器利用促進助成金制度を導入するなど、イベントにおけるエコ化の取り組みを推進されています。来場者55万人を超える祇園祭前祭において、平成26年度から祇園祭ごみゼロ大作戦実行委員会が228店舗の露天にリユース食器21万6,000個を導入し、リユース食器回収及びごみの分別回収を行うエコステーションを運営したところ、取り組み前に比べ25%のごみ減量効果があったということです。  当区でも、阿波踊りやすぎなみフェスタ、舞祭、学園祭等のイベントにおいて、リユース食器利用を推進してはと考えます。環境活動推進センターではリユース食器の貸し出しをされているようですが、こうしたイベント等での導入は進んでいないように思います。イベントの開催に当たり、リユース食器の貸し出しを周知するなど、イベント参加者に対してごみ減量の取り組みを支援してはいかがでしょうか、お伺いします。  次に、不適切なごみの排出についてお伺いします。  これまで、分別されていない、収集日でない日に出す、集積所でないところへの排出など、不適切なごみの排出に関する御相談を数多く受けてまいりました。特にJR高円寺駅周辺と集合住宅に関する御相談が多くございます。  議員になってから7年間、長寿応援ポイント事業による地域貢献活動を行うグループの皆さんとともに、高円寺駅南口周辺の清掃活動を行ってまいりました。その際いただいた御相談には、その都度区に申し入れをして御対応いただいてまいりました。  冒頭の新聞記事には、ルール違反のごみ袋の持ち主を調べ、粘り強く指導をするふれあい指導班の取り組みが掲載されていましたが、この地域では一向に改善されない状況が続いています。こうした状況を何としても改善していきたいというのが地元住民の願いであり、今回質問をさせていただきましたが、駅周辺に分別されないごみが投棄されている現状に対する区の認識と対応についてお伺いします。あわせて、不適切なごみの排出に関して、警察の導入によって改善した事例の有無と、警察との連携についてお伺いします。  続いて、転入者に対しての取り組みについて伺います。  当区は近年外国人の転入が増加傾向にあり、また転入転出の多い区でもありますが、こうした転入者の方が、杉並区のごみ出しルールに従って正しくごみを排出していただくための取り組みが重要と考えます。  札幌市では、共同住宅と戸建て住宅が混在した地域において、ごみ排出マナーをめぐるさまざまな問題の解消に、不動産関係団体、共同住宅の管理会社等と札幌市による共同住宅ごみ排出マナー改善対策連絡協議会を設立し、取り組まれているようです。  当区でも、転入届を提出される際、条例で義務づけられているマンションとは別の住民専用の集積所が設置されていない集合住宅に入居される場合等を確認し、ごみの出し方に関して、居住地周辺の集積所や近隣との連携について丁寧な御案内を行うことが、不適切なごみの排出やごみに関するトラブルを防ぐ入り口対策として有効ではないかと考えます。特に不動産関係団体等との連携が重要と考えます。ごみの出し方の案内や不法投棄をなくすため、他の部署との連携が重要と考えますが、区の御所見を伺います。  次に、事業者に対しての取り組みについて伺います。  中野区は平成28年2月、事業系廃棄物収集届出制度を開始しています。その中でも注目されるのは、事業系廃棄物の適正排出を促進し、事業者間の公平性を確保するという観点から、有料ごみ処理券を添付せずに排出する行為に対して、条例に以下の罰則規定を設けたことです。1、有料ごみ処理券を添付せずに排出している場合、添付を命じる。2、添付命令に従わない場合には、その旨を公表する場合がある。3、公表した後も添付命令に従わない場合には、5万円以下の過料を科す場合がある。こうした中野区の事例を参考に、また効果等状況を伺い、当区でも罰則規定を設けた条例制定を検討されてはと考えます。  不適切な行為が繰り返される事業者等に対しては、清掃業務に従事する方々の意欲をそがれることがないよう、また地域住民の長年の悩みを解消するためにも、早急な対応が求められています。課題を抱える地域からモデル的に対策強化を実施すべきと考えます。事業者が不適切なごみの排出を繰り返さないよう、届け出制度や罰則を設けた条例制定について検討してはいかがか、区の御所見を伺います。  ふれあい収集のあり方について伺います。  視察の際、4階まで階段を上り、小さなごみ袋を1つ回収する場面がございました。今後どの分野においても人材不足が課題とされる中、高齢化に伴うふれあい収集件数の増加は、清掃業務の課題となることが予測されました。近年のふれあい収集の傾向と今後の課題について、区の御見解を伺います。  介護保険制度の中では、地域支援を活用したサービス提供のあり方として、総合事業が定められています。区市町村が中心となって、地域の実情に応じて住民等の多様な主体が参画し、多様なサービスを充実することで地域の支え合い体制づくりを推進し、要支援者等の方に対する効果的かつ効率的な支援等を可能にすることを目指すものですが、当区でも地域の課題を明らかにし、地域資源を発掘し生かして、ともに支え合うまちづくりが進められているところです。今後、ふれあい収集の実施に当たっては、多様な主体が参画する地域の支え合いが欠かせないと考えますが、区の認識を伺います。  結びに、2020年東京オリンピック・パラリンピックが近づいてまいりました。多くのお客様がこの杉並区にも訪れることでしょう。おもてなしの心として、また杉並区を愛する皆様から、杉並のまちがきれいになった、これからも住み続けたい、また住んでみたいまちと選ばれ、杉並区に誇りを持っていただけるよう、当区の環境美化対策のさらなる取り組みに期待をしています。最後に区の決意を伺って、私の質問を終わります。 ○副議長(中村康弘議員) 理事者の答弁を求めます。  区長。       〔区長(田中 良)登壇〕 ◎区長(田中良) 私からは、山本ひろこ議員の御質問のうち、環境美化対策についての御質問にお答え申し上げます。  現在、2020年に向けましてさまざまな分野で取り組みが進められている中、御指摘にもございましたが、区を訪れる観光客や区民は、きれいなまちで過ごすことを期待しておりまして、そのためにも、環境美化対策に力を注いでいかなければならないものと考えております。  前回の東京オリンピック大会では、世界中から訪れる観光客や選手等のために、ごみが落ちていないきれいなまちにしようと地域住民が力を合わせて清掃活動に取り組み、まちの美化が大きく進みました。私は、こうした風土は引き継がれ、杉並区民の環境美化に対する意識は、今なお総じて高いと考えております。  例えば杉並第八小学校の児童は、毎年、高円寺阿波おどりでのごみの回収や、祭りに乗じて排出される便乗ごみを防止するためのPR活動など、まちの環境美化に積極的に取り組んでおります。また、区では、地域における清掃活動に対して、ごみ袋、火ばさみなどを提供しておりますが、町会・自治会、商店会、企業など合わせて約90団体にまで及んでおります。  ただ、残念ながら、たばこの吸い殻や空き缶等のポイ捨てをしたり、ルールに反したごみを排出する区民は依然見受けられます。こうした方に対しては、御指摘いただいた清掃現場の現状を知ってもらう取り組みなど、さまざまな場や手法を通した啓発活動を行って、意識を変え、実際の行動変容にまでつなげていきたいと考えております。  2020年の大会に向けまして、区としても、環境に優しくきれいなまちを目指して、ごみ集積所の点検、指導、ごみ出しルールの啓発や歩きたばこ禁止等の徹底を進めるとともに、多くの区民が発生抑制、再使用、再生利用の3Rの取り組み等のごみの減量活動や環境美化活動に携わり、その体験がかけがえのない記憶となり、将来につながるレガシーの1つとなるように取り組んでまいりたいと思います。  歩きたばこ、吸い殻は、やっぱり喫煙場所の適切な確保も並行して大事な課題でございます。これも忘れてはならないことでございます。ワールドカップなどでも、観客から、日本のサポーターがごみを拾うというようなことが世界にさまざまな共感を呼んだということがございました。美化ということで、地域や国のイメージアップということにも直結する大変大事な取り組みだというふうに思っております。  他の質問につきましては、関係部長より御答弁申し上げます。 ○副議長(中村康弘議員) 環境部長。       〔環境部長(齊藤俊朗)登壇〕 ◎環境部長(齊藤俊朗) 私からは、清掃事業に関連します残りの御質問にお答えいたします。  初めに、清掃業務の動画配信など、収集現場の状況を伝える取り組みについてのお尋ねですが、これまで各種メディアで清掃事業の現場の取り組みが取り上げられ、区民の皆様から大きな反響をいただいております。このことから、清掃事業への御理解と御協力をいただくために、収集現場の状況をわかりやすく伝えることが大変有効であると認識しております。また、動画は臨場感があり、多くの情報が素早く伝わることで印象に残りやすいという利点もあることから、今後は、文字や写真だけではなく、動画を使って区民の皆様に周知を図っていくことを検討してまいります。  次に、収集職員の腰痛予防への取り組みと腰痛を患う職員への配慮についてお答えします。  まず、腰痛予防への取り組みですが、作業前の準備運動の実施に加え、収集現場におきましては、中腰姿勢を避け、体からごみを離さず、両手で持ち上げるという安全作業手順の徹底を図っております。また、ふだんから意識して気をつけるよう、スポーツトレーナーを招いた腰痛予防研修を実施しております。  また、御指摘の折り畳み式防鳥用ボックスの改良につきましては、収集職員の体への負担を考慮し、過去に形状を変更したこともございますが、区民の利用のしやすさの観点で試行錯誤をした結果、現在の仕様になったという経緯がございます。  次に、腰痛を患う職員への配慮についてでございますが、狭小路地でごみの排出量が比較的少ない収集現場に配置したり、また収集作業が困難な場合には、排出指導や環境学習の業務に割り当てるなど、過度過重な負担がかからないようにしてございます。  次に、ドギーバッグに関するお尋ねにお答えします。  御指摘のとおり、国内で年間600万トンを超える食品ロスのうち、最新データでは約133万トンが飲食店から発生しており、食べ残しを原因としたものが相当程度占めております。そのため、現在区では、食べ残しを減らすことが食品ロスの削減につながり、また、適量を注文して食べ切ることが健康にもよいという考え方のもと、保健所と連携しまして、食べのこし0(ゼロ)応援店事業を開始していく準備を進めております。その中で、自己責任において、ドギーバッグによる食べ残した料理の持ち帰りを希望するお客様の求めに応じる飲食店を応援店としていくこととしており、区ではこの取り組みを広げていきたいと考えております。  次に、イベント参加者に対するごみ減量の取り組みに関する御質問にお答えします。  御指摘のとおり、現在、環境活動推進センターにありますリサイクルひろば高井戸を運営する団体におきまして、イベントで模擬店が使用する発泡スチロールの使い捨て容器や割り箸などを減らすため、専用の皿、コップ、箸などの貸し出しを行うディッシュ・リユース・システム事業を実施しております。昨年度は、井荻小でのバザー、郷土博物館での餅つきなど、11のイベントで食器等を貸し出しており、利用者からは好評だったと伺っております。  現時点では、高円寺阿波おどり等での実施には課題もございますが、ディッシュ・リユース・システム事業は、ごみの減量に直接貢献し、意識啓発にもつながる取り組みであり、区でも積極的に進めていく必要があると考えております。そこで、まずは区が主催するイベントを中心にPRを行い、多くの方への周知に努めてまいりたいと考えております。  次に、不法投棄に関します一連のお尋ねにお答えします。  初めに、駅周辺のごみ出しについてですが、収集曜日や分別が守られないほか、事業系シールが未貼付のごみが排出される集積所が少なからず存在するのが現状でございます。そのため、職員が集積所を見回り、排出者を特定し、指導を続けているところではございますが、一定の効果が得られた集積所もある一方で、改善には至らず、指導を継続している集積所もあるところでございます。  次に、警察の介入による改善事例や、警察を含めた他部署との連携についてでございますが、これまで区では、不法投棄の解決に警察が介入したという事例はございません。しかし、不法投棄には、集積所ばかりではなく、道路上など集積所以外のものもございますので、今後は、町会、警察、土木事務所との連携した取り組みを進めてまいりたいと考えております。  あわせて、ごみの出し方の案内につきましては、開業する飲食店につきましては、保健所の生活衛生課と連携し、また転入者に関しましては、宅地建物取引業協会へ協力を依頼してまいりたいと考えております。  続いて、届け出制度や罰則を設けました条例制定についてでございますが、事業者による不適切なごみの排出の是正には、御指摘のとおり、清掃事務所による指導だけではなくて、他の部署との連携した取り組みが必要であり、また、何よりも地域住民による監視の目が重要であると考えております。区としましては、まずはこれらの連携による取り組みに注力いたしまして、条例制定につきましては、既に制定しております自治体の成果、課題等について検証いたしまして、研究してまいりたいと考えております。  次に、ふれあい収集についてのお尋ねにお答えします。  初めに、近年の傾向でございますが、公営住宅のバリアフリー化が進むなど、ふれあい収集を必要としない高齢者もふえてはございますが、高齢化の進展により、件数は増加傾向にございます。  次に、今後の課題についてでございますが、通常の収集作業とふれあい収集を両立させるために、車両と職員を適正に配置し、効率的な作業体制を確立することが必要となっております。  また、ふれあい収集は、地域の見守りや生活支援という役割を果たす事業とも考えております。このため、日ごろから区民の声に耳を傾け、ケア24など福祉部門との密な情報交換が求められることから、そのための職員の資質向上も必要であると考えております。
     次に、私からの最後となりますが、ふれあい収集における多様な主体との連携の必要についてのお尋ねにお答えします。  支援を必要としている方が地域の中で安心して暮らしていくためには、さまざまな主体がかかわりながら支え合う体制を築くことが必要であると考えております。ふれあい収集におきましても、地域で支え合いのための活動をしているさまざまな団体と連携し、地域の目の1つとしての役割を担えるよう、具体的な取り組みについて今後検討してまいりたいと考えております。  私からは以上でございます。 ○副議長(中村康弘議員) 以上で山本ひろこ議員の一般質問を終わります。  ここで午後3時15分まで休憩いたします。                                午後2時58分休憩                                午後3時15分開議 ○副議長(中村康弘議員) 休憩前に引き続き会議を開きます。  25番安斉あきら議員。       〔25番(安斉あきら議員)登壇〕 ◆25番(安斉あきら議員) 区民フォーラムみらいの安斉あきらです。私は、会派の一員として、通告に従い、区政一般についての質問をさせていただきます。  本日は、公立小中学校における教育環境の充実と整備について、東京2020オリンピック・パラリンピック大会について、以上2つの大きな項目について伺ってまいります。  まず初めに、公立小中学校における教育環境の充実と整備について伺ってまいりますが、この項では5つの視点で質問をしてまいります。  1点目の視点は、学校飼育動物についてです。  小学校に入学をしてしばらくすると、子供たちに動物の飼育当番が回ってくるという学校が多い現状にあります。これは文部科学省の定める学習指導要領「生きる力」の中で、動物飼育の推奨がされているからです。こうした動物は学校飼育動物と呼ばれています。  そこで、まず初めに、学校飼育動物とは何か、飼育する目的を伺っておきます。  文部科学省の「学校における望ましい動物飼育のあり方」では、学校での動物飼育は、次の教育効果があるとされております。「1 飼い続けることによって学ぶもの 2 協力しあって共に世話をするなかで学ぶもの 3 動物の固有の性質や習性の中から学ぶもの 4 感動を表現し、活動を振り返ることによって学ぶもの 5 地域の人とのかかわりのなかで学ぶもの」、以上5つの教育効果があるとされております。  そこで伺いますが、教育委員会は、学校飼育動物を通じて子供たちが得る学習効果をどのように考えているのか。また、学校飼育動物の教育課程における効果はさまざまな研究から明らかになっておりますが、教育委員会はこうした学術的な研究についてどのように把握され、理解をしているのか伺っておきます。  先日の決算特別委員会で、学校飼育動物の飼育状況について資料請求をさせていただきました。その中で、亀、金魚、ザリガニ、昆虫などの小動物以外の飼育をしている学校が9校ありました。47校中9校ですので、約2割の学校に当たります。学習教材である教科書の中には、亀、金魚、ザリガニ、昆虫などの飼育に関する記載があることは承知しておりますが、違和感を覚えました。残りの8割の学校は、命のぬくもりを感じる小動物であるウサギ、鶏、モルモットなどの飼育がされております。  そこで伺いますが、学習指導要領の中では、小学校1、2年生の生活の単元の内容で、「動物を飼ったり植物を育てたりして、それらの育つ場所、変化や成長の様子に関心をもち、また、それらは生命をもっていることや成長していることに気付き、生き物への親しみをもち、大切にすることができるようにする。」との記載がありますが、こうした表現から、亀、金魚、ザリガニ、昆虫は動物に当たらないのではないかと考えますが、教育委員会の見解を求めます。  また、ウサギ、鶏、モルモットなどを飼育できない理由があるのか確認するとともに、今後の改善を求めますが、見解を伺います。  東京都教育委員会では、小学校の児童による動物飼育に当たり、専門的な知識を持った獣医師の方などと連携をして、よりよい体験を与える環境を整えることが必要であり、獣医師の方々などとの効果的な連携のあり方について検討し実践する小学校動物飼育推進校の指定を行い、各推進校での成果を全都に普及啓発しています。  各推進校の取り組みによる声としては、学校担当獣医師からの専門的な指導助言を児童、教員、保護者などが受けることで、飼育動物の衛生管理についての理解が深まった。また、適切な飼育方法について詳しくなることで児童が自信を持ち、主体的に飼育活動に取り組むことができた。児童が飼育動物の特徴や適切な飼育環境について学校担当獣医から直接指導を受けることで、飼育活動に対する責任感を育むことにつながった。また、飼育動物や他の動物との触れ合いの時間を充実させることで、飼育動物を少し怖がっていた児童も、生命の温かみを実感し、主体的に飼育活動に取り組むことができるようになった。飼育担当の教員だけではなく、学校全体の教員が飼育動物について学ぶ機会を持つことができ、全ての教員が適切な飼育の仕方について理解を深めることができた。教員みずからが飼育動物に関心を持ち理解を深めることで、児童に生命のとうとさを理解させ、動物愛護の心を培う教育をさらに推進することができたなどの声が寄せられています。こうした声からも、専門的な知識を持った獣医師の方との連携は重要です。  そこで伺いますが、杉並区の全公立小中学校においても、児童による継続的な動物飼育を円滑に実施するため、専門的な知識を持った獣医師の方々と連携を強化し、気軽に相談、治療などをお願いできる体制を確立していくことが必要だと考えます。学校での動物飼育により充実した指導が可能となるよう、学校獣医師の設置を求めますが、所見を伺います。  次に、2点目の視点、部活について伺っていきます。  本年3月、スポーツ庁は、「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」を策定しました。これにより、東京都教育委員会はガイドラインにのっとり、運動部活の活動時間及び休養日の設定その他適切な運動部活の取り組みに関する「運動部活動の在り方に関する方針」を策定し、杉並区教育委員会も東京都が示した方針を参考に、設置する学校にかかわる運動部活の方針を策定することになりました。  このことを受け、杉並区でも杉並区部活動のあり方検討会を開催し、運動部活方針を策定していると思いますが、このあり方検討会のメンバーはどのような方がなられているのか伺います。  部活動ガイドラインの内容については、スポーツ庁や東京都教育委員会が策定した方針を参考につくられていると思いますが、概略的な内容と、杉並区独自の取り組みが盛り込まれているのか確認をしておきます。  国の新しい仕組みとして部活動指導員の制度が導入されましたが、杉並区における部活動指導員の導入に向けた検討状況はどうなっているのか。また、部活動指導員については国からの予算がおりてくると思いますが、当区が導入した場合の予算額はどのぐらいになるのか確認をします。  スポーツ庁のガイドラインの考え方で、「1日の活動時間は、長くとも平日では2時間程度、学校の休業日は3時間程度とし、できるだけ短時間に、合理的でかつ効率的・効果的な活動を行う。」とされております。  そこで伺いますが、昨年の第4回定例会の私の一般質問で、学校休業日の練習時間について質問したところ、答弁では、「休日につきましては、練習の活動であればおおむね4時間程度ですが、練習試合等がある場合は、4時間を超える活動時間になる場合もございます。」との答弁を受けていますが、今般区が策定する指針において、休日の練習時間はどのような時間設定になっているのか確認をしておきます。  今般スポーツ庁が策定したガイドラインでは、「地方公共団体は、少子化に伴い、単一の学校では特定の競技の運動部を設けることができない場合には、生徒のスポーツ活動の機会が損なわれることがないよう、複数校の生徒が拠点校の運動部活動に参加する等、合同部活動等の取組を推進する。」と明記をされております。  そこで伺いますが、昨年の第4回定例会の私の一般質問で、品川区の拠点校方式の合同部活の提案をさせていただき、次の答弁を受けております。「区立中学校に設置されている部活動につきましては、教員数の減少や教員の意識、実態の変化等に伴い、御指摘のとおり、必ずしも生徒の希望に応じた部活動が存在していない実態にあると受けとめております。こうした中で、お話にありました他自治体における拠点校方式による合同部活動等の取り組みにつきましては、今後、実施内容や生徒の参加状況、課題等を調査し、本区の部活動支援にどのように生かしていくことが可能なのか検討してまいりたいと存じます。」との答弁を受けておりますが、その後の検討状況は、また、杉並区において、今後拠点校方式の合同部活を行う考えがあるか伺っておきます。  スポーツ庁のガイドラインのまとめに、「本ガイドラインは、生徒の視点に立った、学校の運動部活動改革に向けた具体の取組について示すものであるが、今後、少子化がさらに進むことを踏まえれば、ジュニア期におけるスポーツ環境の整備については、長期的には、従来の学校単位での活動から一定規模の地域単位での活動も視野に入れた体制の構築が求められる。  このため、地方公共団体は、本ガイドラインを踏まえた運動部活改革の取組を進めるとともに、地域の実情に応じて、長期的に、地域全体で、これまでの学校単位の運動部活動に代わりうる生徒のスポーツ活動の機会の確保・充実方策を検討する必要がある。」との記載があります。  将来的な部活動のあり方として、例えば、試行的に地域体育館の指定管理者が管理している施設を活用し、指定管理事業の1つとして、指導も含めた拠点校部活動を実施し、その後、徐々に指導者の地域のスポーツ推進委員や外部指導員に入れかえていき、最終的には指定管理者の手から独立をさせ、総合型地域スポーツクラブの立ち上げ、移行を行うとともに、部活動の補完をしていく取り組みの検討をすべきと考えるが、御所見をお伺いしたいと思います。  次に、3点目の視点、校庭の人工芝化について伺っておきます。  近年、学校の老朽化や小中一貫校を進めるに当たり、校舎の建てかえが行われています。建てかえに際して、校庭部分に仮校舎を建て、その後、校舎を取り壊し、校庭に当てるといった手法が一般的であると理解をしております。  こうした状況から、新しくできる校庭が、場合によっては北側に位置して、日当たりが悪い状況になる場合もあります。土の校庭が北側になった場合は、冬には霜柱がおり、校庭が使えない状況になります。また、降雪の際には雪が解けにくい、雨が降った場合はぬかるんでなかなか乾かないなど、教育環境に好ましくない状況があります。最近では、北側にある校庭に限った話ではありませんが、学校周辺の方から、校庭の土ぼこりで迷惑しているとの苦情が入るケースもあると聞いております。  そこで伺いますが、区内の全公立小中学校で、北側に面した校庭は現在幾つあるのか、また、学校から改善が寄せられているケースがあるのか伺っておきます。  品川区では、平成21年より校庭の人工芝化を進めています。現在、品川区の全公立小中学校46校のうち10校が、校庭の人工芝化が図られております。今後も学校の改築などの際に校庭の人工芝化を行い、最終的には全ての学校を人工芝化する計画となっています。  品川区が校庭の人工芝化を進める理由として、土ぼこりの解消、霜がおりることもなく、雨などが降ってもすぐに校庭の利用が可能となり、小学校では児童が人工芝の上に寝転んだり伸び伸びと遊ぶ姿が多くなったなど、教育環境のさらなる向上を理由に挙げております。  また、整備費用については、現在、独立行政法人日本スポーツ振興センターのスポーツ振興くじ助成を活用して校庭の人工芝化を進めていることから、費用面においても、長い目で見た場合、土の校庭の維持管理費と余り変わらないとのことであります。  そこで伺いますが、新たにできる仮称高円寺学園は、校庭が北側に面しており、さきに述べた問題が発生すると考えられます。一定程度の費用負担はあるものの、校庭の人工芝化を図り、教育環境の充実を図るべきと考えますが、所見を伺います。  次に、4点目の視点、特別教室と体育館のエアコン導入について伺います。  本年の決算特別委員会の際に、全公立小中学校の特別教室などのエアコン設置状況の資料をいただきました。この資料の中で、全校ではありませんが、小学校では特別活動室、中学校では技術科室、美術室、進路指導室のエアコン設置が全体的にはおくれていることがわかりました。おくれている何らかの理由があるのか確認をいたします。  特別教室への小学校のエアコン設置率は、小学校では79%、中学校のエアコン設置率は58%となっております。特別教室へのエアコン導入は、学習効率の改善にもつながることはもとより、公立小中学校は震災救援所に指定されていることから、首都直下型地震発生時は、普通教室、特別室を問わずに使用することが想定されます。  今回のような猛暑時に大震災が発生した場合のことを考えたら、最終的には全ての特別教室へのエアコン設置を求めますが、見解を求めておきます。  区長選挙の公約に挙げられた公立小中学校の全体育館へのエアコン導入が本格的に検討されていますが、現在までの検討状況と、今後のエアコン設置スケジュールについても確認しておきます。  全体育館にエアコンを導入した場合の総経費は幾らを見込んでいるのか。仮に電気式のエアコンを導入した場合の課題として、学校の受電設備のトランス容量不足から、多額の改修費用が必要になると聞いておりますが、対象となる学校数と改修費用の総額はどの程度見込んでいるのか伺っておきます。  各公立小中学校の電気の供給については、事業者との契約により大口需要家となっていることから、自家用電気設備扱いとなり、1校内1引き込みの原則から、さきに述べたように受電設備のトランス容量に不足が生じた場合、トランスの増設や入れかえが発生し、多額の費用がかかることになります。  供給形態によることもありますが、効率性、合理性が図れれば、1校内に新たな低圧線を引き込むことは可能と考えます。今回の場合、直接体育館に低圧線を引き込むことができれば、大幅なコストダウンにつながると考えます。区は、事業者に対し弾力的な供給を求めるよう要望をしておきます。  次に、5点目の視点で、タブレットパソコン導入について伺います。  近年、スマートフォンやタブレットPCなどICT機器の発展、普及が急速に進み、暮らしや仕事も大きく変わってきています。学校における授業のあり方も、一昔前では想像できないほど進化をしてきています。  区立学校では、ICTの持つ特徴を授業に有効活用して子供たちの学びの可能性を広げる取り組みとして、全公立小中学校の普通教室に電子黒板機能つきプロジェクターが設置をされ、デジタル教材を活用した授業が進められています。また、一部の学校ではタブレットパソコンをあわせて配備し、電子黒板機能つきプロジェクターと連携をした授業を行っております。  そこで伺いますが、電子黒板機能つきプロジェクターやタブレットPCの配備を行い、授業が進められていますが、従来の授業と比較をしてどのような学習効果が得られているのか、また課題などが発生しているのか、確認をしておきます。  決算特別委員会の資料請求で、各小中学校のタブレットパソコン導入状況をいただきましたが、学校ごとに台数のばらつきが見受けられます。導入に際して優先順位などのルールがあるのか、伺っておきます。  実行計画では、平成33年までに、児童生徒が授業で1人1台使用できるように、タブレットパソコンを区立学校全体に導入するとありますが、最終的に何台のタブレットパソコンが導入されることになるのか。また、1人1台の導入を図るために要する総経費は幾らになると試算しているのか、確認をしておきます。  実行計画では、タブレットパソコンの導入に関して、平成31年に小中学校で1校ずつ、平成32年、小学校27校、平成33年、中学校15校となっておりますが、3年間で平準化を図ったほうが予算措置のアンバランス化を防ぐことができ、妥当と考えますが、どうか。また、今回の実行計画の導入スケジュールに至った経過を伺います。  るるお尋ねをしてまいりましたが、杉並区の公立小中学校における教育環境の充実と整備がさらに進むことを期待し、次の項に移ります。  東京2020オリンピック・パラリンピック大会について伺います。  いよいよ東京2020オリンピック・パラリンピック大会も開催まで2年を切り、各地で外国チームのキャンプ誘致が進められております。先日、11月8日、町田市が中華人民共和国の北京市において、中国オリンピック委員会と東京2020オリンピック競技大会の事前キャンプの開催について、覚書を締結いたしました。  そこでお尋ねをいたしますが、オリンピック・パラリンピックに向けて、杉並区がこれまで取り組んできたキャンプ地誘致の状況を伺っておきます。  永福体育館のビーチコートについては、ドイツとイタリアの2カ国がこれまでキャンプ地候補として視察に訪れていますが、その経過とその後の状況や見通しを伺っておきます。  キャンプ地誘致に際して、手続上の問題、誘致国からの要望など、さまざまな課題が発生することが予想されますが、現段階での区が把握している課題などがあるのか、確認をしておきます。  区民からは、キャンプ地に決定した国の練習風景を見学させてほしいとの要望が寄せられておりますが、誘致に関する覚書や要望書など条件を盛り込むことは可能か、こちらについても伺っておきます。  本年9月1日土曜日に新永福体育館がオープンをしましたが、国際規格のビーチコートの稼働率はどのようになっているのか。また、他のスポーツ施設と比較した場合の稼働率の評価を伺っておきます。  本施設がオープンをしてから2カ月が経過をしておりますが、利用者のビーチコートに対する評価はいかがか、確認をしておきます。  東京2020オリンピック・パラリンピック大会開催に向けて、今後、外国のチームのキャンプ誘致の取り組みや永福体育館を活用した機運醸成イベントを積極的に進めていただきたいと考えますが、区の意気込みを伺っておきます。  最後になりますが、いずれにしても、東京2020オリンピック・パラリンピック大会まで2年を切った状況です。外国チームの誘致実現と杉並区内のさらなる機運醸成を求め、一般質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。 ○副議長(中村康弘議員) 理事者の答弁を求めます。  区長。       〔区長(田中 良)登壇〕 ◎区長(田中良) 私からは、安斉あきら議員の質問のうち、オリンピック・パラリンピックの開催に向けたキャンプ誘致や永福体育館を活用した機運醸成の取り組みについてお答え申し上げます。  東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会においては、杉並区としては、競技が開催される会場はございませんが、大会の機運醸成や地域の活性化を図るため、永福体育館に国際基準のビーチコートを整備し、これを活用した外国チームの事前キャンプの誘致やホームステイ・ホームビジット支援事業などに取り組んできたところでございます。  外国チームのキャンプ誘致については、現在、複数国からの視察がございまして、キャンプ実施に向けての協議を進めているところですが、誘致活動の取り組みをより強化、推進することを目的の1つとして、このたび、新たに杉並区オリンピック・パラリンピックスポーツアドバイザーを設置し、南部正司氏に御就任をいただきました。  南部氏は、前の日本男子バレーボール代表の監督でございまして、現在もバレーボールのプレミアリーグ所属チームのバレーボール部部長を務めております。このような経歴が示すように、ビーチバレーを含め、バレーボール関係において国内外に幅広い人脈と知名度を持ち、高い見識と豊富な経験をお持ちでいらっしゃいます。  直近の課題として、南部氏をアドバイザーに起用することで、外国チームのキャンプ誘致の際に、氏の体験に基づく専門的な助言や提言をいただき、交渉をより円滑かつ効果的に進め、誘致活動のさらなる推進を図ることができると考えております。  また、永福体育館を活用した機運醸成については、ビーチバレーに対する区民の認識を高め、実際に外国チームがキャンプを実施した際に、区民が一丸となって応援できるよう、トッププレーヤーの試合や練習を間近で見る機会や、実際にビーチバレーを体験することでビーチスポーツのファンをふやすイベントの実施を考えておりまして、所管に検討を指示いたしたところでございます。  オリンピック・パラリンピックの開催まで2年を切っております。外国チームの事前キャンプ誘致や永福体育館を活用したイベントを実施することで、さらなる機運醸成を図ってまいりたいと存じます。  私からは以上です。残りの御質問につきましては、関係部長より御答弁いたさせます。 ○副議長(中村康弘議員) 地域活性化担当部長兼務オリンピック・パラリンピック連携推進担当部長。       〔地域活性化担当部長兼務オリンピック・パラリンピック連携推進担当部長(安藤利貞)登壇〕 ◎オリンピック・パラリンピック連携推進担当部長(安藤利貞) 私からは、キャンプ誘致とビーチコートに関する一連の御質問にお答えいたします。  まず、キャンプ誘致に関するお尋ねでございますが、区といたしましては、交流自治体や区の交流協会などから紹介を受け、ビーチバレー強豪国に向け、各国のバレーボール連盟宛てにビーチコートの資料をお送りするなど、キャンプ誘致に取り組んでまいりました。これまでドイツとイタリアの関係者がビーチコートの視察に訪れております。  また、大会組織委員会の事前キャンプ候補地のホームページに永福体育館のビーチコートの情報を掲載するため、ことしの7月に申請手続を完了しており、年内中をめどに掲載予定とのことでございます。  次に、これまで視察を実施しました2カ国の経緯等についてのお尋ねにお答えいたします。  まず、ドイツにつきましては、交流自治体の青梅市がドイツのボッパルト市と姉妹都市であることから、カヌー競技の誘致活動を行っている関係の中で、ドイツ大使館の担当者及びドイツバレーボール連盟を紹介いただきました。ことしの7月には、同連盟のスポーツディレクターがビーチコートの視察に訪れておりますが、その後、利用意向の有無についての連絡は、現在のところ受けてございません。  次に、イタリアにつきましては、区からもイタリアバレーボール連盟宛て資料をお送りいたしましたが、早稲田大学の所沢キャンパスをイタリアオリンピックチームが事前キャンプのベースにすることが決まり、イタリアオリンピック委員会に早稲田大学からの紹介で連絡をとることができました。10月31日には、同委員会の事前合宿統括責任者がビーチコートを視察するため永福体育館を訪れ、その際、区長とも懇談を行ったところでございます。  今後も、引き続きドイツ、イタリア両国と協議を行っていく予定でございます。  続きまして、キャンプ誘致に関する課題等についてのお尋ねにお答えいたします。  これまで視察を行いました2カ国につきましては、ビーチコート並びに永福体育館の施設につきまして、大変高い評価をいただいたとの感触を持っております。両国の担当者とお話をした中では、今後の施設上の課題といたしましては、同体育館のどの範囲まで使用するのか、事前キャンプで利用する期間や時間の範囲、複数の国が事前キャンプを希望した場合の対応などが想定されております。  また、このほかには、滞在中の食事、期間中の送迎や警備などが課題になってくるものと考えております。  事前キャンプに関する御質問の最後に、区民からの見学等の要望についてのお尋ねにお答えいたします。  永福体育館に設置いたしましたビーチコートは国際基準を満たしたものですが、あくまでも区民の福祉向上のための施設と認識しております。キャンプ実施においても、練習風景の見学だけでなく、体験教室や選手と直接話をする機会の創出など、区民との交流が大事な要素であると考えております。区としましては、協定などを締結する際、可能な限り区民との交流を利用の条件として盛り込んだ内容にしていくよう、協議していく所存でございます。 ◎地域活性化担当部長(安藤利貞) 続きまして、永福体育館のビーチコートに関する一連の質問にお答えいたします。  まず、稼働率でございますけれども、団体貸し出しや各種教室での利用を含め、9月は42.2%、10月は67.8%となっており、10月の実績では、松ノ木運動場の72%と同程度の稼働率となってございます。  稼働率の評価でございますけれども、9月のオープン以降、ビーチコートでの各種イベントや区内外のスポーツ団体等へのPR活動を通して、認知度が向上したのではないかと考えてございます。また、他の屋外運動場と同程度の数にまで伸びたものと考えております。  次に、利用者からの評価でございますが、ビーチコートでの事業の参加者から寄せられたアンケートでは、体験してみると、大人や子供も体全体を使って運動ができて楽しい、砂の上の運動は気持ちがいい、今度も利用したいなど、おおむね好意的な評価をいただいております。
     私からは以上でございます。 ○副議長(中村康弘議員) 教育企画担当部長。       〔教育企画担当部長(白石高士)登壇〕 ◎教育企画担当部長(白石高士) 私からは、初めに、学校飼育動物にかかわる一連の御質問にお答えいたします。  学校飼育動物とは何かについては、学習指導要領には具体的な記載はありませんが、本区で使用している小学校生活科の教科書には、ウサギ、モルモット、ハムスター、鶏、バッタ、コオロギ、テントウムシ、ダンゴムシ、カタツムリ、ヤゴ、ザリガニ等が例示されております。  動物を飼育することの目的や効果についてですが、自然との触れ合いを深め、生命を大切にするとともに、世話をする活動を通して、協力したり責任を持って取り組んだりする態度を育むことであります。  また、科学的な研究につきましては、文部科学省が日本初等理科教育研究会に委嘱研究したものなどがあり、動物飼育についての考え方や、そこから子供たちが学ぶもの、飼育例等が示されていると認識しております。  次に、取り扱う飼育動物と、ウサギ等を飼育できない理由についての御質問にお答えいたします。  学習の中では、動物を飼ったり植物を育てたりする活動を通して、児童生徒の豊かな人間性を育んでいくことが大切と考えます。その狙いの達成に向け、どの動植物を扱うかは各学校が判断していくものと考えております。  また、ウサギ、鶏、モルモットなどを飼育できない理由は、学校によって異なりますが、動物アレルギーの対応による、飼育環境が十分でない等さまざまであります。今後につきましても、学校が実情に応じて判断していくものと考えております。  次に、学校獣医師にかかわる御質問についてお答えいたします。  現在は、杉並区立学校における動物飼育支援活動に関する協定を東京都獣医師会杉並支部と締結しており、事業支援のみならず、飼育動物に関する相談、助言をしていただいたり診断を行っていただいたりして、充実した指導につなげております。今後もこの協定を活用し、より豊かな教育活動を展開していきたいと考えております。  続きまして、ICTを活用した授業にかかわる御質問についてお答えいたします。  タブレットパソコンは、活用できる場所が教室に限定されないこと、タッチパネルやタッチペン等で簡単に入力ができることなど、多様な学習形態に対応できることが大きな特徴であり、子供の学びの幅が広がっております。例えばドリル学習や個別の課題に応じた調べ学習等に活用したり、電子黒板機能つきプロジェクターを活用し、個の取り組みを学級で共有し、考えを比較したり関連づけたりする学習に活用したりすることで、従来の学習形態と比較して、より豊かな学びが可能となっております。このほかにも、視覚的な情報提供をしやすいことから、学習意欲が高まったり、児童生徒の特性に応じた学習支援にも役立ったりしております。  今後の課題といたしましては、学習の中で収集できる多くの情報を子供自身が取捨選択し活用する能力や、ICTの特徴を生かして、多様に表現する能力を高めていくことであると考えております。  私からは以上でございます。 ○副議長(中村康弘議員) 教育委員会事務局次長。       〔教育委員会事務局次長(田中 哲)登壇〕 ◎教育委員会事務局次長(田中哲) 私からは、部活動とタブレットパソコンに関する御質問にお答えします。  初めに、部活動に関する一連の御質問にお答えします。  まず、あり方検討会のメンバーについてのお尋ねですが、教育委員会の関係部課長のほか、学校現場の意見を踏まえたものにするため、中学校の校長、副校長を加え、計9名で構成しております。今後、時期を見て、保護者の意見を聞く機会も設けていきたいと考えております。  ガイドラインの内容については、適切な休養日等の設定、生徒のニーズを踏まえたスポーツ環境の整備など、基本的にはスポーツ庁と東京都教育委員会の部活動の方針をベースに検討を加えております。  杉並区独自の事項につきましては、夏場の熱中症対策の事項のほか、校長会からの提案事項などを検討しているところでございます。  次に、部活動指導員の検討状況等についてですが、現在、本区が取り組んでいる部活動支援の外部指導員と部活動活性化事業との比較検討や、先進自治体の取り組み事例等を調査研究しているところでございます。  導入した場合の予算ですが、仮に部活動活性化事業と同規模の50部活に導入した場合、総額で4,800万円ほどとなり、国、都からの3分の2の補助を除いた区の負担は、1,600万円程度と試算しております。  次に、休日の練習時間についてのお尋ねにお答えします。  さきの答弁は、平成9年12月に国から示された運動部における休養日等の設定例で3から4時間程度と示されているものを踏まえ、御答弁させていただきました。今般区が策定する方針については、国から示されたガイドラインに準じて、休日の練習時間は3時間程度とする予定でございます。  次に、拠点校方式の合同部活についてのお尋ねにお答えします。  品川区の拠点校方式の合同部活動に関しては、当区としても調査検討を行いましたが、生徒の希望する種目を優先して合同部活動を行うものではなく、また事業開始後、参加生徒数が10人前後で推移し、実際の参加生徒数がふえず、拠点校の部活動の活性化にもつながりづらいという課題を持って取り組んでいるとのことから、当区で活用するには工夫が必要なものと受けとめております。  次に、将来的な部活動のあり方についての御質問にお答えします。  これまでも述べてきたとおり、学校において部活動が継続して行われてきた理由は、それが大きな教育的効果をもたらす活動であったからであると認識しております。しかしながら、現在行われている顧問教員による部活動指導を将来にわたって実施し続けていくことは困難であり、先を見据えれば、総合型地域スポーツクラブとの連携を視野に入れるべきと考えております。御指摘の地域体育館を活用した指定管理事業者との連携も選択肢の1つとなりますが、現時点では、区長部局とも連携を図りながら研究していきたいと考えております。  次に、タブレットパソコンの導入に関する一連の御質問にお答えします。  まず、導入の優先順位に関するお尋ねについてお答えします。  当区で平成5年に全小中学校にパソコン室を設置し、各校にパソコンを40台配備しました。その後、平成26年度に教育課題研究校の桃井第三小学校と天沼小学校に、平成27年度には小中一貫教育校の杉並和泉学園にタブレットパソコンを配備いたしました。その上で、現在のところは、これらの学校での授業における研究成果を踏まえ、当該研究校と小中一貫教育連携グループとなっている学校を中心に、配備を進めているところでございます。  次に、最終的なタブレットパソコンの導入台数等に関する御質問についてお答えします。  仮に、お尋ねのように児童生徒1台専用に配備するとなると、現在の児童生徒数とタブレットパソコンのリース代で換算いたしますと約2万6,000台となり、年間のランニングコストは、約16億円程度になるものと試算してございます。  次に、3年間の平準化を図るほうが予算面も含めて妥当とのお尋ねですが、タブレットパソコンをリース契約するに当たり、できるだけ台数をまとめて発注することで、スケールメリットを生かし、費用を抑えることができます。そのため、導入スケジュールとしては、プログラミング学習などを含む新学習指導要領が本格実施となる平成32年度に小学校、平成33年度に中学校に集中して配備することといたしました。このことにより、これまで、学びをつなげ、切れ目のない教育を進めるとの考えから行ってきました小中一貫連携校グループへの配置という方針から、全校配備を加速化し、早期に学習環境を整えるため、それぞれの年度に配備が完了するように計画したものでございます。  私からは以上です。 ○副議長(中村康弘議員) 学校整備担当部長。       〔学校整備担当部長(中村一郎)登壇〕 ◎学校整備担当部長(中村一郎) 私からは、区立小中学校の北側校庭の現状と仮称高円寺学園の校庭の人工芝化に関する御質問にお答えをいたします。  初めに、区立の小中学校で校舎の北側に面した校庭配置となっているのは、本校舎の北側となるものが現在5校、体育館、特別教室棟の北側となっているのが8校となっております。そうした学校では、御指摘のような降雪時等におけるぬかるみなどのふぐあいで、一時的な改善要望が寄せられたことはありますが、部分的な範囲でもあり、体育館の使用などによる工夫をいただいております。  また、土ぼこりについては、住宅街に位置する区内の学校全ての課題となっている状況です。  次に、仮称高円寺学園についてですが、冬場の校舎による校庭への日陰の影響は、他の既存校に比べて若干大きくなるものと予想されます。さらには、新たに校庭に面する近隣から、他校と同様に砂じん被害の懸念も寄せられております。このため、校庭の整備に関しては、何よりも子供たちが安全に利用できることに加えて、水はけのよさや維持管理のしやすさ、近隣対策、さらにはコストなど比較検討を行って、適切な整備手法を選定し、良好な教育環境の確保を図ってまいります。  次に、区立小中学校の特別教室へのエアコン導入に関する一連の御質問にお答えをいたします。  使用頻度の高い普通教室については、一斉導入により設置しましたが、特別教室については、一部の改築予定校を除き、順次計画的に設置をしており、図工室や家庭科室は今年度中に、美術室や技術科室は来年度以降において設置いたしますので、特におくれがあるということではございません。  また、特別活動室や進路指導室なども含め、全ての教室への設置につきましては、残りの教室の用途や数、使用頻度、老朽化した設備の更新対応なども踏まえ、検討してまいります。  次に、学校体育館へのエアコン設置の検討状況とスケジュールに関する御質問にお答えをいたします。  学校体育館へのエアコン設置については、国や都の財政的な補助制度等の動向を注視しつつ、改築校への設置とともに既存校への検討を進めておりましたが、先週には、都知事の記者会見により、補助制度の内容と補正予算案が明らかにされました。今後は、直ちに補助内容の詳細を確認し、事業費の予算化に向けた費用算定やスケジュール設定を行うなど、設置計画の具体化に迅速に取り組んでまいる所存でございます。  私からの最後になりますが、体育館にエアコンを導入した場合の経費についてのお尋ねにお答えを申し上げます。  まず、全体育館にエアコンを導入した場合の総経費についてですが、方式によって経費も異なりますが、エアコンの設置工事費のみで、おおよそ12億円から最大17億円程度と見込んでおります。今後の検討の中で、経費につきましては、効果的、効率的な空調方式を選定し、できる限りコストの縮減に努めてまいりたいと考えております。  次に、電気式のエアコンを導入した場合にトランス容量の不足が見込まれる学校数については、小中学校合わせて30校で、受変電設備の改修に係る経費の総額は約6億円程度と見込まれます。  私からは以上でございます。 ○副議長(中村康弘議員) 以上で安斉あきら議員の一般質問を終わります。  以上で日程第1を終了いたします。  議事日程第2号は全て終了いたしました。  議事日程第3号につきましては、明日午前10時から一般質問を行います。  本日はこれにて散会いたします。                                午後3時57分散会...