世田谷区議会 2021-04-27
令和 3年 4月 区民生活常任委員会-04月27日-01号
令和 3年 4月
区民生活常任委員会-04月27日-01号令和 3年 4月
区民生活常任委員会
世田谷区
議会区民生活常任委員会会議録第四号
令和三年四月二十七日(火曜日)
場 所 大会議室
出席委員(十名)
委員長 中村公太朗
副委員長 岡本のぶ子
阿久津 皇
畠山晋一
福田たえ美
いそだ久美子
ひえしま進
たかじょう訓子
田中みち子
小泉たま子
事務局職員
議事担当係長 末吉謙介
調査係主任 落合翔吾
出席説明員
生活文化政策部
部長 片桐 誠
市民活動・生涯現役推進課長
加野美帆
文化・芸術振興課長 佐久間 聡
国際課長 松田京子
経済産業部
部長 田中耕太
商業課長 中西成之
産業連携交流推進課長 納屋知佳
工業・ものづくり・雇用促進課長
荒井久則
参考人
公益財団法人せたがや文化財団
理事長 永井多惠子
事務局長 城倉 茂
文化生活情報センター副館長
松下洋章
美術館副館長 橋本善八
文学館副館長 花房千里
事務局統括部長 山田 実
公益財団法人世田谷区産業振興公社
副理事長 小田桐庸文
事務局長 竹内明彦
産業振興課長 梅田 亨
地域活性・観光課長 惠見明文
公益社団法人世田谷区
シルバー人材センター
会長 清宮茂光
事務局長 小湊芳晴
◇ ~~~~~~~~~~~~~~~~ ◇
本日の会議に付した事件
1.報告事項
(1) 公益財団法人せたがや文化財団における令和三年度事業について
(2)
公益財団法人世田谷区産業振興公社における令和三年度事業について
(3)
公益社団法人世田谷区
シルバー人材センターにおける令和三年度事業について
(4) その他
2.協議事項
(1) 次回委員会の開催について
◇ ~~~~~~~~~~~~~~~~ ◇
午後零時五十八分開議
○中村公太朗 委員長 ただいまから
区民生活常任委員会を開会いたします。
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○中村公太朗 委員長 本日は、当委員会で所管する外郭団体の事業計画等の聴取等を行います。
まず、委員会運営に関しては、引き続き
新型コロナウイルス対策を講じてまいります。理事者からの報告は簡潔明瞭に、委員からの質疑も要点を絞っていただくなど、会議時間の短縮に向けた御対応をお願いいたします。
また、発言に当たりましては、お手元の
ワイヤレスマイクを御使用いただきますようにお願いいたします。
報告の順序はレジメに記載のとおり、せたがや文化財団、産業振興公社、
シルバー人材センターの順に、各団体の入替えで行います。なお、本日招致を予定していた
川場ふるさと公社については、今般の
緊急事態宣言等を踏まえ、理事者及び外郭団体による報告を、既にお配りしている資料配付に代えさせていただきますので、御承知おきください。
報告は、まず区理事者より事業計画等についての説明をいただき、引き続き各団体より経営方針等についての説明をいただきます。その後、質疑応答に入りますので、よろしくお願いいたします。
それでは、(1)公益財団法人せたがや文化財団における令和三年度事業についての報告に入ります。
本日は本件に関し、参考人として、永井理事長、城倉事務局長、
松下文化生活情報センター副館長、橋本美術館副館長、花房文学館副館長、
山田事務局統括部長に御出席をいただいております。本日はお忙しい中、本委員会のために御出席をいただきまして誠にありがとうございます。委員会を代表して、心から御礼を申し上げます。
それではまず、区理事者より、令和三年度の事業計画等の報告をお願いします。
◎佐久間 文化・芸術振興課長 公益財団法人せたがや文化財団における令和三年度の事業計画及び予算について御説明いたします。
公益財団法人せたがや文化財団における令和三年度事業についてを御覧ください。Ⅰの事業計画でございますが、各館の主な実施事業をお示ししております。
世田谷文化生活情報センターは、生活デザインを提案する生活工房、演劇とダンス、公演を主に展開する
公益劇場パブリックシアター、親しみやすく良質な音楽を提供する音楽事業部の三部門に加え、令和二年度には新たな国際施策の充実発展に向け、国際交流や多文化共生を推進する国際事業部を新設いたしました。区民の文化向上に寄与するため、創造的な文化施設であり続けるため、公演、展示、教育普及など様々な事業を展開するとともに、区の施策と連携しながら、多文化共生の取組も進めてまいります。
なお、四階
ワークショップルームでは、
新型コロナウイルスワクチンの
区民集団接種会場として使用するため、令和三年五月から十一月まで、区民利用及び主催事業での使用を停止する予定となっております。
世田谷美術館では、令和二年度に引き続き、
新型コロナウイルス感染症の感染予防対策を尽くし、安心して来館していただける環境を整備してまいります。対面形式の
ワークショップや講座が困難な状況であることから、映像コンテンツを制作しオンライン配信するなど新たな手法をさらに充実させ、三密を避けながら美術館としての社会的使命を果たしてまいります。
世田谷文学館は、
新型コロナウイルス感染症の影響による財政状況の悪化を受け、企画展は通常より会期を延長して、二本の実施を予定しております。感染症の拡大は運営面にも大きな制約をもたらしましたが、ホームページの改修による情報発信力のアップ、オンラインのトークイベントや
ワークショップの充実、収蔵品の
インターネット検索など、ICTツールを活用しながら、誰もがアクセス可能な文学館を目指してまいります。
それでは、裏面を御覧ください。令和三年度の予算の内訳表でございます。
一般正味財産の部、経常増減の部でございます。経常収益といたしましては、事業収益が十二億一千二百八十八万二千円など、経常収益の合計(A)で二十六億九千二百九十八万円と見込んでおります。
(2)経常費用といたしましては、自主事業の公演、展覧会の事業等の事業費は二十七億三千三万三千円、管理費は千六百六十六万六千円、経常費用の合計(B)は二十七億四千六百六十九万九千円と見込んでおります。
一般正味財産期末残高(H)は六億七百二十七万九千六百五円と見込んでおります。
次に、指定正味財産の部でございます。基本財産は八億円で変動がございません。
よって、
一般正味財産期末残高(H)と
指定正味財産期末残高(K)を合計いたしました
正味財産期末残高(L)は十四億七百二十七万九千六百五円と見込んでおります。
私からの報告は以上でございます。
○中村公太朗 委員長 では次に、経営方針等についての説明をお願いします。
◎永井 理事長 今、区のほうから説明もございましたけれども、昨年来の
コロナ感染拡大による影響は、二〇二一年度にも財団運営に大きな打撃となることが予想されます。こうした影響の中でも、状況を十分認識しつつ、こうした状況下だからこそ、人々の心に潤いをもたらす文化事業を提供し、普及啓発、人材育成などに邁進してまいりたいというふうに考えております。
具体の文化事業の企画につきましては、より厳選し、また出来得る限り創意を凝らし、昨年の美術館の例に見るように、海外作品の展示中止の際には、無料で美術館の空間を楽しんでいただく事業が、かえって評価を受けましたり、また
世田谷パブリックシアターでは、観客席五〇%を政府から要請される中、事業規模を抑えまして、またリモート配信などで経費を補うなど頑張りまして、作品賞など複数の賞をいただくことができました。
本年度もまた、中身の質に配慮しつつ、経費節減と外部資金の獲得に努め、子どもさんから年配の方々まで、多くの方々からの期待に応える文化事業を提供してまいりたいと存じております。
具体の事業などにつきましては、各副館長から御報告を申し上げます。
◎松下
文化生活情報センター副館長
文化生活情報センターでございます。先ほどの区文化・芸術振興課長からの御説明、また理事長からのお話にもございましたように、この間、感染防止対策に全力で取り組みまして、公演、展示、教育普及など様々な事業ごとに工夫を凝らしながらこの間進めてまいりました。中でも、これは区と一緒に取り組ませていただいたものでありますが、苦境にある文化芸術の担い手を支えようということで、短期間で実現にこぎ着けました
アーティスト支援事業など、文化芸術の火を絶やさぬように懸命に取り組んだ昨年度、また今年度に至るまでの経験というのは今後にも必ずや生かせるものというふうに考えております。先ほど御説明の中にもありましたが、再度の臨時休館、さらに引き続いての
ワクチン接種会場としての使用ということで、通常とは異なる説明とはなりますけれども、劇場、生活工房、音楽事業、国際事業部、それぞれ引き続き区民の皆さん、また地域との関わりというものを大切にしながら、区の文化・芸術振興計画、調整計画が策定中でありますが、この計画及び多
文化共生プランの方向性に沿って、多くの皆様の信頼にお応えできる事業の運営に、区と連携しつつ全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。
具体の事業につきましては、先ほど区の課長から御説明をいただきましたように多岐にわたっておりますので、詳細な説明は割愛させていただきますが、
文化生活情報センターについての説明は以上でございます。
◎橋本 美術館副館長 世田谷美術館では、
新型コロナウイルス感染症の影響によって、ほかの美術館、博物館と同様に、令和二年度の事業は軒並み中止や延期、あるいは見直しという事態になりました。そうした中、昨年三月三十一日から六月一日にかけて全面的に臨時休館となりました。休館中においても事業の継続、事業の再開あるいは展開について検討を重ねました。こうした状況下でも、四百名を超える
美術館ボランティアの皆様、また友の会の会員様から励ましのお言葉をいただき、事業の再開、展開の検討を重ねました。
美術館への諸事業に期待を寄せていただいている区民も多いことから、展覧会事業の見直し、オンラインによる動画配信などを中心に仕事を進めました。世田谷区民の御期待に応えるために、ほかの公立美術館に先んじて事業の展開を図る意気込みを持って会員一丸となって感染症対策も推し進め、令和二年六月二日に美術館を再開いたしました。
再開後は、世田谷美術館の建築美を堪能していただく「作品のない展示室」をはじめ、収蔵品を積極的に活用した展覧会事業、そして普及事業においては、子どもから成人までを視野に入れたウェブ上で公開する
動画コンテンツを七十本以上制作し、公開してまいりました。
現在開催中の「アイノとアルヴァ 二人のアアルト展」は二か月押しでのスタートでしたが、国際的な協力を得て、フィンランドより作品を運び、開催にこぎ着けております。この展覧会から、三密回避のためにオンラインによる日時指定制を取り入れ、想定以上の御来館をいただいております。しかし、今、臨時休館に改めて入っているという状況です。
令和三年度も、国際展を含めオリンピック・パラリンピックの開催に即した企画展を準備し、子どもたちの美術鑑賞教室についても、教育委員会と連携し、再開に向けて準備中でございます。
今後も世田谷区の文化・芸術振興計画の実現に尽力し、そして公立美術館としての社会的使命、役割を果たしていくために、創意工夫と実践を重ねてまいりたいと存じます。
◎花房 文学館副館長 それでは、世田谷文学館からは、主に今年度の事業について御説明をさせていただきます。
今月二十四日からオープンした企画展「イラストレーター 安西水丸展」では、村上春樹氏の本の装丁などでも知られ、イラストやエッセイ、絵本など多方面で活躍した唯一無二のクリエイター、安西水丸の全仕事を紹介いたします。残念ながら、翌日から臨時休館に入ってございます。
また、十月十六日からの「谷口ジロー展」では、「坊ちゃんの時代」や「孤独のグルメ」など、日本漫画の成熟を象徴する存在として世界で高く評価されるその作品世界を御覧いただきたいと思います。
コレクション展では、前期は昭和二十二年から三年間、世田谷区北沢で暮らし、ゆかりの作家でもございますこのたび貴重な原稿などを御寄贈いただきました「石川淳展」、後期は当館で所有する多彩な収蔵品を活用いたしまして、ゆかりの作家の創作を御紹介する「開館二十五周年
記念コレクション展」を実施いたします。
教育普及事業では、もっとどこでも、いつでも誰でもをテーマに、地域との連携をはじめ、
オンライン事業の充実や、文学館で製作いたしましたパネルやバナーの貸出しについて全国展開ができるようPRしてまいります。
最後に、文学館のホームページは四月一日からリニューアルオープンしておりますが、七月には作業が完了する予定でございます。コロナ禍において、安全対策はもとより、工夫を重ねまして、多くの皆様に愛される文学館を目指してまいります。
○中村公太朗 委員長 では、これまでの報告、説明に対して御質疑がありましたら、どうぞ。
◆いそだ久美子 委員 御説明ありがとうございます。私は、先々週、世田谷美術館の
アイノアアルト展へ行ってまいりましたが、昨年の初めでしたか、集客が落ちているということで、写真の撮影を可にしたり、もう少しネット環境にアクセスするようなアプローチをということで、今回、大分写真許可のお部屋が増えておりまして、案内も分かりやすくて非常によかったと思います。即時の対応ありがとうございます。
それで、せっかくこういった写真撮影可とか、あと会場でも、ARというんですか、その場でQRコードを読み取って関連する情報を自分の端末で見るという新しい試みもあって、そういったことの影響、アプローチ、どれだけ拡散しているとか、そのことの効果検証というのはなさっているでしょうか。
◎橋本 美術館副館長 御来館ありがとうございます。ネット上の美術館へのホームページへのアクセス数とか、どの部分にアクセスを何秒ぐらいされたかということを集計しながらその分析はしています。それから、ツイッターとかフェイスブック上での広がり、こういったものについても、当課の広報担当が逐次情報を集めて集計をしている。特にプレス関係で、ウェブ上のプレス、情報発信しているウェブマガジンみたいなもの、これについては全てを展覧会終了後、会期途中もですけれども、全部きちっとファイリングして、今後の効果検証のために役立てているという状況です。
◆いそだ久美子 委員 ありがとうございます。これはいい結果につながると思いますので、ぜひそちらの報告もまたいただければと思います。
あと一問、そのときに隣接の
ル・ジャルダンですか。レストランに寄ろうと思ったんですけれども、今、予約をしないで、コロナ対策で、全部来てもらう方式にしているようで、待ちが一時間から一時間半ということで、私たち三人いたんですが、ちょっと後の予定もあって諦めたんですが、こんなに混んでいる状況であったら、せっかく来ていただいて周囲にレストランもないですし、そこでお食事をしていただいたりするようなチャンスを逃しているんじゃないかと思うんですけれども、その辺の食事などの対応はそんな状況ですか。皆さん、混んでいて帰っちゃうみたいな感じでしょうか。
◎橋本 美術館副館長 世田谷美術館はレストランとカフェがありまして、レストランのほうは、どうしても食事をされるコースなので、一時間から一時間半ぐらいかかってしまう。カフェのほうが逆に回転がいいので、そちらに行かれるお客さんも結構いらっしゃいます。レストランのほうも二部屋ありまして、混んでいる日はフル稼働なんですけれども、なかなか全てのお客様を受け入れることができないというのが現状であります。カフェの利用率が非常に高い、朝の十時、開館と同時にお客様が、時間制予約の効果なんですけれども、夕方までお客様がいらっしゃるということで、飲食部門は非常に好評であり、好調のようです。
◆いそだ久美子 委員 たしか
ル・ジャルダンでも一番、メインのコースでも二千百円ぐらいのコースだと思いますので、それぐらい払ってもいいというお客さんがいらっしゃるんであれば、例えばこれから季節がいいので、ちょっとおしゃれなテークアウトをつくってお庭で食べていただけるようにするとか、せっかく来ていただいている集客を逃さないような工夫もしていただけたら、より収益につながるのではないかなと思います。御検討よろしくお願いします。
◆小泉たま子 委員
文化生活情報センター、財団の全体の目標というんですか。それは、やっぱり世田谷の文化の全体のレベルアップだと思うんですね。今いろいろお伺いしましたけれども、個別のことを、毎年同じようなことをおっしゃるわけですけれども、ちっとも響いてこないんですよね。
今も、今のいそだ委員の質問ですけれども、やっぱり質問にきちんと答えていないと私は思ったんです。どうかできませんかと、今待っている方がいらっしゃってもったいないんじゃないんですか、何とかやる工夫はないんですかという質問だったと思うんですけれども、やっぱり現状のことを言っていらっしゃると。ごめんなさいね、現状のことを言っていらっしゃる。それじゃ全然発展がないので、進展もないので、どういうふうにするか私も聞きたい。一つ何か工夫ができないかということを聞きたい。今まで検討したかも聞きたい。ここはそういう場だと思うんですけれどもね。それが一つ。
それから、劇場にしても、
パブリックシアターにしても、評価の軸は何だろうかといつも思うんですね。今日、それが聞きたいです。評価の軸はどうなっているか、どういうことであるかということですね。
それから生活工房。生活工房は、結局区の政策とどう連携しているか。それで先取りして、どうやって生活工房で区のこれからを表していくかということだと思うんです。だから、連携してやっていくんじゃなくて、私は先取りしてやっていくべきだと、それを見せて区民の人がそれを見る、感ずる、文化に興ずる、こういうことだと私は思うんですけれども、全くこれは単発に見えて、申し訳ないんですけれども、どうしてこういうものがぽんぽんぽんぽんといつも出てくるのかなと不思議でたまらない。エレベーターの中でチラシを見てもちっともぴんとこない。何にどうやってこれが来ているのかということが、区民には分からないですね。
音楽もそうですね。やっぱり世田谷は音楽の文化を上げるチャンスだと、そこしか今ないんですよ。だけれども、非常に低迷しています。
ジュニアオーケストラだけじゃないはずですが、結局、文化財団で音楽をどのぐらい評価して、どうやっていくかということの議論が足りないんじゃないかと思うんですね。予算も少ないんだと思うんですよ。だから、そのあたりもきちっと、本当に真剣にやっていただきたいと思う。国際も同じ、前と同じことをただやっているだけで、あそこに行ったから今変化があるわけではない。
そういう中で、本当にこれから、一つはさっきの質問です。あとは、
パブリックシアターの評価軸ですけれども、もっと生き生きとした
文化生活情報センターの在り方というものはあるべきだと私は思うんですけれども、それをお聞きしたいです。三つお答えください。
◎松下
文化生活情報センター副館長
文化生活情報センターに関して、幾つか各部に共通するお尋ねと、それぞれの部門ごとのということでのお話と両方を頂戴しております。
大変僭越な言い方になりますけれども、非常に時期にかなった御質問かなと受け止めさせていただきました。といいますのも、まさに現在私どもの
文化生活情報センターの施設の運営という面に関しましては、現在の指定管理の期間が最終の年度、明年度から新たな指定管理というものを私どもがお受けすることができるのかどうかというのは、まさにこれからの提案にかかっているんだという課題認識の下に、昨年から各部と相当詰めた形での議論をこの間私どもしてきています。折に触れ、
生活文化政策部の皆様、また国際事業部のお話もございましたけれども、文化・芸術振興課だけではなくて、国際課の皆様とも意見を交換する場を度々持たせていただいて、区のお考えもキャッチしながら、さりとて、一方、私どもせっかく文化財団としてお仕事をさせていただいている以上は、それぞれの存在意義がどこにあるのかということを、この間、相当議論としては重ねてきたところがございます。
その結果として、やはり本年度については、特に区のほうの厳しい財政事情というところも、手前ども、かなり多くの部分を区の補助金や委託料によっているというのは否定しがたい部分もございますから、財政的には必ずしも潤沢とは言いませんが、その中で最大限できることを生み出していこうということを、今、一生懸命やっているところであります。
その中で評価軸というふうなお話がございました。やはり
パブリックシアターは、パブリックという名前を冠している以上、地域の中で公共の劇場として、どのような形で区民の皆様に優れた文化芸術を提供していけるのか、一方で区民の皆様が文化芸術に関わる活動をどのように実践していけるのか、この二つのことが両輪であるという課題認識は強く持っております。
冒頭、理事長からのお話の中で、様々な演劇賞を頂戴しましたということにも触れられておりますが、一方で
ワークショップ事業などについても、コロナ禍で人数や規模は相当縮小せざるを得ませんでしたけれども、その代わり少人数にして回数をいっぱい実施して、時間も短くしてという中で、参加した特にお子様中心ですけれども、非常に手応えを感じていただけるようなお声を多数頂戴しておりまして、こうしたことにも大いに勇気を得ながら進めていきたいというふうに考えております。
生活工房については、区との連携というのにとどまらず、先んじて生活デザインのありようを、モデル的な部分を示していくべきではないかというお話をいただいております。特に今般の私どもとしての認識としては、大量生産、大量消費という二十世紀の時代から、SDGsに代表されるような持続可能性への配慮という観点、また誰もが安全で快適に暮らせるというそういう社会づくりに向けての新たな生活というものを支えるデザインの力を発信していきたいというところを基軸にしながら、区の様々な地域に展開されている、いわゆる生涯学習的な事業の中にはないテイストのものを幾つも取り上げていこうということで、まさに本年度もそうですが、明年度以降の指定管理の企画提案の内容を一生懸命詰めているところでございます。
音楽については、やはり非常に事業の規模が、ほかの事業部に比べますとコンパクトなものですから、この間の財政難の影響も多数受けているところではありますが、前回の参考人招致の際にもいただいた御意見、区民の皆さんの参加の機会、区民の皆さんとの距離感をより縮めていくんだというところでの新たな取組がより求められるというお話を踏まえまして、地域との連携という観点では、昨年度中にも、これは五地域の中での烏山地域でございましたけれども、区民センターの運営協議会の皆様とも連携協働した形でのミュージックフェスティバルというものを、試みでありましたけれども取り組ませていただいて、非常に区民の皆様にも御評価をいただいたということで、今年度の事業計画の中にもこういったものを組み込んでいくということでの計画をさせていただき、国際事業部についても、開設後の状況を踏まえて、区と当財団との役割分担を一部修正して、区のほうでこの部分を持っていく代わりに、財団のほうでこの部分を担っていこうというように、区と財団がそれぞれ強みを生かしていけるような役割分担と連携策を、個別具体の事例で申しますと、外国人に対する日本語学習の機会について、初級、中級という別で区分けをしていたんですけれども、いわゆるお教室的な部分を区のほうで、その後の交流に類する部分を手前ども文化財団で持たせていただくような、そのようなことを模索しつつ、中級以降の方々のスキルアップにつなげていくようなことを、当財団で検討させていただくというふうなことに今現在進んでおります。
したがって、各分野とも、いずれの部分におきましても、この間いただいた御示唆も踏まえて一生懸命取り組んでまいります。
◎橋本 美術館副館長 先ほどの飲食の件ですけれども、まずジャルダンのほうです。サービス公社さんのほうで業務を請け負っていただいていますけれども、外側にある屋外のスペース、テーブルがあるんですけれども、そういったところの活用とか、これは実際にできるかどうかはあれですけれども、それからテークアウトの御提案もございましたが、厨房のスタッフの数とかホールのスタッフの数とか、公社さんの事情もあると思いますので、これから相談をしていきたいと思います。
それから、セタビカフェのほうは、既に屋外のスペースを最大限に活用しているのと、もう一つはランチボックス型のテークアウトはやっておりまして、これが意外と好評で、ですので、飲食のほうは、エントランスホールの総合インフォメーションのほうで、レストランの御案内とカフェの御案内、両方をさせていただいている形で、混んでいる場合はカフェのほうに回っていただくこともありますけれども、これからもお話しございましたことを少し考えて、実現できるものはしていきたいなと思います。
◆小泉たま子 委員 今、御答弁を大変たくさんいただきましたけれども、やる気ですよね。あと、区民が何を望んでいるか、
文化生活情報センター、三軒茶屋のあの高いキャロットタワーに何を望んでるかということをやっぱり常に考えて施策を練って練ってやっていただきたいと思います。私ずっと毎年同じことを言っているような気がするんですけれども、一向に変わっていかなくて、どんどん沈んでいくような気がしてしようがないんですね。だから、もう区と連携するんじゃなくて、連携よりも先に行くという気持ちでやっていただきたい。
あと、やっぱり文化のバランスだと思うんです。バランスをどう取っていくかということ。公共の劇場としての在り方が何なのか、全く基本だと思うんですけれども、その基本に立ち返っていただきたい。先ほどのレストランも早くに結論を出して、それが見える形で私たちに分かるようにしていただきたい。
最初の頃、一番最初、もうかなり前ですね。私が当選したときがちょうどできたときですから、二十何年前になりますけれども、初めの頃、高齢者の新たなリレーイベントというのがあったと思うんですね。やっぱ高齢者の生き方、どういうふうに暮らしていくかというのをリレーイベントでやって、大変、誰にでもぴったりくるような、行きたいなと思うようなそういう提案だったと思うんですが、やっぱり区民がそこに足を運ぶようなものを少しでも入れていく。少しじゃないね、存分に入れてくというのが区としての財団の在り方と思うんですね。ぜひそのようなことも視野に入れながら、今年度やっていただきたいと思います。
◆たかじょう訓子 委員 今コロナで、本当に会場も使えないという状況があったりとか、今後ワクチンなどで活動の幅が非常に制限されるという状況が今年度は長く続くというふうに思います。そうなりますと、やっぱり区民活動というのはすごくいろんな、今まで主体的にやっていこうというようなところも減ってきたりするわけですよね。こういう文化の面というのは、大変そういうのが表れやすいなというふうに思っているんですね。
事業の内容でも工夫をされると、動画配信みたいなことをやったりとかするんですよというお話がありましたけれども、ぜひそれを引き続き進めていただきたいというふうに思うんです。
本当に今、うちにいてもとか、遠くに行かなくてもできる内容の事業が今求められているというふうに思いますので、私もこういうのをやったらというのは今ちょっと出てきませんけれども、そういった工夫をぜひ今後ともしていただきたいというふうに思います。これは要望です。
◆田中みち子 委員 今、世田谷美術館の中でのレストランについて話があったので、私からもぜひお願いしたいと思うんですけれども、お庭の活用ということも視野にという御答弁がありましたけれども、ぜひ犬も一緒にとか、ペットももし可能だったら一緒に入れるようにしていただけないかなと思っていて、今カフェのほうだとペット連れも一緒に入れるような形になっていて、本当にたくさんの方が利用されていて、それでメニューなんかも本当においしいメニューを用意いただいていて、時間に行っているのに、既にいっぱいになっちゃって終了しちゃいましたなんていう声も聞いたりするぐらい人気だと思っていて、それと一方で、レストランなんかも皆さん入りたいという声も聞いていて、だけれどもペット連れだったりすると入れないんですよねというお声もよく聞くんですね。屋外の活用も視野にという今お話がありましたので、もし屋外に活用が進むのであれば、ペットも一緒にということをぜひ視野に入れて御検討いただきたいということを要望します。
◆岡本のぶ子 委員 昨年四月にオープンしましたせたがや国際交流センターについてちょっと一点伺います。
こちらに在住外国人が日本で暮らしていくための必要な情報を提供するとともに、困り事を解決するための御案内を行いますということが記載されて、目的というかがございますが、昨年コロナが発生したということから、四月にオープンして以降、ほとんど活動が十月頃まで行われていなかったということは承知しているんですけれども、コロナ禍が一年以上を経過する中で、このコロナ禍における在住外国人への財団としての取組というものが、何か発展したものがあるのであれば、まずお聞かせください。
◎松下
文化生活情報センター副館長 国際事業部の活動の皮切りが、副委員長からお話を頂戴しましたように、まさに昨年の秋からでございました。まず最初に手がけたことが、区内で国際交流または外国ルーツの方への支援に取り組んでらっしゃる団体相互の情報連絡会。その後も、そこにお集まりの方以外に様々なところとのつながりというのを、なかなかリアルには実はできておりません。みんな電話だったり、オンラインだったりという形にならざるを得ませんでしたが、相当活動の幅としては広げてくることができたかなというふうに思っています。
その中で、例えば国際交流センターに足をお運びになる方の人数という意味では着実に増え続けてきてはいます。とはいえ、一か月平均にしますと二百人強というところですので、決して多くはございません。
一方で、まさにお話しのございました相談への対応という部分、これは区の外国人相談と役割分担、また連携を図りつつということでの対応をさせていただいているものですけれども、こちらはじわじわとやはり増えてきておりまして、昨年度、これを多いと見るか少ないと見るかということではありますが、相談件数としては五十八件ございました。
例えば定額給付金の関係、あとこの子ども・子育ての関係、日本語を学びたいんだけれどもどこにどうすればいいか。また、国民健康保険。国際交流に関してのイベントのようなものが希望なんだが、いつ頃どういう形でできるか。ボランティア活動を外国人の方が希望しているというようなことなど、これらのニーズに様々な形でつながっていくためにということで、御本人様の御了解のいただけた方々とは、メールでのやり取りを定期的に行っていくとともに、情報の発信をニュースレターという形で、メール添付の形ではありますが毎月定期的に行うということをやってきております。
あと、あわせて徐々にリアルでの取組という形でもできるようになってきておりまして、区民の皆様を交じえての様々なリアルな事業というのは、やや限定的ではありますが、日本語に関してのコミュニケーション講座、会話力を高めるというようなコミュニケーション講座、あと様々な文化に関する理解を、日本人の方にも外国人の方にも広げていただくような形での理解講座などを昨年度は実践することができてきたかなというふうに考えておりまして、これを今年度も少しずつ広げる形で、外国人のためのまち歩きであるとか、様々な団体と連携をして、国際交流センターにおいて、団体の活動内容を発表、紹介していただくような取組、この辺はもう既に現在進行形でございますが、始めさせていただいているところでございます。
◆岡本のぶ子 委員 今お話しいただいた中でも、とにかくコロナ禍ということで通常の交流ができないという制約がありますけれども、目下やはり外国人の方々のみならず、日本人の方も同じですけれども、様々な孤立感、孤独感を感じている方々も多くおられると思いますので、ぜひ国際交流活動団体の方との財団側との連携をさらに強化していただきながら、在住外国人の方々への情報発信力をぜひ高めていただければなと思います。
特に今ワクチン接種が始まっていくわけですけれども、在住外国人の方々が、区から届いた情報が、現状日本人の高齢者の方ですら、区から届いた通知が読み取れないという方々も多く存在していらっしゃいますので、例えばこの交流団体側から、ワクチン接種の情報を何かサポートしますよということを伝えていただくだけでも心強いのではないかと思うんですけれども、そういった文化、生活に関わっていく部分、まずこういう生活に関わる部分の情報発信力も、ぜひ交流団体と連携しながら進めていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
◎松下
文化生活情報センター副館長 まさに様々な団体と、これは区内だけではなくて、都内広域で取り組まれている団体の方々との情報交換も様々私どもは行っておりますけれども、そういった中でも、やはり外国ルーツの方、非常に今の日本のコロナの状況については、自分の母国に比べればはるかにいいけれどもというふうなことをおっしゃる方は結構いるんですが、それにしても不安は物すごくお持ちでいらっしゃるということはお話のとおりでございます。
ですので、先ほど触れさせていただいたニュースレターの中でも、一度実はコロナに関してのワクチン接種も含めて、一面を使っての大きな記事も展開いたしましたけれども、ワクチン接種が具体により進んできているという状況でもございますので、これは他団体とも連携しながら、また十数か国語で電話での問合せ対応ができるようなコーナーを、これは世田谷区ではございませんけれども、設けている多言語ワクチンコールについての周知もまだ全然行き渡り切っていないところがございますので、こういった部分のお知らせなども、まさにこれは区と連携しつつ、これまで以上に引き続き進めていきたい、他団体と連携しながら取り組んでいきたいと考えております。
◆岡本のぶ子 委員 ぜひ国際交流センターができたという意義、まさに今このコロナ禍において、その意義が大きく発揮できるチャンスではないかなと思いますので、ぜひ世田谷区と交流センター側が連携しながら、そしてきめ細やかな在住外国人、まずは在住外国人の方々へのサポートができるように、要望させていただきます。
◆福田たえ美 委員 先日、美術館と文学館の展示を拝見させていただきまして、感染防止対策をしっかりされながら行っている様子等も拝見させていただきまして、区民の方もおっしゃっていたんですけれども、この一年間、本当にコロナのことで、やはり知らないうちに非常にストレスがかかっていて、何か楽しいことを考えてもいけないというような環境が自分自身の心も体も疲れさせていたところに、やはり美術館とか文学館を含め、また生の演奏もちょっと聞く機会があった方だったんですが、本当にこういった活動が、また身近なところであったらありがたいというお声もいただいておりました。
大変な御苦労も多いと思いますけれども、令和三年度もぜひ区民の皆様のコロナに本当に負けない心と体というところがこの文学や芸術にあると思いますので、ぜひお願いしたいと思います。
一点だけ確認したいことがあります。四二ページの収支予算というところですが、この中で給料手当等というのがございます。それが、令和二年度よりも令和三年度が一千二百万円以上増ということになっておりまして、ほかの部分では大変削減をしなくてはいけないという状況の中で、給料手当等が上がっているのは、専門職員がさらに配属されるのかとか分かりませんけれども、より一層区民に還元できるようなことになるのか、ちょっとそのあたりをお聞かせいただきたいと思います。
◎城倉 事務局長 この一千二百六十五万何がしという額なんですけれども、上がっているのは、やっぱり定期昇給というんでしょうか、それが一つございます。
それとあと、国際事業については、昨年度の年度途中で組織が立ち上がり、今年度は四月からスタートしているという意味で、人件費が一年間という部分がございまして、そういうことから増えているということでございます。
◆福田たえ美 委員 そうしますと、一名の方ということでしょうか。
◎城倉 事務局長 国際交流については、今、区の派遣以外で三名の一年間分の給料が一つあります。
昨年度については年度途中で立ち上がったということがあり、そこが違うということ。それから、先ほど言った、いわゆる正規職員については定期昇給がございまして、それで上がっていく部分がございます。
◎松下
文化生活情報センター副館長 一点、若干の補足をさせていただきますと、国際事業部自体は昨年の四月からスタートしておりますが、当初の臨時休館、開館当初から臨時休館に入ってしまったという事情がございまして、当面の間、財団の職員配置に至らず、民間会社からの派遣によって対応していたというふうな時期がございました。そのことも含めてということでの今の答弁でございますので、補足させていただきました。
◆阿久津皇 委員 すみません、ちょっと話が戻って恐縮なんですが、またレストランのところで少し伺いたいんですけれども、先ほどの御答弁の中で、ジャルダンの部分に関してはサービス公社に再委託されているという話だったんですが、ジャルダン単体での収支みたいなものは分かりますか、教えていただけますか。
◎橋本 美術館副館長 公社様のほうの収支でございますので、詳しく美術館のほうでは把握しておりませんけれども、どちらかというと赤字になっている状態だと。特に昨年度は、ウエディングとか、それからいろんな団体のパーティーがなかったということが、大きな減収の原因になっているようです。
今年は、去年ウエディングができなかった方がまた戻っていらっしゃって、既に五月十一日までの間に十組のウエディングが入っている。ただ、密対策のためにお客さんを絞っていますので、これまでのような収益にはなっていないようですけれども、公社さんもかなり誇りを持って運営してくださって、赤字が相当出ているというふうには聞いております。
◆阿久津皇 委員 公社さんの報告も見て、大変厳しい状況だというのは、把握しているんですけれども、その中で飲食店のサービスの向上だったりとか、さらにもうちょっと言うと、コロナ対策というところで一般の飲食業も事業転換とかいろいろ迫られていると思うんですね。先ほど幾つかレストランの中身についても御指摘がありましたけれども、そういったことで新しいことにどんどん取り組んでいってサービス向上に努めていただきたいんですが、それに伴ってというか、その上で、サービス公社さんに今再委託されているそこについては、随意契約というんですか、選択肢として公社さんのみなのか、あるいは何年かに一回見直しで、入札とかプロポーザル的なものを受けることができるのか、その辺をちょっと教えてください。
◎城倉 事務局長 今、美術館でジャルダン、レストランと、それから地下の喫茶をやっています。
ちょっと遡った話なんですが、今ジャルダンはサービス公社でやっていて、そこはスタート以来替わっていないと思います。地下については、喫茶を入れるに当たって、ほかの民間の喫茶をやっているところがあるんですが、そういうところにも見ていただいたという経過がございます。
その中では、やはり前面道路で一時間に人が何人通るかとかそういう市場調査をして、それで入ってくるというのが多いようで、公募というんでしょうか、いろんなところに声をかけたんですが、なかなか応じてくれるところがなかったという経過もございます。
サービス公社は上のレストランと地下と一緒にやれるところがあるので、何とかやれるという判断の中で、今の地下の喫茶に応じてくれたというような経過がございます。なので、基本的にはいろんな考え方あるんでしょうけれども、今そういう形の中で初めてうまく回っているのかなと。
それから、たまたまなんですけれども、こういうコロナの時期の中で、なかなか人が来なくなった。ただ、美術館に来ていっときをそこで過ごすという、また雰囲気のあるところで人気も出てきたというところがあるという経過がございます。
◆阿久津皇 委員 立地もあったりとかというところで難しいところもあると思いますけれども、赤字が続いているという状況ですから、それが果たしてうまくいっているかというところも含めて、様々な手法は検討していただきたいなということはお願いします。
○中村公太朗 委員長 では、以上で公益財団法人せたがや文化財団についての報告を終わります。
参考人の皆さんには委員会を代表し、お礼を申し上げたいと思います。本日は御出席をいただきまして、本当に有益な議論ができたのではないかと思います。誠にありがとうございました。
ここで説明員、参考人の方の入替えを行います。
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○中村公太朗 委員長 次に、(2)
公益財団法人世田谷区産業振興公社における令和三年度事業についての報告に入ります。
本日は本件に関し、参考人として、小田桐副理事長、竹内事務局長、梅田産業振興課長、惠見地域活性・観光課長に御出席をいただいております。本日はお忙しい中、本委員会のために御出席をいただきまして誠にありがとうございます。心からお礼申し上げます。
それではまず、区理事者より、令和三年度の事業計画等の報告をお願いします。
◎中西 商業課長 それでは、お手元の
公益財団法人世田谷区産業振興公社における令和三年度事業についてという資料を御覧ください。
Ⅰの事業計画でございます。六項目ございますが、一つずつ御説明させていただきます。
1の中小企業の振興に係る支援に関する事業ですが、創業者の支援に関する事業として創業の相談など、また中小企業の経営支援に関する事業として融資あっせん、経営相談など、商店街の振興に関する事業として人材・組織育成のための商店街支援などを行ってまいります。
次に、2の中小企業の振興に係る情報の収集、提供及び普及に関する事業ですが、ものづくり事業所の紹介、産業・観光情報コーナーの運営など世田谷の産業の紹介に関する事業、また、せたがや産業情報紙の発行など、産業経済情報の提供に関する事業を行ってまいります。
次に、3の中小企業の振興のための交流の推進に関する事業として、産業交流イベント事業、また産業交流の場に関する事業として、産業交流展等への参加などを行ってまいります。
次に、4雇用、就労に係る情報の収集、提供及び普及並びに各種相談等の支援並びに職業紹介に関する事業ですけれども、三軒茶屋就労支援センター、三軒茶屋おしごとカフェの運営などのほか、セミナーや相談会に関する事業、それから就職面接会、セミナー等の実施を行ってまいります。
次に、5の中小企業勤労者福祉の充実及び推進に関する事業、セラ・サービス事業ですけれども、余暇活動の助成に関する事業、レジャー施設等の利用補助、また健康維持増進に関する事業、健康診断等の利用補助、また自己啓発促進に関する事業として、資格・検定試験の受験料補助、また給付事業として慶弔等の給付を行ってまいります。
最後、6区内観光に係る情報の収集、提供及び交流に関する事業として、世田谷の魅力再発見に関する事業、また地域の産業振興、地域活性化の視点から、まちなか観光の推進などを行ってまいります。
次に、裏面を御覧いただけますでしょうか。令和三年度の収支予算書の内訳表でございます。公益目的事業会計、収益事業等会計、法人会計を合わせました合計の欄で御説明させていただきます。
まず、Ⅰの一般正味財産増減の部のうち経常増減の部でございますけれども、経常収益として、勤労者福祉事業、セラ・サービス事業における事業運営収益や会費収益、区からの受取補助金収益等、合計で五億五千三百七十四万九千円を見込んでございます。なお、受取補助金収益には、おもてなし事業として五千万円を観光事業費に含めてございます。
次に、経常費用でございますが、各種事業の実施経費及び実施に係る人件費を合わせた事業者と、理事会、評議員会の運営に係る管理費の合計で五億七千八百八十七万八千円を見込んでございます。評価損益等はゼロ円。
その結果、当期経常増減額はマイナス二千五百十二万九千円となり、さらに経常外増減の部及び他会計振替額もございませんので、当期一般正味財産増減額も同じくマイナス二千五百十二万九千円を見込んでございます。これに、一般正味財産期首残高を加えました
一般正味財産期末残高は七千八百二十六万一千円を見込んでございます。
次に、Ⅱの指定正味財産増減の部でございますが、基本財産運用益を一般正味財産へ振り替えていることから、当期指定正味財産の増減額はゼロ円となっております。この結果、
指定正味財産期末残高は増減なく、五億円を見込んでございます。
これらの結果、
一般正味財産期末残高、
指定正味財産期末残高を合計したⅢの
正味財産期末残高は五億七千八百二十六万一千円を見込んでございます。
説明は以上でございます。
○中村公太朗 委員長 次に、経営方針等についての説明をお願いします。
◎小田桐 副理事長 それでは、私から御説明申し上げます。
その前に、本日は緊急事態宣言の中にもかかわらず、当社の経営状況に関する御説明をさせていただく場を設けていただいたことを心から感謝申し上げます。ありがとうございました。
御案内のとおり、世田谷区産業振興公社、区の産業政策を担う経済産業部と密接に連携しまして、公益財団法人として公益性の高い中小企業振興策を弾力的かつ機動的に展開していくことを経営方針としてございます。令和三年度の当公社の事業計画収支予算につきましては、ただいま商業課長から説明申し上げたとおりでございます。私からは、コロナ禍における令和三年度の事業を進める上での方針等につきまして御説明を申し上げます。事業の詳細等につきましては、本日の資料の冊子に記載してございますので、そちらを後ほど御覧いただければと思います。
昨年度、
新型コロナウイルス感染症の影響から、予定しておりました各事業の延期、中止等が余儀なくされたところでございます。今年度におきましても、蔓延防止等重点措置に続きまして、現在第三回目の緊急事態宣言が発令されておりまして、経済活動の立て直しにつきまして見通しが立たない状況となっておりますが、区と連携を取りながら、区内中小事業者の復興支援に関する事業を積極的に展開してまいる所存でございます。
令和三年度の事業ですが、大きく四本ございまして、まず第一点目に、中小企業支援の取組でございます。
公社では、中小企業の経営支援といたしまして、様々な経営相談、融資あっせん、セーフティネット保証認定業務を行うとともに、世田谷区で新たに事業を始める方々への創業支援に力を入れております。平成二十七年度から特定創業支援事業者となっておりまして、中小企業診断士による相談など創業を目的とされる方々へ寄り添った支援を行っております。
昨年度は、新型コロナウイルスの発生による区内中小企業事業者の経営状況悪化に対応するため、区と公社が一丸となって融資あっせん業務の作業に取り組んだところでございます。今年度につきましても、令和二年度に新たに設けました総合経営相談窓口におきまして、一時支援金や業態を転換される事業者様等に対する職員の中小企業診断士等がアドバイスやサポートを行ってまいります。このほか、区内産業の紹介、事業者間交流を促進する事業等につきましても継続して取り組んでまいります。
次、二点目ですが、まちなか観光の推進でございます。令和三年度より従来の観光課を地域活性・観光課という課名の変更を行いました。今年度もウイズコロナのスタンスに立ちまして、地域活性化事業として、各商店街や個店へ寄り添いまして、区内経済の再生復興に取り組んでまいります。
情報発信として、せたがやガイドブック、世田谷ぷらっと2021、世田谷みやげ等の冊子を図書館・出張所などの区関連施設をはじめ、区内電鉄各駅、区内外の観光案内所などの民間施設で幅広く配布を行います。また、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックの開催を視野に入れた世田谷おもてなし・参加・交流実行委員会の事務局として、六月に行われる世田谷ピースランタン事業など、せたがやおもてなしプロジェクト事業を行うとともに、昨年来、ホームページ等でコロナを乗り切るための区民向けメッセージを発信するなど、コロナ感染対策防止、医療従事者や区民相互のエール交換、こういったものを取り組む中で、区民の心を一つにということを目指して今年度も取組を進めてまいります。
三点目は、世田谷就労支援センターについてでございます。三茶おしごとカフェでは、併設する国のワークサポートせたがやと連携しまして、お互いの得意分野を生かしながら、より幅広い就労支援を行っております。また、高齢者をはじめ、求職者が希望する求人を開拓するための求人開拓員三名が区内事業者を訪問してございます。求職者とカウンセラー及び求人開拓員との三者面談を行いまして、より一層求職者と企業とのマッチングを強化しております。
今後も引き続き求職者のニーズが高まることが予想される中で、就労支援に取り組むとともに、建設や介護、福祉などの人材不足が深刻な分野の人材確保支援に取り組む所存でございます。
四点目は、勤労者福祉事業、いわゆるセラ・サービス事業でございます。会員数につきましては微減いたしましたが、引き続き、会員の増加に努めてまいります。昨年同様に、今年度も宿泊、観劇、グルメあっせん等、各事業における会員の参加に大きく影響が出ることが想定されるところですが、引き続き特産品のあっせん等を拡大するなど、コロナ対策が行われている中で、より会員に満足いただける生活密着型の企画を幅広く提供してまいります。
今後とも区内中小事業者にお勤めの方々が、世田谷区で働いていてよかったと喜ばれる勤労者福祉の向上に努めてまいります。
最後に、この四点のほかに、本年度も
新型コロナウイルス感染症の影響で、区内中小事業者は経営悪化に伴う事業継続の在り方について大変御苦労されている状況でございます。当公社としましては、三十名程度の小規模な組織ではございますけれども、効率的な業務体制を維持しながら、区と連携を図り、区内中小事業者の経営回復を積極的に支援するため全力で事業に取り組んでまいります。
また、区では今年二月に外郭団体に集中的な取組案が示されまして、今後、外郭団体の在り方に関する見直しを行うことが決定されております。八月頃までにその方向性をまとめまして、九月以降に詳細の検討、事業計画への反映と、これに伴う具体的な取組を行うことになろうかと思います。産業振興公社といたしましても、既存事業の見直しを行いまして、今後の方向性に関する具体案を提示してまいりたいと考えております。
私からの説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。
○中村公太朗 委員長 では、これまでの報告、説明に対して御質疑がありましたら、どうぞ。
◆たかじょう訓子 委員 ありがとうございます。この間コロナ禍で本当に大変な思いをしておられる事業者に対しての支援など、本当に昨年度から皆さんが御苦労されて、頑張っていただいていることに本当に感謝を申し上げたいというふうに思います。この間、相談事業などのケースなども、先日、第一回定例会のときなどにもちょっと調べていただいたものを私はいただきましたけれども、本当に事業者の方が困っているという状況をつぶさに把握できる部署というか、ところなんだろうと私は思いました。そのデータを、ぜひ新たな支援の提案に生かしていただきたいなというふうに私は結果を見て思ったものですから、ぜひその辺も資料なども皆さんに提供していただくといいなと本当に思っていますけれども、いかがでしょうか。
◎小田桐 副理事長 具体的な相談の内容等について、個人的な情報もございますが、ただ、傾向と、それからどういったものが区内の事業者の方々は思っていらっしゃるのか、その思いを受け止めるのが私どもの仕事だと思っておりますので、そこで得たものを分析、評価した上で、区のほうにも御報告させていただきたいというふうに考えます。
◆たかじょう訓子 委員 非常に今の困難な状況がその相談内容にすごく表れていると私はすごく思いました。ぜひお願いしたいなというふうに思っています。
あわせて、雇用の問題についてなんですけれども、この間、私どもが行った区民アンケートなどで高齢者で七十代、八十代の方が、年金だけでは暮らせないので働いていると。コロナで仕事がなくなってしまって、暮らしが成り立たないというような方の御相談も受けていますし、そういう数があまりにも多いのでびっくりしたというところが実際なんですけれども、高齢者の雇用についてですけれども、今例えば家賃補助や住居確保給付金、それと小口貸付なんかがあるので今のところはそこまで困ってないという方もおられると思うんですけれども、今後、一度職を失ってしまった高齢者の方が生活が困らないための活動というのがやっぱり必要だと思うんですけれども、情報提供のやり方などは今どういうふうに、マッチングするというふうにおっしゃっていましたけれども、どんな感じで進めておられるのか、その辺ちょっと伺えますか。
◎竹内 事務局長 ちょっと着任して日が浅いもので、詳しくはあれですけれども、今、おしごとカフェのほうでやっている事業としては、ネット環境を使ったものが多いので、高齢者に特化した取組というところではもうちょっと工夫が要るかなというふうには感じます。
また、今、七十代、八十代の方のお仕事というお話がございましたけれども、やはり雇用状況で言いますと大変厳しい、求人がなかなか上がってこないという状況、特に事務職で非常に少ないという状況でございますので、開拓員は一生懸命やっていますけれども、なかなか事業が立ち上がってこない中で、求人全体で厳しいところがございます。求職者の声は確かにありますが、就労が全てかどうかというところがやっぱりあると思いますので、様々な形で高齢者の方の生活を支える取組、生活支援の取組とかもございます。産業振興公社だけでなく、全体として様々なセクターから支援の手が届くことが大事かと思いますので、私どもの情報をそういった方面にもつなげていくというような観点も持って取り組んでいきたいというふうに思っています。
◆たかじょう訓子 委員 おっしゃるとおり、求職だけがというのではないと私も思っています。基本、年金だけで暮らせないということ自体に大変危惧を感じておりますので、例えば支援につなげる生活保護ですとかを御案内するようなことが現場でできると、こちらに御連絡してくださいとかという御案内がしっかりできるような体制も、どんな支援があるのかというのも、メニューなどをしっかりと案内できるようにお願いしたいというふうに思います。
◆阿久津皇 委員 今年取り組む事業というところで、まちなか観光とおっしゃいましたけれども、その中に地域活性化で、せたがやPayの加盟店の増加、利用促進とおっしゃっています。このせたがやPayの店舗数を増やすことと、利用者を増やすことが、まさに経済の活性化につながると思いますし、もっと言うと、福祉との連携とか行政サービスの向上につながってくるところまで持っていかなきゃいけないんだと思うんですが、そのためには本当に公社さんのお力が多分重要なんだと思うんですが、具体的にどのようなことを考えていらっしゃるのか教えてください。
◎小田桐 副理事長 具体的にこれまで区のほうと連携して、せたがやPayの加入店の拡大に対する御案内だとか、それからどういった使い勝手があるのかという、Payの活用の方策を探るといったことを、うちの観光課の職員が中心になって進めているところでございます。
この後、具体的な取組内容を課長のほうから説明させますけれども、基本的にせたがやPayを導入して、区のほうでそれを実施に移った段階で、どれだけこれが区民にとって使い勝手のいいものなのか、便利なものなのかというものにつくり上げる必要があろうかと思います。まだまだ同じようなキャッシュレス決済のシステムというのは、日本国内で大変たくさんありますので、それらと競合する形ではなく、世田谷区民にとって役に立つものはどういうものなのか、サービス内容も加えて、これから熟成させていかなきゃいけないかなというふうに考えているのが基本的なところでございます。
これまでの取組と、それから具体的にどういったことをやってきたかについては観光課長から説明させていただきます。
◎惠見 地域活性・観光課長 せたがやPayの加盟店拡大の取組という御質問ですが、まず、各お店さんに我々が実際に足を運んで、せたがやPayの魅力をお伝えするということをやっております。具体的に数字を挙げて申し上げさせていただきますと、昨年度、令和二年度に関しては、我々職員が五百八十八店舗を回らせていただきまして、うち申込みが六十六件ございました。成約率としては一一・二%というところなので、これを高いとするか低いとするかはあると思いますが、そのような形で成果を上げております。
実際にせたがやPayをお店に促進するに当たって、先ほど小田桐からも話がありましたが、その他のペイを活用されているお店というのが現状多いんですね。その中で大体がPayPayを活用されているお店が非常に多く、そのPayPayとの優位性というのをどのような形で出していくのか。小田桐が申し上げたように、同じように競っていてはしようがないと思います。
実際にお店さんを回っている中で、我々のほうでお伺いしたお話では、PayPayをやっていらっしゃるんですが、世田谷限定で使えるという地域活性という面で非常に魅力があるので導入してみたいというお声をいただいたりですとか、あとは、実際にせたがやPayが一日の売上げの六分の一程度を占めるというようなお店さんもございます。一方で、なかなかまだ認知度が低いのではないかという声もいただいておりますので、そのあたりを踏まえましてさらに加盟店が拡大するような形で、我々のほうで地域を回っていきたいと考えております。
◆阿久津皇 委員 まさに決済手段として考えたら、それは全国的なサービスにかなうわけがないので、そこではなくて、マイレージ的な、こういう活動をしたらポイントなりますよみたいな、利用者にとっても、加盟店にとってもインセンティブになるような新しいサービスみたいなものを考えていただけたらいいのかなと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
◆小泉たま子 委員 コロナが発生して、もう一年以上過ぎたわけですけれども、公社にとって、去年と今年、このスタートに当たって、どう違っているかということをまず伺いたいと思います。
◎小田桐 副理事長 ちょうど一年前の三月ぐらいですか、昨年の三月ぐらいから、大分コロナ、コロナという話がちまたで起きて、産業振興公社は区の経済産業部と一緒に、区内事業者の方々が当面の運転資金が必要だと、それに困っているというところを受けての様々な融資あっせんの仕組みがちょうど一年前に始まったところでした。
そのときにいろいろな体制を組んで、職員の中でもコロナの感染が拡大しないようにということを留意しながら、区と一緒になって融資あっせん業務に取り組んだというのは、先ほど冒頭で御説明したとおりなんですけれども、そのときにその作業をしながら感じたことなんですが、やはり世田谷区内でも、商店街、特に我々のところは三軒茶屋なので、三軒茶屋の周辺の商店街の人出が思ったように少なくなっていないなというのが去年の私の感じたところです。
それで、今年はどうかということなんですけれども、一年後の今回のたまたま第三回目の緊急事態宣言が出されたばかりですが、先週の金曜日辺りは、やはりそれほど人出は減っていません。つまりこれをもって断言することはできないのかもしれないんですけれども、区民の方も、総じて言えば国民全般に言えるのかと思うんですが、危機管理、危機意識というものは持っているんですが、実際の行動にはなかなか表れるところまでは来ていない。逆に言うと、それで区内の商店街も売上げがそれほど落ちていないんじゃないかと思えるんですが、そんなこともないということで、去年は全般的に疲れ切ったような雰囲気が漂っていたんですけれども、今年は一年たって、区民の皆さんも、国民の皆さんも、いい意味でも悪い意味でもウィズコロナということに慣れてきているのかなという雰囲気は感じ取っています。
ただ、昨年と今年の大きな違いは、初めての経験だった昨年は、事業者の方々も何をどうしていいのか分からなかった。ただ、今年はこういう工夫もある、ああいうことをやって売上げを維持することもできる、従業員もこういう形で雇っていく、継続していくことができるんじゃないかと、それぞれ事業所の方がとても苦労されていらっしゃって、大変考えているようになったかと思います。なので、去年との大きな違いは、そういう工夫をされているところに、どれだけ我々のほうで様々な情報をお示しできるのか、御相談に乗ってあげられるのかというところが、去年と大きな違いかなと。
全く皆目検討がつかないという方々に、元気を出しましょうというふうに言うだけではなくて、国も都もいろいろな施策を示してきている中で、それをどういうふうに活用して、どういうふうな工夫を自分の事業の中でやれるのかという相談に、今年はぜひ力を入れていきたいなというふうに考えています。大きな違いはそういうところかと思います。
◆小泉たま子 委員 次に、公社をどう変えようとしていますかってお尋ねしようと思ったんですけれども、今お答えくださいましたので、そういうふうにこれからはやっていくということですね。そういうふうに区民に対応していくということだと思うんですが、本当によろしくお願いしたいと思います。区民は本当に頼りにしていると思います。
それで伺いたいのは、この間の
区民生活常任委員会で部長にお話しいたしましたけれども、やっぱりこれからの生き残りとして今一番不足しているのは、介護する人だと思っているんですね。やっぱりもう日本に先駆けてそういう仕組みをつくって、我々が困らないように、安心し病気できるようになるように、安心してあの世に行けるように、それは一番区民に対しての、本当に切実であり、しかし、すごく安心感を与えることだと私は思っているんです。
たまたま今の説明で、介護と福祉の就労に取り組みたいということをはっきりおっしゃっておりましたので、それは、私がこの間言いました介護人材を、公社と区と部と連携してきちっとやっていくというふうに、私はそういうふうに受け止めてよろしいんでしょうか。
◎小田桐 副理事長 さきの議会での御質問と答弁というのもございましたけれども、あそこに言われていることを実践するのが今年の課題でして、具体的に区の福祉法人等の担当をしているところの人材確保を務めている社会福祉事業団、それから、それらの人材を確保した上でどういった事業展開が工夫できるのか、現在の制度の中で、介護報酬等の仕組みの中で、どういう経営の工夫ができるのかというのを御相談させていただくための中小企業診断士の先生方の御協力、そういったものを進めているところです。
ただ、具体的にただお話を聞くだけではしようがないので、では、どういうふうな方策があるのか、改善策があるのかというのはその法人ごとに違う部分も多々あるというのも今感じているところです。一律こういった仕組みを設けましょう、介護報酬の仕組みだとか、介護事業の制度自体を見直すということもある意味必要な部分はありますし、その制度の中でどういう経営の工夫をするのかという検討をすることも必要ですし、それぞれ多角的に、一概にこれという方針ではなくて、全て法人の方々に、どういう形がいいのかというお話を伺いながら進めていきたい、相談に乗っていきたいなというふうに思っております。
これという決定打がないのが、まだ今ちょっと、いらいらしているところではありますけれども、今後、具体的にその辺のところを進めていきたいというのが、今の段階での状況です。
◆小泉たま子 委員 本当にしっかりやっていただきたいと思うんですが、考えていただけ、相談していただけるだけでは進みませんので、だから介護報酬の中で、介護保険の中ではまず無理だと部長もおっしゃっていましたので、何か新しいやり方を考えていかなきゃいけないと思うんですね。これはもう本当に研究しながら、失敗しても取り組んでいく、失敗しては困るけれども、覚悟してとにかくやっていくというのは、日本の最前線を行くようなやり方で本当にやっていただきたいと思うんですね。
それで、ペイの話が出ましたけれども、私はよく分からないんですけれども、ある方が、うちの壁がはがれちゃって、色がはげちゃっていて、ペンキを塗るのにこれが使えたらいいのになと、大工さんの仕事に使えたらいいのになという話があったんですけれども、これは使えないんですか。
◎中西 商業課長 加盟店にそのペンキの塗り替えをしていただけるような業者の方が入っているかどうか、すみません、今把握していないもので即座には答えられないんですけれども、そういった方も加盟店にはなれるので、入っていただけるように努力はしたいと思います。
◆小泉たま子 委員 つまり、そういうことに努力していないと思うんですね。商業、商店街とかそういうことを中心でやってくださっているので、区民生活は商店だけではないので、やっぱり全ての人に使ってもらえる、需要に応えられるペイであるべきだと思うので、私はその辺が、商工業というふうに、何か分かりませんけれども、でも産業全部入っていますから、ちょっと遅過ぎたのではないかと思うぐらいですけれども、でも始めたばかりですので、それはぜひともやっていただきたいと思います。
もう一つ、就労のことでしたけれども、サービス公社ではどういうふうにお考えでしょうか。つまり
シルバー人材センターがあり、ボランティアセンターがあり、いろんなもので就労、リタイヤした人が何かやりたい、生きがいを持ちたいと思ってやるんですけれども、世田谷ではきちっとしたものがなかなかないんです。だから、ちゃんと報酬がもらえる仕事、それはまたシルバーではなかなか難しいということがあったり、とにかく中途半端なので、そのあたりの就業ということについて、部でも公社でもどういうふうに考えているか今お聞きしたいんですけれども。
◎小田桐 副理事長
シルバー人材センターと、それからサービス公社のほうでは障害者雇用もしております。私どもの公社のほうでは、一般的な就労支援ということでやっているわけですが、区民の方がどういった働き方をしたいのかという要望を受けるのに、まずどこを紹介すればいいのかというところが、はっきり分かっていない部分もあります。
なので、今申し上げたようなそういう窓口を、総じて広く区民の方に知らしめることで、それぞれにいらっしゃったときに、お話をまず伺った上で、こういった相談窓口がありますよというのを相互に御紹介し合うというところは非常に効果的なのかなと。電話でも、直接対面で御相談を受けたときでもいいんですが、まずはそういったメニューがあるというところの御紹介をすることが大事なのかなというふうに思います。その上で、それぞれがどういったお仕事の紹介の仕方をしているか、内容も含めて、それはその組織が出来上がった経緯があって、法律的にどういう経緯で
シルバー人材センターはできたのかとかがあって、どうしてもまだそれに引きずられているようなところがありますので、それを一気に、全部まとめて一つのくくりの中で論じられるような、御紹介できるような仕組みができるのかどうか、これから横の連携で相談しながら進めていければいいのかなというふうに思います。
私どもだけで完結すると思えないものもありますし、シルバーだからこそ、こういう方のお手伝いをしたほうがいいんじゃないかというのもありますし、そういったところの共有を、ぜひこれからはしていくべきかなというふうに思います。
◆小泉たま子 委員 一つの窓口を、つまり縦割りでこうやって進めてきているから、今こうやって弊害が起きているわけですね。これは必ず起きるわけですよ。ですから、これからはやれるやれる、とにかく一つの窓口にして、ワンストップにするということが大事だと思います。仕事をしたいと思って行っても、それからまた、こんなのはどうどうなんですかということじゃなくて、やっぱり二段目の窓口まできちっと区民に応えられるような、そういう窓口を私は早急につくるべきだと。
これから本当に厳しい生活が待っているわけですけれども、そのときに何が困るかというと、やっぱり収入ですよね。そのときに何が区でやれるか。何かやりたいと思って窓口に来るんですよ。そのときに応えられるようなまず窓口。それから、窓口をつくると同時に奥行きも深くして、こういうこともある、ああいうこともある。だから、全体的にそれこそ一緒にやっていかないと駄目だと思いますけれども、ぜひリーダーシップを取ってやっていただきたいと私は思いますが、どうでしょうか。
◎小田桐 副理事長 おっしゃるとおりでございまして、そういう仕組みができることが区民の方にとってはとても頼りになるものかなというふうに思います。どういうスタイルがいいかということで言いますと、先ほど三つの公社、法人の話をしましたが、実は区のほうでもそういう相談を受ける窓口がありますので、そこも含めて情報を提供していけるような取組を相談していきたいなというふうには思います。
◆福田たえ美 委員 ぷらっとホーム世田谷と産業振興公社の連携というのはどういうふうにされているかというのをまず教えていただけますか。
◎小田桐 副理事長 申し訳ありません。質問の意図といいますか、ぷらっとホームと公社の関係ということですか。
◆福田たえ美 委員 連携ですね。要はぷらっとホーム
世田谷に御相談に区民の方が行かれます。今、生活が困窮しているから行かれるんですけれども、その方が、後から分かったんですけれども、個人事業主さんだったんですね。そのときに、ぷらっとホーム世田谷にやっとの思いで多分相談に行かれて、生活をどう再建させていくのかというところのお手伝いのもう一つに、例えば産業振興公社の総合経営相談窓口というところにも一歩足を踏み入れて相談してみてはどうでしょうかみたいな形があったらよかったのになと思う事例があったんですね。
多分ぷらっとホーム世田谷のほうは、福祉的な支援をメインとして角度から見ていらっしゃると思うので、そこまではなかなか行き届かなかったのかもしれませんけれども、やはり今、はっきり言いまして、事業が厳しくなってきている個人事業主、フリーランスの方の御相談は本当に増えてきている状況で、そこで細かい説明はされなくても、ちょっとその人の生活の母体がどうなっているのかを見て、お仕事は事業主さんですねということが分かれば、そこの経営が詰まっていて今生活困窮しているんであれば、一度、総合経営相談窓口のほうに御案内だけでもお渡していただく。たしか産業振興公社はリーフレットもあると思うんですが、それだけでも置いておいてお渡しするだけで、随分つながって助かる方がいるんじゃないかなという事例があったもので、そこの連携というのがどういうふうになっているかというのをお聞きしたく聞きました。
◎小田桐 副理事長 総論から申し上げますと、そういった情報をそれぞれ、例えばうちに来たときにも、公社の総合経営相談窓口にいらっしゃった場合もぷらっとホームを御紹介するケースがあるでしょうし、その逆もまた、今おっしゃったようにあるかと思うんですね。
それはどういうことかと言いますと、両方で、それぞれ区内でどういう公共的なサービスが行われているかというのを把握していないのがやっぱり原因で、先ほど小泉委員にも御答弁、御説明を差し上げたとおり、お仕事の件でもそうです。事業者の方々の困り事の相談でもそうです。そういったものを一体どこに相談すればいいのかというのは、区民の方も、事業者の方もすぐには分からないと思います。どれだけ広く来る可能性がある窓口に、それぞれの情報を、お仕事の内容、サービスの内容を置いておくかということが重要だと思いますので、お仕事支援と同様に、こちらについても関係する窓口で情報を共有して、御紹介をし合うということをしていきたいなと思います。
ちなみに総合経営相談窓口を設置した理由というのは、あの中で新しい相談体制を組んでいるわけではなくて、実際には何か困り事があるという方を、まずは我々のほうでお聞きしましょうと。その上で、こういった融資制度を活用すればいいのか、給付金等の申請をすればいいのか、人材確保はこういうふうにやればいいんだとか、その悩みに応じたものは、まずは一回総合窓口でお伺いして、役に立つサービスを御紹介するというのが狙いだったわけで、それと同じような認識を、できるだけ同様のサービスを抱えている担当の窓口で、区も含めて、それ以外の外郭団体も含めてですが、持ち合うということがとても有益なことではないかなというふうに思います。ぜひ呼びかけをした上で、そういった窓口が充実されていくように取り組んでいきたいと思います。
◆福田たえ美 委員 ぜひとも本当に必要とされていらっしゃるところに情報が届くように、今回ぷらっとホームと具体的に申し上げましたが、情報が、リーフレットなりなんなりを置いて、きちんと届くような形で、ぜひともお願いしたいと思います。
◎竹内 事務局長 先ほどの副理事長の答弁に、ちょっとだけ具体的なことで補足させていただくと、昨年度融資のあっせん、緊急融資ですね。これが中心の取組に見えたというふうに思いますので、ちょっと融資まではという事業者さんは、こういう言い方はあれですが、敷居が高いような感じがあったかもしれません。
昨年は、持続化給付金については公社では取組がなかったんですけれども、今年度の一時支援金につきましては、今度の取組では、これは一月の緊急事態宣言に伴う一時支援金ですが、これについては事前確認を行うということで、その確認機関に公社が、中小企業診断士の皆さん、SKCの皆さんと協力して確認に当たるということになって、その相談窓口を設けております。
具体的に融資に至らないような、かなり小規模な皆さんの相談が増えているところがございますので、昨年はそういうものが見えるところに至らなかったかもしれないんですが、本年度そういう零細、あるいはフリーランスの方の相談も若干出てきておりますので、そういった今御指摘いただいたことを注意してお話を伺うようにしたいと思います。
◆岡本のぶ子 委員 二点、お伺いします。
まず、この間の区民生活でも一応触れたんですけれども、産業振興公社さんのほうで、臨時労働相談窓口を昨年三月から開いていただいて、本当に冷え込む仕事の収入が減ってしまったような方々、また労使問題などを丁寧に受けていただいたことを本当に感謝申し上げます。かなり多くの方々を私も臨時労働相談窓口を御案内して、とっても丁寧に御説明いただけたということで、労基署に行く手前で相談できたことに大変喜ばれておられました。
ただ、去年の九月でしたか、臨時労働相談窓口を発展的に解消というかなくされて、今、総合経営相談窓口一本化になってしまっているので、社会保険労務士さんの労働相談はそのまま残ってはいるんですけれども、やはり窓口というのは見える化が重要かなと思うので、労働者の人たち、仕事の雇用のことで悩んでる方たちが相談できるのはどこなのかということが、一目で分かるような表明の仕方というんでしょうか、そこがすごく今求められていますので、ぜひそこを、先ほど福田委員からも言われましたが、関連する窓口間でも、その相談だったら産業振興公社のこの窓口にありますよと案内ができると思うんです。名称がないと、そういう相談が非常にしづらいかなと思うので、ちょっと労働相談という点の、コロナ禍における窓口の見える化というもののお考えを伺えればと思います。
◎小田桐 副理事長 労働相談については、これまでも実はやってきてはいたんですけれども、ただ、今回こういうような状況の中で、これからより一層労働に関する相談の需要は高まることが想定されますので、より分かりやすくお示しできるようにちょっと工夫してまいりたいと思います。
昨年の臨時労働相談窓口も、今までやっていた相談をちょっと充実させた程度のものだったんですが、それだけでも大変お役に立てたということであれば、それを参考にしまして、より分かりやすい窓口の開示といいますか、それはしていきたいなと思います。総合経営相談窓口も、そういった相談があったときにはお断りはせずに、受けた上で、社労士さんとか、それから必要に応じて弁護士さんも出てくる場合があるかもしれませんし、そういったところにもつなげていくことは想定してはいるんですが、分かりづらいというところであればよく分かるように、それが先ほども申し上げたとおり、関係する窓口のところに全て置くということを取り組んでいきたいなと思います。
◆岡本のぶ子 委員 総合経営相談というと経営者が行くんだなってやはり思いますので、ちょっとそこの見える化、差別化、中身は、答える人同じかもしれませんけれども、ぜひお願いします。
あと、もう一点なんですけれども、雇用、就労に関する事業ということで、三茶おしごとカフェにハローワークの職業紹介窓口、ワークサポートが設置されて久しいわけで、多くの区民の方が、渋谷まで行かなくても三軒茶屋で相談できるんだということをお伝えしますと、非常に便利だねということで御案内できるんですけれども、その中で一点、若年者就労支援ということで、今四十五歳までというふうに書かれていますが、ここはハローワークと連携されているわけなので、今わかものハローワークプラスというものが国のほうでつくられて、就職氷河期世代、五十一歳までを含んだ相談体制を組んでおられます。
やはり就職氷河期世代の方たちがリーマンショックのときに就職ができず、そして今、今度コロナになって安定した正規雇用じゃない不安定な方たちが多く就職氷河期世代におられるということから、就職氷河期世代をいかに安定させてサポートできるかということが主眼になっていると思いますので、ぜひ区もここに連動した形で、ハローワークとせっかく窓口を連携しているわけですから、この就職氷河期世代の区民の方々の中で、このコロナ禍において、不安定な仕事に就いているがために家庭を持てないとか、もしくは八〇五〇問題の課題を抱えているですとか、そういう方々をいかに区が声を聞き上げて、そしてマッチングさせるかということが重要かと思うんですけれども、先ほどマッチング強化に努めていきますというお言葉もあったんですが、そういった視点の就職氷河期という世代に力点を置いた取組ということをお考えになっているのか、ならないかちょっと伺えればと思います。
◎小田桐 副理事長 若者の就労、就職、それから今現在若者と言っていいのかどうか分かりませんけれども、四十代から五十代になりかかっている方々の就職の問題というのは、もう十年、二十年ぐらい前から論じられているところであります。実は今回のコロナの影響かどうかはまだはっきり分析はできていませんが、渋谷のハローワーク等でも、若者の就職相談の件数が非常に落ちてきているというのが実態としてあるようで、なぜ落ちているのかというところの分析が必要かなとは思うんですけれども、減っている理由は、どうも一つの意見としては、今回時限的に示された国の政策の中で、就職活動をちょっと延長するという制度ができたと思うんですけれども、それが影響しているんではないかという意見もあります。
ということは、つまり今までハローワークを訪れていた方々だとか、相談にいらっしゃっていた方々が、雇用保険の手続のために必要だということで来ていた方が結構いらっしゃったというふうに想像できるというのが一部の意見なんですけれども、ただそれだけとは限らないと私は思いますので、事実、正規雇用に就きたいと思っている若い世代の方々、それから先ほど言った四十代、五十代の方々もいっぱいいらっしゃると思うんですね。
問題はその方々が望んでいる職の内容と今現在求人の内容とがマッチングできていないという実態はあろうかと思います。ですから、求人開拓員三名というふうに先ほど申し上げましたが、三名で足りるかどうかはともかく、区でお示しした方針に基づいて、公社でも求人開拓員に一生懸命活動していただき、企業側の求人情報、それと若者も含めた求職者の求職の内容、このマッチングをどういうふうに図っていくかというのをきめ細かく検討していきたいなというふうに思っています。
先ほどの御質問にありました若者に対する就職支援ということでは、引き続き今までと同様取り組んでいかないことには、将来的に社会保障費関連への影響というのは大きいということが大分前から言われているのはいまだに変わっていませんので、引き続き取り組んでいきたいと思います。
ただ、求職の点で言えば、先日発表になったところですけれども、国内の大手のレストランチェーン、この一年間で七百店舗ぐらいが閉店になっているということで、お仕事自体が減っているのも事実です。そこで働いていた若い世代の方々が無職になったという点も十分想定されるわけで、お店が閉店になって仕事がなくなっている、そこで働いていた人たちは無職で、これから活動しなくてはいけない。ただ一方で、就職相談の件数が落ちてきている。これをどういうふうに捉えればいいのかというのが研究課題かと思います。ぜひ研究させていただいて、どういった寄り添い方がいいのかを、これからまた突き詰めていきたいなというふうに考えます。
◆岡本のぶ子 委員 今、幅広い、若者というと、すごく幅広い御答弁だった気がしたもんですから、ちょっと就職氷河期世代の年代の方々に対して、先ほど来、介護ですとか建設っていう話もありましたけれども、求人をしている側と、あと不安定な雇用形態が長く続いている就職氷河期世代の方たちに対していかにマッチングができるかというところのサポートを、ちょっと細やかにやっていただければなと思うんですが、いかがでしょうか。
◎小田桐 副理事長 福祉、建設といったところの人材不足というのを申し上げましたが、その担当するところとの意見交換というのは引き続きやっていきたいと思っていまして、人が足りないんだけれども、なかなか求職をしてくれない、求職者が追いつかないというのはなぜなのかというところなんですが、そういったお仕事についての希望を持たないという方が多いのかというところもありますし、ただそれを知らない方もいるかもしれない。お仕事の中身が分かっていれば、これは自分でもいけそうだと思っていただけるかもしれない。そういったものも含めての説明を法人側にもしなくてはいけないし、それから職を求めている方々にも説明をしていかないといけないだろうなという意味で、求人開拓員、カウンセラー、それから求職者、そういった方々の三者面談というのはこれからも引き続き地道にやっていきたいというふうに思います。
◆岡本のぶ子 委員 ぜひお願いします。やはりこのコロナ禍で、パチンコ店で二十年近く働いて、ある意味で不安定なんですけれども、ずっと働いてきた方が、パチンコ店が次々閉店になってしまって行き先がなくなったという女性ですけれども、その方に介護の、世田谷区でこういう職業訓練を受けた上で、介護もこうやって仕事としてできるんですよという話をしたときに、非常に希望を持って、自分自身の将来を見据えた段階のときに次の手ということで考えていきたいという話をされた方がいらしたんですね。
なので、そういう就職の前段階の職業訓練というところも併せて、安定雇用につながるような道筋を、世田谷区に三茶おしごとカフェがあり、キャリアカウンセラーさんがいらっしゃるということも踏まえますと、いろいろと細やかな対応ができるんではないかなという期待を持っておりますので、ぜひよろしくお願いいたします。要望です。
○中村公太朗 委員長 では、以上で
公益財団法人世田谷区産業振興公社についての報告を終わります。
参考人の皆さんには、御多忙の中、御出席をいただき、委員会としても有益な議論ができたんじゃないかと思います。本日は誠にありがとうございました。
ここで説明員、参考人の方の入替えと、あわせてトイレ休憩を取りたいと思います。五十五分再開とさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
午後二時四十七分休憩
──────────────────
午後二時五十四分開議
○中村公太朗 委員長 では、委員会を再開いたします。
まず、冒頭にも触れましたけれども、再度申し上げます。現在緊急事態宣言下での委員会となっておりますので、理事者からの報告は簡潔明瞭に、委員からの質疑も要点を絞っていただくなど、会議時間の短縮に向けた御協力をどうぞよろしくお願いいたします。
では次に、(3)
公益社団法人世田谷区
シルバー人材センターにおける令和三年度事業についての報告に入ります。
本日は本件に関し、参考人として、清宮会長、小湊事務局長に御出席をいただいております。お忙しい中、本委員会のために御出席をいただきまして誠にありがとうございます。
それではまず、区理事者より、令和三年度の事業計画等の報告をお願いします。
◎荒井 工業・ものづくり・雇用促進課長 それでは、
公益社団法人世田谷区
シルバー人材センターにおける令和三年度事業について概要を御説明いたします。
なお、詳細な内容につきましては、資料の二枚目以降にございます令和三年度事業計画に記載されていますので、後ほど御確認いただければと思います。
初めに、
シルバー人材センターでございますが、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律に基づきまして設置されている法人です。会員は原則六十歳以上の方で、企業や家庭、公共団体などから
シルバー人材センターが仕事を引き受けまして会員に仕事を提供いたします。会員の方は、就業することによって
シルバー人材センターから配分金を受け取る仕組みとなってございます。
それでは、資料に戻りまして、まずⅠの事業計画でございます。令和二年度から六年度までを計画期間とします第四次中期五か年計画及びコロナ禍を踏まえた前年実績などに基づきまして、令和三年度の事業計画を定めてございます。
1の会員への就業提供のおのおのの数値及び2の仕事受託の各予定件数、契約金額等につきましては記載のとおりでございます。
2の仕事受託の1)受託事業①公共区分でございますが、こちらは公園の清掃や区立施設の管理などのほかに、令和三年度から改めて五年間の指定管理者として管理する自転車等駐車場の受託事業がございます。なお、公共部門からの受注金額の約七割が指定管理者分となってございまして、その内訳につきましては、2)の指定管理者に記載のとおりでございます。
次に、戻りまして②の企業区分でございます。内容としましては、マンションの管理、ごみ出し、清掃などでございまして、件数、金額は記載のとおりでございます。
③の家庭区分につきましては、家事援助サービスや除草、植木の剪定など家庭から受注されたものでございまして、件数、金額は記載のとおりとなってございます。
④の独自区分につきましては、会員の方々の技術や経験を生かして、パソコン教室、カルチャー教室、陶芸教室などを行っておりましたが、現在
新型コロナウイルス感染症の影響により実施をしていない状況でございます。
2)は、先ほどの指定管理者の内訳と数になってございます。
続きまして、3)発注者訪問ですが、こちらは多くの会員の方に仕事を提供するため、理事による新規受注の開拓を実施しておりますが、今年度も引き続き行っていく予定でございます。また、あわせて新規会員の獲得に向けてPRを進めてまいります。
区としましては、
シルバー人材センターが、地方自治法による政策目的、随意契約が可能な団体でございますので、受託事業の拡大に向けて予算編成時等には庁内に向けたPR活動も行ってございます。また、会員獲得の支援としましては、「区のおしらせ」への掲載などを実施しているところでございます。
次に、3会員等の人材育成等につきましては、入会時の研修、会員のスキルアップのための技能向上研修、その他記載にあります各種の研修などを実施することで、顧客ニーズに応えた就業能力の向上や、質の高いサービス提供に努めております。
次に、4の調査・広報活動ですが、
シルバー人材センターについても、広く区民の方や企業への周知に努めるとともに、コロナ禍におきましても、会員同士の交流や就業意欲の向上につながるよう、広報紙「シルバーせたがや」は例年どおり発行いたしまして、その他リーフレットの作成、配布等にも取り組むこととしております。
次に、裏面に移りまして、令和三年度収支予算総括表を記載しておりますが、こちらは資料の最終ページにございます令和三年度収支予算書を総括的にまとめたものでございますので、後ほど御確認いただければと思います。
私からの説明は以上でございます。
○中村公太朗 委員長 では次に、経営方針等についての説明をよろしくお願いいたします。
◎清宮 会長
公益社団法人世田谷区
シルバー人材センターの会長を務めております清宮と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
日頃から当センターの運営につきましては、多大な御協力をいただき感謝を申し上げます。当センターが四十年余りの長きにわたり活動を継続できておりますのも、設立以来、世田谷区やその関係諸機関、区内の御家庭、事業所などから高齢者にふさわしい仕事を発注していただいているおかげであり、改めて御礼を申し上げます。
それでは、当センターの令和三年度の事業計画等について御説明させていただきますが、その前に昨年度の事業実績と会員数の推移などの概要について御説明をいたします。
昨年度は、新型コロナウイルスの感染拡大により、当センターの事業活動は大きな影響を受けました。事業実績は受託件数、契約金額ともに、昨年度比約一一%のマイナスとなりました。会員数は三月末現在三千九名で、昨年六月以降、オンラインによる入会説明会や個別面談などの工夫をする中で、何とか三千名台を維持しておりますけれども、前年同月比では三・六%の減となっています。
また感染防止、会員の健康と安全を確保するため、会員による委員会活動や部会の活動、あるいは地域組織による活動、各種イベントへの参加など、センターの会員による組織的活動の多くを休止せざるを得ませんでした。
現在もこの状況は続いており、六月までの会員による部会などの活動は休止をしている状況でございます。令和三年度の事業計画の詳細につきましては、別紙の事業計画に記載しているとおりですが、今年度も現在のコロナの感染状況を見ますと、事業活動は一定の制約の下で実施せざるを得ないというふうに思われます。
事業目標は、コロナ禍の下での前年実績を踏まえて、実現可能な目標数値といたしました。公共事業の受注では、今年度から改めて指定管理者として指定を受けた区立自転車等駐車場、これはレンタサイクルポートを含みますけれども、それの管理業務、地区会館など公共施設の管理、公園清掃などの業務を、区やその諸機関との連携をこれまで以上に図りながら実施してまいりたいと思っております。
区内の御家庭などから受注する植木の剪定や除草、家事援助サービスなどの民間受託事業は、受注件数から契約金額ともに減少していましたけれども、昨年六月頃から徐々にではありますが、回復傾向にあり、コロナ禍の下で可能な受注拡大の方策、あるいは広報やホームページの活用、リーフレットの作成、配布などを検討してまいりたいと思っています。
独自事業である学習教室、陶芸教室、パソコン教室、カルチャー教室の事業は、感染防止の観点から当面は休止せざるを得ません。介護予防・日常生活支援総合事業である支えあいサービスや児童の通学路等見守り業務などの地域密着の事業では、この一年のコロナ禍での下で得た教訓を生かし、感染防止対策を徹底した上で、就業会員や発注者の安全を確保しながら実施してまいります。
最後に、安全就業について申し上げます。冒頭に述べたとおり、コロナ禍で会員の組織活動が休止となっており、安全就業の推進母体である安全委員会が開催できていませんが、毎月開催される理事会で会員の健康管理の大切さ、あるいは安全就業についての認識を共有するとともに、機関紙である「シルバーせたがや」を通じて、会員に注意喚起をしているところでございます。
昨年は安全委員会のメンバーが手分けをしまして、十六か所の就業現場を訪問し、これを安全パトロールと言いますけれども、安全就業、就業途上の安全を呼びかけました。しかし、昨年度も障害事故が二十一件、賠償事故が八件発生しております。傷害事故の中では、転倒事故が目立ちます。今年度も引き続き事故防止のための健康管理と安全就業についての啓発活動を継続し、事故の減少を目指します。
新型コロナウイルスのワクチン接種が始まりました。世田谷区でも、五月の中旬頃、あるいは下旬頃には高齢者を対象とした接種が始まると言われておりました。一方、関西地域や首都圏における新規感染者数は、変異種による感染例がじわじわと増加しており、不安な状況が続いております。三月二十二日には首都圏の緊急事態宣言は解除されましたが、蔓延防止等重点措置が適用されるという新しい局面を迎え四月二十五日には、東京都など四都府県を対象とした緊急事態宣言が発出されました。
このような状況を踏まえると、コロナ禍は収束の見えない状況であると言えると思います。感染防止のため、会員による活動は一時休止せざるを得ない状況にありますけれども、理事会を中心に、会員の健康と安全を守ることを最重点に、現在の状況に適切に対応したセンター運営に取り組んでまいります。
私からの報告は以上でございます。
○中村公太朗 委員長 では、これまでの報告、説明に対して質疑がありましたら、どうぞ。
◆いそだ久美子 委員 大きく二点ございます。事業計画について読んでまいりました。めくって三ページ目に当たるところの上から二番目の⑤の女性の就業の場の拡大について、こちらは女性の仕事といった固定観念に捉われず、様々な領域に女性会員の就業を普及させることがこれからのセンター運営には不可欠と、男女の区別はありませんと書いてありますが、これは具体的にはどのような事例があるんでしょうか。
というか、この文章を読みますと、女性会員が例えばちゅうちょしてしまうような自転車整備とか、そういうものも男女の区別がないのだから、そちらの領域もやってくれというふうにも取れるんですけれども、具体的な事例を、様々な領域に女性会員をという事例をまず教えてください。
◎清宮 会長 今例に出されました駐輪場の就業なんかにも女性に入ってもらおうという趣旨の記載でございます。女性の会員が就業できるようなお仕事を受注するというのも一つの方策かと思いますけれども、私の考えとしては、今ある既存のお仕事に女性もどんどん入ってきていただきたいというのが基本的な物の考え方です。
◆いそだ久美子 委員 それは女性の会員から、私も駐輪場整備をやりたいという声があっての話ですか。
◎清宮 会長 そういう声はございます。
◆いそだ久美子 委員 具体的な例として、女性会員が活躍しているほかの品川区とか目黒区の例で見ますと、着物の着つけですとか、洋裁とか、そういったのを独自事業として展開しているところが多いですが、そういうのは世田谷区ではやっていないですよね。(「はい」と呼ぶ者あり)ただ、女性会員の特性に応じてこういうのをやりたいというのを受け付けて、その領域を拡大していくという努力をなさっていますでしょうか。
◎清宮 会長 具体的な動きは今のところありません。
◆いそだ久美子 委員 そちらもぜひ、女性の方々の特性を生かした、希望を聞いた領域の拡大もやっていただきたいと思います。
二点目です。こちらのほうが本問ですが、二ページ目の一番下の③の独自事業につきまして、今、学習教室、陶芸教室、パソコン教室及びカルチャー教室は、
コロナ感染拡大の折、休業せざるを得ませんという御説明が再三あったんですが、私も、陶芸教室をやりたいというお話がありながら休んでいる状態、それは昨年四月からですか、ずっと休んでいる。学習教室も昨年夏から、少なくとも先日電話してもまだやっていないという話を聞いていますが、ほかの目黒区
シルバー人材センターや狛江市
シルバー人材センターに議員経由で聞いてみました。
目黒区
シルバー人材センター、学習教室、書道、着付け、日本画、パソコン教室などをやっていますが、昨年の四、五月はお休みで、あとは再開していますと。センターの建物を建て直ししている下目黒住区センターを除いて再開しています。狛江市のシルバーセンターも、パソコン教室、ダンス教室、今の状態は分からないですけれども、教室をやっておりますと。同じシルバー人材なのに、近隣ができることがなぜ世田谷区でできないのか、いつ再開のめどが立つのか、再三陳情にも上がっていますし、多くお話しされているということなので、この場でちょっとめどを教えてください。
◎清宮 会長 ほかのセンターでやっているからといって、世田谷区でできないのですかという御質問については、それはちょっと違うのかなというふうに私は思いますよ。世田谷区が今一番関心があることは、会員さんが感染をしないということです。先ほど安全の項でも申し上げましたけれども、ですから、ほかのセンターが再開をしているという話をおっしゃいましたけれども、だからといって横並びで世田谷が再開するということにはならないと思います。
開催している場所的なものとか、広さとか、設備の問題とかもあると思います。それぞれのセンターで条件が違っていると思いますので、私は、世田谷区では就業会員の安全を考えて再開できる状況ではないというふうに判断して、この一年再開をしていないということになります。
◆いそだ久美子 委員 では、ほかのセンターではクラスターが出た実例がありますでしょうか。
◎清宮 会長 聞いておりません。
◆いそだ久美子 委員 お話を総合いたしますと、十分な感染対策を取って世田谷区でも再開できるんではないかと私個人は思いますので、ぜひ課長のほうも検討いただいて、また会員様から再三やりたいというお話も出ているので、集まらなくても、例えば学習教室だったらオンラインを使って生徒たちに教えることはできるでしょう。やるほうの先生ができないと言ったら、それはセンターの人間が、Zoomを動かして先生にしゃべってもらうなど、補助をしながら、オンラインでもできるはずです。やる方法、やれる方法をそろそろ考えていただかないと、この一年間何をやっていたのかなという思いでございます。会員の方から再三そういう話は聞いておりますので、ちょっとそこを考え方を変えていただいて、今年何とか再開される方法を考えることを検討いただけませんでしょうか。
◎清宮 会長 今年再開するかどうかということ、陶芸教室に限らず、学習教室も含めて、そういうことは今の段階では考えていません。検討をしろということであれば部内で検討することはやぶさかではありませんけれども、先ほど申し上げたとおり、クラスターが出たとか、あるいは感染者がそこで出たというときにどういう責任の取り方をしたらいいんですか。
逆に私は伺いたいんですけれども、高齢者が罹患した場合には重症化すると言われています。今また変異株というのが報道等でされていて、これは感染力が強い、致死率も高いというふうに言われています。今センターの仕事の現場では、感染対策は十分にしているつもりですけれども、同じような感染対策が独自事業で全部取れるかということになると、なかなか難しいというふうに思わざるを得ません。ですから、検討をしろということであれば検討することはやぶさかではありませんけれども、今の段階で再開ということは、私の口からは申し上げられません。
◆いそだ久美子 委員 水かけ論になりますので、今やっている、再開できているほかの
シルバー人材センターがどのような工夫をしてやっているか、また今の世田谷区の状態でできることはないかということを、もう一度会員の御意見も聞きながら、前向きに検討をお願いします。要望として、終わりにします。
◆ひえしま進 委員 ちょっと幾つか質問したいんですけれども、今いそだ委員からも指摘がありましたけれども、陶芸教室というのがサービスにあると思うんですけれども、この陶芸教室の運営というのは結局赤字になっているのか、黒字になっているのか、どちらなのかというのを教えていただきたいんですけれども。
◎小湊 事務局長 赤字か黒字かという言い方で言えば、例えば人件費の部分を案分して転嫁すれば、当然赤字ということになっているわけですけれども、毎年の決算書の中で、独自事業の運営要綱に従って事務費というのをお支払いいただいているわけですけれども、全てで四教室あります。そのうちの三教室については、ここ数年、毎年配分金の一〇%程度を事務費としていただいておりますが、陶芸教室に関しては、そういう事務費はいただいていない状況にあるということです。
◆ひえしま進 委員 あと設備の更新のための積立金というものがあると思うんですけれども、これがしっかり積み立てられていないのではないかという声があるんですが、積立金というものの趣旨も含めてちょっと説明していただきたいんですけれども。
◎小湊 事務局長 設備に関してですけれども、決算書では特定の資産に関する原価償却引当預金ということでお示ししております。その中で陶芸の窯の部分ですとか、エアコンですとか、それからパソコンの関係、そういった特定資産の部分について引当預金として積んでいるという状況ではございます。
ただ、これはそのままイコール全て陶芸教室で使えるお金という考え方ではなくて、当センターとして、それの引き当て用の預金として積んでいる部分でありまして、それをセンター事業の全体の中でどういうプライオリティで何に使うかというのは、これはセンターのほうで考えるべきこと、理事会の中で御相談をしていただいて、センターとして決定をし、使用するものという認識でおります。
◆ひえしま進 委員 分かりました。陶芸教室に限らず、この文化サークルというんですか、こういったサービスというのは結構人気があるという印象を私も持っているんですけれども、いそだ委員から先ほども指摘ありましたけれども、コロナ禍で休止を強いられている現状があって、何がなんでもこれを休止し続けるというのはちょっといかがなものかなという気もします。
それで、昨今、様々な事情でこうした活動が制限されていて、場所がなくなって困るという高齢者の方からの御意見も承っておりまして、センターにはぜひともこうした声も酌んでいただいて、できるだけ活動をバックアップしていただきたいなと思います。これは要望です。
それと、高齢者の方でも元気で働く意欲を持っていて、地域に貢献したいと考えていらっしゃる方は多く存在していると思いますが、そのニーズをしっかり酌み取ることがそもそも
シルバー人材センターの使命だと思います。これを前提として、こういった方々が安心して仕事ができる環境が整っていなければならないと考えています。
さきの議会で、我が会派の田中優子議員が取り上げた契約について確認させていただきたいんですけれども、シルバーから紹介された仕事は、会員が個人事業主として発注者と請負契約を結ぶことであり、そこで起きたトラブルについては全て個人で責任を負うことになるということになっていると聞いています。そして、保険は仕事の往復のみに適用され、現場で起きたことは原則として一切適用されないということになっているようですけれども、このことについて、センターがしっかり当事者に説明できていないのではないかという印象を我々は持っています。
現場では、登録の際に説明した、聞いていないとかいうようなトラブルが生じているとのことで、会員の理解を徹底すべきだと思いますが、改善策として、例えば個人事業主としての契約に必要な同意事項を書面で示して、同意の署名をもらって、双方で署名した書類を保管するという手続が必要ではないかなと思いますけれども、見解をお聞かせください。
◎小湊 事務局長 センターでは、従前より入会説明会を毎月開催しまして、こういった会員ガイドに基づきまして重要事項を説明してきておりますが、先ほど冒頭の会長の御説明にもありましたとおり、コロナ禍ということで、昨年六月から毎月の集団による説明会を中止しております。それで、六月から逆にオンラインによる個別説明、あるいは、ちょうど真ん中に仕切りを置いた個別の面談による説明ということに切り替えております。
ということで、結果的にかえって今丁寧に個別説明を行っておりますので、請負または委任による契約という部分についても十分御理解をいただけているんじゃないかなとは思っております。ただ、お話のこともありますので、書面で示して同意の署名を得るということにつきましては、今後検討していきたいと考えております。
◆ひえしま進 委員 あと、仕事内容の確認についてなんですけれども、これまで会員に仕事を依頼する際は、発注内容が記載されている就業報告書を持参して作業に赴くと。そして、就業報告書の様式を少し工夫して、就業依頼書兼就業報告書と改めて、就業内容をセンターと会員が双方で確認する書類とするなど、センターと協議したいと考えているという答弁がさきの議会であったんですけれども、この点どうなっているかちょっとお聞かせください。
◎小湊 事務局長 私も予算特別委員会のやり取りは見させていただきました。そういう改善の仕方もあるのかなと思っていたんですが、実際にこの四月に着任してみまして、かなりいろいろな要綱に就業報告書がまたがって記載されておりますので、要領、要綱の改正などがかなり煩雑になるかなという部分も、そういう事務的な手続も含めて、就業の流れの中で総点検をし、見直す中でどこまでやれるか検討してみたいなと思っております。
◆ひえしま進 委員 最後にしますけれども、トラブルが発生した際にどのように対処するか、当事者への情報提供を含めて、マニュアルの作成が必要ではないかという提案も田中優子議員がしているんですけれども、これについてはどうですか。
◎小湊 事務局長 会員が就業した仕事から生じたトラブルの責任は、基本的にはセンターは負いますが、会員の故意または重大な過失による損害等、先ほど委員からも御紹介がありましたシルバー保険で担保できない賠償につきましてはその限りではないということが、この会員ガイドにも当然記載をされております。
センターではトラブルが発生した事案につきましては、就業グループ会員全員で共有をし、注意喚起をしております。また、トラブルの対応を、ケース・バイ・ケースになると思いますけれども、マニュアル化につきましてはこれまでのケースをかなり蓄積しておりますので、そのパターン化と会員間での共有ということについては、今後よりよい方法を考えたいと思います。
それから、このコロナ禍でも、一応各就業の種別によってリーダー会議というのがありまして、そのリーダー会議の中でそういうトラブル事例は細かく報告をして共有してもらっています。それから、細々とではありますけれども、会報も配っております。会報の中で、こういったトラブルがあったということも全て周知をしておりますので、そういった部分も含めて改善策を検討していきたいと思います。
◆小泉たま子 委員
シルバー人材センターの最も目標とするべきことというのは、時代が大きく変わって、今六十歳から
シルバー人材センターの会員になれるということからすると、就業をきちんと、報酬が伴う就業をきちんとそこで得られるという、報酬を頂くということが、ここに入る人の一番大きな目標になるのかなと、これを読んで思いました。
しかし、ずっと読んでみると、高齢者の社会貢献とか、それから地域団体とのネットワークづくりとか、そういう面も出てきますので、非常に幅が広い仕事になっていくと思うんですが、私はやっぱりきちんとした報酬をいただく仕事をまず見つける。そういうことがすごく大事だと私は思うんですけれども、それで責任を持って仕事をやっていただくと。それはいかがお考えでしょうか。
◎清宮 会長 今、委員がおっしゃった責任を持って仕事をして報酬をいただく、そういう今流れになってきています。ただ、設立当初は、収入あるいは仕事の確保というよりも、社会貢献という意味が強かったんじゃないかなと。設立趣意書なんかも読むと、六十歳定年で現役を退いた方がそれでもまだ働きたい、希望がある方がお仕事を通じて、あるいはボランティア活動を通じて社会貢献をする。そこに、プラス配分金が支払われるお仕事も加わってきている、そういう流れできていると思いますけれども、おっしゃるとおり、最近はやはり経済的な理由で
シルバー人材センターに入会登録をする方が増えているというのも事実でございます。
◆小泉たま子 委員 そのように思うんですね。本当に変わってきます。というと、仕事を、たくさんしっかりした仕事を見つけなきゃいけないというか、それも大きな仕事になってくるわけですね。たくさん私はあると思うんですけれども、かなりの努力をしていただきたいなと思うんです。
思いつきで言ったらいけないんですけれども、例えば本当に学校へ行けない子の学習、学校へ行けない、登校拒否の子どもたちは学習についていけなくなっているというのが本当に多いそうです。ですから、それは区でも支援、教育委員会からも支援をもらったり、やっぱり連携しながら、そういうことを前にお仕事をしていた方にやっていただくとか、そういう生きがいを持ってやってもらう仕事をきちんと探していく。そういうことも本当にこのコロナ禍の中ではやっていただきたいなとすごく思うんです。
もう本当に穴場と言っちゃいけないけれども、私も本当にやりたいぐらい、多分、元気だから何かやりたいと思うだろうと思うんです。そのときに駆け込めるというか、そういう
シルバー人材センター。シルバーという名前もあまりよくないかもしれませんけれども、もう慣れましたから、シルバーということでいいと思いますけれども、そんなふうに変わっていただきたいなという思いがありますが、いかがでしょうか。
◎清宮 会長 今、委員おっしゃるとおりだというふうに思います。これからすぐに人材センターが変わっていくということにはならないかと思いますけれども、何年かかけて、地域の区民の方、高齢者の方の御要望に沿うような組織になりたい、そうしていかなければいけないんじゃないかと。ですから、当然そこには報酬も絡んできますし、それから社会奉仕という側面ももちろんございますけれども、両方が両立するような組織にしていきたいなというふうに考えております。
◆小泉たま子 委員 ぜひお願いします。
○中村公太朗 委員長 以上で
公益社団法人世田谷区
シルバー人材センターについての報告を終わります。
参考人の皆さんには、委員会を代表し、お礼を申し上げたいと思います。外郭団体の経営につきましては、議会としても大変関心を寄せているところであります。本日は皆さんに御出席をいただき、委員会としても有益な議論ができたのではないかと思います。本日は誠にありがとうございました。
以上で外郭団体の令和三年度事業についての報告を終わります。
では、御退室ください。
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○中村公太朗 委員長 では次に、(4)その他ですが、何かございますか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○中村公太朗 委員長 なければ、以上で報告事項の聴取を終わります。
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○中村公太朗 委員長 次に、2協議事項に入ります。
次回委員会の開催についてですが、現在の常任委員会の任期はこの五月までとなっておりますので、特に何もなければ本日が任期中最後の委員会となります。
なお、委員会開催の必要が生じた場合は、正副委員長で日程を調整させていただくことになりますので御承知おきください。
以上で協議事項を終わります。
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○中村公太朗 委員長 その他、何かございますか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○中村公太朗 委員長 なければ、以上で本日の
区民生活常任委員会を散会いたします。
午後三時二十九分散会
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署名
区民生活常任委員会
委員長...