• 空き家バンク(/)
ツイート シェア
  1. 世田谷区議会 2020-02-19
    令和 2年  3月 定例会-02月19日-01号


    取得元: 世田谷区議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-03
    令和 2年  3月 定例会-02月19日-01号令和 2年  3月 定例会 令和2年第一回定例会 世田谷区議会会議録第一号 二月十九日(水曜日)  出席議員(五十名) 一番   つるみけんご 二番   神尾りさ 三番   そのべせいや 四番   青空こうじ 五番   ひうち優子 六番   上川あや 七番   くりはら博之 八番   佐藤美樹 九番   小泉たま子 十番   あべ力也 十一番  高岡じゅん子 十二番  金井えり子 十三番  田中みち子 十四番  和田ひでとし 十五番  石川ナオミ
    十六番  河野俊弘 十七番  宍戸三郎 十八番  津上仁志 十九番  福田たえ美 二十番  河村みどり 二十一番 いそだ久美子 二十二番 中山みずほ 二十三番 中里光夫 二十四番 江口じゅん子 二十五番 たかじょう訓子 二十六番 畠山晋一 二十七番 山口ひろひさ 二十八番 真鍋よしゆき 二十九番 高橋昭彦 三十番  高久則男 三十一番 平塚敬二 三十二番 桜井純子 三十三番 中村公太朗 三十四番 藤井まな 三十五番 桃野芳文 三十六番 ひえしま 進 三十七番 阿久津 皇 三十八番 加藤たいき 三十九番 菅沼つとむ 四十番  板井 斎 四十一番 佐藤弘人 四十二番 岡本のぶ子 四十三番 羽田圭二 四十四番 風間ゆたか 四十五番 中塚さちよ 四十六番 大庭正明 四十七番 田中優子 四十八番 下山芳男 四十九番 おぎのけんじ 五十番  上島よしもり  出席事務局職員 局長     平澤道男 次長     井上徳広 庶務係長   星野 功 議事担当係長 水谷 敦 議事担当係長 長谷川桂一 議事担当係長 下村義和 議事担当係長 岡本俊彦 調査係長   佐々木 崇  出席説明員 区長     保坂展人 副区長    宮崎健二 副区長    岡田 篤 世田谷総合支所長        志賀毅一 北沢総合支所長        髙木加津子 玉川総合支所長        岩元浩一 砧総合支所長 澤谷 昇 烏山総合支所長        西澤 滋 政策経営部長 中村哲也 財政制度担当参事        松永 仁 交流推進担当部長        小澤弘美 総務部長   田中文子 庁舎整備担当部長        松村浩之 危機管理室長 工藤 誠 財務部長   進藤達夫 生活文化部長 松本公平 地域行政部長 清水昭夫 スポーツ推進部長        内田政夫 環境政策部長 本橋安行 経済産業部長 田中耕太 清掃・リサイクル部長        原田茂実 保健福祉部長 板谷雅光 高齢福祉部長 長岡光春 障害福祉部長 片桐 誠 子ども・若者部長        澁田景子 児童相談所開設準備担当部長        土橋俊彦 保育担当部長 知久孝之 世田谷保健所長        辻 佳織 都市整備政策部長        畝目晴彦 道路・交通政策部長        五十嵐慎一 土木部長   関根義和 教育長    渡部理枝 教育次長   淺野 康 教育政策部長 池田 豊 生涯学習部長 皆川健一 総務課長   菅井英樹     ──────────────────── 議事日程(令和二年二月十九日(水)午後一時開議)  第 一 代表質問     ──────────────────── 本日の会議に付した事件
     一、会議録署名議員の指名  二、会期の決定  三、諸般の報告  四、日程第一 代表質問     ────────────────────     午後一時開会 ○和田ひでとし 議長 ただいまから令和二年第一回世田谷区議会定例会を開会いたします。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 これより本日の会議を開きます。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 本日の日程はお手元に配付の議事日程のとおりであります。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 まず、会議録署名議員の指名を行います。  会議録署名議員には、会議規則第七十九条の規定により、   五  番 ひうち優子議員   四十六番 大庭 正明議員 を指名いたします。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 次に、会期についてお諮りいたします。  本定例会の会期は、本日から三月二十七日までの三十八日間とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」呼ぶ者あり〕 ○和田ひでとし 議長 御異議なしと認めます。よって会期は三十八日間と決定いたしました。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 次に、区長から招集の挨拶の申し出があります。保坂区長。    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 令和二年第一回世田谷区議会定例会の開催に当たり、区議会議員並びに区民の皆様に御挨拶を申し上げます。  一月三十一日、世界保健機関、WHOは、中国を中心に拡大をしている新型コロナウイルス関連感染症について、国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態に当たると宣言し、日本国内でも既に感染者が、二月十七日現在の国の発表によると五十九人が確認されています。ここでは、横浜港のクルーズ船で感染が確認された四百五十四名の方は除いています。  区では、一月二十二日から保健所を中心にホームページ等による情報発信をしてきましたが、事態は深刻であるという危機感のもとに、一月二十七日、世田谷区健康危機管理対策本部を立ち上げ、全庁で対応する体制をつくりました。感染症の対応に全力を挙げるとともに、感染者やその疑いのある方に対して、十分に人権に配慮して慎重に対処していくことも確認をしております。  さて、先日、若手職員を中心とする世田谷区自治体経営のあり方研究会から政策提言をいただきました。この研究会は、急激な超高齢社会の到来と区の人口が百万人に達することも予想される中、これまで経験したことのない時代への危機感を持ち、平成三十年、二〇一八年に庁内でプロジェクトチームを結成して研究を始めたものであります。昨年は学識経験者を座長に迎えまして、議論を深め、二十年から三十年の単位で区の将来を見据え、取り組むべき施策がまとめられました。  提言では、都市の価値向上に触れています。今後、若い世代の都心志向もあり、生産年齢人口が減少する事態に備えて、住みたくなる地域価値を発揮しようという問題意識であります。AI等の発達で、職住接近が容易になる時代には、徒歩圏内の魅力や豊かなコミュニティーのあり方が地域価値として注目され、子ども食堂や子連れコ・ワーキング・スペース移動キッチン車空き家活用、ソーシャルビジネスなどで生まれる新たな可能性を小さな拠点というキーワードにまとめて、町の再構築への手がかりにしております。  さらに提言は、地域コミュニティーの変革とさらなる支援策の拡充を求めています。これまで地域を担ってきた世代にかわり、デジタルネーティブ世代が社会の中核になる時代に備えて、コミュニティーの関係構築の方法が変化すると予想しています。図書館、児童館が新たなコミュニティーの場となり、カフェや居酒屋、書店、銭湯などの人の集まる場とSNSを連動させ、支えあい(共助)、わかり合い(理解)、分かち合い(分担)の地域参加の回路をつくることをイメージしています。  こうした小さな拠点とコミュニティーの変革をつなぐ土台、基礎としてプラットフォームを築くことも提言しています。現在のまちづくりセンターでの地区情報連絡会や身近なまちづくり推進協議会に加え、地域包括ケアでの協議体や区民の自発的な活動の場である小さな拠点の関係者等が情報共有し、区職員は各団体やそれぞれの活動を結びつけ、地域活性化を牽引するプロデューサーとしての役割を担う意義が語られています。  以上の提言を受け取って、時代の大きな変化のただ中にあって、都市の価値形成を直視した重要な視点だと受けとめています。自治体の定型的業務は、AIが取ってかわる時代も近づいてきていて、区職員の役割は、より地域の現場に近い活動団体のマネジメントやきめ細かいサービスに比重が移り、分野横断的な調整力と巧みに地域資源をマッチングする力が期待されるところであります。  あわせて、地域行政制度の推進に関する研究についてです。既に制度発足時の証言を当時の関係者から聞くなどして、これまでの経過を取りまとめています。今後、条例制定に向けて議論を深めてまいります。区政の抜本的な改革に向けて、今回の職員からの提言も踏まえ、地域行政制度をめぐる議論を機軸にしながら、議会並びに区民の皆さんとともに熟議を重ねて行政組織改革を推し進めたいと思います。  それでは、災害に強く、地域の絆を育む予算として編成した令和二年度の当初予算の重点項目による主な取り組みについて述べます。  まず、安全・安心の項目についてです。  昨年十月、台風十九号では、区内に大きな浸水被害が広がりました。予算編成に当たりまして、今回の経験を踏まえ、補正予算とともに切れ目のない緊急の災害対策の強化を掲げました。区では、風水害対策を総点検し、災害対策各部の取り組みについて検証し、対応方針をまとめています。  まず第一に、災害時における職員間の情報共有のための連絡手段を確立し、関係機関や防災アドバイザーをさらに活用し、災害対策本部機能の強化を図ります。  第二に、情報発信の課題に関して、防災行政無線の音声を後から確認できる電話応答サービス機能を充実させるほか、災害対策本部からのエフエム世田谷を利用した機敏な情報提供の体制整備、充実に取り組みます。  第三に、避難所開設、運営については、あらかじめ台風や大雨の水害の危険があるとき、開設する避難所を決めておき、職員のみならず、住民の皆さんとともに運営に当たる体制の見直しとともに、各避難所に大容量ポータブル蓄電池の配備や移動可能な電気自動車を庁有車として保有するなど電源確保に努めていきます。  第四に、水防体制については、水防計画等の見直しや樋門、樋管等の操作体制を見直し、機敏かつ的確な対応を可能とするとともに、多摩川無堤防箇所用の止水、土のう等の保管倉庫の設置などを行います。  昨年十二月二十一日、二十二日に、多摩川沿い地域の浸水被害に遭われた住民の方々を対象に、住民説明会を開催いたしました。二カ所で約七百十名の住民が参加し、浸水被害の原因や今後の対策、支援制度に関することなどを中心に御質問や御意見等をいただきました。区を初め、関係機関と専門家を交えた検証委員会を年末から開催し、浸水プロセスの分析と実態を明らかにして、今後の被害軽減の有効な対策を打ち出していきます。  浸水被害に遭われた住民の方への支援制度についてです。十二月十八日に世田谷区に対して被災者生活再建支援法の適用が決定され、居住する住宅が半壊以上の被害を受けた世帯等に対する支援金の支給及び災害援護資金の貸し付け等について、対象世帯個別に御案内をし、相談や申請を受け付けています。  また、災害救助法に基づく住宅応急修理制度の相談受け付けを行い、早急に手続を進めています。一方で、同法が適用されない台風十五号や、住宅応急修理制度が適用されない台風十九号により被災した一部損壊の住宅への支援策として、都の補助制度も活用した世田谷区被災住宅補修支援補助金制度による受け付けも行っています。  それでは、健康・福祉の項目についてであります。  令和二年度当初予算の保健福祉分野での大きな柱となるのが、梅ヶ丘に竣工する保健医療福祉総合プラザです。本年四月に開設を迎え、併設する民間施設棟、東京リハビリテーションセンター世田谷の回復期のリハビリテーション病院、訪問・相談支援事業所やデイケア、老人保健施設、障害福祉の生活介護、自立訓練や放課後デイサービスの役割とあわせて、ここに保健医療福祉拠点の「うめとぴあ」が本格的に稼働します。  「うめとぴあ」の機能は多岐にわたります。新たに完成する区の複合棟の総合プラザには保健センターが移転し、総合的な健康診査、健康相談、指導に当たります。新たにスタートする認知症在宅生活サポートセンターは、認知症初期の段階からサポート、地区における対応スキル向上をバックアップし、地域包括ケアの土台を築きます。障害福祉に関しては、保健センターが民間棟の機能と連携しまして、きめ細かで専門的な支援を行います。また、福祉人材育成・研修センターが移転し、他の施設との連携を進め研修内容の深化、充実を図ります。  総合プラザには、夜間や休日の初期救急診療所、休日夜間薬局のほか、区民等が利用できる貸し出し会議室も整備されます。一階の入り口付近には広いエントランスホールとカフェがあり、認知症カフェやイベントの会場として活用するなど保健医療福祉情報の発信や来訪者の交流スペースとなっています。  「うめとぴあ」内の施設が、それぞれの機能に加え、的確な連携に加えて共同事業の創出などにより、相乗効果を高めていく拠点機能を発揮するためには、多方面にわたる施設機能の一体的な情報共有が必要となります。「うめとぴあ」運営協議会を通して、区がしっかり調整機能を発揮していきます。災害時には、区の医療救護本部が設置され、全区的な医療救護活動の統括、調整を初め、医薬品等の調達や医療支援チームの受け入れなどを行います。区の施設としては初の免震装置が設置されます。また、地球環境に配慮した取り組みとして、地中熱を利用したエアコン設備や太陽光発電、排熱を利用してエネルギーをつくるコージェネレーションシステムを導入いたしました。緑を多く配置し、雨水を蓄えて利用するグリーンインフラの構造を持つ建物となっています。  ここ梅ヶ丘周辺地区は、基本計画において、保健福祉の街づくり重点ゾーンと位置づけています。これまでの福祉のまちづくりを生かし、拠点施設内外との連携を進め、区の地域福祉の向上に寄与していきます。  次に、高齢福祉についてです。  団塊の世代が七十五歳以上となる二〇二五年に向けて、介護サービス需要の増大や認知症高齢者の増加が予想されます。区では、介護サービス基盤の計画的な整備とともに、介護人材確保について支援強化を図ります。特別養護老人ホーム介護職員宿舎借り上げ支援事業を開始するとともに、訪問系介護事業所電動アシスト自転車の購入費用の助成をいたします。新規採用者の雇用条件の向上につなげます。  認知症になっても安心して自分らしく暮らすことができる地域共生社会の実現も重要です。この度、仮称世田谷区認知症とともに生きる希望条例の骨子をまとめました。認知症当事者も参加し発言したワークショップ条例検討委員会で語られた常に認知症本人の視点に立つ、認知症を自分のこととして考えるなどの意見を取り入れています。今後、議会の御意見を伺うとともに、パブリックコメントなどにより区民意見を反映させ、条例の制定に取り組んでまいります。  関連しまして、就労支援の項目から、せたJOB応援プロジェクトについてであります。  区では、しごとねっと、すきっぷ、ゆに(UNI)の三つの障害者就労支援センターがネットワークの核となり、就労相談から職場定着支援まで一貫した就労支援を行っています。これまで、法定雇用率に算定される週二十時間以上の仕事では体力が続かない、また通勤の負担等の理由により就労継続が難しい障害者への就労支援が課題となっていました。  このため、各就労支援センターが企業等に対して業務時間や就労形態の多様化の打診を行い、短時間就労やテレワーク等の雇用が可能な職場を掘り起こし、就労者をマッチングする、せたJOB応援プロジェクトを令和二年度から実施いたします。このプロジェクトにより、障害特性により外出できない方、定刻出勤や長時間の勤務が難しい方などの就労を後押しし、社会参加の促進、孤立の解消にも寄与してまいります。  子ども・若者の項目についてです。  来年度四月一日から区は、いよいよ児童相談行政の歴史的な転換を迎えます。児童相談所は、戦災孤児たちの救済と支援のための行政組織としてスタートしました。今日まで七十年以上を経て、平成二十八年、二〇一六年の児童福祉法の改正で、児童は、適切な養育を受け、健やかな成長、発達や自立が図られ、それらを保障される権利を有することが明確にされ、特別区も設置できることになりました。  区の児童相談所設置は、法の新たな理念を実現すべく、専門人材の確保と育成、子どもの命や安全を確実に守るための仕組みづくりに取り組み、現在、施設整備も順調に進み、開設に向けた総仕上げの段階に入っています。  児童相談所の施設は、旧総合福祉センターを改修し、子育てステーションや地階の水中活動室等との複合施設として整備しています。二階、三階の約千五百四十平米に大小の相談室十三室、医療相談室、会議室、事務室、子どもの負担に考慮して、関係者が一度に被害確認を行えるモニタールームを備える施設になります。現在の都の世田谷児童相談所と比較し、職員が七十二名となる見込みで、面積とともに一・五倍以上の規模となります。  また、一時保護所は、子どもの視点を重視いたしました。小学生以上の子どもの居室を個室にするとともに、少人数で生活できるユニットケアを導入しました。また、従来型の給食調理室で一括調理するのではなく、食事づくりの様子を身近に感じられるようキッチンを三カ所に配置しています。保護された子どもたちが、家庭的な雰囲気の中で、落ちついて生活できる環境としています。  特別区初となる区の児童相談所では、子どもの最善の利益で、これまでの児童福祉行政をレベルアップする世田谷区らしい運営を行ってまいります。  次に、最優先課題として取り組んできた待機児童対策についてです。  この間、待機児童対策に認可保育園の整備を中心に保育定員の確保に取り組み、今年度はピーク時の四割程度まで減少しています。しかしながら、保育定員の確保数が計画に対して四百九十名分届かないことや、来年度四月の入園申込者数が昨年比で約二百名増加しているなど、この四月にもまだ待機児童の発生が見込まれます。目標としてきた二〇二〇年四月の待機児童ゼロを達成できなかったことに対して、大変申しわけなく思っています。  現在策定中の次期の世田谷区子ども・子育て支援事業計画案では、令和二年度の定員拡大により令和三年、二〇二一年四月の保育待機児童の解消を目指し、保育環境整備に全力で取り組んでいきます。  次に、子どもの貧困対策についてです。  区では、これまで、ひとり親家庭や生活困窮世帯、児童養護施設退所者等を中心に、学びや居場所の支援等を重点的に取り組んできました。昨年度実施しました子どもの生活実態調査等を参考にしながら、貧困の連鎖を断ち切り、子どもが生まれ育った環境によって現在及び未来を奪われることなく、新たな貧困を生まないための子どもの貧困対策計画を世田谷区子ども計画(第二期)後期計画の中に位置づけました。その後、昨年六月、子どもの貧困対策の推進に関する法律が改正されまして、区においても計画策定が努力義務となりました。まずは地域での学習支援の充実策として、新たな子どもの学び場の創出と支援が必要な子どもや家庭を適切な支援につなぐ仕組みを強化してまいります。  次は、教育の項目についてです。  昨年十一月九日、世田谷区総合教育会議世田谷教育推進会議を開催しました。前半に行った教育推進会議では、「未来の教室に向けて」をテーマとした経済産業省の浅野大介教育産業室長による講演に続き、区民参加のワールド・カフェ方式で発表を行うワークショップで広く意見を交わしました。  ワークショップでは、ICTは子どもが実際に体験できないことを疑似体験することができて、子どもの想像力をかき立てる、個人のペースで学習できるICT教材コンテンツは子どもにとって魅力的だ、ICTを活用するには、リスクに対応するルールづくりが大切であるといった意見が挙がりました。  こうした議論を受けとめ、後半の総合教育会議では、子どもたちがICTを効果的に活用するため、大人たちができることやICT教育のあり方について、教育委員と意見交換をいたしました。引き続き、これから予測困難な時代を生きる子どもたちに、難しい課題に挑んでいく力となる教育に向け、教育委員会とともに、これからの時代に求められる教育のあり方について構想を進めてまいります。  いよいよ、令和二年度より新学習指導要領に基づく教育がスタートし、教育を取り巻く環境が大きく変わります。総合教育会議の議論も踏まえ、教育の質の転換、誰一人置き去りにしない教育の推進、子どもたちの学びを支える環境の整備の三つの運営方針のもと、世田谷の教育を変革していくための検討を進めます。  教育委員会では、質の高い教育実践と学校運営を支える拠点となる教育総合センターの整備を進めており、教職員のスキルアップと研修支援、配慮を要する子どもたちへのきめ細かな支援等の機能を充実するとともに、新たに設置される乳幼児教育支援センターや、幼稚園、保育園等の現場から学校教育までを有機的につなげていきます。  現在、令和三年度の開設に向け、検討や整備を確実に進めており、移転に伴い教育センター条例とともに図書館条例の改正を行います。  海外教育交流から、小中学生のフィンランド派遣についてです。  教育委員会では、昨年八月に、小中学生十二名を新たにフィンランドに派遣しました。子どもたちはホームステイを行いながら、フィンランドの伝統的なお祭りや自然の中のアクティビティーを体験するとともに、現地の学校では、アートや図書館での活動等の学習を現地の子どもたちとともに行ってきました。帰国後、子どもたちから、互いのコミュニケーションの深まりを実感し、フィンランドの自然の豊かさや自然とともにある生活への感動など、派遣体験から多くを学び取った様子がうかがえ、大きな成果があったと捉えています。  ことしは、派遣国のさらなる拡大の一つとして、アメリカ・オレゴン州ポートランド市への中学生の派遣を予定しています。環境都市と呼ばれるポートランドの魅力がキャリア教育の観点からも子どもたちの豊かな経験となるよう、教育委員会の取り組みを支援してまいります。  続いて、暮らし・コミュニティの項目についてです。  まず、近づいてきている東京二〇二〇大会について、区民や事業者と連携したオール世田谷づくりについてです。  十月に、世田谷おもてなし・交流・参加実行委員会を結成しました。区は、区民や事業者とともにオール世田谷を描いて、国際交流や障害理解の共生社会の基盤をつくり、次世代とともに交流、参加ができるチャンスを生かしたいと考えています。区民や大会時に来訪される皆様をもてなす準備を進めています。実行委員会では、五月には、区内のさまざまな団体のパフォーマンスによるパレードを、また六月からは、区立小中学校や福祉施設等を平和の灯でつないでいく「(仮称)めぐれ!『世田谷の灯リレー』プロジェクト~世田谷ピースランタン」をスタートします。七月からアメリカ選手団のキャンプが大蔵運動場、大蔵第二運動場で始まり、大会前後に区民との交流事業の実現を目指します。  大会期間中には、区内各所でコミュニティーライブサイトやさまざまなにぎわいイベントを実施します。また、大会終了後もしっかり残るレガシーを刻みます。ホストタウン、先導的共生社会ホストタウンとして、スポーツ、文化の国際的な交流事業やボッチャ等の多様な障害者スポーツの推進へ区内全域で取り組み、オール世田谷でのおもてなしに全力を挙げていきます。  次に、エネルギーをたくみに使うまち世田谷推進プロジェクトから、せたがや版RE一〇〇の実現に向けた取り組みについてです。  区では、せたがや版RE一〇〇の取り組みとして、本庁舎に続き、来年度は出張所・まちづくりセンター、集会施設等を対象に再生可能エネルギー一〇〇%電力の導入拡大を図るとともに、区民向け蓄電池の補助事業を開始します。  さらに、RE一〇〇ロゴマークデザインの募集に加え、今月五日にはせたがや版RE一〇〇キックオフミーティングを開催し、再エネ利用の拡大につながるよう、導入されている企業からの取り組みの発表や意見交換を行いました。  加えて、地球温暖化によるオーストラリアの森林火災や昨年の台風十九号による風水害等を受けて、気候危機を考える環境シンポジウムを開催、中学生、高校生の発表、意見も交え、今後、私たち一人一人がこの問題にどう向き合っていくべきか議論をしてまいります。  今、私たちにできることを改めて認識し、二〇五〇年、二酸化炭素排出実質ゼロ、脱炭素社会の実現に向け、取り組んでいきたいと思います。  次に、国際交流の推進についてです。  本年四月三日に、世田谷文化生活情報センター内にせたがや国際交流センターがオープンします。せたがや国際交流センターでは、外国人向けの行政や生活、文化の情報を世田谷線入り口にある三軒茶屋観光案内所と連携して、まちなか観光情報等を提供します。また、在住外国人の暮らしの面でのお問い合わせ等にも応対するとともに、外国人の支援や国際交流、国際ボランティア活動を行う団体情報の収集、提供、発信により、プラットフォーム的な役割を果たしていけるよう、準備をしてまいります。  ここから都市づくりの項目についてです。  災害に強い都市基盤の整備です。  去る一月十七日、六千四百三十四人のとうとい命を奪い、約二十五万棟の住宅が全半壊した阪神・淡路大震災から二十五年がたちました。引き続き、災害に強いまちづくりを着実に進めてまいります。  まず、小田急線連続立体交差事業についてです。  昨年三月、小田急線連続立体交差事業が完了し、鉄道の地下化によって生じた線路跡地に新たな空間が生まれ、施設整備が進んでいます。  区では、小田急線の上部に駅前広場、東西をつなぐ通路、緑の機軸となる緑地、小広場の整備を進めるとともに、京王井の頭線の高架に沿って通路を整備し、茶沢通りと下北沢駅前のアクセス強化を図ります。  駅前広場は、下北沢駅前及び各駅で整備を進めていきます。交通結節機能の強化、災害時の防災拠点となる空間の確保、そして安全で快適な歩行空間づくりとともに、世界に知られる文化発信地としての下北沢の玄関口として、地域全体の魅力向上につながる駅前広場となるよう整備を進めていきます。  続いて、京王線沿線まちづくりについてです。  事業主体である東京都、京王電鉄とともに連続立体交差事業を進め、用地取得率は六割を超え、沿線では鉄道工事や側道工事が始まっています。区は、地区計画や地区街づくり計画の策定等、まちづくりを進めています。  千歳烏山駅では、商店街を初め地区の皆さんとも意見交換を重ね、地区計画の策定に取り組んでいます。また、下高井戸駅では、地元街づくり協議会が主催するワークショップが開催され、駅周辺のまちづくりに関する熱心な意見交換が行われました。住民主体の取り組みを支援し、参加と協働を基本にまちづくりを進めます。  次に、三軒茶屋駅周辺地区まちづくりについてです。  昨年三月に策定した将来のグランドデザインである三軒茶屋駅周辺まちづくり基本方針を踏まえ、有識者によるまちづくり検討委員会や、地域住民、商店街、事業者、近隣大学など、多くの方々の参加による三軒茶屋の未来をともに考えるまちづくり会議をスタートさせました。
     昨年の十月からワークショップやシンポジウムに多数の区民が参加して熱心な議論が行われました。最新のトレンドとレトロが入りまじった三茶のよさを生かしたまちづくり、災害に強い町や道路による分断をつなぐ地下の活用や歩道の拡幅、安全で優しい魅力的なまちづくりのほか、参加できる場づくりへの期待等、参加者の熱い気持ちが語られました。  今後、こうした意見やアイデアを素材として生かしながら、区民、事業者と未来像を共有できる計画、仮称三茶のミライの策定に取り組みます。  ここから、基本計画の分野別計画の中から主要な取り組みについて述べます。  世田谷名木百選の再選定についてです。  区制百周年にみどり率三三%の達成を目指す世田谷区みどりの基本計画により、みどりの保全に対する区民意識を醸成することを目的に、世田谷名木百選の再選定を行いました。  世田谷名木百選は、昭和六十一年度、一九八六年度に百種百四十八本、四カ所を選定しましたが、歳月とともに名木の状況も変化してきたことから、新たな樹木も加え再選定を進めました。選定委員会では、既存名木九十五件、新規名木五十五件、合計百五十件を選定しました。今後、名木を紹介する冊子やマップをつくり、区民が名木に触れる機会を創出して、みどりの保全への理解と協力を促進します。  公文書管理条例の制定についてです。  最近、公文書の取り扱いに関する国の対応が広く報道され、公文書とは何か、また保存や廃棄はどうあるべきかなど、公文書の適切な管理のあり方が再び注目を集めています。公文書は、区と区民が共有する知的資源であり、職員が確実に作成し、適切に管理するだけではなく、参加と協働の区政を実現するためには、積極的、かつわかりやすく情報公開を行うことが重要です。  健全な民主主義の根幹を支え、区政の透明性を確保するとともに、現在及び将来の区民への説明責任を果たしていくため、本条例を制定してまいります。  本庁舎等整備についてです。  このたび、新しい庁舎の全体像をより具体的に示した世田谷区本庁舎等整備実施設計概要案を取りまとめました。昨年度末に策定した基本設計のもと、作業を進めてきた実施設計では、環境・エネルギー対策、災害対策、新庁舎の管理方法、区民交流スペースのあり方、ユニバーサルデザイン等、テーマごとに詳細な検討を重ねてきました。また、学識経験者や区民二十名で構成された世田谷リング会議や、第一庁舎一階のInfo―Ba(場)等を通して、設計の過程を共有し、いただいた御意見の多くを設計に生かしながら進めてまいりました。  長年親しまれてきた現在の庁舎の空間特質を継承しつつ、区民、議会、行政の関係が整理されてわかりやすく、かつ利用しやすい横つなぎ型の建物構成となります。また、区民会館は楽屋、集会室、リハーサルスタジオ等の機能を付加し、区民交流スペースや屋上庭園といった新たな機能も生まれてきます。今後も、区民自治と協働、交流の拠点としての新庁舎を実現していきます。  総工費は四百三十二億円と大きな規模になります。都市整備部門は旧玉川高校の建物に仮移転し、現在の庁舎を使用しながら、三工期にわたる長期間の工事となります。竣工は令和九年、二〇二七年を予定し、高い技術水準が求められる施工に当たって最適な施工者を選定する準備も進め、令和二年度末ころの工事着手を予定しています。  行財政改革とふるさと納税についてです。  令和二年度の予算編成では、事業手法の見直しなどによる効率化、ICTを活用した業務改善の推進、公共施設等総合管理計画に基づく経費抑制策の徹底等により、十三億三千七百万円の財政効果を積み上げました。  高齢化の進展や子どもの人口増、社会経済情勢の変化による行政需要の多様化により、近年は一般会計予算の規模は毎年拡大をしています。一方、ふるさと納税制度による減収が七十億円を超える見込みとなっており、この上昇トレンドが続くと、やがて百億円を超える深刻な事態も想定され、区政運営に本格的な支障が生じかねない状況を迎えています。  もはや、現在のふるさと納税は税制の崩壊というべき段階にあり、抜本的な見直しを早急に国に求めていきます。同時に、区として地域福祉型、社会貢献型、体験型メニューに特化した寄附を集めていくとともに、財政運営上の影響を区民と共有できるよう、広報、啓発に全力を挙げていきます。  冒頭に紹介した職員からの提言を生かして、従来までの行政組織改革や事業のあり方も見直し、魅力あるまちづくりと持続可能な財政基盤を回復するよう努めます。全庁を挙げ、改めて取り組みを足元から見直し、行政経営改革を徹底して進めていきます。  次に、令和元年度補正予算について申し上げます。  令和元年度の一般会計第四次及び三つの特別会計の第二次補正予算ですが、台風被害を踏まえた災害対策の強化や被災世帯への支援など、喫緊の課題への対応、社会保障関連経費の増などの状況変化に対応するとともに、今後の公共施設整備などに備えた基金への積み立てを行うため、合計四十八億七千七百万円の補正予算を計上するものであります。  令和二年度当初予算について申し上げます。  一般会計の予算規模は三千二百七十七億三千五百万円、前年度と比べ二・六%の増となっております。  歳入につきましては、特別区税は、ふるさと納税の拡大による七十億円の減収を見込みつつ、人口増に伴う納税者数の増などにより一定の増収を見込んでいます。一方で、特別区交付金は、地方法人課税見直しの影響などにより、財源である市町村民税法人分が大幅に減収になることから、減額を見込んでいます。  歳出につきましては、継続して取り組む災害対策の強化や、児童相談所の円滑な運営に向けた経費を初め、保育待機児対策や本庁舎等整備などに係る経費を計上しています。一般会計に四つの特別会計を合わせました予算額の合計は五千六十七億七千六百万円、前年度比一・七%の増となっています。  最後に、本議会に御提案申し上げます案件は、世田谷区公文書管理条例等議案四十一件、専決一件、諮問一件、同意一件、報告十九件です。何とぞ慎重に御審議のうえ、速やかに御議決賜りますようお願いをいたしまして、御挨拶とします。 ○和田ひでとし 議長 以上で区長の挨拶は終わりました。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 次に、事務局次長に諸般の報告をさせます。    〔井上次長朗読〕  報告第一号 議会の委任による専決処分の報告(自動車事故に係る損害賠償額の決定)外報告十七件 ○和田ひでとし 議長 以上で諸般の報告は終わります。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 これより日程に入ります。 △日程第一を上程いたします。  〔井上次長朗読〕  日程第一 代表質問 ○和田ひでとし 議長 質問通告に基づき、順次発言を許します。  まず、世田谷立憲民主党社民党を代表して、三十三番中村公太朗議員。    〔三十三番中村公太朗議員〕(拍手) ◆三十三番(中村公太朗 議員) 世田谷立憲民主党社民党区議団の代表質問を始めます。  令和二年度予算は、保坂区長三期目の最初の予算ということになります。初当選から八年以上が経過をし、それまでにはできなかった数々の新しい取り組みに挑戦してきた姿勢について高く評価をしています。  児童相談所移管についても真っ先に手を挙げ、多岐にわたる課題に対しても入念に準備を進めてきました。いよいよ開設直前となりましたが、万全の体制で事業初日が迎えられるように最後まで抜かりなく準備をお願いします。  一方で、旧態依然とした仕組みへの配慮を優先して、まだまだ無駄遣いと無駄なシステムにメスを入れられていないという印象も残ります。ふるさと納税の影響による税収への大打撃が続いていますが、区民へ充実したサービスを継続的に提供するためには、財源を生み出していく不断の努力が必要で、区長には聖域のないドラスチックな切り込みとさらなる挑戦が求められています。  学校改築時のプレハブ建設の中止、電算機の見直し、電力のPPS導入以後、残念ながら区長ならではの目立った改革メニューが乏しく、令和時代に持続可能な世田谷区が少々イメージしづらい現状ですから、以下、順次質問をしてまいります。  こうした背景を受けて、来年度予算における財源確保策と歳出削減プランはどのようになっているのでしょうか。新たな取り組みとその効果額、歳入増と削減額をそれぞれお答えください。  年間二百四十億円にも上る巨額な補助金の見直しについては、これまでにも強く問題提起をしてまいりました。その中でも、外郭団体への補助金は比重が大きく、改革を進めなければいけません。区による指導と管理を強化して、委託業務や補助事業を見直していくべきと考えますが、補助金額の変遷と今後の見通しをお示しください。  また、地域団体への補助金については、目的、金額、効果が精査されることなく、既得権益的に毎年支出されているものが多く散見されます。特定の誰かのみが恩恵を享受する不公平な税金の使い方に対して、見直しの状況、チェック体制がどうなっているのか伺います。  税外収入の確保には、これまでの常識に捉われないあらゆる検討が必要です。まだまだ未活用の資源がたくさん眠っていると思いますが、区の新しい取り組みと目標金額をお答えください。  また、公有地を一〇〇%有効活用するために、情報集約と活用の検討を一括管理できるような担当部署を設置すべきです。区の見解を伺います。  プレミアム商品券について、プレミアム分の九千万円は別の効果的な政策の財源として転化をすべきです。硬直化してかじの切れない世田谷区政をどうしていくのか、どうしていきたいのか、ここが保坂区政最大の課題だと思いますが、その姿勢をお示しください。  以上、るる財源確保の取り組みについて申し上げてまいりましたが、区の二千を超える事業にはまだまだ非効率、無駄がたくさんあると言わざるを得ません。世田谷版事業仕分けと銘打った総事業点検は十年以上前になりましたが、元号も令和に変わった今、大々的なチェックを再実施して、抜本的な見直しの機会とすべきではないでしょうか。区の見解を伺います。  さて、いよいよ東京二〇二〇大会が本格的に近づいてまいりました。開催が近づく中、行政から報告される取り組みの多くが、観光や産業寄りの視点に偏っていることについて懸念を持っています。外郭団体での民間人登用を初め、機運醸成イベント、一年前イベントなど、これまでの区の取り組みが本当に目的どおりの成果を上げてきたのでしょうか。検証もされないまま新たな取り組みに予算が投入されることに不安を感じますし、そもそもその効果には懐疑的です。  今回のビッグイベントに際し、何より大事なのが区民第一の視点であるということは言うまでもなく、過度な不便やトラブルなどで生活環境が害されることがないよう、最優先で取り組み強化を進めることが区の絶対的な責務です。その保障があって初めて、観光政策やインバウンド対策を考えるべきであると指摘をしておきます。  ましてや、オリパラ開催の熱気に紛れ込ませた特定の個人、団体が利益や飲食を享受するような無駄な税金支出など絶対に認められませんから、本番の機運が高まる中で、チェック体制がざるにならないよう強くくぎを刺しておきます。区の見解を問います。  一方で、大会ボランティアの募集やせたがやクリーンアップ作戦など、高倍率のチケットを手にすることができなかったとしても、区民が大会を支え、その空気に触れることができる環境の整備が進んでいることについては評価をします。  同時に、当初からの最大目的である子どもたちへの貴重な経験とできるように、もっと知恵を絞り、USOPCを初めとした各所に働きかけをして、さらなる努力をすべきと考えます。現状確定している来年度の取り組みと、本番前や直後に向けた今後の見通しをお示しください。  教育的な視点でもう一つ提案をいたしたいと思います。世田谷における聖火ランナーの走行ルートも確定をし、地域で話題になっていると聞きますが、区が独自で実施を予定している「めぐれ!『世田谷の灯』プロジェクト」は、オール世田谷の象徴として、世田谷公園内で燃えている世田谷の灯をリレーでつないでいく計画で、区立小中学校を結ぶルートを軸にコースが検討をされているようです。  皆さんは、世田谷の灯がどういうものか御存じでしょうか。平成二年に広島市の平和記念公園にある平和の灯と長崎市の爆心地公園にある誓いの火からそれぞれ採火をしてきたものに、区内の御自宅で保存されていた反核平和の火、区内二カ所のお寺に保存されていた原爆の火、区民まつりで子どもたちが平和を願いながら起こした平和の火など、幾つもの区民の思いを乗せた火が合わせられたものが現在の世田谷の灯となっています。  我が会派は、かねてから平和教育の推進を強く後押ししてきましたが、平時ではなかなか浸透しづらい由来や思いをしっかり周知して当時の思いをつないでいくことこそ、東京二〇二〇大会最大のレガシーになるのではないでしょうか。  もちろん子どもたちにだけ伝えられればいいのではなく、区内主要イベントでも点灯、披露をして、世田谷の灯の意味や由来を広め、過去、現在、そして未来を乗せた世田谷独自のリレーをオール世田谷で実現すべきです。区の思い、その姿勢を問います。  次に、イベント民泊、イベントホームステイについて質問します。  国が推進する民泊に対して、区としては騒音や治安など、文化の違いから来るさまざまなトラブルの可能性が、閑静な住宅街である世田谷にそぐわないとのスタンスで、一定の規制をする形で条例制定をしてきました。しかしながら、ブレーキをかける役割だったはずの区から、時限的ではあるにせよ、積極的にイベントホームステイに取り組みたいとの報告を受け、違和感を強く感じています。  実態の把握と環境の管理に極めて不安が残る家主不在型ではなく、家主居住型であれば、トラブルに対する多少の懸念は払拭をされますが、経済産業部が主担当というところを見ても、単発で終わってしまう微々たる経済効果のみが目的なのかと推察をされ、これではビジョンもレガシーも何もありません。取り組むのであれば、目指すべきはホームステイ文化の定着、そして区民の国際交流の推進です。まずは、イベントホームステイを実施するに当たって、その理由、目的、将来像を明確に説明をしてください。  また、問い合わせや苦情は業務委託で民間事業者に任せるとのことですが、区報での発信、説明会の開催、自宅提供者の募集を区が実施する以上、自宅提供者は区と契約をしたと錯誤し、トラブルが起きた際には、最悪区に対して訴訟が起きる事態になってもおかしくないと考えますが、区はそこまでを想定しているのでしょうか。責任の所在とあわせて区の対策を伺います。  区はホームステイでの宿泊体験を通して、おもてなしや交流を促進したいとも言っていますが、ホテルがわりとしか考えていない観光客が積極的に家主とコミュニケーションを図る可能性は極めて少なく、期待する交流が生まれるとは思えません。私もオランダからのホームステイを受け入れたことがありますが、家族同様の空間に海外の方がいる一定期間の生活はすばらしい経験で、特に子どもたちにとって新たな成長が期待できるかけがえのない機会になります。  ホームステイをスペース貸しではなく、ホストとゲストとして相互に交流が生まれるように、例えば宿泊客とホストファミリー側とが共有する一定の機会を義務づけ、一緒に観光案内するプログラムなどを双方が希望する場合のみ区内でイベントホームステイがマッチングするなど、目的と展開を明確に捉えた事業スキームを検討すべきです。区の見解を伺います。  次に、上用賀公園施設整備事業について伺います。  東京二〇二〇大会本番の駐車場に使用される当該用地を終了後にスポーツ施設とする今の計画について、区内に運動する場所が少ないと指摘をしてきた立場から、整備される体育館の規模について若干の不満はありますが、新設されることを歓迎しています。一方で、区は公募型サウンディング調査の結果、従来の整備手法に加えて、DBO方式やPFI方式、Park―PFIなども検討しているとのことで、そこについては慎重な議論が必要であると考えます。  官民連携で民間の知恵やノウハウを生かし、さらなる区民サービスの充実やにぎわいの創出につなげることができるのであれば、反対するものではありませんが、二十年という長期契約ということになれば、一度事業者が決まってしまってからの契約変更や解約は極めて困難で、仮に委託事業者が悪質だった場合や、契約途中での倒産といったケースが発生した場合、その際の対応や区民への影響がどうなるかなど、懸念される点が数多く存在します。  また、区民利用施設との趣旨を第一に、コアタイムは区民優先開放の条件をつけた契約になるのは当然ですが、民間事業者の利益を生み出すライン設定と行政の考えには相当の違いがあると想定をされ、果たして本当に区民がスムーズに利用できる形で折り合いがつくのかと心配をしています。  区有地は区役所の財産ではなく、区民の財産ですから、建設費の負担軽減も大事な視点ではありますが、そればかりに目を奪われて、区民置き去りの施設ができ上がってしまったなどということがないよう、他自治体の成功例、失敗例を徹底的に分析した上で判断するように指摘をしたいと思います。区の見解をお答えください。  次に、新たな公共交通不便地域対策の進め方について質問します。  これまで安易な税金投入は行わないというスタンスを貫いてきた区の態度がなぜか百八十度変わり、都の税金と区の税金をたっぷりと使ったバス走行計画が出てきたのが昨年です。ほぼ全会派から進め方の問題、中身の問題などで批判をされ、十地域を前提とした計画から砧モデル地区のみでの実証運行に見直すという報告がされました。しかし、一地域だとしても、実証運行、本格運行を合わせて六年間で五千万円もの税金を投入する区の計画自体は撤回をされておりません。  区は、実証運行期間中の撤退要件の明確化を検討、設定するとのことですが、この設定が甘ければ、見直し自体が単なるアリバイにしかなりませんし、そもそも実証運行自体も事業としての見通しがなければ、踏み出すべきではありません。  令和三年八月からの実証運行を目指しているとのスケジュールは示されていますが、いつ撤退要件が示され、議会側がどのタイミングでチェックができるのか、区の想定する時期をそれぞれお答えください。  そもそもこの話は、バスを切望している地域が主体となって協議体をつくり、寄附やスポンサーなどもそこを中心に集めて、運賃では賄えない部分をフォローしながらバスの走行可能性を模索していくということでした。それが暗礁に乗り上げたということであれば、本来は導入の検討自体を一旦白紙に戻すべきです。  ところが、示された計画では、実証実験期間におけるサポーター等の運賃外収入の見込みがゼロで、本格運行になって初めて百万円の想定の計上が見込まれています。これでは、実証実験から本格運行へ移行するに当たっての判断要素に運賃外収入は一切関係がないということになります。仮に本格運行が実施をされた際にも、地域主導どころか、わずかな努力があれば、あとは区が税金で面倒を見ますよと、土台がそっくり入れかわってしまった現在の計画について、一体どういうことなのか区の説明を求めます。  退職を迎えても元気な高齢者がふえ続けている中で、世田谷だからこそ可能な企業側から需要のあるさまざまな経験、能力をお持ちの人材がマッチングをするためのプラットフォームをつくるべきだと何度も取り上げてきました。今回、区から高齢者の地域参加促進施策の拡充として、幾つかの取り組みの方向性が示されましたが、高齢者が社会に参加する機会をつくることで、孤立の予防を図っていくといった福祉的な視点と人材活用を主とした産業政策的な観点をきちんと切り分けて取り組まないと、どちらも形だけで結果が全く伴わないだろうという懸念を禁じ得ません。  区内中小企業では、人材不足や事業継承などが喫緊の課題となっています。それこそ大手が欲しがる能力をお持ちの人材が区内にはたくさんいらっしゃると思いますし、つなげる先を中小企業に限定するつもりはありませんが、数多くの無形の財産が輝くために区は責任を果たしていくべきです。  現在、世田谷ボランティア協会で実施をしているおたがいさまbankでは近いことをやっているようですが、マッチング先がさまざまな団体活動といったボランティアに軸足を置いた内容に偏っていますから、今のスキームで対象を企業に広げることができるのかどうかわかりませんが、ボランティア協会なのか、産業振興公社のか、庁内の担当部署なのか、いずれにしても、魅力的な人材活用、人材交流が実現できるように、世田谷版人材バンクを早急に準備すべきだと改めて指摘をいたします。区の見解を伺います。  ここ数年、各地で起きている天災が、世田谷区にとって決して対岸の火事ではないと気づかされた昨年の台風十五号と十九号、未曾有の爪跡はいまだに残っており、先般開催された住民説明会には七百十名もの区民が参加をされたそうで、一つ一つのケースへのきめ細やかな応対をするとともに、いつ次の災害が発生するかもしれませんから、一日でも早い計画の修正と対策の徹底が必要です。  区からは、風水害対策総点検を実施して、新しい対応方針が示されました。リニューアルされた対策本部の設置や適切な職員体制の構築など、庁内で完結する部分は早急に徹底していただくのが当然ですが、問題は避難所開設の改善や、発災時の情報提供のあり方など、区民が知っておかなければいけない変更点が幾つかあり、ここの周知が何より重要です。  区から示されたスケジュールには、令和二年度に計画とマニュアルの修正をするとまでしか記載されていませんが、区民にちゃんと周知がされ、これに基づいて適切な行動をとれるようにならなければ意味をなしません。ここのスピード感は命に直結をする問題ですから、周知の時期及び手法を明確にお示しください。  最後に、会派として求めてきた区民への蓄電池普及を目指した購入補助について、来年度予算で取り組むとの方針が示されました。御自宅で避難される方にとって非常時の蓄電池は、少しでもふだんに近い生活を維持する上でも、連絡をとったり、情報を集めたりする上でも極めて重要です。とはいえ、従来の補助制度下での導入数を見ると、今回の区補助が上乗せをされたとしても、どこまでふえるのかは未知数ですから、必要性と補助制度の周知で少しでも普及するように、区としても予算を組んで終わりにせず、継続した努力を求めます。  一方で、避難所となる施設への蓄電機能の配備は、対象者数を考えれば、より重要であると言えます。大容量ポータブル蓄電池の配備や電気自動車の配備などが来年度予算で計上されていますが、これらは避難所施設の電気回線には接続できません。国が相当な割合の補助をする制度が用意されているとも聞いています。建物敷設の大型蓄電設備の整備が必要かと思いますが、区の見解を伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 中村議員にお答えをいたします。  平和の灯として世田谷公園にあるこの灯と、東日本大震災の復興の灯をあわせて、世田谷の灯を掲げて地域をつないでいこう、このプロジェクトについて御提案を受けたものであります。  お話にあったように、この機会に平和の灯がなぜ世田谷公園にあるのか、この由来について次世代にしっかり伝えていく機会として活用することは大変重要なことと感じています。また、世田谷の灯を、区内各施設を、それぞれの世代、子どもたちを中心にしながらも高齢者まで、多世代が掲げながら、そしてこの次代を担う子どもたちがつなぎ手としてプロジェクトを推進していくと、この平和教育の趣旨からも意味のあるプロジェクトにしてまいりたいというふうに思います。  また、こういった平和の灯と、これで世田谷区内をつなぐんだということを実施することそのものをもっとやはりしっかり周知していくことも必要だろうと思います。  多世代にこの「めぐれ!『世田谷の灯』プロジェクト」の心していること、そして目指していくレガシーをしっかり伝える、そんな準備の仕方を心がけていきたいと思います。  以上です。    〔宮崎副区長登壇〕 ◎宮崎 副区長 私からは、四点について御答弁申し上げます。  最初に、令和二年度の行政経営改革における取り組み、さらには、歳出減、歳入増のそれぞれの効果額でございます。  令和二年度の行政経営改革の取り組みといたしまして、庁内ICT環境の効率化や業務改善の推進などによる歳出削減額を四億一千万円、公共施設跡地の貸し付け等による歳入増一億一千万円、計五億二千万円の効果額を見込んでおりますけれども、これに仮設建築物の抑制など経費抑制額を加えました十三億三千七百万円を総額として行政経営改革の御報告をしております。  また、今年度より実施いたしました新たな行政評価によりまして、十一件の行政経営改革の取り組みを追加させていただいております。このことによりまして、令和二年度末のふじみ荘の廃止を含む事業見直しによります一億八千万円の経費削減を加えまして、令和三年度の効果額は十六億四千万円を見込んだところでございます。  今、ふじみ荘の廃止を申し上げましたが、この廃止は、今後さらに進展する高齢化を展望いたしまして、高齢者の地域参加や健康増進をより効果的に推進していくために、拠点整備型から幅広い支援する仕組みに政策転換する必要があると判断したものでございます。従来の政策手法を区民ニーズや社会の要請に応じまして、より多くの対象に広げるために転換すべき時期に来ていると考えております。  今後とも中長期の将来展望に立ちまして、客観的評価に基づきまして、改善に努め、より効果的な政策展開に取り組んでまいります。
     続きまして、行政経営改革の推進に当たりましての方策でございます。  平成十五年度から実施いたしました全事業点検は、当時の社会状況に沿いまして見直しの視点を明確化したこと、外部委員によりまして事業を点検することで、前例に捉われることなく、客観的な評価を行うことができたと考えております。  前回の点検より十五年以上経過していることから、改めて事業の棚卸的な評価を一斉に行うことは有効であると考えております。ただし、近年では、多様化した行政ニーズに対応することで事業内容も複雑化していることから、前回同様の手法で全事業を点検することは難しいと考えております。令和二年度より行政評価の一環で、全ての施策に客観的に成果をはかる指標を設定し、あわせまして、人件費を含むフルコストを明確にすることで、区民に対します説明責任の強化と予算編成への成果の反映を図ってまいります。  この機会を捉えまして、全ての成果指標を第三者視点で評価し、成果が不十分な事業や政策目的と事業手法に整合性がない事業を抽出することで対象を絞りまして、令和三年度から二カ年集中的に事業評価を実施いたします。各年の決算におきます経常的な行政評価と次期基本計画策定を前に行います集中事業評価の両面から組織の意識改革を図ってまいります。  続きまして、東京二〇二〇大会に関連いたしまして、子どもたちへのレガシーでございます。  アメリカ選手団のキャンプ実施を契機に、選手と区民、特に子どもたちとの交流事業を大会終了後も継続することが重要であると認識しております。これまで車椅子ラグビー選手とのシンポジウムや陸上選手のトークショー、パラリンピアンによる講演会、フィギュアスケートの小児医療施設訪問など、計十一回の交流事業を行ってまいりました。  二〇二〇年には、五月にアーティスティックスイミングチームと子どもたちとの交流会、大会期間中にキャンプ会場見学ツアー、大会後に選手と世田谷と川場村の子どもたちとのレター交流を実施いたします。また、大会でメダルを獲得した選手が区民と交流する機会を持てるよう、USOPCと協議を進めております。  区といたしましては、このキャンプ実施を契機に、大会後もアメリカ選手等と子どもたちが定期的に交流できるよう、USOPCと粘り強く交渉し、実現してまいります。  最後に、上用賀公園施設整備の関係でのPFIを慎重にということでございます。  仮称上用賀公園施設整備事業につきましては、サウンディング調査におきまして、複数の事業者からPPP、PFI手法の提案があったことや、国の定める簡易な官民連携手法の導入可能性の検討を行った結果、経費面で一定のメリットが得られる可能性が示されたことから、今後、詳細な導入可能性調査を実施し、検討を進めていくことといたしております。  PPP、PFI手法の導入可能性の調査に当たりましては、公共施設という前提に立った上で、公園全体の整備や維持管理に係る経費の抑制、民間のノウハウやアイデアを生かした魅力向上の可能性を精査する一方で、災害時の広域避難場所や災害応急活動に資する役割を含めた機能と安定的な運営を確保することを前提といたします。  今後、従来手法を含めた各事業手法のメリットやリスク、事業の安定性等を見きわめ、議会の御議論も踏まえまして、適切な手法を慎重に判断してまいります。  以上でございます。    〔岡田副区長登壇〕 ◎岡田 副区長 私からは、まずプレミアム商品券事業について御答弁申し上げます。  プレミアム付区内共通商品券につきましては、区民の消費意欲の喚起を通じた区内での買い物促進や、区内産業の活性化を目的として、平成二十一年度以降は毎年、世田谷区商店街振興組合連合会が実施する事業を支援してまいりました。この間、区議会からは、事業効果の検証や大型店での利用の偏り、公平性の課題など、さまざまな御指摘をいただいており、区としても真摯に受けとめているところです。  来年度の事業につきましては、今年度と同規模の予算を編成したところです。今後のプレミアム付商品券のあり方については、国によるプレミアム付商品券の実績や、例年実施する事業の効果調査、消費税増税後の景気の動向などを踏まえ、区議会の御意見をいただきながら検討を進めてまいります。  次に、公共交通不便地域対策につきまして二点御答弁申し上げます。  まず、実証運行に向けての基準、撤退要件、またそのスケジュールについてです。  公共交通不便地域対策につきましては、超高齢社会の到来や単身高齢者の増加等を受け、区民の移動環境の改善に向けた検討を進めてまいりましたが、この間の区議会での議論等も踏まえ、まずは砧モデル地区での実証運行による定時定路線型の検証や他の交通手段の分析検討等を行った上で、区としての取り組みを進めることとしたところでございます。  砧モデル地区では、令和二年度に需要予測アンケートを実施いたしますが、その結果で一定の需要が確認できることが実証運行の前提と考えております。また、砧モデル地区で取り組みを進めるための基準等を示した手引を令和二年十月に策定する予定です。その中には、令和三年八月から予定している実証運行の期間中の撤退要件につきましても明示してまいります。  その上で、基準の妥当性や他の重点検討地域での有効性も含め、他の交通手段の分析、検討を進めながら、令和四年度に新たな公共交通不便地域対策のあり方を総合的に判断してまいります。  次に、地域主体の取り組みになっていないのではないかという御指摘について御答弁申し上げます。  公共交通不便地域対策につきましては、平成二十九年度に砧地区をモデル地区に選定し、地域の方々の御協力を得つつ、調査検討を進めてまいりました。一方で、調査検討を目的としていたこともあり、区が積極的にかかわりながら取り組みを進めてきたところでございます。  対策の検討に当たっては、区民、交通事業者、区がそれぞれの持つ知恵や力を出し合い、協働で取り組むことが重要であり、地域の課題を最もよく知る地域の方々が主体的に取り組み、地域の移動手段を守り、育て上げていけるように支援していくことが区の役割だと考えております。  今後、砧モデル地区において機運醸成を図るとともに、地域の方々が主体的に取り組めるよう仕組みを整えてまいります。  以上でございます。 ◎中村 政策経営部長 私からは、四点御答弁させていただきます。  まず、外郭団体への補助金についてです。  外郭団体への補助金については、令和二年度当初予算案において三十一億七千六百万円となっており、五年前の平成二十七年度当初予算の二十六億七千八百万円から四億九千七百万円増加をしております。補助金を支出している八団体のうち、三団体は補助金額が減少していますが、残り五団体は増額となっております。これは、文化財団における国際事業部関連経費やオリパラ事業関連経費、産業振興公社における観光事業関連経費など、自主事業の拡大に伴うものとなっております。  一方で、令和三年度に予定する区立特養の民営化に伴う社会福祉事業団への財政支援の見直しや、二〇二〇大会後のレガシー継承を踏まえた外郭団体における事務事業のあり方など、今後、補助、委託両面における財政支援も含め精査する必要がございます。  次に、そのほかの補助金の見直しについてです。  区が交付する補助金については、補助金の見直し等に係るガイドラインに基づき、必要性、公平性、有効性、説明責任の四原則のほか、補助対象の明確化、補助交付の上限の見直し、定期的な見直しの実施の三つの視点から毎年度検証を行い、見直しを進めております。  令和元年度では、見直しサイクルに該当する補助事業百九十一件中、廃止五件、基準の見直し五十件、検討した結果、継続としたものは百三十六件となっております。今後、補助を交付することの効果を分析し、より精査をするため、例えば補助要綱制定から一定期間を経過した補助事業については行政評価の対象とするなど、ガイドラインの見直しについて検討してまいります。  次に、税外収入の確保について一括してお答えいたします。  令和二年度の税外収入確保の新たな取り組みといたしましては、公共施設跡地の民間への貸し付けで約九百万円の効果額を見込んでおりますが、広告事業やネーミングライツなどの新たな収入源は開拓できておりません。道路代替地や道路事業予定地などの区有財産の活用や、世田谷公園のミニSLなど、民間企業と相性のよい資源の活用、近年収益性が高いことで、都心部を中心にふえているキッチンカーの庁舎敷地等での販売による税外収入の確保など、公有財産をさらに有効活用する方向で税外収入策の強化を進めます。  公有財産の有効活用をより推進するために、御提案のありました権限の一元化も有効ではないかと考えております。公有財産を管理する財務部や各所管と協議し、検討を進めてまいります。  以上です。 ◎小澤 交流推進担当部長 私からは、東京二〇二〇大会における各種イベントでの補助金のあり方について御答弁申し上げます。  区は、東京二〇二〇大会で世田谷区を訪れる方々を温かくお迎えし、世田谷の魅力を発信する取り組みとして、改めて世田谷おもてなし・交流・参加プロジェクトを立ち上げ、区民、事業者等と連携し、準備を進めているところです。  多くの事業がこのプロジェクトを中心に動かしてまいりますが、その経費負担を区としては補助金として支出していく予定です。  実行委員会が実施する事業は、区民、事業者等多くの方々の参加を前提としており、補助金の交付に当たりましては、補助金見直し等に係るガイドラインに定める四原則の視点を踏まえるとともに、補助金交付要綱に定める手続に基づき、適正かつ効率的に使われているかを確認してまいります。  以上でございます。 ◎田中 経済産業部長 私からは、イベントホームステイ三点、高齢者人材マッチング一点について答弁いたします。  まず、イベントホームステイの三点です。  区では、アメリカ合衆国のキャンプ期間及び東京二〇二〇大会期間において、区民の自宅に宿泊する機会を創出し、区を訪れる観光客等へのおもてなしや交流の促進につなげることを目的にイベントホームステイを実施します。  イベントホームステイは、御提案の宿泊者と自宅提供者が時間を共有するなど、交流を促進する取り組みとして非常に有意義なものであると捉えています。区としては、宿泊者と積極的にコミュニケーションを図り、日本の文化や歴史を感じられるような場所の紹介など、おもてなしや交流の促進が目的であることを、今後実施予定の説明会において、区民の方々に伝えてまいります。  また、自宅提供者に対して、先行して実施した千葉市や熊本県の交流事例を紹介したり、例えば区内の住宅宿泊事業者でオプションとして、宿泊者と一緒に観光や食事をしたりするなど交流に取り組んでいる団体と情報交換ができる機会を設けるなど、交流の促進につながるよう支援してまいります。  イベントホームステイ実施後には、自宅提供者と宿泊者にアンケートを実施し、効果等について検証するとともに、東京二〇二〇大会後も区民によるボランタリー精神に基づく交流が継続して定着していけるように、この四月に設置するせたがや国際交流センターやその他の関係者とともにその推進の手法について検討してまいります。  次に、区の責任の明確化についてです。  イベントホームステイは、自宅提供を希望する区民に対し、区の要件に適合する届け出者に区から要請する形をとり、宿泊者の募集については、自宅提供者みずからがインターネットの民泊仲介サイト等を活用し募集を行い、自宅提供者と宿泊者と契約をしてもらう仕組みです。  区としては、イベントホームステイを実施するに当たり、自宅提供者と宿泊者間、また、近隣住民などとトラブルが生じないよう、世田谷保健所が策定している住宅宿泊事業のガイドラインに準拠し進めてまいります。これを踏まえ、自宅提供の希望者は、必ず講習会を受講し、警察や消防及び保健所の協力のもと、安全管理や衛生管理に関するさまざまな遵守すべき法令や注意点、加えてトラブル回避等について具体的な対応方法などの説明を周知し、本人が理解、納得の上、自宅の提供をしていただきます。  宿泊者の募集に際しては、自宅提供者が交流促進や安全の配慮から一定の条件を付すことで、自宅提供者が想定する宿泊者に予約してもらえるような募集方法を周知するとともに、実施期間中には二十四時間体制で相談を受け付ける体制を区として整え、トラブルが生じないよう準備し、取り組んでまいります。  こうした未然防止に向けた対応を図ってまいりますが、万が一トラブルが生じたときには迅速な対応ができるよう、関係機関との連携体制を構築してまいります。  次に、人材マッチングについてです。  高齢者の方がこれまでの経験から御自身の知見を生かして企業活動等に貢献いただくことは、その方の生きる活力となるだけでなく、企業の活性化の観点からも必要であると認識しております。  こうした中、公益財団法人の産業雇用安定センターは、みずからの能力や経験を生かし、六十六歳以降も働くことを希望する方々の情報を登録し、事業者に紹介する人材バンク事業を実施しています。区でも、より地域の実情に合わせた事業として最適なモデルを検討しており、来年度、AIを活用した高齢者の経験やニーズ等と事業所の求人をつなぐ仕組みの研究と試行を進めてまいります。  お話しの事業者から高齢者にアプローチする仕組みも試行実施に合わせて取り組むことができるか検討してまいります。  私からは以上です。 ◎内田 スポーツ推進部長 私からは、上用賀公園施設整備につきまして御答弁いたします。  上用賀公園の施設整備につきましては、今年度中に基本構想を策定し、来年度は民間活用の事業手法につきまして詳細な導入可能性調査を行います。その上で、適切な事業手法について検討を進め、上用賀公園施設整備事業基本計画を策定してまいります。  検討を進めるに当たりましては、地域住民の皆様への丁寧な情報提供や意見交換を行った上で、民間を活用した事業手法導入の判断、そしてその結果を踏まえた基本計画を策定していく必要があると認識をしております。  地域住民の皆様への説明につきましては、関係所管と開催時期や開催方法などを協議し、実施をしてまいります。  以上です。 ◎工藤 危機管理室長 私からは、二点について御答弁いたします。  まず、風水害対応方針等の区民周知についてでございます。  現在、区は台風第十九号に関する対応につきまして、風水害対策総点検を実施し、検証作業を行い、今般、課題を整理し、避難所の開設など対応方針等を取りまとめたところでございます。  こうした新しい取り組みの区民への周知につきまして、まずは六月からの出水期前までに「区のおしらせ」の特集やホームページ、ツイッター等、区の広報媒体による周知を図ってまいります。また、来年度は区全域を対象としました水防災に関する講演会の開催も予定をしているほか、全戸配布を予定しております洪水ハザードマップにも今回の対応方針等の内容をしっかりと反映することで、いざというときに適時適切に避難行動をとり、身の安全を図っていただけるよう取り組んでまいります。  特に今回の被害のあった玉川・砧地域の多摩川洪水浸水想定区域に係ります地元町会・自治会に対しましては、総合支所と連携しまして、町会長会議等を通じて洪水ハザードマップの改定等の取り組みについて説明してまいります。  次に、避難所におきます太陽光パネル、蓄電池の設置等についてでございます。  区では現在、停電時に出力可能な自立運転式の太陽光パネルを二十三校に設置しており、今後改築に合わせまして増設していく予定でございます。  太陽光パネルから専用のコンセントで平時にも電力を活用しており、災害時にもそのコンセントから避難所の電源を確保することも想定しております。ただし、太陽光パネルが天候に左右されることから、安定して電源としての活用をするためには、蓄電池等で電力をためて活用することが有益であると考えております。  区はこのたび、台風第十九号におけます風水害対策総点検において、避難所の停電対策等を項目に掲げ、避難者の携帯電話が一斉充電できるように、大容量ポータブル蓄電池を配備し、環境にも配慮した災害時の電源確保のための庁有車に電気自動車の導入を計画しているところでございます。  今後も災害時にはまず、太陽光パネルや可搬式の蓄電池、発電機等を活用し、加えて設置型の蓄電池の導入につきましては、関係所管と連携し、国の補助制度や民間活力を活用した方策を他自治体等の取り組み事例を参考に検討を進めてまいります。  以上です。 ◆三十三番(中村公太朗 議員) 令和三年度からの二年かけた集中的な事業評価の実施であったり、公有財産の有効活用の権限の一元化の検討、また一定期間を経過した補助事業のガイドラインの見直しの検討など、前向きな答弁をいただきました。  また、砧モデル地区での実証運行自体行わない可能性の示唆という答弁もいただきました。それぞれ意見を言いたいところでありますが、時間がないので、一点、イベント民泊について、イベントホームステイについて質問をさせていただきたいというふうに思います。  これだけ新型コロナウイルスが蔓延をして、東京マラソンも一般参加が中止になったということを受けて、世田谷区でも三月一日までの各種イベント事業を実施するか否かということを全て検討に入っているというふうにも聞いておりますけれども、このイベントホームステイ、多くの海外からの方が世田谷区にいらっしゃることも想定をすれば、やはりこの点、この新型コロナウイルスと考えて、あわせて迅速な決断をしなければいけないんだと思いますけれども、どう考えているのか所管に伺います。 ◎田中 経済産業部長 再質問にお答えします。  新型コロナウイルスにつきましては、二月十六日の政府の専門会議で、国内の感染が発生早期でさらに進行していくと考えられると報道されており、区としては、国や都からの情報を踏まえ、今後の感染の状況の変化を注視していく必要があると認識しています。  今回のイベントホームステイにより、観光客などが区民の自宅に宿泊することになるのは七月四日からを予定しておりますが、区から区民に自宅提供の要請をするのは四月中旬以降としております。こうしたことから、現時点においては四月中旬を一つの目安として、世田谷保健所など関係機関と連携し、イベントホームステイの実施の是非についてその検討をしてまいりたいと考えております。  以上です。 ◆三十三番(中村公太朗 議員) 決して対応と決断がおくれて、区民が大変なことになるというようなことがないように、ちゃんと検討していただきたいというふうに思います。  以上で終わります。 ○和田ひでとし 議長 以上で中村公太朗議員の質問は終わりました。  次に、無所属・世田谷行革一一〇番・維新を代表して、四十六番大庭正明議員。    〔四十六番 大庭正明議員登壇〕(拍手) ◆四十六番(大庭正明 議員) 無所属・世田谷行革一一〇番・維新の代表質問を始めます。  天災は忘れたころにやってくるとはもう昔の戒めであり、今は次から次へとやってきて、定例会の質問が追いつかない状態です。  昨年、千葉県を襲った台風十五号、続いて世田谷区に大変な災害をもたらした台風十九号、その検証もままならないうちに、十二月の第一週からNHKが七日間連続で首都直下地震の大特集を放送し、いよいよかと警鐘を鳴らしました。年が明けると、新型コロナウイルスの感染拡大ということで、これは現在進行形で予断を許さない状況となっております。  首都直下地震を初めとして、台風も感染症も、どれをとってもあらかじめ想定されていたことです。感染症については、新型コロナは想定していませんでしたが、東京二〇二〇大会に向けた感染症対策として、東京都福祉保健局の感染症対策課が四年前から、これは結核や風疹等が対策の主眼でしたが、そのリスクを想定していました。  外国から人が多く来るということについて、関係当局が考えていなかったということではありません。まさにこれらの想定内の緊急非常事態の対応について、保坂区政は大丈夫かということです。  台風十九号は、保坂区政になって初めて体験した想定内の緊急非常事態と言えます。その検証を兼ねて質問するわけですが、保坂区長は台風十九号の襲来時、思わぬ失態をしていたのです。  問題の根源は保坂氏個人のツイッターにあります。ここで私たちが申し上げたいのは、世田谷区の情報を保坂氏個人名でのツイッターで発信するのをやめて、世田谷区の公式アカウントによる情報発信に統一すべきだということです。そうでなければ、今後大きな事故につながりかねないということをこれから申し上げます。  この個人名でのツイッターについては、前回の代表質問で追及していますが、その後の私たちの調査ではっきり間違った発信をしていたと断定できたので、こうして繰り返して質問をしているのです。このことについては後ほど述べます。  まず、保坂区長の仕事とツイッター発信とはどういう関係にあるかを示す事例を申し上げます。昨年の第四回定例会における他会派での一般質問で、台風十九号における初動態勢に問題がなかったのかを問う質問がありました。それに対して保坂区長はこう答えております。避難所を拡大していくに当たって、職員が十分に足りていたかどうかということに関しては、ぎりぎりの人数だったということを率直に認めたいと思います。  そして、いわゆる運休に入ってしまったということが、また事を難しくしまして、追加招集などが不可能、いわば歩いてこられる職員であれば構いませんが、なかなかやはり電車を使って通勤してくるという職員が多いので、そういった面もございました。これは事実でしょうか。あのときに対策する時間はなかったのでしょうか。公共交通機関が使えなくて職員配置が滞ったという答弁は、世田谷区として最善の対策を講じたにもかかわらずということなのでしょうか。  実は、保坂ツイッターでは十月十日の深夜に、これは台風十九号襲来の二日前ですが、JR東日本が首都圏の在来線と新幹線を十二日、十三日に計画運休を行う可能性があることを読売新聞の記事をリツイートする形で、保坂氏個人が発信しています。さらには、保坂ツイッターでは、十月十一日の金曜日のお昼過ぎに、台風十九号の接近に伴い、十二日土曜、十三日日曜日にかけて首都圏エリアの在来線の運転を取りやめる予定ですとツイートしているのです。おわかりになるでしょうか。この時点で保坂氏は鉄道の運休を知っていたのです。もっと言えば、前日の木曜日から公共交通機関が使えなくなることは予想できていたということです。  保坂区長は個人的に、公共交通機関がストップすると支持者に向けてツイッターをする時間があるなら、なぜそのときに世田谷区長としての仕事、まさに公共交通機関がストップするときの対策を指示しなかったのでしょうか。まさか個人的には知っていたが、区長としては知らなかったとでも言うのでしょうか。  さきの答弁で、いわゆる運休に入ってしまったということが、また事を難しくしまして、追加招集などが不可能とまで言い切っているのです。しかし、実際には十月十一日の金曜日、ほぼ一日対策時間があったのです。これでは鉄道会社に責任を押しつける責任回避の答弁であり、事実を歪めた答弁ではないでしょうか。運休情報を支持者に向けてツイートする一方で、区長としての保坂展人氏は何をしていたのでしょうか。NHKの「チコちゃんに叱られる」ではないですが、「ボーっと生きてんじゃねーよ!」というフレーズが頭をよぎります。
     丸一日、十月十一日金曜日に対策を講じる時間があったはずです。人員をやりくりするのは大変でしょう。しかし、こういうまさに緊急非常時に何とか対応できるようでなければ、世田谷区役所の存在意義が問われるのではないでしょうか。時間的に余裕が十分あったことを認め、初動態勢をしくじったことについて答弁を求めます。  保坂区長は、本当に世田谷区長としての仕事を最優先として、日々世田谷区と向き合っているのでしょうか。かねてからの普遍的な疑問です。  さて、台風十九号に関する保坂区長の極めて問題のある失態について、前回の代表質問に続いて触れます。  前回の代表質問のおさらいになりますが、台風十九号に関してですが、世田谷区の避難解除の根拠となる多摩川の水位について、保坂区長は間違ったツイッターを発信しているという指摘をしたわけです。これに対して昨年の十一月二十七日の保坂区長答弁ではこう答えております。多摩川の洪水に関する避難指示(緊急)の解除は、あらかじめ定めている田園調布(上)水位観測所の避難判断水位を八・五メートルとしておりますので、この水位が下がる見込み直前であった午前四時半に本部長室会議を開催し、午前四時五十五分、水位が下回ったことを確認し、解除いたしました。これは保坂区長が答えているのです。  大事なのは、田園調布(上)水位観測所の避難判断水位が八・五メートルであり、それを下回ったら避難解除の情報を発表するということを保坂区長も同席していた本部長会議で決めたということです。  それに基づいて、午前四時五十六分に世田谷区の公式アカウントである危機管理室のツイッターを通じて、世田谷区における多摩川の水位が避難判断水位を下回ったので、避難勧告を含む全ての避難情報を解除しましたと発信しました。にもかかわらずです。その十分後に保坂個人ツイッターでは、現在の多摩川の水位です。五時の八・四二メートルと下降を始めていますが、避難判断水位七・六メートルよりもまだ高い状態ですと発信しているのです。  議事録に残すために時間等を含め正確に述べているので、聞いている人はごちゃごちゃしていると思いますけれども、肝心な部分は、世田谷区の公式発表で避難判断水位を下回ったと言い、保坂区長のツイッターではその十分後に避難判断水位よりもまだ高いと言っているのです。もちろん保坂氏の個人ツイッターの間違いです。台風被害からの復旧作業に紛れて、些細なことのように思われるかもしれませんが、小さな間違いでも将来重大事故につながることはあるわけですから、それも世田谷区長という肩書きを持つ個人発信ですから、単なる個人的な間違いでは済まされないと思います。  では、保坂氏個人ツイッターは何を間違えたのか。結論から言うと、保坂区長は世田谷区に接する多摩川の水位ではなく、もっと下流の大田区の多摩川の水位の避難判断水位を見ていたということです。うっかり観測所のある田園調布の避難判断水位を世田谷区の避難判断水位と思い込んでいたのです。完全なる素人判断によるミスであります。素人のやりがちな間違いと言ってしまえばそれまでですが、九十二万区民の生活を預かるトップとして大丈夫でしょうか。このような素人判断は、役所の専門部署に尋ねればすぐにわかることです。しかし、勝手に発信してしまった。  改めて伺いますが、区長としての世田谷区に関する情報発信は、区の公式アカウントとして、スタッフ確認のもと行うべきではないでしょうか。他の自治体ではそうなっておりますし、特に災害情報については公式アカウントに統一するのが常識であります。このことについて副区長に伺います。  さらに、関連で伺いますが、想定されている緊急非常事態について、つまり首都直下地震、異常気象による台風、また外国からの感染症が発生した場合、そもそも職員招集体制は、交通機関がストップしたから不可能で済むのでしょうか。それこそ区の庁有車を活用するなり、レンタバスを用意するなりの計画はなされていないのでしょうか、お答えください。  申し上げたいのは、非常招集だとか何だとか言葉の上での仕組みはあるのかもしれませんが、今回の台風十九号に関しては、使えなかったではないかということを危惧しているのです。  また、避難場所の鍵の預かり問題は、区民にとっては大変な負担になっています。いっそのこと民間警備会社に避難所の鍵を管理させるとか、いわゆる民間委託はできないのでしょうか、お聞きいたします。  次に、首都直下地震の災害時のごみについて伺います。  もちろん地震災害の程度によりますが、どの程度であれ、まず道路が使えないと生活ごみも、災害ごみも捨てられません。ごみが捨てられないと都市機能はなくなることは明らかです。  道路啓開という用語があります。啓開と書きますが、国土交通省によれば、道路啓開とは、緊急車両等の通行のため、早急に最低限の瓦れき処理を行い、簡易な段差修正等により救援ルートをあけることをいうとあります。災害後、最優先で開通する道路ということです。  世田谷区の場合、そもそも瓦れき処理の以前の生活ごみをどうやってどこに運ぶのでしょうか。行政だけに頼るわけにはいきませんが、この道路啓開の順番はどのように決まるのでしょうか。その順番によって、例えばまず生活ごみや軽微な災害ごみを出せる場所が決まってくると思います。要は首都直下地震後の生活ごみの収集はどこになるのか、どこまで行けば収集してくれるのか、優先される道路であれば、日ごろから区民にわかるように、いっそのことカラーリング――着色塗装のことですが――するとか、表示を多くしておくとか、そのような区民周知の対応がとれないのか伺います。  震災直後でも区民の生活は続くのです。また、日ごろから世田谷区としての地方自治体のあり方について、保坂区長はいろいろと意見を述べられているようですが、災害時のごみに関連して申し上げれば、世田谷区のごみは最終的にどこに埋められるか御存じでしょうねと。  東京港、港です。東京湾ではなく、東京港の中央防波堤外側埋立処分場と新海面処分場です。ちなみに東京湾は東京都だけのものではありません。二十三区のごみの最終形態はここに埋められます。また、二十三区以外のいわゆる東京都の市部、調布とか、三鷹とかは、多摩地域の山の中に埋められています。保坂区長のお住まいは二つあるとのことですが、狛江の御自宅のごみは山の中へ、もう一つ下北沢の御自宅のごみは東京湾に埋められているということです。  その最終処分場がこのままではあと五十年でいっぱいになるということも御存じでしょうか。今月会派で現場を見てきましたが、これ以上埋める場所を拡張すると東京湾の港としての機能が失われ、それこそ私たちの日常生活の供給ルートがストップするということです。  さて、東京都はこの最終処分場の次はまだ考えていないようです。だからといって、ごみ運搬の当事者である世田谷区が考えなくてよいということではありません。五十年後といっても、これから着工が始まる新庁舎ができたころには、もう五十年ももたないということであります。  保坂区長の百万都市にならんとする自治体のあり方論を自慢げに述べるのは勝手ですが、ごみの最終処分場の問題は、世田谷区という都市機能の生命線であり、生活必需品でもあります。その処分場が足りなくなる、実はこれも想定される緊急ではないにしろ、非常事態であると考えます。  この件については、時間の関係でこれだけにとどめますが、別の機会に改めて質問するつもりです。  さて、災害時のごみ以前の問題として、災害犠牲者をどうするのかという問題があります。特に御遺体の数が大混乱の中で急増することは、残念ながら想定内のことです。地域防災計画によれば、首都直下での世田谷区内の犠牲者は最大で六百五十五人となっております。今回の台風十九号のときでさえ、区民の不満が噴出したわけですから、六百五十五人もの御遺体、また御遺族の発生と、区内十三の地区会館を安置所にする計画がうまく機能するでしょうか。このことについては、平成二十九年の十月四日の決算委員会で私は詳しく述べておりますが、その後の進捗はあったのでしょうか、伺います。  そうした中で、火葬場が圧倒的に足りないという事実があります。また、首都直下と感染症ということが重ならないとは言えません。というより、災害後の衛生環境の悪化は想定の範囲です。東京都においても火葬場の偏在については理解しているようですが、計画をつくるという方向性まではあっても、その計画がいつまでたっても手つかずと聞いております。そのことについて世田谷区はどのように認識されているのか伺います。  また、都内最大の人口を抱える世田谷区として、火葬場の問題にどう取り組むのかお聞きいたします。  次に、通常業務について伺います。  昨年の新実施計画事業、全百三十の成果指標のうち、年間目標に届いたのは約半分の七十二だけでした。 実施計画は四年間ですが、最初の一年で既に周回おくれが半分とは、税金を払っている区民からすれば怠慢と言われてもしようがありません。ましてや自分たちでつくった計画であり、達成意欲の高まりが感じられません。一体区は成果指標など、単なるお題目に過ぎないと考えているのでしょうか。改めて成果指標の目標達成について伺います。  次に、新年度からいよいよ児童相談所が世田谷区に開設されます。まさしく人生の初期の段階、生まれて大人になるくらいまでのプロセスを全方位的に見守り、あるときは環境にまで介入する一体的な情報相談機関と言えます。  そこで伺いますが、区立児童相談所と議会との関係ですが、どのような報告事務がなされるのかということです。個人情報が多く含まれることは承知しておりますが、子どもは社会を映す鏡とも言われております。さまざまな相談事例から、地域社会のゆがみの兆候を議会としても気づかされることもあるだろうと思われます。そのためには、児童相談所のあり方も含めて議会との意思疎通は大切なことだと思われます。報告の仕方、情報共有のあり方について確認しておきたいと思います。  次に、いながらの新庁舎建設が始まるわけですが、職場環境として大丈夫なのか、どのくらいの振動や騒音になるのか、またどれぐらい続くのかを伺います。  さらに、職務はこれまでと変わらず遂行できるのか、まさかこれを理由に先ほどの新実施計画がおくれる言いわけにされても困りますので、お聞きしておきます。  最後に、副区長を三人までとする条例改正案が出されるということですが、それは可決されたら三人にするということなのか、そうであれば、どういう理由に基づいてふやすのかお聞きします。  以上で檀上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 大庭議員にお答えします。  まず、鉄道運休と台風上陸前日の十月十一日金曜日に十分その対策を講じる時間があったのではないかという御指摘についてです。  私といたしましては、台風十九号の対応として、区内で相当大きな被害も出る危険性があるものと考え、災害対策本部につきましては早急に立ち上げ、台風接近の前日のこの十月十一日の午前中からさまざまな検討を行い、午後一時には第二回災害対策本部長室会議を開催いたしまして、十九号の区への影響と鉄道会社の計画運休の状況はどうあるのかの確認、そしてこれらを踏まえて、翌日の区の業務、あるいは窓口の閉鎖や停止、そしてイベントの中止、順延などの対応方針、組織体制、そして災害ごみの対応なども決定をしていきました。その後開催した部長会――同日ですが――におきましても、この本部長会議で決定した区の業務等の中止の対応の徹底、十二日の朝に開設する自主避難所の体制確認、また庁舎の非常用発電機の確認や庁有車の燃料の補填などの指示もしてまいりました。  しかしながら、台風十九号の対応として、直前の台風十五号における千葉県の被害を考慮し、規模が大変大きく、風も強いということを想定し、いわば台風通過後の道路に落ちた散乱物などへの対応を考えた、いわば台風通過後の体制に若干人員のシフトを置き過ぎたということは否めないものと考えています。  このため、今後は、大規模災害発生時にあらゆる事態を想定してリーダーシップを発揮し、これまでの災害対策の見直しを進め、しっかりと対応してまいりたいと思います。  次に、副区長を三人までとする条例改正案についてであります。  現在、区政における重要課題が集中している状況にありまして、各施策のスピード感を落とさずに着実に対応していくために、区の規模にふさわしい力強いトップマネジメントの体制が必要であると考えています。  世田谷区が抱えている大きな課題は、いずれも今後の区政の転換につながるものと認識しておりまして、副区長を三人体制へと強化することで、全庁的な視点に立った的確な職員の牽引とともに、副区長みずからが機動的に活動できることで、国や都との調整、協議、また、部や領域を超えた横断的な施策の推進などの役割をこれまで以上に発揮してもらいたいと考えております。  まずは、副区長を三人体制へと強化することについての御議論と御承認をいただき、次のステップである選任などをしかるべき時期に議会に報告、御提案をさせていただきたいと考えております。    〔宮崎副区長登壇〕 ◎宮崎 副区長 私からは、三点について御答弁申し上げます。  最初に、区長としての発信の公式アカウントについてでございます。  昨年の台風第十九号におきます情報発信につきましては、ホームページが見られなくなったり、防災無線が聞こえなかったりといったさまざまな課題が発生し、ツイッターに頼るところが大きかったことがございました。そのため、災害時の情報発信の強化につきましては、来年度を待たず、ホームページのサーバーの増強など、できるところから着手しているところでございます。  区の公式アカウントにつきましては、危機管理室のほか、広報広聴課、世田谷保健所、各総合支所など十のアカウントがありまして、災害時におきましては、気象情報や警報発令など、全てのアカウントから統一に発信する仕組みとしております。  一方、御指摘のありましたアカウントは、世田谷区長として首長の立場で掲げているものではございません。ゆえに区が直接関与しているものではございません。しかし、災害時には世田谷区の災害対策本部長であること、今般のケースのような区民にとりまして情報発信ツールは多いほうが有効な場合などを考慮いたしまして、災害情報に関しましては、発信内容の整合性を図っていけるよう調整してまいりますので、改めて区長用の公式アカウントの必要性はないと判断しております。  続きまして、成果指標の目標達成についてでございます。  新実施計画におきます各施策の成果指標と目標値の設定は、事業を実施したことによる政策効果をはかるものでございます。令和元年度に年度目標に達しなかった指標は全体の約三分の一ほどとなっております。計画の初年度であることを差し引いたといたしましても、成果の達成度は低かったとの認識に立っております。  達成度が十分ではなかった事業につきましては、今年度の施策評価におきまして、成果目標が達成できなかった事業の課題を所管部と政策経営部とで分析することで、手法の未達成の改善策を打ち出しております。具体的には、令和二年度の予算編成におきまして、例えば啓発講座の実施回数や助成事業の年度件数を拡充したり、事業のPR手法の改善や民間企業との連携の拡大など、事業手法を改めることなどによりまして、当初目標の達成に向け、新実施計画事業を修正したところでございます。  計画の評価と改善を徹底することによりまして、成果のおくれを取り戻す取り組みを適切に行うことを進めるとともに、今後も成果指標の把握により、毎年度適切に対策を講じてまいります。  続きまして、児童相談所の議会との報告の関係でございます。  児童相談所の運営におきまして、児童虐待相談の件数や一時保護、施設入所措置の状況等を一定期間ごとに区議会へ御報告してまいります。また、児童相談の傾向や子どもや家庭の特性などもあわせて報告してまいります。  個別事案のケースでございますけれども、個人情報のみにとどまらず、保護者との話し合いや子どもの安全確保、家族の再統合などの対応に支障を与える可能性もございますので、区議会への画一的な御報告は難しいと考えております。一方で、児童虐待によります死亡事例を初めといたしまして、重篤な事案につきましては、事実関係や対応状況等を区議会へ工夫して報告し、協議することによりまして、再発防止に早急に取り組んでいく必要がございます。  子どもの最善の利益と安全と安心を守るため、区議会と緊密な情報共有と意思疎通を図ってまいります。  以上でございます。    〔岡田副区長登壇〕 ◎岡田 副区長 私からは、災害時の御遺体の対応につきまして、東京都の火葬場の偏在に関する計画に対する区の認識、そして区の対応について御答弁申し上げます。  現在、世田谷区と近隣四区――港、品川、目黒、大田でございますが――が共同で運営する臨海斎場のほか、近隣には代々幡、桐ヶ谷、堀ノ内など民営の火葬場があります。  高齢化等が進む中、組織区における火葬需要数の増加を見据え、臨海斎場においては、二〇三〇年度を目途に、火葬炉を現在の十基から十六基に増設予定をしてございます。  御指摘のとおり、世田谷区地域防災計画では、首都直下地震が発生した場合の亡くなられる区民を六百五十五名と想定しており、臨海斎場や民間火葬場だけでは火葬の対応が難しい場合、広域火葬を都に要請することを想定しております。東京都は、東京都広域火葬実施計画を策定し、災害時における被災区市町村の広域火葬の円滑な実施を目的に、広域火葬の応援協力など、実施体制、御遺体の保存対策、搬送手段の確保などを規定しておりますが、計画の具体的な実施のためには、いまだ課題も多いと認識しております。  区といたしましては、大規模災害の発生時においても、亡くなられた方の尊厳とその遺族の方への配慮を失することのないよう、災害時を想定した具体的な検討を進めてまいります。  以上でございます。 ◎工藤 危機管理室長 私からは、三点について御答弁いたします。  まず、災害時の職員の招集体制についてです。  地震に伴う災害が発生した場合において、区災害対策本部を設置して対応する際の区職員の基本的な態勢としましては、区職員には非常配備態勢を定めております。これは区内の最大震度が五弱以上の場合は、あらかじめ指定した参集場所に参集するものでございます。一方で、台風第十九号における対応では、自主避難場所を八カ所開設した後、多摩川の水位上昇や土砂災害の危険性が高まり、段階的に避難所を開設することとなったため、特に避難所への職員が不足したことが課題となっておりました。  台風第十九号の対応を踏まえまして、特に風水害時の避難所は、台風接近の前日に設営をして、早目に開設するなどの見直しを図ることとしております。そのため、避難所の開設、運営に関する人員等を計画運休の影響がある前にあらかじめ確保する必要がございます。  今後は、前日から今まで以上の職員の配置と確保をしていく予定ですが、万が一参集職員で対応できていない部署がある場合は、庁有車の活用を図って、職員の再配置をすることなど災害対策本部における人員、車両等の体制整備を進めてまいります。  次に、避難所の鍵の管理についてでございます。  これまで大規模地震発生時には、町会・自治会等を中心として構成する避難所運営組織にて、避難所の立ち上げ等をすることになっており、そうしたことを前提に、各指定避難所単位で避難所運営訓練を実施してきております。指定避難所の鍵あけは、避難所運営組織でもできることになっていましたが、台風などの風水害時の避難所の開設は区が事前に体制をとることができるため、区職員が開設、運営することとなっておりました。そのため、今回の台風第十九号の対応では、地域の方々の協力をいただいた避難所はありましたが、基本的には区職員が鍵あけや運営をしたところでございます。  今後は、今回の台風第十九号のように、規模が猛烈で、鉄道等の計画運休が示唆される場合には、区の地震の際に参集指定している拠点隊から人員を避難所等に振り分けるなど、避難所の開設、運営は区が責任を持ち、地域住民とともに運営を行うこととあわせまして、御提案いただきました民間活用につきましても、総合支所等の関係部署と連携しまして、円滑な対応を図ってまいります。  最後、三点目でございます。災害時の遺体収容についてでございます。  現在の地域防災計画では、区内十三の地区会館を遺体収容所に指定しておりますが、災害状況によっては、総合運動場の体育館や使用していない避難所の体育館等を区と警察署が協議して指定することとしております。  この間の進捗としましては、災害時における遺体の取り扱い等の協力協定を結んでおります全日本冠婚葬祭互助協会の世田谷区の窓口となりますメモリード東京と話をし、協定に基づく要請内容について現状を踏まえた具体の内容を確認しております。  また、遺体収容所となる地区会館も一部複合施設となり、児童館やまちづくりセンターと同じ施設となっていることや、検視・検案作業を考慮して一カ所に集約するのがよいのかなど、検討課題として捉えているところでございます。  今後、これらの課題を踏まえまして、震災時における具体的な状況をイメージし、警察署とも協議しながら、関係所管とも遺体収容所の設置のあり方につきまして検討を進め、今後、検討結果を、来年度修正します地域防災計画に反映してまいります。  以上でございます。 ◎関根 土木部長 私からは、道路啓開の区民周知についてお答えいたします。  地震発生時には、道路に看板や電柱、また沿道の建築物などが倒壊し、障害物が散乱することで車両の通行が阻害され、被災者の救援活動、緊急物資の輸送等に支障が生じるおそれがあります。そのため、国、都及び区市町村が緊急物資の配送拠点、広域避難場所、警察署、消防署、医療施設、自治体の庁舎などの防災拠点に接続する道路を緊急輸送道路障害物除去路線として選定し、大規模な地震が発生した際には、道路の障害物の除去や路面の応急補修等を優先的に行うことが定められております。  区民への周知につきましては、現在のところ地域防災計画に記載し、公表しておりますが、さらなる取り組みとして、議員の御提案も踏まえ、一層の周知について検討してまいります。  以上です。 ◎松村 庁舎整備担当部長 私からは、いながらの新庁舎建設における職場環境についてお答えをいたします。  本庁舎等整備につきましては、現在、実施設計概要案を取りまとめ、令和三年二月の工事着手に向けて、法令に基づく申請準備や、五月に公告を予定しております施工者選定に向けて検討を進めているところでございます。  今回の建設工事は、三工期に分け、同一敷地内で解体、建設を繰り返しながら行政機能を維持していく工事となり、令和九年四月の竣工を予定してございます。  工事に関する騒音、振動につきましては、特に各工期の前半に予定している解体工事の際に発生が予想されますが、施工方法などにつきまして、来年度選定予定の施工者とも協議をし、業務への影響をできるだけ低減できるよう工夫、検討してまいります。  また、移転、引っ越しにつきましては、例えば各部署の状況を踏まえまして、負担の少ない時期にするなど、工夫をしているところでございますが、今後、移転、引っ越し業者とも協議をしながら、さらなる負担軽減に努めてまいります。  以上でございます。 ◆四十六番(大庭正明 議員) 火葬場については具体的な検討をするぞということは、具体的に何を意味しているのかお答えください。  それから、台風十九号に関しましては、区長は、物は言いようで、結局、台風通過後の対策に重点を置いていたということは、初動態勢を見誤っていたということだと思うんですよ、言葉からするとね。率直に初動態勢を見誤ったとちゃんと認めてくださいよ。  それから、アカウントの件ですけれども、世田谷区の災害対策本部長である保坂氏のツイッターに関して、世田谷区の災害対策本部長であるからこそ、区の公式アカウント、もしくは区の公式発表のツイッターと災害情報に関しては、情報発信内容の整合性を少なくとも図っていかなければならないということではないんですか。整合性を図らないということを言っているんですか。要するに、区長のツイッターはほったらかしだよと言っているように聞こえたんですけれども、その整合性を図ることはするのかしないのか、それは本人も含めて、または副区長でもいいですけれども、お答えください。    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 お答えをいたします、再質問に。  鉄道運休については、当然私も知っておりましたし、私だけじゃなくて、もう当時報道されていましたから、職員全体、危機管理室を中心に知っておりました。見誤ったかどうかということについては、先ほど申し上げたとおり、強い強風が大きな被害になるだろうという印象に傾いていて、その水害についての想定は甘かったというふうに思います。ですから、そういう意味では、人員のシフト、またそれを切りかえるべきだという判断が、当日来たわけですが、そのときには交通運休の問題、あるいは職員間の連絡のツールなど、たくさんの課題を残しました。そういう意味では、振り返って、どのような状態になっても対応できるように努めてまいります。    〔宮崎副区長登壇〕 ◎宮崎 副区長 私からは、公式アカウントにつきましての再質問に御答弁申し上げます。  先ほどちょっと私のほうがはっきり申し上げていないということで改めて申し上げます。  先ほど申し上げたことは、区長は災害対策本部長ということもございますので、区長の、区長といいますか、保坂展人さんのアカウントであったとしても、やはりそこは区の公式のアカウントで発信しているものと整合性をとるということの必要性を申し上げた次第でして、整合性をとれば、改めて区長用の公式アカウントの必要性はないんじゃないかということを申し上げた次第でございます。
     以上です。    〔岡田副区長登壇〕 ◎岡田 副区長 再質問にお答えします。  平成二十五年に改定されました東京都の広域火葬実施計画、先ほど御答弁申し上げましたが、この中では、被災区市町村の火葬場の能力では対応が不可能になった場合、都の調整のもと、都内全域及び近隣県等の火葬場を活用して広域的に火葬を行うということがうたわれておりまして、広域火葬の協力要請、火葬要員の確保、御遺体の保存対策、御遺体の搬送手段の確保などが規定されております。  そういう意味では、要素は規定されているんですが、この仕組みが実際に機能するためには、具体的な協力自治体との協議、またひつぎや御遺体保存のための資機材確保、また世田谷区の遺体収容所から広域火葬場までの御遺体の搬送手段の確保、こういった都区で関係機関と協議、調整するべき事項、また区として整備するべき体制が具体的にあるというふうに認識しております。  このテーマですが、危機管理、保健所、土木等、領域をまたがる課題でございますけれども、火葬場の担当として、世田谷区としての具体的な検討をしたい、今、申し上げたような点について具体的な検討をしたいということでございます。  以上です。 ◆四十六番(大庭正明 議員) 火葬場等の問題は、首都直下が来れば必ずやらなくちゃいけないわけですから、早くやらないと、どっちみちやるんですよ。やらなくちゃいけなくなるわけですよ。ですから、今ごろ何か考えるなんていうことはやめてほしいです。さっき言った、想定されている問題を今回質問しているわけですから。  あともう一点だけちょっと時間の関係で言えるかどうかわかりませんけれども、まずちょっと確認しておきます。予算委員会で詳しくはやりますけれども、副区長の三人制については、これは誰の発案なんですか。区長本人の発案なのか、それとも区役所全体の考え方なのか、それを確認しておきます。    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 現在特別職の仕事の範囲、あり方を総合的に見た私の判断でございます。 ○和田ひでとし 議長 以上で大庭正明議員の質問は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後三時十分休憩    ──────────────────     午後三時三十分開議 ○和田ひでとし 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 この際、議事の都合により、本日の会議時間をあらかじめ延長いたします。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 代表質問を続けます。  Setagayaあらたを代表して、八番佐藤美樹議員。    〔八番佐藤美樹議員登壇〕(拍手) ◆八番(佐藤美樹 議員) Setagayaあらたの代表質問を始めます。  新型コロナウイルスの感染拡大により、医療分野はもちろん、社会経済にまでさまざまな影響が出ています。感染症や気候変動など次々と起こる新たな事象と、それに伴う地域社会のさまざまな変容が著しい中、今の自治体に最も求められているのは、そうした不測の事態を含めた変化への対応です。生物学者ダーウィンの述べた最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない、唯一生き残ることができるのは変化できる者であるという言葉は、今の自治体経営にも当てはまるのではないでしょうか。今回の質問を通じ、この変化への対応について、さまざまな論点で伺ってまいります。  まず、若手職員の方たちが中心となってまとめた自治体経営のあり方研究会の提言についてです。  前回、十一月議会の代表質問で、若手職員の皆さんの持つ力や価値観を自治体経営に生かすべきと述べました。変化の非常に速い昨今において、変化を加速させる一因でもある情報テクノロジーの活用を含め、それらに柔軟に対応していくには、若手職員の力が必要であると我が会派は考えております。今回の提言内容には、偏りや疑問を感じる点もあるものの、住宅都市世田谷の未来を見据え、これからの自治体経営に必要なエッセンスを絞り出そうとした努力を評価したいと思います。  特に冒頭述べた社会の変容を捉えた各論点のうち、区長が招集挨拶でも触れられていましたが、小さな拠点というキーワードについてです。ライフスタイルの多様化により、地域のニーズもまた多様化、複雑化してきています。SNSなど情報ツールにより、人と人とのつながり方が変わり、地域のコミュニティーは変容してきています。提言にある自然と人が集まる交流と憩いの場、サードプレイスや働く場としての小さな拠点という視点は、これからの自治体経営において一つのキーでもありますが、現行の区の政策とは乖離があります。例えば、区が手がける箱物や場の提供といった政策。これまでは必ずしも小さな拠点の視点、すなわち人と人とのつながり方やコミュニティーの変容を捉えていませんが、今回の提言を踏まえ、区の既存の政策にどうつなげ、反映させていくのでしょうか。  招集挨拶では、区政の抜本的な改革に向けてという言葉もありました。具体的にどう取り組むのか、区長の見解を問います。  また、これら政策を実現するための区職員の育成についてです。  区の職員の皆さんには、ニーズの多様化や地域コミュニティーの変容部分を捉え、区の政策の既存の枠組みにつなげるコーディネート能力がますます求められてきています。提言では、人材育成の手法として、民間事業を兼業するような働き方が触れられていましたが、こうした兼業あるいは副業は無理なまでも、それに近い働き方が人材育成につながっていくと考えますが、区の見解を問います。  次に、緊急事態への区の対応について、三点伺います。  まず、新型コロナウイルスについてです。  国内での感染者数拡大が続き、東京二〇二〇大会、以下、オリパラと述べますが、それまでに終息するのかも危ぶまれてきています。新型コロナウイルスについて、区の最大の役割は、区民への適時適切な情報提供です。  福祉常任委員会の際にも述べましたが、むやみに医療機関への受診を促したり、また、過度な不安や混乱につながるようなミスリーディングは許されません。あと五カ月後となったオリパラのときを含め、区の役割についての認識と今後の取り組みについて伺います。  新型コロナウイルスの対応については、長期化してくることで、特に高齢者の方たちの外出控えによるほかの健康リスクなど、区が対応すべき点がさまざま出てきております。適時適切な情報提供以外の自治体の役割については、別の機会に問います。  二点目に、オリパラ期間中の緊急対応です。  期間中の災害対策については、馬事公苑会場内は組織委員会、うままちルートなど最寄り駅までのルートは東京都がそれぞれ第一義的な災害対策の役割を担っているとのことですが、災害を含め、各種トラブルに巻き込まれるのは、近隣住民である区民です。  区民の安心安全を確保するという観点から、区として手を打っていただきたい課題の一つとして、渋滞対策について伺います。  観戦客に対しては、組織委員会は観戦チケットに公共交通機関での来場をと記載するそうですが、そのような告知があっても、タクシーや自家用車でドロップオフする車両は相当数出てくると予想されます。こうした車両の車寄せ場所について、あらかじめ計画しておくべきと考えますが、見解を問います。  三点目に、気候変動への対応について伺います。  さきにあった台風十九号で起きた多摩川周辺地域などの内水氾濫について、現在、検証委員会による原因の分析中とのことですが、分析の結果出てきた内容について、どのようにハザードマップに反映させるのでしょうか。  ハザードマップで指定していた以外の場所での浸水被害が起こったことを受け、平塚市などほかの自治体では、内水氾濫のメカニズムの明確化と対策を来年度予算で実施するとのことです。ことしもまた気候変動による豪雨・台風被害は起こり得ます。さきの十九号の分析結果を反映させ、さらに的確で実用的なハザードマップにすべきと考えますが、取り組みについて伺います。  次に、本庁舎等整備について、二点伺います。  本庁舎等整備の実施設計案が示され、新たな庁舎の詳細が見えてくるにつれ、何のためなのか、あるいは誰のためなのかが見えない施策が目につきます。例えば、現在の第一庁舎のロビーにあるレリーフの再現。このレリーフは、前川國男氏が建築設計をする際、第一庁舎のロビーにおりてくる階段横の壁に、当時の画家、大沢氏に依頼し、描いてもらったものです。前川建築の意匠の一つとして、佐藤総合設計により、レプリカとして区民会館前のロビーの壁に再現すると計画されています。  しかし、再現されたレプリカが新しく本庁舎を訪れる区民のどれほどの人たちにいいものを残したとなるのか疑問です。現庁舎の建築物としての価値やアート自体は否定しませんが、今あるレリーフとは、素材も空間も形状も異なる形で復元しても、もはや別物です。レリーフの復元には二千万円ほどの費用を見込んでおり、今回、クラウドファンディングを実施するとのことですが、目標額に達成しない場合の財源はどうするのでしょうか。  税の再配分の妥当性の観点で考えたら、目標額未達成分を一般財源から賄うようなスキームではなく、クラウドファンディングで集めた資金の範囲内でレリーフは復元すべきと我が会派は考えます。見解を問います。  本庁舎等整備について、二点目、区民交流スペースについても伺います。  本庁舎の立地・アクセス条件を考えると、この庁舎内に設ける交流スペースについては、誰にどう使われるのか、どう運用していくかの想定をもって整備しない限り、無駄な場所となりかねません。区として、これまで本庁舎には余り来なかったような区民、例えば子育て世代や働く現役世代の人たちをも集うような場所に使われたいとするのであれば、なおさらです。役所スペースの活用事例として、島根市役所では、市役所内に子ども食堂を設けたことで話題になりました。  子ども食堂がふさわしいかどうかはさておき、交流スペースを設けるに当たって、使われ方や中身、運用面はどう設定されるのか伺います。  次に、世田谷区子ども計画(第二期)後期計画案関連で、四点質問します。  まず、夜間の保育ニーズへの対応について。  先日、夜間の保育ニーズについて、調査検討結果の報告がありました。最近、東京都のベビーシッター利用支援制度が利用補助部分の課税問題で話題になっておりますが、この認可外のベビーシッター制度ではなく、認可の形態でのベビーシッター制度について伺います。  我が会派としては、夜間の保育ニーズについては区の認可保育事業の一つと位置づけ、かつ、保育所のような箱で対応するのではなく、必要とする家庭で夜間保育を実施するベビーシッターの形態で展開すべきと考えます。区の見解を問います。  次に、児童館未整備地区への対応についてお伺いします。  未整備地区に対し、児童館を整備していくことについて、会派として基本的に賛成をしております。ただ、二十八カ所の地区単位での子ども関連の政策としては、これまでも地域包括ケアシステムの地区展開の際に、高齢、障害のある方に加え、子どものこともというたてつけで区は打ち出してきております。地域包括ケアの地区展開における子ども関連の相談機能は今後どうするのでしょうか。児童館再整備の議論の前に、既存の政策が機能していないからなのか、もしくは機能しており、連携するとしているのか、一旦整理する必要があると考えます。  さらに言えば、地域包括ケアの地区展開で、子どもについては想定したような展開になっていなかったことからもわかるように、実際にどこにどのような子どもたちが集っているかという動線や実態で未整備地区を捉え直すような視点が重要と考えます。  言うまでもありませんが、子どもたちの動線や集い方は、行政が捉えている地区単位とは必ずしも一致しません。さらには、冒頭述べた小さな拠点のような、例えば子ども食堂など、コミュニティーも踏まえて整備を考える必要があります。見解を問います。  子ども関係の三点目、子育て利用券の対象拡大について伺います。  これまで妊娠中に妊婦面接を行ってきた人のみを対象に配布してきた子育て利用券について、転入者のケースなどで配布しそびれることから、令和二年度から対象を二歳までの子どもを持つ家庭に拡大するとしています。去年の予算委員会で、転入者こそ早いタイミングで地域につながるようにすべきと、転入時の届け出に何かしらチェック欄を設け、妊婦面接につなげてはと問いました。子育て利用券が配布されるべき家庭を漏らさないようにする方向性には賛同をしております。そのための手法として、一点伺います。  来年度四月以降の乳幼児健診や乳幼児家庭訪問の機会を通じて、もらいそびれた人への配布につなげていくとのことですが、四月の開始前に、既に転入してきている人で対象となる人たちについてはどう対応されるのでしょうか、取り組みについて伺います。  子ども関係の最後、新BOPについて伺います。  かねてより会派として、新BOPの運営については民間活用をということを申し上げてきております。子どもたちにとって、新BOPが必ずしも居心地のいい場所になってきていないことの要因は複数ありますが、その一つが学校の延長となりがちな点です。伸び伸びと過ごせる放課後への解として、民間活用を提案してきました。運用全体を民間委託することは、区は抵抗があるようですが、例えばBOP長の人材の部分、このポストに子どもの放課後事業にノウハウのある民間団体などからの人材を登用することはいかがでしょうか。  未来を担っていく子どもたちの貴重な放課後の時間を子どもたちにとってよりいいものに変えていくために、区の対応を求めます。見解を問います。  最後に、高齢者施策で二点伺います。  まず、認知症とともに生きる希望条例について。  先日、区より本条例の骨子案が示されましたが、条例による具体的な取り組みが見えてこなく、条例にすること自体に疑問を感じます。区としては、本条例により認知症に対するイメージを変える、認知症は誰もがなるものだという意識啓発につなげることが条例の一つの意義とのこと。この条例の意義の意識啓発の部分を仮に是としたとして、制定した条例を認知症に今は全く関係のない誰もがに対して、どう浸透させていくのでしょうか。従来の区のホームページや広報媒体だけでは、関係のない誰でもには届きません。  以前、認知症に優しい図書館という政策について提案をしています。これは、川崎市宮前区の図書館の職員が、毎日そこに来る高齢者のうち明らかに認知症傾向があると思われた方に対し、図書館で何かできないかと認知症関連の図書コーナーを設置したことが始まりです。全国に広がっており、認知症の病気自体の図書を初め、行政サービスや地域の認知症カフェなどのリーフレットも一緒に置いてあったりと形態はさまざまです。  意識啓発のための条例であれば、図書館のような広く区民の訪れる場を情報発信の場として用いることも有効と考えます。見解を問います。  最後に、高齢者の地域参加、就労支援施策について伺います。  団塊の世代が後期高齢者に入る令和四年に向けて、認知症施策など福祉政策とともに、元気な高齢者の方たちが生きがいを持って暮らせるような施策も重要です。区内には、大企業OBなど現役時代に活躍した高齢者の方たちも相当数見込まれますが、これらのうち、働きたい、あるいは働いてもいい人たちが必ずしも仕事にはつながっていないのが現状です。区では、高齢者就労支援として、シルバー人材センターやおたがいさまbankなどの施策を展開していますが、より的確に潜在する人材の実態やニーズを把握し、就労につなげるような取り組みが必要ではと考えます。  柏市では、市内にある東京大学先端技術研究所などと高齢者の生き生き就労をテーマに研究をしてきて、二年ほど前より、市内の活動団体がGBERというアプリを活用し始めています。GBERと書きますが、これはGathering Brisk Elderly in the Region、元気な高齢者、シニアを集めるという意味で、アクティブシニアの興味に沿った仕事の紹介や、大勢で仕事をシェアするためのアプリとなっています。こうしたアプリの活用も視野に入れ、現行の高齢者向け就労のマッチング機能をより世田谷らしいものにしてはと考えます。見解を問います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 佐藤議員にお答えをいたします。  まず、自治体経営のあり方研究会の提言についてでございます。  このたびの報告書は、これからの二十年を展望したときに、人々が都市に求める価値は、職住近接のライフスタイルを実現できる都市環境であると考え、歩いて行ける範囲の中に子ども食堂やコ・ワーキング・スペース、ソーシャルビジネスなど、暮らしに必要な活動が区民同士の協力によって実現される場として小さな拠点と名づけていますが、そういった小さな拠点づくりというところに着目をしているものでございます。また、いわゆるデジタルネイティブの世代が今後社会の中核になる時代には、この小さな拠点とさまざまなコミュニティーをつなぐプラットフォーム、情報の交差点、この必要性にも指摘がされています。  最近、子ども食堂を実施している四十団体の交流会が開催をされ、社会福祉協議会が精力的にネットワーキングを引っ張って、また、多数の方がそういった活動に興味を持っているということも非常に大きな勢いを持って、広がりを持っているということを感じさせてくれました。  先週終了しました車座集会においても、まちづくりセンター、あんしんすこやかセンター、社協での各地区で、相当程度、コミュニティーカフェだとか多世代交流だとか、認知症カフェだとか、そういった活動が起こっておりまして、非常にそういった活動に参加している方、あるいはそういったものに興味を持つ方のお話があった一方で、活動の場所が、活動の内容やメンバーはいるんだけれども、その場所がなかなか確保できないという声も相次いでいます。  まず、こういった提言を、この四月には、まず「うめとぴあ」が立ち上がってまいります。そこに一階には、かなり広いエントランスのスペース、ここにはカフェもあり、さまざまなイベント等に活用できる、こんな空間ができ上がってまいります。また、七月には、玉川総合支所、こちらも中庭があって、ホールと一体的に活用できるような場所になっています。  そして、御質問にもあった本庁舎の区民交流スペースなどのこれまでになかった場所、あるいは新たに整備された場所について、こういった自発的な区民の動き、小さな拠点というイメージで、これが連鎖し、重なっていくような、そういう提供の仕方ができないだろうかと考えています。  この提言については、新年度以降、せたがや自治政策研究所と関係所管とさらに検討を深めまして、具体的な政策として展開するとともに、その成果については、次期基本計画の策定も視野に入れて、抜本的な区役所のあり方を示していけるよう取り組んでいきたいと思います。  二番目、新型コロナウイルスについてであります。  新型コロナウイルス感染症に関する情報は時々刻々と変動しておりまして、区は、国や都の最新情報を世田谷保健所からの重要なお知らせという形でホームページやツイッターに掲載をしているところであります。また、一月二十七日には、新型コロナウイルス感染症の蔓延の予防に向け、庁内が一体となり対応できる体制を早期につくろうと、世田谷区健康危機管理対策本部を立ち上げました。既に本部会議も重ねているところでございます。現状は、次々と感染者が発見をされる状況にあり、予断を許さない段階で、今後も大変未知のウイルスであるということからも難しい対応が迫られるものと考えています。それらに対応ができるような体制づくりを急いでいるところです。  当区の保健所は、東京二〇二〇大会期間中には、都が設置する感染症対策総合調整センターを介して、厚労省や都の各局、組織委員会等とも連携を図りながら感染症対策を進めていく予定です。  大会の期間中も、今回の経験も踏まえながら、予防に係る監視体制の強化に加え、庁内が一丸となって取り組む体制を整備するように指示しているところであります。    〔宮崎副区長登壇〕 ◎宮崎 副区長 私からは、二点について御答弁申し上げます。  最初に、児童館の未整備地区と小さな拠点についてでございます。  児童館は、遊びの機能、相談支援機能、地域資源開発機能、ネットワーク支援機能の四つの機能を備えまして、身近な地区拠点となる必要があると考えており、未整備地区に順次整備してまいります。現状では、子どもたちは、距離だけではなく、内容や友達、職員等に魅力を感じ、地区、地域をまたいで利用していることも多く、児童館の整備に当たりましては、子どもたちの利用状況や周辺の既存の資源の状況等も勘案して、必要な諸室の面積や内容等を検討し、具体化を図ってまいります。さらに、社会福祉協議会や地域子育て支援コーディネーターと連携して、地区の状況や子ども自身の多様なニーズに応じた新たな資源開発にも取り組んでまいります。  今後、児童館以外のプレーパーク、青少年交流センター、新BOP等の施設等や、おでかけひろば、子ども食堂等の地区にあります身近な事業も含めて連携する手法や、子どもたちの動線を分析いたしまして、児童館も含めました効果的な地区の拠点を整備してまいります。  続きまして、認知症とともに生きる希望条例に係ります条例の意義、普及啓発についてでございます。  認知症になってからも本人の意思や感情は豊かに備わっておりまして、尊厳と希望を持って自分らしく生きることが可能でございます。子どもから大人までの全ての区民が認知症とともに生きる意識を高め、その備えをし、一人一人の希望及び権利が尊重され、ともに安心して自分らしく暮らせる町を目指すため、区が区民、事業者等と一体となって取り組むことを明確にする必要があり、条例の制定を提案したいと考えております。  条例制定後でございますが、誰もが認知症になる可能性があることを認識していただくとともに、認知症になってからの準備として、みずからが希望する生活を書き記す私の希望ファイルの取り組みなどについて普及啓発をしてまいります。また、認知症に対します意識の啓発を推進し、広く区民に周知していくことが大変重要なことと認識しております。お話にございました多くの区民が利用する図書館や区民施設等に協力を求めていくなど、さまざまな手法で広く啓発活動に取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎中村 政策経営部長 私からは、区職員の育成について御答弁いたします。  今後、区は、ICT技術の導入により、定型業務を中心に効率化を進め、区職員は、保健や福祉の相談など区民に寄り添い、支援していく業務や、地域の方々と合意を形成しながら進めるハード、ソフト両面のまちづくりなど、機械では対応できない業務に比重を移していくことを想定しています。  自治体経営のあり方研究の政策提言にあります多様な団体やコミュニティーを結びつけ、地域活性化を牽引するプロデューサーとしての役割もまさに区職員が担うべき役割と考えます。提言では、そうした人材の育成のために、新たなプロジェクトチーム制導入や大学での学び直しなどさまざまに言及をしておりますが、中でも、区職員が一定の条件のもとに、NPO法人などが行う社会貢献活動を兼業することは、地域を担う人たちと同じ目線で活動することで、人材育成はもとより、政策に生かす多くの経験を得ることができる効果的な手段であると考えております。  今後、提言に示されています将来展望と、区職員に求められる役割を踏まえ、人材育成の取り組みについて総務部門とともに検討してまいります。  以上です。
    ◎内田 スポーツ推進部長 私からは、オリパラ期間中の渋滞対策について御答弁いたします。  組織委員会は、基本的に競技観戦者の移動は鉄道と最寄り駅からの徒歩を前提として輸送計画を策定しております。馬事公苑におきましても、周辺五駅からの徒歩、またはシャトルバスによる来場をお願いするとしております。  議員御指摘のとおり、タクシーや自家用車で来場する観客も相当数いらっしゃると考えられ、昨年のラグビーワールドカップでは、会場周辺でのタクシー利用に伴い渋滞が発生いたしました。こうしたことから、警視庁から東京都に対して、指定の場所で客の乗りおりを行うよう周知徹底すべきと提起された旨伺っております。また、昨年末に組織委員会より公表されました輸送運営計画V2におきまして、馬事公苑における通行規制エリアや迂回エリア等が示され、大会期間中は、組織委員会が迂回の案内、そして交通誘導員等を配置し、交通渋滞対策に取り組みます。  区といたしましては、お話しの車両の車寄せなども含め、馬事公苑周辺の交通対策につきまして、組織委員会や東京都から積極的に情報を収集し、意見交換をするとともに、地域住民の皆様にわかりやすくその内容、対策をお知らせしてまいります。  以上です。 ◎工藤 危機管理室長 私からは、洪水ハザードマップの改定について御答弁いたします。  世田谷区洪水ハザードマップ全区版の浸水予想区域図は、対象中小河川流域ごとに、河川の氾濫である外水氾濫と内水氾濫である下水道等の浸水をあわせて表示したものですが、平成二十七年度の水防法の改正を受けまして、今年度で東京都が世田谷区に関係する浸水予想区域図を改定し終えたため、来年度、洪水ハザードマップを更新いたします。  浸水予想区域図の改定内容につきましては、対象降雨を想定し得る最大の降雨を用いてシミュレーションし、メッシュサイズを五十メートルメッシュから十メートルメッシュに、浸水の深さにつきましては二十センチメートル以上から十センチメートル以上に改定しています。また、指定洪水予報河川であります野川、仙川や、水位周知河川に指定されました丸子川、谷沢川、呑川の洪水浸水想定区域を示しています。  区としましては、都の浸水予想区域図のデータをもとに、また、昨年の台風第十九号の検証を踏まえまして、区民それぞれの浸水リスクに応じた水害時の避難の仕方、また、水害時に開設する避難所に誤解が生じないように記載するなど、名称を含めまして、区民にとってわかりやすいハザードマップを作成してまいります。  以上です。 ◎松村 庁舎整備担当部長 私からは、本庁舎等整備につきまして、二点の質問にお答えいたします。  まず、レリーフの再現についてです。  現第一庁舎一階の壁面のレリーフの復元につきましては、設計者選定プロポーザルで、現庁舎等の空間特質の継承の具体案の一つとして提案されたものでございます。その後の区民説明会等では、著名な洋画家である大沢昌助氏が世田谷区庁舎のために作成したデザインを継承するよう要望が寄せられておりました。  こうした経過を踏まえまして、設計におきまして検討を進めた結果として、現在のレリーフは建物に直接つくり込まれており、そのまま保存ができないため、関係者の承諾もいただきまして、新庁舎の区民会館ロビーに復元することとしたものでございます。また、設計の各段階で実施をしました世田谷リング会議では、レリーフの背面に、現庁舎に関する展示パネルや棚を設けたギャラリー機能を付加する案が示され、設置に向けた具体的な意見交換がされたところでございます。  レリーフにつきましたこうした経緯などを踏まえまして、クラウドファンディングの調達資金の多寡にかかわらず、区としては設置していきたいと考えておりますが、多くの方々から寄附がいただけるよう、広報等を工夫し、取り組んでまいります。  次に、区民交流スペースについてです。  区民交流スペースにつきましては、昨年度実施した区民ワークショップの意見をもとに、今年度は、区民活動経験者や区職員も参加した検討会を開催し、場のイメージとして、区民、団体、区職員が混ざり合い共生する汽水域、また、実現するための必要事項として、幅広い人たちに利用される場とする、つながりを生む仕掛けを備える、運用しながら育てていくことが提案をされております。実施設計では、これらを踏まえまして、多様な活動形態を想定したオープンスペースとし、移動パーテーションや什器類を収納できる倉庫、電源類の設置場所の工夫など、将来の変化に対応できる汎用性の高い計画としております。  区民交流スペースを区民に日常的に有効に活用していただくためには、提案にもありましたとおり、運用の仕組みづくりが大変重要と認識をしております。引き続き、令和七年度の運用開始を見据え、関係所管と連携をしまして、本庁舎に整備する意義も十分に認識しながら、区民参加のもと十分な議論と試行を積み重ね、運営のあり方を検討してまいります。  以上でございます。 ◎知久 保育担当部長 私からは、夜間の保育ニーズへの対応として、認可のベビーシッターの活用を図るべきについてお答えいたします。  子育て家庭のニーズに沿った多様な保育の拡充に向け、区ではこの間、夜間帯保育に関する各種調査と検討を行い、そのあり方や具体的な施策の方向性を取りまとめ、二月四日の福祉保健常任委員会で御報告したところです。報告では、認可の夜間保育所設置の必要性は調査結果からは確認できなかったこと、また、今後の方策として、既に夜間帯保育を提供している認可外保育施設の保育の質の確保、向上につながる指導、支援を行うことや、認可で四時間延長保育を実施する既存五園の効果的な活用方法と実施園の拡充を検討していくこととしております。  あわせて、お話しの認可のベビーシッターについては、ひとり親家庭等において、夜間帯にどうしても保育が必要な方への施策として今般の報告に盛り込んでおり、他自治体の事例等を参考にしながら、保育の質、財源の確保、事業の継続等の面に着目しまして、まずは事業の効果についての検証を進めてまいります。  以上です。 ◎辻 世田谷保健所長 私からは、子育て利用券配布対象者の拡大についてお答えいたします。  世田谷版ネウボラの一環として、妊娠期に面接を行った妊婦に配布する子育て利用券につきましては、妊娠期面接の面接率の向上や子育て家庭と地域支援との関係づくりなど、産前、産後の支援に効果を上げてきました。令和二年度からは、妊婦と子育て家庭の早期支援と児童虐待の一次予防の強化のため、産後の転入者や里帰りなどで妊娠中に面接ができなかった子育て家庭なども対象範囲と広げ、面接等を通じ利用券を配布いたします。また、転入時に配布する「せたがや便利帳」に挟み込む健診、予防接種御案内チラシに面接と利用券の案内を追記し、産後ケアセンターや子育てひろばでの案内など周知を強化いたします。さらに、実施率の高い乳児期家庭訪問や乳児健康診査等を通じ、未受領者を把握し、利用券を配布いたします。  なお、御指摘のありましたこれまで配布の対象ではなく、利用券を案内する機会のなかった令和二年三月三十一日までの産後の転入者につきましては個別勧奨を検討しており、さまざまな方策を通じ対象者拡大の周知が漏れないように努めてまいります。  以上です。 ◎皆川 生涯学習部長 私からは、新BOPの事務局長に民間の人材を起用することについて御答弁いたします。  お話しのありました新BOP事務局長でございますが、主に学校管理職OBを採用してまいりました。そのほかには、児童館OBの方や、一部においては、民生・児童委員やPTA役員などを経験された地域の方々など、民間人材の活用も行っております。新BOP事務局長は、コーディネーターとしての役割を担い、関係機関等との調整を図り、運営を進めております。  引き続き、新BOP事務局長の確保に向けて、学校管理職OBや児童館OBに加えて、お話しのあった民間人材を広く登用することで、新BOPにおけるコーディネート機能の向上に努めてまいります。  以上でございます。 ◎田中 経済産業部長 私からは、高齢就労マッチングについて答弁いたします。  高齢者の地域での就労は、その人の経済的な基盤となるだけでなく、生きる活力にもなり、内閣府の調査でも六十五歳を超えても働きたい人は七割近くおります。  区では、これまでシルバー人材センターを初め、三茶おしごとカフェ、ハローワークなどとの連携事業を通じて高齢者の就労支援を行ってきました。しかし、昨今では、個人の経験や能力に加え、生活スタイルや価値観もさまざまであるため、就労に求める条件も多様化しており、時代に合わせて、短時間就労や在宅就労などさまざまな働き方に対応していくことが必要であると認識しております。  そのため、区では、来年度に大学と連携し、高齢者のニーズと単発の仕事や細かい仕事をもとに適性業務に導くことや、それらのマッチングの加速化を進めるAIの活用研究と試行に取り組み、高齢者の就労促進に努めてまいります。  私からは以上です。 ◆八番(佐藤美樹 議員) 一点、意見と、二点、再質問させていただきます。  子育て利用券の利用拡大なんですけれども、利用券の対象を拡大すれば、今回、二歳までの子どもがいる家庭ということにすれば、妊娠期に面接を受けそびれた人たちというのは網にひっかかってくるというのは理解するし、一つの今まで配布しそびれた人をどうやってすくうかというところの政策として意義はあると思うんですけれども、この妊娠期からの切れ目のない支援の本来の趣旨から考えると、やはり早い段階で地域につながることを一つの目的にしていますので、やはり転入時に何かしらその情報を区がキャッチして、すぐにそこに仕掛けをするというような、そういう仕組みも必要だというふうに考えています。  この辺はまた別の機会に、また小泉委員からも質問させていただくと思います。  二点、再質問いたします。  新型コロナウイルスについて、先日、区のほうから、三月一日までの間、区の主催するイベントについて延期、もしくは中止をするということが、そのまとめた紙が議員にポスティングされていまして、三月二日以降はこれから検討するようなそういう趣旨で書かれていましたけれども、三月一日までの二週間という期間ですと、ピークあるいはピークアウトということもめどが立っていない時期と思いますが、こういう意思決定に至ったのはなぜなのかということと、例えば大阪府では、一カ月の間、当面、中止や延期ということを同じくリリースしていますけれども、こうした一カ月ぐらいをめどにするほうが混乱が少ないかと思いますが、この辺について伺います。  それからもう一点、レリーフの復元なんですが、我々会派として、レリーフ自体も別に否定はしませんけれども、それは復元するのであれば、復元をしたい方たちの寄附を募る、クラウドファンディングをされると言っているので、クラウドファンディングの範囲内でやるべきではないですかということを伺っています。  当然、区は予算ベース、予算事業で動いている、行政はそういう動き方をしている組織ですので、予算編成時で、クラウドファンディングの多寡に問わずというのは、予算編成ができないはずですから、その財政スキームについてどう組まれるのかというところを再質問させていただきます。    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 佐藤議員の再質問にお答えをいたします。  このたびお示しした区主催のイベントに対しての対応ですが、現時点での状況を踏まえた緊急的な対応として、御指摘があった三月一日まで予定しているものについて、閉鎖された屋内に不特定の方々が集合する場合、とりわけ例を挙げて、例えば大声で歌を歌ったりとか、そういった吹奏楽など、飛沫などが飛ぶような状況、密室でということについては、もし延期があり得るなら延期、やむなければ中止を検討するように本部において決定しました。  なお、また、その後についても、現在どのようなイベントが各所管で予定されているのか情報を収集しておりますし、大阪府は大阪府の判断があったと思いますけれども、まさに、きょうも、昨日からきょうにかけて、そして、あしたにかけて刻々と状況が変わっていきますので、まさにそのリスクの状況によって適切な判断をしていきたいというふうに思っております。  また、こういった本部の中では、ウイルスの特性などが十分に確認されていないのでわからない点もあるんですけれども、既に基礎疾患がある方や高齢者の方に重篤化の危険があるというふうに言われています。一方で、中国などでは比較的若い方も亡くなったりはしていますけれども、高齢者施設に関しては大変細やかに気を配ってほしいということで、施設管理者に所管から注意喚起をしていますけれども、同時に運動や外出が全面的に制約されることで、かえって体が弱ってしまうというようなこともあるだろうと。その辺は非常に難しいところですけれども、極力それぞれ知恵を出していただいて、まず区としての取り組み、そして、全体の社会経済に与える影響もありますので、そこをよく見ながら、逐次決定をしていきたいと思います。 ◎松村 庁舎整備担当部長 レリーフにつきましての再質問にお答えをいたします。  本庁舎整備の工事費については、先般、御報告させていただいたところですけれども、レリーフの工事費につきましても、そのお示しした整備工事費の中に含まれております。  この整備については、多額な財政負担を伴うことから、基金と起債をバランスよく計画的に活用し、一般財源の負担を軽減するよう財政計画を組み立てておりまして、さらに各種補助制度や、お話しのありましたガバメントクラウドファンディングなどの活用によりまして財源の確保に努めることとしているものでございます。  ガバメントクラウドファンディングにつきましては、自治体が対象とした事業に対して、期間、目標額などを定めて寄附を募り、その事業の推進を図るもので、類型としましては、実施が決定している事業に対して、その事業の意義や魅力をPRし、区民の参加と協力を得、一定の財源を見込むものと、寄附の事業を前提に事業を組み立て、寄附実績などを見きわめながら対応するものの二種類がございます。  今回想定しているクラウドファンディングにつきましては、類型でいいますと前者の類型のものを考えておりまして、レリーフの復元だけではなく、区民会館ホールの座席の改修や音響設備等の機能向上なども含む区民会館の整備について広くPRをさせていただき、お寄せいただいた寄附金につきましては、その多寡にかかわらず、庁舎等建設等基金に組み入れて、本庁舎等整備の財源の一部として活用していくという考えでございます。  以上です。 ◆八番(佐藤美樹 議員) 財源のスキームについて、非常に不明瞭で、再質問もしたいところですが、時間がないので、予算特別委員会のほうで引き続き行いたいと思います。  以上で終わります。 ○和田ひでとし 議長 以上で佐藤美樹議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 次に、自由民主党を代表して、四十八番下山芳男議員。    〔四十八番下山芳男議員登壇〕(拍手) ◆四十八番(下山芳男 議員) 六年ぶりの本会議場での質問をさせていただきます。  質問通告に従い、自由民主党世田谷区議団の代表質問を行います。  最初に、行政経営改革について伺います。  昨年七月、区では、持続可能な行財政運営の徹底についてという名の依命通達を各部長宛てに通知し、令和二年度の予算編成作業をスタートさせました。文中には、区民生活を支える行政サービスを維持していくためには、全庁を挙げた行政経営改革の取り組みは不可避であり、全職員が危機感を共有し職務を遂行しなければならないとあり、その内容は我が会派の認識と一致しており、昨年の第三回定例会の代表質問において一定の評価をさせていただきました。  しかし、その後の決算特別委員会では、新公会計制度を用いた行政評価の拙さや甘さが、我が会派だけではなく、他会派からも指摘され、今後、区は、評価結果を踏まえた行政経営改革を実行できるのか不安を覚えたのは私だけではないと思います。そして、ことしに入り、令和二年度の予算の概要が示されました。区長は、車座集会でふるさと納税での五十四億円の減収を強調しているにもかかわらず、元年度に比べて八十四億円増加の大型予算が示されました。威勢のよい言葉を並べた依命通達の内容とはほど遠く、行政改革と言える取り組みはみじんもない、何とかなるという危機感なしのバブル予算と言わざるを得ません。世田谷区が将来にわたって輝き続けることができるか否かは、区長を初め、現在の区政を担う我々が責任と勇気を持って行政経営改革の断行に踏み切れるかどうかにかかっています。  この四月に開設される区立児童相談所や「うめとぴあ」などの運営費や、引き続き増加が予想される介護費、医療費、さらに世田谷区にとって最大の事業である本庁舎整備を考えれば、緊張感を持って改革を断行することが必要と考えます。区長の強力なリーダーシップだけではなく、区職員の知恵と努力が必要不可欠であることは言うまでもありません。  しかし、残念ながら、現時点では、全庁一丸となって行政経営改革を力強く推進するには至っていないと言わざるを得ません。まずは各部長が経営感覚を持ち、当事者意識を持って行政経営改革に果敢に挑む風土をつくり上げ、トップダウン、ボトムアップの双方から積極的にアイデアを出し合って、将来世代に過度な負担を背負わせないよう各種の改革に取り組むべきと考えますが、区の見解をお聞きいたします。  そして、このような中、本定例会に副区長を三人以内とする条例の改正案が提案されました。二十三区では初めてのこととも聞いております。人件費が増加し、行政経営改革の逆行にもつながりかねない副区長三人制について、区長の考えを伺います。  続いて、財政規律の維持について伺います。  災害に備え、地域の力を育む予算として編成された令和二年度の当初予算案でありますが、特別区税を初めとする一般財源の増収により、基金からの繰り入れや特別区債の発行を何とか必要最小限に抑制することができたとはいえ、我が会派が以前より主張しているとおり、景気変動の影響を受けやすい歳入構造を持つ世田谷区は、各年度で一般財源の増減に一喜一憂することがないよう、常に強固な財政基盤を築いておく必要があります。当初予算案に関しては、今後開催される予算特別委員会で、来年度の重点項目などを中心にしっかりと審査していきたいと思います。  さて、本日は、令和元年度補正予算案について伺います。補正予算案の概要を拝見して驚いたのが、繰越明許費の多さです。皆様御存じのとおり、繰越明許費とは、各会計年度における歳出はその年度の歳入をもって充てなければならないという会計年度独立の原則の例外規定の一つであり、予算に定めることにより、翌年度に繰り越して使用することができるというものであります。  今回の補正予算案における繰越明許費は四十三件ありますが、そのうちのおよそ四分の一の事業が工事の前倒しによるものであり、公共工事の発注時期の平準化や区内経済の活性化という観点では、工事を前倒しで行う妥当性も理解できますが、であるならば、年度末の補正予算に集中させるのではなく、計画的に実施すべきではないでしょうか。  繰越明許費で対応する事業を乱発することは、財政規律の緩みにもつながりかねないと考えます。区が繰越明許費として予算計上する判断基準をお聞きします。  次に、災害対策について伺います。  安全安心のまちづくりは我々にとって最も大切なことの一つです。一九九五年一月の阪神・淡路大震災、二〇一一年三月の東日本大震災、二〇一六年四月の熊本地震では、いずれも震度七以上の激しい揺れで甚大な被害がありました。我々は、大震災が起これば大変大きな被害が出ることがわかっていても、自分だけは大丈夫、安心してしまっている状況と言えます。この状態をみずから変えていかなければ、いざというときに、自分、そして家族、地域を守ることはできません。  昨年、区内に大きな被害をもたらした台風十九号、それから既に四カ月が経過しました。この間、区は、風水害対策の総点検を実施し、災害対策各部の取り組みについての検討状況の報告がありました。しかし、その中には、避難所の開設に伴う地区住民との連携の手順など、肝心の具体的な対応策はいまだ示されていません。あと三、四カ月すればことしの台風シーズンがやってきます。昨今の気象変動を考えると、またいつ台風十九号のような水害が起こるかわかりません。昨年十二月に区が開催した台風十九号に関する地域住民説明会でも、早急に具体的な対策を示してほしいという切なる声を多くいただいております。  国としっかり連携し、ハード面の整備を進めることとともに、御近所同士が集まって風雨に備える縁故避難など、水害時に対するより具体的な対応策を台風シーズン以前に示す必要があると考えますが、区の見解を伺います。  次に、震災への備えについて伺います。  震災対策は風水害よりも進んでいるとは思いますが、区が地域防災計画で想定する被害状況は、死者六百五十五人、負傷者七千四百四十九人、建物全壊が六千七十四棟、地震火災による焼失が二万一千七百二十七棟、ライフラインについては、停電率が一九・四%、固定電話の不通率が一二・七%、上水道断水率は三〇・八%、低圧ガスの供給支障率は一〇〇%と、大きな被害想定となっております。  言うまでもなく、地域の共助による震災対策が重要であり、町会・自治会では、防災訓練、避難所運営訓練に本当に一生懸命に取り組まれております。しかし、昨年の決算特別委員会でも質問しましたが、例えばマンホールトイレについては、そもそも震災時に下水道が有効に使えるのかという課題があり、水をくみ上げて流すためには多量の水をくみ上げなければなりません。そのような状況を踏まえたとき、災害時のトイレ対策として、本当にマンホールトイレが最適で、それを前提に訓練を続けていくことが有効なのか、震災時には体力をできるだけ温存しておくことも大切だと思います。簡易型トイレを前提としての運営でもよいのではないでしょうか。  また、D型ポンプについても消火訓練を行っていますが、スタンドパイプと比べ、水道管が使えないような状況になっても、川やプールの水などで対応できる利点があると思います。しかし、機材が重く、持ち運びが大変で、水をためなければならないことから、場所の制約もあり、大震災では広範囲で建物が倒壊し、火災が発生することも想定され、ポンプの移動も困難と思います。  せっかく地域で訓練を行い、災害に備えるなら、本当に役に立つトイレ対策や消火方法を区民に呼びかけるべきであると思いますが、区の見解を伺います。  続いて、災害発生後の給水体制について伺います。  駒給として地域の皆様に親しまれている弦巻にある都の駒沢給水塔は、現在でも現役の給水拠点として、震災時には大きな役割が期待されています。被災時には、生命維持に必要な飲料水の確保が非常に重要であります。区の地域防災計画によると、給水拠点は居住場所からおおむね半径二キロメートルの距離内に一カ所の割合で東京都が整備しており、区内及び周辺に十三カ所の拠点が存在します。  一方、区が担うこととなっている被災者への応急給水については、十分な体制が整っているのでしょうか。東京都の給水車は約三十台しかなく、しかも、病院等の医療拠点を優先的に配車するとのことです。これまでも議会より現実的な手法を検討するよう求めてきた課題ではありますが、災害時には一般区民の方々にどのような手法で給水する計画であるのか、お聞きいたします。  次は、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会に関し、まずはアメリカ合衆国選手団のキャンプについてお聞きします。  東京二〇二〇大会の開催まで百五十日余りとなりました。世田谷区はアメリカ選手団のキャンプ地であることから、一流のアスリートと交流できる機会に期待を寄せている区民もたくさんいらっしゃいます。  そこで伺いますが、アメリカ選手団との交流事業については、現時点でどのようなプランを準備しているのか、また、施設周辺の安全確保や緊急時の対応等については万全を期さなければなりませんが、警察や組織委員会との役割分担を含め、どのような警備体制で臨むのか、あわせて伺います。  続いて、アメリカキャンプボランティアについてお聞きします。  区では昨年、キャンプ運営をサポートするボランティアを募集し、区民を初め、大勢の方々から応募をいただいたと伺っております。円滑なキャンプの運営ができるよう、しっかりと支援する必要があります。また、今回応募をいただいた多くの有為な人材を、大会終了後も引き続き区内の各地域、地区で活躍していただけるように働きかけるべきであると考えますが、地域活動への参加促進の検討は進んでいるのか伺います。  続いて、おもてなし・交流・参加プロジェクトについて伺います。  昨年のラグビーワールドカップのパブリックビューイング会場では、海外からの来訪者と地域住民が交流するなど、大いに盛り上がる姿が見られました。昨年九月に世田谷おもてなし・交流・参加実行委員会が設立され、今後はせたがやスーパーパレードや世田谷の灯リレーなど、さまざまな事業が展開されます。このように区民や事業者の機運が徐々に高まりつつある中、熱が冷めることがないよう、区は実行委員会の事務局である産業振興公社と連携して各種の取り組みを支援していく必要があります。  区民、事業者、その他の各種団体等が一丸となり、オール世田谷となって東京二〇二〇大会を迎え、国内外からの来訪者に世田谷の魅力を発信することができるよう、区は先導役としてしっかり進行管理に努めることを求めます。見解を伺います。  続いて、大会期間中の感染症対策について伺います。  昨年十二月以降、中国の武漢市において新型コロナウイルスに関連した肺炎の発生が相次ぎ、先月には日本でも感染例が確認されました。その後も世界各国で感染者数がふえ続けており、国では、検疫体制の強化等の対策を引き続き実施し、国内における感染の拡大防止に全力で努めているところであります。  そのような中で、間近に迫ってきた東京二〇二〇大会でありますが、大会期間中は国内を初め、世界各国から一千万人を超える来場者が見込まれると同時に、感染症の発生も懸念されております。区では、大会期間中の感染症対策についてどのような対策を立てているのか、お伺いいたします。  次に、教育政策について伺います。  新しい学習指導要領は、この四月から小学校で、また来年四月から中学校で完全実施される予定であり、世田谷を含む教育は大きな転換期を迎えています。  これまで世田谷区では、平成十九年度より教科「日本語」、そして、平成二十五年度からは、近隣の小学校と中学校で学び舎を構成し、世田谷九年教育を行ってきました。義務教育九年間を通して小中学校の連携を図り、質の高い教育を目指してきたと理解しております。この九年教育のしっかりとした総括なしに、今後の世田谷の教育を進めることはできないと考えます。区の見解を伺います。  教育委員会は、世田谷の教育を変えるとして、新たに「せたがや11+」という考え方を示しました。「せたがや11+」によって世田谷の教育の質をどのように変えていこうと考えているのか。改めて、「せたがや11+」の取り組みと今後の世田谷の教育の展望について伺います。
     続いて、教育総合センターについてお聞きします。  今定例会には、教育センター条例の改正が提案されております。当初、教育総合センターについて、教育委員会は、旧若林小学校の校舎を活用するとの説明であったと記憶しています。我が会派としては、新たな施設を建設することは本意ではありません。しかしながら、この上は、今後の教員の資質向上に資する取り組みなど、実効性のある事業を確実に展開することを強く求めます。しかし、ここに来て新教育センター基本構想で示した機能の分類を再編成するなど、教育総合センターの軸がしっかりと据えられていないように思えてなりません。  令和三年十二月の開設に向け、教育総合センターで展開する具体的な事業内容や運営体制の早期提示を求めますが、現在の検討状況を伺います。  次に、今後の幼児教育・保育について伺います。  昨年十月に幼児教育と保育料の無償化が始まりました。世田谷区の就学前人口は、平成二十九年の四万四千三百十四人をピークに横ばいの状況です。区にとって、保育待機児の解消は大きな課題です。保育定員はこの四月には二万人を超え、目標の二万一千四十七人の達成に向け、整備が進んでいます。一方で、保育園の整備が地域によって偏りも見られ、地域、年齢によっては、定員に満たない認可保育園や認証保育所もあると聞いています。  世田谷区では、認可保育園、そして区立幼稚園、私立幼稚園が中心となり、世田谷の保育・幼児教育を支えています。また、保護者の方が運営する幼児施設など、多様な幼児教育、保育の場があることも大きな特徴であり、子どもの個性を大切にし、以降の小学校での教育にしっかりとつなげていると思います。  各施設をフルセットとして捉えて、区全体の今後の幼児教育、保育を考えていく必要があると思います。このたびの無償化の影響を含め、今後の進め方について区としての認識を伺います。  次は、児童相談所について伺います。  平成二十八年に児童福祉法が改正されてから、いよいよ本年四月より区立の児童相談所が開設されます。世田谷区立児童相談所の開設は、特別区のみならず、全国の自治体がその動向を注視しており、また、有識者等からも、児童相談所と子ども家庭支援センターの一元的な運用について高い関心が寄せられていると伺っております。これらが意味するのは、全国の児童相談所が多種多様な課題を抱える中で、世田谷区が計画どおりに児童相談行政を実現すれば、区の運営体制や運営方法が他自治体の道しるべ、ひいては全国のモデルになる可能性もあります。  二〇二〇年が区の児童福祉政策にとって歴史的な年次となるよう、勇気と覚悟を持って区立児童相談所の第一歩を踏み出していただきたいと思いますが、担当部長の意気込みを伺います。  また、区では現在、職員を世田谷児童相談所に派遣し、都の職員による保護者面接や関連機関との調整に同行させており、今後は段階的に相談ケースの主担当として援助活動等を引き継ぐと聞いております。  この間、他自治体では対象者の転出入時の引き継ぎが適切に行われず、児童のとうとい命が失われるという大変痛ましい事件が発生しています。転居によるケースの移管と区立の児童相談所の開設に伴うケースの移管という違いこそありますが、区では、過去の忌まわしい事件と同様のことが起こらないよう万全の引き継ぎが求められます。ケースの移管にはさまざまなリスクがあり、細心の注意が必要であることは言うまでもありません。  事細かな指針や申し合わせもしっかりと行い、東京都と世田谷区、さらには児童相談所と子ども家庭支援センター等のはざまに落ちてしまうケースを発生させることなく、四月からの業務に当たっていただくよう強く求めます。区の見解をお聞かせください。  次は、区職員の人材確保策について伺います。  新聞報道によると、ことし卒業予定の大学生の就職内定率は、昨年十月一日時点で七六・八%の高い水準を示しており、文部科学省は、その要因を穏やかな景気回復が続き、企業の採用意欲が高いためと分析しています。少子・高齢化に伴う労働人口の減少により、今後もしばらくはいわゆる売り手市場が続くものと予想されておりますが、新卒者の雇用市場の活況とは裏腹に公務員を志す学生数は減少しており、二〇一九年度の国家公務員採用試験における一般職の申込者数は、現行の試験区分になってから初めて三万人を割ったとのことです。また、特別区のⅠ類事務採用試験においても、平成二十三年度は一万八千人の申し込みがありましたが、令和元年度は一万三千人余りまで減少し、世田谷区における新規職員の採用状況においても、最近は内定を辞退する方が増加傾向にあると伺っており、予断を許さない状況であります。人は石垣、人は城、事業は人なりなど、かの著名なリーダーたちも組織における人材の大切さを説いています。  時代を超えて質の高い行政運営を維持するには、優秀で有能な職員の確保は欠かせません。民間企業だけでなく、国や他自治体との競合に負けないための人材確保戦略が必要であると考えますが、区の見解を伺います。  次に、産業政策に関し、区内商店街について伺います。  区内にある商店街は、地域の安全安心な日常生活になくてはならない存在であり、経済的機能だけでなく、イベント等の文化的機能、さらには防犯カメラや街路灯、AEDの設置など、地域の皆様のためにさまざまな取り組みをしています。  二〇一〇年に区内には百四十の商店会がありましたが、二〇一九年までのこの十年間で十一の商店会が姿を消しました。これまで商店会の運営を担ってきた世代の高齢化やインターネットを利用しての新たな購買チャンネルの普及など、特に物品販売業にとっては非常に厳しい経営環境になっています。これは商店街だけではなく、大手の百貨店やスーパーでも、これまでの延長線ではない、全く新しい感覚での経営が求められていることと思います。現状を変えることは容易ではありませんが、区としても、商店街のさまざまな役割をよく考えれば、その再生に向けて商店会を応援するという姿勢を明確にするべきではないでしょうか。  商店街にも、この危機を乗り越え、個店として独自の魅力づくり、そして、キャッシュレス取引への対応など、将来を見据えた取り組みが求められています。区としても、具体的な経営や指導などのさらなる支援を行うべきと考えますが、区の見解を伺います。  次は、福祉政策に関し、まずは認知症施策について伺います。  人生百年時代を迎えたとはいえ、年齢を重ねていけば、働き盛りのときには全く気にもとめないことで健康への不安が生じたり、急に体の痛みに襲われるなど、百歳を生き抜くことは並大抵のことではありません。  区ではこの間、認知症になってからも自分らしく暮らせる地域社会を実現するため、認知症初期集中支援チーム事業や、認知症カフェへの支援、そのほか理解促進に向けた普及啓発など、さまざまな事業を展開しています。さらに本年四月には、保健医療福祉総合プラザ内に認知症在宅生活サポートセンターが開設され、認知症ケアに関する情報発信を初め、各種講座の実施など、認知症施策を総合的に進める予定であり、我々も大いに期待しているところであります。  認知症は誰でもなる可能性があります。区が認知症とともに生きる希望条例の骨子に示したように、認知症の当事者が住みなれた地域で安心して自分らしく住み続けられる社会にするためには、関係機関が連携して見守り支援を行うための体制整備が急務であるとともに、地区における医療との連携や身近な相談事業を行うあんしんすこやかセンターの役割は非常に大きくなると考えます。条例制定後、区は、地区の中での認知症施策をどのように進めていくのか、具体的な方策をお聞かせください。  続いて、福祉人材の育成について伺います。  高齢者が社会の一員として尊重され、生き生きと充実した暮らしを送り続けられる社会の構築が求められています。国では、高齢者が健康で意欲と能力がある限り、年齢にかかわりなく働き続けることができるよう、高齢者の就業促進策に力を入れています。  私の周囲を見回してみても六十五歳以降も仕事を続ける方がふえていますが、やはり地域の将来を考えますと、自分の仕事以外にも、町会・自治会の活動や地域の課題解決のためのボランティアなど、もっと積極的に地域活動に参加していただきたいと思います。  そこで提案いたします。地域包括ケアシステムでは、高齢者を支援の受け手として捉えることが多いように感じますが、むしろ地域包括ケアの担い手になり得る元気な高齢者もたくさんいらっしゃることから、このような方々にアプローチして、町会や自治会などの地域活動への参加を促し、地域において共助の取り組みを広げていく施策を推進すべきではないでしょうか、区の見解を伺います。  また、孤立しがちなひとり暮らし高齢者がふえている中、安否確認や見守り、専門機関へのつなぎなど、公的な福祉サービスだけでは対応し切れない生活課題もふえております。地域の課題を地域で解決するためには、人材や制度、サービス、住民の援助などを組み合わせ、新しい仕組みづくりの調整やコーディネートを行う他自治体でも位置づけられている、いわゆるコミュニティーソーシャルワーカーの存在が重要と思います。  区では、来年度、保健医療福祉総合プラザに福祉人材育成・研修センターを移転させ、新たなスタートを切るところです。これからの地域社会のあり方を考慮すると、過去の枠組みに捉われずに、コミュニティーソーシャルワーカーなど、広い視野を持って人材の確保、育成に取り組むべきであります。  区は今後、第八期高齢者保健福祉・介護保険事業計画を策定する中で、人生百年時代を見据えて、どのように福祉人材を確保し、また育成していくのか、お聞きします。  次は、住宅政策についてです。  区では、住宅確保要配慮者の民間賃貸住宅への円滑な入居を促進するため、平成二十九年三月に居住支援協議会を立ち上げて、庁内の福祉関係所管、不動産関係団体、NPO法人等と協働、連携し、住まい確保の支援を行っています。そのほかにも、民間賃貸住宅の空き室情報を不動産関係団体の協力を得て高齢者等に直接提供するお部屋探しサポートや、保証人がいない等の理由で民間賃貸住宅に入居しにくい方の継続居住を促進する保証会社紹介制度など、区ではさまざまな事業を展開しています。しかしながら、アパートの建てかえ等により転居せざるを得ないものの、なかなか移転先が決まらない高齢者がまだまだ多くいらっしゃるのが現状であります。  また、第四次住宅整備方針の策定に向けて、昨年の七月から八月にかけて行われたアンケート結果を見ますと、住宅関連の支援事業は全体的に認知度が低いこと、また、高齢者の住みかえ先の確保など、安心して暮らせるための支援事業は満足度が低く、かつ重要度が高いと感じている区民が多いことが確認できます。一方で、区内の空き家は増加傾向にあり、総務省が実施した昨年の住宅・土地統計調査に基づく分析によると、世田谷区が全国で最も空き家数が多い自治体であると新聞報道では指摘されております。  そこで提案いたしますが、現在、策定作業中の第四次住宅整備方針には、高齢者等がいつまでも安心して暮らし続けられる社会を構築する施策を最重要プロジェクトとして位置づけるべきではないでしょうか。そして、その施策を実現する方策として、住宅確保要配慮者への居住支援事業と、区内の空き家、空き部屋の有効活用促進事業をマッチングさせる取り組みが有効であると考えますが、あわせて見解を伺います。  次は、清掃・リサイクルについて伺います。  皆様御承知のとおり、海洋プラスチック問題が国際的に、また本格的に議論され始めています。軽量で丈夫、そして大量生産が容易などの理由により、我が国でも多くのプラスチック製品が生産されていますが、我々もいま一度、国際社会の一員として、そして、地球上で暮らす生物の一人として、自分たちの生活環境や清掃事業などについて責任感を持って考える必要があると思います。  このような中、区からは先日の委員会において、一般廃棄物処理基本計画の中間見直し(案)の報告がありました。今後は、これまでの3Rの推進から、発生抑制、リデュースと、再使用、リユースの2Rの推進に重点を置くということであります。さらなるごみの減量の実現に向けて、これらの内容をしっかりと区民へ周知することを求めます。  また、中間見直し(案)によると、可燃ごみには二二・二%、不燃ごみには二四・六%の資源化可能物が含まれており、これらの回収率を高めることが重要だと指摘されています。既に区では、家庭ごみの適正な排出を促すさまざまな取り組みを進めていますが、分別されていないごみの排出以外にも、収集日ではない日のごみの排出や不法投棄など、依然としてルールが守られていない地区があるのも事実であり、特にアパートやワンルームマンションなどの小規模単身住宅でその傾向が強いように思います。  小規模単身住宅に対する家庭ごみ排出ルールの指導強化を求めますが、見解をお聞きいたします。  続いて、資源の集団回収に係る課題と、その解決策についてお聞きします。  町会・自治会、集合住宅など、地域の団体が家庭から出る資源を自主的に回収して業者に引き渡す集団回収は、古紙や瓶などの重い資源を車両に積み込む等の苦労はありますが、リサイクルにかかる労力や排出される資源ごみの量などを目の当たりにすることができ、啓発効果が極めて高い事業であると認識しております。しかし、最近では、古紙の最大の輸出先である中国の環境規制等に伴い、日本国内の古紙が在庫余剰になっていることから、古紙を回収しても事業者に引き取ってもらえない状況にあると伺っております。  集団回収は、単なる資源回収活動だけではなく、地域コミュニティーの形成に大きく貢献する活動であり、高齢者がふえ、住民同士の助け合いが必要になっている昨今の地域社会において、その事業の重要性はより一層増しております。  我が会派は今後も、区民、回収事業者、行政が一体となって、環境に配慮した循環型社会の構築、また、誰もが安心して暮らし続けることができる社会の実現を目指し、集団回収事業の支援継続を求めますが、区は集団回収事業についてどのような考えをお持ちであるのかお伺いいたします。  最後に、本庁舎等整備について三点伺います。  先日の委員会において、区から本庁舎等整備実施設計概要(案)が報告されました。各棟、各階の平面計画や内装計画を初め、災害対策機能を中心とした防災計画や緑化等の環境計画、また、ユニバーサルデザイン計画などが具体的に示され、建築に関しては素人である私でも、本庁舎等整備後のイメージが一気に膨らみましたが、膨らませてもらうのはイメージだけで十分であり、本庁舎建設に係る総事業費や工事期間を膨らませる必要は全くありません。  しかし、資材調達の困難さや建設業の働き方改革を考慮した結果、基本設計終了時からは総事業費が十六億円、工期も十一カ月ほど膨らむことを区は既に想定しています。同一敷地内で解体と建設を繰り返す難工事に伴い、高い施工技術が求められること、また、工事施工者選定の入札が不調に陥るリスクを回避するためには、一定程度の事業費増や工期延長はいたし方ないと区は認識されては困ります。これだけの大きなプロジェクトである以上、計画どおり、経費、時間と無駄なく推し進める責務を負わなければなりません。  現時点から執務スペースの移転や施工者選定等の課題を一つ一つクリアするとともに、詳細部分を詰め、ちょうど一年後の令和三年二月には、計画どおりに一期工事と区民会館の改修工事に取りかかることができるよう、しっかりと準備をすることを求めます。区の見解をお聞かせください。  また、世田谷区の歴史上最大の事業と言える本庁舎の整備は、区内の事業者にとっても大きな期待があると思います。本庁舎整備においては、地域経済の活性化の視点や、世田谷区の産業ビジョンにうたわれている建設産業の振興の観点も非常に重要であると考えます。入札内容は五月にも公表されると聞いていますが、区内事業者が本庁舎整備にかかわることができる機会を織り込み、完成後には、本庁舎整備にかかわって本当によかったと言えるような整備にしていただきたいと思います。  また、今後の庁舎のさまざまが設備等のメンテナンスを考えれば、区内の事業者を活用することは大切なことと考えます。区の見解を伺います。  また、新装なった国立競技場では、日本国内各地の木材が活用され、木材が持つ温かみ、そして環境にも配慮された競技場として高く評価されていると考えます。  このたびの改築に当たっても、東京多摩地域の木材や、縁組協定が明年四十周年を迎える川場村の木材資源を内外装材や家具などに有効に活用すべきと考えますが、区の見解を伺います。  以上、壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 下山議員にお答えをいたします。  まず、行政経営改革についてであります。  平成三十年度からの新実施計画は四年間の折り返し地点を迎えておりますが、前半二年間での行政経営改革の取り組みで三十五億円の財政効果を上げ、後半二年間では三十億円を積み上げる予定でございます。計画当初より十一億円積み増しており、公共施設の整備手法の転換など、前例に捉われることなく、新たな発想で行政手法を改革することで、着実に区財政の安定化に努めてまいりました。  また、日々の業務の中で職員の気づきは貴重な改善のきっかけであると考えています。例えば職員提案制度を活用した業務効率化のアイデア募集の結果、RPAの活用や業務委託など多くの提案がありまして、現在、実現に向けた検討を進めているところであります。  昨年から実施いたしました新公会計制度を活用したフルコスト分析による行政評価は、さまざまな課題を議会から御指摘いただきましたが、各部においてみずから所管する事業の成果をはかり、必要な改善に主体的に取り組む仕組みとして一歩を踏み出したものと考えています。  年齢、経験、立場にかかわらず、自由闊達に意見交換をして、異論や少数意見を排除せず、ここぞというときには力を合わせるチーム世田谷として組織力を発揮できるよう牽引をしてまいりたいと思います。  次に、三人の副区長体制について御質問がございました。  世田谷区は、既に指摘されているように、幾つかの県や政令指定都市を上回る人口規模となってきておりまして、各領域における政策判断、調整事項も大変多くの量に膨らんできています。区民生活にとって重要な施策を費用対効果の点で、また、事業手法の改善はできないのかなどの検討を加えるなど、この三人制によって、区民にとって、結果としてのメリットは大きいものと考えています。  特別区初となります区立児童相談所の開設と、児童相談支援体制の充実や災害対策体制の強化、オリンピック・パラリンピックへの対応や、その後の国際交流や障害者スポーツなどレガシー継承、本庁舎整備のいよいよ着工開始など、山積するさまざまな課題に対し、スピードを落とさず着実に対応していくため、力強いトップマネジメントの体制が必要だと考えています。  私は、副区長を三人とすることで、副区長みずからが、より能動的、機動的に活動できる条件をつくり出し、国や都との調整、協議、部や領域を超えた横断的な施策の推進などの主導的役割を発揮し、職員を牽引するリーダーとして、機敏、迅速な区政運営を図ることができると考えています。副区長の定数条例改正について御承認いただきました後には、人選や報酬、分担など、しかるべき時期に御提案、御説明をさせていただきたいと考えております。  三点目に、災害対策、水害の出水期までに具体的な対応をという御質問です。  昨年の台風十九号に関する対応を踏まえ、全庁で風水害対策総点検を指示いたしました。この総点検における基本的な考え方は、大型の台風の接近が予測される場合など、暴風雨の中の避難などの苛酷な状況をあらかじめ避けるために、早目早目の対策をとっていくというものであります。避難所の開設、運営、情報発信の強化など、総点検における各種検討を現在進めておりまして、心配される出水期までに、より具体的な対応を区民に示してまいります。  また、避難所における滞在は、決して生活環境として十分なものではないために、お話にもありました親戚や知人宅に対しての縁故避難、また、御自分で安全な滞在場所を確保していただく自主避難も促してまいります。自宅に浸水のおそれがない方は、在宅避難があることも含め、区民自身が避難行動についてしっかり理解できるように日ごろから正確な周知をし、いざというときに適切に対応できるようにしてまいります。  最後に、東京二〇二〇大会について、区の取り組みについて御指摘をいただきました。  昨年十月に多くの区民や事業者の皆様とともに、世田谷おもてなし・交流・参加実行委員会を立ち上げまして、東京二〇二〇大会などで訪れる皆様をお迎えしようという準備を進めているところであります。さまざまな出演団体によるパレードや、小中学校の児童生徒がつなぐ世田谷の灯などのプロジェクトを予定しておりまして、大会前から実施するイベントには多くの方々に輪を広げていき、区の広報媒体のみならず民間の協力も得ながら、あらゆる広報媒体を組み合わせて発信力を高めていくことは大変重要であると認識しているところでございます。  世田谷区を訪れてよかった、もう一度訪問したいと思っていただけるよう、東京二〇二〇大会という千載一遇のチャンスを生かし、時期を逸することなく、多言語対応や障害者への配慮など、共生社会ホストタウンとしてのしっかりした蓄積を深め、いつでも必要な情報が誰でも得られるよう、先頭に立って世田谷の魅力発信、そして、おもてなし、区民の参加と協働の人権をつくってまいりたい、そういった実行委員会とともにつくってまいりたいと思います。    〔宮崎副区長登壇〕 ◎宮崎 副区長 私からは、三点について御答弁申し上げます。  最初に、繰越明許費と財政規律の関係でございます。  繰越明許費は、会計年度独立の例外といたしまして、予算の定めるところによりまして、財源を翌年度に繰り越して使用することができる地方自治法に定められた制度でございます。  区では、翌年度にわたる事業経費の計上や、事業の進捗によりまして年度内に支出が終わらない見込みのほか、決算収支などの財源の状況を踏まえながら、翌年度に予定している公共工事等のうち、緊急性の高い工事などを中心に、工事の前倒しなどにより、継続した受注機会の確保や財政負担の平準化といった視点も考慮しながら繰越明許による対応を行うこととしております。  なお、今年度につきましては、公共工事の前倒し対応などに加えまして、昨年十月に発生いたしました台風第十九号によります被害を踏まえ、また、災害対策の強化に対しまして、令和二年度当初予算での対応に加えまして、補正予算も含めた切れ目のない対応を行うため、繰越明許費として御提案しているものでございます。  今後とも、事業の必要性や優先度、緊急性などを十分に見きわめるとともに、財政規律の確保に努め、当初予算及び補正予算を適切に組み合わせながら、機動性を持った対応を行ってまいります。  次に、アメリカ合衆国選手団のキャンプにつきまして、交流事業、警備体制についてでございます。  アメリカ選手団のキャンプ実施に向けまして、安全確保や緊急時の対応に万全を尽くすとともに、選手等と区民、特に子どもたちとの交流事業を大会終了後も継続することが重要であると認識しております。これまでさまざまな交流事業を企画し、直近では十一月に陸上競技場オープニングイベントに陸上選手と子どもたちとの交流を実施いたしました。また、ことし五月には、アーティスティックスイミングチームとの交流会、大会期間中にはキャンプ会場見学ツアー、大会後にはアメリカ選手とのレター交流を実施いたします。警備体制につきましては、USOPCがキャンプ期間中、関係者以外の大蔵運動場等会場への立ち入りを規制し、会場内を警備し、会場周辺は警察が二十四時間警備を行う予定でございます。  区におきましても、キャンプ会場に二十四時間常駐し、USOPCや関係機関の連絡窓口を担うほか、緊急時に迅速に対応できるよう備えます。来月、安全対策に関する最終確認をUSOPCと関係機関で会議を行い、万全を期します。  区といたしましては、キャンプが安全に実施され、このキャンプ実施を契機に、大会後もアメリカ選手等と子どもたちが定期的に交流事業をできますよう、USOPCと粘り強く交渉し、実現してまいります。  最後に、認知症施策につきまして、認知症施策の推進についてでございます。  条例骨子でお示ししておりますように、誰もが認知症になる可能性があることを認識していただくとともに、認知症になってからも、その後よりよく暮らしていくための準備として、みずからが希望する生活を書き記す私の希望ファイルの取り組みなどについて普及啓発してまいります。  現在、二十八カ所のあんしんすこやかセンターにおきまして認知症専門相談員を配置し、実施していますもの忘れ相談窓口など、身近な地区の中での相談事業を認知症在宅生活サポートセンターの支援を受けながらさらに充実させてまいります。また、地域の中での見守り活動等につきましては、町会・自治会の啓発を初め、事業者へ見守り活動への協力依頼や、商店街には高齢者見守り支援協力店の御協力を一層働きかけてまいります。  条例制定後の認知症施策の具体的方策につきましては、今後も区議会や条例検討委員会等の御意見を伺いながら早急に策定してまいります。  以上でございます。    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 下山議員に先ほど四点、答弁差し上げましたが、一点答弁漏れがございました。失礼いたしました。  東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会の大会期間中の感染症対策について御質問をいただいております。  区は、東京二〇二〇大会に訪れる各国からの来訪者をおもてなしの取り組みでお迎えをし、先導的共生社会ホストタウンとして、アメリカとのスポーツ・文化交流等を通じた障害者差別のない共生社会実現を目指しているところであります。大会の期間中には、会場には世界各地からの来訪者に加え、競技・大会関係者など数多くの方々が訪れることから、御指摘の感染症の発生する危険性が高まることを認識しております。  担当所管であります世田谷保健所では、期間中に東京都が厚生労働省や組織委員会との連携のもとに、感染症対策のかなめの役割を担う感染症総合調整センターとの情報共有を図りつつ、庁内関係所管とも一体になりながら、健康危機管理に取り組む体制を整備するよう指示しているところであります。  なお、現在は、新型コロナウイルス感染症の蔓延の予防に向け、関係所管が日々、国や都の動向等を注視し、情報共有しつつ、庁内が一体となり対応できる体制として、一月二十七日に世田谷区健康危機管理対策本部を立ち上げているところであります。  この取り組みも含め、従来とまた異なる感染症対策についても、国、都の、そして、組織委員会を初めとした関係者との情報共有を図り、大会期間中の感染症発生の影響を最小限に抑制できるよう、区民の健康を守り、安全な大会運営に寄与するよう全力で取り組んでまいります。    〔岡田副区長登壇〕 ◎岡田 副区長 私からは、二点について御答弁申し上げます。  まず、高齢者等が安心して暮らし続けられる社会を構築する施策を第四次住宅整備方針の重点プロジェクトに位置づけるべきとの御質問にお答えいたします。  区では、現行の第三次住宅整備後期方針において、高齢者等が住みなれた地域で安心して暮らせるための支援として居住支援プロジェクトを掲げており、また、区民の交流や生活支援の拠点として空き家等を有効に活用していく住宅資産活用プロジェクトを掲げ、推進しているところでございます。  居住支援プロジェクトは、居住支援協議会の協力不動産店と連携し、民間賃貸住宅の空き室情報を提供するお部屋探しサポート事業を総合支所にて順次展開してきており、新年度からは、高齢者等の入居に際し、オーナーの不安を軽減させ、入居を促進していくため、安否確認と遺品整理等がセットになった保証サービスの初期登録料補助制度などの実施を予定しているところです。  一方、住宅資産活用プロジェクトについては、地域コミュニティーの再生など公益的な活用を進めるため、空き家等地域貢献活用事業を実施しております。活用に当たっては、耐震改修等必要なケースが多く、オーナーの初期投資負担等の課題はあるものの、高齢者デイサービスなど、マッチングにより十五件の活用が行われてきました。  お話しの高齢者等の居住支援や空き家等の活用につきましては、現在進めている第四次住宅整備方針の改定において大変重要な課題と捉えており、住宅委員会での御議論や御助言をいただきながら、第四次住宅整備方針に反映させ、世田谷らしい住宅政策を進めてまいります。
     次に、本庁舎等整備に関連しまして、計画どおりに進めるためのしっかりとした準備をという御質問にお答えいたします。  本庁舎等整備につきましては、このたび実施設計概要案を取りまとめ、現在、令和三年二月の工事着手に向けて、法令の申請手続や施工者選定のための準備作業を進めております。同時に、来年度以降の都市整備領域の旧玉川高校への移転を初めとした本庁舎等整備に伴うローリングを行政サービスへの影響を最小限に抑え遂行していくため、移転、引っ越し事業者を既に選定し、四月からは綿密な計画策定の検討を開始する予定でございます。  区といたしましては、これまで経験のない大規模かつ難易度の高い事業をしっかり滞りなく進めるため、五月に公告を予定している施工者選定を初め、しっかりと準備を進めてまいります。  以上でございます。    〔渡部教育長登壇〕 ◎渡部 教育長 私からは、二点について御答弁申し上げます。  一点目は、世田谷九年教育の総括と、「せたがや11+」についてでございます。  世田谷九年教育は、小中学校による学び舎グループを構成し、学力の向上や豊かな人間性の育成などを目指してまいりましたが、小中学校の情報連携等の推進に一定の成果があったものと考えております。  また、世田谷区の新たな教育として、この四月から始める「せたがや11+」では、教育の質の転換を掲げております。具体的には、従来の講義型の教育から、子どもたちを主体とし、体験や協働を重視した課題解決型学習、探究的な遊びと学びへ世田谷区の教育を変えていきたいと考えております。  そのためには教員の人材育成が急務であると考えており、秋田県などの教育において先進的な自治体に教員を派遣することなどを通して、その取り組みを積極的に取り入れ、世田谷版探究型学習を構築してまいりたいと考えております。  このような教育の質そのものを転換する取り組みを初め、地域との連携を深めながら推進する世田谷らしいキャリア教育や、一人一人の学力に応じた学びの実現、不登校対策等の子どもに寄り添うサポート体制の整備などに取り組んでまいります。  次に、教育総合センターの事業内容についてでございます。  教育総合センターについては、昨年十一月に運営方針案をお示しし、教職員支援や乳幼児教育の推進、配慮が必要な子どもに関する相談支援、地域や大学、企業との連携などの具体的な取り組みについて現在検討を進めているところでございます。また、教育総合センターの事業範囲は多岐にわたっていることから、広く専門的な識見や意見などを取り入れ、より適切な運営体制を構築する必要があると考えております。例えば、私も参加した会議体を設け、その中に教育委員、外部の学識経験者、学校現場の代表などに入っていただき、多様な視点を集約していくことなどを検討させていただいているところです。引き続き検討を進め、夏前には具体的な事業内容や運営体制の案をお示しし、区議会の御意見も頂戴しながら、教育総合センターがより効果的に機能するよう取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎志賀 世田谷総合支所長 私からは、災害対策について、訓練を通じて本当に役立つトイレ対策や消火方法を区民に呼びかけるべきという点に答弁いたします。  防災訓練、また、避難所運営訓練などは町会・自治会が主体となり、消防署や消防団の御指導をいただきながら、まちづくりセンター等と連携して実施しており、消火器やスタンドパイプによる初期消火、また、マンホールトイレの設営等を行っております。  スタンドパイプ及びマンホールトイレとも東京都が配水管の耐震化を進めており、配管自体の強化の取り組みがなされておりますので、災害時でも使用が可能であり、水量も確保できるものと考えてございます。  今後もさまざまな状況を想定して、避難所用間仕切りの設置や簡易トイレの組み立てなど、実際に即した訓練メニューの提案をさせていただく等、引き続き、まちづくりセンターを中心に、いつ発生するかわからない地震等の災害に備えて、地域住民を主体としたより実効性のある訓練の推進に努めてまいります。  以上です。 ◎工藤 危機管理室長 私からは、災害時の給水体制について御答弁いたします。  災害時の給水活動は、都水道局との役割分担のもと、迅速かつ的確に給水状況など必要な状況を把握し、都が指定した浄水場、給水所や応急給水槽等を給水拠点として区民への給水活動を行うこととなっております。この給水拠点は、区内で二キロ以内に一カ所、区及び近隣に十三カ所設置しております。  指定避難所となります区立小中学校においては、仮設給水栓や消火栓を活用した応急給水活動ができる資機材の貸与を都水道局から受けており、そうした資機材を活用して区民への給水活動を行う予定です。また、区では、災害時に指定避難所の受水槽の水の活用も計画しており、あわせて、本庁舎や改築後の玉川総合支所に設置の地下水利用システムを活用して職員や区民への給水に供することとしております。また、協定団体や国のプッシュ型支援などによる飲料水の確保も視野に入れて対応することになります。  生命維持に必要な飲料水の確保が極めて重要であるとの認識のもと、今後も、飲料水の確保を含め、区民自身が備蓄を行っていただくよう普及啓発の取り組みをしながら、東京都と連携しまして、区民への災害時の応急給水体制の確立を進めてまいります。  以上です。 ◎内田 スポーツ推進部長 私からは、アメリカ選手団のキャンプボランティアにつきまして御答弁申し上げます。  これまでアメリカ選手団のキャンプでは、現地でのボランティア募集は積極的に行っていないとUSOPCから伺っておりましたが、区民にとって、キャンプボランティアはトップアスリートたちのサポートに直接かかわれる貴重な機会となることから、USOPCとボランティアの活用を交渉してまいりました。その結果、英会話ができ、十日以上活動できること等を応募用件として、昨年の九月から約五十名を募集したところ、七百名を超える応募がございました。この五月には採用したボランティアの方への説明会を、キャンプ開始直前にはキャンプ地、現場でのオリエンテーションをUSOPCと連携して行い、円滑なキャンプ運営に向けた準備を進めてまいります。  今般のアメリカキャンプボランティアにつきましては、語学力の高い多くの方々にお申し込みをいただきました。今後、面談などの機会を通じて、ボランティアマッチングサイト、おたがいさまバンクへの登録を誘導するなど、今回の活動が今後もレガシーとして残るように関係所管と連携して取り組んでまいります。  以上です。 ◎知久 保育担当部長 私からは、今後の幼児教育・保育についてお答えいたします。  認可保育園入園への高いニーズがある一方で、質の高い幼児教育の機会の保障や、働き方やライフスタイルが一層多様化する中で、子育て家庭のニーズに沿った教育、保育が選択できる環境を求める声が高まってきております。  次期子ども・子育て支援事業計画の策定に当たり、無償化の影響も踏まえ実施をしましたニーズ調査では、幼稚園での教育を希望する共働き家庭が多くいることが確認されており、幼稚園における預かり保育の拡充を図っていくことを計画に位置づけております。また、認証保育所は長時間の預かりができるなど、多様化する子育て家庭のニーズに対応した施設として、運営費の支援等を区としても実施をしてきているところです。  幼稚園や認可保育所、認証保育所、そのほか幼児教育、保育にかかわる全ての施設が、それぞれがその特色を生かし、伸ばしながら、区内の全ての子どもの安全と健やかな育ちを促していってもらえるよう、区としても全力で支援してまいります。  以上です。 ◎土橋 児童相談所開設準備担当部長 私からは、児童相談所の開設について、二点御答弁申し上げます。  まずは、他区の模範となる運営についての担当部長の意気込みについてでございます。  私は、三十八年間にわたり児童相談所長や児童養護施設の施設長など、現場での実務を担うとともに、政令市や中核市の児童相談所開設支援に携わってまいりました。また、全国の実務者や研究者とともに調査研究に取り組むなどの経験を通じて、私は、地域の子育て支援が主役となり、それを児童相談所が支える基礎自治体の特性に合わせた新たな児童相談行政の構築が必要であると考えてきたところでございます。  しかし、既存の都道府県と市区町村の関係性の中ではその実現は困難であり、基礎自治体が児童相談所を設置し、新たなモデルとして示すことで、児童相談行政を変えていく必要性を痛感し、世田谷区の児童相談所開設の取り組みに参加することを決意した次第です。  子どもの安全と生命を確実に守る万全の体制で開設を迎えるとともに、区議会での御議論も踏まえながら、社会情勢の変化に適切に対応し、最新の知見を取り入れ、真に子どもの最善の利益が守られた児童相談行政が展開されるよう、全国の手本となるべく全力を尽くしてまいります。  次に、東京都からの引き継ぎの徹底についてお答えいたします。  都からの相談ケースの引き継ぎに伴い、関係機関との連携が途切れ、支援のはざまが生じるようなことがあってはならず、そのためには、単に都から子どもの名簿やデータを引き継ぐだけでは不十分であると考えております。児童や家庭、また、支援にかかわっている関係機関との関係も含めて引き継ぐことが重要であり、都の職員による保護者との面談や関係機関への訪問を行う際には、区の職員が同行し、実際に顔を合わせて、これまでの経過や今後の援助方針を確認するなどの丁寧な引き継ぎを進めております。  また、これにとどまらず、区の児童相談所開設以降も、相談ケース一件ごとに、区の児童福祉司や心理士、医師、弁護士によるそれぞれの専門性を生かした多角的な視点からのリスクの分析、援助の的確性について定期的に検討を重ね、援助方針の再確認を行うとともに、子ども家庭支援センターを初めとする関係機関と予見されるリスクや援助方針の共有の徹底を図り、連携してそれぞれの役割を果たすことで、全ての子どもを確実に守るはざまのない支援を実現してまいります。  以上でございます。 ◎田中 総務部長 私からは、区職員の人材確保策について御答弁いたします。  複雑、高度化する区民ニーズや次代の区政課題に的確に対応していくためには、区民のために働きたいという意欲ある人材を獲得するとともに、区職員としての着実な育成と定着を図ることが重要であると考えております。  区では、この間、採用説明会等を通じて区で働くことの魅力ややりがいを積極的にPRし、新卒者に限らず、民間経験者や専門的な知識、経験を有する人材の採用など、より有為な人材の確保に取り組んでまいりました。一方で、優秀な職員が民間や他自治体等に流出しないよう、職員のモチベーションを一層高めることはもとより、民間等との人事交流や研修制度の拡充など、職員のキャリアアップにつながるさまざまな機会を提供することも必要であると考えております。  区といたしましては、区民と協働して地域のために汗を流すことの魅力や醍醐味等をより広く発信しながら採用活動を充実するとともに、職員一人一人が能力を存分に発揮し、生き生きと働くことができる環境づくりを進めて、次代の区政を担う人材を確保、育成してまいります。  以上でございます。 ◎田中 経済産業部長 私からは、商店街の役割と支援など、二点御答弁いたします。  商店街は地域の買い物の場所としてだけではなく、防犯カメラやスタンドパイプの配備、子どもや高齢者の見守り活動など、区民の日常生活を支える公共的役割を果たしていると認識しております。  産業ビジョンでは、商店街の公共的役割の深化や、商店街と地域が一体となった地域活性化などを取り組みの方向性としております。現在、商店街加入促進の条文がある産業振興基本条例の見直しを進めております。商店街活動がより一層活発になり、区民のよりどころとなる場所となるよう支援してまいります。  次に、個店などへの支援です。  商店街の維持発展のためには、商店街の集客がなされ、商店街を構成する各個店が順調な経営を行っていることが必要であると考えております。  区では、中小企業融資あっせん、従業員の福利厚生事業であるセラ・サービスなどを実施し、個店や中小事業者への支援を行うほか、キャッシュレスや軽減税率対応などの課題に対しては、セミナーの開催や中小企業診断士等による経営相談を行っております。また、個店と商店街の魅力向上や、集客につながるまちバル・まちゼミや、魅力的な個店を掘り起こす個店グランプリの開催など、個店と商店街の価値向上を支援してまいりました。  区としては、今後とも、個店と商店街の意見、要望や、経済産業白書で捉えた現状などを踏まえ、時代の課題に対応した支援を検討、実施し、個店と商店街の維持発展に努めてまいります。  私から以上です。 ◎板谷 保健福祉部長 私からは、福祉人材の育成について、二点お答えをいたします。  初めに、お元気な高齢者を含めた参加促進策についてです。  区では、平成二十六年三月に策定しました地域保健医療福祉総合計画に基づき、区の地域包括ケアシステムは、高齢者や障害者などをサービスを受ける側だけではなく担い手として捉えるとともに、元気な高齢者を含む幅広い世代の方々との協働による福祉の地域づくりを進めております。また、最近の研究では、社会関係が豊かな人ほど健康長寿であるとの発表もあり、国が昨年九月に設置した全世代型社会保障検討会議におきましても、人生百年時代の到来を見据え、高齢者の就業やお元気な高齢者の社会への参加が強調されております。  現在、区は、地域包括ケアの地区展開におきまして参加と協働による地域づくりを推進しており、地区課題の具体的な解決に向け、元気な高齢者の方や多世代の方々が中心となって取り組みを進めている地区もございます。こうした取り組みを報告会や「区のおしらせ」等を通じて発信しておりますが、今後は全区的な周知だけでなく、各地区においても積極的にPRを行うなど、高齢者を初め、意欲のある区民の方々が地域活動に参加しやすい仕組みづくりに努めてまいります。  次に、人生百年時代を見据えた人材の確保、育成です。  これからの福祉には、専門人材だけでなく、地域で福祉の活動を担う人材が重要となってきます。新たな福祉人材育成・研修センターの基本方針におきましても、センターに求める重要な機能の一つとして、地域福祉を支える人材の育成支援を位置づけております。この間、地域の担い手の裾野を広げるべく、普及啓発や場の確保などに努めてまいりましたが、地域包括ケアの地区展開において、みずから主体的に参加をし、さまざまな活動を通じて身近な地域の情報や多くの経験を蓄積した方もいらっしゃいます。こうした方々を地域における活動の継続や拡充といった地域福祉の活性化を担うリーダーとして養成を図ることも有効と考えます。  今後、策定する第八期高齢者保健福祉・介護保険事業計画、(仮称)世田谷区障害施策推進計画の検討における議論を踏まえ、地域福祉を支える人材の育成支援に取り組んでまいります。  以上です。 ◎原田 清掃・リサイクル部長 私からは、清掃・リサイクルについて二点お答えいたします。  まず、家庭ごみ排出ルールの指導強化についてでございます。  区では、資源とごみの分け方や出し方の区民への周知として、地区ごとの収集日を掲載した資源・ごみの収集カレンダーを毎年全戸配布しているほか、清掃事務所のふれあい指導担当職員による訪問指導やチラシの投函など日常的な指導に努めているところでございます。しかしながら、区民意識調査では、十代から二十代の世代につきましては、配布した資源・ごみの収集カレンダーが余り活用されていないことなどから、議員御指摘のとおり、若い世代が多く居住していると推察される小規模単身住宅でルールが守られていない状況が一定数発生しているものと認識しております。  そこで、特に若い世代からの要望が多いスマートフォンで利用できる資源・ごみの収集カレンダーの提供や、AIチャットボットによるごみの分別案内など新たな啓発手法の拡大を予定しております。  家庭ごみ排出ルールの指導強化には、排出ルールを確実に周知することと繰り返しの指導が重要なため、今後も啓発と指導強化に努めてまいります。  次に、集団回収事業の支援継続についてでございます。  資源の集団回収は、住民団体と回収事業者が直接契約して資源を回収する活動です。現在のように、町会・自治会等が主体的に実施する形は、区による分別回収が始まる以前から実施されており、住民の自主的な活動として地域に根差しております。  区といたしましても、集団回収は地域コミュニティー醸成にも大きく寄与する事業と認識しており、本年三月に中間見直しを行う一般廃棄物処理基本計画においても引き続き活動を支援することとしております。一方で、近年、中国の廃棄物輸入規制により、新聞、雑誌などの古紙市況が大きく悪化し、資源回収事業者の収益を圧迫している状況がございます。集団回収は、地域住民と回収事業者が両輪となって推進する事業ですので、回収事業者の事業継続が困難になると集団回収事業も立ち行かなくなります。  そこで、緊急措置として、回収事業者に対する支援を実施し、資源回収の安定化を図ることで集団回収事業を維持し、地域コミュニティーの活性化とともに、循環型社会の実現を目指してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◎進藤 財務部長 私からは、本庁舎整備に係ります施工者選定について御答弁申し上げます。  本庁舎等整備は、難易度も高く、区も経験のない規模の事業と認識しております。さきの施工者選定手法等検討委員会の提言を踏まえ、工期、工区、工種を一括発注とする技術提案型の総合評価方式による競争入札で選定することとしました。具体的な選定方法については、新たに学識経験者等による総合評価等検討委員会を設置して、現在議論が進められております。  検討委員会では、区の求める施工品質の確保と、公平・公正性、競争性の担保、庁舎整備事業の確実な遂行、区内経済振興の効果を十分に引き出すことの三つを基本方針とすることを確認し、区の求める施工品質を確保した上で、公正な競争環境のもと、区内事業者の活用等の地域経済の振興効果も意識した施工者選定の方法について議論されております。完成後のメンテナンスなどは、改めて適切に事業者を選定してまいりますが、区としては、今後、検討委員会の報告を受け、この三つの基本方針のもと施工者選定の準備を進めてまいります。  検討委員会の報告や入札参加者、評価項目など、総合評価方式の内容は、公告前には議会に御報告してまいる考えです。  以上でございます。 ◎松村 庁舎整備担当部長 私からは、本庁舎等整備における木材の活用についてお答えをいたします。  本庁舎等整備におきましては、平成二十八年十二月に策定をしました世田谷区本庁舎等整備基本構想の基本的方針の一つに掲げた環境と調和し環境負荷の少ない持続可能な庁舎の中で木材の活用を検討することとしております。また、来年度より施行予定の世田谷区公共建築物等における木材利用推進方針におきまして、公共建築物等における国産木材の積極的な利用を掲げ、木材の調達産地の選定においては、自治体間連携交流、地産地消等の観点も考慮し、コストとともに総合的に判断する考えが示されております。  本庁舎等整備の実施設計におきましては、区民会館ホール、議場などにおいて木材を利用するとともに、直接手に触れる階段の手すりやレストラン、総合案内などの区民が利用するスペースの什器などに木材の利用を計画してございます。  今後、木材利用推進方針に基づき、お話しのありました多摩地域の木材や川場村の木材も含めまして、森林環境譲与税の活用を視野にしつつ、コストの観点も配慮し、調達産地の選定と使用箇所などにつきまして総合的に判断をしてまいります。  以上でございます。 ◆四十八番(下山芳男 議員) さまざま答弁いただいたんですけれども、まず一つ再質問させていただくんですけれども、前々期ですか、私が当時、例えば児童館の件とか、既に世田谷区内の児童館は十分であったというのが、今期二十八カ所にそれぞれ設置するような計画であるとか、またこの間、「うめとぴあ」であるとか、児童相談所とか大変いろいろな、大きな世田谷区にとっても確かに重要な取り組みだとは思うんですが、当時の公共施設はこれ以上つくらない、ふやさないというようなことを、合築であるとかいろいろな複合化をして、そういったことが今の区政の中で余り、当時のことは一つそこに置いておいてみたいな雰囲気が非常にあって、やはりもう少し将来の世田谷の財政を考えれば、区として、しっかりと財政的な裏づけといいますか、そういったものをとっていかないと、今後いろいろな事業はふやすだけふやしてしまって、それ以降、景気とか世界的ないろいろな課題があると思うんですが、そういったところで、区の運営が立ち行かなくなってしまうようなことがないように非常に心配をするんですけれども、その点、ひとつお答えいただきたいと思います。    〔宮崎副区長登壇〕 ◎宮崎 副区長 行政経営改革の関係で、再質問に御答弁申し上げます。  今御指摘いただきましたように、当時、行政施設そのものについてをこれ以上ふやしていくのは厳しいということを申し上げておりまして、その際に対応策として複合化ということを中心に対応していきたいと、こういうことを申し上げております。  この考え方につきましては、総合管理計画をつくった以降についても生きているわけでございますが、なかなか今の行政ニーズに対応していく中で、喫緊の課題として対応しているものは事実、行政施設がふえているという状況でございますので、ここは改めて、全庁的にその考え方については浸透させていかなきゃいけないということを考えているところでございます。  その中でも、今将来にわたりまして、財政状況について危惧されるということについても重く受けとめているわけでございますが、昨今の部分におきまして、ふるさと納税の影響はしかり、その上に地政学リスクが大きく、今般のようなケースの部分ついても大きく今後左右してくる可能性が出てくる。さらには、年度後半の景気動向も危ぶまれてきておりまして、そういう意味では、引き続きになりますが、不断の行政経営改革というものを本当に先延ばしすることなくやっていかなきゃならないと、このように思っております。  そういう観点から、今年度に取り組んでおります行政評価を改めて徹底的に活用する観点から、施策の棚卸し的点検が必要であると考えております。行政評価で目指す客観的指標による施策の評価と全庁の施策を横断的に点検する手法をうまく組み合わせ、令和三年度からの二カ年で集中的に行政評価を実施いたしまして、行政経営改革につなげる取り組みを着実に進めて、同時に組織全体で意識改革を進めてまいりたいと、このように考えております。  以上でございます。 ◆四十八番(下山芳男 議員) 本当に世田谷区政というのは、二十三区で最大の財政規模とかがありまして、やはり今、何とか運営というか、うまくやっているという感じはするんですけれども、例えば学校の改築なんかも、例えば中学校なんかはなかなか進んでいないという話もいただくんです。また、いろいろな区の施設の改築等も、先延ばし、先延ばしというような、そういう計画になりつつあるような気がするんです。また、道路とかの社会基盤のそういった整備もおくれていると思いますので、そういったことにもしっかりと対応していただきたいと思います。  また、きょう先ほど11+のことについても答弁いただいたんですが、やはり前々教育長だと思いますけれども、教科「日本語」であるとか、また、学び舎の取り組みというのは世田谷の教育の非常に重要な部分だと思いますので、やはり現場にいらっしゃった今度の教育長、渡部さんなので、しっかりとその辺をもう少し、検証するにしても、教員の皆様のいろいろ御意見とかを聞いて、しっかり評価をしていただいて、次のものにつなげていっていただきたいと思います。  要望として、終わります。以上、終わります。 ○和田ひでとし 議長 以上で下山芳男議員の質問は終わりました。  これで本日の代表質問は終了いたします。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 以上をもちまして本日の日程は終了いたしました。  なお、明二十日は午前十時から本会議を開催いたしますので、御参集願います。  本日はこれにて散会いたします。
        午後五時四十一分散会...