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令和 2年  9月 決算特別委員会-10月05日-04号

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  1. 世田谷区議会 2020-10-05
    令和 2年  9月 決算特別委員会-10月05日-04号


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    令和 2年  9月 決算特別委員会-10月05日-04号令和 2年  9月 決算特別委員会 令和2年決算特別委員会 決算特別委員会会議録第四号 日 時  令和二年十月五日(月曜日) 場 所  大会議室  出席委員(四十七名)    委員長       真鍋よしゆき    副委員長      中塚さちよ    副委員長      神尾りさ              阿久津 皇              石川ナオミ              おぎのけんじ              加藤たいき              上島よしもり              河野俊弘              宍戸三郎              下山芳男              菅沼つとむ              畠山晋一              板井 斎
                 岡本のぶ子              河村みどり              佐藤弘人              高久則男              高橋昭彦              平塚敬二              福田たえ美              いそだ久美子              風間ゆたか              桜井純子              中村公太朗              中山みずほ              羽田圭二              藤井まな              大庭正明              田中優子              ひえしま 進              桃野芳文              小泉たま子              佐藤美樹              つるみけんご              江口じゅん子              たかじょう訓子              中里光夫              金井えり子              高岡じゅん子              田中みち子              あべ力也              上川あや              ひうち優子              そのべせいや              くりはら博之              青空こうじ  出席事務局職員           議事担当係長 菊島 進  出席説明員   副区長            岡田 篤   世田谷総合支所 総合支所長  志賀毅一           地域振興課長 玉野宏一           地域調整課長(地域振興課長兼務)                  玉野宏一           副参事(地域調整課長兼務)                  玉野宏一   北沢総合支所  総合支所長  髙木加津子           地域振興課長 土屋雅章           区民課長(地域振興課長兼務)                  土屋雅章   玉川総合支所  総合支所長  工藤 誠           地域振興課長 荒  学           区民課長(地域振興課長兼務)                  荒  学   砧総合支所   総合支所長  原田茂実           地域振興課長 河野雄治           区民課長(地域振興課長兼務)                  河野雄治   烏山総合支所  総合支所長  皆川健一           地域振興課長 大塚 勇           区民課長(地域振興課長兼務)                  大塚 勇   生活文化政策部 部長     松本公平           市民活動・生涯現役推進課長                  加野美帆           文化・芸術振興課長                  三浦与英           国際課長   松田京子           人権・男女共同参画担当課長                  小野恭子           区民健康村・ふるさと交流課長                  大谷 昇   地域行政部   部長     清水昭夫           地域行政課長 舟波 勇           番号制度・マイナンバーカード交付推進担当課長                  齋藤 稔   スポーツ推進部 部長     内田政夫           ホストタウン調整担当参事交流推進担当部長兼務)                  小澤弘美           スポーツ推進課長                  須藤剛志           オリンピック・パラリンピック担当課長                  中潟信彦   環境政策部   部長     竹内明彦           環境計画課長 安藤良徳           エネルギー施策推進課長                  池田あゆみ   経済産業部   部長     田中耕太           商業課長    中西成之           産業連携交流推進課長                  納屋知佳           工業・ものづくり・雇用促進課長                  香山桂子           消費生活課長  箕田裕子   清掃・リサイクル部           部長     辻  正           管理課長   笹本 修           事業課長   庄司秀人           玉川清掃事務所長                  大石智康     ──────────────────── 本日の会議に付した事件 認定第一号 令和元年度世田谷区一般会計歳入歳出決算認定
    認定第二号 令和元年度世田谷区国民健康保険事業会計歳入歳出決算認定 認定第三号 令和元年度世田谷区後期高齢者医療会計歳入歳出決算認定 認定第四号 令和元年度世田谷区介護保険事業会計歳入歳出決算認定 認定第五号 令和元年度世田谷区学校給食費会計歳入歳出決算認定区民生活委員会所管分に対する質疑)     ────────────────────     午前十時開議 ○真鍋よしゆき 委員長 ただいまから決算特別委員会を開会いたします。     ──────────────────── ○真鍋よしゆき 委員長 本日は、区民生活委員会所管分の決算審査を行います。  それでは、質疑に入ります。  世田谷立憲民主党社民党、どうぞ。 ◆中山みずほ 委員 おはようございます。世田谷立憲民主党社民党の区民所管の質問を始めます。  まず、環境政策について伺います。  間もなく世田谷区気候非常事態宣言が表明されます。宣言を表明することの目的は、区として姿勢を示すことでもあり、そのこと自体に反対する理由はありません。しかし、その宣言が宣言されたまま終わる懸念、つまり具体的な数値目標、また行動変容を求めるまでの目標設定がなされないのであれば、むしろ宣言なんてされなくてもよいのではという思いもあります。  世田谷区における気候危機への取組みを拝見いたしました。ここには、環境、福祉、教育、防災、まちづくりなど横断的な取組が書かれています。具体的にどのような方法でこの取組を一つ一つ進めていくのでしょうか、伺います。 ◎安藤 環境計画課長 世田谷区気候非常事態宣言を行うに当たっては、気候危機の待ったなしの状況を踏まえ、区民、事業者の皆さんと危機意識を共有しながら、気象災害への備えとともに、環境に配慮した行動を実践していただけるよう、情報発信に力を入れてまいります。  具体的には、気候危機の状況や災害への備え、太陽光発電や省エネなどを盛り込んだ啓発リーフレットを作成、配布するなど、普及啓発に取り組んでまいりたいと存じます。 ◆中山みずほ 委員 今御答弁がありました危機意識の共有、ここが一番大事だと考えます。コロナ禍では、市民によって危機感が共有されたからこそ、ソーシャルディスタンス、マスク着用、外出自粛などが自主的に実行されました。気候変動においてもこの危機感の共有こそがまず第一歩と考えます。また、リーフレットの作成、配布というのは手段であって目的ではありません。さらに、市民の努力で貢献できるのは、プラごみ削減など各種あるかと思いますが、これらは具体的に例示しないと徹底されません。  会計主要施策の成果の四七ページを拝見しました。ここには、プラスチック・スマートプロジェクトやプラごみ削減の普及啓発の成果が令和元年度の分が載っておりました。読み上げます。「プラスチックごみ問題に対する区民・事業者への啓発活動によって、環境に配慮した行動変容を促進することができた」、いわゆる行動変容を促進することができたというのが成果になっていますが、これは大変甘い評価だと思います。このようなものではなくて、宣言をする以上は明確な目標と行動変容を図ることができる指標を求めたいと思います。  続きまして、二〇五〇年までに温室効果ガス、CO2排出量の実質ゼロを目指すとあります。二〇三〇年には―十年後です―二〇一三年度比で二六・三%の削減とあります。ちなみにIPCCは三〇年度までに四五%削減と言っております。いずれにしても、ゼロまでは大変ハードルが高いと思います。一体どうやって達成に向けて取り組んでいくのでしょうか。また、各分野での目標を定め、達成度をチェックしていく必要があると考えますが、区の見解はいかがでしょうか。 ◎安藤 環境計画課長 区はこれまで環境基本計画や地球温暖化対策地域推進計画に基づき、再生可能エネルギーの利用拡大や省エネの推進、緑の保全、創出などの様々な施策に取り組んできました。二〇五〇年、二酸化炭素排出実質ゼロに向けては、地球温暖化対策地域推進計画の改定に取り組むこととしており、国も同様に計画を見直すと聞いておりますので、その計画も見ながら、二〇五〇年までのロードマップや取組について、環境審議会等での議論も踏まえ、検討してまいります。  委員御指摘のとおり、成果指標を定め、達成状況を把握していくことは大変重要であると認識しております。また、その達成状況を広く公表するとともに、PDCAサイクルによる点検評価を実施し、必要に応じて計画内容の変更や新たな施策の提案等により、計画の継続的な改善を図るなど、適切な進行管理を行ってまいります。  具体的な成果指標につきましては、現行計画では、区内CO2排出量のほか、太陽光発電設備の設置数、次世代自動車の普及率などを用いて効果検証を行うこととしておりますが、より分かりやすい成果指標となるよう努めてまいります。 ◆中山みずほ 委員 二一年度、来年に延期されることになったCOP26の開催も踏まえて、今の地球温暖化対策地域推進計画の改定をするということですよね。これについては、環境審議会の議論についても注目していきたいと思います。  区民の方々に対して気候変動というこの惑星規模の問題、この大きな問題をどれだけ日々の生活に落とし、課題解決を意識してもらうか、ここがポイントです。企画総務所管でも言いましたけれども、広報で言うところのマーケティングコミュニケーション、これを徹底的に行っていく必要があると考えます。  ちょっと視点をミクロに変えて、会計主要施策の四六ページ、区民一人一日当たりのごみの排出量を確認いたしました。平成二十九年度五百四十二グラム、平成三十年度五百三十グラム、令和元年度五百三十グラムとありまして、令和二年度、今年度、当然ですが、コロナ禍においてはこのごみの量が大変上がるのではないかと予想できます。不可抗力ではありますけれども、これをどうやって減らしていきますでしょうか。 ◎庄司 清掃・リサイクル部事業課長 今年度は、家庭から排出される資源やごみの量が例年に比べて一〇から一五%以上多い状況が継続しております。新型コロナウイルス感染症による外出自粛や在宅勤務など、生活様式の変化に起因するものと思われますので、これまでのごみ減量施策ではなかなか効果が上がらないのではないかと思います。  事業コストや二酸化炭素排出量などに留意しつつ、来年二月から開始予定の紙パックの集積所回収など、まずはごみに含まれる資源化可能物に着目して新たな資源化品目の検討を進めてまいります。  また、新型コロナウイルス感染症下の新たな生活様式に見合った施策についても研究してまいりたいと存じます。 ◆中山みずほ 委員 今あるごみを資源化する視点というのは具体的だと思います。可燃ごみに含まれる紙パックの推定量は〇・九%、一千四百六十三トンと報告を受けました。この成果を出すには、今可燃ごみとして紙パックを捨てている方への啓発が必要であり、これこそが行動変容を求めるものです。家庭に配られる資源・ごみの収集カレンダー等にも盛り込まれると思うんですが、ここでもぜひ宣言についての話も盛り込んでいただき、紙パックのリサイクルが気候非常事態宣言につながっていることをPRしていただきたいと思います。  これらの質問をするに当たり、各自治体の条例や宣言などを幾つか見てみました。長野県脱炭素社会づくり条例の骨子案が目につきました。八月にパブコメが終わったところで、これから制定に向けて進むと思うんですが、その中の十一条に、エシカル消費等の推進というのがあります。これは、県民に対しては、「消費行動が人、社会、環境、地域等に与える影響を理解し、エシカル消費の実践に努める」と明確に書かれています。つまり、脱炭素社会づくりには、このエシカル消費が必要であるということが明文化されているわけです。  ここで産業政策のほうに伺います。産業振興基本条例の改正をすると伺っています。エシカル消費の視点、またSDGsの視点は入っていくのでしょうか。世田谷区は気候非常事態宣言を表明するわけですが、産業政策においてもつながっているということを確認したいと思います。 ◎納屋 産業連携交流推進課長 条例の見直しに当たりましては、委員御指摘のSDGsの視点は一つの重要なポイントであると捉えております。エシカル消費を推進する団体や、様々な社会課題の解決に取り組む民間団体の方などを検討会議の構成員として委嘱し、先日開催した第二回検討会議では、SDGsに関する資料を検討素材として活用をいたしたところでございます。  また、平成三十年に策定した産業ビジョンにおいても、エシカル消費やフェアトレードの普及など、適正な消費活動による持続可能な社会の実現について定めておりますので、こうした視点を含め、今後も先進的取組の研究を進めるとともに、検討会議の構成員をはじめとした様々な方の意見を伺いながら、新たな条例の検討を進めてまいりたいと考えております。 ◆中山みずほ 委員 エシカル消費やフェアトレードという言葉が既にもう平成三十年度の産業ビジョンにも書かれていたことはすばらしいと思います。これをさらに進めるために、ぜひ条例に盛り込んでいく方向で大いに期待したいと思います。  また、エシカル消費という言葉が少しメジャーになりつつあります。例えばセブンイレブンでも取り組まれて、各店舗にエシカルプロジェクトののぼりが立てられていました。これは認知訴求に一歩貢献したものと思われます。  先日、消費生活課長とちょっとお話しし、雑談した中でも、このコロナ禍では、家計が厳しくなってエシカル消費はトーンダウンするんじゃないかなと、そんな雑談をしていたんですけれども、前向きな記事があったので、紹介したいと思います。  これは七月の日経産業新聞ですが、人権や社会・地球環境に配慮した消費行動、エシカル消費は、持続可能なライフスタイルの一つとして広まりつつあった。これがコロナによって自分事になり、自分事になったと書かれていまして、今後さらに広がるだろうということです。消費ではないんですけれども、投資の分野でも、このESG投資などが拡大しているということもありますので、ぜひこれからの消費を牽引する意味で、条例制定とともに加速していただきたいと思います。  次に、産業政策の成果指標について確認します。  二七五ページ、まちなか観光事業において、観光アプリのダウンロード数という指標がありました。よく見ますと実績が大変悪い。平成二十九年度四千六百件、平成三十年度二千五百件、令和元年度千九百件、令和三年度、来年度の目標が五千百件ということで、到底到達できそう、達成できそうにないんですけれども、なぜこのような状況になっているのか、また今後どうするのかお答えください。 ◎納屋 産業連携交流推進課長 観光アプリ「世田谷ぷらっと」は、平成二十六年十月から運用を開始し、観光客や区民に対して、観光スポットやイベント情報の発信など、世田谷の魅力を届ける手段として一定の役割を果たしてきたと考えております。  また、区の魅力を紹介するエフエム世田谷や商店街の有志などによるせたぷら特派員の活用、電鉄事業者と連携した沿線店舗の割引クーポンの提供、観光情報冊子や民間の情報冊子におけるアプリの紹介など、様々な形でアプリの利用を促進する取組を行ってまいりました。現在、フェイスブック、インスタグラムなどで観光情報を発信し、アプリの利用向上に努めているところでございます。  しかしながら、開始から六年がたち、新しい発信方法も次々に出てきている現状を踏まえ、観光ホームページとの連携強化、さらには統合も含めて見直しの検討を図ってまいりたいと考えております。 ◆中山みずほ 委員 アプリ開始から六年ということで、新しいSNSなどの発信ツールもあります。また、平成三十年に始まったホームページの「エンジョイ!SETAGAYA」というのも内容がかぶっている部分もあると思います。アプリでないとならないコンテンツなのかどうかも含めて検討が必要ではないでしょうか。  また一方、区のブランディングという視点でも、あまり普及されない自社メディアが残るのは好ましくないと考えます。私としては、廃止を求める方向を考えてほしいと希望します。  また、今後導入するせたがやペイに関して伺います。  コロナ禍においては、現金の授受の必要ない電子決済は、民間各社も競ってサービス提供を始めて広がっています。せたがやペイを進めるに当たっては、民間サービスとの違いを明確にし、世田谷区独自のサービス内容が必要です。決済だけを踏まえれば、既に普及している電子決済のほうがはるかに便利です。  今回、この質問ではあまり中身のことには触れず、それ以前に、このサービスを進めるに当たって、使える店舗数、これがキーではないかと私は考えているので、その点を伺います。  このサービスを始めるに当たって具体的計画、数値目標はどのように設定するのでしょうか。 ◎中西 商業課長 御指摘のとおり、せたがやペイを区民の方に広く利用していただくためには、加盟店を多くする必要があります。今のところ、商品券の加盟店が大型店を除きますと約三千店舗ほどあるんですけれども、こちらに千店舗ほど上積みしました四千店舗をまず当初の加盟店としようと考えてございます。  先般実施いたしました国のプレミアム商品券事業では、最終的に四千店舗が参加したという実績もございますので、まずはこれと同等の店舗数を確保したいと考えてございます。  具体的に店舗開拓をどうやってやっていくかなんですけれども、人員体制として、商店街振興組合連合会、経済産業部、産業振興公社、また今回事業を運営委託する事業者と四者で連携協力してチームを組みまして、開拓の営業をかけていくと。また、今回タウンページ等に載っている事業者にアンケートを取っていくと、導入意向があるかというアンケートを取ろうと思っているんですけれども、それで導入に前向きなところを中心に営業をかけたい。また、国のキャッシュレス関連事業に参加した事業者というのはデータが公開されていますので、そちらにも働きかけをしていきたいと考えてございます。  飲食店が集積している地域などに重点的に営業に取り組むことで、このエリアではせたがやペイがいろんなところで使えるねというふうな状況をつくり出して、効果的な開拓を進めていきたいと考えてございます。 ◆中山みずほ 委員 四千店舗目標ということなんですけれども、これは恐らく現実的な達成できる目標と置いているんだと思うんですけれども、こういった新サービスを導入するに当たっては、やっぱり実際のお店や、区民にも便利だなと利便性を感じる数値目標が必要だと考えます。区民意識調査二〇二〇の中には、プレミアム付区内商品券の調査があります。認知度七割であるにもかかわらず、購入したことがあるのは一七・八%、この要因には使える店が少ないということも一因としてあるんじゃないかと考えます。  あと、今おっしゃっていたように、新規開拓に関しては面展開、世田谷は広いので、行くというよりは、まずは、例えば三軒茶屋なら三軒茶屋、下北なら下北、一極集中、密度を感じさせること、これも進めていくのがいいのではないかと思います。  さらにはマーケティングデータの有効活用なども示して、そのフィードバックをお店に行うなど、できれば、個店へのメリットも考えられますし、もっと新規開拓もできるんではないかと私は考えます。もしこのサービスを進めるのであれば、もっと野心的な目標設定を進めていただきたいなと考えます。  次に、DV被害者支援施策について伺います。  主要施策の成果のDV防止の取組み、二二八ページを拝見しました。DV被害を受けたとき、専門相談窓口に相談する人の割合とDV防止法の認知度という成果指標がありますが、いずれも令和三年度の目標値に対して大変低い達成状況、さらには指標の策定時の時点よりも下がっています。これをどう評価し、どう目標達成に取り組むのでしょうか。 ◎小野 人権・男女共同参画担当課長 区では、平成三十年十二月に総合支所の保健福祉センターと人権・男女共同参画担当課が一体となり、配偶者暴力相談支援センターの機能を整備し、DV相談専用ダイヤルを開設するなど、相談体制の強化を図りながら対応しております。  さきの特別定額給付金申請時の相談でも区につながっていない方もおいででしたので、今後、DV被害者支援連絡会ですとか、あとは活動団体の協力を得ながら、さらに工夫をした周知に努めてまいるとともに、並行してDV防止法の周知についても、大学やおでかけひろばなどリーフレットの配布先を拡大し、取組を工夫し、進めてまいります。 ◆中山みずほ 委員 御存じのとおり、DVというのは大変自覚がしづらいものです。私自身もその相談の対象となっていることを自覚しないまま相談を受けることがあります。最初からDVの相談ですという主訴で来る方はなかなかいらっしゃいません。傾聴する中で見えてくることがあります。または日常会話の中で気づくこともあります。まずDVとは何か、その周知もまだまだ足りないと感じています。  さて、コロナ禍においては潜在的な家庭内での問題が顕在化したと言われています。相談の状況はいかがだったでしょうか。 ◎小野 人権・男女共同参画担当課長 総合支所子ども家庭支援センターでのDV相談でございますが、昨年度は千九百四十四件、前年度の一・六倍でございました。また、新型コロナウイルスの感染が拡大いたしました三月から七月は昨年の五百四十六件に対し、今年は九百三十七件と一・七倍となっております。  また、特別定額給付金事業では、DV被害により住民票とは別の場所に住む方が居住地で申請する制度についての相談が三百四十件ございました。このうち約五十件が新たな区の相談窓口につながりました。  コロナ禍においては、家族が家にいる時間が増え、DVが悪化した、外出できず、電話で相談もできないといった声もあったことから、男女共同参画センターらぷらすでは、女性のための悩みごと・DV相談の開設日や時間帯を五月より平日の夜間や日曜において拡大しております。 ◆中山みずほ 委員 今御答弁があった一・七倍、大変驚く数字だと思います。コロナ禍ではいろんなものが見えてきたと思いますけれども、今後も続くと考えられます。今後、相談のハードルをもっと下げる必要があるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。 ◎小野 人権・男女共同参画担当課長 さらに相談の感染症対策と、あとハードルを下げる観点から、らぷらすでは七月からメール相談での受付を開始したところでございますが、まだ利用件数は少ない状況です。さらに、今後周知に努めてまいりたいと考えております。 ◆中山みずほ 委員 今御答弁があったようにコロナ禍において、またメール等を進めていただいたかと思うんですが、それ以上に気軽に問合せができるラインの導入なども必要と考えますが、いかがでしょうか。 ◎小野 人権・男女共同参画担当課長 今年の四月から五月にかけて、施設の休館が相次ぐ中、子ども家庭支援センターと男女共同参画センターらぷらすでは、感染防止に最大の注意を払いながら、DVに関する対面相談は継続してまいりました。新型コロナウイルス感染症が収束するまでにはいまだ時間を要すると考えられる状況の中、対面によらない相談手段も用意する必要があると考えております。  ほかの自治体においては、利用が盛んなSNSによる相談対応を行っている例もございますので、相談のハードルを下げる点も踏まえ、人権・男女共同参画担当課では、SNSの活用について検討しております。即時性がある反面、受け手の体制づくりなども課題でございますので、引き続き検討を進めてまいります。 ◆中山みずほ 委員 LINEはメールよりもハードルが下がるという点、引き続きぜひ導入に向けて進めていただきたいとお願いして、私からいそだ委員に質問者を替わります。 ◆いそだ久美子 委員 私からはまず、ものづくり学校について質問いたします。  昨年の決算特別委員会にてものづくり学校の収支報告について取り上げました。昨年時点では、拠点である旧池尻中学校の耐震工事及び運営事業者IIDとの契約終了が近いことを前提にお話をさせていただきましたが、新型コロナ感染症の影響で、いずれも先延ばしになり、令和四年五月までは現在の状況が続くと聞いております。  改めて、前回お伺いしました事業運営について協定に基づくKPI、成果指標は定めたのか、その達成度合いはどうだったのかお尋ねいたします。 ◎香山 工業・ものづくり・雇用促進課長 世田谷ものづくり学校は、今般の新型コロナウイルス感染症の影響を受け、令和三年度に実施する予定であった耐震補強工事、中長期保全改修工事は一年延期になりました。プロポーザル公募による次期運営事業者等の決定を含めた全体スケジュールも一年間延期とすることとなりました。それに伴いまして、工事開始までの未利用期間を生じさせないための有効活用のために、令和三年五月までであった現事業者との契約を見直しした上で、令和四年五月まで再契約すると交渉を進めているところでございます。  お話しのKPIについてでございますが、八月から始まる契約に目標設定をするよう進めてまいりましたが、新型コロナウイルスの影響により、イベントの自粛やコロナ禍における効果的な取組を踏まえる必要があり、事業計画を立てることが困難な状況にありました。  本年八月からの事業運営については、職住近接の推進など、コロナ禍において効果的である事業を取り組むとともに、数値目標につきましては至急協議の上で設定してまいります。 ◆いそだ久美子 委員 要は決まっていないということですね。八月からもう今の期が始まっているのに、KPIについては昨年も指摘してきていて、耐震工事や契約の延長という予定外の事態があったにせよ、いまだに指標を定めないで日々何を目標に事業を進めているのかということはちょっと理解に苦しみます。シンプルで結構ですので、目標設定は今月中に行い、区議会宛てに報告いただけますでしょうか。 ◎香山 工業・ものづくり・雇用促進課長 今現に協議をしているところでございますので、今月中に御報告いたします。 ◆いそだ久美子 委員 ありがとうございます。  この七月で三期六年目が終了して、運営事業者から六年目の収支報告、こちらがあったと思います。今年はコロナの影響で地域イベントは減らすなど、当初の計画どおりには事業が実施できなかったことと思いますし、また、入居している事業者も売上減などで経営難に陥っていることと思いますが、入居事業者の家賃軽減など救済措置は行ったんでしょうか。運営事業者の収支状況についてもお伺いします。 ◎香山 工業・ものづくり・雇用促進課長 第三期六年目の収支状況ですが、先週事業運営者から報告書の提出がございました。報告書では、支出においてコロナの影響により、地域イベントができず、減額となっております。一方で収入においては、コロナの影響で施設の貸出しを中止していたことから、ギャラリー収入は約九百五十万円ほど減少していることもあり、トータル的に収入の予定より約八百七十万円減少となっております。結果、収支報告としましては約四十万円の黒字となっております。  なお、入居者の家賃については減額は行っておりません。 ◆いそだ久美子 委員 詳しい内容は後日書面にて私どもも確認させていただきますが、今中小企業は本当に大変だという中で、入居している事業者に家賃軽減もしてあげずに、この中間の運営事業者さんは少しでも黒字を出しているというのはちょっと私的には納得がいきません。  この運営事業者の収支については今まで不明瞭な点も多く、今回収支報告が来たら、もちろん御開示いただいて、会計士なり専門家に内容を精査いただきたいと思いますが、それは可能でしょうか。 ◎香山 工業・ものづくり・雇用促進課長 報告書のほうはいただいていますが、中身について今精査中ですので、御相談したいと思います。 ◆いそだ久美子 委員 このような状況の中で、区が重視する創業支援についてはどのような活動を行ってきたのでしょうか、お聞きします。 ◎香山 工業・ものづくり・雇用促進課長 これまで行ってきた創業支援セミナーにつきましてオンラインに切り替えまして、コロナ禍の中、創業に必要なノウハウを発信しております。また、七月からは起業時に事業推進のために様々な課題を持っていますので、弁護士、社労士、知財コンサルタント、クラウドファンディング事業への無料相談なども開始したところでございます。  区といたしましては、創業支援事業者を含めコロナの影響を持った一般入居者においても経営上の課題に対応するよう、運営事業者と協議してまいります。 ◆いそだ久美子 委員 七月末で創業支援ブースを退去した入居事業者の状況についてお伺いします。  何社が退去し、そのうち何社が引き続き世田谷区内で事業をしているか、また、区外に移転したんであれば、その理由が分かれば教えてください。 ◎香山 工業・ものづくり・雇用促進課長 創業支援ブースの退去状況についてですが、この七月末で四社が退去し、そのうちの二社が区内で事業を継続しております。残りの二社につきましては、事業拡大ということもあり、区外に移転したというふうに聞いております。移転した事業者の事業展開に合った場所が区外であったと推測できますが、運営事業者へは、区内で事業を継続することができない理由や傾向など、これまでの実績も含めて、分析資料を求めるところでございます。  今後は、これを次の事業展開にも反映したいと思っていますので、早急に調査いたします。 ◆いそだ久美子 委員 なるべく多くの事業者が世田谷で事業を続けていけるように今後分析を継続していただきたいと思います。  視点を変えまして、先日インターン学生とともにものづくり学校の見学に行ってまいりました。このものづくり学校、廃校活用ということなんですが、率直に言って、ほぼ廃校そのものに見えました。ほとんどのオフィスが、月曜なこともあってか無人でした。IT、建築設計系の会社には、パソコンに向かっている人が何人かいらっしゃいましたが、一人で作業をしているという感じで、打合せやオンラインミーティングをしている様子もなく、一緒に見学した学生は、オフィスがあるだけという感じで活気がないと感想を述べていました。  御指摘したい点が二つあります。  ものづくり学校は、時には区内の小中学校が職業体験や見学をする場所ですので、若い世代から見て魅力的でなければならない。随時見学も受け入れているわけですから、案内人やオフィスに人がいなくても、見学者が分かるように説明表示板をつけたり、ものづくりの工程、完成品の展示がもっと必要ではないでしょうか。  二つ目、また、今後在宅ワークが進んで、必ずしもオフィスに集う必要がなくなり、逆に自宅近くの仕事のスペースのニーズが高まっているといいます。この流れからいきますと、ものづくり学校もコ・ワーキング・スペースを増やすべきではないか。コロナ禍を契機にスペースの活用の転換が急務だと感じましたが、今年度の取組、今後の計画などをお聞かせください。 ◎香山 工業・ものづくり・雇用促進課長 まず一点目の案内板のことですが、案内人やオフィススタッフが少なく、来館中の方には説明が分かりづらいということでした。説明表示につきましては、完成品のことなど分かりやすいように、来館者から見えるように、運営事業者と今検討を進めているところでございます。
     二点目のスペースの活用の展開についてでございますが、現在、フリーアドレス型のコ・ワーキング・スペースが十五席、一時間単位で使用できるコ・ワーキング・スペースが十五席用意しております。それに加えまして、十月からフリーアドレス型のコ・ワーキング・スペースを十五席拡充し、三十席にいたします。また、八月よりオンライン面接を受けるためのレンタルスペース、エールームを開設したところでございます。  今後も施設活用については、新型コロナの影響など社会環境の変化に対し、柔軟に対応するよう運営事業者と連携し、取り組んでまいります。 ◆いそだ久美子 委員 ものづくり学校は非常に知名度の高い事業の一つですので、改善に向けてよろしくお願いいたします。  次の質問に参ります。シルバー人材サービスの就労支援の取組と変革についてお伺いします。  早期退職志向の欧米と比べて、日本人の高齢者の就労意欲は突出して高いと言われ、今、日本の労働力人口の約一三%が六十五歳以上となっています。リクルートワークス研究所によれば、就労意欲のある高齢者は必ずしも再雇用を選ばず、独立、開業やNPOなど、自分の能力を生かせる別分野での再就労を希望する割合が高まっているという調査結果もあります。  区のシルバー人材センターの登録者は、令和元年で約三千人、うち三分の一が女性で、女性の登録者割合も増えてきています。さきの理由により、今後も登録者が増えることが見込まれ、登録者のニーズに合い、体力的なハンディに配慮し、高齢者でもできる地域貢献度の高い仕事紹介が求められるでしょう。  一方で、常々感じていたことですが、区のシルバー人材サービスの仕事というと、草むしり、自転車整理、家事援助などが多く、これがサラリーマン層が多い当区の高齢者のニーズと合っているか疑問に思っています。  入会者の現役時代の経歴、保有技術などはどのようなものか、お調べになっていられましたら、教えてください。 ◎香山 工業・ものづくり・雇用促進課長 区内には様々な経験や知見をお持ちの高齢者の方がおり、シルバー人材センターでも、高齢者が長年培った知識や経験を生かし、活躍することを基本方針と掲げております。  お話しの経歴や技術については、事務職の経歴の会員もいれば、スポーツの技術の会員もあり、様々でございます。センターでは、入会時に主な職歴や資格、免許、特技といった情報をお申込みで把握し、会員が希望する仕事を割り当てるなど、ワークシェアリングなどによる就労を進めているところでございます。 ◆いそだ久美子 委員 試しに他の区のシルバー人材センターのホームページを見比べてみますと、同様の形式の中にも特徴が見られます。千代田区と目黒区は自主事業として着物の着つけがあり、品川区と杉並区は服のお直しがあります。これらは女性会員が自らの技術をアピールして成り立ったものだと思われます。また、仕事の依頼をする側への受託事業紹介ですが、大方の区は、技能・技術系や管理業務は上のほうで、その下に除草作業や清掃作業が列挙されていますが、世田谷区では、まずトップページに除草作業と家事援助のみが表示されて、他の仕事例についてはお問い合わせくださいになっています。情報の発信の仕方で受託業務の内容が固定化されていないでしょうか。そうなると様々な技能を持った入会者が来なくなり、悪循環となります。  アンケートなどを見ますと、登録している会員はほぼパソコンが使え、教員経験、語学力のある方もいらっしゃいます。世田谷区のシルバー人材センターの独自事業として、パソコン教室や小中学生の学習指導を行っていますが、いずれも、今後、人材が必要とされる分野であり、高齢者の活躍が期待されるところかと思います。  区は高齢者のニーズを酌み、シルバー人材センターを時代に合った内容に変革するために、どのようなことを行っているかお聞かせください。 ◎香山 工業・ものづくり・雇用促進課長 シルバー人材センターの会員は昨年度までは増加傾向でありましたが、新型コロナウイルスの影響もあり、今年度は会員獲得の説明会が地域で行えないことや、感染リスクを考慮し、退会する方が多く、会員は減少傾向になっております。  今後も会員にとって魅力ある就業機会を確保するため、これまで以上に発注者への働きかけを行うとともに、会員の適材適所につながる職種分野の開拓が必要と認識し、今年度からの中期五か年計画にも、受注の拡大についても取り組むべき事項として盛り込んでおります。  引き続き、ウィズコロナ、アフターコロナなどを見据え、シルバー人材センターにおいて、時代に合わせた就業の在り方を検討していく必要があると認識しており、センターに働きかけてまいります。 ◆いそだ久美子 委員 まずはシルバー人材センターのイメージを変えることが肝心だと思います。引き続きよろしくお願いいたします。  最後の質問、国際化施策についてお尋ねします。  本年はコロナの影響により、小中学生の海外派遣が中止となるなど、国際化の取組には受難の年となっています。  区内に目を向け、世田谷区における外国人意識・実態調査、こちらは非常に充実した内容でしたので、これについてお聞きします。  本調査は、区内在住外国人、十八歳以上二千人を対象としていますが、特に目を引いたのが、在住外国人の方の情報入手方法です。仕事、遊び、医療や災害、どの分野においても、テレビや雑誌、友人、知人の口コミを抑えて、インターネットが全分野で第一位です。行政サービスの手続ですら、僅差ですが、行政窓口よりインターネットが優位です。この結果を踏まえ、区はホームページをはじめ、ウェブサイト上での外国人への情報発信にますます力を入れるべきと考えますが、取組内容、またアクセス数について教えてください。 ◎松田 国際課長 区のホームページでは、トップ画面に「外国人の方へ」という項目を設け、そこから外国人向け相談窓口、行政・日常生活情報、区発行の外国語版広報、日本語教室など、外国人の生活に必要な情報をやさしい日本語を活用しながら、分かりやすく御覧いただけるように工夫しております。  また、新型コロナウイルスに関する感染症対策や医療機関案内サービスなどに加え、特別定額給付金や出入国在留管理庁からのお知らせなどもタイムリーに発信し、日本語に不慣れな外国人が必要な情報を得て、安心して日常生活を送ることができるよう努めてまいりました。  アクセス数につきましては、今年度は月平均二千三百四十八件と昨年度の月平均千四百六十五件より増加している状況です。 ◆いそだ久美子 委員 ありがとうございます。ますますアクセス数が増えているということで、より使いやすいホームページを工夫していっていただきたいと思います。  一つ要望ですが、メールによる相談、こちらはクロッシングせたがやで受けているんだと思いますが、世田谷区のホームページから見ると、クロッシングせたがやまで追っていかないと、メール相談があることが分からない、文章で読んでいかないと分からない形式になっているので、なるべく前のほうに封筒マークをつけて、コンタクト・アスとでも書いて、メールでも相談を受け付けているということも分かりやすく表示していただければと思います。要望です。  もう一点、国際メッセに関して質問します。  昨年は規模を拡大し、来場者が大幅増加し、費用対効果も上がったと聞いております。今年は感染拡大の防止のために規模を縮小しつつ行うということですが、具体的な内容を教えてください。 ◎松田 国際課長 せたがや国際メッセは、区内の国際交流活動団体や大使館のPRブース、ステージイベント、多文化体験コーナーなど、誰もが多様な文化を知り、触れ合うことのできるイベントとして、平成二十八年度より実施しております。  今年度につきましては、十二月十九日土曜日、成城ホールにて、せたがや国際交流センターとの共催により、多文化共生と国際貢献の意識づくりを目的とした講演会や、動画による区内国際交流団体等の紹介を行います。また、関連イベントとして、前日には、区内在住外国人と日本人による意見交換会を実施する予定です。開催に当たりましては、新型コロナウイルス感染防止策として、講演会を事前予約制とするほか、意見交換会はオンラインにより、自宅から参加してもらうなど対策を講じて実施する予定としております。 ◆いそだ久美子 委員 ありがとうございます。十二月十九日、成城ホールにて縮小規模でも開催するということを確認いたしました。  区民からは、今年はコロナで海外に行けないので、輸入食材や雑貨や海外の文化に触れたいという声もよく耳にするようになりました。私も台東区やオーストリア大使館に国際交流イベントのヒアリングに行き、所管にも御報告しておりますが、こういう時期だからこそ、海外が感じられるイベントを他の事例を参考にしながら、工夫していっていただきたいと思います。  以上で私の質問を終わりまして、桜井委員に替わらせていただきます。 ◆桜井純子 委員 私からは、先日、区民生活常任委員会でも報告がありました、犯罪被害者等支援検討委員会からの報告、これに基づきまして、犯罪被害者支援について幾つかお聞きをしたいと思います。  犯罪被害者については、二〇〇四年に犯罪被害者等基本法ができて、そこから犯罪被害者に対する支援というものが、行政もやらなくてはならない、そういう責任が出てきたということで、実はこの法律ができた際にもどんなふうに取り組むのかということを質問に取り上げたことがあります。そのときは実は所管が決まっていなくて、何かたらい回しにされた覚えがあります。それぐらい実は犯罪被害者の支援にスポットを当てるというのは、本当にまだまだ新しい分野ということで、先がけの自治体は、中野区がかなり力を入れて当初からやっていて、私も一番初めに関わった保健師さんも、今でも意見交換をしていくような状況だったりするんですけれども、この犯罪被害者支援に世田谷区がようやく本格的に手をつけるということは、私はとても評価をしていきたいと思っています。  ただ、この犯罪被害者支援というのは、例えば先駆的な自治体だった中野区が手をつけた、初めて手をつけていく、その状況とは取り巻く環境は大きく変わっていると思います。本当に犯罪被害者の状況がいろいろな方向で明らかにもなっていますし、必要な支援というものが広がってきているということを考えると、とおり一遍では済まされないなということを私は思っています。なので、ここに手をつけていこう、支援しようという世田谷区のその勇気というのはすごいなと思っているわけです。  例えばこの犯罪被害者の報告書の中には、性犯罪に巻き込まれた方についても書いてあって、聞くところによると、東京都の相談の半数以上が性犯罪、性暴力の被害者だということを聞いています。この性犯罪の被害者に対する世間のまなざしというのは本当に誤解が多くて、例えば加害者は全く知らない人が加害者になるのではないかというイメージがあると思いますけれども、実は多くが知っている人だったり、あと、その犯罪被害に遭う理由というか、その状況が、被害に遭った人に非があるというような、いわゆるレイプ神話という言葉で言われたりしますけれども、そういう状況というのはまるでまだ払拭をされていない状況にあります。  こういった性暴力、性犯罪の被害者の方から、例えば電話による詐欺被害、この被害に関しても犯罪被害に巻き込まれた方だということで、例えば性暴力に遭ったその方の性犯罪に遭った場所が自分の家だとしたら、その家に本当に今日からいることはできない、そういう気持ちになると思います。  例えば皆さんがそういう状況になったときに、仕事をして、どうしても自分の家に帰らなくてはならないときに、自宅のドアの鍵穴に自分の鍵を入れて、そしてドアを開けて、その瞬間、その向こうに、もしかしたら、安心した空間ではなくて、本当に危険にさらされた、そういった場所がまだまだ続いているのではないか、いつまでたっても安心できない、こういう気持ちを抱いている犯罪被害者の方に対して向き合っていくんだということを決断したということです。本当に大きな決断です。  先ほど触れました電話による詐欺被害、少し軽く感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、その被害に遭った方は、友人、知人、家族に言えないでずっと黙っているかもしれません。それとも、電話が鳴るたびに、私をだます電話かもしれないというような気持ちになるとすれば、電話の音を聞くことが本当に恐怖かもしれない、そういう状況を、私たち世田谷区でしっかりと支えていこう、そしてその状況から今までの通常の生活に戻していこうということをやっていくということです。  報告書を見ますと、幾つかポイントがありましたけれども、こういう犯罪被害に遭った方にやっぱり寄り添っていくということがすごく重要だと思います。その前段として必要なのが、やっぱり相談を受けていくということだと思いますが、相談窓口をつくるということを明示されていますけれども、そこに相談員の資質というのが本当に問われている。今言ったように、いろんな深い傷つきを抱えた方とどうやって向き合っていくのか、そして社会に戻っていく、気持ちが向かっていけるような、そういうことをしていく。それともう一つは、世田谷区の中にあるいろいろな仕組みにつなげていく。本当に多岐にわたる資質が求められると思いますけれども、相談窓口をつくる、そして相談員を配置する、どんな資質を求めていくお考えかお聞きします。 ◎小野 人権・男女共同参画担当課長 このたび、外部の有識者の方を中心に検討し、まとめていただきました犯罪被害者等支援検討委員会の報告書では、区が行うべき取組として、相談しやすく分かりやすい相談窓口をまず設置し、高い支援力と専門性を持つ相談員を配置することが必要であるとされました。  被害者は被害に遭ったらどうしていいか分からない、被害のことを何度も説明したくないなどの状態にあることから、相談員は相談者に寄り添い、丁寧に状況を聞き取り、必要に応じ警察や支援機関に付き添い、被害者を代弁することも必要となります。  また、自治体の相談窓口は被害者の相談窓口としての機能だけではなく、警察や支援機関との連携窓口ともなることから、相談員には支援機関などとの関係構築を図る役割もございます。  犯罪被害者支援に関わる専門職種はございませんので、犯罪被害者支援に当たってきた方、社会福祉士、精神保健福祉士、自治体の福祉関係での相談経験のある方などが適任とのことでございます。 ◆桜井純子 委員 また、検討委員会の報告が出されていますけれども、区が目指すべき犯罪被害者支援の方向性、その方向性がどのように提言されたかということと、今後何をどのように取り組んでいくかということを教えていただきます。 ◎小野 人権・男女共同参画担当課長 現在、犯罪被害者に対しては、警察での事件発生直後の支援、被害者支援都民センターの相談窓口やカウンセリング、居住支援など、国、東京都で様々な支援があり、検討委員会からは、犯罪被害者はこうした支援を受けながら、早く自分の地域で元の生活に戻れることが大切で、その支援こそ、身近な市区町村が担うべきと示されました。  具体的には、支援を求めている犯罪被害者がどこに相談したらよいのか分かりやすくするため、相談窓口と相談員配置を最優先で整理すること、相談窓口で犯罪被害者の声を聞き取っていく中で必要な支援策をつくっていくべきとの意見をいただきました。また、警察や支援機関との連携、被害者が二次被害者とならないよう、地域への理解の啓発など、地域で支えることの重要性も示されました。  犯罪被害者にとって最も身近な区が安心してできる相談先となり、早く地域生活に戻れることができるよう、令和三年度の相談窓口開設を目指しており、今後、具体的な体制や開始時期などを調整してまいります。 ◆桜井純子 委員 先ほど申し上げましたけれども、性暴力被害、性犯罪に巻き込まれた方ということの支援というのが、やっぱりボリュームが大きくなっていくと思います。これから相談窓口、来年の四月につくるということですけれども、この性暴力被害、犯罪に巻き込まれた方に関しては、東京にはSARCというところがあります。大阪にはSACHICOというところがありますけれども、このようなワンストップセンターのようなもの、そういった機関が必要だと思いますけれども、この件についてはどういう御見解でしょうか。 ◎小野 人権・男女共同参画担当課長 東京都では、先ほどのSARC、NPO法人と連携し、二十四時間相談支援を行う性犯罪、性暴力被害者ワンストップ支援事業を実施し、東京都全域をカバーし、医療機関と連携した緊急対応、警察への同行などを行っております。  しかしながら、年間五千件の相談対応を行っていることから、区の犯罪被害者等支援検討委員会では、東京都の支援事業だけでは十分な対応ができないこと、性犯罪被害に遭われた方の中には、どこにも相談ができず、苦しんでいる方も多くいることから、身近な自治体に相談できる環境が望まれるとの意見も出されております。  区では、犯罪被害者支援の相談窓口の設置を検討しておりますが、同時に性犯罪被害者の相談機能も設けてまいりたいと考えております。犯罪被害者支援、性犯罪被害者支援とも、支援の先々で被害の状況説明をすることがないよう、ワンストップ型の窓口を目指してまいりたいと考えております。  国においても、性犯罪、性暴力対策の強化の方針を掲げ、現在対策強化を進めておりますので、国の取組も注視しながら、検討委員会の中で、性犯罪被害者が安心して生きる支援策について、さらに検討を重ねてまいります。 ◆桜井純子 委員 これから来年の四月に向けて窓口の整備をしていくということ、そして性暴力被害、犯罪に関してはワンストップ型の窓口を目指していくという決意をお聞きいたしました。本当にこの支援策というのは必要な方がたくさんいらっしゃって、本当に潜在的にいらっしゃる部分ですので、あと半年ということになりますが、丁寧に仕組みづくりをして、そしてその後もしっかりと対応を行っていっていただきたいと思います。  それでは、続いて清掃事業についてです。  昨年の十二月なんですが、世田谷区の清掃事業について報告を聞く機会がありました。昨年の十月十二日にあった台風十九号のその被害の状況に対する清掃事業ということで、他区の報告もあったんですけれども、世田谷区はほかの区と比べても迅速にこの収集事業を回復して、そしていろいろイレギュラーのことも含めて、災害時のごみ収集というところ、体制をシフトしてやったというふうに聞いています。これからまた災害が起きる、そして水害、様々な想定ができるんですが、まず昨年の台風十九号の教訓を踏まえて、災害ごみの収集をどのように進めようと準備をさせているのかお聞きします。 ◎大石 玉川清掃事務所長 災害ごみへの対応につきましては、議会でもいろいろ御質問いただいた経緯もございます。平成三十一年の三月に世田谷区災害廃棄物処理マニュアルを策定し、万が一に備えていたところでございます。また、台風十九号の際の検証等も踏まえ、本年六月に世田谷区災害廃棄物処理計画を策定し、災害時じゃなくても、迅速かつ適切に対応できるようにしておりました。  昨年の台風十九号の際には、このマニュアルがあったことで、分別のために必要な面積がある仮置き場の機能を持つ臨時中継所を迅速に確保できたこと、また必要な資機材を確保できたこと、後々のリサイクルを考え、水害ごみを混載することなく仕分けするように、応援職員も含めて適切に指示できたこと、加えて当事務所では、過去のゲリラ豪雨などによる水害ごみを対応した経験者も多いことなどから、他区に比べて早期に対応できた大きな要因と考えております。  今後どのようにということでございますが、災害時であっても、地域の良好な生活環境を維持していくためには、職場内研修などの実施を通して、貴重な経験等をしっかりと継承していくこと、また職員のスキルアップにつながるよう努めていきたいと思っております。 ◆桜井純子 委員 この清掃事業というのは、私たち区民が安心して、そして公衆衛生をしっかりと守っていただきながら生活をしていくために、本当に重要な事業だと思っています。ですので、職員のスキルアップということがありましたけれども、そのスキルをどうやって継承していくのか、後にその力をつなげていくということも大切だと思いますので、そういう意味では、人材育成と、あと人事の考え方というところにもいろいろと関わってくるかなと思っています。  そしてもう一つなんですが、コロナ禍で高齢者の方がひきこもり状態になったりしている状況、私の義理の母もなかなか外に出てこないという状況ですが、そういった状況の中で、例えば清掃事業の中でふれあい収集や粗大ごみの運び出しの事業とか、そういうことがあります。高齢者の方や障害者の方に対するそういうサービスのときに、人と人との触れ合いをしたり、そしてまた、家の中が衛生的な状況に保っていられるということ、これは本当に重要だと思います。ただ、お聞きしますと、粗大ごみの運び出しなどは少し条件が高いというか、他区と比べて少し高いという話も聞いておりますので、ぜひこのふれあい収集をもっと広げることや、粗大ごみの運び出し事業というのをもうちょっとハードルを低くして、多くの方が使っていただけるようにしていただきたいなと思うんですが、この件に関していかがでしょうか。 ◎庄司 清掃・リサイクル部事業課長 資源、ごみの回収時に安否確認等を行う高齢者等訪問収集事業や粗大ごみを室内から運び出すことが困難な高齢者等のお手伝いをする粗大ごみ運び出し収集事業は、要綱で対象者を定め実施しているところでございます。  高齢者等訪問収集事業では、自ら資源・ごみ集積所まで資源、ごみを持ち出すことが困難で、他の方の協力を得ることができない方のうち、六十五歳以上のひとり暮らしの高齢者または六十五歳以上の高齢者のみを構成員とする世帯で、世帯全員が要介護二に認定されているか同等の状態と認められること、またはひとり暮らしの障害者または障害者のみを構成員とする世帯であることを対象としております。  粗大ごみの運び出し収集事業では、粗大ごみの排出に当たり、近隣の協力が困難であり、かつ粗大ごみを自ら室内から運び出すことができない方のうち、六十五歳以上の高齢者または障害者で構成されている世帯を対象としております。  それぞれの事業につきましては、様々な福祉的な効果が期待できるものでございますが、人口の増加や高齢化の進行に伴い、既存の基準での対象者が増加していることもございますので、対象者の基準の見直しにつきましては、資源、ごみの収集業務の執行体制にのっとり、慎重に検討してまいります。 ◆桜井純子 委員 本当にこのふれあい収集と粗大ごみの運び出しの事業というのは、これからますます重要なポジションになっていくのではないかと私は思います。ですので、これは清掃事業の中だけで考えるのではなくて、もっと広く高齢者に対するサービス、福祉、障害者に対するサービス、福祉といった視点からも検討をしていただきたいというふうに思います。  それでは、らぷらすの在り方について質問をします。  男女共同参画センターらぷらすについては、今年度から新たに委託の契約がされたと思いますが、このらぷらすというところなんですけれども、世田谷区の男女共同参画センター、実は全国的にも先進的なセンターというところで、かつては物すごく有名な場所でした。どうして有名だったかと、いろいろ要素はあるんですが、まず行政がこういう男女共同参画センターというものをしっかりと持っているということ、そして活動団体との連携がすごく密だったということ、そしてその事業の中で、世田谷区民を男女共同参画のその政策を地域の中で推進していく人材として育成をしてきたということ、こういったことが本当に先進的だということで注目をされて、多分、かつては視察もすごく多かった場所なんです。私も地方に行くと、らぷらすどうしていますかということを聞かれるような実は場所なんです。今や世田谷区の中でそういう認識がなかなかないと思いますが、実はそういう場所であったということで、本来だったら、ここがもっといろんな政策発信していってもいいんじゃないかなというふうに私は思っています。  今回、プロポーザルでらぷらすの事業者を決めたわけですけれども、プロポーザルで見えてきた課題、選定委員会での意見というものを教えていただきたいと思います。 ◎小野 人権・男女共同参画担当課長 選定委員会では、これまでの運営実績を評価しつつも、男女共同参画推進の拠点として、利用しやすい施設づくりや参加しやすい事業の充実、また活動団体の育成やネットワークの形成、また町会・自治会、大学等様々な団体との連携の強化と地域へ出向いての男女共同参画促進について取り組むことを御意見としていただきました。  こうした御意見、要望を踏まえ、区では今年度の委託開始に当たり、地域懇談会の開催や区内地域での出張講座の実施などの具体的な活動案を提示するとともに、法人とは今後の施設運営方針や事業展開について詳細な打合せを行い、区民ニーズに応える運営を求めております。 ◆桜井純子 委員 このプロポーザルで見えてきた課題や選定委員会の意見というのは本当に今後のらぷらすを決めていく重要なポイントだと私は思っていますので、大切にしていただきたいなというふうに思います。  それで、この男女共同参画センターですけれども、これから、私は先ほど言いました地域団体や、また区民の育成というところも先進的に取り組んできたところですから、また牽引するように取組を進めていっていただきたいというふうに思っているわけですけれども、らぷらすが今後、最優先に取り組もうと思っていることはどういったことなんでしょうか。 ◎小野 人権・男女共同参画担当課長 らぷらすに登録している活動団体は現在三百十四団体でございます。活動団体の皆さんは、らぷらすの研修室を中心に交流、学習、情報交換などの活動を行いながら、らぷらすのイベントにも参加をいただいております。  こうした団体を育成、支援し、地域での活動を積極的に展開していただくことは、男女共同参画センターの重要な役割でございます。今年度は登録団体との連絡会を来年二月に予定しており、団体の意見を伺い、ネットワークづくりと今後の活動支援につなげていきたいと考えております。  また、らぷらすの職員がおでかけひろばなどに直接出向き、らぷらす蔵書の雑誌や図書を貸し出す出張図書館などを検討しているほか、十一月にはらぷらすの運営や事業について御意見をいただくため、近隣の町会や自治会、商店街の方をはじめ、区民の皆様に自由に参加いただける地域懇談会を予定しております。  こうした取組を通し、男女共同参画の拠点としての役割とともに、地域とのつながりを強化しながら、区全体の男女共同参画施策の推進機能を果たしてまいりたいと考えております。 ◆桜井純子 委員 今後、男女共同参画センターのことを考えると、そこの運営事業者はどうあるべきなのか、そういったところにも私はリンクしていくんじゃないかと思っています。  これは本当に世田谷区の男女共同参画政策に大きく関わることなんですが、世田谷区の男女共同参画センター、今後どうあるべきだと世田谷区は考えているのか、方向性を見いだしてしっかりと運営していく必要があると思いますが、見解をお聞きします。 ◎松本 生活文化政策部長 らぷらす、男女共同参画センターですけれども、男女共同参画社会の実現を目指して、その拠点として平成三年度に開設をしております。全国的にも名をはせたという御紹介がありましたけれども、一方では、先ほど来、課長が申し上げているような課題もございます。  そういったことも踏まえつつ、男女共同参画、あるいは性に関わる社会の状況というのも、開設当時から大きく変わってきているんだろうと思いますので、新しい生活様式などの点も含め、今後、男女共同参画プランの調整計画、こういうことを検討してまいりますので、その中で時代の変化、区民のニーズ、そういったものを踏まえた在り方ということを見定めてまいりたい、このように考えております。 ◆桜井純子 委員 このセンターの様々な問題点が私はあると思っています。惰性に任せてやっていくのではなくて、事業者に対しても厳しく向き合ってやっていただきたいと思います。  これで世田谷立憲民主党社民党の質問を終わります。ありがとうございました。 ○真鍋よしゆき 委員長 以上で世田谷立憲民主党社民党の質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午前十一時四分休憩    ──────────────────     午前十一時十五分開議 ○真鍋よしゆき 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  無所属・世田谷行革一一〇番・維新、どうぞ。 ◆田中優子 委員 それでは、無所属・世田谷行革一一〇番・維新の質問を始めます。  最初に、マイナンバーカードの交付が大幅に遅れている問題について伺います。  このままでは特別定額給付金の二の舞になりかねないのではないかと危惧されます。区民に不利益が生じないよう、しっかりとした制度設計を立てていただきたく質問するものです。  まず、マイナンバーカードとは何かについて説明を求めます。 ◎齋藤 番号制度・マイナンバーカード交付推進担当課長 マイナンバーカードは、プラスチック製のICチップつきカードで、券面に氏名、住所、性別、生年月日、マイナンバーと本人の顔写真等が表示されております。本人確認のための写真つき身分証明書として利用できるほか、自治体サービス、e―Taxなどの電子証明を利用した電子申請など、様々なサービスにも御利用いただけます。  国は、マイナンバー制度とマイナンバーカードを社会基盤として、行政の効率化、国民の利便性の向上、公平公正な社会の実現を目的として、マイナンバーカードの普及と利活用の促進を進めております。 ◆田中優子 委員 それでは、当区ではマイナンバーカードを持っていないと何ができないのかについて教えてください。 ◎齋藤 番号制度・マイナンバーカード交付推進担当課長 区で行っているサービスの一例として、くみん窓口、出張所・まちづくりセンターのマイナンバーカード専用証明書自動交付機や、全国のコンビニエンスストアに設置されている、いわゆるKIOSK端末による住民票の写し、印鑑登録証明、課税納税証明、戸籍の証明の交付にはマイナンバーカードが必要です。 ◆田中優子 委員 これまでは個人情報が漏洩しないか、セキュリティーは大丈夫なのか等々心配がありまして、幾ら国がマイナンバーカードを推奨してもほとんど普及していませんでした。しかし、今の御答弁のように、だんだんマイナンバーカードを持っていなければできないことが増えてきているわけです。それだけでなく、このたび特別定額給付金の申請やマイナポイントという特典のためにカードを作ろうというモチベーションが働いて、急に申請が増えていると聞いています。
     まず、そのマイナポイントとはどういうものか説明をお願いいたします。 ◎齋藤 番号制度・マイナンバーカード交付推進担当課長 マイナポイントとは、マイナンバーカードを使って予約、申込みを行い、選んだキャッシュレス決済サービスでチャージや買物をすると、利用額の二五%分、上限五千円分が当該キャッシュレスサービスのポイントとして還元されるものです。  マイナポイントは、本年九月一日から開始しており、来年の三月までに予約、申込みの上、チャージや買物をすると、ポイントとして還元されます。 ◆田中優子 委員 二五%の還元てやはりとても大きいと思うんです。駆け込み申請、今後もさらに増えると思います。  では、とりあえず現状、現在の申請状況はどうなっているかについて教えてください。 ◎齋藤 番号制度・マイナンバーカード交付推進担当課長 今年度は特別定額給付金のオンライン申請の希望者の影響で、スマートフォンやパソコンによる申請が非常に多く行われ、五月の申請件数は区で約二万件、六月、七月、八月も約一万件以上の申請がございました。  世田谷区におきましては、最新の九月二十七日現在の集計では、交付枚数は二十三万百三十九件で、人口に対する交付率は二五・一%となっております。現在も計画の件数を大幅に上回る申請が出されているため、申請をいただいてから交付するまでの期間が延びていることから、区民の方に御迷惑をおかけしております。具体的には、区のカード交付の準備に時間がかかっていること、区民の方が交付の予約が取れないことに対しての苦情をいただいております。  マイナンバー制度は、申請時または交付時に本人確認のため必ず窓口に来庁していただかなければならない制度になっていることから、窓口の数を増やすことが重要で、申請者の増加に対応するため、世田谷区民会館ホワイエにマイナンバーの特設窓口として開設いたしました。  また、マイナンバーカードの交付に係る事務は、プライバシー管理の観点から、高度にセキュリティーを要求されており、委託や派遣社員による作業が不可能であり、大部分の事務は職員でなければ執行できないため、住民記録嘱託職員を年度の途中の十月に五名増員して、三十五名体制を整えました。  世田谷区民会館ホールのホワイエに特設会場を開設させていただいたことから、月間の区合計交付枚数は九千件程度を目指しております。区における累積の申請数は、令和二年九月二十七日現在、三十一万八千四百四十九件です。一万七千件以上の御予約をいただき、これから取りに行く方々、また転出で実質交付する必要がない方の件数を考慮した場合、令和二年度末には交付枚数が三十万枚、交付率は三二・七%を超える想定です。  職員の応援として、九月より部内応援を、さらに十月からは総合支所の区民課や出張所職員を中心に、兼務発令により体制を強化しているところです。 ◆田中優子 委員 申請が急に増えているということも伺いまして、また交付状況についても答弁がありましたけれども、令和二年度末、来年三月三十一日までに交付枚数を三十万件予定しているという、月九千件だとそのようなことになるのでしょうけれども、でも、今の答弁ですと、現在申請しているものを何とか処理しますぐらいのことで、まさに日々、これからもどんどん申請されると思うんですよ。それについて本当に処理ができるのかどうか。マイナポイントを使えるのは来年の三月末までなんです。区民の方は一か月か二か月前に申し込めばマイナポイントを三月中に使えるよなと思っている方は非常に多いと思うんですけれども、そのポイント還元が使えなくなったら、もう本当に怒る。それは怒りますよ。苦情殺到、当たり前だと思います。  事務経費についてなんですけれども、国から出ると聞いていますが、今のような状況で要員を五名増やしましたとか、ホワイエを増やしましたとかおっしゃっているんですけれども、その今ある申請のみならず、今後増えていく申請も踏まえ、マイナポイントを使えるように、もっと人員や窓口を増やすべきではないかと思います。また、ほかにできる工夫はないのか、その点についても見解を伺います。 ◎齋藤 番号制度・マイナンバーカード交付推進担当課長 国の補助金のお話がありましたが、国の補助金の上限は交付数に比例して定まっておりますけれども、現在の世田谷区の交付枚数を勘案しますと、補助対象になる事務経費は全額対象になると考えております。  また、申請をいただいてから交付するまでの期間は通常二か月程度ですので、十二月に申請をいただいて二月か三月に交付できる手順ですけれども、現在は計画の件数を大幅に上回る申請がなされており、交付されるまでの期間が延びております。今後、この期間圧縮が重要であります。そこで、御答弁させていただいた世田谷区民会館ホワイエの特設会場のほか、臨時窓口の開設、専用窓口の交付枠を増やすなど様々な方法を検討してまいります。  また、本年のマイナポイントの期限である令和三年三月までに交付されるためには、できるだけ早く申請いただくよう広報する必要がありますので、区のホームページをはじめ、広報を検討いたします。来年度については、さらに交付体制の強化に向けて検討してまいります。 ◆田中優子 委員 今とりあえず来年度のことはいいので、今年度です。つまり来年三月末までのマイナポイントが使える時期に間に合うように交付すること、これがもう何よりも区がやらなければいけない課題であるわけです。  先ほどもちょっと言いましたけれども、三月末までだったら、一月ぐらいで大丈夫だろうと思っている人はいると思うんです。いらっしゃると思いますよ。間に合わなくて、区民が失望してしまうことをできるだけ回避しなければならない、その責務が区にはあると思います。いつまでに申請すれば三月中にカード、そのマイナポイントを使えるのか、入手できて使えるのかということを、それができるだけ早くではなくて、今年、年内いっぱいなのか、十一月末までなのか、とにかくいつ申請したらいつまでに交付されるということを明らかにしなければ、そんなの知らなかった、聞いていない、区はそんなこと言っていなかったじゃないかと、そういう苦情が殺到すると思います。できるだけ早くでは曖昧です。後から問題となるのが目に見えている。ですから、スケジュールをきちんと広報していただきたいということです。  給付金のときもそうでしたけれども、世田谷区は人口が多いから仕方ないでしょうでは、それは行政の理屈であって、区民にとってはそんなことは通用しないんです。最初から分かっていることじゃないですか。これは期間限定の仕事ですから、何としてもここに重点を置いて、給付金の遅れで区民が失望した、その二の舞にならないように、今から対策を取るべきだと思います。それには今までの御答弁では取組不十分だと思うんですけれども、副区長に伺いますが、これで十分でしょうか。何かほかに工夫や対策はないですか、伺います。 ◎岡田 副区長 今まで課長から御答弁申し上げましたとおり、このマイナンバーカードですが、有用性があまり浸透しない中、交付数が伸び悩んでおりましたけれども、五月の定額給付金のオンライン申請、また九月から始まったマイナポイントの影響で、今年度交付の申請が非常に増えている状況です。  今お話し申し上げましたように、九月から新たに区民会館に特設会場を開設し、交付体制を強化したところではございますが、申請があってから、国が所管する地方共同法人であるJ―LIS、そちらから区に情報が到達する、これに一か月かかりまして、また、申請の集中によって区の手続にさらに時間がかかり、交付予約が取りにくい、こういったことで、区民の皆様に御迷惑をおかけしている、これは非常に感じているところでございまして、いまだ十分な体制とは言えないと認識してございます。  今後、国の行政窓口のデジタル化に向けた流れは加速すると見ておりまして、さらなる交付数の拡大に向けて体制強化に取り組んでまいります。 ◆田中優子 委員 副区長御自身がいまだ不十分だと認識されているのであれば、本当にすぐにでも交付体制の強化を取り組んでください。区民が期待しているマイナポイントが、区が言った時期までに申請した人全員が使えるように、強く要望いたします。  次に、各支所の区民会館ホールの予約、これを世田谷区民会館と同様に早められないかについて伺います。  以前より区民会館の利用申込みが半年前では企画を立てるのが困難であるという声を利用者の方々から聞いており、それを受けまして私は、二〇一八年の予算委員会で、世田谷区民会館ホールの申込みを半年前ではなくて、一年前からできるようにしてほしいという提案をいたしました。その後、周知や移行期間を経て、現在では世田谷区民会館は一年前から申込みができるようになっています。しかし、ほかの支所のホールは相変わらず半年前からなので、世田谷区民会館と同じようにしてほしいという声が上がっています。特に土日、祝日は予約が殺到して厳しいので、早く結果が分からないとほかを当たることもできなくなるということなんです。  まず、各総合支所にあるホールの収容人数と稼働率についてお答えください。 ◎土屋 北沢総合支所地域振興課長 各区民会館ホールの収容人数及び稼働率につきましては、令和元年度の稼働率につきましては、世田谷区民会館が収容人数千二百二名で稼働率は七〇%です。北沢区民会館は二百九十四名で稼働率は六三%、砧区民会館は三百九十七名で稼働率は六七%、烏山区民会館は三百八十四名で稼働率は五〇%でございます。  なお、玉川区民会館につきましては現在建築中でございます。 ◆田中優子 委員 それでは、そのうちどのぐらい区や区関連のイベントで土日、祝日が占められているのか教えてください。 ◎土屋 北沢総合支所地域振興課長 各ホールの土日、祝日における区や区関連イベントの利用につきましては、土日、祝日全体に対しての割合になりますが、これも令和元年度の実績で、世田谷区民会館が三四%、北沢区民会館一八%、砧区民会館一六%、烏山区民会館一三%となっております。 ◆田中優子 委員 やはり世田谷区民会館は土日、祝日予約ができない日が三四%最初からあるということで、かなりの割合塞がってしまっていると区民が感じるのも無理ないのかなと今聞いて思いました。  話を戻しまして、世田谷区民会館と同じように、ほかのホールも一年前から申込みができるようにできないのかということについて伺います。 ◎土屋 北沢総合支所地域振興課長 世田谷区では、区民センターや地区会館等の会議室で、主に定員二百人程度までの施設につきましては、けやきネットシステムにより二か月前から予約ができております。一方、区民会館ホールは、北沢のタウンホールなど、委員おっしゃるように六か月前からとなっております。その中で、世田谷区民会館ホールのみ定員の規模が千二百名ということで大きく、そのため、大規模な企画も多く、チケット販売などの関係から、ホールと集会室について、それまで六か月前から受付を行っていたものを、平成三十年十月から一年前からの受付を実施することに変更しております。  近隣の市区を見ますと、千人規模の施設では一年前から受付を行っているところが多くございます。一方で、定員が三百人程度の施設では、三か月から十二か月の間でかなり様々な期間で受付が行われております。区民会館施設における受付期間の設定につきましては、それぞれの施設での利用実態や使用団体の企画力、また地域の方々と区で行う事業のスケジュール等、様々な課題を考慮して、仮に早期からの受付を実施した場合の影響を慎重に見極める必要があると考えております。 ◆田中優子 委員 私が調べたところ、北沢タウンホールとほぼ規模の同じ施設、大体三百人前後の施設ですけれども、その規模でも一年前から申し込めるところは幾つもあります。例えば杉並公会堂小ホール百九十四名ですが、十五か月前から、調布市の文化会館むらさきホールは二百七十名ですけれども、十四か月前から、調布市グリーン小ホール三百名、十三か月前から申し込むことができます。ほかに、一年前から申し込めるところは、渋谷区の伝承ホール三百四十五名、品川区きゅりあん小ホール三百三十六名等々、他自治体では二百名から三百名ちょっとの規模でも、一年かそれ以上前から申し込めるようになっているところが結構あるんです。  こうした状況も踏まえまして、区の想像のみで慎重に見極めると言っている状況ではなく、利用者のニーズをきちんと把握して考えていただきたいと思うんです。そのためには、まずニーズ調査をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ◎土屋 北沢総合支所地域振興課長 区民会館の受付につきましては、ホールの受付期間と併せて、施設内にございます他の小規模な集会室等についても考慮する必要がございます。また、先ほど申し上げた使用団体の企画力等様々な課題もございます。これらの課題について、委員のお話のように、使用者の受付期間を早期に変更することへのニーズについて意見の把握に努めながら、今後の運用について探ってまいります。 ◆田中優子 委員 今、意見の把握に努めるという御答弁がありましたけれども、具体的にどのような方法でニーズ調査ができるのか、しようと思われるのか伺います。 ◎土屋 北沢総合支所地域振興課長 意見の把握につきましては、各区民会館を利用された方々に対してアンケートの協力を依頼したいと考えております。現在、新型コロナウイルスの影響もございまして利用が減少しておりますが、十月十五日より利用定員数の制限が緩和されますので、それ以降、準備が整いましたら、アンケートにより施設や設備に関する意見や予約時期、受付方法などについての意見を把握してまいります。 ◆田中優子 委員 ニーズ調査をしっかりお願いしたいと思います。  最後に、ごみ・資源収集の現状とマナー教育について伺います。  最近、フリーライターの橋本愛喜さんという方の取材記事をヤフーニュースで目にしました。そのタイトルは、「『日本人はマナーがいいなんて嘘』ごみ収集員が対峙する日本の違反ごみ」というものでした。  少し引用して御紹介しますと、日本人のルールやマナーに対する従順さは、国内のみならず、もはや世界中に知れ渡る定説となっている。電車のホームのドア位置には毎度線からはみ出ることのないきれいな列ができ、電車が到着すれば誰に言われるでもなく左右に分かれ、降りる人を待つ。が、そんな表面上の実態とは真逆の現象に毎朝対峙している人たちがいる。ごみ収集員だと始まり、十六名のごみ収集員から聞き取りをしたごみ収集の実態と問題点がルポされていました。  分別されない違反ごみには、ボンベやスプレー缶、ライター、モバイルバッテリーなどに使われているリチウムイオン電池などが混入しており、パッカー車で押し潰されると、残っていたガスが漏れ、引火する危険性があります。また、十分に水を切らないまま捨てられた生ごみは、とにかく重くて腰をやられてしまう。それらがパッカー車でプレスされると、中の汁や汚物、ほこりなどが飛び散り、作業員がそれらを浴びてしまい、一日中きつい臭いが取れないこともある。そのほかにも、焼き鳥の串でけがをしてしまうとか、剪定した木の枝が手に突き刺さりとげが抜けない等々、様々な危険と向かい合わせで苦労されている清掃職員の方の姿が浮かび上がっていました。この記事を読んで私は、改めて世田谷区のごみ・資源出しの状況はどうなっているだろうかと考えさせられました。  ある区民の方からは、義務教育中にごみ収集の体験をさせられないものだろうかという御意見がありました。ごみ収集を体験すれば、そもそもごみをできるだけ出さないようにする意識を持つようになるのではないか。どれだけ危険かという現場のことも分かるようになる。とはいえ、危険だ、不衛生だと言ってくる保護者もいるでしょうし、清掃員の方も、ただでさえ忙しいのに子どもがいたら邪魔だろうし、みんながこの記事のようなごみの出し方をしているわけではないのだろうけれども、近所のごみ出しを見ていると、ごみ育が必要だと思うと述べていらっしゃいました。なるほどごみ育かと私は思いました。ごみに関する教育という意味です。  私も、もし可能であるなら、子どもたち全員が収集現場を体験できたら、将来大人になったときにごみ、資源の出し方が変わるだろう、確実に変わるだろうと思いました。しかしながら、それは現実的ではありません。  そこで、少しでもこの区民の方が言うところのごみ育が、充実したごみの教育が行われるよう、世田谷区では取り組んでほしいと願いまして、今回質問に取り上げています。  まず、ごみ・資源収集と処分にかかる経費です。どのようになっているか、令和元年度の決算額、そして区民一人当たりに割り返すと幾らになるか、ここ数年の決算額の推移はどうかについて伺います。 ◎庄司 清掃・リサイクル部事業課長 区ホームページで公表しておりますごみ・資源処理経費は、区の経費に加えて、東京二十三区清掃一部事務組合の清掃工場での焼却経費などの中間処理経費、東京都の埋立処分場の経費の合計となりますので、令和元年度の処理経費はまだ算出できておりません。申し訳ございません。  現在公表しております平成三十年度の処理経費は約百九億八千万円でございます。平成三十年十月一日現在の人口で区民一人当たりに割り返しますと、年間一万二千百一円でございます。ここ数年の処理経費は、多少の増減はございますが、おおむね百十億円前後で推移しております。区民一人当たりの処理経費につきましても極端な変化はございません。 ◆田中優子 委員 ごみ、資源の処理経費、ここ数年、年間百十億円前後ということですけれども、改めて確認すると、すごい金額だなと感じます。多くの自治体がごみ有料化に踏み切っていることもうなずけます。有料化になると、自然とごみを減らそう、資源はきちんと分別しようという意識が働くことと思いますけれども、当区におきましては有料化の議論、かなり前から浮上しては消えてきました。清掃事業は、世田谷区単独ではなくて、二十三区一部事務組合で運営されているので、合意形成も必要でしょうし、なかなか区単独で決められないということもあります。  この件につきましては、別の機会に改めて取り上げたいと思いますが、話を戻しまして、世田谷区においては、ごみ・資源収集で作業員の方が危険に感じることはないでしょうか、区民のごみ出しマナーはよいでしょうか、問題はないのか、現場からどのような声を聞いているか伺います。 ◎庄司 清掃・リサイクル部事業課長 資源やごみの分別の方法や出し方につきましては、毎年十一月に全戸配布しております資源・ごみの収集カレンダーや区ホームページ、ごみ分別アプリなどを通じて、区民の皆様への周知に努めております。ほとんどの区民の皆様には資源とごみの正しい分別と出し方に御協力いただけておりますが、一部で分別がされていないごみが出されている場合もあり、その都度、清掃事務所の職員が排出指導を行っております。また、可燃ごみを収集車両に積み込む際に、ごみ袋が圧縮されるため、袋が裂けて中身が飛び散ってしまうことがあり、収集職員が生ごみ等の水分を浴びてしまうこともございます。  新型コロナウイルス感染症の懸念もございますので、収集職員にはマスク、フェースガード、ゴーグルを着用させております。また、区民の皆様にはごみ袋はしっかり縛って封をする、可能な限り空気を抜いてからごみ袋を縛る、使用済みマスクやティッシュ等のウイルスが直接付着しやすいごみは、新聞紙などの紙類に包んだり、別の小袋に入れてからごみ袋に入れていただくことなどを区のホームページなどを通じて呼びかけております。 ◆田中優子 委員 やはり世田谷区でも清掃職員の方は御苦労されていることがあるようです。それで大変頭の下がる思いがいたします。いつも大変な作業を本当にありがとうございますという気持ちです。  さて、清掃車に便乗することは無理としても、子どもたちへのごみ育は必要であると思います。当区では、清掃工場やリサイクル施設の見学が行われていると思いますが、ここ数年の実績はどうなっているでしょうか、伺います。 ◎庄司 清掃・リサイクル部事業課長 区のガラス瓶の資源化施設である世田谷区資源循環センター「リセタ」では、毎年十校程度の小学校の見学を受け入れております。また、東京二十三区清掃一部事務組合では、各清掃工場で毎年十数校程度の見学を受け入れていると聞いております。また、世田谷清掃工場では、隣接する「リセタ」と併せて見学する場合がございます。「リセタ」では、プラント内での瓶の選別作業や瓶以外の異物を取り除く作業、破砕してカレット化する作業などが見学できます。  清掃工場では、ごみ処理の流れや清掃工場の仕組みの説明、ごみバンカなどの施設内見学、焼却不適物などが見学できるとのことでございます。 ◆田中優子 委員 今伺った清掃工場やリサイクル施設の見学というのは、子どもたちにとって貴重で必要な体験だと思います。様々なごみ育が行われているようですが、世田谷区は小学校だけでも六十一校あるので、毎年十数校というのはちょっと少ないのではないかという気がいたしました。区の方針として、必ず体験学習をしてほしいと思いますけれども、これは教育分野に要望すべき内容かと思いますので、今回ここでは質問はしないでおきます。  角度を変えまして、例えば生ごみは水を切るだけで重量が大幅に減り、費用の削減にもつながる、焼却炉の負担も軽減され、メンテナンス費用も削減されることにつながる、収集作業する方々の負担も減る、そして資源にならないプラスチック容器等は切り刻んで出すことで、無駄に空気を運ぶ必要がなくなり、経費の削減となるという、このような具体的な啓発が子どもたちにもっともっと必要ではないかと考えるんですけれども、いかがでしょうか。 ◎庄司 清掃・リサイクル部事業課長 可燃ごみの三割を占める生ごみは、水分を大量に含んでおりますので、ごみを出す前にしっかりと水切りをしていただくことはごみ減量に非常に効果がございます。区では、水切りして乾かすことによる生ごみの減量講習会を定期的に行っており、区民の皆様に大変好評いただいております。大人向けの講習会となっておりますので、子ども向けに同様の企画ができないか検討してまいります。  また、清掃事務所では、小学生向けの啓発リーフレット、「できることからごみへらし!!」を活用した環境学習を職員を小学校に派遣して実施しておりますので、併せて充実してまいりたいと存じます。 ◆田中優子 委員 そうなんですよね。ぜひ大人だけではなく、子ども向けにも具体的にごみの出し方の教育、ごみ育を行っていただきたいと思います。日々清掃職員の方々が危険な目に遭わないように、ごみ減量ができるように、そして資源はしっかりと分別し、循環型社会につなげられるようにしていかなければならないと考えます。  何といっても、ごみ・資源収集にかかる費用が削減できれば、一億円でも違えば、ほかの区民サービスに税金を回すことができます。百十億円が少しでも減らせるように、そういった視点でのごみ育、環境の面も併せて積極的に行っていただきたいことを要望いたしまして、無所属・世田谷行革一一〇番・維新の質問を終わります。 ○真鍋よしゆき 委員長 以上で、無所属・世田谷行革一一〇番・維新の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○真鍋よしゆき 委員長 引き続きまして、Setagayaあらた、どうぞ。 ◆小泉たま子 委員 Setagayaあらたの区民生活領域の質問を始めます。  産業政策について伺います。  区は、PCR検査について、介護事業所を明確に優先的に位置づけるとされました。評価いたします。しかし、介護事業所は単に職員がPCR陰性であれば正常に運営できるということではありません。コロナ禍で日々の経営そのものが問題になっている、そのことを代表質問で伺ったところ、経済産業部が、介護事業所が区民生活を支える産業として非常に重要な役割があると表明されたのです。産業として非常に重要な役割がある、この発言は、世田谷区の産業政策において画期的な転換点です。  これまで区は、産業政策として、主に商業、工業、農業への支援を行ってきました。組織名称を見てもまさにそのとおりです。もともと経済は、その時々の社会情勢の需要と供給に見合って発展していくもの、はやり廃りがあって当然です。世の中の流れ、流行にきちんと向き合うこと、それが自治体の産業政策に求められているのは当然です。  ところが、今回のコロナ禍で分かったように、介護事業をはじめとする福祉事業には、流行遅れはありません。事業所が経営困難で閉鎖されてしまっては大変困る。そこで、経済産業部門が役割を果たさなければならないのです。  このことから、部長が議場で介護事業所が非常に重要な役割があると表明されるだけではなく、そのことを組織として形に表すのが当然です。担当部長としての意気込みを伺います。 ◎田中 経済産業部長 福祉事業の関係です。委員御指摘のとおり、流行遅れみたいなものはなくて、常日頃区民の生活を支える非常に重要な役割を持っているというふうに考えております。  今回、コロナ禍において、飲食を中心にサービス業等様々打撃を受けましたが、介護事業者も利用控えなどによって打撃を受けたということで、こういったところが、今後、事業展開がままならなくて、区民が利用できないということになってはいけないというふうには考えています。  産業ビジョンで、もともと産業分野というのを横断的に捉えているということで、経済産業部としては、部全体としてやって、支援をしているという認識でおります。経済産業部に福祉という名前のつく組織はありませんが、例えば融資あっせんについては、商業課という名前のところがやっておりますけれども、融資あっせんを全面的に見ているということで、福祉という看板を掲げていない、例えばICT分野も掲げていませんけれども、そういったそれぞれの部分を支援しているという認識でおります。  それぞれ業種名を冠した組織を早急に整えるということは、組織運営、それから業務効率性の観点から難しいと考えております。例えば福祉事業を利用されている方の処遇に関する様々な取組、こういったものは福祉所管からの支援が必要だと思いますけれども、一方、その事業所のICT化など、事業全体の効率化、それから雇用面、それから融資あっせん、クラウドファンディングなど資金調達に関すること、他分野との連携など、こういったものは、やはり産業面からの視点での支援というのが非常に重要で、多数いろんな形で支援していかなければいけないというふうに考えています。  今後も、世田谷で安心して年を重ねられる環境を整える、そういった部分、福祉の特に介護事業者、こういった方の声を聞きながら、高齢福祉部をはじめとした関係所管と強力に連携し、事業者を支える取組を、先ほど申し上げたとおり、経済産業部全体で、それこそ全力を挙げて支援してまいりたいというふうに考えております。 ◆小泉たま子 委員 私は端的に組織ということを伺ったんですけれども、今聞きましたけれども、とても長いんですけれども、何をおっしゃっているかちょっと分かりませんでした。やるかやらないか、どうやっていくか、こういうことを私はお聞きしたかったんですけれども、大変残念です。  次に行きます。コロナ禍でのくみん窓口での対応について伺います。  これまで私は、異動期、三月、四月における窓口の集中混雑の問題、最大で二時間待ちのことについて改善を求めてきました。しかし、区は全く根本的なことを考えようとせず、思いつき、待たされ感の解消などと言いました。待たされ感とは区民を全くないがしろにした言葉です。  そして今回、コロナ禍が起こりました。一年で最も忙しい住民の異動時期にです。私が注目したのは、転入届を受けるくみん窓口、感染症対応の保健所部門、融資あっせんの経済産業部門、そして定額給付金担当です。伺ってみますと、この中で経済産業部門が、部の職員全員を二つのグループに分け、三軒茶屋庁舎内の動線も分け、区民の出入り口もトイレも別々とし、通常業務のレベルを下げてでも、コロナ窓口の対応と区民、職員への感染を防ぐ体制を取ったわけです。さらには、途中で郵送申請に切り替えたりもしています。  私は、経済産業部を褒めているわけではなく、言ってみれば、組織運営として当たり前のことをしていたのです。問題はほかの部署です。資料によれば、世田谷総合支所区民係窓口は、三月最終月曜日、三十日の来庁者数九百四人、前年度が六百六十八人です。受付待ち人数は最大八十人程度、次の四月六日、四月の第一月曜日の来庁者七百四十五人、定額給付金受給の住民登録基準日の四月二十七日は来庁者六百六十九人、給付金オンライン手続開始後の最初の平日は、電子証明書の更新なども含め、来庁者は七百三十八人です。受付待ち最大で五十人となっています。  これらに対して、担当所管は、三密回避として、できる限りの待ち時間緩和施策、混雑緩和を取られ、待機場所を分散させ、一時外へ出ていただく。入り口の外に椅子を出して、呼び出しを行うなどの対応を取られていました。私はこれを聞いて、一時間も二時間もじっと持っておられる区民と、そこで走り回る職員のことを考えると胸が痛くなりました。代表質問でも言いましたが、他の部門の方に伺うと、在宅勤務をしているから、職員を応援させることができないと聞いたときには、これが同じ自治体の職員かと怒りが込み上げてくるほどでした。  これは調べてみますと、各所管の問題ではなく、四月に政策経営、総務両部から出た業務を継続させるために、職員のコロナ感染を防ぐため、在宅勤務にまずは課として、そして部として、それでもできない場合は人事に相談すべしという指示に各所管が従ったということです。区民をどうコロナ感染の危険から防ぐかという観点が欠如しています。  三月から六月終わりまで、区として一万六千三百人ほどの方々を新区民として迎えています。この方々の中には、不安を抱え、知り合いもなく転入されてこられた方々も多いと思います。転入者への情報提供については、これまでも問題としてきており、区民便利帳や地図などのいわゆる三点セットとともに、地域の情報についても提供していくとのお話もありました。コロナ禍での大変な状況だったわけですが、その方々への地域、地区の情報はどのように提供されたのか伺います。 ◎舟波 地域行政課長 転入手続時の窓口での地区、地域の情報をどのようにというお話でございますが、くみん窓口や出張所で転入手続をされた方には、今、委員お話のございましたように、「せたがや便利帳」や「資源とごみの分け方・出し方」など、日常生活に関する情報をまとめた冊子やパンフレットと併せまして、他の地域の活動団体の紹介ですとか、あるいはまちづくりセンターの連絡先などをまとめました「世田谷へようこそ」という案内冊子やあんしんすこやかセンターのパンフレットなどをセットにしてお渡ししてございます。  また、くみん窓口の待合スペースにつきましては、たしか一年、二年前ぐらいからだったと思いますが、ラックを用意いたしまして、その地区のミニコミ誌ですとか、あるいはイベントの御案内などのパンフレット類を地区ごとに分けて配架してございます。例えば砧総合支所のくみん窓口では、砧管内の五地区の情報をそろえておりますけれども、二十八地区全ての情報をそろえているわけではございません。  いずれにいたしましても、窓口では、全区共通の御案内資料を中心にお渡ししておりまして、これからお住まいになる地区別の資料を転入手続の際に個別にお渡ししている状況にはございません。 ◆小泉たま子 委員 情報は提供していないということが今はっきりいたしました。これは大変重要なことですので、しっかりと中で考えていただきたいと思います。非常に重要なことです。  次に、厚生労働省の児童虐待専門委員会の報告によれば、虐待死については、転居が関与している事例が多いとのことで、自治体に対して、転入時の子育て世代に対する支援体制の整備が求められ、市町村の関係窓口では、虐待予防の観点を持ち、子育て世代に対して確実に相談先や支援策を周知徹底するなど、細やかな支援が必要であるとされていましたが、それがこのコロナ禍の中でなされていましたか。この間、学校は閉鎖され、児童館も閉鎖されていました。では、転入してきた子育て世代はどこへ行けばよいのか、その具体的な仕組みが見えないではないですか。  子育て世代対応は、まず福祉保健領域の課題であると言われるでしょう。しかし、児童館がない、学校も閉鎖というときに、どこを頼ればよいのか、その場所を区はあらかじめ明らかにしておかなければなりません。  区が職員のコロナ感染を何とか予防したいと、それは理解できます。しかし、それも行政の活動を保障し、区民生活の安定を図るためのものであるはずです。それであるのに、区は、窓口の三密を解消しようとしない。いろいろと創意工夫できたはずです。例えばコロナ感染予防のために、手続等はお近くのまちづくりセンターに臨時窓口を開設いたしますので、そちらに行っていただくようにお願いいたします。臨時窓口のため、若干御迷惑をおかけするかもしれませんが、どうぞよろしくお願いいたしますと区民に表明し、窓口を分散することもできたはずです。  大体区は、集中入力センターを開設し、異動手続の入力作業を専門的に行う部門もつくっています。なぜこのようなことができないのか。今の区はできることだけをしようとする。ですから、まちづくりセンターの職員が在宅勤務を行い、なお、地区の拠点のまちづくりセンターが手薄になる。このような状況のときこそ、まちづくりセンターの職員が町の中を歩くべきなのです。であるのに、まちづくりセンターの姿が全く見えません。まちづくりセンターが引き籠もってどうするんですか。  検討委員会においては、地区の強化ということから、まちづくりセンターが取り上げられてはいますが、やはり区民生活領域の行政拠点の位置づけでしかなく、委員長も、まちづくりセンターで転入届が取り扱えることはよいと言われながらも、その理由が、まちづくりセンターの認知度を高めるためにはという御意見のようです。  地区レベルでは、行政の縦割りをそのまま導入することは得策ではありません。一つの信頼できる拠点があればよい、いざとなったらそこへ行けば安心できるという存在がぜひとも必要なのです。地区に総合的な拠点をつくり上げること、その基礎として現在のまちづくりセンターを活用することについて御意見を伺います。 ◎清水 地域行政部長 区民の自主的な活動の場として区民センターや児童館、図書館、子育てひろばなどをコミュニティーとして捉え、それぞれの活動や事業が相互につながり、町会・自治会など住民自治組織とも連携し、参加者の拡大や人材交流を進めることが、持続可能な地区まちづくりにおいて重要な視点と認識しております。  区民センター運営協議会による自主事業の拡充や、児童館の日常活動やイベントを通じた子育て拠点、活動団体との顔の見える関係づくりなど、それぞれの自主的な活動を尊重しつつ、地区全体で活気に満ちた魅力ある地域活動が展開されるよう、情報を共有し、相談することができる交流の場が必要です。  まちづくりセンターが地区まちづくりの拠点として、地区の情報バンク、情報発信の役割を担い、多様なまちづくり活動を行うコーディネーターとしてその機能を十分に発揮することができる体制を構想し、その実現に向けて計画的に取り組んでまいります。 ◆小泉たま子 委員 区は地域行政を三層構造として捉え、行政の地域内分権の仕組みと捉えますが、間違いです。今回のコロナ禍は、コロナウイルスの感染拡大防止の問題だけでなく、地域社会のコミュニティーの崩壊、地域、地区の力の弱体化につながることを区ははっきりと認識しなければなりません。経済的には、リーマンショック以来の危機と言われていますが、地域コミュニティーにとっては初めてであり、最大の危機です。高齢者は外出しづらくなり、子どももひきこもりの可能性が増していく。地域の中でコミュニティーが消えていく方向に向かいつつあります。
     地域行政の検討の中で、このようなことをどのように捉えているのでしょうか。私は、このコロナ禍を経験して、区の本庁舎建設問題に根本的な疑問を持ちました。今後、何十年にもわたって、区は区民に向けて区役所に来なさいと言い続けることとなるのですか。コロナ禍の地域行政の在り方と本庁舎問題は大いに関係している、言い換えれば一体のものなのです。  ここにおいて地域行政の条例化に向けて、検討委員会、区はどのような基本的姿勢を取ろうとしているのか伺うものです。  一九九五年の阪神・淡路大震災を経験して、当時の川瀬助役が、コミュニティーとは、単なる趣味の問題ではなく、地域で協力して生き延びていくための大切な仕組みであると表明し、また、大災害が起きたら、三日間は何とか自ら生活をしてくださいと区民に問いかけ、了解していただいた。それまでは、災害対策は行政がやるものとして、三日間支援の手は届きませんとは言えなかったんですが、多くの区民が映像で、大都市が焼き尽くされる姿を見て、自らの大震災に対する姿勢を改めたこととなったのです。  また、二〇一一年の東日本大震災においては、自然の脅威の恐ろしさと、これまでふんだんに使ってきたエネルギー問題について根本的な見直しを迫られ、日常生活の様々なところでライフスタイルの変化が起きました。  この二つの区政の基本的姿勢を変えたとも言える大震災に、岡田副区長は、この二つとも区の先陣を切って乗り込み、その惨状を確認し、心に残るものがあったはずです。  今回の二〇二〇年のコロナ禍は、この二つの大災害にも劣らぬ大変な出来事です。前の二つと異なり、まさに区内で発生している、現場が区内なのです。このことについてどのようにお考えになるでしょうか。  さらには、今回のコロナ禍を乗り越えることから、国として行政の電子化を進められようとしています。便利になることはよいことですが、では、転入手続も家からできる、特に役所の窓口に行く必要はなくなるということでは、ますます地域、地区が崩壊してしまいます。行政の電子化を展開するに当たっても、その基本となる地区レベルでの拠点の在り方、最前線の窓口がどうあるべきか、このビジョンを地域行政の在り方として、まず検討していくべきです。  これらについて、担当副区長のお考えをお伺いいたします。 ◎岡田 副区長 コロナをはじめとした大規模災害と地域行政という点で御答弁を差し上げたいと思います。  今、御紹介いただきましたように、私自身は、二度の大災害で現地に行った経験を持っておりますが、中でも心に残っておりますのは、当時、御紹介がありました川瀬助役の号令で、阪神・淡路大震災の発災後三日目だったと思いますが、一週間ほど現地に派遣された経験を持っておりまして、その際に私どもは、避難所に物資を運ぶという役割を与えられ、寸断された道路の中で物資を運ぶという経験をいたしました。その中で、避難所に私どもが着くと、校内放送が流れ、バケツリレーがすぐにでき上がり、物資を運び込む、そういう避難所もあれば、どなたにお声をかけたらいいのか分からない、そういう避難所もございまして、そういったところには物資を校門に置いてきたというような経験を持ちました。そのときにやはりコミュニティーの大切さというのを痛感したところであります。恐らく避難されている皆さんのお心もその二つでは随分違ったのではないかというふうに考えております。  現在、地域行政条例の制定に向けて検討を進めておりますけれども、この中で、やはりコミュニティーの活性化、あるいはまちづくりセンターの強化、これは重要な課題であるというふうに考えております。まちづくりセンターの最大の仕事は、地区のコミュニティーの輪を広げ、住民主体のまちづくりを全力で応援することだと思っております。地区防災力の強化、あるいは地域福祉の推進、コミュニティーにおける人と人の顔の見える関係づくりをしっかりと進めることができるまちづくりセンターを目指していきたいというふうに考えているところです。  一方、窓口の問題ですが、今後のICT環境の進展に伴いまして、電子申請など来庁不要な行政手続の拡大など、行政窓口の在り方は大きく変わっていく、また改善が問われている、このように考えております。区民の意識や生活スタイル、来庁目的など様々ですが、窓口業務の電子化を進めて区民の利便性を高めることを基本に、対面での案内、相談などが必要な方への対応がおろそかにならないよう、窓口業務の在り方について検討してまいります。  今後のまちづくりセンターの窓口においては、区民が区の様々な情報を紙や電子媒体などで多様な方法で得ることができ、その場で問合せや相談ができる身近な場所として、そのサービスの質を高めていく必要があると考えております。  そのために、不可欠な窓口業務とは何か、その経費や人員体制の観点も併せて検討を進めてまいります。 ◆小泉たま子 委員 地域にとっての最前線の窓口がどうあるべきか、まさに真剣に議論していただいて、区民に明かしていただきたいと思います。  次に、高齢者の部活動、ジム通いについて伺います。  高齢者に部活動をさせる、ジム通いをさせるというのは全く何のことかと思われるのですが、まさに区が今やろうとしていることはこのとおりなのです。発端はふじみ荘廃止問題です。この件については、議会でも論議が続き、区も議会も両者とも、区民の声を聞く、区は丁寧な説明を行うとされていますが、この二つともに疑問です。  まず、区民の声を聞くとありますが、それでは、この議会はどのような役割を果たすのでしょうか。区民の代表である議員が責任を持って論議をし、その結果を区民に明らかにする、これが民主主義の仕組みのはずです。区はそれをないがしろにして、区民説明会や車座集会で区民の要望を聞くという、これが民主的な仕組みと言えるのですか。区はまず、議会を相手にして十分な論議を尽くすべきであると考えます。  さらに、丁寧な説明を行うという言い方に疑問を持ちます。これまで私も、区から様々な課題解決の説明を受け、当初、これはおかしい、不合理ではないかと思った事例も、そのほとんどが区の説明を聞くと納得できるものであり、区の見解を尊重してきました。無意識のうちに、区の言っていることはおおよそ正しい事柄であろうという信頼感です。これまではです。そのことから、区側提案の条例についてはほとんど反対することはありませんでした。  ところが、今回のふじみ荘廃止の条例提案に当たっては、区の言われる丁寧な説明を聞けば聞くほど疑問が膨らんでくる。単に施設の廃止問題ではなく、区の高齢者の日常生活への無理解、無関心、事なかれ主義が出てきて、これは見逃すことはできません。なぜ区は、高齢者の活動を団体活動を中心として組み立てようとしているのか。これまでこのことは明確には意識されてきませんでした。しかし、今回のコロナで問題の本質が一挙に現れてきました。そのことについて区が全く気がついていないのです。団体活動ができる高齢者の方々は本当にお元気な方々です。今後ともますますお元気で活動していただきたい。それが認知症予防にもなります。  しかし、コロナ禍を経験して、行政が注目しなければならないのは、これまでの団体活動などに乗り切れない、またはこれまで仲間と楽しく一緒にやってきたけれども、少し疲れてしまって、のんびりしたいという方々です。これは、新たなニーズと言ってもよいはずです。  既に区では、青少年分野では、個人がゆったりすることを認め、推奨しています。野毛青少年交流センター、池之上青少年会館を改修し、さらには希望丘に大規模な青少年交流センターを新たに建設しました。野毛と池之上は合わせて改修費が一億五千万円以上、希望丘は、複合施設ですが、建設経費三十億円を超えています。  では、区はなぜ高齢者については、高齢者施設を廃止し、さらにこれを機会に、団体活動を推進し、つまり、部活動を強要し、ジム通いを推進するのですか。全くお話を聞いてあきれるしかない。区は分かっていないと思わずにはいられません。  区は、財政難を理由として全ての区民に、まずは既存施設を利用しなさい、バスを利用してください、バスで通ってくださいと言うならばそれなりに理屈もあるでしょう。しかし、区は、不登校の児童生徒に対して、専用の施設を造ろうとし、青少年については居場所づくりを区内各所で進めようとしている。野毛の青少年センターに行ったことがございますか。ほかの施設には行けない、集団行動が不得意な青少年がソファーでのんびりと一人で携帯ゲームをしている、このような施設を整備しています。一方で、高齢者施設を廃止しようとする。どうして高齢者と子ども、青少年で対応が異なるのですか。政策、施策に整合性がありません。区が思いつきで行政を運営しているのです。その典型が今回のふじみ荘問題です。  区民と話し合う、丁寧な説明に努めるという前に、区は、高齢者の生活実態、地域での生活のありようなどを十分見極め、高齢者の活動を、団体活動、元気なジム通いの方々の活動から一歩離れ、高齢者の方々が何を望まれているのか、多分その中では、区が青少年施策で展開しているようなゆったり、のんびりできる空間が欲しいという御意見が出てくるはずです。それを踏まえて総合的な対応をしていくべきではないでしょうか、お考えを伺います。 ◎松本 生活文化政策部長 高齢者施策ですけれども、人口の増加、あるいはひとり暮らし高齢者も増えてまいりまして、そういった中で孤立、孤独の防止とか、健康寿命の延伸、そういう課題がもう明らかになってきております。  そういう観点から、地域での社会参加、健康増進、そういったことを取組として進めさせていただきたいということを申し上げてきておりますが、一方で、高齢者の暮らしも、長寿社会の中で大変多様になっているということは認識をしておりまして、団体活動の支援だけでなくて、一人一人の高齢者の暮らしに目を向けた施策を展開すべきと、こういった御指摘をさきの本会議を通じても頂戴したものというふうに捉えております。  高齢者の施策の推進については、グループや団体活動の支援ということを積極的に行ってまいりましたけれども、このコロナ禍の中の状況も含め、職員がさらに高齢者と直接接する機会ということも増やしながら、多様な高齢者の暮らしですとか、あるいは多様な地域で多彩な活動、こういったことについてもよく学んだ上で、団体だけでなくて、個人にも目を向けた総合的な高齢者の施策と、こういったことを構築するということを強く意識してまいりたいと思います。  ただ、こういった御指摘の点は、生活文化政策部だけで意識をすればいいということではないというふうに考えておりますので、高齢福祉部、あるいは総合支所等々の関係部門とも認識の共有化ということを行いながら、また連携ということも含めて取組を進めたい、こんなふうに考えております。 ◆小泉たま子 委員 この世田谷で誰もが安心して年を重ねることができる、そういう世田谷を本気になってつくっていただきたいと要望します。  これで終わります。 ○真鍋よしゆき 委員長 以上でSetagayaあらたの質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後零時十六分休憩    ──────────────────     午後一時十分開議 ○真鍋よしゆき 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  日本共産党、どうぞ。 ◆たかじょう訓子 委員 日本共産党の質疑を始めます。  まず、私からは、区民生活を支える区内産業への支援を求め、二点伺います。  一つ目は、区内事業者への支援についてです。  区は今般、政策方針の一つとして、区民の生活と区内事業者の活動を守る取組を掲げました。この方向性を支持し、その立場で実効性ある取組が行われるよう求め、伺ってまいります。  この間、区内業者の声を伺ってまいりました。左官業の方が、三月から九月までコロナで仕事が激減、この間働いたのは合計で三十日ぐらいしかなかった。持続化給付金を受け、子どももいるし、生活費も足りない中、大変これは助かったと。少しずつ仕事が入ってきているが、まだ先は見えない。  フリーランスのITシステムの開発保守の仕事をされている方は、期間単位の仕事をしており、今年の六月まで仕事をしていたが、七月からばったりなくなってしまった。今は失業状態であると。仕事を探している。そんな中で持続化給付金を得て助かった。引き続き給付金や家賃支援など、対策を行ってほしい。  イタリアンレストランでは、都の助成金でテイクアウト用のスペースを確保し、客室は狭くなったけれども、何とか営業していると。しかし、狭くなった上に、社会的距離の確保のために店内利用を制限していると。売上げは前年度比で四割、経営は逼迫している。持続化給付金の申請中だというふうに伺っています。  緊急事態宣言などにより、多くの事業者が苦境に陥りました。当初、国は補償しないという態度でしたけれども、我が党を含め多くの会派、そして世論が国を動かして、持続化給付金、家賃助成、都は協力金など、一定補償策が実現しています。しかし、現状のままでは不十分という実態があります。  区はこの間の国の持続化給付金制度や都の感染拡大防止協力金、こういったことをやっておりますけれども、どのように効果があったと考えるのか認識を伺います。 ◎中西 商業課長 新型コロナウイルス感染症が拡大した時期、特に四月とか五月とか、国の緊急事態宣言等もありまして、経済活動が一時的に停止状態にありました。市場において需要が一気に消滅、蒸発しているような状態になっておりましたので、国の持続化給付金ですとか、都の感染拡大防止協力金などはその需要の消滅によって激減した事業者の売上げですとか、利益を補う効果はあったと認識してございます。 ◆たかじょう訓子 委員 一方、こういった制度に無論条件、期限等があります。例えば持続化給付金では、対象者は五〇%の減収があったり、三〇%というような上限がありますし、そして期限についてもあります。問題は、これらの制度のはざまで適用外となってしまい、取りこぼれてしまった方、こういった方が一定いるということです。  この間、またお話なんかを伺っている中で、パン屋さんを営んでいる方は、賃貸ではないために、持続化給付金の対象とはならなかった。ローンを抱えているため、その支払いで四苦八苦しているという状況も伺いました。  またコロナ感染予防協力金、これも対象がやはり決まっていまして、それに外れた方、例えば喫茶店経営者はこれに対応できないということで、受けることができなかったという声もいただいています。  国や都、区の支援からこぼれた事業者は一定数あります。協力金についても金額が少ないとの声も伺いました。事業者への施策が隅々まで行き渡っていないということは明らかです。  この間、他の自治体でも、家賃補助や感染拡大防止協力金への上乗せなどを行っています。これについても、例えば文京区では、中小企業継続支援補助金と言いまして、これは必要経費を最大三十万円まで補助するというふうになっています。対象も割と緩くて、減収があったところというふうになっておりまして、多くの事業者が使える内容になっています。  そして、こういった中で上乗せなども行っているところもあります。区として、区内事業者がどんな状況なのか、どんな状況にあって、どのようなことが必要なのか、実態を把握しているのでしょうか。区や国や都の制度から漏れた事業者に対する独自支援を検討するべきではないかというふうに思っています。政策方針の区内事業者の活動を守る取組、こういった立場で取り組んでいただきたいというふうに思っています。  区内事業者への直接支援をぜひやっていただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。 ◎中西 商業課長 まず、実態把握のことについてなんですけれども、先ほどお話にもありましたけれども、例えば持続化給付金は今年の一月から十二月までの月で、前年同月期の売上げが五〇%以上減っているという場合に当てはまるというような基準がございますので、条件に当てはまらなかった事業者も相当数いるとは思われます。ただ、その実態が今どうなっているか、実際に漏れたことによってどう困っているかというところまでは詳細には把握できておりません。  今、支援策について、独自策を取ることとありましたけれども、今状況としては、コロナ禍がまだ続いておりますので、地域経済が以前の状態には回復していないと。ただ、感染予防策を取りながら経済活動を再開する段階には来ていると。また人々の需要も、このコロナ禍を経験したことによって大きく変わっているという状況にあるかと思います。  事業者に対する支援については、国がGo Toキャンペーンなどを打っておりますが、消費刺激策による需要の回復と、あとコロナ禍を経て、先ほど申し上げたように需要が変わりましたので、その需要に合わせてサービスや業態を変えるための支援、感染対策を取りながら事業活動を再開するための支援が必要になっていると考えております。  区としても、それらのこととして、需要喚起策としては、個店支援プロジェクト、新たな顧客や売上げ確保に向けた業態転換支援補助金、また具体的な相談のための総合経営相談を実施しております。引き続きこの方向で支援策を進めることが重要であると考えてございます。 ◆たかじょう訓子 委員 つまり事業者への直接支援は行わないという答弁というふうに受け止めました。実際、区の行おうとしているプレミアム商品券などの施策は否定するものではありません。しかし、来年二月からというスタートになりますし、そういう今までの支援が受けられなかった方に、自分だけで頑張れというように言っているようなことと同意だと私は思います。  この間、そういった自助努力、頑張れというだけの区の認識なのかというのはすごい問題意識を持っております。この辺、副区長に伺いたいというふうに思います。 ◎岡田 副区長 事業者の実態をつかむということは、政策立案、判断をする上で非常に重要だというふうに考えております。  現在、産業振興公社で行っております総合経営相談では、事業者の直面する困難な状況が直接伝えられておりますし、また、所管課では、事業者アンケートも今後実施するというような報告を受けております。これらから得られた情報を分析いたしまして、必要な追加支援策を検討してまいりたいと考えております。 ◆たかじょう訓子 委員 実態把握に努めていただくというのは本当に重要なことだというふうに思います。本当に実態に合った支援をぜひ進めていただきたいというふうに思いますけれども、その上で、区として、国や都へ持続化給付金や協力金、継続的支援とか、現状に合った、実情に合った対象緩和を求めていただきたいというふうに思っております。  今日は参加されていないですけれども、区長にもリーダーシップを発揮していただき、特別区長会からも声を上げていただきたいというふうに考えていますが、いかがでしょうか。 ◎中西 商業課長 さきにも御答弁差し上げましたけれども、国は、今売上補償的な給付から、だんだんと売上げを回復するための景気刺激策だとか、そういったところにシフトしていると思っているんですけれども、またあと持続化給付金ですとか、家賃支援給付金はかなり対象要件は広いと、そういうものだと考えておりますが、ただ、経営相談や事業者アンケートで、実態をよくつかんで、実情からすると、今までの政策だけではまだ足りないというところが見えてくれば、実情に合わせた支援策を行うように国や都に対して必要な申入れは行っていきたいと思います。 ◆たかじょう訓子 委員 今の事業者の状況というのは、昨年の消費税増税、これも大変大きな痛手となっています。そしてコロナと、本当に大きな痛手を被っている状況だというふうに思っています。実態をぜひつかんでいただき、政策に生かしていただきたいというふうに思っています。  次に、災害時の事業者への支援について伺います。  昨年、台風十九号により多くの方が被災されました。区は、自然災害で被災された事業者を対象とする中小企業者向け災害応急資金融資あっせんの利子を〇・九から〇・三に下げる対応も行ってきました。その結果、〇・九の金利時代のときは実績がなかったということでしたけれども、〇・三になったときには実績が生まれてきたというふうに伺っています。これは大変効果があったというふうに思っています。  今後、こういったことは、今年も水害が起こらないということも限りません。ぜひコロナの中で大変厳しい状況にある事業者に対して、この水害があったときの災害支援、ゼロ金利をぜひやっていただきたいというふうに思っていますけれども、いかがでしょうか。 ◎中西 商業課長 今年、新型コロナウイルス感染症対策の緊急融資で、これはゼロ金利で行ったんですけれども、こちらについては、かなり広い広範囲な事業者へ影響があったということと、サプライチェーンも含めて全て経済活動が止まってしまうみたいなことがありまして、連鎖倒産の危機もあるということで、事業者の負担を最低限に抑えるべくゼロ金利にしたというものでございます。  今後、また台風等水害が発生した場合ですけれども、このコロナ禍と同じような状況に区内事業者は置かれるという可能性もあります。迅速な事業再建を支援するという目的に沿って考えますと、金利は当然低いほうがいいと思われますので、災害規模や被害状況が事業者へ及ぼす影響がどのくらいかということはよく見極めた上で、利率だとか、貸付限度額、返済期間等の制度設計を迅速に行っていきたいと、このように考えてございます。 ◆たかじょう訓子 委員 ぜひよろしくお願いいたします。  中里委員に替わります。 ◆中里光夫 委員 それでは、私からはまず、地域行政について質問をしていきたいと思います。  私は、企画総務領域で政策形成過程での参加と協働、区民目線での検討を進めよという質問をしました。この間のふじみ荘の廃止を巡る問題で、政策転換や代替策の提示で区民の理解を得られていないことや、公共施設の集約化、厚生会館の土地売却や三軒茶屋のSTKハイツからの教育相談世田谷分室の移転などについて、区民目線での検討がされたのか、こういった問題意識から質問をしてきました。宮崎副区長は、政策形成過程をオープンにする課題がある、透明化を進める努力を払うというふうに答弁をいたしました。  今、地域行政制度の条例化が進められています。この中で、政策形成過程をオープンなものとして、区民の参加と協働を進める、その仕組みをつくっていくことが必要であるというふうに考えます。  我が党は、条例化を進めるに当たって、住民自治を発展させ、住民が地域の問題など、その地域で解決できることや地域の意思を区政に反映させる仕組みを展望せよというふうに求めてきました。上越市の地域協議会は、世田谷区の地区情報連絡会のような協議会を一定のエリア単位の地域自治区ごとに設け、地域協議会が独自の提案を市に行うなど、住民自治を図っています。また、地域の公共施設の統廃合などの重要な問題は、市長は地域協議会に諮問し、その答申結果を尊重しなければならない、こういう仕組みになっています。  この間、地区からの意見表明、集約の仕組みとして、幅広い区民が参加する地区協議会の設置なども視野に入れた検討を私たちは求めてきました。区は、地区協議会については、住民参加の手法として研究している、住民参加の機会を提供していくことが重要、様々な住民参加による区政への関わりについても検討してまいる、こんなふうに答弁をしてきました。  この住民参加の手法について具体的な検討はその後どこまで進んだのか、条例上どのように位置づけるのか、そして課題は何なのか、答弁を求めます。 ◎舟波 地域行政課長 区では、区長へのメールをはじめといたしまして、区民意識調査やパブリックコメント、各種審議会や再開発事業に伴う協議会などの機会を通じて、また、まちづくりセンター、総合支所の事業展開の中で様々な御意見をいただいているところです。  住民自治をより確かなものにしていくため、地域課題や政策課題を区民が共有し、議論を重ね、地域の意思を施策に反映していくとともに、様々な活動団体の連携強化を図りながら、まちづくりを促進させる。このような循環の仕組みや住民と行政の役割の整理が不可欠であると考えております。  このため、区の特徴であります活発な住民活動をマッチングし、まちづくりの広がりから地域の実態に即したより多くの意見をいただくことを基本に、参加者が固定しない住民参加の在り方に留意しつつ、地方自治法で定める地域協議会による諮問答申の仕組みや、まちづくりの実施組織として一定の権限を持つ住民自治協議会の仕組みなど、他の自治体の導入事例も参考に検討を進めております。  地域行政の条例には、住民参加の基本的な考え方を規定するとともに、例えば各地区で実施している地区情報連絡会の運営を住民意識の醸成の観点から見直し、また地区の横断する広域的、専門的な課題や、区政全体の重要課題についても議論する機会を創出するなど、住民参加の在り方を重点的な課題と捉え、具体的な検討を進め、推進計画に反映させてまいります。 ◆中里光夫 委員 区政全体の重要な課題に対しても議論するような、そういう場を創出すると、住民の在り方を検討していくということですけれども、私たちは企画総務領域のところでも質問しましたけれども、今事務事業見直しなどが大きな課題となっています。こういった区民生活に関わる大きな問題などについてもしっかりと住民参加で議論できるような、そういう仕組みをつくっていただきたいというふうに要望しておきたいと思います。  それでは、次の質問に移りたいと思います。次は守山テラスの体育館にエアコンを設置せよという問題です。旧守山小学校から地区会館などの複合施設に転換された守山テラスの体育館、これは地区会館の多目的室と位置づけられ、地域の子どもたちの遊び場として、またバスケットボールなどスポーツ団体の活動の場として利用されています。災害時には避難所にもなります。  この体育館にはエアコンが設置されていません。区内の他の地区会館の体育館には全てエアコンが設置されています。また、全ての小中学校の体育館にもこの夏までにエアコンの設置が完了しました。守山テラスの体育館だけが取り残されたような、そういう状態です。  学校の体育館でバレーボールをしている人の話を伺いました。真夏の体育館はどんな状況かと。バレーボールの場合、ボールが出ないように締め切らないといけないと、さらに光が入るとプレーの妨げになるとカーテンも閉めていると、窓もちょっとしか開けられないと、こういう中でプレーすると本当に夏は大変で、試合のときには熱中症のような症状になる人がもう毎年出てくるんだと、暑いときに何かあったときは本当に怖いんだというふうにおっしゃっていました。エアコンのない真夏の体育館は本当に大変な状況、その方は梅丘中の体育館を利用しているということで、今年はエアコンが入って随分楽になったんだというお話もしていました。  来年の夏までに守山テラスの体育館にエアコンを設置すること、このことを強く求めます。あわせて、避難所にもなりますから、非常用電源の整備をしっかりと行うことを求めます。区の見解を伺います。 ◎土屋 北沢総合支所地域振興課長 守山地区会館は、委員おっしゃるとおり、昨年の令和元年度にオープンいたしました。お話しのとおり、旧体育館である多目的室は災害時の避難所として指定されております。この多目的室への空調設備設置につきましては、現在、小中学校の体育館に整備されているものと同じ設備を設置する手法を検討しているところでございます。設置につきましては、今後政策方針に基づいて優先順位を判断していくことになります。  また、非常用電源につきましては、必要最低限な電源を確保するために、現在様々な用意をしているところでございます。今後も、災害時に向け、必要な対応を関係所管と連携して詰めてまいります。 ◆中里光夫 委員 今後、政策方針に基づき優先順位を判断していくというお話ですけれども、それで、来年の夏までにつくんでしょうか。本当にこの施設にエアコンが必要だと、所管はどのぐらい必要性について考えているんでしょうか。 ◎土屋 北沢総合支所地域振興課長 施設所管としましては、おっしゃるとおり、旧小学校ということもございましたので、他の小学校と同じように整備されることが必要というふうに考えております。 ◆中里光夫 委員 ぜひとも来年の夏までには、もうほかは全部ついているわけですから、設置できるように進めていただきたいと思います。  最後に、集会施設での参加者名簿の収集について伺います。  コロナ対策ということで、感染者が発生したときに追跡するためだということで、集会室の利用時に参加者の名前を書くよう求められるようになりました。個人情報をなぜ集めるんだと、それから管理は大丈夫なのか、こういった問合せが私どものところにも相次いでおります。区民は、個人情報をこれまでになかったことを収集しているということに大変な不安を持っています。法令に基づいたルールに基づいて適切に処理されているのかと、このことを確認したいと思います。  利用者に理由を示し、同意を得ているのか、集められた個人情報はどのように管理、処分されているのか、また、集めた個人情報については文書を提示するなど、利用者に説明することを求めます。伺います。 ◎土屋 北沢総合支所地域振興課長 利用申出書につきましては、あくまでも新型コロナウイルス感染症の拡大防止のために集めるものでございまして、これにつきましては、感染の危機が去りましたら、一か月程度を目途として適切に廃棄処分するものと考えております。そこのところにつきましては、利用者の方に分かりやすく周知してまいります。 ○真鍋よしゆき 委員長 以上で日本共産党の質疑は終わりました。     ────────────────────
    ○真鍋よしゆき 委員長 引き続きまして、生活者ネットワーク、どうぞ。 ◆田中みち子 委員 それでは、生活者ネットワークの区民生活領域の質問を始めます。  脱炭素社会の推進についての質問です。  私は、これまでも世界規模で拡大し続ける気候変動問題に起因する温室効果ガスの排出削減をはじめとする気候危機対策の推進を求めてきました。今月世田谷区は、気候非常事態宣言を行います。今や日本各地で広がる気候非常事態宣言は、気候変動を人類の危機として認め、緊急性を持って対処する必要性を訴えたフライデーズ・フォー・フューチャーのような若者たちによる行動によって世界的なムーブメントとなり、現在に至ります。  こうした動きと呼応するように、世界中で気候危機宣言が行われていることを鑑みれば、世田谷区気候非常事態宣言には、未来を担う子どもや若者の声を盛り込むことが必要ではないかと考えます。見解を伺います。 ◎安藤 環境計画課長 区では、深刻化する気候危機の問題に立ち向かうため、将来を担う子どもや若者たちに地球温暖化などの環境問題に関心を持っていただくことは大変重要であると認識しております。  本年九月に実施した気候危機を考える環境シンポジウムでは、中学生が地球温暖化に思うこと、私たちにできることをテーマに、家庭や学校での省エネ活動などを紹介した作文を発表し、パネルディスカッションでは、学識経験者に加え、高校で環境サークル活動を行っている生徒たちが議論に加わり、若者たちの真剣かつ率直な思いを聞くことができました。  気候非常事態宣言につきましては、子どもや若者たち、次世代によりよい環境を残し、持続可能な社会の実現に向けてしっかりと取り組んでいくことを宣言に盛り込むべく検討してまいります。また、区民一人一人が直面する気候危機の問題にともに取り組んでいただくプロセスの中で、若者たちの真摯な意見を聞く機会を設けてまいりたいと考えております。 ◆田中みち子 委員 私もこの気候危機を考える環境シンポジウムに参りましたけれども、本当に子どもたちの率直な思いというのを受け止めてまいりました。今回、若者の意見を聞く場を、ぜひ一回では終わらせないで、ぜひ多世代で議論できる場に発展させていただきたいと思うんです。気候非常事態宣言を行った後の具体的な計画や取組を子どもや若者も含めて、区民とともに考える場づくりを目指していくことこそ求められますので、さらなる検討を求めたいと思います。  あと脱炭素社会に向けた取組の一つとして、森林環境譲与税があります。この税は、二〇二四年から国民一人につき年額千円が森林環境税として徴収され、国土の森林の保護、保全に活用されるものですが、昨年から既に森林環境譲与税として自治体に交付されています。昨年度の世田谷区への交付額は三千四百万円、今年度は七千三百万円と倍増し、今後さらに増えると聞いており、だからこそ、基金化して目的どおり使うことを求めて、企画総務所管で会派として取り上げました。  世田谷区では、この財源を川場村との交流事業に充当しています。今日は区民生活領域ですので、その財源の川場村での具体的な使い道について伺います。 ◎大谷 区民健康村・ふるさと交流課長 区と川場村の縁組協定の十周年を記念して、平成四年に区民健康村十周年記念、友好の森事業に関する相互協力協定を締結し、区民健康村なかのビレジ周辺を友好の森として指定しまして、平成七年からやまづくり塾として、区民と村民が協働して森林の保全・育成活動を開始いたしました。現在は里山塾と名称を変えておりますが、区民、村民による森林の下草刈り、除伐、間伐、枝落としなどの森林の育成、保全を行うとともに、かや場の管理を含めた里山の景観や自然環境を保全する活動に取り組んでおります。  また、区立小学校の移動教室や里山塾親子体験コースでは、森林の散策や自然を楽しむ企画を通しまして、里山の保全の重要性を学ぶ環境学習の取組を行っております。 ◆田中みち子 委員 新型コロナウイルス感染症の影響によって交流事業も中止になっていると聞いているんですけれども、現状をお知らせください。 ◎大谷 区民健康村・ふるさと交流課長 国による緊急事態宣言及び東京都の緊急事態措置により、都道府県をまたぐ移動の自粛が要請されたことを受けまして、四月九日から六月十八日まで健康村施設を休館し、交流事業も中止といたしました。感染症対策が困難な日帰りバスツアーですとか、子どもたちが大学生スタッフとともに共同生活と自然体験を行うこども里山自然学校、川場まるごと滞在記は、今年度実施を見合わせることといたしました。  六月十九日から健康村施設の運営を再開いたしましたので、友好の森を活動場所とする里山塾については、四月、五月は中止となりましたが、七月は植林地の下草刈りを実施いたしまして、今月、十月は間伐、枝打ち、十一月はかや場のかやの刈取りを行う予定としておりまして、若干の内容の見直しはございますものも実施する予定でおります。  また、今月実施予定の親子里山体験コースでは、参加家族を抽せん六組に制限するなど、感染防止の対応を行った上で実施する予定としております。 ◆田中みち子 委員 来年度からスタートする世田谷区民健康村第五期事業計画の素案では、森林環境譲与税を活用した取組を推進すると示されております。どのような取組を進めようとしているのか、これも見解を伺います。 ◎大谷 区民健康村・ふるさと交流課長 現在策定を進めております令和三年度からの区民健康村第五期事業計画では、施策目標の一つとして、協働による自然環境の保護と循環型社会の構築を掲げておりまして、地球温暖化対策や環境問題、気候変動に起因する災害対策など、循環型社会の構築を区と村の共通の目標として、都市と農山村の協働による発展を進めることといたしております。  区民が実際に山林での作業を体験しまして、自然環境の保全における森林の果たす重要性を理解することは大きな意義がありまして、また、移動教室を含め子どもたちの環境学習の場としても活用していくことが大切だと考えております。  区民の参加による森林整備活動は、交流事業の重要な柱でもありますので、友好の森を中心としつつ、田園プラザ周辺の後山、あるいはふじやまビレジ周辺の富士山地区など、川場村の他地区にも森林保全活動の場を広げていきまして、川場村とともに連携しまして、区民、村民による森林や遊歩道の整備などの取組を充実していく方向で考えております。  また、こうした事業に対する森林環境譲与税の活用を進めるよう、財政所管とも調整してまいりたいと考えております。 ◆田中みち子 委員 しっかり進めていただきたいと思います。  森林環境譲与税は、温室効果ガス削減に向けた取組にも活用することができます。川場村のある群馬県では、二酸化炭素吸収量を認定する制度を設け、自治体や企業などと森林整備協定を結び、植栽や間伐など、森林整備の効果を二酸化炭素削減量として認定するカーボンオフセットの運用を開始しています。川場村との森林保全活動がこの制度に認証されれば、世田谷区内の二酸化炭素排出量を群馬県の吸収量とすることで相殺することができます。  冒頭申し上げた世田谷区気候非常事態宣言は、二〇五〇年までに二酸化炭素排出量実質ゼロを目指すものであり、区内で削減し切れない排出量について、自治体間のカーボンオフセットを行うことは、二酸化炭素排出削減に有効な取組となります。自治体間交流が進む群馬県との認証の早期実現に向け、取組を進めていただきたいのですけれども、見解を伺います。 ◎安藤 環境計画課長 地球温暖化による気候変動が顕著となる中、森林環境譲与税を活用し、区民と川場村民との協働により、二酸化炭素の吸収や災害対策に役立つ森林整備を進めることは大変有意義であると認識しております。  委員お話しのカーボンオフセットにつきましては、区内での二酸化炭素削減にとどまらず、自治体連携による排出削減に寄与する取組として、こうした率先行動を広く発信できるというメリットもございます。  委員お話しのとおり、群馬県では、間伐や苗木の植林などの森林整備活動を二酸化炭素吸収量として認証しております。他自治体の例も参考にしながら、認証の要件や経費負担の規模なども含め、検討を進めてまいります。 ◆田中みち子 委員 まずは群馬県との認証が得られるようにしっかりと取り組んでいただいて、さらに実施自治体の輪を広げていただくことも要望しておきます。  また、二酸化炭素排出量削減に向けてはごみの問題も大きな課題です。今日は古着について取り上げます。  世田谷区では、古着類の集積所などで行政の回収はありません。そのかわり、町会・自治会などの集団回収や、まちづくりセンターのごみ減量・リサイクル推進委員会が取り組む春と秋、この間の衣替え時期の回収などの区民の自主的な活動のほか、衣類のリユースでパラスポーツを応援するふくのわプロジェクトの回収ボックスをエコプラザ用賀とリサイクル千歳台に設置しています。  まず、これらの活動で収集される古着類はどれぐらいの量になりますでしょうか。また、今年度は、新型コロナウイルス感染症の影響で、古着などの主なリサイクル手法である東南アジア諸国への輸出が規制されたことから、回収事業者に古着類が大量に滞留してしまい、回収を断られるケースもあると聞いています。集団回収などにどんな影響が出ているのか、併せて答弁を願います。 ◎庄司 清掃・リサイクル部事業課長 まず、令和元年度の回収実績でございますが、集団回収やごみ減量・リサイクル推進委員会で回収された量が七百三十二トン、ふくのわプロジェクトの回収ボックスで回収されたのが六十二トン、合計で七百九十四トンでございます。  今年度の集団回収やごみ減量・リサイクル推進委員会による古着の回収活動は、委員御指摘の輸出規制の影響のほか、三密を避けるための活動自粛もあり、例年に比べて回収量が三分の一程度に落ち込んでおります。  また、ふくのわプロジェクトの回収ボックスにつきましても、設置施設であるエコプラザ用賀、リサイクル千歳台を五月末まで閉館していたため、回収量が減少しております。 ◆田中みち子 委員 コロナ禍で在宅時間が増えて、粗大ごみなどは申込みが殺到して収集が追いつかないとも聞いております。古着などの集団回収などの回収量が減少したということは、可燃ごみとして出されているのではないかと考えますけれども、見解を伺います。 ◎庄司 清掃・リサイクル部事業課長 区では、この間、新型コロナウイルス感染症の影響による資源、ごみ全体の排出量の増加に対して、古着などを可燃ごみに出さずに、集団回収やごみ減量・リサイクル推進委員会による回収活動が再開するまでお待ちいただくよう区ホームページなどを通じてお願いしているところでございます。  しかし、令和元年度の可燃ごみの組成分析では、衣類などの布類の比率は六・三%、推定重量で約一万トンと、平時においても相当量の布類が可燃ごみに含まれておりますので、今年度は新型コロナウイルス感染症の影響により、資源、ごみ全体の排出量が増加していることもあり、さらに多くの布類が可燃ごみとして排出されているものと思われます。 ◆田中みち子 委員 もともとかなりの量の衣類などが可燃ごみとして出されていて、そして今年はさらに新型コロナウイルス感染症の影響によって、古着のリサイクルが進んでいないことが分かり、早急な対策が必要だと考えます。  例えばふくのわプロジェクトの回収ボックスの設置施設を増やす、区のホームページで世田谷区内のリユースショップの情報に、個店、小さい店舗、こういったところの情報も追加して、経済産業部と連携し、区内事業者を応援する仕組みをつくる。また、古着を途上国向けのワクチンの寄附に換える社会貢献活動の紹介をするなど、集団回収やごみ減量・リサイクル推進委員会など既存の活動とすみ分けしつつ、さらに古着のリサイクルを進める方策を検討すべきと考えます。区の見解を伺います。 ◎庄司 清掃・リサイクル部事業課長 集団回収やごみ減量・リサイクル推進委員会による古着の回収活動は、売払い収入を得ることで、さらに活発な回収活動につながっていることから、委員御指摘のとおり、既存の活動とのすみ分けに留意しながら、さらに古着のリサイクルを進めることができる施策を実行することが必要であると認識しています。  委員御指摘のふくのわプロジェクトの回収ボックスの設置施設の増、リユースショップ情報での個店の紹介、古着を途上国向けのワクチンの寄附に換える活動の紹介など、他の自治体の事例も参考にしつつ、既存の活動に取り組む皆様の御理解をいただきながら、ごみ減量を進めてまいります。 ◆田中みち子 委員 古着のリサイクルは、古着がそのまま再使用されることが多く、区が一般廃棄物処理基本計画で重点を置くリユースの推進に大きく寄与します。しっかり取り組んでいただきたいと思います。  一方で、ファッション業界全体の構造的な課題として、児童労働や工賃の低い外国で大量生産し、ワンシーズンで捨て去る大量生産、大量消費、大量廃棄、こうしたサイクルから抜け出す選択も必要です。消費という日常生活を通して、社会的課題の解決につながるための取組の一つとして、エシカル消費を広めることを提案してきました。商品やサービスの選択に当たっては、安心安全や品質、価格などのほかに、エシカル、倫理的消費です。こうした尺度があることを広く啓発していくことがSDGs、持続可能な開発目標の達成にもつながります。  先般、区政モニターアンケートでエシカル消費について調査していますが、所管としての受け止めについて伺います。 ◎箕田 消費生活課長 区では、消費者の自立を促進するため、これまで様々な啓発事業を実施してきました。国連で定められたSDGs、持続可能な開発目標の十二番目、つくる責任つかう責任に基づくエシカル消費の普及を進めるに当たり、令和二年七月に実施した第二回区政モニターアンケートにおいて、消費生活、エシカル消費について調査を行いました。  調査では、エシカル消費という言葉の認知度は二五・三%と四人に一人程度でしたが、エシカルな消費行動として知っていること、実際に取り組んでいることを尋ねた設問では、食品ロスの削減については六六・五%、地元の商品を購入する地産地消について五三・三%など、過半数の方が実際の消費行動に取り組んでいることが分かりました。  買物をする際に、エシカル消費に関連する認証ラベルやマークのついた商品を選択することも身近なエシカル消費行動です。例えば環境への負担ができるだけ少ないよう配慮された商品につけられるエコマークや、森林の環境保全に配慮された木材や紙製品に認証されるFSCマーク、海洋環境や水産資源に配慮した漁業で取られた水産物につけられるMSCマークなどがあります。  自由意見では、エシカル消費は知らなかったが、当たり前のこととして既に取り組んでいる内容である、地元の活性化を応援したいなど、積極的な意見が多く寄せられ、区民の方の認知や主体的な取組について、一定程度理解が進んでいるものと認識しています。 ◆田中みち子 委員 今エシカル消費に関する認証ラベルについていろいろおっしゃっていただいたんですけれども、具体的に見ていただいたほうが分かるかなと思ってちょっと拡大コピーしてきたんですけれども、皆さん、こんなふうにいろいろマークがあるのを御存じですか。割とこのエコマークというのは結構皆さん知っていらっしゃるかと思いますけれども、これは森林環境保全に配慮された木材や紙なんかについているマークで、結構世田谷区の配布物、まさに消費生活センターとか、いろんなところにこれを使っていますよということでちゃんとついています。あるいはこれは海のエコラベルです。生態系に配慮したものとか、あとこれはオーガニックコットンです。こういったところもちゃんと注意して、使っていますというマークがついていますし、最近ではフェアトレード、世田谷区でもフェアトレードタウンとかいってムーブメントをつくっていると思うんですが、開発途上国の原料とか製品を適正な価格で継続的に購入をして、立場の弱い発展途上国の人々の生活の改善とか、自立を目指す、こういったフェアトレードの認証ラベルになるんですけれども、こういったものもあります。  やっぱりこれはまだまだ知られていないと思うんです。子どもへのSDGs教育も含めて、さらにエシカル消費を進めていただきたいんですけれども、いかがでしょうか。 ◎箕田 消費生活課長 委員お話しのとおり、消費という日常活動を通して、社会的課題の解決につながること、商品、サービスの選択に当たっては、安全安心や品質、価格などのほかに、エシカルの尺度があることを広く啓発していくことが、持続可能な開発目標の達成につながります。  この取組を啓発、普及させるためには、区民へのマーク等も含めた情報提供に加え、消費者の声を商品やサービスに反映するなど、事業者への働きかけも必要です。  また、小中学生向け教材作成や教員向け研修の実施など、教育委員会と協力し、学校教育を通じた児童生徒への消費者教育の推進、啓発に努めてまいります。  せたがや消費生活だよりに定期的にエシカルコラムも掲載するとともに、特集号でも啓発記事を掲載するなど、SDGs、持続可能な開発目標のつくる責任つかう責任の目標達成のため、今後も関係所管と連携を図り、エシカル消費の普及啓発を推進してまいります。 ◆田中みち子 委員 消費と経済というのは表裏一体ですので、経済産業部全体としてSDGs達成に向け、取組を進めていただきたいと要望します。  最後に、消費者啓発についてです。  せたがや消費生活センターだより九月号、これを見させていただきました。食品表示法の改正です。それについての記事ということで特集号だったんです。二〇一五年に施行された食品表示法が今年の四月一日から完全実施されている。そしてこの分かりにくいと言われてきた食品表示なんですけれども、その食品表示の見える化が少し実現をしております。添加物がどれぐらい使っているかというのが一目で分かるような表示として変更されているものなんですけれども、この取組がされていて、大変いい取組だったなと思っています。なかなか食品表示法が改定されているということを区民の皆さんに知られていないので、しっかりと周知していただきたいと思っています。  安心安全な消費生活を実現するためには、消費者が自立して能動的に行動できることが必要であり、ふだんの生活に生かすことができるような消費者啓発は重要だと考えます。コロナ禍で中止する講座もあると聞いていますけれども、東京都の動画など、SNSも活用すれば、これまで参加がかなわない層へのアプローチも可能となってまいります。さらなる周知に向けた見解を伺います。 ◎箕田 消費生活課長 消費者啓発などの冊子としてのせたがや消費生活だよりに加えて、さらに理解を深めていただくため消費生活講座も実施しております。様々なインターネット利用のトラブルや消費相談など、様々なテーマを取り上げた講座を行います。より多くの区民の方に最新の情報をお届けするため、区ホームページに国や都の動画リンクを活用するなど、関係機関とも連携しながら工夫を凝らし、様々な手法で、今後も身近な生活に役立つ情報を提供してまいります。 ◆田中みち子 委員 ぜひしっかり取り組んでください。  以上で質問を終わります。 ○真鍋よしゆき 委員長 以上で生活者ネットワークの質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後一時五十九分休憩    ──────────────────     午後二時十五分開議 ○真鍋よしゆき 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  減税せたがや、どうぞ。 ◆あべ力也 委員 それでは、質問してまいりますが、環境省が家庭ごみにさわらずにごみ収集をするというような実証事業をしていくというような報道がございました。これは九月二十七日に出ていたんですが、感染症対策ということでいろいろ検討をしていくということのようです。  世田谷区も清掃事業でごみの収集をマンパワーでやっているわけですけれども、現状で感染症の対策というのはどういう状況なのかということと、国がこういう対策をしている、これを今後していくということですけれども、清掃事務所の職員は、やはり感染症の危険を感じながら今仕事をしているということだと思うんです。  それと、コロナの関係で大変ごみ量が増加をしているというふうにお聞きをしております。そういった中で、清掃作業員に対する負担が大変多くなっているということもあるんだと思います。その上で、感染症に対する様々な対策を講じていくということが、作業員にも求められていることですし、モチベーションを維持していく、もしくは身体的なそういう負担を軽減していくということも、役所としては事業主として検討していく必要があると思うんです。  以前に、いわゆる職員の皆さんの危険手当の問題というのが議論になって、時代にあまりそぐわないので、窓口業務なんかの危険手当は廃止をしましょうというような方向で進んできたかというふうに認識をしております。今大変緊急というか、非常事態の中で、特に清掃職員なんかは感染のそういう危険をはらみながら、常日頃仕事をしているということでありますから、いわゆる職員の皆さんのモチベーションを維持するためにも、危険手当とか、そういうことを検討することも私は役所として必要なんじゃないかなと思うんですが、一連の今申し上げたことについて、御回答いただければと思います。 ◎笹本 清掃・リサイクル部管理課長 お話にありました非接触型の収集方法につきましては、欧米で普及しているというふうに認識をしております。また、収集の現場がそこに当たっている職員、また委託業者の方々が安全に仕事をしていただくことは、コロナ対策のみならず、非常に重要なことであると考えております。  その上で感染対策でございますけれども、区では清掃事務所の職員の対策としまして、継続的にマスクを配付するとともに、他区に先行しまして、職員のほか、委託業者の方々にも行き渡るようにフェースシールドを配付するなどの対策を講じ、ごみの収集現場の安全確保に努めてまいったところでございます。  お話しの危険手当の支給、またそのような手当の支給に関しましては、他区におきまして緊急事態宣言の発令期間に限って特殊勤務手当を上乗せしたという事例がございますが、当区では今のところ導入は考えておりません。 ◆あべ力也 委員 今、導入は考えていないという話ですけれども、現状から考えれば、そういう手当に関しても検討していくことは必要だと思いますので、引き続き検討していただければというふうにこれは要望しておきたいと思います。  次ですが、ふじみ荘について質問したいと思います。  ふじみ荘に関しては、今議会でも様々議論がされておりますけれども、私は特にふじみ荘がなくなって、高齢者の方に対する代替施設、代替措置の問題を取り上げてみたいと思いますが、ふじみ荘がまずどれぐらい年間のコストがかかっていたのかということと、高齢者の健康増進の施策として、区内の例えば温浴施設、銭湯なんかも含めて、あとは民間のスポーツ施設、様々な民間施設なんかと連携をして、今まで高齢者に提供していたサービスが継続して受けられるようなことをやっぱり検討すべきだというふうに思うんです。  それで、今までランニングコストでかかっていたような費用を、それこそ健康増進の高齢者健康増進券というのかな、そういうものでお配りをして、区内の公営施設、そして民間施設も使えるような共通の利用券みたいなもので、このふじみ荘がなくなった後の高齢者の福祉増進のために検討していただきたいと思うんですが、所管としてどういうふうにお考えなのか伺いたいと思います。 ◎加野 市民活動・生涯現役推進課長 ふじみ荘につきましては、高齢者への健康増進や憩いの場として多くの方に利用されてまいりましたが、老朽化や経営コスト等も含め、慎重に検討した上で廃止条例を提案し、議決をいただきました。  お尋ねのふじみ荘の年間コストにつきましては、約一億九千六百万円かかっております。ふじみ荘を御利用いただいている皆様には、千歳温水プールの健康増進室や大蔵第二運動場のほか、地域の集会施設などの利用を御案内してまいります。  また、既存の送迎バスを活用して、千歳温水プールや大蔵第二運動場へのアクセスを高められないかと検討を進めるとともに、浴室などを備えた総合的な民間スポーツクラブとの連携に取り組んでいるところでございます。  委員から御提案いただきました高齢者の健康増進やレクリエーションを目的とした区内の民間温浴施設などの利用券等につきましては、諸課題もございますが、検討してまいります。 ◆あべ力也 委員 ふじみ荘の代替の施設ということを区で検討するということもできるんでしょうけれども、そうするとやっぱり計画をして、建物を造ったりなんかするというと、どうしてもやっぱり時間がかかってしまうということがあると思うんです。  その上で、民間の施設、もしくは世田谷区が持っている今の施設なんかをうまく連携をしながら、今提供している高齢者へのサービスを持続できるように、こうした利用券、民間温浴施設等の利用券等を代替として検討するということは私は必要なことだし、やれることだと思いますんで、ぜひ実行していただきたいと要望して、私の質問を終わりたいと思います。  以上です。 ○真鍋よしゆき 委員長 以上で減税せたがやの質疑は終わりました。     ──────────────────── ○真鍋よしゆき 委員長 引き続きまして、レインボー世田谷、どうぞ。 ◆上川あや 委員 性的マイノリティーを支援する世田谷にじいろひろば電話相談について伺います。  先日、同相談事業を請け負われている相談員の方と接する機会がありまして、区の事業運営の在り方に課題があると感じましたので、質問します。  区は、区の多様性尊重条例が規定する苦情処理制度が、差別を受けた被害者の支援にも役立つことについて、また、この四月より区の居住支援制度の新たな対象者にLGBTが加えられたこと等について、同相談事業を請け負われている相談員の方々に積極的に伝えられたことはないと知って驚きました。  私がこの春から区の居住支援制度の対象にLGBTが加わりましたと御紹介すると、とてもすばらしい取組なのに聞いたことがありませんでしたと驚いておられ、区の苦情処理制度についても、自らその条例に気づき、勉強してくださったものの、区からの説明はないままで、大変申し訳ない気持ちにならざるを得ませんでした。  区の各種LGBT支援策は積極的にこの相談事業の方々にも役立てていただくべきで、両者を切り離し、情報提供すらないということでは大変困ります。情報共有と事業間連携に工夫を求めますけれども、いかがでしょう。 ◎小野 人権・男女共同参画担当課長 区は、第二次男女共同参画プランの基本目標、全ての人が尊厳を持って生きることができる社会の構築に基づき、性的マイノリティー等多様な性への理解促進と支援に取り組むとしており、平成二十七年十一月に開始した同性カップルの世田谷区パートナーシップ宣誓制度をはじめ、全庁で多様な性への配慮の視点を持ち、各種事業を進めております。  世田谷にじいろひろば相談は、平成二十九年度より、男女共同参画センターらぷらすにおいて、当事者や家族、支援者を対象とした月四回の相談事業で、LGBT支援団体の方などが相談員となり、昨年度は百三十一件、今年度は九月末までに九十四件の相談に対応いたしました。らぷらすでは、世田谷にじいろひろば電話相談を含む各相談事業の相談員が定期的に集まり、情報交換や事例報告を行っております。  今後は、区はこうした機会を活用し、相談に関わる区の新規事業の説明や関連情報の提供を的確に行い、相談員がLGBTの相談者に合わせ、必要な支援の内容を適切にアドバイスができるよう取り組んでまいります。 ◆上川あや 委員 次に、昨年の決算特別委員会で私より提案し、区から改善に向け検討すると積極的な御答弁をいただきながら、未だ改善が見られない二点について伺います。  一つ目に、パートナーの死亡時、異性のカップルなら遺族と認められ、人的被害に応じた配分があるのに、同性のカップルでは、その平等が保障されていない災害義援金についてです。
     昨年十月四日の決特でこの問題を取り上げ、世田谷区では同性カップルを差別しない区条例に沿って平等に配分するべきだと求めたところ、区より、同性パートナーの方を対象とするためには同性パートナーであることの確認など、整理する必要がございますとしながらも、同条例の趣旨を踏まえ、同性パートナーのいる方についても配偶者のいる方と同様の扱いを目指していくべきものと考えてございますとの表明がありました。  この御答弁から一年がたちますが、今なお改善は見えません。これまでの検討状況と併せて、改善がいつになりそうなのか伺います。 ◎舟波 地域行政課長 災害義援金の配分の対象者や金額につきましては、区が設置する災害義援金配分委員会の審議を経て決定し、その内容に基づき配分することになります。  昨年十月の台風十九号被害における災害義援金の配分では、被災者の申請に関する負担を軽減するため、災害で亡くなられた方については災害弔慰金の受給者に区から申請の御案内を行い、死亡事実や受給者の本人確認などの資料を省略して配分いたしました。  同性パートナーの方への災害義援金の配分に関しましては、世田谷区多様性を認め合い男女共同参画と多文化共生を推進する条例の趣旨を踏まえ、手続の面では災害弔慰金と整合を図ることが区民にとっても分かりやすいことから、同性パートナーであったことや、他の遺族の支給との関係など、災害弔慰金の担当所管と連携して、今年度内をめどに検討整理し、詳細を詰めてまいります。 ◆上川あや 委員 ぜひお願いいたします。  最後に、民族、国籍差別を公然と行う団体等への公共施設の貸出しについてです。  差別の扇動をする蓋然性が極めて高い団体にまで公共施設の利用を認めるべきかどうか、この課題がお隣川崎市でも大問題となり、川崎市では昨年全国で初めて、刑事罰を含む差別禁止条例を施行したところです。  一方、川崎市よりも早く全国で初めて民族、国籍差別を区条例で禁止した当区では、依然、公共施設の利用制限の基準にも、民族、国籍差別を制約する規定等はないままで野放しです。  ヘイトスピーチ同様、その有害性について、既に法的基盤のあるオウムや暴力団に対しては、区立施設の利用制限に言及がありますのに、民族、国籍差別に無策な状況は変えるべきとの趣旨で質問したところ、区からはヘイトスピーチ対策法並びに区条例の趣旨を踏まえつつ、他自治体の先行事例を参考にしながら、公の施設の使用の在り方の検討に取り組んでまいりますと踏み込んだ御答弁がありました。しかし、この問題でも改善が見えません。  公共施設の利用制限に慎重を期す姿勢については理解ができますが、着実に前進をしていただかなければなりません。現在の検討状況と併せて、改めて同取組への決意を伺います。 ◎舟波 地域行政課長 地方自治法第二百四十四条第二項では、「正当な理由がない限り、住民が公の施設を利用することを拒んではならない。」とされており、ヘイトスピーチによる施設の利用を制限するに当たっては、不当な差別的言動の行われるおそれや、他の利用者に著しく迷惑を及ぼす危険が客観的な事実に照らして認められる場合といった条件が必要になります。そのような判断を施設管理所管がするに当たっては、第三者機関等から意見聴取する必要性についても、他自治体の事例を研究する中で浮き彫りになりまして、様々な課題を慎重に検討し、各施設の設置条例との整合を図ることも考えてございます。  いわゆるヘイトスピーチ対策法や、世田谷区多様性を認め合い男女共同参画と多文化共生を推進する条例の趣旨を踏まえ、差別的な言動は許さないという姿勢を堅持し、生活文化政策部や施設管理所管と連携し、しっかりと検討を進めてまいります。 ◆上川あや 委員 しっかりと条例に従って公共施設の適正管理、よろしくお願いいたします。  以上で終わります。 ○真鍋よしゆき 委員長 以上でレインボー世田谷の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○真鍋よしゆき 委員長 引き続きまして、世田谷無所属、どうぞ。 ◆ひうち優子 委員 本日は、ごみの再利用について伺ってまいります。  今年に入って、コロナ禍による影響からかごみ量が増加傾向にあります。現在世田谷区では、ごみ排出量を減らすために様々な事業を実施しておりますが、新たなごみ減量の方策として、環境に優しいごみの再利用について、二点提案、質問をしてまいります。  一点目、食品廃棄物を再生可能エネルギーとして利用してはいかがかということです。全国では、年間約六百四十三万トン、世田谷区でも五千トンもの食品が、本来食べられるのに廃棄をされております。世田谷区は、全国に先駆けて食品ロス問題に先進的に取り組んでおりますが、私からは別の観点から、食品ロス問題について質問いたします。  食品ロスの削減に取り組んでも、どうしても最後にごみとして廃棄される食品が残ります。世田谷区では、区内で出される剪定枝を回収し、近隣の他県に搬入してバイオマス発電に利用するという独自の取組を既に行っております。そこで、この仕組みを広げて、区内で出される食品廃棄物だけを別回収して、バイオマス発電所に燃料として運搬して発電し、その電力を世田谷区で使用するという地域循環型の仕組みができるのではないかと考えます。  現在、食品廃棄物を原料とするバイオマス発電所はまだ少なく、都内では城南島にあるバイオエナジーだけだったのですが、今年の七月に東京都羽村市に同規模のバイオマス発電所が竣工いたしました。廃棄物の処理には、輸送経費が大きな負担になると思いますが、都内に新たに施設ができたことによって、世田谷区で廃棄された食品を原料として、発電した電力を世田谷区で再生可能エネルギーとして使用する仕組みができると考えます。  家庭ごみから食品廃棄物だけを別回収するのは、新たな回収品目が増え、区民の方の負担や回収経費が増大すると思いますので、まず事業系ごみからモデル実施してはいかがでしょうか。事業系ごみであれば、レストランなどの飲食店から廃棄される食品廃棄物を別回収することは、排出者にとってもそれほど大きな負担にならないのではないかと思われます。区の見解をお伺いいたします。 ◎庄司 清掃・リサイクル部事業課長 食品廃棄物につきましては家畜の飼料化、肥料化、メタンガス化などのリサイクル手法がございます。全国では、食品廃棄物のうち約五五%が食品関連事業者からの排出であり、事業活動に伴って生じた食品廃棄物については、食品循環資源の再利用等を促進する食品リサイクル法に基づいたリサイクルが義務づけられております。  区におきましては、排出事業者に再利用計画書を提出することなどを通じて、リサイクルの指導を行っており、指導の一環として、委員御紹介のバイオマス発電事業者も含めた食品リサイクル事業者を紹介しているところでございます。  委員御紹介の剪定枝リサイクルにつきましては、排出事業者に対する指導を通じて協力体制を確立することができましたので、食品廃棄物のエネルギー活用につきましても、排出事業者に対して紹介等に努めるとともに、関連所管と研究を進めてまいります。 ◆ひうち優子 委員 ごみの再利用について、二点目、農業残渣を堆肥化して区内で再利用してはいかがかということです。  二十三区の中で世田谷区は農地が多い自治体ですが、生産緑地法の改正や相続などによって、どんどん農地が減少しています。私は、農家の方から困り事として、農業残渣の処分について相談されました。野菜などの収穫をした後に残るアシや葉っぱや野菜くずは、広い農地であれば一か所に集めて堆肥化することが可能ですが、小さな農家では堆肥を作る空地がなく、事業系ごみとしてお金を払って業者に処分してもらっているそうです。業者が引き取った後は、可燃ごみとして清掃工場で焼却されています。しかし一方で、農業残渣は有機物資源であることから、良質な堆肥の原料となります。  そこで、区内の農家で出る農業残渣を回収して堆肥化し、その堆肥をまた区内の農家で肥料として使用するという区内循環型の仕組みを提案いたします。このような地産地消の仕組みができれば、清掃工場で焼却するのに比べて良質な有機肥料の再利用ができ、農家にとってもごみの処分費や肥料の購入費が安くなる可能性もありますし、ごみ減量やCO2の削減にもつながると考えます。見解をお伺いいたします。 ◎庄司 清掃・リサイクル部事業課長 農業残渣は事業系一般廃棄物でございますので、農業従事者自ら、または一般廃棄物の収集運搬許可業者が清掃工場に持ち込み焼却されているものがほとんどと思われます。区では現在、区内で発生した事業系の食品残渣を肥料にリサイクルし、区内で再利用するビジネスモデルの実証実験に協力しているところもございますので、農業残渣につきましても事業系ごみの自己処理責任の下、環境負荷の低減を前提とした上で、民間事業として成立できないか研究してまいります。 ◆ひうち優子 委員 二点、今回、提案、質問いたしましたので、引き続き研究をしていただき、生かしていただきたいと思います。  次に、プラスチックの分別回収について伺います。  政府は七月に、文房具や台所用品などのプラスチック製品を容器包装プラスチックと同様に、資源ごみとして分類する新たなリサイクル案をまとめました。  一方で、東京都は今年度予算で、世田谷区を含め、まだ容器包装プラスチックさえ分別回収していない自治体へのインセンティブ的な補助金として一億円を計上して、容器包装プラスチック分別回収を促しております。二十三区では、世田谷区を含め、容器包装プラスチックの分別回収を実施していない区は十一区あり、清掃工場で焼却して発電するサーマルリサイクルをしておりますが、国や都の新たな動きを受けて、プラスチックの分別に関して、現在の区の考えをお伺いいたします。 ◎庄司 清掃・リサイクル部事業課長 区では現在、家庭から排出されるプラスチックごみを可燃ごみとして収集し、清掃工場での焼却により発生する熱エネルギーは発電や熱供給に有効活用されております。委員御指摘のプラスチックに関する新たな動きでございますが、東京都が昨年十二月に策定したゼロエミッション東京戦略では、集積所での容器包装プラスチックの分別収集を開始する自治体に対して、調査費等の一部補助と収集運搬等の経費を三年間一部補助する再資源化支援事業を開始しております。また、国では、経済産業省と環境省が有識者による合同会議を設け、今後のプラスチック資源循環施策の基本的方向性として、容器包装プラスチックに加えて製品プラスチックも含めたプラスチック資源の循環についての方針を検討中と聞いております。  プラスチックごみの分別収集について、より環境負荷の少ない手法について、外部の知見も加えて調査研究し、コストに見合った環境負荷低減効果を含めて検討することと計画で整理しておりますので、区といたしましては、二酸化炭素や環境負荷に関する科学的な知見を有する専門家と調査研究を進めるとともに、区民や有識者の御意見なども参考にしながら、プラスチックごみと二酸化炭素排出量削減についての区の考えをまとめてまいります。 ◆ひうち優子 委員 よろしくお願いいたします。  以上で質問を終わります。 ○真鍋よしゆき 委員長 以上で世田谷無所属の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○真鍋よしゆき 委員長 引き続きまして、都民ファーストの会、どうぞ。 ◆そのべせいや 委員 総括に引き続き、本人認証としてのマイナンバーカードについて伺います。  本人認証をデジタル化し、電子申請への障壁を取り除くために、新たな技術的・法的課題の検討が必要なく、活用可能なマイナンバーカードの普及の考え方について伺いましたが、ほかに電子認証に必要な要素を検討すると、カードリーダーライターについて既にアンドロイド機だけでなく、iPhoneでの読み取り等も可能となっており、マイナンバーカードさえそろえば、手元に既にあるデバイスを利用して、電子申請の本人認証の関門を突破できます。  翻って、十二桁のIDの利用、二段階認証、生体認証ではなく、プラスチック製のICカードを政府が汎用的な手段として用意したため、発行に人手が多くかかり、手元に届くまでに時間とコストを要します。現実的に申請がデジタルで行えるであろう層について、一定割合へマイナンバーカードが取得をされ、電子申請に向けた本人認証の基盤が整備をされるまでにどの程度の期間が必要になるのか、つまり、世田谷区はいつをターゲットとして手続のデジタル化を進めることが可能なのか、今回本人認証の観点で伺います。 ◎齋藤 番号制度・マイナンバーカード交付推進担当課長 区では、従来の交付円滑化計画で毎月五千件の交付を計画いたしておりましたが、現在特別給付金のオンライン申請などの影響によって申請増加に対応すべく、世田谷区民会館ホールホワイエでの特設会場の開設など、交付体制を強化して毎月九千件の交付を目標としております。  総務省が示しているスケジュールでは、令和四年度末の段階で全国のほとんどの住民がマイナンバーカードを保有する計画と報道されております。世田谷区におきましては、令和二年九月二十七日現在、交付枚数は二十三万百三十九件で、人口に対する交付率は二五・一%です。令和二年九月一日の統計では、一つの目安ですが、お子さんを除いた二十歳から六十四歳までの人口が約六十万人で、この年齢層の七割が取得する場合は約四十二万件になります。  こうした規模感を基に四十二万件を目標に考えますと、条件はありますが、お尋ねの期間は現在の交付体制が維持できれば、今後十九万件の新規交付を行い、令和四年度中に電子申請可能な人がほぼ所有している状態となると考えておりますが、申請の集中状況等を考慮し、さらに交付体制の強化に向けて検討してまいります。 ◆そのべせいや 委員 令和四年ということなので、二〇二二年度末、二〇二三年の三月頃には、マイナンバーカードによる本人認証を一般的に有効にできるということだと思いますので、そこをターゲットに本人認証が必要な申請まで含めて、全ての申請のデジタル化を進めること、また、マイナンバーカードと環境があったとしても、実際に電子申請を試してみて扱えないケース、必要な環境がそろっていることに気づかず宝の持ち腐れになるケースにも対応するため、デジタル機器への扱いに慣れていない人へのデジタルデバイド対策についても伺いたいところですが、区民生活領域から外れるため別の機会に伺います。  続いて、電子決済サービス、(仮称)せたがやペイについて伺います。  今回、電子決済システムを立ち上げ、それを利用し、商品券購入額の三〇%を購入者へ税金で追加給付をすることで消費の活性化を図ろうとしていますが、一方、従来の紙の商品券発行及びそのための体制も温存しています。今回の事業は、営業縮小・停止を実質的に強制されてきた飲食業やエンターテインメント産業への補償としては理解をしますが、一方、巣籠もり消費、コロナ需要で空前の売上げを達成している分野、サービスまで含め、従来のプレミアムという名の税金給付商品券と同じ枠組みとしている点については、本来の目的に立ち返り、今からでも考え直すべきです。  コロナ不況下での経済対策として比較対象となるGo ToトラベルやGo Toイートキャンペーンは、税金による補助でぜいたく消費を呼び込み経済効果を目指すということは理解をしますが、今回、世田谷区が発行する商品券は市場へお金を呼び込むのかという観点で考えると、ふだんの消費が商品券で代替をされると、消費者の節約にはなりますが経済効果は生まれず、税金の補助分はそのまま消費者の銀行口座に残ることとなります。呼び水として機能させるのであれば、たとえプチぜいたく程度であっても、供給側がふだんより多くの消費を呼び込むような商品、メニューを用意することとセットとなりますが、ふだんの消費を対象サービスへ誘導する以上の効果がなければ、コロナ不況とは関係なく、本来市場から撤退するはずだった対象事業者まで生き長らえさせることになり、自由経済に行政が不健全に介入をしていると言えます。  経済対策としての商品券発行そのものに疑義も生じる一方、電子化には幾ばくかの可能性も感じており、電子商品券のランニングコストが約二千万円とのことで、紙商品券の約三千八百万円を半減させる意味では、電子商品券へ移行することは、現状よりはよりベターな状態だと考えます。また、直接的なインセンティブが発生をする電子商品券だからこそ、アプリのインストールまでハードルが上がっているマーケットの中でも一定の利用が見込まれ、区の広報紙程度しか接点のなかった区民とも双方向の接点が生まれます。  区民の税金から支出をしたイニシャルコスト四千万円、ランニングコスト年間二千万円の投資に見合うよう、このシステムを商業課の事業のためだけでなく、区の政策広報の通知やアンケート、他部署の紙で現在発行している金券バウチャーでの給付の置き換えなど、様々な用途で利用し、コスト回収に努められないか見解を伺います。 ◎中西 商業課長 お話しのせたがやペイでは、個店のセールなどの情報ですとか、あとプッシュ通知によって、そういうものをお知らせしたりとか、アンケート調査のできるような仕様でつくるよう、発行元の世田谷区商店街振興組合連合会と協力を求めているというところですけれども、これによって区の政策のプッシュ型広報ですとか、各種の調査ツールなど、様々な政策を推進するインセンティブとして活用するということはできるかと考えてございますので、このように検討していきたいと考えてございます。 ◆そのべせいや 委員 追加でもう一つ、電子決済システムが、今後、税金補助の商品券温存の正当性の担保とならぬように、早急に地域通貨へ移行していくということを求めますが、区が費用を負担しているからこそ、区の方針で仕様の変更や追加ということが可能となるよう、あらかじめ契約をしていただきたいと考えますが、この点についても見解を伺います。 ◎中西 商業課長 せっかくつくるシステムですので、可塑性があるものにしたいと考えてございます。有益な機能であれば随時追加していくことができるように、そのような契約方法になるよう、商店街振興組合連合会と協議していきたいと思います。 ◆そのべせいや 委員 最後に一言、地域通貨をふるさと納税の返礼品としている例も全国を検索してみると複数存在をしているので、以前、中西課長がふるさと納税を担当されていたときに、楽天ポイントの付与ができないかということを私質問したんですけれども、その際に、金券としての価値のあるものは付与できないという話でしたが、地域通貨付与ということにはハードルはあるかもしれませんが、全国で実施をされている例もあるので、他自治体の実施例をぜひ研究をしていただき、地域通貨の返礼品化ということで、区外から、いわば外貨をせたがやペイへ呼び込んでいただくということを提案をして、今回ここでもう時間がないため、提案だけで終了させていただきます。  以上です。 ○真鍋よしゆき 委員長 以上で都民ファーストの会の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○真鍋よしゆき 委員長 引き続きまして、区民を守る会、どうぞ。 ◆くりはら博之 委員 私からは、台風や豪雨などが発生した際の避難所の確保と運営について質問をいたします。  近年、国内はもとより、世界各地において、これまでにない異常気象による多大な被害が発生しています。我が区でも、昨年十月に発生した令和元年東日本台風、いわゆる台風第十九号では、多摩川などで浸水被害が発生するなど、東日本全域で甚大な被害が発生したことも記憶に新しいところです。  今年も既に台風が発生しやすい時期を迎え、事実、先月に発生した台風第十号では、九州・四国地方では約百八十万人に避難指示、約八百七十万人に被害勧告が発令され、多大なる被害が発生しました。今年は新型コロナウイルス感染症の予防のための、いわば三密を避ける必要性から、各避難所が定員を減らしたことにより満員となる避難所が相次ぎ、新規避難者の受入れをできなくなる避難所も相次いだと言われています。  まずは、こうした台風第十号により、九州・四国地方の避難所で発生した事態について、区の見解を伺います。 ◎荒 玉川総合支所地域振興課長 本年九月五日から七日にかけて西日本を通過した台風第十号に伴い、九州・四国地方の百六十の自治体、約四百十万世帯、約八百八十二万人に避難指示、避難勧告が出されました。新聞報道等によりますと、避難所などに身を寄せた方は十七万八千人を超え、そのうち百十六の市町村、五百か所以上の避難所で新たな受入れができなくなったとのことでございます。これは、新型コロナウイルス感染症対策として、各避難所での受入れ人数を減らしたことや、最大級の警戒が呼びかけられ、積極的に避難をした方が増えたことにより、避難所によっては定員に達したと見られており、区としても注視すべき点であると認識しております。 ◆くりはら博之 委員 御答弁ありがとうございます。例えば、鹿児島市では、九月六日の正午に市内の約二十四万六千人に避難指示を出したものの、新型コロナ感染症対策のために避難所の収容人数が半減し、一時間後には避難者数が避難所の収容人数を上回り、長崎県五島市でも、一時間半後には十一か所の避難所が満員になったとの報道がなされています。  区でも、避難所運営については、昨年の水害や新型コロナウイルス対策で様々な見直しをされているかと思いますが、避難所運営の見直し状況などについて御答弁をお願いします。 ◎荒 玉川総合支所地域振興課長 令和元年台風第十九号により、玉川・砧地域では多摩川浸水被害が発生し、これまでにない多くの方が避難をされ、また職員の体制がうまく取れなかったため、避難所の開設等に混乱を来しました。その反省も踏まえ、区全体で風水害対策についての総点検を行い、その中で避難所の開設、運営についても見直したところでございます。  また、より多くの避難所の確保のため、区立の小中学校だけではなく、都立高校や大学等施設について、水害時の指定緊急避難場所として使用できるよう協定締結を進めております。なお、水害時の避難所においては、職員が体制を組み、開設、運営を担うことから、避難所の開設、運営に特化したマニュアルを整備し、また、地域水防本部においても特別体制を取ることといたしました。 ◆くりはら博之 委員 内閣府は、四月に新型コロナウイルス感染防止対策も視野に入れ、災害時において、可能な限り多くの避難所を開設して、避難者のスペースを十分に確保するようにとの通知を各自治体に出しています。これは避難所においても、できるだけ密を避け、感染防止に努めることを示唆していることと思いますが、区の取組について伺います。 ◎荒 玉川総合支所地域振興課長 私ども災対地域本部としましては、災対各部に発出されました避難所における新型コロナウイルス感染症への対応についての通知に基づき、感染対策を徹底するために避難所の拡充のほか、学校等施設とも調整しながら、体育館、格技室のほか、ランチルームや視聴覚室や教室など、より一層の避難スペースの確保に取り組んでおります。また、既に作成している新型コロナウイルス感染防止対策をまとめた留意事項を基本に、消毒液、マスク等の備蓄品等を拡充し、水害時の避難所運営を行ってまいります。  なお、避難者の方々へも、避難所での感染防止対策への理解や感染症防止のための個々の備蓄の推進を進めてまいります。 ◆くりはら博之 委員 御答弁ありがとうございます。新型コロナウイルス感染症は、高齢者ほど感染した際に重症化しやすく、また、災害避難者には御高齢の方が多いことから、避難所での集団感染は絶対に防がなくてはいけません。また、いわゆる密を避けるためにも、避難所に行くことだけが避難ではないということについては、国も提言していることです。避難を必要とする方々が、個々の状況に応じて適切な避難行動ができるよう、区は引き続きあらゆる手段を講じて、しっかりと区民へ周知していくべきと思いますが、区の考えをお尋ねいたします。 ◎荒 玉川総合支所地域振興課長 委員御指摘のとおり、親戚や知人宅等への縁故避難や宿泊施設の利用等、避難所に行くことだけが避難ではないことは国も提言しているところです。これらにつきましても、避難所での密を避けるためにも呼びかけていくとともに、あわせて、水害時の避難対象地域や避難の必要性についても、引き続き区民への周知に努めてまいります。 ◆くりはら博之 委員 区民を守る会としても、行政の責任はきちんと果たし、区民の安全を図ることを改めて強く要望して、以上で質問を終わりにいたします。 ○真鍋よしゆき 委員長 以上で区民を守る会の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○真鍋よしゆき 委員長 引き続きまして、無所属、どうぞ。 ◆青空こうじ 委員 今日は、マイナンバーカードについてお伺いします。  今日もテレビのニュースでやっていましたが、マイナンバーカードの普及促進や消費の活性化などを目的に、七月からマイナポイント事業が始まりました。マイナポイントは、マイナンバーカードを使って事前に申込みの上、選んだキャッシュレス決済サービスで買物やチャージをすると利用金額の二五%分のポイントがもらえるという仕組みで、ポイントがもらえる期間は、今年の九月一日から来年の三月三十一日までとなっています。国は、この事業のために四千万人分、約二千億円の予算を投じる力の入れようです。  マイナンバーカードがあれば、住民票の写しや印鑑の登録証など、全国のどこのコンビニでも受けることができます。わざわざ区役所の窓口に出向く必要はなくなり、また、来年の三月からは、健康保険証としても使えることが決まっていて、より利便性が高まるマイナンバーカードですが、報道では、マイナポイント事業の開始にもかかわらず交付が伸び悩んでいますが、世田谷区における交付状況は、マイナポイントの事業の開始以降どうなっているのでしょうか、お伺いします。 ◎齋藤 番号制度・マイナンバーカード交付推進担当課長 今年度は特別定額給付金のオンライン申請希望者の影響で、非常に多くのマイナンバーカード交付の申請が行われました。特別定額給付金のオンライン申請の開始以降、五月の申請状況は約二万枚、六月は約一万枚と推移いたしましたが、マイナポイント事業のPR効果もあり、その後も引き続き、毎月一万件以上の申請がございました。この結果、最新の九月二十七日現在の集計では、交付件数は二十三万百三十九件で、人口に対する交付率は二五・一%となっております。 ◆青空こうじ 委員 私自身も昨年、マイナンバーカードを烏山の区民センターで取りました。せっかくなので、今回のマイナポイントも申請してみたいと思いますが、申込みはスマートフォンやパソコンから行うとなっていて、手続がちょっと難しそうで二の足を踏んでいます。  高齢者の中には、ICTの機械を扱い慣れていない人もいっぱいいると思いますが、持っていない人もいます。せっかくの促進策が多くの高齢者に届かないのではないかと私は心配しておりますが、高齢者がマイナポイントをスムーズに申し込めるように、区はどのような工夫を取り組んでいるのかお伺いします。 ◎齋藤 番号制度・マイナンバーカード交付推進担当課長 マイナポントを取得するためには、マイナンバーカードの利用者証明用電子証明書を利用して、インターネットの専用サイトで事前に予約を行い、さらにマイナポイントのキャッシュバックができるキャッシュレスサービスを一つだけ選択いただいて、申込みを行う必要があります。その後、申込みを行ったキャッシュレスサービスでチャージをするか買物をすると、上限五千円分のマイナポイントが当該キャッシュレスサービスのポイントとして還元されるものです。  マイナポイントの予約と申込みについては、区では、今年度八月までは第一庁舎の三階にあった番号制度・マイナンバーカード交付推進担当課の窓口でICカードリーダーつきのパソコンを複数台用意し、来庁した方への御説明と操作の支援を行ってまいりました。また、九月からは、その窓口を世田谷区民会館ホールのホワイエにあるマイナンバーカード特設会場に移設し、引き続き来庁した方への支援を行っております。  区役所以外では、コンビニエンスストアや携帯電話ショップなどの民間事業者、または郵便局、お住まいのお近くでもマイナポイントの予約や申込みができるように国が支援をし、環境を整備しているところです。  ICカード読み取りに対応したパソコンかスマートフォンがあれば、御自分で予約申込みできるものですが、来庁いただき御支援させていただいた方の多くの中には高齢の方がおりましたので、マイナポイントをスムーズに手続するための御支援ができているものと考えております。 ◆青空こうじ 委員 区の交付促進策についてお伺いします。  国は、二〇二〇年の方針で、行政手続をオンラインで完結するということを大原則とし、将来的にマイナンバーカードに大きな役割を持たせようとしています。マイナンバーカードを活用した生涯にわたる健康データの把握や運転免許証との一体化など、マイナンバー制度の利活用について検討すると言っておりますが、区はこうしたことの実現に備え、今のうちからでも、より多くの区民にマイナンバーカードの交付を着実に進めておく必要があると思いますが、区は、これまでもキャロットタワーの二階にマイナンバーカード専用窓口を設けるなど、対策に取り組んでいると思いますが、今後、より一層の交付促進に向けてどのような取組を行っているのかお伺いします。 ◎齋藤 番号制度・マイナンバーカード交付推進担当課長 今年度は、特別定額給付金のオンライン申請希望者の影響で、スマートフォンやパソコンによる申請が非常に増えており、今後も、委員から御説明あったように、九月から始まったマイナポイントのキャッシュバック事業や令和三年三月からのマイナンバーカードの健康保険証利用の影響と見られる申請が多くなされることが、引き続き見込まれております。このため、この九月から世田谷区民会館のホールホワイエにマイナンバーカードの特設会場として窓口を開設しており、申請者の増加に伴う交付体制を整えました。  今後、国はマイナンバーカードを取得していない方に向けて申請書を一斉に送信する計画もあるようですので、こうした動向に対応して体制を整える取組を行ってまいります。 ◆青空こうじ 委員 以上で質問を終わります。 ○真鍋よしゆき 委員長 以上で無所属の質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後三時三分休憩    ──────────────────     午後三時二十分開議
    ○真鍋よしゆき 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  自由民主党、どうぞ。 ◆石川ナオミ 委員 それでは、自由民主党、世田谷区議団の区民生活領域の質疑を始めてまいります。  新型コロナウイルスの影響で新しい生活様式となってきている中で、就職活動をしている大学生の就活にも大きく変化が出てきております。  そこで、まず最初に川柳を御紹介したいと思います。就活生ならではの川柳です。「スーツ着て、向かった先はディスプレイ」、二つ目、「ピンポンと面接中に来訪者」、そしてもう一つ、「Wi―Fiの調子で決まるよ人生が」。御存じのように、今年度の就職活動は、オンライン面接を取り入れた企業が多くありまして、このようにオンライン面接に戸惑いながらも新しい生活様式になじもうとする学生たちの思い、本音がにじみ出ているという川柳です。  サラリーマン川柳というのはおなじみなんですが、この川柳は、第一生命のグループに入社する、まさに社会に出る一歩手前の学生が詠んだ、これからサラリーマン川柳というものなんです。この会社では、最終面接まで全てオンラインだったということでして、もう一つ、ついでに御紹介いたします。「待ち遠しい画面の向こうにある御社」、何か画面の向こうに夢を膨らませているという、リアルでない就活生の思いが伝わってまいります。  こうしたオンライン面接が増えてきている中で、世田谷区でも就職活動生を応援しようという取組ということで、オンライン面接を受けられるレンタルスペース、エールームが八月下旬、池尻の世田谷ものづくり学校の校内に設置をされました。これは、区内の大学生からオンライン面接での通信環境の不安定さですとか、通信料金が心配だと訴える声が上がりまして、その声に対応していこうという取組なんですが、実際の利用状況はどのようになっているでしょうか、伺います。 ◎香山 工業・ものづくり・雇用促進課長 委員に今お話しいただきましたように、四月の緊急事態宣言を受け、区で区内大学にヒアリングを行ったところ、多くの企業でオンライン面接が導入され、就職活動中の学生の中には、オンライン面接に対応する環境が整わず不安を感じているというお話を伺いました。  そのため、安定した通信環境でオンライン面接ができる環境を提供することができるように、通信環境の整備については官民連携事業として、区がNTT東日本に協力を依頼いたしました。また、場所の確保については、世田谷ものづくり学校と協議し、場所とパソコン及びその他周辺機器の貸与と運営管理を行うとの申出があり、八月より三者で協定を結び、事業を開始したところでございます。  お伺いの開始から一か月がたちましたが、現在の利用は十件となっております。また、若年者と区内企業とのマッチング事業でも、コロナ禍の影響を踏まえ、研究や合同企業面接会をオンラインに切り替えて実施しており、コロナ禍であっても就労支援に支障がないよう、柔軟に対応して取り組んでいるところでございます。 ◆石川ナオミ 委員 まだこの事業がスタートして一か月余りというところで、利用の学生さんが十件ということでしたので、これはちょっと多いか少ないかというのは、まだまだ計り知れないというところではありますが、今後、コロナ禍の状況によっては、これから増えてくるニーズとしてもあるかと思いますので、さらに周知をしていくということが必要になってくるかと思います。  私はキャリアコンサルタントとして、かつて仕事をしていたこともございまして、今でも学生の皆さんの就職活動のお手伝いなどをさせていただくことがあります。実際に今年の大学三年生の話を伺いますと、やっぱりオンラインによる会社説明会ですとか、インターンの面接などが増えてきておりまして、従来ではインターンなども参加ができなかったという海外の大学生ですとか、地方の学生も気軽に応募ができるということで、何だかライバルが増えてきているような感じがしますというような、倍率も高くなってきているという実際の声なども聞いております。厳しいんじゃないかなというようなことも心配しておりました。  今年の四年生、二〇二一年の卒業予定者の内定率、九月一日現在なんですが、速報値としましては八五%ということで、これは前の年の同時期に比べますと八・七ポイント下回っているということなんです。ですから、今後もコロナの影響が出てくる、いろんなことが影響されてくるのではないかなということが心配されますけれども、そうした不安な学生のサポートをしっかりとしていただけたらなというふうにも思います。  今後、区としては、こうしたオンライン面接での対応ということで、例えばオンライン面接の受け方とか、アピールの仕方というようなことも、これまでのキャリア指導ということではちょっと変えて、今までとは違ったアプローチをしていかなければいけないんじゃないかなというふうにも思いますが、どのように対応していくでしょうか、伺います。 ◎香山 工業・ものづくり・雇用促進課長 新型コロナウイルス感染症拡大防止に向けて若年者と区内企業とのマッチング事業では、研修や合同企業説明会をオンラインに切り替えて実施しており、コロナ禍であっても、就労支援に支障がないように柔軟に対応して取り組んでおるところでございます。また、三茶おしごとカフェでは、新たにオンライン面接対策セミナーを実施し、オンラインでのマナーや身だしなみなどの対応について伝えております。さらに、対面による面接会などに制限がある状況にありますので、先ほどの俳句でもあったように、御社の先はどうなっているのかなと分からない状況なので、人材が必要な区内の事業PRを動画による配信もさせていただいております。  企業情報の発信をはじめ、求人票だけでは伝わりにくい企業の雰囲気をビジュアルに伝えることで、オンラインでも区内企業の魅力を発信し、区内企業の人材確保と学生が惑わずに安心して就職ができるような取組を行っているところでございます。 ◆石川ナオミ 委員 なかなか情報が手に入れられないということもありますし、それから、どんな会社なんだろうかとか、どういった方々が働いているんだろうかとか、そうした肌感覚のことというのがなかなか情報として手に入らないということもあります。そうした学生の不安というところを少しでも取り除いていただくような支援を、引き続きお願いしたいというふうに思います。  替わりまして、区内産業に今度は目を移していきたいと思います。  先日の本会議でも、私、地域経済の活性化についてということで、代表質問で取り上げさせていただきました。日銀が発表しています六月の業況判断指数、いわゆるDI値がマイナス三十四と、十一年ぶりの低水準となっております。これは世田谷区におきましても同様でして、区内中小企業における今年四月から六月期の見通しDIはマイナス五十五・九と、大変厳しい景況感を示しているわけでございます。新型コロナウイルス感染症に伴う地域経済への影響というのは、長期化が避けられないのではないかというような状況が見えてくるわけです。  また、厚労省の発表によりますと、先月九月二十四日現在でコロナウイルス感染拡大の影響による解雇、雇い止めの人数が累計六万四百三十九人ということで、六万人を超えてきているということなんです。九月は前月に比べて一・五倍のペースで増えていると。雇用情勢の悪化に歯止めがかかっていない、雇用悪化も加速化しているということがうかがえます。  このコロナ禍の中では、区は区内産業及び労働従事者の方々にこれまでも支援を行ってきております。どういった取組でしょうか。また、これまでの評価を伺います。 ◎香山 工業・ものづくり・雇用促進課長 区では、新型コロナウイルスの影響が出てきた三月に、雇用環境の変化や事業活動に不安を抱える区民や事業者にいち早く対応するために、社会保険労務士による臨時労働電話相談室を開設いたしました。四月には、事業者に対して融資を実施するものと、その後、飲食店への応援、業態転換、新ビジネス事業などを行ってまいりました。  また、雇用面では、八月には産業振興公社が求人情報をサイト上に掲載する三茶おしごとナビの運用を始めました。これらにより、対面によらない状況でも常時求人情報を提供することが可能となり、コロナ禍の影響により外出の難しい状況でも、区内企業で求職者の採用活動などもできるようになりました。また、事業者においても、融資支援や業態転換の申込みが多く見られているような状況で、効果があると考えております。 ◆石川ナオミ 委員 実際に話を聞いてもらいたいけれども、どこに問合せをしたらいいんだろうかというようなお声を私も伺っておりました。臨時電話相談ということで実際設けられたということですけれども、この相談の件数、またどういった相談が多かったのか伺います。 ◎香山 工業・ものづくり・雇用促進課長 臨時労働電話相談では、約千件を超える相談件数がございました。開始当初は、メディアで報道されているような情報が多く、小学校等の保護者の休暇取得支援助成金、雇用調整金、融資貸付金制度など、様々な事業主や個人の方が自ら支援の対象なのかどうかというお問合せが多くありました。緊急事態宣言後は、労働者の方から休業手当に関するお問合せや事業主の方の持続化給付金の問合せが多くありましたが、夏頃には、国や都などの支援制度の充実やインターネットでの案内が詳細になってきておりましたので、相談件数はぐっと減少しております。そのため、九月末をもって一旦事業は休止したいと考えております。 ◆石川ナオミ 委員 相談件数が減少傾向にあるということで、時間がたつごとに、皆さんの置かれている状況とか気持ちの状況というのは変わってくるということがあろうかと思いますが、先ほど御答弁にもありましたけれども、九月末でこの臨時労働電話相談が休止するということでございました。先ほども触れましたように、今後も雇用状況の悪化ということが懸念されている中で、こうした相談支援というのは今後も必要であると考えますが、見解を伺います。 ◎香山 工業・ものづくり・雇用促進課長 先ほども御答弁しましたが、今現状は一日、二、三件というような状況でございます。一旦休止はいたしますが、引き続き労働相談を希望される方については、電話での案内や三茶おしごとカフェでの社労士相談を御案内し、また、事業者に向けましては、総合経営相談を誘導して対応してまいります。労働状況に悪化の兆候が見られましたら速やかに、再度、労働電話相談を再開する準備はしております。 ◆石川ナオミ 委員 引き続き、きめ細やかな皆様への相談対応をしていただきたいというふうに思います。  さて、話題は替わりますが、こちらも代表質問の際に取り上げましたけれども、私たち自由民主党は、商店街、それぞれの個店の応援をしていきたいという信念の下、そのツールとして、プレミアム商品券については、これまでも強く予算計上を訴えてまいりました。このコロナ禍では、プレミアム付商品券は区民の皆様に利用していただくことで、商業のさらなる活性化を図っていけるものだということを確信をしております。  そこで、このほど補正予算としても計上されましたプレミアム商品券、いわゆる世田谷個店応援券、そして、電子商品券、せたがやペイについて、続いてはこの発行支援について伺ってまいります。  これまでの紙媒体の商品券の発行も一定程度の割合で残しつつ、特に今回はQRコード方式の決済を活用するせたがやペイの導入ということで、いろいろな可能性が秘められているということがあります。ですから、これまでプレミアム商品券を利用したことがないという区民の皆様にも、幅広く行き渡っていくのではないかなということが期待をされております。  午前中の質疑の中にも、加盟店の店舗数を増やすというようなことで、四千店舗を目標にという御答弁もありましたけれども、実際このせたがやペイの実施に当たりましては、消費者の皆さんにどのように働きかけていくか、ぜひ使ってみたいなとか、利用してみたいなという購買意欲を持ってもらうかという、いわゆる仕掛けが大事であるなというふうに思っております。  さて、そこで、当然ながらそういった秘策はしっかりとお考えだというふうに思いますが、見解を伺います。 ◎中西 商業課長 購買意欲を持っていただくためにはいろいろありますけれども、お得であると感じていただくことと、便利であると思っていただくことが重要になると思っています。このうち、プレミアムがつきますので、お得であるというところはできていると思うんですけれども、便利であると思っていただくためには使える場所、日常生活において使える場所というのがどれだけあるかというところがポイントになってくるかと思います。  ですので、他会派への御答弁とちょっと重複いたしますが、可能な限り加盟店舗を増やすことが重要かなと思っておりまして、チラシ等の広報、参加店舗向けの説明会を実施いたしますけれども、結局、各店舗を回り、丁寧に理解を求める草の根的な営業活動というのが鍵を握るかなというふうに思ってございます。そのために、発行元である世田谷区商店街振興組合連合会と協議して、これに産業振興公社も加えまして、実施体制を組んで営業活動を強力に推進していきたいと、このように考えてございます。 ◆石川ナオミ 委員 他の自治体の事例などもたくさんございますので、ぜひそういったところからもいろいろ協議しながら進めていただけたらなというふうに思いますが、あまりもう時間もないですので、これはしっかりと詰めていただけたらなというふうに思います。  このせたがやペイは、単に電子決済という仕組みとしての利便性だけではなくて、いろんな観点から提案をしていきたいと思いますが、各商店街の販促ポイントですとかセール情報といった、先ほど御答弁にもありましたけれども、商店街振興にメリットという感じで活用できる機能を備えていくべきだというふうに考えますが、そのあたりはいかがお考えでしょうか、御答弁いただきます。 ◎中西 商業課長 まず、せたがやペイのメリットとして現金が不要でお釣りのやり取りもないと、まずそこがありますけれども、スマートフォン上のアプリですので、商業振興につながるような様々な機能を追加していきたいと思っております。  お話しにもあったような売出しの情報ですとか、地域のお祭りのようなイベントのお知らせだとか、そういったものをお知らせするとか、商店街のマップを見せるとか、そういった機能も考えられますし、また、商店街が独自に実施しているポイントとかスタンプ事業をこの上にのっけることによって、商店街の事務の手間だとか経費の削減にもつなげることができるのかなというふうに思っております。  店舗での利用状況をデータとして蓄積、集計することができますので、利用者の動向ですとか実態の分析を行うことで、利用者には利用規約でそうやって使うということを明確にする必要はありますが、商店街振興組合連合会と連携して、これらの情報をこちらでも使わせていただいて、産業振興策に役立てていきたいと考えてございます。 ◆石川ナオミ 委員 そのアプリというところではありますけれども、先ほど御答弁もいただきましたが、行政情報を発信するということですとか、緊急情報の提供にもいろいろ使えるんじゃないかなというふうに思うんです。可能性は広がってくるかと思いますが、そのような活用もお考えということでしょうか、いかがでしょう。 ◎中西 商業課長 アプリの利用者が、うまくいって数万人以上にもしなればですけれども、「区のおしらせ」ですとか、区の公式ツイッターに次ぐような情報ツールとしても活用の可能性が広がるのかなというふうに思ってございます。利用者の年代ですとか居住地域を登録してもらうことで、特にここの地域に緊急に情報を出さなきゃいけないというものをプッシュ型で出せるのかなというふうに思っておりますので、繰り返しになりますけれども、商店街振興組合連合会にもぜひ協力をいただいて、新たな情報発信ツールとして活用させていただきたいと、具体的な検討を進めたいと考えてございます。 ◆石川ナオミ 委員 また、ちょっと御答弁の中にもありましたけれども、やっぱりポイントを加算していくといった楽しみというところにおいても、皆さんに使っていただくということがどんどんこれから深まっていくのではないかなというふうに思うんですね。ですから、例えば清掃活動をすると社会貢献ポイントですとか、歩いて商店街にいらっしゃってお買物をしてくださったらポイントが加算される、いわゆる健康ポイントというようなものですね。そういった区民の皆さんの行動変容にフォーカスをして、何かしらのインセンティブを設けていくというのも、これは非常に面白いのではないかなというふうに思いますし、まさにこの政策を後押しするものではないかなというふうに思います。  中西課長はいろんな自治体の事例などもよく御存じでいらっしゃるし、研究もされていらっしゃると思いますが、どうでしょう。他の自治体をいろいろ研究された上で、世田谷区にどういうふうに取り入れていけるかというところも伺いたいと思いますが、いかがでしょう。 ◎中西 商業課長 今、商店街で実施している清掃のボランティアポイントだとか、商店街に来たら健康ポイントをつけますよみたいなお話がございましたが、今お話がありましたように、他の自治体では、自治体自らポイントを出して、インセンティブを提供して行動変容を起こすというようなことをやっておりますので、そういった区が実施するポイント事業をのせるプラットフォームにもなるのかなというふうに考えてございます。  例えば区では、省エネポイントですとか、せたがやシニアボランティア・ポイントなどを実施しておりますけれども、また、新聞報道ベースですけれども、来年度からは、総務省が自治体版マイナポイントの財政的な支援を行うというような報道もございます。これらを含めて、政策の推進に役立つような活用を検討していくことができるかなと考えてございます。 ◆石川ナオミ 委員 このプレミアム商品券が、もっといろんなことに使っていけるということで、まさに本当に可能性が広がるようなことでもありますし、商店街支援ということにもつながってまいりますので、ぜひいろいろと検討していただいて、進めていただけたらなというふうに思います。  さて、最後は、本日は他会派からもたくさん出ておりますけれども、ごみ、リサイクル対応について伺ってまいります。  このコロナ禍で在宅勤務ですとか、家の片づけをするという方も非常に多くて、ごみが増えてきたということもありますし、また、テイクアウトですとかネット通販を利用する方も増えて、ごみの排出量がどんどん増えてきているということは社会問題の一つにもなっております。  令和元年度の会計施策成果指標をちょっと見てみますと、区民一人一日当たりのごみ排出量につきましては、これまで順調に減少してきていたのですが、令和元年度は横ばいとなって、令和三年度の目標値に対する達成率も五一・四%の達成計画だったけれども、三四・三%にとどまっているというような今状況にあります。ここ数年のごみの排出量の傾向を改めて伺います。御答弁をいただきます。 ◎庄司 清掃・リサイクル部事業課長 家庭から排出される可燃ごみ、不燃ごみ、粗大ごみの合計は、平成二十七年度が十八万四百二十八トン、二十八年度が十七万六千五百七十五トン、二十九年度が十七万五千八百九十トン、三十年度が十七万五千七百十七トン、令和元年度が十七万七千九百四十七トンでございます。  また、古紙、缶、瓶、ペットボトルなどの資源回収量の合計は、平成二十七年度が四万八千六百三十四トン、二十八年度が四万七千五百七十トン、二十九年度が四万七千五トン、三十年度が四万六千七百三十六トン、令和元年度が四万七千七百八十六トンでございます。  ごみ、資源とも、この間微減しておりましたが、令和元年度はうるう年で一日多いということもあり、微増しております。 ◆石川ナオミ 委員 微増というような横ばいの傾向にはあるということなんですが、ごみが増えてくる、やっぱりごみを処理をしていく上においては経費も必要になって、経費も増えてきているということでもあります。区では、ごみ処理ですとか資源のリサイクルにかかった経費、区民一人当たりのごみ、資源の処理経費などをホームページでも公表していますので、これは私たちもふだんから見ることができます。  改めて、こちらもここ数年の動向はどのようになっているのか伺います。 ◎庄司 清掃・リサイクル部事業課長 区ホームページで公表しておりますごみ、資源の処理経費でございますが、平成二十七年度が約百十一億一千万円、二十八年度が百九億四千万円、二十九年度が百十億八千万円、三十年度が百九億八千万円と、おおむね百十億円前後で推移しております。令和元年度は未算定でございます。 ◆石川ナオミ 委員 いずれにしましても、ごみ処理に関しましてもお金がかかっている、経費がかかっているということを絶対忘れてはいけませんし、意識を持つことが大切であるということには間違いありません。  このコロナ禍におきましても、ごみ処理経費は増大したというふうに伺っておりますが、どのような傾向でしょうか、伺います。 ◎庄司 清掃・リサイクル部事業課長 今年度は新型コロナウイルス感染症による外出自粛や在宅勤務などにより、家庭から排出される資源やごみの量が例年に比べて、全体的に一〇から一五%以上多い状況が継続しております。これまでに新型コロナウイルス感染症の影響と思われる資源・ごみ量の増加に対応するために想定よりかかった経費は、ごみ収集で約二千万円、資源回収で約四千万円、合計で約六千万円でございます。最終的には支出済みのものも合わせて、ごみ収集で約五千万円、資源回収で約六千五百万円、合計で約一億一千五百万円の追加経費が必要と概算しておりますが、今後さらに精査してまいります。 ◆石川ナオミ 委員 今回の第三次補正予算には、その追加での処理経費ということでは計上されてはいませんでしたけれども、引き続き、またこれは増えてくる可能性もあるということで、私たちもそこは注視していかなければならないと思います。このコスト削減と併せまして、リサイクル率の向上も大事になってまいりますが、リサイクルによる歳入はどのくらいあるのでしょうか、伺います。 ◎庄司 清掃・リサイクル部事業課長 資源回収では、新聞や段ボールなどの古紙や缶、瓶、ペットボトルなど、区内約八万か所の資源・ごみ集積所や公共施設で拠点回収を行い、回収した資源の売却を行っております。令和元年度実績では約七億三千万円の歳入がございました。  資源の売却額は、日々、市況の変化に影響を受けており、近年はバーゼル条約による廃棄物の輸出入規制や新型コロナウイルス感染症の影響による輸出入規制などにより、資源買取り価格が下落傾向にございます。資源回収につきましては、来年二月から予定しております紙パックの集積所回収など、新たな御協力もお願いするところでございます。引き続き、区民の皆様に資源分別の徹底をお願いしてまいります。 ◆石川ナオミ 委員 新たな取組として、先ほど御答弁にも出てきましたけれども、来年二月から紙パックを集積所で回収するということでして、こうした身近なところからも歳入につなげていけるというところですよね。実際にこの効果、目標値、目標額はどのくらいに設定をしているのでしょうか、御答弁いただきます。 ◎庄司 清掃・リサイクル部事業課長 先ほど御答弁しましたとおり、紙パックにつきましては、区内約八万か所の資源・ごみ集積所からの回収を来年二月から開始いたします。紙パックの買取り市況は、今のところ、一キログラム当たり二十三円ほどと見ております。回収を行っている他区の例から、年間の回収量を六十二万トン程度と推定し、売却額は年間百四十万円程度になると試算しております。また、既存の収集運搬委託の中で実施いたしますので、当面は追加の経費は要しない予定でございます。 ◆石川ナオミ 委員 そうした私たちもごみをなるべく減らすということ、うまくリサイクルをしていくということは常に考えていかなければなりません。  そして最後に、こういうことを御紹介したいと思います。これは実際にいろんな事業所に置かれているチラシ、「清掃工場は困っています」というチラシなんです。これに書かれてある内容というのは実は、区民の皆様にはごみカレンダーの中にも同じようなことが記載をされていますので、またお目通しをいただきたいと思いますが、ちょっと御紹介をいたしますと、ここに針金ハンガーですとか、金網の写真も載せられているんです。つまり、普通のごみの中に、こうした針金ハンガーなどが紛れ込んでいると。これを一緒に焼却をすることによって、どういう現象が起きるかというと、この針金ハンガーなどは燃えないので、燃えかすが残ってしまう。そうすると、これを取り除かなければいけないということで、この焼却炉を一旦停止をしなければいけないと。そうすることによっても、非常にいろんなところに影響してくるということなんですが、そのあたりを実際に伺ってみます。お願いいたします。 ◎庄司 清掃・リサイクル部事業課長 すみません、先ほど、一点、私答弁で紙パックの回収量を六十二万トンというふうに申し上げてしまいましたが、六十二トンの誤りでございます。訂正いたします。申し訳ございません。  御質問の清掃工場への不適正搬入でございますが、清掃工場には家庭や事業者から排出される可燃ごみが搬入され、焼却されております。搬入された可燃ごみに、排出が禁止されている水銀を含むごみや粗大ごみに当たる大きなごみ、不燃ごみである金属類などが混入していると、清掃工場の機器の故障により焼却炉が停止し、復旧までに一週間から二週間の期間と、最低でも百万円以上の経費を要すると工場から伺っております。清掃工場を管理する東京二十三区清掃一部事務組合では、清掃工場の見学や啓発リーフレットの配布を通じて、不適正搬入の防止に努めております。  また、区におきましても、ごみの正しい分別について毎年十一月に全戸配布している資源・ごみの収集カレンダーや区ホームページ、ごみ分別アプリなどを通じて啓発に努めております。引き続き、東京二十三区清掃一部事務組合と協力して、清掃工場の安定稼働に努めてまいります。 ◆石川ナオミ 委員 SDGsということが言われておりますけれども、ごみを減らすという環境への配慮という視点だけではなくて、よくよく考えていけば、こうした清掃工場への、言ってみれば焼却炉への思いをはせてみるというようなことも、やっぱり持続可能な社会をつくっていくということを、私たちは忘れてはいけないんじゃないかなというふうに思います。また、そうしたことを広く周知していただくように、区としても働きかけていただきたいというふうに強く要望いたしまして、阿久津委員に代わります。 ◆阿久津皇 委員 引き続きまして、ごみの減量について伺ってまいります。  午前中から各会派がごみの減量について、あるいはリサイクルについて質問しているわけですけれども、このコロナ禍において、午前中の答弁でもありましたが、ごみの排出量が増えていると、また、ごみの集積所では、様々な問題からコロナの感染なんかを、収集業者は大変厳しい状況にあるということもありまして、各会派とも大変関心が高いことかと思いますけれども、このごみの減量ということを、やっぱりしっかりやっていかなきゃいけないという観点は各会派共通していることでありまして、特に今埋立て、最終処分場というんですか、今東京湾ではもうこれ以上設置ができないということで、今あるものがおよそ五十年で満杯になると言われています。  こういったことからも埋め立てるごみの量を減らして、最終処分場の延命化を図る必要があるというふうに考えるわけですけれども、その一方で、また、ほかからも指摘がありましたが、マイクロプラスチックなんかのごみの排出によって生じる、いわゆる環境負荷というものは、将来世代にも大変大きな負の遺産を残すということで、社会を持続可能なものにしていくためには、廃棄物を少なくしていくことが必要であるということは言うまでもありません。  区でも、ごみ減量リサイクルということで様々啓発活動を行っていると思いますけれども、先ほど答弁にもありましたように、ごみの排出量というのは減少傾向にあるんですけれども、ここ数年は下げ止まりというか、先ほど微減、微増という話もありましたけれども、特に昨年度は一昨年度と比較して二千トン余り増加したということで、今年度もどうやら一〇%から一五%、さらに二千トン余り増えそうかなという見込みであるということなんですが、この世田谷区のごみ排出量を二十三区の中で比較してみると、二十三区の収集量というのも減ってはいるんですが、世田谷区の収集の減少量というのは比較して少ないと。平成二十三年以前は、世田谷区のごみ排出量というのは二十三区平均よりも少なかったということなんですが、平成二十三年でそこが逆転して、今では二十三区の平均よりも多いごみを排出し続けているということでした。  今年度は、家庭ごみはさらに増加傾向にあるということなんですが、事業系ごみ、これはコロナウイルスのいわゆる事業の自粛なんかも含めて大幅に減少しているということで、実際に二十三区の清掃一部事務組合のデータによりますと、今年度、今年の四月から八月までの事業系ごみは四十二万トンから二十九万トンと四五%ほど減少しているということで、一方で、いわゆる収集ごみというのは七十五万トンから七十九万トンと五%ほど増えている。つまり、都市部での事業系ごみというものが減って、こういった世田谷区のような住宅の比較的多い区においては家庭ごみが増えているということなので、二十三区に占める世田谷区のごみ排出量というのは、またさらに増えていくんだろうと。今現在が二十三区全体の一〇%ぐらいを世田谷区が占めていますけれども、これを計算すると、一二%ぐらいまで今年度は増えていくのかなというふうに見ています。  環境共生都市せたがやを目指すのであれば、エネルギー施策というのも大変大事ですけれども、それと同時に区民一人一人の取組で実際に改善することが可能なごみの減量というものをしっかりと優先して取り組んでいく必要があるのかなというふうに考えています。  また、その具体策としてなんですけれども、これもまた午前中に指摘もありましたが、より具体的に示す必要があるんだろうということなんですけれども、お隣の杉並区は、一日当たりのごみ排出量が四百六十六グラムということで、世田谷区は五百三十グラムなので、世田谷区よりもおよそ六十四グラム少ない杉並区においては、ホームページなんかも活用して、ごみ減量大作戦として、一日一人当たり四百六十六グラムごみが出ていますよと。令和二年度は四百五十グラムまで減らしましょう、一日十数グラム減らすためには、例えばリンゴで言えばこのぐらいの量、一口分で十数グラムですよとか、卵一個が五十グラムなので、卵の三分の一の量を減らせば、その目的を達成できますよと、区民一人一人がそういった心がけをしましょうと。本当に具体的な削減量を明示していたりとか、これも午前中にありましたが、「生ごみギュッとひとしぼり」ということで、生ごみを絞って水分を減らすと、一〇%ごみの量が減量するということで、野菜の皮をむくときには洗う前に皮をむきましょうとか、生ごみを絞るときも、ペットボトルなんかを使って絞れば手が汚れなくて済みますよみたいなことまで、本当に写真やイラストなんかも使って具体的に示しているんです。  翻って、世田谷区のホームページを見てみますと、数字の羅列であったり、あるいはごみ減量の啓発活動の報告であったりということが情報としては載っているんですけれども、あまり情熱性というか、メッセージ性みたいなものはなかなか感じられないかなと。より区民の危機感をあおったり、あるいは区民が具体的に何をしたらいいのか、そういったことを示せるような啓発が必要なんじゃないかなということは、改めて要望をしておきます。  その一つとして、生ごみ処理機、これは杉並区はいまだに助成をされているということなんですが、世田谷区は生ごみ処理機を以前は助成していたそうですけれども、今助成はされていませんが、その助成しなくなった理由について教えてください。 ◎庄司 清掃・リサイクル部事業課長 家庭用生ごみ堆肥化容器購入費補助制度につきましては、理由としましては、申請者数の減少に伴い、平成二十四年度で廃止したものでございます。 ◆阿久津皇 委員 申請者数が減っているということで、生ごみ処理機を欲しい人が一巡したのかなみたいなお話もありましたけれども、改めてそういったことが、今二十三区でも十区がまだ継続していて、特に市部なんかに行くと、比較的多い市がまだその助成を継続していますけれども、そういったことも実際に区民アンケートなんかも利用して、どういった政策が必要なのか、ぜひ検討していただきたいなというふうに思います。  また、ごみ減量に関しては、国立市はごみ減量課という名称にしていたり、西東京市はごみ減量推進課と呼んでいます。内容としては、事業課と多分同じようなことをやっていると思うんですけれども、そういった名称を変えるだけで区民の意識も変わるかなと思いますので、そういったことも検討していただきたいと思います。  続いて、そのまま資源ごみのリサイクルということで伺ってまいりますが、先ほどもありましたが、バーゼル条約の改正、あるいは古紙の主要買取り国であった中国が環境改善の政策によって輸入を制限しているといったこともあって、そういった資源ごみの海外への輸出というものがなかなか厳しくなってきていると。そういったことから、国内での処理の推進というものがより一層求められていますけれども、リサイクル業者というか、そういった事業がなかなか国内ではまだまだ発展していないところもあって、区では、今、それに対する助成金というものも出しているところですけれども、そこからもう一歩進めて、区が回収する資源ごみについてリサイクルを促進していく、そういった事業について一歩踏み込む、そういった展開ができないか見解を伺います。 ◎庄司 清掃・リサイクル部事業課長 資源の売却額は、日々、市況の変化に影響を受けており、近年はバーゼル条約による廃棄物の輸出入規制や新型コロナウイルス感染症の影響による輸出入規制などにより、資源買取り価格が下落傾向でございます。そのため、資源の集団回収事業者が事業から撤退するなど、資源回収の在り方に影響が出ているものと認識しております。  区としての再商品化事業の展開でございますが、一般的には再商品化事業は、単一の素材の原料を大量に使い、大量生産によってコストを下げ、事業として成立するものでございますので、本区だけでの事業展開は難しいものと考えております。委員御提案の趣旨も踏まえて、他自治体の例なども参考にしながら、今後の資源回収の在り方について整理してまいります。 ◆阿久津皇 委員 なかなか区単独では難しいということですけれども、世田谷区のサービス公社では既に、区役所から排出されたプライバシー系廃棄文書をリサイクル処理するせたゆにという事業を行っていたりとか、あとは世田谷区資源循環センター「リセタ」においては、ガラス瓶を選別して資源化するといったこともされています。  町田市においても、ペットボトルの再資源化ということで、回収したものを圧縮して梱包して、事業者に引き渡すということで、全てをリサイクルしていくような、ゼロを一にしていくような事業だけではなくて、回収したものを多少選別し、加工することで事業者が引き取りやすくなる、そういったこともありますので様々な方策を検討して、リサイクルの推進というものを図っていただきたいと要望します。  あとは、粗大ごみに関してなんですけれども、ごみ全体の量は減少傾向にあるということなんですが、粗大ごみに関しては全国的に増加しているということで、世田谷区においても、区ホームページでデータのある平成十九年からは二千四百トン、昨年度は八千六百八十八トンということで、およそ十年前と比べて三割ほど増加していると。この粗大ごみに関しては、ごみ自体のいわゆるリユースといったものと、分解しての再資源化というものの二つの柱があるかなと思うんですが、まず、リユースというところに関して、港区では家具のリサイクル展として、港区内の家庭で不用となった良質な木製家具等を査定し、状態のいいものは無料で引き取っていると。それを展示、販売しているということで、通年開催している。そのホームページによりますと、テレビ放映があったということで、現在販売家具の点数が非常に少なくなってきているということで、人気になっているというふうに聞いています。  区でも、そういったリユースをされていると聞いていますが、その内容と、より積極的に拡大していくべきだと思いますけれども、見解を教えてください。 ◎庄司 清掃・リサイクル部事業課長 粗大ごみのリユースにつきましては、普及啓発事業の一環として、粗大ごみとして出された品物から選別し、まだ使用できる家具等を修繕して提供しております。区の普及啓発施設であるエコプラザ用賀では、リユース品を月二回、一回につき六十点展示し、実物を確認していただいた上で抽せん申込みをしていただき、当せんした方に一点千円で頒布しております。また、小型のリユース家具をエコプラザ用賀とリサイクル千歳台で月一回展示と先着順の無料頒布を行っております。粗大ごみのリユースの拡大につきましては、展示スペースの確保など課題がございますが、検討してまいります。 ◆阿久津皇 委員 月二回、六十点を抽せんで販売しているということですけれども、数字を見てみますと、各回とも六倍、七倍といった申込みがあって大変人気になっているということなんですね。これを通年販売にしていく、展示して売れたものから次々入れ替えていくということにしていけば、リユースできる数も大幅に増大すると思いますし、価格についても一点千円で均一ではなくて、それに手間はかかるかも分かりませんが、適正な価格設定していくことで収入の増というものも考えられるのかなと思います。  その拡大に当たっては、民間のいわゆるフリーマーケットアプリ等の会社、こういった会社との連携によって、さらに高効率化が図れるのかなと思います。千葉市はメルカリと、また、さいたま市はジモティーと協定を結んだと聞いていますけれども、区もそういった民間事業者の協力を得ることで、広告宣伝だったりとか、販売に関する様々な手間というのは委託することができるんでしょうし、そこで販売量が増えれば、もちろんごみの減少にもなって、その契約形態にもよると思いますけれども、世田谷区の収入というものも期待できるかも分からないですし、当然委託することで、区職員のリソースも節約ができるということで、様々なメリットがありますので、ぜひ検討していただきたいと思います。  次に、粗大ごみの今度は資源化について伺います。  区では、先ほども少しありましたが、粗大ごみを資源化しているということで、具体的にどういったものが分別、資源化されているのか、販売されているのか教えてください。 ◎庄司 清掃・リサイクル部事業課長 粗大ごみは収集後、一旦区内の中継所に搬入しております。中継所では、金属分を含む製品と羽毛布団を選別、資源化し、有価物として売払い、区の歳入としております。令和元年度実績では、収集した八千六百八十八トンの粗大ごみから、金属分を含む製品を千二百六トン、八十五万五千円で売却しました。また、羽毛布団を二千百八十枚、三百二十三万二千円で売却しております。選別後の残りの粗大ごみは、東京二十三区清掃一部事務組合が運営する粗大ごみ破砕センターへ搬出しております。 ◆阿久津皇 委員 この残りの粗大ごみについては破砕センターということで、破棄して、最終的には焼却あるいは埋立てということになると思うんですけれども、粗大ごみは本当に割と大きくてかさばるもので、ごみの量としては大変かさを占めるんですけれども、そういったものに関して全量資源化、全て資源化していくということが可能であるというふうに伺っていますけれども、全て資源化する、要は焼却場に持っていかないというような処理の方法について、区で検討できないか教えてください。 ◎庄司 清掃・リサイクル部事業課長 収集した粗大ごみをさらに資源化するには、専用の選別施設を有する事業者に委託して処理する必要がございます。これまで以上の売却益は見込めるものの、選別、残渣の処分などの作業の委託費がかかります。昨年度に一度試算しておりますが、委託料が年間約四億九千万円ほどと見込んでおります。一方、東京二十三区清掃一部事務組合の粗大ごみ破砕センターへの搬入量がゼロになり、一組に支払う分担金の減額効果がございます。試算では約一億二千万円ほどと見ております。現在、事業者から新たな提案を受けておりますので、今後検討を進めてまいりたいと存じます。 ◆阿久津皇 委員 差引きで三・七億円ほど費用がかかるということですけれども、リサイクル、先ほど言ったリユース、こういったものをどんどん推進していただいて、さらに、収集事業者のほうの委託費も技術革新なんかも進んでいるようですので、そういった面で、ここの費用の圧縮は可能なのかなと考えます。また、先ほど申した将来世代の負の遺産ということも考えると、ここの負担増というのは仕方ないというか、避けられないものかなとも考えますので、不燃ごみの全量資源化とも併せて、全量的にごみを出さない、お金をかけてでも最終処分場に持っていくごみの量を減らしていくということは、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。  これだけ各会派がごみの減量について取り上げるわけですから、一部、午前中にありましたけれども、ごみの有料化ということも議会として検討する必要があるのかなと、役所としても検討していただきたいと思いますし、議会としても、それを受け入れる素地があるのかなと思います。なかなか二十三区内での調整等もあると思いますけれども、そういったことにしっかり取り組んで、環境を維持するためにはコストがかかるんだよということをしっかりと区民にも伝えていかなくてはいけないのかなと思いますし、行動変容を図るのであれば、そういったことが必要かと思います。  続きまして、区の経済施策について伺ってまいります。
     コロナ対応の事業継続のサポートについて伺います。  先般、二次補正において、コロナ時代に対応した事業継続、業態転換及び新ビジネス創出支援事業として、新しい生活様式に対応した事業への支援施策というものが盛り込まれました。私の一般質問でこういった施策に関しては、事業者の自立支援策として大変有意義だと。しかしながら、その予算について見てみると、上限十万円、対象が百事業者で合計一千万円と大変心もとないというような指摘をさせていただいたんですが、この事業の執行状況とか申請内容について教えてください。 ◎中西 商業課長 業態転換及び新ビジネス創出支援補助金は、九月三十日現在の実績で百五件の申請をいただきまして、申請額の総額は約九百七十万円となっております。幾つかの事例を御紹介いたしますと、オンライン系が多いんですけれども、もともとタレントやアーティストの写真や映像の制作を行っていたという事業者が、顧客からの要望で動画配信をしたいんだということで、じゃ、そういう仕組みを整えましょうということで業態を変えたというものですとか、あと、クラフトビールを販売している事業者が、そのビールの醸造家ですとかビアソムリエ、ビールのソムリエを呼んでオンラインイベントをやりますと。そのイベントに参加した人に飲食をデリバリーしましょうというような事業に乗り出すとか、そのようなことが事例として上がっております。事業者からは、新たなニーズに的確に対応することができたとか、顧客獲得につながったというような声をいただいております。 ◆阿久津皇 委員 いよいよこの事業内容もそうなんですが、区の商店街なんかでもコロナの影響と思われる事業者の撤退、あるいは空き店舗というものが見えてきたなというところです。特に身近で見られるのが、一つが塾です。塾が撤退しているということで、なかなか教室で授業ができないと、なおかつリモートでの授業、オンライン授業というのが塾なんかでも求められているということで、学習塾が商店街から今撤退し始めていると聞いています。  また加えて、あとはクリーニング屋さん、これも今撤退が増えているということなんです。いわゆる在宅勤務が増えてワイシャツとかスーツ、そういったことの需要が減ってきているということで、四月七日の緊急事態宣言ということなので、冬物をクリーニングに出す、不要不急のそういったものが出されないということもあったりして、大変厳しい状況にあると聞いています。  そういったことで、いよいよコロナの影響で事業者の撤退、あるいはそれに対して空き店舗に新しい事業者をどんどん入れていかなきゃいけない、そういった壁を取っていかなきゃいけないと思いますので、今の事業内容の上限十万円というものではなくて、いわゆる事業者の業態の変更であったりとか、先ほどのリモート授業というところまでできるようなものであったりとか、あるいは空き店舗の契約更新というか、新しい契約にするときに、前の店舗のいわゆる造作というんですか、そういったものが残っていたりして、なかなかそこでの造作物の買取り、あるいは売買のところでなかなか契約がまとまらないというようなこともあると聞いていますので、そういった大規模な設備投資であったりとか、創業支援にも活用できるよう本事業のさらなる充実を求めますが、見解を教えてください。 ◎中西 商業課長 まず本事業についてなんですけれども、先ほど御報告させていただいたように、予算の残額は三十万円ほどで、申請状況を考えますと十月の半ばには予算を使い切りそうだという状況にございます。事業者からの問合せはまだ多くて、継続的な支援が必要だと考えておりますので、この事業については予算の拡充を早急に検討していこうと考えてございます。  また、今もっと充実させるべきだというお話がございましたけれども、来年度に向けて、この支援事業をさらに発展させていくと、創業支援融資もやっておりますが、そういったことだとか、あと伴走型の支援、そういったものとの組合せで業態を転換したり、新たに事業を始めたりといったことをよりしやすくするような政策の発展を今後検討してまいります。 ◆阿久津皇 委員 ぜひ、区内事業者の後押しとなるような、特に自立を支援していけるような、そういった施策をどんどん進めていただきたいと思います。  もう一つ、せたがやペイに関してなんですけれども、これも各会派から質問が出ているので、しっかりとデータを活用してくださいねということは私からもお願いするんですけれども、御答弁の中でも四千店舗を目標にしていくんだということがありました。これはなかなか厳しいかなと思っていて、難しいところはあると思うんです。やはり利用者、その導入する事業者に対してしっかりとインセンティブを与えていかないと、今、数あるオンライン決済システムがある中で、新たなものとして採用していただく、あるいはお客様に利用していただくのは難しいと、なかなかハードルは高いなと思っておりまして、いわゆる購買データをしっかりと利用者さんたちにお伝えしていく、これが一つインセンティブになるのかなと思います。  さらには、せたがやペイの利用実績、どういった年代の方が、どういったものを買っていったというようなデータだけではなくて、もう少しデータの収集を広げて、例えばSETAGAYA Free Wi―Fiみたいな通信事業者が持っている接続した方の、もちろん個人情報は入りませんが、いわゆる属性とか移動データ、そういったものも含めて様々なデータを複層的に活用して、各個店にその分析後の―中小企業診断士の皆さんの力もお借りしながら、商業課のほうで様々なデータ分析をして店舗に提供していく、そういったことができると商店としても、あるいは商店街としても、さらなる発展が見込めると思いますので、そういったことも含めて、いわゆるビッグデータの活用みたいなものを検討したらいかがかなと思いますが、見解を教えてください。 ◎中西 商業課長 今、せたがやペイの活用と、さらに通信事業者等のビッグデータの活用というお話がございましたけれども、せたがやペイでは、いつ、どこで、幾ら使われたのか、そういったデータを把握することができますので、各経済対策の基礎資料とすることや、せたがやペイの施策そのものの成果をはかるツールとして使いたいと思っております。例えば、どこの店が繁盛店なのかとか、あるいは利用者と運営側で双方向のやり取りもできますので、ここにこんなお店があったらいいみたいな声を聞くだとか、そういったことでデータを集めて、商店街や商店にデータをフィードバックして、例えば商店街における店舗構成の検討だとか、そういった支援策に活用していきたいと考えてございます。  また、通信事業者のビッグデータにつきましては、今はまだ企業の保有するデータはビジネスベースになっておりまして、その活用にはかなり多額の経費がかかりますので、まずは行政が保有する人口等のデータとせたがやペイの情報をきっちり使い倒して、地域ごとに整理して、分析、活用していくと。そこから入り、さらにその先にそういったビッグデータも活用していくというように考えてございます。 ◆阿久津皇 委員 そういったデータの分析なんかがマーケティング調査、あるいは商業課としての一つ大事なお仕事かなと思いますので、しっかりと進めていただきたいとお願いします。  最後に、246ハーフマラソンについて伺います。  今年度のハーフマラソンについては、残念ながらコロナウイルスの影響で中止となりましたけれども、スマホ等のランニングアプリというものを活用した、いわゆるオンラインハーフマラソンを実施するということで、新しい取組ということで大いに期待するところです。  今回の取組によって、このオンライン、GPSデータなんかの活用によって、新しい事業展開というか、施策が可能になるのかなと思います。具体的には、区で推奨コースを設定して、比較的ランニングに適したコースに誘導していくですとか、区内の観光名所を巡っていただくとか、区内の商店街や企業に御協力いただいて、商店街のテント、ブースを訪問すると、そこで給水ができたり、あるいは企業の協賛品なんかももらえたりとか、そういったものもできると思いますし、先ほどのせたがやペイを活用すれば、区内の我々が行ってほしいところに行っていただけるというようなこともできるかと思います。  今年度は、もう既に事業内容が固まっていますので難しいと思いますけれども、来年以降の大会について、どのような取組を考えていらっしゃるか教えてください。 ◎須藤 スポーツ推進課長 お話の区内の推奨コース、こういったことにつきましては、特定のコースを設定することでランナーが集中するということを避けるために、今年度は実施を見送ることといたしましたけれども、御提案のような商店街、それから区内の名所を紹介することができ、参加されるランナーの方々にスポーツを通じて世田谷の魅力を発信できると考えております。今後、コロナウイルスの感染状況なども踏まえながらになりますけれども、ランナーの方の安全、それから世田谷の魅力を知っていただけるというようなことを目指しまして、関係所管と協議しながら検討を進めてまいります。 ◆阿久津皇 委員 フランスでは、ワインの産地で有名なボルドーでフルマラソンをされているということなんですけれども、各給水所で水だけではなくてワインが振る舞われたりとか、食事、ステーキとかチーズ、ハムといったものも楽しめると。さながらマラソン大会だけではなくて、町全体がパーティー会場のような、そんなイメージの盛り上がりを見せているというふうに聞いています。将来的には、世田谷区もそのようなイベントにまで発展できるように期待しておりますし、私も参加者の一人としてオンラインマラソンに参加させていただきますので、どうぞよろしくお願いします。  畠山委員に代わります。 ◆畠山晋一 委員 さっきの阿久津委員もオンラインのマラソンに参加をされると。私も今までずっと世田谷のハーフマラソンに参加したかったんですけれども、必ず抽せんになって、もう倍以上の倍率でなかなか抽せんを通過できない。だから、僕はそういうときに応募しちゃうと、僕が抽せんに受かっちゃうと、大切な世田谷区民の枠を一つ奪うことになってしまうので、絶対参加しないと決めていたんです。今回は、どうやらオンラインということで、なかなかその周知といいますか、初めの締切りだった日からもう一回延ばして、十月四日まで延ばしたと聞いて、応募の進捗状況がなかなか厳しいという状況も聞いておりますので、今さら対応、応募ができないのかもしれませんけれども、もしできるのであるならば、ぜひとも皆さん一緒にオンラインマラソンで走りましょう。よろしくお願いします。  オンラインということなんですけれども、僕のほうからは、今回、区民生活領域でテーマとなっている自民党からのマイナンバーカードのことについて伺ってまいります。  先週の十月一日に報道がされておりまして、経済同友会さんが、まさに遅れが指摘されている行政のデジタル化を加速させるために、政府が新設を目指すデジタル庁には民間の若手人材を積極的に登用することですとか、マイナンバー制度の抜本的な見直しなどを求める提言をまとめて、新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに遅れが指摘されている行政のデジタル化を加速させるための提言をまとめて、二日に公表をしておりました。  この提言の中では、政府が新設を目指すデジタル庁について、デジタル技術に詳しくてリーダーシップを発揮できる若手人材をしっかり登用して、幹部だけでなく担当者レベルでも民間に比べて競争力のある給与にし、デジタル人材を確保すべきと提案しています。また、行政のデジタル化の実現については、三年間を集中改革期間として法律で定めること、そしてこの中に、その一丁目一番地となっているマイナンバーカード、これを健康保険証、運転免許証と一体化させたりして、銀行口座と連携させたりして取得を義務づける、マイナンバー制度の抜本的な見直しを求めている。  まさに、このように日本全国でみんなで取り組んでいるマイナンバーカードの事業なわけですけれども、初めに、世田谷区として、現在マイナンバーカードの申請状況はどのようになっておりますでしょうか、御答弁をお願いします。 ◎齋藤 番号制度・マイナンバーカード交付推進担当課長 今年度は特別定額給付金のオンライン申請希望者の影響で、スマートフォンやパソコンによる申請が非常に多く行われ、五月の申請件数は、区の計画の四倍に当たる二万件、六月、七月、八月も同じく計画の倍を超える約一万件以上の申請がございました。この結果、区における令和二年度九月二十七日現在最新の累積の申請数が三十一万八千四百四十九件となっております。 ◆畠山晋一 委員 三十一万人の申請があるということで、マイナンバーカード、これ自体が取得するまでに、少しまだ理解できていない部分があるのかな。だから、世田谷区でさえも九十万人のうち三十一万人、三分の二の方がいまだに申請をされていない。要は、マイナンバーカードの取得のためには、初めに申請をしなきゃいけない。申請をした上で、その申請が受理をされて交付をされるという二段階になっているわけですけれども、まだこの三分の二の方が対応できていないということは、私も最近、人に会うときの初めの挨拶はいろいろありますけれども、マイナンバーカードを取りましたかと聞くようにしています。残念ながら、この数字に出たとおりです。三分の二の方が取っていない。でも、取っていないからとそこは別に追及するところじゃなくて、まさに分かりにくいから取っていらっしゃらないんだろうな、その辺の理解を示した上で、つまり、いまだに申請の一歩目の通知カード自体で止まってしまっている区民が六十万人いるということ。  その中にはちなみに、申請しない方でも、通知カードで実は事足りているんじゃないかと、通知カードでここに番号が振ってあるから、これで十分なんだよというふうに間違えている方が残念ながらいらっしゃるということなんです。でも、この通知カード自体も五月でもう使えなくなっているというふうに聞いておりますが、実際に使えなくなっているのか、また、この先その通知カードはどのようになっていくのか、その辺の告知ですとか、広報はどのようになっておりますでしょうか。 ◎齋藤 番号制度・マイナンバーカード交付推進担当課長 マイナンバー制度が発足して、国から紙で作った通知カードを国民の方に送付させていただきましたが、委員おっしゃったとおり、今年の五月に通知カード自体は新しい発行を中止いたしました。その代わり、従来配られていた通知カードについては、住所、氏名、性別、生年月日といった基本四情報の変更がない限り番号確認書類として、通知カードは引き続き有効でありますから使われております。また、その旨につきましては、ホームページやツイッターで周知させていただいております。 ◆畠山晋一 委員 通知カードが今、住所、氏名、性別、生年月日といった、この基本の四つの情報の変更がなければ有効ですよということなんですけれども、この点についてもツイッターとホームページだけですから、周知が至っていない。通知カードのあの番号が自分のマイナンバーだというふうに勘違いされている方が、残念ながらいらっしゃるわけですね。この申請を促進することの告知をしっかりと図っていただきたいわけですけれども、冒頭に申し上げました日本全国でデジタル化対応の一丁目一番地がマイナンバー制度に基づいたマイナンバーカードの交付、取得なわけですから、大事なのがこの交付作業です。申請が三十一万人されているけれども、そのうち申請された方に交付される作業、これが世田谷区だけではなくて、日本全国でもこの事務作業の大変さでなかなか進んでいない、進捗していないというのが実態なわけです。  そこで初めに、この交付作業のことについて伺うのに当たって、現在、世田谷区民のマイナンバーカードの交付状況がどのようになっているのか、確実に受け取ってもらうための交付状況が大変な状況となっていると聞いておりますが、交付状況についての答弁をお願いいたします。 ◎齋藤 番号制度・マイナンバーカード交付推進担当課長 最新の九月二十七日現在の集計では、世田谷区の交付枚数は二十三万百三十九件で、人口に対する交付率が二五・一%となっております。現在も計画の件数を大幅に上回る申請がなされているために、申請をいただいてから交付するまでの期間が延びて、区民の方に御迷惑をおかけしております。マイナンバー制度は、申請時または交付時に本人確認のため必ず窓口に来庁していただく制度となっていることから、窓口の数を増やすことが重要で、申請者の増加に対応するために、世田谷区民会館ホールのホワイエにマイナンバーカードの特設窓口を開設いたしました。 ◆畠山晋一 委員 世田谷区民会館のホワイエに新たな交付のための特設窓口を開設したということですけれども、今答弁にあったとおり約二五%ですね。つまり、全区民の四分の一しかカードを持っていない。四分の三の方が、いまだカードをお持ちになっていない。今まさに答弁にあったように、このカードの一番大変なところの一つが、窓口に直接来ないと交付できない。そこが一つの大事な思案どころになっております。  今回マイナンバー制度について、現在はこれはマイナンバーカードということでカードの形をしておりますけれども、実際はカードじゃなくてもいいわけですよね。これは日本国民全員に、将来的には自分が自分自身であることをデジタルで証明できるようになるのがマイナンバーであって、これはいずれ、もしかしたらスマホですとか携帯電話に組み込まれる可能性もありますし、現在は、マイナンバーカードがここにもありますけれども、これは自分のカードですが、ここのチップが一番大事なところで、全国民がこのチップを持っていて自分自身をまさにデジタルで証明できる信頼の基点、トラストアンカーと言うんですけれども、信頼の基点となっているんです。  以前、このマイナンバーの番号が、情報が漏れてはいけないということで、そのことを懸念して、政府としてセキュリティーを物すごく強くした結果、逆にマイナンバーのシステムが活用しにくくなってしまって、その便利さが図れなくなって、いやちょっと待って、便利じゃなきゃマイナンバーを持っていても意味ないでしょうということになって、便利さを活用してほしいといった声が出て、まさに綱引き状態、セキュリティーなのか、便利さなんだろうか、どっちがいいんだろうという状態に今までなっていて、その状態を見ている国民の人たちが、取得がなかなか進まないという原因にもなっていると聞いております。  あとは、このカードは情報集約するためのものではなくて、あくまでもデジタルで公的個人認証のために活用するだけだということ、そのことの理解がなかなか進んでいなかったということですが、実はこの理解が今どんどん進んできておって、そのきっかけとなったのがある意味、定額給付金であり、来年三月まで活用できるマイナポイントであり、まさにマイナンバーカードを活用していくと、これは役に立つなという流れが国民の中の機運として出てきている。  そこで、このカードを交付、取得するということの最大の課題が、答弁にあったように、窓口に来なきゃいけないということなわけですけれども、実際、今、申請まで時間もかかっていたという話ですが、この申請作業は―通知カードでもいいんですけれども、今度、新しくそういった申請カードができるんですけれども、申請をして、これを国の出先であるJ―LISさんが発行するわけですけれども、この発行の作業も、今までは一か月かかるということを総務省の方から聞いた。これは必ず一か月で出来上がっていました。この一か月というのも、もっと短くするように努めますと。今、国のほうでは、この一か月を十四日間、二週間、一週間にもっと縮めて、早く対応できるようにするんだというような機運が出てきておりまして、そうすると、そこでまさに大事になってくるのが、時間がかかっていつになったら来るのか分からないというところの課題が、自治体が交付を確実に行うということなんです。交付作業にあまりにも時間がかかっている。  このために、国では補助金がマイナンバーカードの発行等に要する経費として、実際、個人番号カード交付事務費補助金として六百九億円の経費が準備されています。これはちなみに、令和元年度当初と比べると六十一億円だったわけですけれども、十倍になっているわけです。十倍の補助金を国も準備して、しっかり交付作業を進めてくださいというふうになっているわけですが、世田谷区として、この補助金の活用をどのようにされておりますでしょうか。 ◎齋藤 番号制度・マイナンバーカード交付推進担当課長 区では、既に交付に係る経費のうち、交付のための人件費、交付予約コールセンター、交付予約システムに係る委託料、交付用の端末、交付通知書の送付経費など、様々な経費を補助金活用しております。正規職員費など補助対象でない経費もございます。 ◆畠山晋一 委員 御答弁には、今補助金を活用しているということで、正規職員費の人件費は出ないです。補助対象の経費にはなっていない。でも、国では、ぜひとも自治体の交付事務をより促して、実際にマイナンバーカードの普及の取組についてのデジタルガバメント閣僚会議、この会議資料は令和元年十二月二十日のものでございますけれども、実際に全体スケジュールとして、二〇二〇年の七月にマイナンバーを活用した消費活性化に向けて三千から四千万枚、来年、二〇二一年の三月末に六千から七千万枚、これは健康保険証利用の運用開始を見越して増やしている。二〇二二年三月は九千万枚から一億枚、これを医療機関等のシステム改修を概成の見込み等として執り行うとしていて、その一年後、二〇二三年、令和五年になるわけですけれども、ほとんどの住民がカードを保有する方向で、全体のスケジュールを国としては具体的に組んでいるわけです。  ここに具体的に組んでいるわけですから、現在の段階では、世田谷区とすると二五%、四分の一まで進んできていると捉えて、一層の交付事務の拡充として、そうすると交付の違いをどこに出していくかというと、例えば、実は電子申請をできて住民票が取れるんですよという話、これはマイナンバーカードを持っていないとできない。実際にそのコピー機を取り付けている事業者の営業の方にお会いする機会があったんですけれども、その方にも、じゃ、あなたのマイナンバーカードを出して見せてよと言ったら、その人でさえも持っていないんですよ。何で持っていないのと。いや、うちは共働きでして、共働きですと申請、交付の時間にはなかなか取りに行けないというふうに勝手に思い込んでいる。  こういった思い込みで行っていないという事情もあるので、そこでぜひとも、そういう共働きの方のように平日には受け取りにくい方、こういった人たちのために、土日の交付・申請受付窓口の設置のためにも、さっきお話ししました、こちらの国の補助金はしっかりと補助金のスキームを準備しているわけですから、こういった補助金をより活用して、土日受付等の事務事業等を一層拡充するべきと私は考えますけれども、この点については、世田谷区としてはどのように取り組んでいるのでしょうか。 ◎齋藤 番号制度・マイナンバーカード交付推進担当課長 現在、出張所、総合支所のくみん窓口におきましては、システムが停止する第三土曜日を除いた土曜日には申請、交付を行っております。さらに、三軒茶屋のキャロットタワーにある専用窓口では、土曜日に申請、交付を、日曜日には申請を受け付けております。そして、支所の区民集会室などを確保できた場合、土曜日と日曜日、もしくは祝日に臨時窓口を開設して交付、申請を行っております。 ◆畠山晋一 委員 毎週土日は行っていないわけですけれども、確実にどこかでは、例えば三軒茶屋のキャロットタワーの専用窓口では、土曜日に申請も交付も両方行っている。日曜日は申請しか受け付けていないということなんですけれども、まさに今言ったこの補助金、国は補助金を準備しているんですから、もっとこれを活用して土日の拡充をすべきだというふうに考えます。  それ以外にもまだ実は使えるのが、さっき正規の職員の経費は出ないと言いましたけれども、超過勤務手当分の補助金が出るんです。つまり、土日だけじゃなくて、平日の夜間の窓口を拡充する。その分の国の補助金は準備されているんですから、こういったものを活用して、一層の申請、そして交付までの拡充をしっかり取り組んでいただきたいのですが、そのことについてはどのように取り組んでいかれるでしょうか。 ◎齋藤 番号制度・マイナンバーカード交付推進担当課長 三軒茶屋の専用窓口は、平日午後七時まで申請窓口として開設しております。嘱託職員の経費は補助金の対象として活用できますが、正規職員については補助対象となっておりません。課題がありますが、土日交付を含めて様々な方法を検討し、交付の促進を図りたいと考えております。 ◆畠山晋一 委員 土日も、また新たな手法として、夜間の受付を七時までやっていただいているわけですけれども、多分仕事をしている人にしてみれば七時ですかと。できることならば、これは区の財源じゃなくて補助金でできるわけですから、例えば九時まで延ばしてやってみる。というのは、残りの四分の三の方が取得できれば、それで一段落するわけですから一刻も早く、健康保険証も運転免許証もマイナポートもいろいろできる便利なカードになってきているわけですから、もう一点集中して、しっかり取り組んでいくということが今まさに大事なわけであって、この土日交付受付も含めて、様々な方向を検討して交付の促進をしっかりと図っていただきたい。  ただ、いずれにしても、この様々な窓口の拡充を増やすためには、結論は職員なんです。住民記録の嘱託職員の増加をしないとできない。この嘱託職員の報酬、社会保険、旅費なども補助金で活用できる、ここにしっかり書いてあります。今、多分マイナンバーに従事されている職員も、もう本当に大変な作業をされているというのを聞いております。既に持っていらっしゃる方が、例えば五年で電子申請は更新しなきゃいけない、十年で一般の更新を申請しなきゃいけない。五年で申請するときに暗証番号が必要。でも、この暗証番号を忘れちゃった、忘れちゃったらどうしよう。その忘れたときの対応も、今いる職員の皆さんで、現在の職員がすごく頑張ってやっていただいているのも承知しています。  でも、まさに頑張っている職員のために、もっと頑張れるために、今の職員の心身のフォローもするためにも、職員の増員がこの補助金を活用してできるわけですから、このことについてはどのようにお考えをお持ちでしょうか、答弁願います。 ◎齋藤 番号制度・マイナンバーカード交付推進担当課長 今年度の十月一日より嘱託職員五名を新規に採用して全体で三十五名の、嘱託職員の体制を強化したところです。また、職員の応援として、九月より地域行政部内の三名の応援を、十月からは総合支所の区民課、出張所職員を中心に毎日一人応援職員の派遣を受けるなど取組を図っておりますが、より体制の強化について検討してまいります。 ◆畠山晋一 委員 この十月一日から五名増やして取り組んでいる。なかなかこの辺、多分より一層の―十月に始まったばかりですから、これから通知カードがなくなった方のための新しい対応など、いろいろ新しい体制の強化がまさに必要になる状況にもなってくるわけですから、ぜひともこの事業が、この五人をもっと増やしてほしいという希望はあります。でも取り急ぎは、この五名でしっかり増やして、更新に関する事務作業も大変なんですけれども、しっかり行っていただきたい。  ただ、このカードは実は毎日使うものではないので、取得を積極的に行わない事由の一つに残念ながらなっちゃっているんですが、でも実は、このカードの説明を受けに総務省の方に話を聞きに行きました。その総務省の方、このマイナンバーカードを、今日、区の職員の皆様も、これは世田谷のあれですよね。アメリカの誘致のネックのあれですけれども、マイナンバーカードを入れて重要な情報が見えないように、その前にプラスチックのカバーをつけて、総務省の方は常に毎日持っているんです。聞いたら、霞が関はもう全員持っていますよと。霞が関はこのマイナンバーカードで、既に自分の認証と各省庁に入るときの通行証明書用のカードとして、実際にもう既に使っているんです。  このマイナンバーカードの普及の促進の取組の中を見ると、国家公務員、地方公務員等の取得の推進と。国家公務員や地方公務員等の本年度中のマイナンバーカードの取得を推進と具体的に書いてある。地方公務員の中に世田谷区の皆さん、職員は入っているはずですよ。でも、どうですか。世田谷区の職員のマイナンバーカードの取得状況はどのようになっていますか。 ◎齋藤 番号制度・マイナンバーカード交付推進担当課長 今年三月に職員厚生課と学校職員課が国の依頼を受けて、任意でのアンケート調査として実施しました。任意調査でしたが、令和二年三月末現在では、職員三百九十名が取得しているところでございます。 ◆畠山晋一 委員 三百九十名ですよ。これが現実。これは本年度中に取得する、推進すると国が言っているのに、一緒にやりましょうよ。そうしたら、例えば新しい庁舎も造っていくわけですけれども、今ももしかしたら世田谷区のそのカードのほうがシステム的にいいのかもしれませんけれども、将来的に、私もマイナンバーカードを持っていますし、新しい庁舎を造るときにも、例えばマイナンバーカードを使って、そういった通行承認とか、承認用のシステムとして使えるんじゃないかと思いますけれども、どうですか。 ◎齋藤 番号制度・マイナンバーカード交付推進担当課長 政府や他自治体の動向も踏まえ、導入目的や導入の費用対効果について整理しながら、マイナンバーカードの庁舎内活用については、関係所管課と連携して研究してまいります。 ◆畠山晋一 委員 実はこのマイナンバーカードが注目される中で、元大阪市長だった橋下徹さん、この方がどこかで告知をしたときに、急に一気に取得率が上がった、申請・交付作業が一気に上がった。国でも、CMだとかマイナポイントとか健康保険証とか、ちなみに連動してやっていく内容というのが、このデータの中でも、ここは全部読み上げられませんが、ここだけでも最低で二十五個。運転免許証も含めて、これは例えば在留カードも入っていますし、教員の免許状、大学の職員の学生証まで入っている、障害者の手帳も入っている。  こういったものも有効に活用できる非常に便利なカードだというわけですから、そうすると、これをもっと広報、告知していくとなると、翻って、今日は区長はいないから、区長は持っていますかとも聞けないんですけれども、本来ならば、区長が自らこういったものなどを区報などを活用して推し進めていくべきと私は考えますけれども、こういった取得に対する広報、世田谷区としてはどのようになっているでしょうか。 ◎齋藤 番号制度・マイナンバーカード交付推進担当課長 広報については、これまでも「区のおしらせ せたがや」平成三十年五月二十五日号の掲載や、ポスター、チラシ、ホームページを活用した広報に努めてまいりました。  一方、マイナンバーカード制度では、交付時、または申請時に本人確認のため窓口にお越しいただく制度となっていることから、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点からも、積極的な広報ができない状況でした。委員お話しのように、国においても健康保険証との連動をはじめ、カードの取得普及の取組を強化していることを受け、手続等の取得に向けた効果的な周知啓発を進めてまいります。 ◆畠山晋一 委員 日本国民みんなで活用しながら、よりよい便利なものになるように進めていくことを併せて要望しまして、自由民主党世田谷区議団の区民生活領域の質問を終わります。 ○真鍋よしゆき 委員長 以上で自由民主党の質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後四時四十八分休憩    ──────────────────     午後五時開議 ○真鍋よしゆき 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  公明党、どうぞ。 ◆平塚敬二 委員 それでは、公明党の区民生活領域の質疑を始めます。  私からは、まず、環境エネルギー政策について伺います。  現在、異常気象が多発、激甚化している中で、持続可能な脱炭素社会を構築することが求められています。具体的には、今年度から施行されましたパリ協定に基づき、二〇三〇年までに温室効果ガス二六%削減を確実に達成するため、省エネの徹底や再生可能エネルギーの最大限の導入を通じた地球温暖化対策を着実に進めることが求められています。  世田谷区においても、今年度から二〇二四年度までの世田谷区環境基本計画後期が示され、この計画に基づき、区は環境に関する施策全般を計画的に推進し、多くの区民の皆様、また事業者の皆様とともに連携して、環境共生都市せたがやの実現に向けて取り組むとありますが、どうもこの基本目標2で示されるところの脱炭素社会に役立つ再生可能エネルギーの利用拡大と創出について、区内での取組が見えてきません。  自治体間連携により、区外から再生可能エネルギーを購入することも大切ですが、区内には五百十三棟の区の公共施設があります。こちらで太陽光発電で確実に電力を創出して、また、蓄電池等を活用することにより、CO2排出量を削減する取組がどこまで進んでいるのか、初めにお聞きします。 ◎池田 エネルギー施策推進課長 区では、学校等の公共施設を新設、改築する際に、世田谷区環境配慮公共施設整備指針に基づき、太陽光発電設備の設置を進めています。令和元年度は小学校や複合施設など七か所に新設しております。累計では五十八か所で、発電出力の合計は七百十三・九キロワットとなっており、つくられた電力は、全てそれらの施設で使われております。 ◆平塚敬二 委員 五十八か所でやられているというんですけれども、区の施設は、建物は五百十三あるんですよね。一割強にやっとつけたという状況ですから、積極的に区のほうでもうちょっとつけていただきたいなと思うんですけれども、次に、区民の皆様の目標としては、再生可能エネルギーを利用している区民の割合を二五%の達成を目指すとありますが、その取組としては、国や東京都の補助制度が積極的に活用されるように情報提供しますと書いてあるんです。また、新実施計画では、太陽光発電システムの設置目標は年間三百件で、昨年は三百七十八件で達成していますといっても、年間三百件でこの二五%を達成するには何年かかるのかと、甚だ疑問なんですね。  そこで例えば、平成二十七年の国勢調査による区内の一戸建て住宅、この数が十四万二千七百四十九戸あります。東京都のソーラー屋根台帳による太陽光パネル設置の適合率があるんですけれども、これは四五%と言われていますので、これを掛けますと六万四千二百三十七戸に設置が可能ですと。そのうち二五%ということは、一万六千五十九戸になります。今年の三月末時点でFITの申請件数が七千五百九十一戸ですから、差し引くと八千四百六十八戸残ります。これは毎年三百戸増やしたとしても、二十八年かかります。この目標はこういう数字なんですよ。  世田谷区の目標と、またその目標に対しての取組はこのままでいいのかと私は思うんですけれども、区の見解をお伺いします。 ◎池田 エネルギー施策推進課長 新実施計画で掲げております太陽光発電設備の設置数は年間三百件としており、昨年度の実績は三百八十七件であり、目標を達成しております。しかしながら、環境基本計画の中で目標としている区民の再生可能エネルギー利用率二五%の達成に向けては、地産地消の柱である区内の設置に適している太陽光パネルの普及率では約一一・八%と十分ではなく、一層の取組が必要であると認識しております。 ◆平塚敬二 委員 一一・八%、二五%にはまだまだ大変な、半分以上頑張らなきゃいけないという状況なんですけれども、そこで、国の施策でありますSDGs未来都市、こういうのがあるんですけれども、これを再生可能エネルギーの利用拡大を目的として目指すべきじゃないかという観点で、ちょっと議論したいと思うんですけれども、このSDGs未来都市というのは、国の第二期まち・ひと・しごと創生総合戦略、SDGsアクションプラン二〇二〇及びコンセプトを踏まえ、地方公共団体によるSDGsの達成に向けた取組の提案を公募し、SDGs未来都市及び、その中でも特に先導的な取組を自治体SDGsモデル事業として選定する施策です。  内閣府の地方創生推進室は、七月十七日に自治体によるSDGsの達成に向けて優れた取組を提案する三十三都市を二〇二〇年度のSDGs未来都市として選定しました。また、三十三都市で行われる取組から、特に先導的な十事業を自治体SDGsモデル事業として選定しました。ちなみに、応募自治体数は七十七だったそうです。またこの計画は延長されまして、二〇二四年まで応募できます。  モデル事業には、上限三千万円の補助金が初年度に限り交付されます。選定された都市は、国とともに連携しながら、提案内容をさらに具体化し、三年間の計画を策定して取組を実行して、定期的な進捗状況管理を行うものです。二十三区では、今年初めて豊島区がSDGs未来都市と自治体SDGsモデル事業に内閣府から選定されました。  そこで、世田谷区においても、再生可能エネルギーの利用拡大を目的として、SDGs未来都市を目指すべきと考えますが、区の見解をお聞きします。 ◎池田 エネルギー施策推進課長 区では、平成二十六年度からの基本計画の重点政策に、自然の恵みを活かして小さなエネルギーで暮らす豊かなまちの実現を掲げ、施策目標に再生可能エネルギーの利用拡大と環境負荷の小さいライフスタイルの普及に取り組んできました。また、区民、事業者、区の三者で区内の再生可能エネルギーを利用拡大していくせたがや版RE一〇〇に昨年度より取り組んでいるところです。  委員御指摘の再生可能エネルギーを活用した持続可能なまちづくりは重要なテーマと認識しておりますが、SDGsが掲げる十七の開発目標は、気候変動やエネルギーなどに関する項目だけでなく、健康と福祉、貧困対策、質の高い教育など多分野にわたります。SDGs未来都市については、SDGsの理念に沿った取組を進める自治体が国の支援を受けながら、様々な地域課題の解決に取り組むものであると認識しており、持続可能なまちづくりの実現に向けてどのように取り組むか、関係所管と研究してまいります。 ◆平塚敬二 委員 研究してまいりますですね。大事なんですけれども、私はこの世田谷区にとって、再生可能エネルギーというのがどうやって増やせるか、このことをずっと言ってきたんですけれども、なぜこの太陽光発電にこだわるかといいますと、それは太陽光ですから、枯渇せずに区内で生み出せるエネルギーであります。CO2削減がまたしっかりとできると。  また、電力消費ということを考えますと、夏のあの暑い時期の昼間のピーク時、このときに太陽光発電をしますから、しっかりとピークカットになるんですよね。これをすると、国としても電力施設をつくらなくてよくなるんですよ。これは我々ができる、この住宅都市世田谷でできる最大のメリットじゃないかと。これを目標にして、SDGs未来都市、こういうものにぜひ応募するべきじゃないかと考えているんですけれども、例えば東京都の地球温暖化防止活動推進センター、ここの試算によりますと、火力発電によるCO2排出量は、一キロワットアワー当たり約六百九十グラム、これに対して太陽光発電によるCO2排出量は、一キロワット当たり十七から四十八グラムと言われています。つまり、太陽光発電した分、火力発電による電気を減らせるので、一キロワット当たり約六百五十グラム減らせるというふうに言われています。一キロワットの太陽光発電の年間発電量というのが約一千キロワットアワーと言われていますので、この一キロワットの太陽光発電なら、六百五十グラム掛けると、六百五十キロというCO2が削減されるんです。  私ごとになるんですけれども、昨年、自宅の屋根に太陽光発電のシステム一・五二キロワットをつけまして、あと蓄電池六・五キロワットを設置しました。私の場合、千五百二十キロワットを一年間で発電しますので、掛ける六百五十グラムしますと、九百八十八キログラム、約一トン自宅でCO2を削減したということになるんですね。私の家一軒で一トンのCO2を年間で削減できるんですよ。この家が増えれば増えるほど、一・五二は小さいんですよ。太陽光発電としては小さいです。でも、そういう家が増えれば増えるほど、世田谷区内でCO2の削減が進むわけですよね。こういうことをしっかりと考えた上で進めていただきたいと思いますし、また、私の家自体はほとんど自家消費ですから、売電がほとんどありません。ほとんど自分ちで使っています。また、十年間のリースがありますので、これがなくなるまで、このリース料を計算しますと、ほぼ十年間は先行投資ということになりますので、やはり国や東京都の補助制度があるからといって、それだけを使ってくださいねという情報提供で世田谷区としていいのかと私はずっと思っていまして、区民の皆さんもやっぱり負担があるわけです。  そこに対して、今年、蓄電池の助成も始めました。これは定置型で、既に四十九件設置されたというふうに伺っていますので、今後は、世田谷区として区民の皆様の導入、これを後押しする、太陽光発電システムと蓄電池をセットで推進するべきだと思うんですけれども、その検討をどう考えているのかお聞きします。 ◎池田 エネルギー施策推進課長 区では、再生可能エネルギーの区内での有効利用及び災害時における有効な小規模分散型電源の普及拡大につなげるため、今年度より蓄電池を導入する区民に対し、導入費用の一部を補助する事業を始めました。対象機器は、定置型蓄電池システムと小型ポータブル蓄電池の二種類で、いずれも太陽光パネルを蓄電池と同時導入、または既に所有していることを条件にしております。九月末現在の受付件数は、定置型は、委員おっしゃるとおり四十九件、ポータブル型は十八件となっております。受付時点での予算執行率は約七二・八%となっております。  区民に率先して再生可能エネルギーを取り入れてもらうには、委員御指摘のとおり、区の後押しも必要であると認識しております。再生可能エネルギーの普及啓発には、二酸化炭素排出の削減量について見える化することが効果的であると考え、環境ならではの方策を検討してまいります。 ◆平塚敬二 委員 さっき私の家で一トンと言いましたけれども、一トンのCO2の削減をすると、杉の木で言うと年間約七十一本分、一つの家ですよ。一つの家で七十一本分の杉の木を植えたのと同じCO2の削減になるということなんですよ。ぜひともこれは進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。  続きまして、先ほどからも何人かありましたけれども、私も個店支援プロジェクトのせたがやペイ、電子商品券について伺いたいと思います。  コロナ禍で厳しい経営を強いられている区内の小売・サービス業の方々の個店を支援する緊急経済対策として、世田谷区が予定している個店支援プロジェクトですけれども、私は個店だけではなく、やはり区民生活の支援も大切な観点だと考えております。  そこで一つ、三鷹の例をまた御紹介しますけれども、三鷹市と三鷹商工会、また、みずほ銀行などが、コロナ禍で冷え込んだ地域経済や市民生活を支援するために、八月三日に三鷹市プレミアム付商品券事業の協定を結んでプレス発表しました。内容は、五〇%のプレミアムを乗せた商品券を十月一日、先日から発売するもので、スマートフォンでQRコード決済を行うデジタル商品券を主力とするものです。発売する商品券が利用できる場所は市内で七百店舗―今は四百三十店舗ぐらいですかね、進んでいました―想定していて、発行総額十五億円。このうち、デジタル版が十億五千万円、従来の紙版が四億五千万円ということで、デジタル商品券は、スマートフォンでみずほ銀行のサイトやクレジットカードを利用して購入すると、その後、登録店舗で買物をするわけで、そのQRコード決済で支払うと。従来の紙版の商品券は消費者から受け取った後の換金作業に手間がかかるため、参加店舗数が伸び悩む傾向があったんですけれども、このQRコード決済で拡大していこうということなんです。  現状はニュースになりましたけれども、紙型の商品券は整理券を発行しなきゃいけないぐらい大人気で、それは五〇%ついていますからすごい売行きで、電子版も聞いてみたんですけれども、相当数が初日で売れたそうです。  そこで、今後、(仮称)せたがやペイを発行するに当たり何点か確認したいと思うんですけれども、一点目は、先ほどもありましたけれども、取扱い店舗の拡充です。これは現在の商店街連合会に登録している個店が約三千を超えるという店舗があるそうなんですけれども、この何々ペイは、確かにちまたにはもう何十種類と出ているわけですよね。商店街連合会にお任せするのではなくて、世田谷区として新たな取扱い店舗の拡充に取り組むべきでありますし、先ほど目標四千とお聞きしたんですけれども、四千では少ないんじゃないかと僕は思っていますけれども、どうでしょうか、見解を伺います。 ◎中西 商業課長 御指摘のとおり、利用者に使っていただくためには、数を増やすということが大事だと思っておりまして、四千という数字はさきの答弁でも申し上げたとおり、ちょっと現実的な線で申し上げさせていただきましたが、可能であればもう少し上積みしていきたいと考えてございます。 ◆平塚敬二 委員 今後、個店に取扱い店舗を広げるには、どういった政策を考えているのかお聞かせください。 ◎中西 商業課長 参加店舗の確保に向けては、店舗にとって利用しやすい仕組みとすることと、あとは丁寧な営業活動を行って、メリットを御理解いただくことが肝要であると考えてございます。先ほどお話にもありましたけれども、三鷹市と同じように、店舗側の負担を最小限とするために、QRコード決済を使うことによって、操作を要する機器の設置を不要とするということと、換金にかかる手間や手数料を極力抑え、また速やかな換金が行われるような工夫をいたします。問題は、この導入のメリットをどうやって知っていただくかなんですけれども、案内パンフレットを送るというだけでは伝わらない店舗も多いと考えられますので、説明会を開催したり、一軒ごとに店舗を回るなどのきめ細やかな対応が必要になると考えてございます。
     世田谷区商店街振興組合連合会、経済産業部、世田谷区産業振興公社、さらには運営受託事業者と連携して体制を組んで、時間をかけて丁寧な営業を行っていきたいと考えてございます。 ◆平塚敬二 委員 ぜひお願いしたいと思います。また、もう一点は、やっぱり区民の利用の拡大なんですけれども、この三〇%プレミアム、確かに大きいんですけれども、決済に不慣れな区民の方もいらっしゃいますので、使い方も含めて講習会を開くなどの普及に努めるべきと思いますが、区の見解を伺います。 ◎中西 商業課長 キャッシュレス決済の簡便性と三〇%のプレミアムということで、魅力は感じていただけると思うんですけれども、課題はどのようにせたがやペイに触れる機会をつくるかということだと認識しております。チラシのポスティングですとか、広報紙ですとか、インターネットを使った広告ですとかは重要な媒体であり、手法ではありますけれども、人の目に触れる機会や回数は限定されます。  そこで、例えば通勤、通学の際にも見てもらえるポスターの掲出ですとか、日々の買物の中で触れてもらうということが重要だと考えておりますので、駅周辺の路面店等に積極的に働きかけて参加店舗になってもらい、そこでPRをしていくということと、あと、お話にもございました不慣れな方に向けて、商店街やまちづくりセンター、あんしんすこやかセンターなどと連携したスマートフォンそのものの使い方も含めた講習会を通して普及をしていこうと考えてございます。 ◆平塚敬二 委員 最後に言っていただいたスマートフォンの使い方も含めた講習会、すごく大事だと思いますので、ぜひやっていただきたいと思います。  また、三点目には、大きく周知するには、やっぱりマスコミの力を借りるしかないかなと。キックオフイベント、これが必要だと思うんですよね。タイミングとしては、事業者が決まったときと、また再度、二月にスタートするとき、こういうときにしっかりとプレス発表して、メディアに取り上げてもらうことも有効だと思いますが、見解を伺います。 ◎中西 商業課長 参加店舗や利用者を増やすには、お話のキックオフイベントのような区民の注目を集めることが有効な手だてだと考えております。周知を徹底するとともに、各種メディアに対しても積極的にPRを実施し、情報を拡散させていきたいと考えてございますが、御提案のキックオフイベント、区と商店街振興組合連合会、事業者の三者で例えば行うだとか、そういったことをお話のあったような、まず事業者が決まり、店舗を募集するというタイミングと、それから実際に利用者に買っていただくタイミングで行っていくように工夫してまいります。 ◆平塚敬二 委員 ぜひやっていただきたいと思います。  それとまた、これが一番大事だと我々は思っているんですけれども、さきの代表質問でも確認しましたけれども、元本保証なんですよね。紙の商品券は六か月たつと紙になっちゃうんですよ。このペイの場合は、どこのペイもそうなんですけれども、例えばPayPayなんかは無期限です。一回入金したお金はずっと使えるわけです。LINE Payなんかは最終利用日から五年間とか、基本的に入金したお金に関しては、このプレミアム分を除いて元本は保証してくれているんです。これをしっかりやっておいていただきたいんですけれども、これを確認します。 ◎中西 商業課長 電子商品券ということで発行いたしますけれども、一般には、既に流通している電子マネーと同様なものと理解されると思います。利用者にとっては、金券を買うというよりは一定額を預けているんだという感覚で使われるだろうと。そうしますと、様々な電子決済の使用期限と均衡を取る方向で進めるべきだということで、現在、商店街振興組合連合会とも調整を進めてございます。例えば、支払い、入金などから一年間有効として、何か動きがあった場合にそれが延びていくというような形などが考えられますけれども、ほかの事例も調べながら適切に設定していきます。 ◆平塚敬二 委員 時間がなくなりましたので、私から最後にお願いとして、このペイが成功したときには、ぜひとも区内の経済対策として増額をしていただきたいということをお願いして、佐藤委員に代わります。 ◆佐藤弘人 委員 それでは、公明党の質問を続けます。あと四十数分ですから、よろしくお願いします。  私のほうからは、リサイクルの見える化についてということでお話しします。  今、世田谷区もリサイクル事業を展開していただいておりますが、私、もともと思っていたのが、一生懸命リサイクルをやっているつもりなんですけれども、リサイクルをやった結果が、全く私たちの生活に実感として湧いてこないと。一体これがどこでどうなってリサイクルされているのか、よく分かりません。人間、やっぱり努力した結果がどういうふうになっているのかということが分かるようになるというのは非常に大事なことだと思うんですけれども、この決算書の中の二五五ページかな、ちょうど区民事業者の3R行動の促進ということで出てはいるんですけれども、何か別に特出してリサイクル事業について書かれているわけでもないんですが、私のほうでお願いして、とりあえずリサイクルしている資源のまず歳入単価、先ほどちょっとお話がありましたけれども、それを令和元年度のベースで資料をいただきました。  これは様々な資源については、もちろん市場の単価の動向が当然左右されますから、何とも言えないところなんですが、古紙単価が下がっているとはいえども、年間で四億円ぐらいの歳入、売却額があるんですけれども、あとアルミもですね。ただ、スチール缶に至っては一キロ九・一三円、ひどいのはガラス瓶です。リターナブル瓶はキロ三・三円なんですけれども、ガラス瓶の無色とか茶色はキロ〇・三円とか〇・一円という、何か集めれば集めるほど赤字になるという、もっとひどいのはその他の色の瓶、これは逆にお金を払って回収している、お金を払ってしまっている。売ってお金が入ってくるんじゃなくて、逆にお金をこちらが払って処理をしてもらっている、そういう状況もあります。白色の発泡トレーとか、色つき、柄つきの発泡トレーも同じように、逆にお金をこちらが払って処理をしてもらっている。  こういうのを観じてみると、歳入のベースで考えると、今、なかなか財政が大変だという中で、こういうリサイクル事業も改めて考え直さないと、いわゆる社会貢献を通り過ぎて、もう既に慈善事業みたいになっている費目もあるんじゃないかなというふうに私は思うんです。やはり、ここも改めて見直していく転換期に来ているんじゃないかなと思いますけれども、まずこの歳入についての現状について、これからどういうふうにゼロベースで考えていくおつもりなのか、お伺いをしたいと思います。 ◎庄司 清掃・リサイクル部事業課長 回収した資源は、基本的にリサイクル原料として売却することができますので、入札などにより、より高額で売却できる再商品化事業者に売却し、区の歳入としております。しかし、委員御指摘のように、資源品目によっては回収後のリサイクルルートを海外への輸出に頼っている場合や回収量が再商品化の原料としての需要を上回っているような場合、買取り価格の下落や、先ほど委員御紹介ありましたが、逆有償化ということで、お金を払って処理をしてもらっているという品目もございます。  限りある天然資源等の有効活用や最終処分場の延命化のため、廃棄物の減量は法に定められた自治体の責務であり、資源回収は継続せざるを得ない事業でございます。発生抑制等、より一層の2Rに取り組む必要があるとともに、市場の都合に左右されにくい再商品化手法についても視野に入れながら、研究しなければならない時期に来ているものと認識しております。 ◆佐藤弘人 委員 さっき私が言いましたガラス瓶の無色、茶色以外は年間六百万円もお金を払っているんです。ですから、売却の単価だけでいくと、そういう結果ですけれども、その先、どのようにリサイクルされて、いわゆる再利用されて、私たちの生活にどういう恩恵が入ってくるのかというところがちゃんと見えて、だったらしようがないなと、だったら一生懸命努力しようというふうになるのが、本来のリサイクル事業の形じゃないかなと私は思うんです。  三月の予算委員会でも私は述べましたけれども、こういうコロナの状況になって、改めて私たちの日常生活で使っているものの多くが海外に依存していると。いざ立ち行かなくなってしまったときに、やっぱり国内もしくは地域で生産をして、流通をして、消費をして、そして再生、再利用していく、そういう循環型にシフトしていかないと、やはりこれからの時代は立ち行かなくなっていくんじゃないかなというふうに思います。  様々な資源の回収拠点から回収されて、どういうものにリサイクルされているかということもいただいております。それぞれが確かに分からないところでリサイクルされているんですね。せっかくなので、こういう機会に来ていることを考えれば、その地域の中でまず循環できるものが何なのかということも、しっかりリサイクル事業の新たな方向性として指し示していくべきじゃないかなと思います。  以前からある例えば世田谷ロールなんかも、私は見たことはあるんですけれども、どこでどう作られて、どう流通されているか、いまだによく分かりません。せっかく、区内四産業あるんですから、ものづくりも含めて、こういう世田谷ロールなんかも、皆さんがリサイクルとして貢献して努力していただいている結果で多少高いのかもしれませんが、ちゃんとお返しをしていますというふうに、やはり考えていくべきではないかなと思いますが、その点についてはいかがですか。 ◎庄司 清掃・リサイクル部事業課長 再商品化事業者で製造された商品の多くは、広く一般に販売されておりますので、区民の皆様が御自分で出された資源がリサイクルされている実感が得にくいという御指摘かと思います。区民の皆様が資源分別の努力の成果を実感していただけるものとしては、委員に御紹介いただきました区が回収した古紙を原料としたトイレットペーパー、世田谷ロールがあり、現在、販売協力店として、区内を中心に四十店舗で販売されております。一応、区のホームページでも公開させていただいておるところでございます。  世田谷ロールの製造は区外の大手トイレットペーパーメーカーが行っており、世田谷ロール一ロールに、最大二六%の世田谷区由来の古紙が含まれております。来年二月より新たに区内約八万か所の資源ごみ集積所で紙パックの回収を開始する予定でございます。こちら事業費用がほぼゼロで、僅かではありますが売却収入がございます。この回収量を世田谷ロールの材料に加え、世田谷由来の古紙比率を上げていくことを考えております。  また、区内で発生した事業系の食品残渣を肥料にリサイクルし、区内の農地で活用するビジネスモデルの実証実験が、廃棄物の処理に関する区の承認を受けて行われております。委員お話しの区内循環は「世田谷みやげ」のリサイクル版とも言えるものであり、大変興味深いものであるというふうに考えております。  低廉な事業コストと二酸化炭素などの環境負荷の低減を前提とした上で、地産地消が見え、区民の皆様に分かりやすい新たな再商品化手法について研究していきたいと存じます。 ◆佐藤弘人 委員 もう一つ可能性があるのが、我が党が平成二十四年から質問していると思いますけれども、紙おむつのリサイクルです。昨年度、環境省がガイドラインをつくって、今、東京都が今年度、実証実験をスタートするというふうに聞いております。今月からですかね。その辺の状況と、あわせて、できたら世田谷区もそのモデル事業にしっかり協力するなり、参入するなり、ぜひこの機会を利用していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ◎庄司 清掃・リサイクル部事業課長 使用済み紙おむつのリサイクルにつきましては、東京都が実証事業を行う事業者を公募しており、十月一日に選定結果が公表されました。選定された事業は、紙おむつ燃料化装置による使用済み紙おむつの燃料化事業と都内における使用済み紙おむつの効率的な収集運搬手法モデルの二つでございます。今後、具体的な事業計画書の作成を進めるというふうに聞いております。世田谷区として協力できることがあれば声をかけてほしい旨を東京都の担当所管に伝えておりますので、今後も東京都と情報交換しながら実証事業の進行を注視してまいりたいと存じます。 ◆佐藤弘人 委員 今お話があったように、紙おむつもそのまま、いろんな四パターンぐらいリサイクルの方法があって、私たちは紙おむつを回収して、また紙おむつとして再生して、販売をしていくという鹿児島県の志布志市のモデルが一番いいとは思っていますので、ぜひ研究していただきたい。また、ぜひ参入をしていただきたいと思います。  それからあともう一つ、プラスチックのリサイクルも大きな転換点を迎えているんです。今法律上、プラスチックの製品は、容器包装リサイクルというように定められている分と、あとその他の製品ですね。これは廃プラと言うんですかね。これはわざわざ分別してやっていますけれども、実は二〇一七年度から国のほうで、一緒に集めて、今の最新技術で自動的に分別してリサイクルできないかというのを、大阪市をはじめ七つの都市で実証実験を続けてきて、これが実はうまくいったらしくて、ちょうど来年の通常国会で、この法改正も含めた議論がスタートすると。どういうことかというと、もしかすると、わざわざ分けて出さなくても一緒に出して、なおかつ洗わなくてもリサイクルできる。今プラスチックのものって、一回、リサイクルで集めたものをリサイクルする前に粒状か何かになるんですかね。そこまでらしいんですが、今の最新技術だと、原料の原油までリサイクルされてしまうということで、そこまでいくんだったら、もうプラスチック製品をわざわざ洗わなくても、こせばちゃんときれいな原油としてリサイクルができるというふうな形になっています。  事実、プラスチックは今全国的にリサイクル率が八四%と言われていますけれども、その中の五六%ぐらいはサーマルと言われて、結局、燃やして発電をしているという現状です。燃やせる炉を持っている自治体はいいですけれども、そうじゃないところは結局埋立ててしまうと、そういった現状にもなるので、このプラスチックについても、世田谷区としてもしっかり国の動向も踏まえて、ぜひ、これからのリサイクル事業の転換点として考えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ◎庄司 清掃・リサイクル部事業課長 先ほども他の委員の方にお答えしているところでございますが、国では、経済産業省と環境省が有識者による合同会議を設け、今後のプラスチック資源循環施策の基本的方向性として、プラスチック資源の循環についての方針を検討中と聞いております。このような国の動きも一つ受けまして、区といたしましても、プラスチック資源の循環について、二酸化炭素や環境負荷に関する科学的な知見を有する専門家と調査研究を進めるとともに、区民や有識者の御意見なども参考にしながら、プラスチックごみと二酸化炭素排出量削減についての区の考え方をまとめてまいります。 ◆佐藤弘人 委員 ぜひ、このリサイクル事業については、極めてゼロベースで続けていくべきものなのかどうか、しっかりリサイクルとして、区内もしくは地域で循環をしていけるものなのかどうかを精査していただいた上で、その辺の結論を導き出していただきたいということをお願いして、次に、外国人材の受入れ支援の強化と環境整備について、一点お伺いします。  現在、訪日外国人の来日はできておりませんが、在住外国人の方は区内でもどんどん増えております。技能実習生、それから特定技能外国人、就労資格の外国人など様々、これは改正出入国管理法が二〇一九年四月に改正されたということも含めて、これから約五年間で三十五万人ぐらいを目標に、様々な業種に外国人の人材を受け入れると。そういう前提の中で、まずこの受入れ体制をしっかり世田谷区として整えられているのかどうか、その点は一つお伺いをしたいのと、あとはそうした関係からいくと、やはり行政側の部門としても、外国人の方をスタッフとして採用していく必要性も当然生じるんじゃないかなと思いますが、その点はいかがでしょうか。 ◎香山 工業・ものづくり・雇用促進課長 外国人の受入れについては、世田谷区内でも介護分野で社会福祉事業団など、複数の社会福祉法人と介護福祉士養成校による世田谷コンソーシアムが設置されるなど、在留資格介護の資格取得を目指す外国人留学生の受入れが始まったところでございます。  一方で、外国人の雇用については課題もあり、日本で働く外国人を対象とした民間の調査では、給料が上がらないこと、明確なキャリアパスがないなどの不満が上位に上がっています。また、文化や習慣の違いなどによって孤立を感じている方も多いと思います。このようなことから、外国人の就労環境につきましては、雇用環境の整備はもとより、生活面での支援も必要だと認識しております。  引き続き、事業者の雇用に関する相談は、専門機関である新宿外国人雇用支援・指導センター等への御案内と、外国人の就労支援については、先ほどのセンターのほか、区の外国人相談や日本語教室などを行っている国際課などと連携を密にしながら、外国人の方が安心して働くことができるような環境づくりに努めてまいります。  また、御提案ありました公務員だとか外郭団体の支援につきましても、在留資格が延びて区内産業での受入れを拡大するとともに、様々な専門をお持ちの外国人が区内にもいらっしゃいます。こういう方も活用については可能性があると考えます。国際化が進展する中で、区は多様な言語や文化的背景を持つ外国籍の方がお住まいになっており、ダイバーシティの取組も一層重要であると認識しておりますので、関係所管とも連携を図ってまいりたいと思います。 ◆佐藤弘人 委員 私の質問の最後に、障害者の雇用促進ということで、これまで障害者の雇用を生み出す、そして就業してもらえる形態も含めて、ワークシェアリングも含めて、そういうような就業機会を増やす、そこに注力されてきたと思うんですけれども、できたら、これからは障害者の方が業を起こす、いわゆる仕事を起こすということです。そういったところにぜひ力を入れていただきたいというふうに考えています。  ちょうど、今こういうコロナの中でもあるんですが、クラウドソーシングと言って、ネット上で不特定多数の方と仕事のやり取りをしている、このクラウドソーシングについては、ぜひ障害者の方も様々な可能性、能力、そして就労の機会をマッチアップできるんじゃないかなと思っています。  調べてみたら、もう既に障害者の方専用のクラウドソーシングのネット、仕事もありまして、サニーバンクという障害者の方専門でクラウドソーシングをやっている、そうした業態もございますので、ぜひ、障害を持っている方がなかなか仕事になじめない、業種に合わない、人間関係ということもある、そうしたハードルを乗り越えていくためにも、自らがそうしたクラウドソーシングみたいなことを使って、起業をしていくというきっかけを後押ししていただきたいと思いますが、この点いかがでしょうか。 ◎香山 工業・ものづくり・雇用促進課長 新型コロナウイルス感染症の影響に伴いまして、オフィスワークが在宅就労に切り替わるなど、障害者の方の雇用就労環境にも変化があると聞いております。オンライン化やテレワークが進むことで、委員お話しのクラウドソーシングでの仕事が増えていくことも想定され、区では、これまでフリーランス協会やクラウドソーシングなどの仲介を行っている事業者と意見交換を行ってまいりました。その中でもメリットとして、場所や時間の制限が少ないといったことがありますが、一方で、単発の案件の場合は収入が安定しないなどの課題もございます。また、雇用保険や労働法も適用されていないということで、今回もコロナのことでフリーランスの方にも影響があったと思いますが、セーフティネットでも不十分である点も伺っております。  障害者就労につきましては、クラウドソーシングの仕事をはじめ、農福連携の取組や才能のある方の起業など、一人一人に合わせたバリエーションを増やしていくことは重要であると考え、実現に向けて課題を検討していく必要があると認識しております。引き続き関係所管と連携し、一人でも多くの障害者の方が就労できるような取組を進めてまいります。 ◆佐藤弘人 委員 ぜひ、これまでの予定調和にとらわれないで、積極的に推進をしていただきたいとお願いして、高橋委員に交代します。 ◆高橋昭彦 委員 あと二十分ぐらいですかね。皆さんの幸せのために早めに終わりますかね。(「期待しています」と呼ぶ者あり)ありがとうございます。答弁次第ですけれどもね。  地域行政制度ですね。地行の条例をつくるということで、ずっと何回かやり取りをしてきましたけれども、地域行政制度は世田谷にとっては非常に重要な、約三十年前ですよね。世田谷区が地域行政制度をつくってどう変わっていくのかということが、やっぱり、三十年前ここにいた人はいないわけだよね。みんなまだ若かったわけですもんね。  だから、そのときの雰囲気というのは感じている方も、まだ思いとして残っている人もたくさんいらっしゃるとは思うんですけれども、世田谷区はそういう意味では、住民にとって、区民にとって、行政がこんなにしっかり見守ってくれる、しっかり携わってくれる、そしてまた、区役所が本当に近くにあるというふうに感じるようないい世田谷区、「打てば響くまちづくりをめざして」というスローガンで、それはもう感じていたんだろうと思います。(「今は打っても響かない」と呼ぶ者あり)打っても響かないの。  いや、だからこそですよ。三十年たったこのときに、今こそ地域行政制度というものが何なのか、世田谷区の特徴として、しっかりしたものにすべきなんじゃないかと僕が言ったんだよ。そこから議論が始まったんだけれども、コロナの影響で一年延びてしまったという状況もあるんでしょうけれども、三層構造ですよ。本庁があって、町場には当時出張所があって、だけれども真ん中が大事なんじゃないのかと言って、真ん中をわざわざつくったんだよね。地域をね。わざわざここをつくったことが、世田谷区の地域行政の非常に大事なポイントだったということなわけだよね。そうか、こう変わっていくのかということが、区民からも感じていたんだろうと僕は思うんです。  一番身近な区役所が出張所だと。今日は、まちづくりセンターの所長は来られていないので残念ですけれども、本来は最前線の方々が、今日は本当は五人来られて、出席してもよかったんだろうと思うんだけれども、地区というものがどうなのか、まちづくりセンターというのはどう変わっていくのかということも本当に大事だと思いますよ。この出張所の仕事って、三十年間の間で、今はまちづくりセンターという名前に変わって、仕事がぐわっと変わってきたよね。当時は、もう本当に全てそこで行っていたというぐらい大きな拠点だったわけだよね。住民にとって区役所といったら出張所だったわけだよね。その仕事が大きく変わってきた三十年間だよね。だから、そこの地区というものの状況を大きくまた発展させなきゃいけないなと思っていたんですけれども、今日は地区がいないので地域に聞きます。  総合支所というものをわざわざつくった、そして、総合支所という中の仕事も大分変遷はしてきた、変わってきた。時代時代で変わるのは当然だとは思います。また変わっていかなかったらしようがないんだろうというふうにも思うんだけれども、今回の地域行政推進条例、そしてまた、地域行政推進計画の中での基本的な考え方と四つ示されているんだけれども、特に、この総合支所がどう変わっていくことが大事なんだというふうに所管部は思っているのか、まずお聞きしたい。 ◎舟波 地域行政課長 今お話のあった総合支所でございますけれども、五つの総合支所による地域行政制度が発足した平成三年でございますが、その当時大場区長でございましたが、学識経験者との対談の中で、区民の方々もただ便利になったというだけではなく、自分たちがまちづくりをしていこう、あるいは何かやろうというようなときに、すぐそこに役所がいると、相談や話合いができる、そういうところに意義を感じていただいているということを述べております。  この間、参加と協働によるまちづくりにつきましては、総合支所からより身近なまちづくりセンターが中心となりまして、住民活動の支援をしておりますけれども、今後、地区の様々な課題に対しましては、地区まちづくりをマネジメントする視点も必要になると考えております。  その一方で、政令指定都市の行政区並みの人口を擁する総合支所につきましては、人口増加や将来の財政負担も見据えながら、地区、地域の特徴や実態を踏まえた総合的で効果的な施策を進めるため、地域経営の機能強化を図る、そういった必要があるというふうに感じております。このため、地区、地域におけるより具体的なビジョンですとか、計画を区民とともに策定することを地域行政見直しの一つの視点として掲げておりますけれども、総合支所が地区の取り組むべき課題を集約し、優先順位づけ、災害対策ですとか、あるいは保健福祉などの本庁所管が作成するような各種計画に、地域としての意思をより明確に反映させていくというようなことが必要であると考えております。  地域行政の条例化のプロセスにおきましては、まちづくりセンター所長と連携した総合支所の企画調整機能の強化、あるいは総合支所長の権限の強化を図りながら、区民参加による各種計画づくりや施策の効果的、効率的な実施を本庁所管と連携して推進する仕組みにつきまして、具体的な権限や執行体制について、推進計画に反映させてまいりたいと考えております。(「具体策は出さないの」と呼ぶ者あり) ◆高橋昭彦 委員 そうなんだよ、具体策なんだよ。そのとおりなんですよ。舟波さん、今言われた総合支所の企画調整機能の強化と、もう一つ言ったね。総合支所長の権限の強化、これは具体的にはどういうことを考えているの。 ◎舟波 地域行政課長 一つは、企画調整機能ですけれども、まず、総合支所の地区のあるべき姿、あるいは総合支所としてあるべき姿ということは、今例えば基本計画なんかに載っていますけれども、そういうものをより明確に打ち出す、それから、何を優先すべきかということをしっかりと考えて決めていくというようなことを、例えば四年計画で実施していくとか、それが例えば基本計画で言うところの重点計画や、いわゆる領域別計画にきちんとつなげていくというようなプロセスをしっかりとつくっていく、そういう仕組みをつくっていくということが、一つ大切なんだろうと思っています。  それからもう一つは、総合支所長の権限につきましては、今総合支所長の権限は、例えば人事権にしても、それから予算の権限にしても、あるいは事案決定する権限にしても、ほとんどほかの部長と同じようなレベルにあるわけですけれども、やはり、総合支所が主体となって物事をある程度決めていったり、あるいはそれを本庁の計画にしっかり反映していくためには、やっぱりそういう権限をもっともっと強化していく必要があるんだろうと考えていますので、そういうことについては個々具体的に課題を抽出しながら、具体的に決めてまいりたいというふうに考えています。 ◆高橋昭彦 委員 ということは、総合支所が企画をして、舟波課長が今言っていたように、政策の中でこれが重要だなということを、うちの総合支所では、うちの地域では、これを重点的にやろうじゃないかと。そして、そのための権限や財源ももらおうじゃないかということが可能になるということでよろしいんでしょうか。 ◎舟波 地域行政課長 そのとおりでございまして、どちらかといえば福祉にしても、防災にしても、やっぱり本庁主導で計画をつくっているわけですけれども、やはり地区あるいは地域にはそれぞれお困り事もあれば、特色もあって、そういうことがまずあった上で、それを総合的にまとめていくという手順、そういうことが必要なんだろうと思いますし、そういうことがまさに地域行政、三層構造をしいているいわゆる命といいますか、メリットなんだろうと思いますので、そういうことをきちんとまた強化していきたいというふうに考えてございます。 ◆高橋昭彦 委員 ということは、五つの総合支所ごとで様々なテーマを持って構わないんじゃないのかということでいいのかな。それに向けてうちの総合支所では、さっき言った四年ぐらいの計画を持ちながらやっていこうということが、総合支所長の権限としてできるようになるぞと。では、うちの地域はこんなふうになっていくんだということが、より明確に見えていくというような感じになるのかな。というような地域経営ができるようになるんだということでいいんだよね。(「政経と財政が黙っているか」と呼ぶ者あり)そうなんだよ。そこなんだよ。  だから、本庁のやることと総合支所のやることが―この間の総括でも区長と話したけれども、足らざるところは足りるようにして平均化をするような、そんな話を区長はしていたけれども、僕は平均化というよりも、もっと特色を持って、もっと飛び出るぐらいの総合支所や地区があっていいと僕は思うんだよ。こういうことを住民と話し合って、区民と話し合って、特に区民、町会をよく知っているまちセンの所長と話し合って、うちの地域はこれを徹底的にやろうと思うんだよと、そのために金をくれと、金をつけてくれということができるようになったら、地域経営ってそれはもう大きく動き出すと僕は思う。(「本庁が要らなくなる」と呼ぶ者あり)いや、本庁がいろんなものをつくり出していくんだ。条例をつくったり、計画をつくったりね。(「前とやれ」と呼ぶ者あり)前と。いや、いい具合に言ってくれるんだよ。(「横の席に座ってもらったらいい」と呼ぶ者あり)横にいたらうるさいんだよ。  では、髙木総合支所長に聞こうかね。地域として、総合支所として、総合支所が地域経営をしていくということは、今をどのように変えたらいいというふうに感じていますか。 ◎髙木 北沢総合支所長 これまで地域行政を進めてきた中では、例えば福祉の相談窓口の開設などによりまして、地域課題の解決につきましては、身近なところで地区や地域が連携して様々な事業を組み合わせながら解決していく、そういう手法は定着して、その力は高まってきた―まだ十分とは言えないと思いますが、高まったというふうに考えています。  現在、例えば今般のコロナ禍の状況などのように、新たな課題ですとか、その多様化が進む中では、地域行政制度の中でも話がありました、以前、対症療法から予防型行政の転換をしていこうという制度の目的がありますけれども、よりスピード感を持って地域の特性、資源を生かしながら経営していく、そういう地域経営という力がますます重要になっているというふうに感じております。  一方で、問題に対応する施策事業を組立てるためには、そして、既存の施策事業だけでは解決できない様々な地域独自の課題のアプローチといたしましても、地域や地区の方々、団体などの多様な活動、資源をつないでコミュニティーを強固にしていくということも、地域経営の課題では欠かせないというふうに思っております。  こういったことから、地区では、その状況や問題点を的確につかみまして、やっていくことが大変重要でございます。コミュニティーの一員として協働していくために、職員の感度、コーディネート力の向上を図ること、そして地域には区民参加を得ながら課題を抽出して、政策として立案していく企画力、こちらも大変必要と思っております。また、例えばですけれども、地域コミュニティーの構築のためには、専門家やアドバイザーの参画などの検討も必要かもしれません。  今後も地域行政を進めていく上で、その体制や、今議論があります権限など様々検討していくことになりますが、まずは地域経営ということでございますと、地域や地区が向かうべき方向、あるべき姿、将来像につきまして、まずは地域の方々、地元の方々とともに描き、確認し、しっかりとそれを常に地区で、地域で共有しているという姿を基本とするということが、まずは大切な事柄ではないかというふうに考えております。 ◆高橋昭彦 委員 いろいろ言っていただいたんですけれども、職員の感度、コーディネート力の向上、まちセンの職員なんかは、本当にそういった人材を置いていかないといけないと思うんだよ。さっきからずっと今日―もうあと五分になっちゃった。デジタル化って言っていたけれども、令和四年から五年になってくると、やっぱり全部電子申請になってきたりすると、本庁にわざわざ行かなくても済むようになってくるわけだよ。だったら、どこに行ったらいいか、どこでちゃんとやったらいいか。身近なところでやれるようになっていくとなると、まちセンの職員というのは、そういった申請のものなんかも全部分かって、そして、住民が何を求めているか分かるようなところが必要になってくるわけだよ。だから、もっともっと地区を強化するというのはそういうことだと思うよ。  平成四年から五年と言ったら、今度また職員の退職の年齢も変わっていくわけだから、(「令和」と呼ぶ者あり)令和ね。ありがとう。もうどんどん行政の仕組みも変わっていかざるを得ない。今回のこの地域行政制度の改革というのは、行政の仕組みをしっかりともう一回立て直して、住民にもっと近くするということなんだろうというふうに思うんだよ。そういった行政をしっかりやるということ。  本庁は、条例とか計画をつくる本当にスリムなものでいい。区民が行くところは、総合支所とまちセンなんだということ。だから総合支所は、もっと防災や福祉や肝心のまちづくりも、そういったものも全部総合支所が権限を持ってやっていくぞというぐらいのものになっていくのが僕は大事だと思うし、本庁に行かなくてもいいんだと、そういったことが僕は大事なんだろうというふうに思うんだけれども、あまり時間がなくなってきちゃったんだけれども、副区長はどう考えているか。 ◎岡田 副区長 私は平成三年に、第一次の地行のときに職員として関わった経験がございます。その際に、庁内が五つの支所で行政をやっていくんだと、まちづくりセンター―当時出張所でした―中心に仕事をしていくんだという熱いうねりがあったのを記憶してございます。その後、地域行政制度自体は大きく変遷をしてきましたけれども、地域主体で仕事をしていく、まちづくりをしていく、区民と一緒にまちづくりをしていくというところの理念は変わっていないというふうに思っております。  ですので、本当に地域行政というのは、世田谷区の行政の屋台骨でありまして、この間いろいろ学識等のお話を伺っても、例えば横浜市の行政区でも、ハードのまちづくりの機能を持っていない。世田谷区のように、街づくりを地域でやっているというのは非常に特殊性があるところでございまして、この世田谷区の独特の地域で仕事をしていく、区民の方たちと一緒に仕事をしていくんだというところの制度を、この機会にしっかりと議論し、固めていきたいというふうに思っています。  基本はまちづくりセンターだと思っております。まちづくりセンターで区民の方たちとまちづくりをしていく、その際に、本当に職員の専門性というものが必要になってくると思いますが、先ほど北沢支所長からお話がありましたけれども、本当に区の職員だけでいいのかという問題もあろうかと思いますけれども、町の方たちと一緒にまちづくりできる体制をまちセンからつくっていく、それを地域の支所が支えていくと。本庁は全体としての専門性のところでコントロールしていく、このような体制をぜひ組立てていきたいというふうに思っております。 ◆高橋昭彦 委員 またやりますけれども、時間がなくなっちゃったので、副区長の思いはしっかりと受け止めて、それをつくっていってもらいたいと思いますし、また議論しましょう。  では終わります。 ○真鍋よしゆき 委員長 以上で公明党の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○真鍋よしゆき 委員長 以上をもちまして本日の質疑は全て終了いたしました。  本日の委員会はこれにて散会いたします。     午後六時四分散会...