• 横山ダム(/)
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  1. 杉並区議会 2017-02-13
    平成29年第1回定例会−02月13日-01号


    取得元: 杉並区議会公式サイト
    最終取得日: 2021-09-29
    平成29年第1回定例会−02月13日-01号平成29年第1回定例会   平成29年第1回定例会             杉並区議会会議録(第1号) 平成29年2月13日 午後1時開議 出席議員48名 1 番  奥  田  雅  子      25番  安  斉  あ き ら 2 番  川  野  たかあき      26番  北     明  範 3 番  木  村  よ う こ      27番  川 原 口  宏  之 4 番  田  中 ゆうたろう      28番  大  槻  城  一 5 番  堀  部  や す し      29番  今  井  ひ ろ し 6 番  松  尾  ゆ  り      30番  浅  井  く に お 7 番  上  保  まさたけ      31番  脇  坂  た つ や 8 番  市  来  と も 子      32番  吉  田  あ  い 9 番  小  林  ゆ  み      33番  金  子 けんたろう 10番  藤  本  な お や      34番  原  田  あ き ら 11番  上  野  エ リ カ      35番  くすやま  美  紀 12番  山  本  あ け み      36番  け し ば  誠  一
    13番  木  梨  もりよし      37番  新  城  せ つ こ 14番  山  本  ひ ろ こ      38番  佐 々 木     浩 15番  中  村  康  弘      39番  河  津  利 恵 子 16番  大  泉  やすまさ      40番  太  田  哲  二 17番  井  原  太  一      41番  渡  辺  富 士 雄 18番  大 和 田     伸      42番  島  田  敏  光 19番  山  田  耕  平      43番  横  山  え  み 20番  富  田  た  く      44番  大  熊  昌  巳 21番  そ  ね  文  子      45番  は な し  俊  郎 22番  岩  田  い く ま      46番  井  口  か づ 子 23番  松  浦  芳  子      47番  富  本     卓 24番  増  田  裕  一      48番  小  泉  や す お 出席説明員       区長             田 中   良       副区長            宇賀神 雅 彦       副区長            吉 田 順 之       政策経営部長         白 垣   学       施設再編・整備担当部長    大 塚 敏 之       情報・法務担当部長      牧 島 精 一       総務部長           関 谷   隆       危機管理室長         寺 嶋   実       区民生活部長         井 口 順 司       地域活性化担当部長オリンピックパラリンピック連携推進担当部長                      安 藤 利 貞       産業振興センター所長     内 藤 友 行       保健福祉部長子ども家庭担当部長有 坂 幹 朗       高齢者担当部長        田 中   哲       杉並保健所長         向 山 晴 子       都市整備部長         渡 辺 幸 一       まちづくり担当部長      松 平 健 輔       土木担当部長         吉 野   稔       環境部長           森   雅 之       会計管理室長(会計管理者)   南 雲 芳 幸       政策経営部企画課長      松 沢   智       政策経営部財政課長      齊 藤 俊 朗       総務部総務課長        都 筑 公 嗣       教育長            井 出 隆 安       教育委員会事務局次長     徳 嵩 淳 一       学校整備担当部長       大 竹 直 樹       生涯学習スポーツ担当部長   齋 木 雅 之       中央図書館長         森   仁 司       選挙管理委員会委員長     與 川 幸 男       代表監査委員         上 原 和 義       監査委員事務局長       和久井 義 久         平成29年第1回杉並区議会定例会議事日程第1号                               平成29年2月13日                                   午後1時開議 第1 会期について 第2 陳情の付託について 第3 特別委員会の活動経過報告について 第4 平成29年度予算の編成方針とその概要 第5 代表質問 ○議長(井口かづ子議員) これより平成29年第1回杉並区議会定例会を開会いたします。  本日の会議を開きます。  区長から挨拶があります。  区長。       〔区長(田中 良)登壇〕 ◎区長(田中良) 本日は、平成29年第1回区議会定例会を招集いたしましたところ、御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。  さて、本定例会で御審議をいただきます提案案件ですが、現在のところ、条例案件が14件、契約案件が1件、損害の賠償が1件、平成28年度の補正予算が5件、平成29年度の当初予算が6件、人権擁護委員候補者の推薦が3件、専決処分の報告が2件の合計32件でございます。  何とぞ慎重な御審議の上、原案どおり御決定くださいますようお願いを申し上げまして、御挨拶といたします。どうぞよろしくお願いいたします。 ○議長(井口かづ子議員) 説明員は、御配付してあります説明員一覧のとおりでございます。  会議録署名議員を御指名いたします。  22番岩田いくま議員、29番今井ひろし議員、以上2名の方にお願いをいたします。   ──────────────────◇────────────────── ○議長(井口かづ子議員) これより日程に入ります。  日程第1、会期についてであります。  議会運営委員会の報告を求めます。  議会運営委員会委員長、31番脇坂たつや議員。       〔31番(脇坂たつや議員)登壇〕 ◆31番(脇坂たつや議員) 平成29年第1回杉並区議会定例会の会期につきましては、当委員会の審査において特段の質疑及び意見もなく、採決の結果、委員全員の賛成をもって、本日から3月16日までの32日間とすべきものと決定をしております。  本会議におかれましても、当委員会の決定どおり御議決くださいますようお願い申し上げまして、報告を終わります。 ○議長(井口かづ子議員) お諮りいたします。  本定例会の会期は、議会運営委員会の決定どおり、本日から3月16日までの32日間とすることに異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(井口かづ子議員) 異議ないものと認めます。よって、本定例会の会期は、本日から3月16日までの32日間とすることに決定をいたしました。   ──────────────────◇──────────────────                              平成29年2月13日                  陳情付託事項表 保健福祉委員会  29陳情第1号 精神障害者も心身障害者医療費助成制度(マル障)の対象とすることを求める意見書の提出に関する陳情 議会運営委員会  29陳情第2号 杉並区議会議員の政務活動費の出納簿、領収書等の区議会のHPにアップを求めることに関する陳情 ○議長(井口かづ子議員) 日程第2、陳情の付託についてであります。  御配付してあります陳情付託事項表のとおり保健福祉委員会及び議会運営委員会に付託いたしましたので、御了承願います。  以上で日程第2を終了いたします。   ──────────────────◇──────────────────                              平成29年2月13日 杉並区議会議長
      井口 かづ子 様                              災害対策特別委員会                               委員長 佐々木 浩              災害対策特別委員会活動経過報告書  災害対策特別委員会の活動経過について、下記のとおり報告します。                    記 1 平成28年11月23日 (1)委員の派遣    平成28年度杉並区総合震災訓練を視察するため、以下の場所に委員を派遣した。    区立井草森公園及び旧杉並中継所(杉並区井草四丁目12番1号) 2 平成28年12月1日 (1)報告聴取   ア J―アラート一斉訓練事故について     11月29日のJ―アラート全国一斉訓練において、区内行政無線から音声放送が流れない不具合が生じたことについて報告があった。    (ア)事故原因及び対応       J―アラート側から防災行政無線操作卓に繋ぐ配線の接触不良が原因と判明し、その後再接続を行い、システム全体が正常に動作することを確認したとのこと。    (イ)区民への影響と周知       小学校において、放送に合わせて予定していた訓練が実施できない学校があった。区では、戸別受信機による放送やホームページで区民への周知を行ったとのこと。    (ウ)今後の改善策       保守点検や訓練等を通じて動作確認を行い、常に良好に作動するよう整備していくとのこと。   イ 平成28年度杉並区総合震災訓練の実施結果について    (ア)総合震災訓練       11月23日に区立井草森公園及び旧杉並中継所で開催され、1,092名の区民参加を含め、1,583名の参加があったとのこと。訓練内容は震災救援所訓練や関係機関との合同訓練、広報・体験コーナー等を実施したとのこと。    (イ)震災救援所訓練       12月1日現在、65箇所中59箇所で訓練を実施し、未実施の学校についても、1月までに実施予定とのこと。   ウ 道路等の除雪について    (ア)除雪作業の実施基準       原則、10センチ以上の積雪があった際に実施するとのこと。10センチ未満の積雪であっても、気象状況により必要に応じて実施することがあるとのこと。    (イ)対象路線       積雪による事故発生等の恐れがある箇所を除雪対象路線とし、総延長で約39キロメートル、路線数で123路線を指定している。この中の通学路や急な坂道・曲がり角、駅周辺の道路等、合計で263箇所を危険箇所として選定し、順次優先的に実施するとのこと。    (ウ)除雪作業の方法       昨年締結した協定に基づき、杉並土木災害防止協力会の協力を得ながら、除雪車両やダンプトラック等の機械施工及び人力施工により除雪、搬雪作業を実施するとのこと。また、除雪搬雪した雪は、区内河川の13箇所の投棄箇所から、河道内に投棄するとのこと。                              平成29年2月13日 杉並区議会議長  井口 かづ子 様                            道路交通対策特別委員会                               委員長 大熊 昌巳            道路交通対策特別委員会活動経過報告書  道路交通対策特別委員会の活動経過について、下記のとおり報告します。                    記 1 平成28年12月2日 (1)報告聴取   ア 外環道について    (ア)工事進捗状況       東名ジャンクションでは、本線シールドマシン発進のための立坑工事が完了し、シールドマシンの組み立てや掘削のための施工基地の整備工事等が進められ、中央ジャンクションでは、ランプシールドの立坑工事やランプ橋工事、大泉ジャンクションでは、本線シールドマシン発進のための立坑工事やランプ橋工事等が進められているとのこと。       また、用地取得状況は、平成28年8月時点において、全体で用地買収部は89%、区分地上権取得部は53%となっているとのこと。    (イ)家屋調査       杉並区内では、家屋調査の対象となる約1,100件について、平成28年2月から順次家屋調査を実施しており、平成28年10月末時点で、約700件の調査が完了しているとのこと。    (ウ)外環の2       都は、「話し合いの会」の今後の進め方を検討するため、平成28年10月27日に構成員の全員を対象にアンケートを実施し、現在結果の取りまとめを行っているとのこと。   イ 「杉並区自転車利用総合計画」の改定について     平成25年策定の本計画において、計画の中間年度である本年度に見直しを行うため、改定案を取りまとめたとのこと。    (ア)改定の考え方      道路交通法の改正、関連する行政計画等の状況及び本計画に定める取組の実施状況を勘案し、必要な修正を行うとのこと。    (イ)改定計画案の概要      自転車をルールとマナーを守って利用する交通手段として位置付け、自転車に係るすべての者が協力して安全で快適な自転車利用環境の実現を目指すため、取組の基本方針ごとに具体的な取組と計画期間内の事業計画を定めるとのこと。    (ウ)改定計画の計画期間      平成29年度〜平成33年度(5カ年)    (エ)今後のスケジュール      平成28年12月に自転車等駐車対策協議会に本計画改定案の報告・意見聴取を行い、区民等の意見提出手続を実施した後、平成29年2月に道路交通対策特別委員会に報告後、3月に改定計画を公表するとのこと。   ウ 「杉並区自転車ネットワーク計画」の策定について    (ア)計画策定の背景と目的      区内の全事故に対する自転車関与率(平成27年)は、約35%と都内平均約32%より高い状況であり、このうち区道に限定すると約5割と非常に高く、自転車の安全対策が課題となっているとのこと。      今後、指導及び啓発活動と併せて安全な自転車通行空間の整備をするため、区内の自転車通行空間のネットワークを構築する計画を策定するとのこと。    (イ)計画の位置づけと活用      杉並区まちづくり基本方針の道路・交通体系整備方針のうち「安全で快適な自転車利用の推進」を具体化する計画とし、まちづくり基本方針の下に位置付け、策定後は自転車ネットワーク路線において、自転車利用者に対して車道の左側通行をわかりやすく案内する路面表示を施工することにより、車道の左側通行を推進させ、自転車関与事故件数の減少を目指すとのこと。    (ウ)本計画の内容       ・計画の概要       ・自転車利用環境の現状と課題       ・基本方針と計画目標       ・自転車ネットワーク路線の選定       ・整備形態の選定       ・今後の進め方    (エ)今後のスケジュール       平成28年12月に区民等の意見提出手続を実施し、平成29年2月に道路交通対策特別委員会に報告後、3月に改定計画を公表するとのこと。   エ 第33回駅前放置自転車クリーンキャンペーンの実施結果について    (ア)キャンペーンの実施期間       平成28年10月24日(月)〜31日(月)    (イ)実施内容       駅頭及び商店街において、地元商店会、放置防止協力員小・中学校児童生徒、教員、保護者及び関係団体と合同で自転車の放置防止を呼びかけるとともに、自転車駐車場案内チラシポケットティッシュと一緒に配布したとのこと。    (ウ)実施結果       JR中央線4駅(阿佐ケ谷駅・高円寺駅・西荻窪駅・荻窪駅)、西武新宿線1駅(下井草駅、永福町駅は雨天中止)を実施し、小・中学校児童生徒、教員等延べ279名、商店会・放置防止協力員延べ79名など、合計453名の参加があり、ポケットティッシュなど合計1万3,700個の配布を行ったとのこと。 2 平成28年12月16日 (1)委員の派遣    東京外かく環状道路及び自転車に関する調査のため、以下の場所に委員を派遣した。   ア 東京外かく環状道路大泉ジャンクション工事現場(練馬区)
      イ 自転車通行帯現場(杉並区荻窪)                              平成29年2月13日 杉並区議会議長  井口 かづ子 様                     文化芸術・スポーツに関する特別委員会                               委員長 横山 えみ        文化芸術・スポーツに関する特別委員会活動経過報告書  文化芸術・スポーツに関する特別委員会の活動経過について、下記のとおり報告します。                    記 1 平成28年12月5日 (1) 報告聴取   ア 文化・芸術振興審議会における文化プログラムの検討について    (ア)文化・芸術振興審議会       区長の附属機関として、文化・芸術に関する必要な事項を調査審議するために設置。これまで区の新たな文化・芸術活動助成のあり方について答申が出ている。委員構成は、文化・芸術活動関係者6名、学識経験者1名、その他区長が適当と認める者3名とのこと。    (イ)文化プログラムの検討経過       平成28年7月に審議会委員を委嘱し、「東京2020アクション&レガシープラン」を配布。その後10月に、「東京2020アクション&レガシープラン」の内容を踏まえて自由討論を行ったとのこと。    (ウ)第2回文化・芸術振興審議会での主な意見       「レガシー」を「感動(体験)」と捉え、子ども達に感動(体験)を提供していく、などの意見があったとのこと。    (エ)今後の予定       平成29年1月、4月、6月と審議会を開催し、文化プログラムについての意見集約を図るとのこと。    (オ)東京大会2020に向けた新たな取組       平成28年11月5日、6日に西荻地域区民センターで「『オリパラソル』をつくろう」という事業を実施。会場を訪れた子ども達が東京オリンピックパラリンピックへの思いを傘に書き、自分だけの「オリパラソル」を作った。今回作成した一部のオリパラソルについては、東京オリンピックパラリンピックに関連したイベントなどで活用していくとのこと。   イ 東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた参画プログラム等の取組について    (ア)東京2020参画プログラムの取組       大会組織委員会は平成28年10月から、大会エンブレムを使用可能な団体・組織が実施するイベントなどを認証する参画プログラムを開始し、平成29年度から対象を拡大して本格実施するとのこと。       対象イベント・事業は、「大会ビジョン」と「アクション&レガシープラン」のコンセプトに合致するイベント・事業であり、実施主体は自治体や非営利団体等。認証された事業の実施主体について、周知用のチラシなどへエンブレムの使用が認められる。エンブレムは実施主体により異なる2種類があるとのこと。    (イ)東京2020オリンピック・パラリンピックフラッグツアー       東京都はオリンピック・パラリンピックフラグのレプリカを2組製作した。平成28年10月から、都内の区市町村で巡回するセレモニーとフラッグ展示を開始しているとのこと。       フラッグツアーの都内の巡回順序は、1964年東京大会の聖火リレーコース等を参考として設定された2ルート。杉並区については平成29年5月20日にセレモニーを行い、5月22日から25日まで区役所本庁舎にてフラッグを展示するとのこと。       セレモニーについては区が実施会場などをまず決め、その上で東京都の委託事業者等と詳細を決定する。フラッグ贈呈式にはオリンピアンなどが派遣される。またセレモニー会場にて、公式オリジナル商品の販売を検討しているとのこと。   ウ 平成28年度「交流自治体中学生親善野球大会」の実施報告について    (ア)目的       中学生の健全なスポーツ精神を培うとともに、異文化理解・国際理解を深めることを目的としている。    (イ)参加自治体       杉並区、台湾台北市、南相馬市、名寄市、南伊豆町、そして東吾妻町が初参加であるとのこと。    (ウ)実施日及び内容       10月8日に杉森中学校にて学校交流を行い、立正佼成会普門館地下ホールにて中学生交流夕食会を行った。また10月9日から10日にかけて、西武プリンスドーム球場及び上井草運動場で親善野球大会を実施し、10月9日に日本文化体験として、杉並会館で様々な催しを行ったとのこと。    (エ)参加状況       杉並区と台湾台北市が2チーム作り、6自治体8チームが参加したとのこと。    (オ)その他       今大会の報告書を作成し、平成28年12月20日に、報告会を実施とのこと。 2 平成29年1月16日 (1)委員の派遣    東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた取組、スポーツ推進に関する取組を視察するため、以下の場所に委員を派遣した。   ア 大田区役所(大田区蒲田五丁目13番14号)   イ 大森ふるさとの浜辺公園(大田区ふるさとの浜辺公園1番1号)                              平成29年2月13日 杉並区議会議長  井口 かづ子 様                              議会改革特別委員会                               委員長 富本  卓             議会改革特別委員会活動経過報告書  議会改革特別委員会の活動経過について、下記のとおり報告します。                    記 1 平成28年12月6日 (1)所管事項調査   ア 議会基本条例について     10月17日及び11月2日に開催した議会基本条例に関する部会において検討した、第4章「行政と議会」及び第5章「会議」の条文案作成の議論経過について、委員長から報告を行った。     部会の報告を受け、第4章に関しては、農業委員会選任同意についての条文を入れること、人権擁護委員推薦の同意及び名誉区民を定める際の同意の記載については、引き続き検討を行うこと、第5章に関しては、この章で記載する「定例会と臨時会」、「本会議」、「委員会」に盛り込むべき内容について、確認した。     その他に、災害等の緊急時における議会対応について検討する必要があるとの意見があり、議会基本条例とは別の検討課題としていくこととした。   イ 議会図書室・議員厚生室について    (ア)議会図書室       どのような議会図書室が必要なのか、という観点から意見交換を行ったところ、デジタル図書の検討について、図書館からの司書の派遣について、議員活動に必要な書籍、資料を揃えるための収集基準の作成について、等の意見があった。また、事務局次長から、現在図書室にある不要図書の廃棄案について説明を受け、廃棄方針についても意見交換を行った。       今後図書室をどのように活用していくのか、収集及び廃棄基準をどうするのか等、今後の検討の進め方については、正副委員長で相談のうえ方針を決めていくこととした。    (イ)議員厚生室      ・洋室について       事務局次長から、各会派から会議室転用への了承を得たので、テーブル、椅子の入れ替えを行い、会議室として利用できる状態に整えた旨の報告があった。その後、区長部局への目的外使用としての貸し出しについて、部屋の名称変更について、意見交換を行った結果、各会派の意見を聞きながら引き続き検討することとなった。      ・和室について       事務局次長から、子供連れの議会傍聴者への開放及び水防配備態勢時の従事職員の仮眠場所としての開放について提案があった。その後意見交換を行った結果、2つの提案についてはこのとおり了承すること、現行の目的外使用基準を改正する必要があるので、今後事務局で案を作成し対応することを確認した。    (ウ)その他       ICTの活用については、「議会におけるICTの活用検討会」から出された報告書により一定の結論が出ているため、本委員会の議題としていない旨、委員長より報告があった。 ○議長(井口かづ子議員) 日程第3、特別委員会の活動経過報告についてであります。  災害対策特別委員会委員長、38番佐々木浩議員、道路交通対策特別委員会委員長、44番大熊昌巳議員、文化芸術・スポーツに関する特別委員会委員長、43番横山えみ議員、議会改革特別委員会委員長、47番富本卓議員から、御配付してありますとおり特別委員会活動経過報告書が提出されております。  各特別委員会におかれましては、引き続き調査活動を継続されますようお願いをいたします。  以上で日程第3を終了いたします。   ──────────────────◇────────────────── ○議長(井口かづ子議員) 日程第4、平成29年度予算の編成方針とその概要の説明を聴取いたします。  理事者の説明を求めます。  区長。       〔区長(田中 良)登壇〕 ◎区長(田中良) 平成29年第1回定例会の開催に際しまして、新年度予算編成の基本的な考え方及び今後取り組むべき重要課題の概要について申し上げます。  早いもので、ことしは、平成24年度からの10年間を見据えた基本構想、10年ビジョンの折り返しの年となります。この間の取り組みを通し、狭隘道路の拡幅整備や南伊豆町における区域外特養ホームの整備、また待機児童解消に向けた保育施設の整備などを初め、多くの事業で確実に目に見える成果があらわれつつあります。  計画の推進に当たりましては、前例のない取り組みもありまして、制度や財政の課題など困難に直面する場面も多々ありましたが、ここまで進めてこられましたのは、区民の皆様や議員各位の御理解、御協力のたまものでありまして、深く感謝を申し上げる次第でございます。  昨年は、国内外で、区政にも少なからず影響を与える大きな変化があった1年でございました。
     国内では大きな災害が相次ぎました。4月の熊本地震、10月の鳥取県中部地震、11月の福島県沖地震に加え、8月には北海道、東北を襲った大型台風10号、そして12月には、まだ記憶に新しい糸魚川市の大規模火災がございました。改めて、災害はいつ起こってもおかしくないということを痛感するとともに、過去の災害からの教訓も十分に生かしながら、減災・防災対策を加速させなければならないと意を強くいたしました。  また、8月には小池新都知事が誕生いたしました。そもそも、任期半ばにして首都東京のリーダーが次々とかわり、都政が停滞するような事態は、本来あってはならないことであります。都政の課題は山積をしており、ともすれば築地市場の移転問題やオリンピックの会場変更の話題に注目が集まる中で、小池知事には、しっかりと地に足をつけ、区市町村との連携のもと、課題解決のビジョンを示してほしいと考えておりました。  こうした中で、12月、「都民ファーストでつくる『新しい東京』〜2020年に向けた実行プラン〜」が策定をされ、セーフシティ、ダイバーシティ、スマートシティという3つのシティ実現に向けた政策と目標が示されました。これは、都政の課題解決に向けて一歩前進であると評価いたしておりますが、私は、政策の中に、都市と地方の連携の視点が不足しているように思いました。  本プランにも示されている、平成27年国勢調査の結果を踏まえ行われた東京都の人口推計によりますと、東京の人口増加は、前回の国勢調査の人口を基準としたこれまでの推計に比べ、5年後ろ倒しとなる2025年まで続き、区部ではさらにその5年後の2030年まで、現在より約50万人増加する見込みとなっております。これはすなわち、その間に地方の人口減少が進むことを意味しております。  私はかねてから、全国で最も出生率の低い東京に人口が集中するということは、日本の総人口減少に拍車をかけるとともに、介護施設の整備やその担い手確保など、東京の高齢者対策をより困難なものにすると考え、人の流れや雇用を生み出すような地方との自治体連携の取り組みを積極的に進めてまいりました。小池知事にも、東京と地方の共存共栄を図り、国の不合理な税源収奪の動きに歯どめをかけるためにも、ぜひ、こうした地方との連携事業を積極的に支援していただきたいと考えております。  さて、国外に目を転じますと、英国が6月の国民投票の結果、EU離脱を決定し、さらに11月のアメリカ大統領選挙では、大方の予想を覆してトランプ氏が勝利をおさめました。米英両国のこの投票結果は世界中に大きな衝撃を与えました。この結果の根底に通ずる反グローバリズムとポピュリズムは欧州でも勢いを増しており、その広がりは、日本経済に直接的、間接的に影響を及ぼすことは確実であります。トランプ新大統領への期待から、同氏の掲げる政策によって、米国が牽引役となって景気が上昇していくとの予想もなされてはおりますが、一方で、同氏の取り組みいかんによっては大幅な下振れに動く可能性も否定できず、景気の行方は依然、先行き不透明なものと言わざるを得ません。  次に、区政を振り返りますと、昨年の第1回区議会定例会において、急増する保育需要への対応を図るため、当初予算の訂正をお願いするとともに、同時補正予算を提案し、保育定員確保のための予算を計上いたしました。その後、さらなる需要増が見込まれる中、このままでは平成29年4月の待機児童が500名を超える事態を招きかねないという危機的状況を打破すべく、4月18日にすぎなみ保育緊急事態宣言を行いました。そして、5月には待機児童解消緊急対策を決定し、全庁を挙げて、これまでにない、2,000人を超える規模の保育定員の確保に全力を尽くしてまいりました。  また、昨年は、まちづくりをめぐっても、区の計画に大きく影響を及ぼす動きがありました。区では、地域の皆様の御意見をいただきながら、阿佐ケ谷駅等周辺まちづくり方針の策定に向けて検討を進め、同時に、阿佐谷地域区民センター、産業商工会館との複合化により、杉並第一小学校の現在地建てかえの計画を進めておりました。  そうした中で、小学校近隣の病院の移転建てかえ計画が明らかになりました。それまで病院は現在地で建てかえる方針とお聞きいたしておりましたので、まさに青天のへきれきでありましたが、これによって、小学校を病院跡地へ移転改築し、将来にわたり、より望ましい教育環境を創造するという新たな可能性が生じました。そこで、病院及び地権者とともに、その可能性と区民センター等の整備のあり方について平成28年度末までに検討を行った上で、改めて方針を決定することといたしました。  病院、小学校等の区立施設の建てかえ、それに伴う道路基盤の整備や地域防災力の向上、まちのにぎわい創出、緑の保全などは、地域の将来を大きく左右することでありまして、多額の経費も伴います。そのため、これまでどおり、子供たちの教育環境の向上を第一に考えつつ、地域のまちづくりにとってどのような形が最善であるか、地域の皆様の御意見も頂戴しながら、将来を見据えて総合的に判断してまいります。  また、財政に目を転じますと、保育定員の大幅な増加や、学校を初めとする大規模な区立施設の改築等の影響により、例年以上の歳出増が見込まれる状況の中で、ふるさと納税による区民税控除額が、平成27年度の1億3,000万円から平成28年度には7億3,000万円と、5.6倍に大きく拡大をいたしました。返礼品競争が過熱する中で、今後さらに拡大することは確実な状況にありまして、もはや看過することができない段階に来ていると思います。自分のふるさとを応援し、貢献するという制度の趣旨から大きく逸脱し、自治体間の税源収奪合戦と化している状況に対し、今後、制度の見直しを喚起するような取り組みを行ってまいりたいと考えております。  このような厳しい財政状況を踏まえつつ、区政を取り巻く環境の変化に的確に対応し、総合計画10年プランの後半において基本構想実現に向けた道筋を明確にするため、昨年11月、実行計画、協働推進計画、行財政改革推進計画及び区立施設再編整備計画(第一期)・第一次実施プランの改定を行ったところでございます。  このように、昨年1年間の区政を取り巻く情勢を振り返ってみても、近年の時代の変化の速さと大きさを改めて痛感いたします。こうした中では、十年一昔とはよく言われることですが、今や十年大昔といった感がございます。  実際に10年前と現在を比較してみますと、例えばICTの分野では、アップル社がiPhoneを発表したのが今からちょうど10年前の2007年ですが、今やスマートフォンの世帯保有率は70%を超え、もはや人々の暮らしや仕事になくてはならないものになりつつあります。さらには、AI(人工知能)やIoT(インターネット・オブ・シングス)など、第4次産業革命とも言われる技術革新が進んでおりまして、今後、高齢者の在宅介護の分野などを初め、行政サービスにもこうした技術を積極的に取り入れる必要があるものと認識をいたしております。  また、これまで子育てに専念することが多かった25歳から34歳までの女性の就労率は、東京都において、平成17年の67.3%から平成27年には75.8%と、この10年間でさらに上昇いたしました。その一方で、全国の生産年齢人口は、平成17年の8,409万人から平成27年の7,592万人へと800万人以上も減少しております。今後、少子化の進展に伴い、この傾向に拍車がかかることは避けられない状況でありまして、必要な労働力人口を確保する観点からも、女性の社会進出を支える保育園の整備は喫緊の課題であると考えております。  私が待機児童ゼロを目標に掲げ、保育園の整備を推進することについては、潜在需要の掘り起こしや、他自治体からの流入につながるのではないかなど、危惧を抱かれる御意見も耳にいたします。しかし、待機児童問題を抱える自治体がいずれも、他の自治体の動向を横目で見つつ、歩調を合わせて整備するというスタンスをとっていたら、いつまでたっても待機児童問題が解決することはありません。私は、何としても待機児童ゼロを達成し、その上で、必要な財政支援や制度の見直しなどを国や都に強く訴えかけてまいりたいと考えております。  また、高齢化の進展を受け、国の社会保障関係費は、平成18年の20.6兆円から平成28年の32兆円と、この10年間で約11兆円増加し、本区においても同様に、この間に1.7倍となっております。一方、我が国の健康寿命は、平成16年には、女性が72.69歳、男性が69.47歳であったものが、平成25年にはそれぞれ、74.21歳、71.19歳に延びまして、就業者総数に占める65歳以上の高齢者の割合も、平成27年には11.4%に達しております。  こうした状況を受け、先般、日本老年学会と日本老年医学会は、高齢者の定義を65歳以上から75歳以上に引き上げるべきとする提言を発表いたしました。区としても、いかに健康寿命を延ばし、元気高齢者の活力を地域社会に生かしていくかが、超高齢社会の進展に伴う今後の課題であると認識いたしております。  さて、こうした時代背景を踏まえ、ことしの仕事始めに当たっての企業経営者の挨拶では、変化しなければ衰退する、スピーディーに挑戦する、成功モデルに安住していては変化が厳しい環境で生き残ることはできない、変化への対応に徹し新しいことに挑戦するといった、「変化への対応」をキーワードにした挨拶が例年より目立ったように感じました。私も、このように変化が速く大きい時代において、必要な行政サービスを安定的、継続的に提供していくためには、常に時代の先を見据え、先手を打って課題にチャレンジしていく姿勢が欠かせないと考えております。  そこで私は、そうした思いを込め、10年先を見据えて策定した基本構想、10年ビジョンの後半を迎える年に当たりまして、平成29年度予算を「時代の先を見据え、10年ビジョンを加速させる予算」と名づけました。  ここで改めて、私の予算編成に当たっての基本的な考え方について申し述べます。  まず第1に、昨年、区政を取り巻く環境の変化を踏まえ、長期最適、全体最適の視点を持って改定した実行計画並びに協働推進計画及び行財政改革推進計画の取り組みに要する経費を、確実に予算に反映させたことでございます。  平成29年度は、改定した計画のスタートの年に当たるとともに、総合計画10年の計画期間後半に突入する重要な年になります。最終目標である基本構想に掲げる将来像の実現を図るため、総合計画に掲げた施策を推進するための実行計画事業等を確実に予算化いたしました。  第2に、持続可能な財政運営を図るために、財政の健全性の確保に努めたことであります。  政府は、昨年暮れに示した平成29年度の経済見通しにおいて、雇用・所得環境が引き続き改善し、経済の好循環が進展する中で、民需を中心とした景気回復が見込まれるとして、実質GDP成長率を1.5%程度、名目GDP成長率を2.5%程度としております。  これを踏まえ、区におきましても、基幹収入たる区民税は一定の増収を見込みましたが、利子割、配当割、株式等譲渡所得割交付金などは、マイナス金利政策や円高傾向による運用環境の悪化が予想されるとの東京都の見通しを踏まえ、大幅減を見込んでおります。  こうした一段と厳しい財政状況の中でも、区民の将来にわたる安全・安心な暮らしのために、未就学児童の増加等に伴うさらなる保育定員の確保や、老朽化が進む施設の改築改修など、今なすべきことに対しては予算措置を行う一方、必要な経費を精査するとともに、改定した行財政改革推進計画に定める取り組みによる歳出削減を徹底し、財政の健全性を確保した予算編成を行いました。  第3に、時代の先を見据えて10年ビジョンの加速化を図るために、「首都直下地震等に備えた減災・防災対策の推進」、「将来にわたるにぎわい創出に向けた環境整備と魅力発信」、「豊かなみどりと持続可能な環境を次世代に継承」、「超高齢社会の進展を見据えた健康づくりと福祉の充実」、「未来を担う子どもたちのための教育・支援の拡充」の5つの視点に意を用いて予算を編成いたしました。  以下、これら5つの視点に関連する施策について申し上げます。  第1の視点は、「首都直下地震等に備えた減災・防災対策の推進」であります。  これまでも、東日本大震災などの大規模災害での教訓等を踏まえ、減災・防災対策に力を注いでまいりましたが、昨年4月の熊本地震におきまして、震度7を超える揺れに2度にわたり襲われたことによって被害が拡大いたしました。こうしたことも想定したまちづくりを進める必要性を感ずるとともに、糸魚川市の大規模火災を踏まえ、木造住宅密集地域の不燃化が急務であるとの認識を強くいたしました。  そこで、狭隘道路解消に向けた取り組みに関して、新たに指定した重点整備路線の拡幅整備を進めるとともに、支障物件の除却に向けた取り組みも着実に進め、日常生活における交通の安全性や利便性の確保はもとより、災害時にも安心して避難できる道路の整備を進めてまいります。これにあわせて、震災救援所である小中学校周辺を中心に、現況調査の結果をもとに助成制度の周知を効果的に行い、建物の不燃化、耐震化を促進いたします。  また、昨年、被害状況や減災対策等の施策効果を見える化するために実施した区独自の地震被害シミュレーションに、ことしはライフライン被害や避難者予測を加え、より精度の高い被害想定や避難危険度を公表してまいります。さらに、こうした情報を防災地図アプリすぎナビにも掲載し、より多くの区民の利用を促し、減災・防災対策に対する区民意識を高めてまいります。  また、仮称下高井戸公園につきましては、公園名称を下高井戸おおぞら公園として西側エリアを先行して開園し、いざという場合に安心して避難できる場所の確保を図ります。  さらに、防災市民組織に配布する防災資器材について、その地域、使う人に応じて、より適した資器材を提供するため、新たに簡易水道消火器具を対象に加え、多様な災害対応が図れるようにいたします。  そのほか、帰宅困難者のための一時滞在施設を確保するとともに、一時滞在施設として協定を締結した民間事業者に対して備蓄する防災用品購入費用の助成を行い、災害時に安全に過ごせる場所の拡充を図ります。あわせて、高円寺駅に区内JR4駅目となる駅前滞留者対策連絡会を設置し、それぞれの駅で災害時を想定した訓練等を進めてまいります。  第2の視点は、「将来にわたるにぎわい創出に向けた環境整備と魅力発信」であります。  平成29年度は、「来街者をふやし、まちのにぎわいを創出する」ことを基本目標の1つに掲げた、杉並区まち・ひと・しごと創生総合戦略の計画期間の中間年となります。来る東京オリンピックパラリンピックに向けての機運醸成を図るためにも、これまでの具体的な成果を踏まえ、取り組みを充実強化していく必要がございます。  そこでまずは、戦略的広報をさらに推進してまいります。区民向けとしましては、「広報すぎなみ」を刷新し、デザイン、レイアウトの工夫や特集記事の充実等により区民の関心を高め、区民に伝わる紙面づくりを進めます。また、SNSなどを有効に活用し、区の施策や魅力について、外国人旅行者を含め、より多くの方に効果的に発信してまいります。  ふるさと納税制度については、本来の趣旨とかけ離れた実態に一石を投じ、波紋を起こすことで制度の見直しにつなげることを意図し、当初、本区においても、あえて寄附者に魅力的な返礼品を贈ることも検討をいたしました。しかし、返礼品競争が激化する中では、そうした意図とは裏腹に、単に返礼品競争の後発参入とみなされかねないとの判断に至りました。また、糸魚川市の大規模火災では数日間で多額の寄附金が寄せられたことなども踏まえ、制度を活用し、チャリティー精神の醸成や来街者の増加に取り組むことといたします。そのため、寄附者への返礼品は、新たな人の流れを生み出すサービスや障害者支援に資する品物を除き贈呈しないこととし、寄附金は、福祉施設や被災地の支援等に資する形での活用を検討いたします。  また、在住外国人の増加に対応するとともに、外国人来街者の増加を図るため、ICT機器を活用したサービスを実施いたします。在住外国人に向けては、窓口でのタブレット通訳サービスを開始するほか、ごみ出しアプリなどでの外国語表記を推進してまいります。外国人来街者に向けましては、アニメーションミュージアムにおける外国語による音声ガイドの拡充や、無料Wi−Fi環境の充実を図ってまいります。  加えて、東京2020オリンピック・パラリンピックに向けまして、地域団体等とも協力しながら各種普及啓発事業を実施し、機運を高めてまいります。また、国際規格の屋外ビーチコートを備えた永福体育館の移転改修を進め、区民のスポーツ振興と健康増進を図るとともに、オリンピックの事前キャンプ誘致に向けた取り組みを進めます。  お試し移住事業については、南伊豆町、名寄市を初め、交流自治体との連携によりまして、事業説明会や現地見学会を実施し、区民の多様な住まい方のニーズに応えてまいります。  そのほか、新・元気を出せ!商店街事業の拡充など、商店街振興にも引き続き力を入れ、にぎわいと商機を創出する商店街づくりを進めていくとともに、荻窪駅、阿佐ケ谷駅、西荻窪駅などの各駅周辺のまちづくり方針を策定し、地域の特性を生かした、にぎわいと多彩な魅力のあるまちづくりを進めてまいります。  第3の視点は、「豊かなみどりと持続可能な環境を次世代に継承」であります。  将来にわたり、住みよい、住み続けたいと思えるまちづくりのためには、緑の保全、創出を進めていくとともに、個々の区民が環境に配慮した行動を意識し、実践していく機運を高めていく必要があります。  そこで、緑豊かな環境を残していくために、仮称荻窪四丁目公園の整備を進めるとともに、この間、公園の中に乳幼児が安全に遊べる場所として整備をしてまいりました、すくすくひろばを新たに6カ所整備いたします。  また、一部の開放をしております仮称荻外荘公園につきましては、昨年、国の史跡指定を受けたところでありますが、当初からあった荻外荘の建物の一部は、豊島区内に移築をされております。このほど、史跡としての価値をより高めるため、この移築された建物を再びもとの場所に戻すことについて、建物所有者との間で基本的な合意を得ることができました。そこで、具体的な整備基本計画の策定を進めるとともに、復原整備に向けた機運をさらに高めるための取り組みを進めてまいります。  地産地消の推進と緑の保全の観点からは、今年度から実施している認定農業者制度を活用した支援を行いながら、都市における農業振興策と農地の保全対策を進めてまいります。  また、街路灯のLED化推進による二酸化炭素の排出削減と長寿命化や、環境に優しい自転車の安全で快適な通行を確保するための路面標示の設置などを実施し、環境への負荷を低減してまいります。  さらに、食品ロスの削減に向けた取り組みが各地で進められておりますが、区でも、各家庭や飲食店を中心に、食品をごみとしないようにする取り組みを、仮称杉並もったいない運動として区民の皆様とともに進めてまいります。  そのほか、引き続き、電気自動車の充電設備設置助成や、充電設備の少ない地域にある区立施設への急速充電設備の設置を行い、クリーンエネルギーの活用の普及啓発にも努めてまいります。  第4の視点は、「超高齢社会の進展を見据えた健康づくりと福祉の充実」でございます。  ことしから団塊の世代が70歳台に突入してまいります。2025年問題とも言われる、この世代が全て75歳以上となる時代も間もなくであります。高齢化の進展が避けられない中で、高齢者が生涯現役で生き生きと暮らしていくためには、健康寿命を延ばす取り組みを進めていくとともに、たとえ介護が必要となっても安心して暮らしていけるよう、さらなる福祉施策の拡充が必要であります。  そのため、まずは元気高齢者の活躍促進のために、就労を希望するおおむね55歳以上の区民を対象に、必要な知識、情報を得るための講座や、保育施設、高齢者施設での実地研修を実施するなど、福祉施設への就労支援の取り組みを開始いたします。  また、高齢者の健康保持にとっては、かむ、飲み込むなどの口腔機能を維持することが重要であります。そのため、高齢者の口腔機能チェックを実施し、その改善につなげてまいります。加えて、歯科保健医療センターが拠点となりまして、医師や介護職等の多職種による事例検討会を実施して、高齢者の誤嚥性肺炎や、低栄養の大きな原因となっている摂食・嚥下機能障害の改善に努めてまいります。  さらに、できる限り自宅で暮らしたいという区民の願いに応えるためには、在宅で受けられる医療を充実することが不可欠であります。医療や介護のレセプトデータ等をもとに、専門機関と共同で在宅医療の現状を分析し、在宅医療のさらなる充実につなげる取り組みを実施します。あわせて、在宅医療の相談支援機能を持つ、区民の福祉と暮らしのサポート拠点となる仮称天沼三丁目複合施設の整備を着実に進めてまいります。  加えて、双方向でのコミュニケーションが可能なICTを活用した高齢者の在宅生活支援モデル事業を新たに実施いたしまして、その検証結果を踏まえて、今後の高齢者等の在宅支援サービスの充実につなげてまいります。  また、高齢化が進む障害者の方が親亡き後も住みなれた地域で生活できるよう、居住支援協議会などの意見も踏まえて、引き続き、障害者の新たな住まいの確保と支援についての仕組みづくりに取り組んでまいります。在宅での生活が難しくなった方のためにも、旧永福南小学校跡地に、特別養護老人ホームとの併設により、重度身体障害者入所・通所施設を開設いたします。  特別養護老人ホームにつきましては、旧永福南小学校跡地のほか区内2カ所に加え、南伊豆町との自治体連携による施設も平成29年度中の完成を予定しております。  そのほか、長寿命化が進む一方で、女性の骨粗鬆症や女性特有のがんが増加していることを踏まえまして、骨密度測定や、乳がん、子宮がんなどの基礎知識、予防法を理解するための健康づくり講座などの充実を図ってまいります。  最後になりますが、第5の視点は、「未来を担う子どもたちのための教育・支援の拡充」であります。  少子化に歯どめをかけるとともに、子供たちの健やかな成長を育むために、子育てに対する支援の充実と質の高い教育の推進は、区政の最重要課題であると考えております。  まずは子育て支援でありますが、妊娠届提出時に保健師等による面接を行うゆりかご事業について、引き続き、窓口に来ることが困難な方に対し、アウトリーチによる面接を行うとともに、土曜窓口の拡充などを図ってまいります。  また、働きたい方が安心して育児と仕事を両立できるよう、引き続き保育定員の確保に努めてまいります。今年度は2,000名を超える保育定員の確保に取り組みましたが、来年度も、区有施設の活用のほか、さまざまな手法を用い、引き続き1,000名を超える定員確保を図り、待機児童ゼロに努めてまいります。  あわせて、保育の質の維持向上を図るため、私立保育園の保育士なども安心してスキルアップにつながる相談が受けられるよう、区立保育園の園長経験者のほか、委託の心理専門職等による巡回指導を強化いたします。  次に、教育についてです。  区内全ての就学前教育施設において、より質の高い教育を行うことができるよう、仮称就学前教育支援センターの整備に着手するなど、就学前から義務教育期間にわたる教育の一層の充実を図ってまいります。  学齢期の児童に対しましても、発達障害児への適切な対応が求められていることから、福祉部門と教育部門とが連携し、個別支援が必要な低学年の発達障害児に対する相談、療育を充実してまいります。  また、学校を取り巻く複雑多様化する課題に的確に対応していくために、弁護士から助言を受けられる体制の整備や、専門事業者等による部活動指導のさらなる充実など、区独自の取り組みとして、学校における多様な専門人材の活用を一層進めてまいります。  そのほか、ICTを活用してより効果的な授業を実施し、子供たちの学びの可能性を広げていくために、タブレットPC配備校を拡大してまいります。また、ICTの有効性や可能性を広く確認、共有する機会として、仮称杉並教育ICTフォーラム等を開催してまいります。  子供たちが過ごす学校施設の整備といたしましては、高円寺地域における小中一貫教育校の整備、桃井第二小学校の改築などを着実に進めていくほか、小学校における特別支援教室の段階的設置などの特別支援教育の充実や、いじめ・不登校対策の推進にも引き続き取り組んでまいります。  なお、公共工事の発注に当たりましては、入札・契約制度改革の一環として、円滑な施工を図るために前払い金の拡大等を講じてまいります。  以上、述べてまいりました考え方に基づき編成いたしました平成29年度一般会計の予算規模は、1,780億5,000万円、前年度と比較をいたしまして60億7,600万円、3.5%の増であります。会計規模が増加した理由といたしましては、緊急対策で講じました保育定員の大幅増に伴う保育関連経費などの既定事業の増、また、高円寺地区小中一貫教育校の整備を初めとする大規模施設の改築経費の増などが主な要因でございます。  次に、特別会計でございますが、国民健康保険事業会計につきましては、保険給付費や共同事業拠出金等の増もありますが、後期高齢者支援金等の減に伴い、会計規模は前年度比で1.1%の減を見込んでおります。  次に、用地会計でございますが、昨年取得いたしました富士見丘中学校隣接用地の補償金の2割相当分を計上するとともに、公共用地先行取得等事業債に対する特別区債利子を計上しております。  次に、介護保険事業会計でありますが、保険給付費等の増に伴い、会計規模は前年度比で5.6%の増を見込んでおります。  次に、後期高齢者医療事業会計でございますが、広域連合納付金等の増によりまして、会計規模は前年度比で2.5%の増を見込んでおります。  最後に、中小企業勤労者福祉事業会計でありますが、情報提供事業の減などによりまして、会計規模は前年度比で11.7%の減を見込んでおります。  先月、現役最高齢の77歳の棋士である加藤一二三氏の現役引退が発表されました。これは御自身の意思によるものではなく、棋士のランクを決める順位戦のリーグで、最も下のクラスのC級からの陥落が決まったことに伴い、定年制の規定が適用されることによるものであります。引退が決まってからも最年長勝利記録を更新し、歴代最多の対局数を誇る加藤氏の対局をもっと見続けたいと、引退を残念に思っている将棋ファンは私だけではないと思います。  加藤氏は、当時の史上最年少となる14歳7カ月でプロ棋士となり、若くして天才と称され、二十にして名人戦に初挑戦をいたしましたが、次に挑戦できたのは33歳のときで、その対戦にも敗れた後はなかなか勝てない時期が続き、ようやく悲願の名人となられたのは42歳のときでありました。また、もともと熟考を重ねるタイプで、持ち時間が少なくなることが多く、そこから諦めることなく強さを発揮したことから、「1分将棋の神様」との異名を持つ棋士でもありました。  加藤氏は引退決定後のインタービューで、きょうは負けてもいいよと思ったことは一回もないんです、全て勝つために努力して今日まで来た、この気持ちはこれからも変わらないんです、と述べておられました。また、今後の夢について、御自身の名前になぞらえて、123歳を迎えるまでは将棋文化の普及発展に最大限の尽力、そして貢献をすること、立ちどまってなんかいられません、将棋界の明るい未来を築くべく歩み続けますとも述べております。  60年以上も厳しい勝負の世界で現役を続けてこられたこと自体が驚きでございますが、長らく第一線で活躍されてこられたのは、こうした言葉にあらわれている、何歳になってもぶれることなく目標に向き合い、そのために向上心を忘れず、日々努力を重ねてきた結果であるのだと、深い感銘を受けました。加藤氏の言動は、高齢者のみならず、全ての人にとって励みになるのではないでしょうか。  私も、区政において、保育園の待機児童問題を初め、困難な課題をさまざま抱えておりますが、決して諦めることなく、職員と一丸となって、将来の区の発展のために粘り強く努力を重ねていかなければならないと決意を新たにしたところであります。どうか議員各位、区民の皆様の御理解、御協力をお願い申し上げます。  以上、平成29年度の予算編成方針と施策の概要について御説明申し上げました。よろしく御審議の上、同時に御提案申し上げます関連議案とともに、原案どおり御議決を賜りますようお願いを申し上げます。 ○議長(井口かづ子議員) 以上で日程第4を終了いたします。  ここで1時55分まで休憩いたします。                                午後1時43分休憩                                午後1時55分開議 ○議長(井口かづ子議員) 休憩前に引き続き会議を開きます。  日程第5、平成29年度予算の編成方針とその概要に対する各会派の代表質問に入ります。  慣例により、多数会派順にこれを許可いたします。  杉並区議会自由民主党代表、31番脇坂たつや議員。       〔31番(脇坂たつや議員)登壇〕 ◆31番(脇坂たつや議員) 私は、杉並区議会自由民主党を代表し、田中区長から提案された平成29年度杉並区予算の編成方針及びその概要や、関連する区政の諸課題について伺います。  21世紀の政治は一体どこへ向かっているのか、このように感じているのは私だけではないと思います。選挙の結果は投票箱のふたが閉まるまではわからないとはよく言われることですが、イギリスのEU離脱の決定や、アメリカ合衆国のトランプ大統領の誕生といったニュースには、世界中が衝撃を受けました。国際化や情報化が進んだ世界において、経済は国境を越えて動いています。それにもかかわらず、イギリスやアメリカ合衆国は、ポピュリズムに迎合し、グローバル化に逆行することで、自国の利益を最優先に考えていくという決断を下しました。こうした政治不安により世界中が液状化する中、私たちが暮らす日本では、安倍内閣による自民党政権が5年目を迎え、今もなお、国民の支持を得ながら安定した政治を展開しています。  そこで、第1の質問です。区長は、私と同様の懸念を予算の編成方針とその概要で述べられましたが、こうした時代だからこそ、日本政府には世界に対して何を発信することを期待しているのでしょうか、見解をお示しください。  次に、国内の政治では、私たちが暮らす東京都において、新たに小池知事が誕生しました。選挙期間中にはさまざまなことがありましたが、ここで改めて祝意を表します。  矢継ぎ早に打ち出している政策については、もう少し様子を見なければ評価することはできませんが、政治を変えようとする知事の姿勢には期待しているところです。  そこで、都政について概括的なことを伺います。
     1、知事が2代続けて短期間で交代する等、都政が停滞していた中で、都民はどのような思いで小池知事を選んだと区長は感じているでしょうか。  2、この間の知事の働きぶりをどのように評価しているのでしょうか。  3、知事の意向で策定された3つのシティを目指す実行プランを受けて、区の取り組みに変化はあったのでしょうか。もしくは、新年度に反映させる予定はあるのでしょうか。  4、日本のエンジンとも言える東京都には、都市部と地方の共存共栄を実現する責任があると言えます。知事の姿勢には地方創生の視点が弱いのではないかという懸念が区長から示されましたが、今後知事には具体的に何を求めていくのでしょうか。  また、最近では、知事の代名詞でもある「都民ファースト」のみならず、「区民ファースト」という言葉もちまたで聞かれるようになりましたが、区長にとっての区民ファーストは、区民福祉の向上と同義だと捉えてよいのでしょうか。  5、都に限らず、地方自治のあり方については、連日マスコミでも大きく取り上げられています。区長は都議会において議長を務めた経験を持ち、二元代表制でのそれぞれの立場や役割を理解した上で職務に当たっていることと存じますが、区議会とはどのように向き合っていくつもりなのでしょうか。それぞれ見解をお示しください。  さて、杉並区議会は本日から開会しましたが、国会では既に論戦が始まっています。中でも、働き方改革は目玉の1つだと言えるでしょう。日本は少子高齢、人口減少局面を迎える中で、政府は一億総活躍社会の実現を目指しています。保育・介護サービスの拡充や、同一労働同一賃金等の課題が挙げられていますが、ここでは長時間労働の是正について取り上げます。  広告代理店に勤めていた女性社員が過労自殺をし、社会問題になっています。ここに謹んで哀悼の意をささげます。  日本ではこれまで、長く働くことにこそ価値があるとされてきた風潮があります。事実、戦後日本は急成長を遂げてきました。しかし、時代は変わり、労働力人口が減る中で、今を生きる私たちがするべきことは、長時間労働ではなく、生産性を上げることではないでしょうか。そして、ワーク・ライフ・バランスを同時に整え、よりよく生きるということが大切なのだと考えます。実験的ではありますが、2月からは月末の金曜日の退社時間を午後3時に早めるプレミアムフライデーが始まると聞いています。また、一部の地方自治体においても、職員の長時間勤務を是正する動きが見られます。  そこで伺います。区長は政府の方針である働き方改革をどのように捉え、3,800人の職員を抱える経営者として、どういった具体的な行動に落とし込むつもりなのでしょうか。  ここまで、杉並区を取り巻く国内外の環境について述べてまいりましたが、以降は、区政全般、まずは幾つかの計画について質問します。  田中区政が発足後、区長は、議会の議決を経て、区民の共通の目標である杉並区基本構想、10年ビジョンを策定しました。「1安全・安心を確保する」、「2住宅都市杉並の価値を高める」、「3支えあい共につくる」といった3つの理念のもと、将来像として、「支えあい共につくる 安全で活力あるみどりの住宅都市 杉並」の実現を掲げたところです。今、計画の折り返しである5年が経過しようとしています。  そこで伺います。この間の取り組み状況とその成果について、理念と将来像に沿った形で具体的に御説明ください。また、目標を達成するために、これから5年間でどういった施策を展開しようと考えているのでしょうか。  次に、実行計画についてお尋ねします。  昨年11月、区は計画の改定を行いました。ローリングにおいては、3年間の短期的な将来予測を的確に捉え、細やかにかじを切ることが重要ですが、これまでの施策を検証した上で、取り組みが未達成だったものや方向転換をしなければならないものに対しては、具体的にどのように対処しようと考えているのでしょうか。  次に、協働推進計画についてお尋ねします。  ボランティア等の社会参加を進め、地域人材を育成することは、さまざまな効用を持ちます。しかし、少子高齢社会においては人材不足が否めず、理想論ばかりの絵に描いた餅で終わっては元も子もありません。ボランティア精神は高尚なものですが、結果に対する責任を求めることはできません。現実的なことを申し上げれば、業務を制度化し、有償化を進めることが時代に即しているのではないかと考えますが、見解はいかがでしょうか。  次に、区立施設再編整備計画(第一期)・第一次実施プランについてお尋ねします。  予算の編成方針とその概要が単年度のものであることは理解をしますが、区民生活や財政に影響を及ぼす施設再編整備計画には大きな関心が寄せられていますので、できれば総論だけでも区長から一言触れていただきたかったのですが、それがなく、残念に感じております。  今回の改定を見ますと、保育施設等の整備等、現在と未来の区民ニーズに最大限に応えようとする区の姿勢が伝わってきます。しかし、本来の目的である総コストの削減や公共施設の総量規制といった流れからはそれてしまったようにも思えます。この点、改めて施設再編整備計画に対する区長の見解を伺います。  ここで、施設整備に関連して、公共工事における前払い金の取り扱いについて質問します。  先ほど区長は、公共工事の発注に当たり、入札・契約制度改革の一環として、前払い金の拡大等を講ずることを表明されました。これは、公共工事を取り巻く環境が厳しさを増す中で、人件費や資材費の高騰等に対応した適切な契約となるよう、私どもが強く求めてきたものであり、また、区内の関係団体から出された意見、要望を踏まえた措置と受けとめ、高く評価しているところです。  そこで確認します。区はどういった認識に基づいて前払い金を拡大することとしたのでしょうか。ほかに講じた措置があれば、あわせてお示しください。  次に、杉並区まち・ひと・しごと創生総合戦略についてお尋ねします。  平成29年度は計画期間の中間年となりますが、区長はその進捗状況をどのように自己評価しているのでしょうか。短い期間の計画であることを踏まえ、具体的な実績とあわせて詳細にお示しください。  また、地方創生に関して、増田寛也氏については、新年度も顧問をお願いするのでしょうか。  あわせて、2025年には団塊世代の方々が75歳以上を迎えますが、その間にも人口流入は続くとの見通しを都は持っています。区長は、東京の高齢者対策が一層困難になるとの認識から、地方との自治体連携を強化すべきと考え、その1つとして、静岡県南伊豆町での特別養護老人ホームの建設を進めているところです。開設を1年後に控え、改めて、杉並区としての地方創生のあり方について区長の見解をお示しください。  なお、行財政改革推進計画については、後ほど財政の質問と絡めて伺います。  さて、ここからは、平成29年度杉並区予算案について質問してまいります。  区長は、ことしの区の漢字一字は「先」だと述べられましたが、少しでも視界をよくしていくために、積極的に施策を展開する姿勢は率直に評価をしているところです。「先」という字は、近い将来を指し、さまざまな文字を組み合わせて言葉をつくることができます。「先を見据える」、「率先」、「先手」等々、枚挙にいとまがありません。一方で、「先」という字は、近い過去をあらわすこともあります。「先日」、「先人」、「先週」等を挙げることができます。飛躍しているかもしれませんが、大きく捉えるならば、過去の経験を踏まえてという言い方もできるのではないでしょうか。また、区長は企業経営者に倣って、たびたび「変化への対応」という言葉を用いていますが、こうした経緯から、平成29年度予算案は「時代の先を見据え、10年ビジョンを加速させる予算」と名づけています。  そこで伺います。区長がこの言葉に込めた思いについてお示しください。特に「加速させる」という表現からは、基本構想で掲げた目標を前倒しで達成したいという意欲を感じますが、その真意はどこにあるでしょうか。  次に、区財政についてお尋ねします。  先ほどもアメリカのトランプ大統領について触れましたが、彼の一挙手一投足に世界は注目し、就任から1カ月もたっていませんが、日本の株価は大きく影響を受けています。TPP交渉は先行きが危ぶまれていますが、資源を持たない日本が成長を続けてくることができたのは、まさに自由貿易の恩恵であり、石原経済再生担当大臣におかれましては、粘り強く交渉を重ねていただくことを期待する次第です。  そうした中で、政府による平成29年度の経済見通しを踏まえた結果、区としても区民税は一定の増収を見込んだとのことです。一方で、利子割交付金、配当割交付金、株式等譲渡所得割交付金、地方消費税交付金等は、運用状況の悪化を予想する東京都の見通しから、大幅減になると考えています。また、基金を取り崩し、区債を発行する方針であるとも伺っています。  そこで、以下、確認してまいります。  1、昨年11月の実行計画の改定に合わせて、平成29年から31年度までの財政計画が明らかになりました。あれから3カ月しか過ぎていませんが、ただいま列挙したような歳入項目において、早くも新年度予算案と隔たりがあることについては危惧をしております。それぞれ具体的に幾ら異なっているのか、また、その理由について明確にお示しください。あわせて、平成30年度、31年度の財政計画は今のままでよいのか、確認をしておきます。  2、区の主な歳入の1つとしては特別区財政交付金がありますが、都区財政調整協議によると、対前年度比ではほぼ横ばいとなりました。この間の議論の経過と合意内容について伺います。  3、同じく主な歳入として挙げられるのが国・都支出金です。こちらは対前年度比で微増となりましたが、この結果はどのように受けとめているのでしょうか。また、その要因についてどのように考えているのでしょうか。  4、近年では、基金の取り崩しを抑え、決算剰余金として大幅に積み増すという傾向にありましたが、新年度はどのような考えで基金を活用するのでしょうか。また、区は積立基金総額を標準財政規模の2分の1である約550億円までふやすことを目標に掲げていますが、新年度はどのような進捗になる予定なのでしょうか。  5、施設整備基金が減少していることについて、基金の積み立て方針等、区として確固たるものを示していく必要があると考えますが、見解はいかがでしょうか。  6、区債の発行については、学校施設の改築が主な理由であり、借金を通して将来世代と負担を分かち合うという意味においても、一定程度の有効性は理解をします。しかし、財政計画から判断すると、既に厳しい局面に差しかかっているのではないかと考えます。発行額が急増しないように目を配るべきと考えますが、見解を伺います。  7、前区政の評価はさておき、以前は、区債を減らすために基金をそこに充当するという財政運営を行ってきました。他区と比べると、基金は少ないけれども、区債も少ないという特徴がありました。一方で、基金と区債をバランスよく活用するということを区長は常々述べられています。傾向としては、区債も基金もふえることになり、他区と足並みをそろえた財政運営だと言えます。  しかし新年度では、端的に申し上げて、区債はふえ、基金は減るということになります。他区に先駆けて施設再編整備計画を策定し、また、喫緊の保育需要にしっかりと応えていくような施策を果敢に実行した結果だとは存じますが、それでも、他区よりも財政状況が悪いと思われないように注意はすべきと考えます。私どもとしては、単年度における収支だけでもって財政が健全か否かをはかろうとしているのではありません。むしろ、10年ビジョンを達成するために、それこそ先を見据えた上で、たとえ平成29年度や近い将来の財政状況は厳しくなろうとも、将来的には健全だと言い切るのであれば、大きな問題にはならないと判断しています。  そこで伺います。区長は、持続可能な財政運営を図るために財政の健全性の確保に努めたと述べていますが、その根拠をどのように説明するのでしょうか。財政査定もさぞ厳しかったことでしょう。行財政改革を進める中でどういった事業を圧縮した結果、新年度には幾ら捻出することができたのでしょうか。そして、生み出した財源によってどの施策を前に進めることができるのか、詳細な説明をお聞かせください。  また、区は行財政改革推進計画を改定したばかりですが、社会保障経費が右肩上がりにふえ続ける中、同時に施設の更新費用もかかり、区財政は待ったなしの状況で、一般会計の予算額は1,780億5,000万円と過去最大規模を続けて更新しています。入るをはかりて出るを制すの原則を忘れずに、一層の改革を進めるように要望しますが、改めて区長の決意を述べていただきたいと思います。  以降は、予算編成の5つの視点に沿い、個別施策についてお尋ねします。  1つ目は、「首都直下地震等に備えた減災・防災対策の推進」です。  昨年は本当に災害の多い年でした。熊本、鳥取、茨城、福島と、日本各地で震度6弱以上のものが10回も発生し、とりわけ熊本での前震と本震という連続した地震は、甚大な被害をもたらしました。これだけ科学が進歩したといっても、まだ想定内におさまらない自然災害の恐ろしさを痛感させられた次第です。また台風は、北海道に3度も上陸したり、途中で進路を大きく変えたりと、異例とも言える事態が相次いで起こりました。そして、年末には新潟県糸魚川市において、1軒の火の不始末が強風にあおられた結果、町中に広がる大火災が発生しました。ここに改めて、お亡くなりになられた方へのお悔やみと、被災された皆様にお見舞いを申し上げるとともに、一日も早い復旧復興をお祈りいたします。  区長が述べられたとおり、災害はどのような形でいつ起こるかもわからず、減災・防災対策は特に力を入れて行うべき課題です。  そこでお尋ねします。昨年、狭あい道路拡幅整備に関する条例が改正されました。杉並区のような密集した住宅地は、一度火災が起こったときの対応が非常に難しいという認識は皆が持っていることであり、区長からは重要な一石が投じられたと考えます。ことし1月の施行からは1カ月しかたっていませんが、まちや区民の意識に何らかの変化は起こっているのでしょうか。改めて、条例に込めた思いも含めて区長の見解を伺います。  また、区は、地震被害想定と減災対策の見える化を平成28年度から進め、新年度ではさらなる対応強化を図る予定ですが、こちらも大切なことだと評価しています。しかし、首都直下地震に対する備えはまだまだ十分ではありません。震災が起こる季節、曜日、時間帯、天候等、あらゆる想定を行い、おのおのがしっかりと準備を進めることが肝要です。今後の地域防災計画の改定も視野に、よりきめ細かく作業に当たるように要望しますが、いかがでしょうか。  次に、2つ目の視点、「将来にわたるにぎわい創出に向けた環境整備と魅力発信」についてお尋ねします。  2020年オリンピック・パラリンピック東京大会まで4年を切りました。昨年のリオ大会での日本人を初めとしたアスリートの活躍は、私たちの目をくぎづけにし、大きな喜びを与えてくれました。特に、杉並区スポーツ栄誉章を受章された卓球・福原愛選手の活躍はすばらしく、手に汗握り、涙を流した方も多くいたのではないでしょうか。  4年後に向けて、国、都レベルでは、大会コスト面の問題等、解決しなければならない課題がありますが、現場レベルでは、おもてなしの準備を着々と進めなければなりません。区は、私どもの強い要望を受け、機運醸成を図る区民懇談会を設置しましたが、この会議体を通じてさまざまなアイデアが生まれることを望む次第です。  そこで、以下、関連した質問を行います。  1、オリンピック・パラリンピックは、アスリートのみならず、かかわりたいと願う全ての方に夢を与えてくれる大会と言えますが、区民懇談会は2020年に向けた目標をどのように定めたのでしょうか。  2、商店街振興という点においても、こうしたチャンスは有効的に活用すべきであり、区民懇談会の目的の1つとして、地域経済の活性化を機運醸成の大きな柱にすべきと考えますが、いかがでしょうか。  関連して、商店街施策についてお尋ねします。  先日、和田商店会の街の力を育て合い事業が東京商店街グランプリを獲得されました。1つのイベントとしてではなく、子育て世帯を初めとする地域の方々と協働した長い期間での取り組みが評価されたものであり、ここに祝意を表します。改めて区長からもねぎらいの言葉をかけていただけたらと思いますが、いかがでしょうか。  また、このようなモデルケースは、しっかりと共有化を図るべきと考えます。私どもが従来から強く要望しているプレミアムつきなみすけ商品券の復活がなされていないことへのもどかしさを感じているところでもありますが、今後の商店街施策全般についての見解を伺います。  2、文化プログラムは、より多くの区民を巻き込むきっかけともなり、裾野を広く構え、有効的に活用すべきと思いますが、現段階での検討はどうなっているでしょうか。  3、外国人対応としては、在住、来街ともに伝達手段というハード施策の整備が喫緊の課題です。窓口でのタブレット通訳サービスや無料Wi−Fi環境の充実等、区は新年度に向けて積極的に取り組むものと評価をしています。一方で、対応する区職員や商店街等の国際化を同時進行しなければなりませんが、この点はどのように考えているのでしょうか。  4、スポーツ振興議員連盟の要望を受け、永福体育館の移転改修先に国際規格の屋外ビーチコートを整備することとなりました。新年度から工事実施となりますが、改めてこの施設に期待することは何でしょうか。それぞれ見解を伺います。  次に、広報についてお尋ねします。  区は昨年度に広報専門監を設置し、区民へ伝える広報から伝わる広報になるように、そのあり方を模索してきました。  そこで質問です。4月からは「広報すぎなみ」をリニューアルするようですが、発行回数をこれまでの月3回から2回へと減らすとのことです。この点、どのような戦略性を持って取り組んだのでしょうか。区の広報そのものに対してどういった認識を抱くようになった結果なのか、見解を伺います。  また、SNSを活用することで、特に若い世代に向けても広く情報を発信することになると思いますが、その意図を確認しておきます。あわせて、SNSのメリットとして、区民からの幅広い意見を聞くことができるのではないかと考えますが、こうした利用方法も検討しているのでしょうか。それぞれお示しください。  次に、ふるさと納税についてお尋ねします。  区長は、平成28年度のふるさと納税による区民税控除額が7億3,000万円になったと述べられましたが、寄附本来の趣旨から大きく離れてしまっては、税金を使った通信販売とやゆされても仕方なく、私どもとしてもゆゆしき問題であるとの認識を抱いています。制度として存在している以上、他自治体に対して是非を申し上げることはありませんが、政府はみずからの責任を放棄することなく、過剰な自治体間競争に歯どめをかけるように対応することを強く望んでおります。  この間、区は返礼品競争に挑む決意を示していましたが、先ほど区長は方針を転換する旨を明らかにしました。  そこで質問です。区がふるさと納税に対する姿勢を変えたことについての経緯と、こうした結論に至った理由をお示しください。  私どもは、ふるさと納税の本来の目的に沿ったチャリティー精神の醸成や来街者の増加といった区が掲げる新たな視点には、一定の評価をしております。しかし一方で、以前よりも曖昧さが増したようにも感じ、広く国民に対しては、区の魅力が伝わりにくいのではないかといった危惧を同時に抱いているところです。事ふるさと納税に関しては、多くの方の目にとまるよりも、目的に特化した寄附を募り、対象者を限定的にするほうがより効果が上がってくる現状を踏まえるべきではないでしょうか。検証期間の見込みとあわせて詳細な見解を伺います。  次に、まちづくりについて伺います。  私自身、日ごろから地元のまちづくりにかかわっていますが、まちづくりの主役は地域の方であり、行政はあくまでもサポートに徹していただくことが重要です。区は順次、各駅周辺でまちづくり方針を策定していきますが、杉並区内においては、駅周辺ごとに大きくカラーが異なることが特徴であり、魅力と個性がそれぞれ強く出るように努めることを要望しますが、見解はいかがでしょうか。  ここで、阿佐谷のまちについても簡単に触れておきます。  河北総合病院をけやき屋敷と呼ばれる地権者の敷地に移転するという話は、私たちに多くの衝撃をもたらしました。私はさきの決算委員会でこの話題を取り上げ、杉並第一小学校の現地建てかえの計画を一旦とめるように要望いたしました。行政が計画をとめるということは極めてまれだとは存じますが、まちと学校の長い将来を見据えて、冷静な判断をしていただいたと感謝をしております。  あれから4カ月が過ぎましたが、私自身、事あるごとに、地域の方と阿佐谷のまちの将来像について話してまいりました。  そこで伺います。年度末の計画決定に向けて、まちや学校関係者からはどのような声が届けられているのでしょうか。現段階での検討状況を確認します。また、地域が心から納得できるような結論を示していただきたいと強く要望しますが、見解はいかがでしょうか。  次に、3つ目の視点、「豊かなみどりと持続可能な環境を次世代に継承」についてお尋ねします。  仮称荻外荘公園が国の史跡指定を受け、このたび、一般的に荻窪会談で知られる建物の一部を再びもとの地に移す合意を得たとのことですが、先方の御理解と区の努力には心から敬意を表します。  そこで伺います。仮称荻外荘公園の歴史的意義は、区長が先頭に立って広く区民に伝えていくことで機運を高めることが重要だと考えますが、いかがでしょうか。また、具体的に検討を進めるに当たり、移築時期はいつごろを目指して整備基本計画を策定していくのでしょうか、見解を伺います。  次に、都市農業について伺います。  都市農業振興基本法の制定等、近年、都市農業に対する理解が大きく進み、今年度からは、区は認定農業者制度を始めました。早速多くの農家の励みになったと聞いていますし、区の取り組みには評価をしたいと思います。  引き続き区には、こうした方を中心に、融資だけでなく、直接的に農や販売促進につながるきめ細やかな支援を展開していただくことを要望しますが、見解はいかがでしょうか。  次に、環境についてお尋ねします。  住宅都市杉並において、住まいと省エネは密接した関係にあると言えます。私どもはこれまでにも、太陽光発電に特化した公的支援だけでなく、広く区民が住居等を通して環境に貢献することができるように、例えば塗装やガラス等に対しても補助の対象とすべきではないかと申し上げてまいりました。昨年の決算特別委員会では一定程度の前向きな答弁をいただいたと理解しましたが、新年度に向けた取り組みはどのようになっているでしょうか。  次に、4つ目の視点、「超高齢社会の進展を見据えた健康づくりと福祉の充実」についてお尋ねします。  地域包括ケアシステムは、2025年をめどに現在も構築作業を行っているところですが、事東京においては、地方よりも一層深刻な超高齢社会が待ち受けています。生涯現役でありたいと願うのは誰もが望むことであり、健康寿命を延ばし、元気な高齢者にもっと地域社会で活躍していただくための仕組みをつくることは、区の当然の責務と言えます。  そこで伺います。新年度は高齢者の就労支援に力を入れるとのことですが、基本的なスキームはどのように設計しているのでしょうか。また、就労支援センターとの具体的な連携が必要だと考えますが、見解をお示しください。  一方で、人は生きている以上、どうしても医療、介護を受けなければならないときがやってきます。住みなれた我が家で暮らし続けたいという切なる願いには、現役世代として、なるべく応えてあげるように努めなければなりません。新年度にはICTを活用した見守り機器をモデル設置すると聞いています。こうした取り組みは大いに歓迎したいと思いますが、ICTの活用について区長の狙いをお聞かせください。また、介護をする側の負担というものもおもんぱかっていかなければならない中で、こちらにもICTの要素を取り入れることはできないものかと考えますが、いかがでしょうか。  あわせて、レセプトデータを通した在宅医療の研究を進めるとのことですが、今後の在宅医療に対して、その成果をどのように反映させることができると考えているのでしょうか。他方、在宅支援と同時に、特別養護老人ホーム等の施設整備も進めなければなりませんが、総合計画で掲げた目標の進捗状況を確認いたします。  次に、障害者施策についてお尋ねします。  昨年から居住支援協議会が区でも立ち上がり、障害者の親亡き後を見据えた住まいや支援のあり方について検討が進んでいます。また、グループホームの建設にも鋭意取り組んでいることから、施策の方向性には評価をしております。  パラリンピック東京大会に向け、これからは今まで以上に、区民一人一人が障害に対する理解を深めていかなければならないですし、人として当たり前のことを当たり前のように捉え、行動することが、杉並区を成熟した住宅都市へと発展させていくのだと考える次第です。障害者の権利をしっかりと守りながら新年度も着実に歩みを進めていただくことを要望しますが、見解はいかがでしょうか。  最後に、5つ目の視点、「未来を担う子どもたちのための教育・支援の拡充」についてお尋ねします。  「保育」という言葉は、杉並区にとって平成28年度を象徴するものでした。女性の社会進出が進む中で、保育所に対する需要は予想以上に高まり、区も施設整備には鋭意取り組んできましたが、それでも供給が追いつかず、これまで減少傾向にあった待機児童の数は、昨年4月には逆にふえることとなってしまいました。  これを受け、区長はすぎなみ保育緊急事態宣言を発令し、平成28年度中に新たに2,000名を超える保育定員を確保し、待機児ゼロを平成29年4月に実現すると発表したところです。公園の一部を転用することも含め、保育所整備には聖域を設けず、絶対に待機児童を出さないという区長の強い覚悟を感じずにはいられませんでした。しかし、正直に申し上げて、今回の区の取り組みについては、多少なりとも強引さというものを感じており、会派としても、ほかに方法があったのではないかという思いを今でも抱いています。  しかし、公園の代替地確保等、これまでどおりの快適な住環境の保全を確約した区を信頼して、この間、私どもは補正予算等にも全て賛成をしてまいりました。ゆえに今回、待機児童がゼロになるかどうかは非常に重要であり、良好な住環境を譲っていただいた区民の気持ちをおもんぱかっても、是が非でも達成をしていただきたいと考えております。  そこで、何点か伺います。  1、4月の待機児ゼロは達成できますでしょうか。申込者数や1次調整の結果を踏まえた見通しをお示しください。また、施設整備や保育人材の確保についても明確なめどは立っているのか、現状を確認します。
     2、区は平成30年度4月に向けて、新たに1,000名規模の保育施設を整備することになっていますが、こうした緊急的な整備はいつごろまで行っていくつもりなのでしょうか。すぎなみ保育緊急事態宣言はいつ終息されるのかという質問とあわせてお示しください。  また、今後は、数をふやすことも大切ですが、地域偏在を確実に解消していくことが重要です。面から点への移行を視野に入れて取り組むことを要望しますが、見解はいかがでしょうか。  3、子供を預ける親にとっては、保育の質が最も大切です。新年度からは保育士に助言を行う巡回指導を強化するとのことですが、新設園がふえていることを考えても、必要な施策だと言えます。保育の質の維持向上に向けた区長の見解を伺います。  4、一方で、以前から申し上げておりますが、子育てはイコール保育ではありません。家庭で育て、幼稚園に預けるという選択も同様に尊重すべきものです。出産により退職の道を選んだ方は、働き続ける方と比べて、生涯年収において約1億円もの差が生じると言われています。彼女たちはそれを理解した上で、働くことよりも、幼い子供といる時間を優先することを選んでいるのです。  それにもかかわらず、専業主婦はひととき保育に預けることもままならず、よりによって、こうしたコストは、1日当たりの認可保育所コストよりも高くかかってしまう等、明らかに制度の不公平が生じています。確かに労働力人口の減少は国家にとって大きな課題ですが、必要以上に保育への政策誘導が行われることは、ダイバーシティに反していると言えるでしょう。例えば、ゼロ歳児から保育所に預けるよりも、現金給付等を行い、将来的に指数を加算するほうが財政的にも賢いのではないかと思います。  私自身、子育て世代の1人として社会情勢を理解しているつもりですが、保育は子供のための施策であり、保護者のために行う施策とは一線を画すことが必要です。すなわち、福祉と区民サービスの混同を切り分ける時期に来ているのではないでしょうか。区は、こうしたソフト施策も含めて総合的に待機児童の根絶を行い、誰もが安心して妊娠、出産、子育てをすることができる環境づくりを率先的に行いながら、国や都に対しても意見を述べていくべきと考えますが、見解はいかがでしょうか。  次に、教育についてお尋ねします。  学校環境そのものが複雑化する昨今、子供たちにより質の高い教育を実施するためには、教職員を核としながらも、それらの課題に対応した専門的な人材と連携した体制づくりが欠かせません。この点、新年度予算案では、弁護士から助言を受ける体制整備や、専門事業者等による部活動指導のさらなる充実等を盛り込んでいますので、評価をしております。  そこで伺いますが、改めて、こうした取り組みを区独自に進める意義をお示しください。  また、教育委員会は、小中一貫教育やICT教育、コミュニティ・スクールや学校支援本部の推進等、先駆的な教育を展開してまいりましたが、今後は仮称就学前教育支援センターの整備に着手することになり、こうした施策が展開されることには大きな期待を寄せているところです。新年度には、基本構想と同時期に策定した杉並区教育ビジョン2012が計画の折り返しを迎えることとなりますが、この間の総括と残り5年の計画期間にかける意気込み、また杉並区の子供たちへの期待について、教育長の見解をお示しください。  なお、学校教育環境の整備については引き続き力を入れていくこととなりますが、高円寺地域における小中一貫教育校の整備や桃井第二小学校の改築は、必要な手順をしっかりと踏んだ上で着実に進めているものと理解しています。しかし、一部の近隣住民にはいまだに理解が得られていないことには危惧を抱いております。もとより、学校は地域に愛され、支えられる存在であることを鑑み、引き続き誠意を持って地域とは向き合うように要望しますが、見解を伺います。  以上、区政全般についてるる質問してまいりました。さて、皆さんは「ポスト・トゥルース」という言葉を御存じでしょうか。世論形成において、客観的事実が、感情や個人的信念に訴えるものより影響力を持たない状況という意味ですが、昨年を象徴する言葉として、世界最大の英語辞典であるオックスフォード英語辞典が選定をしました。  冒頭より、イギリスのEU離脱の決定やトランプ大統領の誕生について触れてまいりましたが、今や欧米諸国の閉塞感に対する怒りは、時代を逆行するような動きを見せています。私が思うに、こうした混乱している時世だからこそ、我々が生活する基礎自治体の果たす役割は、ますます大きくなっていると言えるのではないでしょうか。  私ども区議会議員は、現場に密着し、活動していますが、区民生活の実態を客観的事実として捉え、政策として積み重ねていくことが大切です。また、政治が生き物である以上、感情や個人的信念も重要な要素であり、区長におかれましては、こうした調整をしっかりと図った上で、区政を前に進めていただくことを強く要望するとともに、私どもも、今後の努力、精進を誓います。  以上で杉並区議会自由民主党の代表質問を終えます。  御清聴ありがとうございました。 ○議長(井口かづ子議員) 理事者の答弁を求めます。  区長。       〔区長(田中 良)登壇〕 ◎区長(田中良) 杉並区議会自由民主党を代表しての脇坂たつや議員の御質問にお答え申し上げます。  初めに、政府への期待についての御質問でございますが、今後、反グローバリズムとポピュリズムがさらに拡大をしていけば、経済のみならず、環境、人権や平和など、国際社会が直面する課題への影響は避けられないものとなってまいります。このことによる影響が広がり、後戻りできない事態が生ずる前に、国際社会が連携協力し、相互の知恵と創意を結集して課題解決に尽くしていくということの必要性を率先して発信していただきたいと考えております。  次に、都知事についての御質問でございます。  この間、たび重なる任期途中での知事の交代によりまして、多くの都民は都政への不信や失望感を募らせたと思います。その中で、既成政党と一線を画して選挙を戦った小池知事の情熱や意思の強さに、ある種の期待を都民が抱いた結果であると考えております。  次に、この間の知事の働きぶりについての評価でありますが、本区とのかかわりで申し上げれば、例えば待機児童対策において、2月3日の知事の定例記者会見にもありましたが、使途が制限されておりました旧杉並中継所が、昨年12月、保育施設に限り無償での転用が認められまして、4月開園に向けた認可保育所の整備につながったことや、電柱の地中化に対する補助が予算化されたことなどについては、必要とされる施策に対し、スピード感を持って取り組まれたものとして評価をしております。  一方で、この間、豊洲市場の移転問題やオリンピック・パラリンピックの会場問題などに多くの時間が割かれているようにも思います。都が抱えるさまざまな課題がある中で、区に直結する待ったなしの課題に対して、積極的に区と協力して、解決に向けて取り組んでいただくことを期待いたしたいと考えております。  次に、東京都の実行プランの区の取り組みへの影響や当初予算への反映についてのお尋ねにお答えをいたします。  都の実行プランには、保育の待機児童対策を初めとした子育て支援策や、高齢者福祉、障害者福祉に関する福祉関連事業のほか、環境、まちづくり、教育関連事業など、区政にも密接にかかわり、連携して進めていくべき事業が多くございます。区では、都の実行プラン策定に先立ちまして、昨年11月、実行計画などを改定いたしまして、当初予算への反映を図ったところでございますが、今後、都の事業スキームの詳細を踏まえ、当初予算に計上していない事業であっても、必要な取り組みと判断したものにつきましては、補正予算として提案させていただくなど、適切に対応してまいりたいと思います。  次に、東京都が進める地方創生に対する要望についての御質問にお答え申し上げます。  東京への一極集中が当面続く中で、これまでも新たな人の流れや雇用の創出に取り組んでおります。一自治体ではこの流れをとめることが困難な状況となっております。こうした中で都は実行プランを策定いたしましたが、私は、東京一極集中が進む中、疲弊する地方と向き合う視点が欠けていると感じております。  これまで区は交流自治体と、スポーツ、阿波踊り、物産展など、多くの住民参加による交流事業を進めてまいりました。こうした交流事業から、名寄市などへの台湾からの教育旅行の受け入れや、南伊豆町における区域外特養ホームの整備などへ広がり、交流自治体には、新たな人の流れと新たな雇用が生まれるという成果が得られております。  私は、2月2日の都との意見交換会においても、都は地方との連携事業を積極的に支援していくよう申し上げたところであります。今後もこうした機会を随所に設けながら、都市部と地方とが共存共栄する取り組みを都へ求めてまいります。  次に、区民ファーストについてのお尋ねにお答えいたします。  区政を預かる責任者といたしまして、区民を第一に考えるということは大切なことでありますが、他の自治体とも共存共栄の関係を築いていくという姿勢も必要なことであると考えております。そうした視点から、南相馬市への継続的な支援や南伊豆町での区域外特養ホームの整備など、人の流れや雇用を生み出しながら、都市と地方が共存共栄できる関係を具体的につくることに努めてまいりました。  お尋ねの「区民ファースト」という表現は、区民の目線で何を大切にすべきかといった使われ方であれば理解できますが、ともすれば、杉並区民さえよければそれでよいと受けとめられかねません。個々具体的な課題に対して、区民目線で、長期最適、全体最適の視点から解決するのが基礎自治体の力でありまして、私はそのことこそが大切なことだと考えております。お答えになっているかどうかわかりませんけれども、お尋ねの区民ファーストと区民福祉の向上が同義かどうかということにつきましては、どのような意味を込めて使うかによるものだと思います。  次に、私の区議会に対する姿勢についてでありますが、御指摘のとおり、議会人として区議会、都議会に籍を置いておりましたので、その経験から、二元代表制の意義や重要性については十分認識をしているところでございます。常々申し上げておりますように、自治体を運営していく上で、行政と議会との関係は車の両輪であります。議員の皆様からは、日々地域で起こるさまざまな課題について、区民の声を代弁し、区民ニーズとして区政に届けていただいております。行政の責任者として、私は、こうした情報を議会の皆さんと共有しながら、真摯な議論を通して、区政の目標である区民福祉の向上を目指して、ともに取り組んでまいりたいと考えております。  次に、働き方改革に関するお尋ねでございますが、現在の日本における長時間労働の実態は、人口減少社会を迎える中で、仕事と子育てなどの家庭生活との両立を困難にいたしておりまして、女性のキャリア形成、男性の家庭参画を阻む原因となっていると認識をいたしております。また、私は、長く働けば働くだけ成果が上がるというものではなくて、長時間労働は、健康面や仕事の効率の低下を招くおそれがあるとも考えております。そのため、長時間労働を是正し、働き方の見直しを図る働き方改革を、今まさに進めていかなければならない課題であると受けとめております。  こうしたことから、区としての具体的な取り組みといたしましては、ことしの1月から試行的に、毎週金曜日を午後8時一斉退庁日に設定する運用を行っておりますが、4月からは、水曜日のノー残業デーを除く平日全ての曜日にこれを広げ、実施することにいたします。また、超過勤務の縮減に向けまして、管理職のマネジメントの強化を図るとともに、会議のあり方や資料作成の省力化など、仕事の進め方にも改善を図ってまいります。  職員みずからが働き方をもう一度見詰め直すとともに、全庁的な仕事の見直しを進めることによりまして、職員一人一人が健康で輝きながら働くことができる職場環境づくりを目指してまいります。  次に、この間の総合計画の総括、今後の施策展開及び計画の改定方針に関する御質問にお答えをいたします。  これまで、基本構想の、「安全・安心を確保する」、「住宅都市杉並の価値を高める」、「支えあい共につくる」という3つの理念を踏まえて、自治体スクラム支援の推進、狭隘道路の拡幅整備、区域外特養ホーム整備、そして1年間で2,300人を超える保育定員の確保など、前例のない取り組みを初めとする計画事業に全力で取り組みまして、区の将来像、「支えあい共につくる 安全で活力あるみどりの住宅都市 杉並」の実現に向けて、多くの事業で確実に目に見える成果があらわれつつございます。  一方で、建築物の耐震化率、不燃化率など、現時点では、成果指標とした目標値を下回っているというものもあります。そこで、昨年11月には、区政を取り巻く社会経済状況の変化に対応して、総合計画、10年プランの後半において基本構想の実現に向けた道筋を明確にするため、この間の取り組みの成果を踏まえて実行計画の改定を行って、計画事業の必要な見直しを図ったところであります。  今回の改定では、総合計画の改定ではないため、施策の見直しは行いませんでしたが、現在の施策体系のもとで改定した実行計画に基づく計画事業を全力で推進し、次回の総合計画の改定時に、社会経済状況の変化や区民ニーズ等も踏まえ、必要な見直しを行ってまいります。  協働推進計画に関連をいたしまして、ボランティアの有償化を進めてはどうかとのお尋ねにお答えをいたします。  協働推進計画におきましては、区民参加の促進のため、ボランティアとの連携による地域課題の解決を掲げておりますが、具体的な取り組みにおいては、実費弁償として日当程度の費用を支給しているものもあれば、完全無償としているものなど、さまざまであります。御指摘の有償化につきましては、役務に対しては対価をきちんと払って責任を持たせるべきとの趣旨かと存じますが、時代環境や活動内容によっても変わってまいりますので、必要があれば、適時適切に見直しを行ってまいります。  区立施設再編整備計画に関するお尋ねにお答えいたします。  区立施設の再編整備につきましては、先にコスト削減ありきということではありません。区民の安全・安心の確保や、時代の変化に応じた区民ニーズへの対応を行いつつ、延べ床面積の削減を含めた施設運営の効率化を進めることによりまして、必要な行政サービスの提供と持続可能な行財政運営を図っていくという考えに基づき、進めているものでございます。  次に、公共工事の前払い金に関する御質問であります。  御指摘のありました公共工事を取り巻く環境につきましては、私も同様に受けとめておりまして、特に、工事の初期段階における資材の調達や適切な労務確保の面で課題があると認識を持っております。こうした課題に的確に対応し、公共工事の円滑な施工を図るために、新年度から前払い金の限度額を現在の2億円から4億円に引き上げるなど、拡大措置を講ずることにしたものでございます。また、同様に工事契約時における契約保証金についても、現在、5億円以上の契約金額に適用している30%の保証割合を、基本的に一律10%とするよう算出基準を見直すこととし、受注者の負担軽減を図ってまいります。  区といたしましては、今後とも競争性や透明性の一層の向上に努めるとともに、適正な施工と履行の確保が図れるよう、引き続き入札・契約制度の改革を進めてまいる考えであります。  地方創生に関連いたしましてお答え申し上げます。  区は、まち・ひと・しごと創生総合戦略におきまして、地方と向き合う視点を持って、将来にわたる杉並区と地方の発展のために取り組んできているところであります。この間、課題などを確認しながら、多子世帯を対象とした子育て応援券の増額や保育料の負担軽減を実施し、また、ファミリー向け住宅促進を支援する居住支援協議会を設置するなど、子供を産み、育てる仕組みづくりを行ってまいりました。さらには、交流自治体と連携した取り組みによりまして、中学生を対象としたフレンドシップスクールを13校で実施し、区民が田舎暮らし体験、小千谷ツアーに19名参加するなどして、地方への人の流れをつくってきたところです。こうした取り組みを通して、確実に目に見える成果があらわれつつあると考えております。  なお、増田氏には、区の総合戦略を推進していくために、来年度も引き続き顧問として、知見、識見等を生かした助言をいただきたいと考えております。  また、私は、都市部と地方が連携して互いの課題を解決していく、静岡県南伊豆町での区域外特別養護老人ホーム整備や、地方創生・交流自治体連携フォーラムのような取り組みを行いまして、積み重ねていくことが地方創生と考えております。区域外特別養護老人ホームが平成30年1月、来年の1月に開設をすれば、町には新たな人の流れと雇用を生み、区では入所待機者の希望をかなえることになります。今後も、このように都市部と地方が共存共栄を図っていく自治体連携をさらに推進していく所存でございます。  次に、平成29年度予算案の名称に込めた思いにつきましての御質問であります。  社会の変化が速く大きい時代においては、変化があってから対応するのでは、迅速かつ的確に区民ニーズに応えることはできません。変化の芽を敏感に察知し、その芽が将来どのように育っていくのかという予測をして、先手を打って課題にチャレンジをしていくという姿勢が不可欠であります。10年ビジョンの後半の初年度に当たりまして、そのような姿勢で、目標に対しておくれている取り組みについてはおくれを取り戻し、予定どおり進んでいる取り組みは、さらなる成果が得られるように取り組んでいくという決意を「加速させる」という言葉に込めまして、「時代の先を見据え、10年ビジョンを加速させる予算」と名づけたものでございます。  次に、実行計画改定時にお示しをいたしました財政計画と本予算との歳入に関する乖離についての御質問にお答えいたします。  昨年11月の実行計画改定時におきましては、毎年7月に内閣府が発表する年央試算や、同時期に示される中長期の経済財政に関する試算に基づき示された、平成29年度から31年度までの名目GDP成長率の2分の1の伸び率を、平成28年度当初予算の歳入に乗じて算出しました。  ところが、昨年6月の英国のEU離脱問題に端を発した円高進行の危惧が現実のものとなりまして、今回御提案しております補正予算において、配当割交付金の9.2億円を初め、交付金関係で合計14.9億円の減額補正を行う状況となっております。さらに、トランプ・アメリカ新大統領の発言により株価が乱高下するなど、今後の日本経済の先行きも不透明さが増しております。  こうした状況の中で、各交付金が平成28年度よりもさらに下回るとの東京都の見通しを踏まえ、昨年11月時点と比較をし、利子割で1.2億円、配当割で約10.8億円、株式等譲渡割で約5.5億円、地方消費税交付金で4.2億円の大幅な減を見込んだ結果、合わせて21.7億円の乖離を生じることとなったものであります。  なお、財政計画の基本といたしまして、平成28年度予算の歳入が14.9億円低くなったことから、これをベースに積算した平成30年度と31年度の歳入見込みも下振れする可能性はございますが、あくまでも実行計画改定時の見込みをお示ししたものでありまして、さかのぼって財政計画を修正する予定はございません。  次に、都区財政調整交付金の合意に至る経緯等に関する御質問でございます。  平成29年度に向けた都区協議では、懸案となっております都市計画交付金の都区の事業実施状況に見合った配分や、調整税減収時の補填対策、特別交付金の交付割合の引き下げについて強く求めてまいりましたが、残念ながら合意に至りませんでした。個々の事案といたしましては、保育需要の高まりに合わせた保育所等の利用者負担の見直し、昨今の建設単価の高騰を踏まえた投資的経費にかかわる工事単価の見直しについて、重点的に交渉してまいりました。  この結果、認可外保育施設に対する区が実施している保護者負担軽減事業の新規算定や、投資的経費にかかわる工事単価の上昇分については、臨時的ながらも算定されることになるなど、一定の成果を上げることができました。全体を通しては、新規算定15項目、算定改善29項目について合意に達することができたものでございます。  次に、国・都支出金に対するお尋ねでございます。  国・都支出金に関しましては、平成28年度に実施をいたしました国の100%負担である臨時給付金事業にかかわる補助金約20億円が皆減となった中で、前年度比10億円以上増加させることができました。これは、毎年入れかわりや対象の変更などが多い中で、国や都の動向にしっかりと目を配り、活用できるものを可能な限り活用した結果であると認識いたしております。  次に、積立基金の活用と今後の見込みに関するお尋ねでございます。  著しい景気の落ち込みによります大幅な減収や大規模災害時の対応に備えまして、この間、標準財政規模の5割を目指して着実に積立基金の残高をふやしてまいりました。しかし、先ほど申し上げた配当割交付金などの大幅減収が見込まれる中で、待機児童対策や老朽施設の更新など、将来を見据えた先送りできない課題に取り組むために、財政調整基金の活用を図ることといたしました。また、減債基金につきましても、起債の満期一括償還のため、取り崩しを行うものであります。  平成29年度以降も、厳しい財政状況の中でも、予算執行の精査や行財政改革の一層の取り組みによりまして、できる限り取り崩し額を抑え、積み増しができるよう努めてまいります。  次に、施設整備基金に対する積み立て方針等に関するお尋ねであります。  施設の老朽化に伴う改築改修が続いていることから、施設整備基金が減少しております。今後も大規模施設の整備や改修が続くことが見込まれることから、継続的に一定の投資的経費が必要となります。こうした状況を踏まえますと、基金に積み立ててすぐ取り崩すのではなくて、庁舎などの特定の施設の建てかえのための積み立ては実施する一方で、それ以外の施設については、歳出事業の見直しを進めて財源の確保を図り、一般財源で賄う比重を高めていくことなども考える必要があるものと認識をしております。  平成29年度は施設白書の作成を予定しておりますので、その分析を踏まえまして、今後の施設整備基金のあり方と一般財源の投資的経費への配分などを検討してまいりたいと考えております。  次に、区債の発行抑制に関するお尋ねにお答えをいたします。  景気の先行きが依然不透明な中、施設の老朽化は待ったなしで進行をしております。今後の施設整備につきましては、慎重に対処していかなければならないと考えております。経費の圧縮を図るため、施設の長寿命化や複合化、多機能化などの取り組みに加えまして、国や都からの補助金の確保にも努めてまいりたいと思います。その上で、必要とされる施設整備に対しましては起債を発行していくことになりますが、単に発行額を抑えるというだけではなくて、借り受け利率や償還期間、また公債費の状況などを十分に検討して、必要最小限の発行にとどめてまいりたいと思います。  次に、財政の健全性の確保に努めた根拠についてのお尋ねでございます。  昨年11月の実行計画改定時の財政計画では、39億円の財政調整基金の取り崩しを見込んでおりました。その後、当初予算の編成に当たりまして、区民税収入については増を見込んだものの、配当割交付金等の交付金については、実行計画の財政計画に比べまして、約22億円の減収を見込まざるを得なくなりました。こうした中でも、行革効果を見据えるとともに、予算の精査を行うことによりまして、財政調整基金の取り崩し額を7億円の増にとどめ、区債の発行額も抑えるなど、歳出規模ではほぼ実行計画改定時の財政計画どおりの予算額とする一方で、財政の健全性の確保に努めたところでございます。  次に、行財政改革の取り組み効果に関するお尋ねでございます。  新年度に向けて、保健衛生に関する検査関係業務の実施方法の見直しや、区立保育園の民営化、また学校用務業務、学校給食の調理業務の委託化などによりまして、5億2,700万円を生み出しました。これらの財源を、保育定員のさらなる確保や女性の健康づくり事業の推進、また学校ICTの推進を含めた学校教育環境の充実などに活用して、さらなる施策の推進に努めてまいります。  次に、行財政改革に関する御質問にお答えを申し上げます。  今後の区政運営を展望いたしますと、さらなる保育定員の確保、老朽化が進む区立施設の更新、大規模災害に備えた耐震・不燃化促進など、行政需要はますます拡大をいたしまして、財政運営は厳しさを増すものと想定をいたしております。そうした中で必要な行政サービスを安定的、持続的に提供していくためには、行財政改革を一層進めていく必要があると認識をいたしておりまして、昨年改定した行財政改革推進計画に基づき、着実に進めてまいりたいと考えております。  具体的には、財源確保の取り組みといたしまして、税、保険料の収納率向上に向けた取り組みの強化や保育施設利用者負担の適正化、効率的な行政運営の取り組みとして、国保年金課等の業務委託の推進や区立保育園の民営化等の推進、また、効率的な組織体制の構築に向け、職員定数の適正化などの取り組みを進めてまいります。さらに、計画に盛り込んだ項目にとどまらず、行政評価を活用して改めて事務事業の見直しを行うことなど、新たな取り組みについても可能性を追求してまいりたいと考えております。  次に、狭隘道路の拡幅に関するお尋ねにお答えをいたします。  糸魚川市で発生いたしました大規模火災により被災された皆様に心からお見舞いを申し上げますとともに、一日も早い復興をお祈り申し上げたいと存じます。  私はこの間、必ず発生するとされております首都直下地震などに備えまして、災害に強いまちづくりを最重要課題として、さまざまな対策を講じてまいりました。中でも狭隘道路の拡幅は、道路の無電柱化や建物の耐震化、不燃化とともに減災対策の中心となる課題でありまして、本事業のさらなる加速化を図るため、支障物件の設置禁止という、全国的にも例を見ない規定を盛り込んだ条例へと改正をした次第です。  区では、広報、町会・自治会への説明、オープンハウスでの個別相談などで改正条例のPRを行ってまいりましたが、自分も拡幅したいといった相談や、支障物件に関する問い合わせが多く寄せられておりまして、本事業への区民の関心の高まりをひしひしと感じているところであります。  糸魚川市で発生いたしました大規模火災では、木造密集地域であるため消火活動が難航したとの報道もある中、木造住宅密集地域が多く存在する杉並区の特性を考えますと、狭隘道路を拡幅し、幅員最低4メートルの道路をつなげていくということが重要であります。区民の安全・安心を確かなものにするためにも、狭隘道路の拡幅が地域全体の安全と安心を広げるという観点で重要であるということを、さまざまな機会を捉えて丁寧にPRするということや、重点整備路線の拡幅後の効果をわかりやすく提示して拡幅効果の見える化を図るなどを通じまして、区民の理解を得ながら、迅速かつ着実に本事業に取り組んでまいります。  次に、首都直下地震の備えに関するお尋ねでございます。  昨年は、熊本地震を初め鳥取県中部地震など、日本が地震列島であることを改めて痛感いたしたところでございます。私は常々、首都直下地震などの大災害は必ず起こるという認識を持ちながら、ハード、ソフトの減災・防災対策に積極的に取り組んでまいりました。  平成29年度は、今年度行った独自の地震被害シミュレーションに、ライフラインの被害や帰宅困難者などの避難者予測の調査を追加いたしまして、より精度の高いシミュレーションをすぎナビで公表してまいります。区の現状やこれまでの施策効果の見える化を通して、区民の減災・防災意識の向上を促すとともに、地域防災計画の見直しを行うなど、災害に強い安全・安心な防災まちづくりを加速させてまいります。  次に、オリンピック・パラリンピック区民懇談会に関する御質問であります。  区は2020年東京大会に向けまして、スポーツに限らず、文化芸術、地域など、さまざまな分野において多くの区民の夢と希望を育み、後世に伝えていくという、区民がかかわりを持てるよう取り組んでいるところであります。  これまで区民懇談会は、2020年に向けて、地域活性、スポーツ、バリア、子供、これらをテーマとする取り組みによりまして、多世代にわたる区民のかかわりを深めていくということを目標にしているところでございます。今後は、2020年までの各年度における具体的な取り組み内容について話し合いを進めてまいります。  また、商店街振興につきましては、地域活性のテーマの中で、まちのにぎわい創出と商店街のかかわりについて意見交換を行ってまいります。また、区におきましては、商店街を初め、町会、学校などの協力を得ながら、啓発事業に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。  次に、和田商店街の東京都商店街グランプリ獲得、また、今後の商店街施策についてのお尋ねでございます。  まず、和田商店街の東京都商店街グランプリ獲得についてであります。大変うれしい出来事であると思います。区としましても、この間取り組みを支援してまいりましたが、今般のグランプリ獲得は、商店街と地域による息の長い地道な取り組みとその成果が評価されたものでありまして、改めて商店街や地域の皆様の御労苦に敬意を表したいと存じます。また、この取り組みは、区のチャレンジ商店街サポート事業の成果であるとともに、商店街を活性化する地域との協働のあり方の1つとして、商店街関係の行事や説明会等の場を通じて御紹介させていただいているところでございます。  今後の商店街施策についてですが、引き続き、各地域の特色を生かして活性化に積極的に取り組む商店街に対し、ハード、ソフト両面からの支援を行ってまいります。時代の変化を捉えた支援制度の見直しにも着手したいと考えております。29年度は6年ぶりとなる産業実態調査を実施いたしますので、この調査結果を踏まえ、産業振興計画改定の検討を行う中で、見直しと具体化を図ってまいりたいと考えております。  次に、文化プログラムに関するお尋ねにお答えをいたします。  オリンピック・パラリンピックはスポーツの祭典であると同時に、文化の祭典でもございます。文化、教育、経済など、さまざまな分野で連携して取り組む文化プログラムは、脇坂議員御指摘のとおり、より多くの区民がオリンピック・パラリンピックに参加、参画する大変よい機会であると思っております。そのため、現在、区の附属機関である文化・芸術振興審議会において、東京2020大会に向けて、杉並が持つ独自の資源を活用した文化プログラムの取り組みや活動支援等について検討しておりまして、ことし秋ごろに意見を取りまとめてまいりたいと考えております。  また、こうした審議会での議論のほか、区民懇談会での御意見に基づいた取り組み、さらには、庁内の関係組織で構成される庁内連絡調整会議においても文化プログラムについて検討し、一人でも多くの区民を巻き込んでいくような事業展開を図ってまいりたいと存じます。  次に、区職員や商店街等の国際化に関するお尋ねでございます。  初めに、商店街等の国際化に関してでございますが、海外からの来街者を含め外国人が増加する中で、まちのにぎわい創出と商店街活性化を図るため、外国人向けのサービス対応をしていくことは大切なことであります。現在は、翻訳アプリやテレビ電話を活用したシステム、小型の専用翻訳機などのさまざまな技術が実用化され、能力も精度も高まっていますので、これら開発された技術を積極的に商店街等に紹介してまいります。また商店会連合会では、外国人とのコミュニケーション講座の開催など、独自の取り組みも始まっております。これらの取り組みへの支援を通じて国際化を進めてまいる所存でございます。
     また、区職員の外国人への対応力についての御指摘でございますが、私は、異なる言語や文化、習慣を持つ外国人のニーズに円滑に対応できる力を高めていくことが必要であると考えております。このため、これまでもコミュニケーション研修等を実施し、外国人に対するスキルを向上させてきたところでございますが、今後は、これまでの研修の一層の充実を図るとともに、窓口でのタブレット端末の活用を含めたICT活用研修を新たに実施すること等を通して、外国人に対するサービスの向上に努めてまいりたいと考えております。  次に、区の広報についてでありますが、私はこの間、区政運営に当たりまして、戦略的広報の重要性を重ねて申し上げてまいりました。これは、区政に関する正しい情報を効果的に、かつ先手を打って区民の皆様にお伝えしていく姿勢こそが、区民との協働に基づく区政運営の基盤であるという認識に基づくものであります。こうした認識のもとで、区民に最も身近な広報媒体であります「広報すぎなみ」につきましては、多くの区民に手にとってごらんいただけるような、大胆な見直しを図ることといたします。  まず、デザイン、レイアウトについては、編集業務に民間の力を導入して刷新を図ります。また、発行形態につきましては、1号当たりのページ数をふやし、全体の情報量は維持した上で、これまでの月3回の発行を月2回の発行に変更し、1日号は区の政策や事業に関する特集記事を中心に、また15日号は地域の魅力を発信する特集記事を中心に、それぞれめり張りのある情報を発信してまいります。  また、SNSの活用に関してでございますが、新年度なるべく早い時期にフェイスブックの公式アカウントを取得し、これまで区政の情報に関心が低かった若い世代を中心に、より効果的な情報発信を行ってまいります。御指摘のとおり、SNSには双方向にコミュニケーションを図れるという特徴がございますので、どのような形態で区民とのコミュニケーションが可能か、他自治体での先進事例も参考に検討を進めていきたいと考えております。これらの見直しを通じて、戦略的広報の一層の推進に向けてしっかりと取り組んでまいります。  次に、ふるさと納税に対する方針変更及び目的に特化した寄附についてのお尋ねにお答えいたします。  まず、ふるさと納税に対する方針変更についてでありますが、ふるさと納税制度は、税制を通じてみずからを育んでくれたふるさとを応援できる仕組みとして制度化されましたが、昨今、自治体間のいわゆる返礼品競争といった本来の趣旨を逸脱するような運用が目立つようになりまして、寄附が地方に殺到する一方、都市部は住民税控除に苦しむ実態となっております。当区においても、ふるさと納税による区民税控除額が平成28年度には約7億3,000万円に上りまして、29年度には10億を超えると想定をいたしております。区としては、制度本来の趣旨は理解し、是とするところでありますが、その運用には大きな問題があると考えております。  そこで、杉並区が参入することで制度運用の矛盾を明らかにし、失われた税額控除分を取り返すとの方針を立て、返礼品の設定など、区への寄附を広範に募る方策について検討をしてまいりました。しかしながら、肉などの地方の特産品に寄附が集中する現状では、税額控除分の相当部分を補填できるほどの寄附は見込めず、都市部の自治体が参入することで制度矛盾を明らかにし、警鐘を鳴らすことには及ばないばかりか、単なる返礼品競争への後発参入になりかねない状況となっております。  こうしたことから、杉並区は、チャリティー文化の醸成や来街者の増加を目的とした杉並ならではの取り組みで、制度の本来趣旨に立ち返った運用を目指すこととしまして、寄附者の善意に基づく社会貢献の意向を尊重するため、新たな人の流れを生み出すサービスや障害者支援に資する品物を除き、寄附者に対して返礼品を贈呈するという考え方をとらないということを基本にしたいと考えております。  次に、目的に特化した寄附についてのお尋ねでございますが、ふるさと納税において、目的に特化した寄附として、代表的なものとしてガバメントクラウドファンディングがありますが、これは、地域の課題解決に向け、さまざまな自治体において導入されておりまして、その中には、広島県神石高原町の動物の殺処分ゼロの取り組みや墨田区のすみだ北斎美術館の開館など、特色ある取り組みも見られるわけであります。  杉並区におきましても、仮称荻外荘公園整備などのために、みどりの基金にこうした考え方を取り入れて寄附を広く募っているところでございます。  また、ガバメントクラウドファンディングに限らず、ふるさと納税を活用してチャリティー文化の醸成や来街者の増加に向けた寄附を広く募る方策について、現在検討中でございます。来年度、4月以降準備が整ったものから順次実施し、寄附の拡充を図ってまいりたいと考えております。  次に、駅周辺のまちづくりに関するお尋ねにお答えをいたします。  市街化が進み、成熟した杉並のまちにおきまして、まちの課題を解決するとともに、議員の御指摘のとおり、駅ごとに異なる魅力や個性を将来に向かって伸ばしていくためには、まちの変化のきっかけを的確に捉えて、まちづくりに取り込むことが重要と考えております。このため、荻窪駅や阿佐ケ谷駅などの駅周辺について、公共公益施設の機能更新や地域主体のまちづくり活動などの機運を捉え、戦略的、計画的にまちづくりを進めるため、まちづくり方針の策定に取り組んでおります。  今後、まちづくり方針を区民や事業者等と共有するとともに、ハードとソフトの取り組みの連携を図りながら、その具体化に向けた取り組みを進めることによりまして、地域の特性を生かした、にぎわいと多彩な魅力あるまちづくりを推進してまいります。  次に、杉並第一小学校の建てかえ計画の検討状況についてでありますが、現在の病院用地への小学校の移転改築の可能性につきましては、病院及び地権者とともに、想定される事業手法等について検討、調整を進めているところでございます。また、小学校のほか、阿佐谷地域区民センター、産業商工会館を含め、施設の場所、規模、整備スケジュールなどについても具体的な検討を行っております。  病院や区立施設の建てかえ、それに伴う道路基盤の整備などは、地域のまちづくりに大きな影響を及ぼすことでありまして、改めて方針を決定するに当たりましては、教育環境の向上を第一に、防災機能の向上、まちのにぎわい創出、所要経費など、地域の将来を見据えて総合的な視点から判断する必要があると考えております。そして、地域の将来を左右することでありますので、地域の皆様の御理解が不可欠であることは言うまでもありません。引き続き多面的な検討を行い、地域の皆様の御意見をしっかり伺った上で最終的な判断をしてまいります。  次に、仮称荻外荘公園の整備に関するお尋ねでございます。  仮称荻外荘公園につきましては、今般、豊島区内の移築建物の譲渡に関し、所有者と基本的な合意を得たことを受けまして、復原整備の具体化に向け、整備基本計画の策定を進めてまいります。その際、復原整備には相当の期間を要すると見込まれることから、整備の進捗状況に応じ、さまざまな機会を捉えて、史跡荻外荘の歴史的、文化的意義を多くの区民の皆様に発信し、幅広い参画を得ながら、復原整備に向けた機運をさらに高めたいと考えております。  また、豊島区内の建物の移築時期につきましては、引き続き所有者と協議を行うとともに、新年度から策定を進める整備基本計画において移築の工程等を詳細に検討する中で明らかにし、かつての荻外荘の姿を再び荻窪の地によみがえらせるべく、取り組みを加速化してまいります。  次に、認定農業者に関する御質問にお答え申し上げます。  区では今年度15名の農業者を認定し、11月の農業祭当日に認定証を交付いたしました。さらに来年度以降も認定農業者がふえるよう、制度を周知し、推奨してまいります。今後は、農業振興の中心的な担い手となる認定農業者を中心に、農業意欲のある農業者に対して、販売促進につながる新たな補助制度の創設や販路の開拓など、積極的に支援をしてまいります。  次に、住まいと省エネに関する御質問にお答えいたします。  区では、住宅都市としての特性を踏まえ、個々の住宅の省エネ化の促進策が有効と考え、この間、太陽光発電機器や家庭用燃料電池等の設置助成に取り組んできたところでございます。さらに新年度からは、既築住宅でのエネルギー使用効率を高め、さらなる省エネ化を促進するため、御指摘の窓ガラスの断熱化や日射を遮断する塗装を助成の対象に加えてまいりたいと存じます。  次に、高齢者の就労支援に関するお尋ねでございます。  現在区が実施しているシニアのための就労支援においては、個別相談や仕事の紹介だけではなくて、高齢者を積極的に雇いたい企業との面接会を開催しております。さらに新年度は、働きたいという高齢者のニーズに応えるために、新たに保育や介護現場において、就労支援センターの取り組みを参考に、資格がなくてもできる就業体験や個別フォローを重視した仕組みを準備しているところでございます。今後も、ハローワークの利用や福祉のおしごとフェアなどを含め、就労支援センターとの連携を図ってまいります。  次に、ICTを活用した高齢者の在宅生活支援モデル事業に関する質問にお答え申し上げます。  今回実施するモデル事業は、高齢者宅をテレビ電話やタブレットなどのICT機器でつなぎ、これまでの見守り事業にはなかった双方向のコミュニケーションができる仕組みを考えております。この仕組みの中で、例えば単身高齢者の孤立感を防ぐことができないか、また、高齢者の状況をリアルタイムで知ることで家族や事業者の支援につなげられないかなど、その効果や機器の利用しやすさを含めて検証することを目的にしております。加えて、こうした取り組みを将来充実拡大することによりまして、在宅生活の限界点を上げて、特養等の施設整備の抑制につなげていくという思いもございます。  次に、介護する側の負担についてでございますが、このモデル事業を通じ、これまで必要だった訪問回数を絞ることができるようになれば、負担の軽減にもつながると考えます。その他、どのようなことが要介護者と介護者のためにできるのか、両者の視点に立って、このモデル事業の実施、検証を行ってまいりたいと存じます。  次に、レセプトデータを通した在宅医療の研究についてのお尋ねでございます。  団塊の世代が全て75歳以上になる2025年には、在宅医療のニーズが急激に拡大することが予測をされております。このため、介護保険や医療保険のレセプトデータをもとに、在宅医療の現状と課題を把握するとともに、訪問診療や訪問看護の必要量等を将来推計することとしております。その結果を医師会等医療機関と共有することで、本区における在宅医療体制の着実な整備につなげてまいります。  次に、特養等の施設整備にかかわる総合計画の目標達成に関する御質問でございます。  超高齢社会が進展する中で、在宅生活の支援の充実とともに、特養等の施設整備は精力的に取り組む課題だと強く感じております。私は、区長就任以来、特養整備については総合計画で10年1,000床の目標を設定し、区立施設の再編整備で生み出した区有施設、区有地や国、東京都の公有地等を活用し、鋭意取り組んでまいりました。昨年も11月に1所を開設し、総合計画の計画期間中としては累計326人の定員を確保いたしました。実行計画の3カ年では、南伊豆町に来年1月開設予定の区域外整備を含め、8カ所563人、累計では889人の定員を確保する予定でございます。その後も天沼3丁目の特養整備を予定しておりまして、平成33年度末までには着実に1,000床の目標を達成できる道筋ができました。  いずれにいたしましても、今後とも特養等の施設整備に精力的に取り組むとともに、高齢者の在宅生活の限界点を上げる取り組みも加速化させ、ハード、ソフト両面から高齢者施策を推進してまいります。  次に、障害者の権利を守ることに関するお尋ねにお答えをいたします。  昨年の4月、障害者差別解消法が施行され、それに合わせて、区職員に向けた職員対応要領の作成や、区民を対象とした地域自立支援協議会におけるシンポジウムの開催など、障害理解や啓発に向けた取り組みを行ったところでございます。  私は、新年度もこの歩みをとめることなく、障害者が人間としての尊厳を持って、地域の中で安心して自立生活を送ることができるよう、今回改定した実行計画に基づく障害者施策を着実に実施するとともに、障害者の虐待防止や障害を理由とした差別の解消など、障害者の権利擁護の取り組みをさらに積極的に推進してまいる所存でございます。  次に、待機児童ゼロの達成見込みと、施設整備、人材確保についての御質問にお答え申し上げます。  平成29年4月入所の認可保育所の1次申込者数は過去最高となる4,249名、昨年を448名、率にいたしまして11.8%上回る結果となりました。1月末時点においては、このうち、認可保育所に入所が内定された方は約2,600名、内定に至っていない方は約1,600名となっております。  なお、2次募集については、去る2月3日に募集を締め切っておりますが、1次と合わせた速報値では、入所申込数は計4,457名、昨年比12.1%増となっております。  ことし4月の待機児童解消の見込みについてですが、現在、2次申し込みの利用調整中でもあり、また、区内外の認証保育所や事業所内保育所といった区が直接利用調整を行わない施設への入所者がどの程度になるのかなど、不確定要素がございます。現在も、所管を軸として、全庁挙げてあらゆる対策を講ずるよう指示をしているところでございます。  次に、施設整備や保育人材の確保についての御質問でございますが、施設整備につきましては、政令指定都市以外では恐らく最大級の規模となる2,220名規模の計画を着実に進めてまいりました。結果として、当初予定していた数を上回る2,329名分の保育定員等の確保の見込みが立ちました。  また、保育人材確保につきましては、区の独自支援として、昨年末に、補正予算による就職内定者への区内共通商品券の支給や家賃補助の拡充などを行うとともに、事業者への説明会を計3回、また保育士の就職相談会なども延べ4回行うことにより、事業者とのフェース・ツー・フェースの対応を心がけ、区としても最大限の支援を行っております。その結果、ほとんどの施設で人材確保のめどが立ち、この4月に予定どおり開園できる状況に至っているとの報告を受けております。  次に、今後の保育施設と整備等に関するお尋ねでございます。  まず、すぎなみ保育緊急事態宣言の取り扱いについては、本年4月の待機児童解消の成否も踏まえて判断すべきと考えおります。  次に、今後の保育施設の整備に関しましては、4月の待機児童がたとえ解消しても、当面の間、保育需要が増加を続けるものと見込んでおりまして、また、認可保育所の高いニーズに応えるため、29年度以降も認可保育所の増設を継続していく必要があると考えております。  こうしたことから、昨年改定した実行計画のとおり、29年度から31年度まで毎年度、認可保育所を約10カ所程度整備し、1,000名規模の定員増を図ることといたしております。また今後は、御指摘のとおり、各地域の需要に応じた保育施設の整備が大変重要な課題だと認識をしています。今年度、十分に整備が進まなかった高円寺地域や方南・和泉地域等への整備を重点的に取り組み、地域のニーズに応えていきたいと考えております。  次に、保育の質に関する御質問にお答えいたします。  区はこれまでも、保育士として豊かな経験を持つ園長経験者や心理専門職などによります区独自の巡回相談や指導を、認可保育所を中心に、区内の保育施設に対して定期的に行ってまいりました。保育施設の整備が急激に進む中、保育の質の維持を心配する声が区に寄せられております。こうした保護者からの不安の声に応えるためにも、平成29年度に新設される全ての私立認可保育所に対する巡回相談や指導を重点的に行い、保育の質の向上に万全を期してまいります。  最後に、区では、増加する保育需要に的確に対応するため、保育施設の整備を進めるとともに、妊娠届受け付け時のゆりかご面接、産前産後支援ヘルパー事業、新たな産後ケア事業の充実、すこやか赤ちゃん訪問の実施、子育て応援券事業など、妊娠期からの切れ目のない支援を実施しております。区としましては、誰もが安心して妊娠、出産、子育てのできる環境づくりに努めてまいります。また、国や東京都に対しては、育休制度の見直しなど、労働行政の見地から、子育て環境の改善について要望しているところであります。  私からは以上です。残りの御質問につきましては、教育長より御答弁申し上げます。 ○議長(井口かづ子議員) 教育長。       〔教育長(井出隆安)登壇〕 ◎教育長(井出隆安) 私からは、教育委員会所管の御質問にお答えをいたします。  初めに、移転改修後の永福体育館に整備する屋外ビーチコートに関する御質問にお答えをいたします。  このビーチコートの整備には、大きく3点の意義があると受けとめております。  まず1つ目は、ビーチバレーボールの国際規格に基づいて整備することによって、2020年東京オリンピックにおける外国チームのキャンプ地誘致の道筋を開くことができます。このことは、2020年に向けた区民の機運醸成に向けて大きく寄与することが期待されるものでありまして、今後積極的に誘致活動を展開してまいります。また、オリンピック後も国内外のトップアスリートの試合等で活用し、スポーツ振興につなげてまいりたいと考えております。  2つ目は、ビーチコートとなる砂場は、下肢の筋力強化やバランス能力の向上に効果的であることに加え、この砂場でサンドアートイベント等の実施が可能になるものでありまして、子供から高齢者まで、多世代にわたる多様な健康管理、交流事業を展開していく考えです。  3つ目は、周辺に集積することとなる特別養護老人ホーム等の福祉施設及び特別支援学校等とともに、地域と連携した取り組みを図り、当該地域のまちづくりに寄与してまいります。  区及び教育委員会といたしましては、これらの意義を持つ施設整備を着実に推進してまいりたいと存じます。  次に、杉並区教育ビジョン2012の実現に向けた取り組みに関する御質問にお答えをいたします。  平成24年度から10年間を計画期間とする教育ビジョンの折り返し点を迎えます。前半5年間、推進計画に基づいてビジョンの実現に向けた取り組みを行ってまいりましたが、主な施策といたしましては、次の3点が挙げられます。  1点目は、地域と連携協働する学校づくりを目指し、学校支援本部の活動支援と地域運営学校の全校指定に向けた取り組みを進め、子供たちが多くの人々とかかわりながら学びを深める環境をより一層整えたことです。  2点目は、小中一貫教育の推進です。区独自の9年カリキュラムを作成、実践し、子供たちが小学校で学んだことを中学校でより発展させる取り組みが着実に進んでおります。区内初の小中一貫教育校として開校した杉並和泉学園におきましては、学園全体の活性化が図られ、一層の発展が期待されます。  3点目として、学校司書の全校配置や専門事業者による部活動指導の仕組みづくりなど、区独自に外部の専門的な人材の力を生かす取り組みを進め、教育活動の活性化と学校の経営支援の充実強化に努めてまいりました。  これらの取り組みを通して子供たちが、教育ビジョンが目指す人間像である、「夢に向かい、志をもって、自らの道を拓く人」、「『かかわり』を大切にし、地域・社会・自然と共に生きる人」に向かって成長していくための基盤を築くことができたと考えております。  これからの時代は、社会のさまざまな変化が加速度を増し、複雑で予測困難になると言われておりますが、教育ビジョンが目指す人間像は人間として自立した姿であり、時代を超えて求められる生き方であると考えます。今後5年間につきましても、教育ビジョンの実現に向けて全力を傾注し、子供たちの確かな成長を支援してまいる決意でございます。  最後に、学校施設の建設に関する御質問にお答えをいたします。  学校施設の建設を進めるに当たっては、計画策定前の段階から、保護者や学校関係者、地域の方々との意見交換を積み重ねるとともに、計画案のパブリックコメントや地元説明会の実施等を通して、合意形成を図りながら計画化をして進めてまいりました。また、計画策定後におきましても、学校関係者等による検討懇談会の意見を聞きながら校舎の基本設計を行うなど、丁寧に進めてきているところでございます。  一方で、大規模な建物である学校施設は、周辺への日影や圧迫感など、周辺地域の生活環境に一定の影響を与えるものであることから、教育委員会といたしましては、今後とも、寄せられた意見、要望に対し可能な限りきめ細やかな対応を図り、地域に愛され、親しまれる学校づくりに努めてまいりたいと存じます。  私からは以上です。 ○議長(井口かづ子議員) 以上で杉並区議会自由民主党の代表質問を終わります。  ここで3時55分まで休憩をいたします。                                午後3時40分休憩                                午後3時55分開議 ○議長(井口かづ子議員) 休憩前に引き続き会議を開きます。  杉並区議会公明党代表、42番島田敏光議員。       〔42番(島田敏光議員)登壇〕 ◆42番(島田敏光議員) 私は、杉並区議会公明党を代表して、区長の平成29年度予算の編成方針とその概要及び当面する区政の諸課題について質問いたします。  昨年を振り返りますと、選挙を通してだけ見ても、内外ともに大きな動きが相次ぎ、そしてそれが次の展開を促す大きな要因になっております。  内政で最も大きかったのは夏の参院選でした。自民党と公明党の与党両党で改選議席の過半数を大きく超え、公明党は過去最多に並ぶ14議席を獲得することができました。自公連立政権としての機能がアップしたことで、日本の政治基盤はより強固になりました。参院選に先立つ5月には、主要国首脳会議、伊勢志摩サミットが開催され、我が国が議長国として成功に導きました。オバマ・アメリカ大統領が現職大統領として初めて被爆地広島を訪問、さらには安倍首相の真珠湾訪問など、外交面で日本の存在感も際立ちました。  日本と対照的だったのが海外の政治情勢でした。長年にわたって欧州連合(EU)を支えてきた主要プレーヤーのイギリスが6月、国民投票の結果、EU体制からの離脱の道を選びました。それは、欧州を中心に過激派組織イスラム国によるテロ行為が相次いでいることや、アフリカや中東から押し寄せる難民問題、ふえ続ける移民によって雇用が競合するなど、国民の不安が噴き出した結果だったとも言えるかもしれません。こうした国民不安の底流は、国境を越えた世界各地での共通の広がりも予感させます。  世界中の注目を集めたアメリカ大統領選は、メディアの大方の予想を覆してトランプ氏が勝利しました。結果は、現状に強い不満を持つ白人中低所得層がトランプ氏の強烈なアピールに期待を寄せたからだと評されました。さらに、12月に行われた憲法改正の是非を問うたイタリアの国民投票もそうでした。政権運営に対する不満という形で結果があらわれ、レンツィ政権の交代を余儀なくしました。ことしは、フランス大統領選、ドイツの総選挙という大きな政治イベントもあり、欧州統合が今後力強く進むかどうかを含めた注視が必要でしょう。  欧州や一部のアジアでも見られる一連の状況は、今の政治に飽き足らない国民の不満が突き動かす要素があるのでしょう。それは、政治の側が民意を的確に受けとめて施策に反映し切れていないという課題も認識しなければならない事柄です。大きな社会変化が訪れている中では、政治が次の展望を示すことが重要です。さもなければ、こうした動きが政治の不安定化を招くおそれを否定できません。  こうした動きを、外交の専門家であり、キヤノングローバル戦略研究所研究主幹の宮家邦彦氏は、ナショナリズムとポピュリズムが合体した、醜く不健全で、時に非常に暴力的、そして排他主義的、非国際主義的な動きの塊を「ダークサイド」と呼び、潜在的な動きだったものがイギリス、アメリカで一気に火を噴いたと分析しています。そして、日本は幸いなことに富の再分配政策に戦後一貫して取り組んできた、80年代までは、内閣府の世論調査でも90%以上が中流意識を持っていた、しかし90年代以降、日本でも貧富の格差が少しずつ顕在化する傾向にあり、ヘイトスピーチに見られるような排外主義的な主張も聞かれる状況だ、この点は常に注意しなければならない部分だとし、反グローバリズムが顕著になる中で安定した外交を進めるためには、高齢世代とともに若年世代の生活の安定化を着実に実現していくべきだとしています。  国政だけにとどまらず、区政にかかわる我々にとっても示唆に富む分析ではないでしょうか。区の御所見を伺います。  今、区政に求められていることは何でしょうか。愚見を申し上げれば、区民生活全ての分野で超高齢化の対応が必要であり、全てのライフステージにおいて、切れ目のない希望の持てる施策を推し進めていくことではないでしょうか。この点、いかがお考えでしょうか。  常に時代の先を見詰め、先手を打っていくには何が必要でしょうか。それは、生活現場を熟知すること、課題解決への情熱を共有すること、壁を乗り越える知恵を集めること。言うはやすく行うはかたしですが、トップ企業はこうして道を、時代を切り開いてまいりました。区長以下、職員の皆様にこのような姿勢を持ち続けていただきたいと思いますが、御見解はいかがでしょうか。  10年先を見据えて策定した基本構想、10年ビジョンは、箱根駅伝に例えれば、今年度は往路の最終山登り、保育緊急事態宣言を発し、力走しました。山の神になったかどうか、結果はまだですが、今年度も含め、この5年間の成果とその評価はいかがでしょうか、お尋ねいたします。  ここで一言、苦言を申し上げておきます。  公園を保育園に転用するという山登りは大変疲れました。向井公園の球戯場は、保育部局から代替のいいものをつくると約束しながら、学童所管や公園、建築所管との意思の疎通が曖昧で、面積こそほんのわずか広くなったものの、使い勝手の悪い設計となっておりました。区民要望を尊重し、設計変更を提案しましたが、らちが明かず、区長への提言となってしまいました。保育施設整備担当の思いが他部局に伝わらず、中途半端な成果と区民の不満が残るところでした。先ほど申し上げた課題解決への情熱の共有こそ、区民ニーズに応える道です。縦割りの組織でなく、スムーズな連携が図れるよう対策をお願いいたしますが、いかがでしょうか。  10年ビジョンもいよいよ復路です。区長は、平成29年度予算を「時代の先を見据え、10年ビジョンを加速させる予算」と名づけられました。復路のスタート、山下り、いいネーミングです。大いに加速していただきたいと思います。  まず、財政運営について伺います。  区長は、持続可能な財政運営を図るために財政の健全性の確保に努めたと述べられました。歳入の見込みについては、経済の不透明感を背景に、区税収入以外の主な税収は、東京都の見通しを踏まえて、軒並み大幅減を見込んでいます。一方、歳出については、保育定員の大幅な増加や、学校を初めとする大規模な区立施設の改築等に係る経費など、大幅に増加する要素があります。財政の健全性を保ちつつ、将来に向かって必要なサービスを継続的に提供できる持続可能な財政運営が求められるという、非常に難しい時代にあると考えております。  区の財政運営の全体的な方針に関しては、現行の財政健全化と持続可能な財政運営を確保するための5つのルールを、公会計情報を組み入れたより事前統制的な仕組みを取り入れたり、経常収支比率などの数値目標も時代に合わせて見直しをしたりするなど、検討が必要ではないかと考えます。区の御所見を伺います。  本予算案の編成においても、財政調整基金からの取り崩し額を、28年度の計画においては9億円であったものが29年度については45億円と、大幅な取り崩しを前提としています。我が会派が一貫して主張してきましたが、より強固で安定した財政基盤を築くには、財政のダムの構築は不可欠です。財政のダムの構築に向けた今後中長期の見通しについて、改めて確認をさせていただきます。その中長期的な見通しにおいて本予算はどういう位置づけとなるのか、お聞かせください。  区債の発行については、あんさんぶる荻窪の財産交換による消費者センター、就労支援センター、杉並福祉事務所等の移転整備費用、また永福体育館の移転改修費、さらには仮称天沼三丁目複合施設内子ども・子育てプラザの整備など、50億5,800万円余の起債を予定しています。これらは必要な事業であり、起債の必要性は理解するものですが、金利動向を踏まえた上で、より効率的、経済的な起債活動に取り組むべきです。御所見を伺います。あわせて、低金利の時代における区債の発行や基金の運用管理など、区の財務戦略についてもお聞かせいただきたいと思います。  予算編成に当たっては、「首都直下地震等に備えた減災・防災対策の推進」、「将来にわたるにぎわい創出に向けた環境整備と魅力発信」、「豊かなみどりと持続可能な環境を次世代に継承」、「超高齢社会の進展を見据えた健康づくりと福祉の充実」、「未来を担う子どもたちのための教育・支援の拡充」の5つの視点に意を用いたとしております。  以下、これら5つの視点に関する施策について質問してまいります。  まず、「首都直下地震等に備えた減災・防災対策の推進」について幾つかお尋ねいたします。  1ドルの防災事前投資が7ドルの復興コストに匹敵すると言われています。防災は、人命を守るだけではなく、復興コストを抑制するものと肝に銘じるべきです。御見解はいかがでしょうか。
     区独自の地震被害シミュレーションの結果をすぎナビに活用し、被害想定や減災対策の取り組みを見える化するとのことですが、シミュレーションの結果はいつどのように発表するのでしょうか。また、すぎナビを活用するとのことですが、見える化の手法についてもお聞きいたします。  昨年は、熊本地震や鳥取県中部地震、台風など、相次ぐ自然災害に見舞われました。被災された皆様の一日も早い復旧復興をお祈り申し上げます。  被災現場ではさまざまな課題が浮き彫りとなりました。熊本地震では、耐震改修がおくれていた庁舎や病院などが損壊し、防災拠点として機能しないケースが相次ぎました。北海道や岩手を中心に襲った台風による集中豪雨では、堤防の決壊による河川の氾濫で、災害弱者の避難体制や堤防の強化などが課題となりました。糸魚川市の大規模火災では、その原因に、強風とともに木造建築物の密集が指摘されました。他方で、防災無線や地域住民による声かけが早期の避難につながったことは、地域防災力の重要性を改めて認識するものでした。  現状、杉並区はどうでしょうか。新たな地域コミュニティーの構築も視野に入れた地域防災力の向上が必要なのではないでしょうか。御見解はいかがでしょうか。  火災の恐ろしさは、糸魚川市の報道で再認識したところです。震災時では通電火災が課題となりますが、効果的なのが感震ブレーカーです。当区では、我が会派の提案で感震ブレーカーの設置支援を行っております。しかし、設置支援事業の件数が伸び悩んでいると聞いております。設置を促す新たな方法を検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。  さらに、震災救援所の立ち上げ等の訓練も、地域によりその濃度が異なります。HUG訓練などをもっと取り入れ、避難所の運営を体感することも重要です。杉並建設防災協議会では、天沼中学校のコミュニティ・スクールからの要請を受け、OB、生徒とともに天沼中HUGカードを作成しました。作成することも、ゲームに取り組むことも、大変ためになったと伺いました。区の見解はいかがでしょうか。  都はこれまで「東京防災」を発行、配布しています。さらに、都の来年度予算案には、女性の視点の防災ブックの作成、女性の防災リーダー育成事業もうたっております。まつば多美子都議の提案を知事が採用したものです。当区においても、さらに女性の視点に立った防災対策を推進すべきと考えますが、御所見を伺います。  続いて、「将来にわたるにぎわい創出に向けた環境整備と魅力発信」についてお伺いしてまいります。  まず、オリンピック・パラリンピックに向けた機運の醸成について、4点お尋ねいたします。  2020年東京オリンピックパラリンピックを迎えるに当たり、今こそユニバーサルデザインのまちづくりのチャンスです。区内の公共施設のバリアフリーはどの程度進んでいるのでしょうか。また、まちのバリアフリーは今後どのように進めていかれるのでしょうか。さらに、世界各国から多くの方々が日本を訪れ、杉並区にもさまざまな国の方が来られると思いますが、言葉のバリアフリーにはどのように取り組むのでしょうか、お伺いいたします。  2020年インバウンド4,000万人の目標も、杉並区が取り残されては意味がありません。ゴールデンルートに集中する外国人旅行者の流れをどう取り込むのか、リピーターや長期滞在者をどうすればふやせるのか。外国人に限らず、来街者をふやすには来街プロモーションが必要となるでしょう。戦略的広報の推進とあわせて御所見をお示しください。  オリンピック・パラリンピックは文化の祭典でもあります。当区における文化プログラムの取り組みはどうなっているのでしょうか。  次に、駅周辺まちづくりの推進について、3点お尋ねいたします。  遅々として進まないのがまちづくりです。何もない広大な土地に新たなまちをつくるのと違い、人口の密集する区内では根気の要る取り組みです。そう理解した上でお尋ねいたします。  荻窪駅周辺のまちづくりについては、今年度中に区としてのまちづくり方針を策定すると聞いております。その方針の考え方と今後の進め方についてお伺いいたします。  荻窪駅に関連して、駅のホームドア設置についてお伺いいたします。  国と都は乗降客10万人以上の駅に設置する方針のようですが、区内で該当するのは荻窪駅だけです。荻窪駅周辺には視覚障害者の施設が多くあります。地域住民のホームドア設置を要望する声が大きいほど、早期設置につながると思われます。区として働きかけをすべきと思いますが、いかがでしょうか。  阿佐ケ谷駅周辺のまちづくりについては、予算編成方針の中でページを割いて言及しております。杉一小の改築が中心となりますが、もちろん子供たちの教育環境の向上を第一に考えるわけですが、移転改築ができれば、子供たちへの負担もなくなります。仮校舎の建設等を考えれば、コストも安く上がります。しかし、老朽化した校舎がいつまで使えるのか、安全対策に万全を期さねばなりません。  また、救急車がより速く病院に到着するルートも確保したいものです。区民センター等の整備の時期も悩ましいところです。地権者との丁寧な話し合いと大胆な発想での取り組みを期待するものですが、区の御見解を伺います。  「豊かなみどりと持続可能な環境を次世代に継承」について伺ってまいります。  まず、荻外荘公園整備についてお伺いいたします。  荻外荘は、近衛内閣時代における重要な政治会談や組閣の舞台となった場所として、昨年3月に国の史跡に指定されました。荻窪会談が行われた客間や玄関等の部分は昭和35年に豊島区へ移築されました。その建物の譲渡について、現所有者と基本的な合意を得たとお聞きしております。喜ばしいことです。今後の建物の復原整備の進め方についてお尋ねいたします。  次に、食品ロス削減に向けた取り組みの推進についてお尋ねいたします。  世界的には、全人口が食べられる食料が既に生産されています。しかし現実には、食べられない人がいる一方で大量に廃棄されており、先進国では特に廃棄の問題が大きく、国連は廃棄量を半減させようという目標を採択しています。  中でも、まだ十分食べられるのに捨てられる食品ロスの削減に日本が先駆的に取り組むために、公明党は食品ロス削減推進プロジェクトチームを立ち上げました。日本の食品ロスは年間632万トンに上り、これは日本で生産する魚介類の量に匹敵します。一方で、日本でも子供の貧困が注目され、夏休みになると、学校給食がないために子供が痩せてしまうという事態も起きています。  食品の大量廃棄と子供の貧困、この2つの問題を解決するために我が党は取り組みを進めています。詳細は省きますが、区は食品ロス削減の取り組みについて、近々に、我が会派が提案したフードドライブを実施すると聞いております。仮称杉並もったいない運動は、そうした取り組みを踏まえたものだと思いますが、具体的にどのように進めていくのか、お示しいただきたいと思います。  区内にある街路灯の水銀灯の光源をLED化するための予算が計上されております。対象となる水銀灯は区内全体で約1万6,000灯となるため、期間も費用も相当かかるのではないかと思われます。水銀に関する水俣条約の発効を見据え、LED化により環境負荷を軽減していくため、今後どのように取り組んでいかれるのか、区の御見解を伺います。  次に、「超高齢社会の進展を見据えた健康づくりと福祉の充実」について伺ってまいります。  高齢者が在宅で安心して暮らせる生活を支援するために、双方向でのコミュニケーションが可能なICTを活用した見守りのモデル事業を実施するとしています。高齢化率がさらに上昇し、人口減少などが進むこれからの社会においては、こうした先進技術を活用して直面する課題の解決に生かすという課題解決型のイノベーションの必要性がますます増してくると考えます。この点についての区の御所見を伺うとともに、本モデル事業を通した今後の展開について、区のお考えをお示しください。  全国初の取り組みでもある南伊豆町との自治体間連携による特養ホームが、来年1月に開設予定となりました。改めて、本事業が持つ意義と開設までの予定をお伺いいたします。  また、既存の圏域を超えた新しい形の特養は、都内でも実現すべきと考えます。区の交流自治体である青梅市との構想があると聞いておりますが、現在の取り組み状況と今後の課題についてお伺いいたします。  高齢社会に備え、区民にはいつまでも健康でいていただく取り組みが重要であります。地方での暮らしに関心を持つ区民を対象に、区は、小千谷市との自治体間連携によるおぢやクラインガルテンふれあいの里の利用を支援しておりますが、期待される成果と今後の展開についてはいかがでしょうか、お伺いいたします。  また、南伊豆町お試し移住については、区民の間で高い関心を集めていると聞いております。南伊豆町も町を挙げて積極的に取り組んでいこうとしているようですが、今後区はどのように推進していくのか、課題もあわせてお伺いいたします。  超高齢社会の今、医療のあり方も大きく姿を変える必要に迫られております。これまでの病院中心の医療からかかりつけ医による在宅医療へと、地域医療を充実する必要があります。一方、在宅医療に関する区民のイメージは非常に希薄な状況にあるようです。区は今後どのように在宅医療を進めていくのか、御所見を伺います。  先ごろ日本老年医学会は、高齢者の定義を、現在の65歳以上から75歳へと見直す提言を発表しました。若々しく年をとる国民がふえているのは大変すばらしいことであります。  歯と口腔の健康は身体全体の健康に直接関係し、また、在宅療養者の安全な食事の支援や誤嚥性肺炎の予防などから口腔ケアの充実が欠かせないことは、我が会派もこれまで主張してきたことであります。したがって、今回区が口腔機能チェックのモデル事業を実施し、かみ合わせや食事内容等の改善効果を検証することについては、高く評価したいと思います。歯と口腔内の健康を保持するのは、高齢者のみにとどまらず、あらゆるライフステージにおいて大切であり、区民の健康寿命の延伸に大きく寄与するものと考えます。こうしたことを踏まえて、平成29年度予算における本区の歯科医療の施策展開をお伺いいたします。  超高齢社会の進展を見据えた健康づくりでは、平均寿命と健康寿命の差が大きい女性への取り組みがとりわけ重要と考えます。どのような視点から充実していくこととしているのか、お伺いいたします。  最後の視点、「未来を担う子どもたちのための教育・支援の拡充」についてお尋ねしてまいります。  まず、増加する保育需要を見据えた施設整備の推進及び保育の質の維持向上についてお伺いいたします。  28年度に予定を上回る2,300名もの定員増を確保できる見込みが立った今、杉並区の保育は次のステップに進む時期が到来したと感じております。29年度は、実行計画に基づき、1,000名規模の定員を確保する予定とのことですが、この定員数を着実に達成していくことは当然として、今後は、これまでの常識にとらわれない手法により、保育所の整備の拡充を図るべきと考えます。例えば地域偏在の解消に向けて、交通に支障のない地域においては送迎ステーションを設け、車で保育園に送迎を行い、保護者の送迎の負担を軽減する、また、他施設との複合化を図り、機能の相乗効果を生み出すことなどが考えられます。区は保育所の整備について新たな取り組みに着手するお考えはありますか、御所見を伺います。  加えて、保育の質の維持向上に関してですが、施設をつくって受け入れ定員が足りればよいということではありません。これだけ大規模な施設整備を行い、大量の保育士を確保したとなれば、当然にその質を問われることになります。新たに採用や配属される保育士は、資格を有した者であることは当然でありますが、実務でその知識が生かせるのか、また、短期間で施設長や先輩保育士たちから、豊富な経験や今まで培われてきた保育のコツなどがしっかりと受け継がれるのかが問われます。区は、たとえ民間施設であったとしても、その育成や指導を事業者任せにせず、大所高所に立った助言や支援が不可欠であります。そのためには、元公立園長などによる巡回相談や心理専門職による巡回指導についてはもとより、研修制度全体なども含んださらなる充実を図るべきと考えますが、区の御所見はいかがでしょうか。  次に、仮称就学前教育支援センターの整備についてお伺いいたします。  我が会派は、就学前教育の一層の推進に向けた体制構築を図るよう求めてきたところであります。仮称就学前教育センターを新たに整備する意義と、区内の就学前教育施設の期待にどう応えていくのか、お伺いいたします。また、同センターの整備により、小1プロブレムの解消を図る取り組みの充実も求められますが、区の御見解はいかがでしょうか。  教育の原点は子供の幸福にあります。しかし、子供にとって楽しく学ぶ場であるはずの学校が、いじめなどの深刻な問題により、生きる喜びが奪われてしまうことがあります。昨年の調査結果では、いじめの人と件数が過去最多となりました。いじめの兆候を早期に把握しようとする学校現場の機運の高まりとの見方もありますが、深刻な数字と受けとめ、これまで以上に未然防止や相談体制の充実に全力を挙げるべきです。そして何よりも、未来の宝である子供たちを苦しめるいじめは絶対に許さないとの気風を社会全体で確立することがいじめの根絶につながります。区の御所見を伺います。  また、不登校児童生徒の数は多数に上ります。全ての子供にとって学ぶ権利は尊重されなければなりません。さきの臨時国会では、フリースクールや夜間中学など、多様な学びの場を提供するための教育機会確保法が議員立法で成立しました。同法の趣旨を踏まえ、学校に行けない児童生徒に学びの場を確保していただきたいと思います。「ひとしく教育を受ける権利を有する。」との憲法26条を社会の変化に応じて具体化していく取り組みが求められます。御見解はいかがでしょうか。  最後の質問です。天沼小学校では、改築以降の入学児童数が増加し、普通教室が不足する状況が続いており、少人数教室や図書室、パソコン教室などを転用して対応している状況であります。新しくなった校舎の児童がふえることは喜ばしいことですが、教育環境の向上に向けた改築であったはずであり、十分な教室の確保を望むものであります。  学校以外の施設でも、利用形態の変化に応じて間取りの変更ができれば利便性が向上します。学校の改築に当たっては、将来の児童数の推移などや、長期最適、全体最適の視点で教室数を計画することも理解いたしますが、普通教室が不足した場合でも柔軟に対応できるスペースや、フレキシビリティーな構造も必要であると考えます。御見解はいかがでしょうか。  区長は施政方針の最後に、現役最高齢棋士である加藤一二三氏に言及されました。1982年、第40期名人戦、名人10連覇を目指す中原誠対悲願の名人位獲得にかける加藤一二三。結果は、4勝3敗1持将棋2千日手で加藤一二三氏の勝利。十番勝負となった名人戦史上に残る名勝負となりました。  加藤氏の好きな駒は銀将。棒銀戦法の使い手らしい選択です。氏は、銀は営業部長と評しています。鋭角的でどんどん前に出るから、うまくいけばよくなり、会社でいえば営業部長で、改革して業績を拡大するイメージがあるからとのことです。1手に7時間も長考したり、対局中に相手の背後に立って盤面を見るなど、最善手にかける執念はすさまじいものがあります。  どうか区長におかれましては、杉並区の明るい未来を築くべく、最善手を打つ努力を持続していただきたいと思います。我が杉並区議会公明党も、希望の行き渡る杉並区を目指し、向上心を忘れず、精進してまいることをお約束し、代表質問を終わります。 ○議長(井口かづ子議員) 理事者の答弁を求めます。  区長。       〔区長(田中 良)登壇〕 ◎区長(田中良) 杉並区議会公明党を代表しての島田敏光議員の御質問にお答え申し上げます。  初めに、反グローバリズムといった社会情勢に対する区の所見及び超高齢社会への対応についてのお尋ねにお答えをいたします。  近年、貿易、投資の自由化が進み、世界経済の統合、いわゆるグローバル化が進展をしております。こうした動きは世界経済の成長に寄与し、各国の1人当たりのGDPは平均的に見て上昇してまいりましたが、グローバル化を所得格差の原因と捉える見方が諸外国において拡大をしてきているようでございます。  我が国におきましては、現時点では、他の先進諸国に比較して所得格差は相対的に小さいものの、生活困窮に至るリスクの高い層も一定程度存在をするため、生活困窮者の自立支援を推進しているところでございます。  また、EUからの離脱の是非を問う英国の国民投票では、僅差で離脱支持が上回りましたが、若い世代の多数が残留を支持し、逆に高齢世代の多数が離脱を支持していたことから、今後、将来、若者の間に不満がくすぶり、世代間の政治的分断が生ずるのではないかとの懸念、見方もあるようでございます。  我が国においても、近年、社会保障関連経費の増加に伴いまして若い世代の負担が増加をする中、このままではそうした危惧が全くないとは言い切れません。こうしたことから、島田議員の御指摘のとおり、私も、高齢世代とともに、若年世代が安心して暮らすことができる社会づくりを行っていくことが急務であると認識をしております。  また、区民生活全ての分野において超高齢社会への対応が必要でありまして、全てのライフステージにおいて希望を持てる施策を展開していくべきとの御指摘がありましたが、区も同様に認識しております。高齢者の専用施設の多世代型への転用や健康寿命の延伸を図るための健康づくりなど、高齢者対策にしっかりと取り組むとともに、子供、若者、生活困窮者やひとり親家庭、障害者、元気高齢者、支援を必要とする高齢者など、誰もが住み続けたい、住んでみたいと思ってもらえるような施策、事業を展開してまいりたいと思います。  次に、時代の先を見詰め、先手を打っていくための姿勢についてのお尋ねでございます。  私は、目まぐるしく変化する社会の動きを常に見きわめ、先手先手を打って対処しなければ大きなおくれをとり、結果として区民サービスに支障を来しかねないと考えております。そのためにも、職員が常に能動的な意欲を持ちながら、区民の視点に沿って地域の実情を受けとめ、必要があれば国や都とも渡り合い、制度改善や新たな仕組みの構築につなげていくことが区民福祉の向上に不可欠であると認識をいたしております。  島田議員の御指摘のとおり、区政のトップである私や管理職が先手を打つという姿勢を職員に示すことにより、職員一人一人が、これでよしと現状に甘んずることなく、常に時代の先を読み、絶えず先手を打ち続けるといった組織風土をさらに強固にしていく決意で一丸となり、区政の課題解決に果敢に臨んでまいりたいと考えております。  次に、この5年間の成果と評価についてのお尋ねでございます。  区はこれまで、区政を取り巻く環境が大きく変化する中、区民福祉の持続的な向上を図っていくため、自治体スクラム支援の推進、区域外の特養ホームの整備、狭隘道路の拡幅整備、1年で2,300人を超える規模の保育定員の確保など、前例がなく、制度や財政面などの課題がある取り組みについても果敢にチャレンジしてまいりました。建築物の耐震化率、不燃化率など、現時点では成果指標とした目標値を下回っている施策もございますが、多くの事業で確実に目に見える成果があらわれつつあると評価しております。  次に、組織間の連携に関するお尋ねでございます。  向井公園を保育施設として転用するに当たりまして、公園の球戯場を下井草自転車集積所に設けるということは、住民説明会において区民から球戯場の存続を強く要望されたことを受けまして、関係部署が近隣に設置可能な場所がないかを短期間で検討した結果でございます。  その後、下井草自転車集積所につきましては、未利用都有地の活用を前提に、29年度中に廃止することが可能となりまして、今後の学童クラブの需要増に対応するため、桃五学童クラブの増設を図る計画といたしました。本計画の検討を行う中で、球戯場は当初保育部門が描いていた面積よりも狭くなり、御指摘のとおり、地域の方々から不満の声が寄せられました。こうしたことから、私が指示を出し、再び関係部署の職員たちが短期間で調整を行い、増設する学童クラブの配置を変更することによりまして、従前の球戯場を大きく上回る面積を確保することといたしたものでございます。  昨今の行政課題は、保育に限らず、1つの部署だけでは解決が困難なことが多く、部署間の垣根を越えた連携なくして課題の解決はなし得ません。このたびは、島田議員には大変御心配をおかけいたしました。今後はこうしたことがないように、さらにスムーズな連携が図れる組織づくりに尽力をしてまいりたいと存じます。  次に、財政運営に当たっての公会計情報を組み入れた事前統制的な仕組みづくりについてのお尋ねにお答えいたします。  少子高齢化の進展に伴いまして社会保障関連経費が増大する一方、大幅な税収増が期待できないという中で、今後ますます、限られた財源をより効果的に活用することが求められております。その手法の1つとして、事業のトータルコストを把握して、運営の主体、手法、また委託等を行う場合のその範囲と、より効果的、効率的な手法を選択していくことが必要となります。そのためにも、今後は、現金収支ベースでは把握できない減価償却費等の公会計情報も踏まえた予算編成について、検討を進めてまいりたいと考えております。  また、御指摘のとおり、経常収支比率のみをもって、その自治体の財政の健全性を判断することはできませんので、今後は、公会計情報から得られる資産老朽化比率や将来負担比率などを組み合わせることで将来負担を把握し、公表していくことなどを含め、新たな指標等について検討を重ねてまいりたいと思います。  次に、財政のダムの構築に関してでございます。  今後の著しい景気の落ち込みによります大幅な減収や大規模災害時の対応に備えまして、安定的、継続的な行政サービスを提供していくための財政のダムの構築が必要であるという考えに変わりはございません。しかし、基金の積み立てにより将来に備えると同時に、将来を見据え、今取り組まなければならない事業に対しては、時期を失することなく、必要な予算を投入しなければなりません。今後とも厳しい財政状況が続くことが予想されますが、両者のバランスを図りながら不断の行財政改革に努め、中長期的には確固たる財政のダムを構築してまいる所存です。  また、中長期的な見通しにおける本予算の位置づけに関するお尋ねもございました。本予算は、待機児童対策や老朽施設の更新など、将来を見据え、先送りできない課題に取り組むために必要な投資を行う予算と位置づけられるものと考えております。  次に、効率的、経済的な起債の活用に関する御質問でございます。  世代間の負担の公平性の確保と財政負担の平準化を図るため、今後も起債を行う必要がありますが、今後の施設の改築改修を見据えた場合、より効率的、経済的な資金調達の方法を追求していく必要があります。現在、政府資金は20年以上の長期にわたって0.3%程度の金利となっておりますので、政府資金の対象となる施設の起債を優先し、対象外の施設につきましては、行財政改革を推進し、一般財源の確保に努め、民間資金を充てる額をより少なくするような資金調達を行うことも必要と考えます。また、毎年の公債費の額を考慮しつつ、長期、短期の借入期間の選択や返済状況を見据えた据え置き期間の短縮、繰り上げ償還などについても検討してまいります。  また、区の財務戦略についてのお尋ねもございました。日本銀行は、マイナス金利政策による目標物価上昇率2%達成まで、今後2年程度を要するといたしております。よって、当面は現状の低金利の状況が継続するということが想定されますので、経済の動向を踏まえて、借入金利と運用金利を比較しつつ、引き続き区債と基金の活用のバランスをとってまいります。その上で、基金の運用は年度ごとの資金需要に対応することを念頭に置き、資金の流動性を確保しつつ、金利低下の状況でも運用益を得られるように努めてまいります。  次に、防災事前投資に関するお尋ねにお答えいたします。  災害は、人命だけでなく、それまで個人、企業、社会が築き上げてきた財産、資産などを一瞬で奪います。人命とともに財産、資産なども災害から守ることで、真の意味で災害から人を守ることになるものと考えております。  御指摘のとおり、防災に事前投資をすることにより被害が小さくなれば、応急対策や復旧復興における経費や時間は格段に少なくなります。このような認識のもと、被害を最小限に抑えるために、倒れにくく燃えにくいまちを実現するということが不可欠でありまして、耐震改修の促進や不燃化の推進とともに、震災時の火災危険度が高い木造住宅密集地域の安全性を高めるため、狭隘道路の拡幅整備や電柱のセットバックに力を入れて取り組んでいるところであります。  なお、ハード面の取り組みは一歩ずつ着実に進めてまいりますが、住民との合意形成や費用の面から、ある程度の時間を要しますので、地域の防災力の強化など、ソフト面とあわせて取り組んでいくことが重要であると考えております。  次に、地震被害シミュレーションの結果公表に関するお尋ねでございます。  結果公表については、新年度のなるべく早い時期に広報や区のホームページなどで公表するとともに、不燃化特区を初め、危険度の高い地域を対象に現地説明会、オープンハウスを開催するなど、地域での公表も考えております。また、区民の皆様に手軽にわかりやすく被害想定などをごらんいただくため、すぎナビを活用し、スマートフォンなどでその場の火災危険度などの情報を画像として見ることができるアプリを構築してまいります。こうした取り組みを通して、一人でも多くの区民の皆様に防災・減災を考えるきっかけとしていただいて、災害に強い安全・安心のまちづくりを進めてまいります。  次に、減災・防災対策に関連する一連の御質問にお答えをいたします。  まず、地域防災力の向上に関するお尋ねですが、新潟県糸魚川市の大規模火災は、木造住宅密集地域を抱える当区にとりましても、教訓として生かしていくことが必要であると考えています。この大規模火災の出火原因は、1つの火の不始末から発生したものでありまして、一人一人の出火防止の大切さを再認識いたしました。また、死者が出なかったということは、昼間の火災であったことに加えまして、近隣の方による高齢者などの避難誘導のたまものでありまして、日ごろの災害時要配慮者の把握が大切であると痛感をいたしました。さらに、出火の初期や飛び火による同時出火では、住民による消火活動が延焼防止や拡大のスピードをおくらせる効果があると改めて感じたところであります。  こうした認識のもとで、身近に配備しているスタンドパイプ等による訓練をきっかけとして防災意識を高めて、日ごろから顔が見える関係を築いていくことなど、地域ぐるみの交流が行われるよう支援していくことで地域の防災力を高めてまいります。  次に、感震ブレーカーの設置拡大に関するお尋ねですが、現在想定される東京湾北部地震では、区内で地震火災により約2万3,000棟の焼失、400名を超える死者と推計をされておりまして、地震火災対策はこれが最大の課題となっております。  火災原因としては、地震の揺れによる出火や電力復旧後の火災が危惧をされておりまして、その危険度の高い地域の世帯に対して、感震ブレーカーの設置支援を始めております。平成28年度末の設置見込みはおよそ800台ですが、さらに設置数をふやしていく考えであります。そのため、新年度からは、対象地域内の火災警報器、家具転倒防止器具の取りつけ助成世帯の設置費用を負担することで、早期に感震ブレーカーの普及を図り、災害時の電気火災を防止して、地域防災計画に掲げた首都直下地震による死者ゼロを目指す取り組みを進めてまいります。  次に、HUG訓練の拡大に関するお尋ねでございますが、大地震が起こったとき、救援物資の配布作業や避難者の配置など、震災救援所の運営には多くの区民の皆様の協力が必要です。ふだんからHUG訓練等の図上訓練と立ち上げ訓練を繰り返し行うことは大変有効なため、区といたしましても、積極的にHUG訓練の実施を各震災救援所運営連絡会に働きかけているところでございます。  御指摘がありましたように、その地域の環境や特性などを反映したカードを作成することも大変重要だと認識をいたしております。天沼中学校のHUGカードを各震災救援所の参考といたしまして、実情に即したマニュアル整備に生かすとともに、より充実したHUG訓練を広めてまいりたいと考えております。  次に、女性の視点に立った防災対策に関するお尋ねでございますが、限られた空間で多くの人が集団生活をするという震災救援所においては、女性への配慮、これは欠かせないことでございます。そのためには、震災救援所の計画立案から災害時の運営において、女性の参画は重要だというふうに思います。  区では、東日本大震災の教訓から、女性だけでなく、高齢者や障害者といった災害時要配慮者の視点を盛り込んだ震災救援所運営管理標準マニュアルを策定いたしまして、各救援所訓練を通して周知しております。また、平成28年度から、防災会議委員に新たに1名の女性委員に加わっていただきまして、女性の視点を生かした防災対策を推進しているところでございます。  今後も、女性の視点に配慮した運営計画立案や訓練実施を支援するとともに、日ごろから連絡会や研修会への女性の参加を呼びかけ、女性が地域防災の担い手として活躍できる環境づくりを進めてまいります。  次に、公共施設やまちのバリアフリーのお尋ねにお答えをいたします。  区ではこれまで、杉並区バリアフリー推進連絡会等を通じ、障害者や高齢者、団体、町会、商店街や子育て世代の方々から意見を聞きながら、関係事業者の御協力のもとに、さまざまなバリアフリー化の取り組みを進めてまいりました。区内の駅のホームにはエレベーターやエスカレーターの設置が進み、町にはノンステップ化した路線バスが多く見られるようになりました。歩道の段差解消や点字ブロックの設置も進んでおります。また、公共施設や民間商業施設のバリアフリー化も着実に進んでまいりました。  今後も、駅を中心に、高齢者、障害者が多く利用すると思われる公共性の高い施設、商業施設や施設を相互に結ぶ経路も含め、より面的、一体的なバリアフリー化に向け、区民や関係事業者の御理解と御協力をいただきながら、関係部署と連携してさらに取り組みを強化してまいります。  次に、言葉のバリアフリーについてのお尋ねにお答えいたします。  御指摘のとおり、杉並区でも在住外国人が増加をしてきておりまして、地域の中における外国人との良好なコミュニケーションの確保は、大切な課題となっております。その場合の壁は、御指摘のとおり言葉の壁であります。  そこで区では、交流協会とともに、オリンピック対応とあわせ、英語による外国人おもてなし講座を開催してきておりまして、新年度も当該講座を開催する予定です。また、多言語化の中で、英語だけでは対応できないため、交流協会では、易しい日本語で外国人とコミュニケーションする外国人コミュニケーション講座を行っております。この易しい日本語で話す講座は好評で、新年度は商店街などと協働で取り組んでいく予定でございます。
     次に、来街者をふやすためのプロモーションと戦略的広報に関しての御質問でありますが、私は、来街者増のためには、さまざまな広報媒体の特性を効果的に活用しながら、わかりやすい情報発信をタイミングを逃さずに行う戦略的広報の視点が大変重要だと思います。  そうした観点から、外国人を含む観光客に対する広報、プロモーションについては、旅行前や移動中、滞在時を想定し、それぞれの時点に応じて行う効果的な情報発信が必要と考えております。そのため、観光大使による海外現地での広報活動や、多言語化によるウエブ、SNSでの情報発信、機内誌や国内のホテル内に設置する情報誌への記事投稿、着地型旅行企画の案内等を行っております。  このように、多くの情報の中から杉並区を選んでいただけるよう工夫を凝らしながら、観光客の行動に合わせて区の魅力を発信することで、常に杉並区に対する興味、関心を高め、来街者の増につなげていく考えでございます。  次に、文化プログラムの取り組みについてのお尋ねにお答えいたします。  区の東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた文化プログラムの取り組みでございますが、昨年11月に、すぎなみフェスタに合わせて、西荻地域区民センターで「『オリパラソル』をつくろう」という事業を開催いたしました。この事業は、大会組織委員会が認証する公認プログラムとして実施したもので、会場に訪れた子供たちが東京オリンピックパラリンピックへの思いを傘に描き、自分だけのオリジナル、オリパラソルを作成いたしました。ここで作成した一部のオリパラソルは、来年5月に行われるオリンピック・パラリンピックフラッグツアーを初め、関連イベント等で活用をしてまいります。  また、海外に向けました文化プログラムの取り組みとしましては、協働提案事業、すぎなみ戦略的アートプロジェクトにおいて英語版ブックレットの制作を進めております。このブックレットは、杉並公会堂や杉並芸術会館、アニメーションミュージアムといった杉並が持つハード面の魅力に加え、杉並にゆかりのあるアーティストとその作品を写真と英文で紹介するものでございます。  今後は、こうした文化プログラムの取り組みのほか、区の附属機関である文化・芸術振興審議会や区民懇談会において検討していただいている提案内容なども順次取り入れて、実施してまいりたいと考えております。  次に、荻窪駅周辺のまちづくりに関するお尋ねにお答えいたします。  荻窪駅周辺まちづくりにつきましては、荻窪まちづくり会議からのまちづくり構想の提案や、まちの特徴、課題を踏まえ、まちの動向や社会経済状況の変化に対応しながら、区民、事業者、行政が一体となって戦略的、計画的にまちづくりを推進していくため、まちづくり方針の策定を進めております。まちづくり方針においては、まちの将来像や目標等を明らかにするとともに、交通関連の取り組みと連携した総合的、一体的なまちづくりの推進等に取り組むこととしております。  今後、荻窪駅周辺における総合的な交通のあり方と、必要となるハード、ソフトの取り組みなどについて、交通事業者等と連携して検討を進め、総合交通戦略を策定、推進するなど、まちづくり方針の具体化に向けて取り組んでまいります。  次に、駅のホームドアの設置についてお尋ねがございました。  ホームドアは、視覚障害者の方などのホームからの転落防止や列車との接触防止に非常に有効でございますが、区内の鉄道駅におきましては、地下鉄丸ノ内線では全駅に設置されておりますが、JR荻窪駅も含めその他の鉄道駅では、現時点では設置されておりません。未設置の駅につきましては、駅ホームにおける安全対策の取り組みとして、これまでも、内方線つき点字ブロックの設置や非常停止押しボタン等の整備が進められてきたところですが、相次いで転落事故が発生しており、さらなるホームドアの設置を加速化させることが必要であることを改めて感じたところでございます。今後、杉並区バリアフリー推進連絡会などを通じ、鉄道事業者に対し、ホームドアを早期に設置するようさらに強く求めてまいります。  次に、阿佐ケ谷駅周辺まちづくりと杉並第一小学校の建てかえ計画についてのお尋ねにお答えいたします。  現在の病院用地への小学校の移転改築の可能性については、議員御指摘のとおり、病院及び地権者との丁寧な話し合いが必要であると考えておりまして、現在、想定される事業手法等について検討、調整を進めているところでございます。また、小学校のほか、阿佐谷地域区民センター、産業商工会館を含め、施設の場所、規模、整備スケジュールなどについても具体的な検討を行っております。  病院や区立施設の建てかえ、それに伴う道路基盤の整備などは、地域の将来を大きく左右するものであるため、改めて方針を決定するに当たりましては、教育環境の向上を第一に、防災機能の向上、まちのにぎわい創出などの視点から多面的な検討を行い、地域の皆様の御意見をしっかり伺った上で、地域の将来を見据えて総合的に判断してまいります。  次に、仮称荻外荘公園の整備に関するお尋ねにお答えいたします。  区ではこれまで、豊島区内に移築をされた荻外荘の建物の再移築について、所有者との間で交渉を行ってまいりました。このたび、移築建物の譲渡について、適正な補償を行うことを前提に、基本的な合意を得ることができました。今後は、所有者と移築時期等について引き続き詳細な協議を進めるとともに、文化庁や東京都、有識者等の意見を伺いながら整備基本計画の策定に着手するなど、復原整備に向けた取り組みを加速化してまいります。  次に、食品ロス削減の取り組み、仮称杉並もったいない運動についての御質問にお答えをいたします。  現在、日本の食品廃棄物は年間約1,700万トンで、そのうち約500万から800万トンが食べ残しなどの食品ロスと試算されておりまして、その削減が国民的課題となっております。こうしたことから、区では、御指摘の、家庭で余っている食品を持ち寄り、福祉団体などに寄附するというフードドライブを本年3月の蚕糸の森まつりで実施いたしました。また、新年度では、環境清掃審議会に諮り、同審議会に部会を設置し、消費者、事業者、環境団体などとの連携協力のもと、仮称杉並もったいない運動を立ち上げ、フードドライブのすぎなみフェスタなどへの拡充、宴会での食べ残しをなくす3010運動の普及など、地域を巻き込んだ取り組みを進めてまいります。  次に、街路灯のLED化についてのお尋ねでございます。  区内の道路には、区道と私道を合わせて約3万3,000灯の街路灯がございまして、区道の街路灯のほとんどが水銀灯となっております。水銀灯については、水銀に関する水俣条約の発効によりまして、平成33年から水銀ランプの製造販売が禁止されると見込まれることから、LED化は急務と考えております。  区ではこの間、LED灯の性能や費用対効果の検証をしてまいりましたが、他の導入事例によると、LED灯は水銀灯より寿命が長く、消費電力も低く抑えられるため、トータルコストが約2割軽減され、環境への負荷が約8割削減されるとの検証結果を得ております。この結果を踏まえ、今後は水銀灯のLED灯への転換を計画的に進め、環境への配慮とともに、道路の適切な明るさを維持し、安全・安心が実感できる道路の維持管理に努めてまいる所存です。 ○議長(井口かづ子議員) 理事者の答弁の途中ですが、午後5時を過ぎようとしております。この際、会議を続行いたします。御了承願います。 ◎区長(田中良) 次に、ICTを活用した高齢者の在宅生活支援モデル事業に関するお尋ねにお答えいたします。  今年度、区は、介護イノベーションの支援を重点事業といたしまして、介護ロボットやICT機器導入のモデル事業を行うとともに、ICT活用による在宅生活支援の調査研究も行ってまいりました。私は、複雑多様化する住民ニーズに応えていくためには、最新のICTを活用し課題解決に当たることが不可欠であり、その必要性は今後さらに増していくものと認識をしております。来年度、重点事業として実施するモデル事業は、高齢者宅にICT機器を設置し、双方向のコミュニケーションが容易にできる仕組みを取り入れて、要介護高齢者、介護をする家族、事業者などの支援に結びつけることを目的に実施、検証してまいります。また、将来は、この取り組みを拡充、充実させることで、在宅生活の限界点を上げ、特養等の施設整備の抑制につなげていきたいと考えております。  本事業の実施に当たりましては、単身高齢者等の見守りを行う上で、どんな機能が求められているのかを把握するとともに、利用する方の操作性についても十分考慮した仕組みを検討してまいります。  次に、区域外特養整備に関する御質問にお答え申し上げます。  南伊豆町との自治体間連携による特養整備については、私が区長に就任した平成22年度に構想を打ち出した後、町、静岡県との3者を中心に、地元負担を発生させない仕組みづくりなど、さまざまな障壁や課題を一つ一つクリアするとともに、国の検討会での議論なども踏まえ、実現の道が切り開かれたものであります。  おかげさまで、昨年11月には建設工事に着手し、来年1月の開設に向けまして、現在、ICT機器を活用した入居者と御家族とのコミュニケーションの確保など、高品質で特色ある施設運営に向けて町や事業者等との協議を進めておりまして、今夏には入所申し込みを開始する予定でございます。  本取り組みは、特養整備用地の確保が困難な当区にとって、待機者の減少に貢献するとともに、特養入所の選択の幅を広げるものであります。また、町にとりましては地域経済活性化につながるなど、双方にメリットがある取り組みであります。都市部と地方の自治体が協力してお互いの行政課題を解決する本取り組みは、今後の自治のあり方や地方創生にも寄与するものと確信いたしております。  今後の区域外整備の拡大につきましては、都内での整備を進めるべきと考えておりまして、交流自治体である青梅市との間で、連携先のニーズや受け入れ態勢、介護人材の確保、後期高齢者医療制度の地元負担等の課題について検討を進めるとともに、東京都に対しても必要な支援の要請を行ってございます。  次に、おぢやクラインガルテンふれあいの里の利用に関する御質問でございます。  区では、地方での暮らしに興味、関心がある区民が、新潟県小千谷市でのおぢやクラインガルテンふれあいの里を利用し、農業体験や田舎暮らし体験をすることにより、区民の健康増進や暮らしの豊かさが向上することに期待しているものでございます。  昨年は、小千谷市と連携して、田舎暮らし体験ツアーと区役所での利用説明会、日帰り見学ツアーと計3回の取り組みを行いまして、延べ40名の方に参加をいただきました。参加された方々には、自然の中での地元住民との触れ合いを通じて、区と小千谷市との2地域居住による新しい住み方を考える機会を提供することができました。  今後は、よりよい内容となるよう、ツアーの周知方法、クラインガルテンの募集条件などについて、ツアー参加者から得られたアンケート結果を踏まえて、小千谷市と協議しながら取り組んでまいります。  次に、南伊豆町のお試し移住についてのお尋ねですが、これまで4回に及ぶ説明会や現地見学会などに多くの参加者がありまして、区民の関心が一定程度高まっているものと受けとめております。南伊豆町においても、町長みずからが説明会でお試し移住を呼びかけるなど、積極的に取り組んでおりますが、現在のところ、南伊豆町の側に1カ月から1年利用できる中期滞在用の居室が少ないことや、物件の中に老朽建物も含まれているということなどから、実際のお試し移住につながったのは、まだ数件にとどまっております。  今後に向けましては、南伊豆町に杉並区民のニーズに即した居室の量と質の確保を働きかけるとともに、区民に対しては引き続き適時適切に情報発信を行うなど、丁寧な対応に努めてまいります。  次に、在宅医療の今後の進め方についてのお尋ねでありますが、高齢になっても、障害があっても、地域でその人らしく充実した人生を送るためには、身近なかかりつけ医による在宅医療が不可欠であります。在宅医療は、従来の個々の疾病別に治す医療から転換した、生活の場で介護と一体となって提供される医療であります。そのため、医療関係者はもとより、医療を受ける区民も、在宅医療に対する理解を進め、みずから受ける医療を選択する必要があります。  区は、区民向け講習会等を通して在宅医療の普及啓発に取り組んできたところですが、今後は、相談体制の充実等を図り、区民が安心して在宅医療を受けられる体制整備を進めてまいります。  次に、平成29年度予算における本区の歯科医療の施策展開についてのお尋ねです。  歯と口腔の健康の保持は、全身の健康と密接に関連しています。小児期からかかりつけ歯科医を持ち、生涯にわたり健康づくりを進めることが必要であります。とりわけ健康寿命を延伸するには、かむ、飲み込むといった口腔機能を維持して、高齢者の心身の虚弱であるフレイルを予防することが重要でございます。  このため区は、今後の歯科保健医療対策について、東京都、医師会、歯科医師会、学識経験者等から広く意見をいただいた上で成人歯科事業を再構築するとともに、高齢者を対象とした口腔ケアの充実を平成29年度予算の重点事業に位置づけたところでございます。今後は、この取り組みを通してフレイル予防を進め、健康長寿のまちづくりを推進してまいります。  次に、超高齢社会の進展を見据えた健康づくりについてのお尋ねにお答えいたします。  女性は平均寿命と健康寿命との差が男性に比べほぼ2倍と大きく、今後の超高齢社会を控え、健康寿命の延伸に向けた女性の健康づくりが重要となると考えております。  そのため区では、健康の節目に当たる更年期世代の女性を対象に、骨粗鬆症や乳がん、子宮がんなど女性特有のがんに対する理解と予防、早期発見に努めるとともに、骨密度や体組成の測定を通してみずからの健康状態に気づき、運動習慣の獲得など、生活改善につなげる取り組みを行ってまいります。  次に、保育所の整備にかかわるお尋ねにお答えします。  今年度、区としましては、全庁一丸となって保育施設の整備に取り組んでまいりました。しかし、十分整備が進まなかった高円寺や方南・和泉地域などでは、保育施設に適した土地や建物の確保が非常に困難な状況が続いております。議員の御指摘のとおり、こうした整備が困難な地域に、交通の支障のないところに送迎ステーションを設け、余裕のある保育施設まで送り迎えを行うなど、新たな取り組みが必要かと考えております。また、機能の相乗効果が生み出せる他施設との複合化については、研究してまいりたいと存じます。  最後に、保育士の育成や指導に関する御質問にお答え申し上げます。  区ではこれまでも、豊富な園長経験を持つ保育士や児童の心理専門職などによる私立認可保育所や民営認可外施設を対象とした巡回相談や指導を区独自で行っております。今日、保育施設の整備が急ピッチで進む中、区には保育の質を心配される声が多く寄せられております。区といたしましては、そのような懸念を払拭するため、平成29年度に区内で新設する全ての私立認可保育所に対しまして、重点的に巡回相談や指導を行う予定です。さらに、保育の実務研修につきましても、区立、私立を問わず、区内保育施設に従事する保育士を対象に、研修回数の増加や内容の充実を図り、実施してまいります。  こうした取り組みによりまして、区内の保育施設に従事する保育士の知識力と技術力を高め、さらなる保育の質の向上に努めてまいる所存です。  私からは以上でございます。残りの御質問につきましては、教育長より御答弁申し上げます。 ○議長(井口かづ子議員) 教育長。       〔教育長(井出隆安)登壇〕 ◎教育長(井出隆安) 私からは、教育委員会所管の御質問にお答えをいたします。  初めに、仮称就学前教育支援センターの整備に関する御質問にお答えをいたします。  言うまでもなく、幼児期における教育は、その後の生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なものでございます。現在、区内の私立幼稚園や保育施設、また区立子供園では、近年増加傾向にある発達障害児等への教育的支援や、平成30年度から実施予定の次期幼稚園教育要領、保育所保育指針に基づく教育・保育の推進など、新たな教育課題への対応が求められております。  仮称就学前教育支援センターは、これらの就学前教育施設が抱える課題に対し、より一層充実した支援を総合的、一体的に展開する拠点として整備するものであり、平成31年度中の開設に向けて、保育者の資質、能力向上を図る研修機能や発達障害児等への教育的支援機能、また幼児教育に関する研究、実践機能等の具体化を図ってまいります。  御指摘の小1プロブレムの解消には、幼児と児童の交流活動の充実や、小学校への円滑な接続に向けた保育者と小学校教員との連携が欠かせません。本センターの開設に合わせて幼保小連携推進校を全ての区立小学校に拡大することで、子供の発達や学びの連続性を踏まえた取り組みを一層充実させていく考えでございます。  教育委員会といたしましては、本センターの整備を通して、区内全ての就学前教育施設における教育・保育の質の向上を図るとともに、杉並区における就学前から義務教育期間にわたる一貫した教育のさらなる発展を目指してまいりたいと存じます。  次に、区のいじめ防止に対する御質問にお答えをいたします。  御指摘のとおり、昨年10月に公表された平成27年度における国の調査結果では、全国の公立学校におけるいじめの認知件数は過去最高となりました。本区の認知件数は前年度を下回っているものの、当該年度には、小学校においていじめによる重大事態が発生いたしました。このことを真摯に受けとめ、いじめ問題により一層迅速かつ的確に対応することの重要性を痛感しているところでございます。  こうした認識に立ち、教育委員会では、昨年6月にいじめ対応マニュアルを抜本的に改定し、これを活用した研修を通して全教職員のいじめに対する認識を高めるとともに、いじめ問題に対する組織的な対応及び教育委員会と連携した取り組みなどの徹底を図ってまいりました。また、すぎなみ小・中学生未来サミットの開催などを通して、子供たち自身がいじめ問題に主体的に向き合い、対応することができるよう、家庭や地域の方々とともに、いじめ問題の解決に向けた環境づくりに取り組んでいるところでございます。  言うまでもなく、いじめは、子供たちの人格を侵害するだけでなく、その心身の健全な成長等に重大な影響を与える、絶対に許されない行為であります。今後とも気を緩めることなく、家庭、学校、地域の連携協働によるいじめ防止対策を推進し、全ての子供たちの尊厳を守り、安心・安全な学校生活を送ることができるよう努めてまいりたいと存じます。  次に、いわゆる教育機会確保法に関する御質問にお答えをいたします。  あす14日に施行される同法は、教育基本法及び児童の権利に関する条約等の趣旨を踏まえ、不登校児童生徒に関する教育機会確保のための支援を推進するという目的で制定されます。これまでも教育委員会では、不登校傾向が見られたり不登校状態にある児童生徒に適切な支援を行うために、スクールカウンセラーの全校配置やスクールソーシャルワーカーの派遣、適応指導教室の運営などの取り組みを進めてまいりましたが、同法の施行や不登校児童生徒が増加傾向にあることを踏まえ、これらの取り組みを一層充実させる必要があると考えています。このため、新年度予算案では、相談支援のかなめとなるスクールソーシャルワーカーを増員するほか、新たに宿泊体験事業を実施して、適応指導教室における指導の充実を図ることとしています。  今後につきましても、同法に基づき、国において、教育機会の確保に関する施策を総合的に推進するための基本指針を定めることとされておりますので、その内容等を踏まえ、さらなる取り組みを検討してまいりたいと存じます。  最後に、改築校における普通教室の確保に関する御質問にお答えをいたします。  これまでも学校改築の際には、児童生徒数の推計をもとに、十分な普通教室を確保するよう努めてまいりましたが、この間の改築校におきましては、改築以降、学区域内における就学人口の増加により普通教室が不足し、特別教室を普通教室に転用するなどの対応を図っている状況もございます。  このため、現在進めている改築計画におきましては、従来の推計結果に、改築後における児童生徒数及び学級数増の実績を加味した普通教室数を設定するとともに、平成26年度に作成した小中学校の施設標準に基づき、学級規模に応じて、普通教室に転用可能な少人数教室、多目的教室を設置することとしています。この少人数教室等は、普通教室への転用が容易に行えるよう、議員御指摘のフレキシビリティーを持った設備構造としているところです。これらによりまして、改築校における児童生徒数及び学級数の増加に的確かつ柔軟な対応を図ることができるものと考えてございます。  私からは以上です。 ○議長(井口かづ子議員) 以上で杉並区議会公明党の代表質問を終わります。  以上で日程第5を終了いたします。  議事日程第1号は全て終了いたしました。  議事日程第2号につきましては、明日午前10時から代表質問を行います。  本日はこれにて散会いたします。                                午後5時19分散会...