• 道路問題(/)
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  1. 世田谷区議会 2022-09-22
    令和 4年  9月 定例会-09月22日-03号


    取得元: 世田谷区議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-03
    令和 4年  9月 定例会-09月22日-03号令和 4年  9月 定例会 令和四年第三回定例会 世田谷区議会会議録第十四号 九月二十二日(木曜日)  出席議員(四十八名) 一番   神尾りさ 二番   佐藤美樹 三番   そのべせいや 四番   青空こうじ 五番   ひうち優子 六番   上川あや 七番   くりはら博之 八番   つるみけんご 九番   小泉たま子 十番   あべ力也 十一番  高岡じゅん子 十二番  金井えり子 十三番  田中みち子 十四番  下山芳男 十五番  石川ナオミ
    十六番  河野俊弘 十七番  宍戸三郎 十九番  津上仁志 二十番  河村みどり 二十一番 いそだ久美子 二十二番 中山みずほ 二十三番 中里光夫 二十四番 江口じゅん子 二十五番 たかじょう訓子 二十六番 真鍋よしゆき 二十七番 上島よしもり 二十八番 菅沼つとむ 二十九番 高橋昭彦 三十番  岡本のぶ子 三十一番 平塚けいじ 三十二番 中塚さちよ 三十三番 藤井まな 三十五番 大庭正明 三十六番 ひえしま 進 三十七番 加藤たいき 三十八番 畠山晋一 三十九番 和田ひでとし 四十番  いたいひとし 四十一番 佐藤ひろと 四十二番 福田たえ美 四十三番 羽田圭二 四十四番 中村公太朗 四十五番 桜井純子 四十六番 桃野芳文 四十七番 田中優子 四十八番 おぎのけんじ 四十九番 阿久津 皇 五十番  山口ひろひさ  欠  員(二名) 十八番 三十四番  出席事務局職員 局長     林 勝久 次長     水谷 敦 庶務係長   星野 功 議事担当係長 長谷川桂一 議事担当係長 岡本俊彦 議事担当係長 菊島 進 議事担当係長 末吉謙介 議事担当係長 髙橋 亮 議事担当係長 阿閉孝一郎 調査係長   佐々木 崇  出席説明員 区長     保坂展人 副区長    中村哲也 副区長    岩本 康 副区長    松村克彦 政策経営部長 加賀谷 実 DX推進担当部長        菅井英樹 総務部長   池田 豊 庁舎整備担当部長        佐藤絵里 危機管理部長 大塚 勇 生活文化政策部長        片桐 誠 地域行政部長 舟波 勇 経済産業部長 後藤英一 清掃・リサイクル部長        蒲牟田和彦 保健福祉政策部長        田中耕太 高齢福祉部長 山戸茂子 障害福祉部長 須藤剛志 子ども・若者部長        柳澤 純 保育部長   和田康子 世田谷保健所長        向山晴子 技監     松村浩之 都市整備政策部長        畝目晴彦 みどり33推進担当部長        釘宮洋之 道路・交通計画部長        青木 誠 土木部長   工藤 誠 豪雨対策推進担当参事        鎌田順一 会計管理者  太田一郎 教育長    渡部理枝 教育総務部長 知久孝之 教育政策部長 小泉武士 教育総合センター担当参事        平沢安正 生涯学習部長 内田潤一 総務課長   中潟信彦     ──────────────────── 議事日程(令和四年九月二十二日(木)午前十時開議)  第 一 一般質問 第 二 認定第 一 号 令和三年度世田谷区一般会計歳入歳出決算認定 第 三 認定第 二 号 令和三年度世田谷区国民健康保険事業会計歳入歳出決算認定 第 四 認定第 三 号 令和三年度世田谷区後期高齢者医療会計歳入歳出決算認定 第 五 認定第 四 号 令和三年度世田谷区介護保険事業会計歳入歳出決算認定 第 六 認定第 五 号 令和三年度世田谷区学校給食費会計歳入歳出決算認定
    第 七 議案第 五十 号 令和四年度世田谷区一般会計補正予算(第三次) 第 八 議案第五十一号 令和四年度世田谷区国民健康保険事業会計補正予算(第一次) 第 九 議案第五十二号 令和四年度世田谷区後期高齢者医療会計補正予算(第一次) 第 十 議案第五十三号 令和四年度世田谷区介護保険事業会計補正予算(第一次) 第十一 議案第五十四号 令和四年度世田谷区学校給食費会計補正予算(第二次) 第十二 議案第五十五号 職員の定年等に関する条例の一部を改正する条例 第十三 議案第五十六号 職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例 第十四 議案第五十七号 職員の給与に関する条例の一部を改正する条例 第十五 議案第五十八号 幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例 第十六 議案第五十九号 職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例 第十七 議案第 六十 号 外国の地方公共団体の機関等に派遣される職員の処遇等に関する条例の一部を改正する条例 第十八 議案第六十一号 公益的法人等への職員の派遣等に関する条例の一部を改正する条例 第十九 議案第六十二号 職員の懲戒に関する条例の一部を改正する条例 第二十 議案第六十三号 世田谷区人事行政の運営等の状況の公表に関する条例の一部を改正する条例 第二十一 議案第六十四号 職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例 第二十二 議案第六十五号 幼稚園教育職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例 第二十三 議案第六十六号 職員団体のための職員の行為の制限の特例に関する条例の一部を改正する条例 第二十四 議案第六十七号 世田谷区非常勤職員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例 第二十五 議案第六十八号 職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例 第二十六 議案第六十九号 世田谷区手数料条例の一部を改正する条例 第二十七 議案第 七十 号 鋼管杭設置工事(補助第二一六号線)【大蔵三丁目三番から大蔵五丁目一〇番先】請負契約 第二十八 議案第七十一号 財産(事務用パーソナルコンピューター)の取得 第二十九 議案第七十二号 世田谷区立スカイキャロット展望ロビーの指定管理者の指定 第三十  議案第七十三号 世田谷区立区民会館の指定管理者の指定 第三十一 議案第七十四号 世田谷区立健康増進・交流施設の指定管理者の指定 第三十二 諮問第 一 号 人権擁護委員候補者推薦の諮問 第三十三 議案第七十五号 世田谷区立保健福祉センター条例の一部を改正する条例 第三十四 議案第七十六号 世田谷区障害理解の促進と地域共生社会の実現をめざす条例 第三十五 議案第七十七号 世田谷区立障害者福祉施設条例の一部を改正する条例 第三十六 議案第七十八号 世田谷区学童クラブ条例の一部を改正する条例 第三十七 議案第七十九号 世田谷区子どもの医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例 第三十八 議案第 八十 号 世田谷区街づくり条例の一部を改正する条例 第三十九 議案第八十一号 世田谷区地域行政推進条例 第四十          請願の付託     ──────────────────── 本日の会議に付した事件  一、日程第一 一般質問  二、日程第二から第六 決算特別委員会設置、付託、表決  三、日程第七から第二十八 企画総務委員会付託  四、日程第二十九から第三十一 区民生活委員会付託  五、日程第三十二 委員会付託省略、表決  六、日程第三十三から第三十七 福祉保健委員会付託  七、日程第三十八 都市整備委員会付託  八、日程第三十九 地域行政・災害・防犯・オウム問題対策等特別委員会付託、表決  九、日程第四十 請願の委員会付託     ────────────────────     午前十時開議 ○下山芳男 議長 ただいまから本日の会議を開きます。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 直ちに日程に入ります。 △日程第一を上程いたします。  〔水谷次長朗読〕  日程第一 一般質問 ○下山芳男 議長 昨日に引き続き、一般質問を行います。一般質問についての発言時間は、一人十分以内といたします。  質問通告に基づき、順次発言を許します。  二十四番江口じゅん子議員。    〔二十四番江口じゅん子議員登壇〕(拍手) ◆二十四番(江口じゅん子 議員) 質問通告に従い質問します。  まず、区長の基本姿勢です。  深刻な物価高騰が区民の暮らしと営業を直撃しています。八月の東京都区部の消費者物価指数は二・六%上昇、消費税増税以外では約三十年ぶりの高水準です。前年同月比で食料油は四三・八%、生鮮野菜は六・三%、さらに電気代、都市ガス代も約二九%上昇しました。アベノミクスの異次元の金融緩和が異常円安と物価高騰を招いています。さらに、大きな背景に、賃金が上がらず、社会保障や公共サービスなど切り捨て、貧富の格差を拡大した新自由主義の失敗があります。非正規雇用は労働者全体の約四割に増え、この十年間で実質賃金は二十二万円減少、公的年金は実質六・七%削減しました。来月から後期高齢者の窓口負担は、区内では後期高齢者の約四五%、四万五千人が二割以上の負担に上がります。  経済的困窮が、命や健康被害をもたらす事態も生じています。この夏の災害級の猛暑では、高齢者の方から、エアコンが壊れ買い替えたいが経済的余裕がない、エアコンを使えない、設置助成はないのか。また、電気代が高くて使用を控えているなど相談が続きました。ケアマネジャーからは、障害を持つ生活保護受給者だが、エアコンがなく部屋はサウナ状態など伺いました。  東京都監察医務院によると、この夏の当区の屋内熱中症死亡者数は十六名、うちエアコンがあっても未使用が十二名、エアコンなしは一名でした。昨年の死亡者数三名を大きく超える非常事態です。二十三区全体では、熱中症死亡者数は、ほぼ六十歳以上の高齢者が占めています。区議団は八月、猛暑から命守る対策として、低所得者など対象に、エアコン設置助成や電気代補助を求め、申入れをしました。  区長は、エアコンを買えない、使用を控えている困窮世帯がいることをどう捉えますか。生命に直結する問題であり、来年度には区としての助成に踏み出していただきたい。本来、困窮する区民生活を守るのが基礎的自治体の役割です。しかし、今議会の招集挨拶では、疲弊する区民生活への言及はなく、区長の認識、伺います。  また、未来つながるプランで、経済的弱者対策、さらに社会保障制度の課題解決含め、区民の暮らしを守る取組を進めると明記した意図を確認します。さらに、さきの定例会で求めた低所得者世帯への区独自給付金など、具体的にどうするのか、区長の見解、伺います。  令和三年度決算の実質収支は百七十億円にもなり、基金残高も過去最高の千二百八十億円です。今年度は過去最高の税収となり、今後も税収増の見通しです。ふるさと納税の影響は看過できませんが、財政状況は健全で、十分な財政力を持ちます。困窮層の生活を下支えし、暮らし・福祉優先の財政運営が必要です。区長の財政状況の認識及び財政運営の基本姿勢、伺います。  次に、コロナ対策です。  第七波は過去最高の感染拡大です。区内でも、発熱外来パンク、区の相談窓口に電話がつながらない。また、重度障害者も入院できず、やむなくコロナ陽性のヘルパーが二十四時間在宅介護を続ける陽陽介護の実態も伺いました。区ではこの間、検査から薬配送もできるオンライン診療導入や医療機関への財政支援、また無症状者への検査拡充など積極的対策を講じており、これを評価します。第八波に向け、さらなる対応を求め、四点伺います。  一点目は、この間の課題である保健所の相談窓口や業務逼迫改善です。保健所の保健師、事務含めた計画的人員増、求めます。  二点目は、都へ、入院治療が必要な要介護者への臨時医療施設強化を要請していただきたい。区としても、酸素ステーションの機能強化を求めます。  三点目は、今月末予定の陽性者の全数把握見直しへの対応です。発生届対象外となった区民が医療を必要とするとき、迅速かつ確実に医療にアクセスできる仕組みを要望します。  四点目は、インフルエンザと第八波の同時流行に備えた対応です。第七波を超える医療崩壊が懸念され、医療機関の財政支援充実が必要です。また、発熱外来逼迫による重症化、感染拡大を防ぐため、オンライン診療など区独自の取組を求め、伺います。  次に、障害者グループホーム増設です。  区では、障害者施設整備等に係る基本方針の重点課題にグループホーム整備を掲げ、整備目標を示しています。しかし、不足は深刻で、目標の早期達成、上方修正が必要です。この間、東京リハビリテーションセンターの施設支援入所、いわゆるグループホームなどに移行するための支援を受ける施設ですが、そこに入所中の重度障害者保護者から、入居期限がある通過型のため退去期限が迫っている、親も高齢、区内で重度者向けグループホームを早くつくってほしいと相談を受けました。精神障害家族会からも、親亡き後、入居期限を決めない滞在型グループホーム増設をと要望が届いています。  今議会には、世田谷区障害理解の促進と地域共生社会の実現をめざす条例案が上程されています。安心して暮らし続けられる地域づくりは条例の大きな柱です。それにふさわしい、積極的対策を求め、三点伺います。  一点目は、土地オーナーや地域の障害理解促進です。条例制定も見据え、領域を超えた庁内横断と連携、また、医療機関や当事者、家族会などと連携し、地区単位で障害を我が事と捉え、理解促進の一層の取組、求めます。  二点目は、民有地活用促進です。保育では、民有地掘り起こしのため、不動産専門調査員を配置、また担当課自らが、不動産事業者などに売り込む「土地を探しています」のポスターを町に広く掲示などで整備効果を上げました。これらを参考に、具体的にどう進めるのか。  三点目は、精神障害者グループホームの整備促進です。区内滞在型グループホームを視察しました。都の補助は、通過型と滞在型に差があり事業運営に苦慮している課題を伺いました。以前、滞在型グループホーム撤退の事例もありました。整備促進と安定的運営のため、区独自補助を求めます。  次に、深刻な介護人材不足への対策強化です。  当初予算での施設系職員対象の介護職員等宿舎借り上げ支援事業拡充を評価します。また、都による訪問、通所への対象拡充に現場から期待の声も届いています。多くの事業所から、ヘルパーは高齢化し、募集しても集まらない、このままでは介護を支える担い手がいなくなる危機感がある。区内の通所、訪問は、ほとんどが中小事業所、コロナ禍で区内でも幾つか廃業した。現場の実態に即した職員確保、定着の支援強化を、切実な要望が届いています。イメージアップや、介護職として働きたい、働き続けられる処遇改善など総合的対策が必要であり、積極的対策を求め、伺います。  最後に、公共交通不便地域の砧地域に来年度早期の実証運行を求め、伺います。  モデル地区に選定され六年間、地域は定時定路線型で検討を続け、運行を待ち続けています。住民の会は、二〇一五年から砧・大蔵地域と祖師ヶ谷大蔵駅を結ぶミニバスニュースを発行。毎号、運行ルートの千から二千戸に配布、自主的に広報・機運醸成活動を続けてきました。地域の理解、合意が実証運行やその後の持続可能な運行につながることから、三点伺います。  まず、区は定時定路線型との比較検証結果、デマンド型のほうが収支率向上の可能性が高いなどとして、実証運行はデマンド型を提案しました。しかし、比較では、デマンド型の協賛金は五十万円、一方、定時定路線型はゼロ円設定など、検証に疑問も持ちます。地域からは、なぜ急にデマンド型なのかと戸惑いの声も聞きます。デマンド型が収支率向上の可能性が高いと判断した根拠、検証について伺います。  二点目は、早急に地域への説明と意見を聞く場である勉強会実施を求めます。地域からは、定時定路線型は五日間運行なのにデマンド型はなぜ三日間なのか。デマンド型なら関東中央病院に行ってほしい。また、七十歳以上の運賃百円はうれしいなどなど伺っています。周知・広報強化を要望します。  最後に、実証運行でデマンド型収支が悪いとき、定時定路線型の再検討を求めます。また、他地域への展開では、定時定路線型も含めた検討を要望し、伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 江口議員にお答えをいたします。  区内の経済状況、困窮の状況に置かれている区民への支援についてのお尋ねでございます。  二年を超えるコロナ禍で、区民生活や地域経済への影響が大きく残る中、区民からの生活相談や区内事業者からの緊急融資の申込みは依然として続いておりまして、八月の企業物価指数速報値も、十八か月連続で前年同月を上回り、過去最高を更新するなど、区民生活の実態はこれまで以上に厳しい状況にあると認識しております。コロナ禍においては、飲食店、観光、イベント等の幅広い業界に影響があった反面、その影響が少なかったという業界とで明暗が分かれ、格差も拡大したと捉えています。  未来つながるプランでは、コロナ禍において、業績悪化により事業の縮小や継続断念を迫られる事業者への懸念、緊急小口資金や住居確保給付金等の利用者が大幅に増加した状況があり、こうした中、経済的弱者支援についても必要な視点の一つとしてプランの中に位置づけました。私はこれまでも、区民の命、健康、暮らしを守ることを最優先に取り組んでおり、今後もこの姿勢を堅持してまいります。  こうした考えの下、緊急対策として、給付金の支給やせたがやPayを利用した事業者支援に取り組み、また物価高対策に取り組み、今定例会においても、エネルギー価格、物価高騰に伴う区民や事業者への支援などに関わる補正予算案を提案しているところであります。引き続き、区民生活や地域経済の実態を捉えながら、国の交付金も最大限活用し、物価高騰で影響を受けた区民生活を守るために必要な施策について、時期を逸することなく判断し対応を図るとともに、社会保障制度の課題解決にもつながる制度改正に向けた働きかけを国や都に行うなど、区民の暮らしを守る取組を進めていきます。  区の財政状況につきましては、令和三年度決算においては、大幅な減収を見込んでいた特別区税、特別区交付金ともに当初予算を上回り、百七十億円の実質収支が出る結果となりました。一方で、新型コロナや物価高の収束が見通せない中、円安による今後の企業収益悪化への影響も懸念され、さらには、ふるさと納税のさらなる税源流出が拡大をしているなど、区財政を取り巻く環境は今後も不透明な状況が続くものと認識しております。  中長期的な財政見通しの中、増加する行政需要に対して、基金残高を確保しながら、計画的な活用により着実に対応してまいります。また、福祉をはじめ、区民サービス等の維持や向上に向けて、区民生活への影響をしっかり捉えながら、適切に財源配分を行うことや、デジタル技術の活用も含めた手法の転換や見直しを進めた上で、健全な財政運営に努めてまいります。  以上です。 ◎向山 世田谷保健所長 私からは、新型コロナウイルス感染症、要は第八波に向けての対応のうち、所管の三点についてお答え申し上げます。  まず、保健所の体制についてのお尋ねでございます。  保健所は、引き続きハイリスク患者の健康観察等に対応し、また、インフルエンザとの同時流行や発生届のない患者の体調急変の対応など新たな課題もあることから、委託事業者を活用しながら機動力を落とさず体制を構築し、保健所の職員体制につきましては人事部門とも協議し、対応を図ってまいります。  次に、入院治療が必要な介護を要する高齢者等の臨時医療施設の活用についてでございます。  全数把握見直し後、体調変化により緊急対応が必要な場合は、東京都から患者情報を受け取って、健康観察や入院調整を従来どおり区が行うこととなります。都や東京消防庁、医療機関との連携をさらに深めるとともに、基礎疾患のある方が重症化しやすいという特徴なども踏まえ、入院治療が必要な介護を要する高齢者、障害者等が入院できるよう、臨時の医療施設の強化も含めて、引き続き東京都へ要望してまいります。  また、区の酸素療養ステーションにつきましては、入院等待機施設としての機能を柔軟に運用し、家族や集団生活内での二次感染を防ぎたい方はもとより、アレルギーをお持ちの方など、都の宿泊療養施設では受入れが難しい方の受入れなど、引き続き柔軟な対応を実施してまいります。
     最後になりますが、発生届対象外となる区民の方の医療アクセスについてです。  全数把握の見直しでは、六十五歳以上の方、入院を要する方、重症化リスクがあり治療薬投与等が必要な方、妊娠している方などの、いわゆる四類型の方々は、従前と変わらず医療機関から発生届が提出され、保健所で直接健康観察や体調急変時の入院調整を行います。これ以外の方については、療養者御本人が、まず東京都の陽性者登録センターに連絡をし、食料配送やパルスオキシメーターの貸与等を受け、体調の変化時にはうちさぽ東京や東京都のフォローアップセンターが、リスクに応じて医療的相談に対応する仕組みとなってございます。区は、発生届対象外の方に不安や迷いが生じないよう、療養の流れや体調の変化時等の留意事項について、区ホームページはもとより、受診した医療機関を通じて丁寧に周知をしていくとともに、保健所としても適切に対応してまいります。  私からは以上です。 ◎田中 保健福祉政策部長 私からは、オンライン診療など御答弁いたします。  第七波では、診療・検査医療機関が逼迫した時期もありましたが、東京都が陽性者登録センターを立ち上げ、区は八月にオンライン診療の体制確保を支援し、この間、千八百件を超える診療を実施してまいりました。第八波ではインフルとコロナの同時流行が懸念されており、特に発熱者がきちんと受診でき、早期に治療できる体制の確保が急務となっております。区としましては、区内医療機関への独自支援を継続し、オンライン診療についても、同時流行に対応できる体制を検討し、両医師会及び医療機関とも密に連携を図りながら、必要とする区民が適切に医療機関につながるよう第八波への対策を講じてまいります。  私からは以上です。 ◎須藤 障害福祉部長 私からは、障害者グループホームの増設について、三点御答弁申し上げます。  まず、土地オーナー、地域の理解促進についてです。  区では、障害理解の促進を図るために障害者団体等と連携したイベントの実施、それから障害理解に関する講座などに取り組んでおります。講座につきましては、学校、団体、事業者等、区の相談員が出張して実施をしている状況です。障害に対する理解は、講座や研修での知識面だけでは深まりづらく、一緒に行動したり、車椅子やアイマスクなど実際の体験をすること、これを身近な自分事として捉えるための工夫が必要というふうに考えてございます。  今後、障害理解に関する講座、研修の充実に向けまして、当事者、家族会等からの御意見もいただきながら、より多くの地区で実施されるよう、庁内関係所管と連携して取り組んでまいります。  二点目は、民有地の活用についてです。  区は、入所から地域移行先や御本人が望む自立した地域生活を送る居住の場として、グループホームの整備を重点課題に掲げております。現在、中軽度の障害者を対象としたグループホームの整備は、既存の民間建物を活用した整備が進んでいる一方で、重度障害者を対象としたグループホームは、整備に適切な土地や建物を確保することが困難なことから公有地を活用して整備を進めております。しかしながら、この公有地活用には一定の期間がかかるため、重点課題にある重度障害者を対象としたグループホーム整備を促進していくため民間の土地や建物の活用が必要であるというふうに認識をしております。  お話しの不動産専門調査員は現在も区に在籍しておりますので、私立保育園の整備で培ったこの不動産専門調査員のノウハウやチラシによる施設整備の周知の方法などを参考にしながら、民有地での整備が促進されるよう方策を検討してまいります。  続きまして、精神障害者グループホームの整備運営に対する支援についてです。  精神障害者グループホームにつきましては、入居期限の定めのない滞在型、それからおおむね三年での移行を目指す通過型がございます。精神障害者のグループホームの補助金は、東京都のグループホーム支援の取扱要領に定めている助成額に準じて各自治体で交付しております。この都の要領には、滞在型のグループホームに対する空室助成などはなく、区においても都の要領に基づき補助要綱を定めておりますので、滞在型と通過型の制度に差があるのが現状です。こうした制度の差はありますけれども、今年度、区内で開設した参加者の精神グループホームは全て滞在型となってございます。  今後も、入居者のニーズに合ったグループホームの開設が促進されるよう、国や都の制度改正、他自治体の状況の把握に努めまして、運営事業者への支援を検討してまいります。  私からは以上です。 ◎山戸 高齢福祉部長 私からは、介護人材確保対策について御答弁いたします。  介護人材不足が続く中、質の高い介護サービスを安定的に提供するため、介護人材確保策のさらなる充実は喫緊の課題であると認識しております。  区は、介護人材確保を目的とした介護職の住まい支援について、今年度から新たに認知症高齢者グループホームなどの地域密着型サービス事業所に対象を拡充いたしました。また、東京都では今年度より、これまで福祉避難所となることを要件としていた宿舎借り上げ支援事業を、区市町村と災害時協定を締結することを要件に通所・訪問事業所に対象を拡充しております。区としては、多くの通所・訪問事業所がこの制度を利用できるよう災害時協定締結に向けた環境整備を行うとともに、制度の周知に努めているところです。  引き続き、世田谷区介護人材対策推進協議会での議論もいただきながら、区内の介護人材の現状や課題を把握した上で、介護職の魅力向上に資する「KAⅰGO PRⅰDE(介護プライド)」のような取組や採用活動経費助成のさらなる充実など、介護人材不足解消に向け、インセンティブにつながる効果的な施策を検討してまいります。  以上でございます。 ◎青木 道路・交通計画部長 私からは、砧地域における公共交通不便地域対策について、三点御答弁申し上げます。  まず、運行形態をデマンド型とする根拠や検証内容についてお答えいたします。  区では、コロナ禍により、特に高齢者の外出促進による移動支援サービスの提供が求められる中、コミュニティー交通導入に向け、砧モデル地区において定時定路線型とデマンド型の比較検討を行い、デマンド型で実証運行を行うことといたしました。  定時定路線型に比べ、デマンド型ではシステムの導入、維持管理経費等が別途必要となるものの、定時定路線型の課題である乗客が乗り切れない可能性や、一部運休時間帯がなく、さらには乗降地点を効果的に配置することで、高齢者の歩く距離も短くなるなど多くの利点があることから、より多くの利用者が見込めると考えております。このように、定時定路線型の課題を補うことができるため、こうした根拠を基にデマンド型交通にて実証運行を行うこととしております。  次に、地域の意見を聞く会と住民周知について御答弁申し上げます。  区では、この間、砧モデル地区の皆様とは情報共有を図り、地域とともにコミュニティー交通の導入に向けた検討を行ってまいりました。地域の皆様には、デマンド型交通について他自治体の取組事例を含め御案内をさせていただいたところでございますが、実証運行に当たり、丁寧な説明や広範な住民の皆様に対して周知を図ることは大変重要なものであると考えております。区といたしましては、地元協議会とも相談の上、できるだけ多くの方が参加できるよう周知範囲を広げるなど工夫し、地元に対し早期に説明し、地域の一層の機運醸成に向け取り組んでまいります。  最後に、実証運行でデマンド型の収支が悪いときの見直しに関する御質問でございます。  砧地域におけるデマンド型交通の実証運行は、定時定路線型で検討してきたバス停の候補地を乗降地点に含めるなど、これまで地元協議会をはじめ、地域とともに検討してきた内容を踏まえた運行計画としております。実証運行の実績を踏まえ改善の見通しが立たない場合などは、運行形態の変更を含む抜本見直しの検討を考えておりますが、まずは地域の皆様に実証運行に御乗車いただくことで、ワゴン車を活用したデマンド型交通の取組の有効性や課題をしっかりと捉えてまいります。また、砧地域での検証を踏まえ、他地域で検討を行う際には、地域住民の意向や実情を踏まえた上で、地域にふさわしいコミュニティー交通の在り方を探ってまいります。  以上でございます。 ◆二十四番(江口じゅん子 議員) 区長に再質問します。  区の熱中症死亡者数なんですが、経過を見たところ、八月三日は七名、その後、現在まで区内死亡者数十六名まで上がりました。区長は、この数字とエアコンを買えないなど困窮世帯がいることをどう捉えますか。来年度には設置助成に踏み出していただきたいんですが、まずあんしんすこやかセンター、ぷらっとホームなどでエアコンの使用状況など実態把握に努めていただきたい、伺います。    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 江口議員の再質問にお答えをいたします。  議員から、東京都監察医務院の発表による当区の区内熱中症死亡者の十六名、この実態をお示しいただきました。大変重く受け止めます。  生活困窮世帯でエアコン未設置に対する助成や、また数の上ではあるけれども使っていない、いわゆる利用控え対策。これは、おっしゃるような、まず実態把握も踏まえて、来年の暑くなる季節の前に具体的、効果的な方法について調査するように所管に指示してまいります。 ○下山芳男 議長 以上で江口じゅん子議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、十五番石川ナオミ議員。    〔十五番石川ナオミ議員登壇〕(拍手) ◆十五番(石川ナオミ 議員) それでは、順次質問をしてまいります。  まず、世田谷区におけるリカレント教育の推進についてです。  出生率の低下や、平均寿命が男女ともに延び、人生百年時代に突入したことから、これからの社会においては人生設計もこれまでと同じではありません。こうした中で昨今注目されておりますのが、リカレント教育です。日本では、学び直しという言葉になじみがあるかもしれません。リカレントとは循環する、繰り返すという意味で、概念は少し違っておりますけれども、リスキリングという言葉もございます。学校教育から一旦離れて社会に出た後も、それぞれが必要なタイミングで再び知識やスキルを学び直すこと、生涯にわたって仕事と学びを交互に繰り返していくことがリカレント教育の本来の在り方です。  また、これまでメンバーシップ型だった日本の雇用形態がジョブ型へと産業構造が転換する中で、企業などでは新たな知識やスキルを身につけ、個々人の生産性を高めていくことが、より一層求められています。さらに、政府が今年六月に発表いたしました国の骨太方針二〇二二の中にも、人への投資ということを掲げ、リカレント教育を促進するための環境整備など、二〇二四年度までの三年間で四千億円規模の予算を投じて、社会教育の拡充に力を入れるという方針を示しております。  さて、先日、我が会派の代表質問の答弁にもございましたように、区としても既に今年度から世田谷ITカレッジなど、リカレント、リスキリングの拠点の整備するということなんですが、今後、リカレント教育は大学間連携など産官学で取り組むことが必須であると考えます。世田谷区内の大学と連携し、様々なカリキュラムで多くの方に学びの機会を提供していくべきと考えます。区の見解を伺います。  また、これまで日本はリカレント教育に取り組んできたものの、OECDの中では最低水準にあり、政策としてはなかなか進んでいないのが現状です。そこで、この国の大きな政策として進めていくよりも、各自治体レベルから取り組む必要があるように思います。  世田谷区では、十五歳から六十四歳の労働力人口の中で、十一万人程度の非労働力人口があると考えられ、これは大きな潜在労働力と言えます。こうした方々を人的資本と捉え、学びのチャンスが増えることで、能力やスキルアップが向上し、就業にもつながることが期待できるのではないでしょうか。まさに眠っている人材の心に火をつけ、いかに学びにつなげるかがリカレント教育推進の鍵にもなってまいります。人財の掘り起こしについてもどのように進めていくのか、見解を伺います。  次に、エコ農産物に関わる認証制度について伺ってまいります。  環境負荷の低減に資する取組といたしまして、今年七月からみどりの食料システム法が施行され、農薬の削減や低リスク農業への転換など有機農業の拡大が示されました。その付帯決議には、省庁が横断的に取り組むことや生産から消費に至る各段階の関係者の意見を丁寧に聴取し反映させること、また、学校教育等の場を通じた食育の推進に取り組むことという内容が明記され、より一層、各自治体で積極的に取り組むことが求められております。  既に東京都では、持続可能な農業を推進すべくエコ農産物認証制度を設けており、区内でも二十一の農家さんが認証を受けているということです。今後は生産者と消費者をいかにつないでいくか、特に消費に関わる出口戦略という視点も大事になるのではないでしょうか。  また、文科省の令和五年度概算要求には、学校給食、食育の推進に関する予算が計上され、学校給食にエコ農産物を積極的に使用するという動きが出てきております。  そこで三点伺います。区は、こうした国、東京都の動きを受けて、今後エコ農産物の推進をどのように進めていくとお考えでしょうか。  二点目に、国のオーガニックビレッジ宣言などはハードルの高い施策であると思いますが、地域の農家の方の御意見など、現場の御苦労などにも寄り添いながら検討していくことが必要です。オーガニックビレッジを宣言することで得られる国の補助金もあるということですので、今後はこの宣言も視野に入れて、どのような支援が可能であるのか、見解を伺います。  あわせて、学校給食では、食育の観点からもエコ農産物の活用を期待したいところですが、野菜などについては供給不足の課題があります。そこで、既に教育委員会においては、まずは比較的安定した供給が図れる有機米から導入するという協議がなされていると伺っております。お米については、周辺地域の自治体からも提供の御協力の声が上がっていると伺っております。今後の学校給食におけるエコ農産物の活用についてどのように進めていくのか、教育委員会の答弁を求めます。  続いて、区の公共施設に誘導する点字ブロックの設置について伺います。  東京オリンピック・パラリンピックの開催を契機にバリアフリー法が改正され、区内施設の整備や改築に当たっては、バリアフリー整備が義務化されるなど、障害のある方や高齢者の方々がより安全安心に過ごせるまちづくりを区としても進めているところです。  こうした中で、先日、私のもとに、視覚に障害のある方から点字ブロックの設置について御要望をいただきました。点字ブロックについては世田谷区ユニバーサルデザイン推進条例にも記載されており、その整備基準は、道路の歩行者の通行部分には可能な限り設けることとなっております。  そこで、今回のこの要望にもつながりますが、公共施設等に誘導する点字ブロックが適切に敷設されていない場所があることを指摘させていただきます。  船橋の希望丘青少年交流センター、通称アップスというふうに言われていますが、二〇一八年にオープンして以来、様々な用途で、区内、区外からの方から親しまれ、障害のある方も多く利用する施設でもあります。昨年度は、コロナ禍ではありますけれども、年間四万六千九百八十六人の利用があったというふうに伺っております。多くの方が利用する施設でありながら、実際に点字ブロックについて確認をしてみますと、例えば施設の最寄りのバス停から施設の玄関までの区間に点字ブロックが設置されておらず、適正に誘導されていない箇所がございました。公共交通の停留所からの誘導ブロックの設置は、可能な限り敷設すべきと考えます。  そこで、ユニバーサルデザイン推進条例の視覚障害者誘導用ブロック敷設に関する規定、また今後、点字ブロックが設置できるのか、対応についても伺います。  最後は、環八千歳台交差点の横断歩道設置についてです。  長年取り組んできました環八千歳台交差点バリアフリー化は、議会でも何度も取り上げてきたものの、様々な理由から棚上げになっていたところ、四つの町会・自治会から一般式信号による横断歩道設置の要望を受け、今年六月には、都と区によって連絡調整会議が開かれまして、再検討が今行われております。今後、横断歩道設置に向けて、場合によっては地元に対する説明会など御協力をいただき、合意形成を図る場面も必要になってくることが想定されます。何よりも警視庁をはじめ、関連団体との今後の整備方針の方向性を固めることが必要と考えますが、その後の進捗状況など、見解を伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎後藤 経済産業部長 リカレント教育の推進について、まず二点御答弁申し上げます。  一点目、区内大学との連携についてでございます。  区では、旧池尻中学校跡地においても、産業と連携した学びの場の構築を大きな柱の一つに据えており、ここを拠点として総合的にリカレント教育を進めていくことを目指しております。そのためには、行政だけでなく、専門性のある大学や産業といった機関を巻き込んだ取組とすることが、時代やニーズに即した取組となると考えてございます。特に大学との連携においては、区内には様々な分野で専門的な学術機関があり、一般向けに学び直しを目的とした授業については、区民の方々が身近に学びに取り組むことができる環境であると認識してございます。  こうした大学での取組のほか、地域における区民の学びといった視点で開催している区内六大学によるプログラムに区も昨年度より参加してございます。ここでの学生視点の提案や意見交換を通じて、これから働く若年層のニーズの把握や情報収集を行い、的確な施策の展開につなげてまいります。  二点目、人材の掘り起こしをどのように進めていくかの御質問について御答弁いたします。  急激な産業構造の変化やデジタル化により、仕事をする上でも新しいスキルが求められるようになり、ここ最近は、大企業を中心に教育訓練によりDX社会で必要な人材を育てる動きが報道されてございます。一方、職場での訓練期間の少ない方や仕事を探している方に対しても、従来の仕事から離れて、新しい技能を身につける支援は、産業構造が変化する中、新たな形態の就労を可能にし、また、新たな人材の就労意欲を喚起する上で大変重要であると認識してございます。そのため、区では今年度より区内民間企業との官民連携事業により世田谷ITカレッジを開校し、またSETAGAYA PORTでも自治体として初めてAI活用人材を育成する実践的教育プログラムのAIチャレンジなどを開始しました。まずは、こうした現場での実践から参加傾向などを分析し、潜在労働力層のニーズを的確につかみ、一人でも多くの人材マッチングにつなげるとともに、区のリカレント教育の確立につなげてまいります。  続きまして、エコ農産物に関して二点御答弁申し上げます。  一点目、エコ農産物の推進をどのように進めていこうと考えているのかについて御答弁申し上げます。  現在、区内で東京都エコ農産物の認証を受けている農家は、お話しのとおり二十一農家で、来年度も三農家が認証取得に向けて取り組んでいるところでございます。区では、都の認証を受けている農家に対して有機農業を継続していただくため、堆肥や有機質肥料などの助成やエコ農産物認証マークが入った出荷販売用の資材の作成、給付などの支援をしてございます。  区といたしましては、農家向け情報誌などを活用し、まずは有機農業に対する国や都の取組などの周知を図り、理解促進に努めてまいりたいと考えております。また、消費者に対する地球環境に配慮したエシカル消費の実践に向けた啓発も引き続き行ってまいります。  二点目、国のみどりの食料システム戦略を踏まえたオーガニックビレッジ宣言についてでございます。  国によるみどりの食料システム戦略は、持続可能な食料システムの構築とともに、カーボンニュートラルの実現に向けた環境負荷軽減の取組であるものと認識をしております。一方で、農家の方にとりましては、これまで長年にわたって取り組んできた農業スタイルから有機農業に転換するには不安もあるものと考えてございます。  区では、オーガニックビレッジ宣言をしている自治体の取組について情報収集を図るとともに、農家の方からの御意見などを踏まえて課題を把握し、JAさんとも協力して、有機農業を進めていく上でどのような取組ができるのか検討してまいります。  以上でございます。 ◎畝目 都市整備政策部長 私からは、視覚障害者誘導用ブロックの敷設に関する規定についての御答弁でございます。  世田谷区では、年齢、性別、国籍、能力等にかかわらず、全ての方が可能な限り利用しやすい生活環境の整備を総合的に推進するため、世田谷区ユニバーサルデザイン推進条例を定めてございます。また、現在、移動等円滑化促進方針の策定に向けまして、学識経験者等をはじめ、各団体や障害者等と検討を進めているところでもございます。  道路上における視覚障害者誘導用設備の設置、いわゆる点字ブロックの敷設につきましては、条例において、道路に関する整備基準の一つに適用が義務づけられてございます。整備基準といたしましては、道路の歩行者の通行部分には可能な限り設けること、また遵守基準といたしまして、視覚障害者が多く利用する道路の歩行者の通行部分には設けることを記載してございます。  また、具体的に分かりやすく解説いたしました施設整備マニュアルにおきましては、視覚障害者が多く利用する道路や施設と、駅またはバス停留所などを結ぶ歩道には重点的に整備すると記載してございます。  以上でございます。 ◎工藤 土木部長 私から、二点について御答弁いたします。  まず、誘導ブロックの設置についてです。  視覚障害者を公共施設に安全に誘導するために、移動経路の安全を確認し、設置基準に基づき視覚障害者誘導用ブロックを整備することが大切であると認識しております。議員お話しの希望丘青少年交流センターにつきましては、近傍のバス停から青少年交流センターのある施設までの移動経路で確認したところ、安全性を含め、視覚障害者誘導用ブロックを設置することが可能な状況であることから、設置基準に即して速やかに設置してまいります。  また、青少年交流センターを利用される視覚障害者の中には、小田急線千歳船橋駅近くのバス停からバスを利用して現地に向かわれる方もいることから、千歳船橋駅からバス停までの経路につきましても、今後、経路の安全性を検証しながら、視覚障害者誘導用ブロックの設置に向けて取り組んでまいります。  次に、環状八号線千歳台交差点の横断歩道設置についてです。  環状八号線千歳台交差点における横断歩道につきましては、地元からの強い要望などもあり、今年度新たに設置した都と区の課長級で構成される連絡調整会議を六月十七日に開催し、当該交差点におけるバリアフリー化の整備において課題を整理し、検討を開始しております。その後、都では、交差点の課題点、これまでの経緯、現状などについて整理をし、バリアフリー化に向けた関係機関との協議を進めていく予定となっております。  区といたしましては、関係機関との協議状況を見据えながら、地元町会等へ適宜情報提供や合意形成を図り、当該交差点の早期バリアフリー化に向けて、東京都と連携し、全力で取り組んでまいります。  以上です。 ◎知久 教育総務部長 私からは、学校給食におけるエコ農産物について御答弁申し上げます。  学校給食法第二条では、学校給食の目標の一つとして、食生活が自然の恩恵の上に成り立つものであることについての理解を深め、生命及び自然を尊重する精神並びに環境の保全に寄与する態度を養うことと定められていることからも、原則、農薬不使用の有機農産物を学校給食に取り入れることは重要なことと認識してございます。  教育委員会では、定められた給食費の中で、可能であれば有機農産物を使用するよう各学校に周知しておりますが、通常の食材よりも価格が高く、安定的な入手が困難なこと、これまで以上に丁寧な洗浄作業が必要になるといった課題があり、昨年度の使用実績は小中学校合わせて五校で、限られた日数の使用にとどまっております。  今後、学校給食での有機農産物の使用を拡大していくためには、学校に委ねるだけでなく、何らかの方策が必要と認識しており、来年度に向けて、まずは給食での使用頻度が高く、比較的取扱いが容易な有機米の使用を進めるため、予算措置を含めて必要な対応策を検討しているところです。  児童生徒が安心して様々な食材に触れることができるよう、引き続き学校給食の充実に努めてまいります。  以上でございます。 ◆十五番(石川ナオミ 議員) るる御答弁いただきました。  区長に再質問をさせていただきたいと思います。エコ農産物の推進をしていくということにおきましては課題があるということが分かっておりますけれども、消費者の方々の理解を促進していくということも必要になってくるということで、みどりの食料システムについては国の交付金などもあるわけなんですが、こういった交付金など、助成金なども利用して今後ますます進めていくこともできるのではないかなと思います。今後、区長はエコ農産物の推進については、どのようにお考えなのか、答弁いただきたいと思います。    〔保坂区長登壇〕
    ◎保坂 区長 石川議員の再質問にお答えします。  大変時期を得た御提案、御指摘だと受け止めています。世田谷区が一つ抱えている事情としては、大変児童生徒数が多いということかと思います。学校も多いです。したがって、ここでの給食で有機農法によるオーガニック食品を全面的に使用するというところまで少し距離がある。しかし、最初の一歩からということで、いろいろ工夫はできるんではないかと思います。食材の一部、あるいはパイオニア的に実施する学校を選定してスタートすることもありかと思います。  エコ農産物に関しては、韓国の学校給食が、いわばソウルですか。ここはもう有機農法と指定した結果、市場が急拡大し、実際そこで他の学校給食以外の消費者にも広がっていったということも伺っています。  食の問題、大変大事ですし、これだけ化学物質過敏症に悩んだり、アトピーで苦しんだりしている子どもが、二人に一人近くいるというふうに捉えていいと思います。ですから、食の安全を学校給食からということを、小さなことからでも着実に始めていきたい。所管と相談して進めていきたいと思います。 ◆十五番(石川ナオミ 議員) いろいろ課題を一つ一つ克服しながら検討していただきたいなというふうに思っております。  あと、点字ブロックについてなんですが、点字ブロックを敷設するだけではなくて、今後は視覚障害者の方々が確実に目的地に行けるようなルート案内なども、しっかりこれから新しい仕組みを構築していくべきではないかなというふうに思います。また、これについては質問していきたいと思います。  以上で終わります。 ○下山芳男 議長 以上で石川ナオミ議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、二十五番たかじょう訓子議員。    〔二十五番たかじょう訓子議員登壇〕(拍手) ◆二十五番(たかじょう訓子 議員) 通告に基づき伺います。  初めに、今般示された地域行政推進条例案について、四点伺います。  一つ目は、条例における住民自治の位置づけについてです。この間、区議団は、地域行政推進条例策定に向け、区民が身近な地区で相談や手続などができるよう、まちづくりセンターの機能充実を図ること、世田谷区基本構想・基本計画にも位置づけられた住民自治を条例の目的として位置づけることなどを求めてきました。今般示された条例案第一条、条例の目的から、住民自治の文言が削除されたことは大きな後退です。  条例案の前文では、地域行政制度の歴史を振り返り、住民自治の実を挙げるため、総合的な行政サービスやまちづくりを実施する仕組みとして、地域行政制度を導入しと述べております。つまり、地域行政制度は住民自治の実を挙げるために導入されました。だからこそ、当初区は、まちづくりセンターの機能充実と並列で、住民自治の充実を条例の目的と位置づけていました。  しかし、七月八日条例素案では、住民自治の充実を目的から落とし、住民自治の充実に資する地域行政制度と、制度を説明する文言に変更し、さらに、今般提出の条例案では、住民自治の言葉を条例目的から削除してしまいました。条文は、前文で述べられた地域行政制度の目的となる住民自治の実を上げることを実現する内容とする必要があります。でなければ、論理的に一貫性を欠くものとなるのではないでしょうか。  八月に行われたパブリックコメントにも、住民自治の扱いを重視することを求める意見が多数寄せられましたが、条例案にこうした声が反映されなかったことは問題です。条例の目的から住民自治を削除した意図は何か、このような到達についてどのような認識か。また、我が党は条例の目的に住民自治を位置づけるべきと考えます。区長の見解を伺います。  二つ目は、職員の育成についてです。五月二十七日、条例素案では、職員の育成について、区民の立場に立って区政を考える職員を育成すると記されました。我が党は、区の積極的な姿勢と評価しました。しかし、その後、条例素案から削除され、計画案に移されました。行政計画は条例に基づき策定され、計画期間が終われば見直され変わっていくものです。地区の充実を図るためにどのような職員を育成するのか、区の姿勢を条文で示すことが重要と考えます。区の見解を伺います。  三つ目は、職員体制についてです。計画案で、電子申請や、まちづくりセンターに来ることが困難な方を対象としたアウトリーチを行うとの踏み込んだ記載がされたことは重要です。この実現のためには職員配置の強化が必要ではないでしょうか。しかし、依命通達では、職員を増やさないとの方針が示されました。どのように実現していくのか、来年度予算での対応が必要と考えます。見解を伺います。  四つ目は、まちづくりセンターの機能拡充についてです。パブコメで圧倒的に多く寄せられたのは、まちづくりセンターに出張所機能を求める声です。速やかに実現するように進めていただきたい。見解を伺います。  次に、補聴器購入助成について二点伺います。  補聴器購入助成の未実施区は、残り六区となりました。この間、区議団は早期の購入費助成制度を導入、補聴器の調整とトレーニングをセットで進めること、補聴器の寿命が五年から六年であることを踏まえたものにすること、制度設計に当たっては、補聴器の専門家や医師などに意見を聞くことを求めてきました。  江東区、新宿区などでは購入助成に加え、現物支給も行っており、これにより生活保護世帯の方も、収入認定を心配することなく安心して補聴器を利用できます。先進区を参考に、来年度の補聴器購入助成実施、そして現物支給も組み合わせることを求めます。見解を伺います。  この間、我が党は、現状支援のない十八歳を超えた中等度難聴者への補聴器購入費助成も求めてきました。積極的に進めることを求めます。  次に、聞こえの問題でお困りの方へのきめの細かい支援についてです。豊島区などでは、スマホのアプリにより聞こえのチェックを行い、必要な方を医療につなげています。当区においても、身近な相談窓口、あんしんすこやかセンターにおいて、聞こえのチェックと併せて認知症チェックを行うことは、高齢者の生活の質の向上、フレイル予防、認知症予防の観点からも重要と考えます。積極的に取り組むことを求めます。見解を伺います。  次に、世田谷区図書館運営協議会について二点伺います。  区立図書館の運営状況の評価検証についてです。区はこの七月に、世田谷区図書館運営協議会を設置し、次期図書館ビジョン策定に向け、区立図書館の運営状況の評価検証、課題及び解決することなどの検討を行うとしています。この間、我が党は、指定管理館である経堂図書館で三分の一の職員が入れ替わっていること、委託費が年度ごとに増大していること、こういった問題について検証することなく、烏山図書館、下馬図書館へと指定管理館を広げたことについて問題視してきました。  図書館ビジョン第三期行動計画では、民間活用を計画的に導入するとしていますが、検証なしに次の民間活用を広げてはなりません。世田谷区図書館運営協議会での評価検証の後、今後の民間活用について判断するとの認識でよいか伺います。  次に、図書館法に基づく図書館協議会の設置に向け伺います。世田谷区図書館運営協議会は、図書館法に基づく図書館協議会とは異なる機関です。図書館協議会は、図書館法第十四条と自治体における条例に基づいて設置され、図書館の運営について館長の諮問に応ずるとともに、図書館サービスについて館長に意見を述べる役割を担います。  一方、図書館運営協議会は諮問、答申などは行いません。この間、区民の方から、これでは図書館運営や図書館サービスに区民の声を反映する担保とはならないとの不安の声をいただいております。区民意見が図書館運営や図書館サービスに生かされるよう、図書館法に基づく図書館協議会の設置を求めます。また、委員が検討に当たり必要な知識となる教育基本法、社会教育法、図書館法などを学ぶ機会や他自治体の図書館等の視察の機会を設けることを求めます。見解を伺います。  最後に、給食費の完全無償化について伺います。  我が党は、義務教育は無償を定めた憲法二十六条に即して、学校給食や食材費の無償化を進め、義務教育を完全無償にしていくべきと主張してきました。この間、子どもの貧困対策として、就学援助の拡充を訴え、区は給食費について中間層の家庭まで無償化を広げ、さらに就学援助の利用率を上げる努力も行ってきました。都内でもトップクラスの支援に引き上げてきたことを評価します。  この間、区議団は、給食の完全無償化を進めるためには財源確保が大きな課題であることから、財源について国へ働きかけ、区民理解を得ながら慎重に進めることを求めてきました。今議会において、給食の完全無償化に踏み出すべきとの議論が続いておりますが、我が党としても決断のときであると考えます。  世田谷区が実施するに当たって、財源確保、区民への丁寧な説明と理解を得ながら、どう進めるのか伺います。また、給食費の完全無償化を進める場合、現状弁当持参となっているほっとスクール、不登校特例校、フリースクールや自宅で過ごす児童生徒への支援も検討すべきです。見解を伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 たかじょう議員にお答えをいたします。  地域行政推進条例案の目的から住民自治が削除された意図について御質問でございます。  今回の地域行政制度の条例化におきましては、基本構想で掲げた一人でも多くの区民が、区政や公の活動に参加できるようにする、このビジョンや、この基本構想の下にある基本計画の基本方針の第一、住民自治の確立に向けて、区の計画や条例の策定などへの区民参加の機会を充実させるとともに、地域行政を進め、住民の意思を尊重した区政運営を行うということを大前提としております。  地域行政推進条例の制定に向けて、区議会の委員会での各議員の皆様の御議論や、また庁内での検討を経る中で、まちづくりセンターを区民生活を包括的に支援する地区の行政拠点として位置づけ、区が区政課題の解決を図る体制を強化することを条例の目的の中心に据えるべきと考えます。そのために、第一条の目的を見直すとともに、住民自治の実を挙げるため、地域行政制度を導入、運用してきたことを踏まえて、条例の前文に、区民が区政について意見を述べ、まちづくりに取り組む住民自治を進め、安全安心で暮らしやすい地域社会の実現を目指すということを記しました。  地域行政推進条例の下で、地区を要とした制度改革を進め、基本構想や基本計画に掲げてきた区民参加による住民自治を尊重する区政運営の充実を今後も図ってまいります。 ◎舟波 地域行政部長 私からは、地域行政推進条例案、計画案に関し、三点御答弁申し上げます。  まず、地区の充実を図るため、どのような職員を育成するのか、条例に示すべきとの御質問でございます。  地域行政推進条例案では、まちづくりセンターの機能の充実強化のため、職員の育成を図ることを定めることから、まちづくりセンターが区民生活を包括的に支援する地区の行政拠点という基本的な認識の下に、推進計画案に掲げました多様な主体や区民活動を尊重し、必要な活動支援や活動をつなげる取組を進め、地域課題の解決を図る職員の育成に取り組みます。  まちづくりセンターが地区の将来像を区民と共有し、多様な地域コミュニティーとの交流、マッチングを進め、区民とともに考え課題解決に取り組むため、行政の専門的知識や経験に基づきコーディネート力を発揮する職員像を描き、職員人材育成方針と連携を図り、推進計画案による取組を着実に進めてまいります。  続きまして、まちづくりセンターでの御相談や手続を実現するため、来年度予算で必要な体制の強化についての御質問でございます。  地域行政推進条例案により、まちづくりセンターにおいて多様な相談や手続に対応する窓口の実現を目指すとともに、総合調整機能を強化し、地区における防災力の向上や児童館を加えた四者連携による課題解決力の向上を図ります。こうした役割を担うため、条例案において、まちづくりセンターの人員の配置上の配慮、応援体制の整備、専門的な知見を有する者の活用など体制の強化を図ることを規定し、人員配置のおいては、DXによる業務改革、民間のノウハウや支援の導入なども検討し、新たな業務内容と、実施年次に応じた人員体制を強化してまいります。  最後に、区民がまちづくりセンターに出張所機能を求めていることに向き合い、実現すべきとの御質問についてでございます。  区は、DX推進方針に基づき、自宅等からの相談や手続を行える仕組みを実現するとともに、地域行政推進条例案、推進計画案にお示ししましたまちづくりセンターにおける窓口サービスの改革に取り組みます。  まちづくりセンターにおいて多様な相談や手続に対応するため、まずは映像システムにより総合支所の保健福祉センターと結び、各種相談を受ける窓口をモデル地区において実施し、総合支所各課や本庁などの相談や相談に伴う手続にも順次拡大してまいります。現在の出張所で取り扱う手続につきましては、映像システムの活用だけでは行えないものもあるため、今後、デジタル化の動向も踏まえ検討してまいります。  以上でございます。 ◎山戸 高齢福祉部長 私からは、補聴器購入費助成について二点御答弁いたします。  最初に、助成の実施についてです。  高齢者にとって周囲とのコミュニケーションの確保を図るという意味から、聴覚に関するバリアフリーを進め、日常生活の質を高める上で補聴器を使用することは重要であり、また低所得者の方への配慮も必要であると認識しております。  補聴器購入費の助成は、区民ニーズの実情や制度の持続可能性など多角的な視点を考慮しながら検討していく必要があります。令和六年度からの三年間を計画期間とする第九期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画の策定に向けた高齢者ニーズ調査において、まずはニーズの把握に努めます。さらに、本年十一月から本格的に始まる計画策定の審議の中で、助成について、ニーズを踏まえた上で高齢者福祉サービスの一つとしてその必要性などを議論することとしており、御提案の現物支給も含めて検討してまいります。  次に、聞こえの問題でお困りの方へのきめ細かい支援についてです。  耳の健康は日常生活やコミュニケーションに大きな影響がありますが、聴力は加齢により徐々に低下し、自覚しにくく、また周囲も気づきにくいものであり、国では難聴を認知症の危険因子としております。そのため、あんしんすこやかセンターでは高齢者の健康や生活のリスクを把握し、予防や医療につなげるため、高齢者の自宅訪問や健康測定会の開催に取り組むとともに、聞こえの問題がある方への言語聴覚士の派遣などの支援も行っております。  今後も、あんしんすこやかセンターの活動において、御指摘の点も参考にしながら、聞こえの問題をフレイル予防や認知症予防の観点から早期に把握し、介護予防事業や医療につなげるなど取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎内田 生涯学習部長 私からは、図書館運営協議会に関して二点お答えいたします。  まず、図書館の今後の民間活用についてです。  第二次世田谷区立図書館ビジョン第三期行動計画では、経堂図書館の更新に加え、新たに烏山図書館と下馬図書館の二館に指定管理者制度をモデル的に導入し、全区立図書館の評価検証、検討を進めていくこととしております。  本年七月に設置した図書館運営協議会は、魅力ある図書館づくりに向けて、利用者の視点や学識経験者の見識等からのチェック機能を担うものであり、区立図書館全体の事業の実施状況や運営状況の評価検証を実施して、区民ニーズに即した図書館運営や図書館サービスの向上を図ってまいります。今後の民間活用も含めた図書館の運営体制については、図書館運営協議会での評価検証内容や検討を通じて、いただいた御意見などを踏まえながら、区として検討してまいります。  次に、図書館法に基づく図書館協議会の設置や、委員が必要な法律を学ぶなどの機会を求める点についてです。  図書館運営協議会は、世田谷区立図書館運営体制あり方検討委員会からの報告書を踏まえ、区立図書館の運営状況の評価検証などのガバナンス機能の役割を果たす仕組みとして、本年七月に設置いたしました。一方、図書館法が規定する公立図書館が設置することができる図書館協議会は、図書館の運営に関し諮問し、図書館が行う図書館サービスにつき意見を述べる機関として定められています。  図書館運営協議会は、利用者ニーズに即した図書館運営やサービス向上を図ることを目的に、利用者、ボランティア、学識経験者などの様々な立場から構成された柔軟な体制を取った会議体であり、関連法の知識の共有や可能な限りの視察などを行いながら、図書館の評価検証を行ってまいります。図書館法に基づく図書館協議会については、今後、現在の図書館運営協議会における検討状況などを踏まえ、よりよいガバナンスの仕組みを構築していく中で検討してまいります。  以上でございます。 ◎知久 教育総務部長 私からは、給食費の無償化について二点お答えいたします。  まず、財源の見通しと区民への周知についてです。  給食費の完全無償化には約二十億円の予算が追加で必要になることから、実施に当たっては財源の確保が大きな課題となってまいります。教育の分野では、学校改築に当たり、近隣学校を仮校舎として使用する手法等により経費の削減に努めてまいりましたが、引き続き多くの経費を要する学校改築の手法の見直しなどにより経費削減の積み増しを図るほか、財源所管とも連携し、給食費無償化の財源の確保に努める必要があるものと認識しております。  また、給食費無償化を実施する場合には、区民に対しその背景や目的を明確にお示しし、財源の見通しも明らかにした上で、子育て世帯に限らず、あらゆる世代の方々にも御理解をいただけるよう努めてまいります。  次に、不登校のお子さん等についての対応方法についてでございます。  議員御指摘のとおり、不登校の児童生徒は、自宅で昼食を取ったり、不登校特例校ねいろや、ほっとスクールにおいてもお弁当を持参してもらっていることから、給食費無償化のメリットを受ける機会は少ないものと認識しております。また、学校の給食室改修などにより、一定の期間に給食の提供を受けられず弁当を持参していただく場合もあり、給食費の無償化に当たっては財源のほかにも整理すべき課題がございます。  今後、給食費無償化が実施された場合を想定し、無償化に当たって影響が生じると思われる課題を洗い出し、議員御提案の支援も含めまして、対応の方向性を整理し、必要な対策を検討してまいります。  以上でございます。 ◆二十五番(たかじょう訓子 議員) 図書館運営協議会について要望を申し上げます。  この間、指定管理を受けるようなそういった事業者にお勤めだった方にお話を伺っていますけれども、大変苛酷な状況だということが分かりました。官製ワーキングプアをつくらないためにも、今回、検証は本当に重要です。しっかりと検証していただき、次の計画に反映させていただきたいというふうに思います。  こういった要望を申し述べまして、私の質問を終わります。 ○下山芳男 議長 以上でたかじょう訓子議員の質問は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午前十一時十四分休憩    ──────────────────     午前十一時二十五分開議 ○下山芳男 議長 休憩前に引き続き会議を開きます。  一般質問を続けます。  九番小泉たま子議員。    〔九番小泉たま子議員登壇〕(拍手) ◆九番(小泉たま子 議員) 通告に基づき質問いたします。  今回の議会に向けて、先週、地域行政を推進された大場啓二元世田谷区長のお墓にお参りして、日本で初めて地域行政の推進のための条例がつくられようとしていますと報告してまいりました。そして、私は、今日この場に立っています。  私の立場は、このパネルに示していますとおり、区案の三層構造とは異なり、区民を第一層とする四層構造であり、区民の中心はまちづくりセンターではなく、総合的な地区中心拠点としています。DXを活用したワンストップサービスも位置づけています。この案について、区民の様々な方々から御意見をいただきました。区民の方々の意識は高く、条例化に当たり、その区民の方々の思いも併せてしっかりと取り組んでいかなければならないと決意しています。タブレットに入っております。  しかし、今回区から提出された条例案は、区民の思いとは全く違うものと考えます。区の案は、できそうなこと、思いつき、自分たちでやりたいことを並べているだけ、本来のあるべき姿、やるべき姿が書かれていないのです。条例案がつくられるまでの問題点は次のとおりと考えます。  第一に、理念がない、条例の名に値しないこと。第二に、区が議会、職員、区民の意見に真摯に向き合わないこと。第三に、条例と行政計画の役割分担を区が認識していない。第四に、参加と協働、区民との熟議を標榜する区自らが区民との約束を守らないこと。  質問項目を申し上げます。まず、条例案策定に当たり、区議会、職員、区民の意見をどのように反映しようとしていたのか伺います。  次に、区、区長が議会において表明された区民に時間をお返しする、ワンストップサービスを実現する、DXの推進により生み出される人材、財源を現場の諸課題の解決に充てていく、四、地域内分権と、そして、表裏一体となる自治権拡充、これら四点について、なぜ条例上明らかとしないのか伺います。  条例案には、あるべき姿、理念が全く書かれていないのに、逆に思いつきが書かれています。  その一例が第七条の二です。まちづくりセンターは、国及び東京都の機関の相互連携の促進を図ると書かれています。そのような権限をどうしてまちづくりセンターに与えることができるのか、相手側との調整はどのように行ったのか伺います。  次に、条例と推進計画の関係について伺います。  まず、今回のパブリックコメントでいただいた区民の意見が条例に反映されていると思っているのか、区のお考えを伺います。  ここに、七月二十七日、地域行政パブリックコメント特集号の一部分をお示しします。「ご意見・ご提案をお寄せください」、そして、「いただいたご意見は、条例及び計画の策定に向けて活用します」と書かれています。上の赤い矢印です。活用するとは一体何ですか。活用とは、辞書で引けば、効果的に利用するということです。区民を効果的に利用する、何と上から目線なのでしょうか。  根本的な問題があります。区が条例と計画を同一のものと考えていることです。間違いです。条例は、策定、議決に当たり区議会を通じて区民の意思が表れるもの。つまり条例の内容について、区民も責任を持つのです。一方、行政計画、今回の推進計画は、区長、行政機関が責任を持って行うものなのです。行政計画がうまくいかない場合は、区長以下、行政機関が責任を取る、それを区民は議会を通じてチェックをしていくのです。明らかに条例と行政計画はその性格が異なる。それを今の区は全く理解していません。
     議会において、条例にあるべき姿を表すべきと提案しますと、担当所管は、そのことは推進計画において明らかにすると言われました。あるべき姿を計画で明らかにするというのは権限を超えています。あるべき姿は条例案で明らかにして、区民がそのことを確認することが当然で、区役所の一部門が決めるものではありません。  今回のパブリックコメントは、およそ二百人弱の方々から三百件に上る御意見をいただいた中で、担当部によれば、採択されたのは、条例で二ないし三か所とのことです。これでよいと思っているのですか。パブリックコメントの採択に当たり、意識的に区は自分たちに都合のよい意見のみを取り上げている、そのように判断せざるを得ません。  住民自治は本当に大切な課題です。しかし、私はこの住民自治について、この地域行政推進条例で位置づけることは適当ではないという立場です。パブリックコメントにおいて、住民自治への取組が少ないという御意見があります。その御意見も当然のことと思います。しかし、先日の特別委員会で副区長が明確に、この地域行政推進条例は住民自治そのものを目指すためのものではないと表明されました。このことを議決前に区民に向けてはっきりと表明すべきです。  さらに、条例に採択された件数が少ないと指摘しますと、担当が、計画には多くのものを反映しているから問題ないと言われました。間違いです。計画は区長が責任を持ってつくるものであり、条例に対して、区民の意見の反映とはレベルが異なります。条例と計画に対する区民意見を同じように取り扱う、これは区民を単に利用しているとしか思えません。  さらに問題があります。先ほど申し上げた区民に時間を返す、ワンストップサービスを実現するなどの区長の表明内容を理事者にお尋ねすると、あれは政治家としての区長の発言ですからと全く取り扱おうとしない。間違いです。区長の政治家としての公約は、選挙民が判断することです。一方、行政組織としての長としての発言は、その行政組織の行動基準でもあり、もし区長の発言が、職員の私たちには関係ないことと言うならば、それは区長個人をないがしろにすることだけではなく、行政組織そのものをないがしろにすることです。そのことを、副区長以下幹部職員は理解しているのか、それがなされていないと考えます。  議会を通じて、区民の合意の下、これからのあるべき世田谷の姿を明らかにする条例と、区長が責任を持って執り行う行政計画である推進計画の役割分担について、区の考えを改めて伺います。  次に、全体スケジュールの疑問について伺います。  私は選挙により区民の信託を受けた議員として、民主主義の基本である多数決原理のその結論に従います。しかし、その前提は適正な手続が保障されていることです。今回のパブリックコメントの扱いについては許すことができません。最大の問題は、区が区民への約束を破っていることです。  区は、このパブリックコメントを募集するに当たり、スケジュールとして、十月に素案に対する意見の公表を行い、そして条例の制定、計画の策定を行うと書かれました。これを読めば、区民は、十月になって区から自分の出した意見を含めて区側からの考えが示され、それを基に条例の制定、つまり議決がなされるであろう、それを見守っていこう。そう考えるのが当然です。ところが、区は突然、九月十五日にホームページに一方的にパブリックコメントの結果なるものを掲載し、九月三十日に議決しようとしています。区はホームページに掲載したから公表は済んだと言われるかもしれませんが、それはあまりにも一方的過ぎます。区民からすれば約束違反です。私は、民主主義を支えるものは適正な手続、プロセスが最も重要と考えることから、この約束違反は見逃すことができません。  区が自分の都合で勝手にスケジュールを変えていると指摘すると、今の区は、スケジュールは括弧予定と書いてあったはずだから問題ないと言われるでしょう。しかし、その態度そのものが、これまでの地域行政の検討の問題点そのものです。参加と協働を掲げる世田谷区が自ら区民との約束を破ってよいのですか。どのように考えるか伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 小泉議員にお答えをいたします。  地域行政推進条例案について、案を作成する考え方についてお尋ねがありました。  地域行政推進条例案では、区の責務として、まちづくりセンターを区民生活を包括的に支援する地区の行政拠点として位置づけ、区民が必要な行政サービスを利用することができる環境を整備するということを定めています。その上で、条例案の基本方針において、まちづくりセンターは、多様な相談や手続に対応する窓口を担うと規定し、今まで本庁や総合支所まで行かなければできなかった相談や手続が、まちづくりセンターで行える窓口の実現を目指しています。また、DX推進方針により、来庁せずに行える行政手続の電子化を進めるとともに、参加と協働、区役所業務の刷新を進め、DXの推進により生み出された人材、時間は、区民と向き合う、直接区民と接する業務に振り向けてまいります。  ただ、このデジタル化の推進についてですが、現在デジタル庁において、例えば一つの手続、操作で引っ越しに関わる業務が連結的になされるなどのシステムの提案、あるいは基幹的なシステムの統合などが計画をされています。計画をされていますが、いつどのようにこれが実現するのかということについて、まだ確定をしていないという現状がありますので、これら国のシステム統合などの進展を見ながら、まさに、まちづくりセンターでワクチンの接種予約を、なかなか難しかった一万五千人の皆様に対してサポートをしたように、デジタルデバイド、あるいはその手続は電子的にできても、手続と手続の間の様々な御相談など、課題は大変多いと思います。  ですから、この条例でしっかりとまちづくりセンターの位置づけを行っておいて、そして、デジタル改革の推進の状況、世田谷区におけるDX改革、ここを見ながら、区民に時間を返すというところの手続の簡素化、そしてまちセンでできる事務の拡大ということを明確にその段階で定めてまいりたいと思います。  そして、条例案にまちづくりセンターの人員体制の強化を規定しましたが、窓口サービスの拡充や、防災力の向上、参加と協働によるまちづくりなどを推進するに当たり、新たな業務内容に応じた強化された体制、これも構築してまいります。  思えば、私も大場元区長の御本のほうを何度か拝読しております。特に亡くなったときの弔辞もその本を基に書かせていただきました。大変心血を注いでこの地域行政制度をつくられた。時代の先鞭をつける、まさに住民自治も基本にしながら、そして、区役所が区民の近くに行くと、そういう理念でつくられたものと考えております。したがって、この大場区長自体の当時の理念としては、世田谷区は政令市になっていくんだと。いわば自治権を拡充していくということを外に訴えながら、また、地域内には地域内分権を推進するということで総合支所を置くと、そういった考えがあったと捉えています。  児童相談所を区で初めて発足させるとき、これは十年がかりでございましたけれども、なかなか自治権拡大のほう、一山、二山とこれからもあると思います。都市計画決定権限の拡充や財政自治権の確立など大きな課題がありますが、一方で、地域のことは地域で決めるという部分の住民自治のほうも大切にしながら、まずは二十八か所、しっかりとつくったまちづくりセンターの機能をもっと区民の方に活用していただけるような、そういうスタートにしていく条例だと考えております。    〔岩本副区長登壇〕 ◎岩本 副区長 私からは、これからのあるべき世田谷の姿を明らかにする条例と、行政計画である推進計画との役割分担について御答弁を申し上げます。  地域行政推進条例は、地区、地域の実態に即した総合的な行政サービス及びまちづくりを推進するための区の責務や地域行政制度の改革における基本方針を規定し、まちづくりセンターや総合支所の役割を改めて位置づけました。さらに、まちづくりセンター、総合支所機能の充実強化、それに伴う区の体制の強化について定めまして、区議会の議決を得て施行し、地域行政の推進に関する内容や区の姿勢を区民にお示しした上で、区として着実に取り組んでいこうとするものです。  地域行政推進計画では、条例の趣旨にのっとり、地域行政の推進に関する施策の方向性や計画年次における具体的な取組を示し、区長が決定し、条例の施行に合わせて有効に効果的に実施していこうと考えてございます。  このような役割の下に、区議会をはじめ、区民の意見、庁内検討を踏まえて策定をしてまいりました。  以上です。 ◎舟波 地域行政部長 私からは、地域行政推進条例案に関し四点御答弁申し上げます。  まず、まちづくりセンターの業務内容についてでございます。  地域行政推進条例案では、まちづくりセンターを区民生活を包括的に支援する地区の行政拠点として位置づけ、多様な相談や手続に対応する窓口を担うことを定め、その窓口の実現を目指してまいります。また、まちづくりセンターの総合調整機能を強化することを定め、日常の相談対応や活動団体、住民との交流の機会、また四者連携会議や地区アセスメントの拡充等の取組において、まちづくりセンターが主体的な役割を果たし、地区の課題を見える化し、区民の方と協働して取り組みます。  このようなまちづくりセンターの取組により、警察や消防、国の出先機関などを含め、広く地区の様々な資源を集結した防災活動、避難行動要支援者支援の充実、支援が必要な方への福祉の対応の充実を図り、安全安心な区民生活の実現を目指してまいります。  続きまして、この条例に当たり区議会、職員、区民の意見を受け止めているのかという御質問でございます。  地域行政推進条例案の策定に当たっては、区がどのように変わるのか、行政サービスがどのように向上するのかを明確にすべきという区議会の御意見を踏まえ、区民の責務に関する条例規定の必要性や地区・地域協議会の考え方を抜本的に見直すとともに、まちづくりセンターや総合支所の位置づけを明確にし、その機能の充実強化について具体的に定めたところでございます。  また、令和元年九月から、各地区で地域行政をテーマに実施した車座集会や、町会・自治会への説明、今回のパブリックコメント等によりいただいた意見につきましては、まちづくり活動支援の分野や区政への区民参加に関する規定に反映させていただきました。庁内検討では、くみん窓口等の混雑緩和に向けたマイナンバーカード特設窓口の設置や今後の拠点窓口の整備検討、またオンライン相談・手続、地域包括ケアシステム、住民参加による課題解決の重点課題について、それぞれ検討部会で議論を積み重ねてまいりました。  続きまして、パブリックコメントでいただいた御意見が条例に反映されているかについての御質問についてでございます。  地域行政推進条例素案と地域行政推進計画素案のパブリックコメントでは、百九十九人の方から三百十五件の御意見をいただきました。パブリックコメントの御意見により条例案に反映させた点といたしまして、前文において住民自治の定義を、区民が区政について意見を述べ、まちづくりに取り組むことを記載し、それに合わせて第一条目的の表現を修正しました。第四条の基本方針では、まちづくりセンター及び総合支所が区民の意見を聴き、区政に反映させるという区民参加の意味を持たせた表現に見直し、また、デジタル技術の活用による業務の変革により、区民の利便性の向上及び区政への区民促進を図るという目的を明確にして追記したところでございます。  パブリックコメントでは、まちづくりセンター窓口の充実など、既に条例案や計画案の中に記載されている内容に合致する意見も多く、具体的な取組に関する御提案などは推進計画案に取り入れさせていただきました。パブリックコメントの実施結果をまとめるに当たっては、御意見に対する区の考え方を分かりやすくお伝えすることに心がけ、御意見と条例の該当条文や計画の記載内容との関係が分かるようにお示ししたところでございます。  最後に、地域行政推進条例制定に向けた全体のスケジュールについての御質問でございます。  地域行政推進条例案の策定に当たっては、本年五月二十七日の地域行政・災害・防犯・オウム問題対策等特別委員会で条例素案を報告し、六月二十日の同委員会、七月八日の同委員会、これは臨時開催でございましたけれども、こちらで素案の修正案を報告いたしました。その上で、七月二十七日から八月十七日までパブリックコメントを実施し、御意見をいただいたところでございます。  その後、区議会やパブリックコメントの御意見等を踏まえて条例案を策定し、九月六日の同委員会で提案理由の御説明と条例案を報告し、パブリックコメントの実施結果については、九月十五日に、なるべく早くということもありまして、区のホームページへの掲載や、まちづくりセンター、図書館等への配架により、区民の方に周知したところでございます。  このような経過を経て、条例案を本区議会定例会に御提案するものでございます。  以上でございます。 ◆九番(小泉たま子 議員) 答弁になっていません。何を言っているのか分かりません。誠実さが感じられません。  この積み重ねが条例案です。この状況で、区民の代表の一議員として、区の一方的な仕切りの中で、条例の議決に向き合わなければならない。非常に残念です。  以上で質問を終わります。 ○下山芳男 議長 以上で小泉たま子議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、四十番いたいひとし議員。    〔四十番いたいひとし議員登壇〕(拍手) ◆四十番(いたいひとし 議員) 初めに、教科担任制について伺います。  七月中旬、世田谷区議団で、兵庫型教科担任制を視察するため、姫路市立野里小学校を訪問しました。教科担任制は、一人の学級担任の教員がほとんどの教科を教える学級担任制とは異なり、一人の教員が専門教科を受け持ち、複数の学級で授業を行うものであり、文科省は今年度から段階的に小学校五・六年生を対象に導入を決定しています。  視察した兵庫県は十年前より独自に教科担任制を導入しており、当日は五・六年生の担任による交換授業を参観する機会をいただき、子どもたちの活発な授業風景にも触れることができました。授業は知らぬ間に引き込まれるほど魅力ある内容でした。また、タブレットを操りながら子どもたちと巧みなコミュニケーションを取るなど、教員の方々の努力や工夫にも脱帽しました。  授業参観後、県教育委員会及び学校長から、教科担任制は教員確保などの様々な課題があるものの、教材研究の充実、教員の負担軽減、多面的な児童理解に基づく指導の充実など、多くのメリットを実感していると語っていました。  独自の教科担任制を導入している例はほかにもあり、北九州市では、中学校の教員が小学校に異動し学級担任を担い、教科を教える一部教科担任制を導入しています。また、横浜市は大規模校で複数の教科を分担して指導する教科分担制を導入しています。  そこで伺いますが、区教委が目指す教科担任制とはいかなるものか、見解をお伺いいたします。  さて、世田谷区では現在、担任による交換授業を実施している学校は十五校あり、導入校の多くは、専科教員を拡充することで教科担任制を実施していると伺っています。教員の異動やクラス替えなどで教科担任制の継続性に不確実性がある中、導入校の実態に即し、成果と課題についてどのように認識されているのかお伺いいたします。  さて、一方、国では、学習が高度化する小学校高学年において、各教科の系統性を踏まえながら、専門性の高い教科指導を行うとともに、教員の持ちこま数軽減など、学校の働き方改革を進めるため専科教員の配置充実を図り教科担任制を推進するとしていますが、教員等の配置は進んでいません。教育の世田谷を目指す当区において、教員の質の確保は重要であり、何を差し置いても教員、専科教員や講師を増員し、教科担任制の推進を図るべきと考えますが、区の見解を伺います。  また、現在、下北沢小学校が教科担任制の都研究推進校に指定されていますが、ここで学び得た知見を世田谷区全体の教育の質を高める知の財産とすべく、教育総合センターが中心となって知の共有化を推進することが求められますが、区の認識をお伺いいたします。  次に、特定外来生物について伺います。  特定外来生物は、外来生物であって、生態系、人の生命、身体、農林水産業への被害を及ぼすもの、また及ぼすおそれのあるものの中から指定され、現在動物が百三十七種、植物が十九種指定されています。世田谷区内でも、最近数多く見られるアライグマについては特定外来生物であり、生活環境への悪影響があることから、区では区民に注意を呼びかけるとともに、駆除を行っています。一方で、特定外来生物には植物も指定されており、侵入し繁茂することで、在来種を絶滅させるおそれがあるなど、地域の生態系に大きな影響を与えています。  そこで確認ですが、区は特定外来生物である植物の発生状況について、どのように把握されているのか伺います。  さて、多摩川やその河川敷は昔ながらの自然環境が残り、武蔵野の原風景を感じられる貴重な場所です。かつて多摩川河川敷の葦原には、ヒヌマイトトンボが生息していて、保護活動していた方から、特定外来生物のアレチウリ、ウリ科の一年生草木で生息速度が非常に速いツル性植物ですが、多く繁茂し、貴重な葦原が失われ、残念ながらその活動を中止したというお話を伺いました。  先日、そのような状況に危機感を抱き、アレチウリの駆除を行っている団体の活動に参加してまいりました。区内外から多くの方が参加しており、駆除と併せて、アレチウリの食べ方や、多摩川に生息する動植物の紹介をするなど、参加者が楽しみながら活動できる工夫をしていました。  特定外来生物から地域の生物多様性を保全するためには、こうした区民による活動が非常に重要だと感じました。多摩川のように人手による駆除が既に困難な場所もありますが、まずは区民に特定外来生物について理解してもらうとともに、危機感を持って活動されている区民や団体を支援することが重要だと考えます。さらに、国やトラストまちづくりとの協力関係を整えることも重要です。区の認識を伺います。  次に、訪問理美容サービスの見直しについて伺います。  世田谷区は、同サービスの対象者を、自宅で寝たきり等のため理美容室に行き理美容を受けることができない方としています。具体的には、六十五歳以上で要介護三から五の方、身体障害者手帳一・二級、愛の手帳一・二度の方としています。その一方で、介護老人保健施設等の施設に入所している方や、サービス付高齢者向け住宅、認知症高齢者グループホーム、ケアハウス等の居住者は対象外としています。  先般、デイサービスに通所している方から、デイサービス利用者は同サービスの対象外となっているとお話を伺いました。区に確認すると、そのとおりということで大変驚きました。  そこで近隣区の状況を確認すると、杉並区は外出が困難な介護保険の要介護一から五の認定を受けている方、品川区は在宅で寝たきり等の状態にある四十歳以上の方、大田区は常時寝たきりで理美容室に行くことが困難な方と、かなり違いがありますが、デイサービス利用者を対象外にしているのは世田谷区だけです。  また、世田谷区は認めていないグループホームや軽費老人ホーム入居者に対しても、条件をつけて認めている区も多くありました。改善の余地が大いにあると思いますが、まずは制度の趣旨からすると、デイサービス利用者は在宅者であり、対象に加えるべきです。区の認識を伺います。  繰り返しになりますが、このサービスの対象者を各区で比較してみると、世田谷区が一番厳しいと感じます。私はその要因について、高齢者人口が少ないときにつくられた事業を見直すことなく踏襲してきたことが要因ではないかと強く感じます。訪問理美容サービスのように、時代に合わなくなっているサービスや制度はないのか、福祉部門から総点検する必要があると考えますが、見解を伺います。  最後に、自転車走行レーンの安全対策について伺います。  先般、一方通行を逆走するような形で自転車ナビライン、ナビマークが引かれている道路の安全対策を求める御相談をいただきました。相談者は、一方通行側の安全確認を実施した後、反対側の安全確認をしようと、車両を前進させた際に、ナビライン、ナビマークを走行する自転車と接触したそうです。私も自転車に乗って現地を走行してみましたが、一方通行の道路は狭く、対向車に危険すら感じました。また、見通しの悪い交差点や丁字路を走行する際、自動車や自転車に注意喚起する標識等はなく、車両側も自転車側も双方に危険があると強く感じました。  区は、一方通行を逆走するような形のナビライン、ナビマークが設置されている複数の路線において、ナビライン、ナビマークが設置された後、自転車の交通量が増え、危険との声があることは十分認識しています。そうすると、一方通行を逆走するような自転車ナビライン、ナビマークを設置した際に、見通しが悪い交差点や丁字路があり、危険が予想される路線と認識していたにもかかわらず何の対策も講じなかったことになります。設置前に安全対策を講じるべきではなかったのでしょうか。  そこで伺いますが、区は一方通行を逆走するようなナビライン、ナビマークを引いた全ての箇所で、安全対策を早急に行うことを求めます。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔中村副区長登壇〕 ◎中村 副区長 私からは、各種福祉事業について、時代に合った事業となっているか、総点検をすべきという御質問について御答弁いたします。  区が実施しています福祉事業は、その時々の区民ニーズや社会経済情勢などを考慮して、必要な支援や仕組みを構築してきたものと認識しております。今回御指摘をいただいた高齢者訪問理美容サービスは、外出が困難な高齢者のためのサービスとして自宅での御利用を前提としていますが、介護保険サービスが普及した現在では、適宜事業の点検、見直しを図る必要性を再認識しているところです。  今後、新型コロナの影響による生活様式の変化やDXの推進等の社会環境の変化をしっかりと捉え、各部において前例にとらわれることなく、各事業が区民のニーズや時代に即したものとなっているか、特にこれまで長く実施してきた福祉サービスを中心に改めて点検をし、必要な見直しを進めるよう指示をしてまいります。  以上です。 ◎小泉 教育政策部長 私からは、教科担任制について四点お答えいたします。  最初に、世田谷区が目指す教科担任制についてでございます。  現在区の小学校では、下北沢小学校が都教育委員会の研究指定校として教科担任制を進めるとともに、学校独自の取組として、年間を通して担任による交換授業を実施している学校が十五校ございます。区教育委員会では、今後、小学校高学年における教科担任制を一層推進していくことで、中学校とのつながりも踏まえた専門性の高い教科指導を目指すとともに、教員の受け持つ授業時間の減少による教材研究、授業準備の充実や、教員が子どもたちと向き合う時間の確保を実現していきたいと考えております。  次に、導入の実態に即し、成果と課題でございます。  令和四年六月に、区立小学校を対象に教科担任制の方向性や担任による交換授業の状況について調査をいたしました。担任による交換授業を実施している学校からは、成果として、複数の教員による指導により児童理解が深まり学力向上につながっていることや、教材研究の時間短縮や充実などが報告されています。一方、課題といたしましては、特に学級数の多い学校において、時間割の編成や講師などとの時間調整が難しいことなどが報告されております。  三点目は、教員、専科教員を増員し、教科担任制の推進を図るべきとのお尋ねでございます。  議員お話しのとおり、教科担任制の推進を図っていくことは、教育の質の向上を図ることで重要であると認識しております。区教育委員会では、専門性の高い教科指導を実現するとともに、教員の働き方改革を推進していくため、専科指導教員の計画的な配置、充実を図るよう国や都に働きかけてまいります。また、各学校において教科担任制を促進できるよう、区独自の講師配置なども視野に入れ、効果的に指導の在り方について研究を進めてまいります。  最後に、教育総合センターの活用についてでございます。  教科担任制の都研究推進校である下北沢小学校の研究成果を区内小学校において共有し、本区の実態に合った取組を進めていくことが大切であると考えております。現在、教育総合センターでは、教育委員会主導の研究プロジェクト、各学校、幼稚園独自の研究活動の支援、先進自治体への教員派遣、教員研修の実施などを通して様々な優良な教育実践の開発、普及や人材育成などの充実を図っております。  今後、教育総合センターを活用し、教科担任制の都研究推進校の成果や区内小学校の交換授業の事例などを発信、共有することで、区全体の教育の質の向上に努めてまいります。  以上でございます。 ◎釘宮 みどり33推進担当部長 私からは、特定外来生物である植物についてお答えいたします。  まず、区内の植物の特定外来生物の発生状況についてお答えします。  令和三年度に実施しました区内五地区における生物の資源調査において、一地区でアレチウリ、二地区でオオキンケイギク、一地区でオオハンゴンソウの三種が確認されています。オオキンケイギクやオオハンゴンソウは観賞用として輸入されたもので、現在は特定外来生物として栽培などは禁止されていますが、空き地などで見かけることがございます。アレチウリは輸入農産物に交じって日本に侵入したものと思われ、すさまじい繁殖力から、現在では沖縄を除く全国で見られております。  オオハンゴンソウは、今回の調査で初めて確認されたものです。また、ほかの二種について、分布拡大は見られないものの、今後も継続的な調査によりこの実態を注視してまいります。  次に、区民や団体の活動についてお答えします。  アレチウリにつきましては、区内でも多摩川や野川などの河川敷に多く発生しており、広く一面に繁茂している状況を確認してございます。区では、生きものつながる世田谷プランに基づき、世田谷の生態系に影響を及ぼす外来種対策として普及啓発などを進めており、特定外来生物につきましても、生態や生育環境、在来植物への影響など、正しい知識の周知と、もともとの多摩川などの自然環境の紹介などに努めてまいります。  駆除の活動を行っている区民団体などが活動しやすい環境づくりにつきましては、環境保全活動を進めております世田谷トラストまちづくりとも連携して、活動紹介やイベント告知など広報での連携や、駆除に関する技術的な情報提供、活動団体同士の情報交換など、様々な支援策について検討してまいります。  また、河川管理者である国においても、特定外来生物の駆除について、地域の様々な主体と連携した取組を行っており、区としても、国と連携しながら活動しやすい環境づくりに取り組んでまいります。  私からは以上でございます。 ◎山戸 高齢福祉部長 私からは、訪問理美容サービスの見直しについて御答弁いたします。
     高齢者訪問理美容サービスは、理美容店で理美容を受けることが困難な寝たきり等の高齢者に対し、理美容師がその御自宅に訪問し理美容を行う事業で、年六回まで利用可能となっております。当サービスは、現在は御自宅での利用を前提とし、デイサービス先での利用は不可としておりますが、一方で、デイサービス先でも御利用したいというお声をいただいているところです。今後、高齢者への在宅生活の支援という観点や、デイサービス提供中の介護保険制度との整合性などを踏まえて、デイサービス先でも御利用できるよう早期に改善してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◎工藤 土木部長 私からは、自転車走行レーンの安全対策について御答弁いたします。  自転車ナビマーク等につきましては、自転車走行ルールの遵守、自動車ドライバーの自転車保護意識向上を目的とし、道路交通法に規定されている自転車は車道の左側通行というルールを路面に明示するものでございます。  お話しの一方通行の当該路線につきましては、自転車ネットワーク計画に基づき、自転車は双方向の通行が可能であることから、自動車やバイクの一方通行を逆走する位置に自転車ナビマークを設置しているところでございます。しかしながら、一方通行の見通しが悪い交差点や丁字路では、自転車ナビマークが設置されていることによって自転車の交通量が増えて危なくなったとの声があることは、区としても認識をしております。  今後につきましては、既に一方通行自転車ナビマークを設置している箇所では、警察署と連携し、現地の状況等を踏まえた注意喚起看板の設置を検討するとともに、自転車ネットワーク計画の見直し時期に自転車ナビマークの設置場所等を検証するなど、より安全な自転車走行環境の整備に努めてまいります。  以上です。 ◆四十番(いたいひとし 議員) 教科担任制の実施につきましては、恒久的な人材確保のための財源が必要です。区は、教育に予算を確保するために計画的な行財政改革を促進し、専科指導教員の計画的な配置充実を図るべきと改めて申し上げておきます。  また、訪問理美容サービスの対象にデイサービス利業者を追加することを検討するとの答弁をいただきました。来年度に間に合うように実施していただければと思っております。  以上で質問を終わります。 ○下山芳男 議長 以上でいたいひとし議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、二十六番真鍋よしゆき議員。    〔二十六番真鍋よしゆき議員登壇〕(拍手) ◆二十六番(真鍋よしゆき 議員) 地域行政推進条例について伺います。  今回行われましたパブリックコメントでは、多くの方々から行政サービスについてのお声が届いています。一例を申し上げますと、喜多見出張所でできていた手続ができなくなり、砧支所まで行かなくてはならなくなった。年も取り、とても大変なので元のように戻してほしい。条例ができることによって本庁、総合支所まで行く必要がなくなり、まちづくりセンターに行けばよいと断言してほしいなどなど、行政サービスに対する多くの意見が寄せられております。世田谷区が毎年行っております区民意識調査でも、まちづくりセンターに期待すること、一番、五九・九%、約六割の方が、行政手続に関する窓口サービスとお答えになっております。  このような中で、パブリックコメントで多くのお声が寄せられたことはよく理解できるわけですが、このことについて区の考え方が発表されていますけれども、現在の出張所の業務等を全てまちづくりセンターに移管することはできませんが、計画では、今まで本庁や総合支所に行かなければできなかった相談や、相談に伴う手続が、まちづくりセンターで総合支所や本庁の職員とオンライン(映像)でつながり、行えるようにしていくことを掲げ、段階的に取り組んでまいります。  こういう区の考え方が示されているんですが、このパブリックコメントや、いろんな形で、区に求めて期待をされていた方々は、今の区の考え方を返されて、理解できたのかどうか。私はもう、少なくともこれは一体どうなってしまうのかなというのは、まだ、今現時点でも思っております。  この条例が提案されると聞いたときに、保坂区政になって、区長の決断の下、地域行政制度をより推進するためにはこの窓口サービス等をいよいよ大胆に踏み出すのかなという、私は一部期待をした部分もあります。しかし、最初から最後までずっと一貫してきたことは、要は出張所の業務はまちづくりセンターに移管することはできませんという結論が、ずっと貫かれていると私は感じます。  この際、改めて区長に、なぜ行政手続に関する窓口サービスを求める区民の声に応えないのか、そのことを伺いたいと思います。  次に、本庁舎整備、いわゆる世田谷区役所の建て替えについてでありますが、昨年五月、区の都市整備領域の多くの部、施設営繕担当部等が旧玉川高校を仮庁舎として移転しています。まだ移転後一年と四か月しかたっておりませんけれども、往復に一時間ぐらいかかりますので、なかなかお会いすることもできなくなりまして、特にこの四月の人事異動後は、どなたが部長か課長か忘れてしまいそうであります。  このような状況が令和七年まで続くと伺っておりますけれども、そもそも世田谷区役所の建て替えについては、仮庁舎にする前提、仮庁舎であるとかそれを前提とせず、基本設計業務委託公募型プロポーザル、この審査結果について、平成二十九年決算特別委員会総括で担当部長は、最優秀者の提案では、適切な規模で工区を分割し、工区ごとに順次建て替えることで仮設庁舎が不要となる提案がなされている、それで最優秀になったという答弁ですけれども、なぜ改めて移転、旧玉川高校へ移転になったのか伺います。  次に、この区役所の建て替えについては、今回の補正予算でも追加の予算が組まれているわけですけれども、これはこれからも増え続けていくのか心配です。我が会派の代表質問にもありましたけれども、そのことについて伺います。  それからまた、同じく区内事業者の活用ということが約束されているわけですけれども、本当に大丈夫なのか私も心配です。改めて区内事業者の活用について、区の見解を伺います。  最後に、京王線の連立事業による踏切の解消について伺います。  踏切解消に向け、沿線の用地買収は、令和三年度末約八四%取得したと伺っております。いよいよヤマ場を迎えていると思いますが、多くの区民の方に聞かれることは、この踏切、一体いつなくなるのかということでありまして、先般の我が会派の代表質問で、延伸されたという話も聞いておりますけれども、区としてこの踏切解消をいつまでに行うのか、いつまでにできると考えているのか、改めてこれもお尋ねします。  事業を進めるためには、東京都、京王電鉄との情報共有や具体策の協議がぜひとも必要です。どのように行っているのか伺い、壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 真鍋議員にお答えいたします。  まちづくりセンターで、出張所と同じく窓口サービスがなぜできないのかというお尋ねでございます。  地域行政推進条例案では、まちづくりセンターを、区民生活を包括的に支援する地区の行政拠点として位置づけ、多様な相談や手続に対応する窓口を担うことを定めています。実施に当たって、デジタル技術を活用したオンラインの映像システムにより、総合支所の保健福祉センターと結んで、各種の相談をお受けしていく、これはモデル実施をした上で広げていこうと考えております。  そして、まちづくりセンター、かつての出張所で多くの手続を一斉にできることになったのも、コンピューターの本格的な行政での活用という時代背景があったと思います。現在は、デジタル庁による、いわば各行政で分かれているシステムの統一化、一体化ということがまさに進んでおりまして、そこに向けて、自宅などで手元で様々な手続ができる、言ってみれば、転入や転出もワンクリックでできるようなサービスを目指していくということが言われています。  一方で、世田谷区役所でDX改革をやりながら、大きな方向として、議員おっしゃるような、あらゆることができる方向にしていきたいと私も思っております。ただ、どのような、いわば工程が示され、何がいつできるのかというところがまだ不可分でございますので、その点は、方向を示しつつ、できることは、早く区民に利便性が提供できるように推進をしていきたいと思っておりますし、そのための物理的な限界はありますけれども、今の職員体制を見直して加配したいと思いますし、また、デジタルということについての知見や、いわば仕事のできるそういう体制をつくっていく所存でございます。  以上です。 ◎佐藤 庁舎整備担当部長 本庁舎等整備について三点御答弁いたします。  まず、本事業における仮庁舎についてでございます。  本庁舎等整備における仮庁舎につきましては、平成二十八年十二月策定の基本構想、また設計者選定後の基本設計におきましても、段階的な工事を安全かつ円滑に行うため可能な範囲で確保することとしており、計画当初から継続した課題であったと認識しております。その後、令和元年度実施設計を進める中で、工期ごとに竣工する床面積を確定させながら、室内レイアウトやローリング計画を精査した上で、東京都所有の旧玉川高校を借り受けることが可能となり、二期棟竣工までの間、仮庁舎の一つとして活用することといたしました。  全てが区役所周辺での確保とはなりませんでしたが、仮庁舎の活用により、くみん窓口や保健福祉等の来庁者の多い部署の一期工事期間中の計画的な移転、また第一庁舎や第三庁舎の解体から始まる二期工事への速やかな着手が可能となり、全体工期の短縮につながります。あわせて、この間の新型コロナウイルス感染症拡大に伴う世田谷保健所の増員等に対しても、執務室の確保など柔軟に対応することができました。  今後、令和九年度の全体竣工まで部署移転が続き、大変御不便をおかけいたしますが、引き続き、区民生活を支える行政拠点としての本庁舎等の整備を着実に進めてまいります。  次に、建設物価上昇への対応についてでございます。  一般財団法人建設物価調査会が公表した令和四年八月時点の調査結果によれば、例えば建設資材である鋼鉄材の物価指数は二年前と比較して約六五%上昇し、また建築部門の総合的な価格動向を示す指標は、二十三か月連続で上昇を続けています。本庁舎等整備工事につきましては、工事請負契約約款第二十五条の規定、いわゆるスライド条項を適用し、入札時点から請求日である令和四年七月十五日までの請負代金額の上昇分として、二十三億七千五百五十九万三千円を算定し、このたび受注者である大成建設に通知したところです。  スライド条項では、請求日より一年が経過すれば、再度請負金代金の変更請求が可能であることを定めています。また、主要材料の購入価格が積算時の想定価格を大きく超えた場合にも、請負代金額の変更請求は可能となります。引き続き、今後の物価変動の状況を注視するとともに、請負代金額の変更の必要性が生じた場合には、受注者と必要な情報共有を速やかに行い、丁寧に対応してまいります。  三点目、本庁舎等工事への区内事業者の参加についてでございます。  区といたしましては、業種の偏りなく、多くの区内建設事業者が本庁舎等整備工事に参加することは、入札時の提案金額である約八十億円の確実な達成とともに、区内建設産業の振興にもつながることから重要であると認識しております。また、今回のスライド条項の適用に伴う追加額が賃金物価上昇の影響を受けた本庁舎等整備工事に参加する事業者に対して、適切に配分されることも重要であると考えております。  そのため、受注者である大成建設に対しては、今後事業者との間で開始される変更協議において、適切に対応するように働きかけており、今後とも協議経過や変更金額算出の考え方など、適宜区として必要な確認を行ってまいります。  以上でございます。 ◎青木 道路・交通計画部長 私からは、京王線連立事業による踏切解消について、二点お答えをいたします。  まず、八年延伸についての区の受け止めについてでございます。  京王線連続立体交差事業は、笹塚駅~仙川駅間の開かずの踏切解消のため、平成二十六年二月に事業認可され、東京都が事業主体となり現在事業を進めております。本事業による鉄道を高架化する工事では、区間を八つの工区に分けて進めており、用地が連担して取得できた六つの工区では既に工事に着手し、特に明大前付近では、下り線の高架橋の躯体が立ち始めるなど、工事が進捗しております。また、今年十月からは千歳烏山駅付近の工区で鉄道工事に着手するとのことでございます。  事業スケジュールは、事業用地取得の進み具合によって大きく影響されるため、区といたしましては、引き続き東京都をはじめとした関係機関と情報共有を図り、事業期間内の完成を目指して取り組んでまいります。  次に、都や京王電鉄との情報交換や協議についてでございます。  連続立体交差事業の事業主体である東京都からは、用地取得の実務を担っている東京都道路整備保全公社及び京王電鉄の用地取得体制を強化し、残る未買収地の用地取得に取り組んでいると伺っております。事業を進める上では、事業用地の取得状況や工事の進捗等について、東京都をはじめとした関係者間で定期的に情報を共有し、区では、東京都からの受託により、街区単位で用地取得ができた箇所から付け替え道路の整備を順次実施しております。  今後も引き続き関係者間で緊密に連携し、区といたしましても、残る用地の取得や側道整備工事など様々な面から事業協力し、京王線の開かずの踏切解消に向け、関係機関一体となって取り組んでまいります。  以上でございます。 ◆二十六番(真鍋よしゆき 議員) まず、本庁舎整備、世田谷区役所の建て替えのことですけれども、私も、改めてこれをもう一度見直してみました。まず最初は、基本構想で、五年を目標としてこれを達成しようと。それが、基本設計で六十四か月になったんですね。その後、実施設計をやると八十一か月になって、そのときにわかに、旧玉川高校を仮庁舎にすると、その八十一か月が七十五か月になりますよ。それで今に至っているわけですね。  最初、公募型プロポーザルで決まってとんとんとんと行ったら、どんどん話が違ってきて、もうそれを認めなきゃしようがなくなって今に至っているという私は感じがします。このことについては、決算特別委員会でもう一度よく質問させてもらいたいと思います。  それから、地域行政の条例のことでございますけれども、先ほど区長から御答弁をいただきまして、私もこの特別委員会に入っていまして、毎回思いますし、多くの議員からも指摘があるのは、この条例を制定することによって、この推進計画ができることによって、何がどう変わるのか、一言でちょっと言ってほしいって、こういう本当に思いなんですね。  これまで、特に繁忙期のときには、もう出張所の前に大行列になって、大変皆さんに御迷惑がかかっている。これは何度もここで議論になりました。何とかこれをしなきゃなという話もしました。その中で、DXが出てきて、そういう流れも出てくるかなというのが今ですから、先ほどの区長のお答えでも、そういう流れはできているけれども、いろいろな形でまだ工程が見えていないから、具体的になっていない。そこなんですよね。  私は逆に、松村副区長が誕生されて、この点のことについて、がっちり区で整理して、それから日程等をはっきり煮詰めて、具体的に区民に、いつまでにはこれだけのサービスがこうなりますよ、こうなりますよと言えて初めて、この条例をつくって区はこう変わるんですと言えると思うんですよ。  今の段階で出されて、もう日にちがないからこれで認めてほしいと言われても、本当に困ってしまう。ですから、どうですか、区長。今、申し上げたとおり、その流れはできているんでしょうけれど、もっとそれを見極めて、具体的に区民の皆さんに説明できるように、理解できるような段階で、もう一度この条例案と、それから推進計画を出し直される、そういう考え方も私はあると思うんですけれども、ぜひとも保坂区長のお考えを伺いたいと思います。    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 真鍋議員の再質問にお答えいたします。  私が区長に就任したときには、リーマンショックの余波がまだ、区財政に非常に影響が大きくて、歳出抑制、行政サービス縮小、これをどうするかということが当面の懸案でございました。その中では、まちセンを改廃を含めてどうするかみたいな議論も一部ありました。  私は、二十七か所当時あった出張所・まちづくりセンターを回ってみて、また車座集会等をやってみて、非常にこれはもったいない、逆に宝だというふうに考えました。そこで、平成二十六年に施行して二十八年に全区化した福祉の相談窓口、また防災塾等をお願いしてまいりました。そして、議会の皆さんの御理解や、地域の皆さん、職員の皆さんの熱心な協力もあって、おおむねまちづくりセンターの施設は三者が入れるように古いものは改築することができ、整備をいたしました。  今回の条例の核心的な意義は、まちづくりセンターは、本庁、総合支所の下に上意下達の組織ではなくて、最も住民に身近な行政施設としての最前線にあって、今後は人員体制も強化し、地区住民の参加と協働によるまちづくりに加速を促していく、そういう存在だと、一言で言えばそこが肝だと考えております。  今おっしゃった、確かにデジタル庁の改革の工程、まだ見えません。二〇二五年と言われていますが、そこにシンクロして、まちセンのサービスが具体的にここでやれますと言いたいところですが、まだそこが不可視の部分になっている。ただ、私たちは、くみん窓口というのをつくりました。総合支所五か所に。ワンストップサービスで窓口改革もしました。こういった改革は基本線に出していますので、こういった工程をしっかりにらみながら、今、議員御指摘、議会、他会派からも大変声が上がっていることをしっかり受け止めまして、改革に邁進してまいりたいと思います。 ◆二十六番(真鍋よしゆき 議員) 私の提案、決して無理なことを言っているというよりも、かえって分かりやすいと思うんですね。やっぱり役所の出先、窓口、今、二十八か所、世田谷区の財産だ、宝だと言われた。本当にそのとおりだと思うんです。今の使用されているのはもったいないですね。やはりそこに役所の窓口があって、商店がそこにできて、人が集い町ができた。これは昔の、それこそ先ほど小泉議員からもお話があった大場区政のときにはそうやって町ができていった。それをなくしてしまっていいんですかという出張所のそばの御住職からの話を聞いたことがあります。  今の世田谷区の状況というのは、やっぱりまちづくりセンターがそれだけ活用されていないと私は思います。今の計画で本当にそうなっていくのか、まだまだ不安です。もう一度検討してもらいたいと思います。  以上で質問を終わります。 ○下山芳男 議長 以上で真鍋よしゆき議員の質問は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後零時三十二分休憩    ──────────────────     午後一時二十分開議 ○下山芳男 議長 休憩前に引き続き会議を開きます。  一般質問を続けます。  四十五番桜井純子議員。    〔四十五番桜井純子議員登壇〕(拍手) ◆四十五番(桜井純子 議員) 通告に従い質問をいたします。  まず初めに、障害者権利の保障に向けた取組について伺います。  二〇一四年、日本は障害者権利条約に批准、今年八月、スイスのジュネーブで国連障害者権利委員会による初めての日本審査が行われました。日本から障害者団体や個人など約百人もの方々が現地に行き、世田谷からも何人もこの派遣団に参加をしていました。日本の障害者政策の現状を委員に訴えました。委員会ではこれを参考に、日本政府との建設的対話、審査が行われ、九月には勧告が出されました。  勧告は、障害関連の法律等のジェンダー主流化、優生思想、能力主義を原因とする津久井やまゆり園事件の法的責任の検証、障害差別の権利救済の仕組みの構築、当事者参画の保障、インクルーシブ教育の実現、グループホームなど施設生活への懸念などで、これはほんの一部です。いかに日本では障害者権利がないがしろにされているかを実感する内容です。  国に向けられた勧告ですが、地域がどう受け止め、取組に反映していくかは重要です。初めて行われた国連障害者権利委員会の勧告を、区長はどのように受け止めたのでしょうか。お聞きいたします。  世田谷区は今定例会で、障害理解の促進と地域共生社会の実現をめざす条例を制定する予定です。誰もが互いに認め合い、尊重し共に生きる社会、インクルーシブ社会をつくるために重要な条例です。今後この条例が果たす役割に期待しますが、パブリックコメントからの時間が短く、まだ議論が不十分な点もあります。例えば国連からの指摘もあった脱施設にいかに向き合い、自立した地域生活を実現するのかなど、さらなる議論も必要です。  また、第二回定例会で指摘した権利救済の仕組みなどが盛り込まれていません。差別や人権侵害を受けたときの権利救済の仕組みの必要性についてどのように考えているか、区の見解をお聞きします。  次に、インクルーシブ教育の推進について伺います。  今回の国連障害者権利委員会の審査で厳しい目を向けられたのが日本の教育の現状です。現在の日本の教育は、障害を理由として子どもたちを分ける分離教育であり、分離教育そのものが人権侵害に当たることが指摘されています。  世田谷区は、インクルーシブ教育を目指すと教育ビジョンなど各計画に位置づけ、今年度はガイドライン策定に取り組みます。画期的とも言えるこの取組を評価するとともに、策定に当たって、当事者、保護者や学識経験者の参加を求めます。教育委員会の見解をお聞きします。  世田谷区は、インクルーシブ教育の実現に向け一歩ずつ進んでいますが、インクルーシブ教育の考え方が学校現場に行き渡っているかが課題です。例えば小学校では、普通学級に通っている障害のある子どもが、中学では同じようにはできないと言われたそうです。進学予定の中学校にはエレベーターがないことが理由のようですが、合理的配慮ができないことを学校に通えない理由にしていいのでしょうか。合理的配慮は義務です。インクルーシブ教育への理解を進め、子どもに合わせてバリアフリー化をするなど、合理的配慮の徹底を求めます。見解をお聞きします。  さらに、世田谷区が行う就学相談は、インクルーシブ教育を実現するための相談とすることが大切です。子どもの障害に着目して子どもを分けることを目的にした相談ではなく、地域の学校に通うための合理的配慮をいかに行うかなど、インクルーシブ教育の実現のための就学相談とすることを求めます。今後の方向性をお聞きします。  次に、子どもの安全で安心な環境づくりのために伺います。  昨年に続き、今度は静岡県牧之原市で、認定こども園の三歳の子どもが送迎バスに置き去りにされ死亡する事件が起きました。安全には細心の注意が払われるべき場所で、このような事故が短期間に繰り返されたことを重く受け止めなければなりません。  一方、世田谷区では、複数の保育園で園児への虐待行為が発覚し、報告を聞く限りでは、ある園では虐待行為が複数のクラスで繰り返し行われていて、その行為が虐待に当たるという認識が乏しいと感じました。また、一年以上も報告がなかった保育園での子どもの緊急事態への対応では、なぜこのような事故が起きたのか、保育園や区の対応に疑問を抱かざるを得ません。いま一度、保育園などの子ども施設の安全性について考えることが必要です。  世田谷区では、保育待機児ゼロを目指し、定員を増やすために、休憩室のスペースを保育スペースに転換するなど、かなり保育士の方々に無理をお願いしてきました。その上で、コロナ感染症対策が重なるなど、世田谷の保育園の働く環境はとても厳しい状況ではないでしょうか。現在、保育待機児はゼロになり、定員割れも出ています。例えば無理してつくり出した保育スペースを元の休憩スペースに戻すなど、物理的にも働く環境をよりよいものにし、保育士がゆとりを持って子どもと向き合い、あるべき保育に取り組めるようにすることが必要です。ルールで縛るだけではなく、働く人を大切にすることも、子どもの安心できる環境づくりに寄与すると考えます。区の見解をお聞きします。  文教常任委員会で、小学校の学校主事業務の民間委託について報告されました。今年四月に民間委託を導入する際には、二校の状況を検証し、今後どうするかを決めるということだったはずですが、ほんの数か月の実施で学校や受託事業者へのヒアリングをし、民間委託を一校増やすというものでした。ヒアリングの結果として示されたのは、カーテンレールをすぐに対応したということなど、求めてきた検証にはなっていません。学校主事の民間委託は、行政執行体制のスリム化、事業の効率的執行の観点から進めるとして実行されたわけですが、子ども施設の在り方として、効率化重視でよいのでしょうか。  学校主事業務だけの問題ではありません。保育園、幼稚園、児童館、学童クラブなど、子どもを取り巻く環境、施設を、世田谷区は公の責任を持ってどのように構築しようと考えているのか、そのための人員体制はどのようなものがふさわしいと考えているのか問われます。子ども関連の政策に民間の導入を考えるときに、何を優先して結論を出しているのか。単純に合理化、効率化が念頭にあるだけなのか、世田谷の子ども政策はそれでいいだろうかと不信感が深まります。  例えば学校主事の民間委託に代表されるような偽装請負の懸念があり、指揮命令系統が複雑化する現場は、学校環境にどのような影響をもたらすのか考える必要があります。区は何を優先し、子ども政策を実現していけばいいと考えているのかお聞きします。  最後に、政治的課題の民主的な決定プロセスについてお伺いします。  九月二十七日に予定される安倍元首相の国葬は日に日に反対の声が高まり、ある調査では、国民の六割以上が反対の意思を表明する事態となっています。安倍元首相は旧統一教会との関係が深く、広告塔だと信じた信者の子によって襲撃されました。旧統一教会との関係や影響の真相はまだ明らかではありませんが、ここにきて分かってきた旧統一教会と関係ある議員の多さから、政治と無関係だ、政治的な影響はないと言い切れるのか疑問を持つ国民が増えています。  さらに、国葬は、その決定のプロセスに問題があります。閣議決定で国葬を決めたことに対し法的根拠がなく、内閣の一存で国葬を行うのは民主主義に反する、民主主義の破壊的行為という批判があるように、国会審議を経ていないことに対する国民の不信は、全国各地の反対集会やデモとなって広がっています。会派として国葬に反対であることを表明しましたが、改めて今回の国葬と旧統一教会に対する区長の考えについてお伺いします。
     以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 桜井議員にお答えをいたします。  まず、国連障害者権利委員会による審査及び勧告についての受け止めをお尋ねいただきました。  先月、国連の障害者権利委員会による日本の取組への審査が行われ、日本政府に対し、障害者の強制入院をやめ地域社会での自立した生活の支援を行うことや、障害のある子どもたちの分離された特別教育をやめること、手話を公用語として法律で認めることなど、九十項目以上もの勧告が行われたと聞いております。  この勧告を通して、日本の障害者政策のいまだ未解決の課題が改めて明らかとなり、障害者権利条約の批准国として重く受け止めるべきものと捉えております。区といたしましても、様々な状況にある区民が、多様性を尊重しながら、価値観を相互に認め合い、安心して暮らし続けることができる地域共生社会を実現するために、今定例会に、世田谷区障害理解の促進と地域共生社会の実現をめざす条例案を提案しているところでございます。  新たな条例制定を契機として、国連障害者権利条約による勧告と、私たちのことを私たち抜きに決めないで、この大変有名になった障害者権利条約を議論してきた国連での障害当事者の合い言葉を十分踏まえて、インクルーシブ教育や地域共生社会実現に、勧告の趣旨を捉えながら、しっかりと取り組んでまいりたいと思います。  次に、国葬、また旧統一教会についての区長の考えということでございます。  国葬儀について、岸田首相は、地方公共団体や教育委員会に弔意の表明などの協力要請はしないとしていることもありまして、区としては特段の対応はせず、半旗の掲揚等を行わないことを決め、教育委員会にも伝えているところであります。内閣の判断のみで進んだ決定プロセスについては、私自身、率直に言って、違和感を覚えます。  国葬令、これは戦前度々行われた国葬ですが、既に失効しておりまして、戦後は唯一、皇族を除いては、吉田茂元首相のみであります。ノーベル平和賞を受賞し、また長期政権を築いた佐藤栄作元首相のときにも見送られて、自民党・内閣合同葬になりました。なぜ今回国葬なのかという疑問が、私自身、納得しがたいものであります。  世論調査での賛否も次第に反対の方の声が大きくなっているものと捉えておりまして、心配なのはこの分断がこのことで広がるということにならないように懸念、心配をしております。  また、旧統一教会についてでありますが、霊感商法や高額寄附など社会問題を生じさせている団体としまして、今後一層警戒し、区としての関わりを持つことのないようにしていきます。過去五年にわたり、区が同団体及び関連団体を後援したり、協力することがなかったか、緊急調査を指示いたしました。二件確認をされました。このうち一件については、イベントの後援でしたので遡って取り消し、今後の名義使用の承認や広報掲示板の使用など、関連団体等が行う事業への協力は区として行わないよう指示を行ったところであります。  以上です。    〔中村副区長登壇〕 ◎中村 副区長 私からは、区は何を優先し、子ども政策を実現していけばいいと考えているかという御質問にお答えいたします。  区では、子どもが伸び伸びと安心して育つ環境をつくるため、保育園をはじめ、子育てステーションや区立産後ケアステーションなど多くの施設を設け、また世田谷版ネウボラなど様々な事業を実施してきております。子どもに関わる事業については、子どもの最善の利益を追求することを基本とし、特に子どもの安全は最優先すべきものです。  区は、子どもに関わる事業を実施する際には、全ての職員がこうした共通認識を持って、能力の向上や経験値の蓄積に努め、連携し合う環境をどう構築するかという視点から検討し、民間事業者の活用を含めた実施体制を判断しているところです。  引き続き区としては、こうした考え方を持って実施体制を整えた上で、民間事業者を活用する場合には、区の公的責任の下に実施状況を点検、検証し、指導等による必要な改善を行いながら、各事業が子どもを中心として、その効果が最大限発揮できるよう取り組んでまいります。  以上です。 ◎須藤 障害福祉部長 私からは、権利救済の仕組みの必要性について御答弁を申し上げます。  本定例会に御提案しております障害理解の促進と地域共生社会の実現をめざす条例案、この条例では、障害の社会モデルの考え方を基本とし、障害者差別について、障害を理由とする差別や、合理的配慮に関する相談窓口を設けて対応することを定めております。権利侵害が疑われる場合には、都や国の人権相談など重層的な相談対応の仕組みがあると考えておりますが、これまで区にあった相談内容を見ますと、個人の尊厳に関わる内容などもあったというふうに認識をしております。障害者の権利救済の仕組み、それからこのたびの国連からの勧告、こうしたことを含めまして、改めて検討する必要があるというふうに考えております。  今後、区の専門相談員が法律の専門家から助言をいただく機会を設けることや、独立した機関の設置など、先ほどの権利侵害の部分について、関係する制度との整合も確認しながら、障害当事者や家族会、関係機関などからの御意見もいただき、検討をしてまいります。  私からは以上です。 ◎小泉 教育政策部長 私からは、インクルーシブ教育の推進について二点お答えいたします。  まず最初に、策定予定のインクルーシブ教育のガイドラインの策定に際して、保護者等の参画についてでございます。  教育委員会では、令和四年三月に第二次世田谷区教育ビジョン及び世田谷区特別支援教育推進計画の調整計画を策定し、教育総合センターをインクルーシブ教育の拠点と位置づけ、教職員の育成を図るとともに、子ども一人一人の特性に応じた支援の強化に向けて取り組んでいるところです。  インクルーシブ教育の実現に向けては、各学校の校長や教職員等が共通認識を持って取り組めるよう、ガイドラインを策定し、周知徹底することが有効であると考えています。そのため、ガイドラインの策定に当たっては、専門的な知見を有する外部有識者の活用や、当事者である児童生徒や保護者の意見の聴取等についても検討してまいります。  次に、インクルーシブ教育政策についての一貫性についてでございます。  インクルーシブ教育の実現に当たっては、小中学校のいずれの場面においても、配慮を要する児童生徒に対し一貫した支援を行っていくことが重要であると考えております。小中学校への進学の際には、保育園や幼稚園と小学校、小中学校間で綿密に情報共有を行い、一人一人の子どもの特性を把握するとともに、適切な支援ができるよう努めているところですが、保護者から、合理的配慮に関する説明や対応が不十分ではないかという御意見が寄せられることもございます。こうした現状を踏まえ、教育委員会としては、学校に保護者の御意見を踏まえて適切な支援を行うよう指導するとともに、来年度をめどに策定を予定しているガイドラインに、進学に際する学校間の情報共有の在り方について盛り込み、全校へ周知徹底を図ってまいります。  以上でございます。 ◎平沢 教育総合センター担当参事 私からは、就学相談の今後の方向性についてお答えいたします。  インクルーシブ教育の実現に当たっては、配慮を要する子どもたちが安心して就学できるよう、就学先で受けられる指導や支援の内容、教育環境等について分かりやすく情報提供を行うことが重要であり、その中で、就学相談が果たす役割は大きいものと捉えております。  教育委員会といたしましては、まずはガイドラインの策定や好事例のデータベース化など、区におけるインクルーシブ教育の実現に向けた取組について、就学相談に関わる職員一人一人の理解を深めるとともに、それらを活用し、地域の学校で受け入れることを前提に、丁寧かつ親身になって相談に応じ、保護者が安心して就学先を選択できるよう取り組んでまいります。  教育委員会としましては、国連の障害者権利委員会からの勧告を見据え、保護者が安心して相談のできる就学相談の在り方等について検討し、区におけるインクルーシブ教育の推進に取り組んでまいります。  以上です。 ◎和田 保育部長 私からは、保育施設における子どもの安心できる環境づくりについて御答弁いたします。  保育施設は、大切なお子さんをお預かりし、健やかな育ちを保障し、最も安全で安心して過ごせる場所でなくてはならないと認識しております。保育施設における事故の背景といたしまして、慢性的な人員不足による長時間労働や、子どもに向き合う時間が十分に取れないことによる意欲の低下とそれに起因した高い離職率などが指摘されています。  区内においても、年齢が若く経験も少ない職員が多い園や十分な休憩スペースがない中でも、お子さん一人一人に向き合いながら保育を行っていただいている園が少なくないと伺っております。区といたしましても、巡回支援の充実強化等を進めることで、園との対話を重ね、各園に寄り添っていくとともに、保育現場の状況をしっかり受け止め、お子さんの命を預かる現場としてふさわしい職場環境の構築に向け、今後の園支援を一層進めてまいります。  以上でございます。 ◆四十五番(桜井純子 議員) 今回、九月に国連から障害者政策について数々の勧告が出されたということを踏まえて質問をまずさせていただきました。人権というものについては日々変化して、その認識というのが広がってきています。例えば私が初めて議員として活動を始めた約二十年前になりますけれども、その頃はセクシャルマイノリティー、LGBTQという、そういう人権に対する認識というのはほとんど皆無だったという状況ですが、現在ではパートナーシップ宣誓などもありますし、がらりと変わっています。人権の認識というのはこうやって変わっていくということを考えれば、常にその政策の内容はブラッシュアップされていかなくてはならないと思います。  今回の勧告を受けて、例えば条例の中で障害者の脱施設、脱入院というところを、さらに深堀りをして考えていくということも求められていくと思いますので、この点に関して、含めて決算特別委員会でまたやり取りをさせていただければと思います。 ○下山芳男 議長 以上で桜井純子議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、二番佐藤美樹議員。    〔二番佐藤美樹議員登壇〕(拍手) ◆二番(佐藤美樹 議員) 質問を始めます。  まず、DXの推進について伺います。  コロナ禍でオンライン診療が進んだこともあり、先日、アマゾンが処方箋販売に参入するという記事を目にしました。来年一月から始まる電子処方箋により、提携する薬局に処方箋を送り薬の配送を可能にするサービスで、定期的な薬の受け取りが必要な患者さんなどのニーズに応えられそうと見られています。行政サービスに近い分野ではDXによる変化が加速していると感じますが、世田谷区のDXはどうでしょう。  自治体のDXには大きく二つの目的、一つ目に、職員の働きやすさと効率性、そして二つ目に、区民向け行政サービスの向上と住みやすさです。今回は前者の働きやすさ、効率性について二点伺います。  来年一月から庁内ネットワークへの接続が可能になる新事務端末、モバイルPCのことですが、こちらを導入し、またコミュニケーションツールとして、チームズを用いて、庁内連絡、情報共有を迅速化すると伺っています。このようなモバイル端末により、フリーアドレスでの執務が可能になるのかと思いましたが、そこまでは新庁舎整備と併せての検討とのことです。新庁舎でないとインフラ面など制約が様々あるのかもしれませんが、モバイル端末の導入により、場所や時間にとらわれない働き方について、DX推進担当部あるいはDX推進委員会のメンバーだけでもできることはないか、小さな変革でもいいのでモデルケースをつくれないか見解を伺います。  また、DX推進担当部には、庁内で所管ごと、事業ごとにばらばらに展開されているシステムや情報管理のありようについて、コンサル的な役割を担っていただきたいと考えます。例えば昨年度取り上げた児童クラブ支援システムなどがそうですが、事業ごとにサーバーを立てシステム導入する従来のやり方では、結果として、似たような目的で似たような情報が管理されていても一元化されません。  国でもクラウド・バイ・デフォルト、これはクラウドを第一候補にするというものですが、この原則を去年打ち出しています。情報の一元化、クラウド化に向けて、庁内横断的な取組、コンサル的な役割について見解を問います。  次に、今後の子ども政策の考え方、グランドビジョンについてです。  さきの区の子ども・子育て支援事業計画のニーズ調査によれば、日常的に子育てについて頼れる人がいるかの問いに対し、未就学児童家庭の五五・五%が誰もいないと答えており、子育て世帯の孤立が浮き彫りになりました。半数以上という数字には衝撃を受けます。  そのような中、区は地域の子育て支援拠点であるおでかけひろば事業において、その箇所数を六十八から八十か所まで増やし、また、まちのおうち機能と銘打って、実家のようにゆっくり過ごせるような場をおでかけひろばに拡充していくとしています。地域の子育て支援の強化、あるいは再構築につながる取組と期待しますが、進めるに当たっては、そこを担う人の確保及び底上げが肝要です。  また、地域での見守りネットワークの強化として四者連携を掲げ、子育て支援機能については児童館が位置づけられていますが、事、小さい子どものいる家庭にとっては、おでかけひろばのほうが身近なよりどころになっていることも多く、ひろばの持つ強み、あるいはそこに集まってくる情報について、児童館と共有していくことも重要です。子育て世帯の孤立という現状に対し、おでかけひろばの拡充について見解を伺います。  次に、個人が取り組むグリーンインフラの実装に向けて伺います。  中国での干ばつや猛暑により、気候変動をいやでも実感することが多くあり、区民の皆さんの気候変動対策への関心は強くなっています。そんな中、区の取り組むグリーンインフラ政策は重要性を増してきており、今回は個人で取り組めるものをどう実装に結びつけていくかという観点で二点質問します。  先日、成城みつ池など成城地域での活動について伺う機会があり、成城みどりのスタイルブックという本を拝見しました。この冊子は、成城自治会とトラストまちづくりにより五年前に作成されたものですが、その内容には、現在区の取り組んでいる緑化や雨水対策、すなわちグリーンインフラのヒントがたくさん盛り込まれています。  例えば駐車場スペースを用いての緑化、駐車場スペースにスリット状、線状にタマリュウを植えること、このような整備についての固有名詞はないので、駐車場のスリット緑化としますが、これは区が目指すみどり率向上にも寄与し、また、コンクリート地面でないので雨水対策にもつながります。  一つ、事例をパネルにしましたが、このパネルはタブレットにも入っているので、皆さんにはタブレットで見ていただければと思いますが、このような線状の緑化についても、現状の緑化助成でいう植栽帯とみなせるということです。しかし、今のホームページ上やパンフレットでの緑化助成での説明では、こうした形状が助成対象であるとは受け取れません。お庭がなくても駐車場は設けている個人宅も多いことを考えたら、このような駐車場におけるスリット状、線状の植栽帯も緑化助成の対象になり得ることについて区民に向けPRしていく必要があると考えますが、見解を問います。  また、駐車場スペースについて言えば、例えば駐車場地面を単にコンクリートだけで整備するのではなく、砂利や緑化ブロックといった透水性のあるものを取り入れるだけでも雨水対策に寄与します。グリーンインフラ施策のうち、雨水対策の助成は土木所管のものになりますが、個人でできるグリーンインフラの実装の観点から助成を検討してはと考えます。見解を問います。  最後に、次期せたがやノーマライゼーションプランについて伺います。  区が策定中の次期ノーマライゼーションプランにおいては、障害理解の促進や、そうした地域づくり、地域共生社会の実現を掲げています。  七月に、福祉保健委員会で石川県白山市を訪れ、社会福祉法人佛子園が手がける施設を視察しました。障害のある人ない人、共に働くレストランに、保育園、デイサービス、スポーツ施設などが併設されており、施設名称に「ごっちゃ」がついているとおり、子どもも高齢者も、また障害のある人もごちゃ交ぜで共に過ごす空間がありました。また、そうした障害者施設を丸ごと受け入れている地域づくりについてもお話を伺ってきました。あのような施設そのものを当区で整備できないまでも、そこにある障害のあるなしにかかわらず、共に働く場づくり、地域づくりのコンセプトは、次期計画で区の掲げるものと相通じます。  当区でも、障害のある方の就労支援の一環で喫茶店などが何箇所かあります。例えばこのような場に訪れたくなるような魅力を仕掛け、多様な人が集うごちゃ交ぜにつなげてはと考えます。前述の佛子園による施設だと地ビールを売りにしており、併設の保育園のお迎えの親子や、あるいは地域の高齢者の方も、障害のある方の提供する地ビールを楽しんでいました。このような民間事業者の手がける場づくりを参考にし、区内で一つでも具体の事例につながるよう検討していただきたいと考えますが、見解を問います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔松村副区長登壇〕 ◎松村 副区長 私からは、DXに関して、場所や時間にとらわれない働き方のモデルができないかというお問合せにつきましてお答えいたします。  職員がより効率的に働き、区民サービスの向上につなげるよう、新庁舎建設に合わせ、庁内の情報化基盤の再構築を今進めているところでございます。その一環としまして、来年一月より新たに事務用モバイルパソコンを順次導入してまいります。新しい庁舎内では、事務用無線LANにより、場所にとらわれず、事務環境にアクセスでき、またマイクロソフト社のチームズなどコミュニケーションツールを導入しまして、日常業務の生産性を高めていくことを目指しております。  モバイルパソコンの利用によりペーパーレス化を加速するとともに、これまでの電話やメール、それから人が集まる会議を極力減らし、ビデオ通話やチャットなど新たなコミュニケーションツールにより、組織横断的な課題へもスピード感ある対応を実現するとともに、職員の働き方改革を図ってまいります。  私自身も、先行してモバイルパソコンやチームズを実際に使いながら、全庁導入に向けた検証を行っているところでございます。さらに、DX推進委員やDX推進リーダー、今DX人材の育成もしておりますが、それらの方々にも検証範囲を広げながら、新たな働き方の創出及び普及へ取り組んでまいりたいと思います。  以上です。 ◎菅井 DX推進担当部長 私からは、DX推進担当部の役割などについて御答弁申し上げます。  区では、これまでも事業所管課がシステムの導入を検討する際には、情報セキュリティーを確保しつつ、最小の経費で最大の成果を上げるという観点から、まずはDX推進担当課が所管課の相談や申請を受け付けまして、一定の基準の下に内容や経費を精査した上で導入の可否を判断するという方式を行ってまいりました。また、情報システムに係る予算につきましても、所管課が個別に計上するのではなく、情報関連予算としてDX推進担当部が一元管理、計上を行っております。今後、DXを進めていく上では、従来の機能別組織にとどまらない組織横断的な課題解決が不可欠であるため、このたびDX推進委員会を組織し、全庁的なDX推進体制を整えたところです。  クラウドファースト時代にふさわしい最新の知見やスキルを得られるよう、DX推進担当部職員をDXアドバイザーと位置づけまして、研修等による人材育成を進めており各事業所管における業務改革の支援をさらに強化してまいります。  以上でございます。 ◎柳澤 子ども・若者部長 私からは、今後の子ども政策の考え方、グランドビジョンについて、子育て世帯の孤立、おでかけひろばについてお答えいたします。  まちのおうち機能の中心となるおでかけひろばにおいては、在宅子育て支援として、スタッフとの会話や相談に加え、ほかの利用者とのつながりをつくっていただく場として運営しております。おでかけひろばの利用者数は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により令和二年度に大幅に落ち込み、翌令和三年度には緩やかに回復しましたが、まだコロナ前の水準には至っておりません。ひろばの利用を促進する取組が重要になります。そのために、妊娠期や産前産後のネウボラ面接、乳児期家庭訪問などあらゆる機会を捉えておでかけひろばの利用を促し、施設と利用者、利用者同士など、様々なつながりの機能構築を促進してまいります。あわせて、おでかけひろばと近隣の児童館との交流や情報共有などの連携を強化することで、子育てにおける孤立の防止や不安を解消してまいります。  以上でございます。 ◎釘宮 みどり33推進担当部長 私からは、駐車場における緑化事例のPRについてお答えいたします。  区では、個人でも身近なところで緑づくりに取り組んでもらうため、ひとつぼみどりの創出や、生き物を呼び込むちょこっと空間創出などを区民に紹介し、区民の緑づくりを促進してまいりました。  緑は区民の生活環境を改善し、豊かな暮らしを実現するために必要不可欠なものであり、樹木や樹林、草地、植栽などは、雨水を地下に浸透、貯留させ、河川の水量、水質を安定的に確保するなど、水環境の保全に役立つグリーンインフラの一つでございます。緑づくりそのものがSDGsの取組であり、気候変動対策に結びつくグリーンインフラであるという視点から、その意義や効果、さらに議員お話しの駐車場のスリット状、線状の植栽帯など、緑化助成の具体的な活用事例を紹介するなど、区民にやってみたいと思っていただけるような緑づくりの周知啓発に取り組んでまいります。  私からは以上でございます。 ◎鎌田 豪雨対策推進担当参事 私からは、個人のできるグリーンインフラの実装の観点から助成を検討できないかについてお答えいたします。  住宅地が土地利用の大半を占める世田谷区においてグリーンインフラを普及していくには、公共施設での整備と併せて、個人の住宅など民有地での取組が不可欠であり、浸透量の大小に関わらない積み重ねが重要であると認識しております。  個人の住宅において、駐車場はアスファルトやコンクリートなど雨水を浸透しない構造が一般的ですが、雨水流出抑制の観点から、緑化し透水性舗装とすることで浸透能力を確保できます。駐車場の透水性舗装などは、雨水浸透施設設置助成制度において、同等の浸透量を持つ雨水浸透枡と同額の助成をすることが可能でございますが、これまで実績はなく、助成対象となることのPRが必要であると考えております。  今後は、区民が自宅で取り組めるグリーンインフラ施設の手法や支援策について研究し、興味関心を持っていただき、参加に結びつくような手法を提示することで助成件数の向上を促すとともに、緑を広げる助成制度と連携したグリーンインフラパンフレットを活用し、さらなるPRに努めてまいります。  私からは以上です。 ◎須藤 障害福祉部長 私からは、石川県にあります佛子園の関係について御答弁を申し上げます。  お話しの石川県にある施設の取組は、障害者・高齢者施設に加えまして、温泉やスポーツジム、レストランなど商業施設も集約した大規模なプロジェクトとなってございます。様々な人がこちらに共に集い、インクルーシブな地域共生社会を構築するというような取組は、本定例会に御提案している条例案に通じるものというふうに考えてございます。  また、区でも規模や内容は異なりますけれども、うめとぴあや、鎌田区民センターの喫茶コーナーなどにおいて、障害者の方が働き、訪れた方に御利用いただいているほか、地域の就労継続支援施設で作ったパンや焼き菓子などを施設に併設された喫茶コーナーなどで提供、販売する、そういった施設もございます。  今後、インクルーシブな地域共生社会を実現するためには、働く場を含め様々な場面で障害のある人とない人が一緒にいる、そうしたことが重要であるというふうに考えております。そのためには、区民や事業者への障害理解を進め、お話しのように、事業者などと連携しながら具体的な取組につなげられるよう検討してまいります。  以上です。 ◆二番(佐藤美樹 議員) それぞれ御答弁いただきました。障害理解のところについては、先日、経堂駅前のマクドナルドが、ダウン症の子を雇用しているという記事を目にしまして、ごく身近なところでも進んでいるなというふうに感じています。  続きは決算委員会でやりますけれども、一点、DXについて再質問させていただきます。  今回、二十三区の中で民間人材の副区長がどこにどれだけというのを見てみたら、渋谷区と当区のみでありました。渋谷区と言えば、かなりDXの推進について先進事例のある自治体であるわけですけれども、先日、東京都のガブテック東京という話もありましたが、例えばお隣の渋谷区のような、そういった隣接自治体と連携というか、いろいろ情報共有をしていくというようなやり方で当区にも推進を進めていく、推進につなげていくというような、そういったことについて副区長の見解を問いたいと思います。 ◎松村 副区長 再質問ありがとうございます。  渋谷区との連携というお話ですけれども、議員お話しのとおり、渋谷区はDXの先進自治体として、DXを非常に積極的に推進しておりまして、当区としましてもよいお手本としていきたいと考えております。  私も七月に渋谷区を訪問させていただいて、民間出身の澤田副区長と面談させていただきました。その中で、今後も継続してDXに関して意見交換、情報交換させていただくということに今なっております。また、DX推進担当部の職員につきましても、ウェブ会議等々で、随時渋谷区の職員の方と情報交換をさせていただき、先駆的な取組を大いに参考にさせていただいているところでございます。
     先日の答弁においても出ましたガブテック東京の話もございます。デジタル化を進める人材やノウハウの不足というところは、全自治体共通の課題と捉えております。東京都、二十三区はじめ、近隣自治体とも連携しながらDXの推進に取り組んでまいりたいと思っております。  以上です。 ◆二番(佐藤美樹 議員) 続きは決算委員会でやりたいと思います。  以上で終わります。 ○下山芳男 議長 以上で佐藤美樹議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、二十九番高橋昭彦議員。    〔二十九番高橋昭彦議員登壇〕(拍手) ◆二十九番(高橋昭彦 議員) 通告に従い、質問してまいります。  認知症とともに生きる希望計画の進捗状況について、まずお聞きします。  もともと認知症は困ったもので、家族は大変、困ったことを解決しなければならない。そのために条例を制定し、包括的に家族を行政が支援しますというのが今までの他自治体の主流の考え方でした。  そのような中、二年前の十月に世田谷区の認知症の条例が制定をされました。他自治体にはない認知症本人が希望を持って生きるための条例であり、これまでの認知症観の転換と認知症本人の私の希望ファイルづくりの先例を超える先駆的な条例が生まれたわけです。しかし、計画である四つのプロジェクトがスタートしたときに予想外の出来事、新型コロナウイルス感染症の波が起こってしまいました。  さて、昨年十一月、御存じの方、参加された方もいると思いますが、条例制定一周年記念イベントが開催をされました。厚生労働省から認定された認知症本人大使、希望大使である丹野智文氏による基調講演が現在も大きな反響を呼んでおります。今も動画再生回数が伸びているのは、丹野氏の話こそが認知症の希望であると感じている方が多いことだと思います。  このときの丹野さんの話を要約して少し触れたいと思いますが、仙台に住む丹野氏は、三十九歳のときに若年性アルツハイマー型認知症と診断されたと。そして、すぐに区役所や地域包括支援センターに、どこへ行っても言われるのが介護保険の話ばかりで、会社を辞めてデイサービスに行ったらとしか言われなかったと。今までの生活をどのようにしたら続けていけるのかということを知りたかったけれども、誰も教えてくれることはなかったよと。  絶望の中、一人の元気で自立している認知症当事者の方に出会ったときに、認知症でもこんなに元気に生活ができる、その出会いから丹野氏は仕事をしながら認知症の当事者のために活動するようになったというのが感動的なお話でした。  丹野氏は七年前におれんじドアという、不安を持った当事者と元気な当事者が相談できる場をつくりました。新規で百名を超える当事者が通うというような状況になったそうです。リカバリーカレッジという勉強会も当事者だけでやっていると聞きます。仙台の町の中でやっていて、地下鉄やバスを使って認知症の人が一人で来るのがほとんど。今まで認知症の人が一人で来るのはあり得なかった。でも、ほとんどの人が一人で来るんだと。ほとんどの人が道に迷うんだと。大切なのは、みんながたどり着いてから、どのように来たかという話合いをするんだと。道に迷うのが当たり前で、人に聞いて来たと。おじいさんに聞いたら逆のほうを教えられて、学生に聞いたらスマホで教えてもらった、こういう学習をするようになるというような話がありました。  丹野さんのように、認知症と診断されて絶望の中にいる本人には、認知症になっても何も諦めることなく生活している本人と接することが何より希望につながると言います。先例のない認知症希望計画の推進には、認知症本人の参加がなければ成り立たないと言っても過言ではありません。  二〇二五年は大介護時代、高齢者の五人に一人は認知症と言われます。現在、世田谷区には約三万二千人が認知症との推計があります。条例の大本である認知症本人が、認知症で諦めている本人への希望をつなげる。本人をつなぎ、本人同士がつながり、安心して集う仕組みをつくるソーシャルアクションの仕組みづくりを第一の課題として、その上で四つのプロジェクトの計画が進むようにいま一度検討すべきと考えます。見解を求めます。  二点目は、これまでも提案している子ども向けの認知症ガイドの作成です。認知症の政策を提案したのは、大牟田市でのSOSネットワークの展開です。子どもたちは認知症の絵本で理解を深め、子どもたちが認知症の本人を見守る模擬訓練を視察して、私どもは提案しました。世田谷区でもあんしんすこやかセンターと社会福祉協議会が連携をして、小学校に出向き、福祉体験授業を小学生に行い、反響を得ていると聞いていますが、子どもたちへの理解が何より重要です。認知症を理解する子どもたち向けのガイドはどのように発展させるおつもりなのか、お伺いいたします。  次に、人と動物との調和のとれた共生推進プランの第二次の策定についてです。  四年前の私の一般質問で、命をつなぐセーフティーネットづくりと題して、動物が命あるものとして尊重され、人のよきパートナーとして幸福で健康な生涯を送ることのできる地域環境は、人間同士の思いやりや弱者へのいたわりの心の醸成につながると。  しかし、高齢者世帯でのペットは、高齢者自身の体調の変化により適切な飼育は難しくなり、多頭飼育に至るケースや置き去りなど、地域の課題にもなってきています。そこで、昨年、一般質問で、プランを改定するべきだと、第二期として新たにスタートさせるべきとの提案をいたしました。  そこで質問いたします。改定の狙いである飼育困難や多頭飼育崩壊の発生予防のための福祉との連携はどのようにプランに示していくのか、お聞きをいたします。  二点目は、地域で連絡員制度とまちづくりセンターについて質問します。  共生プランの改定の背景に述べられているとおり、新型コロナウイルス感染症の影響により在宅時間が増えて、ペットを飼う人が多くなりました。人と動物との関わりは多くなり、深くなるほど飼い主自身の健康や近隣との関係など問題が多様化し、複雑化していきます。地域社会で人と動物との共生について考え、取り組むことが特に重要になってきます。地域の課題として支えが必要であり、まさにまちづくりセンターの課題解決の機能と総合調整機能が必要になります。  そこで、町会など小さな単位で、例えば地域で高齢者を支える民生委員さんのような働きを動物版の民生委員、地域の動物連絡員として、飼育環境の健全化を支援する仕組みが必要と考えます。見解を求めます。  三点目に、飼育環境の健全化を維持するためには、猫の不妊・去勢手術費の助成制度も使い勝手のよい制度へ見直す機会であると思います。例えば隣の杉並区では、助成割合を条件によって全額助成と一部助成の制度をつくり、適正な環境整備を行っています。また、他区では、飼い主のいるいないにかかわらず制度化している例もあります。検討する必要があると思いますが、いかがでしょうか。答弁をお願いします。  最後に、環八千歳台・環八船橋交差点のバリアフリー化の協議についてお聞きします。  環状八号線の大きな交差点で、歩行者は歩道橋を上り下りしなければ渡れない交差点。環八船橋と環八千歳台の二つの交差点について、我が党は長年、区民の要望を訴えてまいりました。  環八船橋の交差点については、我が党の佐藤議員への区の答弁で、エレベーターの設置について、都から、今後さらに検討を進め、警視庁等との協議を行うためには、まずエレベーターの維持管理について都区間の役割を整理する必要があると聞いていますと。  エレベーターの維持管理についてですが、都が行う条件として、歩道橋がバリアフリー法に基づく重点整備地区内にあり、かつ特定道路に指定されている必要があると言われていますと。重点整備地区には指定されていないが、区が管理する場合の法的課題についての確認や、区内全体の広幅員道路のバリアフリー化の在り方との関係を検討して、現在、区の考え方を整理していますと。  区としては、引き続き東京都と迅速な調整を進め、当該バリアフリー化の実現に向けて検討を進めてまいりますと言いましたが、その後何も進んでいない状況です。早急に都と検討を進めていただきたい。  もう一つ、環八千歳台の交差点の横断歩道整備について、もう何度も申し上げているとおりですが、二点だけ質問します。  都と区の連絡調整会議で横断歩道の整備の検討を進めていますが、バリアフリー化を進める上でどのような課題が見えてきたのか、答弁してください。  そして、要望書を提出している町会・自治会の協議はどのように進んでいるのか、お伺いをいたします。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎山戸 高齢福祉部長 私からは、認知症とともに生きる希望計画について二点御答弁いたします。  まず、ソーシャルアクションの推進についてです。  希望計画では、地域共生社会の実現に向け、認知症御本人の声を聞き、御本人と共に施策を進めていく基本方針を掲げております。そのため、認知症を経験した御本人が集い、声を聞く機会を増やしていくことは重要なことと考えております。  希望計画推進のための本人発信参画プロジェクトでは、御本人の発信、参画の推進を第一期の目標としており、本人交流会や講演会、認知症に関わる検討会に御本人が参画している割合は、既にほぼ十割を達成しております。  一方で、認知症御本人として発信していただける方は数名の方に限られている現状があり、今後、御本人の発信や参画を進めるためには、認知症と診断された直後の支援や、様々な場面を捉え、御本人をつなぎ、御本人同士がつながり、安心して集えるための仕組みづくりが必要であると認識しております。  御本人同士が集い発信できるよう、これまでの仕組みを検証しながら、ソーシャルアクションの推進に向けて引き続き検討してまいります。  次に、子ども向けガイドの作成についてです。  区では、みんなでアクションガイド及び本人発信動画などを活用し、各地区のあんしんすこやかセンターが中心となって、地域団体や金融機関、学校などを対象にアクション講座を開催しております。  区立小学校でも、これまでに五回、合計五百二十八人の児童に対し、社会福祉協議会の福祉体験授業との合同開催や、認知症の御本人が講師となって自身の体験や思いを語るなど、多様な方法でアクション講座を開催いたしました。学年や学校側のニーズにより授業の内容が異なるため、当面は認知症在宅生活サポートセンターにて作成した資料をベースとし、対象者に合わせて適宜修正をして講座を行っております。  引き続きアクション講座を多世代に向けて開催するとともに、教育委員会と連携しながら、子ども向けの普及啓発資材の検討を進め、小学校や家庭教育学級に働きかけ、効果的かつ継続的に認知症の理解促進を図れるよう努めてまいります。  以上です。 ◎向山 世田谷保健所長 私からは、人と動物の共生推進プラン素案の関連三点をお答え申し上げます。  近年、飼い主が高齢や入院等、様々な理由により飼育が困難になる事例や、飼い主の判断力の課題等によってペットが管理し切れない頭数になる、いわゆる多頭飼育崩壊が発生しております。区では昨年度、人と動物との共生推進のための連携協議会を設置し、人と動物との調和のとれた共生推進プランの改定を進めるとともに、飼育困難事例や多頭飼育崩壊の対応への協議を行っています。  協議会では、人と動物に関する問題の早期探知、発生予防のための普及啓発など、将来を見越した対策として予防策の重要性を確認しております。議論の中では、ケアマネジャーや介護ヘルパーをはじめとする福祉所管との連携や、地域における見守り活動を進めることによって発生を未然に防ぐことや、問題を早期発見することが可能となるという意見や事例紹介がございました。また、協議会に設置された分会におきましても、予防策の一つとして、地域と動物をつなぐ制度について議論を進めています。  引き続き内容を詰め、プランへ反映させるとともに、具体の施策として構築してまいります。  次に、地域における連絡員制度についてのお尋ねでございますが、人と動物との共生推進のための連携協議会分会で議論している動物連絡員の制度については、既に動物関係のボランティア活動をしている方、新たに活動を考えている方や地域で既に見守り活動を行っている方がセミナーや勉強会等を受講して、動物全般や動物行政に関する知識を持った上で地域における見守り活動を行うことなどを想定しています。  具体的な活動内容として、地域におけるペット飼育状況等を把握し、飼い主の相談、助言、援助を行うこと、把握した情報を適宜、行政、町会、獣医師会等の関係機関と共有すること、保健所等と協働し、その事業、活動に協力をすること、適正飼養等の普及啓発を行うことなどを想定しています。  今後とも、連携協議会の議論を踏まえ、実効性のある連絡員の制度として構築できるよう、関係所管と調整をしてまいります。  最後に、不妊・去勢手術の助成についてでございます。  区では現在、飼い主のいない猫の増加を予防するとともに、飼い主が不妊・去勢手術をせずに外飼いすることを防止することなどを目的とし、飼い主のいない猫及び飼い猫に対して、いわゆる双方に対して不妊・去勢手術の費用助成を行っております。  助成額は、飼い主のいない猫の場合、雄が五千円、雌が一万円。飼い猫の場合は、雄が三千円、雌が六千円です。また、令和三年度の飼い主のいない猫の不妊・去勢手術の助成件数は、雄が五十六件、雌が八十二件、合計百三十八件でして、飼い猫の不妊・去勢手術の助成件数は、雄が五百八十五件、雌が六百二十八件の合計千二百十三件となっております。  現在改定中の人と動物との調和のとれた共生推進プランにおいても、飼い主のいない猫対策の推進の項目で、不妊・去勢手術の費用助成制度の普及啓発について議論を進めているところです。  引き続き、区民と動物が安心して暮らすことのできる生活環境の実現を目指し、他自治体の先行的な取組等も参考にしながら、様々な関係機関と議論を重ね、区民にとって使い勝手のよい制度となるよう検討を進めてまいります。  私からは以上です。 ◎工藤 土木部長 私からは、環状八号線千歳台交差点のバリアフリー化について御答弁いたします。  環状八号線千歳台交差点のバリアフリー化につきましては、昨年度までに検討を行っておりました歩車分離式信号の横断歩道設置では、環状八号線の交通の安全と円滑化が図れないことなどから見送られておりましたが、今年度新たに都と区の課長級で構成される連絡調整会議を設置し、新たな整備手法について再検討を開始いたしました。  第一回目の会議が六月十七日に開催され、地元要望である一般式の信号による横断歩道の設置を含めた整備手法の再検討を行い、その検討を踏まえ、課題である交差点改良工事や近接区道の通行方法の変更の有無などを含め、関係機関と協議を進めていく予定となっております。  区といたしましては、地元町会・自治会の理解と協力が不可欠であることから、関係機関の今後の協議の進捗により必要な情報提供または協議を行い、地元との合意形成を図り、長年の懸案である当該交差点の早期バリアフリー化に向け、関係機関としっかり連携し取り組んでまいります。  以上です。 ◆二十九番(高橋昭彦 議員) 工藤部長、長年の懸案である千歳台交差点だけじゃないですよね。船橋交差点だって長年の懸案ですよ。どっちが優先というわけではない。近くにある交差点で、どちらも優先度は高いと思うんですよ。セット論で考えてもらわないといかんと。世田谷区としては、やはりどちらも重要であり、どちらも区民が渡って危ない思いをしている、そういったところを解決するんだということが大事なんです。もう一度本気になって決意してやり切ってもらいたいと思うんです。答弁を願います。 ◎工藤 土木部長 再質問をいただきました。  二か所は確かに懸案ということで、まずは今、先行的に動いている協議会、先ほど答弁させていただきました千歳台、これをまずしっかり進めていきたい。もう一つ、船橋交差点も継続的に区のほうからは関係機関のほうに働きかけてまいります。  以上です。 ◆二十九番(高橋昭彦 議員) だから、どちらか優先ではないですよ。どっちも優先だというふうに決めてやってください。よろしくお願いします。  終わります。 ○下山芳男 議長 以上で高橋昭彦議員の質問は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後二時二十六分休憩    ──────────────────     午後二時三十五分開議 ○下山芳男 議長 休憩前に引き続き会議を開きます。  一般質問を続けます。  八番つるみけんご議員。    〔八番つるみけんご議員登壇〕(拍手) ◆八番(つるみけんご 議員) 通告に基づき、質問いたします。  初めに、次期基本計画について伺います。  本定例会の招集挨拶において、区長は、次期基本計画の審議会について、この間のコロナ禍を経験して見えてきた新たなライフスタイルの転換や、持続可能な社会を営むための哲学、価値観など、幅広く分野横断的に議論をしていただくと御発言されました。今月八日からスタートした基本計画審議会では、今後、委員の皆様の広範な見地から多角的な議論が展開されることと思います。  区が基本計画の責任者として、区制百周年を迎える世田谷のあるべき姿を描き、そこに向けて着実に前進するための十年間となり得る計画をつくられることを一区民としても期待しております。  他方、世田谷区には、今から九年前、平成二十五年九月二十七日に区議会で議決された基本構想があります。基本構想は、区、区民、事業者が共有する二十年間の公共的な指針として定められたものであり、区政運営の土台とも言うべきものです。  基本構想の重みを鑑みれば、次期基本計画策定のその組立ての前提として、土台である基本構想をどのように捉えるかという視点からスタートするはずのものであります。基本計画審議会での審議が始まった今、基本構想と次期基本計画の在り方について、審議会での取扱いも含め、区としてどのように整理しておられるのか、お考えをお聞かせください。  次に、長引くコロナ禍の区民生活への影響と対策について伺います。  約二年半に及ぶコロナ禍は、学校における教育環境、地域社会における働き方、区内産業の業態転換など、区民生活の隅々まで多大なる影響を及ぼし、特に高齢者の皆様におかれましては、生活の変化と孤独化、それに伴う健康面への影響、認知症の進行や虚弱化などが心配されております。  区長は、本定例会の招集挨拶で、三年目となったコロナ禍に加えて、大きな変化の波が地域社会にも及んでいる。区民の健康と安全を守るための区政の土台を確保していく時期だと捉え、着実に施策を重ねていくと御発言されました。  限られた財源で効果的な施策を展開していくには、その前提として、事実や根拠に基づく政策立案のために現状を正しく把握するということが極めて重要であります。  そこで、区として、コロナ禍の影響による区内の高齢者の方々の生活の変化やその実態をこの二年半どのようにして把握してこられたのか、お聞かせください。  あわせて、コロナ禍の影響を受けた区内の高齢者の生活実態に合わせた政策立案における区の基本的姿勢と短期的、中長期的な対策についてお考えをお聞かせください。  次に、高齢者のくつろぎの場としての居場所づくりについて伺います。  本年六月の第二回定例会一般質問において、区として、地区、地域、全区的な施設、機能の整備として、区のあるべき姿をどのように描いておられるのかということを伺いました。区は、高齢者が気軽に出かけていくことのできるくつろぎの場について、地域包括の地区展開を踏まえながら、将来的には各地区単位に整備を図っていくことを目標としていると御答弁されました。各地区単位に整備を図るという目標が示されたこととなります。  現在、高齢者の新たな居場所づくりの取組では、千歳温水プール、ひだまり友遊会館、代田地区会館が活用されており、そのほか、令和五年度からは寺町区民集会所、令和七年度にはふじみ荘跡地の高齢者施設の一部を利用したモデルの取組を行うと聞いております。  前述のとおり、各地区単位での整備となれば、今後、区民により身近な二十八の地区単位で展開していくという方向性になろうかと思いますが、一方で、財政的な観点から言えば、相当の創意工夫が求められるはずです。高齢者のくつろぎの場としての居場所づくりにおけるモデルの取組のその後の各地区への展開と整備スケジュールについて、区のお考えをお聞かせください。  次に、世田谷区のこれからの教育政策について伺います。  教育、学術及び文化の振興に関する総合的な施策の大綱について、区長は招集挨拶で、不登校特例校の実証を踏まえつつ、さらに先駆的な特色のある教育内容を提示する公教育の可能性を論じていき、今回の大綱をバージョンアップしていくと御発言されました。  この大綱は、地方教育行政の組織及び運営に関する法律において地方公共団体の長が定めるものであり、他方、区教育委員会では、教育基本法に基づき、令和四年、五年を対象とする第二次世田谷区教育ビジョン・調整計画を定めております。令和六年度からは、次期教育ビジョンとも言える(仮称)世田谷区教育振興基本計画を五か年で策定する方針がさきの文教常任委員会で示されました。  ここで改めて、大綱と次期教育ビジョンとの関係を教育委員会としてどのように整理されているのか、お考えをお聞かせください。
     教育現場の経験を持つ方々のお話をお聞かせいただくと、ビジョンや計画が教育現場と共有できていない、多忙を極める教育現場ではビジョンや計画を追求する余裕がないというようなお声を耳にすることがあります。  令和六年度以降を対象期間とする次期教育ビジョンと行動計画を一体化した(仮称)世田谷区教育振興基本計画は、区内の小学校で教壇に立たれた御経験がある教育長がその職に就かれてから初のビジョン策定ということになります。教育現場と教育委員会の事務方の皆様が今まで以上に一体となって進めていけるビジョン、計画の策定が望まれているはずです。  子どもたちを取り巻く環境が激しく変化し、予測不能な時代と言われる昨今、時代の変化と教育現場の現状を的確に捉えた次期教育ビジョンの策定に向けて、今後どのように組み立てていかれるのか、教育委員会のお考えをお聞かせください。  さらに、次期教育ビジョンが現場においてどのような役割を果たすのか、考え得る課題と併せて教育委員会の御認識を伺います。  次に、子どもたちが楽しく通える学校づくりについて伺います。  本年三月に策定された第二次世田谷区不登校支援アクションプランによると、令和二年度の区内の不登校児童生徒数は九百六十八名に上ります。  区内の不登校児童生徒数は年々増加しております。特に顕著なのは中学校における不登校生徒の割合で、全国、都と比較して世田谷区内の不登校生徒の割合は高い水準にあります。区として不登校特例校の取組に注力されていることは理解いたしますが、いま一度原点に立ち返り、全ての子どもが楽しく通える学校づくりということを大前提として不登校施策と向き合うべきではないでしょうか。  子どもたちがなぜ不登校になったのか、子どもたちが学校に楽しく通えない要因は何か、それらを的確に把握し、子どもたちの求める施策を組み立てることこそが今、教育委員会に求められているはずです。全ての子どもが楽しく通える学校づくり、そのために区としてどのような取組を今後展開していかれるのか、現状と課題の解決に向けた具体的方策について、教育委員会のお考えをお聞かせください。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎加賀谷 政策経営部長 私からは、次期基本計画につきましてお答えいたします。  現行の基本構想は平成二十五年九月に議決され、世田谷の二十年間を展望する公共的指針であり、基本計画は基本構想に基づき今後の政策の方向性を明らかにする区の最上位の行政計画としております。  今般、次期基本計画を区が策定するに当たりまして、その位置づけが変わるものではなく、基本構想に掲げる目標や理念の実現を前提に、この間の社会状況の変化や将来人口推計結果、区の取組状況などを踏まえまして具体的な内容の検討を進めていくこととなります。  第一回基本計画審議会におきまして、基本構想の内容や位置づけなどについて御説明したところでございます。今後の審議会におきましても、基本構想と次期基本計画とのつながりを意識した上での議論が展開されるよう努めてまいります。  以上です。 ◎山戸 高齢福祉部長 私からは、長引くコロナ禍の区民生活への影響と対策について御答弁いたします。  収束の見通しが立たないコロナ禍において、外出を控えがちな高齢者のフレイルの進行や認知症の症状の進行などが懸念されており、支援の必要な高齢者を早期に把握し、適切なサービスや地域参加につなぐなどの支援は、これまで以上に重要になっていると認識しております。  このため、感染症対策を講じつつ、民生委員によるふれあい訪問、あんしんすこやかセンター職員による八十五歳以上等の実態把握訪問、ケアマネジャーの定期的な訪問など、重層的な実態把握に努めるとともに、介護予防事業により参加者の健康状態の変化を把握するなどの取組を行ってまいりました。  区では、第八期高齢・介護計画に基づく自立支援、介護予防、重度化防止の推進を基本的な姿勢とし、支援を要する高齢者をより早く把握するための取組や、オンラインを活用した介護予防事業を継続するとともに、身近な地域や地区でのフレイル予防の取組が活性化するよう、第九期高齢・介護計画において、介護予防教室の実施拠点や通いの場の充実について検討してまいります。  私からは以上です。 ◎片桐 生活文化政策部長 私からは、高齢者の居場所づくりについてお答えいたします。  区では、まず、五つの地域に囲碁や陶芸等、参加型のプログラムが体験できる居場所を整備することとして取り組んでおり、現在、世田谷、北沢、砧の三つの地域で事業を実施しております。また、来年度は烏山地域の寺町区民集会所に、令和七年度には玉川地域に整備予定の高齢者施設に設けられる地域交流スペースを活用し、居場所を設置する予定で、現在、寺町区民集会所については、具体の運営手法等について調整を行っているところです。  今後の身近な地区での居場所については、一層気軽に訪れ、くつろげる場としていくことが不可欠であると考えております。そのため、今年度中に、先行している居場所事業の利用者にアンケートを実施した上で、総合支所や高齢福祉部などの関係所管と共に、アンケート結果による居場所事業の検証や各地区ごとの資源の状況等を踏まえ、具体の検討を進めてまいります。  以上です。 ◎知久 教育総務部長 私からは、これからの世田谷区の教育政策について順次お答えいたします。  まず、教育大綱と次期教育ビジョンの関係性についてです。  平成二十六年三月に策定された第二次世田谷区教育ビジョンは、教育基本法の規定に基づく教育の振興のための施策に関する基本的な計画であるのに対し、平成二十七年五月に策定されたいわゆる教育大綱は、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の規定に基づき、教育の振興に関する総合的な施策の大綱であり、地方公共団体の長である区長が定めたものです。また、同法では、地方公共団体の長が教育大綱を定める場合は、地方公共団体の長と教育委員会で構成する総合教育会議において協議すると規定されております。  この間、教育大綱は、教育ビジョンを最大限尊重し、教育目標等をもって区の教育行政の大綱としてきましたが、次期教育ビジョンは、教育大綱が制度化されてから初めての全面的な改定となります。区長が定める教育の大きな方向性を示す教育大綱と次期教育ビジョンとは方向性を一致させ、世田谷区の教育施策を進めるものと認識しております。  教育委員会といたしましては、この間様々な教育課題を取り上げ、議論を重ねてきた総合教育会議での区長と教育委員による教育大綱に関する協議の状況を踏まえながら、次期の教育ビジョンとなる(仮称)世田谷区教育振興基本計画の策定に向けた検討を進めてまいります。  次に、次期教育ビジョンの策定に向けて今後どのように組み立てていくかについてお答えいたします。  平成二十六年度を初年度とする第二次世田谷区教育ビジョンは、おおむね十年間の計画として策定され、現在は、計画期間の最終二か年における具体の個別計画である調整計画に基づき、各施策を推進しております。  さきの文教常任委員会において、次期教育ビジョンの策定の考え方を御報告いたしましたが、令和六年度からの新たな計画は、社会情勢、時代の変化が著しく、社会の在り方そのものが劇的に変わりつつある状況下で、時代の変化などに的確に対応できるよう、計画期間をこれまでの十年から五年とし、さらに行動計画との一体化を図ってまいります。  また、新たな計画の策定に当たっては、学校現場での教職員の創意工夫や学校生活における児童生徒の様子など、現状を十分把握するとともに、令和五年四月に施行予定のこども基本法の基本理念である子どもの意見の尊重といったことを踏まえ、当事者である子どもたちの意見を聴取する機会も積極的に設けてまいります。  今年度改定される国の教育振興基本計画を参酌しながら、子どもたちと教育を取り巻く社会情勢や時代の変化などを的確に反映し、教育の現場から共感が得られる計画となるよう取組を進めてまいります。  最後に、次期教育ビジョンが教育現場にどのような役割を果たすかについてお答えいたします。  現在の調整計画はもちろん、令和六年度からの新たな五年間の計画においても、世田谷区の教育が進むべく道筋を示す計画そのものが学校現場に十分浸透し、理解されることが不可欠であると認識しております。  計画に掲げる教育目標、すなわち世田谷の教育が目指す理想の姿が、教職員一人一人と、さらに教育委員会事務局職員一人一人に十分浸透し、それぞれの垣根を越え、一体となり共有することで初めて生きた計画となるものと考えます。そのためには、計画の全体像が誰にとっても分かりやすいものであること、また、何より、新たな目標が学校現場の目線から見ても目指すべきものとして共感できるものであることが大切です。  学校生活を通して、世田谷の子どもたち一人一人が将来の夢や自分の目指したい姿を見つけることができる、そして、子どもたちに寄り添いながら、教職員自身も共に夢を持つことができる、こうした教育の姿を実現するための計画となるよう、教育委員会事務局が一丸となって取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎平沢 教育総合センター担当参事 私からは、全ての子どもが楽しく通える学校づくりについてお答えをいたします。  区の不登校児童生徒数は依然として増加傾向にあり、令和二年度で九百六十八人、令和三年度においては千二百人を超える状況となっております。  教育委員会としましては、不登校児童生徒の支援策を展開していく上で、全ての小中学校において、教育活動を通して児童生徒が自ら学ぶ楽しさや意義を実感でき、子どもたちの多様性や個性を認め伸ばす魅力ある学校づくりが重要と考えております。  そのためにも、不登校特例校での様々な取組について効果検証を行うとともに、不登校対応ガイドラインの策定に合わせて、不登校にある子どもたちやその保護者を対象とした実態調査を実施して、その結果分析から取り組むべき課題等を抽出し、それらを基に、全ての子どもにとって学びやすい環境について検討を重ね、魅力ある学校づくりに向けた具体的取組につなげてまいります。  今後も、子どもたちの声を聞きながら、子どもたちが自己有用感や自己肯定感を高めながら安心して通い続けることができる学校づくりに全力で取り組んでまいります。  以上です。 ◆八番(つるみけんご 議員) 今、高齢者のくつろぎの場の居場所づくりにおきましては、今年度中に利用者アンケートを実施されるとのことでしたので、それはぜひやっていただきたいと思います。  一方で、利用者アンケートというのは、その場を利用されている方を対象に調査をするということになりますので、調査対象が絞られてしまうという問題点もあります。本来的には、こうした場に結びついていない方のニーズというものをきちんと把握して、そこに合致した施策を模索していくということが新たな居場所づくりの本質だと思います。  高齢福祉部などとの連携というお話もありましたが、高齢者の方の生活実態というものを的確に捉えて、それを議会にも見える化していただいて政策立案を進めていただきたいと考えます。  それと、教育の不登校に関する御答弁につきまして、実態調査ということがありました。これもぜひ進めていただきたいと思います。やはり、ただ、不登校とまではいかないまでも、悩みを抱える子どもたちがいるということも想定されるわけですから、その点もきちんとカバーできる調査もしていく必要があるのではないかということは問題提起いたします。  また、今の御答弁の中で夢を持つというお話がありましたが、七月に行われた教育総合会議で教育長から、教員が夢を語れないのでは子どもが自由に夢を語れるはずがないという趣旨の御発言があったことを今思い出しました。ぜひとも教員が夢を語れる教育現場を次期計画の中で具体化していただいて、そのことを通じて、子どもたちが夢を自由に語ることのできる世田谷の教育、全ての子どもが楽しく前向きな気持ちで登校できる学校を実現していただきたいと思います。  以上で質問を終わります。 ○下山芳男 議長 以上でつるみけんご議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、十一番高岡じゅん子議員。    〔十一番高岡じゅん子議員登壇〕(拍手) ◆十一番(高岡じゅん子 議員) 通告に従い、順次質問します。  初めに、区民全体で取り組むCO2削減とごみゼロに向けた取組について質問します。  気候非常事態への対応と資源循環型社会への変革は、日本を含む人類全体の課題です。区長も招集挨拶で触れられましたが、海洋プラスチックを自分たちの問題と考えたニューヨークの子どもたちの声がニューヨーク州を動かし、使い捨て発砲スチロール容器の利用禁止に結びついたというドキュメンタリー映画を私も見ました。無自覚に大量に使っているプラスチックをごみにしないために、まず生産や流通の過程での使用を減らすことが必要です。  世田谷区は地域経済の持続可能な発展条例をつくり、SDGsの目的に沿った経済活動を目指しています。そのためにも資源循環の視点は大切です。今こそ、脱プラスチックに向けた新たな業態や産業の育成に着手し、アップサイクルの利用拡大など、区民と共にごみゼロを目指す仕組みづくりに経済産業部が着手すべきです。区の見解を伺います。  世田谷区における廃棄物部門からのCO2の現状は、全体の四・三%と言われています。このCO2の排出比率だけを見ると大きくは見えませんが、基準年の二〇一三年から一九年の間、産業部門をはじめ家庭部門においても二桁の排出削減が達成できている中、廃棄物部門だけが一七・三%もの排出増となっているということは問題です。二〇三〇年に向け、世田谷区全体で五七%以上のCO2削減を達成するためには、このままプラスチックをごみとして焼却し、CO2をただ出し続けるということは許されません。プラスチックの資源循環を実現し、廃棄物部門からのCO2削減を加速する必要があります。区の見解を伺います。  八月一日から第八期清掃・リサイクル審議会が始まりました。諮問事項はずばり、世田谷区におけるプラスチック資源循環施策について、日々の区民生活に直結する資源とごみの分別回収の在り方です。一回目、二回目の審議会は傍聴の申込期間も短く、限られた人数しか参加できていません。オンライン傍聴なら百人までの傍聴が可能なはずです。この審議会の意義を区民に伝え、もっと多くの区民がこの重要な課題を自分事として考えることができるようにするべきです。見解を伺います。  次に、世田谷区のDX推進と個人情報保護の充実について質問します。  日本社会全体が国主導の急速な行政DXの波に巻き込まれています。転出入時の事務手続の煩雑さを解消できる引越しワンストップサービスが今年度末には全国的に動き出すと言われています。市民がそれぞれインターネット回線を使って手続するマイナポータルから、どのように安全、確実に自治体行政サービスの根幹情報である住民台帳の書換えにつなげるのか。実働半年前になる現時点でも全貌が見えてこず、みずほ銀行の全国規模で起こったシステム障害の事例などが頭によぎり、不安が尽きません。区民の個人情報を特に大切に扱ってきた世田谷区だからこそ、国に対し、安全の担保と十分な情報公開がないままの拙速なシステム運用を避けるよう、声を上げるべきです。  先日、DX推進に向けた次期情報化基盤の検討状況が報告され、区の事務作業の現場で使うパソコンをインターネットに接続しやすくすることで、業務の効率化やサービスの向上を図る計画だと聞きました。総務省の掲げたシステム構成の変化の図では、LGWAN系で守られていた現場のやり取りがインターネット回線で行われるようにも見え、特に個人情報についてのセキュリティーに不安を感じます。事務用端末のインターネット接続に伴うセキュリティー向上に関して区の見解を伺います。  国全体の法改正に伴い、世田谷区の個人情報保護条例も全面改定となります。世田谷区では、区民の個人情報は人格権の一部であることを踏まえ、特に外部委託、回線接続などによる個人情報の流出を防ぐため、審議会による事前審査など、仕組みを手厚くしてきました。ただいま、素案に対するパブリックコメントも始まっております。来年度以降、世田谷区の個人情報保護の仕組みが変わっても、区民が自分の情報は自分のものと区を信頼していけるものなのか、区の見解を伺います。  最後に、誰もが安心して歩ける世田谷を目指して質問します。  世田谷・生活者ネットワークは、自動車依存の町を誰もが歩きやすく安全な町に変えていくことが必要と思い、この夏、区内複数の箇所で地域の皆様と共に様々な角度からバリアチェック・アクションを行うなど、調査研究を重ねてきました。  住宅都市世田谷において、生活道路の安全確保は長年の課題です。平成二十一年の交通規制基準改正により、生活道路は三十キロメートルが最高速度とされています。どこから生活道路に入ったかを自動車の運転者にはっきりと認識できるようにし、安全運転を促す仕組みがゾーン30です。世田谷区内でも十六の区域に導入されています。  先日、歩くまち・京都として専門部署をつくり、歩きやすいまちづくりに取り組んでいる京都市を見てきました。こちらの写真です。皆様のタブレットにもお送りしています。京都市では、大通りから生活道路に入る角には、歩くまち・京都、この標識が確実につけられているだけではなく、こちらの路面標示を見ていただくと分かるんですが、歩道と、そして自転車が走る範囲も路面標示にすることによって、視覚的に自動車の走れる幅を狭め、自然とスピードを落として走行せざるを得ないよう、町全体が整えられていました。  世田谷区内でも羽根木通りにはこれに近い路面標示が行われ、地元住民として、自動車が慎重な運転になるなどの効果を感じています。新たにゾーン30を導入した例えば上用賀六丁目などの地区で、ゾーン30区域内の速度抑制対策として、ゾーン30入り口の標示と併せ、自転車ナビマーク等を路面標示することで、より安全な生活道路を実現することができるのではと提案します。区の見解を伺います。  また、世田谷区内では、自転車による交通事故の増加も大変な問題となっています。私たちの交差点の危険についての調査では、高齢者、ベビーカー利用者、視覚障害者など様々な方から、歩行者優先のはずの歩道や横断歩道で自転車がルールを無視した動きをしていて怖い思いをしたという声をお聞きしました。駅前広場などの広い歩道や大きな交差点の横断歩道でスピードを落とさず歩行者の間を縫って走る自転車は問題です。二子玉川地区で実践されているような押し歩きのマナー啓発を世田谷区全体に広げることが必要です。自転車事故の削減のためにも、横断歩道など歩行者優先の場所では自転車走行ルールや自転車押し歩きなどをもっと区民に周知徹底し、誰もが安心して歩ける空間にすべきです。区の見解を伺います。  これまでも世田谷区は福祉のまちづくり、ユニバーサルデザインのまちづくりを進めてきました。特に梅ヶ丘駅周辺にはうめとぴあもでき、様々な方々が利用し訪れる町になっています。そこで、視覚障害者の方が駅からうめとぴあまで安全に迷わず安心して移動できるかどうか、当事者の方と一緒に安全点検を行いました。うめとぴあまでのルートには音声式信号など様々な設備が整備されていた一方、駅東南の梅丘通りの交差点には、音声式信号やエスコートゾーンなど視覚障害者支援の設備がなく、変形した交差点で、横断角度がずれると車道中央に迷い出てしまう危険性があるということが分かりました。このようなリスクを設備設置の優先順位に反映させることが必要です。  区のホームページを見ますと、移動等円滑化促進方針の策定に向け、協議会なども開き、検討が進んでいます。梅ヶ丘駅周辺をモデル地域として、特に障害当事者の声を丁寧に聞き、世田谷区をさらに誰もが歩きやすい町へと改善していく必要があると考えます。区の見解を伺います。  これで壇上での質問を終わります。(拍手) ◎後藤 経済産業部長 CO2削減に向けた業態や産業の育成支援、また、区民にもそのような産業を知ってもらい、理解を深める取組を進めるべきとの御質問に御答弁申し上げます。  本年四月に施行されました世田谷区地域経済の持続可能な発展条例では、地域の経済発展と社会課題の解決を両立することで地域経済の持続可能な発展を目指すこととしてございまして、基本的方針の一つとして、地域経済の持続可能性を考慮した事業活動及びエシカル消費の推進を図ることを掲げてございます。  この方針の下、CO2削減に向けた事業者の取組支援を行うことは重要と考えておりまして、例えばCO2削減につながる商品開発やアップサイクルにチャレンジする事業者の支援等に取り組むなど、創業支援や業態転換等の事業者の新たな挑戦を支援する施策や、現在検討している旧池尻中跡地施設においても、これらに取り組む事業者の育成支援に取り組んでいきたいと考えてございます。  また、消費者側の行動変容を促すことも重要と考えており、エシカル消費の啓発や、旧池尻中跡地施設を使ったSDGsを含む学び支援に取り組むとともに、消費者の行動変容を促す仕組みについても研究してまいります。  以上でございます。 ◎蒲牟田 清掃・リサイクル部長 私からは二点御答弁申し上げます。  初めに、プラスチック資源の循環と廃棄物部門からのCO2削減の推進についてです。  区では、循環型社会形成に向け、一般廃棄物処理基本計画に基づき、不要なものを出さない暮らしや事業活動への転換を促すため、発生抑制と再使用の2Rに重点を置き、せたがやエコフレンドリーショップやフードドライブなどの取組も進めており、ごみ量は減少傾向にあります。2Rの取組を進めてもなお排出される不要なものについては、限りある天然資源を循環させるため、分別を徹底し、可能な限りリサイクルを推進しているところです。  使用済プラスチックについても、リサイクルや焼却処分の過程において二酸化炭素が排出されることから、区民、事業者、関係所管との連携を強化し、二酸化炭素の削減につなげるごみの減量に取り組んでまいります。また、プラスチック資源の循環については、分別収集の体制や再商品化施設の整備、再商品化手法による二酸化炭素削減の効果、分別収集に伴い区民の皆様への新たな行動を求めるなど課題があることから、清掃・リサイクル審議会において専門家の知見や区民委員等からの意見などを広く得るなど、丁寧に検討を進めてまいります。  次に、第八期清掃・リサイクル審議会の意義周知と区民参加の拡大についてです。  区は、プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律の施行により、使用済プラスチック使用製品の分別収集、再商品化が区市町村の努力義務とされたことから、今後のプラスチック資源循環施策の在り方を検討するため、審議会を設置し、本年八月より審議を開始したところです。  第一回目の審議会では、海洋プラスチックごみ問題、気候変動問題などを背景に、プラスチックの資源循環を一層推進する必要性や区の取組などについて報告したところです。今後は、昨年度実施しました世田谷区のプラスチック資源循環施策の在り方に関する基礎調査の結果などを踏まえ、区の取り組むべき方向を御議論いただく予定となっております。  なお、会議の傍聴につきましては、より多くの方々に御参加いただけるよう会場とオンラインで実施しておりますので、募集期間や参加人数については、他の附属機関を参考に新たに設定し、また、今後の審議会日程につきましてもホームページなどでできるだけ早く周知するなど、区民参加の機会拡大に取り組んでまいります。  私からは以上でございます。 ◎菅井 DX推進担当部長 私からは、次期情報化基盤におけるセキュリティー対策について御答弁申し上げます。  次期情報化基盤では、事務の効率化のため、事務用無線LANの利用や、インターネットにスムーズに接続できる環境の構築を目指しておりますが、お話がありましたとおり、マイナンバーを含む住民基本台帳などを扱う業務システムにつきましては、事務用パソコンとは別の専用端末を利用いたしまして、インターネットと分離した専用回線に無線ではなく有線で接続するなど、これまで同様に強固なセキュリティー対策を講じてまいります。  また、インターネット接続系を主な事務環境とする事務用パソコンにつきましても、アクセス認証や操作ログの監視などにより、想定されるセキュリティー上の脅威に対しましてリスクに応じた技術的対策を新たに講じるとともに、区職員のリテラシー意識を高める研修や外部の専門家によるシステム監査の導入など、人的対策も継続して行ってまいります。  これらの対策等を着実に実施することで、業務の効率化を図りながら、区民サービスの向上と情報セキュリティー対策の両立を図ってまいります。  以上でございます。 ◎池田 総務部長 私からは、個人情報保護条例における情報主体について御答弁いたします。  今回の条例改正においては、区のこれまでの個人情報保護の取組を維持、発展させる制度設計に努めること、個人情報は区民が情報主体であることを十分に意識した運用上の工夫に努めること、審議会制度を引き続き十分に活用することを検討の基本方針としております。  御質問の自分の情報は自分のものという、いわゆる自己情報のコントロール権につきましては、新制度におきましても、現行条例と同様に、自己情報の開示請求の権利、訂正請求の権利などが保障されているところでございます。  引き続き、個人情報の情報主体が区民であることを十分に認識し、区民の方に信頼していただける制度運用に努めてまいります。  以上でございます。 ◎工藤 土木部長 私からは二点について御答弁いたします。  まず、ゾーン30区域内の速度抑制についてです。  ゾーン30とは、生活道路における歩行者や自転車の安全な通行を確保することを目的とし、自動車の走行速度や通り抜けを抑制する対策となります。
     自動車の速度抑制としましては、路面を滑らかに盛り上げるハンプや車道の通行部分を局所的に狭くする狭窄などの対策がございますが、道路の幅員や自転車利用の状況等を考慮する必要がございます。お話しいただきました自転車ナビマーク等の路面標示による速度抑制につきましても、道路利用者の混乱を招かないよう、デザインや設置の考え方、色彩等に配慮する課題がございます。  区といたしましては、ゾーン30区域をより安全な生活道路とするための速度抑制対策の一つとして、自転車ナビマーク等の設置について、警察署と連携しながら、東京都や他区の取組に注視しつつ、お話しいただきました京都市などの先進事例を参考に研究してまいります。  次に、自転車走行ルールの周知徹底でございます。  自転車の交通ルール遵守の周知徹底は、九月二十一日から始まりました秋の全国交通安全運動の重点項目の一つにもなっております。御指摘の横断歩道での自転車走行ルールにつきましては、横断中の歩行者の通行を妨げるおそれがあるときは自転車に乗ったまま横断歩道を進むことはできないこととなっております。  区では、歩行者、自転車、自動車が集中し交錯する交差点での安全性を高めるため、自転車の通行位置及び通行方法を視覚的に明確化する青色矢羽根形の標示のナビラインによる自転車走行環境の整備を行っております。  引き続き、安全に利用できる自転車走行環境の整備を進めるとともに、横断歩道など歩行者優先の場所における自転車走行ルールの啓発に努め、ルールが守られていない交差点が見られる場合は、警察署と連携し、啓発用の看板の設置や押し歩きの普及啓発など、誰もが安心して歩ける効果的な安全対策を進めてまいります。  以上です。 ◎畝目 都市整備政策部長 私からは、梅ヶ丘駅周辺地域をモデルとした誰もが歩きやすいまちづくりについてです。  区ではこれまで、区民の誰もが安心して暮らせる町、人々が共に触れ合い、共に支えあいながら生き生きと活動できる町を目指し、福祉のまちづくりを推進してまいりました。また、昭和五十六年の国際障害者年を契機に、翌年には梅ヶ丘駅周辺をモデル地域として公共施設の整備改善を行うとともに、人に優しい施設整備を進めてきてございます。  議員お話しの方針につきましては、ユニバーサルデザインのまちづくりのさらなる向上を目指しまして、現在、学識経験者等をはじめ、各関係団体やNPO、道路や交通管理者、交通事業者等と共に検討を進めてございます。  区といたしましては、全ての方が利用しやすい安全な歩行環境の確保に向けまして、この間、梅丘地域をモデル地域として障害者当事者も御参加しましたまち歩きの実施やワークショップ、意見交換会等を行うなどしてきておりまして、引き続き共に取り組みながら方針をまとめてまいります。  以上でございます。 ◆十一番(高岡じゅん子 議員) ぜひ安全な歩行空間の確保をお願いいたします。  DXに関しても、進んでいきますが、個人情報保護が本当に絶対後退しないように、区民の信頼に応えていただきたいと思います。  プラスチック資源循環について、経済産業部のほうも取り組んでいただけるということですので、ぜひグリーン投資を世田谷に呼び込むような積極的な施策を示していただきたいと思います。 ○下山芳男 議長 以上で高岡じゅん子議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、二十一番いそだ久美子議員。    〔二十一番いそだ久美子議員登壇〕(拍手) ◆二十一番(いそだ久美子 議員) 通告に従い、質問いたします。  区立小児童の体力向上への取組についてです。  戦後一貫して右肩上がりだった日本人の体格がピークアウトしたようです。文科省学校保健統計によれば、十七歳男女の身長、体重とも一九九五年から二〇〇〇年をピークに、その後、身長はミリ単位ですが、減少しています。栄養面で大きな変化はないとして、遊び場の不足による運動不足、スマホ長時間使用などの生活習慣が成長の妨げになっているとの指摘があります。  体力の低下も問題となっています。東京都教育委員会では、体力テストの結果が全国平均より東京都が低いことを重く見て、平成二十一年に子供の体力向上推進本部を設置、世田谷区でも快眠・快食・快運動の三快プログラムを実施するも改善が見られないと過去の議会でも報告されていますが、その一方で、私の感覚では、世田谷区の子は学力上位で体力は平均並みと思っている保護者様が多いようです。学校現場において、保護者や児童本人とこの現状を共有したり、体力向上の必要性を啓発しているか、まずお尋ねします。  次に、資料がございます。お手元のタブレットでも御覧ください。校庭の広さや工事による使用制限、周囲の遊び場などの環境、また運動機会の取組など、条件の違う四つの小学校を選び、令和三年に六年生である学年の三年生からの体力テストの結果を追ったグラフを作成してみました。校庭や周囲の遊び場は広いほうが数値はよいと見えますが、後半になるに従い、校庭の狭い学校も運動取組の効果が出てきています。この世代は女子のほうが発育がよく、傾きは急となっていますが、それぞれの学校が示すトレンドは男女よく似ており、環境や学校ごとの取組から、同じ影響を受けていると言えると思います。  次に、さらに、校庭の広さと体力との関係を見るため、都内の区市部ごとの小学校六年生の体力テスト平均値をリスト化してみました。水色が区部、黄色が市部です。市部の校庭の平均面積は、ここに書いてあるとおり区部の約二倍です。市部のほうが圧倒的に数値はよいかと思ったのですが、結果は、上位三十校中、男子は十七校、女子は十九校が区部を占めており、必ずしも市部が有利とは言えていません。先ほどの世田谷区内の結果も併せ見ると、校庭や遊び場の広さだけでなく、学校の取組次第で体力は向上させられるのではないかと思います。男女を平均すると中央よりやや下の世田谷区としましては、住民属性が似ていて数値が上位の中野区や品川区の取組内容を聴取して参考にするとよいかもしれません。  とはいえ、児童生徒からは、近年は公園は禁止看板ばかりで自由に遊べない、校庭が大事だという声が多くあります。区の取組としては、まず提案したいのは遊び場の確保。周囲の遊休地を買い取って、公園ではなく第二校庭、児童の遊び場として活用することはできないでしょうか。京西小に事例があると聞いていますが、そのほかはいかがでしょうか。  さらに、運営面での取組。まず学校単位で行い、好事例が出たら他に展開する方法でよいかと思います。校庭、体育館の開放時間の延長、体力向上特例校などをつくって研究し、経過を発表し合うこと、保護者への啓発、区内大学と提携して、陸上競技でもダンスでも、子どもたちの興味ある分野で構いません。体を動かす機会を持つことなど考えられますが、現在取り組んでいる内容、今後の展望はいかがでしょうか。  体力と体格は、このまま放置すれば衰退は免れません。育ち盛りのこの世代、まずは将来へのお土産として、全国平均並みの体力を区の義務教育の中で自然に身につけられるような施策を期待します。  次に、新型コロナ感染症のオンライン診療についてです。  二〇二〇年の第二回定例会で、私は、自宅療養者の容体急変に対応できるよう、オンライン診療を提案いたしました。自宅やホテルで療養している患者のバイタルデータを常時監視し、異常値が出たら医師に連絡、診療につなげる形式のものです。当時の区の感染者数を見ると、二〇二〇年の多い日で八月六日で五十二人、何とか入院先を見つけられる規模でもあり、当区でコロナのオンライン診療はしていませんでした。  現在のオミクロン株は軽症で自宅療養がメインになっていますが、感染率が非常に高く、日々の感染者が多い日では本年七月二十一日は二千八百七人、絶対数が増え、問合せ電話がつながらず、なかなか初診が受けられないのが問題となっています。  東京都は八月より、自主検査で陽性が判明した二十代から四十代の軽症者を対象に陽性者登録センターを開設、保健所に登録して電話相談が受けられるシステムをつくりました。この方式だと医師の診察はなく、薬の処方が受けられないのが難点です。  区が八月十日より開始しましたオンライン診療は、医師の診察が受けられ、検査キットと薬の処方、配送ができる点が東京都の陽性者登録センターに比べ優れています。現在、どのような受診者がどのような情報源で来ているでしょうか。また、オンライン診療に適合しない患者の例はどのようなものがあるでしょうか。パソコン作業に慣れていない高齢者やカード支払いの可否などの運用上の課題があると聞いていますが、その内容と改善策について教えてください。  東京都の陽性者登録センターは、八月中旬に三千人、九月に入り大分下がりまして四百人台の登録があるそうですが、今後、健康相談のみでは不安です。東京都と連携して、希望者は世田谷区のオンライン診療に紹介できるような運用を構築し、次の感染拡大期に備えてはいかがでしょうか。区の見解を求めます。  最後に、四年にも及ぶというシェアサイクルの実証実験についてです。  世田谷区には交通不便地域が点在し、自転車移動が欠かせません。私が住む砧地域でも、坂が多いのが難点で、ここは区のレンタサイクル「がやリン」に電動自転車がないので、切望されています。  区は、シェアサイクル大手ハローサイクリングを運営するオープンストリート社と令和二年より二年間実証実験を行い、さらに二年延長するとお聞きしました。この間、区有地をポート用地として無償提供、この会社は百三十か所にポートを設置して、電動自転車を貸し出し、売上を上げています。既に通常営業を行っているように見えますが、実証実験は何が違うんでしょうか。区の認識をお聞きします。  オープンストリート社の実証実験報告を見ました。地域別の利用率などは区にも役立つ情報ですが、一台当たりの売上金額など、営業資料と変わりません。事業者の実証実験はいかに利益を上げるか、自治体の実証実験はいかに住民の役に立つかで目的が異なりますが、区も事業者も区民を対象としたニーズ調査をやっておりません。実証実験期間を二年延長するのであれば、官民連携の資料とするため、新たに区民をモニターとした実証実験を行うことを提案しますが、いかがでしょうか。モニターは「がやリン」ユーザーを含む様々な世代、学生や区内勤務者、子育て中の母親や高齢者などで、どこにポートが欲しいのか、何の用途で何時間使うのか、料金設定は適切であるかなどを調べていただきたいです。子ども乗せタイプの自転車が欲しいという声も出てくるだろうし、高齢者にはアプリで予約する方法を教える機会が必要かもしれません。その対応を考えてこそ官民連携事業のはずです。  また、一社だけに頼ると、その事業者が撤退したり料金値上げしたときの影響が大きいので、他議員からも質問が出ましたが、今のオープンストリート社だけでなく、料金体系が違う他社も実証実験し、将来的には複数社を導入することを併せて御提案いたしますが、いかがでしょうか。  いずれにせよ、実証実験の段階を早く終えて本格稼働にして、区報などで区民にも周知することにより、区民の移動手段が増え、事業者もより多くの顧客獲得ができるはずです。区民モニター調査の実施とシェアサイクルの早期の本格稼働を要望いたしまして、壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎小泉 教育政策部長 私からは、区立小学校における体力向上の取組について二点お答えいたします。  最初に、子どもの体力向上の必要性の啓発についてお答えいたします。  令和三年度の児童生徒体力調査における世田谷区の平均は、全国と比較しますと、小学校男子児童と女子児童は同等の結果となっており、中学生男子生徒及び女子生徒は低いという結果が出ております。  調査結果につきましては、児童生徒本人にはレーダーチャートにまとめたものを配付して、自身の状況を視覚的に把握できるようにするとともに、家庭に持ち帰らせて、保護者にも把握できるようにしております。また、学校全体の調査結果や分析をホームページや学校だよりで情報を発信したり、保護者会やPTA主催の学校保健委員会等で説明したりしている学校もあると聞いております。  教育委員会といたしましては、心身共に健康な生活を送る上で欠かせない体力を養うため、学校及び関係機関とも連携を図りながら、児童生徒が生涯にわたって心身の健康と豊かなスポーツライフを実現するための取組を推進してまいります。  次に、体力向上についての今後の取組についてです。  現在、第二次世田谷区教育ビジョン・調整計画の柱の一つとして、健やかな身体、たくましい心の育成を位置づけて、体育の授業の充実や食育の推進、心と体の健康づくり等について取り組んでいるところでございます。  各学校においては、児童生徒の体力や健康状況の実態を的確に捉え、効果的な取組を展開するとともに、区内の体育大学等と連携して新しい指導方法を取り入れたり、学生アスリートによる陸上や器械運動などの実技指導を導入しております。  教育委員会といたしましては、これらの取組から生まれた好事例を他校にも積極的に普及啓発を図ることで、各学校の体力向上の取組を推進してまいります。  以上でございます。 ◎知久 教育総務部長 私からは、区立小学校における第二校庭の整備についてお答えいたします。  学校の校庭は、体育やクラブ活動、学校開放等における運動の場や放課後の遊び場でもあることから、子どもたちが伸び伸びと体を動かすことができる十分な校庭面積を確保することが重要であるものと認識しております。  一方、この間の児童数の増加や、その対応に伴う校舎の増改築等による区立小学校敷地の狭隘化が課題となってきており、教育委員会では、これまで学校に近接した土地所有者の協力が得られた際に用地の取得等を行ってきております。  令和四年度現在、第二校庭が整備されている小学校は、京西小学校、砧南小学校のほか、令和二年度に学校の隣接用地を取得した八幡山小学校や山野小、松沢小学校の全五校でございます。学校からは、第二校庭があることでより多く子どもたちが活動する機会が得られると高く評価されております。  今後も、子どもたちの運動や遊びの場などの活用が可能なスペースを確保するため、様々な機会を捉え、学校に近接した用地の取得に向け、関係所管と調整の上、積極的に進めてまいります。  以上でございます。 ◎向山 世田谷保健所長 私からは、新型コロナウイルス感染症オンライン診療についての一連の御質問にお答え申し上げます。  今般の第七波で、区が支援するオンライン診療を受診した方は、区の発熱相談センターの紹介、区ホームページを御覧になった方が大半を占めます。区の発熱相談センターの紹介で受診をされた方は、医療機関の中でなかなか予約が取れなかった方、手持ちの抗原検査キットで陽性にはなったが、確定診断や処方、服薬を希望されるという方、さらに、報道を見てオンライン診療を希望された方が多い状況です。  新型コロナウイルス感染症のオンライン診療に適さない患者層としては、主に十五歳未満の小児、基礎疾患のある方、高齢者等です。これらの方々には、実際の対面診療によっての判断や併存する疾患の治療が必要なことから、かかりつけ医の診療を推奨しております。  また、御指摘のクレジットカード払いは、パソコンやスマートフォンに不慣れな方に敬遠される傾向がございます。区が支援する医療機関を通じて診療までの流れを丁寧に周知し、より多くの方に新型コロナウイルス感染症のオンライン診療を活用していただけるよう取り組んでまいります。  次に、東京都との連携等によるさらなる周知でございますが、区の発熱相談センターでは、二十代から四十代で軽症の方のうち、本人が医療機関での受診を希望しない場合は、東京都の陽性者登録センターも案内することがございます。しかし、大半の場合は、診療や処方薬を希望する相談が多く、現在も、区の支援するオンライン診療、都の陽性者登録センターの双方を紹介し、相談者に選択をしていただいております。  また、区の発熱相談センターは東京都の発熱相談センターとも連携を図っておりまして、都から紹介のあった方のうち、希望される方にはオンライン診療を御案内しています。  対面診療の発熱外来の逼迫を回避して、必要な方に地域の医療資源が適正に配分され、提供されるよう取り組んでまいります。  私からは以上です。 ◎工藤 土木部長 私からは、シェアサイクル実証実験につきまして二点御答弁いたします。  まずは、通常営業と実証実験の違いについてです。  区では、官民連携の取組として、公共交通及び区が運営しているレンタサイクルシステム機能の補完、代替及び地域の活性化や観光振興等に資する新たな都市の交通システムとしてのシェアサイクルの有効性及び課題を検証することを目的に、令和二年四月より事業者と実証実験を行っております。  事業者による通常営業であれば、シェアサイクルの利用状況などの情報は区に提供されませんが、実証実験に関する相互協力の協定を結ぶことで、事業者からの各種利用データの収集、整理したものが区へ提供されるため、この情報を基にシェアサイクルの有効性や課題等の検証を行っております。  引き続き、公共交通不便地域や広域避難場所へのポートの設置の支援に力を入れるなど、民間シェアサイクルの実証実験を踏まえ、区として有益なシステムとなるよう努めてまいります。  次に、新たに区民モニターによる実証実験と本格実施時の複数社の導入についてです。  シェアサイクルの本格実施に向けまして、実証実験の期間中に、より多くのデータを集め、区民ニーズやサイクル事業を検証するには、区レンタサイクルやオープンストリート社のハローサイクリングに加え、料金体系などが違う他事業者とも実証実験を行うことが有効と考えております。  実証実験に追加する事業者につきましては、現在、都心部でのシェアが最も高く、世田谷区の導入要望も多いドコモ・バイクシェアとの協議を始めているところです。また、例年実施しております「がやリン」利用者などへのアンケートに加え、今年度御提案の区民モニターに代わる手法としまして、シェアサイクル利用者に対して年齢別の利用目的、時間、頻度、料金等の満足度、ポートの設置希望施設等に関するアンケートを実施し、シェアサイクルの有効性や課題について検証を行います。  なお、御提案の区民モニターにつきましては、他区や事業者の実施事例やその結果及び効果を確認するとともに検討してまいります。  今後は、ハローサイクリングを含めた事業者との実証実験の結果を基に、本格実施の際には複数の民間シェアサイクル事業者の導入が可能であるか検証を行ってまいります。  以上です。 ◆二十一番(いそだ久美子 議員) おのおの御答弁いただきました。  子どもの体力向上につきましては、六十校全て底上げするのは難しいと思いますが、一校ごとには成果が出ているところもあると分かりましたので、その事例を活用して進めていただければと思います。  シェアサイクルについては再質問です。  区側がやるべきことは区民を対象としたマーケット調査であり、今利用している人にアンケートをしても潜在需要は把握できないよということを述べたつもりですが、伝わらなかったようです。先ほども同じ話が出ていますが、単に利用者アンケートをするだけなら、そもそも二年間でできたはずだし、やり方を変える必要はないんだったら、この先二年も要りません。二か月ぐらいでもう調査して、もう本格稼動に向けてあと一社実証実験して、半年でできませんか。もう一度お願いいたします。 ◎工藤 土木部長 再質問いただきました。二年間も続けなくていいんじゃないかという。  期間を延長した理由としましては、区民の移動性、利便性の向上を図るため、事業者と連携して区内全域のポート拡充を進めまして、官民連携事業としての効果と課題をさらに見極めること、また、現時点では事業採算性が確保されていないことから、本格実施における公有地ステーション、ポートの使用料金等の取扱いについて検討を行うなどの必要があるため延伸のほうをしております。  引き続き、民間シェアサイクルの実証実験を生かし、区として有益な交通システムになるよう努めてまいります。  以上です。 ◆二十一番(いそだ久美子 議員) 二年やらなければいけない理由というのがそちら側にもあると分かりましたが、それにしても、交通不便地域対策全体がスケジュール感なくやっているのが非常に気になります。  この続きは決算特別委員会で細かいところを追って聞かせていただきます。  終わります。 ○下山芳男 議長 以上でいそだ久美子議員の質問は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後三時三十九分休憩    ──────────────────     午後三時五十分開議 ○下山芳男 議長 休憩前に引き続き会議を開きます。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 この際、議事の都合により本日の会議時間をあらかじめ延長いたします。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 一般質問を続けます。  四十六番桃野芳文議員。    〔四十六番桃野芳文議員登壇〕(拍手) ◆四十六番(桃野芳文 議員) 質問通告に従い、質問します。  初めに、子どもたちが安心安全に過ごせる学校という観点で質問します。
     近年、新学期の時期になると、いじめ被害者などに向けた無理して学校に行かなくてもいいんだよとの発信を目にします。かつてのように、やられたらやり返せや頑張って学校には行くべきだという論は今ほとんど聞かれません。私も無理して学校に行かなくともよいと思います。特に緊急避難として、不登校は大切な選択肢でしょう。しかし、それは本来あるべき形でしょうか。被害者が教室、そして学校から離脱していく一方で、加害者は学校に通い続ける。こうしたことを名古屋大学の内田良教授は優しい排除と表現しています。  教育基本法では、性行不良であって、他の児童生徒の教育の妨げがあると認められる児童生徒があるときは、教育委員会がその保護者に対して児童生徒の出席停止を命ずることができるとしています。教育委員会は、いじめを行う子どもを出席停止にできるのです。  まず、世田谷区立小中学校におけるいじめ認知件数の推移と、これまで暴力やいじめなどによる出席停止の例があるのか聞きます。  世田谷区立学校管理運営規則に出席停止についての定めがありますが、単なる法の引用にとどまっており、学校の責任者たる校長がなすべき手順などの定めがありません。出席停止は、被害者を守るための強力な手段である一方、加害者の権利を制限するものであり、加害者側からの強い抗議も想定されます。その妥当性をめぐり裁判となる可能性もあるでしょう。  そうした想定をしつつも、被害者を守るために、必要であればちゅうちょなく出席停止の判断を下さなければなりません。そのためには、係る手順や加害者の教育を受ける権利をどのように保障するかなどを明確に定めておくべきです。見解を伺います。  教師の体罰、暴言等による不登校の場合はどうでしょう。東京都は教職員の処分について、極めて悪質または危険な体罰を繰り返した場合で、児童生徒の苦痛の程度が重いとき(欠席・不登校等)は免職、暴言または威嚇を行った場合で、児童生徒の苦痛の程度が重いとき(欠席・不登校)は停職、減給、戒告としています。  一方、教職員の非行から処分まで一年以上を要するケースもあります。つまり、教職員の暴力や暴言で不登校になり、その教職員がいる限り安心して登校できない子どもが長期間、不利益を甘受しなければいけない事態が起こり得るのです。こうしたケースにおいても子どもたちが学校で安心安全に過ごせる仕組みが必要です。見解を伺います。  次に、小中学校における熱中症などへの対策についてです。  まず、これまで世田谷区の学校で多くの児童生徒が熱中症で体調不良となる事例があったか、あったなら件数と中身についてお答えください。  今年六月、区立中学校で長距離走が行われた際、三十名ほどが保健室に行き、各クラス二、三名の早退者があったとの声が寄せられました。本件はどのような状況だったのか、健康を害した生徒の数も含めお答えください。  熱中症は時に命に関わります。天候や児童生徒の体調に注意するのはもちろんですが、加えて、夏場は体育の授業中の帽子着用、状況によってはテントで日陰をつくることなどが推奨されるべきと思いますが、見解を伺います。  私はこれまで水泳でのラッシュガード着用について取り上げてきましたが、いまだ着用には事前の届出を必要としている学校があると聞きます。そのような学校は現在何校あるのか。届出制は適切か、見解を伺います。  また、本年九月一日の毎日新聞にて、日傘の使用を禁止している小学校があると報道されていました。このようなルールについての見解を伺います。  児童養護施設退所者等支援事業の拡充について聞きます。  私は、この事業導入前から具体的な改善策を提案してきました。昨年十二月一日の一般質問では、住宅支援が機能していない、奨学金受給者の三割が中退や行き先不明になっている、寄附金が積み上がり活用されていないなど指摘しました。今年三月十五日の予算特別委員会では、進学支援だけでなく就職支援を求めるとともに、支援対象者を広げるべきだと改めて提言しました。  その後、八月二十九日の福祉保健委員会で報告された児童養護施設退所者等支援事業の拡充についてに、私の提案が一部含まれたことは評価しますが、それぞれの施策が若者の自立につながるのか、疑問に感じる点も多々あります。今後、施策を見直していくためにも、中退ゼロなど、施策の成果目標は数字で示すべきです。見解を伺います。  次に、奨学金についてです。  区長は当初、児童養護施設の退所者にお金を渡せば多くの方が進学し卒業すると思っていたようです。さきの記者会見で区長は、このような奨学金制度を設ければ、皆さんが進学を選択して、支出が増えるのではないかと思っていたと発言していますが、まさに実情を把握せずこのような施策を始めたと認める発言でしょう。  奨学金制度をつくったが、進学希望者は見込みよりもはるかに少なく、寄附が積み上がる一方。そんな中で区は、短期間でも児童養護施設で過ごした経験のある方を奨学金給付の対象にするとしました。例えばAさんは、施設で数か月過ごした経験があるが、今は十分な所得のある親と暮らしています。一方、Bさんは、施設で過ごした経験はないが、親が病気がちで十分に働けず、アルバイトで生活費を稼ぎながら高校に通っています。区の案では、Aさんは返済不要の奨学金の対象、Bさんは対象外です。  次に、資格等取得支援です。区は、Aさんのような方含め、自動車免許の取得費用を三十万円まで助成すると言います。一方、例えば生活保護世帯の若者が運転免許を取得するのはそう簡単ではありません。生活保護手帳によれば、運転免許取得費の大半を賄える金額が助成されるのは、免許の取得が雇用の条件になっているなど確実に就労するために必要な場合に限るとされています。最後のセーフティーネットと例えられる生活保護制度でもこの基準です。さきに述べた、世帯所得が十分でなく、アルバイトをしながら高校に通っているBさんが自動車免許の取得費を助成されることはありません。  これらは一例にすぎません。今回区が示した拡充策なるものは、様々な理由で困窮している若者への支援とのバランスを著しく欠くものです。まさに木を見て森を見ず。なぜ児童養護施設の退所者、社会的養護の経験者のみを手厚く支援し、その他経済的理由から進学を断念する方等を支援しないのか。そこを峻別して何がフェアスタートなのか。区長の答弁を求めます。  区は、この施策を全ての若者が同じスタートラインに立ち、未来を切り開くための仕組みと言っています。全ての若者がです。行政の支援は、経済的な理由で進学を断念せざるを得ない方や、就職するに当たり困難を抱える方に公平に届けなければなりません。支援の対象者こそ拡充するべきです。見解を伺います。  以上、壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 桃野議員にお答えをいたします。  児童養護施設等を出所された方々を支援する、それ以外の困窮者に対する支援とのバランスについてお尋ねをいただきました。  施設や里親といった社会的養護の下にいる子どもたちは、児童虐待や親の養育困難などで家庭にいることができなくなった子どもたちであり、十八歳で措置解除となった後は、自らの力だけで自立していかなければならない困難な状況にあります。  世田谷区がこのプロジェクトに取り組んだ当時、自治体による給付型奨学金、住まい支援の取組は、今ほど広がっておりませんでした。もう一つ申し上げなければならないのは、フェアスタート事業開始の機運を高めたのは、JC世田谷区委員会の五か年にわたる夢をかなえる力と題した児童養護施設の子どもたちへの支援プロジェクトの継続でした。  このプロジェクトの中で、特に十八歳以降の若者たちの支援が大変乏しいということが政策課題であるということで共有し、事業を始めました。おかげさまで、果たして寄附が集まるだろうかという御心配もいただきましたが、昨年度末時点で二億一千万円を超える寄附が集まっており、今回もこのような形での拡充を行うことが可能となりました。  ただ、自然と寄附が集まったわけではなく、担当者の熱意と努力、メディアによる広がり、そして何より、全国で、また区内でこのメッセージを受け止めていただいた皆さんの御厚意によってこの二億一千万円という寄附が集まってきているということは押さえておかなければならないと思います。  議員おっしゃるように、生活保護世帯から世帯分離をして進学するケース。世帯分離をしなければいけないというのも一つの大きな矛盾だと感じます。そして、ひとり親家庭の出身者など、ほかにも進路の選択に当たり様々な障壁や困難を抱える若者がいることも承知しており、この制度をどういうふうに拡大していくかというときにも話題になりました。  しかしながら、この事業を児童養護施設退所者等というふうに銘打って、支援対象をはっきり絞って寄附を募った以上、これを、その枠を私たちの行政の判断で転用するということは難しいという判断でございます。議員御指摘の他の児童養護施設出身者以外の困難を抱える若者たちの支援については、議会や区民の皆さんとも十分議論を積み上げ、また、当事者の若者たちの声も聞きながら検討し、対応してまいります。 ◎小泉 教育政策部長 私からは、学校が子どもたちが安心して安全に過ごせる場所かという御質問と熱中症に対する御質問がございました。順次お答えいたします。  最初に、教育委員会が把握しているいじめの認知件数でございますが、平成二十九年度は小学校百二十五件、中学校七十九件だったものが、令和三年度は小学校百九十七件、中学校百二件と増加傾向にあります。  次に、出席停止の扱いでございます。世田谷区の公立学校における暴力やいじめによる出席停止の状況ですが、ここ数年間の把握できる範囲において、出席停止を命じたことはございません。  また、出席停止の手続についてでございます。出席停止は、他の児童生徒の教育に妨げがあると認める児童生徒があるとき、その保護者に対して命じるものです。その際、他の児童生徒の教育を受ける権利を保障することに加え、加害の児童生徒の教育を受ける権利にも配慮し、慎重に検討する必要があります。これまで教育委員会では、出席停止の規則については定めてきましたが、具体的な手順については示しておりませんでした。今後、教育委員会では、学校が問題を抱えた際にどのように手続を進めていくのか、児童生徒にどのような個別の指導計画を行うのかなど、具体的な手順を専門家や学校現場の意見も聴取しながら定めてまいります。  最後に、教職員の非違行為についてです。教職員の言動により児童生徒が不利益を被ることはあってはならないことから、これまで教育委員会では、児童生徒の状況と保護者の要望なども考慮し、複数指導体制や担当教員の変更、別室への登校、オンラインを活用した学習など、様々な対応を実施するよう学校に指導しております。  教職員は、児童生徒の成長に大きな影響を与えることから、その職責を十分に理解し、倫理観や規範意識を高め、服務に厳正に努めるよう、服務事故防止研修、服務事故防止月間など、様々な機会を通して服務事故の根絶に向けて引き続き取り組んでまいります。  続きまして、熱中症対策についてお答えいたします。  議員お話しのように、熱中症によって一度に数十人単位で病院に搬送したという事案は、本区においてここ数年間把握できる範囲においては発生しておりません。一方で、いずれも一、二名ではありますが、学校から熱中症によって病院に搬送した事例は、令和三年度は小学校で一件、中学校で一件、令和四年度は小学校で一件、中学校で二件あり、いずれの件につきましても、生死に関わったり後遺症が残ったりするような重篤な症状につながったという報告はありません。また、熱中症が疑われるケースで体調不良を訴えた児童生徒を保健室や教室等で処置または休息させた事例についても、件数までは把握しておりませんが、あるということは承知しております。  次に、長距離走での熱中症についてです。議員お話しのとおり、今年の六月、区立中学校において、一時間目から二時間目にかけて、第一学年の生徒が千五百メートル走を実施しました。その際、小まめな体調確認、随時の水分補給、あらかじめ休憩場所を日陰や冷房の効いた教室とするなど熱中症対策をしておりましたが、五名の生徒が体のほてり、だるさ等の体調不良により保健室に来室いたしました。保健室で休息した後、二名の生徒が早退いたしました。ただ、いずれの生徒も通院の必要はなく、翌日は通常登校をしております。  教育委員会といたしましては、五月の校長会において熱中症事故予防の対策について周知したところですが、こうしたことを踏まえ、改めて各学校に熱中症事故防止の具体的な対策を指導いたしました。  次に、夏場の体育の授業中の帽子着用、テントで日陰をつくるなどのことについてお答えいたします。  帽子の着用につきましては、平成二十三年に改定いたしました学校安全対策マニュアルに、屋外で直射日光に当たる場合は帽子を着用し、暑さを防ぐことを示すなど、熱中症対策の有効な手だての一つとして推奨しております。  体育の授業においては、小学校では基本的に赤白帽子を着用して運動等を行っています。中学校においては、学校指定の帽子はありませんが、生徒が自身で着用の判断をし、適切に体調管理しながら運動等を行えるよう指導しているところです。  また、テントにつきましては、例えば運動会や体育祭の際には、児童生徒は炎天下において長時間屋外で活動を行うことになりますので、多くの学校が設置していますが、毎回の体育の授業においては設置はしておりません。  いずれにしましても、教育委員会といたしましては、帽子の着用や日陰をつくることは、熱中症予防のために有効な手だてになると考えておりますので、学校の状況に応じて柔軟な対応をするよう引き続き指導してまいります。  次に、ラッシュガードの着用についてお答えいたします。  ラッシュガードの着用につきましては、全校で着用を認めており、水泳指導開始前のオリエンテーションや保護者向けのお便り等で案内した上で、児童生徒や家庭の判断で着用するようにしております。  現在、届出制としている学校は、小学校で二十四校、中学校で十五校です。教育委員会といたしましては、届出については必要ないと考えておりますので、その旨、学校に周知してまいります。  最後に、日傘の使用についてお答えいたします。  教育委員会といたしましては、日傘を使用することは熱中症予防対策の一つとして認識しており、使用を禁止するものではありません。なお、児童生徒が日傘を差しながら多くの荷物を持って歩行することや、車両の往来のある道路を密集して通行すること等が想定されます。雨傘と同様に、使用する際には、各学校から児童生徒や家庭に交通安全に注意するよう呼びかけてまいります。  以上でございます。 ◎柳澤 子ども・若者部長 私からは、児童養護施設退所者等支援事業の拡充について二点御答弁申し上げます。  初めに、中退ゼロなど施策の成果目標を示すべきとの御質問に対しお答えいたします。  今回の見直しについては、児童養護施設退所者等は、奨学金を受給して進学しても中退する者が多い実態、あるいは、就職した場合においても非正規雇用となる割合が多く、離職率も高いことなども踏まえ、個々の退所者等が抱える課題に寄り添い、よりきめ細かなサポートができるようにするために、新たな相談支援や、就職者も含めた家賃補助、資格取得支援、また奨学金等の給付年齢の引上げなど、より幅広く包括的に退所者等の支援の充実を図るものでございます。  この支援の拡充に当たっては、令和三年度に学識経験者、施設関係者、また当事者にも加わっていただいた世田谷区児童養護施設退所者等支援事業検討会、こちらで議論を重ねまして、これまでの取組を検証した上で支援の拡充方針として取りまとめていただいたものを反映してございます。  実施後におきましても、中退者数も含めまして、奨学金などの受給者の状況を把握し、継続的に事業の在り方について検証を行う必要があると考えており、その中で数値目標の在り方についても検討し、具体的な事業効果の検証もしながら、さらに的確な支援体制を構築してまいります。  次に、支援対象者を拡充すべきとの御質問にお答えいたします。児童養護施設退所者等奨学基金は、社会的養護が必要な子どもが夢と希望を持って未来を切り開くための支援を社会全体で支えるため、広く区民、事業者等により寄附を募り、奨学金の原資とすることといたしました。  対象者を議員御指摘の他の困窮家庭の若者にも広げることについては、今回の検討会でも御意見をいただきましたが、まずは従来の趣旨、目的の中で、基金の使い道を広げることに議論を絞りまして、これまで対象となっていなかった高校卒業前に施設を退所し家庭復帰した方などについても、一定の要件の下で給付型奨学金等の対象者とすることにいたしました。  他の困窮家庭の若者への支援については、実態や課題を把握しながら、区としても必要な支援について多角的に調査検討してまいります。以上でございます。 ◆四十六番(桃野芳文 議員) フェアスタートですけれども、今答弁があったように、家庭に復帰した社会的養護の出身者を一定の要件の下で対象にするということです。これが区の案ですね。この一定の要件、一定の条件というのは何なのか。所得なのか。仮に所得であれば、いかほどを基準にしているのか質問します。  あと区長、支援対象者を明確にした基金を他に転用することは難しいという答弁でした。でも、これは、区長、詭弁ですよ。フェアスタートの寄附というのは、これを区はあらゆるところで広報していますけれども、若者が進学する際の支援に使うお金だと言って寄附を募っているんですよ。こういう広報をやっていて、そういうお金を今、区長は就職支援に使おうとしているんだから、対象者の拡大は許容されないけれども、使途の拡大は許容されるというのは全くおかしな理屈だと思いますよ。そう思いませんか。質問します。  あと、児童養護施設への区長の思い入れが強いのはよく分かりました。だけれども、それは区長の思い入れの話であって、区長というのは広い視野を持たないと。置き去りにされている若者がいるということは分かっていらっしゃるんでしょう。それは自覚されているんでしょう。  私は、平成二十八年二月二十五日の本会議で、児童擁護施設退所者向けの支援が行き届かない方に支援をという趣旨で質問しています。財布はどこから出したっていいんですよ。でも、その当時十八歳だった人はもう二十三歳ぐらいになっているわけですから、若者の季節はどんどんもう過ぎ去っているわけですよ、区長が早く決断しないと、そういう人たちはどんどん大人になっちゃいますから、早く決断してください。お答えください。    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 桃野議員の再質問にお答えいたします。  まず、児童養護施設退所者等奨学基金、これは条例として定めておりまして、今回、この寄附金を、桃野議員の御指摘もありました、また、当事者の若者たちの声も聞きながら、なかなかその進学するということができないというだけではなくて、早く自立したいんだということで働いてから進学したいという、そういうニーズもありますよということで、働く若者への住まい支援も入れたわけです。  ということによって、厳密に奨学基金というふうに囲ってある使途を拡大するということで、今後、そこのところの条例も変えざるを得ないと思っております。ですから、このキャンペーンというか呼びかけが多くの人の気持ちに届いて、二億一千万という基金に積み上がって、働く若者たちについても、社会的養護出身者に関しては広げることができた。  木を見て森を見ずというお話をいただきましたが、確かにひとり親家庭の進学率も低いです。まして、生活保護でいる世帯の中で、大学進学ができないんです。わざわざ世帯分離ということまでして、以前は同居もできなかった。これは明らかに差別であり、その進学するということ自体を困難とさせているという課題であります。  ですから、それについては十分分かっていますので、むしろこの社会的養護の一つの対象者、非常に限定されているということもあり、こうやって進んでいるわけですが、やや裾野が広いひとり親家庭のお子さんや、あるいは生活保護世帯の若者たちの底上げをしていく政策については、はっきり課題として受け止め、進めていきたいと思います。 ◎柳澤 子ども・若者部長 高校卒業前に施設を退所し家庭復帰した方への支援の一定の要件について再質問いただきましたので御答弁を申し上げます。  ここで言う一定の要件でございますが、実際に措置をされていた時期や期間、また、現在の進学時における家庭における進学への理解ですとか支援、そういったことを勘案するという必要があるかと認識してございます。  給付に当たりましては、学識経験者を入れた審査会においてお諮りし、判断してまいりますので、そうした審査会でも判断できるような基準について検討していきたいというふうに考えてございます。  以上でございます。 ○下山芳男 議長 以上で桃野芳文議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、三十六番ひえしま進議員。    〔三十六番ひえしま進議員登壇〕(拍手) ◆三十六番(ひえしま 進 議員) 以下、通告に基づき質問いたします。  初めに、地域防災力の向上についてお聞きします。  世田谷区は、国の災害対策基本法に基づき地域防災計画を作成しています。内容が多岐にわたり、必要に応じて修正され、充実したものとなっています。しかしながら、幾らすばらしい計画であっても、実際に行うためには、美辞麗句を連ねているだけでは意味がありません。区民と地域の防災力向上の章には、区は、地域防災リーダーの育成として防災士の認定登録支援を行うとあります。区が一人につき経費の六万一千九百円の実費を負担し、これまで百三十八人が認定されています。  防災士は、東京都では約二万人、全国では約二十四万人が登録されており、数字だけ見れば消防官より多く、自衛官にも迫る陣容ですが、地域の訓練への参加や発災時に出動する義務を負っているわけではなく、その役割が明確でないと感じます。そのためか、区民に広く活動が認知されているとは言い難く、単なる肩書のための資格取得に終わっている感が否めません。  こうした現状のまま防災士を地域防災リーダーに位置づけるのは心もとなく、資格取得のために税金を使うことに多くの区民の理解が得られるのか、甚だ疑問であります。区の認識をお聞きします。  また、ここには、「自らの生命は自らが守る」、「自分たちのまちは自分たちで守る」ことが防災の基本理念であると記されています。この理念を体現するには、早い時期からの防災教育こそが必要不可欠であると考えます。  例えば荒川区と目黒区ではジュニア防災検定を取り入れています。対象は小中学生で、財団法人防災教育推進協会が実施するこの検定は、筆記試験だけでなく、家族で自宅や地域の防災対策を話し合い、それについてまとめた家族防災会議レポートの提出や、防災に関しての自由研究といったものがあり、検定とはいうものの、総合的な防災教育プログラムとなっています。  さらに、荒川区では、二〇一五年、全ての区立中学校に防災部を創設しています。防災部は学校の正式な部活動であり、サッカー部や吹奏楽部などとの兼部も認められています。初年度は、各校約三十人、区内全域で約三百人が入部。区内の消防署が全面的にバックアップをし、消火ポンプやAEDの操作訓練などを行っています。また、高齢者宅を定期的に訪問し避難訓練を呼びかけるなど、子どもたちの活動が評判を呼び、地域の交流が生まれ、活性化につながり、住民に喜ばれているとのことであります。  また、区内の小学校でも、教育課程に位置づけられるクラブ活動として防災クラブが立ち上がるなど、格段に子どもたちの防災意識が高まっているとのことで、世田谷区もこうした試みを早急に取り入れるべきだと考えますが、見解を伺います。  地域防災計画には様々事細かく書かれておりますが、九十二万区民が最も望んでいることは、世田谷区の安心と安全への本気度、目に見える姿勢であります。つまり、防災にまつわる区の思想、理念というものを具体的に大きく打ち出さなくてはならないということであります。他会派からも繰り返し指摘されていることですが、緊急事態に備え、まず職員の四〇%に満たない区内在住率を向上させることが必要です。そして、渋谷区や品川区のように、危機管理監や防災監といった常勤の専門職員を速やかに採用すべきであります。認識を伺います。  次に、地域猫対策についてお聞きします。  先日、区内に住むある御婦人から相談がありました。この方は長年、自発的に飼い主のいない猫を捕獲し、不妊・去勢手術を行い、餌を与えて元の場所に帰す、つまりTNRの活動をされてきました。TNRのTはトラップ、捕獲すること、Nはニューター、不妊手術、Rはリターン、元の場所に戻すという意味ですが、御高齢ということもあり、いつまで続けられるか不安を抱いているとのことでした。  特に不妊・去勢手術については、世田谷区は雌一万円、雄五千円の助成を行っていますが、この額では、手術の一般的な相場からいえば、半額を賄えるかどうかというレベルであります。二十三区を見渡しても少額の部類であります。この方もかなりの金額を御自分で負担されてきたとのことでした。このまま継続できるか大変心配をされています。区内で同じように活動されている方も同様な思いだと伺いました。  お隣の杉並区では既に全額助成を行っており、人と動物との共生を高らかにうたっている世田谷区でこのことが看過されているのは問題ではないでしょうか。地域猫を減らす最も効果的な手法は、このTNRの実施であります。その肝である不妊手術は全額助成すべきであると考えます。また、このTNRについては、まだまだ区民に広く周知されていないと感じます。今後の啓発活動についても併せて答弁を求めます。  先ほど他会派の議員の質問にもありましたが、区は、世田谷区人と動物との調和のとれた共生推進プラン(第二次)の素案を示しました。第一次から大分時間が経過しておりますが、コロナ禍で区内のペット数が急増し、今後、飼育放棄や遺棄される動物が増えるおそれがあることからも、このプラン改定は時宜にかなうものであると評価します。当然、画餅に終わらせてはなりません。  私も何件か多頭飼育崩壊などの現場に駆けつけましたが、とりわけ当事者に高齢者が目立つことがその特徴であります。高齢になれば誰しも突然の入院や死亡のリスクが高まります。こうしたことに備え、区が区民のペットの飼育状況を具体的に細かくチェックする体制を構築することが急務であります。最も効果的なものは、日頃からの保健所と福祉担当所管の連携強化であります。高齢者だけでなく、ペットの増加や健康状態を含めた家庭環境を把握することで、飼育崩壊を未然に防止することが可能です。  烏山地区社会福祉協議会では、ペット用安心カードを配布しています。このような取組は区内全体で連携し、横展開できるような仕組みづくりも必要だと考えますが、見解を伺います。  これまで繰り返し議会で指摘してまいりましたが、人と動物との共生の実現は、早い時期から子どもたちに動物愛護の精神と正しい飼い方を教えることが大変重要であります。小学校で動物を飼育する機会が減っている現状を踏まえると、区は教育現場でこれまで以上に子どもが動物と触れ合う、あるいは、生き物について考える機会を設けるべきです。幾つかの団体はそのための適切なノウハウを蓄積しており、学校の側から積極的に連携を求める必要があると思います。考えをお聞きします。  最後に、安倍元首相の国葬に関する区の対応をお尋ねします。  保坂区長は、今月七日の定例会見で、個人の考えとして国葬については違和感を持っていると述べ、そして、庁舎や学校での半旗の掲揚や黙祷といった特段の対応はしないと表明されました。国葬については、各種世論調査を見ても国論を二分していることが明らかでありますが、まず、区の対応としては会見のとおりで間違いないか、お答えください。  国葬に出席するか否かについては、各政党それぞれ異なっております。私が所属する日本維新の会の国会議員団は、全員出席することに決定しました。ただ、国葬を執り行う根拠法について疑義の声が上がっていることや、政府が国民への説明責任を十分に果たしているとは言い難く、課題があることは指摘しておきたいと思います。とはいえ、長期にわたって政権を率い、国際的にも評価の高い安倍元首相に哀悼の意を表することは、政治的主張の違いを超え、日本国民として当然の行為であると考えます。区長の見解を伺います。
     以上、壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 ひえしま議員にお答えします。  安倍元首相の国葬に関しての対応についてお尋ねをいただきました。  安倍元首相が選挙中に凶弾に倒れ、亡くなったという極めて衝撃的な事件、そして今回の結果について、心から追悼の意を表する次第であります。民主主義を破壊するような行為を断じて許してはならない、このように思います。  このことは区民に共通する思いであると判断しまして、七月十一日、十二日と安倍元首相の葬儀及び告別式に対しまして弔意を表するため、本庁舎や総合支所での半旗掲揚を指示いたしました。  政府は今回の国葬を正確には国葬儀と呼んでおります。私自身、他会派への答弁にも触れましたように、違和感を正直感じております。国葬については、国葬令が廃止されておりまして、戦後長きにわたって、吉田元首相の国葬があったのみであります。佐藤栄作首相も、長期政権でノーベル平和賞受賞ということでもありましたが、国葬ということではなく内閣と自民党の合同葬で行われました。  今日、強い反対の声もあり、世論の推移を見ていると、賛成、反対が拮抗、もしくは賛成が上回っているような状態、報道各社によって違いますが、それが逆転をして疑問の声が強まっているというような状況かと思います。  何より私が心配なのは、それによってその分断が起きてしまわないかということをとても懸念し、心配をしております。私は、記者会見、九月七日で述べたとおりでありまして、その時点でもう既に岸田首相は地方公共団体や教育委員会に弔意表明の協力の要望は行わないし、今後もその予定はないというふうに示しておりますので、区としては、二十七日に予定されている安倍元首相の国葬儀については、庁舎、学校などでの半旗の掲揚や黙祷などの特段の対応は行わず、静かに見守ることにしたいというふうに考えております。  以上です。 ◎大塚 危機管理部長 私からは、地域防災力の向上について二点御答弁申し上げます。  初めに、防災士の活動についてでございます。  区は、防災区民組織の構成員等を対象に、資格取得にかかる費用の助成を実施しておりますが、資格取得後、様々な理由から地域の防災活動から身を引かれる方もいるのが実情でございます。一方、区の助成によらずに資格を取得された方もおりますが、こうした人材が地域の防災活動に結びつかずにいるという現状もございます。  現在は、地域での活動の場を持たない方々であっても、改めて活動に参加する機会をつくることで地域での活躍が期待されるところであり、現在、区内の防災士で構成される防災士会と避難所運営委員会などと防災士の接点をコーディネートする方法が考えられないかなど、御相談をしているところです。  防災士の資格を取得された方々は高い防災意識をお持ちの方々であり、これらの人材が地域で活躍していただくことで地域の防災力の向上につなげてまいりたいと考えておりまして、その実現に向けて引き続き取り組んでまいります。  続きまして、職員の区内在住率の向上と専門職員の配置についてでございます。  職員は、家族の通勤通学、子育てや介護など、様々な条件の中で居住地を選択しなければならず、それに対し、区内への居住を奨励する方策を考えるとした場合、財政負担や公平性の観点から様々な課題があるものと考えております。  こうした中、区は、夜間休日の発災に備え、ICS体制と言われる初動体制を構築し、最初に集まった少ない人数の中で早急に対応すべきものの優先順位を決め、班を割り当てて対応することなどを定め、発災に備えております。  現在、年二回、毎回異なる様々な想定条件を付与した全庁での訓練を実施しており、今後、これらの訓練を通じて改めてICS体制の確認を行うなど、対応力向上に向けて取り組んでまいります。  また、昨今の状況を踏まえますと、区長を中心とした指揮系統においてもさらなる体制強化が必要であると認識しておりまして、危機管理監の設置に向けた検討を進めてまいりたいと考えております。重要な役割であることを踏まえ、組織体制やどのような人材を求めるかなど、今後慎重に検討を進めてまいります。  私からは以上です。 ◎小泉 教育政策部長 私からは、防災教育について二点、小学校での動物愛護教育について一点お答えいたします。  最初に、防災教育について、防災検定の活用についてでございます。  近年、自然災害や犯罪、事故から児童生徒の命を守るための対策は喫緊の課題となっております。これまで学校では、地震、火災及び水害等の自然災害時に、自分や周りの人の安全に配慮しながら適切な行動ができるように、防災ノートや東京マイ・タイムラインを活用した指導を安全教育全体計画に位置づけるなどして防災教育を実施しております。  議員御提案の防災検定については、現在、区として取り組んでおりませんが、児童生徒が学習で身につけた知識を防災検定で確認することで、防災への関心を一層高めたり、防災への具体的な取組につながったりすることが予想されます。今後、防災教育の充実のため、防災検定の活用方法を含め、学校や専門家の意見を参考にし、研究してまいります。  次に、防災教育について、防災クラブの活用についてです。  議員御提案の防災部、防災クラブのような部活動やクラブ活動での取組は、子どもたちの自主性を育むとともに、体験から学ぶ絶好の機会となることが考えられます。  今年度の学校における部活動やクラブ活動については、各学校において、児童生徒の意見を基に年度当初に設置していることから、次年度以降に向けて情報収集を行い、校長会などを通して情報提供してまいります。  次に、小学校での動物愛護教育についてお答えいたします。  現在、生活科の授業において、自然に直接関わる活動や体験を重視して、自然との触れ合いを深め、生命を大切にすることができるよう学習を展開しております。一方で、動物の飼育については、適切な飼育方法や環境を保障することやアレルギー対応等、学校だけで対応することが難しい側面があります。  動物飼育推進の研究指定を受けている学校では、獣医師との連携を図り、適切な指導、助言を基に、より衛生的で動物にとって心地よい飼育方法について学んでおります。また、学校支援コーディネーターを通して地域の方に飼育ボランティアを依頼して、休日にも動物の世話をする体制を整えております。  今後は、外部との連携を図り、優良なコンテンツを活用することや専門人材の指導を受ける機会を設けること等について、校長会や生活科の研究会などを通じて周知してまいります。  以上でございます。 ◎向山 世田谷保健所長 私からは、動物愛護教育と地域猫対策についてお答え申し上げます。  まず、猫の不妊手術費の助成についてでございますが、区では、飼い主のいない猫の増加を予防するため、飼い主のいない猫の手術費用の助成を行っています。あわせて、飼い猫の遺棄や不妊・去勢手術をせずに外飼いをすることを予防することを目的として、飼い猫に対しても手術費用の助成を行っております。  助成は、東京都獣医師会世田谷支部に加入する区内の動物病院での手術が対象となります。飼い主のいない猫の助成金額は、雄が五千円、雌が一万円、飼い猫の助成金額は、雄が三千円、雌が六千円でございます。全額助成をとの御提案をいただきましたが、不妊・去勢手術費用は自由診療であり、動物病院ごとに異なることから、全額助成のための基準額を定めることがなじまないため、一部助成としているところです。  他自治体の取組も参考としながら、獣医師会等との関係機関と議論を重ね、区民の方々にとって使い勝手のよい制度となるよう検討を進めてまいります。  次に、地域猫のいわゆるTNRについての普及、周知です。  区では、地域住民や町会等が、飼い主のいない猫を餌やふん尿の管理など一定のルールに基づいて適正に管理をしたり、不妊・去勢手術助成を活用して飼い主のいない猫が増加することを防ぐ地域猫活動を推進しております。その具体的な手法として、いわゆるTNR活動、トラップ、ニューター、リターン、捕獲する、不妊手術を行う、元に戻すという活動を通じて、地域猫として地域で見守っているところです。  今後は、チラシ配布等、既に行っている啓発活動の拡充に加え、動画配信、二次元コード付チラシ配布など、デジタルコンテンツを積極的に活用するなど、様々な手法を用いて、幅広い年代層や立場の方に取組の理念や実践方法を周知し、地域猫活動の普及及び理解促進に努めてまいります。  最後に、保健所と他部署との連携についてでございます。  近年、ペットの飼育が困難となる事例についての相談が保健所に多く寄せられています。問題の解決には、近隣住民との関係性の構築や飼い主の生活再建等が必要なケースもあり、保健所のみでは問題解決ができない場合もあります。  議員より好事例の御紹介がございましたが、このような問題の解決に向けては、福祉や区民相談など、庁内関係所管をはじめ、東京都、警察、町会・自治会等、関係機関が連携して、多頭飼育崩壊のような事態となる前に予防的に問題解決を進める必要があります。そのため、飼育状況に課題のある方の状況等を地域で速やかに把握をして、関係機関が連携して解決につなげる仕組みの構築等を進め、人と動物が安心して共生できる地域づくりを推進してまいります。  私からは以上です。 ◆三十六番(ひえしま 進 議員) 区長が七月の安倍元首相の葬儀、告別式に際して、弔意を表するために区役所本庁舎や総合支所で半旗を掲揚したことは、ほかの議員への答弁にもありましたけれども、区長がおっしゃるように、民主主義を破壊する行為を許さないとの区民に共通する思いであるとの御判断は、極めて適切であり、私も心から賛同いたします。であるならば、たとえ決定プロセスに瑕疵があったとしても、一度国葬と決まったのであれば、区庁舎や学校などで半旗を掲揚し、黙祷を行うことが自然な行いであると思います。  国内では四十四都道府県知事が参列の意向を示し、三十八道府県が半旗や弔旗の掲揚を表明しております。また、海外からは七百人前後が参列との報道もあります。  昨日、共産党会派の質問では、区長が共産党の申入れに応え、これらの行為を行わないと表明したとのことでしたが、これが事実であれば、共産党以外の他会派の意見を聞かずに決定したということであり、さらには、区長がおっしゃった区民に共通する強い思いを踏みにじることにもなりますが、今回の表明は共産党の意を酌んだということなのか、お答えください。    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 ひえしま議員にお答えをいたします。  今回、この国葬に対する自治体としてどういう対応をするのかと、大変重い、また、熟慮を要する、私一人のみではなく、様々組み立てながら一定の方向をつくってきた、そのことを記者会見で述べたわけです。そのように決めていく過程で、共産党会派からも申入れがありました。他の会派からも申入れがありました。また、様々な意見をいただいています。  つまり、一つの共産党さんからの申入れがあってそこで決めたというほど単純なものではない、もう総合的に判断をしてこの方針を決めたということは御理解をいただきたいと思います。 ◆三十六番(ひえしま 進 議員) 私の調べですと、元国会議員には全て国葬の案内状が送付されているということで、区長のもとにも届いていると思いますけれども、区長は国葬に出席されますか。お答えください。    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 世田谷区長の私宛てに国葬儀の招待通知は届いておりません。一方、これはもう報道されていますけれども、元衆議院議員保坂展人宛てには国葬儀の案内が届きました。熟慮の上、欠席の旨、返信をしたところであります。  既に国葬儀への所感は先ほどから述べておりますので、この理由に係る個人の心情を再度述べることは控えさせていただきたいと思います。 ○下山芳男 議長 以上でひえしま進議員の質問は終わりました。  これで一般質問は終了いたしました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後四時四十五八分休憩    ──────────────────     午後四時五十五分開議 ○下山芳男 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。 △日程第二から △第六に至る五件を一括上程いたします。  〔水谷次長朗読〕  日程第二 認定第一号 令和三年度世田谷区一般会計歳入歳出決算認定外認定四件 ○下山芳男 議長 本五件に関し、提案理由の説明を求めます。中村副区長。    〔中村副区長登壇〕 ◎中村 副区長 ただいま上程になりました認定第一号より認定第五号に至る令和三年度世田谷区各会計歳入歳出決算につきまして御説明申し上げます。  初めに、決算数値全体につきまして、歳入歳出決算総括から御説明いたします。決算書の資料右上の一一ページを御覧ください。  表の最終行、一般会計と各特別会計を合計いたしました歳入決算額五千五百五十四億四千七百五万二千五百四十二円に対しまして、歳出決算額は五千三百七億二千五百六十七万八千七百九十九円で、歳入歳出差引残額は二百四十七億二千百三十七万三千七百四十三円となり、全額を令和四年度へ繰り越しております。  次に、決算内訳を会計ごとに御説明いたします。  最初に、一般会計から御説明いたします。一五ページを御覧ください。  歳入決算額は三千七百六十五億七千九百二十六万一千九百六十九円、歳出決算額は三千五百六十七億六千百八十六万九千六百七十六円となっております。歳入歳出差引残額は百九十八億一千七百三十九万二千二百九十三円となり、令和四年度へ繰り越しております。  なお、この翌年度への繰越額には繰越明許費及び事故繰越しの財源二十八億六百一万二千三百五十二円を含んでおります。したがいまして、この翌年度への繰越財源を差し引きました実質収支額は百七十億一千百三十七万九千九百四十一円となっております。  歳入につきましては、次の一六ページから二三ページにわたりまして、それぞれ決算数値を款、項別に記載しております。  二二ページ及び二三ページの歳入合計の行を御覧ください。  二三ページの収入済額欄の最終行に記載の合計額は三千七百六十五億七千九百二十六万一千九百六十九円で、前年度からの繰越事業費を含めた予算現額に対する収入率としては九五・八八%となっております。  続きまして、歳出の説明に移らさせていただきます。二四ページから二九ページに、歳入同様、款、項別に決算額を記載しております。  二八ページ及び二九ページの歳出合計の行を御覧ください。  二九ページの支出済額欄の最終行に記載の合計額は三千五百六十七億六千百八十六万九千六百七十六円で、前年度からの繰越事業費を含めた予算現額に対する執行率は九〇・八四%となっております。  続きまして、国民健康保険事業会計について御説明いたします。三三ページを御覧ください。  歳入決算額は八百二十六億九千百六十五万五千八百四十七円で、予算現額に対しまして九九・二二%の収入率となっております。  歳出決算額は八百十五億二千三百六十六万六千百八十六円で、予算現額に対する執行率は九七・八二%となっております。  歳入歳出差引残額十一億六千七百九十八万九千六百六十一円は、令和四年度へ繰り越しております。  続きまして、後期高齢者医療会計について御説明いたします。四三ページを御覧ください。  歳入決算額は二百二十億三千三百十万九千九百八十五円で、予算現額に対しまして九八・三五%の収入率となっております。  歳出決算額は二百十三億八千六百七十八万七千二百四十六円で、予算現額に対する執行率は九五・四七%となっております。  歳入歳出差引残額六億四千六百三十二万二千七百三十九円は、令和四年度へ繰り越しております。  続きまして、介護保険事業会計について御説明いたします。五一ページを御覧ください。  歳入決算額は七百十三億五百十九万五千二百七円で、予算現額に対しまして一〇〇・六七%の収入率となっております。  歳出決算額は六百八十二億八千百八万五千百八十円で、予算現額に対する執行率は九六・四%となっております。  歳入歳出差引残額三十億二千四百十一万二十七円は、令和四年度へ繰り越しております。  最後に、学校給食費会計について御説明いたします。六三ページを御覧ください。  歳入決算額は二十八億三千七百八十二万九千五百三十四円で、予算現額に対しまして九一・〇四%の収入率となっております。  歳出決算額は二十七億七千二百二十七万五百十一円で、予算現額に対する執行率は八八・九四%となっております。  歳入歳出差引残額六千五百五十五万九千二十三円は、令和四年度へ繰り越しております。  以上、五会計の令和三年度歳入歳出決算に細目としての各会計歳入歳出決算事項別明細書及び財産に関する調書等の附属資料を添えて提出させていただきました。  何とぞ御慎重に御審議いただき、速やかに御認定を賜りますようお願い申し上げます。  以上です。
    ○下山芳男 議長 以上で提案理由の説明は終わりました。  お諮りいたします。  本五件を審査するため、四十五名の委員をもって構成する決算特別委員会を設置し、これに付託いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○下山芳男 議長 御異議なしと認めます。よって本五件については、四十五名の委員をもって構成する決算特別委員会を設置し、これに付託することに決定いたしました。  ただいま設置いたしました決算特別委員会の委員選任につきましては、委員会条例第五条第一項の規定により、議長から指名いたします。  お諮りいたします。  お手元の決算特別委員会構成表のとおり指名することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○下山芳男 議長 御異議なしと認めます。よって、ただいま指名いたしました各議員を決算特別委員会委員に選任することに決定いたしました。    ──────────────────    決算特別委員会構成表 阿久津 皇 石川ナオミ おぎのけんじ 加藤たいき 河野 俊弘 宍戸 三郎 菅沼つとむ 畠山 晋一 真鍋よしゆき 山口ひろひさ 和田ひでとし いたいひとし 岡本のぶ子 佐藤ひろと 高橋 昭彦 津上 仁志 平塚けいじ 福田たえ美 いそだ久美子 桜井 純子 中塚さちよ 中村公太朗 中山みずほ 羽田 圭二 藤井 まな 大庭 正明 田中 優子 ひえしま進 桃野 芳文 江口じゅん子 たかじょう訓子 中里 光夫 金井えり子 高岡じゅん子 田中みち子 小泉たま子 つるみけんご あべ 力也 上川 あや ひうち優子 佐藤 美樹 そのべせいや 神尾 りさ くりはら博之 青空こうじ    ────────────────── ○下山芳男 議長 この際、本議場において決算特別委員会を開催し、正副委員長の互選を行うため、ここでしばらく休憩いたします。     午後五時四分休憩    ──────────────────     午後五時十四分開議 ○下山芳男 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  休憩中に行われました決算特別委員会の正副委員長の互選の結果を事務局長に報告させます。 ◎林 区議会事務局長 御報告いたします。  決算特別委員会委員長 宍戸三郎議員  同     副委員長 津上仁志議員  同     副委員長 いそだ久美子議員  以上でございます。 ○下山芳男 議長 以上で報告を終わります。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、 △日程第七から △第二十八に至る二十二件を一括上程いたします。  〔水谷次長朗読〕  日程第七 議案第五十号 令和四年度世田谷区一般会計補正予算(第三次)外議案二十一件 ○下山芳男 議長 本二十二件に関し、提案理由の説明を求めます。中村副区長。    〔中村副区長登壇〕 ◎中村 副区長 ただいま上程になりました議案第五十号より議案第七十一号に至る二十二件につきまして御説明申し上げます。  まず、議案第五十号「令和四年度世田谷区一般会計補正予算(第三次)」につきまして御説明いたします。補正予算書の資料右上の七ページを御覧ください。  本件は、オミクロン株対応ワクチン住民接種などの感染症防止対策をはじめ、エネルギー価格、物価高騰に伴う区民、事業者への支援などについて速やかに対応するため、補正計上するものであります。  この結果、補正後の歳入歳出予算額は、既定予算額に百四十六億一千三百六十七万四千円を追加し、三千五百八十四億九千九百六十四万四千円とするものであります。  次に、議案第五十一号「令和四年度世田谷区国民健康保険事業会計補正予算(第一次)」につきまして御説明いたします。一七ページを御覧ください。  本件は、国民健康保険事業に関し、前年度からの繰越金や国、東京都への償還金などを補正計上するものであり、既定予算額に九億四千六百九十五万一千円を追加し、予算総額を歳入歳出それぞれ八百三十三億一千六百四十二万七千円とするものであります。  次に、議案第五十二号「令和四年度世田谷区後期高齢者医療会計補正予算(第一次)」につきまして御説明いたします。二一ページを御覧ください。  本件は、後期高齢者医療事業に関し、前年度からの繰越金や広域連合への負担金などを補正計上するものであり、既定予算額に六億四千六百三十二万三千円を追加し、予算総額を歳入歳出それぞれ二百四十億二千六百五十九万一千円とするものであります。  次に、議案第五十三号「令和四年度世田谷区介護保険事業会計補正予算(第一次)」につきまして御説明いたします。二五ページを御覧ください。  本件は、介護保険事業に関し、前年度からの繰越金や介護給付費準備基金積立金などを補正計上するものであり、既定予算額に三十億二千四百十万九千円を追加し、予算総額を歳入歳出それぞれ七百二十九億五千四十二万一千円とするものであります。  次に、議案第五十四号「令和四年度世田谷区学校給食費会計補正予算(第二次)」につきまして御説明いたします。二九ページを御覧ください。  本件は、学校給食事業に関し、前年度からの繰越金などを補正計上するものであり、既定予算額に六千四百五十五万九千円を追加し、予算総額を歳入歳出それぞれ三十三億七千六百九十七万八千円とするものであります。  次に、議案第五十五号「職員の定年等に関する条例の一部を改正する条例」、議案第五十六号「職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例」、議案第五十七号「職員の給与に関する条例の一部を改正する条例」、議案第五十八号「幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例」、議案第六十号「外国の地方公共団体の機関等に派遣される職員の処遇等に関する条例の一部を改正する条例」、議案第六十一号「公益的法人等への職員の派遣等に関する条例の一部を改正する条例」、議案第六十二号「職員の懲戒に関する条例の一部を改正する条例」、議案第六十三号「世田谷区人事行政の運営等の状況の公表に関する条例の一部を改正する条例」、議案第六十四号「職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例」、議案第六十五号「幼稚園教育職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例」、議案第六十六号「職員団体のための職員の行為の制限の特例に関する条例の一部を改正する条例」、議案第六十七号「世田谷区非常勤職員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例」の十二件につきまして御説明いたします。  本十二件は、いずれも定年の引上げに係る地方公務員法の改正等に伴い、規定の整備を図る必要が生じましたので、御提案を申し上げた次第でございます。  次に、議案第五十九号「職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例」につきまして御説明いたします。  本件は、育児休業の取得要件の緩和、その他の措置を講ずるとともに、定年の引上げに係る地方公務員法の改正等に伴い、規定の整備を図る必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。  次に、議案第六十八号「職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例」につきまして御説明いたします。  本件は、児童相談所業務手当の額を改正する必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。  次に、議案第六十九号「世田谷区手数料条例の一部を改正する条例」につきまして御説明いたします。  本件は、長期優良住宅の普及の促進に関する法律の改正に伴い、長期優良住宅維持保全計画の認定の申請等に関する手数料に係る規定を定めるとともに、建築基準法の改正に伴い、規定の整備を図る必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。  次に、議案第七十号「鋼管杭設置工事(補助第二一六号線)【大蔵三丁目三番から大蔵五丁目十番先】請負契約」につきまして御説明いたします。  本件は、都市計画道路補助第二一六号線の築造に伴い、仙川との交差部に計画している四号橋の新設に先立ち必要となる仮設土留め及び護岸改築を目的として、自立式鋼管ぐいの設置を行うものであります。  本件の契約の締結に当たりましては、地方自治法施行令第百六十七条の五の二の規定に基づきまして、一般競争入札により実施をいたしました。その結果、福田・日鋪建設共同企業体が落札し、同建設共同企業体と十一億九千六百五十三万二千百二十八円で契約しようとするものであります。  次に、議案第七十一号「財産(事務用パーソナルコンピューター)の取得」につきまして御説明いたします。  本件は、世田谷区未来つながるプラン二〇二二―二〇二三(実施計画)に基づき、DX推進を図るため、事務用パーソナルコンピューターを購入するものであります。  本件の契約の締結に当たりましては、地方自治法施行令第百六十七条第一号の規定に基づきまして、指名競争入札を実施いたしました。その結果、Dynabook株式会社東日本支社が落札し、同社と二億九千三百一万八千円で契約しようとするものであります。  本二件の契約の締結につきまして、地方自治法第九十六条第一項第五号・第八号及び世田谷区議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関する条例第二条・第三条の規定に基づき御提案申し上げた次第でございます。  以上、議案第五十号より議案第七十一号に至る二十二件につきまして、よろしく御審議のほどお願い申し上げます。 ○下山芳男 議長 以上で提案理由の説明は終わりました。  なお、本二十二件中、議案第五十五号から第六十六号及び六十八号の十三件については、地方公務員法第五条第二項の規定により、人事委員会の意見をあらかじめ聴取しております。お手元の資料のとおりであります。  本二十二件を企画総務委員会に付託いたします。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、 △日程第二十九から △第三十一に至る三件を一括上程いたします。  〔水谷次長朗読〕  日程第二十九 議案第七十二号 世田谷区立スカイキャロット展望ロビーの指定管理者の指定外議案二件 ○下山芳男 議長 本三件に関し、提案理由の説明を求めます。岩本副区長。    〔岩本副区長登壇〕 ◎岩本 副区長 ただいま上程になりました議案第七十二号「世田谷区立スカイキャロット展望ロビーの指定管理者の指定」、議案第七十三号「世田谷区立区民会館の指定管理者の指定」、議案第七十四号「世田谷区立健康増進・交流施設の指定管理者の指定」の三件につきまして御説明申し上げます。  本三件は、いずれも指定管理者を指定するため、地方自治法第二百四十四条の二第六項の規定に基づき御提案申し上げた次第でございます。  以上、議案第七十二号より議案第七十四号に至る三件につきまして、よろしく御審議のほどお願い申し上げます。 ○下山芳男 議長 以上で提案理由の説明は終わりました。  本三件を区民生活委員会に付託いたします。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、 △日程第三十二を上程いたします。  〔水谷次長朗読〕  日程第三十二 諮問第一号 人権擁護委員候補者推薦の諮問 ○下山芳男 議長 本件に関し、提案理由の説明を求めます。保坂区長。    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 諮問第一号「人権擁護委員候補者推薦の諮問」について御説明いたします。  本件は、任期途中で辞任届が提出された人権擁護委員一名の後任候補者を法務大臣に対し推薦する必要があるので、御提案申し上げた次第であります。  候補者につきましては、法の趣旨にのっとり、玉川医師会から御推薦いただいたものであります。  慎重に検討いたしました結果、推薦することを適当と認めまして、人権擁護委員法第六条第三項の規定に基づきお諮りするものであります。
     よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。 ○下山芳男 議長 以上で提案理由の説明は終わりました。  ここで、委員会付託の省略についてお諮りいたします。  本件は、会議規則第三十八条第三項の規定により、委員会付託を省略いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○下山芳男 議長 御異議なしと認めます。よって本件は委員会付託を省略することに決定いたしました。  これより採決に入ります。  お諮りいたします。  本件を諮問どおり答申することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○下山芳男 議長 御異議なしと認めます。よって諮問第一号は諮問どおり答申することに決定いたしました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、 △日程第三十三から △第三十七に至る五件を一括上程いたします。  〔水谷次長朗読〕  日程第三十三 議案第七十五号 世田谷区立保健福祉センター条例の一部を改正する条例外議案四件 ○下山芳男 議長 本五件に関し、提案理由の説明を求めます。中村副区長。    〔中村副区長登壇〕 ◎中村 副区長 ただいま上程になりました議案第七十五号より議案第七十九号に至る五件につきまして御説明申し上げます。  まず、議案第七十五号「世田谷区立保健福祉センター条例の一部を改正する条例」につきまして御説明いたします。  本件は、世田谷区立世田谷保健福祉センターの位置を変更する必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。  次に、議案第七十六号「世田谷区障害理解の促進と地域共生社会の実現をめざす条例」につきまして御説明いたします。  本件は、心身の機能に障害のある区民その他の様々な状況及び状態にある区民が多様性を尊重し、価値観を相互に認め合い、安心して暮らし続けることができる地域共生社会の実現に向けた施策を推進するため、条例を制定する必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。  次に、議案第七十七号「世田谷区立障害者福祉施設条例の一部を改正する条例」につきまして御説明いたします。  本件は、世田谷区立烏山福祉作業所が実施する障害福祉サービスに生活介護を追加する必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。  次に、議案第七十八号「世田谷区学童クラブ条例の一部を改正する条例」につきまして御説明いたします。  本件は、新BOP学童クラブ事業の延長利用に日ぎめ利用制を導入するとともに、規定の整備を図る必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。  次に、議案第七十九号「世田谷区子どもの医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例」につきまして御説明いたします。  本件は、子ども医療費助成制度の適用範囲を高校生世代まで拡大する必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。  以上、議案第七十五号より議案第七十九号に至る五件につきまして、よろしく御審議のほどお願い申し上げます。 ○下山芳男 議長 以上で提案理由の説明は終わりました。  本五件を福祉保健委員会に付託いたします。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、 △日程第三十八を上程いたします。  〔水谷次長朗読〕  日程第三十八 議案第八十号 世田谷区街づくり条例の一部を改正する条例 ○下山芳男 議長 本件に関し、提案理由の説明を求めます。岩本副区長。    〔岩本副区長登壇〕 ◎岩本 副区長 ただいま上程になりました議案第八十号「世田谷区街づくり条例の一部を改正する条例」につきまして御説明申し上げます。  本件は、建築基準法の改正等に伴い、規定の整備を図る必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。  よろしく御審議のほどお願い申し上げます。 ○下山芳男 議長 以上で提案理由の説明は終わりました。  本件を都市整備委員会に付託いたします。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、 △日程第三十九を上程いたします。  〔水谷次長朗読〕  日程第三十九 議案第八十一号 世田谷区地域行政推進条例 ○下山芳男 議長 本件に関し、提案理由の説明を求めます。岩本副区長。    〔岩本副区長登壇〕 ◎岩本 副区長 ただいま上程になりました議案第八十一号「世田谷区地域行政推進条例」につきまして御説明申し上げます。  本件は、地域行政制度の改革に関する事項を定めることにより、区政の課題の解決を図る体制を強化し、地区及び地域の実態に即した総合的な行政サービス及びまちづくりを推進し、もって安全安心で暮らしやすい地域社会を実現するため、条例を制定する必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。  よろしく御審議のほどお願い申し上げます。 ○下山芳男 議長 以上で提案理由の説明は終わりました。  本件を地域行政・災害・防犯・オウム問題対策等特別委員会に付託いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○下山芳男 議長 御異議なしと認めます。よって本件は地域行政・災害・防犯・オウム問題対策等特別委員会に付託することに決定いたしました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、 △日程第四十を上程いたします。  〔水谷次長朗読〕  日程第四十 請願の付託 ○下山芳男 議長 受理いたしました請願は、請願文書表に掲げましたとおり、企画総務委員会に付託いたします。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 以上をもちまして、本日の日程は終了いたしました。  本日はこれにて散会いたします。     午後五時三十七分散会...