世田谷区議会 2021-10-19
令和 3年 9月 定例会-10月19日-05号
令和 3年 9月 定例会-10月19日-05号令和 3年 9月 定例会
令和三年第三回定例会
世田谷区議会会議録第十七号
十月十九日(火曜日)
出席議員(四十八名)
一番 神尾りさ
二番 佐藤美樹
三番 そのべせいや
四番 青空こうじ
五番 ひうち優子
六番 上川あや
七番 くりはら博之
八番 つるみけんご
九番 小泉たま子
十番 あべ力也
十一番
高岡じゅん子
十二番 金井えり子
十三番 田中みち子
十四番 下山芳男
十五番 加藤たいき
十六番 河野俊弘
十七番 阿久津 皇
十九番 津上仁志
二十番 河村みどり
二十一番 いそだ久美子
二十二番 中山 みずほ
二十三番 中里光夫
二十四番
江口じゅん子
二十五番 た
かじょう訓子
二十六番 和田ひでとし
二十七番 上島よしもり
二十八番 菅沼つとむ
二十九番 高橋昭彦
三十番 岡本のぶ子
三十一番 平塚けいじ
三十二番 中塚さちよ
三十三番 藤井まな
三十五番 大庭正明
三十六番 ひえしま 進
三十七番 宍戸三郎
三十八番
真鍋よしゆき
三十九番 畠山晋一
四十番 いたいひとし
四十一番 佐藤ひろと
四十二番 福田たえ美
四十三番 羽田圭二
四十四番 中村公太朗
四十五番 桜井純子
四十六番 桃野芳文
四十七番 田中優子
四十八番 おぎのけんじ
四十九番 石川ナオミ
五十番
山口ひろひさ
欠 員(二名)
十八番 三十四番
出席事務局職員
局長 林 勝久
次長 井上徳広
庶務係長 星野 功
議事担当係長 水谷 敦
議事担当係長 長谷川桂一
議事担当係長 髙橋 亮
調査係長 佐々木 崇
出席説明員
区長 保坂展人
副区長 中村哲也
副区長 岩本 康
政策経営部長 加賀谷 実
総務部長 池田 豊
生活文化政策部長
片桐 誠
保健福祉政策部長
澁田景子
技監 松村浩之
都市整備政策部長
畝目晴彦
会計管理者 原田茂実
教育長 渡部理枝
教育監 粟井明彦
教育総務部長 知久孝之
総務課長 後藤英一
────────────────────
議事日程(令和三年十月十九日(火)午後一時開議)
第 一 認定第 一 号 令和二年度世田谷区
一般会計歳入歳出決算認定
第 二 認定第 二 号 令和二年度世田谷区
国民健康保険事業会計歳入歳出決算認定
第 三 認定第 三 号 令和二年度世田谷区
後期高齢者医療会計歳入歳出決算認定
第 四 認定第 四 号 令和二年度世田谷区
介護保険事業会計歳入歳出決算認定
第 五 認定第 五 号 令和二年度世田谷区
学校給食費会計歳入歳出決算認定
第 六 請願の処理
第 七 請願の付託
第 八 閉会中の審査付託
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本日の会議に付した事件
一、日程第一から第五
決算特別委員長報告、表決
二、日程第六 請願の処理、表決
三、日程第七 請願の
委員会付託
四、日程第八 閉会中の審査付託、表決
────────────────────
午後一時開議
○下山芳男 議長 ただいまから本日の会議を開きます。
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○下山芳男 議長 直ちに日程に入ります。
△日程第一から
△第五に至る五件を一括上程いたします。
〔
井上次長朗読〕
日程第一 認定第一号 令和二年度世田谷区
一般会計歳入歳出決算認定外認定四件
○下山芳男 議長 本五件に関し、
決算特別委員長の報告を求めます。
〔十五番加藤た
いき議員登壇〕(拍手)
◎
決算特別委員長(加藤たいき 議員) ただいま上程になりました認定第一号から認定第五号に至る五件につきまして、
決算特別委員会での七日間にわたる審査の経過とその結果について御報告いたします。
最初に、総括質疑について申し上げます。
ここではまず、今後の感染再拡大を見据え、この一年半の間に取り組んできた
新型コロナウイルス対策についての評価、検証が求められました。また、コロナ禍のさらなる長期化に備え、対策業務の司令塔となる保健所医師の増員や
後遺症アンケート調査の結果を踏まえた施策の構築、
各種支援制度の確実な情報提供、さらには第五波で感染が急拡大した保育施設に対する検査体制の拡充など、これまでの対応から得られた知見を十分に生かした
コロナ対策の推進が強く求められる一方、都区間の連携がないまま
酸素療養ステーションの整備に係る補正予算を提案した区の対応に苦言が呈されました。
地域行政に関しては、明確なビジョンを示さぬまま検討を進めてきた区の姿勢が改めてただされるとともに、
まちづくりセンターで取り扱う行政手続の拡充など、区民に最も身近な地区拠点における
行政サービスの充実が求められました。
福祉保健分野では、
里親支援業務委託に当たっての
個人情報保護の徹底が求められるとともに、新
BOP事業への民間活力の早期導入や短時間労働を希望する障害者と企業との
マッチング事業の周知徹底など、
福祉サービスの一層の充実に向け様々な提案がなされました。
都市整備分野では、ウオーキングしたくなる
まちづくりに対する区の認識が問われるとともに、遅滞なき
道路整備事業の推進や
交通事業者との協働による
地域公共交通計画の策定など、誰もが安全で快適に移動ができる交通体系の確立が望まれました。
そのほか、旧
池尻中学校跡地活用の全庁的な見地からの再検討、単身世帯や夫婦のみ世帯に対する施策立案に向けたニーズ調査の実施、関東大震災時のデマによる暴動で殺害された在日外国人に対する区公式の追悼、官民連携による新庁舎の
区民交流機能整備、公共施設への5Gアンテナの設置促進、教員による性暴力の根絶に向けた研修の徹底、区ゆかりのオリンピアン、パラリンピアンと
子どもたちとの交流機会の創出など、様々な質疑や要望がありました。
次に、
企画総務領域について申し上げます。
ここではまず、従来の想定をはるかに超えて激甚化、頻発化する豪雨災害に備えた対策強化が迫られる中、内水氾濫の早期把握に有用な定点カメラの新設をはじめ、避難情報に関する国の新たなガイドラインの周知徹底や、区民目線に立った分かりやすい
災害関連情報の迅速な提供、さらには身近な施設を活用した誰もが避難しやすい水害時避難所の拡充など、さきの甚大な浸水被害の教訓を生かした水害対策のさらなる強化が求められました。また、地元町会の負担軽減に資する避難所開設、運営の外部委託に加え、災害時に避難所となる体育館へのLED照明や太陽光発電の設置促進が望まれるとともに、災害対策の
意思決定過程への女性参画の機会拡充、
介護施設入居者に関する他自治体との
相互受入れ協定の実効性担保など、高まる災害リスクに備えた多岐にわたる着実な取組が提案されました。
入札制度関連では、新たな
総合評価方式の評価項目とされる
建設キャリアアップシステムの普及促進や、
入札制度改革の成否を分ける適正な予定価格の算出を担う営繕職員の育成に期待が寄せられる一方、事業者の高値入札を誘導し、技術力や競争力の向上を妨げる可能性をはらんだ今般の
入札制度改革案に疑義が呈されました。
DX関連では、
デジタル機器の利用体験を通じたデジタルデバイドの解消が求められるとともに、DX推進による区民本位で、たらい回しのない
ワンストップサービスの確立や高齢者の孤立を防ぐ見守り環境の整備など、誰もがデジタル技術の恩恵を享受できる地域社会の実現に期待が寄せられました。
区の
障害者雇用では、職員の障害特性や意欲に応じた配属職場の決定や、職場定着と離職防止に資する職務選定の一層の適正化が求められるとともに、移動困難な障害者が遠隔操作で身体労働を伴う業務に従事できる
分身ロボットを活用した就労など、障害のある職員が活躍しやすい職場環境の整備が切に望まれました。
そのほか、職員採用における国籍要件の撤廃、
区基幹システムを的確に運用できるICT人材の育成、情報発信の創意工夫による官民連携のさらなる推進、特別区競馬組合に対する
ギャンブル依存症対策強化の要請、先駆的取組の展開と自主財源の拡充を見据えた
外郭団体改革、
特殊詐欺被害の未然防止に資する啓発動画の活用など、様々な質疑や要望がなされました。
次に、
区民生活領域について申し上げます。
ここではまず、
新型コロナワクチン接種の進展とともに、経済活動の再開、活性化に期待が高まる中、区独自の
決済システムであるせたがやPayを活用した消費喚起策の充実や、消費動向等の
ビッグデータを活用した個店支援、
感染症対策に積極的な事業者に対するインセンティブの付与など、区内経済を後押しする取組が望まれました。また、
まちづくりと連携した商店街の活性化や、コロナ禍で特に打撃を受ける
文化芸術活動へのさらなる支援、技術講習会を通じた
区内建築事業者の育成など、あらゆる
経済産業分野への施策の展開に期待が寄せられました。一方で、産業、学びの拠点として検討が進む旧
池尻中学校跡地活用に関しては、
基本コンセプト策定に至る議論の経過や、その妥当性がただされるとともに、区が参考とした取組事例の内容や事業の評価指標及び検証方法が問われるなど、新たな事業に対する懸念が示されました。
環境・
リサイクル関連では、
自治体間連携による
再生可能エネルギーの導入拡大や、縁組協定を結ぶ川場村の森林保全、育成の推進、脱炭素経営に対する
区内事業者の理解促進など、
温室効果ガス排出実質ゼロに向けた施策の展開が求められました。また、十月から開始する粗大ごみのリユースに関する実証実験の目的や見込まれる効果が問われるとともに、公共施設への使い回し可能な傘袋の設置促進や資源ごみの適正排出に向けた啓発の強化など、持続可能な地域社会の実現に向け、様々な取組が提案されました。
地域行政関連では、大規模災害等、有事に際して地区の責任者に求められる公的役割が改めて問われる一方で、
まちづくりセンターを中心とした実効性のある避難行動要
支援者対策の構築や、区民の利便性向上に資する窓口業務の
デジタル化、各総合支所に配置される
社会教育主事を活用した生涯学習事業のさらなる充実が望まれました。
そのほか、職場における
男女共同参画の実現に向けた数値目標の設定、町会・自治会の負担軽減に資する取組の強化、マイナンバーカードの活用による行政手続の簡素化、建築物等の解体作業に伴う騒音への苦情、相談に対する丁寧な対応、人道的観点からの非
正規在留外国人に対する
行政サービスの提供など、様々な質疑や要望がありました。
次に、
福祉保健領域について申し上げます。
ここではまず、この夏、
新型コロナウイルスの爆発的な感染拡大により区内の
自宅療養者数が三千五百人を超える事態となったことを受け、
オンライン診療の推進や
電話相談体制の強化が求められるとともに、発熱外来に対応する医療機関のさらなる拡充や運営経費の抑制と併せた
酸素療養ステーションの定員拡大など、第六波の到来を念頭に置いた
医療提供体制の一層の充実が切に望まれました。また、コロナ禍における様々な制約から生じる不安と孤独の解消に資する施策の早急な展開や、生活に困窮する
子育て世帯への
生活支援特別給付金の迅速かつ確実な支給、学校生活をはじめ、環境の変化が著しい
子どもたちに対する支援体制のさらなる充実など、長引くコロナ禍の影響で苦しむ区民一人一人に寄り添った取組の推進が求められました。
利用児童数の増加により大規模化が進む新
BOP学童クラブについては、施設の狭隘化と慢性的な人材不足の解消に向け、
民間事業者を活用したモデル校の設置が提案される一方、公の責任において課題を解決せず、安易に民間に委ねようとする区の姿勢がただされました。また、看護師の配置による
医療的ケア児の利用促進や保護者の負担が大きい夏季休業中などの弁当を外部発注する仕組みの早期導入、児童の成長と健康に十分配慮したおやつの提供など、利用者のニーズを的確に捉えた取組が求められました。
子育て施策関連では、育児に不安を抱える家庭に寄り添った
アウトリーチ型相談体制の強化や多胎児家庭に対する切れ目のない支援の充実など、子育てがしやすい
環境づくりの推進に期待が寄せられました。
障害者施策関連では、実親による養育が困難な障害児に対する里親への委託状況が問われるとともに、障害者の地域生活を包括的に支える拠点機能の整備推進や、就労機会の創出に資する
農福連携事業のさらなる展開、通勤時や就労中に介助が必要な
重度障害者に対する支援の拡充など、誰もが地域の一員として生きがいを持って暮らし続けられる共生社会の実現が望まれました。
そのほか、AIを活用した公平公正な
保育園入園選考システムの導入、人生の最期に残したい自らの情報を事前に登録する
終活登録制度の創設、在宅療養中の
若年末期がん患者に対する支援策の早期構築、
同性パートナーを親族同様に扱う
区内医療機関の早急な公表など、様々な質疑や要望がありました。
次に、
都市整備領域について申し上げます。
ここではまず、災害に強いまちの基盤となる
都市計画道路の整備方針を定めた第四次
事業化計画が中間年を迎えた中、区長がこの十年間で重点的に取り組むと表明した
優先整備路線の
事業進捗状況が問われるとともに、
道路ネットワークの充実に向け、
外環道東名以南整備計画の早期具体化に関する強力な働きかけや、北烏山二・三丁目
地区地区計画策定に合わせた補助二一六号線全区間での事業化が求められました。また、補助五二号線の住民参加による必要性の再検証に加え、将来人口推計を踏まえた
道路事業計画の見直しなど、社会情勢の変化に即した柔軟な対応が望まれました。
駅周辺まちづくりに関しては、地域住民が取りまとめた下高井戸駅周辺の将来像、しもたかブックの理念実現に向けた着実な取組をはじめ、地域の多様な意見を反映した三軒茶屋駅
周辺まちづくり基本計画の策定や、
小田急線上部を活用した
子どもたちが楽しめる広場の整備など、コロナ禍にあっても地域の声を丁寧に酌み取った住民本位の
まちづくりの推進が求められました。
公園・緑地関連では、
特定生産緑地への移行申請がない農地が開発された場合の影響が問われるとともに、公園でのボール遊びに関する地域住民の合意形成をはじめ、
スケートボード場の整備や障害の有無にかかわらず楽しむことができる遊具の設置促進など誰もが憩い楽しむことができる公園づくりに期待が寄せられました。
住宅政策に関しては、
SIMカードが内蔵されたLED電球の点灯時間の把握により安否確認を行う見守りサービスの早期実施が望まれるとともに、コロナ禍で困窮する若年層に対する居住支援策の拡充や、
養育里親世帯が区営住宅に入居可能であることの周知徹底など、区民の健康で文化的な生活を保障する住宅政策の一層の充実が求められました。
そのほか、豪雨時の浸水リスクが高い玉川・野毛地区における水害対策の強化、土砂災害の未然防止に向けた崖や擁壁の安全管理の徹底、老朽化が懸念される橋梁の補修工事の前倒し実施、環八千歳台交差点への
横断歩道設置に向けた積極的な対応、幼稚園や保育園の保護者に対する
自転車走行ルールの啓発強化、福祉の相談窓口と連携した
空き家対策の推進など、様々な質疑や要望がありました。
次に、文教領域について申し上げます。
ここではまず、
教育総合センターの開設が本年十二月に迫る中、乳幼児期における非認知能力の育成と評価方法の導入や子どもの好奇心を育む
仕組みづくりが求められるとともに、不登校やいじめ等の相談に関する情報の一元化とデータ分析による充実した支援体制の構築や、学校業務を支援する人材確保など、教育推進の中核的な役割を担う
教育総合センターに対し、多くの要望と併せ様々な期待が寄せられました。
また、
特別支援教育関連では、就学相談において、障害の状態や
教育的ニーズ等の総合的観点を踏まえた就学先の決定が望まれたほか、増加する自閉症・
情緒障害特別支援学級の利用希望への適切な対応や地域偏在の解消に資する整備計画の見直し、さらには
特別支援教室に通う児童生徒への継続的な指導や、視覚に障害がある児童生徒が利用する
ドリル系アプリへの音声読み上げ機能の導入、不
登校児童生徒に対するオンラインを活用した学習や進路指導など、子ども一人一人の特性に応じた教育環境の提供が強く求められました。
学校での
新型コロナウイルス対策関連では、大学生をはじめとした地域人材の活用による
オンライン授業での
サポート体制の構築や、ICT機器を活用した事務の効率化など、教員の負担軽減に資する対策が提案されました。また、校外活動前に行う
抗原定性検査については、教員や子どもの安全を確保するため、検査体制の一層の充実が求められた一方で、必ずしも安全安心の保障にはならない実施手法に対し、異議が唱えられました。
学校施設の改築・改修関連では、老朽化や耐震化、三十五人学級への対応など、
施設改修工事の着実な取組に加え、財源確保のため、国に対する
補助金増額等の積極的な働きかけが求められるとともに、脱炭素社会の実現に寄与するZEB化の推進に期待が寄せられました。
図書館関連では、
指定管理者制度の導入に対し、安定性、継続性の観点から懸念が示される一方で、民間のノウハウを生かした新たな取組の展開をはじめ、各地域の特性や魅力の発信、居心地のよい空間の創出など、
図書館サービスのさらなる充実が望まれました。
そのほか、学校生活における子どもの自己決定権や自己選択権の尊重、専門知識を有する外部講師による性教育の実施、
性的マイノリティーの子どもと保護者に対する適切な支援、修学旅行をはじめとした
校外学習機会の確保、男性教員の
育児休業取得の推進、
世田谷デジタルミュージアムの充実に向けた創意工夫など、様々な質疑や要望がありました。
以上の各部門の審査を経て補充質疑に入りましたが、ここでは各部門の審査で懸案とされた課題が数多く取り上げられました。
まず、都内で
東日本大震災以来の震度五強が観測され、
首都直下地震への懸念が高まる中、災害に強い
まちづくりにおいてもスピード感を重視しない区長の姿勢に危惧が示される一方、参加と協働を掲げ、多くの区民の声を丁寧に拾い上げる区政運営の深化に期待が寄せられました。また、コロナ禍にあって一層厳しさを増す財政運営に関し、
ふるさと納税による七十億円もの税収減に対する区長の認識が問われるとともに、DXによる公共施設の
維持管理コスト縮減の取組をはじめ、新たな税外収入の確保に向けたさらなる創意工夫や、多様な区政課題の解決に有効な官民連携による新事業の創出など、持続可能な財政基盤の構築に向けた不断の行財政改革の取組が強く求められました。さらには、先行き不透明な時代だからこそ、目指すべき区の将来像を見据えた区政運営に期待が示されるとともに、情熱と気概を持ち、今後の区政の在り方を真剣に考え、リーダーシップを発揮して周囲を牽引する職員の育成が切に望まれました。
福祉保健分野では、コロナ禍においても誰もが安心してがん検診を受診できる環境整備や、マスク着用により保育士の表情が見えないことから不安を感じる園児への対応策が求められるとともに、
酸素療養ステーションの効率的な運営に加え、
介護事業所における
社会的検査の普及促進など、来るべき感染拡大第六波に備えた対策の強化が望まれました。
教育分野では、任意団体への
教育管理職合格者情報の流出が厳しくただされるとともに、教育に係る経費の自己負担額を踏まえた
就学援助支給要件の緩和や、分断のない、共に学び共に育つ真の
インクルーシブ教育の実現など、誰もが安心して教育が受けられる環境の整備が求められました。
旧
池尻中跡地活用に関しては、いまだ議会との議論が不十分であるにもかかわらず、拙速に
事業者募集に踏み切ろうとする区の姿勢がただされるとともに、区内産業全体を活性化する視点からの事業再検討が切に望まれました。
そのほか、外郭団体における不適切な会計処理の真相解明、投票所での呼名による本人確認の早急な見直し、SNS上での声を収集分析するソーシャルリスニングの全庁的な活用、精神疾患の一つである
ギャンブル依存症対策の強化、渋谷区の事例に倣った
公共トイレ維持管理手法のさらなる改善、目黒区との連携協力による大井町線開かずの踏切解消など、多岐にわたっての質疑や要望がありました。
このようにして、延べ七日間にわたる審査を終了し、態度表明に入りましたところ、自由民主党、公明党、
世田谷立憲民主党、無所属・世田谷行革一一〇番・維新、
生活者ネットワーク、新風・せたがやの風、減税せたがや、
レインボー世田谷、
世田谷無所属、Setagayaあらた、
都民ファーストの会、国際都市せたがや、区民を守る会、無所属より、「
一般会計外四件の決算認定全てに賛成する」、日本共産党より、「国保会計、
後期高齢者医療会計には反対し、外三件には賛成する」との表明がありました。
引き続き採決に入りましたところ、認定第一号、第四号及び第五号の三件はいずれも全員異議なく、認定第二号及び第三号の二件はいずれも賛成多数で、それぞれ認定と決定いたしました。
以上をもちまして、
決算特別委員会の報告を終わります。(拍手)
○下山芳男 議長 以上で
決算特別委員長の報告は終わりました。
────────────────────
○下山芳男 議長 これより意見に入ります。
意見の申出がありますので、発言を許します。
なお、意見についての発言時間は、議事の都合により八分以内といたします。
二十五番た
かじょう訓子議員。
〔二十五番た
かじょう訓子議員登壇〕(拍手)
◆二十五番(た
かじょう訓子 議員)
日本共産党世田谷区議団は、令和二年度一般会計、
小中学校給食費会計、
介護保険事業会計の決算認定に賛成、
国民健康保険事業会計、
後期高齢者医療会計の決算認定に反対の立場で意見と要望を申し述べます。
この間、我が党は、区民の命と暮らしを守る施策を求めてきました。政策方針は、我が党が求めてきた方向性とおおむね一致し、コロナ禍から命と暮らしを守る施策を推進してきたと評価します。
令和二年度は、地域と施設の感染抑止につながる
社会的検査を先駆的に実施、保健師増員を進め、さらに区独自の医療機関への支援に取り組みました。
また、区民生活・
事業者支援では、コロナ禍で収入が減った家庭への
就学援助適用、ひとり親への支援、生活保護の告知改善、区独自のゼロ金利融資などを進めました。コロナ禍が長期化する中、今後もさらなる充実が必要です。
一方、
行政経営改革ではふじみ荘が廃止となり、政策形成の過程からの区民の参加と協働が貫かれず、これは保坂区政の基本的姿勢とも異なるものであり、今後改善が必要です。
決算における実質収支は百三十九億円、基金残高は一千百十九億円で過去最高となり、区の財政状況は健全です。区民生活を守る財政運営を根幹に据えることを求めます。
今議会での議論を踏まえ、今後の区政運営について、以下九点、意見要望を申し述べます。
一点目は、区政の重要課題について。
感染症対策では、第五波での
酸素ステーションの設置、小中学校での抗原検査などに踏み出したことを評価します。第六波に備え、大規模検査、
医療機関支援、速やかな
ワクチン接種、個人や事業者への十分な補償の充実が必要です。保健所の体制強化と計画的増員を求めます。
社会的検査では対象や規模を拡充し、現場に即した検査内容の改善と広報周知を求めます。感染の状況に応じた
酸素ステーションの機能拡充や
臨時医療施設整備などを求めます。
二点目は、区民生活と
中小企業事業者を守る施策についてです。
困窮する
子育て世帯への区独自の給付など評価します。今後、
持続化給付金の第二弾支給を国に求め、区独自の直接支援を含めた対策強化を求めます。生活保護については、権利と利用を促す
ポスター活用など、周知改善を要望いたします。
三点目は、今後の区政の基本運営についてです。
コロナ禍で新自由主義の限界と課題が浮き彫りになりました。これを乗り越え、ケアに手厚い住民福祉の増進という自治体本来の役割を発揮する区政への発展が必要です。未来つながるプラン素案では、現新実施計画(後期)で明記されている区民の視点に立った
行政経営改革の反映など、今議会の指摘を踏まえ、改善を求めます。また、公共施設総合管理計画一部改定案については、区民生活に必要な施設の整備維持が基本であり、利用率が低い施設の統廃合方針など見直しを求めます。区民に信頼される執行体制では、区民生活を守るため、計画的人員増を求めます。
四点目は、
行政経営改革についてです。
地方自治体の役割は、憲法に基づく権利を保障するために住民サービスを提供することです。今議会では、保育園の定数削減、再整備や区立図書館の指定管理、学童の民間活用について議論がありました。政策形成過程での参加と協働が不十分です。区政の根幹が問われる問題と位置づけ、改善の検討を進めていただきたい。
民間活用について、新実施計画(後期)では、サービスの向上やコスト縮減が図れる場合には、行政の責任を明確にし、質の確保に十分に留意しながら進めるとしています。この徹底が必要です。
図書館では、増大する赤字収支、職員の入れ替わりが激しいなど問題があります。こういったところの区の評価検証が不十分のままです。来年度、二館の指定管理者導入、これを予定しております。
学童民間活用においても同様の事態が懸念され、なぜ民間活用なのか、なぜ直営でできないのか、不明確です。
区立保育園に関しては、四月時点での欠員を大きな理由とした定数減は拙速です。半年間でゼロ歳児欠員はほぼ解消され、私立園の事業継続のためには財政支援が必要であり、来年度予算化を強く求めます。区立園の再整備について、セーフティーネットの弱体化、また保育需要の見通しが不透明であり、慎重な検討が必要です。
財政は厳しい、選択と集中、持続可能等を理由にこれらは進められていますが、一度立ち止まり、区民とともに再検討を求めます。
五点目は、地域行政条例についてです。
条例に区民参加の
仕組みづくりを位置づけることを求めます。
六点目は、気候危機対策についてです。
世田谷区気候非常事態宣言において、二〇五〇年までにCO2排出実質ゼロを目指すことを宣言しました。実現に向け、三〇年までの計画見直しに当たっては積極的な目標設定と取組を求めます。例として、公共施設のZEB化を公共施設総合管理計画で位置づけることを求めます。
旧池尻中学の跡地の活用についてです。
我が党は、起業・創業支援を基軸とした新たな展開の方向性は重要であり、さらに
区内事業者の事業継続や支援の位置づけを求めます。
八点目、介護の量と質の充実についてです。
介護職不足は一層深刻化しております。特養ホーム千人分の計画を見据え、現場の声をよく聞き積極的な対応を求めます。
九点目、公共交通不便地域対策についてです。
全区的課題の解消に向け、コロナ禍における持続可能なモデル運行の検討を進めることを要望します。
以上、
日本共産党世田谷区議団の意見といたします。(拍手)
○下山芳男 議長 以上でた
かじょう訓子議員の意見は終わりました。
────────────────────
○下山芳男 議長 続いて、意見の申出がありますので、発言を許します。
なお、意見についての発言時間は、議事の都合により三分以内といたします。
四番青空こうじ議員。
〔四番青空こうじ議員登壇〕(拍手)
◆四番(青空こうじ 議員) 令和二年度決算認定に賛成の立場から意見を申し上げます。
今年もコロナに始まりコロナに終わりそうな気配を見せていますが、そんな中、またも六月に千葉で下校中の小学生の列にトラックが突っ込み児童五人が死傷するという、あってはならない痛ましい事故が起きました。二度と起こしてはいけないと言いながら、毎年のように悲劇が繰り返されている現実を直視し、世田谷区としても、全ての区立小学校を対象に警察などと連携した通学路の合同点検を行うようですが、絶対事故は起こしてはいけないという強い気持ちを持って、継続的に取り組んでいただくことを改めて求めておきます。
コロナ禍においての教育活動も、はや一年半がたとうとしています。引き続き、毎朝の通学路の見守りでも、元気がなかったり、気になることがある子どもがいないか注意深く観察し、声かけを続けています。大人にとってもストレスが多い状況です。
子どもたちも、自分で気づかない心に傷を負ってしまっていることがあるかもしれません。学校の先生も、コロナ対応で様々大変なことが多いとは思いますが、ぜひ子どもの異変に気づき、早めのケアができるようお願いしたいと思います。
また、そんな中だからこそ、運動会や学芸会など、
子どもたちが楽しみにしてきた行事について重ねてお願いしたいことが、修学旅行などの宿泊を伴う行事の実施です。川場の移動教室なども含めて、友達との寝食を共にする、何ごとにも代えがたい経験となる宿泊行事が実施できるよう、コロナ禍でも、少しでも
子どもたちが前向きになれるよう御検討いただきたいと思います。
最後に、世田谷区の公共トイレの件です。
私は以前より、公共トイレはまちの魅力に関わる、まちを美しくきれいに保つ、大切な公共施設と考えています。
今回は、先進自治体である渋谷区の例を取り上げて、おしゃれな公共トイレを新たにつくることはハードルが高いことは分かりましたが、トイレは心を映す鏡です。せめて維持管理部分でも、こうした先進自治体のよい部分を取り入れ、世田谷区の魅力につながるような公共トイレにしていただくことを要望して、賛成の意見といたします。(拍手)
○下山芳男 議長 以上で青空こうじ議員の意見は終わりました。
────────────────────
○下山芳男 議長 続いて、意見の申出がありますので、発言を許します。
なお、意見についての発言時間は、議事の都合により三分以内といたします。
七番くりはら博之議員。
〔七番くりはら博之議員登壇〕(拍手)
◆七番(くりはら博之 議員) 令和二年度世田谷区
一般会計歳入歳出決算認定外四件に賛成の立場から意見を申し上げます。
まず、新型
コロナ対策について申し上げます。
第五波と呼ばれた七月から九月にかけての感染拡大が私たちの生活に与えた影響はとても大きいものでした。デルタ株の感染力はすさまじく、八月の区内での陽性者数は合計で一万人に迫るほど多くの方がコロナに感染してしまいました。
感染症対策の核となる保健所の業務も多忙を極め、電話がつながらない、必要な情報を速やかに連絡することができないというような事態に陥ってしまいました。これまでの職員体制ではとても処理し切れないほどの業務に忙殺されたことは想像に難くありません。それほどの感染急拡大でありました。特定の職場だけに負担がかかるような組織は健全ではありませんし、もちろん区民にとってもよいことではありません。
区においては、この第五波の経験をしっかりと検証、反省し、次の感染拡大に備え、コロナ禍に苦しむ区民や事業者に対する支援策を充実させるとともに、保健所をはじめとしたコロナ対応に当たる組織の体制強化に努めていくことを強く求めます。
さて、私は
決算特別委員会において、災害の脅威や卑劣な特殊詐欺から区民を守る取組、障害がある方や生活に困窮している方を支援する取組などについて伺ってまいりました。いずれの取組も区民を守る大切な取組と評価しますが、まだまだ必要な方に情報が届いていないように思います。必要な方に必要な情報が漏れなく速やかに届くよう、しっかりとした広報体制の強化と取組の充実を求め、以上、決算認定全てについての賛成の意見といたします。(拍手)
○下山芳男 議長 以上でくりはら博之議員の意見は終わりました。
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○下山芳男 議長 続いて、意見の申出がありますので、発言を許します。
なお、意見についての発言時間は、議事の都合により三分以内といたします。
一番神尾りさ議員。
〔一番神尾りさ議員登壇〕(拍手)
◆一番(神尾りさ 議員) 令和二年度世田谷区一般会計歳入歳出認定外四件全てに賛成の立場で意見を申し上げます。
世界中を襲った
新型コロナウイルス感染症に対し、各国において、国民を守り国の成長を止めないための政策が打ち出されてきました。日本では様々な意見がある中、東京二〇二〇大会が無観客で開催され、今後どのようにレガシーを残していかれるのかが鍵となります。
当区においては、厳しい財政運営における感染拡大防止対策と、区民生活支援、区内経済の維持を並行して行うための施策を推進してきましたが、今後の区政運営において、特に重要と思われる三点について申し上げます。
一点目は、公共性を維持する事業と収益を得る事業などの基準を明確にし、行政にしかできないことは行政が、民間にしかできないことは民間が、行政と民間の連携が必要となることは連携して進めていくことです。個々人の置かれる状況によって公共に求めるものが異なり、決断には痛みが伴う場合もあります。しかし、明らかなのは、近い将来、当区においても人口は減っていき、税収も減る可能性が高いということです。区民の声をよく聞き、覚悟を持って決断し、持続可能で魅力ある世田谷を目指して政策を推進されるよう求めます。
二点目は、子どもや若者の人材育成についてです。住宅街が広がる当区において誇るべきは人であり、次世代を担う人材なしに未来はありません。保育・教育の質の向上のために必要となる施策には率先して取り組むべきです。また、産業発展の可能性を広げるため、区内産業を担う人材の確保や育成を強化すべきです。地域においては、空き家や空き店舗を含む様々な地域資源を活用し、自分たちのまちは自分たちでよくしていくための取組に対する力強い支援を要望します。
三点目は、DXの推進についてです。新型コロナ禍で様々な事業にオンラインを活用する取組が進められましたが、オンラインを対面の補填的な役割で活用するフェーズから次のステップに進むべきです。今後は対面とオンラインのよさを最大限に生かし、様々な制約がある方が等しく参加と協働の機会を得られ、また個性や環境の違いを特徴として生かせるような社会をつくっていく必要があります。デジタルを前提とした社会を創造し、環境整備と実践を並行させた変革を求めます。
最後に、日々、
感染症対策と区政運営に御尽力される皆様に心より感謝を申し上げ、国際都市せたがやの賛成意見といたします。(拍手)
○下山芳男 議長 以上で神尾りさ議員の意見は終わりました。
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○下山芳男 議長 続いて、意見の申出がありますので、発言を許します。
なお、意見についての発言時間は、議事の都合により三分以内といたします。
三番そのべせいや議員。
〔三番そのべせいや議員登壇〕(拍手)
◆三番(そのべせいや 議員) 二〇二〇年度は、
新型コロナウイルス対策が世田谷区役所においても最も大きな課題となりました。未知の存在に対して、地方自治体として権限の限られる中、世田谷区が単に国の下請、フォロワーとして振る舞うのではなく、問題提起に打って出たことや、独自に調査し社会に広く共有したことは評価しています。一方で、正解がない中で区の選択がどうなったか、今後の方針をどうするかについては、行政の無謬性という幻想は捨て去り、科学的で数字に基づいた評価、判断をしてください。
また、
新型コロナウイルスへの各種対応から改めて検証すべきは、
感染症対策や保健所業務といった領域に特化した話ではなく、緊急時、そして平常時の意思決定の仕組みは現在のままでいいのか、迅速な執行を阻害するボトルネックは何か、税金と公務員の工数で救済する優先順位をどうするか。言い換えれば、何を選んで何を切り捨てるのか、また従来の手法や価値観がこの先の時代も引き継ぐべきものなのかといった課題であり、併せてこれらの課題に的確に対応できる組織の再構築を求めます。
翻って、今後の社会基盤の前提となる
デジタル化、オンライン化に伴い、従来仲介をしていた多くのものを飛び越え、例えば生産者と消費者がシステムを介して直接取引きができ、また個人によるコンテンツやスキルの公開や提供も増え、生み出す人と使う人の境界線は既にありません。
この流れを行政にも当てはめると、特に情報の流通については一切の距離的な制約がなくなり、国と個人が直接やり取りをするほうが効率的な未来が待っており、一方で、区役所よりも住民のほうが個別の事情に詳しいことも多く、地域の事柄について専任の公務員による対応が最適解ではなくなっています。
国の政策を定型的に執行する機能は、今後マイナポータル等を通してスマートフォンで実現をするほうがより正確になる中、地方自治体や区役所の存在、あるいはどの機能に区民にとってコスト以上の付加価値があるのか、特に国と個人の媒介である自治体の、さらに区役所と個人を媒介するための総合支所、
まちづくりセンターという情報の物理的な移動が必要だった時代の仕組みは、二〇二〇年代の世田谷区民にとって何の価値があるのか、明確に示す必要があります。
また、今回の決算委員会と第三回定例会では、特に乳幼児教育における格差とジェンダーイコーリティーの徹底について伺いましたが、貧富の差による機会の差だけでなく、本人の性による差別的扱いや保護者の就労状況や教育に対しての意識といった本人の努力では解決できない格差に、行政として、少なくとも早急に最低限格差拡大に加担しない対応を求めます。
昨今、親ガチャという言葉が話題になり、中学受験は課金ゲーム、特急券と表現をする漫画がドラマ化をされていますが、子どもの将来が生まれや親に依存する社会に回帰をすれば、絶望による負の連鎖が続きます。本人の努力により自らの将来が決められる公平性を担保した競争環境の整備と競争による社会の発展を希求し、
都民ファーストの会は、二〇二〇年度世田谷区
一般会計歳入歳出決算認定外四件全てに賛成をいたします。(拍手)
○下山芳男 議長 以上でそのべせいや議員の意見は終わりました。
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○下山芳男 議長 続いて、意見の申出がありますので、発言を許します。
なお、意見についての発言時間は、議事の都合により三分以内といたします。
二番佐藤美樹議員。
〔二番佐藤美樹議員登壇〕(拍手)
◆二番(佐藤美樹 議員) 令和二年度
一般会計外全ての決算に賛成の立場で、Setagayaあらたの意見を申し上げます。
新型コロナウイルス感染症により、日々刻々と社会、地域の課題が変わり、行政の役割も様々変化してきています。決算審議を通じて、現在区が策定中の世田谷区未来つながるプランを中心に各政策の課題を取り上げ、提案をしてまいりました。
変化のスピードが加速しているからこそ、先を見越し、ビジョンを持った上で政策を進めていく。事、DXについては、特にトップにDXを進めた先の世田谷区の組織のありよう、すなわちデジタルビジョンを持っていただきたいと申し上げました。ビジョンを持った上での方針や戦略、さらにその下の各政策の策定といったプロセスが今世田谷区には必要です。
手続のために来庁する区民がいないという状況になっても、それに代わる行政の価値をいかにつくり出していくか、六年後に完成する本庁舎の空間デザイン含め、次期基本計画に向けての取組を求めます。
また、グリーンリカバリーの視点、ゼロカーボンなどの環境面の効果とともに、経済効果を同時に達成する経済性があるこの政策を進めることでリカバリー、復興につなげるという視点は、持続可能な世田谷のために欠かせないものだと考えます。さらなる複合的政策を引き続き私からも提案してまいります。
ほかにも、様々委員会で取り上げた論点について対応していただくことを求め、以上で賛成意見とします。(拍手)
○下山芳男 議長 以上で佐藤美樹議員の意見は終わりました。
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○下山芳男 議長 続いて、意見の申出がありますので、発言を許します。
なお、意見についての発言時間は、議事の都合により三分以内といたします。
五番ひうち優子議員。
〔五番ひうち優子議員登壇〕(拍手)
◆五番(ひうち優子 議員) 令和二年度世田谷区
一般会計歳入歳出決算認定外四件全てに賛成の立場から意見を申し上げます。
コロナ禍において、基礎的自治体である世田谷区にはスピード感が求められます。
まず、コロナ罹患者の自宅療養者の方への支援について、しっかりとした体制が急務であります。コロナに罹患した私の友人は、軽症で自宅療養者になり、九死に一生を得て生還することができましたが、自宅療養の際に点滴一本打ってもらえず、何の治療も受けられなかったため、三十九度の熱が一週間続き徐々に弱っていき、自己回復するチャンスが与えられなかったとの声をいただきました。この経験が少しでも今後につながるように、自宅療養者への往診を行い、点滴、治療といった医師による訪問診療体制の構築が急務であると考えます。この点を要望いたします。
また、
ワクチン接種体制の強化、そしてワクチンパスポートの早期発行も求められております。この点も改めて申し上げておきます。
そのほかにも、今回の決算委員会では、ICタグの全館設置、滞在型図書館である梅丘図書館の進捗状況、またスケートボードの推進、そして区営住宅のエレベーター設置、大井町線の開かずの踏切など、様々な提案、質問をさせていただきました。
これらの要望の数々を今後前向きに検討されることを望み、
世田谷無所属の賛成意見とさせていただきます。(拍手)
○下山芳男 議長 以上でひうち優子議員の意見は終わりました。
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○下山芳男 議長 続いて、意見の申出がありますので、発言を許します。
なお、意見についての発言時間は、議事の都合により三分以内といたします。
六番上川あや議員。
〔六番上川あや議員登壇〕(拍手)
◆六番(上川あや 議員) 区の令和二年度各会計決算認定全てに賛成する立場から、三点の要望を申し上げます。
まず求めるのは、区政のあちこちに見られる効果検証を伴わない言いっ放しの協力要請からの脱却です。
さきの
福祉保健領域の質疑で、私からは、同性カップルも家族として扱う医療機関の可視化について問いました。この取扱いの平等は、六年前、パートナーシップ宣誓の開始当初から最も切実に改善を求められ、区も区内医師会等に協力を求めてきたテーマですが、この五月、区は区内二十八の医療機関にアンケートを行うと、
同性パートナーも婚姻関係にある親族と同様に受け入れているとした病院は二か所だけ、今後行う予定とした病院も三か所のみという貧しさでした。
区条例で同性カップルへの差別は禁止です。同性カップルを家族と同様に扱うことは厚労省のガイドラインにもかなう判断です。同条例で、区には、
区内事業者に協力を求める責務があり、事業者にも区の施策への協力に努める責務があるのですから、区は改善への関与を強め、条例理念の実現を急ぐよう求めます。
次に、評価、点検を伴わない行政現場への指導についてです。
区教委は、全ての区立学校の人権教育の全体計画と年間指導計画に性同一性障害と性的指向を位置づけ、現場を指導してきたと答弁をしてまいりました。ところが、区立学校の先生方に話を聞くと、当該計画にそれら記述は全くなく、区の
男女共同参画プランに記された教育実践までないことが分かりました。こうした議会答弁や行政計画の空文化も、区政においてまま見られる行為です。区民、議会の信頼を裏切らない評価、点検を改めて求めます。
最後に、在留資格のない人々にも保障されるべき人権についてです。
人権は、人が人である以上守られなければならない最低限の権利です。
区民生活領域の質疑では、地方自治体が外国人の在留資格に関わりなく提供できる
行政サービスについて、国が三十の実務を挙げて通知をしているにもかかわらず、通知を受けた区の所管課がサービスの各所管課に情報共有をしてこなかった事実を問いました。区教委が外国籍児童の就学状況調査をしてこなかった過去にも通じる冷たさです。
区は、民族、国籍差別を初めて禁じた自治体です。人命や安全を守る人道上不可欠なサービスに、本来、民族、国籍、在留資格の別などないことに理解の徹底を求め、私の意見といたします。(拍手)
○下山芳男 議長 以上で上川あや議員の意見は終わりました。
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○下山芳男 議長 続いて、意見の申出がありますので、発言を許します。
なお、意見についての発言時間は、議事の都合により三分以内といたします。
十番あべ力也議員。
〔十番あべ力也議員登壇〕(拍手)
◆十番(あべ力也 議員) 国民の未来を選択する衆議院議員選挙が本日公示されました。全ての国民の願いである
新型コロナウイルスパンデミックを克服し、いかに経済の再生と国民の生活を取り戻すことができるのかが問われるとともに、公共セクターのDXの加速は百年に一度の生産性向上と合理化に向けた変革をもたらすものと期待するものです。
この間、中国のハルピン市は、八人の陽性患者が出たことで、一千万人のPCR検査を実施いたしました。また、ニュージーランドの首相は、たった一人の
新型コロナウイルス市中感染者が確認されたことで、全土でロックダウン入りすると宣言をいたしました。このように、パンデミックなどの非常時は、理屈ではなく、住民の生命を最優先にしたトップの瞬時の決断と実行による危機管理能力が問題になります。
こうした意味で、区長の提案と議会の承認で推進した区民の命を守る
社会的検査は、定期検査とスクリーニング検査に約五億四千二百万円かかったにせよ、検査数は三万二千三百三十八件の実施で二十七人の陽性者を見つけ出し、クラスター発生も七件と最小化できたと考えます。
そうしたことが功を奏し、総人口数約九十二万人と二十三区最大であるにもかかわらず、人口十万人当たりの陽性者数は二十三区中十位前後という状況で、誠に残念にも亡くなられた方も、東京都全体では三千八十九人で人口の〇・〇二二%ですが、世田谷区では百五十九人で人口の〇・〇一七%と五ポイント低く抑えられ、公表している十二区中七位です。また、感染症状の重症化を防ぐこともできたということです。
結果として、世田谷区の取組は、申し上げた科学的根拠からも成功と言えます。人命を守る政策を費用対効果で評価することはナンセンスですし、良識的ではありません。
さて、
ワクチン接種と検査はパンデミックから生還するための車の両輪です。第六波に備える三度目のブースター
ワクチン接種は十二月に開始する自治体もあります。世田谷区も早期の三度目の
ワクチン接種の実施と併せて検査体制の充実を求めるものです。
いずれにしても、私を含め圧倒的多数の議員の賛成で、社会的PCR検査を含む一般会計予算も、学校の教師や児童生徒の命を守る抗体定性検査の実施を含む補正予算も可決成立しているわけですから、職員の皆さんも、デマや偏見に惑わされることなく、区長を先頭に、自信を持って区民の命を守り、生活を取り戻す正義を実現するため、事業執行を進めていただきたいと思います。
以上申し述べ賛成の討論といたします。(拍手)
○下山芳男 議長 以上であべ力也議員の意見は終わりました。
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○下山芳男 議長 続いて、意見の申出がありますので、発言を許します。
なお、意見についての発言時間は、議事の都合により五分以内といたします。
九番小泉たま子議員。
〔九番小泉たま子議員登壇〕(拍手)
◆九番(小泉たま子 議員) 新風・せたがやの風は、令和二年度決算認定全てに賛成いたします。意見を申し述べます。
区は、しきりに区と区民の参加と協働について言われますが、世田谷区政の民主主義の基礎である区民代表としての議会と区側が果たして今、信頼関係を保っているのか疑問です。このようなことをこの場で申し上げることは非常に心苦しいことでもあります。本来、区と議会は車の両輪として世田谷区を支えていかねばならない、そのことは分かった上で申し上げるのです。
行政は、区民の生命と財産を守る地区で最大のサービス産業であるべきということを申し上げているのに、区は今回、突然、地域行政推進条例案に区民の努力という項目を出しました。全く理解できません。今、実質的に地区で区民の日常生活を一番支えているコンビニエンスストアが、お客様に向かってお客様の努力ということを言いますか。区役所はまさに上から目線です。先日も申し上げましたが、区民は区役所と役人を選べない、区は選ばれることのない絶対的な存在なのです。そのことを認識してもっと謙虚であるべきです。
ある部門に、条例上設置された施策の評価委員会について、その委員会自身が事業実施を行い、評価する側とされる側が一体となっていることについての疑問に対しては問題ないとされ、さらに将来的には評価に軸足を置いていただくように考えていると全く信じられない答弁がありました。今起きていることへの指摘に対して、将来的には変わるだろうという区の姿勢は一体何なのですか。議会とのやり取りを何だと思っているのですか。
今回の
決算特別委員会においては、各会派と区側のやり取りの中で、区側の対応について疑問を持つことが多くありました。今の区は区政の意思決定の中で、議会との論議をどのように位置づけられているのですか。特に様々な政策課題について、いつ、なぜそのように決まったのか、責任者は誰なのか不透明極まりないと感じます。このことが多くの疑問をさらに引き起こすのです。
このような状況の中で一体全体どのように信頼関係を築き、議会としての役割を区民に責任を持った形で日々行っていくのか、とても困難を感じます。
区長の招集挨拶、特にDX推進、
ワンストップサービス実現、地域行政、改革、地区の充実を評価します。しかし、これに基づき行われた決算委員会において様々な問題が出てきました。
まず、責任者、スケジュール問題について何ら答えられない、これはあまりにもお粗末ではないですか。
密接な連携という言い方が問題です。まず連携といった段階で、元が別々のものであるということを表明し、密接と言った瞬間に会議が増える、つまり会議が増えて誰が責任を取るか分からず、そしてスケジュールが遅れる、これは子どもに分かることです。
DX推進と地域行政充実は、密接な連携を取るものではなく、一体として取り組むべきものです。区の仕事は、計画をつくることではなく、実現することです。早急にDX推進、
ワンストップサービス窓口、地域行政条例、推進計画、地区の充実、そしてこれらを支える職員の働き方改革について、具体的なスケジュールとそれを実現する体制を明らかにすべきです。
旧池尻中跡地については、担当所管の問題ではなく、区に全体を見る力がないことが問題です。
一番の障害は区役所自身にあると感じます。見るべきものは先行自治体の動向ではなく、世田谷の現場です。現場に全てがあるのです。前例踏襲、慣れ、そして新しいものへの拒否にあふれ返っているように感じます。DX推進と地域行政改革については、先行自治体はありません。これらを解決する方策としてヘッドコーチ導入を提案しています。
今の区行政は近視眼的な視野しか持てていない、対症療法行政としてあまりにも細か過ぎる、夢を持てていないのです。
このような中、五十年後、百年後を見据えた都市基盤の整備、そして次世代を担う
子どもたちの好奇心、体力問題については、時々の状況に揺れることなく、しっかりと着実に成果を出していっていただきたい、そのことを期待して、意見を終わります。(拍手)
○下山芳男 議長 以上で小泉たま子議員の意見は終わりました。
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○下山芳男 議長 続いて、意見の申出がありますので、発言を許します。
なお、意見についての発言時間は、議事の都合により八分以内といたします。
十一番
高岡じゅん子議員。
〔十一番
高岡じゅん子議員登壇〕(拍手)
◆十一番(
高岡じゅん子 議員)
生活者ネットワーク世田谷区議団を代表し、令和二年度世田谷区一般会計決算外四件全てに賛成する立場から意見を述べます。
令和二年度は、新型コロナ感染症の流行に振り回された一年間でした。その中でも世田谷区財政は健全性を維持しています。昨年度のオリンピック関連予算について不必要な支出は行わず、区民の命と生活を守ることに予算を集中したことを確認しました。
ふるさと納税による七十億円の歳入流出は看過できない問題です。区民生活が区税によって支えられているという実感がないことが、この高額な流出を招いているとは言えないでしょうか。
今後、区政は、地域行政条例づくりや区民目線でのDX推進を通じ、世田谷区の一つ一つの施策が生活に役立っているということを区民により明確に示す必要があります。各地区の
まちづくりセンターの機能を高め、真に頼りになるワンストップ窓口を実現すべきです。また、
個人情報保護の原則を堅持し、参加と協働で持続可能な世田谷をつくっていくよう求めます。
新型コロナ
感染症対策についてです。
私たち会派は、高齢者施設における死亡率の高いクラスター発生は何としても防がなければならないと考え、検査の充実を求めました。世田谷型
社会的検査は、高齢者施設での死亡、重症化例を最小限にするという意味で有効な検査だったと評価します。今後も、感染状況の推移に素早く対応できる随時検査、訪問型の介護介助事業者へのスクリーニング検査など必要な検査体制の維持を求めます。
この間の保健所や保健福祉政策部の働きに感謝します。医療・保健関係専門職の人員が限られる中、業務の集中は緊急時としてやむを得ない事態でした。今後の新興感染症などに備え、人員の増強を含め、保健所体制の強化を求めます。地域医療との連携強化や区民への適切な医療情報の提供も必要です。
感染症対策において人権意識の徹底は重要です。
ワクチン接種は任意であることも含め、排除や差別につながらない啓発周知を今後も続けてください。
コロナ禍は、非正規やフリーランスなどの世帯収入を直撃し、格差が拡大しています。その多くを占める女性、特にシングルマザーの生活は困難な状況にあります。昨年度の住居確保給付金の利用額は、令和元年度の七十倍以上の二十六億円余になりました。今後もシングルマザーなどの支援を必要とする区民に対し、住居の確保と生活の安定のために積極的な支援策を行うことを求めます。
どんな状況でも子どもの生きる権利、学ぶ権利を保障すべきです。給食による最低限の食の維持やIT格差を広げない
オンライン授業の実施方法など、コロナ禍での経験を生かし、子どもに格差をつくらないことを求めます。
固定的性別役割分業意識や性別による差別、構造的暴力は日本社会に根強く残っています。だからこそ、DVや性暴力防止に対応できる相談・自立支援体制の構築や、ジェンダー・人権教育を幼児期、学童期、思春期と生涯にわたり行うことを求めてきました。性暴力被害を減らすためにも、男女平等なセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス・ライツに関する教育が必要です。オンラインなど新たな手法も駆使し、全中学校での実施を求めます。教育委員会と保健所が協力して作ったリーフレットを活用し、さらに東京都助産師会などとも連携し、ぜひ実現してください。
生理の貧困解消への取組も求めます。
世田谷区は二〇二〇年十月、気候非常事態を二十三区で最初に宣言しました。若い世代の区民にも呼びかけ、今、温暖化対策地域推進計画の見直しを進めていますが、まずは区の率先行動が重要です。できるだけ多くの太陽光発電施設を学校など公共施設に設置できるよう、指針、方針を見直すなど、公共施設の環境性能向上に取り組む必要があります。さらに、区民の自然エネルギー利用が進むよう、区内建設業者などとも連携し、区民への相談体制の整備を求めます。
香害について周知が少しずつ進んでいることを評価します。次世代への責任として、石けん利用の推進、除草剤、殺虫剤の使用禁止など、予防原則に立った化学物質汚染対策を求めます。
災害対策にも気候変動への理解が必要です。区施設や公園へのグリーンインフラの採用と同時に、区民への啓発活動を続けてください。
災害弱者を守る個別支援計画の作成を急ぎ、地域住民とともに見守りを支援する体制整備を求めます。ここに女性の視点の活用が必要です。
感染症対策で定員が限られる避難所に関して区民の理解が不足しています。区民が最適な避難行動を取れるような事前周知、情報発信体制の整備を求めます。
先導的共生社会ホストタウンとして、障害者差別解消に取り組んできた世田谷区は、今、独自の条例づくりを進めようとしています。障害者当事者の声を丁寧に聞き、共に暮らす地域づくりに役立つ条例とすることを求めます。必要な人に必要な情報が届くコミュニケーションの保障と、独自の文化である手話の普及理解は特に大切です。手話言語・コミュニケーション条例制定についても同時に検討するよう求めます。
インクルーシブ教育は、共生社会の実現の第一歩です。新法にのっとり、普通学級での
医療的ケア児の受入れ準備を確実に進めることを求めます。
最後に、プラスチックごみ処理の将来像に関してです。
生活者ネットワークは、ごみ処理が自立した自治体に必須のサービス、分権自治の第一歩と位置づけ、世田谷区が自主独立の気概で、区民とともにごみ減量に積極的に取り組むことを求め続けてきました。
プラスチックごみについては、ペットボトル以外の集積所回収を世田谷区は行ってきませんでした。しかし、今年、プラスチック資源循環促進法が成立し、CO2が出る焼却から資源循環へと、国の方針が大転換されました。世田谷区も分別区分を見直し、この大きな流れに合わせていく必要があります。
作業室内のダイオキシン汚染が問題となった世田谷清掃工場が、十八年という異例の短い期間で建て替え予定となったことは評価します。時代は資源循環型の新たな廃棄物中間処理を求めています。この建て替えを機に、資源循環という視点を取り入れた世田谷清掃工場敷地の新しい使い方の再検討を世田谷区から東京二十三区清掃一部事務組合に対し正式に申し入れることを求め、以上、
生活者ネットワークの意見といたします。(拍手)
○下山芳男 議長 以上で
高岡じゅん子議員の意見は終わりました。
────────────────────
○下山芳男 議長 続いて、意見の申出がありますので、発言を許します。
なお、意見についての発言時間は、議事の都合により十分以内といたします。
四十六番桃野芳文議員。
〔四十六番桃野芳文議員登壇〕(拍手)
◆四十六番(桃野芳文 議員) 無所属・世田谷行革一一〇番・維新は、令和二年度世田谷区
一般会計歳入歳出決算認定外四件に賛成いたします。以下、意見を申し述べます。
振り返ると昨年は、二月に横浜港に入港したクルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号内での
新型コロナウイルス集団感染が明らかになり、三月からは全国の学校が一斉休校となりました。世田谷区では、当初、区立小中学校全校で三月二日から春休みまでが休校期間となっていましたが、その後、休校期間は延長され、春休みを挟んで五月三十一日まで、およそ三か月という長期間の休校となりました。
このような中で、三月二十七日、令和二年度各会計予算が可決されたわけですが、その際、我が会派の大庭正明議員が各会計予算に賛成の立場から意見を申し上げました。その一部を引用します。
「これから来るかもしれない
新型コロナウイルスの感染爆発、そして予想される緊急事態宣言。そうなれば、多くの区民が巻き込まれるパニック状態に何が信じられるのか。身近な行政が信じられなければ、まさに行政崩壊であり、国レベルでは国が滅びかねません。ゆえに、不用意な言葉、雑な言葉、不正確な言葉、そして事実と異なる言葉については、議会は厳しくチェックしていかなければなりません」、引用以上です。
この予算可決後の四月には、東京は緊急事態宣言下となり、感染拡大は、その頃の第一波と呼ばれるものから第二波、第三波、第四波と続いて、今年六月から九月頃の第五波までが波のように繰り返し全国を襲いました。もちろん区は今後の第六波への備えについても、油断なく身構えなければいけない状況です。
さて、この間、保坂区政はどのような対応をしてきたでしょうか。先ほど述べたように、昨年三月時点で、我が会派は、これから新型コロナの感染爆発が懸念されること、そうした状況であればこそ、いつにも増して区行政は区民に対し、不用意な言葉、不正確な言葉、事実と異なる言葉を発信してはならないと警告しました。これまでの区長の言動から想像すれば、早めに強くくぎを刺しておかなければならないと考えたからです。
ところが、区長は、大庭議員の言葉を聞いていなかったのでしょうか、それとも聞いていたとしても意味が分からなかったのでしょうか。その四か月後の七月末、区長は、副区長ら区幹部と何ら検討や相談などせず、突如テレビ等で、誰でもいつでも何度でもPCR検査と喧伝を始めます。これは我々の悪い予感が的中した瞬間でもありました。そして、この喧伝がマスメディアに受けてしまいます。世田谷区長という責任ある立場の人間が突飛なことを言えば、その意図、実現性、見込まれる効果などを聞いてみたくなるのも当然でしょう。取材する側は、区長が一人で勝手に言っているのではなく、世田谷区役所内で十分に検討された結果の施策であると捉えるのが普通であり、区長もそのように振る舞っているのですから。受けてしまった区長は、ますますその施策がさも実現するかのように能弁に語り出し、その語る内容が繰り返しメディアを通じて喧伝される悪循環となりました。
一方で、誰でもいつでも何度でもPCR検査などという施策は、世田谷区においてこれまで一度も実行されていません。それどころか、区がこれを具体的に検討した素振りすらありません。区長はまさに不用意な言葉、不正確な言葉を発し続け、区民を混乱させ続けたのです。
また、
新型コロナウイルス感染症対策の中核を担う保健所に関することについても、区長は不用意な言葉、不正確な言葉を発信してきました。これについては、発言時間の都合で割愛しますが、詳細は、令和二年六月十日の本会議一般質問の会議録、令和三年九月三十日の
決算特別委員会総括質疑の会議録を御確認ください。
令和二年度各会計予算に対して述べたことを、令和二年度各会計決算認定に対しても改めて区長に申し上げます。危機に接しては、いつにも増して区民に対し、不用意な言葉、不正確な言葉、事実と異なる言葉を発信してはなりません。これを肝に銘じていただきたいと思います。
そして、区長にもう一つ知っていただきたいことがあります。経済学の言葉にコンコルドエフェクト、コンコルド効果、またはコンコルドファルシー、コンコルドの誤謬というものがあります。これは、イギリス、フランスの会社が共同開発し、一九七〇年代から二〇〇〇年代にかけて就航していた超音速旅客機コンコルドにちなんだ言葉です。
コンコルドは、一九六九年に試験飛行として初飛行した当時、世界の最先端技術が詰まった夢の飛行機でした。その一方で、開発当初から燃費が悪く、定員が少ないことから、運行しても採算性が低いことが指摘されており、その事業計画には否定的な意見が多く寄せられてもいました。しかし、イギリス、フランス両政府は、一旦スタートを切ったこの国家的大プロジェクト途中で中止することこそ失敗と捉え、飛べば飛ぶほど赤字のコンコルドは運行を続けます。その後、二〇〇〇年代初頭の悲惨な墜落事故や世界同時多発テロに起因する航空需要の低迷でいよいよ追い詰められるまで、コンコルドは空を飛び続けました。
コンコルドは、国家の威信を保つために空を飛び続け、その間、多大な犠牲が生じ続けたのです。失敗は明らかなのに、これまでに投資した費用、時間、労力などが惜しいからやめることができない。当初の目的が達成されていないことは明らかなのに、目的とは違う様々な判断材料が目的化してしまい、プロジェクトをやめることができない。時に人がこうした心理に陥ることをリーダーは常に自覚し、自戒をしなければなりません。
世田谷区長はどうでしょうか。前述の誰でもいつでも何度でもPCR検査は、無症状の方であっても、とにかく多くの方にPCR検査を実施すれば感染拡大が抑止できるという区長の考えに基づき、喧伝された施策です。そして区長は、それが実現不可能と知るや、今度は
社会的検査と言い、一回こっきりでもいい、なるべく多くの高齢者施設などで無症状の方に検査をして、施設内感染を防ぐという施策を唱えて実施し続けます。
一回こっきり、もしくは月単位の頻度で、それも施設全体でなく、希望者だけ検査をしても、施設内感染の抑止になどなりませんから、この
社会的検査を受けた施設でも施設内感染は発生しています。これは我が会派のひえしま議員の質問でも明らかになっています。つまり、我々の当初からの指摘どおり、
社会的検査なるものに施設内感染を抑止する効果などないことが明らかになったのです。
ところが、無症状者への検査に固執することが目的となってしまった区長は、今度は区立小中学校で無症状の児童生徒らを対象に、修学旅行などの行事前に、一回こっきり、それもPCR検査よりも感度が低い
抗原定性検査を実施し始めました。まさにコンコルドの誤謬でしょう。区長には独自のこだわりを捨て、虚心坦懐に、いま一度世田谷区の新型
コロナ対策を総括し、今後に備えることを求めます。
もう一度分かりやすく区長に申し上げます。山で遭難したくなければ、道に迷ったような気がした時点で引き返せということです。これまで登ってきたのにもったいないなどと考えてはいけません。
以上、無所属・世田谷行革一一〇番・維新の意見といたします。(拍手)
○下山芳男 議長 以上で桃野芳文議員の意見は終わりました。
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○下山芳男 議長 続いて、意見の申出がありますので、発言を許します。
なお、意見についての発言時間は、議事の都合により十分以内といたします。
二十二番中山みずほ議員。
〔二十二番中山みずほ議員登壇〕(拍手)
◆二十二番(中山みずほ 議員)
世田谷立憲民主党区議団を代表して、二〇二〇年度世田谷区一般会計並びに四会計決算認定全てに賛成の立場から意見を申し上げます。
まず、
新型コロナウイルス感染についてです。
感染拡大が始まってから二年目を迎え、延長の続いた緊急事態宣言を経て、現在は小康状態と考えます。第六波が来ることを見据え、確実に予防と対策が行われる体制づくりが大切です。
ワクチン三回目接種の想定をし、区としてはその優先順位や、これまでの課題を踏まえて、希望する方々がスムーズに接種できるよう万全の準備をするよう求めます。
同時に、
ワクチン接種のできない方や、受けない方が誹謗中傷や偏見、差別、いじめ、行動制限、職業上の制限などの不利益が起こらないよう十分な配慮も求めます。
また、第五波では、世田谷区の自宅療養者が最大三千五百八十八人となり、三千人を超える日が続いたことを踏まえると、国や都の動きも注視しつつ、区として臨時の医療施設での対応も見据える必要があります。酸素吸入や抗体カクテル療法の実施など具体的な対策への準備も必要と考えます。
区の税収は想定していたほどコロナの影響が見られなかったとのことですが、それでも区民の生活への影響は少なからず存在します。特にもともと弱い立場であった方への影響は大きく、長期化することも想定できることから、生活のベースである居住支援の拡充を求めるところです。また、自助だけでは立ち行かなくなった方々のために、生活保護という制度が人権意識を持って確実にセーフティーネットとして機能することを求めます。
また、市民参加の機会や外出が減り、在宅高齢者の健康悪化、例えば歩行機能の低下、認知症が進んだなどの声も多く、要支援などの比較的軽度の方からの区分変更申請が増えているという声も聞きます。具体的な対策を求めます。
さて、今回の
決算特別委員会において、各所管で質疑したことを踏まえ、我が会派として最重要課題として捉える施策について、以下六点を申し述べます。
第一に、歳入歳出です。
これまでも会派としては、歳入増の取組として税外収入の確保を求めてきました。また、歳出削減が必要とされる中、
ふるさと納税による流出額が昨年度五十六億円、今年度に至っては七十億円と報告を聞いています。この対策の一つとして、暮らすまちへの寄附マインドの醸成も有効と考えます。地域の金融機関などとの連携による遺贈寄附の
仕組みづくりに取り組むなど具体的対策を求めます。
第二に、DX推進における
個人情報保護についてです。
DXを推進する上で
個人情報保護の論議が大切と考えます。
個人情報保護については、国による一律化が図られることから、区としてはこれまでの保護基準を審議会などで担保する必要があります。その際には以下の権利が大切と考えます。
個人の権利利益の保護を図るため、自己に関する情報の取扱いについて自ら決定できる権利、自己情報コントロール権、本人の意思に基づいて自己の個人データの移動を円滑に行う権利、データのポータビリティー権、個人データが個人の意図しない目的で利用される場合に、当該個人データの削除を求める権利、忘れられる権利、本人の同意なしに個人データを自動的に分析、または予測されない権利、プロファイリングされない権利、これらの権利について今後明確化するよう求めます。
一方で、社会に資する産業分野等でのオープンデータの利活用や庁内での利活用による根拠を明確にした政策づくり、EBPM推進を求めます。
第三に、気候危機対策と環境対策です。
全庁横断的に進められている気候危機対策としては、区民や事業者の行動変容もさることながら、区が自ら具体的に実施していくことがとても重要です。特に区内に建設される建物や新築住宅への環境配慮の推進や、区施設におけるZEB化、ネット・ゼロ・エネルギー・ビルディングへのロードマップ作成は早急に進めるべきと考えます。
ZEBとは、室内環境の質を維持しつつ、年間の一次エネルギー消費量の収支をゼロとすることを目指した建築物と定義されており、区が保有する公共施設への導入を図ることなくして、ゼロカーボンシティは実現できないと考えます。
また、環境対策としては、脱使い捨てプラスチック社会を率先して目指すよう求めます。3Rの中のリデュース、つまり発生抑制が大前提ではありますが、廃プラスチックについては、気候変動の視点も含め、熱回収しなくてもリサイクルできる仕組みが必要と考えます。区においては、処理する財源を国に求めるよう要望します。
第四に、子どもの権利についてです。
児童福祉法に子どもの権利という言葉が入ってから五年がたちます。区はそれ以前から子ども条例を制定していたわけで、重要施策の柱としてきたと考えます。さらに、
インクルーシブ教育の実現、ヤングケアラーへの支援、子どもの性暴力防止、いじめ対策、子どもの遊ぶ権利など、今日的課題にも迅速に対応いただけるよう求めます。
また、
新型コロナウイルスの影響により、児童生徒の不登校が過去最大の十九万六千百二十七人との報道もあり、本区としてもこれまで以上の対策を講じる必要があると考えます。
学校が抱える課題の個別対策のみにあらず、個々の課題を総合的に捉え、教育の在り方を見直すべきです。第二次教育ビジョンに明確に示すよう求めます。
第五に、障害福祉についてです。
医療的ケア児支援法が施行される前から区は、医療的ケア相談センターHi・na・taを設置されました。しかし、相談体制があっても、解決のための社会資源がなければ意味がありません。例えば
医療的ケア児の保護者の就労支援は保育園までであり、学童期にはありません。つまり相談を受けたとしても解決する方法がないのです。東京都とも連携し、子どもの障害の有無にかかわらず、希望すれば就労を継続できる施策を講じるよう求めます。
また、世田谷区が目指す障害福祉としては、当事者が権利の主体として共に暮らせる社会を確実に目指すことを求めます。
重度障害者は、就業中の介助や通勤の介助が受けられない、また、上肢不自由の場合は移動支援補助が受けられないなど、障害の内容によっては支援から外れてしまう事例についても指摘いたしました。具体的に改善されるのか、今後も注視してまいります。
第六に、世田谷ものづくり学校後の旧池尻中跡地利用に関してです。
私たちは、区が行う事業においては、財務諸表などでは表れないESG情報、環境、社会、ガバナンスと言われる非財務情報も重要であると考えております。つまり旧池尻中跡地利用に関しては、昨今の社会課題解決、インキュベーション、ソーシャルビジネス、新しい教育に求められるものなど、なかなか民間では収益構造が見込めない事業を区が連携することで進めていきたいとのお考えには一定の理解をいたします。しかし、委員会での報告や今回の
決算特別委員会での議論を踏まえても、まだ懸念点が払拭できていません。会派としては、区が行うべき事業としての有用性が明確にされるまで議論を求めることといたします。
最後に、区の重点施策についてです。
DX推進、気候危機対策など、これからの区政において重要な施策は、全庁横断的な連携が必要なものばかりです。連携してまいります、御答弁の締めによく使われるこの定型文のような言葉は、それだけで終わらせるのであれば、これからの区政運営は持続可能となりません。縦割り行政の弊害を今こそ払拭するよう強く求めまして、
世田谷立憲民主党区議団の意見といたします。(拍手)
○下山芳男 議長 以上で中山みずほ議員の意見は終わりました。
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○下山芳男 議長 続いて、意見の申出がありますので、発言を許します。
なお、意見についての発言時間は、議事の都合により十分以内といたします。
四十番いたいひとし議員。
〔四十番いたいひとし議員登壇〕(拍手)
◆四十番(いたいひとし 議員)
新型コロナウイルスの世界的な感染拡大によって、日本社会はこれまで経験したことのない危機に直面しました。長期にわたり国民の命と暮らしが脅かされ、とりわけ
子育て世帯や女性、非正規労働者などの生活に大きな影響が及んでいます。加えて、日本社会がもともと抱えていた貧困格差、社会的孤立、少子・高齢化、感染症対応の脆弱性、
デジタル化の遅れなどの課題も浮き彫りとなりました。
しかし、我が党は、コロナ禍が国民生活に及ぼした教訓を生かし、誰一人取り残さないとの理念の下、社会的孤立を防ぎ、多様性を尊重し、誰もが希望を持ち、安心できる区政の構築に全力を挙げて取り組んでまいることを申し上げます。
それでは、令和二年度世田谷区一般会計決算外四特別会計に賛成の立場から意見を申し述べます。
今後の区財政は、感染状況や地域経済の動向、
ふるさと納税や税制改正における地方法人課税の見直しの影響、さらには特別交付金の減額が見込まれることから、着実な行財政改革が今必要であります。しかし、先般示された世田谷区の屋台骨となる未来につながるプランからは、そうした危機感が全く感じられません。
我が党は、コロナ禍の難局だからこそ抜本的な改革に取り組む大きなチャンスだと捉え、新公会計制度を基にした全事務事業の分析、検証を大胆に行った上で、事業の民間委託化など徹底した行財政改革を断行し、そこから生まれ出された財源は、全て区民生活へ還元しゆく、真の行財政改革を断行すべきと考えます。もちろん事業の見直しは、コスト削減に加えて、税外収入確保の観点から、公共施設、空間でいかに稼ぐかとの発想の転換も必要であります。
さて、予算特別委員会の各所管で取り上げました個別課題は、今後注視してまいりますが、我が党として最重要課題として捉えている施策について、改めて八点申し上げます。
第一に、コロナウイルス
感染症対策についてです。
四月中旬から始まった
ワクチン接種も七割の方が二回目の接種を終えました。接種の開始が遅れた世代も順調に進んでいますが、全世代七割を目指すためには、特に三十代以下の若い世代の行動様式に沿った接種体制の構築が求められます。
今般、我が党の要望を受け、ウイークエンド夜間接種に加え、予約なし接種が本日から開始されます。今後も正しい情報を積極的に周知しながら、柔軟に対応することを求めます。
さらに、第六波に備え、この第五波の課題となった陽性判定から保健所のフォローアップにつながるまでの空白期間の解消や、容体が急変する在宅療養者に対する医療体制の再整備を求めます。
第二に、地域行政についてです。
区が示した地域行政推進条例骨子案は、
まちづくりの姿やその目的が不明確であり、何のための条例なのかと疑問を呈しました。その中で、我が党の提案で実現した
まちづくりセンターにおける
ワクチン接種予約サポートは、今後の地域行政の在り方を議論する上で大きな指標となりました。
地域行政は区民に信頼され、役に立つ仕事をすることが重要です。その意味で、近年頻発する自然災害の脅威から、八千余名の避難行動要支援者への個別避難計画の作成は待ったなしです。その作業を通じて、長期化するコロナ禍で、人と人との分断、交流、活動の停止により、地域コミュニティーの衰退を克服することが、今
まちづくりセンターを中心として求められております。地区を支える総合支所の役割と責任を明確にした行政構造に大転換すべきであります。
第三に、
池尻中学校跡地活用についてです。
今般示された評価検証の報告を読んでも、跡地活用事業のコンセプトや運営の方法が明確になっていません。我が党は、これまでの経緯を総括すると、跡地活用の場が区内産業の発展に資する事業になることはもちろん、区民に還元できる施設にすべきと考えます。改めて拙速な事業の再考を求めます。
第四に、区立保育園、新
BOP学童クラブの民営化についてです。
初めに、私立保育園の経営と区立保育園の役割について申し上げます。
私立の小規模園では、低年齢児の空きが埋まらないことで園の経営に大きな影響が出ています。区はこうした事態に対して、民間保育園の存続を最優先に考え、区立保育園はゼロから二歳児の受け皿を減員し、三歳から五歳に特化した運営に変更するなど、保育需要のバランスの調整弁となるべきです。また、区立保育園の今後の在り方に基づいた再整備計画では、老朽化に対応した対策を進めるとしていますが、統廃合計画を早急に示すべきであります。
次に、新
BOP事業の民営化についてです。
我が党は、利用者増や大規模校における狭小化、学童クラブの時間延長のニーズなどに柔軟に対応するためには、民営化に大きくかじを切るべきと提案しました。しかし、区は、
民間事業者の活用を含め検討するとの答弁に至っていますが、結論は先送りです。新
BOP学童クラブの民営化について早急に結論を出すべきです。
第五に、災害対策についてです。
今定例会では、避難所の電源確保として、太陽光パネルと設置型の蓄電池の配備を求めました。さらなる避難所の電源確保に向け、国の補助制度を活用した事業の導入など、一層の努力を求めます。
また、食のネットワークによる地域づくりにつながるロジ・ハブ拠点が、災害時においては、被災者の孤立を防ぎ、生活再建につなげる仕組みとして大きな機能を果たすことを申し上げました。大規模公園の整備に合わせ、食品ロス対策のロジ・ハブ拠点を整備すべきであります。
第六に、がん対策についてです。
我が党の提案で実現したがん対策推進条例も、施行から五年半が経過しました。区は、がん対策推進計画を制定し、がんの予防や早期発見など四つの重点施策に取り組んできましたが、いまだ強化すべき課題もあります。その一つが、思春期及び若年成人世代、いわゆるAYA世代のがん患者です。法制度のはざまの年代で、公的支援の機会が少なく、仮に末期がんとなった場合は、患者とその御家族の苦しみは耐え難く、在宅療養を選択した場合の介護負担、経済負担はさらに重いものがあります。区としての支援策を求めます。また、保健センターががん対策の拠点となるよう、検診の充実も図るべきです。
第七に、新教育センターについてです。
我が党は、これまで一貫して幼児教育の重要性を訴えつつ、平成二十四年、京都市子育て支援センターこどもみらい館の視察以来、具体的な幼児教育センターとその機能の在り方を提案してまいりました。間もなく開設する
教育総合センター及び乳幼児教育支援センターにおいては、関係する所管の枠を超えた連携体制が求められます。
特に先日、文科省より、児童生徒の不登校が過去最高になったと発表がありました。区教委は、不登校や
インクルーシブ教育など、先駆的な調査研究を行い、その成果を基に、教職員に対する実践的な研修や支援を行うなど、バックアップセンターの機能を発揮し、公教育の礎となる責任と役割を果たすべきであります。
第八に、給食費の無償化についてです。
我が党は、生まれてきた環境で教育を受ける権利に格差があってはならないとの考えから、学校給食の無償化を求めてきました。元年十月から年収七百六十万未満の中間所得者層の世帯に対しても無償化が開始され、多くの保護者から感謝の言葉が寄せられています。しかし、コロナ禍で家計の状況が大きく変化した世帯も多いことから、本年度中に年収七百六十万未満になった世帯も対象に加えるべきであります。子ども・子育て応援都市にふさわしい子育ての土台をつくるため、地方創生臨時交付金の活用も視野に入れた対応が求められます。
以上で公明党世田谷区議団の意見とします。(拍手)
○下山芳男 議長 以上でいたいひとし議員の意見は終わりました。
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○下山芳男 議長 続いて、意見の申出がありますので、発言を許します。
なお、意見についての発言時間は、議事の都合により十分以内といたします。
四十八番おぎのけんじ議員。
〔四十八番おぎのけんじ議員登壇〕(拍手)
◆四十八番(おぎのけんじ 議員) 一年の延期を経て、無観客で開催された東京二〇二〇大会を振り返りますと、周囲からの大きなプレッシャーに打ちかって、再び頂点を極めた柔道の大野選手や、十三年越しの連覇を達成したソフトボールチームもあれば、ボッチャ個人の決勝戦をノーミスで勝利し、金メダルを獲得した杉村選手や、チームの団結力により好成績を残した車椅子ラグビーなど、しなやかにかつ伸び伸びと躍動する日本人アスリートの姿に、大きな感動を覚えました。
そして、私が最も印象に残ったシーンは、スケートボード女子パーク決勝の最終滑走で、岡本碧優選手が空中でボードを一回転させる大技、フリップインディに挑戦するも、着地に失敗、涙を流しながら戻ってきたところに、各国の選手が駆け寄り、彼女の体を担ぎ上げ、たたえた場面であります。敵、味方、人種や宗教、国籍など、あらゆる垣根を越えてお互いをリスペクトし、感情を共有する姿を目の当たりにし、将来的な国際平和の可能性にも思いが及びました。
世界各国の思想や社会経済活動が極度の利己主義に走ることなく、アスリートたちが体現したように協調性を重んじることができれば、国家間に存在する争いの多くは回避することができるはずです。コロナ禍の折、賛否両論で開催された東京二〇二〇大会のレガシーの一つとして、国際平和の機運がさらに高まることを期待するものであります。
それでは、令和二年度各会計歳入歳出決算認定に賛成の立場から、自由民主党世田谷区議団を代表し、意見を申し上げます。
昨年度は、特別定額給付金や
ワクチン接種など、
新型コロナウイルス感染症への対応により七度にわたり補正予算が編成され、一般会計の歳出決算額は四千億円を超える大規模なものとなりました。一方、歳入では、特別区税が
ふるさと納税により五十六億円ものマイナス影響を受けたものの、納税者数の増加に伴い、前年度比二十二億円のプラスとなったことが大きな特徴と言えます。つまり、昨年度は、コロナ対応に追われた一年と記憶される一方、財政運営上は、コロナショックと呼ばれるほどの事態は回避できたということであります。
しかしながら、今後、区内の生産年齢人口については、これまでのような増加が見込めない状況であり、歳出面における財政構造の変革に取り組まなければ、いずれ区政運営が立ち行かなくなる事態に陥る危険性があります。
昨年度、事務事業等の緊急見直しにより多くの事務事業が休止、先送りとなりましたが、不要不急と判断された事業を無条件に復活させるのではなく、さらなる不断の見直しを求めるものであります。なお、世田谷区は財政状況の見通しが悪くなるたび、学校改築や
道路整備事業を先送り対象としますが、我が会派は、むしろそれらを最優先事業と捉えており、いかなる状況にあろうとも、投資の手を緩めるべきではないということを申し添えておきます。
また、令和二年度末の基金残高は千百十九億円と過去最高額を更新しました。さらに、実質収支比率は適正水準と言われる三%から五%の枠を超え、六・一%となりました。この数値は貴重な財源が有効活用されず、不用額の割合が増加しているということの証左であり、来年度の予算編成に当たっては、適正な予算見積もりの徹底に努め、先ほど申し上げた道路整備や学校改築など、将来への投資に積極的に財源を活用するよう強く要望いたします。
また、今回決算で示された主要施策の成果という冊子についても触れておきます。コロナ禍とはいえ、見逃せなかったのは、冒頭にあった新実施計画全百六十九事業のうち、令和二年度達成できたのは五十九事業にとどまったという記述です。達成率にして三五%、その前の令和元年度が達成率四四%、平成三十年度は五五%であり、毎年順調に一〇%ずつ達成率が低下しています。これまで個人的にも指摘してきましたが、目標設定自体の妥当性に問題があるにせよ、毎年一〇%達成率が下がり続けているという事実が、行政評価が何ら区政運営の役に立っていないということのあかしであります。このような作業を来年度以降も本当に続けるのか、区として真剣に検討するよう求めておきます。
次に、今後、区が重点的に推進すべき施策について申し上げます。
昨年来の
新型コロナウイルス感染症の影響下において、収益を伸ばす業界と収益の落ち込みが拡大する業界に二極化される様子を表すK字回復という用語を耳にする機会が増えました。区民生活でも同様の事態が起こっており、収入面の影響をさほど受けずに済んでいる方がいる一方で、受注が激減したフリーランスの方、営業自粛により売上げが激減した飲食業者、雇い止めを受けた非正規雇用者など、コロナの影響をもろに受けてしまった区民が数多く存在します。こうした方々に寄り添ったきめ細やかな支援策を早期に打ち出し、安定した区民生活基盤の構築に尽力するよう求めます。
そして、災害に強い
まちづくりもより一層推進しなければなりません。区民の生命と財産を守るという確固たる信念の下、近年多発している局地的集中豪雨や一昨年の台風第十九号の被害を教訓に、水害対策のさらなる強化に努めるよう強く求めます。また、将来の世田谷区民が安全に、そして安心して生活ができる町となるよう、三軒茶屋駅周辺の
まちづくりや京王線連続立体交差事業、ひいては主要な生活道路の整備など、完成までには相応の年月がかかる事業においても、着実にかつ迅速に取り組むことを求めます。
旧
池尻中跡地活用については、さきの
決算特別委員会において、当初のスケジュールを変更し、現行のプランを見直す旨が表明されました。区においては、各会派から出た様々な意見を十分吟味した上で、貴重な区有資産をいかに収益化し、これからも世田谷区のためにいかなる事業を展開するか、じっくりと検討され、我々が応援したくなるようなプランが示されることを期待しております。
また、地域行政推進条例の制定及び推進計画の内容について、議会での議論の前に、まずは庁内で熟議を重ね、実効性のあるプランを練り上げることが先決と考えます。DXの取組と並行し、新たな時代の
行政サービス構築に向け、全庁一丸となり、かつてない迅速さで取り組まれることを強く求めます。
最後に、区長に何点か申し上げます。
組織をつかさどるリーダーには、自ら明確なビジョンを描き、それを部下へ的確に伝達する能力が必須であります。当区における目下の重要課題である地域行政制度改革や旧
池尻中跡地活用に関しては、区長の明確なビジョンも、区が一体何をやりたいのかも、我々に全く伝わってきません。自分の興味がある分野の施策には反射的に飛びつき暴走する一方で、興味の湧かない分野については、区民や事業者の意見を聞くだけ聞いて、その後の対応は部下に丸投げするという悪癖を一刻も早く是正していただき、九十二万区民をあずかるトップとして、理想論だけではなく、現実的な将来像を明確に区民に、そして庁内に示すよう強く求めておきます。
また、区長の新著「こんな政権なら乗れる」において、随分と上から目線ではありますが、我が自民党を評価する箇所が随所に見られました。タイトルに掲げられているように、そんなに自民党政権に乗りたいのかと私なりに解釈しましたが、かといって、議会での答弁で、ここぞとばかりに時の自民党国会議員を引き合いに出し、〇〇大臣が私の案に同意してくれたという表現を多用することは、今後、厳に慎んでいただきたいと思います。要は政府からお墨つきをもらったら私は正しいのだと印象づけたいのでしょうが、リーダーたるもの、自分の決断、判断を他人の名前を出して正当化するべきではありません。名前を出されたほうもいい迷惑であります。
また、六月末の岡田副区長に続き、コロナウイルス第五波の余韻覚めやらぬ九月七日、宮崎副区長が任期途中で退任をされました。しかし、今定例会の区長招集挨拶では、そのことに一言も触れられていませんでした。その後、新たな副区長が選任されるわけでも、部長が増えるわけでもなく、はや一か月が過ぎました。副区長の枠を三人に広げたいと議会に提案されたのは、僅か一年前であります。あれはただの気まぐれ、思いつき、あるいは何かの間違いだったのでしょうか。
これが平時ならばまだ分かります。しかし、今は違います。区長として、災害時に匹敵する緊急事態、異常事態が隣り合わせであるという意識、そしてこのピンチを変革のチャンスと捉える感覚が驚くほどに欠如していると言わざるを得ません。この危機を乗り切る上で、また世田谷の未来を形づくっていく上で、どんな組織、人員であるべきか、思慮に思慮を重ねていただくよう強く要望するものであります。
来年は区制施行九十年を迎えます。節目となる二〇二二年が世田谷区政の明るい未来への転換点となるよう、令和四年度の予算編成に当たっては、区民の皆様に安心感を届けるとともに、将来に向けた積極投資をすることを重ねて要望し、自由民主党世田谷区議団の意見といたします。(拍手)
○下山芳男 議長 以上でおぎのけんじ議員の意見は終わりました。
これで各会派の意見は終了いたしました。
これより採決に入ります。本五件を二回に分けて決したいと思います。
まず、認定第一号、第四号及び第五号の三件についてお諮りいたします。
本三件を委員長報告どおり認定することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○下山芳男 議長 御異議なしと認めます。よって認定第一号、第四号及び第五号の三件は委員長報告どおり認定することに決定いたしました。
次に、認定第二号及び第三号の二件についてお諮りいたします。採決は起立によって行います。
本二件を委員長報告どおり認定することに賛成の方の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○下山芳男 議長 起立多数と認めます。よって認定第二号及び第三号の二件は委員長報告どおり認定することに決定いたしました。
────────────────────
○下山芳男 議長 次に、
△日程第六を上程いたします。
〔
井上次長朗読〕
日程第六 請願の処理
○下山芳男 議長 本件に関する委員会の審査報告はお手元に配付してあります。
────────────────────
○下山芳男 議長 これより意見に入ります。
発言通告に基づき発言を許します。
なお、意見についての発言時間は、議事の都合により三分以内といたします。
十番あべ力也議員。
〔十番あべ力也議員登壇〕(拍手)
◆十番(あべ力也 議員) 減税せたがやは、一般会計予算にも計上されております「宿舎借上げ補助事業の複数年での継続を求める陳情」に賛成の立場から意見を申し述べます。
世田谷区の就学前人口は、平成三十年以降減少していること、また、区の人口推計においても、当面、緩やかな減少傾向が続くと推計していることから、乳幼児の保育需要は流動的で、数年後まで確実な予測が難しく、予算的な措置についても機動的な対応ができるよう備える必要があります。
事業者にとっては、保育士の確保に向け、苦労されている状況の解消に向けて、保育士等宿舎借上げ支援事業は一定の成果があるものと評価をし、継続的な保育士の就労確保には欠かせないと認識をしております。
ただし、補助金だけの一義的な問題に片づけるよりも、たとえ定員に空きが生じても、決定している定員に応じて保育士を確保しておかなければならないことから、運営事業者からは保育士の雇用継続確保に非常に苦慮しているとの話も聞いております。
預かっている園児の人数によって柔軟に配置すべき保育士の人数を決定できる制度改正も併せて国や都に求めていくことも重要と考えます。このことも要望し、賛成の討論といたします。(拍手)
○下山芳男 議長 以上であべ力也議員の意見は終わりました。
これで意見を終わります。
これより採決に入ります。採決は起立によって行います。
お諮りいたします。
本件を委員会の報告どおり決定することに賛成の方の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○下山芳男 議長 起立多数と認めます。よって令三・五号は委員会の報告どおり決定いたしました。
────────────────────
○下山芳男 議長 次に、
△日程第七を上程いたします。
〔
井上次長朗読〕
日程第七 請願の付託
○下山芳男 議長 受理いたしました請願は、請願文書表に掲げましたとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
────────────────────
○下山芳男 議長 次に、
△日程第八を上程いたします。
〔
井上次長朗読〕
日程第八 閉会中の審査付託
○下山芳男 議長 お手元に配付してあります請願継続審査件名表及び特定事件審査(調査)事項表に掲げました各件を、閉会中の審査付託とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○下山芳男 議長 御異議なしと認めます。よって本件は閉会中の審査付託とすることに決定いたしました。
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○下山芳男 議長 以上をもちまして、本日の日程は全て終了いたしました。
これをもちまして、令和三年第三回世田谷区議会定例会を閉会いたします。
午後三時閉会...