杉並区議会 > 2013-11-21 >
平成25年第4回定例会−11月21日-21号

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  1. 杉並区議会 2013-11-21
    平成25年第4回定例会−11月21日-21号


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    平成25年第4回定例会−11月21日-21号平成25年第4回定例会   平成25年第4回定例会             杉並区議会会議録(第21号) 平成25年11月21日 午前10時開議 出席議員45名 1 番  (欠員)            25番  中  村  康  弘 2 番  田  中 ゆうたろう      26番  北     明  範 3 番  横  田  政  直      27番  川 原 口  宏  之 4 番  堀  部  や す し      28番  今  井  ひ ろ し 5 番  奥  山  た え こ      29番  浅  井  く に お 6 番  (欠員)            30番  脇  坂  た つ や 7 番  山  田  耕  平      31番  吉  田  あ  い 8 番  市  来  と も 子      32番  大  熊  昌  巳 9 番  松  浦  芳  子      33番  原  田  あ き ら 10番  佐 々 木     浩      34番  くすやま  美  紀 11番  新  城  せ つ こ      35番  鈴  木  信  男 12番  け し ば  誠  一      36番  安  斉  あ き ら
    13番  そ  ね  文  子      37番  小  川  宗 次 郎 14番  市  橋  綾  子      38番  河  津  利 恵 子 15番  木  梨  もりよし      39番  大  槻  城  一 16番  藤  本  な お や      40番  渡  辺  富 士 雄 17番  岩  田  い く ま      41番  島  田  敏  光 18番  大 和 田     伸      42番  横  山  え  み 19番  富  田  た  く      43番  (欠員) 20番  金  子 けんたろう      44番  井  口  か づ 子 21番  山  本  あ け み      45番  富  本     卓 22番  山  下  かずあき      46番  大  泉  時  男 23番  増  田  裕  一      47番  斉  藤  常  男 24番  山  本  ひ ろ こ      48番  小  泉  や す お 出席説明員       区長             田 中   良       副区長            松 沼 信 夫       副区長            菊 池   律       政策経営部長         牧 島 精 一       施設再編・整備担当部長    大 竹 直 樹       情報・法務担当部長      関 谷   隆       総務部長           宇賀神 雅 彦       危機管理室長         南 雲 芳 幸       区民生活部長         森   仁 司       保健福祉部長         長 田   斎       高齢者担当部長        渡 辺   均       子ども家庭担当部長      徳 嵩 淳 一       杉並保健所長         西 田 みちよ       都市整備部長         大 塚 敏 之       まちづくり担当部長      和久井 義 久       都市再生担当部長       門 元 政 治       土木担当部長         加 藤   真       環境部長           井 口 順 司       会計管理室長(会計管理者)  上 原 和 義       政策経営部企画課長      白 垣   学       総務部総務課長        有 坂 幹 朗       教育委員会委員長       馬 場 俊 一       教育長            井 出 隆 安       教育委員会事務局次長     吉 田 順 之       学校教育担当部長       玉 山 雅 夫       生涯学習スポーツ担当部長   本 橋 正 敏       中央図書館長         武 笠   茂       選挙管理委員会委員長     青 木   實       代表監査委員         小 林 英 雄       監査委員事務局長       佐 野 宗 昭         平成25年第4回杉並区議会定例会議事日程第3号                              平成25年11月21日                                  午前10時開議 第1 一般質問 ○副議長(渡辺富士雄議員) 議長の職務を代行いたします。  これより本日の会議を開きます。  出席議員の数は定足数に達しております。  会議録署名議員は、前回の会議と同様であります。  説明員は、織田宏子選挙管理委員会委員長職務代理者を除き、青木實選挙管理委員会委員長を加え、前回の会議と同様であります。  これより日程に入ります。  日程第1、区政一般についての質問に入ります。  14番市橋綾子議員。       〔14番(市橋綾子議員)登壇〕 ◆14番(市橋綾子議員) 私は、区議会生活者ネットワークの一員としまして、地域包括ケアシステムについて質問します。  ことし7月31日に厚労省が2010年の全国市町村別平均寿命(生命表)を発表し、都内で平均寿命が最も長い自治体は杉並区との報道がありました。一方で、健康寿命という言葉もよく耳にするようになりました。健康寿命とは、自立して生活できている年齢の指標です。都民の健康寿命は男性が69.99歳、女性が72.88歳で、平均寿命までには男性9.83年、女性13.51年の不健康な期間があるといいます。  人生の最期まで健康でありたい、ピンピンコロリでありたいと誰もが望むことです。疾病予防や健康増進、介護予防などによって平均寿命と健康寿命の差を短縮できれば、個人の生活の質の低下を防ぐことができるとして、国、都、区がさまざま施策の展開を図ってきているところです。  国立社会保障・人口問題研究所によれば、65歳以上の人口は2042年の約3,900万人でピークを迎えると推計されています。そして、2020年には高齢者の中で75歳以上が半数を超え、特に団塊の世代が75歳以上となる2025年以降は、医療や介護の需要がさらに増加することが見込まれています。  こうした中、厚労省は、2025年を目途に、高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援の目的のもとで、可能な限り住みなれた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、地域の包括的な支援・サービス提供体制、いわゆる地域包括ケアシステムの構築を推進するとして、各自治体に地域包括ケアシステム構築の努力義務が課せられました。  当区においても、現在3カ所のモデル地域を設定して、ケアシステムの構築に向けた検討、試行が行われています。現在試行期間中ではありますが、地域包括ケアシステムの構築に向けて、提案も含め、健康長寿モニター事業、介護保険法の改正、地域包括ケアシステムのあり方検討、地域の支え合い機能の観点で質問をします。  初めに、健康長寿モニター事業について2点お尋ねします。  当区では、介護保険事業計画の改定前の基礎調査として行っている高齢者実態調査、2009年のひとり暮らし高齢者実態調査健康長寿モニター事業調査など、高齢者に対して多くの調査が行われています。昨年度から始まっている健康長寿モニター事業調査は、高齢者施策構築の基礎資料を得るために、80歳の区民にモニターとしてご協力をいただき、健康状態や生活習慣などについて尋ねる5年間の追跡調査として始められたと聞いています。  ことし7月に初年度報告書が出され、興味深く拝見しました。まずはお元気な方が多いというのが率直な感想です。また、市民活動に参加している率が高いのは、長寿応援ポイントがきっかけになっていることも考えられます。しかし、外出をおっくうに感じている人が約4割、それも女性に多いこと。外出が1週間に1日から2日以下の人が3割弱、1週間のうちでご近所と話をしない人が約3割、近所に挨拶する人が欲しいという人が8割強いらっしゃるなどの数字に、外出や話をすることが少ない高齢者を家に閉じこもらせない仕組みの必要性を感じたところでもあります。  そこでお尋ねします。  1点目。健康長寿モニターの事業の調査のねらいは何か。また、初年度調査で見えてきたものは何か、伺います。  2点目。この調査は5年間の追跡調査としていますが、毎年の調査結果を今後の施策展開にどのようにつなげていくおつもりか、伺います。  次に、介護保険法改正を控えて、当区の状況について4点伺います。  当区の高齢化率もことし4月1日現在で20%を超えました。21%以上の超高齢社会は目前に迫っています。介護保険制度がスタートして13年がたち、来年の介護保険法改正に向け、要支援者への予防給付を市区町村の地域支援事業へ全面移管させるのではないかと懸念されていましたが、どうやら通所、訪問介護だけが移管される状況になっています。しかし、これらは重要な事業であるだけに、裁量を任される区の責任は重大です。要支援者に向けたサービスについて、4点伺います。  1点目。要支援者が要介護認定者全体に占める割合の全国平均は約22%、同じく介護保険給付費全体に占める割合は6%、そして要支援者の約4割は独居、ひとり暮らしと言われています。当区のおのおのの実態はどうなっているでしょうか、お伺いします。  2点目。今回の法改正では区に移管が想定される予防訪問介護ですが、中でも生活支援サービスは介護の重度化予防に有効であり、長期的な視点では給付抑制につながります。これらは在宅生活の維持に不可欠なサービスとしてその重要性を指摘するところですが、区の見解を伺います。  3点目。自治体に移行することで区民が心配するのは、サービスの質の低下です。今後は自治体の裁量によって、ボランティアやNPO事業者を入れながらサービスの提供が行われるわけで、自治体間格差を懸念する声も出てきています。利用者が自己負担を変えず、移行前と同じサービスを利用できるようにすべきと考えますが、いかがでしょうか、区の見解を伺います。  4点目。そのためには、見守りや話し相手などの誰にでもできるボランタリーな活動と、公費に基づく有資格者が行う事業との区別を明確にし、介護に携わる人にスキルアップ研修を行うなど、良質なNPO事業者の支援が必要と考えますが、区の見解を伺います。  以上のような調査の結果や介護保険制度の改定の状況などを照らし合わせて考えると、ひとり暮らしや高齢者のみの世帯になっても、また認知症になっても、住みなれた地域で自分らしい暮らしを最後まで続けることができるよう、介護、医療、住まい、生活支援、予防が一体的に提供される地域包括ケアシステムづくりが急務です。厚労省はシステムの構築に向け、日常生活圏域のニーズ調査を実施し、地域の課題やニーズを的確に把握することを取り組みの1つに挙げています。  そこで、当区で行われている地域包括ケアシステムのあり方の検討について、3点伺います。  1点目。当区では、モデル地域を対象に実態調査を実施しておられますが、その調査状況と、どういった内容の調査が行われたのか、伺います。  2点目。地域包括ケアシステムの構築には、生活支援・予防について、地域にあるさまざまなインフォーマルサービスを含む社会資源とのネットワーク化が重要と考えます。ネットワーク化をどのようにつくっていかれるのか、区のお考えを伺います。  3点目。区は、モデル3地域での取り組みを経て、このケアシステムを区内全域に広げていくとしていますが、そのためには、その推進役としてのケア24の役割には大きいものがあります。当区の地域包括支援センターケア24は20センターありますが、これらは15法人の運営委託で行われており、そのありようも運営状況も15法人さまざまです。ケア24が担う役割はますます多様で、重要となってくるわけですが、そのような状況の中で、3つのモデル地域の取り組みを他の地域にどのように広げていかれるのでしょうか、伺います。  さて、ここまで、地域包括ケアシステムの構築に向けた区の取り組みについて質問してきました。次に、市民が考える、仮称ではありますが、地域支え合いセンター構想を紹介させていただきます。  当区の地域包括ケアシステムは、ケア24が担当する地域の規模になっています。20カ所、おおよそ中学校区に1カ所です。厚労省でも日常生活圏域を中学校区人口2万から4万人としていますが、高齢者や障害者が実際に歩いていける距離と言えるでしょうか。とてもそうとは思えません。  日常生活圏域は自治体で決められます。私どもは、小学校区を日常生活圏域として考えてみました。ケア24が中学校区に1つとするならば、小学校区に3から4カ所の拠点、それは空き家、空き店舗などを活用したサロンであったり、子どもから高齢者まで集えるみんなの居場所であったり、またコミュニティカフェなど、地域で支え合うための拠点があれば、公が提供するサービスにこれらのインフォーマルサービスが加わり、生活支援、介護予防は地域で支えられると考えます。  そこで、この支え合いの拠点として、仮称地域支え合いセンターを考えたいと思います。センターといいましても、大きな箱物のイメージではなく、コーディネート機能であり、拠点的な機能を重視するものです。支え合いの対象者は、地域に暮らす高齢者、障害者、子どもと親など地域社会とのつながりや支援が必要な人々。どのような機能を持つかというと、高齢者や障害者の居場所であり、見守りや話し相手、介護、子育て、障害等の相談窓口、情報提供、地域資源のネットワーク化などが挙げられます。ケア24と連携し、ある意味補完しながら、必要ならそこから新しい機能を生み出す、そういう役割を持つものです。  この拠点については、今、区が取り組んでいる施設再編整備計画で設置される地域コミュニティ施設も拠点になり得るでしょうし、空き家、空き店舗を活用することも考えられます。もしこれを行政の仕組みとして設置し、その運営を民間団体に委託するものとして想定するなら、施設再編計画を策定している今だからこそ、検討も視野に入れられるのではないでしょうか。区から示されたこのたびの施設再編計画はハード面が中心であり、そこに地域住民の暮らしを重ね合わせて考えていく必要があることは、9月の全員協議会でも申し上げました。地域コミュニティ施設に仮称地域支え合いセンターの機能を付加していくことを強く要望いたします。  もう1つのパターンは、市民が自ら場をつくり、そこに機能をつくっていくというもの。そのためには、空き家、空き店舗情報が欠かせません。現状では空き家や空き店舗情報がつながらないために、まだ多くはありませんが、空き家を利用した多世代が集う居場所づくりが始まっています。空き家、空き店舗の活用ができたら、どんなに居場所づくりに弾みがつくことでしょう。  ケア24の勧めにより、認知症の初期の高齢者がそうした居場所につながり、生活に張りが出てきたり、市民同士の日常的な声かけや助け合いが始まるというケースも聞いています。こうした空き家、空き店舗を利用した市民型地域福祉事業が少しずつ展開されてきています。  そこで、空き家について2点お尋ねします。  1点目。今年度、当区は空き家調査を実施され、その報告は今会期中の都市環境委員会に出されると聞いています。どのような結果が得られたのでしょうか、お伺いします。  2点目。空き家、空き店舗活用は地域活性化、持続可能なまちづくりなど、地域のまちづくりの観点からも重要な課題です。ごみ屋敷問題や防災、防犯からの視点だけではなく、京都市の空き家条例のように、空き家をまちづくりの資源として捉えて有効活用を進めることが必要ではないでしょうか、区のお考えを伺います。  最後に、地域をみんなで支えていくには、行政のフォーマルな施策とともに、地域の福祉ニーズに沿った市民によるインフォーマルな活動や事業がますます必要になってくるでしょう。このたびの地域包括ケアモデルの検討課題の1つに、インフォーマルサービスを含めた生活支援が挙げられていることからも、区におかれても、その重要性については認識されているものと理解するところです。  市民による活動や事業には、特に立ち上げ時には、ある程度の資金が必要です。当区に2000年度から2009年度まであった地域福祉活動立上げ支援事業補助金、これが今の時代にこそ必要だと考えます。10年間で29団体が助成を受け、33の活動をつくり、そのうち17団体が今も活発に活動し、杉並の地域福祉事業を担っています。インフォーマルな生活支援サービスを立ち上げようとする市民活動団体への資金的支援を要望いたします。  以上、るる述べてまいりました。冒頭でも申し上げましたように、今、区は地域包括ケアシステムの構築に向けて試行を行っておられます。そういうときだからこそ、当事者目線での提案をさせていただきました。
     以上で私からの質問を終わります。 ○副議長(渡辺富士雄議員) 理事者の答弁を求めます。  区長。       〔区長(田中 良)登壇〕 ◎区長(田中良) 市橋綾子議員の一般質問にご答弁申し上げます。  私からは、地域包括ケアシステムに関するお尋ねにお答えをいたします。  在宅介護の充実、在宅生活の限界点を高めて在宅での生活を可能な限り継続していただくということは、特別養護老人ホームなどの高齢者施設の整備とともに、これからの高齢者福祉にとって、まさに車の両輪だと考えております。  こういった認識から、今年度、区内で3つの地域において地域包括ケアモデルの事業を実施しております。これまでの検討から、高齢者の方が、介護が必要になってもその人らしさを損なうことなく地域で暮らし続けていくために、高齢者の多様なニーズと地域の社会資源やサービスなどを的確に結合させていく地域ケア会議というものが地域の中できめ細かく行われていくことが重要なかなめである、こう考えているところです。  また、あわせて、地域ケア会議の中核を担うケア24の果たす役割も重要だと考えております。この地域ケア会議については、国も強化する方向で検討中ということも聞いていますけれども、杉並区の実態に合った地域ケア会議のあり方についてさらに検討を深めまして、来年度の取り組みに生かしていくとともに、地域で安心して暮らせる地域包括ケアシステムの構築を推し進めてまいりたいと思います。  私からは以上です。残りのご質問につきましては、関係部長よりご答弁申し上げます。 ○副議長(渡辺富士雄議員) 保健福祉部長。       〔保健福祉部長(長田 斎)登壇〕 ◎保健福祉部長(長田斎) 私からは、健康長寿モニター事業の調査に関するお尋ねにお答えいたします。  この調査は、今後の高齢者施策構築の基礎資料とするため、昭和6年生まれの方を対象に、80歳から5年間データを蓄積していくものです。初年度はそのスタートラインとして、健康状態、生活習慣等について調査を行いましたが、報告書にお示ししたとおり、現在の80歳高齢者の生活の現況が多岐にわたりあらわれていると認識をしております。  毎年度の調査結果につきましては、医療や介護のデータとあわせて経年的な傾向を捉え、分析をした上で健康施策に反映をさせていく考えでございます。  私からは以上です。 ○副議長(渡辺富士雄議員) 高齢者担当部長。       〔高齢者担当部長(渡辺 均)登壇〕 ◎高齢者担当部長(渡辺均) 私からは、介護保険法の改正に関するご質問などにお答えします。  まず初めに、要支援者の実態についてのお尋ねですが、区における要支援1及び要支援2の者が要介護認定の全体に占める割合は、本年4月現在では31%、また、要支援者対象の介護予防給付費介護保険給付費全体に占める割合は、24年度決算数値では6%となっております。  次に、要支援者における独居者の割合ですが、平成22年度実施の高齢者実態調査結果によると、45%となっております。  次に、生活支援サービスに関するお尋ねにお答えします。  介護予防訪問介護サービスにより提供される入浴、排せつ、食事の介護やその他生活全般にわたる支援は、利用者の心身機能の維持を図り、生活機能の維持向上を目指すものです。このサービスは、利用者が可能な限りその居宅において要支援の状態を維持もしくは改善を図り、さらには要介護状態となることを予防して、自立した生活を営むために提供される大変重要な介護予防サービスであると認識しております。  次に、要支援者に係る介護予防事業の移行に関するお尋ねにお答えします。  現在国において、より効果的な介護予防の推進、また多様な日常生活支援のニーズ対応という観点から、地域資源の1つであるNPO事業者も含めて予防給付のあり方が検討されております。新たな地域支援事業の枠組みに当たっては、適切な単価設定のもとに良質で柔軟なサービスが提供される人員配置基準、また、これを支える財源等が確保されるべきと考えております。  次に、事業者への支援についてですが、現在も介護サービス事業地域支援事業に係る事業者に対しては、業態別、職種別などにより、従事者のスキルアップを図るための研修等を実施するとともに、さまざまな情報提供を行っております。事業が移行された場合においても、これまでと同様に、NPOを含む事業者等への適切な支援が必要であると認識しております。  私からの最後になりますが、先ほど区長答弁で申し上げました地域包括ケアシステムに係る残りのご質問にお答えします。  3つのモデル地域を対象とした実態調査は、日常生活の状況、心身の状況、地域とのつながりなどを内容としており、現在集計、分析をしているところです。このモデル地域の取り組みについては他のケア24も強く関心を持っており、全てのケア24を対象にした研修や発表会などの手法を使い、周知していく予定でございます。  私からは以上でございます。 ○副議長(渡辺富士雄議員) 都市整備部長。       〔都市整備部長(大塚敏之)登壇〕 ◎都市整備部長(大塚敏之) 私からは、空き家実態調査に関するご質問にお答えします。  昨年度の土地利用現況調査等に基づき、今年度、区内全域で、主に一戸建てを対象に実施しました空き家実態調査の結果、408棟の空き家を確認いたしました。建物の外観調査では、外壁に汚れや破損は見られるものの、居住が困難と判断された空き家は少数でございました。一方、アンケート調査では、高齢、費用の問題、遠方に居住しているなどの理由で空き家の管理が十分に行われていない状況が確認されました。  空き家実態調査の結果、多くの課題も確認されましたので、今後は、他の自治体の事例も研究しながら、ストック有効活用の観点も含め、空き家活用の検討を行ってまいります。  以上でございます。 ○副議長(渡辺富士雄議員) 14番市橋綾子議員。       〔14番(市橋綾子議員)登壇〕 ◆14番(市橋綾子議員) ご答弁いただいてありがとうございました。要望も含め、質問を1点させていただきます。  区長からご答弁いただきました地域ケア会議、これがかなめだというご答弁でした。私どももそう感じております。今後、検討を加えて杉並らしい地域ケア会議をつくっていくというご答弁をいただき、心強く思っているところですが、まだモデル試行がされているところではありますけれども、ぜひ丁寧なニーズ調査──今、保健福祉委員会報告を拝見すると、実態調査はされているようですけれども、丁寧なニーズ調査というものが必要だと考えております。ケア24の担当地域、20ありますけれども、地域ごとにさまざまニーズは違ってくると思いますので、ぜひ丁寧なニーズ調査を行っていただきたい。  そして、地域ケア会議がかなめだといったところでは、今、地域の中で、さまざまなインフォーマルなサービスを提供している市民活動団体がいらっしゃいます。そういった方たちも中に加えて、共にそこのエリアの地域包括ケアをどうつくるのかというところに立たせていただきたいということを要望しておきます。  それともう1点。10月1日号の区報の1面に、地域ケア会議のイメージ図ができました。先ほどのご答弁をトータルして聞いていきますと、このイメージ図をつくっていくためには、ケア24が担うところではありますけれども、地域にあるさまざまなインフォーマルなサービスを捉え、そしてそれは、捉えただけじゃなくてつなげて、そして新たな機能を生み出していく、そういったコーディネート力というものがこれから必要になってくるのではないでしょうか。でも、これはケア24だからできるというものではないと思っています。もちろんケア24でやってもらわなければなりませんけれども、必要なのは資格ではなくて資質ということを考えれば、人づくり、こういったところに区はこれから視点を定めて、そこに税をつけていくというんでしょうかね、人材育成にお金をつけていくことが必要だと答弁を聞きながら思ったところです。区のご所見を伺います。 ○副議長(渡辺富士雄議員) 理事者の答弁を求めます。  高齢者担当部長。       〔高齢者担当部長(渡辺 均)登壇〕 ◎高齢者担当部長(渡辺均) 市橋議員の再度の質問にお答えいたします。  地域ケア会議の今後の取り組みも含めてでございますけれども、今、実態調査の結果が出まして、分析しているところでございますので、今後いろんな地域のニーズが出てくると思うんですけれども、課長以下、区の職員もそれぞれの地域に張りついて、担当してかかわってございますので、これから丁寧にそういうニーズの把握をして取り組みを考えていきたいと思ってございます。  また、いろんなNPOとか地域の団体、インフォーマルな団体がございますので、そういう方々にも協力していただいて、そういう人づくりも含めて、地域全体で高齢者の生活を支えていけるような仕組みづくりをこれから考えていきたいと思ってございます。  私からは以上でございます。 ○副議長(渡辺富士雄議員) 以上で市橋綾子議員の一般質問を終わります。  12番けしば誠一議員。       〔12番(けしば誠一議員)登壇〕 ◆12番(けしば誠一議員) 無所属区民派のけしば誠一です。会派の一番手として、区政一般について、選挙管理委員の報酬規定について、奨学金の滞納と返済問題について、杉並清掃工場建て替え問題について、外環道大深度地下使用認可申請について、放射第5号線がもたらす環境影響について、5点質問いたします。  10月16日、東京地裁八木一洋裁判長は、半年間入院中で欠勤した杉並区選挙管理委員に対して、杉並区が月額報酬の満額約140万円を支給したのは違法として、区に対し、元委員への返還請求を命じました。この件は、住民が2011年2月に、勤務実態が皆無であったのだから、支給は違法ではないかと住民監査請求を申し立て、同年4月の棄却を経て、5月に提訴したものです。  非常勤行政委員の報酬は、地方自治法203条の2を根拠に、勤務の実態に対して支給するものであり、日額が原則とされています。その上で、地方自治法203条2の2項ただし書きで、条例で定めれば月額制も可能とされています。判決は、非常勤職員の報酬についてはあくまでも勤務の遂行への対価として支給されるものであり、勤務の態様等を格別考慮することなく一律に支給することは、地方自治法203条2の2項の規定に違反して無効であると判断し、140万円余りを返還させるように区長に命じたものです。  この住民訴訟は、これに先立つ杉並区監査委員の報酬をめぐる住民監査と訴訟に続くものです。杉並区監査委員が月末の土日2日間在籍するだけで月額の満額報酬15万1,000円を支給したのは違法、無効だという判決が2010年9月に下されました。判決に先立ち、区は、日割りにする条例の改正を行っています。  裁判でも、区は勤務実態があったと反論し、会議に出席するだけが仕事ではなく、入院中も自己研さんや自己啓発に励んだので勤務実態があったと主張しました。しかし、自己研さん、自己啓発の具体的な内容については、新聞を読んだという伝聞と選挙の簡単な報告を口頭でしたという2つしかなく、裁判では退けられました。  この判決は、非常勤行政委員の報酬に生活給としての要素はない、地方自治法203条2の2項のただし書きが定めた議会の裁量権には逸脱、濫用があり得るもので、一定の限界を持つとする最高裁判決を踏まえつつ、入院中の看護記録など全てを調べ、辞職届を出すまでの状態を詳細に見て、勤務実態がなかったと判断されたものです。控訴しても区側が勝つ見込みは厳しいものと考えられます。区は控訴審の見通しについてどう判断されたのか、なぜ控訴したのか、その理由をお聞きします。  次に、140万円の満額支給は、住民の理解を得るのは困難です。一方、区の立場に立てば、行政が従わねばならない条例に沿ったものです。これまでも同様にしてきたことでした。原告側の調査から、32カ月にわたり欠席した委員に報酬を満額支給してきた例があったことが指摘されています。その間の決算書を見れば支給実態がわかります。そのような実態があったのか、事実を確認いたします。  滋賀県行政委員の報酬をめぐる住民訴訟をきっかけに、月額を見直す動きが広がりました。大津地裁、大阪高裁は、滋賀県行政委員の報酬について、月額は違法と認定しました。滋賀県は、一審、二審の敗訴を受けて、一部の委員について日当制を導入したほか、神奈川県や静岡県、山口県などでも日当制への切りかえが進みました。23区や東京都の市区町村で日額制をとる自治体があれば、お示しください。  ところが、2011年12月、最高裁第一小法廷、横田裁判長は、月額制は適法とし、支出差しとめを命じた一、二審判決を破棄、住民側請求を退け、被告の滋賀県側逆転勝訴が確定しました。その結果、日額制への改革は一旦とまりました。  ここで確認すべきは、最高裁が議会の裁量権として月額を容認したものの、非常勤行政委員の報酬は勤務実態に対して支給するものであり、生活給の要素を持つ常勤職員の給料とは異なるとしたことです。勤務実態がなければ支給できないことが明らかにされたが、これに対する区の見解を求めます。  当該委員が病気で欠勤している事実は、選管事務局内及び一部議員の間でしか知られていませんでした。公になったのは、大量の無効票が出た2010年7月の参議院選挙のやり直しを求める住民の訴えがなされ、選挙管理委員会を傍聴したことからわかったことです。行政委員に報酬を支給する区は、地方自治法の趣旨からすれば、委員の勤務実態を把握する必要があります。条例改正の必要があるかどうか確認するためにも、これまでの勤務実態について調査する必要性があると思うが、どうでしょうか。  議会の裁量権逸脱を判決が認定したことから、議会の側も問われています。ただし書きで認めた議会の裁量権、すなわち条例には限界があることがわかりました。欠勤などの勤務のあり方を一切考慮せず、一律に月額報酬を払うとした現在の条例自体に不備があると言えます。他の自治体でも非常勤行政委員に対して同様の支給がなされているのが実態です。杉並区が先駆けてこの問題を解決することは、意義のあることです。条例改正が必要と考えますが、区の見解を求めます。  今回の判決は、改めて行政委員の報酬のあり方に一石を投ずる重要なものです。行政委員は専門性が求められ、形式的な当庁日数だけでは勤務実態を評価できないとする最高裁判決を踏まえ、また、報酬水準などを住民に十分説明できる内容にすべきだとの補足意見に従い、区の賢明なる対応を求めるものであります。  次に、奨学金の滞納と返還問題についてです。  奨学金の滞納問題は、2012年度で滞納者が33万4,000人に達するまで深刻化しています。日本育英会の組織改編で奨学金は金融事業化し、無利子から有利子が基本となりました。一方、大学の学費の高騰で、国立大学でも年間53万円の高額となり、奨学金利用者が1996年で21.2%から2010年で50.7%に、2人に1人の学生が何らかの奨学金を利用している実態です。  高卒就職の激減が奨学金を借りた大学進学に拍車をかけました。卒業しても非正規雇用が多く、賃金が上がらず、返還を怠ると滞納金が発生します。無利子の第一種奨学金でさえ、返還期間を6カ月過ぎると年5%の延滞金が課せられます。しかも2005年4月以降は、奨学生として採用された人は、年10%の割合で返還期日の翌日から延滞金が課せられるようになりました。第二種の有利子の場合は、初めから年10%の割合で返還期日の翌日から延滞金が課せられ、サラ金並みの過酷な制度となっています。また、延滞金から返還を優先するために、元本は一向に減らないローン地獄に追い込まれています。  このような現実の中で、区の奨学金制度と社会福祉協議会の奨学金の役割は重要です。その実態を把握するためにも、2012年3月の、区奨学金の返還債務の不存在確認訴訟の判決に対するその後の区の対応を確認します。  判決直後の週刊誌の報道によれば、案件は、離婚した虐待癖のある母親が、2008年から子どものAさんに無断で申請し、借りた杉並区の奨学金に対し、区が2010年2月に、被害者であるAさんに残額58万3,200円を請求した事件です。Aさんは母親に虐待を受け、警察に告発し、児童相談所に保護されていました。区が返還を要求した額には、児童相談所に保護されていた間、母親が受け取った分も含まれていました。その後、母親の親権は剥奪され、奨学金の支給は、更新手続がなされなかったことにより、中止されています。  Aさんが知ったのは、2011年暮れの区からの返還要求でした。数年前に自分の名で申し込まれ、署名捺印も偽造、連帯保証人は架空の人、Aさん名義の銀行口座もつくられていたこともわかりました。Aさんは学費をもらったことは一度もありません。全て母親の作為によるものであり、Aさんは、親権に基づく法定代理権の濫用と区のずさんな手続による貸し付けで、返還義務はないと提訴しました。東京簡裁の鈴木裁判官は、杉並区は母親の行為を知る立場にはなく、区の責任はないと請求を棄却、控訴審の地裁、森山裁判官も同じ理由でAさんの敗訴となりました。  そこで質問します。判決直後、週刊誌が報道した事実からすれば、区は、奨学金を受け取り遊興費、自分の遊ぶ金に充てた母親と保証人の刑事責任を問うべきではないのでしょうか。当然民事責任も母親と共犯である保証人に問うべきです。被害届を出せば、行政の使う損害賠償保険などの適用も可能であると思うが、どうでしょう。  第2に、判決は、この事件自体を区が知ることはできなかったことで、債務の存在自体があることを認めたものです。しかし、この事件は、福祉施策の面から見ると、判決当時未成年だったAさんは救済すべき対象でした。報道で明らかになった、Aさんが児童相談所に保護されていた期間は免除するのが妥当ではないのでしょうか。  第3に、日本学生支援機構には、経済苦や病気などの事情がある人への利息、延滞金を免除、減額する制度、支払いを一時猶予する制度があるものの、死亡などの極めて限定された事情のみで、全く不十分なものです。区の奨学金では、延滞金について、その算出や発生する事由についてどのように取り扱っているのか、お聞きします。  また、区でも、失業や病気その他の事情で返還できない場合に、奨学金の趣旨から、延滞金の猶予をすることや延滞金を課さないなどの規定に改善すべきと思うが、どうでしょうか。  5つ目。今回のように親が不正に奨学金を得て、子どもに使わず、生活費や遊興費に使う不正行為は、貧困の拡大の中で今後も予想されることです。区はこの事件を教訓に、それを防ぐためにどのような対策をとるようにしたのか、お答えください。  第6に、日本学生支援機構と酷似しているアメリカの学生ローンの場合、第三者による不正な取得が明らかになった場合には、返還免除などの救済措置があります。奨学金を受け取っていない子どもに請求されるとすれば、制度自体が問題であり、条例改正などが必要だと思うが、どうでしょうか。国の責任で奨学金制度の抜本的改善が求められていますが、それを補完する区の奨学金制度や都の母子福祉資金、社会福祉協議会の奨学金制度などの改善を求めるべきと考えますが、どうでしょう。  3つ目は、杉並清掃工場建て替え問題についてです。  杉並清掃工場の建て替え工事が進んでいます。1970年代の建設過程では高井戸住民の反対運動が巻き起こり、事業認可取り消しを求める訴訟にまで進みました。一方、ごみが運ばれてくる江東区では、杉並から来る清掃車が行く手を阻まれ、杉並区内では収集されないごみが道路に山積みとなりました。1974年に公害を除去する最新最高の施設の導入と、住民参加の工場監視システムをつくることを条件に和解が成立した経過があります。  解体工事の後、建築工事が始まりますが、杉並清掃工場建て替え計画の概要とスケジュールをお示しください。  和解条項に基づき、建て替え工事は周辺の環境対策に万全を期すこととされていますが、どのような対策が講じられているのか、お示しください。  建て替えに伴い、区民からさまざまな要望が出されてきました。区民の利便施設などどのような計画となり、どのような施設がつくられるのか、お聞きします。杉並工場は子どもたちにとって環境教育施設として重要です。どのような計画となっているのか、説明願います。  工場内の資料室には、高井戸の歴史、ごみ戦争の歴史と教訓など、後世に残す貴重な資料が収集されることになりました。区の協力が求められています。  ごみ戦争といえば、区民の中でも経過を知らない方は、ごみをめぐる杉並区と東京都の戦争、また住民と行政との争いと誤解している方も少なくありません。ごみ戦争という言葉は、1971年、都議会での美濃部都知事の所信表明の中で言われたのが始まりです。演説原稿を書いたのは、当時広報室長であった作家の童門冬二さんです。知事は、迫りくるごみの危機は都民の生活を脅かすもの、私は今、ごみ戦争を宣言し、徹底的にごみ対策を進めたいと考えておりますと述べたのです。高度成長期に大量生産、大量消費によって人間が生み出したごみに対する闘争宣言です。当時は都政でも低く扱われていたごみ対策に全力を挙げる決意のあらわれでした。  住民の闘いは、一方、高井戸の先輩たちの英知で超党派で組織され、拡大し、最後は話し合いで解決する和解の道を選び、住民の環境と権利を保障するすぐれた和解条項がかち取られたのです。このような誇るべき歴史を次世代に残すためにも、区の積極的な協力を求めますが、見解を求めます。  4つ目に、外環道大深度地下使用申請についてです。  11月8日、国土交通省関東地方整備局、東日本高速道路株式会社、中日本高速道路株式会社は、記者会見で外環道大深度地下使用申請を国土交通相に提出したと発表、あわせて事業認可を申請したこと、9月2日から6日にかけて説明会を実施、準備が整ったと経過を説明しました。しかし、説明会の場では、住民からの質問に二、三項目しか答えておらず、その後の文書の回答では、これまでの説明と変わりがなく、住民が安心できる状況ではありません。  そこで質問します。これまでの住民からの質問に対し、大深度地下使用認可と事業認可前に国からの十分な説明がなされていません。大深度地下工事の始まる前には説明責任を果たすよう求めてほしいが、どうでしょうか。事業認可申請後の今後の手続はどうなるのでしょうか。着工予定はいつごろと予想されるのか、お答え願います。  大深度地下の未知な世界でどのようなことが起こるのか、住民の不安は拭えません。青梅街道インターチェンジの開削工事もあり、住民の最大の不安は善福寺の水とみどりの問題です。善福寺池の枯渇の可能性と枯渇の場合の復元方法について、区として国に明確な説明を求めますが、どうでしょうか。  9月30日に住民から区長宛てに出された外環道大深度法認可申請についての要望書は、住民からの不安、そしてさまざまな問題についての疑問がしっかりと明記されています。区はこれにどう答えるのか、お尋ねします。  最後に、放射第5号線がもたらす環境影響について質問します。環境対策と交通対策についてです。  放射第5号線の開通により車の通行量は2倍になり、青梅街道並みの車の通過が発表されました。沿道の地域環境への影響ははかり知れないものがあります。環境対策や交通計画など、この地域のまちづくりについて区はどのように考えているのか、まずお尋ねします。  次に、放射第5号線事業概要説明会についてです。  11月6日と10日、富士見丘小学校で放射第5号線の暫定供用部分の事業概要説明会が開かれました。今回の説明会の案内ビラをまいた範囲と枚数をお聞きします。  都立高井戸公園予定地域などにも広く周知するよう都に求めてほしいが、どうか。この地域は浅間橋の合流部分の影響で大きく影響を受け、暫定区間の地域とも連動しているため、要望されているものです。  また、放射第5号線が中央高速の下に集約され、歩道から離れるから、地域の環境に及ぼす値、騒音や振動も含めて改善するとの東京都の説明は納得できませんでした。データに基づく説明を区を通じて求めたにもかかわらず、同じ結論を東京都は述べるだけでした。現在の二酸化窒素の値が0.045と示されましたが、環境基準内とはいえ、かなり高い値であります。中央高速の沿道に住んでいる人たちは、日ごろ、風向きによれば洗濯物を外に干せない状況です。区は沿道の環境の現状を把握しているのでしょうか。測定したデータを区民に知らせるべきと思いますが、どうでしょう。また、東京都は供用開始後の環境予測値の詳細なデータを区民に知らせるべきと思いますが、どうでしょうか。  中の橋交差点の交通の流れが気になります。甲州街道との合流点は、朝夕ラッシュ時間帯に渋滞が予想されます。対策はどう講じられているのでしょうか。中の橋交差点の歩行者の横断時間が延びることなど、車の通行問題で住民からの要望があります。区は都と連携をして積極的に対策を進めてほしいが、どうでしょうか。  富士見丘通りの交通量は、放5の整備による影響はないと都は説明していますが、地元住民の納得を得られていません。改めて説明を求めますが、いかがでしょうか。  最後に、樹木と生き物の保全です。  東京都はオリンピックを口実に開発を進め、みどりの整備や管理に手間のかからないやり方で進めているように見えます。10月には国の管理する土地の貴重な大木4本が伐採されました。上水沿いの樹木も土手の保全を理由に伐採されています。住民からは、既存樹木の保全や生き物が多様に生息できる環境づくりを目指し、枯れ葉の清掃、クリーンデーを設けるなど、区民団体や一般区民も加えたシステムづくりの検討が要望されていますが、区の前向きな答弁を求めます。それぞれの課題にかかわる住民の皆さんが見守っています。期待に応える真摯な区の答弁を期待し、質問を終わります。 ○副議長(渡辺富士雄議員) 理事者の答弁を求めます。
     区長。       〔区長(田中 良)登壇〕 ◎区長(田中良) けしば誠一議員の一般質問にご答弁を申し上げます。私からは、放射第5号線の開通に伴う地域のまちづくりについてのご質問にお答えをいたします。  放射第5号線は、区内の未整備区間が東西方向交通のボトルネックとなっておりまして、利便性の向上や交通渋滞の緩和、災害時の避難路確保や救援活動などを支える広域的な交通網の機能強化を図るために、早急に整備が必要であると考えております。また、整備による交通量の増加に伴いまして、沿道地域に対する環境への影響などさまざまな課題があることも、私は認識をしているつもりです。  これまで整備に当たりまして、地元住民を含めた協議を重ね、暫定的な形で供用してまいりましたが、大震災を踏まえ、放射第5号線や高井戸オンランプの開設など、道路ネットワーク整備の必要性が改めて認識をされたところでございます。また、車両の技術革新や環境対策整備、渋滞対策によりまして、予測される地元の環境への影響も一定程度軽減されると考えられますが、なお十分な対応も必要と判断をしております。  そのため、区といたしましては、引き続き沿道住民に対し丁寧に説明していくことを東京都に求めていくとともに、隣接する小学校の教育環境についても、現在検討を進めているところでございます。  こうしたさまざまな課題を含めまして、この富士見丘地域全体のまちづくりについて、よりよいものとなるようさらに検討を重ねてまいりたいと思います。将来この地域が安全で快適なまちづくりのモデル地区の1つとなるよう、努力をしてまいりたいと存じます。  私からは以上です。残りのご質問につきましては、関係部長よりご答弁申し上げます。 ○副議長(渡辺富士雄議員) 情報・法務担当部長。       〔情報・法務担当部長(関谷 隆)登壇〕 ◎情報・法務担当部長(関谷隆) 私からは、選管委員報酬返還訴訟等に関連したご質問のうち、所管事項についてのご質問にお答えいたします。  まず、昨年の最高裁判決において、勤務実態がない場合、報酬が支給できないことは確認されたのではないかという点につきましては、むしろ、行政委員は専門性が求められ、形式的な登庁日数だけで勤務実態は評価されるものではないと指摘した上で、地方自治法は、日額報酬以外の報酬制度を定めることができる場合の実体的な要件は何ら規定していないとし、その上で、勤務態様が多種多様な非常勤職員に対し、どのような報酬制度が人材確保の必要性等を含むその自治体の実情等に適合するかは、その職務の性質、内容、職責、負担等を踏まえ、それを最もよく知り得る立場にある議会の裁量判断に委ねられるとしています。こうした点1つとりましても、今回の地裁判決は到底承服することはできず、控訴に踏み切ったものであり、控訴審においては適切にご判断いただけるものと認識しております。  また、現行条例の規定は、首長から独立した執行機関として、その事務を自らの判断と責任において誠実に管理し、執行する立場にある行政委員に対する報酬という点を意識した上で定められたものと考えておりますので、現時点で条例を改正することは考えておりません。  私からは以上です。 ○副議長(渡辺富士雄議員) 環境部長。       〔環境部長(井口順司)登壇〕 ◎環境部長(井口順司) 私からは、杉並清掃工場の建て替え計画に関する一連のお尋ねにお答えいたします。  まず、建て替え計画の概要ですが、煙突部分を除くほとんどの建物を解体し、最新鋭の設備を備えた清掃工場に建て替えるものです。スケジュールは、平成25年2月から解体を開始し、26年12月から建築工事に入り、29年10月に竣工する予定でございます。  次に、工事に当たっての周辺への環境対策ですが、解体に際しては、建物全体を仮設テントで覆い、騒音抑制や粉じんの飛散防止を図るとともに、振動防止対策を行い、排ガス対策の重機を使用するなど、できる限りの対策を講じて進めております。  次に、施設づくりに当たっての地元への配慮ですが、新しい工場は工場棟の高さを旧工場の高さ以下に抑え、周辺環境と調和したデザインといたします。また、建物屋上や周回路の緑化を積極的に行い、武蔵野の面影を残したみどり豊かな憩いの場といたします。さらに、ごみ焼却による排熱については、温水プールや地域区民センターの熱源として利用するほか、工場建物内に足湯をつくり、地域の方々の交流の場といたします。  次に、環境教育ですが、工場見学ルートを設け、ガラス越しに臨場感を持ってごみ処理過程を見学できるようにするほか、回廊型の展示スペースや休憩機能を備えた資料室を設け、ごみ処理の歴史や杉並清掃工場の歩み、世界の環境問題などをテーマごとに分けてわかりやすく展示し、広く環境問題を学べる場といたします。  最後に、資料室における資料収集に区も協力するようにとのご指摘でございますが、資料室は、清掃工場建設をめぐり高井戸の地に刻まれた歴史を後世に伝えるという役割も兼ね備えるとしております。区といたしましても、当時の資料などで提供できるものがあれば、できる限りの協力をしてまいります。  私から以上でございます。 ○副議長(渡辺富士雄議員) 都市整備部長。       〔都市整備部長(大塚敏之)登壇〕 ◎都市整備部長(大塚敏之) 私からは、外環道と放射5号線の残りのご質問にお答えします。  まず、外環道についての住民からの質問に対する国の対応についてのお尋ねにお答えします。  住民の質問に対する説明は、国において適切に処理されるものと考えます。区は国に対し、住民からいただいた要望も踏まえ、今後も引き続き住民に対する丁寧な対応を求めてまいります。  次に、大深度地下使用の認可申請後の手続についてのお尋ねにお答えします。  認可申請は国土交通大臣宛てに提出され、法の定めに従い手続が進められております。今後、区において申請内容の公告縦覧が行われ、この間に利害関係人からの意見書の受け付けが行われます。意見聴取などの審査を経て処分が下されますが、国からのスケジュールは示されておらず、着工予定については、現段階では未定でございます。  次に、本線工事に用いるシールド工法は、施工時及び完成時においてもトンネル構造の密封性が高く、地下水脈に及ぼす影響は小さい工法でございます。区は、今後も国が責任を持って考え方やデータを示し、対応の方針の確実な履行とともに事業が進められることを引き続き求めてまいります。  次に、放射第5号線事業概要説明会の案内についてお答えします。  東京都からは、放射第5号線の高井戸西区間の沿道両側150メートルの範囲に、約2,700枚のビラを配布したと聞いております。さらに区の広報紙やホームページに説明会の案内を掲載し、掲示板の利用とあわせて広く周知を図っています。  次に、放射第5号線の沿道環境についてのご質問にお答えします。  区では、放射第5号線の沿道付近の二酸化窒素や騒音等の環境測定を実施しており、いずれも環境基準を下回っております。また、測定データについて、ホームページへの掲載や環境白書の中でも公開しているところです。今後、区といたしましては、供用開始後の環境予測値について、引き続き沿道住民に対し丁寧に説明していくことを都に求めてまいります。  次に、中の橋交差点の渋滞対策や歩行者の横断時間の改善についてのご質問にお答えします。  東京都は、中の橋交差点の改良を行い、放射第5号線から環状8号線への右折方法などの改善などにより、一部で歩行者横断の距離は増えますが、渋滞の減少や歩行者の安全性が向上すると聞いております。  次に、富士見丘通りの交通量についてのご質問にお答えします。  東京都は、放射第5号線は東西方向の交通流を担っているため、交通量が増加しても、南北方向の富士見丘通りの交通量は直接影響はないとしております。区といたしましては、都に対し、最新の交通量推計について、資料ができ次第公表するなど、引き続き地元住民に対し丁寧な説明をするよう求めてまいります。  私からの最後になりますが、環境改善のための区民活動についてのご質問にお答えします。  区といたしましても、区民が参加する環境改善のための活動は有意義なものと考えておりますので、今後、管理者である東京都に伝えてまいりたいと存じます。  以上でございます。 ○副議長(渡辺富士雄議員) 学校教育担当部長。       〔学校教育担当部長(玉山雅夫)登壇〕 ◎学校教育担当部長(玉山雅夫) 私からは、奨学金に関するご質問にお答えいたします。  高校生奨学資金については、申請書類を適切に審査し、貸し付けしております。本件については区の主張が認められており、区として母親等の刑事責任を問う必要はなく、また、損害賠償なども適用されないと考えております。  次に、延滞金等の取り扱いについてですが、条例により、期限までに奨学金等の返還を完了しなかった場合において、正当な事由がないと認められるときは利息を徴収することとしております。  また、返還金の猶予につきましては、上級学校に進学した場合、疾病その他正当な事由のために奨学金の返還が困難な場合は、申請により相当の期間その返還を猶予するものとしております。  次に、奨学金の申請に関するお尋ねですが、区では、申請時や入学準備金の受け取り時に、できるだけ本人の来庁をお願いしております。また、申請書類が適正かどうか審査するため、書類の筆跡や捺印の確認を行うだけでなく、貸し付け決定の通知も本人宛てにお送りしております。さらには、平成25年度募集分から、学校長推薦調書の様式を変更し、校長との面談を義務化しております。  次に、奨学金の貸し付けに関するお尋ねですが、奨学金は本人の申請に基づき本人口座に振り込んでいるため、本人が受け取っているものと考えております。これまでも適正に審査し、貸し付けを行っておりますので、この件に関して条例改正の予定はございません。  私からの最後に、奨学金制度の改善等についてのお尋ねですが、引き続き国の動向を注視してまいりたいと考えております。  私から以上でございます。 ○副議長(渡辺富士雄議員) 選挙管理委員会委員長。       〔選挙管理委員会委員長(青木 實)登壇〕 ◎選挙管理委員会委員長(青木實) 私から、選挙管理委員報酬に関する残りの質問にお答えをいたします。  まず、過去、長期にわたり欠席した委員に対する報酬支給の事実についてのお尋ねでございますが、当時の財務書類が廃棄されており、断定はできませんが、前後の年度の決算書から判断いたしますと、条例に基づき支給されたものと思います。  次に、23区での日額を採用している自治体はあるのかというお尋ねでございますが、23区においては、新宿区が選挙管理委員にのみ日額制を採用しております。また、渋谷区は全行政委員の報酬を、月額、日額の併用制といたしております。  次に、委員の勤務実態について調査の必要があるのではないかというお尋ねでございますが、委員の費用弁償手続もあるため、委員会を含め、それ以外の会議、行事などへの出欠について、これまでも事務局では把握をいたしております。  私から以上でございます。 ○副議長(渡辺富士雄議員) 12番けしば誠一議員。       〔12番(けしば誠一議員)登壇〕 ◆12番(けしば誠一議員) 何点か再質問いたします。  選挙管理委員の報酬規定に関する質問には、幾つか答弁漏れがあります。区の今回の控訴の理由でありますが、議会の裁量判断に委ねられている事項だという理由、そしてまた、月額も認められたというこの2点でありました。非常勤行政委員の報酬の規定を検討する場合に、区も認めていますように、滋賀県行政委員の報酬に関する最高裁判例が重大な前提とならざるを得ません。  そこで述べられた会議日数だけが行政委員の仕事ではないとする見解は、理のあるところと私も認識しています。会議の参加だけじゃなくて、その課題に応えるためには、一定の専門性やそれ相応の準備や視察なども必要なことでありまして、しかし、一方で、最高裁判例の補足意見で、横田裁判長は、多くの自治体が財政困難の中で首長や職員給与を減額している状況や、一審判決後に、滋賀県も含め日額制を採用する自治体が増えたことに言及しています。また、報酬制度は、住民に対し十分説明できるように適切に対応することが望まれる、そして重要なことは、議会の裁量権は無限定ではないと述べているのであります。この点についての区の見解、認識はどうなのか、この点をしっかりと答弁願います。  2つ目に、今回は、杉並区の条例によって、議会の裁量権を、何の限定もない、勤務時間が皆無でも満額支給されたことが違法と判断されたのです。質問でも述べたように、判決文の中では入院中の元委員の詳細な記録が全て検討され、全く勤務実態がないことが認識されています。控訴したのは、この判決の中にある事実認識が間違っているのか、ここを争うつもりなのか、お聞きします。  3つ目に、他の自治体への影響が大きく、また、本来議会が決めたことであるという点から、立場上控訴せざるを得なかった背景は推しはかることもできます。しかし、この判決で区の条例の不備が指摘され、控訴審や上告によって同様の判断がなされるとすれば、区の立場は厳しくなります。裁判は継続するにしても、それとは別に監査委員の報酬をめぐる区の判断のときと同様に、条例改定自体急ぐべきではないのか、そういう事態に今あるのではないかということをお答え願いたいと思います。  次に、奨学金問題についてです。  当該の判決は、奨学金を利用するための手続自体は書類上その他そろっていて、区としては支給せざるを得なかった状況を認めたものです。先ほども区がお答えになったように、適切に申請したもので、事務処理上は認められたということで、また、これについても、私もそうであったということで、そこの点で区の非を問う気は私もありません。  しかし、問題は、被害者であるAさんの訴えによって、その背景には、虐待や母親の問題が明らかになったということであります。また当時、児童相談所が都の管轄であるためにその情報が区に届いていなかったことも想定でき、この点でも当時は、区のその時々の判断という点では、私もやむを得なかったのかということも配慮できます。  しかし、この問題はAさんの背景であります。区の奨学金を規定する条例や規則からすれば、裁判で債務の存在が認められた以上、区としては返還請求しなければならないことは、行政の立場からもそうせざるを得ないかもしれません。しかし、一方、区の責務を社会福祉の増進という姿勢を絶えず表明している区長、私はその点は評価しているわけでありますが、その立場からすればAさんは救済すべき対象だと思いますが、どうなのでしょうか。  2つ目に、ここで私は、先ほど区のほうからも示された区の奨学資金に関する条例の第12条を引用させていただきます。「奨学生または奨学生であつた者が、奨学金の返還完了前に死亡・傷害・災害・その他特別の事由のために、奨学金の返還が特に困難な場合は、申請により奨学金の全部または一部の返還を免除することができる。」、区の条例の12条でもこう規定されているわけであります。少なくとも児童相談所に保護されていた期間を確認し、その期間については免除すべきと思いますが、再度区の温かい手を差し伸べていただきたく、この点をお答え願います。  さらに、以上述べたような事実からも、条例自体にこのようなケースを救済できる規定がなければこれを改定し、そうした規定を設けるべきだと考えますが、区の見解を求めます。  最後に、時間がありませんので、放射5号線については特別委員会に回しまして、外環道についてのみ1点質問させていただきます。  外環道大深度地下計画は練馬から世田谷にかけて、地下水がちょうど湧き出る水源を遮断する形で計画されています。善福寺池がしかりでありまして、貴重なみどりや動植物の生息が確認されています。練馬区石神井台の三宝寺池には、東京では珍しい湿地帯に生息する沼沢植物が生息していて、1935年に三宝寺池沼沢植物群落として区の天然記念物の指定を受けています。この外環道の建設により池の水が枯渇し、善福寺池の生物や、またこの天然記念物が消失するようなことはない保証は今のところありません。池の水が枯渇し、天然記念物が消失するようなことがあれば、どうするのか。政府が検討するこうした天然記念物を保存するための具体的な対策があれば、お示しください。区の明快な答弁を求めて、再質問を終わります。 ○副議長(渡辺富士雄議員) 理事者の答弁を求めます。  情報・法務担当部長。       〔情報・法務担当部長(関谷 隆)登壇〕 ◎情報・法務担当部長(関谷隆) 私からは、選管委員訴訟に関しての再度のご質問にご答弁させていただきます。  まず、最高裁の判決につきましては、補足意見、それも含めて全体としては、執行機関である行政委員の職責だとか専門知識、それから人材確保の必要性から、自治体が独自に、基本的にそれぞれの判断で報酬制度を定めていくべきものというふうな捉え方をしてございまして、私どもとしては、基本的に今回条例に基づいて支出したものでございまして、何ら違法な点はないというふうに考えてございます。  また、控訴審で控訴理由等については具体的に主張してまいりますので、今係争中ということで、ここでご答弁することは差し控えさせていただきます。  以上です。 ○副議長(渡辺富士雄議員) 都市整備部長。       〔都市整備部長(大塚敏之)登壇〕 ◎都市整備部長(大塚敏之) 外環道に関する再度のご質問にお答えします。  先ほどもご答弁しましたが、大深度のシールド工法というのは一般的には密封性が高く、地下水脈への影響は少ないと言われておりますけれども、万が一ご指摘のことがあれば、国の責任において対策を考え、対応していくことを求めてまいります。 ○副議長(渡辺富士雄議員) 学校教育担当部長。       〔学校教育担当部長(玉山雅夫)登壇〕 ◎学校教育担当部長(玉山雅夫) けしば議員の奨学金についての再度の質問にお答えします。  繰り返しの答弁になりますけれども、この制度は、向学心のある区民で、経済的理由により就学の困難な者に対し学資金を貸し付け、社会的に有益な人材を育成するということを目的とする貸付制度でございますので、制度についての変更はないものと考えてございます。  私からは以上でございます。 ○副議長(渡辺富士雄議員) 以上でけしば誠一議員の一般質問を終わります。  22番山下かずあき議員。       〔22番(山下かずあき議員)登壇〕 ◆22番(山下かずあき議員) 民社・社民クラブ・山下かずあきでございます。区政一般についての質問をいたします。  今回は子どもの居場所についてというテーマを掲げ、生まれてくる子どもの居場所から、乳幼児、小学生、中高生と、子どもたちの連続した育ちの中での区のかかわりはいかにあるべきか、現状認識と今後の展望について見解を求めていきたいと思います。  まず、生まれてくる子ども。  まず初めに、ことし10月24日、東京都福祉保健局発表の平成24年東京都人口動態統計年報(確定数)によりますと、東京23区の合計特殊出生率は、最高1.40の江戸川区に対して、杉並区は最低の0.89という驚きの数値でした。  これまで杉並区は、子育てに対する取り組みを積極的に進めてきたことは認識をしております。にもかかわらず最低の数値でありました。このことは、出産に対する施策に何か課題があるのではないかと懸念をする次第であります。  そこで伺います。杉並区の合計特殊出生率は低く、少子化の傾向にありますが、区の見解を伺います。  さて、子どもの居場所を論ずる前に、まず、生まれてくる子どもに対しての環境から話を進めていきます。
     初めての出産は、女性にとって、そして夫にとっても、期待とともに大きな不安もあります。妊娠中のトラブルはないか、おなかの赤ちゃんの生育状態はどうかなど、さまざまな不安があります。こういった不安を取り除くことが、杉並区で産み育てようという意識につながるのではないかと思います。無論、金銭的な支援についても判断材料の1つになりますが、そこで伺います。生まれてくる子どもを迎える保護者に対して、現在区の取り組んでいる施策を伺います。  妊娠中の不安や産後の不安など、さまざまな不安がある中で、これを解消する手だては的確な情報提供にあると考えます。新聞をとらない子育て世代が増えてきた昨今、区の情報源の1つである「広報すぎなみ」の情報は届きづらいという指摘があります。インターネット万能といっても、ふなれな若夫婦も依然ある中で、せめて子育て環境に寄り添っている児童館にも「広報すぎなみ」を置いておくことが望ましいと考えます。  そこで伺います。妊娠中や産後の不安を解消するためには、的確な情報提供が重要と考えますが、見解を伺います。  妊娠時、命の大切さや子育てのさまざまな困難を認識してもらうことは重要であります。パートナーへも同じ理解が必要であります。出産後、そんなはずじゃなかったというような意識のずれが、虐待やパートナーからのDV(ドメスティック・バイオレンス)に発展する懸念もあります。  そこで伺います。子育てについて、両親となることへの心構えをどう伝えるべきなのか、見解を伺います。  初めての出産に当たっては、その後の環境の変化をイメージできないと不安を訴える妊娠女性からの意見があります。マニュアル本や講義ではイメージできず、ストレスがたまる原因にもなります。つまり、言葉に発しなくてもイメージがつかめる場の提供の必要性があると考えます。  区は、困ったことがあったら何でも相談してくださいと、窓口はありますが、何もかもが不安だらけの妊娠女性に対して、適切なケアも考えなくてはならないものと思います。さまざまな支援の中で、例えば身近な先輩ママたちは年が近いこともあり、打ち解け、よりリアリティーがあるものと思います。  そこで伺います。初めての出産に当たって、リアリティーのある支援をどう取り組んでいくのかお伺いいたします。  乳幼児。さて、続いて乳幼児の居場所について話を進めてまいります。  今回の修正後の施設再編整備計画(素案)では、児童館については、和泉児童館と成田西児童館の2館が仮称子どもセンターへ改修、下高井戸児童館は、ゆうゆう下高井戸館を地域コミュニティ施設へ改修、そして荻窪北児童館はなくなります、と4つの児童館のみが対象となりました。しかしながら、これは向こう5年間の第一次実施プランであり、その後、その他の児童館についても、順次、保育施設や地域コミュニティ施設への転用などに活用していく方針が打ち出されました。  いずれにしても、従来の児童館はなくなってしまいます。このことは大変残念なことでございますが、発展的に考えて、これまでの児童館のすばらしい機能をいかに継承し、充実、発展していくのかを考えなくてはならないと思います。  現在、児童館の存在は、特に目的意識がなくてもふらっと立ち寄れる、私はこれをふらっと立ち寄りと呼んでおりますけれども、こういったことができる、乳幼児を連れたお母さんたちにとってとても敷居の低い自由な環境であります。しかし、今後の施設再編の中でこういった利便性をどう確保していくのか、懸念があります。  そこで伺います。現在の児童館が持つ、乳幼児親子がふらっと立ち寄れる環境をどう確保していくのかを伺います。  子育て支援は身近にあることが必要であり、講義や講座的な机上での子育て論は、現実性がわからない問題点があります。そういった中で、子育ての実体験をした先輩ママたちなどとの交流は大変有効であると思います。  そこで伺います。ゆうキッズ事業では、新米ママたちの不安解消に先輩ママたちとの交流を図るプログラムもあり、今後ともこうした取り組みも重要と考えますが、見解を伺います。  子育て支援をする取り組みの1つであります子育て応援券は、子育て家庭と子育て支援サービスを提供する事業者である地域の人とをつなげることを目的としていますが、一部の利用者にとって有効な利用先がわからないなど、子育て応援券が十分に活用されていないという指摘もあります。また、残念ながら使うことができなかった未利用券についても、何か有効活用すべきと考えます。例えば次世代育成基金ヘ寄附ができるなど、利用者の意思が伝わる仕組みを検討すべきと提案をいたします。  そこで伺います。子育て応援券は、平成24年度から出生時における無償応援券の拡充など、制度の大幅な見直しが実施されてまいりましたが、見直しの趣旨に沿った利用実態となっているのか、お伺いいたします。  ここで、子どもたちの居場所さえも奪ってしまう悲惨な課題があります、それは、子どもたちに対する虐待です。折しも今月11月は虐待防止を呼びかける啓蒙活動の月です。これまでオレンジリボン運動の意識の高まりとともに、虐待相談、通報件数が増えてきたことは歓迎すべき点ですが、虐待認知件数の割に相談件数ばかりが大きな数字になっていることが、逆に通報に冷や水をかけやしないか、不安があります。また、これまでの取り組みが、ややもすると定期的な啓蒙運動でマンネリ化してしまうのではないか、注意をしなければなりません。  ここにちょっとパネルを表示いたします。このイラストを知っている方いらっしゃいますか。──知らないですね。これは東京都がことしから始めましたものでございまして、オレンジリボンキャンペーン、いわゆる児童虐待防止推進月間に連携する新しい取り組みの1つで、東京OSEKKAI化計画のイメージキャラクター、OSEKKAIくんです。従来の余計なおせっかいと言われたおせっかいではなくて、いい意味での地域社会の連帯感、つまり、日ごろから温かい眼差しと励ましの言葉で子どもや親子のSOSを見つけていく、そういった社会の実現を目指す取り組みであります。  この取り組みの中で、子どもを虐待から守るためのOSEKKAI5カ条というものを提唱しています。1つ目、子育てをしている保護者、親でございますけれども、これを優しく見守りましょう。2つ目は、保護者、親はいろんな問題を抱えているということを理解しましょう。3つ目は、隣近所、地域社会でのコミュニケーションを図りましょう。4つ目は、子育てに不安を感じている人には声をかけてみましょう。5つ目は、それでも心配なときは区市町村または児童相談所ヘ連絡をしてください。つまり、従来からのオレンジリボン運動に連動して、視点を変えた取り組みを展開することで、子ども虐待に対して改めて認識をしていこうというすばらしい取り組みであります。私も非常にうまく考えたものだと思って感心しておりますけれども、ぜひ当区においても、オレンジリボン運動がマンネリ化することがないよう、さまざまな視点でこういった展開をしていっていただきたいと要望いたします。  当区のほうでは、たしかこういうカードが今リニューアルされました。私も、このカードについては、従来からあったカードに対してちょっと見づらい、また、通報の電話番号が表になかったものでございますから、今回見やすくしてくださいという要望を出したところ、このように新しいカードになりました。これは庁舎の中にもあちらこちら置いてございますので、ぜひとも皆様手にとってご利用いただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。  そこでお伺いいたします。11月は子ども虐待防止月間でございますけれども、その取り組み状況を伺います。  虐待の原因はさまざまあります。虐待を受けた子どもに対して、迅速かつ極めて細やかな対応が重要であります。そして、加害者に対しても適切な対応が急務であります。現場に一番近い基礎自治体にこそ、児童相談所の権限と機能を備えることが虐待対策に有効であると以前から申し述べてまいりました。そこで、一刻も早い都から区への移管を期待いたします。  そこで伺います。児童相談所区移管に向けた都区間協議の進捗状況をお伺いいたします。  乳幼児から小学生への境目についても、分け隔てた各ステージの育ちの支援ではなく、同じ環境を設けることも重要であると思います。環境の変化は、子どもの不安ばかりではなく、親の不安にもつながります。縦のつながりである世代間交流が、親の目から見て子どもの将来像を現実に把握できているのではないか、こういった機会を設ける必要があるのではないかと思います。  そこで伺います。就学前や小学校1年生の親は、子どもたちが学校生活に適応できていないのではないかという不安を持っているようですが、就学前後において子どもたちの環境変化を和らげ、親の不安を解消するために、区はどのような対策を図っていくのかお伺いいたします。  小学生。次に、小学生の居場所の1つであります学童クラブでの居場所と放課後の居場所についてであります。これらは今後、基本的に小学校内での実施とありますが、安全性と利便性をどう確保していくのか。また、別チャンネルを設けることで交流を隔てることはないのか、懸念があります。  そこでお伺いいたします。学童クラブ児童と放課後等の居場所を利用する児童の交流を今後どう取り組んでいくのかお伺いいたします。  子どもが小学生から中学生ヘ育っていくとき、心と体にはとても大きな変化があると思います。こういった時期にこそ、積極的な小中学生の交流を通じて、小学生にとっては中学生のお兄さん、お姉さんへの憧れであったり、逆に中学生が弟や妹を思いやる心につながっていくのではないかと思います。  中高生。次に、中高生に対して、中高生が自主的にいられる環境は必要と考えます。中高生の利用率が低いから、児童館における中高生施策は切り離して排除するという理論に陥っているのではないかと危慎をいたしております。そうではなくて、中高生にとってもっと使い勝手のよい施設展開をしていく必要があるのではないか。だからこそ、中高生の意見や要望をしっかりと酌み取って、 彼らの居場所づくりにつなげていかなければならないと思います。  また、単なる居場所という存在と、教育的期待を持った居場所とでは、趣旨は大きく違います。とかく後者になりがちな大人の理論も大切ではありますが、前者の重要性もあります。全ての中高生が勉強とスポーツに明け暮れているわけではなく、その波に乗れなかったり、親との確執や同級生との友だちづき合いなど、思春期のデリケートな時期にこそ、その居場所の存在は重要であります。一歩間違えば誤った方向に向かう危険性をはらんだ現代に生きる中高生に対し、きちっとした支援体制をつくっていかねばならないと思います。  また、今後の中高生の支援のあり方については、とかく中学生と高校生を一くくりにする傾向にありますが、彼らの生活圏はそれぞれ違いがあることを念頭に置き、それぞれの意見を十分に聞きながら施策を展開すべきであります。  さて、ここで中高生に対する施策として、注目すべき事例を紹介いたします。世田谷区では、中高生世代の子どもの自立及び成長を支援し、中高生世代の子どもの社会参加の促進を図るために、中高生世代活動モデル事業として、本年6月に中高生世代応援スペース「オルパ」を期限つきでオープンしました。ご存じの方も多いかと思いますけれども、中高生がぶらりと立ち寄れる、また、地域社会をつくる担い手にもなり得ることを目指しています。自主的取り組みを積極的に支援し、中高生自らが自分たちの居場所を育てていく取り組みは大変参考になります。  そこで伺います。修正後の施設再編整備計画(素案)では、中高生の新たな居場所づくりに関する区の考え方が示されていますが、当事者である中高校生の意見などを反映してまとめられたものなのか、この間のプロセスをお伺いいたします。  中高生は児童館にもその居場所を追いやられ、中高生は勉強一筋であれ的な意見もありますが、最も多感で将来に不安を抱えやすく、大人になり切れていない中高生の時期だからこそ、大人の寄り添いが必要であると考えます。  そこでお伺いいたします。中高生支援の一環として、ユースプロジェクトや中・高生委員会がありますけれども、現在の取り組み状況と今後の方針をどう捉えているのか、お伺いをいたします。  さて、さまざま述べてまいりましたけれども、少子化対策を含め、今まさに育ちの連続性が問われているものと感じています。年齢階層ごとの居場所の提供も重要ではありますが、連続した流れの中での育ちの支援が必要なのではないかと改めて痛感をいたします。  昨日、区長からの答弁にありました平成26年度厚生労働省所管概算要求の中で、妊娠から出産、そして子育て期までの切れ目のない支援、産後ケアを含む支援を各自治体の特性に応じて行うためのモデル事業を実施することは、まさに切れ目のない支援が子育てには重要であることを物語っています。  さて、今回、子ども・子育て支援新制度や施設再編整備計画を踏まえて、子育てや子どもの居場所のあり方は大きく変わろうとしています。従来から、子どもの居場所は3つの生活環境、家庭と学校と地域、これがあることは述べてまいりましたが、杉並区で生まれ育ち、杉並区を活性化していくには、これらの環境の連携と、縦軸であるところの育ちの連続性が重要と考えます。いずれ子どもが成人していっても、杉並区をふるさとと思えるような施策の充実を今後とも積極的に展開をしていくよう要望して、質問を終わります。  ありがとうございました。 ○副議長(渡辺富士雄議員) 理事者の答弁を求めます。  区長。       〔区長(田中 良)登壇〕 ◎区長(田中良) 山下かずあき議員の一般質問のうち、私からは、少子化に関するご質問にお答えをいたします。  我が国は、オイルショックがあった昭和48年以降、出生率と出生数の減少傾向が続きまして、少子化が急速に進んでおります。結婚や妊娠、出産は個人の考えや価値観にかかわる問題でありまして、個人の自由な選択が優先されるべきことは当然でありますが、一方で、少子化等による人口構造の変化は、社会保障費用の増大に直結するなど大きな社会的問題であると受けとめております。  こうした問題は、我が国が直面する大きなテーマとして、本来国が積極的なリーダーシップを発揮するべきものだと思いますけれども、私は、基礎自治体としても手をこまねいているわけにはいかないと考えております。その意味で、区としては、時代の変化に応じて子育て支援サービスの充実に取り組む観点から、保育の待機児童対策に力を注ぐとともに、今般お示ししました児童館の再編を着実に進めること、こういったことを通して、子どもを産み育てやすい環境づくりに邁進していきたいと決意を新たにしているものであります。  私からは以上です。残りのご質問につきましては、関係部長よりご答弁申し上げます。 ○副議長(渡辺富士雄議員) 子ども家庭担当部長。       〔子ども家庭担当部長(徳嵩淳一)登壇〕 ◎子ども家庭担当部長(徳嵩淳一) 私から残りのご質問にお答えをいたします。  まず、妊娠期から出産後に至るまでの区の支援に関するお尋ねですが、妊娠期には安全・安心な出産に向けた妊婦健康診査のほか、出産前の育児準備に資するよう母親学級、パパママ学級等を実施しており、そうした中で、夫婦で協力して子育てをすることの大切さなど、親となることへの心構えを自ら考えるきっかけづくりにも意を用いてございます。  また、産後の母子の健康状態等を把握した上で必要な支援を行うため、出産後の全家庭を対象とするすこやか赤ちゃん訪問事業や、1歳未満の乳児のいる家庭に対する区独自の訪問育児サポーター事業によるアウトリーチでの対応などにもさまざま取り組んでございます。区ではこれらの取り組みを通して、個々の状況に即した適切な情報提供や相談対応を実施し、出産、育児に関する不安の軽減等に努めているところであり、今後ともつながりのあるきめ細やかな支援を図ってまいりたいと存じます。  次に、児童館の再編に関する一連のご質問にお答えします。  まず、ゆうキッズ事業についてですが、子育てに不安や孤立感を覚える家庭が少なくない中で、ご指摘のとおり、乳幼児親子が気軽に立ち寄れる居場所としての環境を確保するとともに、新米ママと先輩ママや、就学前の子を持つ親と小学生の子を持つ親など、幅広い親同士の交流が図れる機会を創出することは重要な視点と受けとめています。今後の再編に当たりましては、それらの視点を考慮しつつ、身近な地域におけるゆうキッズ事業の着実な継承・発展を図ってまいりたいと存じます。  また、小学生の放課後等居場所事業に参加する児童と、学童クラブ利用児童との交流に関するお尋ねがございました。現在の児童館でも、これらの児童が一緒になって工作活動やゲームなどを行うプログラムの提供を図っており、再編後につきましても、そうした実績等を踏まえ、双方の児童の交流機会をしっかり確保してまいる考えでございます。  次に、子育て応援券に関するお尋ねですが、子育て応援券につきましては、ご指摘のとおり平成24年度から、零歳から2歳までの低年齢児のいる家庭への支援を重点化する見直しを行いました。その結果、見直し前に比べ、2歳までの子どものいる家庭の利用が大幅に増加し、主に子育てに関する相談、産後における心身のケアや日常生活支援サービスに応援券が活用されてございます。  次に、児童虐待防止推進月間における区の取り組み状況についてのお尋ねですが、この間、広報、ホームページ及びポスターによる周知、啓発、駅頭キャンペーンや講演会を実施してまいりました。これらの例年の取り組みに加え、本年度は、先ほどご指摘いただきましたように、この推進月間に合わせて児童虐待防止、未然防止のための啓発カードの改定版を作成、配布し、地域の中で少しでも気になることがあれば子ども家庭支援センターに相談、連絡してもらうように、改めて周知を図ったところです。今後とも関係機関との密接な連携のもと、さまざまな工夫を凝らしながら、地域全体で子どもを虐待から守る意識の醸成等に努めてまいりたいと存じます。  次に、児童相談所の区移管に関するお尋ねがございました。現在の状況ですが、昨年12月の区長会における議論を踏まえ、本年1月より、移管を受ける立場の特別区として、移管後の児童相談所業務全体をいかに行っていくのかの青写真を描くよう所要の検討を進めてまいりました。  その結果、今月の区長会におきまして、児童相談所と一時保護所を原則として各区に設置することや、それに伴う組織体制のあり方などを主な柱とする特別区児童相談所移管モデルが報告、了承されたところです。これにつきましては、本定例会中の所管委員会に報告させていただく予定でありますが、特別区といたしましては、今後このモデルをもとに東京都との協議の促進につなげてまいりたいと考えているところでございます。  次に、いわゆる小1プロブレムに関するご質問にお答えします。  区と教育委員会では、この間、就学前の児童が小学校教育への円滑な移行等を図るため、幼保小連携のモデル事業などを進めてきました。ご指摘のとおり、今後も小学校就学の前後において子どもたちの環境変化に対する意識を和らげ、保護者の不安を解消するための支援に努めていく必要があると認識しております。これまでの取り組み状況等を踏まえ、現在策定中の仮称幼保小連携カリキュラムの中で取り組みのさらなる充実を図るよう、検討を進めてまいりたいと存じます。  次に、中高校生の新たな居場所づくりに関するご質問にお答えします。  区ではこの間、学識経験者や地域の子育て支援者などで構成する懇談会を設置し、区が実施した区内の中高校生約1,200名に対するアンケート結果や、23名の区内中高校生と懇談会委員との意見交換会の開催などを通して、居場所づくりに関する当事者の視点からのさまざまな意見等を聴取しながら議論を進めてまいりました。今般の計画素案でお示しした中高校生の新たな居場所づくりに関する基本的な考え方は、そうした懇談会の経過等を踏まえ、区として取りまとめたものでございます。  最後に、ユースプロジェクトすぎなみと中・高生委員会に関するご質問にお答えします。  ユースプロジェクトすぎなみは、区内在住在学の中高校生により組織し、主として区の青少年施策を当事者の立場から考えるための講座等を企画、実施しています。また、7カ所の地域児童館を拠点とする中・高生委員会は、地域の中高校生が各児童館で小学生等が参加する遊びのプログラムの企画、実施や、地域の行事におけるボランティア活動などを行っております。  しかしながら、この2つの自主的組織に参加する中高校生は少ない状況にあり、また、その活動の幅も広がっていない、そうした実態にありますので、今後、中高校生の新たな居場所づくりの検討、具体化を図る中で、これらの組織のあり方や活性化に向けた方策などを含め、改めて考えてまいりたいと存じます。  私からは以上でございます。 ○副議長(渡辺富士雄議員) 以上で山下かずあき議員の一般質問を終わります。  ここで午後1時まで休憩いたします。                               午前11時49分休憩                                   午後1時開議 ○議長(大泉時男議員) 休憩前に引き続き会議を開きます。  33番原田あきら議員。       〔33番(原田あきら議員)登壇〕 ◆33番(原田あきら議員) 私は、日本共産党杉並区議団を代表して、区立施設再編整備計画について質問させていただきます。  区民に衝撃が走りました。第3回定例議会の一般質問も終わった9月12日、正式発表となった区立施設再編整備計画(素案)は、区民に身近な施設の大規模な統廃合計画が掲げられました。紙媒体の情報提供がない中、主にネット上で区民の声を見ることができます。気軽に立ち寄ることができて、縦と横のつながりを持つ児童館という場所を失うことにより、小中学生の心情と行動に変化が起こることが心配されるとか、児童館廃止なんて聞いてない、ほぼ毎日通っている、あの小さな怪物と一日中家にこもっていたらおかしくなる、そして徒歩で行けること、これが絶対条件、区長にあの怪物を1日預かってほしいなどなどの声です。  私も、実は先日、1歳3カ月の娘と妻の3人で児童館を訪れました。私がなれ親しんだ児童館とは全く違う児童館のすばらしさを痛感しました。というのも、乳幼児室というのがあったのですが、暖かくしてあって、適度な広さで、安全なおもちゃ。親が横になっていても、子どもが泣いたり、構って構って行動をとらないで遊んでいてくれる。こんな場所だったのかと、改めて、久々に行って感動しました。  しかも、その部屋の外に出ると、各世代の子どもがいて、お兄さん、お姉さんに、うちの子はまたまた興味津々です。近づくとかわいいと言ってなでてくれたりするのですね。それはもうはしゃいで、夜はぐっすりですし、私たち夫婦も、本当にその時間は肩の荷がおりたような気になったものでした。  遊戯室でボール遊びをしている子どもたちに話しかけてみて、児童館の機能に感心しました。二ピンという遊びをしていた5人に話を聞いてみると、2人は学童、3人は一般利用、そして学年が2年生から4年生とばらばらだったんです。児童館に行くと、ふらっと立ち寄った子どもたちが、指導員や遊びが仲を取り持ってくれて、異年齢の人間関係を育んでいってくれる。その児童館の中学生委員会は、児童館のイベントや運営に意見を言えるようになっており、地域の青少年委員の方も、この中学生たちを頼もしい存在と語っています。  さて、児童館の現状についてのこの間の区の説明や、ことし9月に発表された個別外部監査報告書が指摘している、児童館がまるで機能不全を起こしているかのような実態が一体どこにあるというのか。もしもそういう児童館があったら、なくすのではなく、機能を回復させる方向を打ち出すべきではないのか。報告の内容にあきれると同時に怒りが湧いてきました。  そうした児童館の必要性を痛感してきた親たちは、ネット上で署名を始めていますが、その署名は瞬く間に1,000筆を超えたと聞いています。職員から驚きの声が上がっています。何と計画素案の中身を、現場の職員が、素案発表のその日まで知らなかったというのです。  区はこの間、児童館の施設は廃止するが、機能は移転し、継承・発展すると言っています。ところが、その方向性を、現場の職員にも専門家にも聞かずに決めていたんです。素案とほぼ同時に発表された児童館に関する個別外部監査報告書ですが、これを作成したのは公認会計士で、児童館行政の専門家ではありません。監査実施日はたったの3カ月。多額の監査を頼まなくても、本当の専門家は現場にいます。児童館の現場職員は、このほど、杉並区職員組合児童館学童保育分会の声明を発表。冒頭、大きな制度変更を含む内容が、現場職員の検討や利用者の声を聞くことなく、素案であれ、区議会に出されたということは大変に乱暴であると指摘し、端的に児童館の機能を説明しています。  そのまま引用しますが、児童館は、異年齢の交流や世代間交流など、幅広い出会いや触れ合いの中で子どもたちが育ったり、子育てが行われることを大切にしてきた。小規模多機能で地域に密着し、子どもの育ちを育むとともに、地域の子どもを育む大人のつながりもつくってきたと。本当にそう思います。区は、ひたすらに機能は維持すると言いますが、その具体策が余りにも今後の検討に任され過ぎていて、むしろ児童館の廃止、先にありきという姿勢が浮かび上がってきます。  現場職員の声に倣ってお聞きします。現在は、1つの施設でゆうキッズや学童クラブ、一般利用の小学生、少数ながらも中高生を受け入れることで、子育て施設としての価値や安心感が生まれています。これをばらばらに解体してしまって、これまでのような機能が維持されるのか、現場や親から疑問の声が上がっていますが、こうした声に区はどのように答えるのか、お答えください。  ゆうゆう館を利用していて、地域のいきいきクラブの役員もしている方は言います。高齢者は、若い人たちがいたのでは遠慮して利用しづらくなる。一人でふらっと立ち寄れて、それでいてほかの方とも話しやすい、若い人たちのエネルギーも必要だが、今の雰囲気は保てないと。こうした声は、単に一区民の個人的要求に矮小化されない重要な意義があると、介護に携わる専門家が指摘します。ゆうゆう館が、さざんかねっとといった高齢者にとっては難しいシステムを経ずに、ゆっくり、ゆったりとスペースを確保でき、仲間と交流できる環境が、さまざまな能力の衰えを余儀なくされる高齢者にとっては、機能の維持を獲得する上で重要だと言うんです。  先日開かれた介護保険運営協議会でも指摘されていましたが、現在、介護の世界では、地域包括ケアという概念が重要視され、そこでは地域主体のつながりづくりが最も重要視されています。高齢者にとっては、子どもの施設以上に身近な場所で、高齢者の身体状況に合わせたコミュニティ施設が必要となります。そこで今注目されている施設がゆうゆう館です。ふらっと立ち寄れる気軽さとともに、高齢者のために工夫されているという施設の安心感が、高齢者の外出にとって不可欠というのですね。  そこでお聞きします。今後の地域包括ケアの観点から見れば、ゆうゆう館は高齢者の活動拠点としてかなめとなる施設ですが、区はどう考えているのでしょうか。転用方針は撤回し、維持発展させることが必要であると指摘するものですが、区の見解を求めます。  介護保険運営協議会の質疑の中では、地域包括ケアを進める上で、ゆうゆう館の重要性が指摘されましたが、これに対し部長は、民間活用や空き家の活用の方向性を示していました。しかし、今回の施設再編整備計画(素案)では、具体的な代替案が区民に示されることもなく、転用方針先にありきとなっています。これでは区民の納得を得られないのではないか、見解を伺います。  今回、18カ所が全廃となる区民事務所会議室は、住民サークルの宝箱のような施設です。例えばその1つである浜田山会議室には、フラワーアレンジメントも習字もできる和室や洋室があり、さらにはダンスや演劇、合唱も行えるというフローリング、防音のホールがあり、区内各地から区民が集まっていました。保育施設に転用の上、事実上廃止と聞いた松ノ木のTさんは、私はダンスも合唱もやる、民間の施設を使うこともあるが、日々の練習があったればの話だ、高い民間のホールを毎回練習に利用できるはずがない、区自らシニア世代の活動の場を奪って、認知症や不健康な高齢者を生み出そうとしていると怒り心頭です。  フラワーアレンジメントサークルでは、使用料に対して声が上がっています。月1,400円の場所代も高いと感じていたのに、半額制度がなくなれば、場所代だけで月2,800円を出すことに。もうサークルの存続自体が難しいと嘆きます。一体区立施設とは何なのか、そういう基本を押さえなければならない事態です。  地方自治法244条では、区立施設を単なる住民要求により設置するものではなく、「普通地方公共団体は、住民の福祉を増進する目的をもつてその利用に供するための施設を設けるものとする。」と定めています。区立施設は、住民の福祉増進という意義を持っており、自治体として奨励し、利用促進に努めるのが筋ではないでしょうか。  ところが、杉並区はどうでしょう。この間、使用料等の見直し(素案)で明記された未利用者との公平性という考え方は、まるで施設利用が個人的な要求であり、区や未利用者の負担になっているかのように表現します。この考え方はとても危険なものです。住民は、自分の生活にかかわる施策についてはその重要性がわかりますが、自分の生活にかかわりのない区立施設については、そこに税金を使う意義をなかなか感じることのできにくいものです。行政は、そうしたさまざまな施設の重要性を区民全体に知らせ、みんながみんなで区政を支え合う社会を築く義務があります。その行政が自ら、あの施設には幾らお金がかかるとか、あの区民はあれだけのお金を使っているなどと、区民の間に対立を生むようなことがあるとすれば、それは社会保障の理念そのものに対する挑戦であると指摘せねばなりません。  そこで、お聞きしたいのですが、今回の施設統廃合や使用料の大幅値上げは、公共的な意義を有する区民の施設使用を阻害するものになっているのではないか、率直にお聞きします。  そして、全ての問題に共通しているのは、区民や現場職員、専門家の声をまるで聞いていないことです。ボトムアップを標榜してきた田中区長とは思えない、極めてトップダウンの政治手法であると断ぜざるを得ませんが、田中区長の政治姿勢として見解を伺います。  昨年の12月、区民を集めての区立施設再編整備に関する市民討議会が行われました。正式には、「施設の再編整備および保育施設の利用者負担の見直しに関する区民意見交換会」といいます。これは、ことし2月に報告書も出され、極めて重要な区民意見聴取の場となっています。  ところが、その内容を見て本当に驚きました。そもそも、その市民討議会は1日しか開催されず、しかも区立施設再編整備についての議論はたったの1時間半。その1時間半の内訳、区の説明15分、説明への質疑5分、討論は50分だけ。発表20分。区民同士が討議する時間はたったの50分。区の用意した一方的な資料だけを見せられ、そもそも討議テーマが、A班は現施設の見直しとその方法についてと、区立施設の統廃合が大前提です。B班のテーマは、世代を超えても誰でもいつでも利用できる施設についてと、これもゆうゆう館の施設再編が想起されるテーマ設定です。これでまともな市民討議と言えるでしょうか。  市民討議に先立って行われた、区立施設の再編整備に関する区民アンケートの誘導的な内容が話題となってきています。例えば設問2−2。平成23年度の学校を除く施設の維持管理経費は約217億円でした。施設運営の効率化を図らないと、維持管理経費が区財政を圧迫することは必至であると考えております。この対応策として、あなたの考えに近いものを1つ選んでください。もはやアンケートというより意見の押しつけです。一般会計1,500億円、特別会計も含めた総予算2,600億円という予算の全体を示すこともないまま、巨額に見える数字ばかりを取り出し危機感をあおる内容で、これが自治体のとるアンケートでしょうか。  こうした資料を手にして、専門家としての討議を行う場である行政経営懇談会ですが、人選からして偏りが見られます。どの方も経済学部教授、経営学部教授、公認会計士など、およそ児童館やコミュニティ施設、ゆうゆう館等の機能について専門性を有しているとは思えない学識経験者が並ぶのですが、議論の内容がそれを物語ります。  ある委員は、区立施設再編整備にかかわって役所に聞きます。「杉並区の町内会や自治会について詳しく存じ上げないのですが、これらの集会所や会議室は、そうした組織とのかかわりで用意されているのか、また、費用負担や維持管理については、その地区のコミュニティとのかかわりについて、歴史的経緯があって今日に至るのか。その辺がよくわからなかったので教えていただければと思います。」等、この議題についての専門性の薄さを隠しません。終始このような感じで、議論はたったの30分。区は、こうした行政経営懇談会から何の答申を受け取るというのでしょうか。ここまで来ると、単にトップダウンというだけでなく、非民主的な政治手続とみなさざるを得ません。  そこで、お聞きします。現状における区民意見の聴取は、余りにも偏った資料を用いての誘導的な議論で行われています。このような乱暴な議論の進め方は認められず、計画自体の白紙撤回を求めるものですがいかがか、お答えください。
     議論は始まったばかりであり、これで1月中にはパブコメ、来年の第1回定例議会で関連議案の採決、そして3月下旬には計画決定というのでは、余りにも乱暴です。依然として区民周知は進んでいません。議論の尽くされていない状況で、1月にもパブリックコメントという重要な手続に入るのはやめるべきと考えますが、いかがか、お答えください。  区はこの間、区立施設再編の背景として、新たなニーズという言葉をよく使うようになりました。保育園や特別養護老人ホームなど介護施設のニーズが高いことをもって、新たなニーズが出てきた、これに応えなければならないと言っているようです。果たして保育園や特養ホームは新たなニーズなのか。  日本共産党区議団は、山田区政のときから、認可保育園の増設と特養ホームの増設を幾度となく求め、こつこつ整備しなければ今に大変な事態になると、警鐘を鳴らしてきました。新たなニーズどころか、以前から区民生活にとってかけがえのない基本的なニーズだったのではないでしょうか。前区政の転換を訴えた田中区長は、この区民ニーズの遅れを取り戻すことが仕事なのではないでしょうか。それをあたかも新たなニーズと強調し、そのために児童館やゆうゆう館等の統廃合はやむを得ないと区民に迫る政治は、認められません。  そこで、お聞きします。保育や介護のニーズは新しいニーズではなく、児童館やゆうゆう館などの施策とともに基本的なニーズであり、これらをてんびんにかけるような行為に、自治体としてどのような正当性があるのか、区の見解を伺います。  杉並はこの十数年間、前区政において、福祉に回すべき税金を借金ゼロ政策につぎ込んできました。むちゃな繰り上げ償還に、100億円を超える税金が湯水のごとくに注がれました。大規模な区立施設ともなれば、改修改築は、本来その施設を利用する数十年間の区民で負担を分かち合うため、あえて20年から30年の起債を立てたりするものですが、借金ゼロというパフォーマンスにこだわった山田区政は、区債を発行しないために、大規模施設の改修改築に起債を立てず、ほぼ一括で支払ってきてしまったのです。こうして世代間の公平性は破壊され、山田区政下の区民は、膨大な額の繰り上げ償還と建設費一括払いのために、基本的なニーズたる福祉施設の整備を我慢させられてきたのでした。  現在、区民生活の痛みは大変なものとなっており、簡単に取り返せるものではありませんが、それでも借金ゼロ政策の結果による、財政規模から見て極めて低い区債残高、350億円を超える基金残高、82%の経常収支比率などに、財政力が温存されていることがわかります。こうした財政力を用いれば、失われた10年ともいうべき山田区政下の区民の苦境を、相当数救うことが可能です。  そこで、お聞きします。前区政のツケである施設整備の遅れ、それによる区民の生活困難を解消するためには、現在の児童館やゆうゆう館など区立施設を維持しつつ、保育や介護といった基本的なニーズに応えるべきであると考えます。そのためにも、経常収支比率80%というむちゃな目標にとらわれることなく、福祉分野への大胆な財政出動と起債の活用が必要になってくると考えますが、区の見解を伺います。  さて、区立施設再編整備が議題とされるようになったのは、杉並区施設白書2010の指摘からです。30年間で約2,800億円の区立施設の改修経費がかかるという試算を発表しました。確かに一見すると巨額に感じますが、年間に直すと約90億円。今でも年間50億円の改修改築経費を使っていますから、例年と比べて増えていく年間予算は40億円ほどとなります。果たして、年間1,500億円の一般会計予算において、この40億円がどれほど財政を圧迫するというのか、実はいまだにはっきりしていません。  しかも、さきの第3回定例議会における我が党区議団の質疑により、この30年間で2,800億円という数字には、起債が考慮に入れられていないことがわかりました。これは大きな問題です。今回の改修改築経費である約2,800億円のうち、実に約2,000億円は小中学校の改築改修経費です。この間の学校改築には、総工費の60%に起債が充てられています。起債を充てることによって、年間の改修改築経費は相当平準化されることとなります。巨額の改修改築経費という財政危機論の根拠は揺らぐことになり、児童館やゆうゆう館、区民事務所会議室などといった区立施設に大なたを振るわねばならないような区立施設再編の必要性に、1つの疑問が浮かび上がり始めています。  そこで、改めてお聞きします。田中区長はこの間、山田前区政の起債ゼロ政策を批判してきましたが、その区長がなぜ、区立施設再編整備計画(素案)における改修改築経費の財政負担について、起債を考慮した数字を出さなかったのか、伺います。また、起債を考慮した場合、単年度の財政負担はいかほどになるのか、明快な答弁を求めます。  区長の財政運営には、ほかにも大きな疑問が湧いてきます。基本構想では、区立施設再編は、先行き不透明な経済状況下、やむを得ないとされてきましたが、一方で、荻窪駅周辺まちづくりという大型開発は、平然と、まちづくりの戦略的課題、重点施策として明記されました。この基本構想と同時に示された「『今後の財政運営のあり方』についての基本的な考え方」という文書では、経常収支比率80%目標が掲げられています。現在、杉並は82.8%の経常収支比率で、柔軟な財政状況と言えます。端的に言うと、区長が柔軟に支出することのできる予算が、全都平均を上回って存在することを意味しています。財政が柔軟性を有することを否定はしませんが、区民福祉がないがしろにされてまで目指すものではありません。経常収支比率にこだわらなければ、現在の施設規模を維持しながら、基本的ニーズたる保育や介護の願いに応えることが十分可能であると指摘します。  また、財政のダム、550億円の基金積み立て目標まで打ち出されています。今後の財政運営の基本的なあり方には、万難を排しても、3カ年で160億円をためるんだと意気込みます。一体、大規模な区民施設を統廃合せねばならないほどの財政危機をうたいながら、どのようにこうした方針は整合性が図られるのか、しっかりと説明していただきたい。経常収支比率80%や550億円となる財政のダムの目標に殊さらこだわり、その一方で、区立施設再編による区民サービスの大幅な低下がもたらされることに、大きな疑問が湧いています。区としてどのようにその疑問に答えるのか、お答えください。  区は、当区議団によるこうした議論を受け、修正素案においては少子高齢化を強調しました。杉並区の人口は、30年後、子どもが減り、特に高齢者が2倍近くになっているので、そのときには区立施設を維持する力が区にはないというのです。これは野田前首相が好んで使った騎馬戦型から肩車社会論と似ています。人口構成からすると、現在は3人の現役で1人の高齢者を支えていますが、将来1人の現役が1人の高齢者を背負わねばならないという論法です。しかし、これは今や自民党政権も使わなくなりました。  ここは重要ですので、少し詳しく指摘します。この論法は、現役世代と高齢者の人口割合を、そのまま社会保障の負担かのように表現します。しかし、現役世代が支えているのは、高齢者だけではありません。子どもたちも支えていますし、現役世代自身の社会保障も支えているんです。ですから、そこから考えると、高齢者に係る負担は社会保障の全てではなく、一部です。ですから、高齢者が2倍になったとしても、社会保障費全体が2倍になるわけじゃありません。さらに、当時の政府は、生産年齢人口を現役世代と言いましたが、これはまやかしです。生産年齢人口とは15歳から65歳を指し、学生まで含まれますし、さらには失業者や障害者、専業主婦など、給与所得者でない国民も含まれます。少子高齢化による将来の影響をはかるなら、実際の労働人口を割り出さねばなりません。また、女性の社会進出や、進むであろう高齢者の就労なども加味した労働人口を将来推計し、その数値で人口全体を割ることで将来の負担が見えてくる。  そこで、お聞きします。区は、少子高齢化によっていずれ財政が逼迫すると言い、将来人口推計ばかりを示しますが、具体的には、労働人口の推計は杉並区の場合どうなっているのか。その杉並の労働人口で総人口を割る計算をした場合、現在と2040年の割合はどうなるのか、数字を示していただきたいと思います。  基本構想と区立施設再編の中で、杉並の将来設計にかかわる重大な問題となるのが近隣住区の考え方の見直しです。杉並区は、7地域の標準生活圏と、さらに細分化した46地区に区内を分け、施設配置等の目安としてきました。住宅都市杉並の特徴として、どの地区に住んでも区民サービスを身近に、便利に享受できるまちなみが魅力です。しかし、区は、財政危機論や少子高齢化の不安をあおる中で、近隣住区の考え方を見直し、区立施設の統廃合と駅周辺まちづくりにかじを切ろうとしています。ここでも、少子高齢化の中で施設の集合化、複合化、これはやむを得ないかのように説明しています。しかし、本来であれば、自治体は唯々諾々と少子高齢化を待つのではなく、それを克服すべく施策を講じるのが仕事です。少子高齢化に合わせるどころか、むしろ先行して区民サービスの縮小を図れば、逆に少子高齢化を呼び込むばかりです。  そこで、お聞きします。身近で手厚い福祉施策を展開し、良好な住宅都市杉並を目指してこそ、杉並の少子高齢化を克服していくことになると考えますが、区の見解を伺います。  区はとかく、都市部では土地がないと言って、保育や介護の施設整備を怠ってきましたが、我が党区議団が示してきたように、国有地や都有地には、認可保育園はもちろん、100名規模の特養も可能な土地が幾つもあります。しかも、保育や介護施設の場合は、こうした土地の賃料を大幅に引き下げて借りることができるようになります。にもかかわらず、この間区は、こうした土地の活用に背を向け、幾つもの、数千平米という土地が売却されてきてしまいました。こうした区の動きの鈍さは、区の姿勢の根底に、区立施設再編による跡地活用という考え方が横たわっているからにほかなりません。  そこで、お聞きします。保育や特別養護老人ホームは、区立施設再編による用地の確保ではなく、積極的な国有地や都有地の活用を目指すべきであると考えるがいかがか。3,000平米を超えるような国家公務員宿舎跡地などは、一度宅地化されれば、都市部において二度と取り戻すことのできない土地であり、すぐにでも活用の意向を明らかにすべきではないのか。区立施設の削減ありきの姿勢のために遅れてはならないと指摘するものですが、お答えください。  最後に、あんさんぶる荻窪と荻窪税務署との財産交換の問題についてお聞きします。  この財産交換自体の賛否は、情報が足りない中、この時点で表明することはできませんが、さまざまな疑問と明らかな問題が指摘できます。私たち区議会議員は、11月14日、マスコミ各紙によってこの財産交換の話を知りました。区民の代表者たる区議会議員よりもマスコミへの情報提供が先になるという、重大な議会軽視は許されません。前区政のもとではよくありましたが、パフォーマンス的、トップダウン的な政治のもとで議会が軽視されるようなことは、田中区長が最も嫌う政治ではなかったんでしょうか。  そこで、まずお聞きします。議会などに財産交換の方向性が示されることもなく、国との間に合意がなされたことは、大きな疑問と考えます。二元代表制の一角をなす議会に対し、事前の情報提供がなされなかった理由は何なのか、伺います。明らかに議会を軽視する姿勢を改めるべきですが、お答えください。  区民は、衝撃をもってこのニュースを受けとめています。単に築10年の新しい施設というだけでなく、あんさんぶる荻窪は、区民の声を十分に生かし、環境にこだわったさまざまな工夫が図られた、区民に愛された施設です。環境情報館や消費者センターの利用者は、不安を募らせています。一事が万事、今の区の姿勢は、区民との対話のもとに区政を進めようという意思が感じられません。  当区議団は、この間、公有地の取得あるいは定期借地による活用を求めてきました。杉並でも他区でも、特養ホームや保育所用地に公有地を活用する場合は、定期借地が中心となっています。その点では、財産交換ということが今回のケースで妥当なのかどうかは検証が必要と考えます。この間の答弁で区は、大規模で特色ある特養をつくるためには6,300平米のまとまった土地が必要で、そのためには財産交換が必要だったと言います。しかし、それを言うなら、つい最近も方南住宅という国家公務員宿舎群1万平米が民間売却されたばかりです。この売却には、区も深くかかわっていたはずです。なぜこのとき、特色ある特養の用地として取得あるいは定期借地の判断をしなかったのか。荻窪という土地にこだわらねばならない理由でもあったのか、非常に疑問です。  こうした疑問が多々ある点からも、お聞きします。あんさんぶる荻窪の方針については一旦白紙に戻し、住民、現場の職員、議会などの意見を受けた上で再検討するべきと考えますが、区の見解を求めます。  区長は、区民やその代表者たる私たちとの対話にしっかりと臨むべきです。区長の真摯な答弁を期待し、質問を終わります。 ○議長(大泉時男議員) 理事者の答弁を求めます。  子ども家庭担当部長。       〔子ども家庭担当部長(徳嵩淳一)登壇〕 ◎子ども家庭担当部長(徳嵩淳一) 私からは、児童館の再編に関するご質問にお答えします。  既に他の議員の一般質問にご答弁申し上げているとおり、現在の児童館で実施している事業は、身近な地域の小学校などで引き続き継承し、充実、発展させていく取り組みを丁寧かつ段階的に進めていく考えでございます。  私からは以上です。 ○議長(大泉時男議員) 次に、高齢者担当部長。       〔高齢者担当部長(渡辺 均)登壇〕 ◎高齢者担当部長(渡辺均) 私からは、ゆうゆう館に係るお尋ねにお答えします。  ゆうゆう館は、高齢者の生涯現役を応援する地域拠点として運営しております。地域コミュニティ施設への転用の際には、そうした高齢者の社会参加や交流、生きがい活動の拠点としての機能と役割をしっかりと継承してまいりますので、撤回の考えはございません。  私からは以上でございます。 ○議長(大泉時男議員) 施設再編・整備担当部長。       〔施設再編・整備担当部長(大竹直樹)登壇〕 ◎施設再編・整備担当部長(大竹直樹) 私からは、施設再編の計画の進め方などについてお答えをいたします。  まず、ゆうゆう館につきましては、一部の保育園併設施設では、喫緊の課題でございます保育施設の転用を優先させることとしましたが、その場合においても、代替施設の確保を図りながら、多世代が利用できる地域コミュニティ施設のモデルとなる取り組みを進めていく考えでございます。今回の修正案では、ゆうゆう館の移転先及び実施スケジュールをきちんとお示ししており、丁重な説明などにより、区民の理解を得られるものと考えてございます。  次に、区民意見の聴取などに関するご質問にお答えいたします。  まず、計画の撤回に関するお尋ねですが、区民意見交換会などでは、総人口の推移や区立施設に係る統計、実績等の資料をもとに、幅広い議論を行った上でご意見をいただきました。今回の計画素案は、こうした区民等の意見を踏まえて作成してございます。撤回する考えはございません。  次に、素案の周知につきましては、「広報すぎなみ」や区ホームページでお知らせするほか、今後も区民向けの地域説明会、町会や各施設の利用団体への説明会を実施してまいります。さらに区民意見交換会等を開催しまして、幅広く区民の意見をお聞きしながら計画案を取りまとめ、パブリックコメントの実施は1月を予定しております。  次に、区民ニーズに関するお尋ねですが、喫緊の課題である保育施設や特別養護老人ホームなどへの区民ニーズに基礎自治体として責任を持って応えていくために、区立施設の再編整備が必要であると認識してございます。児童館やゆうゆう館につきましても、再編を進める中で、事業の継承と発展、充実を図るものであり、てんびんにかけるという表現は当たらないものでございます。  私からは以上でございます。 ○議長(大泉時男議員) 政策経営部長。       〔政策経営部長(牧島精一)登壇〕 ◎政策経営部長(牧島精一) 私からは、所管に関するご質問にお答えします。  初めに、施設再編整備計画と使用料等の見直しに関して、区民の施設利用を阻害するとのお尋ねがありました。ご指摘の地方自治法の規定は公の施設の定義等を定めたもので、施設の種類や規模、配置などは、それぞれの自治体が住民ニーズや地域の特性、財政状況などを踏まえて考えていくべきものでございます。このため、将来の区民福祉を見据え、現状を分析し、施設の再編整備に取り組むことは当然のことであり、利用を阻害するという指摘は全く当たらないものでございます。  また、使用料は、地方自治法に基づき、公の施設等の利用につき徴収しているものであり、特定のサービスを受ける利用者に対して適正な受益者負担を求めるためにこれを見直していくことも、当然のことでございます。  次に、財政運営に関する一連のお尋ねにお答えします。  最初に、施設整備と財政出動についてのお尋ねですが、時代とともに変化する区民ニーズに的確に対応し、区民福祉の向上を図っていくためには、区は、保育、介護など当面する福祉ニーズに迅速かつ優先的に取り組んでおります。また、施設再編整備計画は、そうした施設整備に重点的に取り組むために策定するものでございます。  次に、素案の改修改築費と起債についてのお尋ねですが、資料編の今後30年間の財政収支の傾向分析にお示ししてございます。また、ご指摘の改修改築費は歳出ベースの経費であり、仮に現在の施設をそのまま維持した場合、今後30年間に必要となる経費であり、起債の有無によって増減するものではございません。さらに、財源確保の中で、区債の活用はあらわしてまいりますが、起債はあくまでも借金であり、これによって区財政の負担が減るというものではございません。  次に、経常収支比率と財政のダムについてのお尋ねですが、経常収支比率や基金を積み立てていくことは、持続可能な財政運営を行うために当然留意していくべきものでございます。  次に、区の労働力率の推計に関するお尋ねですが、区独自の推計は行っておりませんが、独立行政法人労働政策研究・研修機構が国立社会保障・人口問題研究所の2012年1月の「日本の将来人口推計」に基づき、ゼロ成長に近い成長、年率1%程度の成長、年率2%程度の成長の3つのシナリオのもとに、2030年の労働力率及び労働力人口のシミュレーションを実施しております。それによりますと、労働力率は年率2%程度の成長を前提にしたシナリオにおいてのみ横ばいで、他のケースはいずれも低下、労働力人口については、15歳以上の人口の減少の影響により、いずれのケースでも減少となり、最も減少幅が少ない年率2%程度の成長のケースでも、377万人の減という結果が示されております。このことから、本区の2040年の労働力人口についても、15歳以上人口が大きく減少することに伴い、減少すると予測することが妥当と考えてございます。  次に、手厚い福祉施策を展開することが少子高齢化を克服することにつながるのではないかというお尋ねですが、区立施設の再編整備は、時代とともに変化する区民ニーズに的確に対応し、施設の安全性の確保、持続可能な財政運営、新たな行政需要への対応を図るために不可欠な取り組みであり、それが杉並区の住宅都市としての将来にわたる価値を高めることにもつながると考えております。  次に、国公有地の活用に関するお尋ねですが、区は、このたびの施設再編整備計画の修正素案において、保育施設と特別養護老人ホームについて、今後の需要増に対応するために優先的に整備すべき施設と位置づけ、新たな施設の設置及び既存施設の更新に際しては、国、東京都との連携による国公有地の活用を検討することを基本方針の1つとして掲げております。この方針に基づき、実施プランにおいて、再編整備により生み出された施設、用地の活用に加え、国家公務員宿舎跡地を初めとする未利用国有地の活用による施設整備を具体的な取り組みとして打ち出しております。  私からの最後になりますが、財産交換について、議会への情報提供に関するお尋ねですが、このたびの国との財産交換につきましては、9月末に区から国に提案を行い、去る11月13日に区長と麻生財務大臣が面談し、その方向について合意したことにより、初めて計画への反映が可能になったということでありまして、議会を軽視する姿勢というご指摘には当たりません。この財産交換を含む施設再編整備計画については、いまだ素案の段階であり、今後さらに区議会や区民の皆様からのご意見、ご要望をいただきながらまとめてまいりますので、方針を白紙に戻す考えはございません。  私からは以上でございます。 ○議長(大泉時男議員) 総務部長。       〔総務部長(宇賀神雅彦)登壇〕 ◎総務部長(宇賀神雅彦) 私からは、施設再編整備計画に対して、トップダウンによる手法であるとのご質問についてお答えいたします。  この間、施設再編につきましては、区議会及び関係団体の皆様からご意見をいただくとともに、各分野を担任する部課長とも十分に議論を重ねて、今回の素案を公表させていただいております。  今後、区民アンケートや地域説明会、区民意見交換会を通してさらに区民の皆様の声を聞くとともに、区民意見提出手続を経まして、施設再編整備計画の策定を進めてまいります。  以上でございます。 ○議長(大泉時男議員) 33番原田あきら議員。       〔33番(原田あきら議員)登壇〕 ◆33番(原田あきら議員) 再質問させていただきます。  まず、区長が答弁に立たなかったことについて。これだけ大きな問題にもかかわらず、区長も重大な決意でこの計画は出したと思うんですよ。それに対して、区民も多くの反応を示しています。賛成ばかりじゃありません。反対もすごくあります。その声を代表した区議会議員に対して、区長が真摯に自分の言葉で語られない、これはすごく残念だなと。杉並の勇気と自称される田中区長においては、こうした区民の声に、区民の反応におびえることなく、重大な決意を持ってこういうのを出したんですから、重大な反論に対しても真正面から反論を、自分の持論を展開していただきたいなと思います。ぜひ答弁に立つことを求めます。  いろいろありますけれども、例えば児童館、機能を維持するんだ、いろんなところに移転するんだと言っているんですけれども、そもそも児童館というのは、さまざまな世代の子育て、子育ちというのが融合して、幼児や一般利用の小学生、学童クラブとか、そういうさまざまな子育て、子育ちが融合して、1つの新たな価値を生み出している。そういう児童館こそが本当の施設の複合化と言えるんじゃないのかなと私は思うんですよ。杉一小の改築のように、学校とコミュニティセンターと宴会場と講堂、全部一緒くたにしたら、それで何かが生まれるわけじゃない。逆に支障が起きることだって、危険性はすごく高まるんだということを自覚しなきゃいけません。  児童館のような真の複合化のよさ、そういう機能を分解してしまい、一方では全く機能の異なるサービスを1つに押し込めるようなちぐはぐな計画になっているんじゃないですか。どう考えるか、お答えください。  質問をまとめたいと思います。いろいろ聞きたいことはあったんですけれども、起債を考慮した単年度の財政負担はいかほどになるのかという質問をしたんですが、実際に示すつもりはないということでよろしいんでしょうか、お答えください。  最後に、基本構想では、実は人口は、人口推計の話で言うと、20年間変わらないという試算を出しています。基本構想の杉並区の人口推計は、最新のトレンドを加味して、あの地域にこういうマンション群が建つとかそういうものも全部加味した上で、20年間人口は変わらないという推計を出しているんですね。ところが、今回の区立施設再編整備計画のもとになっている人口推計は、ことしからずっと落ち続けていく、そういう推計になっている。これはどうやって整合性を図るのかなというところをお聞かせください。この人口推計というのはかなりいろんな計画に引用されていますから、その点しっかりとした答弁を求めたいと思います。 ○議長(大泉時男議員) 理事者の答弁を求めます。  子ども家庭担当部長。       〔子ども家庭担当部長(徳嵩淳一)登壇〕 ◎子ども家庭担当部長(徳嵩淳一) 児童館の再編に関する再質問に、私からご答弁申し上げます。  これまでもご説明申し上げてきておりますとおり、1つの施設で多様なニーズに対応することにはもはや限界があること、また、子ども・子育て支援新制度への対応を図る必要があることなどを踏まえまして、児童館の機能、役割につきましては、継承・発展の取り組みを進め、さらには仮称子どもセンターの整備などによりまして、総体としての子育て支援サービスの充実をしっかり図ってまいりたいと考えてございます。  私からは以上です。 ○議長(大泉時男議員) 政策経営部長。       〔政策経営部長(牧島精一)登壇〕 ◎政策経営部長(牧島精一) 私からは、残りの再質問にお答えします。  まず初めに、起債に関するご質問がございました。この起債の発行につきましては、計画にも記載をしてございますとおり、25年度当初予算をベースに起債の発行、そして償還について見込んだ上で区債残高を見ておりますけれども、細かい算出といいますか算定条件を若干申し上げますと、おおむね学校、代行施設ともに経費の60%程度の起債発行ということで見込みますと、おおむね地方債に相当する部分につきましては、全体の3割程度というのが地方債に当たるかということでございます。  それから2つ目に、人口推計のご質問ございましたけれども、今回の施設再編整備計画といいますのは2040年まで、30年間を見据えた計画ということでございますので、社会保障・人口問題研究所の2040年までの推計というものを用いたものでございますけれども、今後、当区の総合計画、計画の策定、ローリングの策定に当たりましては、こうしたものも踏まえながらまた検討してまいりたいと思います。  私からは以上でございます。 ○議長(大泉時男議員) 以上で原田議員の質問を終わります。  次に、11番新城せつこ議員。       〔11番(新城せつこ議員)登壇〕 ◆11番(新城せつこ議員) 無所属区民派・新城せつこです。通告に従いまして、私から、まず1点目に特定秘密保護法に関する区長の政治姿勢、それから施設再編整備計画について、3点目に生活保護法の改悪について、4点目に方南町駅の改良工事について質問を行います。  まず、特定秘密保護法案についてですが、安倍政権は特定秘密保護法案の臨時国会での成立を狙い、みんなの党や維新の会との修正協議を進め、25日の公聴会を終えた後、26日にも衆院通過を目指しています。菅官房長官は、安全保障の定義は政権が判断すると答弁し、また政府は、特定秘密の範囲は限定していると説明しました。しかし、条文には特定秘密の規定のもとに、36回「その他」がちりばめられ、政府の判断により何にでも拡大できるようにされています。修正の内容は、特定秘密が恣意的に指定されたり永久に公開されない懸念の解消にはほど遠いものとなっています。特定秘密の公開が、30年先から政府の判断により60年先まで延ばせるようでは、失われたものの回復はできません。  批判をかわすために入れた国民の知る権利や報道、取材の自由への配慮は、強制力のない努力規定にすぎず、10月28日には憲法、メディア法と刑事法の研究者が国会内で合同記者会見を行い、268名が反対声明を発しました。さらに11月11日には、鳥越俊太郎氏や田原総一朗氏ら8人のジャーナリスト、報道関係者が廃案を訴え記者会見。19日には、杉並の有識者や区内の団体や市民運動からも多くの撤廃を求める声が広がっています。こうした情勢の中、特定秘密保護法に関する区長の姿勢を確認します。  区はこれまで、防災訓練に自衛隊との連携を図り実施してきました。昨年は、自衛隊の災害訓練には、23区の施設での宿泊などの協力が求められました。今回の特定秘密保護法により、区内で自衛隊が訓練する事実などを区民に提供しないなど、情報の制約があるのかどうか、区の判断を求めます。  2004年、琉球新報が、在日米軍の法的地位などを定める日米地位協定の裏解釈マニュアルである「日米地位協定の考え方」を報道しました。米軍の基地運用を最優先するおびただしい具体例が明らかになり、基地所在市町村長らの強い反発を呼びました。文書は、表紙に無期限秘の印が押された機密文書です。当時、自民党を含めた沖縄県選出の国会議員らが、国政調査権を掲げて外務省に開示を迫りましたが、外務省は、アメリカ側との信頼関係を損なうとしてかたくなに拒んだのです。一方、外務省は、文書を漏らした者がいるとして、執拗な犯人探しを行いました。  特定秘密になれば、情報を漏らした者を突きとめるため、政府が報道機関への家宅捜索を強行したり、情報源を明かすよう迫る圧力が強まることになります。報道機関や公務員だけではなく、関係しそうな民間人やその家族まで対象となります。こうした特定秘密保護法の危険性について、住民の安全と人権を守る立場から、区長の考えをお聞きします。  杉並区は、行政情報を区民に公開することを原則としてきました。秘密保護法は、行政情報は原則公開するとしてきた区の姿勢にも反すると考えますが、区長の見解を確認します。  元警察官で裏金問題を暴いた仙波敏郎さんは、今後、警察の不正を内部から明らかにする人は出てこなくなると話しています。公益通報保護法は公務員にも適用されますが、秘密保護法ができれば、内部告発をすれば公務員や民間人ですら逮捕されるおそれもあります。区長の見解を求めますが、いかがでしょうか。  大きな項目の、施設再編整備計画についてです。施設再編整備計画の9月に出された中間まとめが児童館廃止と表現したことで、多くの区民に衝撃と不安を抱かせることになりました。無所属区民派は、児童館問題に関して、児童館現場の実態と職員や利用者の意向を確かめ、児童館の施設としての限界を確認し、区の真意と方向性が児童館機能の拡充であることを確認しました。議会での議論を受けて修正された第一次実施プランが具体的にどのような内容と方向に改善されたのか、今後どう進められるのか、区の姿勢を確認します。  まず、9月の中間まとめから今月の第一次実施プランの素案に至り、今月14日から区民アンケートが実施されています。これまでに区民からどのような意見が寄せられたのか、区民の反応について、現状をお示しください。  今回修正された第一次実施プラン(素案)に、保育園とともに緊急性の高い優先整備すべき施設に特別養護老人ホームが明記されたことは重要です。あんさんぶる荻窪と荻窪税務署との交換が新聞各紙で報じられ、初めて知るところとなりました。報道によれば、9月に区から申し出たとあり、また他会派の質問でもその経過や区の考え方が確認されましたが、改めてどのような経過で進めてこられたのか、お答えください。
     あんさんぶる荻窪は、荻窪北児童館、福祉事務所、消費者センター、成年後見センター、社会福祉協議会などが入る容積約7,000平米規模の複合施設です。駅に近く利便性のよいことから、区民に人気の高い施設でもあります。荻窪税務署と交換されることにより、それぞれの機関、施設は、今後どこにどのように配置をされるのか、区の考えを確認します。  2,000人を超える特養待機者を抱えながら、用地確保の厳しい区内において、6,300平米の大規模用地を確保できたことは画期的なことです。質疑を通じて、今後10年で1,000床に増やすとした目的に大きく寄与することや、高齢化が進む中で、区長からは1,000床でも足りないとの積極的姿勢を確認できました。  一方で、駅前施設であるあんさんぶる荻窪を失うことのデメリットも少なくありません。この交換以外の別の方策は検討されなかったのか、確認します。あんさんぶる荻窪施設の閉鎖については、疑問の声もあります。利用者などのニーズをどのように把握されているのか、代替施設がどのように検討されているのか、お答えください。  基本方針について、通勤や日常行動圏域として、駅勢圏中心に設定した7つの地域を施設整備の基準とするとしました。児童の通学区域を基準に設定した46地区に基づく施設配置の基準について、少子高齢化の進展や施設の効率的な運営の観点から見直し、今後、地区の枠にとらわれず、施設の複合化、多機能化等を進めることにより、必要なサービスを提供する考え方に転換するとのことです。  学校づくりはまちづくりとしてきた教育委員会の方針、日ごろ防災まちづくりを小学校単位で行っているあり方との整合性はどうするのか、説明してください。  学校施設については、施設一体型の小中一貫校への転換後の新泉小学校は、防災スペースを確保した上で売却または貸し付けなどを検討とされました。今後の再編から生み出される収益140億円のうち、50%の70億円が売却によるとの答弁でした。新泉小の跡地について、今後どのようになるのか問題です。地元からは、保育園やコミュニティ施設、高齢者施設など多くの要望が出ていると思いますが、住民要望をどのように反映するのか、確認をします。  先日、ゆうゆう大宮堀ノ内館を利用する方から、ゆうゆう館が閉鎖されることでみんなが困っているとの連絡がありました。保育園併設のゆうゆう館が一部転用されることでの不安です。地域の高齢者で構成される読み聞かせの会で、学童クラブの子どもたちに読み聞かせを行う重要な活動を行っています。月に1度は合同研修などであんさんぶる荻窪を利用しているとのことでした。  第一次実施プランでは、代替施設の確保、多世代が利用できる地域コミュニティ施設への転換と、再編で機能と役割の継承とされていますが、今後どのようになるのか、確認をします。利用者や団体の要望をしっかりと受けとめ、今後に反映するよう求めますが、いかがでしょうか。  児童館についてです。児童館が廃止と打ち出されたことで、一般利用者や乳幼児の保護者からの不安や反対の声が区にも寄せられていると思います。無所属区民派は、今後の児童館の拡充にとって、児童館に働く職員の力を基礎に据えること、児童館の廃止が児童館機能の拡充であるとの区の姿勢を確認してきましたが、実施プランでは、児童館の廃止という文言はなくなり、児童館という施設にとらわれることなく、児童館のそれぞれの機能を拡充するとしました。その方向は、国の子ども・子育て支援制度が大きな要素となっています。国の子ども・子育て支援制度は、これまで不十分な子育て施策を全国に広めるためのものです。杉並はこれまで児童館がその役割を果たしてきた実績があります。この国の方向で、児童館機能の拡充、強化がどう進められようとしているのかを確認します。  学童クラブは新泉・和泉や一貫教育校に、下高井戸児童館は高井戸第三小学校に移行するなど、学校内への移設が始まります。放課後の子どもの安定した居場所とするには、まず第1に、子どもたちが学びの場としての学校からスイッチの切りかえが必要です。用地が学校内であっても、出入り口を分けたり、別棟、別施設として考慮することが必要だと求めてきましたが、その後どのようにされたのか、区の見解を求めます。  学校内では、遊びの空間は、校庭や体育館が天候や他団体の利用で限界があることも指摘をしました。学童クラブ専用スペースだけとなれば、非常に狭くなる遊びの環境をどのように考慮し、子どもたちに保障し与えていくのか、見解を求めます。  ゆうキッズ利用者から見れば、学校内となれば、安全上の問題や、時間や曜日など制約もあり、行きづらくなる人も出てくると思いますが、どう対応するのでしょうか。  児童館は、児童福祉法に基づくガイドラインに沿ってきました。今後、児童館という施設でなくなることで、これまでの児童館が果たしてきた機能、役割をきちんと継承し発展できるのか。また、そのためにも、必要な予算措置を含めて、具体的な取り組みを段階的に、丁寧に進めていることを確認したいが、いかがでしょうか。  生活保護法の改悪について、確認をします。  憲法25条の生存権を空洞化させる生活保護法改定案と生活困窮者自立支援法案が、11月12日の参院厚生労働委員会で、自民、公明、民主、維新、みんなの党の賛成で可決されました。わずか2日、8時間半の審議で採決を強行したことに対し、立ち見席まであふれた傍聴席は怒りに包まれました。今後、衆院に送付され、そこで審議が始まります。  申請手続では、申請書の提出を義務づけ、申請時の書類添付を義務づけ、厳格化することで、申請をしにくくなります。扶養義務の強化では、扶養義務者に報告を求めることができ、扶養義務者の収入、資産等について、官公署、銀行、勤務先等への調査権限を与え、保護開始決定前に扶養義務者に対する通知義務を設定しました。親戚には知らせたくない方やDVなど被害者に生活保護の申請を制限する大改悪となっています。  これまでの申請方法や扶養照会などとどのように変わるのか、受給制限につながる危険性はないのか、確認をします。また、参議院では附帯決議がつきましたが、どのような内容かをお答えください。  ことし5月16日、厚生労働省社会・援護局長通知の「就労可能な被保護者の就労・自立支援の基本方針について」の内容をお示しください。  10月30日、求職活動をしても就労できずに生活保護を申請した大阪府岸和田市の男性が、市の却下処分の取り消しなどを求めた訴訟の判決で、大阪地裁は、市に処分の取り消しと約68万円の損害賠償を命じる画期的判決を出しました。夫婦ともに就職先が見つからず、所持金が数百円になり、大阪岸和田市に生活保護申請を行いましたが、5回にわたり却下され、6度目の申請で受給となったものです。これまでの処分や裁決を容認すれば、若年の失業者が生活保護を受けられない先例をつくってしまうことから、2009年11月10日、岸和田市の却下処分の取り消しなどを求め、大阪地方裁判所に提訴した事件です。市が控訴しないことで全面勝訴となりました。  この判決で重要なのは、社会通念上、最低限度必要とされる程度の働く努力を行う意思があると認められる以上は、さらなる努力をする余地があるとしても、働く意思を有するものと認めることが相当であるという内容が示されたことです。さらにこの判決は、大阪市が就労に対して1週間に3回、最低でも1回は面接しなければ受給させないという、こうした行き過ぎたものに対する批判の内容となっています。  区においても、就労支援などで、本人に働く意思があっても、さまざまな事情から求めに至らないことがあると考えます。区はこれまで、生活保護受給者の就労支援においても、本人の意思確認などどのように行ってきたのかお答えください。  さらに、福祉事務所を訪れる人の中には、正しい知識を有していないため、第三者の援助がなければ保護開始申請ができない者も多い。保護の実施機関としては、保護の対象から漏れることがないよう、必要に応じて、相談者に対し保護の開始申請手続を援助することが職務上求められていると判決はしました。これまで、さまざまな理由から書類を書くことができない人たちへの対応を確認してきました。今後も引き続き、口頭や代筆での保護申請を行うことの区の姿勢を確認します。  生活保護法の改悪で、保護を必要とする人々が排除されることがないよう、生存権を守るため、実施機関である区に一層の努力を求めておきます。  方南町駅改良工事についてです。  東京メトロが環7沿い民有地に用地を取得して、既に3年が過ぎました。おろすんジャーなどの活動で方南町駅問題に関心が高まり、東京メトロが計画を前倒しに、工事が始まろうとしています。既に買い取った土地に駅の出入り口がつくられ、エレベーターとエスカレーターの設置が決まりました。この工事の結果、方南町駅に6両編成がとまれるようにもなり、丸ノ内線が直通となります。これに伴い、運行ダイヤが少なくならないよう強く求めてきました。今後の工事の進捗状況などについては、東京メトロがホームページや広報などで区民にその都度情報が伝わるよう、区からもぜひメトロに求めていただきたいと思います。  10月30日、方南町駅改良工事について、東京メトロによる説明会が行われましたが、区側の参加者と住民の参加人数を確認します。説明された内容と今後のスケジュールをお示しください。住民から出された意見や要望にどのようなものがあったのか、お答えください。  説明では、この民地部分のくい打ちなどの工事が11月から始まり、10日からは近隣の家屋調査が始まるとのことでした。説明会から既に2週間を経ましたが、現状を確認します。  説明で明らかになったことは、駅舎から改札口までに続く長い地下通路の幅が2メートルしかないという狭さです。幅90センチの車椅子が2台すれ違えるとのことですが、2メートルにした理由は、都の管理する環7の歩道の側で工事を行うため、車道まで及ぶ幅を道路管理者の東京都が認めないということでした。地上と違い、遮蔽された空間です。災害時の避難路ともなる地下通路が2メートルという幅で危険はないのか、区の見解を求めます。  方南町は区の拠点整備地域に位置づけられ、これまでも町会や障害者団体など、さまざまな団体から要望が寄せられ、計画が進められています。西側地下通路の拡幅など、区は積極的に東京都に働きかけていただきたいと思いますが、区の姿勢を確認します。  西側、環7沿いの出入り口に、車椅子用の昇降機が11月末までに設置をされます。しかしながら、東側の出入り口にはそれができず、近隣商店街から東側の改良も強く要望されました。東側出入り口は幅も狭く、住民からは暗い洞窟に入っていくようとの声も聞こえてきます。東側のバリアフリー化など、住民の要望を実現するためにはどのような課題があるのか、区からも積極的な対策を示していくことも必要と考えますがどうか、区の姿勢を確認して、本質問を終わります。 ○議長(大泉時男議員) 理事者の答弁を求めます。  区長。       〔区長(田中 良)登壇〕 ◎区長(田中良) 新城せつこ議員の一般質問に対しまして、私からは、特定秘密保護法案の幾つかの点につきましてご答弁を申し上げます。  区が扱う行政情報と国が保有する情報とは、量的にも質的にも圧倒的な差がございまして、一概に同列に比較できるものではないとは思います。国民の安全に関する膨大な情報を持っているからこそ、特定秘密保護法案の審議には国民の関心が高まり、注目が集まっているものと考えます。  現在、当該法案が審議され、来週にも衆議院を通過する見通しとのことでありますけれども、軽々に申し上げられませんが、一言で申し上げれば、国は、当該法案が国民の多くの方に理解をされ賛同されるよう努力すべきものと認識をしております。法案を早期に可決をさせて、その後見直しを行うことを前提とするといった担当大臣の発言、特定秘密の指定範囲や期間、期間経過後の公開、またその指定範囲が適正かをチェックする第三者機関の設置など、政府内で十分に議論され尽くしているのか、少々疑問がございます。  各種メディアも問題点を指摘するなど、多くの国民の方々も不安に感じているのではないでしょうか。国はしっかりと議論を重ねまして、国民から理解が得られるよう慎重に進めていくべきものであると考えております。  私からは以上です。残りのご質問につきましては、関係部長からご答弁申し上げます。 ○議長(大泉時男議員) 総務部長。       〔総務部長(宇賀神雅彦)登壇〕 ◎総務部長(宇賀神雅彦) 私からは、特定秘密保護法案の残りのご質問にお答えいたします。  まず、区と自衛隊で連携を図っている防災訓練等において、特定秘密保護法の成立の後、区民に対する情報の制約が起こるのではとの質問ですが、区としましては、これまでどおり、区民に必要な情報は提供すべきものと考えており、議員のご心配されていることはないものと認識しております。  また、公益通報者保護法により、違法な事実を公務員が内部告発した場合に逮捕されるのではとのお尋ねですが、特定秘密保護法であっても、違法行為自体を特定秘密の対象にすることはないものと考えております。しかし、詳細が明らかになってない点もございますので、今後も引き続き国の動向を注視してまいりたいと存じます。  私からは以上でございます。 ○議長(大泉時男議員) 施設再編・整備担当部長。       〔施設再編・整備担当部長(大竹直樹)登壇〕 ◎施設再編・整備担当部長(大竹直樹) 私からは、施設再編整備に関する質問のうち、区民アンケートと施設設置基準の見直し等についてお答えいたします。  まず、区民アンケートにつきましては、18日現在、郵送による回答が19件、インターネットによる回答が63件でございます。  次に、基本方針の施設設置基準の見直しに関するお尋ねですが、教育委員会の、地域との連携による新しい学校づくりや防災まちづくりとも整合性を図りながら、施設配置の地域バランスを確保する観点から、施設再編を進めていく考えでございます。  次に、新泉小学校の跡地活用に関するお尋ねですが、全区的な行政需要への対応という視点と、災害対策やまちづくりなど地域の視点の両面から、今後、地元区民の要望もお聞きしながら、区民福祉の向上に資するよう活用策を検討してまいりたいと存じます。  私から以上でございます。 ○議長(大泉時男議員) 政策経営部長。       〔政策経営部長(牧島精一)登壇〕 ◎政策経営部長(牧島精一) 私からは、施設再編整備に関連して、初めに、あんさんぶる荻窪と荻窪税務署等用地の交換の経過についてのお尋ねにお答えします。  特別養護老人ホームの整備が喫緊の課題である区と、老朽化した荻窪税務署の建て替えが課題である国の双方の課題を解決する方策として、9月末に区から財産交換を提案いたしました。これに対し国からは、11月上旬に事務レベルで区の提案を受ける旨の回答がありました。これを受けて、区長が11月13日に麻生財務大臣と面談し、その方向について合意したということがこの間の経過でございます。  次に、財産交換に伴うあんさんぶる荻窪内の施設の今後についてのお尋ねですが、実施プランに記載のとおり、基本的に交換用地である税務署等用地ほかに移転する考えでございます。  次に、交換以外の方策は検討しなかったのかというお尋ねですが、今回のケースでは、定期借地では税務署に隣接する国家公務員宿舎用地のみの活用しか望めないことから、税務署用地も含めた一体的な用地の活用を図るため、財産交換という手法を選択したものでございます。  あんさんぶる荻窪は駅至近の施設であることから、区民の利便性に寄与していることは十分認識してございますが、全ての施設がどうしても現在の立地で、また同一複合施設内になければならないとまでは言えないことから、移転先において区民サービスの承継、充実を図ってまいりたいと考えてございます。  私からは以上でございます。 ○議長(大泉時男議員) 高齢者担当部長。       〔高齢者担当部長(渡辺 均)登壇〕 ◎高齢者担当部長(渡辺均) 私からは、施設再編整備計画のゆうゆう館の再編についてのお尋ねにお答えいたします。  現在、高齢者専用の施設であるゆうゆう館は、多世代が身近な地域で利用できる地域コミュニティ施設へ段階的に再編し、その機能、役割をしっかりと継承・発展させてまいります。この方針に基づき、第一次実施プランにおいて、保育施設への転用等により他所へ移転する4館においてモデルとなる取り組みを実施し、そうした取り組みも踏まえ、多くの世代の皆様のご意見などを伺いながら、平成31年度からの第二次実施プランで具体化を図ってまいります。  私からは以上でございます。 ○議長(大泉時男議員) 子ども家庭担当部長。       〔子ども家庭担当部長(徳嵩淳一)登壇〕 ◎子ども家庭担当部長(徳嵩淳一) 私からは、児童館の再編に関するご質問にお答えします。  ご指摘のとおり、児童館の再編につきましては、これまで児童館が担ってきた機能、役割を踏まえ、これをしっかり継承し、充実、発展させていく取り組みを、必要な予算措置を講じた上で、第一次実施プランの素案でお示しした3館を対象とした今後のモデルとなる取り組みのほか、仮称子どもセンターの整備を含め、丁寧かつ段階的に進めていく考えでございます。  今後、身近な地域にあまねく配置されております小学校内で学童クラブやゆうキッズを実施するに当たりましては、教育委員会とも調整の上、必要なスペース等を確保して育成環境を整えるとともに、乳幼児親子が気軽に参加し集えるような、ハード面、ソフト面の整備にも十分意を用いてまいりたいと存じます。  以上でございます。 ○議長(大泉時男議員) 保健福祉部長。       〔保健福祉部長(長田 斎)登壇〕 ◎保健福祉部長(長田斎) 私からは、生活保護に関するご質問にお答えいたします。  まず、生活保護法改正案に対する参議院での附帯決議についてですが、制度の国民への周知、申請権侵害禁止の徹底、相談窓口の充実、扶養照会のあり方、就労支援のあり方、ケースワーカー等の配置の充実などについて述べられており、法案審議における国の説明も含め、区としては、保護開始の申請手続や扶養照会につきましては、これまでの取り扱いに変更はないものと認識しております。  次に、本年5月16日付局長通知「就労可能な被保護者の就労・自立支援の基本方針について」の内容ですが、就労可能な被保護者に対しては、保護開始直後から早期脱却を目指して、期間を設定して、集中的かつ切れ目ない支援を行うことが必要であるとし、保護実施機関は、被保護者の計画的な取り組みや求職活動状況の確認等、必要な支援を行うこととしております。  通知に基づく就労の支援に当たっては、担当のケースワーカーや就労支援専門員より支援内容を説明し、本人からの同意を得た上で、自立支援会議での検討を経て支援を開始しております。  私からは以上です。 ○議長(大泉時男議員) 都市整備部長。       〔都市整備部長(大塚敏之)登壇〕 ◎都市整備部長(大塚敏之) 私からは、方南町駅改良工事についてお答えします。  まず、工事説明会の概要と工事の現況についてのお尋ねにお答えします。  東京メトロは、方南町駅改良工事を、平成28年度の完成を目指し11月中に着手すると予定しております。説明会には約60名の方が出席し、方南町駅の改良内容や通路の構造、東側出入り口の整備について質疑が行われました。現在は基礎工事の準備を進めており、家屋調査後、順次敷地内のくい打ち工事に着手すると聞いております。  次に、地下通路の幅についてのお尋ねにお答えします。  東京都福祉のまちづくり条例では、通路の幅は1.4メートル以上とすることが定められています。通路の幅は広いほど災害時の避難路としての安全性が向上すると考えられますが、地下通路は環状7号線の側道の地下に設置するため、占用許可条件等の制約が多く、東京メトロからは、駅利用者数を勘案し幅を2メートルとしたと聞いております。区といたしましても、地域住民の要望も伺っておりますので、通路の幅についての検討を東京メトロに申し入れたところでございます。  最後になりますが、東側出入り口のバリアフリー化についてのご質問にお答えします。  方南町駅東側出入り口のバリアフリー化につきましては、以前から地域の方々より要望をいただいており、区といたしましても、東京メトロに申し入れてきたところです。しかしながら、駅施設の構造上からエレベーターの設置が困難であるため、今回は階段部分の改装を行うと聞いております。区は、今後も引き続き、東側出入り口のバリアフリー化の推進について積極的に働きかけてまいります。  以上でございます。 ○議長(大泉時男議員) 11番新城せつこ議員。       〔11番(新城せつこ議員)登壇〕 ◆11番(新城せつこ議員) お答えいただきました何点かについて確認をします。  まず、施設再編整備計画についてですが、新泉・和泉地域の住民要望についてです。全区的な需要や要望、あるけれども、地元地域の住民、福祉施策に資するようやっていくとの答弁だったというふうに思います。ただ、私は、今回、施設再編整備計画に売却と貸し付けとされたことで大変驚いているわけです。仮に民間の開発に委ねるとなれば、地域の理解は得られなくなります。区が予定する売却、貸し付け、どのようなことを想定されているのか。仮に売却、貸し付けとする場合には、条件を付してやろうとする考えなのか、その点についてお答えください。  140億のうちの70億が売却収益というふうにされましたが、施設はどこが具体的に想定をされてこの70億の試算となっているのか、その点について確認をいたします。  さらに、保育園の配置地図を見ていますと、和泉地域というのは保育園がない地域なんですね。この点では、私は地元からの具体的な要望の1つである保育園についても、ぜひ住民要望を取り入れて実施する方向で区としてもやっていただきたいと思いますが、この点について区の姿勢を確認します。  それから、施設再編整備の児童館に関するところなんですが、担当部長からは非常に簡潔なというか、簡易な答弁しかいただけませんでした。ただ、私は、前回も決算特別委員会での質疑も含めて、まだまだ区のおっしゃっていることの、予定とするところの具体的なイメージがつかないんですね。その点について、ぜひ何点か確認をさせていただきたいと思うんです。  現在、児童館によっては、乳幼児の利用者が、必要なときには夕方まで使えるような状況になっているというふうにされています。再編では、学校に集約されるという方向が、ある意味では大きな方向になっているんですが、もしそうであれば、学童のいない、午前中だけがゆうキッズ、乳幼児利用の時間になるのかなというふうに思いますが、その点はどうなのか、確認をします。午後あるいは夕方まで利用したいという人がいる場合には、今、専用館、保健センター含めた7館というふうになっているのですが、そういうところにまで行かなければならないというふうになるのか、その点についてイメージがちょっとつきませんので、ぜひお答えいただきたいと思います。  それから学童クラブ、放課後の子どもたちの居場所事業、一体的に進めるという方向です。ここでちょっと確認をさせていただきたいんですが、新泉小学校の学童クラブ、大体学童クラブは、今、委託事業者で担われています。そして児童館は、ほとんど今直営で行われているわけなんですが、学校内で一緒に、一体のものとしてやる場合には、これまで委託が行ってきた事業、そして直営で現在担っている事業、どういうふうにされていくのか。これまで児童館は、法律に基づいて専門の職員もいたわけなんですが、この専門職員が今後どういうふうになっていくのか、その点について明確にお答えいただきたいと思います。  今、学童クラブは、保護者の帰宅時間が遅いということで大変お迎えも遅くなって、新泉小学校もそうなんですが、大変遅くまで職員の方々がいるような状況です。土曜や夏休みを含めますと、子どもたちが小学校で過ごす時間よりも、学童保育で過ごす時間が460時間も2012年度調査では増えているというふうに言われています。これまで、新泉小学校のように、同じ敷地内の別施設というふうにされてきましたが、今回、新泉小学校の統廃合に基づいて、新泉小学校はなくなるわけなんですが、これまで別施設、別棟で行われて、そして別の出入り口でやっていた学童クラブ、今後一体校ではどういうふうな形になるのか、その点についてぜひお答えいただきたいと思うんです。  学童クラブのスペースだけということになれば、大変不十分ではないかということは区も認識しているところです。学校にはさまざまな行事もあって、児童館や学童クラブの子どもたちが使えない時期や、天候によってもそういう時期も出てくるはずです。今後それがどういうふうに保障されていくのか、ぜひお答え願いたいと思います。  先ほど、今後子ども・子育て支援法では、学童保育にかかわる法改定で指導員の資格、配置基準を定めることとなっていますが、今後杉並区はどういう方向でどういうふうな体制で検討されているのか、最後に確認をさせていただきます。  それから1点、生活保護法の改悪との関係なんですが、先ほど担当部長からは、保護申請に当たってはこれまでと同様に当たっていくとの姿勢を確認いたしました。今回、生活保護のバッシングや法改定を前にして、先日の参院での院内集会でも確認をされましたが、家族が扶養義務を果たさないと保護が受けられないと誤解される通知が、長野県を含めた自治体から出されていることがわかりました。これについては、厚生労働省は大変な事態だということで、これについて撤回を求めているんですが、調べたところ、全国500の自治体で同じような文書があるような調査も出ています。
     この点について、杉並区では決してこのようなことはないと思うんですが、扶養義務との関係でどういうふうな状況になっているのか、また、こういう私が挙げた事例について、厚生労働省、東京都から同じような通知や確認をするものが来ているのかどうか、その点についてお答えいただきたいと思います。  足りない部分については、また保健福祉委員会での質問でやらせていただきたいと思います。  以上、よろしくお願いします。 ○議長(大泉時男議員) 理事者の答弁を求めます。  施設再編・整備担当部長。       〔施設再編・整備担当部長(大竹直樹)登壇〕 ◎施設再編・整備担当部長(大竹直樹) それでは私から、新城議員の再質問にお答えをいたします。  新泉小学校の活用についてのご質問でございますが、今回の再編整備のプランの中でお示ししてございますが、あくまでも跡地の活用について、仮に売却した場合として想定をして記入したものでございます。今後の土地の活用につきましては、地元の要望や行政ニーズ、まちづくりの観点から、幅広く検討を進めながら今後決めていくものだというふうに考えてございます。  以上でございます。 ○議長(大泉時男議員) 子ども家庭担当部長。       〔子ども家庭担当部長(徳嵩淳一)登壇〕 ◎子ども家庭担当部長(徳嵩淳一) 私から、再度の児童館の再編に係るご質問にご答弁申し上げます。  まず、乳幼児の居場所、ゆうキッズ事業の関連でございますけれども、現在、各児童館でのゆうキッズ事業の展開は、総じて午前中のみというようなところでとどまっているという実態でございます。一方で、館ごとの、施設規模に照らして、ゆうキッズのプログラム提供はできないまでも、居場所として機能するスペースについてはできる限り確保する努力をしている、こういった状況にございます。  そういうようなことも踏まえて、今後はそうした終日、日中を通したゆうキッズ事業のプログラム展開あるいは乳幼児親子の居場所、そういったものを拡充する考え方の中で今後具体化してまいりたいという方向性で、きちっとやっていきたいと考えているところでございます。  また、学童クラブと小学生の放課後等居場所事業の関連で、幾つかご質問がございました。  まず、学童クラブでございますけれども、現在も私ども9カ所で、校内で実施している実績がございます。その中では、先ほど議員からご指摘がありましたような、出入り口を、通常学校に登校するときとは別の形で工夫をして、いわば学校教育との切り分けをイメージできるような、そういった施設状況に即した工夫もしているところであります。ハード面、ソフト面、そういったところにつきましては、学校教育、その後の放課後等の居場所ということで、少し工夫は引き続きやってまいりたいということが1つでございます。  また、小学校の放課後等居場所事業との兼ね合いでございますけれども、これにつきましては、現在、区立小学校の中で十数校が放課後子ども教室を、地域の方々のご協力をいただきながらやっている実績があります。今後の小学校の放課後等居場所事業の展開に当たりましては、そうした現在の実績、実態等も踏まえまして、よくご相談等申し上げながら、その学校、学校の実情に応じた形で展開していくということを基本に、そうした中で学童クラブの利用児童とそのほかの放課後等居場所事業を利用される小学生との交流機会の確保など、幅広い遊び、そうした放課後の生活ということが豊かに送れるように、それは充実させる方向で考えてまいりたい、かように考えてございます。  最後に、学童クラブの指導員に係るご質問がございました。現在は私ども、学童クラブの中では、基本的に直営でやらせていただいているところにつきましては福祉職の配置、また委託におきましても、そうしたところにきちっと経験のある人材の配置ということで心がけておりますけれども、今、議員からご指摘のあった国の動きにつきましては、今まだ検討途中というところで、決まった段階ではないということもございます。そのあたりの、将来の国の考え方につきましては、今後の検討状況をしっかり見据えて、それを踏まえて区として検討すべきことがあれば検討して、必要な反映を図っていく、こういった姿勢で今後ともしっかりやってまいりたい、かように考えてございます。  以上でございます。 ○議長(大泉時男議員) 保健福祉部長。       〔保健福祉部長(長田 斎)登壇〕 ◎保健福祉部長(長田斎) 生活保護制度に関する再度のお尋ねにお答えいたします。  先ほどもご答弁申し上げましたとおり、この改正法案が成立後も、これまでの取り扱いに変更はないというふうに認識をしておりまして、基本的に扶養義務は保護に優先されるべきものですが、前提や要件とはしないという考え方で、今後も運用してまいりたいと考えております。  以上です。 ○議長(大泉時男議員) 以上で新城せつこ議員の一般質問を終わります。  続きまして、5番奥山たえこ議員。       〔5番(奥山たえこ議員)登壇〕 ◆5番(奥山たえこ議員) 緑の党・奥山たえこです。本日私は、3つの質問、1番、区政情報の記録と管理及び保存について、2番、杉並区行政委員会の委員の報酬及び費用弁償に関する条例の違法判決について、3番、婚外子相続差別違憲訴訟と戸籍係窓口対応について、以上、お伺いいたします。  まず1番目、区政情報の記録と管理及び保存についてであります。  世の中には、原発再稼働反対などさまざまな反対が飛び交っていますけれども、今一番ホットな反対は、秘密保護法反対であると思います。正式名称、特定秘密の保護に関する法律案であります。連日新聞の1面で報道されております。これは何が秘密、それは秘密、そんな人をばかにしたものがあるものかというのが大きな反対の理由であります。  では、杉並はどうなんでしょうかと考えました。特定秘密保護法案の対象とする行政機関に、地方自治体は直接には入っておりませんけれども、秘密というのは記録され、そして残されていればこそ隠すことができるのであって、もし記録もされない、また残されもしないのであれば、そもそも秘密にさえもなりもしない、そういったことが、もしかしてありはしないかと思ったわけです。  さて、当区においては、2010年、平成22年の第1回定例会で、2月のときですけれども、堀部やすし議員が一般質問で、記録管理のあり方、特に公文書管理条例の必要性についてを質問なさっております。当時の区長、前の区長が自ら答弁に立って、このように答えております。「自治・分権時代にふさわしい文書管理体制を整備していきたいと考えます。議員ご指摘の公文書管理条例につきましても、この検証の中で検討してまいりたいと存じます。」と前向きな答弁をしております。しかし、今現在そのままになっております。なお、前の区長は、この年の5月31日に辞職しております。つまり、課題は残ったままでありまして、条例はつくられずにおり、また規定するものは杉並区文書等管理規程のままであります。  そこで、お伺いいたします。行政実務において記録すべき事柄とその方式の根拠は何でしょうか。また、保存義務や書式の定めがないメモなどについて、その記録、保存はどのように行っているのでしょうか。  さて、次です。記録されていないものとして考えると、私がまず1番に浮かぶのは減税自治体構想であります。これはおのずと知れた前の区長の選挙公約であり、目玉政策でありました。なぜあれが実現したのだろうと、今振り返ってみると、何かまるで夢を見ていたような気にもなります。私は、ここでその内容をあぶり出したい、ぶり返したいわけではありません。そうではなくて、なぜあれが実現したのかといったことがきちんと記録に残っているかどうかを検証したいのであります。  つらつらと見ていきますと、選挙が2007年、平成19年4月でありました。そして6月の上旬には既に新聞に、予算を積み立てて減税するとの構想の研究会を設置しますとの報道がありました。確かに減税自治体構想研究会が設置されて、その議事録はきっちりつくられておりましたので、表に出てきたことを記憶しております。私も、当時所属しておりました総務財政委員会で何度も質疑をいたしました。しかし、まだ構想の段階だからと質疑を遮られたり、また曖昧な答弁しかもらえなかったことをよく思い出しました。  結局、研究会ができるまでに、区の内部でどのような検討があったのかがわかりません。今回、資料を収集しましたけれども、そうすると、政策調整会議や経営会議で頻繁に話されていたということだけはわかるのですが、そこで具体的にどのような議論が交わされていたのかは、たとえ情報公開請求をしても知ることはできなさそうであります。記録が存在してないからであります。  そこで、お伺いします。減税などトップダウンで区の重要な施策を決定していく過程で、議論された内容を記録されているものがあるとすれば、その文書等の名称を示してください。また、今回、荻窪の区施設と国有地との交換が報道されました。答弁も幾つかありましたけれども、その内容について、経緯について、例えば誰がどのように発案したのか、また、誰にどのように持ちかけたのか、その交渉の詳細はどのようであったのかといったような記録があるのかどうか、もしあれば、その公表が可能なのかどうかをお伺いいたします。  さて、職員の皆さんは、書式があるものについてはきちんと残してくれております。しかし、記録の方式が定まっていないものについては、記録されない傾向があると感じております。そして、記録されないものは、トップダウンの政策ではないかと思うわけであります。その例として、先ほど減税自治体構想を挙げました。  さて、公文書等の管理に関する法律、公文書管理法でありますけれども、第4条において「当該行政機関における経緯も含めた意思決定に至る過程並びに当該行政機関の事務及び事業の実績を合理的に跡付け、又は検証することができるよう、」中略「文書を作成しなければならない。」と書かれてあります。この法律は、先ほど述べたとおり、地方自治体を直接対象にしたものではありませんけれども、34条において、地方公共団体に対しても「努めなければならない。」と、「その保有する文書の適正な管理に関して必要な施策を策定し、」というふうに努力義務を課しております。  そこで、お伺いいたします。記録の方式が定まっていないものであっても、重要な施策については記録を残すべきと考えますが、いかがでしょうか、区の見解を伺います。  ここで、何が重要かというのは難しい判断であります。しかし、区政を左右するとか、多くの財源を必要とするものというふうに考えればよろしいかと思います。そして、なぜ残さなければならないかということ、それは、第一義的に情報は区民のものであって、職員のものではないということです。そして、区政を担当する職員には、説明責任があります。また、言いかえれば、杉並区の歴史に対する区民への説明責任だということも言えます。つまり、後世の検証に呈するために区の情報を記録としてきちんと残しておく、それは職員の皆さんの義務であると思います。もし検証にたえられない施策であるならば、それはする価値がないということです。  さて、2番目です。政策形成過程のブラックボックス状況についてお伺いしていきます。  きょうは区議会の本会議であります。区議会の記録については、委員会も含めて厳密に議事録をとっております。動画でも残しております。また、今では予算特別委員会、そして決算特別委員会の動画も残しております。ところが、行政の内部については記録が、先ほども述べたとおりほとんど残っておりません。例えば政策調整会議、そしてまた経営会議には議事録はありませんが、要点だけでも記録すべきと考えます。いかがでしょうか。  また、この2つの会議は、多分ほぼ決まったことの報告であったり、また決まったことの確認の段階、つまり最終仕上げの段階であります。そういう意味では、この2つの会議を見ただけでは行政側の意思形成過程が見えません。そして、繰り返しますが、意思形成過程もきちんと記録に残すようにというのは、公文書管理法の要請するところであります。そういう意味では、当該会議、2つの会議の事前に調整している、多分企画課や財政課とやりとりしていると思いますけれども、その内容についても記録すべきと考えますが、いかがでしょうか。  行政の裁量権は絶大なものがあります。私は認めてはおりませんけれども、例えば住民が住民訴訟をやると、行政の裁量権が認められて、ほとんど敗訴に終わるというのがこの日本の実情であります。そういった意味でも、職員の皆さんは説明責任があるというわけです。そしてまた、余り言いたくない悔しい話でもありますけれども、例えばいろんな議案は杉並区においては、またほかの議会でもそうですけれども、出てきたものがそのまま修正されずに通るということが実態であります。であるならばこそ、いや、それは正しいことではないんですけれども、であるからこそ、どのような形でそれが議案として固まったのか、また行政の意思形成がなされたのかといったことを、きちんと残すべき責任があると思うわけです。  さて、3番目です。非公開情報の扱いと開示及び保存年限についてお尋ねしていきます。  関連する事業については、保存年限にこだわらず、一件書類を保存しておくべきものと考えております。例えば子育て応援券のガイドブックがあります。これは5年前に業務公募型プロポーザルで募集をし、そして業者に決まりました。まもなく5年がたちますから、文書保存年限に従いますと、その契約書などは廃棄されることになるわけですが、しかし、この業者は、この後まだ子育て応援券が業務として続いていきますので、そのガイドブックをつくるという仕事を、今度は競争入札でもない、もちろん一番初めもプロポーザル型ですから入札ではないんですが、今度は随意契約でその業務を受ける予定になっているわけです。そうすると、一番初めのプロポーザルのときの一件書類というものがやはり非常に大切なものになります。という意味で、この書類は保存すべきと考えておりますけれども、文書は保存しているのかどうか伺います。  さらに、なぜ私がここで子育て応援券のガイドブックのことを言ったかというと、このときのプロポーザルには、あと、出てきた業者が1つだけだったんです。それからその業者の職種、ここでは余り詳しくは言いませんけれども、子どもと関係ないわけではないんだけれども、なぜこのような属性の方が子育てガイドブックをつくるというプロポーザルに応募してきたんだろうというふうに、ちょっと私からすると首をかしげるような属性の方でありました。それからまた、プロポーザルに出された見本があるんですけれども、それを比べてみると、もう一目瞭然、今選ばれた業者のはすばらしいの一言に尽きる、そういうような内容でありました。そういった意味でも、後世の検証にたえなければいけないと思うわけであります。  次です。非公開情報は、時限を切って公開すべきものと考えます。例えば、これは杉並公会堂の入札です。古い話になりますけれども、10年以上前になりますけれども、何社か初め応募していたんですけれども、入札の直前になってばたばたと辞退をし、最終的に1社だけが応札をしたというのがこの事案であります。そしてその入札がじゃ適当であったのかどうかといったことを、実は審査会をつくって、ちょっと名称を忘れましたけれども、審査をしたんですね。その会合、実はそれ非公開でした、そのときの録音がMDとして、音源として残っているんです。私は、もう数年前ですが、それの情報公開請求をしましたところ、非公開になりました。その後、審査会にかけて不服申し立てをしたんですけれども、そこでも非公開という決定が出ました。もう何年も何年もたっています。こういったものについても、今だったら公開すべきではないかというふうに思いますので、お尋ねをする次第なんですが、このMDを今公開できるかどうか、お伺いいたします。  あわせて、お願いしておきたいのは、MDというのは多分今もうほとんど売っていないから、このまま放っておくとMDを再生する機械がなくなると思う。それが故障してしまったら、もしかしたら再生できなくなってしまうかもしれません。そういった意味では、MDを再生する機械も大切に保存しておいていただきたいし、場合によっては音源を別の媒体に、メディアに移すというようなこともやっていただきたいと思います。  さて、大きな質問の2番目です。杉並区行政委員会の委員の報酬及び費用弁償に関する条例の違法判決についてであります。  この事案については、本日午前中、けしば誠一議員が説明してくださったので、そのとおりであります。  早速質問に入ります。今回の地裁判決によりますと、46ページのところに書かれてあるんですけれども、ちょっと読みましょうね。地方自治法203条の2第2項の規定を引用して、「同項の規定は、その本文に規定する内容から明らかなとおり、非常勤職員の報酬について、いわゆる生活給としての要素を含まず、飽くまで職務の遂行への対価として支給されるものであることを前提とするものと解されるところ」というふうに判決文に書いております。  お伺いいたします。今回の地裁判決によると、非常勤職員の報酬は職務遂行の対価であって、生活給としての要素を含まないと考えてよいのかどうか、杉並区のお考えをお伺いいたします。なお、判決の中では、最高裁判決ですね、さっき、午前中にも引用がありましたけれども、最高裁の判決、事件番号平成22年(行ツ)300号、これは大津地裁判決の最高裁判決に当たるんですけれども、今回の東京地裁の判決は、この判決を踏まえております。それからあと、職務というものを会議出席に限定するものではないというふうな趣旨も言っております。その上で今回このような判決を、勤務実態を詳細に詳細に検証を行った上で、判決を出しておるわけです。  さて、次です。当区における職務遂行、この職務遂行というのは、判決文の中にある用語をそのまま使っております。定義については特に私はいたしませんし、判決文の中からおのずとわかると思いますけれども、その職務遂行とはどのような行為を指すのでしょうか。月の全ての定例会を欠席し、自宅で新聞を読んでいれば職務を遂行したと考えるのでしょうか、お伺いいたします。  さて、次です。月額報酬を受ける者における報酬支給の根拠は何でしょうか。当区の条例においてであります。日額報酬については明確なんです。当区の条例でありますけれども、「その者が会議への出席その他職務に従事した当日分を支給する。」とあります。ところが月額報酬については、こうこうこういう行為をしたことに対して支給するといったような文言は全くなくて、月額報酬はその者がなんたらなんたらの職についたときはというふうに、なんたらかんたらその日まで、ペケペケ支給するというふうになっているんです。これをそのまま読むと、職務や勤務についたそのことの対価であるかのように読めますので、お伺いする次第です。  さて、今回の裁判のもとになった選挙管理委員会の委員の欠席でありますけれども、午前中けしば議員も言及していましたけれども、私がそれを知ったのは本当に偶然だったんです。あのとき、参議院選挙と幾つか幾つか4つの選挙が重なって、それで無効票がたくさん出たから、これはおかしいじゃないかということで区民の方が裁判をやったわけですね。申し立てをした。それで、私は、じゃ選挙管理委員会では一体どんなことが話されたんだろうかと、4つの選挙をやるに当たって、混乱しないようにきちんと話し合いをされたのかどうかということを、議事録を見ようと思ったんです。  しかし、ここでちょっと言っておかないといけませんけれども、選挙管理委員会の情報公開の程度というのは、ひどいものであります。まず議事録が、一言一句の議事録ではなくて要旨でしかない。それから、それを下さいと私が言っても、情報公開請求をしてくれと言うんです。それからもっとひどいのは、誰が選挙管理委員であるかということが、当時全く明らかにされていなかった。隠しているというわけじゃないんですけれども、ホームページには載っていなかった。私が何回かそのことを指摘して、その後、今は載るようになりました。これは、教育委員会と比べると全く違いが明らかであります。  このことについては猛省していただきたいと思いますけれども、つまり、そのようにしてわざわざ、私は選挙管理委員の名前を知っていたから、しかも議事録をわざわざ情報公開請求で取得したから、それを見ていくうちに、あれ、4人いるうちのペケペケさんがいないじゃないかということに気がついたわけです。そして、そのことを私の同じ会派の議員が議会の委員会の場で確認したところ、もう半年近く、その当時は5カ月ですけれども、欠席を続けているということがわかったわけです。こんなふうに苦労して知ることが、しかもたまたまわかったわけです。  それから、今も選挙管理委員会には欠席届はなくて、休むときには口頭で伝えるだけだそうです。こういうふうな運用でいいのかどうかと思いますけれども、それが質問です。  次です。当区は月額報酬を月の途中で払っていますが、これと自治法203条の2とはどう整合しているのでしょうか。また、翌月支給とするとどのような支障が生ずるのか、お尋ねいたします。  これはどういうことかといいますと、例えば、今は11月ですけれども11月分の行政委員、選挙管理委員でもいいですけれども、月額報酬は11月25日に銀行口座に振り込まれるわけです。しかし、銀行口座に振り込むためには、大体2週間ぐらい余裕が必要なんですね。まず7営業日前に銀行に持っていかなければいけない。そうするためには、その前に会計係にデータを持っていかなければいけない。それからあと、決裁もとらなければいけない。大体それが2週間ぐらいかかる。大体月の10日ごろに所管の庶務の方、報酬の処理をする方が持っていくわけですよ。  つまり、その人がそのとき働いているかどうかを全く確認することなく、今回の判決でもそこは一番重要なことなんですけれども、勤務したかどうかわからないうちにもうお金を振り込む手続をしているわけです。これは自治法203条の2第1項、「非常勤の職員に対し、報酬を支給しなければならない。」2項、「前項の職員に対する報酬は、その勤務日数に応じてこれを支給する。」ということですけれども、つまり勤務が前提となっているわけです。それを日額で払うのか月額で払うのかということは、第2項のただし書きでもって、議会の裁量で決めることができるというわけですね。そういった意味では整合性がとれているかどうかをお伺いする次第です。  そして、じゃきちんと勤務したことを確認してから払う、例えば日額の人は、11月の分を翌月の10日に支払っているわけです。これは、きちんと勤務したかどうかを確認してからということですから、そういうふうにして何か支障がありますかということをお尋ねしたいわけであります。  さて、大きな質問の3番目です。婚外子相続差別違憲訴訟と戸籍係窓口対応についてであります。  これも今、国会で、閣議決定されましたけれども、そして民法の改正、900条のただし書きのところの改正が今進んでいるんですが、もしかしたら秘密保護法との関係で流れちゃうかもしれないというふうにも聞いておるんですけれども、とにかく民法は何とか改正の段取りがついています。ところが、それと関連した戸籍法です。これは戸籍法第49条第2項第1号なんですけれども、これの改正がどうなるかが非常に危ういところがあります。  つまり、これは何かというと、出生届の記入欄に嫡出である子、嫡出でない子というふうなチェック欄があるんです。届出人はそこに、どちらかにチェックをしなければいけないというわけです。それに対して、自分の子どもをそんなふうに、嫡出である、嫡出でないというふうに書くことは到底耐えられないということで裁判をした人がいます。この前最高裁判決が出て、それは憲法違反だとまでは言われなかったのですが、しかし、最高裁の判決でもこう言っていますね。つまり、嫡出か嫡出でないかという欄を設けてそこにチェックをさせることは、事務処理には便利な規定だが、必要不可欠とは言えないとの判断を最高裁として初めて示しております。  このことは、この同じ裁判の第一審、東京地裁の判決でもはっきりと書かれています。どういうふうに書いているかといいますと、嫡出という表現を用いていることも相まって、嫡出子と非嫡出子との間での実体法上の異なる記述を前提とした差別的な扱いを助長するものと見る見方もあること等からすると、出生届の届書には嫡出子または嫡出でない子の別を記載しなければならないと定める本件規定、これは今私が言ったように戸籍法49条第2項第1号です。この規定は必ずしも合理性を有するものではなく、本件規定を撤廃しないことに憲法上の疑義があるという見方にも理由がないわけではないのであって、立法論としてその当否について議論のあることもうなずけるところであると、東京地裁では言っています。  最終的に最高裁では、さっき申し上げたとおり、違憲だという判決は出なかったんだけれども、必ずしも事務処理上必要だとは言えないというふうな言い方をしております。  何が言いたいかというと、今回、民法の改正は何とか、つまり相続差別ですね、婚外子の相続分は婚外子でないいわゆる嫡出子の半分である、2分の1であるというその規定を削除するというふうな改正案になっているんだけれども、この戸籍法の改正も、本来だったら関連することですから改正するんだろうとばっかり思っていたら、そして谷垣大臣もそういうふうには言っていたんですけれども、どうやら新聞報道などで漏れ聞こえるところによりますと、非常に与党内で反対が強くて、戸籍法の改正は見送るんだというふうに言われております。つまり、相変わらず戸籍係に行って、出生届に嫡出であるとか嫡出でないとかということをチェックしろというふうに言われるわけですね。  そこで質問をいたします。1番、戸籍法第49条第2項第1号には、出生「届書には、」中略「嫡出子又は嫡出でない子の別」「を記載しなければならない。」とされているが、その人が嫡出子であるかないかは出生届の記載欄でしか区は知ることができないのか。また、その人が嫡出か嫡出でないか知り得ない場合に、自治体の行政実務においてどのような支障が生じるのかを伺います。  2番目です。戸籍係窓口に出生届が出された場合、出生届書の嫡出欄の記載を拒否する余地を認めていると思われる法務省の通知があります。平成で言うと22年3月24日付なんですが、これについて窓口にいらした方にきちんと説明をし、出生届書の嫡出欄の記載を拒否する余地がありますよと説明するのかどうか、そしてまた嫡出欄の記入を拒否する人に対して、戸籍法49条があるということを根拠に、あくまでも記入を求めるのかどうか、お伺いいたします。  以上です。 ○議長(大泉時男議員) 理事者の答弁は休憩後とし、ここで3時20分まで休憩いたします。                                午後2時59分休憩                                午後3時20分開議 ○議長(大泉時男議員) 休憩前に引き続き会議を開きます。  理事者の答弁を求めます。  総務部長。       〔総務部長(宇賀神雅彦)登壇〕 ◎総務部長(宇賀神雅彦) 私からは、行政実務における記録方式などについてのご質問にお答えします。  区の文書等の管理については、基本的な事項を杉並区文書等管理規程におきまして規定しております。本規程第4条におきまして、事案についての最終的な意思決定は起案文書により行うこととしておりますので、当該起案文書は記録、保存すべき文書となってございます。保存の義務や書式が定められていないメモなども、その事案における資料として必要と認めるときには、書式の定めのある文書と同様の記録保存の取り扱いを行っております。  次に、記録の方式が定まっていない重要な施策における保存についての区の見解を、とのご質問にお答えします。  区の各施策、事業などについては、杉並区文書等管理規程に基づき作成している文書分類表の区分に従って、文書等の作成、記録を行っております。この文書分類表には共通分類と個別分類があり、全庁的に毎年度1回の見直しを行うとともに、必要に応じて随時見直しております。したがいまして、記録の方式が定まっていない行為につきましても、必要と認めるときには、重要な施策の関連資料として、文書分類表に基づき必要な内容を記録しているものと認識しているところでございます。  私からは以上でございます。 ○議長(大泉時男議員) 政策経営部長。       〔政策経営部長(牧島精一)登壇〕 ◎政策経営部長(牧島精一) 私からは、区政情報の管理に関するご質問のうち、所管事項についてお答えします。  初めに、区の重要な施策の決定過程に関する記録についてのお尋ねですが、区では、区政の最高方針及び重要施策を審議、決定するため、経営会議及び政策調整会議を設置しており、これらの会議の経過及び結果の記録として、経営会議記録及び政策調整会議記録がございます。  次に、このたびのあんさんぶる荻窪と荻窪税務署等用地の財産交換の経緯に関する記録ですが、区から国に宛てて出した交換の提案の文書と、それに対する国からの回答文書があり、いずれも公表は可能でございます。  次に、政策調整会議及び経営会議の記録に関するお尋ねですが、会議は、関係部局との事前調整を踏まえ作成した資料に基づき審議を行い、経過及び結果を記録した会議記録を作成していることから、事前調整の記録は必要ないと考えております。  私からは以上でございます。 ○議長(大泉時男議員)  子ども家庭担当部長。       〔子ども家庭担当部長(徳嵩淳一)登壇〕 ◎子ども家庭担当部長(徳嵩淳一) 私から、所管事項についてご答弁いたします。  子育て応援券ガイドブックの製作に係る、公募型プロポーザルによる委託事業者の選定に関する保存文書についてのお尋ねですが、当初の契約年度以降も継続して契約する際には、当該保存文書も参考資料として添付しておりますので、継続して締結する契約文書と同一の保存年限となるものでございます。  私からは以上です。 ○議長(大泉時男議員) 区民生活部長。       〔区民生活部長(森 仁司)登壇〕
    ◎区民生活部長(森仁司) 私から、所管事項についてのご質問にお答えいたします。  初めに、杉並公会堂PFI事業の入札審査の録音記録の公開についてのお尋ねにお答えいたします。  杉並公会堂PFI事業審査委員会につきましては、公平公正かつ活発な議論を行うために会議は非公開とされ、各委員の忌憚のない意見をもとにやりとりが行われました。このため、審査委員会終了後においても、その録音記録が公開された場合には、委員の特定が可能となるだけでなく、今後、同種の審査事務の公正かつ適正な執行を困難にするおそれがあり、杉並区情報公開条例に基づき非公開としたものでございます。そのため、現在におきましても、録音記録は非公開とすべきものと考えております。  次に、戸籍事務に関するご質問にお答えいたします。  初めに、嫡出子であるかないかを知る方法や嫡出か嫡出でないか知り得ない場合の自治体の行政実務への影響についてのお尋ねですが、嫡出であるかないかは、出生届出書の記載欄以外に、その人の本籍地の戸籍を確認することで知ることができるものです。また、区の行政の取り扱いにおいて、嫡出か嫡出でないかの区別を必要とするものは、戸籍事務以外ではないものと認識しております。  次に、戸籍係での嫡出欄の記載にかかわる窓口対応についてのお尋ねでございますが、平成22年3月24日付法務省民事局民事第一課長通知につきましては、嫡出でない子の出生の届け出に当たり、届出書の父母との続柄欄の記載等がされていない場合の取り扱いに関して、区市町村の取り扱いについて指示したものであり、届出者に通知内容についての説明を行うことはございません。  また、嫡出欄の記載がされていない場合には、記載を行うよう届出者に補正を求めるものでございますが、どうしても補正に応じていただけない場合につきましては、ただいま申し上げた民事第一課長通知の内容によりまして、届出書のその他欄への記載等の例外的な処理により取り扱うものでございます。  私からは以上でございます。 ○議長(大泉時男議員) 情報・法務担当部長。       〔情報・法務担当部長(関谷 隆)登壇〕 ◎情報・法務担当部長(関谷隆) 私からは、行政委員の報酬に関する判決内容等に関するご質問についてお答えいたします。  最初に、非常勤職員の報酬の性格についてのご質問がございました。今般の東京地裁の判断においては、非常勤職員の報酬はいわゆる生活給としての要素を含まず、職務遂行への対価として支給されるものであるとされています。  次に、当区の条例における職務遂行とは何かという点についてでございますが、専門知識の習得や情報収集を含め、その職に対して課せられた職責を果たすことであると考えております。  また、職務従事の把握についてのご質問がございましたが、委員費用弁償の支給手続もあるため、委員会やそれ以外の会議、行事などへの出欠について、事務局では把握しているところでございます。  最後に、月額報酬の支給根拠やその支払い時期と地方自治法203条の2の規定との関係についてでございますけれども、この203条の2の第2項本則においては、報酬は勤務日数に応じて支給すると定めつつも、ただし書きにおいて、月額報酬制等、日額報酬以外の支給方法をとることは容認されております。この規定を受けて、勤務の態様等を考慮し、毎月分をその月の25日から末日までに支給するものと条例で定めたものでございます。  私からは以上です。 ○議長(大泉時男議員)5番奥山たえこ議員。  〔5番(奥山たえこ議員)登壇〕 ◆5番(奥山たえこ議員) 再質問をいたします。  トップダウンで区の重要な施策を決定していく過程の議論が残されているのであれば、その文書の名称を示してほしいというふうに言ったんですが、特に文書の名称は示されなかったんですが、いろんなやりとりがあったんじゃないんですかね。前区長の公約であるということで、ああそうですか、じゃ減税するためにはどうすればいいかということを研究会をつくってやりましょうというふうに、とんとんと行ったとはとても思えないんですよ。その間に、例えば、いや、区長、そうはおっしゃっても、地方財政法上、標準税率というのがありましてとか、起債ができなくなりますのでというふうに言ったら、きっと前の区長は、君、私は起債なんかしないんだよ、借金なんかしないんだというようなやりとりがあったんじゃないかとか、それから、いや、区長、都区財調が減らされるということも考えられますのでというふうに言ったとすると、東京都のことなんて関係ないよというようなやりとりがあったんじゃないかとか、いろいろ私は妄想たくましくするわけでありますけれども、いろんなやりとりがないはずがないんですよ。とんとんと進んでないんですね。その辺のことを、別に私は勘ぐって言うわけではなくて、減税自治体構想というのは、本当は大変なことだったと思っています。私は、本来だったら、議会が特別委員会をつくればいいと思うし、もしくは行政のほうは検証委員会でもつくって報告書を出すぐらいの、なぜああいうふうなことをやってしまったのかといったことを検証すべきだと思うんです。  なかなか、そもそも国からして日本は検証をしない。例えばイラク戦争ですけれども、当のアメリカはもうしっかり検証して、イラクには大量破壊兵器はなかったと結論しましたし、アメリカと一緒に戦ったイギリスだってそうです。ところが日本は、そういう検証を全くしていない。それからもっと古い話で言うと、太平洋戦争ですよ。あれだって何であんな無謀な戦争を起こしたんだということを、いろんな人がいろんなことを書いている。歴史家もいれば学者もいるんだけれども、結局なかなかわからない。もしそのときのやりとりがきちんと記録されていれば、どこで誰がどういうふうに、またもちろん途中でいろいろ利害関係もあって変わるだろうけれども、ここで何かができたんじゃないかという、後世のためになるじゃないですか。そういった意味では、検証するということは非常に重要であって、そのためにもきちんと記録を残さなければいけないです。  そういう意味では、減税自治体構想については残っておりません。私も余り思い出したくないし、あと自分のことを振り返ってみても、ああ、勉強が足りなかったなあというふうに思っておりますので、じくじたる思いはあるんですが、つらいんですけれども、やはりやらねばならないというふうに思っております。ちょっとこれについては、なかなかご答弁も難しいでしょうから、要望というか、言うことだけにしておきたいと思います。  つまり、重要な施策は検証しなければいけないわけですよ。検証するという気持ちはないんですか、質問します。  次です。選挙管理委員の月額報酬でありますけれども、先ほど最高裁の判決のことがありました。いいですか、それをもう1回よーく読み直してくださいよ。地方自治法203条の2ただし書きというのは、特別の定めというのは、勤務実態を問わないわけじゃないですよ。月額報酬にすれば、その形にすれば、勤務なんか全く関係なくていいというふうに読めますよ、さっきの答弁だと。でも、おかしくないですか。今回の東京地裁へ杉並区が出したいろんな答弁書というか、訴状の中にも、元委員は自己研さんをしておりましたとか、自己啓発をしておりましたとかいうふうに言っていますよ。  つまり、在籍に対してではなくて勤務実態に対して問われているんだ、それに対して答えなければ裁判として成り立たないんだということを皆さんもよーくわかっているから、一生懸命、一生懸命言ったわけじゃないですか。いや、新聞を読んでおりましたとか、それから選挙の報告をしましたとか言ったわけじゃないですか。それなのに、さっきの最高裁の判決の説明、あれ、おかしいですよ。大津地裁の最高裁判決というのは、あれは支払いの方法を日額制とするのか月額制とするのかを問われたのであって、勤務実態を問わないなんて一言も言っていない。だからこそ今までずっと、勤務実態のことをいろんな裁判で問うてきたわけじゃないですか。そして杉並区だってそのことを、今回の裁判の中で訴えてきたわけですよ。勤務実態、全く関係なくていいんですか。最高裁の判決をどういうふうに読んでいるのか。そこのところをきっちり言ってください。  戸籍の窓口ですけれども、通知の説明をしませんということだったんですけれども、知っている人は知っているわけです、そういう通知があることを。でも内容はなかなかわからないです。そうしたら、こういうのがあるそうなんですがというふうに尋ねられたら、どうするんですか。答えないんですか。きちんと答えるんですか。それが1つですね。  それから、補正にどうしても応じていただけない場合にはとおっしゃったけれども、どうしてもというのは例えば何回断れば、つまり嫌です、書きたくないということを何回言えばどうしてもというふうに認識していただけるのかどうか伺って、ちょうど時間となりました。 ○議長(大泉時男議員) 理事者の答弁を求めます。  政策経営部長。       〔政策経営部長(牧島精一)登壇〕 ◎政策経営部長(牧島精一) 再度のご質問のうち、私からは、文書の管理等に関するご質問にお答えいたします。  最後のお尋ね、検証をしっかりというご質問でよろしいでしょうか。私どもといたしましても、管理をしております情報に基づいて、絶えず必要な検証を行っております。例えば事務事業評価でありますとか行政評価でありますとか、制度もございます。必要な検証は、これからもしっかりと行ってまいりたいと存じます。  以上でございます。 ○議長(大泉時男議員) 区民生活部長。       〔区民生活部長(森 仁司)登壇〕 ◎区民生活部長(森仁司) 奥山議員の、出生届の記載に関する再度のご質問にお答えいたします。  区において処理しております戸籍事務は、言うまでもなく法定受託事務でございます。法令等に基づきまして、窓口対応においても適切に対応しているところでございます。  なお、通知の内容について、あるいは補正等を含めた窓口のやりとりの回数云々というのは、何回という話ではございません。あくまで法令等に基づき対応しているものでございます。  私から以上でございます。 ○議長(大泉時男議員) 情報・法務担当部長。       〔情報・法務担当部長(関谷 隆)登壇〕 ◎情報・法務担当部長(関谷隆) 私からは、行政委員の報酬の訴訟に関しての再度のご質問にお答えいたします。  先ほども、大津地裁の控訴審を受けて最高裁のほうは、平均登庁日数1.89日で支出が違法だということを翻して、職務の遂行、勤務については、単に登庁日数だけで捉えられるものではないと明確に述べておりまして、先ほど午前中にもご答弁しましたように、職責だとかその委員の勤務実態だとか実情、それから行政委員という職に対して、そういうことを総合的に勘案して支出するものというところについて是認されているというふうに捉えております。  今回については、委員も病気の回復の見込みがあって、そうしたことも医師とのやりとりもある。そうしたことも踏まえ、一定の自己研さん、専門知識の習得に努めていたという事実もございますので、そうした中で適法だというふうに考えてございます。  私から以上でございます。 ○議長(大泉時男議員) 以上で奥山たえこ議員の一般質問を終わります。  次に、2番田中ゆうたろう議員。       〔2番(田中ゆうたろう議員)登壇〕 ◆2番(田中ゆうたろう議員) 美しい杉並の田中ゆうたろうです。通告に基づき、区政一般について質問を行わせていただきます。1点目として防災について、2点目として高齢者施策について、3点目として生活保護、就労支援について伺ってまいります。  今回お尋ねする3点は、いずれも区にとって極めて重要なテーマであり、当定例会を含め、既に他の議員からもこれまで種々の観点から論じられていることは承知しております。確認の意味で改めてお尋ねをするとともに、私なりの提言も幾つか行わせていただきたいと思っておりますので、ご理解のほど、よろしくお願い申し上げます。  1点目、防災について伺います。  このところ立て続けに、地球規模での異常気象が世界各地の人々に大きなダメージを与えています。まずは、伊豆大島、またフィリピンでの台風災害で亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、今も苦しんでおられる現地の方々に、衷心よりお見舞いを申し上げます。  さて、これらの異常気象は杉並区にとっても人ごとではなく、ことしの8月、9月には、当区が水害の危機にさらされたことは記憶に新しいところであります。そこで、まず伺います。今期、区が見舞われた水害の特徴について、改めて確認をしておきます。  また、9月15日には環7地下調節池が満水となり、あと一歩のところで数年ぶりに神田川が氾濫していた可能性もあったと聞いております。思えば、この環7地下調節池ができてからというもの、それまで長きにわたって周辺住民を苦しめ続けてきた神田川の氾濫が起こらなくなり、ややもすれば、当該地域をめぐるかつての水防意識が風化しつつあるのではないかとの危惧を抱くところです。3・11についてもしばしば言われているように、まさに災害は忘れたころにやってくるのであります。  そこで伺います。まず、環7地下調節池が整備された経緯と、整備後の効果について確認しておきます。また、9月15日に満水となった際、区の対応と今後の課題についても伺っておきます。  次に、防災無線について伺います。区境地域の防災無線の問題については、平成23年第3回定例会決算特別委員会でもお尋ねをいたしましたが、その後も、区民の方々からは多くのお声を頂戴しております。そこで、それらのお声から質問を行わせていただきます。  一例として、私の住む和田1丁目61番地では、ここは中野かと錯覚するほど中野区の防災無線が明瞭に聞こえる一方、杉並区の防災無線はそれほどはっきりとは聞こえてまいりません。これでは、いざというとき、うまく聞き取れないのではないかと不安に思う方々がおられるのも無理からぬことであります。  そうした陳情を受けるたびに、区の防災課に足を運んでは、区境地域の防災無線がもっとはっきりと聞き取りやすいものとなるよう再三要望を申し入れてまいりました。その都度、今後は電話やメールを使った代替策、また防災無線のデジタル化に際し、個数や向きを工夫していく旨を返答いただいておりますが、そうした返答を区民の方々にお伝えするたびに、私は、正直なところ、一抹のむなしさを覚えてきたことも事実であります。  と申しますのも、区がどれだけご努力いただき、個数や向きを工夫していただいても、残念ながら、自分の自治体の防災無線が聞き取りづらい地域、隣の自治体の防災無線のほうがよりはっきり聞こえてきてしまう地域というものを全くゼロにするということは、物理的に困難ではないかと思われるためであります。  こうしたことは、私の住む和田地域のみならず、杉並の全ての区境地域について言えることでありましょうし、また杉並を取り巻く全ての隣接自治体の区境地域についても、またそこに住む住民の悩みの種は全く同じなのではないでしょうか。  そこで伺います。防災無線について区境など聞こえにくい地域があり、そうした地域では、他自治体の防災無線のほうが聞こえやすい場合があります。そうした現状についての区の認識を伺います。  また、そのような区境住民に対しては、対策の一例として、必ずしも自分の自治体の避難所だけではなく、隣接自治体の避難所でも受け入れがなされるよう全ての隣接自治体と協定を結び、災害時は相互に避難者を助け合う体制を確立するとともに、各自治体の隣接部住民に対しても、いざというときは隣の自治体の避難所でも受け入れてくれるということを、ふだんから、区報等を通じ周知するなどの工夫が図られてよいのではないでしょうか。  あらかじめそうした知識があれば、各自治体の周辺部住民は、何が何でも自分の自治体の防災無線に従わなければならないとの強迫観念から解放され、隣の自治体を頼ってもよいのだ、他区の住民だからといって受け入れを拒否されることはないのだ、そういう取り決めが杉並区と全ての隣接自治体との間できちんとなされているのだという安心感を持つことができるのではないでしょうか。  そこで伺います。当区と隣接自治体間の、避難者受け入れ体制の現状と、今後の課題についてお聞かせください。災害時の相互支援は、南相馬市等の遠隔地のみならず、まずは当区を取り巻く全ての隣接自治体との間で、きっちり固めておいていただきたいと思いますので、その旨要望いたしまして、次に、高齢者施策について伺ってまいります。  私の祖父は、十数年前、我が家からほど近くの病院で亡くなりました。臨終に際しては、家族全員が枕元に駆けつけ、祖父をみとることができました。ずっと寝たきりで、話すことも体を動かすこともままならなかった祖父が、いまわの際に、上半身をぐっとベッドから持ち上げ、腕を私のほうに伸ばし、かすかな声で初孫である私の名を呼びかけつつ、そのまま息を引き取ったことは、私にとってこの上なく幸せな祖父との別れ方でありました。  いざというとき、すぐに家族が駆けつけられる距離に病院があったことに、私は今でも心から感謝をしております。ただ、できることならば、祖父を自宅でみとってあげたかった。諸事情からその願いがかなわなかったことは、今でも大変残念に思っています。  今月16日の日本経済新聞夕刊によれば、「『家』で看取る」、「伝統的な看取りの文化を生活の中に取り戻す」というテーマのもと、NPO法人ホームホスピス宮崎理事長・市原美穂氏の次のような談話が紹介されています。「現代の死は、医師が脳波計、心電図の波形や血圧の数値をモニター画面で見ながら確認し、臨終を宣告するのが一般的です。デジタルで可視化されているけれど、家族には実感が湧きません。それは、声をかけたり体を触ったりし、脈や息が絶えるのを感じることで大切な人の死を受け入れていく伝統的な看取りの文化の消失です。」このように市原氏は述べた上で、「失いかけた看取りの文化を生活の場に取り戻すことを目指して」いると述べておられます。  そして、肉親がお互いにお互いをみとり、みとられるための最もふさわしい場、それはやはり、共に長年住みなれた家をおいてほかにないのではないでしょうか。  そこで、この項の初めに、杉並区在宅医療推進協議会の今までの検討テーマについて確認をしておきます。人が在宅で家族に見守られながら死を迎えるためには、区内での在宅医療の普及充実が大きなポイントと考えますが、いかがでしょうか。区の見解をあわせて伺っておきます。  また、区が実施している在宅医療相談調整窓口で昨年度受けた在宅でのみとりに関する相談件数と、主な内容についてもお聞かせください。さらに、在宅でのみとりを推進するために、その意義や重要性について、区民への普及や啓発が必要であると考えます。区の見解を伺います  さて、これまで、家でのみとりを中心に伺ってまいりました。と同時に、当区では目下、時代の変化に応じた区民ニーズへの対応が求められ、特に高齢化の一層の進展により、特別養護老人ホーム等の高齢者施設への需要に応えることが喫緊の課題となっていることは、このたび修正された区立施設再編整備計画の素案からも十分にうかがわれるところであります。そこでは、第一次実施プランの基本的な考え方として、「国・東京都との連携による公有地の活用」という文言がこのほど新たに追加されたわけでありますが、一方、民間との連携については検討の余地はないものでしょうか。  確かに、この住宅都市杉並において、なかなか好適な事例を発掘することは難しいかもしれません。しかし、そのような中にあって、今月14日の報道によりますと、区内のさる民間大型施設の耐震改修や建て直しが所有者によって断念されたとのことであります。私は、さきの第3回定例会決算特別委員会でも質問、また意見開陳させていただいたとおり、区が現在、特養設置計画を進める南伊豆町は遠隔地に過ぎるのではないか、これではさすがに姥捨て山とのそしりも免れないのではないかと考えております。現地の医療機関との連携体制についてもお尋ねしましたが、答弁を伺った限り、正直なところ、なお一抹の不安をいまだ拭えずにおります。とにもかくにも、杉並から遠過ぎるのではないでしょうか。いざというとき、家族が駆けつけるというわけにいきません。  そこで伺います。南伊豆町の特養整備計画について、杉並区から、車や電車等の公共交通機関の利用でも約4時間前後の遠隔地では、入所や面会、何かあった場合などに不便であることから、区は、民間事業者に自らの土地を活用した整備を促すなど、杉並区内またはなるべく区の近隣においてさまざまな整備手法を用いた整備を検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。区の見解を伺って、最後に、生活保護、就労支援について伺います。  働く、これは時代や場所にかかわらず、全ての人々にとって大いなる喜びであろうと思います。しかしながら、生活保護制度がその本来の趣旨から離れて、この喜びから人々を引き離している面があるとすれば、この制度に対して社会から疑問のまなざしが向けられることは、当然の成り行きと言わなければならないでしょう。  さらに、本年第1回定例会での予算特別委員会でも、他の議員からたびたび質疑がなされているところではありますが、生活保護受給世帯への中学3年生の塾代助成が、東京都の学習環境整備費と合わせると、低所得者世帯に対する東京都の学習塾等受講料貸付制度上限額を上回ってしまう問題については、公平性の観点から、その制度設計は著しく論理的整合性を欠くものと言わざるを得ません。複数の議員によって、つとに投げかけられているこれらの質疑に対し、同委員会では、たびたび区より、貧困の連鎖防止との答弁がなされておりましたが、率直に申し上げて、到底説得力ある内容とは受け取れませんでした。  「働かざる者食うべからず」と申します。このことわざを人々が深く肝に銘じてこそ初めて、貧困の連鎖もまた、真の意味で断ち切られるときが訪れるのではないでしょうか。  そこで伺います。まず、生活保護世帯が増加する現状と今後の区の対応について、確認をさせていただきます。  また、生活保護受給世帯への塾代助成が低所得者世帯に対する助成を上回り、その制度設計は説得力、論理的整合性を欠くものと言わざるを得ませんが、このことに対する現在の区の認識を伺っておきます。  既に厳しく他の議員によって指弾されているとおり、正直者がばかを見る杉並区にしてはなりません。この点は、仮に他の施策がいかにすぐれていようとも、取り繕うことのできない現区政の重大な瑕疵と私は受けとめております。  例えば区は、現在、社会適応力訓練、就労訓練支援事業など、種々の取り組みを始めておりますが、生活保護世帯への過度の助成は、こうした勤労を促す種々の取り組みと、性質上相矛盾するものではないでしょうか。この点、区の認識を伺います。  私は、公助の前にまず自助あるべきとの信念から、恥の文化の再構築が現代の日本社会の急務ではないかと常々考えております。社会の助けがまずあって当然という世の中は、やはり健全とは言いがたいのではないでしょうか。  そうした観点から伺います。生活保護費不正受給防止に対する区の現在の取り組みはどのように行われておりますでしょうか。また、不正受給防止をめぐっては、不正受給通報制度を採用している東大阪市など、他自治体でも特徴的な取り組みがなされていると聞いております。私も先般、当市を視察させていただきましたが、市庁舎に大きくポスターが張り出され、次のような文言が明記されておりました。「次のような疑いのある情報をお待ちしています 仕事をしているのに、市役所に報告していない 財産を隠して、生活保護を受けている 暴力団員なのに、生活保護を受けている 必要のない治療を受けている」こうしたポスターが庁舎内に大きく張り出されている様子を拝見しまして、土地柄といったことはともかく、恥の文化の再構築には一役買っているのではないかと感じました。この程度のことで行き過ぎた監視社会化を危ぶむなどとすれば、それは杞憂というものでありましょう。  そこで伺います。こうした東大阪市を初めとする不正受給通報制度など、他自治体の特徴的な取り組みについての区の認識を伺います。  最後に、現在区が取り組みつつある社会適応力訓練、就労訓練支援事業について伺います。  まず、同種の事業について、他自治体における実績や課題などがありましたらお聞かせください。また、当区において事業を開始するに至った経緯、現状、今後の課題を伺っておきます。  さらに1点、要望をつけ加えさせていただきますが、これらの訓練事業においては、ぜひとも区立施設、特に小中学校でのトイレ清掃を訓練内容の一環に取り入れていただきたいと思います。この点、要望といたします。  以上、るる質問を行ってまいりました。理事者の皆様には真摯にご答弁を賜りますようお願いいたしまして、私の質問を終わります。  ありがとうございました。 ○議長(大泉時男議員) 理事者の答弁を求めます。  危機管理室長。       〔危機管理室長(南雲芳幸)登壇〕 ◎危機管理室長(南雲芳幸) 私からは、防災についての一連のご質問にお答えいたします。  まず、今期の水害の特徴についてのお尋ねですが、ことしは8月の集中豪雨や9月、10月に相次いだ台風など、例年と比較しても降水量が多い年でございました。8月12日の集中豪雨では、区の北部地域の河川や暗渠化された旧河川、旧水路沿いの低地を中心に、浸水被害が60件近く発生いたしました。区内の水害対策は、河川整備や調節池の建設などで大きく前進してまいりましたが、今後は、排水施設の改善など、地域の実態に応じた対策が重要と考えております。  次に、環7地下調節池の整備に関するお尋ねですが、神田川や善福寺川などの安全度を早期に向上させる対策として、東京都が整備したものでございます。調節池への取水については、神田川は平成9年4月から、善福寺川は平成17年9月から、妙正寺川は平成19年3月から開始されております。  和田地区では、整備前の平成5年8月には479棟に及ぶ浸水被害が発生するなど、毎年のように多くの浸水被害がありましたが、平成19年3月の、3河川からの取水開始後の集中豪雨や台風による降雨では、同地区における浸水被害の発生はなく、被害軽減に大きな効果を発揮しています。さらに、環7地下調節池の完成後には、その上流の神田川や善福寺川において、順次、河川整備工事が進められております。  次に、環7地下調節池の満水となったときの区の対応と今後の課題についてのお尋ねですが、9月15日の台風18号の影響による朝からの雨で、環7地下調節池は満水となり、翌日の台風本体接近までの間に排水が間に合わず、和田、方南地域での浸水被害の発生が想定されました。区は、あらかじめ指定した避難所である和田小学校に加え、方南小学校、立正佼成会杉並教会の2カ所を臨時の避難所として開設し、周辺住民の避難場所を確保いたしました。また、広報車や区のホームページやツイッター、町会や防災会への連絡など、周辺地域への情報提供を丁寧に行いました。  区は、今回の経験を教訓に、浸水被害の発生が想定される場合には、地域への迅速な情報提供と避難所の開設に一層心がけてまいります。  私からの最後は、防災無線と隣接自治体間の避難者受け入れ体制に関するお尋ねですが、まず、区境において杉並区の防災行政無線が聞こえにくく、隣接自治体の防災行政無線が聞こえてくる状況があることは、区としても認識しているところです。住宅が連檐している市街地では、隣接自治体の防災行政無線が聞こえてくることはやむを得ない状況ですが、現在進めている区防災行政無線のデジタル化対応の中で、今年度実施した全放送塔スピーカーの音声到達実験を踏まえ、放送スピーカーの向きを調整するなど、改善に努めていく予定です。  被災自治体からの避難者の受け入れにつきましては、23区の災害時相互協力等に関する協定や武蔵野市との災害時相互協力に関する協定によって定められていますが、避難者を相互に受け入れる施設や受け入れ方法など相互支援の具体的な実施方法については、今後十分に隣接自治体と協議していく必要があるものと認識してございます。  私からは以上でございます。
    ○議長(大泉時男議員) 高齢者担当部長。       〔高齢者担当部長(渡辺 均)登壇〕 ◎高齢者担当部長(渡辺均) 私からは、在宅でのみとりに関するお尋ねなどにお答えいたします。  まず、杉並区在宅医療推進協議会では、平成23年7月から事業を開始いたしました在宅医療相談調整窓口と後方支援病床協定事業の検討や検証を行い、今年度、医療と介護の連携、認知症対策、がん対策の3つの部会を設置し、検討を進めております。特に、在宅でのみとりにつきましては、がん対策部会において、患者が不安なく自宅で緩和ケアを受けられる環境整備などについても議論されており、在宅医療の充実につながる課題であると認識しております。  相談調整窓口での昨年度のみとりに関すると思われる相談件数は7件程度で、主な内容としては、自宅近くで訪問診療してもらえる医療機関などについての相談や紹介でございます。  次に、区民への啓発ですが、人生の最期の迎え方は人それぞれ異なり、在宅でのみとりは、その1つの選択肢であると考えております。  私からの最後になりますが、特養整備計画についてのお尋ねにお答えします。  急速な高齢化の進展の中、特養整備は喫緊の課題と捉えております。区としては、今般お示しした施設再編整備計画に基づき、区立施設の再編整備によって生じた区有地の活用を図るとともに、国や東京都との連携のもとに、未利用公有地の有効活用を図ることを基本として進めてまいりますが、あわせて民有地を活用した整備手法や、入所希望者の選択肢の1つとして南伊豆の特養整備を進めるなど、多様な整備手法で取り組んでまいります。  私からは以上でございます。 ○議長(大泉時男議員) 保健福祉部長。       〔保健福祉部長(長田 斎)登壇〕 ◎保健福祉部長(長田斎) 私からは、生活保護に関するご質問にお答えをいたします。  まず、生活保護世帯の増加と対応についてのお尋ねですが、生活保護世帯数については、高齢化による増加に加えて、平成20年のリーマンショックを契機に、失業を理由とする稼働年齢層の受給者が急増し、現在その傾向は鈍化しているものの、10月末で6,580世帯となっております。今後も、必要な方には適切に保護を受けていただくということを基本に、稼働年齢層の方に対しては、その方の状況に応じた就労支援に努めてまいります。  次に、塾代助成についてのお尋ねですが、現在、中学3年生28名中6名が助成を受けており、今後その成果を検証してまいります。  また、高校への進学を支援する塾代助成と就労支援の取り組みについて、区としては、ご指摘のような矛盾は感じておりません。  次に、不正受給防止に関するお尋ねですが、区では、収入や財産の申告など、受給者が果たすべき義務について文書及び口頭で再三確認し、受給者自身が認識を深めてもらうよう取り組んでおります。また、資産調査員を配置し、課税、年金調査、預金調査等に力を入れ、受給世帯の収入の捕捉と不正受給の発見に努めております。  生活保護世帯に対する区民の理解や信頼を確保するためには、不正受給を防止する施策を適切に進めていくことが重要であり、他自治体が行う取り組みについても、参考にすべきものは取り入れてまいりたいと考えておりますが、通報制度自体についてはさまざまな議論もありますので、今後の動向を注視してまいりたいと存じます。  私からは以上です。 ○議長(大泉時男議員) 区民生活部長。       〔区民生活部長(森 仁司)登壇〕 ◎区民生活部長(森仁司) 私からは、就労支援の取り組みの1つである社会適応力訓練及び就労準備訓練支援事業についてのお尋ねにお答えいたします。  初めに、他自治体の実績等についてでございますが、足立区では平成21年度から、訓練生が商店街でのボランティア活動や靴製造工場で就労訓練を行っておりますが、受け入れ先事業所の開拓などが課題であると聞いております。  次に、当区においては、なかなか就職に至らない若者を対象に、区内事業所の協力を得て勤労福祉会館内にジョブトレーニング室を開設し、ボランティア活動を行う社会適応力訓練と、職場体験の就労準備訓練支援事業を11月から新たに開始したところでございます。現在、訓練生の募集と受け入れ先事業所との協議を行っているところですが、課題としましては、潜在的な利用者と考えられる方々を、この事業への利用にどうつなげるかにあると考えているところでございます。  私からは以上でございます。 ○議長(大泉時男議員) 2番田中ゆうたろう議員。       〔2番(田中ゆうたろう議員)登壇〕 ◆2番(田中ゆうたろう議員) 1点だけ再質問をさせていただきます。  ちょっと私の聞き漏らしでしたらお許しいただきたいんですけれども、特別養護老人ホームを増やしていくということにつきまして、国有地を活用していくということはよくわかったんですけれども、私としては民間資源を活用してはどうかというのが質問の眼目でしたので、その辺、そういうことが聞きたかったので、その点について明確にお答えをいただければと思います。よろしくお願いいたします。 ○議長(大泉時男議員) 理事者の答弁を求めます。  高齢者担当部長。       〔高齢者担当部長(渡辺 均)登壇〕 ◎高齢者担当部長(渡辺均) 私からは、田中議員の再度の質問にお答えします。  特養の整備についてでございますけれども、民間の広大な土地があれば、そういう提案として区のほうへ相談等ございますれば、丁寧な対応をしながら進めていきたいと思いますけれども、グループホーム等の持ち込みの相談はございますけれども、特養等は規模が大きくなりますので、その辺は慎重に対応してまいりたいと考えてございます。  私から以上です。 ○議長(大泉時男議員) 以上で田中ゆうたろう議員の一般質問を終わります。  次に、9番松浦芳子議員。       〔9番(松浦芳子議員)登壇〕 ◆9番(松浦芳子議員) 杉並同志会の一員として、通告に従い、一般質問いたします。質問は、友好都市瑞草区の高校に設置された慰安婦像と河野談話について、そして高円寺地域の新しい学校づくりについてです。  宇宙飛行士の若田光一さんが、地上約400キロの国際宇宙ステーションで、来年5月まで半年間の滞在を開始しました。日本人として初なる船長を務めるということですが、日本人として誇らしく思っています。多くの国が協力して何かをなし遂げることは、世界の平和にもつながることでしょうし、今回の若田さんの紹介したワッペンには、和をもってたっとしの「和」という文字が入っていました。お仕事を終え、元気に戻ってこられることを祈っています。また、東京オリンピック・パラリンピック招致でも、安倍総理初め、若い方々が力を合わせて堂々とスピーチし、その様子は大変感動的でした。7年後に向かって日本に活気が出てきていることは大変ありがたいことです。  子どもたちが元気であってほしい、日本が元気になってほしいといつも願っていますが、一方、日本を取り巻く不安材料もあり、日本は今後どうなっていくのだろうかと、日本の将来に対して不安が渦巻いているのも事実です。  ことしの11月、つい最近のことですが、杉並区と友好都市提携をしている瑞草区の高校に、慰安婦像が建てられました。アメリカやカナダ、オランダでの慰安婦決議、ソウルの日本大使館前の慰安婦像設置、アメリカ各地の慰安婦碑や慰安婦像設置、そしてドイツにまで建てようという計画があり、旧日本軍が女性の人権をじゅうりんして性奴隷にしたとの歪曲された事柄が世界を駆けめぐっております。瑞草区の高校に設置された慰安婦像について質問する前に、少し長くなりますが、質問の導入として説明をさせてください。  平成19年、今から6年前のことです。マイケル・ホンダ議員の提案で、アメリカ下院外交委員会で従軍慰安婦問題の対日謝罪要求決議が賛成39票、反対2票で可決されました。以前も質問し、紹介させていただきましたが、再度アメリカ下院の121号決議の一部を読んでみますと、「1930年代から第2次世界大戦までの間、日本政府は、『慰安婦』と呼ばれる若い女性たちを日本軍に性的サービスを提供する目的で動員させた。日本政府による強制的な軍隊売春制度『慰安婦』は、『集団強姦』や『強制流産』『恥辱』『身体切断』『死亡』『自殺を招いた性的暴行』など、残虐性と規模において前例のない20世紀最大規模の人身売買のひとつである。」とあります。  決議は、法的には非拘束のものですが、「残虐性と規模において前例のない20世紀最大規模の人身売買のひとつである」との文は、客観的な根拠もなく、余りにも乱暴です。当時、日本の一部のジャーナリストや国民が抗議の声を上げましたが、日本政府が曖昧に対処してしまった結果、その後、オランダ、カナダでも慰安婦の決議がされました。平成23年にはソウルの日本大使館前に慰安婦像が平和碑として設置され、現在も水曜日ごとに定期集会が行われていますが、欧米からも支援者が参加し、同じ慰安婦像を、韓国やアメリカに続き、ドイツにも建てる計画が紹介されています。  ことしになって、アメリカのグレンデール市の公園に、韓国の像と同じ慰安婦像が建てられましたが、グレンデール市議会が決議しての結果です。グレンデール市は人口19万人で、1万2,000人の韓国人が住んでいます。5人の市議会議員に対する政治的圧力は相当なものであったでしょう。日本人はたった100人。100人ではとても対抗できません。慰安婦像には、私は日本軍の性奴隷でしたと書かれていますし、平和の記念碑には、1923年から1945年にかけて、20万人以上のアジア人とオランダ人の女性たちが、韓国、中国、台湾、日本、フィリピン、タイ、ベトナム、マレーシア、東ティモール、インドネシアの彼女たちの家から拉致され、大日本帝国軍によって強制的に性奴隷にされました、とあります。  性奴隷というつくられた言葉がひとり歩きしています。グレンデール市の現地の日本のお母様からの連絡では、真っ暗な暗闇の中で何かがうごめいているような恐怖感がある。実際、唾をかけられたという子どももいるとのこと、余りにもひどい話です。  このアメリカに設置された慰安婦像の問題は、他国の問題として傍観するわけにはいきません。杉並区の子どもたちも、大きくなって国際社会に羽ばたいていくことでしょう。そのときに日本人はとさげすまれ、悲しい思いをしないためにも、今、私たちは、言うべきことをしっかり言わねばならないと思っています。  戦争は悲しい出来事です。多くの悲惨な事実があります。しかし、事実ではない性奴隷という言葉を碑に刻み、慰安婦像として残すことは、将来に禍根を残すことになるでしょう。慰安婦碑や慰安婦像がソウルやアメリカに建てられ、ドイツにまで建てられようしているこの現状に対して、区長はどのように感じておられるでしょうか、お伺いいたします。  私は、日本の将来が不安でなりません。韓国はあらゆる媒体を使って日本を攻撃しています。来年1月にフランスのアングレーム市で開かれる世界最大級の国際漫画フェスティバルに、韓国の政府機関、女性家族部が、国際社会に日本軍慰安婦被害者の実情を知らせるための漫画を制作し、出品、展示するとのことです。100ページ程度の慰安婦漫画と短編を計50作品制作し、フェスティバルに出品するとともに、英語やフランス語などに翻訳し、世界各国の学校などに配布し、国際社会にアピールするということのようです。日本や日本人の名誉をおとしめようとしている韓国の意図は何なのか知りたいものですが、日本人がよほどしっかりしなければ、この韓国のロビー活動に負けてしまいます。このままでは、50年後、100年後には、日本人は家族ぐるみで女性を性奴隷にしているふしだらな民族であると言われてしまいます。さげすまれる民族となっていくのを黙って見ているわけにはいきません。  この漫画はとてもかわいい漫画で、誰もが読みたくなるような漫画です。韓国での慰安婦に対する漫画を1つ読みました。現在、慰安婦問題の活動をされている高齢の方の様子を描いた漫画ですが、だまされ、無理やり連れていかれて客をとらされるなどの悲惨な境遇が描写されています。  1926年のこと、お父さんが病気で、長女が働きに出なければならず、日本の軍服をつくる工場で働いている。そこに日本の軍人が来て、女性が集められて、船に乗せられ無理やり慰安所で働かされ、性のおもちゃにされ、刀と暴力で脅かされ、体をじゅうりんされた。少ないときは30人、多いときは1日70人、ご飯を食べることも、休むこともできなかったと描かれてあります。  そして1945年の日本の敗戦のときには、慰安婦たちは集められて、慰安婦がいたことは大日本帝国の恥部であるとして、事実を外部に漏らさないようにと、日本兵に銃で撃たれ殺された。偶然生き残った私は、その後、子どもを産むことのできない体となり、家族とも会うことがないまま80歳を超えた。たくさんの時間が流れた。今度生まれたら、普通の女性に生まれたいという内容の漫画でした。  昭和20年の敗戦時に、隠蔽のために慰安婦を集めて射殺したと、これを事実として、各国の言葉にして世界の各学校に配るということでしょうか。これは、私たち日本人の父祖や、これから生まれてくる子孫に対する最大の侮辱です。  ところが、ここにアメリカの公文書の記述がありますが、1944年夏、北ビルマのミートキーナーにて米軍に捕らえられた、朝鮮人慰安婦20人と雇用主の北村夫妻からの尋問記録が、米国立公文書の記録にあります。そこには、慰安婦とは売春婦にすぎない。もしくは野営追随プロとあり、虚偽の募集で多くの女性が海外勤務に志願し、前金を受けたとあります。平均25歳で、彼女たちは高級地でぜいたくに暮らしていた。ビルマにとどまっている間は、将校とスポーツイベントやピクニックに参加したり、社交ディナーなどで楽しんだ。兵士は建物を訪れ支払いをしたが、彼女たちは客を拒否する特権を与えられていた。彼女たちは月平均で1,500円の収入を得ており、750円をマスターに返済した。この取り調べでは、彼女たちは健康状態もよく、あらゆる種類の避妊用具を十分に支給された。かかりつけの軍医が週1回訪れて健康管理をしていた。ある女性の言うところによると、極めて多くの結婚の申し込みがあり、ある場合においては実際に結婚したとありました。月平均で1,500円の収入とありますが、それは当時の日本兵の数十倍もの高給だったとのことです。  韓国の慰安婦漫画とアメリカの公文書の内容の違いには驚かされます。虚偽の募集とありますから、慰安婦という仕事だとは思っていなかったのでしょう。戦争は悲しい出来事ですし、経験された方から、想像を絶する出来事も聞いたことがあります。私自身、軍隊がどのようなところか、書物でしか知りませんが、このアメリカの公文書を読んで、ピクニックやスポーツイベントが本当にあったのだろうかと驚いてしまいました。  長々と慰安婦問題について説明してしまいましたが、ことしの11月に、杉並区と友好都市提携しているソウル市瑞草区の瑞草高校の校庭に、元日本軍慰安婦の像が設置され、5日に除幕式がありました。瑞草高校の校長は、歴史を正しく伝え、慰安婦の悲劇を世界に告発するのが目的だということです。学校に慰安婦像を設置されたのは初めてということですが、瑞草高校は私立ではなく、ソウル市の公立高校です。瑞草区の高校生も多く通っているはずです。これから仲よくしていかなければならない隣の国の高校生が、何をどう教えられているのか、怖い気がします。  慰安婦は、新聞広告でも募集されたという記事が残っていますので、給料が高いために慰安婦になった人もいるでしょう。貧しいために売られたり、だまされて慰安婦にされた女性もいたはずです。女性の人権がないがしろにされていた時代があったことは紛れもない事実です。しかし、先ほどの漫画のように、敗戦時に慰安婦を集めて射殺したなどの事実に基づかない内容を教えているのであれば、今後友人としておつき合いができるのでしょうか。この瑞草高校の慰安婦像についての区の見解をお伺いいたします。  瑞草高校の慰安婦像は校長先生が発案者で、ソウルの日本大使館前の慰安婦像をまねてつくったところ、制作者より著作権があるとクレームがあり、教師、生徒が再度制作したということですが、友好都市である瑞草区と瑞草高校に慰安婦像がどのような過程で設置されたのか、問い合わせていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。  杉並区としては、今後、瑞草高校の慰安婦像に対してどのように対応されるのでしょうか、お聞かせください。  区長は、教育現場に思想的な概念が持ち込まれることに、常日ごろ懸念を示されておりましたが、瑞草高校の例は、教育現場が政治利用されている見本のように思われます。教育の政治利用は避けるべきだと私も思っています。教育現場が政治利用されては、瑞草高校で学ぶ生徒がかわいそうですが、率直な感想とともに、瑞草区に隣国の友人として苦言を伝える考えはありませんでしょうか。瑞草区とは友好都市としてこれまで交流していますが、瑞草高校の慰安婦像に対して、今後黙って知らぬふりをして交流を続けるのであれば、いわゆる韓国の方々が主張している慰安婦問題を認めたことになります。言うべきことはきちんと言ってから交流していかなければ、今後も同じことが続くでしょう。毅然とした対応をよろしくお願いいたします。  次に、河野談話についてですが、平成5年8月の河野洋平官房長官談話は、従軍慰安婦という当時は使われなかった戦後の造語を使っています。「甘言、強圧による等、本人たちの意思に反して集められた事例が数多く」とありますが、それを受けたように、その後、慰安婦決議や慰安婦碑、慰安婦像が建てられるに至ったわけです。  平成19年に安倍晋三内閣が、強制連行を直接示す資料が見当たらないと閣議決定をしていますが、宮沢内閣のときに閣議決定もしていない河野談話のみがひとり歩きしていることは、日本にとって大変残念なことです。ことしの10月15日、産経新聞は、河野談話の根拠となった韓国での元慰安婦16人の聞き取り調査報告書を入手したと報道しました。その報道によれば、元慰安婦報告書のずさん調査が浮き彫りになり、一般の娼館はあっても慰安所はなかった地域で働いていたとの証言もあるなど、証言が曖昧です。河野談話の根拠は完全に崩れてしまっています。教育委員会は、河野談話の根拠が崩れたことについてどのような見解を持たれているのでしょうか、お伺いします。  慰安婦のことを小学生に教える必要はありませんが、中学生になれば、それが何のことか理解ができるでしょう。本来であれば、中学生にわざわざ慰安婦について教えることもないと思いますし、余り取り上げたくない問題ではあります。しかし、ここまで度を越した現状では、曖昧にせず、事実をきちんと教える必要があるのではないでしょうか。  これまで、中学校でこの慰安婦について取り上げて学んでいる例はあるのでしょうか。現政府の方針どおりに、軍の強制連行の事実はなかったと教師は伝えているのでしょうか。河野談話の根拠がいいかげんであったとわかった今、慰安婦の歴史的事実をしっかりと正しく生徒に教えていただきたいと思いますが、今後具体的にどのように教えていくのか、お伺いいたします。  ソウルだけではなく、アメリカにまで慰安婦碑や慰安婦像を立て、今後はドイツにまで建てる予定だといい、また、サッカーでの試合後のパフォーマンスやスポーツに歴史や政治を持ち込む激しい応援の仕方、日本の体操選手のユニホームが旭日旗だといってクレームをつけるなど、このようなやり方では国際社会の理解を得られるとは到底思えません。既に慰安婦像20体以上がアメリカに運ばれているという信じられない情報まであります。  私たちは多くの情報に惑わされることなく、しっかり事実を知らなければなりませんが、次の日本を担う子どもたちにも、正しいことを伝えておかなければ、国際化時代、世界で羽ばたけなくなってしまうでしょう。友好都市である瑞草区にある公立高校の慰安婦像に対して、曖昧な対応ではなく、ぜひ明確かつ適切な対応をしていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。  次に、高円寺地域の学校づくりについてですが、高円寺地域の学校づくりについては、もう何度もパネルを使って説明してきました。同じことをここで質問しても仕方がありませんので、繰り返しませんが、地域の事情を考えないような小学校の学区での線引きなど、乱暴過ぎるような気がしており、いまだに納得がいきません。他の議員がしっかり質問されておりますので、重複してしまう部分もあるかもしれませんが、よろしくお願いいたします。  11月6日に朝日新聞に、学校がなくなる高円寺、問題点は、という意見広告を出したグループがあると聞いていますが、意見広告を出したということは、区役所のやり方について相当不満があるということですが、その後、その方々と十分に話し合いはしたのでしょうか。素案が出る前の会合に何度か参加しましたが、結論が決まっているような会議の進行内容で、参加している皆様も困っておられる様子でした。その後、計画案ができて、説明会やパブリックコメントもされたようですが、現在はどのような状態なのでしょうか、お示しください。  学校の統合についてはいろいろな立場もあり、意見の違いもあるでしょう。しかし、学区の変更や統合は、一度決めてしまえば、その後不便であってもすぐに変えることはできませんので、今の大切な時期に住民の声をよく聞いて、将来の高円寺全体を見据えた地域づくりのために、心を込めて取り組んでいただきたいと思います。  以上、質問を終わります。  ありがとうございました。 ○議長(大泉時男議員) 理事者の答弁を求めます。  総務部長。       〔総務部長(宇賀神雅彦)登壇〕 ◎総務部長(宇賀神雅彦) 私からは、従軍慰安婦像のご質問にお答えいたします。  この従軍慰安婦の問題につきましては、この間、日本と韓国の間で話し合われ、平成5年の日韓首脳会談において政府間の問題は一定の決着がついているものと認識しております。ただし、元従軍慰安婦への個人補償の要求は、現在も継続している状況でございます。  この問題は、我が国でもさまざまな議論があるところですが、政府間の関係は、日本国の世論を踏まえた上で、適切な対応、外交の中で解決すべきものと認識しております。  基礎的自治体として区は何をなすべきか。それは、自治体間の交流は相手の顔が見える交流ですから、単純に交流を断つのではなく、適切に継続していくことが重要であると考えております。国と国との争いが強まると、相手の顔が見えなくなると言われてございます。私たちの自治体間の交流は、まさしく顔の見える、相手側の立場に立って悩み、考えることのできるものと認識しております。  また、瑞草高校は、瑞草区内にあるソウル特別市の市立高校であり、瑞草区が区の施策として関与しているものではないと認識しておりますので、この件に関しましては、瑞草区への問い合わせなどは行うことを考えてはございません。  私からは以上でございます。 ○議長(大泉時男議員) 教育委員会事務局次長。       〔教育委員会事務局次長(吉田順之)登壇〕 ◎教育委員会事務局次長(吉田順之) 私からは、教育所管のうち、ご指摘の談話に関してお答えをいたします。  この談話につきましては、さまざまな見解があることを新聞報道等で認識しております。また、区立学校における歴史的事象の取り扱いについては、学習指導要領に基づき、さまざまな資料を活用して、多面的、多角的に考察させるなど、適切に指導されているものと認識をしております。  私からは以上です。 ○議長(大泉時男議員) 学校教育担当部長。       〔学校教育担当部長(玉山雅夫)登壇〕 ◎学校教育担当部長(玉山雅夫) 私からは、高円寺地域の新しい学校づくりについてのお尋ねにお答えいたします。  これまで、地域の関係者に対して、準備会報告書や計画素案などを説明してまいりましたが、その際、意見広告を出された方とも何度も会い、意見交換を行っております。計画につきましては、パブリックコメントでいただいた意見をもとに計画案を修正し、教育委員会に付議するとともに、策定後は、区議会を初め保護者等地域関係者の説明を行い、計画の周知と理解に努めてまいります。  私からは以上でございます。 ○議長(大泉時男議員) 9番松浦芳子議員。       〔9番(松浦芳子議員)登壇〕 ◆9番(松浦芳子議員) あっさりした答弁にちょっと驚いておるところでございますが、瑞草高校はソウル市の公立高校だということはわかっています。しかし、瑞草高校に行く生徒は、瑞草区の生徒が多いのではないでしょうか。ソウル市の公立高校ですと逃げている場合ではないはずです。表面だけの笑顔でのつき合いでは、ますますばかにされていきます。  それから、顔がわかるからこそとおっしゃっていましたけれども、顔がわかるからこそ、言うべきことは言って、そしておつき合いしたほうがよいと思っています。それから、今後、友好につき合っていくためにも、しっかり、曖昧にせず対応していただきたいと思いますが、再度その点についてお伺いします。  それから、日韓基本条約の話が出ましたが、全てが終わっていると私は認識しています。この点、もう一度いかがでしょうか。  それから、外交問題であるからと杉並区が何も言わないのであれば、認めたことになりますが、国がこれまで曖昧にしてきたからこそ、このような状態になってきたわけですから、区がせっかく友好提携しているわけですから、区がやる意味があるのではないでしょうか、見解をお伺いします。  それから、高円寺地域の新しい学校づくりですが、役所の皆様が苦労しておられることはわかっておりますが、区長初め役所の担当部署の方々は、部署がかわればその統廃合については関係がなくなるかもしれませんが、子や孫、ずっと住み続ける私たちにとっては、この問題は重要な問題なんです。今後どのような心構えで、地域を含めた学校づくりをするのか、再度決意をお聞きしたいのですが、よろしくお願いします。 ○議長(大泉時男議員) 理事者の答弁を求めます。  総務部長。       〔総務部長(宇賀神雅彦)登壇〕 ◎総務部長(宇賀神雅彦) 松浦議員の再度のご質問にお答えいたします。
     まず、政府間の関係ですけれども、これは、先ほど答弁いたしましたように、決着がついているものと認識しているところでございます。  それからもう1つ、慰安婦像の設置のご質問ですけれども、これはソウル特別市の市立の高校ということで、この校長も含めて瑞草区の関与ではないという認識でございまして、私どもは、自治体間交流については、これまで以上に顔の見える関係で適切におつき合いをしていきたい、こういうふうに考えているところでございます。  私から以上でございます。 ○議長(大泉時男議員) 学校教育担当部長。       〔学校教育担当部長(玉山雅夫)登壇〕 ◎学校教育担当部長(玉山雅夫) 松浦議員の再度の質問にお答えいたします。  高円寺地域の学校づくりにつきましては、素案の説明を含めて40回以上の地域との意見交換会を行ってきました。それから高円寺中学校で行った説明会でも、たくさんの意見をいただきました。小中連携の経験を外国でなされた方からの、期待を込めた意見もございました。それらを踏まえまして、これからきちんと説明するとともに、意見交換を十分行いながら、よい学校づくりを進めていきたいと考えてございます。  私からは以上でございます。 ○議長(大泉時男議員) 以上で松浦芳子議員の一般質問を終わります。  以上で日程第1を終了いたします。  議事日程第3号は全て終了いたしました。  本日はこれにて散会いたします。                                午後4時38分散会...