世田谷区議会 2020-03-12
令和 2年 3月 予算特別委員会-03月12日-05号
令和 2年 3月
予算特別委員会-03月12日-05号令和 2年 3月 予算特別委員会
令和二年予算特別委員会
予算特別委員会会議録第五号
日 時 令和二年三月十二日(木曜日)
場 所 大会議室
出席委員(四十九名)
委員長 阿久津皇
副委員長 福田たえ美
副委員長 ひえしま進
石川ナオミ
おぎのけんじ
加藤たいき
上島よしもり
河野俊弘
宍戸三郎
下山芳男
菅沼つとむ
畠山晋一
真鍋よしゆき
山口ひろひさ
健康推進課長 相 馬 正 信
生活保健課長 加 藤 政 信
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本日の会議に付した事件
議案第一号 令和二年度世田谷区一般会計予算
議案第二号 令和二年度世田谷区
国民健康保険事業会計予算
議案第三号 令和二年度世田谷区
後期高齢者医療会計予算
議案第四号 令和二年度世田谷区
介護保険事業会計予算
議案第五号 令和二年度世田谷区
学校給食費会計予算
(
福祉保健委員会所管分に対する質疑)
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午前十時開議
○阿久津皇 委員長 ただいまから予算特別委員会を開会いたします。
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○阿久津皇 委員長 本日は、
福祉保健委員会所管分の予算審査を行います。
なお、質疑に入る前に一言申し上げます。改めて申し上げますが、理事者の皆様におかれましては、答弁は簡潔明瞭に行うこととお願いをいたします。
それでは、質疑に入ります。
無所属・世田谷行革一一〇番・維新、どうぞ。
◆ひえしま進 委員 おはようございます。無所属・世田谷行革一一〇番・維新の質疑を始めます。
新型コロナウイルス関連についてお聞きします。
PCR検査の保険適用がスタートしました。検査については、総括質疑でも大まかな流れが明らかになっていますが、事態は刻々と変化をしておりますので、数字を含めて細かく聞いていきたいと思います。
まず、現在までの世田谷区内のPCR検査の数を教えてください。また、今後、保健所としてどの程度を予測しているか、見解を伺います。
◎辻
世田谷保健所長 区のPCR検査数は公表しておりませんが、区が検査を依頼する東京都の地方衛生研究所の検査実績は、三月九日時点で二千四百九件となっております。今後の検査数は増加するとは思いますが、これまで検査の要件がさまざま変更されたこともあり、今後の検査数を予測するのは難しいと考えております。
◆ひえしま進 委員 手順を言いますと、心配な人は世田谷区の帰国者・
接触者電話相談センターに相談することになっています。まず、これまでの相談件数を教えてください。
それと、基準に該当する人は区内の帰国者・接触者外来を紹介されるわけですが、この病院名は非公開となっています。ですので病院名は結構ですが、全国で約八百六十カ所あるとのことで、区内では何カ所あるでしょうか。
また、今回新たに同外来と同様の機能を持つと自治体が認めた医療機関でも判断できるとのことですが、何カ所になるのか教えてください。
◎辻
世田谷保健所長 まず、当該センターの相談件数ですが、現在一日百件以上となっております。
また、帰国者・接触者外来は都が認定し、何カ所かはお答えできないこととなっております。
それらと同等の機能を持つ医療機関につきましては、現在、都が調査中とのことです。
◆ひえしま進 委員 これまでは、帰国者・接触者外来の医師が、感染した疑いがある人を検査したい旨、保健所に連絡をしていました。保健所はそれを受けて、今度は都に相談をして可否を判断していたわけであります。しかし、これからは帰国者・接触者外来の医師が保健所を通さずに直接民間の検査機関に依頼できるということで間違いないでしょうか。これまで保健所がお願いしていた検査機関というのは地方衛生研究所だと思いますけれども、一日にどれぐらいの検査能力があるか教えていただきたいと思います。
◎辻
世田谷保健所長 二月二十八日の報道によりますと、都は、都の地方衛生研究所の一日当たりの検査能力を二百四十件と述べています。
◆ひえしま進 委員 これから検査数の増大が予想されますが、これも当然限界があると思います。衛生研究所はどういう対応をとるとしているのでしょうか。例えば民間検査機関や大学の研究機関などにも応援に入ってもらうというようなことになっているのか。わかりましたらお答えください。
◎辻
世田谷保健所長 同じく二月二十八日の報道で、都は、さきの二百四十件に加え、民間委託で一日百件の検査が可能になるとしています。
◆ひえしま進 委員 これまで外来と地方衛生研究所の間に保健所が入って検査の可否を判断していたということで、検査がスムーズに行われないということが批判の理由になっていたと思います。しかし、私は、むやみやたらと検査しないという、つまり検査をパンクさせないための一つの調整弁に保健所がなっていたのではないかと思います。まずこれからの保健所の役割をお聞きします。
つまり報道ベースでは、外来の医師の判断でどんどん民間へ検査に出せるようになるということで、保健所を介したこれまでの行政検査はなくなるという理解でよろしいのでしょうか。報道を通してだとよくわからないので、詳細を説明していただければありがたいです。
◎辻
世田谷保健所長 初めに、保健所のかかわる行政検査はこれまで同様に継続します。三月六日からPCR検査が保険適用となり、都道府県が認定する非公開の帰国者・接触者外来等においては、従来の行政検体か、あるいは保健所を介さず保険診療としての検査を選択し実施できるようになりました。一方、一般の医療機関につきましては、従来同様に世田谷区帰国者・
接触者電話相談センターに相談の上、保健所を介し検査を行うことは変わらず、保健所は引き続き区民や一般の医療機関からの相談を受け付け、必要に応じ行政検査を実施する役割を担います。
◆ひえしま進 委員 これまでの区の帰国者・
接触者電話相談センターにはどれくらいの問い合わせがあったのかお聞きしたいと思います。受付は平日の八時半から十七時十五分までとなっていますけれども、区のセンターは何人でどのような体制になっているでしょうか。休日も開く予定はありますか、お答えください。
◎辻
世田谷保健所長 世田谷区の帰国者・
接触者相談センターの問い合わせ件数は、現在一日百件以上、最多は三月九日の百八十四件でございます。
また、相談体制につきましては、これまで
世田谷保健所感染症対策課全員に加え、毎日の各
総合支所健康づくり課からの応援職員を加えて八十五名の体制で対応しておりました。さらに体制強化に向け、三月九日には五名の職員を新たに配置しております。また、相談窓口の開設時間ですが、東京都と協議の上、区においては八時半から午後五時十五分になり、夕方以降の午後五時から翌朝九時までは東京都の
電話相談センターで一括して対応しております。なお、世田谷区から東京都の
電話相談センターへ相談員として保健師を派遣しており、区と都の連携のもとに、二十四時間三百六十五日の相談体制を構築しております。
◆ひえしま進 委員 民間ではインフルエンザのような簡易キットの開発も進んでいるようでありますが、これが普及すると、さらに陽性反応の人がふえるわけであります。陽性反応が出た場合、入院措置がとられると思いますが、区内の病院の受け入れ態勢は万全なのかということを確認したいと思います。足りない場合は区としてどのような対応を行うのか、御答弁ください。
◎辻
世田谷保健所長 PCR検査が陽性となった場合、保健所は患者に対し、感染症法に基づき入院勧告を行い、
感染症指定医療機関へ入院することとなります。この入院を受け入れる
感染症指定医療機関につきましては公開されており、都内では十二カ所、区内では自衛隊中央病院一カ所が指定されております。
お話にありました医療体制につきましては、入院調整は都の役割であり、区としては、各
感染症指定医療機関での
新型コロナウイルス感染症対応の病床は把握が難しいものの、入院調整につきましては引き続き都と連携し、適切に実施してまいります。
なお、国の基本方針では、今後、国内で患者数が大幅にふえたときに備え、入所者対策を中心とした医療体制を整える必要性を示しております。
◆ひえしま進 委員 先日、区内でも感染者が出ました。区の発表ですと
企業主導型保育園の職員ということにとどめていたわけでありますが、そのせいで、区内の保育園に預ける保護者の方の不安は増大したと思います。事実、私のところにも、どこの保育園なのかという問い合わせが数件ありました。その後、当該保育園がみずから情報公開されましたが、今回の場合は、区が当該保育園としっかり連携をして、公的な組織である区が最初に詳細な情報を公開すべきだったと思いますが、経緯と見解を伺います。
◎辻
世田谷保健所長 区は、世田谷区
健康危機管理マニュアルに沿って、区内で健康危機の事象等が発生した場合、感染拡大などへの区民の不安解消を目的として、発生事象の事実関係、対応方針などをいち早く区民に広報することとしております。一方、感染症法の基本理念には、患者等の人権の尊重がうたわれていることに加え、国、地方公共団体及び国民の責務としても定められており、区としても、法を遵守しつつ、区民の個人情報を保護する観点からも、情報の発信等の際には十分に人権に配慮しております。
また、
新型コロナウイルスの患者等の公表は東京都が行うことを原則とし、取り扱い等については、都と協議し、慎重に対応しております。なお、今回は世田谷区内の保育施設の従事者が陽性となったため、区は区内保育施設を支援する立場にあることを鑑み、患者の人権に配慮しながらも、不確定な情報が拡散することによる区民の不安を払拭するため、区で対処したことを含め、園名を除き、発生事象の事実関係等を公表することを世田谷区
健康危機管理対策本部で決定いたしました。加えて保健所としては、区のホームページにおいて、区民の不安を少しでも和らげるために、今回の事例に関する区民向けQ&Aを掲載しております。
◆ひえしま進 委員 確認したいんですけれども、つまり、この
情報公開マニュアルみたいなものはあると。そして、随時そのケースに合わせて、どこまで情報公開するかとか、しないかということを決めるということでよろしいですか。
◎辻
世田谷保健所長 今現在、
情報公開マニュアルという確としたものはございませんが、さまざまなマニュアル等を用いて対応しているところでございます。
◆ひえしま進 委員 やっぱりどこまで公開するかということは区民の最大の関心事だと思うので、もうちょっとその辺を整理されて、やっぱり全て公開することがいいことだとは言い切れないわけであって、しっかりとそのケースに応じて、なるべく情報公開をしていただきたいということと、やはり個人情報というものがありますから、それは保護していただきたいと。非常に難しい判断だと思うんですけれども。あと、情報の発表というのは速やかにやっていただきたいということを要望しておきます。
区長を本部長とする
健康危機管理対策本部というものが立ち上がっていると今お話でありましたが、その中で保健所長はどのような役割を果たしているのかを教えてください。
◎辻
世田谷保健所長 危機管理対策本部では、国、都や地域関係団体等との連絡調整、状況等の情報を把握しつつ、被害拡大の防止や被害者への適切な保健医療の確保、区民への広報活動等、区の健康被害への対応方針等を決定する役割を担います。対策本部の対応方針等の立案はそれぞれの担当所管が担い、世田谷保健所は事務局として、庁内関係所管の連絡調整、情報共有等の対策本部の庶務を担っております。さらに、保健所長は、法に基づく感染症発生の予防及び蔓延予防を担う立場として、庁内関係各課に対する専門的な見地による助言、支援等を積極的に行っております。
◆ひえしま進 委員 コロナ関連で不安だということで、今、一般病院に行く人がふえていると聞いています。区の特定健診は毎年二月、三月が混み合う時期でありますが、これと重なっていて、この特定健診を受けたい人がなかなか受診できないという区民の声がありますけれども、承知しているでしょうか。
◎五十嵐 国保・年金課長 区で実施しております特定健診は、毎年三月三十一日を受診期限としております。
新型コロナウイルス感染症の拡大を受けまして、対象となっている区民の方から、受診期限の延長を望む声というのは区にも届いているところです。
◆ひえしま進 委員 受診期限の延長を望む声があるということですけれども、この延長は可能なんでしょうか。もし難しい場合は、何か救済策をとる考えはありますか。
◎五十嵐 国保・年金課長 特定健診の延長につきましては、健診の制度ですとか健診のシステム上の課題がありまして、期限を四月以降に延長するというのは困難な状況にございます。区民の方から相談があった際の対応といたしましては、来年度の健診が五月の中旬から開始されるということを説明しまして、コロナウイルスの感染リスクが落ちついた時期を見計らって受診してくださいということを検討をお願いしているところでございます。
また、来年度の健診を早目に受診したいという御要望があった際には、本来ですと誕生月に応じて受診券というものをお送りしているところですけれども、最も早い五月の発送に前倒し変更して対応しており、おおむね御理解をいただいているところでございます。
◆ひえしま進 委員 対策をぜひともよろしくお願いいたします。
次に、HPVワクチンについてお聞きします。
決算特別委員会でも取り上げましたが、定期接種化されているわけですから、対象者に直接案内を郵送すべきであると言ってまいりました。厚生労働省の検討部会でも
リーフレット送付の前向きな意見が出ております。また、衆議院においても、HPVワクチンについての質問趣意書が出されまして、御案内だと思うんですけれども、ここでも地方自治体の判断を尊重する旨の政府答弁が返ってきております。これを踏まえまして見解をお聞かせください。
◎相馬 健康推進課長 HPVワクチンにつきましては、平成二十五年に、接種後に因果関係を否定できない持続的な痛み等の副反応が見られたことから、厚生労働省が各自治体に、積極的な勧奨を控えるよう継続的に勧告を行っております。このことを受け、区は、対象者の安全と安心が最優先と判断し、積極的な勧奨を見合わせておりました。しかし、この間、御指摘のとおり、接種を希望する人や検討している人に区が定期的に予防接種として実施していることを区民に知らせるべきとの意見も頂戴し、区においても平成三十年一月に同ワクチンの
啓発リーフレットを作成しました。
区としてもこのような状況を踏まえつつ、同ワクチンの接種間隔に関する情報提供について、令和元年に検討を行い、令和二年二月よりホームページを改訂し、標準的な接種間隔の情報に加え、標準的な方法をとることができない場合の接種間隔を掲載いたしました。
なお、御指摘の接種の個別勧奨につきましては、国の動向を注視するとともに、特別区は予防接種の実施については相互に乗り入れすることを踏まえ、今後、二十三区の特別区
保健予防課長会等へ課題を提起してまいります。
◆ひえしま進 委員 子宮頸がん検診について聞きますが、この三年間の受診者数とか受診率というのは非常に低くて、受診率で言えば二〇%と聞いています。私はぜひ
HPVワクチン接種と子宮がん検診の案内をセットで送ったらどうかと思いますが、見解を伺います。
◎相馬 健康推進課長 厚生労働省が各自治体に
HPVワクチン接種の積極的な勧奨を控えるよう勧告を行っていることを踏まえ、区は、対象者の安全と安心を最優先と判断し、現在も積極的な勧奨は控えております。御指摘の個別勧奨につきましては、安全の確保や相互に乗り入れている状況を勘案しつつ、引き続き国の動向を注視してまいります。
なお、二十歳以上の女性区民を対象とした子宮がん検診の案内送付につきましては、受診率向上に向けて引き続き継続してまいります。
◆ひえしま進 委員 田中委員にかわります。
◆田中優子 委員 私からは、まず初めに、避難所における感染症予防策について伺います。
現在、
新型コロナウイルスで世田谷区も対応に追われているところですが、ふと、今、首都直下地震が起こったら、避難所の感染症対策は大丈夫だろうかと思いました。避難所は人々が濃厚接触する可能性が高い密閉空間です。もし避難所で
新型コロナウイルス肺炎が蔓延したら大変なことになります。
そこで、
避難所運営マニュアルを確認してみました。五八ページに避難所の衛生管理という項目があり、その中に、感染予防対策・手洗いの方法等の指導、
消毒用アルコール、逆性石けん、うがい薬等を設置と書いてありました。しかしです。確認したところ、実際に配備があるのはうがい薬だけだというのです。
消毒用アルコール、逆性石けんについては、各総合支所の地域振興課で用意することになっているらしいのですが、まず伺いますが、
消毒用アルコール、逆性石けんは各避難所にきちんと配備されているのでしょうか。
◎淺見
北沢総合支所健康づくり課長 うがい薬については、災害対策課が配備している
避難所用応急救急セットの中に入っていますが、
消毒用アルコール、逆性石けんは入っておりません。こうした中で、北沢地域では、支所の取り組みとして、各避難所に七百五十ミリリットルの
消毒用アルコールを五本配備しているところです。
なお、手洗いには、学校設置の固形石けんの利用が円滑であるため、現時点で逆性石けんは特に配備しておりません。他の支所につきましては、配備していないところもあると聞いております。
◆田中優子 委員 北沢支所では
消毒用アルコールを配備しているということですけれども、ほかは配備していないところもあると聞いていますでは困るんですね。前もって準備しておかなければ、緊急時の感染症対策には絶対間に合いません。
また、逆性石けんは配備していないけれども、学校にある石けんで代用できるという御答弁が今あったんですが、普通の石けんで代用可能なのであれば、わざわざ逆性石けんとマニュアルに記載する必要はないのではないでしょうかと素朴な疑問を持ちました。普通の石けんでもいいのでしょうか。もしそうであれば、逆性石けんと記載すると設置義務みたいになりますので、それは必要ないと思うんですね。
そのことも含め、とにかく早急に各支所に避難所の必要なものの配備、その状況を確認して、ないものはそろえるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
◎淺見
北沢総合支所健康づくり課長 避難所における感染症予防対策といたしまして、手洗いは特に重要です。手洗いに使う石けんについて、逆性石けんは、洗浄力はありませんが殺菌効果がすぐれており、一方、普通の石けんは、菌などを洗い流す洗浄力がすぐれています。委員御指摘の
消毒用アルコールと逆性石けんの配備につきましては、対応について関係所管と検討してまいります。
◆田中優子 委員 今の御答弁ですと、逆性石けんがどうしても必要なのかなと、ちょっと何かわからない感じですね。もし普通の石けんでもいいのであればマニュアルから除くとか、どちらでもよいかどうかも確認して、そこは保健所としっかり連携して、マニュアルについての整備もきちんとやっていただきたいと思います。首都直下地震はいつ来るかわからないわけですね。すぐかもしれません。検討に時間をかけず、早急に対応していただきたいと思います。
また、今回の
新型コロナウイルス騒動でわかったこととして、避難所にも隔離という概念が明確に必要ではないかというふうに気づきました。ダイヤモンド・プリンセス号の教訓です。避難所マニュアルを見ると、感染症の疑いがある場合、可能であれば個別に受け入れる場所を確保するとなっています。これは、可能でなければ濃厚接触の場所に放置されていてもよいということでしょうか。それでは非常に無責任ではないでしょうか。このような曖昧な表現が一番現場を混乱させます。感染症対策という視点から、しっかり隔離する部屋を各避難所で事前に設定して指定しておくことと明記すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
◎淺見
北沢総合支所健康づくり課長 感染の疑いのある方が避難所の体育館などで一緒に生活すると感染が拡大するおそれがあることから、避難所の運営において、感染症の疑いのある方向けの別室を用意する必要があると認識しております。災害時にはさまざまな配慮を要する方がおり、状況も多様であることから、避難所運営に割り当てるに当たって、部屋をあらかじめ決めておくことは難しい場合があると聞いております。感染症が発生した場合には、医療機関等への受診を含め、災対医療衛生部の指示のもと、感染症拡大防止に努めてまいります。
◆田中優子 委員 別室を用意する必要があることは認識されているということであれば、あらかじめ決めておくことは難しい場合があったとしても、原則指定しておいてくださいと、そのように明記しておかなければ、災害当日になって速やかに対応できるわけはないと思うんですね。原則はそういうことですとした上で、難しい場合は当日の対応となってしまったとしても、前もってその必要性を知っているかいないかでは全く覚悟が違ってくると思います。そんなこと書いていないじゃないか、聞いていないよというのが一番まずいと思うんですね。
また、さきにも述べました配備品の記載も正確ではないように感じますし、こうしたことをしっかり踏まえ、
避難所運営マニュアルの感染症対策の部分をしっかりと確認して改訂していただきたいと思います。これは要望しておきます。それで、改訂できたかどうか、私は今後もしっかり見ていきたいと思っております。
次に、ひきこもりの支援の取り組みについて伺います。
ひきこもりの問題、これについては何度か私も議会で取り上げてまいりましたが、最近、世田谷区社会福祉協議会が、ぷらっとホーム世田谷を通じて、ひきこもり状態にある利用者の調査分析を行ったということで、こちらの資料ですけれども、私も入手しまして拝見しました。調査分析と、それを受けてのひきこもり状態にある人への支援に向けてという最後のまとめがきちんとなされていて、かなり具体的で、とてもいい、すばらしい内容だなと感じております。
一方、世田谷区のほうでは、その後、ひきこもり対策の検討状況はどうなっているでしょうか。
◎山本
生活福祉担当課長 区では、令和元年十月、保健福祉部、子ども・若者部、障害福祉部等で、ひきこもり等の社会とのかかわりが薄い方への支援にかかわる横断的な課題や中長期的課題への対応策の検討などを目的として、ひきこもり等支援にかかわる庁内調整会議を立ち上げました。現在も区では、若者、生活困窮、障害等の各分野での支援において、ひきこもりに関する課題にも取り組んできております。
改めて庁内調整会議で支援の全体像の把握分析を行う中で、ひきこもりの課題を抱える区民にとって、相談先が分野ごとに設けられていることによるわかりにくさや、アウトリーチを初めとした支援につながる仕組みづくりが不十分であるなどの課題が明らかになってきました。こうしたことから、令和二年四月より生活福祉担当課に担当係を設け、ひきこもりの課題を抱える方や家族の相談を一元的に受け取め、最適な支援機関につなぐ相談体制と、専門的な支援にたけた各支援機関を横つなぎした連携体制とを組み合わせた世田谷区ならではの支援体制を目指し、取り組んでまいります。
◆田中優子 委員 ちょっと一点、今、ふと思いついて確認なんですけれども、これまで私は八〇五〇問題のことを中心に取り上げてきて、三十九歳まではひきこもりの支援があっても、四十歳を超えてしまったらほとんどないことが問題だというふうに指摘してまいりました。今答弁にあった支援内容というのは、年齢の制限というのはないんですよね。それをちょっと確認したいと思います。
◎山本
生活福祉担当課長 ぷらっとホーム世田谷で支援している内容につきましては年齢の制限がございません。ですので、今言った内容の支援は年齢の制限がないということでございます。
◆田中優子 委員 それでしたら、一安心というのも変なんですけれども、とにかく社会問題となっている八〇五〇にも力を入れていただきたいと思っております。
ひきこもり等支援にかかわる庁内調整会議を立ち上げたということですので、その組織を生かして、また、ぷらっとホーム等とも連携していただき、取り組んでもらいたいと思っておりますけれども、そのための来年度予算はどうなっているか、お答えいただきたいと思います。
◎山本
生活福祉担当課長 国においても、生活困窮者自立支援法に基づく補助金等を予定していることを踏まえ、区では、補助等を活用して、来年度は今年度予算に上乗せをし、ぷらっとホーム世田谷やメルクマールせたがやの支援機能の拡充を予定しております。
ひきこもり等による生活困窮やそのおそれのある方に対し、ぷらっとホーム世田谷では、アウトリーチ支援員の配置や、ひきこもり当事者会や家族会と連携した居場所づくり等の支援の実施、ひきこもりに関する地域での理解促進のためのセミナー等の開催を予定しており、一千二万六千円の予算を計上しております。
生きづらさを抱えた若者の支援を行っているメルクマールせたがやでは、青少年交流センターへの出張相談の拡充や、家族会、当事者会と連携したひきこもりに関する学習会の開催支援を行う予定となっており、九十七万三千円の予算を計上しております。
新規事業を実施し、利用した当事者や家族の声を聞きながら、事業実績や支援効果の検証を行い、関係所管間で共有して、今後、区全体としてのひきこもり支援策をさらに充実してまいります。
◆田中優子 委員 来年度は合計で約一千百万円ほどの新規の予算計上がされているということですので、ぜひとも具体的な取り組みを進めていただきたいというふうに要望いたします。
次に、人生の最期を自宅で迎えるために必要なことということで、二点伺います。
まず、二月八日に開催されたリビングウイルに関するシンポジウム「終わり良ければ全て良し~人生のしめくくりに必要な基礎知識」についてですが、このシンポジウムに参加された区民の方から、本当によかった、参加してよかった、役に立つ情報がたくさん得られましたという声が届きました。区との共催だったようですが、どのような内容だったのか、概要を説明していただけますか。
◎三羽 高齢福祉課長 お話しのシンポジウム「終わり良ければ全て良し~人生のしめくくりに必要な基礎知識」は、世田谷区医師会高齢医学医会が主催し、区との共催事業として、二月八日、烏山区民会館ホールで開催し、二百五十名の参加がありました。当日は立川在宅ケアクリニック理事長の井尾和雄先生をお招きし、「私の在宅看取り 3500例から」というテーマで御講演いただきました。井尾先生は、平成十二年に立川市に在宅緩和ケアを提供する在宅専門診療所を開業され、以来多くの在宅みとりをされるとともに、その普及啓発に取り組んでいらっしゃいます。講演は、在宅医療と往診の違いや、緩和ケアの目指すもの、在宅でみとるための家族の心構え、かかりつけ医やACPの重要性など、さまざまな経験に基づいたお話をいただき、参加者からの質問も活発で、おおむね好評でした。
平成二十八年度に実施した高齢者ニーズ調査・介護保険実態調査によれば、介護が必要になった場合の居住する場として自宅を挙げた方が五割を超えていることから、このテーマは区民の関心が高い内容であると考えております。
◆田中優子 委員 二百五十名の参加ってすごいなと思うんですけれども、それだけ関心が高いし、また、最期は自宅で迎えたいと思っている人が多いということだと思うんですね。しかし、実際のところ、いざとなるとなかなかそうはいかず、結局は病院に運ばれて、いろいろなチューブにつながれ、延命が図られるとなってしまうケースが多いと聞いています。そのため、自宅で最期を迎えたい、むだな延命はしてほしくないと思っている方は、生前からしっかり意思表示をしておく必要があります。
そこで重要となるのが、人生の最終段階の医療・ケアです。具体的には、今、ACPと言われているようですが、アドバンス・ケア・プランニング、日本語では人生会議と命名されていると伺っています。このACPの取り組みを広げる必要があると思います。在宅医療・介護連携の取り組みの中で、区はどのようにACPを普及していくのかについて伺います。
◎加賀谷 調整・指導課長 誰もが迎える人生最期の時間は日常の延長線上にあると言われるところでございますが、命の危機が迫った状態になると、国の資料では約七〇%の方が、医療やケアについて自分で決めたり伝えたりできなくなると言われております。そうしたもしものときに備えまして、自分が望む医療やケアについて、家族や医療・介護関係者、友人など、信頼できる人たちと繰り返し話し合い、共有する取り組みがACPと言われております。
区では、区民が終末期の過ごし方などを考える契機となるよう、医師、病院ソーシャルワーカー、消防署救急隊員などが参加し、病院から在宅診療への連携、救急要請のあり方、在宅みとりなど、みんなで支える在宅医療やACPについて考え、理解を深めるため、春のお彼岸シンポジウムを毎年開催するとともに、二十八地区ごとの連携医事業として区民向けミニ講座を実施しております。
また、多職種が参加する医療連携推進協議会で検討し、在宅医療とACPについて一冊にまとめましたガイドブックの発行の準備を進めており、さまざまな場面で人生会議の実施を促すことで、本人の意思が尊重され、その意思を家族等も共有できるよう、在宅医療、ACPの普及に取り組んでまいります。
◆田中優子 委員 今、御答弁の中にあった春のお彼岸シンポジウムというのはこちらですよね。私たち議員もチラシをいただいていましたが、残念ながらことしは三月二十日の予定だったものが中止になっているということでよろしいですか。
◎加賀谷 調整・指導課長 このたび、一応準備を進めておりました関係がありますので、一旦は延期ということで、また日程等を調整させていただいて、実施をしたいと思っております。
◆田中優子 委員 必要な知識だと思うので、延期ということでよかったと思います。ぜひやっていただければと思います。
それで、もちろん回復の見込みがなくてもあらゆる手段を使って生きたいのだという方もいらっしゃると思うんですね。それはそれで、その意思は尊重されるべきだと思いますが、しかし、在宅医療で最期を迎えたいという自然死、平穏死を望む方というのも多いわけです。その希望をかなえるためには、まさに、ACP、アドバンス・ケア・プランニング、人生会議の取り組みが不可欠だと思います。それがなければ、家族がどうしていいか悩んだり、結局、本人ではなくて家族の意思によって望まない延命が行われたり、そして後々、家族も悩まなければいけないという状況にもなりかねません。ぜひ今後の取り組みをしっかりやっていただきたいと思います。
以上で無所属・世田谷行革一一〇番・維新の質問を終わります。
○阿久津皇 委員長 以上で無所属・世田谷行革一一〇番・維新の質疑は終わりました。
────────────────────
○阿久津皇 委員長 続きまして、Setagayaあらた、どうぞ。
◆佐藤美樹 委員 Setagayaあらたの福祉領域の質疑を始めます。
まず、
新型コロナウイルスによる影響と課題のうち、子どもたちへの影響の部分について伺ってまいります。
二月二十八日に区内小中学校の一斉休校が決まり、また、昨日、休校の継続が決定をされました。新BOP学童については、長期休暇中と同じ運営で朝から子どもたちを受け入れており、また、児童館や青少年交流センターも通常どおり運営をしてきております。この間、私のところにもさまざま意見が寄せられ、また、私自身も、娘の小学校が休校の中、毎日やりくりをして仕事をする中で、本当にこの感染症対策と子どもの居場所というのはどうあるべきなのかということをさまざま考えさせられております。休校中の子どもたちへの影響というのがどこにどう出ているかという実態把握をして、なるべく子どもの最善の利益のための努力というのを子ども・若者部の所管の皆さんにはお願いしたいとまず申し上げます。
一方で、区には、新BOP、児童館初め青少年交流センターも全て閉めるべきだと、そういう声も寄せられていると聞いています。まず、子どもの居場所を確保するということについて、今回の感染症対策との兼ね合いの中、休校になって以降の各学校現場での実態を踏まえ、区の見解を問います。
◎相蘇 児童課長 今回の
新型コロナウイルス感染症の対応につきましては、感染防止のための対応の必要性と、保護者の就労による子どもが見られない家庭への支援の必要性、子どもが自宅で長時間過ごすことによる安全確保や健康管理の必要性等の要件がある中で、子どもの居場所の確保の必要性から、新BOP、児童館等を実施しているものです。これまでの利用については、学童クラブが登録者数の約四三%、BOPは徐々に参加者が増加してきておりますが、約三百七十人と、通常よりも少ない利用になっております。児童館についても、おおむね通常よりも少ない人数の利用になっております。
新BOPや児童館においては、これまでのところ、利用者がいつもより少ないことと、学校内の広いスペースを使用した運用を行えていることに加えまして、検温や机等の小まめな消毒により、感染に対する大きなリスクは生じていないと認識をしております。今後、感染拡大や人員確保などの状況を見きわめながら、新BOPや学童については、子どもの健康管理や衛生管理を徹底し、子どもの安全安心な居場所として確保に努めてまいります。
◆佐藤美樹 委員 次に、今回、きのうの休校の継続という意思決定を受けての部分で伺いたいのですが、やはり当初、臨時休校ということを二週間と区切ってアナウンスされてきたこともあり、周りからは、私も含めてですけれども、やはり学校が再開されることを期待してきたところがありますので、このまま春休みに突入することへの落胆と不安も広がっています。今回の休校継続の決定は、前回の休校決定をした二月二十八日と異なり、来週まで少し時間がありますので、例えば新BOPにおいては、学校の教室や校庭を開放してより広く使えるようにするなど、これまでの二週間弱を踏まえて、さらなる工夫をしていただきたいと思います。
また、これまでの休校中の新BOPの運営については、学校職員の方たちにも御協力いただいたと伺っておりますが、これから春休みに入ると、職員の方たちも春休みとなってしまうわけですので、こうした人員確保の部分を含め、これからの新BOPの運営について区がどう取り組まれるか、伺います。
◎相蘇 児童課長 新BOPでは、何より子どもたちが健康で安全に過ごせるようにすることを第一に考えて、学校からの支援を受けながら、毎日、人員配置、活動内容の工夫を重ねながら運営をしております。これまでの運営に当たっては、家庭での検温や風邪症状の有無の確認等の健康管理を依頼するとともに、手洗い、消毒、小まめな換気など、感染予防対策を実施しております。また、学校と連携をし、体育館や多目的室、学校図書館など活動場所を通常より広く確保し、児童が間隔をあけて交互に着席するなど、できるだけ距離をあけ、不要な接触を避けるよう配慮しております。広い場所で活動するために不足する人員についても、学校職員が支援することによって対応してきております。
今後、事態の終息が見通せない中ではありますけれども、これまでの各新BOPでの学校職員からの支援や、図書館、教室等の活動場所の事例の共有を行い、さらなる工夫を積み重ねるとともに、引き続き学校と連携して、他の施策もあわせて、子どもたちが安全に健康に過ごすことができるよう、居場所の確保に努めてまいります。
◆佐藤美樹 委員 休校の継続と、このまま春休みに入ってしまうということを受けて、また新たな課題がさまざま出てきたと思いますけれども、一つ一つ、そういった課題に対して、本当に重ねての要望になりますが、子ども・若者部の皆さんで教育委員会のほうと連携をしながら、子どもたちの過ごす環境、居場所ということについて、せめてもの次善策を引き続きお願いしたいと思います。
次に、保育士さんたちへの影響について伺います。
一斉休校と継続ということを受けて、小学校のお子さんを持つ保育士の皆さんについても、保育園の現場においてさまざま人員のやりくりが生じてきていると伺っています。学校が休校になっても、親の就労状況が変わらない限り、保育ニーズも変わらないわけですが、自分の子どもが休校しているという保育士さんたちについて、区としてどのように対応されているか伺います。
◎後藤 保育課長 保育所等については、保護者が働いており、家で一人でいることができない年齢の子どもが利用するものであることなどから、感染の予防に留意した上で、現在、通常どおりの開園を基本としてございます。現在、小学校の休校により、その保護者である保育士等が休まざるを得ない状況となり、運営を縮小もしくは休園せざるを得ないとの御相談は、現在のところ、保育運営事業者から直接区へ寄せられてはございません。しかしながら、保育所等において、保育士等が一時的に不足し、人員等の基準を満たすことができなくなるなどの場合は、国の通知に基づきまして、利用児童の保育に可能な限り影響が生じない範囲で、人員基準を柔軟に取り扱うなど、対応してまいります。また、放課後児童クラブである新BOPの活用や、同一法人から一時的な人員の補充を依頼するなど、可能な限り保育士を確保できるよう取り組んでまいります。
◆佐藤美樹 委員 今回は感染症ということでの急な緊急事態というところでありますけれども、保育園については、突然の閉園という事態はこれまでもあり、その際、保育士の人員確保の部分もそうですけれども、在園児の振り分けといった課題もありますので、さきの代表質問でも触れましたけれども、こういった事態への保育ニーズの受け皿として、バッファー的な受け皿という意味でも、認可のベビーシッターということについて、引き続き区の検討を要望しておきたいと思います。
次に、先ほど他会派から医療機関での特定健診の話がありましたが、乳幼児の集団健診について質問したいと思います。
コロナの感染を懸念して、集団健診ですので、この乳幼児健診のところもしばらく落ちつくまでは見送りたいという声も聞いています。そうして見送っている中で、健診の対象年齢を過ぎてしまうということもあり得るわけですが、こうした対象年齢を過ぎてしまった場合について、区としてどのように対応されるか伺います。
◎相馬 健康推進課長 世田谷区
健康危機管理対策本部の方針に基づき、各総合支所保健福祉センター健康づくり課で行う乳幼児健康診査については、対象の乳幼児と保護者の安全安心を最優先として、三月中に実施予定の三歳児健診、一歳六カ月歯科健診を中止しております。国の通知におきましても、月齢の間に受診できない場合には別の機会に受ける機会を設けることとされておりますことから、四月以降の健診に振り分けて受診いただくとともに、期間内に受診できない場合には、必要に応じて、受診年齢に制限のない同様の健診事業を御案内するなどして対応してまいります。
◆佐藤美樹 委員 よろしくお願いいたします。
次に、コロナからは離れまして、養育支援というテーマについて伺いたいと思います。
養育支援というのは、親が離婚した後の子どもの養育というテーマでありまして、このテーマについては四年前の決算委員会でも取り上げさせていただきました。その際に、明石市で実施をしているこどもの養育に関する合意書、こども養育プランといったものも紹介をさせていただいています。明石市においては、離婚した後の別居親との面会交流についてや、また、養育費についての取り決めを離婚の時点で合意書にして交わすなど、また、そのための手引きというものを離婚届とともに配付をするという取り組みを二〇一四年から行っています。
その離婚のときに、こうした子どものその後の養育についての担保をするような資料、書式を配付するというのは、養育費の着実な実行にもつながっていくとして、過去に提案をさせていただきました。その後の区の取り組みや現状についてまずは伺います。
◎増井 子ども家庭課長 委員のお話にありましたとおり、明石市において、養育費に関して、養育プランといった手引きを作成し配付していると伺っています。これをきっかけに、国においても、子どもの養育費に関する合意書作成の手引きとQ&Aを作成いたしました。ここで示されている合意書は、公正証書のような効力を伴わないものではありますが、子どもの利益を考え、良好な養育環境が維持されるよう、養育費や面会交流について取り決めておくことが重要であり、この手引きの活用は有効と考えております。
そこで、区では、離婚届け出の際にお渡ししている離婚届の書き方という記入例に、国が作成している手引きや関連するホームページについて掲載し、希望者にはこの手引きをお渡ししています。また、ひとり親家庭への支援を御案内するホームページの中で、養育費や面会交流の取り決めや、養育費相談会の開催案内などを掲載しております。離婚前の方に情報をさらにわかりやすく伝えていくために、今後、離婚届を案内するホームページに家庭相談のリンクを張り、この離婚届の書き方に関して、メールマガジンなどでも御案内、周知を充実していきたいと考えております。また、家庭相談や養育費相談会の際に、家庭相談員がこの手引きを活用し、離婚前に子どものために必要なことを決めることの重要性を伝えてまいります。
◆佐藤美樹 委員 離婚届の用紙をお渡しする際のタイミングにおいては、希望者にのみ手引きを渡すということで、あとはホームページであったり、こちらから提示をするような周知のやり方ということで御答弁がありましたけれども、この離婚届を受理したタイミング以降も、この養育費については取り決めということもできますし、また、その養育費について調停をすれば効力を発してくるところもあるので、その辺について次は質問をしたいんですけれども、この養育費の支払いにつながる要素というのが、やはりひとり親家庭の子どもの経済環境というのに非常に直結している要素だと思うので、この辺を特に重点的に問いたいんです。
先日、ひとり親家庭アンケートの調査結果というのを拝見しましたら、養育費をもらっていないと回答した人が五九・五%、約六割というふうな結果が出ておりました。その理由としては、養育費を払う支払い能力が相手になかったというのが最も多いですけれども、その次に相手とかかわりたくなかったという理由が続いています。相手とかかわりたくなかったというところがありましても、先ほど申し上げたように、離婚した後でも、やっぱり養育費についてはもらっておいたほうがいいのではないかというふうに考えを変えたり、そういったときにどうしようかというところを区としてキャッチをして、つなげていっていただきたいと思うんですけれども、この離婚後の同居親のほうの養育費の受け取りにつながっていくような取り組みについて、区としてはどう取り組まれるのか伺います。
◎増井 子ども家庭課長 離婚後の養育費の確保や面会交流の促進に当たっては、まずは情報提供や相談の充実に取り組んでおります。周知方法としましては、ひとり親家庭の支援に関するリーフレット、それからメールマガジンの配信、また、児童育成手当の現況届を送付するときに、子ども家庭支援ナビというチラシを同封するなど、多様な媒体を活用して情報提供に努めております。
また、養育費相談会は、仕事を持っている方でも相談が受けられるようにということで、平成二十八年度より、土曜日、日曜日に実施をしております。子どもの視点に立った適切な対応、書面での取り決めの重要性などについてお伝えをしております。離婚後に養育費をもらっていない方が、子どもと同居していない親からの子どもの交流に関する相談、また、離婚を考えている方からの相談に応じておりますが、この平成三十年度の延べの相談件数は五十六件となっております。
離婚後、養育費を受け取っていない方の中には、相手とかかわりたくないという方もいらっしゃいます。今後、子どもの利益を優先する観点から、養育費を求めていく意識を高めたり、きっかけをつくるため、仕事やキャリアアップといったさまざまな相談とあわせて養育費相談会を実施するなど、他の事業等とも連携を図ってまいります。また、他の自治体の取り組みを引き続き参考にしながら、養育費を確保されるよう進めてまいります。
◆佐藤美樹 委員 終わります。質問者、かわります。
◆つるみけんご 委員 よろしくお願いします。
(仮称)世田谷区認知症とともに生きる希望条例について伺います。
十三年前の二〇〇七年、愛知県大府市で鉄道事故に遭遇した認知症の男性、当時九十一歳の遺族に対して、JR東海が、対応にかかった費用として約七百二十万円の賠償を求めた民事訴訟が社会に大きな衝撃を与えました。これをきっかけに、認知症の方が幾つになっても住みなれた地域で安心して暮らし続けていくためにも、認知症の方に優しいまちづくりをしていこうという流れが生まれたものと私は考えております。
事故から十年、二〇一七年十二月には、事故の起きた大府市において、大府市認知症に対する不安のないまちづくり推進条例が制定され、その後、神戸市や愛知県、御坊市など、相次いで条例が制定されました。
世田谷区でも、二〇一九年一月から条例の検討をスタートして、条例制定に向け今まで進めてこられました。当初の予定では、昨年九月に条例の骨子案が委員会に提示され、本年二月の第一回定例会には条例案が上程、本年四月に条例施行というスケジュールでした。しかし、実際には、先日の福祉保健常任委員会で条例の骨子案が提示され、条例の制定は本年秋、十月ごろ、つまり半年後ろ倒しになることとなりました。
現在、世田谷区内の認知症者数は約二万三千人、軽度認知障害、MCIの方も含めれば推計四万人以上という状況は周知の事実であり、さらに、昨年は一年間で新たに約千人の方が認知症になっている現状を鑑みれば、認知症対策は喫緊の課題であるということは共通の認識だと思います。
こうした中、条例の制定を半年おくらせるという判断をされたわけですが、この半年の間には、当初の予定以上に何を再検討され、何を充実されようとしているのでしょうか、お答えください。
◎佐久間 介護予防・地域支援課長 本条例は、学識経験者や家族会及び事業者の代表等で構成される条例検討委員会で検討する中で、認知症の御本人とその家族の視点が重要であることから、認知症当事者及び認知症当事者の意見聴取技術にたけた学識経験者等の委員拡充を図り、検討を続けております。御本人や御家族にも参加を呼びかけましたワークショップを、当初計画では一回のところを二回開催し、また、条例検討委員会にも認知症御本人とその家族に複数御参加いただき、直接御意見を伺うなど、丁寧に御意見をいただき、議論を深め、骨子案を取りまとめました。今後も認知症本人交流会などへ引き続き出向き、認知症の御本人とその家族の声を広くお聞きし、条例制定に向けて準備を進めてまいります。
◆つるみけんご 委員 半年おくらせるという決断をされたわけですから、よりよいものになることを期待しております。
きょうは予算委員会ですので予算の話をいたしますが、当初、本年四月の条例制定を目指して、今年度、二〇一九年度の予算に(仮称)認知症施策推進条例制定に向けた検討のために百三十三万七千円の予算が認められていたわけです。一方、来年度予算には、認知症に関する条例制定に向けた準備ということで、新たに百七十四万四千円の予算を予定されています。条例そのものの検討については、骨子案も提示され、既に最終段階にあるわけですが、この来年度予算はどのような準備に使われるのでしょうか、お答えください。
◎佐久間 介護予防・地域支援課長 現在、本条例は、骨子案を取りまとめてパブリックコメントを実施しているところでございます。今後、開催を予定しておりますシンポジウムや検討委員会での御意見をいただきながら、素案、案を取りまとめてまいります。また、条例制定後の区民への周知用啓発パンフレットや私の希望ファイルなどの製作も予定しております。これらにかかる費用としまして約百七十万円の予算を計上しており、条例制定に向けて準備を進めてまいります。
◆つるみけんご 委員 実効性のある事業になるよう、よろしくお願いいたします。
今回の条例について、以前、保坂区長は、認知症施策に先進的に取り組んできた世田谷区ならではの条例制定に向け、議論を重ねてまいりますという答弁をされていました。私も、この質問に当たって、改めてこの骨子案初め、国の新オレンジプランや、愛知県や神戸市、大府市、御坊市の条例や、本条例案と同じ名称の認知症とともに生きる希望宣言という一般社団法人日本認知症本人ワーキンググループが出された宣言も読みました。この宣言は、認知症の方一人一人が御自身の体験と思いを言葉にし、それらを寄せ合い、重ね合わせる中で生まれたものということで、本当に希望を持って前向きに生きていくという強いメッセージが込められていて、大変すばらしい内容でした。
区としては、こうしたものも参考にされているものと推察いたしますが、今回提示された世田谷区の条例骨子案において、区長の言われる世田谷ならではの条例とは具体的に何を指すのでしょうか、お答えください。
◎佐久間 介護予防・地域支援課長 条例骨子案では、子どもから大人までの全ての区民が、認知症とともに生きる意識を高め、その備えをし、一人一人の希望及び権利が尊重され、ともに安心して自分らしく暮らせるまちを目指すため、区が区民、事業者と一体になって取り組むことを明確にしております。認知症になってからも、その後をよりよく暮らしていくための準備として、希望する生活を書き記す私の希望ファイルを普及させ、認知症になっても住みなれた地域で希望を持って暮らせる地域共生社会を目指しております。
条例の検討では、認知症当事者の視点を重視しながら、認知症の御本人、御家族の声をしっかりお聞きしながら進めております。条例骨子案の区の責務では、施策や計画策定において本人及びその家族の意見を聞かなければならないとしております。このように一人一人の希望と権利が尊重され、認知症の御本人や御家族とともに条例をつくり上げ、認知症当事者の視点を重視した内容が世田谷らしい条例と考えております。
◆つるみけんご 委員 認知症の方の意思の尊重や、認知症の人の声及び視点を重視という言葉は国の指針や自治体の条例でも出てきますので、結局、何が区長の言われた世田谷ならではなのかわかりかねます。私は、やはり条例を制定する上で一番大切なことは、この条例の制定をきっかけに、区がどのような地域社会を目指し、世田谷の町の何をどう変えていくのかということだと考えますので、その点を指摘しておきます。
続いて、条例の骨子案の中身を具体的に見てみますと、まず初めに前文があり、その次に1目的とあります。その目的の一行目、「この条例は、認知症とともに生きる人(以下「本人」という。)」という書き出しで始まっています。私は、この書き出しに非常に強い違和感を持っております。果たして本人だけが認知症とともに生きているのでしょうか。認知症とともに生きる人とは、私たち区民全員ではないのでしょうか。
その先も読み進めてみますと、「区民は、認知症になってからも自分らしくより良く暮らしていくための備えとして」や「区民は、本人とともに歩むパートナーである」など、区民という単語は本人と区別して使われており、認知症の症状がない区民の方のみを指しているように見てとれます。さらには、本人は区民である要件はありません。つまり本人と区民とが明確に分けられているわけですが、ここに本制度の趣旨であるはずの認知症とともに生きるということに対する矛盾があるのではないかと考えております。
先日、ある区民の方からバスの中での出来事を伺いましたので、そのお話を御紹介します。通勤時間帯に乗車中のバスがバス停にとまったまま動かなくなり、どうして発車しないのかと前方を見ていると、七十歳くらいの身なりのきちんとした方が料金支払いのところでとどまっていたそうです。状況からするとICカードの残高不足のようで、バスのドライバーの方は、残高不足です、チャージしてください、そこにお札を入れてください、タッチし直してくださいということをその乗客の方に言われたそうです。しかし、乗客の方は、チャージする、タッチし直すなどの言葉が即座に理解できず、おろおろされていたようです。ほかの乗客は、いらいらしている方や、事態がわかって、何か助けられないかと心配そうに見ている方もいたとのことです。結局、時間がかかったものの、ドライバーの方と当該乗客の方が何とか処理できて、バスはやっと発車したとのことです。
これは一つのバスの中での出来事ではありますが、私はここから学ぶことは非常に多いと思っております。果たして認知症の方だけが認知症とともに生きる人なのでしょうか。さきのバスの事例で言えば、ドライバーの方も、ドライバーの言葉を理解するのに時間がかかった乗客の方も、いらいらしていた方も、心配そうに見ていた方も、全ての人が認知症とともに生きる人の当事者であるはずです。誰もが、立場が変わればこの四者の誰にでもなり得ます。
改めて、区が考える認知症とともに生きる人とは誰なのか、区のお考えをお聞かせください。
◎佐久間 介護予防・地域支援課長 本条例は、骨子案の中でお示ししていますとおり、認知症の御本人を含む全ての区民を対象とし、一人一人の希望及び権利が尊重され、ともに安心して自分らしく暮らすことができる町世田谷を目指しております。お話しのありましたバスの中での出来事においても、御本人、バスの運転手、乗客など、バスに乗っている全ての方が対象であり、当事者であると考えております。
◆つるみけんご 委員 そうであれば、今の御答弁と条例の中身というのは矛盾していると思います。もう一度、そうした視点を持って、再度読み直して検討すべきと考えます。
先ほどの事例の交通マネーのICカードを初め、コンビニやスーパーのレジのキャッシュレス化、セルフレジ化などが進み、区の業務でも、かつては電話で申し込みを受けていたけやきネットも、今では端末操作やスマートフォンでの予約が主となりました。しかし、世の中がどんどん便利になる一方で、その変化が、認知症の方や、また高齢者の方にとって、時に煩わしさや生活に支障を来す原因になり得ることもまた事実です。
区が認知症とともに生きることを条例化するのであれば、事業者や関係機関とともに、認知症の方にとって高度化、複雑化する社会を、むしろ簡素化するシンプルな地域の仕組みをつくることを目指すべきではないでしょうか。区の見解をお聞かせください。
◎佐久間 介護予防・地域支援課長 認知症の方は新しいことを覚えることが難しく、キャッシュレス化やセルフレジ化などICTを活用した生活などに対応することが困難な場合があると認識しております。このため、日々御苦労されていることを認知症の御本人からお聞きし、利用しやすいサービスや不便を感じていることを関係機関及び事業者へ伝えるとともに、誰もが快適に暮らすことができる地域共生社会となるよう働きかけてまいります。
◆つるみけんご 委員 ぜひともそうした視点を条例と計画に盛り込んでください。お願いします。
また、以前、認知症施策として、地域の見守りの強化のために、認知症サポーターの人数をふやすべきと指摘をいたしました。区はこのたび、令和三年度までの新実施計画(後期)の中で、令和二年度、三年度の認知症サポーター養成講座の実施回数を、当初計画から上方修正し、約二倍の回数にされました。これに伴い、成果指標である認知症サポーターの数は、現在の三万四千二百五十三人から、令和三年度末には三万八千六百五十八人までふやすということになり、目標を当初より高くされたことは一定の評価をしております。
一方、厚生労働省は、認知症サポーターの目標数を二〇二〇年度末までに全国千二百万人と掲げています。こちらは既に達成されましたが、例えばこれを日本の人口のうち十五歳から六十五歳未満の生産年齢人口約七千五百万人に対する割合で見てみると、約一六%に当たります。世田谷区の生産年齢人口はおよそ六十二万五千人であり、このうちの一六%というと、その数は十万人となります。これはあくまでも厚生労働省の目標数を生産年齢人口で割って、世田谷区に当てはめた場合の数字ですが、世田谷区としては、認知症サポーター数として区内で必要とされる人数をどのように考えておられるのでしょうか。また、その目標人数を達成するための方策はどのように考えておられるのか、あわせてお答えください。
◎佐久間 介護予防・地域支援課長 区では、先ほど委員がお示ししていましたとおり、認知症に関する正しい知識の普及と、地域で認知症の人とその御家族を見守り、支援を推進していくために、令和三年度末のサポーターの目標値を約三万八千六百人としております。認知症サポーターの養成を計画的かつ総合的に推進するため、従来からの町会やサロン、ミニデイなどから依頼を受けて実施する講座のほかに、公募式の全区版の講座回数を来年度より五回から十回へ拡充したり、本年四月に開設します保健医療福祉総合プラザ内でアルツハイマー月間に合わせた講座を予定しております。今後は、サポーターの養成数だけではなく、サポーターが活躍できる場の拡充が図れるよう、認知症サポーターステップアップ講座やフォローアップ講座の内容の充実にも努め、認知症になってからも安心して暮らし続けられる地域づくりに努めてまいります。
◆つるみけんご 委員 今の御答弁では令和三年度の目標値しか出てきませんでしたが、それよりもまず先に、年度の目標ではなくて、認知症の方が安心して暮らせるための町の実現のために、世田谷区でどれだけのサポーターが必要かということをしっかり目標として定めることが重要だと考えます。その上で、その目標の達成に至る道筋をいかにつくるかということを考えるべきです。
以上でSetagayaあらたの福祉保健領域の質疑を終わります。
○阿久津皇 委員長 以上でSetagayaあらたの質疑は終わりました。
────────────────────
○阿久津皇 委員長 続きまして、日本共産党、どうぞ。
◆江口じゅん子 委員 日本共産党の質疑を始めます。
まず、
新型コロナウイルス感染症拡大に伴う区民生活の影響に対してです。
昨日、世田谷区
健康危機管理対策本部において、十六日以降の学校休校を含む区の対応が示されました。さらに、議会への情報提供の中には、まず三月二日からの学校休校決定の理由、二週間の検証分析、そして総合判断などが明記をされていました。区民生活全般にわたる負の影響が拡大をしています。長期の対応が予測される中、区がなぜこのような決定をしたのか、これからどうしていくのか、区民へ丁寧な説明と理解を求める特別な努力が必要です。さらに、感染予防とともに、施策の決定においては、区民の実態や声をつかみ反映をする視点、さらに、区民の生活の質、人権にも配慮した視点を求めるものです。そして、検証を積み重ねることは、当面の課題解決だけではなく、将来的に起こり得る同様事態への備えや対応にもつながると考えられ、引き続きこの方向での実践を求めるものです。
それでは、具体的に区の対応について二点伺います。
一点目は、国民健康保険加入者への対応についてです。
国保の加入者は、自営業やフリーランスなど経済基盤が脆弱な方々が多く、会社員などと異なり休業補償もありません。今般の感染者の中にも、派遣とバイトのダブルワークで仕事を続けていた方もいます。生活のため仕事を休めない、収入が激減すれば保険料支払いも滞り病院にかかれない。こういった加入者に対し、我が党は、今行われている国会審議の中でも、健康を守って、そして感染拡大防止及び生活保障のための踏み込んだ対応を求めてきました。
国保料を滞納すると、保険証有効期間が六カ月に短縮されている短期被保険者証が交付をされます。そして、再三の納付勧奨に応じず滞納を続けると、さらなるペナルティーとして、保険証を交付せず、窓口十割負担の資格証明書が交付をされます。手元に保険証がないことで、今般の新型肺炎では、加入者の重症化、そして、そのことによる感染拡大が懸念をされます。こうしたことから、今般、国は、保険証を持たない資格証明書世帯が帰国者・接触者外来受診の際、通常の保険証とみなしてよいとの通知を出しました。
まず、当区の資格証明書世帯数と国の通知後の区の対応を伺います。
◎五十嵐 国保・年金課長 被保険者資格証明書を交付している世帯数でございますけれども、三月七日現在で四十四世帯となっております。
それから、国の通知と区の対応についてですが、このたび国は、
新型コロナウイルス感染拡大を防ぐために、発症の疑いで帰国者・接触者外来を設置する保険医療機関を受診した際に資格証明書を提示した場合、こちらにつきましては資格証明書を通常の被保険者証とみなして取り扱う旨の文書を発出しております。これを受けまして、この緊急対応の取り扱いを速やかに帰国者・
接触者相談センターを介して医療機関に通知するとともに、資格証明書を交付している全ての世帯に対しまして、このみなし扱いについての案内文を先週送付しまして、周知徹底を図っているところでございます。
◆江口じゅん子 委員 既に対応されているということで、加入者の健康を守って、感染拡大予防のため必要な対応だったと思います。
それでは、保険証有効期間六カ月の短期被保険者証世帯についての対応を求めたいと思います。現在、この短期被保険者証世帯は百七十四世帯というふうに伺っております。通常、区は、納付相談などの機会の確保のため、保険証の期限が切れる前の三月と九月に、対象者に窓口へ保険証をとりに来るよう連絡をします。しかし、中には、督促されても払えないなどの事情で窓口に来ないままの方がいます。その場合どうなるかというと、窓口で保険証はとめ置かれることになります。かつて区でも、そのために長期間子どもが病院にかかれない事態が発覚、問題となったことがありました。区議団も繰り返し改善を求め、今では区は、十八歳以下の子どもへの速やかな短期証発送と、窓口のとめ置き期間は三カ月に短縮と改善をされております。
しかしながら、我が党は、窓口とめ置きは加入者の命と健康を守る立場から行うべきではないと考えます。加えて、今般の事態で、窓口に保険証をとりに来ることでの感染拡大のリスク、また、窓口に来ないとき、三カ月手元に保険証がないことでの重症化や感染拡大のリスクもあり、速やかに対象世帯への発送を求めるものです。伺います。
◎五十嵐 国保・年金課長 現在交付しております短期被保険者証の有効期限は、今月末、三月三十一日となっております。短期被保険者証の世帯のうち、分割納付や相談等のない世帯につきましては、一定期間、窓口に来られるのをお待ちした後に短期被保険者証を郵送するというのが通常の取り扱いとなっております。また一方で、平成二十一年に新型インフルエンザが流行した際には、区民が安心して受診できるよう、納付相談等を待たずに、短期被保険者証を対象となる全世帯に送付したという実績もございます。感染拡大防止対策を講じているこの間の状況をしっかりと見きわめまして、医療機関の受診に関する国の動向等を注視しながら、早急に対応してまいります。
◆江口じゅん子 委員 早急に対応と言っておりましたけれども、つまり全世帯に速やかに短期被保険者証を送付するといった解釈でよろしいでしょうか。
◎五十嵐 国保・年金課長 その解釈のとおりでございます。
◆江口じゅん子 委員 よろしくお願いいたします。
それでは、この質問の最後に、国保加入者への傷病手当について伺います。
傷病手当金とは、病気やけがのために会社を休み、事業主から十分な報酬が受けられない場合に、その八割が支給される休業中の生活保障のための制度です。会社員などが加入する健康保険にはあるこの傷病手当は国保にはありません。ですから、前述の感染者のように、体調不良でも生活のため休めない、結果、感染拡大。周りにもそのリスクが生じるということにつながります。
三月六日の衆議院の厚生委員会で、我が党の宮本徹衆議院議員は、国保の傷病手当を求め質問しました。その後の国の動きと区の対応を伺います。
◎五十嵐 国保・年金課長 国は、三月十日に、
新型コロナウイルス感染症に関する緊急対応策の第二弾をまとめまして、その中で、国保加入者で新型コロナ感染症に感染した被用者に対して傷病手当金を給付する自治体に対しまして、国が特例的な財政支援を行う旨の事務連絡が厚生労働省から出されました。厚生労働省からは、本年一月一日にさかのぼって適用することや、支給要件としては、健康保険組合や協会けんぽ等、既に傷病手当金制度があるほかの公的医療保険と同様とすることなどが示されております。一方で、財政支援の詳細や、具体的な事務処理の基準や手順等については未定でありまして、追って示される予定となっております。
区としましても、感染拡大の防止に向けまして、感染または感染の疑いがある方が休みやすい環境を整備するため、都や他の特別区等とも情報交換しながら課題を整理するなど、実施に向けて検討を進めてまいります。
◆江口じゅん子 委員 これまで国保の傷病手当金は市町村が条例で定めることができるとなっていますが、実際は全国の自治体で条例を持っているところは一つもありませんでした。ですから国保に傷病手当はないと申し上げたとおりです。ですから、今回の特別対策第二弾で、このコロナ感染に限ってということで期限も決められていますけれども、初めて国保に傷病手当制度ができるということは大きいと考えます。答弁で実施に向けて検討を進めていくとありましたけれども、ぜひ迅速な対応を求め、そして次に移ります。
次に、コロナ対策について、新BOP学童クラブについてです。
突然の休校要請、そしてさらなる継続という事態に、大変な御努力の中、毎日運営をされていると認識をしております。この間、指導員の方々にお話を伺ってきました。ある方からは、利用者数は通常より少ないが、突然の事態で、人員の確保がとにかく大変。指導員が確保できないと、学校施設が開放されても目が行き届かないので利用ができないと伺いました。また、クラブによっては、お弁当のとき私語は控える、また、消毒ができないから校庭の遊具使用は控えるなど、子どもの生活の充実と感染予防のはざまで悩み、対応されていると聞きました。
区として、この間、実践をして課題は何と考えるか及び今後の運営にどう生かしていくのか伺います。
◎相蘇 児童課長 今回の
新型コロナウイルス感染症の学校休校に伴う新BOP事業の実施に当たっては、何より急遽決定したものであることから、職員の体制の確保が最も大きな課題であり、今後も引き続く課題であると考えております。
さらに、感染予防のための手洗いの励行や検温など子どもの健康状況の確認、設備の消毒、子ども同士の接触を極力減らす運営など、子どもたちの安全の確保と健康管理を行うことも大きな課題であり、これまでにない対応をとる必要がございます。体制の確保については、児童館職員の応援と、学校からの必要な活動場所の確保や、人員が不足する部分への教員などの支援があり、これまで体制の確保・整備ができてきております。
今後、春休みまでは現在の学校の協力を得ながら体制を維持し、春休み期間中は、従前から朝からの一日の実施を予定しておりましたので、その体制での運営を行いますが、従前と異なり、感染症予防のための取り組みを行いながらの運営になるために、さらに人員が必要になることも想定されます。これらの不足する人員の確保、家庭への健康管理の徹底等の再度の依頼等を行ってまいりたいと考えております。
◆江口じゅん子 委員 今御答弁されたように、人材確保が大きな課題ということがわかりました。
これまで我が党初め多くの会派が新BOP学童クラブの恒常的な指導員不足を指摘しておりましたが、休みが長期化することで、利用者のさらなる増加も予測され、この緊急時を乗り切るため、人員確保についてはあらゆる手だてを講じることが必要です。その一つとして、国が緊急対策第二弾で示した学童保育の運営費補助の活用を提案します。
私も国の通知を確認しました。その中には、人材確保などに要する補助を、一支援一日当たり二万円増額、全額国庫負担とありました。WHOがパンデミックと表明するこの非常事態に限って、国の緊急対策を大いに活用し、非常勤やアルバイト職員の時給を一時的に上げ、人員確保に努めるのはいかがでしょうか。子どもの生活の質の向上、そして万全な感染予防対策のためにも、人員確保については、あらゆる手だての検討、対策が必要と考えますが、見解を伺います。
◎相蘇 児童課長 この間、学童クラブの人員の確保のために、報酬の増額を含めさまざまな対応を行ってきておりますが、確保が難しい状況にございます。今般の
新型コロナウイルス感染防止のための学校休校に関連して、国や東京都による交付金等の措置が決定をされて、要綱、申請様式等が順次示されてきている状況でございます。区としては、内容、要件、その効果等を精査いたしまして、活用を図れるものについては遺漏なく手続を行い、人材の確保を初め、新BOP活動が安全に安定的に運営できるように取り組んでまいります。
◆江口じゅん子 委員 さきの総括でも申し上げましたけれども、政治の判断で一斉休校要請をしたということで、首相は、そうしたことに対するさまざまな影響に、政治の対応できちんと手当てをすると表明をしています。こうした国の制度があるわけですから、それを大いに活用していただく。そして、なかなか使いにくい、こういったことがあれば、その改善を求めて国に意見をする。これは本当に大切なことだと思います。ぜひ生活の質の向上、そして万全な感染対策予防のため、重ねて人員確保については努力をお願いするものです。
そして、今般の事態で、公設公営の新BOP学童クラブの役割が大いに発揮をされたと感じています。民間学童では、多くが一日開設はできず部分営業、中には早々に休業を決めました。塾やお稽古も一部もしくは全面休業となっています。一方、区では、初日は児童館職員が応援に入る。そして今でも教育委員会と連携し、先生が応援に入るなど、区が一丸となって、突然の決定にも初日から六十一校の全てで一日育成を実施し続けております。
ある保護者からは、仕事は休めないし、近くに面倒を見てくれる親もおらず、学童に本当に助けられていると伺いました。また、心配なので子どもを親に預けている。また、学童卒業の高学年の保護者の方々からは、活動量が減って子どもが太ってきた、ストレスがたまっている、ユーチューブ漬け、公園は高学年の子でぎゅう詰め、低学年の子が入ることができない、毎日規則正しく行く場所があることの大切さを感じるなどなど伺っています。
コストや多様化するニーズなどから民間活用の声が一部聞かれますが、非常時のセーフティーネット、そして経験を持つ指導員の質の高いかかわりで、安全安心な放課後の居場所としての直営新BOP学童クラブの役割は大変大きいと考えます。引き続きの区の努力を求めるものです。
学校休業により果たしている役割と、そして公の責任について、区の認識を伺います。
◎相蘇 児童課長 今回の学校休校に伴う新BOPの実施については、感染防止のための対応の必要性と、保護者の就労による子どもが見られない家庭への支援の必要性、子どもが自宅で長時間過ごすことによる安全や健康への対応などの要件がある中で、最終的にはセーフティーネットの考え方から、このような緊急時こそ子どもの居場所の確保が必要であると考え、新BOPを実施しているものです。
実施に当たっては、新BOPのシフトに児童館職員が応援に入ったり、学校職員の支援の調整、区立小に在籍していない児童の対応など、突然の休校に合わせた迅速な対応を職員一丸となって取り組むことができております。これは緊急時における公設公営のメリットの一つであったかなというふうに考えております。
◆江口じゅん子 委員 今申し上げたとおり、ある保護者の方は民間学童を利用しておりまして、国の一斉休校要請が出て、世田谷区の対応はどうなるかまだ決まっていないにもかかわらず、当民間学童としては休業に入りますとメールが来て、本当に途方に暮れたとおっしゃっていました。そしてそういったときに、今、課長も御答弁されたように、区立小に通っていないこうした私立や国公立の生徒、そして民間学童を利用している生徒に対しても緊急の受け入れを行うとホームページ上で発表して、本当にセーフティーネットの大きな役割を果たしているということを実感しました。区民の期待は大変大きいものです。重ねて引き続きの区の努力を求めるものです。
それでは次に、区政の喫緊の課題である介護職の確保・処遇改善について伺います。
その前に、この介護現場からも、コロナ対策について一言申し上げたいと思います。広がる感染拡大に、介護現場の危機感と不安は大変なものと伺っています。ある職員さんからは、ハイリスクの高齢者が入居、通所する施設ですから、クラスター感染が発生するリスクも高いし、本当に大変なことになると思うと心配の声を伺いました。マスク、消毒薬の不足はそれに拍車をかけていて、区として現場の事情をよくつかんで、それに応え得るきめ細かな対応をまず求めるものです。
それでは、具体的に介護職確保・処遇改善について伺いますが、毎年、介護労働者の就業実態などの調査を実施している介護労働安定センターの昨年の調査では、現場の介護職員の人材の不足感は約七割にも上って、五年連続で不足感の増加という結果です。さらに不足の理由の一位は、採用が困難であるが九割を占め、その原因は、同業他社との人材獲得競争が激しい、これが大半という結果でした。さらに、全介護労働者の一割が六十五歳以上という介護職の高齢化も報告されまして、区でも同様の事態と認識をしております。これまで我が党としても、特養ホーム職員の実態調査アンケートも行い、介護職確保・処遇改善を求めてきましたが、本日もその立場で伺いたいと思います。
まず、開設から二、三年たつ特養ホームについてです。職員の確保ができず、いまだに満床にできないと聞いております。区内特養ホームの待機者は約一千八百人もいる中、区としての責任は大きいと考えます。必要な人員を確保し、満床稼働をするという当然のことを実現するため、施設任せではなく、区としてどうしていくのか、現在の稼働率を含め伺います。
◎三羽 高齢福祉課長 区内の特養ホームは、今年度新たに四施設が開設し、現在は二十七施設で、二千四十五人分の定員枠を確保しております。その中において福祉人材の不足は依然として厳しい状況にあり、各施設の稼働率にも影響を与えているところです。
委員お話しの施設、二施設ございますが、一つは、現在全てのユニットをオープンしており、入所率が約九割になったところです。その翌年にオープンした施設は八割程度の入所施設となっております。ともに引き続き職員の採用活動に注力し、さらなる受け入れ拡大に向けて取り組んでいるところです。
区といたしましては、各法人が安定的な人材確保を行えるよう、引き続き介護職員の宿舎借り上げ支援事業やハローワーク等の社会資源の活用等に取り組むなど、さまざまな支援を行ってまいりたいと考えております。
◆江口じゅん子 委員 さまざまな支援にぜひ尽力していただきたいと思います。そして、この間、区は、介護人材対策のため、介護事業所などとワーキンググループで検討をしてきました。現場の声が反映し、新年度予算案では、区独自の特養職員の宿舎借り上げ助成、電動自転車購入助成などが始まり、一定評価をしております。同時に、区の宿舎借り上げ助成は、都の助成額の半額、対象数四十戸であり、今後拡充を求めます。
現場の深刻さは増しています。処遇改善、イメージアップなど、介護職確保の総合的対策強化が必要です。当面どうしていくのか。また、次期の介護保険事業計画などにもしっかり位置づけることを求め、伺います。
◎三羽 高齢福祉課長 昨年五月、区内の介護サービス事業者等を構成員とする検討会を立ち上げ、六回にわたり介護人材に関する意見交換や検討を行いました。検討会での議論を踏まえながら、来年度は介護人材採用活動経費助成事業を拡充、実施するほか、新たに介護職員宿舎借り上げ支援事業や、電動アシスト自転車購入費用助成を開始します。また、四月には、保健医療福祉総合プラザ内に福祉人材育成・研修センターを移転し、福祉専門人材の確保や育成に関する総合的な取り組みも始めます。
現在、第八期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画の策定に向け取り組んでいるところですが、介護人材の確保育成・定着支援を重点課題に位置づけ、御議論いただく予定です。区といたしましては、国が示す取り組みも踏まえつつ、今年度設置した検討会を発展強化するなど、地域課題に応じた新たな対策にしっかり取り組んでまいります。
◆江口じゅん子 委員 一千人計画に見合う人材確保を重ねてお願いしまして、終わりとします。
○阿久津皇 委員長 以上で日本共産党の質疑は終わりました。
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○阿久津皇 委員長 続きまして、生活者ネットワーク、どうぞ。
◆高岡じゅん子 委員 生活者ネットワークの質疑を始めます。
四月の児童相談所開設直前ですが、都との情報共有や広域連携に関して、二点確認のため質問します。
今定例会に議案として、児童自立支援施設の事務を都に委託するということが上程され、可決しています。このような委託方式以外にもさまざまな連携手法があります。区独自の児童相談所を開設しても、児童の健全な育成のため、広域で連携し利用したほうがよい施設や機能は種々あると思います。準備期間中いろいろ困難なこともあったと聞いていますが、これらの調整は完了しているんでしょうか。
◎長谷川
児童相談所開設準備担当課長 都と特別区、また、特別区の間における一時保護所や児童養護施設等の相互利用などに当たりましては、それぞれの役割や費用分担について取り決めを明確にする必要がございます。これらについて、それぞれ協定を締結することとしており、現在その最終の事務調整を行っております。特別区の児童相談所開設に向けた都の協力姿勢が明確にされない時期もございましたが、現在は実務担当者が顔を合わせ、協定締結に向けた事務調整を重ねることで、相互理解と協力関係が構築されております。
委員御指摘のとおり、子どもにとって最善のものとなりますよう、保護する施設、また、入所施設等を選択しなければなりません。その認識で都と特別区は一致しており、今後も協力して最善の保護や措置が行えるよう努めてまいります。
◆高岡じゅん子 委員 都とか他自治体との連携協力が確実に得られるものというふうに考えております。これについては安心いたしました。
次に、要保護児童の情報の共有について伺います。
今年度まで、都立児童相談所の体制においては、内部ネットワークにより、都内在住の要保護児童の情報が全て即時的に都立児童相談所間で共有できているということです。今回、世田谷区はこのネットワークから外れますが、必要な情報はきちんと共有できるのか。特に転入転出時の情報の引き継ぎなどに関して、どういうふうにするのかというのを伺います。
◎長谷川
児童相談所開設準備担当課長 転居等により、児童相談所の間で相談ケースを引き継ぐに当たりましては、予見されるリスクを正確に把握いたしまして、児童福祉司が顔を合わせ、確実に引き継ぐことが重要となってまいります。また、正確な届け出をせずに住居を移す場合もございます。さまざまな手だてを講じて居所を把握いたしまして、管轄の児童相談所に引き継ぐなどの丁寧な対応が求められます。こうした丁寧な引き継ぎの上で、さらにオンラインによる児童相談所の間での相談履歴の共有ができれば、より効率的な運用が図られると考えられるところでございます。
しかし、この間に発生をした重篤なケースを初め現状を見ますと、オンラインによる情報共有以前に、丁寧な引き継ぎの徹底が図られていない実態が明らかとなっております。区といたしましては、子どもの命と安全を守るために必要な取り組みを確実に行うことが最優先であると考えております。これまでの都の児童相談所では全てのケースで徹底されておりませんでした転居ケースの引き継ぎを確実、丁寧に行うための十分な職員配置と、専門職の知見を生かした組織としての判断を可能とする体制でこの四月の開設を迎えます。その上でより効率化を目指し、特別区・都区間の情報連携の仕組みづくりなどにも今後取り組んでまいります。
◆高岡じゅん子 委員 オンラインでありさえすればいいということではないということがよくわかりました。要保護児童の情報の引き継ぎは、担当者同士で対面で行うという原則は本当にすばらしいものだと思います。ですけれども、この出張経費ですね。一般に児童相談所の経費というのは地方交付税の対象となって、このような引き継ぎのために必要な出張費というのは、ほかの自治体だと国から出してもらえるわけなんですけれども、世田谷区はこの対象から外れているというふうに認識しています。子どもの命にはかえられませんので、漏れない引き継ぎと情報の共有をぜひこれからも確実に行ってください。
そして、この経費に関してですけれども、都区財調なんかの場できちっと明らかにして、これもきちんと要求していくように求めます。都とか全国の児童相談所との連携を深めて、子どもの命を確実に守っていくように要望いたします。
命を守るという視点で続けて質問いたします。世田谷保健所では、主に健康寿命の延伸に資するための啓発資料として、来年度、「データでみるせたがやの健康二〇一九」を発行する予定というふうに聞いています。発行予定の目次を見ますと、年代別の主要死因の推移などがあり、高齢者だけではなく、各年代特有の死因とそれに潜む課題についても、区民が広く関心を寄せるきっかけになるのではないかと感じました。子どもや若者についての死因の特徴が何か明らかになっているんでしたらお教えください。
◎相馬 健康推進課長 「データでみるせたがやの健康」の区民の年代別主要死因の割合では、三十歳未満の死因の割合が他の世代に比べて高いのは、自殺、不慮の事故、その他の疾患となっております。また、子ども・若者の死因につきましては、令和元年十月に策定した世田谷区自殺対策基本方針の策定の際にも人口動態統計から調査を行っており、二十歳未満、二十歳代、三十歳代の第一位は自殺、次いで悪性新生物、または不慮の事故となっております。一方、乳幼児の死因はその他に分類されることがほとんどで、その内容については不明なことも多い状況です。なお、人口動態統計からは、先天性の異常や疾患、不慮の事故による死亡が確認されております。
◆高岡じゅん子 委員 十代から三十代までの死因は自殺が一位です。昨年の十月に自殺対策の基本方針をつくり、区としては自殺対策を進めようとしています。来年度の取り組みについてお伺いします。
◎相馬 健康推進課長 区民の二十歳未満におきましては自殺者数はごく少ないため、統計等を通じた分析を行うには難しい一面がございます。いずれにせよ、区では、三十歳未満の自殺の割合が他の世代に比べ高いことを踏まえ、自殺対策基本方針では重点施策に子ども・若者に対する支援の強化を位置づけております。そのため、子ども・若者及びその親、それぞれが相談を求める力を高めるとともに、相談や支援にアクセスしやすい環境づくりと、それら世代への支援の充実に取り組んでまいります。
◆高岡じゅん子 委員 メンタルヘルスに関して、従来、世田谷区で、さまざまな手法で強化を進めていらっしゃると思います。若いうちから、このメンタルヘルスについての情報や関心を持って、深刻な事態に至る前に相談や医療につなげていくことが大変有効だと考えています。先ほどの基本方針の重点施策にも挙げられた自殺対策の中の子ども・若者に対する支援の強化の着実な実行を求めます。
さて、一方、乳幼児の死因の第一位はその他ということです。ここはやはりさらに分析の必要があるのではないでしょうか。先般、厚生労働省が、子どもの死因の全数調査、CDRというもののモデルの事業を二〇二〇年をめどに始めるという報道がありました。このモデル事業というのは都府県レベルの統計を前提にしたものなのだそうで、世田谷区が単独でこれに着手するのは難しいものなのかもしれません。しかし、世田谷には成育医療研究センターなど、子どもにかかわる専門機関がありますので、こういったところと連携し、その他という中に紛れている子どもの死亡原因についてさらに研究を深めていくなど、このCDR調査を意識した子どもの死因分析を世田谷区なら進めていけるのではないかというふうに提案いたします。見解をお聞かせください。
◎相馬 健康推進課長 区は、これまで、虐待を疑われる事例や重大な事故については、要保護児童支援協議会のもと、個別の事例について死因や家族背景等の検証を行い、再発防止に努めてまいりました。また、母子保健事業として、人口動態統計などにより、乳幼児の死亡の原因や死亡の状況などをまとめ、庁内の検討や研修等に生かしております。厚生労働省のCDRにつきましては、症例検証を予防につなげる事業と捉えております。委員御指摘の点を踏まえ、地域の医療機関等との連携により、子どもの予期しない死亡や重篤な障害の知見を深め、予防可能な事故を減らすための取り組みを進めてまいります。
◆高岡じゅん子 委員 予防可能な事故、そして本当に見えにくい虐待や、また、本当に育てにくいお子様たちをどんなふうに支えていくかということ、こちらのCDR、そして成育などの医療機関などと連携してぜひ分析を続け、子どもの事故、死亡を一つでも減らしていっていただきたいと思います。
続いて、妊娠からの切れ目のない子育て支援、虐待の二次予防として、今年度導入されたさんさんプラスサポートについて伺います。
現在、まだ従来の区民が自由に頼めるさんさんサポートの利用期限も残っていて、受託事業者もちょっと切りかえ切れていないような状況もあるようですけれど、この事業は、単に母子を地域から孤立させないというきっかけづくり以上に、虐待の芽を発見し、気がかりな母子を支援につなげる明確な二次予防という狙いのあるものというふうに理解しています。開始一年目の状況をお聞かせください。
◎増井 子ども家庭課長 区では、今年度六月より、二次予防の事業としまして、産前産後の体調不良などの養育が困難な家庭に、一時的に生活支援や育児補助など訪問支援ヘルパーによる訪問支援を実施しております。令和二年二月末現在、家事・育児に自信がない、また、夫が多忙など、産後、家庭での支援者がいないといった理由により、五十四件の家庭に訪問支援を実施しております。訪問支援ヘルパーは、家事や育児の軽減を図るだけでなく、育児に関する不安や悩みに耳を傾けるなど、育児不安の解消にもつながっております。
また、健康づくり課保健師が訪問事業者から報告を受け、安定した子育て環境を整えるためのフォローを行っています。訪問支援期間の延長や、子ども家庭支援センターの養育支援事業への連携なども進めております。徐々に訪問依頼もふえており、今後、高まるニーズに対応するためには、事業者の確保にも取り組んでまいります。
また、支援の質の向上に向け、実践につながる座学やグループワークなどヘルパー研修を実施し、必要な場合は関係者によるケース検討など、スキルアップも図っております。
◆高岡じゅん子 委員 私たちは、特に出産直後とか、里帰り出産から地域に戻ってきてすぐなど、育児不安が特に強い時期に集中的支援が行われる制度として、こちらのさんさんプラスサポートに注目しております。やはりこれはコーディネーターが間に挟まっているわけですけれども、さらにコーディネートの精度を増し、必要なときに必要な支援が届く制度として取り組んでいただきたいと思います。
また、ヘルパーの方が現場に行かれるわけですけれども、その現場の気づきを確実に支援に結びつけていくということが、この制度の狙いを実現するための鍵になると思います。大変充実した事業者育成のための研修が行われているというふうに聞いています。また、育成の必要がある、ニーズがふえているというふうなことも先ほど御答弁の中でありました。来年度以降の取り組みについて伺います。
◎増井 子ども家庭課長 来年度につきましても、研修を充実しながら、高まるニーズに対応していきたいと思います。
◆高岡じゅん子 委員 繰り返しになりますが、やはりヘルパーの方が家庭に入って何に気づいてくださるか、気づいたことがどんなふうに子どもの本当の支援や保護につながるかということが非常に大切です。これが二次予防という意味だと思います。子どもたちの安全安心に生かされるように、その現場と、そして支援、そして今度できる児童相談所、場合によっては子家センというふうに、幾つかのところがきちんと連携をとって、子どもの二次予防としてより実践的なものを重ねていっていただきたいと思います。
続きまして、福祉避難所における災害対策について伺います。
今まで災害というと、東京都全域が全て被災地になる大地震のことばかり私自身も意識しておりました。昨年の十九号の経験や、近くでぼや騒ぎがあったというような高齢者施設の会見などをお聞きするに当たって、やはり限られた施設に被害が集中して、そして耐震補強がしてあっても、やはり福祉施設自身が災害の被災者になるということが本当にいつ起きてもおかしくない。水害や火災などの災害が本当に身近なものになったということを感じています。そのために、福祉施設においても、単純に地震だけではなくて、さまざまな災害を想定した訓練が欠かせないということが実感されています。特に、避難が大変困難な利用者を抱える高齢者施設や障害者施設において、平時から訓練を重ねていらっしゃると思います。
被災後も利用者を守るためには、業務継続計画、BCPを具体的につくり、シミュレーションしておくことも必要です。こういった福祉施設の災害対策について、区がどのように指導しているのか、実態を伺います。
◎阿部
障害者地域生活課長 高齢者や障害者施設は、消防法等の法令により、火災や風水害、震災などの災害に備えるため、消防計画の作成や避難訓練の実施、施設設備の点検などが義務づけられております。各施設では、平素から訓練等に取り組んでおりまして、区といたしましても、実地検査や事業所連絡会等の機会を通じ、適宜実施状況の確認や注意喚起等を行っております。
また、これらの施設では、高齢者や障害者の介護や支援を担っておりまして、何らかの災害により被災した場合、利用者の避難誘導等の確実な対応が必要となることはもちろん、御家族の負担軽減の観点からも、通常の活動の一日も早い再開が求められるところです。こうしたことから、区では、各施設の業務継続計画、BCPの整備が重要と認識しておりますので、まずは災害時の福祉避難所として指定している高齢者・障害者施設に対して、福祉避難所の開設運営の円滑化を図ることを目的にBCPのひな形を示し、策定を支援しております。
今後、昨年の水害も教訓に、改めて多様な災害への備えを高齢者・障害者施設へ呼びかけるとともに、福祉避難所の演習や訓練の実施を通じ、このBCPの実効性を検証しながら、他の施設へのBCP策定の働きかけも進めたいと考えております。
◆高岡じゅん子 委員 こういったBCP、本当に実践的なものにしていくことが必要だと思います。そして、避難訓練は、やはり各施設で行っていただいていると思うのですが、この訓練をするというのは、大体職員の配置が充実している昼間、一番人が充実しているときに訓練を行っているということが多いと思います。ただ、一方で、実際の災害とか火事、今回の十九号も夜になって急に降り、朝になったときにはびしゃびしゃだったといったような状態になるわけで、やはり夜間など職員の手薄な時間帯に、たくさんの動くのが大変な方を移動させなければならないというようなことが起こっています。
地域内の福祉施設等、そういった場合は福祉施設の職員だけでは手が足りない場合のことも想定して、住民組織との距離ももう少し近づけて、そして地域の避難行動要援護者支援とかと相互に協力するような視点も持って、地域全体の防災力を高めていく必要があると思います。これは総括のときでもそういうことを提案させていただきましたが、本当に地域は地域、施設は施設ではなく、ぜひ連携した対応というのを求めます。
本当に震災のことだけ考えて、災害対策を私自身も提案してきたわけなんですけれども、どんなに耐震性を高めていて、BCPをつくっていても、例えば水害の場合、延焼が起こった場合、ライフラインが途絶した場合など、被災後も施設利用が続けられるとは限らないということが本当に明らかになってきました。世田谷区内の多くの福祉施設は、先ほども言っていただきましたように、福祉避難所になるということを想定しているわけなんですけれども、こういうふうに想定している施設自体が被災し、そして本当はもう普通の一般の避難所ではもともと過ごせないような方がどこかに行かなければならないというふうなことが起こり得ると思っています。
施設自体が被災して、そこの利用者が避難するということはきちんと想定されているんでしょうか。また、そういった場合、どうやってその方たちの避難先を見つけていく計画になっているのか、このことを伺います。
◎阿部
障害者地域生活課長 福祉避難所は、地域防災計画におきまして、指定避難所等での生活に支障を来すため特別な配慮を必要とする高齢者、障害者等を一時的に受け入れ、保護するために開設するもので、施設自体の安全性が確保されていることが指定要件とされており、お話にありました耐震性の確認も行っているところです。
災害時に福祉避難所となる施設がもし被災し、利用者の避難が必要となった場合には、施設の消防計画に基づき、自衛消防隊が施設外へ避難誘導をすることになります。その後は、災害の規模や状況によりますが、一つの想定としては、地域の方とともに一時集合所に退避し、火災延焼が迫れば広域避難場所に避難することになり、施設や御自宅に戻れない、こういった場合の方は、さらに指定避難所に避難することになります。その中には、福祉避難所での受け入れが必要な高齢者、障害者が含まれていることも想定されます。
区では、まず無線等により、施設の被災状況や利用者の安否等を確認し、その後も継続して情報共有しながら、施設の安全確保状況や、事業者の避難状況等を把握します。一方、福祉避難所の開設に向けては、指定避難所からの受け入れ要請を受け、開設準備が整った施設に対して順次開設要請を行い、具体的な受け入れ調整を進めることを想定しております。現在、福祉避難所に指定している高齢者施設は五十五カ所、障害者施設は四十二カ所ありますが、今後、区内高齢者・障害者施設との福祉避難所開設に係る協定締結をさらに進めまして、災害時における要配慮者の受け入れ施設をふやすよう努めてまいります。
◆高岡じゅん子 委員 本当に一カ所でも多く可能性をつくっていく、本当に多様な被災状況に対応するためにはこれが非常に必要だと思います。でも、実を言うと、平時でも区内の全ての施設は定員ぎりぎりだったり、受け入れの余裕が限られています。さらに被災時には職員の確保も困難になるというふうに予想されますので、本当にどんなに備えていても備え切れないというのが実態だと思います。区としては、よりリアルに被災時の状況を想定し、利用者を守る避難から福祉避難所開設までのシミュレーション訓練などをさらに重ねていくことを求めます。福祉施設同士の共助の意味でも、福祉避難所としての利用協定を一個でも多く確保していくことが必要だと求めておきます。
さらに、福祉施設の中で保育関係の施設の災害対策に関しても一点確認いたします。
来年度から認可外保育施設も区の指導監督の対象となります。現在、世田谷区内で無償化の対象となっている認可外保育施設の中に、防火・防災対策について国の基準を満たしていない施設が幾つかあるというふうに聞いています。このような施設に対して、区は今後どのような対応をしていく予定か伺います。
◎有馬 保育認定・調整課長 御指摘の防火・防災対策ですが、避難計画の内容や避難消火訓練の実施状況を確認することは、安全安心の観点から特に重要となります。国の基準では、消防法に基づき、三十人以上の施設は消防計画の作成及び届け出が求められ、さらに避難消火訓練が毎月定期的に実施されることで認可外保育施設の基準を満たすことになります。基準を満たさない施設の多くは、今お話ししました消防計画の未作成のほか、職員及び園児の健康診断の未実施、職員配置の不足が指摘されております。
区としましては、来年度から認可外保育施設の指導権限が移管されますが、令和三年四月に向け、幼児教育の無償化の対象を基準を満たす施設に限定する条例の制定を目指しておりますので、無償化の対象から外れてしまう認可外保育施設、具体的には四割から五割程度が該当してしまいますが、こちらが基準を満たすよう、令和二年度から粘り強く指導してまいります。さらに、指導の結果を区のホームページに掲載し、保護者が施設等を選択する際に御活用いただくなど、全ての保育施設での質の確保に努めてまいります。
◆高岡じゅん子 委員 子どもの安全を最優先に、保護者が安全な保育施設を選べる情報公開と指導を強めていくことを求めます。
以上で生活者ネットワークの質問を終わります。
○阿久津皇 委員長 以上で生活者ネットワークの質疑は終わりました。
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○阿久津皇 委員長 続きまして、減税せたがや、どうぞ。
◆あべ力也 委員 それでは質問してまいります。
企画総務の領域で、窓口業務でテレビ電話機能のあるスカイプなどのアプリケーションによるインターネットでの双方向によるフェース・トゥ・フェースのサービス導入の要望をいたしましたが、福祉サービスに関しても、具体的な提案の要望と質問をさせていただきます。
障害者に対する合理的な配慮についてはさまざまな議論がありますが、技術的な進歩によって解決してくれる場合もあり、導入の検討をすべきものもあります。それは、テレビ電話機能のあるスカイプなどのアプリケーションを活用した手話通訳サービスの実施です。
現在、世田谷区は、フルタイムでの通訳者が利用者に提供されているわけではなくて、不便をおかけしている状況でありますけれども、いつでも手話通訳が可能な環境を整えることも必要だと思います。そこで、既に福島県の郡山市などは、LINEやスカイプなどを使って、この手話通訳のサービスを導入しているということであります。
世田谷区も早急に導入すべきだと思いますけれども、二月二十八日に、聴覚障害者が手話通訳を介して電話を利用できるサービスを制度化する新法案を閣議決定したと聞いておりますが、国の動向も含め、区の見解を伺いたいと思います。
◎太田
障害施策推進課長 区では、聴覚障害者の情報機会の拡大のため、閉庁日を除く平日の午前九時から十二時の間、第二庁舎一階に手話通訳者を一名配置しております。また、各保健福祉センター保健福祉課に配置されているタブレット端末を活用し、第二庁舎に待機している手話通訳者と画面を通した手話通訳も実施してございます。手話通訳者の配置は平日の午前中となっていることから、午後の対応として、委託によるタブレット端末を活用した手話通訳サービスを令和二年度中に本庁でモデル実施することを検討しているところでございます。
お話しの郡山市のサービスについてでございますが、スマートフォンやタブレット端末を利用し、LINEやスカイプからテレビ電話機能により、市の専任通訳者と自宅や出先等から会話ができるというもので、聴覚障害者の利便性向上につながるものと認識しております。
一方、国においては、聴覚障害者がインターネットのテレビ電話を通じてオペレーターと手話や文字でやりとりし、オペレーターが通話先に同時通訳で内容を中継する先ほどの電話リレーサービスを法制化しまして、令和三年度から二十四時間三百六十五日利用可能な公共インフラの整備に取り組んでいるところでございます。区といたしましては、こうした国の動向を踏まえ、郡山市等先進自治体を調査研究し、聴覚障害者団体の御意見等も踏まえながら、検討してまいりたいと考えております。
◆あべ力也 委員 ぜひ実施をしていただきたいと思いますけれども、これを活用すれば、通訳者も自宅などどこにいても対応ができる、テレワークが可能になるということと、区の担当課と三者通話にすれば、利用者も外出することなく問題解決ができるということでありますので、大変利便性が向上するということでございます。国も前向きに検討している、法制化するということですから、ぜひ実施をしていただきたいと要望しておきたいと思います。
次に、区民の方からお手紙をいただきました。お母様が百歳になられたということで、お祝いの商品券をいただいたということなんですが、大変心苦しいということで、その部分を寄附させていただきたいということを申し出たということなんですが、大変その手続に手間がかかったということで、そういう思いの方がほかにもいらっしゃるんじゃないかということで、担当の高齢福祉課長、前の高齢福祉課長ですけれども、その方にお手紙も差し上げたんだけれども、いまだに御理解をしていただいていないということで、私のほうにお手紙をいただいて、高齢になって、次世代の方にぜひそういうお金を使ってほしいということで、次世代型の基金なんかをつくっていただいて、そこに寄附ができるような選択肢もぜひつくっていただきたいと。
もちろん今までどおり商品券をもらいたいという方もいるでしょうし、区に寄附をしたいという方もいるでしょうし、または記念品が欲しいという方もいらっしゃるんではないかなと。そういった一律のお祝い金という方式だけではなくて、その方、その方に合った選択肢が選べるような体制をぜひつくっていただきたいというのがこの区民の方の御趣旨のようでございます。私もその意見には賛同できると思いますので、区のほうでぜひ検討していただきたいと思いますけれども、世田谷区の現状と今後の取り組みについてお伺いをしたいと思います。
◎三羽 高齢福祉課長 今御指摘にありましたお祝い金、慶祝事業につきましては、百歳と米寿の方を対象として実施しております。こちらのあり方につきましては、将来に向けた持続可能性の確保の観点から検討を行おうとしているところです。委員お話しの趣旨も含めまして、祝意のあらわし方等についても、今後の社会情勢を踏まえ、総合的に検討を行ってまいります。
◆あべ力也 委員 部長、どうですかね。こういう区民の方がいらっしゃるので、ぜひそういう気持ちも酌んだ制度にしていただきたいと思いますけれども、最後に一言、よろしくお願いします。
◎長岡 高齢福祉部長 そうですね、いずれにしましても、慶祝事業のあり方については検討する予定になっておりましたので、委員の趣旨も踏まえまして、検討させていただきたいと思います。
◆あべ力也 委員 これから百歳を迎える高齢者がふえてくるということで、この事業の存続そのものも検討する必要性が出てくると思いますので、その辺も含めて、区の今後の検討をしっかりしていただきたいと要望いたしまして、私の質問を終わります。
○阿久津皇 委員長 以上で減税せたがやの質疑は終わりました。
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○阿久津皇 委員長 続きまして、レインボー世田谷、どうぞ。
◆上川あや 委員 初めに、終活の支援について伺います。
平成二十九年六月の一般質問で初めてこの問題を取り上げました。家族やコミュニティーの希薄化で引き取り手のない御遺体、御遺骨も全国的にふえております。葬儀やお墓をみずから準備する終活も盛んになりました。しかし、御本人がその他界を本人として知らせることはできません。周囲がその準備状況を知らなければ、生前の準備も水の泡となり、公費で火葬、埋葬する無縁遺骨となってしまいます。
こうした事態打開のために、横須賀市では、生前、市で本人の意思を確認し、葬儀社と本人とで生前契約をしてもらい、他界の後は市でその執行を見届ける事業をスタートさせており、大変好評だそうです。私からは、同事業を紹介し、区でも取り組めないかと提案したのが前回の質問でした。
区では、社会福祉協議会に働きかけ、類似の事業を昨年二月からスタートをさせたと、つい先日、聞かされたのですが、区のホームページにも、また、社協のホームページにも一切情報の掲載はありません。社協がその終活相談会などに資料は持参をしているということなんですが、積極的に配布もしておらず、案の定、実績はゼロ件だといいます。
あげくの果ては、昨年の夏、区役所を直接訪ね、同種の取り組みが当区にないか問い合わせにいらした区民の方に対し、区の相談員は、民間の互助会のようなところで個人的に契約していただくほかなく、その相場は百万円から二百万円だと案内をしたといいます。
区民は知らない制度は使えません。なぜ積極的に事業を開示しないのでしょう。ましてや来庁した御相談者にさえ御案内できないというのは言語道断だと思います。広報の改善を求めますけれども、いかがでしょうか。
◎山本
生活福祉担当課長 ひとり暮らしで身寄りのない高齢者の方から、御自身が亡くなられた後の葬儀や相続手続が心配であるとの声が多く寄せられていることから、区でもその対応策を協議し、平成三十年度より、世田谷区社会福祉協議会において、低所得の高齢者を対象とした葬儀埋葬支援を開始しております。社会福祉協議会では、終活相談会などの啓発活動の中で事業の周知を行っているところですが、今後、区でも社会福祉協議会と連携し、相談会や老い支度講座の参加者などにチラシを配布し、庁内の連絡会で事業周知の徹底を図るなど、一層の広報と周知に取り組んでまいります。
◆上川あや 委員 本区の同事業はあくまでも社協独自の事業であって、スキーム上、区は一切かかわりを持っておりません。一方で、同種の事業に先行して取り組んできた横須賀市、大和市などの事業は、いずれも市が直営する事業となっており、市民にとっての安心という点では一段上だなというふうに感じます。
本区の社協による事業で、利用者の他界をどう社協が把握するのかといえば、自宅に掲示用と携帯用、二種類の登録カードを事前に発行し、その死に接した方にカードに気づいていただき、御厚意から社協に連絡を寄せてくれるのを期待する、そういうスキームなのだそうです。区民の死亡の事実を最終的に必ずつかむのは住民記録を消除する区自身なのですから、周囲の気づきや厚意に期待するのみでなく、区で死亡の事実をつかんだ際には社協にも御連絡をし、契約の履行を担保する、区民も安心できる区がかかわるスキームに改善はできないでしょうか、伺います。
◎山本
生活福祉担当課長 葬儀埋葬支援は、社会福祉協議会の立ち会いのもと、生前に葬儀会社と埋葬等についての生前契約を行う制度でございます。この契約が実際に行われるよう、社会福祉協議会では、利用者に対する連絡先届出書の作成や、万が一の場合の連絡先を記載したカードの発行、利用者が亡くなられた場合の葬祭業者等への連絡を行うことになっております。御本人が契約を行っていることについて、御本人の同意があれば、家主や施設、病院、あんしんすこやかセンターや区の関係機関等にこの制度の利用者であることをあらかじめ周知することも可能です。区でも、同意が得られた方の一覧を作成し、制度利用の御本人が亡くなられた情報が区に届いたときには、速やかに社会福祉協議会に連絡し、制度が有効に活用され、確実に履行されるよう協力してまいります。
◆上川あや 委員 ありがとうございます。
続けて、同性パートナーの医療同意について伺います。
昨年の決算特別委員会で、生死にかかわる医療現場で、同性パートナーが家族として扱われないという課題を取り上げました。厚労省のガイドラインでは、患者の終末期、医療同意をとり得る家族等に同性パートナーも含まれ得る見解が示されていますが、医療の現場にこうした情報は浸透しておらず、現実には排除されるリスクが高いという調査結果を御紹介しました。その上で、区には、男女共同参画と多文化共生条例の区の責務規定に基づき、区内事業者である医療機関に理解を促すよう求め、区からはこれに応じる御答弁をいただきました。
また、あわせて、区民からすれば、区がただ要請をしたというだけでは、どの病院が実際に対応していただけるのか全くわかりませんので、御協力いただける病院の可視化もしていただきたいと申し上げましたが、この進捗状況はいかがでしょうか。
◎加賀谷 調整・指導課長 昨年十一月、世田谷区病院長会におきまして、多様性を認め合う男女共同参画・多文化共生社会の実現を目指す取り組みの一環として、条例担当所管と性的マイノリティーへの理解等の説明を行いました。内容としましては、国の人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドラインの解説編に示されております、「家族等とは、今後、単身世帯が増えることも想定し、本人が信頼を寄せ、人生の最終段階の本人を支える存在であるという趣旨ですから、法的な意味での親族関係のみを意味せず、より広い範囲の人(親しい友人等)を含みます」との記載をもちまして、病状説明や面会、手術同意等において、同性カップルを法的な婚姻関係にある親族と同様に受け入れるようとの依頼をしました。あわせまして、区条例や同性パートナーシップ宣誓制度の説明も行い、宣誓書受領書をお持ちになった方を家族と同様に受け入れるよう、チラシを配付し、お願いしました。
また、この間、医療連携推進協議会にて検討しましたお薬手帳を活用した取り組みの周知チラシにて、友人(同性パートナーを含む)との説明を加えることや、今後作成を予定しています在宅医療とACPの普及についてのガイドブックの中で、同性カップルへの理解や受け入れが進むよう周知を図ってまいります。
御提案の表示につきましては、広い範囲で働きかける必要があるため、区としても統一した手法に向けまして、条例担当所管とも調整を図ってまいります。
◆上川あや 委員 質問から一年たったわけですけれども、働きかけてくださった、ここまでは確認できましたけれども、実際使える資源、医療資源を可視化していただけなければ安心にはつながりませんので、また一年後、決特のときに伺いたいと私は考えております。しっかり結果がお聞かせいただけるように、区の御尽力に期待いたしまして、私の質疑を終わります。
○阿久津皇 委員長 以上でレインボー世田谷の質疑は終わりました。
ここでしばらく休憩いたします。
午後零時八分休憩
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午後一時開議
○阿久津皇 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。
世田谷無所属、どうぞ。
◆ひうち優子 委員 本日は、まず初めに、医学知識検定の推進について伺います。
医療費の急増が大きな財政負担となっております。その要因の一つとして、過剰診療や患者側の科学的医学知識の不足があります。また、義務教育での保健体育の授業で基本的な科学的医学知識の習得が望まれるが、高校入試また大学入試と関係がないために医学知識がほとんどないのが現状であります。
そのようなためにできた検定として、医学知識検定があります。この医学知識検定は、大学所属の専門医が関与しており、ある程度の判断ができる基本的な医学知識を習得できる環境整備に寄与すると考えます。区として、医学知識検定を進めていくことが区民の生命を守ること、また、医療費の適正適用のために有効と考えますが、見解をお伺いいたします。
◎鵜飼 世田谷保健所副所長 区は、健康せたがやプラン(第二次)の基本的な考え方の一つとして、区民の主体的な行動と継続を掲げ、区民みずからが正しい健康情報を学び、健康状態を理解し、健康の保持増進に主体的に取り組むことを呼びかけております。お話にある医学知識検定を含め、区民がみずからの健康に関する知識を学び、理解し、自分や身近な人の健康に活用できる力、すなわちヘルスリテラシーを高めることは重要と考えております。
区の取り組みとして、個人の検定受験を支援することは、公平性等を踏まえ、その位置づけ等を慎重に対応する必要がございます。ただ、委員御指摘の趣旨も踏まえまして、区民みずからが主体的に健康づくりに取り組めるよう、次期プランの策定においては、このヘルスリテラシーの観点を視野に検討してまいりたいと思います。
◆ひうち優子 委員 ぜひよろしくお願いいたします。医学知識検定、私も受けましたが、本当に基本的な医学の知識を学べるということで、大変有効と考えております。ぜひよろしくお願いいたします。
次に、
企業主導型保育園の職員の方のコロナウイルス感染に対する区の対応について伺います。
私のところに保育園界わいにお住まいの方から不安の声をいただきます。感染された方の行動、駅から保育園までの動線を教えてほしいといった声もあります。近隣住民の方は世田谷区民の方でして、影響を受けます。濃厚接触の確認や自宅待機だけでなく、ウイルス検査や家族構成から新たなクラスターの有無の確認など、調査対応の説明が不十分と考えます。
今回の対応で、世田谷区は保育園からの発表を受けてホームページで公表するのみでした。今後、同じような保育園からのコロナウイルス感染の発生のケースも考えられます。区民の方の不安や不便な生活を軽減すべく、具体的な説明や感染拡大防止のための対応として何をしているのか、区がきちんと会見を開いて説明すべきと考えます。見解をお伺いいたします。
◎有馬 保育認定・調整課長 今回の事例につきましては、区の事業ではない企業主導型保育事業であるため、運営事業者がみずから責任を持って
新型コロナウイルスの感染者の発生をホームページで公表し、今回の経緯及び消毒の実施について近隣へお知らせをポスティングしております。
また、区のホームページ上で発生報告と今回の事例に関する区民向けのQ&Aを掲載し、近隣住民の方などが過度に心配することがないよう、濃厚接触者やクラスターなどに関する正しい情報をお示しするなど、区民の不安解消に努めております。
◆ひうち優子 委員 世田谷が情報をいち早く、また正確に伝えることは、世田谷区民と行政との信頼につながると考えます。また、区民の方の安心にもつながります。今後、このようなケースでは、ぜひ素早い区からのきちんとした情報提供を求めます。
次に、保育園、幼稚園の延長保育について、過去何度か質問しているテーマについて伺います。
以前から申しておりますが、幼稚園での預かり保育の拡充により、保育の選択肢をふやすことで、例えば週三から週四に働く方や、また両親ともにフルタイムで働いているが、教育上、保育園よりも幼稚園を希望するといった方々のニーズにも応えられると考えます。
以前の質問への答弁では、区内五十八カ所ある私立幼稚園で、保育園並みのフルタイム型の保育を行う幼稚園は七カ所で、そのほか公開されている二十八園は独自の方法で実施しているとのことでした。その後の進捗状況についてお伺いいたします。
◎有馬 保育認定・調整課長 保育園と同様の保育時間での預かりが八園、保育時間が比較的短い園が一園の合計九園において、区独自の補助制度による預かり保育を実施しております。
また、国の補助制度を活用し、教育時間の前後に保育を行う事業を三園で実施しており、その他お話のありました私立幼稚園でも独自の預かり保育を二十八園で実施するなど、保護者の多様なニーズに対応しているところでございます。
来年度でございますが、区独自の補助制度による預かり保育を新たに一園で実施するなど、少しずつではございますが、実施園がふえているところでございます。今後も保護者の多様なニーズを踏まえながら、私立幼稚園等の個別の実態をお聞きし、丁寧な協議を進めながら、保育待機児童の解消と私立幼稚園等の教育の振興を図ってまいります。
◆ひうち優子 委員 少しずつですが、進んでいるということで、本当にありがたいことと思っております。ぜひこれからも引き続きよろしくお願いいたします。
次に、過去何度か他の方からも質問が出ておりましたが、私のところにも多くいただきます認可外保育園への補助について伺います。
認可保育園に入れずに、やむを得ず認可外保育施設を利用している保護者の方への負担軽減を図るべきと考えます。見解をお伺いいたします。
◎有馬 保育認定・調整課長 区はこれまで待機児童の多いゼロから二歳児の保護者に対し、保育室、保育ママ、認可保育所の保育料との差額を補助し、認証保育所と指導監督基準を満たす認可外保育施設は、世帯の収入に応じて四万円を上限に補助を行っております。
認可と認可外の保護者の負担額の比較でございますが、最も多い階層である世帯収入七百万円で試算しますと、認可の保育料は月額三万五千七百円となります。認証保育所の平均的な負担額は、区の補助を加えても認可と比べ月額約一万六千円高く、認可外保育施設では約六万五千円も認可保育所より高い状況です。世帯収入によって負担額が異なりますが、総じて認可保育園よりも認証及び認可外保育施設の保護者の負担が大きくなっております。
区としましては、令和三年四月に向け、幼児教育無償化の対象を限定する条例の施行及びゼロから二歳児の認証保育所の補助制度の見直しを予定しておりますので、基準を満たす認可外保育施設の補助制度につきましてもあわせて検討してまいります。
◆ひうち優子 委員 ぜひよろしくお願いいたします。
以上で質問を終わります。
○阿久津皇 委員長 以上で世田谷無所属の質疑は終わりました。
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○阿久津皇 委員長 続きまして、都民ファーストの会、どうぞ。
◆そのべせいや 委員 一般質問に引き続き、待機児童ゼロの達成に向けた対策について伺います。
区として、二〇二〇年四月の待機児童ゼロが困難であるとの認識に立つ中、区が保有するリソースを最大限投下して、ゼロが困難であったとしても、一つでも困る家庭を減らすためにまだできることがあるのではないかと考え、これからまだ二〇二一年四月ではなく、二〇年四月の待機児童対策として、アフターフォローを充実できないでしょうか。
区では、入園待機通知書と一緒にさまざまな案内を同封したり、また全件把握については、年度が明けた四月に当該年度の待機児童という全国的な統計データの取得のために実施をしていますが、他自治体では保育コンシェルジュによる認可外保育の利用も含めた個別の対応により、待機児童解消、入園待機家庭の救済への一助としています。
世田谷区は待機児童を多く生み出す自治体だからこそ、また近年では、認証保育所、保育室、保育ママなどの既存の認可外保育施設の年度当初の定員割れもふえているからこそ、双方のマッチングが可能となるアフターフォローの機能が重要であると考えますが、見解を伺います。
◎有馬 保育認定・調整課長 四月の認可保育園の入園選考においてのアフターフォローに対する対応でございますが、一月下旬の一次選考の結果発表後、入園担当では、内定に至らなかった千名を超える保護者からの問い合わせに対応し、その対応の中で、二次選考の説明や認可外保育施設の案内を行っております。二月下旬の二次選考の結果発表後、内定に至らなかった約二千人の保護者に対し、認可外保育施設の空き情報や保育料負担軽減補助制度の御案内を送付し、また、定期利用保育の対象となる一歳から三歳児、前年度より八十五名減少し、今年度は千三百名に対し募集案内をお送りしております。
さらに、内定後には、毎年数百名の内定辞退が生じることから、二次選考終了後、定員にあきが生じた場合は、選考順位に基づき、三月下旬まで電話で入園の御案内を行っております。
区としましては、一人でも多くの方が四月からの預け先を確保できるよう、でき得る対応を引き続き実施してまいります。
◆そのべせいや 委員 いわゆる保育コンシェルジュ機能を考えると、世田谷区の体制では認可保育についての入園申し込み、相談の業務が各総合支所における子ども家庭支援センター子育て応援相談員が担っているものと認識しています。その子育て応援相談員について、入園申し込み、相談だけではなく、他自治体における保育コンシェルジュとしてのアフターフォロー機能を現在の業務に追加して担えないか伺いたいですが、彼らが保育園入園申込相談以外に何をしているのか、まずは世田谷区における子育て応援相談員の業務内容、位置づけについて伺います。
◎瀬川 玉川総合支所
子ども家庭支援課長 各総合支所保健福祉センターの子ども家庭支援課に二名から三名の子育て応援相談員を配置して、認可保育園の申し込みの受け付けを初め、子育てに関する相談、面接を通じ、利用者が必要とする情報に沿った保育園、幼稚園、児童館等の施設情報や地域にある自主保育の外遊び情報、おでかけひろばで行っている子育て支援の案内を行っております。
また、これらの施設や地域子育て支援コーディネーター等の関係機関と利用者をスムーズにつなげるため、日ごろより施設の訪問やネットワーク会議に参加するなど、関係機関と顔の見える関係性の構築及び連携の強化に努めております。
こうした業務を通じて、子育て応援相談員が子育てに関する悩み事や困り事に寄り添い、支援していくことができるようしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
◆そのべせいや 委員 二〇一五年五月に内閣府子ども・子育て本部などから、利用者支援事業実施要綱を定めた通知が出ています。今は二〇一九年三月に改正をされたものが最新となっていますが、世田谷区が子育て応援相談員を導入したのは、通知が出された後、二〇一五年九月に利用者支援事業特定型の役割として導入をされています。根拠となっている利用者支援事業特定型について通知文書の中に、①目的、待機児童の解消などを図るため、行政が地域連携の機能を果たすことを前提に、主として保育に関する施設や事業を円滑に利用できるよう支援を実施するとされており、④業務内容については、(1)④これは基本型の業務内容に準じることとする。ただし、(1)④アについては要約をすると、子育て支援事業の利用支援、オについては夜間休日の時間外対応、カ、出張相談支援、キ、機能強化の取り組み、ク、多言語対応、これらについては、主として地域における保育所等の保育の利用に向けた相談支援について実施をし、(1)④のイについては必ずしも実施を要しないとされています。
この(1)④のイというのを引用すると、教育・保育施設や地域の子育て支援事業などを提供している関係機関との連絡、調整、連携協働の体制づくりを行うとともに、地域の子育て資源の育成、地域課題の発見、共有、地域で必要な社会資源の開発などに努めることと記載をされています。
先ほど答弁をいただいた子育て応援相談員の業務には、管内の認可保育園の訪問及び現状確認、広場やほっとステイなどといった地域の情報を収集するために訪問といった内容もあるようですが、地域情報の収集、しかも足で稼いでいく、関係性の構築及び連携の強化の推進、これらについて価値があるということは認めるものの、区が別途用意をしている利用者支援事業の基本型、地域の中で行われているものの業務と重複するものであると考えています。
そもそも特定型という情報提供に特化をした利用者支援の支援類型を用意した趣旨は、横浜市が先行的に実施をした保育コンシェルジュ機能が全国的に待機児童解消に寄与するのではないかと横展開を進めたものであることを鑑み、利用者支援事業実施要綱をもとに、重複業務は区が別途用意している基本型と母子保健型に切り分けて、導入の趣旨に立ち返って、設置目的の待機児童対策のための情報提供、利用者支援が優先されるべきではないかと考えます。
改めて利用者支援事業特定型である子育て応援相談員の業務の整理について、また三月中の子育て応援相談員のリソースを本来の事業目的である保育の利用支援に割けないか検討をいただきたいです。見解を伺います。
◎増井 子ども家庭課長 区におきましては、子育て応援相談員は世田谷版ネウボラチームの一員として、妊娠期からかかわりを持ち、行政の情報を中心に伝える役割を、また基本型である地域子育て支援コーディネーターは地域の子育ての資源、情報など、地域の中での情報を伝える役割を担っております。内容が相談内容という意味では重なってくる部分もございますが、それぞれの立場、役割から連携し合い、相談支援を行っているところです。
◆そのべせいや 委員 区の業務、本来目的が何だったかということを改めてほかの事業も含めて忘れないように、そのために実施をしていただければと要望して、終えます。
以上です。
○阿久津皇 委員長 以上で都民ファーストの会の質疑は終わりました。
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○阿久津皇 委員長 続きまして、区民を守る会、どうぞ。
◆くりはら博之 委員 区民を守る会、くりはら博之です。
私からは、感染症から区民を守るという視点から、感染症ワクチン接種の際の助成について質問をいたします。
まずは、都内でも感染者が出ており、全国的に肺炎の発症により死者も生じている
新型コロナウイルスへの区の対応について伺おうと思いましたが、この問題に関しては、これまで他の委員からもさんざん質問されているため、もはや繰り返すことはいたしません。
今、あらゆるマスメディアやインターネット上でさまざまな情報が氾濫し、錯綜している状態であり、確かに用心は必要ですが、区民が必要以上の心配と不安を強いられている面もあろうかと思います。大切なのは、区民一人一人がこの新型ウイルスについて正確に知り、正しい予防策をとることでありますが、区は区民に対しての、この新型ウイルスがどういうものか、周知広報と感染予防策の推奨のために、そして区民の不安を少しでも除去し、風評被害などをなくすためにどのような策をお考えかお伺いいたします。
◎鵜飼 世田谷保健所副所長 御指摘のように、インターネットやSNS上の一部では、今回の感染症に関する根拠不明な予防策、患者個人や家族、勤務先などの情報や、一方的な書き込み等が見受けられる中、区といたしましては、適切にこのコロナウイルスに関する正しい情報提供を行うことは重要であるものと認識しております。
区では、区民が今回の感染症に対する正しい知識を身につけ、区民の適切な行動をとるよう促す一助といたしまして、世田谷保健所からの重要なお知らせを区のホームページやツイッターなどで配信するとともに、区の窓口等に広く掲示しております。
今後も区民の誤解や風評被害等を防ぐために、常に最新の情報等を広く発信し、区民の不安払拭に努めてまいりたいと存じます。
◆くりはら博之 委員 答弁ありがとうございます。
今回の
新型コロナウイルスは、中国で発生し、侵入してきたものでありますが、我が国には麻疹、つまりはしかや風疹といった古くからの伝染病があります。特に麻疹は、ウイルスによって引き起こされる急性の全身感染症であり、ウイルスの感染経路は空気感染、飛沫感染、接触感染で、人から感染が伝播し、その感染力は非常に強く、免疫を持っていない人が感染すると、ほぼ一〇〇%発症し、二、三週間の潜伏期間の後、高熱、せき、鼻汁、目やになどの症状が数日間見られ、発熱が一時おさまりますが、再び三十九度から四十度の高熱と発疹が出ます。
かつては幼少期に多くの人が罹患を経験し、一度感染して発症すると、一生免疫が持続することから、成年以上になってなる人は少なかったものの、近年、幼少期に経験せずに成長する人が多いことから、高校生、大学生、社会人になってウイルスに感染し、発症する人も多くなっております。
これを受けて、国では平成二十年より五カ年、中学一年相当、高校三年相当の年代に二回目の麻疹ワクチン接種を受ける機会を設け、一歳以上二歳未満、そして五歳以上七歳未満で、小学校入学一年前の四月一日から入学する年の三月三十一日までのお子様に定期予防接種を行い、区では、その機会を逃してしまったお子様に対してワクチン接種の助成を行っております。
しかし、年齢を重ねれば重ねるほど、罹患した際に重篤化するリスクが高く、ワクチン接種の重要性を広報していくことが大切と思いますが、ワクチン接種には、地域や医療機関によって六千円から一万円かかり、公的保険の対象になっておりません。そのため、ワーキングプアと言われるような低所得の方、年金生活者、生活保護受給者の方などには重い経済的負担になるのですが、罹患歴、ワクチン接種歴のない中高生や大人に対するワクチン接種の助成について、区のお考えをお伺いいたします。
◎鵜飼 世田谷保健所副所長 麻疹は、昭和五十三年に予防接種法上の定期予防接種に追加され、それ以降の法改正を受け、委員のお話にありました年代は、麻疹風疹混合ワクチンの定期予防接種を勧奨し、無償で実施しております。
国の調査では、当該世代における年齢別の抗体保有状況はおおむね九五%を占めております。また、幼児、児童への同ワクチンの未接種に対して、一定年齢に至るまで、区独自の公費負担で予防接種を無償で実施するなど、麻疹等の発病防止、蔓延予防等に努めております。
区では、引き続き、この無償で受けられる麻疹風疹混合ワクチンの個別勧奨、また区ホームページの周知等を通じて接種率の向上に努めてまいります。
◆くりはら博之 委員 以上で質疑を終了いたします。
○阿久津皇 委員長 以上で区民を守る会の質疑は終わりました。
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○阿久津皇 委員長 続きまして、無所属、どうぞ。
◆青空こうじ 委員 私からは、認知症支援について伺います。
世田谷区では、高齢者の人口はふえていて、認知症の高齢者もふえていると聞いています。我が家のことですが、昨年亡くなってしまったが、認知症のおばあちゃんが十年間一緒に暮らし、長年介護をしてきました。おばあちゃんは物忘れもあり、自分の娘のことも忘れてしまい、私のことは社長と呼んでいました、本当に。でも、昔のことはよく覚えていて、時々昔の話をしてくれました。我が家の長男がよくおばあちゃんの面倒を見てくれて、おばあちゃんの大好きだった美空ひばりさんの歌を聞かせますと喜んでいたことを思い出します。
その関係で、私は、地域の認知症家族の会や北沢総合支所で行っています家族会にも参加し、認知症の方の介護をしているいろいろな話を聞くことができます。おばあちゃんが亡くなった後も、引き続き家族会に参加しています。
私にとって認知症は、今でも日常的なものでもあります。認知症は誰もがなる可能性もあり、家族や身近な人が認知症になることを含め、多くの人にとって身近なものとなっています。
区では、認知症に関する条例の制定に向けて検討していて、二月には世田谷区認知症とともに生きる希望条例の骨子をまとめたと公表しました。基本理念は、認知症の本人が自分らしく生きる希望を持つことができ、その場所で暮らしていても意思と権利が尊重され、みずからの力を発揮しながら安心して暮らし続けることができる地域をつくるということでございます。認知症になっても住みなれた地域で、希望を持って暮らしていけることはとてもよいことだと思っています。条例をつくり、認知症になっても住みなれた地域で希望を持って暮らし続ける地域をつくるとありますが、区は認知症施策をどのように進めていくのか、まずこれからお答えください。
◎佐久間 介護予防・地域支援課長 認知症になってからもよりよく暮らしていくための準備として、みずからが希望する生活を書き記す私の希望ファイルなどの普及啓発に努めてまいります。
現在、二十八カ所のあんしんすこやかセンターにおきまして実施しているもの忘れ相談窓口など、身近な地区の中での相談事業を、認知症在宅生活サポートセンターの支援を受けながら、さらに充実させてまいります。
また、地域の中での見守り活動においては、町会・自治会への啓発を初め、事業者へ見守り活動への協力依頼や、商店街には高齢者見守り支援協力店の御協力を一層働きかけてまいります。
条例制定後の具体的な認知症施策につきましては、認知症御本人や御家族、条例検討委員会等の御意見を伺いながら策定してまいります。
◆青空こうじ 委員 認知症の家族会に今でも通っていますが、先日、北沢総合支所で開催した家族会に参加しました。今回は珍しく近所の男性も参加していました。同じ介護をする者同士集まり、うちではこのような介護をしたらうまくいったよとか、そういうことを聞くことができます。とてもこれは参考になると思います。
気持ちを楽にしたり、今回は認知症を介護する専門家も来られて、認知症に対応したデイホームの話やデイサービスの話、介護者の気持ちの持ち方、介護に大切なポイント等のアドバイスを受けることもできました。
このような家族会は、認知症を介護する家族にとって、悩みや不安を話せ、また意見交換もできる大事な場となっています。認知症条例を検討する中で、認知症の本人やその家族の意見を聞いていくと、また認知症の施策を検討する中でも、御本人や御家族の意見を聞いていくことは大切なことと考えております。
条例の検討や認知症施策の検討をしていく中で、御本人や家族の意見はどのように聞いているのでしょうか、区の見解をお伺いします。
◎佐久間 介護予防・地域支援課長 条例の検討に当たりましては、これまで認知症の御本人や御家族を含む区民が参加するワークショップを二回開催するほか、条例検討委員会にも認知症の御本人とパートナー、御家族に御参加いただき、御意見を伺っております。
条例骨子案の中では、区の責務としまして、認知症施策の実施に当たりましては、常に認知症の本人の視点に立ち、本人及びその家族の意見を聞かなければならないとしております。
今後も条例や認知症施策の検討及び評価の際に、御本人と御家族の意見をしっかりお伺いし、御本人と御家族の視点を重視した認知症施策に取り組んでまいります。
◆青空こうじ 委員 いよいよ、四月に梅ヶ丘に保健医療福祉の拠点「うめとぴあ」が本格オープンします。区の施設である保健医療福祉総合プラザを開設し、その中には、健康診査や検診、また健康教室を実施している保健センター、夜間や休日の初期救急医療を行う初期救急診療所、福祉の専門人材育成の拠点である福祉人材育成・研修センターのほかに、認知症の人の在宅生活を支援する認知症在宅生活サポートセンターが入ると聞いております。
そこでお伺いしますが、認知症在宅生活サポートセンターは、認知症の在宅生活を支える拠点と言っていますが、どのようなことを実施していくのかお伺いします。
◎佐久間 介護予防・地域支援課長 四月に開設する認知症在宅生活サポートセンターでは、具体的にはこれまで先駆的に取り組んでまいりました専門職チームによる認知症の方の御自宅に訪問して支援していく初期集中支援チームの事業等を拡充するとともに、認知症サポーターフォローアップ講座、家族のためのストレスケア講座などの内容の充実に努めてまいります。事業の実施に当たりましては、あんしんすこやかセンターなどを後方支援し、関係機関との連携を強化してまいります。
認知症在宅生活サポートセンターを認知症の方の在宅生活を支える拠点として位置づけ、誰もが安心して暮らし続ける地域共生社会の実現に向け推進してまいります。
◆青空こうじ 委員 世田谷区においても、少子・高齢化と言われていますが、今の高齢者が頑張ってきたおかげで安心して暮らしていける社会ができました。子どもに関する施策も大切だと思いますが、高齢になっても、認知症になっても住み続けたい、地域で希望を持って暮らせていけるように施策を推進してほしいと要望して、質疑を終わります。
○阿久津皇 委員長 以上で無所属の質疑は終わりました。
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○阿久津皇 委員長 続きまして、自由民主党、どうぞ。
◆山口ひろひさ 委員 コロナウイルスで、アメリカではコロナビール、これの売れ行きが鈍っているんじゃないかというようなニュースを聞きました。このアメリカの世論調査ですけれども、いかなる状況下でもコロナビールは買わないという人が三八%いるらしいんですけれども、逆にコロナビールのほうは売れなくてちょっと心配なんですけれども。
日本においては、マスクと消毒液というのはしようがないかなと思いますけれども、いろいろSNSの中で、トイレットペーパーがなくなるとか、僕も知り合いからLINEが来まして、スーパーの棚にトイレットペーパーと、そのほかにお米、カップラーメン、それからキッチンペーパーというんですか、もうそれが棚にありませんなんて、そんな情報も、それからしばらくすると納豆が売れちゃってなくなるんじゃないかとか、ヨーグルトが菌に対していいんじゃないかということで売れているそうです。普通に生活していればそういうことが起きないわけですけれども、こういうウイルス、なかなかわからない部分が多いんで、その不安の中でそういう行動に出てしまうのかなというふうに思うんです。
私はコロナと聞くと、コロナビールじゃなくて、やっぱり高度成長、そして車社会の中で育ちましたんで、トヨタ・コロナという車をイメージしちゃうんですよ。まだ最初のころは新型コロナなんていうんで、トヨタの宣伝かななんて思ったんですけれども、ところがどっこい、これはウイルスの話でして、当時は、コロナというと、トヨタと日産でライバル関係だったんで、コロナとブルーバードだったんですけれども、こうして時代が流れてきて、コロナもブルーバードももうなくなっちゃいました。そういう意味では、今トヨタはコロナは売っていないということは、先見の明があったのかなという気もしないでもないんですけれども。
ただ、もう一つ、この中で僕はすごいなと感じたことは、このコロナウイルスの話が出てきてですよ。片や日産のほうは元会長のゴーンさんがプライベートジェットで、貨物でどこかに飛んでいっちゃったという話がありました。実際はレバノンに飛んでいっちゃったんですけれども、この話題がコロナの話が出る前には結構ニュースでも取り上げられていたんですけれども、もうすっかりこの話題はどこかへ飛んでいっちゃってもう出てこないんです。一部では、あの話ゴーンなったんだなんていうふうに言っている人もいるらしいんですけれども、そういう意味でも、ある意味、トヨタというのはすごいんだなというふうに感じていたんです。
ただ、こんな悠長なことを言っている場合じゃなくて、多分最初出たころは、まだ対岸の火事だなというような感じはあったと思うんですけれども、いよいよ世田谷区でも感染者が出てしまったわけです。午前中も、そして先ほど一人会派の方も触れていましたが、かぶる部分はあるんですけれども、保育園で感染が出ましたけれども、企業型ということで、僕は本来、区として先にこういう情報というのは出しておくべきじゃないかなというふうに思っているんですけれども、その辺をもう一度ちょっと確認させてください。
◎有馬 保育認定・調整課長 今回、公表に当たりまして、区は三月四日に区内企業主導型保育所職員の
新型コロナウイルスの感染について公表いたしましたが、園名を公表しなかったことに伴いまして、公表に関する区の考え方のほか、感染方法、消毒方法、健康観察の方法等、さまざまな御意見をいただきました。特に不安に思われている方々の御意見の中には、
新型コロナウイルスの感染が飛沫感染や接触感染だけではなくて、空気感染するのではないかとの声が多くありました。
今回の発表に当たりまして、区民が不安に思っている質問とその回答を発生報告と同時、または直後に発信することによって、区民の不安を少しでも払拭できたのではないかと反省しているところでございます。現在は、区民から多く寄せられる質問とその回答をホームページに掲載しておりますが、引き続き関係部署と連携を図りながら、区民に感染症のリスクをできるだけ正しく理解いただき、少しでも不安が払拭できるように情報発信に努めてまいります。
◆山口ひろひさ 委員 個人情報とか、個人の権利だとか、あと風評被害とか、いろいろなことが考えられて、午前中の質疑の中でもその情報の提供というのは非常に難しいというようなところがありましたけれども、ただ、僕個人として考えると、これは別に悪いことじゃなくて、病気というか、ウイルスなんですから、感染症なんですから、ここにいる誰だって感染するおそれというのはあるわけですよ。僕もちょっと本当に息苦しいんだけれども、検査していないんで、健康でも今回のウイルスは陽性だという、症状が出なくてもとあるんで、マスクをさせていただいてしゃべっていますけれども、そういう意味では、ある程度出せる情報というのは出して、そしてその中で、やっぱり個人で守らなくちゃいけない部分というのはいっぱいあるんで、やはり注意喚起をして、そして個人が一人一人がやっぱり感染しないんだ、感染したらうつさないんだという気持ちで、闘っているのはウイルスですから、臨んでいかなくちゃいけないと思うんですよ。
そういう観点から考えれば、先ほどの答弁の中でも、区の事業じゃないというような言い方もありましたけれども、そういうことではなくて、僕はやっぱり区民の命と健康を守るんであれば、そういう部分でしっかりとした正しい情報を出すのが私は一番だと思うんですよ。その中で風評被害だ云々というふうに出てくるのは、もう今常だと思うんですけれども、逆に区でその風評被害を風評するぐらいのやっぱり気持ちがあったほうがいいんじゃないかなと思うんですけれども、今後の取り組みに関してはどうでしょうか。
◎知久 保育担当部長 今後、こうした事案が生じた際、あるいは区民の方々に御協力を仰がなければいけないといった事態、感染の拡大の懸念は生じることが想定されます。一方で、やはりその人権への配慮、この点にも鑑みつつ、東京都、保健所と協議の上、個別の案件ごとに区民に公表すべきであると判断した情報を提供してまいりたいというふうに考えています。
◆山口ひろひさ 委員 今、東京都というお話だったんですけれども、先ほどの答弁の中に、東京都と世田谷区の保健所と十分協議をしながら、保健所ということも入っていたんですけれども、保健所長、その辺はいかがですか。
◎辻
世田谷保健所長 今般のコロナウイルスの感染症につきましては、ルールとして東京都が公表することになっておりますので、東京都と協議をしながら、あと区の考え方も、
健康危機管理対策本部の中で決定しながらやっていきたいというふうに思っております。
◆山口ひろひさ 委員 今、東京都のルールというのがあって、なかなか世田谷でやりたくても東京都のルールがあるからという部分があるのかなと、それは理解するんですけれども、例えばいろいろニュースで見て、どこの自治体で感染しましたって記者会見とかをやっていますけれども、この記者会見というのは、その自治体、例えば県と市との関係だとか、そういう中のルールで、東京都と世田谷区のルールとは違うからだということなんですか。逆に言うと、足立区なんかはもう記者会見をやりましたよね。こんな一対一の話になっちゃって申しわけない。
◎宮崎 副区長 今お尋ねの記者会見について、特に東京都のほうとやるやらないということについてルールがあるというわけではございませんで、当然その記者会見も一つの情報発信のスタイルですので、例えばこれをリリースするとか、ホームページにアップするとか、近隣の方にはやっぱり御案内をちゃんと出すとか、それはもうやり方ですので、特に記者会見ということに限って何かルールをつくっているということではございません。
◆山口ひろひさ 委員 保健所長は専門家ですから、僕は素人なんで、世の中素人のほうが多いと思うんで、どうやったらこれを防げるかというのを考えると、やっぱり正しい情報と、いかに自分が感染しないか、そして感染したら、一日も早く、これは対症療法しかないんで、特効薬とかがまだできているわけじゃないですから、免疫力を高めてウイルスを自分の力でやっつけると。ただ、高齢者とか、持病を持った方というのは、なかなか重病化、そして重篤化するというふうに言われていますけれども、それでも早期発見、早期対応というのがやっぱり基本だと思うんですよ。そうすることによって、軽症で八割の方は治るから、そんなインフルエンザと変わらないんだなんて言っている人もいますけれども、やっぱりその八割、何が起こるかわからないから、みんな不安を持っているのです。その八割の部分を、そういう情報、早く対応する、先ほど検査の件もありましたけれども、そういったところで状況をしっかりと把握することによって、この八割で済むのも、九割、また十割に近くなるんじゃないかなというふうに僕は思っているんです。
だから、そういう意味で、今、記者会見というような話もしましたけれども、区長はいろいろ記者会見がお好きでよくやられていますけれども、これは僕の個人の感覚かもしれません。区でこういうことをやりますと、いい話題のときはどんどんやるんだけれども、例えばこの間の水害のときのいわゆる説明会、二回やりました。僕はちょっと二子玉川のほうしか行けなかったんですけれども、区長は来ていないわけですよね。何となく、何か問題が起きて、区民の方から責められる部分に関しては、俺は余り好きじゃないよという感じで記者会見を避けているような感じがするんです。僕はうちの家族で、足立区が記者会見をやった中で、何で世田谷区はやらないんだと。よくうちの家内は、スーパー銭湯じゃないですけれども、温泉が好きで、温泉の人とよく友達になってしゃべっているんですけれども、やっぱりそういうことを言う方が多いということは、言っていました。
でも、世田谷区は何で記者会見をやらないんですか。
◎宮崎 副区長 記者会見をやるやらないというのは、もちろん区長と相談をしながら決めますが、例えばですけれども、区民の方に、先ほど委員からもお話があったように、自己防衛をしてほしいとか、その協力を仰がなきゃいけない、これが特に区内の中でも、エリア的に言うと少し広がってくる、こういうときには、これは私の考えですけれども、ぜひ区長のほうには記者会見を進言したいと思います。
今般の部分については、先ほど申しましたように、言ってみれば、個人の尊厳をどうやって守るのかという問題と、区内の保育施設ということにとどめて、その部分の伝え方の部分で、特にリスクという部分についてが広がるという可能性がそのときには見られていない。そういうことからすると、リリースという形のもので対応したというのが結果でございます。
◆山口ひろひさ 委員 今、副区長に答えていただきましたけれども、保健所長は専門家でありますし、そういう意味では、いろんな部分で、そのルールの中で、自分の考えができないという部分もあるのかもしれないですけれども、専門家の立場から、例えば区長に助言をするとか、区長がやらないんだったら私がやりますとか、そのぐらいの権限というのはないんですか。
◎辻
世田谷保健所長 健康危機管理対策本部というのがございまして、そちらは本部長は区長でございますけれども、私の立場としては、専門的な助言という形で意見を申し上げることはございます。
今回の報道につきましても、先ほど副区長が申しましたように、危険性という意味では、先ほどちょっと言及がありましたけれども、病気のうつり方がインフルエンザと同じなんです。そうしますと、例えば保育園で出ても、どんどんその周りを通っただけでうつるなんていうことはあり得ないので、そういう形で、患者さんの人権、その他に配慮しますと、そこまでの危険がないので、保育園で閉じた形で対応すれば、十分感染は防げるということで判断いたしまして、今回のような発表になったということでございます。
◆山口ひろひさ 委員 ぜひ保健所長、専門家なので、区長は医者でも何でもないし、あれですから、ぜひいろいろな縛りはあるのかもしれませんけれども、いろいろテレビで出ているお医者さんとかもいらっしゃるじゃないですか。ああいう方と同じ意見か、またちょっと違う意見もあるのかもしれないですけれども、やっぱり区民の健康と生命を守るという立場にいらっしゃる方なんで、ぜひそういうところの情報発信ですとか、区民の安心につながるような対応をぜひ努力をして、いろいろ縛りがあって難しい部分もあるのかもしれないですけれども、要望させていただきます。
次に、実はちょっとこれは御本人の許可をとっていないので、イニシャルで言わせていただきますけれども、私のマンションのポストのほうにHシマ議員の区政レポートが入っていました。どうもありがとうございました。見るとわかっちゃうんだな。その中で、これを読ませていただいて、僕もすごく勉強になる部分がいっぱいありますし、すごく印象に残っていた一般質問のことを取り上げられていて、えっ、盲導犬もだめというやつで、たしか十九号の避難所のときに、盲導犬を連れて多分避難所に行かれた方がいて、それを世田谷が拒否したというような話だったんですけれども、僕もまさかとあのとき聞いていて思っていたんですけれども、これが、所管が違うから答えられないかもしれないけれども、実際、Hシマさんは知っているのかもしれないけれども、事実かどうだかというのは、ここではちょっと答えられないですよね。――答えられないことで、後でHシマさんにちょっと確認します。
僕自身、やっぱりこういうことはあっちゃいけないなというふうに思いますし、なかったと信じたい一人なんです。それで、このレポートの中に、区はペットを初め、動物全てを受け入れを断っていたことが判明というふうに書いてあったんですけれども、多分そこのHシマさんのほうはあれかもしれないですけれども、僕のほうも地元の小学校と、おくれて中学校が避難所として開設されたんですけれども、小学校のほうは正直ペットの受け入れというのはやっておりました。僕のところにも、実は次の日に、小学校では受け入れていたんですけれども、中学のほうはちょっと受け入れを断っていた部分があったらしいんですよ。それで、その方が言うには、国でも同行避難というのは認められているのに、何で世田谷が断るんだというような、ちょっと強い剣幕で言われていた方もいらっしゃるんですけれども、ただ、これは急遽開設した、対応だった、想定していなかった対応なので、その中での一種の統一ができていないというのは、本当は理解できるんですけれども、だから、こういうやっぱり教訓を、これは世田谷区にとっては防災避難所運営に関してすごくいい実例ができたと。それをしっかりとやっぱり次に生かしていくということが大事だと思うんですよ。
僕もペット、犬、老犬を飼っていますけれども、例えばペット同行避難できるんだよというので、じゃ、連れていけばいいんだだけじゃないと思うんですよね、こういうのって。避難所というのは、いろいろ、アレルギーの方もいるし、動物が嫌いな方だって来るわけですから、その中でやっぱり飼っている人の、同行避難しないで済めば一番いいんですけれども、どうしてもそうせざるを得ない場合に、やっぱり飼い主の責任、責務というのがあると思うんですけれども、ちょっとその辺を確認したいんです。
◎加藤 生活保健課長 避難所には多くの方々が避難され、委員御指摘のように、その中には動物の苦手な方や動物の毛などにより引き起こされるアレルギー疾患をお持ちの方がいることが想定されます。区では、避難所で同行避難を希望される飼い主に対しましては、餌や水、ケージなどを持参することに加えまして、避難者とペットの滞在スペースは完全に分離することなど、区の
避難所運営マニュアルに定めた標準的なペット同行避難のルールに従うことをお願いしています。
さらに、日ごろからペットが人やほかの動物を怖がらないことや、ケージに嫌がらずに入ること、ノミやダニを予防することなど、避難所で生活する上でも必要なしつけとそれから健康管理に心がけるよう、飼い主に促しています。区民の方が相互に安心して避難所生活を送れるよう、ペットとの同行避難を希望する飼い主には、このルールを御理解いただきまして、各自責任を持った行動をとるよう働きかけてまいります。
◆山口ひろひさ 委員 責任を持った行動をとるようにということで、やっぱりそれを、ここで決まっているんですけれども、いかに一人でも多くのペットの飼い主がそれを理解していくかというのが大事であって、またそこのPRというのが非常に大切な部分だと思うんですけれども、実際に避難所でこういうトラブルがあった中で、次につなげるために、この辺のPRに関してはどんなふうに力を入れていくおつもりですか。
◎加藤 生活保健課長 区では、飼い主がペットと同行避難するに当たっての標準的なペット同行避難のルールや、日ごろからの備え等をわかりやすく解説しましたリーフレット、こちらは災害時にペットを守るためにという題名のリーフレットを作成してございます。
これまでも地区の方が多く参加する避難所運営訓練や防災塾などに加えまして、犬のしつけ方教室や動物フェスティバルなど、ペットの飼い主が多く集まる機会、こうしたところを活用しまして、このリーフレットを用いて普及啓発を実施してございます。
また、東京都獣医師会世田谷支部の協力のもとに診察時に区内の獣医師からリーフレット等を渡すなど、飼い主への説明も行ってございます。
今後もペット同行避難のルール等に関する飼い主への理解を広げるため、機会あるごとに普及啓発等に努めてまいります。
◆山口ひろひさ 委員 ぜひそこのPR、そして一人でも多くそういうルールを知るというのが本当に大事なのかなと思うんです。
僕もちょっとそれを見させていただいたときに、やっぱりもう一つ注意しなくちゃいけないのは、大型犬はたしか避難所では受け入れられないんですよね。もちろんスペースの問題があるから、僕も犬の散歩をしていて、大型犬を飼っている方とすれ違うときがあるんですけれども、やっぱり大型犬はだめだよというところ、そこには大型犬の飼い主のやっぱり自分の責任、あとは、どうしてもそうなった場合には、例えば今、世田谷区では避難所の同行避難のペットのボランティアも募集して、登録をされていらっしゃいますよね。そういう方も講習とかを受けていろんな知識が入っていると思うし、またNPOの方なんかは、いろんな被災地でそういう経験もされている。例えばそういう方に相談できるシステムをつくるとか、あとは自分で獣医さんと相談してどうすればいいんだというところ、共助の部分になると思うので、自助と共助の中でやっぱり解決をしてもらいたいというところもしっかりと理解をしてもらうことが大事なのかなというふうに思いますので、ここはPRの中でしっかりと努めていただきたいと要望しておきます。
それと最後に、盲導犬の話をしましたけれども、世田谷区に盲導犬て、介護犬を含めると八頭というか、八匹しかいないそうなんですよ。それで、僕が思うには、この数であれば、例えばどの辺の地域に何頭います、この辺の地域に何頭います、そういうのを把握して情報を、例えば区のほうで持っていれば、例えば災害時に避難所になった場合に、こういうことも考えられるよという情報が入っていれば、決してこういう悲しい対応というのは、あったかないか、ごめんなさい、僕は本当にわからないんだけれども、こういうことは発生しないと思いますので、ぜひその辺の情報共有をして、避難所というのはそれでなくてもトラブルが発生しやすいところですので、少しでもそのトラブルをなくすという観点から、ぜひ努めていただきたいと思います。
私の時間が来ましたので、加藤委員に交代をさせていただきます。
◆加藤たいき 委員 私からも
新型コロナウイルス関連を聞いていきますが、多少重複する部分があるかと思いますが、そこら辺はよろしくお願いします。
先日、企業型保育施設内にて従事する方が罹患され、区内では初の感染者になったわけですが、この間の予算委員会でも情報提供のあり方については問われてきました。私自身も、地域だけでも先に出すということが、区としての誠意だというふうに思っております。
ただ、今回の企業型保育施設は、みずから名乗り出て非常に誠実な対応をとられたと私は認識しておりまして、また勇気がある決断だったなというふうに思っております。
そこで、気になるのが、各自治体によって感染者の公表方針の差です。大阪市だと居在地を初め、行動歴に関しては必要に応じて詳細な場所まで公表するとしていますが、東京都は、居在地は都在住までしか出さず、行動歴に関しては必要に応じて利用交通機関までとしています。都は余りにもざっくりしているため、特別区等の判断である一報一報が区民の方々の不安感を取り除くためには非常に大事かと思います。
総括質疑では、エリアを明かさないとしておりましたが、先ほども答弁があって、東京都の協議という話もあったんですが、この東京都の公表方針に今後も倣って、これからも公表しないとするのか、まず、そこは端的に教えてもらえたらなと思います。
◎辻
世田谷保健所長 感染症法の基本理念に患者等の人権の尊重がうたわれていることに加えまして、国、地方公共団体及び国民の責務としても定められております。さらに国は、感染症患者が発生した場合の情報の公表に当たっての基本方針を保健所を設置する自治体へ通知しております。
国の基本方針では、感染症によるリスクは個人、社会に与える影響を最小限とするため、発生状況等を積極的に公表する必要があるとしつつも、不当な差別、偏見が生じないように、個人情報の保護に留意することが示されております。具体には、公表できる情報は患者の年代、性別、居住する都道府県や発症日時、感染推定地域や感染源との接触等に限り、氏名、国籍、職業や居住地及び入院した医療機関名など個人の特定につながる情報は非公開としております。
東京都の
新型コロナウイルス感染症に関する報道におきましても、この基本方針を遵守し、区も同様な対応として感染者の詳細な行動歴等の公表は控えさせていただいております。
今後も区民の個人情報を保護する観点から、これら情報の発信等の際は十分に人権に配慮しつつ対応してまいります。
◆加藤たいき 委員 この件の情報公開というのはするかしないかどちらかにかじを切って、グレーというのは多分一番やってはいけないことだと思っております。
今回、企業型保育施設が公表した背景というのを少し伺いますが、区として公表することを事業者側に望んだのかというのをまず一点教えてください。
◎有馬 保育認定・調整課長 公表の有無は区でもケースごとに判断することになりますが、今回のケースでは、区の考え方、具体的には、緊急時に情報の発信は必要だと、重要であること、また一方で、個人情報を守る必要性というお話をしています。その上で、仮に公表するとした場合に、職員及び特に近隣にお住まいの園児の個人情報が守られるかどうか。保護者に対して、その公表に対しての理解が得られるかどうかというのをお話をしています。
また、公表しなかった場合には、休園すれば当然近隣住民に必ず伝わってしまうこと、また消毒をする際には、近隣に説明しなければならないこと、また、開園に向けて近隣との関係性が困難になること、こういったことをお話をし、協議を重ねた結果、最終的に事業者が公表するという判断に至ったというのが経緯でございます。
◆加藤たいき 委員 これは先ほど述べたとおり、都が一括して情報を取りまとめて、感染者を発表していましたが、世田谷区のケースでは、エリアを除いたものの、先にプレスリリースで保育施設より一日早く先に出して、都の公表基準と違う中で公表に踏み切ったというところで、この件で、あと東京都との公表方針とずれがある中で、東京都とどういったやりとりがこの後、後にあったのか、言える範囲でいいんで、あったら教えてください。
◎知久 保育担当部長 プレスリリースを行いました三月四日時点では、保育施設の職員の感染が全国でもまれなケースであり、区民への影響も大きいと判断し、この件に関しましては、事前に、東京都とも協議、やりとりを行い、本来の感染症対策における東京都のプレス発表とともに、世田谷区内の企業主導型保育所の職員という形で区独自のプレス発表を行ったところです。
緊急事態が発生した場合に、発生事象の事実関係、区の緊急対応内容や方針、今後の見通しなどについて、いち早く区民にお伝えすることで、区民自身が行う緊急対応につなげてもらい、拡大被害、二次被害などへの区民の不安感を解消することが緊急時の広報の目的となってまいります。
一方で、今回の発表に当たり、一、感染された方及び園児の個人情報保護や人権に配慮する必要があること、二つ目としては、民間の保育園の事例であり、事業所の責任において公表を行う方向で、先ほど御答弁したとおり調整を行ってきた、こういった理由から、区は園名の公表を見送ったところです。
この事後ですが、事前に東京都とも協議をすり合わせておりますので、事後については特に東京都とのやりとりはございません。
◆加藤たいき 委員 これは東京都とやりとりをしていたということですが、これは区民にとっては、一回発表されたということは、今後も発表されるのではないかというふうな期待はもちろん持ってしまうわけで、その上、企業型施設なんですと世田谷区が発表したとしても、それも区民にとっては関係ない話なんです。結局は公表するかしないかというのをしっかりと指針を持って、一回発表しちゃったので、私は発表するべきだと思うんで、今後は人権とかに留意しながらも、ぜひ発表してもらいたいなと思っているわけです。
この間、感染者が出た企業は、全部ではないですが、おのおの公表していて、感染エリアはこの世田谷区でもあった事業者も含めて、企業の倫理観がないと、東京においてはどこで起きてしまったかというのがリリースできていない、公表できていないことになっていて、都も含めてエリアも発表していないと今している世田谷区の行政の責任感を私はもうちょっと考え直してもらいたいなというふうに思っております。
このまま
新型コロナウイルス関連を続けますが、二月二十五日に厚労省が保育所等において、子どもらに
新型コロナウイルス感染症が発生した場合の対応について(第二報)というのが各自治体に届きました。この通達を読むと、もし保育園で感染者が出た場合に、地域全体での感染拡大を抑えることを目的に、
新型コロナウイルス感染者の地域における流行早期の段階において、感染者がいない近隣の保育園等の臨時休園をする必要性が書いてありました。今回の企業型保育施設のケースでは臨時休園をしないとして、先ほど所長もおっしゃっていましたけれども、この件は広がりはあり得ないという言葉があったんですけれども、区として判断は、ちょっと経緯を含めて教えてもらえたらと思います。
◎有馬 保育認定・調整課長 お話しの厚生労働省通知において、感染者がいない保育所等も含む臨時休園については、「公衆衛生対策として、感染者がいない保育所等も含む臨時休園を行うことも考えられる」という記述がございます。これは、一律に一つの園で感染者が発生した場合に、機械的に地域の園を休園するというものではなく、園内での封じ込めが可能であると判断できれば、必要な園に休園の範囲をとどめることができるものと認識しております。
今回のケースでございますが、一点目として、発生時点で該当職員以外の発症者が確認されていないこと、二点目としまして、健康観察対象者が発生園の職員及び園児に限定されていること、三点目として、今回の健康観察対象者とされる職員及び園児が自宅待機となっていること等から、ウイルスの地域への拡大の可能性は極めて低いと判断し、休園の対象を当該園にとどめることとしました。
◆加藤たいき 委員 今回の当該園は九人という小規模な園だったということで、拡大は限定的だったからというふうにとれたんですが、では、区立の例えば百人規模の保育園だったりというのがあったとして、その中で感染症が一人でも出てしまった場合の区の対応はどうするのか伺います。
◎後藤 保育課長 感染者がいない保育所等の臨時休園については、感染の発生した園の定員等の規模により休園実施の判断をするものではなく、周辺園、地域へ感染を拡大させる可能性の有無を踏まえた上で、個々のケースごとに判断をすべきと考えております。
また、定員規模の大きい区立保育園のお話が今ありましたが、感染者の行動歴を把握しまして、確認された濃厚接触者の範囲ですとか、人数などから、全館を休園させるのか否か、また健康観察者とされる方々を決めていくといった対応が基本になるものと認識してございます。
◆加藤たいき 委員 世田谷区の保育園、大きいところでくっついている保育園もあったりするんで、多分非常に難しいケースが生まれてしまうと思うんですけれども、基本的に閉めてしまうと、この保育園、多方面に影響が出てくるということで、であるならば、やっぱり地域をしっかり公表して、地域全体で問題、この
新型コロナウイルスの感染を広げないという問題を共有していかないと私はいけないというふうに思っておりまして、現在の情報社会、SNSが本当に広がっていて、誰もが発信できて、誰でもが受信できて、人権の話がありましたけれども、公表しないと犯人捜しで逆に広がってしまったり、うそだったりというところも、どれが本当なのかというのをSNSで見つけるのって正直すごい難しい中で、そこも踏まえて公表をしっかりと信用できる行政から出すというところの指針を改めてこれは求めておきます。
この保育園の件でわかったんですけれども、この件で学童でもし起きてしまった件はどういうふうに対応するのか伺います。
◎相蘇 児童課長 発症した場合の対応については、即時的確な対応ができるということは大事だろうというふうに思っております。
今回の場合、発症者が子どもであるか、保護者であるか、職員であるか、また学童クラブであるか、BOPであるか、検査の必要性であるとか、多岐な条件があるかと思っております。
そういったところで、多くのパターンがある中で考えていかなきゃいけないということと、また学校の中に存在しているということから、学校との連携、それから協調した対応というのは不可欠だと考えています。
今お話がありました保育の例も参考にしまして、対応の方法を早急に定めて取り組んでいきたいと考えております。
◆加藤たいき 委員 学童で感染した場合は、保育園よりも通っている人、また、業者だったりもいろいろ入っているんで、影響がかなり大きくなってしまう、大変危惧していて、学校も大きい箱ですし、それを閉めるとなったらもうかなり大変な状況になると思うんですが、これはBOPの部分も考えなくてはいけないし、教育委員会マターにもなってくると思いますが、学童は児童課ですので、シミュレーションもした上で、幾つか方策もある程度考えておかなくてはいけないというふうに思っておりますので、その辺は考えてください。
総じて言いますが、今回の大きな問題は、先ほど山口委員からもありましたけれども、区長の考えが全く私には見えてきておりません。足立区の話がありました。あそこは三月五日に区立小学生と認可保育園の園児が感染してしまって、足立区長が表に立って会見を起こして、この
新型コロナウイルスに関しては自治体に方針や運用を結構委ねられている部分があっての今世田谷区の対応だというふうに思っておりますので、区長はしっかりと表で発言してもらって、ツイッターばかりで、イベント自粛や休校要請に対して他人事のように発言していましたけれども、これも所管の方々、宮崎副区長を初め、各所管の方々、大変でしょうが、難局なので、我々議員たちも協力できる部分、かなり小さいと思いますが、一緒に乗り越えていけたらなというふうに思っております。
次に、児童館について聞いていきます。
かねてから児童館の未整備地区の方々から、近隣にも児童館が欲しいと要望があったのも、区としては把握してきたはずです。現在八地区が未整備ですが、学校等との複合化を基本に、計画的な整備をすると改めて出してきたことは一定の評価をしますが、スケジュールが何も見えていません。土地がなかったり、学校改築等のスケジュールもあり、難しいことは承知しています。
奥沢地区でいうと、隣の九品仏地区にも児童館が整備されておらず、隣接区の児童館のほうが近いと聞いております。奥沢だと大田になるんですかね。その児童館で育った子どもも、世田谷区の児童館ではなく、他区の児童館で育った子どもがいるという状況があるのであれば、近接区にお願いして、児童館が整備されるまで相互事業を初め、初めて子どもを持つ親のように、どこに行っていいのか不安な方に周知し、利用させてもらう考えはないのか伺います。
◎相蘇 児童課長 児童館の未整備地区における児童館の整備が完了するまでの間、隣接地区の児童館が当該の空白地区をカバーして、児童や子育て、親子の居場所の確保であるとか、相談支援体制を確保して、情報提供等も行っていくことを考えております。
子どもたちは距離だけではなくて、それぞれの遊びの内容であるとか、子どもたち、友達関係等によって、区内の管轄の地区、地域、そしてまた区をまたいで利用しているということもあり、子どもたちの利用状況であるとか、周辺の既存の資源の状況等も勘案して取り組むことが必要だと考えております。
お話がありました隣接区の児童館の情報については、自区の子どもの利用に限っている自治体もございますが、世田谷区内の情報に限らず、子どもたちが利用できる施設、イベント等の情報については、適宜収集、提供しながら、子どもたちの多様な遊び場の確保を図ってまいりたいと考えております。
◆加藤たいき 委員 いずれにしても、全地区、早期に整備するというのは会派として強く要望しておきます。
そして、児童館の重複地区に関しても考えが出されました。現在、上町、用賀、深沢、喜多見、上祖師谷と五地区に二つの児童館が配置されております。資料によると、一地区一児童館を基本とし、児童館の役割や取り組みのうち、集約等をせずに引き続き担う必要があるものを明らかにし、児童館以外での実施も含め、継続していく方法について、子どもたち、利用者の声を聞き、議会での議論を踏まえ、検討するとしています。
子どもたちや利用者の声を聞いてきました。児童館に通う子どもたちは、一つの学校だけではなく、幾つかの地区をまたぎ、地区境に児童館があったりするわけなんですが、自分たちが行きたい児童館を選び、通っています。もちろん中には私立の子どももいれば、中学生も来てくれて、子どもたちの面倒を見たりと、多世代が多く絡み、情操教育の一環としては最適な場所である、私もすごくすばらしい場所だなというふうに、常々思っているんです。
地域の方々も自分の子どもや孫を連れてきたり、また、子どもたちと一緒にイベントをつくってみたり、地域防災のことを若いママに教えたりしているそうで、交流しながら顔をたびたび合わせ、年齢を超えた地域コミュニティー醸成にはうってつけの場所と私は思っております。それを重複しているからといって、機能を児童館以外の実施を考え、一地域一児童館の考え方には私は到底理解できません。歴史が積み上がってきた地域の連続性というのをやめろということなんでしょうか。
児童館は、地区の相談、見守りネットワークの構築もあり、虐待や家庭状況等の全体像の把握に努めたりと、数を上げれば切りがないぐらい、学校では見えない子どもたちの姿を見ることができる機能が幾つも備わっています。いよいよ児童相談所を開設する世田谷区の考えと相反しているのではないでしょうか、伺います。
◎相蘇 児童課長 児童館は地域における身近で安全な遊び場の一つとして親しまれ、多くの子どもたちが集っているという場所になっていると考えております。
また、児童館で実施する子育てひろばなど、地域の子育て親子同士のコミュニケーションの場となっていますし、児童館で行われているお祭り、キャンプ等の行事、子どもたちを介して、若者や地域の方々が交流する場ともなっております。
こうした児童館の子どもたちの居場所や地域コミュニティー形成、醸成の機能については、重複している地区において、子どもたちの活動の動線であるとか、長年地域の方々から親しんでいただいている状況から、必ずしも一館に集約することが適切でない場合もあるというふうに考えております。
今後、児童館機能のうち、集約せずに引き続き担う必要があるものを明らかにし、児童館以外での実施を含め、継続していく方法について、子どもたちや利用者の声を聞くとともに、議会での御議論も踏まえて検討を進めてまいります。
◆加藤たいき 委員 議会で議論というふうにあるんであれば、我が会派はこの考え方に乗っかることはできないので、見直しを求めておきます。
先日の私、前回の区民生活領域でもちょっと地域行政制度の中でこの話をさせてもらったんですが、その中で、まちづくりセンター自体のあり方を見直しするべきと言わせてもらいました。というのも、現在のまちづくりセンターの機能だと子ども・子育て世帯、若者たちの考えが地域から吸い上げにくく、結果、本庁の政策に反映しにくい状況になっています。もちろん今の総合支所に関しても、政策立案権や予算権、権限の移譲や強化があった上で、まちづくりセンターの権限強化を話したわけですが、それに対して地域行政部の答弁で、地域行政の検討において、区民センター自主事業や小中学校、児童館などの活動、イベントが連携し、活発で魅力的な住民参加の機会を提供されていることを、地域活動、参加と協働のあるべき姿の一つに掲げ、今後まちづくりセンターが重点的に取り組む支援分野と捉え、地区コミュニティーの醸成やまちづくりセンターの役割として検討してまいりますという答弁でした。
現在、若林児童館や山野児童館といった児童館では、まちづくりセンターとの連携をしているようですが、これは全児童館、連携とかをするべきだと思うんですが、どういった考えを持っているのか伺います。
◎相蘇 児童課長 児童館は、幅広い利用者や地域のネットワークを持つという特徴を生かしまして、多様な地域資源と連携協力して、相談支援、見守りのネットワークの中核的役割を果たすということで、子ども・子育て家庭が安心して生活できる地域づくりを目指しております。
そのためには、児童館、地域包括ケアの地区展開における地区の中核であるまちづくりセンターにある地区の三者、まちづくりセンター、あんしんすこやかセンター、社会福祉協議会との連携がより重要であると考えております。
今後、地区の状況に合わせた地区の三者との会議への参加、子ども・子育てに関する課題、施設、人材、取り組み等の情報を共有して、まちづくりセンター等との連携を一層強化しながら、防災なども含めまして、協働して地区の課題解決に取り組んでまいりたいと考えております。
◆加藤たいき 委員 さまざまな地区団体や行政、学校が絡み合って根を張ってもらうことが、地域防災だったり、子どもたちの未来を形成する場所をつくることだというふうに思っております。地区ごとで児童館整備を考えているようですが、子どもの絶対数で縛られるのは私は適当だと思っておりませんので、エリアを決めているのは行政だけの考えで、子どもたちにそこは当てはめてほしくないというふうに改めて申し上げて、次の質問に行きます。
最後に、プレーパークの話をするんですが、前期の中でもプレーパークの中で、見直しで人員の配置の仕方とかという話をさせてもらいましたが、コロナウイルスの問題で、子どもたちはストレスが相当たまって、うちの息子も外で遊びたい、遊びたいと言いながらも、学校、行く場所もなければ、外で、商業施設も今結構閉まっているところも多くて、プレーパーク、この間、話を聞いたら、きのう百人来ましたとかという話があったんです。やっぱりプレーパークも外遊びを推進していくんであれば、見直しするべきで、今、事業として二人分しか雇える余裕がなくて、プレーパークというのは採算がとれる事業でもないので、前回に三人体制で行かないと、二人が常に出ている状態だと、休みがとれないという状況になっていて、プレーパークは休みをつくらなきゃ、休プレーパーク日をつくらなきゃいけないとかという話まで発展しているようなのでという話はさせてもらいましたが、こういったことを考えると、プレーパークだったり、外で遊べる環境というのは世田谷区はこれからもっと推進していかなきゃいけないというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
◎相蘇 児童課長 今回の学校休校に伴って大きな公園の中にある世田谷や羽根木プレーパーク、平日も週末のように多くの利用者が来園していて、居場所のない子どもたちの貴重な居場所として機能していると認識しております。
プレーパークの運営は、NPO法人の職員であるプレーワーカーに加えて、地域住民、世話人、ボランティアとして参加をしております。プレーワーカーの人件費相当の経費については、平成三十一年度に増額をして待遇改善を図っておりますが、お話があった休暇の取得であるとか、世話人の減少、来園者の増加、これら働き方に影響を与える状況があるというふうに認識しております。
外遊びの推進を進めていくためには、プレーパークは重要な場であることから、その安定的な運営に向けて、NPO法人とともに改善に向けた検討を行ってまいりたいと考えております。
◆加藤たいき 委員 プレーパークは重要だというふうに認識があるんだったら、それを進めてもらいたいんですが、砧プレーパークを今、考えてつくろうとしているはずなんですが、今、大蔵運動公園で外でプレーパークの人たちを含め、利用者であろう想定の人と会議体を開いて、外で会議体を開いているんですが、これも世田谷区はイベント扱いにして中心にしちゃっているんですよ。会議体ですよ。これでプレーパークを開いてくださいというのは正直おかしいと思いますよ。プレーパークは重要性があるというところで、片や会議をとめるというのは、これは整合性がとれていないと思うんですけれども、これ一点だけちょっと教えてください。
◎相蘇 児童課長 今回のウイルスの感染防止について、イベントについて一定の基準を決めて、それに従って個々の開催の方法については検討してきたところです。
実際に会議の中止ということでしたけれども、延期も含めて調整をしているところだと思いますので、再度必要性等について確認をして、進めてまいりたいと思います。
◆加藤たいき 委員 最後、意見だけ述べておきますが、今、週に二回のペースで会議をやっている中、四月から週に一回にしてしまうというところもわからないですし、整合性というふうに、今プレーパークは開いている状況で、重要だというふうに言っている中で、片や砧のほうの会議で、外でやっている会議はイベントだから中止だというのは、私はそれはちょっとずれていると思うんです。その辺はしっかりと整合性がとれるように、プレーパークが重要だというんであれば、しっかりとこれからプレーパークと相互協力できるような関係性を世田谷区でも結ぶべきだと思いますので、それを結びで、私からの質疑を終え、河野委員にかわります。
◆河野俊弘 委員 自民党の福祉保健領域の質疑を続けます。
私もちょっと冒頭に一件だけ、コロナウイルスの対策ということで、やっぱり正しい情報を、正しい情報をということで、これまでも委員が申し上げておりましたけれども、やはり今、公園とかは子どもたちがごった返しています。非常にやっぱりにぎわっていて、本当にそれで公園は大丈夫だよというような先日報道もありましたけれども、そういった部分も、区がしっかりと、国が先行してフォローしている部分を補完するような形で、しっかりと情報共有していただきたいというふうに思っております。
私からは、最初に、これは以前にも提案して質問してまいりましたけれども、介護報酬の見直し、これは介護レベルが下がった場合の見直しについての質問をさせていただきます。
自立支援の取り組みとして、利用者の要介護度が改善した場合に、サービス事業者に対してのインセンティブ、成功報酬、報奨金についてということですが、この介護レベルを下げる、あるいは維持する、これは病気を治すことと等しく、介護においては、回復を目指した取り組みというのが進んでおり、そしてそれは介護職の専門性というのをより確立をし、社会的な地位も向上させるということを考えています。
この成功報酬制度を導入することによって、介護サービスの質の向上、さらには長期的な視点で見れば、介護サービスを下げることによって、医療費の削減、在宅に戻った際の介護サービスの給付費の削減につながり、医療、介護の財政効果を得ることができると考えています。
現在の介護保険制度では、要介護度が改善されると介護報酬が低下する仕組みになっており、現制度のままでは事業者への努力、意欲をそぐことにもなる可能性があります。超高齢化社会に備えて施設を利用する方に対する自立支援サービスの向上というのが不可欠であるというふうに思っています。
これも以前、ちょっと取り組みを、他区、他市のほうでは先進的にやっているということで、人口当たりのデイサービスの事業者数が最も多い岡山市では、そういったサービスにおける独自の五つの指標を設定し、サービス事業者に対してその指標を三つ以上上回る達成事業者には、そういった部分の市の予算から十万円の報奨金を支給するといった流れでの実施、あるいは今回この制度を取り入れたことによってのメリットは、評価が高いというふうに言われた事業者に関しては、評価はそれと比べて低い事業者よりも、食事の摂取だったりとか、衣類の着脱の面での利用者自体のその状態の改善であったりとか、表彰をされるということで職員の士気の向上、利用者の心身機能の維持、改善に向けて職員の意識もより高くなっているということで、こういった取り組み、お隣の川崎市でもチーム制度をつくって報奨金を設定したり、都内二十三区の中でも、品川区が先進的にこの取り組みをしております。
伺いますけれども、今回、世田谷区のほうでまず取り組んでいるこのサービスの向上に向けた取り組みについて、一点伺っていきたいというふうに思っています。今回その介護が改善した場合の見直しについて、まず現状の区の見解をお聞かせください。
◎杉中 介護保険課長 介護報酬は、サービスの種類ごとに要介護度、サービスの提供時間、または回数、日数等の要素の組み合わせによって額が定められ、事業所ごとにサービス提供体制等に応じて加算や減算がされる仕組みとなっております。
特養や通所介護等は、要介護度が高いほど報酬が高く設定されているため、利用者の要介護度が改善した場合、改善につながるような介護サービスの質をどのように評価するかが課題となっております。
一方、要介護認定の更新の有効期間が平成三十年度から上限三十六カ月までと期間が延びているため、評価のタイミングが難しいことや、また事業者が状態の改善を見込めそうな利用者を優先して受け入れるということなども懸念されております。
現在、第八期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画の策定に向けて高齢介護部会での議論が始まっており、その中では、介護予防、重度化防止をテーマの一つとして取り上げる予定となっております。区といたしましては、国の動向や他自治体における独自の取り組みなども参考にしながら、利用者や家族等のニーズに沿った介護予防、重度化防止にどのように取り組んでいくのか、部会にも事業者の方も委員に入っておりますので、そういった議論も踏まえ、検討してまいりたいというふうに考えております。
◆河野俊弘 委員 答弁は以前聞いたところと余り変化はないんですけれども、平成三十年度からは上限が二年から三年に変わったということで、その取り組み姿勢を見るというのがちょっと長期化していることでのタイミングが難しいということもおっしゃっていましたけれども、第八期の計画の策定に備えて、あと半年後にも国の動向というのも一部変化があるというふうなことも聞いております。そういったところを重々取り入れていただいて、世田谷も健康先進都市としてしっかりと取り組みを進めていただきたいと思います。
あと、部会での議論というのもおっしゃっていましたけれども、部会も今回のコロナウイルスの影響で延期になっているという話も聞きました。今回、行政の中でのそういった会議体までの影響までコロナウイルスのことは出ているんだなとちょっとびっくりしたんですけれども、インターネットでのネット会議とか、そういった部分も、必要に応じてやっていただいていると思いますが、しっかりと情報共有してください。よろしくお願いします。
続いて、関連しまして、介護人材の取り組みということで、これも私も何度か取り上げておりますけれども、私からは介護職場のイメージ改善という取り組みが重要だということを再三申し述べてまいりました。その取り組みの一環として、介護ロボットの導入であったり、国の補助が出て、世田谷内でもさまざま介護ロボットを現場に取り入れて、先進的に進んでいるという部分もありますけれども、さらには介護のイメージアップの戦略というのに関連して、人材一人一人の負担軽減の部分にもつながりますし、そういったことを取り入れている事業者の部分を、若い世代の方々にも伝えていくことというのが非常に重要だということを伝えてまいりました。
現在、その状況を踏まえて、月日がたっておりますけれども、今現状のイメージ改善という部分に観点を置いた取り組みを区ではどのように行っているのか伺います。
◎三羽 高齢福祉課長 高齢者人口の増加に伴い、介護需要が高まる中、介護人材の確保定着は喫緊の課題であると認識しており、区では、介護の仕事の魅力を発信し、その理解促進とイメージアップに取り組んでおります。
具体的には、福祉の仕事入門講座等での介護職員による魅力PRや施設見学会のほか、せたがや介護の日のイベントや、せたがや福祉区民学会での発表などを通し、発信しております。また、今年度は区内二十カ所の特別養護老人ホームと協力し、夏休み親子介護施設体験を新たに実施しました。さらに、今年度より介護の仕事をPRするリーフレットを新たに作成し、さまざまな機会を捉えて配布するなど、介護の仕事の理解促進に努めています。
また、特養ホームでは、家族介護教室を行っておりますが、講師である介護職員の知識や技術の高さをアピールするとともに、介護の仕事を理解していただくよい機会になっていると考えております。
◆河野俊弘 委員 今年度つくられたといって介護の仕事をPRするリーフレット、私も拝見をしましたけれども、介護サービスの種類というのは私も勉強させていただいている中で非常に多い、多種多様なサービスがあって、グループホームと言われるのはわかりやすい、言葉一つでわかるようなものもあれば、ちょっと漢字が並べてあって、法律の名前のそのままのようなもので、どういうサービスなのか、それを見ただけではちょっとわからないというような部分もあったんですが、今回のリーフレットは、結構わかりやすくつくってありまして、ちょっと評価させていただきたいなというふうに思っています。
このリーフレット、ぜひともいろんな場面で活用していただくことも大事だなというふうに思っておりますし、その中にぜひとも介護ロボットのこととかも入れていただくと、さらにいいのかなというふうに思っています。
今回、そのICT技術の革新によって、現場が日々改善が図られているということで、先ほどロボットの中でも、実際にどういった形のサービス、ロボットの種類が現場では効果が大きいというふうに言われているのか、今回ベッドにつけるセンサーであったりとか、あるいは先進的なもので、排せつのリズムをコンピューターでデータをとり、その方独自のデータを手書きで今までの煩雑な書類で時間を費やすことなく、自動でそういったものをデータ化してくれるもの、あとはペーパーレスの部分、外部IT等の活用によって、日々満足度も向上していますが、そのロボットに対するあるいはデメリットの部分というのもあるのかもしれません。
現場に関してのその事業者の反応等についてお伺いさせていただきます。
◎三羽 高齢福祉課長 お話しの介護ロボットは、利用者の自立を支援するとともに、介護業務の負担を軽減し、業務の効率化に効果があると認識しております。区では、介護ロボット等の導入支援事業として、平成二十八年度には国の補助金を活用し、二十三事業所に対して助成しました。また、平成三十年度から今年度にかけては区独自事業として、特養ホーム、認知症対応型グループホーム、看護小規模多機能型居宅介護を対象とし、三十三事業所に助成しております。
事業所からは、例えばベッドセンサーが組み込まれた機器について、特に手薄となる夜勤時の不安、負担の解消につながっている、職員の精神的な負担軽減に資するものとして業務に不可欠になっているといった報告がありました。また、腰に装着し、動作をサポートする機器については、腰や膝への負担が少なかったとの評価がある一方で、装着時の違和感や女性にはサイズが合わないといった課題などもありました。
区といたしましては、事業者から寄せられた情報を共有しながら、さらなる導入促進と業務改善につなげたいと考えております。
◆河野俊弘 委員 やはり実際にどの施設にはどういったロボットの種類が合っているとかというのも、今後、今までの経験から、実際にどんどんとニーズも出てくると思います。事業者から寄せられた情報を共有するという部分が御答弁にもありましたけれども、区内での共有のみならず、さまざまな導入事業者、導入をまだ見送っている事業者等に対しても、積極的に区からアピールをしていただいて、導入事業をしっかりと進めていただきたいというふうに思っております。
前段の中で、その介護のイメージアップというところでロボットの話もしましたけれども、親子介護教室のお話がありました。介護人材のイメージアップというところでは、その子どもに対するアプローチというのも私は非常に重要なんではないかということで、今回も学校現場に対する取り組みというのをちょっと伺っていきたいなというふうに思っているんですが、実際には、今回多世代交流というところで、現場の理解を広げていくというところで、以前もちょっと紹介しましたけれども、宅幼老所、今、幼老複合施設というものがふえていて、富山県の事例であったりとか、土地の活用の部分、しっかりと進めていきたいということもそのときお話がありましたけれども、子どもたちにとってお年寄りをいたわるという気持ちが希薄になっているのは事実かもしれません。
世田谷区は、人口はふえているけれども、転入超過で人口がふえて、核家族化が進んでいるというふうにも言われています。二世代あるいは三世代、四世代で住むなどは、今なかなか現実的には、長くから住んでいる方はいいですけれども、新しく住まれた方にはなかなか今は難しい環境なのかもしれません。そういった小さなころから、お年寄りの体の状況であったりとか、今先ほど認知症希望条例の話などもありましたけれども、認知症の理解を深めるという部分でも、お子様のその小さいときから触れ合っていく、話を聞く、話を逆に聞いてもらうとかという部分も自然と生まれてくるとかという部分も非常に大事だなというふうに思っています。
高齢者と一緒に過ごす中、先ほども家庭内では希薄になっている、例えば家庭外、家庭内でもそうかもしれませんが、挨拶の一つ、マナーを自然と学ぶこと、あと学校でふだん学ぶことができないお年寄りの持つ知恵、知識、家庭内でもしかしたら、お子様を早くしなさいとか、せかされることもあるけれども、そういった部分でも寛容なお年寄りに褒められることも多いかもしれません。そういった部分で、お子さんたちの気持ちの安定にもつながるという部分が言われています。
今回、子どもに対するアプローチという部分で、学校現場に対する取り組みは現状どの程度行っているのかお聞かせください。
◎三羽 高齢福祉課長 区では、小学生から高校生を対象とした福祉の仕事出張入門講座を実施しており、受講を通して地域にはさまざまな方が生活していることを知り、他者に関心を持ち、人権について考え、福祉の仕事に対する興味関心を高めることを目的としています。
毎年三校ほどの学校からお申し込みをいただいており、二百人から四百人の児童生徒が受講しています。内容は、高齢者疑似体験や車椅子体験、高齢者との触れ合い体験などを行っています。引き続き、学校に対しアプローチしていくとともに、興味関心を引くような趣向を凝らしたプログラムづくりを行うなど、これまで以上に多くの方々に参加してもらえるよう取り組んでまいります。
◆河野俊弘 委員 今、福祉の仕事出張入門講座という話で、実際年度三校から四校ということで、全校の生徒数からすると少ないかなという印象もありますし、小学校、これは中学校も入っていますよね。中学校も入っていると思うんですけれども、しっかりと取り組みを進めていく中で、そのお子様自身の気持ちから考えていると、そういったときだけの触れ合いではなく、一つの拠点というのもちょっと必要なのかなというふうに思っていて、これは私の考えですけれども、令和三年度にできる教育総合センターが区内、来年百五十周年を迎えますが、若林小学校の跡地にできるわけであります。その一部国有地に高齢者施設ができるというところで、今事業者の選定、公募に対する取り組みが進んでいるというところですけれども、この若林小学校跡地にできる教育総合センターの、先日ワークショップにもちょっと参加をしてまいりましたけれども、ここは区民の方、教員の方々の研修施設以外にも、区民の方々が気軽に訪れられるような間口の部分なんですけれども、非常に広くとっていて、その前の校庭だった部分の広場からそのまま靴で入れるようなスペースを建物内につくる計画であったりとか、いろんなアイデアが出ている中で、子どもたちも非常に集まりやすいような拠点となるようなもの、あとは裏の部分に緑を結構多く残していて、そういったところで夏の体験をさせてあげるとか、いろんな計画が進んでいます。
そういったところで、近隣に高齢者施設が今回計画としてあるわけですから、そういった部分をしっかりと取り入れてやっていくべきだというふうに思っておりますが、多世代交流について、若林小学校の跡地を使ったというところで見解をお聞かせください。
◎三羽 高齢福祉課長 旧若林小学校の跡地については、その活用の方向性について、地域の方々から御意見を伺うワークショップ形式の若林小学校跡地活用検討ミーティングの議論を踏まえ、子どもから高齢者まで多世代が集う施設機能もあわせて整備するという視点も含めて庁内で検討が進められました。検討結果については、平成二十七年九月に若林小学校跡地活用方針としてまとめられました。
この方針に基づき、跡地には教育センター及びその他の教育施設を移転し、また、学校跡地の一部として借用していた国有地について、国と協議の上、区が取得し、隣接する区有地とあわせて、整備運営事業者に一体的に貸し付け、高齢者施設を誘導する方向で土地活用を図ることとなり、現在その事業者の公募を行っているところでございます。
希望丘中学校の跡地に高齢者施設を整備した際、事業者と区複合施設等との相互連携を申し合わせた例がございます。今後、整備を進めていく高齢者施設における介護業務の理解促進に向けた多世代交流につきましては、教育委員会で整備中の教育総合センターと連携した対応が可能かどうか、教育委員会と協議しながら事業者との調整を検討してまいります。
◆河野俊弘 委員 希望丘中学校の、これはアップスの件だと思うんですけれども、実際に事例がありますので、そういった協定というか、施設をつくる上での、場所が場所なものですから、しっかりと子どもたち、また教員の方々も多世代交流というのをどういうふうに伝えていくべきだろうかという部分でも、しっかりと大きな拠点になると私は思っておりますから、しっかりと研究して進めていただきたいというふうに思っております。
以上で上島委員と交代します。
◆上島よしもり 委員 それでは、私からは、ひとり暮らしの高齢者や認知症の方など、区民への相談対応についてお伺いしてまいりたいと思います。
令和元年五月に実施しました区民意識調査では、これからも世田谷区に住みたいと思う区民は八〇・五%、その理由の第一は、住みなれているから七〇・二%となっております。また、介護や医療が必要となっても世田谷区に住み続けたい区民は六六・一%、性別また年齢別に見ますと、年代が上がるにつれ住み続けたいが高くなりまして、女性の八十歳以上、また男性の八十歳以上もともに九割がそう思っているということであります。
多くの区民、特に高齢の方々が住みなれた地域でこれからも住み続けたいと願う中で、自分の暮らし、住まい、財産、遺言などにかかわる問題は一人の方が複合的に抱えている問題になっているというふうに聞いております。
一つ、昨年行われました社会福祉協議会の終活相談会というのがございまして、相談しようというコーナーがございまして、そこには葬儀、お墓、仏壇、家財整理ということで、ここに八者ぐらい関係者が集まり、また見守り、死後事務委任、身元保証など、こちらのほうも、これは財団、一般社団法人ですかね、こちらが説明に入ると。また遺言、成年後見制度、相続などについても、世田谷公証役場とか、財団とか、三つの機関が入られて、空き家の相談としてはNPOのセンターの方が来られて、介護保険や福祉の相談、こちらはあんしんすこやかセンターやぷらっとホーム世田谷などが説明に入られたということで、これを見ても、まさに区が持っている縦割りの状況を相談しなきゃいけないという終活相談会でさえそういう状況でございまして、これを一人の高齢者が何とかいい形に持ってこようと思うと、これは大変なことであることは言うまでもありません。
ひとり暮らし高齢者や認知症の方々にとって、例えば暮らしであれば福祉サービス、住まいであれば住宅、空き家の問題、財産管理であれば成年後見制度など、それぞれの専門相談に自力でたどり着かないと解決できないとすると、区民にとって大変な労力でありまして、また専門のところでは専門のことしか案内できないとなると、専門職の中でも解決できない、今申し上げたとおり難しい問題となってまいります。
例えばひとり暮らし高齢者の方などから、財産管理にかかわる相談を受ける成年後見の窓口では、具体的にどのような相談があって、問題が一つではなく、複合的であった例など、具体的に伺わせていただきたいと思います。
◎山本
生活福祉担当課長 成年後見センターに寄せられた相談では、身内がおらず、独居なので死後が心配である、施設入所後、自宅が空き家になってしまい、管理する人がいない、相続税や遺産分割についてどこに相談していいかわからないといったものがございます。成年後見制度が必要であっても、御本人が申し立てることが難しく、また申し立てをする親族がいない場合、区長が家庭裁判所に申し立てを行います。
具体的には、ひとり暮らしの女性の高齢者が入院したが、年金が少ないために入院費用が支払えない、亡くなった夫名義の自宅を売却したいが、相続手続が済んでいないために売却ができない、退院後の特別養護老人ホーム入所の手続もできないという複合的な問題を抱える事例がございました。
成年後見人としては、本人にかかわる相続手続を進めるとともに、入院後、空き家となっていた自宅の売却や退院後の施設入所にかかわるサービスの契約など多岐にわたって支援を行っていく事例でございました。
◆上島よしもり 委員 成年後見の窓口は、今お話がいろいろございましたが、実際に複合的な相談事例があるということでございますけれども、この場合、タイミングがいい場合はうまくいくと思うんですけれども、なかなかそのタイミングがいい形で捉えられるかどうかが問題でありまして、そこに至るまでの前段階において、周りの方々がこうした方の困り事に気づいて、必要な支援へとつなげていくことが必要だと私は考えています。
地域住民に近いところでいうと、民生委員が重要な役割を担っているわけでございますが、そこで質問させてもらいますけれども、民生委員がかかわる中で、ひとり暮らし高齢者や認知症から発生する問題にいち早く気づいて、総合的に応対できるような案内をしていくのが大変重要だと思いますが、いかにお考えでしょうか。
◎山本
生活福祉担当課長 民生・児童委員の方からは、ひとり暮らし高齢者の増加に伴い、高齢者が入院された後、その方のお宅が空き家になり、近隣の方々から防犯上の安全面を心配される事例や、認知症により日常の生活ができなくなり、家がごみ屋敷になり、火災が心配される相談などが寄せられると伺っております。
こういった空き家や財産管理の問題には、高齢者の身近にいる民生・児童委員などが早目に気づき、必要な専門機関につなげることは、高齢者が在宅生活を継続する上で重要であると考えます。そうした点から、ひとり暮らし高齢者や認知症の方などの相談に対しては、単に生活上の困り事として捉えることなく、その先にある相続や財産管理など、総合的に生活の様子を伺い、必要な支援に御案内することは大変重要であると認識しております。
◆上島よしもり 委員 そういった民生・児童委員の方々が、行政につながる前段階で区民の身近にいて、気軽に相談できる相手ということで、やはり幅広くこういった問題に気づいて、専門のところにしっかりつなぐことが必要であると考えておりますが、このような視点から、民生・児童委員の方々、日ごろから大変御苦労されている方々で、大変恐縮なんですが、研修を行っていただくなど、そういう方々と出会ったときの対処、応対というのを少しバックアップするというような形をとれないものでしょうか。
◎山本
生活福祉担当課長 民生・児童委員は、地域に暮らす区民の身近な相談相手として、区民の皆さんから介護や子育て、日常生活のお悩みなどの相談を受け、行政機関などへのつなぎ役として必要な支援へとつなげる役割を担っております。
区では、民生・児童委員の方がこういった相談を受けた際に、迅速かつ適切に専門相談につなげられるよう、月一回開催している民生委員児童委員協議会や新任民生委員児童委員への研修の場を活用し、制度説明や情報提供を行い、バックアップに努めております。
今後は、権利擁護に関する安心事業や成年後見制度、相続問題などの必要性を的確に判断できるよう、成年後見センターを通じて研修を行うなど支援してまいります。
◆上島よしもり 委員 民生・児童委員の皆様のお力も必要だと思うんですが、この最初の気づきというのがとても大事であることは明らかでありまして、そう考えますと、先ほどの成年後見の窓口もそうなんですが、例えばケアマネジャーやヘルパーの方々が利用者の支援に当たる中で、身内の財産管理問題や遺言の相談などを受けて困ったといった事例も伺っております。
根本的に職務外のことでございますので、実際はそのままになってしまうのは仕方ないと思われますが、区内では、ケアマネジャーさんが実際の支援を行った事例などを取り上げて、認知症問題、相続問題、独居問題のそれぞれにある福祉サービス的な視点、成年後見、空き家問題、法的な対応を総合的に勉強する会が開催されて、とても役立ったというふうなことを伺いました。特に高齢の区民の生活に寄り添って支援を行うケアマネジャーの方々が、総合的な問題意識を持って相談や支援を行うことは、最初の気づきと同じように非常に重要なことと考えます。ケアマネジャーに対してこのような内容の研修を企画するなど、区としてバックアップする必要が私はあると考えますが、その点、いかにお考えでしょうか。
◎杉中 介護保険課長 区では、これまで福祉人材育成・研修センターにおいて、ケアマネジャーに対して、本来業務であるケアマネジメントの質の向上を図る研修のほか、障害福祉や性的マイノリティーの理解など、ケアマネジャーが活動する上で必要となる周辺情報に関する研修も実施してまいりました。
また、区内のケアマネジャーの職能団体であります世田谷ケアマネジャー連絡会においても、毎年ケアマネジャーのスキルアップを図るため、さまざまなテーマを取り上げ、研修を実施しているところです。
ケアマネジャーが高齢者が抱える財産管理や相続などに関するさまざまな相談事を、適切な相談先につなげていくことができるような知識を得ることは、高齢者のニーズに対応するため重要であると認識しております。
区としては、現在、ケアマネジャー連絡会が実施する来年度の研修内容の一つとして、本テーマを取り上げていただくよう調整をしているところです。引き続き、ケアマネジャーが高齢者からの相談に適切に対応し、支援できるよう、関係団体と連携して取り組んでまいります。
◆上島よしもり 委員 このテーマを取り上げていただくということで、ぜひあらゆる地域でこういった勉強会が催されることを期待いたします。
高齢者にとって身の回りの心配事といった、みずからの人生、また特に財産管理のことなどは、こういうような世の中でございますから、気軽に他人にお話しされることはほとんどありません。そんな中、現在の自分の人生を支えている立場の方、まさに信頼する人に対しては最後の望みとしてお話をされる、相談される。高齢者それぞれの意識にもよりますが、そういった最終的な人生の課題を早いうちから考えて、手続をしているという方は、現状では本当に少ないというのが実態であろうと思います。
そういう現状を変えていく取り組みが一方で必要でありまして、例えば午前中に他会派の質問でありましたACPの話もそうでございますけれども、例えば社協で作成されている「私のノート」ですか、こちらはどれくらいの方が手にとり、実際に人生の最終章を考え、行動に移しているかは私はまだまだだというふうに思っております。まず、五百円という金額が、高齢者の方には少し考えてしまう金額かもしれないなということと、あとただで配っている自治体も多いということでございます。私はただがいいとは思っていません。少しこの費用を負担していただいて、しっかりと自分で読んでいただくという意味では、少し安くしていって、より多くの方に手に入れていただくということが一つありますし、もう少し概要版ということで、配れる簡単なものというんですか、そういうものもあってもいいのかなというふうに正直思いました。
いずれにしましても、みずからのエンディングの準備をする文化が現状行き渡っていないわけでございますから、多くの方はもう残された時間が余りない、ぎりぎりのところで、そういったお話を身近な方々に、身近というのは、例えば先ほどお話ししたケアマネジャーさんとか、ヘルパーさんとかにお話しされるということになるというふうに思います。
そういう意味では、ケアマネジャーやケースワーカー、またヘルパーといった方々に相談されることが多い中で、現場では職務外ということで、その重要な情報が会話の一断片として消えていってしまう。本人にとってみれば、切実なお話であり、また家庭や地域にとっては非常に重要な情報が生かされる唯一の機会を逃してしまっているということが現状で非常に多いというふうに思います。
例えば財産処分については、生前に整理することができなかった方にとっては、亡くなられた後、地域の問題となったり、遺産相続でもめるといったさまざまな問題を生じさせてしまうとしたら、それはその方にとっても不本意なことでありまして、非常に複雑になった今日の社会において、しっかりそれを支えられる仕組みを、私たちの世田谷を支えてくださった方々のためにも、またこれからの世田谷をしっかりとつくり上げていくためにも、工夫を、一歩進んだ取り組みを期待しております。
ことし一月でございますけれども、世田谷区四万九千七十戸、全国一の空き家戸数ということで、新聞紙面に大きく掲載され、区民の間でも衝撃が走りましたが、これは住宅政策だけの問題ではなくて、相続や財産管理といった個人の問題を社会の問題として捉え切れていないということ、言いかえれば、社会環境の変化に仕組みの構築が追いついていないということの表層化ではないかと考えます。このままでは、ふるさと納税のごとく、こういった事例がどんどんふえていくような気がしてなりません。まさに行政の取り組みも所管の中だけではなく、問題の原因のそのまた根本に手をつけていくという視点が必要でありまして、その辺の政策的なアプローチが十分ではない。これからは所管や分野を超えて、根本のところから課題解決を図るという政策立案が必要でないかと考えます。
そういう意味では、特に保健福祉分野やまた教育といった分野の役割は大変増してくるんだろうと私は考えておりますが、そういった政策立案の必要性についていかにお考えかお聞かせください。
◎板谷 保健福祉部長 高齢社会の進展、あるいは出生数の著しい減少等に代表される、そうした少子化、人口減少といった地域社会の変容を背景としまして、行政課題は複雑化、多様化しております。そうした課題に迅速かつ的確に対応するためには、御指摘のとおり、課題の根本に視点を置くことは重要です。さらに課題解決に向けての取り組みは、所管分野を越えて行うことが大切と考えます。
これまでも、例えば高齢者や母子家庭の方々へのお住まいの確保には、都市整備領域と私ども福祉領域とが居住支援協議会関係者を招き、設け、具体的かつ根本的な取り組みを進めております。
それぞれの領域が持つ情報や事業といった解決に有効なスキルをお話しの政策立案の観点から評価し、課題解決に向けまとめ上げることの重要性はますます高まっていると考えます。
◆上島よしもり 委員 ぜひ分野を超えた、所管を超えた政策立案というのを世田谷区役所の文化として、また新たにつくり上げていただきたいと思います。
それとともに、また重要なことは官民連携というんですか、公民連携、民間の力を十分に取り入れてこういった政策立案をしていくと、そういう時代じゃないかと私は思っておりますが、特に保健福祉分野で民間との連携というのは、プライバシーというか、情報の問題とかがありますので、非常に難しいかわかりませんが、ここは一歩大きく踏み出すことが必要だと考えますけれども、その点について、こちらは副区長のほうで、そういった分野を超えたということを含めて、また官民連携、こういうものを一層進める時代じゃないかということに対してどう思われているか、お聞かせいただきたいと思います。
◎宮崎 副区長 この間、官民連携という形でいろいろ進めさせていただきましたし、また、産学官連携というようなことを言ってきたこともあります。そういう意味では、いわゆるその目的は区民サービスの向上ということに視点を置いたときに、それぞれの得意分野といいますか、持ち場の部分のところでいいものを発揮することが、競合することもあれば、また協働することもあれば、いろんな形のもので寄り添うことがいい結果を生んできているものも事例として多々出てきております。
私どもといたしましても、例えば民間の方々に今までは委託という形のものだけの手法をとってきましたけれども、これでは区のほうが制度設計をして、それをお願いするというスタイルにこだわってきたわけですけれども、これでは区のスキームからやはり抜け出ていない、これだとやっぱり効果があらわれていないということも多々出てきていますので、そういう視点も加えまして、この保健福祉分野に限らず、他分野でもこの視点に沿って、かつ庁内の中での連携もとることで、より一層の効果が引き出せるんじゃないかと、こんなふうに思っているところです。
◆上島よしもり 委員 後ほどちょっとお話ししたいと思っておりますけれども、多分これからの行政の結構大きな課題として、いわゆるICTとかの活用というのがあるんですが、まさに僕は保健福祉分野の中でどこまでやれるかというのが、本当に厳しい財政状況ですから、そういう中でしっかり取り組んでいっていただきたいと思います。
それでは、ちょっと一つ、保育のことで伺いたいんですが、世田谷区では保育士がなかなか確保するのが難しいということで、保育士への家賃補助とか、結構な投資をされてこれまで取り組んできておりますが、そもそも保育士にとってよりよい労働環境って何なのかというのを本当に世田谷区は理解していろんな施策を打っているのかなというのを少し思ったことがあります。
そこで伺いたいんですけれども、私は、今園長さんからいろいろヒアリングをしているということは伺っておりますが、やはり保育士さんそれぞれの生の声を聞けるようなアンケートをしっかりやって、本当に保育士さんが働きたい、働きやすい環境づくりを世田谷区として、これは子どもを大事にする世田谷区として、しっかり打ち立てていくことが、それがそのまま政策にまた生かされるような形をとるべきだと思いますけれども、その辺についていかがお考えでしょうか。
◎後藤 保育課長 今後の保育定員の拡大と保育の質の向上をともに図るためには、現場で働く保育士が仕事に誇りと愛着を持って安心して働けるよりよい職場づくりが重要であり、区が現場を支える職員の声を直接お聞きすることは重要なことであると認識してございます。
区では、この四月からの児童相談所の移管も踏まえまして、各保育施設への支援、指導の体制強化を図るため、施設に寄り添う巡回支援相談や指導検査の充実、保育士のスキルをより高めるための研修の見直しなど、保育の質の向上や良好な保育環境の整備に向け、取り組みを進めているところでございます。
巡回支援、研修等、これらの機会を通じた現場の保育士の声を、お話しのアンケート等、さまざまな手法により、丁寧に把握することとあわせまして、園長会、地域の保育ネット等を通じた意見集約も引き続き行い、区内全ての保育施設がよりよい労働環境のもとで世田谷区が目指す質の高い子どもを中心とした保育を実践してもらえるよう取り組んでまいります。
◆上島よしもり 委員 大きくは家賃補助という取り組みがあるわけですが、それ以外にも保育士さんのそういったニーズというものをしっかり捉えて環境整備をやっていただきたいと思います。
加えて、子どもたちの様子をつぶさに見ているというのはやっぱり保育士さんなんです。子どもたちの今の状況を何か伺ったら、親にはちょっとひどい状況で言えないぐらいの子どもたちもいるということで、その子どもにとってよい環境とは何なのかということも、保育士さんの間ではいろんな思いがあるとも聞いております。
結局は、子どもたちのための施設ですから、子どもたちがよりよい環境の中で保育されるための環境づくりのためにも、保育士さんの生の声をしっかり聞いていただいて、政策に生かしていただくことをお願いしておきます。
ちょっと時間がなくなってしまいましたが、今回ちょっと私がどうしてもやりたかったのが、やはり先ほど申し上げたとおり、財政が本当に厳しいと思われるんですが、ちょっとこれは感覚でいいんです。今、コロナ問題、
新型コロナウイルスの問題で経済、打撃を受け始めています。あわせてふるさと納税の影響も出てくるとなると、ことしというか、来年度、大変な状況になるんじゃないかなと、そういうふうに思われるんですが、その見立てってどうですかね。これは副区長、どんなふうに考えていますか。
◎宮崎 副区長 正直申し上げて、まだちょっとよくつかみ切れないところがありますが、いろいろ経済紙を含めて、報道され始めました。その時点では、まだ企業の決算というベースが四半期ベースぐらいしか、一過性しか出ていないのでわかりませんが、少なくともリーマンのときに近い状態になりつつあるというのが一般的な評価でして、そういう意味では、世田谷区もリーマンショック後の部分で立ち直るのに三年ぐらいかかってきたということを考えますと、かなり注意深くその経済動向や、またいわゆる給与ベースのサラリーが多い世田谷区ですので、住宅都市ですので、少し結果がおくれて出始めるという傾向はありますが、とはいえ、今年度の部分で企業のほうがかなり厳しい状況になってきますと、そこに対する支援策も考えますと、かなり厳しい状況を予測しておかなければいけないタイミングなんだろうなというぐらいのことは言えるかと思います。
◆上島よしもり 委員 本当はここをしっかりやりたいところなんですけれども、国の財政状況も社会保障費が物すごい勢いでふえているんです。それを抑えるために、健康長寿社会という一つの、いろんなメニューがあるんですが、大きくはここを何とかやっていきたいということで取り組んでいます。世田谷区でもデータヘルスということで、いろいろな取り組みから健康長寿を目指しているようでございますけれども、せっかく国でいろんな自治体が協力してやっている枠組みがあるわけです。日本健康会議とか、そういうところに私はどんどん加入したり、また他の自治体の取り組みをどんどん取り入れて、このICTを入れたデータヘルス、またICTによる健康づくりみたいなものを進めていくことが非常に重要だと思っております。
ちょっともう時間がありませんので、最後に、やはりこれは国の成長戦略として、医療介護分野のいわゆるICT化というのは、これは国家戦略としてこれから物すごい力を入れていく話なんです。ちょっと話が大きくなりますが、三軒茶屋のまちづくりとか、そういうところもありますが、いわゆる世田谷が福祉ですばらしい福祉をやっていると言われるためには、税金を使っていろんなサービスをやっているんじゃないんですよ。効率的にいろんなサービスをうまく持続可能な形でやっているということをどこまで見せられるかが勝負だと思っていまして、そういう意味でICTをどこまで取り入れるかというのを本気でやってもらうことをお願いいたしまして、自民党のこの領域の質疑を終わります。
○阿久津皇 委員長 以上で自由民主党の質疑は終わりました。
ここでしばらく休憩いたします。
午後三時八分休憩
──────────────────
午後三時四十分開議
○阿久津皇 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。
公明党、どうぞ。
◆福田たえ美 委員 公明党の質問をしてまいります。
まず初めに、中高年のひきこもり、いわゆる八〇五〇問題について伺ってまいります。
今回の私の質問は、二題あるんですけれども、区民の方が本当にいつまでも元気で、そして誰も置き去りにしない、そういった思いで今回質問させていただきます。
私が最初に議員になったときなんですが、一番最初に受けた御相談がひきこもりの我が子への支援についてということで御相談を承りました。まだそのころには、区の中にも御相談の機関が少なかったこともありました。御相談者は、近隣には知られたくない。けれども、このままでは親子ともどもに苦しみの縁に入ってしまうといって勇気を出して相談の声を上げてくださいました。しかし、そのころにはひきこもりが長く、まさに出口の見えないトンネルになっておりました。
苦しむ御家族を前に、私も必死に解決策を求めて、NPO法人や自主グループなどにも足を運びましたが、まさにひきこもりは時代のカナリアと言えるような状態でした。社会参加をとめたのもひきこもり、これは現代の息苦しい社会への警鐘を鳴らしていると言えます。
内閣府は、二〇一九年四月に、初めて自宅に半年以上閉じこもっている広義のひきこもりの四十歳から六十四歳が全国で推計六十一万三千人にいるとの調査結果を出しました。この八〇五〇問題に代表されるように、親亡き後にたどる運命が、孤独死や餓死といった最期を迎えるケースがふえてきています。まさに孤独と死の問題であると言え、この孤独と死というのは誰もが直面する高い可能性の出来事だと思います。
孤独は、たばこを一日十五本吸うのと同程度の健康への影響があるのではというふうにも言われています。
ここで伺いますが、四十歳以上のひきこもりの方は区内に何人くらいいらっしゃるでしょうか。
◎山本
生活福祉担当課長 平成三十年十二月実施の内閣府生活状況に関する調査において、四十歳から六十四歳までの方のうち一・四五%がひきこもりである可能性であることが判明しました。ここで内閣府がひきこもり状態としている方は、仕事や学校に行かず、かつ家族以外の人との交流をほとんどせずに六カ月以上続けて自宅にひきこもっている方だけでなく、広義のひきこもり状態として、時々は買い物や自分の趣味のために外出することもある方も含めております。
内閣府の調査結果を調査当時の世田谷区年齢別人口に当てはめますと、世田谷区内で四十歳から六十四歳までの方のうち、ひきこもりである可能性のある方は約四千八百人となります。
◆福田たえ美 委員 ただいま御答弁にありました四十歳から六十四歳までのひきこもりの方が約四千八百人とのことですが、区ではこの四千八百人の方の実態をどう把握されていらっしゃるんでしょうか。
◎山本
生活福祉担当課長 区では、令和元年七月、民生・児童委員五百四十五名の方に御協力をいただき、それぞれ担当の区域において年齢にかかわらず、ひきこもりに該当するような方がいるかどうか、またその方の状況等をアンケート形式で任意に回答していただく実態調査を実施しました。その結果、五百四十五名の民生・児童委員の方のうち百六十名の方から回答があり、うち五十四名の方が担当区域に該当者がいると回答され、該当者数としては七十二人となっております。
民生・児童委員の方からはひきこもりの方やその世帯への聞き取りが難しい、ひきこもりかそうでないかわかりにくい、担当区域にマンションが多いことなどから情報が集まりにくいといった声が寄せられており、該当者数を把握することは難しい状況にあります。
◆福田たえ美 委員 五百四十五名の民生・児童委員の方の中から百六十名の方が御協力をしていただいたということですが、年齢問わずこの引きこもりの傾向の方というのが七十二人という数字が浮き彫りになりました。実態調査の難しさもここでうかがえますが、単純に私が計算してみますと、民生・児童委員の五百四十五名の方が回答された場合には、おおよそですけれども、この七十二人を単純に掛けてみましたら、最低二百四十五名ぐらいはいらっしゃるのかなということが想定できます。
二〇一五年に施行されました生活困窮者自立支援法をもとに開設をしたぷらっとホーム世田谷が、年齢の制限なく生活困窮者への支援を継続的に行っています。区の生活支援課の対象外の人も、このぷらっとホーム世田谷なら相談支援が受けられますが、現在このような区の支援につながっている人は大体何人ぐらいいらっしゃるんでしょうか。
◎山本
生活福祉担当課長 ひきこもり等の社会から孤立している方は長期に離職している方も多く、経済的な困窮のおそれがあることから、親や本人からぷらっとホーム世田谷に就労等についての相談が寄せられ、対応の過程でひきこもり状態にあることが判明するケースがふえてきております。
ぷらっとホーム世田谷では、平成三十年四月から令和元年九月までに新規に四百一名の生活困窮者の支援を開始しましたが、このうちひきこもり状態にある方は四十二名でした。
◆福田たえ美 委員 御答弁ありがとうございます。四十二名の方が支援につながっているということでもありましたが、ちょっと世界のお話もしてみたいと思います。イギリスでは、二〇一八年一月に、孤独は現代の公衆衛生上最も大きな課題の一つとして、孤独が経済に与える影響は年間約四・七兆円とされて、世界初の孤独問題担当国務大臣というのを設置して、国を挙げての対策に乗り出しました。その中でも、特に男性は女性と異なり、会話をするときに目的と場を明確にした居場所が必要という観点から、男性が集える場、メンズシェッドというものづくりをしながら孤独を解消していく場を四百カ所展開しているということで、あともう一つがフィンランドなんですが、オープンダイアログという目的のない対話、当事者への偏見のない姿勢で対話をするということで、解決の糸口が見えてくる方法ということで、これが世界でも今注目をされています。
日本のひきこもりの男女比率も見てみましたが、男性が七割というふうに七割を超えていましたので、高い割合を示して男性の比率があります。男性視点も入れた支援策の工夫も必要ではないでしょうか。
また、何人かの御相談者にぷらっとホームも御紹介しましたが、遠いとか、交通費がかかるなどさまざまな理由でなかなかそこにつながらないままで終わってしまっている方もいらっしゃいました。
そこで、内閣府による中高年ひきこもりの実態調査が二〇一八年に行われましたので、そのときのデータを私がパネルにしてみました。これが相談の希望について伺ったアンケートなんですが、まずこの青いところが非常に思うが一一%、相談を少ししてみようかなと思うが八%、少し思うが二八%、五三%以上の方が思わないということで、半分以上が思わない方がいらっしゃるんですが、考えてみましたら、この五〇%近い方々が少しでも相談したいという気持ちがあるということがあらわれております。
そこで、もう少しこの支援につながる人たちが支援につながり切れずにいる人も多くいるんだというふうに世田谷区内の方についても推測がされます。この方々への支援については、区はつなげる人、またつなげる場所の確保が重要と考えますが、区の見解をお聞かせください。
◎山本
生活福祉担当課長 ひきこもりの方の置かれた状況はさまざまで、経済的に困窮して相談につながる方もある一方で、収入が確保されているなどの理由で支援につながらない世帯や支援者側が課題を把握していても支援に消極的な世帯があり、区のさまざまな支援機関でも課題となっているところです。
支援に結びつきにくい方の状況については、今後その実態把握をさらに進めるとともに、当事者の気持ちに寄り添いながら、少しずつでも支援につなげる取り組みが必要であると考えております。
都では、令和二年度中に、相談支援機関や民生・児童委員等の支援等の状況を把握することを目的として調査を行い、秋に取りまとめる提言に生かす予定でございます。
区としても、都と緊密に情報共有を行いつつ、さまざまな機会を活用して実態把握に向け、当事者や家族からの聞き取り等を行います。
令和二年度より、ぷらっとホーム世田谷ではアウトリーチ支援員を配置し、ひきこもりの方の日常生活を支える支援を開始するとともに、当事者会や家族会と連携した居場所などの事業を開始し、何が求められているのか把握する機会、支援につなげる機会をふやしてまいります。
◆福田たえ美 委員 今、御答弁にもありましたが、区のさらなる支援が始まるようですけれども、こういった情報を知らなくては、区民の方が知らなければ意味がないと思います。
先ほどの民生委員の方の調査でも気になる方がいるというふうに答えてもいましたが、その方々にもこの情報提供がしやすい工夫が必要ではないでしょうか。区の見解をお聞かせください。
◎山本
生活福祉担当課長 区の新たな支援の情報提供については、ひきこもりの当事者自身がどうしたいかわからなかったり、家族の方々が他人に知られたくないと思われる事例もあり、工夫が必要であると認識しております。
まずは、民生・児童委員やひきこもりの方の利用が見込まれるような事業を実施する関係機関の支援者などに支援の内容を御理解いただき、それぞれの活動の中で活用するなど、幅広く御協力いただくことが必要であると考えております。
区では、令和二年度に地域でのひきこもりに関する理解促進を目的としたセミナーの開催を予定しております。ひきこもりの支援について、支援関係者の方々などに正しい知識と理解を広め、一人でも多くの当事者や家族が適切な支援につながるよう事業を実施いたします。
支援に関する情報提供の方法については、当事者の方々の主体性や自尊心を尊重し、既に支援を受けている当事者の方々の御意見を伺いながら、絶えず工夫してまいります。
◆福田たえ美 委員 ぜひともよろしくお願いいたします。
続きまして、脳卒中対策について伺ってまいります。
二〇一八年十二月に健康寿命の延伸等を図るための脳卒中、心臓病、その他の循環器病に係る対策に関する基本法が可決成立をいたしました。脳卒中というのは一言で言いますと、脳の血管の病気です。また、脳血管障害という言葉にもかえられます。
大きく分けますと、血管が詰まる脳梗塞と血管が破れる脳出血、脳の表面の血管に脳動脈瘤というこぶができて、それが破裂をして脳の表面に出血をするクモ膜下出血の三つのタイプに分かれます。どれも脳に血液が行かなくなることによって、酸素や栄養の供給が途絶え、神経細胞が死んでしまうことにより症状が出現します。
ここでパネルのほうで紹介をしたいと思いますが、介護が必要になった主な原因を厚生労働省のデータを私なりにまとめて円グラフにしてみました。上が男性になります。六十五歳以上の要介護者等の性別に見た介護が必要となった主な原因のトップが、男性の場合は脳血管疾患、続いて認知症というふうになっております。女性の場合は、やはり一位は認知症で、二位が脳血管、三位が骨折なんですけれども、やはり脳血管疾患というのが三位以内に入ってきております。
こういう中でも介護とこの疾患というのが非常に関係してきていると思われます。この世田谷区の状況はどうかといいますと、世田谷区が作成したデータでみるせたがやの健康の中にも書いてありました。区の介護の要因の二位がやはりこの脳卒中で、寝たきりの高齢者の三割、要介護者の二割にこの脳卒中の患者さんが占めているということが見受けられています。
認知症に比べて脳卒中は予防ができる割合が高い疾患です。脳卒中の予防が極めて重要というふうに考えております。予防の知識をどれぐらいの区民が有しているでしょうか。日本脳卒中協会の調査では、六割の方が危険因子を全く知らないという数字が出ています。リスクファクターには高血圧、糖尿病、脂質異常、喫煙、肥満、多量の飲酒などがあります。まず生活習慣を改め、それでもよくならない方はお医者さんにかかり、お薬をもらって治療することが大切です。万が一、脳卒中が疑われ、症状が出ましたら、すぐに救急車を呼び、早く治療を開始することで、後遺症が軽くなります。発症後三時間以内がポイントです。
公明党が提案をし、二〇〇五年に保険適用となりましたtPAという効果の高い血管に詰まった血栓を溶かすお薬が投与ができます。このお薬を投与すると、ほとんど障害がなく、社会復帰ができる人が通常の治療と比較をして一・四倍にふえると言われています。発症後、三時間以内にこのtPAを投与するためには、病院に発症後二時間以内に到着をしなければなりません。脳卒中の予防法、早期気づきで、早期受診、後遺症をほとんど残さずに社会・家庭復帰をしてほしいと心から願うものです。
栃木県では、リスクを減らす予防と初期症状を県民にわかりやすくお伝えをするチラシを作成し、県民に周知をしております。これがこのようなチラシでございます。脳卒中の予防や早期気づきへの取り組みとして、栃木県が行っているような予防十か条などを参考にして、初期症状を見逃さないチラシを作成してはどうでしょうか。高齢者の発症率が高いことから、高齢者クラブやサロンなど高齢者の集うところにもチラシを配布し、周知してはいかがでしょうか、区の見解をお聞かせください。
◎鵜飼 世田谷保健所副所長 平成三十年に成立した脳卒中循環器病対策基本法では、発症した疑いがある場合の迅速かつ適切な対応の重要性について、国民の理解と関心を深めることを基本理念とし、区といたしましても、そのための普及啓発は、健康的な地域社会づくりに向けて重要な取り組みであると認識しております。
一方、現在、改定中のデータでみるせたがやの健康二〇一九のデータでは、区民の就寝前の夕食率や朝食の欠食率が高いなど、生活習慣病につながる要因が浮き彫りとなり、現に男性の脳卒中に関する外来医療費は、東京都と比べて高い現状も明らかになっております。
今後、策定予定の次期健康せたがやプランにおきまして、御提案のこの十か条の取り組みを含め、脳卒中を含めた生活習慣病予防に関する啓発物の作成、また、その啓発物を高齢者施設等に配付し、効果的に活用する方法、そのあたりを十分に検討してまいりたいと思います。
◆福田たえ美 委員 ぜひよろしくお願いいたします。
脳卒中の原因には、高血圧や脂質異常症、さらには糖尿病といった生活習慣病が大きく影響しております。お酒の飲み過ぎや塩分のとり過ぎといった生活習慣が大きくかかわってくるわけですが、区ではこの生活習慣病の重症化予防事業というのも取り組んでいますが、世田谷区のこの生活習慣病の予防の中で、健診受診率というのがあるんですけれども、この特定健診は、まさにこの脳卒中などの予防に効果的と言われている検査でもありますが、世田谷区の健診受診率はほぼ三七%台なんですが、そこからリスクがあるかもしれないということで、その後の特定保健指導を受けていただきたいというふうに誘導されても、なかなかそれが上がってこないようで、平成二十六年一四・四%の方が受けていたんですが、少しずつそのパーセントが落ちてしまい、三十年度には九・三%ということで、なかなかこのリスクがある方がその指導を受けられない、環境が整っていないからなのか、事情がわかりませんが、ここの向上に向けても、区としてもしっかり取り組んでいただきたいと思いますが、区の状況をお聞かせください。
◎五十嵐 国保・年金課長 委員お話しのとおり、生活習慣病の重症化予防には、特定健診や特定保健指導の受診率を向上させることが重要と考えております。
区では、特定健診の受診率向上を図るため、受診歴等から対象者をタイプ別に分類しまして、その特性に応じた受診勧奨通知の送付を行っています。また、来年度からは医師会の協力を得まして、生活習慣病で既に医療機関を受診している対象者に、診察時などにかかりつけ医から勧奨カードを配布してもらい、受診を促す取り組みを開始する予定です。
特定保健指導につきましては、指導を受けたことのある人とない人とで電話勧奨の内容を変えるなどの工夫を凝らして、受診率の向上を図っているところでございます。
特定健診及び特定保健指導は、国民健康保険の保険事業の中核をなす重要な取り組みです。引き続き、創意工夫を図りまして、受診勧奨を積極的に進め、受診率の向上に努めてまいりたいと考えております。
◆福田たえ美 委員 今、
新型コロナウイルスのニュースなどでもよく聞かれると思いますけれども、重症化をしてしまう方がやはり糖尿病などの基礎疾患がある方が重症化をして、最悪の場合にはお亡くなりになってしまうというようなことがございます。それほどこの基礎疾患というものがいざというときに影響してしまうということを考えますと、この生活習慣病への対策というのは、やはり区としてもしっかり取り組んでいかなきゃいけないテーマだと私は思っておりますので、よろしくお願いいたします。
この健診受診者がふえることとあわせて、この生活習慣病のリスクが高い人をそのままに放置しないということが重要になってまいります。区民の方を脳卒中などから守るためには、自分自身の重症化リスクを知るということが、生活改善、治療を促すきっかけになると考えます。
そこで、国立がん研究センターというところで、リスクスコアによる脳卒中発症確率の算出をホームページで公開をしておりました。年齢、性別、たばこを吸っているか、肥満度、糖尿病歴、血圧というのを入力いたしますと、その人の脳卒中の発症確率というのを算出してくれます。この数字で示されることによって、よりリアルに生活改善や病院への受診のきっかけになると感じました。
国立がん研究センターが行っているように、このホームページから自分で重症化リスクを判断できるような仕組みを導入してはいかがでしょうか、区の見解をお聞かせください。
◎鵜飼 世田谷保健所副所長 この国立がん研究センターが長年の研究成果をもとに作成したチェックリストにおきましては、委員がおっしゃるように、一人一人が自分の脳卒中の発症リスクを可視化でき、自分自身がそのことを認識することができ、非常に有用であると区としても認識しております。
今後、区が作成する健康関連のチラシ、また区のホームページ上に、このチェックリストにつながるQRコードやリンク先を掲載し、より多くの区民にこのチェックリストを御利用いただくよう働きかけ、区民みずからが脳卒中予防への意識を高め、早期受診につなげるよう取り組んでまいりたいと思います。
◆福田たえ美 委員 ぜひよろしくお願いいたします。
脳卒中で起きる後遺症のことで一つだけお伺いしたいと思います。高次脳機能障害というのがありますが、障害認定があるわけではないので、この障害に気づきにくいという現実があります。働き盛りの男性が脳卒中で倒れ、身体のリハビリが終わり、社会復帰をしようと思っていたところが、コミュニケーションなどの問題で社会復帰の壁にぶち当たったといったようなことがございました。高次脳機能障害の可能性があったとしても、その障害自体を知りませんし、まして訓練の場があることも全く知りませんでした。
四月には「うめとぴあ」が開設して、今まで相談と訓練が同じ建物で連携を以前まではとっておりましたけれども、今後こういった高次脳機能障害の区民の方にも安心して相談と訓練が受けられるような、つないでいく人、またシステムがしっかりと確立されていかなくてはならないと思います。
この総合福祉センターの時代と同じように安心した環境の整備を求めます。区の見解をお聞かせください。
◎宮川
障害保健福祉課長 高次脳機能障害者の支援について、区では現在、主に保健センター専門相談課が御本人や家族等からの相談に乗り、機能の評価等を行った後、ニーズに応じてケアセンターふらっとや東京リハビリテーションセンター世田谷の自立訓練、障害者就労支援センター、当事者グループの活動など、適切な機関等につなげております。
保健センター専門相談課では、今年度、東京リハビリテーションセンター世田谷の自立訓練に対して、利用者支援の個別フォローですとか、職員に対する技術支援、移行した利用者に関する事例検討会なども行っております。
本年四月には、保健センター専門相談課が区立保健医療福祉総合プラザに移転いたしますので、東京リハビリテーションセンター世田谷との情報共有や事例検討を充実させること等により、相談と訓練を円滑につなぎ、今後も高次脳機能障害者の自立に向けた支援に取り組んでまいります。
◆福田たえ美 委員 以上で河村委員にかわります。
◆河村みどり 委員 それでは、引き続き、私のほうから質問を始めさせていただきます。
まず初めに、精神障害者の地域での受け皿づくりについて質問をしてまいります。
先日、精神障害のある方の身内の方から入所できるグループホームが見つからないので、病院から退院することができずに困っているとの御相談がありました。その精神障害のある六十代の男性は、九十歳になる母親と長年二人暮らしをされていましたが、そのお母様の病気がきっかけでひとり暮らしとなり、日常生活もままならなくなってしまい、また精神疾患が悪化し、入院生活を余儀なくされておられました。その後、残念ながら区内では見つけることができず、長年住みなれた本区から離れざるを得なくなってしまったとお伺いしました。より多くの区民が住みなれたこの地域で自立できるように、さらに環境を整える必要があります。
区の精神障害者保健福祉手帳の所持者は平成二十八年三月現在四千九百十一名だったところ、平成三十一年三月現在では六千百八十七名と三年間で約千名増加をしています。また、国における精神疾患の総患者数は、平成二十九年に四百十九万三千人で、精神疾患のほか、がんや脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病の五大疾患の中で一番多い病となっています。さらに御相談があった御家庭もそうでしたが、八〇五〇問題に通じる親の高齢化の問題についても喫緊の課題です。障害施策の中でおくれていた精神障害施策の充実を図る必要があり、そのグループホームについてもその一つだと考えます。
区は、令和二年度、入院患者の地域移行事業など、精神障害者施策の充実を図るとし、さらに(仮称)世田谷区障害施策推進計画策定に向けた検討において、施設整備の方針を示すと聞いております。
まず初めに、精神障害者のためのグループホームの整備に向けた検討についてどのようになっているか、今後の取り組みについてスケジュールを伺います。
◎阿部
障害者地域生活課長 精神障害の方を含む障害者のグループホームの整備につきましては、令和二年度までに三百七十人分を確保する目標を掲げ、取り組んでおりまして、既に三百五十人分を確保しておりますけれども、今後の梅ヶ丘拠点からの地域移行等の中長期的需要に応えるため、平成三十年度より障害者施設整備等に係る基本方針策定に向けた検討を進めております。
また、基本方針の検討では、障害者通所施設の確保も主要課題としておりますけれども、精神障害等の障害特性によりまして、通所施設への定期的通所が困難な方の日中活動の場整備の必要性などについても並行して進めている(仮称)世田谷区障害施策推進計画策定の中で整理をすることとしております。
これら検討に資するため、通所施設を通じたニーズ調査を実施しているほか、精神障害の方向けのグループホーム運営事業者へのヒアリング等も予定をしております。その結果等をもとに、世田谷区障害者施策推進協議会において、障害施策推進計画との整合を図りながら御審議をいただき、本年九月を目途に基本方針を策定の上、具体的取り組みに結びつけたいと考えております。
◆河村みどり 委員 日中活動の場の整備についてですが、検討課題になっているということで、私もこれまで当事者の方々からこの日中の居場所がないという、そういったお声をいただいてまいりました。例えば受給者証がなくても、状況に応じてですけれども、利用できるような居場所づくりも含めて検討していただくことを要望させていただきます。
次に、精神障害者施策の充実に向けた取り組みのスケジュールをお聞きいたします。
◎宮川
障害保健福祉課長 精神障害者施策の充実については、国の補助事業である精神障害にも対応した地域包括ケアシステム構築推進事業を活用して、平成三十年度から順次取り組みを進めており、この間、世田谷区精神障害者等支援連絡協議会の設置を初めとして、地域障害者等相談支援センター「ぽーと」の体制強化、多職種チームによる訪問支援事業を実施しております。
令和二年度には新たな取り組みとして、世田谷区立保健医療福祉総合プラザの開設に合わせて移転する区立保健センターにおいて、心の相談機能の整備を図るほか、世田谷区からの長期入院者がいる精神科病院を訪問して、本人が希望する地域生活の実現に向けた支援を行う精神科長期入院者訪問支援事業の試行を開始いたします。
令和三年度以降は、住まいの確保支援や日中の居場所づくり、ピアサポーターが活躍できる場の拡充など、国の構築推進事業の他のメニューや、地域における退院後の支援体制の充実について、世田谷区精神障害者等支援連絡協議会等からの助言や意見をいただきながら、課題を整理し、取り組み方法等について検討してまいります。
◆河村みどり 委員 たとえ精神障害があったとしても、人として当たり前の暮らしをする権利があります。どんな病でも入院が必要なときもあり、よくなれば退院して地域での生活をする。そこにしっかりと支援の手を差し伸べて伴走していくことが重要です。
区は、その当たり前の本来の姿に向かって取り組みを開始するわけですが、その一方で、実際長期に入院されていた方が、地域に戻り、自立するには並み大抵ではないと思います。まず、御本人の退院への不安を初め、住居、住まい、またお金の管理、外出などのそういった幾つものハードルに対して、一つ一つ本当に粘り強く時間をかけて乗り越えていかなくてはならないと思います。
今後、移行するに当たり、当事者の宿泊体験等の中間的施設というのは必要ではないのでしょうか。その点をお伺いいたします。
◎宮川
障害保健福祉課長 区では今年度、精神科病院長期入院者の病院別の人数等を把握するため、病院向けにアンケートを実施し、入院者の数、地域連携の窓口、退院に向けた諸条件等について整理、分析を行っています。
アンケートの取りまとめはこれからですが、速報値によりますと、条件が整えば退院可能で、退院に向けた本人意思がある方が六十名以上いることがわかってきています。また、在院期間の平均は八年五カ月と長期化しており、ピアサポーターによる退院へ向けた動機づけ支援や地域で生活するイメージづくり、相談員による生活環境の調整など、退院に向けた準備をどのように行うかも大変重要だと認識をしております。
宿泊体験ができる場所の確保については、先行自治体の事例を参考としながら、例えばグループホームの一室を柔軟に運用するなど、長期入院者の地域移行がよりスムーズに行えるための機能の一つとして検討を進めてまいります。
◆河村みどり 委員 退院の意思がある方が約六十名以上いらっしゃるということと、また支援についてはグループホームの活用を考えているということですけれども、今まさしく検討中だと思いますので、十分に体制を整えていただくことを改めて要望し、今後の取り組みには注視してまいりたいと思います。
先日、私の地元の地域にある滞在型のグループホームに伺わせていただき、運営されている事業者の方から、滞在型グループホームの必要性などをお聞きしてまいりました。通過型のグループホームはおおむね三年間の利用期間になっていますが、実際は二年目から次の住まいに移る準備が始まるとのことで、利用者にとってもその期間の短さが本当に不安材料になると言っております。滞在型であれば期間のことを気にせず、利用者も、そして支援する側も落ちついて支援の提供ができる、そういったメリットを伺ってきました。だからといって、自立に向けた訓練の場でもありますから、利用者が将来的に退所に向かえるよう支援に努められていらっしゃいました。
ファミリータイプのそのグループホームは、とても家庭的な温かな雰囲気で、利用者の方々が安心して生活している様子が感じ取ることができました。
今後、精神障害者の地域移行に伴い、グループホームの拡充は必須ではないでしょうか。通過型とともに、滞在型の拡充を求めますが、区はどのように対応するのかお伺いいたします。
◎阿部
障害者地域生活課長 主に精神障害の方を対象とするグループホームは、現在区内に十八カ所百九人分ありまして、そのうち十四カ所九十人分は、お話のあった三年で単身生活に移行できるよう取り組む通過型となっております。
しかし、精神障害の特性から、この三年での移行が難しい方もいらっしゃるため、世田谷区自立支援協議会等から利用期間を定めない滞在型のグループホームの増設を求める御意見もいただいているところです。
通過型グループホームは、東京都が独自に推進してきた経過があり、滞在型に比べ手厚い人員配置や交流室の設置等を義務づける一方、都加算等が措置されるといった制度上の違いがございます。
区では、障害者施設整備等に係る基本方針の検討を進めておりまして、精神障害の方のグループホーム運営事業者へのヒアリング等も行いながら、将来需要を捉えまして、基本方針の中で、障害特性等を踏まえたグループホームの類型別の整備目標を設定し、早期に具体的取り組みを進めてまいりたいと考えております。
◆河村みどり 委員 ぜひ現場の声をくみ上げていただいて、整備に反映していただきたいと思います。
最後ですけれども、精神障害にも対応したその地域包括ケアシステムの構築として、退院後の支援については、お住まいとともに地域での暮らしを支えていく、保健や医療、そして福祉のさまざまな受け皿が本当に必要だと思います。今後どのように推進していくのかお伺いいたします。
◎片桐 障害福祉部長 ただいまお話にありましたとおり、今後、精神障害をお持ちの方々の地域移行を進めていくためには、個々人の障害特性も踏まえながら、住まいの確保や日中活動の場など、地域での生活を支える受け皿を整備していくことが不可欠と認識しております。
区では、昨年度設置した保健医療福祉の関係機関、支援者等で構成する世田谷区精神障害者等支援連絡協議会において、地域包括ケアシステム構築に向けた支援のあり方についてさまざまな御意見をいただいておるところです。
今後、そういった御意見も取り入れながら、精神障害者が自分らしい生活を地域で送れるよう、各関係機関が重層的な連携支援を図るための体制を早期に構築し、具体の取り組みにつなげてまいりたいと考えております。
◆河村みどり 委員 ありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。
次に、一般質問に引き続き、フレイル予防の観点から、歩いて通う会食の場の拡充について伺ってまいります。
現在の日本人の平均寿命は女性が八十七歳、男性が八十一歳で、健康寿命については、女性が七十四歳、男性七十二歳となっています。そのことから、要介護の状態について、おおよそ女性は十三年間、男性は九年間続いていく期間と推測されております。健康長寿の秘訣にはフレイル予防の取り組みが大変重要です。そのフレイル予防には、運動機能、それから栄養状態、社会参加のこの三つの柱がポイントだと言われております。
一般質問では、その三つの柱から歩いて通う会食の場の観点から、まず一つに、高齢者が高齢者を支える地域住民のボランティアが活躍している区独自の事業、ひとり暮らし高齢者の会食サービスの拡充を求めてまいりました。孤食を防ぎ、栄養面からもフレイル予防に高い効果が期待できる場です。しかし、主体的な住民同士の支えあいとなる担い手の確保が課題となっており、高齢化に伴い、担い手がなかなか集まらないことから、十年間で十団体、利用者が二百人も減ってきていることを一般質問で指摘をさせていただきました。
ここで、平成三十年度の厚生労働省老人保健健康推進等事業において、地域住民の社会参加活動の手法についての調査研究を行っておりますけれども、その報告を御紹介させていただきたいと思います。
この研究事業の委員は、日本大学の教授を初め、各大学関係者や福祉関係者で構成されており、これが住民のやる気を支える支援の手引きとしてまとめられております。食事サービスや居場所づくりなど、住民参加による生活支援サービス運営団体によるアンケート調査を行っているんですが、そこから見えてきたものがあります。
こちらは大きく拡大させていただいたものです。まず、サービス分野ごとの団体の設立の年度別なものになっております。ちょっと見づらいんですけれども、一番左側の棒グラフは一九八〇年以前です。次に一九九〇年代、二〇〇〇年、そして二〇一〇年、二〇一五年、そして最後の特にこの緑色、伸びている棒グラフがございますけれども、そこが二〇一六年以降の数字になっております。
ここで見ると、特に子ども食堂、地域食堂がぐっと伸びております。また、子育ての居場所、そして多世代の居場所という部分が大きく伸びているわけですけれども、区の課題でもあります担い手不足となっているこの地域住民参加による生活支援サービスにおいて、最近になって活動がふえている、これらの子育てのところの活動です。そこが本当にこの近年において勢いのあるサービス分野であるということは、この表で示されております。
次に、先ほどの表で見ていただいたこのサービス分野ごとにおいてのボランティアさんの年齢構成についての平均値の表になります。この先ほど伸びていたところの子育て世代を対象とした居場所、そして多世代を対象とした居場所、また子ども食堂、地域食堂のところになりますけれども、そのボランティアさんの年齢が四十歳未満、また四十歳から六十歳まで、この現役世代の方が、特にこの三つの分野で半数以上です、五〇%から六〇%を占めている、そういった現状があるということです。これは何を示しているかといいますと、子ども食堂を含むそういった多様な年代が参加できる居場所づくりは、担い手の確保や事業の継続、発展に向けた支援が成功しやすい要素があるのではないかということの考え方が示されているものでございます。
済みません。その下のところは時間の関係で飛ばさせていただきます。
最後にもう一つお見せしたいところですけれども、左側の表は、その子ども食堂、地域食堂で受け入れている年齢層になります。大体その子ども食堂は、小さいお子さん、小学生、未就学児が多いですけれども、子どもの保護者さんもいらっしゃいますが、ここで見ていただきたいのは、この子ども食堂でも、高齢者六十五歳以上の方が、約半数ここに参加をしているという結果が出ております。そして、右側の表になりますけれども、今後、新たに受け入れたい年齢層も書かれておりまして、この子ども食堂でも今後、高齢者の方、六十五歳以上の方は二割程度受けてもいいですよと、そういった御意見が出ているという表になります。
一部のみの御紹介をさせていただいたわけですが、この調査研究におきまして、住民の担い手不足の解消の方策として、多様な年齢層が参加できる多世代の居場所づくりが担い手の確保と事業の継続発展につながっていく大きなヒントとあらわれていると思います。この考え方は、高齢者会食サービスの担い手だけでなくても、そのほかの地域コミュニティーの担い手にも、もしかしてヒントがあるんじゃないかなと、そのように思っておりますけれども、区においても、子ども食堂、多世代食堂に注目が今集まっております。
平成二十七年度の助成対象の子ども食堂は四団体だったんですが、社協が把握するだけでも、区内約今四十四カ所に広がっていると、そのように聞いております。
ここで提案ですが、高齢者会食サービスの担い手の拡充を図るために、子どもの視点を入れた会食サービスに変更し、より多くのひとり暮らし高齢者のために工夫できないでしょうか。区の考えをお聞きいたします。
◎三羽 高齢福祉課長 高齢者会食サービスは、ひとり暮らしの方を中心とした地域の高齢者に食事を提供し、交流を図る事業でございますが、令和元年度は担い手である協力員ボランティアとして、二十才未満から高齢者まで四百四十三名の地域の方に登録をいただき、支えていただいております。
また、子ども食堂では、支援を必要とする子どもだけではなく、ひとり暮らしの高齢者にも声がけをして、多世代交流の場をつくる地域食堂の試みなども反響を呼んでいます。
ほかにも、コミュニティーカフェ、地域サロンなど地域住民が主体となった食を通じた支えあいの場は年々広がっていると認識しております。
高齢者会食サービスの担い手の確保に向けては、「区のおしらせ」、ホームページを通じた事業の周知のほか、活動場所の確保、利用の調整、事業実施に向けての支援を行っているところでございます。
引き続き、さまざまな機会を捉え、周知していくとともに、地域包括ケアの地区展開における参加と協働による地域づくりとの連携を図りつつ進めてまいります。
お話しの担い手確保のためのサービス対象の拡大につきましては、子ども食堂など他の食を通じた地域活動を参考にしながら、さまざまな方策を研究してまいります。
◆河村みどり 委員 この会食サービスは、区独自の事業です。区の判断でいかようにも変更できる事業だと思います。
また、優先的に区の施設において集うこともでき、多世代の居場所づくりの場所の確保においても有効だと考えます。多世代にすることで見守りや認知症予防も入りますけれども、防災の取り組みにもつながると思います。
フレイル予防の大事なこの事業にもかかわらず、年々減少してしまっていることに、担い手づくりの工夫をせずに、何年も減少し続けている現状に、ちょっと本当に申しわけありませんけれども、これに対しては区が努力しているというふうには到底思いません。時代に即した体制に変更するなど、積極的な担い手づくりを求めまして、以上で私からの質問を終え、津上委員に交代いたします。
◆津上仁志 委員 では、引き続き質問してまいりますので、よろしくお願いいたします。
まず初めに、大規模集合住宅、都営住宅ですけれども、こちらへの支援について伺っていきたいと思います。
私が住んでいる地域には、都営の下馬二丁目住宅というのがあるんですけれども、そちらはまちセンのほうに調べていただいたんですけれども、六十五歳以上の方が約千人ほどお住まいです。七十五歳以上の方はそのうちの八百名ほどになっているということで、その大半が、独居、高齢者のみ世帯、またお一人でお住まいの方が非常に多くなっています。
さらに、今、下馬住宅建てかえ事業三期が終わったところで移転が終わったところなんですけれども、今まで住んでいた建物でコミュニティーをつくっていたんですが、それぞればらばらの場所に引っ越しているもんですから、また新たなコミュニティーをつくる必要があるんですけれども、昔みたいに団地はどちらかというと、隣近所はよく御存じの方が多かったんですけれども、今そういう状況にない状況になって、また新しくコミュニティーをつくっていかないといけないという状況になっています。
地元の町会の皆さんや地区社会福祉協議会や民生委員の方なんかも非常に尽力していただいているんですけれども、なかなかその孤立化というのがどんどん進んでいる状態で、ドアの外に、おうちの外に出てきていただくというのが非常に苦労している、そういう地域になっています。
そこで、我々公明党で、平成二十七年から求めてきたんですけれども、こういう高齢化が特に進んでいる大規模の集合住宅に暮らしの保健室、これをしっかり整備してほしいということで求めてきました。もう御存じ、御案内だと思うんですけれども、新宿区にある都営戸山ハイツ、ここに一番初めにできました、暮らしの保健室。二〇一一年に開設されて、非常に盛況になっていて、今この活動がすごく認知されて、訪問看護ステーション、訪問看護の方々が中心になりながら、今、全国五十カ所以上に展開をされている状況です。
まずお聞きしたいのが、こういう暮らしの保健室、創設された秋山正子さんという方なんですけれども、この方にお話を伺った機会があったんですけれども、そのときにおっしゃっていたのが、単なる相談窓口じゃないんですと。気軽に立ち寄れて、安心できる場所を居場所として提供していますと。利用している方々、最初は何か支援してほしい、またおしゃべりしたいということでその施設を使っていたんですけれども、そこから、今度は私たちが何かしたいというふうにボランティア、支える側に変わっていっている、そういう育成の場でもあるんですと、そういうふうな話をしていました。そういった場所から、また新たなコミュニティーができて、いろんな活動に発展していると、そんなお話を伺ってきました。
ぜひ世田谷区でもこういう取り組みを広げていっていただきたいと思うんですけれども、まず認識について伺いたいと思います。
◎佐久間 介護予防・地域支援課長 お話のありました暮らしの保健室は、身近な場所で、誰でも予約なしに医療や介護、健康など、暮らし全般の相談が無料で受けられる施設として有意義な活動をしていると認識しております。区では、区内二十八カ所の徒歩でも通える生活圏内にあんしんすこやかセンター、まちづくりセンター、社会福祉協議会の三者が集い、身近な福祉の相談窓口を設置し、さまざまな相談を受け付けております。
あんしんすこやかセンターには、保健師等の医療職や社会福祉士、介護支援専門員などの専門職が常駐しており、区や社会福祉協議会の職員と連携しながら、医療や介護、健康など暮らし全般の相談を受け付けております。
あんしんすこやかセンターでは、町会や商店街の行事、高齢者クラブなどの会議、サロンや自主グループにも出向き、相談を受け、また高齢者のお宅に戸別訪問を行い、健康状態や生活状況を確認し、見守りや介護予防等の相談に応じております。
今後も、誰もが気軽にあんしんすこやかセンターにお立ち寄りいただき、身近な福祉の相談窓口を活用していただくよう働きかけてまいります。
◆津上仁志 委員 認識だけ聞いたんですけれども、御答弁いただきましたけれども、今まで質問したときも同じ答弁をずっといただいているんです。月一回、近隣では暮らしの保健室をやっていますよと、相談があったら、あんすこも訪問していますよと、活動の場だとか、担い手づくりにもしっかりと取り組んでいますというふうな答弁は、もうずっとこれまでも繰り返してこられているんですけれども、御存じのとおり、下馬住宅にお住まいの方は平均年齢が非常に高いです。町会の役員をやっている方も、皆さんもう八十を超えているような方々がやっていらっしゃるような状況で、あんすこまで相談にわざわざ出向いていくということが非常に困難になっているんです。また、個別に訪問してくださるということなんですけれども、下馬あんしんすこやかセンターの三十年度の実績、これが今最新なんですけれども、これが出ているので、見ると、相談件数が区内で四番目に多いんです、八千五百四件、相談待ちの件数が一番多くて四千九百六件、継続は八番目で二千八百八十二件というふうになっているんです。相談していただいている九割がもう三十分以内、だから、ほとんど時間がとれないような御相談の状況にもなっているというふうにも見えるんです。
こういうものを、こういう状況であるあんしんすこやかセンターにさらに団地のこともしっかりやってくださいということをやる余力が果たしてあるのかなというのが一番危惧をしているんですけれども、相談に来られる内容というのは、介護だけじゃなくて、医療のこともそうですし、障害のこともそうですし、生活相談も私もよく団地の方から御相談を受けますけれども、本当に多岐にわたるんです。
今、世田谷区はあんしんすこやかセンター、高齢者の人口に応じて加配をしていますけれども、もうそういう加配をする方を団地に、そういう大型団地を抱えているところに団地にサテライト機能というんですか、あんすこのサテライト機能として位置づけて加配していくというような考えはどうですか。
◎佐久間 介護予防・地域支援課長 区では、世田谷区地域包括支援センターにおける包括的支援事業の実施に係る基準に関する条例を改定し、平成三十一年四月からあんしんすこやかセンターの職員配置基準を変更してまいりました。
あんしんすこやかセンターの職員配置につきましては、高齢者人口の規模に応じた区分ごとの職員配置の配置数を設定していますが、業務量の増加を踏まえ、職員の配置数を増員したものでございます。あんしんすこやかセンターでは、アウトリーチによる相談対応を重視しており、訪問による相談対応の件数は全体の約三分の一になっております。また、高齢者宅への訪問のほか、サロン、町会、自主活動のグループ、マンションや都営住宅への訪問活動も行っております。
今後も高齢者の相談ニーズを踏まえ、引き続きアウトリーチを重視しながら相談に対応してまいります。
◆津上仁志 委員 アウトリーチでやっていかれるということなんですけれども、今お話があったような、いつでも気軽に行って、そこに誰かいて、相談できる場所というのがやっぱり大事なんじゃないかなということで、私たちずっと求めてきたんです。それを何とか形にしていただけないかという思いでいろいろ質問をしてきたんですけれども、まずその今、実際、月一回暮らしの保健室、三宿病院の訪問看護ステーションさんに御協力いただいて、近くにはフレンズさんという特養があるんですけれども、そこのロビーの一角を借りて実施をしていただいているんです。ただ、やっぱり月一回ということなので、団地の方々もほとんど御存じなかったりとか、あと相談したいときに行けないというのがあるので、なかなか利用が進んでいない状況もあるんです。
やっぱりそこに相談できる場所がある、誰かいる場所があるというのがやっぱり大事だと思うんですけれども、そういうものを常設でしっかり整備していただきたいと思うんですが、改めて見解を伺いたいんですが。
◎佐久間 介護予防・地域支援課長 常設でいつでも相談に行ける場所としてあんしんすこやかセンターを区内に二十八カ所に設置しておりますが、そこまで出向いて相談することが難しい高齢者の配慮や、身近なところで気軽に相談できるような取り組みも重要なことと認識しております。
委員、今お話しのようなフレンズを御活用していただいている、月一回やっている保健室につきましても、その開設に合わせまして、保健室のスタッフが住宅の高齢者訪問をするなど、困り事を伺う活動もしているというような形で聞いております。
あんしんすこやかセンターでは、今後も御要望があれば、大規模住宅団地を初めとしたサロンや自主グループへ出張し、健康医療や介護の相談をお受けするとともに、御自宅へも訪問するなど、高齢者が身近なところで気軽に相談できるよう引き続き取り組んでまいります。
◆津上仁志 委員 今、下馬の地区社協さんだとか、地元の町会さんだとかが中心に下馬和楽というサロンを毎月開いてくださっているんです。運営されている方も当然高齢者の方なんですけれども、非常にわいわいとやっていらっしゃるんですけれども、そこに来られている方というのは本当にごくごくわずかなんです、全団地の中の一握りというか。実際介護サービスなんか、行政のサービスを使っていない方が本当に多くて、そういった方々が何かあったときにつながる場所というのがないんです。実際、もう団地のこと、きょう竹内副支所長、いらっしゃっていますけれども、わかると思うんですけれども、毎日のように救急車が来ていたりとか、そんな状況でもあるんです。何が起こってもおかしくないような高齢化が本当に進んでいる状況で、その中で訪問してやってくださるということなんですが、まだまだやっぱり足りていない、サービスに届いていない方がたくさんいるということを認識していただきたいと思います。
地域資源開発もやってくということなんですが、今実際に団地で活動されている和楽の活動って本当にすごい活動されていますけれども、目立ったのがもうそのぐらいで、あとは高齢者クラブの活動をやられていたりとか、その程度なんです。
そこに社協さんだとか、その辺が絡んで開発してくださっているとか、今回の訪問、三宿病院の看護ステーションの事業、暮らしの保健室の事業だって、三宿病院側から区のほうに問い合わせがあって、できている事業になっているんですね。ですから、その辺は、やっていますという答弁を繰り返すんじゃなくて、しっかりフォロー、アウトリーチでやっていくとおっしゃるのであれば、そういうサービスをしっかりつくっていっていただきたいと思うんです。その辺はどうですか。
◎佐久間 介護予防・地域支援課長 先ほどもお話ししたとおり、あんしんすこやかセンターのほうでは、御要望があれば御自宅のほうに伺ったりとかさせていただきますので、引き続き御要望があれば、アウトリーチで御自宅のほうをお伺いさせていただきます。
◆津上仁志 委員 もう繰り返しませんけれども。
あと場所の件なんですけれども、今その訪看さんがやられているのが、フレンズさんて昔にできた特養なんで、今みたいに地域交流スペースってないんです。ロビーでやっていただいているんですけれども、今度、下馬団地建てかえ事業で、創出用地、空き地ができます。そこに、世田谷区は福祉の施設、高齢、障害、子育て、こういう施設をつくってくださいということで要望をしていると思うんです。
まだ東京都のほうからは何も返ってきていない状況だとは思うんですけれども、ぜひそのときに設置される、高齢者施設でも、障害者施設でも結構なんですけれども、そこにこういう暮らしの保健室みたいな機能をぜひつけていただいて、団地の高齢化が著しく進んでいる、そういう状況をフォローできるようなものをぜひつくっていただきたいと思うんですが、その辺の取り組みについてはいかがですか。
◎長岡 高齢福祉部長 今お話しのとおり、区のほうからは、その創出用地については、高齢、障害、子育て施設の整備を東京都に要望を出しておるところでございます。
御存じかもしれませんが、東京都のほうが用地を各事業者に貸し付けを行いまして、事業者が施設を建設する方式を想定しているところです。担当の都市整備のほうの所管に確認したところ、東京都から協議についての連絡は現在までまだ来ていないという状況でございます。
委員お話しの暮らしの保健室の、そこにつくれないかというお話についてなんですけれども、先ほど課長のほうから申し上げましたけれども、暮らしの保健室さんの趣旨はよくわかるし、重要であるというふうには思っております。
ただ、暮らしの保健室自体につきましては、ソフトの対応のお話ということになりますので、一方、創出用地の施設の整備につきましては、ハードの整備ということで、ハードの部分でどのような工夫ができるか、工夫ができるかどうかについては、東京都と今後協議していきたいというふうに考えております。
◆津上仁志 委員 東京都のほうでも、去年の十二月に発表されましたけれども、未来の東京戦略ビジョンというのをつくっています。これは二〇三〇年に向けて取り組むべき戦略ということで項目立てているんですけれども、その戦略の四番目に、長寿社会実現戦略というのがあるんです。その中にうたわれているのが、この都営住宅、また特別養護老人ホームなどの活用ということを書いているんです。
一番上にある、そこに記載されているのが意欲ある区市町村において、高齢者を初め誰もが元気で心豊かに自分らしく暮らせる地域社会を実現するため、大学、NPO、民間企業などと連携した、都営住宅や特別養護老人ホーム等を活用した取り組みを都が強力に支援、成果検証の上、都内全域に展開というふうにあるんです。意欲ある区市町村でという、そこを東京都は強力に支援するというふうに書いていますので、そこを酌んでいただいて、ぜひ高齢化が本当に進んで、地元の方、本当に御苦労されています、悩んでいらっしゃいます。そういうところを何とか助けていただくためにも、全力で取り組んでいただきたいと思いますので、これは要望にとどめて、私は年に一遍しか質問できないんですけれども、来年またどうなっているか、期待をして、質問をしたいと思いますので、よろしくお願いします。
では、次に、がん相談について伺っていきたいと思います。
私、平成二十四年、議員の一期目のときなんですけれども、ここの予算委員会でがん相談の窓口、これをつくってほしいということで設置を求めました。世田谷区は、がん推進条例をつくって、推進計画もつくって、がん相談についても重点事業として取り組んできていただきました。
平成二十六年の十月にがん相談コーナーというのが保健センターの中に設置をされました。それを設置された後というんですか、設置された直後から、がん相談コーナーについては、相談、日時、すごく限定されていたので、これをしっかり拡充してほしいだとか、就労相談とか、生活相談にもしっかり応じてほしいとか、あと常設でぜひ設置をしてほしいということを求めてきました。
さらに、看護師の育成や確保、これを理由に、なかなか区側は拡充できないというふうな答弁をされていましたので、だったら実施できるような団体を活用してはどうだみたいなことも提案もしてきました。
区は、梅ヶ丘への移転を目指して取り組んでいきますというふうにずっと答弁をしていただいていたと思うんですけれども、昨年の第四回定例会、これは代表質問に対してですけれども、区民へがん情報等を案内し、相談等につなげる常設窓口の設置は重要と認識し、検討を進めております。来年度当初は、現状相談窓口の拡充に加え、がん情報を提供する常設窓口の開設に向け、準備してまいりますというふうに御答弁いただいておりました。
常設の窓口ができるんだなと、すごく喜んでいたんですけれども、先日、我々議員にも配布をして、ポスティングしていただきましたけれども、区立保健センターの健康情報誌、げんき人がありますけれども、今回は保健医療福祉総合プラザ内に移転するという特集号みたいな形で組んでいただいているんです。その中に、がんコーナーの御案内というふうにあるんですけれども、この御案内が拡充をしていただける、常設でつくっていただけるというお話だったんですが、今までの御案内と全く変わっていないんです。この点について、私たちは常設でがん相談を受けられる体制を求めてきたんですけれども、また予算説明書の中にもしっかり新規事業として書かれていたので、てっきりできるもんだと思っていたんですけれども、この点はどっちが正しいんですか。
◎相馬 健康推進課長 区のがん相談につきましては、令和二年四月に保健センターが梅ヶ丘の保健医療福祉総合プラザに移転することを契機として、これまでの専門相談員による対面相談や電話相談に加え、常設のがん相談室を設置しまして、がんに関する情報提供や区民からのがんに関する相談を受け付けます。
◆津上仁志 委員 受け付けるということは、常時、このチラシは間違っていて、ちゃんと開庁時間にはオープンして、どなたでも御案内できるということ。
◎相馬 健康推進課長 げんき人につきましては、移転のときのことを優先に書いてあって、紙面の都合上、その部分が不足しているかと思います。これら窓口の改正につきましては、今後作成するチラシですとか、広報等を工夫しまして、広く周知するとともに、がん患者の支援団体や医療機関等で構成する世田谷区がん患者等支援ネットワーク会議等を通じて、医療機関、患者会など、関係団体と連携を図り、周知してまいります。
◆津上仁志 委員 では、どういう体制で、これは窓口は開かれるんですか。どんな方が座られるんですか。
◎相馬 健康推進課長 通常窓口で相談を受ける際、必要に応じて相談室も使いますけれども、その体制につきましては、これまで保健センターのがん相談の対応経験のある職員が複数体制で受けることを予定しております。
◆津上仁志 委員 わかりました。では、開庁時間にふらっと行っても、そこでがん相談を受けていただいて、常時そこに人がいらっしゃるということでよろしいんですね。
◎相馬 健康推進課長 通常、日中に来た方が相談を受けられるように体制をつくっていく予定でございます。
◆津上仁志 委員 体制をつくっていく予定って、四月にそういう体制になるということでよろしいんですよね。
◎相馬 健康推進課長 保健センターの中でローテーション等を組みまして、体制をする予定でございます。
◆津上仁志 委員 ローテーションもいいんですけれども、そこにちゃんと人がいて、いつ行っても相談を受けられますよということ、専門相談はこの日時にやるけれども、いろいろ生活相談、いろんな機関につないでいただいたりすると思うんですけれども、そういうことはやれますよと、いつでも大丈夫ですよということなんですか。
◎鵜飼 世田谷保健所副所長 今、相馬が言ったように、がん相談のまず設置をします、保健センターに。その中で、今まで専門相談の土曜日、限られた相談のときに必ず保健センターの看護師がついていたんですが、その職員たちがローテーションを持って、もちろん保健センターの日中の平日の時間帯なんですが、そこをローテーションでいって、誰かが来たときには相談を受けるような体制は今とるということで、今後四月からやっていきます。
◆津上仁志 委員 体制が整っているんであれば、せっかくの特集号なんで、そういうふうに明記すれば、より多くの方、特に周知がずっと進んでいないというふうなお話をされていたから、そういう意味では絶好の機会だったと思うんですけれども、何でそうされなかったんですか。
◎鵜飼 世田谷保健所副所長 その辺は、区と保健所側とちょっと今そごがあったところは反省してございますので、今後また次の機会の広報とか、そのあたりではその辺をPRする機会を設けていきます。
◆津上仁志 委員 わかりました。最初に取材のときに聞いていた状況と違うので、改められたなら、それで結構なんですけれども、私たちは、今までそういう生活相談もそうですけれども、受けられるような体制をということで、両立支援コーディネーターの配置なんかも求めてきました。また、ピアサポーターといってがん経験者の方の配置なんかも求めてきて、専門相談、電話相談なんかではやっていただいていますけれども、そういう方もぜひ配置していただいて、常時そういうものにも対応できるような体制をつくっていただきたいなと思うんですが、今後のその体制、どういうことをお考えですか、どういうものにしていこうとお考えですか。
◎相馬 健康推進課長 体制につきましては先ほど申し上げたとおりなんですが、現在予約制ではありますが、社会保険労務士等による治療と就労の両立に関する就労相談ですとか、がん体験者によるピア相談については、今予約制で行っておりますので、窓口等を通じてより支援につながりやすくしてまいりますとともに、委員御指摘の点につきましても今後の体制の参考にさせていただきたいと思っております。
◆津上仁志 委員 しっかり体制をつくっていただきたいと思います。
ちょっと時間がなくなったんで、もう最後の一問になるかと、ああ、もうだめか。済みません。では、また一年後に福祉領域でできればいいかなと思いますので、よろしくお願いいたします。用意していただいた方、本当に申しわけありませんでした。
以上で公明党の質疑を終わります。
○阿久津皇 委員長 以上で公明党の質疑は終わりました。
ここでしばらく休憩いたします。
午後四時五十二分休憩
──────────────────
午後五時十分開議
○阿久津皇 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。
世田谷立憲民主党社民党、どうぞ。
◆中山みずほ 委員 世田谷立憲民主党社民党の福祉所管での質問を始めさせていただきます。
まず、地域での子育てに関する成果指標について伺います。
実施計画の事業番号203の成果指標である地域の活動に参加する区民のうち子育て支援活動にかかわる区民の割合に関して、二〇一七年度、一八年度ともに七・六%と数値が変わっておりません。二〇二一年度には一五%という目標は達成見込みがあるのでしょうか、伺います。
◎増井 子ども家庭課長 平成三十年度の地域で子育てにかかわる区民の割合の成果指標は七・六%と、策定時と変わらない状況です。これは子育て家庭に力を発揮したいと考える人が活動のきっかけをつかめないためや、活動を継続して行うためのノウハウや人材の確保が十分でないため、また、子育て当事者であり、地域の子育て支援の担い手になる人は、子どもの成長とともに子育てにかかわる課題も変化するため、活動の継続が困難となることが理由であると認識しております。
一方で、ひろばなど地域の子育て支援の場において、支援の受け手が担い手となっていく地域子育ての好循環が生まれていくという現象もございます。区としましては、引き続き地域での子育て支援に関する活動のさまざまな場や機会を創出していくこととともに、区内のNPO団体等と連携し、地域での子育て支援活動への参加参画への支援を行い、目標達成に向けて取り組みを進めてまいります。
◆中山みずほ 委員 ネウボラの理念の中には地域での子育てというものも含まれていることを鑑みて、事業番号205、世田谷版ネウボラの認知度についても伺います。二〇一七年度四・六%、二〇一八年度六・五%で推移していますが、二〇二一年度には三三%、かなり高い目標が掲げられています。今後どのように数値を上げていくか、具体的なお考えを伺います。
◎増井 子ども家庭課長 平成三十年度の世田谷版ネウボラの認知度は、御指摘のとおり六・五%と、策定時の四・六%から若干ふえましたが、子育て家庭以外には関心を得にくい状況と認識しております。この間、世田谷版ネウボラを説明するリーフレットの作成や区報などによって周知を強化してまいりました。また、今年度開始した世田谷版WEラブ赤ちゃんプロジェクト、そして来年度からは小中学生を対象とした乳幼児ふれあい体験の支援事業を行います。地域全体で子育てを応援する機運醸成を進めてまいりますが、引き続き目標達成を目指しまして、さらなる周知の充実を図ってまいります。
◆中山みずほ 委員 次に、事業番号206、子どもの外遊びについて協力したいと考える大人の割合は、二〇一七年度五四・五%でしたが、二〇一八年度は四九・四%に減っています。二〇二一年度末までに目標七〇%、これもかなり高い目標ですが、これを達成するための具体的な策について伺います。
◎相蘇 児童課長 成果指標である子どもの外遊びについて協力したり見守りたいと考えたりする大人の割合が減少した原因としては、子育て家庭以外の大人を初めとする幅広い層への外遊びに関するPR不足や、外遊びの重要性についての意識改革については時間がかかる内容であるためと考えております。
今後は、子育て世代以外の幅広い層の大人への理解促進に向けて、外遊び推進員が地区に出向き、児童館地域懇談会の場等を利用して、子どもたちの外遊びの状況や課題を共有する機会づくり、外遊びに協力、理解する大人をふやすための関係づくり、イベントの実施の支援、こういったものをふやして、外遊びへのさらなる普及啓発に取り組みます。また、さらに幅広い理解促進を図るために、現在、薬剤師や一般企業など外遊びになじみの薄い団体に参加していただいているそと遊び推進全区ネットワークへの多様な機関からの参加の拡充を図ってまいります。
◆中山みずほ 委員 地域での子育て以外の部分でも、妊娠期面接の満足度というのがありました。これは数値が下がっていたので伺ったところ、数値のとり方、手法が年度によって違っているというお答えをいただきまして、これ自体が成果指標としておかしいのではないかということをちょっと申し述べさせていただきます。
次に、地域に根づいた里親事業の構築に向けて伺います。
フォスタリング事業については、委託先も決まり、実働に向けてあと二週間ちょっとというところで、順次進めていく段階に入っているかと思います。新潟市や福岡市など先進事例を確認しましたところ、やっぱり成功ポイントなどは、里親制度に関係するステークホルダーの団体、個人の強い連携が必要になると感じております。フォスタリング業務委託の事業募集要項を確認しました。その中の実施体制の中には、里親業務推進のために、区及び里親養育支援機関と関係機関と連絡を密にし、相互に連携することとあります。ここでいう関係機関とは具体的にどこになりますでしょうか。
◎長谷川
児童相談所開設準備担当課長 こちらの想定しております連携機関は、里親や里子によりまして、その家庭ごとに変わってまいりますが、具体的には、子ども家庭支援センター、児童養護施設、学校、保育園、幼稚園、さらに子育てひろば利用者支援事業、児童館などの里子にかかわる機関との連携を図ってまいります。
◆中山みずほ 委員 あと多分これに医療機関なども含まれるかと思うんですけれども、より地域に根差していくために、地域の方々が里親の理解を深めることが必要かと感じます。そのためには、地域に根差しております民生委員や主任児童委員などとも連携していく必要があると感じますが、いかがでしょうか。
◎長谷川
児童相談所開設準備担当課長 区は、里親の登録家庭をふやすために、里親制度の積極的な広報活動に努めていくこととしております。しかしながら、より地域に根差し、地域の方々の里親への理解を深めるためには、単なる広報活動にとどまらず、民生・児童委員を初めとする地域の方々へ、里親家庭特有の課題、また、配慮事項を説明する機会をしっかりと設ける必要があると考えております。
この間、民生委員児童委員会長協議会を初めまして、さまざまな会議体での説明や講演会の機会をいただいており、区の児童相談所開設に向けた取り組みについてお話をしてまいりました。今後もこれらの場を活用し、里親家庭への支援というテーマで説明や講演を行うことで、地域の理解を一層深めてまいります。
◆中山みずほ 委員 今回この質問をするに当たって、世田谷区の方ではないんですけれども、実際の里親の声も聞いてみました。その中の一人で、小さいお子さんを今里親で抱えているのですけれども、地域のママサークルに普通に入っていくのが大変困難であったという声がありました。やはり成育歴が不安定な子どもや、さらに、親権者同意がないとできないこともいろいろあるということも伺いまして、自子の子育ても結構大変だったりする中で、より大変なことがいろいろと出てまいりました。
できれば、この身近な子育て支援、地域の資源とつながることの必要性を私は感じます。中には、この地域とつながれるかどうかというのが、里親を継続できるかどうかのポイントであると言い切るお母様もいらっしゃいました。世田谷区ではそういったことを、ネウボラもありますし、つながっていけると信じておりますが、妊娠期面接でもらえるせたがや子育て利用券、これが里親家庭も対象になったということは大変すばらしい、評価したいと思っております。
次に、里親事業における成果指標について伺いたいと思います。
現段階では、フォスタリング業務の中でも大変重要な人材育成研修については、回数や受講人数などの指標が示されています。それ以外の里親事業における指標はこれから設定がされるのかなと思いますが、どのような項目を設定される予定でしょうか。
◎長谷川
児童相談所開設準備担当課長 この四月より外部委託をいたします業務は、人材育成研修等の事業のほか、里親制度の普及啓発による里親開拓、いわゆるリクルート業務及び里親を希望する家庭のアセスメント業務となっております。これらの業務の成果は、里親家庭と子どものマッチングの成立までを通して図る必要があると考えており、最終的には、里親委託率により業務の成果を判断していくこととしております。
◆中山みずほ 委員 今御答弁にありました里親の受託率以外にも、やはり厚労省が示している七五%、五〇%という数値があると思います。里親登録数というのも母数をふやす観点ではとても大事かと思います。私は指標に入れるべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
◎長谷川
児童相談所開設準備担当課長 里親委託率の向上に向けましては、それぞれの児童にふさわしい最適な里親家庭をマッチングするための候補となります里親登録家庭がより多くあることが望まれます。区といたしましても、この受け皿となる登録家庭の増加の重要性は認識しているところであり、児童相談所設置運営計画案等でお示ししておりますとおり、登録数をふやす工夫といたしまして、里親縁組を前提として里親登録をいたします、いわゆる養子縁組里親と、あと養育里親との二重登録を可能とするなどの制度設計を行っております。
現在の東京都ではこの二重登録を行っておりませんが、里親家庭登録までの意見交換を通じまして、この二重登録を可とすることは、登録家庭数をふやすために非常に有効な手段であると考えております。このような取り組みの成果を図るためにも、里親登録家庭の登録数の増加状況についても注視をしてまいります。
◆中山みずほ 委員 今、登録数を注視しますとお答えいただきましたが、できれば注視だけではなく、ぜひ目標として立てていただきたいと思いますので、御検討ください。
今御答弁にありました東京都が二重登録を行っていなかったという点に関しては、私は大変重要だったなと思いまして、実際、里親の方も、登録しようと思ったときに、養子縁組にしようと決めている方もいらっしゃると思いますが、やはり養子縁組なのか、養育里親でいくのかというのは両方考えられると思います。途中の経過の中で変わっていくこともあると思います。実際の里親さんの声でもそういったことがありました。なので、東京都から移管することでのこの制度設計はすばらしいと評価したいと思います。
次に、共働き世帯が里親を希望した場合の保育園入園について伺いたいと思います。
昨今の社会情勢を鑑みると、共働き家庭も里親登録がしやすい環境づくり、つまり保育園入園に関しても考える必要があると考えます。どのような対応をお考えでしょうか。
◎長谷川
児童相談所開設準備担当課長 里親家庭の保育ニーズへの対応は、里親になろうと考える御家族にとりまして大きな支援になるかと考えております。それについては、家庭養育を推進していくための重要な取り組みであると認識しております。
課題といたしましては、里親家庭と子どものマッチングは、家庭と子どもが交流を重ね、適性を見きわめた上で決定するものでございます。そのため、養育委託の開始に合わせて保育園に入園するためには、例年行われる一般の入園選考のスケジュールと異なる、いわゆる緊急保育に準じた扱いが必要となってまいります。現在登録されている養育家庭の状況を見ますと、緊急保育の枠の範囲内で当面の保育ニーズに対応可能であると見込まれております。子どもにとって愛着形成のための重要な時期にあり、また、家庭的な環境のもとでの生活が急がれることも踏まえ、保育を必要とする里親家庭が適切に入園できるよう、関係所管と連携し、仕組みづくりを急いでまいります。
◆中山みずほ 委員 ありがとうございます。実際、里親の方のお話を伺う中でも、不妊治療を長くされていた方がいらっしゃいまして、その方も、不妊治療も大変だけれども、それでも仕事も続けてきたという背景がありましたが、残念ながら出産に至らず、里親という選択をされました。その不妊治療中も頑張ってきたんだけれども、保育園に入ることができず、お子さんを優先するということで仕事を断念したと。ただ、今となったら、やっぱり女性が一度仕事をやめてしまうと、子どもを持っていながら再就職というのはなかなか難しいという背景もありまして、そういったことをうまく両立できるようなことのためにも、保育園との連携、仕組みづくりを急いでいただきたいと思います。
あともう一点、これは世田谷区内に住んでいる私の友人の話なんですけれども、先ほどの里親の母数をふやすところの一つのアイデアですけれども、子育てが落ちつきまして、社会的養護の理念にとても共感している方がいらっしゃいました。実際に里親のシンポジウムに行ったり、登録の手前まで行ったんだけれども、やっぱりちょっとハードルが高くて、結果的には何か地域に貢献したいということで、ファミサポの援助会員をやられていました。ところが、やっぱりファミサポって習い事の送迎とか、そういうことが圧倒的に多くて、彼女の社会的養護の理念というところにちょっと到達しなかったと。ちょっと稚拙な言い方ではありますが、ファミサポ以上、里親未満みたいな層というのは、今の社会背景ではあるんじゃないかと思います。このようなところもターゲットと捉えて進めていけたらと、御提案したいと思います。
次に、児童館の相談支援機能について伺います。
区内の二十五館ある児童館での相談機能の強化は大変意義あるものと私は考えます。一方、相談機能はまず人ありきであることを踏まえ、質問いたします。
今後、児童館はソーシャルワークの強化を図る必要がありますが、これまでどのような目的で人材育成をされてきたのか伺います。
◎相蘇 児童課長 児童館では、児童館長を中心として研修に関する検討委員会を設け、職員の意見を聞きながら、社会情勢や職員の状況、ニーズをもとにテーマを設定するとともに、キャリアに応じたスキルアップ、専門職員としての技術継承を目的とした研修を体系的に行ってまいりました。児童とのコミュニケーション技術やカウンセリングの基礎知識、技術を学ぶ研修などを実施し、今年度については、児童相談所開設を視野に入れ、児童館におけるソーシャルワークをテーマに、館長、副係長を対象に、現状や課題を確認する講義や、地域資源の共有を目的としたグループワークを取り入れた研修を行っております。
◆中山みずほ 委員 今後はどのような人材像を設定し、どのようなスキルの育成を図っていくのでしょうか。
◎相蘇 児童課長 今後は児童や保護者の声を聞き、適切な関係機関へつなぎ、ネットワークの構築による課題解決を図るソーシャルワークについて、全ての職員が理解し、実践できるようにすることが必要で、そのための研修の実施が重要だと考えております。そのため、日常的に直面するような事例の検討を中心とした研修を設定して、児童相談所、子ども家庭支援センターの職員も加わった形にしたいと考えております。その他必要な研修についても、これまで行ってきた研修に加えて体系化し、継続的に実施してまいります。
◆中山みずほ 委員 さらに相談技術の向上のための研修も必要ではないかと考えますが、区の見解はいかがでしょうか。また、具体的にはどんなカリキュラムを組んでいらっしゃるでしょうか。
◎相蘇 児童課長 ソーシャルワーク業務を適切に行うためには、子どもの身体や心理の理解のほか、子どもたちや保護者との会話、活動の中から、気づきの感度の向上や、適切な関係機関へつなぐことができる知識が重要であると考えております。カリキュラムとしては、面接時の技術、インテークや傾聴等をロールプレーで体験したり、記録の技術等の知識を深めることを想定しております。相談技術の向上等の研修については、今後、研修検討委員会等で検討し、さらなる向上に向け取り組んでまいります。
◆中山みずほ 委員 ありがとうございます。私自身が、三年間ほど、区の地域子育て支援コーディネーターというのを相談業務としてやってまいりました。その中でもいろんな研修を受けさせていただいたんですけれども、やはり今日的な社会課題、さっきおっしゃっていました傾聴のスキルは本当にとても大事だと思います。あとは適切なアセスメントなど、結構幅広い、相談業務の中でも必要な研修はたくさんあると思いますので、ぜひそういったことも計画に入れていただけたらと思います。日常的には、スタッフ同士のOJTと、先ほど答弁でもあったロールプレーイング、あとは事例検討を年に何回かやっておりましたが、これも大変有意義だったと思います。
今回の児童館の相談機能の形というのは、先ほどそのべ委員からも利用者支援事業のお話がありましたが、その中でも、今ある基本型とかひろば型、特にひろば型のところですごく似ているタイプかなと思っております。相談窓口があって、相談に行きますという形ではなくて、おでかけひろばの中、もしくは児童館の中で、子どもと遊んだり親子と遊ぶ中での相談業務という意味ではとても形が似ていて、窓口相談とは違う課題も結構多分にありました。今、五地域で利用者支援事業を始められていると思うんですけれども、それぞれの団体さんの中に蓄積された課題だとかノウハウがあると思います。ぜひここも検討に、協働していく、もしくは一緒に事例検討をやるなどしていただけたらなと思います。
児童館というのは、多様な子どもたちとすごくかかわった経験があるということが物すごい重要な資源だと思っています。本来この児童館が持っていらっしゃいます子どもの成長支援、自己表現の機会、活躍の体験等の役割と、見守りが必要な子どもの個別課題との対応のバランス、これはおでかけひろばでもよく出る課題でございました。やっぱりこれは、子どもたちの声を聞くという児童館の使命としては、アドボケイトの担い手というところも主眼に入れて、今後、研修も含め、相談業務を進めていただけたらと思います。
これで私からの質疑を終わらせていただきます。
◆藤井まな 委員 先日テレビで見たんですけれども、国会の予算委員会で、厚生労働大臣の発言で、医療機関へのマスクの配付は自治体に対応をお願いする予定であるという話を厚生労働大臣がしていたんですけれども、果たして、それが世田谷区とかだと、そういう指示が出たときに対応できるんでしょうか。
◎鵜飼 世田谷保健所副所長 今、委員のおっしゃるとおり、国のほうから、各都道府県を通じて医療機関で不足するマスクについては配付をするという旨の発表がありました。さらに、世田谷区のほうに関しても、今そのほうの連絡があり、現に高齢者施設向けに、一部先発として、三万五千のマスクが届いているところでございます。今後、緊急対策本部と関係所管で連携しながら、そういったものについては対応していく予定でございます。
◆藤井まな 委員 発表されるのが予算委員会での大臣の発言だと、どきどきしちゃって、すごい大変だと思いますけれども、多分世田谷区の保健所の現場は一生懸命やっていただいているんだろうなと思いますし、私の目からもそれは一生懸命やっているように見えますし、最近だと、国の総理大臣の発言で、地方自治体の保健所が拒否したことは大変申しわけないみたいな発言をされていましたけれども、もともと厚生労働省が出した通達にのっとってやっている話だったわけですね。例えば世田谷区ではネットで受けられなかったみたいなことが一時期ありましたよね。でも、それも、保健所の皆さんは全部厚生労働省の通達、マニュアルにのっとってやっているわけでありますから、それを何か地方の世田谷区の保健所のせいにするというのはどうなのかななんていうふうに僕なんかは見えたんですけれども、引き続き一生懸命頑張ってやってほしいんですけれども、きょうはちょっと保健所の皆さんにも聞いてほしいし、ちょっと今、保育の現場の人たちが、課長さんはいらっしゃらないですけれども担当部長はいらっしゃるので聞いてほしいです。
今、世田谷区内のさまざまなところで、保育園とか幼稚園からの声を集めているんですけど、例えば砧にあります私立認可保育園、区からマスクが支給されましたが男性職員にフィットしない、大きいマスクがあるといいな、消毒液の在庫が切れそう、区から支給がお願いできればと。上祖師谷にある私立認可保育園、職員用のマスクが足りない。千歳台にある私立認可保育園、子ども用のマスクがないし、大人用のマスクも足りない、消毒液も不足している、今後の在庫が大変心配である。千歳台にある私立幼稚園、マスクが配られたが足りない。千歳台にある私立認可保育園、子どもがいる職員は休まなくてはならず、その穴埋めをほかの職員が行う。少ない職員で対応することは職場の重荷になっている。また、子どもがいる職員は有給を仕方なく使って休んでいるが、国の指示で学校の休みを前倒しにしたので公休扱いにしてほしい。粕谷にある私立幼稚園、消毒液、マスクが足りない、空気清浄機を導入しようとしているが、こういったことには補助があるのか。粕谷にある私立認可保育園、トイレットペーパー、消毒液が不足している。北烏山にある私立認可保育園、マスクもそうだがアルコール消毒液が足りていない。南烏山にある私立認可保育園、マスク、ペーパー類、手袋が大変調達しづらい。
これはあくまでも一部地域でありますけれども、全部はちょっと私も調べられないので、ちょっと地域に偏りがあるかもしれませんが、多分全ての地域で調べれば同じような意見が大変出てくると思うんですけれども、こういった声に対して、保健所は今どう受けとめられたか、いかがですか。
◎鵜飼 世田谷保健所副所長 先ほどの引き続きで、ちょっとマスクのことだけ答えさせていただきますけれども、本日、先ほど、国はまた各都道府県を通じてということだったんですが、東京都の
新型コロナウイルス感染症対策本部会議が本日の午前中開催されておりますが、その中で、マスクの提供については医療機関だけではなく、社会福祉施設等にマスクを約三百五十万枚提供するという旨が提示されています。高齢者施設用のマスクがもう既に世田谷区は届いているんですが、これはまだ推測の段階ですが、今後、そういった児童福祉施設や障害者施設の福祉施設等へのマスクも順次配られると思っておりますので、それで今後、受け付けたらそれを順次適切に配付するということを考えていますが、ただ、詳細はまだこちらもキャッチしてございませんので、今後、東京都等の情報を把握してまいりたいと思っています。
◆藤井まな 委員 保育施設や私立幼稚園からそういう声がありますので、もういいですけれども、保育担当部長、全体は全て把握し切れていないですけれども、こういう声があるということは認識されていらっしゃるんでしょうか。
◎知久 保育担当部長 各施設から、そうしたコロナウイルス感染症対策用の消耗品が足りないよということではお聞きしています。三月九日の段階で、各保育施設四百四十五カ所に、区の在庫分のマスクについては一旦配付をさせていただいています。枚数については十一万六千枚程度を配付しています。一方、国のほうから、ちょっと今、通知が来たのが手元にあるんですけれども、児童福祉施設等における子ども用マスク購入等の感染拡大防止対策に係る支援ということなんですが、ちょっとスキームが、市町村が一旦卸や販社から一括購入をして施設に配る、それについて補助を出すということなんですけれども、そもそもその辺の卸から物品が買えるかどうかというのが課題になると思うので、ちょっとその辺はスキームを見ながら検討する必要があるかなというふうに考えています。
◆藤井まな 委員 マスクと同じように、やっぱり保育園、幼稚園からの要望で多いのは消毒液。これは全てに対応するのは難しいかもしれないですけれども、本当に消毒液が足りないというのは、マスク以上に消毒液の話のほうが結構聞いた話が多かったので、全部対応はできないでしょうけれども、そういった現場の声があるということを、保健所と保育担当のところでもしっかり確認をして、情報提供してあげるだけでも全然違うと思いますし、できる限りの対応をとっていただきたいというふうに要望をさせていただきます。
一般質問で災害対策のお話をさせていただきましたが、ここは福祉保健の領域なので、午前中にもちょっと他会派からありましたけれども、福祉避難所のお話を聞きたいというふうに思っています。
福祉避難所といっても、高齢者、障害者、母子と三種類あるわけですけれども、午前中の質疑の中でも、現在のところ何施設という話は出ていたんですけれども、例えば高齢者の福祉避難所で今のところ何施設あって、でも、それだと全然足りないと思うんですよね。最終的にこれをどうふやしていって、どこまで需要を満たすということを想定にしてやっているのか質問させてください。
◎三羽 高齢福祉課長 高齢者向けの福祉避難所は、指定避難所等の生活に支障を来すため配慮を必要とする方を一時的に受け入れ保護するために開設するもので、特別養護老人ホーム、有料老人ホームなどを中心に、現在のところ五十五施設と協定を締結しているところです。現在、福祉避難所等とは、災害対応力の強化に向けて施設と協議を進めているところですけれども、今後、有料老人ホームとか、そういった施設も含めまして、数の拡充を図っていきたいと考えております。
◆藤井まな 委員 あとは気になるところは、備蓄品であったりとか、あと今回の補正予算であったのは、九十六の避難所と十一の帰宅困難者支援施設、計百七カ所で蓄電池を配備するという話があったと思いますけれども、こういったものは福祉避難所には配備されるんですか。
◎三羽 高齢福祉課長 お尋ねの発電機の整備についてですが、現在、施設の中で三十九施設について非常用の発電機の配備が進んでいることを確認しております。備蓄品については、アルファ米等を各施設に配付しております。発電機についてですが、区の地域保健福祉等推進基金を活用した福祉施設支援事業に設置したものや、施設独自に購入したものがございます。
また、国の地域介護・福祉空間整備等施設整備交付金では、高齢者施設における非常用自家発電設備整備が事業化され、整備を行った施設もございます。
各施設とは、訓練を重ねる中、発災時の状況を共有しつつ、今後も国に補助の活用を促すなど、準備を進めてまいりたいと考えております。
◆藤井まな 委員 ちょっと物足りないですよね。しっかりと全部配備されるのかというのがいまいち今の答弁だとわからないんですけれども、福祉避難所は障害者の福祉避難所もあると思うんですけれども、午前中の答弁で施設が四十二施設あるという話をしていましたけれども、障害者の福祉避難所においては、そういった備蓄とか蓄電池というのは全て配備をされているのか、お伺いさせてください。
◎阿部
障害者地域生活課長 委員お尋ねの障害者施設における福祉避難所、そこの電源の確保というところですけれども、そのお話のあった四十二施設のうち、発電機等電源確保、自家発電、こちらも含めて現在二十九施設は対応しているところでして、それ以外といいますか、区といたしましてもサポートする意味がありますので、先ほどお話にもありました指定避難所へ配備を進める蓄電池ですとか、あるいは庁用車に配備する電気自動車、必ずしも全部の避難所で停電ということではないという想定もありますので、こちらのあいている部分を福祉避難所にも活用していくというところを想定しているところです。
◆藤井まな 委員 蓄電池の配備を進めて、新しく導入する電気で充電する車のお話だと思うんですけれども、情報は現場で本当に重要ですし、各職員さんの携帯電話だってスマホだって、電源が入っていなければいけないし、そういうところの情報を得ようとすることもありますから、やっぱり蓄電池の配備というのは、ほかの避難所と同じように設置をする必要があるんじゃないのかなと思います。
もちろん車で対応するのもありだと思うんですけれども、車もたしか十何台とかですよね、補正予算で買うと入っていたのは。全ての避難所を十何台で回すというのはなかなか難しいとは思うので、しっかりそういったところの需要を満たせるだけ、ほかの避難所と同じぐらいのものをしっかり配備をすることを要望させていただきたいというふうに思いますし、あとは、インクルーシブ防災という観点から考えると、個別に避難計画というものをつくって、やっぱり福祉避難所にどういう方が避難してというのをもっと細かく細かく決めていって、どれだけが足りないかという数字を出して、どれだけ今後やっていくかというある程度の目標というのは必要だと私は思うんですね。なので、そういったものを、なかなか数字で出していくのは難しいかもしれないですけれども、ある程度数字を明らかにして、目標としてこれぐらいのことをやっていただきたいということをお願いさせていただきたいと思います。
次に、これもまた一般質問のときにお話をさせていただきましたけれども、医療的ケア児のお話をさせていただきたいと思います。
看護師バンクの質問を私がしたときに答弁で出てきたのが、なかなか看護師バンクをすぐに設置するのはそんなに簡単なことではないという話で、研究検討はするけれども、医療的ケアの担い手をふやす方策を含め、支援の充実に向けた取り組みを検討して進めていきたいという話だったんですけれども、じゃ、医療的ケアの担い手をふやす方策というのは具体的に何なのかということをお伺いさせていただきます。
◎宮川
障害保健福祉課長 医療的ケアが必要な方の支援について、通所や訪問サービス等において看護師などの担い手をふやす必要があると考え、区では研修などの充実にも取り組んでおります。今年度は、訪問看護や通所施設、保育園等の看護師を中心として医療的ケアの実務を学ぶ研修、小児の重症心身障害児等に訪問リハビリを行う理学療法士の研修、医療的ケアを支援する多職種連携の基礎を学ぶ研修を実施しております。令和二年度には、これらの研修に加えまして、介護職員がたんの吸引等の実務を学ぶ研修を受講した際に、受講費用の一部を補助する取り組みを行ってまいります。今後も医療的ケアの担い手をふやすことにより、支援の充実が図られるよう取り組んでまいります。
◆藤井まな 委員 これは、看護師さんをふやす以外に、こういう人たちをふやしていけば医療的行為ができる人がふえていくということなんですか。
◎宮川
障害保健福祉課長 来年度実施予定の介護職員のたんの吸引等の研修ですけれども、いわゆる喀たん吸引三号研修というものでございまして、介護職員がたんの吸引等の実務を現場において実際にできるような研修になってございますので、そういったものを受講した場合の費用を補助してまいります。看護師に限らず、担い手をふやすことができればというところになります。
◆藤井まな 委員 看護師ではなくてもそういう医療的行為ができる人がふえていくという話という御回答だというふうに受け取りました。それは大変いいことでありますけれども、今の話だと研修の費用を助成するということで、実際にどれだけ実効性があるかというのはまだまだわからないわけで、せっかくその予算をつけるんであれば、しっかりと予算が執行される体制というものを行っていただきたいというふうに思います。
それから、またこれも一般質問のときに質問をさせていただいたんですけれども、医療的ケア連絡協議会の話をさせていただいたと思います。そのときの答弁は、議事録は公開はしておりませんと。ただ、傍聴はできますからという話だったと思うんですけれども、傍聴に行けない人たちが多い家庭がまさに医療的ケアの子どもたちを持った家庭だと思うわけですよね。傍聴は認めているから来てくださいよというだけじゃわからないし、議事録は公開して、どんな話し合いが行われているのかということを広くそういった人たちに知ってもらうということは大変重要なことだと思いますので、議事録の公開はしておりませんじゃなくて、公開をぜひしていただきたいというふうに思いますし、また、そのときの答弁の中には、保護者を含めて幅広く意見を聞いていくという話がありました。
今回、東京都の未就学医ケア児について考える会のアンケートを私はもらってきて、いろいろ読んだんですけれども、やっぱり本当に余裕がないというか、なかなか預け先がなく、自分のかわりもおらず、つきっきりであること、家にいるしかない、つらい、ストレスが強く心身の体調をキープするのが難しい、社会から見放された気持ちになる。なかなか本当に深刻な人たちはまだまだたくさん。これは東京都全体なので、世田谷区だけじゃないので、世田谷区はまだいいほうだと思いますけれども、そういったさまざまな声があるわけですよね。
私が一般質問のときに指摘させていただいたのは、連絡協議会の中に、今、もうちょっと当事者意識を持った方が入っていただけると、その声ももっとわかりやすくなるんじゃないのかなと思うんですね。例えば未就学児を抱えている保護者の世代の人たちが入っているかといったら入っていないわけで。もちろん詳しい方たちは何人もいらっしゃるのは当然なんですけれども、もっと声を聞く場をつくりますだけじゃなくて、連絡協議会に呼んでもらうとか、本当に委員になってもらうとか、もうちょっと当事者の声を吸い上げる仕組みというのを改めてつくっていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
◎宮川
障害保健福祉課長 世田谷区医療的ケア連絡協議会は、保健、医療、福祉、教育の多方面の委員で構成されております。委員の中には国立成育医療研究センターの医師、訪問看護ステーション、都立特別支援学校PTA役員、重症心身障害者の家族の会代表なども参加していただきまして、医療的ケアが必要な方のニーズ等についてお聞きできる体制を整えております。
医療的ケアの種類や内容は非常に個別性が高いため、医療的ケア児のための今後の支援策を検討する上では、お一人お一人の暮らしぶりとかサービスの必要性等をきめ細かく把握する必要もございます。今後、例えば医療的ケア児の保護者と意見交換する機会を定例的に設けるなど、保護者の声をお聞きするための方法等について、医療的ケア連絡協議会からの御意見もいただきながら検討を進めてまいりたいと思っております。
◆藤井まな 委員 あと、先ほど福祉避難所の話をさせていただきましたけれども、医療的ケア児に対応する福祉避難所というのが現時点でないですよね。これはただの蓄電池、携帯を充電するような蓄電池を置いておくだけじゃ対応できない可能性があるわけですよね。本当にしっかり、その電源がなくなると生命にかかわるわけですから。
この間の台風十九号のときも、その医療的ケアを持っている子どもさんが、本当に避難所に行くことのほうがリスクが高い。だからずっと車中泊で、車の電源を使ってずっと避難をしていたという例が福島県のほうであったんですけれども、そういったことを想定すると、やっぱり例えば東京リハビリテーションセンターとかは医療的ケア児を受け入れていますから、ああいったところにそういった子どもたちが受けられるような電源をしっかり確保できる……。あくまでもそういった避難した子どもたちのための電源確保ですよ、その施設を維持するための電源確保ではなくて。そういった子どもたちの電源を確保できるようにするであるとか、そういった医療的ケア児もしっかり受けられるような福祉避難所をつくっていただきたいと思いますけれども、短目に答弁をお願いします。
◎宮川
障害保健福祉課長 東京リハビリテーションセンター世田谷は、高齢者、障害者に関する複数のサービスを実施する複合施設です。今年度開設いたしまして、区と福祉避難所の協定を締結しております。地域交流スペースがその避難用の場所となることが想定されております。
災害時に指定避難所等での生活に支障を来すために特別の配慮を必要とする方で福祉避難所の利用対象になる方につきましては、医療的ケアの方も含めて個別にその都度、マッチングすることになっております。医療的ケアが必要な方のための専用の福祉避難所につきましては、今後、機能やあり方を含めて研究検討していく必要があると考えております。
◆藤井まな 委員 しっかり研究していただきたいと思います。
質問者がかわります。
◆桜井純子 委員 では、きょう最後の質問になりますが、私からは、人権視点に立った障害福祉サービスのあり方について質問をしていきたいと思います。
二〇一六年七月二十六日という日を覚えていらっしゃる方は多いと思いますけれども、相模原市の津久井やまゆり園で障害者の方が十九人、命を奪われたという事件です。この事件ですけれども、何度も私からも言っていますが、特異な考えを持った人間が起こした本当に特殊な事件だというふうに片づけるのではなくて、なぜこういうふうに障害者の方に対する本当に強い差別意識でこういった事件が起こったのかということを社会の問題として考えていかなくてはならないと思っています。
こういった差別がどうやって生まれてくるのかという、例えば差別をなくす教育とか、いろいろな考え方が出されていますけれども、一方の一つの考え方として、隔離された施設、例えば病院、そういうところで障害者の方々が長い間生活をしなくてはならない、そういった状況が放置をされてきたという、そういった環境に対しても問題点があるという指摘があります。私もそういうふうに思っています。
今回、世田谷区では、精神科病院に長期入院をしている区民の方に対して、地域生活移行の事業というものを試行するということになりまして、来年度予算の中にも盛り込まれております。この事業をどういった理念で行っていくのか、私は、この理念の持って行き方というか定め方、世田谷らしい理念というものを持って、共生社会を目指してほしいなと思いますけれども、まずこの事業の理念というものをどういった考えで行っていくのか、目的をお聞かせください。
◎宮川
障害保健福祉課長 精神障害者の地域移行を進めるためには、住まいや日中活動相談支援などの支援体制の充実を図るだけでなく、地域全体で障害当事者や家族を理解し、受け入れていこうとする共生社会のまちづくりが何より大切です。令和二年度から試行を開始する予定の精神科病院長期入院者の訪問支援事業は、退院の意欲や能力がありながら、自力で地域生活を開始することが難しい精神科病院の長期入院者を対象として、退院へ向けた動機づけ支援や生活イメージづくり、生活環境の調整など、地域生活への移行を支援することで、本人が希望する地域生活の実現につなげることを目的として実施いたします。
長期入院されている方にはさまざまな事情があると思われますが、御本人との面談等により状況を把握した上、必要に応じて権利擁護を図り、誰もが分け隔てなく暮らすことのできる共生社会を目指して事業実施に取り組んでまいります。
◆桜井純子 委員 共生社会をつくるという、そういった思いで、しっかりとこの事業に取り組んでいっていただきたいと思いますが、繰り返し私からも指摘しているように、福祉の公的責任というところがどんどん薄れていっているなという印象があります。この事業に関しても、実は区が直接やるわけではありませんよね、委託に出していくということがあります。ぜひこの事業が世田谷区の福祉にとって、とりわけ障害福祉の現場にとって、本当にあさってのところにある、無関係なところにあるということにならないように、例えば場合によっては区の職員も同行していくとか、その現場と区がしっかりと結びついていけるような事業にしてこそ、共生社会をつくるための事業になっていくと思います。新しい事業ですので、ぜひ意欲を持って取り組んでいただきたいと思います。
そして、私がずっとこの間指摘してきたセルフプランというものがありますが、このセルフプランも、共生社会、そしてその中で障害者の方々が自立して生活をしていく、自分の自立した一人の人間としての選択を保障されるためにも、すごく重要な方法だと思っています。第一回定例区議会の一般質問の中でも、これは大切なんだという区の認識を示していただきましたけれども、改めて、区で障害者の支援に携わる職員の方々が障害者のエンパワーメントを本当にしっかりと理解をして、当事者のセルフプランを尊重した支援を行う必要があるということを申し上げさせていただきたいと思います。この件に関して、区の考えをお聞きします。
◎宮川
障害保健福祉課長 障害者総合支援法では、相談支援事業者による計画作成を基本としながら、セルフプランの提出も可能としております。セルフプランは、障害者がみずから作成するほか、家族や支援者等が作成することも可能で、利用者がこうありたいと思う暮らしを実現するためのサービス等が記載されるものです。障害者の本人の力を引き出すエンパワーメントの観点からも、大切なものと認識をしております。
◆桜井純子 委員 本当にセルフプランの重要性というものは区は認識をしているといったお答えですけれども、現場ではどんなふうに扱われているのか、当事者の方々がどんな状況なのかということを少しお聞きをいたしました。本会議場でも言いましたけれども、例えばセルフプランはだめだと言われたり、事業者プランでないと支給決定を受け付けないということを言われたり、そして、そもそもセルフプランというものが選択肢の中にあるということを初めから伝えられないで、事業所プランしかないと思ってそれを選んでいる当事者の方もいらっしゃいます。中でも本当に大きな問題だと思うのは、セルフプランを現在選んでいる方のところに、ケースワーカーや係長といった区の職員が事業所を連れて行って、セルフプランから事業所プランへと変更することを勧奨するというようなことも実は起きていると。それが特別な一つの事情のある例ということではなくて、複数起きているということが耳に入ってきていまして、実際そういうことがあったということを御確認いただいていると思いますけれども、本当にこういうことがあっていいのかと私は思います。
当事者の障害者の方々の自主性をしっかりと守るためにも、そしてこれから共生社会をつくるわけですよね。一人一人の多様な生き方というものをしっかりと支援していくためにも、こういうことはあってはならないと私は思いますけれども、区の考えをお聞かせください。
◎宮川
障害保健福祉課長 障害のある方が障害福祉サービスを利用するに当たりまして、サービス等利用計画案の作成をセルフプランとするか、相談支援専門員に依頼するかについては、御本人の意思決定に基づき進められます。本人の状況等により、意向の確認に時間がかかったり、不安定であったりする場合には、その都度御本人の意向を確認する必要があります。障害者御本人の意向確認ができないまま相談支援専門員を同席させたり、計画作成の手続を進めるようなことは、改めるべきと考えられます。今後とも、障害者の適切な意思決定支援に基づくエンパワーメントが図られるよう、関係所管とともに取り組んでまいります。
◆桜井純子 委員 本当になぜこういうことが起き続けているのかというふうに私は思います。セルフプランだけがいいというわけではないと思っています。ただ、自己選択を保障していくためにも、二つのプランのつくり方があって、そしてセルフプランという自分でつくっていく、支援者とともにつくっていく、自分の意思が十分に反映できる、そういうプランをつくることができるんだということをちゃんと伝えていく必要があると思っています。そして、それを選んでいる当事者が不利益を与えられるような状況や不安な思いをするような状況は決してつくってはならないということを重ねて申し上げさせていただきたいと思います。改めるべきだというお考えを示していただきましたので、このセルフプランの現状の扱い方、各総合支所の中で起きていることですので、ぜひこれは改めていただき、本当によくなったと言われるようにしていただきたいと思います。
そして、障害福祉サービスのサービス時間の支給決定というものはありますけれども、現在、世田谷区では十七時間が一応上限ということになっています。
その前に、ぜひセルフプランの現状というものもちょっとお聞かせしたいなと思っています。セルフプランというのがどれぐらい選ばれているのかということです。全体では二八・二九%、これは今年度の九月の現状です。世田谷総合支所が二八・八、北沢総合支所が三一・二、玉川が二七・三、砧が三三・八、烏山総合支所は一九・四%。これは本当に平均をすごく下回っているという状況で、こういった状況がなぜ起こるのかなというふうに思っています。この件に関しても改めて考えていただきたいなというところですが、そして、例えばですが、十七時間以上の非定型という状況ですけれども、例えば二十四時間、一日介助が必要だよと支給決定がされている方というのは各総合支所でどれぐらいいらっしゃるかお聞きします。
◎太田
障害施策推進課長 地域で暮らす常時介護を必要とする障害者につきましては、障害者総合支援法における重度訪問介護サービスを長時間で決定することができ、区の要綱に定める一日十七時間を著しく超える場合は、外部委員で構成する認定審査会で意見を聞くこととしてございます。年二回の審査会での意見を踏まえ、各総合支所において支給決定をしておりますが、令和元年度につきましては既に二回審査会を開催しており、全体の件数としては、玉川地域と烏山地域がゼロ件、その他の地域が三件から五件、合計で十二件となっており、そのうち二十四時間の支給決定をした件数は、玉川、砧、烏山地域がゼロ件、その他の地域は一件ずつで、合計二件となってございます。これまでを通算いたしますと、二十四時間の支給決定をした件数につきましては、世田谷地域では七件、北沢地域では二件、玉川地域ではゼロ件、砧地域では二件、烏山地域では二件、合計十三件となっております。
◆桜井純子 委員 玉川地域はゼロ件ということですけれども、玉川には二十四時間の支給を要望している方がいらっしゃらないとは私は思えません。きょう質問させていただいて、いろいろと確認をしてきた中で障害福祉サービスのあり方ということについて、本当に改めていっていただきたいなと思います。
こういった状況がなぜできるのかということなんですけれども、本当にサービスを利用したいと思う人が、きめ細やかなフォローを受けて支給決定をして、そしてプランがつくられていく。二十四時間の暮らしが支えられるということが必要だと思うんですけれども、例えば課長が出向いて本人の状況を確認するとか、そういったことをしているところもある、だけれどもそうじゃないところもあるというようなことを聞くんですけれども、区はどういった流れでこの支給決定をしていくのか、区の考え方をお聞きしたいと思います。
◎太田
障害施策推進課長 重度障害者への長時間サービスの必要性を判断するためには、できる限り客観的に、障害者お一人お一人の状況をきめ細かく把握する必要がございます。そのためには、複数の職員による生活状況の把握や、支給決定の際に勘案すべき事項の整理等に加え、担当職員だけでなく、必要に応じて課長も障害者宅を訪問してニーズ把握を行うなど、より適切にサービスの支給決定ができるよう努めることが重要であると考えております。今後、担当課長会や係長会におきまして、適宜情報共有を図りながら、重度障害者の方がいつまでも地域で安心して暮らしていただけますよう、関係所管と連携して取り組んでまいります。
◆桜井純子 委員 今、必要に応じて課長もとおっしゃいましたけれども、例えば必要に応じての必要性というのは、第一は非定型の方が望んでいるといったところにあると思いますので、まずそういったところから全体的な取り組みとして広げていっていただければと思います。
そして、こういう各総合支所によって支給決定の状況というのが偏っているなというふうに私は印象として持っていますけれども、こういったことが起きるさまざまな要因はあるんだと思っています。日々の忙しいケースワークの中でいろいろな状況もあるでしょうということを考えますと、これは副区長にも申し上げますが、世田谷区全体で障害福祉の政策というのを本当に支えていけるような人員体制というのが必要なんだと思っておりますので、そこも含めて改革に取り組んでいただければなと思います。
それでは、児童相談所について幾つか質問をしていきたいと思います。
二月に目黒の子ども虐待死事件のお母さんの手記が出版をされました。これを早速買って読んだんですけれども、この中には、私たちがこれからやっていかなくてはならないこと、注意していかなくてはならないことがたくさん書いてありました。その中で、本当に一部なんですが、すごく気になったところ。これまで私が、DVと子どもの虐待については本当に密接な関係があるんだということを申し上げさせていただいてきましたけれども、その点についてお聞きをしたいと思います。
この手記から見えてきたのが、お子さん、結愛ちゃんというお子さんですね、結愛ちゃんの一時保護を初めてするときに、実はお母さんである船戸優里さんは、私も保護してほしいというふうに児童相談所の子どもを一時保護で保護するために来た人に伝えているんですね。実は結愛ちゃんも、お母さんもたたかれている、殴られているということは伝えています。だけれども、このお母さんは一度も保護をされることなく事件になってしまいました。
そして、この中でわかったのは、実は初めて児童相談所に行くそのときに、私も行きたいと言ったときに、お母さんにあざがありますかと。そうでなければ保護ができない、DVじゃないみたいな、そういう考えを植えつけられています。これは実は、おわかりだと思いますけれども、間違った考えですよね。だけれども、そういった中でこの事件が起きているんですね。
ここからわかるのは、DVのある関係の中で、例えば子どもが一時保護された。一時保護されると二人だけの関係になります。そうすると、子どもが暴力の対象になっていた、その子どもがいなくなると、このDVの関係がもっと濃密になって暴力がひどくなるんですね。そしてここに子どもが戻される。そういう状況になるとまた子どもに暴力が向かうので、お母さんは少し安心したというか、お母さんが安全な状況になる。これを繰り返すことによって、暴力による支配というのがどんどん強化をされているということなんです。
ですので、この子どもを一時保護するというときには、本当に、お母さんだけではありません、DVの被害に遭っている方、そして家族全体をしっかりと見立てて、一緒に一時保護というところ、保護をどうしたらいいんだということを考えていくことが必要だと思います。
四月から児童相談所が始まります。一時保護の責任も世田谷区が負います。このときに家族全体の安全を考えて、DV被害者も含めて保護を考えるべきだと思いますが、お考えはいかがでしょうか。
◎長谷川
児童相談所開設準備担当課長 委員のお話にございましたとおり、家庭内DVは家庭の状況を複雑なものとし、家庭への介入や一時保護解除の判断を誤らせる原因ともなってございます。こうしたことから、児童虐待問題の裏側にあるこうしたDV問題を的確に見立てることが重要であり、さらに予見されるリスクから子どもと同時にDV被害者を守り、適切な支援につなげていかなければならないと認識してございます。そのためには、児童福祉司や心理士、児童相談所長に加え、医師や弁護士などによる多角的な視点からの分析が不可欠であると考えており、そのために必要な組織体制を区の児童相談所は整備してございます。このDV被害者の行動心理を把握し、この連携体制をしっかりと機能させて維持してまいります。
また、子ども家庭支援センターでは、DV被害者と子どもの緊急保護も行っております。こうした保護と切れ目なく連携するために、児童相談所がDV問題が背景にあることを察知した場合、子ども家庭支援センターを初めとする関係機関と確実にもれなく情報共有を行ってまいります。
なお、子どもの最善の利益を考えるに当たりましては、安全確保を第一としつつ、子どもの願いである、自分の生まれた家庭で愛され生活できるよう、問題の根本の解決にも取り組む必要があると考えております。
今後、DVの加害者に対する支援についても、関係所管と連携し、その可能性を検討していきたいと考えております。
◆桜井純子 委員 児童相談所についてはジョブローテーションということもすると聞いています。ぜひここに教育分野を入れていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
◎長谷川
児童相談所開設準備担当課長 特別区におきましては、児童相談所の職員と教員、その他の専門職員とは職員間の身分に相違があるなど、このジョブローテーションを行うに当たっては課題があるところでございます。しかしながら人事交流によります子どもと家庭の問題に対する理解、また、援助技術の向上等の効果が大いに期待されることから、今後、教育委員会と東京都に対し、こうした人事交流の仕組みについて協議をしていきたいと考えております。
いずれにいたしましても、区が児童相談所を持つことで、児童・家庭福祉の向上に向けたさまざまな方策を考えられることとなった意義は大きいものと考えており、御提案を初め、今後もこうした検討について積極的に取り組んでまいります。
◆桜井純子 委員 しっかりと積極的にやっていただきたいと思います。そして、子どもの生活実態調査からは、経済的な貧困と暴力の体験、虐待の体験というのが密接に関係しているんではないかということがわかりました。この点にしっかりと着目した支援をしていただきたいと思います。令和二年度というところでは、食と学習の支援ということで子どもの貧困対策を考えられていますが、それ以上のものを求めたいと思いますが、いかがでしょうか。
◎増井 子ども家庭課長 子ども家庭支援センターでは、これまでも妊娠期から子育て世代の子どもと家庭のあらゆる相談を受けてまいりました。子どもの生活実態調査でも、暴力の連鎖の問題が見えてきております。日ごろより、面接を進める中で、相談の背後にある貧困、DV、虐待などに気づき、適切にアセスメントをして、必要な支援につないでいるところでございます。
子ども家庭支援センターを子ども家庭支援総合拠点に位置づけたことによりまして、心理職の配置を充実させました。また、健康づくり課との兼務の保健師も配置されています。保健師、心理士それぞれの専門的な視点からさまざまな援助を行っているところです。また、子ども家庭支援センターでは、ケースワーカーや女性相談員の支援によるものだけでなく、例えば乳児期の母親を対象とした親向けのグループ、暴力の連鎖を断ち切るためのペアレントトレーニングといった講座を実施しております。子ども家庭支援センターの職員のアセスメントが重要となります。新たに設置する区立の児童相談所とも連携し、職員の能力を向上させるとともに、さまざまな民間の専門機関や支援団体との連携を図っていくことに取り組んでまいります。
◆桜井純子 委員 しっかりと四月からの子どもの虐待防止、暴力防止の取り組みにしていただきたいと思います。
これで世田谷立憲民主党社民党区議団の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○阿久津皇 委員長 以上で世田谷立憲民主党社民党の質疑は終わりました。
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○阿久津皇 委員長 以上をもちまして本日の質疑は全て終了いたしました。
本日の委員会はこれにて散会いたします。
午後六時十四分散会...