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  1. 世田谷区議会 2022-10-21
    令和 4年  9月 定例会-10月21日-05号


    取得元: 世田谷区議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-03
    令和 4年  9月 定例会-10月21日-05号令和 4年  9月 定例会 令和四年第三回定例会 世田谷区議会会議録第十六号 十月二十一日(金曜日)  出席議員(四十七名) 一番   神尾りさ 二番   佐藤美樹 三番   そのべせいや 四番   青空こうじ 五番   ひうち優子 六番   上川あや 七番   くりはら博之 八番   つるみけんご 九番   小泉たま子 十番   あべ力也 十一番  高岡じゅん子 十二番  金井えり子 十三番  田中みち子 十四番  下山芳男 十五番  石川ナオミ
    十六番  河野俊弘 十七番  宍戸三郎 十九番  津上仁志 二十番  河村みどり 二十一番 いそだ久美子 二十二番 中山みずほ 二十三番 中里光夫 二十四番 江口じゅん子 二十五番 たかじょう訓子 二十六番 真鍋よしゆき 二十七番 上島よしもり 二十八番 菅沼つとむ 二十九番 高橋昭彦 三十番  岡本のぶ子 三十一番 平塚けいじ 三十二番 中塚さちよ 三十三番 藤井まな 三十五番 大庭正明 三十六番 ひえしま 進 三十七番 加藤たいき 三十八番 畠山晋一 三十九番 和田ひでとし 四十番  いたいひとし 四十一番 佐藤ひろと 四十二番 福田たえ美 四十四番 中村公太朗 四十五番 桜井純子 四十六番 桃野芳文 四十七番 田中優子 四十八番 おぎのけんじ 四十九番 阿久津 皇 五十番  山口ひろひさ  欠席議員(一名) 四十三番 羽田圭二  欠  員(二名) 十八番 三十四番  出席事務局職員 局長     林 勝久 次長     水谷 敦 庶務係長   星野 功 議事担当係長 長谷川桂一 議事担当係長 岡本俊彦 議事担当係長 菊島 進 議事担当係長 末吉謙介 議事担当係長 髙橋 亮 議事担当係長 阿閉孝一郎 調査係長   佐々木 崇  出席説明員 区長     保坂展人 副区長    中村哲也 副区長    岩本 康 副区長    松村克彦 政策経営部長 加賀谷 実 総務部長   池田 豊 生活文化政策部長        片桐 誠 保健福祉政策部長        田中耕太 技監     松村浩之 都市整備政策部長        畝目晴彦 会計管理者  太田一郎 教育長    渡部理枝 教育総務部長 知久孝之 総務課長   中潟信彦     ──────────────────── 議事日程(令和四年十月二十一日(金)午後一時開議) 第 一 認定第 一 号 令和三年度世田谷区一般会計歳入歳出決算認定 第 二 認定第 二 号 令和三年度世田谷区国民健康保険事業会計歳入歳出決算認定 第 三 認定第 三 号 令和三年度世田谷区後期高齢者医療会計歳入歳出決算認定 第 四 認定第 四 号 令和三年度世田谷区介護保険事業会計歳入歳出決算認定 第 五 認定第 五 号 令和三年度世田谷区学校給食費会計歳入歳出決算認定 第 六 議員提出議案第五号 世田谷区議会委員会条例の一部を改正する条例 第 七 議員提出議案第六号 世田谷区議会議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例の一部を改正する条例 第 八 議員提出議案第七号 世田谷区議会会議規則の一部を改正する規則 第 九 請願の処理 第 十 請願の付託 第 十一 閉会中の審査付託     ──────────────────── 追加議事日程  第 一 議案第八十二号 令和四年度世田谷区一般会計補正予算(第四次)  第 二 議員提出議案第八号 刑法の性犯罪規定の見直しに関する意見書     ──────────────────── 本日の会議に付した事件  一、日程第一から第五 決算特別委員長報告、表決  二、追加日程第一 企画総務委員会付託、委員長報告、表決  三、日程第六から第八 委員会付託省略、表決  四、追加日程第二 委員会付託省略、表決  五、日程第九 請願の処理、表決  六、日程第十 請願の委員会付託  七、日程第十一 閉会中の審査付託、表決     ────────────────────     午後一時開議 ○下山芳男 議長 ただいまから本日の会議を開きます。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 直ちに日程に入ります。 △日程第一から △第五に至る五件を一括上程いたします。  〔水谷次長朗読〕  日程第一 認定第一号 令和三年度世田谷区一般会計歳入歳出決算認定外認定四件
    ○下山芳男 議長 本五件に関し、決算特別委員長の報告を求めます。    〔十七番宍戸三郎議員登壇〕(拍手) ◎決算特別委員長(宍戸三郎 議員) ただいま上程になりました認定第一号から認定第五号に至る五件につきまして、決算特別委員会での七日間にわたる審査の経過とその結果について御報告いたします。  最初に、総括質疑について申し上げます。  ここではまず、国際情勢の変化により物価上昇が加速し、区民生活に多大な影響を及ぼす中、来年四月からの学校給食費無償化の実現に向けた早期決断が求められるとともに、無用な分断や対立を生む所得制限を撤廃し、全世帯を無償化の対象とする公平な制度構築が切に望まれました。一方で、ふるさと納税の影響によるさらなる減収や本庁舎等整備工事費の増額など、先行き不透明な財政状況下において、年間二十億円と見込まれる多額の財源を恒久的に投じていくことに対し強い懸念が示されました。  福祉保健領域では、新BOP学童クラブの時間延長について、来年四月の全校実施が求められる一方で、民間の放課後児童健全育成事業誘致における閉鎖的な応募要件に対し、疑義が呈されました。また、インクルーシブなまちづくりを意識した公共施設の建て替えプランの検討をはじめ、潜在的な待機児童の解消に向けた綿密な要因分析や住宅確保給付金制度終了後の生活困窮者への継続的な支援、さらには、まちづくりセンターにおける新型コロナワクチン接種予約の支援継続など、誰もが安心して暮らせる福祉施策の推進が望まれました。  DX推進関連では、デジタルスキルギャップを打ち破り、多世代の職員を融合させる組織づくりについて、人事権を持つ区長の見解が問われたほか、区民からの電話対応をチャットやメールへ切り替えることによる業務効率化、図書の自動貸出しや自動返却が可能なシステムの全館導入など、デジタル技術を活用した施策の推進が強く求められました。  さきの本会議で可決された地域行政推進条例に関しては、いまだ不透明である地域行政の改革内容や区が目指すビジョン、そして条例化の意義が改めてただされるとともに、区民ニーズを的確に捉えたまちづくりセンターの機能の強化や地区の課題解決における行政責任の明確化など、数多くの課題が示されました。  そのほか、代わり映えのない世田谷のイメージに対するブランディング戦略の強化、民間シェアサイクルのさらなる活用、公共施設の男性用トイレへのサニタリーボックス設置、駐車場緑化など個人で取り組めるグリーンインフラの普及啓発、砧モデル地区における将来を見据えたデマンド型交通の早期実現、区立小学校の体育授業におけるマスクの適時適切な着用の指導など、様々な質疑や要望がありました。  次に、企画総務領域について申し上げます。  ここではまず、本年五月に都から公表された首都直下地震等による新たな被害想定を踏まえ、指定避難所運営の見直しや在宅避難の推進が図られる中、災害時協力協定の徹底した点検、見直しに基づく実効性担保の必要性が改めて問われるとともに、大学や民間企業との連携による避難所のさらなる確保が望まれました。また、女性防災コーディネーターの育成や活動の場の拡充をはじめ、区内大学との連携による学生消防団への加入促進、初期消火に有用なスタンドパイプの配備拡充、さらには、デリバリー事業者との協定締結による在宅避難者への物資提供体制の構築など、災害から区民の生命と財産を守るための様々な施策が提案されました。  行財政関連では、ふるさと納税について、区財政への多大な影響や制度の問題点を積極的に発信することによる財源の流出抑制が求められる一方で、区ゆかりのスポーツ選手との貴重な交流体験や区内人気レストランでの食事の提供など、魅力あふれる返礼品メニューの充実による寄附金の大幅な増収に期待が寄せられました。また、事務事業の評価・検証に基づく重複事業の整理統合が強く求められるとともに、国や都の補助金を最大限に活用するための情報収集の徹底や社会課題の解決を目指す企業との官民連携の一層の推進など、持続可能な行財政運営に向けた取組が望まれました。  DXの推進に関しては、デジタル技術を活用した職員のワークスタイル改革により期待される効果や成果指標が問われるとともに、行政手続のオンライン化のさらなる推進や町会・自治会におけるSNSを活用した情報共有に対する支援など、区民の利便性向上に資する取組が求められました。  その他、公平公正な入札に資する効果的なダンピング対策の実現、公用車の運行業務委託拡充に対する是非、建築現場の環境改善に向けた快適トイレの設置促進、画像や動画の活用により興味関心を引きつける区政情報の発信、環境に十分配慮した公共施設の整備促進など、様々な質疑や要望がなされました。  次に、区民生活領域について申し上げます。  ここではまず、地域電子通貨せたがやPayに関し、ポイント還元キャンペーンの一時中断に伴う利用者離れへの懸念が示される一方で、十一月からの再開に当たっては、利用者の定着に向けて補助金確保による事業期間の延長が望まれました。また、加盟店に対する利便性の周知徹底や、商店街独自のスタンプ事業等に迅速に対応できる体制整備など、加盟店舗数の拡大に向けた取組の強化が求められました。さらに、くみん窓口における各種手数料や区民利用施設の使用料の支払いに加え、省エネポイントアクション事業との連携など、区民の利便性向上に資する様々な活用策が提案されました。  環境・エネルギー施策関連では、使い回し傘袋の利用促進や小売店に対する食品トレー等の包装材回収の積極的な働きかけなど、プラスチックごみの削減に向けた取組が提案されるとともに、気候危機問題に対する区民の行動変容を目的とした区民参加型の会議体設置や、エコドライブの一層の推進、区役所におけるグリーン購入の取組強化、さらには、太陽光パネル設置に関する補助金の周知徹底など、持続可能な地域社会の実現に向けた施策の推進が求められました。  区民利用施設に関しては、長年、耐震性不足が解消されない奥沢区民センター、図書館について、地元住民に対する丁寧な説明が強く求められました。また、上用賀公園内に整備予定の複合施設の検討状況が問われるとともに、障害者の視点に立ったスポーツ施設の整備が切に望まれました。  旧池尻中学校跡地活用事業に関しては、地域経済の持続可能な発展条例の趣旨を十分理解した事業者の選定が望まれる一方で、成果指標の目標数値や校庭の使用可能面積を明らかにしないまま事業者の公募を開始した区の姿勢がただされました。  その他、けやきネットの利用者登録における代表者確認資料の電子化、市民大学における公平中立な講義内容の徹底、くみん窓口の待ち時間問題の早期解決、粗大ごみの運び出し収集事業の対象者拡充、町会・自治会活動を支援する地域交流アプリの普及促進など、様々な質疑や要望がありました。  次に、福祉保健領域について申し上げます。  ここではまず、今後の子ども政策の基本的な考え方となるグランドビジョン素案の公表を受け、改めて、在宅子育て家庭のみならず全ての子育て家庭に寄り添う施策の充実が求められるとともに、権利主体である子ども本人の参加と意見表明の機会確保に資する施策のさらなる展開が切に望まれました。また、出生率改善に向けた出産育児一時金の増額や出産費助成制度の対象拡大など、子育て世代の経済的負担の軽減に期待が寄せられる一方、子ども・子育て応援都市宣言の理念と整合しない保護者のみを対象としたニーズ調査や子育て支援の拠点となる区立保育園を統廃合する区の方針に疑義が呈されました。さらに、新BOP学童クラブの時間延長モデル事業に関し、柔軟な資格要件の設定による多様な放課後児童支援員の確保や、児童の安全安心の徹底に不可欠な指導員の適切な配置など、本格実施を見据えた万全な職員体制の整備が強く求められました。  障害施策では、視覚障害者の利用を想定したプッシュ型情報配信サービスの導入や、障害者と家族に二十四時間対応する緊急時バックアップセンターの新設など、障害者が安心して暮らし続けることができる地域社会の実現に期待が示されました。また、グループホームの増設に資する補助対象の拡大や医療的ケア者を受け入れる短期入所施設のさらなる整備が望まれるとともに、障害者一人一人に寄り添ったきめ細かい就労支援に加え、就労継続に有用な職場体験実習の推進や、遠隔操作で従事可能な分身ロボットを活用した障害者チャレンジ雇用の実施など、コロナ禍で減少した障害者の就労機会の回復に資する着実な取組が求められました。  人と動物との共生に関しては、深刻化する飼育困難事例や多頭飼育崩壊への区の対応方針が問われるとともに、ふるさと納税を活用したペット基金の創設をはじめ、クラウドファンディングによるドッグランの整備や地域猫活動の支援など、人々の共感を基盤とした様々な財源確保策が提案されました。  その他、女性特有の疾患の予防や早期治療に関する情報の積極的な周知啓発、現役世代の孤独、孤立の予防に向けた取組の推進、高齢者へのデジタルデバイド対策のさらなる充実、バーチャル空間を活用した児童相談所職員の実践的な研修、認証保育所の安定運営に資する支援強化、百一歳以上の高齢者への慶祝事業の拡充など、様々な質疑や要望がありました。  次に、都市整備領域について申し上げます。  ここではまず、区民との協働により基本設計の策定が進められている玉川野毛町公園拡張事業について、緑豊かな等々力渓谷との一体的な整備をはじめ、子どもたちの利用頻度が高い多目的広場の拡張や園内スポーツ施設の改修、さらには水防関連の資機材を配備した災害拠点の併設など、様々な利用者ニーズを的確に捉えた公園整備が望まれるとともに、維持管理経費の増加に対応するため、園内各所での税外収入確保に資する取組が求められました。また、減少傾向にあるみどり率の向上に向けて、アウトリーチ型の周知による民有地での緑化の促進や区が保有する暫定的な未利用地を活用した区民主体の緑創出活動のさらなる展開、個人で取り組むグリーンインフラに関する好事例の周知啓発など、区民一人一人の積極的な行動に基づく緑豊かな環境づくりに期待が寄せられました。  道路整備関連では、都市計画道路の整備に当たり、地域住民に対する丁寧な説明を通じた合意形成の必要性が問われるとともに、事業用地取得部門との相互連携による着実な整備の推進や、舗装更新計画に基づく生活道路の適切な維持管理、踏切内及び接続する歩道への視覚障害者誘導用ブロックの設置拡充など、誰もが安心して利用できる道路ネットワークの構築が望まれました。  自転車施策では、専用通行帯の設置に伴う事故防止効果が問われるとともに、自転車保険の加入促進に向けた小中学校での周知啓発や働く世代に配慮したオンラインによる自転車安全教室の実施など、自転車の安全利用に資する取組が提案されました。  駅周辺まちづくりについては、下北沢の町に一層のにぎわいを生み出す駅前広場の着実な整備や利用者の安全面を最優先とした周辺道路網の早期開通が求められるとともに、三軒茶屋駅周辺の地下を活用した利便性の高い歩行空間の確保や茶沢通りにおける産学官民の連携による歩いて楽しいウオーカブルな環境の創出など、柔軟な発想に基づく魅力的なまちづくりに期待が寄せられました。  その他、区内交通事情を十分に踏まえた公共交通不便地域の再定義、現状と著しく乖離した新実施計画の目標値に対する所感の認識、公共交通機関内でのベビーカー利用者に対する理解促進、都市基盤整備を通じて区民の生命と財産を守る使命の組織内共有など様々な質疑や要望がありました。  次に、文教領域について申し上げます。  ここではまず、全ての児童生徒へのタブレット端末配付から二年が経過し、ICT教育のさらなる充実の必要性が指摘される中、事業内容の格差解消に向け、模範事例の徹底した情報共有が求められるとともに、学び舎単位でのオンライン授業の推進や、音楽室、理科室などの特別教室での授業に対応した通信環境の確保が望まれました。  また、実社会を力強く生き抜くために必要な情報リテラシー教育の拡充をはじめ、大学生ボランティアの協力による進路相談や、地元の商店における職場体験を通じて、自らの将来に向き合うキャリア教育の充実、さらには、児童生徒の好奇心を刺激し主体的な学びを促すための教員の意識改革など、アフターコロナを見据えた教育に関する様々な改革が提案されました。  不登校対策関連では、ゆとりある時間割やきめ細かい支援への区民ニーズを踏まえた不登校特例校の分教室型の増設や分教室での成功事例を生かした全区立校への施策の展開が望まれるとともに、孤立防止に向けた取組の強化やNPO法人と連携したオンラインによる伴走型支援のさらなる拡充など、千二百人を超える不登校児童生徒への早急な対応が求められました。  学校運営関連では、オンライン授業をサポートする専門人材や小学校での教科担任制に対応した教員の確保が望まれるとともに、教員が行う現金管理の見直しに向けた口座振替の推進など、教員の働き方改革に資する一層の負担軽減が求められました。また、部活動の地域移行に関し、総合型地域スポーツ文化クラブと連携した専門的指導に期待が寄せられる一方、部活動支援員の部活動に対する理解不足や学校外で部活動を実施することによる自転車利用の是非など多くの課題が提起されました。  教育環境関連では、耐用年数を軽視し劣悪な授業環境を招いた空調設備の更新計画に疑義が呈されるとともに、停電時にも稼働可能な自立型ガス式エアコンの導入や、障害児の進級、進学に合わせたバリアフリー化など、避難所施設としての機能向上を踏まえた早急な改修、改築が強く求められました。  その他、区立図書館のレファレンス機能の強化、幼児期から思春期の子どもの成長に合わせた性教育の推進、学校の対応に疑問を持つ保護者への教育委員会担当所管の明確化、個性を認めない不適切な校則の改善と情報公開の徹底、特定の学校を指定できるふるさと納税制度の創設など、様々な質疑や要望がありました。  以上の各部門の審査を経て補充質疑に入りましたが、ここでは、各部門の審査で懸案とされた課題が数多く取り上げられました。  まず、新実施計画に掲げられた各事業の評価検証を踏まえ、次期基本計画策定に向けた検討が進む中、子ども・子育て応援都市として優先的に取り組むべき施策が改めて問われるとともに、現場の実情と乖離した達成困難な計画立案や、連携の連呼により責任の所在を不明確にする区の姿勢に苦言が呈されました。また、成果より過程を重視する行財政改革の取組が厳しくただされる一方、区民サービスに変革をもたらすDXのトップダウンによる推進や、公共施設等総合管理計画の見直しによる学校改築のスピードアップなど、未来を見据えた着実な取組が強く求められました。  環境政策に関しては、近隣区との連携によるシェアサイクル事業の広域展開が求められるとともに、丁寧かつ分かりやすい情報発信による太陽光パネル設置助成事業の周知啓発や脱炭素の地域づくりを推進する庁内PTの設置など、温室効果ガスの排出削減に向けた様々な取組が提案されました。  危機管理に関しては、Jアラート発令時に取るべき適切な避難行動の普及啓発をはじめ、玉川野毛町公園への水害時の避難所機能の確保や震災時の在宅避難を推進する助成制度の拡充など、有事を想定した施策の積極的な展開が求められました。  福祉保健分野では、区立保育園の統廃合計画に対し、区民参加による見直しの必要性が指摘されるとともに、多様な就労形態に即した保育園入園選考制度の見直しや、都の補助制度を活用した在宅子育て世帯に対する家事用品の購入支援が望まれました。また、地域住民の暮らしを支える民生委員へのさらなる支援をはじめ、中高生の居場所として機能の充実が望まれる児童館の体制整備や、障害当事者が自身の経験を生かして活動するピアサポート事業の一層の拡充など、多様な区民の暮らしに寄り添う福祉施策の推進に期待が寄せられました。  その他、自転車走行環境の整備による交通安全対策の充実、若者の消費者被害防止に向けた取組の強化、区立小学校における学校主事業務民営化の是非、不適切なアンケート調査により導入した世田谷ナンバーの即時廃止、教育現場における障害理解のさらなる促進、外郭団体における同性パートナーのいる職員への処遇平等の実現など、多岐にわたっての質疑や要望がありました。  このようにして、延べ七日間にわたる審査を終了し、態度表明に入りましたところ、自由民主党、公明党、世田谷立憲民主党生活者ネットワーク、新風・せたがやの風、減税せたがや、レインボー世田谷、世田谷無所属、Setagayaあらた、都民ファーストの会、国際都市せたがや、区民を守る会、無所属より、「一般会計外四件の決算認定全てに賛成する」、無所属・世田谷行革一一〇番・維新より、「一般会計には反対し、外四件には賛成する」、日本共産党より、「国保会計、後期高齢者医療会計には反対し、外三件には賛成する」との表明がありました。  引き続き採決に入りましたところ、認定第一号から第三号に至る三件はいずれも賛成多数で、認定第四号及び第五号の二件はいずれも出席者全員異議なく、それぞれ認定と決定いたしました。  以上をもちまして、決算特別委員会の報告を終わります。(拍手) ○下山芳男 議長 以上で決算特別委員長の報告は終わりました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 これより意見に入ります。  意見の申出がありますので、発言を許します。  なお、意見についての発言時間は、議事の都合により八分以内といたします。  二十三番中里光夫議員。    〔二十三番中里光夫議員登壇〕(拍手) ◆二十三番(中里光夫 議員) 日本共産党世田谷区議団は、令和三年度一般会計、小中学校給食費会計介護保険事業会計の決算認定に賛成、国民健康保険事業会計後期高齢者医療会計の決算認定に反対の立場で意見と要望を申し述べます。  保坂区政三期目も任期あと僅かとなりました。保坂区政は今期、コロナ、台風水害などの非常事態から区民の命と健康を守るために、従来の枠を超え積極的な取組をしてきました。新型コロナ対策では、全国に先駆けた大規模PCR検査、社会的検査を実施し、その体制を拡大してきました。困窮する事業者と区民生活支援などの対策を講じてきました。また、児童相談所の開設、子どもの貧困対策、介護保険料の引下げなど、暮らし、福祉を守る前進がありました。  一方、ふじみ荘廃止、区立図書館への指定管理者導入拡大、民間学童クラブの誘致方針、区立保育園の統廃合計画の策定など、従来型の行革や民間活用を住民に十分な説明をすることなく進めました。区の行政経営改革の方針は、区民に信頼される行政経営改革、行政の責任を明確にし、質の確保に十分留意しながら民間活用を進める、低所得者への配慮などを計画に明記し、従来型行革から転換を図ったはずです。区の行政経営改革の基本と異なり、参加と協働が貫かれていません。保坂区政を区民本位の区政として前進させるために、参加と協働を貫き、区民に信頼される行政経営改革に徹することを求めます。  今後の区政運営について、この間の議論も踏まえ、意見と要望を述べます。  第一に、コロナと物価高騰から区民の命と暮らしを守ることです。  コロナの感染者数が増加傾向を示しており、第八波に対する警戒が強まっています。新型コロナとインフルエンザの両方の感染が広がる可能性に備える必要があります。第七波では区内でも発熱外来がパンク、区の相談窓口に電話がつながらない、重度障害者も入院できず、コロナ陽性のヘルパーによる陽陽介護の実態を伺いました。第八波に向け、施設、地域の感染、クラスター抑止につながる大規模検査のさらなる拡充、保健所の保健師、事務含めた計画的人員増、東京都に対する入院治療が必要な要介護者への臨時医療施設強化の要請、酸素ステーションの機能強化、発生届対象外となった区民を確実に医療につなげる体制、医療機関の財政支援の充実、オンライン診療の継続などを求めます。  急激な円安、食料品や光熱費の高騰が暮らしを直撃しています。経済的弱者対策は、最も厳しい低所得者やひとり親家庭に取り組みました。さらに、広がった困窮層の生活を下支えする温かい支援が必要です。区独自の給付金等緊急対策を求めます。  特に高齢者は年金削減、後期高齢者窓口負担二倍化の国の社会保障切捨ても相まって、経済的困窮が命に直結する事態が生じています。この夏の区内屋内熱中症死亡者はほぼ高齢者で十六名、うちエアコンなし、あっても未使用が十三名と深刻です。先行自治体の方策を検討し、エアコン設置助成の実施を求めます。  事業者支援のせたがやPayの加盟店舗が約三千二百件に広がりました。しかし、区内生活関連産業の事業者一万四千件の一部です。せたがやPayを活用した支援を継続するとともに、区独自の直接支援の検討を求めます。  第二に、子育て支援の充実です。  保育の質を守りながらの保育待機児解消は道半ばです。国基準で保育待機児はゼロとなりましたが、保育の必要性がありながら保育園に入れない隠れ待機児童が多く残されています。どこにも入れなかった可能性のある子どもたちの調査分析を進め、対策を打つよう求めます。保育定数以上に子どもを詰め込む弾力化が四百二名に上ります。期限を切った弾力化解消計画の策定を求めます。また、保育の質に大きな影響のある面積基準、職員配置基準の改善を区独自に進めながら、国に対して改善を働きかけるよう求めます。  区立保育園は、子どもの育ちのセーフティーネットであるとともに、世田谷の保育の質を守るとりでです。区立保育園の統廃合は、保育の質を守りながらの保育待機児解消と矛盾します。統廃合計画の見直しを求めます。  義務教育は無償を定めた憲法二十六条に即して、学校給食の完全無償化を決断すべきときです。財源確保、区民への丁寧な説明と理解を得ながら進めるべきです。無償化を進める際に、ほっとスクール、不登校特例校、フリースクールや自宅で過ごす児童生徒への支援を求めます。  子どもが多ければ多いほど保険料が高くなる人頭税と同じ仕組みの国民健康保険料の均等割は、子育て支援に逆行します。国は今年度から未就学児の均等割を半額に軽減する措置を取りましたが、対象が狭く不十分です。国に制度の改善を求めるとともに、区独自に子どもの均等割減免を行うことを求めます。  第三に、高齢者、障害者の暮らしを守る取組です。  介護人材の不足は大変深刻です。ヘルパーは高齢化し、募集しても集まらない、このままでは介護を支える担い手がいなくなる、この切実な声が届いています。介護職に誇りが持て、働き続けられる処遇の改善など総合的対策が必要です。国に働きかけるとともに、区独自の積極的対策を求めます。  補聴器購入費助成の未実施区は残り六区となりました。高齢者とともに、十八歳を超えた中等度難聴者も対象に早期の補聴器購入費助成制度導入、補聴器の調整とトレーニングをセットで進めることを求めます。手話言語条例の早期制定を求めます。  第四に、地域行政推進条例についてです。  地域行政推進条例が制定されました。条例の目的から住民自治の充実が削除されましたが、条例への位置づけ、明記について、今後検討することを引き続き求めます。基本構想で掲げた一人でも多くの区民が区政や公の活動に参加できるようにするビジョンや、基本計画の基本方針の第一、住民自治の確立に向けて、区の計画や条例の策定などへの区民参加の機会を充実させるとともに、地域行政を進め住民の意思を尊重した区政運営を行うことが大前提であることが確認されました。住民に身近な地区の強化、多様な相談や手続に対応する身近な行政窓口の実現と、そのための体制強化を行い、区民参加の充実、住民自治の確立に向けた支援にしっかり取り組むことを求めます。  以上で日本共産党世田谷区議団の意見とします。(拍手) ○下山芳男 議長 以上で中里光夫議員の意見は終わりました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 続いて、意見の申出がありますので、発言を許します。  なお、意見についての発言時間は、議事の都合により三分以内といたします。  四番青空こうじ議員。    〔四番青空こうじ議員登壇〕(拍手) ◆四番(青空こうじ 議員) 令和三年度決算認定に賛成の立場から意見を申し上げます。  ロシアのウクライナ侵攻開始から八か月がたちましたが、まだ戦火は消えません。子どもを含む約六千人の市民が犠牲になったとされており、第二次世界大戦後、最大の危機です。戦中に生まれ、平和の尊さを身をもって感じている世代として、一刻も早くウクライナに平和が届くことを心から願うとともに、世田谷区での平和の取組も進めなければならないと強く感じています。  さて、世田谷区の福祉の基本的な計画となると、次期福祉総合計画の検討が始まります。この計画に合わせ、長らく手がつかなかった再犯防止の推進に向けた取組を検討するとのことで、画期的なことだと思っております。ぜひ世田谷区として本腰を入れて頑張っていただきたいと思います。  また、再犯防止、更生保護を中心的に担う保護司の成り手不足の解決にも糸口を見いだしていただきたいと思います。本定例会で、退職された区の職員に対して保護司就任を呼びかける提案をし、取り組んでいただけるとのことでしたので期待しております。  そして、この決算委員会を通じ質問してきた民生委員や消防団など、地域を支える重要な役割を果たしてくれる人たちも同じ問題を抱えています。これが制度として持続可能であるか、根本的な改革を国に迫るのか、世田谷区としてできることは何かをしっかりと考えてもらいたいと思っております。  最後に、新たに障害理解の促進と地域共生社会の実現条例ができました。この制定を契機に、世田谷区の障害施策をさらに前に進めてほしいと期待していますが、気になることは、以前も質問しました東京二〇二〇を契機とした事業で、商店の方に対して段差解消、スロープや、点字メニューなどに対する助成があったと思いますが、この制度が終了してしまったことです。恐らく、なぜやめてしまったのかと子どもに聞かれても誰もちゃんと答えられないと思います。せっかく新たな条例ができたことですから、それこそレガシーとしてぜひ再開してほしいと思います。  そして、私は賛成の意見といたします。(拍手) ○下山芳男 議長 以上で青空こうじ議員の意見は終わりました。(拍手)     ──────────────────── ○下山芳男 議長 続いて、意見の申出がありますので、発言を許します。  なお、意見についての発言時間は、議事の都合により十分以内といたします。  三十五番大場正明議員。    〔三十五番大場正明議員登壇〕(拍手) ◆三十五番(大庭正明 議員) 無所属・世田谷行革一一〇番・維新を代表して、令和三年度一般会計歳入歳出決算認定に反対の立場から意見を申し上げます。  本決算は、世田谷区の新実施計画の後期四年を締めくくる決算でありました。残念ながら目標のゴールに達した事業は百六十九のうち五十八事業にすぎませんでした。連続三年、達成指標の低下であります。このことが行政力低下イコールではないとしても、大幅な遅刻区政であったことは間違いありません。  それに対し、保坂区長は申し訳ないの一言で片づけました。これは補充質疑における区長答弁ですが、無責任の極みであります。かつて、激務だったからと言って、初当選の公約であった区長退職金廃止を返上し二期目から受け取っている保坂区長にあって、成果の上がらない激務とは何だったのでしょうか。選挙のためなら、勝つためなら心にもないことでも言えるという政治姿勢には返す言葉もありません。  私たちが願うのは、今後、世界情勢の大きな変化、戦争であり、気候変動であり、また災害の多発により一番被害を受けるであろう子どもたちに、地方自治体として元気を与えることだと考えます。食料と燃料を海外に依存する我が国にあって、食材費の高騰は補正予算の継ぎ足しでは追いつかないことは明らかであります。保坂区長の政策が看板倒れとなっている今、保坂政策より、現実的な手段に期待する方がまともではないでしょうか。  令和三年度決算を見るにつけ、学校給食の無償化こそ急ぐべきであり、区民にとってリアリティーのある成果になると考えます。  次に、DXについて申し上げます。  実は松村副区長には申し訳ないという気持ちでおります。というのも、同意した責任から申し上げるのですが、世田谷区においてDXについての方向性も何も何だか不明のまま、民間企業のエキスパートの方を招聘したわけですが、行政はそもそも営利企業でありませんし、経産省の定義する競争上の優位を勝ち取り、新たなビジネスモデルをつくるということを単純に地域独占業である区役所に当てはめることはできません。
     そもそも保坂区長にDXに関する見識も覚悟もないと思います。専門家を招いて丸投げすればDXができるのか、そんな簡単なことではありません。DXに関しては人事権と不可分であることを、代表質問、委員会を通じて申し上げたつもりです。  ちなみに、中曽根行革等によって分割民営化したNTTですが、昔は三公社五現業と呼ばれ、その中に電電公社があり、最大級の公共企業体だったわけですが、その後身であるNTTが最近発表したところでは、これは実際に十月十九日の日経新聞によるところでありますが、それによれば、NTTが攻めの働き方・人事改革に取り組んでいる、年功序列を廃止して二十代でも管理職に就けるようにする、人事に精通した島田明社長の下でグローバルでの復権に向けた土台づくりを急ぐというタイトルの下に、具体的には、昨年十月に全管理職にジョブ型を導入、本年六月に役員の三割以上を女性にする、七月には原則テレワークの部署を設置、そして、来年四月から一般社員の年功序列を見直し、専門性を評価する人事制度を導入とあります。  もちろん、NTTと区役所が別物であることは百も承知でありますが、組織改革の方向性は同じではないでしょうか。  しかし、言うまでもなく、公務員の人事制度は簡単にいじられない面や、世田谷区単独ではなく二十三区一括採用とか、多くの問題があることは承知しております。逆に言えば、多くの問題、課題があるからこそ、区長という仕事があるのではないでしょうか。取り組むべき課題は山ほどあるのです。現在のグローバル化において周回遅れに気づき始めた日本経済が、それこそ主要先進国の並レベルに追いつくには、就業形態の変化や組織の在り方の変化は避けて通れないのであって、NTTのような組織変革は、やがて区役所にも及んでくると思われます。  DXの追求には、失業や雇用喪失の面があります。その部分はリスキリングとかでカバーできるでしょうか。つまり、いわゆるX世代の前半の世代の処遇をどうするかということです。保坂区長は定型的な仕事をDXに置き換え、その分を非定型的な仕事に再配置するとか簡単に言われていますが、それは非常勤職員、会計年度任用職員を減らすということなのでしょうか。  DXには、職員数削減という目的があります。それは、これまであった職種の消滅という意味であり、一方、これまでになかった公務員の職種は増えるかもしれません。その切替えをいかにするかがDXの最大のポイントであります。  松村副区長が言われたX世代とY世代が一緒になって経験値とスキルを合わせてうまくやるなどというのは夢物語であります。Y世代はそれこそジョブ型の仕事思考であり、やることをやったら帰宅するワークライフバランス世代であります。X世代の職員とY世代以降の職員を今後どういうふうに処遇するかによって、行政効果を最大に上げられるか、それとも不完全な働き場所となるか、DXの運用次第であります。  この問題を放置したまま現行の終身雇用や中途半端な年功序列を続けていれば、職場環境がよくなるどころか、人材さえ集まらなくなるでしょう。  最後に、決算委員会を通じて感じていたのですが、決算書、どうにかなりませんかということです。DXを論じている決算委員会で、単に紙だった決算書をスキャンしただけではデジタルとは言えません。デジタル決算書とはこういうものだというものをぜひ作っていただきたいし、やはりこのままではいけないと思います。  詳しくは次回の代表質問で取り上げますので、よろしくお願いします。  あと一つだけ。保坂区長の算数の感覚と倫理感は何とかならないものか、改めて触れておきます。  裁判所の判決で不適切とされた世田谷ナンバー住民アンケートについて、保坂区長は反省する姿勢が全くなく、違法とまでは言えないと勝ち誇ったような答弁を繰り返していました。倫理感が問われているということに気づかないのでしょうか。保坂区政下においては、違法でなければ何をしてもよいというのでしょうか。公権力に携わる者として、また公務員としての倫理感は、より高く、より幅の広いものであるはずです。そのような態度では、区民が区政全体に不信感を抱くことにつながりかねません。そういうことも反省していただきたい。  以上をもって反対意見といたします。(拍手) ○下山芳男 議長 以上で大場正明議員の意見は終わりました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 続いて、意見の申出がありますので、発言を許します。  なお、意見についての発言時間は、議事の都合により三分以内といたします。  七番くりはら博之議員。    〔七番くりはら博之議員登壇〕(拍手) ◆七番(くりはら博之 議員) 令和三年度世田谷区一般会計歳入歳出決算認定外四件に賛成の立場から意見を申し上げます。  ロシアによるウクライナ侵攻に起因する物価高騰の加速や、いまだ収束しない新型コロナウイルス感染症の蔓延など、私たちの生活は今後も厳しい状況が続くものと考えられます。  また、NHK受信料の支払いや宗教団体のお布施や献金の強要、温室効果ガスの排出増加による気候危機、さらには、障害者への偏見や差別など様々な問題から区民を守っていくため、迅速かつ適切な対応を求められています。  このような中、今年度の決算特別委員会では、様々な質問や要望をいたしてきましたが、改めて何点か意見を申し上げます。  一点目は、ふるさと納税についてです。  区民税の減収とこれによる区民生活への影響について、引き続き積極的に区民にお知らせしていくとともに、国に対し制度の抜本的な見直しの要望をお願いいたします。また、全国から寄附を受けられるチャンスもありますので、魅力的な取組のアピールをお願いいたします。  二番目は、SNSを活用した町会・自治会活動への支援です。  電子回覧板やイベント情報の発信などが可能な地域交流アプリについては周知が不十分と考えます。加入率のアップや若い世代の活動参加に向けて周知徹底を求めます。  三点目は、障害者への就労支援です。  障害者の雇用に関しては、様々な支援に取り組まれていることは評価しますが、今後はコロナ禍やDX推進など社会の変化に応じた支援策を期待いたします。  四番目は、世田谷みどり33についてですが、やはり目標達成には砧公園十二個分の面積が必要というのは、目標が大き過ぎて、達成できる気がしません。区民一人一人が取り組むべききっかけになるような、子どもにも分かりやすいような目標の提示を求めます。  五点目は、子どもの学校生活に関してです。  まずは、マスク着用に関する指導についてですが、学校の授業においては、子どもの成長や体調に配慮したマスクの着用指導と感染対策を講じた授業内容を工夫して、今後も継続して見直す検討をお願いいたします。  以上で賛成の意見といたします。(拍手) ○下山芳男 議長 以上でくりはら博之議員の意見は終わりました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 続いて、意見の申出がありますので、発言を許します。  なお、意見についての発言時間は、議事の都合により三分以内といたします。  一番神尾りさ議員。    〔一番神尾りさ議員登壇〕(拍手) ◆一番(神尾りさ 議員) 令和三年度世田谷区一般会計決算認定外四件全てに賛成の立場で意見を申し上げます。  新型コロナ禍二年目となった令和三年度の一般会計歳出決算額は約三千五百六十八億円で、令和二年度に次いで二番目の規模となりました。数か月先を見通すことも困難な社会情勢の中、当区では、一般会計において過去最多となる八回の補正予算を計上しました。その時々で必要な施策を見極め、議会の承認を得て、迅速に対応しようとしてきた結果であると考えます。  ウクライナ侵攻を契機として世界中で物価が高騰し、円安に歯止めが利かない今、限られた財源で目の前の課題を解決しつつ、向かうべき方向性を見極めた区政運営が求められます。  例えば今回伺った三〇%のポイント還元によって利用者数が増加し続けているせたがやPayは、十万ユーザーの経済インフラ確立を目指して勢いを止めずに突き進むべきです。また、省エネポイントアクションなど、急激な区民の関心の高まりが見受けられる際には、今回のようにタイミングを逃さず事業を拡大できる体制を常に整えておくべきです。そういった機動的なアジャイル型組織をいかに築けるかが今後の区政の明暗を分けると考えます。  一方で、本年六月、主観データと客観データを統合的に活用し、市民の視点からの暮らしやすさと幸福感、ウエルビーイングを数値化した日本独自のリバブルウエルビーイングシティー指標、LWC指標が公表されました。WHOの国際的な枠組みを導入したこの指標は、国が掲げるデジタル田園都市国家構想でも採択され、今後多くの自治体で活用される予定です。SDGsのアップグレード版とも言えるこのLWC指標の世田谷区の結果を見ると、移動・交通、環境共生、地域とのつながりなどの指標は決して高い数値とは言えません。  今回取り上げた交通不便地域の砧で始まる取組が他地域にも広がれば、人々は好きな時間に好きな場所まで安価で移動ができるようになります。また、世田谷区移動円滑化促進方針は、高齢者や障害がある方を含め、誰にとっても歩きやすい町につながり、そして誰もが歩きたくなるウオーカブルな町は、人々の車での移動頻度を減らし、CO2の排出削減にも効果をもたらします。  世田谷支所が先導して、世田谷の玄関口である三軒茶屋・三宿地域における産官学民連携の取組を推進し、国の脱炭素先行地域への応募を検討することは、皆が環境に配慮しながらビジョンを共有し、楽しくまちづくりに参画することにもつながります。そういった世田谷らしい挑戦を今後も続けていくことを強く要望し、賛成の意見といたします。(拍手) ○下山芳男 議長 以上で神尾りさ議員の意見は終わりました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 続いて、意見の申出がありますので、発言を許します。  なお、意見についての発言時間は、議事の都合により三分以内といたします。  三番そのべせいや議員。    〔三番そのべせいや議員登壇〕(拍手) ◆三番(そのべせいや 議員) 二〇二一年度を振り返ると、特に前半、四から九月は最初の十一日間を除きほぼまん延防止等重点措置緊急事態宣言下での生活となりました。この時期を振り返ると、八・九月には東京オリンピック・パラリンピック競技大会があり、オリンピック開催のために開催都市である東京の住民は、国内他地域と比較しても特に行動に制約を要求されました。  新国立競技場やロゴデザインの撤回から始まり、混沌を経て、最終的に無観客でどうにか開催をしたオリンピックでしたが、終わってまでも、今度は贈収賄が明るみに出たことで、何よりも尊重されるべき都民、区民の自由が制約を受けてまで何のためにオリンピックファーストに日々付き合わなければならなかったのか、改めて疑問を呈さざるを得ません。また、一月末から三月末の二か月間も含めると一年の三分の二近く法的な制限を受けていたこととなりますが、総じて多くの区民、都民の行動制限の上に成り立った一年でした。  間もなく新型コロナウイルスによる社会活動への制約から三年となります。入学式の延期から始まった二〇二〇年度入学、入園の幼稚園児、保育園三歳児、中学生、高校生はあと半年で卒業を迎えますが、年齢を増すほど体感時間が短くなるジャネの法則を基にすると、三年という時間は客観的に同じ長さでも、六歳にとっては人生の半分、十五歳にとっては人生の二〇%、翻って三十二歳の私にとっては九%、そして現代日本の意思決定を占有している世代にとってはせいぜい四%程度の体感しかありません。  この議場の多くの方の体感よりも、既に若者は三倍、五倍、子どもたちは十倍我慢しています。今と同じ生活を五倍、十年以上続けろと言われたらどう感じられるでしょうか。既に十五歳の方々はそれとほぼ同じ体感を過ごしています。一年のウエートが重く、既に我慢の限界を突破している子ども・若者向けにはもう過度な制限はせず、また必要な対策を講じて、オンラインとICTも活用して、やれることを増やしていってください。  そして、年度末にはロシアによるウクライナ侵略を発端に物価上昇が続き、三十年以上ぶりに一ドル百五十円を超えましたが、負担軽減の名の下にばらまきを続ければさらに国債発行が増え、日本円の供給が増えれば、さらなる円安の可能性が高まります。区としても、安易に公費負担を増やす前に、どこが過剰か、どこが役割を終え、どこが既得権と化しているのかを、考えるだけでなく反発も覚悟で実行に移し、将来に責任を丸投げせず現役世代で解決をしましょう。  最後になりますが、少子・高齢化をはじめ、現代日本の多くの問題は、今、高齢者の世代が最前線で働いていた三十年、四十年前から分かっていた、しかしながら解決を先送りにしてきた課題です。  結果を自ら引き受ける世代よりも、その時代に子どもだった世代、そして生まれていなかった子ども・若者に責任を負わせないことを改めて求め、都民ファーストの会は、二〇二一年度各決算認定に賛成をいたします。(拍手) ○下山芳男 議長 以上でそのべせいや議員の意見は終わりました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 続いて、意見の申出がありますので、発言を許します。  なお、意見についての発言時間は、議事の都合により三分以内といたします。  二番佐藤美樹議員。    〔二番佐藤美樹議員登壇〕(拍手) ◆二番(佐藤美樹 議員) 令和三年度一般会計外全ての決算認定に賛成の立場で、Setagayaあらたの意見を申し上げます。  昨日、フェムテック東京というビッグサイトでの展示会に足を運びました。フェムテックというのはフィメール、女性とテクノロジーを掛け合わせた造語で、女性が抱える健康の課題をテクノロジーで解決できる商品、製品やサービスのことです。  展示会には、生理や妊活、あるいは更年期といった様々なテーマでの商品、サービスのブースがあり、これまで蓋をされがちだったテーマがオープンに語られ、ニーズを喚起し、ビジネスにつながっていることを感じました。  妊活という言葉の定着に代表されるように、子どもを産むことへの医療をはじめ、民間による商品、サービスは様々拡充してきている一方で、行政による支援、あるいは役割はどうでしょうか。  今定例会では、少子化対策について様々な質疑と提案をしてまいりました。少子化対策の一環として、待機児童解消問題に多くの財源を投入してきた段階から、ほかの観点での少子化対策が必要になってきていることは明らかです。区の出生率が直近のものは〇・九九と一を割り込んでいることを考えたら、出産一時金への上乗せ助成について、現行の三人目を出産する際より二人目のところにも手を打つ必要があると申し上げました。  また、こうした財源措置を実現するために財政を見える化して、どこにどのような配分をすべきなのか、どう変えていくべきなのかの議論をしやすくすることを求めます。  数字をPDFにしただけの決算書データではなく、様々な傾向分析に使いやすい予算書データになることを期待して、以上、賛成意見とします。(拍手) ○下山芳男 議長 以上で佐藤美樹議員の意見は終わりました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 続いて、意見の申出がありますので、発言を許します。  なお、意見についての発言時間は、議事の都合により三分以内といたします。  五番ひうち優子議員。    〔五番ひうち優子議員登壇〕(拍手) ◆五番(ひうち優子 議員) 令和三度世田谷区一般会計歳入歳出決算外四件全てに賛成の立場から意見を申し上げます。  コロナ禍において、区民の方の動き、ニーズも変わりつつあり、その変化に柔軟に対応することが必要です。基礎的自治体である世田谷区にはスピード感が求められます。  まず、行政のDXについて。  行政のDXを進めることの最大の目的は、区民の方が対行政についていかに利便性を享受できるか、便利さを感じられるかといった点であると考えます。区民の方が行政に提出する書類については最も影響を受ける部分であり、電子申請が可能になることで、時間、場所を気にせずに提出でき、利便性の観点から、特に働く世代の方々にとっては必須であり、区役所の窓口に出向く必要のないオンライン手続のサービスの拡充をさらに図っていただきたいと考えます。  例えば保育園入園の申込み、また施設利用の申請、介護関係の申請、特別養護老人ホームの申請など、幅広く電子申請窓口を設置すべきであり、早急な整備を求めます。そして、行政のDXを進める一方で、機器に不慣れな高齢者の方への対応、サポートも必要で、手厚いケアを要望いたします。  また、コロナ禍において、自転車利用者の増により、自転車の安全対策は喫緊の課題であります。まずは、ルール、マナーの周知徹底、そのためには自転車の安全教室を継続して行うことが必要です。小中学生には、事故再現型のスケアードストレート方式の自転車安全教室、そして自転車の安全教室に参加する時間がない働く世代の方々に対する自転車安全教育も重要であり、ユーチューブ配信やSNSを使っての工夫した自転車安全教育を求めます。  また、ハード面では、自転車専用レーン、ナビライン、ナビマークの整備、シェアサイクルの整備も大切であり、コロナ禍だからこそ自転車の役割は重要です。特にシェアサイクルについては、ハローサイクリングのほか、ドコモのバイクシェアなど様々な民間シェアサイクルとの連携した取組を求めます。  そのほか、今回の決算委員会では、梅丘図書館の着実な整備、電子図書館、また公園への防犯カメラの設置、スポーツ施設の整備、仕事をしながら介護をする方への支援体制について、様々な質問、提案をいたしました。  これら様々な提案、質問の数々を前向きに今後検討されることを望み、世田谷無所属の賛成意見とさせていただきます。(拍手) ○下山芳男 議長 以上でひうち優子議員の意見は終わりました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 続いて、意見の申出がありますので、発言を許します。  なお、意見についての発言時間は、議事の都合により三分以内といたします。  六番上川あや議員。    〔六番上川あや議員登壇〕(拍手) ◆六番(上川あや 議員) 令和三年度世田谷区各会計決算認定全てに賛成する立場から、以下の三点の意見と要望を申し上げます。  まず一点目。平素、気づかれにくい少数派のニーズにも迅速的確に対処してくださる区政を評価します。  さきの総括質疑で、私からは、日本トイレ協会が本年実施したアンケート調査でも、男性の約一割が尿取りパッド等の吸水用具を使っているとのデータを紹介し、区営施設の男性用トイレの個室にもサニタリーボックスの設置を求めました。また、補充質疑では、乳 がん手術後の女性等への配慮として、区民健康村での入浴着の導入を求めました。  いずれの御答弁も、当人の立場に立った温かさが印象的でうれしく思う一方で、こうした思考法からの事務改善は、区民福祉の向上を図る行政にとっては大前提であるものと再確認をする思いです。その原点に立った各施策への判断を改めて求めます。  次に、多様性尊重条例の理念に沿った施策推進を徹底していくことを求めます。  同条例は、性自認、性的指向への差別を明文で禁じており、区はこの差別の禁止や同性カップルへの差別も含まれると答弁をしております。ところが、本条例の施行から四年半たつ今も、区の外郭団体では休暇制度など一部の制度を平等にすることをもって改革努力が止まっており残念です。この点を指摘した私の補充質疑に対し、外郭団体に指導助言する立場の政策経営部からも、また、本条例を所管する生活文化政策部からも大変心強い御答弁があったことに安堵しています。しかしながら、本来議員に言われずともできた改革であるはずのことです。区内事業者に対する働きかけ等を含め、引き続きの改善努力を改めて求めます。
     最後に、区と区教委が優れた規定方針等を持ちながらも、現場で徹底されていない場合があることに再点検を求めます。  区教委は私の議会質問に応え、全国に先駆け全区立中学校での校則公開の方針を決めましたが、学校ホームページとはまた別の裏校則が存在する学校があることをさきの文教領域の質疑で指摘いたしました。また、学校により校則の公開方法もばらばらで、校則が見つからない学校ホームページまである中で、それぞれに改善を求め、了承されたところです。  優れた行政方針も絵に描いた餅では何の意味もないことは当然のこと、評価、点検と改善こそが大切です。このことを改めて全領域に申し上げ、私の意見といたします。(拍手) ○下山芳男 議長 以上で上川あや議員の意見は終わりました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 続いて、意見の申出がありますので、発言を許します。  なお、意見についての発言時間は、議事の都合により三分以内といたします。  十番あべ力也議員。    〔十番あべ力也議員登壇〕(拍手) ◆十番(あべ力也 議員) 世界的に食料、エネルギーの価格が高騰することで、収入以上に生活必需品の価格が上昇するため、生活必需品の支出割合が高い中低所得者層の生活をより圧迫するインフレのことをスクリューフレーションと言うのだそうですが、既に十年以上前から日本はこの状態にあり、さらに進むと、一億総貧困化という世界のどの国も経験したことのない悪性インフレになるとの指摘もあります。  国税庁の調査によると、正規社員の平均給与は四百九十六万円、これに対して非正規は百七十六万円です。正規と非正規では三百万円以上の差があります。しかも、非正規職員は増加しており、その割合は約三六%で、働いている人の四割弱が年収二百万円に届いていないのが今の日本で、世田谷区も例外ではありません。  政府の物価高騰抑制のための五万円給付は住民税非課税世帯で、全世帯の約四分の一に当たる約千六百万世帯が対象です。国民負担率が四八%と過去最高を更新する中で、課税されていても厳しい暮らしを強いられている世帯が全て給付対象から外されており、納税者の不公平感は一層高まっています。  旧統一教会問題や安倍晋三元首相の国葬への対応をめぐり、岸田内閣の支持率は過去最低の二七%です。もし一時的なばらまき策で支持率アップを狙ったのなら、到底賛同できません。また、国会での審議を経ずに閣議決定のみで使途を決めることができる予備費の濫用は許されません。数兆円単位の経済対策を予備費で賄うことは、財政民主主義を破壊する行為です。岸田首相は、いつでも国会審議に真摯に向き合い、国民の声を聞くべきです。  財務省と内閣府が公表した今年七―九月期の法人企業景気予測調査では、大企業の景気判断指数が三・四半期ぶりにプラスとなりましたが、円安の追い風で大企業ばかりが潤い、中小零細事業者や庶民は苦境に立たされています。政府は、この十月に追加の総合経済対策をまとめますが、円安を背景に、国の特別会計のうち外為特会の含み益は三十七兆円です。この大規模な経済対策に期待をいたしますが、官民の生産性の向上並びに企業の賃上げをより後押しする具体策と、消費を喚起する減税策の実施を強く求めたいと思います。  一方、世田谷区は、国の金融政策や財政政策に翻弄される状況ですが、区民福祉の向上のため、区長を先頭に職員が一丸となって、トゥーリトル、トゥーレイトとならないよう賢い区政運営に邁進することを求めて、賛成の討論といたします。(拍手) ○下山芳男 議長 以上であべ力也議員の意見は終わりました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 続いて、意見の申出がありますので、発言を許します。  なお、意見についての発言時間は、議事の都合により五分以内といたします。  九番小泉たま子議員。    〔九番小泉たま子議員登壇〕(拍手) ◆九番(小泉たま子 議員) 新風・せたがやの風は、令和三年度各会計決算認定に当たり、賛成いたします。  今回の決算委員会は、十月一日に念願の地域行政推進条例が施行されて初めての決算委員会となりましたが、区側の対応に疑問を持ちます。根本の問題は、区経営陣が全体像を描き出せないこと、主体性がないこと、指揮命令系統、リーダーシップが感じられないことです。  保坂区長が六月議会において、区民生活を包括的に支援する地区の行政拠点をつくると宣言され、条例にも明記されました。ところが、実務を担う担当部門が包括的という言葉をお役所的まちづくりや防災訓練など限定的に解釈しようとする、これでは包括的にはなりません。包括的という言葉をいま一度確認し、区全体の意識改革を求めます。  まちづくりへの参加と協働について、疑問があります。参加と協働は、区民が言いたいことを言う場づくりではないのです。参加と協働を通じて、区と区民、事業者が自分の立場をはっきりと認識し、自分の発言と行動に責任を持つことを学んでいく、これを明らかにすべきです。さらに、その前に、区の責任、やるべきこと、関係機関との調整について逃げずに全力で取り組むことを表明すべきです。さもないと、無責任社会の風潮が地区を混乱させます。  私は、民主主義とは少数意見が多数意見に成り代わっていく、その過程そのものであると考えています。そのため、適正な手続に従うこと、さらに根拠を示すことが必要です。その両方とも、今の区で行われているとは思いません。後に述べる給食費無償化問題も同様です。  今の区政の最重要課題は、区民をお待たせしない、区民の時間をお返しすることです。私は、仕事を成し遂げていく際の最重要課題は、責任者とスケジュールと考えます。そのため、司令塔が決まり、来年春の異動時期、つまり三月までに改善すると言われました。当然のことです。しかし、その実態を確かめると、窓口混雑の最大の要因と区自らが言われたマイナンバーカード処理機器の導入をたかだか十台、一方、職員用には二千五百台を補正予算で対応する、バランス感覚を疑います。  区民をお待たせしないということを区幹部はどう考えているのか、さらには担当副区長が、一気の取組は難しい、効果を検証しながらと答弁しました。疑問です。窓口混雑解決の最大の決め手は、マイナンバーカード処理機器の導入と自ら言われたのです。さらには、効果を検証しながらと言われた。区民をモルモット扱いするのはやめてください。  あと六か月、機器を早期に大幅に導入し、各まちづくりセンターに設置、職員にも十分な研修を行い、事前に仮受付をやって三月に備える、これがこの六か月の区の仕事であり、わざわざ条例を十月一日に施行した責任でもあります。区は、サービス提供側の論理だけを考え、サービスの受け手のことを全く考えていないのです。  良識ある職員の皆様にお願いしたい。何とか努力されて、区民の皆様をお待たせしない体制をつくり出すことを。三月からの異動時期にまた例年と同じような混雑状況となったならば、司令塔以下の幹部職員は責任を取るべきです。  区政において必要なものはたくさんあります。区が行うことは、まず現時点で必要な事柄の全体像はこれである、その中で、この理由でこの案件を優先させてもらう、このことを区民にはっきりと示すこと、これが行政の責務のはずです。  給食費問題では、他会派から問題提起がありましたが、その問題提起とて十分なものではないと思います。子どもの育ちを取り巻く状況には多くの問題がある、それを多角的に捉え、論議し、そして優先順位をつけ、そして、区民に説明、理解、納得をしていただく、これが民主主義の基本です。議論が狭くなってはいけないのです。  様々な論点を指摘するのは議会の役割でもありますが、課題の全体、例えば子どもの育ちに関わる全体像、そして個別の課題を明らかにすることは、現場を持つ行政の責任範囲です。これらを議会から指摘されるとは、情けないことです。何よりも、区がこの給食費無償化について幅広い説明責任を果たすことを求めます。  以上で意見を終わります。(拍手) ○下山芳男 議長 以上で小泉たま子議員の意見は終わりました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 続いて、意見の申出がありますので、発言を許します。  なお、意見についての発言時間は、議事の都合により八分以内といたします。  十一番高岡じゅん子議員。    〔十一番高岡じゅん子議員登壇〕(拍手) ◆十一番(高岡じゅん子 議員) 生活者ネットワーク世田谷区議団を代表し、令和三年度世田谷区一般会計決算認定外四件全てに賛成の立場から意見を申します。  令和三年度は、何といっても新型コロナの感染症の影響からいかにして区民の命と暮らしを守るかということが求められた一年でした。昨年度行ってきたリスクの高い高齢者や集団生活の場に焦点を当てた随時検査や積極的な抗原検査キットの配布などを評価します。オンライン診療の仕組みなどを区民に周知し、今年の冬の第八波、インフルエンザとの同時流行に備え、的確な対応を今後も求めます。  今年二月からのロシアによるウクライナ侵攻、円安などによる物価の急激な上昇は、全ての区民生活に影響を与えています。生活者ネットワークは、子育て世代への負担軽減、特に全ての子どもに対する育つ権利の保障として、公教育の全面無償化を求めてまいりました。食材費高騰分を区費で賄うというだけではなく、食育としての給食費自体を公費負担とし、有機米など、より安全な食材を使った給食を確実に子どもたちに提供していくことを求めます。  コロナ禍は、それまでに明らかになってこなかった社会のゆがみ、格差や孤立の問題を明確に映し出しました。非正規、フリーランスなど不安定な収入源で暮らす比較的若い層の区民が、住居確保給付金やコロナ特例で設けられた様々な給付制度に今も頼って暮らしています。  令和元年九月から今年の九月までの三年間で、世田谷区の三十代、四十代の人口は一万八千人も減りました。女性、若者、非正規雇用に焦点を当てた福祉と雇用、就労、両面からの柔軟な支援の充実を求めます。  世田谷区役所は区内最大級の雇用主であり、事業発注者です。区民への公的なサービスは正規職員だけでなく、様々な働き方の方々が担っています。雇用形態や契約形態を問わず、フリーランスまでを視野に入れたハラスメントを防ぐ取組が必要です。  ジェンダーにとらわれることなく、誰もが私らしく生きられる社会をつくっていくことがジェンダー主流化です。そのためにも、まだまだ女性のエンパワーメントが必要です。多様性を認め合い男女共同参画と多文化共生を推進する条例を持つ世田谷区として、人権の視点に立った施策をさらに進めることを求めます。  特に人権としての性教育、幼児期から大人まで包括的性教育が必要とされています。世田谷区では今、区長部局と教育委員会、区内医師会、助産師会などからメンバーを集め、思春期世代に向けてリプロダクティブ・ヘルス/ライツについての周知啓発を図る専門部会が行われています。この部会での討議を生かし、性交についても含めた正確な知識教育と、自分とパートナーを大切にできる人権教育の両輪で、自信を持って包括的性教育を進めてください。  環境施策についてです。世田谷区は、二十三区清掃一部事務組合に応分の負担をし、ごみの中間処理を行っています。建て替えの進む世田谷清掃工場の現状などを区民により積極的に情報提供し、ごみ処理のコスト意識を高め、資源循環型社会実現に向け、区民の協力をさらに引き出していくことが必要です。  区の公共施設のZEB化に向け、指針づくりに着手していることを評価します。既存施設の省エネ改修なども含めて実効性のあるものにするため、今後、具体的な数値を定めての取組を望みます。将来の太陽光パネル廃棄の問題なども視野に入れ、ゼロカーボン・アンド・ゼロエミッションを目指してください。  異常気象や国際社会の不安定化により、食の安全、地域自給に関する関心が高まっています。区民参加で小さな空き地を農地として利用し、活用するエディブルシティの活動を支援し、有機農業への理解を高め、区内でのゲノム編集食品の作物を育てない、そういった啓発等を求めます。  香害、香りの害についてです。香りは空気に漂う化学物質です。香害について、区職員、保育施設、区立学校など、引き続き保健所と連携し、柔軟剤などでも化学物質過敏症を引き起こすことがあるということを周知、啓発していく必要があります。  高齢者福祉についてです。介護保険制度は黒字ですが、コロナ禍の影響で通所系の事業所などでは経営が苦しいところも出ています。コロナ対策のかかり増し経費補助や高騰する光熱費対策など、適切な支援を求めます。今回積み増した基金を保険料の上昇の緩和やサービスの充実に有効に活用することを求めます。  コロナ禍により、施設も、家庭も閉鎖的になりがちで、高齢者虐待が見過ごされていることが懸念されます。こんなときこそ、第三者評価制度を活用し、ケア現場の質の維持向上に役立てることを提案します。  外出機会が減りがちな高齢者にとって、公共交通の充実が望まれます。砧地区での実証実験を成功させ、持続可能な外出手段を確保してください。  今定例会で、世田谷区障害理解の促進と地域共生社会の実現をめざす条例が可決されました。障害を理由とする差別の解消、安心して暮らし続けることができる地域づくり、参加及び活躍の場の拡大などが目的とされています。しかし、障害者の方が親亡き後も安心して住み続けられる地域移行は進んでいません。グループホームのさらなる開設を求めます。精神障害者の施設からの地域移行をピアサポーターが支援する仕組みに期待しています。障害当事者の参加と活躍の場を広げ、例えば農福連携の農場などで、地域のボランティアと共に働けるようなインクルーシブな地域づくりを求めます。  また、今議会で成立したもう一つの条例が、世田谷区地域行政推進条例です。生活者ネットワークは、既存の町会・自治会だけでなく、住民同士の顔の見えるつながりや地域グループの活動などによるコミュニティーの活性化に向けた行政の支援を長年求めてきました。今、子ども食堂は区内に六十か所ぐらいあると言われています。地区、地域の活動を活性化し、年齢を問わない誰でも食堂のような形のものが全ての地区にできていくことを望んでいます。  災害時、地区の力で最初の七十二時間を生き延びることが以前からの課題になっています。地区の実情に合わせた実践的な災害対策、在宅避難者支援対策を地域の住民との双方向の意見交換と当事者参加で実現していくことは、各まちづくりセンターの使命です。地域で顔の見える協力関係をつくり、避難行動要支援者個別支援計画を災害時に本当に役に立つものにしていくのも、あんしんすこやかセンターと社会福祉協議会を含むまちづくりセンター等の役割ではないでしょうか。新たな条例が、地域住民による、より充実した自治活動の推進につながることを求め、生活者ネットワークの賛成意見といたします。(拍手) ○下山芳男 議長 以上で高岡じゅん子議員の意見は終わりました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 続いて、意見の申出がありますので、発言を許します。  なお、意見についての発言時間は、議事の都合により十分以内といたします。  二十一番いそだ久美子議員。    〔二十一番いそだ久美子議員登壇〕(拍手) ◆二十一番(いそだ久美子 議員) 世田谷立憲民主党区議団は、令和三年世田谷区一般会計歳入歳出決算認定、その他四件について、会派で検討を重ねた結果、全てに賛成をいたします。  今回、提示しました課題を以下にまとめ、今後も適切な区政運営が実現されるよう、意見を併せて付すことといたします。  近年の非正規労働の拡大、年功序列型賃金の崩壊の下で、企業が担ってきた労働者の生活支援が揺らいでいます。区は、給食費無償化などをはじめ、所得制限を設けず、ひとしく子ども・若者支援に努めるべきです。  また、世界的な課題としての環境対策、太陽光をはじめとする再生エネルギーの活用には当区も積極的に取り組んできたところですが、いずれ発生する太陽光パネルの大量廃棄に関し、区として対策を講じているのか確認しました。  忘れてはならないのは、国連障害者権利委員会の勧告です。新たに制定した障害理解の促進と地域共生社会の実現をめざす条例に勧告を反映し、人権救済の仕組みの構築と障害者の自立した地域生活の実現、脱施設などを取り入れることを確認、男女共同参画政策を踏まえた地域人材の育成を求めました。  緑豊かで良好な住環境、社会福祉の充実を目指すのは当然として、その先にある世田谷のブランディングを考察すべきです。  企画総務領域においては、区制百周年を見据えた次期基本計画策定に当たっては、予測困難な時代を踏まえた政策形成、行政マネジメントの在り方が求められます。  物価高騰が止まらない現状において、賃金の引上げが重要になっています。区は、公契約条例により一定の労働報酬下限額を保障し、労働者の生活を守るべきことを提言しました。  また、本庁舎整備の関連と思われる庁舎内のネズミ発生は、改めて人間の開発行為が自然に及ぼす影響を実感させることとなりました。近隣への影響調査など、被害を最小限にする対策を求めます。  区民生活領域においては、古い慣習をIT化により刷新する提案が続きました。新しい手法で経済を回すこともその一つです。三〇%ポイント還元で予想を上回る加入数を得たせたがやPayについて、キャンペーン頼みでなく、真に地元に根づく電子決済となるよう運用を工夫すべきと指摘しました。  また、高齢者も事務スキルを発揮する機会をつくることで、シルバー人材センターが活性化すると提言しました。一方で、デジタルリモート化や働き方の変化などを踏まえた世田谷区産業振興基本条例の改正に当たっては、地域経済の持続的発展に向け、労働者の権利保護や労働環境改善の重要性を指摘しました。  福祉保健領域においては、要介護高齢者の受入体制整備事業が再開したにもかかわらず、送迎がないなどの使い勝手の悪さで利用実績が伸びないことの改善を求め、コロナ感染が収束に向かう今のうちに、後遺症の調査や周知、登録システムの改善などに尽力すべきと述べました。  二回目のモデル事業実施となる新BOP学童クラブ時間延長は、ニーズ調査を正しく行い、質の高い放課後児童育成策となるよう求めました。  都市整備領域につきましては、公共交通不便地域が点在する世田谷区において、民間バス路線を維持する電気自動車の公共交通への導入、区民の生活手段としてのシェアサイクルの活用など、移動困難者を含む全ての区民が快適に移動できる総合的な地域公共交通政策を求め、道路予定地や道路代替地といった区有地を区民に開放することでコミュニティーの場がつくられ、社会関係資本の強化につながるのではないかと提言しました。  文教領域につきましては、四月に開設した不登校特例校「ねいろ」と既存の学校との違いを捉え、教育改革を視野に入れた改善に取り組むこと、インクルーシブ教育の推進に向けて、当事者などの参画でガイドラインの策定をすることと、教育総合センターの拠点機能の強化を求めました。  都立校入学選抜への導入で賛否両論の英語スピーキングテストに関しては、指摘される様々な瑕疵に対し、区がどう対応しているかを確認し、配慮と対策を強く求めました。  学校現場の教員の負担軽減のため、集金を振り込みにすることを提案し、また、給食の配送トラックの荷下ろしが付近の交通トラブルを招いているとの情報に関し、調査が必要と指摘しました。  子育て、介護、コロナ禍など、何かあれば女性に負担が行きがちであり、キャリア形成しづらい環境を変えるには、男性の意識をも変える必要があります。らぷらすの受託事業者には、男女共同参画実現に資する企画力を求めます。また、男女共同参画条例を根拠に設置されている苦情処理委員会については、人権救済機関としてふさわしい名称変更により、相談しやすくすることを求めました。学校主事の業務委託問題に関しては、偽装請負の禁止が今回の区の説明でクリアされているとは言えないばかりか、委託先の労働者に実に多くの業務が任されることが分かりました。当該労働者に対して直営職員と同様の業務を任せ、けがや病気には区が責任を持たない、そんな雇用の場を教育現場で拡大すべきではないと重ねて申し上げておきます。  全体的な傾向として、様々な施策を立てても、その周知不足、事前ニーズ調査や事後調査のフィードバックが十分でないため、区民の意見が反映されず、必要とする人に使われていなかったり、時流に合っていなかったりということが散見されます。区の予算は、区民に役立つサービスや施設として世に還元してこそ、執行する意味があるのです。  DX推進と言われる今、区民が、いつ、どこからでもアクセスでき、手続できるシステムを構築する、その一方で、必要なときには区職員自ら現場に足を運んで区民に向き合い、支援し、住民自治の拡充に資する地域行政制度を併せ持つめり張りある区政運営を目指すべきです。  区は、さらなる努力を重ね、区民と区民の代表である議会と打てば響く関係が築けますよう強く申し入れ、我が会派の意見開陳といたします。(拍手) ○下山芳男 議長 以上でいそだ久美子議員の意見は終わりました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 続いて、意見の申出がありますので、発言を許します。  なお、意見についての発言時間は、議事の都合により十分以内といたします。  十九番津上仁志議員。    〔十九番津上仁志議員登壇〕(拍手) ◆十九番(津上仁志 議員) 本年、公明党は、党創立者より立党の精神が示されて六十年の佳節を迎えました。具体的には、大衆とともに、団結第一、たゆまざる研さんの三つの指針を不変の原点として、この間、脈々と受け継がれてきました。  その一方、世界は今、三回目の冬を迎える新型コロナウイルスとの闘い、ロシアによるウクライナ侵略がもたらす影響、さらに物価高騰など、多重危機と言うべき事態に見舞われており、日本を取り巻く環境は一層厳しさを増しています。その中で、庶民にどこまでも寄り添い、生活と暮らしを守る行動と実践が今ほど求められるときはありません。この誇るべき立党精神をいま一度、胸にたぎらせ、人格と見識を磨き、庶民を照らす地域の太陽としての使命を果たしてまいります。  それでは、令和三年度世田谷区一般会計決算外四特別会計に賛成の立場から、公明党世田谷区議団の意見を申し述べます。  令和三年度は、まさに新型コロナウイルスとの闘いに終始した一年でありました。収束が見通せない中で、地域経済は予断を許さない状況が続き、一般会計最終予算額は三千七百八十三億五千八百万円となる一方で、国庫支出金の大幅な減少、ふるさと納税による特別区民税の減収など、前年度比マイナス六十八億三千二百万円という決算状況に至っています。特に新実施計画(後期)の計画期間において成果指標の達成数が全体の三分の一にとどまっているのは、深刻な区政運営を象徴していると言わざるを得ません。今後、金融緩和を続ける日本と、利上げを進めるアメリカとの金利差が拡大することによる貿易赤字や、円安がさらに進むことによる懸念、我が国の経済成長力の弱さも露呈されており、どう乗り越えていくのかが問われています。  しかしながら、我が会派が長年求めてきた新公会計制度が導入後も最大限に生かされず、いまだに重複事業が山積したままであります。今、直面している課題をどう乗り越えるのか、方向性すら示すことなく、その気概すら感じられません。まさに行政運営における財政改革を不断の決意で進め、変化の大きい社会状況を見極めながら機動的に対策を講じていくとともに、新たな経済の活力を生み出す取組へと打って出るべきです。参加と協働だけでは、この難局を乗り越えることはできないと断言しておきます。  さて、決算特別委員会の各所管で取り上げました個別課題は、今後、注視してまいりますが、我が党として最重要課題として捉えている施策について、改めて六点申し上げます。  第一に、未来への投資についてです。平成二十九年より、我が党は、未来への投資と題して、一、幼児教育の無償化、二、学校給食の完全無償化、三、新BOP学童クラブの開設時間の延長、四、休日、夜間の認可保育園の開設、五、児童館改革と未整備地区への整備の五つのテーマを公約として掲げて、教育負担の軽減と併せて実現に全力を挙げてまいりました。  この間、再三求めてきました学校給食の完全無償化については、三年目に突入したコロナ禍による経済動向や物価高騰という急激に変化する社会状況に迅速に対応するためにも、時期を逸することなく、来年四月から所得制限を撤廃した給食費完全無償化の決断を改めて求めておきます。また、従前より訴えてきました新BOP学童クラブの時間延長についても、喫緊の課題である人材の確保への対応が困難な場合は、民間委託も視野に入れた運営体制に改善した上で、来年四月から全校での実施を改めて求めます。  さらに、児童館閉館後の活用については、本来児童館が受け止めなければならない子どもたちや中高生の居場所を区が運営できないのであれば、民間活力を導入すべきです。決して場所貸しのような事業としないことを求めます。
     第二に、物価高騰に負けない地域づくりについてです。コロナ禍、物価高騰の影響は、低所得世帯やひとり親世帯のみならず、中間所得層にも大きな打撃を与えています。国は、低所得層への支援を強化していますが、賃金上昇のないまま物価だけが高騰しており、国内のスクリューフレーションの深刻化も課題となっています。基礎自治体として、国の支援がない中間所得層、単身や御夫婦のみ世帯に対して、地方創生臨時交付金を活用するなどして取り組むことを求めます。また、せたがやPay手数料の無償化再延長など、個店支援の継続も求めておきます。  第三に、行財政改革についてです。限りある財源と人材を有効に活用するため、これまで再三にわたり指摘し、具体的な提言も行ってきましたが、一向に改善に向けた取組も、予兆もありません。改めて職員定数と適正配置を進めるため、区直営と民間活用の基準を明確化し、職員定数計画を策定し、取り組むことを求めます。また、重複事業の統廃合や、活用が十分でない公有財産を有効に活用するため、稼ぐ公共の概念を取り入れ、全事業評価を常時客観的に行う所管の常設を求めます。  第四に、災害に負けない地域づくりについてです。北朝鮮によるミサイル発射が連日続く中、今月四日にはJアラートが発出される事態ともなりました。さらに、自然災害の激甚化、頻発化に伴い、突風、竜巻、ひょうなどの被害拡大を踏まえると、区民の命を守るために、公共施設一階や地下部分を強化するなど、いざというときに逃げ込める堅牢性を兼ね備えた公共施設のシェルター化を進めることを求めます。また、安全な在宅避難が進められるよう、住まいの実情に合った災害対応型住宅装備助成制度の創設や集合住宅に対する支援策の拡充も求めておきます。  第五に、健康寿命延伸についてです。高齢化社会が進む中、七十五歳以上でも介護保険サービスを利用せず、日常生活を送っている方がいます。そのような方々が一層介護予防に努められるよう、家族介護慰労金制度を見直すなど、新たなインセンティブを導入すべく、キャッシュバック制度の導入に向けた積極的な検討に取り組むべきです。さらに、健康寿命の延伸のため、特別養護老人ホームなどに設置されている地域交流スペースなどをフル活用し、場の確保や創出を図ることを求めます。  第六に、デジタル化に伴う情報格差を解消する取組についてです。区は、高齢者などデジタル機器に不慣れな方への支援として、まちづくりセンター単位でスマホ教室を実施しています。しかし、行政が実施するのであれば、マイナポイント第二弾やせたがやPayの利用などの具体的な利用方法など、実践的な内容を軸として、期間設定も含めてタイムリーに行うべきであることを我が党は再三要請してきましたが、実際はスマホ教室開始時期がキャンペーン終了後となるまちづくりセンターもあるなど、恩恵を受けられない方への配慮が全く感じられません。  さらに、行政の大原則である最小の経費で最大の効果を上げることを軽視し、関係する所管との連携もいまだ行っていないということが明らかとなりました。早急にまちづくりセンターに相談窓口を設けるなど、情報格差をなくすための取組へ、丁寧かつ区民へ寄り添うよう実施することを求め、以上で公明党世田谷区議団の賛成意見といたします。(拍手) ○下山芳男 議長 以上で津上仁志議員の意見は終わりました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 続いて、意見の申出がありますので、発言を許します。  なお、意見についての発言時間は、議事の都合により十分以内といたします。  四十八番おぎのけんじ議員。    〔四十八番おぎのけんじ議員登壇〕(拍手) ◆四十八番(おぎのけんじ 議員) 去る十月十六日に挙行された世田谷区制施行九十周年記念式典に当たり、区政功労表彰を受けられた皆様に祝意と感謝を申し上げます。かくも多くの区民の方々、地域団体の皆様に世田谷区政が支えられてきたのだと改めて実感すると同時に、区制百周年に向け、世田谷の未来をより一層明るいものにしていかなければならないと意を新たにした次第です。職員の皆様におかれましても、同様の気持ちで今後の区政運営に当たられることを望むものであります。  それでは、令和三年度各会計歳入歳出決算認定に賛成の立場から、自由民主党世田谷区議団を代表し、意見を申し上げます。  一昨年度に引き続き、非常事態とも言える状況下での区政運営となった昨年度でありましたが、八度にわたる補正予算を編成しつつ、新型コロナウイルス蔓延防止への対応、ワクチン接種事業の促進、各種緊急経済対策、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会対応等々、全庁を挙げた柔軟な対応にまずは評価をいたします。  しかしながら、決算内容を見れば、新実施計画最終年度となった各種事業の未達成率は全体の六六%にも上り、ここ数年の悪化傾向に歯止めがかかりません。これまで幾度となく指摘をしてきましたが、区長以下、特別職、幹部職員は、予算を食い潰すばかりで成果が全く上がらないという現状を真摯に受け止め、地方自治法第二条十四項に掲げられている最小の経費で最大の効果をいう原点に立ち返り、今年度と来年度の実施計画である未来つながるプランを区民に恥ずかしくない数字に仕上げ、区制百周年への確かな足がかりとするよう、徹底的にマネジメントすることをまず求めておきます。  さて、今定例会において、二十七対二十という薄氷の可決となった地域行政推進条例ですが、我が会派は、この条例が成立しても、区民が望むような行政サービスの改善、改革は何ら実現せず、かえって失望を生むだけと判断し、反対をいたしました。条例制定により区民サービスがどう変わるのか、どのような地域行政像を目指すのかという極めて本質的な問いかけが最後の最後まで繰り返され、議論が全く収束しないまま、議案提出に踏み切られました。二度にわたる検討スケジュールの延期、臨時の委員会開催、副区長の委員会出席など、相次ぐイレギュラーな対応は、結果的に全くの無意味でありました。  区長は、区民に時間を返すと繰り返し発言されます。しかし、いついかなる形で、どの程度の時間を返すのか、区長からも、現場からも一向に具体策が提示されません。地域行政推進条例と同時に策定された推進計画においても、利便性の向上を図る、検討を進める、課題を整理するなど、具体的な改革内容は曖昧かつ先送りのオンパレードで、区長以下、行政の本気度が何ら感じられず、さらなる区民の失望を招く代物であります。例えば、長年問題視されている太子堂出張所における年度末の行列、待ち時間をどうしたらなくすことができるのか、本気で考えたことのある職員が庁内にどれだけいるでしょうか。出張所の業務改革を志向するどころか、業務が多岐にわたるため、昭和信金ビルを新たに借りますという短絡的な発想に背筋が凍る思いがいたします。  区民が最も望んでいることは、区民意識調査やパブリックコメントから明らかなように、まちづくりセンターにおける行政サービスの強化です。区民目線に立ち、具体策と期限を加え、徹底的に計画をたたき直した上で、多くの行政手続や相談がまちづくりセンターでできるよう速やかに庁内体制を整えること、そして、まちセンに行かずとも自宅から各種オンライン手続ができる仕組みを早急に構築することを改めて求めておきます。  もう一点、我が会派の懸念を申し上げます。条例に記載された住民自治の解釈であります。現代社会において、住民自治という言葉の持つ揺らぎは非常に大きく、行き過ぎた住民自治が地域、地区を分断する可能性がある。それを制御、抑止するためにも、条例の中で世田谷区にとっての住民自治とは何ぞやと、読んだ誰もが分かる形できちんと定義をしてほしいと我が会派は主張してきました。前文に掲げられた「区民が区政について意見を述べ、まちづくりに取り組む住民自治」は、全く定義になっていません。ただの修飾語です。そして、我々が危惧していた住民自治から受け取るイメージの振り幅の大きさについては、パブリックコメントに寄せられた意見を見れば明らかであります。  いみじくも、さきの我が会派の代表質問に対し、区長が、これも私に言わせれば住民自治の姿だと答弁されたことがそのことを象徴しており、読む人によって異なる解釈が生まれてしまう可能性をはらんだ条例を我々は是とすることはできません。あくまでも区政運営の責任主体は執行機関たる行政であり、住民参加の根幹は、区民の負託を受けた議会との対話であります。くれぐれもその基本をお忘れなきよう、申し添えておきます。  また、今定例会及び決算特別委員会において、学校給食費無償化の議論が数多く交わされました。本会議では前向きとも取れる答弁をしていた区長が、補充質疑の際はややトーンダウンしたかのような印象を受けますが、我が会派として、子ども・子育て支援というならば、給食費無償化ではなく、出産・育児支援にこそ貴重な税金を投じるべきということをここではっきりと申し上げておきます。  区が示した今後の子ども政策の考え方(グランドビジョン)を含む子ども・子育て支援事業計画調整計画素案の冒頭には、少子化への強い懸念が示されています。また、岸田首相は、少子化対策を未来への投資と位置づけ、今年度補正予算、来年度予算に各種子ども・子育て施策を盛り込むべく調整中であります。子ども・子育て応援都市を標榜している世田谷区において、ここ数年の出生数の減少、合計特殊出生率が東京都の平均を十年以上、一度も上回ったことがないという状況は、看板倒れと言われても仕方がありません。  こうした状況を踏まえれば、今、世田谷区の子ども・子育て施策として優先するべきは、出産一時金の加算や子育て利用券の拡充、在宅育児応援手当の創設といった出産・育児支援施策であり、巨額の財政負担を伴う給食費無償化ではないはずであります。二十三区内において既に最高水準の給食費助成を実施している現状とその効果、二十億円もの新たな追加財源を確保することの難易度、そして、安易な無償化が新たな行政需要を誘発しかねないということを区長は十分に肝に銘じ、くれぐれも冷静な判断をするよう求めるものであります。  ふるさと納税についても、一言申し上げます。今年度八十七億円を超える減収が見込まれていますが、五年前から実に二・八倍もの大幅減収であり、この結果を招いたのは、行政の怠慢以外の何物でもありません。ふるさと納税業界は完全なレッドオーシャンであります。区長がどの程度返礼品競争にかじを切るのか、その度合いが分かりませんが、中途半端な対策や行政の優等生的発想では、この競争にはまず勝てません。  これまで我が会派を含め、議会から山のようなふるさと納税対策への提案がなされてきましたが、行政は一向に提案を受け入れてきませんでした。しかし、今後は議会、また民間からの提案を含め、それらを全部やってみるぐらいの覚悟でこの競争に挑むべきです。区民の同情を買うようなチラシばかりを作っていても全く意味はありません。そして、区長においては、流出を抑止せよというのではなく、寄附額を幾ら増やせと具体的な数字を入れて庁内に指示を徹底し、減少幅を大きく改善させるよう強く求めます。  最後に、既に予算編成が進められている令和五年度予算について、意見を申し上げます。  国の税収に呼応するように、昨年度の特別区民税は、過去最高を記録した令和二年度と同水準の千二百四十億円となっております。しかし、いっときの好税収に気が緩み、巨額かつ恒久的な財源を伴う給食費無償化のような事業を安直に意思決定することは許されません。むしろこれまで以上に各事業の実施、継続の可否について、必要性、優先性、公平性、そしてコストと効果のバランスなど、幅広い視点から優先順位をつけ、スクラップ・アンド・ビルドを徹底し、財政規模を肥大化させず、区政を前進させていくことが必要です。  そして、目下のコロナ禍、物価高、資源高騰による区民生活への影響はまだまだ続くことが予想されます。この夏に、我が会派として、区内各種団体の皆様から、区政全般及び来年度予算及び今年度補正予算に対し、切実なる御意見や御要望をいただきました。その内容については多岐にわたるため、一つ一つ取り上げることは差し控えますが、取りまとめた内容は既に副区長にお伝えしています。  区内事業者支援、また、生活者支援のため、当初予算はもちろん、地方創生臨時交付金を有効に活用し、機を見るに敏な補正予算編成を望むものであります。そうした眼下への対応と並行し、十年、二十年先の世田谷を大局的に見据え、全ての区民が希望を持てる予算が編成されるよう強く要望し、自由民主党世田谷区議団の意見といたします。(拍手) ○下山芳男 議長 以上でおぎのけんじ議員の意見は終わりました。  これで各会派の意見は終了いたしました。  これより採決に入ります。本五件を三回に分けて決したいと思います。  まず、認定第一号についてお諮りいたします。採決は起立によって行います。  本件を委員長報告どおり認定することに賛成の方の起立を求めます。    〔賛成者起立〕 ○下山芳男 議長 起立多数と認めます。よって認定第一号は委員長報告どおり認定することに決定いたしました。  次に、認定第二号及び第三号の二件についてお諮りいたします。採決は起立によって行います。  本二件を委員長報告どおり認定することに賛成の方の起立を求めます。    〔賛成者起立〕 ○下山芳男 議長 起立多数と認めます。よって認定第二号及び第三号の二件は委員長報告どおり認定することに決定いたしました。  次に、認定第四号及び第五号の二件についてお諮りいたします。  本二件を委員長報告どおり認定することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○下山芳男 議長 御異議なしと認めます。よって認定第四号及び第五号の二件は委員長報告どおり認定することに決定いたしました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 ここで、日程の追加についてお諮りいたします。  お手元の追加日程第一を本日の日程に追加し、ここで議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○下山芳男 議長 御異議なしと認めます。よって本件は本日の日程に追加し、ここで議題とすることに決定いたしました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 これより △追加日程第一を上程いたします。  〔水谷次長朗読〕  追加日程第一 議案第八十二号 令和四年度世田谷区一般会計補正予算(第四次) ○下山芳男 議長 本件に関し、提案理由の説明を求めます。中村副区長。    〔中村副区長登壇〕 ◎中村 副区長 ただいま上程になりました議案第八十二号「令和四年度世田谷区一般会計補正予算(第四次)」につきまして御説明申し上げます。  補正予算書、資料右上の九ページを御覧ください。  本件は、国による電力・ガス・食料品等価格高騰緊急支援給付金の支給及び子育て世帯生活支援特別給付金支給対象者への都の補助事業を活用した上乗せ支給について速やかに対応するため、補正計上するものであります。  この結果、補正後の歳入歳出予算額は、既定予算額に五十六億八千九十三万五千円を追加し、三千六百四十一億八千五十七万九千円とするものであります。  よろしく御審議のほどお願い申し上げます。 ○下山芳男 議長 以上で提案理由の説明は終わりました。  本件を企画総務委員会に付託いたします。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 この際、議事の都合により、本日の会議時間をあらかじめ延長いたします。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 ここで、議案の審査を行うため、しばらく休憩いたします。     午後三時三分休憩    ──────────────────     午後四時開議 ○下山芳男 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 議案第八十二号に関し、企画総務委員長の報告を求めます。    〔三十八番畠山晋一議員登壇〕(拍手) ◎企画総務委員長(畠山晋一 議員) 議案第八十二号「令和四年度世田谷区一般会計補正予算(第四次)」につきまして、企画総務委員会における審査の経過とその結果について御報告いたします。  本件は、国による電力・ガス・食料品等価格高騰緊急支援給付金の支給及び子育て世帯生活支援特別給付金支給対象者への都の補助事業を活用した上乗せ支給について速やかに対応するため、補正計上し、既定予算総額を増額するものであります。  委員会では、理事者の説明を了とし、直ちに採決に入りましたところ、議案第八十二号は全員異議なく原案どおり可決と決定をいたしました。  以上で企画総務委員会の報告を終わります。(拍手) ○下山芳男 議長 以上で企画総務委員長の報告は終わりました。  これより採決に入ります。  お諮りいたします。  本件を委員長報告どおり可決することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○下山芳男 議長 御異議なしと認めます。よって議案第八十二号は委員長報告どおり可決いたしました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、 △日程第六から △第八に至る三件を一括上程いたします。  〔水谷次長朗読〕  日程第六 議員提出議案第五号 世田谷区議会委員会条例の一部を改正する条例外議案二件 ○下山芳男 議長 ここで、提案理由の説明及び委員会付託の省略についてお諮りいたします。  本三件は、会議規則第三十八条第三項の規定により、提案理由の説明及び委員会付託を省略いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○下山芳男 議長 御異議なしと認めます。よって本三件は提案理由の説明及び委員会付託を省略することに決定いたしました。  これより採決に入ります。本三件を一括して決したいと思います。  お諮りいたします。  本三件を原案どおり可決することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○下山芳男 議長 御異議なしと認めます。よって議員提出議案第五号から第七号に至る三件は原案どおり可決いたしました。
        ──────────────────── ○下山芳男 議長 ここで、日程の追加についてお諮りいたします。  お手元の追加日程第二を本日の日程に追加し、ここで議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○下山芳男 議長 御異議なしと認めます。よって本件は本日の日程に追加し、ここで議題とすることに決定いたしました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 これより △追加日程第二を上程いたします。  〔水谷次長朗読〕  追加日程第二 議員提出議案第八号 刑法の性犯罪規定の見直しに関する意見書 ○下山芳男 議長 本件に関し、提案理由の説明を求めます。  なお、提案理由の説明についての発言時間は、議事の都合により十分以内といたします。  四十五番桜井純子議員。    〔四十五番桜井純子議員登壇〕(拍手) ◆四十五番(桜井純子 議員) ただいま上程されました議員提出議案、刑法の性犯罪規定の見直しに関する意見書について、提案者を代表し、提案理由を説明します。  性犯罪は被害者の人格や尊厳を著しく侵害し、人生に大きな影響を与えます。性犯罪被害に遭ったことを認識すること自体に時間がかかるなど、ほかの犯罪被害との違いがあることから、被害実態に合った処罰規定にすることが求められてきました。  二〇一七年六月、刑法が改正され、百十年ぶりに性犯罪を処罰する規定の見直しが行われ、強姦罪を強制性交罪等として定義を広げ、法刑の下限を引上げるなどの一定の前進を見ました。しかし、事前の検討会の議論では九項目が検討されましたが、改正時には公訴時効や性交同意年齢、暴行・脅迫要件、地位関係性の四項目が見送られています。刑法改正後の二〇一九年には、被害者の同意のない性行為であると認定されながらも無罪判決が相次ぐなど、改正された規定内容では、なお不十分であることが指摘されています。  法務省では、二〇二〇年六月から性犯罪に関する刑事法検討会が開催され、その報告書に基づき、法制審議会の場で、刑法の性犯罪規定の見直しに向けた議論が行われてきました。検討会の報告書を踏まえ、法制審議会で議論されている刑法を性犯罪被害の実態に即したものに改正し、関連法整備や性被害者支援施策の強化を早急に行うことが必要です。  よって、世田谷区議会は、国会及び政府に対し、改めて声を上げられない被害者の実態や視点に立ち、刑法の性犯罪に関する規定を見直すことを求め、次の事項を実現するよう強く要望します。  公訴時効の完成を遅らせること、性交同意年齢を引き上げること、暴行、脅迫や心神喪失、抗拒不能の要件を見直し、同意のない強制性交を処罰するための不同意性交罪の創設など被害者に寄り添った改正を行うこと、対等ではない関係性を利用した性犯罪規定を創設すること。  以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出するため、議員各位の御賛同をいただきたく、議員提出議案第八号「刑法の性犯罪規定の見直しに関する意見書」の提案理由とさせていただきます。皆様の御賛同をお願い申し上げます。(拍手) ○下山芳男 議長 以上で提案理由の説明は終わりました。  ここで、委員会付託の省略についてお諮りいたします。  本件は、会議規則第三十八条第三項の規定により、委員会付託を省略いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○下山芳男 議長 御異議なしと認めます。よって本件は委員会付託を省略することに決定いたしました。  これより意見に入ります。  発言通告に基づき発言を許します。  なお、意見についての発言時間は、議事の都合により八分以内といたします。  十三番田中みち子議員。    〔十三番田中みち子議員登壇〕(拍手) ◆十三番(田中みち子 議員) 刑法の性犯罪規定の見直しに関する意見書について、賛成の立場で意見を申し上げます。  性犯罪は魂の殺人と言われるように、被害者の尊厳を徹底的に傷つけ、その後の人生に大きな爪痕を残す重大な犯罪です。二〇一七年には、明治四十年の制定以来、実に百十年ぶりの刑法改正があり、性犯罪に関する規定の見直しが行われました。長きにわたり被害者を女性に限定してきた強姦罪は強制性交等罪として定義が広がり、強盗より罪が軽かった法定刑の下限懲役は三年から五年に引上げられ、被害者自ら告訴が必要だった親告罪は撤廃されました。また、監護者の地位にある人が十八歳未満の子どもに対して性交やわいせつ行為をした場合は、暴行、脅迫がなくても、同意があっても処罰の対象になる監護者性交等罪、監護者わいせつ罪の新設など、厳罰化する改正ではありましたが、実態に即していません。  刑法改正の翌年には、再度改正に向け、性暴力支援を行う十二団体で構成された院内集会が開かれ、私も参加しました。性暴力に遭った被害者が警察に性被害を申告しても被害届が受理されず不起訴になるなど、厳罰化されてもなお、法的壁が立ち塞がり、加害者を罰することもできず、救済の道が厳しい現状を伺いました。また、性暴力被害は女性だけの問題ではなく、子どもや男性、外国人、特に障害児者への性暴力は社会の認識が低く、大変不利な状況に置かれている現状を変える必要があることから、議会質問にも繰り返し取り上げてきました。  性暴力被害者に対しては、あなたは悪くないというメッセージを広げるなど、被害者の理解を進めると同時に、被害者が泣き寝入りせず、声を上げやすい環境を整え支援する体制を構築し、世田谷区内でのワンストップ相談窓口の設置や、警察、病院、支援団体などの関係機関との連携など、被害当事者の立場に立った支援や人権教育としての性教育など求めてきました。  一方、二〇一九年には四件の性暴力事件が相次ぎました。性暴力の根絶を訴え、全国に広がるフラワーデモのきっかけになった事件でしたが、皆さん覚えていらっしゃいますか。三年前の三月に二件続いた実父による性暴力事件に少し触れたいと思います。  まず、静岡地裁の事件。当時十二歳の娘へ実の父親が性虐待を行った強制性交等罪事件です。家が狭く、同室の家族が気づかないのは不自然であり、信憑性がないとして無罪判決。続く名古屋地裁での事件では、娘が中学二年生のときから性虐待をしていた実の父親の準強姦事件。裁判では、娘への性的暴行を認めながらも、娘が抗拒不能ではなかった、つまり抵抗しようと思えばできたはずだとして無罪判決。厳罰化してもなお、刑法の限界が露呈しています。どちらの事件も高裁において逆転有罪となりましたが、性被害の痛ましさに比べて、性暴力を罪に問うにはあまりにも高いハードルがあることがお分かりになるかと思い、あえて申し上げました。  これらがきっかけで、性被害当事者の勇気ある告白に呼応する形で、日本における#MeTooやWithYou、Onevoiceなど、一人一人の地道な活動がやがて全国へと広がり、社会を動かす大きな力になりました。その結果、性虐待被害当事者を含む専門家で構成された刑法性犯罪規定の改正の検討が二〇二〇年六月から始まり、現在は法制審議会の場で、暴行・脅迫要件、性交同意年齢の引上げ、公訴時効の撤廃など、前回の改正で見送りとなった論点を含む十項目の諮問について議論が行われています。  しかし、法制審議会で挙げられている性犯罪に関する改正案では、被害当事者の実態とかけ離れた結果を招くおそれがあるとの指摘があります。国際人権NGOヒューマンライツ・ナウ、一般社団法人Spring、一般社団法人Voice Up Japanの三団体などは、被害当事者や支援者などの意見が反映されず、実際の被害が救済されないのではないかとの危機感を強めており、緊急オンライン記者会見を行っています。  五年前に厳罰化された刑法は、教師や親族などの立場を利用した性虐待の抑制や暴行・脅迫要件や時効の撤廃、十三歳以上となっている性交同意年齢の引上げなど、課題は山積しています。日本では、暴行、脅迫が立証できなければ罪に問えません。しかし、イギリス、アメリカのカリフォルニア州、ドイツ、台湾、カナダなどは、同意がない性交は犯罪と認めています。スウェーデンの刑法などは、性的なアプローチをした側が相手の同意を明確に確認する必要があるという意味のYes means yesが反映されています。不同意性交等罪の創設など、世界から後れを取る日本においても、これらが反映される社会になることが望まれます。  最後に、私たち生活者ネットワークは、性暴力の根絶を目指し、フラワーデモと連帯して毎月十一日前後に東京全体で遊説を行っています。各地域からは、被害当事者や周辺の方々からのコロナ禍での性被害の声が届きます。令和三年度の世田谷区内の性犯罪認知件数は、強制性交等罪で十四件、強制わいせつ罪で二十六件、合計四十件です。令和元年は五十五件、令和二年は四十五件と年々減少してはいますけれども、これは氷山の一角だということは、世田谷区議会の皆様には十分御理解いただけるはずです。  世田谷区議会としても、国会及び政府に対し、改めて声を上げられない性被害者の実態や視点に立った刑法改正の性犯罪に関する規定を見直すことについて、ここにいる議員全員の賛成をもって国への意見書を提出することを期待いたしまして、生活者ネットワークの賛成意見といたします。(拍手) ○下山芳男 議長 以上で田中みち子議員の意見は終わりました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 続いて、発言通告に基づき発言を許します。  なお、意見についての発言時間は、議事の都合により八分以内といたします。  二十三番中里光夫議員。    〔二十三番中里光夫議員登壇〕(拍手) ◆二十三番(中里光夫 議員) 日本共産党世田谷区議団は、議員提出議案第八号「刑法の性犯罪規定の見直しに関する意見書」に賛成の立場で、意見を述べます。  日本共産党は、刑法の性犯罪規定について、被害の実態と国際水準に見合った改正を進めることを政策に掲げています。一九九三年、国連総会で採択された女性に対する暴力撤廃宣言は、女性に対する暴力は男女間の力関係が歴史的に不均衡だったことを明らかにするものであると述べるとともに、女性を男性に比べて従属的な地位に追いやるための社会的な仕組みとして最も決定的なものの一つだとしています。日本でも、二〇一九年からレイプ事件無罪判決に異議を申し立てたフラワーデモが始まり、全国に広がりました。女性たちは、今まで話せなかった、被害を次の世代に続かせてはならないと、次々と発言に立ちました。  レイプやDV、セクシャルハラスメントなどの女性に対する暴力は、単なる個人間のけんかやトラブルという問題ではなく、ジェンダー不平等の社会の構造にその根があります。だからこそ、政治が女性に対する暴力の根絶を国の政策目標として明確に掲げ、真剣に取り組む必要があります。  日本は、国連の女性差別撤廃委員会から、強姦の定義を拡張するとともに、性犯罪の職権による起訴を確保するための刑法の改正を促進すること、配偶者強姦が明示的に犯罪化されていないこと、性交同意年齢が十三歳のままであることを懸念するなどの勧告を受けています。  被害者の推計数六万人から七万人と言われます、この数と比べ、警察での強制性交等罪の認知件数が千件程度と少ないのは、ほとんどの被害者が警察に相談できないためですが、相談したとしても、加害者の暴行、脅迫が少ないと判断されれば、被害届は受理されません。仮に暴行や脅迫がなかったとしても、同意のない性交等は被害者の心身と生活に深刻な打撃を与える重大な性暴力です。不同意の性交であったにもかかわらず、暴力・脅迫要件が障害になって犯罪とならない不合理はなくさなければなりません。また、刑事司法の実務では、加害者が被害者の同意があった、被害者が不同意ではないと思ったなどと誤認していれば、安易に故意を阻却している問題が起きています。加害者が被害者から同意を得たか否かを確認するための段階を踏んだことを構成要件とする、この事実について立証を求めるなど、改善が必要です。  暴行・脅迫要件を撤廃し、不同意性交を性犯罪とすべきです。性交同意年齢を引上げ、子どもへの性暴力は罪を重くするべきです。子どもが被害者の場合は訴えることができません。公訴時効時期を撤廃するべきです。対等ではない関係性を利用した性犯罪規定が必要です。  同時に、性犯罪やジェンダーに基づく暴力は、根強く残る男尊女卑の社会通念に起因しています。被害を未然に防ぎ、根絶していくために、暴力を生む社会通念そのものを取り除くためのジェンダー平等教育を推進する必要があります。  科学的な根拠に基づいた包括的性教育を推進するユネスコの国際セクシュアリティ教育ガイダンスに基づき、人権、ジェンダーの視点に立って、子ども、若者の発達、年齢に適した知識、態度、スキルの獲得を可能にする性教育を公教育に位置づけることを求めます。  以上、賛成意見とします。(拍手) ○下山芳男 議長 以上で中里光夫議員の意見は終わりました。  これで意見を終わります。  これより採決に入ります。  お諮りいたします。  本件を原案どおり可決することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○下山芳男 議長 御異議なしと認めます。よって議員提出議案第八号は原案どおり可決いたしました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、 △日程第九を上程いたします。  〔水谷次長朗読〕  日程第九 請願の処理 ○下山芳男 議長 本件に関する委員会の審査報告は、お手元の請願審査報告書のとおりであります。  これより採決に入ります。  お諮りいたします。  本件を委員会の報告どおり決定することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○下山芳男 議長 御異議なしと認めます。よって本件は委員会の報告どおり決定いたしました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、 △日程第十を上程いたします。  〔水谷次長朗読〕  日程第十 請願の付託 ○下山芳男 議長 受理いたしました請願は、請願文書表に掲げましたとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、 △日程第十一を上程いたします。  〔水谷次長朗読〕  日程第十一 閉会中の審査付託 ○下山芳男 議長 お手元の請願継続審査件名表及び特定事件審査(調査)事項表に掲げました各件を、閉会中の審査付託とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○下山芳男 議長 御異議なしと認めます。よって本件は閉会中の審査付託とすることに決定いたしました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 以上をもちまして、本日の日程は全て終了いたしました。  これをもちまして、令和四年年第三回世田谷区議会定例会を閉会いたします。     午後四時二十四分閉会...